第183回国会 農林水産委員会 第5号
平成二十五年四月二十五日(木曜日)
   午後一時開会
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   委員の異動
 四月十八日
    辞任         補欠選任
     石橋 通宏君     小川 勝也君
     小林 正夫君     金子 恵美君
     白  眞勲君     松浦 大悟君
     竹谷とし子君     白浜 一良君
 四月二十五日
    辞任         補欠選任
     小川 勝也君     石橋 通宏君
     金子 恵美君     那谷屋正義君
     松浦 大悟君     藤本 祐司君
     岡田 直樹君     石井 浩郎君
     舟山 康江君     亀井亜紀子君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         中谷 智司君
    理 事
                郡司  彰君
                徳永 エリ君
                野村 哲郎君
                長谷川 岳君
    委 員
                石橋 通宏君
                一川 保夫君
                岩本  司君
                那谷屋正義君
                藤本 祐司君
                松浦 大悟君
                石井 浩郎君
                岡田 直樹君
                加治屋義人君
                福岡 資麿君
                白浜 一良君
                横山 信一君
                山田 太郎君
                平山 幸司君
                紙  智子君
                亀井亜紀子君
   国務大臣
       農林水産大臣   林  芳正君
   副大臣
       内閣府副大臣   西村 康稔君
       外務副大臣    松山 政司君
       財務副大臣    山口 俊一君
       農林水産副大臣  加治屋義人君
   大臣政務官
       総務大臣政務官  北村 茂男君
       外務大臣政務官  若林 健太君
       農林水産大臣政
       務官       稲津  久君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        稲熊 利和君
   政府参考人
       公正取引委員会
       事務総局経済取
       引局取引部長   原  敏弘君
       外務大臣官房参
       事官       山野内勘二君
       外務省国際協力
       局長       梅田 邦夫君
       農林水産省生産
       局長       佐藤 一雄君
       水産庁長官    本川 一善君
       経済産業大臣官
       房審議官     中西 宏典君
       環境省自然環境
       局長       伊藤 哲夫君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○外国政府に対して有する米穀の売渡しに係る債
 権の免除に関する特別措置法案(内閣提出、衆
 議院送付)
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○委員長(中谷智司君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日までに、竹谷とし子さん、白眞勲君、石橋通宏君、小林正夫君及び舟山康江さんが委員を辞任され、その補欠として白浜一良君、松浦大悟君、小川勝也君、金子恵美さん及び亀井亜紀子さんが選任されました。
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○委員長(中谷智司君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 外国政府に対して有する米穀の売渡しに係る債権の免除に関する特別措置法案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、公正取引委員会事務総局経済取引局取引部長原敏弘君外六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中谷智司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(中谷智司君) 外国政府に対して有する米穀の売渡しに係る債権の免除に関する特別措置法案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○一川保夫君 民主党・新緑風会の一川保夫でございます。
 それでは、今ほどのこの法律に対する質疑を中心に質問をさせていただきたいと、そのように思います。
 この法律、ちょっと長ったらしくてややこしい法律ですけれども、ただ、この法律を制定するに至った一つの経過の中で、平成十一年に行われたケルン・サミットで重債務貧困国に対する債務免除を行おうということが合意されたということが一つの大きなきっかけだろうというふうに思いますけれども、ただ、それから十四年経過してきておるわけですけれども、我々は政権当時の責任もあるのかもしれませんが、なぜ今日までこういう法律の制定が遅れてきたのかというその経過というか、その間何を検討されてきたのかというところを説明を願いたいなと思いますけれども。
○国務大臣(林芳正君) お答え申し上げます。
 この米債権の免除に当たっては、法律や条約で名実共に免除という措置をするのか、若しくは債務救済無償方式といいまして、相手国から一回返してもらって、その後に同額の無償資金を供与すると、こういう方式で実質免除するか、こういう方式をどうするのかということと、それからその場合の財源をどのように手当てをするのかということで関係省庁間で調整が行われてきたということでございます。
 今、一川先生おっしゃったように、平成十一年のケルン・サミットで決まった後、当時は債務救済無償方式、一回返してもらって返す、こちらは無償で出すということで対応する方針が決まっておったということですが、この方式をやりますと、今申し上げたように、まず債務国の方に一回外貨を調達してもらってこっちに払ってもらわなきゃいかぬと、こういうことが負担になるのではないかということがございました。その後、平成十四年にこの方式自体の廃止というのが決まったということでございました。
 二番目の論点として、財源をどういうふうに手当てするかということを先ほど申し上げましたが、これについても関係省庁間の調整が整わなかったと、こういうことでございます。
 この方式が廃止されて以降、平成十四年以降、特別会計法若しくは食糧法の改正等の機会をとらまえてこの米債権免除のための規定を設けようと検討を繰り返したところでございますが、立法技術的に非常に難しいということで法案の提出に至らなかったと、こういうことでございます。
 こうした中、昨年でございますが、平成二十四年の二月、債務国の一つであるモザンビークの首相から、これは当時は野田総理だと思いますが、両国首脳会談、モザンビークと日本の間の首脳会談の場で米債権を正式に免除するようにという要請があったところでございます。
 今年の六月一日から三日には我が国においてアフリカ開発会議、TICADも開催されるということで、米債権の債務国、モザンビークを含めた債務国からも首脳レベルの参加が見込まれているということでございますので、何とか本件の解決を図るべく調整を鋭意加速させてきたということで、今回の米債権免除法案という形で国会に提出することになったということでございます。
 委員おっしゃるように、結局、結果としてはケルン・サミットの合意から十年以上経過してしまったということについては、我々しっかりと受け止める必要があると、こういうふうに思っております。そのためにも一刻も早く国際約束を履行して債権免除が行うことができるよう措置するということが、今、現時点における我々に課せられた使命であると、こういうふうに考えておるところでございます。
○一川保夫君 そういう経過の中で、今日まである程度時間を要してきたということでございました。
 この対象国五か国から、法律上は、一応免除の要請があった場合には免除しましょうという、一応第二条はそういう書き方をされておりますけれども、まあ今の経過の説明から想像するには当然免除の要請はあると思いますけれども、もしなかった場合はどうなるんですか。
○政府参考人(梅田邦夫君) お答えいたします。
 万が一この要請がなかった場合には、法律の規定によれば免除手続を進めるということはできないと思います。
 他方、この法案の中身を含めまして国会で審議をいただいているということにつきましては、関係国の政府には逐次報告をしております。したがって、この法案が可決されれば、直ちに我々はその旨関係の政府に通知をいたします。それで手続が開始するということになろうかと思います。
 以上でございます。
○一川保夫君 それから、昭和四十五年ごろから、今までの法律に基づいて政府米を十四か国ぐらいに約四百七十万トン輸出してきたということが言われておりますけれども、その中に、今話題の北朝鮮という国が含まれておるわけです。この北朝鮮に対しては、平成七年に三十五万トン輸出されたというふうに言われておりますけれども、この北朝鮮、これに対する今の返済状況といいますか、それはどういうふうになっているんでしょうか。
○大臣政務官(稲津久君) 一川先生の御質問に私からお答えをさせていただきます。
 北朝鮮からは、今先生の御質問のとおり、政府米三十五万トン、これを延べ払いで輸出をいたしまして、平成七年、この翌年に利息の一部、八千四百万ですけれども、これが支払われたのみでございまして、その後の支払は行われておらず、平成二十五年度の末時点で債権額は七十七億円になっているところでございます。
 北朝鮮に対しては、これまでも履行期日が到来するたびに納入の告知書、これを送付するとともに、平成九年以降は毎月、合計百九十回にわたって督促状、これを送付してきたところでございます。
 今後、農林水産省としては、残っておりますこの北朝鮮に対する債権の回収に当たっては、引き続き債務返済の督促を粘り強く行うとともに、外務省と定期的に情報交換を行うなどして、関係各省と一層連携をして適切に対応していきたいと考えておるところでございます。
○一川保夫君 この北朝鮮の話題は、まあいろんな面でいろんな話題になりそうな今国になりつつあるわけですけれども、私は、この食糧問題というのは、北朝鮮の国民にとって今どういう状況にあるかというのは正確には全然分かりませんけれども、いろんな報道等によりますと、相当食糧事情に困っているのではないかという報道があります。今、我が国の政府としては、そういった北朝鮮の食糧の需給状況といったようなものをどういうふうに把握されているのかということが一つ。
 それからもう一点は、先日のちょっと報道で、北朝鮮とモンゴルという国は隣同士ですけれども、農業協力をお互いにし合っているんじゃ、お互いにし合っていると言うとおかしいけれども、北朝鮮の食糧をモンゴルで作付けさせているんじゃないかというような報道がありました。こういう関係というのは事実なのかどうか、そういったところをもし分かったら、お答え願いたいと思います。
○政府参考人(山野内勘二君) お答え申し上げます。
 北朝鮮という国は、御承知のとおり極めて閉鎖的な体制の国でございますので、その内部の事情を正確に把握するということは相当な困難が伴うところでございます。その上で申し上げれば、その食糧事情についても必ずしも明らかではないのでございますけれども、昨年十一月に国連食糧農業機関FAO、それと国連世界食糧計画WFPが合同の調査を行っております。その結果によると、二〇一二年の十一月から二〇一三年の十月までのこの期間、この一年間の北朝鮮の推定食糧生産量、これは四百九十二万トン、それから推定食糧必要量、これは五百四十三万トンというふうに見込んでおります。北朝鮮が大体商業的に輸入しているのが三十万トンほど食糧があるというふうにこのFAOとWFPは見ておりまして、そこからすると、昨年十一月から今年の十月までの期間で見込まれる食糧不足は約二十一万トンというふうに見積もられているというふうに承知しております。
 それと、先生御指摘のモンゴルと北朝鮮の関係でございます。第三国同士の関係ということでございますので、なかなかつまびらかにできないところもあるんですけれども、北朝鮮がモンゴルに対して食糧支援を要請したといった報道が幾つか出ております。これは、四月十六日に北朝鮮の駐モンゴル大使がモンゴルのエルベグドルジ大統領に信任状を奉呈したと。その際に、北朝鮮側がモンゴル側に食糧支援を検討するように依頼したというのがモンゴル政府の発表の中にございまして、それに基づく幾つかの報道があるというふうに承知しているところでございます。
