第183回国会 予算委員会 第12号
平成二十五年四月二十五日(木曜日)
   午前九時一分開会
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   委員の異動
 四月二十四日
    辞任         補欠選任
     大河原雅子君     蓮   舫君
     大野 元裕君     川上 義博君
     加賀谷 健君     斎藤 嘉隆君
     武見 敬三君     古川 俊治君
     草川 昭三君     魚住裕一郎君
     渡辺 孝男君     西田 実仁君
     田村 智子君     大門実紀史君
     山内 徳信君     福島みずほ君
     水戸 将史君     中山 恭子君
     荒井 広幸君     舛添 要一君
 四月二十五日
    辞任         補欠選任
     斎藤 嘉隆君     加賀谷 健君
     樽井 良和君     大久保 勉君
     津田弥太郎君     金子 洋一君
     安井美沙子君     牧山ひろえ君
     蓮   舫君     大河原雅子君
     柴田  巧君     藤巻 幸夫君
     平山 幸司君    はた ともこ君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         石井  一君
    理 事
                小川 敏夫君
                小林 正夫君
                白  眞勲君
                松浦 大悟君
                青木 一彦君
               北川イッセイ君
                山崎  力君
                谷合 正明君
                小野 次郎君
    委 員
                大河原雅子君
                大久保 勉君
                加賀谷 健君
                金子 洋一君
                川上 義博君
                小西 洋之君
                斎藤 嘉隆君
                田中 直紀君
                徳永 エリ君
                西村まさみ君
                藤末 健三君
                牧山ひろえ君
                蓮   舫君
                赤石 清美君
                岩井 茂樹君
                宇都 隆史君
                岡田  広君
                岸  宏一君
                末松 信介君
                谷川 秀善君
                中川 雅治君
                西田 昌司君
                野上浩太郎君
                藤川 政人君
                古川 俊治君
               三原じゅん子君
                魚住裕一郎君
                西田 実仁君
                横山 信一君
                藤巻 幸夫君
               はた ともこ君
                森 ゆうこ君
                大門実紀史君
                谷岡 郁子君
                福島みずほ君
                中山 恭子君
                舛添 要一君
   国務大臣
       内閣総理大臣   安倍 晋三君
       財務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        麻生 太郎君
       総務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(地方分
       権改革))    新藤 義孝君
       法務大臣     谷垣 禎一君
       文部科学大臣   下村 博文君
       経済産業大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(原子力
       損害賠償支援機
       構))      茂木 敏充君
       国土交通大臣   太田 昭宏君
       防衛大臣     小野寺五典君
       国務大臣
       (内閣官房長官) 菅  義偉君
       国務大臣
       (復興大臣)   根本  匠君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)
       (内閣府特命担
       当大臣(防災)
       )        古屋 圭司君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(沖縄及
       び北方対策、科
       学技術政策、宇
       宙政策))    山本 一太君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(消費者
       及び食品安全、
       少子化対策、男
       女共同参画))  森 まさこ君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(経済財
       政政策))    甘利  明君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(規制改
       革))      稲田 朋美君
   副大臣
       財務副大臣    小渕 優子君
       厚生労働副大臣  桝屋 敬悟君
       厚生労働副大臣
       復興副大臣    秋葉 賢也君
       農林水産副大臣  江藤  拓君
       経済産業副大臣  菅原 一秀君
   政府特別補佐人
       内閣法制局長官  山本 庸幸君
       原子力規制委員
       会委員長     田中 俊一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小野 亮治君
   政府参考人
       内閣府経済社会
       総合研究所総括
       政策研究官    浜田 浩児君
       林野庁長官    沼田 正俊君
       水産庁長官    本川 一善君
       中小企業庁長官  鈴木 正徳君
       国土交通省鉄道
       局長       瀧口 敬二君
   参考人
       日本銀行総裁   黒田 東彦君
       日本銀行理事   武田 知久君
       東京電力株式会
       社代表執行役副
       社長       内藤 義博君
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  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○平成二十五年度一般会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○平成二十五年度特別会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○平成二十五年度政府関係機関予算(内閣提出、
 衆議院送付)
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○委員長(石井一君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成二十五年度総予算三案審査のため、本日の委員会に東京電力株式会社代表執行役副社長内藤義博君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(石井一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(石井一君) 平成二十五年度総予算三案に関する理事会決定事項について御報告いたします。
 本日は、経済財政等に関する集中審議を行うこととし、質疑は往復方式で行い、質疑割当て時間は四百十三分とし、各会派への割当て時間は、民主党・新緑風会百四十九分、自由民主党・無所属の会六十分、公明党三十七分、みんなの党三十六分、生活の党三十六分、日本共産党十九分、みどりの風十九分、社会民主党・護憲連合十九分、日本維新の会十九分、新党改革十九分とすること、質疑順位につきましてはお手元の質疑通告表のとおりでございます。
    ─────────────
○委員長(石井一君) 平成二十五年度一般会計予算、平成二十五年度特別会計予算、平成二十五年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、経済財政等に関する集中審議を行います。
 これより質疑を行います。大久保勉君。
○大久保勉君 おはようございます。民主党・新緑風会の大久保勉でございます。
 本日はアベノミクスを中心に質問したいと思います。特に、アベノミクスが日本社会にどのような影響を与えるのか、この点に関してしっかりと議論してまいりたいと思います。
 まずは、日本銀行の金融政策に関しまして黒田総裁に対して質問したいと思います。
 黒田総裁とは、昨年の十月、IMF・世界銀行総会以来でありますが、まずは御就任おめでとうございます。
 当時、IMF・世銀総会でいろんな会議がありましたが、御一緒させてもらいまして、流暢な英語でしっかりと日本を主張されていました。当時はADBの総裁という形でした。こういった方が日銀総裁になられまして、しっかりと日本の政策を海外に向けて発信する、これは非常にいいことだと思っております。今後の総裁のリーダーシップを期待したいと思っております。
 そこで、まず質問したいのは、就任されて一か月がたちましたが、これまでの感想に関して何かございましたら、質問したいと思います。
○参考人(黒田東彦君) 就任いたしまして一か月程度でございますが、四月四日の金融政策決定会合におきまして、いわゆる量的・質的金融緩和を政策委員会の委員一致した意見として決定をいたしました。その後、市場や経済の動向を点検しながら、先日、ワシントンに参りましてG20あるいはIMFCの会議等に参加いたしまして、日本銀行の決定いたしました金融政策についていろいろな形で御説明をいたしまして、おおむねその内容、特に二%の物価安定目標を実現するために必要な措置をとったということについて御理解がいただけたのではないかというふうに思っております。
 今後とも、いろいろな課題に直面していくと思いますけれども、しっかり頑張ってやっていきたいと思っております。
○大久保勉君 私の手元に日本銀行の量的金融緩和に関して一枚紙があります。物価安定の目標が二%、達成期間が二年、マネタリーベースは二年間で二倍、そして国債保有額、平均残存期間は二年で二倍と、全て二という数字が続いておりますが、そこで質問したいと思います。
 二年以内に物価水準を二%にするということでありますが、達成に自信がおありかということであります。市場ではなかなか難しいんじゃないかといった指摘もあります。また一方で、国債が暴落する、途中で、さらには円が暴落する、こういった場合に金融システム不安が発生します。そういった状況でも、二年後に二%の物価水準を維持するために全ての政策を動員するのか、それとも途中でやめるのか、この点に関して質問したいと思います。
○参考人(黒田東彦君) 先般、金融政策につきまして量的・質的緩和を決定しました際に、二%の物価安定目標をできるだけ早期に、具体的には二年程度を念頭に置いて必要な措置を決めたわけでございますが、そのときに発表いたしました政策委員会としての考え方を示した文書におきましても、二年程度の期間を念頭に置いてこの緩和策を取るわけですが、当然のことながら、その過程において上下双方にリスクがあり得るわけでございますので、そうした際には金融政策の調整を当然行うということでございますので、二%の物価安定目標は是非早期に達成したいというふうに思っておりますが、その過程でいろいろな事態が生じた際に当然必要な調整は行っていくと。ただ、二%の物価安定目標というのは、やはり二年程度を念頭に置いて、できるだけ早期に達成する必要があるというふうに考えております。
○大久保勉君 何か分かったような分からないような説明ですが、二%、二年というのは堅持するけれども、途中で調整すると。調整というのは、つまり二%、二年というのは堅持し、それ以外のことをいろんなことをやるということでよろしいんですか、金融システム不安に対する様々な施策を実現すると。
○参考人(黒田東彦君) 現在の日本銀行法におきましても、金融システムの安定ということは物価の安定と並びまして二つの重要な使命として掲げられておりますので、当然のことながら、常に金融システムの安定には配慮し、それを保っていくということは日本銀行として必ず果たさなければならない使命だと思っておりますので、物価の安定を実現するということを通じて、当然のことながら金融システムの安定にも貢献すると思っております。両者は矛盾するものではなくて、むしろ相互に支え合うものであるというふうに思っておりますが、いずれにいたしましても、金融システムの安定ということについては常時十分点検し、必要に応じて適切な政策を取ってまいりたいというふうに思っております。
○大久保勉君 はっきり分からないんですが、じゃ例えば、具体例で言います。一年後にまだ二%物価は達成していない、しかし金利が暴騰してしまった、国債が暴落、為替が暴落すると、こういった事態もあり得ると思います。現に、最近は東証のサーキットブレーカーが発動して国債先物の売買が一時停止するということもありました。非常にマーケットは神経質になっています。こういったときに、もし一年後に二%のインフレが達成できない、しかし今回の政策の副作用が大きかった、この場合どうされるんですかと。はっきり言ってください。
○参考人(黒田東彦君) 先ほども申し上げたとおり、金融システムの安定と物価の安定というのは両立するものであり、日本銀行として果たさなければならない二つの使命であると思っております。
 現時点で長期国債のマーケットでボラティリティーが高まったということは委員御指摘のとおりでございます。それに対応して様々な調整を行いまして、現時点ではボラティリティーが下がってきて、次第に市場が安定を取り戻しているということでございます。
 したがって、今後とも御指摘のようなことが起こった場合には、当然それに対して必要な措置、調整は行っていくということでございます。
○大久保勉君 その必要な措置の中に二%のインフレターゲットというのを撤回することが入っているかということです。はっきり言ってください、イエスかノーか。
○参考人(黒田東彦君) 二%の物価安定の目標を撤回するということは考えておりません。
○大久保勉君 分かりました。
 そういうことで、いわゆる金融システムが非常に脆弱になる可能性があると、そこが問題なんです。これを言いたかったんです。つまり、二%だけを堅持することによって様々な弊害があり得べしと、このことをしっかり考えてほしいんです。世界中が心配しているんですよ。私のところにも様々なヘッジファンドが来ます。それで、為替市場に対してどういうふうなスペキュレーションをしようか、そういったことの意見交換もあります。こういったことだけ警鐘したいと思っております。
 次に申し上げたいのは、安倍総理に質問します。年金受給者が二%のインフレでどのような影響を受けるかに関してです。
 具体的に申し上げますと、物価目標二%が達成され、その後しばらく二%前後の物価上昇が続いた場合、年金生活者にとっては生活が私は苦しくなると考えます。どうしてかといいましたら、まずは年金制度でありますが、特例水準二・五%というのがありますから、これは法律が通りました。三年間は年金は上がりません。毎年一%程度年金支給が下がります。そして、三年後は、今度はマクロ経済スライドが稼働します。その場合は、もし二%インフレになった場合に〇・九%引くということになっています。事実上は二%の半分、一・一%しか年金の支給は上がらないんです。ですから、こういった状況が長期間続いた場合には、どうも年金生活者、生活が厳しいなと、こういうふうに思うと思います。このことに対して安倍総理はどうお考えですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 平成十六年に年金制度を改正をいたしまして、マクロ経済スライドを導入をいたしました。マクロ経済スライドは何かということをちょっと詳しく説明させていただかないと国民の皆さん御理解いただけないと思います。(発言する者あり)いや、大久保さんは分かっているかもしれないけれども、国民の皆さんは分からないから。
 そこで、マクロ経済スライドというのは、それは言わば生産人口と平均寿命、これを加味しまして、自動的に言わば物価スライドを調整していくという仕組みであります。この仕組みを入れていくことによって、言わば物価の、受給、言わば給付を調整をしていくという仕組みを入れたわけでございますが、平均すると〇・九%であります。ですから、例えば一%物価が上がった場合は確かにそこから〇・九を引きますから〇・一しか上がらないという仕組みになります。ところが、ずっと今までデフレが続いてきましたから、一回もこれは発動されたことがありません。しかし、年金を一方安定させるためには給付と負担をこれ安定させる必要がありますから、平成十六年のこのマクロ経済スライド制度を導入したことによって年金制度は安定したと、こう言われているわけでありますし、御党の岡田副総理もそう答弁をしておられるところであります。それは一つ押さえておかなければいけない点であります。
 一方、年金は物価にスライドするわけであります。デフレであれば減っていくんです。減っていくから二・五%減らさなければいけない状況になっているんですよ、なっているんですね。そして、それを三年間で二・五%減らすことが決まっています。これは民主党も賛成しました。減っていくんですよ。
 しかし、しかしですね、ここは大切な点なんですが、もし二%上がっていけば、皆さん、初年度は間に合いませんから一%下げなければいけませんから、次の年からは下げなくてもいいんですよ。一%下げなくてもよくなるんです、よくなるんですね。ですから……(発言する者あり)済みません、ちょっと後ろの方、委員でもないのにやじやめていただけますか。よろしいですか。
○委員長(石井一君) 静粛に。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) いや、やじして、国民の皆さん、私答弁しているのに、やじっていいんですか。(発言する者あり)
 いや、是非、テレビを御覧の皆さん、これ、この状況を見てくださいよ。場外で、答弁しているのにやじって、やじっていいんですか。
○委員長(石井一君) 速記を止めて。
   〔速記中止〕
○委員長(石井一君) 速記を起こしてください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私、一回やじられますとどこまで答弁したか分からなくなるので、じゃ、最初から答弁しましょうか。いや、それで今……(発言する者あり)いや、それはそうですよ。分からなくなるんですから。
○委員長(石井一君) 静粛に願います。(発言する者あり)ちょっと待って。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) じゃ、それで、今まだ答弁の最中でございますので、よろしいですか。
○委員長(石井一君) はい。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) はい。じゃ、そこで、まだ答弁の最中ですから。
 そこでですね、そこで大切な点は、今やじでうるさくて国民の皆さん聞こえなかったかもしれませんから最初から申し上げますが、つまり、デフレによってマイナス二・五%下げなければいけなくなったわけですね、三年間で。そして、初年度は、初年度はこれは間に合いませんから、幾らこれはデフレを脱却をして安定的なこれ物価安定水準に向かっていったとしても、初年度は一%は残念ながら下げなければいけませんが、次からはこれは下げなくてもよくなるわけであります。つまり、今までのデフレから脱却したことによって年金は下がらなくなるんだということは申し上げておきたいと思います。
 と同時に、年金の一部は株式市場で運用していますが、民主党政権、大久保さんがおられた政権においては、昨年の前半ではマイナス一・五兆円の運用損が出ていたんですね。しかし、それを今、三年間で、プラス五兆円運用益が出ている、三か月間で。これは恐らくもっと増えていくわけであります。つまり、これは経営者として、失格者とうまくいっている、それぐらいの違いがあるわけでありますね。
 つまり、デフレが続いていることによって年金財政は極めて危うくなっていたんだという根本問題を私は申し上げているわけでございます。
○大久保勉君 安倍総理、簡潔に答えてほしいんです。逆に言ったら、簡潔に答えられないということは何かやましいことがあると私は思っています。
 非常に単純化しますと、二%インフレが続いていった場合に、当初はマイナスの支給になります、一%マイナスになります。その後は、二%インフレになったとしても、〇・九%は上がりませんから、一・一%しか上がらないんです。じゃ、十年間に、こういう状況になりましたら、何と〇・九%掛けるの十年分、九%年金の支給は下がるんです。こういったことがいわゆる二%のインフレターゲットなんです。このことはしっかりと国民に話さないと、何かふわふわしていて、アベノミクス、良さそうなんだけど、何か経済が、生活が厳しくなると、こういった実態に対して国民に理解してもらう必要があるんです。このことを指摘して、次に行きます。
 じゃ、次に預金に関して申し上げます。
 麻生総理、例えば……(発言する者あり)済みません、麻生副総理ですね。(発言する者あり)次の総理ということかもしれませんが、まず申し上げますが、超金融緩和で預金金利が限りなくゼロに近い状況で二%のインフレを起こせば預金金利は、預金金利はゼロ%です、今。で、二%のインフレが起こりますから、その場合に、一年後、預金はどのようになるか。実質的な預金金利、恐らくは二%減ると思います。国民全体では約一千百五十兆円のネットの預金があります。ですから、ゼロ%の預金金利の環境では一千百五十兆掛けるの二%、約二十二兆円強が実質的に減ります。どこに行くか。ちょうど同じ金額としましては、国と地方の公的債務が一千百兆円です。このことから考えましたら、二%のインフレ政策といいますのは二%のインフレ増税で、二十二兆円国民の預金から公的部門の方に実質的に資金が移転するという形になります。これは、二十二兆円というのはどのくらいの金額かといいましたら、消費税五%上げて約十三兆円です。十三兆よりも九兆円大きいインフレ増税を麻生財務大臣が行っているということです。非常に財務省にとっていいことは、このことは国会の承認も必要ありません。アベノミクスだけでこのことができるということです。このことに関して、麻生財務大臣の御所見をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 大胆な金融緩和やることによって銀行におけます預金金利というものが、影響どれくらい与えるかというのを見通すことは不可能、ほとんど困難です。御自分も分かっておられぬし、世界も、世間も誰も分からぬのが当たり前のことなんですが、しかし、一般論として預金金利が物価上昇に見合って上昇しなければという前提でしゃべっておられるのだと思いますが、預金者の実質的な手取りは減少するというのはおっしゃるとおりですよ、それは当たり前のことです。簡潔だけにって、そこだけにしておきます、やましいことがありませんので。
○大久保勉君 そうですね。二十二兆円預金が減るということです。ただし、ゼロ%の預金金利という前提です。このことに関しては、黒田総裁が政策決定で短期金利を含めてゼロ金利制というのをずっと延長されておりますから、金融緩和というのは短期金利をゼロに抑えると、長く抑えるということですから、事実上二十二兆円預金者から国の方に所得移転が行われているということです。財務省としては非常に有り難い政策だと思っています。こういった点もアベノミクスには隠されているという点を指摘したいと思います。
 次に、財政ファイナンスの懸念に関して申し上げたいと思います。
 こちらは安倍総理にまず質問したいと思いますが、中期財政フレーム設定で新規国債の発行を四十四兆円に抑えるということを撤回されることはないか、このことに関して質問したいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 安倍内閣においては、経済成長をしっかりと力強いものにしていく、強い経済を取り戻す、この政策と財政健全化、両立をさせていくという基本的な考え方でございます。だからこそ大胆な金融緩和を行う、先ほどその一部を説明させていただきました。そして機動的な財政政策、さらには民間の投資を喚起する成長戦略を進めていくわけでございまして、先般その一端を記者会見でお話をさせていただいたところでございます。そして、平成二十五年度の予算について、公債金四十二・九兆円となっておりまして、四十四兆円を下回っているところでございます。
 そこで、前政権に決めた四十四兆円のフレームとの関係についてもせっかく立ったついでですから御説明させていただきますと、これは、これを念頭に置いたものではございません。あくまでも財政健全化を目指していくという観点から予算を作っていると、歳出の必要性において内容を十分に精査した上において予算を作成をしたということは申し上げておきたいと思います。
 今申し上げましたように、前政権の四十四兆円の枠組みにこだわるものではございませんが、先週のG20でも財政の持続可能性を維持することの重要性が確認をされたところでございまして、今後、経済財政諮問会議において財政健全化と経済再生との双方を実現するための道筋について検討を進め、年央の骨太方針において経済再生の道筋と併せて各歳出分野の取組など、財政健全化の基本的方向を示していく考えであります。こうした検討状況も踏まえながら、財政健全化目標を実現するための中期財政計画の具体化の検討を進めていく考えであります。
 昨日、来日したOECDの事務総長と会談をした際にも、OECD事務総長として私たちが進めている経済財政金融政策に大いに期待をしていると、これによって十五年間脱却できなかったデフレからも脱却できるんではないかと期待をしている、これは日本一国のみならず世界経済にも大変すばらしい影響があると、かつ、それによって財政再建の道にも進んでいくことができればそれはすばらしいことであると、こういうコメントをいただいていることであります。
 いずれにせよ、デフレ経済を続けている中においては国民の収入が減るんですから、約五十兆円のGNIが、国民総収入が減ったわけでありますから、それではとてもこれは財政の再建はできないということは申し上げておきたいと、このように思います。(発言する者あり)
○委員長(石井一君) それじゃ、速記を止めて。
   〔速記中止〕
○委員長(石井一君) 速記を起こして。
 総理大臣に申し上げます。質問に的確に答えてくれという要請がありますので、お願い申し上げます。
○大久保勉君 じゃ、次に行きたいと思います。
 円安の影響に関して今度は議論したいと思います。
 例えば日本のGDPは四百七十五兆円あります。そのうち輸入といいますのが七十兆円余です。実は、輸入のうち八割はドル及びユーロ、外貨で決済されています。為替レートは八十円から現状は百円近くということで、二〇%以上円安に行っています。このことが国民経済にどのくらい影響があるかという観点から議論したいと思います。
 私の試算によりますと、例えば七十兆円の輸入に対して八割がドル、ですから七十兆円掛けるの八〇%、更に二〇%円安になっています。それを計算すると約十一・三兆円のコストアップになります。ですから、この十一・三兆円がどういう形で誰が負担するかというのが経済的に非常に大きな問題になります。
 もし一〇〇%この輸入物価の上昇が最終消費者に行くとしましたら、いわゆる消費者物価が二・四%上昇します。この計算は、十一・三兆円割るところの四百七十五兆円です。ところが、今回、日本経済の問題は、なかなかこの転嫁がされていないという点に問題があります。一〇〇%転嫁されましたら、もうインフレターゲット二%は優に達成しているということです。
 じゃ、具体的にどのくらい輸入物価の上昇が最終消費者まで転嫁されるか、ここに関しては内閣府の参考人に聞きたいと思います。実は、日本経済マクロ計量モデルということで計算をしてもらっています。円が二〇%減価した場合、一年目にどのくらいGDPデフレーターが増えるか、このことに関して質問したいと思います。
○政府参考人(浜田浩児君) 二〇一一年公表の短期日本経済マクロ計量モデルの乗数表に基づきまして機械的に計算を行いますと、仮に為替レートが対米ドルで二〇%減価した場合、一年目の民間最終消費支出デフレーターは約〇・二%増加することとなります。
○大久保勉君 ということは、二・四%、一〇〇%転嫁されたら二・四%上がるところが〇・二%しか上がらないということです。約九割は誰かが負担しているということです。この誰かに関して重要な問題が発生すると思います。これを安倍総理に質問したいんですが、具体的には十一・三兆円の九割ですから約十兆円です。誰が負担しているのか、恐らくは輸入業者です。日本の場合は、原油、若しくは食料品、材料があります。そういった輸入業者が製品として転嫁できたらいいんですが、なかなか転嫁できていないと。ここに問題があります。
 特に輸入雑貨に関しましては、多くは中小企業であります。原油に関しましては、石油元売はしっかりと転嫁できておりますが、ガソリンが上がる、しかしガソリン代が上がったとしても運送会社はそれは転嫁できないと、こういった状況です。ですから、十兆円は多くの場合は中小企業が負担しているんじゃないかと。これがアベノミクスの次の問題です。最近、イカ釣り漁船がストライキをしたと、これも顕著な事例です。
 こういったことに関して、アベノミクスはいいことばかりじゃないと、いわゆる中小企業いじめであると私は思いますが、それに対して反論ができるんだったら反論してください。
○国務大臣(甘利明君) 輸入物価が上がったときに、マクロモデルで今委員がおっしゃった〇・二との差というのは、これ、私も何度も説明を聞いたんですが、完全に転嫁できないのでその数字になっているというのとちょっと違うんじゃないかと思いますので、それはもう一回参考人に、委員に聞いてもらいたいと思うんですが、いずれにしても、上がった輸入物価が適切に消費段階で転嫁されていくということが大事なことであります。その過程で中小企業がかぶって価格に転嫁できないようなことがないように、下請代金支払遅延防止法等々、公取の政策をしっかりやっていくことが重要だというふうに思っております。
○大久保勉君 これも、この問題に関しては相当内閣府と議論しました。過去の日本経済の状況をパラメーターに直して計算しておりますから、日本経済自身がなかなか価格転嫁ができないような構造になっていると、こういった問題があります。この後にじわじわじわじわ効いてくると思いますから、是非、甘利大臣の方は中小企業対策を行ってもらいたいと思います。
 特に、この問題に関しましては、消費税引上げ、三%引き上げた場合には八兆円の価格転嫁になります。ところが、今回は十兆円を転嫁しないといけないということで、しっかりとした転嫁対策が必要な政策です。
 続きまして、為替が円安になった場合に、輸出企業サイドの問題を御指摘します。
 こちらは、輸出企業にとりましては非常に収益が上がっていい話なんですが、どのくらいの影響があるかといいますと、日本の輸出は六十三兆円です。そのうち外貨建てが六割です。計算すると七・五兆円の収入が増えます。この結果、実は昨日の東証の終値が一万三千八百四十三円で、四年十か月ぶりの高値。つまり、為替が円安になった場合、多くの輸出企業というのは東証の上場大企業です。ですから、東証の上場大企業の利益が上がります。
 その利益はどういう形で還元されるかといいましたら、一番目が内部留保が増えると。二番目の方法としては、配当が引き上げ、つまり株価の、配当が上がるということです。三点目としましては、いわゆる一時金等の賃金上げ。四点目としては、下請などの系列企業に対して還元すると。こういった四つのパスがありますが、日本経済にとって最もいいのは、やはり中小企業を含めて全員が輸出企業の利益を共有するということです。四番目です。その次には賃金が上がるということです。その次はやはり配当、いわゆる株主がもうかります。内部留保が一番いけないという状況です。
 ただ、残念なことは、これまでの日本企業の動向によりますと、ほとんどが内部留保です。ですから、今回必要な経済政策というのは、内部留保からしっかりと賃金引上げに回す、場合によっては設備投資等をすることによって系列企業にしっかりと利益を還元する、こういった経済政策が必要だと思います。是非この点に関して、甘利大臣、御所見をいただきたいと思います。
○国務大臣(甘利明君) 企業が収益を上げても全部内部留保に回ってしまうと。ここで、一つ分析をする必要があると思うのは、バブル崩壊以降の一九九四、五年から今日まで企業が持っている現預金というのは余り変わらないんですね。百五、六十兆円だと思います。ただ、この一九九四、五年と今を比べますと、有利子負債と現預金の比率がうんと変わってきているんです。九四、五年は、現預金が一に対して有利子負債が二の割合です。現状は、現預金が一に対して有利子負債がやっぱり一なんですね。ということは、その企業が稼いだ金で有利子負債を減らしてきた。つまり、財務体質を強化してきたということになります。それをもちろん優先してきたんであります。
 これからどうするかということが委員の御指摘のところだと思います。我々もこれからは、有利子負債が相当減ってきたんであるから、これからは経済全体の歯車を回していくために、労働者の賃金であるとか、あるいは下請中小企業の代金をきちんと手当てをして、経済の歯車が回ってくるようにしたいと思っております。そのために税制で、賃金に還元したところについては税制の恩典を与えるとか、いろんなことをやっております。これは内閣全体として、このデフレ脱却の歯車がしっかり回っていくように、実体経済が付いていくように目配り、気配りをしていきたいというふうに思っております。
○大久保勉君 次に、二%のインフレで賃金が上がるか、この点に対して議論をしたいと思います。これは一番重要なポイントなんです。
 日本経済が賃金をしっかりと上げれる構造になっているかということに関して、一応パネルを用意しました。(資料提示)実は、出典はジェトロでありまして、アジア・オセアニア主要地域の投資関連コスト比較ということです。実は、日本の製造業の賃金を一〇〇とした場合に、韓国が四四、中国が八・三、ベトナムが二・九になっています。こういった状況下でなかなか日本の賃金は上げることが難しいですよということを議論したいと思います。
 もちろん、日本でしか作れないオンリーワンのものもありますが、最近、技術進歩、グローバル化によりまして生産の仕方が大きく変わってきました。例えば日本の製造業の現地生産が進んでいると。さらには、EMS、電子機器製造受託といいますが、こちらが発展しておりまして、事実上、日本と韓国と中国ではほとんど同じような商品が作られるという状況です。
 この状況に関して、昨年の二月にニューヨーク・タイムスで面白い記事がありました。これを御紹介したいと思います。実は、アメリカも全く同じ問題に直面しています。具体的に最初の方を読み上げますと、昨年二月、カリフォルニアで行われましたオバマ大統領主催の夕食会に際し、参加したシリコンバレーのトップは大統領へ質問するように要請された。しかし、アップル社のスティーブ・ジョブスへの質問を大統領が行いました。米国でアイフォンを作るために何ができるかということを質問したところ、少し前までアップル社は自分たちの製品はアメリカで製造されていると自慢していました。しかし、現在ではほとんど行われていないということです。約七千万台のアイフォン、約三千万台のアイパッド、そして約五千九百万台の製品は全て海外で生産されているという状況です。こういう状況です。
 じゃ、誰が作っているかに関して申し上げますと、実は、EMSの会社が作っておりますが、具体的にはフォックスコンであったり、日本名では、日本ではホンハイと言われておりますが、こういった会社がアップル若しくはサムスン、ソニー、いろんな会社の製品を作っているという状況です。こういう状況で、なかなか日本の賃金を上げようとしても上げることができないということです。具体的にどういう状況かといいましたら、週六日働く、一日十二時間、そして賃金は一日十七ドルという状況です。それで最新鋭の製品を作っていると。このフォックスコンに関しましては、全世界の民生の家電製品の四〇%を作っています。
 こういう状況ですから、なかなかインフレ二%になったとしても賃金を上げることができないし、なかなか日本企業自身は日本国内の生産を増やしたくても増やせないという状況です。もちろん、まだ自動車に関しては競争力がありますが、どんどん世界的な競争が増えてきているという状況です。ですから、賃金が上がらずに二%のインフレということでしたら、実質賃金が下がるということです。こういったことを是非認識して施策に取り組んでもらいたいと思っています。この点に関して、安倍総理、何か感想がありましたら。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 基本的に、今重要な指摘だから是非国民の皆様にも御説明をしたいと、こう思うわけでありますが、では、デフレのままだったらどうかということなんですね。デフレのままではどんどんどんどん収入が下がってきます。先ほど内部留保の話が出ましたが、デフレというのは何か。つまり、持っているお金の価値が上がっていくんですよ、実質金利が上がっていくんですから。であるならば、投資をしないのは当たり前なんですね。それを変えてインフレ期待を起こさない限り、絶対に企業家は投資しません。そして従業員、人材にも投資をしない、これは当たり前なんですね。これを変えるというのが我々の経済財政金融政策でありまして、それが今まさに変わりつつあるわけであります。
 では、賃金は絶対に上がっていかないのかといえばそんなことはないわけでありまして、例えば自動車産業、これはそこにも出ているような韓国とも競争しておりますし、中国における外部生産もしているわけでありますが、見事に生産は増えてきた。そして、その中において、例えば日産は二割国内での生産をやめることにしていましたが、それはやはり百万台の生産規模を維持をしようということを決定をしました。そのことによって、日産で働いている従業員のみならず、関連の、裾野が広いですから、多くの中小零細・小規模事業者も職を守ることができたわけでありますし、こういう韓国と競争している自動車産業も全部ボーナス満額回答じゃありませんか。
 つまり、そのように、やるべきことをしっかりとやっていく。もちろん、今御指摘されたようなグローバル経済ですからそういう側面があることも事実であります。その中において、日本の言わば技術力においてオンリーワンを目指していくということも重要でしょうし、そしてまた投資によって我々は所得収支をプラスにしていくこともできるわけでございます。これはかなりプラスになっていくというふうに考えていただいてもいいんだろうと思いますね。
 今、一時的に円安で貿易収支がこれは赤字になっているわけでありますが、これは一年後には間違いなく改善されてまいります。プラス四・六兆円、そして二年後には八兆円プラスになっていると、このように計算をされているわけでありますが、まさに大切なことは、私たちも経済を成長させていくことができるんだというこの精神を取り戻すことではないかと、このように思います。
○大久保勉君 私も半分は同意します。つまり、いいところもありますということです。ただし、総理は一国の首相ですから、悪い面もしっかりと見てしっかりと施策を打ってほしいです。そこは甘利大臣に指示してほしいんです。
 具体的に、例えば総理の考え方はどうも企業の経営者の考え方だなと思いました。といいますのは、まずデフレが毎年二%でしたら預金者は喜びます。実質的に預金が二%増えるんです。デフレが二%でしたら年金生活者も、インフレスライドといいましてもデフレと同じ程度には年金は減りません。こういった面もあります。
 さらに、次の問題としまして、今日議論しましたように、円安によっていわゆる輸入が、輸入価格が増えますが、その結果、中小企業者が多く負担しております。で、株が上がります。株を持っている方、若しくは不動産を持っている方は非常に利益が上がって喜びますが、そうじゃない人が日本全体に多くいますよということです。何となく自分のお財布が少なくなったような気がします、こういった人にしっかりと施策を打つのが政治じゃないですか。私どもは分厚い中間層のためにいろんな施策を打ちたいと思っていますが、どうも安倍総理といいますのは、もうかれば何でもいいんだと、誰がもうかってもいいんだと、こういうふうな議論に見えます。
 実は今週、FEDの理事と議論しました。日銀の幹部も入っていました。非常に有名な方なんですが、名前は伏せますが、金融緩和で何が起こるかといいましたら、彼の分析でしたら、金持ちのトップ一%の人の所得がどんどん増えます。で、格差が相当増えていくと。これはアメリカでも起こりますし、グローバル経済下におきましては日本でも起こり得るということです。
 賃金はなかなか国際競争で上がらないんですが、資産インフレが日銀の政策によって起こった場合に、そのときに税収も上がる部分もありますが、その税収をしっかりといわゆる低所得者対策に使わないと社会的な安定感がなくなるということです。是非このことは共有してもらいたいと思います。もし、じゃ麻生副大臣。(発言する者あり)あっ、副総理か、副総理ですね。麻生財務大臣ですね。
○委員長(石井一君) 麻生副総理。
○国務大臣(麻生太郎君) ありがとうございました。初めて正確に呼んでいただきましてありがとうございました。
