第183回国会 環境委員会 第7号
平成二十五年五月二十三日(木曜日)
   午前十時一分開会
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   委員の異動
 五月二十一日
    辞任         補欠選任
     江田 五月君     長浜 博行君
     小見山幸治君     松浦 大悟君
     樽井 良和君     谷  博之君
     難波 奨二君     徳永 久志君
     青木 一彦君     佐藤 信秋君
     中原 八一君     猪口 邦子君
     松田 公太君     水野 賢一君
 五月二十二日
    辞任         補欠選任
     谷  博之君     山根 隆治君
     長浜 博行君     石井  一君
     松浦 大悟君     小見山幸治君
     猪口 邦子君     中原 八一君
     佐藤 信秋君     青木 一彦君
     平山  誠君     舟山 康江君
 五月二十三日
    辞任         補欠選任
     石井  一君     江田 五月君
     山根 隆治君     谷  博之君
     鈴木 政二君     熊谷  大君
     森 まさこ君     渡辺 猛之君
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  出席者は左のとおり。
    委員長        北川イッセイ君
    理 事
                西村まさみ君
                松井 孝治君
                中川 雅治君
                中原 八一君
    委 員
                石井  一君
                江田 五月君
                小見山幸治君
                谷  博之君
            ツルネン マルテイ君
                徳永 久志君
                山根 隆治君
                青木 一彦君
                川口 順子君
                熊谷  大君
                谷川 秀善君
                渡辺 猛之君
                加藤 修一君
                水野 賢一君
                市田 忠義君
                舟山 康江君
   国務大臣
       環境大臣     石原 伸晃君
   副大臣
       環境副大臣    田中 和徳君
   大臣政務官
       環境大臣政務官  齋藤  健君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        山下 孝久君
   政府参考人
       警察庁生活安全
       局長       岩瀬 充明君
       財務大臣官房審
       議官       星野 次彦君
       文化庁次長    河村 潤子君
       経済産業大臣官
       房審議官     後藤  収君
       環境大臣官房審
       議官       星野 一昭君
       環境省地球環境
       局長       関 荘一郎君
       環境省自然環境
       局長       伊藤 哲夫君
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  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関
 する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
○特定外来生物による生態系等に係る被害の防止
 に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提
 出)
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○委員長(北川イッセイ君) ただいまから環境委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、樽井良和君、難波奨二君、松田公太君、江田五月君及び平山誠君が委員を辞任され、その補欠として山根隆治君、徳永久志君、水野賢一君、石井一君及び舟山康江君が選任されました。
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○委員長(北川イッセイ君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(北川イッセイ君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に中原八一君を指名いたします。
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○委員長(北川イッセイ君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律の一部を改正する法律案外一案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、警察庁生活安全局長岩瀬充明君外六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(北川イッセイ君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(北川イッセイ君) 絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律の一部を改正する法律案及び特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
 両案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○松井孝治君 おはようございます。民主党・新緑風会の松井孝治でございます。
 今日は、限られた時間でございますけれども、この両法案について、特に種の保存法について、大臣、齋藤政務官、あと関係政府参考人に御質問させていただきたいと思います。
 私と、その後、西村理事が御質問させていただきますが、最初に、これは通告を必ずしもしてないんですけれども、大臣、あるいは齋藤政務官でも結構ですが、御質問をさせていただきたいんですが、全体として、この種の保存法、私は趣旨としては一歩前進、結構だと思うんです。結構だと思うんですが、本当にこれで十分かというと必ずしも十分ではないと、そういう視点でもう少し政府の背中を押したいという思いがございます。
 そもそも、種の保存あるいは生物の多様性の保全ということが我が国にとってどういう意味があるかということについて最初にお尋ねしたいわけでありますが、これはもう私が言うまでもないことでありますが、地球上の中で我が国は国土面積、あるいは経済水域、排他的経済水域の面積、これは結構大きいですけれども、それに比して、我が国の種の、あるいは生物の多様性というのは非常に豊かな国土だと思うんです。それが我が国の風土、文化、国民性、こういったものに本当に大きな影響を及ぼしていると思うわけです。
 そこの重要性ですね、我が国として、それこそ自然保護の一環ということだけではなくて、我が国の長年培ってきた文明的なあるいは文化的な視点から見て、種の多様性を保全するということの重要性について、もし、大臣あるいは齋藤政務官、政治家として御認識があれば、まず最初にいただきたいと思います。
○大臣政務官(齋藤健君) 松井委員おっしゃいますように、元々日本は農耕民族で、自然を大切にし、多くの生き物と共生をしながら歴史を育んできたという、そういう状況にあると思います。昔から、生き物が出てくる民話や物語や、そういうものを語りながら子育てをし、日本人の人格が形成され、社会の背骨になってきたというふうに思っておりますので、この日本固有の種というものを大切にしていくということは日本そのものの文化を守っていくことにつながる重要な政策課題だろうと認識をいたしております。
○国務大臣(石原伸晃君) ただいま齋藤政務官から御答弁させていただきましたけれども、種というのは、ぱっと生まれて今あるというよりも、長い年月掛けてその地域に育まれてきたものだと思います。
 一つの絶滅危惧種のいい例はトキだと思いますけれども、トキもやはり環境を人間が著しく変えたことによって自然に生存できなくなった。すなわち、それが食するドジョウやそういうものが農薬等々によって田畑からいなくなる。やはり、このトキに代表されるようなものだけではなくて、それこそ草や藻や様々なところまでに、新しいものは急には生まれてこないわけですから、私たちは守っていく責務がある、こんなふうに認識をさせていただいております。
○松井孝治君 ありがとうございます。本当に大臣、政務官おっしゃるとおりだと思うんです。
 私は、そういう認識をお持ちなので、政府としては、今回の法案も一歩だとは思いますが、より踏み込んだ戦略を持ってこの取組に全力を挙げていただきたいと、そういう視点で今日私は約三十分程度、もう残りありませんけれども御質問させていただきます。
 そもそも、これ法律の構成として、環境基本法というのが一番環境省として骨格になるような基本法として存在して、そして生物多様性基本法というものがあって、生物多様性国家戦略というものをその生物多様性基本法に基づいて、これ十一条ですね、作るということになっているわけですね。そして、いろんな、その生物多様性基本法の方は生物多様性条約というものが背景に国際的な取決めとしてあって、また生物多様性基本法の下に種の保存法があって、それはワシントン条約などの国際的な取決めとも対応していると。その種の保存法の中では、希少野生動植物種保存基本方針というのが法的な方針としてあるという枠組みになっているというのは釈迦に説法でございます。
 そこで、元々、昨年の九月、これは民主党政権の時代でございますけれども、生物多様性国家戦略、これは、先ほど申し上げた生物多様性基本法の下の法定基本国家戦略というものがあって、ここで、二〇二〇年までに二十五種、現行約九十種の指定があるわけですが、それを二十五種増やしていこうということを決定していたわけであります。
 今回、私は、自民党政権になられて、自公政権になられて、これをもっと野心的に、これから二〇二〇年までに三百種まで指定していこうというこの方針を出されているということは非常に結構だと思うんです。結構だと思うんですが、今私が申し上げましたように、生物多様性基本法に基づく国家戦略に二十五種増やすということを書き込んだわけですから、これはしっかりとした形で、国家戦略は法律に基づく戦略であって、それを閣議決定して当然決めているわけですね。ですから、今回、三百種に二〇二〇年まで増やすという方針は結構なんですが、結構というか、それでは必ずしも十分ではないということもこの質疑の中で明らかにしていきたいと思いますが、その方針はどういう形で環境省は発表になられたのか。
 私は、この方針を明らかにされるんだったら、きちっと閣議決定を改定されるなりの形で行われるべきことだと思うんですけど、どうも聞いていますと、環境省は何か記者会見でどなたか事務方がそれを増やしたいとおっしゃったというふうに聞いているんですが、じゃ、局長、結構ですから、簡単に、それはどういうやり方で環境省は決めて、その三百種、二〇二〇年三百種というのはどこで決めたんですか。
○政府参考人(伊藤哲夫君) 御指摘のとおり、昨年九月に策定いたしました生物多様性国家戦略におきましては、二〇二〇年までに二十五種増しようと、こういうことが書かれているわけでございます。この前提は、この国家戦略の、昨年九月に定めた国家戦略の中では今回の種の……
○松井孝治君 局長、事実関係、簡潔に。
○政府参考人(伊藤哲夫君) はい。今回の種の保存法の改正とか外来生物法の改正というのは前提としていないという、しっかり改正するんだというところまでは書き込んでいなかったわけでございます。
 この種の増加ということは、後でもまた議論になると思いますけれども、罰則が非常に弱いということで、地元の地道にやっておられるNGOの皆様だとか研究者の皆様はなかなか環境省にそういった情報を上げてきていただけない、もし上げて指定されても罰則が弱いので捕獲圧が高まるんじゃないかと、こういうふうなこともあってなかなか進んでいかないと。
 そういったことで、現行の法の前提としては二十五種増加していこうということになったわけですが、今回いろいろ法案の改正作業を行っていく上でいろいろ検討いたしまして、これは是非とも罰則の強化というのは一日も早くやっていかなきゃならないというふうに思うわけですけれども、そういったことをやることを通じて……(発言する者あり)
○委員長(北川イッセイ君) 簡潔に答えてください。
○政府参考人(伊藤哲夫君) はい。ということで、そういったことで罰則の強化をやることを前提として、じゃ、どれくらいこの希少種を増やしていけるのかといったことを検討して、それで少なくともこの二〇二〇年ぐらいまでには追加的に三百種ぐらいは追加したいということを環境省の内部でいろいろ検討して明らかにしたものでございます。
○松井孝治君 別に、局長、私は事実関係として、それを三百種にするのは誰がどういうふうに決定したんですかと、それは閣議決定でやるべき話じゃないんですかと、法定の国家戦略で決めたことを、もしそれを三百種に増やすというんならちゃんとやるべきじゃないかと。もう、だから、局長いいです。
 齋藤政務官、これは本来、いや、三百種に増やすという方針を今もう認めておられますから、それは結構なんです、別にそれを否定しているわけじゃないんです。それは、いずれ閣議決定をしてしっかりと政権としての方針を決められるということでよろしいですか。
○大臣政務官(齋藤健君) 当然のことながら、今後の生物多様性国家戦略の見直しの際に反映させていくということになろうかと思います。
○松井孝治君 私、実はその三百種というものを実現するということも並大抵のことではないけれども、恐らく他の会派の同僚議員もおっしゃると思いますが、だけど、レッドリストというのを環境省が作っておられるわけですね。これは、日本国内種でいうと約三千六百種のレッドリストがあって、これが危機に瀕しているということを環境省自身が認めておられる。
 だけれども、二〇二〇年までに三百種、この三千六百、今、約九十種ですか、指定されているわけですから、まだ三千五百、レッドリストとの比較においては増やさなければいけない。その三百というのは必ずしも十分な数字ではないかもしれない。しかし、その三百も、民主党政権ではこれはプラス二十五だったわけですから、それに比べれば野心的といえば野心的、それは分かっているんです。だから、その三百に増やすことも並大抵のことではない、これも分かります。
 それは何かというと、今までの環境省の中での、局長いらっしゃいますけど、局長の所管されている部課の人数、人員とか、あるいは予算とか、あるいは、今罰則のこともおっしゃいましたけれども、どう担保するかということが現状では全く不十分であるから、そう簡単にいかないことも分かっているんです。ですから、今日の私の限られた時間の質疑の中では、そこに本当に政府としてどういう意気込みを持って取り組まれるかということを明らかにしたいので、その点、簡潔な御答弁でお答えいただけたら有り難いと思います。
 まず、今、三百種、二〇二〇年までに三百種にするということになると、もうあと数年しかありませんから、年間何十種類ずつか追加していかなきゃいかぬですよね。今までの我々の政権では二〇二〇年までの二十五種の追加だったから、それよりはるかに控えめだったというのはなぜかというと、毎年毎年指定するのが、一種、二種指定するのも大変。恐らく、予算的にいうと、百万、二百万円のちゃんと調査を、専門家に調査をお願いしたりするということを一生懸命やるのが精いっぱいという体制、人員、予算だったわけですね。ですから、そこは徐々に予算を増やす努力をされているということは私は評価はいたしますけれども、大分アクセルの踏み方を、従来よりちょっと桁の違う、予算全体が小さいですから、これは従来の何%増、一〇%増、二〇%増ということでは、さっきお話があった三百種への増加ということを一つ考えても必ずしも十分でないと思うわけであります。
 それで、もう一々質問していたら今の流れでいうと一時間半ぐらい掛かってしまうので割愛をいたしますけれども、今は、レッドリストを指定するときには、環境省さんの所管の、所管というか、今はもう一般財団ですから所管というのはないのかもしれませんが、一般財団法人自然環境研究センターというところに専門家がいらっしゃって、そこに委託費なんでしょうかね、これは年間約、平成二十五年度でいうと三千七百万円ぐらいの予算を付けておられて、そういうところでいろんな、例えば、鳥類でいうとどなたが詳しいとか、植物でいうとどなたが詳しいとか、哺乳類でいうとどなたが詳しいかという先生にいろいろ調べてもらってレッドリストを作成されているというふうに聞いています。そのレッドリストの中から更に環境省がいろいろ調査をされて、どこを種の保存法で言うところの絶滅危惧種として指定するかということを検討し、そしてそれを中環審の小委員会に諮って、小委員会の方々の意見も聴いて決定されているというふうに伺っております。
 それはそういうことで今行われているのは分かるんですけれども、本当に二〇二〇年までにこれを三百種にしていくということでしたら、この従来のやり方で予算を、平成二十一年度、これは平成二十一年度予算は自民党の麻生政権の下での予算でありましたけれども、これが千三百万、このさっきのレッドデータを作る上での委託費が、それが千三百万、平成二十二年度の予算、これは鳩山政権でつくった予算でしょうけれども約二千五百万円、それからさらに二千七百万円と来て、平成二十五年度は三千七百万となっているわけですが、こういう形で予算を委託費で一般財団に投げて、それでそれを専門家が一生懸命調査をされてという形では私限界があるんじゃないかと思うんですよ。結局、それは中環審に、役所の責任で中環審小委員会に、これ諮問という形でしょうか、だけれども、この種を指定したいということを意見を聴く、それでよろしいでしょうという答えが来て追加する。
 私は、もしこれから三百種に増やしていくとしたら、本当のやっぱり学術的な専門家とか、あるいは各地における絶滅危惧種の生態を非常に詳しく見ておられる専門家の方々の意見をやっぱり学術委員会みたいなところできちっと出していただいて、そこで議論をしていただいて、それでその上で、環境省がいろんな意見を聴いた上で何が必要か。要するに、毎年二十種、三十種というふうに追加していかなければいけないんですから、今までのこういう予算制度とか、一般財団に調査をお願いして、その結果、局長の下にいらっしゃる人数も本当にこの問題に対応されているのは数人でしょう。そういう方々が、一生懸命やっておられるのは僕は敬意を表しますけれども、しかし、そういう方々だけで、今までのやり方で種を追加指定するというんではなくて、もっと科学的な知見、あるいは地域の生息実態ということをよく分かっておられる方が日本中にもいらっしゃるわけですし、場合によっては国際的な視点で検討しなければいけない、そういう科学的な委員会をつくるようなことを検討されるべきではないかと思うわけです。
 これは、局長は今までのルールを守って誠実にやっておられる方ですから、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(石原伸晃君) ただいま松井委員のお話を聞かせていただいておりまして、やっぱり種の指定のために必要な予算というのは、今新しい、最新の情報として種がどういうふうに生息してどう生育されているのかということの状況を見極めないことには、リストに入れるのか入れないのか、指定するのかしないのかというのはおっしゃるとおりなかなか難しいと思います。
 ですから、当然そこの予算の確保というものは努めていかなければなりませんし、じゃ何でこういう現状になったのか、これはやっぱり委員おっしゃるとおり、それを研究していた専門家の方々の要因分析、すなわち減少の要因分析みたいなものを聴かない限りこれを維持していくということはできないと思います。ですから、委員御指摘のとおり、国や地域レベルの様々な研究機関や研究者との連携というのは、これから体制強化でそういうものをつくっていかなければならないというのは、私も今お話を聞かせていただいてなるほどなというふうに思いました。
 また、希少種について情報交換を行う担当官レベルの連絡会、こういうものも、南北千キロ以上のところにいろいろな種が生存しているわけですから、そういう方々とも連絡会をつくって、定期的にどうなっているのか、その流れの中で、急に何かがあって減少したといったら、これはもう危機でありますので、こういう体制は整備していかなければならない、お話を聞かせていただいて、こんなことを感じたところでございます。
○松井孝治君 ありがとうございます。
 大臣、正確に御認識いただいて有り難いと思うんですが、それで、さっきの一般財団法人自然環境研究センターの予算があって、そこに専門家への、恐らく専門家に流れるお金といっても本当に微々たるものだと思いますよ。一件追加指定するのに百万とか二百万円単位のお金しか流れない。しかも、そういう専門家、今大臣もおっしゃって言及された専門家というのは、じゃ環境省としてそういう方にきちんと仕事をお願いする体制になっているのかどうかということ、これは物すごく大事なことだと思うんですよ、これから年間何十種も追加指定していくときに。
 それで、私もどうなっているのか詳しくなかったので聞いてみたら、そういう専門家と環境省との関係というのは別に何か制度的なものはないんですね、この種についての非常に日本の権威と言われるような人に対して。独立行政法人で国環研、国立環境研究所ってありますね。そこにたくさん研究者の方を環境省として、元々国立研究機関ですから、独法ですから、リテーンしておられて、そこにいらっしゃるんですかと伺ったら、これは残念ながらそういうところにはいらっしゃらない。
