第183回国会 厚生労働委員会 第11号
平成二十五年六月四日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月三十日
    辞任         補欠選任
     尾辻かな子君     梅村  聡君
     熊谷  大君     石井みどり君
 五月三十一日
    辞任         補欠選任
     石橋 通宏君     川合 孝典君
     磯崎 仁彦君     中村 博彦君
     渡辺 猛之君     武見 敬三君
 六月三日
    辞任         補欠選任
     梅村  聡君     那谷屋正義君
     大久保潔重君     江崎  孝君
     川合 孝典君     石橋 通宏君
     石井みどり君     中西 祐介君
     中村 博彦君     藤川 政人君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         武内 則男君
    理 事
                足立 信也君
                津田弥太郎君
                赤石 清美君
                高階恵美子君
                渡辺 孝男君
    委 員
                石橋 通宏君
                江崎  孝君
                小西 洋之君
                小林 正夫君
                櫻井  充君
                那谷屋正義君
                牧山ひろえ君
                大家 敏志君
                武見 敬三君
                中西 祐介君
                藤井 基之君
                藤川 政人君
                丸川 珠代君
               三原じゅん子君
                浜田 昌良君
                川田 龍平君
                行田 邦子君
                田村 智子君
                福島みずほ君
   国務大臣
       厚生労働大臣   田村 憲久君
   副大臣
       厚生労働副大臣  桝屋 敬悟君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        松田 茂敬君
   政府参考人
       総務大臣官房審
       議官       田家  修君
       外務省国際法局
       長        石井 正文君
       財務大臣官房審
       議官       美並 義人君
       財務省主計局次
       長        福田 淳一君
       厚生労働大臣官
       房審議官     泉   真君
       厚生労働省職業
       安定局長     岡崎 淳一君
       防衛省経理装備
       局長       伊藤 盛夫君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○戦没者等の妻に対する特別給付金支給法及び戦
 没者の父母等に対する特別給付金支給法の一部
 を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
○委員長(武内則男君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、熊谷大君、尾辻かな子君、渡辺猛之君、磯崎仁彦君及び大久保潔重君が委員を辞任され、その補欠として武見敬三君、中西祐介君、藤川政人君、江崎孝君及び那谷屋正義君が選任されました。
    ─────────────
○委員長(武内則男君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 戦没者等の妻に対する特別給付金支給法及び戦没者の父母等に対する特別給付金支給法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働大臣官房審議官泉真君外六名の政府参考人の出席を求め、その説明を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(武内則男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
○委員長(武内則男君) 戦没者等の妻に対する特別給付金支給法及び戦没者の父母等に対する特別給付金支給法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○小林正夫君 おはようございます。民主党・新緑風会の小林正夫です。
 戦争で多くの方がお亡くなりになりました。質問の前に、改めて御冥福をお祈りしたいと思います。
 それでは、質問に入ります。
 戦没者の妻に対する特別給付金と父母等に対する特別給付金、いずれもこれは時効が三年、このようになっております。前回の平成十五年改正のときに、時効で請求できなくなった受給者の数はそれぞれどのぐらいいるんでしょうか。また、給付金の規模はどのぐらいあったんでしょうか。
○政府参考人(泉真君) お答えいたします。
 平成十五年に改正されました戦没者の妻及び父母の時効に掛かったケースの推計でございますが、戦没者の妻につきましては、人数は約八千件、金額は総額で約百六十億円と推計いたしております。
 戦没者の父母の方でございますが、こちらは支給条件が戦没者の死亡により子孫が全てお亡くなりになったというケースに限定されておりますので、こちらは言わば関係する方の戸籍を全部調べてみないとそういった点での把握というのは難しいわけでございます。したがって、父母の方については推計は行っておらない状況でございます。
○小林正夫君 確かに父母の場合は制限が掛かっておりますので、今おっしゃったように、なかなか数をつかみ切るということは難しいかなと思いつつも、しかし、予算の計上など一定のそういう手続はしなきゃいけないんだと思うんですけれども、おおむねどのぐらいいらっしゃるべきだ、あるいはいらっしゃるというふうに思っているんでしょうか、そのことが分かれば教えてください。
○政府参考人(泉真君) 予算要求などは、前回、父母の場合ですと五年ごとですので、五年前の受給者がどのくらいいたというところから推計をしたりしておりますけれども、これは時効によって請求ができなかった方についてのお尋ねでございますので、そちらの方は特に推計というのは難しいかなと思っております。
○小林正夫君 大臣にお聞きをするんですけれども、時効がこれあるんですよね。
 今日お手元に、今回もこの法案が決まれば、このように記名国債が、それぞれの対象者の方にお配りをすると。それで、私の理解は、これが手元に届いてから三年以内にこの請求をしないと時効になってしまうと、こういう制度だと思っているんですけれども、これは戦没者に近い親族などへの慰藉を表しているもの、慰めというような意味合いでこれをお渡しをするということが決まって今日まで来ているんですが、この請求に時効があるということに対して私は違和感を持っているんですが、この辺、大臣はどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(田村憲久君) 私も、答弁をさせていただくに先立ちまして、さきの大戦含め、戦争で多くの皆様方がお亡くなりになられたわけでございまして、改めて哀悼の誠をささげたいというふうに思います。
 今日は、ちょっとこういうかりゆしという格好でございまして、沖縄というところに思いをはせながら、今日実は閣議、各閣僚がこのかりゆしウエアで統一をしたということでございますので、そういう意味で御理解をいただきたいというふうに思います。