 今の大久保さんの言われたところの、そのもうけた利益が出たところに関して税収が上がる、税収が上がった分を歳出の部分ではどこに充てるかという点に関しては、低所得者層等々について配慮した予算配分にすべきだという点に関しましては、当然のことなんであって、私どもはその点を十分に考えてやっていかねばならぬ、これは常日ごろから我々執行部でよく話をする話でありますから、その点は正しいと申し上げました。
○大久保勉君 では、続きまして、中小企業対策に関して質問したいと思います。
 じゃ、パネルを。ちょっと途中を飛ばしますが、実はこちらの資料といいますのは一〇〇%信用保証制度の代位弁済の状況というものです。なかなか分かりづらいということで、簡単に説明したいと思います。
 これは、全国六百七十九金融機関がございます。その中で、昨年の四月から十二月まで九か月間、代位弁済の件数が多かった順に並べたものです。さらに、代位弁済の金額は幾らかというものが金額というところです。参考までに貸出金というのを書きました。
 例えば、三番目の三菱東京UFJ銀行に関しては九百七十九件の代位弁済がありますが、貸出金が七十兆円ありますから、それに対して九百七十九。ところが、五番の大阪信用金庫を御覧ください。貸出金が三菱東京の約七十分の一、一兆円弱なのに七百七十件の代位弁済があります。例えば大阪市信用金庫に関しては、東京三菱の百分の一の融資残高、七千億に対して四百七十一件の代位弁済があります。これに対して今日は議論したいと思います。
 まず、茂木大臣の方に質問したいんですが、中小企業向けの一〇〇%緊急信用保証制度は、誰の内閣でどのような理由で制度が開始され、さらに現在どのような運用がなされているのか、また、ここで指摘しておりますようなモラルハザードの問題がないか、この点に関して質問したいと思います。
○国務大臣(茂木敏充君) 御指摘をいただきました金融保証制度につきましては、平成二十年十月、当時でいいますと麻生内閣ということになりますが、リーマン・ショック直後、急激な業況悪化局面におきまして、中小企業そして小規模事業者の資金繰りを支援するために開始されたものであります。全く新しい制度ということではなくて、従来から存在しておりました一〇〇%保証を行うセーフティーネット保証をベースにして、リーマン・ショックによります業績悪化に対応して、その業種指定を緩和した制度として導入したものであります。導入当初は五百四十五業種を指定いたしました。
 その後の運用ということでありますが、順次指定業種を拡大いたしまして、平成二十一年六月に七百八十一業種、さらに、民主党政権となりまして平成二十二年二月、当時は鳩山内閣でありますが、原則全業種を指定する運用が開始をされたわけであります。その後、東日本大震災等もあったことから、原則全業種指定の運用を継続してきましたが、中小企業・小規模事業者の資金繰りが改善してきたことを踏まえ、平成二十四年十一月、当時は野田内閣でありますが、全業種指定の運用を見直しまして、現在は全体で千百三十三業種のうち七百二十七業種を指定しております。
 こういった一〇〇%の保証制度、委員も御案内のとおり、急激な景気後退期における当面の中小企業・小規模事業者の資金繰りの改善であったりとか資金調達の円滑化、こういうところに寄与してきた、資してきたと、こういう側面もありますが、当然幾つかの問題点も指摘をされてございます。その一つが、金融機関による貸付先企業の経営状況の把握が十分でない、そして二つ目に、経営支援と一体となった融資への取組が十分に進んでこなかった、さらに、保証協会によります保証の存在が金利を引き上げる効果を十分に有していない、こういった問題指摘がなされております。
 恐らくこれで、制度が開始された理由、そしてどう運用してきたか、またモラルハザードについてどんなことが考えられるかと、お話しさせていただいたと思います。
○大久保勉君 黒田総裁はここまでで結構でございます。委員長の許可がありましたら、退席されて結構です。
○委員長(石井一君) 御退席いただいて結構です、及び武田理事もどうぞ。
 質疑を続行いたします。
○大久保勉君 質問を続けますが、ここで一つだけ確認したいのは、いわゆる代位弁済というのは金融機関にとってどういうふうな効果があるかに関して、中小企業庁の参考人に聞きたいと思います。
 一〇〇%信用保証をしている、で、会社が潰れた場合に金融機関は代位弁済をしますが、金融機関にとってどういうふうな効果になるか、説明をお願いします。
○政府参考人(鈴木正徳君) まず、先生はもうよく御案内のとおりでございますけれども、この信用保証制度というのは、中小企業の方々が民間金融機関からお金を借りる際に、そのリスクをこの信用保証協会が保証を行うものでございます。
 この代位弁済というものでございますけれども、この保証されました中小企業の方の経営がなかなかうまくいかない、そこで民間金融機関にその借入金を返済できなくなったときに、信用保証協会が中小企業の方に代わりまして民間金融機関に返済を行うものでございます。
○大久保勉君 ということは、一〇〇%信用保証の場合、金融機関の取引先が潰れたとしましても、金融機関は一切損をしないということでよろしいんですか。
○政府参考人(鈴木正徳君) その一〇〇%保証が付いております融資につきましては、委員の御指摘のとおりでございます。
○大久保勉君 では、更に質問しますが、ということは、金融機関にとりましては、今一〇〇%信用保証があります、その会社が潰れてしまったら自分たちは損をしないと。ところが、一〇〇%信用保証がなくなって更に追加融資をした場合に、そのときには保証が付いていないから自分たちが一〇〇%損失をかぶると、こういうふうなことでよろしいんですか。
○政府参考人(鈴木正徳君) この一〇〇%の保証でございますけれども、やはり限度額がございます。その限度額以上になりますと、民間金融機関の御判断によりまして、自己の判断で、いわゆるプロパー融資と言わさせていただいておりますけれども、融資を行われる例がございます。その際には、民間金融機関がそのリスクを取られるということでございます。
○大久保勉君 もう少し詳しく聞きますが、もし、一〇〇%保証が今年の六月に全部なくなります、企業に対して新たにプロパーで融資をするかしないかというときに、金融機関にとって最も損をしない方法はどういう方法ですか。
○政府参考人(鈴木正徳君) もう少し制度を御説明させていただきたいと思うんですが、まず、一〇〇%の保証もございます。先ほど大臣が御答弁させていただきましたように、業種は制限してきておりますけれども、ございます。
○大久保勉君 一〇〇%しか聞いていません。
○政府参考人(鈴木正徳君) その保証、ございます。それ以外に、責任共有制度ということで八〇%の保証を行う、二〇%、ございます。
 そして、委員の御指摘の、それでは、じゃそういう保証がなくなったときにどうすれば一番損がなくなるかということでございますけれども、やはりそのリスクに見合った金利をしっかりと取られて貸付けを行っていかれる、やはり貸付けを行いませんと金融機関としての利益も上がりませんので、そのリスクに見合った融資を行われるということではないかというふうに考えております。
○大久保勉君 私の質問したことに関して答えられていませんが、一〇〇%信用保証しかない金融機関に関しましては、もし一億円一〇〇%保証で融資をしていた、それ以外はその企業に対する貸出しがないといった場合、その企業を潰して信用保証協会に請求すると、そうしたら一円の損もないと、こういう制度になっていますから、ここが問題ですということです。最初の段階では一〇〇%信用保証があるから何とか企業が生き長らえたんですが、この期限が切れる直前に関しては、実は一〇〇%信用保証が企業倒産を加速させる制度になるということが問題なんです。
 今回の、表を見てください。一〇〇%信用保証ですから、いわゆるプロパーの貸出金額全体に対して信用保証が極端に多い金融機関でありましても、代位弁済の件数というのは、企業、お客さんの破綻が増えているということです、若しくは支援をせずに破綻させていると、こういう状況がこの表で見えるということなんです。このことはしっかり中小企業庁としては見ておかないと制度が悪用されますよと、このことを警鐘しているんです。この理解に関して何かございますか。
○政府参考人(鈴木正徳君) 私どもも、金融機関がしっかりと中小企業の経営支援を行うということが非常に重要だと考えております。やはり代位弁済率の高いところを見ますと、確かにその地域の中小企業の経営状態、また信用力もございますけれども、金融機関がどのように経営支援を行っていくのか、それをしっかりと行っているのかどうか、私ども、それをしっかりと見させていただきたいと思っております。
○大久保勉君 麻生金融大臣に質問します。
 金融機関の監督ということで質問したいんですが、例えば、今回の大阪信用金庫、尼崎信用金庫、大阪市信用金庫の貸出金が一兆円前後なのに、代位弁済件数が九か月で七百七十件、五百四十件、そして四百七十一件と、大きいようになっています。先ほど指摘しましたように、一〇〇%損失を保証協会が負担してくれるから貸出先をどんどん破綻させているんじゃないかという批判若しくはおそれがあります。そのことに関して大臣はどう思われますか。
○国務大臣(麻生太郎君) この御指摘の三行、いずれも、大阪、尼崎、大阪市ということになって、近所にあるということなんだというのは、地理的にはそういうことになるんですが、地域経済の状況という意味では、大阪府に存在しております事業者数は全国の約八%ぐらいであるのに対して、倒産件数から見ますと約一四%ということになって、厳しい経済情勢にあるということはまず留意しておかねばならぬことだとは思っております。
 しかし、いずれにしても、私どもから、今のお話を伺っていて、金融機関がどの程度代位弁済を求めるか、また金融機関の貸出先に対して状況の悪化が発生するか否かによりますが、これによって、地域の経済状況といった外的な要因とか、保証協会によります審査能力といった内的要因にも左右されますので、一概には申し上げられないんだと思っておりますが、いずれにしても、私どもは、この代位弁済率が高い金融機関、これ三つ挙がっていますけれども、挙がった件に関しましては、私どもとして、これ、期中管理が必ずしも十分じゃなかったんじゃないかということで、本部より事前の許可、事前の審査というものをもっときちんとということを求めておるところで、私どもとしては基本的にはそういったことを考えておりますが、代位弁済を求める前に条件変更等々を行って、そして、何でしょうね、債務者の経営改善を促して、そして無理に破綻させているというような指摘にはならないんではないか。そこのところは、一行一行、一件一件、なかなか違うと思いますので一概には言えないと思いますが、総じて言えることではないかと思っております。
○大久保勉君 具体的に臨店検査をして、実態がどうなっているかを調べてもらいたいと思います。
 次に、麻生金融大臣が指摘されましたが、いわゆる保証する保証協会の審査体制にも問題があるんじゃないかという指摘がございましたので、これは茂木大臣に質問したいと思います。
 例えば、関連しています大阪府信用保証協会、大阪市信用保証協会、そして兵庫県信用保証協会の審査体制がずさんで、実体のない会社あるいは計画倒産のおそれのある会社など、お構いなしに来たものはどんどん保証していたんじゃないかと、こういった疑義があります。この点に関して、保証協会に対して、最近、検査を行いましたでしょうか。
○国務大臣(茂木敏充君) 簡潔にお答えをさせていただきたいと思います。
 信用保証協会の審査体制、そして代位弁済の実施を含めた保証業務の管理体制が適切かどうかにつきましては、定期的に実施している立入検査におきまして検証を行っているところであります。
 御指摘をいただきました大阪府信用保証協会、大阪市信用保証協会、そして兵庫県信用保証協会につきましては、平成二十四年八月から十一月にかけてヒアリングを実施いたしまして、その弁済率の改善に向けた取組状況につきまして確認をいたしました。
 それぞれの協会においては、代弁率の高い保証制度の廃止、そして審査基準の見直し、代弁率の高い金融機関に対する融資後の経営支援強化の要請などの取組を行っておりまして、その後、平成二十四年度の三協会の代位弁済額は大きく減少いたしております。
 具体的に申し上げますと、大阪府の信用保証協会がマイナス一九・七%、大阪市の信用保証協会がマイナス三一・五%、兵庫県の信用保証協会がマイナス二四・一%という形で代弁率改善をいたしております。これからもきちんとフォローしてまいりたいと考えております。
○大久保勉君 この三信用保証協会に対して平成二十四年八月に検査に入られたということですが、ガバナンス上、何か問題はありませんでしたか。例えば、こういった協会の理事長、会長は自治体からの天下りポストじゃないかという指摘も過去に私は指摘しました。
 じゃ、ちなみに、今の会長、理事長はそれぞれ何代、何年連続して天下っているのか、教えてください。
○政府参考人(鈴木正徳君) まず、大阪府の信用保証協会の理事長でございますけれども、これは大阪府から十八代、六十五年間連続でございます。大阪市の信用保証協会の会長でございますけれども、これは大阪市さんから十五代、七十年間連続でございます。兵庫県の信用保証協会の理事長は兵庫県から十八代、六十五年間連続で自治体のOBが就任されているところでございます。
○大久保勉君 こちらに関しましては、過去に亀井金融大臣が異常であるということで改善を求めています。ところが改善されていないと。それはどうしてなんですか。誰に問題がありますか。
○国務大臣(茂木敏充君) 私も、こういう何十年にわたって、理事長であったりとか、また役員が同じところから出ていると、このこと自体について、それが適正だとは思っておりません。
 ただ、事実関係から申し上げますと、委員も御案内のとおり、信用保証協会の会長、理事長を含む役員の選任、これは信用保証協会法に基づいて各協会が定款で定めることになっておりまして、各協会の定款においては、役員の選任権は知事又は市長に与えられているということでありまして、知事、市長の責任において、能力、識見が高く、協会の幹部として的確な判断をすることができる方を選んでいるということになっておりますけど、そうはいいましても何十年も続いてと。
 ここの中で、恐らく委員と当時の直嶋大臣の間で議論がありまして、国がお金を出していると、一方で、その理事長であったりとかまた会長については地方分権ということで地方の方を選んでいる、これをどうしたらいいのかと、地方議会でももう少し検討してほしい、議論してほしい、そういう議論が当時の委員と直嶋大臣の間であったと思います。恐らくその後議論が進まれて、委員もそのことをフォローされているんではないか、フォローされた上で、問題点があるということでおっしゃっていただきましたら、きちんと私の方でフォローさせていただきます。
○大久保勉君 分かりました。そういうことでずっとこの問題をフォローをしております。
 要するに、金融庁及び経産省は、監督指針を作って、そういったことはいけませんよということで指導をしています。検査でも指導しているんですけど、いわゆるこの問題は、大阪市長と大阪府知事の問題だから自分たちは関係ないよという状況です。
 今、テレビ中継ですから、大阪市長と大阪府知事、誰ですか。その人に直接、大臣、発言されてくださいよ。
○国務大臣(茂木敏充君) 松井さんや橋下さんの名前は私も存じ上げております。
 その上で、これまで、委員よくお聞きください、この議論、委員何度もやってこられました、民主党政権のときに。その成果をまず、どういうふうにされてきたのかきちんとフォローさせていただきますので、まずは言いっ放しではなくて、民主党政権下でどういうことをされてきたか、どういう問題点があったかと、仕掛かりの部分がありましたらきちんとフォローさせていただきます。
○大久保勉君 そういうことで私ども相当改善したのが、こちらのいわゆる信用保証制度の代位弁済状況ということで、金融機関別にまずははっきりとどういうことをやっているかというのが分かるようになりました。これが見える化です。これがあるから今の状況が明らかになってきています。ですから、もう準備ができていますから、最後のボタンを押すのはあなた自身ですよ。大臣がしっかりと覚悟があるかということです。
 続きまして、別の問題に行きます。今度は──じゃ、決意されますか。じゃ、どうぞ。
○国務大臣(茂木敏充君) しっかりと状況を確認させていただきます。そして、やっぱり国民目線で見ておかしいことはおかしいという方向で検討させていただきます。
○大久保勉君 続きまして、実は、大阪市信用金庫というのが十一番にありますが、例えば大阪市信用保証協会にも別の問題点があります。
 これは参考人に質問しますが、大阪市信用保証協会の監事は誰で、いつ就任したか、このことに関して質問したいと思います。
○政府参考人(鈴木正徳君) 遅れまして申し訳ございません。
 大阪府の信用保証協会でございますけれども、済みません、ちょっと今資料が出てこなくて申し訳ないんですけれども、信用金庫の方が監事に就いていらっしゃると思います。ちょっと今確認いたしますので、いつから就いていらっしゃるか、資料を確認させてください。(発言する者あり)
○委員長(石井一君) それじゃ、ちょっと速記を止めて。
   〔速記中止〕
○委員長(石井一君) それじゃ、速記を起こしてください。
 どうぞ続行してください。答弁してください。
○国務大臣(茂木敏充君) 大阪市の協会の監事でありますが、大阪市信用金庫の会長が二十年前から就任しておりまして、兵庫県の方もお答えしましょうか。大阪でよろしいですか。
○大久保勉君 要は、大阪市の信用金庫の会長が二十年間就任していると、監事という立場。そういう状況でしたら、大阪市信用金庫から持ち込まれた融資案件に関して、恐らく職員の方はほとんど審査せずに通している疑義があるということです。
 つまり、監事が長年君臨しておりますから、こういったいわゆる問題があるんじゃないでしょうかということで、是非この辺りも調べてもらいたいと思っています。ここは検査項目に挙がっておりますので、しっかりとこの点に関して茂木大臣の方で決意をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(茂木敏充君) しっかりと確認もさせていただきたいと思います。そして、必要な是正項目がありましたら、是正の要求をしていきたいと思っております。
○大久保勉君 次に、奈良県信用保証協会に関して、ある事例がありました。こちらに関して、ある中小企業の方から、保証をお願いしたら、制度要綱というのがありまして、具体的には奈良県に本店を置く金融機関からの融資ではないと保証ができませんということです。
 例えば、メガバンクの奈良支店であったり若しくは奈良県以外の地方銀行の奈良支店の方がお金を融資したいと、奈良県信用保証協会の方に信用をお願いに行っても駄目だということです。でも、本来でしたら中小企業者に対して融資する制度でありますから、奈良県在住の中小企業であったらどんどん貸すべきなのに、そういうふうになっていないということです。
 これからお分かりのように、信用保証制度の運用は誰のためになされているかということです。本来は中小企業がしっかりとお金を借りるため、そのための信用保証でありますが、どうも信用保証協会の理事、監事等に金融機関の幹部が入ってきて、自分たちの利益のために、いわゆる奈良県に本店がある地銀、信金じゃないと使っちゃいけないよと、こういうふうにしているおそれがあります。
 この点に関して、茂木大臣及び麻生金融大臣の御所見をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(茂木敏充君) 国の制度としては、中小企業そして小規模事業者に対しまして円滑な資金提供、これを支援していくと、これが主目的であります。
 これに対して、県であったりとか自治体の方で保証の補助を行っている制度を独自に持っております。恐らく地方自治体からすると、地域のやっぱり活性化であったりとか、地域における金融機関も含めた振興ということを考えて独自の制度をつくっている部分もあるんではないかなと。
 そうなりますと、国の基本的な考え方とその地域における地域振興の考え方というのが、必ずしも一〇〇%目的が一致しない部分も出てきている。そういったことにつきましては、協議をする中で制度としての本来の役割がきちんと果たせるようにしていくことが必要だと考えております。
○国務大臣(麻生太郎君) いずれにしても、私ども監督官庁としては、中小企業庁や地方公共団体とよく連絡をして、信用保証制度というものは、元々これは国費によって負担されておるわけですから、それに従いまして、この制度は客観的かつ公正な業務運営が確保されて、大久保先生が言われたように、本来の目的である中小企業に対する金融の円滑化に資するものにするように引き続き努めてまいりたいと考えております。
○大久保勉君 茂木大臣に再質問したいんですが、いわゆる地域の振興のために、どうして奈良県にある地方銀行しか使えないようにしているんでしょうね。地域の振興でしたら、いわゆる借り手の中小企業をしっかりと支えるということで、ほかの金融機関でもいいはずじゃないですか。
 二点目。県のせいにしておりますが、一〇〇%信用保証に関して、損失が出た場合、一〇〇%国が補助金を出しているんじゃないですか。もっと国のリーダーシップを発揮すべき事例じゃないかと思います。
○国務大臣(茂木敏充君) 先ほど申し上げました附属的な制度融資、これは地方自治体が地域の事情等を勘案して制度設計を行っているものでありまして、一義的に当該地方自治体の責任において適切な運用がなされていると。例えば、奈良県がどういう目的でおやりになる、そのためにどういう制度にする、ここにまで国がこうしてはいけないということになりましたら、私は地方分権の趣旨には反すると思います。ただ、国としては、国の制度をきちんと行うことによって、でき得れば国とそして地方がシームレスな形で運営できるように、改善すべき点については改善すべきだと思っております。
○大久保勉君 かみ合っていませんが、私が質問しているのは、この一〇〇%信用保証という国の制度に対して、奈良県の在住の金融機関しか使えないという制度はおかしいんじゃないでしょうかと言っているんです。もうこれ以上質問しません。
 最後の質問をしたいと思いますが、次に、信用保証協会のガバナンスなんですが、一〇〇%信用保証をした場合、金融機関でしたら、与信が発生していますから、定期的にいわゆる企業の方に訪問して企業の運営状況をチェックするとか若しくは資産査定をする、経営実態を把握するということをやるのが常識であります。信用保証協会は自らでそういったことをやっているのか、その点に関して質問したいと思います。これは茂木大臣、お願いします。
○国務大臣(茂木敏充君) 信用保証協会に対します検査、それは、先ほど申し上げたとおり定期的に行っております。そして、そこの中で、代位弁済率が高いところ等々につきましては個別の指導も行わさせていただいております。
 そして、個々の信用保証協会が出しているいろんなそういったセーフティーネット保証につきまして、その企業先に対しては、基本的には金融機関からの情報を通じて経営の実態であったりとかそういったものをつかんでいると考えておりますが、更に柔軟に、自分が保証している先に対しまして責任を持ってその信用保証協会が自らも確かめる、こういったことは進めていく必要があると考えております。
○大久保勉君 これで終わりたいんですが、実は茂木大臣の部下の皆さん、中小企業庁の皆さんはしっかりと動いている部分もあります。特に、先ほど申し上げました代位弁済の表というのを自ら作って透明化しようと思っておりますから、そこは評価しているということを申し上げまして、質問を終わりたいと思います。
○委員長(石井一君) 以上で大久保勉君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(石井一君) 次に、蓮舫さんの質疑を行います。蓮舫さん。
○蓮舫君 民主党・新緑風会の蓮舫でございます。
 まずは、安倍総理、総理御就任おめでとうございます。安倍内閣が発足して初めて予算委員会で質問させていただきます。是非率直な議論をさせていただきたい、端的な答弁をいただければと、お願いをまず申し上げておきます。
   〔委員長退席、理事小林正夫君着席〕
 昨年十二月二十六日に安倍内閣が発足して初閣議が行われました。その中で安倍総理は、民主党政権で水膨れした歳出について徹底した無駄の削減を行い、予算の中身を大胆に重点化すると発言、今年年頭の記者会見でも同じ発言を強調されました。
 教えていただきたいんですが、民主党政権のどの予算が水膨れなんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それでは端的に答弁させていただきたいと思いますが、平成二十五年度予算については、復興・防災対策、そして成長による富の創出、暮らしの安心・地域活性化に重点化しており、予算配分をしております。インフラ老朽化対策や事前防災対策等、国民の命と暮らしを守る公共事業や、あるいはまた安全保障環境の変化に対応して国民の安心のための防衛予算を充実させたところであります。
 一方、生活保護費や地方公務員人件費の適正化、見直しや、地方から手続の簡素化、総額の確保などの課題が指摘をされていました地域自主戦略交付金の廃止等、地方の意見を反映した運用改善策を講じた上で、各省庁の交付金等への移行など既存の歳出の見直しも行っているところであります。(発言する者あり)
 このように、従来の施策を見直しながら必要な……
○理事(小林正夫君) 答弁者、ちょっとお待ちください。
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○理事(小林正夫君) 速記を起こしてください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 簡潔にお答えをいたします。
 今途中で止められたんですが、最初から言いますか。これは、途中で答弁を止められますと困るんですよ、途中でですね。答弁を聞き終わってから全体の中で御理解をいただきたいと思います。
 それでは答弁させていただきますが、このように、従来の施策を見直しつつ、必要な施策には重点化を行うことによって、四年ぶりに税収が公債金を上回る状態を回復させるなど、財政健全化目標も踏まえためり張りのある予算になっているものと思います。
 いわゆるばらまき四Kと自由民主党が指摘をしておりました施策については、まず高速道路の無料化と子ども手当は、民主党政権下において既に凍結ないし見直しをしたものと承知をしております。言わば四Kのうち二つのKは、民主党政権自体がこれはやっぱりどうかなということで見直しをされた、こういうことではないかと思います。
 そして、農業の戸別所得補償と高校実質無償化については、政権発足後、予算の決定までの期間が短い、何といってもこれは昨年選挙が行われたのが十二月の十六日でございます。そして、この厳しい不況の中において予算を編成をしなければならないという、そういう要求の中での予算編成でございましたから、政権発足後、この短い期間の中において現場の混乱を避ける観点等から継続をしましたが、二十六年度以降、制度は今後検討していく考えでございます。
○蓮舫君 水膨れ予算はどれですかと教えてくださいと言ったのに、お答えはいただいておりません。
 今おっしゃっていたような、子ども手当はばらまきだとおっしゃっていましたけれど、これは三党合意で御党が主張されている所得制限を入れることで合意をしましたので、これは批判にはもう当たらない、そのとおりだと思います。
 ただ、高校実質無償化、今大臣の下村さんは野党のときに激しく批判をしていた、あるいは農家戸別所得補償制度、今大臣の林議員も野党のときに激しく批判をしていた。これは無駄遣いだ、ばらまきだと言っておきながら、二十五年度予算案では継続をしている。批判をしていたものを継続しているということは、無駄の支出を継続しているということではないですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) そこをまさに私の答弁で御説明をしていたんですよ。
 つまり、予算編成というのは、これは結構普通は時間が掛かるものでありますが、昨年、何といっても年末に選挙がございました。そして、同時に、昨年の七―九の段階でマイナス三・五%、言わば景気が底割れしそうな中において、大胆なこれは金融緩和と同時に景気対策もやる必要があった、補正予算を組むと。そういう中においての予算編成でありました。
 かつ、農業のこの所得補償制度、つまり、くるくるくるくる変えることによって混乱を与えてはいけないわけでありますから、十分なそれを変えていく上においては周知していく必要もあるでしょうし、その影響を見ていく必要があると。我々は、それはおかしいと今でも思っていますよ。しかし、それは各農家が、どんどんどんどん、それは猫の目のように変わるということではなくて、言わば中長期的な観点に立って我々は政策を考えていかなければならないと。
 これは、責任政党の責任感として我々は予算を編成し、今回は、そういうことにおいて、前政権のものでありますが、それはそのままにしているということでありまして、そして、先ほど申し上げましたように、二十六年度からは検討していくということでございます。
○蓮舫君 いみじくも今総理がおっしゃったように、今でもおかしいと思っているものを予算に計上するのは、私は矛盾すると思います。大きな政策をばっさり切るのは、政権交代をなし得ないとなかなかできないんです。だから、是非私は、批判をされたのであれば、思いっ切り無駄だとして、これは私は削減をするべきだと思っているんですね。
 今先ほど、めり張りの付いた予算編成とおっしゃいましたが、よく中身を見ると、削減よりも増えているものが目立つ。これ、復興予算は予算を新たに上積みしています。防衛費予算も増えています。農家戸別所得補償は、削減をした、なくしたと言いますが、更に上積みをして全国に公共事業でばらまきました。あるいは地方公務員の人件費を安くしたといっても、それは、交付税は低くしましたけれども、地方自治体が給与を削減した場合には、その見合いの同額を公共事業の事業費として交付をしていますから、地財計画の歳出総額としては実は減っていません。
 増えているものばかりが目立つんですが、無駄削減、無駄予算を削減した、どれを削減したんでしょうか。これ、逆に麻生財務大臣、教えてください。
○国務大臣(麻生太郎君) 今、事情をまず最初に安倍総理と同じように申し上げにゃいかぬと思うんですが、十二月の二十八日から予算を編成してやって、通常ですと、十二月二十何日じゃ、もう予算原案ができ上がっているころなんですよ。その日からスタートしたんだから、こっちの予算は。
 だから、したがって、なかなか全部細目にわたって詰めることはできるできない、物理的に分かるでしょう、そこのところは。したがって、我々としては、できるものとできないものとが幾つかありましたと。やりたくても、これやると手間が掛かってとても提出までに間に合わないからと。したがって、そういった意味では、私どもとしては、今言われたように、戸別補償にしても何にしても同じようなことを申し上げざるを得ないと思っております。
 私ども、いろんなものに私どもとして、無駄なものというようなことに使われておりましたけれども、例えば、復興予算関係なんかのものでも、いろいろな話がありましたけれども、少なくとも鯨類の捕獲調査安定化推進対策というようなものは、これはちょっと失礼ですけれども、余り関係ないんじゃないと思っていまして、皆さんそう思っておられたんだと思いますけれども、あれは付いていましたから。
 また、復興交付金についても、現地の実情に即した柔軟なものが必要だというようなことを、いろいろ御意見が、私どもも野党のときに聞いておりましたので、新仕分等々においてこういったものはきちんとさせていただいたつもりでおります。
○蓮舫君 予算編成に時間がなかったことは私も百も承知しています。
 そうすると、準備できなかったから、無駄を徹底して削減すると総理が力強く言っているのに、実は切りやすいところから切ることになるんですね。
 二十四年度予算と二十五年度予算案を比べると、ばっさり一番大きく切られているのは九千百億円、約一兆円、これは経済危機対応・地域活性化予備費。これは、麻生総理大臣のときに麻生さんがつくられた政策です。それを財務大臣になってばっさりと切って、総理は徹底した無駄を削減したとおっしゃる。それは余り気持ちいいものではないんじゃないですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 経済が余りお分かりになっていない新聞記者も同じようなことを言っておられたんですが、よくお分かりになった上で聞いておられるんだと思いますが、あのときはリーマン・ブラザーズのショックの直後だったんですよ。だから、ああいうものを付けた。付けたのは、私のときに私が発案して付けた。しかし、今はリーマン・ブラザーズのときとは全然状況が違いますから不必要、それだけのことです。
○蓮舫君 よく分かりました。
 資料二ページを御覧いただきたいと思います。我々の政権のとき、過去三年間続いた公債金が税収を上回ることを異常な姿という説明をしている。その上で、安倍政権では、税収が公債を上回る状態を回復と自賛をしている。確かに、収入より借金が多いのは、これは不健全な姿です。ただ、本当に二十五年度予算案は健全な姿になったのか。
 想定金利二を一・八%に引き下げて三千億圧縮しています。ただ、想定金利というのは、これ自民党時代につくられた二の数字で、民主党でいじったものではありませんから、それを一・八に引き下げる。ただ、他方で安倍総理は、経済再生、デフレ脱却、リフレ政策で二%の金利上昇。そうなると逆に、ここの金利は引き下げるんではなくて、上げなきゃいけないんじゃないですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 予算金利を一・八%になぜしたかという理由の御質問でしょうか。
 予算金利につきましては、これは予算を編成するときにおいての金利の水準とか、また国債の利払いの不足というものは来すことがないように、常に十分な予算措置をするという必要が、これは昔からそういうことになっておりますので、私どもはそこを勘案して、足下の金利の十年債は、今ちょっと〇・五までになっておりますが、当時は一%でしたので、一%をまず置いて、それから平成十年度以降、予算編成直前の金利までの間、大体平均金利が最大で〇・八%上昇したというのがこの十年間の例なものですから、先ほど申し上げた一%プラス〇・八、トータル一・八にしたということです。
 平均金利が今、国債の金利は当時一%、そしてぶれが〇・八あるというのは十年間の例、したがいまして、一・八、トータルで余裕を見て一・八にさせていただいたというのが背景です。
○蓮舫君 ほかにも国債の発行を圧縮したと自賛しているのは、国債整理基金に積んでいた十兆のうちの七兆、これを取り崩した。これはストックですから一回しか使えません。これによって借換債の発行を抑えることによって国債発行を少なく見せかけると同時に、利払いの部分もこれ利ざやが発生しましたから圧縮することができると。ただ、これテクニカルなところ、やり方では分かるんですけれども、実際の新規国債を発行を止めるという努力とはこれは別次元だと思うんですね。そういう意味では、公債金を抑えた、本当の部分の抜本的改革では私はないと思っているんです。逆に来年以降の予算編成を懸念するぐらいなんですね。
 それと、安倍総理自らが十五か月予算というところを主張している。十五か月予算で見ていくと、国債発行は実は四十八兆になっています。我々は四十四兆で、それ以上絶対次の世代には借金は負わせないんだというところで行政改革、行財政改革に取り組んでまいりました。だから、その部分を安倍内閣は十五か月予算を組むことで、あっという間に四兆発行を増やしてしまったということは、私はこれ非常に残念だと思っていて、その部分では、税収より公債金が上回る異常な姿というのが実は安倍内閣の二十五年度予算案の姿ではないかと思いますが、安倍総理、いかがですか。
○国務大臣(麻生太郎君) まず最初に、四十八兆になったというお話は、十五か月ですから十二か月とは違って三か月多いんですから、そこのところは基本的に、十五か月予算と言っても物理的に三か月違いますので、その部分に差額があるのは当然だと、まずこれが第一点です。
 二つ目には、今の時代、私どもは、補正予算に関しましては、何といってもその前の三年間の間のデフレがひどくなり過ぎて不況が更にひどいことになって、マイナス三・五%、あれは七―九だったと思いますが、七―九の数字が出たのがたしかマイナスの三・五%で出たと思いますので、これは、二十五年度はえらい底割れになるという予測をいたしましたので、その分を考えて補正予算をかなり大きなものに組んでおかないと、一―三、四―六はえらいことになるという予測がありましたので、そこの部分はかなり多めに積んだというもののトータルが先ほど御指摘にあったような数字になっていったと存じます。
○蓮舫君 いずれにせよ、野党のときあるいは総選挙のときに安倍総理が声高に主張していたばらまきですとか民主党政権の水膨れした政策というのは、予算編成の時間が足りなかったということで残念ながら継続し続けるしかなかったという答弁、無駄は切れていないということを改めて確認をさせていただきましたが、ここから先は、安倍総理のお考えを伺わせていただきたいと思います。
 私、どうしても選挙になると、政策の批判、非難の応酬になる、これは残念ながら国益にはつながらない。日本の財政の姿というのは非常に硬直化しています。一般会計の支出を見てみると、三割が社会保障、二割が地方交付税、二割が借金を返す、実に七割がこの三つの予算だけで占められていて、残り三割に公共事業、治安、国防、景気、教育あるいは科学技術。本当に裁量の少ないところで知恵を絞って、財政規律を守りながら予算編成をしていかなければいけない、それぐらいの危険な財政の姿の日本の中で、政策を非難するのではなくてどういう知恵を出せるのかをこれは議論をしていかないとと思っています。
 安倍総理が今やろうとしておられる経済対策、私、心から成功してもらいたいと思います。景気が良くなる、経済が良くなる、税収が上がる、それは是非やってもらいたい。ただ、他方で金融緩和、財政出動する。じゃ、何が必要か。財政規律を守るという努力を徹底してしないと、あっという間に日本への信頼が失速する危険性をはらんでいます。
 身を切る改革とか、あるいは財政出動の中身であるとか歳出予算の中身というのを、これを洗っていく、アクセルとブレーキを一緒にやらなければいけないとは思っておりますが、そこは同じ考えを共有していただけますでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 基本的に、我々も、まさに一番最初この質問の冒頭でお答えをいたしましたように、強い経済をつくっていくということと同時に、財政の健全化を目指していく、この目標を達成をしていく、しかし同時に、その目標達成のためにもデフレ経済から脱却をしなければならないと、こういうことでございます。
○蓮舫君 その上でもう一つ共有をしていただきたいのは、どうしても政権交代すると前政権の政策を引き継ぐというのに抵抗があって、政策をどうしようかというような混乱が生じてはいけない、先ほど農業政策でころころ変わってはいけないというのはまさにそのとおりだと思うんです。だからこそ、無駄の定義というのを共有させてください。前政権がやったから無駄だというのは、私たちも反省をしなければいけない。
 私たちが今共有をしたい無駄というのは、納めていただいた税金が適切に使われていないと国民が判断するものは無駄だというところでここから先議論をさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 無駄ということについては、まさに効果が上がらない、あるいは不適切な支出ということではないかと思います。
○蓮舫君 その上で、これからの指摘は、国民に理解されるかどうかという観点でお聞きをいただきたいと思います。復興予算です。
 昨年の秋、国会でも、これは衆議院、参議院でも、あるいは報道機関でも、復興予算の流用、復興予算の無駄、批判、非難、提言、いろいろな指摘がありました。私も、与党議員ではありますけれども、決算委員会で、参議院の場所で、増税を納めた国民が納得できない復興予算の使われ方は是正すべきだということを当時の野田内閣に強く求めました。
 資料三ページを御覧いただきたいんですが、野田総理はそうした批判を受けて、指摘を受けて、駆け込み執行を行わないように全閣僚に指示をしました。そして、既に執行している事業を洗って、理解されない事業を執行停止をしました。それは、総選挙の二週間前に行われた十一月二十七日の復興推進会議です。資料三に考えをお示ししています今後の復興関連予算に関する基本的な考え方、この考えは、つまり会議決定の中身は安倍内閣として引き継いでいると理解してよろしいでしょうか。
○国務大臣(根本匠君) 引き継いでいるものは引き継いでおります。
 例えば具体的に言いますと、今委員おっしゃったように、国会等で厳しく指摘を受けました。そしてさらに、一月に総理から指示を受けましたので、被災地域の復旧復興に直接資する施策のみ、これを復興特会に計上することとしております。
 そしてまた、復興予算、これは効率的かつ無駄なく活用しなければなりません。地域によっては被災地の復旧復興それぞれ状況が異なりますから、被災地の復興の段階に応じた予算を確保する、これは私は重要だと思っております。
 そして、復興予算を厳しく見直しましたから、国会で指摘されたその部分は今回対象にしておりません。
○蓮舫君 もっとはっきり答えていただきたいんですが、引き継いでいるものは引き継いでいる、引き継いでいないものもあるんですか。
○国務大臣(根本匠君) 例えば、ここの資料にありますよね、全国向け予算、下記以外は全廃、これはこのとおりにしております。
 そして、平成二十五年度復興関連予算、これについては、被災地向け予算は全て復興庁に一括計上する……(発言する者あり)ここに指摘されたものはそのまま引き継いでおります。
○蓮舫君 つまり、十一月二十七日の野田内閣による会議決定は効力を持っているという理解でよろしいんでしょうね。
 今おっしゃったこと、全く正しいと思います。それで、復興増税で賄う事業は被災地向け予算、全国向け事業は津波対策、あるいは子供の安心のための学校の耐震化、あるいは継続の契約の残数が残っているものの支出に充てる、これは一般会計から出していく。そして、国会等で指摘された無駄な事業は、これは見直しを行った。これは野田内閣を引き継いでおられる。
 その上で、一月二十九日に安倍内閣において復興推進会議が開かれました。ここの会議決定では、不適切使用等の批判を招くことがないよう使途の厳格化を行うと新たな決定を行いました。使途の厳格化、どういう作業を行いましたか。
