第185回国会 本会議 第13号
平成二十五年十二月六日(金曜日)
   午後三時十六分開議
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○議事日程 第十三号
  平成二十五年十二月六日
   午前零時十分開議
 第一 特定秘密の保護に関する法律案(内閣提
  出、衆議院送付)(前会の続)
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○本日の会議に付した案件
 一、国務大臣森まさこ君問責決議案(芝博一君
  外四名発議)(委員会審査省略要求)
 一、日程第一
 一、国家安全保障に関する特別委員長中川雅治
  君問責決議案(福山哲郎君外一名発議)(委
  員会審査省略要求)
 一、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関す
  る法律の一部を改正する法律案(第百八十三
  回国会内閣提出、第百八十五回国会衆議院送
  付)
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○議長(山崎正昭君) これより会議を開きます。
 この際、お諮りいたします。
 芝博一君外四名発議に係る国務大臣森まさこ君問責決議案は、発議者要求のとおり委員会審査を省略し、日程に追加してこれを議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(山崎正昭君) 御異議ないと認めます。
 よって、本決議案を議題といたします。
 まず、発議者の趣旨説明を求めます。金子洋一君。
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   〔議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔金子洋一君登壇、拍手〕
○金子洋一君 私は、国務大臣森まさこ君に対する問責決議案の提案理由を説明いたします。
 まず、決議案の案文を朗読いたします。
  本院は、国務大臣森まさこ君を問責する。
   右決議する。
 以下、提案理由を申し述べます。
 森まさこ大臣は、特定秘密保護法案の担当大臣として国会での質疑に当たってまいりましたけれども、その答弁は不誠実かつ非論理的なものでございました。
 さらにまた、消費者及び食品安全担当大臣でありながら、消費者問題特別委員会での質疑を十分に行うことなく、国民世論の求める、外食産業を中心とした食品の事実と異なる表示の問題についても、国会における集中審議の開催に応じようとしなかったのであります。
 本年十月以来、相次いで発覚いたしました食品表示の問題は、全国の消費者の信頼を著しく損ねると同時に、我が国の食品安全行政に対する国際的な信頼を失墜させかねない深刻な事態になっております。
 森まさこ君は、この問題を所管する消費者及び食品安全担当であるにもかかわらず、国家安全保障特別委員会への対応を最優先させ、野党からの再三にわたる消費者問題特別委員会への出席要請に応じませんでした。これは明らかに責任放棄であり、断じて許すことはできません。もはや、森まさこ君に消費者行政、食品安全行政をこれ以上続けさせることはできません。
 まず、今国会の会期が大変短い期間に多くの重要法案を詰め込もうとしたことに、この国会の拙劣な運営の根本的な原因がございます。
 この夏の参議院選挙以降、私ども民主党を始めとする野党は、直面する東京電力福島第一発電所からの汚染水漏えい問題、消費増税への総理の判断、そしてTPP協議の進捗状況など、様々な問題を議論するために一刻も早い臨時国会の開会を求めてまいりました。
 日本国憲法第五十三条には、「内閣は、国会の臨時会の召集を決定することができる。いづれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない。」とあります。この憲法第五十三条によって、野党は結束して召集を要求いたしました。ところが、与党は、追及されることを避けたのでしょうか、重い腰を上げて臨時国会を開会したのは十月十五日、僅かに五十三日間の会期にすぎません。
 国権の最高機関であって、国の唯一の立法機関である国会が、国民の負託にこたえて予算や法案を十分に論議するためには、ルールにのっとった議会運営が必要であります。事もあろうに、憲法に基づいた要求を無視をするということは、これは全く許すことができません。
 私ども民主党は、この十月十五日の遅きに失した国会召集について、このように国会が混乱する前に、与党に対して、遅きに失した感は否めず大変残念、山積する諸問題について国民に対する説明責任が果たされるかどうか疑問、五十三日間で国民への説明責任が果たされるのか、充実した審議ができるのかと疑問を呈しました。
 驚くべきことに、たった五十三日の会期を自分で決めたにもかかわらず、政府・与党は、衆参両院の法案審議のキャパシティーを大きく超える、そういった数で次々に国会に法案を提出をいたしました。このような形で提出された法案を責任持って処理をするのは、ほかでもない政府・与党の問題である、そのように申し上げることは言うまでもないことであります。
 与党は、何かといえば、審議が遅れている重要法案を会期内に成立させることが大切だと称して、過去に例のない議会運営を行い、不条理なことをやってまいりますが、忘れてはならないことは、野党がさんざん国会を早く開け、早く開けと申し上げてきたにもかかわらず、それを拒否して会期を短く設定をしたのは与党であるということであります。
 法案が成立をしないのは、野党や、まして一昨日解任されてしまった内閣委員会や経済産業委員会の委員長の責任ではなく、日程を設定した与党の責任であります。野党に委員長を配分するのは議会運営の常道です。野党の委員長を解任したのは、これは憲政史上、衆参両院で初めてであります。その上で、与党がポストを奪うというのは極めて異例な事態であります。
 政策運営の基本はスケジュールづくりです。スケジューリングができて初めて様々な運営が円滑になされるわけであります。昔の自民党にはそうしたスケジューリングの達人が大勢おいでになりました。今そういった方々は一体どこへ消えてしまったんでしょうか。
 そして、なぜ、消費者の集団的財産被害回復法案という大変重要な法案を抱える消費者及び食品安全担当大臣でありながら、そして国会質疑のスケジュールがタイトであることを知りながら、森まさこ大臣は特定秘密保護法案の担当大臣をお引き受けになったんでしょうか。
 例えば、閣内には政治家として重きを成す谷垣法務大臣がおいでになるわけであります。谷垣先生なら答弁もぶれることなくきちんと行うことができたはずでしょう。森大臣、あなたは、この谷垣大臣に御担当をいただければいかがでしたでしょうか。それとも、御自身の能力は谷垣大臣よりも勝るものだとでもお考えになったんでしょうか。
 また、森まさこ君には消費者担当大臣として最低限の知識もありません。
 まず、消費者庁設置法を見てみましょう。
 消費者庁の所掌事務を規定する四条二十一項には、「物価に関する基本的な政策の企画及び立案並びに推進に関すること。」とございます。つまり、生活必需品の割当てにかかわる国民生活安定緊急措置法あるいは生活関連物資等の買占め売惜しみ緊急措置法を例に挙げるまでもなく、消費者段階での物価対策は消費者庁の所掌事務であります。
 政府、日銀が推進する大胆な金融政策、それによって起きた円安には副作用がございます。つまり、アベノミクスには、燃料や輸入原材料価格、電力料金などのコスト増を起こすといった副作用があるわけであります。これに対して森まさこ大臣は、消費者の利益を確保するために汗をかくべきだったはずであります。
 例えば、輸入小麦が四月から売渡価格が大幅に引き上がってまいりました。あるいは、原油、LNGなどエネルギーの価格も円建てで非常に上がってきております。その結果、消費者への小口電力料金が非常に上がる、こういったことも起きております。この価格上昇というのは、石油ショックのときとは異なり、我々の政府が予期した上で引き起こしてしまったものであります。円安が始まった十一月の時点から、輸入価格の高騰は予期できました。
 一月に経済対策が閣議決定をされました。これはその十一月からもう二か月たっていたわけであります。二か月もたっていたのに、その内容は、従来の円高が問題となっていた対策と全く中身が同じものでありました。何で二か月もたって円安対策が入らなかったのか。森まさこ大臣、あなたは閣僚の一員として指をくわえて見ていただけだったんでしょうか。
 こうした国民生活に密着した問題、こうした物価対策は、消費者庁の所掌であるにもかかわらず、森まさこ大臣は全くの無策でありました。輸入小麦の売渡価格、あれは公定価格ですから、そこに補助金を入れるとか、ガソリンや軽油の当分の間税率、昔で言う旧暫定税率の分も外してしまう、あるいは電力料金に補助金を入れるなど、幾らでも手段はあったはずです。何で、こうした円安に対する、そして地方の住民、低所得者が直接損害を被るような事柄に対して手を打っていないんでしょうか。
 こうした疑問に対して、森まさこ君は、驚くべきことに、私との四月十一日の質疑で、私がきちんと事前通告をしていたにもかかわらず、「消費者庁というのは物価の価格について政策をつくるところではございません」、あるいは、「物価のところを政策として見ていくというのは最初から入っておりません。」と答弁をいたしました。結局、その後も何の対応もしませんでした。大臣になるくらいだったら設置法ぐらいきちんと読んでください。