○一川保夫君 このモンゴルという国、この前、安倍総理も訪問されましたけれども、私もかつてちょっと行ったことがありますが、このモンゴルと北朝鮮というのは、農業部門だとかスポーツの分野だったですかね、何かそういう分野で割と交流があるんだという話は、当時もその国で聞いたことがありますけれども、その北朝鮮と我が国との関係、今後どういうふうに打開するかということは非常に重要な課題でございますけれども、こういう農業関係を通じて、例えば、これは私の全く個人的な意見ですけれども、モンゴルのような国を通じてうまく何か情報をつかむというやり方があるのかどうか、そういったことも含めて一つの、一種のヒントがあるのではないかという感じすらするわけですけれども、しっかりとまた取り組んでいただきたいというふうに思っております。
 それから、これまでのこういった米延べ払い法と称する法律に基づいて、先ほど言いましたように十四か国に輸出してきましたけれども、この法律に基づいてこういった輸出してきたことが相手国に対してどういった役割を担ってきたかという一つの総括ですよね。それから、我が国も当然昭和四十五年以降は米が過剰ぎみであったわけですけれども、そういったことの対策として相当輸出することに力を入れてきたという気配もありますけれども、そういうことをトータル的にどういうふうに評価されていますか、その辺りをお聞かせ願いたいと思いますけれども。
○大臣政務官(稲津久君) お答えさせていただきます。
 米延べ払い法の果たしてきた役割についての御質問でございますが、この法に基づいて行われた政府米の輸出は、当時、政府米の在庫が適正な水準を大幅に上回る、そういった数量になっておりまして、こうした状況を踏まえて輸出を円滑に進める目的を有するものであったと、このように承知をしております。
 このため、通常の商業ベースの売り買い条件よりも優遇された条件、すなわち長期三十年ですとか低利、二%から三%、この条件で政府米を輸出できるよう延べ払い法において措置をされておりまして、このことから、先生御質問の、輸出の相手国が有利な条件で食糧の調達が可能となるなど、実質的に経済援助の役割を果たしてきた側面や、それから国内における政府保有米在庫の軽減に資する効果等を有してきたものであると、このように承知をしております。
○一川保夫君 この米の話題というのは、これから我が国国内においてもいろいろとこの米の問題については検討しなければならないいろいろな時代に突入してきているかもしれませんけれども、この法律に関しては我々もしっかりと早く処理した方がいいなという感じすらするわけでございますので、この問題はこの程度にいたしまして、ちょっと今日的な課題について農水大臣を中心に幾つかお尋ねしたいと思います。
 一つは、このTPPの話題というのは、農業関係者のみならず、大変関心の強いテーマでございますけれども、農水大臣としましては、このTPPのこういった事前交渉段階での、今大体十一か国の合意が得られたというような段階ですよね、アメリカには今議会側とのいろんなやり取りがあるのかもしれませんけれども。今まで報道されている限り、また、安倍総理が我々に対して国会で答弁している限りは、この農林水産業の分野において、現時点で私は今回のTPP交渉参加の意思表明という態度はちょっと乱暴だなという感じがしますけれども、大臣としては農業サイドとして何かメリットがあるというふうに考えておられますか、そこをちょっとお聞かせ願いたいと思いますが。
○国務大臣(林芳正君) 今、一川先生から、TPP、段階が進んできたというお話がございました。
 全体のTPPについてのメリットということは、総理や甘利担当大臣からもいろんな、予算委員会を中心としてお話があるところでありますが、農業、農林水産業についてということで申し上げますと、今の実情、現状からいたしまして、やはりメリットというよりは関税撤廃による国内生産への悪影響ということが懸念をされていると。そういうことにならないようにしっかりと交渉していくということでございますが、こういう懸念が農林水産業の関係者や地方公共団体などから表明をされているところでございます。
 したがって、交渉、今御指摘いただいたように、アメリカの九十日ルールというのもございます。実際にはそれを経て交渉に入っていくと、こういうことでありましょうけれども、交渉に当たっては、農林水産分野の重要品目、これについての聖域を確保し、国益を守り抜くように全力を尽くしてまいらなければならないと、そういうふうに考えております。
○一川保夫君 私もこういった週末を中心に地元回りしていますと、少なくとも直接農業にかかわっている人はもちろん、今大臣もちょっと言われましたような、大変心配というか、怒りに近いような、そういう声が非常に聞こえてまいります。
 特に、農業団体である農協という組織にとっては一つの死活問題につながってくるのではないかという危機意識はあるんだろうと思いますけれども、全中の会長さんなんかも、交渉参加は公約違反だというような言い方もされているし、それからまた、政治家はうそをついてはいけないというような言い方までされてきておるわけです。私も、地元でのいろんな動きを見ておりましても、昨年の衆議院選挙からの経過からすれば、そういうふうに言われてもやむを得ない政治家はたくさんいるというふうに私は思います。
 そういう中にあって、これからのテーブルに着いての交渉いかんだということに当然なるわけでございますけれども、先日、この委員会においても決議をさせていただいております。その決議の中にも、本当に国益に沿わないということが明確になってくれば、その交渉からの脱退も辞さないというようなことの覚悟を持ってやってほしいという趣旨のことが決議の中にも書いてあったと思いますけれども、そういう面では、最近いろんなことで聞こえてくる情報、昨日もニュージーランドの貿易相ですか、日本に来られての発言ということが報道されておりますけれども、もうこれは、TPPという交渉は全く前提条件なしに交渉するんだというような趣旨のことも話しておられますし、我々が気にしているそういう農林水産の重要品目というものを特別扱いするなんということは日本以外の国はほとんど考えていないんじゃないかという感じを受けるわけですけれども、こういうようなことを考えますと、相当の覚悟をしてこの交渉を監視していかないと、私は我が国の農業なり農村地域というのは壊滅的な状態になるのではないかということを気にするわけですけれども、農水大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 今、一川先生がおっしゃっていただきましたように、大変ないろんな御意見、懸念があるということを私も聞いておるところでございます。
 したがって、今お触れになっていただきましたように、この参議院の農水委員会でも、また衆議院の農林水産委員会でも同様の決議をいただいておりまして、農林水産分野の重要五品目などの聖域、これが確保できない場合は脱退も辞さないものとするということを御決議をいただいているところでございます。
 したがって、仮に聖域が確保できない場合、まあこれ、交渉に入っていって最終局面ということだと思いますけれども、この委員会決議を踏まえながら判断をするということになるわけでございます。
 現時点では、もうこれは当然のことですが、交渉事でございますので、どういった場合にどうすべきかということは交渉戦略上はまだ申し上げる時期ではないと、こういうふうに思っております。
○一川保夫君 私は、こういった今交渉に入ったこと自体は非常に遺憾に思っておる国民は多いと。国民というか、特に農村地域の中では圧倒的に多いわけですけれども、そういう方々からすると、これからの交渉を冷静に見ているということになろうと思うし、今まで政治家を信頼して期待してきたけれども、期待に沿ってもらえなかったという一つのこれまでの動きがあったと思うんです。ですから、これからの交渉いかんによっては大変な騒動につながってくるんではないかなということすら感ずるわけです。
 農林水産大臣が中心となって、このTPPのことを念頭に置いての攻めの農業というような政策をしきりに最近強調しておりますけれども、この攻めの農業というものは、本当に今疲弊し切ってしまっている山村地域の農家なり農村地域にとって、余りこういうことを期待してももう駄目じゃないかというような感じすら受け取る人が多いと思いますけれども、大臣のこの攻めの農業というのは何をやろうとしていますか、これ。
○国務大臣(林芳正君) この攻めの農林水産業、私が昨年末に就任をしたときに総理からも指示をいただいて、その指示もありまして、一月の半ば過ぎだったと思いますが、省内にこの本部も立ち上げて今やっておるところでございまして、やはり生産現場の声を積極的に聞いて地域の潜在力を引き出していくというこの現場重視の視点に立ちまして、農林水産物の高付加価値化等を積極的に行う取組を展開していくと、こういうものが基本的な考え方だというふうに思っております。
 まず、供給サイド、作る方、生産現場の強化ということで、農地集積を更に加速化するですとか、それから担い手に農地利用の大宗が集積されると、こういうことをやっていく必要があると思っておりますし、このために、農地の中間的受皿の整備や活用、それから耕作放棄地、今滋賀県ぐらいになっていると、こういうことですが、これの強化を加速化する、こういうことをやって、多様な担い手によって農地のフル活用を目指してまいりたいと、こういうふうに思っております。
 これに加えて、需要サイドということで、輸出も含めた更なる需要の拡大ということにも取り組んでいかなければならないと、こういうふうに思っております。
 大事なことは、今委員からもお話がありましたが、こういう強くしていく取組と同時に、農林水産業が有する多面的機能、これも大事でございますので、この多面的機能の発揮を図る取組を車の両輪として考えて、現場の声を中心にしっかりとこの政策を組み立てていきたいと、こういうふうに思っております。
○一川保夫君 これまで、過去我が国の農政も、言葉の言い方は多少は違ったと思いますけれども、今大臣が目指しているような農業政策とか、大規模化、効率化を図ったような農業政策的なことの言い方は何回もあったわけでございますし、今の農地の集積にかかわるようなそういう施策も相当いろんなことで動かしてきたと思います。
 そういうことからしますと、現状においては、今、本当に農山村の過疎化、高齢化が著しいわけです。こういう中にあって、今日のTPPのような話題がマスコミを通じて飛び交っているわけですね。相当もう意欲すらなくなってしまったような地域も多いわけですけれども、私はやはりそういう、今、車の両輪のもう一方の方の、効率が悪い、効果は少ない、けれども我が国にとっては必要な分野というのはありますから、そういったところはしっかりと、政治、政策の手でそういったところに焦点を当てていくということを決して忘れてはいけないというふうに私は思いますので、そういった点、強くまた考えていただきたいというふうに思います。
 特に国際交渉ということであれば、国民の合意形成がバックでないと、相手国の世論が乱れているということになればもうてきめんにやられてしまうのが国際交渉の常ですから、そういった面ではそういうことでしっかりと取り組んでいただきたいというふうに思っております。
 それから次に、私がちょっと気になるのは森林地帯の問題なんですけれども、総務省北村政務官にも来ていただいておりますけれども、我々政権交代した直後ぐらいに、外国人とか外国資本による土地取得というのが、非常に気になるような話題が幾つかありました。そのことで、当時、林野庁の森林法の改正で、できるだけ行政内部のそういう土地取得の情報をお互いに共有しましょうということでお互いに協力し合ってきた経過があるわけです。そのきっかけが一つの森林法の改正であったわけですけれども、今、現状、外国資本等がどれくらいの土地を取得しているかというのを、現状をちょっと教えていただけますか。
○国務大臣(林芳正君) 我が省におきまして、平成二十二年以降、毎年、外国資本による森林買収の状況の調査を行っておりまして、平成二十四年中に居住地が海外にある外国法人又は外国人と思われる者により森林が取得された件数と面積は八件、十六ヘクタールでございまして、前年が十四件、百五十七ヘクタールでございますので、ちょっと減少をしているというところでございます。
 今委員にもお触れいただきましたが、二十三年の森林法改正で、新たに森林の土地所有者となった者が面積にかかわらず市町村長へ届出を行う制度、不動産登記簿や固定資産課税台帳など森林所有者に関する情報を行政内部で共有、利用できる制度、こういうのを活用してこういう調査も実施しているところでございますので、この森林法の改正によって外国人等による森林取得の状況をより広く把握できるようになったというふうに考えております。
○一川保夫君 特に森林地帯が外国資本等によって買収される面積が割と多かったということで注目されておるわけですけれども、ただ、こういった各府省のいろんな所管している法律に基づくこういった情報で、一つの課題としてまだ残されているというふうに聞いていますのは、固定資産課税台帳の納税者情報の中にあるいろんな土地取得のそういう情報というのがあるわけですけれども、こういったものについては、地方税法の守秘義務からすると、やはり行政内部といえどもそれを共有するには限界があるというふうに聞いておりますけれども、ただ、しかし外国資本等の土地取得という情報は地域社会にとっても大変心配事でもありますんで、できるだけやはり、総務省は地方自治体を指導監督する官庁でありますけれども、こういった情報についてはお互いに共有するように是非指導をお願いしたいというふうに思いますけれども、それについての対応方針、いかがでしょうか。
○大臣政務官(北村茂男君) 同郷の先輩であります一川委員の質問に答えることを大変光栄に存じます。
 さて、御指摘の固定資産課税台帳に記載されている情報のうち市町村が調査により知り得た情報については、地方税法第二十二条に規定する秘密に該当し、一般の情報より厳しく守秘義務が定められており、原則、情報提供することはできないということになっていることは御指摘のとおりであります。