○国務大臣(根本匠君) ただいま申し上げたとおり、野田内閣でもそういう指摘がありましたね。で、そういう方針を立てました。それを踏まえて、さらに我々、使途の厳格化を行って、被災地の復旧復興に直接資するものを基本とする。だから、ここのところは考え方は同じですよ。予算ですから使途はきちんと厳格化しなければいけない。基本方針、考え方もある。それを踏まえて使途は厳しく厳格化したと、こういうことであります。
○蓮舫君 これ、どの内閣でもそうだと思いますけれども、見直しをしたとしても残念ながら取りこぼされるときもあるんですね。全部見切れていない、精査し切れていない、紛れ込んでしまうときというのがある。民主党政権ではそれがあった。
   〔理事小林正夫君退席、委員長着席〕
 自民党政権になったから全くそれがゼロになるということも私はないと思って、取りこぼしがあるときもあると思う。その場合には、不適切と批判を受けるような復興事業は執行停止という判断はされていきますか。
○国務大臣(根本匠君) 制度として今回新たに、制度としてですよ、取り組んだのは、平成二十五年度の復興関連予算、これについては、被災地向け予算は全て復興庁に一括計上したんですね。そして、復興庁において被災地の要望を一元的に受理して、これを踏まえて必要な予算を一括して要求し、確保している。この過程の中で、我々、一括計上する中で事業内容について厳しく精査を行っております。
○蓮舫君 実は、私は去年からずっとこの復興予算は追い続けてきました。民主党政権で何でこんな間違った予算編成しちゃったんだろうかと。本当に必要な事業の中に、増税をした方に御理解をいただけないような、流用と言われてしまうような事業が盛り込まれたことを我々は反省をして、もうこういう執行がされていないという視点で私はずっと追いかけてきました。
 実は、そうした中で、今なお理解が得られないような、被災地以外で被災地とは関連の薄い事業が行われている可能性が高いということが分かりました。フリップを御覧いただきたいと思うんですが、(資料提示)野田内閣は見直しをしようとした途中でした。そのときに政権交代が解散・総選挙を経て行われた。
 野田内閣のときには、平成二十三年度第三次補正、平成二十四年度当初予算で合わせて十三兆の復興増税を財源にした復興予算を事業として執行いたしました。今、根本大臣がおっしゃったように、被災地向け事業、全国防災事業、これは整理をして、全国向け事業はこれを見直しをした。これはもうそのとおりだと思います。ただ、問題は、基金として、ここからこぼれてしまう事業が二兆ぐらい支出をされています。三十九の基金があり、年度を越えた今なお執行され続けている。
 根本大臣、確認したいんですが、基金事業も厳格化の対象とされましたか。
○国務大臣(根本匠君) 先ほど申し上げましたが、今回の予算に当たって、被災地向け予算、これはつまり、被災地向け予算は全て復興庁に一括計上する、そしてこれは被災地の要望を一元的に受理して、必要な予算を一括して要求し確保しておりますから、ここの段階で我々はきちんと厳格化している。
 それから、執行段階でも、復興庁が事業箇所などの事業の実質的内容を決定して府省へ予算の配分を行っていますから、ここでもきちんとチェックしている。基金の場合は一回ですよ。基金の場合は各省庁それぞれありますから、それは確認していただきたいと思いますが、基金事業の場合は基金で一回積みます。そこはそれぞれの各省庁でフォローするということだと思います。
○蓮舫君 根本大臣、確認させてください。
 先ほど来御答弁されているのは、二十五年度予算案については厳格化をした。じゃ、野田内閣でつくった二十三年度三次、二十四年度で積まれた基金は、各省庁において使途が厳格化されたことを確認をされていますか。
○国務大臣(根本匠君) ちょっと丁寧に申し上げますが、基金は、復興関係の基金に予算を配分するに当たっては、関係府省においてそれぞれの基金の使途や執行見込みを確認した上で支出が行われており、その執行についても基金が設置された段階で適切に行われるべきものと考えております。要は、基金で一回積んだら、そこはその段階できちんとフォローしてもらうと、こういうことです。
○蓮舫君 いえ、違います。基金は、積んだ段階で確かに国からは補助金として執行するので一〇〇%の執行率になるんですが、基金の良さというのは年度を越えて支出をすることができますから、そこで全部フォローは終わったわけじゃないんです。そこから先に使われているかどうかというのを見直しをしていく、その使途の厳格化は行いましたかという確認をさせていただいています。
○国務大臣(根本匠君) その点については、この基金の話は先ほど私が答弁したとおりの考え方でやっております。そして、今年度からは、基金の執行状況について、執行状況についてですよ、各府省が基金シートを作成し公表を行うこととされております。これは新たな取組で、公表を行うこととされている。復興関係の基金の執行状況についても、このような取組を通じて結果的にきちんとフォローされるということになると私は考えています。
○蓮舫君 単年度計上の予算で復興財源は被災地に限定、全国向けは、学校耐震化、津波対策、契約済みの残りのお金を払う、復興財源は使わない、無駄事業は計上せず、そこまでは私はもう評価をしているんです。大変な御努力をされていただいたと思っています。
 ただ、基金の中では、被災地への必要な事業もあるんですけれども、増税が理解されるのかどうなのか、今なお、この事業が行われていることが国民に納得をいただけるのかどうなのかという事業が実は盛り込まれていました。
 次に、写真のパネルを見せていただきたいんですが。これは、山口県にあるパチンコ店、家電量販店、お土産屋、安売りスーパーの写真です。被災もしていない地域です。津波とも関係ありません。学校の耐震化でもありません。ここに建築物節電改修支援事業費補助金が今なお配られています。
 資料七ページに詳細を挟みました。節電効果のある空調、断熱、照明、給湯設備を導入した建物に補助をする。百五十億の復興増税財源のお金がたまったまま今執行されています。使えるのは被災地ではなくて全国です。総務大臣の地元を調べると酒屋や書店にも配られています。行政改革担当大臣の地元では、農協のスーパー、写真館にも補助が出ています。
 資料六を見ていただきたい。再生可能エネルギー発電設備等導入支援復興対策事業費補助金、三百二十六億の予算が投入されました。太陽光発電、風力発電などの再生可能エネルギー設備の補助です。この対象は、被災地を対象とするというふうに言っているんですが、実は、岩手、宮城、福島等、等という漢字が入って、等を相当広く読んでいます。茂木大臣の地元栃木、家電量販店、基礎自治体が存分にこの制度を活用して補助を受けています。
 茂木大臣、栃木県の家電量販店、自治体への補助が、それが無駄だと私は言いません。ただ、財源がこれは復興増税ということを考えたら、今なお被災三県等では、この補助を受けようにも、本体の建物、本体の工場、本体の会社、まだ修復していない、かさ上げもしていない、移転もしていないところがあるのに、なぜ栃木県に優先されるのかという思いは私は否めないと思いますが、これは、復興増税財源の使い方として今なお執行されている使い方が理解されるとお考えでしょうか。
○国務大臣(茂木敏充君) 資料を使って御説明いただきましたが、まず基本のところで、平成二十三年度、そして二十四年度の当初予算、これは民主党政権時代にお作りになったんですね。そして、そこの中でこういった全国を対象にした事業をおやりになった。ただ、執行が遅れたということで基金化されたんじゃないですか、皆さんが。我々が基金化したわけじゃないんです、これは。皆さんの時代に基金化をされたんですね。そして、恐らくそういった事業を始められたと。
 これは、三・一一以降、日本が新たなエネルギー制約に直面をする中で、例えば住宅であったりとか建造物、これの省エネを進めるということでやった事業、さらには、再生可能エネルギーを拡大する、こういった趣旨でやった事業、本当はしんを食っていない部分はあるんです、実際。実際、建築物でいいますと、これから窓、それから外壁、こういったものの耐震化を進めるということで省エネ法の改正出しています。ただ、執行が遅れてきたのは事実なんですよ。今年中にきちんと執行をやらさせていただきたいと思っています。
 申し上げたいのは、皆さんがつくった事業、そして皆さんが執行を遅らせて基金化した事業だと、この基本のところを是非お忘れないようにお願いいたします。
○蓮舫君 何度も言います。私たちが間違った予算を組んだこと、私は猛省をしなきゃいけないと思っているんです。だけれども、実際に今なおまだそれで動いている事業があるから、これは執行停止をしていただきたいということを私は先ほどから再三言わせていただいているんですね。
 つまり、前政権がつくったから仕方がないと切り捨てたら、行革って進まないんですよ。私たち民主党政権のときに、前の政権の例えばいろいろな無駄とか非効率と言われるものを洗ったときに相当批判をされました。なぜならば、政官業の癒着は年数をたてばたつほど相当苦しくなる。そこには、関係団体、関係議員、いろんなしがらみを持った人たちがいるから、一つの事業を洗おうと思ったら相当抵抗勢力は高い。でも、それでも間違った予算は正していくのは時の行政改革の私は役割だと思っているんです。
 ですから、茂木大臣、お願いですから、民主党政権でつくったといって終わらないでいただいて、今なおそこで動いている無駄があるんであれば是非それは正していただきたいというのが私の趣旨なんです。いや、いいです。
 それで、次に、いいです。次に、資料八を続けて御覧いただきたい……
○委員長(石井一君) それじゃ、資料八を続けてください。
○蓮舫君 はい。資料八を続けていただきたいんですが……(発言する者あり)
○委員長(石井一君) 私が答弁を指名しますから、そのときはお答えください。どうぞ。
○蓮舫君 農水省の森林整備加速化・林業再生事業、復興増税で千三百九十九億円の予算です。これ、被災住宅の復興のため大量の木材が必要として基金を設置した。でも、実際は、全国の森林で路網整備、間伐、境界線の確定、木質バイオマスの施設整備、あるいは機械導入補助に使われている。
 森大臣、去年の参議院決算委員会で御自身がされた質問を覚えておられるでしょうか。
○委員長(石井一君) それじゃ、一言、茂木大臣、さっきのを締めくくってください。簡潔にお願いします。次に森大臣。
○国務大臣(茂木敏充君) 必要なものは見直しをいたしますが、是非御理解いただきたいのは、既に民主党政権で採択をしてしまって、後年度負担が出ていてもう事業がスタートしていると。ただ、まだ計上されていない部分はあるんです。そのことはちゃんと数字でつかんでいますので、そこは是非御理解ください。
○国務大臣(森まさこ君) 昨年の参議院の決算委員会では何度も質問をしておりますが、森林の件でということでしょうか。ちょっと御質問が分かりかねますが。
○蓮舫君 決算委員会でこの復興予算の流用について質問したのは一回しかありません、森大臣。
○国務大臣(森まさこ君) 御質問は、昨年の参議院の決算委員会での質問を覚えていらっしゃるでしょうかという質問でしたので。復興予算の流用でございましたら覚えております。
○蓮舫君 どんな内容でしょうか。
○国務大臣(森まさこ君) お答えいたします。
 十三億円が被災地以外に、森林整備です、間伐などに使われているということです、福島県は県土の七割以上が森林でございますということで質問をさせていただきました。
○蓮舫君 ありがとうございます。
 すごくいい指摘だったんです。とてもいい質問でした。その視点で被災地の予算に使ってくれと言ったんですよ。
 改めて議事録を起こしました。復興予算の流用を厳しく非難した上で、中でも森林整備が被災地以外で間伐などに使われていると立腹され、福島の除染が一向に進まない中、何で四国の間伐に使うのかと、復興予算はまず被災地からやってくださいと強く指摘されました。この考えは変わっていませんか。
○国務大臣(森まさこ君) 復興予算はまず被災地から使っていただきたいという考えに変わりはありません。
○蓮舫君 ところが、一つ戻っていただいた、この基金で行われている森林整備の事業なんですが、これは今なお路網整備やあるいは間伐は全国で行われています。全国で予算が執行されています。被災地が入っているか、支出の上位を調べました。支出上位は北海道、大分、秋田、宮崎。福島は入っていません。このお金の使われ方、理解されますか。
○国務大臣(森まさこ君) 民主党政権下で作られたこの予算が基金化され、そして執行された結果、そのような予算の使われ方になっているということ、私は大変残念に思います。
 安倍政権になり、混乱を回避するために激変緩和を考慮しながら、復興地に、被災地に予算が優先して使われるように様々な取組をしております。
○蓮舫君 森大臣、一回執行してしまったらそれが全部終わりではないんです。基金というのは執行停止ができます。その上で、両者が合意をしたら国庫納付をさせられることができるんです。なぜそれをやらせようとしないんですか。
○国務大臣(森まさこ君) 蓮舫さんも大臣であられた野田内閣において作られた予算ではありますけれども、その執行によって被災地以外のところに大量に復興予算が使われたことによって、私ども福島県を始め被災地の人間は、その財源が使われたということだけではなくて、非常に心を傷つけられました。私どもは……(発言する者あり)
○委員長(石井一君) 御静粛に願います。
○国務大臣(森まさこ君) それをすぐ、今担当大臣ではございませんけれども、すぐ執行を停止するということによる影響も考慮しながら、安倍内閣において、補正予算そして当初予算によって福島を始めとした被災地に予算を執行できるように努めております。
○蓮舫君 パチンコ屋さんへの節電施設の整備が、執行を停止することによってどんな影響が出るんですか。被災地の除染整備のお金が足りないと言われている中、今なお潤沢に使われている執行の残金があるのであれば、それを執行停止と根本大臣に言うのが森大臣の同じ閣内での仕事じゃないでしょうか。
○国務大臣(森まさこ君) 蓮舫大臣、今は森林整備の質問をされていたと思いますけれども、突然パチンコのことについての質問になりましたけれども、それは所管の大臣が適切に判断をしていくものだと思っております。被災地のために安倍内閣というのは仕事をしております。百の言葉よりも一つの結果を出そうということで、前政権の負の遺産を背負いながら精いっぱいやっております。
○蓮舫君 分かりません。前政権の負の遺産があるということを今私は猛省を込めて指摘をしているから、それを復興担当大臣にちゃんと相談をして、執行停止という措置がとれるからとっていただきたいというのを答弁でなかなかお答えをいただけない。
 小野寺大臣も、これは野党のときに、本当に被災地の立場から実に真面目な前向きな提言も含めた御質問をされておられました。被災地ではかさ上げが進んでいない、あるいは住宅再建も進んでいない、現実的に使える予算になっていない、組み替えてほしいということをずっと言って、何よりも復興予算は被災地を優先してくれと言っておられました。
 今、一連の話を聞いていて、実際に使われていない、たまっている未執行額があります。これをやはり一度国に戻させて被災地から優先的に使っていくんだというふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(小野寺五典君) 蓮舫委員には被災地に何度も入っていただきまして、大変御支援をいただきまして、ありがとうございます。
 今回の被災地、私は宮城の出身でありますので、野党時代に、なぜ復興予算が、例えば弾薬を購入するとか、そういうことに使われたのかということに大変疑問を持っておりました。ですから、この防衛大臣になってすぐに、実は予算の中を精査をさせていただきました。そして、これからは、これはもう前政権の中で決めていただきました全国防災ではなくて、直接被災地に使う予算にしてほしいということで、実は私、幾つか予算を下ろし、しっかりとした精査をさせていただいた、そのような思いでございます。
 今、防衛省を所掌しておりますので、防衛予算につきまして、この被災地に使えるような、そういうことをこれからも真摯に取り組んでいきたい、そのように思っております。
○蓮舫君 ありがとうございました。真摯に取り組んでいただきたいと思います。
 実は今、どれだけのお金が使われて、どれだけのお金が残っているのかを調べました。御覧いただきたいと思います。一番最初に指摘をした山口県での事例の基金なんですが、これは執行率は七二%で、まだ四十二億円使われていません。残っています。次の再生可能エネルギー発電設備等導入促進支援復興対策事業費、これは執行率が三割を切っています。二百三十四億円残っています。先ほど森大臣が真っ当に答えていただけませんでしたが、森林整備加速化・林業再生事業、これは執行率は二割です。一千億まだ余っている。三十九の基金を全部足し合わせました。一兆使われていません。それが基金管理法人で停留をしています。
 これは資料を各府省に提出をしていただいたんですけれども、去年の九月時点とか十二月時点とか今年の二月とか、計数を整理した、今どこまで執行しているのかを調査した時期がばらばらのものですから、本当に一兆円あるのか、もっと使われてしまっているのか、あるいはどれぐらいなのかは、これ調べていただかないと分からないんですが、少なくとも使途が全国となっている基金、根本大臣がさっきおっしゃったように、二十五年度予算では、使途全国は、これは見直しをしましたと言っている部分、実は基金ではまだ執行されている。ここは二十五年度予算と整合性を合わせて、もし見直しが行われるのであれば、少なくとも各府省が出していただいて執行停止にできるとすれば二千四百億円がまだ使われていません。
 これ、復興大臣、財源は復興増税です。これを、今なお被災地外で全国で四月以降も基金管理法人が募集を掛けています。やはりこれ精査をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(根本匠君) 今の数字が正確かどうか私も分かりません。
 基金というのは、例えばですよ、私も今、大震災からの復興を担当しています。被災地では、要は被災地によって状況が違うんですよ。整備のスピードが違う。例えば、津波被災地住宅再建まちづくり事業というのをやっている。今基盤整備をやっている段階ですから、将来、今度は住宅再建となるんですが、基金というのは、そういう段階段階に予算が生じてくるから、そこで基金を積んでいるんですね。基金というのはそういう性格のものですよ。被災地の整備段階に柔軟に行う。そして、基金については、関係府省においてそれぞれの基金の使途や執行見込みを確認した上で支出が行われているものであって、基金が設置された段階において適切に行われるべきもの、これが基本。
 そして、先ほども言いましたけど、今年度から基金の執行状況について各府省が基金シートを作成し、公表を行うということをされておりますので、復興関係の基金の執行状況についてもこのような取組を通じて明らかになると思いますし、基金の使い道について私は丁寧に説明する必要があると思いますよ。
○蓮舫君 復興大臣、基金シートを作るというのはこの夏以降ですから、実はこの夏以降だと時差が生じて、今なおこれだけ残っているお金が使われちゃう可能性があるんです。無駄だと指摘されて二十五年度で見直したところと整合性が合わないで、全国で今なお使われてしまう可能性があるから、そこを考えてくださいと私は先ほど来言っているんです。
 安倍総理、水膨れした予算を徹底的に洗っていただけないでしょうか。今そこにある無駄があるのであれば、それは止めていただいて、戻していただいて、被災地に使っていただきたいというのが私の要請です。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 既に茂木大臣が答弁をさせていただきましたが、まさに皆さんのときにこれはつくられた仕組みでありまして、これは、首をかしげておられますけれども、皆さんがつくったんですよね、反省しているんですから。皆さんのときにこの基金はつくったわけですよね。この予算自体を、こういう仕組みをつくったのは皆さんですよね。反省していないんですか。それは反省していますよね。それは反省しておられるわけですね。反省している上においておっしゃっているんだろうと、こう思います。
 ですから、我々の政権としては、まさにその皆さんがつくった負の遺産を背負っているんですよ。その中においてしっかりと我々、基金については……(発言する者あり)
○委員長(石井一君) 静粛に願います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 各所管大臣の責任の下で適切に執行されるものと承知をしておりますが、基金の執行状況等を継続的に調査、公表することは、効率的に資金を活用する観点から今重要な取組と考えているわけでございます。
 こうした考えから、四月四日の第二回の行政改革推進本部において、復興事業を含めて、先ほど答弁させていただいたように、基金シートの作成について決定をしたわけでございまして、財務省としっかりとこれは、財務省にやっていただけるわけでありますけれども、行政改革推進会議と財務省と協力をしていただいて基金事業の適切な執行を求めていきたいと、こう思っております。
 先ほど、山口県とか我々の出身の県を例として挙げられました。これ全然関係ない話ですからね。まるで我々がそこにそういう事業を持っていったかのようなイメージ操作をあなた、しようとしているんでしょうけれども、まず第一に皆さんがやったということはきっちりと反省していただいて、その上において我々はもう一度しっかりと予算の執行については厳正に対処していくということははっきりと申し上げておきたいと思います。
○蓮舫君 何度も言っていますけれども、反省しているのは前提です。それと、イメージ操作をしようとか、そんなことは全く考えていません。一国の総理大臣がそういうフリップ一枚で反応していただきたくないというのが私の思いです。全国で使われている事例があるということを一つの事例で出させていただいたものなんです。
 次のフリップを御覧いただきたいんですが、これは復興担当大臣の御指示で文言が変わったのかを是非教えていただきたいんですが、野田前総理は、執行停止事業以外でも、復興施策性に疑義が生じる場合は、復興大臣、財務大臣と協議、その事業対象として平成二十三年度第三次補正予算及び平成二十四年度予算において措置した復興関連予算に係る事業と書いていました。これは基金事業のことを意味しています。つまり、執行停止をしたけれども既に執行してしまった基金の事業で無駄だと指摘される事業が出た場合には、それは財務大臣、復興大臣と各担当大臣は協議をして止めていくことができるように復興推進会議で決定をしているんです。
 ところが、その後に政権交代があって、二か月後に開かれた復興推進会議ではその年度がすっぽりと落とされています。過去は振り返らないで、毎年度の予算編成においてと書き換えられている。なぜ、基金事業も精査の対象にしていたものを、政権交代をしたら、そこの文字、年度をばっさり落として来年度の予算編成からという方向に変えたんでしょうか。どういう指示でこの文言を作ったんでしょうか。
○国務大臣(根本匠君) これを単純に比較してそういう質問をされていただいておりますが、私は、野田内閣のときのこの表現、これはそういう必要性があったんで、その時点での必要性でここに書かれたんじゃないでしょうか。その時点でですよ、その時点の状況でこの文章を書いたんだと思うんですよ。
 それで、我々の時代になって、当然、復興予算については、不適切使用等の批判を招くことがないよう使途の厳格化を行うと、こういう新たな方針でやっていますから、私は、これを単純に比較して変わったということではなくて、こういう表現になった背景が野田内閣のときにあったんで、この当該事業の執行に際してあらかじめ協議と、こういう文言になったんだと思いますよ。
○蓮舫君 つまり、じゃ、野田内閣のこの二十三年度三次補正、二十四年度も生きているということですか。
○国務大臣(根本匠君) それは、私が責任を持っているのはここの一月二十九日の表現ですよ。この十一月二十七日の野田内閣のところで、その時点で、別紙以外の事業であっても、諸情勢の変化に応じ、復興施策性に疑義が生じるおそれが判明した場合にはと、こう書いてあるんですね。我々の場合はきちんと、被災地の復旧復興のための施策、事業の規模と財源の枠組みについて必要に応じ見直しを行う、そして、この上で、なお、復興関連予算については不適切使用等の批判を招くことがないよう使途の厳格化を行う、これが我々の方針。
○蓮舫君 だから、不適切使用が今行われている部分の基金も対象にして使途の厳格化をしてくださいと私は言っているんです。
 安倍総理大臣が第三次小泉内閣のときの官房長官だったとき、そのときに行政改革を行って、今後の行政改革の方針の中で実は初めて、この基金というのは地方公共団体は条例があるんですけれども、国は法律がないんです、基金を縛る法律が。補助金適正化法でしか縛れない。だから、補助金として交付したときの交付要領の中で、不適切な使い方とか使用の中に問題があった場合にはどういうふうにして返還させられるかというのを約束としてやるしかないんですね。
 でも、これは、安倍官房長官の時代に実は使用見込みの低い基金に関する基準を作られました。これ覚えておられますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ですから、私は、明確には覚えておりませんが、先ほど申し上げました、答弁したように、これについては、繰り返して申し訳ないんですが、皆さんのときにつくった基金でございます。そして、その結果、言わば被災地のために使われていないという事態が起こっているわけでございますが、その上において、我々はこれは、既に執行中のものはありますよ、しかし、それは厳正な運用をしていくことが極めて重要でありますから、今、私が総理大臣として、そして稲田大臣と、またあるいは財務大臣がしっかりとこれは協議をしながら、復興大臣とも協議をしながら適切なこれは執行をしていくということを申し上げているわけでありますから、これは極めて私は重い意味があるというふうに理解をしていただきたいと思いますし、そもそも、我々もそういうふうにそもそも考えていたわけでございます。そのことは申し上げておきたいと、このように思います。
○蓮舫君 稲田大臣、厳正な運用を行っているということですが、執行停止をした事例はありますか。
○国務大臣(稲田朋美君) 私、委員の質問を聞きながら、委員が民主党政権下の予算を批判されている、そしてまた自民党でいいものは引き継ぐんだという姿勢で行ってきたということをおっしゃいました。
 私も、この行革に関しては、民主党政権でなさっていた良きものは引き継いでおります。例えば行政事業レビューですね。これは基金が対象になっていなかったんです。それを今回、やはりこの復興予算の流用の問題などがありましたので、基金も行政事業レビューの対象にしてきちんと検証していきたい、きちんと監視をしていきたいというふうに思っております。
○蓮舫君 稲田大臣がおっしゃっているのは、私、分かっています。行政事業レビューで基金レビューシートを作っていくのは、それが実際できるのは夏以降なんですね、今年の。今、実際まだこのたまっている一兆円が使われているんです、全国で使われているんです。被災地に本来絞り込まなければいけないものが全国で使われているものがあるから、まず執行停止して、少なくとも、基金シートを作るのであれば、その間は止めなきゃ駄目なんじゃないですかということを私は伺っているんです。
○国務大臣(稲田朋美君) 私は、行政事業レビュー、無駄の排除というのは基本的に事後チェックだと思っております。そして、民主党政権下でこの復興予算について委員が委員会で質問をされて、十項目について見直しを主張されて、そして執行停止になったものもございます。それを受けて、私も行政事業レビューの中で基金の支出についてはきちんと監視をしていく、これが私の役目だと思っております。
○蓮舫君 それも役目ですけど、今現在無駄な支出と批判されるものがあったら、それを止めるのも行政改革の仕事じゃないですか。
○国務大臣(稲田朋美君) 十一月の復興の予算についての閣議決定をされて、それを安倍政権でも引き継いだ形で一月に閣議決定をいたしております。それに基づいて各府省がどのように使っているかは、各府省が説明をすべきことだと私は思います。
○蓮舫君 各府省が見ていてそれで全て執行が適正だかどうかというのは、常にダブルチェックで私は行政改革で行っていくものだと思っているんです。
 先ほど来おっしゃっている基金シートもそうなんですけれども、今私がこうやって改めて反省も込めながら、実際たまっているお金もあるという部分で止めてくれということを先ほど来お願いをしているんですが、それはなかなか止めていただけない。
 じゃ、ちょっとお伺いしますが、基金シートを作るときに、その基金シートは基金の執行状態を見て、何に寄与するんでしょうか。
○国務大臣(稲田朋美君) なぜ今回、行政事業レビューの中に基金シートを作ったかといいますと、先ほど来委員も御指摘のとおり、基金は支出をされたときだけ行政事業レビューの対象になります。そして、それ以降については、その基金からどのように支払われているか、支出先がどうであるか、何であるかということが今までブラックボックスになって見えなかったわけです。それをこれからは基金シートを作って、きちんとその基金からどのように支出され、支払われているかということを明確化、透明化、そしてそれを公開するということでございます。
○蓮舫君 是非その先までもう一歩踏み込んでいただきたいんです。
 つまり、行政事業レビューシートは、予算を執行した公務員責任者が、自分が執行した予算が決算ベースで適切に使われたかどうか外部の目を入れて仕分けるわけですよね。その結果が来年度予算案に反映をされます。だけれども、基金というのは、一度出してしまったら、それを取り戻すのは相手の合意がないと駄目なんです。そこに無駄があって、埋蔵金があって、あるいは運用益でその法人が食べているというような疑義の目が向けられても、その予算を執行した担当者は、そこにあるものを召し上げることはできないし、来年度予算に反映することも、実はその基金はいじれませんからできないんですね。だから、ここにもう一歩踏み込んで、この基金の中のたまっているものをどうやったら取り戻すことができるのか、需要がない事業をどうやったら執行停止にして国庫納付をすることができるのか、そこまで踏み込まないと実は行政改革にならないんですが、それはやっていただけますでしょうか。違う、違う、稲田さんですよ。
○委員長(石井一君) 今の質問は、稲田さん、どうぞお答えください。
○国務大臣(稲田朋美君) 私は、本当に、民主党政権で始められたこの行政事業レビューシートを全部霞が関に統一の書式にされた、非常に有意義だと思います。その上で、基金がなかったので、今回、基金シートを作って、それから以降を明確化にするということを始めました。
 今委員がいろんなことを御指摘をされました。私は、まずこれでやって、まずその先が透明化されることだけでも私は非常に効果があると思います。その上で、改善すべき点があれば改善をしてまいりたいと思っております。
○蓮舫君 ありがとうございます。是非改善していただきたいと思います。
 それともう一つ、行革担当大臣に議論をさせていただきたいんですが、我々の時代、これは自民党のときにも無駄撲滅でおやりになられたものを引き継いで、公益法人改革を進めてきました。人や物や権限や金が流れていて、それが政官業の癒着の温床になっているんじゃないか、公益法人、それは理解ができないから、これは洗ってきました。随分進んできたと思います。
 引き続きチェックをしていただきたいんですが、実は私が手を付けられなかったのはNPO法人です。これは、公益法人は洗われると、そうすると、なかなかお金の使い方が難しくなると移転をするんではないのかなと思えるものがあると思っていたときに政権交代をしましたので、是非、考えを共有していただいたら引き継いでいただきたいんですが、次の最後のフリップなんですが、まだいいです。
 復興予算の補助が直接団体に渡されるんではなくて、あるNPO法人を迂回をする、その法人の人件費など中間経費が法人に中抜きされているんではないかと思えるような事例がありました。復興増税でつくられたこれも基金、漁業・養殖業復興支援事業、一つの法人に九百二十四億の基金が造成をされました。執行率は二九%。使われていない六百五十億はこの法人にたまっています。このNPO法人はどんな法人でしょうか。
○政府参考人(本川一善君) この特定非営利法人につきましては、水産業・漁村活性化推進機構という法人でございます。漁業者、漁業関係団体などの連携と協力によって水産業の発展及び漁村活性化のための事業を行うことで、広く一般国民に対して、水産資源の持続的な利用確保をしつつ安全、安心な水産物の供給を確保する、こういったことを目的としている法人でございます。
 この法人がやっております事業につきまして今御指摘がございましたが、これは、養殖業の復興を図るために、初年度に関連経費を全て事前に前渡しをして、それでとにかく養殖業を再開していただく。それで、二年目もお渡しをして、そうこうするうちに一年目の経費が入ってまいりますので、それをお返しをいただいてという形で支援をしていく事業でございます。年度をまたがってそういう形で運用していきますし、年度をまたぐ運用もございますので、基金的な運用をしているということでございます。それをこの法人に管理をしていただいているということでございます。
○蓮舫君 目的はよく理解できますし、漁業を支援していく、養殖業も支援していくということは否定はしていません。ただ、この法人を調べると、財務状況は九九・九%が国からの補助金収入です。つまり、国からの補助金がないと立ってられないNPO法人です。
 法人の役員は全て法人が国から預かった補助金の助成を受ける団体で構成されています。直接国から、あるいは都道府県から補助を受ければいいものを、なぜか法人を通す。これ、なぜ法人を通す必要があるんでしょうか。
○政府参考人(本川一善君) この事業に関して言いますれば、今申し上げましたように、基金的な運用をしないとなかなか被災地の養殖業者の方々の復旧が進まないんではないかということで基金的な運用をするということにしたものであります。そのような基金を国が持つことはできませんので、何か民間に置かなければいけないと。そのときに、どういう法人に置くかということを考えた場合に、先ほど来出ておりましたが、公益法人改革もございまして、公益法人を過度に利用するわけにはまいらない、そういうことで、これらの方々がそういう補助金を執行する、そういう仲立ちをするためにつくられておったこの特定非営利法人に対して執行するということにしたものでございます。
○蓮舫君 国に基金は置けませんけど、都道府県には置けますよね。なぜ都道府県ではなかったんでしょうか。
○政府参考人(本川一善君) 元々はもうかる漁業支援事業ということでスタートをして、その基金をここで管理していただいておりますが、この場合には国が許可をする指定漁業というのが対象として非常に多うございますので、個々の都道府県で基金を管理するということは非効率であるということで全国一本の基金を置きました。
 それから、がんばる養殖業につきましては、被災地の都道府県が、県が非常に事務的にパンクをしておるといったようなこともありまして、都道府県に基金を置くという選択肢も考えたようでありますが、やはりそこは、都道府県に基金を置きますとなかなか計画作りだとかそういうことが進まないんではないかということでこの法人を活用したということでございます。
○蓮舫君 法人の収支報告書を見ると、業界団体の理事らで構成する六人の役員報酬とか、あるいはいわゆる間接経費はそんなに法外に高いものではないんです、このNPO法人は。ただ、よく見ると、国から執行されている補助金が、これは二十三年度、国庫補助金収入、年間を通じて約一千億、その中から管理費収入として人件費や一般管理費、あるいはその中間管理費が一億四千万抜かれている。
 緑の部分は復興事業です。復興事業も八百十八億国からここに基金として預けられているんですが、その中から運営費と人件費が一・三億法人に入っている。これ、実際に法人が自分たちの法人を維持するために抜いているのか、それとも事業費として使っているのかが、実は情報公開がまだ不透明で不明朗だからそこまで調査をすることが現段階ではできません。
 そこで、稲田大臣にこれ考えを聞かせていただきたいんですが、税金がこういうふうな被災地あるいは国民のためにちゃんと使われている、基金を置く場所がないからこの法人に運用を委託したという役人側の説明なんですが、その使われ方が法人を維持するために中抜きされているという疑義が生じない、させないために、NPO法人も私は行政改革で一度全部こういうお金の流れ、権限の在り方、見直していただきたいと考えているんですが、それはいかがでしょうか。
○国務大臣(稲田朋美君) まずは行政事業レビュー、基金シートなどを通じて国の予算、また大切な国民の税金が無駄なく使われているかどうかというところを、NPO法人、今御指摘いただきましたけれども、そういう支出先も含めてきちんとチェックをしてまいりたいし、もし必要があれば、NPO法人の所管は甘利大臣でございますけれども、必要があれば対応も考えてまいりたいと思っております。
○蓮舫君 甘利大臣を私は登録していないので今御答弁はいただけないんですけれども、今聞いておられたと思いますので、是非、稲田大臣とこのNPO法人も洗っていただくためのその努力をしていただきたいと思います。
 その上で、安倍総理、これからの話でやっていくという仕組みづくりは私は理解しています。ただ、今あるものが無駄に流れないための努力もしていただきたいんです。景気を良くする、経済を良くする、そしてこの国を活性化して税収を上げていく、けれども、財政規律という姿が残念ながら安倍内閣では私はまだ見えてきていません。
 国会議員の定数削減、〇増五減、いろいろあります。〇増五減は、私、個人的にはこれは絶対やらなきゃいけないと思いますが、去年の野田さんとの党首討論でお約束をしたのは、あのとき民主党は八十削減する法案を出していました。夏に出したけれども、自民党がこれは審議に乗っていただけなかった。それどころか、自民党が当時出した〇増五減の案を参議院では審議拒否されました。だからこそ野田さんは解散権をもって、国会議員の定数削減をしよう、社会保障を維持するためにも、消費税を上げる御理解をいただくためにも、これは約束をしていただきたいと言ったものが、いつの間にか〇増五減で矮小化されている。これも私は前向きではないと思っている。あるいは、社会保障と税の一体改革、三党合意をした社会保障、年金、介護、医療、抜本改革をして、国民会議に上げて、法律を改正しなければいけないのはこの夏までです。残念ながら、その法案が提案される気配すらない。今言った、たまっていこうとしている埋蔵金がある。それを執行停止をしていただけない。
 国会議員の定数削減、社会保障の改革、今やらなければいけない姿が見えないんですが、これはやっていただけるんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど、基金のお金についてでございますが、その執行についても、これは民主党政権時代につくった負の遺産ではございますが、まだ安倍政権できて四か月でございますので、その間に直ちに執行というものはございませんが、そもそも……(発言する者あり)あっ、執行停止はしておりませんが、そもそもこうしたものについてはそうした執行停止等も含めて対応していこうということは我々既に考えていたことでございますし、また、先ほど稲田大臣から答弁をいたしましたように、この基金のシートということについて、そうした基金の使途についてもしっかりとやっていくということになりましたから、これは財務大臣とまた稲田大臣、あるいはまた復興大臣もそうなんですが、甘利大臣も含めて、しっかりと対応していきたいと思います。
 そして、〇増五減についてでありますが、この〇増五減については、そもそも、昨年、谷垣当時の総裁とそして野田総理との党首討論において、まずはこの一票の格差是正を優先しようということになったわけでありまして、我々としては〇増五減を早く成立をさせようという努力をしていたわけでございますが、それがなかなか成立をしなかったのは残念なことでございます。そして、私と野田当時の総理との党首討論によって〇増五減について合意が成って成立をいたしました。そして、それを受けて今回区割りが、区割り審において区割り等が決まって、関連の法案が出てまいりましたから、衆議院で先般成立をしたところでございますので、参議院においても速やかにこれは議論をしていただいて結果を出していただきたいと思います。
 と同時に、我々、定数削減については三十議席を削減をするという案を既に作っておりまして、これは自民党と公明党、与党では一致をしているわけでございますので、是非この案を中心に御議論をいただければと、このように思っているところでございます。
○蓮舫君 〇増五減だけで終わりではなくて、我々も八十削減を出しているので、それしっかり指示していただいて、これだけで終わらないということは引き続き追い続けていきたいと思います。あるいは、今執行停止をしていくと言いましたけれども、今なお執行されている埋蔵金があるのであれば、私はこれ引き続き追いかけていきたいと考えています。
 その上で、最後の質問なんですが、森まさこ大臣に伺います。
 四月十一日の参議院消費者問題に関する特別委員会で、民主党の金子洋一議員の質問に対し、平成十九年に当選してから今日まで、御指摘の平成二十一年以前に前の年の平成二十年に献金を受けておりますと。自分の公設秘書から大臣が代表を務める自由民主党福島県参議院選挙区第四支部への献金があったと認め、それはもちろんすぐお見せしますと収支報告書の提出を約束されました。二週間が経過しますが、まだ提出されていません。
 本委員会でも確認させてください。本委員会に大臣の初当選以降の政党支部の収支報告書を御提出ください。
○国務大臣(森まさこ君) 蓮舫議員も御存じのとおり、公設秘書から任意に寄附を受けることは合法でございます。
 今まで秘書給与のことで問題になったのは、合法に寄附を受けているのに収支報告書に記載しない不記載が問題になっておりましたが、私は当選以来、有権者の皆様にお約束をしておりますとおり、任意の合法な寄附を受けましたら必ず収支報告書に記載をしております。六年間の議員生活の中で当選二年目と三年目の一番苦しい時期に私の秘書が任意に寄附をしていただきました。その後は寄附を受けておりませんが、その当時の寄附についてはしっかりと収支報告書に記載をしております。
 この報告書については提出をするということでお約束をいたしました。今、理事会の協議になっておりまして、まだ理事会が開かれていないと伺っております。
○蓮舫君 本委員会への資料提出も要求しておきます。
 以上です。ありがとうございました。