 それであれば、例えば、やはり私はこれは国家戦略に基づいて、民主党政権のときには二十五種増やすのを国家戦略にしていたわけですよ。それは国家戦略の名前に値するほどのものじゃなかったんじゃないかという批判も甘んじて受けますけれども。それを少なくとも三百種以上に増やすという、民主党政権に比べたら十倍ぐらい増やすという、この試みをされるのであれば、せめてそういう各地域における専門家、例えばこの生物についての、この植物についての専門家、この鳥類についての専門家に対して、例えばいきなり国環研の研究者として採用するということはしなくてもいいですよ。だけど、例えば客員研究者としてそういう人を迎え入れて国環研にもう少し予算を付けて、一般財団法人ではなくて、そういう方にしっかり研究していただこうじゃないかと、そういう方々にいろんな地域の情報が届くような仕組みをつくろうじゃないかと。
 やっぱり国家戦略という名を付けて増やそうとしているものを、恐らくいずれ、さっきの齋藤政務官の御答弁でいうと、閣議決定を改定して国家戦略をもっと強化をしてやるということであれば、中身の、一般財団に対する二千万とか三千万の全体のこれだけじゃないお金の委託費ということではなくて、もっときちんとステータスを与えて、別に公務員にしろなんてことを言っていないんですよ。もう少し研究体制、調査体制を整備するというのが僕はもう常識的な御判断だと思うんですが、大臣の御答弁をお願いします。
○国務大臣(石原伸晃君) 私も国環研は拝見させていただいてきましたけれども、残念ながらこういう分野の専門家の方にはお会いすることできませんでした。まさに委員の御指摘のとおり、国環研の今の仕組みとしてはそういう方々が専門的にこれを研究しているという事実はないと思います。
 そして、そこに人を雇うとなりますと今度は予算措置を講ずる話でございますので、今即答はできませんけれども、一般論で言わせていただくならば、やはり多岐にわたる専門家や、その専門の学会の方々、あるいは関係者などの方々からどこかが、これまでは多分中環審の中で小委員会で聴いていたんだと思いますけれども、しっかりと聴かせていただくというような場もつくっていかなければならないと思いますし、さらには、今おっしゃられたように、そうではない別の予算を作って、幅広い専門家の方々にかかわっていただく体制の充実というものは考えていかなければならないと思っています。
 しかし、まだ、ちょっと新規な予算の話になりますので、どこでどうするということまでは今言及することはできません。
○松井孝治君 ありがとうございます。
 前向きな御答弁をいただいたと思うんですが、私、国環研に人を採れというふうに言っているわけではないんですよ。
 例えば、ほかの独立行政法人の政府の政策研究機関ってあります。例えば、齋藤政務官もよく御存じである経済産業研究所、たくさんの民間のあるいは大学の、それは国立大学だけじゃなくて私立大学の方々をビジティングフェローみたいな形で、客員研究員としてステータスを与えて、それはもう定員にも何にもなっていません。ただ、その方々の非常に必要な研究活動についてサポートをするというようなことをしっかり位置付けた方がいいんじゃないかと。
 別に一般財団が悪いと言っているわけじゃないですよ。自由な研究として一般財団がなさるのはもちろん結構なことですが、少なくとも、国家戦略として、こういう種の保存をしっかりして、それをより強化していこうということを、国家戦略として基本法に基づいて閣議決定しているものを大幅に強化するのなら、その研究者に対する研究のサポート、支援というものをしっかりやる。
 それは、別に何億円も付けるというレベルではなくても、今まで恐らく百万円レベルのお金しか付いていなかったものをもう少し、その種の数も増やすわけだし、研究体制をきちっと確保するということは、今私は大臣の御答弁で含まれていると思いますが、そういう対応も含めて。それをしっかりなさっていただけるということを、大臣でも政務官でも結構ですので、私が今申し上げたようなことも含めて、例えばそういう専門家の方を客員として迎えてきちっと情報がしっかり提供されるようにするということ一つを取ってみても、これ予算掛からないですよ。それぐらいの御配慮をいただかないでしょうか。
○大臣政務官(齋藤健君) これから指定を抜本的に増やしていくことになるわけでありますから、その指定のプロセスについては明確化すると同時に強化をしていかなくちゃいけないというのは当然のことでありまして、その中で研究者の方々との関係をどういうふうにしたらいいものにより改善できるかということについては当然検討をしていきたいと思っておりますし、その過程で、国家戦略でありますから、予算等が必要になるようであれば財政当局ときちんと議論していきたいと思っているところであります。
○松井孝治君 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
 私はさっき民主党政権との比較をいたしましたが、私はやっぱり民主党政権が良かったのは、ここを国家戦略としてきちっと位置付けて、基本法の下に位置付けて、それでどこまでやれるかということで二十五種追加しようということを道を開いた。そのことを私は評価されるべきであって、それをしかし今の政権が更に前に進めようとされていることは私も評価する。
 だけど、ちょっと正直言うと実態が付いていっていない。それは今まで、それは何政権のせいとかいうよりも、やっぱりこの種の保存ということについて、国全体として、局長の下にいらっしゃる担当官の数や予算も含めて、今までやはりこの問題の重要性に比して余りにも体制が貧弱だった。そこを何とかこれはもう超党派でしっかり前に進めていくべきではないかということを申し上げているわけでございます。
 そういう意味では、これは後ほど同僚議員、舟山委員も今日御出席ですけれども、私は、やっぱり本来この中環審の小委員会に、今のような形で環境省が毎年何種かというレベルの追加をお願いして、そこが意見を聴くというプロセス自体を本来やっぱり変えるべきだと思うんです。
 やっぱりきちっとした学術的な背景もある科学的知見を持った専門家あるいは地域の実態が分かるような方々が専門家の委員会をつくって、しかも中環審というのは正直言って環境基本法に基づく審議会ですから、ここは先ほど申し上げましたような生物多様性基本法に基づいて、基本法に基づく国家戦略に基づいて前に進めるんですから、例えばそこにぶら下がった学術委員会をするのか、あるいは種の保存法にぶら下がった専門家の委員会をつくって、そこに学術専門家をきちっと集めて、その方々が、むしろ環境省の局長のところで何か案を作るというよりは、そこにいろんな情報とか提言が出てきて、それが、じゃ今までの予算とか人員の中で、どこまでが担保できるのか、どこまで、単に指定すればいいということではありませんね、その後のエンフォースメントもあるわけですから。それをどうやって広げるかという判断を政治判断をする。だけど、やっぱりまずは学術的に何を指定することが今緊急に求められているのか、もちろん因果関係もあるでしょうから、そこをしっかり議論していただくような体制をつくるべきだと私は思うわけで、その意味では、いつまでも中環審の小委員会という、別に中環審の小委員会が悪いという意味じゃないですよ。だけど、その下にさっきの基本法とかあるいは種の保存法というものが、今回改正法があるわけですから、そこにその学術的な専門家の知見を活用する枠組みをきちっと位置付けるべきだと。
 私は、その意味では、みどりの風さんがおっしゃっている提案というのは、ちょっと今回時間もあってあれですけれども、趣旨としてはよく理解できるんです。だから、そういうことについて、具体的に後で動議も出されるかもしれないけれども、政府として、あるいは政治的にそういうことも含めて今後検討していただけるのかどうか、その辺りの意欲はいかがでしょうか。
○大臣政務官(齋藤健君) 松井委員おっしゃるように、幅広い専門家にどうやってかかわっていただくかという体制を充実させることは大事なことだと思っております。ただ現在は、野生生物小委員会において議論していただいておりまして、ここにおいていかに多岐にわたる専門家や学会の関係者の方々から御意見を伺うという体制をどういう形で充実できるかということをまず優先させながら、松井先生の問題意識にこたえていきたいと考えているところであります。
○松井孝治君 一歩一歩でも現実にこの問題についての取組が政府全体としては僕は前に進みつつあるんで、これは野党の立場でも背中を、この問題を最初に取り上げた民主党としては背中を押していきたいと思いますので、是非御検討を前に進めていきたいと思います。
 それで、今日は警察庁の生活安全局長にもおいでをいただいています。残念ながら、これは大臣も御存じのとおり、環境省というのは手足がないわけですね。ですから、さっき局長、ちょっと失礼なことを申し上げたかもしれませんが、なかなかその手足がなくて法施行というものが思うに任せないから、さっき若干いろんな背景説明を局長もされたんだと思うんですけれども、結局、地方の環境事務所にこの法律を実際担保して施行を確保するような実効的な対策ができるような人員がいませんよね。したがって、罰則の適用とかいうことも含めて、結局警察庁頼りにならざるを得ない。
 私も若干この質疑も含めていろいろ聞いてみましたら、やはり警察庁も生活安全局中心に、この問題は非常に悪質な取引、種の保存法違反の取引が増えているということで、お取り組みいただいているようですが、まず、この種の保存法の違反の事案というのがここ数年どれぐらい増えているのか増えていないのか、その中身がやっぱり悪質なものも相当増加しているのか、それをどう実態を把握しておられるのか、簡潔に警察庁政府参考人の方からお答えいただけますでしょうか。
○政府参考人(岩瀬充明君) お答えいたします。
 いわゆる種の保存法についての取締りでございますけれども、例えば最近の三年間の検挙件数というものを取ってみますと、平成二十二年、二十三年、二十四年ということでございますけれども、この三年間で五十九件、九十九人を検挙しているところでございます。年別に見ますと、二十二年が十五件、二十三年が二十三件、二十四年が二十一件と、こういう状況になっております。
 それから、内容について見てみますと、例えば暴力団関係者によるこの希少野生動植物種の捕獲でありますとかあるいは譲渡し事案等といったもので言わば組織的な事件というものも発生しているところでございます。また、インターネット広告を利用して象牙を販売していた事件を検挙するというような例もございまして、やはり一部の野生動植物等が希少価値から悪質な業者等により高額で売買される違法取引等が依然として行われているというふうに認識をしているところでございます。
○松井孝治君 そういう意味で警察も力を最近入れていただいているんだと思うんですが、恐らくその検挙というのは氷山の一角だと思うんですね。この種の事案というのはどうしてもそうならざるを得ないですね。ですから、制度的に、今回の改正内容は、私どもはもう少し組織的、予算的に充実させると。それから、種の保存を、どういう種を保存するか、その後どういう手段で保存するかというのを、もっと専門家の知見あるいは地域の実態に明るい人たちの知見を活用してほしいということ以外は、方向としては私はいいと思うんですが、やっぱり一番大きな問題は、制度的にこの施行を担保するために地方の環境事務所の人員が余りにも少ない、普通だったらそこがいろんな情報を集めて取締り当局である警察庁と連携して動くということがおよそできていないですね。
 今日、後で西村委員が、あるいはちょっともう一つの外来生物の方の質問できていませんけれども、外来生物の水際だって同じですよね。人員が余りにも、環境省が環境庁時代から人員が不足していて、今も放射線の問題もありますのでそっちに人員を取られているということはよく理解できるんですが、やっぱりここは、もっと地域における実働人員を増やしていくということも是非お取り組みいただきたい。その際に、警察庁の生活安全局の取組とよく有機的に連携して、本当に必要な情報が必要にお互いに連携が取れるような形でこの施行というものを万全を期していただきたいんですが、齋藤政務官、その辺りはいかがでしょうか。
○大臣政務官(齋藤健君) 当然のことながら、法律を改正していただいた暁には、その執行に万全を期していかなくちゃいけないと思っております。
 警察庁の方ともいい連携を取りましてこの課題にこたえていきたいというふうに思っておりますし、現在も地方の環境事務所の皆さんは頑張ってくれているわけでありますけれども、これについても何ができるかよく考えてみたいと思っております。
○松井孝治君 是非よろしくお願いいたします。
 警察庁の方にも取組、今後の対応、やっぱりまだ何十件というレベルで、非常にこの絶滅危惧種というのは、悲しいことでありますけれども、高額で取引されるということもあって、さっきまさに御答弁にあったように、暴力団関係者がそこに入り込んでいるという事案もあるということですが、警察庁としてはそこの施行体制をどう強化していくおつもりでしょうか。
○政府参考人(岩瀬充明君) 警察におきましては、ただいま申し上げたような状況を踏まえまして、都道府県警察に対しまして関係法の趣旨、内容あるいは捜査上の留意事項と、こういったものについて継続的に指導等をしているところでございますし、検挙事例も全国で共有をして、これを活用していくというふうにしております。
 さらには、担当捜査官に対する警察学校等における、私ども専科教養と呼んでおりますけれども、こういう形での教育も実施をしております。さらには、中央レベル、あるいは現場での環境省等関係機関等との連携も図りながら、この種の保存法違反事件に対して取組の強化を図っているということでございます。
 また、改正後におきましては、今回、特に大幅な罰則の強化が図られます違法捕獲あるいは取引等の事案の取締り、これも強化をしてまいりたいと考えておりますし、サイバーパトロール等によって違法広告情報なども収集いたしまして、これらに対する違反事案というものも取り締まってまいりたいというふうに考えているところでございます。
○松井孝治君 私の持ち時間が終了いたしましたので、同僚議員に質問を譲りたいと思います。
 ありがとうございました。
○西村まさみ君 おはようございます。民主党の西村まさみでございます。
 松井理事から貴重なお時間をいただきました。大変短い時間ではございますが、環境省の方にお尋ねを申し上げたいと思います。
 まず冒頭、やっぱりちょっと二つばかり改めて確認したいんですが、一つ目というのは、環境というのは将来世代から私たちが預かった大切なものだと思っています。そして、だからこそ、しっかり残して伝えていかなければならないと、そんなふうにもよく言われますが、その一方で過去の世代から連綿と引き継がれてきた環境を、生活文化に根付いてそんな形で受け継いでいるということも忘れてはいけないことだと思っています。過去から未来への仲介者として、過去の世代から見たら今の現状、本当に悲しくなることが多いのではないかと、そんな心配もしているわけですが、何としても、私たちが無責任な人間としてまた人として将来に伝えることがないようにしていかなければならないということが第一点。
 そして、二つ目は、時間の問題だと思っています。地球とか環境、そして生態系は私たち人にとりましても永遠と思えるような本当に長い時間をつくって形成されてまいりました。そこで、短期的な変動といっても数万年とか数十万年とか、本当に長い単位であったわけですが、私たちの世代が地球と環境、そして生態系に与えているダメージというものは非常に大きく、そしてその単位も一年一年で大きく変わっていきます。その分、一年一年でなるべく元に戻していかなければならないということも改めてこの危機感ということで共有をしていかなければならないのかなと思っておるところでございます。
 まず、それについてお尋ねをするということより、度々委員会でもお話をさせていただいていますが、まず東日本大震災の被災地の生物とか生態系に与えた影響ですとか、また被害について冒頭お尋ねしたいと思います。
 環境省のホームページからも容易にこの東日本大震災後の様々な調査結果ということを拾ってくることができます。例えば、平成二十三年度東日本大震災による自然公園等への影響調査業務ですとか、平成二十四年度の東日本大震災による東北地方太平洋沿岸地域の自然環境情報の点検等の業務など、僅かな文献に目を通すだけでも、本当にこの放射線ですとか巨大津波による生息地域の破壊とか塩害ですとか、地震の結果で地盤沈下による砂浜の消滅ですとか、本当に生態系、動植物系に与えた影響は非常に大きなものがあったと思います。幸いなことにこの震災で絶滅をした種があるということは聞いていませんが、あれだけ大規模な震災の後です、これからまた新たな絶滅が、おそれがあるというものが出てくるのではないかというのが大変大きな心配となっています。
 そこで、被災地域の生物種で絶滅のおそれがある生物種の状況、震災前と後と比べてどういう状況になっているのか。また、そんな被害を被り、弱体そして減少化した在来種の生息地への外来種の侵襲状況について環境省にお尋ねを申し上げたいと思います。
○政府参考人(伊藤哲夫君) 現在、環境省が作成しておりますレッドリストにおきましては絶滅危惧種は三千五百九十七種を選定しているわけでございますが、環境省では、震災前の絶滅危惧種の分布図等を用いて津波の浸水域に生息する絶滅危惧種について解析を行いました。その結果、約七十種につきまして分布域が影響を受けたといったことが判明している次第でございます。
 なお、今回解析は行っておりませんところの準絶滅危惧種あるいは絶滅のおそれのある地域個体群も影響を受けている可能性がございます。引き続き、これらの種や絶滅危惧種の生息・生育情報の収集に努めてまいりたいというふうに考えております。
 また、外来種による影響でございますが、環境省では、平成二十三年度から東日本大震災の津波による生態系への影響について、既存調査の情報収集や現地調査を行い、植生や干潟、藻場の変化について把握を行っております。その結果、外来生物に関しましては、津波により流された海岸部クロマツ林の跡地に外来生物であるニセアカシアの群落が拡大している箇所を確認しております。また、福島県を中心に、津波により市街地から空き地になった場所で外来生物であるセイタカアワダチソウの繁茂を確認してございます。
 なお、このニセアカシアとセイタカアワダチソウは外来生物法に基づく特定外来生物には指定はしてございませんが、繁茂しやすい性質を有するということで、環境省としても注意を呼びかけている状況にございます。
○西村まさみ君 ありがとうございます。
 先ほど松井理事からも質問の中にありました。レッドリスト三千六百余り、もう以上あったもののうち、七十種類は非常に危機が、危機感があるということです。本当に一つ一つを数えるとうんと小さなものでも、前にもお話ししましたが、大変、動植物系、生態系には大きな影響があると思います。是非とも引き続きこの東日本大震災後の調査というものも続けていただきまして、早め早めの手だてを打っていただきたいと心からお願いを申し上げたいと思います。
 環境省の進めるグリーン復興も被災地における生態系再生、保全、そして外来生物対策が進まなければ、当然ですが所期の目標を達成することはできないわけですから、被災地における生態系の再生、保全、外来生物の対策を本当にいかに進めていくのかということを含めまして、もう一度環境省にお尋ねを申し上げたいと思います。
○政府参考人(伊藤哲夫君) 環境省におきましては、被災地において三陸復興国立公園の創設を核としたグリーン復興プロジェクトを推進しております。その中の柱の一つとして、森、里、川、海のつながりの再生を掲げておりまして、御指摘のとおり、被災地における生態系再生、保全はグリーン復興を進めていく上で極めて重要な課題となっているというふうに認識しているところでございます。
 このため、環境省では、平成二十四年度に、東日本大震災復興推進事業費を用いまして岩手県陸前高田市に対して干潟の再生可能性を調査するための支援を行っているところでございます。今後、この調査結果も踏まえつつ、地震、津波の影響からの回復状況や地域の復興の進み具合、さらには、地元の意向も踏まえまして、被災地の生態系の再生、保全に向けた地域の取組の支援を行ってまいりたいというふうに考えております。
○西村まさみ君 是非よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 次に、希少野生生物の取引の規制法として本当に色彩強くスタートした種の保存法でしたが、今回の改正で法の目的に生物の多様性の確保というものが明記されたことは大変意義があることだと思っています。そして、それに伴って国の責務に科学的知見集積や教育活動等による国民の啓発が明記されたということも、これはまた大きな意義があることだと思います。一歩一歩そして前進していることは、ここにいる全ての皆様が、そして関心のある市民やNPOや民間企業の皆様も同じ心だと思いますが、先ほど松井理事もお話ししていましたように、それにしてはまだまだやっぱり足りない部分が余りにも多いんではないかと、そんなことを感じるのは、多分これはここにいらっしゃる方だけじゃないんではないかと、そんなふうにも思っています。
 種の保存法もほぼ十年ごとに必要な改正を行ってきましたが、冒頭、時間の問題を申し上げましたが、果たしてそのような時間感覚で本当に私たちが今直面している生態系の変化ですとか様々絶滅の危惧がある動植物とか、そういったものに十分な対応ができるのかということはこれから本当によく考えていかなければならない大変大きな問題だと思います。
 取引規制の側面からも、需要ある限り供給側は次から次へと、当然ですが、法令の網の目を巧妙に擦り抜けて、いわゆるイタチごっこになるということも考えられるわけですし、何としても、残された生物、生態系も最後の一線で踏みとどまっているような現状では、数年の対応の後れが二度と取り返しが付かないようなことになるということも当然考えられるわけです。私たちも、その点についてはよく理解をして、本当に一年一年という単位を大事に考えていかなければいけないということを改めて実感しています。
 さらに、やっぱり最も肝心なことは、松井理事が重要なポイントとして質問を重ねたところですが、法律がいかに機能して、そして目的を達成できるかということ、このところも大きな問題だと思っていますし、何としても環境省の所管する課題というものは先ほど来お話があるように本当に多くの課題があります。しかし、人が足りない、また予算もなかなかということで思いもよらない方向に行かざるを得ないようなことがあるかもしれませんが、そんなときこそ、やはり国内外の市民ですとか事業者ですとか民間の企業ですとか研究者ですとか、様々な皆さんとの共同作業というものがどうしても不可欠になると思います。
