第185回国会 本会議 第5号
平成二十五年十一月八日(金曜日)
   午前十時一分開議
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○議事日程 第五号
  平成二十五年十一月八日
   午前十時開議
 第一 万国郵便連合一般規則(二千十二年のド
  ーハ大会議において改正され、及び採択され
  たもの)及び万国郵便条約の締結について承
  認を求めるの件
 第二 郵便送金業務に関する約定の締結につい
  て承認を求めるの件
 第三 政府調達に関する協定を改正する議定書
  の締結について承認を求めるの件
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○本日の会議に付した案件
 一、特別委員会設置の件
 一、国家公務員等の任命に関する件
 一、安全保障会議設置法等の一部を改正する法
  律案(趣旨説明)
 以下 議事日程のとおり
     ─────・─────
○議長(山崎正昭君) これより会議を開きます。
 この際、特別委員会の設置についてお諮りいたします。
 国家安全保障に関連する諸法案を審査するため、委員三十名から成る国家安全保障に関する特別委員会を設置いたしたいと存じます。
 本特別委員会を設置することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
○議長(山崎正昭君) 過半数と認めます。
 よって、本特別委員会を設置することに決しました。
 本院規則第三十条の規定により、議長は、議席に配付いたしました氏名表のとおり特別委員を指名いたします。
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     ─────・─────
○議長(山崎正昭君) この際、国家公務員等の任命に関する件についてお諮りいたします。
 内閣から、検査官、総合科学技術会議議員、食品安全委員会委員、特定個人情報保護委員会委員長及び同委員、証券取引等監視委員会委員長及び同委員、電気通信紛争処理委員会委員、電波監理審議会委員、日本放送協会経営委員会委員、中央更生保護審査会委員、運輸審議会委員、運輸安全委員会委員並びに公害健康被害補償不服審査会委員の任命について、本院の同意を求めてまいりました。
 これより採決をいたします。
 まず、検査官に河戸光彦君を任命することについて採決をいたします。
 内閣申出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十九  
  賛成           二百二十九  
  反対               〇  
 よって、全会一致をもって同意することに決しました。
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
○議長(山崎正昭君) 次に、総合科学技術会議議員に中西宏明君を、電波監理審議会委員に前田忠昭君を任命することについて採決をいたします。
 内閣申出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十一  
  賛成            二百十九  
  反対              十二  
 よって、同意することに決しました。
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
○議長(山崎正昭君) 次に、食品安全委員会委員に熊谷進君を、特定個人情報保護委員会委員に阿部孝夫君を、日本放送協会経営委員会委員に石原進君を任命することについて採決をいたします。
 内閣申出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十一  
  賛成            二百十五  
  反対              十六  
 よって、同意することに決しました。
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
○議長(山崎正昭君) 次に、特定個人情報保護委員会委員長に堀部政男君を、同委員に手塚悟君を、証券取引等監視委員会委員長に佐渡賢一君を任命することについて採決をいたします。
 内閣申出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十一  
  賛成           二百二十八  
  反対               三  
 よって、同意することに決しました。
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
○議長(山崎正昭君) 次に、証券取引等監視委員会委員に園マリ君及び吉田正之君を、電気通信紛争処理委員会委員に中山隆夫君、荒川薫君、小野武美君、平沢郁子君及び山本和彦君を、中央更生保護審査会委員に小川清美君を、運輸審議会委員に鷹箸有宇壽君及び河野康子君を、運輸安全委員会委員に田村貞雄君、横山茂君、松本陽君、岡村美好君及び富井規雄君を、公害健康被害補償不服審査会委員に岡本美保子君を任命することについて採決をいたします。
 内閣申出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十九  
  賛成           二百二十九  
  反対               〇  
 よって、全会一致をもって同意することに決しました。
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
○議長(山崎正昭君) 次に、日本放送協会経営委員会委員に長谷川三千子君、百田尚樹君及び本田勝彦君を任命することについて採決をいたします。
 内閣申出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十一  
  賛成            百五十四  
  反対             七十七  
 よって、同意することに決しました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
○議長(山崎正昭君) 次に、日本放送協会経営委員会委員に中島尚正君を任命することについて採決をいたします。
 内閣申出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十一  
  賛成            百五十六  
  反対             七十五  
 よって、同意することに決しました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
○議長(山崎正昭君) この際、日程に追加して、
 安全保障会議設置法等の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(山崎正昭君) 御異議ないと認めます。国務大臣菅義偉君。
   〔国務大臣菅義偉君登壇、拍手〕
○国務大臣(菅義偉君) ただいま議題となりました安全保障会議設置法等の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明をいたします。
 我が国の平和と独立を確保し、国民の生命及び財産を守ることは、政府の重要な責務の一つであり、その責務を果たすためには、正確かつ総合的な情勢判断に基づき、時代の変化に迅速かつ的確に対応した国家安全保障に関する政策を展開することが不可欠であります。
 我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増している中、外交・安全保障政策の司令塔として、国家安全保障に関する諸課題につき、内閣総理大臣を中心に、日常的、機動的に審議する場を創設をし、政治の強力なリーダーシップを発揮できる環境を整えることが重要です。
 そこで、現行の安全保障会議の審議体制等を見直し、もって我が国の国家安全保障に関する機能等を強化するため、安全保障会議の名称を国家安全保障会議に改め、その審議事項を国家安全保障に関する重要事項に拡充し、国家安全保障に関する外交政策及び防衛政策の基本方針等の一定の事項について内閣総理大臣、外務大臣、防衛大臣、内閣官房長官により審議を行うことができることとするほか、内閣官房に国家安全保障局を設置すること等の措置を講ずる必要があります。
 次に、その法律案の内容について、その概要を御説明いたします。
 第一に、安全保障会議設置法の一部改正であります。
 まず、題名を国家安全保障会議設置法とし、会議の名称を国家安全保障会議とするものとしております。
 次に、会議は、国家安全保障に関する外交政策及び防衛政策の基本方針等の国家安全保障に関する事項を審議し、必要に応じ、内閣総理大臣に対し意見を述べるものとし、従来の安全保障会議への諮問事項については、これまでと同様の取扱いとするものとし、武力攻撃事態等その他の一定の事態に関し、特に緊急に対処する必要があると認めるときは、迅速かつ適切な対処が必要と認められる措置について内閣総理大臣に建議ができるものとしております。
 この際、国家安全保障に関する外交政策及び防衛政策の基本方針等については、議長である内閣総理大臣のほか、外務大臣、防衛大臣、内閣官房長官を議員として審議するものとし、従来の安全保障会議への諮問事項については、引き続きこれまでと同様の議員により審議するものとし、重大緊急事態への対処に関する重要事項については、内閣官房長官及び事態の種類に応じてあらかじめ指定された国務大臣により審議するものとしております。
 その上で、武力攻撃事態等及び周辺事態に関し、事態の分析及び評価について特に集中して審議する必要がある場合には、議長、外務大臣、防衛大臣、内閣官房長官及び事態の種類に応じてあらかじめ指定された国務大臣により審議を行うことができるものとしております。
 また、審議に際しては、議長の判断により他の国務大臣を臨時に会議に参加させることができるものとしております。さらに、議員が不在のときは、一定の場合に限り、副大臣がその職務を代行することができるものとしております。