○委員長(石井一君) 以上で蓮舫さんの質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(石井一君) 次に、北川イッセイ君の質疑を行います。北川君。
○北川イッセイ君 自由民主党の北川イッセイでございます。
 質問に入ります前に委員長にひとつお願いを申し上げたいことがございます。
 それは、昨日の委員会の質疑の中で、徳永委員から、閣僚の靖国参拝について、日中、日韓の関係が悪化したという、そういうことがあって、それについて拉致被害者の家族の方々が非常に落胆しておるということを聞いていると、こんなことでしっかりと拉致問題の解決に取り組んでくれるのだろうかという声が上がっていると、こういう発言がありました。それに対して古屋拉致担当大臣から、それはちょっと聞き捨てならない話だと、是非名前を言ってくださいというようなやり取りがありました。その後、安倍総理からも、拉致被害者の方々が懸念を表明されたと、これは極めて重要な質問だと、どなたがそれを言ったのか、やはり予算委員会だからちゃんとしないと、質問者としての信頼性、民主党として質問しているんだから、もしいいかげんなこと、言っていないのに言っていた、そういうようなことがあったら大変だと、これを明らかにしないとおかしいということを安倍総理からも答弁の前に発言がありました。
 この問題、重要な問題だと、こういうように思います。ひとつ、そういうような話が、そういうようなことがあったのかどうか、あるいはまたこの取扱いをどういうようにするのかというようなことについて、これ予算委員会の発言ですから、委員長、理事会でひとつ協議をしていただきたい、そういうふうに思います。よろしくお願いします。
○委員長(石井一君) 北川イッセイさんも理事として今朝それを議論をいたしました。引き続きそれを協議いたします。
 しかし、それ以外にも、例えば小川元法務大臣に対する参考人招致でありますとか積み残しの問題がたくさんございますので、山場を過ぎたところでそれらを全て理事会で協議いたしまして結論を出したいと思います。
 質疑をしてください。
○北川イッセイ君 よろしくお願いします。
 今日、安倍総理もお越しでございます。この問題について安倍総理の元に何かそういうような懸念を示すような話、あるいはまた、安倍総理はもう拉致被害者の家族の方々全てよく御存じですから、それぞれにそういうような懸念を持っておられるというような方がおられたかどうか、そこらのところを、簡単にちょっと御披露いただけませんか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、確かに委員が御指摘になられたとおり、この委員会において、拉致被害者が古屋さんの靖国参拝を懸念をしているということであれば、これは重大なことであります。それを基に古屋大臣の行動を非難をされたわけでありますから、相当の根拠があったと見るのが当然であろうと。もしそれがなければ、一切その根拠がないのに全く捏造として質問をしたということになるわけでありまして、事は私は重大なんだろうと、このように思う次第でございますが、その中において、古屋大臣から聞いた話ではございますが、古屋大臣がこれは家族会等に問い合わせたわけでございますが、一切そういう声は上がっていないということははっきりと申し上げておきたいと思います。
○北川イッセイ君 この問題についてはまた理事会で委員長、御検討いただくと、こういうことですから、そういうことにしたいというふうに思います。
 さて、これで時間ちょっと取ってしまいましたので、また時間がなくなりました。アベノミクスのことについて質問を進めたいと思うんですが、予定しておりました質問の一番と二番、もう一緒に質問させていただきますので、ひとつよろしくお願い申し上げたいと思います。
 アベノミクスの第一の矢、これで非常に経済再生ということのムードができたと、そういうように思います。次に第二の矢、これについては、今審議しております予算、これが可決され成立しますと財政の出動ということが行われて、今度は経済再生の舞台ができ上がるんじゃないかということで非常に楽しみにしておるわけであります。
 しかし、経済再生ということを考えますと、この第一と第二ではこれは完成とは言えません。これはもう安倍総理いつも言っておられるとおりであります。問題は、第三の成長戦略をどう進めていくのか、ここのところが一番決め手なんですよね。それで、その成長戦略、いろいろなことが言われています。しかし、国民の皆さん方はなかなか、そうしたら一体どういうことが起こるのかというようなことが具体的になかなか分からないというようなことがあろうかというように思うんですよ。
 ですから、その成長戦略とは一体、分かりやすく、どういうことをやるのか、基本的にどういうことなんだということをもう一度ちょっと説明をしていただけないかなということ。
 それともう一つは、要するに産業を活性化して興していくということ、また先日、女性の能力をしっかり伸ばしていくと、女性の雇用を伸ばしていく、こういうような話もありました。要するに、産業を伸ばして雇用を増やしていく、雇用を創出していく、ここのところが決め手じゃないかなというような思いがしてならないんですね。この成長戦略と雇用と、これをどういうように結び付けていくのかというところが非常に大事なところだというような思いがします。御答弁いただけたら、よろしくお願いします。
○国務大臣(甘利明君) 御指摘のとおり、まさにこれから本格的に日本経済全体を回していくということになります。
 成長戦略は何かといえば、委員御指摘のとおり、新しい産業分野がそこに発生をする、あるいは従来の産業分野が更に大きく伸びていくというところに肝がございます。日本は、今まで雇用を支えてきた、経済を支えてきた企業がかなり閉塞状態になってしまっています。それを打ち破る大きな力になればというふうに思っております。
 具体的な方法は、今、日本が抱えている大きな課題、例えば少子高齢化が将来もたらすであろういろいろな問題、あるいはインフラが高度成長を支えてきましたけれども、それが耐用年数が来て一斉に更新に入ると。単に財政を圧迫するだけで終わってしまってはこれは元も子もないわけでありますから、そこから新しい産業が出てこないか、あるいは民間の資金を使ってインフラを更新できるような仕組みができないかと、そういうことを模索しているわけであります。そして、具体的にロードマップを作って、どういう部分の規制緩和をする必要があるか。これは国家でしかできません、民間には規制緩和はできませんから。それから、基礎研究の部分はやっぱり民間企業ではそこまで手が伸びません。恐らく、市場化に向けて三年、五年以内の研究開発しかできないと思います。十年、十五年掛かる部分はやっぱり国がやっていくということであります。そういうロードマップ上に、国がやるべきところ、それから民間がバトンタッチするところ、それが絵図が分かるようにしていきます。
 総理が具体的に挙げた例を一つだけ挙げますと、これはライフサイエンスの分野であります。今までは、日本の規制の仕組みからどうしても医療機器が技術はあるのに商品としてデビューできない、時間が掛かる、あるいは医薬品でも臨床まで経て本当に認可に行くまでの時間が掛かり過ぎる、こういうところを解決していこうと。そこで日本のライフサイエンスの分野が大きく伸びていって、それによってGDPも伸ばすし雇用も支えると。そこで雇用が適切に移動する仕組みをつくらなきゃならないと。新しいスキルを持っている人たちをどんどん吸収できるように、移動する際にスキルアップをするとかスキルチェンジをする、この労働雇用政策も織り込んで全体がうまく回るようにしていこうというのが成長戦略でございます。
○北川イッセイ君 甘利大臣から基本的なことを御説明いただきましたけれども、ちょっとやっぱり難しくて余り分からないというような感じがします。この問題は後でもうちょっと具体的にいろいろまた進めていきたいと思いますが。
 先にちょっと、非正規雇用の比重が大変高くなったという、そういう話が先日来この予算委員会で随分出ています。この問題についてちょっと取り上げたいと、こういうように思うんです。
 非正規の従業員が千九百万人、三六・七%になっておると、こういう話であります。これは、今まで非正規といえばパート、アルバイト、まあ企業の中では例外のような感じだったんですけれども、これ決して例外ではもう済まされないというように思うんですよ。これは社会構造の変化というものがあって、それにやはり対応していく、しっかり対応していく、そういう必要があると、こういうように思います。先日、公務員の非正規の職員の話も民主党の委員の方から出ておりました。これもやはり同じような形で考えていかなければいけない、そういうように思えてならないわけですね。
 ここの、この問題に対して安倍総理は、勤労者の自由度を、これを尊重すると、尊重して、これがいいんだという勤労者もおるじゃないかと、こういう話がありました。なるほどそのとおりだというように思います。しかし、それが全てじゃないんです。これは、大部分の方はやっぱり正規社員がいいだろうということを思っておられるわけですよね。だから、そこのところなんですね。ですから、もう一歩突っ込んでこれ考えてみる必要がある。
 もう一つ考えなければいけないのは企業の問題。これは、企業の海外流出というのが非常に進んでいます。その原因は何かというと、やはりこの雇用の規制が非常に強いという問題もあるし、エネルギーの問題、あるいは関税障壁の問題、いろいろあります。けれども、この労働の規制の問題、これも非常に大きな問題だというふうに思いますし、企業側にすれば、一旦雇ってそれが日本の今までの風習のように終身雇用でずっといける、そういう時代であればいいですけれども、今の時代大変グローバルになっていますから、それもなかなかままならない。企業もやはり潰してはいかぬ、守らないかぬ。ここのジレンマが非常にあると思うんです。
 私は、お願いしたいことは、これどっちがいいとか、非正規がいいとか悪いとかそんな話じゃなしに、今現在、非正規の人たちがどんな実態になっているのか、給料とか手当とか、厚生の施設の問題もあると思いますが、そういうような問題でどれだけの正規と非正規の間で差があるのか、ここのところの実態調査を是非ともこれ政府でやるべきだと。やって、その上でその対策をどういうように練っていったらいいのかという、そういう方策を立てていくということが非常に大事だと思うんですが、総理、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさに北川委員の御指摘のとおりだと思います。非正規雇用については、経済がグローバル化する中で雇用形態も変化をせざるを得ないという側面もございますが、しかし非正規の方の中にも何とか正規に変わりたい、そう思っておられる方がたくさんいらっしゃるのも厳然たる事実でございます。
 その中において、政府としては、多様な働き方を実現するための方策を検討するとともに、本年度予算案に新たに企業内での希望に応じた正社員化や人材育成といったキャリアアップの支援など、非正規雇用の方々の雇用の安定や処遇の改善のための施策を盛り込んでおります。
 また、今御指摘がございました各種統計調査等を用いて様々な観点から非正規雇用の状況の把握や分析を行いながら、正規、非正規の二極化を解消して、雇用形態にかかわらず、将来に夢や希望を持ちながら、安心して生活できる環境をつくっていきたいと、このように思います。大切なことは、非正規の方々も、自分たちが正規社員になりたい、そういう夢の実現が可能になる仕組みをつくっていくことだろうと思います。
 ちなみに、第一次安倍政権の二〇〇六年、七年でございますが、このときに多くの企業にそういう仕組みをつくるように呼びかけました。一番一気にやっていただいたところは、数千人規模で一気に非正規の方を正規にしていただいたところもあったわけでございます。あのときには、平成六年に四十万人、そして平成七年には三十四万人、正規社員が増えているということは申し上げておきたいと思います。ちなみに昨年、二〇一二年には正規社員は十二万人減って、非正規が二万人増えていたと、こういうことでございます。
○北川イッセイ君 今までのその実績というのもあるわけですけれども、しかし、現実にもう三六%以上の人が非正規社員になっておると、こういう社会構造になっているわけですから、これはしっかりと調査をする必要があると、そういうように思うわけですね。
 総理、今いろいろ説明されて、今までの状況、あるいはこれから非正規を正規に変えていくという、そういうような方策もというようなことをおっしゃっていますけれども、私が言いたいのは、実態調査やってくださいということなんです、実態調査。これ実態調査やらないと、本当に非正規もこれ有効なんですよ、労働界の中では。だから、これどう生かしていくかということが大事なんであって、何も一から十まで全部非正規を正規に変えるという、そういうことではないというように思うんですよね。だから、そこのところ、本当に実態調査やっていただけるのかどうか、そこのところを御答弁いただけますか。
○国務大臣(甘利明君) 御指摘の点は大変大事な点だと思います。
 非正規がなぜ存在するか、それはもちろん、働く側のニーズはもちろんあります。しかし、本当は正規の方がいいんだけどという人も相当いらっしゃると思います。実態調査をしっかり行って、そして、より適切な雇用と労働の関係にあるように安倍内閣としてしっかり取り組んでいきたいと思っております。
○北川イッセイ君 余計なことを言うようですけれども、私は自分の感覚から考えて、正規と非正規とあると、もう明らかに非正規の人というのはこれは企業側は非常に便利がいいわけですよね。ですから、要るときに雇えばいいと、要らなくなればまた次の機会にと、こうなるわけですよね。そういう使い方をするんであれば、私はむしろ正規よりも非正規の方が給料高い、これが本当だと思うんですよ。これ本当にそうですよ。それは実態、そうなかなかならないかもしれません。理屈からいうとそうだと思うんですね。例えば、最低賃金なんかにしても、これも正規と非正規と別個に考えるということもあり得るんじゃないかなというような、私の個人的な思いです、そういうようなことも思っております。
 何か午前中テレビが切れるということですので、これで終わらせていただきたいと、そういうように思います。またあと続き、昼からさせていただきます。どうもありがとうございました。
○委員長(石井一君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。
 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十五分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
○委員長(石井一君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 平成二十五年度総予算三案を一括して議題とし、経済財政等に関する集中審議を行います。
 休憩前に引き続き、質疑を行います。北川イッセイ君。
○北川イッセイ君 成長戦略についての具体的な、できるだけそういう問題について話をしていきたいと、そういうように思います。
 成長戦略を挙げるときに必ず出てくるのが、介護、医療、環境産業ですね、こういうようなものに転換していってそれを伸ばしていくと、こういうことが必ず出てくるわけです。私もやはり将来可能性のある産業だなと、これを伸ばしていかないかぬということは同感であります。
 その中で、まず介護の問題なんですが、私どものところに介護の関係で一番よく相談に来られるのは何かといいますと、病院で治療を終えたと、その人が行くところがないんだと、次の病院を紹介しろとかというような話なんですよ。これも、昔の話というか、以前は、その後は療養型病床群でちゃんと面倒を見ましょうと、こういう形になっていたと思うんですね。この療養型病床群なんというのがなかなか、今もあるのかないのかちょっと分からぬような状況で進んでいないと。ここにやはり大きな原因があるわけですね。
 そのほかいろんな、特養にしろ、グループホームなんかでもいっときすごいはやりましたけれども、果たしてこれがいいのかどうかという今問題も随分出ています。それから老健施設の問題、この介護のカリキュラムはいろいろあるわけですけれども、今までこの療養型病床群を始めとした試行錯誤が非常に多いわけです。言えば右往左往しているというような状況だと思うんです、長期的に見れば。
 これ、何でそんなことになるのかということをいろいろ考えますと、この介護を、政策を進めるのに箱物志向ばかりで進めているわけです。私は、介護の一番やはり中心になるのはマンパワーだというように思うんですね。ですから、ここのところをやはりちゃんと直していかないといけないと。
 仮に、今在宅か施設介護かと、こういう話がありますけれども、在宅にしろ施設にしろこれは介護士が要るわけですから、介護士をしっかり育てていく、これが基本だと、こういうように思えてならないわけですね。そこのところで、病院から出た後、在宅でということで家で引き取ったと。この間NHKでもやっていましたけれども、なかなか仕事と両立しないですね。
 ここらのところを何か産業に変えていくようなことないのかと。私は自分なりにいろいろ考えましたら、例えば今ちょっと行き詰まっているグループホームなんというのは、これなんかも地域で、自分のところの家のおじいちゃん、おばあちゃんだけ面倒見るのはこれは仕事との間で大変だと。でも、その中、その地域で、自分の家で介護できる人とできない人ありますから、そこの近所の人を一緒に面倒みんなで見るということになればできるんじゃないかと。
 こういう考え方というのは、要するに、マンパワーがあってグループホームができていく、こういうような形に展開していかないといけない、それがなかったと。まずグループホームを造ろうと、それを誰が面倒見るのか、これじゃ駄目やというような思いがしてならないわけですね。
 先ほど、甘利大臣、本当に失礼しました、要らぬことを言いまして。具体的に、介護の産業に転換していくとか、そんなようなことで何かありましたら、ひとつ御披露いただけたらと思いますが。
○国務大臣(甘利明君) ほかに答弁する大臣が何か、厚労大臣が答弁されるのかと思いますけれども。
 例えば介護というのは、現状でいいますと混合介護なんですね。公的な保険がカバーするところと私企業が入れるところがあります。ここの分野でもいろんな提案がなされておりまして、公的制度で病院と介護の間にすき間があったりいたします。そこのところを民間のビジネスが入ってくる、あるいは民間の保険が入ってくる余地もあると。しかも、極めて低廉な保険料でできると。ビジネスクラス介護なんというちまたでは呼び名もありますけれども、そういうところも成長戦略の一つの箇所ではないかと思いますし、まさにマンパワー、このキャリアパスも含めて、しっかりとつくっていくということが検討課題として取り上げられるかと思っております。
○北川イッセイ君 済みません。これ、いろいろ議論すると非常に時間が掛かります。
 私、一つ提案というか、申し上げたいことがあります。これは文科大臣おられたらいいんですけれども、おられませんから、総理、ちょっと聞いておいてほしいと思うんですが、介護の実習、中学校の介護実習、是非ともやってほしいんです、学校時代の。これは、やっぱり子供のときから介護というのを教えないと心が付いていかないんですね。卒業して大人になってから介護実習やったって、技術は身に付きますけれども気持ちが付いていかない、こういうことですから、お年寄りにとって本当に優しい介護ができないというような思いがします。そういうところ、ひとつ是非とも考えていただきますように、またよろしくお願いしたいと思います。
 次に、医療の問題ですね。これ安倍政権のときに、医療機器創出のための五か年戦略というのがありまして、その後、福田政権になって先端医療開発特区、スーパー特区できたということでございます。これが今ずっと来ているわけですね。これ、期限五年やったかね、五年で来ているわけですが、もうぼちぼち五年来るんじゃないかなというような思いがしています。その後、それなら今度どうするんやと、ここのところをちょっとお答えいただけますか。
○国務大臣(山本一太君) 今、北川委員のおっしゃった先端医療開発特区は、経済財政諮問会議の有識者委員の提案を受けて平成二十年度に始まりました。私の担当する総合科学技術会議の下で、内閣府と厚労省と文科省と経産省と、四府省が連携して二十四の先端医療プロジェクトを採択して実施してきました。一部実用化されたものもありますし、あるいは規制改革等についても波及効果があったと思っていまして、一定の成果を上げたと思っています。
 先生御存じのとおり、特徴として、研究資金の運営が非常に良かったというのと、最初から出口を見据えて、開発段階から出口を見据えて、試行的に規制当局等と意見交換やったり相談をやったりして、最先端の再生医療とか医療機器とか医薬品の開発、実用化を促進するという面があります。
 おっしゃったとおり、二十四年度末で一応終わりということになっているんですけれども、一年間、実はまだフォローアップ期間みたいのがありまして、薬事相談なんかは続けていますから、この一年間、集中的フォローアップ期間ということで、開発特区の成果とか波及効果とか検証し、あるいは評価して、それを踏まえて、次からどういうふうに展開していくかということをしっかり検討したいと、そう思っています。
○副大臣(秋葉賢也君) 医療機器につきましては、種類が多岐にわたるなど医薬品とは異なる特性を有しておりますことから、医療機器の特性を踏まえた制度の合理化が必要だというふうに認識しております。
 具体的には薬事法を見直すことといたしておりまして、一つは、医療機器の関係条項を医薬品とは別とし、医療機器の章を新たに設けることといたしております。また、薬事法の名称につきましても、医療機器ということをしっかりと文言で明示をしたいと考えております。また、厚生労働大臣の承認に代わる民間の第三者承認制度の対象を拡大することなどを内容とする薬事法の改正案を現在検討しているところでございます。
 去る四月二日の日本経済再生本部におきましても、安倍総理から薬事法の改正案を今国会に提出するよう作業を急ぐよう指示があったところでございまして、今厚生労働省といたしましても精力的に作業の詰めに入っているところでございます。
○北川イッセイ君 ありがとうございます。
 実はその質問をこれからしようと思っていたら先に答弁していただきまして、本当にありがとうございます。そのとおりでございます。
 要するに、医療機器も薬事法でやっている、これじゃうまくいかぬやないかと、時間も掛かる、中小企業にそういう産業を下ろしていくということも非常に不便である、だからこれは考え方を分けた方がいいだろうと、こういうことでありまして、それを是非ともやってほしいと、こういうことで質問を申し上げたら、答弁先にいただきまして、どうもありがとうございました。
 それから、環境の問題ですね、環境産業。これも、私、もう割愛しますけれども、実はここに冊子があります。これ、関経連が作った「環境・エネルギー技術・製品事例集」、これを見たら、本当にすばらしいイノベーション、もうたくさん載っています。こういうように、地方にはこういういろんな工夫している人、あるいは工夫している企業、そういうものもありますし、非常に力を出しておりますので、私は、地方の力をしっかり使っていくと、こういうことが非常に大事だろうというふうに思います。
 最後のテーマはそういうことなんです。要するに、私は、地域の活性化というのは、これは本当は地方でなかったらできないと思うんです。こんなの中央でやるといったって、そこの事情とか、あるいは土地の状態とか人の心の状態とか分かりませんから、ですから、それは本当は地方で全部やっていくということが本当だと思うんですよ。それを、江戸時代なんかでも、名君と言われる人、これはもう皆その地方の産業を興していくということを一生懸命考えておられるという方ですね。地方に力を与えていくということが非常に大事だろうと、こういうふうに思います。
 そういう意味で、実は民主党政権のときに地域一括交付金というのがありました。これは、考え方としては私はもう実に賛成なんです。地方にお金を渡して、ちゃんと自由裁量でやってくださいよと。どこまで自由にしたらいいか、ここの話はあるんですけれども。
 そこのところで考えましたら、あれは余りにも主な対象事業というのが細か過ぎる。こんなのを見ていたら、これ、一括交付金じゃないですよ、こんなのはね。ですから、もう少し使いやすいものに変えていく、一括交付金の精神は残してもっと使いやすいやつに変えていくということが非常に大事だろうと、こういうふうに思います。
 もしよかったら、新藤大臣。
○委員長(石井一君) 時間が来ております。
○国務大臣(新藤義孝君) まさに委員のおっしゃるとおりなんです。ですから、地方が自分たちの個性を生かし、自由度を上げて、その中で使いやすい交付金制度、これを考えて、私としては、民主党が取り組まれて、いいところは引き継ぎながら発展的に改善をするということであります。
 先生おっしゃるように、大くくり化をするんです。それから、もっと手続を簡素化して、そして使い勝手のしやすいものにした、それが今回の我々の交付金でございます。
○北川イッセイ君 ありがとうございました。
 委員長、終わります。
○委員長(石井一君) 以上で北川イッセイ君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(石井一君) 次に、古川俊治君の質疑を行います。古川君。
○古川俊治君 まず総理に伺いますけれども、二月二十八日の施政方針演説で、総理はプライマリーバランスについて、遅くとも二〇一五年までにその赤字の対GDP比、二〇一〇年度の水準から半減させる、そして二〇二〇年までに黒字化させると、そういう財政健全化目標の実現を目指すということをおっしゃいました。
 前政権時代もこの財政健全化目標は国際公約という形になっているんですけれども、総理、この目標は安倍政権においてもやはり国際的に公約をするということなのか、また、この健全化目標は国と地方を合わせてということになっておりますけれども、国単独ではいかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) このプライマリーバランスの黒字化についての目標については、これは安倍政権においても閣議決定をしております。また、国際約束ということについては、二〇一〇年のトロントでのG20サミットでコミットしたものでございますが、安倍政権においても国際的に既にコミットをしているというふうに認識をしております。
 国、地方のプライマリーバランスは、中央政府とそして地方政府による現在の行政サービスに必要な歳出が税収で賄えているかどうかを示すものでありまして、財政構造の持続可能性を見る上で重要な指標であるというふうに考えております。財政健全化目標としているものでございますが、今後、経済財政諮問会議において、財政健全化と経済再生との双方を実現するための道筋について検討を進めて、年央の骨太の方針において経済再生の道筋と併せて、各歳出分野の取組など財政健全化の基本方針を示していくこととしております。
 そして、国レベルの財政規律についても検討する必要があるのではないかというお話でございますが、いずれにせよ、今後、国レベルの財政規律の在り方も含めて、中長期の財政健全化を実現するための取組の在り方等について検討を進めてまいります。
○古川俊治君 総理は今、国についてはこれから議論していくというお話でしたけれども、今までの財務省の議論ですと、国についても二〇一五年までに半減を目指すという目標だったというふうに伺っておりますけれども、今回、財務省の資料で、平成二十五年度予算の後年度歳出・歳入への影響試算、これによりますと、SNAベースの国のプライマリーバランスを二〇一五年までの健全化目標に合わせるためには、そこにありますB―1の試算なんですね、これしかないんです。そのB―1の試算というのは大変都合がいい前提が置かれておりまして、経済成長率三%、それから高齢化を進むにもかかわらず歳出を増やさない、据え置くと、そして新たな財政出動をやらないと、そういう条件が満たされなければこのB―1のパターンにならないんですね。
 私が大変気になっているのは、社会保障・税一体改革におけるその一%、要するに、消費税引上げの一%の社会保障の充実分というところがここにカウントされているんですけれども、高齢化による自然増ですね。財務省の資料によれば、当時ちゃんとその一%分で見ていると、自然増も全部見ていますよというお話だったんですが、実はこの試算の中にはこの自然増は無視されているんですね。これは財務大臣、どういうことなんでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 古川先生の御指摘のこの平成二十五年度予算の後年度歳出・歳入への影響試算というので、四つのケースを示したうちの三番目だという話で、これは御存じのように三%、そして歳出は伸びないというあのケースのとおりであります。
 御指摘のとおり、歳出据置型と言われるこの三番目のケースなんですが、これは御指摘のように、基礎的財政収支対象経費につきましては、二十五年度予算におけます水準、すなわち七十兆円、七十兆四千億円を据え置いた上で、社会保障と一体改革に伴います社会保障のいわゆる充実分のみを上乗せするというもので、一兆円ぐらい毎年伸びるはずじゃないかということなので、御指摘の高齢化に伴います社会保障の自然増につきましては、これは明示的な上乗せは行っていない姿になっております。御指摘のとおりです。
 ただし、今般の試算というのは、これはあくまでも機械的な試算でありまして、機械的に数値を前提に置いた場合に財政の姿がどうなるかというのをお示ししただけのものであって、御指摘の社会保障の自然増等の個別の勘定科目というか歳出科目につきましては、認める認めないとか、そういった具体的な取扱いを念頭に置いておるものでは全くございませんので、御理解だけをいただいておきたいと存じます。
○古川俊治君 そのほかのことを考慮しないというお話ですけれども、だったら一%の社会保障の充実分だけを取り出して考慮しているわけですよね。でしたら、必ずその一%以上を見ておくという約束の、高齢化分も自然増、当然増えるわけですから、これも入れた試算をすべきであって、それはちょっと大臣、説明になっていないと思うんですよ。
 元々、福田政権下の、これは我々の政権のときですけど、社会保障国民会議における議論でも、あるいは野田政権の中におけるこれは集中会議の中でも、自然増ということは前提にしていたんですよ。これは前提にして、その上で制度改革を行って必要な社会保障に対応するためにどういうような財政政策が必要かという観点から見ていったんですね。
 それは、自然増というのは当然起こってくるわけですよ。これに対応させるような、それを最大限効率化するとしても、それに対応する税制を考えていかなきゃいけないわけでありまして、これはまず財政ありきということから、これは目標を達成しなきゃいけないから、健全化目標を達成するから社会保障費はこの枠内でやってくださいよという議論は、これはおかしいと思うんですよね。これはいかがでしょうか、財務大臣。
○国務大臣(麻生太郎君) 先ほども御答弁申し上げたとおりですけれども、今、社会保障の充実という話ですけれども、一体改革の実施に伴って支出が増加する部分というのが、いわゆる社会保障の充実の分、それから消費税率の引上げに伴う社会保障支出の充実分、それから消費税率の引上げに伴う地方交付税交付金というのもそれは上がりますので、そういったものの分を機械的に皆上乗せはいたしております。
 他方で、高齢化に伴います社会保障の自然増につきましては、一体改革の実施によらず発生するものであるものですから、歳出据置型ケースにおきましては他の歳出と合わせて七十・四兆円で据え置いたというのが、これは仮置きみたいな話ですから、そういったものだと御理解いただいておかぬと、これ幾つも前提をつくらないとなかなか難しいものですから。
 繰り返しになりますけれども、これはあくまでも試算を行うためにも機械的に前提を置いただけのものだということを御理解いただいて、具体的な取扱いは今後きちんと決めていかねばならぬものだと思っております。
○古川俊治君 高齢化を、当然高齢化していくわけですから、これを含めないのは私はおかしいと申し上げているのであって、過去にも、小泉政権時代ですけれども、高齢化するにもかかわらず、社会保障費は経済成長率の内部で収めようということをずっとやってきたわけですね。この方針は、御存じのとおり、もう麻生政権のときに修正せざるを得なくなったわけですよ。それは社会保障の崩壊とかいろんな事情があったわけですよね。
 今回も、実はこの財政等審議会の中で、今回の予算編成について、長期的には経済成長の枠内でやりなさいということが書いてあるんですね。これは今までの議論と全く違っていて、やはり当然これから高齢化してくれば、今までの議論は対GDP比は伸びていくという前提でやってきたわけですね。これは是非その前提でお考えいただきたいと思っているんですね。一度我々は失敗していますから、そのことを是非思い返していただきたいと思っています。
 現在、社会保障制度国民会議の中で議論が進んでいるわけですけれども、その中で、在宅医療あるいは介護への推進ということが明確に打ち出されてきているんですね。この点、確かに在宅医療や介護を進めていけば、これは入院から、施設から移ってきますから、その分医療費は安くて済むと思うんですけれども、在宅の医療や在宅の介護というのは、そこで見ている家族がいて初めてこれは成立するような理念だと思うんですよ。このことについてはいかがなんでしょうか。
 今は、実態として共働きの夫婦が増える、女性は働いていただきたいというのは総理のこれは方針でもありますし、そのほかにも、子供は都会に出ていって高齢者の御家庭が田舎に残っているというのはよくあるパターンなんですよ。それはどうお考えなのか、ちょっと厚労省の方からお聞きしたいと思います。
○副大臣(秋葉賢也君) 社会保障・税の一体改革におきましては、医療や介護におきましては、将来にわたって持続可能な保険制度を構築するために給付の重点化や効率化等が重要な論点として挙げられております。このため、今、社会保障制度国民会議におきましてもそのような観点から幅広い議論が行われておりまして、ちょうど先週の十九日から委員間討議も本格化したところでございます。
 一方で、国民の多くは在宅での介護を希望しておりまして、また、今後、単身高齢者等が増加する中で、在宅医療や介護を充実させていくことが大変重要な課題だと認識しております。このため、委員御指摘のとおり、家族がいてもいなくても、在宅の重度の要介護高齢者を含めまして高齢者ができる限り地域で暮らし続けられるように、例えば二十四時間対応の訪問サービスの普及でありますとか、見守り等の生活支援が付いたサービス付きの高齢者向け住宅の整備などを進めているところでございます。
 今後とも、このようなサービスの普及を推進し、在宅医療そして介護の充実に努めてまいりたいと考えているところでございます。
○古川俊治君 副大臣、二十四時間対応の訪問サービス、これも、一日当たりで見れば数十分なんですよね、結局見守っている期間は。そのほかはもう家族が見ていなきゃいけませんし、前提として。やっぱりこれは、多少助けを借りれば基本的には自立できる、そういう方々が対象なんですよ。
 そして、サービス付き高齢者向け住宅、これは余り評判芳しくないですね、御存じだと思いますけれども。これは、在宅介護を進めていこうと、この理念は、元々住み慣れた家に住んでいくということが前提なんですね。それと著しく乖離していますよね、サービス付き住宅に入れるというわけですから。
 だから、やっぱりこれから現場に無理を押し付けない、建前は建前としてではなくて、やっぱり実情を見たそういう政策をやっていただきたいんですよ。施設の活用をもう一回考えていただきたい、私は本当にそう思っております。
 もう一つお聞きしたいんですけれども、明らかであることは、今までプライマリーバランスの目標ということを置きますと、今後、来春、それからさらに次の年の秋の消費税の引上げを行っても、二〇二〇年のプライマリーバランスの黒字化というのは十分ではないわけですね。さらに、そこから消費税の引上げを伴う様々な改革を行わなければいけないということなんですけれども、一つは、経済成長率が高くなればやはり更なる増税というのはかなり小さくて済むということでございますけれども、現在、CPIを二%にすると、こういう目標を立てておりますけれども、その場合におけるGDPデフレーターをどのぐらいと見込んでいらっしゃるのか、さらには実質成長率をどのぐらいと考えていらっしゃるのか。この点について、これから成長戦略も策定されるということですので、甘利大臣のお考えを今お聞きしたいと思っております。
○国務大臣(甘利明君) 私どもが明らかにしているのは二十五年度の分だけであります。これは名目で二・七、実質二・五でありますから、GDPデフレーターは〇・二ということになります。それ以降につきましては、これから骨太方針、さらには中期の財政計画、あわせて中長期プラン、そういう中で図っていきたいというふうに考えております。
○古川俊治君 実質二%、名目三%というのは、昨年の三党合意の中でも、法律になっているわけですから、それを当座の目標にすればいいと思うんですけれども、そこから先、自民党が野党の時代ですけれども、これは、四%という成長目標を立てた政策をつくったこともあるわけですよ。できる限り、期待があれば、そこに投資が集まってきて雇用もできてきて、そしてまたそれが成長につながるということですから、やっぱり成長戦略を立てるにもかなりチャレンジングな目標を置いて、期待が広がっていくような、そういう政策を是非お願いしたいというふうに思っております。
○国務大臣(甘利明君) 委員が補足していただきましたけれども、確かに与党自民党のプランでも名目三%以上を目指すということが政策目標で書いてあります。あるいは税制抜本改革法の附則にも、向こう十年間、名目三%、実質二%の経済成長、これを適切な姿ということで描いているわけであります。もちろん、それを十分視野に入れながら責任あるプランを作っていきたいと思っております。
○古川俊治君 次の質問に移らせていただきます。
 報道によれば、西武ホールディングスの筆頭株主である米国の投資会社であるサーベラス社は、再上場の際の株主の売出し価格を引き上げるために、不採算路線の廃止を含むリストラ策を二〇一二年の十月及び本年一月に西武ホールディングスに要求して、西武ホールディングスは地域公共交通の確保の観点から要求には応じられないと回答したところ、サーベラス社は、株式公開買い付け、すなわちTOBですね、これを実施して出資比率を最大四四・六七%まで引き上げるというふうに発表したというように報道されております。
 この西武への要求で、この投資会社、サーベラス社というんですけれども、ここが要求したのは、西武秩父線という秩父に行っている鉄道があるんですが、これを含む不採算路線を全部リストラでやめろと、こういう要求だったわけですね。仮にこのTOBが行われて、さらに賛同者を募って株主総会の議決権の半数を押さえるということになれば、現実に経営陣が一新されてこういった不採算路線が廃止されてしまうんではないか、これは今県内で大変な大きな問題になっているんですけれども。
 太田大臣に伺いたいんですけれども、こうした問題について国が何か対応できるような方策があるのかどうか、この点について御説明をお願いします。
○国務大臣(太田昭宏君) 企業の経営体制ということにつきましては、一義的にこれは会社において判断されるべきものであるということが基本的な考えでありますが、御指摘のように、現在、サーベラスグループによる西武ホールディングスのTOBが行われていると。この中で、鉄道路線の取扱いを含めて両社から様々な意見が出されている、表明されているという状況にございます。
 御指摘の西武秩父線を始め両社の意見表明において言及されている路線は、東京にもありますけれども、通勤、通学を始めとして沿線地域にとっては極めて重要な路線であるという認識をしております。西武ホールディングスはこのように傘下の西武鉄道という公共性の高い事業体を有しているわけですが、このため、安全で安定的なかつ良質な鉄道輸送サービスの確保という観点から今後の動向を注視していきたいと、こう思っているところでございます。
○古川俊治君 明確には法的に何か手段を取ることは特にできないんですか、できるんでしょうか。
○国務大臣(太田昭宏君) 市場という問題でもありますから、そうした何らかの規制ということについて主張をなされる、またそういう方もいらっしゃいますけれども、なかなか難しい今後の課題であるというふうに思っております。
○古川俊治君 これはお聞きしたところ、従来は、廃止というのもこれは規制があったんですけれども、基本的に届出になったと、その後、規制緩和の影響で届出になったというふうに伺っております。
 現在ですと、法的な措置というと難しいわけですけれども、これは総理に伺いたいんですけれども、これ幾ら規制緩和といっても、投資家、外資の利潤の影響ですね、都合で、地域住民にとって本当に必要なこうした生活のインフラ、極めて重要な路線が廃止になるとか、こういう話というのは、幾ら、もう本当に公共的なサービスにかかわるところ、これは何とかしないと、このまま路線が我々はなくなってしまうと本当困るわけですね。これ総理、どうお考えでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 確かに、西武秩父線ですか、を始め、今回のTOBをめぐり言及されている路線については、沿線の住民にとっては通学路であったり通勤の言わば足であるわけでございまして、そうしたものが安定的に、そして安全で安定的に鉄道輸送サービスが行われるということが極めて重要であると考えております。こうした良質な鉄道輸送サービスを確保するという観点も含めて今後の動向を注視していきたいと、こう考えております。
 ただ、国が何ができるかということについては今国交大臣が答弁したとおりでありますが、私の認識としては、やはりこうした地元の沿線の市民の皆さんにとっての便益になっている、こうした路線、安定的にそして安全に輸送が行われるという観点も念頭に置きながら、政府としてしっかりと見ていきたいというふうに思います。
○古川俊治君 元々この西武の鉄道事業というのは、そのほかに西武新宿線とか西武池袋線という路線があって、十分この不採算路線を補って利益を出しているわけですね。それなのにこういった不採算のところだけ株価を上げるためにやめるというのは、やはり余りにもこれは投資家の都合だと思うんですよね。