 今の御質問でございますけれども、時効三年という問題、これは衆議院の方でも御指摘をいただいたわけでございますけれども、一つは、様々な制度が国にはありますけれども、やはりこの時効というものが設定をされておるということがございまして、もちろん、一方でこの制度自体は慰藉、戦争で家族をお失いになられた、支えをお失いになられた御家族の方々に対しての慰藉という意味がありますから、そこは若干制度として違うのではないかという、そういう委員の御意見も理解させていただくところはあるわけでありますけれども、やはり、法的な安定性という言い方がいいのかどうかは分かりませんが、この制度に絡む、関係する皆様方、関係者はいっぱいおられるわけでありまして、この時効という制度がなくなりますと、どうしてもそういう方々の権利等々の関係で、どこまで遡ってその権利があるのかということも含めて非常に不安定になるというところがございまして、そういう意味からいたしまして、この時効というものを今までずっと設定をさせてきていただいておるわけであります。
 ただ、一方で、請求をいただく方々が高齢化をだんだんしてきておるわけでありまして、早く御請求をいただかなければならないという思いは我々も持っておるわけでありまして、そこで、総務省、これは恩給のいろんなデータがあるわけでありますから、そういうものもお借りをさせていただきながら、もちろん我が方には我が方でいろんな情報がございますから、こういうものも含めて個別に対応をさせていただく、案内を送らさせていただこうと。そこに更に必要な項目、これは、こちらで分かっているものはもう印字をさせていただいてお手間を省かさせていただこうということでございまして、そのような対応をする中で丁寧に対応して、一人でも多くの方々に御請求をいただけるようにという御努力はさせていただきたいというふうに思っております。
○小林正夫君 今も大臣の答弁の中で、法律的な安定性と、これは衆議院での答弁も、大臣、そのようにお答えをしております。この法律的な安定性という意味合い、これをもう少し、大臣、詳しく説明していただけませんか。
○国務大臣(田村憲久君) やはり一定期間継続した事実状態というのがあるわけでございまして、そういう意味では、時効制度というのはそういうものを尊重はしながら期限を切っておると。
 これはなぜかといいますと、今ほど来も申し上げましたけれども、こういう権利のあるものに関して、永続、時効がなくなるとずっと続くわけでございまして、ましてや、今般のこの国債に関しましては、当然相続の問題もあるわけでございまして、そういうことを考えますと、非常にそういう不安定な状況がずっと続く、しかも期限がなければ何十年、場合によっては百年と続いていくわけでございまして、そのようなことになってきますとやはり安定性に欠けるということでございますので、そのような意味からこの時効というものを設定をさせていただいておるということでございます。
○小林正夫君 今回発行されるこの記名国債なんですけれども、これはこの法律が仮に成立したと、その前提で、こういう国債が対象者の手元に届くのはいつごろになるという見通しなんでしょうか。
○政府参考人(泉真君) 手元に届く一定の期間が必要となります。といいますのは、ちょっとその手続を簡単に御説明いたしますと、受給資格のある方はお住まいの市町村の方に請求をいたします。それを都道府県で裁定する、要するに資格のある方は資格があると認める、それを厚労省の方で取りまとめて財務省の方へ国債の発行をお願いする、財務省の方は日銀にも指示をされて実際に記名された国債がお住まいの市町村の方に送られる、で、受給資格のある方は市町村で受け取っていただくと、こういうステップになっております。これはもう制度発足当初からずっとこういうやり方で来ておりますので、少しでも早くお手元に届くようにということで、今いろいろ申し上げましたが、関係機関とも協力して進めてまいりたいというふうに思っております。
○小林正夫君 受給資格があるかどうか市町村の力を借りてきちんとチェックをする、この期間も必要だと。そのチェックが終わった後、その後御本人に届く、この期間はどのぐらい必要なんでしょうか。
○政府参考人(泉真君) いろんな当事者の手を経ていくということでございますので、もちろん一定の期間に請求が集中したりするととかそういう要素もございますけれども、早ければ請求から三か月あるいは四か月、そのくらいでお手元に届くということが見込まれるかと思っております。
○小林正夫君 私がお聞きをしている数字は、受給者の平均年齢が、戦没者の妻では九十五歳、父母は百歳と、このように非常にもう高齢化になっているという話を聞いています。今言ったように、せっかく今回改正できたとしても、御本人の手元に届くのが今言ったように三か月、四か月ぐらい掛かると。もっと早くこれを迅速化できないんでしょうか。このことへの取組はどうでしょうか。
○政府参考人(泉真君) 国債を、それもこうした記名国債を発行するというのが国としての慰藉のやり方であるということでございますので、なかなかその方法自体を変えるということは難しいかと思いますし、そうしますと、今申し上げましたように、いろいろな手続を経ていくとやはり三か月あるいは四か月掛かってしまうか、これがもう頑張って早くやっても。
 ただ、いろんな機関の御協力をいただくことと、それから、先ほど大臣も申し上げましたけれども、個別の案内をし、それから請求書にはあらかじめこちらでもう分かっていることは事前に印字をしてお送りすると、こういうことをいたそうと思っていますので、それによって受給資格者の方の手間を少しでも軽くしようということは取り組んでまいりたいと思っております。
○小林正夫君 これはもう国民皆さんがそう思うんだと思うんです。要は、迅速化で早く対象者の手元にこの記名国債が届いて手続を開始をしてもらうと、このことがやはり望まれると思いますので、今言った手続上の課題などあると思いますけれども、今までの経験を生かしたり、今日のいろんなITの技術だとかそういうものが発展をしていますので、そういうものを駆使しながら、一日も早くそういうものが御本人の手元に届いて実行できるように、これは努力をしてもらいたいと、このように思いますけれども、大臣、いかがですか。
○国務大臣(田村憲久君) 今の制度の中で、もちろんなるべく早く届ける御努力はさせていただきたいと思いますが、おのずと限界もあるものでございますから、その点、限界がある中でなるべく早くお手元にお届けできるように努力してまいりたいというふうに思います。
○小林正夫君 最大限努力すると、このように受け止めましたので、是非その方向で取り扱っていただきたいと思います。
 それと、時効が三年ということです。これもいろいろ私は課題があるんじゃないかと思うんです。これは政策判断として三年というふうに定めたわけですから、これは変更しようと思えば私は変更できる、こういう期間だというふうに思います。
 それで、恩給だとか遺族年金あるいは遺族給付金の時効は七年とされておりますね。そういう意味で、この政策判断の三年というのを今言ったようなものと合わせる、あるいは三年という時効をもう少し長くその期間を持ってあげると、このことも私大変必要だと思うんですが、このことに対しては大臣はどういうお考えでしょうか。
○国務大臣(田村憲久君) 今までも当然三年であったわけでございまして、もう少しこれを延ばした方がいいのではないかという御意見があるのも承知はいたしておりますけれども、この三年という時効期限の中において多くの方々に御請求をいただくべく今努力をさせていただいておるわけでございまして、先ほど来お話をさせていただいておるようないろんな手法、努力を、知恵を使いながら御理解をいただいて請求をいただくということを目指しておるわけでございまして、この点は、いろんな御意見があるのは分かっておりますけれども、三年ということで御理解いただければ有り難いなというふうに思います。
○小林正夫君 今は人口構成も高齢の方が多くなった、こういう今日本の人口構成ですけれども、これからの政治はそういう高齢者含めて、お年寄りの皆さんにどういう政策を打っていくのか、このことが大変問われるこれからの期間だというふうに思います。
 私は、今まで厚労大臣が歩んできたいろんな活動などを拝見させていただいて、大変お年寄りを大事にする私は大臣だと受け止めております。そういう意味で、先ほど言ったように、大臣御自身もこの時効三年ということに対してある意味でどうなのかなと、このように私はお思いだというふうに受け止めましたけれども、是非、やはりこのことも検討していくことは私必要だと思いますので、是非それを受け止めていただいて、やはり時効についても検討を求めていきたいと、このように思います。