 ただし、本人の同意がある場合のほか、別途法律を定めて行政機関に対する報告義務を本人に課すとともに、当該行政機関から他の地方税務部局に対する情報提供の請求を認める場合には地方税法上の秘密に該当せず情報提供が可能であるという原則論の上に立って、例えば今御指摘の平成二十三年の森林法の改正は、森林の土地保有者を把握するため基本的に新たな所有者に市町村長への届出を義務付けるとともに、当該市町村長が所有者等の把握に関し必要な情報提供を他の行政機関の長に請求できるようにするものでありまして、これにより固定資産課税台帳の情報も提供可能となったものであります。
 一川先生御指摘のように、安全保障上、あるいは国のもろもろの施策、行政施策の中で特に必要性が生じ、森林法の仕組みと同じものが当該行政分野の法律で規定されれば情報提供が可能となるものでございまして、こうした法律の規定がない限り情報提供はできないというのが現状でございます。
○一川保夫君 そういったような課題が一つ残されているということでもあります。
 今お話しのように、外国資本等の我が国の土地取得という問題は、近年いろんな軍事行動が活発化してきているとか、あるいは尖閣諸島にまつわるような話題、竹島にまつわるような話題ということを考えれば、私は、やはり我が国の国内のそういう防衛施設の周辺とか原子力発電所の周辺、また国境に近い無人島のそういう問題も含めて、大変心配な地域もたくさんあるわけでございますので、こういう問題についてはしっかりとまた問題意識を持って対応していただきたいなというふうに思っております。
 それで、ちょっと最後に、もう時間が経過していますか。いいですか。
○委員長(中谷智司君) 質疑をおまとめください。
○一川保夫君 はい。
 最後になりますけれども、これは農林大臣にお願いをしておきますけれども、昭和三十九年に木材の自由化というのがありました。その後の、当時木材に対する国内需要が非常に高かったということもあって、余り国内対策ということは取っておりませんでした。その結果、今日、我が国の森林管理という面で、森林所有者を中心に森林のいろんな林業経営が大変今厳しい状況にあることは御案内のとおりです。ですから、今回、TPPというようなことが話題になって、それがきっかけに農業サイドでもいろんな施策を講ずるということがもし本当に動き出すんであれば、私はやはりこの森林問題についても併せてしっかりとした対応ぶりをしていかないと、中山間地域は農地も持っておれば森林も皆持っているわけですから、そういう人たちが安心して森林の管理に従事できるような施策をしっかりと考えていただきたいということを要望して、私の質問を終わります。
 以上です。
○山田太郎君 みんなの党の山田太郎でございます。よろしくお願いします。
 本日は、米債権免除法案に関する質疑ということで関連を行いたいと思いますが、特に米債権免除法案に関していろいろ問題があるということは衆議院の農水段階でも随分議論されました。私どもみんなの党の同僚議員の方も、いろいろ指摘させていただいたとおりであります。
 こういった問題は、特に今回、大臣の反省のお言葉もいただいておりますので、今回余り多くを申し上げません。ただ、一点確認させていただきたいことがありまして、どうして十四年間たってしまったのかということであります。
 まず、外務省さんなんですけれども、ケルン・サミット以降、どんな形で農林水産省や又は財務省にこの免除のための財政措置、法律措置をとるように求めていらっしゃったのか。特に農林水産省それから財務省の方にお聞きしますと、あれは、今回の手続の件は外務省の怠慢だというような声も聞かれます。何か、結局、農水の方がけつを拭いたんじゃないかと、こんなこともありますので、是非しっかり外務省の方にお答えいただきたいと思います。よろしくお願いします。
○副大臣(松山政司君) 米債権の免除でございますが、これに当たりましては、債権免除を行うための根拠法をどのように措置をしていくか、また、財源をどのように手当てをするかといった点について関係省庁間で調整が行われてまいりました。
 御指摘のように、平成十一年のケルン・サミットの後、これまであらゆる機会をとらえて政府全体として調整を取り組んでまいりましたが、これまでこの米債権については調整が整わなかったものであります。そんな中で、結果的に九九年のサミットから十年以上が経過した事実につきましては、政府全体として問題として重く受け止める必要があるというふうに考えております。
 今年は特にTICADの年でもありますし、アフリカ五十四か国の首脳が顔をそろえる年でもありますので、このサミットの合意を履行して債権免除を行うことができるよう措置することが今の時点においては我々に課された使命であるというふうに認識をいたしております。
○山田太郎君 そしたら、時間もありますので、次に少し行きたいと思います。
 食料安定供給特別会計の余剰金について少し今日はお話しさせていただきたいと思います。
 食料特会の方は、毎年の決算で二千億円前後の余剰金が出ています。にもかかわらず、米債権の免除に一般会計から今回四百三十三億円を繰り入れて対処したということです。
 衆議院の方の私どもの同僚議員の方の質問に対して、江藤副大臣の方は、この特会は遊びの部分がどうしても必要なんですという答弁をされました。本当に二千億円の遊びがないと農業政策というものはやっていけないのかどうか、うまく回らないのかということは疑問だと思っています。
 小泉内閣の塩じいこと塩川元財務大臣は、母屋、すなわち一般会計でおかゆをすすっているのに、離れ、特別会計ですき焼きを食べているという名言を残されました、皆さん御存じだと思いますけれども。ちょっとそういう観点から見てみたいんですけれども、ちょっと資料の方を配りましたんで見ていただけますでしょうか。
 お手元資料の一ページなんですけれども、食料特会の余剰金二千億円のうち、一千億円以上が農業経営安定勘定のものでございます。平成二十一年度からこの勘定の余剰金が積み上がっていっているのを見ていただくと分かるかと思います。
 二ページの方を見てください。この農業経営安定勘定の余剰金のうち、七百億円以上が収入減少影響緩和対策、つまりナラシ対策と言われる交付金の余剰金でございます。
 この予算に対する執行額が非常に少ないというのは、これ資料を見ていただくと分かると思うんですけれども、平成二十年決算から二十四年決算見込額まで平均すると歳入予算に対する執行率は何%なのか、また二十三年度決算と二十四年度決算見込みの執行率は何%なのか、数字のみ簡潔にお答えいただければと思っています。
○大臣政務官(稲津久君) お答えさせていただきます。
 ナラシ交付金の執行についてですけれども、これはその年の価格動向によりまして大きく変動するものでございますけれども、平成二十年度から二十四年度までの五年間の平均執行率は一四%となっているところでございます。
 それから、もう一点の二十三年、二十四年の状況についてですけれども、平成二十三年度及び二十四年度の執行率、対象となる二十二年度産それから二十三年度産の米、麦、大豆等の収入がこれは比較的安定をしているために、平成二十三年度が七%、それから二十四年度が一%と、このようになっているところでございます。
 本交付金については、担い手の経営安定法に基づく支払に支障が生じないようにするために、毎年度、農業者拠出金の約三倍額を特別会計から支出できるように予算措置を講じているところでございます。
○山田太郎君 このナラシ対策、大変執行率が低いんですね。このナラシ対策は、元々全額一般会計から繰り入れた予算で行われています。予算、二ページのこの資料の下の段ですが、これ実は農林水産省が作っていただいた資料で、今の説明に当たるかと思います。多分、一般会計だと余剰金が出たら不用額として返済しなければならないけれども、特会ならその必要がない、だから、財源は一般会計だけどわざわざ特会で要は対策をやるんじゃないかと、こんなふうに見られても不思議はないと思っています。
 そんな中で、平成二十四年に五億円の執行実績しかないのに、二十五年の歳入予算は、二十四年度より七億円増やして七百二十二億円要求されているんですね。これは一体どういう理由なのか、農水大臣、お答えください。
○大臣政務官(稲津久君) お答えさせていただきます。
 この農業者拠出金が積み増されまして、前年度の二百四十から二百四十一億円に増加と。これに伴って、特別会計の予算措置額も前年度の七百十九億円から七百二十二億円に増加をしたと、こういう状況になっております。
○山田太郎君 もう一つ、このナラシ対策というのは、実は農業者の方も積立金を積んでおりまして、この積立ての三倍の予算が必要だから、これ執行率が、先ほど副大臣でしたね、一%とおっしゃられましたが、〇・七%なんですけれども、歳入予算は増やす必要があるんだということです。
 では、農業者の積立金の三倍のお金をプールしておく根拠は何なのかということも、農林水産大臣、お答えください。
○国務大臣(林芳正君) この間の、ちょっと引いていただいた江藤副大臣の衆議院の答弁、これ一言で言うとそういうことなんですが、ナラシですから、今おっしゃっていただいたように、農業者と国が一対三で負担をしておいて、そしてそういうことがあった場合は補填すると、こういうことですので、積んでおいて、もし大きな価格変動等が生じた場合はこれを確実に支払えるということにする必要があるためにこの一対三で積んでいるというところから三倍の予算額を確保していると、こういうことだと思います。
○山田太郎君 ただ、今のお答えだと、全員が最大の保険金を受け取るだけのお金をわざわざ積んでおくというのは、ちょっと例えば損保の例を考えて引いてみますと、あり得ないというか、非常に積み過ぎなんではないかなと、こんなふうにも思っているわけですね。特に、財務省はどうしてこういう貴重な一般会計から毎年こういう予算を付けてきたのかと、まさにこれだと離れですき焼きをということになりかねないと思いますけれども、ちょっと財務省の御見解もいただきたいと思います。
○副大臣(山口俊一君) お答えをさせていただきます。
 ただいま農水省の方からも答弁がありましたけれども、このナラシ交付金、やはり過去にも大きな価格変動等もありましたし、そういった場合でも農業者に対して法律に基づく交付金を確実にお支払をできるようにということで、毎年必要な財源を確保することとしておりまして、農業者と国の負担割合に基づいて予算額を措置をしておるというふうなことであります。
○山田太郎君 もうちょっとその件もお伺いしていきたいんですが、結局、特別会計で余剰金をプールするという形になっているんですけれども、これは農水省の方にお伺いすると、何か、いざというときにもし必要であると、その予算を措置するのに時間が掛かると。私が前回農水省の方にお伺いしましたら、二か月以上掛かるケースもあるんではないかと、こんなことをおっしゃっていました。
 そこで、これ財務省にお伺いしたいと思いますが、機動的な予算執行を担保する仕組みとして多分予備費というのがあると思っています。この予備費からの出費を機動的にそういう場合には行えないのかどうか、行えるのであれば、そんなに時間が掛かるものなのか、農水省から要請を出してどれぐらいで予算執行ができるのか、教えていただきたいと思います。
○副大臣(山口俊一君) 今、予備費というお話がありましたが、これはもう御案内だと思いますけれども、これ憲法八十七条で、予見し難い予算の不足に充てるため云々というふうなことで、緊急に対応できるようにこれ計上しておるものでありまして、ただ、お話しのように、これ毎年若干執行があるというふうなことで、やはりこれ予備費というのはいかがなものかなというふうな感じがいたします。
 同時に、予備費の使用に当たりましては、一般論としてその案件とか件数等によって使用決定までの時間のそれぞれ違いはありますけれども、迅速に決定ができるものというふうに私どもは認識をしております。
○山田太郎君 資料四ページの方を見ていただきたいんですけれども、これらナラシの余剰金を含めて、会計検査院からは農業安定勘定の余剰金は多過ぎるという指摘もされています。それから、先ほどの塩じいさんの話じゃないですけれども、特別会計に関する法律も改定されまして、特別会計の余剰金は一般会計に戻すようにという規定も整備されてきたことは御存じだと思います。
 そういった意味で、ナラシ対策でこれだけ執行率が低い状況なんで、速やかにある程度一般会計に返還して、全体の予算を、こういう時期ですから、有効に活用するというお考えはないのかどうか、まず農林水産大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) 実は、その剰余金を一般則として一般会計に返すというのは、私が党におったときに特別会計の見直しで作らせていただいたんで、基本的には委員がおっしゃることはよく分かるんです。
 今、ここでナラシのためにここに必要だと。その剰余金が毎年返ってきますから、最初にこれをたくさん積んでいつもたくさん返しているというところをどうとらえるかということで、検査院からも、そういうところがありますので、やはり何かあったときのために交付を遅滞なく確実に実施できると。それから、予備費というのはなかなか予見し難いということですから、ある程度予見されているという意味ではなかなか難しいということで、今後この制度を見直していく際によく財務省と相談したいと思いますが。