 今回の輸入物価上昇は、これまでの物価上昇と性質が異なります。今回の物価上昇は、これまでの石油ショック、トウモロコシやレアメタルなどの一次産品の価格上昇、米不足などと異なり、外国が原因でも天候が原因でもございません。我が国の政府が自ら積極的に選び取った政策の結果として生じた物価上昇です。当然、低所得者、失業者を中心に、それに対する十分な手当てを事前に行う責務が政府にはあります。まして、来年四月には逆進性が強い消費増税が待っております。その責任を放棄して、経済対策と称して我田引水に狂奔する与党に強く反省を求めます。
 以上、森まさこ大臣を問責すべき理由を申し上げました。良識ある議員の皆様、何とぞ、今回私が申し上げましたことをじっとお考えください。そして、本決議案に対して党派を超えて御賛同くださいますようお願い申し上げさせていただきまして、趣旨説明を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
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○議長(山崎正昭君) 本決議案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。中西祐介君。
   〔中西祐介君登壇、拍手〕
○中西祐介君 自由民主党の中西祐介です。
 ただいま議題となりました森まさこ国務大臣に対する問責決議案に対し、自民党、公明党を代表して、断固反対との立場から討論を行います。
 まず冒頭、野党第一党である民主党の審議姿勢にはっきりと異議を申し上げます。
 遅延目的のばらばら牛歩、記名採決の乱発、採決の拒否、棄権はあきれるばかりであります。さらに、本日、各委員会での多くの国民の皆様からの請願に対して、民主党議員全員でその委員会に欠席したことは、国会議員としての職責を自ら放棄したものであります。誠に恥ずかしい。笑止千万であります。猛省を促します。
 本日は、一千日と二日目。東日本大震災より避難所生活を送る二十七万人以上の方々。被災地福島いわき市御出身の森大臣は、保守系人権弁護士として弱者、消費者に寄り添うすばらしい政治家であります。まさに、消費者担当大臣としてしっかり職責を果たしております。問責の指摘は一切当たりません。
 今回、国民的議論となっておる特定秘密保護法案、安全保障に必要な機密保全と国民の知る権利を両立すべき中で、森大臣こそ消費者担当大臣と兼務して最もふさわしい担当大臣ではないでしょうか。
 防空識別圏問題、テロ、在外邦人の安全確保など外交課題が喫緊に迫る中で、静かに、丁寧に、慎重審議の上、一刻も早く法体系を整備する必要があることは明白であります。
 にもかかわらず、理事会をやり直せ、法案は無効だ、すさまじいばかりのやじ、怒号、さらには恫喝姿勢で、法案とはおよそ懸け離れた政局優先の姿勢は白々しいばかりであります。
 特定秘密保護法案は、総審議時間六十三時間超、うち野党時間は四十時間にも迫り、参議院では対衆議院野党比七六%以上もの審議時間を行いました。参考人、地方公聴会も行い、十分な議論を終えたとの判断から、名委員長である中川委員長が下したわけであります。審議不十分、強引な議事運営とは、民主党を代表する党利党略の一部野党がつくり出した喧伝、虚構にほかなりません。
 大臣の御答弁も本当に丁寧に誠実に尽くされました。答弁が二転三転などとの批判がありますが、本質的な部分は全くぶれていないと確信します。もし仮に誤解を招いた表現が審議途中にあったとしても、その後、内容は明確に示し、現段階において何ら矛盾はありません。
 政策より政局最優先、支離滅裂な問責理由と国会対応をなさる民主党御発議の問責決議に対し、共感の余地は一切なく、断じて反対であることを申し上げ、反対討論といたします。
 ありがとうございました。(拍手)
○議長(山崎正昭君) 那谷屋正義君。
   〔那谷屋正義君登壇、拍手〕
○那谷屋正義君 民主党・新緑風会の那谷屋正義でございます。
 私は、会派を代表して、国務大臣森まさこ君への問責決議案へ賛成の立場から討論をさせていただきます。
 我々参議院の同志である森まさこ君が国務大臣に就任されて早くも一年になろうとしています。参議院議員が我が国の重責を担い、活躍されることを党派を超えて多大なる期待を寄せておりました。
 この寒空の下、今も国会周辺や全国各地でこの特定秘密保護法案への懸念を示す声が上げられています。国務大臣という立場にあれば、国民の声に真摯に耳を傾け、その声に思いを巡らせるべきでありますが、森大臣、あなたはその国民の気持ちを酌み取らず、法案が成立してからも、より良いものにしていきたいなどと、まず法案成立を急ぐ姿勢を示してきました。そのことは、同じ参議院の仲間として残念でなりません。
 森大臣、あなたは、御自身が認めているとおり、同法案への執行権限がないにもかかわらず、単なる答弁大臣として委員会で答弁をしてきました。このような重要な法案であるのだから、執行に責任を持つ大臣と審議することが筋だと考え、我々民主党・新緑風会を始めとする野党は、責任ある立場の菅官房長官からの答弁を求めてきました。
 この点に関し、我が会派は、十一月二十九日、福山議員が事前に質問通告で官房長官から答弁を求めていましたが、官房長官は調整中であるということが当日の委員会直前の理事会で判明いたしました。民主党、そして野党は、官房長官が出席できない理由を理事会の場で与党から回答を求めましたが、驚くべきことに、与党理事は、政府・与党が福山議員の質問に対しては官房長官が対応するべきものではないと言ってきました。言語道断であります。与党が野党の質問を検閲し、誰が答えるか決めるなどという権利は与党にはありません。これは議会制民主主義をおとしめる危機であります。
 与党の提案のみを受け入れ、反対論はねじ伏せる、そのようなやり方はまさしく言論統制。自民党は、表現の自由、知る権利を軽視しているから、石破幹事長のデモとテロを同列視するような発言がされたのではないでしょうか。よもや、同法案のテロの定義にデモが入っていましたとは、森大臣、言いませんよね。
 自民党幹事長の信じ難い発言等にそれてしまいましたが、政府・与党の同法案への姿勢を整理すると、責任を持った方が答弁しない、与党が野党側の質問を検閲し、誰が答弁するか判断する、自民党幹事長は国民の正当な権利であるデモをテロと同列視する、加えて、与党、委員長は誠実な対応をしない。国民の皆さん、これが今の政府・与党の姿勢です。国民の知る権利と緊張関係になり得るような法案をこのような形で強行採決し、本院での議論をアリバイのように進めたのです。そのようなやり方を我々民主党・新緑風会は決して許しません。
 森大臣が担当大臣であるということは、総理、官房長官からの御下命でしょう。しかし、これまでの森大臣の答弁は迷走していると言わざるを得ません。
 例えば、森大臣はTPP交渉が特定秘密の対象になる、ならないなどとぶれました。報道機関への家宅捜索については、森大臣は、報道機関のオフィスに家宅捜索することはないと一旦述べたものの、これに対して谷垣法務大臣らが具体的事例に即して判断するものと述べて、森大臣の答弁を事実上打ち消しました。さらにその後、森大臣は、個別具体的な事案を想定しての言及は避けたいと修正しました。公務員と報道機関との倫理規程をめぐっては、何らかの規範を設けることは重要と述べた翌日には、報道機関を萎縮させるようなものを作ることは難しいと答弁を一転させました。第三者機関をめぐっては、その時々の修正協議の状況があったにせよ、設置を検討したい、今後の課題だなどと変遷していきました。
 このように、森大臣の答弁はぶれを重ねて、それがまた国民の同法案への不安や不信を増幅させたのであります。答弁レクを担当した官僚の皆さんもきっと御苦労されたのであろうと思います。
 加えて申し上げるならば、森大臣は、都合が悪くなれば、条文を読み上げる、議事録をちゃんと読んでください、インターネットを見てくださいと、参議院における審議でもこれらの常套句が何度も聞かれました。総理が説明を尽くしたいと言う一方で、森大臣はこのような形で誠実さの欠ける対応を行ってまいりました。この点については、森大臣には強く猛省を促すところです。
 衆議院の福島での地方公聴会において、槇福島弁護士会副会長が、森大臣の答弁が二転三転するのは法律の条文が曖昧かつ広範だからだと発言したと伺います。その指摘どおり、同法案には曖昧な点が多過ぎます。
 先ほど述べたような森大臣の答弁のぶれはそこからきていることも理由であることを指摘せざるを得ません。はっきり言って、法律として不十分であるので、その点、森大臣の答弁がぶれてしまうのはある意味では自然なことかもしれません。森大臣、大変お気の毒であります。法律家であるあなたもその点について気付いていたことでしょう。内閣の一員として、内閣不一致の言動をすることはできないかもしれませんが、政治家として、少しは御自身の言葉で説明したり、その意図する方向性を審議を通じて述べられたらいかがだったでしょうか。若しくは、それをしようとしてぶれてしまったのではないでしょうか。はたまた、官僚の言われるままでしょうか。まさか内容をしっかり理解していなかったなんてことはありませんよね。
 そして、森大臣、この国会中、我々は大変懸念していたことがあります。それは、食品表示偽装をめぐる問題であります。
