第183回国会 経済産業委員会 第2号
平成二十五年三月二十一日(木曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 三月十九日
    辞任         補欠選任
     轟木 利治君     梅村  聡君
     岩井 茂樹君     福岡 資麿君
 三月二十一日
    辞任         補欠選任
     梅村  聡君     轟木 利治君
     福岡 資麿君     岩井 茂樹君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         増子 輝彦君
    理 事
                大久保 勉君
                安井美沙子君
                柳澤 光美君
                岩井 茂樹君
                松村 祥史君
    委 員
                高橋 千秋君
                轟木 利治君
                直嶋 正行君
                藤原 正司君
                岩城 光英君
                佐藤ゆかり君
                関口 昌一君
                塚田 一郎君
                宮沢 洋一君
                長沢 広明君
                松田 公太君
               はた ともこ君
                浜田 和幸君
                荒井 広幸君
   国務大臣
       経済産業大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(原子力
       損害賠償支援機
       構))      茂木 敏充君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣)     稲田 朋美君
   副大臣
       経済産業副大臣  菅原 一秀君
       経済産業副大臣  赤羽 一嘉君
   大臣政務官
       経済産業大臣政
       務官       佐藤ゆかり君
   政府特別補佐人
       公正取引委員会
       委員長      杉本 和行君
       原子力規制委員
       会委員長     田中 俊一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        奥井 俊二君
   政府参考人
       金融庁総務企画
       局審議官     氷見野良三君
       金融庁総務企画
       局審議官     佐々木清隆君
       金融庁総務企画
       局参事官     井内 正敏君
       総務省総合通信
       基盤局電気通信
       事業部長     安藤 友裕君
       法務大臣官房審
       議官       岩尾 信行君
       外務大臣官房審
       議官       高瀬  寧君
       外務大臣官房参
       事官       正木  靖君
       文化庁長官官房
       審議官      作花 文雄君
       厚生労働大臣官
       房審議官     平山 佳伸君
       厚生労働大臣官
       房審議官     神田 裕二君
       経済産業省商務
       情報政策局長   永塚 誠一君
       資源エネルギー
       庁長官      高原 一郎君
       中小企業庁長官  鈴木 正徳君
       環境省地球環境
       局長       関 荘一郎君
       原子力規制委員
       会原子力規制庁
       次長       森本 英香君
       原子力規制委員
       会原子力規制庁
       審議官      櫻田 道夫君
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  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査
 (経済産業行政等の基本施策に関する件)
 (公正取引委員会の業務に関する件)
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○委員長(増子輝彦君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。
 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(増子輝彦君) 異議ないと認めます。
 それでは、理事に岩井茂樹君を指名いたします。
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○委員長(増子輝彦君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、金融庁総務企画局審議官氷見野良三君外十五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(増子輝彦君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(増子輝彦君) 経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査のうち、経済産業行政等の基本施策に関する件及び公正取引委員会の業務に関する件を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○安井美沙子君 民主党の安井美沙子です。
 本日は、茂木大臣の所信表明に対する質問をさせていただきます。
 最近、各委員会で質問者、答弁者の先輩後輩シリーズが続いておりますけれども、本日、私、マッキンゼー時代の大先輩である茂木大臣に質問させていただけることを大変光栄に思っております。
 問題解決のプロフェッショナルとして、民間企業や自治体など、数々の課題を解決されてきた茂木大臣ですから、国政にあっても、日本経済に山積する難問を次から次へと解決してくださるであろうと大変に期待をしております。かつての職場では、直球勝負のやり取りをしながら問題の本質に迫ることを是としており、そのカルチャーで鍛え上げられた者同士、本日は、よもや形式的な答弁はされないと信じておりますけれども、諸課題の解決に向けて一歩でも前に進めるという目標を共有し御答弁いただくことをお願い申し上げて、質問に入らせていただきます。
 さて、本日は、大きく四つのテーマ、TPP、インフラ輸出、エネルギー政策、中小企業政策についてお伺いする予定でおりますが、まずはTPPについてお伺いさせていただきます。
 先週の金曜日に、安倍総理がTPPへの参加を正式に表明されました。また、同日、菅官房長官は、TPP参加はアベノミクス三本の矢の三本目の一つだとコメントされました。アベノミクスが稼働し始め、国民の間でデフレ脱却への期待が高まっていること自体は歓迎します。デフレを脱却するには、まず国民がデフレマインドから脱却することが必須だと考えるからです。しかし、一本目、二本目の矢は副作用のあり得る劇薬でもあります。より中長期的な日本の絵姿を示す三本目の矢を明らかにすることによって、初めて企業の投資行動や国民の消費行動につながっていくものと思います。
 大臣は、TPPへの参加が三本目の矢の一つであると位置付けていらっしゃいますか。
○国務大臣(茂木敏充君) 安井委員、マッキンゼーで一緒に仕事をさせていただきまして、マッキンゼー、一九七〇年に日本に進出をして、私が恐らく第二世代ぐらいになるんだと思います。第一世代というのは、マッキンゼーが何の会社か分からずに入ったグループで、それなりに優秀な方だったんですけど、極めてユニークな方が多かったと。第二世代の我々もそれに近いところがあるんですけど、第三世代以降の安井委員始め、極めて優秀な方が多くて、質問ということで大変緊張いたしておりますが。
 アベノミクスの三本の矢、一本目が大胆な金融緩和、そして二本目が機動的な財政運営、三本目が民間投資を喚起する成長戦略。この三本目の民間投資を喚起する成長戦略、これから個人所得、そして消費が増える、さらには企業において民主導のまさに設備投資等が起こっていくと、こういった意味で極めて重要だと思っております。
 この成長戦略の中に大きく分けまして三つぐらいのジャンルというか、大きな固まりがあるかと思うんですけど、一つは、我々が新市場戦略プランと呼んでいるものでありますけど、全く新しい市場といいますか、これからの時代を考えて日本が直面する課題というものを解決をしていく。少子高齢化社会が進む中で、日本は単純に長寿社会じゃなくて健康長寿社会なんだと、そういう将来の目標を見据えたときに、現状と比べてどんなギャップがあるのか、解決すべき課題は何なのか、こういったことを見極めていく、こういったジャンルがあります。
 そして、二つ目には、今の日本の経済の状況を考えると、開廃業率が廃業率の方が高い、そして、アメリカやイギリスが開業率一〇%に対して日本はその半分ぐらいの五%ということで、開廃業率を逆転して開業率を欧米並みに持っていくと。さらには、業種にもよりますけれど、非常に、何というか、企業の数も多過ぎて国内で過当競争になっている、こういった状況も改善をしていかなきゃならない。さらに、グローバルな企業、それは本当にグローバルトップになるような企業もありますけど、委員も御案内のとおり、例えばヨーロッパで、規模的にはそこまで大きくないけど、ある特定の分野においてはグローバルニッチで、本当に世界になくてはならない企業、こういったものもつくっていく。こういった全体の産業の新陳代謝を進める、こういったことが二つ目の成長戦略の柱です。
 そして、三つ目に出てくるのが、まさに日本の国際展開戦略ということになってきます。日本の様々な強みを持つ産業、こういったものが国際展開する、そのための様々な障壁を除去していくと。また、インフラであったりシステムであったり、クール・ジャパン、こういったこれから日本が伸ばしていける、こういった分野の輸出であったりとか国際展開を進めると。極めて重要でありまして、TPPは成長戦略の中で、今申し上げた三つの柱の中の三番目の柱ですね、極めて重要な役割を果たす。
 そして、TPPはTPPに限らず、日本がこのTPPに参加することによって、アジア太平洋地域のルール作りに主導的な役割を果たしていく、それによって今後のRCEPであったりとかFTAAP、こういったものの土台をつくっていく、こんな意味からも極めて重要だと、そう考えております。
○安井美沙子君 大変御丁寧な分かりやすい御答弁、ありがとうございました。安倍政権のTPPに対するコミットメントをしっかり理解させていただきました。
 さて、安倍総理は、参加表明の際に、参加による日本経済全体への効果に関する試算を示されました。それによれば、三・二兆円のGDP押し上げ効果が期待できるとのことですが、この試算はあくまで全ての物品関税の即時撤廃を前提としたものだということです。聖域を守る場合、この数字を達成することは難しいと考えますが、その認識でよろしいですか。
○国務大臣(茂木敏充君) 今回の試算ですね、これまで前政権において行われてきた試算、農水省は農水省で出す、経産省は経産省で出す、内閣府は内閣府で全く違った数字を出す。そうすると、国民の皆さんから見ても、一体どれが正しいんだと、また本当の影響はどうなんだろうかと、こういう御疑念を持たれたということはあると思います。
 そこで、政府として統一した試算を出さなければいけない。ただ、今、日本は交渉に加わっておりません。まだ交渉に参加していないわけですから、結果的に交渉の結果がどうなるかというのは分からないわけであります。そこで、極めて単純化されたモデルといいますか、仮説を置いておりまして、例えば、関税を全て即時撤廃した場合、そして追加的な国内対策を計算に入れない等々、どちらかといいますとほとんどないであろうと、しかし極端にいくとこうなるのかなと、こういう前提でGTAPモデルを回して作っているわけでありますけれど、それによります効果が三・二兆円ということであります。
 ただ、全ての関税を即時撤廃ということなんですけど、この三・二兆円の効果につきましては、即時ではなくて、経済構造調整を終えて中長期均衡に達した時点ということでありまして、恐らく十年程度、この中長期の均衡はどこに来るかというのもあるんですけれど、十年程度の経過した後でのGDPの姿と、こういうふうに御理解いただければいいと思います。
○安井美沙子君 私の理解では、この即時撤廃を前提として、更にその構造調整が済んだ十年後以降に三・二兆円の押し上げ効果が出始めるということですので、あくまでこの三・二兆円というのは即時撤廃を前提としているというふうに理解しております。ですから、私が最初に質問したように、もし自民党さんが公約を守って聖域をある程度確保するということになりますと、そもそものこの前提が崩れますので、三・二兆円という数字が下がるんではないかというふうに思ったということでございます。御答弁は結構です。
 資料の一ページを御覧ください。
 先月行われた日米首脳会談の際に出された共同声明の第三段落に、自動車部門や保険部門に関する残された懸案事項と明記されています。茂木大臣は共同声明について以前こんな発言されているんですけれども、単に内閣で自分たちの外交方針を決めたということと、オバマ大統領との間で合意に達したということは百八十度違う、これは衆議院経産委員会で答弁されているんですね。そうであれば、自動車や保険がアメリカにとってセンシティブな分野だということ、これは日米双方が認識していたわけですけれども、合意文書に明記されてしまったことも同じように百八十度違うんではないかと思います。
 聖域について明記してもらう見合いとしてアメリカにしてやられたとは思いませんか。
○国務大臣(茂木敏充君) 先ほどの若干補足をさせていただきますけれども、経済構造調整を終えた後の中長期的な姿ということは、例えば即時撤廃が若干遅れれば、また経済構造調整には時間が掛かります。分野によってそれぞれ五月雨式に起こってきても、これは御案内のとおり、GTAPモデルを回せばそうなっていくわけでありますけれども、最終的な均衡点といいますか、調整が終えた姿というのは変わってくると。ですから、仮のモデルとして全体を置いたらということでありますけれども、結果が出たら、それが交渉の結果でありますから、どういう絵姿になるか今の時点では分かりませんけれども、もし関税撤廃ゼロと、全体的にですね、そうなっていれば三・二兆円と、こういう数字になってくるということは変わらないんだと思います。
 それから、御質問で、こういった共同声明を出したことが重要なんだと、共同で合意したことがというのは、元々衆議院の前に参議院での予算委員会で御質問を受けまして、御党の議員から、御党でおととしの十一月ぐらいだったかと思いますけれども、菅政権の下でTPPに臨む方針というのをお作りになられたと。その方針についてパネルでお示しになって、ほとんど今回の日米共同声明と一緒じゃないかと、そういうお話がありましたので、いや違うんです、これ外交ですから、自分たちの方針としてこう臨みたいと、あるんですよ、どの国も。ただ、相手が受け入れるかどうかというのは違う問題なんですね。ですから、内閣としては方針をお決めになったというのは別に構いません、ただ、内閣として決めた方針というのが相手と合意できるかというと違って、今回はきちんとそういった合意をしたんですよと、そこが百八十度違うんですと、こういったことで申し上げました。
○安井美沙子君 質問の後半の部分、御理解いただいていなかったかもしれないんですけれども、それ、私、一〇〇%理解しております。そういうふうにおっしゃるんであれば、この第三パラグラフで自動車、保険分野を懸案事項として合意文書として明記されてしまったことが、逆に自民党公約を第二パラグラフで明記してもらったことの見合いとしてやられてしまったとは思いませんかというのが私の質問です。
○国務大臣(茂木敏充君) この自動車もそうでありますが、更に保険、そしてその他の非関税障壁と、これは今回日本がTPPに参加する、参加しない、これに関係なく従前からアメリカが二国間の問題として大切な問題だということで指摘をしてきた、その部分というのが項目の中に入っていると、こんなふうに考えております。
 ただ、我々としては、アメリカとこういった問題について二国間協議を進める、それに当たっては工業品の関税は撤廃するのが原則であると。そして、自由貿易の理念に反する工業製品の数値目標は受け入れない。さらには、国民生活の安全にかかわる事項は原則を曲げることはできない。さらに、WTOルールに反する合意、例えばセーフガードは認められているわけでありますけど、WTO上も、一方的な輸入制限、こういったことはできないということになっていますから、WTOルールに反する合意、こういったものはしない。こういう基本的な方針で二国間協議、誠実に進めさせていただいております。
○安井美沙子君 まさに私はそこを心配しておりまして、この第三パラグラフに自動車部門、保険部門について明記されてしまったということがまさに百八十度違うという驚きだったわけですけれども、その自動車の関税撤廃についてお伺いします。
 日米の事前協議において自動車の関税撤廃を見送るという約束があったのではないかという、報道ベースですけれども、ありました。二〇〇九年の秋にTPPの議論が始まって以来、経産省の説明のイの一番は、自動車の関税撤廃による経済効果でした。経済連携を加速する韓国との比較のチャートが何度も示され、三千万台以上の市場で競争上不利であるという説明が繰り返されました。であれば、もし今回報道の内容どおりになってしまったら日本は大変大きな利益を逸することになります。こういうことは絶対あってほしくないんですけれども、もし日本が当初の経産省のもくろみどおりアメリカ市場で関税を撤廃できたならば、輸出増加分、GDP押し上げ効果はどのくらいなのでしょうか。
○国務大臣(茂木敏充君) まず、経産省として、この自動車関税の撤廃、例えば韓国とアメリカのKORUSと比べて云々、こういう説明を強調していたというのは多分前の政権の時代のことだと思います。少なくとも、私が大臣になってから、その項目をナンバーワンにいろんな説明をしているということはございません。もちろん、関税の問題はあります。TPP参加国、十一か国あるわけでありますけど、そこに支払っている関税、日本が払っている方ですね、年間大体四千七百億円、こういう額になると思います。そのうち半分近くが自動車関連、そしてアメリカに対して支払をしております自動車の関税、これは八百億と、数字としてはそういったものが出ております。
 ただ、TPPに参加をする、これは様々なやっぱり日本としてのメリット、より幅広い視点で考えなければいけない。一つのやはり、これからアジア太平洋地域、これが成長の中心になっていく、そういった中でその成長を取り込むことがまさに日本の成長につながっていく、こんなふうに考えます。そして、そういった中には、自動車だけではなくて、例えば日本が非常に得意とするサービス業、コンビニであったりとか様々な分野、こういったものも出てまいります。そして、模倣品、そしてまたコピー、こういったものが出回るのを防止をしていく。そして、日本の今企業、自動車もそうですけれども、これは国境を越えたサプライチェーン、こういうのを築いているわけでありまして、まさにこの制度が統一されることによってサプライチェーン、そういったものが強化をできるという、そのアジアの成長を取り込む、こういうメリットが一つにあります。
 そして、先ほど申し上げたように、これはTPPにとどまらないんだと。つまり、これが将来的にはRCEPであったりとかFTAAPと、より大きな経済連携、経済統合のルール作りの基盤になっていく。したがって、その基盤になるルール作りに日本がかかわるか、かかわらないか、これは死活的な利益に影響していく。
 三番目には、さらにこれは経済の面にとどまらず、価値観を同じにするアメリカであったりとか多くの国々、これがこういった形で経済連携、これを深めることがまさに地域の安全保障、安定にもつながっていく、そういう理由から重要だということで、今、単に自動車だけの話をして我々は話しているものではない、こんなふうに思っております。
 ただ、自動車で申し上げると、数字的には先ほどのような数字であります。それが、じゃ最終的なGTAPモデルの三・二兆円にどこまでかかわってくるか、これはなかなか短期では測りにくい部分があります。そして、長期の説明につきましては、先ほど説明を申し上げたとおりであります。
○安井美沙子君 日本を含めた参加十二か国になりますけれども、アメリカのGDP規模が五九%であります。その他の参加国の成長率が幾ら高くても、市場規模では比較になりません。アメリカにおける自動車の市場シェアでは、日本車は既に韓国車に追い付かれています。韓国車の関税が間もなく撤廃されたら、もう勝負できなくなります。自民党の公約にも自動車の数値目標を受け入れないとありますから、これについては是非死守してくださるようにお願いいたします。
 大臣がおっしゃっておりました安全保障上の意味合いとか、それからルール作り、価値観の部分、この辺、包括的に理解しておるつもりでございますけれども、自動車については日本の製造業の屋台骨でございますし、波及効果が非常に大きいものですから、特にこれについては、政権が替わっても象徴的なものといいますか大切なものとして位置付けていただきたいと思います。
 茂木大臣のTPPに対するコミットメント、ひとしきりお伺いしまして、私も非常に価値観を同じくするものですけれども、次に稲田国務大臣にお尋ねします。
 稲田大臣は、かねてよりTPPに反対すると明言してこられました。TPP推進論者がバスに乗り遅れるなというフレーズを繰り返し使うことに対して、バスに乗り遅れるかどうかじゃなくて行き先が大事なんですよ、行き先が分からないバスに国民を乗せないでいただきたいと二〇一一年十月二十六日の外務委員会でおっしゃっています。また、同年十一月七日の産経新聞「正論」では、TPPバスの終着駅は日本文明の墓場なのだと書かれております。
 稲田大臣は、なぜTPPバスの終着駅が日本文明の墓場だとお考えなのですか。
○国務大臣(稲田朋美君) 民主党政権下において、野党の一議員といたしまして民主党政権の外交方針等を批判する一環として、当時のTPP参加に前のめりな姿勢について反対の論陣を張ってきたことは事実でございます。
 また、今委員が御指摘になったようなことを国会でも、また党内でも発言をし、そしてそれが基になってJ―ファイル、また自民党の公約の集約をしております。私自身も自民党のJ―ファイル、公約を選挙で戦って、前回の選挙を戦ってきたところでございます。それ以上でも以下でもございません。
○安井美沙子君 後ほどこのJ―ファイルについても、私、資料に用意しておりますので質問しますけれども、民主党の外交姿勢に対する御意見にはとどまらない発言を散見いたします。
 例えば、「ウィル」二〇一二年一月号では、農業だけの問題ではなくて日本の文明、国柄の問題であって、参加すれば日本の国柄が破壊されると、こういったことをおっしゃっています。これは政治家としての価値観による御発言だと私は理解しております。
 さて、稲田大臣、二〇一二年一月号の「ウィル」で、このバスは途中下車できないバスであるとされています。また、御自身のブログでは、TPP交渉参加の即時撤回を訴えていらっしゃいます。民主党政権下でも撤退できないと明言したことはないはずなんですけれども、そもそもTPPの交渉は主権国家同士の条約交渉なので、国際法上、交渉からの撤退ができないということはあり得ません。なぜTPPは途中下車できないバスなのでしょうか。