 そのほか、内閣官房長官及び関係行政機関の長は、会議に対し、国家安全保障に関する資料又は情報を適時に提供するものとし、また、会議は、内閣官房長官及び関係行政機関の長に対し、資料又は情報の提供及び説明その他必要な協力をするよう求めることができるものとし、議長及び議員並びにそれらの経験者に加え、副大臣として議員の職務を代行した者等は、その職務に関して知ることのできた秘密を他に漏らしてはならないものとしております。
 また、内閣官房副長官及び国家安全保障に関する重要政策を担当する内閣総理大臣補佐官は、会議に出席し、議長の許可を受けて意見を述べることができるものとし、議長及び議員を補佐するために会議に幹事を置くものとし、会議の事務は国家安全保障局において処理するものとしております。
 第二に、内閣法の一部改正であります。
 内閣官房に国家安全保障局を置くものとし、国家安全保障局は、内閣官房の事務の一部のうち国家安全保障に関する外交政策及び防衛政策の基本方針等に関するもの、会議の事務並びに会議に提供された資料又は情報等を総合して整理する事務をつかさどるものとし、国家安全保障局に国家安全保障局長を置くものとしております。
 また、内閣官房に少なくとも一名の内閣総理大臣補佐官を置くものとし、内閣総理大臣は、その中から国家安全保障に関する重要政策を担当する者を指定するものとしております。
 第三に、国家公務員法及び特別職の職員の給与に関する法律の一部改正であります。
 国家安全保障局長を特別職の国家公務員とし、その俸給を定めるものとしております。
 政府といたしましては、以上を内容とする法律案を提出した次第でありますが、この法律案は衆議院におきまして一部修正が行われております。
 第一に、諮問事項であります。
 会議に諮ることとされている事項のうち、武力攻撃事態等及び周辺事態への対処、自衛隊の活動、国防並びに重大緊急事態への対処に関する重要事項は、内閣総理大臣が必要と認めるものについて会議に諮らなければならないこととしております。
 第二に、資料提供等の協力義務の明確化であります。
 内閣官房長官及び関係行政機関の長は、議長の求めに応じて、会議に対し、国家安全保障に関する資料又は情報の提供及び説明その他必要な協力を行わなければならないこととしております。
 以上が、この法律案の趣旨でございます。(拍手)
    ─────────────
○議長(山崎正昭君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。佐藤正久君。
   〔佐藤正久君登壇、拍手〕
○佐藤正久君 自由民主党、元自衛官の佐藤正久です。
 私は、自由民主党を代表して、安全保障会議設置法等の一部を改正する法律案について質問いたします。
 国家安全保障会議、すなわちNSCの創設は、第一次安倍内閣以来の総理のかねてからの持論でありました。当時も関連法案が国会に提出されましたが、安倍総理が辞職された後、残念ながら廃案となってしまいました。
 それから現在までの間に、北朝鮮の核・ミサイル開発の進展、尖閣諸島をめぐる中国との緊張の高まり、海外で邦人が巻き込まれるテロの発生など、我が国の安全保障にかかわる懸案が数多く発生しております。これらの中には、必ずしも我が国が有効に対処できたとは言えない事例もありました。NSCが早期に設置されていれば我が国としての対応も変わっていたのではないかと思うと、当時の法案が廃案になったことが悔やまれます。
 日本は、かつて、一国平和主義、消極的平和主義と批判をされたこともありましたが、誇りある強い日本を取り戻すのが安倍内閣の使命であり、私は、その中核機能がNSCであると確信しています。
 塩野七生さんの名著「ローマ人の物語」に、国家にとって最大の責務は国民の安全を守ることであり、それを支えたのは、ローマ市民の負託を受けて軍事、政治両面に責任を持っていた帝王であるとの記述があります。
 日本の安全保障の最高責任者たる安倍総理の法案成立に向けた思いを、総理御自身のお言葉でお聞かせください。
 次に、NSCの創設と併せて策定される国家安全保障戦略について伺います。
 十二月に策定を予定している国家安全保障戦略は、これまで我が国に欠けていた外交と防衛にまたがる基本戦略を作るということであり、大きな意義があると考えます。この戦略は、日本の国家安全保障の基本戦略を示すとともに、NSCにおける意思決定の基本方針となるものだと考えますが、具体的にはどのような内容を考えているのでしょうか、総理、お聞かせください。
 米国や英国の国家安全保障戦略では、軍事力の基盤となる経済力の強化という観点も強調されています。さらに、米国では、沖縄返還に係る課題、国連安保理改革などについても幅広くNSCで議論されたと聞いています。日本の国家安全保障戦略は四大臣会合で議論されることとなりますが、経済力の強化や国連安保理への参加といった点についても十分に盛り込むことができるのか、総理、お伺いいたします。
 また、国家安全保障の基盤として、安全保障に関する国民の理解も重要となります。そのための教育、啓発の推進、更に言えば、国民の軍事アレルギーを取り除くための方策、そして我が国の政策や考え方についての対外情報発信も重要であると考えます。
 現在、中国、韓国などが領土、歴史認識などについて独自の主張に基づく広報や宣伝戦を展開しています。我が国がいかに正しい政策や考え方を持っていても、それが対象国や国際社会に確実に伝達されなければ意味を成さないものと考えます。これらについても、具体的な実施手段とともに国家安全保障戦略に盛り込むべきと考えますが、総理、いかがでしょうか。
 次に、安全保障政策の見直しについて伺います。
 政府は、NSC創設と併せ、年末までに国家安全保障戦略、そして新防衛計画の大綱を策定予定です。ただ、日本を取り巻く安全保障環境の厳しさ、そしてその動きの速さを勘案すれば、こうした取組は一刻の猶予をも許さないものと考えます。
 他方、安全保障分野における憲法解釈の在り方に関しては、いわゆる安保法制懇での議論が続けられておりますが、それを受けての政府の結論は安保戦略、新大綱策定に間に合わない、すなわち、安保戦略や新大綱は必ずしも憲法問題に対する政府としての検討結果を前提としないものとならざるを得ません。
 私の現場経験を踏まえても、自衛隊が国内外で様々な任務を果たしていく上で、集団的自衛権の行使の可否を始めとする憲法の解釈は極めて大きな前提事項でありました。自衛隊が活動し得る範囲、活動に際しての武器使用の在り方、日米共同の在り方など、憲法の解釈は安全保障政策の根本を規定するものであります。例えば、これから最重要課題の一つである日米ガイドラインの見直し、ひいては周辺事態における我が国の取組の在り方にも極めて大きな影響を及ぼすと言わざるを得ません。
 したがって、この問題に関する政府としての結論が下された暁には、国家安全保障戦略や防衛計画の大綱などの前提は大きく変わることになります。また、最近における安全保障環境の変化は目まぐるしく、我が国としても、この激しい国際情勢の流れの中で、その時々に最適な姿となるよう外交・防衛政策を絶えず調整していくことは当然であります。
 かく考えるに、いかにすばらしい安保戦略や新大綱を策定し得たとしても、政府は、決してその成果を放置することなく、緊張感を持って日本の安全保障の根本的な在り方を不断に検討していかなければなりません。
 総理、私は、その時々における重要問題への対処とともに、日本の安全保障の在り方に関するこうした不断の問いかけこそ、NSCが日々取り組んでいくべき一番大切な事柄だと思います。我が国の平和と安全について、何かがあったときだけ、あるいは何かを決めるときだけのNSCということではなく、日常的に緊張感を持って関係閣僚が不断に考えていくということこそが今回のNSC法案における最も大切な趣旨ではないかと考えます。総理のお考えをお聞かせください。
 防衛大臣政務官として務めた経験等を踏まえつつ、政府の情報面での取組について一点申し述べたいと思います。
 政府の各情報部門は、日々しっかりと任務に取り組み、適切な情報を収集し、上げてきてくれております。光を浴びることはまれながらも、我が国の安全保障を情報面でしっかりと支えてくれている彼らに対して、心から敬意を表したいと存じます。
 他方、政府の情報要求については、かねてから、私は私なりに強い問題意識を抱き続けてきました。情報に関して一番大切なのは、いかなる情報をどういった視点で、そしていかなる優先順位を持って集め、評価し、伝えていくかということです。
 例えば、北朝鮮のミサイルの発射に関してどういった事象に注意を払うべきなのか、核実験の兆候に関してどんな情報が必要となるのか、そうした事柄について、政府が何をしようとしているのか、どんな判断をしようとしているのかに照らし合わせながら、政策部門が情報部門に対して的確に情報要求を出していかなければなりません。上がってくる情報を分析する待ち受けの姿勢では、判断そして対応が遅れます。
 今回の法案で、NSCとともに、これをしっかり支えていくための国家安全保障局が発足することになります。NSCが真の意味で我が国安全保障の司令塔となるためには、内閣総理大臣の意図、政府の課題をしっかり踏まえた上で、適時適切な情報要求を出していくことが何にも増して必要となるのではないでしょうか。
 こうした観点から、情報分野におけるNSCの役割について総理のお考えを伺い、私の質疑を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 佐藤正久議員にお答えをいたします。
 国家安全保障会議の創設の意義についてお尋ねがありました。
 北朝鮮による核・弾道ミサイル開発の脅威、中国の透明性を欠いた軍事力の増強や、我が国周辺海域における活動の急速な拡大、活発化といった懸念事項を始め、我が国を取り巻く安全保障環境は一層厳しさを増しています。
 こうした中で、我が国としては、政治が強力なリーダーシップを発揮し、機動的、戦略的に国家安全保障政策を進めていくことが必要であり、その環境整備として国家安全保障会議を設置することが不可欠であると考えています。本法案を速やかに成立させていただきますよう、各党各会派の御理解と御協力をお願い申し上げます。
 国家安全保障戦略の具体的内容についてお尋ねがありました。