 今までやはり日本の中で、これは西武ホールディングス自体は反対しているわけですね、ずっと。やっぱり日本というのは、地域の住民の和を少なくとも大事にするという産業文化があった。これは先日の質問にもありましたけれども、仮にTPPの議論に入っていくという場合でも、こういった日本の考え方と外国の考え方でかなり違うところがあるわけですよ。ただ、我々はやはり日本の文化というのは、それは日本の産業力の強さ、過去を見てみればそれの一つの要素だったわけですから、そういうことが破壊されてしまったら、これから我々は本当に我々の強みというのを失っていくと思うんですよね。
 これは甘利大臣、先日、主権の問題は他国から文句を言われないけれども、国際標準として定着しているものについてそれに合わせていこう、こういう合意形成になるだろうというふうにおっしゃいましたけれども、これは価値観がかかわる問題ですと、何が国際標準かという尺度もないと思うんですよ。その中で議論をしていく、これ通告していないんですけど、お考えをいただけますか。
○国務大臣(甘利明君) 国際標準は、既にあるものを受け入れることと、それからより良い国際標準を提案していくということもあろうかと思います。
 先般、総理の御指示で諮問会議の下に、あるべき市場経済の在り方ということを検討する委員会を設けました。これは、総理はいつも、日本の資本主義というのは勝者が全てを持ち去るような資本主義ではなくて瑞穂の資本主義ということをおっしゃっています。これは会社は誰のものかという議論と密接に絡んできますけれども、会社は株主だけのものじゃなくてステークホルダー全員のものであると、そういう考え方。つまり、それは何かといいますと、売り抜け投資みたいなやり方ではなくて長期的な投資に資するような資本主義、そういうことをしっかり検討せよという総理からの指示もいただいております。我々から提案するあらまほしき資本主義の姿というのもあろうかと思います。ここで検討してしっかりと提案できるものはしていきたいと思っております。
○古川俊治君 ありがとうございます。
 是非、その西武鉄道の問題もこれから政府としてしっかり注視するとともに、できれば何らかの対応をお願いしたいという希望を述べておきます。
 最後に、総理、先日の記者会見の中で、日本版NIH構想について言及をされておられました。私も米国に行ったときにNIHの競争的資金をいただいて研究をしたこともあるんですね。これは非常に優れたシステムなんですけれども、何が偉大かというと、予算なんですよ、やっぱり。その額は二兆七千億程度あるわけですね。これは日本のライフサイエンス予算の六、七倍あるわけです。これはやはり、日本でこういったNIH構想、それもいいんですけれども、本当にライフサイエンス予算を実現させていく、それでライフサイエンスを更に活性化させていくためにはやっぱり基礎的な資金というものがどうしても必要になってきます。是非ライフサイエンスに対する大きな資金を獲得していただきたいと思うんですが、総理のお考えを、是非決意を述べていただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先般、日本版NIHについて発表させていただきました。これは、司令塔の本部として内閣に総理、担当大臣、関係閣僚から成る推進本部を設置をいたしまして、一元的な研究管理の実務を担う中核組織を創設いたします。そして、研究を臨床につなげるため、国際水準の質の高い臨床研究、そして治験が確実に実施される仕組みを構築をするというその三本の柱でございますが、確かに今委員が御指摘になったように予算が極めて重要でございます。
 確かに、米国は投資をした予算に見合う効果を私は上げているんだろうと、このように思うわけでございまして、この分野、NIHに投資をしていくことによって、我々は健康を手に入れ、かつこれは様々な可能性として大きな富を生んでいく可能性もございます。そういう観点からも必要な予算の確保について、もちろんこれは財政健全化の関係ということも踏まえながら考えて適切に対応していきたいと思います。
○古川俊治君 以上で質問を終わりにします。
○委員長(石井一君) 以上で古川俊治君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(石井一君) 次に、魚住裕一郎君の質疑を行います。魚住君。
○魚住裕一郎君 公明党の魚住裕一郎でございます。今日は、再びこの場に立たせていただきまして感謝申し上げます。
 総理、二か月前、二月の十九日、この場に立たせていただきまして、ちょうど補正のスタートの質疑をさせていただいたわけでございますが、あのときも直前にモスクワでG20がありましてその関係の質問をさせていただいて、また今回ワシントンであったということで、財務大臣の帽子が何かすごく目に付くなというそんな思いがするわけでございますが。
 今回のG20の共同声明がございますけれども、事前に、通貨安戦争じゃなくて、日本のこの金融緩和というものがデフレを止め内需を支えることを意図したものであるという、共同声明の中にこの文章が入っているわけでございまして、大変我が国の政策に対する国際社会の理解が進んだなというふうに評価しているところでございますが、ただ、この共同声明の中でまた信頼に足る中期財政計画の策定についても言及がなされておりまして、かつそれをサンクトペテルブルク・サミットまでに策定するというようなことも言及になっているわけでございますが、今回のG20に対する自己評価、よくやったと多分おっしゃると思いますけれども、その評価と、それから今後の政策運営への決意を財務大臣お願いしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 今回とモスクワと、基本的には、日本のいわゆる円安、株高というような一連の流れが日本の政府の意図的に通貨戦争みたいな形を仕掛けているのではないかという懸念を新興諸国等々から多く持たれ、それをまたあおったマスコミも多かったと思いますけれども、基本的には私どもとしては、我々の目的は、それは長引くデフレ不況からの脱却を目指す政策として三本の矢をやった、結果としてバイプロダクトみたいなもので円安ということになったんだというので、これは結果論であって、主たる手段、目的ではありませんというところの理解を得られるところが一番難しかったんだと思いますが。
 結果として、今回も同じようにワシントンで行われておりますけれども、今言われましたように、日本だけ一を立てられて、イン・パティキュラー・ジャパンといって別のセンテンスが一つ立っておりますけれども、そういった形で、基本的に日本の金融緩和というものが為替相場ということではなくデフレ不況からの脱却を主たる目的としたものであるということに関して、いわゆる参加国等々、参加国というのは、G20に限らず、そこには世界銀行からもIMFからもOECDからも来ておりましたけれども、一応の理解を得られたと、さように思っております。
 ただ、今言われましたように、私どもとしてはきちっとした財政政策というものをきちんとつくり上げていかないと、日本の国際的な信用なり日本の国債の信用というのを失いかねぬという点は指摘のあったとおりであります。
○魚住裕一郎君 四月四日に日銀から、量的・質的金融緩和の導入についてという、本当びっくりするようなといいますか、決定がなされたわけでございますが、その前の段階では、財務大臣も、この二%の達成かなり時間掛かるんではないのか、また、共同声明出したけれども、全部それを日銀に押し付けるんではなくして政府もしっかり対応していきますよという趣旨のお話もされているわけでございますが、この四月四日の政策決定会合、かなり効いているなというふうに思うわけでございまして、あしたまた会合はあるんだと思いますけれども、その事前で、かなり物価上昇の上方修正すると、見通しをですね、そんなことも事前に報道されているわけでございますけれども。
 この四月四日の量的・質的金融緩和の導入についての評価と、それから政府のこれについての取組について、財務大臣から御答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) おっしゃるように、四月四日の黒田新総裁の下での量的、質的な緩和というのは、これまでのものとはかなり違って大幅かつ大胆なものだったと思っておりますし、私どもとしては、評価と言われるのであれば高いと思っております。
 目的は二%ということははっきりしました。期間も、白川総裁との共同声明のときにはアーリエスト・ポッシブル・タイムというきちんとした英訳もくっついて出てきておりましたので、早期的ですが、今度は二年と、一応二年をめどにというのが出ておりましたし、それから、どれぐらいやるのかといったらオープンエンドレスという、もうやれるときまでやりますという、この三つは、このオープンエンドとあれはやっぱりちょっと大きかったと、私どもはそう思っております。
 いずれにいたしましても、こういった形で日銀が主体的な話をしていただきましたので、金融が緩和することは確かですけれども、金融が緩和したら景気が良くなるかというのは、そうはいかないというのは、もう二〇〇〇年代初め我々はもう既に実験をして、竹中平蔵先生のころに一回やっておりますから、あのときの結果を見れば、もうそんなに昔の話じゃありませんから。
 あのときは、少なくとも第二、第三の矢が出ませんでしたので、金融だけやっても、失礼ですけれども、市中銀行に金がたまるだけで、市中銀行から先、市中に金が出回ることはありませんと言って、あのときはちょっといろいろ反対したんですけれども、力及ばず、私は負けた方ですので。そういった形であったんですけれども、今回はきちんとした対応をやります。
   〔委員長退席、理事小川敏夫君着席〕
 ただ、市中に回すためには、企業等々皆それぞれにお金をそれなりに今回は持っておられますから、その持っておるお金を使うような気になっていただかにゃいかぬために、税制として、今使えばタックス、税金を下げますとか、また償却を早めにできるようにしますとか、また、給与等々を上げていただければその分だけ補填しますとか、いろいろなことをやらせていただいておりますけれども、やっぱり税制というか財政が最初に出ていかないと、なかなか一般の企業の意欲が湧いてこない。そのための手口なり手段なりというものが我々としては二番目の矢のところです。三番目の矢が、御存じのように、それを受けて経済が成長するという、その二番、三番目の矢のところを今はやっていかねばならぬところで、二番目はこの予算が通りますとそれなりの形が目に見えてきていただけるんだと思います。
 結構、先行き、東京周辺ではそれなりの効果が出てきて、タクシーの売上げが間違いなくこの二か月ぐらいの間に、一日当たりの売上げが、高いところで昔は六万とかいっていたのが、今はもう九万ぐらいになってきているといいますから、それなりのものは出てきているように思いますけれども、じゃ、大阪でどうかと、福岡でどうかと。そんなことはまだなっておりません。まだまだ時間が掛かるものだと思っております。
○魚住裕一郎君 その金融緩和で結果として超円高が是正になってきたわけでございますが、この影響は非常に大きなところで、あした、あさってですか、イカ釣り漁船が一斉休漁するというようなことが言われているわけでございますが、確かに五年ぐらい前ですかも非常に原油高で船を出せないということがございましたが、今回も本当にこの円安に振ってこういう状況になっておりまして、これは被災地も船を出せないということを意味するわけでございまして、あの五年前のときは漁業者に補助金出すなど緊急対策に踏み切ったわけでございますが、今回どのように考えているか、農水省、お答えをいただきたいと思います。
○副大臣(江藤拓君) 委員には私の方からお答えをさせていただきます。
 被災地はもちろんでございますが、私の地元でも遠洋カツオ・マグロ等ありますので、非常に厳しい状況になっております。
 今、御存じのとおり、平成二十二年からセーフティーネット構築事業、これに移行いたしました。いわゆる漁業者が一、そして国が一を負担する。これはいい事業なんですけれども、最初のいわゆる発動要件が、直近二年の平均を取ると、一一五%から上を見ると。これでも対応できなくなって、平成二十四年にずっと緩和をしてきて、委員も御存じのとおり七中五になりまして、そして発動要件も最低限であるところの一〇〇%まで、一一五から落としてしまっておりますので、ある意味この事業は限界が来ているということを私も自覚をしております。
 ですから、まだこの場で委員が御満足いただけるようなお答えはなかなかできないんですけれども、畜産の世界にちょっと目を向けますと、通常補填と異常補填という二階建てになっておりまして、ですからこういう理念をこの漁業のセーフティーネット構築事業に持ち込めないか。今まさに異常高騰で、あの平成二十年のころは九十円に接近するということで大騒ぎしたんですけれども、もう九十七円という異常な価格でありますから、是非御党の御意見もいただきながら追加的な対策を早急にまとめてまいりたいと、そういうふうに考えております。
○魚住裕一郎君 しっかりよろしくお願いしたいと思います。
 副大臣、御退席、結構でございます。
 次に、今財務大臣からもお話ございましたけれども、やはり第三の矢、OECDの事務局長も本当に三本の矢と喜んでこの間テレビで言っておりましたけれども、これ、やはりいろんな分野で御検討をされているというのは承知をしているところでございますが、きっちりと実効性を担保するといいますか、議論をした上でやっていくことが一番大事かと思いますが、この点についての総理の決意をお述べいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この実効性の確保が極めて重要であると思います。
 第一の矢である金融緩和、非常に効果が出ました。なぜそうなったかといえば、これは明確なコミットした結果だろうと思います。新総裁がおおむね二年ということを約束をしました。そして、副総裁は自分の職責を懸けると、まさにこれはきっぱりとコミットした。これは、今までと全く違うことによってこれだけ市場が反応する。
 そして、それは成長戦略においても同じだろうと、このように思っています。そのために、政府が強力にコミットをし、一丸となって実行することが必要であると私は考えております。今回は日本経済再生の司令塔として、全閣僚が一丸となった日本経済再生本部を設置をいたしまして、取りまとめを待つことなく、政府として矢継ぎ早に具体策を判断し、次々と実行に移すことにいたしました。私が本部長である再生実行本部がまさにこれは責任を持って実行していく、フルコミットをするということでございまして、再生に向けての取組が着実に推進していくことによって国民に対して発信をし、国民の皆様が明日の経済に自信を回復する、これは極めて重要でありますから、そういう方向に向かって全面的に一丸となって努力をしていきたいと思います。
○魚住裕一郎君 去年の衆議院選挙のときに私ども公明党も、防災・減災ニューディール、本当に、あの笹子トンネルの天井板が落ちてくる、大変だと。これがひいては、例えば十年間百兆という形でやれば経済にも大きく寄与するよという言い方、そしてまた自民党においては国土強靱化という言われ方、十年間で二百兆ですか、そういうようなことを主張したと思っておりますので、今のような成長戦略、これはもちろん大事でございますが、従来型といいますか、それも非常に寄与するのではないのかなと思っております。
 先般、私は、静岡県の新東名高速道路の藤枝岡部インターという、その周りへずっと行ってみたんですね。当然、海岸べりというよりも、山の方に入ってきて、新東名でございますものですから、本当に新しい、地域がまるで一変するような、物流拠点にもなっていたり、本当に新しい時代が来ているなと、地域から非常に活性化していく、経済成長にも結び付くなというふうに思っておりまして、この防災・減災ということ、あるいは国土強靱化ということを経済成長に結び付けていくということは非常に大事ではないのかなと思っておりますけれども、国土交通大臣の御所見をいただきたいと思います。
○国務大臣(太田昭宏君) 第二東名のお話がありましたけれども、第二東名は東西を経済的に交流する、そしてまたその地域の活性化ということにも当然つながるわけですが、もう一点はリダンダンシーという、非常に津波が、東海地震ということが来ますと心配だということで、第二東名というのがあればこそ、これは代替道路というのができるというような意義があるというふうに思っています。
 公共事業は悪玉であるというようなことがスローガン的に言われたりするということが言われますが、もう一度、この日本の脆弱国土をどうするのか、そしてまた日本の利便性というものをどうするのか、道路一つを取りましても、私は物の考え方をしっかり定めていくというときが来たというふうに思っています。
 公共事業全般でいいますと、昭和三十年代ごろは、産業基盤整備の公共事業、こういうことに重点が置かれた時代だったと思います。昭和五十年ごろは、生活インフラ、下水道であるとか住宅というところに焦点を当てるという公共事業の時代があったと思います。
 私は、今、脆弱国土、あるいは大きな地震が切迫しているというようなこと、そして高度成長時代以来の様々なインフラが経年劣化をして老朽化しているということに対応しなくちゃならないという、公共事業は第三のステージに入ったというふうに思っておりますし、メンテナンス元年というふうに私は言っておりますが、そうした角度で再構築をしていかなくてはならないというふうに思っているところです。
 そこでは、非常に大事なのは、老朽化対策、そして防災・減災、老朽化対策、メンテナンス、耐震化、そしてまた、道路でいいますとリダンダンシーというような角度をしっかりやりながら、それに伴って経済が活性化する、また、現場でいきますと雇用が増えていくということが大きな要素であろうというふうに思っておりまして、新しい時代の公共事業というものの在り方を更に模索をしていく必要があると考えております。
○魚住裕一郎君 どうぞよろしくお願いをしたいと思っております。
 それで、三月の十日の日に我が党の東北復興会議というものを仙台でやりました。山口代表を中心にしっかり取り組もうという形でスタートを切らせていただいたわけでございますが、この東北に、津波とか、それ以外に結構、震災後、震災も含めて、仙台に亜炭鉱の廃坑が実は多くございます。それで、たしか四百七十か所ぐらい陥没があったと思いますけれども、要するに山の中ですよね、亜炭鉱。亜炭というのは石炭よりも、準ずるような、昭和三十年代まで結構使われていたという、そういう燃料でございますが、これが国内の石油の利用が進むにつれて国内の亜炭鉱山は閉鎖されてきた。ただ、穴は空いているわけでございまして、東北の岩手や宮城のこの陥没事故が相次いだわけでございますが、この概要と復旧状況について御説明をいただきたいと思います。
○国務大臣(茂木敏充君) 本来でしたら麻生副総理にお答えいただいた方が御専門ではないかなと思いますが、担当でありますのでお答えをさせていただきます。
 亜炭鉱陥没、東日本大震災によりまして、岩手、宮城、福島の三県で、委員御指摘のとおり、四百七十件確認をされております。これらの陥没は、既に炭鉱の権者が明らかでないと、こういった中で早期の復旧が必要でありますことから、経済産業省では、これら東日本大震災に起因する亜炭鉱陥没の災害復旧対策として、これまでに総額八・八億円の復旧のための基金を造成して、県の事業として復旧を行っております。平成二十五年の三月末時点で、四百七十件の陥没のうち三百九十件につきましては埋め戻し等の復旧を完了いたしまして、残っているのが八十件でありまして、順次復旧工事を行っているところであります。
○魚住裕一郎君 今、財務大臣のお名前も出ましたけれども、この亜炭の、何もこれ宮城とか岩手だけではなくて、中部地域、岐阜でありますとか愛知の中にもございまして、要は非常に深いところじゃなくて浅いところにあるわけですね、三十メーターぐらいで。だから陥没しやすいという状況になるわけでございまして、愛知とか岐阜をいろいろ回っていると、南海トラフ、そして揺れが来たら一番、何といいますか、弱いところなんですね。脆弱性評価だと一番最初に最悪の評価が来るんではないのかなというふうに思っておりまして、今埋め戻しという話がありましたけれども、地震が来る前にしっかり埋めておくことが大事ではないのかなと思っておるわけですが、防災担当大臣、地元のことでもございますので、御答弁をよろしくお願いしたいと思います。
   〔理事小川敏夫君退席、委員長着席〕
○国務大臣(古屋圭司君) 魚住委員にお答えいたします。
 今、魚住委員御指摘のように、岐阜にも、魚住先生の御地元の県ですけど、かなりの数の亜炭鉱跡ありますね。陥没して本当に悲惨な事故が起きているところがありました。
 今、茂木経産大臣が答弁させていただいたように、亜炭鉱の対策は第一義的にはそういう形でやっております。
 一方では、私は今、国土強靱化担当大臣として全国の災害が生じたときのあらゆるリスクのアセスメントをしておりまして、それで脆弱性を評価しようと、今その作業を精力的に進めています。そして、その脆弱性をしっかり評価した上で、国がやるべきもの、あるいは都道府県がやるべきもの、あるいは市町村がやるべきもの、そういうものを整理をして優先順位を付けて対策をしていく、こういうプログラムを今考えているわけでありますけど、その根拠になる法律は、御承知のように国土強靱化基本法、これは政府と与党と一体になって今お願いをさせていただいておりますが、そういった取組をしっかりしていこうと。
 その一環の中で、この亜炭鉱というのは、じゃ脆弱性という視点からするとどうなるか、これはしっかり議論をして、精査をして、その位置付けというものを取り組んでいくということが必要だと思います。まず当面は、第一次の取りまとめに向けて、今、大体五月の下旬から六月ぐらいまでには何とか取りまとめたいと思っておりますので、その脆弱性の評価作業の中で進めております。そして、この亜炭鉱がどうなっていくかはまだ私からはっきり申し上げるわけにはいきませんけれども、そういう作業は真摯に進めているということだけは御報告を申し上げたいと思います。
○魚住裕一郎君 亜炭は浅いものですから、結構柱で立てているんですが、柱自体が亜炭なわけですね。柱をだから削って採掘する人もあって、だんだん細くなってくるみたいな話があって、脆弱性ということからするとかなりひどい状況になるかなと思っておりますので、しっかりそこのところを詰めていただきたいと思っております。
 それから、先ほど申し上げました、三月十日に仙台に行ってきて、その後、南三陸、気仙沼と行かせていただいたわけでありますが、本当に何もないなといいますか、津波でみんな持っていかれてしまったな、土台しかないなと、家の方は、そんな状況を拝見をいたしましたし、港といっても岸壁が地盤沈下しているという状況になって、やはり一番大事なのはコンクリートではないのかなと、復興のですね、そんなふうに感じたわけでございますが。
 ちょうどその一週間前に太田大臣が現地に、被災地に行かれまして、国が主体となって被災地に生コンクリートプラントを建設するという、そういうことを発表されたようでございますが、その後の取組状況はどのような状況になっておりますでしょうか。
○国務大臣(太田昭宏君) 被災地の復興ということを考えますと、ずっと現地をこの二年間随分歩かせていただきました。地域によって物すごく、何が一番必要なのか、何が足りないのか、何をてこ入れをしたらいいのかということが地域において随分違うということを私は実感をしていますが、この生コンの問題も同じでございまして、生コンと一口に言いましても、砂が足りない、砂利が足りない、砕石、骨材が足りない、あるいはプラントが足りない、あるいはストックヤードがない、あるいはダンプがどうも近隣からは集められない、いろんなことがありまして、海岸に沿って十五のブロックに全部分けまして、この地域には一体何が足りないのかということを調べさせていただきました。
 そういう中で、例えば釜石とか宮古の地域におきましては生コンの高騰、価格高騰というものがございますし、なかなかここは、プラントが不足しているということが分かりましたものですから、ここは国でプラントを設置するという思い切った手を打ちまして、今これが着々と工事が進んでいくという方向にあるというのが現状でございます。また、仙台地区では特に原材料の骨材が不足している、そしてそれを運ぶ道路の渋滞ということがありまして、こうした点も遠隔地からのそれを入れられるようにということで今努力をしているところでございます。
 また、この砕石ということについて言うと、東北の地域で、昨今のことでありますけれども、国のダム等に堆砂、堆積した砂がございまして、それを削っていくということで、これを骨材として活用するということも新しい取組として最終的に今詰めを行っているという状況にございまして、それぞれの実情に合わせて手を今一生懸命打っているという状況にございます。
○魚住裕一郎君 よろしくお願いしたいと思います。
 今大臣の話の中で、交通の渋滞というのがありました。被災地の津波のこの現場に行くのに大変な渋滞があるということでございますが、一つは、やはり、例えば、工事関係者等が近くに泊まっている、そして現場に行く、そして仕事をしてまた戻ると。だから、岩手であれば盛岡とか遠野の方に宿泊してという形になるんだろうと思いますけれども、やはり現場の近くに仮設住宅がある。もちろん、被災された方々が入っている。ただ、その仮設も空きがあるという話も出てまいりまして、これ、やはり職人さん等が仮設住宅に入らしてもらって、そして現地の作業をしっかりやっていくということが大事ではないかなと思っておりまして、目的外使用というふうになるのかもしれませんけれども、この辺の配慮を本当はしていくべきなんじゃないかなと思いますが、厚生労働省、いかがでございましょうか。
○副大臣(桝屋敬悟君) お答えを申し上げます。
 今委員からお話がありましたように、応急仮設住宅、これは、災害により住居が全壊などいたしまして居住する住家がなく、自らの資力では住家を得ることができない被災者の一時的な居住の安定を図るために提供されるものでございます。
 基本的には他用途への活用は難しいわけでありますけれども、今委員から御指摘がありましたように、建設した応急仮設住宅につきまして、今後入居者の災害公営住宅等の恒久住宅への転居等によりまして、仮設住宅が空き住戸となり、使用する見込みがない場合も出てくるであろうと、こういうことでございまして、こうした場合は、所有している自治体は建設工事に従事される方や福祉施設等で働く方などの宿泊場所などに他用途に活用することが原則可能である旨、実は先般通知をしたところでございます。
 先日、三月の六日でありましたが、自由民主党、公明党、与党の皆さんから、こうした仮設住宅の利活用についても柔軟な対応をという御要請もいただいておりまして、こうした趣旨も踏まえて、関係自治体とも連携しながら取組を進めてまいりたいと思います。
○魚住裕一郎君 それで、あと、被災地のことを考えますと、この間、おとといですか、建設労働者の賃金が高騰しているという話が新聞記事が載りました。被災地で三から五割高くという表現ぶりになっているわけでございますが、ただ、まだまだこの建設関係の就業者が人手不足であるということは間違いないんで、コンクリートから人へといったことが響いているかどうか分かりませんけれども、非常に人手がなくなってきているなと。ある職種では、前七万人ぐらいいたけれども、全国で、今は四万を切っているというような、そういう職種があったわけでございますけれども。
 その要因の一つとして、年収が二百万、三百万というような、そういう人たちがいるわけでございまして、その中で頑張っていただいているわけでございますが、先般、太田大臣は、この職人の賃金の引上げを要請されたというふうに承知をしておりますけれども、この職人の処遇改善、また技能の次世代への移転ということも含めて、非常に大事なポイントだと思っておりますので、この点についての御所見をいただきたいと思います。
○国務大臣(太田昭宏君) 被災地に職人さんが不足していると。先ほどの生コンが不足しているというようなことはよく指摘をされておりますが、この職人さんの問題は、実は全国的にここは注視しなくてはならない大きな問題だというふうに思っています。型枠工とか鉄筋工とかあるいはとび、こうしたところが非常に少なくなっているということがございます。特に若い人がそういう職種に就いていない、そして高齢化もしている、その上に建設投資の減少というものがあります。そうしたことが企業の経営というものに悪影響を与えていると。
 企業はずっと見通しがある程度利かなければ人を雇えないというようなこともありますから、安定したそういうことが必要であるとともに、御指摘のありました賃金というのが一番最前線の現場の職人さん、そういうところにきちっと行くようにということが極めて大事なことだと、こう思っておりまして、三月の終わりに二十五年度ということの労務単価を引き上げ、全国平均一五%、被災地におきましては二一%の労務単価の引上げをさせていただいたところでございます。
 さらに、これが各建設業界全体に技能労働者あるいは若い人にそれが行き渡るよう、そしてまた保険ということにも加入ができるようということを徹底するために、ちょうど一週間前になりますけれども、建設業団体に賃上げということも含めて私は強い要請をさせていただいたところで、今日も会議を行っているようでありまして、全国にそれが徹底されるという状況にあるというふうに認識をしております。
○魚住裕一郎君 もうだんだん時間がなくなってきましたのでここで終わりたいと思っておりますが、三・一一から二年たちました。与党、政府しっかり組んで、本当に来年の正月は被災地の皆様には希望を持ってもらえる、そういう正月を迎えさせてあげたい、このことを表明をいたしまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。
○委員長(石井一君) 以上で魚住裕一郎君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 御協力ありがとうございました。
    ─────────────
○委員長(石井一君) 次に、藤巻幸夫君の質疑を行います。藤巻幸夫君。
○藤巻幸夫君 みんなの党藤巻幸夫でございます。
 私は、民間の伊勢丹という会社あるいはセブン&アイグループでブランドの育成等をやってまいりました。そしてまた、最近では福助の再建、あるいは、ここ五年ほどは地域活性活動として高知県の観光大使やいばらき大使等を務めながら地域の活性化等に励んでまいりました。昨年、参議院に繰上げ当選いたしまして、まず今日是非お話し申し上げたいのは、私は、まず国策として、やはりマーケティングという考え方、そしてブランディング、そしてクリエーティブという考え方がいかに経済活性に必要かということについて、是非総理始め各大臣とお話しさせていただければと思います。
 そして今回、実はこの政治課題の中で私は一つ分かりましたのが、特命担当大臣ということで安倍総理は内閣府特命大臣を九名任命され、そして各大臣に十六の担当を命ぜられたと聞いています。実は、その中で私が特にここで注目したいのはクールジャパン戦略についてでございます。
 まず、安倍総理にお尋ねします。
 まず、第二次安倍内閣におきましてクールジャパン戦略担当大臣を置かれました理由についてお答えいただければと思います。よろしくお願いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 最初に、藤巻委員が述べられたように、まさにブランド化、日本をブランド化することがこの日本の成長戦略において極めて重要であろうと、こう考えたわけでございます。そこで、考えてみれば、様々なコンテンツ、食、ファッション、伝統文化、それぞれが世界を魅了する可能性を十分に秘めているわけでございますが、しかし、そこで十分にそれを戦略的に売り込んでいたかといえばそうではなかったということでございまして、必ずしもそれを官製でやればいいとは私は思ってはいないんですが、しかし、やっぱり国が全面的にまずはバックアップをしていく、その戦略を練る上においては、これはやはり役所でということではなくて、在野の、民間のそういう能力を持った皆さんに集まっていただいて、そういう知見を生かしていただきたいと、こう思ったわけでございまして、その中におきましても各府省が連携をしていく、そして担当大臣が言わば司令塔となってそういう府省をまとめてこの戦略を立案をし、そして実行していくことが重要であろうと、こう考えたわけでございまして、クールジャパン戦略担当大臣を初めて置きまして、クールジャパン推進会議を立ち上げまして、その大臣、担当大臣を議長にしたところでございます。そして、大臣が先頭に立って、日本が誇る文化を国際展開していくことで経済を活性化していく、そういう道を目指していきたいと思います。
○藤巻幸夫君 まさに今大臣おっしゃっていただいたように、日本のコンテンツやファッション、そして文化、伝統の強みをいかに産業化していくかということが必要だと思います。今まではどうしても、どちらかというと点と点で、線や面になっていないというのが現状、国民が大変感じることだと思いますが、まさに官民連携により推進方策及び発信力の強化をすることが我が国国策にとってはとても重要な案件だと私は考えます。特に総理がおっしゃっているのは日本食材の海外展開を早く進めると、これについては私も非常に賛同しておるところでございます。
 さて、そしてクールジャパン推進会議のところについてちょっとお話し申し上げたいんですが、実は、今申しました、民間の有識者を集めた会議を行うということがありましたが、実は、ここで私ちょっと若干疑問を感じましたのは、ちょっとパネルを上げていただきましょうか。(資料提示)実は、このクールジャパンの推進会議におきまして、名前は伏せさせていただきますが、数名の民間の方が総理の周りに集められております。私はちょっとここで感じましたのは、若干ですけど、人材に偏りがあるのではないのかなというふうに感じました。
 それはどういうことかと申しますと、作詞家の方やあるいは一部出版界の方、あるいはファッションデザイナー等々おるんですが、やはり日本の文化、ファッション、今のお話からすると、もう少しトータルでグローバルな人材を集める。例えばですけど、もうちょっと、日本では各産地にすばらしき伝統技術、工芸を持っている方がいらっしゃいます。そういう方の雄姿がないであるとか、あるいは、たまたま私も伊勢丹に二十年おりました結果ですが、例えば伊勢丹の社長を呼んで、最終的にやはりエグジット、やはり売って何ぼでありまして、やはり国にお金が、いろんな分野の方たちに回るような手はずを取るということにつきましては、少しこの選ばれたメンバーは、大変失礼かと思いますが、少し不足があったんじゃないかと思いますが、大臣、どうお考えでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 初めての試みでございますし、私も素人でございますので、なるべくそういう知恵を持った人ということで集まっていただきました。
 それぞれ専門分野を持ち、また高い見識を持った方だと思いますが、それを補う形でゲストスピーカー等を様々な人にお願いをしているところでございまして、是非、言わばカリスマバイヤーと言われた藤巻さんのような方が、いかに商品をどうやって売るかということを熟知している方にもゲストスピーカーとして来ていただきたいと、このように思いますので、場合によっては藤巻さんにも来ていただいて、誰か推薦もしていただければ大変有り難いと、このように思います。
○藤巻幸夫君 大変温かいお言葉をありがとうございます。
 そして、このボードを是非ちょっと見ていただきたいんですが、実は、これはクールジャパン推進会議ということで、戦略担当大臣という形で非常に分かりやすく、私はちょっと組織図にさせていただきました。これは何かというと、先日、総理が二十五年、予算委員会の中でお話ししていただいたものをちょっと分かりやすく図表化しました。
 分かりやすく書きまして、これは省庁が七省庁分かれています。総務省、外務省、財務省、文科省、農水省、経産省、国交省とあります。一見グローバルに、全体でクールジャパンをやっているように見えるんですが、実はクールジャパン戦略担当大臣からこのそれぞれの省庁にどのようなやはり戦略を立てたか。
 私はやはり、企業におきましてよく言ったのが戦略と戦術でありまして、戦術のところは少しずつ若干見えてはきていますが、戦略の一本化、これはもちろん総理が戦略担当大臣に対して向けるディレクションだと思うんですけれども、これについて若干私は不安を隠し切れない部分があります。これについて是非、こういう場で言うのも僣越でございますが、是非この戦略についてもう一度明確にどういうお考えなのかということを、先日も経産省の若い役人とお話しさせてもらいましたが、これについてお話しいただければと思います。よろしくお願いします。
○国務大臣(茂木敏充君) 安倍総理そして稲田担当大臣の下で、各省連携をしながらこのプロジェクトを進めております。
 大きく申し上げると三つのステップに分けてこのクールジャパンを進めていこうと、こんなふうに考えておりまして、まず第一段階というのは、日本の良さ、それはやはり食文化であったり、ファッションであったり、おもてなしの心であったり、そういったものを海外の人に知ってもらうと、こういう段階が必要だと思います。そして二つ目の段階は、実際に向こうに例えばショッピングモールをつくると、そこで実際に日本の商品、サービスに触れていただく、買っていただく、こういう段階。そして最終的には、それで本当に良さを知っていただいて、日本を訪れていただいて、更に深く日本を知っていただく。
 こういう三つの段階に分けて考えておりまして、最初の段階、まず日本を知ってもらうと。向こうのテレビでも日本の番組、様々な番組やっております。ただ、「巨人の星」をインドでやっているんですよ。ところが、野球やらないんですね、向こうの人は。だから、クリケット版にしているんですよ。クリケットで「巨人の星」をやっているんですね。更に言うと、日本語分かりませんから、字幕を付けたり吹き替えをすると、こういったこともやったりして知っていただく。このために、補正で百七十億円計上させていただいております。
 次の段階、今度は官民のファンド、機構をつくりまして実際に向こうにモールが出ていくと、こういったことも官民挙げて支援をしていく、こういったこともやりたいと思っておりますし、さらには放送枠、これを買って、ジャパンチャンネルと、こういったものをつくっていく。これにつきましては、総務省と経産省、連携をしてこの事業を進めたいと、こんなふうにも思っております。
 そして最終段階、日本に呼び込むということになってきますと、国交省であったりいろんな省庁がかかわってくるということで、しっかりと連携しながらこの三つのステップ、きちんと踏んでいきたいと思っております。
○藤巻幸夫君 茂木大臣より非常に分かりやすい答弁いただきましてありがとうございます。
 まさに私は、クールジャパンについて非常に考えていることがやっぱりクリエーティブジャパン、本当に日本のこの創造力をいかに世界に発信していくか、そして日本にはやっぱりすばらしいライフスタイルが各地、そして東京にはあります。このライフスタイルをいかに提案していくかと、この問題に対して徹底的に国がやはり大きな力で前進するべきだなというふうに私は考えますが、まさに私はそのブランドという、今総理もおっしゃっていただきましたが、日本というブランドをいかに成長させるか。
 そしてもう一つ、ここで、今日ちょっと投げ込みにはしなかったんですけれども、やはりデザインという言葉も非常に私は大事かなと思っています。やはり麻生副総理はいろんな海外見られて感じると思いますが、デザインの力でやっぱり経済は私は増幅するものじゃないかなと思っています。残念ながら、まだ私はこの政治の世界に入りまして三か月しかたちませんが、デザインという言葉がほとんど使われることがないです。やはりちょっとした建物に、新しいデザイナーが造ることによってそれがパブリシティー、つまり雑誌に載って世界に発信されたりということでは、もう一度、このデザイナーという人間に対するリスペクトを含めた国策も是非お考えいただければというのが私の二つ目です。
 そして、先日、ある議員の方が文化は国がやるべきじゃないという、私としてはちょっと残念な発言があったようなんですけれども、文化はやはり日本が国策、国がしっかり守って発信するべきものじゃないかなと思っています。これが私の戦略じゃないかなというふうに思っています。
 さて、ここでちょっと生意気なんですけれども、私、少しブランドについてお話し申し上げたいんですけど、私はブランドというのは何かというと、大きくブランドを育成させるためには四つの考え方があると思っています。
 一番目がコンテンツです。まさに日本にあるすばらしき資産、これが本当に何なのか、食であれば、例えば和食であればどういうものなのか、地方に行ったら何があるのかというのを一度きちっと総ざらい、棚卸しをして、これをやはりひとつ国としての一つのスタンダードを私はつくるべきじゃないかなと思っています。まさにコンテンツ。
 それから、例えば観光につきましても、先日、国土交通大臣、太田大臣にもお話をさせていただきましたが、やはり、例えば九州鹿児島では天空なんていう世界から来るようなすばらしい商業施設もあれば、地方に行けば、先日、私、気仙沼へ行ってまいりましたけれども、復興横丁なんていう、ああいうやっぱり人間同士がきずなをつくり上げて、日本の温かい、いわゆるまさにおもてなしだと思うんですけど、そういうものを提案して、私の友人でもありますあの俳優の渡辺謙さんなんかもそこに訪れては、やっぱり日本はすばらしいんだということをロサンゼルスでスピーチしていただいたりとか、このようなこともあります。
 それから二番目なんですけど、二番目はプレゼンテーションだと思います。
 私は、日本人というのはどうしても話し下手で、やっぱり提案するのが下手だと思っていまして、やはりいいものを力強くプレゼンテーションする能力、こういったものをやはりもっともっと教育の場なんかでもやるべきじゃないのかなというのが思います。
 それから三番目なんですけど、三番目はやはりPRです。
 残念ながら、やっぱり国はPRが私は下手なんじゃないかなと。これはどの分野におきましてもやっぱりPR能力、これはいろんな民間に強い人間が、あるいは会社がおりますけれども、やっぱりPR戦略についてもきっちりやっていくべきであって、やっぱりこういう問題についてはもう与野党でけんかするということでなくて、やっぱり国として国のコンテンツをどうやってPRするかということについてもう少し議論が必要かなと。
 そして私は、四番目は携わる人間だと思います。人間教育。