 そこで、大事なことは、これは申請主義になっていますね。ですから、本人が申請しないと要は三年の時効が来てこの支給が受けられないという制度です。先ほど言ったように、大変高齢になって、妻という方が九十五歳の平均年齢、あとは父母は百歳という年齢に達しているというのが今の平均年齢ですので、そういう方が自ら申請をしなきゃいけないということも私は大変だと思うんですね。
 平成十五年にこれ改正をして、いろんな手続が今回までされています。したがって、申請主義なんだけれども、それをしっかりフォローしてあげて、このように申請をしなさいというか、そのお手伝いをやっていくとか、今回この法案が成立したとすれば、こういう法案が新たにまた成立しましたということをきちんと周知をしてあげないとこの対象者の人が分からないと、こういうことになりかねないと私は思います。例えば政府広報で新聞広告を使ったり、いろんな周知の方法はあると思うんですが、何らかのそういうような対策をしていかないと、申請を待っているだけというんじゃ私は駄目だと思うんですね。
 ですから、そういう意味で、この対象者の人にどうやって周知をしていくのか。で、先ほど言ったような時効漏れがないように、このことにしっかり取り組まなきゃいけないと思うんですが、この関係ではどのようにお思いでしょうか、お聞きをいたします。
○政府参考人(泉真君) きちんと受給資格ある方に情報が届くということは、委員御指摘のとおり非常に大事なことだと思っております。
 御負担を軽減するという意味では、先ほども申し上げましたが、個別案内をする、それから、お送りする請求書にはあらかじめこちらで書き込める事項は記載しておくというようなことをするとともに、周知が大事だというのは、私どももそのように思っております。国として、あるいは地方自治体でいろいろな広報誌などで周知をいただく、これはこれまでもやってきておりますけれども、更にそういったところをできる範囲で一層丁寧にやっていくということが必要だと思っております。
○小林正夫君 大変大事なことだと思います。いろんな周知の仕方があるんでしょうけれども、やはり政府広報としてマスコミ使うなりあるいは新聞広告の一面を使うなりして、やはり戦争によって亡くなられた、御遺族、奥様あるいは御両親に対して慰藉を表すという、こういうことが目的ですので、周知漏れがないように、これはお金掛けてでもきちんと周知をしてもらうということを要望しておきたいと思います。
 そして、今回の提案は、前回と同じく十年償還で額面が二百万あるいは百万円と、要は額面が据置きになっているんですね。大臣、これはこれでいいんでしょうか。
○国務大臣(田村憲久君) なかなか難しい御質問なんですけれども、今回、この交付国債という形でお配りをさせていただくわけでありますが、そもそも、戦争でお亡くなりになられた戦没者の皆様方の奥様また父母の皆様方に対する生活保障という意味ではないわけでございまして、あくまでも慰藉というような形で実行されておる、そういう施策であるわけであります。そういう意味からいたしますと、前回と同様の額面という形で今回法案出させていただいておるわけでございまして、そのような意味から、趣旨がそこにあるということで御理解をいただければ有り難いというふうに思います。
○小林正夫君 私は、慰藉であっても、今回の見直し、これから先のことを考えると、二年間で物価を二%上げたいというのが政府目標ですよ。それと、消費税について、来年の四月あるいはその次、一〇%まで上げていこうということがこれから先のことで決まっているんですね。そうやって考えると、今までの十年とは違って、これからの十年はそういうものが、確実にあると言っていいかどうか分かりませんが、政府の目標としてはそういう政策を打っていくということが決まっているわけですから、それを考えると、これからの十年、今までと同じ額面ということは私は見直すべきだったんじゃないか、このように思いますけど、改めてそのことについていかがでしょうか。
○国務大臣(田村憲久君) 確かに、物価が上がる、消費税も上がる。年金だとかは物価スライド等々の制度があったりなんかするわけでありますから、そういうものと横並びという考え方からならば精緻に上がっていく物価等々に対応するものなんだというふうに思いますが、先ほど申し上げましたとおり、生活保障という部分ではないという意味でございます。
 ただ、慰藉とはいっても、そのときそのときの、何というんでしょう、慰藉の気持ちを金額に変えたその重みというものがあるであろうというような今御意見であったというふうに承らさせていただきますけれども、今回はこういう形でありますが、次回に関しましてはそのときの経済状況等々を勘案して金額を検討させていただきたいというふうに思っておりますので、今回はどうかこのような額面の金額の中において御理解をいただければ有り難いというふうに思います。
○小林正夫君 本当は今回が必要だった、今でしょというところだと私は思いますけど、今回、こういう額面の見直しがなかったのは私は残念だなと、このように思います。
 法律そのものについての質問はこれで終わりますけれども、先ほど来言っているように、この法律が成立すれば早く対象者のお手元にこの記名国債が届くこと、そして、申請主義になってしまっていますので、それに甘んじることなく、要は対象者にきちんと周知をして申請漏れがないように、また、時効でこの請求が受けられなかった人、こういう人が出ないように、これは行政の責任でしっかりフォローしていくことが必要だと思いますので、そのことをお願いをして、この法案に対する質問はこれで終わりたいと思います。
 次に、戦後処理という意味合いから少し質問をさせていただきます。
 財務省の関係ですけれども、予算委員会の審議に合わせて、毎年、国債・借入金残高の種類別内訳という資料が公表をされております。予算委員会の資料でそういう資料が出てきております。
 借入金にその他の欄があって、毎年四百十四億円が計上されているんですけれども、これはずっと一定、この数字が変わってないんですね。この四百十四億円というのは何なんでしょうか、教えてください。
○政府参考人(美並義人君) 御指摘ありました、その他の欄にあります借入金残高でございますけれども、これは旧臨時軍事費借入金の債務残高でございます。
○小林正夫君 どうしてこれがずっと四百十四億円、毎年この数字が出てくるんですが、増減もなく残ってしまっているんでしょうか。
○政府参考人(美並義人君) この旧臨時軍事費借入金は、昭和二十一年二月末をもって廃止されました臨時軍事費特別会計の借入金を一般会計が承継したものでございます。
 承継した当時、四百九十一億円でありましたけれども、その後、昭和三十年度末までに七十七億円は償還されております。ただ、昭和三十年度末に四百十四億円となった以降は変動していないと、こういう状況になっております。
○小林正夫君 時間がありませんのでこれで終わりにしますけれども、要は、このお金が、日本の財政が改善されて借金をなくそうと思って頑張っていくけれども、最終的にこの四百十四億円は残っちゃう数字だと私思うんですよ。ですから、この数字は何とかしておかないと日本の借金がゼロにはならないんですね、将来。これはむしろ法律改正してここは直さなきゃいけないんじゃないでしょうか。
 このことに対して、所管は大臣のところじゃないと思いますけれども、厚労大臣というか、内閣を形成している大臣の一人として、これに取り組む必要性、法律的な解決をしないと四百十四億円というお金がずっと残ってしまうと、こういう状態に私はなってしまうと思うんですが、この辺について、大臣、いかがですか。
○国務大臣(田村憲久君) 今委員のお話の部分で、旧臨時軍事費借入金として現在も四百十四億円借入金債務が存在しているということを伺ったわけでございますけれども、もう戦後六十七年を経過してきておるわけでありまして、そういう意味では、戦後処理の問題、これ、まだ各省庁わたって継続しておるなということを改めて認識し、重要な課題だなというふうに頭の中で整理をさせていただきました。
 この債務四百十四億円でありますけれども、いずれにいたしましても、財務省を中心に政府として解決の方向を検討していかなければいけない課題であるというふうに感じさせていただきました。しっかりと検討してまいりたいというふうに思っております。