○国務大臣(稲田朋美君) 当時、TPPの問題について党内で政府の関係者に来ていただきまして、政府の、民主党政権のTPPの基準は何であるかということを何度も伺いました。そして、それは国益を守ることであると。国益を守るとは一体どういう基準でしょうかという質問をいたしますと、国益を守るとは国益を守るということでございますという答弁に終始をし、一体何を基準に国益を守るのか、守るべきものは何なのかという基準が一切示されなかったわけでございます。
 そういう、何が国益であるかという基準もなしにこういう大変難しい外交交渉に臨むことは私は非常に危険だと思い、そのような発言をいたしました。
○安井美沙子君 なぜ途中下車できないかという表現は、要は途中で国益にかなわないという判断をしたら撤退ができるかどうかということですけれども、これをもって途中下車できないということは私は到底理解できないわけでございます。
 先ほど稲田大臣が御指摘されたこのJ―ファイル、資料の二ページに御用意させていただいておりますけれども、大臣は、この一連の発言あるいは御主張がこのJ―ファイルに結実したとおっしゃっております。安倍総理がTPPへの交渉参加を正式に表明したわけですから、この六つの条件のうち一つでも守れなかったらTPP交渉から離脱すべきだとお考えだと理解してよろしいですか。
○国務大臣(稲田朋美君) このJ―ファイル及び公約で主張したことは国民との約束であるというふうに感じております。
○安井美沙子君 明快にお答えいただきたいんですけれども、もし一つでも守れなかったらTPP交渉から離脱すべきだとお考えでしょうか。
○国務大臣(稲田朋美君) 私は、ここで約束をしたことは国民との約束であると考えております。
 また、外交交渉については、総理の専権事項だと思っております。
○安井美沙子君 万が一、安倍総理がこの六つの条件のうちどれかが守れないままに交渉締結に突き進んだ場合には、大臣はどうされるんでしょうか。いずれかの条件が満たされない場合、TPPを保守の正念場と位置付けられている稲田大臣は、閣議決定の際に職を賭して署名しない覚悟がおありですか。
○国務大臣(稲田朋美君) 仮定のことについてはお答えを差し控えます。また、所管外のことについて個人的な見解をお答えすることは差し控えさせていただきます。
 当然のことながら、安倍内閣の一員として職務に邁進する所存でございます。
○安井美沙子君 時間がもったいないのでこの辺でやめますけれども、一政治家として、私のような新人議員でも、何か発言したら、その発言について一生それを引きずらなければいけない、その十字架を背負うという覚悟を持っております。これまで種々非常に強い発言をされていること、それを先生の支援者たちがみんな受け止めて先生を応援していらっしゃると思うんですけれども、そういったことをよく、正念場とおっしゃっているからには、肝に銘じてこの閣議決定の際には臨んでいただきたいとお願い申し上げます。
 さて、次にインフラ輸出についてお伺いいたします。
 民主党政権下においても、枝野大臣が熱心にトップセールスを行うなど、インフラ輸出に積極的に取り組んでまいりました。単品勝負では人件費の安い国に負けてしまうとしても、システムとして機能させること、また十年、二十年のメンテナンスまで含めて考えたときに日本に圧倒的な競争力があると私も考えておりまして、先日、ODA等特別委員会の派遣でベトナムに行ったばかりなんですけれども、パッケージ型インフラ輸出の実例を見て日本の強みを確信したところです。
 資料の三ページを御覧ください。
 ベトナム・ロンアン省の環境配慮型工業団地関連事業、これはJICAの海外投融資再開の第一号案件になります。日本の企業とベトナムの企業が合弁で事業会社を設立し、工業団地向けの排水処理施設、浄水施設の設置、運営を行うというものです。事業費五十四億円のうち、JICAが三十八億円を限度に融資することになっております。
 この海外投融資、民間セクターによる融資が困難な事業について、JICAがリスクを引き受けて投融資を行うというものです。円借款が相手国政府を融資相手としているのに対して、直接に企業などが実施する事業に対して融資するもので、発展途上国では近年公共事業においてPPPのスキームが主流となっていることから、日本がインフラ・システム輸出を拡大するに当たって、私は海外投融資の重要性がより増してきたと思っているのですけれども、茂木大臣の御見解はいかがでしょうか。
○国務大臣(茂木敏充君) 日本のインフラそしてシステムの輸出、前政権のときから積極的に取組をされてきたと。やっぱりこれは日本の技術、そしてノウハウの結晶だと思います。
 例えば鉄道網、鉄道を最初につくったのはイギリスでありますけれども、発車時間そして到着時間、これの遅れのなさということで圧倒的に日本は世界一です。恐らくイギリスの十倍ぐらいの精度でこの発着というものが行われていると。
 さらには、御指摘いただいたような水の管理のシステムだったりとか、様々な分野で日本というのは強みを持っております。上下水道が一番漏れない国、これが日本であるのは間違いありません。そして、こういったプロジェクト、なかなか大きなプロジェクトであり、またリスクも伴います。そういったことに対して、JICAであったり、JBICであったり、JOGMECであったり、やっぱりJの付く機関、これがもっと頑張った方が私はいいと思います。
 そういったことを積極的に進めていく、こういった意味からも、先週、政府に経協インフラ、これの関係閣僚会議というのをつくりまして、経済協力とインフラの展開、こういったのを一緒に連携をもっと取りながらやっていくような体制をつくったところであります。
○安井美沙子君 是非この海外投融資、経産省も注目していただきたいと思います。
 しかし、現地で事情を聞きますと、まだまだいわゆる袖の下、これがまかり通る文化が残り、インフラ輸出においては、現地政府関係者の腐敗という問題を避けて通ることができない実態を認識する必要があると思っています。例えば、ナイジェリアでは、日本企業と欧米企業のジョイントベンチャーが巨大な液化天然ガスプラントを造ろうとして、イギリス人弁護士のエージェントを通してナイジェリア政府高官に巨額の賄賂を贈ったという事件がありました。アメリカ司法省が捜査をした結果、日本企業は二・二億ドルを支払って和解したと聞いております。国際商取引の公正を害する賄賂商法に対して極めて厳しい目が向けられているというのが世界の現状です。
 ベトナムでも、円借款五百五十億円を投じて造られたサイゴン東西ハイウエー事業で、日本の大手建設コンサルティング会社であるPCIが会社ぐるみでホーチミン市政府高官に賄賂を贈ったとして立件され、外国公務員贈賄罪で二〇〇九年に有罪が確定しております。
 この外国公務員贈賄罪とは、国際ビジネスに関して、外国の公務員に対して賄賂を贈る行為を自国の国内法で取り締まる犯罪のことで、我が国では経済産業省の所管する不正競争防止法で処罰されております。この外国公務員贈賄罪について、日本はまだまだ執行が十分ではないという指摘がありまして、OECDの報告書でも指摘されております。
 さて、先般の新聞報道によれば、日本の上場企業がフィリピンでのカジノ事業に関係して、フィリピン政府の関係者に賄賂を贈ったのではないかという疑惑が取りざたされ、アメリカFBIとフィリピン国家警察が捜査しているとのことです。また、フィリピンの下院議員は公聴会を開いてこの件について審議している最中です。
 国際商取引における公正な競争の確保は経済産業大臣の重要な職責であり、また本委員会も公正な取引に関する調査を使命としております。この事案について、茂木大臣はどのような問題意識をお持ちですか。
○大臣政務官(佐藤ゆかり君) 安井委員にお答え申し上げます。
 まず、外国公務員等に対します贈賄罪の導入経緯でございますけれども、経済産業省が所管をいたしておりまして、まずはOECDの国際商取引におけます外国公務員に対する贈賄の防止に関する条約を国内で実施するために、平成十年に経産省所管といたしまして外国公務員贈賄に関する規定が不正競争防止法の中で盛り込まれた経緯がございます。
 委員御指摘のとおりでございまして、外国公務員贈賄罪と申しますのは、国際的な商取引に関しまして、営業上の不正の利益を得るために行う外国公務員等に対する利益の供与やその申込み等につきまして、これを禁止し、そして刑事罰の対象としているものでございます。
 今委員が御指摘いただきましたような様々な観点、実は昨年、二〇一二年でございましたけれども、OECDの中にございます贈賄作業部会というものが定期的にモニタリングをし、その実施状況を観察をしておりますけれども、我が国日本が昨年はモニタリングの対象となりまして、この作業部会から勧告を受けた経緯がございます。
 この勧告内容につきましても、基本的には経済産業省のホームページ等で外国公務員贈賄罪に関する情報の見やすさを向上することですとか、外国公務員贈賄防止指針を積極的に広報をする等の、特に中小企業の取組により積極的に関与をすること、そしてまた、法律の執行当局に対して疑義が経産省に寄せられた際にどのように伝達をし紹介をしていくかと、こういった明確なガイドラインを設置すること、こうした内容が勧告になされております。
 経済産業省といたしまして、パンフレットの作成やジェトロなどの関係団体に積極的な情報配布をいたしますと同時に、また、外国公務員贈賄が疑われる情報が経産省に届いた場合には速やかに法執行当局に情報提供をし、今後とも周知徹底の活動に尽くしてまいりたいと思っております。
○安井美沙子君 今日は佐藤政務官には陪席は許可を差し上げたんですが、答弁はお願いしておりません。また、私の質問に対して全くお答えいただいておりません。
 大臣は私が申し上げたこのフィリピンの事案についてどのような問題意識をお持ちですかと伺いました。
○国務大臣(茂木敏充君) このフィリピンの事案につきましては質問の通告受けておりません。
 具体的に、個別の事案でありますから、内容につきまして精査しまして、改めて、もしよろしければ報告をさせていただきます。
○委員長(増子輝彦君) よろしいですか。
○安井美沙子君 はい、結構です。
 ちなみに、大臣にお伺いしますけれども、不正競争防止法十八条に言う外国公務員には、外国政府の外郭団体上層部関係者も含まれるのでしょうか。
○国務大臣(茂木敏充君) 御質問のありました不正競争防止法第十八条第二項ですね、具体的に含まれますのは、外国政府又は地方公共団体において立法、行政、司法機関に属する狭義の外国公務員、第一号、これがまず規定されております。これ以外に、公的機関に従事する者、これが第二号です。そして、公的な企業に従事する者、第三号。公的国際機関に従事する者、第四号。外国政府等から権限の委任を受けている者、第五号が外国公務員等と規定をされております。
○安井美沙子君 分かりました。
 次に、時効についてお尋ねします。
 外国公務員贈賄罪の時効期間は五年ですが、賄賂が海外に送金された場合は時効期間はどこから起算するのでしょうか。法務省、お願いします。
○政府参考人(岩尾信行君) 公訴時効の起算点につきましては、刑事訴訟法の二百五十三条第一項に規定されておりまして、それによりますと、犯罪行為が終わったときから進行するものとされております。
 そこで、その犯罪行為の終了時点がいつであるかでございますが、事案に即して収集された証拠に基づいて個別に判断されるべき事柄でございますが、一般論として申し上げれば、外国公務員等に対する不正の利益の供与等の罪は、外国公務員等に対して金銭その他の利益を供与するなどした場合に成立するものでありますため、利益を供与するなどの実行行為が終了したところから公訴時効が進行するものと考えられます。
○安井美沙子君 ありがとうございました。
 海外投融資の話に戻しますけれども、インフラ輸出という意味では、やっぱり経産省のど真ん中の領域ですので、海外投融資あるいは途上国支援だから外務省とか、公共事業だから国交省とかいうような省庁の縦割りを廃して、是非、先ほど大臣がおっしゃったように有機的な連携でこの経済効果を最大限にしていただきたいと思います。むしろ、もっと言いますと、経産省がイニシアチブを取っていただきたいぐらいに思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 さて、インフラ輸出の中で、原子力発電所のケースについてお伺いします。
 福島第一原子力発電所の大事故を起こしておきながら他国に原子力発電所のパッケージインフラを輸出するのを継続するのかという議論がありました。民主党政権は、脱原発に向かいながらも、原子力安全条約の趣旨に照らして、相手国に高い水準の安全性を有するものを提供することには意義があるとし、原発の海外輸出方針を続行しました。
 自民党政権でもこの方針は変わらないのでしょうか。原発のインフラ輸出に関するお考えを御説明ください。
○国務大臣(茂木敏充君) 原発のインフラ輸出、これに関しては、まず福島第一であれだけの事故が起こってしまった、この教訓、反省、そういったものを十分踏まえた上でなければいけない、そんなふうに私は考えております。
 その上で、私も、先日もサウジ、アブダビに行ってまいりました。また、毎週のように各国からエネルギーの担当大臣、訪日をされまして様々な会談を行っておりますけど、日本の原子力の技術、そしてまた運営のノウハウ等々に対する国際的な評価は極めて高い、こんなふうに私は考えております。
 その上で、今後、我が国、そういった世界最高水準の技術を有するわけであります、そしてまた今回の事故の教訓から学んだことも多い、こういったことを世界と共有していくということは極めて重要だと考えております。そして、世界の原子力の安全の向上に貢献をしていく、このことも日本としての責務だと考えております。
 今後の具体的な対応の方針でありますが、やはり相手国の事情、そしてまた意向、これも踏まえなければいけない。相手国がそれほど望んでいないのに、日本から全世界に向けてと、こういう話にはなかなか私はなりにくい部分もあるなと。ただ、ニーズがあるのも確かでありますから、そういった相手国の事情から原発が必要であると、そしてまた、その国が日本の技術やノウハウ、こういったものを求めている、そういうことに対しては、世界最高水準の安全性を有する技術といったもの、また人材といったものを提供していきたいと考えております。
○安井美沙子君 ありがとうございました。
 関連で、次に、安倍政権のエネルギー政策について伺います。
 民主党政権が打ち出した革新的エネルギー・環境戦略というのを白紙撤回されて、先週の金曜日に総合エネルギー調査会の総合部会というのが開かれたということで、そのときに、エネルギー基本計画は年内にまとめる、しかし、エネルギーミックスについてはやはりまだ時間を掛けて、十年程度なんでしょうかね、検討するということになったとお聞きしているんですけれども、そのような理解でよろしいですか。
○国務大臣(茂木敏充君) 基本計画につきましては、総合部会での議論が始まりました。年内に大きな方向性について取りまとめをお願いしたいということで議論をスタートしていただいております。
 一方、エネルギーのベストミックスの話でありますが、我々としては十年以内といったことでエネルギーのベストミックスを決めていきたい。そこの中で、まず当面これから三年、再生可能エネルギーそして省エネルギー、どこまで導入できるか、どこまで拡大できるか、最大限の努力をしていきたい。
 一方、原発につきましては、安全性、これをあらゆる事情に優先をする。そして、この安全性の確認につきましては、原子力規制委員会、これの新しい安全基準に従って行う。安全委員会が安全だと確認されない限り再稼働はあり得ません。一方で、規制委員会によりまして安全性が確認された原発については、その判断を尊重して再稼働を進めていきたいと思っております。
 恐らく、エネルギーのベストミックスを決める、数字を仮置きするというのはいつの時点でもできると思います。それがどこまで根拠を持つかということが極めて重要だと思っておりまして、例えばエネルギーでいいますと、その供給、発電側があります、そして電力でいいますと送配電に当たる流通の部門、それから最終的な小売、消費、それぞれの部門でこれから様態が大きく変わってくるんではないかなと思っております。
 例えば、再生可能エネルギーについても、どこまで本当に今後伸びていくかと。これはコストとの見合いもあります、技術の問題もあります。風力でいいますと、これは送配電網をどうしていくか、こういう設備投資の問題も出てきます。さらには、例えば火力でいいましても、シェールガスが出たということによって、国際的にやはりLNGの国際市場は大きく変動している。こういった状況も見極めていかなきゃならない。さらには、環境との関係を考えたときに、石炭火力と、Jパワーの石炭火力なんてすごいですよ、今まで我々が思っていたイメージの石炭火力と全く違う、そういった高効率の火力発電がどこまでできるか、こういった問題もあります。そして、さらには、日本に近いところでの、日本の近郊での、日本の国内での様々なエネルギー、先日もメタンハイドレートの試掘、世界で初めて海上での減圧式の試掘に成功いたしました。こういった供給面でも大きな変化が今ある。そして、流通面でいいますと、これから電力システム改革を進める、こういった中で流通も大きく変わってまいります。
 さらに、最終的には、今までエネルギー政策、これはまさにディマンド、需要を所与のものとして、需要というのは決まっているんだ、それに対して供給を積み上げる、こういう発想が強過ぎた。これからはやっぱりこのディマンドの部分もピーク等に合わせてコントロールをしていく。実際にいろんな実証実験行っておりますけど、北九州の実証実験なんかの場合は、ピーク時、夏のピーク時の値段を高くして、それ以外の時間の値段を安くする、こういう使用メニュー、料金メニューでやりますと電気の使用量が二割ぐらい落とすことができる、こういった実証実験の結果も出ております。
 そうなると、生産、発電、流通、送配電、最終的には消費というものがこれから大きく変わっていくんだと思います。そういった動向を見極める中でこのエネルギーのベストミックスを決めていきたい、そんなふうに考えております。
○安井美沙子君 今大臣がおっしゃったこと、私よく分かります。一つ一つの課題が余りにも流動的で、真剣にやったら、ある程度誰がやっても時間が掛かると、衆議院の予算委員会でおっしゃったこの言葉も深く受け止めました。
 しかしながら、これやっぱり十年は長いと思います。茂木大臣のお仕事の仕方を考えますと、これ十年も掛かることなのかと。あるいは、十年も掛けていいのかと思います。茂木大臣、経産大臣を何年されるつもりなのか分かりませんけれども、十年というタイムスパンを掲げた途端に、私は、自民党政権というのは無責任だと、責任を取らないつもりなんだなという印象を持ってしまうんですね。
 茂木大臣、所信表明の中でJAXA「はやぶさ」のプロジェクトマネジャーの言葉を引用されまして、高い塔を建ててみなければ新たな水平線は見えない、最初にどういう社会をつくっていくかという高い塔が必要であるとおっしゃいました。私は、エネルギー戦略においても同様で、まずは国家としてのエネルギー戦略ビジョンありきであるべきではないかと思うわけです。
 民主党政権が閣議決定した革新的エネルギー・環境戦略、これ確かに放射性廃棄物の最終処分など詰め切れていない部分がたくさんありましたけれども、これは、政府・与党内での真剣な議論を経て、原発事故を経験した日本が取るべきエネルギービジョンとして何を示すべきか、かんかんがくがくの議論をしまして、日本経済に多大な負の影響を与えかねない拙速な脱原発はできない、しかしできるだけ早く脱原発をしたいというせめぎ合いの中で出した結論なんですよ。
 私はお聞きしたいのは、自民党政権には、日本をどういう国にしたいのか、どういう日本を子や孫の世代に残したいのか、それを実現するためのエネルギーミックスはどうあるべきかという哲学はないのかということなんですね。数合わせのエネルギーミックスじゃなくて、こうあるべきだ。
 例えばドイツは、もう福島原発事故の後すぐ脱原発を掲げました。いろいろドイツは事情が違います。石炭資源も豊富だし、隣のフランスから安く原発でできた電力買っているわけですから、脱原発といったっていろいろ事情は違いますけれども、とにかくその思想を掲げて国民のコンセンサスを得て、それでもってそれぞれの再生エネルギーやいろんな分野にどのくらい人、物、金を投資していくかということが決まっていくわけですね。積み上げでやっていったら、やっぱり投資の分配を正しくやっていくということがどんどんどんどん遅れていくんです。
 そういう意味で、私は、エネルギーについての自民党政権のビジョン、哲学というのは一体どうなっているのか、これをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(茂木敏充君) 安井委員、私の性格もよく御存じなんだと思います。その性格の私が十年以内と言っていると、それぐらいやっぱり時間が掛かる問題なんだと、そんなふうに私は考えております。
 ただ、そこの中で私が申し上げたいのは、やる重点というのは絞っていきたいと。ですから、冒頭、まずは今後三年間、再生可能エネルギー、省エネルギー、これの最大限の導入、拡大、これを最優先で進める、こういったお話も申し上げております。そして、電力システム改革についても、やりますというだけじゃなく、具体的なスケジュールまで今詰めているところであります。
 全体の完成が大体二〇二〇年、これくらいになってまいります。恐らくこれから七年後ということになるわけでありますけれども、そこいら辺のところで、どこまでの全て、つまり生産、調達から始まって消費、需要までの動きが出てくるか、こういったものが私は見えてくるんではないかなと。重点は置かさせていただきますけれども、数字を置くということはなかなか難しい。ただ、高い塔といった意味では、きちんと今後のエネルギーの在り方、日本のエネルギー政策はどうあるべきか、これは打ち出していきたいと思っております。
○安井美沙子君 大変御丁寧な御答弁、この質問を通して、ありがとうございました。
 エネルギー政策についてもまだまだお伺いしたいこともありますけれども、今後の委員会でまた一つ一つの課題についてお伺いしたいと思います。また、中小企業政策についてもちょっと聞く時間がなくなってしまいましたけれども、今後また議論をさせていただけるのを楽しみにしております。
 今日はありがとうございました。質問を終わります。
○大久保勉君 民主党の大久保勉です。
 最初に、茂木大臣に質問したいと思います。質問通告をしていなかったんですが、国民が関心があるということで、福島第一原発で起きました停電事故に対して、どういった原因であったのか。また、今後、福島原発の今後の事故収拾の工程表に影響するか。この点に関して是非簡潔に説明をお願いします。
○国務大臣(茂木敏充君) 配電盤を中心とした不具合が出たということでありまして、細かい説明、必要であれば説明、資料に基づいてやらさせていただきたいと思いますが、事故が発生した当日、私も事務方を通じて連絡を受けました。そして、東電の方に対しても、責任ある決定できる人間、それがきちんと出社をし、また現場に出向き、そこの中でこの事故の収束に早期に当たるようにという形で、ほぼ報道のとおり、順次電源の回復、行われたものだと思っておりまして、今後の大きなスケジュールに今回の事故が影響するとは考えておりません。
○大久保勉君 是非、大臣のリーダーシップを期待したいと思います。
 それでは、先ほど、安井委員とのやり取りに関してふと思ったんですが、大臣はTPP交渉参加に賛成ということですね。端的にお願いします。
○国務大臣(茂木敏充君) TPPの交渉参加につきましては、安倍総理が、先日のオバマ大統領との首脳会談で、このTPPが聖域なき関税撤廃を前提とするものではないと、こういう確認を取り、そして国内に戻りまして様々な声、これを聞いた上で、最終的に参加ということで決断をされました。今後は、まさに国益を懸けた交渉に政府・与党一丸となって臨んでいきたいと、このように考えております。
○大久保勉君 いや、大臣、しっかり言ってくださいよ。あなたは賛成ですかということです。