 予算人員で厳しい制約の中にある中でも、是非ともそういったところと一緒に協調してやっていくということが何よりもこれから大切だと思っておりますが、改めまして、石原大臣はその辺のところをどうお考えになっていらっしゃるか、お聞かせいただけますでしょうか。
○国務大臣(石原伸晃君) ただいま西村委員がおっしゃられましたとおり、環境省の力、人員というものにはやはり限界がある。これまでも地域で取り組んでいる団体の皆様、NGOの皆様、あるいは行政以外の方々が果たしてきた役割というのは非常に大きいと思います。
 例えば、希少生物の保全に関しては、団体名で言いますと、トラフィックという団体が野生生物の取引に関する調査、監視や、それを踏まえた国際機関への提言、こんなこともやっていただいておりますし、後半で、共同してやっていかなければならないという委員の御指摘でございますけれども、やはり様々な団体間との連携というのを更に進めていくために、国連生物多様性の十年日本委員会、愛知の後できた団体でございますけれども、これを設置して、共に取り組み注力してまいる、こんな覚悟を持ってやっていかなければこの問題の解決には至らないという認識では一致をしているのではないかと思います。
○西村まさみ君 是非、石原大臣のリーダーシップの下で、民間の皆様そしてNGOの団体の皆様とか様々な力を一緒に共同して、一歩、二歩というだけではなくて、一〇〇%以上、二〇〇%、三〇〇%と先に進めていただくよう最後にお願いを申し上げまして、質問とさせていただきます。
 ありがとうございました。
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○委員長(北川イッセイ君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、鈴木政二君が委員を辞任され、その補欠として熊谷大君が選任されました。
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○中川雅治君 生物多様性は、地球規模で危機的な状況にありまして、人類の活動によって多くの種が絶滅の危機に瀕していると言われております。
 二〇一〇年に愛知県名古屋市で開催された生物多様性条約第十回締約国会議、COP10ですね、そこでは二〇一一年以降の戦略計画と愛知目標が採択されまして、二〇二〇年までのターゲットを達成するために今やもう待ったなしの状況だと思います。そういう中で、今回、この野生生物に関連する二法案がこうして改正されるということは大変意義のあることだと認識しております。
 ただし、もう既に松井委員、西村委員からも問題が提起されておりましたように、この絶滅危惧種や生態系の保全に向けて取り組むべき課題は非常に多くありまして、法律改正をしたということだけではなくて、やっぱり環境省が中心になって、もう既にお話がありましたような体制の整備等々を積極的に環境省が自らやっていかなければならない大変多くの課題があるということだと思います。そのことを最初に申し上げまして、まずこの種の保存法に関連して質問をしたいと思います。
 種の保存法につきましては、今回の改正案は罰則の大幅な強化、これを柱にしているというように私は認識をしているんです。平成二十三年度に環境省が実施した絶滅危惧種の保全に関する点検会議や中央環境審議会から、緊急に対応すべき制度改正事項として罰則の強化や登録制度の改善等が指摘されたと聞いておりますが、今までの、これまでの罰則ではどのような問題が生じていたのか、そして今回の罰則の大幅な強化によってどのような効果が期待できるのか、この点、大臣からお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(石原伸晃君) 先ほど御同僚の松井委員との御討議の中で警察庁の方からもお話がございましたけれども、やはり希少野生動植物種は、数が少ないということからその売買が想像を絶するような高額で取引されるものが多くて、やはり法律を犯した譲渡しなどの再犯事例も発生していると思います。一言で言うと、悪質な取引事例は後を絶たないというのが現状だと思います。
 先日も新聞に出ておりましたけれども、例えばちっちゃな目がくりくりっとしたスローロリスですか、という小型の猿を六十頭、不正に取引して一千五百万円の利益を得たという業者が逮捕、これは警視庁管内ですけれども、逮捕されておりました。また、イニホーラリクガメ、亀の一種でございますけれども、これが何と二匹で七百万円、こんな事案も私、見ました。
 このように不正取引で得られる高額な利益に対して、現行の罰則、百万円以下の罰金ということでございますので、七百万円、一千五百万円から比べても、捕まってそれを払っても利益を隠していれば再犯事例が後を絶たないということも明らかではないか、すなわち抑止力が効いていないんだと認識をしています。
 このため、今回の法改正では、不正な譲渡しや譲受けに対し、法人の罰金の上限を百万円から一億円に引き上げる、また、それを実際に行った行為者については、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金でございましたのを、五年以下の懲役又は五百万円以下の罰金に引き上げるなど、大幅に罰則を強化することによりまして、今委員が御指摘になりましたような悪質な取引が抑制されることを期待しているところでございます。
○中川雅治君 こうした法改正をするわけですから、それが実際に実効あるものとなるように、環境省の体制整備、そして警察庁との連携ですね、これ是非行っていただきたいと思います。
 改正案では、譲渡し等が禁止されている希少野生動植物種について新たに広告の禁止が追加されましたが、これまではインターネット上での販売などの行為にどう対応されていたんでしょうか、またどのような行為が広告として規制の対象となるのか、御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(伊藤哲夫君) 現行法では、希少野生動植物の個体等については販売又は頒布をする目的での陳列をしてはならないと、こういうふうにされているところでございます。
 インターネット上での販売行為につきましては、一部個体等の写真を伴うものにつきましては、この販売又は頒布を目的とした陳列に該当するのではないかというふうに解釈し、規制を行ってきたところでございますが、画像のない文字情報のみの広告につきましてはなかなか陳列というふうに解釈するのは困難であったと、こういう状況にございます。
 また、インターネットだけではなく、雑誌や看板などの媒体を通じた販売も行われている現状にございます。このため、今回の改正法案におきましては、希少野生動植物の個体等の販売又は頒布を目的とした陳列のみならず、そのための広告ということにつきましても、してはならない旨を明確に明記することといたしております。そのことによりまして、画像の有無にかかわらず、インターネットやその他の雑誌、看板での広告全般につきまして規制の対象とするということとしているところでございます。
○中川雅治君 広告は陳列同様に譲渡しにつながる行為であるため、事業者に対してもしっかりとこの改正を徹底していただきたいと思います。
 また、本改正では、国際希少野生動植物種の登録制度に変更登録の手続を新設しています。登録制度にこのような新しい手続が必要である理由、それと、これによって期待される効果は何かということをお伺いいたします。
○政府参考人(伊藤哲夫君) 登録票の交付を受けた個体や加工品は譲渡しや陳列が可能となりますが、この当該登録票には生体や加工品といった登録票の交付時点における性状が今記載されている状況でございます。
 しかしながら、生体から剥製、加工したなど、性状に変更が生じた場合には、現行法では登録票を取り直す必要がないということになっておりまして、登録票と個別の個体などとの対応関係が不明確になってしまっていると、こういう状況にございます。
 このため、登録票の記載事項の変更に係る変更登録及び書換え交付の手続というものを今回の改正法で新設いたしまして、性状の変更があった場合には登録票を取り直さなければならないと、こういうことで登録票と個体等が整合性を持つようにしたいと、こういうふうに考えている次第でございます。
○中川雅治君 これまでの御説明から、今回の法改正は特に国際希少野生動植物種の流通規制に関する課題に対応するものと理解しております。国際的に協力して保存すべき絶滅危惧種だけではなくて、既にもうお話がありましたが、国内に生息、生育する絶滅危惧種についても保存を進めていくことが重要であると考えます。
 その場合に、先ほどの質問とダブるかもしれませんが、環境省のレッドリストでは絶滅危惧種が三千五百九十七種も選定されているわけですけれども、現在国内希少野生動植物種が九十種しか指定されていない。それを三百種追加したいと、こういうことでございますけれども、ひとつ、ちょっとその根拠ですね、何かつかみで数字を決めるんではなくて、何かそこまでは行けると、あるいはそこまでやらなきゃならないという、何か見通しといいますか、根拠がどうなっているのかなというふうに思いますので、ちょっとそこ分かりましたら。
○政府参考人(伊藤哲夫君) 私の方からは、なぜ九十種しか今は指定できていないのかということについてまず御説明申し上げたいと思います。
 レッドリストにつきましては、専門家による評価に基づいて絶滅のおそれのある種を選定したものでございまして、予防的な意味を含めて広く社会に対して周知することを目的としております。したがいまして、レッドリストに掲載されたからといって直ちに何らかの法的規制が掛かるわけではございません。
 一方、種の保存法に基づく国内希少野生動植物種は、捕獲等の規制を講じなければ保全が図られないものを指定し、これを罰則をもってこの規制措置を担保していくと、こういうものでございます。
 このため、レッドリスト掲載種の中から、人為の影響により存続に支障を来しており、個体数が著しく少なく、生息地が消滅しつつあるなどに該当し、なおかつ捕獲等の規制や保護増殖事業の実施による保護対策を講じなければ保全が図られないもの、これにつきまして、環境省におきまして指定に必要となる詳細な情報を収集した上で国内希少野生動植物として順次指定を行っているところでございます。
 この指定に必要な情報につきましては、多くの場合、地域で地道な活動を行っているNGOの方々あるいは専門家の方々の知見を生かしていかなければならないと、そういった方々との連携が重要なわけでございます。
 しかしながら、これまで罰則が弱かったと、こういうこともありまして、指定によりかえって捕獲圧が高まるのではないか、そういった保全が担保されないのではないかといった懸念が地道な活動を行っておられるNGOや専門家の方にあったことは事実でございまして、そういった方々の協力を得にくいといったことが一つなかなか進んでいない要因だというふうに考えております。今回の改正によりまして罰則を大幅に引き上げられれば、そういった要因も、そういった懸念も払拭されるのではないかと、こういうふうに考えているところでございます。
○中川雅治君 環境省というのは、私も勤務した経験があるわけですけれども、人員がまず非常に少ないですね、予算も少ない。例えばこういう種の指定をするといいましても、先ほどお話が出ていましたように、一般財団自然環境研究センターに委託するといいますか、そういうことをしています。これはほかの、環境省のほかの仕事の分野でも、いろいろな外部の研究機関とかそういうところに委託をする、そして、専門家の先生を集めて議論をするその委員会や研究会、それも委託先に設けて、委託先にそういう委員会や研究会の事務方の仕事もやっていただいていると、こういうようなケースがたくさんありました。
 これはやっぱりもう環境省自身が人員が少ないということで、仕事はどんどん増えていくということでありますので、やむを得ない面があるわけですけれども、やはりそういうことを考えますと、中央環境審議会でしっかり議論してもらって、その事務方も環境省が務めて、そしていろいろなその情報を直接環境省が、例えば地方環境事務所を通じてもいいですし、直接環境省の本省が収集していくというような体制をつくっていくということが私は非常に重要だと思います。
 地方環境事務所の充実ということもさっきお話が出ましたが、これは民主党政権のときに、広域連合に、広域連合が国の出先機関のうちこれは欲しいと言えばあげますという、もうめちゃくちゃな地方主権改革といいますか、国の出先機関の移管を進めようとして、これはもう完全に潰れましたけれども。やっぱり地方環境事務所というのは、これは、こういった国内希少野生動植物種というものを全国からきちっと拾い上げて、そしてその保存に力を入れていく、またその地域のNGOの方とかいろんな専門家の方の意見を吸い上げる、そういう機関としても非常に重要な役割をこれから果たしていただかなきゃいけないわけなので、そういった国の出先機関改革というのはもうあり得ないと思うんですが、これはお答えは要らないと思いますが、環境省の体制づくり、これは大臣、副大臣、政務官が中心になって、これから予算要求も始まりますので、是非お願いをしたいというふうに思います。
 それで、次に、外来生物法について質問させていただきます。
 外来生物法につきましては、平成十七年六月に施行され、七年が経過しております。外来生物法附則第四条に基づき法律の施行状況について検討が行われ、平成二十四年十二月には中央環境審議会から環境大臣及び農林水産大臣に意見具申が行われました。その意見具申において、外来生物法に係る現状と課題、今後講ずべき必要な措置について整理されていると承知しております。
 まず、環境省として、外来生物法が施行されて以降、外来生物対策がいかに成果を上げてきたのか、またどのような点に課題があるのか、それらについてどのような認識をお持ちなのか、お伺いしたいと思います。
○大臣政務官(齋藤健君) 現在の外来生物法が平成十七年の六月に施行されまして、これによりまして我が国の生態系等に係る被害を及ぼす外来生物として指定された特定外来生物の我が国への輸入、野外への放出等が規制されまして、これらの外来生物の新たな侵入、定着を抑制できたと考えております。
 さらに、国、地方自治体、民間団体による防除が全国各地で活発化している状況であります。例えば、希少種の重要な生息地である奄美大島及び沖縄本島北部において、マングースの防除が進んでおりますし、またヤンバルクイナなど、希少種の生育状況が回復していることが確認されております。また、在来魚を捕まえて食べることが問題となっておりますオオクチバス、これはブラックバスのことでありますけれども、につきましては、北海道で駆除が進められた結果、平成十九年に北海道全域での根絶が達成されております。このほか、ため池の池干しや駆除を目的とした釣り大会の開催などの地域の特色を生かした取組が全国各地で実施をされてきているところでございます。
 その一方で、アライグマやセアカゴケグモなど、各地で対策が実施されているにもかかわらず分布や被害の拡大が続いている特定外来生物も多く、一層の対策の強化が課題であると認識をしております。
 外来生物の防除につきましては、国だけではなくて地方自治体、民間団体等の様々な主体が連携して取り組むことが必要でありまして、環境省としては、外来生物の分布や防除手法などについて積極的に情報発信し、各主体の取組を促進していきたいと考えております。
○中川雅治君 今御答弁いただきました。成果もあるし、一方で課題もあるということでございますが、そうした成果と課題を踏まえて、また中央環境審議会の意見を受けて、今回、外来生物法の改正法案を提出されたと認識しております。
 今回の改正法案では、交雑種も規制の対象にするということが一つのポイントであると認識しております。特定外来生物が交雑して生じた生物による被害としてどのような被害が発生しているのか、またどのように対処するのか、お伺いいたします。
○政府参考人(伊藤哲夫君) 交雑の主な事例といたしましては、野外へ逸出した特定外来生物でありますアカゲザルが定着しまして、在来種のニホンザルと交雑した個体が千葉県房総半島において確認されております。野生下での交雑が広がることにより、在来種であるニホンザルの遺伝的な固有性が失われることが懸念されている状況にございます。
 そのため、千葉県において交雑個体を含むアカゲザルの防除が進められておりますが、環境省としましても、本法案が成立いたしますれば、千葉県と連携し、交雑状況の把握を進めるとともに、必要な対策を進めたいというふうに考えております。
 また、交雑のもう一つの事例としましては、共に特定外来生物でありますストライプトバスとホワイトバスを人為的に交雑して生じた生物、通称サンシャインバスと言っておりますけれども、これが海外から輸入され、釣堀に導入されている例がございます。これが野外へ逸出した場合には、ストライプトバス等と同様に在来種の捕食等の影響を及ぼすことが懸念されておりまして、この法律が成立し、サンシャインバスについても特定外来生物に指定いたすことができれば、その輸入、飼養、放出等を規制することによって被害の発生の未然防止が図られるのではないかというふうに考えております。
○中川雅治君 外来生物法が制定されるきっかけとなった大きな要因として、全国各地の川や湖にブラックバスが放流され、在来の魚類に大きな影響を与えたことがあったと思います。今回の改正法案では、現行法で禁止している特定外来生物の野外への放出について、学術研究などの目的で行われるものは許可できるようにする改正が盛り込まれておりますが、そのような改正を行う必要性についてお伺いいたします。
○政府参考人(伊藤哲夫君) 御指摘のように、現行の外来生物法では、特定外来生物の野外への放出は例外なく禁止されております。しかしながら、特定外来生物の防除に当たりましては、例えばアライグマのように、特定外来生物に発信器を取り付けて野生下での行動を事前に調査した上で捕獲を行うと、こういうことが効率的な場合がございます。防除にかかわる研究者からも、効率的な防除手法の開発などを目的とした学術研究については、特定外来生物を野外に放出することができるようにすべきとの指摘がなされていたところでございます。
 こうしたことを踏まえまして、防除の推進に資する学術研究については、特定外来生物の放出等を主務大臣が許可できることとしているところでございます。
○中川雅治君 そういうことで今伺いましたが、今回、限定的とはいえ、放出を認めるということになりますと、例えば、学術研究目的だと偽って許可を得た悪意のある人によって特定外来生物を広げられてしまうといったことも懸念されるんではないかと思うんですね。このような行為は確実に防げるのでしょうか。
○政府参考人(伊藤哲夫君) 特定外来生物の放出等につきましては、防除の推進に資する学術研究の目的に限定するということでございますけれども、これに加えまして主務省令において許可基準を定めたいというふうに考えております。
 例えばその許可基準におきまして、例えば不妊のための措置を講ずるなどの生殖の制限を行うといったこと、あるいは生息地または生育地を拡大させないことなどによって新たな被害を発生させないもののみを許可すると、こういったことにしたいというふうに考えている次第でございます。
 また、許可を受けた者が不適切な方法で放出等を行った場合には、許可の取消しや放出した個体の回収等を命ずることができることとしております。また、許可時に適切な審査と併せまして、こういったことで御指摘のような事案を防止したいというふうに考えているところでございます。
 なお、偽って許可を受けた者に対する罰則としましては、個人の場合で三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金、法人の場合で一億円以下の罰金を設けているところでございます。
○中川雅治君 制度はそういうことなんでしょうけれども、実際にそれが実効あるものとなるかどうかはまさに運用に懸かっていると思いますので、是非そういった懸念が現実のものとならないようにお願いをしたいと思います。
 特定外来生物の中で大きな被害を発生させているものとしてアライグマが挙げられることがよくありますね。いろんな、もう既に過去にも報道も大分なされております。雑食性のため、様々な在来の生物に影響を与えているほか、農作物にも被害をもたらしております。また、文化財に指定されている貴重な建造物に侵入し、内部を荒らすといった被害も発生しているようであります。
 近年のアライグマの被害の推移と、これまでの国の取組についてお尋ねいたします。
○政府参考人(伊藤哲夫君) アライグマは、平成五年ごろは北海道の札幌周辺、中部、関東、近畿地方の都市部を中心に生息が単発的に確認されているだけでございましたが、近年では、北海道、本州各地に広く分布しているほか、四国、九州でも分布域が拡大しつつある状況でございます。分布の拡大に伴いまして、アライグマによる農業被害額は、平成十五年度には七千九百万円だったものが、平成二十三年度には三億八千万円に増加しております。各地で防除が実施され、近年では年間二万頭を超えるアライグマが捕獲されておりますが、これにもかかわらず被害は年々拡大傾向にある状況にございます。
 環境省としましては、平成十七年度より、アライグマの分布・被害状況の把握、防除手法の開発、普及啓発等を目的としたモデル事業を各地方ブロックにおいて実施してきたところでございます。また、モデル事業の結果を基に、地方公共団体等が防除を行う場合の技術的なマニュアルとして、アライグマ防除の手引きを平成二十三年度四月に作成し、環境省ホームページにおいて公開していると、こういう状況にございます。
○中川雅治君 アライグマは元々ペットとして飼われていたものが捨てられて広がったと聞いておりますが、今、局長から答弁がありましたように、もう既に北海道から九州に至る広い地域に分布し、大変な被害が出ているということであります。
 このように広がってしまった外来生物の防除は、国だけでできるものではなく、地方公共団体と連携して取り組むことが極めて重要であります。今マニュアルを作るというようなお話もありましたが、今後、地方公共団体との連携をどのように進めるつもりなのか、どのように深く連携していくことをやるのか、その辺、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(伊藤哲夫君) アライグマは広域に分布していることから、御指摘のとおり、地方公共団体と連携しまして、広域的に防除を実施していくことが有効であると考えております。
