第183回国会 厚生労働委員会 第15号
平成二十五年六月二十日(木曜日)
   午前十時一分開会
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   委員の異動
 六月十八日
    辞任         補欠選任
     尾辻かな子君     梅村  聡君
 六月十九日
    辞任         補欠選任
     江田 五月君     櫻井  充君
     小川 敏夫君     尾辻かな子君
     田城  郁君     斎藤 嘉隆君
     宇都 隆史君     武見 敬三君
     渡辺 猛之君     中村 博彦君
 六月二十日
    辞任         補欠選任
     尾辻かな子君     大久保潔重君
     小西 洋之君     大島九州男君
     斎藤 嘉隆君     牧山ひろえ君
     石井みどり君     江島  潔君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         武内 則男君
    理 事
                足立 信也君
                津田弥太郎君
                赤石 清美君
                高階恵美子君
                渡辺 孝男君
    委 員
                石橋 通宏君
                梅村  聡君
                尾辻かな子君
                小西 洋之君
                小林 正夫君
                斎藤 嘉隆君
                櫻井  充君
                牧山ひろえ君
                石井みどり君
                江島  潔君
                大家 敏志君
                武見 敬三君
                藤井 基之君
                丸川 珠代君
               三原じゅん子君
                川田 龍平君
                行田 邦子君
                田村 智子君
                福島みずほ君
   衆議院議員
       修正案提出者   高鳥 修一君
       修正案提出者   山井 和則君
       修正案提出者   柚木 道義君
   国務大臣
       厚生労働大臣   田村 憲久君
   副大臣
       厚生労働副大臣  桝屋 敬悟君
   大臣政務官
       厚生労働大臣政
       務官    とかしき なおみ君
       国土交通大臣政
       務官       坂井  学君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        松田 茂敬君
   政府参考人
       文部科学大臣官
       房審議官     山下 和茂君
       厚生労働大臣官
       房年金管理審議
       官        高倉 信行君
       厚生労働省健康
       局長       矢島 鉄也君
       厚生労働省医薬
       食品局長     榮畑  潤君
       厚生労働省職業
       安定局長     岡崎 淳一君
       厚生労働省職業
       安定局派遣・有
       期労働対策部長  宮川  晃君
       厚生労働省社会
       ・援護局長    村木 厚子君
       国土交通大臣官
       房審議官     毛利 信二君
       国土交通大臣官
       房審議官     橋本 公博君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○生活保護法の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
○生活困窮者自立支援法案(内閣提出、衆議院送
 付)
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○委員長(武内則男君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、江田五月君、小川敏夫君、田城郁君、宇都隆史君及び渡辺猛之君が委員を辞任され、その補欠として梅村聡君、櫻井充君、斎藤嘉隆君、武見敬三君及び中村博彦君が選任されました。
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○委員長(武内則男君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 生活保護法の一部を改正する法律案及び生活困窮者自立支援法案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省社会・援護局長村木厚子君外八名の政府参考人の出席を求め、その説明を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(武内則男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(武内則男君) 生活保護法の一部を改正する法律案及び生活困窮者自立支援法案の両案を一括して議題といたします。
 両案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○尾辻かな子君 おはようございます。民主党・新緑風会の尾辻かな子でございます。
 本日は、質問の機会をいただき、誠にありがとうございます。どうぞよろしくお願いをいたします。
 まず最初に、今回、生活保護法ですけれども、衆議院の方で修正がございました。その修正部分について、まず、修正提案者の方も来ていただいておりますので、確認をさせていただきたいと思います。
 まず、修正部分、二十四条の第一項についてお尋ねをしてまいりたいと思います。
 条文では、保護の開始を申請する者は、厚生労働省令で定めるところにより、申請書を保護の実施機関に提出しなければならないこと、ただし、当該申請書を作成することができない特別の事情があるときにはこの限りでないという文言に変わりました。
 開始を申請する者は申請書を提出しなければならないという表現は、申請と同時に申請書の提出ではなく、申請書の提出が時期的に遅れてもよいという解釈でよろしいでしょうか。
○衆議院議員(柚木道義君) お答え申し上げます。
 生活保護の申請でございますが、現在、申請書や関係書類等の提出がなくとも、申請意思が明確に示されれば申請行為として認められるものでございまして、必要な書類の提出時期も、できるだけ早期に提出していただくことが望ましいわけではございますが、これも保護決定までの間でよいとされているところでございます。
 よって、政府案におきましては、この点に疑念が生じかねないと懸念する声があったため、今回の修正案はこれまでの取扱いが変わるものでない旨を明確にするものでございます。
 以上です。
○尾辻かな子君 ありがとうございます。
 先ほど言われたように、申請意思というのが明確であれば口頭による申請も認められる裁判例、従前の事務連絡が基づく考え方はこれからも維持されるということで再度確認をさせていただきたいと思います。
○衆議院議員(柚木道義君) お答え申し上げます。
 生活保護申請は、書面を提出して行うことが基本とされておる一方で、事情がおありの方につきましては、現在の運用におきましても口頭による申請が認められているところでございます。例えば、もう委員は御専門でいらっしゃいますが、福祉事務所の職員が必要事項を聞き取られまして書面に記載した上で、その内容を本人に説明し、署名捺印を求めるなどしておるところでございます。
 今後も、厚生労働省におかれましても、従前どおりの考え方を維持しつつ、適切に運用がなされるものと考えております。
○尾辻かな子君 ありがとうございます。
 あと、ただし書の部分ですけれども、申請書を作成することができない特別の事情、先ほども御説明いただきました。身体障害等で文字が書けず代筆を要する場合でなく、申請意思が表明されたのに申請書が交付されなかった場合、ここも含むと理解してよろしいでしょうか。
○衆議院議員(柚木道義君) 現状でも、現在でも、生活保護の申請については書面で行うことが原則とされておりますが、口頭による保護の申請も申請意思が明確である場合には認められておるところでございまして、修正案の趣旨は、その取扱いが変わるものではないことを条文上も明確化するものでございまして、御指摘のような障害などで文字が書けない方が申請される場合も当然含まれると考えております。
 また、申請意思が明確になされたにもかかわらず申請書が交付されないこと、これはそのこと自体があってはならないというふうに承知をしておりまして、その前提ではありますが、万々が一そういうことがあった場合でも、そのこと自体が正されるべきことと考えております。
 厚生労働省におかれましても同様の認識であるというふうに承知しておるところでございます。
○尾辻かな子君 これらの確認を踏まえて、大臣にも確認を再度させていただきたいと思うんですけれども、保護の申請行為はいわゆる要式行為ではないという解釈でよろしいでしょうか。
○国務大臣(田村憲久君) おっしゃるとおりでございまして、まず本人に申請する意思があるということ、受理をしなければならないわけでございまして、その時点で申請手続に入っていくわけでございますから、その後、書類等々に関しましては、今ほど来、柚木提出者からお話がございましたけれども、要は、どうしても特別な事情があって書類を作成できないという方に関しましては、実態は口頭でお聞きをするなりなんなりしまして、窓口の方が書類を書いて、それを行政は記録として残さなきゃいけないものでありますから、記録として残すわけでありますから、保護の要件といたしまして申請書類というものを出さなければならないというわけではなくて、それは意思があるときから受理をして審査に入っていくということでございますので、おっしゃられるとおりでございます。
○尾辻かな子君 じゃ、ちょっと文言だけ確認ですが、非要式行為ということでよろしいでしょうか。
○国務大臣(田村憲久君) 要式行為じゃないということでございますので、そういうことで結構でございます。
○尾辻かな子君 ありがとうございます。
 修正提案者の質問は以上でございます。どうもありがとうございました。どうぞ御退席ください。
○委員長(武内則男君) 柚木道義さんにつきましては御退席していただいて結構でございます。ありがとうございました。
○尾辻かな子君 それでは、今ちょっと生活保護法の修正の部分を聞きましたけれども、次の質問をさせていただきたいと思います。
 本日、参考資料として皆様のお手元に、今まさに脱法ハウスというネーミングのものができておりまして、これが連日、新聞等で報道をされております。まさに今回の生活保護法や生活困窮者自立支援法の関連がかなり深いと思いますので、まず、現在起こっている問題について質問をさせていただきたいと思います。
 脱法ハウスというのは、もう御承知のとおり、いわゆる貸し倉庫とかレンタルオフィスという名前で貸出しをし、でも、実際は居住されていたりとか住所の登録をされておられる。そして、その居住空間というのは本当に狭くて、大体一・七畳ぐらいしかない、窓もないということで、いわゆる共同住宅としての基準も満たさないものばかりであるというふうに報道がなされています。
 まず、このいわゆる脱法ハウスについて、国土交通省の方に、現在どのようにこれ認識され、把握され、対応されているのか、お聞かせください。
○政府参考人(橋本公博君) お答え申し上げます。
 委員御指摘の、多くの人の居住実態がありながら、貸しオフィスや倉庫などと称して建築基準法の防火基準等に違反している物件が、現在確認されているもので三件、違反の疑いのある物件が一件ございます。これらの物件につきましては、建築基準法上の寄宿舎に該当するもの、あるいは該当する可能性が高いというふうに考えております。こうした物件は建物の外観からだけでは違反かどうかの判断が難しく、まずは内部に立ち入ってその実態についての情報収集をすることが必要でございます。
 このため、国土交通省といたしましては、違反の疑いのある物件に関する情報受付窓口を六月十日に設置をいたしました。また、同日付けで都道府県に対して通知をし、都道府県等においても情報受付窓口を設けること、情報提供のあった物件について、特定行政庁、建築確認を行う都道府県あるいは規模の大きい市でございますけれども、この特定行政庁において消防部局等と連携をして調査をすること、建築基準法令に違反する物件が確認された場合には特定行政庁において是正指導を行うこと等、要請をしたところでございます。
 危険な状態の建築物を放置しておくことは、もとより許されるものではないと考えます。建築基準法違反の建築物につきましては、その是正を徹底をし、建築物の安全確保を図ってまいりたいと思っております。
 なお、これまで建築基準法や消防法の違反是正の指導を行った物件のうち、中野区、練馬区の二件が閉鎖され、また千代田区の一件については閉鎖予定であるというふうに承知をしております。
○尾辻かな子君 今、中野、練馬が閉鎖で、千代田ももうすぐ閉鎖されるということで、これ、もう少し後でまた質問させていただきたいと思いますけれども。
 窓口を設けているということで、実態調査をされているということですけれども、一般社団法人のシェアハウス振興会の山本理事長が新聞の取材に対して、全国にあるシェアハウスのうち、私の感覚、つまり山本理事長の感覚では四割がグレー、そして二割がブラックであるというふうに答えていらっしゃいます。そうなりますと、現在、これも新聞報道では千七百軒、一万九千床あるというふうにシェアハウス言われています。単純計算で、六割だとすると千二十軒、一万千四百床がグレー、ブラックの可能性があることになってくるわけですね。
 そして、先ほどおっしゃっていただいたように、これ、いわゆる貧困ビジネスと呼ばれているものですから、国交省さんが例えばそういう建築基準法、いろいろ考えたときに、これは安全でないというふうに規制が掛かってきたら手を引いていかれるわけですね、ビジネスでございますので手を引いていくということです。
 今現在、先ほどもお答えいただきましたように、千代田区にある脱法ハウスがございまして、実はここはもう六月いっぱいで退去をしてくださいというふうに、いわゆる居住者というか契約をされた方に対してもう通告をされておられます。また、この千代田区のいわゆる脱法ハウスのところでは生活保護受給を区に申請した方も実際に居住されているということでございまして、とにかくここには約百人近い方が住んでおられる、まあ住んでおられた、ちょっと出ていかれる方もいらっしゃるそうで、おられたそうです。今日が六月二十日でございますから、あと十日余りということになります。
 こういう方々が、じゃ、この十日後にこの千代田区でどこに行かれるのか、どこに住まいを見付けるのか、これこそ本当に今私たちが議論すべき、そしてセーフティーネットとして何があるのか議論しなければいけないと思っております。
 特に、この千代田区のことに限って申し上げますと、実際に私も千代田区役所に行ってお話を聞いてまいりました。まずは、形としては住むところを失うというわけですから、今厚生労働省さんがやっておられる住宅支援給付支給申請書、この辺の制度が使えないのかなということで聞いてまいりました。
 最初に担当の方に言われたのは、実はこれ要件が住宅ということになっておりますので、この住宅支援給付の要件、住宅を失った又は賃貸住宅に居住しているが住宅を失うおそれがあるというこの要件に対して、脱法ハウスはまず住宅ではないというところでちょっと当てはまらない。これをその脱法ハウスの経営者のところに聞いたところ、いや、うちは賃貸住宅じゃありませんということで、まずもってこの住宅支援給付が受けられない状況であるということを知りました。
 また、じゃ、これ、実際に身近な自治体である千代田区の方に、こういうことに対して相談はありましたかというふうに聞いたところ、このような支援のことに対してというのはお問合せがあったのはただ一人であったということなんですね。それで、そのお一人の方は、今回この住宅支援給付は該当しないと聞かれたというところで、それでもう帰られてしまったということでございました。
 ということで、現実を考えてきたときに、いわゆる東京都ではネットカフェの規制条例ができました。規制が掛かれば、そこにいわゆる居住されていた方々というのは玉突きになってまたほかのところへ移られるわけですね。そして、レンタルハウスとかそういうシェアハウスに来て、そしてそのシェアハウスにこの規制が掛かれば、またじゃ玉突きでどこかに行かれるということになるわけですけれども、この状態について、やはり早急に自治体や省庁、そしてNPO、連携して即応していかなくてはいけないと私は考えるわけですけれども、大臣、いかがでございましょうか。
○国務大臣(田村憲久君) 今御指摘の脱法ハウス問題、千代田区の問題がいろいろとマスコミに出てにぎわしているわけでありますけれども、基本的に、千代田区のこの脱法ハウスの場合は、今言われたとおり、これ以上続けられないということでございますので、生活保護に入っておられる方々、こういう方々がやはりいるところがなくなるわけでございまして、それは千代田区の方で責任持って、ちゃんとしたところといいますか、言うなれば脱法じゃないところに対してこれから支援を、転居支援をしていくということになろうというふうに思います。
 一方で、生活困窮者、もちろんこれ生活困窮者の範囲というものもいろいろありまして、何かテレビなんかで見ていますと、あそこに入っておられる方は年収三百万以上の方もおられるようでございますけれども、その方が対象になるかどうかは別にいたしまして、そういう方々に関しましてもやはり何らかの対応を千代田区はしていただくという話の中において、一つはホームレスのシェルター、こういうものをお使いになられるという。それからもう一つは、今言われました住宅支援給付制度というようなもの。ただ、これは、今言われたとおり、たしかあれ二年間か何かだったと思います。二年以上遡ってという話になると対象にならないということでございますので、こういうものに対してどう考えるかという問題点があろうと。それからもう一つは生活福祉貸付資金ですね、こういうもので対応いただく中において新たな、当面の住居をお探しをいただくというようなことを含めて、利用支援を行っていただくというふうに千代田区の方からはお聞きをいたしております。
○尾辻かな子君 これ、千代田区さんの方はされるということなんですが、そこと連携して厚生労働省さんとして何かやっていく、情報収集していく等はないんでしょうか。
○政府参考人(村木厚子君) 今千代田区と連携を取りながら対応を見守っているところでございますが、いずれにしても、国の制度で使っていただけるものはできるだけ使っていただきたいと思っております。
 先ほど住宅支援給付制度のお話がありましたが、これ確かにいろんな要件ございますが、住宅を失った方というのは対象になりますので、あれは住居ではないから住宅を失った方にならないとか、そこまでしゃくし定規な運用をしなくてもいいだろうというふうに思いますので、使っていただける制度はきちんと使っていただくという形にしたいというふうに思っております。
 それから、これは千代田区に限らないと思いますので、私どもも、国土交通省さんも情報収集を行われますが、厚生労働省からも情報収集に協力をしてしっかりと対策を立てたいということで、地方自治体の福祉部局にこの問題に関する情報収集をお願いをして、また国土交通省の情報収集への協力もお願いをしたところでございます。
○尾辻かな子君 情報収集とともに、今本当に六月末で退去される方々が再び、例えば路上なり、またどこか違う場所に行かれるということがないように、やはり何らかの対応というか、お気持ちで結構ですが、何かございませんでしょうか。
○国務大臣(田村憲久君) ちょっと一点、申し訳ありません、先ほど言い間違いがありまして、住宅支援給付制度、離職して二年ということでございましたので。
 今のお話ですが、脱法ハウスの問題、全国で、今お話があったように多分都市部が中心であろうと思いますけれども、かなりの広がりがあるというようなお話もあるわけでございまして、ここはちょっとこれから国土交通省と協力しながら、まずはどれだけ脱法、例えば建築基準法の違反でありますとか消防法の違反等々の建物があって、本来住居にそぐわないというものがどれぐらいあるのかということも我々はある程度確認していかないことには、どれぐらいの広がりがあるかも分からないわけでございまして、ちょっと協力していろんな情報を収集した上で、またかなり大きな問題になってくるということであれば、対応等々を検討させていただきたいというふうに思います。
○尾辻かな子君 是非対応をお願いしたいと思います。
 先ほどちょっとおっしゃられたメニュー、様々今国の方で用意していただいております。確かにこういうようなメニューで対象になる方もいらっしゃいますが、逆に言うと対象にならない方ももちろん出てくるというところで、もう少し、先ほど村木局長の方からも言っていただいたように、住宅を失ったというところはしゃくし定規に解釈しないというふうにおっしゃっていただきましたし、やはりこの住宅支援給付のところも離職後二年というところとか六十五歳未満とか、あと、私自身はこれお話を聞いていて一番大変だなと思うのは、自分で家を探してこなければいけないんですね。この給付を受けようと思うと、自分で家を探してきて契約をして、それを持ってこなければいけない。
 つまり、今すぐ家がなくなる方が、じゃ、そこまでできるんだろうか。敷金とか礼金とかの問題も含めて、これちょっと、もちろんこれでできる方もいらっしゃいますが、できない方もいらっしゃるのではないかとか、あと、先ほど言ったように資金の問題ですね。入居資金もお貸ししますよということでございましたけれども、こういういわゆる社協さんがやっておられるような総合支援資金の貸付けなども、もう御承知かとは思いますけれども、例えば借金のある方とかいうのはこれなかなか貸していただけないんですよね。
 というところで、本当に困っていらっしゃる方々にきちっとぴったり合ったようになかなかならないのかなという感じがしております。ですので、この辺、もう少し使い勝手のいい支援策というのをもう少し工夫していただけたらなということを御指摘をさせていただきたいと思います。
 本当に今困っている方々が使える制度でないと、全て絵にかいたもちになってしまいますので、この辺で、不安定な就労環境の下で劣悪な住環境を選ばざるを得ない人々への支援対策の拡充とかNPOなどとの協働、また他省庁との連携、よろしくお願いしたいと思います。
 国交省の方、来ていただいているので、空き住居というのについてちょっとお聞きしたいと思うんですが、例えば今都市部が多いということなので、東京都で結構です、東京都で一体空き住居というのはどれぐらいあるのでしょうか。
○政府参考人(橋本公博君) お答え申し上げます。
 総務省の住宅・土地統計調査によりますと、平成二十年十月一日現在でございますが、東京都内にある賃貸用の空き家の数は約四十九万戸となっております。これは推計でございますけれども、賃貸住宅総数で考えますと、空き家率は一四・五%ぐらいになるのではないかというふうに考えております。
○尾辻かな子君 今、四十九万戸、一四・五%ぐらいということでお聞きをいたしました。
 これは、例えば公営住宅とか、いわゆるURとか住宅供給公社とかの空き状況はどんな感じでしょうか。
○政府参考人(橋本公博君) まず公営住宅でございますが、都内の管理戸数全体の戸数が二十六万八千戸程度ございますが、空き家は二千二百九十四戸、空き家率は〇・九%でございます。住宅供給公社につきましては、管理戸数七万九千戸のうち空き家が二千九百九十三戸、空き家率は三・八%でございます。それから、URの賃貸住宅につきましては、管理戸数十六万九千戸のうち空き家が九千二百六十八戸、空き家率五・五%でございます。
○尾辻かな子君 ありがとうございます。
 やはり全体的に安い値段で借りられるところというのはちょっと空き家率が低いのかな、ただ全体で見ると一四・五%で四十九万戸あるということなので、逆に言うと、こういう住まいの問題ということについては、これからそういう住まいを本当に必要とされる方と空いているところをマッチングさせることというのがとても重要になってくるかと思います。そのようなマッチングのシステム、国交省さんはお持ちでしょうか。
○政府参考人(橋本公博君) 当然、民間の空き家については通常の宅建業者さん、不動産業者さんの窓口でお探しをいただくというのが原則でございまして、国土交通省として特別に特定の方に住宅を紹介するというのは、例えば、公営住宅で対象になる低所得者の方々に限って公募する等の仕組みはございますが、今回お話しになっているような案件について特別なマッチングのシステムは持っておりません。
○尾辻かな子君 やはりこういうようなマッチングシステム、必要かと思います。例えば、国交省さんでも取られないなら、厚生労働省さんの方でも何かこういうシステムというのをやっぱり考えていかざるを得ないのかなというふうに感じております。
 こういうようなマッチングシステムの中で、私自身いろんな方からお話を聞いて、ちょっと気を付けていただきたいと、これから課題にしていただきたいのは、例えば自立支援で、私は大阪なんでございますが、大阪だと大阪希望館というところがございます。これは仕事と住まいを失った方々の再出発を応援する場所ということでやられているんですが、そこの事務局長さんにお話を伺うと、そういう路上とかネットカフェから住まいを何とかさっきのマッチングでもしできたとしても、今度は地域の中での孤立の問題が残ってくるというふうにおっしゃっておられるんですね。
 そういう方々に対して、じゃ、今度見守りというか定期的な訪問をしていきたいんですが、なかなかマンパワーがなくてそこまでの定期的な訪問もできない。なので、できたらそういうマッチングシステムがあって、なおかつグループ入居みたいなことができればいいのかなという課題を教えていただいたんですけれども、この辺について、大臣、いかがでございましょうか。
○政府参考人(村木厚子君) 実は、先生の問題意識、私どもも非常に大事だというふうに思っておりまして、本年度からですが、生活保護の受給者の方々について、民間のNPO等と協力をして、民間のいわゆる普通の空き家を探すということ、それから、そこに入居をしていただいて、住宅扶助は直接大家さんにお支払をするような形を取る。それから、そのNPOが見守りをしていって、大家さんとの関係、地域との関係をつないでいくというようなことを予算事業で始めたところでございます。
 生活困窮者、生活保護世帯だけではなくて、もう少し幅広いところにそういったことも広げられればいいと思いますが、まずは生活保護のところでこういった事業を始めたところでございまして、これをしっかり育てていきたいと思っております。
○尾辻かな子君 それではしっかりと育てていっていただきたいと思います。
 次なんですけれども、ちょっと脱法ハウスは以上で終わらせていただいて、生活保護法の改正のことについてお伺いをしてまいりたいと思います。
 今回の生活保護法、衆議院の方での修正のことはもう確認をさせていただきましたが、当事者の方とかそういう支援団体の方々からは、やっぱり今なお多く懸念の声というのが上がっております。私も社会福祉士という立場として、この法案をぱっと見たり、報道から聞くと、やはりちょっと違和感を感じるところがございます。何というか、いわゆる救貧法と呼ばれているような時代の劣等処遇の原則のようにも感じてしまうわけですね。
 劣等処遇の原則というのは、もう釈迦に説法でございますけれども、ワークハウスに収容されて救済を受ける者は、救済を受けないで自立した生活を送っている最下層の生活レベルよりも低いものでなければならない、こういう原則でございますけれども、今の生活保護は無差別平等の原則でございますので、実は違うわけです。きっとこういうふうに当事者の方や支援団体の方が思われるのは、一つはアナウンス効果ですね。こういうふうに正確に伝わっていないアナウンス効果もあって、どんどんどんどん不安を増大させているという部分もあるかと思うんですね。
 なので、こういうこと、そんな劣等処遇ではない、こういう誤解がないように、しっかりとこの辺の誤解を解いていただけたらと思うのですが、大臣、よろしいでしょうか。
○国務大臣(田村憲久君) もちろん今委員がおっしゃられたような趣旨はしっかり生活保護の中で守られているわけでございまして、やはり無差別平等という話の中において、健康的で文化的な最低限度の生活が営めるような、そういう意味では最後のとりでではあるわけでございますけれども、その基準というものをしっかりと満たせるような制度になっておるというふうに我々は思っておるような次第であります。
○尾辻かな子君 これがだから無差別平等であるということをしっかりとアナウンスしていただきたいのと、今もう萎縮効果も出ているのかなというふうに感じています。このアナウンス効果と萎縮効果という部分をしっかり踏まえて、今後やっていっていただきたいなと思います。
 次ですけれども、ケースワーカーさんの問題についてお伺いしていきたいと思います。
 今回、ケースワーカーさんを増員されるということは、膨大なケースを抱えている現場にとってはとても良い話というか前向きな話だと思います。しかし、質、量共にまだまだ不足しているなという感は否めないわけでございまして、特に質の問題でございますけれども、現場の自治体では、福祉事務所の方では、人事異動などによって福祉専門職でない方がケースワーカーをされているというのが結構あるわけで、関西国際大教育学部の教授で社会保障審議会の生活保護基準部会の委員をされておられます道中先生も投稿論文の中で、実は専門資格である社会福祉士の有資格者はケースワーカーの四・六%しかいませんというふうに言及をされております。
 相談援助職であれば、バイスティックの七原則とか、個別化とか非審判的態度と言われる、そういうような原則などの基本的態度は身に付いているかと思うんですが、今こそ一人一人の方々を支援するケースワーカーの専門職としての質の担保が必要であると考えます。いかがでしょうか。
○副大臣(桝屋敬悟君) 福祉事務所のケースワーカーの体制、質、量共にと、こういうお尋ねでございました。
 確かに現場は大変でありまして、一人当たりケースワーカーさん、平成二十四年度で全国平均で九十三世帯を担当しているわけでありまして、もちろんこの中には長期入院等も入っているわけでありますが、なかなか大変であります。全国的に生活保護受給者が増加している状況の中で、委員御指摘のように、マンパワーが不足している状況があるということで、ケースワーカーの確保、これは急務であるというふうに考えております。
 このため、地方自治体全体の職員数がこれも減少する中にありますけれども、受給者が増加している状況等を考慮いたしまして、平成二十一年度以降、毎年度、地方交付税算定上の人数を増やすことによりまして体制整備を図っておりまして、引き続きこれは取り組んでまいりたいというふうに思っております。
 それから、一方で、生活保護制度を国民の信頼にこたえるものにするためには、委員御指摘のように、ケースワーカーの質の問題が極めて重要だと。これはそれぞれの自治体の首長の考えもこれ影響するわけでありますが、近時、やはり生活保護世帯が増えているということもありまして、首長さんも、福祉事務所の職員、配置する職員の質について重きを置いていただいているような気がいたします。
 そんな中で、相談窓口などの業務を行う所員には一定の資格を持つ、社会福祉士とおっしゃいましたけれども、社会福祉主事、三科目主事と言われておりますが、これを配置することにしておりますが、委員御指摘のように、最近は社会福祉士も、これも増加傾向がございます。先ほど四・六という話がございましたが、これが二十一年度の数字でありまして、委員、二十四年度はこれが一割程度、一〇・九%ぐらいまで増えているということは、今申し上げたやはり自治体の首長のお考えもその辺に力点を置いておられるんだろうというふうに思っております。
 さらに、厚生労働省では毎年、全国ケースワーカー研修会、福祉事務所でケースワーカーを指導する立場にある職員向けの研修を実施をしながら、各自治体でも独自の研修を実施して資質の向上に努めているところであります。国と地方それぞれの取組によりましてケースワーカーの資質向上に努めて、より複雑、多様な課題を抱える受給者支援に適切に対応できる体制を今後とも整えていきたいと考えてございます。
○尾辻かな子君 やはりケースワーカーさんの質の担保というのがこれからの支援の中で、例えば生活保護の受給者の方との信頼関係とか、自立に向かっての支援というのはすごく大事になってきますので、よろしくお願いしたいと思います。
 あわせて、ケースワーク的なところでいうと、生活困窮者の自立支援法の方でも、今後、相談支援事業など行っていくわけですけれども、こちらもやはり生活困窮者の方のニーズに合ったアセスメントなどが必要になってくるかと思います。ここにもやはり相談援助職として活躍できる人材を質、量共に担保しなければいけないと思いますが、いかがでしょうか。