○国務大臣(茂木敏充君) 賛成、反対というより、この交渉参加を決断されて、まさにこれから交渉に向けた準備を進める、そして交渉に入っていくわけであります。賛成というより、私はその当事者の一人として全力を尽くしていきたいと思っております。
○大久保勉君 いや、よく分からないですね。TPP参加に対して賛成か反対か、これからいろいろ閣内で議論をすると思いますから、あなたは政治家として賛成するということで了ということですね。
○国務大臣(茂木敏充君) 正確に申し上げたいと思うんですけれども、私は評論家ではありません。外から見てこれが、何というか、賛成、反対というより、当事者の一人としてしっかり交渉に臨んでいきたいということであります。
○大久保勉君 当事者の一人としてしっかり交渉に上るということは、TPP交渉にあなた自身が参加する、そこに対してしっかりと皆さんに表明するということですね。
○国務大臣(茂木敏充君) 既にこの問題につきましては、安倍総理が交渉参加、これを表明されました。そして、日本経済再生本部、これは全閣僚が出席する会議であります。そこにおきましても、安倍総理から、その参加と、こういう決断が示され、全員が了解をしたところであります。
○大久保勉君 ということは、そこに参加されていたあなたも、また稲田大臣も反対しなかったということですね。じゃ、両名からお願いします。
○国務大臣(茂木敏充君) 総理の決断、これを支持いたしました。今でも支持いたしております。もちろん、交渉に臨んでいくと。
 ただ、語弊がありますのは、参加に賛成か反対かと、こういう外部の立場ではない、これからまさに国益を懸けた交渉に臨んでいくと、こういう主体的な立場で私は答弁を申し上げております。
○国務大臣(稲田朋美君) 私も安倍内閣の一員として、総理の方針に従って私の職務に専念する所存でございます。
○大久保勉君 ここに関してはこれから十分に時間を取ってあります、後で。でも、どうしてこういう発言になるか、私は疑問ですね。
 日本農業新聞に、第四十六回衆議院選挙でTPP交渉参加に反対することを条件に推薦をした議員の一覧表があります。両大臣、農政連から推薦をいただいたんですか、それともいただいていないか。そのときに、農政連が求めるTPP交渉参加に反対するということで同意したのか、両名お願いします。
○国務大臣(茂木敏充君) 御推薦いただいております。そして、JAとの間では、例外なき関税撤廃を前提にする限りTPP交渉参加に反対と、これはまさに私が政調会長時代に党としてまとめた政権の方針、公約であります。この我々の公約について確認をさせていただきました。
○国務大臣(稲田朋美君) 私も十二月の総選挙において、福井県農政連の推薦をいただいております。そして、今、茂木大臣がおっしゃいましたように、公約に従って確認をしているところでございます。
○大久保勉君 両名の政治家、思想信条に関してはしっかりとしたものがあると思っておりました。是非、自分の考えをしっかりと通して、必要なときは反対若しくは賛成、はっきり言ってほしいと思います。
 例えば、TPP参加の即時撤退を求める会、これは自民党にございますが、両名は参加されていますか。
○国務大臣(茂木敏充君) 参加いたしておりません。
 ただ、事務所間のやり取りの中で、名前が一時間違ってホームページに記載した時期がありますけれど、私が了解して参加をしたということはございません。また、もちろんその会合には一度も出席をいたしておりません。
○国務大臣(稲田朋美君) 参加をいたしておりました。
○大久保勉君 この辺り、これから面白くなりますから、これは後でやりたいと思います。
 最初に、電力システム改革に関して質問を大臣にしたいと思います。
 電力システム改革委員会報告書によりますと、電力システム改革の工程、特に第三段階で、発電、送電、そして配電の法的分離について閣議決定をするということが報道されております。この第三段階での法的分離は、二〇一八年から二〇二〇年をめどとするということでよろしいんでしょうか。
○国務大臣(茂木敏充君) 送配電の分離につきましては、既に電力システム改革専門委員会で検討がこれまで行われてきまして、十数回の御議論をいただきました。そして、その報告書の中で、実質的に送配電部門の中立性、独立性が確保されることが重要、こういう考え方に立った提言が行われておりまして、その時期につきましては、二〇一八年から二〇年、こういったことの提言が行われております。
 その提言も踏まえまして、今、政府として最終的にどういった形でこのエネルギーシステムの改革についての方針を取りまとめるか今鋭意協議を行っておりまして、これがまとまりましたら閣議決定をさせていただきたいと、そのように考えております。
○大久保勉君 これに関連しまして、一昨日の大臣所信で、電気事業法の一部を改正する法律案を今国会に提出するということであります。その中に、二〇一八年から二〇二〇年を目途に発送電の法的分離をするプログラム立法が入っているという報告を受けておりますが、そういった理解でよろしいですか。
○国務大臣(茂木敏充君) 今まさに政府方針をこれから決定していくという段階であります。そして、その政府方針に沿って所要の法案、国会の方に御提出を申し上げたい、御審議をいただきたいと思っております。そして、まだ政府方針も閣議決定しておりませんので、その後の法案は確実にこうなりませんということはこの場では申し上げられませんが、でき得れば電力の広域系統運用機関、この議論だけにとどまらず、全体の改革、これについてパッケージでお示しできるような形が望ましい、このように思っております。
○大久保勉君 ということは、大臣は、大臣として発送電の法的分離というのはしっかりとやらないといけないと思っていらっしゃるという理解でよろしいですか。
○国務大臣(茂木敏充君) 実質的に送配電部門の中立性、独立性が確保されることが重要だ、こういう専門委員会の御提言もいただいております。これにつきましては私も全く同じ意見であります。
○大久保勉君 了解しました。いわゆる報告書どおりに大臣は思っているということでありますから、恐らくは法律が出てくるし、また閣議決定も近々あり得るというふうな理解をしております。
 どうしてこういった質問をするかといいましたら、実は、閣議決定をして公式に政府が決定した場合に、いわゆる電力債の市場であったり、若しくは銀行融資に多大な影響があるということなんです。特に電力債、一般担保という条項がありまして、その担保がどうなんだとか、さらには、銀行にとりましては、恐らく電力債と銀行融資で二十五兆円の規模があります。これが本当に返ってくるのか、こういった問題です。ですから、五年から七年先のことでありますが、融資をしている銀行若しくは電力債にとりましてはもう明日の問題というふうになります。そういう意味で、しっかりと政府は、どういったリスクがあるか、この辺りをしっかりと認識する必要があります。
 例えば、大臣、閣議決定をした場合に、電力債市場若しくは銀行にとってどういう問題があると思いますか。
○国務大臣(茂木敏充君) 大久保委員もマーケットのことをよく御存じだと思います。この問題につきましてマーケットがどういう反応をするか、そういったことについては慎重な答弁にならざるを得ないと、私はそんなふうに思っております。
 具体的に個々の事項についてどういう懸念を委員なりがお持ちなのかと、そういう御質問をいただきましたら、お答えできる範囲でお答えさせていただきます。
○大久保勉君 今回の問題は、最大の問題は、原子力発電所が再稼働せずに法的分離をした場合に、いわゆる融資が焦げ付く、若しくは電力債が返ってこないリスクがあるんじゃないかと思います。これは一般的にマーケットの専門家の方で議論されております。
 そこで、質問したいのは、いわゆる法的分離といいますのは、原子力発電所が再稼働することが前提条件であるという理解でよろしいですか。
○国務大臣(茂木敏充君) 電力システム改革を実施するに当たりましては、安定供給の確保、こういったものは大前提だと考えております。
 法的分離を行うにしても、機能分離にするにせよ、送配電部門の中立化に当たっても、電力の安定供給に必要となる資金調達に支障を来さない方策を講じるということが必要なわけでありまして、改革の実施には、先ほども最終的には二〇二〇年というお話申し上げましたが、相応の時間を要するため、それまでの間に、安全性が確認された原子力発電所の再稼働であったりとか、さらに燃料調達費、シェールガスであったりとかいろんな形でそれのコスト低減が図られる、また石炭火力の高効率化が進んでその導入が進むと、そういった環境変化も当然その間には考えられるわけでありまして、資金調達環境、少なくとも今よりは改善しているということが期待をされるわけであります。
 ただし、万が一、送配電部門の中立化の際に資金調達環境が改善しない場合には、例えば、委員の方からも御指摘いただいた一般担保付きの社債の発行であったりとか連帯債務等の取扱いについては、グループ一体としての資金調達をこれまでと同様に一定期間行えるような措置を講じることなんかも将来的には一つの考え方であると思っております。
○大久保勉君 最後の部分は非常に重要だと思いますが、資料の方を準備しました。
 資料一、電力システム改革を進める上での留意事項ということで、例えば電力債に関しましては、NTTの再編のときに行ったように、電気事業法の例えば三十七条をしっかりと変えて、既存の電力債の投資家を守っていく、既存の銀行融資、つまり、この場合は銀行ですから銀行の融資を守っていく、こういった理解でよろしいんでしょうか。
○国務大臣(茂木敏充君) 送配電部門の中立化が実施される前に発行した一般電気事業者の社債、既発債についてお答えをすればよろしいですか。それでよろしいですか。
○大久保勉君 それと、銀行の方もです。
○国務大臣(茂木敏充君) まず、その既発債について申し上げますと、財産上の権利に実質的に影響を与えない、このことがまず一番必要だと思っておりまして、平成九年のNTT法の改正では、NTTを株式会社化するに当たって、そのときまでに発行されている社債に係る債務について、関係会社間の連帯債務とするといった措置を講じているところであります。
 こうした立法例を参考にしつつ、今後具体的な方策を検討していきますが、いずれにしても、既発債の債権者の権利に実質的な影響を与えない、こういった方策を取っていくということが必要だと、このように考えております。
 そして、仮に法的分離が選択をされた場合、分社会社が行われる場合には、社債以外の既存債務が持ち株会社又は親会社に引き継がれる限り、会社法上、債権者、これが銀行等になってくるわけでありますけど、の承諾を得ることを含め、特段の手続は必要ないと、こういうふうに認識をいたしております。ただ、実務上の問題で申し上げますと、金融機関等との契約上、会社分割等について債権者の承諾が必要になることもありますので、協議の結果、連帯債務等によりグループ全体で既存債務を負担することとするケースもあると、このように認識をいたしております。
 いずれにせよ、電力システム改革を円滑に進めるためにはどのような環境整備が必要か、市場関係者の声にも耳を傾けながら更に検討を深めていきたいと思っております。
○大久保勉君 憲法は財産権の保障をしております。例えば、電力債の一般担保状況であったり、既存の銀行が融資をしておりますが、その条件が一方的に劣化するといった場合には憲法上の問題があります。そういったことを踏まえて、いわゆる既存の投資家、既存の銀行には影響を及ぼさないと、そのことを表明してもらいましたら、恐らくはいわゆる電力債市場、電力発行のCP市場等にも大きな悪影響はないと思います。
 このことを認識されて、もう一度答弁をお願いします。そのことを是非約束してもらいたいと思います。
○国務大臣(茂木敏充君) 基本的な認識につきましては委員と認識を共有しております。ただ、今後、実際に改革がどう進んでいくか、そういった中で資金調達環境はどうなっていくのか、こういったことも見極めながら、安定供給に支障を来さない、そして資金調達に支障を来さない、こういう方策をきちんと取っていきたいと考えております。
○大久保勉君 次に、各論に入りたいと思いますが、法的分離をする場合にどういう形の会計処理をするのか。大臣の場合は、マッキンゼーにいらっしゃいましたので、この辺りは非常に明るいという意味で質問します。
○国務大臣(茂木敏充君) 極めて専門的といいますか、細かい議論に入っています。もう一回確認をします。法的分離に関しての会社の資産、負債の取扱いについてお聞きになられているということでよろしいんですか。
 送配電部門の中立性確保の方策として、仮にでありますが、法的分離が選択された場合、会社法に基づく会社分割の方法のうち、恐らく吸収分割よりも新設分割、これを用いることが典型的だと、そんなふうに考えております。
 そして、新設分割に際して一〇〇%子会社を設立する場合、元の会社が行っていた事業への投資が子会社を通じて一体として継続していると、こう考えられることから、資産、負債のいずれについても、時価評価をして含み損、含み益を認識するということではなく、簿価による承継がなされることが一般的である、このように認識をいたしております。ただ、これ、民間企業の判断であります。それぞれの企業によって適切な方法での対応が図られると、このように考えております。
○大久保勉君 大臣の方で、いわゆる新しい会社というのは簿価で分離するということが説明がありました。
 最初に、私の方は……
○国務大臣(茂木敏充君) 一般的だということですね。
○大久保勉君 一般的だということですね。(発言する者あり)
○委員長(増子輝彦君) 大臣は発言を求めてから答弁してください。
○大久保勉君 一番最初にいわゆる原子力発電所の再稼働が条件、前提かという質問をしたのと関係があるんですが、実は簿価で会社を分割した場合にこういった問題が出てきます。
 資料の二を御覧ください。こちらは、関西電力の連結財務諸表ですが、左側に四角い括弧を付けている部分が二つあります。原子力発電設備、例えば平成二十四年三月三十一日段階で三千六百二十九億あります。その下に核燃料ということで五千二百七十七億。約八千億の資産があります。
 もし、大臣、原子力発電所が未来永劫稼働しないということでしたら、この資産というのは、八千億、どうなると思われますか。
○国務大臣(茂木敏充君) 企業会計においては、投資額の回収が見込めなくなった場合には資産の減損処理を行うと、こういうことなわけですね。そして、原子力発電所、一時稼働していないという状況であっても、未来永劫使えないということを会社側で判断するかどうかということによって、この資産の減損処理、こういうことは当然変わってくるというわけでありまして、じゃ、現時点においてどうであるかというのは、各電力会社が原子力発電所、これは恐らく、これは各会社の判断でありますけれども、規制委員会によって安全性が確認された原発について動かすと、こういうオプションを捨てている会社はないと思います、私は、一般的に考えて。これは各電力会社の皆さんに聞いていただかないと、私の判断ではありませんから。ただ、もしそうであるとすると、廃炉の意思、これは行っていないわけでありますから、各電力会社が、原子力発電所であったりとか、そこにあります様々な施設、それから燃料等について、減損する必要がないとして会計処理は当然行われるものだろうと、こんなふうに思っております。
○大久保勉君 重要なポイントは、いわゆる民間の電力会社が判断することであると。もし原子力発電所が未来永劫動かないということでしたら、これは減損処理をして、この価値は、八千億の価値はゼロにしないといけないと。ただ、将来、原子力発電所が再開するという見込みがあれば、合理的な見込みがありましたら、それは資産として計上できると。ですから、原子力発電所が再稼働しているのか、していないのかというのは極めて大きいものです。
 それが不明な段階で会社の分離をするということだけ先行してしまいましたら、いわゆる公認会計士が承認をしない可能性もあります。実は昨日、この分野で有名な会計士と話をしましたが、当然、原子力発電所が動かないという段階で、簿価でこのことを、いわゆる原子力発電所を引き取ろうとしましてもそれは承認できないと、場合によっては発電分は債務超過になるおそれがあるというような技術的な問題があります。ですから、この辺りをしっかりと議論した上でいわゆる工程表を作ってほしいということです。
 細かいように見えますが、今、電力債を持っている人若しくは電力会社に融資している人は、大体金額が二十五兆円で、二十五兆円を実際に投資家、銀行が融資しておりますから、大変な問題です。ですから、これは七年後の問題ではなくて、今の問題であります。この辺りをしっかりと確認した上で次のステップに進めてもらいたいという質問です。
 じゃ、大臣、総括して、この点に関して是非大臣の決意を求めたいと思います。
○国務大臣(茂木敏充君) 原発の再稼働の問題、これにつきましては、新しい法律で独立した原子力規制委員会において安全性の確認を行うということになっております。そして、安全性が確認された上では、個々の炉の設置者におきまして再稼働が可能になるということであります。そして、この新安全基準、この七月にも設定をされると、新しく作られると。そして、それに基づいて規制委員会において順次、各原子力発電所の安全性の確認というのを進めていくものだろうと。それには一定の優先順位、そして同時にスケジュール感といったものを持って安全委員会としてはお進めいただくんだろうと、そんなふうに私は思っております。
 一方で、電力システム改革、これは三段階の改革進めるわけでありますけれども、その法的分離も含めましたこの送配電部門の中立性、独立性の確保の問題、そして最終的な全面的な料金規制、この撤廃の問題、これがスケジュール的には恐らく最後ということになってくるのではないかなと。そして、その時期としては、提言をいただいておりますのは二〇一八年から二〇年、こういうタイムスパンでありまして、両方が全く逆転して、再稼働の問題が全く片付かないうちにこの中立性をどうするかと、こういう判断がなされるようなタイムスケジュールにはなっていない、そのように私は理解をいたしております。
○大久保勉君 長い答弁でしたが、一番最後の部分が非常に重要で、是非大臣の方はしっかりやってもらいたいと思います。
 さらに、万々が一マーケットが悪化するといった場合は、経済産業省若しくは政府としてもしっかりとマーケットを元に戻す、様々な施策が考えられますが、しっかりとやることを表明してもらいたいと思います。
○国務大臣(茂木敏充君) しっかりとした対応を取ってまいりたいと思っております。
○大久保勉君 是非、大臣のリーダーシップに期待したいと思います。
 残り二十分になりましたので、TPPについて質問したいと思います。
 まずは、米国でピックアップトラックというタイプの車が売れております。昨年一年間の自動車セールスランキングのトップテンのうち、ピックアップトラックはどの程度を占めているのか、また、同車種の日本からの対米輸出台数はどの程度で関税率はどのくらいか、仮にTPPによって関税が撤廃された場合、どの程度の経済効果が見込めるか、こういった点に関して質問したいと思います。
○副大臣(菅原一秀君) まとめてお答えをいたしたいと思います。
 まず、昨年の米国自動車市場におきます、お話ありましたピックアップトラック、この上位十車種の中で、フォード、GM、クライスラー、合わせますと大体米国市場の四割を占めておりまして、非常にいわゆる売れ筋になっているととらえております。
 御案内のとおり、米国におけるトラックの完成車の関税率は二五%でありまして、我が国から輸出をしているピックアップトラックは実はないというふうに認識をいたしております。日本の自動車業界からは、現時点において完成車として輸出をしている実績はないというふうにも聞いております。ただし、現地生産で年間二十五万台ぐらいがトヨタとか日産、日本の企業が現地で生産をしている経緯はございます。
 もしこのTPP参加した場合の輸出に関する影響に関しましては、もう委員も御案内のとおり、関税率等々、今後の交渉の中で決めていくべきものでありまして、また、どの国で生産したものをどこのマーケットに売っていくかといったことも、これは関税率のみならず、そのときの為替ですとかあるいは供給能力、いろんなファクターが要因として加味をされなければなりませんので、その製造業者、メーカーの経営判断ということにもよるものでありますので、現時点で政府として見通すということはなかなか難しい状況にあるのではないかと、こんなふうに思っています。
 以上でございます。
○大久保勉君 実は、通告のときには、ある前提を出して計算してくださいということで言ったはずなんです。この分野というのは非常に影響が大きいはずなんです。是非、私が出した前提でどのくらいの雇用若しくは生産になるか、答弁をお願いします。
○副大臣(菅原一秀君) 今、先ほど申し上げたように、現地で日本のメーカーが現地生産をしているのが大体二十五万台というのは承っているんですが、実際問題、完成品として日本から輸出をしているという経緯は現在把握をできておりません。例えば、アメリカあるいはその周辺諸国においてこのピックアップトラックを生産をするに当たって日本のメーカーの部品を輸出をしているという経緯はあるかもしれませんけれども、まあ、あるんだと思います。しかし、大体どれくらいというのは実は現在把握をいたしていないというのが現状でございます。
○大久保勉君 ちょっと時間の無駄でしたね。今の関税二五%が、で、自動車は二・五%です、これが二五%がなくなるといったら相当の効果があるはずですし、そのときに、いわゆる普通自動車の日本の比率というのは容易に想定しますし、日本からの輸出も想定しますから、そういった前提でどのくらいですかと、こういう機械的な計算をお願いしましたが、出せないということですから結構であります。
 では、続きまして、稲田大臣に対して質問したいと思います。実は、手元にこれだけの資料がありますが、稲田大臣がこれまでにいろんな発言をされております。例えば、資料としまして資料の三を準備してまいりました。
 こちらは、「ウィル」、二〇一二年の一月号ということで、TPPは、日本の壊す国と書いて日本壊国宣言だということであります。ここに書かれている内容に関しては、実際に稲田大臣が発言された内容でしょうか。
○国務大臣(稲田朋美君) 私が発言したものを編集者がまとめたものでございます。
○大久保勉君 ということは、例えば左側の中ほどに稲田と書いてありますが、農業だけの問題じゃない、日本の文明、国柄の問題なんです、これにどうして保守派が強硬に反対しないのかがとっても不可思議。これは大臣自身の言葉ですか。
○国務大臣(稲田朋美君) 農業だけの問題じゃない、日本の文明、国柄の問題なんです、これは私の発言です。その後の、こういう表現をしたかどうかはちょっと記憶にはありませんが、当時このような発言をしたとしてもおかしくないと思います。
○大久保勉君 当時そういう発言をしたということなんですが、今でもこのことはそうだと思っていらっしゃいますか。
○国務大臣(稲田朋美君) TPP交渉が農業だけの問題じゃないというのは、二十一分野ですからそのとおりだと思います。
○大久保勉君 例えば、大臣のブログを拝見させてもらいました。例えば、こちらは二〇一二年十月七日ということで、TPPに反対します、なぜならTPPに入ると日本が日本でなくなるからです。三行飛ばして、TPPはお金が全てという考え方です、お金さえあれば必ず食料は手に入るという前提に立たないとTPPはあり得ないのです。三行飛ばしまして、私たちのよりどころである、家族もふるさとも、日本の美の象徴である水田も、世界に誇る国民皆保険制度も、皇室の伝統も、安心、安全もお金では買えません、すなわち日本の国柄や日本人の心をお金に換算することもお金で守ることもできないのです、TPPはまさしく日本であることをやめるのかという国民一人一人の、政治家一人一人の選択の問題なのですということが書かれています。
 まあ、大変思いとしては立派なんでしょう。私の考えとは違います。今でもこのことは、大臣は主張されますか。