 環境省としましては、今後、地方公共団体との連携による広域な防除を推進するため、アライグマの分布情報の共有、あるいは分布拡大が懸念されている警戒地域の特定といったことを地方環境事務所を中心に進め、この予防、拡大を前線で食い止めるといったことも含めまして、防除の強化に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○中川雅治君 外来生物法が施行されて、特定外来生物を許可なく意図的に輸入することはできなくなったと認識しておりますが、アルゼンチンアリ等の小さな生物が荷物に付着、混入している事例があると聞いております。このような荷物に付着又は混入して非意図的に導入されている特定外来生物についてどのように対応するつもりか、お尋ねいたします。
○政府参考人(伊藤哲夫君) 御指摘のとおり、現在、輸入時の検査でアルゼンチンアリが切り花に付着している場合があるなど、特定外来生物が付着、混入していることが発見されております。現在は、植物防疫所等からの通報を受けまして、環境省が行政指導によりまして輸入者に消毒等を行ってもらっているというところでございます。
 今回の改正案におきましては、輸入品等に特定外来生物等の付着又は混入が発見された場合に輸入者に消毒又は廃棄等の措置を命じることができる規定を法律に設けまして、法的根拠の下に命令を行い、非意図的な導入への対応を強化すると、こういうふうにしているところでございます。
 今後とも、植物防疫所等の関係機関と連携し、輸入品等に付着、混入した特定外来生物等の発見、消毒等、さらには体制の強化に努めてまいりたいというふうに考えております。
○中川雅治君 特定外来生物の非意図的な導入の問題などにつきましては、やはりより一層の対策の強化が必要であると認識しております。更に精力的に調査を進め、より実効ある対策の検討を進められるようお願いをしておきたいと思います。
 外来生物対策につきましては、今答弁が既にございましたように成果も出ている点もあると思いますが、今後より一層の対策の強化も必要であると認識をしております。今後の外来生物対策への取組につきまして、環境省の方針というか決意を、副大臣、お願いいたします。
○副大臣(田中和徳君) 外来生物は、生態系、人の生命、身体、農林水産業への様々な影響を及ぼしていることでございます。特に、生態系への影響については、固有種が絶滅の危機に追いやられるなど深刻な事例もございまして、そのため、外来生物対策は我が国の生物多様性を保全する上で極めて重要な問題と認識をしております。
 特に、世界自然遺産の候補地であります奄美大島及び沖縄本島やんばる地域で、希少種でありますアマミノクロウサギやヤンバルクイナに深刻な影響を及ぼしているマングースについては、今後十年以内に根絶することを目標に対策を進めたいと思います。
 また、外来生物対策は、国だけではなくて、様々な主体が連携して取り組まなければならない問題だと認識しております。環境省といたしましても、外来生物問題については、普及啓発を図るため、侵略的な外来生物を入れない、捨てない、広げないことを被害防止三原則として国民に呼びかけをしてまいりたいと思っております。今後一層、外来生物の問題が広く国民に認識され、社会全体で取り組むことができるよう、外来生物対策を強化し、各主体の取組をしていきたいと思います。
 マングースの件は、広域的な対策でございまして、この根絶が達成できたら世界初の事例と、こういうことになるわけでございます。
○中川雅治君 立派な決意を聞かせていただきました。ありがとうございました。
 これで質問を終わります。
○加藤修一君 公明党の加藤修一でございます。
 今日は、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律の一部を改正する法律案等について質疑を行いたいと思います。
 野生動植物の種について、三千五百九十七種が第四次レッドリストに掲載されております。国内希少野生動植物種に指定されている種は全九十種にとどまっており、生息地等の保護区の指定も九か所と立ち遅れていると思います。
 環境省は、種の保存法改正案の第一条に示された目的、位置付けに向けて科学的知見に基づいて積極的に政府各部をリードする取組を行うべきであると私は考えております。
 そこで、環境省の見解を確認したいと思っております。環境省は、種の保存に関する科学的知見の充実を図り、それに基づいて、絶滅のおそれのある野生生物種の保全戦略を始め、総合的な施策を策定、実施し、保全戦略については海洋生物を含めて作成し、保全戦略は、種の指定の考え方や進め方を示す、大胆かつ機動性の高いものとすることであります。
 また、改正法施行後三年の見直しに向けて、絶滅のおそれのある野生生物種の保全戦略を法定計画とし、閣議決定することを検討することであり、希少野生動植物種等の指定において科学的知見を最大に尊重して実施し、そのため、中央環境審議会自然環境部会の野生生物小委員会において種の指定の考え方や候補種の選定等について議論を行い、環境省は、その結果を尊重し、同小委員会の委員については国民の理解を得られる人選を行い、自由闊達な議論を保障するとともに、明確な理由の存在しない限り、国民に対する情報の公開を徹底することであります。
 また、改正法の施行後三年の見直しに向けてでありますが、種指定の優先度と個体数回復などの目標、必要な保護管理計画などを勧告する専門家による常設の科学委員会の法定を検討することであります。
 さらに、保全戦略でありますけれども、希少野生動植物種の指定に関する国民による提案の方法、環境省による回答の方法等を明記すると同時に、改正法施行後三年の見直しに向けて、希少野生動植物種等の指定に関し、国民による指定提案制度の法定を検討することであります。
 また、生物多様性基本法第八条の、「政府は、生物の多様性の保全及び持続可能な利用に関する施策を実施するため必要な法制上、財政上又は税制上の措置その他の措置を講じなければならない。」、これを踏まえて、希少野生動植物種の保存のため、地方自治体への支援を含め、財政上、税制上その他の措置を講ずることであり、同様に、生物多様性基本法第二十四条、種の保存法改正案第五十三条二項にのっとり、種の保存に関し、最新の科学的知見を踏まえた学校教育、社会教育、広報活動、専門的な知識、経験を有する人材の育成、種の保存に関して理解を深める場及び機会の提供等により、種の保存に関する国民の理解を深めることであります。
 また、改正法案附則の第七条に基づき、改正法施行後速やかに、今次改正内容のみならず種の保存法全体について見直しを開始し、改正法施行三年後に速やかに必要な措置を講ずることであり、かつまた、中央環境審議会は、環境大臣の諮問を待たず、種の保存に関連して前項の種の保存法の見直しやその他関係法令の見直しを含め、積極的に意見具申を行うことを求めておきたいと思います。
 以上の取組をしっかり行うことの見解を確認したいと思います。
○副大臣(田中和徳君) 環境の専門家でいらっしゃる加藤先生から多くの御指摘がございました。我々も、この法律案を提出して審議をいただくわけでございまして、このことも受けて、今先生の御指摘を重く受け止めながら努力をしてまいりたいと思っております。
○加藤修一君 さらに、改正法施行後三年の見直しに向けての関係になりますけれども、これ、国際希少野生動植物種の個体等の登録制度において、個体等識別情報をマイクロチップ、脚環、ICタグ等によって全ての個体等上へ表示するとともに、登録票上へもICタグ等により表示することによって、登録票の付け替え、流用を防止する措置並びに登録拒否、登録の有効期間の設定及び登録抹消手続の法定を検討することであると思います。
 さらに、エルトンの生態ピラミッドでいえば、海洋生態系の上位に位置する海棲哺乳類を含めた海洋生物については、科学的見地に立ってその希少性評価を適切に行うとともに、候補種選定の際、現在は種指定の実績がない海洋生物についても積極的に選定の対象とすることであるととらえるべきであります。
 環境省の取組の姿勢に対する見解を改めて確認しておきます。
○政府参考人(伊藤哲夫君) ただいまも非常に多様な点について御指摘を賜りました。環境省としても、この御指摘も含めてしっかり検討し、必要な対応を行ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
○加藤修一君 環境大臣にお願いなんですけれども、今先ほどもほかの委員からも話がありました。二〇二〇年目指して、新たに三百種の指定等々含めてスピード感を持ってやっていかなければいけない。これは、やはり科学的な知見に基づいてしっかりと対応しなければいけないということを考えてまいりますと、やはりこれはその事業に関しての資金ということも十分対応しなければいけない。
 そういう意味では、平成二十六年度予算というのは八月下旬が概算要求の段階だと思いますが、そういうことについては、予算措置についてはしっかりと対応をしていただきたいなと、大臣の決意をお願いいたします。
○国務大臣(石原伸晃君) 同僚議員からも、また加藤先生からも今大変重要な御指摘をいただいたと思っております。
 この種の指定というものは、今どれだけの生息の実態があって、そしてまた、その生育がどうなっているのかということを個体ごとに調べていかなければならない。さらには、もし仮に過去のデータがあって、これが減っているんだとするならば、これは何で減ったのかの原因究明がなされていないと、これ絶滅の方向に、幾ら保護するといっても向かっていく。そういうことの予算の確保も含めて、この夏の概算要求では、この分野、実は余りボリュームの大きな分野ではございませんが、今この二法の法案の審議をいただいておりますので、しっかりと予算確保に向けて全力で当たらせていただきたいと考えております。
○加藤修一君 大変積極的な答弁をいただいて、ありがとうございます。
 それでは次に、温暖化と種の、これ危惧種というのがどんどん増えてきているということも、IPCCの第四次レポートでも言われております。先ほど、中川委員の方からは生物多様性の状況については極めて危機的な状況であるという指摘もございました。それで、国環研も様々な発表をしておりまして、例えば、過去八十年間のサンゴ出現のデータから、サンゴ分布が年間十四キロメートルの速度で北上していると。それから、桜の四月一日開花ラインが約四十年間の間に約百キロメーター北上しているということが言われているわけなんですけれども、様々な形で温暖化の影響というのは出てきているなと、そう思います。
 そういう意味では、前回の質疑の中で私は改正温対法について重要な法案と言ったわけでありますけれども、その意味するところは、重要なテーマを扱っているわけで、中身が相当濃くなっているかどうかについては言及をいたしませんでした。私は、やはり二〇五〇年八〇%削減はしっかりとやっていかなければいけないということで、そういう担保を法的に行っていくことが非常に大事ではないかなと、そういうことが種の保存に悪影響を及ぼしていることについては、やはりスピードを落とさせる、あるいは農業の育種戦略にも影響を与えるようになっているわけでありますので、やはりしっかりとした対応が必要ではないかなと思います。
 それで、前回、事務方の方にいろいろとお尋ねして、局長の方からは、イギリスとアメリカの関係についても確認をするという答弁があったわけでありまして、どのように確認されたか、御報告をお願いしたいと思います。
○政府参考人(関荘一郎君) 主要先進国におきまして、法文上、二〇五〇年八〇%削減を位置付けているかどうかという件でございますけれども、その後調査をいたしまして、アメリカにおきましては、法律案として議会には提出されておりますけれども、現時点で廃案になっているということでございます。
 また一方、イギリスにおきましては、気候変動法という法律の中で二〇五〇年八〇%削減というのが明記されているということを確認させていただきました。
○加藤修一君 アメリカは、この間話しましたように、クリーン・エア・アクトという大気浄化法で、それは二〇五〇年八〇%、八〇%とは書いていませんが、七十数%というふうに書いているわけで、ここは確認されましたか。
○政府参考人(関荘一郎君) 私どもが確認した範囲内では、クリーン・エア・アクトの中でその目標数値というのは見当たりませんでした。
○加藤修一君 私が確認できて環境省が確認できないというのはどういうことなんでしょうね。再度、私、確認するように要求しておきます。
 環境省の設置法には地球環境保全という言葉があって、これはほかの省にはない言葉なわけですよ。だから、主体的に環境省がこの地球温暖化対策の関係についてもやっていかなければいけないことは自明の理で、それはもう当然お互い共有できる話だと思いますけれども、もっと主体的に私はやるべきだと思います。
 これは、私、手元に持っているのは、英国大使館のパンフレットでありますけれども、そこにはこういうふうに書いてございます。
 低炭素社会への移行の中で、各国はこの分野のリーダーになるかフォロワーになるかを選ぶことができますと。リーダー国は既に急速に成長を遂げるグリーン経済や貿易、そして持続可能で安定したエネルギーミックスから利益を得ており、今後も技術力や低炭素インフラ開発の経験など、早期参入国が享受できる利益を幾つも得るでしょうと。リーダー国の動きに追従する形となるフォロワー国は、このような機会を逃がすリスクとともに、より不安定なエネルギー保障というエネルギー供給及び燃油価格ショックに対する脆弱性というリスクにも直面することになりますと。
 それで、英国は、世界が低炭素経済へと移行する中、そのグローバルリーダーとなることを宣言していますと。日本はと、わざわざ日本を取り上げているんですよ。日本は、高い技術力と経済力によりリーダー国となる可能性を持っていますというふうに書いてあるわけなんですね。
 だから、世界の中でもこういうことに対して日本国の役割、使命、しっかりやっていくようにというふうなことがある中で、やはりもっと私は改正温対法の在り方については充実した中身にしていくべきだと私は思っております。
 それで、経産省にお尋ねいたしますけれども、温暖化の関係でCO2の排出削減に当たって短期、中期的な目標数値を当然環境省は考えなければいけない中にあって、エネルギー基本計画、これがいつできるか、それが非常に大事になるわけでありまして、ここは確認ということを込めて経産省に、いつできるんでしょうか、進捗状況はどうでしょうか、手短にお願いいたします。
○政府参考人(後藤収君) お答え申し上げます。
 エネルギー基本計画でございますけれども、本年の三月の十五日に総合資源エネルギー調査会の総合部会を開催しまして、新たなエネルギー基本計画の策定に向けて議論を開始したところでございます。その後、四月の二十三日、五月の二十日と、二回目、三回目の会合を行っておりまして、次回は六月の下旬と。最終的に取りまとめを行うと今考えておりますのは、年内を目途にエネルギー基本計画の取りまとめを行いたいという状況になってございます。
○加藤修一君 年内取りまとめという話でありますけれども、これはCOP19の国際会議に間に合うかどうかというところの確認ですけれども、それは間に合いますか、どうですか。
○政府参考人(後藤収君) エネルギー基本計画でございますけれども、COP等の国際情勢も大変重要な課題だとは思っております。
 しかしながら、今回のエネルギー基本計画は、やはり原子力発電の今後の見通し、例えば原子力規制委員会の新たな安全規制の下でどのように再稼働が進んでいくのか、それから再生可能エネルギーの進捗というのでどの程度進めていけるのか、それから石炭火力、LNG、高効率火力などのエネルギー源の開発がどこまで進むのかというような様々な課題を抱えているというふうに認識しておりまして、そういう意味では年内ぎりぎりぐらいまで掛かるのではないかというふうに思っている次第でございます。
○加藤修一君 そうすると、私はその答弁聞いて判断しますけれども、COP19にはなかなか間に合わないということを考えていくと、環境省としてCOP19に対してどういう数値目標を考えるのかということが大事になってくるわけでありますけれども、これは何らかの腹案を考える必要があると私は思っています。
 それから、アドホックでもやっぱり数値目標を明確にするというのが大事で、私は、そういう観点を含めて、言っているのは二〇五〇年八〇%削減ということを何回も申し上げているわけでありまして、今の点については環境省としてはどのように考えてCOP19に臨むのかということです。
○政府参考人(関荘一郎君) 今年年初の総理からの御指示に基づきまして、二〇二〇年目標、現在二五%削減でございますけれども、これをゼロベースで見直すということにしております。先日、温暖化対策法を改正していただきましたので、この法に基づきまして、法定の計画、その中には目標も定めることになっておりますので、まずは二〇二〇年の目標につきまして関係省庁とよく連携しながら検討してまいりたいと、このように考えております。
○加藤修一君 COP19にどういう中身を持っていくかについては、今後、関係省庁と協議して決めるという話ですか。
○政府参考人(関荘一郎君) 改正温暖化対策法におきましては、地球温暖化対策計画は地球温暖化対策本部で案を作成し閣議の決定を得るということになっておりますので、当然、政府内で関係の府省と協議をいたしまして新たな計画、目標を含む計画について検討し、COP19までに結論を出していきたいと、このように考えております。
○加藤修一君 しっかり検討して、日本としてはこれだけ主体的に、積極的にやっていると、そういうふうに思われる、印象付けるということも極めて大事ですから、そこのところを間違わないでほしいと思います。よろしくお願いいたします。
 それから、二〇五〇年八〇%削減に私はこだわっておりますけれども、英国は、二〇五〇年パスウエーズというシミュレーションツール、道具ですね、それをつくっておりまして、それで、二〇五〇年に温室効果ガスを八〇%削減するという野心的な目標に対して、そのエネルギーミックスの道筋で向かうか、英国が取り得る様々な選択を想定し組み合わせることで低炭素社会を実現する道筋を比較分析をしていると。その結果、二〇五〇年までに八〇%の温室効果ガス削減目標は、野心的でありますが達成可能であり、エネルギーの安定供給の維持とともに両立できることが分かりましたということで、シミュレーション分析の話とそのための道具の話をしております。
 それで、私は、環境省及び国環研ですね、地球温暖化の関係の分析というのは非常に詳細にやっているなと、日本の中で一番やっているんじゃないかなと私は高く評価しているわけでありますけれども、四分冊で、たしか十センチちょっと、前後あるやつですね、読むのが大変気骨が折れるという感じになりますけれども、非常に詳細にやっていることについては敬意を表したいと思いますが。
 今申し上げましたように、この間、元斉藤大臣の関係でビジョンということ、これはまだ十分検討されていないという、そういう答弁も実はあったわけでありまして、将来シミュレーション分析、是非私はやるべきじゃないかと、そういうことが非常に大事である。あの中では余りそういった面について触れていないように私は思っておりますので、ここは積極的に予算措置もしてやるべきじゃないかと思っていますけれども、どうですか。
○政府参考人(関荘一郎君) 委員御指摘のとおり、斉藤環境大臣の時代におきまして、これはラクイラ・サミットを受けた、結果を受けた後でございますけれども、温室効果ガス二〇五〇年八〇%削減のためのビジョンというのを発表させていただきました。その後も、東日本大震災を受けましてエネルギー・環境政策の見直しが進められた中におきましても、環境省におきましては二〇五〇年八〇%削減の実現に向けました技術を検討するためのワーキンググループを設け、具体的な検討を行ってまいりました。
 今後は、改正温対法に基づきまして、新たな二〇二〇年の削減目標と、それを実現するための計画を検討していくこととなりますけれども、その際には、長期的な展望に立ち、二〇五〇年八〇%削減に資する対策、施策についてもしっかりと検討してまいりたいと考えております。
○加藤修一君 是非よろしくお願いしたいと思います。
 それでは次に、ちょっと時間がなくなってまいりましたのでちょっとスキップしたいと思います。
 再生可能エネルギーの関係でございますが、法律ができてかなり進展の姿が見受けられるということで、一月末現在では皆さん御承知のように七百三十七万キロワットという大変な量が是非やりたいという形で出てきているわけでありますけれども、再生可能エネルギー、これはなぜ導入しなければいけないか。それはCO2削減の関係もありますし、地域活性化の関係を含めて、これは法律の目的の中にも、安定的かつ適切な供給の確保、それから環境への負荷の低減を図る、あるいは再生可能エネルギー源の利用を促進し我が国の国際競争力の強化、それから産業の振興、地域の活性化、そういうことが第一条の目的に書かれてありまして、非常にユニークな目的が書かれているように私は思います。そういう意味では、再生可能エネルギーの特徴をよくつかまえた目的であると考えておりますが、更に私は進めていかなければいけない。
 環境大臣は、基幹エネルギーの一つになるかどうかというのは、直近ではそれはないだろうという、そういう発言だと私も理解いたしました。将来的な、公明党は二〇三〇年を目指して全体のエネルギーのうちの三分の一以上については再生可能エネルギーで何とかしようと。それはある意味では基幹エネルギーの一つだというふうに考えることができると思うんですよね。
 三年間で集中的に推進しようという話でありますけれども、私は三年じゃ、風力発電が環境影響評価を考えていくと三年から四年というリードタイムが掛かるわけでありますので、その三年間の間にはなかなか入れることはできないという話になってまいりますので、そういう意味では、三年の集中普及期間から、三年から六年に直すぐらいの、そういう改正を考えるぐらいのことも必要ではないかなと、そう思っております。
 それと同時に、ほかの再生可能エネルギー、風力以外の再生可能エネルギーも進めなければいけないということでありますが、ついせんだって日経新聞に出ました。それまで私も党内で緑の贈与税ということについては主張してきたわけでありますけれども、植田先生を始め松尾先生ですか、懸命に努力をされているということも含めて、私も非常に関心を持っておりますので、再生可能エネルギーがどんどん進めていくようにしていくことが大事である。
 皆さん御承知のように、千数百兆円の個人資産があり、贈与についても毎年毎年動いているわけでありまして、贈与資金をグリーン化すると、金に色を付けると。金に色はないというふうに言われておりますけれども、金に色を付ける。やはり、環境の様々な事業の方に資金が回るように、いかにそれをパイプを太くするかということがこれからの時代に非常に大事なことでないかなと思っております。