 一つの考え方として、この農業経営安定勘定、今お示ししていただいた積立金ですね、剰余金じゃなくて、積立金として積んでおけば、ある一定のこれはストックですから、フローで剰余金でやる必要はなくなるということになります。あんまり積立金たくさん積んでいると、またすき焼き食っていると、こういうふうに言われることもあるわけですが、しかし、フローで毎年やるよりは、ベース、ストックで、積立金で管理をするということであれば政策上の目的は達せられるということでございまして、これも一つの考え方ではないかなと思っておりますし、実は昨年の通常国会に出して廃案となっておりますけれども、この特別会計に関する法律の一部を改正する法律案、これにはこの勘定に積立金を措置するということは盛り込んでおったところでございます。
○山田太郎君 積立金の議論もよく分かるんですが、結局ためて使わないんじゃ同じことになってしまいますので、そうなるとキャップというか、上限なりをどういうふうに考えるかということだと思います。
 それで、一つ御提案なんですけれども、通常、民間だとこういうのはメーンバンクと企業との関係でして、通常、企業は資産の有効活用を現金も含めてするために、お金を積むというのをあんまりしません。株主に大体そういうのを否定されちゃいますから。そのために財務省もいるわけで、財務省と農水省が仲よくというか、うまく連携を取りながら、そこらじゅうにたまってしまう国の大事な使われないお金を、ためてしまうということではなくて、必要なものに使っていくと。これは双方にとって非常にいいことだと思っていますので、何かその辺を考えていただいて、いわゆるよく埋蔵金議論になってしまうような、こういう話を避けていけないだろうかということを御提案して終わりにしたいと思いますが、最後、その辺のちょっと御見解、特に財務省はこれから審査をするのに大事なことだと思いますので、お願いします。
○副大臣(山口俊一君) 先ほど農水大臣の方から御答弁があったわけでありますが、いずれにしても、このナラシ交付金、そういった大きな価格変動を生じた場合でもしっかりと確実に対応ができるようにというふうなことで予算額を計上していくと、これはもう大事なことだと思っておりますが、御指摘のような点もこれありということでありますので、いずれにしても、今後の経営所得安定対策の見直し、これはもう先生御案内のとおりで、ああいった時期にああいうふうな形で予算を組みましたので、いわゆる戸別所得制度については今後、二十六年度に向けてしっかり検討していきたいということでありますので、農水省とよく相談をしてまいりたいと思っております。
○山田太郎君 時間になりましたので終わりにしますが、先ほどの米債権の件もそうですし、この余剰金の件もそうなんですが、財務省、農水省ですね、それぞれの省益というよりも、うまく政府全体となって国民のお金を大切に使っていただく、又はあのような十四年もほったらかさないということで今後もお願いしたいと思います。
 本日はありがとうございました。
○平山幸司君 青森県選出の平山幸司です。
 本法律案、先ほどもお話がありました平成十一年のケルン・サミットにおいて、対外債務の大きい重債務貧困国に対してその負担を軽減する国際合意がなされたことを踏まえて、米穀債権を含むODA債権の免除を行うことが提案されております。対象国はマダガスカル、マリ、モザンビーク、シエラレオネ、タンザニアといったアフリカ諸国ですけれども、そもそもこれら対象国に対して政府米を輸出するという契機となったのはどのような背景によるものなのか、これをまずお伺いしたいと。
 そしてまた、これらの国々が債務を返済できなくなったその理由について政府はどのように考えているか、これが二つ目です。
 さらには、免除する債権は国の財産であり、原資は国民の税金であります。国民の財産をこのような形でなくすることについて、政府の認識、そして、これらの国に対しての米穀債権の免除を行うことの意義をどう考えているか。
 背景と理由と意義、このことについて、三点、簡潔に御答弁をお願いいたします。
○国務大臣(林芳正君) それでは、まず意義を私からちょっとお答えさせていただきたいと思います。
 先ほど来御質問ありますように、この平成十一年のケルン・サミット、これで重債務貧困国に対するODA債権の完全免除が合意されたということで、包括的な債務救済措置を行うという国際的な約束を果たすということでございます。今おっしゃっていただいた五か国は、依然として後発の開発途上国ということで、この本件債権の免除は二国間関係上非常に大きな意義を有するものでありまして、先方からは感謝と期待の意が寄せられるというふうに聞いております。また、先ほども申し上げましたが、この六月に我が国においてTICADXがございまして、ここで米債権の債務国からの首脳レベルの参加が見込まれておるということで、この同会議の成功にも資すると、こういうふうに考えております。
○平山幸司君 ありがとうございます。意義がはっきりしましたので、これで。ありがとうございました。
 関連で、先ほどもありましたTPPについてお伺いをいたします。
 先週末、TPP交渉参加に向け、参加十一か国との事前協議が終了し、交渉参加の同意が得られる見込みとなったことで、我が国は七月にも交渉参加できる見通しがあることが報道されております。しかしながら、私はこの事前協議の間も、日本国内、特に第一次産業が中心の地方において、私、先ほど青森から帰ってきましたけれども、青森においても食料安全保障や自給率、そして地域経済といった観点からも、今の段階でやはりTPPへ参加すべきではないという強い声があるにもかかわらず、各国に交渉参加入りをお願いをして、日本の国益に反し、あらゆる面で大きく譲歩するという姿に私は強く疑問を感じております。
 例えば、米国との事前協議において、交渉参加の同意を得るために、我が国は包括的で高い水準の協定達成に取り組むこと、つまり日本は高い水準のTPP達成にコミットしたこと、そして自動車や保険などの分野でかなりの譲歩をしたとの報道がなされており、報道されていない様々な部分でも妥協しているのではないかという不安の声があります。
 林農水大臣は、事前協議を経た現段階において、我が国がTPPに参加することのメリットとそしてデメリットについてどのような認識を今持っているか、それをお伺いいたします。
○国務大臣(林芳正君) 先ほど、これは一川先生のときだったと思いますが、全体のメリットについては総理やそれから甘利担当大臣から予算委員会等でお話があるところでございますが、私、農林水産大臣でございまして、この分野で申し上げますと、やはり今委員もおっしゃっていただきましたように、この農林水産業の実情からして、この分野では、やはりメリットというよりは、この関税撤廃がもしなされた場合という仮定ですが、国内生産への悪影響が強く懸念されておる、関係者の皆さんや地方公共団体も含めて不安の声が出されていると、こういうふうに承知をしております。
○平山幸司君 ということで、農林水産委員会ですので、この農林水産分野、デメリットの方が非常に大きいという大臣の認識、もっともだと思います。
 そしてまた、それ以外のことは全体のメリットとして政府が言っているわけでありますけれども、そもそも内閣府が示したTPP参加の影響試算においては、農林水産物の生産額が三兆円減少するといったデメリットがある一方で、我が国のGDP、実質GDPが、三兆二千億円増加させるメリットがあると、つまり二千億円分のメリットがあるということを内閣はこれまで強調してきたわけであります。
 ところが、今回の米国との事前協議の合意では、先ほど申し上げた包括的で高い水準の協定達成に取り組むとしながらも、米国における自動車関税の撤廃は最大限引き延ばされ、米国の主張だけが取り入れられていると報道されております。この報道される、されないにかかわらず、その他にも、こうしたこれまでメリットと言われていた大部分が大幅に譲歩された結果、自動車産業界からは落胆の声が上がっているとお伺いしますし、我が国の成長部分の国益が間違いなく損なわれていると思います。
 そこで、この結果、従来示されていた二千億円分のメリットというものは当然変わってくるものだと思います。これまで強調してきた我が国の実質GDPの増加にどれほどの影響を及ぼすことになるのか、内閣府はこの事前協議の結果を受けてこのTPP参加の影響試算について再計算する考えがあるか、簡潔にお伺いいたします。
○副大臣(西村康稔君) お答え申し上げます。
 まず、単純な計算、単純な前提を置いての、一定の前提を置いての単純な計算で、農業分野では三兆円程度のマイナスがあり、それも乗り越えて三兆二千億のプラスがあるということですので、プラス二千億ではなくて、三兆円差し引いてもプラス三・二兆だということをまず申し上げたいと思いますけれども。
 その上で、交渉の途中段階で、いろんな交渉があります、それぞれの分野での前提条件を見直してこれやりますと、今後の交渉内容に様々な予断を与えてしまうことになりますので、これはもう最後まで国益を最大化するために交渉努力を続けるということでありますので、途中段階で試算を公表することは考えておりません。
○平山幸司君 これ、情報を国民に提供すると、そもそもそういう観点から影響試算を出しているわけですね。でないと、このTPPが一体何のメリットがあって、どういうデメリットがあるか、国民的な議論が必要だということでこの影響試算、政府の統一試算というものを出しているんです。
 大臣、今の答弁で本当にいいんでしょうか。どうですか、大臣。少し大臣の考えをお伺いいたします。
○国務大臣(林芳正君) これは衆議院の農水委員会だったか予算委員会だったか、ちょっと記憶が今曖昧ですが、議論がございました。今回もなるべくばらばらではなくて統一したものを出さないと、私も野党のとき大分やったことがあるんですが、経産省はこう言っていて農水省はこう言っていて、どこを信じていいのか分かんないじゃないかと、こういうことを申し上げました。
 したがって、今委員がおっしゃったように、それぞれの分野でここだけやればこういうふうになるというのはあるいはあるかもしれませんが、やっぱりせっかく苦労して、今回、農水産物の減少額を我が方で計算したものを内閣府にお渡しして、それでモデルを回してもらってという全体をやりましたので、やはりそういうことをせっかくやったからには、その後またぱらぱらとばらばらにやるということはやっぱりデメリットがあるんではないかなと、こういうふうに思っておりますので、そこもよく踏まえて政府部内できちっと調整をしたいと、こういうふうに思っております。
○平山幸司君 大臣、これ少し、もう一回だけ聞きたいんですが、議事録を見ていただければ分かると思うんです。私が三月の二十六日、この本委員会にて影響試算の見直しについて質疑をした際に、大臣は、「更に新しい情報が入ってくれば、将来的にこの試算もまた精緻なものにしていくということもございます」と、要するにもう一回見直すんだということを述べられているわけであります。
 よって、いろんな状況が変わってきて、事前協議でもうマイナスの部分、これまでメリットだとしている部分のデメリットが発生しているわけですから、もちろん農業分野は非常に厳しいということはこれは変わらないわけですね。一方で、メリットの部分も減っているという、これはもう完全に明らかだと思いますので、やはりもう一度政府の統一試算というものをしっかりと出す必要があると思います。よって、大臣に閣内においてこれを出そうというふうに声を上げていただきたいんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 今委員がおっしゃっている部分は、多分農林水産物の分野ではないところだと思いますが、いずれにしても、私がそういうふうにここで、平山先生だったですかね、やり取りの中で申し上げたのは、前提が変わってということを申し上げました。
 今、副大臣からお話がありましたように、まだその前提がどういうふうに変わるのかとかいうこともきちっと精査をしないと、もうこうなっちゃうんだと、今度次に出すものはかなりそういうことになる蓋然性も高いものですから、そこも踏まえてよく、今御指摘をいただきましたので、閣内で検討してまいりたいと思っております。
○平山幸司君 ありがとうございます。是非検討していただいて、これを出していただくということが一番良いのだと思います。
 一方で、農産物に対しましても、事前協議を越えて、交渉の対象品目について、豪州やニュージーランドといった農畜産物輸出国との事前協議において、我が国がTPP交渉に参加するに当たり、全ての品目について協議の対象とすることを条件としたという、こういった報道がなされておりますが、これは事実なのかどうか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) そこは、我々日米の共同合意というか、書簡ですね、やり取りでどういうことをやったかということは書いておりまして、そこには改めて、我が国からいえば農産物のセンシティビティーが確認されたということ、再確認をあそこでしておりますが、それ以外には特にこういうことが合意をされたということは承知をしておりません。
○平山幸司君 センシティビティーが確認されたということですが、しかし一方では、全ての品目を交渉の対象とするとした報道等も流れております。これらの報道によって生産農家は不安になっております。
 そこで、やはり先ほどもありました、先週、衆参の農林水産委員会でTPP交渉参加に関する委員会決議を行いました。そこでは、米、麦、牛肉・豚肉、乳製品、甘味資源作物など農林水産物の重要品目については十年を超える期間をかけた段階的な関税撤廃も含め認めないこと、交渉に当たっては、農林水産分野の重要五品目などの聖域の確保を最優先し、それが確保できないと判断した場合は、脱退も辞さないと、脱退も辞さないものとするとしております。この決議文の内容は自民党さんが中心となって取りまとめられたものでありまして、いろんな部分でまだ不十分な点もありますけれども、我々は、TPPに対する地方の懸念が払拭されない中、その声をしっかりと形にするために、脱退も辞さないという一点で我が党も共同提案者となって賛成をいたしました。