○国務大臣(稲田朋美君) 当時は民主党政権であり、そしてこのお示しになった資料も外交敗北とTPPということで、当時の菅政権において、鳩山政権で普天間問題で混乱をし、日米関係ががたがたとなり、そして国益を守るとは何であるかという判断基準もなされないままTPPに前のめりになること、これは私は断固反対をするという立場で、当時、雑誌、新聞、そして今ホームページでしょうか、そこでも発言をしたところでございます。その当時と今とは政治情勢もそれから日米関係も私は大きく違っていると思います。
○大久保勉君 半年間で思い、信念が変わるという政治家ということでありますか。
○国務大臣(稲田朋美君) 私の思いが変わったということではなくて、当時の日米関係そして政治情勢、それは大きく変わっているということを申し上げたところでございます。
○大久保勉君 大臣の方は、いわゆる皇室の伝統や安心、安全はお金で買えませんと、だからTPPには反対するということを実際書かれていますが、今はそういった思いでありますか。
○国務大臣(稲田朋美君) 当時、民主党政権において、何の基準もなく、また日米関係ががたがたになり、信頼関係が破壊された中においてTPPの交渉に参加するということは、私は断固反対をいたしておりました。今、総理は、また当時自民党の中でもそういう発言をし、私の主張なども入れて、茂木政調会長の下で公約、J―ファイルに集約をしたところでございます。
 今、総理は国益を守る、また聖域なき関税撤廃を前提としないという確信の下で交渉に参加をする、また国益と国柄は守るというふうにおっしゃっているわけで、全く状況は違うと思います。
○大久保勉君 ということは、あなたはTPPに賛成なんですね。交渉参加に賛成で、TPP締結にも賛成だということですか。
○国務大臣(稲田朋美君) 私は、総理が聖域なき関税撤廃を前提にするものではないという確信を得られ、またオバマ大統領との間で二時間にわたる会談の末に交渉参加を決断をされた、このことは支持をいたしております。
○大久保勉君 いや、よく分からないですね。
 総理が何だという話ですから、いわゆるあなたは大臣という職の間はTPPに賛成するということでよろしいんですか。一政治家としては、これまでどおり保守の政治家としまして、これまで数年間にわたって発言されたことを撤回しないということですね。
○国務大臣(稲田朋美君) 私が申し上げておりますのは、民主党政権が日米関係をがたがたにした上で、そして何の判断基準もなくTPPに参加することに断固反対をいたしておりました。今現在、総理は公約を掲げて選挙を戦い、そして聖域なき関税撤廃を前提とするものではないという確信を得て、国益の判断基準も示され、そして国柄も守るとおっしゃっている総理の判断には支持をいたしております。
○大久保勉君 なかなかかみ合っておりませんし、この問題は非常に重要な問題でありますから、是非、委員長にお願いして、是非TPPに関する集中審議をお願いしたいと思います。
○委員長(増子輝彦君) 理事会で後日お諮りいたします。
○大久保勉君 例えば、大臣が管轄しております、若しくは経済産業委員会の方で所管しております中小企業の分野に関しても重大な発言がございます。
 これは、こちらの「ウィル」の方の九十四ページぐらいですが、今日は配付しておりませんが、読み上げますと、真面目に物づくりをしている中小企業を守ろうといったとき、TPPをやるなんて矛盾もいいところと述べております。一方で、一昨日、当委員会におきまして大臣は、中小企業に不当に不利益を与えることのないようにする発言もありました。ですから、中小企業政策に対して大臣はどうしていくのか。これまでの発言でしたら、TPPに加盟したら日本の中小企業は大変だといったことを繰り返し繰り返し述べられております。これは民主党政権とは関係ないところだと思います。
 是非、大臣におかれましては、民主党政権のときにはTPPに反対するんだけれども、自分が大臣になったら賛成するよと、こういったことをおっしゃらないようにお願いしたいと思います。
○国務大臣(稲田朋美君) 私はそのようなことは言っておりません。また、当時の発言と現在ここで述べたことに全く矛盾はないと思っております。
 また、中小企業の問題について、ちょっと今日配付されていないので、どのような発言をしたか確認をしてみないと分かりませんが、それはまさしくJ―ファイルの中の政府調達、我が国の特性を踏まえるというのも判断基準になっているところだと思っております。
○大久保勉君 例えば経済産業委員会、こちらは衆議院ですか、平成二十三年四月十三日、稲田委員はこういう発言をされております。私は、TPPに反対です、毎週開国フォーラムをやっておられましたけれども、会場から日本の農業はどうなるんだという質問に対して、農業が打撃を受けないようにするという抽象的な回答に終始されております、こういった発言もありますし、例えばこちらの「ウィル」という雑誌には、国論を二分する問題にもかかわらず、当時の野田総理は全く国会の議論をしなかったと述べていらっしゃいます。
 でも、実際に安倍総理が交渉参加を表明されたのが今月の十五日です。衆議院で集中審議をしたのは十八日です。ですから、あなたが言っているのは、まずはしっかりと議論して総理は表明すべきだと言っているのに、安倍政権がそれと同じことをやっているんじゃないですか。あなたはどう思いますか。
○国務大臣(稲田朋美君) 民主党政権当時、自民党の中で様々な部会でこのTPP問題が議論されました。先ほども答弁いたしましたように、政府関係者が来られて、国益を守るという基準は何なんですかという質問、私も含めて何人もの方がしました。それに対して、国益を守るとは国益を守るということでございますという答弁に終始をされたわけです。それに対して、自民党の中では議論をし、そして、茂木政調会長、そのときは林農林水産大臣が座長であったかと思いますが、国益を守るとはどういう判断基準であるかということを自民党の中で賛成派も反対派も私も含め大議論をしてこの基準を設けたところでございます。私は、全くそれは民主党政権下における議論とは違うと思っております。
○大久保勉君 大議論の中であなたは反対論の急先鋒であります。それがゆえに衆議院選挙の前に農政連から推薦をいただいたと。農政連自身はTPP参加交渉に反対するということが条件であります。推薦をいただいております。さらに、自民党のTPP参加の即時撤回を求める会、頻繁に行われておりますが、参加されております。どう見てもあなたはTPP参加に反対だとしか見えませんし、もしそういった誤解を与えて衆議院選挙に臨んでいたんだったら、是非有権者に対して何らかの説明が必要だと思います。是非説明をしてください。
○国務大臣(稲田朋美君) 何度も申し上げておりますように、私が今、新聞等、雑誌等で申し上げたことを党内でも申し上げ、もちろん参加撤回の議連での中でも申し上げ、それがJ―ファイル、そして公約に集結をしたんです。これは、自民党は、反対意見を言い、賛成意見を言い、いろんな議論をして、最終的に党で決めたことは従うというのが自民党であって、私は何ら矛盾はないと思います。
○大久保勉君 時間がありませんので、別の機会にTPPに関する集中審議をお願いしたいと思いますし、是非地元の後援者の皆さんとしっかりと議論されてください。
 最後の質問になりますが、医療機器に関して質問したいと思います。
 医療機器の流通実態に関する調査報告書というのが平成十七年十二月二十七日に出ています。どのような指摘を公正取引委員会が行い、またその後どのような検証を行っているのか、このことを質問したいと思います。
○政府特別補佐人(杉本和行君) お答えさせていただきたいと思います。
 公正取引委員会では、毎年経済事業につきまして実態調査を行っておりますが、平成十七年には従来から内外価格差の問題が指摘されておりました医療機器につきまして、ペースメーカー、PTCAカテーテル、MRI及び腹腔鏡の四品目を対象として調査を行いまして、その結果を公表させていただいたところでございます。
 調査の結果は、ペースメーカーの国内価格は海外価格の約一・六倍であり、PTCAカテーテルについては約二倍でございました。他方、MRI、腹腔鏡については、内外価格差は認められませんでした。
 報告書におきましては、ペースメーカー及びPTCAカテーテルの内外価格差の要因として、流通、薬事申請、手術への立会い等に要する費用といった費用面での問題に加えて、医療機関において特定の製品の購入や特定の卸売メーカーの取引が優先される傾向がある、また、メーカーの販売政策によって各医療機関の取引先、卸売業者が固定化する傾向があるといった取引上の慣行の問題を指摘し、場合によりましては不公正な取引方法として独禁法上の問題につながるおそれもあるという指摘をしたところでございます。
 この報告書を受けまして、関係業界における自主的な改善を促すために、報告書の公表の際には独禁法及び競争政策上の考え方について関係業界等について説明を行ったところでございます。
 公正取引委員会といたしましては、引き続き、公正かつ自由な競争の促進の観点から、医療機器の流通の動向を注視していきたいと考えておるところでございます。
○大久保勉君 厚生労働省に質問したいと思います。
 この報告書を受けて、厚生労働省としてはどういうふうな対応をしたのか、また、昨年、私の予算委員会の質問から一年がたっておりますが、内外価格差是正に対してどのような実施状況か、このことに対して質問したいと思います。
○政府参考人(神田裕二君) 先生お尋ねの公正取引委員会の報告を受けた対応でございますけれども、まず、十八年に医療機器業公正取引協議会で医療機器の立会いに関する基準が取りまとめられまして、これを周知徹底を図っております。それから、二十三年の六月には、バーコード表示の徹底や流通の効率化について医療機器の流通改善に関する懇談会で取りまとめを行いまして、その表示方法についてフォローアップを行っているところでございます。
 また、薬事申請に関しましては、医療機器審査の迅速化のためにPMDAの医療機器の審査人員について計画的な増員を図ることや、審査の方向性を分かりやすく示す評価ガイドラインの策定を進めることなどの対策を行っているところでございます。
 それから、内外価格差について実勢価格の調査をすべきではないかということでございますが、昨年三月の予算委員会での御指摘を踏まえまして、省内に内外価格差是正のためのプロジェクトチームを新たに立ち上げまして、その議論を踏まえまして、現在、日本で保険適用となっている医療機器の海外における実勢価格について現在調査を行っているところでございます。二十六年四月には診療報酬改定が……
○委員長(増子輝彦君) 神田審議官、時間が参っておりますので、取りまとめお願いします。
○政府参考人(神田裕二君) 予定されておりますので、この夏ぐらいにはその報告をすることを目標に現在進めているところでございます。
○大久保勉君 これで質問を終わります。
○委員長(増子輝彦君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩といたします。
   午前十一時四十一分休憩
     ─────・─────
   午後一時一分開会
○委員長(増子輝彦君) ただいまから経済産業委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査のうち、経済産業行政等の基本施策に関する件及び公正取引委員会の業務に関する件を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○松村祥史君 自由民主党の松村祥史でございます。
 本日は茂木大臣に対する所信に対する質疑ということで、限られた時間でございますが、質問をさせていただきたいと思います。
 まずは、茂木大臣、経済産業大臣御就任おめでとうございます。我が党きっての政策通であり、前政調会長でもございました。野党時代、しっかりと日本経済を立て直すために御尽力をされてこられましたし、まさしく今回の安倍内閣の中でキーマンであると思っております。御多忙極まりないと思いますが、是非その力強いリーダーシップで御活躍いただきますように心から激励申し上げたいと思います。
 さて、早速でございますが、十二月に発足をいたしました第二次安倍内閣でございますけれども、日本経済再生に向けました基本方針を昨年十二月に閣議決定されておられます。その中で安倍総理は、強い経済は国力の源泉である、強い経済なくして財政再建も日本の将来もないという認識を示されました。非常に力強い言葉であったと思っております。
 そのことで、我が国経済を再生させ、いま一度誇りある日本を取り戻すために、今日までの縮小均衡の分配政策から成長と富の創出の好循環へと転換させることによって、長引くデフレや円高を脱却し、新しい事業の創出によっていわゆる成長力を高めて、そのことが雇用や所得に拡大していくような強い経済を目指したいと、こう高らかに宣言されたわけでございます。
 また、矢継ぎ早に、大臣再三おっしゃっておられます大胆な金融、機動的な財政、民間投資を喚起する成長戦略の三本の矢を一体として実行していくことでこれを成し遂げていくんだというふうに発信をされておられます。また、具体的にも、その司令塔として内閣に日本経済再生本部も創設されました。日本経済再生本部は、その下で開催する産業競争力会議と一体となって経済再生に向けた経済対策の実施、成長戦略の実現を図ることとされております。
 そこで、大臣にお尋ねをしたいと思っておりますけれども、まさしく冒頭申し上げたように、この三年半しっかりと党の中で議論をされて、そしていざ実現する立場になってその先頭に立っていただいております。これからの覚悟、また、いかにしてこの成長の分野で我が国経済を再生していくのか、大臣のまず御見解、覚悟をお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(茂木敏充君) 松村委員には、商工政策、そして特に中小企業・小規模事業政策につきましてはまさに我が党の第一人者、御活躍をいただいておりますが、アベノミクス、そしてこれからの日本経済の立て直しにつきまして御質問いただきました。
 まさに、強い経済を取り戻す、そして景気を回復する、これが国民の皆さんが安倍政権に求めている一番大きな期待であると思っております。将来に対する期待が生まれつつあります。これを確かな確信に変えていく、こういったことが極めて重要だ、このように考えておりまして、まさにそこの中で、三本の矢、これを力強く同時に射込んでいくことが必要だと思っております。
 まず一つは、委員御指摘のように、長引くデフレから脱却する。そのために、物価目標、明確に定めて大胆な金融政策を取っていく。そして二つ目には、機動的な財政運営を行う。こういった意味からも、この度、緊急経済対策、十兆円を超える対策も取りまとめ、今速やかな実施に入っているわけであります。そして、三本目の矢、これが極めて重要であります。まさに民間投資を喚起する成長戦略を作っていくということであります。
 政権発足して三か月弱でありますが、景気回復、兆しが明らかに見えてきた、こんなふうに思っております。株価の方も、ちょうど衆議院が解散になった昨年の十一月の十六日と比べますと四割以上上昇ということになっております。そして、行き過ぎた円高、これも是正されつつある。そして、一部の企業、自動車等におきましては設備投資も戻ってきております。そして、所得が増えなければいけない。こういったところから、コンビニであったりとか自動車も、一時金、ボーナス、春の春闘、全て満額回答という形になってきております。
 こういった、投資が戻る、そして所得が増え、そしてそれが消費の拡大につながって更に民間投資の拡大につながっていく、こういったことが極めて重要だと思っておりまして、そういった意味からも、今回、新しい政府の経済対策に取り組む立て付け、委員御指摘のような組織、一つは経済財政諮問会議、これを三年ぶりに復活をいたしました。この中で、マクロの財政そして金融政策、日銀の総裁も入っております、しっかりと議論をする。
 その一方で、実際の経済再生の実施設計を行う。ここが日本経済再生本部ということで、総理を中心に、甘利大臣が取りまとめ役、そして全閣僚が出席をしております。その下に産業競争力会議を置きまして、ここは民間委員も含めて具体的な成長戦略をこれからしっかり作っていく。六月に中間的な取りまとめをと考えておりますけれど、六月まで待つのではなくて、やれることから実施できることはすぐにやっていく。スピード感を持って進めていきたいと思っております。
○松村祥史君 力強いお言葉で、本当に期待が持てるなと、こう思っております。
 その中で、今お話の中で緊急経済対策のお話がございました。早々に第一弾としてこの緊急経済対策を僅か三か月弱の間に取りまとめをいただき、なおかつ成立をしたと。先月、二月にも参議院で、一票差でございましたけれども、薄氷を踏む思いでこれが可決をし、成立したところでございます。
 この効果というのが、やはり事業規模で二十兆、それからGDPを二%押し上げる可能性がある、それから雇用で六十万。先月成立したばかりで、いささか、今日明日に出る成果ではございませんが、今おっしゃったようにスピード感を持って実行していかなきゃいけない。
 既に大臣の下には、こんないろんな期待感、そしてお話が来ているのではないかと思います。現実、大臣、いかがでしょうか。この緊急経済対策は私どもは非常に良かったと。今ようやく公募に手を挙げたり、これからの期待や、それからこれからの事業計画が立てやすくなった、こんな声が届いております。
 大臣、いかがでしょうか。担当される大臣として、この緊急経済対策の今後の成果若しくは今日までの評価でも結構でございます、御意見を聞かせていただければと思います。
○国務大臣(茂木敏充君) 松村委員から御指摘をいただきました今回の緊急経済対策、我々として進める経済対策のまさに第一弾といったことで策定をし、そして予算としても成立を見たわけであります。参議院で一票差と、薄氷を踏むと、こういうことを薄氷と言うのかな、こんな思いも持ったところでありますが。
 今回、我々としては、やはり即効性の高いもの、需要創造効果が高い施策、こういったところを優先的に施策の組合せをさせていただきました。事業規模でいいますと二十兆、そして真水でも十兆を超えると、こういうものでありまして、経済産業省関連でいいますと一兆二千億という形になってまいります。これは、リーマン・ショック以降の平成二十一年度の一次補正、そして震災が起こった後の平成二十三年度の三次補正に並びます、経済産業省としては最大の規模の予算であります。
 そして、そこの中には五千四百億円、大体半分ぐらいが中小企業・小規模企業対策ということでありまして、例えばそこの中には、いい技術は持っているんだと、町工場で。しかし、なかなか試作品を作ろうと思うとその資金が相当かさんでしまうということで、試作品を作り事業化するというところまで行っていない企業も多いということで、一千億円を計上いたしまして、大体全国一万社を対象に、こういった町の工場にうずもれている技術に光を当てる、それを表に出す、こういった事業にも取り組んでいるところであります。
 既に公募の方も始まっております。そして、様々な問合せもいただいているところでありまして、今事務方の方には、何しろまず簡易な書類申請で終わるようにと、一生懸命仕事をしている人がこんな事務のことに時間を取られちゃしようがないから。もちろん補助でありますから、しっかりした判断をするために必要最低限のものは出していただかなきゃいけませんけれども、今まで申請する書類、十五ページだったものを五ページに簡略化させていただいた。こういったことも進めておりまして、いろんな反響をいただいていると思っております。
 こういった期待を確信につなげていく、これがまさにこれからの作業だと考えております。
○松村祥史君 これまた力強いお話で、私の下にも、とにかく期待を実感に変えたいという経営者の声が届いております。そういう意味では、過去最大の予算を取っていただいて、五千億近いお金が中小企業対策。
 ちょっと質問の順番は異なりますけれども、今日は鈴木長官もおいででございます。長官、もっと細かく、今回の緊急経済対策における中小企業施策、具体的に教えていただけませんでしょうか。
○政府参考人(鈴木正徳君) 今回の経済対策でございますけれども、五千四百億の中小企業対策費を計上させていただいたところでございます。とりわけ、私ども今回は、小規模な事業者の方々に使いやすい制度にするということをモットーに、制度設計を大臣の御指導の下に行わせていただいております。
 その主な内容でございますけれども、今大臣から御答弁申し上げました、小さな町工場の方々の復活ということで、ものづくりの補助金に一万社を対象に一千億円。
 それから、やはり地域商業の活性化が必要でございます。こういう地域商業を活性化いたします支援策といたしまして、例えば街路灯などの環境整備、また地域の商店街は地域の社会の核でございます、防犯カメラの設置。それから、やはり世の中明るくすることが必要でございまして、商店街主催の桜祭りといったようなこういうイベント、このようなものに対する補助を三百億円。
 それから、地域の需要を起こすには、女性の方々や若者の方々にやっぱり頑張っていただく。こういう女性の方々や若者の方々が地域のニーズをとらえまして、新たな商売をまず小さいながらも始めていかれる。そういうものに対しまして、八千件を対象に二百億円の補助。
 それから、やはり私ども、この三月で金融円滑化法が期限も到来いたしますので、金融円滑化法の後につきまして、このような方々がもう一度事業再生のための事業計画作りをする。その際に、弁護士さんも税理士さんも皆さんにお助けいただいて新たな事業計画を作る際に、二万社を対象に、一社当たり二百万円程度でございますけれども、事業計画策定のための補助を行わせていただく。これを四百億円計上させていただいているところでございます。
 今申し上げました制度、幾つかの例でございまして、そのほかにも、小規模な事業者の方々にお使いいただくような制度を十分に今回そろえさせていただいたところでございます。
○松村祥史君 先ほど大臣のお話の中にもあったんですが、物づくり、いま一度復活をさせようということで、今回一千七億でございましたか、事業規模で一千五百万、三分の二補助ですから約一千万使えるわけですけれども、以前の麻生内閣での緊急経済対策、このときが八百億近いお金であったと思います。残念ながら、政権が替わりまして、事業仕分ということで五百億縮小されたわけですけれども、使われた方々の御意見を聞くと、やっぱり勝負に出たいけれどもリスクを取れるだけの体力がなかった、非常に効いたよ、あのお金はと、こういう意見もいただきました。今回は、一万社、一千万規模でということでございます。非常にこれも有り難いことだと思っております。ただ、企業の体力によっては、一千万じゃなくて、できれば、前回は一億まででございましたから、こういったニーズも今後出てくるのではないかなと、こう思っております。
 もちろん、小規模も含めたところでのまずはきめ細やかな施策で実施をしたいという意図は十二分に分かっております。その公募がある一定のめどが立って、もっと使わせてほしい、もっと勝負を懸けさせてほしいと、こういう御意見がありましたらば、是非柔軟な対応をしていただく。一億以下であったり、その体力に合わせながら、精査はしっかりやってください、その上で、こういった意見も出てくれば、またそういうものも必要だと思いますが、柔軟な御対応は考えていらっしゃいますでしょうか。長官、いかがでしょうか。
○政府参考人(鈴木正徳君) 私ども、できるだけ現場と密接に意見交換をさせていただきながら、これを運用してまいりたいと考えているところでございます。
 今回は一千七億で、ものづくり補助金ございます。また、加えまして、様々の先端的な設備投資を行う場合に、大企業ならば三分の一、中小企業ならば二分の一、これはかなり大きな規模の投資も可能でございます。これも予算規模で二千億円ほど準備させていただいておりまして、いろいろな制度を今回準備させていただきましたので、この制度を十分まず私ども周知させていただきながら、また現場からの御意見を基にいろいろと制度の修正を図っていくというような対応をさせていただければというふうに考えております。