 我が国の安全保障をめぐる環境が一層厳しさを増す中、豊かで平和な社会を引き続き発展していくためには、我が国の国益を長期的視点から見定めた上で、国家安全保障の確保に取り組んでいく必要があります。安倍内閣では、こうした観点から、我が国で初めて外交政策及び防衛政策を中心とした国家安全保障戦略を策定することとしました。
 国家安全保障戦略の具体的な内容は、安全保障と防衛力に関する懇談会における有識者の議論も踏まえながら、今後政府として検討してまいりますが、国際協調主義に基づく積極的平和主義の立場から、世界の平和と安定及び繁栄の確保にこれまで以上に積極的に関与していくとの基本的な方針を踏まえたものとなると考えております。
 対外情報発信に関して、国家安全保障戦略に盛り込むべきではないかとのお尋ねがありました。
 私は、積極的平和主義の立場から、世界の平和と安定、そして繁栄の確保にこれまで以上に積極的に寄与していくとの基本的な考え方や、安全保障政策に関する我が国の取組について、国連総会での一般討論演説を始め、多くの機会をとらえて国際社会に発信してきました。また、外国訪問などに際して、各国の首脳に直接説明し、賛同と期待の表明を受けていると考えます。国家安全保障戦略の策定に当たりましても、御指摘のような点に配慮しながら検討してまいります。
 国家安全保障会議設置の趣旨についてお尋ねがありました。
 国家安全保障会議の設置の趣旨は、私を中心として関係閣僚が平素から戦略的視点を持って審議を行い、政治が強力なリーダーシップを発揮し、政府として国家安全保障政策を機動的、戦略的に進めていくための環境を整備することにあります。
 四大臣を始めとする関係閣僚は、我が国を取り巻く安全保障情勢をしっかり把握しながら、必要となる政策について緊張感を持って審議を行ってまいります。
 情報分野における国家安全保障会議の役割についてお尋ねがありました。
 国家安全保障会議において実質的な議論を行い、また、国家安全保障局において国家安全保障政策の企画立案、総合調整を行うに当たっては、質の高い情報が必要不可欠です。本法案により、各省庁等は国家安全保障会議に情報を提供する義務を負うこととなりますが、会議が求める情報の内容については、国家安全保障局から、各種会議等を通じ、又は随時に、分かりやすい方法で示してまいります。
 以上であります。(拍手)
    ─────────────
○議長(山崎正昭君) 大野元裕君。
   〔大野元裕君登壇、拍手〕
○大野元裕君 民主党・新緑風会の大野元裕です。
 本日は、会派を代表して、総理及び官房長官に対し、安全保障会議設置法改正案に関し、質問をさせていただきます。
 民主党政権は、冷戦時代の古い発想、つまり、自民党政権が一六大綱で脱却の必要性を表明しながらも実現し得なかった変化への対応を実現させ、平成二十二年の防衛の大綱において、動的防衛力や防衛省の所管に限らないオールジャパンの安全保障体制を定めました。それは、冷戦時代の発想を転換するのみならず、南西方面への対処を含めた我が国を取り巻く安全保障環境に適切に対応するものであり、内外から高い評価を受けてまいりました。
 このように、我が国の安全保障の思想を明確にした上で、武器輸出三原則の見直し、あるいは米国に対する日米ガイドラインの見直し協議を働きかける等、国民の皆様の理解を得られるよう努力しながら、確実に段階を踏んで日本の安全保障体制を構築してまいりました。
 同様に民主党は、中長期的な戦略に基づく確固たる考えの下に、日本の安全保障にかかわる戦略構築を機動的に行う必要性から、国家安全保障会議、日本版NSCについても党内議論を重ね、防衛の大綱、さらには本年の参議院議員選挙のマニフェストに盛り込みました。これは、明確な安全保障戦略があってこその所産であります。
 ところが、現政権は、政権交代の直後にこの防衛の大綱を凍結し、暫定的な防衛整備計画なるものに我が国の安全保障戦略を矮小化させた結果、中期的な戦略と防衛力整備は方向性なき漂流状態に陥りました。マスコミでは様々な安全保障に関する安倍政権のアイデアが取り上げられているようではありますが、中期的な安全保障戦略なき政権だからこそ、NSCの活用を思い付いたのかもしれません。しかし、確固たる戦略の下にこそ組織は生きるのです。
 また、民主党が取りまとめていた構想と比較して、日本版NSCを機能させる上で不十分な点も散見されますところ、この点については、衆議院における修正協議で、最低限NSCが機能できるような建設的な提案をさせていただいたところでございます。
 このような問題意識に立ち、我が国の安全保障戦略の要となるであろう日本版NSCのありよう、及び機能的かつ弾力的な運用が必要なNSCが真に機能するかという観点から質問をさせていただきます。
 総理、防衛の大綱が凍結され、長期的な戦略が欠如する中で、構想ばかりが先走りする安倍政権の安全保障政策において日本版のNSCがいかに位置付けられるのかが見えません。いかなる中長期戦略の下で日本版NSCを必要とするとのお考えに至ったのか、お聞かせください。
 第一次安倍政権において法案提出にまで至った日本版NSC設置案は、福田内閣により、既存の安全保障会議の機能を生かすとともに、官房長官、外務大臣、防衛大臣が従来にも増して一層緊密に協議をすることにより代替され、廃案となりました。なぜ再び、福田政権の判断が覆され、今次法案の提出となったのか、総理、お聞かせください。
 官房長官は、本年一月に発生をしたアルジェリアの事件を例に挙げて、常日ごろから意見交換をし、事態対応を機動的に行うことができる体制がどうしても必要だと述べておられます。また、総理は、NSCに専門委員会を立ち上げて、常にその事態を見ていくと述べておられます。しかし、五千名を超える省員を抱える外務省においてすら、アルジェリア情勢をフォローしていたのは担当官と地域班長等、ごく僅かです。官房長官、数十名と言われる日本版NSC事務局で、例えばアルジェリアの事態を想定した準備を行い、常にその事態を見ていく責任を負えると明言はできるのでしょうか。
 ある事態を想定した対処のシナリオ作りに関しては、既に事態対処専門委員会が存在しています。しかし、事態対処専門委員会は、過去十年間で八回しか開催されていないと理解しています。事態対処専門委員会の活性化すら行わない政権において、このような絵にかいたもちのごとき主張を行っても説得力がないと考えますが、官房長官、事態対処専門委員会をまずは活性化させるおつもりはないのでしょうか。
 また、官房長官の理解される日本版NSCと事態対処専門委員会の役割分担とは何でございましょう。
 国会の議事録を読んでおりましたら、昭和五十八年の総選挙の折、自民党は国家安全保障会議の設置を選挙公約とされておられました。この自民党の選挙公約実施は見送られ、代わりに安全保障会議が設置されました。この点に関する昭和六十一年の政府答弁では、国家を付けた場合にはどうしても外部からの攻撃に対し、外部からの脅威、外部からの侵害に対して国を守るというニュアンスがどうしても強いので、やはり取った方がいいのではないかという判断をしたとしています。
 この政府答弁に従えば、内外の安全保障を広く扱う安全保障会議よりも、国際的脅威のみを扱う国家安全保障会議の方がより狭い概念になります。今回の法案では、安全保障会議の名称が国家安全保障会議に変更されていますが、それは、対象をより狭くするという意味でしょうか、あるいは、かつての政府答弁が誤っていたということなのでしょうか。今回の改正案において、NSC法案の基となる安全保障会議の考え方が変更されるとすれば、その中身を一から議論し直さなければなりません。総理から明確にお答えを賜りたいと思います。
 国防会議に代えて安全保障会議が設置された際、重大緊急事態への対処に関する重要事項がこの会議の審議事項に付加されました。その際の国会における政府答弁では、このような事態においては国家公安委員長が本件に主たる関与をする大臣として想定をされた由であり、それゆえに、安全保障会議設置法では国家公安委員長が新たに当時、会議の基本的な構成議員に加えられました。今回の改正案第二条第一項第十号の審議の議員からは、国家公安委員長が基本的構成員から外されています。主たる関与をする大臣であるはずなのに、国家公安委員長が事態の種類に応じ指定されるかもしれない大臣にとどめられ、基本的な構成員になっていない理由を総理にお伺いをいたします。
 安全保障担当総理補佐官ですが、いわゆる政策決定のラインに入っていません。これでは、情報から疎外され、官僚はその指示に従わず、無理に関与をしようとすれば、政策構築、建議の在り方を阻害しかねません。この補佐官を、官房長官、副長官から事務局に至るまでの意思決定ラインから外した理由を総理にお伺いをいたします。
 民主党は、首相補佐官を安全保障担当とするのではなく、ラインにおいて強力な指導力を発揮し、かつ外国のNSC補佐官の窓口として十分なランクになり得る安全保障・危機管理担当の副長官を新設することを提案をさせていただきました。総理はいかがお考えでしょうか。
 事態対処専門委員会を包含していることからも分かるように、閣僚レベルのNSCは安全保障と危機管理の双方を対象とし、また現在の内閣官房事務レベルでは、安全保障と危機管理の両方を安危組織が担っていますが、政府案では、上も下も安全保障と危機管理を担当するのに、その間にいる局長と危機管理監がそれぞれの所掌を別個に担当することになっており、円滑で機動的に動ける体制になっていないのではと危惧をしています。民主党案では、副長官の下に安全保障危機管理監を新設し、その下にこれまでの安危組織の経験を生かせる形で安全保障組織と危機管理組織を並列させていますが、総理はこの提案をいかがお考えですか。
 改正案では、現在の総理補佐官の最大五名という定員が増員されることなく、その中から安全保障を担当させることになっています。総理は、法律に基づかずとも、それぞれの補佐官に役割と責任を担わせる権限をお持ちです。実際、野田政権の下では、特定の補佐官が安全保障を担当し、総理にアドバイスを行っていました。状況に応じては、例えば大災害のような際には全員をその対処に振り向けることもできるという補佐官の柔軟性を阻害しかねないと危惧します。あえて安全保障担当の補佐官を法定で置かなければならない理由を総理にお伺いします。