 しかし、これまでの事前協議を見ると、到底、先ほどの聖域等々、メリットもないということが明らかになりつつある中で、林大臣も以前報道で席を立つという表現もたしか使ったと私は記憶しておりますけれども、この委員会での決議を尊重するならば、今のこの交渉参加を、メリットがないわけです、よって断念すべきときに来ていると感じておりますけれども、大臣はどのように認識されていますでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 先ほども一川先生との間でこの決議の話も申し上げたとおりでございまして、今御紹介あったような決議が、十八日に参議院農林水産委員会、十九日には衆議院農林水産委員会で採択をされておられます。
 したがって、この決議の趣旨を尊重して、関係府省とも連携を図りながら努力をしていくということでありまして、まだ事前の段階で、今から、九十日ルールもあります、本交渉というのが多分七月ぐらいからということになろうと思います。したがって、その中でしっかりとこの決議を体して努力をするというのが今の私が申し上げるべきことだと思います。
○平山幸司君 時間になりましたので、引き続きこのTPPに関しては地方の立場に立って厳しく議論してまいりたいと思います。
 ありがとうございました。
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 まず法案から行きます。
 本法案はアフリカ諸国に対する食糧援助に関する問題ですけれども、以前から食糧支援の在り方について、これが単なる物資の支援よりも、当該対象国の農業生産の増産に向けて技術や生産基盤の強化の支援の方が望ましいし、アフリカ諸国もそれを望んでいるというふうに聞いていますけれども、まずその点で大臣の見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) 私、参議院でODA特委の委員長というのも、ちょっと短かったんですがさせていただきまして、そのときにもこういうことを聞きました。魚を与えるよりも魚を釣るやり方を教えてあげるんだというようなことであります。
 したがって、そういう基本的な考え方というのは大事ではないかと思っておりますが、委員がおっしゃったように、アフリカは経済成長も遂げるようになったんですが、やはり栄養不足人口、これがFAOの統計ですけど二億人以上まだいるということで、貧困とか飢餓あるいは疾病といった問題も抱えているわけでございまして、したがって、食糧支援で物資を提供するということだけではなくて、我々が持っております農業生産技術、これは高いものがありますので、これを生かして、アフリカ諸国自身によって農業生産の増大と生産性の向上をやはり図っていくように技術の移転、普及を行うこと、すなわち魚の釣り方を教えると、こういうことですが、が重要だと思っております。
 したがって、外務省やJICAというような関係機関と連携しながら、例えば西アフリカにおいては、農民等を対象とする稲作技術向上のための研修等の実施、それからまた干ばつリスクを回避できる米の新品種の開発、こういうものの支援を行っておるところでございまして、今後も積極的に展開していきたいと思っております。
○紙智子君 今ちょっと入りかけましたけれども、その中でネリカ米についてお聞きしたいんですが、ネリカ米は病気、乾燥に強いアフリカ稲と高収量のアジア稲を交雑させたアフリカ陸稲の新しい有望品種ということで、日本と国連開発計画等の支援の下で、西アフリカ稲開発協会によって開発されたものなわけですけれども、西アフリカで注目を集めて、今作付けが進んでいます。
 当初、二〇〇二年の四月に、ネリカ米の普及を強化するために、アフリカの新品種米ですね、推進計画が立ち上げられて、二〇〇六年までの目標を栽培面積で二十一万ヘクタール、栽培農民を百七十万にするというふうになっています。現在、この目標に対して実績がどうなっているのかということをお聞きしたいと思います。
○大臣政務官(稲津久君) お答えさせていただきます。
 今、委員から御質問ありましたけれども、このネリカ米についてでございますが、アフリカにおける飢餓それから貧困に対処するために、アフリカでの栽培に適した多収量でかつ早稲品種、いわゆる早く成長する品種ということで開発されたのがネリカ米、この普及を強化することが極めて大事なことであるということで取り組んでまいりました。
 このため、二〇〇二年、アフリカ稲センターや国際機関等によりまして、ネリカ米の普及を強化するためのアフリカン・ライス・イニシアチブが立ち上げられまして、このネリカ米の栽培面積を、今議員御指摘のとおり、当時二万四千ヘクタールだったんですけれども、二〇〇六年までに二十一万ヘクタールまでに拡大するということが目標となりました。このことを取り組む中で、これは現時点でのデータですけれども、二〇〇九年のアフリカの稲センターの報告によりますと、ネリカ米の栽培面積は七十万ヘクタールになっているというところでございます。
○紙智子君 そうすると、百七十万人にすると言っていたことについては、どういうふうになっておりますか。
○大臣政務官(稲津久君) ちょっと行き違いがあったのか、事前のところのちょっとやり取りが不十分だったかもしれません。
 そこのところについては、今私どもの手元にデータがございませんので、後ほどまたお示しをさせていただきたいと思います。
○紙智子君 ネリカ米の作付けが進んでいるわけですけれども、アフリカでは二〇〇八年の五月からアフリカ稲作振興のための共同体、CARDですね、これが発足をして、サブサハラ・アフリカの米生産を向こう十年間で倍増することを目標にしているわけです。
 この点、今日外務省に来ていただいているんですけれども、外務省の現在の取組状況をできるだけ端的にお話しください。
○大臣政務官(若林健太君) お答えをさせていただきたいと思います。
 今、委員御指摘のように、CARDについてはTICADW、二〇〇八年五月に行われたこの会議の際に、サハラ以南のアフリカにおける米生産倍増のために我が国の発意によって立ち上げたものでございます。
 CARDに参加するアフリカ二十三か国は、稲作振興のための戦略を策定し、我が国を始めとするドナー各国や国際機関の支援も得つつ、かんがいの導入、拡大や、品種、栽培法の改良といった取組を現在実施をしております。その結果、米生産量は、二〇一一年時点で二〇〇八年の千四百万トンから二千百万トンまで米生産が増加するなど順調に推移をしておりまして、今後とも我が国はCARDの取組を積極的に推進してまいりたいというふうに思っております。
○紙智子君 外務省から今明らかにされましたけれども、CARDの事務局にJICAの職員が入っていて、この職員の人件費と活動費を外務省が負担をすることによって支援をしているということですよね。
 それで、農水省として、このCARDの活動に対する支援というのはどうなっているのか、この点ちょっとお聞かせ願います。
○大臣政務官(稲津久君) お答えいたします。
 まず、CARDの構成員である国連の世界食糧計画やアフリカの稲センターなど、国際機関へ資金の拠出を通じて、先ほど来お話ありますけれども、この稲作の生産基盤の復興、それから低湿地を対象とした水稲の営農手法の実証、品種開発、こういったことを我々で支援をしているところでございますが、今御指摘のこのアフリカのネリカ米もございましたが、米増産に関して農林水産省から直接専門家を派遣をしている、それから土壌肥沃度、それから土地、水資源の保全管理状況対策、こうした支援の調査事業も実施をしています。
 なお、このCARDの事務局に対して、実施機関の一つでございますJICAによりまして人員の派遣、事務局の運営などをしているところでございまして、農林水産省としてこのJICAのプロジェクトのところに職員の派遣をしているという状況でございます。
○紙智子君 農水省としても、今御紹介あったことなんですけれども、地味だけれども、例えば統計情報管理に対する支援なんかも、これも重要だと思います。
 ただ、農水省は、米の生産、流通、管理の、世界でいえばトップクラスのノウハウを持っているわけで、もちろん押し付けてはいけないというふうに思うんですけれども、CARDに対してやっぱり寄り添いながら農水省としてできる様々な支援のカードを示して、より分厚い支援を進めて、このネリカ米の一層の拡大を図れるように取り組まれてはどうかと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 私も、このネリカ米というのを最初に聞いたときには、ああ、そういう品種があるのかなと思ったら、ニュー・ライス・フォー・アフリカというのの略だそうだということで、その名のとおり新しいものを展開してアフリカにおける飢餓や貧困に対処するということは非常に大事なことでございます。やっぱりアフリカの栽培に適した多収量のわせの品種でございますので、うちの独法の国際農林水産業研究センター通じて、研究者の派遣、品種開発に関する技術協力も支援してきたところでございます。
 まさに、この米の生産について、二〇〇八年のTICADW、ここで倍増目標ということが、二〇〇八年の千四百万トンから二〇一八年に二千八百万トン、これを打ち出されておりますので、この目標が達成されますように、稲作振興のための先ほど御指摘いただきましたCARDへ資金援助、専門家の派遣、その中で、今おっしゃられたように、大事なことは、日本でこうやっているからこのとおりやりなさいよということではなくて、やはり新しい、アフリカの栽培に適したものをやるわけですから、その後のいろんな食べていただくところに至るまでのところもちゃんとアフリカの現状に合った方向で支援をしてまいりたいと、こういうふうに思っておるところでございます。
○紙智子君 ありがとうございます。
 それで、ちょっと最後もう少し時間残りましたので、TPPの問題についてお聞きしたいと思います。
 それで、四月十二日に行われた日米の事前協議、合意文書も出されておりますけれども、これ、USTRがアメリカに報告している中身の文書も出されておりますけれども、これを見ますと、アメリカから出されてきている要求についてはほとんど受け入れているわけですけれども、日本が、これまで安倍総理が守る守ると、聖域を何とか確保するんだと言っている部分について、この事前協議の段階では、結局文書上はお互いにそういうものがありますねということが確認されただけで、何ら踏み込んだものになっていないというふうに思うんですよ。
 なぜ、事前協議というのであれば、そのことを本当に強く押し出して確保できるようにということをやっていないのか、あるいは、林大臣自身が農水大臣としてそういうことをやられるように働きかけしていないのかというふうに思いながら見ているわけなんですけれども、この点、いかがでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 今御指摘の文書は、多分USTRの方でアメリカの国内向けにプレゼンテーションやられたものだというふうに理解をしますが、あくまでこれは日米で合意したものというのは、先ほどちょっと申し上げたように共同書簡という形でございまして、それ以上でもそれ以下でもないということで、我々もそれに基づいて国内で説明をしているということでございます。
 この共同書簡というのは、それに先立つ日米の首脳会談、二月だったと思いますが、あのときにやった、日本がTPP交渉参加に関して、日本の参加に関して、この二国間のアメリカの方でまだ残っていると思う課題についてやるということが三パラに入っておりました。このことをやった結果がこういうことでありまして、先ほど平山議員とのやり取りでも申し上げたように、今から交渉は正式に入ってやっていくということでございまして、この事前の交渉で、何か向こうの関心事でないことについてこちらから申し上げるというそもそもの性格ではないということが一つでございます。
 そうでありながらも、きちっと二月の段階で入れさせていただきました一定の農産物に対するセンシティビティーということを改めて共同書簡においては確認をさせていただいたということで、これを踏まえてきちっと本交渉が始まれば、ここでも御決議をいただいておりますので、その決議を踏まえて取り組んでまいりたいと、こういうふうに思っております。
○紙智子君 今の答弁も、その事前協議の中身でアメリカの関心事について残っていたものをやったんだと言われるんだけれども、それ以外のものもありますよね。非関税障壁の問題については、これまでアメリカが言ってきたような三条件以外にももう様々な分野にわたっての非関税障壁の問題もやっているわけですから、その際に、向こうの関心にこたえるというだけじゃなくて、日本から強い姿勢で臨むというのは当たり前だと思うんですよ。それ、なぜやられていないのかということなんですが、いかがですか。
○国務大臣(林芳正君) 様々な非関税障壁についてということが二月の共同声明にも書いてございました。それに従ってやっていたということが一つと、それから、そこに、向こうから言ってきておりませんが、こちらから農産物品についてはセンシティビティーがあるんだということを今回も入れさせていただいたというところでございます。
○紙智子君 この続きはまたやらせていただきますけれども、いずれにしても、本当に日本で取れるものを取るというふうに言いながらほとんど何も確保されていないという中では、私は、やっぱり初めからこれは乗ってはいけないことであって、やっぱりもう早々に撤退をするべきだということを申し上げまして、質問を終わります。
○亀井亜紀子君 みどりの風の亀井亜紀子でございます。
 今日は、舟山委員がTPPの調査でワシントンに行っておりまして、私は、舟山委員の代わりに質問をいたします。