○小林正夫君 どこの政党が政権を取っても、この借金四百十四億円は今のままじゃずっと未来永劫残っちゃうんですよね。ですから、これは法律改正をしてそのお金が残らないようにしておくべき、私はこのように思います。
 時間が来ましたけれども一点だけ、硫黄島の遺骨収集の関係なんですが、同僚の白眞勲先生が質問をして現在の進捗状況などもお聞きしました。滑走路の下にそういう遺骨があった場合に、どういうふうに処理をしていく考えなんでしょうか、そのことだけお聞きをしたいと思います。
○政府参考人(伊藤盛夫君) 硫黄島におきます遺骨収集についての御質問についてお答えします。
 滑走路の下の御遺骨あるいは壕、その存否を確認するために現在防衛省としましては高性能地中探査レーダー等を用いました調査を行っておりまして、まず現在は高性能地中探査レーダーによりまして地下壕の有無を確認するという調査をやっておりまして、その調査は、現地におきまして現地探査、今月中には終了させたいというふうに考えております。その後さらに、御遺骨等がないかどうかという調査をもう一度やることになりますが、今年中にはその調査も完了をしたいと思っております。そうした調査によりまして、仮に御遺骨等々があるかもしれないという状況になりましたときには、政府全体でその対応を御判断いただくようになるというふうに承知しております。
 いずれにしても、速やかに防衛省としての調査は進めてまいりたいというふうに考えております。
○小林正夫君 これで終わります。ありがとうございました。
○行田邦子君 みんなの党、行田邦子です。
 本法案の質疑に当たりまして、まず冒頭、戦争でお亡くなりになられた方に心より改めまして哀悼の意をささげます。
 まず、法案の質疑から入りたいと思います。
 この特別給付金の支給額なんですけれども、今回の改正法案では据置きという形になりました。戦没者等の妻に対する支給額は平成十五年の改正のときは増額、また戦没者の父母等に対する支給額は平成十年のときには増額となっていますけれども、今回は据え置くということであります。
 そこで質問なんですけれども、この特別給付金支給額というのは何を基準に決定されているんでしょうか。
○政府参考人(泉真君) 特別給付金の支給額についてでございますが、これは関係者の精神的慰藉ということを趣旨としてずっと行われてきているものでございます。今回については、今御指摘ありましたように、妻については十年償還で二百万円、父母については五年償還で百万円ということでございまして、これは前回の額を据え置くことといたしました。
 据え置いた理由といたしましては、この間の受給者の置かれた状況に大きな変化は見られなかったのではないかと、こういうことから据置きという形にしたものでございます。
○行田邦子君 特別給付金を受け取られている方というのは、もう今かなり御高齢になっているかと思います。十年償還が終わった後、またあるいは五年償還が終わった後、再びその交付の申請をしなければいけないということなんですけれども、御高齢の方にとってはこの申請というのは忘れてしまったりとかあるいはその手続が非常に大変であったりということが考えられますけれども、この点について、その支給漏れがないように何か手だてを打っているんでしょうか。
○副大臣(桝屋敬悟君) 先ほど小林委員の議論でもございました。この制度が申請主義ということでございまして、委員からも支給漏れのないようにと、どういう取組をしているかというお尋ねでございますが、先ほどから議論がありますように、三年間で請求権が時効消滅するということになるわけでございまして、今委員が御指摘のように、高齢化などを踏まえますと、請求権が時効で失権しないように、できる限り丁寧な対応を行っていくということが必要だと認識をしております。
 今回の法改正の施行に当たりましては、国や地方公共団体が広報誌等を用いて広く制度の周知を図るほか、総務省から恩給受給者のリストの提供を受けるなど行いまして、特別給付金の対象者となる可能性がある者を国で特定をいたしまして、国から直接個別に請求案内を送付すると。さらには、この個別案内には、申請者の便宜を図るため、国で確認できる事項をあらかじめ、大臣が申し上げましたように、印字した請求書を同封することとしております。
 こうした取組を通じて、支給漏れが少しでも生じないように、時効失権対策を確実に進めていきたいと考えております。
○行田邦子君 是非これからも、市町村が窓口での事務手続ではありますけれども、国としても、申請手続の簡素化、それから、できるだけ支給漏れが起きないようにという手だてを引き続き打っていただきたいというふうにお願いを申し上げます。
 それから、この特別給付金の支給の方法なんですけれども、国債償還という形を取っていますけれども、これはなぜ現金給付という形を取っていないんでしょうか。
○副大臣(桝屋敬悟君) これも先ほどから議論が出ておりますが、戦没者の妻及び父母等に対する特別給付金、国としての慰藉の念が受給者の方々に一層実感されるように、制度創設以来、一時に現金で支給するのではなくて、交付国債という形のあるもの、有価証券という形で支給をいたしまして、毎年償還を受けていただいているものでございます。
 仮に、現金給付等に支給の方法を変えるとなれば、国としての慰藉の念を届ける方法としてそれが本当に適切かどうかということもございますし、当事者の方々の受け止め方、今までも続けてきた制度でございますので、そうしたことも慎重に考える必要があるだろうと思っております。
 今回、これまでの方法を踏襲いたしまして、国債給付という方法で継続して実施するというふうにしたものでございます。
○行田邦子君 慰藉の念を届ける適切な形、方式として国債償還という現金給付ではない形を取っているという御答弁でありましたけれども、この国債償還という形を取っているがゆえに起きていることだと思うんですが、この特別給付金の受給者の方がお亡くなりになった場合、そのときには、その償還の途中でお亡くなりになった場合には相続人が相続をできるようになっていますけれども、これはいろんな議論があるかとは思いますけれども、この制度の趣旨からすると、私はその相続ができるというのはちょっと制度の趣旨からはずれているのかなという気持ちがいたしております。その点、いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(田村憲久君) 御指摘の点でございますけれども、要は、交付国債という形で、これ慰藉の念という意味でお配りをさせていただくわけでございまして、その国債を本当にそれこそ御位牌の横に掲げていただいて国の慰藉の念というものを戦没者の皆様方にお示しになられるというような、そういうような御遺族もおられるわけでございまして、現金という話になりますと、日本銀行券もそれは日本の政府といえば政府なのかも分かりませんが、やはり日本国という、日本国政府と書いてあるその交付国債というところにやはり大きな意味があるのではないのかなというふうに我々は思いながら、このような交付国債という形を取らさせていただいておるわけでございます。
 そうなれば、今も委員おっしゃられましたとおり、有価証券ということになるものでございますから、すると、民法の一般原則で有価証券たるものはこれは相続をされるものでございますので、その点、この交付国債だけは、これだけは相続しないというような、そういうことにはできないわけでございまして、一方で委員の言われておられることも理解ができないわけではないんですけれども、今までこのような形態でこの事業を進めてまいってきておるわけでございますので、この点に関しては御理解をいただきたいなというふうに思う次第であります。
○行田邦子君 いずれにしましても、国の慰藉がしっかりと伝わるような、そのような制度であり続けていただきたいと思いますし、またそういったことを頭に入れながらこの制度を続けていただきたいというふうに思っております。
 それでは、今日、せっかくちょっと質問の時間いただきましたので、昨日の新聞報道について気になる点がありましたので、質問させていただきます。法案の質疑はここまでとさせていただきます。