 我が国の情報収集・分析体制及び能力については、これまでも様々な批判がありました。NSCが仮に有効に機能するとしても、効果的インテリジェンスがなければその機能は不全に終わります。平成二十年の官邸における情報機能の強化の方針はこの点への対処を取りまとめていますが、総理は、この目的が満足いく度合いまで達成され、十分に諸機関が情報を共有しているとお考えですか。
 情報のNSCへの提言を確実にするため、会議が情報提供を各省に求めることができるから、議長の求めに従い、提供しなければならないとの民主党の指摘は修正案に反映をされました。その一方で、効果的な戦略構築に向けた情報の提供、共有を十分なものにするためには、内閣情報官への情報の集積が不可欠です。これを担保するために、民主党は、内閣情報官を所管し、かつ各省からの直接の情報ルートの状況をも把握し得る官房長官が各省の情報提供状況を報告する案を提案しています。総理はこの提案をどのようにお考えですか。
 法案第十七条では、安全保障会議に提供された情報をNSC事務局が総合することになっていますが、戦略と情報の分離原則に従えば、提供された情報をNSC事務局が総合するのではなく、NSCより示された情報関心若しくは情報要求に従い内閣情報官が情報を総合し提供すべきと考えます。内閣官房において事務局の役割と内閣情報官の役割を明確にするべき、官房長官、いかがお考えですか。
 さらに、民主党はNSCの議事録を残すことを提案しています。かつて野党時代に自民党の皆様は、重要な会議では議事録を残し後で検証するべきである、議事録すら残さないのは、作成しないのは政権の隠蔽体質を表していると非難をしておられました。政権与党になった今こそその気概を示し、責任を果たされるべきではありませんか。もちろん我々は、NSCのような組織において自由闊達な議論を行う環境を整える重要性は十分に承知していますが、この点に配慮しつつも将来における検証を可能にするべきと考えますが、総理の見解をお伺いします。
 内閣官房の安危組織は、現在においても厳しい人数的制限の中で、多発する災害や厳しい安全保障環境への対処を強いられています。官房長官、安全保障局が設置されても内閣官房安危組織で危機管理に対応する定数は一人も減らされないと理解してよろしいでしょうか。
 民主党は、我が国を取り巻く安全保障環境に適切かつ機動的に対応するための日本版NSCは機能しなければ意味がなく、本法案が我が国の安全と国民の安心を確固たるものとするために真に有効なものでなければならないと考えています。総理及び官房長官におかれましては、この意味での本法案に対する議論の重要性をしっかりとお受け止めをいただき、真摯で丁寧な答弁を求め、私の質問とさせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 大野元裕議員にお答えをいたします。
 国家安全保障会議の設置と中長期戦略についてお尋ねがありました。
 我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増している中、我が国は、国際協調主義に基づき、世界の平和と安定にこれまで以上に積極的に貢献する国になるべきとの積極的平和主義の考えの下、国家安全保障政策を機動的、戦略的に進めていくことが必要です。
 そこで、外交・安全保障に関する諸課題につき、私を中心とした関係閣僚が平素から戦略的視点を持って審議を行い、政治が強力なリーダーシップを発揮していく環境を整備するため、国家安全保障会議を設置することとしました。
 今回の法案提出の経緯についてお尋ねがありました。
 第一次安倍内閣において提出した関連法案は、当時の様々な経緯から廃案に至りましたが、我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中、官邸における外交・安全保障政策の司令塔機能を強化するため、国家安全保障会議の設置が必要不可欠と判断し、法案を提出したものであります。
 国家安全保障会議が扱う範囲についてお尋ねがありました。
 国家安全保障会議の審議事項は、従来の安全保障会議の国防に関する重要事項及び重大緊急事態への対処に関する重要事項から、より包括的な概念である我が国の安全保障に関する重要事項に改め、拡大することとしました。また、会議で扱う事項は、国の存立にかかわる国家レベルの安全保障であることを明確化するため、国家安全保障会議という用語を使用しています。
 緊急事態大臣会合の議員についてお尋ねがありました。
 緊急事態の態様は様々であり、関係する国務大臣も様々であるため、緊急事態大臣会合における議員は、内閣総理大臣及び内閣官房長官のほかに、内閣総理大臣が事態の種類に応じてあらかじめ指定した国務大臣としています。緊急事態の種類に応じて、あらかじめ過不足なく関係閣僚を議員として指定し、迅速な対応を講じることができるようにしており、御指摘の国家公安委員長についてもこの中で指定していく考えです。
 国家安全保障担当総理補佐官についてお尋ねがありました。
 我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増していることを踏まえ、国家安全保障担当総理補佐官を常設化することとしました。この総理補佐官は、私の直属のスタッフとして、命を受けて、国家安全保障に関する重要施策に関し、国家安全保障局長と常に緊密な連携を図りつつ、私に対して助言を行い、その判断を助ける重要な役割を担います。
 民主党の副長官新設案に対する受け止めについてお尋ねがありました。
 国家安全保障会議を支える事務組織には、国家安全保障政策の企画立案、総合政策に……(発言する者あり)
○議長(山崎正昭君) 答弁中です。御静粛に願います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君)(続) 専従させる必要があるとの観点から、本法案では、内閣危機管理監とは別に国家安全保障局長を設置することとしました。これらの分野を専従で担当する副長官を別途置くことについては、官房長官らが危機管理と安全保障の両方を統括することで政治の強力なリーダーシップを発揮することとしており、必要ないと考えます。
 安全保障組織と危機管理組織の在り方についてお尋ねがありました。
 外交・安全保障政策の司令塔としての役割を果たす国家安全保障会議をしっかりと支えるためには、国家安全保障局に国家安全保障政策の企画立案、総合調整に専従させる必要があります。他方、政府における事態対処の機能については、これまで充実強化してきており、緊急事態に際しての事態対処は、危機管理に専従する内閣危機管理監を中心とする危機管理担当部局が引き続き行うべきです。このような観点から、国家安全保障局長と内閣危機管理監が連携して対応する体制が現在の我が国にとって最もふさわしいと考えております。
 我が国の情報機能についてお尋ねがありました。
 現在の情報コミュニティーは、内閣直属の情報機関として内閣情報調査室が設置され、また、情報コミュニティー各省庁が内閣の下に相互に緊密な連携を保ちつつ情報収集・分析活動に当たっており、十分に機能していると認識しております。引き続き、我が国の情報収集・集約・分析機能の一層の充実強化に取り組んでまいります。
 情報の提供に関する民主党の提案についてお尋ねがありました。
 御指摘のような仕組みをつくった場合、政策部門が情報部門の業務の取組状況を事実上評価する立場に立ち得ることから、いわゆる政策と情報の分離の原則に反することになりかねません。政策立案のために質の高い情報を集めるとの観点からも、このような仕組みを設けることは適切でないと考えます。
 国家安全保障会議の議事録についてお尋ねがありました。
 従来の安全保障会議においては、審議内容が機微であることや関係閣僚の闊達な意見交換を確保する必要があること等から、議事録は作成していません。ただし、安全保障会議の審議の概要は、事後の官房長官会見において可能な限り公表してきたところです。
 国家安全保障会議の審議内容は機微な情報を含むので、公表の在り方や関連文書の作成及び取扱いについては、国家安全保障会議の性質等を十分に勘案しつつ、国の安全保障を損ねない形でしっかりと検討してまいります。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣菅義偉君登壇、拍手〕
○国務大臣(菅義偉君) 国家安全保障局の体制と世界各地の情勢把握についてお尋ねがありました。
 国家安全保障局は、平素から、総理の意向を踏まえつつ、各省庁等から提出される情報を総合整理し、国家安全保障政策の企画立案、総合調整を行います。
 国家安全保障局に期待される役割は、単独で世界各地の情勢をフォローすることでなく、各省庁等に対して情報関心を適時適切に伝達をし、各省庁等が行った情報の収集、分析の結果を基に政策を企画立案し、会議に提示していくことであります。国家安全保障局が各省庁等と緊密に連携し、政府を挙げて安全保障情勢をフォローする体制を構築することで、世界各地で不測の事態が発生した場合の政府の対応もより迅速、効果的なものになると考えます。
 事態処理委員会の活性化と国家安全保障会議との関係についてお尋ねがありました。
 緊急事態に際しては、事態の認定、対処に関する基本的な方針の策定などの重大な判断を極めて限られた時間的制約の中で的確に行うことが必要であります。そのため、現行の安全保障会議の下には官房長官を長とする事態対処専門委員会が設置をされ、事態発生時に迅速かつ的確に対応できるよう、平素から専門的な調査を行い、安全保障会議への進言を行うこととされております。過去八回開催された事態対処専門委員会は、そのような役割を果たすべく適時適切に開催をされてきたものと認識をいたしております。
 事態対処委員会の機能は引き続き必要であると考えており、国家安全保障会議の下、必要に応じ事態対処専門委員会を適時適切に開催をしてまいります。
 内閣情報官と役割分担についてお尋ねがありました。
 国家安全保障局は、国家安全保障政策の企画立案、総合調整を行う機関であり、自らがインテリジェンス収集等を行う情報機関ではなく、内閣情報官は、情報を収集するとともに、政府が保有をするあらゆる情報手段を活用した総合的な分析の成果を政策部門に提供をします。
 国家安全保障局の設置により内閣情報官の役割は変わることなく、役割が重複することもありません。引き続き、政策と情報の分離の原則に基づきつつ、政策部門と情報部門の有機的な連接の強化に努めてまいります。