 農林水産委員会は約三年ぶりの出席になります。今回の法案を拝見いたしまして、私が農林水産委員会におりましたころに質問したことを思い出しましたので、今日はその関連で質問をさせていただきます。
 私が農林水産委員会にいたころ、事故米のことがかなり世間を騒がせておりました。あのときミニマムアクセス米が話題になりまして、つまり、事故米の件というのは、ミニマムアクセス米というのが日本人の口に合わないので倉庫にたなざらしになっていた、それを、本来食用には使わないということで二束三文で業者に渡したところ、それが加工されてせんべいになったり日本酒になったりしたという、そういう事件でした。
 そのときに、私は、ミニマムアクセス米を日本人が好んで食べないのであれば、それを途上国の支援に回してはどうかということを申し上げました。当時の農水省の回答は、ミニマムアクセス米というのは一度国内に入れる、受け入れるということが条件とされているから、なかなか例えばタイ米を日本の引取り分だけアフリカに支援に回しましょうということは難しいんですということを言われていたんですが、何かちょっと工夫をしてみますというか、検討しますというような言いぶりでありました。
 その後、何か検討はされたのでしょうか、お伺いいたします。
○大臣政務官(稲津久君) ミニマムアクセス米についての御質問でございますが、まず最初に、一つこちらの方からも説明をさせていただきたいと思うんですけれども、国家貿易により輸入したミニマムアクセス米について、国産米では十分対応ができない加工食品の原料ですとか、それから飼料用等に、これが中心に販売をしているということでございますが、海外への食糧援助についても活用しているところでございます。
 御指摘の今のところの御質問なんですけれども、このミニマムアクセス米について、いわゆる通関されていない以上、ミニマムアクセス米輸入実績としてカウントをするということが、これ実質的に困難でございまして、保税の倉庫に納めて外国産米を我が国に持ち込まずに直接援助用に仕向けるということが、このことについては現段階では困難なものであると、このように考えているところでございます。
 ただ、今後とも、この輸入をしたミニマムアクセス米の援助への使用についてなんですけれども、これは国際食料問題への貢献の観点に立った上で、外国又は国際機関から要請を踏まえて、WTOの協定等、国際ルールとの整合性にも留意をいたしまして、関係省庁と連携を図り適切に対応していきたいと、このように考えているところでございます。
○亀井亜紀子君 一度通関させなければいけないという条件はそのままのようですけれども、通関させた後でも一部支援に使っているようですが、そういう動きをもう少し積極的にやっていっていただきたいと思います。
 次の質問、ネリカ米については紙委員と質問がダブってしまいましたが、簡単にお伺いいたします。
 このネリカ米の普及にJICAは力を入れているようでありますし、以前、タンザニアのダカワというところで寺尾式農業というものが普及していると聞いたこともあります。基本的に日本の支援というのは、かんがい施設や肥料などがなくても栽培ができる、現地に合った稲作支援だと聞いておりますけれども、このような取組、広がっておりますでしょうか。
○大臣政務官(稲津久君) 非常に大事な御指摘でございますので、少し中身も含めて答弁をさせていただきたいと思いますが、まず、第四回のアフリカ開発会議におきまして、これは二〇〇八年ですけれども、二〇一八年までの十年間、先ほどの御質問にもありました、サハラ以南のアフリカでの米の生産量を倍増するという計画が打ち出されまして、我が国はその実現に向けて国際機関としっかり連携協力した上で取組を進めているという状況でございます。
 この中で農林水産省では、現地に合った取組として国連の世界食糧計画、これが農民の方々による水田や水路の復旧を支援する事業、それから、アフリカの稲センターが低コストな稲作営農手法を、これを実証して、その技術を農民の方々に普及する事業、いわゆる普及事業などの取組を支援しているところでございます。
 これらのことによりまして、平成二十四年度から二十八年度までリベリア等で二百ヘクタールの水田の復旧を支援、これは内戦で田畑等が著しい破壊を受けた、この復旧支援、それから、平成二十一年度から、これはベナンですけれども、実証展示圃、いわゆる実証実験の田んぼですね、これを十二か所設置をいたしまして、農家の方々への技術普及を支援しているところでございます。
 こうしたことで支援の輪は拡大しているというふうに認識をしておりまして、今後とも、議員御指摘のことも踏まえて、現地で活動するこれらの機関と協力していわゆる現地に合った稲作支援を進めてまいりたいと、このように考えておるところでございます。
○亀井亜紀子君 時間が少なくなってまいりましたので、次の質問、二つ続けて大臣にお伺いをしたいと思います。
 最近私が読んだ農業関係の本で非常に参考になったのが、この「日本農業への正しい絶望法」という本でございます。松江出身の神門善久という農業の研究者が書かれた本なんですけれども、帯のところに「有機栽培だからおいしい 農業は成長産業だ 日本人の舌は厳しい 全部、ウソです。」と書いてあります。この本の面白いところは、誰にも味方をしていない、つまり政府にも農協にも農業者にも味方をしていない、かなり中立的に言いたいことを言っているという点で非常に参考になる本でした。
 この本を参考にしながら質問に入りたいと思います。
 まず食料自給率についてなんですけれども、実は、みどりの風が自民党さんに御挨拶に行ったときに、石破幹事長とお話をしました。そのときに食料自給率の話になったんですけれども、食料自給率なんということを言っていちゃいかぬですよという趣旨のことを言われました。そう言われたんですけれども、今、このTPPに参加表明した政府であり自民党でありますけれども、かつては食料自給率の向上ですとか食料安全保障という概念がかなり強くあったのですけれども、それはもうなくなったんでしょうか。それとも、今、食料自給率の目標値というのはきちんとあるのでしょうか。そして、農業を成長産業に、農業者の所得倍増といった、そういう勇ましいスローガンは聞こえてくるんですけれども、それは誰に対して売るのでしょうか。例えば中国の富裕層に対して売るというような、そのような発想であるのか、仮にその場合に、国内の食料自給率の向上にはつながるんでしょうか。
 まず、じゃ、ここで切りたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) ちょっとその本を後でまた拝見させていただく機会があればと思いますが。
 この食料自給率でございます。やはり食料の安定供給を将来にわたって確保していくということは国家の最も基本的な責務であると考えておりまして、そういった意味で、自給率の向上とか不測時の食料安全保障、これは食料・農業・農村基本法に基本施策として明記をされておりまして、TPP交渉いかんにかかわらず、国として取り組むべき課題であるということでございます。
 その基本法に基づく食料・農業・農村基本計画というのがございまして、これで現行のカロリーベースは五〇%、生産額ベースで七〇%ということをそこに明記をしてあるということでございます。
 もう一つのお尋ねはこの需要の拡大と、こういうことでございましたが、いろんなことが考えられると思いますし、それから供給の方と需要の方をやはり横串を刺して全省統一的に検討する必要があると思いまして、一月に省内に攻めの農林水産業推進本部を設置してそこで今やっておりますが、農林水産業のやっぱり強みを分析する。仙台にお邪魔したときに、一粒千円、一箱じゃなくて、で売っているイチゴなども見せてもらいましたけれども、こういう付加価値をつくること、丹念に作っていってそういうことをやるですとかブランド化するとか、それから中国の富裕層も含めて世界の食市場が、これATカーニーの資料ですが、今後十年ぐらいで三百四十兆から六百八十兆、その伸びのうちの大宗をアジアが占めていると、こういうところでございますので、当然中国のみにとどまらず、外の市場も需要として開拓していくということが大事だと思っておりまして、それの具体的な戦略を今検討しておるところでございます。
○亀井亜紀子君 今のお話ですと、やはり付加価値の高い、高品質の高い農産物を海外に出していくという発想であると理解しました。
 その場合に、TPPで関税をなくして国境を開いたときに、完全な価格競争になりますから、日本で栽培された安全で高くておいしいものを中国の富裕層が買い、中国の危険な土壌で、汚染された土壌で生産されたけれども安い農産物を日本の消費者が好んで食べるというようなことも出てくるんじゃないかと心配をしております。
 それで次の質問なんですけれども、欧米諸国というのは食料自給率がかなりありまして、余剰の農産物を輸出補助金を付けることによって途上国にダンピング輸出をしてきた、これがかなり今問題視をされております。
 この食料増産を狙った補助金を減らしなさいというのが今のWTOの一つの要請であり、全体的な農業交渉の中では、関税を削減すること、輸出補助金を削減すること、そして増産効果の高い補助金を削減することというのが非常に重要視されると。
 そう考えたときに、日本の戸別所得補償というのはこの増産効果の高い補助金に当たるのではないかと考えることもできます。今回の自民党の予算というのは戸別所得補償の方を減らして農業土木を増やしたと、そういうふうに私はとらえておりますけれども、この戸別所得補償、このような補助金を減らした理由として、増産効果の高い、OTDSと言いますけれども、補助金を減らさなければならないと、それに引っかかるから減らすと考えられたのかどうかという質問がまず一点です。
 また、最後の質問をまとめますが、規模拡大についてですが、この神門教授の指摘によりますと、規模拡大のために補助金を出します。耕作機械が通りやすい区画された農地というのは実は転用もしやすくなる、住宅に転用しやすくなるので、実は農業者というのがみんな善良ではなくて、補助金で区画整理をしてもらって何年かしたらアパートにでも転用しよう、それを狙って規模拡大に応じるということがあると。何が起きるかというと、その区画整理された中で一生懸命農業をやっている人の農地の横に住宅が建つというような虫食い状態になっていくと、それが問題視されています。ですので、政府としてすべきことは、計画的な農地転用、ここは農地だけ集めますというような計画的な農地転用や、農地基本台帳の管理や情報公開ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 幾つかいただきましたのでまとめて手短にお答えしたいと思いますが、まず、先ほどちょっと最後おっしゃった、中国から安いものが入ってくるというところは、安くて安全でいいものであればあり得るかもしれませんが、別途SPSというのはWTO上ございますので、安全でないものがどんどん入ってくるということはないということは基本的に申し上げておきたいと思います。
 その上で、このOTDSですね、貿易歪曲的国内支持ということでございますが、これはまだWTO協定の中で議論をされている段階でございまして、まだ協定の中できちっと位置付けられておりません。したがって、まだこの制度というのはないわけでございまして、これに該当するかどうかという議論もできない段階と、こういうことでございます。
 そういうことでございますので、経営所得安定対策というふうに名前を変えて戸別所得補償を、現場が混乱しないようにやっていくために名前は変えましたけれども、実際の制度、現場の混乱を最小限にするために同様の制度でやっていこうというのが今年でございますので、予算を削ったということも実はないわけでございますので、まず、そのOTDS自体がまだ概念上成立していないということと、したがって、予算の、そもそも削っていないわけですが、関連性もないということでございます。
 それから、大区画化の御質問がありましたが、農業農村整備で大区画化をしたり排水状況を良くするということで生産性を高めて担い手に集積を進捗させる、大変大事なことだと思っております。これは農家の御負担ももちろんございますし、それから事業完了後八年は優良農地として位置付けて、農地転用許可は原則として認めないということになっております。今後も、こういう優良農地に該当するものはもちろんですが、該当しない農地についてもこの制度の適正な運用をしていきたいと、こういうふうに考えております。
○委員長(中谷智司君) 加治屋農林水産副大臣。答弁は簡潔にお願いいたします。
○副大臣(加治屋義人君) 区画整理については大臣もお話しのとおりでございますが、この農地の基本台帳についてお答えしたいと思います。
 農業委員会が整備する農地の基本台帳は、農地に関する業務の基礎資料として、農地の地番、所有者、借受人等についての情報を記載しているものであります。農地基本台帳はほぼ全ての農業委員会で整備されているところでありますが、その情報の更新については、九割以上の農業委員会で毎年少なくとも一回は情報が更新されております。また、一割弱の農業委員会ではマンパワー不足による更新が進んでいない状況にあります。このような状況に対応するために、農地基本台帳のデータの電子化や固定資産課税台帳などの情報の突き合わせが容易に行えるようにすることが重要だと思っております。このため、従来から国として農地基本台帳の電子化等を支援してきたところでありますが、今後とも農地基本台帳の更なる充実に努めてまいりたいと思います。
 以上です。
○亀井亜紀子君 いろいろ申し上げたいことはありますが、時間ですので終わります。
 ありがとうございました。
○福岡資麿君 自由民主党の福岡資麿でございます。質問の機会をいただきましたことを感謝申し上げます。