 おじいちゃん、おばあちゃんは、資産を持っている人は、環境貢献はしたいということも強く意向が働いております。あるいは子供、特に孫への贈与をしたいと。子供に贈与するよりは孫に贈与したいというのがおじいちゃん、おばあちゃんの意向のようでありまして、太陽光パネルを実物で付けるとか、あるいは再エネのファンド証券ですね、それを与えて配当金を孫が受けると、売電料金も当然入ってきますから。そういう形でおじいちゃん、おばあちゃんが残してくれたものであるという、また逆に残す方も孫に残したという、そういうことの中でさようならという話になってくると思うんですけれども。
 高齢者世帯が今二千万世帯あります。六百万から七百万世帯が貯金取崩しはなし又は少額であるということでございます。それから、緑の贈与に対して意向を持っている世帯、二千万世帯のうちの約二割が四百万世帯ということで、そういう緑の贈与をしたいという意向がある。どのぐらい贈与をしたいか。大体四百万円。これ全部調査した結果なんです。そうすると、それを掛け算していきますと十六兆円の話になるんですね。
 さらに、国産品を購入したいかというと、これが非常に高いわけで、この調査によりますと九五%。ですから、国内でお金が回るという仕組みができるわけであって、これは即実体経済を動かすことに当然つながってくるのではないかなと考えております。
 そういう意味では、これは税制改正の関係の話に当然なってくるわけでありますけれども、元々、環境金融ということで環境省はやっているわけでありまして、金に色を付けるんだと、緑の色を付けるんだというふうに一生懸命やってきたのが環境省で、旗振りでありますので、こういう緑の贈与ということについてもやはり環境省は関心を示していただきたいなと、このように考えておりますけれども、この辺についてよろしくお願いいたします。
○副大臣(田中和徳君) 加藤先生からいただいた資料に目を通しながら先生の今のお話を伺っておったところでございます。植田先生、松尾先生を中心にIGESの皆さんが提案をしておられるということも承知しております。
 緑の贈与は、今お話ありましたように、国内金融資産の七割を保有する高齢世代からその子供や孫へ現金ではなくて太陽光パネルなどを贈与するスキームである、このように認識をしておるところでございます。これらのスキームについて、保有資産が比較的潤沢である高齢世代と長期的な再エネ投資の恩恵を受ける現役・将来世代を結び付けるということによりまして再エネ投資を促すものでありまして、今経済的な効果のお話もあったわけでございますが、四百万円ということで、掛けていくと何十兆円、何兆円という話でございまして、大変大きな数字として改めて認識をしたところでございます。地球環境を守るという志を込めて引き継ぐという考え方としても傾聴に値する案だと、このように思っております。
 環境省といたしましても、再エネの導入拡大に向けて様々な事業を展開しているところでございますけれど、今後とも再エネの導入拡大に向け更なる検討を行い、必要な施策を実施してまいりたいと思います。
○加藤修一君 大臣の感想をお願いしたいと思っておりますけれども、非常にこういう新しい展開を考えるというのがやはり大事な時代になってきているんではないかなと思いますので、是非こういった点について御支援をお願いしたいと思っています。
○国務大臣(石原伸晃君) 詳細については環境省としての受け止めを田中副大臣の方から御答弁させていただきましたが、私も大変興味深く拝聴させていただきました。税制調査会で実現可能性について議論ができるような環境整備に努めさせていただきたいと考えております。
○加藤修一君 財務省にも来ていただいていたんですけれども、ちょっとよろしいですか。手短にお願いします。
○委員長(北川イッセイ君) 財務省星野審議官、手短にお願いします。
○政府参考人(星野次彦君) 今先生からのお話、また大臣、副大臣からの答弁も拝聴したところでございます。
 今御指摘の緑の贈与税につきましては、今後どうしていくかということにつきまして、まず環境省等におきまして政策的な必要性、また政策の枠組みについて検討していただくことが必要ではないかと思っております。
 その上で、税務当局といたしましては、具体的な税制改正要望等が提出された場合には、再生可能エネルギーの実態、あと課税の公平性なども踏まえまして必要な検討をしてまいりたいと思っております。
○加藤修一君 終わります。
○委員長(北川イッセイ君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時五十四分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
○委員長(北川イッセイ君) ただいまから環境委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、山根隆治君、石井一君及び森まさこ君が委員を辞任され、その補欠として谷博之君、江田五月君及び渡辺猛之君が選任されました。
    ─────────────
○委員長(北川イッセイ君) 休憩前に引き続き、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律の一部を改正する法律案及び特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○水野賢一君 みんなの党の水野賢一です。
 種の保存とか、また絶滅の話に関してで言うと、この絶滅の危惧のある動植物などについて環境省がレッドリストとかレッドデータブックというのを作成していますよね。これは、作成には何か法的根拠というのはあるんでしょうか。
○政府参考人(伊藤哲夫君) 環境省が作成しておりますレッドリストは、全国を対象に、科学的情報を基に絶滅のおそれのある種とその絶滅のおそれの度合いを大まかに把握するものでございます。レッドデータブックは、レッドリストに記載された種について生息状況等を取りまとめ、編さんした書物でございます。
 レッドリストは、絶滅のおそれのある野生生物の保護を進めていくために広く活用されることを目的に作成された基礎資料でございまして、法的拘束力など強制力を持つものではございません。したがいまして、レッドリストにつきましてはこういった観点から作成しているものであり、直接的な法的根拠はございません。
○水野賢一君 いや、私の聞いたのは、このレッドリストに指定されると何か強制とか何かが加わるかということじゃなくて、作成をするということに法律に根拠があるのかないのかと、そういう質問ですよ。
○政府参考人(伊藤哲夫君) 環境省がレッドリストを作らなければならないというふうな直接的な規定を設けた法律はございません。
○水野賢一君 別に、作成に法的根拠なくても今まで四次にわたって作っているわけで、何かそれ実害があるわけじゃないかもしれませんけど、多くの場合、いろんなこういうものを作っていくときというのは作成に法的根拠があったりするような場合のものもあるわけであって、これは政務官、そういうせっかく法改正とかするんであれば、こういう作成に法的根拠を与えるとかという、そういう考え方というのは検討は特になかったんでしょうか。
○大臣政務官(齋藤健君) 御指摘のように、法的根拠のあるような他の立法例というのもあるわけでありますけど、本件については実質的に普及啓発や野生生物保全のための基礎資料として活用されておりまして、十分な効果を発揮していると考えておりますので、現時点においてレッドリストそのものに法的根拠が必要な状況になっているというふうには認識していないということであります。
○水野賢一君 レッドリストというのは十分類ぐらいいろいろとあるわけですよね。例えば、それは哺乳類であれ鳥類であれ爬虫類であれと、十分類ぐらいに分かれてリストを作っているわけですけれども、それで、種の保存法でいう国内希少野生動植物種というのがありますよね。これは、こっちの方は、例えば菌とか藻類とか、藻とか、そういうようなものというのを指定できるのかどうかをちょっと聞きたいんですが。
 何でかというと、レッドリストの方を見ると藻類とか菌類とか、いろいろと書いてあるわけですよね。だから、こっちの方にあるんで、レッドリストには。法律での、この種の保存法における国内希少野生動植物種というのには、動植物が入るのは分かりますよ、動植物種ですから。だけど、そういう菌類とか藻類とかそういうものは入ってくるんでしょうか。
○大臣政務官(齋藤健君) 菌類や藻類を法律上規定できないという法律にはなっておりません。
 ただ一方、平成四年に閣議決定された希少野生動植物種保存基本方針には選定方針というのが示されておりまして、その中で、個体として識別が容易な大きさ及び形態を有する種をこの希少野生動植物種保存基本方針として選定するということには明記されておりまして、なかなか菌類や藻類については、その大きさが小さかったり他の種との識別がなかなか容易ではないというようなものが多いものですから、脊椎動物や茎を有する植物などの他の分類群に比べて、法律上指定するのがなかなか容易ではないなというふうに認識しているところでございます。
○水野賢一君 自然局長にお伺いしますけれども、キノコというのは何類になるわけですか、キノコ。
○政府参考人(伊藤哲夫君) いわゆる菌類に属するというふうに考えております。
○水野賢一君 そうすると、だから菌類の中でもそれは物によるでしょう。例えば、キノコなんかは明らかにこれは個体識別できますわね。そうすると、こういうようなものは、局長でいいんだけれども、法的には指定し得る可能性は現行法でもあり得るわけですか、キノコが絶滅しそうな場合は。
○政府参考人(伊藤哲夫君) 今の種の保存法上、指定できないということはないというふうに思います。
 実際できるかどうかというのは、いろいろ先ほどから議論ありますとおり、いろいろクリアすべき点はあると思いますけれども。
○水野賢一君 だから、必要性がなきゃ別に指定する必要はないんだろうけれども、必要性があったりすれば法律上できないわけじゃないということですよね。
 それで、レッドリストと種の保存法の方の国内希少野生動植物種の関係について伺いたいんですが、先ほども議論ありましたけれども、レッドリストでの絶滅のおそれがある種というのは三千六百弱ぐらい指定されていますよね。それで、その全部をその種の保存法で指定することはなかなか難しいんでしょうけれども、その三千六百の中でも段階があって、例えば野生絶滅とか絶滅危惧のTAとか、そういうのになっているものなのに国内希少野生動植物種には指定されていないというものもありますよね、多いと思うんですけれども、これちょっと具体的な例も挙げながら、何でなのかというのを教えてもらえればと思います。
○政府参考人(伊藤哲夫君) レッドリストの場合は、基本的に学者先生方に議論していただいて判定をいただいているということでございます。一方で、種の保存法に基づいて指定する場合は、これは、この法律によって規制しないと守られないということを一種ずつ全部確認した上で種の指定をしているということでございます。
 そのため、例えばラッコでありますとかニホンアシカといったものにつきましては、他の法律で同様の捕獲規制等が掛かっているということで、こういったものについては種の保存法で仮に規制したとしても追加的にきちっと、既にもう規制が掛かっていて規制対象とする実益がなかなか大きくないと、こういったものについては指定はしていないということがございます。
 また、情報が十分集まっていないということで、今後集めた上で指定していきたいというふうに思っているものも多くあるわけでございます。
○水野賢一君 先ほど来の議論でも、国内希少野生動植物種の数を今の九十から大幅に増やしていくという方向、その方向には議論などを聞いていてもそう異論はないというふうに思うんですけれども、三百とかという具体的な数字目標も出ていますよね。
 ちょっとさっきの議論で確認したいんですけれども、松井先生の方から、それはそれで、そんなものは記者会見とかそういうところでちょっと言うんじゃなくて、閣議決定とかしたらどうだという議論もありましたよね。それに関して、今は、それでいうと生物多様性の国家戦略のところに書いてあるんだろうけれども、これは生物多様性国家戦略を次改定するときに初めて何か閣議決定するわけですか。
 じゃ、質問ちょっと変えますけれども、生物多様性国家戦略って、次いつごろ改定する予定なわけですか。
○政府参考人(伊藤哲夫君) 昨年九月に改定して、通常であれば五年後見直すというのが通常のタイムスケジュールだというふうに考えております。
○水野賢一君 そうすると、だからその五年間の間は特に閣議決定しないということなのか、つまり五年後の改定のときにはこういう文字が入ってきますよということなのか、それとも、その生物多様性国家戦略の全部の改定は五年後かもしれないけれども、まずはこの三百という目標は早急に何らかの形で盛り込もうとするのか、そこら辺、どうですか。
○政府参考人(伊藤哲夫君) この現在の国家戦略に掲載している二十五という目標は、これは、正直申しまして、今回の種の保存法の改正による罰則の強化といったものを前提としないで掲げた数字であることは間違いございません。
 今回、種の保存法も改正、今御議論いただいていますし、外来生物法も一部改正法案を御議論いただいているわけで、今の生物多様性国家戦略自身がその二つの法律について、今回のような形で改定することをはっきりと前提として作っているというわけじゃございませんので、今回の両法の改定も含めて、この改正案が通りましたら、生物国家戦略自身、どういったタイミングでどういうふうな見直しをしていくのかといったことは検討しなければいけないというふうに考えている次第でございます。
○水野賢一君 何か長く答弁してもらった割にはよく分からないんだけど、要は生物多様性国家戦略は五年後ぐらいには改定するということは分かっているわけですよ、普通に考えたら。ただ、五年間ほっぽらかしにして、そうすると三百というのは口では、国会答弁とかそういうところでは言っているけど、閣議決定というプロセスは五年間はほったらかしになっちゃうのか、それとも、まずこの部分は何らかの措置で早めに、即、法案でも通ったらすぐ閣議決定でもするのか。
 さっき、閣議決定はしていきたいというのは齋藤政務官から答えはあったので、もしあれだったら政務官でもいいし、政務官、どうぞ。
○大臣政務官(齋藤健君) いつその閣議決定を改定するかについては、別に五年でこだわる必要はないと私は思っておりますけれども、種の指定の拡大に当たっては、保全戦略を早期に策定することが必要でありますし、その中に種指定の目標数値を位置付けることはしていきたいと思っておりまして、その内容については、申し上げておりますように生物多様性国家戦略の見直しの際に反映をさせていくというふうに考えております。
○水野賢一君 数を増やしていくに当たって、数を増やしていくというのはいいんですけど、それに当たってちょっとネックになっているような話もあるのかなというふうに思うんですよね。
 それで、何を言いたいかというと、種の保存法というのができたのが平成四年ですよね。その平成四年に、当時は環境庁ですね、環境庁の自然保護局長と水産庁の長官の間で覚書を交わしていますよね。この覚書では、要するにいろんなことが書いてありますけど、例えば漁業対象の水産動植物についてはこの指定から除けるというような覚書がありますよね。この覚書というのは、つまり指定を、こういうものについては指定はしないようにしましょうねという覚書なわけだから、この覚書があるのは事実ですね。
○政府参考人(伊藤哲夫君) かつていろんな形で各省いろんな調整を行ってきたという事実はいろいろございました。ただし、今の時点で、この覚書に基づいて、これに書いてあるからできないとか、そういった意味での有効なものはないと思っております。
 ただし、もちろん、どういった格好で役割分担をしていくか、あるいは漁業関係のものについては、まずは資源管理できちっとやっていただいて、それでも駄目なときはやっぱりちゃんとこちらで対応していくとか、そういったいろんな話合いは各省とも十分進めながらやらなければいけないというふうには考えております。
○水野賢一君 この覚書は、その後、平成十四年にもちょっと改定をしたりした形で覚書が改定されたりしているんですけど、今局長の話聞くと、かつてはそういうような覚書を結んだけど、今はこの覚書はもう無効だと、そういうふうに、有効じゃないというそういう理解でいいんですか。
○政府参考人(伊藤哲夫君) はい、私どもはそういうふうに理解しております。
○水野賢一君 要は、この覚書は、じゃ、ちょっとここ重要なポイントなので政治レベルからも、誰でも結構ですけど御答弁いただければと思いますが、この覚書はもう現段階では有効じゃなくて、必要があればいろいろと指定は今後もしていくという、そういう理解でよろしいですね。
○大臣政務官(齋藤健君) 覚書一般について言えることだと思いますけれども、状況の変化があれば、それは当然見直しもするし無効にもなったりするものだと思っております。
○水野賢一君 しつこくて申し訳ないんですけど、それでその状況の変化の中で現時点では無効だという理解でよろしいんですね。
○大臣政務官(齋藤健君) 先ほど局長が答弁したとおりだと思っております。
○水野賢一君 ありがとうございます。
 それじゃ、ちょっと別の視点から、今は増やす話、指定を増やす話しているわけですが、この国内希少野生動植物に一旦指定したんだけれども外したとか、そういう例というのはあると思うんですが、その例があればそれを答えてもらいたいのと、あと、あわせて、今現在外すことを検討しているものというのは、増やすのを検討しているのは分かりますが、外すのを検討しているものも、この種についてはとかというのがあれば教えてもらいたいと思います。
○政府参考人(伊藤哲夫君) 奄美大島周辺に生息する鳥類でありますルリカケスというのがございますけれども、これが、個体数が増加いたしましてレッドリストでランク外と評価されたことから、平成二十年に国内希少野生動植物種から削除されたという例がございます。
 それから、大東諸島に生息するダイトウノスリが絶滅したというふうに判断されましたので、今年六月に国内希少野生動植物種から、まあ絶滅してしまったんで、絶滅危惧種ではなくなったということで希少野生動植物から削除する予定でございます。
 さらに、オオタカにつきましては、レッドリスト上の絶滅危惧種から外れました。このことから、今、国内希少野生動植物から削除すべきかどうかといった検討を開始したところでございます。
○水野賢一君 それは、個体の数が回復して外すという、本当にそうであればこれは結構なことでありますけど、やっぱりこれ、種を保存していこうという方向の議論なわけですから、安易に、本当に存続がもう全然大丈夫だというときには、それは外すことは十分あり得るんでしょうけれども、安易な判断というのは慎まれるべきじゃないかなというふうには私は思っていますけれども。
 ちょっと視点を変えた質問になりますけど、この指定されている動物の、トキとかコウノトリというのは典型的なものとしてありますよね。政務官に伺いたいんですけど、これ、種の保存法で保護増殖の計画というのがありますよね。これ、トキの保護増殖は、これは法律に基づいて、種の保存法に基づいての環境省がこの保護増殖計画を行っているんですけど、コウノトリは違うんですよね、これ文化庁がやっているんですよね。これ、何でなんでしょうか。
○大臣政務官(齋藤健君) 私も、正直何でなんだろうなと思って調べたんですけど、当時、昭和五十年に、環境庁ができたのは四十六年でありますけど、五十年に、当時、自然保護行政を行う環境庁と天然記念物保護行政を行う文化庁の間で調整が行われたというふうに聞いておりまして、そのとき環境庁は、トキやライチョウなどを始めとする天然記念物に関しまして環境庁が行うということになったんですが、当時文化庁が実施していたコウノトリに関しては、従来どおり文化庁で保護増殖の事業を実施するという何か仕分がそのときできたそうでございまして、なぜそうなったかというのは、恐らく関係者の思いですとかいろんなものを総合してそういう仕切りができたんだろうと思っておりますけれども、違和感を先生と同じように感じております。
○水野賢一君 要は、私も違和感をかねてからこれ持っていたんですけど、実害があるかどうか分からないんで、だからけしからぬと言っているわけじゃないんですけど、かねてからちょっと違和感を持っていて、確かに、トキもコウノトリも両方とも、これは両方とも種の保存法にも指定をされているという点で環境省も関係している。両方とも特別天然記念物ということでこれ文化財保護法に基づく。だから文化庁も関係しているという中で、多分、昔こういうルールを作っていたとき何か役所同士の当時の人たちの都合ですみ分けたんだろうなというふうに想像をするんですけど、まあちょっと役所の論理のような気もしないでもないんですけど。
 問題は、それで結局実害があるかどうかということなんですけど、実害とかそういうことは、現時点でこうやって両省にまたがっているというかばらばらでやっているということで、特に実害はないと考えていいんですか。
○大臣政務官(齋藤健君) 実害に関しては、あるというような話は聞いていないんですけれども、私の地元であります野田市でもこのコウノトリの保護増殖事業を始めまして、この間卵が生まれたということで、私の地元であると同時に水野委員の地元でもあろうと思いますけれども。
 いずれにしても、実害はないんですけれども、せっかく問題を指摘していただきましたので、よりどちらの方がいいのかという観点から、今日文化庁も隣に座っておられますので、議論してみたいと思っております。
○水野賢一君 ちょっとやっぱり違和感を覚えるようなことというのは、自然に、トキとコウノトリと、そもそもトキ自体が種でいうとコウノトリ目トキ科なわけですから、非常に似たような、似たというか、そういうものの中でわざわざ別の法律でやるというのもいかがなものかなというふうには思っていますので、いい方向で検討していただければと思いますが。
 じゃ、ちょっと今天然記念物、特別天然記念物の話が出たので文化庁にお伺いしたいんですけど、天然記念物とか特別天然記念物って、これは別に動植物に限らず、例えば秋吉台の鍾乳洞とか、いろんなものがあります、地質とかいろんなものもありますけど、動植物は何種ぐらい指定されているんでしょうか。
○政府参考人(河村潤子君) 文化財保護法に基づく天然記念物及び特別天然記念物のうち、動植物に関する分類は、動物、植物及び天然保護地区というものがございますけれども、現在、天然記念物としてこれら合わせて七百六十三件、そのうち特別天然記念物として五十五件を指定いたしております。