 国家安全保障局設置後の危機管理に対応する定数についてお尋ねがありました。
 国家安全保障局は、国家安全保障に関する外交政策及び防衛政策等に関する企画立案、総合調整を行うものであり、危機管理に係る事態対処を行う組織ではありません。緊急事態に際しての事態対処は、国家安全保障局が設置された後も、これまで同様、内閣危機管理監を中心とする危機管理担当部局が担うことに変更はなく、その体制を維持し、必要に応じて拡充をしてまいります。
 以上であります。(拍手)
○議長(山崎正昭君) ただいま理事が協議中でございます。しばらくお待ちください。
    ─────────────
○議長(山崎正昭君) 石川博崇君。
   〔石川博崇君登壇、拍手〕
○石川博崇君 公明党の石川博崇です。
 私は、ただいま議題となりました安全保障会議設置法等の一部を改正する法律案に対し、安倍総理を始め関係諸閣僚に、公明党を代表して質問させていただきます。
 現下の日本を取り巻く厳しい国際環境下にあって、日々刻々と変化する情勢に機動的かつ効率的に対応するためには、外務省、防衛省、警察といった省庁の縦割りを排し、総理を中心とする関係大臣が日常的に外交・安全保障に関する諸課題を戦略的に議論できる環境をつくることは極めて重要であります。
 また、二年八か月前の東日本大震災への対応には、迅速な災害復旧のために大規模の自衛隊を投入し、原発事故対応という深刻な緊急事態が発生、我が国の安全保障の根幹にも影響する状況であったことなどに照らして、日常的にこうした大規模自然災害への備えを含む緊急事態への対応についても、総理をトップとする関係省庁間の連携を強化しておくことの重要性は言うまでもありません。
 今般の法改正により、これまでの安全保障会議が改組され、四大臣会合、九大臣会合、緊急事態大臣会合といった、状況に応じ柔軟に対応できる三形態の会議が創設され、官邸の司令塔機能と関係各省間の連携が強化されることは、こうした環境整備に資するものであり、評価したいと思います。
 平成十九年、第一次安倍内閣により同趣旨の法案が国会に提出されたものの、その後のねじれ国会という政治の混乱の中で廃案となり、またその後、民主党政権下でも本件の検討がなされたものの、結論が出ませんでした。前回の法案提出から六年たった今、ようやくここ参議院本会議で審議される運びとなったことは、政治の安定を求め、この夏の参議院選挙においてねじれを解消してくださった国民の皆様の御期待におこたえする、まさに象徴的な事案ではないでしょうか。改めて総理より、国家安全保障会議の設立の重要性と必要性を含め、本法案の成立に向けた御決意を伺います。
 今回設置されることになる国家安全保障会議は、これまでの安全保障会議が形骸化してきたことへの反省も踏まえ、より機動的に外交・防衛政策について議論できるようにするものです。四大臣会合は二週間に一度ぐらいの頻度での開催を想定しているようですが、実施の頻度や案件は、専ら時の総理や内閣の関心によって左右される可能性があります。今後、どの内閣においてもこの会議を形骸化させることなく機能的に運用できるよう、何らかの制度上の仕組みを設けることを検討すべきではないでしょうか、総理の御所見を伺います。
 九大臣会合は、国防の基本方針や防衛大綱など、国防に関する重要事項を審議する現行の安保会議の役割を引き継ぐとされ、文民統制機能、シビリアンコントロールを維持するとされています。文民統制とは、言うまでもなく、軍事に対する政治優先又は民主主義的統制のことであり、主権者である国民が、選挙により選出された国民の代表を通じて軍事に対し最終的判断、決定権を持つという極めて重要な基本原則であります。今般、この文民統制機能を九大臣会合に引き継がせ、維持することとした意義について、総理の御認識を確認いたします。
 今回の法案に対する衆議院における修正により、内閣官房長官及び関係行政機関の長は、議長の求めに応じて、会議に対し、資料、情報の提供及び説明その他必要な協力を行わなければならないこととされております。これら各省からの資料や情報は会議の事務を担う国家安全保障局において集約されることとなりますが、これまで情報の集約機能を担ってきた内閣情報調査室との役割分担は明確なのでしょうか。屋上屋を重ねることにならないのか、政策と情報の分離原則を踏まえて、有機的に両者が機能するよう取組を求めたいと思いますが、官房長官の御所見を伺います。
 今後の会議の取り仕切りを始め、国家安全保障局長の役割が極めて重要であります。しかし同時に、常設化される国家安全保障担当総理補佐官との役割分担が不明確ではないかとの指摘があります。例えば、米国NSCを統括するのは安全保障担当大統領補佐官ですが、こうした諸外国のNSC責任者のカウンターパートなど、緊急時の対応を想定すれば、あらかじめ役割を明確にしておくべきではないでしょうか。両者の役割分担についての総理の御所見を伺います。
 国家安全保障局の職員人事においては、多様なバックグラウンドと専門性を持つ優秀な人材をその時々の国際情勢の変化に合わせて柔軟に確保するよう努めるべきと考えます。また、その際には、政府関係省庁のみならず、民間からも幅広く登用されるよう門戸を広げるべきと考えますが、この点について官房長官の御所見を伺います。
 中央省庁等改革基本法第九条二項は、「内閣官房の組織については、その時々の政策課題に応じ、柔軟かつ弾力的な運営が可能な仕組みとする」とされており、これまでは固定的な組織を設置せず、三人の官房長官補を弾力的に運用してきた経緯があります。今回、内閣官房に初めて局が設置されることとなります。また、先日閣議決定された公務員制度改革関連法案においても内閣人事局の設置が規定されております。
 今後の内閣官房の組織の在り方についてどのようにお考えか、前述の法文との整合性を含め、官房長官の御所見を伺います。
 今般の国家安全保障会議の設立が、我が国の平和と安定のみならず、地域全体の安定に寄与するものでなくてはならないことは言うまでもありません。その観点から、中国、韓国を始め近隣諸国の理解を得る努力を引き続き精力的に行うべきと考えますが、どのように具体的な努力を行うのか、外務大臣の御所見を伺います。
 先日、核兵器の人道的結末に関する共同ステートメントに日本が参加し、また、国連総会第一委員会に我が国が起草した核軍縮決議案にも核兵器の人道的結末に関する文言が入り、百か国を超える共同提案国により提出、圧倒的多数の賛成を得て採択されたことについて、政府の努力を高く評価します。
 我が国の安全保障を確保するためにも、北朝鮮の核開発を断固阻止しつつ、今後、核兵器のない世界の実現に向け、更に積極的に取り組むべきと考えますが、外務大臣の御所見を伺います。
 以上、我が国の安全保障などに関し、幾つか質問をさせていただきました。
 私ども公明党は、現在、政府の外交政策を補完しつつ、政党・議員外交を積極的に展開しております。本年一月には山口代表が訪中し、習近平総書記と会談、また、去る九月には公明党の若手青年国会議員団が訪中し、現下の厳しい二国間関係の改善に努めてまいりました。また、その直後には山口代表を団長とする訪米団がニューヨークとワシントンを訪問し、潘基文国連事務総長を始めとする国連関係者及び米国政府幹部と精力的に会談を行うとともに、アジアの平和と安定に関する講演を行い、国際社会に対して、連立与党の枠組みにより安定的な外交を推進する日本政府の努力を説明いたしました。シリア情勢についても、公明党として現地情勢を把握するため、近隣諸国での調査を行い、現状を踏まえた政府への提言も取りまとめたところです。
 安倍総理は、積極的平和主義を提唱しておられます。我が国を取り巻く昨今の厳しい国際環境改善のためにも、関係諸国との連携強化、近隣諸国との関係改善努力の継続を通じて地域の平和と安定の実現を図るとともに、国際社会における諸課題に日本が外交的役割をしっかりと果たすことが重要です。
 今般創設される国家安全保障会議が、こうした日本の外交機能強化と地域の平和と安定に最大の役割を果たすことを御期待申し上げて、私の質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 石川博崇議員にお答えをいたします。
 国家安全保障会議の創設の意義についてお尋ねがありました。
 北朝鮮による核・弾道ミサイル開発の脅威、中国の透明性を欠いた軍事力の増強や我が国周辺海空域における活動の急速な拡大、活発化といった懸念事項を始め、我が国を取り巻く安全保障環境は一層厳しさを増しています。
 こうした中で、我が国としては、政治が強力なリーダーシップを発揮をし、機動的、戦略的に国家安全保障政策を進めていくことが必要であり、その環境整備として国家安全保障会議を設置することが不可欠であると考えています。本法案を速やかに成立させていただきますよう、各党各会派の御理解と御協力をお願い申し上げます。
 国家安全保障会議の運用についてお尋ねがありました。
 国家安全保障会議は、外交・安全保障に関する諸課題につき、四大臣会合を中核として、政治が強力なリーダーシップを発揮をし、政府として国家安全保障政策を機動的、戦略的に進めていくために創設するものであります。この趣旨にのっとり、いかなる内閣においても、外交・防衛政策の司令塔として国家安全保障会議を効果的に機能させていくものと考えていますが、私は、会議を創設した内閣総理大臣として、後の規範となるよう責任を持ってこれを運用してまいります。
 九大臣会合の文民統制機能についてお尋ねがありました。
 これまでの安全保障会議は、九大臣が国防に関する重要事項について審議を行うことによってその文民統制機能を果たしてきました。国家安全保障会議設置後も安全保障会議の文民統制機能の重要性は何ら変わりはないため、引き続き、防衛大綱、武力攻撃事態等及び周辺事態への対処等の国防に関する重要事項については、九大臣会合で審議を行うこととしております。
 国家安全保障担当補佐官と国家安全保障局長の役割分担についてお尋ねがありました。