 まさにそのブランドをつくっている人間がどのレベルまで世界に発信するいいものがあるかという、このコンテンツとプレゼンテーション、そしてPRと人間の、四位一体となって初めて私はブランドが生まれるというふうに思うんですけど、生意気なこのような質問させていただきましたが、総理、これについてちょっとどのようにお考えか、いただけますでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさに今委員が御指摘されたところをやっていこうというのがこのクールジャパン戦略でございまして、特に人材の育成というのも我々重視をしているところでございまして、この魅力あるコンテンツを制作する、デザイナーも含めて人材の育成もしなければいけないでしょうし、円滑な海外展開のための、例えば先ほど放送コンテンツの話もさせていただきました。
 日本には優れたコンテンツはあるんですが、十分にそれを海外に放映できていない。では、なぜできていないかといえば、日本のテレビ番組等については、権利関係が全ての出演者の了承を得なきゃいけないんですね。そうすると、亡くなっている出演者がいた場合、もう既になかなか確認のしようがなくて、この関係で難しい。
 ですから、これは法改正も含めまして、それを輸出しやすくすることによってライフスタイルを、例えば日本のテレビ番組を海外で見た人たちが日本のやはりライフスタイルというのはクールだなと思うことによって、じゃ日本の車もいいじゃないかと、日本のファッションもいいし、洋服も買いたいな、日本に行ってみようとなると、こう発展をしていくわけでございまして、そういう観点も含めて、これは相当日本の力を強くしていく、ソフトパワーを相当強化をしていく道につながってまいりますので、様々な可能性を秘めた、しかしやることたくさんあるんですが、今委員御指摘になったような戦略性を持って各省庁が連携をしていく。そして、会議が司令塔機能を果たしていくことによって成果を出していきたいと、このように思っております。
○藤巻幸夫君 ありがとうございます。
 まさに私は、民間の活力というところで一つ事例を申し上げますと、JR東日本、今年で民営化されて二十たしか四年になると思いますけれども、各議員の皆さんも御存じだと思いますけど、やっぱり駅中という、駅の中に商業施設をつくったり、あるいは、今、東日本、事業創造本部という部がありまして、そこと私、昨年連携をしていろんなお仕事をさせていただきましたが、例えば上野駅に「のもの」というお店があります。
 「のもの」はどういう意味かというと、茨城のものとか栃木のものとか福島のものという、その地域のものを一挙に集めて、これ実はJRの職員、社員とそれから各地域の行政、そして、あるいは各地域の地銀の頭取等も連携しまして、そしてまた、地域の場合はやはりせっかくおいしいものを作ってもパッケージが悪くて売れないとか、やっぱりお客様、顧客に対して伝わりづらいとか、こういうことを我々の方で教えまして、三週間あるいは四週間売って地域にお金を回していくという、実はJR東日本はそのような試みをしておりまして、これが非常にいい例だということで全国に少しずつ広がりつつあります。
 こういったことも是非どんどんPRして、やはり私企業、民間企業では、いわゆる見えないところですばらしい活動をされているところがあります。こういったものを是非、民間でやることは民間でやるべきだと私は思います、国が全て口出しすべきじゃないと思いますが、まだまだこういった連係プレーができていないケースが多いんじゃないかなというふうに思いますが、総理、いかがお考えでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今御指摘の点は重要な点だと思います。
 民間のアイデア、あるいは品質はいいものを作っても、それを広報する能力に欠けている、そうしたものを国が後押しして、さらにそれを海外に出していくということにおいては、なかなか地方の小規模事業者がやろうと思ってもできない。それを応援していくということは大変大切なんだろうなと思っております。
 そうしたものを、様々なことを進めていく上においても、国が支援をしていく、補助金的に支援をしていくということも必要なんでしょうか、同時に、やっぱりお金がちゃんとそういう分野に流れていくということも大切なんだろうと思っております。現在、国会提出中のリスクマネー供給のためのファンドがございますが、こうしたファンドも、ジャパンブランドをつくっていく、あるいはジャパンブランドを世界に出していくために活用していきたいと、このように思っております。
○藤巻幸夫君 もうまさにその官民ファンドの話ですけれども、今までですと、どうしても、こう言ってはなんですけれども、やはり天下り体質というか、やっぱり行政の人間、商売もしたことのない人間がこういったところに入ると大体失敗しているような気がします。
 私も個人的に今、ディスカバー・ジャパンという雑誌がありまして、その連載を五年やってまいりまして、四十七、ただ全部回ったわけではありませんが、かなりの地域を回ってまいりまして、ほとんどもう使われていないホテルあるいは施設、こういうものがあります。これはもう誰の政権がどうだったということを言い出してもしようがないことでございます。ただ、残念ながら、やはり使われていない施設、そして無駄な公共施設、これたくさんあるのは事実です。
 ですから、これはやはりもう一回政府を挙げて、やっぱり議員を挙げてゼロから本当に見直していかないと、本当に税金の無駄遣いをしていることについては、私も本当に去年までは民間の人間でございましたので、民間のいろんな人間から今日は朝からメールが来て、それを是非伝えてくれという強い後押しもありましたのでこのようなお話をさせていただいていますが、是非、民間、そのファンドがいい悪いということではなく、まずやっぱり仕組みづくりと人材づくり、やはりここで間違ってしまうと、今日は官僚の方もいらっしゃるので非常に失礼かと思いますけれども、やっぱりつくって終わりではなくて、民間というのはそこからいかにゼロ円から一円をもうけるか、一を百にするか。私も福助の再建をやっているときに、やっぱり一度完全に民事再生になりまして、やるときに、やはり社長というのはもう二十一時間働いて、私はその間、歯も抜けましたし、心臓も悪くしました。それぐらいやはり民間の社長、当然、もちろん政治家も働いていますけれども、死ぬ気になって、やはりお客様からお金をいただくというのは本当に大変なことだと思います。
 そういう面では、このファンドも、つくっただけではなく、やはりどれだけの人材を集めて、やっぱりオールジャパン、先日、私ちょっとうれしかったのは、アジア文化何とかってたしかありましたけれども、北野武さん、私も親しくさせていただいていますけれども、武さんみたいな方が呼ばれて、やっぱり武さんはグローバルに、世界へ行けばあの武かと。そういう方たちが入ることによって、やはり日本の文化は何かやろうとしているんじゃないかなというプレゼンテーションになりますので、そういう意味では、安倍総理の行っていることはもうすばらしいと私は一人思っていまして、是非その官民ファンドについてのもう一度意気込みを、大変僣越かと思います、これは麻生副総理でも結構なんですけれども、是非、麻生副総理もアートというか、いろんなものに御興味あるというふうに聞いておりますので、是非力強い気持ちを、是非テレビを見ている国民の方にメッセージをいただければと思います。よろしくお願いします。済みません。
○国務大臣(麻生太郎君) 急に振られたのであれですけれども。
 無から有とは言いませんけれども、間違いなく名もなきところから世界に売ったブランドって、やっぱりユニクロってでかいと思いますね。商売しておられた方で見て、やっぱりこれぐらい今世界で、どうでしょう、GAPに匹敵するぐらいのものになっているんじゃないかしらね。間違いなくそれぐらいのものになって、まあGAPが通じない方もここにいっぱいいるんだろうけれども、ユニクロというのはそういうイメージで、知っている人は何となく、何でしょうね、ヒートテックぐらいしか思い付かない方いっぱいいらっしゃるでしょうけれども、現実問題としては、ユニクロという安売りの店というものが、少なくとも世界のユニクロまで高めていった。あれは戦略がすごいんだと、僕はそう見えます。
 したがって、実に多くのあれがいっぱいありますし、現実、今、内閣でもクールジャパンということでいろいろやっているんですが、我々、この永田町とか霞が関周辺ではなかなか気が付かないものが実は世界でもうどんどん先行していて、そうですね、子供たちがやるサッカーでいけば、やっぱりキャプテン翼なんというのは間違いなくキャプテン・マージドという名前で、とにかく中近東じゃ間違いなくキャプテン・マージドを見て俺はサッカーの選手になりたいと思った。ジダンは、あれが世界一のMVPを取ったときの感想は、キャプテン・マージドを読んで俺はやる気になったと言ったら、翌年トッティというのが、イタリアのがそれ取ったんですが、これも同じく、俺もキャプテン翼を見てサッカーをやる気になったんだと。あれぐらいインターナショナルな漫画はちょっと、正直ゴルゴ13ぐらいしか知りませんけど。
 そういうようなものというのは世界で売れているんですよ。世界で売れている。だけど、何か新聞記者なんて活字以外みんな認めないのが多いでしょうが、そういったもの、ビジュアルなものの方が物すごく説得力がある。言葉なんか一言も通じてないんですよ、あれ、全く。もうポケットモンスターなんてピカとチュウしかしゃべれないんだからね。それで世界に売っているんだから。だから、こういったようなものというのは実に幾らでもあるんで、それのさっき言われたプロモーション、PR、そういったようなものを今後とも力を入れていくべきじゃないかなと、私は率直にそう思います。
 ありがとうございました。
○藤巻幸夫君 今、非常に明確な答弁ありがとうございます。
 今、ユニクロのお話が出まして、一企業について私がとやかく言うのもおかしいんですが、決してユニクロは安いからではなくて、やはり素材開発、先ほど申しましたように、やはりコンテンツです。
 例えば、やっぱり商品というのは、色があって、柄があって、素材があって、デザインがあって、そして機能、用途、そしてサイズがあって価格だと思います。決して価格が安いからではなくて、やはり色とデザインと機能性のバランス、まさにヒートテックというお話が出ましたけど、やっぱりあれは機能とデザインとカラーとパッケージの一つの。
 ですから、こういう考え方は、ユニクロの柳井社長はもう別格な方で、やっぱり海外とのグローバルな展開の中で見付けられた技術だと思うんですが、やはり地域、地方にはこういうノウハウがない人が多いんです。私は、是非国がそういうところにきちっと教えるような機能をつくるとか、こうしてあげたら安くなくても売れるんだと。時々テレビを見ていると、よく分からぬ経済評論家が安くしろ安くしろと。いろいろ、インフレターゲットという話がありますけど、そうじゃなくて、物の中では、決して安売りしなくてもやっぱりデザインの力で。
 それを昨年、私はある家電メーカーの講演会行ったんですけれども、なぜサムソンの家電は売れていて、ある某、企業名言っちゃうとまずいんで、株が落ちちゃうんで言いませんけれども、ある家電が悪いのかと。やっぱりここはデザインです。技術の話ばっかりします、日本の経営者はほとんどが。でも、やはり技術だけではなくて、やはりデザインという。ここについて、私は、ここで言うのもなんですけど、本当にいずれはデザイン庁だとかデザインというものをきちっとまとめられるような機能。
 先日もNHKのEテレビで、デザインミュージアムつくったらどうかという議論をNHKでやっています。これ非常にいい番組で非常に視聴率が高かったようなんですけれども、やはりデザインというものは何なのかということを根底から、やはりこれはそういう、私は国自身が大きな転換期に来ているんじゃないかなというふうに思っております。生意気な質問で失礼します。
 さて、そして、たまたまなんですけど、私は昨年まで韓国サムソングループの新世界という百貨店のコンサルなんかもやっていまして、韓国の方とも非常に多く付き合ってきていまして、やはり韓国は、残念ながらやっぱり私ども日本よりちょっと進んでいることがあるなと思ったのが、二〇〇九年に直轄で国家ブランド委員会というのがやはりできています。これによって、やはり伝統文化、映画産業などを国策にしています。まさにハリウッドにしようということで、例えば、AKBは韓国の方知らない人が多かったです。ただ、KARAだとか少女時代なんていうのは、国民、我々はほとんどが知っていると。これは明らかにやはり負けているという。ただ、私は、日本、まあ韓国の方には失礼ですけど、やはりこの風景や食の充実や、やはり各四十七都道府県のそれぞれ持った、バリエーションを持った魅力は、韓国の方も日本にやはりかなわないと言う方も多いです。
 そういう意味で、私ども、私は今は政治の人間ですが、やはり民間のレベルではそういうことを認め合いながら、やはり日本の力をやるという面では国策にしたらどうかということを韓国の私の友人なんかも言っておりました。あるいは、英国では一九九七年、これはブレア政権のときですが、国家ブランド戦略ではしっかりと国家広報戦略というのを立てて、今、麻生副総理がおっしゃっていただいたとおり、きちっとPRをしていこうというような委員会もできていると聞いています。ですから、ここは一度、思い切った政策を是非、与党・政府に考えていただきたいなというのが私のこの一番目の質問であります。
 さて、もう少し時間ございますのでもう一つ、先日、国交省の委員会の方で太田大臣の方には質問させていただきましたが、もう一度、ここにつながるのはビジットキャンペーンだと思います、ビジット・ジャパン。これ、残念ながら八百六十一万人がピークということで、これも国土交通の方からいずれは二千万人、三千万人来てほしいというこのようなぺらもらいましたけれども、八百万人、五年、もちろん震災がある年は一時期落ちていますが、やはり五年間も八百六十万が突然に二千万に行くはずがありません。これについてやっぱり徹底的な議論をするべきだと思いますけれども。
 ここで一つだけ、私の、ちょっとここでこういうのを出すとあれなんですけれども、友人で、元々カナダ生まれのイギリス人でタイラー・ブリュレという人間がいます。彼は非常に日本びいきで、この実はモノクルという雑誌なんですけれども、実はこれ、全世界で十五万部、世界八十二か国で売られている雑誌です。
 実はこれが面白い事例がありまして、たまたま昨年、鹿児島の特集を八ページで組みました。そうしましたら、ちょっとここでボードを見てほしいんですけれども、実は今、全体で、例えばシンガポールから日本に来ている方、外国人訪問者数、マイナス二二です。ところが、鹿児島はプラス一〇%。それから、香港は、マイナス六%の日本に対して、何と九六%も香港から鹿児島に来ている。実はこれ、これだけの話じゃないかもしれませんが、明らかにデータとして出ています。台湾からは日本には一五%、これは当然、直行便ができたということで、当たり前の政策でありますが、台湾から鹿児島に来ている方は何と二〇〇%という。
 これの記事を八ページ全部訳しましたら、何だって書いてあるかといいましたら、別に何てことないことなんです。本当に風景がきれいだとか、食がおいしいとか、これを丁寧にこのタイラーさんという方が非常に筆記して、見て、ああ行きたくなる。例えばナポリという都市と鹿児島は姉妹都市を結んでいるんですけれども、そういったことを克明に書いて、そうすると、この八十二か国の、基本的に若干ラグジュアリーな方が多いんですけれども、方が見て、やっぱり日本に来たいということで来る。こういうものに、先日、実は国交省のメンバーたちにこの話、ちょっとレクチャーさせていただきまして、是非こういう方たちと組んだらどうかというような話もさせていただきました。
 また、タイラーさんを先日私の方で呼びまして、ちょっと彼に聞きました。何が日本に今問題があるのかと聞きましたら、やはりマーケティングが下手じゃないか、それから、タイとかそれからオーストラリアは国が観光キャンペーンをこの雑誌と組んでいるそうです。やっぱりブランディングをうまくやっていると。別に私はこの彼からお金をもらっているわけじゃないですから、決してこのPRをするわけじゃないんですけれども、やっぱり具体的に、彼と組んだことによって、タイそしてオーストラリア、台湾は観光客が増え、ブランディングがアップしていると。
 彼がこういう話を私にしてくれました。先ほど首相の方からもありましたけれども、やっぱりインターネットラジオを使うとか、コマーシャルなどをもっと活用するとか、日本のハイライトを美しい台本で、これを彼はビューティフル・スクリプトと言いましたけれども、やっぱり丁寧な、外国人が見た日本の魅力を外国人らしい言葉で発信すると。実は、日本人が思う日本の良さと海外の人が見る日本の良さは若干違いがあるんじゃないかと。これについて、先ほどマーケティングの視点でとお話が副総理からありましたけれども、やはりここはマーケティングの問題でありまして、やはりこの永田町、霞が関で考えるのではなくて、やはりグローバルな人材を活用して徹底的に日本を売り込むということを戦略室でやられたらどうかということを先日、太田大臣の方にもお伝えいただきました。
 実は面白いことを彼はもう一つ言っていまして、日本人が気が付かない日本の良さは何かと聞きましたら、日本は移動が完璧だと、実は非常に移動しやすいんだということ。この前もある方と話していたら、日本は移動が難しいと言っていましたけれども、外人からすると非常にやっぱり便利、それから安全、そして何でも食べれる、そしてクリーンで安心で早い。そういうことをもっともっとPRしていければ日本に来る人は増えるんじゃないか、こういうことをきちっとやれば、八百六十万どころかまず一千万の数はきちっとスルーできるんじゃないかと。これは私は大きな国策であり、日本の経済発展にも一つつながる大きい得策ではないのかなというふうに考えております。
 まさに台湾のトップクラスはもう日本でバカンスを過ごしているという事実もあります。そして、あともう一つちょっと問題を言いましたのが、WiFiが入っていないラグジュアリーホテルが多いそうです。やっぱりインターネットの整備が足りないホテルが多いということをこれは彼が付け加えておっしゃっていました。
 このように、一つ今日この例を申しましたけれども、是非この話、太田大臣にはお話しいただきましたけれども、太田大臣からも是非、観光庁の方に強いメッセージを送っていただけると思いますが、この考えについてお答えいただければと思います。よろしくお願いします。
○国務大臣(太田昭宏君) 私も、先日、国交委員会で先生の話を聞きまして、これはもう、すぐ観光庁として先生の話を受け入れて一気に難関を突破しなくちゃいけないという思いで、これからもまた連携取らせていただきますので、よろしくお願いしたいと思いますが。
 今、コンテンツ、プレゼンテーション、そしてPR、物がちゃんと、魅力ある物があるのにどうしてといういら立ちのようなものが今日の質問の中にも随分あったというふうに思います。私は、そういう意味で、ブランド化をすること、商品化をすること、日本にはいろんな意味での魅力があるんだ、外国からの見方は違うんだよということを本当に受け止めてやっていかなくちゃいけないと思っておりますし、今そこにあります本の、ロンドンで発行しているこうしたモノクルというようなところに鹿児島が出る、そしてその後に沖縄が出て、最近は東急ハンズが出たりしているんですが、外国の雑誌でレベルのある程度確保されたところで発信する、あるいは日本で世界に向けて発信をしていてある程度のレベルがもう確認されているところに載せて、ブランドを、そしてそこで発信する。
 いろんな意味での、発信の仕方ということについても大いに参考にして努力をして、何とか、一千万はおろか二千万人のインバウンド、外国人旅行者が日本に来ると。そうなったら私は景色が変わると思いますが、そこにスタートを切っていきたいと思っています。
○藤巻幸夫君 最後になります。
 是非もう国を挙げて、クリエーティブジャパン、本当、クールジャパン、ビジットジャパンを成功できればと思います。
 どうもありがとうございました。
○委員長(石井一君) 以上で藤巻幸夫君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(石井一君) 次に、はたともこさんの質疑を行います。はたさん。
○はたともこ君 生活の党のはたともこでございます。
 まず、黒田日銀総裁に順次伺いたいと思います。
 今週の月曜日、私ども生活の党は、全国四万一千人の中小企業の経営者の皆さんが参加する中小企業家同友会全国協議会の役員の方から政策ヒアリングをいたしました。アベノミクス効果、中小に及ばずということで、円安の影響で仕入れ単価が大きく上昇し、採算が圧迫されているとのお話でした。燃油価格の高騰を受けて全国のイカ釣り漁業者の皆さんが一斉休漁するという報道もございます。このようなときに消費税増税などとんでもないことだと私は思います。
 黒田総裁、円安にはメリットとデメリットがあると思いますが、私はこれ以上の円安は日本経済にとってむしろデメリットの方が大きいのではないかと思いますが、総裁の御見解はいかがでしょうか。
○参考人(黒田東彦君) 為替水準のレベルとかあるいは動きについて私から具体的にコメントすることは差し控えたいと思いますが、例えば先週開かれました私どもの支店長会議でも、委員御指摘のように、中小企業を中心に仕入価格の上昇を懸念する声が聞かれたわけでございますが、その一方で、輸出企業の収益あるいは先行きの業況感が改善していて、全体として景況感は各地域とも改善したという報告がございました。
 今後、政府の各種の財政政策、あるいは日本銀行の量的・質的金融緩和によって、日本経済が全体として改善していくということが中小企業の業況の改善にもつながるというふうに考えておりまして、その動向は引き続き注視してまいりたいと思います。
○はたともこ君 次に、物価安定目標二%について伺います。
 日銀の方の御説明では、物価上昇には良い物価上昇と悪い物価上昇とがあるということでございます。総裁、悪い物価上昇とはどういうものか、それは何が原因で起こるのか、また、悪い物価上昇にならないためにはどうすればよいのか、総裁の御見解をお願いいたします。
○参考人(黒田東彦君) 恐らく、良い悪いという表現が適当かどうかはともかくとして、やはり物価安定の目標を実現していく過程において、賃金などが上がらずに物価だけ上がるというようなことを懸念する声があるということはよく承知しております。
 この点、この二%の物価安定の目標とそれを裏打ちする今回の量的・質的金融緩和は、言わば過去十五年間続いたデフレの悪循環を断ち切ると。デフレの下では物価が下がる、企業の収益あるいは賃金も下がる、そしてそれがまた物価の下落につながるという悪循環が続いていたわけですが、それを断ち切ると。その下では、実体経済がバランス良く改善して、物価上昇率が徐々に上がっていくという好循環をつくり出していきたいと思っておりまして、こういった好循環の下では、企業収益あるいは雇用、賃金が増加することで幅広い国民にプラスが及んでいくというふうに思っております。
○はたともこ君 今回の量的緩和で二年間で新たに百三十兆円のお金が金融機関を通じて市中に流れていくということでございますが、この百三十兆円の使われ方としてどのような使われ方が想定されるのか、また、どのような使われ方が望ましいと思われるのか、総裁の御見解を伺います。
○参考人(黒田東彦君) 量的・質的金融緩和が実体経済にどのような影響を与えるかというチャネルについては、言わば金利が下がって金融のアベイラビリティーが増えるとか、あるいは金融機関のポートフォリオリバランスによってリスク資産の方に投資が向いていくとか、さらには期待が転換するとかいろいろありますが、一番重要な点は、委員が述べられておりますように、実体経済にどのようにインパクトを与えるかということでございまして、基本的には、国民の消費、それから企業の投資、これにプラスの影響が及んでいくと、それによって国民の生活水準も安定していくと、向上していくということであると思いますので、私どもとしては、このデフレの脱却を通じて国民経済が持続的な成長経路に乗り、国民生活が改善していくということを期待しておりますし、それを注視してまいりたいと思っております。
○はたともこ君 アベノミクスでは、大胆な金融緩和政策と並んで機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略があるわけですが、有効な財政政策と成長戦略がなければ、アベノミクスは私は単なるアベノバブルになってしまうのではないかと懸念をしております。
 財政政策、成長戦略については、私は、人口減少社会に成長なし、まず政府は全力を挙げて可能な限り人口減少に歯止めを掛けていくべきだと思いますが、総裁の御見解はいかがでしょうか。
○参考人(黒田東彦君) 委員御指摘のとおり、経済成長は、基本的には中長期的には就業者の増加と生産性の上昇ということによって実現されるわけでございますので、少子高齢化とあるいは人口減少に歯止めを掛けるということは、日本経済の持続的な成長を実現していく上で極めて重要であるというふうに思っております。
 この点、政府の成長戦略においても少子化対策の検討が進められておるというふうに存じておりまして、日本銀行としてもこうした取組が進んでいくことを期待しております。
○はたともこ君 私は、生活充実政策として月二万六千円の子ども手当、月七万円の最低保障年金を実現すべきだと考えております。月二万六千円の子ども手当の実現には、厚生労働省の試算によりますとあと三兆円、そして月七万円の最低保障年金、これは月五万円の税負担分と月一万五千円の年金保険料との組合せ方式を考えておりますが、これを実現するには、厚生労働省の試算によりますとあと七・五兆円の財源が必要だということでございます。これを合わせて十・五兆円の財源を、借金に頼るのではなく、国の一般会計と特別会計の合計二百兆円、これに地方財政の一般会計、そして公営事業会計を加え、国との重複部分を除いた総計約三百兆円を対象にした行財政改革、無駄削減で捻出することができると思っております。
 黒田総裁、借金に頼らず行財政改革による無駄削減を財源とする限りにおいて、子ども手当プラス三兆円、最低保障年金プラス七・五兆円、合計十・五兆円の財政出動は有効な財政政策、成長戦略になると私思いますが、総裁、いかがでしょうか。
○参考人(黒田東彦君) 財政支出の内容であるとか、あるいは財政支出の資源、財源をどう確保するかといった点は基本的に政府、国会で議論されるものであるというふうに認識をしております。
 したがって、私から申し上げるのはあくまでも一般論でございますが、一月に公表いたしました政府と日本銀行の共同声明におきまして、政府は、機動的な財政政策や成長力、競争力強化とともに、財政運営に対する信認を確保する観点から、持続的な財政構造を確立するための取組を着実に推進するというふうにされておりまして、こうした取組に私どもとしても期待をしているというところでございます。
○はたともこ君 我が国の成長戦略として東アジアの成長を取り込むためには、私は、TPPには参加せず、東アジア十か国と日中韓、印、豪州、ニュージーランド六か国、すなわちASEANプラス6で構成されるRCEP、東アジア地域包括的経済連携を速やかに成立させることが重要だと思います。TPPは九億人市場ですが、RCEPは三十四億人市場です。まず、RCEPを構築をして、その後にTPPと統合してAPEC三か国によるFTAAP、アジア太平洋自由貿易圏をつくり上げることが日本の国家戦略としてベストだと私は考えております。
 黒田総裁は、今年三月まで八年間アジア開発銀行総裁を務めてこられました。黒田総裁に東アジアの経済成長の下でのRCEPの意義について教えていただきたいと思います。
○参考人(黒田東彦君) 委員御指摘のとおり、アジア、特に東アジアの経済成長には極めて目覚ましいものがございます。その中で日本企業も大いに活躍しているわけでございますが、こうしたことを更に推し進めるためにも、それから東アジアの今後の経済発展に貢献するという意味でもFTAの拡充ということは非常に重要であるというふうに思っております。
 私の理解するところでは、政府は、TPPあるいはRCEP、さらにはEUとのバイの自由貿易など様々な自由貿易協定の交渉に携わっておるというふうに理解しております。私も、委員御指摘のとおり、アジアとの協調を深めるということは非常に重要だと思いますが、更に加えて、こういった広く世界と貿易投資、その他の経済関係を深めるということは日本経済にとってもプラスですし、世界経済にとってもプラスであるというふうに理解しております。
○はたともこ君 お手元の資料の一枚目を御覧いただきたいと思います。これは経済産業省提供の資料でございますが、IEA、国際エネルギー機関による石炭火力発電とガス火力発電の二〇一二年から二〇三五年までの需要予測でございます。石炭火力が百二十八兆円、ガス火力が八十三兆円余り、合計二百十二兆円。しかし、これは一ドル七十九・九七円の換算ですから、一ドル百円に直せば約二百六十五兆円、巨大市場でございます。
 この二百六十五兆円の巨大市場に対して、ガス火力では天然ガスコンバインドサイクル火力発電、石炭火力ではUSC、ウルトラスーパークリティカル、超超臨界圧石炭火力、さらにはアドバンストUSC、IGCC、石炭ガス化コンバインドサイクル、さらにこれに燃料電池を加えたトリプルコンバインドであるIGFCなど、日立、東芝、三菱重工などが世界最先進技術を有しており、この分野は日本にとって最も競争力の強い分野の一つでございます。
 黒田総裁、この高効率火力発電の国内外での全面展開は今回の量的緩和の百三十兆円の使い道として有力、有効なものだと思いますが、御見解はいかがでしょうか。
○参考人(黒田東彦君) 御指摘のように、私、アジア開発銀行の総裁をしておりましたときに、アジアでこういった発電設備が導入されるのを支援してまいりました。そういう意味で、これらが極めて効率のいい、あるいは環境にもより適切なものであるということはよく承知しております。
 我が国のエネルギー戦略全体の在り方につきましては、現在、政府で検討が進められているというところだと思います。日本銀行としては、御指摘のように、量的・質的金融緩和を行う中で、いわゆる成長基盤強化を支援するための資金供給、あるいは貸出し増加を支援するための資金供給というものを通じまして、日本経済の成長につながるような企業あるいは金融機関の取組を支援しているところでございまして、委員の御意見も参考にさせていただきたいと思います。
○はたともこ君 高効率火力の展開、さらに、日本の金融機関や企業がアジアだけでなく世界の市場で活躍することは、もちろん内需の充実も重要ですが、今後ますます重要になってくると思います。そうなりますと、その成果として当然所得収支が増加すると思います。これは日本経済にとって大きなプラスだと思いますが、所得収支の数字は統計上、GDPには表れません。私は、今後は経済成長の指標として、所得収支が含まれるGNI、国民総所得を使うべきだと思いますが、黒田総裁の御見解はいかがでしょうか。
○参考人(黒田東彦君) 御指摘のとおり、GDPは国内総生産でございますので、国内の経済活動の指標としては最も適切だと思いますが、GNIが言わば所得収支を含むという意味で、ある意味でいうと国民生活の総体をよく表しているという面もあることは事実でございます。したがいまして、GDPのみならず、海外からの所得の純受取などを加えた実質GNIについても重要な指標の一つであるというふうには考えております。
○はたともこ君 黒田総裁、ありがとうございました。これで退出していただいて結構でございます。
○委員長(石井一君) 御退出いただいて結構であります。
 質疑を続行してください。
○はたともこ君 次に、アベノミクスの財政政策、成長戦略について政府に伺いたいと思います。
 茂木大臣、先ほど私が申し上げておりますように、天然ガスコンバインドサイクル火力発電、あるいは最新型の石炭火力など高効率火力の国内外への展開、これを我が国の成長戦略の重要な柱とすべきだと思いますが、大臣の御見解はいかがでしょうか。
○国務大臣(茂木敏充君) はた委員、高効率の石炭火力につきまして、技術の動向、二〇二〇年代、三〇年代とどういうものが出てくるか、本当によく御存じだなと、こういう思いで話を聞かさせていただきました。
 例えば、今の日本の最高水準の石炭火力、磯子を先日私も実際視察をしてきたんですが、全く煙も出ないんですね。この高効率のものをアメリカそして中国、インドの石炭火力に応用しますと十三億トンCO2が削減できると。これは日本全体が出しているCO2の量に匹敵をするという量でありまして、これは日本の輸出競争力という観点からも、地球環境に日本が貢献する、こういった意味からも極めて重要でありまして、積極的に進めてまいりたいと考えております。
○はたともこ君 では、パネルをお願いいたします。(資料提示)
 お手元の資料の二枚目でございます。赤い部分の文字に注目をしていただきたいと思います。
 右側は昨年の十二月二十五日の自公連立政権合意文書の原発・エネルギー政策の部分でございます。省エネルギー、再生可能エネルギーの加速的な導入や火力発電の高効率化等の推進によって、可能な限り原発依存度を減らすと書いてあります。そして、左側は今年二月二十八日の総理の施政方針演説ですが、日本が世界の成長センターになるという部分にあるものですが、省エネルギーと再生可能エネルギーの最大限の導入を進め、できる限り原発依存度を低減させていきますと、これは首相官邸ホームページに掲載をされております。
 総理、連立政権合意文書にあった火力発電の高効率化等の推進という文言を施政方針演説からなぜ外されたのか、説明をしてください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 施政方針演説というのは、外交、安全保障、全て、教育、網羅をいたしますから、その中である程度の限られた時間の中でお話をさせていただくということであります。
 政策としては、自公連立政権の合意でございますから、当然これは進めていくわけでございまして、先般も日本経済再生本部において高効率の火力発電について活用しようということは指示をしているところでございますので、それから外したからそれは、ただ単にちょっとスペースの関係で外れているということにすぎないということでございます。
○はたともこ君 今週月曜日の本委員会で、一川保夫委員の質問に対して総理は、今後三年程度の間に、再生可能エネルギーの普及と省エネルギーの推進を最大限加速させていくとともに、原発の再稼働については世界最高レベルの科学的安全基準の下で判断していくこととしております、その際、できる限り原発依存度を低減させていくという方向で検討していくという考えでございます、我々は責任ある立場として、代替エネルギーを確保できていないにもかかわらず、それを、すなわち原発ですが、軽々にゼロにするということは申し上げませんと答弁をされています。
 原発の代替エネルギーを再生可能エネルギーの普及と省エネルギーの推進のみとするから原発ゼロにできないのです。私たち生活の党は、原発代替即戦力として天然ガスコンバインドサイクル火力発電や最新型石炭火力発電など、この連立合意文書にもある高効率火力発電の推進を主張をしております。
   〔委員長退席、理事小川敏夫君着席〕
 総理、高効率火力発電の推進によって安定的で低廉なエネルギーを確保できるなら原発ゼロも可能になるということでよろしいでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 政府としては、今後三年間で省エネルギーと再生可能エネルギーの導入を最大限に進めるとともに、今委員が御指摘になった天然ガスコンバインドサイクルや最新の石炭火力など、高効率火力の活用も進めていきます。
 いずれにしても、エネルギー政策については、いかなる事態においても国民生活やあるいは経済活動に支障が出ないようにエネルギー事情の安定に万全を期すことが大前提でありまして、エネルギーの安定供給、エネルギーコスト低減の観点も含め、責任あるエネルギー政策を構築をしていく考えであります。
○はたともこ君 公明党の太田大臣に伺います。
 この自公連立政権合意文書の可能な限り原発依存度を減らすという文言には原発ゼロも含むのでしょうか。
 先般、三月二十一日の経済産業委員会での私の質問に対して、茂木大臣は合意した文書のとおりでありますと答弁をされましたが、御党の赤羽副大臣は、大臣の答弁と同じでございますけれども、公明党のマニフェストは原発の新規着工を認めず、原発ゼロの日本を目指すとしている、これはそうではありますが、私は、今大臣の答弁にもありました自公連立政権合意に基づいて内閣の一員として仕事をしておりますし、この連立合意文書が公明党のマニフェストと矛盾しているとは全く考えておりませんと答弁をされました。
 この答弁により、連立政権合意文書の当該文言には原発ゼロが含まれると解釈できると私は思いますが、大臣の御見解はいかがでしょうか。
○国務大臣(太田昭宏君) 連立政権合意書の中にあるとおり、もうこれが全て、これが連立政権の合意でございます。省エネルギー、再生可能エネルギーの加速的な導入や火力発電の高効率化等の推進によって、可能な限り原発依存度を減らすというふうにありまして、可能な限り原発依存度を減らすという、これが文字どおり、原発に対しての自公の政権合意でございます。
○はたともこ君 では、総理、改めて伺いますが、この自公連立政権合意文書の可能な限り原発依存度を減らすという文言に原発ゼロは含まれますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 原発ゼロが含まれるかどうかということでございますが、今そこに書いてあるように、省エネルギーや再生可能エネルギーをこれは加速的に進めていく、言わば国家資源も投入をしていきますし、新たなイノベーションを臨んでいきたいと思いますし、火力発電、あるいはまたメタンハイドレート等の新たな資源の開発も含めて進めていくわけでございますが、その中で安定的そして低廉なエネルギーを確保した段階において、これは原発への依存を減らしていくということでありますから、理論的には、これ全部うまくそろいましたねということになればそれは可能になるわけでありますが、今、しかしそれは、では、今ゼロということについてそれを申し上げることは、責任あるエネルギー政策を確立をしなければいけないという立場からは申し上げることはできないわけでございまして、今の段階では、その見極めが付いていないという以上、それは申し上げられないということでございます。
○はたともこ君 パネルは、では結構でございます。
 では、お手元の資料の三枚目を御覧ください。これは今年の一月七日にIOC国際オリンピック委員会に提出をされた東京都の立候補ファイルの一ページでございます。
 アンダーラインは私が付けましたが、左側にこうあります。東京電力は、二〇一二年七月には、火力発電所の復旧や新たな電源設備の設置などにより五千七百八十六万キロワットまで回復している、その結果、二〇一二年七月から八月の最大電力需要が五千七十八万キロワットであったため、七百八万キロワットの予備力があり、二〇二〇年東京大会で発生する追加需要に対して既に十分に対応可能な状況にあると書いてあります。東京電力管内で原発稼働ゼロの現在、既に七百八万キロワットの予備力があるということでございます。
 さらに、右側にはこうあります。東京電力は、二〇一五年までに火力発電の新増設により約三百四万キロワットの電力供給が増加する、また、東京都自身も大規模出力の発電所、これは天然ガスコンバインドサイクル火力発電百万キロワット程度と言われているものでございますが、建設を検討している、さらに、東京ガスグループが、全部で百九十八万キロワットの天然ガス発電所を建設、保有するなど、新たな電力供給も進んでいると書いてございます。
 つまり、東京電力管内では、東京都の計画を除いても二〇一五年までに一千二百万キロワット程度の予備力があるということになります。ということは、柏崎刈羽原発の再稼働は全く必要ないということだと私は思います。
 茂木大臣、この東京都の立候補ファイルのこの電力に関する記述に何か間違いはありますでしょうか。
○国務大臣(茂木敏充君) 私が、間違いがあるか間違いがないか、お答えする立場にはないかと思いますが、今委員おっしゃられた左側の部分になるんですか、二〇一二年七月から八月の最大電力需要が五千七十八万キロワットで、七百八万キロワットの予備力があると、この記述につきましては、昨年、政府の外部有識者会合、需給検証委員会で検証されたものであると、このように認識をいたしております。
 一方、二〇一五年までに、右側ですね、既存の火力発電所の増強や火力発電所の新設により約三百四万キロワットの電力供給が増加すると、この記述につきましては、昨年の五月の九日に、東京電力が総合特別事業計画等において整理した火力発電所の建設計画が順調に進んだ場合について記述したものであると、このように認識をいたしております。
○はたともこ君 総理、立候補ファイルに基づくと、少なくとも東京電力管内では原発ゼロでも電力の安定供給は確保されているということでよろしいですか。総理、総理。
○国務大臣(茂木敏充君) 電力の安定供給、これは委員も御案内のとおり、二〇一五年のある時点が良ければいいとか東京が良ければいいという話じゃないんです。全国レベルで継続的に安定供給をしていく、さらには電力コストを抑えていかなければならない。そして、そういった中で再生可能エネルギーを増やしたり省エネを進めたり、そういう総合的な中で判断されるべき項目だと思っております。
○はたともこ君 問題は、現在もまだ大飯三号、四号合わせて二百三十六万キロワットの原発が動いている関西電力です。関西電力は和歌山に合計三百七十万キロワットの天然ガスコンバインドサイクル火力発電の建設計画を持っており、三・一一の震災以前に環境アセスメントは終了しています。あとは着工するだけですが、関西電力はいまだに着工をしていません。着工すれば約三年で完成する。送電線の整備にもう少し時間が掛かるようですが、これが営業運転開始となれば、関西電力も原発ゼロでも全く問題がないということになります。
 もちろん、今直ちに大飯三号、四号を止めても、中部電力や中国電力などからの応援融通、あるいは最大需要の二百七十万キロワットの滋賀県を中部電力に移管するなどの方法で関西電力に電力不足は起こらないわけですが、茂木大臣、関西電力に対して和歌山天然ガスコンバインドサイクル火力発電三百七十万キロワットの建設を指導し、着工を指導し、そして政府として支援するお考えがおありかどうか、伺いたいと思います。
○国務大臣(茂木敏充君) 今、例えば石炭火力の問題につきまして環境省との間で環境アセスの迅速化等々の調整を進めておりまして、早い段階で結論を出したいと、こんなふうに考えております。冒頭御答弁申し上げましたように、石炭火力、こういったものもしっかり進めていきたい。
 ただ、個々の発電所につきましてリプレースをする、新増設をすると、これはまさに事業者の判断ということになってくると思います。御指摘の和歌山の発電につきまして、三年というのは若干厳しいんではないかなと、こういうお話も伺っております。