○水野賢一君 そうすると、さっき申し上げたようなトキやコウノトリみたいに、種の保存法における国内希少野生動植物種であり、なおかつ特別天然記念物とか、そういうようなものというのも結構あると思うんですけど、これはどのぐらいあるんですか。
○政府参考人(河村潤子君) 文化財保護法に基づく特別天然記念物のうち、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律に基づく国内希少野生動植物種であるものは、現在十件でございます。おっしゃられましたトキ、コウノトリ、あるいはライチョウなどもございますし、イリオモテヤマネコなどもその一つでございます。
○水野賢一君 これは、天然記念物とか特別天然記念物というのは絶滅しそうかどうかで選ぶんじゃなくて、文化的に、文化財として価値があるかどうかという基準で選ぶから、視点が違うのはそれは当然分かるんですけど、この天然記念物や特別天然記念物の指定の仕方というのは、自治体から国に意見具申とかという制度があると思いますけど、そこら辺はどうなっているんでしょうか。
○政府参考人(河村潤子君) 文化財保護法に基づく天然記念物及び特別天然記念物の指定に当たっては、地元の教育委員会による調査、これは学術上の価値の検討ですとか保存状況等でございますけれども、こうした調査を行い、さらに所有者や地権者の同意を得るということが必要でございます。これらを経まして、地元の教育委員会から文部科学大臣に対して意見具申をいただくこととなります。この意見具申は、文化財保護法では第百八十九条という規定に基づいて行われます。
○水野賢一君 つまり、文化財保護法では、今おっしゃられたように百八十九条で、自治体とかからこういうようなものは指定されるに値しますよということで国の方に、文化庁の方に意見具申があるわけですよね。
 そういう制度があるということを勘案すると、種の保存法の方に戻りますけど、この国内希少野生動植物種の指定に当たっても、これは大臣にお伺いしますけれども、例えば自治体とか若しくは学者とかNPOとかそういうところから、こういう動植物は種の保存法に基づく指定に値するんじゃないかという、そういう意見具申というか申請というか、それを全部採用するかどうかは別ですよ、だけれども、そういうことは法律上なり、そういう制度を、申請したり意見具申する制度というのはあり得ないんですかね。
○国務大臣(石原伸晃君) これも朝からの議論の中に出てきているとおり、国内種の指定に当たっては中環審の中の委員会の方の意見を聴くと。そこで、いろいろな方々、専門家、研究者の方々が大勢いらっしゃいますので、そういう方々からの提案というのはこれまでも受けてまいりましたし、そういう仕組みというものはこれから、特にその生息、生育、しっかりと新種を認定するときは見ていかなければなりませんので、これからはそういう仕組みをより充実していくということは重要であるということがこれまでの議論の中でも明らかになってきていると認識しております。
○水野賢一君 私たちも基本的にはそれを、中環審のことを別に否定するわけじゃないけれども、それを否定するわけじゃないけれども、それはやっぱり専門的なある種の機関をつくるなり、また、そういうところから申請をしたりとか提言をしたりとかということをもっと踏まえられるような仕組みをつくっていくべきじゃないかということを考えていることを申し上げたいと思いますが。
 特定外来生物の方の話に移りたいと思いますが、ちょっと局長にお伺いしますが、特定外来生物の被害防止法では、これは、特定外来生物というのは、法律上、海外から来た動物に限られていますよね。あと、それも、これは法律じゃないんだけれども、明治以降ということで事実上運用されているわけです。明治以降に海外から来たものということが特定外来生物ですので、国内での移動は法律上対象外ですよね。
○政府参考人(伊藤哲夫君) 御指摘のとおり、外来生物法の規制の対象となっているのは、海外から導入され、その本来の生息地又は生育地が我が国にないものと、こういうふうになっておりまして、いわゆる国内由来の外来生物については対象外でございます。
○水野賢一君 そうすると、国内由来の外来生物というのは、例えば、じゃ、小笠原諸島に本来生息していなかった動植物が例えば本土の方からやってきて小笠原で生態系を破壊したとか、若しくは、北海道に元々存在していなかった動植物が本州から渡っていって北海道の生態系を破壊したとかという場合は、これは特定外来生物には指定できませんよね。
○政府参考人(伊藤哲夫君) 外来生物法に基づく特定外来生物には指定できません。
○水野賢一君 でも、そういう場合でも、実際に生態系に悪影響を与えるということはあり得ると思いますよね。そういうケースというのは、何か把握していたりとか、これはちょっと問題だとかというのはありますか。
○政府参考人(伊藤哲夫君) 国内の他地域から導入されたいわゆる国内由来の外来生物といたしましては、沖縄から小笠原諸島に導入されたアカギ、本州から伊豆諸島の三宅島に導入されたニホンイタチ、沖縄から九州本土に侵入したオキナワキノボリトカゲなどが挙げられ、在来の生態系に大きな影響を与えているところでございます。
○水野賢一君 つまり、問題を起こしているということは事実なわけでしょうから、そうすると、現行法では直接的に特定外来生物で指定するということはできないのは分かるんですけど、かといって放置していいというわけには、現実に生態系に悪影響を与えている以上、放置していいことにはならないでしょうけど、政務官、何かこの辺については対策とかはありますでしょうか。
○大臣政務官(齋藤健君) 昨年十二月に取りまとめられました中環審の意見具申において、そういった国内由来の外来生物についても検討すべきという御指摘をいただいているところであります。今までも自然公園法等において動植物の放出等の規制を順次強化するという努力も行ってきておりますし、自治体においても条例などで対応してきているところでありますけれども、現在、我が省は、愛知目標の達成に向けて、関係省庁と連携しながら、二〇二〇年までの外来種対策の方針を明らかにした外来種被害防止行動計画を今年度中に策定することにしておりまして、この計画の中で国内由来の外来生物に関する対策の今後の方向性についても示して、対策を強化できないか検討しているところでございます。
○水野賢一君 特定外来生物の被害防止法の十一条には、主務大臣による防除というのが規定されていますよね。これ、実施された例というのはどのぐらいありますでしょうか。
○政府参考人(伊藤哲夫君) 申し訳ございません。件数自身は今ちょっと全体集計しておりませんが、相当数ございます。
○水野賢一君 通告してあると思うんですけれども。
 じゃ、この法律の十六条、十七条で負担金が徴収されることになっていますよね。これは、負担金徴収というのは、要するに、生態系を、特定外来生物によって被害があったときには、つまり、そういう外来生物を放しちゃった人とかそういうような人が、要するに生態系を回復するためのお金を払うということですよね。その負担金を徴収、法律上は十六条、十七条にあるんですけれども、これ実施された例ありますでしょうか。
○政府参考人(伊藤哲夫君) これまでのところ実施した例はございません。
○水野賢一君 これは、法律にありますけれども、空振りになっている理由とかって何かありますか。
○政府参考人(伊藤哲夫君) これ、いろいろと取りたいと思う事例はあるわけでございますけれども、誰が出したのか、それは非常に昔のことで分からないとかいろんな事情がありまして、残念ながら今までのところ適用した事例はないということでございます。
○水野賢一君 確かに、そのきちっとした証拠がなければなかなか負担金を徴収するのは難しいというのは分かりますけれども、せっかく法律にも規定があるわけですから、そういう外来生物を例えば勝手に遺棄したりして、それによって生態系に悪影響を与えた人からは負担金を徴収する制度があるわけですから、厳格に適用していくことを望みたいと思います。
 時間ですので、終わります。
○市田忠義君 日本共産党の市田忠義です。
 種の保存法、外来生物法は共に生物多様性保全を進める上で大変重要な法律だと思います。今日は、種の保存法にかかわる問題に絞って質問をしたいと思います。
 午前中来、同僚委員からも出ていますが、種の保存法の制定から二十年以上が経過をしましたが、絶滅危惧種は増え続けて、法が有効に機能しているとは言い難い状況にあると思います。現在、種の保存法で保全の対象としているのは九十種のみで、いわゆるレッドリスト掲載の絶滅危惧種三千五百九十七、この僅か二・五%にすぎません。生物多様性条約第十回締約国会議、COP10の愛知目標、これを受けて定めた生物多様性国家戦略、ここでは二〇二〇年度までに新たに二十五種程度の指定を目指すと、そうされていますが、大臣の認識を伺いたいんですが、私は、国際約束である目標を本気で達成するつもりなら、こんな目標はあり得ないし、政府の姿勢が問われると思うんです。大幅に目標を引き上げるべきだというふうに思いますが、大臣の認識はいかがでしょうか。
○国務大臣(石原伸晃君) この点につきましても午前中以来御議論のあるところでありますが、現在の生育、そしてなぜそういうことになったかというような状態等々をこれからしっかりとこの目標を定めて追加をしていかなければならない。それには予算も掛かりますし、それを専門に見ていらっしゃった研究者の意見というものも聴かなきゃなりませんし、また地域的に分散しておりますので、地方の自治体の皆さん方の話も聴かなければならない。こういうことを中環審の方にお願いをいたしまして、今約束しているものを一つ一つ積み上げていく努力をさせていただければと考えております。
○市田忠義君 大幅に引き上げるという方向性については同じ認識でいいですか。
○国務大臣(石原伸晃君) その点の認識については、その目標をただ言うだけじゃなくて、そこにしっかりと到達するように努力をさせていただきたいと考えております。
○市田忠義君 環境省内ではどれぐらいを考えておられますか。
○政府参考人(伊藤哲夫君) 今回の法律が成立して罰則が引き上げられることを前提として、二〇二〇年までに新たに三百種の追加をしたいというふうに考えておる次第でございます。
○市田忠義君 三百種という数字をどう評価するかということだと思うんですけれども、現在、鳥獣保護法など他の法令でカバーしている種の数と同程度にこれすぎないと思うんですね。私は、数合わせじゃなくて、国際約束を達成するための実効ある目標、これについて、環境省内だけの検討ではなくて、第三者機関等で科学的な知見に基づいた検討を進めて、保全が必要な種について政府全体の共通認識、目標として法定計画に位置付けて取り組むべきだと思うんですが、この点はいかがでしょう。
○政府参考人(伊藤哲夫君) 目標をどういうふうに位置付けるかというのはいろんな考え方があると思います。もちろん、今でも生物多様性国家戦略の中では、先ほど申し上げたような非常に二十五種ということで位置付けられておるわけでございます。これはいずれかの時点では国全体の目標にしていかなきゃいけないというふうに我々も考えております。
○市田忠義君 じゃ、第三者機関等で科学的知見に基づいた検討を進めるということと、政府全体の共通認識、目標として法定計画に位置付けると、そういう方向性は考えているというふうに理解していいですか。
○政府参考人(伊藤哲夫君) いろんな方々の意見も聴きながら、どういった目標をどういうふうに達成していくのかということもきちっと検討した上できちっと位置付けていきたいというふうに考えております。
○市田忠義君 きちんと位置付けるとは、法定計画としてでいいですか。
○政府参考人(伊藤哲夫君) そういうことでございます。
○市田忠義君 指定種を大幅に増やすということは、私、当然だと思うんですけれども、同時に、今既に指定されている種について確実に保全していくというのは大前提の問題だというふうに思います。
 環境省にお聞きしますが、対象種の生息・生育地の保全状況について、我が国の絶滅のおそれのある野生生物の保全に関する点検とりまとめ報告書、これ二〇一二年三月に発表されましたが、そこではどのように指摘されているでしょうか。
○政府参考人(伊藤哲夫君) 保護増殖事業につきましては、現在四十九種で実施しておりまして、昨年もライチョウについて新たに保護増殖計画を策定したところでございます。各種ごとの状況に応じて、生態分布状況や生息環境の改善、給餌、飼育下繁殖など様々な対策を講じているところでございます。
 平成二十三年度に実施した御指摘の我が国の絶滅のおそれのある野生生物の保全に関する点検で専門家からの提言を受けております。その中では、種の保存法の制定以降、地方公共団体の取組も含め、制度的な整備が進んできたことや、種の捕獲規制は比較的実施されていること等が挙げられている一方で、課題としては、対象種の個体数の積極的な維持、回復の取組や、生息・生育地の維持、改善等の対策の実施等については十分とは言えないという指摘もいただいているところでございます。
○市田忠義君 昨日、一番最後のところを読んでくれと言っておいたんですよ。いいところを言われたんですけど、点検結果を見ると、対象種の個体数の積極的な維持、回復の取組や生息・生育地の維持、改善等の対策の実施等については十分とは言えないというのがこの報告書の結論だと思うんです。指定された種で生息地、生育地保護区の指定は九か所しかありません。法に基づく種の指定そのものが極めて限定されていることに加えて、指定されても適切な保護・保全措置がとられていません。
 そこで、具体的に法で指定されている種の保存、絶滅のおそれのある種の保全の問題についてお聞きします。
 沖縄県やんばる地域でお話を伺ってきました。やんばるというのは山々が連なり森の広がる地域を意味する言葉で、沖縄北部の国頭村、大宜味村、東村などを中心とした地域ですが。環境省にお聞きしますが、この地域に生息している法で指定されている主な種について述べてください。
○政府参考人(伊藤哲夫君) 国内希少野生動植物全九十種指定してございますが、やんばる地域には具体的にはアマミヤマシギ、ヤンバルクイナ、ホントウアカヒゲ、ノグチゲラという鳥類が四種類。それから、ヤンバルテナガコガネという昆虫類が一種、オキナワセッコク、クニガミトンボソウという植物類二種、合計七種が生息、生育してございます。
○市田忠義君 今名前が挙げられた種が法で指定されている数少ない種であると同時に、いわゆる固有種、やんばるにしかこの地球上で存在しないという種であります。
 ブロッコリーの森とあの辺は呼ばれている亜熱帯林の森が広がるこの地域は、今言われたほかにも、ケナガネズミ、これは哺乳類ですけれども、それからイシカワガエル、これは両生類、こういう固有種、絶滅危惧種、天然記念物など多くの希少な動植物種が生息しています。
 大臣にこれは基本的な考え方をお聞きしたいんですけれども、こういう地域、絶滅のおそれのある種、固有種、生物多様性の保全というこういう観点から、こういう地域をどのように見ておられるか、どう評価されているかという基本的なお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(石原伸晃君) やんばるは私も訪ねたことがありますけれども、今の委員と局長との答弁の中でも九十のうちに七種いるというように、絶滅危惧種が生息、生育している地域だと基本的にとらえております。また、地勢的には、沖縄県の北部ではありますけれども、亜熱帯の照葉樹林の生態系ですか、原木みたいなものがそのまままとまって比較的健全な状態で残っていると認識をしているところでございます。
 そういう地域であるからこそ今御議論がなされているんだと思いますけれども、野生の動植物ですか、そういうものの保存はもとより、多様性の観点からもこの地域は極めて重要な地域であるというふうに認識をしているところでございます。
○市田忠義君 今大臣も言われたように、やんばるは沖縄琉球の中でも生物多様性の保全上中核を成す地域で、多数の種が指定されていますが、生息地、生育地の保全は極めて不十分であります。
 やんばる地域の生態系の保全を図る法的な私は保護担保措置として国立公園化を急ぐべきだと考えるんですが、これも、これは政治的な決断、判断にもかかわると思いますが、国立公園化を急ぐべきだという点についてはいかがでしょうか。大臣で無理だったら、ほかでも結構です。
○国務大臣(石原伸晃君) その点は私も賛成でございます。
○市田忠義君 国立公園化を進めるという点で、大臣、前向きの答弁をされました。
 そこで、お聞きしたいんですけれども、やんばるの森林面積の三分の一は、世界で唯一、以前にパナマにあったんですけれども、今や世界で唯一の米軍のジャングル戦闘訓練センター、これは沖縄県内の米軍基地の三三%を占めるわけですけれども、世界遺産に登録するためには国立公園に指定して保護策を明確に示さないといけないわけですけれども、米軍基地エリアは国立公園に指定して対策を取ることは可能なんでしょうか。
○政府参考人(伊藤哲夫君) これまで米軍基地あるいは自衛隊の基地について国立公園に指定したことはございません。
○市田忠義君 それは何か指定できないということが、理由があるんですか。
○政府参考人(伊藤哲夫君) 国立公園というのは、基本的には、区域をしてそこでのいろんな行為を規制していくということによって自然環境を守り、また触れ合いを進めていくということが趣旨でございますので、なじまないというふうに思っております。
○市田忠義君 なじまないというのは、米軍基地は日本の権利が及ばないところだから、それを国立公園として指定することはできないと、そういう意味ですね。
○政府参考人(伊藤哲夫君) そういう意味もございますし、元々基地というのは自然と触れ合うような、そういうふうな土地ではないというふうに考えているところでございます。
○市田忠義君 元々その豊かな森林地域にヘリパッドを造るということ自身が異常なわけで、それは、米軍基地を国立公園にすることができないというのも理由だなんて、それが主たる理由でしょう。
 やんばる地域というのは、生物多様性の観点から見て世界的にも非常に重要な地域なんです。ところが、自分の国の土地であるにもかかわらず権利が及ばずに保護策が取れないというのは、私、これは異常だと思うんです。
 安保条約の是非とか沖縄の基地の在り方の是非、これは外交防衛委員会ではありませんから、そのことを議論するつもりはありませんが、その是非は別としても、こういうところが新たにヘリパッドが造られるというようなことになるというのは、これは自然環境保護というので重大だというふうに思うんです。この地域に新たな米軍のヘリコプター着陸帯が建設を今されている途中です。貴重な森を切り開いて、直径四十五メートル、これ、十五メートル幅の無障害物帯を含むと直径七十五メートルの円形のヘリパッド、いわゆるヘリコプターの着陸帯が六か所建設される計画になっていると。
 環境省にお聞きしたいんですが、多くの種の絶滅危惧種が生息しているこういうような地域でこういう大規模な建設事業を実施した例が沖縄県以外でありますか。
○政府参考人(伊藤哲夫君) 例えば国内では、知床、白神山地、小笠原、屋久島を世界遺産として指定してございますが、登録されておりますけれども、こういった中でこういった大規模な開発が行われているということはございません。
○市田忠義君 今言われたように、世界自然遺産に登録して、国立公園化しようと考えているような地域でこういう大規模な建設事業をしているのは沖縄県以外ではないというのは明らかだというふうに思うんです。
 それで、沖縄県知事もこう言っておられるんですね。本来であれば、ヘリコプター着陸帯の移設場所を検討することはこれ困難な地域だと、自然度が高く、環境保全上、特段の配慮を要する重要な地域において事業が計画されていると、こう述べておられます。
 この計画に対して、地元住民はもちろんのことですが、多くのNGO、日本鳥学会、日本植物分類学会、沖縄生物学会、それから植物分類地理学会・日本植物分類学会、日本爬虫類両生類学会、日本応用動物昆虫学会、日本生態学会などが反対ないしは全面的見直しの意見書を上げておられます。
 これだけ多くの学会が反対の意思表示をしているという事業はほかにあるのかと。また、これだけの学会が意思表示をしているということについて、大臣、どのように受け止められているか、受け止めについてお聞きしたいと思います。
○政府参考人(伊藤哲夫君) このやんばる地域については、多くの絶滅危惧種や固有種の植物が生息しているというのは先ほど来御指摘があったとおりでございまして、こういったところで事業をやるといった場合においては、事業が環境に与える影響について事業者において影響を最小限にとどめるような適切な対応がなされる必要があるんではないかというふうに考えている次第でございます。
○市田忠義君 これだけ多様な学会が反対の意思を表示しているような事業はほかにあるかという点、いかがですか。
○政府参考人(伊藤哲夫君) 私ども、そういった観点から、学会が幾つ反対しているのかというふうなことを正直申し上げまして比較したことはございませんので、今直ちに申し述べることはできませんけれども、御指摘のように、多くの学会が反対しているという事実は、そういうことだろうというふうに考えております。
○政府参考人(星野一昭君) 北部訓練場のヘリコプター着陸帯移設事業につきましては、これは平成十一年に日米合同委員会で合意されたものでございまして、平成十三年に防衛施設庁が環境調査を現地で行っております。その結果、どういう場所に候補地を置くか、そういうこともやっておりまして……
○市田忠義君 そういうことは聞いていない。
○政府参考人(星野一昭君) アセス法、県の条例の適用外でございますけれども、アセスに準じた手続をして、知事からも意見をいただいて最終的に建設に着手したと、そういう経緯がございます。
○市田忠義君 あなた、尋ねてもいないことを、これだけ多くの学会が反対している、そういう事業はほかにあるかと聞いたら、あるかないかを答えたらいいんですよ。SACO合意の話なんて、あなた以上に知っていますよ。失礼なことを言うな。
 どうなんですか。これだけ多様な学会が反対した事業はほかにあるかと。どうですか。
○政府参考人(伊藤哲夫君) これまでいろんな様々な事業に学会がいろんな反対意見を出したという事例はいろいろあったというふうに思います。ただ、今御指摘のように、数えて比較したことはございませんので、今直ちにお答えすることは困難でございます。
○市田忠義君 そういうことに関心を示さない環境省というのは大問題だということを言っておきたいと思います。
 大臣、じゃ、これだけ多くの学会が反対の意思を表明しているということで、どういう感想を持たれますか。