○副大臣(桝屋敬悟君) おっしゃるとおりでありまして、生保だけでなくて、今委員御指摘の生活困窮者自立支援法、この法案の、これが実現するためには、この支援体制を構築するに当たっては、まさに委員がおっしゃったように、様々な生活困窮者、いろんな課題を抱えているわけでありますから、適切な支援が行えるように、各支援員の専門性が担保される必要があるだろうと思っております。そのためには人材の養成が何よりも急がれるというふうに思っております。
 例えば自立相談支援事業に配置される相談支援員、ここが一番大事だと思っているわけでありまして、社会福祉士等を活用することが望ましいと考えておりますが、地域の実情も様々でありまして、今後具体的に検討してまいりたいと思っております。
 また、今後、国において直接各支援員の養成研修を行う。まずモデルで実際現場でやってみたいと思っておりますが、そのためには、全体をリードするやはり優れた人材を養成しなきゃならぬと思っておりまして、国がまずはカリキュラムをしっかり整備いたしまして、実践的な内容になるようにこれも取り組んでまいりたいと思っております。
○尾辻かな子君 今の現実に沿った、そして質が担保される制度を構築していっていただきたいと思います。
 次に、今度またちょっと生活保護に戻りますけれども、これもやはりよく聞かれるのが、いわゆる今回の改正が水際作戦になるのではないかということをよく聞くんですね。
 それで、先ほどの道中先生の本で、「生活保護の面接必携」ということで、「公的扶助ケースワーク実践T」という本がございます。その中で、水際作戦と呼ばれる違法な運用が疑われる取扱いということがここで解説をされておりますので、この先生の指摘というのが、実際の窓口の対応、それが不適切な制度運用である、生活保護法の趣旨はこうであると先生が述べられているところについて、そのとおりなのかどうかというのをちょっと確認を、そのとおりというか、趣旨ですね、生活保護法の趣旨ではそうですよというのをちょっと実際の案件のところで聞いていきたいと思います。ここが一番皆さん不安に思われているのでお聞きしたいんですが。
 いわゆる水際作戦で、窓口で言われるのは、あなたはまだ働ける年齢ですから保護は受けられませんねということで水際作戦が行われる。これに対して、これは不適切な制度運用であると。仕事は一生懸命探せば見付かるので、ハローワークへ行くよう助言するのは不適切であり、生活保護法の趣旨でいうと、稼働能力があっても、求職活動をしても就職できない場合は保護の要件に欠けることはない。
 ですので、今のこの窓口対応、いろんな様々な方がいらっしゃるので、この一つのエピソードだけではなかなかお答えはしにくいかと思いますが、こういうような対応とこういう趣旨はこれで合っていますでしょうか。
○政府参考人(村木厚子君) 道中先生の御著書ということでございますが、先生の御記述のとおり、働ける年齢だからということで保護が受けられないという一律の扱いは、窓口の扱いとしては間違っております。稼働能力があっても、現に働くところが見付からないために困窮をしておられるということであれば、生活保護の受給が可能なケースがあるということでございます。
○尾辻かな子君 それでは、次の実際の対応へ行きます。
 親若しくは息子さんに面倒を見てもらってくださいとか、実家に帰って援助をもらってくださいという窓口の対応、つまり制度運用としては、扶養義務者から援助できない旨を記載してもらった書類を持参するよう要請する。これが生活保護法の趣旨でいうと保護の要件ではない、現に扶養が履行されたときに収入認定されるが、無理に扶養履行を要請されることはないというのが保護法の趣旨であるということなんですが、これも確認をさせてください。
○政府参考人(村木厚子君) これも先生の御指摘のとおりでございます。
 もちろん、親子関係等々がしっかりとあって、かつ十分に扶養ができる経済力があるときには、やはり生活保護ではなくて家族の扶養を是非していただきたいというふうに思いますが、親や息子さんの扶養を要件として、これを受けないと保護を受けられないということではございませんので、確かに一定程度扶養していただくときにはそれが優先はいたしますが、前提要件ではないということでございます。
○尾辻かな子君 では、次のケースに参ります。
 体が悪いのなら診断書を出してくださいと、こう窓口で言われる。つまり、主治医に診断書を書いてもらってくるよう要請するという制度運用でございますけれども、これが生活保護法の趣旨でいうと保護の要件ではなく、申請段階では必要がないというこの解釈についていかがでしょうか。
○政府参考人(村木厚子君) 診断書がないと保護の申請も受け付けないということは、これも誤りでございます。ただ、もちろん保護を受けるに当たって、あるいは保護を受けていく中で健康状態がどうであるかとかいったことについては、きちんと診断をしていただくというようなことは必要になる場合がありますが、それがないから申請を受け付けない、窓口ではねてしまうということは運用としては誤りだと考えております。
○尾辻かな子君 次に参ります。
 窓口で、家賃が高過ぎるから駄目だ、今住んでいるところの家賃が高過ぎるから駄目ということになったとき、つまり高額家賃なので転居してから来所するように要請する。これが生活保護法の趣旨でいいますと、住宅扶助基準額の上限を超える部分が支給されない、受理後の転居指導となる、この趣旨でよろしいでしょうか。
○政府参考人(村木厚子君) 今基準を超える高い家賃のところに住んでおられるからということで窓口ではねるということはございません。受給資格があれば受給をしていただいて、その中で余りにも高い家賃のところに住んでおられると、どうしても住宅扶助は上限額がございますから、そこへ移っていただくということは御相談しながらやるということはございますが、入口ではねるということではございません。
○尾辻かな子君 次ですけれども、車や生命保険などは認められないので処分してくださいということですね。これは制度運用でいうと、車や生命保険の保有は認められないので処分してから来所するように要請する。これは生活保護法の趣旨でいうと、保有資産は個別具体的に判断するということですけど、これでよろしいでしょうか。
○政府参考人(村木厚子君) 例えば、車も御自身の自立に必要な場合は保有が認められる場合等もございますので、こういったものを持っているからということを理由にしてまず窓口で受け付けないということは、対応としては誤りでございます。
○尾辻かな子君 次に、住所のない人は保護できませんということを窓口で言われたと。住所がないと保護できないので住居を設定してから来所するよう要請するということは、これは生活保護法の趣旨でいうと、申請の受理後に保護の要否や保護の方法を決定することになるということですので、これについていかがでしょうか。
○政府参考人(村木厚子君) 現にそこに来られて、そこに住まわれるということで、住まわれるというか、そこで暮らしておられて申請に来られたわけですから、住所がなくても生活保護の申請はできます。ホームレスの方を生活保護の対象にするということはよくあることでございますので、その取扱いも間違いでございます。
○尾辻かな子君 じゃ、あと一つだけ。借金のある人は駄目というふうに言われた場合ですね。借金があるからといって申請拒否の理由にはならないわけでございまして、過去の債務は申請の不受理の理由にはならない、これでよろしいでしょうか。
○政府参考人(村木厚子君) これも、借金があるからといって入口でシャットダウンをするということはございません。
 ただ、生活保護費を借金の返済に使うことについてはいろいろ問題がございますので、そこはどういう形でその借金を処理するかということはございますが、いずれにしても、そのために窓口で困窮の状態にあるのにシャットアウトしてしまうということではないというふうに考えております。
○尾辻かな子君 ありがとうございます。
 これらのいわゆる水際作戦と言われることが本来は不適切であるという村木局長からのお返事いただきました。ただ、実際、今でもやはりこういうこと、間々聞くわけでございます。これらの具体的にこういうことは駄目なんだよということの周知徹底ですね、それらを指導していただいたり、若しくは、申請に行った方がやはり言われるわけですね、そういうふうに言われたときに、じゃ、一体誰に相談をしていいのか、どこに相談していいのか。駄目だって言われちゃった、でも本当に今生活に困っているから最後のセーフティーネットでそこに行っているのに、こういうふうに水際で駄目だと言われたときに、じゃ、この方々はどこに相談をしたらいいんでしょうか。
○政府参考人(村木厚子君) 市町村の窓口ということでございますので、一般的には、その相談についての不満があったときに、また市町村の相談窓口に御相談をいただくということもございますが、基本的には、生活保護については、市町村で適切な扱いが認められなかった、申請が受理されなかったといった不適切な対応があった場合には、当該自治体の上級行政庁である都道府県に審査請求が可能であります。少し敷居が高いと思われるかもしれませんが、結局、御相談というよりもその申請が受け付けてもらえる、保護が受けられるかどうかということになりますので、一義的にはやはりこの審査請求を使っていただくということだろうと思います。
 ただ、もちろん私どもも、窓口でそういうことがあってはならないわけですから、再三いわゆる水際作戦ということがあってはいけないということと、それが疑われるようなことも厳に慎んでくださいということをかなり繰り返し窓口にお願いをしているのと、それから、監査指導で全県を回っておりますので、このときに重点を置いてチェックをしておりますので、これはできるだけ徹底をしたいというふうに思っております。
○尾辻かな子君 そうしたら、相談窓口は都道府県の審査機関ということになりますけれども、本当に今困っているんだといった方が、じゃ、都道府県の審査機関に行けるのか。もう少しやはり有効な相談窓口というか、こういうことで本当に駄目なのかなといったときの受皿というものはないんでしょうか。
○国務大臣(田村憲久君) やっぱり基本は自治体、市町村になるわけですよね。そこで受理されないというような場合に関して、審査請求という意味ではそういう制度があるわけでありますが、しかし、そういう方々はどうするんだということもございますので、面談、相談等々に関するいろんな対応について、指導監査という意味からすると、都道府県や国がチェックをしてきているわけでありまして、今回、例えば生活困窮者の自立支援というふうな形の中で、自立支援をするための相談支援員、そういう方々、これから事業としてあるわけでございますので、そことの行き来の中で、仮に生活保護で受理されなかったけれども、この場合には本来生活困窮者の方に行くわけですよね。
 しかし、そこで事情を聞いた場合に、やはり生活保護なんだということが更にそこでもう一度チェックが掛かるわけでございますので、そういうような、これから我々国としても人の養成をしていかなきゃならないわけでありまして、そこが相まって、本来生活保護を受けなければならない方々が生活保護を受けていただけるというような形で、両制度が相まってうまく機能するような形でこれから制度を動かしていきたいと、このように思っております。
○尾辻かな子君 では、この水際作戦と呼ばれるものがないようにお願いをしたいと思います。
 最後、一問だけやらせていただきたいと思います。
 困窮者自立支援法の中のメニューでも就職支援というのがございまして、特に人気なのが介護初任者研修であるというふうに聞いております。私もケアワーカーをしておりました。それに関連して一問だけ質問させていただきたいんですが、通常、介護職員になりたい、介護の仕事をしたいというときに、ちょっと前までヘルパー二級でしたが、四月から初任者研修になりました。このような教育訓練給付金とかを受けられない方というのが一番大手のところでそういう初任者研修を受けようとすると、実は十五万八千円掛かるんですね。
 厚生労働省さんの方では、百三十時間とか、時間や内容についてはいろいろ考えておられると思うんですが、費用については多分取決めがないと思うんです。御承知のとおり、介護職員というのはなかなか賃金も低い、処遇も大変な中で、こういうところを、処遇改善とともに、最初の研修で十五万八千円というと、ほとんど介護職員の手取りです、一月の。手取り分が取られるようなこういう制度設計というのはいかがなものかと思うんですが、この辺について御見解をお聞かせください。
○国務大臣(田村憲久君) この研修自体は都道府県が指定する事業者で行っているわけでありまして、今言われたような十六万近い、言うなれば研修費というものが、全てではなくてそういうところもあると。大体五万から十六万、いろんなばらつきがあるようでございまして、その指定事業者は非常に高いという話なんだろうと思います。
 もちろん、そういうところに関して、なぜそれだけ掛かるのかということもいろいろと調査しなきゃいけないわけでありますが、いずれにいたしましても、地方自治体において例えばそういうものに対して支援を行っている場合もありますし、今委員がおっしゃられました教育訓練給付、こういうものもあるわけで、もちろん二割上限でございますから、なかなか全額というわけにはいかないわけでありますし、またキャリア形成促進助成金、これはどちらかというと本人じゃなくて事業主の方に行っちゃうわけでありますけれども、そこから出していただくという方法もあるわけでございまして、そういうものを利用していただきながらしっかりと資格を取っていただきたいというふうに思うわけでございますが、余り高いという話になりますと、受講しようというようなそういう意欲もそがれるわけでございますので、実態をいろいろ調査しながら我々も適切な対応をしてまいりたいというふうに思います。
○尾辻かな子君 是非やっていただきたいと思います。
 介護事業者とか職員たちの集まりに行くと、大体二十人入ったら二十一人辞めていくというぐらい離職率が高い現状あります。これらのことを是非課題として取り組んでいただけたらと思います。
 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。
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○委員長(武内則男君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、石井みどり君が委員を辞任され、その補欠として江島潔君が選任されました。
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○小西洋之君 民主党・新緑風会の小西洋之でございます。
 私の方から、この度審議にかかっていますこの両法案について御質問をさせていただきます。
 まず、生活保護法の改正案でございますけれども、申し上げるまでもなく、憲法二十五条の生存権の規定に基づいて、最後のセーフティーネットを一定の要件を満たす方であれば無差別平等に受けることができると。そのことによってその方の生活の保護、あと生活の保障、そして自立の助長、支援といったことを実現するための法律でございますけれども、今回、法律の改正の目的、趣旨の中でも述べられておりますように、不正受給などへの対応について措置することによって、しっかりと国民の信頼に足る制度として、制度創設以来の抜本的な改正をするものだというふうに伺っているところでございます。
 では、個別の不正受給の対応等々についての施策が、逆にこれ踏み込み過ぎますと受給申請の萎縮というようなことにもなりかねませんので、そうした問題がないかについて伺わせていただきます。
 まず初め、後発医薬品の使用促進について、第三十四条の三項について規定を設けられておりますけれども、この規定の趣旨を確認させていただきたいんですけれども、後発医薬品の使用を促すというふうな規定になっておりますけれども、この促すその主体ですね、生活保護の受給者の方に促す主体というのは具体的にどういう人たちになるんでしょうか。指定医療機関のうちの、いわゆる病院のお医者さんサイド、あるいは院外処方に限定していただいてこの場合結構なんですけれども、そうすると、調剤薬局、指定医療機関であるところの調剤薬局、その両方に掛かるんでしょうか。お願いいたします。
○政府参考人(村木厚子君) この後発医薬品についての今回の規定でございますが、後発医薬品について国全体で今普及に取り組んでいるところでございます。生活保護においても使用促進を是非図りたいということでございます。現実問題として、今現状では生活保護の使用割合の方が医療全体に比べてやや低い状況にございます。
 先生御指摘いただきましたように、改正法案の中の第三十四条の第三項におきまして、医療機関も含む関係機関が生活保護受給者に対して、可能な限り後発医薬品の使用を促すことについて努めるという形で規定をしているところでございます。具体的には、まず、医療機関、お医者さん、医師のところ、それからその後調剤をしていく薬局など、各段階で、患者さんとの信頼関係に基づいて、専門的な知見に基づいて丁寧な説明をしていただいて、患者の納得を得た上で服用をしていただくように促していただくということを規定したものでございます。
○小西洋之君 ありがとうございました。
 後発医薬品の使用は、何も生活保護受給者の方に限ったものではなくて、日本国民全体として取り組むべき、まあ国民として取り組むといいますか、国民が取り組むように政府その他関係機関が取り組むべき政策になっているところでございます。具体的には厚労省の方で取りまとめられておりますロードマップ。また、更に私が重要だと考えておりますのは、昨年の夏、医療費適正化の基本方針の中でジェネリックの使用促進というのが第三の柱として位置付けられた、実は私が実現させていただいたんですけれども、単なる厚労省の一つの言わば予算施策だったものを、医療費適正化という法体系の中に位置付けて、各都道府県の医療費適正化計画の記載事項、計画事項にもしたということでございます。
 後発医薬品の使用というのは、患者さん御本人にとってまずメリットがあるということと、国全体の医療財政の観点でメリットがあるということでございますけれども、ただ、今回のこの三十四条の規定を眺めておりますと、単なるちょっと法律的な観点なのかもしれませんけど、若干違和感を感じるところがございまして、今年の五月の十六日に社会・援護局の保護課長のお名前で、ジェネリック医薬品の使用について、生活保護制度の中における使用促進について通知を出されております。その通知の内容について、概要を御説明いただけますでしょうか。
○政府参考人(村木厚子君) 平成二十五年五月十六日付けの課長通知でございます。この通知の目的は、後発医薬品の服用をできるだけ進めるということで通知を出しております。
 この取組の具体的な仕組みでございますが、まず、薬局では、医師がその患者さんに対して後発医薬品の使用を認めている場合につきましては、御本人に後発医薬品及びこの取組についての説明をし、理解を促した上で、原則として後発医薬品を調剤をしていただくということにしております。また、御本人が後発医薬品を希望しない場合には、先発医薬品を調剤をしていただき、引き続き、今度は福祉事務所等々が本人に対して理解を求めていくということにしているところでございます。
○小西洋之君 ありがとうございました。
 今御説明いただいた五月十六日の後発医薬品の使用促進に係る通知とこの今の法改正の三十四条の三項の関係について伺わせていただきたいんですけれども、三十四条三項は後発医薬品の使用を促すことを努めるというような規定になっております。他方、今御説明いただいた五月の本法改正に先立つ通知文の仕組みというのは、まず、一定の処方箋を持ってきた生活保護受給者の方については、まずは後発医薬品を調剤しなさい、ただし、先発の方を好まれるという希望があった場合については一定の対応をすると。その一定の対応というのは、患者さんの選択の自由というものが結果的には保障されるような対応になっているということなんですけれども。
 要は、伺いたいのは、一定の処方箋、処方医が一般名処方を行っている場合又は銘柄名処方であって後発医薬品への変更を不可としていない場合というふうに通知でも書かれておりますけれども、そうした処方箋をお持ちになった受給者の方には、まず原則もう後発医薬品を調剤してしまうというのは、この三十四条の三項の「促す」という規定の条文解釈からはちょっとはみ出しているような、もう少し踏み込んだ取扱いのような気がするんですけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(村木厚子君) この今の五月十六日付けのものでございますが、先生おっしゃられたように、医師が後発医薬品の使用を認めている場合に限ってでございますが、御本人に後発医薬品を使うこと、それから、こういう取組をしていることを説明をして理解を促した上で後発品を調剤をするということでございます。
 ですから、基本的に後発医薬品を使っていただけるように説明をして、それを原則とする。どちらにしますかと言って選んでいただくのではなくて、基本的に、是非後発医薬品を使っていただきたいということを御説明をした上で調剤をするということでございます。その意味では、今回の法律もできるだけ促してということに努めるということでございますので、考え方としては同一のもの、同じ枠組みのものというふうに考えているところでございます。
○小西洋之君 ありがとうございました。
 実は昨年、我々民主党が与党であったときに、生活保護法の改正について党内議論をしていて、実は私、厚労省の方と後発医薬品の使用促進について御議論をさせていただきました。実は、この五月の通知文でやられているような仕組みが、私は、生活保護法、この改正前の、現行の下でもできるんじゃないかということを実は当時の担当官の方に申し上げて、私自身は、先ほど申し上げた、日本国民全体が後発医薬品を使用に取り組むことになっているということと、あと、最終的には受給者の方の選択の権利、自由というものを担保した形であれば、こうした通知文のような仕組みというのは私はあり得るのかなという立場でございます。
 ただ、今確認させていただきたいのは、条文の三十四条の三項は使用を促すことを努める、促すということです。ところが、今通知文の方でやられているのは、取りあえず処方箋を持ってきたら、まず調剤をしてどんと出して、で、どうしますかというようにも思うんですが、だから、そこら辺の違いというものを、一言で言うと、三十四条三項の「促す」の中から法解釈としてはみ出していないのかどうかということを技術的に確認したいだけでございます。
○政府参考人(村木厚子君) 法律の改正前に先生の御趣旨にも従って保護課長通知を出しておりますが、法律も、それからこの課長通知も同じですが、きちんと説明をして、是非使っていただきたいということをお願いをした上で処方をするということでございますので、その上で御本人が希望しない場合には先発薬を一旦調剤をするということでございますので、今の通知のやり方もこの法律の範囲内というふうに思っております。
 特に法律では、医師にも促していただくということを明確に法律で書きました。患者さんが納得をして薬を飲んでいただくということが非常に大事ということで、そのためには特に、もちろん薬局も大事でございますが、医師が説明をして納得を得るということが一番効果的ということでこのようにしたものでございます。
 ですから、いずれにしても、専門家がきちんと説明をすることによって御本人が納得を得るということを目的として、そのために、促すことを努力義務として定めたということでございます。
○小西洋之君 分かりました。
 今、医師のことをお話しされましたけど、原則もう処方箋についてはジェネリック医薬品を使用促進するような様式に変更されておりますので、そこはちょっと観点が若干ずれるのじゃないかなと思うんですけれども。
 ちょっと、じゃ、角度を変えて御質問させていただくんですが、まず私自身は、今回の法改正とあと五月の通知については基本的には賛同いたしております、あくまで受給者の方の選択の自由、権利が最終的には保障されるという限定でございますけれども。じゃ、ちょっと角度を変えて、五月のではこの通知文は、現行の生活保護法の何条に基づいて委任立法として出されているものなんでございますか。個別の条文名挙げていただけますでしょうか。
○政府参考人(村木厚子君) 医療扶助の条文、済みません、ちょっと条文の番号すぐに出ませんが。
 三十四条でございますが、この医療扶助の実施の個別具体的な運用方法として定めたものということでございます。ただ、三十四条にそういったジェネリックという観点の記載はございませんので、直接にこの根拠になる条文があるかということであれば、そこにそういった根拠が条文にあるわけではございませんが、どの条文に基づくものかと言われれば、三十四条の医療扶助の方法というものの実施方法として通知を出させていただいたということになろうかと思います。
○小西洋之君 行政が行政通知を出されるのに、法律の何らかの根拠規定がなかったらこれは出してはいけませんので、それは三十四条あるいはこの全体の趣旨なのか何か、そういう御答弁をいただいたというふうに理解をさせていただきます。
 いずれにしろ、今の通知、五月の通知というのは三十四条三項の改正案の「促す」を超えるものではないという理解をさせていただくということでよろしいですね。何か追加のものがありましたら。
○政府参考人(村木厚子君) 済みません、先ほどの根拠規定ですが、医療扶助の実施の仕方についてですが、もう一つ条文がございまして、生活保護法の五十条の第一項に指定医療機関の医療担当規定というのがございますので、そういったところが根拠になるかというふうに思います。
○小西洋之君 今お示しいただいた五十条は、二項で都道府県の指導に従う等とあるんですけれども、そこから今おっしゃられた行政通知を出せているのかどうかというのがちょっとにわかに明らかではありませんけど、まあ分かりました、いずれにしろ三十四条三項の「促す」の範囲を逸脱するものではないという。いや、先ほどの答弁を伺っていると、生活保護受給者の方が薬局に来られて、説明をする前に、この通知文を白地で読むと、そのまま読むと、説明をする前に調剤をしていかがですかとやるかのように読めますので。ただ、最終的には選択の自由あるいは権利というのは保障されるような仕組みになっていることは重々承知しております。分かりました。いただいた答弁で私の方で理解をさせていただいたということにさせていただきます。
 次の論点へ移らせていただきたいと思うんですけれども、今回の法改正で扶養義務者について様々な義務規定を設けているところでございますけれども、具体的には、二十四条八項で受給の決定をする前に扶養義務者に通知をする、二十八条の二項で特定の事項について報告の徴収をすることができるとする、あるいは二十九条の二項で資料提供の求め等をすることができることとすると。これは現行の条文でございますけれども、そうしたことが終局的には、場合によっては費用徴収ですね、扶養義務者の方に行政の方から費用徴収が掛けられ、それが折り合いが付かない場合は家庭裁判所の決定に至るというふうになっているところでございます。
 この費用徴収、またあるいは家庭裁判所のこの決定なんですけれども、年間何件ぐらい全国であるかというのは、数字は把握されていますでしょうか。もし把握されていたらお願いいたします。
○政府参考人(村木厚子君) 生活保護法第七十七条の第一項の費用徴収についての御質問かと思います。直近の平成二十三年度実績がございますが、これで件数としては二百二十五件でございます。
 また、あわせまして、七十七条の第二項の家庭裁判所への申立ての件数でございますが、これについては二十四年度の数字が最高裁判所に確認をしたところございますが、これについては二十四年度はゼロ件ということでございます。
○小西洋之君 ありがとうございました。
 今おっしゃっていただいた数字が多いのかどうかというのは、ちょっと私、にわかには判断はできないんですけれども。
 保護の開始を決定前に通知を行うということは二十四条八項で新しく創設されているわけでございますけれども、この二十四条八項の通知を行うに当たっては、一体どういう基準でその通知を行うとする扶養義務者の方を選んでいくのでしょうか。具体的には八項の中の厚生労働省令で定めるというふうになっているんだと思いますけれども、厚生労働省令でどういうことを基準として定めようとされているのかについて御説明お願いいたします。
○政府参考人(村木厚子君) 扶養義務者への通知の規定でございます。
 この規定は今回新しく入ったものでございますが、扶養義務者に対して報告を求める、あるいは先ほど数字を申し上げた家庭裁判所を活用した費用徴収等々があり得るということから、事前に親族が保護を受けることを把握できるようにしようという趣旨で規定をしたものでございます。
 実際には、ただ、扶養義務者に通知をすることが適当でないケースというのもたくさんございます。したがいまして、先生御指摘いただきましたように、二十四条の八項において通知の対象となる扶養義務者について規定をしていくわけでございますが、このときの考え方としては、明らかに扶養が可能と思われるにもかかわらず扶養を履行していないと認められるようなケースを限定をする、そういった趣旨を厚生労働省令に定めたいというふうに考えているところでございます。
 具体的には、まだこれからの検討ですが、例えば、定期的にちゃんと会っていて家族関係があるですとか、高い収入を得ていて資力があるということが明らかになっているというようなことが一つの基準になろうかと考えているところでございます。
○小西洋之君 ありがとうございました。
 今の答弁いただいた厚生労働省令の基準の考え方なんですけれども、今回の扶養義務者に関する規定で、先ほど申し上げました二十八条の報告徴収あるいは二十九条の資料提供の求めをやる場合、それぞれについても同じような考え方で運用されるということでしょうか。それが終局的には七十七条の費用徴収に至る場合もあるということでしょうか。
○政府参考人(村木厚子君) 御指摘いただきましたように、報告徴収、これ二十八条第二項でございますが、それから資料提供の求め、これは第二十九条の第二項でございますが、これらの対象となる扶養義務者については考え方は同じだろうというふうに思っております。
 ただ、一方、費用徴収で、先ほど申し上げました第七十七条の第一項の対象になる扶養義務者ですが、これは、こういった場合以外にも、要保護者が窮迫した状態にあって保護をまず行った場合とかに、後で扶養義務者がきちんと扶養をする力があるということが分かったようなケースでございますとか、扶養義務者がいることが保護を開始した後に分かったような場合というようなことがあり得ますので、少しこういったものも含んだ範囲に七十七条の方はなろうかというふうに思っております。
○小西洋之君 ありがとうございました。
 同じくこの二十四条の八項の通知なんですけれども、条文上、逆に通知する場合が適当でない場合というようなものがあって、やはりそれも省令で定めるというふうにしております。
 まず、一般的にちょっと伺いたいんですが、この八項の通知というのは、受給者本人の同意、扶養義務者に通知をするというその同意を要件としているのでしょうか。あるいは、同意がなくても通知をするという、そういう条文解釈、運用というふうに理解してよろしいでしょうか。
○政府参考人(村木厚子君) 扶養義務者への通知でございますが、扶養義務者に対して報告を求める、あるいは家庭裁判所を活用した費用徴収があり得るということから、事前に親族が保護を受けることを把握できるようにすることが適当であるという考えから期待したものでございますので、必ず本人の同意を得る、それを要件とするというふうには考えてございません。
 ただ、現在でもそうですが、保護の決定に当たって扶養義務者に扶養照会等々をするわけですが、その際に御本人によく事情を確認して、例えば、夫の暴力から逃れてきた母子などが扶養義務者に連絡が行くことでその本人の自立が阻害をされるというようなケースもありますし、長い間音信不通でもう明らかに扶養が見込めないというようなケースもございますので、その辺りは御本人とよく事情を聞いて話合いをして対応をしているところでございますので、こういった御本人の事情を十分に踏まえた対応ということはこれからもしっかりしていきたいと思っております。
○小西洋之君 ありがとうございました。
 法制度上は同意を要件としていないんだけれども、その運用に当たっては本人の事情を十分に踏まえたような運用をやるという御答弁をいただきました。
 それで、まさにその御本人の事情というのが、両方のケース必要だと思うんですけれども、事情を理解するのが。特に、この条文にあります通知をすることが適当でない場合、今ドメスティック・バイオレンスというようなことも例示をいただきましたけれども、具体的にどういう省令を考えられていらっしゃるのか、可能な範囲で御答弁いただきたいと思います。
○政府参考人(村木厚子君) これは、委員もおっしゃっているようにちょっと二つありまして、一つは、絶対にこういう場合にはやってはいけないだろうということで、例えば、夫の暴力から逃れてきたようないわゆるDVのケースですとか、こういったものをきちんと除くということ。それから、今回の法案の趣旨でも幅広く扶養義務者に通知をするということは意図してございませんので、福祉事務所が七十七条の規定を使って費用徴収を行う蓋然性が高いと判断をするケースに限りたいというふうに思っておりますので、その部分も省令で規定をしたいというふうに考えているところでございます。
○小西洋之君 ありがとうございました。
 今の答弁の中で、今回の通知については、幅広くやることは意図、想定していないというような御答弁をいただきましたけれども、この通知のケースですね、いわゆる適当でない場合ではない場合のケースについてちょっと、条文上、省令が二つありますけれども、適当でない場合としての省令のケースではない場合の方についてちょっと伺わせていただきたいんですけれども。