○松村祥史君 これは質問事項にはございませんでしたけれども、恐らくは先ほどの緊急経済対策の施策に入っていたかと思うんですが、いわゆる海外戦略の企業の支援、こういったものについてはどんな施策がありますでしょうか、お教えいただけませんでしょうか。
○政府参考人(鈴木正徳君) 海外展開でございますけれども、まず一番最初に重要なのは、小規模事業の方々が海外展開を行う際には、やはり経営者自らその場所に行っていただきまして、現地を見ていただきまして、ちゃんと経営判断をしていただく。その際に、様々の事業計画を策定することも必要でございます。また、現地の弁護士、会計、また様々の制度に精通した方々、こういう方々のサポートも必要でございます。
 このように、海外展開をする企業に対しまして、事業計画の策定、専門家の支援、それから、御自身で自ら見ていただく場合、こういうものにつきまして三分の二を補助させていただく、こういう制度を準備させていただいたところでございます。
○松村祥史君 是非、そういった施策を幅広く示していただいて伝わるような段取りもしていただきたいと思っております。
 と申しますのが、私も経営者の端くれでございましたけれども、国に来て初めて、こういう情報がいかに企業にとって大事かなというのをお恥ずかしながら経営者として思いました。やっぱりこういうものを知らないのも経営者として罪なんだなと。大体こういう補助を出しますと、得意な方々がいらっしゃって、やっぱり情報を取るのがうまかったり、そういう方々のネットワークで広がっていくんですが、いい技術やいいものを持ちながら割と沈んでいくのがそういう、何といいましょうか、情報の取れない方々でございます。幅広く、是非説明会等を続けていただきたいと思っております。
 それから、これは今国会にもクール・ジャパンの法律がまた出てくるのかと思いますけれども、海外展開は今後支援をしていかなければなりません。しかし、この法律の議論のときにまた申し上げたいと思いますけれども、やっぱり我々の反省とすれば、中小企業施策というのは非常にいいものがあったと、しかし、その成果をしっかりと把握をして、こういうことを実施をしたからこういう企業が、またこの分野が、事業が企業になって企業が産業になったという成果の取りまとめができていないのではないかなと。必要なところに必要な分だけのお金を投じていく、これからはこういう視点が必要であろうと思います。
 そういう意味では、是非、いろんな施策を展開しながら、こういうものの取りまとめ、そしてターゲットとすれば、是非何社つくっていくんだということをお示しいただくような施策を提示していただきたいと思っております。
 日本経済再生戦略、加えて第一弾の緊急経済対策、非常に経営者の皆さん方、また中小企業、活力が出てまいりました。これはやっぱり仕事が出てきたという意欲なんですね。しかし、今日までなぜ意欲が出なかったか。それは、やはりこの長引くデフレもありますけれども、事業計画を立てようにも立てることができなかったというのが現実だと思います。
 その中で、資金繰り、これも非常に厳しい状況でございました。麻生内閣、リーマンショック後の対策で、これは経済対策でも打ってまいりましたけれども、このとき、緊急経済対策の中に緊急保証ということで一〇〇%保証を行いました。現在、中小企業の金融は、今二百四十兆弱若しくは五十兆弱だと聞いております。その五分の一ぐらいが恐らく政策金融で担保されているんではないかなと、こう聞いておるんですけれども、今回、三月に民主党政権下でできました金融円滑化法が切れます。ちょうど昨年の十月ごろから経営者の皆さん方が大変だ、大変だと、こうおっしゃっておられました。いかがなさいましたと、こうお尋ねをしますと、三月でモラトリアム法案が切れるのだろうか、それとも二回の延長、三度目の延長をしてくれるんだろうか、政権が替わったけどどういう形を取っていくんだと、こんなお話を今現在聞いているところでございますけれども、聞くところによりますと、大体この円滑化法を利用された方々が三十万社近い方々がいらっしゃる。その中で五、六万社は非常に厳しい現状にあるのではないかというふうに伺っております。
 緊急経済対策でもこうした資金繰り対策をしていただいております。実は私、自民党の、参議院でも政審会の中で中小企業プロジェクトチームを立ち上げまして、去年の十月からこのことを議論してまいりました。ヒアリング、地銀や借り手の皆さん方からヒアリングを行いながらやってきたわけですけれども、そういう与党での我々の意見もいろいろとくみ上げていただきまして政府で対応を打っていただいたと聞いております。詳しく御説明いただけませんでしょうか。
○政府参考人(鈴木正徳君) 今回の経済対策でございますけれども、中小企業、小規模事業者の方の資金繰り対策、盛り込まさせていただいたところでございます。
 具体的には、まず一つ目でございますけれども、信用保証協会によります借換え保証、これを五兆円の規模で準備させていただきました。この借換え保証というのは、幾つかの信用保証、これにつきましてこれを一本化いたしまして、その期間も例えば三年であったところを五年に延ばすというようなものでございます。これを五兆円の規模で準備させていただきました。
 それから二番目でございますけれども、日本公庫、また商工中金によります五兆円規模のセーフティーネット貸付け、これを準備させていただきました。かつ、認定支援機関の方々から経営支援を受けた場合にはより金利を減免するという制度も、この際準備させていただいたところでございます。
 三番目でございますけれども、これは日本公庫によります資本性の劣後ローン、やはり財務が悪い、なかなかまた資本を強化するときに株式の発行ができない、だけれども、やはり資本の部分を強化する必要がある、その際に使っていただきます資本性劣後ローン、これを準備させていただいたところでございます。
 この借換え保証等は大変需要が多うございまして、一例でございますけれども、平成十五年に制度をつくりまして既に二百五十万件ほど使われております、四十四兆円の規模でございます。また、資本性劣後ローンにつきましても、二十年に制度創設以来、一千六百件、一千億円の実績がございます。それから、セーフティーネット貸付け、これは日本政策金融公庫と商工中金によりますセーフティーネット貸付けでございますが、三月一日から今申し上げましたように制度を拡充させていただきました。三月一日から三月十五日まででございますけれども、既に五千五百件ほど、貸付け規模で一千二十四億円ということで大変多い需要が出てきております。
 私ども、年度末に向けて、また、年度が明けまして更に需要が大きくなるのではないかというふうに考えておりまして、大臣からは、こういう対策を速やかに実施するんだ、実行が大事だという強い指示を受けております。三月六日には、大臣を本部長といたします中小企業・小規模事業者経営改善支援対策本部、この本部を設置していただきまして、そこに信用保証協会の方々、また日本政策金融公庫の方々、商工中金の方々、それぞれのトップに来ていただきまして、速やかに実行するという強い指示を大臣から出していただきまして、私ども、今実行に努めているところでございます。
○松村祥史君 先ほどのお話の中に、資本性資金、いわゆる劣後ローンですね、こういったものも取り入れていただいたということで、非常に有り難いと思っております。
 一つ確認でございますが、銀行は過去最大の預金、なかなか貸す相手がいないからいわゆる国債を買っていた現状がございます。本来であればリスクを取るべき金融機関が、取れる状態にもなかったということは一つ言えるかと。そのことを解消するために劣後ローンということで、資本性資金、このことによって民間金融から借りやすくする、こういった理解でよろしゅうございますでしょうか。
○政府参考人(鈴木正徳君) 先生のおっしゃるとおりでございまして、やはり資本が厚くなれば、それなりに民間金融機関も貸し出しやすくなります。
 その際に、私ども資本を、この劣後ローンで小規模事業者の方々の資本を厚くしまして、そこに民間金融機関から融資をしていただくと、そういう目的でこの制度をつくらせていただいたところでございます。
○松村祥史君 分かりました。
 こういう制度ができたということは非常に有り難いことだと思っております。しかしながら、なかなかこの金融というのも、資金繰りというのは大変でございます。国には資金繰りという単語がございませんけれども、やっぱり経営者というのは、銀行から借りるというよりも、何とかして剥ぎ取ってくるぐらいのつもりでやはり事業計画をあの手この手で練らないと、現実、これだけの制度をつくりましたと、しかし心配をしております。現実、経営者の皆さん方が本当に交渉能力にたけた方ばかりではございません。すんなり、こんなのを言えば借りられるのかどうか、不安の声もまだ聞こえております。
 こういった施策の説明というのは、どういう通達をなさっておられるんでしょうか。教えていただけますか。
○政府参考人(鈴木正徳君) これまでも、私ども政策を説明する際には、商工会、商工会議所、それから中小企業団体中央会の方々、商店街振興組合の方々、このような方々を通じて私ども施策の説明をしておりました。
 加えまして、さきの通常国会におきまして、中小企業経営力強化支援法という法律を成立していただきまして、その法律に基づきまして税理士の方々、また金融機関の方々、弁護士の方々を認定する、認定支援機関として認定をするという仕組みをつくっていただきました。既に五千四百八十の認定支援機関がございます。
 私ども、このような町の税理士の方々、また弁護士の方々、金融機関、こういうところも通じまして施策の普及を図ってまいりたいと考えております。
 また、当然のことながら、まずは私どもが現地に出まして御説明するということが第一でございまして、私どももできるだけ現場にお伺いいたしまして御説明をしているんですが、やはり日々の経営の御相談をされるのは商工会の方々、税理士の方々、多うございますので、そのような方々を通じて政策の普及を図ってまいりたいと考えております。
○松村祥史君 分かりました。是非、御尽力をいただきたいと思います。
 加えて、これは今後の課題であろうと思うんですが、本来、地域の銀行さん、地銀であったり信金、信組、こういう方々がリスクを取って企業を育てようと思ってやっぱり金融をやっていただく、これが本来の目的。しかしながら、なかなかそうでないところの方が多い。やっぱりこういうものの環境整備をしっかりと今後やる必要があるんだろうと。時の景気に合わせて、貸し渋り、貸し剥がしがあったり。
 ただ、金融機関も経営体ですから、これは民業ですから、政治で縛るわけにはまいりません。しかし、その環境を整備するための議論も今後必要なんだろうと思っております。これはひとつ、今後、この委員会で問題提起をしてまいりたいというふうに思っております。
 それから、是非、きめ細やかな周知徹底、何より借りられなかったぞという方々の声が上がってくるようなシステムの構築に努めていただきたいと思います。
 次に、大臣にちょっとお伺いをしたいと思っております。
 現在、中小企業は四百二十万社あると言われております。この中で三百六十六万社、八七%は小規模事業者だと。大体、中小企業の枕言葉というのは、我が国企業の九九・七%は中小企業です、七割が雇用を支えているんですと、こういう言葉が枕言葉でございます。そして、何より政治家は必ず中小企業は国の宝だと、こう言っておられます。そのとおりだろうと思います。
 しかし、麻生政権以降、中小・小規模事業という単語をずっと使っていただいております。これは民主党政権下におきましても、ちいさな企業の未来会議、継続をいただいて、やはり経済産業省ゆえに、産業を育てる省庁なんだと。
   〔委員長退席、理事大久保勉君着席〕
 したがって、これは私ずっとこの九年間言い続けておるんですけれども、野球でいえば、みんな大企業、メジャーリーグを目指したい、しかし、1A、2A、3Aと上がっていくようなステップアップ政策が必要なんだと。そのためには、中小企業を一緒くたに扱っちゃ駄目なんだと。小規模の優れた企業を、例えば三百六十六万社の小規模事業の一割の三十六万社が中堅企業に成長すれば、何と八十万の我が国の屋台骨がまたできるわけです。
 こういうやっぱりステップアップで産業を育てていく政策、そういう意味で、今回、中小・小規模事業という単語をずっと大臣使っていただいているんだろうと思います。これは、小規模事業者の方々にはとても受けがいいというよりも、ようやく俺の名前を呼んでくれた、私たちのことをそうちゃんと分かって言ってくれている、こんな理解がございます。
 大臣、いかがでしょうか。こういう単語をしっかりと使っていただいている大臣だからこそ恐らく同じ思いでいらっしゃると思うんですが、こういう認識をまず伺いたいことと、今後これをどのように進めていかれる御予定なのか、その御見解をお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(茂木敏充君) 松村委員、さすがにやはりこの小規模事業の政策の第一人者だと、中小企業四百二十万、そしてまた小規模事業者がそこの中で三百六十六万、八七%と、数字もすらすらと全て頭に入って、それだけではなくて、その実態もよく御存じなんだなと、こんな思いを持ちながら今の質問を聞かさせていただいたんですけど。
 私の出身は栃木県の足利市なんです。よく、こんな言葉があるんですよ。足利市で石を投げれば社長に当たると。それぐらいやっぱり小規模事業者が多いということなんですけれど、そこの中から十年、二十年のうちに、自動車の中核部品、これを納入する企業であったりとか、今は世界最先端の航空機に部品を提供する、こういった企業も生まれております。
 小規模事業者、地域の雇用や経済を支えているのは間違いありませんが、同時に、その成長によって日本経済全体を成長させる、こういう大きな意義を持っていると、こんなふうに考えておりまして、そこの中で、今国会には小規模企業活性化法、こういった法律を提出する予定でありまして、この中では、中小企業基本法の基本理念に、地域経済の安定と経済社会の発展に寄与するという小規模企業の意義を明確に規定をさせていただきたいと、そんなふうに思っております。これが第一弾であります。
 そして、第二弾として、今後、中小企業政策審議会、ここに新たな検討の場を設けまして、小規模企業の振興のための、言ってみますと、小規模企業基本法、こういったものも真剣に第二弾の大きな政策として打ち出しができればと思っております。
○松村祥史君 大臣、ありがとうございます。
 非常に期待の持てる御答弁をいただきまして、今後は、小規模が中堅に育ち、中堅から大企業、日本の経済層の厚さ、中小企業の厚さというのはすごいんだなと、世界に冠たる中小企業だろうと思っておりますので、是非、茂木大臣のときにその確立を図っていただきたいと思います。
 じゃ、これで質問を終わらせていただきます。
○長沢広明君 公明党の長沢広明です。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 大臣、大変におめでとうございます。
 アベノミクスの三本の矢のうち、いわゆる民間投資の喚起に向けた成長戦略と、これはもう非常に日本の経済の景気回復、経済再生の流れを確固としたものにするために大変大事な三本目の矢でございます。その意味では、経済産業省の役割は極めて重要であり、茂木大臣のリーダーシップに強く期待をしたいと思います。
 そこで、この経済成長を支えると、その経済成長戦略の推進に向けて、大臣の基本的な決意、姿勢を改めてお述べいただきたいと思います。
○国務大臣(茂木敏充君) 今回の安倍新政権、太田先生にも国土交通大臣として参画をしていただきまして、まさに自公一体になってこの長引くデフレからの脱却を図っていく、全力を傾けていきたいと思っております。
 そこの中で、三本の矢をきちんと進めると。一つは、やはり長引くデフレから脱却するために大胆な金融緩和を行っていく。そして二本目の矢として、機動的な財政運営を行う。三番目の矢が民間投資を喚起する成長戦略と。この三本目の矢が極めて重要だと、そんなふうに我々は考えておりまして、今、日本経済再生本部、全大臣がメンバーであります。
 その下に産業競争力会議、これを設置いたしまして、そこでこれからの日本の経済のあるべき姿、そして具体的な政策、こういったものの策定を急いでおります。六月には中間的な取りまとめ、行いたいと思っておりますが、六月まで待つんではなくて、決めたこと、できること、優先順位の高いところから矢継ぎ早に政策を実行に移していきたいと、こんなふうに考えております。
○長沢広明君 一つ質問を飛ばしていきます。
 補正予算の執行状況についてお伺いをしたいと思います。
 既に補正予算は成立して、経済対策として回転を始めているわけでございます。二十五年度予算は今審議中で、早期にこれを、当初予算を成立をさせて具体的な結果を出すと、そういう時期に入ってきております。
 経済産業省は、補正予算で一・二兆、当初予算の九千億を上回る規模の予算を計上していわゆる十五か月予算で切れ目のない経済対策と、こういうことを進めているわけでございますが、そういう意味では、この三月、四月、五月というのは非常に大事な時期でもございます。
 この補正予算をしっかり執行して回転させていくということは大変大きなテーマであると思いますので、現状、この補正予算一・二兆の執行状況はどんな状況になっているか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(茂木敏充君) 大変重要な御指摘だと思っておりまして、我々も十五か月予算、そこの中で補正を組み、そして本予算と行くわけですけれど、最初の貨車、この補正が早くスタートしなければ本予算で切れ目のない対策も打てない、こういう思いで、平成二十四年度の補正予算の執行につきましては可能な限り早期の執行を行っていく、そして同時に、広報活動の充実、相談窓口の設置、手続の簡素化など、事業者にとって申請しやすい環境整備を徹底する。
 こういったことで私の方も省内に指示を徹底しておりますが、具体的に申し上げますと、予算規模の大きなものとして、国際競争力向上や省エネに資する先端設備投資導入のための補助事業、これが二千億ぐらいがございます。それから、一万社のものづくり中小企業・小規模事業者が行う試作品の開発、設備投資を支援するものづくり補助金、これが大体一千億です。そして、次世代自動車充電インフラ整備促進事業、これも一千億ぐらいでありますが、これらにつきましては既に公募を開始して、今事業者の皆さんからの応募を受け付けているところであります。そして、いずれの事業につきましても、全国で説明会を開催するなど、きめ細やかに情報提供するとともに、各地域の経済産業局で丁寧な相談対応を行うとしております。
 それから、申請書類、先ほど申し上げましたけれど、これが余り複雑ではどっちが本業か分かんなくなっちゃうということでありまして、これまでの十五ページの申請書類、六ページに簡素化をいたしまして、申請者の皆さんの負担軽減も図っているところであります。
○長沢広明君 当初予算が成立するまでの経済を回転させるエンジンとしてこの補正予算は非常に重要な役目を持っていますし、ある意味では、この三月、四月、五月というこの時期にどれだけこれを集中できるかということが非常に大事なテーマになっていると思いますので、その意味では、今大臣、大変重要な問題意識を持って御答弁をいただきました。
 これはまた後日、いろんなところでチェックをしていきたいというふうに思っているんですけれども、例えば、昨年、二十四年度の一次補正、あるいはその前の二十三年度の本予算、補正予算、様々な景気対策で打たれたいろんな事業を一つ一つよく見ると、もう随分前に事業がスタートしているにもかかわらず、執行されていないものが実は幾つか見えるんです。それは、ごく僅かな事業者の方だけが使っていて、同じ業界であってもほかの事業者のときは使い勝手が非常に悪いものがあったりする。
   〔理事大久保勉君退席、委員長着席〕
 その意味で、いわゆる手続の簡素化ということを今大臣おっしゃってくださった。これは非常に大事な問題で、手続を簡素化すること、そして使い勝手を良くしていくこと、これが非常に、ただ金額とか、ただ制度の中身とかということだけではなくて、どう回転させていくかという意味では非常に重要な要素になっているわけですよね。そこを非常に御配慮いただいているということで大変安心したわけなんですが、しっかり進めていただきたいというふうに思っておりますので、また後日、こういう補正予算、経済対策で様々なつくり上げた制度、事業というものがどれだけ回転をしていくかということは、これをしっかり私たちもよく相談に乗りながら、現場の御意見もお伝えさせていただきながら進めていきたいと、こういうふうに思っておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げたいと思います。
 もう一点、震災復興についてお伺いしたいと思います。
 あの三・一一から丸二年が過ぎましたが、いまだに三十一万五千人の方々が避難生活をされていると。大臣も、所信表明演説の中で、東日本大震災からの復興は経済産業省にとっても重要な使命と、こういうふうに触れられておりました。
 そこで、二点併せてお伺いいたします。
 一つは、被災地の産業復興に対する具体的な支援策を今後どう考えているのか、大臣の決意を伺いたいということと、それから、特に被災地の中小企業、小規模事業者の資金繰り支援ということで、これは当初予算を組むときに我が党からも要望させていただきまして、例えば東日本大震災復興特別貸付けの継続とか、あるいはグループ補助金の更なる推進と確実な執行とか、こういうことも私たちも要請をさせていただきました。
 被災地の産業復興全体に対してどのような支援策を持って臨まれるか、そして被災地の中小企業、小規模事業者の資金繰りについての支援をどう取り組まれるか、お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(茂木敏充君) 被災地の産業の復興、それから、特に被災地におけます中小企業、小規模事業者の資金繰り支援、公明党の皆さんからもいろんな御指摘をいただきまして、そういったものも取り入れながら今施策進めているところでありますが、今、被災地全域におきまして三十二万人に及ぶ方々、とりわけ福島におきましてはいまだ十六万人の方々が避難生活を余儀なくされている、こういった状況におきまして、東日本大震災からの復興、これは経済産業省にとりましても最優先の課題、一番大きな使命だと、こんなふうに認識をいたしておりまして、産業復興の支援ということでは、企業立地補助金そしてグループ補助金等を効果的に活用し、被災者に寄り添った復興の加速化を進めてまいりたいと考えております。
 企業立地補助金につきましては、新規雇用を創出して産業復興を加速するため、東日本大震災で特に大きな被害を受けた津波被害地域と原子力災害被災地域を対象とした新たな支援策を創設することとしているところであります。
 また、グループ補助金につきましては、復旧を加速させるため、中小企業等グループが復興事業計画を作成し、県から認定を受けた場合に、その計画実施に必要な施設であったりとか設備の復旧、整備を支援してきたところであります。
 具体的に申し上げますと、これまで累計五百二十一グループ、約九千二百者に対しまして、国費と県費を合わせまして四千七十二億円の支援を行い、被災地域における早期の事業再生を後押しをしてきたところであります。直近では、二月上旬に第七次の公募、これを行いまして、三月の中旬に交付決定を見たところであります。
 一方、資金繰りの支援でありますけれど、被災地の中小企業、小規模事業者への資金繰り支援として、長期低利の東日本大震災復興特別貸付け、それと、保証限度額を大幅に拡充いたしました東日本大震災復興緊急保証を平成二十三年五月より実施してきたところでありまして、これまでの実績、昨年の十二月までで申し上げますと、東日本大震災復興特別貸付につきましては六・五兆円、そして緊急保証につきましては二兆円となっておりまして、被災中小企業、小規模事業者の資金繰りの円滑化に寄与してきたものと認識をいたしております。