○国務大臣(石原伸晃君) 安全保障、外交を度外視して話をするのか、地理的な要件、また現状、誰が開発しているのかということを考慮して発言するかによって大分発言が違うんですが、こちらは当環境委員会でございますので、良質な環境を保全していくというのが環境省の立場でございます。
○市田忠義君 日本の学会だけじゃなくて、アメリカ鳥類保護協会も移設計画の再検討を求める要請書を出しています。それから、国際自然保護連合の世界自然保護会議、これ異例だと思うんですけど、二〇〇〇年と二〇〇四年の二度にわたってやんばるの森にのみ生息するノグチゲラ、ヤンバルクイナとその生育場所の保全を日米両政府に勧告しています。さらにCOP10でゼロ絶滅連盟が発表した、生物種の絶滅を食い止めるために緊急に保護が必要な最優先地、これ世界に五百八十七か所存在すると言われているんですが、日本ではやんばる地域を選定したと。
 大臣、管轄外だと言わずに、環境大臣としてですよ、内閣の一員だし、自民党の幹事長もやられたわけだし、総裁選挙にも出られたという実力政治家ですよ。やっぱり私は、こんな自然豊かな世界でもまれなところに大規模な建設事業というのは絶滅の危惧を更に進めることは明らかだと、これはやっぱりこんなところにヘリパッドなんか造るべきではないと環境大臣としては当然お考えなのは当たり前だと思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(石原伸晃君) 環境省の立場としては、良質な自然環境またやんばるのような地域を維持していくというお話はもう既にさせていただきましたけれども、やはり様々なところで様々な開発が行われるときは、やはりそれを施行する者あるいはそれをやろうとした者の責任において、良質な環境の保全というものに最大限留意するというのが基本だと認識しております。
○市田忠義君 沖縄防衛局が保全措置として、希少植物を別の場所に植え替えました。二〇〇七年に移植した十一株のうち生存しているのは三株のみです。絶滅危惧TB類のヤナギバモクセイ、これは六株移植して生存は一株。準絶滅危惧種のキヌラン属の一種は一株移植して生存はゼロです。
 環境省にお聞きしますが、これで保全できると言えますか。保全できていると言えますか。
○政府参考人(伊藤哲夫君) 御指摘の希少植物の移植についての報道については、我々も当然承知しております。
 今御指摘のところは、十一株中七株が枯死したと、こういうふうなことでございますが、別途の地域ではうまくいった場所もあるというふうに聞いているところでございます。いずれにしましても、こういった経験を踏まえつつ、事業が行われる場合にあっては、事業者において環境に与える影響が最小限にとどまるよう、いろんな移植の失敗例なども踏まえた上で、影響を最小限にとどめるような適切な対応がなされる必要があると、そういったことを期待しているところでございます。
○市田忠義君 元々、希少種の移植は難しいということが指摘されていました。六割も枯れているわけですね。また、ゼロになった種類もあると。これで成功とは私は到底言えないと思うんですけれども、大規模な建設事業でやんばるの重要な生態系が破壊されるのは私は明らかだと思うんです。
 大臣、今の議論お聞きになっていて、移植などでやんばるの生態系が保全できるとお思いでしょうか。政務官でも結構です。
○大臣政務官(齋藤健君) 繰り返しになりますけれども、やんばる地域に多くの絶滅危惧種やこの種の植物が生育して、これらの種の保全を図っていく重要性は私ども認識をしているわけであります。事業が環境に与える影響については、事業者において影響を最小限にとどめる適切な対応がなされる必要があると認識しておりますし、環境省としてもよくウオッチをし、必要があれば指導していくというのが当然のことだろうと思います。
○市田忠義君 日本植物分類学会の意見書というのがあるんですけれども、それによりますと、絶滅のおそれのある植物の多くは、自然林の林内や渓流沿いの岩の上ですね、などに生育しているため、進入道路などの建設だけでも土砂の流失で自生地を消失させるおそれがあると、供用開始後の軍事演習でやんばるでしか確認されていない種の生存を脅かす影響が危惧されていると、こういう意見書を発表しております。
 ヘリパッド計画をめぐっては、大宜味村議会、東村議会、高江区民、反対決議を上げておられます。貴重な自然環境を破壊するということと、県民の命を育む水がめ、沖縄本島の生活用水の六〇%がここで育まれているわけで、元々実施してはいけない事業である上に、更に新たな問題が明らかになったのがオスプレイの配備であります。
 住民やNGOなどが当初からその可能性がある、おそれがあるということで問題指摘しましたが、政府はずっと、それは米軍の判断であって政府の関与することではないとずっとごまかし続けていた。その配備については、建設中の東村の村長が反対を表明して、沖縄県知事はオスプレイ運用による環境影響評価を再度実施すべきだというふうに言っています。
 これほど貴重な地域であり、国立公園化するということを先ほど大臣その方向性として言われましたが、他省庁任せにしないで環境省自らがこのやんばる一帯の実態調査、影響調査をやるべきだと思うんですが、これは大臣、どうですか。事業者任せとかじゃなくて、これだけのところを国立公園化しようと思うならば、自ら環境省が実態調査あるいは影響調査をやるべきだと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(星野一昭君) 先ほども御説明いたしましたけれども、本件につきましてはアセス法、県の条例の対象外ではございますけれども、沖縄防衛局がアセスメントを行いまして、県知事の意見を聴き、プロセスに従って影響の最も少ない形で進められていると思っております。
 移植等につきましては一部うまくいっていないものもあるという報道でございますけれども、事業者において環境影響を最小とする努力をしている案件であるというふうに我々認識しております。
○国務大臣(石原伸晃君) 今審議官から御答弁をさせていただきましたけれども、沖縄の良質な環境、特にやんばるの環境が保全されるように環境省として取り組ませていただきたいと思います。
○市田忠義君 今の大臣の答弁は、環境省自身がやんばる一帯の実態調査、影響調査やるという姿勢なのか。これはアセスの対象外なので沖縄防衛局が自主アセスをやっているんだと、それに依存しているという立場ですか。それとも、それはそれなんだけど、これだけ大事なところで、国立公園化しようということまで大臣が言ったと。だとするならば、環境省自らが他省庁任せにしないで実態調査やると、これは大臣の決断だと思うんですが。
 あなたじゃないと思うけど、あなたの権限でやれるの。はい、いいですよ。短めにね。
○政府参考人(星野一昭君) やんばる地域、委員御指摘のとおり、生物多様性という観点から非常に重要な地域でございます。大臣も先ほど御説明申し上げましたけれども、環境省といたしましては、この地域を国立公園に指定するというための準備を進めているところでございます。
 そのためには、地域の自然がどうなっているかということについての調査が必要でございますので、我々としてこれまでもやってきている調査ございますし、これからも地域の方々と協力をしながら、自然の把握に努めて、どういった形で国立公園に指定することがやんばる地域の自然の保護、そして地域の方々の豊かな暮らしに結び付くかと、そういう観点から私どもも努力してまいりたいと思っております。
○国務大臣(石原伸晃君) ただいま審議官から答弁させていただきましたとおり、委員が御指摘されたとおり、私も国立公園化というものには賛成でございます。そのための準備作業というものもこれから具体化していく、そして、更にもう一歩先の世界遺産、これの絞り込みというものも一年のうちにやってくるわけでございますけれども、そういう地域に仮になったとするんであるならば、科学的な、あるいは専門的な見地からどうであるかということを言っていかなければなりませんので、そのときにはそういうことも考えられるのではないかというふうに考えているところでございます。
○市田忠義君 やはり実態調査、影響調査を行った上で確実に保全できるように、防衛省、沖縄防衛局に要請するのが私は環境省の最低限の責任だということを指摘し、最後に、米海兵隊の環境レビューを読んでみますと、沖縄防衛局のものよりも希少動物の選定種も少なくて問題点は多いんですが、それでもヤンバルクイナの巣などに対してオスプレイの下降気流が重大な影響を及ぼすことがあり得るとしています。ノグチゲラの巣作りへの影響は最小限にとどまるだろうとしていますが、ノグチゲラは絶滅危惧TA類で五百羽ぐらいと推定されています。建設中の東村では保護条例を制定しています。大変神経質で、ちょっとした工事などでも生態に影響すると、こう言われています。これだけ見ても、ヘリパッドの建設、オスプレイの運用による影響は、私、計り知れないというふうに思うんです。
 日本植物分類学会の意見書では、ヤンバルの森は日本が世界に誇るべき貴重な自然遺産であり、これを健全な形で次代に引き継いでゆくことはまさに国家的な課題であり責務であるとしています。やんばるを守らずして愛知目標の達成などあり得ないと。やんばるの生物多様性を保全する立場から、私は環境大臣としてこの建設計画を中止するようにリーダーシップを発揮すべきだと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(石原伸晃君) 市田委員の環境に対する強い思い、また、やんばるに対する思いは理解をさせていただきました。
○市田忠義君 時間が来たので終わりますが、オスプレイについては、本国であるハワイ、アメリカのハワイのウポル空港の訓練計画、中止されたんです。騒音への懸念が地元で大問題になったためにやらないと。それから、カラウパパ空港、これは国立公園局や先住民団体と協議を行って、もしここでオスプレイの訓練やれば考古学資源に影響を及ぼすと、この懸念から訓練計画が取り下げられました。これらはほとんど人家がないところなんです。
 自分の国では許されないことでも、日本では政府が何も異論言わないと。北部ヘリパッドは東村の住宅を取り囲むように建設計画しているわけで、人口約百六十人ですよ。大変子供が多い村です。環境豊かな場所で静かに安心して暮らしたいと生活しているのに、米軍の都合だけ考えてとんでもない計画なんかやっぱりやらすべきではないということを指摘して、終わります。
○舟山康江君 みどりの風の舟山康江でございます。今日は二つの法案が提出されておりますけれども、その中でいわゆるこの種の保存法について中心に質問をさせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 生物多様性の保全が叫ばれている中で、今回提案されておりますいわゆるこの種の保存法の改正というのは大変重要であると考えています。といいますのは、この分野について日本は残念ながら大変遅れているということが言えると思います。
 環境省が最新の知見に基づいて絶滅のおそれのある種をまとめたレッドリスト、これ先ほど来の質問でも、法的根拠はないけれども実質的に広く活用されているということですけれども、このレッドリストには三千五百九十七種がリストアップされておりますが、種の保存法で指定され保護が法的に義務付けられている国内希少野生動植物種は九十種のみ、レッドリスト記載種の僅か二・五%にとどまっております。
 今回、この指定を何とか増やしたいと、その思いは環境省も同じだと思いますし、そういった方向性をにらみながら、これも先ほど来多くの皆さんが指摘されておりますけれども、まずは二〇二〇年をめどにこの指定を現行の九十種から三百九十種に三百種増やしていこうという目標を掲げ、さらに、ちょっと一点確認させていただきたいんですが、私が聞いております報道によりますと、さらに十年後、二〇三〇年をめどに七百九十種まで指定を広げると、こういった目標を掲げたと聞いておりますけれども、まず、この二〇三〇年七百九十種というのも、二〇二〇年三百九十種と同じように環境省としてしっかりと掲げた目標だということでいいのか、その確認が一点。
 そしてもう一つ、やはりこの数字を掲げるには、まさか単なる希望ではないと思います。やはり何がしかの根拠があって、法的拘束力が今すぐ持てるものではないにしても、何がしかの根拠を持って掲げたと思いますけれども、その点についての環境省の見解をお聞きしたいと思います。
○政府参考人(伊藤哲夫君) 今回の種の保存法が改正されることを前提として、したがって罰則も強化されていくということを前提とした上で、この指定種の目標等をどうしていくかということでございますが、御指摘のとおり、国内希少野生植物の指定に当たりましては、必要な調査や情報の整理を行った上で中央環境審議会で御審議いただいて指定していくと、こういうことが必要なわけですけれども、目標としては二〇二〇年までに三百種を追加したいというふうに我々は考えております。その根拠はですね……
○舟山康江君 次は二〇三〇年です。
○政府参考人(伊藤哲夫君) その後も、引き続きそのペース、指定のペースを落とすことなく指定していきたいというふうに考えております。そういうことで、二〇二〇年から二〇三〇年までの間にも更に新規として三百種程度指定することを目標としていきたいというふうに考えてございます。
 それで、二〇二〇年までの三百種とはどういうふうな考え方でやったかということでございますが、これにつきましては、環境省のレッドリストのうち絶滅のおそれが極めて高い絶滅危惧A種というのは実は六百九十三種ございます。これらの種を、捕獲・採集圧が掛かっているとか国際的な重要な地域に生息しているとか、あるいは他の法律や条例で保護管理されていないなどの情報で、一応我々どれくらいのものが早急に指定を検討していく必要があるだろうかということを検討した結果、約三百種を目標とすべきではないかと、こういうふうに考えて、二〇二〇年までにこういった目標を掲げていこうというふうにしているところでございます。
○舟山康江君 二〇二〇年までにプラス三百は分かりました。二〇二〇から二〇三〇は更にプラス四百という理解でよろしいんですか。
○政府参考人(伊藤哲夫君) 一応、二〇二〇から二〇三〇はプラス三百ということで考えております。ただ、もちろんこれは二〇二〇年にレッドリストがどういうふうになっているのかというふうなこともありますのでなかなか確定的なことを今の段階で申し上げるのは難しいと思いますが、今我々が考えている目標としてはそういうことでございます。
○舟山康江君 私が拝見しております報道では、二〇三〇年に七百九十ということでプラス四百なんですけれども、これは報道が間違いということでしょうか。
○副大臣(田中和徳君) 二〇二〇の三百プラスは、これは私たちも政策として進めていくということで今対応をさせていただくわけでございますが、その後の数値については、報道は報道として、我々はそれは二〇二〇年以降も対応を積極的にしていくわけでございますので、そういうことが突然二〇二〇年でもう終わってしまうわけではございませんから、そういう思いを伝えて今御答弁を局長がしておるわけでございまして、数字を明確にしていつまでに何をという言い方を二〇二〇年以降しておるわけではございません。
○舟山康江君 私はやはりその数字、数字が全てではないと思います、やはりどういう形で具体的にそれを実現していくのかということが大事だという意味では、まさに数字だけを議論するつもりはありませんけれども、ただ、やはり今現実に物すごく指定が遅れているというのはこれ事実だと思います。否定できない事実という中で、やはり具体的に目標数値を掲げながらしっかりとペースアップを図っていくということが必要ではないかと思います。
 恐らく、今までも決してサボっていたわけでもなく、何とか希少種の指定に取り組んでいこうということで取り組んでこられたと思いますけれども、現状は、残念ながら種の指定がなかなか進んでいなかったということだと思います。これ今後、三百、四百と増やしていく目標はいいんですけれども、果たして今まで進んでこなかった状況の中で、今までどおりのやり方ではうまくいくのかどうか、ここをしっかりと考えていかなければいけないと思います。
 この点につきまして、今までなぜ指定がこれほどまでに進まなかったのか、そして、課題があるとすれば、その克服に対して、今後進めるためにどのように取り組んでいくつもりなのか、方向性をお答えいただきたいと思います。
○大臣政務官(齋藤健君) 種の保存法に基づく国内希少野生動植物種の指定に当たっては、捕獲等の規制というものが入ってまいります。そうしないと保全が図られないということでありますので、その指定に当たっては、当然詳細な情報の収集が必要となります。
 ところが、指定を行うという検討が始まるだけで価値が高まってしまいまして、駆け込み捕獲ではありませんが、捕獲しようとする圧力がかえって高まってしまうということで、地域の専門家の皆さんからなかなかその保全が担保されないという懸念の声がありまして、情報収集もかえって阻害されてしまうというようなことも現実としてありました。
 この点、罰則を今回強化をしていただきますと、そういう意味では、知見を有している地域の専門家の皆さんからの情報もより得やすくなるのではないかなと考えておりまして、こういう効果も、今後の国内種の指定の推進に効果があるのではないかなと考えております。
○舟山康江君 今の政務官のお答えというのは非常に私も理解しております。
 やはり、いきなりこれを指定するといったときには、そういった駆け込み、何というんでしょう、駆け込み需要というか、そういったものが出てしまうというのはそのとおりだと思います。ですから、恐らく、日ごろからしっかりと現場のフィールドで調査をしている方々と綿密な連携を取りながら常に情報交換をする必要があるんだと思います。そして、その結果に基づいて、それを指定するべきかどうかということをやはり早急に、もっとフットワーク軽くというんでしょうか、臨機応変に対応するといったこういう体制が非常に重要ではないかと思っております。
 その点で、現在の中央環境審議会の体制でこのような情報収集、意見交換、分析、対応、可能でしょうか。
○政府参考人(伊藤哲夫君) 現在の中央環境審議会野生生物小委員会でこの種の指定の様々な審議を行っていただくということにしておりますが、この委員会の中には、野生生物の分野あるいは種の保存の分野の日本の本当に権威の方々にお集まりいただいておるわけでございます。そういった権威の方々を中心として、さらには、必要あればそれぞれの細かい分野の専門家にはヒアリングをするとかそういったことをやっていくことによって、現在の中央環境審議会の野生生物小委員会で対応していくことは我々は可能ではないかなというふうに考えているところでございます。
○舟山康江君 それでは、過去に、この中環審が国内希少種の指定政令案について諮問を受けたリストに挙がっていない種について、能動的に委員から指定の具申がなされた、そんな実績はあるんでしょうか。
○政府参考人(伊藤哲夫君) これまでは、種の指定に当たっては、環境大臣からの諮問に基づいて全て審議をいただいて指定しているということにしております。
 ただし、この諮問する前段階で、この審議会の先生の方々から、こういうのあるからこれは是非入れるべきだと、こういうふうなお話をいろいろいただいて、それに基づいて我々は我々なりにしっかりとした調査を行った上で、それで諮問をしているということですから、現実的には中環審の委員の先生方、あるいは中環審の委員の先生方でなくても地域のNGOの方とか、地道に取り組んでおられる研究者の方々からのいろんな情報を受けて、我々が情報を精査した上で諮問しているというのが状況でございます。
○舟山康江君 形式的には、恐らく様々な委員が、専門委員会も置ける、専門委員も置けるという形にもなっておりますし、意見を述べることができるというふうになっておりますけれども、現実的に九十種にとどまっているということもありますし、積極的な意見提示、意見具申というのは余り行われていないのが現状ではないかと私は思っております。
 また、これまでの野生生物部会で種の指定政令案の審議が行われてきたと思いますけれども、全ての部会で残念ながら実質審議は一回のみ、しかも二、三時間の会議時間で幾つもの議題が処理される中での審議だったと思います。このような様子を見ますと、中環審は、これまで環境省が事前に行った調査や検討結果について受け身的に審議、承認する機関にすぎないのではないかと、こういうふうに見えてしまうわけですけれども、いかがでしょうか。
 また、今年度から野生生物小委員会が設置され、審議が行われるということで、五月十五日の第一回の会議の様子について傍聴した方から報告をいただきましたけれども、様子は全く変わっていないと、そういうことでありました。
 こういった現状の課題について抜本的な改革が必要と考えますけれども、大臣の所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(石原伸晃君) ただいま委員が御指摘されましたとおり、中環審の委員の方の数が多い、また分科会が細かく分かれ過ぎている。前会長の鈴木会長からお話を聞かせていただいて、これはもう少しコンパクトにして実質的な審議ができる機関に変える必要があると、そういうお話もいただいておりましたので、今回かなり絞って、各委員会で実質的な審議ができるという体制は整えさせていただきました。
 しかし、これまでの御議論の中で出ておりますとおり、専門家や地域の方々あるいはNGOの方々など、幅広い専門家にかかわっていただく体制というものが必ずしも十分ではなかったと思っておりますので、そのような体制を充実して検討体制を改めることによりまして、中環審でこの問題に対してのしっかりとした回答を出していただくことは可能になるのではないかと考えているところでございます。
○舟山康江君 様々な体制整備について専門家の意見を聴く、現場の意見を聴くというような方向を検討するというのは大変いい方向だと思っております。
 ただ、私、残念ながら、中環審というのは本当に様々な案件を扱う物すごく幅の広い審議会でありまして、なかなか専門的にその分野だけをずっと見続けるというのは難しいんではないかと思います。そして、今まで、繰り返しになりますけれども、残念ながらここ何年掛けてもなかなか種の指定が進んでいかなかったその状況下で、今までできなかったことが急にできるようになるというのはなかなかあり得ないのかなと思うんですね。
 ですから、私たちは、種の指定と種の保存に責任を持つ常設の専門委員会を設置するということを提案しております。是非、私は、今回せっかく種の保存法の改正をこうやって検討しているわけですから、是非この改正の中に併せて常設の専門委員会の設置というのを盛り込んでいくべきではないかということを提案してまいりました。