 幅広くやることは意図していないということなんですけれども、そうした場合に、各扶養義務者、今、生活保護の方が全国にいらっしゃって、それぞれに、全てでは当然ございませんけれども、むしろ独り暮らしの方が今、生活保護者の方が増えているですとか、そういう事情なども私は十分承知はさせていただいておりますけれども、申し上げたいことは、各扶養義務者間の扶養義務の履行に当たっての公平性の担保というのはどのように考えられていらっしゃいますでしょうか、ちょっと難しい質問かもしれませんが。
○政府参考人(村木厚子君) 今回、こういう規定を盛り込んだ背景には、明らかに生活保護受給者を十分に扶養することができる方がおられて、そういうケースにまで保護費を支給をするということは制度に対する国民の信頼を失うことになりかねないので、そういった方、扶養が明らかに可能と思われる扶養義務者にはその責任を果たしていただくということが一つでございます。一方で、家族の問題に行政が立ち入っていくことということにつきましては、我々もできるだけ慎重にやるべきだというふうに考えております。
 今申し上げたように、結論としては、明らかに扶養が可能と思われる方であって扶養を履行していない方に通知をするというようなやり方を考えたいと思っております。こうした考え方そのものは、扶養義務者の方が複数おられるときにあっても、その方の経済力等々を勘案をするということは公平性を阻害するものではないというふうに考えているところでございます。
○小西洋之君 ありがとうございました。
 なぜ各扶養義務者間の公平性云々ということを伺わせていただきたかったかといいますと、やはり制度の運用に当たって、国民から見てそういう観点も理解されるような制度にしておかないと、何か個別のケースについて国民から見て、これはちょっとなかなか国民感情的には納得はできないというようなことがいろいろ社会で議論になったりしないように、やはりそういう制度、これまた非常に難しい問題だと思います。
 特に、おっしゃっていただいたような家族の問題についてはやはり最大限に尊重しなければいけないというふうに私も思っておりますので、非常に難しい問題であり、かつ、何か共通のルールを作って、それで直ちに国民の理解ができるというよりは、現場での大変な取組、現場での福祉事務所の大変な取組の下に実現可能なことかもしれませんけれども、ちょっとそうした問題提起をさせていただきます。
 それで、扶養義務者についてもう一つ伺わせていただきたいんですけれども、今これ、生活保護法上は民法の扶養義務の範囲をそのまま引用しております。三親等内の直系の親族と、あと配偶者と兄弟姉妹ですけれども、これは諸外国、フランスとドイツ、イギリスなどの扶養義務者の範囲に比べると随分広いというふうに言われているようで、実際、厚労省が部会で出された資料でもそういう記載が、諸外国の例がありますけれども、今回の法改正に当たって、この扶養義務者の範囲の在り方について検討するということは議論のプロセスでございましたでしょうか。
○政府参考人(村木厚子君) 先生御指摘のように、生活保護法は民法をベースにして、民法に定める扶養義務者による扶養を保護に優先をするという考え方を取っております。ただ、実際の実務といたしましては、扶養義務者に対する扶養照会等々は親子や兄弟姉妹という一般に世の中で考えられている扶養の可能性が高い方に対して重点的に行うということが実務上は行われておりまして、三親等内の親族全てに一律に行うというようなことは実務上はやっておりません。
 それから、今回この議論、やはり扶養義務者の責任をどういうふうに考えるかということ、非常に賛否両論と申しますか、幅広い意見がありましたが、今回の議論の中では、扶養義務者の範囲そのものについての例えば考え方を変えるとか、そういった議論まではなかったというふうに理解をしております。また、今回の改正でも、扶養に関する規定そのものは改正をしていないところでございます。
 確かに、諸外国に比べますと、民法上の扶養義務等々の範囲は比較的日本は広い国かというふうに思いますが、これはやはり家族観ですとか各国の歴史的、文化的なものでございますので、なかなか私どもが一概にこれを比較をするというのは申し上げにくいところでございます。
○小西洋之君 ありがとうございました。
 法制度的には、民法の扶養義務と生活保護法の扶養義務が必ずしもイコールである法的な必然性は多分ないと思いますので、ちょっとそのことを御指摘をさせていただきたいと思います。実務上は、いわゆる照会については、いわゆる親子、兄弟姉妹の方に行っているというふうに御答弁をいただきました。
 それで、済みません、いろいろと伺わせていただきましたけれども、私の一番の根底の問題意識は、今回、扶養義務者に関する様々な規定を設けておりますけれども、これ一言で言えば、扶養をしていただかなければいけない方にはしていただくべく、それを実現するための規定、それは現場での福祉事務所等々の要望なんかも踏まえながら設けられたものだと思うんですけれども、ただ、大事なことは、これによって本来生活保護をちゃんと受けなければならない方が受給申請を萎縮するようなことが決してあってはならない、これが私の一番の問題意識でございます。
 ですので、この制度運用に当たってどういう問題意識でこれをやっていかれようとするのかということについて、概括的にお願いいたします。
○政府参考人(村木厚子君) 扶養義務者の問題については、非常に幅広い異なる意見がございました。その中で、やはり家族関係もしっかりあって、かつ経済的にも扶養ができる経済状況にある方については扶養していただこうということでございます。
   〔委員長退席、理事津田弥太郎君着席〕
 一方で、先ほど申し上げたように、家族関係に行政が立ち入ることというのはできるだけ慎重にしたいということで、特に、元々扶養は保護の要件とはしておりませんので、御本人以外の家族が扶養してくれるかどうかで本人が生活保護が受けられるかどうかということが変わってしまうというようなことはあってはならないと思いますし、また、幅広にいろいろなところに調査が行くというようなことで、御本人、本当に必要な方が保護の申請をためらうというようなことがあってはならないというふうに考えておりますので、そこの制度運用については丁寧にやっていきたいというふうに考えております。
○小西洋之君 ありがとうございました。
 今おっしゃったように、まさに扶養義務者の義務の履行というのは受給の要件ではないと。ただ、それが実質的な要件になってしまうようなことが現場で起きないように、そこについては十全の取組をしていただきたいと思います。
 今、家族関係に行政が立ち入ることについては慎重、ある意味控えるということをおっしゃっていただきましたけれども、ちょっと最後に観点を変えて大臣に伺いたいんですけれども。
 昨年四月に自民党が憲法改正草案を発表されまして、大臣はその起草委員としても名を連ねていらっしゃいますけれども、自民党の憲法改正草案、これ度々御質問させていただいて申し訳ないんですけれども、立憲主義に反し、かつ自然権思想を否定するようなものは、これはもう政治的クーデターでございますので、憲法案ではなくて。これは自民党が撤回していただくまで徹底的にやらせていただきますので、自民党とあと安倍総理は、憲法改正を唱える資格は、資格自体が一切ないということを申し上げさせていただきます。
 その草案の二十四条で、家族は互いに助け合わなければいけないという、憲法上の非常に強力な、法律上ではなくて憲法上の非常に強力な義務を国民に対して課しております。
 大臣、いかがでしょうか。今、生活保護法のこの運用の中で、局長の答弁にありましたように、家族関係に立ち入ることは、それは最大限それを控える、あるいは家族間の問題については最大限尊重すると、そうしたことがやはりあるべきであるということなんですけれども、これとこの自民党の草案、いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(田村憲久君) 前回も自民党の憲法改正草案について御質問があったわけでありますけれども、この部分、条文でありますが、要は、非常に日本の家族関係というものが希薄になってきておるという中において、それを何とかしたいというようなところに鑑みて、家族は社会の自然かつ基礎的な単位として尊重される、家族はお互いに助け合わなければならないというような文言を入れておるわけでございます。
 もちろん、様々なお考え方があられるわけでございまして、そういうものも含めて議論をしていけばいいというふうに私も思っておりますが、少なくとも、生活保護法におきましては、今も局長からお話がありましたとおり、扶養義務者が要するに扶養しなければ、言うなれば生活保護の受給の要件クリアできないというものではないわけでありまして、この生活保護制度というものは、そのような観点から、やはり家族のいろんな事情というものに鑑みながら制度をしっかりと運用していくものでございますので、自民党憲法改正草案においてこの生活保護法の改正案が左右をされるものではございません。
○小西洋之君 今大臣が答弁されましたように、家族は社会の自然かつ基礎的な単位であるということは世界人権宣言でも言われていることでございます。
 ただ、今私が問わせていただいている本質は、こういういわゆる道徳について法律が介入するということが果たして妥当なのかどうかと。しかも、その法律の更に上にある最高法規である憲法が介入するということがいいことかどうか。先ほどの局長答弁、生活保護法はその規定上もまた運用上も、家族の問題という道徳問題、一種の道徳問題については介入はしない、控えるということを言っているんですね。それを憲法上やったら、まさにこの生活保護法の運用体系自体が崩壊してしまうと、そういうことを厚労大臣としてすぱんと言っていただかなければいけないわけでございます。
 ということを申し上げさせていただいて、大臣、この起草委員は国対の充て職で入られていたということでございます。そこは前回重々伺っておりますので、それで結構でございます。
   〔理事津田弥太郎君退席、委員長着席〕
 では、ちょっと次の質問に移らせていただきますけれども、六十条の受給者の生活上の義務ですね。六十条で受給者に対して法律で直接様々な新しい義務規定を課しているところでございます。具体的には、健康保持及びその増進の義務ですとか、あるいは家計管理を行う義務などを課しているところでございますけれども。
 まず、健康の保持及び増進の義務について伺わせていただきたいと思うんですが、その前段として、先ほども触れましたけれども、二十八条と二十九条のそれぞれで健康状態に対する事項を今回対象としているところでございます。二十八条の報告、調査、あるいは二十九条の資料提供で受給者本人の健康状態を取ることができるというふうにしているんですけれども、この健康状態を取ることができるとしたものは、生活保護法の第一条の規定の自立の助長、支援のためなのか、あるいは受給の適正化のためなのか、あるいはその双方のためなのでしょうか。具体的に御説明をいただけますでしょうか。
○政府参考人(村木厚子君) この六十条、それから二十八条、二十九条で健康状態に関する規定が入ったわけでございます。
 ここの基本的な考え方ですが、生活保護受給者の自立を促していくに当たって、生活全般に対する支援が必要だろうというふうに思っております。特に受給者、高齢の方や疾病を有している方が多いわけでございますので、健康面に着目をして支援を充実をさせていきたいというふうに考えているところでございます。
 これまでの規定でございますと、受給者の健康状況については、保護の適用や支援が必要な場合に本人に検診を受けるよう命じることができるというのが法の規定でございます。その一方で、医療機関からその検診の検査の結果を入手する権限はないというような形になっておりました。このため、今回の改正では、健康に関する事項についてもより具体的な支援をさせていただけるように、情報提供を求めることを可能としたものでございます。
 そうした意味合いでございますので、これらの規定、新しい規定で健康状態に対する事項を対象としていることにつきましては、基本的には生活保護受給者の健康管理を支援をすることによって自立を助長する観点ということでございます。ただ、その結果として健康面が改善をされて保護費が適正化をするということは効果としてはあるかもしれませんが、目的としては自立の助長ということを考えているところでございます。
○小西洋之君 明確な答弁をありがとうございました。
 では、六十条の健康の保持及び増進義務の規定でございますけれども、これも同じく目的の一条の自立の助長、支援のためなのか、受給の適正化のためなのか、あるいはその双方なんでしょうか。具体的にお願いいたします。
○政府参考人(村木厚子君) この六十条の規定でございます。
 この規定も、生活保護自体が最低限度の生活を保障し、自立を助長するということを目的としておりますが、その中で健康面や生活面で多様な課題を抱えている方について、健康管理について御自分自身で自らも意識を持っていただくということが大事と考えて六十条を入れたところでございます。したがいまして、これも自立支援を目的とした法改正と言うことができると考えております。
○小西洋之君 ありがとうございました。
 自立支援を目的としたものというふうに伺いましたけれども、では、そうであるならば、既に健康増進法の第二条において日本国民全てについて健康増進のこういう努力義務が掛かっているんですけれども、なぜ生活保護受給者の方だけに新しい義務をこの特別法の中で書く必要があったのでしょうか。
○政府参考人(村木厚子君) 健康増進法にも確かに規定はございますが、生活保護受給者に関しては単身の方が非常に多い、七五%以上が単身の方でございます。周囲からの支援が得られにくい状況にある。また、実際問題、糖尿病でございますとか肝炎の患者の方など、重症化をすると完治が難しい傷病を患っておられる方が大変多いということがございます。
 制度の目的である自立助長ということを図っていくためには健康管理ということは非常に重要だということで、ここに自らも意識を持っていただくということで今回の規定を定めたものでございます。法律上もこの責務を明確にした方がよいだろうということでこういう規定を入れたものでございます。
 こういう規定を入れることと併せて、福祉事務所が健康面に着目した支援を強化できる体制を整えることにしております。二十五年度予算でも医療関係の専門のスタッフが置けるような体制を強化をしたということでございます。
 健康管理を自ら行うことが難しい人もおられると思いますので、その方々も含めてしっかりとサポートをし、そんなに難しいことというよりは、まずはきちんと例えば医療機関の受診をしていただくとか、そういう基本的なことも含めて健康面でのサポートをしっかりしたいと考えているところでございます。
○小西洋之君 ありがとうございました。
 今の答弁の単身世帯、糖尿病、重症の疾患等々、それは生活保護受給者に限らず、日本国民一般にそういう方はいらっしゃることでございますので、そういう方々が自ら意識を持っていただくと、何かあえてこういう規定が必要なのかなというところが思うところでございます。
 さらに、申し上げたいことは、仮に規定をするにしても、今おっしゃっていただいたように、規定の趣旨、目的というのはあくまで自立の助長、支援のためであると。であれば、それが明確に分かるような条文の置き方というのができたのではないかと。現行の六十条の生活上の義務というところに単に付け加える形ではなくて、今の規定ですと、自ら健康の保持及び増進に努めというふうに、全ての生活保護受給者の方にこれは掛かるわけでございます。例えば、健康上は何の問題もないんだけれども、母子世帯で懸命に今お子さんを抱えて生活の道を切り開こうとされている方、そういう方にもこれは全部規定としては掛かるわけでございます。
 そういうことをするんだったら、まあ、たらればでございますけど、六十条に第二項を置いて、そういう健康の保持及び増進の支援に努めていくとか、そういうような規定の置き方もあったのではないかなと思いますので、ただ、条文上はこういう規定になっているけれども、趣旨としてはあくまで助長、支援のためであって、何か上から目線的にするものでもないし、ちょっと時間の関係で、これ大事なところで、答弁をお願いしますけれども、これ、仮に健康の保持及び増進をできなかった場合に、この法的効果として受給の廃止というようなことはないというふうな理解でよろしいでしょうか。
○政府参考人(村木厚子君) もちろん、この規定に違反をしたということで、例えば保護の停止をするとか廃止をするとか、そういった不利益なことを課すということは全く想定をしてございません。
○小西洋之君 ありがとうございました。
 だったら、なおさらもう少し、たらればでございますけれども、規定の仕方が、ただ趣旨としてはそういう趣旨であるということを承らさせていただきました。
 次に、会計管理のところなんですけれども、収入、支出その他生計の状況を適切に把握するというふうな規定がございますけれども、これ、平成十六年の三月の最高裁判決で、生活保護費については、世帯主等に当該世帯の家計の合理的な運営を委ねているものと解するのが相当というふうな判決が、最高裁の考えが、法解釈が示されていますけれども、当然これに抵触するものではないし、家計について監視や干渉をすると解されては、してはいけないんですけれども、そんなものでもないと。この規定の目的、趣旨も含めながら御答弁いただけますでしょうか。
○政府参考人(村木厚子君) 生活保護受給者の中には、先生も御指摘のように、全員がということではなくて、一部には適切な金銭管理ができていない方もおられます。自立をした生活を営むというときに適切な金銭管理を自分で行えるということは非常に重要なことだと私ども考えております。
 こうした面に着目をして適切に支援を行っていくということは、御本人の自立に向けて非常に意味があることだというふうに考えております。このために、収入、収支その他生計の状況を適切に御自分で把握をするということを受給者の責務として位置付けるということでございます。
 その上で、福祉事務所においても、必要があれば、そういった自立助長の観点から必要だという方については、受給者の状況に応じてレシートや領収書を保存をしていただくとか家計簿を付けるというようなことを求めていくというようなことができればということを考えております。
 これは、金銭管理が上手にできている、自分でできるようになるかどうかをお助けをするという観点でございますので、保護費を御本人の意思に反して使い道を制限をするとか監視をするといったことではございません。私どもも、自立というときにはお金を自分で自分が使いたい目的できちんと管理ができるということが大事でございますので、逆にこれこれに使いなさいということで縛ってしまっては、これは自立に結び付いていかないわけでございますので、本人の意思に反して制限をするといったようなことは考えておりません。この御指摘の最高裁の判決はきちんと尊重していくものというふうに考えているところでございます。
○小西洋之君 明確な答弁をありがとうございました。
 レシート、領収書ですが、家計簿なども、そういう取組の支援もしていくということでございますけれども、その目的としては、あくまで自立の助長のためであるということは確認をさせていただきました。
 それで、済みません、ちょっとこれ通告できていないんですけれども、局長あるいは政務三役の方でも大臣でも結構なんですけれども、ちょっとよろしいでしょうか、もし可能であれば。
 六月十四日に骨太の方針が出ておりますけれども、その中で、生活保護の在り方について、支援の在り方について、加算制度や各種扶助の給付水準を速やかに検討し、見直すと、不適正、非効率な給付を是正するというふうな文言があるんですけれども、これは今回の法改正の中の事柄を言っているんでしょうか、あるいは今回の法改正とはまた別の事柄で給付水準等々の見直しをやっていくということを言っているんでしょうか。
○政府参考人(村木厚子君) 先日の骨太の中に生活保護についての記述がございます。
 一つは、加算制度や各種扶助の水準の検討、見直し、それから不適正や非効率な給付の是正、それから被保護者への就労のインセンティブの強化などもございます。また、実は生活困窮者に対する支援の充実というところも骨太に記載をされたところでございます。
 これは、実は今年の一月にまとめをいたしました生活保護基準部会の報告書におきましても、今回生活扶助基準の検証だけを行いましたが、生活保護制度全般、加算や扶助についてきちんと検証すべきということがかねてから言われており、また部会でも引き続き検討するということが書かれてございますので、そういう意味では、今回のことに加えて、生活保護全般について、常に加算、扶助それぞれ適正な在り方について検討していくということでございます。このことは、今回の骨太で初めて出てきたというよりは、従前からの宿題であるというふうに受け止めているところでございます。
○小西洋之君 ありがとうございました。
 新たな法改正の検討であるというふうに受け止めさせていただきます。
 最後に、済みません、一分ほどしかございませんけれども、生活困窮者自立支援法は新法でございまして、是非伺わせていただきたいんですけれども、大臣、第二のセーフティーネットを整備しなければいけないと。そういういわゆる生活困窮者という方は、いわゆる複合問題、健康の問題があったりあるいは家庭、職業上の問題があったりいろんな複合問題を抱えていて、その複合問題に対して総合的な対応ができるような、そういう相談体制などをつくっていくという立法だというふうに理解しておりますけれども、生活保護法との関係ですとか、あるいはこの困窮者支援法の趣旨、目的について、大臣の思いも込めて御答弁をいただけますでしょうか、最後に。
○国務大臣(田村憲久君) 本当に、昨今、稼働層でも非常に低所得者の方々が増えてきて生活困窮の方々が増えてきているわけでありまして、そういう意味では要保護者も増えてきておるわけでございますから、これ二つとも、生活保護の手前の方々、生活保護制度を利用されている方々、それぞれやはりしっかりと自立していただく必要があるわけでありまして、自立できる方々に対しては、それぞれの今回の法改正、生活保護は生活保護法の改正の中において、就労支援でありますとかいろんな支援をする中において、自ら自立をしていただこうというような取組をしているわけであります。
 一方で、生活保護をお受けにならない手前の方々に関しましても、今言われたとおり、様々な問題を抱える中において、結果的に今非常に生活が苦しんでおられる方々がおられますから、そこは包括的な相談業務等々含めて、もちろん就労支援でありますとか住宅的な支援も含めて総合的に対応していく中において、生活保護をお受けにならなくても自立できるような形を、これをつくっていこうと。
 先ほど来申し上げましたわけでありますけれども、生活保護に仮に申請に来られていない方に関しても、これからいろいろと掘り起こしていく中において当然のごとく生活保護を受けなければならない方もおられるでありましょうし、一方で、一旦は生活困窮者の方でいろんな対応をする中においても、途中で体を壊されたりなんかした場合には、そこは適切に生活保護の方にも誘導ができていくわけでございまして、そういう意味では、適時適切にこの両制度の中において、自立に向かった対応、若しくは自立ができないような状況になった場合には生活保護の中において一定程度しっかりと対応いただいた上で、再び自立に向かって動いていただく方々、それぞれ幅広い中においての一貫した制度として、これを自立支援に向かってしっかりと対応してまいりたいというふうに思っております。
○小西洋之君 終わります。
○石橋通宏君 民主党・新緑風会の石橋通宏です。よろしくお願いいたします。
 我が党の尾辻委員、そして小西委員から大変重要な指摘、質疑が続いております。私もなるべく重複しない形で、しかし重要な二法案でございますので、しっかりと内容について確認をさせていただきたいと思いますので、どうかよろしくお願いを申し上げます。
 まず最初に、今、小西委員の最後のところで大臣からも大変重要な御答弁をいただきました、二法案の関係ということについてもですね。
 一つ、今回の法案の趣旨説明、提案趣旨の説明の中にも、大臣も明確におっしゃっていますけれども、生活保護というのはやっぱり最後のセーフティーネットなんだと。憲法二十五条の最低限度の文化的な生活、これを保障するための本当の最後のとりでなので、やっぱり保護が必要な方々にはしっかりと保護が提供されるように、これが大原則なんだということは強調されたと思います。
 今、現状で生活保護受給者の方々の数は増えております。これは事実で、認識はされているところです。このことは、やっぱり今大臣が言われたように、稼働層でも貧困状態にある、残念ながら働いていてもワーキングプア状態にある。そしてまた、働けない、年金生活者でも十分な年金が得られない、無年金、低年金の方々が増えてきている。こういう社会の実相をやっぱり反映しているからこそ、今、残念ながら生活保護受給者の方が増えてきている。そういう今の日本の現状をやっぱり我々、改めて認識をする必要があると思うんです。
 何か、一方で、いや、これは不正受給が増えているからだとか誤った認識を持つのではなくて、やっぱり今の社会の状況を改めてみんなで確認をしつつ、大臣もしっかりと言われた、保護が必要な方にはちゃんと保護を提供するんだということを確認することがまず必要だと思っています。
 この点について、大臣、今、現状として、保護が必要な方にきちんと保護が提供されている状況にあると思われているのかどうか。この認識について、まず大臣、御答弁お願いします。
○国務大臣(田村憲久君) 生活保護の申請を各窓口で行われた場合に、基本的には各窓口でしっかりと審査をいただく、まず受理をいただくということですね。それから、審査をいただいた上で、必要な方々には生活保護、これをお受けをいただくという形になっているというふうに思っております。
 一方で、個別具体的にいろんな事例があるということは、それは我々もいろんな情報では知っておりますけれども、そういうところには適切な対応、指導をしてまいるわけでありますが、基本的には必要な方々にちゃんと対応ができているというふうな認識を持っております。
 その上で、ただ一方で、生活保護を、制度自体を十分に認識がない中において大変困っておられる方々、それは昨今非常に経済状況がここ数年悪かったということもございます。それから一方で、高齢化社会ということになってまいりますと、当然、年金というものを十分に得られない中において、例えば単身で御生活をいただいておられる、そのような高齢者の方々もおられて、非常に生活が困窮をされておられるという方々もおられるわけでございまして、そういう方々がなかなか生活保護とアクセスできていない。
 それはなかなか御本人もそのような情報にもアクセスができていないという中において受けておられない方々もおられるんであろうというふうに推測はされるわけでございまして、適切に必要な方が生活保護を受けていただく必要が我々もあろうと思っておりますから、周知徹底はしてまいりたいというふうに思いますが、一方で、不正受給の問題があるのもこれも事実でございますから、これに対しては厳正に対応していかなければならないということでございますから、今改正の中におきましてそのような法改正も行わさせていただいておるということでございます。
○石橋通宏君 今大臣も認識として、本当は受けておられるべき人でも受けておられない方が現におられるんだという答弁がありました。制度としてはちゃんとあるんだけれども、じゃ、現場でどうなのかといったときに、残念ながらやっぱりまだ受けておられない方、本当はもう保護を求めるべき方々でも保護を受けておられない方々が現におられるんだ、だからこそ今数が増えているという状況にあるんだという認識は必要なんだと思うんです。
 今、制度を知らない方がおられるのではないかという大臣御認識されました。いろんな調査を見ても、やっぱり制度があることを知らない方というのはまだおられるわけです。この点、どうなんでしょう。厚労省、この生活保護、最後のセーフティーネットとしての生活保護という制度がきちんとあるんだ、皆さん受給権が、申請権があるんだということについて、どういう周知徹底をされているんですか。
○副大臣(桝屋敬悟君) 大臣が先ほど保護の内容について御承知ない方もあると申し上げたのは、様々に生活保護制度、我が国に最後のセーフティーネットとして生活保護制度、公的扶助制度があるということは、私はほとんどの方が御理解されていると思うんですね、そこは知っておられると思うんですよ。
 ただ、じゃ、具体的に制度にアクセスする上でどこへどう相談をすればいいのか、あるいは今日もずっと議論がありますけれども、生活保護を申請するにはどうしたらいいのかというようなことはなかなかお悩みになっている方もあるだろうということで、今回、そういう意味では、委員から御指摘のありましたように、生活保護受給者が確かに増えているという状況もあるわけでありますから、そして何よりも、保護に至らずに、今申し上げたような状況から地域で孤立しておられる方もあるかもしれないと。
 こういう問題意識の下に、生活困窮者に対して自立支援法を作りまして、様々な支援策を講じていこうというようなことを併せてやっているわけでありまして、福祉事務所やあるいは現場の相談をいただく例えば民生委員さんであるとか福祉委員さんでありますとか、あるいは社会福祉協議会の窓口であるとか、保護のてびきあたりはしっかりPRとして使わせていただいているというふうに認識をしてございます。
○石橋通宏君 今副大臣大事な答弁されたので、まさに制度として生活保護というのがあるのは恐らく皆さん御存じなんだろうと、しかし、じゃ、どこへ行ったらいいのか分からない、相談したらいいのか分からない。このことは非常に重要なことで、これまでにもそうだった、じゃ、今回新たに様々に窓口も設けます、でもやっぱり皆さんが御存じなかったら意味がないわけで、この点をどうきちんと国民の皆さんに周知をしていくのかということは取組として大変大きな話ですから、この点、後ほどもう一回触れますけれども、ここは今、先ほど答弁いただいたように、制度としてはある、しかしそれがどうどこへ行っていいか分からない、そういう国民も、困窮者も現におられるんだという認識をしっかり持っていただくことはこれ大事なところですから、是非そのことを踏まえてまた後ほど御答弁をいただければというふうに思います。
 その上で、先ほど来議論になっておりますが、いわゆる水際作戦、これは厚労省としては水際作戦なるものはお認めになっていないと理解はしておりますが、一般的に残念ながらそういう事実が現場の運用の中で報告をされているということは、これはお認めになるところだというふうに思います。
 お手元に今日資料をお配りをいたしました。資料の一です。厚生労働省に資料請求をして出していただいたものです。生活保護の相談件数の実態と申請件数、そして、申請件数と保護開始世帯数の推移ということで、平成十八年度から最新二十三年度まで、二十四年度はまだないということですので、二十三年度までの資料を提出をしていただきました。
 この資料を見ていただきますと、大体、相談件数に比して申請件数は約半数です。五割にまあまあ達しているのが少なくて、達していない年度も多いので、五割か五割未満ということですね。これは数字ですから、事実だと思います。そして、申請件数と開始世帯数の比較でも、申請に至ったんだけれども保護開始に至っていないというケースが約五%、六%あります。五%、六%、数にしてみれば二万件とかそういう件数ですので、数としては相当な数です。
 まずこの点について御説明をいただきたいんですが、相談に来ておられるのに申請に至らないのが半数、二十五万件、数でいうと二十数万件あると。この申請に至らないケースの内訳、理由を教えてください。
○政府参考人(村木厚子君) この数字でございますが、申請に至らなかったケース、あるいは申請したにもかかわらず支給決定に至らなかったケースがあるわけでございますが、この理由別の件数の内訳というのは統計的には集計をしてございません。
 ただ、現場監査に参りましたり、担当者からいろいろ話を伺う中で、典型例でございますが、相談に来られて申請に至らなかったケースとしては、例えば、現時点で申請するつもりはないが、収入の減少やあるいはこれから離婚を決断をした場合に保護が受けられるのかどうかというようなことを知りたいというような御相談があったケースですとか、あるいは、生活保護の説明を受けた時点で一定の収入がある、あるいは預貯金がかなりあるので今の時点では保護が適用にならないというようなことを知って申請をしないというようなケースがあるようでございます。
 また、申請をしていただいた後で支給決定に至らなかったケースとしては、典型例としては、申請書を受理した後で様々な調査を実施をした中で、最低生活費を上回る預貯金やあるいは実は年金が受けられるというようなことが確認をされて保護の適用にならなかったケースなどがございます。
○石橋通宏君 今御説明がありましたけれども、理由別の統計は取っていないということでした。今幾つか事例を言われましたが、結局、統計を取っておられないので、一体どういう理由でそれがまた一番多いのか、窓口での対応として、運用で、分からないんです。今、例えば取りあえず相談に来てみたという方がおられる。でも、それが多数なのか、それは少数で実は違う理由なのか、分からない。
 繰り返しますけれども、これだけ現場からは、相談に行ったんだけれども追い返された、もう申請の意思があって行ったんだけれども申請書すらもらえなかった、いろんな例があるということが出てきているわけです。これは昨日今日始まった話ではないわけですよね。であれば、現場で一体どういう窓口対応がされているのか。