 森大臣は、消費者及び食品安全担当大臣でもあります。あなたは、この国会、毎日のように特定秘密保護法案の審議に掛かり切りであったと思いますが、真に国民にとって大切なことは、秘密保護の強化ではなく、国民の安心、安全を守ることではなかったのでしょうか。政府としてあなたを法案審議に縛り付けにした判断そのもの自体が誤りであった上に、衆議院においては消費者特別委員会に一度この問題を議論したきりで、本格的な対応は後手に回りました。
 主要ホテルや百貨店、レストランなどでメニュー等と異なる食材が使われてしまいましたが、今回の偽装表示問題について、本来であれば、森大臣、あなたは担当大臣として関係省庁との連携を取って率先かつ迅速に取り組むという重要な責任があります。しかし、あなたは消費者及び食品安全担当大臣としてその職責を十分に果たしたと言えるでしょうか。食品サービス全般におけるモラルハザードが憂慮され、食品業界への信頼が揺らぐ事態となっていたにもかかわらず、あなたはそれを放置してきたのではないでしょうか。消費者の安全、安心が脅かされているこのような事態にありながら、終始、特定秘密保護法案の答弁を優先させ、消費者の声に耳を傾けようとしませんでした。
○議長(山崎正昭君) 那谷屋君、時間が超過いたしております。
○那谷屋正義君(続) 最初の偽装事案発覚から、森大臣が食品表示等問題関係府省庁等会議を開催したのは、二十日以上経過した十一月十一日です。極めて遅い対応と言わざるを得ません。
○議長(山崎正昭君) 那谷屋君、簡単に願います。
○那谷屋正義君(続) さらに、官房長官に至っては、十一月十八日の記者会見で、政府提出の特定秘密保護法案に対する野党の審議要求によって消費者問題特別委員会が開催できないかのような……
○議長(山崎正昭君) 那谷屋君、簡単に願います。
○那谷屋正義君(続) あたかも野党に責任をなすりつけるかのごとき詭弁を弄されたことは言語道断であります。特定秘密保護法案のために消費者行政をないがしろにしたのは、森大臣、そして安倍政権ではありませんか。もし特定秘密保護法案を優先するのなら、森大臣は法案の答弁要員に専念して、消費者担当大臣を辞めるべきではなかったのでしょうか。
○議長(山崎正昭君) 那谷屋君、簡単に願います。
○那谷屋正義君(続) 森大臣は、十一月二十八日の参議院国家安全保障特別委員会で、食品の安全の情報も特定秘密に指定する可能性があるとの見解を示し、消費者の不信と不安を高めています。大臣、食の安全を守るには、まずは情報公開ではないでしょうか。消費者が必要とする食品情報をきちんと伝え、消費者自らが選択できるようにすることが不可欠なのではありませんか。
○議長(山崎正昭君) 那谷屋君、那谷屋君、時間が超過をいたしております。簡単に願います。
○那谷屋正義君(続) それを隠すのを前提にあなたは食品の安全を考えているのですか。そんな大臣の下で消費者行政の推進ができるのでしょうか。
 以上、このように答弁が迷走し、誠実さに欠ける答弁を繰り返した森大臣の責任の大きさ、そして国民背信の強行採決を行ったこと、そして食品偽装問題への対応の不手際に鑑み、再度強く大臣としての猛省を促した上で、国務大臣森まさこ君を問責すべきものとし、その決議案に民主党・新緑風会を代表して賛成いたします。(拍手)
○議長(山崎正昭君) 大門実紀史君。
   〔大門実紀史君登壇、拍手〕
○大門実紀史君 日本共産党を代表して、森まさこ大臣の問責決議案に賛成の討論を行います。
 森まさこさんとは、貸金業法の改正を始め、消費者被害をなくすために共に力を合わせた間柄であります。こういう形で討論をしなければならないことを心から残念に思っております。
 我が党が賛成する最大の理由は、あれこれではございません、森大臣がこの希代の悪法、秘密保護法を推進したことそのものにあります。更に言えば、森大臣には秘密保護法に関する当事者権限がありませんでした。
 安倍総理が九月十七日に本法案の担当に森大臣を指名いたしましたけれども、既にそのとき、法案概要は完成し、パブリックコメントも募集されていたのです。この法案を作成したのは内閣官房の内閣情報調査室でございました。内閣情報調査室は、首相の下に官房長官が統括をし、指揮監督権も官房長官が持っており、森大臣は持っておりません。だから、委員会審議で森大臣の発言を事務方が度々修正するという異常事態が続いたわけでございます。
 また、森大臣の発言をほかの大臣が修正するということもありました。それは、森大臣が、特定秘密なるものを指定し、法律を運用する行政機関の長でもないからです。結局、森大臣は、この法案の当事者権限を持たない単なる答弁用大臣にすぎなかったのです。当事者能力がない大臣が延々と答弁を繰り返すなど、まさに国会を愚弄するものではありませんか。
 また、担当大臣として法案の審議に必要な資料の提出を約束しておきながら、いまだにそれを果たしていないことも重大であります。
 そもそも、なぜこんなことになったのか。それは、本来官房長官が直接担当すべき法案であるにもかかわらず、国家安全保障会議設置法案とこの秘密保護法案の二法案を短い会期の今国会で強引に成立させようとし、別に答弁用大臣を立てて審議のスピードアップを狙ったからであります。この点で最も厳しく問われるべきは、森さんを担当大臣に任命した安倍総理の任命責任であります。
 しかし、森大臣の特別委員会における答弁も余りにもひどかった。TPPが特定秘密の対象になると言ったり、ならないと言ったり、報道機関への家宅捜索があると言ったり、ないと言ったり、自分でも何が正しいのか分からないまま答弁するから、聞いている方はもっと分からなくなる。
 大臣の答弁の曖昧さが国民の皆さんにも不安を広げました。特に福島県の皆さんは、この秘密保護法で原発の事故情報が隠されてしまわないか、大変心配されております。その心配に森大臣は未来永劫本当に大丈夫だと言い切れるのでしょうか。テロ対策上秘密にすると言えば、何でも秘密になってしまうではありませんか。
 しかし、これも森大臣の答弁能力だけの問題ではありません。この秘密保護法そのものが、曖昧で恣意的で、その時々の為政者の好き勝手に運用される危険性をはらんでいるからであります。だからこそ、これだけ各分野から広範な反対の声が上がっているわけです。
 最後に申し上げたい。
 まともな弁護士でこの法案に賛成している方はいらっしゃいません。あなた自身が問われるべき最大の責任は、法律家の良心を捨ててこの法案の担当大臣になったことであります。こんな中途半端な大臣が担当した委員会の審議は全く不十分なままであり、採決など断固認められるものではありません。
 このことを強く申し上げて、賛成討論を終わります。(拍手)
○議長(山崎正昭君) これにて討論は終局いたしました。
    ─────────────
○議長(山崎正昭君) これより採決をいたします。
 足立信也君外五十七名より、表決は記名投票をもって行われたいとの要求が提出されております。
 現在の出席議員の五分の一以上に達しているものと認めます。
 よって、表決は記名投票をもって行います。本決議案に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。
 議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
○議長(山崎正昭君) 投票漏れはございませんか。──投票漏れはないと認めます。投票箱閉鎖。
   〔投票箱閉鎖〕
○議長(山崎正昭君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
   〔議場開鎖〕
   〔参事投票を計算〕
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数        二百二十四票  
  白色票           九十四票  
  青色票           百三十票  
 よって、本決議案は否決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
○議長(山崎正昭君) これにて休憩いたします。
   午後四時十分休憩
     ─────・─────
   午後九時一分開議
○議長(山崎正昭君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 日程第一 特定秘密の保護に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)(前会の続)を議題といたします。
     ─────・─────
○議長(山崎正昭君) これより国家安全保障に関する特別委員長の報告を求めるのでありますが、福山哲郎君外一名から、委員会審査省略要求書を付して、国家安全保障に関する特別委員長中川雅治君問責決議案が提出されておりますので、まず、本決議案についてお諮りいたします。
 国家安全保障に関する特別委員長中川雅治君問責決議案は、発議者要求のとおり委員会審査を省略し、日程に追加してこれを議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(山崎正昭君) 御異議ないと認めます。
 よって、本決議案を議題といたします。
 まず、発議者の趣旨説明を求めます。福山哲郎君。
    ─────────────
   〔議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔福山哲郎君登壇、拍手〕