 ただ、事業者におきましてそれぞれの発電所、どこをリプレースする、どこを新増設すると、これは判断すべき問題でありまして、国としては、そういったものを総合して、国全体として、日本全体として安定供給ができるかと、こういった点はしっかりと監督していきたいと思っております。
○はたともこ君 次に、原発再稼働問題について伺います。
 まず、田中原子力規制委員長に伺います。
 私は、三月二十一日と二十六日の経済産業委員会で、原子力規制委員会として原発に対する核ミサイル攻撃や爆撃を想定しているのか、また安全対策を考えているのかと質問をいたしました。原子力規制庁のお答えは、原子炉等規制法に基づく新安全基準では、新規制基準と名称が変わったようですが、核ミサイルによる攻撃を想定したような安全対策までは求めていない、核ミサイル攻撃や戦闘機による大規模な爆撃を原子力発電所のリスクとしてとらえて対応すべきかどうかにつきましては、この安全基準の検討過程においては個別に取り上げた議論はしておりませんと、しておりませんというものでした。
 そこで、改めて田中原子力規制委員長に伺いますが、原子力規制委員会として原発に対する核ミサイル攻撃や戦闘機による大規模な爆撃等を想定していますか、また、安全対策を考えておられるのか、教えていただきたいと思います。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 前の委員会でお答えしたとおりですが、新規制基準では、テロに対する備えとして、意図的な航空機衝突などによりプラントが大規模に損傷した場合においても、消火活動の実施とか炉心や格納容器の損傷を緩和するような対策は求めております。しかし、これを超えるような核ミサイル攻撃あるいは戦闘機による大規模な爆撃等については評価や対策を求めているものではございません。
○はたともこ君 田中委員長、改めて伺いますが、原発の安全性については原子力規制委員会が対応できるものと対応できないものがある、核ミサイル攻撃や戦闘機による大規模な爆撃等に原子力規制委員会は対応できず、したがって安全性についても判断できないということでよろしいですか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 御指摘のような核ミサイル攻撃あるいは戦闘機による大規模な爆撃については、当委員会が規制によって対処すべき性質のものではないというふうに私どもは判断しております。
○はたともこ君 では、小野寺大臣に伺います。
 三月二十六日の経済産業委員会での私の質問に対する防衛省の答弁は、今おっしゃったような弾道ミサイル等による原子力発電所に対する攻撃といったことも含めまして様々な武力攻撃の態様を私どもとして想定しまして、それに対する対処の計画を持ち、それに基づいて、それに沿って訓練をふだんから行っているということでございます、その具体的内容につきましては、言わば手のうちを見せることになりますので差し控えさせていただきたいと存じますと答弁をされました。
 弾道ミサイル等による原発への攻撃は想定している、対処の計画もあり、訓練も行っているということですが、原発への核ミサイル攻撃や大規模爆撃等についての想定対処について、大臣から改めてお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(小野寺五典君) 原子力施設だけではなくて、我が国に対して核ミサイル攻撃あるいは爆撃等がありましたら、これは我が省としては国土を、国民を守るという視点からしっかりとした対応をしてまいります。
 特に、例えば外国軍機が入ってまいりましたら領空侵犯事案ということになりますので、自衛隊法八十四条の対空侵犯措置で対応してまいりますし、弾道ミサイル攻撃に関しては自衛隊法八十二条の三の弾道ミサイル等に対する破壊措置によって対応してまいります。
 ただ、核ミサイルに関しましては、これは原子力施設のみならず我が国に対しての重要な問題でありますので、日米関係、これをしっかりして、アメリカの核の傘、このことも重要な一つの要因だと思っております。
○はたともこ君 では、官房長官に伺います。
 同じく三月二十六日の経済産業委員会で内閣官房から、自衛隊が爆撃機や弾道ミサイルを迎撃したにもかかわらず、万が一、今御指摘のような状況に至る、迎撃の失敗まで想定していただいているわけですが、そういったことも含めて、武力攻撃事態などに該当する場合に住民の避難等の措置を迅速かつ的確に行うことができるように、これは国民保護法に基づきまして、政府として国民保護基本指針や各省庁の国民保護計画を策定するとともに、各自治体等においても国民保護計画を策定しているところでございますとの答弁がございました。
 そこで、官房長官、原発が爆撃機や弾道ミサイル攻撃を受けた場合の国民保護計画は策定されているのでしょうか、教えてください。
○国務大臣(菅義偉君) 今の委員の質問の中で、武力攻撃事態、そうしたものに該当した場合には、住民の避難などを、そうしたことが迅速にまた的確に行うことができるように、国民保護法に基づいて、政府としては国民保護基本指針や各省庁の国民保護計画を策定をするとともに、各地方自治体等においても国民保護計画を現在策定をいたしております。
 そしてまた、政府としては、年に二回、実動の訓練やあるいは図上の訓練も二回ほど行っておるところであります。
 国民の生命、安全のために万全を尽くしております。
○はたともこ君 時間でございますので、残りについてはまた次回に回したいと思います。
 ありがとうございます。
○理事(小川敏夫君) 以上ではたともこ君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○理事(小川敏夫君) 次に、大門実紀史君の質疑を行います。大門実紀史君。
○大門実紀史君 日本共産党の大門実紀史でございます。
 我が党は、今のデフレの主な原因は九〇年代後半から始まった非正規雇用拡大を含む賃金の引下げ政策にあると、それに加えて、企業の価格引下げ競争も加わって深刻なデフレになったということで、このデフレ克服の鍵は賃金の引上げによって実体経済を立て直すということが大事だということを再三指摘してまいりました。ところが、今進行しているのは実体経済と懸け離れたマネーゲームではないかというふうに思います。
 パネルを御覧いただきたいと思いますけれども、(資料提示)昨年の十一月半ばに解散・総選挙が確定をいたしまして、安倍総理の大胆な金融緩和発言をきっかけに海外の、外国のヘッジファンドなどの投機マネー、投機筋が、これから円安になるだろうと、円安になれば日本の輸出、大企業の株も上がるだろうということで、大量の円売り、そして日本買いを行ったわけでございます。資料の二枚目には円の為替の相場も出しておりますけれども、その後の日本銀行の四月四日の政策決定会合の後も巨額のマネーが動きました。今日の日経新聞にも出ておりますけれども、こういう海外の投機筋の動きに後から一般投資家が追いかけていって相場を押し上げてきたというふうに思うわけでございます。
 連日、株価の動きに注目が集まっておりまして、株が上がった上がったと言って株を持っていない人まで喜んでいるというふうな、ちょっと変な世の中になっているんじゃないかと私は思いますけれども、本当に国民の所得が増えて、企業の業績が上がって、その実体経済の反映として株価が上がるんならば私はそれはいいことだと思います、正常なことだと思いますけれども、今のこの円安、株高は、そういう実体経済が良くなったというよりも、安倍総理の、あるいは黒田日銀総裁の言動を投機の材料にして海外の投機筋が動いて、反応して、一般投資家が付いていってと、こういう相場になっているんじゃないかと思うんですね、今のところはですね。
 麻生財務大臣、デフレ担当でございますから、まず御認識を伺いたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 株はやっぱり、これは大門先生、上がったのがいかにも悪いようにちょっと感じられるようなことを言ってもらうとちょっと困るんで、そこのところはよく分かっておられるんだと思いますが、今の言い方を聞いていると株が上がったのがけしからぬみたいなように聞こえましたんで、ちょっとそれは違うんじゃないかと思っておりますが。
 いずれにしても、こういったものは株式選好で上がってきたというのはよくあるケースだとは思いますが、問題は、日本銀行は、共同声明にもありますように、最初から第二、第三の矢をきちんと政府はやってもらわないと、日本の実需とか実物経済とか実体というものが上がってこないと少なくとも日本の経済というものは強いものにならず、強いものにならない限りは、いわゆる雇用とか賃金とかそういったところに広がっていかないということで、もう金融だけ緩めたら駄目だったという例が、もう十年前の記憶がそこにあるんですから、我々はそんなことはできないと。ちゃんとそれに対して、我々は政府としてきちんと今度は第二、第三のをやります、財政をやります、経済成長をやりますということを話し合った上で白川総裁との間にあの共同声明というのはでき上がっておりますので、我々政府といたしましては、きちんとした対応をしていくことによって、少し時間差が出てくるのはこれやむを得ぬと思いますし、大体こういうのは賃金が一番最後に回ってくるものなんですけれども、そういった形にしていく、いわゆる実物経済を上げていくという方向にしていかねばならぬ、ここが一番これから大事なところだと思っております。
○大門実紀史君 先ほど申し上げたとおり、実体経済が良くなって株が上がることは何も否定しませんし、いいことだとわざわざ申し上げているわけでございます。今はこの投機筋が上げていると、これはちょっとやっぱり一種の金融バブルでございまして、気を付けなきゃいけないということを申し上げているわけでございます。投機筋の、投機マネーの動きというのは、実は実体経済にいい影響を与えた例は過去にございませんので、ここは慎重に警戒して御覧になるべきだということを申し上げているわけでございます。
 もう一つは、政府がこういう投機マネーを日本市場に呼び込むというようなことは大変危険なことでございまして、彼らは相場が上がりそうな材料、投機のネタがなくなれば一気にマネーを引き揚げるわけですね、今までの例からいってもですね。今の日銀の異次元緩和もいずれ賞味期限は切れると。サプライズじゃなくなると。
 そうすると、こういうマネーを引き付けるためには何かまた材料を出さなきゃならない。つまり、日銀は、更に国債を買い増すと、株も買い増すと、不動産も買い増すと、こう次々出していかなきゃいけなくなるのがこういうマネーを引き入れたことの怖さなんですよね。これはもう過去の今までの金融バブルが全てそうですので、そこはきちっと見ておく必要があると申し上げておきたいと思います。そういう危ない領域に日銀は自ら足を踏み入れられたというふうに思います。
 次のパネルを、済みません。
 日銀は過去にも国債を買ってまいりました。銀行が持っている国債を買って代わりにお札を渡せばそれは世の中に回るだろうということでやってきたんですけれども、今日もあったとおり、それは回らなかったわけですね。既にもう百兆円近く買っているんですけれども、デフレは克服できませんでした。
 したがって、このデフレの原因は、金融政策の結果じゃなくて、やっぱり実体経済の、先ほど申し上げました低賃金構造とか実体経済の問題があるにもかかわらず、既にやってきて効果がなかったことを、しかも今度は一気に大量にやろうと、大量に国債を買おうとしているわけでございます。その買入れライン、買入れ残高は二〇一四年末で一気に百九十兆円まで伸びるというのがこの前の決定会合の方針でございます。
 青いラインを御覧いただきたいんですけれども、これが日本銀行の銀行券、お札の発行残高のラインでございます。従来、日銀はこの青いラインを基に銀行券ルールというものを規定しておりました。黒田総裁、銀行券ルールって何か、簡潔に説明してください。
○参考人(黒田東彦君) 長期国債の保有残高を日銀券の残高の範囲内にとどめるというのが日銀券ルールというものだと思います。
   〔理事小川敏夫君退席、委員長着席〕
○大門実紀史君 つまり、日銀が買い入れた長期国債の残高を、銀行券の発行、青のライン以下に抑えようと。これは何かといいますと、これを超えると、日本銀行が国の借金の肩代わりをしている、いわゆる財政ファイナンスと見られてしまうので、このラインは守りましょうということで長い間守ってきたラインでございます。
 もし守らなきゃどうなるかという心配があるかというと、これも指摘されているとおり、日本の国債の信用がなくなりますと利回りが上がる、利回りが上がれば長期金利が上がる、長期金利が上がれば世の中全体の金利が上がって、住宅ローンとか企業の貸出しの金利も上がってしまって景気が悪くなる。あるいは、利回りが上がりますと、国債の利払い、国が払う利息も増えますから、国の財政を圧迫します。それが増税や社会保障の切下げにまたつながっていくんではないかということもあって、この国債の信用を保つというのは大変重要なことなんですね。大変重要なことをやっていたんです。それをいともたやすく、黒田日銀総裁になってこのラインを、まあちょっとは超えていたんですけれども、戻すどころか一気にここまで突破しようということなわけですね。
 こんなに国債大量に購入して、国債の信用が下落したらどうされるおつもりですか。
○参考人(黒田東彦君) ただいま委員御指摘のとおり、実は既に今回の量的・質的金融緩和を決める前にこの日銀券ルールの上を走っていたわけでございます。
 なお、欧米の状況を見ますと、やはり大量に国債を購入して、当然のことながら中央銀行券の残高をはるかに超える国債、長期国債の保有を行っておりまして、その下で特に国債の信用が失墜しているということにはなっておりません。
 ただ、確かに日銀券ルールというのは一つのルールでございますので、今回の金融政策の決定に当たりましても、物価安定の目標を達成するというためにこの政策を行っているわけでございますので、その物価の安定も達成され、徐々に国債の保有残高が減っていくという中でこの日銀券ルールというのは復活してくるということで、あくまでも一時的な取扱いとして日銀券ルールを適用停止にしているということでございます。
 なお、国債の信用維持につきましては、委員の御指摘の点は非常に重要な点だと思います。政府が今後の財政健全化に向けた道筋を明確にして、財政構造改革を着実に進めていくことが極めて重要である、この点は一月の共同声明でも確認されておるというふうに思います。
○大門実紀史君 欧米もやっているからというのは全然違うんですよね。日本の場合は、これだけの世界一の借金大国ですから、それだけ国債の信用については十分注意を払わなきゃいけないんですよ。よその国はルールありませんよなんて、そんなこと日銀、中央銀行総裁は言うべきじゃないですよ。分かっていらっしゃって言っているんですか。
 だから、そういう問題じゃないですよ。非常に日本の場合は厳密によく見ていかなきゃいけないのが国債の信用問題で、それは国民生活に影響を及ぼすから申し上げているわけでございまして、日銀が勝手に何か操作をしてやっている話じゃないんですよ。国民生活に直接影響が及ぶから申し上げているわけでございます。
 それと、一時的な停止とおっしゃいますけれど、ここまで買っておいて、これ戻せるんですか。国債をこれだけ買っておいて、あれだけ、また百兆売ったら暴落しますよ。これ、一旦買ってしまったら、戻すのに二十年、三十年掛かって、一時停止どころか、これは事実上、無期限停止と同じなんですよ。廃止したというのと同じなんですよ。そういうふうに、いわゆるあなたがおっしゃるマーケットからもいつ見られるか。今はいいですよ、わいわいバブルみたいになっていますけれども、急に変わりますから、市場の見方というのは。そういう危ない問題だということを私の方から御指摘をしているわけでございます。
 こんな無謀なことを進めれば、国債の信用が上がることはありません。下落するのは時間の問題でございますので、このことは本当に、危険な領域に踏み込まれたということは厳しく指摘しておかなきゃいけないし、総理もどこかで、もういいかげんやめた方がいいとおっしゃるべきじゃないかと、これすごいですよ、と思います。
 こういうマネーゲームで結局誰が、先ほど株はっておっしゃいましたけれども、今誰が得しているかという話なんですけど、これは、私の方で試算をいたしましたけれど、アベノミクス相場のおかげで僅か五か月少しの間に百億円以上株式資産を増やした、個人オーナー株主でないとちょっと計算ができないのでしただけなんですけれども、その一部をパネルにいたしました。有名なあのユニクロの誰々さんとかソフトバンクの誰々さんは、もう一人でこの僅かの間に四千億の株の時価総額増えているという異常な状況ですね。
 ですから、これは個人オーナー株主だけでなくて、大株主、資産家、株を持っていらっしゃる方、総理は二割も持っているとおっしゃいますけど、八割持っていないんですから、その二割の中でももうけている人というのは、その中の更に少ないわけですからね。そういう人たちがこのいっときで物すごいもうかっているというわけですね。これが、今のアベノミクス相場が生んでいるお金持ちに対して莫大な利益をもたらしているわけです。
 その一方で、庶民の方は、もう指摘されているとおり、賃金は上がっておりませんし、生活物価だけ上がっておりますし、この上、消費税増税とか社会保障の負担増となればトリプルパンチになりかねないと。ですから、本当に消費税の増税は絶対やめられるべきだというふうに申し上げておきたいと思います。そもそも、大金持ちがどんどん大金持ちになって勤労者の賃金が上がらないというのは異常なことです。そんな世の中、いい世の中ではございません。
 二月二十日の予算委員会で、私、アメリカの例も御紹介して、総理に、麻生大臣に、最低賃金の引上げと中小企業支援をセットで行うべきだという提案をいたしました。総理も、参考になった、研究したいと前向きな御答弁をいただきまして、その後、進化されまして、一昨日の国会では、成長戦略の重要な政策の一つにするとまで言われたわけでございます。結構なことだというふうに思います。是非、今までの延長線上じゃなく、具体的、本格的な最賃引上げ策を進めてもらいたいと思います。
 その点で、前回、アメリカの数年前の取組を御紹介したんですけれども、実はアメリカは来年も最低賃金の引上げをやろうとしております。直近の状況を若干御紹介いたしますと、アメリカは現在、日本をもう既に追い越したんですけれども、時給で七・二五ドルを九ドルに引き上げると。これ購買力平価に換算しますと、七百六十八円から九百五十三円に引き上げると。ちなみに、日本は今現在七百四十九円なんですね。もう既にアメリカに抜かれているわけでございます。
 そのときのオバマ大統領の考え方をちょっと御紹介したいと思います。資料に付けてありますけれども、大変一般教書演説でいいことをおっしゃっております。
 今夜、地球上で最も豊かな国において、フルタイムで働く人が貧困な暮らしを送らなくてもよいように時給九ドルに引き上げると宣言すると。この単一の措置によって数百万人の勤労世帯の収入が上昇すると。それはすなわち全国の企業にとって消費者の財布の中のお金が増えるということを意味すると。CEO、つまり大企業の役員ですね、の報酬が過去最高となっているのに勤労者の最低賃金が上がるのを何年も待たなければならないという事態はあってはならないと。
 すばらしい演説だと、我が党とぴったり同じことをおっしゃっているんですね。特に大事なのは、この中で、最低賃金上げれば企業にも利益が及ぶと、経済対策として位置付けていることだというふうに思うんですね。ここが大事でございます。
 この前総理と議論した後、厚労省にもいろいろ話を聞いて私分かったのは、なぜ日本が今最低賃金の対策が、もうちまちましたみみっちいことばっかりやって進まないのかというと、実は縦割り行政の影響があります。最低賃金を上げる役割は厚労省、中小企業支援は経産省、減税は財務省。ところが、厚労省だけがやれやれと言うと、厚労省の中の一般予算の中で中小企業支援もやろうとするから小さな助成金しかつくれないと。
 ここはやっぱり総理のリーダーシップで、各省庁をちょっと集めて中小企業支援の大規模な予算と最低賃金引上げとという、横断的にやることがどうしても必要です。アメリカはそういうふうにやっているわけですね、フランスなんかもですね。是非そういうことを踏み込んで、もう一か月前に議論したやつを今、二か月前ですね、申し上げているわけですから、踏み込んだ対応を考えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 大門委員がアメリカの大統領の政策、演説を評価した。日本共産党に評価された初めての大統領だと思いますが、オバマ大統領の演説で言及した最低賃金は、連邦最低賃金制度は一定規模以下の企業の労働者を適用除外としておりますので、全ての企業が、中小企業・小規模事業者が入っている日本とはちょっと状況が違うということは申し上げておきたいと、こう思うわけでございますが、しかし、いずれにしても、最低賃金を引き上げていく環境整備のためにも、成長戦略によって企業の収益を向上させ、それが雇用の拡大や賃金の上昇をもたらすような好循環を目指していきたいと、こう思うわけでございますが、その取組と併せまして、最低賃金については、厚生労働省だけではなくて経済産業省を始め各関係省庁が連携して、中小企業や小規模事業者への支援を工夫をしながら労使と丁寧に調整し、その引上げに向けて努めていきたいと、こう考えております。
 前回の安倍政権のときにも、それまで平成十四年がゼロで、十五年が一円、十六年一円で、十七年三円で、十八年五円だったものを平成十九年に十四円、二桁上げているわけでございますし、最低賃金制度をつくったのは岸信介内閣でございますから、是非こちらの方も評価していただきたいと、このように思います。
○大門実紀史君 じゃ、よろしくお願いします。
 ありがとうございました。
○委員長(石井一君) 以上で大門実紀史君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(石井一君) 次に、谷岡郁子さんの質疑を行います。谷岡さん。
○谷岡郁子君 みどりの風の谷岡郁子でございます。本当にこの顔、同じ顔を毎日お見せして申し訳なく思います。
 経済、財政を活性化させるという重要な要素は、国民のあるいは企業の将来に対する期待、希望があっての可能性であり、これを導くのが政府の政策と決定、またその実行に対する国民の信頼性だということをこの間、総理はおっしゃってきたというふうに私は理解しております。そして同時に、総理はまたこの間、規範意識という問題についていろんな形でおっしゃってきたのではないかというふうに思っております。規範意識が重要だということだと思って、これは深く同意をいたしております。したがって、私は、この積極的な経済ということを促進するための規範意識ということの問題から今日は総理と議論したいというふうに思っております。
 まず、総理、閣僚ですとか官僚ということを含めた政府が、働く者、一般の国民という人たちに対しての信頼感を持って、そしてその方々の願いに対し真摯にこたえるような姿勢を持つこと、これが最も大事な規範意識ではないかと思うのですが、その点は賛成していただけますでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさに我々、官僚組織に規範意識を持つようにということを説く以上、また、学校において道徳の導入を目指す以上、私たち自身がしっかりと自らの規範意識について厳格に自分自身を見詰め直していくことが必要だろうと、このように思います。
○谷岡郁子君 ありがとうございます。
 では、その前提に立ちまして、先日お見せしたパネルをもう一度見ていただきたいんです。(資料提示)
 国民が利用しやすい、国民の目線に立ってということで、チェルノブイリの事故の後、ロシアやベラルーシがどのようないわゆる今後の予測を含めた汚染マップを作っているか。地名入っています。それから、川の位置が入っています。何年後にどのような形になるかとかということが細かく行われています。一年間に一万一千か所でセシウムが測られています。千か所以上でストロンチウムも測っています。これ全部土壌なんです。
 次を見せてください。
 それに対しまして、この間、根本大臣や環境大臣からお答えがありました、日本で作っている二十年分の予測という地図が実はこれでございます。これは空間線量を飛行機を使って測ったものがこういうふうな形で出ているということなんです。どのくらいの粗さがあるかということは、三枚目を今見ていただくとよく分かるというふうに思います。
 片方は土壌を測り、そしてストロンチウムなども測り、細かく地名を入れて、国民から見てどこがどうなっているのか、自分の住んでいる場所がどうなっているのかということは分かりやすいじゃないでしょうか。片方は、ばあっとこういう形で日本列島の地図が出てきて、そこの一部がこういう形でプルームが流れていますよと。どちらが国民にとって使いやすいというふうにお考えになりますか。
 これ、ちょっとお聞きしたいんですけれども、総理、どう思われますか。これについて、どこが違うんでしょう。これ科学技術の問題なのか姿勢の問題なのか、どう思われますか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) まず、御指摘の地図ですけれども、それ、サイズが大分違いまして、チェルノブイリの方は大きさ五倍ぐらいですから、すぐにその形で比較するというのはなかなか難しいところがあろうかと思います。
 もう一つは、今回の事故では、チェルノブイリと違いまして、ストロンチウムとかプルトニウムというのは環境にほとんど放出されていないということが確認されておりますので、現在、こういったマップを作っておりますのはセシウムです。当初は沃素も出たんですが、もう既にそれは自然崩壊してなくなっておりますので、セシウムでございます。これは航空機マップと、それから地上にたくさんの固定した線量測定装置とか、それから自動車等による測定値を使って補正しているので、かなり詳しくはできていると思うんですが、汚染というのはいろんな起伏とか降雨などによって変わりますので、そういったことを踏まえて、全体をつかむという意味ではこれぐらいかなと思いますが、今後とも努力してより詳細ないいマップを提供するように努めてまいりたいと思います。
○谷岡郁子君 先月、私も大熊町に入らせていただきましてカウンターを持っていろんなところで測らせていただきました。ほんの数メートルで随分変わります。そして、何百メートルかということになると空間線量も大きく変わるということ、これは明らかなことなんです。
 そして、やはり住んでいる人たちから見れば、あるいは今逃げている人たちが帰ろうとする立場から考えれば、自分のところはどのくらいなのかということを、国民目線に立てば、当然のこととして私はどういう姿勢であらなければいけないかということは明らかだと思います。あるいは、食べ物にしましても、どのくらい測っているのか。自分の食べ物をいつでも持っていって測れるようになっているベラルーシの対応。あるいは、甲状腺がんだけが国際的に認められていても、その他もあるのではないかといって医療検査などをし続けている国が一方である。これは恐らく、お金があるかないかとか、科学技術があるかないかというよりは、私は姿勢の問題ではないかと思います。姿勢というものは、つまり規範意識の問題ではないかというふうに思います。
 原子力安全神話、あるいは国会の事故調が指摘するところのいわゆるとりこの関係ということに関して、専門家と言われる人々が原子力委員会あるいはその他の諮問委員会などで国民の安全を守るために十分な指摘をしなかったということは様々な形で指摘をされております。これは一体、日本の学問の専門性が低いということなのか、ふさわしい人が選ばれていなかったということなのか、それとも規範意識が、あるいは倫理観が問題になっているのか。この点について文科大臣はどうお考えになりますでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 日本学術会議が平成十八年に取りまとめた科学者の行動規範では、科学行動とその成果が広大で深遠な影響を人類に与える現代において、社会は科学者が常に倫理的な判断と行動をなすことを求めているというふうにしております。
 さらに、この日本学術会議は、この東日本大震災を踏まえまして科学者の行動規範を今年の一月に改訂いたしました。内容は、科学者は社会が抱く真理の解明や様々な課題の達成に向けた期待にこたえる責務を有する、これを追加いたしまして、自主的、自律的に周知を行っているところでございます。
 文部科学省でも、この一月、科学技術・学術審議会におきまして、東日本大震災を踏まえた今後の科学技術・学術政策の在り方についての建議が取りまとめられました。具体的に申し上げますと、科学者等が社会の要請を十二分に認識することの重要性などについての建議をいただいたところでございます。
 そういう意味で、今後、国民の期待や社会の要請を的確に把握することを促進したり、課題解決のための研究開発の実施を評価していくこと等によって国民と科学者の信頼関係が再構築する、これを真摯に受け止めるということが、この東日本大震災以降、科学者に対してもやっぱり問われているというふうに思います。
○谷岡郁子君 今の文科大臣のお言葉、答弁は、本当に私は有り難いというふうに思います。そういう思いで科学者たちが行動され、またその後継者たちが養成されていけば、本当に三・一一の犠牲というものからの学びということがあるのだというふうに思いますので、私はその道を是非進めていただきたいと思います。
 ところで、この予算委員会で、汚染水を入れた地下貯水槽がいかにいいかげんに造られていたかと、また、いかに安易に本来入るべきではなかった高濃度汚染水が入れられたかということが明らかになっていました。東電は、経営上のリスクの方が、国民の安全や、国土、地球の環境のリスクよりも大切だと考えているのではないかというふうに国民は疑っておりますが、それに対して東電はどういうふうにお答えになりますでしょうか。
○参考人(内藤義博君) 東京電力の内藤でございます。お答えいたします。
 まずは、この度、汚染水を漏えいしてしまったということに加えまして、原因究明に相当時間が掛かっているということもあり、大きな御不安を与えているということで、まずはおわびを申し上げたいと思います。
 当社は、責任ある社会の一員として、安全の確保あるいは環境への最大限の配慮をしていくということが企業活動の大前提だと思っております。今後、皆様に御安心いただけるように、汚染水の対策、これはとにかく、安全性の向上、さらには環境確保対策、これにつきまして、あらゆる経営資源を投入いたしまして全力を挙げて責任を全うしてまいりたいと思っております。
○谷岡郁子君 おっしゃる言葉を素直に信じられればとてもうれしいんですけれども、でも、この間の、この二年余りの東電の対応ということ、これは賠償に対してでありましょうし、また様々な事故の収束、それから無主物と言われている言わば飛び散っている放射性物質に対する対応等、本当に国民の多くの皆さんはその今の言葉を素直には信じられないという状況になると思うんですね。
 それは、今おっしゃったことは、実際に三・一一以前はそうではなかったということをお認めになっているということなんでしょうか。そして、それを反省していらっしゃるということなんでしょうか。
○参考人(内藤義博君) 反省をしているかどうかというお話でありましたけれども、先般、私ども、経営・改革プランをお出ししたわけですけれども、この中では、今回の震災を津波による自然災害ということではなくて、やはり振り返ってみて、何か足りないところがなかったかどうかという視点に立って様々な対策を考えてきております。
 今現在、振り返ってみれば、二年を経過する中で、まだまだたくさんの方が避難をされている、大変不便あるいは御不自由な生活を強いられているわけでして、我々といたしますと、これにしっかり向き合って責任を全うしていきたい。賠償もしかり、さらには福島第一の安定化もそうです。私どもは全力を挙げて取り組んでまいります。
○谷岡郁子君 やはりそれはしっかりお願いしたいということを言いたいと同時に、やはり会社としての姿勢あるいはそれぞれの行動、実行ということに関する規範意識ということに対して人々が信頼を抱けないという状況があるということなんだと思います。その信頼の回復のために頑張っていただきたいというふうに思っているわけでございます。
 そして、実は私たち議員も本当に深く反省するところがございます。今日も話題になりましたけれども、復興予算の流用問題。これは、いわゆる三党合意なるものによって、当初、政府の案では、被災地、被災者以外には使えなかったはずのものであったものが、実は三党合意によって法律に穴が空けられ、流用が可能になりました。そして、私も、同僚議員たちがそういうような、ほかの土地でも使えるようにするべきだというようなことをこの予算委においてさえ言われていたことに対して、本来はおかしいなといぶかしくも思い、それでいいのかという疑問も抱きながら、私が大きな声を上げなかったというのは当時事実であります。そのことを自分自身の規範意識の問題として本当に深く反省をいたしておりますし、被災者の皆さんには申し訳ないということを心から謝罪をいたしたいと思います。
 こういう国会議員自身の規範意識の問題、そしてそれを最大限に活用していろいろなところに、そして被災地、被災者とは何の関係もないところにどんどん流用した各省庁の官僚たちのその規範意識の問題、同時に、それが、そういう形で利用してしまった、本当に困っていらっしゃる被災者の人たちがいるということを知りながら、自分たちの会社のもうけなどに使ってきた多くのそこに加担した人々、この社会的な規範意識こそが今問題になっているのではないかというふうに私は思うのであります。
 このことについて、やはり財務大臣、私たちの予算の作り方にしても、そしてこれが実際に各省庁から上がってきたときの審査の在り方にしても、どこかでやはり国民の規範意識とこの復興予算の使い方については乖離があった、ギャップがあったというふうには思われませんですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 規範意識のことに関しましては、これはそれぞれ御本人の胸に手を当てて考えてもらわなきゃいかぬところなんだと思いますので私の方から申し上げるわけにはいかぬのですが。
 復興関連予算の使途については、その後いろいろ、昨年からお話もあっておりましたように、国会での指摘等々を踏まえて、安倍内閣として初めて開催された、あれは復興推進会議だったと記憶しますが、そのときにおいて総理の方から、流用等の批判を招くことがないよう使途の厳格化を行うという旨の指示があったところでもあります。いずれにいたしましても、こういった復興に直接効果が生じる施策のみを復興特別会計に計上することを基本といたすということにいたしております。
 震災直後、各方面で様々な施策が必要ということを考えられましたけれども、復興財源というものを活用した事業としての必要性とか有効性について必ずしも国民の理解が得られなかった事業もあるということではないかと思います。そういった意味では、今後とも、復興関連事業の企画とか立案とかいう段階から心しておかなければならないものと考えております。
○谷岡郁子君 私は、規範意識の問題でたまたま復興予算の問題を取り上げました。たまたま、国民が見る汚染地図の問題を取り上げました。しかし、私が本当に申し上げたいことは、そういうものを作り出してしまう、結果として、いわゆる働き方のマインドセッティングの在り方、意識の向き方の在り方、どこを見て仕事をしているのかという在り方の問題でございます。
 道徳教育は重要です。しかしその一方で、子供は言われたようにやりません。そうではなくて、大人がやっているようにやります。若者は教えられたように行動するのではありません。もっとエリートたちが行動しているように行動するのであります。国会議員、官僚、大企業の経営者あるいは専門家等、この国のエリートたちが規範意識を持たないじゃないかと疑われるような行動をしている限りは、そこに対する、国に対する不信ですとか政治に対する不信、あるいは未来に対する不安というもの、これがやはり思い切ってチャレンジしようという気持ち、そしてこの社会と一緒につくっていく気持ちというものを国民の中から奪ってしまうのではないかと私は思っているわけです。
 総理、これを変えるためにやはりいろんなことを考えなければならないのではないか。例えば官僚の採用の在り方というものに対して、もっとやはり倫理意識というようなものの観点に対して見るということはできないのだろうか。例えば、圧倒的に官僚がたくさん卒業している例えば東大法学部というようなところについては、いわゆる初歩の一般国民としての道徳ではなくて、ノーブレスオブリージュというような、より高いエリートとしての規範というものを身に付けさせるためのことをやらなくてはならないのではないか。そして、総理の部下であります官僚の規範意識というものが常に様々な箇所で、様々なところで問題にされて、お互いに対してピアチェックが行われるようにされなければならないかというふうに私は考えるのですが、総理はいかがお考えでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先般、公務員の初任者研修に参りました。訓示をしてきたわけでございますが、そこに集まった若い皆さん、本当に熱意に燃えていました。国民の奉仕者として全力を尽くしていこうという熱意を持っていたと思います。そういう意味においては、まさに二十二歳、二十三歳、そういう情熱に燃えているんだろうと思います。それを持ち続けることができるかどうかということなんだろうと思います。ここに私の秘書官たちがいますが、入省してから結構たつんでしょうけれども、彼らはまさにそのときの青雲の志を持ち続けていると思いますよ。昼夜を問わず一生懸命働いています。
 ですから、そういう意味においては、我々自身がまさに彼らの士気を高めていくことができるかどうかということも極めて重要なのかなと、こんなようにも思いますし、言わばエリートと言われる人たちが、今おっしゃっていただいたような、エリートであるがゆえに持つ責任の重さというものをしっかりとかみしめるような、そういう認識を持ってもらえるような、様々な場でそういう意識を持っていただきたいと。もちろんそれが教育の場であってもいいんだろうと、このように思います。
○谷岡郁子君 子供の道徳教育ということも大事ですが、まずその前にやはりそのエリートの規範意識ということをしっかりやり、そしてそれが国民の信頼を得るような形で私たちはこの国の規範意識をつくっていかなければならないのだと思います。
 終わります。
○委員長(石井一君) 以上で谷岡郁子さんの質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(石井一君) 次に、福島みずほさんの質疑を行います。福島さん。
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 総理、小泉政権において、二〇〇四年、労働者派遣法を変えて、製造業も派遣可能としました。この政策は正しかったと思いますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 平成十五年の製造業への労働者派遣の解禁は、厳しい雇用情勢の中において雇用の場の確保等を目的として行われたものであります。つまり、経済がグローバル化する中において、企業そのものがそのグローバルな競争の中ではなかなか立ち行かない、あるいは製造拠点を日本から外に移さざるを得なくなるかもしれないという中において、雇用の場を確保するという目的で行われたものであります。そういう意味においては、この小泉政権の取った政策はそういう状況の中で必要に迫られたものであったと、このように考えております。
○福島みずほ君 でも、製造業も派遣が可能となった結果、二〇〇八年十二月、派遣切りが大量に起きて、派遣切りが行われれば職も失う、住まいも失う、行く場所がない。あのとき派遣村が日比谷公園にできたことは、本当に私もあのときショックでした。自己責任、自己責任、自己責任と言われていたけれど、法律によって、まさに政治の結果これが起きたんだということを痛感しました。だから、政治は雇用の立て直しをしなくちゃいけない、雇用の劣化を食い止めるべく労働法制の規制をしなければならない、そう思っております。労働契約法の改正や派遣法の改正、不十分ですが、国会は規制を強化する方向に動いてきたというふうに思っています。
 ところが、安倍政権になって、産業競争力会議、規制改革会議で言われているのは労働法制の規制緩和です。労働者派遣制度の見直しと弾力的運用、これが言われています。総理、また派遣の規制緩和をするんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、産業競争力会議において様々な議論がなされています。経済財政諮問会議においても議論がなされているわけでありますが、これから我々は日本を力強く成長させていきたいと、こう考えているわけでございまして、その中においても成長戦略が極めて重要であります。
 この成長戦略を進めていく上において、あるべき社会像、いろいろと社会像を定めまして、そこに向けて国家資源を投入をしていく、あるいは規制を緩和をしていくことによって、投資を促し、雇用をつくりと、そして企業は利益を上げ、そして勤労者にそれを均てんをしていくと、そういう中で、好循環、景気好循環の中において日本の経済は成長していく。そこで、言わば成熟した産業とこれからまさにどんどん伸びていく産業というものがあるわけでございまして、そこで、労働者が成熟した産業から言わば新しいところに移っていきたいという思いを抱く方々に対してはしっかりとジョブトレーニング等の支援もしていくわけでありまして、我々は失業なき言わば労働移動を可能にしていこうと、こう考えているところでございます。
○福島みずほ君 小泉政権下でタクシー、ハイヤー、バスの規制緩和、台数の規制緩和をしました。タクシーの運転手さん、軒並み年収が下がって本当にひどい状況になった。今、非正規雇用の人、パート、派遣、契約社員は三五%、何と女性の五四%が非正規雇用です。
 株を持っていない人も株が上がったと浮かれている。でも、一方で、安倍内閣が打ち出しているのは労働法制の規制緩和なんですよ。どんどんそのオンパレード。もう一回雇用を壊すんですか、もう一回雇用の劣化を引き起こすんですか。本当にこれには反対をしていかなければならない。自己責任ではなくて、労働時間の本当に、非常に緩めるとか、派遣の規制緩和は入っているんですよ。