 せっかくこれ、これは監査実施結果報告ですから、監査されているわけですよ。監査されている、で、この数字が出てきているんだから、要は内訳は分かるはずです、統計取ろうと思えば。統計をしっかりむしろ取っていただいて、どういう理由で窓口でそれが却下されているのか、これをちゃんと数を把握していただいて、それによってちゃんと窓口で対応いただいているのか、どういう典型例があるのか。逆に、相談に来られる方で、制度上なかなか御理解をいただいていない部分があるのであれば、それをやっぱり改めてちゃんと周知徹底するとか、様々な対策が取れるわけです。それを調べていらっしゃらないから、統計出さないから。
 しかもまた、せっかくこれ出していただいても、これどうやって国民の皆さんに周知されているのか分かりませんが、そういうことをやっぱり広くちゃんと周知していただくことでより制度に対する理解も深まっていただくし、だと思うんですが、その点、どうですか、今後もその辺もうちょっときちんと対応いただけるような検討をいただけないでしょうか。
○政府参考人(村木厚子君) 私ども、把握をしている情報について国民に周知を図るとか、そういったことについてはできるだけ今後も努力をしたいと思います。
 相談件数でございますが、今見ていただきましたように、五十五万件ということでございます。そういう意味では、それらについてどんな内容であって、保護に至らなかった、あるいは申請に至らなかった理由をケース分けをして取っていくということについては、相当自治体への事務負担というのが大きいように思います。ちょっとこれは自治体の意見も聞いてみたいと思いますが、なかなか、これをデータ化をするということについては相当ハードルが高いかなと、率直に申し上げてそういうふうに思っているところでございます。
○石橋通宏君 これ改めて確認ですが、大臣先ほど言われたように、最後のセーフティーネットです。ここで拒否される、何らかの理由で申請に至らないということは、本当に申請の意思を持って来ておられる方々にとっては大変なことです。にもかかわらず、事務負担が高い、それはちょっと理由としては非常に残念な理由であって、逆に、これも後ほど触れますが、だったらやっぱり、ケースワーカーなり現場の窓口の体制のことをもうちょっと考えていただかなきゃいけないということにならないですか。それは理由として余りに、この最後のセーフティーネットとしての制度、ちょっと認識が非常に残念な認識と言わざるを得ないので、これ後ほどケースワーカーのところで触れさせていただきますので、この辺については考えてください。
 というのは、先ほど来議論になっていますように、今回の改正において皆さん本当に心配されているわけです、現場での運用が。当然厚労省からは、様々にしっかりと通知を出していただくなり、これまでの運用とは変わらないということをやりますと言っていただいている。しかし、問題は運用なんです、現場での。これまでにも、厚労省、何度も通知を出していただいたり対応いただいているということは先ほど言われているとおりです。しかし、現場では、実態としてやっぱり今でも様々な報告が上がってくるわけです。だからこそこれをちゃんとやっていただかなきゃいけないわけで、これ、今のように、せっかく監査やっていただきながら、なぜ申請に至らなかったのか、二十何万件もの数が何で申請に至らなかったのか、二万件もの数がなぜ申請があったのに保護に至らなかったのか。調査の結果という話もありましたが、それが全部なのか全部でないのか。
 そういうことも含めて、やっぱり現場の運用というものをもうちょっと本省としてもしっかりと調べていただいて、不正受給対策は必要ですよ、でも、そこで、窓口で、水際でシャットアウトされてしまうことの方がもっと深刻ですよ。そのことを重く受け止めていただいて、現場での対応、運用を今までとは違うレベル、次元でやっていただかないといけないという認識を是非持っていただきたいと思いますが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(田村憲久君) 先ほどもお答えいたしたんですが、仮に受理されないという話になれば、それは都道府県等々に審査請求することができるわけであります。ちょっと敷居が高いというお話が先ほどありましたけれども。その上で更に裁判の方に持っていけるという手だてもありますが、いずれにいたしましても、今局長の方から答弁をしましたけれども、指導監査やっているわけですよね。その内容というものは分かっているわけです。数は分からないという話があったと思いますけれども、内容は分かっていて、問題のあるものに対してはしっかりと対応するようにということで指導もしているわけであります。
 問題は、実際窓口で受理されない、そういうようなものであれば、当然それはもう仕方がないわけですよね、内容的には。でも、本来は受理されるべきものが受理されないというのは、一定の基準を要するにちゃんとクリアできているかできていないかという問題もありますし、そもそも本来は、申請をして、本人の意思があって、客観的に見てですよ、どう見てもこの人はおかしいなという人はいるかも分かりませんけれども、そうじゃなければ申請を受理しなきゃいけないというふうになっておるわけでありますから、そのような形で対応いただくというようなことを再三我々は各自治体にお願いをさせていただいておるわけでございますから、それを徹底をしていくということが一番重要であろうというふうに思っておりますので、そのような対応をこれからも各自治体にお願いし、指導してまいりたいというふうに思っております。
○石橋通宏君 大臣、済みませんが、答弁になっていません。
 徹底はしていただいているというのは重々我々も知っています。ただ、それでもやっぱり現場の運用で、残念ながら、現場の皆さんからはいろんな事例が上がってきているわけじゃないですか。皆さんが御努力をいただいていることは分かる。でもやっぱり現場では様々に、それが、現場でも頑張っていただいている、担当者も頑張っていただいているんだけれども、でもやっぱり運用ではいろんなバランス、いろんな濃淡があるんでしょう。やっぱりそこを、この状況をちゃんと把握を、理解をしていただいて、二十数万件という重きを重く受け止めていただいて、じゃ、それがどういう理由で申請に至らなかったのか、数字でちゃんと明らかにしていただいて、そして適切な指示、対応をやっぱり改めてしていただくということが必要だと思いますし、国民の皆さんにもちゃんとそこは周知をしていただいて、広くこの制度に対する御理解をいただくということをやっぱりやっていただかなきゃいかぬと思います。
 是非ここの部分、今すぐやると言っていただかなくてもいいですが、これ是非検討していただきたいと思いますが、検討はしていただけますか。
○国務大臣(田村憲久君) 今、新しい法改正の下にいろんな形で、自立も含めて、生活保護制度に入られた方の自立も含めていろんな法改正をしていただいている最中であります。この改正の下に、また一方で我々厚生労働省としては、それを周知徹底を各自治体にさせていただくわけでありまして、その中において、改めて、適正にこの申請に対してそれを受理するということをお願いをさせていただいておるわけでございます。
 もちろん、統計を取るということは一つなのかも分かりませんが、幾ら統計取っても、窓口でちゃんと対応していただかなければいけないわけでございまして、窓口でちゃんと対応していただく、それは中にはおっしゃるとおり、それぞれの窓口の担当者の中において、いろんな担当者の中のばらつきはあるのかも分かりません。しかし、それはそれで適時指導をさせていただいて、一定の水準といいますか、そういうもので全国で対応できるようにお願いをしていっておるわけでございますので、そのような意味からいたしますれば、全国的に全てを調査するというよりかは、今、新しいこの制度の中において、周知徹底をさせていただく中において、今まで、もしそのような御心配があるのであるならば、適正に生活保護、これを申請をいただければ受理できるような、そのようなお願いを私どもも各自治体にしてまいるということが重要であるというふうに私は思っております。
○石橋通宏君 駄目ですね、それじゃ。
 これ資料の二に、監査の状況、これも資料を出していただきましたので、これ監査やっていただいているんですよ、指導監査は。厚生労働省本省でやっていただいている部分、各都道府県中心にやっていただいている。そしてまた、各都道府県なり指定都市でそれぞれ千数百か所監査を毎年毎年やられていると。監査やっておられる数字に基づいてこの相談件数、申請件数出ているわけでしょう。ということは、数字は出ているわけですよ。数字は上がってきているんです。
 つまり、各それぞれの福祉事務所等ではちゃんと、何件相談に来られたのか、何件申請に至ったのか、何件申請に至らなかったのか、そこは当然把握をされて、監査のときに出しているわけでしょう。新たな負担という話じゃないじゃないですか。なぜ申請に至らなかったということを数字として出すという、それだけの話でしょう。それができないというのは、これはむしろ数字を出したくないと、本省、隠していると思われてもしようがないですよ、これ。
○国務大臣(田村憲久君) やっていただくのはこれ自治体になるわけですよね。年間今五十万件というような話が局長からもございました。実際問題、現場で大変な労力になろうとは思いますが、各自治体、現場の方と相談をさせていただきたいとは思いますけれども、無理なこと、かなりの負担の掛かることはそれは無理にお願いできないわけでありまして、御相談をさせていただいて検討させていただくということでお願いいたします。
○石橋通宏君 大臣、今、検討いただけるということでしたので、これは是非検討して、もちろん現場に御負担は掛かるのかもしれませんが、そこは、先ほどもちょっと言いましたように、現場の体制をこれから拡充していただくということもあるわけでしょうから、そこのところは是非併せて御検討いただければというふうに思いますので、よろしくお願いをいたします。
 ここはなぜやっぱり大事かといいますと、この監査の今回数字をいただいたんだけれども、先ほど理由別は統計取っていないので分からないということなので、実際にその現場で、ちょっと表現がどうか分かりませんが、不適切な窓口での対応があったやなしやと。これはあるんでしょう、現場への指導があるということは認められたわけですから。本来ならば申請を受け付けるべきものが受け付けていないという事例とか、そういうのはあるんでしょう。その実態が分からないわけです。その実態も含めて、やっぱりどのような実態が現場としてあるのか、それをまた現場の福祉事務所なりの皆さんにむしろ広く周知徹底をしていただくことで、ああ、こういう事例は本来やっぱり受け付けなきゃいけないんだということも改めてみんなで確認をしていただくということもできるわけです。
 先ほど大臣もお認めになった、やっぱり濃淡があると。そこはやっぱりみんなできちんと理解を進め、努力を進め、そして現場で不適切な対応がないように努力をしていくということからも、やっぱりそういう、ちゃんとした数字を出していただくということは、これは僕はいい意味ですごく大事なことだというふうに思いますので、大臣、約束していただきましたから、相談を約束していただきましたから、そういう趣旨で是非検討をいただいて、その検討結果は是非私どもに御報告をいただければと思いますが、そこは大臣、もう一回、よろしいですね。
○国務大臣(田村憲久君) ですから、各自治体にやっていただかなきゃならぬわけでございまして、かなりの私は過重な負担が掛かると思います。しかし、委員からのお話でございますから、各自治体に本当にできるのかどうかということも含めまして相談をさせていただいて、慎重に検討させていただきます。
○石橋通宏君 ありがとうございます。
 あと、先ほど、何か問題があったときに、相談に来られた方若しくは申請しようと思って来られた方が受け付けてもらえなかったという場合には、都道府県に審査請求ができるという御答弁がありました。これ、事実としてどのぐらいの方が知っておられるのか分かりません。ここの会場におられる議員の方々でもどれぐらい知っておられるのか分かりません。どのように周知をされているのか、それを広く国民の皆さんが御存じなのか。
 例えば、社会福祉事務所の窓口に、もし、あなた申請却下されたら審査請求がここにできますよという張り紙がされているのかどうか分かりませんが、これ皆さん、例えばそういうふうに福祉事務所に審査請求できますよという張り紙が張ってあったり、窓口でそういう、もし何か問題があったらここに審査請求できますからやってくださいというような周知はされているんでしょうか。
○政府参考人(村木厚子君) 手続といたしましては、申請があって却下をされた場合、それに不服がある場合にどういう手続があるかということは御本人にお示しをするようにしております。一般的に、済みません、ポスターがあるかとかということは今ちょっと申し上げられませんが、当該御本人にはきちんと説明をして、不服があった場合の対応の方法についてはお知らせをしております。
○石橋通宏君 お知らせはあるということですね。
 実際に、審査請求は年間どれぐらいの件数あるんでしょう。
○委員長(武内則男君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(武内則男君) 速記を起こしてください。
○政府参考人(村木厚子君) 済みません、今ちょっと手元に件数がございませんので、すぐに調べて御報告を申し上げたいと思います。内訳は分かるんですが、済みません、件数がちょっと手元にございません。申し訳ございません。
○石橋通宏君 件数、教えてください。どれぐらいの審査請求があるのか。
 それで、これ先ほどの答弁の中で、これ大臣だったか、御自身も、この審査請求というのがどこまで手続上手軽にできるものなのかというのを、答弁の中でもありましたけれども、都道府県に審査請求をしてくださいといって、はい、そうですかとぽんと行けるような非常に簡単な手続なのかどうか、手続上のこともよく分かりませんが、これも余り、やっぱり現場で、都道府県にといっても、同じ当該市町村で、同じそこの所属する都道府県ということでいくと、なかなか審査請求しても、逆にその対応が審査請求された都道府県も難しいんではないかなと思ったりもしますが。
 ちょっとこれ、ひとつ大臣、提案なんですけれども、やっぱりこういう、これから、今回の改正も踏まえて、窓口で適切な対応をいただかなきゃいけないと、これはもう大前提だと思います。なので、例えば、相談に行ったんだけれども申請書すらもらえなかった、申請するつもりで行ったのに拒否された、追い返された、こういう事例があったときに、今審査請求という制度もあると言われましたが、もうちょっと手軽に、そういう方々、お困りになっている方々が、支援が必要な方々が、例えば電話で相談ができるとか、そういう何らかの制度的なものを国の責任において、公的な責任においてきちんとワンストップの相談窓口をつくっていただくようなことも御検討いただけないでしょうか。
○副大臣(桝屋敬悟君) 先ほどからの議論でありますが、委員、まず審査請求の件でお話をされましたが、誤解がないように申し上げておきますと、福祉事務所の窓口に来られて審査請求案件になりますものは、御案内のとおりだろうと思いますが、行政処分がなされたものに対して、それに対して不服申立てとして審査請求を上級庁へ上げるということでありまして、委員今いろいろ御指摘されているのは、申請にもまだ至らないケースもあるのではないかというような御指摘もあったり、申請したけれども保護の開始につながらなかった、いろんなケースがあるではないかと。本当に必要な方が保護の受給という結果になっていないのではないかという問題意識の下に御発言をされているんだろうというふうに思いますが、今回の法改正で生活保護制度の全体の枠組みを変えるものでは一切ないというふうに私たちは考えておるわけでありまして、むしろ保護にできるだけ至らないように生活困窮者の支援策を改めて生活保護の周辺部につくろうと、こういうことであります。
 同時に、今から答弁でありますが、先ほど委員がおっしゃった窓口での対応、これは多分、委員の御指摘としては、面接相談、電話相談も含めてだろうと思うんですが、福祉事務所にアプローチしたけれども本当に必要な方が生保の受給に至らなかったと、こういう問題意識だろうと思うんですが、そんなのがいっぱいあると言われても、我々は、本当に必要なケースは、真に保護が必要な方は保護しなきゃならぬという立場でもありますし、水際作戦という言葉も使われましたが、それが日常的に横行しているというような問題意識は持っていないわけです。
 そうあってはならないと思っているわけでありまして、電話相談等も、当然ながら、最近は福祉事務所を持ちます自治体は、福祉事務所のその窓口だけでなくて、総合相談の窓口を設けたり、あるいはより生活困窮者に対して生活相談ができる、そういうベテランのインテークワーカー辺りを窓口にそろえているというようなこともあるわけでありますから、委員の御指摘のとおり、面接相談について、過去の生保の歴史の中で不適切な事例、マスコミで報道されたり、厳しい指摘をいただいたのも事実であります。
 したがって、面接相談の重要性、申請書をどう扱うのかというようなことも含めて、様々な機会で我々は現場の福祉事務所、ケースワーカーに周知徹底をし、指導監督を通じてその辺の指導をやっているわけでありますから、そうした体制については我々は懸命に取り組んでいると、こういう姿勢でございまして、改めて、委員がおっしゃるように、申請に至らなかったケースを全部データとして用意するということは、これはなかなか簡単なことではない。ケースワークと言われますが、千差万別でありまして、様々な理由があって保護に至らなかったケースもあるわけでありますから、ここは大臣、検討すると言われたわけでありますが、なかなか簡単なことではないだろうと私は感じております。
○石橋通宏君 済みません、長々御答弁いただきましたけれども、先ほど来の繰り返しを言われているだけなので、大変申し訳ありませんが。
 御努力いただいているのは分かっていると何度も申し上げているんです。逆に言えば、努力に対して、もう皆さん、これからも周知徹底やるんだ、自信があるのであれば、正々堂々そういう窓口通っていただいて、実際に現場から声を上げていただく。電話掛かってこなかったら、いいじゃないですか。もし自信があるのであれば、ちゃんとそういうポイントをつくっていただいて、皆さん、何か現場で運用上問題があったら電話上げてください、相談上げてくださいと、国の責任において。これ、生活保護、そもそも国の責任においてやるものでしょう。国の責任において対応させていただきますということを正々堂々やればいいじゃないですか。ということを含めて検討してくださいということをお願いをさせていただきますので、大臣、検討はしていただけるでしょう。
○国務大臣(田村憲久君) 先ほどデータの話も私申し上げたのは、まずしっかりと自治体の話を聞かせていただくということが前提です、先ほどの話は。できないものは無理ですからね、それは。今でさえ、今でさえですよ……
○石橋通宏君 今のは違う話です。
○国務大臣(田村憲久君) もちろん、その全体の話をしているんです、副大臣との話の中で。そういう中において慎重に検討させていただくという答弁を先ほどさせていただきました。
 今回の話に関しては、窓口で対応していただく方々にやはり周知徹底をさせていただくということが私は一番だというふうに思っておりますので、そういう意味で、各自治体の窓口で適切な対応をしていただけるような形でこれからしっかりと我が方としても対応させていただきたいというふうに思っております。
○石橋通宏君 局長、何か数字について、お願いします。
○政府参考人(村木厚子君) 先ほど大変失礼いたしました。
 行政処分があった後の不服の審査ということで、審査の件数でございます。平成二十三年度の数字で、都道府県への審査請求九百十八件、それから国への再審査が九十三件というのが数字でございます。失礼いたしました。
○石橋通宏君 ありがとうございました。
 これは一般的に公表されているという理解でよろしいですね。はい、うなずいていただきましたので、公表されているということです。
 是非こういう制度もあるということの周知徹底も改めて図っていただいて、先ほど言ったことも、これは現場と相談をされなければいけないということも含めてですが、私が提案したのは国でやっていただけるかどうかということなので、これは是非また改めて私も取り上げさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
 済みません、時間がなくなってきているので、就労自立支援給付金について、第五十五条関係です。
 今回、就労自立支援給付金というものが導入をされるということなんですけれども、これ、安定就労という定義がございます。その安定就労に結び付いたときにこれ給付金があるんだと。ちょっと、安定就労というのが、これは定義の仕方によっては大変敷居の高い話になるのではないかということを非常に懸念するわけですが、この安定就労というのはどういう意味合いなのか、正規でなければいけないという話なのか、その辺、ちょっと明確に、しかし簡潔に答弁をお願いします。
○政府参考人(村木厚子君) この自立給付金は、安定就労の機会を得て保護を脱却をした際に支給をするというものでございます。逆に言えば、安定就労でなければ保護を受けていただくということになるわけでございます。
 具体的にこの定義については施行までに省令等々で定めていくことになりますが、考え方としては、脱却してすぐにまた保護に戻ってくることがなく、着実に自立していただけることがある程度見込めるということを考えたいと思いますので、正社員でなければいけないかどうかというところはちょっと検討が必要かと思いますが、少なくとも、一定期間以上継続をして雇用される見込みがあるような安定的な雇用形態であるということが一つ大事になるかというふうに思っておるところでございます。
○石橋通宏君 雇用形態は問わないという御趣旨だと思いますが、むしろ一定期間安定収入ということだと思いますけれども、一定期間ということの定義と安定収入の定義と、両方これ非常に重要だと思います。これをやっぱり高くしてしまうと、これなかなか、これはもう私が皆さんに言うまでもなく、せっかくやっぱり就労されてもなかなか定着が難しいというのも、これはもう実態としてはそのとおりです。
 ですから、一定ということを余りに長期に取ってしまったら、これ該当者が非常に少ないと。せっかく制度をつくっても、むしろ敷居上げてしまったがために、これが何の制度的なインセンティブにもならないということにもなりかねないので、そこは敷居を高くし過ぎないように、この一定の期間とそれから収入ということについては適切な設定をお願いしたいと思いますが、そういうことでよろしいですね、局長。
○国務大臣(田村憲久君) 今局長も申しましたとおり、一定の期間安定的な収入を得られるという、それは、まさに生活保護から出ていただく、脱却していただく、これに対してのこれは言うなれば生活準備金のような形のものでございますから、もしそうでなければ生活保護から脱却できないということでございますので、当然のごとくそのときには給付はされないという話になります。
○石橋通宏君 是非、その辺は適切な検討、設定をお願いをしたいと思います。
 それでは、ちょっとここで生活困窮者自立支援法案の方に移らせていただいて、両法案、非常に、先ほど来話がありますように、密接に関連する大事な制度ですので、そちらに行きたいと思いますけれども、今日、大臣の答弁の中でもありましたが、結局、今回、困窮者自立支援法案で相談支援事業を新たにやっていただく、窓口つくっていただいて、自立相談支援事業を開始をされるということです。
 そこに相談に来ていただくと。相談に来られた方々で、その窓口で、この方々は自立が可能なのかどうか、いや、むしろ今すぐにやっぱり自立は可能ではない、もう今既に困窮状態にあってこれは今すぐやっぱり生活保護の支給開始が必要だという判断を窓口でされた場合には、当然そこから適切な対応があるんだ、つまり、そこから福祉事務所に行っていただいて保護の申請を開始していただくということが当然あり得るということで理解をさせていただきますが、改めてそこの点、確認させてください。
○副大臣(桝屋敬悟君) 新たな生活困窮者支援制度でありますが、窓口へ相談に来られた方、生活困窮者の抱えている課題、これを評価分析いたしまして、あるいは本人の意向を踏まえ、適切な支援が受けられるように調整をしていくという事業でございますが、その際、今委員がおっしゃったように、保護が必要な人には確実に保護を行うことは当然必要でございまして、要件を満たしている方については生活保護に適切につないでいくということも大事だろうと思っております。
○石橋通宏君 この点、実際に窓口が開設をされて相談支援事業が始まった段階で、これ、先ほどの繰り返しになって恐縮ですが、是非ちゃんとデータを取ってください。相談に来られた方々、そこからどういうその後の対応がなされたのか、これは是非取ってください。これ大事なことですので、それはお願いさせていただいていいですか。
○副大臣(桝屋敬悟君) そういう御指摘から言われるのであれば本当にそのとおりだと私も思いまして、今回、せっかく生活困窮者の支援制度を仕掛けたわけでありまして、そこへやはり福祉事務所から、あるいは双方つながっていって、適切なサービスを展開するということは非常に大事でありますから、委員の指摘を踏まえてそういう体制を取りたいと思います。
○石橋通宏君 大変前向きな答弁、ありがとうございます。
 なぜここが大事かといいますと、我々も非常に今回、困窮者支援法、これやっていただいて、これから生活保護に本当にもうこのままだと陥ってしまうかもしれない、でもその前に自立が可能な段階で手を差し伸べて様々な支援をしていただくという、これをセットで本当に国民の最低限度の生活を守っていく、文化的な健康的な生活を守っていくということで、より現行の制度が拡充されるという方向に是非持っていきたいと思っておりますし、そういう対応をしていただきたいと思っているんですが、逆に一方でやっぱり心配もあるわけです。
 この窓口が新たな、ごめんなさいね、また言葉使って、水際作戦にならないように。じゃ、生活保護の申請に福祉事務所行ったんだけれども、いや、あなたは相談窓口行ってくださいと、あなたはまだまだ頑張れますから相談窓口行ってくださいと、生活保護の申請は受け付けませんよといって回されるケースが増えるのではないかなと非常に心配をしておるわけです。逆に何か変な話、キャッチボールされてしまったら、本当に困っておられる方がどうするのか。そんなことは決してあってはいけないわけです。
 ですから、連携をしっかり取っていただくことが大事だし、窓口で、いや、相談に来られた方は、これはやっぱり今すぐに自立ということにはならないから、今の困窮状態を脱していただくためにもまず生活保護を申請していただくことが大事だという場合には、やっぱり福祉事務所でちゃんと対応いただくと、そういう連携を取っていただくことが大事なので、是非、きちんとしたデータを取っていただくことが大事だという趣旨ですので、今副大臣から答弁いただきましたので、是非よろしくお願いを申し上げます。
 あと、この相談窓口の相談支援員、先ほど御答弁もありましたけれども、早期発見を図るんだということもこれまでも言葉として言われています。つまり、相談窓口は、あくまで相談に来られた方に対応するだけではなくて、大臣も先ほど言われたとおり、やっぱり今、現にお困りの方々、制度は分かっているんだけれどもどこに行っていいか分からない方々、様々におられる中で、せっかく今回窓口つくっていただける。だから、より能動的に困窮者の方々を様々な連携を図りながら早期に発見をしていただいて、早期にいろんな支援を、手を差し伸べていただくということがやっぱり重要だという意味合いでいうと、この相談窓口の支援員の方々というのは、単にそこの窓口に座っておられるだけではなくて、外にどんどんどんどん出ていっていただいて、様々に早期発見の対応をいただくということでよろしいでしょうか。
○副大臣(桝屋敬悟君) おっしゃるように、今回の新しい制度、生活困窮者支援制度は、地域で孤立している方々が非常に多いと、委員がおっしゃったように、相談に来ることもできないというような、たどり着けない方もいらっしゃるわけであります。
 本当にそうした方々に必要な支援につなげていきたいと、こう思うわけでありまして、このため、新法に盛り込んでいる自立相談支援事業では、単に委員おっしゃるように待ちの姿勢ではなくて、生活困窮者を早期に把握できますよう、地域のネットワーク、これをしっかり活用しまして、そのネットワークが大事だと思いますけれども、そこから提供される情報から支援につなげること、あるいは必要に応じてアウトリーチ、訪問支援を行うということが極めて大事だろうと思っております。
 また、孤立している生活困窮者の方の早期発見、委員も言われましたけれども、これは行政だけではなくて、民生委員さんとかボランティアでありますとか住民組織など、地域全体で行っていくことが重要だろうと思っております。このため、新たな相談支援事業においては、地域の関係機関とのネットワークづくりも同時に進めていかなくては効果的な事業はできないというふうに考えてございます。
 このような取組を通じて生活困窮者の早期把握に努めてまいりたいと思っております。
○石橋通宏君 是非その方向で、それをやっていただくためにはやっぱりそれなりのきちんとした体制整備が必要だと思いますので、そのことも含めたこれからの体制整備、図っていただきたいというふうに思っております。
 そこで、その上で、相談支援員の方が自立に向けた計画の策定をするということに法律上なっております。この計画の作成は大事なところだと思うんですけれども、より大事なのはその計画のPDCAサイクルだと思います。計画を立案した、じゃ、その計画がその後どうその方の、当事者の方の自立に向けた取組が適切に行われているのかどうか、自立につながっているのかどうか。先ほどこれも大臣答弁であったように、途中で、やっぱりちょっと自立は無理じゃないか、途中で、困窮状態に陥ってしまったから、すぐに自立というよりはやっぱり生活保護が必要ではないか、そういうケース、多々出てくると思うんです。
 だからこそ、計画を作成するだけではなくて、PDCAサイクルをしっかり見ていただいて、適切な対応、フォローをいただくということが必要だと思いますが、作成後のこの計画の実施、フォロー、そして必要に応じた修正、これも相談員が責任を持つということでよろしいんでしょうか、それとも違う方が責任を持つんでしょうか。
○国務大臣(田村憲久君) この自立相談支援でありますけれども、まず、先ほど来お話がありましたとおり、アウトリーチも含めて、アウトリーチ以前に、やはり各自治体に御協力をいただいてネットワークをしっかりつくっていただくということで、孤立されておられる生活困窮者の方々をなるべく多くチェックといいますか、見付け出すということは大事だと思います。
 その上で、この自立相談支援の方に入ってくるわけでありますが、まず見付けた後でその課題を評価分析しなきゃいけないわけでありまして、その課題に対してどのような自立支援のための計画を作っていくか。そういう意味では、プランは大事でありますけれども、そのプラン、作った後には実行するわけでありまして、実行の後、そこは、実行自体はこの相談支援員ではないわけでございますから、そこは事業者がやっていただくわけでありますけれども、その後のチェックの部分というのは、当然のごとく、この自立相談支援員の方々が事業者に引き渡ししたら終わりではなくて、やはりその後にも継続的に相談に乗っていただくということが重要であろうというふうに思います。
 完全に自立してしまえばそれはいいのかも分かりませんけれども、その過程にある中においては、しっかりその計画、行動した後にチェックをして、その後で再び今どうすべきであるかというアクションが必要なわけでありますから、先ほど言いましたとおり、途中で体を壊してしまって働けなくなっちゃったという場合においては、これは場合によってはまた生活保護ということも考えなければならぬわけでありますから、そこまである程度、責任を持っていただくという言い方がいいのかどうか分かりませんが、相談支援員の方々に継続して対応いただくということが必要だろうというふうに思っております。
○石橋通宏君 ありがとうございます。大事な答弁だと思います。
 相談支援員の方が最後まで全て責任を持つかどうか、これは制度上いろいろ御検討があるんだろうと思います。誰かが責任持つということだと思うんです。途中で何か計画どおりいかなくなったときに、それを誰がきちんとフォローをして、そして修正掛けるなり別の対応するなり、そこに誰が責任持つかということだと思いますから、そこを明確にしていただきたいということですので、今後、相談支援員の方の具体的な訓練計画等、中身とかもやられるんだそうですから、そういう中できちんとそこのところがクリアになるように対応いただきたいということで、よろしくお願いをいたします。
 そこで、ちょっと時間があと七、八分しかないので大事なところに行きたいと思いますけれども、生活困窮者就労準備支援事業、ここで一定の期間やると。雇用による就業が著しく困難な生活困窮者、この著しくというのがどの辺が著しいのか、この辺の定義も大変難しい定義だと思いますけれども、一定の期間、就労準備支援というのを提供するんだというふうになっております。
 ここの訓練期間中の生活保障なんですが、これは生活給付は行わないという理解でいいのかということと、もしそうならば、なぜここで生活給付は行わないのか。もう生活困窮者として、本当に最低限度の文化的な生活ができなくなるおそれがある困窮者が訓練受けていただいて、準備訓練受けていただいて、本当にもうもうぎりぎりのところにおられる方々に訓練期間中の生活保障のための給付は行わないんだと。とすると、一方で求職者支援制度というのがあるわけです。失業保険受けておられない方々でも給付を受けていただいて、生活をきちんと安定させていただきながら訓練受けていただくという制度があるわけです。そことの制度的なバランスがちょっと欠けるのではないかなと思いますが、この点について御説明いただけますか。