 両制度につきましては、平成二十五年におきましても引き続き実施をしていく予定であります。
○長沢広明君 ありがとうございます。
 我が党のお願いというか、提案した特に重点項目につきまして、企業立地補助金、それから資金繰り支援、グループ補助金等につきまして、当初予算の中にしっかりと組み込んで反映をしていただいたことを大変感謝申し上げたいというふうに思います。被災地の中小企業が元気になり、雇用を守り、また雇用を育てていけるような流れをしっかり推し進めていきたいと思いますので、今後ともよろしくお願い申し上げたいと思います。
 重ねて、中小企業対策です。これまでもこの委員会でも様々に御指摘がございました。中小企業金融円滑化法が三月三十一日に期限を迎えるということで、我が国の経済の屋台骨である中小企業、小規模事業者、全体は景気は上向き傾向にあるというふうに言いながらも、中小企業に対してはまだまだ私たちのところまでは及んできていないよという実感が、そういう声も出てきておりますので、資金繰りや経営支援には今後も更に万全な配慮が必要だというふうに思っております。
 この点につきましても、我が党は三月七日に、政府に対して金融円滑化の対策について申入れを行っております。いわゆる期限が到来した後も、円滑化法の期限が終わった後も、同等の金融支援を行えるようにしてもらいたいと。また、金融機関が中小企業、小規模事業者から貸付け条件の変更等、申込みを受けた後、それをどのように対応しているかについても把握をしてもらいたい、相談窓口をしっかり設置をしてもらいたいというようなことについて、何点か申入れをさせていただいたところでございます。
 今後、この申入れを受けて、官房副長官をトップにして、関係省庁の副大臣で構成する会議体を政府の中に設置するというような報告も受けております。そこで、金融円滑化法の期限が切れた後の代替施策、資金繰り支援について、どのように具体的に考えていらっしゃるか、お答えいただきたいと思います。
○大臣政務官(佐藤ゆかり君) 長沢委員にお答え申し上げます。
 金融円滑化法が今月末で期限切れを迎えることになっております。同法利用の事業者に関しましては三十万社から四十万社に上っているということでございまして、多くの中小企業、小規模事業者におきまして、この資金繰りの下支えという意味では一定の寄与をしてきたものと考えておるところでございます。しかしながら、その一方で、事業再生等が必要な事業者数はいまだ五万社、六万社程度あるとされておりまして、中小企業、小規模事業者の経営改善の取組を徹底的に支援することが今後の重要な課題と、委員御指摘のとおりでございます。
 このため、まず補正予算でございますが、二万社を対象といたしまして、経営改善計画等策定支援ですとか、中小企業再生支援協議会の取組の強化等を盛り込んでおりまして、中小企業、小規模事業者の経営改善を徹底的に促進をしてまいりたいと考えております。さらに、経営支援と併せまして、公的金融等によります十兆円超の資金供給を実施していく所存でございます。
 さらに、去る三月六日には、経済産業大臣を本部長といたしまして、中小企業・小規模事業者経営改善支援対策本部を経済産業省内に設置をいたしました。そして、中小企業再生支援協議会並びに認定支援機関及び政策金融機関等の関係機関が一体となりまして、これらの施策を速やかに実施するということを決めたところでございます。
 引き続き、中小企業、小規模事業者の経営改善及び資金繰りを最大限支援してまいりたいと存じます。
○長沢広明君 是非よろしくお願いしたいと思います。特に、補正予算で措置をされました認定支援機関による経営改善計画策定支援、あるいはこの中小企業再生支援協議会の機能の強化等々、進められる方向になっておりますので、これもう早期に実施をして進めていただきたいことをまた重ねてお願いをしておきたいと思います。
 それから、一つ飛ばして、原油価格の問題について最後に御質問したいと思います。
 円安、原油価格の上昇に伴って、ガソリン、軽油、灯油等、石油製品価格が去年から今年にかけて連続に上がり、今も高めの横ばいという状況が続いております。
 暖かくなってきたとはいえ、今日辺りも東日本は豪雪という話も出ておりますし、まだまだ寒冷地においては非常に国民生活に大きな影響があると思います。また、農業、漁業、あるいは運送業、そういう中小事業者においても、その業種別によっては価格転嫁が難しいとか非常に大きな影響、深刻な影響が出ているということを懸念しておりますし、東北の被災地、あるいは、私も離島問題の対策をやっておりますが、離島においては、もう本土と比べて大変な、元々ガソリンが高くなるという問題がありまして、そういう条件不利地域においても大きな影響が深刻な問題になっております。
 この点についても、二月に原油高騰問題に対する早急な対策を求める申入れを党としても政府にさせていただきました。こういう影響による原油価格の高騰について早急な対策が必要というふうにずっと議論もなってきたところでございますけれども、当面、具体的な方策としてどのようなことを打たれるお考えか、大臣の御見解を伺って、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(茂木敏充君) 国内の石油製品小売価格、もうこれは様々な影響を産業、家計にも及ぼすわけでありまして、これが為替相場の動向であったりとか国際的な原油価格の上昇などによって上がってきたということでありますけれど、昨年末以来上昇を続けてきたんですけれど、ここに来て、一服というか若干落ち着き感がございまして、ガソリンにつきましても三月十一日時点で十四週ぶりの値下がり、軽油につきましても同じく十四週ぶりに値下がり、灯油、確かに豪雪もありますが、全体的に言いますと冬を越えつつあるということで、二週連続の値下がりということにはなっておりますが、経済産業省としては、価格モニタリング調査等を通じて都道府県ごと、また、お話にありました離島等におきましては特にその値段が高くなりますので、この石油製品の小売価格を調査するなど、地域を含めた価格動向に、きめ細かい把握に努めているところでありますし、同時に、主要な石油元売各社へのヒアリング、これを行ったりもしてございます。
 引き続き、石油製品価格のみならず、国際原油価格であったりとかエネルギーの需給の動向等、情報を詳しく収集いたしまして、事業者や国民生活に与える影響、注視をしていきたいと、こんなふうに考えております。
○長沢広明君 終わります。
○松田公太君 みんなの党、松田公太でございます。
 茂木大臣の所信表明演説に対する質問をさせていただきたいと思います。
 まず、平成二十四年度補正予算についてお尋ねしたいと思います。
 みんなの党も昨年から、補正予算十兆円規模、これを主張してまいった次第でございますので、大枠の金額については何の異論もございませんが、やはり引き続き中身については問題があるんじゃないかなというふうに感じております。もう既にその大部分が予算委員会等で俎上にのせられておりますので、私からは経済産業省所管の部分について何点かだけお聞きしたいと思います。
 まずは、スマートマンション導入加速化事業、御存じだと思いますが、これは節電などを目的としたスマートマンション化の設備工事や工事費、様々な工事費ですね、これを一部国が肩代わりするというものでございますが、国の資金繰りが、先ほど来も話出ておりますが、非常に厳しい中で、わざわざこれを補正予算に組み込んだということでございますので、かなりやはりスピード感をこれは要するものだというふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(茂木敏充君) 全体の景気の動向、回復の兆しが見えていると、こんなふうに私考えておりまして、私も赤坂に住んでいるんですけど、赤坂通りからちょうどTBS、サカスのところに行きますと、その反対側にコーヒーショップがあるんですよ。そこの二階に時々私行きまして、ベランダといいますか、外のところで人通り見ているんですけれども、やっぱり年が明けたぐらいからずっとこういったものが多くなってきているんだ、こういった期待を実感に変えていかなければいけない、そんなふうに思っています。
 そこの中で、やはりエネルギーの制約、これを除去していくということは日本経済の再生のためにも極めて重要だと考えております。MEMSと呼ぶわけですね、マンションの場合は。HEMS、BEMSとかありますけれども、こういったスマートマンションを造っていくと。今まで電力の需給でいいますと、どちらかといいますと、もう需要というのは所与のものだと。ここをコントロールするんじゃなくて需要に合わせて供給を積み上げていくと、こういった発想を変えていかなければいけない。デマンドレスポンスといいますか、スマートに消費をするといった形で、この制度、極めて緊急性もありますし、今後の日本の将来を考えても重要な施策だと思ってしっかり推進をしてまいりたいと考えております。
○松田公太君 それでは、クール・ジャパン・コンテンツ海外展開促進事業、また商店街まちづくり事業、このようなものが多々入っておりますけれども、こういったものも同じような観点で、やはりスピード感が必要だというふうにお考えですね。
○国務大臣(茂木敏充君) クール・ジャパンにしてもそうでありますけれども、日本はいいコンテンツ、アニメ、さらには食文化、様々、海外で展開できる分野を持っております。しかし、そういったものの展開状況がどうかといいますと、例えばコンテンツ市場、日本は十二兆円ぐらいの市場がございます。それに対してアメリカが約それの三倍の三十二兆だったと思います、市場規模として。じゃ、輸出はどうなっているかといいますと、アメリカは一七%が輸出です。それに対して日本は輸出は五%ということで三分の一以下ということでありまして、こういったものをしっかりと進めていかなきゃならないなと思っております。
 このクール・ジャパンの展開、大きく三つの段階で考えております。
 まずは、日本のすばらしいコンテンツであったりとかサービス、これをアジアを始め海外の皆さんに実際に見てもらう、触れてもらう、こういった事業が必要でありまして、補正ではこのための基金も組まさせていただきました。そして、第二段階目は実際に、例えばショッピングモールでもそうかもしれませんし、さらにはコーヒーのモールができるのかもしれませんけれども、そういったところで実際にサービスを受けて、商品を買って、使って日本の良さを実感してもらう。そして、第三段階目は、そういった日本の良さに触れた人が今度は日本を訪れる、それによって更に多くの日本の良さに接してもらう。こういう三段階の事業の第一段目として緊急に実施をしているところであります。
○松田公太君 スマートマンション導入加速事業に戻りますが、これは全額基金化されるということになっております。そして、その基金の運用、オペレーションにつきましては一般社団法人環境共創イニシアチブという団体が行うということになっております。同法人のウエブサイトを拝見しますと、補助対象事業の決定が三月下旬から四月下旬になっているというふうに書かれております。そうなると、当たり前ですが、事業者に対する支払というのは五月以降になろうかと思います。ところが、基金化がなされているため、二十四年度内には執行率が一〇〇%ということになるわけです。
 ほかの基金もそうですけれども、クール・ジャパン事業については、現状、予定さえ分からないということになろうかと思います。しかし、基金化してしまえば全て使い切ったことになってしまう。調べてみたところ、二十四年度の経済産業省の補正予算の一・二兆円のうちの約半分の五千九百十五億円が基金化されるということになっています。これでは全くスピード感がないなと思いますし、どうしても先送り予算ではないかというふうに言われてしまうのも致し方がないのじゃないかなというふうに思います。
 見せかけの税収と国債のバランスの達成のための手口じゃないかなというふうにも思わざるを得ませんので、是非この件について茂木大臣から、どのように思われるかということを一言いただければと思います。そもそも、これはまた財政法十二条の会計年度独立の原則にも反するんではないかなと個人的に思っております。
○国務大臣(茂木敏充君) 補正予算につきましては速やかな実行が極めて重要だと、そのように思っておりますが、どうしても例えば公募を行う事業というのは実施まで一か月にできないと、そういったものも出てまいります。ただ、先ほども申し上げましたように、例えば設備投資、企業が国際競争力を回復する、また産業競争力を回復していくための省エネであったり、そういう設備の更新を行います二千億円、この事業につきましても、町の中小企業が技術はあるんだけれどもなかなかそれが商品化できない、その試作品の製作にかかわります補助等々の事業につきましては、既に公募の方も開始をしてございます。そして、私の方からできるだけ早くこういったものについて採択を急ぐようにということでやっておりまして、こういった問題につきましては、ただやればいいということではなくて、きちんと施策を打ち出したらその成果がどう出ているのか、もし問題があったらそれをどう修正していくのか、そういったPDCAサイクル、こういったものをしっかり回していきたい。
 御指摘の点も踏まえまして、速やかな執行、そしてしっかりした実施に努めていきたいと思っております。
○松田公太君 所信の中で大臣は、国内の高コスト構造を是正し、世界で企業が一番活動しやすい国を目指すとされていますが、世界で一番活動しやすい国というものはどのように測るのでしょうか。
○大臣政務官(佐藤ゆかり君) 松田委員にお答えいたします。
 日本企業につきましては、三重苦ですとか四重苦ですとか六重苦ですとか、様々な言い方がされているところでございますが、大きく問題を分けますと四つのハードルに考えられるのではないかと思っております。
 一つ目は、これまでの円高と為替の問題でございます。そして二つ目は、貿易等にかかわります関税などの国境措置の問題。そして三つ目は、法人税等国内のこの規制の問題でございます。そして、最後に四つ目は、資源エネルギー、電力コストなどが高いという現下の問題でございます。
   〔委員長退席、理事大久保勉君着席〕
 まず、一つ目の為替の問題でございますが、対策といたしましては、やはりデフレ、円高からの脱却が新政権の最優先課題でございまして、明確な物価目標の設定と大胆な金融緩和を行っていくことが重要である。
 そして、二つ目の関税などの国境措置につきましては、自由貿易の拡大、経済連携の推進がこれまでの自公政権でも進めてまいった基本方針でございまして、これらの政策をこれからも着実に前に進めていくということでございます。
 そして、三つ目は新たな市場の創出につながります規制改革の課題でございまして、これは非常に重要なポイントでございます。重点といたしまして、まず新規参入を促すための健全な競争環境をつくっていくということ。そして、研究開発をしましても、その開発後の事業化までのスピードアップをさせるということでございます。そしてまた、三つ目は、規制にかかわります制度を国際化していくということで、日本の制度だけガラパゴスにならないということをすると。
 そして、最後の資源エネルギーの国内コストに対する対策でございますが、やはり資源外交の積極的な展開、そして、我が国周辺海域に存在しますメタンハイドレートを始めとしました資源開発の支援とともに、電力システム改革を推進していかなければいけないという認識でございます。
 結論といたしましては、これら日本企業を取り巻く大まかに分けますと四重苦と考えておりますけれども、これらを解消することで、世界で企業が一番活動しやすい国にしていくというふうに考えるところでございます。
 新しい経済環境の中でこうした新しい成長産業をまたつくり出して、それを埋め込んでいくことで裾野を厚く広く広げていく、そのような日本経済を構築してまいりたいと考えているところであります。
○松田公太君 今御答弁いただいた観点では国内企業のというような感じなんですが、これはもちろん世界で一番活動しやすいということですから、海外から国内に誘致をするという意味合いも含まれているんじゃないかなというふうに思いますが、例えば世界的に、いろんな機関が世界で最もビジネスをしやすい国ランキングなどを出しております。世銀なんかも出しておりますが、それを見ますと、大体上位国にはシンガポールとか台湾とか香港が入ってくるわけですね。ですから、法人税、これが非常に私、影響が大きいんじゃないかなというふうに感じております。
 法人税率がやはり低い国の方がビジネスがしやすい国ランキングの上位に入るという、これはもう当たり前のことじゃないかなというふうに思っております。やはり私も、日本が本当に世界で最も活動がしやすい国を目指すのであれば、ビジネスでですね、法人税の率を下げていかざるを得ないなというように思っています。
 これは茂木大臣にお聞きしたいんですが、日本の法人税率、これを何%ぐらいにしたら、世界で企業が一番活動しやすい国になると思われますか。
○国務大臣(茂木敏充君) 税というのは極めて私も重要だと思っております。
 やっぱり、先ほど佐藤政務官の方からも御答弁申し上げましたけれど、やっぱり国際基準といいますか、ある程度、国際的にこのレートだったら妥当であろう、そういったものを目指していくということになってくるんではないかなと思っております。
 もちろん、これは税だけの問題ではなくて、様々な規制の問題、これもあります。日本だけ厳しい規制と、こういったものは撤廃していかないと、本当にグローバルに展開する企業、こういったものは来てくれないんではないかな、こういう思いもありますし、更に言いますと、企業が活動するのに伴いますインフラ、いろんな意味での、じゃパテントを申請するためのプロフェッショナルがいるかどうか、更に言いますと、そういう企業が日本に出てきたときに受ける教育機関があるかどうか、様々な問題あると思いますけれど、税の問題、これは極めて大きな問題だと思っております。
○松田公太君 多分、何度お聞きしてもお答えいただけないと思いますので、次に進めさせていただきたいと思うんですが、TPPについてお聞きします。
 TPPにつきましても、みんなの党は真っ先に交渉参加するべきだというお話をさせていただきました。この交渉参加、決めていただきまして、大変良いことだというふうには思っておりますけれども、やると決めたからには、やはり国益をマキシマムにするために徹底して取り組んでいただきたいと。そういう意味では、午前中の大久保委員への答弁が非常に頼りなく感じてしまったんですね。
 もう一度、私の方からもお聞きしたいんですが、茂木大臣は経済産業省のトップですから、交渉参加、交渉参加ですから、参加するかどうかではなくて、交渉参加に対して賛成なのかどうかということをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(茂木敏充君) 良いことだと思っております。
 私は午前中申し上げたのは、賛成、反対、イエス、ノーというより当事者でありますと。当然、もう参加するということは総理が表明をされたわけであります。そこの中で、私は当事者として国益を最大限実現できるように頑張っていきたい。賛成、反対より先のことをやっていると思っております。
○松田公太君 それでは、知的財産権についてお聞きしたいと思います。
 米国は知的財産権の保護強化を訴えているのは御存じのことだと思いますが、今後、中国や新興国の将来的な参加を考えた上でのルール作りという意味においてはいいと思いますし、海賊版防止という観点においてはこれも望ましいんではないかなと思います。
 例えば、しかし、著作権の保護期間、これ米国が五十年から七十年ということを主張しているわけですが、この件については大臣はどのように思われますか。
○国務大臣(茂木敏充君) この知財の問題、極めて重要だと思っておりますし、模倣品とか海賊版が流通するのを防いでいく、こういった意味合いもTPPにはあるんだと思っております。
 まさにこのTPP、TPPにとどまらず、ここがこれから環太平洋地域の様々な投資であったりとか、そういった知的財産も含めたルール作りの土台になっていく、そして、その上でRCEPであったりとかFTAAP、こういった問題が出てくると、こんなふうに考えております。
 ただ、我が国、まだ実際に交渉に参加しているわけではありません。そうしますと、具体的な内容につきましてそれぞれの分野でどういう交渉が進んでいるか、これにつきましてはこれからしっかりと情報を取って、そこの中で主張すべき点、我が国として勝ち取っていくべき点については勝ち取っていきたいと思っております。
○松田公太君 おっしゃるとおり、まだ参加していないので分からないということがあろうかと思いますけれども、大体のことは予見できるんじゃないかなというふうに私、実は感じているんですね。
 例えば、著作権侵害についてですけれども、これを見ていけば、どのような交渉が必要とされるかということを予見できるんじゃないかなと思いますが、米国は非親告罪化、これについても主張をされているわけでございます。ところが、米国の国内においては、フェアユースを認めるということで対応しようとしている部分もあるんですね。ところが、日本では、去年の著作権法の改正においてフェアユースの概念は導入されましたけれども、まだまだ細かい部分では認め切れていないといいますか、グレーな部分がたくさん残ってしまっているということであろうかと思います。
   〔理事大久保勉君退席、委員長着席〕
 結局、日本では、この非親告罪化、これが取り入れられてしまったら、結果的には、アメリカでも同等なんでしょうけれども、アメリカの方が中身についてはちょっとまだルーズだと、まだ緩いという、そのような結果が生まれてしまうんじゃないかなということを私は懸念しているんですね。
 このようなことに対して、どのように大臣は思われるでしょうか。
○国務大臣(茂木敏充君) 松田委員がおっしゃるような懸念というのは、しっかり踏まえながら今後の交渉に臨んでいかなければと思っております。
 それで、このTPP、日本が参加をすれば十二か国ということになってきまして、交渉のやり方、ちょっと今後の話でありますので、あくまで仮定でありますけれども、関税等についてはバイでいろんなやり取り、こういったものも出てくるんだと思います。ただ、今御指摘のようなルールの問題というのは、バイでやり取りするというよりも、十二か国で共通のテーブルというか、その下で作っていくということが多くなるんではないかな。
 国によりましてそれぞれ置かれている状況というのは違います。言ってみますと、どの国と組むかとか、そこの中でどうやってマジョリティーを確保していくか、いろんな交渉上の戦術にもかかわってくる問題でありますので、交渉に参加する前の今の段階では控えさせていただければと思っております。
○松田公太君 それでは、時間が来ましたので最後の質問とさせていただきますが、インフラ輸出の部分はちょっと飛ばさせていただきまして、高レベル放射性廃棄物の最終処分についてお聞きしたいと思います。
 大臣は所信で、このような問題を先送りにしないというふうに表明されています。しかし、現行法では、御存じのように、自治体の合意がなければこれを進めることはできないんですね。どのように問題を解決しようとしているのか、それを教えていただければと思います。
○国務大臣(茂木敏充君) 高レベル放射性廃棄物、現段階でも約一万七千トンの使用済核燃料が保管中でありまして、既に再処理をされた分も含めますとガラス固化体にして約二万五千本分に相当する、こういう状態でありまして、これをやはり次の世代まで解決を先送りしてはいけないと、そんなふうに思っております。ただ、現状から申し上げると、委員御指摘のように、十年以上経た現在も処分地選定調査に着手できないという状況にあるわけであります。
 これまでの取組の反省に立ちということで所信でお話を申し上げたと思いますが、じゃ、これまでうまくいかなかった背景といったものを考えてみると、一つには、地層処分の必要性、安全性について、国民に対する理解であったりとか合意が不足をしていたと。また二点目は、委員御指摘の点でもありますけれども、調査受入れに当たって地元が負う説明責任とか負担というのが重過ぎたと、こういった問題があったんではないかなと考えております。そういったことも踏まえて、日本学術会議であったりとか原子力委員会からも御提言をいただいております。