○福山哲郎君 民主党・新緑風会の福山哲郎でございます。
 私は、民主党・新緑風会を代表して、ただいま議題となりました国家安全保障に関する特別委員会委員長中川雅治君の問責決議案について、提案の趣旨を御説明いたします。
 まずは決議案を朗読いたします。
  本院は、国家安全保障に関する特別委員長中川雅治君を問責する。
   右決議する。
 まずは冒頭、本日の午後、政府・与党は国会を延長すると発表されました。延長されるならば、なぜ定時定刻の本会議を無理やりずらしたのでしょうか。延長されるなら、なぜ地方公聴会を前日に決めて強行に開催したのでしょうか。延長するならば、なぜ何の瑕疵もない常任委員長の首を取るために明け方の四時まで私たちは付き合わされたのでしょうか。極め付けは、なぜ慎重審議を求める国民の声を無視して衆議院の僅か半分の時間で特別委員会を強行採決したのでしょうか。延長するならば今日も審議ができたはずです。
 こんな手続に瑕疵のある強行採決は決して認めるわけにはいきません。希代の悪法を通してはいけない。政府・与党には、心からそのことを反省して、委員会にこの法律を差し戻すことを求めたいと思います。あらゆる先例をぶち壊し、政府・自民党のなりふり構わない議会運営に心の底から抗議をするものであります。
 以下、提案理由を申し上げます。
 まずは、冒頭、昨日未明の内閣委員長解任決議案並びに経済産業委員長解任決議案の提出について、改めて抗議を申し上げます。そして、そのことがいかに本趣旨であります特別委員会委員長中川雅治君の問責と結び付くかについて申し上げたいと思います。
 一昨日まで、憲政史上、僅か一人しか常任委員長は解任されていません。それは先生方も御案内のとおりです。なぜ常任委員長はこのように解任されることなく歴史を積み重ねてきたのでしょうか。それは、常任委員長は、ほかならぬ我々議員全員がこの本会議において全会一致で選んでいるからです。よほどの瑕疵がない限り、多少の問題があっても常任委員長の身分は軽々しく扱わない、数の論理を超えて一定の先例としてでき上がってきたからです。そして、もちろんこれは多数を持つ与党の判断に大きく委ねられています。
 具体的に申し上げます。
 参議院の委員会の先例録では、常任委員長は各会派に配分するのを例とするとなっています。つまり、常任委員長は、所属議員に比例して配分し、会派の推薦に基づいて選任するのを例としています。それは、昭和三十七年の一月の二十四日、私が生まれた五日後に開かれた議院運営委員会理事会において決められた申合せであり、それに基づいて委員長は選任されてきました。五十年以上にわたって参議院を構成されてきた先人の諸先輩方の御尽力と知恵によってこの常任委員長は成り立ってきたわけです。比例配分、当該会派の推薦が先例です。よほど何か問題があった場合は、各会派が自らの責任で委員長の辞表を出し委員長を替える、そういった運営がなされてきました。これも長年の議会の知恵だと思います。
 多数派が数の論理で解任決議を出せば必ず通るんです。そんなことは当たり前のことなんだ。しかし、五五年体制の下で、先人、特に自民党の諸先輩方は、むき出しの数の論理ではなく、民主主義の本旨にのっとり各会派に配分する、この先例を大切にしてきたのではないでしょうか。
 また、その申合せによれば、「各会派は、委員長の中立性に制約を加えてはならない。」ともあります。これも重要な文言です。しかし、我々は政治をやっています。時には中立性をやや超えるようなこともあるかもしれない。しかし、そのことをもってどの程度かについては、それこそ議会の知恵の中でやってきた。それがこの参議院の知恵だと私は思っています。
 そして、重要なのはここからです。国会法三十条の二、「院の議決をもつて、常任委員長を解任することができる。」、該当するものがあります。これは四項目あります。一つ目、正当な理由がないにもかかわらず委員会を開会しないこと。(発言する者あり)多分そういうやじが飛ぶと思っていました。しかし、この正当な理由とは、例えば委員長の自己都合であるとか、委員会が開催されることが決まっていたのにすっぽかすというような状況がない限りは、こんなことはあり得ません。理事同士が協議をしているような状況は、それは正当な理由がないとは言えません。
 恐らく川口順子前議員のお話が出てくると思いますが、川口順子前議員は、御案内のように、議院運営委員会の承認をもって、一般的には委員長は開会中には海外に行けないにもかかわらず、無理やり承認を当時の委員長にもらって行ったにもかかわらず、そして委員会の開催を予定していたにもかかわらず、自らの招集した委員会をすっぽかして帰ってこなかったんです。これは、正当な理由がないにもかかわらず委員会を開会しないことに充当します。
 二つ目、みだりに休憩又は散会を宣告すること。三つ目、故なく委員の発言を許可せず又は委員の動議を議題としないこと。四つ目、故なく速記を中止すること。これらの行為があった場合に解任することができるというのが国会法の三十条の二でございます。
 大久保委員長は、解任決議が出されたその日の本会議で議了案件について委員長報告をされています。ということは、委員会も開かれているし、議了もしっかりやられているということでございます。つまり、何ら先ほどの四項目には該当しません。
 理由を見付けるとすれば、自分たちが通したい法律を僅か一日の審議で通したいがゆえにこの委員長が邪魔だった。自分たちの意向どおりに動く委員長をつくりたいという、まさに長年の先人たちがつくってきた先例をぶち壊した、多数派のエゴそのものでございました。このことは、先ほどの申合せによる、「各会派は、委員長の中立性に制約を加えてはならない。」という点にも反しているということを指摘しておきたいと思います。
 また、水岡委員長に至っては、理事間の調整が整わず、むしろ調整を促していたのであり、自らの責任で委員会を開会しなかったわけではありません。全く具体的に瑕疵はなく、このことについても強く抗議をするものであります。
 委員長を解任するには、先ほど申し上げたような国会法三十条の二に該当するようなものでなければなりません。昨日の委員長解任決議案の自民党側の趣旨説明の文言、改めて確認しました。残念ながら、アベノミクスは委員長の解任の理由には全く当たりません。アベノミクスは打ち出の小づちでもなければ、議会の中で何でもできる魔法のつえでもありません。逆に、委員長の解任決議をアベノミクス、アベノミクスと言って振りかざすこと自身が、日本の議会制民主主義を破壊することになるアベノリスクであると私は思います。
 さらには、あの趣旨説明は、使い回しの文章を使われていました。事務局が文言を書こうが、いろんな場合があると思います。しかし、皆さん、院の委員長の首を取るという重たい作業を使い回しの趣旨説明でやるというのは本当に私は失礼な話であるし、侮辱をしていると思います。自民党の諸先輩方は、こんなことを昔許したでしょうか。もっと議会運営に対する畏敬の念を持って接しられたのではないでしょうか。過半数を持っている与党が常任委員長の解任決議案を出すということは、もう一度言いますが、それだけで直接委員長の首を取ることになります。そのことにもっと謙虚になってください。
 確認をさせていただきます。常任委員長は各会派に配分するのを例とするというのが、先ほどから申し上げているように先例です。この先例をどさくさに紛れてぶっ潰すおつもりなのでしょうか。
 私は、民主党に配分されてきた二つの委員長が欲しくて言っているのではありません。長年の先例を今の自民党がどう考えるかについて、しっかり申し上げたいんです。先例をぶち壊すということがいかに重いことかについてしっかりとお考えいただき、遅くとも次の通常国会までに、再び先例のとおり、水岡、大久保両議員を委員長に戻し、ぶち壊した先例の復元を強く求めるものであります。
 御都合主義に走り、数があれば何でもかんでもできるという考え方は明らかに間違っています。我々が与党をさせていただいたときに、国会が混乱しているのは全て与党の責任だと自民党の議員に何度言われたか分かりません。そのことをそのままお返しします。今、国会が混乱の極みにあるのは全て政府・与党の責任であります。
 そんな状況の中で、国家安全保障特別委員会の委員長はどのような委員会運営をされてきたのかを具体的に述べてまいりたいと思います。
 最初の法案が、それも強行で下ろされた法案が委員会に付託された十一月の二十七日、初めての理事懇談会でございます。
 委員長は、委員長として最初に申し上げておきますと言われて、公平かつ円満な運営をしていきます、円満な形で進めていきたい、初めから、これは初めからと言われているのが委員長正直なところなんですが、初めから強行採決するなんて考えているはずはないと言葉をいただきました。その言葉を受けて、法案に賛成の野党、反対の野党もそろって委員会の審議について議論を始めることになりました。
 普通、委員会は、運営に関する協議事項について確認をし合わなければいけません。我々野党は、まずは要求大臣のお願いをしました。森大臣は御案内のように施行後は所管大臣ではない、当時はそうでした。だから、官房長官も要求大臣として出席をしていただきたい、当たり前のことでございます。そのことを要求したところ、芳しいお返事はいただけませんでした。