 今日は最後から二番目の質問ということで、比較的大きい会派にいると普通は最初の方の質問が多いんですが、今日、ほかの方の質問を聞きながら、かぶらないように質問することが難しいなということを改めて感じさせていただきながら質問をさせていただきたいと思います。
 まず、この法案について質問をさせていただきたいと思いますが、この法律、成立すれば対象国の米穀債権の免除が可能となると。その総額が五百七十七億円ということでございますが、当初、ケルン・サミットで合意した時点のそこの元金プラス利息でいうと四百三十三億円ということでございます。それ以降、今日まで時間が経過したことに伴って利息見合い分が百四十四億円プラスに積み上がって、結局五百七十七億円の債権になるというようなことで承知をしておりまして、その追加の利息見合い分の百四十四億円分について食料安定供給特別会計の損益改善分を充てるというふうにされているというふうに承知をしています。
 これまでの議論を伺っていまして、一部の議員の方々からも、早く解決しなかった、今日まで至ったということで時間が掛かってしまった、その利息見合い分百四十四億円という部分についていろいろ質疑がなされていたりするわけでありますが、これはまあ、元々、その利息というのは日本の国に入ってくるべきものだというふうに考えるとするならば、今回、時間が経過したということは好ましくない話ではありますが、その分の今回の措置というのは国民の負担増につながるものではないかどうかということについて、まず確認をさせていただきたいと思いますが、よろしくお願いいたします。
○大臣政務官(稲津久君) お答えさせていただきます。
 この米の延べ払い輸出の実施以降の利息増加分についてでございますけれども、これは食料安定供給特別会計の米管理勘定において毎年のいわゆる資産増加分として計上をしているということ、また一方、この米管理の勘定につきましては、備蓄米の売り買いや管理の実施等におきまして損失、いわゆる赤字が発生するために例年一般会計からの繰入れを行っているところでございます。
 こうした中で、米債権に毎年発生する利息分についてなんですけれども、これは資産増加分として毎年の米管理勘定全体の損失額から差し引いて特別会計に計上をしているということ、このために一般会計からの繰入額が抑制をされてきたところでございます。したがって、利息分に相当する額についてですけれども、これは毎年の一般会計からの繰入額が少なく済んでいたということもございます。
 しかしながら、現時点で債権免除を行った場合、食料安定供給特別会計に実質的な損失が生じるため、その補填財源としてこの特別会計の損益改善分を活用して損失で行うことが必要になったところでございます。
 少し回りくどい説明になりましたけれども、結論といたしまして、その意味でいえば、この百四十四億円分についてはいわゆる新たな国民負担につながるものではないということを申し述べておきたいと思います。
 以上でございます。
○福岡資麿君 新たな国民負担にはならないということでありますが、この百四十四億円、免除しなければほかの事業に用いることができたものであるということも言えるわけでございます。
 そういう意味で、ちょっとまた、再三重なるかもしれませんが、これまでの経緯で確認の質問をさせていただきますが、これまで、米の支援を始めたときは、元々これ、農水省の予算で始めたわけじゃないんです。それで、そのケルン・サミット後、十四年度まで続いた債務救済無償資金協力、これで処理することを考えた。これもODAの一環ですから、そういう意味では農水省の予算ではなかったということでありまして、今回なぜこの農水省の予算で措置することになったのかという部分が非常にちょっと分かりづらいところがあるというふうに思います。
 あのサミット以降十年以上も本法案が提出されなかった理由と併せて、経緯について教えていただければと思います。
○大臣政務官(稲津久君) それでは、まず私の方から農林水産省の予算で措置することになった経緯についてお答えをさせていただきたいと思います。少ししっかり御説明させていただきたいと思いますので、経緯も含めて話させてもらいます。
 この米債権の免除につきましては、今日もこの議論の中でありますけれども、平成十一年のケルン・サミット直後は、これは実質的に免除する、いわゆる債務救済無償方式、これで対応する方針でございました。ただ、これが平成十四年に方式廃止になりまして、その後、実質的に債務国が弁済する形にするような措置のほか、法的措置により免除する方式について検討してまいりました。
 今般、この法的措置及び財源の問題について関係省庁との調整が整ったことから、法律に基づいて正式な形で米債権を免除をするということで本法案の提出に至ったところでございます。その際、この米債権については農林水産省が所管する食料安定供給特別会計で管理を行っているものであることから、この免除に伴い生じる損失の補填財源については、これは農林水産省で措置をしたという経緯になっております。
 それから、米債権の免除についてもお話を申し上げたいと思うんですけれども、ケルン・サミットにおける国際的な合意に基づき実施するものであるということ、それから債務国政府からの債権免除要請の受理、債権免除完了の通知は外務省が窓口となって行うということ、こうしたことからこの法案についても触れておきたいと思うんですけれども、農林水産省と外務省の共管となったところでございます。
 以上、まず私の方から御説明させていただきました。
○福岡資麿君 これまでの経緯については御説明いただきましたが、簡単に言うと、これまで十年ぐらい、当初のケルン・サミットからすると十五年近く、省庁間の膠着というか、なかなか話合いが付かなかったという事実があるわけでありまして、今回こういう法的措置になったのも、モザンビークの首相から言われた、そしてこの六月にTICADXがあるという、そういう外的要因がなかったらなかなか解決がし得なかったという意味でいうと、国際社会の責任ある一員としてそういう外的要因がなければなかなか処理が進まなかったということは余り褒められた話ではないということを指摘をさせていただきたいというふうに思います。
 もうこの件はこれでとどめさせていただいて、あと、大臣に最後お伺いさせていただきたいんですが、先ほども申しましたように、この後、TICADXが控えているわけでございます。先ほどから各委員の質問にもありましたが、アフリカに対してのいろいろな農業面での支援、農業生産、農村開発の支援、どう行っていくかということは非常に大きなテーマでございますし、またあわせまして、先週まで日本に滞在されておりましたアウン・サン・スー・チーさんが外務大臣に対しても農業支援をお願いしたいというようなことをお願いをされているというふうに承知をしております。
 日本も、そういった農業技術をどう伝えていくか、世界的な食糧難というのが叫ばれている中でどう日本のリーダーシップを図っていくかということが問われていると思いますが、そういった点につきまして農水大臣の所見をお聞かせいただいて、質問を終わらせていただきたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) 先ほど来、ネリカ米の話、CARDの話、御答弁を申し上げてきたところでございます。
 やはり、先ほどの話の中で申し上げたように、まだ栄養不足人口が二億人と、日本の人口の約二倍なんですね。こういう貧困や飢餓という克服すべき課題、これに対してやはり我が国の農業分野は大変に期待をされておるということでございますので、そういった意味で、もちろん物を出すということもありますけれども、生産性の向上、それから持続的な農業の普及、さらには、やはりどうしても貧困の影響を強く受けるのが女性や小農ということでございまして、こういうところへの支援をしっかりとやってまいりまして、TICADXにおいても宣言文書等において貧困や飢餓への対策に貢献する農業分野の支援の重要性が反映されますようにやってまいりたいと思っております。
 また、ミャンマーでございますが、この間、あれは衆議院の方でしたか、予算委員会の委員会室にもアウン・サン・スー・チーさんお見えになりましたけれども、やはり国民の大部分が、労働人口の七割と聞いておりますが、農林水産業に従事しておられるということで、今までもODAを通じて技術的支援を中心にやってきたところでございます。
 昨年の九月五日には、首都のネーピードーにおいて日本とミャンマーの間の農林水産業協力対話、これを局長級で実施をしておりまして、今後も、官民連携を含む更なる協力の可能性、これについて協議を行ってまいりました。しっかりとミャンマーの民主化を後押しするためにも、この農林水産分野の協力を推進してまいりたいと、こういうふうに思っております。
○福岡資麿君 終わります。
    ─────────────
○委員長(中谷智司君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、金子恵美さん、松浦大悟君、岡田直樹君及び小川勝也君が委員を辞任され、その補欠として那谷屋正義君、藤本祐司君、石井浩郎君及び石橋通宏君が選任されました。
    ─────────────
○横山信一君 公明党の横山信一でございます。私で最後でございますので、もうしばらく御辛抱いただきたいと思います。
 昭和四十五年に制定されましたこの米延べ払い法でありますけれども、先ほど来議論の中に出ておりましたが、本来は国内の過剰米対策の一環として米の輸出を円滑に進めるという目的がございました。この昭和四十五年以降、大きく分けて三回にわたって実施をされてきたわけですけれども、平成七年以降は、北朝鮮に出して以来、実際は実施をされていないということであります。
 一方で、食糧援助としては、ODAの中でのKR食糧援助とか、あるいはWFPなどを通じての食糧援助というのはあるわけでありますけれども、言ってみれば過剰米対策の役割というのは終えたのではないかというふうにも見えるわけですが、この米延べ払い法による食糧援助というのは今後どのような位置付けになるのか、まず伺います。
○国務大臣(林芳正君) 今委員がお話しいただきましたように、延べ払い法に基づいてやったものは当時の在庫の状況ということが当然あったわけでございまして、輸出を円滑に進めようという目的があったものであります。優遇されたベースということで、輸出相手国に経済援助の、実質的な経済援助の役割を果たしてきたことに併せて、政府保有米在庫の軽減に資する効果も有していたということでございます。
 この延べ払い法に基づく有償の延べ払い輸出は平成七年が最後でございまして、この後は実施をしておりません。外務省が被援助国に対して資金を無償供与して、その資金で被援助国が我が国の政府米を購入すると、今おっしゃっていただいたKRですが、それからもう一つはWFPとの協議に基づいて我が国の拠出金を基にWFPが政府米等を購入してそれを被援助国に無償供与すると、このWFPの通常拠出など、いずれも無償の方式で行ってきておりますので、今後もこうした方式を活用してやってまいりたいと思っておるところでございます。
○横山信一君 今後もというふうにお話をされましたけれども、ほかの仕組みを使うにしても、食糧援助、政府在庫米を使う、一部MA米も使っているようでありますけれども、そうした場合、援助される国で食べられるお米の多くは長粒種ということでありますから、いわゆる日本米、短粒種の日本米とは違うわけであります。そういう意味ではニーズがないと言ってもいいんですけれども、しかし、長期的に見れば、長い目で見たときに、その援助される、今貧困国であっても、長い目で見たときには輸入国というか、ちゃんと輸入してくれる国に変わっていく可能性もあるということで考えると、食糧援助を通して国産米、国内の日本の米の味を知ってもらうということは大事じゃないかなというふうにも思うわけでありますが、今後の国産米の活用見込みについて伺います。
○大臣政務官(稲津久君) お答えいたします。
 近年の国産米を活用した援助についてということでございますけれども、今議員から御指摘のとおり、我が国のお米、短粒種、これを求めるいわゆる被援助国のニーズが多くないということもございます。それから、援助米としての国産米を活用するためには、ミニマムアクセス米と比べて国産米の場合は財政負担が大きいということ、こうしたことから、国産米の援助用の輸出というのは年間大体二から三万トン程度で推移をしているという状況でございます。
 なお、議員の今御指摘の背景にあるものとして、国産米については、現在、攻めの農林水産業推進本部におきまして、日本米の輸出あるいは日本食の海外展開、いわゆるメード・バイ・ジャパンの取組を推進しているところでございまして、一方で、我が国の米に対する被援助国からの国産米ニーズを高めていくことも、攻めの農業の観点からも非常に重要なことであるというふうに考えております。
 このようなことから、食糧援助における国産米の活用について、外務省、財務省、関係省庁と連携を図りつつ、この財政負担も踏まえて適切に対応していきたいと考えております。
○横山信一君 ちょっと価格は高いですけれどもおいしいという、そういう日本のお米を是非海外の皆様にも積極的に食べていただきたいということであります。
 ちょっと話は視点を変えまして、全漁連が二十六日と二十七日の二日間、全国一斉休漁に入ると、そういう発表をいたしました。これは平成二十年以来の出来事であります。
 今回の燃油高騰というのは円安が主な原因でありますけれども、この円安傾向が収まる気配というのは今のところ見られないわけでありまして、一方で、セーフティーネット構築事業の補填基準が変わったばっかりで、この一月から三月で変わったばっかりで、七中五の一〇〇%ということで補填金額も上がりました、一万四千二百四十円。今までに比べて格段に上がっているわけなんですが、そうした状況でありながら全国一斉休漁に入るということは、非常に今漁業の置かれている状況が非常に厳しいということの象徴でございます。