 もっと地域の声を取り入れながら、地域の住民の皆さんと一緒に処分の取組を進めていくような仕組みの構築であったりとか、処分の安全性の再確認と国民への説明についてもっと国がきちんと責任を果たす、こういった取組を進めていきたいと考えておりまして、今後、総合資源エネルギー調査会の下で検討を行っていきたいと考えております。
○松田公太君 最後です。
○委員長(増子輝彦君) 松田公太君、時間が過ぎておりますので、取りまとめてください。
○松田公太君 はい、終わらさせていただきます。
 非常に今の答えですと、過去の自民党政権がおっしゃってきたことと何ら変わらないんじゃないかなというふうに感じております。我々みんなの党は引き続き脱原発を目指していきたいと思いますが、自民党政権としても、もし本気で継続ということを考えているのであれば、それらの対策をしっかりと提言していただければと思います。
 以上で終わります。どうもありがとうございました。
○はたともこ君 生活の党のはたともこでございます。
 通告どおり質問をいたしますが、質問の順番のみ変更させていただきます。
 まず、環境省に伺いたいと思います。
 懸案の東京電力の新火力発電所の建設について伺います。たとえそれが最新型のUSCの石炭火力であっても認めないということですか。また将来的に、アドバンストUSC、IGCC、IGFCなどであっても石炭火力については新増設は認めないということなのでしょうか。
○政府参考人(関荘一郎君) エネルギーと環境につきましては、私どもとしましては、経済性、安定供給、環境、いわゆる三つのEを常に一体に考える必要があると、このように考えてございます。すなわち、経済性や安定供給だけではなく、環境の観点からも十分に考慮される必要があると思っているところでございます。
 したがいまして、具体的にその火力発電を環境省として認める認めないということではなくて、この三つのEを同時に達成することが重要であり、この具体的な方策につきまして、現在、環境省と経済産業省の局長級で精力的に検討しているところでございます。
○はたともこ君 エネルギー政策には、安定供給、コスト、多様な資源調達、環境保全などの判断基準があると思いますが、CO2排出だけに着目をして最新型の石炭火力の新増設を排除するという姿勢は間違っていると私は思います。例えば、東京電力トータルでのCO2排出量の削減という枠組みの中で最新型石炭火力の新増設も認めるべきではないかと私は思いますが、環境省、いかがでしょうか。
○政府参考人(関荘一郎君) 地球環境保全対策の観点からは、御指摘のように、例えば最新鋭の発電設備の導入と老朽火力の廃止を併せて行い、個々の発電所ではなくて発電事業者ごとに排出削減を進めるということであれば、これも一つの効果的な方法だと考えております。
 いずれにいたしましても、エネルギーにつきましては三つのEを常に一体的に考えていくことが重要であると、このように考えている次第でございます。
○はたともこ君 では、経済産業省に伺いたいと思います。
 先日、私は、私の地元であります広島県の尾道市で、広島ガスグループ主催の工務店向けのエネファームセミナーに参加をしてきました。私は、省エネルギー、新エネルギー、再生可能エネルギーは推進すべきだと思いますが、メガソーラーや風力発電などはむしろ環境破壊につながるのではないかと疑問を持っております。一方で、分散型の省エネ、新エネとして、エネファーム、燃料電池に注目をしております。
 経済産業省、まず、エネファームの普及の意義について簡潔に説明してください。
○政府参考人(高原一郎君) お答え申し上げます。
 発電のときに発生する熱を給湯用に活用するということによりましてエネルギーの総合効率が九〇%以上、平均的な火力発電が三五%ということでございますから、省エネルギーあるいはCO2の削減に寄与するという、そういう特徴を備えているというふうに承知をいたしております。
 以上でございます。
○はたともこ君 経済産業省の資料によれば、エネファームの現在の普及状況は大都市中心、そして新築が中心ということのようですが、私は既築、既にある住宅、あるいは地方についてもしっかりと普及をさせるべきであり、そのための方策を考えるべきだと思いますが、いかがでしょうか。簡潔にお願いいたします。
○政府参考人(高原一郎君) お答え申し上げます。
 おっしゃるとおりだと思います。エネファームにつきましては、今までは都市ガスの業者の方が主に販売促進をしておられましたので、ここを地方のガス、地方都市の皆様方にも普及していただくことは極めて重要だと思っております。
 それから、既築住宅でございますけれども、これも極めて重要だと思っております。新築は年間四十四万戸でございますけれども、既築住宅はストックで約三千万戸あるということで、これにつきましても普及拡大を進めていくことは極めて大きな意義があるというふうに考えております。
 以上でございます。
○はたともこ君 広島ガスグループでは、エネファームと太陽電池、ソーラーパネルを組み合わせたいわゆるダブル発電のPRもされていました。このいわゆるダブル発電の意義、普及促進策についても簡潔に説明をお願いいたします。
○政府参考人(高原一郎君) 太陽光発電とエネファームを共に家庭に導入しますダブル発電でございますけれども、再生可能エネルギーの普及拡大、これへの貢献が一つ、そしてまた分散型の電源の活用によるピークカットにも大きく貢献するというふうに考えております。
 以上でございます。
○はたともこ君 ダブル発電は太陽電池と燃料電池ですが、それに蓄電池を加えた電池三兄弟、またさらにIT技術も含めて、エネルギーの自給自足を目指すスマートハウスを目標とすべきだと私は思います。太陽電池、そして燃料電池、蓄電池と、ばらばらに促進させるのではなくて、ダブル発電の普及促進など、将来のスマートハウスを目指して総合的、立体的な普及促進、助成策を講ずるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(高原一郎君) いわゆる三つの電池、電池三兄弟と申し上げていますけれども、それにいわゆるこれをコントロールするエネルギーマネジメントシステム、ホームが付くのでHEMSと言っておりますけれども、これを組み合わせたものというのは大変、家庭のエネルギー消費をゼロにする可能性もあるということで、極めて重要だと思っております。
 これにつきましては、本年度からネット・ゼロ・エネルギー・ハウスに対する導入補助を開始をいたしておりまして、今後ともこの施策、しっかりとやっていきたいと思っております。
 以上でございます。
○はたともこ君 大臣、自公連立合意文書にある省エネルギー、再生可能エネルギーの加速的な導入にもつながることだと思いますので、茂木大臣におかれましても、燃料電池、エネファーム、ダブル発電、電池三兄弟、そしてスマートハウスの普及促進、助成についても強いリーダーシップを発揮していただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
 次に、TPPについて外務省に伺いたいと思います。
 本日、三月二十一日現在、TPPの日米事前協議は継続中ですか、いつ終了する見込みでしょうか、米国政府の米議会への通知はいつになりますか、教えてください。
○政府参考人(正木靖君) お答えいたします。
 先般の日米首脳会談において日米間の協議を継続していくことで一致したことを受けまして、協議を現在も鋭意実施してきているところでございます。我が国のTPP交渉参加に対するアメリカの同意が可能な限り速やかに得られるよう、今後引き続き取り組んでまいる次第でございます。
 米国議会への米行政府からの通報につきましては、アメリカ政府が行うことでございまして、時期等を含め日本としてコメントする立場にはございません。
○はたともこ君 外務省、三月十五日に総理は交渉参加表明をされたわけでございますが、正式な交渉参加は米国政府が米国議会に通知をしてから九十日後、早くても六月下旬以降になるということでよろしいでしょうか。
○政府参考人(正木靖君) TPPの交渉参加国は、交渉参加に関心を表明した国と二国間の協議を行い、それぞれのメリットにつき考慮した上で、受入れについて最終決定は全ての交渉参加国の合意により行うとしております。したがいまして、我が国のTPP交渉参加は、米国政府の議会通知など交渉参加国が国内手続を了した段階で正式に認められると承知しております。
 以上でございます。
○はたともこ君 大臣、去る二月二十日の参議院予算委員会で、我が党の平山幸司議員の質問に対して総理は、聖域なき関税撤廃、そしてそれ以外の五項目、五項目が守られないということが明らかになれば、それは参加はできないということであります、今私が総理大臣として申し上げておりますので、それが、私が述べたことが統一見解でございますと答弁されました。
 茂木大臣、総理が述べられた聖域なき関税撤廃以外の五項目が守られないことが明らかになれば参加できないは政府の統一見解ということでよろしいでしょうか。簡潔にお願いいたします。
○国務大臣(茂木敏充君) なかなか重要な問題ですので、簡潔にというわけにいかないですね。
 これ、TPPに参加するかというのとTPP交渉に参加するかということで違ってくるんです、全くこの部分というのは。
 それで、自民党が掲げております五項目、自由貿易の理念に反する自動車等の工業製品の数値目標は受け入れない、それから、国民皆保険制度を守る、食の安心、安全の基準を守る、国の主権を損なうようなISD条項は合意しない、政府調達、金融サービス等は我が国の特性を踏まえると、この五項目であります。これに沿って、当然国益にかなう交渉を進めていきます。守るつもりで交渉に臨みますけれど、交渉する前に守れる守れない、決まる性格の問題ではないと考えております。
○はたともこ君 更に確認いたしますが、すなわち、米国議会への通知後九十日以降、十一か国各国の承認が終了して正式交渉参加となる前に、聖域なき関税撤廃とその他の五項目が守られないということが明らかとなったら交渉参加はしないということでよろしいでしょうか。
○国務大臣(茂木敏充君) 繰り返しになりますが、国益に反する合意をするつもりはありません。そして、もしそういうことがあったら、国会に承認をお願いするわけですけれど、国会として、国権の最高機関として御承認はいただけないと思います。
 ただ、交渉をするわけです。そして、様々な条件につきましてそれぞれの国が主張の中でどれだけのものを取れるかというわけでありまして、九十日ルールをアメリカが経たにしても、それから、その後交渉が始まるわけでありますから、交渉が始まる前に、どこの部分が守れました、どこの部分が守れない、神様ではありませんから、そこまでは見通せないと思っております。
○はたともこ君 では、外務省に伺います。三月十二日に私はJAなどが主催をいたしました国益を守れないTPP交渉参加断固反対緊急全国集会に参加をいたしましたが、そこで自民党の石破幹事長がこのように発言をされました。日米首脳会談で総理は六項目を全て申し述べた、大統領はこれに一切異を唱えなかったと発言をされたわけでございます。しかし、総理は、二月二十七日の私の予算委員会での質問に対して、私は五項目について、J―ファイルに書いてあることを読み上げたということでありますと答弁されました。読み上げただけなんですね。石破幹事長の発言のように、オバマ大統領は一切異を唱えなかった、つまり、いかにも大統領が了解したかのようなニュアンスは、そこにはそれこそ一切ありません。
 そこで、外務省、総理がオバマ大統領に対してどのように説明をしたのか、またそれがどのように通訳をされたのかというところは非常に重要です。首脳会談でのやり取りは公表しないとしても、総理がオバマ大統領に対して申し述べたこと、日本語の原稿はあるそうですから、それと通訳の英訳文の資料を提出をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(正木靖君) お答えいたします。
 外交官のやり取りでございますので、今まで同様、通常、首脳間のやり取り、その逐一あるいは具体的な表現、そういったことをつまびらかにすることは今までも行ってきておりません。また、英語においてどうこうという点につきましても、通常のように現場において通訳を介し正確に伝わるように伝達しているところでございます。
 ちなみに、さきの日米首脳会談では、TPPについて、その意義やそれぞれの国内事情も含めじっくり議論し、総理からさきの衆議院選挙で聖域なき関税撤廃を前提にする限りTPP交渉参加に反対するという公約を掲げ、また自民党はそれ以外にも五つの判断基準を示し政権に復帰したということをオバマ大統領に説明いたしました。その際、総理から、自民党が示した六項目の内容を具体的にオバマ大統領に伝えております。
 首脳間のやり取りの逐一あるいは具体的表現などについては、繰り返しになりますが、つまびらかにすることは差し控えさせていただきたいと思います。
○はたともこ君 委員長、この資料の本委員会への提出を求めたいと思います。お取り計らいをお願いいたします。
○委員長(増子輝彦君) ただいまのはたさんの要求の資料につきましては、その取扱いを理事会で協議をさせていただきます。
○はたともこ君 TPPについては、自民党の政権公約の六項目以外にも懸念事項は存在します。例えば著作権法です。先ほども松田委員からも質問がございました。
 私は、文化庁に質問をさせていただきたいと思います。
 TPPでは既に、著作権法の保護期間の五十年から七十年への延長、刑事罰の非親告罪化、法定損害賠償の議論が行われているということですが、私は現在の日本の著作権法制を断固守り抜くべきだと思いますが、その点について、文化庁、いかがでしょうか。お願いいたします。
○政府参考人(作花文雄君) お答え申し上げます。
 TPP交渉におきましては、知的財産の分野も含まれており、その中で著作権に関する事項も議論されているということは聞き及んでおります。ただ、ただいま先生御指摘の個別の事項も含めて知的財産の分野において、現時点において交渉参加国においてどのような議論が行われているかということについては具体的には承知をしていないと、こういう段階でございます。
 いずれにいたしましても、今後我が国がTPP交渉参加していくに際しましては、著作者の権利の適切な保護というものと、それから著作物の円滑な利用の確保と、そういったものの調和、さらに、国益をどのように守っていくかと、そういった観点から対応をしていくことが重要と考えております。
○はたともこ君 では、総務省に伺います。
 そして、もう一つ、インターネット規制につながるプロバイダー責任制限法が懸念事項として私は考えております。TPPで議論になっているようだと伺っておりますが、どんな議論が行われているのか。ACTAの議論をした際には、総務省はプロバイダー責任制限法を今後変える方針はないと明言をされたわけですが、このプロ責法について断固日本の法制度を守り抜くべきだと私は思いますが、総務省、いかがでしょうか。
○政府参考人(安藤友裕君) お答えいたします。
 TPP協定交渉における個別分野の議論の中にはインターネットサービスプロバイダーの責任制限などの議論が含まれている模様でありますが、現時点では我が国はTPP協定交渉に参加していないため、具体的な内容については承知していないところであります。
 いずれにいたしましても、今後我が国がTPP協定交渉に参加した際には、総務省といたしましては、関係省庁とも連携しながら、必要に応じ的確に協議し、日本の国益に沿うよう対応していくことが重要であると考えているところでございます。
○はたともこ君 次に、原発再稼働問題に関連して原子力規制委員会に伺います。
 最近、自民党の高市早苗政調会長が外国人特派員協会での講演の中で原発への核攻撃について発言をされました。原子力規制委員会として原発に対する核ミサイル攻撃や爆撃を想定しているのか、また安全対策を考えているのか、伺います。簡潔にお願いします。
○政府参考人(櫻田道夫君) お答えいたします。
 原子力規制委員会におきましては、改正されました原子炉等規制法に基づく新しい安全基準を現在検討中でございます。その中におきましては、意図的な航空機衝突等のテロリズムによってプラントが大規模に損傷した状況において、消火活動の実施や原子炉の炉心あるいは格納容器の損傷を緩和するための対策を求めてございますが、御指摘のような核ミサイルによる攻撃を想定したような安全対策までは求めてございません。
○はたともこ君 茂木大臣、国務大臣として、また政府の安全保障会議の重要なメンバーとして伺いたいと思いますが、原発に対する核ミサイル攻撃や爆撃を想定していないということでよいのか、いかがでしょうか、簡潔にお願いいたします。
○国務大臣(茂木敏充君) 原発の安全性についての判断、これは原子力規制委員会の専門的そして独立的な判断に委ねられると、こういうことになっております。ただし、核ミサイルによります原発への攻撃については、原子力の安全規制の枠組みの対応ではなくて、国として外国から核ミサイル攻撃に対してどう対処するのか、こういう枠組みの下で対処されるべきだと思っております。安全保障会議、防衛省等々におきまして適切に対応していきたいと思っております。
○はたともこ君 次に、昨年十二月二十五日の自公連立合意文書について質問したいと思います。
 合意文書の四、原発・エネルギー政策のところにこのように書いてあります。同時に、省エネルギー・再生可能エネルギーの加速的な導入や火力発電の高効率化等の推進によって、可能な限り原発依存度を減らす、このように明記されております。茂木大臣、可能な限り原発依存度を減らすということは、可能であれば原発ゼロ、ゼロも含まれるということでよろしいのでしょうか。あわせて、赤羽副大臣にも同じ質問をさせていただいて、特に赤羽副大臣におかれましては公明党の方針についても伺いたいと思います。
○委員長(増子輝彦君) 時間が参っておりますので、簡潔にお答えを願います。
○国務大臣(茂木敏充君) 合意した文書のとおりであります。
○副大臣(赤羽一嘉君) 大臣の答弁と一緒でございますけれども、公明党のマニフェストは原発の新規着工を認めず、原発ゼロの日本を目指すとしている。これはそうでありますが、私は、今大臣の答弁にもありました自公連立政権合意に基づいて内閣の一員として仕事をしておりますし、この連立合意が公明党のマニフェストと矛盾しているとは全く考えておりません。
○はたともこ君 これで終わりますが、原発依存度を可能な限り減らすということの中に原発ゼロが含まれるのか含まれないのか、明確な答弁が得られなかった、大変残念でございます。
 以上で終わります。
○浜田和幸君 国民新党を代表して、茂木大臣に質問を何点かさせていただきたいと思います。
 先般の所信表明の中で、自然と過去は変えることはできないが、社会と未来は変えることができるとの大臣の発言、大変先見性に富むものだと、頼もしい限りだと聞きました。十九日の夜行われましたヘルシー・ソサエティの授賞式の式典でも大臣、その旨また繰り返されまして、大変あの中では光った発言だったと思っております。是非、未来を変えていくというその姿勢を貫いていただきたいと思います。
 そこで、未処理のまま増え続けている原発由来の高レベル放射性廃棄物の処理並びに東北被災地における復興の足かせとなっている高濃度放射性廃棄物、この処理について質問をさせていただきたいと思います。
 原発の再稼働につきましても、安全性を確認して、その判断の上で高レベル放射性廃棄物最終処分、これは処分場の設定プロセスを含む話ですけれども、これまでの取組への反省に立ち、問題を先送りせず、必要な見直しを行うと大臣も繰り返し述べておられます。
 そこで、改めてお聞きしたいんですけれども、何をどう反省して、その上で必要な見直し、それについてのお考えをまずお聞かせください。
○国務大臣(茂木敏充君) この放射性廃棄物の処理の問題、現在でも、原発が大半が止まっている現在においても、一万七千トンの使用済核燃料を保管中であります。そして、再処理された分も合わせますと、ガラス固化体にして二万五千本ということでありまして、これを次の世代までずっと解決せずにはおけないと、そんなふうに思っております。
 そして、大きな問題といいますか課題というのは、この地層処分、この安全性について国民に対する理解がまだ十分ではない、それからまた、候補地を選定する、それに当たって、これまで地元自治体、これが負う負担が大き過ぎた、こういった問題があった、課題があったと考えております。
 日本学術会議等々から御提言もいただいているところでありまして、そういったものを踏まえながら、現在、総合資源エネルギー調査会におきまして検討を進めているところであります。
○浜田和幸君 そもそも、この二〇〇〇年の六月に制定されました高レベル放射性廃棄物に関する最終処分法ありますよね。それがありながら、この原子力発電をめぐる大局的な政策について広範な社会的な合意が得られなかった。今大臣御指摘のように、様々な問題があって、現地、地元での同意もなかなか得られていない。そこには、やはり基本的なアプローチの姿勢に問題があったんではないだろうかと。
 要するに、順序は逆で、まず最初に国としての原子力政策を含むエネルギー政策の基本が打ち出されて、その大原則の下で個別の処理の問題に対する地元の理解を得る、国民的な納得の得られるような働きかけをすべきではないかと思うんですが、基本的な我が国のエネルギー戦略、それをまず合意を得るということが先ではないでしょうか。
○国務大臣(茂木敏充君) 浜田委員御指摘のように、我が国のエネルギー政策全体をお示しをして、そこの中において最終処分をどうする、考え方の順番としてはそちらの方が正しいんだと思います。ただ、委員も御案内のとおり、この最終処分につきましては、日本だけではなくて、先進国、原発を持っておりますほとんどの国が大きな課題として今取り組んでいる課題でありまして、それだけ難しい問題でもあると思っております。
 ただ、難しいから放置しようとは思っておりません。同時に、これからエネルギー政策の全体像、これもできる限り明確に国民にお示しをしていきたいと思っております。
○浜田和幸君 原子力発電、それによる受益を増大させようとすれば、当然プラス面もあればマイナス面もありますよね。特に、被曝労働ですとか定常的な汚染の問題、そして放射性廃棄物の処理、事故の危険性が当然増大するわけでありますが、発電所の寿命というのはせいぜい数十年、四、五十年と言われていますが、高レベル放射性廃棄物、これについては千年とか万年とか大変長い、長期にわたる汚染リスクを管理していくということが必要になってくると思います。
 大臣も御指摘のように、六ケ所村とかあるいは東海村、ガラス固形化したそういった廃棄物が多数残っているというか、年々増え続けているわけですよね。一体、こうした言ってみれば危険な廃棄物をどういう形で処理するのが一番日本にとっても可能な道筋なのか、また、国際的に同じような課題を抱えている国は多いとおっしゃいましたけれども、そういった海外との連携ということはどういうことを考えておられるのか、お聞かせください。
○国務大臣(茂木敏充君) 現在、地層処分を進めると、こういったことで我が国として取り組んでおりますけれど、直接処分を検討している国もあるわけでありまして、いろんな情報交換もしていきたいと思っております。
 また、候補地の選定、どういうプロセスを取ったらうまくいくのかと、こういったことについても国際的な知見、共有するような努力というのを続けていきたいと思っております。
○浜田和幸君 その関連で、放射性物質の汚染対策措置法、これによる指定廃棄物、これは環境大臣が指定した汚染状態がキロ当たり八千ベクレルを超えるもの、これは国が責任を持って平成二十六年度末をめどとして必要な最終処分場などを確保することを目指すということがうたわれております。ところが、現状ではなかなか見通しが立っていない状況であります。