 ですから、若干休憩をして、各党の国対等に持ち帰ってお互い調整をやり取りしましょうと申し上げ、与党側の理事からも休憩をしていいのではないかという発言がありました。それにもかかわらず、委員長は、理事懇談会であり、話が平行線なので、私が決めます、要求大臣は与党の言うとおりにしますと突然裁定を下されました。野党側からは、そうではなくてちゃんと休憩して合意しましょうと。
 今こんなことを言うのは変な話ですが、当時は外交日程がありました。中曽根会長が主催をされているASEAN議員会議で私は発言の機会をいただいたので、私は絶対に懇談会に戻ってくるので三十分から一時間待ってくださいと申し上げたら、そのことに対しても全く聞く耳を持たず、与党の理事に対して、委員会の案件の提案をしてくださいと促されました。まだ審議に入る前提となる環境も整っていないのに、与党理事から翌日の委員会審議の案が読み上げられ、そのまま理事懇談会を散会されました。
 民主主義では合意形成が重要です。改めて申し上げますが、初めから強行採決するなんて考えているはずはないとおっしゃった委員長が、舌の根も乾かないうちに、その三十分後に強行採決をされました。これが、全ての委員会の開催が強行採決ずくめという極めて異例な委員会のスタートでございました。
 翌日の理事会では、初日から強行的なことは遺憾であると申し上げた私たちに、委員長は、ほぼ一貫して、間違っていないということを主張されていました。そして、議論が続いている中、今度は、委員長は、理事会の休憩を宣言をされずに、突然立ち上がって委員会室に駆け込み、委員会の開会を告げられました。これが、委員の皆さん御記憶だと思いますが、審議が二時間遅れたときのてんまつです。
 理事会は、質問時間や質疑者、大臣の出席等々を確認をするものです。その確認もしない間に、休憩を宣言せずに委員会を開会されました。実は、理事会が開会中で、並行して委員会も開会という、これまた憲政史上前代未聞のことが起こりました。
 当然、理事会室に与党の理事も唖然として残っておられました。こんなことは許されないと委員会室に入って、委員長に、休憩もしていないじゃないですかと、理事会が開いたままでは委員会は始められないと申し上げ、抗議を野党でしました。私たちは、別に遅延行為をしたわけでもないし、審議拒否をしたわけでもありません。すると、今度は、これが中川委員長の、僕は本心はいい人であるゆえんだと思いますが、自ら休憩を宣言していないことに気付かれたのか、何と委員会室から、もう一回委員会を休憩を宣言して、何と理事会室に戻りましょうと戻られたんです。つまり、自分が休憩を宣言していないことを認められたわけですね。しかし、こういったことは、先ほどの国会法に言う、まさに散会、休憩を本当にみだりにすることにほかなりません。
 実は、私は、院内の本会議でこんなことを申し上げるのは甚だ自分としても嫌な気持ちがします。しかし、昨日、自民党が我々の委員長を解任する際に、公平中立、公平中立と何度も言われたから、事実として申し上げています。
 翌日には、官房長官の出席についてゼロ回答でした。そして、私たちは、野党もです、野党も、官房長官の出席は、お忙しいだろうから、とにかく予定を出してくれれば理解をすると私は言いました。そうしたら、私の質問の前に与党の理事が何と言ったかというと、先ほどもありましたが、日程ではなく、政府・与党と調整をして、福山委員の質問には官房長官が答えるべきではないというふうに判断をしました、次です、与党が見る限り、福山議員の質問には森大臣がお答えさせていただける部分があるので、官房長官が答えるべきではないと判断をしたので官房長官は出席しませんというものでした。
 皆さん、何で我々国会議員の質問権が与党に検閲をされる必要があるのでしょうか。大臣の要求を与党に制限をされる必要があるのでしょうか。これには、私だけではありません、野党の理事全員が憤慨をして、本当に怒りを禁じ得ませんでした。実は、具体的な名前は申し上げませんが、野党のある理事の方は、今の発言をした自民党の理事に対して、そんな発言をしたら後で問題になるから撤回した方がいいよという本当に温かい言葉を投げかけておられました。
 与党はいつからこんな傲慢なことを言い出したんでしょうか。国会のルールも、議員の質問権もお構いなしです。(発言する者あり)女々しいというやじがありました。女々しいのは、数の力で押し切ろうとしてこんなことまでやっている与党こそ女々しいと私は思います。
 この質問権の話に野党側が納得せず、国対等に持ち帰って協議をしますと言ったときに、何と委員長は、委員会室に入って、私の質問で私が席にも着いていないのに委員会を開会しました。時間を進めました。現実の問題としては、与党側から事前検閲をされ、大臣が制限をされ、自分の質問のところでは勝手に委員長が時間を始められる。
 いいですか、与党の皆さん、逆の立場だったらどうか考えてください。幾ら多数を持っていても、野党であっても、我々の後ろにも国民はいます。我々も国民一人一人の一票一票を重ねてこの議席にいます。あなたたちはそのことに対して傲慢過ぎる。そのことに対してどういう考えでこの国会を運営してきたのか、本当に猛省を促したいと思います。
 実は、細かくは申し上げませんが、それ以降の理事会は、もう野党には一言も発言をさせてもらえませんでした。手を挙げても、委員長と与党の理事が勝手に、もう理事会を打ち切って委員会を始めます、二日にわたってそのことが続きました。皆さん、手を挙げて理事会で発言をしようとしているものを何も言わずに制限をされる悔しさを想像してみてください。野党の理事も我々も、後ろには国民がいます。つまり、あなたたちが制限をしたということは国民の声を制限をしたということです。
 先ほど国会法で申し上げました、故なく発言をさせないこと、まさにこのことが今回の問責の大きな理由です。もうこんなことばかりなので、もういいかげん嫌なんですが……(発言する者あり)でしょう。それを現実にやらせてきたんですよ、あなたたちは。
 過去十年間の地方公聴会の開催実績を見ると、いいですか、過去十年間の地方公聴会の開催実績を見ると、前日の夕方に議決をして次の日に開催するなどという例はもちろん一度もありません。全てが与野党合意の下、準備期間として、議決から開催までおおよそ四日から七日空けて開催されています。今回、衆議院の特別委員会でも地方公聴会は開催されましたが、四日間の準備期間を設けています。本来は、国会の審議について自分も意見を言いたい、国会の状況を聞きたいという国民の知る権利をこれまた侵したことになるわけです。もう怒りを通り越して情けない気分です。
 このように乱暴に開催された地方公聴会が結果としてどのような状況だったかといえば、用意された五十席に対して埋まったのは約三十席、政党関係者のみ。会場周辺には大勢の市民が集まったにもかかわらず、何党ですか、党の紹介がない人は入れません。拒否をされた有様です。結局、地方公聴会も、入場できたのは政党の関係者だけ。全て秘密。まさに問題だらけの特定秘密保護法案の審議に見合うような皮肉な結果となりました。
 私たち野党は、共産党を除いて、この手続には瑕疵があるとして地方公聴会は認めていません。なぜなら、これも先人が大切にしてきた地方公聴会の先例をぶち壊したくないからです。こんなことを前例にしたくないからです。
 私たちは、これほどまでに強行に開会された委員会でも出席をしました。全ての委員会に出席をし、そして審議を尽くしました。それは、何としてもこの法案の問題点を浮き彫りにしたかったからです。こんな地方公聴会や委員会の審議で、審議を尽くしたとか、野党の要求どおりに進めたとか、国民の意見を受け止め丁寧に議論をしたとか言われても、誰が納得できるのでしょうか。
 そして、挙げ句の果ては昨日の強行採決でございます。私も、国会へ来て十五年以上になりますが、最初から最後まで職権で進めてしまう、ここまでの乱暴で横暴な委員会運営は経験したことがありません。このような運営の仕方が、総理が言われる国民の不安や懸念を払拭するよう丁寧に説明をし尽くすことでしょうか。
 私は、民主主義とは、手続と時間の関数であると思います。なぜ重要法案や予算は長時間の審議時間を確保するのか。それは、アリバイのためではありません。多様な意見があり、重要法案には賛成も反対も課題もたくさんあるということを委員会の審議を通じて一つ一つ抽出し、我々国会議員だけでなく、その議事を通じて納得性を高めていく作業が民主主義だと私は思っています。
 なぜ委員長提案の議員立法は手続が省略できるのか。それは、各党の考えが一致したことによって納得性の問題がクリアできているからです。つまり、課題が多く、疑問が多ければ多いほど、政府にはより説明責任が求められ、一つ一つ納得を積み重ねていくことによって委員会の審議が深まっていきます。
 与党の皆さんが言うように、私も、どこかの時点で採決に至らなければいけないとは考えています。そのときの対応はそれぞれの立場で当たり前です。しかし、衆議院では四十一時間審議したものの、参議院で僅か二十一時間。そして、地方公聴会もどきを含めて、これで審議を尽くしたというのは、まさに議会制民主主義を否定するものであるばかりでなく、与党自ら参議院は要らないと言っているに等しいとは思いませんか。
 こんな運営を主導し、まさに公平性と中立性を忘れ、官邸と国対の言うがまま、一瀉千里に暴挙を積み重ねてきた中川特別委員長に強く責任を問うものであります。
 この場にいる……(発言する者あり)もう終わります。もう終わります。もう終わります。この場にいる参議院議員の皆さん、私たちは、安全保障や外交案件、必要最低限の秘密を伴うことはやむを得ないと考えています。