 常設化される国家安全保障担当総理補佐官は、私のスタッフとして、国家安全保障会議に出席するなどして、国家安全保障会議に関する重要施策に関し、私に対し助言を行い、その判断を助ける重要な役割を担うこととなります。一方、国家安全保障局長は、国家安全保障会議を支える事務局の責任者として、各国NSC事務局の責任者と平素から緊密な意思疎通を行うなどして、国家安全保障政策を担うラインとしての役割を果たすこととなります。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣菅義偉君登壇、拍手〕
○国務大臣(菅義偉君) 国家安全保障局と内閣情報調査室との役割分担についてお尋ねがありました。
 国家安全保障局は、国家安全保障政策の企画立案、総合調整を行う機関であり、自らがインテリジェンスの集約等を行う情報機関ではなく、内閣情報官は、情報を収集するとともに、政府が保有するあらゆる情報手段を活用した総合的な分析の成果を政策部門に提供をしてまいります。国家安全保障局の設置により、内閣情報官の役割が変わることはなく、役割が重複することはありません。引き続き、政策と情報の分離の原則に基づき、政策部門と情報部門の有機的な連結の強化に努めてまいります。
 国家安全保障局の職員人事についてお尋ねがありました。
 国家安全保障局には多様なバックグラウンドを持った優秀な人材を集め、強力な政治リーダーシップの下に、省庁の縦割りを排し、まさに国益の観点から業務を遂行し得る強力なチームをつくり上げる考えであります。民間からの登用についても、有識者会議において、民間人からも有能な人材を登用すべきの指摘があったことなどを踏まえ、人材の確保、育成の在り方を含め、その専門的知見を幅広く活用することができるよう検討してまいります。
 内閣官房の組織についてのお尋ねがありました。
 内閣官房は、内閣及び内閣総理大臣を直接に補佐する機関であり、その機能の強化の観点から、内閣官房が恒常的に担う事務について局を置くことは内閣法上可能であり、国家安全保障局や内閣人事局の設置は必要不可欠であると考えております。
 他方で、その時々の府省横断的な政策課題については、御指摘の基本法を踏まえ、引き続き、三人の官房副長官補を弾力的に活用するなどにより、機動的、柔軟に対応するように努めてまいります。(拍手)
   〔国務大臣岸田文雄君登壇、拍手〕
○国務大臣(岸田文雄君) まず、近隣諸国の理解を得るための努力についてお尋ねがありました。
 安倍総理及び私は、積極的平和主義の立場から、世界の平和と安定にこれまで以上に積極的に寄与していくとの考えについて、国連総会での一般討論演説を始め、多くの機会をとらえて国際社会に発信してまいりました。また、外国訪問などに際して、各国の要人に直接説明し、実際多くの支持と期待の表明を受けております。
 国家安全保障会議の設立とともに、現在、我が国で初めてとなる国家安全保障戦略の策定作業を進めているところですが、この戦略を示すことにより、我が国の国家安全保障の目標あるいは基本理念等を、近隣諸国を含めて、より明確に国内外に発信していきたいと考えております。
 次に、北朝鮮の核開発を阻止しつつ、核兵器のない世界の実現に向け更に積極的に取り組むべきとのお尋ねがありました。
 御指摘の北朝鮮の核問題については、関係国と緊密に連携しながら、引き続き、六者会合共同声明や関連する安保理決議の遵守を北朝鮮に対して強く求めていく考えです。
 また、我が国は唯一の戦争被爆国として、核兵器使用の悲惨さを最もよく知る国であり、核兵器のない世界を目指すことは我が国の道義的責務です。御指摘の北朝鮮の核問題や核テロを始め、多様化する核リスクに対処する観点からも、核兵器のない世界に向け、国際的な核軍縮の取組を主導していくことが重要であると考えております。
 来年四月には、我が国が主導する軍縮・不拡散イニシアティブの外相会合が広島で開催される予定であります。こうした核兵器使用の悲惨さを国と世代を超えて語り継いでいく取組等を通じ、核兵器のない世界の実現に向け、引き続き国際社会の取組を主導してまいります。被爆地出身の外務大臣として、核軍縮決議の提出を始め、現実的かつ漸進的な核軍縮アプローチを通じ、具体的な結果を出していく考えであります。(拍手)
    ─────────────
○議長(山崎正昭君) 井上義行君。
   〔井上義行君登壇、拍手〕
○井上義行君 みんなの党の井上義行です。
 ただいま議題となりました安全保障会議設置法等の一部を改正する法律案について、みんなの党を代表して質問をいたします。
 今回、このように安倍総理と言わば師弟対決が実現したことに大変感激をいたしております。
 今回の法案は、安倍総理が長い間官邸で体験し、経験の中で安全保障会議が形骸化されていることに疑問を持ち、企画したものと認識しております。私は、第一次安倍内閣において総理大臣秘書官として本法案の作成に参画をし、その重要性は誰よりも十分理解しております。
 そこで、改めて総理の本法案に対する思い入れ、御認識をお伺いさせていただきたいと思います。
 私と総理が官邸にいる間、イラク戦争、同時多発テロが起こり、また、北朝鮮による不審船事案、核実験、ミサイル発射など様々な緊急事態が起こりました。我が国では、尖閣列島を始め、領土、領海を脅かす事案が発生しております。また、世界を見渡せば、依然として北朝鮮、イランの核開発問題、中東のテロ、人権弾圧による内乱が発生しています。このような事態に対し、日本への様々な影響、外交・防衛の役割を日ごろから定期的にシミュレーションしておくことは、国家としては当たり前のことであります。
 しかし、日本はこれまで国家としてシミュレーションすることを避けてきました。今の平時だからこそ必要なのです。平時だからこそ、冷静な環境の中でシミュレーションができ、情報を収集、分析し、それを共有するとともに、あらゆる重要事態に対しシミュレーションができると考えます。感情的な議論を避けなければなりません。縦割りのシミュレーションでは、事態が発生した際、混乱します。
 今回の国家安全保障会議、国家安全保障局の設置により、総理が意図したように機能するかどうか、日ごろの事案に対し定期的に情報を収集し、検討していく組織になるかは、組織構成及び運用次第だと考えます。現在の形骸化、形式的議論は絶対に避けなければなりません。
 そこで、あえて総理に御助言を申し上げさせていただきたいと思います。一つは、法案の中に定められている幹事会の存在です。幹事会の設置によって、各関係省庁が集まり、各省庁の定期的な報告に終わってしまうのではないかと危惧をしております。
 そこで、総理に伺います。今回の幹事会の設置、運用については、総理や国家安全保障局のコントロールの下に幹事会を置くべきだと考えますが、総理の御認識をお伺いします。
 次に、人事の運用について伺います。
 国家安全保障局がその機能を効果的に運用するには、スタッフの知識、適性はもちろん、経験も必要です。スタッフはある程度人事を固定する必要があると考えます。スタッフは衆議院の答弁では民間人を含め六十人体制としておりますが、主力は防衛省、外務省などの出向者によるもので、彼らは一般的には二年から三年で親元省庁に戻るようなケースが多い。このような短い期間では、総理よりも経験が浅く、組織としては機能しないのではないかと考えます。
 過去に総理のつぶやいた言葉を思い出します。緊急事態があるたびに同じようなことを反省し、議論していると。その経験を持つ総理だからこそ、最低でも五年間は国家安全保障局にとどまり、継続的な業務を遂行することが重要と考えておられるのではないかと推測いたします。二年間という短い任務で総理のお考えを果たせるのか、甚だ疑問を感じます。
 そこで、体制も含め、スタッフの任期について総理のお考えをお聞かせください。
 次に、国家安全保障局と国家安全保障担当総理補佐官の任務及びその勤務場所についてお伺いいたします。
 私は、新設される国家安全保障局が機能するためにも、その局長は、内閣官房の中で内閣官房長官及び内閣官房副長官の下で執務をし、常に、総理、内閣が何を考え、どのようなことに関心を持っているかを常に肌で感じることが重要ではないかと思います。
 そこで、安全保障局長には総理のスタッフとして常設される総理補佐官が兼務し、執務室も総理官邸の中に配置するべきだと考えますが、総理のお考えを伺います。
 次に、国家としての継承と検証についてお伺いいたします。
 法律には記載されていませんが、四大臣会合などの経緯メモは何らかの形で残す必要があると思います。例えば、そのときの情報や根拠が変更されたとき、時代の変化に伴い政策の見直しをするなど、議論の前提として検証する上でも、国家として後世に残すためにも必要ではないでしょうか。その記録の在り方、内容の検証の仕方をお聞かせください。
 最後に、シミュレーションの実効性について伺います。
 今回の四大臣会合の中で、日常的に様々な事態シミュレーションを考えていると思います。私は、政府が想定しているシミュレーションのほかに、例えば、核ミサイルが東京に撃たれたときの状況や、北朝鮮にいる拉致被害者の救出、あるいは、大災害が発生したタイミングで大規模なテロ事件や他国による重大緊急事案が同時に発生するなど複合事態が考えられます。こうした様々なシミュレーションが机上の空論に終わってしまっては何にもなりません。まさに逆算方程式が必要です。
 そこで、是非、シミュレーションに応じた実践可能なシミュレーションや訓練を通じ、実行できる力を検証する必要があると考えます。その上で、必要なら予算、法律の見直し、あるいは憲法の見直しまで考えているのか、総理のお考えを伺います。
 是非、国家の存亡や国民の生命、財産の安全に直結しかねない危機に対処するためにも、この組織の機能を形骸化させることなく、しっかりした運用を構築し、国民の生命、財産がしっかり守ることができる安全保障体制の構築、国益を追求する外交戦略を確立していただくようお願いし、私の質問とします。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 井上義行議員にお答えをいたします。
 国家安全保障会議の幹事についてお尋ねがありました。
 国家安全保障会議の審議を実質的かつ効果的なものとするため、本法案では、各省庁等の幹部を幹事に任命し、省庁横断で国家安全保障会議を補佐する体制を構築することとしています。
 幹事会の運用に際しては、私の意向を十分に踏まえた国家安全保障局長の主宰の下、テーマごとに定期的に会合を開催することなどにより、国家安全保障に関し各省庁がしっかりと連携するようにしてまいります。