 昨年末の時点で、八千ベクレルを超える放射性廃棄物、福島県だけでも二百六十八か所、七万八千トン強がたまっております。ほかの都道府県を合わせると総計三百九十九か所、九万八千トンを超える、これだけの高濃度の放射性物質がたまっているわけで、国が直轄で処理すると特措法ではうたわれていますけれども、一義的には環境省の責任だと思いますが、経産省と環境省、要するに政府機関の連携した取組はどうなっているのか、お聞かせください。
○国務大臣(茂木敏充君) 放射性物質汚染対処措置法、これは当然環境省の所管でありますから環境省を中心に対策を進めると。そこの中で、経済産業省として協力できる分野がありましたら、全面的に協力をさせていただきます。
○浜田和幸君 そこで、その高レベル放射性廃棄物の処理に関する国際的協力という形に話を進めていきたいんですけれども、先ほどの大臣の話にありましたように、海外の国々でも、自国内で処理するという原則の下、ガラス固形化後に地下に埋設するケースが多いようであります。しかし、一部の国々の間では、自国外に持ち出して、処理、埋設を委託するケースもあるように承知しております。
 もしそういった国々から、技術や施設を有する国から日本に対して今の高レベルの放射性廃棄物を受け入れてもいいですよというようなオファーがあった場合には、選択肢として検討する余地があるんでしょうか。
○国務大臣(茂木敏充君) 恐らくこれは典型的なNIMBYの問題だと思うんですよね。ノット・イン・マイ・バックヤードですね。海外なら余計そういうことに私はなってくるんではないかなと、基本的にそんなふうに思っておりますけれど。
 安全で確実な処分を進めなければならない。これは原子力の便益を受ける国にとっての責務ということでありまして、これは発生した国において処分されるべきというのが国際的な共通認識だと、こんなふうに思っておりまして、我が国としても当然、自国内で発生したものについては自国内できちんと最終処分を行う、こういう形であります。
 そして、国際条約上、排除はされていないと、もちろんほかの国が引き取るというときに。それは法律的にはそうでありますけど、現実の問題として、その処分を行う国が出てくるのか、また、周辺国の公衆の理解を得ることが可能なのかと。相当、国内で最終処分をするの以上に私は大きな課題があるんではないかなと思っております。
 そして、現段階におきまして、我が国に対してそういう申出が他国からあるということは承知をいたしておりません。
○浜田和幸君 おっしゃるとおりだと思いますが、例えばイギリスにしても、フランス、ドイツにしても、自国内での処理が大原則ですが、一部海外に持ち出して、きちんとコストを払って海外で処理をして、海外で埋設しているという事例があります。実は、そういった国々の一部から、日本の今の状況を鑑みて、なかなか日本の国内で濃度の高いものに関して処理ができないという状況があれば、東北の復興そのもの、帰還計画そのものに前進が見られないので、きちんとした打合せをした上で、日本からの今たまっている高濃度の汚染物質を受け入れてもいいという話がもし正式に来た場合には、今のお話で、そういうことを考えてもいいという理解でよろしいでしょうか。
○国務大臣(茂木敏充君) 原子力の様々な分野におけます国際協力、これは進めていかなければいけないと思っております。そして、その国によりまして置かれている状況、得意な分野等々は違ってくると、そんなふうに私も考えております。
 ただ、最終処分については、やはり自国で発生したものは自国できちんと処理をする、この大原則がなかったら受け入れていただけるような国というのは私はない、また国内においても受け入れる候補地というのは出てこないと、こんなふうに考えております。
○浜田和幸君 最後、もう一度聞きますけれども、おっしゃったように、自国内で発生したごみを自国内で処理するのはこれは大原則、これはもう国際的な認知が得られています。しかし、現実の問題は、増える一方、この高レベルな放射能汚染物質を処理する、一つは技術、最終的な中間処理場を含めて最終処分地の設定がなかなか見通しが立っていない、そういう状況があります。
 さきの政権の時代に、一部外国にそういった協力を仰いで、外国の政府の監視の下、同意を得た上で処理するという話が進んでいたケースもありますが、おっしゃったような、そういった国々の国内世論の反対があってついえてしまったという経緯もよく承知しています。
 しかし、そうだからといって、全ての可能性を封じてしまう必要は私はないんではないかと思うんですね。国によっては、きっちりと日本に対する協力という形で、今困っているこの日本の状況を打開するために受け入れてもいいですよと、そういう申出を準備をしている国があるかも分かりません。
 そういう国から正式にきちんとした申出があれば御検討いただけるかどうかということが一つと、もし御検討いただけるとなった場合に、やはり輸出貿易管理令の中で経産大臣の許可があればそういった放射性廃棄物を海外に持ち出すことも可能になると思うんですけれども、その場合に大臣が、この輸出貿易管理令の特例措置として、そういう放射性廃棄物の海外への持ち出しを認めていただくお考えがあるかどうかをお聞かせください。
○国務大臣(茂木敏充君) 国際条約上排除されないということを冒頭申し上げました。
 ただ、現実問題として、その受入れ国であったりとか周辺国の問題もあり、自国で処分するのよりハードルは高いんではないかなと、こういう基本的な認識を持っております。同時に、基本方針として、国内で発生したものについてはその受益を受けている国において処分をする、これが基本方針だと考えております。その上で、先生の方からも様々な御提案をいただきました。そういったことも受け止めさせていただきたいと思っております。
 その後の様々な手続につきましては、あくまで仮定の問題でありますので、現実の問題となった時点でいろんな判断はさせていただきたいと思います。
○浜田和幸君 ありがとうございました。
 具体的、現実となる、そういう提案が恐らく近いうちにあるかと思いますので、そのときには是非御検討のほどよろしくお願いしたいと思います。
 最後に、先般、大臣がサウジアラビアに行かれました。実は、今の原発が止まっている状況下で、サウジ始め中東の国々からの資源の安定供給というものが日本の経済にとって大変重大な課題だと思われますが、そのときに、実はサウジと日本だけでなくて、サウジと日本が協力して、例えば第三国であるベトナムのエネルギー、あるいはインフラ、あるいは医療といったところに協力できる三か国間の協力の提案というものがサウジアラビアの方からいろんな形で日本にも伝わってきているんですが、大臣の方は、そういうサウジと日本が中心になって第三国、それはアジアであり、アフリカであり、ラテンアメリカで構いませんけれども、第三国に対する共通のプロジェクト、これを進めていくというお考えはおありでしょうか。
○国務大臣(茂木敏充君) サウジアラビアは、我が国にとりまして最大の石油の供給国でありますし、我が国の石油の安定供給に大きく貢献し、また国際的な原油市場、この安定にも大きな貢献をしている、我が国にとりまして極めて重要なパートナーだと、こんなふうに考えております。
 そして、サウジに行ってみましても、やはり石油は取れるんですけれど、将来の人口増、そしてまた経済発展を考えたときに、エネルギー源の多角化を図っていきたい、多様化を図っていきたい、こういう観点から、例えば原子力であったりとか再生可能エネルギー、この分野に極めて強い関心を持っておりますし、同時に、日本の持っている技術とか人材に対する協力、これにも高い関心を持っているわけでありまして、進められる分野から日本、サウジの間の協力、エネルギー分野で更に深めていきたい。そして、そこの中から、先生おっしゃるような日本、サウジを含めて第三国へ、こういう道もその上で開けてくるものだと思っております。
○浜田和幸君 大変前向きな御答弁をいただいて、大変感謝いたします。
 サウジを始め中東の国々は、今の日本がこの原発事故からどうこれを乗り越えていくのか、また、その過程の中で新しい再生可能エネルギー、太陽光や風力、地熱、もろもろ含めて共同開発をしていきたいと。いつまでも石油や天然ガスが未来永劫続くわけではありませんから。そういった意味で、日本の技術といったものを最大限に生かしながら、原発の事故の教訓も踏まえた上で、新しい時代にふさわしいエネルギー政策を共につくっていきたい、そういう期待が大変高い国だと思っております。
 是非、サウジに限りませんけれども、世界の国に開かれた日本の技術、世界に開かれた日本のアイデアといったものをベースにして、自然と過去は変えられないけれども未来と社会を変えていくという観点で、大臣のこれからのますますの指導力を期待したいと思います。
 質問は以上です。
○荒井広幸君 大臣、副大臣、御苦労さまです。それから、原子力規制委員長にもお越しいただきました。
 早速、大臣、所信の九ページに、大臣は、とりわけ福島においては政府を挙げて被災者に寄り添うと、こういう趣旨を述べられています。ありがとうございます。
 国会事故調査委員会は、この原発大事故を人災であると結論付けています。私も全くそのとおりであると考えますが、まず茂木大臣、所見を伺います。続いて原子力規制委員長、所見を伺います。
○国務大臣(茂木敏充君) 原発の安全性につきまして、国会の事故調そして政府の事故調からも指摘をされているとおり、複合災害という視点が、複合災害に対応するという視点が欠落していたこと、そして、規制組織の独立性が十分ではなく、いわゆる安全神話に陥っていたと、こういうことについて政府としてまず深く反省をしなければいけない、こんなふうに考えております。
 そして、福島県におきましては今なお十六万人の方々が厳しい避難生活を送っておられる、そしてなかなか本格的な復興の見通しも立たない、そういう中にある。そして、その一つの大きな原因というのが今回の原発事故であったということを考えると、国がこれまで原子力政策を担ってきたことに伴います社会的な責任、これにつきましては被災者の皆さんに心からおわびを申し上げたいと思っております。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 事故の原因を人災かどうかということを判断する立場ではありませんのでお答えは控えさせていただきたいと思いますが、一方、こういった事故の場合には、特にシビアアクシデント対策というような場合には、そうした事態に的確に対処できる人材の役割というのは大変重要だというふうに認識しております。
 したがって、新しい新規制基準においては、そういったことも併せて事業者に要求していくということにしております。
○荒井広幸君 田中委員長、設置法の第四条、所掌事務、一の八には、原子炉の運転等に起因する事故の原因及び原子力事故により発生した被害の原因を究明するための調査に関することというのがあるんですよ。冒頭、私たちは触れられないなどということを言っているから、もう既に福島事故のこの大事故をきちんと究明することなく再稼働に行っているんですよ。そこが問題なんですね。設置法ですよ。第三条で、独立性とは別ですから、しっかりしてください。
 そして、大臣にお尋ねをいたします。
 被災者という文言が、政府は統一して意図的に使っている。被災者ではありません。先ほどのように、複合災害ではあるが人災であると言っているんです。この人災である以上、国と東電が加害者であり、そして被災に遭われた、皆さんの言葉で言えば被災に遭われた方、この方々は被害者なんですよ。加害者と被害者であるという意識を大臣、お持ちですか。
○国務大臣(茂木敏充君) 被災者と被害者、二律背反すると、こういう概念ではないんだと思っております。様々な形で福島の皆さん、今回の東日本大震災そして東電の原発事故によって被災されたのは間違いありません。
 そして、賠償という点で申し上げますと、実際に賠償が発生して東電から賠償が行われている、その意味で賠償を受けられている方というのは当然被害者ということになってくると思います。
○荒井広幸君 大臣、これは、やはり大臣は進める側の立場と私最初から見ていますからね、それを悪いと言うんじゃないんですよ。高台から見下ろすというところまで行った我々がですよ、もう一回我々の生き方自体を変えようと思わなくて、現在のエネルギー事情でどう考えるか程度の高台から見たんじゃ、何も変わらないんじゃないですか。そこに行こうとする意思力で、自由民主党は政権を失うまで日本をそれなりに間違いない方向に進めてきたんだと思いますよ。私は、ここで立ち止まる勇気が必要だと思うんですね。
 そこで、本当に、赤羽副大臣も、大臣の指導の下、一体となって、福島県の現地対策本部長ですね、御苦労さまです。またお礼を言いますが、極めて重要なところですよ。東電に賠償されたから被害者ですか。そういうところを問題として言えば、自然災害に扱われて亡くなった方が、いわゆる原発大災害とは関係ない、いわゆる関連死という、自然災害死という扱われ方しているわけです。ところが、それは首長さん方が全部申請するんですね。そのときには原発に関係して亡くなったといって申請しているんです。これは、政府の方の幅を持ったやり方なんです。
 だったら、最初から原発の、いわゆる私は言うのは、相当因果関係という、こういうでたらめな考え、私から言ったらでたらめなんだ、法律用語でごまかそうとしているということなの。実態を見ていないということなの。原発災害というのはこういうものですよ。助けに行けないんです。
 だから、原発被害死という枠組みを立てて、いわゆる災害関連死などというようなごまかしをやめていただきたい。そういう制度につくり変えるお考えを実態としてお持ちになりませんか、副大臣。
○副大臣(赤羽一嘉君) 私は、一昨年の三月十一日、東日本大震災発災直後から、当時は原子力議員ではありませんでしたが、阪神・淡路大震災で被災をした体験から、とにかく現地に行かなければ何も真実は分からないという思いで、十二日目に三沢空港経由で宮古市に行かせていただきました。
 以来、党の災害対策本部の事務局次長の任命をいただいて、足しげく通わせていただきました。また、昨年十二月二十七日に経済産業副大臣を拝命いたしまして、特に福島県の原子力災害対策本部の担当を仰せ付かっておりますので、今年の初めから訪問をさせていただいております。
 まさに、何というか、まず、発災以来もう二年たったわけでありますが、三十万人を超える方が今なお不自由な避難生活を余儀なくされているということに対して、まず政府としてその責任を感じ、一日も早い復興を支援していかなければいけない、支援というより我が事として責任を共有して立ち上がらなければいけないと、こういうのが大前提だと思います。
 その中で、これまでの前政権からの整理で、私の理解は、地震、津波によるいわゆる天災、自然災害による被災者に対しては災害救助法、また災害弔慰金法、そして被災者生活再建支援法と、こういった法案で対応すると。今回の原子力災害のいわゆる被害者の皆様に対する賠償云々につきましては、原子力損害賠償法で対応するという整理がされてきたと、私はそう理解をしております。
 ですから、この原子力災害の被害者の皆さんに対する一義的な賠償責任は原子力事業者にあると定められておりますが、国は責任を放棄するというわけではなくて、今回、東京電力がこの賠償金が速やかに支払われるように全面的に国としてバックアップをするという体制になっているわけであります。
 ですから、荒井さんの言われる趣旨はよく分かります、原発被害死として認定する云々ということ。これはなかなか、我々が引き継いで一年十か月目からそうするというのはそんな簡単なことではないと思いますが、実質的にその原発の被害者、また特にお亡くなりになられた方についてはもう現実に、まだ百三十件だとは思いますが、災害弔慰金より手厚く丁寧にその賠償もさせていただいているというふうに承知もしておりますので、そういったことはしっかりと続けていきたいと、こう考えております。
 加えて、賠償だけではなくて、国の責任としては、やはり一日も早い、ふるさとに帰還していただこうということで今、帰還、避難困難地域等々の見直しを今一生懸命やっておるところでありますが、それだけではなかなか帰りづらいということで、これは荒井議員よく御承知だと思いますが、産業集積をするために企業立地補助金ですとかグループ補助金を最大限に、特に福島県には手厚くしながら、そしてまた様々な帰還事業についても二百五十億円の、復興庁の予算でありますが、細かいところに配慮できるように、そういった予算も計上させていただいているところでございます。
○荒井広幸君 私は大きな、大臣、副大臣、チャンスだと思うんですよ、規制委員長も。今までの民主党も一生懸命やってこられたでしょう。だけど、やっぱりボタンの掛け違いがあるんです。原子力災害の真実をそのまま実態として受け止めていただけないですか。その作業がなければ、幾ら物事を進めて支援をしていますと言っても、心の被曝とも申しますが、なかなか手が届きませんよ。
 だから、どうぞ茂木大臣、今一番変われるときなんですよ。国の社会的責任なんという言葉を作った我々も失敗でした、議員立法で。国の社会的責任、国の責任なんですよ。それが原発事故調が言っている趣旨なんです。それをやっぱりきちんと受けなければ、何のためにこの事故調をつくったんですか。そうなってくれば、実際には全ての資産、今日、午前中にもお話がありましたが、貸借対照表を含め、全部変わってくるんです。いかにコストが高いかという数字がはじき出されるんですよね。そういうところをしっかり見て国民の判断を仰ぎましょうよ。私は、一点、そういうことなんです。
 いずれにしても、国家賠償法で続々と裁判になりますから。国の責任が問われることだけは間違いない。ここをやっぱり現政権は、新しく替わった政権ならば、しっかり直視していただきたいんですね。
 例えば、その中の一つを私、申し上げます。これは我々も責任があることですが、事務方にお尋ねいたしますが、今回の規制法においても、結局、原子炉と核燃料、二つだけの審議会しかつくらないですね。これはいいですね、今までと同じですね。この原子力規制委員会の中で重点的に見ていくのは原子炉と核燃料、これだけについては審議会をつくる、この二つで変わりないですね。
○政府参考人(櫻田道夫君) 委員の御指摘のとおりでございます。
 原子力規制委員会設置法第十三条におきまして、原子炉安全専門審査会それから核燃料専門審査会、この二つの専門審査会を置くこととされてございます。これは、従前の制度におきます原子力安全委員会において同じ名前の専門審査会が二つ置かれていたということと同じでございます。
○荒井広幸君 委員会の皆さんのお手元に、過去と、政府案と改正法、これは自民案ですね、自公案、そして最後は自公民で作ったものですから、置いておきました。
 ずっと、皆さん、我々はノーリターンとか三条とかどこにぶら下げるとか、そんなことを、最も重要なことではありますが、もう一つ忘れておった、メルトダウンをした廃炉をどうするかということを忘れていた。同時に、四十年たったものをどう安全のうちに廃炉させるかということが問われるべきであった。その安全専門審査会をつくることを我々は除いてしまったんです。
 これについて、規制委員長、どのような感想を持たれますか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) まず、一般の、一般で言われるいわゆる廃炉ですね、廃炉につきましても、これは原子力発電所としての安全を確保する上では大変重要なことだというふうに認識しております。こういった廃炉、廃止措置計画の申請が行われた場合には、規制委員会としてもその安全の確保については厳正な審査を行っていく必要があるものと考えています。
 廃炉の審査においては、原子炉等の構造物の解体とか核燃料物質あるいは廃棄物の管理等、幅広い知見が必要となりますので、必要に応じて外部有識者の意見を聴取するなどして安全の確保に万全を期したいと思っております。
 さらに、メルトダウンしたという福島第一原子力発電所の御質問があったわけですけれども、これにつきましては、通常の意味での廃炉というようなことでは措置できませんので、法律上は特定原子力施設というふうな特別の扱いをしまして、これを、この廃炉、廃止措置について、安全を保ちながら、かつ、残念ながら普通の炉と違いますので十分な安全化という段階にはなかなかならないんですが、少しでも一刻でも早くそのリスクを下げるために、安全という観点からも十分な監視をしていきたいということで特定原子力施設監視・評価検討会を設けて、長期的にその事業の進展に応じた評価を詳細に評価、審査していくということにしております。
○荒井広幸君 これは、先生方、我々立法の大きな判断のところですよ。廃炉と核、いわゆる核の燃料のところと、もう一つは炉のところですね、原子炉、ここのところだけ専門チームつくったんです、法律要件。廃炉というところをつくるべきであった。今委員長が説明しているように、特定原子炉施設、つまり今度の福島のようなことになれば、今、政府は特定原子力施設監視・評価検討会というのを設置しているんです。これの根拠は新炉、炉の規定法なんですけれども、これはそもそも規制委員会につくるべきであった。ここを私たちは先生方に提案をして、ここを変えていく皆さんにお力をいただきたい。
 つまり、この法律の下で全体が、規制のみならず、原子力の利用推進という概念でつくられた中で、たまたま起こってしまったこのメルトダウンの原発をどうしようかな程度に置いているということなんです。そもそも、ここを転換しないといけない。じゃ、これ、福島、大規模停電でした。南相馬市長、帰還しようとする人も戻れなくなる可能性がある、ああ、またこういうことかと、いつも地震あるんですから。双葉、新しい町長、原発がまだ安定していないことが顕在化した。今日になってみたら、小動物が端子と、仮の配電盤ですかね、仮設配電盤の中に小動物がいて、端子に接触して大きな電流が流れて停電した可能性があるんじゃないかと東電は言っているようであります。これら全て報道ですが。
 ネズミ一匹でこういうことになったといったら、これ、大山鳴動してネズミ一匹。これは大騒ぎしてネズミ一匹だったが、大臣、ネズミ一匹でこの騒ぎです。全く真逆だ。
 これぐらい、原子力というのは、本当に我々が扱い切れるのかという謙虚さを持たないといけないと思うんですよ。そのときに、原子力全体の廃炉に関する専門委員会というものを設置する、そういう必要性を委員長はお感じにならないのかと、法律要件で。私はそれだけ技術的に聞いているんです。要らないというなら要らないと言ってください。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 法律上は特定原子力施設という、今先生御指摘のように、こういった施設を認定するという、これはもう福島第一原子力発電所だけに適用される考え方です。そのことに基づいて、そこの下に、その安全を監視する組織として大勢の有識者を含めた特定原子力施設監視・評価検討会というのをつくってやっております。
 実は、この福島第一の廃止措置は非常に長期にわたりますし、随時いろんな段階で廃止の内容が変わってまいりますので、それに応じて専門家の助言等を得ながら、私ども委員会として責任を持って安全を確保していきたいというふうに考えております。
○荒井広幸君 時間が参りましたので次の機会にしますが、審議会のレベルにあって、それでもまだ足りないんじゃないかぐらいの安全監視が必要なんじゃないですか。廃炉、そしてメルトダウンしている今度の事故の廃炉。
 皆さん、福島県は去年の十二月七日、福島県として独自に廃炉安全監視協議会をつくっているんです。この現状にあって、我々は今もなお、原子力の安全推進にだけ力点を置いたかに思われるような法体系を作っているということです。ここを私自身反省して、また先生方と御協議をさせていただきたいと思います。
 どうぞ大臣、国に責任があるということを忘れないでいただきたいし、認めていただきたい。そこからでないと進みませんよ。これをお願いして、終わります。
○委員長(増子輝彦君) 両件に対する質疑はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。
   午後三時十二分散会