○議長(山崎正昭君) 福山君、時間が大分超過いたしております。
○福山哲郎君(続) しかし、秘密指定が公正かつ厳正、中立的に行われ、情報を握る権力に決して恣意的な操作をさせない制度設計こそが不可欠なのであります。
○議長(山崎正昭君) 福山君、おまとめください。
○福山哲郎君(続) その制度設計は、透明性、公開性といった民主主義の原則にのっとらなければいけません。秘密指定の恣意性は全くその疑念を払拭できていません。犯罪であるテロと国民の意思表示の手段である表現の自由の権利であるデモを同列に扱うようなことは許されません。キャスターが廃案と言ったことに放送法を持ち出し、中立性に欠けると脅しを掛ける総理補佐官も全く言語道断です。
○議長(山崎正昭君) 福山君、福山君、おまとめください。
○福山哲郎君(続) この安倍政権が目指す法案だからこそ、国民の不安や不信は払拭できないのです。
 どうか皆さん、今回の審議で、この状況で、国民の皆さんは、この法案の本当に不安なこと、国民の知る権利や表現の自由、取材の自由を侵害することの可能性が明らかになりました。
 多くのジャーナリズム、ノーベル賞受賞者、映画監督……(発言する者あり)もう終わります。あともう二分で終わります。もう二分で終わります。(発言する者あり)分かった、もう終わります。多くのジャーナリズム、ノーベル賞受賞者、映画監督、日本ペンクラブ等、たくさんの世論が力を貸していただいたおかげで、この法案の問題点が明らかになりました。
○議長(山崎正昭君) 福山君、おまとめください。
○福山哲郎君(続) そして、何よりも、法案に賛成、反対にかかわらず、ずっと委員会での審議に、発言を封じられながら、共に耐え難きを耐え、忍び難きを忍び闘っていただいた野党理事の皆さん、そして民主党・新緑風会の皆さん、感謝を申し上げます。
 そして、このひどい法案を一瀉千里に進めてきた中川雅治委員長の問責決議案に多くの皆さんの賛同を議会人としていただくことを心からお願い申し上げまして、私の趣旨説明とさせていただきたいと思います。
 どうもありがとうございました。(拍手)
    ─────────────
○議長(山崎正昭君) 本決議案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。熊谷大君。
   〔熊谷大君登壇、拍手〕
○熊谷大君 自由民主党の熊谷大です。
 私は、自由民主党、公明党を代表して、ただいま議題となりました中川雅治国家安全保障に関する特別委員長問責決議案について、断固反対の立場から討論をいたします。
 先日、我が国の外交・安全保障政策の司令塔となる国家安全保障会議が発足し、中核となる総理、外務大臣、防衛大臣、官房長官から成る四大臣会合が初めて総理官邸で開かれました。
 我が国が置かれた国際情勢を鑑みれば、日米同盟や近隣諸国間との連携強化などが重要で、そのためには友好国政府との情報共有が必要不可欠となります。
 昨今、情報漏えいに関する脅威が従来より高まっている中、我が国が情報保全に対してしっかりと法整備を進めなければ、国際社会間での情報交換が行われないことは火を見るより明らかであります。
 それのみならず、我が国政府部内での情報共有が促進されるためにも、さらに、国家安全保障会議をより効果的に機能させるためにも、秘密保護に関する共通ルールの確立と法整備が重要であることは論をまちません。それは、つまり、日々刻々と変化する北東アジア情勢に対応しながら、国家国民の安全を守ることを更に強化することにほかならないのです。ゆえに、今臨時国会での成立が強く望まれたのです。
 そもそも、これら両案は、民主党政権がその必要を認めていたではありませんか。変節漢民主党諸君、恥を知りなさいと指摘されてもまだ恥を上塗りして、国会への出席拒否、審議拒否、採決拒否、質問したと思ったら、森大臣をいじめるようなトートロジーを展開する。強行採決とあなた方は繰り返しますが、真っ当な審議時間や修正を経た内容に対して民主党諸君が行ったのは、単なる採決妨害ではないですか。これ以上恥をさらすのはやめてください。
 昭和二十二年二月二十二日生まれの中川雅治委員長は、昭和五十二年三月、千歳発仙台行きの飛行機内でハイジャック犯を取り押さえ、時の運輸大臣、警察庁長官から表彰も受けた正義感あふれる勇敢な方で、さらに、その温厚な人柄は、参議院の仲間のみならず、全国的に知られたところであります。
 その人望ある中川委員長に、国民、国会に対して丁寧な審議を行わなかった、委員会運営に問題がある、又は、石像だとか能面だとかの批判は全く的外れです。徳ある者は言少ないものです。委員会運営は公平にルールにのっとって行われ、総理出席、参考人質疑、地方公聴会など必要な審査は粛々と行われました。
 勇者は恐れず、委員長は、国家国民の安全を守るため、今国会における法案の採決を決断され、職責を果たされたのです。
 民主党の愚挙に怒りを込めて反対し、私の討論を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
○議長(山崎正昭君) 白眞勲君。
   〔白眞勲君登壇、拍手〕
○白眞勲君 民主党の白眞勲でございます。
 私は、民主党・新緑風会を代表して、国家安全保障に関する特別委員会委員長中川雅治君の問責決議案に賛成の立場から討論をさせていただきます。
 私は、この参議院の本会議場から演説させていただくのは五年半ぶりでございます。しかしながら、この久しぶりの本会議の登壇演説が、本来なら晴れがましい喜びの一瞬であるはずが、今回は、何と尊敬する中川雅治先生の問責に賛成の立場からの演説とは、これほど悲しいことがあるでありましょうか。しかしながら、これはお役であります。役目をいただいた以上、組織の者としてしっかりとその責任は果たす、是非御理解をいただきたい。
 先ほど申し上げましたとおり、中川雅治先生は私がお慕い申し上げている政治家の一人であります。いつも温厚、笑顔を絶やさないお姿、また、環境委員会での質問の際にも、よどみなく御質問をされるお姿、まさに政治家のかがみ。数ある自民党の尊敬できない政治家の中で唯一すばらしい参議院議員であられ、まさに泥水の中の一輪のハスのようなお方であります。
 しかしながら、今回の国家安全保障特別委員会の委員長としては、残念ながら申し上げなければならないことが多々あります。この議場におられる国家安全保障特別委員会の皆様なら皆感じたこと、それは、連日の怒号とやじに包まれた委員会はかつて経験したことがないということであります。
 極め付けは、理事会を休憩にしないまま、突如として第一委員会室に乗り込んできて委員会を開催してしまうという暴挙に出たことであります。つまり、理事会と委員会が同時並行してしまうという事態となり、我が党で質問しようとしていた、まさに福山哲郎筆頭理事は、当然質問席に着いていない。にもかかわらず、誰もいない席に向かって、質問を続けてください、質問を続けてください。我々が抗議しようとお構いなしに、質問を続けてくださいと、何かに取りつかれたように、質問を続けてくださいと。一体これって何ですか。極めて不誠実なことじゃありませんか。
 通常であれば、このような運営では散会になってもおかしくないところでございますが、民主党・新緑風会を始め野党は、慎重な審議が必要であるとの認識から、怒りをこらえ委員会に参加しました。委員長の姿勢、与党の姿勢は、あたかも与党にあらねば人にあらず、野党はどうでもいいと言っているかのようで、嫌がらせそのものであるような印象でございます。
 そもそも、国家安全保障特別委員会は、参議院における委員会設置に関するスクラップ・アンド・ビルドの原則の例外として設置されました。民主党・新緑風会としては、既存の内閣委員会を中心とした連合審査を提案したものの、与党はこれを受け入れませんでした。自民党は、最終的に、本特別委員会が短期間のものであること、我々民主党・新緑風会が求めているTPP特別委員会を設置に向け検討すること、委員割当てのない少数会派へ配慮すること、要求大臣に森まさこ国務大臣を加えることを提案し、この委員会設置に賛同いたしました。ところが、どうでしょうか。TPP特別委員会は結局設置されず、かつ実際検討されたのか甚だ疑問であります。
 そもそも、本年夏の第百八十四回臨時国会で原子力問題に関する特別委員会を立ち上げる際、我が党から自民党に対し、これ以上特別委員会を設置することはありませんねと議運で確認したところ、自民党は更なる特別委員会の設置は否定いたしました。そのような経緯を我が方がのみ込んだ上での委員会設置であったことを、まず、良識ある参議院議員、特に自民党、公明党の皆さんにお伝えしたいと思います。
 十一月八日の参議院本会議において、国家安全保障会議設置法案が審議入りし、同日、委員会においても趣旨説明を行うことを合意していたものの、当日の理事会協議において、与野党の議運、国対間で合意していた要求大臣に森まさこ大臣も加えることを与党理事が受け入れず、その後のやり取りの中で、なぜか中川委員長は委員会を散会してしまいました。審議を早く始めたいにもかかわらず、このようなことになったのは大変不可解でございました。最終的に、同法案の趣旨説明に至るまで五日間も浪費し、十三日にようやく趣旨説明、質疑が行われることになりました。