 この補填金、上がったばかりの補填金、六月まで続くわけなんでありますが、既にもう限界だという、そういう状況になっているわけでありますけれども、この燃油対策をどうしていくのか、伺います。
○国務大臣(林芳正君) 燃油価格の高騰がこの漁業経営に与える影響、これは大変大きいものがございます。特にこの間ニュースになりましたイカ釣りの場合は、ただ船を動かしていくということに加えて光を使いますから、まあ大体で三割以上は燃油、コストの三割以上は燃油だと、こういうふうにも言われておるところでございまして、したがって、我が省といたしましては、今お話がありましたセーフティーネット構築事業、これ、漁業者と国が積立てを行って価格高騰時に補填すると、こういう仕組みですが、二十二年度から実施しておりまして、その計算の仕方を、今、横山先生がおっしゃっていただいたように変えてきたところでございます。二十四年度補正で三十九億、それから二十五年度の当初予算案で三十五億ほど、国の積立分、必要な額を計上しておりまして、これで今後の高騰に対しても一定の対応が可能であると考えております。
 今御指摘がありましたように、円安でかなり燃料価格が上昇しておりますので、今後とも漁業者の皆様の御意見を伺いながら、この燃油価格の動向を注視をして、この価格高騰に対して適切に対応してまいりたいと、こういうふうに考えておるところでございます。
○横山信一君 補填基準が変わったばっかりですから、そういう意味では今すぐに新たなということにはなりませんが、とはいえ、六月までが今の制度でいきますので、早急な対応を是非お願いをしたいと思います。燃油が上がっていても、同時に魚価も上がっていくなら耐えられるんですけれども、魚価安は一方で進行しているわけですから、漁業そのものが非常に厳しい状況に置かれていると。
 先日、私、根室に行ったときに、ちょうど日本二百海里内のサケ・マスの出漁をする直前だったんですけれども、船主さんにお話を伺ったら、漁期が二か月間あるんだけれども、半分ぐらいしか出る予定はないよと言っていました。それは、仮に全部出たとしてもそれだけの漁獲があるかどうか分からないし、また、捕ったとしてもそれだけの金額があるかどうか分からないというのであれば、ぎりぎりの採算、ぎりぎりのところを狙っていくんだみたいな話をしておりまして、今の時点でそういう状況ですから、是非とも早急な対策をお願いしたいと思います。
 原発の汚染水の問題に触れさせていただきたいと思いますが、今月に入りまして福島第一原発の地下貯水槽から汚染水漏れが相次いでありました。今後、原子炉建屋への地下水の流入を止めない限り、汚染水は日量で四百トンのペースで延々と増え続けるというふうに言われております。
 このため、漁業関係者の間には、この貯蔵し切れなくなった汚染水がなし崩し的に海に放出されるんじゃないか、そういう懸念が非常に強まっておりまして、この地下水対策どうしていくのかということが漁業者の間で話題になっているわけでありますけれども、これをどうするのか、まず伺います。
○政府参考人(中西宏典君) お答え申し上げます。
 福島第一発電所において増え続けております汚染水の問題、この問題につきましては、廃炉を進める上でも大きな課題だと我々は認識をしてございます。
 そういった意味で、まず、現在、この汚染水の増加の原因となっております地下水の抑制というものが第一の課題だというように我々は思っておりまして、その地下水の流入抑制を図るために地下水バイパス計画というのを現在有してございます。具体的には、こちら、原子炉の建屋に恒常的に地下水が入り込んでいるわけでございますけれども、それを建屋の山側の上の方でその流れ込む前の地下水をくみ上げまして、それを、その流れを変更して海に流すというようなことで周辺の地下水の水位を低下させようというようなことでございます。
 現在、十二本の井戸をくみ上げまして、各種の配管等々が完成をしておりまして、さらには、くみ上げました地下水に含まれます放射性物質について東京電力及び第三者の検査機関で含まれている放射性物質を分析をした結果、問題がないというようなことを、確認を現在進めておりまして、今後は地元のいろんな関係者の御理解を得た上でそのバイパスの稼働を開始するという予定でございまして、今後、こういうことをやりますと、地下水バイパスの結果、日量四百トンぐらい入っているというふうな地下水がかなりの程度抑制されるというふうに我々としては期待しているところでございます。
○副大臣(加治屋義人君) 平成二十三年十二月に原子力対策本部が取りまとめた中長期ロードマップにおいて、一つには汚染水の海への安易な放出は行わないこと、二つ目には海洋への放出は関係省庁の了解なくして行わないこと、この二点が明記されております。
 この方針に従って、今後も政府全体として厳正に対応していくべきものと考えております。私ども農林水産省としては、汚染水の安易な放出は絶対了承しないという姿勢で今後臨んでまいりたいと思っております。
○横山信一君 是非、加治屋副大臣のおっしゃられたとおりにお願いしたいというふうに思います。今のその一言がやはり漁業関係者の安心を与えるものだというふうにも思っております。まず地下水対策をしっかりやって、その上で汚染水の処理を、いろいろまだ問題もあるようでありますけれども、汚染水対策をやっていただくということで、順番どおりまず地下水対策、あと二年間ぐらいは何とかなるみたいでありますけれども、それまでに確実に止めていただきたいということであります。
 イノブタのことについて触れさせていただきたいと思いますが、最近、福島県の原発事故の避難地域で家畜であった豚と野生のイノシシが交雑してイノブタが多数目撃されているということでございます。福島県では、南相馬、広野、川内村、六市町村においてイノブタのDNA検査を今実施をしていて、その調査結果によっては集中的な駆除も検討するということになっておるわけでありますが、今後、営農再開、それから住民の帰還にもこのイノブタ問題は非常に大きな影響が出てくるということが考えられるわけでありますが、国の対応を伺います。
○政府参考人(伊藤哲夫君) 警戒区域及びその周辺部におきましては、鳥獣捕獲の低下や人為活動の停滞によりイノシシなどの人里への出没が増加していると、こういう状況にあると認識しております。
 このような中、環境省におきましては、昨年度、福島県が行うイノブタなどの生息状況調査やイノシシと豚との交雑状況を確認するための捕獲に対し、東日本大震災復興推進調整費を活用した補助を行ったところでございます。
 また、原発事故に伴う放射能汚染や立入り規制などにより地元自治体や土地所有者などでは対応できない警戒区域につきましては、本年度、環境省におきまして、鳥獣の生息状況の調査や安全かつ効率的な捕獲手法等の検討を行い、実施体制を構築した上でイノシシ等野生鳥獣の捕獲に取り組んでいきたいと、こういうふうに考えているところでございます。
○政府参考人(佐藤一雄君) お答えいたします。
 農水省におきましては、二十四年度の補正予算でございますが、福島県営農再開支援事業、二百三十二億円の事業でございますが、この中で、営農再開のための取組の一環として侵入防止柵の整備でありますとか捕獲おり、わなの購入等の総合的な取組を支援するための予算措置を行ったところでございまして、さらに、それに加えまして、鳥獣被害防止緊急捕獲対策ということで百二十九億円の事業でございますが、これによりイノシシの捕獲頭数に応じて一頭当たり八千円以内を支払うと、こういったような事業を講じているところでございまして、今後とも農家の皆さん方が営農再開に向けて安心して農業に取り組めるよう支援していきたいと、このように考えているところでございます。
○横山信一君 以前は、以前はというか、イノブタは元々食用で飼育をされていた、一部飼育をされていたということもあるようでありますけれども、今は放射線問題があって食肉の利用が難しいという経緯もあるようでありますから、しっかりと対応をお願いしたいというふうに思います。
 宮城県の水産復興特区について伺います。
 十九日に農水大臣の同意を得まして、二十三日付けで復興庁によって宮城県が申請をしていた水産業復興特区が認定をされました。
 私もこの問題については何度か質問で取り上げてきたわけでありますけれども、実はこの漁業権というのは、漁業権に民間資本が参入するというのは現行制度の下でも可能でありまして、民間会社が漁協の組合員として区画漁業権を行使するということはできるわけであります。実際、西日本のマグロとかブリの養殖ではそういうふうに行われているわけでありますが、それをあえて今回は民間資本にも漁協と同じように漁業権を認定をしたと、承認をした、承認をするということになるわけでありますが、これで懸念されるのはやはり漁業秩序の問題でありまして、やはり海という環境では、これは安全操業一つ取ってみても、やはり漁業秩序ということがあって安全操業が保たれる、あるいは環境保全ということにあっても、単に競争原理を導入するだけでは環境保全は保てないといった様々な弊害が懸念をされるわけであります。
 そういう意味では、この地元のJFみやぎ、あるいは全漁連がこれに対して本川長官の下に要請に来られたということでもありますけれども、そこで二点お聞きをいたしますが、この復興特区内ではどのように漁業秩序を守っていくのかということ、そしてまた、多くの漁業者が不安を抱いているこの水産業復興特区でのこうした民間資本への漁業権の付与というのは全国に展開されるのかどうか、この二点について伺います。
○政府参考人(本川一善君) この復興特区の問題については、先週金曜日、我々同意をさせていただきまして、今週、内閣総理大臣の認定があったわけでありますが、私ども、昨年十月から現地に職員も派遣して、海区の区割りがうまくいくようになっているかどうかとか、そういうことをつぶさに状況を見させていただきました。そういうことで集めた必要な情報を持って、法律にのっとって判断をさせていただいたというところでございます。
 ただ、宮城県の漁業者の中にはやはり非常に特区制度に対して反対意見があるということもございまして、同意の回答に当たっても、復興庁に対して、現地の水産業の復興が円滑に進むよう引き続き協力していきたいということを確認させていただきました。それから、宮城県知事に対しまして私どもの方から、漁場の秩序に無用の混乱を生じさせないために必要な関与を行うよう通知をしたところでございます。
 そのようなことで、引き続き現場で円滑に進むように見守っていきたいというふうに思っております。
 それから、全国展開につきましては、まず一点は、この制度自体が復興のために設けられた制度であるということであります。それから、現状を申し上げれば、今これを利用できる十の県のうち、宮城県でただ一事例この事例があるだけでございます。そういったような状況を見れば、現時点で直ちに漁業権特区制度を全国展開する状況にはないというふうに判断しているところでございます。
○横山信一君 水産卸売市場のことについて伺いますが、水産物流通の基幹的な社会的インフラでありますこの水産の卸売市場、国民に対して水産物を安定的に供給する上で重要な役割を持っております。しかし、最近では、量販店がこの卸売市場に対してリベート、いわゆるバックマージンを求めるというケースが多々見られるということを聞いております。しかも、その割合が最近上昇しているということです。水産物というのは元々、温度管理、衛生管理が必要であることに加えて廃棄物も多く出るということで、流通コストが割高になる傾向が元々あります。このような中で、バックマージンがあるということで流通コストを高止まりさせる、あるいはまた、卸売業者、仲卸業者への負担が増していくという、その経営環境を悪化させる要因にもなっていくということであります。
 改正独占禁止法では優越的地位の濫用行為も禁止をしておりますが、こうしたバックマージン、リベートを求めるということに対して公正取引委員会ではどう考えるのか、伺います。
○政府参考人(原敏弘君) お答えをいたします。
 取引先に対しまして金銭の提供を求める行為自体というのは、様々な理由等々がございますので、それ自体で直ちに独占禁止法上問題になるとは言えないと考えてございます。
 御指摘の内容等々だけでは、実際に独占禁止法上違反かどうなのかというのはちょっと判断しかねることでございますが、一般的に申し上げまして、事業者が自己の優越的な地位を利用しまして取引の相手方に対しまして金銭の提供を強制するなど、正常な商慣習に照らして不当に不利益を与えるような場合には、優越的地位の濫用として独占禁止法上問題になると考えております。
○副大臣(加治屋義人君) 御指摘のことにつきましては、平成十六年に市場取引一一〇番を開設をしておりまして、関係者にも周知をしてきたところでございます。
 仮に、議員御指摘のような量販店の行き過ぎた要求があるとすれば、農林水産省としても事案の把握に努めて適切に処置してまいりたいと、そのように思います。
○横山信一君 終わります。
○委員長(中谷智司君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 外国政府に対して有する米穀の売渡しに係る債権の免除に関する特別措置法案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(中谷智司君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中谷智司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時十四分散会