 昨日の朝日新聞での報道なんですけれども、「復興予算 雇用でも流用」といった記事が一面に出ていました。ここでまず事実確認をさせていただきたいんですけれども、報道によりますと、平成二十三年度の震災等緊急雇用対応事業で二千億円補正予算が組まれた、そしてそのうちの一千八十五億円が被災地以外の三十八都道府県の基金として積み増された、造成されて、そしてその中で一一年度から一二年度に雇われた人は全体で約六万五千人でありますけれども、そのうち被災者は約二千人にとどまったということです。そしてまた、報道によりますと、各都道府県の雇用対策には復興と関係のない内容の事業がいろいろと使われているということです。このことについて厚生労働省としてどのように把握をされていますでしょうか。
○政府参考人(岡崎淳一君) まず、その二十三年度の第三次補正予算におきまして二千億の予算措置をして、これにつきまして、被災九県に九百十五億、それから残りの千八十五億は残りの三十八都道府県に交付しましてこれを基金としたと、ここまでは事実でございます。
 それから、これによります雇用者数等につきましては、これは年度が終わったときに都道府県から報告を受ける形になっておりまして、二十三年度分は確定値があるんですが、二十四年度分は六月二十日締めで都道府県から報告を受けるということになっております。二十三年度の数字は、ちょっと十一月の成立で事業規模が小さかったものですから、その時点では被災求職者の方がそのほかの県でもかなり多かったという事実はありますが、二十四年度についてはまだ数字が出ていないと。ただ、恐らく被災求職者はその他の県でそんなには多くないだろうというふうには思っています。
 もう一つは、この雇用対策の考え方でございますが、これにつきましては、被災地だけということではなくて、震災があってそれで被災されて離職された方だけではなくて、サプライチェーンの問題等々がある中で全国的な問題があった、それからもう一つの問題として、円高等で全国的な雇用情勢の悪化があったと、そういう全体の中で雇用対策をどうするかということでこの事業がつくられたということでありまして、したがいまして、対象者につきましても、被災求職者ということとともに、東日本大震災後に離職された失業者の方という形になっておると、こういう考え方の下に各都道府県で事業を行ったということだろうというふうに思います。
 それからもう一つは、事業の中身の話でございますが、これは雇用対策としてやったということでありまして、今申し上げた二つのタイプの求職者の方に雇用の場を確保していただくということでありますが、事業の中身につきましては、各地方公共団体がその地域地域で必要なものをやっていただくということでありますので、その事業の中身が震災とか復興にかかわるかどうかということについては元々要件になっていなかったということであります。
○行田邦子君 震災等緊急雇用対応事業というのは、まずはこれは被災された方、被災者の方が被災地外でも雇用の確保ができるようにということが主目的での事業だと思いますので、しっかりとここは、じゃ、それでは被災者がどれだけ雇用されたのかということは調査をするべきだというふうに思っています。
 そしてまた、確かに事業の内容は都道府県任せだということではありますけれども、昨年の秋には復興予算の流用問題ということでかなり国民の皆様からも関心が高まりました。そうした中で、また復興予算が変なことに使われているんじゃないかという国民の疑念も持たれるわけでありますので、厚生労働省としても、ここは事業内容についてもやはり事後でもしっかりとチェックをすべきだと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(田村憲久君) 今御説明をさせていただきましたとおり、目的としては、復興、被災者の方々の雇用だけではなくて、全国、サプライチェーンの影響で雇用を失われる方々、それから円高等々も対応も含めてそういう使える内容になっておったという事実が、これは前政権のときでありますけれども、あったわけでございます。その中での補正予算。その中をどう評価するかというのは私はそれはコメントを差し控えますけれども、いろんな御意見があられる中において、今般の新しい制度は、これはもう被災地、被災者だけに限定したような使い方にしようということに変えさせていただきました。そういう目的の趣旨にそもそも間違った使い方をしたわけではないということは委員も御理解をいただきたいというふうに思うんですね、その今までの補正予算の対応のものに関しまして、二十三年度補正でありましたけれども。
 これに対して、そうはいいながらも、どういう方々に利用されたのかということを検証する必要があるのではないかというお話でございますので、これは二十四年度に関しても検証をしっかりして、どういう内容であったかというのは、これは政策をやっていく上で我々分析するためにも必要でございますので、対応させていただきたいというふうに思っております。
○行田邦子君 民間と比べてどうしても政府、行政の場合というのは、プレビュー、予算を組むということに重きを置いて、レビュー、チェックの方が軽んじられがちかなと私は感じているんですけれども、是非、次年度の予算編成にも反映するためにも、しっかりとそのお金の使い方ということもチェックを更にしていただきたいということをお願いを申し上げて、私の質問を終わります。
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
 戦没者等の妻、父母への特別給付金の法案審議では、これまで何度も申請の時効を理由に少なくない未受給者が生じていることが問題になってきました。やむにやまれぬ思いで国家賠償訴訟を起こした皆さんは、未払となった方がどれくらいいるかということを試算しておられます。過去五回で受給見込み数の三・五%から六・五%、大きい方の数字を見ますと、延べ九万七千人、総額九百六十二億円に上るだろうという試算です。これは御本人の申請忘れで終わらせることのできない規模で、過去五回でこうした少なくない未受給者が生じたのはなぜかと、当事者の方もこのことをきちんと説明してほしいと求めておられます。いかがでしょうか。
○政府参考人(泉真君) これまでの特別給付金の給付によって時効に掛かってしまって請求できなかったという方がおられるのは事実でございますけど、その理由は何かという御質問でございました。
 なかなか明確にこの理由だと決めてお話しできる部分は難しいと思いますけれども、考えられるものとしましては、制度の広報が十分行き渡らなかったために請求できなかったというような場合、あるいは、広報は行き渡っていても、対象者の高齢化ということから、申請に行こうと思っても健康状態その他いろいろな理由で申請できなかった、あるいは、中には申請する前に御本人お亡くなりになってしまった、いろんなケースがあろうかと思います。
 ただ、これはそういった細かいところまで私ども分析できているわけではございませんので、どういう理由が考えられるかといいますと、いろんなそういったケースがあろうかと思います。
○田村智子君 今日の質疑でも指摘されましたけれども、申請主義だと。対象者に対して過去五回は通知されるとか請求書類が送付されるということもなく、対象となる方は都道府県の広報などを見て自覚的に市町村に請求をして、それで初めて特別給付金支給の手続が取られるという、こういうシステムだったと。しかも、この請求、十年ごとですから、言わば請求漏れが起こるのは当然というやり方だったと思うんです。
 お聞きしたいのは、なぜこれまで政府の責任で対象となる方に通知するというやり方を取ってこなかったのか、その点はいかがでしょうか。
○政府参考人(泉真君) 受給資格があると思われる方には直接個別案内というのは、平成二十年の戦没者の父母等特別給付金、このときから行っております。そうすると、それより前、なぜやらなかったのかと、こういうお尋ねでございます。
 裁定あるいは周知をする、さっきも申し上げましたように、手続的には都道府県にお願いしておりますし、また市町村にもお願いしております。そういったところの広報というものを頼りにしていたわけでございますけれども、いろいろと国会でもいろいろな御指摘などもございました。平成二十年の戦没者の父母等特別給付金からは、もう国から直接御案内をしようと、国としてできることはこれまでやっていなかったこともいろいろ取り組んでいこうと、こういうことでそういうふうに取り組んできておることでございまして、今回の特別給付金についても、先ほど来申し上げておりますように、個別案内、それから、できる部分は事前に印字していくということをしっかりやっていきたいと思っております。