 総理、第一次安倍内閣のときに、解雇のルールの規制緩和、それからホワイトカラーエグゼンプション、つまり一定のものについては労働時間の規制を全部取っ払う、だから残業代を払わなくていい。私たちは、社民党は残業代不払法案あるいは過労死促進法案と反対をして、これは国会には出ませんでした。しかし、その解雇のルールの規制緩和、日本はもっと解雇しやすくした方がいい、委員の中には、民法のルールどおり、判例が解雇は濫用してはならないというのは見直すべきだという論さえ出ています。
 総理、どうなんですか。解雇のルールの規制緩和、それからホワイトカラーエグゼンプション、裁量労働制、また出てきていますよね。これ、おやりになるんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 働き方については、その専門によってそれぞれいろいろとあるわけでありまして、例えばこんな議論があったんですね。研究者においては、言わばひらめいたときにはずっとその日、言わば寝ないでそのまま研究を続けた方が成果が出てくる。しかし、今の労働法制上、それができなくなっているので、それは変えてもらいたい。それは、なるほど、もっともだなと、こう思うわけでございまして、先ほど例に挙げられたホワイトカラーエグゼンプションというのは、これは、言わば管理職に近い方々の中において、そういう働き方の方がいいという方だっておられるわけでございまして。
 今回は、しかしまだその議論はされておりませんが、最初から議論を縛るのではなくて、その中において、どうやればまずは産業競争力を高めることができるかという議論を自由闊達にしていただいた上において、もちろん雇用については、これは非常に重要な話でありまして、そこで働く勤労者は職場において得る給料において生活を営んでいるわけでありますし、労働条件というのはもちろんこれは保障していかなければならないわけでございます。そういうものを踏まえる上において、どのような仕組みにしていくことがいいかということについて今活発な議論が行われているということでございます。
○福島みずほ君 ホワイトカラーエグゼンプションは、みなし管理職の人も、今パートだって管理職だったり店長だったりしていますよね。みなし管理職の人は全部労働時間の規制撤廃するというひどい中身だったんですよ。これだともう残業代を払わなくていい。本当に労働時間の、今、長時間労働ですよね、正社員の方も。これを取っ払ってしまって、残業代も払わなくていいとなったら、一体どういう状況が起きるのか。この産業競争力会議、この構成員だって働く人の代表も出ていないし、それからむしろ派遣や雇用の流動化でもうかる人たちは結構入っていますよね。
 総理、雇用の流動化という名の下にもう一回雇用を壊すのか。この中には労働法制の規制の観点はないんですよ。全部規制緩和です。裁量労働制、労働時間の規制の撤廃、派遣法の弾力的運用やもっと規制を緩和をする、解雇のルールをもっと弾力化する、解雇しやすくする。流動化って、流動化がうまくいけばいいですよ。でも、解雇がしやすくなる、あるいは、おまえはいつだって首になる可能性があるぞってなれば、今ある追い出し部屋やブラック企業や、本当にみんなうつ病になったりしながら働いている、そんな状況、もっと悪くなるというふうに思います。解雇のルールの緩和化、もっと解雇しやすくする、あるいは金銭解決すれば裁判所が解雇は無効としても解雇できる。それはおやりになるつもりですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今までこの委員会においても何回も答弁をさせていただいているわけでございますが、先ほど、例えば派遣について言えば、世界のこのグローバルな経済の中で競争をしているわけでありますから、そこでこれでは勝ち残れない、あるいは言わばもう工場ごと外に移すということになってしまったら、みんな丸ごと根っこから仕事がなくなっていくんですよ。
 しかし、だから、そういう状況をつくってはいけないという中において、あのとき言わば製造業の皆さんにもこれは広げたわけでございまして、もしそれがなかったら、これはほとんど、例えば多くの自動車メーカーを始め家電メーカーの工場は日本からなくなっていたかもしれないということになれば、これはその工場のみならず関連の下請企業も全部含めて仕事を失うということになるわけでございます。
 そこで、大切なことは、やはり経済を成長させていくということでございます。先ほど申し上げましたように、自動車産業の多くは海外に生産拠点を移すということをもう一度考え直しているわけでありますし、日産もそうであります。
 そこで、今おっしゃった金銭によって自由に解雇ということは全く考えていないということは、もう何回も申し上げているとおりであります。
○福島みずほ君 事前の金銭解決については駄目だけれども、甘利大臣は、これは事後の金銭解決ですることは選択肢としてあり得るというふうにおっしゃっていたので確認をさせていただきました。
 企業は二百四十兆円内部留保を持ち、労働分配率が下がり、労働者の賃金は下がり続けてきたわけです。この間起きたことは、雇用の破壊であり、雇用の劣化です。今の総理の答弁だと、要するに企業が潤えば何とかなるということだけど、そうならないんですよ。まず労働法制をどうするかということもやらなければ、結局、労働、暮らしの基本が壊れれば、そうすれば人は物を買えない、失業する、内需は拡大できないわけです。
 ですから、分厚い中間層をつくるためには、最低賃金を上げること、正社員化をすること、均等待遇の実現、そういうことをやる。労働法制は、やっぱり長時間労働で過労死する人もいるわけだから、労働時間の規制をする、そのことこそやるべきですよ。それをやらなければ、一%がもうかるけれども九九%は中間層からすらずれ落ちるという、そういう状況が起きるわけです。
 この産業競争力会議、経済財政諮問会議、規制改革会議が雇用の規制緩和のみ議論していることについて、これは大問題だということを強く申し上げ、この方向は国民は許さないということを大きく展開していきたいというふうに思います。
 次に、自民党の新憲法草案についてお聞きをいたします。(資料提示)
 自民党の日本国憲法改正草案がありますが、憲法十三条は、公益及び公の秩序によって基本的人権を制限できる、表現の自由も結社の自由も公益及び公の秩序によって制限できるという中身にしているわけです。これは、公益とは何か、公の秩序とは何か。公益というのは国益になってしまうんじゃないか、あるいは政府の利益とほとんど同じになってしまうんじゃないか。基本的人権は本当に、ほかの権利の利害対立でなければ、表現の自由も、もちろんプライバシー権やいろんな権利によって制限できるが、この自民党の案だと公益で制限できちゃうんです。
 そこで、総理にお聞きします。沖縄辺野古に海上基地を造るというのは、自民党の、そして政府の既定方針です。沖縄辺野古に基地を造るべきでないという表現の自由、あるいはそれに反対する活動、結社の自由、これは公益に反するんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 公益に反するかどうか、一々私がここで判断する立場にはございません。当然、辺野古に言わば普天間から移設をするということについて様々な意見を表明する、これは当然、日本は表現の自由がございます、結社の自由もございますから、それはもうどうぞ自由にやっていただいてということでございますから、それは反するということではございません。
○福島みずほ君 例えば、上関原発を造る、設置許可を新規にやる、そのときにこれに反対する活動、表現の自由、これは公益に反するんですか。結社の自由は公益及び公の秩序に反してはならないというふうに自民党の案はなっていますよ。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) つまり、例えば上関の反対運動を展開をしている人たちは法令に反しているんですよ。法令に反しては駄目ですよ。表現の自由で暴れて人を殴ったりけがをさせる、もうこれは駄目ですよということを我々は申し上げているわけであります。
○福島みずほ君 当たり前じゃないですか。人を殴れば傷害罪ですよ。
 この自民党新憲法草案が問題なのは、公益という訳の分からないお化けのような概念で上から基本的人権を制限できるというふうにしていることなんです。だから分からない。しかも、表現の自由もこれは制限できるんです。
 公益及び公の秩序に反するという理由で法律を作れば、それは合憲になっちゃうんですよ。だから、何が公益及び公の秩序になるのか、訳の分からない概念で基本的人権を制限してはならないんですよ。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私は今はここに総理大臣としているわけでありまして、そこで、自由民主党としては草案を出しておりますけれども、しかし、まだこの草案を実際にこれ提出していないんですから。これは逐条的にやっていきますから、まず我々は九十六条から自由民主党はやろうということにあって、今おっしゃっているのは十三条だと思いますが、それについてはここで、まだ出してもいないやつをこの予算委員会で、しかも集中質疑でしょう。だから、私も総理大臣としての職務はありますよ、でも時間を取ってここに来ているんですけれどもね。それなのに、何回も何回もやった議論をここでまたやるんですか、しかし。(発言する者あり)いや、大事なことだけれども、これ経済についての集中じゃないの。でも、それで、大事なことと言われたって、総理大臣として大事な仕事だってたくさんあるんですよ。それなのに、今ここに来て、自由民主党がまだ出してもいない草案自体を、草案として発表していますよ、でもそれを今、国会で発議もしていないわけでありますから、それをしかしここで審議をするということというのは、経済問題についてもうやることはなくなっているんだというふうに私はまず理解させていただいて答えさせていただきたいと、このように思います。
 今回の改正では、この十三条について、公共の福祉ということについて、意味が曖昧である公共の福祉という文言を公益及び公の秩序と改正することによって、憲法によって保障される基本的人権の制約は人権相互の衝突の場合に限られるものではないことを明らかにしたものであります。
 なお、公の秩序と規定したのは、反国家的な行動を取り締まることを意図したものではもちろんありませんと、こういうことであります。公の秩序とは社会秩序のことであり、平穏な社会生活のことを意味するわけでありまして、個人が人権を主張する場合に他人に迷惑を掛けてはいけないのは当然のことであります。そのことをより明示的に規定しただけであり、これにより人権が制約されるものではないということを、自由民主党のまさにこのQアンドAに書いてあるとおりでございますので、このとおり素直に理解をしていただければよろしいのではないかと思います。
○福島みずほ君 もちろん読んでいますよ。自民党新憲法草案を政権党として、これは野党時代ですが発表していて、これが極めて重要だからですよ。憲法は最高法規でしょう。これがまさに大事だから聞いているんです。
 そして、公益及び公の秩序によって制限できるということは、こうなんですよ。何によって基本的人権が制限できるのか、それがはっきりできなくなるわけですよ。これは立憲主義に反する、つまり、多数決の民主主義によって選ばれた政府、国会によっても、これは多数決によっても制限できない基本的人権がある、それが立憲主義の考え方です。でも、この自民党新憲法草案は、多数決で、国会の法律によって、あるいは内閣の法律によって公益及び公の秩序という概念を使えば幾らでも制限できる、国民を縛るものなんですよ。これだと基本的人権はなくなってしまう。
 大日本帝国憲法は法律の留保によって権利を保障していました。だから、幾らでも法律を作った。治安維持法やいろんな法律を作って、権利は最後なくなってしまいました。この自民党新憲法草案もそうだから問題にしているからです。表現の自由や結社の自由が制限される、そんな社会は駄目なんですよ。
 立憲主義に関して、憲法は政府を縛るものである。しかし、これは国民を縛る憲法なんですよ。だって、国民の憲法尊重擁護義務、あるいは公益及び公の秩序に従う義務、家族協力義務など、国民を縛るものなんですよ。この日本国憲法草案は国際人権規約にも明確に反している、基本的人権の考え方に本当に反していると思います。
 総理、集団的自衛権の行使に関して、ずっと歴代の政府は、解釈改憲でもできない、集団的自衛権の行使はできないとしてきました。それを総理は解釈改憲で認めようとしている。それは問題だと思います。明確に違憲ではないですか。
○委員長(石井一君) 時間が来ております。
 総理も答弁をされておりますが、今日は経済財政の集中審議をしておりますが、総理大臣、最後に一言、締めくくってください。次に移ります。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 自由民主党は憲法改正草案を自信を持って提出をしております。憲法審査会でじっくりと議論をしていただきたいと思います。
○福島みずほ君 終わります。
○委員長(石井一君) 以上で福島みずほさんの質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(石井一君) 次に、中山恭子さんの質疑を行います。中山恭子さん。
○中山恭子君 日本維新の会、中山恭子でございます。
 今日は、文化政策についてお尋ね申し上げます。
 二〇一五年には、日本は敗戦後七十年を迎えます。そのときまでには、日本のあるべき姿を十分に議論し、形作っておかねばならないと考えています。新憲法の制定を、又は憲法改正を始めとして、社会インフラの整備、技術革新、国防の整備など、やらねばならないことが山積しています。今、私たちは、この後の五十年、できれば百年後の日本がどのような国として国際社会の中で存立し得るか、その礎を築くとても重要な時を過ごして生きていると考えています。
 そして、経済力、軍事力、共に国家として不可欠のものですが、それのみでは決して最後のとりでとはなり得ません。平和と豊かな社会を根底的なところで支えるのは文化であると考えています。日本が長い歴史の中で育んできた日本の文化はすばらしいものです。世界に誇れる文化力です。先ほどクールジャパンの話が出ましたけれども、もっとより本格的な政策、より基本となる政策をおろそかにしてはならないと考えています。
 日本の将来を描くとき、日本の文化の底力をもって国力を高める文化立国を一つの柱と考えてはいかがでしょうか。文部科学大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 中山先生が長年にわたって文化に対して大変な御尽力をいただき、「文化のプラットホーム日本」という本も書かれていることに対して、本当に敬意を申し上げたいと思います。
 おっしゃるとおり、これから、日本は世界の中でも圧倒的な伝統文化を誇る国でございますし、その日本が誇るべき、また世界に貢献すべき分野として、文化立国、文化芸術立国こそこれから目指すべき方向性であるというふうに思いますし、今、安倍内閣の中でもクールジャパンについて戦略を練っているところでございますが、もっとトータル的に、今御指摘のように、まさに日本そのものの文化芸術をしっかりと、予算も裏打ちする中で、これから立国に向けて目指していくべきだというふうに思いますし、是非御支援をよろしくお願いしたいと思います。
○中山恭子君 ありがとうございます。
 ただ、そう考えますときに、現在の日本の文化芸術予算というのは余りにも少な過ぎると思います。例えば、文化庁予算で見ますと、本年度予算案で千三十三億円、国家予算に占める割合は〇・一一%です。文化大国と称されるフランスは、二〇一二年の予算で、国家予算比で一・〇六%、四千四百七十四億円を付けております。最近文化に力を入れる韓国でも、国家予算比〇・八七%、千四百十八億円を付けています。
 諸外国との比較、文化予算の比較というのは非常に難しいということは承知しておりますが、あえてお伺いいたします。文化芸術関連予算の思い切った拡充が必要であると考えますが、文科大臣、あと麻生財務大臣のお考えをお伺いいたします。
○国務大臣(下村博文君) 御指摘のように、今年、平成二十五年度の予算、文化関係は総額一千三十三億円、これは過去最高ではありますが、対前年度比一億円増でございまして、ここ十年間、それほど額が増えてきているわけではございません。自民党のJ―ファイル二〇一二でも、世界に誇るべき文化芸術立国を目指しますと。我が国の文化関係予算は高い水準にあるとは言えず、文化芸術立国の創出に向けて予算の増額を目指しますということは、選挙公約の中にも入っているわけでございます。
 私が文科大臣になって、今、この芸術文化立国に向けての省内で具体的な提言を作っているところでございまして、これができましたら政府全体に是非提案を取り上げさせていただいて、また麻生財務大臣の御理解もいただきながら、来年度以降、是非飛躍的な予算の増額になるような戦略をしっかり打ち立ててまいりたいと思っております。
○国務大臣(麻生太郎君) 一億と、何となく寂しい感じのお話でして大変恐縮でございますけれども、これは毎年一億、一回も減ったことなく一億ずつ来たことだけは確かでございまして、なかなか厳しい情勢にあって、なかなか文化というと予算が付かなかったということは事実でございます。
 ただ、先生、例えば文化財の分野なんかで、いろいろ文化財の保護やら何やら継続的にやらねばならぬ、補修せねばならぬ、メンテナンス、いろいろございますけれども、そういったものでいえば、例えばいわゆる建造物の保存の修理などには九十八億、前年度比八億六千万付いていたり、いろんな形で付いておったり、音楽等々では新しく、全く新規に三十億付いたり、いろいろそういったものは付いているということも事実でございますけれども。
 いずれにしても、めり張りを付けていかないといかぬところでして、いろんな意味で、何となく、これは芸術に御理解いただく方と全く無関心の方との差は結構激しいので、私ども、予算のときに珍しい方が、頼む、これだけは何とかせいと言われて、ああ、こういう人に文化の理解があったかと驚くような方が言ってこられたりするのは正直うれしくなって、何となく、ほうと思って、さあ、とんでもございません、応援いただきましてありがとうございますと、元文教族としてはそう申し上げるんですけれども。
 いずれにしても、絶対額が不足をしておりますので、今後、景気が良くなってきて税収等々になったときには、この文化の面につきましては、これは考えておかねばならぬ大事な分野の一つだと考えております。
○中山恭子君 是非、注目して予算を付けていただきたいと思っております。
 アニメも日本の大切な文化でありますし、アニメの殿堂ができていないのは、ある意味では非常に寂しいなと思いながら過ごしております。
 文化芸術立国を支える国の顔として、国立の美術館、博物館、劇場、これらの果たす役割というのは非常に重要だと考えています。しかし、日本の、我が国の国立美術館等について見ますと、予算は無論のこと、展示面積、職員数、収蔵品の数など、例えばルーブル美術館や大英博物館、さらに韓国の国立博物館等と比較しても非常に貧弱であり、格段の差が付いてしまっています。例えば、ルーブル美術館の職員数は、上野にある東京国立博物館の十倍以上います。
 国立の美術館、博物館、劇場が国の文化の顔としてふさわしい人員と予算を確保するということは必須の課題であると考えていますが、下村大臣、どのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 御指摘のように、私もたまたま先週、上野の国立西洋美術館と、そして東京芸術大学に行ってまいりました。この上野は、もっと連携を取れば、もうここだけでも一千万人ぐらいの方々に来ていただけるような美術の森になり得るけれども、今その三分の一もなかなか、年間、人が来るのが難しい状況だと。もっともっと持っているものを掘り起こすということを、お金を掛けないでも新たな発想によって対応することは大変に必要だというふうに言われました。
 しかし、その中でも、先生御指摘のように、国立の美術館、博物館、劇場は、独立行政法人以降、入場者数の増加や業務の効率化など一定の成果を上げてきてはおりますが、厳しい財政状況の下、学芸員等の専門人材の確保が困難となってきていたり、また法人の余剰金について、いわゆる経営努力認定がされていないなどの問題がございまして、法人経営の厳しさが増しているということをそのときにも指摘をされました。
 文部科学省としては、国立の美術館、博物館、劇場が国の顔としてナショナルセンターの機能を一層発揮するために、必要な人員、予算の確保に努めるとともに、今後の独立行政法人の見直しにおいても、各法人がそれぞれの特性を生かしてその能力を最大限発揮できるよう、現場の意欲を喚起する改革を目指していくことが必要であるというふうに考えております。
○中山恭子君 今のお答えを伺って、ちょっとほっとした思いがございます。
 美術館など文化法人が幾ら頑張って自己収益を上げても、現在の固過ぎる基準によって経営努力が認められないという問題が指摘されているところでございますし、また、今大臣おっしゃられましたように、国立美術館、日本芸術文化振興会、国立文化財機構と、三つの独立行政法人を統合するというような話も出ていると仄聞しております。この、ただ数合わせで、中身を無視して独立行政法人を統合しても、かえってその組織の良さが失われてガバナンスや透明性を損なうと、そういう心配をしておりました。今大臣のお話を伺いまして、まだ少し希望が持てるかなと、そのように思ったところでございます。
 世界の諸国の中で文化の国といえば、きっと誰でもフランスという名前を挙げるだろうと思いますが、フランスが文化大国として、文化のある国だと考えられるようになった歴史を見ていきますと、決して自然に文化大国になったわけではありません。フランスの人々の文化立国となるための努力、そして六〇年代に初めて文化省をつくり文化大臣となったアンドレ・マルローの存在が大きかったと言われています。このアンドレ・マルローの動き、働きに関しては、ドゴール将軍との出会いというものが大きな契機となっております。
 一九五八年六月、ドゴール政権成立によってアンドレ・マルロー氏は情報相となりました。さらに、一九六〇年から六九年にかけては文化相として、十年以上文化相としての仕事をし、フランスが文化大国となるための政策を遂行いたしました。
 フランスを文化の国としてつくり上げてきたアンドレ・マルローのもちろんその力もありますが、私もその文科大臣の情熱に期待をしておりますが、それだけではなくて、やはりそのときのドゴール将軍のアンドレ・マルローを支えるその力が非常に大きかったと、十何年間にわたって文化相として任せたと、この形というものが非常に大きかったと思っております。
 安倍総理、そういった形で長期にわたって日本の文化立国をつくり上げていくための動きというものをどのようにお考えでいらっしゃいますでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま中山先生からフランスの取組についてお話をいただきました。ドゴールは、まさにフランスの誇り誰よりも持っていた大統領と言われておりますが、その中においてアンドレ・マルローを文化大臣に指名をして、そこから国家戦略として文化を中心に据えたんだろうと、このように思います。
 我々日本も長い伝統と文化、優れた文化を持っているわけでございまして、これらをまさにソフトパワーとして活用していく。そして、やはりこの日本の中心にそうしたものを据えていくことが国柄としても日本が海外から尊敬されることにつながっていくんだろうと、このように思う次第でございます。
 予算については、すぐにどんと、こう増やすわけにはいかないわけでございますが、常にそうした考え方を持ちながら文化に対する支援を続けていきたいと、このように思っておりますし、世界にも発信をしていきたいと、こう思っております。
○中山恭子君 アンドレ・マルローは、一九七四年に日本を訪問して、那智の滝とか伊勢神宮を訪問し、参拝し、日本の文化に対して非常な親しみを示した方でございます。日本も、フランスと同じようにというよりは、日本らしい形で日本が文化を基礎に置いた国となるように是非お考えいただきたいと思っております。日本が国際社会の中で信頼され、尊敬される国家として成り立つ、存立する一つの形、これが文化立国であり、世界の文化のプラットホームとなるということを私自身は提案してきております。
 今日は資料をお渡ししておりませんが、いずれお手元にお届けしたいと思いますが、「世界中の文化が輝き、溢れ、交流する「場」を目指して」という提案を二〇一〇年六月にいたしております。日本文化による国際貢献を考える研究会が提案したものです。
 日本であれば、日本の文化の水準は全国どこに行っても非常に高いものがございます。また、日本の人々が持っている規律正しさ、礼儀正しさ、そういったものというものも世界に誇り得るものであり、世界の人々が日本を訪れる大変良い資質を日本は持っていると考えております。
 その日本で、将来、あらゆる国の文化が集まり、共演し、そこに新しい文化が創造されてくる、そういう国、そういう場を日本が国際社会に提供する、そんな構想を描いております。
 先ほど下村大臣から少し触れていただきました。昨年の九月には文化のプラットホームとしての日本という議員連盟を発足することができました。下村大臣にもお入りいただいております。ただ、この事業は国だけでできるものではありません。国、地方公共団体、民間団体、地域の人々、日本の人々があらゆる形で一緒になって行っていかなければ成り立たない事業だと考えております。下村大臣、この構想についてどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 今日も午前中、私のところに近藤文化庁長官が来られまして、芸術文化立国をこれから構想するに当たって、歴史的に言えば、唐の長安がやはり世界中の、当時、文化の結集する場所であったと、そういうものをこれから日本が目指すべきであるという提言がございましたが、まさに今先生がおっしゃる文化のプラットホーム、世界中の文化芸術が日本に集まってきて、日本に来れば、もちろん日本の伝統文化だけでなく、世界の文化がここで、芸術レベルが高い人を含め、作品も含め、一堂に見ることができるし、またそういう場であると、それが結果的に日本の経済発展、日本の大きな世界貢献にもつながると。
 そういうことこそ、まさに日本の国柄、日本のすばらしい目指すべき方向であるというふうに思いますし、是非党を超えて力を合わせてそういう日本をつくっていくように私も一生懸命頑張りたいと思います。よろしくお願いいたします。
○中山恭子君 よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
○委員長(石井一君) 以上で中山恭子君の質疑は終了いたしました。(拍手)
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○委員長(石井一君) 次に、舛添要一君の質疑を行います。
 なお、三、四分時間が押しております。舛添委員におかれましては、その点御協力をいただき、近い将来埋め合わせをいたしますので、よろしくお願い申し上げます。舛添要一君。
○舛添要一君 アベノミクス、今のところ大変な成果を上げております。私も大胆な金融緩和ということをずっと主張してきましたので、大変うれしく思っております。
 ただ、三本の矢以外にもこういうところを注意しないといけないよということを常に申し上げておりますので、今日も余り皆さんが注目していない会社法の問題取り上げたいと思います。それで法務大臣にいらしていただきました。
 二月十九日の予算委員会で、私は、給料が上がらないと、従業員の給料が上がらないと駄目だよと。そのときに、稼いだものを内部留保にするのか設備投資するのか、これは麻生副総理とも我々のふるさとの福岡県の企業の例なんかでお話ししました。そのときに、外人投資家なんかがたくさん入って配当性向が高過ぎるという話をしました。
 そうすると、そこからの発想は、総理、諮問会議でついせんだって議論を始めたように、じゃ、日本型の資本主義、株主資本主義じゃないやつを目指すと。これはこれでいいんですけれども、だからといって古い形の企業のガバナンスを残したら、これまた足をすくわれますよということを申し上げたいわけですよ。
 これだけグローバル化が進んでいますと、やっぱり企業のガバナンス、コーポレートガバナンスがしっかりならなければ、これはとてもじゃないけれども、ベースマネー増やしたところで、企業にお金が集まって増資をして、そして一気に業績を上げる、それで初めて賃金も上がるわけですから、それを問題にしたいんですが、法務大臣、昨年の秋に会社法の要綱決まりました。残念ながら、いろいろな政局や何かがあって、まだ成立しておりません。簡潔にこの会社法の特色、こういうことを変えるんだということを御説明、国民のためにしていただけますでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 簡潔に申し上げるのはなかなか難しいんですが、御指摘のように、昨年の九月、法制審議会から要綱をいただきました。
 これはコーポレートガバナンスの強化、それから親子会社に関する規律等、こういったものに対する答申でございますが、その中身をもうちょっと申し上げますと、社外取締役の機能を活用するための社外取締役の要件の厳格化とか、あるいは多重代表訴訟の創設といったことを内容としております。そして、あんまり、そこまで全部もう今御答弁しちゃうのがいいのかどうか分かりませんが、要するにライツイシューとか、なかなかこれ一般には知られていない言葉かもしれませんが、こういうことがより円滑にすることができるようにして、資金調達の完了まで機動的にやれるような体制を整えていこうという内容を含んでおります。
 これ、去年答申をいただいてからまだ具体的な法案化はできておりませんが、総理からもこの間御指示をいただきまして、早くやるようにと、こういうことでございますので、できるだけ早く法案化をしてまいりたいと、このように思っております。
○舛添要一君 この前の会社法の大改正のときも、私はあのとき予算委員会の理事をやっておりましたけれども、大変でした。それはもう御答弁なさる法務大臣が大変御苦労なさったのを記憶しておりますけれども、それだけ専門的な内容なんですけれども、やっぱり世界中が注目をしているんです。
 それで、要綱はできて、これは是非法務省にお願いしたいんですけれども、法案化を急いでいただきたい。そして、これは同僚の皆さん方にもお願いしたいのは、是非、選挙があったりして大変だったんですけれども、やっぱり日本経済立て直さないといけないですから、コーポレートガバナンスをきちんとするために、できればこういう法案はみんなで協力してきちんと議論して通したいというふうに思っていますので、いかがでしょうか、皆さん。それをお願いしたいと思っています。
 というのは、例えば内部留保、総理、内部留保に持っていっちゃうんです。それで、これはもう今までの、この前の話にもあったように、借金を戻すことに一生懸命だと、今度また貸し剥がしされたらどうだろうということで、一生懸命お金を積んでいくことばかり。とてもじゃないけれども、従業員の賃金にまでは回らないと。
 しかし、やっぱり、私はこの前株主配当が高いことを批判的に言いましたけれども、株主の立場から見るとやっぱりもうけないといけないわけです。当たり前のことなんです。だから、ずっとここのところを調べていますと、株を長期に持たなくなっちゃっている。今、総理、実はアベノミクスで調子いいものですから、午前中来もずっと、今日もお話ありましたように、短期に買って短期に売り抜ける、それでどんどんもうけているということが起こっているんです。
 これだと、企業というのは誰のものかと。ステークホルダー、それは従業員もいるし、経営者もいるし、社会全体のものじゃないかと。そういうことで経済財政諮問会議で議論を始めたと思いますけど、ただ一方、幾ら規制をしようと、もうかって売り抜けて何で悪いんだと株主が言うと。そうすると、既存の株主は、ダイリュージョンというんですけれども、自分の株の価値を下がるの嫌だから増資なんかやめてくれと、安倍総理はどんどんお金外に流したって、増資しないよと、こういうことになるわけです。
 だから、ダイリュージョンというのは自分の株が希薄化されて価値が下がることなんですけど、じゃ、待ってくださいと、あなたに増資した株の割当て権を無料で先に予約してあげますからと、これがライツイシューとかライツオファリングということなんで、これをやらにゃ、今二・五か月ぐらい掛かるのを一月ぐらいに縮まるはずですよ。それをやらないと、一生懸命安倍総理が今のようなアベノミクスをやられても、企業が動かない、こういうふうに思うんですが、この問題意識を是非共有していただきたいと思いますが、これは麻生副総理、私の同じ福岡の、ふるさとの麻生さんがおっしゃりたいようなんで、どうぞ。いや、企業経営者としても、どうでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) これは、正直言って、法律に落とすときにはすごく書き方が難しいなというのは、私ら実務をやっていた方からいくと、これは書き方が難しいだろうなと、今ちょっと、その話を法務大臣とちょっと今していたところですけれども。
 いずれにいたしましても、日本の場合は、株主というのを優先順位の一番に置くアメリカが短期で買って短期で回していますんで、日本の場合はきちんと持って、ずっと親の代から引き継いだ株で代々一割配当というようなところでよしということになっていたところを、えらいキャッシュフローが入ってくるということになってきて目先の利益になっていく。そういう人ばかりがどんどん増えてくると、会社を今度は経営する側からいくと、その株主が入れてきた自己資本はちょっと信用ができないって、すぐまた移っちゃうというような金だと長期的な投資とか長期的な計画が立てにくくなるというんで、安定株主をつくるために今言われたようなことをうまいことやらないと、また系列だけで固まっちゃうとか、なかなか難しい問題がありますので、この問題の書き方が難しいなと思いながら今伺っていました。
○舛添要一君 私は、株主資本主義も行き過ぎだと、アメリカ的な、思っているんですが、逆に、私が実は問題提起したから半分責任を感じて、諮問会議で日本型資本主義を議論なさるというから、だけど、ちょっとそのアクセルそっちに踏み過ぎないでブレーキも踏んでもらいたいというのは、ちょっと、要するに、グローバルエコノミーの中で日本の企業のガバナンスをグローバルスタンダードに合わせるということも忘れちゃ駄目ですよということも申し上げたいんですが、社外取締役の義務化というのはできませんでしたね。
 法務大臣、これ、私は義務化まで行った方がよかったと思うんですが、何か御所見ありますか。
○国務大臣(谷垣禎一君) ただいまの点も法制審議会で相当熾烈な議論があったと報告を受けております。
 そこで、やはり社外取締役を本来設けた方がいいけれども、設けないと言っているところは、やっぱりそれなりの合理的な理由を外に公表しなきゃいかぬとか、そういう縛りを掛けまして、この社外取締役をできるだけ活用していただいて、そしてコーポレートガバナンスに役立てるようにしようという今度は発想がございますので、舛添委員はもっと義務化を強くせよという御主張だと今承りましたが、これ相当な議論があったところでございますので、まずはこれをきちっとやらせていただきたいと思っております。
○舛添要一君 今法務大臣に御説明いただきまして、ありがとうございました。
 義務化はしませんでしたけれども、要するに社外取締役を置かないなら、なぜ置かないんだということを上場企業の大きなところは説明しないといけない。つまり、株主の立場に立ってみると、この会社は、先ほど麻生副総理おっしゃったように、系列だけで、身内だけで回していて、果たして投資して大丈夫なのかなと、しかし、そこにきちんと社外取締役がいることによってこの会社は大丈夫だということになるんで、私は何歩も前進したというふうに思っていますから、審議会だけではなくて、こういう議論を一刻も早く法務委員会で始めていただいて先に進めないと、私はそのコーポレートガバナンスをしっかりやるということを忘れてしまったら大変だというふうに思っています。
 それで、先ほど総理の方からきちんとそういうことは指示をしてあるとおっしゃられたように思いますけれども、いかがでしょうか、その私の問題意識を共有していただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、御承知のように、昨年九月、法務大臣の諮問機関である法制審がコーポレートガバナンス及び親子会社に関する規律の強化等を内容とする答申を行っておりますが、今委員の御指摘の点も含めて、この答申に基づいて会社法を早期に改正することは重要であるというふうに認識をしております。
 委員と同じ問題意識を持っているわけでございますが、本年四月、日本経済再生本部において、私から法務大臣に対して、谷垣法務大臣に対して直接指示を行いまして、コーポレートガバナンスの強化等のため、会社法改正に向けた作業を進めているところでございます。
○舛添要一君 それで、法務大臣、二点。
 予定どおりに進んでいくと、施行をされるのが法律が通ったとして来年の四月になると思いますが、私は、我々国会の怠慢かもしれないけど、いろんな事情があって今、国会こういう状況でございます。それで、本国会ではこれは議論できないだろうと。参議院選挙後の臨時国会でも、これでは絶対やってほしいんですけど、それもまだ分からないと。しかし、普通、議論して一年後ぐらいからしか施行しないんですが、やっぱり、仮にですよ、秋に法案がきちんと衆参両院通過するようであれば、来年の四月には遅くともやれるような体制を整えたいと思いますが、まずこの点いかがでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 実は、去年九月に法制審の答申をいただきましてから今日まで、具体的な法案化ができていない。これ、大変私、答申いただいたのは民主党政権時代ですよね、それまだ私どももできていない、若干内心じくじたるところがございまして、今、舛添委員から力強い、何というか、応援をいただいたなとうれしく思っております。
 ただ、率直に申し上げますと、今法務委員会は実はたくさん法律を抱えておりまして、ハーグ条約の関連法案等々ございます。私も、この国会で野党の御協力をいただきながら大車輪で作業をさせていただき、できるだけ早く次のこういったものに取りかかりたいと思っておりますが、正直申し上げますと、今の舛添委員のスケジュールは若干苦しいなというのが正直なところでございますが、全力を挙げさせていただきます。
○舛添要一君 まさに、それ申し上げているのは、総理、アベノミクスの成功の鍵もそこにあると私は思うから申し上げているわけであります。それから、今法務大臣がおっしゃったように、これは民主党政権のときに基本的に議論が進んで、こういう問題は、民主党や自民党だ、与野党だということじゃなくて、みんなで積み上げてきたことですから、私は国会の一つの協力の在り方としてこういうことは十分やるべきだというふうに思っています。
 そこでもう一点、多重代表訴訟、これを新しく入れますけれども、これについてのポイントを国民のために簡単に御説明していただければと思います。親会社、子会社の関係での訴訟でございます。法務大臣の方から簡単にお願いします。
○国務大臣(谷垣禎一君) 私も余り商法、会社法はよく勉強していなかったものですから、法務大臣は答弁が大変だとおっしゃっていただいて、よくよくこれから大車輪で勉強しなきゃならぬなと思っているところでございますが、今おっしゃった多重代表訴訟というのは、完全親会社の株式や議決権、これの一%以上を有する株主は、その完全子会社の役員の責任を追及する、そういう代表訴訟を提起することができるという内容でございまして、それから、多重代表訴訟の対象となる完全子会社というのは、当該完全子会社の株式の帳簿価額、これが当該完全親会社の総資産額の五分の一を超える重要な完全子会社とするということでございますが、こういうものを通じてコーポレートガバナンスもより強化していこうということだと理解しております。
○舛添要一君 今法務大臣から御説明していただきましたように、親会社があって子会社があると。親会社はしっかりしているけれども、子会社のコントロールが利かないと。これではやっぱりそういうところに投資をしないと。
 総理、今、まあ平均して二六、七%ぐらいが外国人株主になっています。かなりの私は比重だと思います。彼らのその問題点を指摘するのはいいんですけど、私は、やっぱりアベノミクスの中で、金融はこれは同じことを言い続けていました。成長戦略も結構でしょう。ただ、この会社をどうするかということについて、私は、全力を挙げて構造改革をやらないとやっぱり国際社会の中で勝っていけない、勝ち抜けないと思います。
 だから、例えば、法人税、これ下げるのもいいでしょう。賃金を上げた会社に法的な優遇措置をあげるのもいいでしょう。だけど、それだけでは動かない。やはり日本の企業というのは、国際的な市場の中で、誰から見ても投資したい、これは、自分はこの会社の株主になってみたい、目先の利益だけではなく長期的に、そういうことでやらなければ、私は、アベノミクスの基盤は企業がしっかりして増資をして大きな成果を上げて、そして給料を増やしていく、これにつなげる必要があると思っていますので、総理の方から、その点についての御決意というか、御判断をおっしゃっていただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさに経営者がそういう判断をすることによって日本は持続的に成長していくことができるわけでございますし、言わば成長の果実を勤労者も享受することができるということでありまして、経営者がそういう判断ができるという、そういう社会を、まずそういう経済状況もつくっていくんですが、同時に、そういう仕組みについていろいろと研究していく必要があるんだろうと、このように思います。
○舛添要一君 国権の最高機関は我々国会でありまして、私たちは、特に参議院は大所高所に立って国家国民のために働くと、与野党を超えて、そういう決意でございますので、法務大臣の方で一刻も早く法案化していただいて、私は、例えばこういう問題は参議院先議でもいいと思うんです。
 是非、国民のために、そしてこの日本経済を立て直すと、そういう意味で取り組みたいということを申し上げまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
○委員長(石井一君) 以上で舛添要一君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 これにて経済財政等に関する集中審議は終了いたしました。
 次回は明二十六日午前十時四十分から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後五時三分散会