○副大臣(桝屋敬悟君) これも頭の痛いお尋ねをいただきました。
 今、就労準備支援事業、この訓練期間中、生活給付は行わないのかと。行わないわけでありますけれども、そのことは求職者支援訓練と比べていかがかと、こういうお尋ねであったかなと思います。
 就労準備支援事業は、就労のための基礎的な能力が著しく低くて公共職業安定所の利用が困難な者を対象として、就労できるようになること自体を目的として自立のために必要な訓練を実施すると、こういう位置付けでございます。一方、お話がございました求職者支援訓練のような公的な職業訓練、これは、就労のための基礎的な能力が一定程度備わっている方を対象といたしまして、個別の分野における技能及び知識の習得に通じた労働者の職業能力の開発、向上を目的として実施するものであります。
 したがって、やっぱり両者はおのずと性格というか対象者が多分異なるんだろうというふうに思っているわけでありますが、就労準備支援事業では、必要に応じて履歴書の書き方、ハローワークへの同行支援ももちろん行うこととしておりますが、ある程度基礎的な能力を習得した者については、ハローワークを利用することによって一般就労に向けた求職活動を行っていただくことになるだろうと、こういうふうに思っているわけであります。
 求職者支援制度と異なって、就労準備支援事業でありますが、これは悩みながら答弁しているわけでありまして、訓練期間中の生活に必要な給付は行えないんですが、新法に基づいて、必要に応じて居住確保給付金の支給でありますとか、あるいは一時生活支援事業による支援、あるいは家計相談支援事業を通じた貸付けのあっせんなどを行いながら、きめ細かな支援をしていきたいというふうに思っている次第でございます。
○石橋通宏君 大変苦しい答弁だと思います。副大臣今お認めになったので、苦しい答弁だと思います。
 これ本来は、やっぱり求職者支援制度、我々の思いは、実は求職者支援制度も、今事業をやっていただいているんだけれども、なかなか今求職者支援制度の下で提供されている訓練に、それよりももうちょっと、もうちょっと手前の訓練が必要な方はやっぱりおられるというのは、この間もずっと議論させていただいてきたわけですね。訓練のレベルが今二段階ぐらいになっていますけれども、もう少し幅広く訓練をいただいて、やっぱり必要な技術、知識を身に付けていただくようなことが必要なんじゃないかという議論もさせていただいてきたわけです。
 ところが、今回この法案の下でこれやるんだけれども、まさに副大臣言われた、対象者が違う。困窮者なんです。困窮者なんです。だからこそ、やっぱり生活をまず安定的にしていただいて訓練をいただくということを考えれば、むしろこの困窮者の下で行われる準備支援事業、こちらの方に何らかの生活安定的な対応をしていただくということの方がこれはむしろ必要なのではないかと思ったりもするわけです。
 なので、この辺ちょっと、時間もありますので、今後できれば別の機会にまた改めてお話をさせていただきたいと思いますが、これを是非検討してください、本当に何が必要なのか。そうしないと、訓練をせっかく受け始めていただいても、結局はやっぱりその間に生活が立ち行かなくなってしまうということになりかねません。だからこそ、これを、事業をしっかりいいものにしていただくためにも、その辺の対応というのは是非考えてください。
 時間がなくなりましたので、最後に一点だけ聞かせていただいて、終わりにしたいと思います。
 本当は今日、いわゆる中間的就労について、就労訓練事業についてもいろいろお聞きをしたかったんですけれども、一点だけちょっとお伺いしたいのが、ちょっと我々が懸念していますのは、この中間的就労が一方でまたぞろ変な貧困ビジネス的に使われてしまう、そういったものに陥らないように、これは細心の注意を払ってやっていただきたいなと。
 これ、中間的就労も、期間が特に定めがないというふうに私は理解をしておりますけれども、例えば、これ先ほど議論させていただいた計画に基づいてこの中間的就労というものを位置付けるというふうに理解をしております。であれば、その中間的就労、これ中間的就労を請け負った外部の委託事業者が提供されるんでしょうけれども、そこの委託事業者からきちんと定期的な報告を求めていただきたいんです、到達度、習熟度、計画に沿ってどうなのか。これを先ほどの、計画の実施について誰かに責任を持たせるべきだと、そこときちんと連携をしていただいて、中間的就労が変な悪い方向のビジネスに使われないように、担保を絶対していただきたいと思います。
 この点について確認させていただいて、質問を終わりにします。
○委員長(武内則男君) 時間が来ておりますので、簡潔に御答弁願います。
○政府参考人(村木厚子君) この中間就労でございますが、先生御指摘のように、必ず相談事業者がアセスメントをしながら進めるということでございますので、期間がないというより、必ず定期的にアセスメントをしながら、期間を区切りながら進めていくということでございます。
 また、訓練事業者につきましては、定期的に都道府県が報告を求めることが可能な規定を入れておりますし、報告等に虚偽があった場合の罰則の規定もございます。また、訓練事業者認定基準に適合しなくなった場合には都道府県が認定を取り消すことができるという規定を入れているところでございますので、問題のある事業者が入り込むことがないように、しっかり運用をやっていきたいと考えております。
○石橋通宏君 終わります。
○委員長(武内則男君) 午後一時四十分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時四十四分休憩
     ─────・─────
   午後一時四十分開会
○委員長(武内則男君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、小西洋之君、尾辻かな子君及び斎藤嘉隆君が委員を辞任され、その補欠として大島九州男君、大久保潔重君及び牧山ひろえ君が選任されました。
    ─────────────
○委員長(武内則男君) 休憩前に引き続き、生活保護法の一部を改正する法律案及び生活困窮者自立支援法案の両案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○川田龍平君 みんなの党の川田龍平です。
 本日は生活保護法の審議ですが、その前に、緊急に今確認しておかなければならないことがありますので、まず冒頭に幾つかの質問をさせていただきます。
 先週突然、子宮頸がんワクチンの接種を国が積極的に推奨しないという決定がありました。この件については、はたともこ議員の一刻も早くワクチン接種はやめるべきだという質疑に対して、大臣が今後も継続していくという答弁をしていたにもかかわらず、その舌の根も乾かぬうちに大臣の答弁が覆されるという、国会史上非常にまれな事例です。この問題は、今後のワクチン行政を揺るがす問題になりかねず、緊急性と重大性という観点から質疑をお許しいただきたいと思います。
 予防接種法の改正案が本委員会で審議され、可決したのは三月のことでした。その際には、ワクチンギャップを一刻も早く解消するべく、有効性と安全性が確認された三ワクチンを定期接種化することとしました。つまり、子宮頸がんワクチンは安全であるという前提で議論がなされました。そして、使用されるワクチンにおいて重篤な副反応被害などが報告された場合には、それに迅速に対処するための検討組織を厚生労働省内に設置し、そこで速やかに状況を精査し、国民が安心してワクチン接種に足を運べる環境をつくっていくということになるはずでした。
 しかし、今回の子宮頸がんの問題は、残念ながら予防接種法の改正や衆参で採択された附帯決議が全く反映できていません。附帯決議では、公衆衛生の見地から予防接種を実施することで国民の健康の保持に寄与するという目的を達成するために、接種率の向上、安全性情報の収集、副反応による健康被害の救済を図ること。また、予防接種の意義やリスクに関して分かりやすい情報を提供することにより、国民一人ひとりが予防接種についての正しい知識を持ち、これを理解した上で接種の判断を自ら行い、予防接種が円滑かつ適正に実施される体制を整備することとうたってあります。
 つまり、国民が予防接種の意義を、リスクについて、予防接種についての正しい知識を持ち、自ら判断できるように国は努めないといけないのです。しかし、情報という点で国は何もできていないではないですか。副反応報告が上がってきているにもかかわらず、これをきちんと精査するだけの人数がPMDAにないことは、先日の厚生労働委員会でも私が明らかにさせていただきました。
 予防接種法だけを四月に先行して改正し、実際には安全対策など核となる事業を充実させていない。子宮頸がんの副反応問題はずっと以前から問題になっていました。予見可能性ということであれば、こういうものは、こうなるのは分かっていたのではありませんか。一般論として、安全に使えます、皆さんどんどん使ってくださいと言っていたものが、ある日突然、実は危険ですからお勧めできませんとなり、そしてまた安全宣言が出て、またどんどん使ってくださいというどたばた劇を見た人が、また使いたくなると思うでしょうか。
 以前にも大臣にお話し申し上げましたが、かつてのMMRワクチン被害のときと同じような状況になるのではないでしょうか。国民の目線に立てば、今のような何を信じていいのか分からない状況が不信感を呼び込み、結果的に全てのワクチンに対する不信感につながってしまうのです。一刻も早く状況を掌握し、正しい情報を伝えなければならないと思います。
 大臣、子宮頸がんワクチンのこの混乱した状況はどのように解決されるんでしょうか。
○国務大臣(田村憲久君) まず、子宮頸がんワクチン、HPVワクチンでありますけれども、これ、予防接種を、定期接種を取り消したわけではないわけでありまして、今も定期接種であるわけでございます。
 その中で、六月の十四日にワクチン分科会の副反応検討部会におきまして、ワクチンの接種の有効性とその比較考量の中で、定期接種を、これを実施を中止するほどのリスクが高いとは評価されなかったわけでありまして、言うなれば、定期接種の中において、これは危険だというような範囲の、そういうような副反応の頻度ではなかったわけであります。
 しかしながら、全国被害者連絡会の皆様方からいろんな症例を、特に痛みに対する症例を幾つかいただきまして、それがまた、それこそ世論という中において大きく取り上げる中におきまして、やはり接種を受けるお子さん、それから接種を受けさせる親御さん等々に本当に大丈夫なのかというような御不安な声があるということも我々は認識をさせていただいたものでありますから、この副反応検討部会の方にかけさせていただいたと。
 結果は、先ほど言いましたとおり、定期接種を実施を中止するほどのリスクはないんですが、それほど高いリスクはないんですが、ただ、一方で、その痛みを伴う症例に関して、どれぐらいの重さなのか、痛みなのか、それからどれぐらいの期間のものなのか、さらにはその頻度ですね、先ほども言いました定期接種をやめなければならないほどのリスクのある頻度ではないんですが、一定の頻度というものがどれぐらいなのかということをやはりこれも調べなきゃいけないということで、あと海外の事例なんかも、このような痛みを伴う症例があるのかどうか、こういうものも調べてみなければならないということでございまして、そういう意味では、的確な情報をやはり接種を行うお子さんや親御さんにちゃんと提供できる、そういう体制を整えるためには、一定の期間この接種勧奨というものを一回差し控えさせていただいて、これは一時中断であります、その上で、その情報がまとまりましたら、それを提供させていただいた上で再開をさせていただくと。
 もちろん、もちろんですよ、その中において重大な何かがあれば、そのときには、これ引き続き検討なりまた中止するなりということはあるかも分かりませんが、今のところは取りあえずちゃんとした情報を提供をさせていただくという段でございまして、決して定期接種というものに対して我々がこれを中止したということではございませんので、そこは御理解をいただきますようによろしくお願いいたします。
○川田龍平君 この安全性の確認のためには、安全性評価のための熟練した専門家が必要になります。そのためには、不安定な年限付雇用などの非正規雇用ではなく、長期にわたって知識と技量を蓄積できる人員を確保する必要があるのは大臣も御理解いただけると思います。予算が掛かる問題ですから答弁が容易でないことは十分に理解いたしますが、このまま安全評価のための体制が強化されないままでいると、失われた二十年というワクチンギャップの原因となった国民のワクチンへの不信が再燃しかねません。一刻も早くこうした副反応被害を正しく評価できる体制を構築するべきです。
 PMDAに限った話ではありませんが、六月現在でPMDAは三名の非常勤職員が増員されたと聞きますが、こんな微増ではお話にならないと思います。安倍総理や麻生財務大臣に掛け合い、PMDAの安全対策部門の強化を、補正予算措置でもとにかく整備を図るべきだと考えます。
 信頼性を勝ち得るためには、情報提供が全てなのです。情報提供ができない現状は、予防接種法の附帯決議に示した立法府の意思とも異なるはずです。ワクチン事業を円滑に推進させるための峠に差しかかっていると思います。ここで正しい行動ができなければ、安全、安心なワクチンにまで影響を及ぼしかねないのです。国民の命を守るためにも、大臣の前向きな答弁を求めます。
○国務大臣(田村憲久君) PMDAに関しましては、従来からワクチン業務を常勤職員八名体制で担当してきていただいたわけでありますけれども、平成二十五年度予算、これ今回、予防接種法の改正等々もございましたので、そういう意味で、予防接種副反応報告整理・調査事業として五千万円計上させていただいたわけでありまして、その中において、薬剤師資格等を有する方々を中心に、非常勤ではありますけれども七名を採用させていただくということといたしておりまして、このうち五名が六月一日付けで採用ということになっております。
 いずれにいたしましても、引き続き、委員のおっしゃられましたとおり、このPMDA、強化をしていかなければならない部分でございますので、しっかりと対応するべく努力をしてまいりたいというふうに思っております。
○川田龍平君 さて、この当委員会でも話題になっておりますが、風疹ワクチンについても確認させてください。
 六月十四日に風疹ワクチンが不足していると厚生労働省が発表したようですが、現状はどのような状況なのでしょうか。本当に不足し、在庫に不安があるという状況であるならば、海外の風疹ワクチンやMMRワクチンなどの緊急輸入も念頭に入れなければならないと思いますが、政府の見解をお示しください。
○政府参考人(矢島鉄也君) 風疹ワクチンは現在不足しているという状況ではございません。今後、高い需要が続いた場合、不足するおそれが生じているというものでございます。
 厚生労働省といたしましては、既に風疹ワクチンの製造販売業者に対しまして、予定を前倒しした出荷や増産の対応をお願いをしており、また、六月十四日には優先接種者について周知を行う通知を発出したところでございます。
 今後の流行状況や任意接種者数の推移、国内での供給状況を注視しつつ、輸入を含め、更なる対策の必要性について検討をしていきたいというふうに考えております。
○川田龍平君 三十四歳以上の男性は、国の制度のはざまでワクチン接種の機会がありませんでした。事実、昨今の風疹の劇的な流行の中心も、当該年齢層を中心としていると聞きます。これはある意味で、国の未必の故意によって男性の風疹予備軍を放置してしまったと言っても過言ではありません。男性が罹患することで、そのパートナーである女性に罹患のリスクを負わせることになるのです。ある意味では、国の不作為による犠牲者が風疹の被害に遭っていると言っても過言ではないと思います。
 その意味では、大臣は一貫して国は費用負担をしないと明言されていますが、接種費用を援助するべき責任は国にもあると私は思います。できるならば、三十四歳以上男性に対して自己負担なしでこのワクチンの提供ができるような制度を御考案いただきたいと願っています。
 難しいかもしれません。しかし、せめてこれ以上風疹を蔓延させないためにも、風疹ワクチンの接種率向上のために、職場での集団接種の活用や、週末などの臨時に接種できるような場所や機会を設けるなど、運用面での改善をしていただけないでしょうか。三十四歳以上の男性が少しでも接種しやすい環境を用意するぐらいならできるのではないでしょうか。それくらいのことをやったとしても、国が風疹問題を放置してきた不作為の罪は消えるものではありませんが、現実の問題として、国民が健康に生きていくためにも、そして健やかに子供を産める社会を築くためにも、田村大臣の英断をお願いいたします。
○国務大臣(田村憲久君) 妊娠を希望しておられる女性の皆様方や、また妊娠をされておられる女性の周りにおられる御家族の方々等々には、今委員がおっしゃられたとおり、これ風疹がうつりますと、母体に、場合によっては先天性の風疹症ということがお子さんに起こるわけでございまして、注意喚起をさせていただいておるわけでありますが、一つは、流行している世代の八割から九割、これがもう既に抗体を保有をされておられます。
 それで、委員、国の行政のことをいろいろとおっしゃられたわけでありまして、確かに行政の中で空白の時期あったわけであります。しかし、そういう中においてでも、五十一歳以下の女性、三十四歳以下の男性は、これまでも少なくとも一回は定期接種の機会があったわけでありまして、平成十三年から十五年にかけて低接種層に対しまして経過措置ということで、これ一度設けておるということであります。
 そういう意味からいたしますと、確かに、受ける機会があったけれどもさらに受けなかったという方々は今も免疫を持っておられないということなんですが、風疹、今、今年一万人を超えてきたと言われておりますけれども、風疹だけではございませんでして、例えば水ぼうそう、おたふく等々、まだワクチンが定期接種化されていないものが幾つかございます。
 例えば水ぼうそうに関して言えば、風疹は今一万人と言いましたけれども、年間約推定患者百万人おられるんですね。しかも、四千人以上が重症化をされておられると。年間四名から十名ぐらいの死亡者も出ておるということ。おたふくも年間四十万人から百三十万人、年によって違いますけれども、罹患をされて、推定入院患者が五千人、難聴等の後遺症、こういう方々が二万例に一例ということで、推定年間二十人から六十五人出ておられるわけでございまして、もちろん風疹も昨年と比べて今年急激に増えておるんですが、そもそもこの水ぼうそうやおたふく等々に関しましては、毎年大変な危険な状況の下でまだ定期接種化ができていないという状況で、これを早く定期接種化に向けて財政確保をしながら対応していかなければならぬというような問題もあるわけでございまして、なかなか風疹だけを取り出してというわけにはいかないということを再三申し上げておるような次第であります。
 そうはいいましても、今言われたように、予防接種受けられたいという方が、なかなか会社等々に行かれておられて昼間受けられないというような方々もおられますので、夜間や休日等々に予防接種を受けていただけるように、医師会の皆様方とも御相談をさせていただきながら、体制の整備をお願いをさせていただいているところであります。
 最後に、予防接種、受けていただきたいわけでありますが、一方、一定程度のこれは副反応というものは必ずあるわけでございますので、その点もどうか御理解をいただきながら、予防接種を受けていただくかいただかないか判断をいただければ有り難いというふうに思います。
○川田龍平君 現在、自治体によって接種に係る費用の取扱いやその範囲が千差万別となっております。自治体に任せている事業なので難しいということは理解していますが、政府として通知などを発出して、自治体に接種に係る統一基準などをお願いできないものでしょうか。無料で接種を提供している自治体もあると聞きますが、その範囲が異なるようで、国民が戸惑うことが多いようです。国民に分かりやすいワクチン接種環境をという意味でも、できるだけ広い範囲で無料接種が認められるようなお願いを出すくらいはできないものなのでしょうか。政府の考えをお聞かせください。
○政府参考人(矢島鉄也君) 自治体での事業でございますが、厚生労働省では、風疹ワクチンの優先接種についてホームページや通知等によって周知を行っているところでございますが、自治体による助成事業につきましては各地域の実情に合わせて自主的に実施されているものでございまして、現時点ではそれらの取組を尊重をさせていただきたいというふうに考えております。
○川田龍平君 次に、同じワクチンですが、黄熱ワクチンについても確認させてください。
 六月三日のことですが、政府で開催された第五回アフリカ開発会議の閉幕式で安倍総理は、二十一世紀半ばにかけ、アフリカは間違いなく成長の中心となる、伸びていくアフリカに投資するときはまさに今だという内容の横浜宣言を発表したと聞いています。近い将来、必ずアフリカの地を踏むと約束もしたと報道されていますが、これほどまでにアフリカへの投資を呼びかけるということは、当然、黄熱病対策について政府として見識を持って対応されると理解するのですが、どうも厚生労働省がしっかり対応しているように見受けられません。
 そもそも、アフリカや南米に出国する場合にはイエローカードが必要であり、黄熱ワクチンの接種が必要だということを総理は理解されているのか心配になりました。声高にアフリカ進出を叫んでみても、黄熱ワクチンを接種していなければ誰もアフリカの地を踏むことはできないのです。つまり、アフリカに進出するためには黄熱ワクチン対策が準備されていなければ、安倍総理の期待される投資は期待できないことになるのです。
 現状を確認すると、国内に僅かに二十六か所しか黄熱ワクチンを接種できるところはないのです。米国は四千八百二か所、英国が四千二百四十二か所という状況と比較すると、突出して少ないということがお分かりいただけると思います。イギリスはアフリカに多くの領土を保有していた歴史からも宗主国としてのいまだに結び付きが強いということで、渡航者が多いという考え方もあるでしょう。ただ、英国には、日本の人口の半分であるのに日本の百六十三倍もの接種場所があるのです。本気でアフリカへの投資を増やすということであれば、現在の二十六か所というのがいかに非現実的な数字であるのかは御理解いただけると思います。
 黄熱ワクチンは国が在庫を厳格に管理していて、年間二万本の供給と、需要よりも在庫管理優先で供給量が決められています。現場の皆さんの話を聞けば、二万本というのは需要を満たしているとは言えないという指摘もありました。また、これからアフリカや南米に日本人がどんどん進出するというのであれば、二万本で本当に足りるのかどうかきちんと検討する必要があります。したがって、現状の供給量では二十六か所で十分という答弁はいささか現実離れしていると理解します。接種場所を少しでも増やす必要があると思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(矢島鉄也君) 黄熱病の予防接種につきましては、全国にあります検疫所等、これは数え方がちょっと難しいんですが、二か所でやっているところもありますので一応私どもは二十七か所というふうに把握しているんですが、二十七か所で予約制にて実施をしているところでございます。
 現時点では、予防接種を希望する方の接種機会は十分に確保された体制が整備はしているというふうに認識はしております。予約状況を逐次確認するなどして、引き続き適切に黄熱病の予防接種を実施をしていきたいというふうに考えております。
○川田龍平君 この黄熱ワクチンですが、これもワクチンですから、安全性の確保は絶対に忘れてはならないことです。ワクチン接種が可能な施設は、現状では検疫所と国際医療センター、仙台医療センター、盛岡病院、日本医科大学などに限られています。
 そこで疑問に思うのが、検疫所がワクチン接種後の有害事象に対して総合的な医療サポートができるのかどうかという問題です。私の聞いた話では、高齢者や基礎疾患などを持たれるハイリスクな渡航者は、検疫所よりもむしろ国際医療センターなど万全な医療支援体制のある医療機関に紹介されてくるようです。
 ここには二つの問題があると思います。
 一つは、検疫所などで接種を実施する接種者の技量の問題と、副反応などが生じたときの対応ガイドラインの作成ができているのかという問題で、接種できる施設の安全基準、施設基準のようなものをそろそろ策定するべきではないかということです。米国では、黄熱ワクチンの接種にはトレーニングを義務付けているということですが、十分な知識と判断テクニックを学習できるようなコースを策定し、均質な接種体制を保つ必要があるのではないでしょうか。
 また、検疫所以外で接種ができる施設として指定されている日本検疫衛生協会のような十分なバックアップ体制のない施設でも接種ができている状況を考えると、やはり被接種者の有害事象の管理は本当に大丈夫なのかと不安になります。
 どのような施設や人材ならば黄熱ワクチンを接種してよいのかという国としての安全基準を明確にして、基準をクリアするような医療機関での接種を認めるべき時期に来ているのではないかと思うんです。検疫法は昭和二十六年の法律です。施設基準、安全基準の策定も含めて、大臣のお考えをお示しください。
○国務大臣(田村憲久君) 今、アフリカ、それから南米の一部の国で、今おっしゃられますとおり、黄熱病、これに関しましては、国際保健規則にのっとりまして政府で発行する予防接種を受けた証明書、これが必要なわけでありますから、そういう意味では、現状、今局長からお話がありましたとおり、二十七か所、ここで十分に安全性確保しているという意味からすれば、今委員がおっしゃられたように、本当に大丈夫なのかというようなお声もあるかも分かりませんけれども、しっかりと我々としては対応してきておるというふうに思っております。
 ただ、一方で、これから本当に増えてまいるということになった場合に、一般の医療機関も含めてこれから予防接種ができるようにするかどうかという問題は、これは、一つはやはりそれだけのニーズがあるかという問題があろうと思いますし、一方で、ワクチンの流通の拡大ということも考えていかなければならない。今、比較的今の日本はこの黄熱病のワクチンに関しましては限定的な実は流通の仕方をしておるということは委員も御理解をいただいておるというふうに思います。
 そこら辺の問題もひとつしっかりと対応していかなきゃならぬという課題がありますが、いずれにいたしましても、そのような必要が生じた場合には、しっかり安全性の確保ということも勘案しながら対応できるような準備をしてまいりたいというふうに思っております。
○川田龍平君 次に、旧ミドリ十字の流れをくむ三菱田辺の発売するメドウェイ申請に絡み虚偽申請があったというような話が以前ありましたが、厚生労働省としてきちんと指導していただいたと理解をしています。その後、現状ではそういった不祥事はないという確認をさせてください。
○政府参考人(榮畑潤君) 確かに、平成二十二年の四月に、この件に関しまして、製造販売業者である製薬会社等に対しまして改善命令等を発したところでございます。それで、製造販売業者等はこの処分に従いまして、平成二十二年六月に作成いたしました改善計画に基づきまして、現在は社内ガバナンスを改善する等々の必要な措置を進めている段階と承知しております。
 厚生労働省といたしましては、こうした経緯等も当然のことながら参考にしまして、一定の機会ごとにその後の状況というものを把握、注視をしておるところでございますから、その把握、注視の過程で何かありましたら、当然のことながら事実関係を調査して、その結果に応じて必要な対応措置というのを進めていかなければならぬと思っておるところでございます。
 以上でございます。
○川田龍平君 引き続き、一昨日取りまとめが行われた集団予防接種等によるB型肝炎感染拡大の検証及び再発防止に関する検討会による再発防止のための提言について質問させていただきます。
 御承知のように、予防接種の注射器や注射針の使い回しによってB型肝炎に感染させられた被害者の方々が長年の集団訴訟をされ、司法によって国の責任が認定され、やっと二年前に政府と原告とが基本合意を結んで和解手続が現在進み、国も救済法を制定しました。その後、被害者、当事者も委員に入る形で検討会が行われ、この度提言が出たということです。
 提言に触れる前に確認しておきたいのですが、B型肝炎訴訟の提訴者は、国が推計する被害者数四十万人以上の二%にすぎないという現状があります。基本合意から二年たってもこういう状況なのは、認定基準の中に個別判断というものがあるのですが、認定する担当官の任期が切れて新しい担当官になってしまうと、今までずっと議論して積み重ねてきた個別判断の基準が共有されておらず、形式的に判断されて認定されないという問題が起き、非常に時間が掛かり、遅くなってしまっていると聞きます。
 基本合意から二年、この間の状況と現状について御説明ください。
○政府参考人(矢島鉄也君) B型肝炎訴訟につきましては、平成二十三年六月に原告弁護団と厚生労働大臣との間で締結をされました基本合意書と、平成二十四年一月に施行されました特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法にのっとりまして、適正かつ迅速に和解を進めることとしておるところでございます。
 御指摘の証拠資料につきましては、弁護団との実務者協議等を通しまして、簡素化を必要に応じて議論をしているところでございます。また、個別判断での和解につきましても、裁判所の仲介の下で原告の状況に照らして基本合意書にのっとって原告弁護団と相談をしながら対応をしているところであります。こうした中、五月末時点の和解者数は三千五百八十五人となっておりまして、昨年度の同時期より和解ペースが上がっていることについて、原告弁護団からも一定の御理解をいただいているところでございます。
 引き続き、厚生労働省としては、政府広報等を通じて訴訟や給付金に関して周知を努めるとともに、和解が迅速かつ適正に進んでいくよう、今後とも真摯に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○川田龍平君 この提言では、再発防止について国の姿勢を問うことから始まっています。
 引用させていただきますが、厚生労働行政は国民の生命と健康を守ること、そしてそれを通して個人の尊厳と人権を守ることを最大の使命としており、このため、十分な情報、知見の収集、分析、評価とそれに基づく適切な対応を取ることができる体制を常に備えていくべきである。省としてこれまでの組織、体制の問題点を洗い出し、十分な改善策を講じることが求められる。
 ここで厚生労働省の組織、体制の問題点の洗い出しが求められ、十分な改善策を講じることが求められているのです。具体的にどのように組織、体制の問題点を洗い出しをし、どのような改善策を講じていくのでしょうか。
 さらに、再発防止策を全うするための組織の在り方の議論においては、第三者組織を設置することを目指して検討を続けていくべきとの意見があり、再発防止策を全うするための組織の在り方の議論を続ける機会や場を設ける必要があると提言されています。具体的にいつ、どのように議論をする場を設定していくのでしょうか。今後の道筋を、大臣、お示しください。
○国務大臣(田村憲久君) 十八日に取りまとめられました提言でありますけれども、内容は、B型肝炎訴訟の問題、これに関しましてリスク認識が不足しておりまして、適期に要するに更新がなされなかったと、そういう意味からいたしまして、本来対応しなければいけないその時期に対応がなされなかったということでございまして、国の体制そして体質、こういうところにも問題があるというふうに指摘をいただいたわけであります。
 これを受けまして、検討会からは、予防接種を担当する、そういう部署の体制の充実、これをしっかりやりなさいと、それから、厚生科学審議会における予防接種評価・検討組織などにおいて透明性、公平性、こういうものを確保した運営を行うということ、さらには、今おっしゃられましたけれども、実際問題、接種を受けられる方々ですね、予防接種を、そういうような被接種者の方々も交えた中において、ワクチン分科会の中において代表者の方々、参考人として入っていただいてしっかりと御意見を述べていただく、このような中において被接種者の御意見も参考にしていくこと、こういうことをしっかりと行うようにということで考えておるような次第であります。
 あわせて、やはりもう二度とこういうことが起こらないようにということでございまして、今委員がおっしゃられましたように、その体制、人員というものも含めて我々はこれからしっかり考えていかなきゃならないわけでございまして、予算も掛かる話ではございますけれども、できる限りの努力をしてまいりたいというふうに思っております。
○川田龍平君 田村大臣には薬害再発防止のための制度実現に取り組む国会議員連盟発足に当たり御尽力いただき、C型肝炎の薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方検討委員会の最終提言に盛り込まれた第三者組織設立を閣法でつくるために御努力をしていただきました。