 国家安全保障局の職員の人事と体制についてお尋ねがありました。
 国家安全保障局には多様なバックグラウンドを持った優秀な人材を集め、政治の強力なリーダーシップの下、機動的な政策立案を行い得るチームとなるよう、職員の配置や任期の在り方について今後検討してまいります。
 国家安全保障局長と国家安全保障担当総理補佐官の兼務及び勤務場所についてお尋ねがありました。
 制度上、国家安全保障担当総理補佐官が国会議員でない場合には国家安全保障局長と兼務させることができますが、兼務の是非は、具体的な人事にかかわることですので、その時々の内閣総理大臣の判断によるものであります。両者は共に国家安全保障に関し私を支える重要な責務を担う者であり、その勤務場所については、私や官房長官の執務室との近接性を十分に考慮する必要があると考えます。
 国家安全保障会議における記録の在り方、内容の検証の仕方についてお尋ねがありました。
 従来の安全保障会議においては、審議内容が機微であることや関係閣僚の闊達な意見交換を確保する必要があること等から、議事録は作成していません。ただし、安全保障会議の審議の概要は、事後の官房長官会見において可能な限り公表してきたところであります。
 国家安全保障会議の審議内容は機微な情報も含むので、公表の在り方や関連文書の作成及び取扱いについては、国家安全保障会議の性質等を十分に勘案しつつ、国の安全保障を損ねない形でしっかりと検討してまいります。
 四大臣会合におけるシミュレーション等についてお尋ねがありました。
 四大臣会合においては、各省庁から提供を受けた情報を基に、時々の安全保障情勢に応じて外交・安全保障上の諸課題につき審議することとなります。具体的にどのようなやり方で審議を行っていくかについては、御指摘のシミュレーションも含め、しっかりと検討し、審議の成果が具体的な政策立案に適切に反映されるようにしてまいります。
 国家安全保障会議の運用に向けた決意についてお尋ねがありました。
 国家安全保障会議の設置の意義は、内閣総理大臣を中心とする関係閣僚が平素から戦略的観点を持って審議を行い、政治が強力なリーダーシップを発揮をし、政府として国家安全保障政策を機動的、戦略的に進めていくための環境を整備することにあります。
 私は、我が国を取り巻く安全保障環境が厳しさを増す現実を直視し、我が国及び国民の安全を確保するため、国家安全保障会議を創設した内閣総理大臣として、後の規範となるよう責任を持ってこれを運用してまいります。
 以上であります。(拍手)
    ─────────────
○議長(山崎正昭君) 井上哲士君。
   〔井上哲士君登壇、拍手〕
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 私は、会派を代表して、安全保障会議設置法等一部を改正する法案について総理に質問します。
 本法案は、現行の安全保障会議に代えて日本版の国家安全保障会議、NSCを設置するものであります。重大なことは、安倍総理が本法案と一体で特定秘密保護法案を提出し、集団的自衛権の行使への憲法解釈の変更を強引に進めていることであります。これらは、歴代の内閣が企てても国民の強い反対に遭い断念をするか、踏み切ることができなかったものです。その根底には憲法の平和主義とそれを支持する主権者国民の世論がありました。戦後の憲法下の日本の歩みを覆すことになりかねないようなことをなぜ次々と行おうとするのですか。改憲のために憲法と相入れない実績を積み上げることで外堀を埋めようということですか。お答えください。
 NSCは、司令塔として国家安全保障戦略を策定することになります。その検討をしている安全保障と防衛力に関する懇談会の議論では、日米同盟の強化が強調されています。これまでも、日米安保体制の下で、米国が描く戦略に沿う形で日本の政策決定が行われてきました。テロ対策やイラク戦争への対応でもそうです。米国の文書に脅威と出れば、防衛白書を始め日本政府の文書でも脅威となり、米軍が対処のために軍事作戦を行うこととなれば、特別の法律を作って自衛隊が海外へ出て軍事協力を行ってきました。現在も日米で共通の戦略目標を決めていますが、政策決定過程において米国と同じ機構を設ければ、政策決定における対米追従が一層強化されることになるのではないでしょうか。
 米国の軍事戦略に合わせた自衛隊の活動の拡大はこの間大きく進み、現実に海外に基地を持つことに踏み込んでいます。海賊対処を理由として活動拠点を置いたはずのジブチについては、邦人輸送に目的を拡大して拠点の拡充を図るためにジブチ政府との交渉に入ると報じられました。米軍のグアム基地の増強計画に関連して、米国領テニアン島に自衛隊が使用する訓練場を造ることで米国と検討に入っています。ジブチ政府との交渉、米国との検討はどのように進んでいるのですか。
 さらに、防衛力の在り方検討に関する中間報告では、海外における拠点の中長期的な在り方について検討を行うことを明記しています。日本の防衛という目的を大きく超えて、自衛隊を海外に基地を持つ軍隊につくり替えるつもりですか。答弁を求めます。
 総理は、十月の自衛隊観閲式で、平素は訓練さえしていればよいとか、防衛力はその存在だけで抑止力になるという従来の発想は、この際、完全に捨て去ってもらわねばならない、力による現状変更は許さないとの確固たる国家意思を示すと述べました。一体自衛隊員に何を求めたのか。専守防衛はもう捨て去るということですか。
 安全保障と防衛力に関する懇談会の北岡座長は、総理の言う積極的平和主義について、マスコミのインタビューで、平和を守るためには社会の安定に警察官が必要なのと同じで、一定の防衛力が必要、積極的というのはそういう意味ですと述べています。つまり、積極的平和主義とは、世界の警察官とも呼ばれるアメリカに追随しながら、力によって他国を押さえ付けるということではありませんか。
 さらに総理は、三月の予算委員会で、軍事力に関して、彼我の差を大きくすることによって抑止力がぐんと効きますから、結果としてその地域の平和と安定はしっかり守られると答弁をされております。軍事力の差が大きくなればそれだけ平和が守られるというのは、際限なき軍拡をもたらす論理ではありませんか。
 防衛力の在り方検討に関する中間報告には、武器輸出三原則の見直しが明記されました。三原則にはこれまで様々な例外措置で抜け穴がつくられてきましたが、どこをどう見直すというのですか。全面的に形骸化するものではありませんか。
 武器輸出三原則は、単なる政府方針ではありません。この参議院の本会議場で一九八一年、憲法の平和主義にのっとり、国際紛争を助長しないために一切の武器や武器技術の輸出をしないということを全会一致で決議し、衆議院の決議とともに内外に宣言をしたものです。自民党政府も繰り返し国是だと答弁をしてきました。それをなぜ一内閣の判断で覆すことが許されるのでしょうか。
 しかも、防衛産業について、防衛省は初めて国際競争力の強化を掲げました。今年一月の防衛産業の会合で、当時の経産副大臣は、防衛産業が成長戦略の一丁目一番地になるくらいの思いで取り組むとまで述べています。防衛産業の要求にこたえて、武器輸出で成長する国になるというものではありませんか。憲法の平和の理念とは全く相入れないではありませんか。
 NSCで米国との情報の共有を緊密にするとしています。しかし、やるべきことはイラク戦争への対応の検証です。
 米国は、二〇〇三年の開戦前、国連において武力行使への支持を思うように得られず、イラクの大量破壊兵器保有の証拠として、捏造した情報を安保理に持ち出しました。当時の日本の国連大使は安保理で、イラクに説明責任を迫る論拠の一つにこの情報を挙げ、演説を行いました。
 衆議院の予算委員会では当時の外務大臣が、具体性があり十分に信頼に足る、同盟国のアメリカの情報で、同盟国と信頼関係にあることが我が国の考え方の一番の基本だと言って、米国の情報をうのみにする姿勢を示し、翌月の国連憲章違反のイラク戦争の開戦に当たっては、いち早くこれを支持しました。
 日本の国際的立場は大きく損なわれました。同盟国との信頼関係が一番の基本として、米国の一方的情報をうのみにして間違いを犯したことをどう検証をされているのですか。
 日本が信頼関係にあるとするアメリカが一体何を行っているのか。アメリカの国家安全保障局がメルケル・ドイツ首相の携帯電話を傍受するなど、世界各国で違法なスパイ活動を行っていたことが大問題になっています。ワシントンの日本大使館なども通信傍受の対象になっていたことも明らかになりました。政府は、こうした日本への違法な盗聴スパイ活動に抗議をしたのですか。アメリカに徹底した事実解明を求めるべきではありませんか。明確にお答えください。
 民主主義の国の根幹は、国民に情報が公開されていることであり、知る権利の保障です。安全保障を含む国の政策の決定過程は、主権者である国民に公開されなければなりません。新たにつくられるNSCにはこれが及ぶのでしょうか。本法案と一体となって成立が狙われている特定秘密保護法との組合せで、安全保障上秘匿すべき情報が含まれると理由を付けられて重要な政策決定過程の情報が隠されることとなるのではありませんか。
 本法案は、秘密保護法の制定、解釈変更による集団的自衛権の行使容認の狙いと一体となって、日本を海外で戦争する国へ重大な一歩を踏み出そうとするものにほかなりません。憲法の基本理念を根底から踏みにじる本法案は廃案にすべきである、そのことを強く主張いたしまして、質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 井上哲士議員にお答えをいたします。
 国家安全保障会議の創設、特定秘密保護法の制定及び集団的自衛権に係る検討についてお尋ねがありました。
 我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増している中、国家安全保障会議の設置は、官邸における外交・安全保障政策の司令塔機能を強化するために必要不可欠です。また、国家安全保障会議の審議をより効果的に行うためには、秘密保全に関する法制が整備されていることが重要であると考えています。集団的自衛権等の問題については、政府としては、まずは安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会における議論を待ちたいと考えています。