○田村智子君 これはやれることをやってこなかったと思うんですね。特別給付金の対象者というのは、軍人の遺族の方への恩給、軍属の遺族の方への遺族年金、このどちらかの受給資格を有する者とされています。恩給も遺族年金も二か月ごとの支給で、氏名や住所というのは当然記録がされています。
 これらの名簿を使って通知を個別に送付することは過去においても可能であったと。こうした名簿を都道府県に送付するということはこれまで行ってこなかったんでしょうか。
○政府参考人(泉真君) 先ほど平成二十年については国から直接案内を送ったと言いましたが、その前、平成十五年の戦没者の妻特別給付金、これなどについては、今おっしゃいましたように、都道府県にリストをお送りするということをいたしました。このときには、各県から総務省の方にもいろいろと問合せがあったりいたしましたことから、厚生労働省として、総務省とも相談いたしまして、総務省の恩給受給者リストをいただいて都道府県にお送りするという対応を平成十五年にはいたしております。
 もっと早くできなかったのかという御指摘はあろうかと思いますが、十年前にもそういった対応はしてきたということはございます。
○田村智子君 これ、本来は政府として支給を行うという制度ですから、やはり一人の漏れなく特別給付金届けようという姿勢に欠けていたというふうに言わざるを得ないと思うんです。
 これまでこの法案審議されるたびに請求権を喪失した方の問題というのは指摘をされていました。十年前にリストを送ったと、都道府県にということだったんですけれども、じゃ、それで個別にちゃんと通知が行ったのかというところまでは政府としてちゃんとつかんでいなかったということになるんでしょうか。
 二〇〇五年度からはコンピューター化と、恩給の方の名簿をコンピューター化するということですから、前回のときので考えると、時効は二〇〇六年なんですよね。その間になぜコンピューター化の作業と併せて前回からはちゃんともう個別通知ということをやってこなかったのか、この点はいかがでしょうか。
○政府参考人(泉真君) 恩給は総務省で管理されておりますし、私どもは援護年金を管理しているということで、それぞれ協力しながらやらなきゃいけない部分はあろうかと思いますし、それから、データをシステム化するというのもこれも漸次進んできておりますので、今ですとそのデータを活用するということがかなり迅速にできるわけですが、確かに歴史を振り返ってみると、昔はなかなかそれも相当な手間が掛かってしまうという部分はあったかと思います。
 ただ、いずれにしても、もう過去の対応というのは今の目で振り返るともう少し何かできたことはあったんではないかというと、そういう御指摘受けてしまう部分もあったかもしれませんけれども、とにかく、今、当事者は相当御高齢化してきておりますので、先ほど来申し上げておりますけれども、とにかくできるだけ丁寧に、また迅速に進めるようにというふうに取り組んでまいりたいと思います。
○田村智子君 ここで大臣にお聞きをしたいんですけれども、これまでやっぱり国会で何度も指摘されてきたんだけれども、やはり請求権を喪失させないという努力が足りなかったというのは、これは明確だと思うんですよ。厚労省の言わば不作為によって請求漏れが生じてきたというふうにも言えると思いますので、この反省に立って、今回はきめ細やかな通知と請求の案内もされるということだと思います。
 そうすると、これまでの特別給付金の請求権を喪失した遺族の方々に、私はまずこれは取るべき手だてが十分に取られていなかったということでおわびをちゃんとお伝えすることが必要じゃないかと思うんですけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(田村憲久君) これに関しましては、今までも裁判というような形になりまして、大変そういう形になっていったということは私は残念な話であったなというふうに思います。やはり、どうしても請求をされない方々がおられるということで、そういうような我々も今までの反省に立って、今回、制度というものをもう少ししっかりと周知徹底できるように個別に案内を送らさせていただく。一方で、高齢化という中において、やはりそもそも今まで以上に申請をする機会というか、そういうものが少なくなってきている現状もあるわけでございまして、そういうことも勘案しながらきめ細かい対応を準備、用意をさせてきていただいておるわけであります。
 これは、先ほど来お話がございましたとおり、縦割り行政という意味合いで、もちろんデータというものが非常にいろんな技術の発展とともに扱いやすくなってきた部分もありますが、そういうようなできるところでの努力というものはしっかりさせていただこうということで進めさせてきていただいておるわけでございまして、今までいろんな形で、もっと請求者の方々が多く請求をしていただいて、請求されない方々が少しでも少なくなっていくというような、そういうような方向性に向かって我々も踏み出しておるということは御理解をいただきながら、今般いろんな手当てをさせていただいておるということで御理解をいただければ有り難いというふうに思います。
○田村智子君 これはやっぱり政府の責任において通知するということはできたはずだということは指摘せざるを得ないんですね。その反省の上に立つからこそ、今も各議員の方からもありましたけれども、やはり請求権を喪失した方について何らかの手だてというのを是非検討していただきたいと、これは要求をしておきたいと思います。
 残る時間で、戦争の歴史をどう次世代に継承するかということについてお聞きをしたいと思います。
 私、この法案の審議に先立ちまして、千代田区九段南にありますしょうけい館を訪ねました。戦傷病兵士の記録、また、戦後元兵士を支えた御家族の様子など、当事者の方々から所持品を提供いただいて、また証言を、今も記録繰り返しているんですけれども、こういう記録をやって次世代に伝えていこうという、こういう努力をされていることがよく伝わる展示でした。
 このしょうけい館、運営は厚労省から日本傷痍軍人会が委託をされているとお聞きをしていますが、この傷痍軍人会は今年十一月で解散になるとお聞きをいたしました。その後の資料の所有や今後の運営はどうなるんでしょうか。
○政府参考人(泉真君) しょうけい館についてでございますが、戦傷病者、それからその妻などの方々が体験された戦中、戦後の労苦に係る資料の情報収集をいたしまして、またそれを保存、展示することによってその労苦を伝えていこうということで、平成十八年に開設された国の施設でございます。
 現在、その運営を日本傷痍軍人会に委託して行っておりますが、傷痍軍人会は本年十一月末に解散をされるということを伺っております。国としましては、その後もしょうけい館を将来にわたってきちんと継続して運営していくことが重要と考えております。このため、十二月以降の事業実施主体をどうするかということで、これはもう既に公募の手続というのを今進めております。厚生労働省のホームページにもそれは今載せておって、ちょうど今公募の受付をしている最中でございます。
 そしてまた、展示資料など、現在は傷痍軍人会の所有物もございますけれども、これらは引き続き展示あるいは保存が必要でございますので、国の方へ傷痍軍人会から御寄附をいただいて、今申し上げました公募の結果、運営主体が決まれば、そちらの方へ国から無償貸付けをして、適切に管理、保存、展示していただくと、こういうような段取りを考えております。
○田村智子君 今回、国の管理にする、所有にするというので、非常に大切なことだと思うんです。やはり、戦争の事実を伝える貴重な資料を国が管理をして次世代に伝えていくと。
 その点で大変立ち遅れているのが国内の民間人の戦争被害と。これは総務省の担当ということで今日来ていただきましたけれども、国内の一般戦没者についての資料の収集についてはどのようになっているのか、簡潔にお答えください。
○政府参考人(田家修君) お答え申し上げます。
 一般戦災に関する総務省の取組でございますが、私ども総務省では、一般戦災死没者に対し追悼の意を表すという事務を所掌しておりまして、全国戦没者追悼式への一般戦災死没者の遺族の方々への参列旅費の支給等を行っているところでございます。これに関連する事務といたしまして、一般戦災死没者の御遺族の方々の御要望を踏まえ、追悼に関する情報の収集、整理として、平成二十二年度より、全国の戦災の追悼施設、追悼式に関する調査を民間委託により行っているところでございます。