 最終的には、当事者が厚生省の枠の外につくらなければ駄目だと判断したことで設立には至らなかったんですが、こうした問題に理解が深く、実際に動いていただける田村大臣だからこそ、C型肝炎に続きB型肝炎でも第三者組織的なものについて議論する提言が出たのですから、薬事行政だけではなく、予防接種のような公衆衛生行政までも幅広く含んだ上での第三者組織を恒久的制度としてつくる議論をまず第一歩として始めてもよいのではないでしょうか。
 また、仮に組織があったとしても、省内だけでやっているのでは、どのように調査し、どの結果をどう対処していくか、被害者や当事者がその情報にアクセスできないことから、ちゃんとやっていけるのか不安を抱えることにもなります。きちんとアクセスできるように組織をつくるべきだと思いますが、併せて大臣のお考えをお聞かせください。
○国務大臣(田村憲久君) 今委員おっしゃられました薬害肝炎検証・検討委員会の最終提言で第三者委員会、これは薬事行政全般に関してしっかりと監視する第三者委員会をというような御要望をいただいたわけでありまして、委員も事務局長ということで議員連盟の中で御活躍をいただいて、私もその中の一員でございましたので、共にこの第三者委員会、できれば閣法でということで努力をしてきたわけでありますけれども、結果的に、うまくそれぞれの関係者の方々と意見が合わずに、思いは同じだったんですけれども、形にならなかったことは大変残念だというふうに思っております。しかしながら、引き続き、これは議連の先生方と協力をしながら、どういう在り方があるのかということはしっかりと我々も前向きに考えてまいりたいというふうに思っております。
 一方で、B型肝炎の方でございますけれども、予防接種行政全体に関して、やはり第三者的なそういう機関が必要ではないかというような、そういう御意見をいただいておるわけでございますが、なかなかこれは、必要である、必要でない、いろんな議論の中でまとまらなかったということでございますが、引き続き、これも議論を重ねるということでございますので、議論の場をつくらさせていただくことも含めながら検討を進めてまいりたいというふうに思っております。
○川田龍平君 それでは、ここで生活保護の質問に入らせていただきます。お待たせしました。済みません。
 まず衆議院修正部分について修正者に質問させていただきます。
 二十四条で、特別の事情がある場合には書類がなくても口頭で申請できるように修正したわけですが、特別の事情というのは様々なケースが考えられます。具体的にどういう特別の事情を想定されて修正されたのか、具体例を挙げながら御説明ください。
○衆議院議員(高鳥修一君) お答えをいたします。
 現在でも生活保護の申請については書面で行うことが原則とされておりますが、口頭による保護の申請も申請意思が明確である場合には認められているところでございます。また、速やかかつ正確な保護決定のために、要否の判定に必要となる資料については本人からも提出をしていただくことになっておりますが、可能な範囲で対応いただければよいという取扱いになっております。
 修正案の趣旨は、これらの取扱いが今回の法改正により一切変わるものではないということを条文上も明確化するものでございます。
○川田龍平君 ありがとうございました。
 衆議院修正部分の質問は以上ですので、退席いただいて結構です。
○委員長(武内則男君) 修正案提出者高鳥修一君及び山井和則君、退出していただいて結構でございます。ありがとうございました。
○川田龍平君 では次に、この度の生活保護の改正についてたくさんの御意見がファクスなどで寄せられています。その一部を御紹介いたします。
 鹿児島であった実例。失職し、生活苦に陥って生活保護申請を行った男性が、十年以上前に離婚して以来会ったこともない子供たちに扶養照会が行くことを知り、申請を取り下げた。その後の仕事は見付からず、アルバイトで生活してきたが、昨年、餓死状態で死後二か月くらいしてから発見された。扶養義務者への調査の強化は、親族間の争いをいたずらに引き起こし、ますます保護申請をしにくくする。
 次の声です。
 少ない年金。少ない年金、ダブルワークしても生活できない今、生活保護しかない。一握りの不正受給者のため、マスコミが面白おかしく取り上げ、やっぱり駄目かなと役所に行くことをためらい、ひっそりと死を選ぶ人がいることをあなたたちは知っていますか。よく見てください。よく調べてください。こんな日本に誰がしたのですか。反省してください。
 さらに続けます。
 生活保護の申請で、この書類を書いてから来なさいと書類だけを渡し、その場での申請を受け付けないことを原則としている自治体があります。統合失調症で障害手帳もあり、医師の診断は就労不可なのに、福祉事務所は親族に面倒見てもらえ、働く場所を探しなさいと、申請を受け付けてもらえなかった。
 さらに、厚労省の調査で、二〇一一年に栄養失調による死亡が千七百件を超え、食品の不足による死亡が四十五件。五月二十四日、大阪市で二十八歳の母と三歳の子が、電気、ガスも止められ、餓死で数か月後に腐乱した状態で発見されるという悲惨な事件が起こった。昨年一月、札幌市で四十代の姉妹の餓死、凍死事件は、頼みの綱として相談に訪れた姉を三度も窓口で懸命な求職活動をすることを求められ追い返す水際作戦の実態が浮き彫りになった。二〇〇六年には北九州市の餓死事件があった。扶養義務の要件化で、DV被害者で居場所を知られたくないばかりに申請をためらう。
 社会保障審議会生活困窮者の生活支援の在り方に関する特別部会議事録や報告書で、水際作戦防止策に関する記述がない。生活困窮者は、現に生活に困窮し、最低限度の生活ができなくなるおそれのある者とされているのみで、詳細は定義がなく、要保護者が保護申請のために福祉事務所を来訪した場合に、生活困窮者自立相談支援事業や生活困窮者住宅確保給付金の支給に違法に誘導する可能性が高い。自立相談支援事業が委託事業とされると、受託団体は生活保護の助言や援助をしようとすると、委託した自治体が受託団体の業務範囲外だと主張して、生活保護申請の援助を事実上禁じる可能性が高い。現に、自治体が委託しているホームレス支援事業において、受託者が生活保護の申請援助をしないためホームレス状態のままとどめている例が多数ある。
 つまり、生活保護申請の防波堤として事業を使っている。これでは官製貧困ビジネスではないかという声が寄せられていますが、大臣はこうした声に対し、どのような返答をされますでしょうか。
○副大臣(桝屋敬悟君) ただいま委員から様々なお声を御紹介いただきました。
 保護の相談に当たりましては、相談者の申請権を侵害しないことはもとより、侵害していると疑われるような行為も厳に慎み、適切な窓口対応に努めるよう全国の地方自治体に通知するとともに、指導監査においても不適切な対応が行われていないかどうか確認をしながら必要に応じて指導しているところでございます。こうした指導につきましては、繰り返し巻き返しやっていかなきゃならぬと思っている次第であります。
 また、現在行っております今日お話をいただいた扶養義務者に対する扶養照会でありますけれども、例としてお話をいただいた、夫の暴力から逃れてきた母子など、扶養義務者に扶養を求めることが明らかにその人の自立を阻害することになる場合、あるいは二十年間音信不通であるなど明らかに扶養が見込めないような場合などには扶養照会を行わない取扱いとするなど、配慮しているところでございます。
 今回の法改正によりまして、扶養義務者に対して報告を要求することができる規定を設けることとしておりますが、この対象は、何度も説明しておりますように、扶養が明らかに可能であると思われるにもかかわらず扶養を履行していないと認められる極めて限定的な場合に限るとしているところでございまして、その旨、省令で明記をしていきたいと思っております。
 支援が必要な人に確実に保護を実施するという制度の基本的な考え方につきましては、今般の見直しにおいて何ら変わるものではありません。今後とも、引き続き地方自治体に対して必要な指導を行うとともに、法施行に当たって十分留意するよう徹底をしてまいりたいと考えてございます。
○川田龍平君 ちょっと二問飛ばします。
 次に、無年金や低年金の高齢者がどれくらいいらっしゃるのか、その割合をお教えください。
○政府参考人(高倉信行君) 六十五歳以上の無年金者についてでございますけれども、直近の数字は平成十九年に当時の社会保険庁が一定の条件で推計したものでございまして、その時点で六十五歳以上の無年金者数は四十二万人と推計されておりまして、これを十九年当時の六十五歳以上人口に占める割合で見ますと一・五%となります。
 なお、この推計は老齢基礎年金の受給資格が二十五年という前提で行われておりますが、昨年八月に社会保障・税の一体改革の一環で成立いただきました年金機能強化法によりまして、この受給資格期間、二十五年から十年に短縮されることとなっております。これが施行されますと、先ほどの四十二万人の中で約四割の方々は受給資格期間を満たすと、そして無年金ではなくなるものと考えられまして、この場合には先ほど申しました割合は〇・九%程度になるものと考えられます。
○川田龍平君 また、若年層の不安定な非正規雇用者の実態、そして野宿者などの実態をきちんと認識されているかも併せて確認させてください。
 実際に私の事務所に寄せられた相談でも、ワタミで働いているが、ほとんど休まず働き続け、店の冷蔵庫の横で仮眠を取ってまた働いてという状況が続いて、過労で何もやる気が起きなくなり、退職せざるを得なくなった若者。あるいは、クロネコヤマトの深夜の倉庫作業をしているが、二か月契約すると契約が終了し、次に働くためには一か月休みを空けて再度契約というふうにして社会保険に入れない仕組みになっていて、その一か月はどう生活していけばよいのかといった相談も来ます。また、実家があるが親と絶縁状態で、友達の家を転々とした挙げ句に河川敷に住むようになった女性、そうした方々がたくさんいるということを認識しておられるのか、お答えください。
 このような人々にとって、安倍政権のいう成長戦略は本当にむなしく、欺瞞的に響くのではないでしょうか。国栄えて民苦しむでは、本当の先進国と呼べるのでしょうか。私たちが望むのはそのような国でしょうか。人々が安心して暮らせる国こそ美しい国であるのに、外国に行って大盤振る舞いを約束し、華々しい経済政策をぶち上げ、当の国民は惨めに餓死するような国では、まさに本当に目を覆いたくなるような醜い国そのものではありませんか。棚田や富士山が幾ら美しいといっても、このような醜い国は私たちに誇りをもたらしません。
 国とは一体何のために存在するのかということです。国際的にいい格好をするために、株価を上げるため、金持ちを富ませるために、そういうビジョンしか日本は持っていないのではないか、国民にそんな薄ら寒い感想をもたらすことなく、厚労省こそが国民自身の足下の労働条件、社会保障、健康、こうした美しい国をつくる基礎とも言える大事な部分を担っているとも言えると思います。また、こうした基礎ともいうべき安全のセーフティーネットがしっかりと張られている安心感の上に、国民は十分に果敢に競争の中で切磋琢磨し、思い切った冒険をして、イノベーションを進める人材を傑出させることもできると思います。生活保護それ自身が投資としても機能し得ると言えると思います。
 よく知られた話ですが、ハリー・ポッターの作者J・K・ローリングは、イギリスで歴史上最も多くの報酬を得た作家としてエリザベス女王よりもお金持ちですが、第一作の「ハリー・ポッターと賢者の石」を書く前は、離婚した傷心のシングルマザーとして生活保護の受給者だったのです。彼女が今の日本にいたら、つまり彼女がうつ病のとき、水際作戦でプライドを傷つけられ、申請書を書いてきてくださいと言われ、働けと言われ、カフェで小説を書くことを非難されていたら、膨大な印税による所得税を日本の国は得ることがなかったとほぼ言えると思います。彼女の資産は一千二百十億円とも言われ、本のみならず映画や関連商品など、まさに雇用も産業も生み出したわけです。
 成長戦略というのは、まさにこうした人生のたまたま不運に見舞われた人が再起でき、能力を発揮でき、チャレンジできる制度、それがあってこそのことです。イギリスは彼女の能力を引き出したこの制度を誇っていいと思います。文明国の成長戦略とは、開発独裁国家のように、国のエリートが決めた計画経済的な政策で上からもたらされるものではない、教育を受けた国民が人生の不運に負けない、制度の力を借りて多様な能力を生かしていける、そうした社会的な基礎を持った社会であってこそ花開くもののはずです。
 厚労省としてのプライドを懸けて、日本がたまたま不運に見舞われただけの人たちをどん底まで突き落とすという恐ろしい醜い国になることをどうか阻止していただき、国民一人一人を新しい成長をもたらす多様な能力を引き出すための財産とできるような、社会的な基礎を形作る大切な成長戦略の中核ともなるような仕事を誇りを持ってしていただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(田村憲久君) まず、海外への支援というのは、これはやはり国際社会の中において、日本の立場としてやるべきことはやっていく必要があると思いますので、それは国内の経済成長とはまた別の、別ではありませんけれども、もちろん経済成長があって、税収が一定程度稼げて、その上でやる事業でありますけれども、両立をしていかなきゃならない、そういう問題だというふうに思います。
 安倍政権での経済成長、今委員、あえて安倍政権での経済政策がいかにも貧富の格差をつくり、また若い人たちに要は非正規の雇用をつくりというような、そのようなお話されましたが、今まで日本の経済がこの十数年間にわたって経済成長を忘れたがために、結果として若い人たちを含め雇用環境というものが非常に厳しい状況になり、また所得の上がらない社会が続いてきたわけであります。
 これは、それを進めてきた我々自民党政権も責任が大きくあるわけでございまして、それを反省を踏まえて、やはり成長する国に戻さなきゃならないということの上において今現在政策を進めておるわけでありまして、安定した雇用をしっかりとつくる、そのためには中小零細企業を含めてしっかり利益を出していただけるような経済環境、社会環境をつくらなきゃならないということを一つ大きく目指しておるわけでありますから、その点は御理解をいただき、若い方々が安心して働けるような、そんな社会をつくるべく我々は努力をしてまいりたいというふうに思っております。
 あわせて、そんな中におきまして、厚生労働省の役割というものは、生活保護に関しましては、今水際対策だというお話もございましたが、そういうふうなことが言われないように、我々は各自治体に対してしっかりとこれからも指導、助言をしていかなければならないというふうに強く思っておりますので、その点も御理解をいただければ有り難いと思いますし、また新卒者に対しましては新卒応援ハローワークでありますとか、またフリーターの方々にはわかものハローワーク等々、さらにはニートの方々には地域若者サポートステーション等々、いろんなツールを使いながら窓口を広げ、門戸を広げながら、必要な方々には必要なお手伝いができるような、そんな環境を更に整備をしてまいりたい、このように思っております。
○川田龍平君 この生活保護という行政丸抱えになってしまう最後のセーフティーネットに至る前に、また、失業した人が生活保護受給者になる前に食い止める第二のセーフティーネット、それ以前に、安倍政権のインフレ政策に最も影響を受け、賃上げの影響を受けない成長戦略から漏れている非正規を始め、人が生きていける当たり前の賃金をもらえない労働者の層がどんどんと大きくなっている中、もちろん雇用政策、ディーセントワークを実現する必要が一方で厚労省の仕事としてあるわけですが、ほかの方面から第三のセーフティーネットともいうべき支援制度を今後の社会に対し提示していくことが求められると思います。
 そのヒントとして挙げられるのが、人口減少によって非常に増えた空き家の活用です。現在、空き家は七百五十万軒と言われ、その三分の一は市場にも乗らない放置されたものとなっています。現在、二百万軒以上とも言われる空き家は、少子化が進む今日にあっては今後更に増えていくでしょう。放置されれば迷惑空き家となり、その対策の必要が迫られますが、これをお荷物と考えずに、むしろ地域の資産として考え、とらえ返して、不運に見舞われた人々の居住権を保障するものとして活用するアイデアは一石二鳥と思われますが、いかがでしょうか。
 空き家を再生して民間の安価な住居として環境を整備することで、フローの収入が少なくても既存のストックを活用する形で生活困窮から抜け出す道筋ができるのではないでしょうか。
 国交省の社会資本整備総合交付金によって実施されている空き家の再生等推進事業は使い勝手が良いと聞いていますが、空き家を再活用する活用事業タイプの対象地域が全国に適用されるのが今年度いっぱいとなっており、それ以降、地域制限が掛かってしまいます。これから迎える成熟社会に向けて、今後、恒久的に全国に適用するべきではないかと考えますが、国交省、いかがでしょうか。
○政府参考人(毛利信二君) 空き家の件でございますけれども、国交省におきましては、住宅建築行政の観点から、空き家の有効活用、除却等に対する取組を支援を始めておりまして、御指摘の空き家再生等推進事業、これは老朽化の著しい住宅が存在する産炭等地域及び過疎地域におきまして、居住環境の整備、改善等を図る観点から、放置しますと居住環境を悪化させ、ごみの問題あるいは防犯など外部不経済をもたらす空き家等について除却を行い、または状態によっては地域の活性化等の課題に活用するという趣旨で公共団体や民間の取組を支援する事業として平成二十年度に創設されまして、翌年度に、今御指摘のとおり二十五年度までの時限措置として全国に拡充をいたしたところでございます。
 この事業につきましては、今申しましたように、引き続き放置しますと居住環境を悪化させて外部不経済をもたらすような空き家を対象としておりますので、この事業そのものの性格を現時点で変更することは考えておりませんけれども、来年度以降の対象地域要件の拡充等につきましては、その予算の中で公共団体の御要望等もいただきながら議論してまいりたい、そういうふうに考えております。
○川田龍平君 先ほど確認させていただきました無年金の方、低年金の高齢者、そして不安定雇用の若年層、そしてその若年層が中年になっていっている現在、そうした方々がお金がなくても幸せに暮らせる、低収入でも十分人間らしく生きていける、そのために住宅というのが基本となると思います。
 たくさんある空き家を再生し、それをシェアしたり、グループホーム的に使ったりすれば、都市部でも安価に暮らせ、助け合いながら自立して生きていけます。例えば、現在の所得で家賃が一万円になったら、どれだけ生活が豊かになるでしょうか。地方であれば、家賃一万円で一軒家も可能です。そういう場で民間でどんどん出てきたら、生活保護の受給は必要な人を切り捨てる野蛮なやり方ではなく減らしていけるのではないでしょうか。最後のセーフティーネットまでたどり着く前にやるべきことはあるのです。
 しかし、実際には、グループホームや介護施設などにしようとすると一定の基準があって、空き家を再生する際に多額の費用を掛けて大改装をする必要が出るなど、規制の壁もあって助成制度をうまく活用できない実態もあります。空き家再生によって第三のセーフティーネットを構築し、人々の暮らしの場を再生していくという大局的な視点からの制度づくりを国として前向きに検討し、実施していくべきではないでしょうか。
 現在、東京電力の福島第一原発事故により、全国に避難されている方がたくさんいらっしゃいます。そうした方々の現状、二重生活の大変さ、母子避難といった状況を多く聞いていますが、空き家が有効に使えれば随分助かるでしょう。少しの援助で、地域でも住む人がいなくなって困っている迷惑空き家をそうした方々に有効に貸し出すことができれば、まさに一石二鳥です。
 そのためには、実家の御両親が亡くなった、転居してしまったなど手が入らなくなった空き家の持ち主が余り負担なくその再利用を考えられるような、ハードルの低い制度の新設あるいは運用が必要ではないでしょうか。その迷惑空き家を例えば古民家として再生できれば、都市に住む若い人々を新しいライフスタイルとして呼び込むことも可能で、今後の過疎化対策にもなります。これは、縦割り行政を乗り越えて、社会保障と地域開発促進的な事業や住宅政策とも連携して行うべき課題になってくると思います。
 復興大臣政務官も兼務されている坂井国交大臣政務官に空き家再生事業についてのお考えをお聞きしたいのですが、いかがでしょうか。
○大臣政務官(坂井学君) 今の御質問でございますが、先ほど審議官がお答えをさせていただきました空き家再生等推進事業というものはやはり目的がちょっと違いますので、今委員が御質問されたようなことにはちょっと難しいかと思いますけれども、逆に、今質問されたような観点から議論を進めていくということ、また検討するということは私は必要かなと思っております。
 ただ、住宅政策というのは、御承知のように、良質な、そして適切な家賃の住宅を供給をしていくというのが基本的な役割でございまして、そのための取組は、公営住宅の供給等や民間事業者等への家賃補助というようなことも含めて、これは地方公共団体を通じてでございますが、やっております。
 と同時に、今回の法案等で創設されます、住宅確保給付金というような制度が今回の法案でできるということでございますが、こういった形での福祉政策ともまた絡む話でございまして、そのところを様々今後また検討させていただくなり、また、まずはスタートとして話合いもさせていただきたいと、このように考えております。
○川田龍平君 ありがとうございます。
 さて、先ほど指摘したように、地方では家賃が非常に安く、しかし一方で仕事がなかなかなく、過疎化をしています。そうした地域ではIターン政策を推進している自治体が多いのですが、それらの中では、林業など担い手がいなくなったり高齢化して後継ぎがいないような仕事づくりをし、低収入でも雇用をつくっています。家賃が安ければそこでも十分やっていけるわけですが、そうしたIターン政策と連携をして地域の仕事づくりを進めていくべきではないでしょうか。
 これは民間の例ですが、元々移住を進めてきた岡山県では、原発事故による放射能の影響を逃れて移住してきた人たちがたくさんおります。夢百姓というハーブ園では、この人たちにハーブを摘む仕事を提供しています。これは不幸な事故の副産物ともいうべきことでありますが、往々にして、仕事のない都市、人手のない地方というミスマッチがある現状において、都市の人々が地方に住むことで新たな関係、新たな仕事が生み出されていることは、今後の日本の成長にとっても新しいイノベーションの起動力となり得ます。
 美しい棚田を守ること、日本の原風景を大切に維持すること、貧困にあえぐことなく安心できる生活を全ての国民が送れることを両立するような真の美しい国にするのは、薬をたくさん飲む国民を増やす成長戦略などではないはずです。厚労省も省庁を超えて、社会保障と経済政策が両立させるような成熟した先進国にふさわしい行政の在り方を求めていっていただきたいと思いますが、厚労省に答弁を求めます。
○政府参考人(岡崎淳一君) 地域におきましていろんな形で雇用の場ができていくというのは非常にいいことだろうというふうに思っています。
 そういう中で、国が一律にどうこうするというよりは、各県、各市町村がそれぞれ地域の資源を見ながら雇用の場をつくっていくというのが非常に重要だろうというふうに思っています。
 これを支援するために、厚生労働省におきましては、雇用政策としまして、実践型地域雇用創造事業、これは、市町村に地域の協議会をつくっていただきまして、今先生がおっしゃったようなことを含めまして、地域地域で、市町村レベルで雇用の場をつくっていくと、こういうことをやっておりますし、それから、今年度からの新しい事業として、これは都道府県レベルでありますが、都道府県におきまして、その地域のいろいろな産業資源、産業政策等と一体となりまして、人材確保、育成を図りつつ雇用の場をつくっていく、こういう事業も始めることとしております。
 そういう形で、都道府県とか市町村の創意工夫を促しながら国も支援すると、こういう形で進めていきたいというふうに思っております。
○川田龍平君 先ほどちょっと飛ばした質問に戻りますが、次に後発医薬品使用について質問いたします。
 この度の改正で被保護者は後発医薬品の使用が原則として義務付けられるわけですが、医薬品の給付は医療機関で行われることになります。給付に際して、医師及び薬剤師は被保護者に対して医薬品の情報提供義務があると理解していますが、医療従事者に対する後発医薬品の情報というのは十分にありません。ただ安直に価格が安いというだけで被保護者が納得するわけもありません。医療従事者の情報提供義務は、被保護者であるかないかとは別に医療従事者としての義務であり、この義務を遂行できなければ専門職としての責任を果たしたことにはなりません。
 今回の改正は、国として被保護者に原則として後発医薬品を使用するように促すこととなっており、ここは国の強い関与が認められるにもかかわらず、後発医薬品の情報提供の在り方が十分とは言えない状態です。後発医薬品の情報をより正確で中身の濃いものにするための努力をしなければ、薬剤師さんであっても情報提供できないのではないでしょうか。被保護者が納得して後発医薬品に替えられるだけの情報がなければ、説得なんというのはできるとも思えません。
 例えばドイツでは、既に先発品を使用している患者さんに後発品変更を勧める場合には、薬剤師さんに慎重さを求めています。これまで使用している医薬品を替える場合には、安定している健康状況が変わる場合もあり、患者さんに注意を促し、また薬剤師さんも患者さんも健康状態に注意を払うようにするとしています。ですから、こうした場合には、通常は二十八日や四十八日で処方されていたものを十四日に変更したり、あるいは五日程度にして患者さんの状態を見ながら後発品変更をしていかなければならないというような慎重さを求めているのです。
 しかし、今回の法改正では、そうした慎重さはどこにも見られません。それでは被保護者の健康はどうなってもよいのかという批判を受けかねないのではないでしょうか。そういった批判を受けないためにも慎重な後発品への変更と情報提供体制の整備は喫緊の課題と理解しますが、薬剤師でもあるとかしき政務官のお考えをお聞かせください。
○大臣政務官(とかしきなおみ君) お答えさせていただきます。
 私もついこの間まで現場の薬局の方で勤務をしておりまして、後発医薬品に替えていくためには患者さんにやはりしっかり情報を提供するのがとても重要でありまして、特に先発品から後発品に替える場合は、体調の状況がさっき委員おっしゃいましたようにいろいろありますので、細かくアドバイスをするようにということで、私の勤務しておりました薬局では、必ず薬の情報をきちっとまとめたものを、詳しいものをお渡しして、カウンセリングを充実させるような配慮をしておりました。
 ただ、全部の薬局がなかなかそういうふうに取り組めているかというとまだまだでございまして、やはり後発医薬品を促進するためには、その意義ですとか品質に関する情報とかこういったものを、薬剤師だけではなくて、医師とかそして医療関係者の皆さんが十分に理解しておくことがとても重要であります。そのために、この四月の五日に発表させていただきましたけど、後発医薬品のさらなる使用促進のためのロードマップというものを提供させていただいて、情報をなるべく現場に厚く提供するようにして、品質に関する情報、そして体制をしっかり整えていくことが重要と考えております。
 生活保護の皆様に今回そういった使用促進をするということでございますけれども、これは何も強制的なことではございませんで、薬局の方で、後発使用を可能であると判断した処方箋をお持ちになった方は、説明した上で後発医薬品を使っていただくと。ただ、本人が納得いただけない場合は、それはもう後発医薬品を使うことなく先発品で対応させていただくということになります。
 以上です。
○川田龍平君 この生活困窮者自立支援法案では二〇一五年度からワンストップの窓口をつくることになっており、これからモデル事業を行うと聞いていますが、既に滋賀県の野洲市など自治体でワンストップ窓口をつくっている成功事例があるとのことで、そうした先進事例とその効果について教えていただきたいと思います。
 ワンストップでないと、住宅支援と社会福祉協議会の貸付けと生活保護など、全てがばらばらの窓口で、たらい回しにされているうちに時間ばかりがたってしまい、何の支援も受けられないまま放置されるという相談も私の事務所に来ていますが、そういうことはなくさなければなりません。
 あわせて、完全施行された後に自治体間で格差やばらつきが出るおそれもありますが、そうならないための方策をどう考えているのかも御説明ください。
○政府参考人(村木厚子君) 生活困窮者支援法でございますが、先生御指摘のように、幾つかの自治体で大変先進的で効果的な取組が行われております。こういったものを核として新しい法案の事業を組み立てたところでございます。
 先ほど野洲の例を言っていただきましたが、野洲の場合は、市役所の市民相談窓口を生活困窮者への対応を含む総合相談窓口として位置付けて、ここが中心となって税務当局など庁内の連携体制を構築をして、例えば市民税や国民健康保険などが滞納があった場合にはすぐこの窓口につないで、困っている人がいるということを早期発見をするというようなことをやっております。こういった良い例がありますので、こういったものをしっかりと生かしていきたいと思っております。
 また、横浜等ではNPOが様々な生活訓練や社会訓練を行って、結果として六〇%が就労につながったという例もございます。
 こういった例をベースにして法案を組み立てましたが、さらに、今年度、来年度、モデル事業を展開をいたしますので、全国でモデル事業を展開した結果を整理をして、どの自治体も、自治体の大きさや地域によってまちまちの状況があると思いますので、それに役立つ形の事業の運営の仕方というのを整理をして提供をしたいというふうに思っております。
 それから、自治体での格差の御心配、確かにそのとおりだろうと思います。事業の中で、相談の事業と住宅確保給付金については必須事業といたしました。その他の任意事業のところはやはり格差が出るかと思いますが、それは自治体で、実際に好事例をお示しをすることによって自治体が取り組む意欲を喚起をすると同時に財政面の支援をしっかりするということで、国からの財政的な支援と地方交付税措置等をしっかりやりたいというふうに考えているところでございます。
○川田龍平君 終わります。あしたに回しますので、質問は終わります。
 ありがとうございました。
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
 安倍総理は、昨日のG8サミット後の記者会見で記者からの質問に答えて、財政健全化に向けては社会保障も聖域とせず予算縮減を行うということを強調いたしまして、無駄の削減としては生活保護制度だけを挙げられました。
 また、先週閣議決定された骨太の方針でも、生活保護の支援の在り方(加算制度や各種扶助の給付水準)を速やかに検討し、見直す。不適正、非効率な給付を是正すると書き込まれました。
 住宅扶助の見直し等が行われると報道する新聞記事もありましたが、現行の住宅扶助でも、とりわけ都市部では基準額以内で住宅を探すということは大変困難で、結果的には生活扶助から持ち出して家賃を払わなければならないという状況も広く見られるわけです。
 このような骨太の方針に書かれているような見直しが実施されれば、生活保護世帯は更に苦境に追い込まれることになります。今年度から三年間で五・七%の生活扶助基準の引下げに続いて、さらに生活保護基準の引下げということを検討されるのかどうか、大臣、お答えください。
○国務大臣(田村憲久君) 先日閣議決定されました経済財政運営と改革の基本方針、これでは、加算制度や各種扶助の水準の検討や見直し、さらには、不適正、非効率な給付の是正、そして被保護者の就労インセンティブの強化、こういうことが盛り込まれておるわけでありますが、特にこの生活保護の加算制度や各種扶助の水準の検討、見直しでありますけれども、これはこの基本方針以前に、本年一月にまとめられました生活保護基準部会の報告書の中においても同じように、生活扶助基準の検証結果のほか、加算制度や他の扶助制度について本部会において検討を行うべきと、このような指摘を受けているわけであります。
 あわせて、本法案に関しましても、施行後五年を目途に検討を加えるというような、そういう事項があるわけでございまして、そのような意味からしますと、決して今回のこの基本方針が、突然この内容が出てきたわけではございませんでして、基準部会の中において検討をいただいて、いただいた報告、この中身をそのまま書いておるわけでございます。
 いずれにいたしましても、どういうスケジュールでやるかということはまだ何の決まりもないわけでございまして、これから必要に応じて検討していくということになろうというふうに思います。
○田村智子君 私たちも、例えば老齢加算を廃止をしてしまったと。これ検証が必要で、大変な高齢者の皆さんの生活苦が広がっているというふうに思いますから、そういう検討は必要だと思います。しかし、全体として社会保障の予算縮減という方向の中で、見直すとまで書いている、これはやはり生活保護の基準を更に引き下げる方向が強く押し出されているものだと、こういうふうに言わざるを得ないというふうに思うんです。
 では、法案についてお聞きをいたします。
 この法案の二十四条は、生活保護の申請に当たって申請書の提出を義務付けました。このことは衆議院の中でもやはり審議の焦点となりまして、村木社会・援護局長は、現行法が非常に古い法律で、措置という性格が強く、申請の手続が法律になかった、最近の福祉分野に多い、利用契約や権利性があって申請をすれば受けられるという感覚が古い法律だからこの当時には余りなかったんだと、こういう見解が述べられました。そしてその上で、申請の手続を明確に定める、法令上見える形にしたと、古い書き方を新しい書き方に変えただけだというふうな答弁をされているんですね。