 こういったことに対して、私はこのことがむしろ今、先ほど来の質問の中でも、環境省の体制が、残念ながらこれ、私サボっていたと言うつもりはありません。しかし、残念ながら予算的にも人員的にも大変厳しい状況の中で何とか皆さん頑張ってこられたということであって、やはりこういう常設の専門委員会などを置くことによって、予算を取って体制を整えて本格的にもう本腰を入れて国として取り組むという、非常に私はこれ、環境省に対しても応援団的な提案だと思っておりますけれども、大臣、いかがでしょうか。
○大臣政務官(齋藤健君) 先ほど来大臣御答弁させていただいておりますように、現在の野生生物小委員会での検討体制は充実をさせていくという、これは我々しっかりやらせていただきたいと思っておりますが、現在この野生生物小委員会も常設の委員会でありまして、これのほかにまた常設の委員会をつくるということになりますと、様々な検討や判断というものがまたダブルトラックになるという問題もあろうかと思っておりますので、私どもとしては、今あるこの小委員会をいかに活性化していくかという方向で検討を進めていきたいと考えているところでございます。
○舟山康江君 先ほど政務官からお答えいただいたように、やはり、日ごろから科学的なデータをきちんと分析する、実際にフィールドで調査をしていく方々と意見交換をしていくということを考えると、やっぱり私は常設でそういった機関をつくるべきだと思っておりますので、是非そういった方向で今後御検討いただきたいと思います。
 さて、種が指定されると、その後、今九十種指定されているということですけれども、指定された後どのような施策が実施されてきたのか、概要を教えてください。
○副大臣(田中和徳君) 御指摘があったように、九十種の国内希少種のうち四十九種については事業を実施しなければ絶滅の危険性が高まるものでございまして、種ごとに保護増殖事業計画を策定し、その中でモニタリングを行っております。その他の種についても、五年ごとのレッドリストの改訂に合わせて、その状況について把握することとしておるところでございます。
 保護増殖事業計画については、専門家などによる調査結果だとか地域の活動状況も踏まえて、中央環境審議会における議論により策定されております。事業の実施に当たっては、地域の方々や動物園等の関係者の協力も得ておるところでございます。
○舟山康江君 九十種のうち四十九種のみ保護増殖事業計画ということでありますので、まあ九十種も少ないけど、そのうち実際の回復計画を、増殖計画を作っているのは更に少ないというのは、やはりここももっとスピード感を持って進めなければいけないんだと思います。
 そして、先ほど御答弁でもありましたけれども、何件かある指定削除のうち一種、ダイトウノスリという鳥に関しては、絶滅という理由で指定が削除の予定だというお話でありました。この例を見ても、指定しただけでは保存はできないということが言えるのではないかと思います。やはり、一つ一つ気を配っていくということが必要でありまして、種の保存戦略を平成二十三年度の野生生物種の保全状況の点検を受けて見直すということでありますけれども、保全戦略は種の保存全体に係るもので、個々の種については、残念ながら細かに規定するものではありません。
 ですから、私たちはこの点に関しても、国内希少野生動植物種保全計画というものの策定を提案しております。種の指定が入口であれば、出口である保存計画もしっかりとしたものを持たなければならないと思います。
 そして、さきに提案いたしました専門委員会がこの保全計画を策定をし実施に責任を持つ、ここまでやらなければ実際の種の保存は難しいと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
○副大臣(田中和徳君) 先ほど来より、大臣、齋藤政務官からも答弁をさせていただいておりますように、私たちは今の問題点も受け止めつつ、今の体制を更に高めてこの法律の趣旨を徹底してまいりたいと、このように思っておるところでございます。
 同じ答弁になって恐縮でございますが、繰り返しとさせていただきます。
○舟山康江君 やはり具体的な行動計画が伴わなければ実効性がないということでありまして、後ほど修正案を出させていただきたいと思いますけれども、しっかりと環境省においても御検討をいただければと強くお願いを申し上げたいと思います。
 そして、先ほど海洋生物についての覚書のお話がありました。これについては、もう既に有効性はないということでありましたけれども、この例、これは一つの例でありまして、指定が進まない理由の一つに、他省庁の調整に時間が掛かるんだと、こういう話も聞いております。結局、他の省庁との調整が容易な種というのは指定されますけれども、反対の大きい種は保護されない、そんなことが起きていると思っています。
 そして、先ほど沖縄の事例が出ておりましたけれども、やはり、非常に注目されている地域の種は指定されやすいけれども、そうでないところはなかなか指定が進まないと、こういった状況があると思います。沖縄の種が七種指定されているということでありましたけれども、実は同じように小笠原、まあこれは世界遺産の登録に伴ってかなり注目が集まったということもあると思いますけれども、小笠原も、この小笠原と名の付くものだけでも七種登録されている。これ自体は大変喜ばしいことでありますけれども、逆に言えば注目されなければ指定が進まないということも裏側にあると思います。
 やはり、もっと広くしっかりと指定をしていく。そして、さらに他省庁との調整というのもきちんと、まさに環境を、生物多様性を次の世代に受け継ぐ責任を負う環境省がリーダーシップを発揮して、指定拡大、目標達成ということをしていかなければいけないと思いますので、その決意のほどをお聞かせください。
○副大臣(田中和徳君) 先ほど来より議論の中でいろんな話が出ております。確かに、種ごとの調査を十分に行わなければならないこと、そのためには予算を確保していかなければならないこと。当然のことながら、御指摘がありましたように、水産庁との覚書なども過去にございまして、これに拘束されるものでは決してございませんから、これは誤解のないようにしていただきたいんでございますが、かといって、各省庁ごとに当然調整をしていくことも必要なことでございまして、政府全体で法律に責任を持っていく、こういう姿勢で臨んでいきたいと思います。
○舟山康江君 今、自民党政権の中では国土強靱化という取組が進められております。私、このこと自体、頭から否定するつもりは全くありません。ただ、一歩間違えば、経済成長、国土強靱化の名の下に希少な野生動植物が犠牲になるということもこれ、ないわけではないと思います。
 開発と保護というこのはざまの中で非常にそこは難しい問題というんでしょうか、やはりその開発の裏側にある、先ほど沖縄の事例もありましたけれども、やはりしっかりと守るべきものは守っていくんだという、こういう姿勢を示していかなければ、私はこの貴重な生物多様性、そして、この生物多様性から様々な恩恵を受けている私たち人間にもいろんな影響が及んでしまうということ、こういったことをしっかりと念頭に置きながら、これからこの生物多様性の保全、それから種の保存というものに省を挙げて、また国を挙げて取り組んでいただきたいということをお願いを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○委員長(北川イッセイ君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律の一部を改正する法律案の修正について西村君及び舟山君から発言を求められておりますので、この際、順次これを許します。西村まさみ君。
○西村まさみ君 私は、ただいま議題となっております絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律の一部を改正する法律案に対し、民主党・新緑風会を代表いたしまして、修正の動議を提出いたします。その内容は、お手元に配付されております案文のとおりであります。
 これより、その趣旨について御説明申し上げます。
 内閣提出の法律案は、これまで取り組むべきとされてきた課題に対応したものと理解しておりますが、愛知目標達成に向けた積極的かつ迅速な種の指定拡大、選定後の効果的な保護を実現するためには依然として不十分な点が多く、新たな制度の構築について改めて検討する必要があると考えます。
 本修正案は、これらを踏まえ、改正法附則の検討条項を、「政府は、この法律の施行後三年を経過した場合において、新法の施行の状況等を勘案し、新法第四条第三項に規定する国内希少野生動植物種の選定及び選定後における生息地等の保護、保護増殖事業等の取組が、科学的知見を活用しつつ、一層積極的かつ計画的に促進されるようにするための制度並びに同条第四項に規定する国際希少野生動植物種の個体等の登録に係る制度の在り方を含め、新法の規定について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする」と改めるものであります。
 以上であります。
 何とぞ、委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(北川イッセイ君) 次に、舟山康江君。
○舟山康江君 私は、ただいま議題となっております絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律の一部を改正する法律案に対し、みどりの風を代表いたしまして、修正の動議を提出いたします。その内容は、お手元に配付されております案文のとおりであります。
 これより、その趣旨について御説明申し上げます。
 二〇一〇年に我が国名古屋において開催された生物多様性条約第十回締約国会議(COP10)において採択された愛知目標においては、二〇二〇年までに既知の絶滅危惧種の絶滅や減少が防止され、特に減少している種に対する保全状況の維持や改善が達成されることが目標の一つに掲げられています。
 環境省の第四次レッドリストにおいては、三千五百九十七種について絶滅のおそれがあるとされておりますが、このうち、種の保存法に基づき国内における保護の対象となる国内希少野生動植物種の指定は九十種にとどまり、レッドリスト掲載種のうち、僅か二・五%にすぎません。さらに、指定された種については、生息地の保護及び保護増殖事業が進められておりますが、対象は一部に限られており、十分な保全措置が講じられているとは言い難い状況にあります。
 今回内閣より提出された改正案においては、このような状況に対応した改正がほとんどなく、COP10議長国として甚だ不十分な対応であると言わざるを得ません。
 本修正案は、先ほど質問の中でも幾つか指摘をさせていただきましたけれども、これらを踏まえて、希少野生動植物種の指定等に関し、科学的知見に基づいて調査等を行う常設の委員会を新たに設置するなどの抜本的な措置を実施しようとするものであります。
 以下、修正の内容について御説明申し上げます。
 第一に、「種の保存」の定義を明確化いたしました。
 「種の保存」とは、野生動植物の種について、絶滅のおそれをなくすることをいうものとしております。
 第二に、希少野生動植物種調査委員会を設置するとともに、環境大臣は、国内希少野生動植物種、国際希少野生動植物種及び特定国内希少野生動植物種の選定に係る政令の制定又は改廃の立案等について、当該委員会の意見を聴かなければならないものとしております。
 第三に、環境大臣は、国内希少野生動植物種ごとに、その種の保存に関する施策を総合的かつ効果的に実施するための国内希少野生動植物種保存計画を定めるものとしております。
 第四に、環境大臣は、国際希少野生動植物種の個体等に係る登録票を交付する際に、当該登録票とともに譲渡し等がされる個体等が当該登録票に係る個体等であることを確認できるようにするための措置を講ずるものとしております。
 第五に、特定国際種事業の範囲を、器官の全形が保持されていない特定器官等の譲渡し等から、器官の全形が保持されているものを含む原材料器官等及びその加工品の譲渡し等に拡大するとともに、環境大臣等は、特定国際種事業を行う者が当該原材料器官等及びその加工品の取扱いに関する規制に違反したときは、業務の停止を命ずることができるものとしております。
 以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いを申し上げます。
○委員長(北川イッセイ君) ただいまの舟山君提出の修正案は予算を伴うものでありますので、国会法第五十七条の三の規定により、内閣から修正案に対する意見を聴取いたします。石原環境大臣。
○国務大臣(石原伸晃君) 政府といたしましては、ただいま御説明のございました修正案につきましては反対でございます。
○委員長(北川イッセイ君) これより両法律案並びに西村君及び舟山君提出の両修正案について討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 初めに、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律の一部を改正する法律案の採決を行います。
 まず、舟山君提出の修正案の採決を行います。
 本修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(北川イッセイ君) 少数と認めます。よって、舟山君提出の修正案は否決されました。
 次に、西村君提出の修正案の採決を行います。
 本修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(北川イッセイ君) 全会一致と認めます。よって、西村君提出の修正案は可決されました。
 次に、ただいま可決されました修正部分を除いた原案全部の採決を行います。
 修正部分を除いた原案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(北川イッセイ君) 全会一致と認めます。よって、修正部分を除いた原案は可決されました。
 以上の結果、本案は全会一致をもって修正議決すべきものと決定いたしました。
 この際、加藤君から発言を求められておりますので、これを許します。加藤修一君。
○加藤修一君 私は、ただいま可決されました絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律の一部を改正する法律案に対し、民主党・新緑風会、自由民主党、公明党、みんなの党、日本共産党及びみどりの風の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。
 一、種の保存に関する科学的知見の充実を図り、それに基づいて、「絶滅のおそれのある野生生物種の保全戦略」(以下「保全戦略」という。)を始め、総合的な施策を策定・実施すること。
 二、「保全戦略」は海洋生物を含めて策定すること。また、「保全戦略」は、種の指定の考え方や進め方を示す、大胆かつ機動性の高いものとすること。
 三、「保全戦略」に希少野生動植物種の指定に関する国民による提案の方法及び政府による回答の方法等を明記すること。
 四、改正法施行後三年の見直しに向けて、以下の取組を行うこと。
  1 「保全戦略」を法定計画とし、閣議決定することを検討すること。
  2 種指定の優先度と個体数回復などの目標、必要な保護管理計画などを勧告する、専門家による常設の科学委員会の法定を検討すること。
  3 希少野生動植物種等の指定に関して、国民による指定提案制度の法定を検討すること。
  4 国際希少野生動植物種の個体等の登録制度において、個体等識別情報をマイクロチップ、脚環、ICタグ等によって全ての個体等上へ表示するとともに、登録票上へもICタグ等により表示することによって、登録票の付け替え、流用を防止する措置、並びに登録拒否、登録の有効期間の設定及び登録抹消手続の法定を検討すること。
 五、希少野生動植物種等の指定は、科学的知見を最大に尊重して実施することとし、当面、二〇二〇年までに三百種を新規指定することを目指し、候補種の選定について検討を行うこと。そのため、中央環境審議会自然環境部会の野生生物小委員会において、種の指定の考え方や候補種の選定等について議論を行い、その結果を尊重すること。また、同小委員会の委員については、国民の理解を得られる人選を行い、自由闊達な議論を保障するとともに、明確な理由の存在しない限り、国民に対する情報の公開を徹底すること。
 六、生物多様性基本法第八条「政府は、生物の多様性の保全及び持続可能な利用に関する施策を実施するため必要な法制上、財政上又は税制上の措置その他の措置を講じなければならない」を踏まえ、希少野生動植物種の保存のため、地方自治体への支援を含め、財政上、税制上その他の措置を講ずること。
 七、生物多様性基本法第二十四条、改正法第五十三条第二項に則り、種の保存に関し、最新の科学的知見を踏まえた学校教育・社会教育・広報活動、専門的な知識・経験を有する人材の育成、種の保存に関して理解を深める場及び機会の提供等により、種の保存に関する国民の理解を深めること。
 八、改正法附則第七条に基づき、改正法施行後、速やかに、今回の改正内容のみならず、種の保存法全体について見直しを開始し、改正法施行三年後に速やかに必要な措置を講ずること。
 九、中央環境審議会は、環境大臣の諮問を待たず、種の保存に関連して、前項の種の保存法の見直しやその他関係法令の見直しを含め、積極的に意見具申を行うこと。
 十、海洋生態系の要となる海棲哺乳類を含めた海洋生物については、科学的見地に立ってその希少性評価を適切に行うこと。また、候補種選定の際、現在は種指定の実績がない海洋生物についても、積極的に選定の対象とすること。
 十一、近年、地球温暖化に伴う急激な気候の変化によって、ホッキョクグマ、サンゴなどの種や生態系への影響が世界的に顕著になり始めていることに鑑み、我が国政府は、カンクン合意を踏まえつつ、低炭素社会に向けての新たな世界的な枠組みの構築のため、二〇二〇年からの実施を目指し法的文書の合意を二〇一五年までに得ることについて、リーダーシップを発揮すること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(北川イッセイ君) ただいま加藤君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(北川イッセイ君) 全会一致と認めます。よって、加藤君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、石原環境大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。石原環境大臣。
○国務大臣(石原伸晃君) ただいまの附帯決議につきましては、環境省として、その趣旨を十分に尊重いたしまして努力してまいる所存でございます。
○委員長(北川イッセイ君) 次に、特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律の一部を改正する法律案の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(北川イッセイ君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、西村まさみ君から発言を求められておりますので、これを許します。西村まさみ君。
○西村まさみ君 私は、ただいま可決されました特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律の一部を改正する法律案に対し、民主党・新緑風会、自由民主党、公明党、みんなの党、日本共産党及びみどりの風の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。
 一、生態系等に係る被害を及ぼす外来生物について、科学的知見を踏まえて積極的に特定外来生物に指定するとともに、地方公共団体及び民間団体等と連携して根絶に向け防除を進めること。
 二、特定外来生物と在来生物との交雑種については、交雑が進むことにより在来生物の遺伝的かく乱等の生態系への被害が生じることに鑑み、本法の施行後、対象となる種の指定を速やかに行うとともに、防除に係る措置に早期に着手すること。
 三、特定外来生物の放出等の許可に当たっては、当該放出等による在来生物、農林水産業等への影響が抑えられるよう、関係者の意見を聴取するなど必要な対策について万全を期すよう努めること。
 四、本法実施に係る人員の確保及び予算の充実に努めるとともに、輸入時の外来生物の侵入防止のため、関係府省間の連携強化を図ること。また、輸入品等に混入・付着して非意図的に導入される特定外来生物に関して、導入経路及び生育状況の調査並びに監視について、一層の強化に努めること。
 五、現行法が対象としない国内由来の外来種への対応については、地方公共団体等が重要な役割を担っていることから、科学的知見及び防除マニュアル等の情報提供に努めるとともに、財政支援等必要な措置を講ずること。
 六、東日本大震災では下北半島から房総半島に至る広大な範囲で、大規模地震とこれに伴う巨大津波による塩害や砂浜消滅などの生息域破壊により、被災地域の生物や生態系が甚大な被害を受けるとともに、被害を被り弱体化・減少した在来固有種の生息地に侵略的外来種等が侵襲しつつあることに鑑み、被災地の生物や生態系の被害影響調査を実施し、生態系回復・保全に対する取組を強化するとともに、侵略的外来種等に対して適切な防除等の措置を講ずること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(北川イッセイ君) ただいま西村君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(北川イッセイ君) 全会一致と認めます。よって、西村君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、石原環境大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。石原環境大臣。
○国務大臣(石原伸晃君) ただいまの附帯決議につきましては、環境省としてその趣旨を十分に尊重いたしまして努力してまいる所存でございます。
○委員長(北川イッセイ君) なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(北川イッセイ君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時四十七分散会