 我が国の国家安全保障会議と米国NSCの関係についてお尋ねがありました。
 今般の法案作成に当たっては、米国を始めとする諸外国の制度を参考にしつつも、我が国の政治、行政の制度に当たって、我が国独自の国家安全保障会議を制度設計したものであり、必ずしも米国の機構をモデルとしたものではなく、対米従属といった御指摘は当たりません。
 自衛隊のジブチ拠点の活用についてのジブチ政府との交渉及び自衛隊の海外拠点の中長期的な在り方についてお尋ねがありました。
 自衛隊の海外拠点に関しては、本年七月に防衛省が取りまとめた防衛力の在り方検討に関する中間報告において、国際平和協力活動を柔軟に実施するため、既存の拠点の活用を含め、海外における拠点の中長期的な在り方について検討を行うとされているところです。御指摘のようなジブチ拠点の活用についてジブチ政府と具体的な交渉を開始しているとの事実はありません。
 いずれにせよ、自衛隊の海外拠点は、国際平和協力活動を含め、あくまでも、自衛隊法等に基づき、自衛隊に認められた任務遂行に必要な範囲内で設けられるものであります。
 米海兵隊のグアム移転に関する訓練場の整備についてのお尋ねがありました。
 沖縄の負担軽減のため、米海兵隊がグアムに移転することに伴い、移転部隊の即応性を維持するため、グアム及び北マリアナ諸島連邦に米海兵隊の訓練場を整備することとしています。本訓練場の整備は、沖縄からの米海兵隊の移転の早期実現を促進するとともに、自衛隊が共同使用することを踏まえ、先月の2プラス2において我が国も一部費用負担することで米側と合意したところであり、具体的な事業については今後日米間で協議しながら進めてまいります。
 自衛隊中央観閲式における私の訓示についてお尋ねがありました。
 御指摘の訓示は、我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中、国民の生命と財産、我が国の領土、領海、領空を断固として守り抜き、世界の平和と安定に寄与するため、平素から、警戒監視、情報収集などの様々な活動、二国間、多国間の演習や平和協力活動といった実際の任務を行っていくことが重要である旨を申し述べたものです。これら自衛隊の任務は当然、専守防衛の範囲内で行われるものです。
 積極的平和主義についてお尋ねがありました。
 近年、我が国を取り巻く安全保障環境は一層厳しさを増しており、大量破壊兵器や弾道ミサイルの脅威は深刻度を増しています。また、サイバー攻撃のような国境を越える新しい脅威も増大をしています。このような状況の下では、もはや我が国のみでは我が国の平和を守ることはできません。我が国の平和を守るためには、地域や世界の平和と安定を確保していくことが必要です。
 このような認識の下に、私は、我が国が国際協調主義に基づき、世界の平和と安定にこれまで以上に積極的に貢献する国になるべきとの考えを積極的平和主義として掲げました。御指摘のような、力によって他国を押さえ付けるということではありません。
 私の抑止力に関する答弁が際限なき軍拡をもたらす論理ではないかとのお尋ねがありました。
 私の答弁は、我が国を取り巻く安全保障環境や軍事技術動向が変化する中で、F35のように、自衛隊の装備品の質を向上させることが我が国への侵略を未然に防止し、ひいては我が国周辺の地域の平和と安定につながるという趣旨を述べたものであり、際限なき軍拡をもたらすといった御指摘は当たらないものと考えています。
 武器輸出三原則についてお尋ねがありました。
 今日では、F35の部品等を世界規模で融通し合う国際的な後方支援システムへの参加など、武器輸出をめぐる新たな状況が生じてきています。このように新たな状況が現に生じていることから、武器輸出三原則等の運用の現状が近年の安全保障環境等に適合するものであるかを検証し、国連憲章を遵守するとの平和国家としての基本理念は維持しつつ、必要な検討を行ってまいります。
 防衛産業の国際競争力の強化と憲法の平和の理念についてのお尋ねがありました。
 昨今の厳しい財政事情や、防衛装備品が高度化、複雑化している現状、グローバルな防衛産業の再編等による海外企業の競争力の向上といった状況を踏まえると、我が国の防衛生産、技術基盤の維持強化を図っていく必要があると考えられますが、武器輸出によって経済成長を図るということは考えていません。また、政府としては、国連憲章を遵守するとの平和国家としての基本理念を維持していく考えであり、憲法の平和の理念と相入れないとの御指摘は当たりません。
 イラク戦争の検証についてのお尋ねがありました。
 二〇〇三年のイラク戦争に関する我が国の対応については、前政権下で外務省が検証を行い、昨年十二月にその結果を発表しました。
 我が国が武力行使を支持するに至った当時、査察への協力を通じて大量破壊兵器の廃棄を自ら証明する立場にあったイラクが、査察受入れを求める安保理決議に違反し続け、大量破壊兵器が存在しないことを自ら証明しなかったことが問題の核心であったと考えます。他方、事後的に言えば、イラクの大量破壊兵器が確認できなかったとの事実については、厳粛に受け止める必要があると考えています。
 このような認識も踏まえながら、引き続き、情報収集・分析能力の強化にしっかりと取り組んでいきたいと考えています。
 米国家安全保障局による通信記録の収集問題についてのお尋ねがありました。
 米国家安全保障局による通信記録の収集問題については、日米間でしかるべく意思疎通してきており、最近の一連の状況も踏まえ、一層緊密に意思疎通するよう米側に申し入れています。他方、事柄の性格上、詳細についてお答えすることは差し控えます。
 いずれにせよ、政府としては、これまでもしかるべく情報保全のための対応を取ってきており、引き続き情報保全に万全を期す考えであります。
 国家安全保障会議に関する情報の公開についてお尋ねがありました。
 国家安全保障会議の審議内容や国家安全保障局で取り扱う情報には様々なものが含まれることとなり、全てが特定秘密保護法案に定める特定秘密に指定されるものではないと考えています。
 国家安全保障会議の審議内容は機微な情報も含むので、公表の在り方や関連文書の作成及び取扱いについては、国家安全保障会議の性質等を十分に勘案しつつ、国の安全保障を損ねない形でしっかり検討をしてまいります。
 以上であります。(拍手)
○議長(山崎正昭君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
○議長(山崎正昭君) 日程第一 万国郵便連合一般規則(二千十二年のドーハ大会議において改正され、及び採択されたもの)及び万国郵便条約の締結について承認を求めるの件
 日程第二 郵便送金業務に関する約定の締結について承認を求めるの件
 日程第三 政府調達に関する協定を改正する議定書の締結について承認を求めるの件
 以上三件を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。外交防衛委員長末松信介君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔末松信介君登壇、拍手〕
○末松信介君 ただいま議題となりました条約三件につきまして、外交防衛委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 まず、万国郵便連合一般規則及び万国郵便条約は、万国郵便連合の運営等及び国際郵便業務に関する事項についての所要の変更を加えるため、現行の万国郵便連合一般規則及び万国郵便条約を更新するものであります。
 次に、郵便送金業務約定は、郵便送金業務に関する事項についての所要の変更を加えるため、現行の郵便送金業務約定を更新するものであります。
 次に、政府調達協定改正議定書は、政府調達協定の適用を受ける機関及びサービスの拡大、開発途上国の政府調達協定への加入に関する特別な取扱い、調達における電子的手段の利用等について定めるものであります。
 委員会におきましては、三件を一括して議題とし、万国郵便連合の役割と国際郵便配達目標の達成への対応、国際郵便物に係る到着料引上げの影響と開発途上国への配慮、政府調達協定の改正に伴う政府調達市場の拡大と我が国の取組、開発途上国等の政府調達協定への加入促進等について質疑が行われましたが、詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終え、順次採決の結果、万国郵便連合一般規則及び万国郵便条約並びに郵便送金業務約定はいずれも全会一致をもって、政府調達協定改正議定書は多数をもって、それぞれ承認すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
○議長(山崎正昭君) これより採決をいたします。
 まず、万国郵便連合一般規則(二千十二年のドーハ大会議において改正され、及び採択されたもの)及び万国郵便条約の締結について承認を求めるの件及び郵便送金業務に関する約定の締結について承認を求めるの件を一括して採決いたします。
 両件の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十二  
  賛成           二百三十二  
  反対               〇  
 よって、両件は全会一致をもって承認することに決しました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
○議長(山崎正昭君) 次に、政府調達に関する協定を改正する議定書の締結について承認を求めるの件の採決をいたします。
 本件の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十二  
  賛成            二百十九  
  反対              十三  
 よって、本件は承認することに決しました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
○議長(山崎正昭君) 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時五十六分散会