 しかし、二〇〇六年に成立したドミニカ移住者に対する特別一時金の支給等に関する法律というのは、現行の生活保護法と同じような書きぶりになっています。古い法律だからという説明とは明らかに矛盾をするわけです。
 改めて調べてみますと、例えば口頭での申請を可能だというふうにしている制度で省令では申請書の提出を義務付けている、こういう制度は確かにあります。しかし、これらの制度では、法律の本則に申請書など書面の提出を義務付けるというものは私も調べた限りでは見当たりませんでした。これは民主党の長妻議員が衆議院でも質問されています。じゃ、逆に、法律の本則で申請書の提出を義務付けているが政省令などで口頭による申請を認める、可能としているというものがあるかと。これも私が調べた範囲ではありませんでした。
 そうなると、法律上、申請書の提出を必要とするのか否かと、これが法律上の書き方の違いだとしか私は判断のしようがないと思うんですね。古い書きぶりを直しただけだという答弁は違うと思うんですけれども、いかがですか。
○政府参考人(村木厚子君) 二十四条で新たに申請時の手続を条文に書き込んだことにつきましては、衆議院の法案審査でも申し上げましたが、地方自治体による調査権限の見直しに伴い、申請時の確認事項についても法律上明確に位置付ける必要がある、法律上の首尾一貫性ということでそういうアドバイスをいただいたので、法制的な観点から行ったものということでございます。
 衆議院の恐らく高橋千鶴子先生に関する私の答弁を先生は読み上げられたのだろうと思います。ちょっと私も先生の質問が直接どうだったかということを子細に検討しておりませんが、なぜこういう形の法律にこの生活保護法がなったとあなたは、個人的にでも、なぜそう思っているのですかということを聞かれたので、私は当時の古い書物を読み解いておりませんので、個人的に想像していることを申し上げるというふうに、先生が今読み上げられた議事録の前と後ろで申し上げたと思います。
 私のこういう問題に関する見識が足りなかったところがあればおわびを申し上げたいと思いますが、いずれにしましても、二十四条の見直しについては、地方自治体による調査権限の見直しに伴い、申請時の確認事項について法律上明確にした方が法律上の首尾一貫性があるということで、法制的な観点から行ったものでございます。
○田村智子君 今の御答弁で、古い書きぶりを新しい書きぶりに直したということは事実上撤回されたというふうに私は受け止めたいというふうに思います。これ、非常に重要な条文なので、無責任な答弁してもらったら困るわけですよ。
 それで、先ほど、午前中の答弁の中では、要式行為ではない、非要式行為だというふうに言われました。その見解は変わらないとは思うんですけれども、私、実態としては、要式行為って何かといえば、法規で定めた方式に従って行われなければ不成立となると。二十四条に照らせば、文書を提出ということをもって申請が成立するということを実態としては定めたとこれ言わざるを得ないというふうに思うんです。
 ちょっと幾つか確認します。
 現行の生活保護は口頭申請を認めるという運用をしていますが、保護実施機関は申請に対して応答審査義務が生じるので、いつの時点が申請かということを厳密にしなければいけません。ですから、口頭による保護申請については、申請を口頭で行うことを特に明示して行うなど、申請意思が客観的に明白であるということを求めています。これは、私は口頭で申請をしていますということを客観的に明白に示してもらうということを求めているわけですね。衆議院の議論の中ではこういう現行の運用を変えないという答弁があったんですね。
 それでは、局長にこれも確認をしたいんですけれども、口頭で私は申請をしますということを明確に伝えていれば、改正法でいう二十四条三項、現行法でいうと二十四条一項ですけれども、保護の開始の申請があったと、こうみなされて、保護機関はこれに対して応答義務が発生すると考えますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(村木厚子君) 生活保護の申請でございます。
 現在でも書面を提出していただくことが基本でございますが、先生御指摘のとおり、今でも申請の意思が明確な場合は口頭による申請を認めているところでございます。実務上は、申請行為があったかどうかということが記録に残りませんと後日トラブルになる可能性もございますので、福祉事務所では、必要事項を聞き取り、書面に記載した上で、その内容を本人に説明をし署名捺印を求めるなど、可能な限り申請行為があったことを明らかにするための対応を行うようにしているところでございます。こういった取扱いは、法改正後も取扱いは変えません。
 したがいまして、今後も口頭申請であっても申請があったものとして受理をし、福祉事務所において保護の決定に必要な事項を確認するための調査等を行いまして、受理した時点から三十日以内に保護の要否を判定した上、保護の決定を行うことにいたします。
○田村智子君 そうすると、これは裁判でも争いになっている事例がいっぱいありますのでお聞きをするんですけれども、法案でいうと二十四条七項、現行法ですと四項になるんですけれども、保護の申請をしてから三十日以内に通知がないときは、保護者は保護の実施機関が申請を却下したものとみなすことができるというふうになっているんですね。三十日以内の通知というのが義務付けられているというか、それがなければ受け付けてもらえなかったということになるんですけれども、この三十日のカウントの起算点というのが非常に重要になるわけです。それは、口頭で私は保護を申請しますと、こういうふうに言ったのが起算点になるのか、それともやはり申請書の提出という行為が必要なのか、そこはどうですか。
○政府参考人(村木厚子君) これは申請書の提出ではなく、口頭でも結構でございますので、申請の意思を明確にしていただいた段階ということでございます。
○田村智子君 これ、非常に争いになりますので、しっかり徹底をしてほしいんです。口頭で言ったと、それを書き留めたかもしれませんけれども、ちゃんと確認をして口頭で言ったということが確認されたら保護の申請だと、そこを起点だということを、これ、厳格に徹底をしていただきたいというふうに思います。
 実は、この法案の二十四条一項は、申請書の記載事項についても事細かく明記をしています。
 現行の生活保護法施行規則は、申請書に、これは施行規則なんですね、現行法は法律ではありません。申請書に、申請者の氏名、住所又は居所、要保護者の氏名、性別、生年月日、住所又は居所、職業、申請者との関係、保護の開始又は変更を必要とする事由、こういう記載を求めています。私も幾つかの自治体の申請書というのをインターネットなどで取り寄せたんですけれども、やはりここに書かれた申請書の記載事項が書類の中に書かれているわけですね。
 法案では、これらに加えて、「要保護者の資産及び収入の状況(生業若しくは就労又は求職活動の状況、扶養義務者の扶養の状況及び他の法律に定める扶助の状況を含む。)」と。さらに、「その他要保護者の保護の要否、種類、程度及び方法を決定するために必要な事項として厚生労働省令で定める事項」と。つまり、何でもありみたいに、こういうふうに書いちゃっているんですよ、法律の中で。
 これ、申請書の提出を法律で義務付ける、しかも、規制事項を、現行よりも記載事項を増やして法律の条文で定める。これは申請のハードルを高めるということに実態としてなるんじゃないでしょうか。大臣にお答えを求めます。
○国務大臣(田村憲久君) 実際問題、言うなれば、まず申請をいただいた後に書類作成ということはあるんだと思います。
 しかし、今局長言いましたとおり、口頭で申請を申されたときに、そのときに既に申請といいますか手続が始まるわけでございまして、起算点はそこになるわけでありますから、そこで、例えばどうしても申請書を書けない方に関しては、多分窓口で話をお聞きした上でそれを代筆いたしまして、最後署名をいただいて書類自体は出るんでありましょう。それについて添付書類等々が必要になってくるということになれば、それは当然、その後の申請をこれから審査する中において、中身において必要になってくるものでありますから、その中の精査する中において、それをしっかりと見ていくという話になろうというふうに思いますから、まず全体として、その申請の一連の流れの中においてそういうものが決して、申請を受理し、そしてその後審査が入る中においての障害になるというふうにはならないのではないかと私は思います。
○田村智子君 先ほど口頭でもということで御答弁いただいているんですけれども、これ法律の中では修正がされて、特別な事情というふうにやられているわけですから、一般的に口頭での申請を認めるということではないと思うんですね。記載事項をここまで法律に書き込んだと。これでハードル高くならないというのは、私はちょっと、実態としてそんなことがどう担保できるんだろうかというふうに思わざるを得ないんですね。(発言する者あり)あっ、違いますか。じゃ、一般的にもう口頭の申請を認めるということでいいんですか。現行を全く変えないんだったら、こんなこと条文に書く必要ないと思うんですけど。
○国務大臣(田村憲久君) いや、それは、もちろん原則は書面を提出していただくということになると思います、もちろん。
 しかし、その中において、特別な事情があって書面で提出できない方に関しては口頭でもオーケーと。書面で提出される方においては、申請書の、書類の中を明記いただいて出していただくと。それに関していろいろと分からないことがあれば、それは窓口でいろいろと指導をさせていただくという話になると思いますから、決して、記載事項が増えるって、増えたわけではございませんから、以前と同じでございますので……
○田村智子君 増えていますよ。増えてないことないですよ。
○国務大臣(田村憲久君) いや、申請書類は同じでございますので……
○田村智子君 違います、違いますよ。
○国務大臣(田村憲久君) いや、だから、そういう意味からすると同じだと思います。
○田村智子君 私は幾つかその申請書類って手元に持っていますけれども、例えば収入要件書けなんてないわけですよ。保護を申請する理由を書けというのはありますよ。だけど、保護を申請する方のその収入の状況を書けというだの、そういう書類持ってない自治体は幾つもありますよ。
○国務大臣(田村憲久君) 現在使用しているフォーマットと同じフォーマットを使いますので、そこは変わらないというふうに我々は認識いたしております。
○田村智子君 例えば、宮城県保健福祉事務所長殿と、こう書かれているものを私持っていますけれども、括弧して添付を必要とするというふうに書いてありますけれども、でも、申請書そのものにそういうことを記載しなさいということは書かれていないわけですよ、宮城のものは、書かれていないです。これ、秋田県男鹿市、ここは添付しろとも書いていないですよ。これ、今インターネットで取れるものなんですよ。それを法律の中で収入要件まで書けというふうにしているんですよ。明らかに、だって、皆さんが施行規則で書いていることより法文の方が条項多いんですから。それ認めなさいよ、それおかしいですよ。
 いいです、じゃ、次。
 ここ、私聞きたいのは、法律の条文でこれこれこういう記載をしなさいというふうに書きました。では、申請書類の提出が必要だと、この人は、そういうふうに認められた方の場合、その全ての事項が記載をされていなければこれは申請したということにならないのかどうか、お答えください。
○政府参考人(村木厚子君) 申請書類について全ての記載がないと申請をしたということにはならない。先ほど申し上げたように、申請の意思があればそれは生活保護申請をしたということになるわけです。
 それで、ただ、いろいろな情報を求めるのは、保護を決定をするために必要な情報がたくさんあるわけでございますから、それを書類に書いて提出をしていただくということになっています。ただ、御本人がそれを書けないときは、今度は福祉事務所が調査権限がございますので、福祉事務所の方で調査をしてそういう必要な情報を集めていくという流れになろうかと思います。
○田村智子君 申請した後の調査なんていうのは現行法でもちゃんと条項があるわけですよ。問題は、申請をしたものを受け取るのかどうかということがこれまでも物すごく問題になってきた。だから私、聞いているんです。
 生活保護の申請をめぐって、これまでも窓口で申請認めないということが度々問題となっている。それで、教示義務違反、ちゃんと情報を提示しなかった、教えなかったということの義務違反や、申請権侵害を認めるという判決も、幾つもこれ出されてきているわけですよね。
 例えば、三郷市を訴えた裁判というのは、これ五年ぐらい闘ったんでしょうか、今年二月にさいたま地裁が原告の訴えを認めて三郷市に賠償を命ずると。これは夫さんが白血病で倒れて、妻が何回も何回も生活保護の相談、申請をしたいんだという意思を表示しているのに、働きなさいよと、身内から援助を受けなさいよということを繰り返し繰り返し言われて、申請を認めてもらえなかったという事案です。判決では、行政職員の発言によって住民が申請できなかった場合には職務上の義務違反が生じると、こういう判断をして、原告は生活保護が受けられないと誤信をした、誤って信じてしまったと。三郷市の対応に過失があったということを結論付けています。
 また、昨年、京都府の舞鶴市では、所持金がほとんどないという母子家庭の妊婦さんが生活保護を申請したいと三十分以上窓口で主張したにもかかわらず、対応した職員は、お話については先ほどさせてもらったとおりなのでと言って申請を受け付けない。彼女は申請書を出したんだけれども、これは受け取れない、忘れ物ですよと突き返すことまでやろうとしたと。こういうやり方に対して、舞鶴市に対して、舞鶴市同様のやり方がほかにも確認がされていたために、京都府からは指導も受けて、こういう侵害をやってはならないということも言われているわけです。
 これは現行法の運用の中でも起きていることだと。現行法のように、申請書の提出を義務付けもやっていない、記載事項も条文の中に書いていない、その下でもこういう水際作戦が少なくなく起きているということを大臣は認識しておられますか。
○国務大臣(田村憲久君) 組織的にそういうことが行われているというふうには思っておりませんが、個別案件として今言われたような案件というものが散見されるということは認識をいたしております。
 今回、このように法律改正をするわけでありますけれども、これを機に、重ねて各現場、自治体の方には周知徹底を図ってまいりたいというふうに思っております。
○田村智子君 起きているということを認めると。それでは、なぜそういう水際作戦、教示義務違反、申請権の侵害などが起きているのかと、ここについての認識はいかがですか。
○国務大臣(田村憲久君) それは、組織的にはそういうことは起こっていないということは前提でありますけれども、それぞれの担当者の方々の認識の違いというのはあるかも分かりませんので、それも含めて徹底をしていくべく努力をしてまいりたいというふうに思います。
○田村智子君 これ、組織的に起きていないと言えるのかどうかというのは大変私は疑問を持っていまして、先ほども議論になっていました生活保護の相談者のうち、申請にまで至ったのは半数程度だということが厚生労働省の監査の結果として数字として示されて、そのことについての調査が必要だということを民主党石橋委員が質問されていましたけれども、私もこれ本当に調査が必要だと思っています。相談に来られたけれども、例えば収入が基準を上回るなど明らかに申請の要件を満たさないという場合がどれだけあったのか。他方、他制度によって支援することになったので生活保護は必要がなくなったという方がどれだけいるのかと、せめてこういうことぐらいは調べるべきですよ。
 それで、自治体に聞けば、自治体レベルではこれケース分類して、これらの方々は申請に至りませんでしたというふうにやっている自治体も少なくないと聞いているんです。だから、何か大変な調査じゃないんです。これ、本来はこういう法案出す前にやるべき調査ですよ。すぐにやっていただきたいと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(田村憲久君) 自治体からお話をお聞きをいたしたいと思います。
○田村智子君 これ、お話聞くというところじゃなくて、ちゃんと数字として中身を調べるということを調査という形でやっていただきたいというふうに思います。
 それで、こういう申請権を認めないという行政が裁判でも断罪される、舞鶴市のように不適切な対応を指導される、市民団体や弁護士などから水際作戦の実態が度々指摘される。こうした申請をめぐる問題を是正するための条文というのはこの法案の中にどこにあるんでしょうか。お答えください。
○政府参考人(村木厚子君) 水際作戦という言葉が今日何度も飛び交いましたが、これについてはあってはならないことでございます。生活保護は必要な人がきちんと保護を受けられるようにということで法律を構成しているわけでございますので、その条文については一切今回変更がないということでございます。
 そういった不適切な事案をなくすために監察や地方への指導というのを更に一生懸命やっていきたいと考えております。
○田村智子君 つまり、現場で問題になっている水際作戦を是正する内容というのは法案の中には何もないんですよ。何もないままに、申請書提出しなさいとか、そのための事項はこれこれこうですということを書いたということなんですよね。これで要保護者の申請権を侵害するようなことはありません、安心してくださいと。一体何を担保に申請権の侵害は起きないと言うのでしょうか。答弁じゃ駄目ですよ。何を担保に申請権は侵害されないというふうに言うのか。大臣、どうですか。
○国務大臣(田村憲久君) 今のは面接相談のところなんだというふうに思います。でありますから、その仕方等々を含めてしっかりとこれ監査をするわけでありまして、都道府県等々、しっかりと監査、国も含めて、ヒアリング等々、手順も含めて聞いた上で、やはり不適切なことがあればそれに対して指導していくわけでありますし、やはりその申請者が申請の意思があるということになれば、これは基本的にはその手順に進んでいくわけでございますし、併せてそのときに関係書類の提出等々を求めるということに関して、例えば申請書類に関しては、先ほど来言っておりますとおり、基本はそうでありますけれども、提出ができない特別な事情がある方に関しては、それに対して申請を受け付けるということも含めて徹底指導していくという中において、適切に必要な方々が生活保護を受けられるような、そのような環境をつくるということが厚生労働省の役割でございますから、そのようなことをしっかりと進める中において担保してまいりたいというふうに思っております。
○田村智子君 残念ながら、大臣の決意というぐらいしかないわけですよね。これ、何のための法案だろうと、本当に求められる改正というのはそういうことじゃないでしょうということを私、言いたいと思うんです。
 先ほど、口頭でも認めるようにするから現行と同じだということを言われていますので、これは提案者にお聞きをしたいというふうに思います。
 まず、修正の前提として、やはり修正を行わない状態の法案では、保護開始の申請書提出を義務付けるというふうになれば保護開始のハードルが高くなるというふうに認識をされての修正だと思いますが、そこはいかがですか。
○衆議院議員(山井和則君) 本改正によって保護開始のハードルが高くなったとは認識をしておりません。
 生活保護の申請は書面を提出して行うことが基本とされている一方で、事情がある方については現在の運用でも口頭による申請が認められており、政府においては今後もこうした運用を変えるものではない旨の厚生労働大臣からの見解も示されております。したがって、政府案は保護開始のハードルを高めるものではありません。
 今回の法改正が運用を一切変えるものではないことを明確にするため、衆議院の意思として今回の修正を行いました。
○田村智子君 そういう御説明なんですけど、特別な事情のときには口頭で認めるということなんですね。
 そうすると、その特別な事情が何に当たるのかということが非常に重要になってくると思います。
 衆議院の質疑の中で、先ほどのように、申請の意思が明確に示されたと、舞鶴のような例ですね、だけれども、例えば申請書が交付をされないという場合もあります。インターネットで取れる自治体は余りないんですよ、実は驚いたんですけど。やはり、申請書を渡したくないから、インターネットで打ち出されて書き込まれて持ってこられたら困ると言わんばかりに、そもそも打ち出せないんですよ。だから、窓口行って受け取らなかったら書き込めないという状態なんですね。
 では、こういう、申請書を渡してくれない、渡してくれないから提出ができない、私は申請したいのにと、こういう場合は特別な事情に含まれるのかどうか。これは衆議院の中では、そういうことがあってはならないという答弁なんですよ。あってはならないのは分かっているんですけど、現にあるので、そういうときは特別な事情に含まれるのかどうか、提案者にお聞きいたします。
○衆議院議員(山井和則君) 御指摘につきましては、申請の意思が明確にされたにもかかわらず申請書が交付されないことはあってはならないわけでありまして、そのこと自体が正されるべきであります。
 なお、申請の意思が明確にされたにもかかわらず申請書が交付されないことは申請権の侵害に当たるものであり、その問題は特別な事情に含まれるか否か以前の問題であって、論外だと考えます。
○田村智子君 論外はそのとおりなんですけれども、ここが重要なんです。だって、三十日の起点になるかどうかという非常に重要なところなんですが、恐らくそれ以上答弁できないんですよね。
 どうなんですか、これ。特別な事情と書いたら、渡されない、交付してもらえない、だけど自分は意思があると言ったと。どうですか、大臣、これは三十日の起点になるとみなす、口頭の申請、いいですか。
○国務大臣(田村憲久君) 先ほど来、そんなことはあってはいけない話なんですね。口頭で申請の意思を伝えるわけですよね。ですから、本来、そのときから起点になるわけでありますけれども、ただ問題なのは、そのときに、要するにそこで本当に意思を伝えたのかどうなのかということが何をもって証明できるのかという問題が起こってくるわけでありまして、ですから、本来はそのようなことがあってはいけないのであって、そこに申請書類があって口頭で伝えた上で、その申請書類にしっかり書いていただいて出していただく、若しくは、特別な事情のある方に関しては、その場で口頭でお伝えをいただくことを現場の職場の方々がしっかりと書いていただいて、署名をいただいて提出した形にしていただく、若しくは、何らかの事情でその場で提出書類が作れない場合には、記録簿か何かに書いていただいて、その後、その書類を作成して手続に、手続に入るといいますか、書類を完成をして記録をちゃんと残すようにすると。
 いずれにいたしましても、何らかの記録が残っていないことには、どの時点が申請なのかというようなことに対してこれは水掛け論になってしまうわけでございまして、本来、申請書というものは必ずそこで意思を示したときにはそれをちゃんと手に取れるようにしておかなければならないということでございますので、先ほど来、山井提出者が言われておられるとおりであろうというふうに思っております。
○田村智子君 実態は、だから相談にとどめられちゃうわけですよ、言っても。申請だとどんなに言っても相談書類にしかならないという事例がいっぱいあるから水際作戦と言われちゃうわけですよね。相談じゃなくて申請だと言っているのに。
 それじゃ、今、あってはならないとおっしゃったんですから、局長、申請する意思があるんだと言ったのに申請書類を交付しない、これはあってはならないことなので、そのようなことがあった場合にはもう申請の意思を認めるというふうにこれ通知してくださいよ。だって、交付しないことあっちゃいけないんでしょう。あっちゃいけないようなことが行われたら、もうその時点で申請とみなしますよというところまで言わなきゃ駄目ですよ。そうしたら渡すでしょうに。どうですか。
○政府参考人(村木厚子君) ちょっと、本来あってはならないことなので、それを前提にして手続を組み立てるというのは非常にちょっと難しいような気がしますが、先生のおっしゃる窓口での様々なトラブルというのは非常によく分かりますので、もう一度、再度自治体向けに、申請の意思が明確だということが御本人から聞き取れたときには申請書類を渡さないということがあってはいけないということを再度徹底をしたいと思います。
○田村智子君 この申請提出に関する修正は、特別な事情があるときはというふうに限定的になっています、口頭による申請ですね。これは、じゃ、その特別な事情というのを立証する責任は誰にあるのかと。衆議院の提案者の答弁の趣旨を見れば、立証責任というのは、やっぱり特別な事情が、これは、受け取れないというふうに、口頭申請は認められないよと実施機関の側が言って、それはあなたには特別な事情と言えるものはないでしょうというふうに実施機関、行政の側が実証するということが必要だと思いますけれども、いかがでしょうか。
○衆議院議員(山井和則君) お答えいたします。
 申請書の記載事項は保護の要否判定に必要なものであるため、可能な範囲で記入し、提出していただくことが望ましいと考えます。しかし、この申請については、申請者が申請意思を明確に示していれば、保護の実施機関は、申請書の内容が十分でなかったり口頭で申請が行われたりしても申請を受理しなければならないものであります。
 つきましては、今回の法改正は、その今までの運用を一切変えるものではありませんので、立証責任についてもそもそも変更はされておりません。
○田村智子君 ちょっと具体にお聞きしますね。
 例えば、隠匿、わざと書類を隠すとか、そういう意図はなくて、純粋にその収入を示すようなものがないと。紛失をしたとか、あるいは必要書類をそもそも本人が所持していないという場合があるわけですよね。そういうときに、書類が添付できない特別な事情に当たるんだというふうにも答弁もされています。この紛失したとか所持していないということを、申請者は言うことはできても立証することはできないわけですよ。証明するという手段はないわけですよ。
 だから、大切なのは、じゃ、それはあなた書類を紛失したわけじゃないでしょうと、書類あるじゃないかということを行政機関の側が実証できなければ、立証ができなければ、これは特別な事情と認めるべきではないかというふうに思いますが、いかがですか。
○衆議院議員(山井和則君) そもそもこの立証責任というものはどちらか一方にあるというものではないと考えておりますので、今までの答弁と同様でございますけれど、申請者が申請意思を明確に示していれば、保護の実施機関は、申請書の内容が十分でなかったり口頭で申請が行われたりしても申請を受理せねばならないというふうに考えます。
○田村智子君 やっぱりこの特別な事情が何を指すのかということが非常に曖昧で、だけど、それは結局行政の側の判断になっちゃうわけですよ。自分は口頭でやりたい、だけど、あなた、いや、申請書類ちゃんと持ってこなきゃ駄目だと。こういうことにならないということが、現行法というか現行制度もそういう運用になってないだけに、そういう事態が更に広がるんじゃないかということをやはり危惧せざるを得ないというふうに言わなければなりません。
 次に、扶養義務者のことについてお聞きをする途中で恐らく時間がなくなってしまいますので、私の質問は次の火曜日というふうになると思いますが、時間の許す限り、ちょっと扶養義務者への調査のことについてお聞きをしたいと思います。
 法案では、二十八条二項に加える形で、保護申請の内容について扶養義務者に対して報告を求めることができるというふうにしています。これまでの答弁は、扶養は保護の要件ではないということが繰り返されています。それでは、なぜこのような規定を新たに設けることが必要なのでしょうか。この規定というのは、申請した方の収入の状態とか住んでいるところとか、それを報告しなさいというふうに扶養義務者に求めるんですね。だけど、それらのことは行政が調査ができるというふうにちゃんと項目の中にあるわけですよ。そういう行政の調査だけでは不十分だということなんですか。
○政府参考人(村木厚子君) この二十八条の規定でございますが、基本的な考え方は、生活保護受給者を十分扶養することができると思われる人に対して何ら対応を行わずそのまま保護費を支給をするということは国民の生活保護制度に対する信頼を失うことになりかねず適当ではないと考えたところから、扶養可能と思われる扶養義務者については、その責任を一定果たしていただきたいと考えているところでございます。ただ、家族間の問題に行政が立ち入ることについては相当慎重を期すべきということも基本的な考え方としているところでございます。
 今回、扶養義務者に報告を求める規定の適用でございますが、明らかに扶養が可能と思われるにもかかわらず扶養を履行していないと認められる限定的な場合に限ることとしたいと思います。今まで、確かにいきなり調査ということはございましたが、まずは御本人に報告を求めるという規定を入れて、扶養義務者の方にもその責任を認識をしていただくということで、報告をまず求める、その根拠規定を入れさせていただくということにしたものでございます。
○田村智子君 これ、申請に行ったときに、その扶養義務者が明らかに扶養できる能力を持っているなんてどうして判断ができるのかと。調査しない限り、判断なんかできないと思うんですね。こういう申請が来ていますよということを扶養義務者に通告しちゃうわけでしょう。どうやってその扶養義務者が、通告する相手がそういう能力があると判断するんですか。
○政府参考人(村木厚子君) 通常、生活保護の受給の申請があった場合には、御本人から、扶養義務者どういう方がいらっしゃるか、その資産がどうであるかというようなことを今でもお聞きをしております。そういう中で、家族関係もしっかりあって、扶養ができるだけの経済力もあるというような方がいらっしゃるということが把握ができる場合があるわけでございます。
 ただ、そういう場合でも、扶養していただけないというようなことで、いずれは家事審判等の手続を取って費用徴収をさせていただくというようなことが蓋然性が高いと判断された場合には、この報告を求めるとか通知をするといったようなことを発動をするというふうに考えているところでございます。
○田村智子君 これ、まず決定に当たっても報告を求めるということになっているわけで、返還云々、保護が始まった後に仕送りができないんですか、どうですかということはあり得るとは思うんですけれども、その決定を下すかどうかと、保護を開始するかどうかの判断のときにもう、つまり申請があったらもう扶養義務者に通知するということになっちゃうわけですよ、この条項によれば。例えば、あなたの子供さんからこういう申請出ていますけれども、こういう収入要件だと言っているけどどうですかということを照会する、そのことについて報告を求めるという中身なんですよね。非常に私、矛盾感じるんです。
 局長は、DV被害者などの場合には行わないようにするというふうに言われています。だけど、例えば、扶養義務者に生活保護申請のことを知られたくないというふうに思う方もいらっしゃって、それについては、知られたくないということが動機になって保護申請諦めるようなことがあってはならないという答弁もされています。
 例えば、最近の新聞報道でも、結婚して家庭を持っている娘さんのところにまで親御さんが保護申請を提出しましたよということが通知をされて、その娘さんの夫も知るところになったと。その夫の家族も知るところになったと。非常につらい思いを申請された方も娘さんもしているというような事案も報告がされています。そんなふうに報告が行くんだったら申請なんかするんじゃなかったというような声も聞かれるわけですよね。
 そうすると、こういう規定が入ったと。だけど、私は扶養義務者に連絡してほしくないんだというふうに強く申請者が求めた場合は報告を求めるということはやらないんですか。扶養義務者に報告を求めないと、こう言えますか。
○政府参考人(村木厚子君) 今の事例は多分、保護の申請があったときに扶養義務者の方がいらっしゃった場合に、今も調査を掛けておりますが、それのことではないかというふうに思うんですが、個別の判断もかかわってくると思いますが、一般に、例えば親子とか兄弟とか非常に近い近親の方がおられて、かつその関係が円満であって十分に経済力があるというような場合には、やはり一定の責任を果たしていただくということが必要かというふうに思います。
 先ほど言われたケースの方が、何ゆえでどうしても知られたくないという御事情かとか、その辺りがちょっとよく分かりませんので、個別の問題についてはちょっとお答えしにくいですが、一般論としてはそういうことかというふうに思います。
○田村智子君 これで保護申請諦めるって方が出ないって担保ないんですよ。
 これ、続きは火曜日の日に質問をしたいというふうに思いますけれども、やっぱりハードル高くするという改正の中身だということは今日の質疑のやり取りの中でも私は指摘できるんだということを申し上げて、今日の質問は終わりたいと思います。
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 まず、修正提案者にお聞きをいたします。
 修正案二十四条一項のただし書の申請を要しない特別の事情とは、字が書けない場合のほか、申請書が交付されないために申請できない場合も含みますか。ほかにどのような場合を想定しているか。DVの被害を受けて体一つで逃げてきた場合、野宿をしていて証明するものを持たない場合、非識字の人などはこれに当たると理解してよろしいでしょうか。
○衆議院議員(山井和則君) お答えします。