 その後も、中川委員長は、新設されるNSC人事の報道をめぐる問題で、自身の官僚時代の経験を踏まえ、報道に載る人がそのまま役職に必ずしも就かないなどと述べ、その問題の本質とは異なる観点から余計な発言をし、理事懇談会紛糾の種を自らまいたのであります。今思えば、そのときから中川委員長の委員会運営、委員長としての資質に疑念が生じており、既に中立公平に、かつ真摯に野党の疑念にこたえるようなおつもりはなかったのかもしれません。
 十一月二十七日の参議院本会議において、特定秘密保護法案の趣旨説明、質疑が行われました。我が方は、櫻井政調会長が質問に立ち、衆議院で前日の二十六日、本法案が強行に採決されたことに触れつつ、政府・与党の乱暴な態度は極めて遺憾であると述べさせていただきました。
 我が方としては、この議論の冒頭から、強行採決という政府・与党の国民への背信行為に憤りを禁じ得ないものでした。それは、同法案への賛否を超えて野党に共通するものでありました。自民党、公明党の良識ある議員の中にも思いを一つにする議員がいるはずだと思っております。
 事態はここから深刻になっていきます。
 その後、同日開催された国家安全保障特別委員会理事懇において、与党は、前日の衆議院における強行採決さながらに、翌日の委員会開催を怒号の飛び交う中、委員長職権で決めたのであります。しかも、それは、懇談会冒頭に中川雅治委員長が、民主党やほかの野党の求めに応じ、公平円満に進められるよう努力していきたい、最初から強行なんて考えていないと見解を述べた、その舌の根も乾かないところで起きたのであります。公平円満とはどういった意味なんでしょうか。是非、中川雅治委員長からこの場で御答弁いただきたいところでありますが、野党の発言や質問は最近の理事会のように無視されてしまうのでしょうか。聞く耳持たずとはまさにこのこと、中川委員長の資質に重大な懸念が生じました。
 十一月二十九日、福山議員が事前に質問通告で官房長官から答弁を求められていましたが、官房長官は調整中であるということが当日の委員会直前の理事会で判明しました。民主党、他野党は、官房長官が出席できない理由を理事会の場で与党からの回答を求めましたが、驚くべきことに与党理事は、政府・与党が福山議員の質問に対しては官房長官が対応するべきではないと判断したと言ってきました。言語道断じゃありませんか。与党が野党の質問を検閲し、誰が答えるか決めると、そんな権利は与党にはありません。
 はい、それじゃ、委員会を、これが口癖になってしまったのか、野党を無視して委員会を開始しようとする、そのあなたの姿勢、加えて、与党検閲に議会制民主主義の危機を感じました。相変わらず誠実さに欠け、ルール無視の運営をしたことは、参議院の歴史に汚点を残したと言っても過言ではありません。与党の提案のみを受け入れ、反対論をねじ伏せる、そのようなやり方はまさに言論統制、そのようなやり方はまさに言論統制。
 自民党は、表現の自由、知る権利を軽視しているから、石破幹事長のデモとテロを同列視するような発言がなされたのではないでしょうか。自民党はいつからそのような政党に成り下がってしまったのか。以前の参議院自民党は、衆議院や政府からの理不尽な要求をはね返すだけの度量があったじゃありませんか。
 十二月三日の理事会において、与党は野党側に事前に具体的な説明をしないままに、突如、翌四日午前に総理入りの質疑、午後に大宮での地方公聴会実施を提案してきました。これを受け、同夕刻に再開された理事会の場において、与党、中川委員長は、野党側の発言を一切無視し、翌日午前の対総理質疑、午後の地方公聴会を再度職権で決定いたしました。どうやって前日の夕方から翌日の地方公聴会の公述人を見付け、準備をするのでありましょうか。
 我が方は地方公聴会を求めてまいりましたが、このような手続に瑕疵があるやり方では、これを地方公聴会とは認めることは到底できません。こんな茶番はやめていただきたい。これでは、不安を抱く多くの国民の不信にこたえることはできません。そもそも、国民の皆様に失礼ではありませんか。この責任はやはり中川委員長にあることは明白であります。
 その後も、野党無視を決め込み、今まさに問責を野党から提出された森まさこ大臣が、答弁できずおろおろしている際でも、速記を止めさせることなく議事進行、資料配付が各委員の皆様に配られていなくても議事進行させている中川委員長、中立公正を欠いた委員会を行ったことは到底容認できず、国民に対する裏切りであると言わざるを得ません。
 私は聞きたい。なぜそこまでして野党の質問時間を減らそうとしたのですか。なぜ強行採決の前日に唐突に出してきた名ばかりの第三者機関を審議させてくれないんですか。私たちはこのでたらめな特定秘密保護法の審議を真面目に徹底的に議論したかったんですよ。なぜ質問させてくれないんですか。結局、この法案が後ろめたいからでしょう。審議すればこの法案の化けの皮が剥がれるからじゃありませんか。
 そして、昨日、中川委員長、とうとうあなたは、国民に大きな不安を抱かせているこの秘密保護法案の質疑を打ち切り、委員会における採決を強行してしまったんです。くしくも衆議院と同じように、地方公聴会、その翌日での採決でした。中川委員長、やはりあのような認められない地方公聴会は単なるアリバイづくりのためだったんですね。
 また、強行採決した当日も、あなたの口癖の、後刻理事会にて協議しますを連発させ、自民党議員の、委員長ではなくて議長としか聞こえない叫びに反応し、強行採決という暴挙を許したのであります。
 結局、あなたは、政府・与党幹部の言われるがまま、瑕疵だらけの委員会運営をしたのです。即刻委員長の職を辞するべきです。ルールを無視し、横暴極まりない運営をしたあなたは、委員長の職にとどまるべきではありません。
 中川委員長、あなたは、東大法学部から大蔵省、そして環境省の事務次官まで務められた方です。すごく優秀な方です。中川委員長、今回、あなたの委員会運営ですばらしいなと思うことが、あえて一つだけ言うならば、強行採決の際に、原稿を見ずに全ての文言を暗記されて御発言されていることでございます。まさに写真的記憶力。私には到底まねできません。
 そして人柄も、冒頭申し上げましたとおり、とてもすばらしい尊敬できる方です。しかし、結局あなたがしてきたことは、政府・与党の言いなりになってしまったことなのです。国家安全保障特別委員長としてあなたがしてきたことは、その職権をかざして、力の弱い者を無視、弱い者いじめをしてしまったことです。決して本意ではなかったでしょう。しかし、今回の件に限って言えば、あなたがしてきたことは決して正当化できません。
 中川先生、国民は見ていますよ。恐らく、あなたの事務所には抗議電話が殺到しているんじゃありませんか。なぜ分かるかと申しますと、私ども民主党の衆議院議員に、先生と同姓同名の中川正春先生がいらっしゃるんですよ。その方の事務所にまで抗議電話がひっきりなしに掛かっている。本人が風評被害と嘆いております。
 あなたは芸術にも造詣が深いようですけれども、やはり、徳は厚くなければならないということである、私は、現実はどうなのか、真逆なことが起きたんじゃないのか、良心の呵責があったことだと思います。
 自民党の皆さん、このような強引な国会運営で一体いいんですか。衆議院から送付されてきたものをそのまま右から左へ流す。しかも、それは国民の不安が大変強いもので、内容も不十分。国際機関の長までが本法案への懸念を表明しています。このようなことをしていれば参議院の存在意義が否定されてしまいます。あなた方がしていることは、自己を否定し、参議院は必要ありません、衆議院の追認機関ですと言っているようなものじゃありませんか。これは違いますよ。参議院は熟議の府、良識の府であります。にもかかわらず、このようなことを続けていれば自分の首を絞めることになります。
 自民党、公明党の先生方、御自身の胸に手を当て、なぜあえて厳しい選挙を戦い政治家になったのか、初心に返るべきです。
 最後に、このような中川委員長の職権を悪用し横暴かつ民主主義のルールを無視した国会運営に強く抗議し、猛省を強く促し、国家安全保障特別委員長中川君への問責決議案の賛成討論とさせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(山崎正昭君) 小野次郎君。
   〔小野次郎君登壇、拍手〕
○小野次郎君 私は、みんなの党を代表し、あわせて、この寒空の下で国会議事堂を十重二十重に取り囲んで特定秘密保護法案の徹底審議を求めている皆さん、さらには連日の強権的で一方的な強行採決に憤っている全ての国民の皆さんの思いを我が思いとして、中川雅治国家安全保障特別委員長に対する問責決議案に断固賛成の立場から討論を行います。
 同僚議員の皆さん、人は見かけじゃないんです。まして、プロフィールを見て人の本性を推し量ることはできない。私は、特別委員会及び会派を代表して理事会にも出席してまいりましたが、人格は見かけや経歴で判断してはならないということをこの年になって改めてかみしめております。
 中川雅治君は、御存じのとおり、人も羨むすばらしい経歴の持ち主であります。その上に、誰もが舌を巻くほど優秀な頭脳の持ち主であります。それは、私もこの目で幾度も確認しました。委員長席で、度重なる一方的な強行採決の過程で、委員長読み上げ用の手元原稿を見失う事態が生じました。しかし、中川委員長は、その都度、まさに立て板に水、一行も言いよどむことなくその内容を告げていました。委員長席に詰め寄った与野党の理事らでさえ、委員長のこの人並み外れた暗記力に、すごいと、一様に驚きの声を上げました。