○田村智子君 これ、総務省の方にお聞きしましたら、国内でいろんな資料収集やっていらっしゃるんですよ。全国の慰霊碑とかもずっと全部記録にしていこうというふうにやっていらっしゃるんですけれども、担当者はお一人なんですよ。
 市町村合併によって戦争被害についての記録を担当していた部署がなくなってしまって、戦災の何人亡くなられたとか、こういうのが消失しているような地域も出てきていると。また、そういう慰霊碑には人数書かれていたり、どういう被害があったのかと書かれていることがあるんですけれども、風雨にさらされていますから、もう碑文が読めなくなりかけているところも少なくないというふうにお聞きをいたしました。
 また、これは、お話あったとおり、追悼事業の一事務という扱いで、予算も十分にあるわけではなくて、例えば国立国会図書館には戦後直後の日本政府の資料として、どれぐらいの地域が焼けたのかと、何人の方が亡くなられたのかと、結構調査の資料があるそうなんです。例えば、第一復員省の資料、経済安定本部の資料。でも、これは見ることはできても資料収集する予算がないわけですよ。
 また、総務省は、その予算で戦災資料の展示会というのを全国各地で行っているそうなんですけれども、結構地元の新聞社が貴重な資料を持っていることが多いんだけれども、これを借り受けるにはお金が掛かるので借り受けることもできないと。
 私、この状態では国内の戦争被害についてのきちんとした資料収集ができないままその資料が散逸していく、消失していく、そういう危険性もあるんじゃないかと思っています。
 これ、大臣に内閣のお一人としての見解をお伺いしたいんです、総務省だということになってしまうのでね。傷痍軍人の皆さんの資料は国が管理するんですよ。だけれども、一般戦没者の資料は国が収集もできていない状態なんですよ。これでいいのかというふうに思うんですね。是非、一般戦没者の記録も国として収集する、保存する、何らかの形で公開する、そういう建物も将来造っていくようなことを内閣として是非検討していただきたいと思うんですが、感想を含めての見解でいいですので、お聞かせください。
○国務大臣(田村憲久君) 例えば昭和館というものを厚生労働省は所管をしておるわけでありますけれども、これは国民の当時の生活というもの、こういうものの資料を掲示しながらその当時の御労苦というものを後世に伝えようということをやっておるわけでありますし、一方で、今言われたしょうけい館に関しては、戦傷病者若しくはその妻の方々に関する体験、御労苦というものを次の世代に継承していこうと、そういうような事業であるわけでありますが、今言われた一般の空襲等々による一般言うなれば戦災者といいますか、そういう方々の資料というものは、ちょっと厚生労働省の所管ではないということは御理解をいただいているんだというふうに思います。
 ただ、その上で戦争というもの、戦禍というもの、この悲惨さというものを我々は後世にしっかりと伝えていかなければなりませんし、二度とこのようなことを起こしてはいけないというふうに我々はやはりしっかりと胸に持っていかなきゃいけないわけでありまして、そういう意味で、そのようなことを後世に伝えていくというようなことは大変重要であろうというふうに思っておりますということで御理解をいただければ有り難いと思います。
○田村智子君 終わります。
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 参議院厚生労働委員会調査室が今年三月にまとめた参考資料によると、戦没者の妻に対する特別給付金国庫債券受領後における未受領金額の累計は百三十九億三千六百九十七万円、戦没者の父母に関する未受領金額の累計は四億七千九百八十二万円となっております。合計で百四十四億千六百七十九万円ですが、これで間違いないでしょうか。泉さん。
○政府参考人(泉真君) 御指摘なさった数字はそのとおりだと思います。
○福島みずほ君 百四十四億千六百七十九万円未受領であると。これらのお金の受領に関して、時効はないわけですよね。
○政府参考人(泉真君) 委員の御指摘は未受領金というものでございまして、これは国債が既に受給者の手元に届いておって、これは毎年償還の手続を取っていただく、具体的には郵便局などへ行って手続を取っていただけばいいわけですが、それを手続を忘れてしまった場合にどうなるかというようなことでございます。
 これについては、先ほど来御議論のある請求権そのものの三年という時効とは別の問題でございますけれども、国債ニ関スル法律という法律で、国債全般についての消滅時効が十年という規定がございます。ただ、これは、制度発足当初、昭和三十八年あるいは昭和四十二年にそれぞれ妻、父母についての法律が初めて制定されましたが、その附則の中で、当分の間、消滅時効が完成した場合も支払いすることができるという規定を置いておりますので、委員御指摘のとおり、このケースについては時効は掛からない取扱いになっております。
○福島みずほ君 時効がないという趣旨は理解ができるのですが、この百四十四億千六百七十九万円、恐らくというか、たまっていっていると言うと変ですが、これを、未受領の分をどうやって本当に解決するのかという点についてはいかがでしょうか。
○政府参考人(泉真君) 現在のところ、私どもとしてこれだという具体的な方策というのは特にまだ考えておりません。というのは、結局もう、今申し上げましたように、個々の具体的にもう金融機関の方に行っていただけばいいという部分でございますので、そこについてどのように国として対応できることが何かあるかというのはちょっとこれからの課題かと思います。
○福島みずほ君 この法案をいつも議論するときに戦争の被害ということを思うのですが、この百四十四億千六百七十九万円未受領ということは、やっぱりこれ税金ですから、何らかの形で解決するということが必要なのではないかというふうにも思います。
 満州事変戦没者の妻に対する一九六六年組、一九七九年組のが不存在なんですが、これについてはなぜかということについて明らかにしてください。
○政府参考人(泉真君) 二つの御指摘がありましたけれども、戦傷病者の妻に対する特別給付金の一九六六年、昭和四十一年、これはこの法律が初めて制定されたときでございますけれども、そのときに、満州事変による戦傷病者の方は対象になっていないという法律が制定されております。それはそのときの判断だと思いますが、要するに、どの期間に戦傷を受けられた方を対象とするかというときに、制度発足当初は日華事変及びそれ以後についての期間というふうにして、それより前であった満州事変については対象としないという整理を、その時点ではそういう判断がなされたということではないかと思います。
 もう一点御指摘のあった、昭和五十四年に特別給付金の支給法の改正というのが行われておりますが、これは、期限を更新するということではなくて、中間年というのを設けて、結局、十年待たなければ受給できないという形ではなくて、そこについて早めに対応できるようにしようというふうに初めてしたのが昭和五十四年の改正でございますので、その時点でも日華事変以降を対象とするということで、満州事変は対象にしないという判断をその時点でしたということだと思います。
○福島みずほ君 ちょっとよく分からないというか、一九六六年組不存在はともかく、一九七九年の不存在は行政の不作為ではないか。つまり、ここで次の中間年である一九九一年組の新規の戦傷病者の妻が千四百六十五人だったことから類推すると、一九七九年組の不存在によって給付の機会を逸した妻の数は少なくとも千人から二千人に達するんではないかというふうにも思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(泉真君) 行政の不作為ではないかというお尋ねでしたが、これは法律でこのように定めたことでございますので、法律ですから、国会で御審議の上、こういう御判断がなされたということかと思います。
 ただ、具体的な理由はというのは、ちょっとかなり過去のことですので、私どもでも詳細は不明でございます。
○福島みずほ君 これはいただいた資料で一九六六年と一九七九年が存在しないというふうになっているんですが、ちょっと私自身もなぜか説明を聞いてもよく分からないので、また引き続き理由については教えていただきたい、あるいは追及していきたいというふうに思っております。