 現在でも生活保護の申請については書面で行うことが原則とされておりますが、口頭による保護の申請も申請意思が明確である場合には認められております。修正案の趣旨は、その取扱いが一切この法改正によって変わるものではないことを条文上明確化するものであります。
 御指摘のようなケース、つまり、DV被害を受けて体一つで逃げてきた場合、野宿をしていて証明するものを持たない場合、非識字の人などのケースも含め、隠匿等の意思もなく必要書類を本人が所持していない場合等が該当するものと考えております。
 なお、申請意思が明確に示されたにもかかわらず申請書が交付されないことはあってはならないことであり、そのこと自体が正すべきことであると考えております。厚生労働省も同様の認識でございます。
○福島みずほ君 申請用紙が全国の福祉事務所の中でどれほどきちっと窓口に置かれているんでしょうか。生活保護申請用紙は全国千二百五十一か所、全ての福祉事務所の窓口に置いてあるんでしょうか。
○副大臣(桝屋敬悟君) 今委員から全国の福祉事務所は千二百五十一か所、このうち、どれだけ窓口に申請書が置いてあるかというお尋ねでございますが、具体的に申請書がどこに置いてあるかというところまでは正直申し上げて把握していないわけでありますが、何度も答弁しておりますが、申請の意思が示されている場合は速やかに申請書を交付するというふうにしているわけでございます。
 福祉事務所に来所される方の中には、いつも議論しておりますが、他の福祉施策を活用することなどによって最低限度の生活が維持できるという場合もある、あるいは生活保護受給の要件を満たさない方もある。様々な形で福祉事務所に相談という形で窓口にいらっしゃる。まず、窓口において来所者の方々の相談に応じて、生活保護の仕組みについて御理解をいただき、必要に応じて利用可能な他の福祉施策の紹介をするということもあるんだろうと思っております。それがまた窓口のサービスということにもなるわけでありまして、そんなことで、必要であれば申請書は相談の結果、本人が申請をされる意思をお持ちであれば申請書を交付すると、こういう取扱いをしているものでございます。
○福島みずほ君 やっぱり変だと思うんですね。申請書を出して、そしてそれが満たしているか、満たしていないかということで、実はほとんど窓口には申請用紙が置いてないんですね。今後、こういうふうに文書でやれということをやるんであれば、窓口で福祉事務所できちっと用紙を置くべきじゃないですか。それを是非検討してください。
 修正案の方はもうこれで結構です。
 今回の生活保護の改正案なんですが、生活保護の申請手続の実際は変更、それと扶養義務の強化という点で、極めて問題があるというふうに思っています。
 まず二十四条の一項五号の、その他要保護者の保護の要否、種類、程度及び方法を決定するために必要な事項として厚生労働省令で定める事項って、一体何を想定しているんでしょうか。
○副大臣(桝屋敬悟君) 今委員のお尋ねのあったのは、二十四条第一項第五号の話ですね。その他要保護者の保護の要否、種類、程度及び方法を決定するために必要な事項として厚生省令で定める書類と、こういうことなんでございますが、これは何を想定しているかということで、省令では、例えば要保護者の性別でありますとか生年月日等を想定しておりますが、いずれにしても新たな書面で提出を求めるような事項はないというふうに考えてございます。
○福島みずほ君 新たに求めるものがないんであれば、何でこんなわざわざ五号を入れるんですか。
○政府参考人(村木厚子君) 何度かこの問題について御説明を申し上げておりますが、二十四条の第一項で、一号から五号までの申請書に書き込む事項についてお示しをしております。これらについては、現状でも省令であったり通知であったり様々なものでいろいろな情報をいただいております。こういったものを法律の中に整理をして書いたということでございます。
 実際問題、私ども、今使っている要式についてきちんと検証をいたしましたが、こういった今使っている要式を変える必要はないというふうに判断をしておりますので、新たな調査項目が何か増えて新しい御負担を掛けるということはないというふうに考えているところでございます。
○福島みずほ君 だとすれば、わざわざこういう条文を置く必要があるのかと思いますし、本当に増えないのかということもきちっと検証したいと思います。
 大問題なのは二十四条八項なんですが、扶養義務者に対して通知しなければならない。通知しないのは例外なんですね。
 扶養義務者ということについてお聞きをいたします。民法の扶養義務は、夫婦の間に扶養義務を認め、そして一項は直系血族及び兄弟姉妹、二項は三親等内の親族というふうにしていますね。どこまで入るんですか。
○政府参考人(村木厚子君) まず、現行でも扶養照会をやっているわけでございます。この場合も、民法上は三親等まで特別の場合には広がりますが、実際に私どもがやっている扶養照会というのは、親子や兄弟姉妹という一般に扶養可能性が高いところを重点的に行うというのが今の実務でございます。
 ただ、新たに設けました規定につきましては、何度か申し上げているとおり、扶養義務者の中で扶養の可能性があり、最終的には法律の七十七条を使って費用徴収を行うような、そういう蓋然性が高い方に限定的に行うということを考えているところでございます。
○福島みずほ君 いや、よく分からないから聞いているんです。
 八百七十七条一項は、直系血族及び兄弟姉妹は互いに扶養する義務がある。そうすると、子供、孫、曽孫まで、直系血族だったら幾らでもできるんですよ。これは扶養義務者ということでよろしいんですね。そして二項は、例外的に家庭裁判所は三親等内の親族、おい、めいまで行っていますね。ですから、お聞きしたいんです。
 直系血族及び兄弟姉妹は扶養義務者に入るのか入らないのか。この扶養義務者に三親等内の親族は入るのか入らないのか。そこだけお答えください。
○政府参考人(村木厚子君) 民法上の扶養義務者が入ります。
○福島みずほ君 民法上の扶養義務者というと、二項の三親等内の親族ですよね。これも入るんですか。おい、めいも入るんですか。
○政府参考人(村木厚子君) 民法上の扶養義務者については両方入ります。
○福島みずほ君 いや、これ限定してくださいよ。こんなに広い扶養義務を規定している、そんな国は余りないんですね。三親等内の親族まで行ったら、おい、めい、全部入っちゃうんですよ。ここまで拡大するのか。扶養義務者ってやっているから、条文上何の限定もないんですよ。一項、二項、全部入っちゃう。とすると、扶養義務者が物すごく広くなっちゃうんですよ。
 そして、金持ちのおじさんがいたら、じゃ、そこに通知が行くんですよ、これ、そうしたら。そして、原則が通知じゃないですか。原則通知する。つまり、私が今生活保護を受けたいといったら、私の三親等内の親族まで通知が行くかもしれないというふうに思えば、私、行かないですよ。
 今回の法案は偉大なる水際大作戦なんですよ。誰も行かないですよ。いや、だって、大臣、家族の関係って微妙じゃないですか。あの息子が生活保護の受給を申請している、東京に行っためいが何か生活保護の申請やったみたいだと言われるのが嫌だと思ったら、行かないですよ。
○国務大臣(田村憲久君) 民法上の規定における扶養義務の範囲でありますけれども、三親等の親族のうち特別な事情のある者でございますから、そのような意味では、全ての三親等に行くわけではなくて、扶養義務を持てる可能性がある方、つまり、以前から、三親等ではあるけれども扶養していただいていたような事実があるであるとか、そのような特別な事情のある方という話でございますから、全ての三親等内に通知が行くというようなものではございません。
○福島みずほ君 いや、そうではなくて、これは今局長が答弁したとおり、一項、二項、全部入るんですよ。つまり、特別な事情というのはあるかもしれないが、行く場合はまだ分からないわけです。私が生活保護の申請に行く、その現場で、いや、三親等内の親族まで扶養義務者ですよとなれば、おじさん、めいまで行くわけですよ。行く可能性があるということが極めて重要で、だってそうじゃないですか、その答弁がそのとおりだから。だとしたら、そんなに幅広い範囲で通知されると思えば誰も行かないですよ。誰も行かないですよ。これ、偉大なる水際大作戦ですよ。
 これ、通知が行くんですが、もう一つ、先ほどの報告、二十八条の扶養義務者に報告を求めることができるという条文がありますよね。何で扶養義務者に通知をするのかといえば、恐らくこうなると思うんですよ。
 あなたは扶養義務者です。あなたの息子である誰々が生活保護をどこどこに申請をいたしました。それで、資産について報告を求めることができるのでお聞きしますというふうに言って、あなたは扶養することはできないんですか、あるいは幾らだったら扶養することができますかという通知になるんじゃないですか。単にあなたのめいが扶養を申請していますなんて通知が行くわけないんです、無駄だから。それは嫌がらせだけですよね。そうじゃなくて、あなたは扶養義務者です、あなた自身は扶養できませんか、幾らなら可能ですかということを聞くんじゃないんですか。
○政府参考人(村木厚子君) まず、ちょっと少し議論に混乱があるように思うので、もう一回申し上げます。
 生活保護法の中で扶養義務者と呼ばれる者はかなり幅広になっておりまして、先ほど申し上げたように、民法上の扶養義務者、したがって、夫婦、直系血族及び兄弟姉妹、それから特別の事情がある三親等内の親族間というのが民法上の扶養義務を負わされております。それによって、生活保護でも扶養義務者というときには法律上はこの範囲が入るということでございます。これは今でもそういうことでございます。
 扶養照会を今もしております。その場合は、実務上は親子あるいは兄弟姉妹のように扶養の可能性が高い者についてやっているということでございます。
 今回の扶養義務者に対する通知を行うとか報告を求めるとかという新しい規定がございますが、これについては極めて限定的なものに対象をしたいということで考えているところでございます。実際には、政省令等々、運用に当たってそういう細かなルールを定めることになると思いますが、最終的には、裁判所を活用した費用徴収を行うような蓋然性が高いと判断できる方、明らかに扶養が可能であり、かつまた家族関係があると認められるような方に限定してということでございますので、御懸念のように、例えばおじ、おばのところとか孫だとか何だとかという幅広いところにいきなり通知が行くということを考えているわけではございません。
○福島みずほ君 いや、いいかげんなことを言わないでくださいよ。だって、法律上は扶養義務者と書いてあって、この扶養義務者は民法の二項の三親等内の親族も特別の事情によって入ると言っているわけじゃないですか。だから、今の答弁は、通常そんなことはしません、突然おいやめいや孫に行きませんと言っているが、法律上、だって法律というのは定義がはっきりしているわけですから、そこに掛かることができるわけじゃないですか。通常は行きませんよと言ったところで、範囲として、だって、そうしたら、扶養義務者の範囲は二項の場合は入りませんよと、三親等内の親族は入らないってやらないわけじゃないですか。
 ちょっとこのことに、実は私は狭めてほしいと思っているんですが、答弁がいいかげんですよ。だって、扶養義務者とは誰かと聞いたら民法上の扶養義務だと答えて、しかしそんなに幅広にはしませんと言ったところで、条文上扶養義務者としているんだったら、掛かる可能性があるんですよ。問題なのは、まずその人に行くかどうか。まず子供から行くでしょう、親に行くでしょう。でも、三親等内の親族に行く可能性が条文上あるということなんですよ。だって、法律が全てじゃないですか。だったら、それは駄目ですよ。
 じゃ、もう一つの質問に答えてください。
 通知が行くわけでしょう。何のために通知を出すか。あなたは扶養義務者です、あなたについてお聞きします、扶養義務者だったらあなたは扶養することはできませんか、幾らだったら扶養できますか、そんな通知を出す。あるいは、この報告にあなたの収入からいうとこれだけありますが、あなたは払えませんか、そういう形になるんじゃないですか。
○政府参考人(村木厚子君) まず、今おっしゃった、あなたはこの人を養えませんか云々というのは、今、扶養照会という形で、保護の申請があった場合に扶養義務者の方にそういう照会を実際に今掛けているんですね。それについて、さっき申し上げたように、親子とか兄弟姉妹についてそういうお尋ねをしているということはございます。
 今回の扶養義務の通知に関しては、これはその後、扶養義務者に対して報告を求めたりあるいは費用請求をする可能性があるので、あなたの扶養義務者である方が生活保護を受けることになりますということをお知らせをするというのがこの通知の趣旨でございます。
 念のために申し上げますが、極めて限定的な範囲の方に通知をするということを考えているところでございます。
○福島みずほ君 違いますよ。条文上は「保護の開始の決定をしようとするときは、」だから、これから生活保護の申請をするかどうか、まだ決まりましたという通知ではないんですよ。条文上は「保護の開始の決定をしようとするときは、」と書いてあるわけだから、まだ決定していないんですよ。あなたの扶養義務者が生活保護の決定を受けましたという通知ではないんです。
 あなたの娘である福島みずほが生活保護に申請をしています、あなたは扶養義務者ですので通知をしますという通知をするんですか。でも、こんなのだったら誰も行かないですよ。だって、みんなにばれるというか、関係が悪くなっている家族関係において、こんな通知をされたら恥ずかしくて故郷に帰れないとか、それから、あんた何やっているんだと怒られるかもしれないし、若しくは、断絶している、それだけで勘当になるかもしれないんですよ。それだったら窓口に行かないですよ。何のためにこんな通知するんですか。
○副大臣(桝屋敬悟君) 先ほどからの議論でありますが、委員、まずは、今回の生活保護の見直しに当たりましては、生活保護制度の見直し、これは、多くの国民の皆さんの生活保護制度に対する信頼を維持しなきゃならぬということが第一点。
 そんな中で、今までも、委員も御理解いただいたと思いますが、現在までも、生活保護の申請をお受けすれば、受理をしたら、当然ながら民法上の扶養義務がある方については、これは扶養義務を果たしていただける、支援をしていただける方があれば、当然保護の支給に、その前提として支援をしていただく、これは当たり前でありまして、したがって、生活保護の申請が出れば、御本人からまず、扶養義務者の扶養ということが期待できますかということはまず相談の段階できちっと御本人から説明を受けて、その中で福祉事務所の判断で親子、兄弟姉妹ぐらいまでまずは扶養照会を今までもしているわけであります。
 今回の二十四条八項の規定については、やはり様々な厳しい国民の声もあるわけでありますから、家庭裁判所を活用した費用徴収ということもあり得るということで、御本人さん、申請者との協議の中で、ここは福祉事務所の判断として扶養をお願いしなきゃいかぬ、家庭裁判所を活用した費用徴収ということも想定し得るなという、ごく限られた事例だと思いますが、そういう方については事前にお知らせするということはあってしかるべきだろう、また、そうしなきゃならぬだろうという内容でございます。
○福島みずほ君 いや、違うんですよ。今までは、実際、めいに月二千円送れませんかと事実上福祉事務所が聞くことはあったけれども、この法案が大問題なのは、条文上しっかりと「通知しなければならない。」というふうに、原則通知なんですよ。ごく例外的な場合に限りますと言われても、そんなの分からないわけですよ。あるAという人が福祉事務所に行けば、民法上の扶養義務者に対して通知が行く可能性があると思っただけで人は行かないですよ。自分の三親等内の親族まで通知が行くかもしれないと思ったら、恥ずかしかったり、嫌だし、それからトラブルが起きるかもしれないから、結局こういうふうな規定を置くことが水際作戦なんですよ。生活保護の申請に行けなくなっちゃうんですよ。
 今までは、扶養は生活保護の要件ではないとされてきました。しかし、生活保護を受ける前に扶養義務者に通知をしなければならない、条文では「通知しなければならない。」となっているわけですから、実際は扶養が生活保護の要件となっちゃうんですよ。しかも、これ報告を求めることができるとなっている。だって、条文変えるのはその意味があるわけでしょう。副大臣、いみじくもおっしゃったじゃないですか、国民の厳しい声があると。結局、これで家族の扶養義務を強調する、申し訳ないが、自民党の新憲法草案、家族が互いに助け合わなければならない、二十四条一項かと思いますよ。家族の扶養義務の強化ですよ。生活保護を受ける前に、扶養義務者よ尽くせという、そういう法案じゃないですか。
 じゃ、次に、いろんな、まあ水際作戦で、今朝の東京新聞、生活保護を不当停止、平塚市の例で、ケースワーカーが働く意思ないとして生活保護を停止した四十代男性、栄養失調で搬送、強まる早期就労指導、まさに今回の法律を先取りしたような、現実にこういうことが起きているんですよ。どうですか、大臣。
○国務大臣(田村憲久君) まず、先ほどの件ですけれども、誤解があれば私ども御説明をさせていただかなければならないと思うんですが、要は、通知も含めて、全体として扶養ができる、つまり所得能力もある、それでいて人間関係もちゃんと要保護者とできている、そういう方がいる場合には、そこにはそういうような通知をしていくという話でありまして、それはもうごく当たり前の話であろうと私どもは思っております。御本人が、そもそも人間関係もできていない、もう既に家族関係が壊れている、どうしても知られるといろんな問題が起こる、それはドメスティック・バイオレンスもあるんでありましょう、そういう場合に関してはそのようなことはしないわけでございますから、そこは一点誤解があるとすれば、どうか御理解をいただきたいというふうに思います。
 それから、この平塚の件でありますけれども、これはいみじくも今委員がおっしゃられましたけれども、決して、現在法改正やっているものが、まだ通っているわけでもないわけでございまして、その中においてこのようなことが起こったというのであるならば、事実関係をしっかり確認した上で、これに対して我々はまた自治体に対して指導していかなければならぬというふうに思っておりますけれども、我々は決してこのような案件を起こすためにやっておるというわけではないわけでございまして、そこはしっかりと生活保護制度の中において、それぞれ必要なものは受けていただきながら、一方で自立ができる方々に関しましては、しっかりと訓練を受けていただいて自立に向かって頑張っていただくということでございますので、何らこの問題と我々の今回出しております法改正案が関連性があるという話ではないというふうに思います。
○福島みずほ君 いや、しかし、実は先取りしているんじゃないでしょうか。
 つまり、この人は、ケースワーカーは働く意欲ないとして生活保護を停止してしまった。早期就労をしろと言っていても、いろんな事情から働けなかったようですが、栄養失調で搬送されて、これについて平塚市が謝罪をしました。実際、働けというか、働けるのに働かない。今回の法律改正案がまだ成立していないにもかかわらず、実は先取りしているんではないか。
 それと、大臣、DVのときに夫に言ってくれるなというのはもちろんそうなんです。しかし、私は、日本人の家族というものに関して、知られたら、要するにその条文を見ただけで震え上がっちゃうというか、扶養義務者に通知しなければならないとなっていたら、自分が生活保護の申請をしたら、申請が出る前にいろんなところに通知が行く可能性があると思っただけで人はやっぱり嫌で行かないですよ。という想像力を是非持ってほしいということなんです。
 次に、身体障害者の自立生活運動は、昨日、障害者差別解消法が成立をして非常にうれしいですが、身体障害者の自立生活運動は、親族の反対を押し切り、生活保護を使う形で施設から出て地域での自立生活を獲得してきたという歴史があります。扶養義務の強化は、障害者を施設や家庭に押し戻すことになるのではないかという強い危惧感を持つ当事者も多いです。
 特に、仮に扶養義務者に収入、資産があったとしても、当事者の関係性から扶養を望まない場合には当事者の意思が尊重されるべきだと考えますが、いかがですか。
○国務大臣(田村憲久君) 先ほど来申し上げておりますとおり、扶養義務者であったとしても、法律上の、実際問題、人間関係が壊れていて、そもそももう扶養に至らないというような場合に関しては、それは当然、これ実際問題、扶養が生活保護を受ける要件ではございませんから、生活保護は受けられるわけであります。
 我々が言っておりますのは、人間関係もしっかりできている、しかもしっかりと扶養できるだけの所得もある、そういう場合に関しては、それは扶養義務があるわけでございますから、一義的にやはり扶養をしていただくということがあり得るわけでありますが、人間関係がそもそも壊れている場合に関しましては、それは扶養ができないわけでございますので、そのような意味からしたら、それは対象にならないという話になると思います。
○福島みずほ君 障害者の自立運動は、親元で暮らせというのじゃなくて、地域で生きようという運動だったわけですよね。ですから、親子関係がもうずたずたに壊れていなくても、やっぱり家族の扶養義務を強調をするということが自立を阻んでいくんじゃないかという懸念もあるので、そこは是非考えていただきたいと思います。
 ちょっとまた扶養義務の履行のことに戻りますが、扶養義務履行の打診は生活保護受給の開始前、開始時のみならず、定期的に扶養義務者に行われ得るんでしょうか。
○政府参考人(村木厚子君) 扶養照会でございますが、これは保護開始時のみならず、定期的に年一回程度確認をするということが今の実務では一般的に行われているところでございます。今の実務で一般的に年一回程度の確認ということです。
 もちろん、これ全部にではなくて、先ほどから申し上げているように、親子とか兄弟姉妹という非常に近い関係の方に対して行われているというのが現状でございます。
○福島みずほ君 だんだんそれが厳しくなるんではないかと。
 さっきのもう一つ、もう一回確認を取りたくて、私自身は、通知をするときに、あなたは扶養できませんか、幾ら可能ですかというのをその通知と一緒に聞くんではないか、あるいは、収入について報告を求めることができるという二十八条二項の規定によって、あなたにはこれだけ収入があるんだったらやってもらえませんかという、そういう通知を、いついつまでに回答してくれというのを出すんじゃないかとちょっと思っているんですが、そういうことはしないということでよろしいですか。
○政府参考人(村木厚子君) この規定でございますが、今予定をしている通知内容は、保護決定する者の氏名や決定予定日等を考えているところでございます。
○福島みずほ君 これは二十八条の調査や資料の提供、二十九条があるので、ちょっとお聞きをいたします。
 これは先日成立したマイナンバー、共通番号制、福祉事務所の調査権限の拡大について、親族や本人やいろんな人の資産を調査するのに共通番号制を使用するという予定はありますか。
○副大臣(桝屋敬悟君) たくさんの質問をいただいております。
 先般成立しましたマイナンバー制度でありますけれども、この社会保障・税番号の制度の導入によりまして、保護の決定等に必要な情報については、紙ベースでの照会から、オンラインを活用してより効率的、効果的に調査することが可能ではないかと考えております。また、このことは申請から決定までの期間の短縮、あるいはケースワーカーの負担軽減等にもつながるのではないかと考えております。
 生活保護法改正案により、福祉事務所の求めに応じ官公署が回答することになっております情報につきましては、基本的に番号制度を利用して情報提供できるような必要な法改正を行っているところでございます。
○福島みずほ君 いや、社民党は共通番号制に反対だったんですね。それは、あなた、とても困っているでしょうから国がお助けしますということではなく、今みたいに、このおじさんは収入が幾ら、この人は資産が幾ら、この人は幾ら株を持っている、この人は、全部その人の三親等内の親族、関係が悪くなければ、だって分かるわけじゃないですか、預貯金が幾らあるか。つまり、扶養義務の強調になる。あるいは、これは本人の資産評価についてもマイナンバー制を使う、それは両方使うという御回答でよろしいんですよね。
○政府参考人(村木厚子君) 御本人のいろいろな調査については、このマイナンバーを活用をしたいというふうに考えております。
 扶養義務者についてどうするかということについては、これは本人は保護を受けるときの要件ですが、扶養義務者についてはこれは要件ではなくて優先するだけということで、そこで少し法律的な差がありますので、これは実際にどういう情報をこの制度で取るかということは今後詳細を詰めることになっておりますので、扶養義務者についてはこの制度を使わないということも考えているところでございます。
○福島みずほ君 使わないこともあり得るということですが、調査する資料の提供等を官公庁に求めるとあるんですよ。今日の答弁で、やっぱり思っていたとおりというか、やはり生活保護を申請しようとする人に対してマイナンバーというか共通番号制使ってその人の資産を洗うと、場合によっては、今のところは念頭に置いていないが、扶養義務者についても使うということですよね。
 すると、将来、多分こういうことが起きると思うんです。扶養義務者、三親等内の親族はすぐ分かりますから、マイナンバー掛けて、その人が一体幾ら資産を持って、幾ら収入があって、できるかどうか。関係が極端に悪くなければその人に対して通知が行って、誰々さんが生活保護の申請しましたとなって、その共通番号制がまさに生活保護を受けさせない、受けさせないというと悪いですが、削減する方向で使われるというふうに思います。今日の答弁でマイナンバーを使うということの答弁があったので、私はマイナンバーがいいことに使われるより削減の方に使われるなと実は思っていましたが、案の定というか、と思った次第です。
 次に、例えば、稼働可能な人に対して、保護開始三か月から六か月段階で、本人の意思を尊重しつつ、これ私の質問は十七番ですが、先ほどたくさんとおっしゃったので、低額であっても一旦就労を基本的考えにするとしておりますが、労働基準法以下、最低賃金以下でも働くということになるんでしょうか。これは福祉に名を借りた国家による強制労働になりかねないのではないかという点はいかがでしょうか。
○国務大臣(田村憲久君) まず、重ねて委員、申し上げますけれども、扶養義務のある方は、要は、もちろん所得を一定程度持っていただいているということが前提でありますけれども、やはり人間関係ちゃんとできている方じゃないとそれはそもそも無理な話でございまして、今までの話の前提は、例えばマイナンバー、これは使うかどうか分かりませんけれども、お金があれば必ずそこに、三親等だからあなた扶養してくださいよという話じゃないんです。あくまでも、家事審判等々を掛けてでもしっかりと責任を負っていただこうという方が対象であるということは御理解をいただきたいと、何でもいいから三親等ということではないということは御理解をいただきたいというふうに思います。
 その上で今のお話でありますけれども、当然これ、言っておるところは、例えば一日八時間でなくても、たとえ二時間でも三時間でも、一週間五日でなくても、たとえ二日でも一日でも、とにかくまずは仕事をする、生活のリズムをつくっていただくこと、これが大事でございますので、このような考え方を今盛り込ませていただいておるということでございまして、当然それは就労でございますから、最低賃金以下ということはあり得ないわけでございますので、ここで言っておる部分というのはそのように御理解をいただければよろしいかというふうに思います。
○福島みずほ君 私は、通常であれば、親子関係でも兄弟姉妹でも、人間関係が良ければ、とっくの昔にお金借りたり手伝ってもらうということはあり得ているんですよ。でも、生活保護の窓口に来ざるを得ないというのはやっぱり事情がある。そこでお金を送ってくれと言えない関係があるから、助けてくれと言えない関係、しかも今はやっぱり家族関係も希薄なところもありますから、だから来るわけじゃないですか。
 日本の扶養義務は、直系血族及び兄弟姉妹は扶養する義務があると規定しています。しかし、例えば成人に達した兄弟姉妹は、それぞれ家計を持ち、別の世帯を持ち、別々に生きているから、お兄ちゃんを養え、弟を養え、妹を養えという、そういう関係にはないわけですよね、なかなか。幾らお兄ちゃんが失職したからといって、弟の家族が月にお金出せと言われても、それはなかなか難しいと。
 ですから、扶養義務どおりにはとてもいかないし、それから関係が、何というか、通常お金をくれ、月幾らずつ送ってくれというのがなかなか言えない関係だからこそ、こじれていなくてもですよ、だからこそ生活保護に、最後のセーフティーネットで窓口にたどり着くわけじゃないですか。そこで、少なくとも通知が、ちょっと今日はこれは水掛け論ですが、水際じゃなくて水掛け論になって済みませんが、でも、そこが、私が生活保護を受けに行けば三親等内の親族にも通知が行く可能性があるということそのものが、生活保護を受けようとするときに物すごくストッパーになっちゃうんですよ。行けなくなっちゃうということは、厚生労働省は是非これは理解してほしい、その想像力を持ってほしいと思います。
 ところで、国連の社会権規約委員会は、第五十会期に採択された日本の第三回定期報告書に関する総括所見で、番号四です、生活保護の申請手続を簡素化し、かつ申請者が尊厳を持って扱われることを確保するための措置をとるよう締約国に対して求める、委員会はまた、生活保護に付きまとうスティグマを解消する目的で、締約国が住民の教育を行うよう勧告すると勧告が出ました。これを政府としてどう受け止めますか。
 小野市などのように、パチンコやいろんなことをしている人については住民が通報せよという条例を作ったところもあり、生活保護を受けている人をみんなが町じゅうで監視するような、そんな危険性もあると思いますが、この社会権規約委員会の勧告を政府としてどう受け止めますか。
○国務大臣(田村憲久君) 今の事例は、みんなで自立を助けるというような意味合いの中でやられておられるというふうにお聞きをいたしておりますが、今国連の社会権規約委員会から日本政府に、日本政府の報告に対して総括所見が出されているということで、中身は今委員がおっしゃられましたとおり、申請手続、これは生活保護関係でありますけれども、この簡素化、それから申請者が尊厳を持って扱われること、さらには生活保護に付随するスティグマを解消する目的で国民の教育を行うことと、このような御指摘をいただきました。
 御指摘の趣旨も踏まえつつ、この生活保護制度は最後のとりででございますので、適切に保護がなされるように努めてまいりたいというふうに思います。
○福島みずほ君 社会権規約委員会からこのような勧告が出ているんですが、私は、今回の生活保護法がこの形で改正されると、やっぱり通知が行くとか、親族にも、扶養義務者に調査が行くとか、あるいは自分に対してマイナンバーが使われるとか、やっぱり生活保護を受けることをちゅうちょする方向に行くと思っていて、生活保護を受けることはやはり三親等内の親族にまで通知が行って仕方ないことだと、これはやっぱりスティグマを発生させるというふうに思っているんですね。
 というのは、諸外国はそんなに扶養義務が広くないですし、もちろん扶養義務をそんなに優先させていないですから、日本が、扶養義務がやっぱり優先させている。そして、少なくとも扶養は生活保護の要件としないというのが今までの建前であったのに、実際は通知することから始まって、要件と実質的になってしまうんじゃないかというふうに思っているんです。
 それで、最後に、自殺の白書がつい最近出ました。私は、これを見てとてもショックを受けたのは、厚労省の一一年の調査によると、二十代の死因のうち約四七%が自殺だったと。就職の失敗による自殺が、警察庁によると、二〇〇七年の六十人に対し、一二年は百四十九人に増加をしている。それから、これは仕事上の原因で亡くなっているという人も二十代、とても多いんですね。ブラック企業などが、よく委員会で私も質問しておりますが、この二十代の死因のうち半数近く、四七%が自殺、そして生活保護がこういう形で親に連絡が行きますよという感じでやると、生活保護の窓口に行かずに、やっぱり最後のセーフティーネットが発揮されることなく死に追いやられる人が若い人で増えるのではないか。
 故郷のお父さん、お母さんのところに、あなたのところの息子さんは生活保護の申請しましたと行くのは嫌だなとやっぱり思ったら、生活保護の窓口に行かない。最低のセーフティーネットのところまで行き着かない。
 今、二十代の死因のうち四七%が自殺、これは雇用の問題もあると思いますが、最後のセーフティーネットはしっかり張るべきだと、扶養義務を優先するのはやめてくれと思いますが、大臣、いかがですか。
○委員長(武内則男君) 質問時間が来ていますので、簡潔にお答えください。
○国務大臣(田村憲久君) 本当に、二十代の自殺が増えておるということはゆゆしい問題でございまして、本当に痛ましい話だというふうに思います。
 やはり雇用という問題が非常に重くのしかかってきておるのは事実でございまして、卒業したけれども就職できないという中で、就職活動の中でいろいろと打ちのめされてそのまま死を選ぶというような若者がおられるとするならば、これは大きな問題でございますので、新卒応援ハローワーク等々、しっかりと若い人たちが未来に希望を持って社会で活躍し、そのような選択をしなくてもいいような、そんな社会をつくるように努力してまいりたいというふうに思います。
○福島みずほ君 終わります。
○委員長(武内則男君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後四時六分散会