 この法案の改正案についてはこのとおり賛成なんですが、私も、残る時間、戦後補償や戦争被害について、とりわけ大空襲の問題についてお聞きをしたいと思います。
 全国各地に行きますと、各地に空襲の記憶があり、かつ全国的にいろんな裁判が提訴されているのは御承知のとおりだと思います。
 総務省に確認をいたしました。軍人恩給に関して、昭和二十八年から平成二十五年まで総額として幾ら払っているか、これは五十兆八千五百七十七億円という金額です。また、この旧軍人の仮定俸給年額ですと、御存じ大将、中将、少将、つまり、軍人として偉い、偉いというか高い地位の人ほどたくさん俸給をもらっていると。恐らく大将階級だと金額は年間八百三十三万四千六百円ではないかとか、一般の兵士よりもやっぱり地位の高い人ほど重いということになっております。
 私は、日本の戦後のこの補償がやっぱりゆがんでいるというふうに思っておりまして、それは何かといいますと、戦争の被害は本当に多くの人が得たものであって、なぜ空襲とかで被害に遭った人たちは何もないのかと。東京大空襲においては、十万人以上が死亡し、四万人が負傷、被災者は百万に上ったと。また、大阪、名古屋など全国六十七の都市で、空襲によっておびただしい数の無辜の市民が甚大な被害を被りました。軍人軍属、準軍属とその父母や妻は、恩給、遺族年金、そしてこの度議論されている特別給付金があります。もちろんそれで戦争の被害は決して償えるものではないかもしれないけれども、一般市民に対して国はこれまで何ら救済を行わなかった。これは問題ではないでしょうか。
○国務大臣(田村憲久君) 非常に難しい御質問でございます。
 我が省所管しておりますのは戦傷病者戦没者遺族等援護法でありまして、そういう意味からいたしますと、国と雇用関係のあった軍人軍属それから準軍属、こういう方々は、雇用関係にあって、公務による傷病でありますとか、場合によってはお亡くなりになられたわけでございますから、これに対して国が国家補償のそのような精神に基づいてこの事業、対応をさせていただいておるわけであります。
 今おっしゃられたお話は、そのような雇用関係にないわけでございまして、国の一方的な命令でけがをされたり命を落とされたというわけではないわけでございます。そういう意味からいたしますと、ちょっともう我が省の所管を超えたところでございますので、なかなか私の立場からコメントをするというわけにはいかないわけでございまして、差し控えさせていただきたいということで御理解をいただきたいと思います。
○福島みずほ君 ヨーロッパでは、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、オーストリアなどの国々において、一般市民が被った戦争被害について、旧軍人の補償との間の国民間の平等や内外国人間の平等といった原則をしっかり位置付けた上で補償を行っています。
 戦後補償といっても、本当にもう最後のチャンスなのかもしれませんが、国として何らかの救済にやはり乗り出すべきではないか。冒頭言った、特別給付金の未受領金が累計で百四十四億円にも例えば上っている。一方で、空襲に遭われて今も苦しんでいる人たちに関して、それもやはり受忍論ではなくて戦争被害なんだというふうに思っています。余りに甚大な被害ですが、どこかで政治は決断をすべきではないかと思っています。
 この厚生労働委員会で、シベリア抑留者の問題や例えば中国残留孤児・邦人に関する問題や、少しずついろんな問題について解決をしてきました。私は、空襲の問題は最後まで残っている問題だというふうに思っています。
 東京空襲訴訟において、五月八日の最高裁判決は、原告の主張を残念ながら退けました。しかし、この訴訟の過程で、一審東京地裁判決は戦争被害受忍論を採用しませんでしたし、最高裁判決で維持された東京高裁判決の中にも、救済は立法府の裁量と一歩踏み込んだ見解を示しています。
 国会の責任かもしれませんが、この問題は実は社会党時代に空襲に関しては法案を出しているんですよね、何度も。しかし、それが当時成立をしなかった。私自身は、やはり戦争の被害に関して一般の人に対してもそれはやるべきだという思いを強く持っておりまして、是非、さっき自分の省を超えるとおっしゃいましたが、是非国会の中での議論をもっとしていきたいと思っています。
 反戦、平和の啓蒙施策について一言お聞きをいたします。
 国は、戦没者慰霊碑建立事業として、一九七一年硫黄島に建立以来、これまでにフィリピン、パプアニューギニア、マレーシア、インドネシアなど十二か国に十五の慰霊碑を建立しております。しかし他方で、東京大空襲に対する慰霊碑、大阪の京橋駅爆撃慰霊碑、名古屋の熱田空襲慰霊碑などは、それぞれの地域の市民有志が建立や慰霊祭を行っており、これらの事業に対する国の援助は全くありません。
 日本政府が国内外に建立した十五の慰霊碑も、その碑文は、さきの大戦において何々で戦没した人々をしのびという文言がほとんどで、戦争全般に対する反省を述べたものは僅かにインドネシアの慰霊碑の碑文、「戦争がもたらした全ての結果とその悲惨さを再び繰り返さないよう全人類に想起させる」というものがあるものだけです。
 国は、この際、空襲被害者を始めとした一般市民の被害者救済に乗り出し、戦争に対する全面的な反省とあらゆる戦争被害者に対する補償を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(田村憲久君) 今おっしゃられましたとおり、慰霊碑という意味からいたしますと、各主要戦域ごとに、今十五、この慰霊碑というものを建立をさせていただいておるわけでありまして、国内では今御指摘があった硫黄島、それから沖縄戦、これにも戦没者苑というような形で建立をさせていただいておるわけでありますが、今のお話は一般の戦災者も含めてというようなお話だったというふうに承らせていただきました。非常に範囲の広いお話でございまして、こういうコメントをするのは本当に忍びないわけでありますけれども、厚生労働省という意味からしますとやはり所管外の部分でございまして、この場で私が大臣としてコメントをすることは差し控えさせていただきたいと、御理解をいただきたいというふうに思います。
○福島みずほ君 厚生労働省、総務省、文科省、様々なところで是非議論していただくようにお願いをいたします。
 空襲に関して、例えば日本も中国の重慶を三八年から爆撃したというのはあるんですが、他方、日本政府も当時アメリカなどに対して空襲に対して抗議を行っております。質問主意書を出したところ、例えば昭和二十年三月二十二日、米国政府に対して東京大空襲に関して非難し、抗議をするということを、当時重光外務大臣がスイスを通じて米国に抗議をしていると。当時、沖縄の一〇・一〇空襲に関しても抗議をしていますし、残念ながらそれが止まらなかったと。お互いに、自分も無差別、市民を空爆しながら、しかし、日本政府も当時これは国際法違反だという形でアメリカに抗議をしていると。それが止まらなかったというのは実に残念ではありますが、これは国際法違反ということで問題ではないでしょうか。
○政府参考人(石井正文君) お答え申し上げます。
 政府といたしましては、当時の状況については様々な見方がございまして、御指摘の東京大空襲は、当時の国際法に違反して行われたとは言い切れないとは考えておりますが、国際法の根底にある基本思想の一つたる人道主義に合致しないものであるとは考えております。
 また、先ほどの重光外相の抗議の話ございましたけれども、こういう抗議に関する認識のような歴史的な事象に関する評価につきましては、一般的に専門家などに議論されるべきものと考えておりますところでございまして、これに関する認識については、この場ではお答え、差し控えさせていただきたいと思います。
○福島みずほ君 時間ですので終わります。
○委員長(武内則男君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 戦没者等の妻に対する特別給付金支給法及び戦没者の父母等に対する特別給付金支給法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(武内則男君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(武内則男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時十六分散会