 だが、私は中川君にあえて言いたい。あなたの優秀な頭脳を原稿の丸暗記などに消費していては駄目だ、国民注視の委員会の委員長として求められる、もっと大きな問題意識にこそあなたの脳みそを使うべきだと。彼には、子供のころに身に付けるべき周囲と円満にコミュニケーションを図るという基本的資質を人生の傍らに置き忘れてきた節があります。
 本法案審議での根本的な問題は、まず、政府が国会に提出した原案が不備な内容だらけであったことです。また、衆議院での四党修正協議、民主党との修正協議などが国会審議に並行して行われたために、結局、四党協議の結果である修正提案の法案が衆議院の委員会に提出されたのは衆議院審議の最終段階であり、今我々が手にしている修正法案の内容は、衆議院で僅か二時間しか審議されていないのであります。
 さらに、参議院の審議でも、内容に対する疑問点について質疑を続けるにつれて議論は一層拡大するばかりです。ひいき目なしに言って、主要な論点は、収束に向かうどころか、逆に日を追うごとに、政府側は、今後検討するの言い訳を次々と乱発し、質問者の追及をその場限りにしのごうとしたのです。
 極め付けは、第三者的機関の位置付けや内容について、政府の答弁が曖昧であり、特に、総理、森大臣、そして修正提案者の説明が誰の目にも食い違いが顕著であったことは同僚議員各位も御案内のとおりです。またしても、参議院での審議と並行して作成された修正内容を確認するメモが公表されたのは、実に昨日の強行採決の朝でした。これでは、どうやって審議が尽くされたなどと言うことができるのでしょうか。こうした異常な審議状況の中であっても、熟議の府である参議院で徹底かつ充実した審議を確保するのが中川委員長の最大の務めです。
 こうした中、森まさこ担当大臣は、日替わりのように、するとしないを繰り返すよろめき答弁を続けました。一方、安倍総理の方は、丁寧な説明に努めてまいりますという空々しい答弁を続けました。もっとも、与野党対立が厳しい今回のような法案であれば、総理や担当大臣の対応が焦点となることは当然の成り行きです。
 中川君は委員長として、同僚議員の質問に対しては政府側から的確な答弁を求めるべきであるのに、それを怠って知らんぷりを通しました。ただただ、質問を続けてくださいと繰り返すだけなら、テープレコーダーでも委員長の職を務めることができます。厳しい制約の中でも充実した審議を実現するのが委員長の当然の責務ではないでしょうか。
 ところが、今回、意外な展開になりました。本法案審議では、本来アンパイアに徹すべき中川雅治委員長その人までが、恥も外聞も忘れてあからさまに一方に加担して、強権、強行的な議事運営を行い、その乱暴な議事運営で委員会審議終盤の話題をさらってしまいました。
 世の中には愛のむちという言葉があります。むちという言葉が不適切なら、愛の叱咤と言っても結構です。世の中にはやって許されることと許されないことがある、国会の議事運営でもしてはならないことがある、このことを中川雅治君にどうしても教えてあげたいのです。政治家として、社会人として、当然守らなければならないマナー、エチケット、モラルを同僚議員の総意で中川雅治君に教えてあげようではありませんか。
 言論の府の国会で、してはならない第一は、言うまでもなく言論の封圧であります。中川雅治君は、委員会の理事会の場で、挙手をして発言を求める野党側出席者の発言を全く認めない場面を繰り返しました。理事会協議と自ら宣告した宿題の案件が十数件ありながら、これらについても協議にかけて解決を図ろうといたしません。生徒会や町内会でも守らなければならないルールを身に付けないまま参議院で委員長に就任してしまったことは、中川君にとって不幸だったのかもしれません。
 中川君の異常な行動、奇行はこれだけではありません。
 その詳細は会議録によって御承知願います、これは、法案の本会議上程の際に行う委員長報告に付き物の一節であります。今朝、私は、昨日の特別委員会の速記録を確認しました。速記録の該当部分を読み上げます。委員長中川雅治君、発言する者多く、議場騒然、聴取不能、委員長退席、午後四時八分。速記録は以上で終わっています。つまり、どこにも委員会で採決が行われた事実、採決の結果が記録されていません。採決されていない本法案をどうして本会議に上程できるのでしょうか。
 これは、特定秘密でも何でもありません。議事録の公表、公開の問題でもありません。速記録によれば、本法案は採択されていません。存在しない採決を既成事実化することは絶対に許されません。議案は速やかに特別委員会に差し戻して、徹底審議を続けるべきです。
 よく、憲政に汚点を残すという表現がありますが、中川君の議事運営はそれ以下であります。なぜなら、汚点を残すどころか、何の記録も残っていないことを存在したようにでっち上げているからです。
 やるならやるで、もっと上手にやれと私は言いたい。与党出身委員長の置かれた難しい立場も分からないわけではありません。中川君は、野党の抵抗を自分が盾になっても押しとどめて、政府・与党内に自分の実力を誇示したかったのでしょう。でも、それがエリートの陥りやすい大きな考え間違いなんです。
 衆議院段階から進んでいたいわゆる四党修正協議に積極参加していたみんなの党や日本維新の会までが、強引な議事運営に強く反発して、結局本法案の採択に欠席を決めてしまったのは一体誰のせいなんですか。また、会期の最終局面でここまで与野党の対立が激化して異例の事態が生じたのは、誰に責任があるんですか。事態をここまでこじらせたのは、中川雅治委員長は本当に温かい血が流れた人間なのかと疑いたくなるほどの無神経さゆえと言わざるを得ません。
 結局、あなたはかわいそうな立場かもしれません。褒められようと頑張ったつもりが、全く裏目に出ています。国会全体を止めてしまった最大のトラブルメーカーとして、与党内でも酷評されていると伺っています。法案への対応の違いを乗り越えて、全ての野党勢力からは、中川は異常だ、絶対許せないという声が院内の洗面所の中でもささやかれています。
 あなたは、一体何のために、誰から、どちら側からも評価されない愚かしい振る舞いを繰り返しているのですか。でも、御本人だけはそのことを御理解できていないのでしょう。
 私は、この三年半に、二人の総理と二人の閣僚に対する問責決議で登壇しました。その四本全てが可決されています。これまでの勝率は十割です。
○議長(山崎正昭君) 小野君、小野君、時間が超過しております。
○小野次郎君(続) 自民、公明の与党が議席の過半数を占める今回は、問責決議案の採択はなかなか厳しい状況です。自分の個人的勝敗率は低下するかもしれませんが、それでも看過できないと思い、やむにやまれない心境でこの場に立っています。
 だから、私は今、主に与党の皆様に語りかけています。それは、幾ら頭脳は優秀でも、世間の道理……
○議長(山崎正昭君) 小野君、簡単に願います。
○小野次郎君(続) 国会のルールを御存じない中川雅治君に道理を教えてあげることができるのは、与党の皆様しかおられないからです。中川君に一かけらの愛でも感じておられたら、彼を叱ってあげてください。お願いします。お仲間の与党の中から少数の方でも叱正の声が上がれば、頭脳明晰な中川雅治君は議会人として最も大事な教訓を学ぶに違いありません。
 私は、中川雅治君の乱暴な議事運営が参議院全体に及ぼしている停滞と混乱の責任を厳しく糾弾するとともに、中川君本人には猛省を促し、与党の皆様には中川雅治君に同僚として厳しく愛の叱咤を加えていただくようお願い申し上げて、本問責決議案に対する賛成討論といたします。(拍手)
○議長(山崎正昭君) 井上哲士君。
   〔井上哲士君登壇、拍手〕
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 まずは、昨日の特別委員会での秘密保護法案の強行採決の暴挙を、満身の怒りを込めて抗議をするものであります。この暴挙を行った国家安全保障に関する特別委員長中川雅治君問責決議案に対し、会派を代表して賛成討論を行います。
 中川委員長、あなたへの問責に賛成する第一の理由は、与党と一体になって議会制民主主義を根底から破壊する強行採決の暴挙を行ったことであります。
 昨日午後四時過ぎ、自民党議員の質疑中に、突然他の自民党議員が手を挙げて発言しましたが、その内容も委員長の発言も何も聞こえないまま騒然とする中、与党議員と委員長が採決をしたと言って委員会室から出ていきました。しかし、議事録に残っているのは、議場騒然、聴取不能という言葉だけ。なぜこれで採決などと言えるのでしょうか。
 私は、他の野党の国対委員長とともに、議長に、採決は認められない、特別委員会に差し戻せと強く申し入れました。にもかかわらず、与党が数を頼んでこの本会議に上程をしたことは暴挙に暴挙を重ねるものであり、厳しく抗議するものであります。
 なぜこのような前代未聞の乱暴なやり方が行われたのか。会期内で秘密保護法案を成立させるためにはどんなことでもやれという政府と与党の指示に対し、本来公正中立であるべき中川委員長が唯々諾々と従った結果です。テレビでこの姿を見た多くの国民から怒りの声が上がっています。これが言論の府か。与党の数のおごりはひど過ぎる。憲政史上まれに見る暴挙を行い、国権の最高機関への信頼を失墜させたあなたの責任は、まさに万死に当たるものであります。
 中川委員長、あなたへの問責決議案に賛成する第二の理由は、徹底審議を求める国民の声を踏みにじり、議員の質問権を乱暴に奪ったことであります。
 秘密保護法案は、議論をすればするほど国民から疑問と反対の声が上がっています。その声は、日本弁護士連合会、映画関係者、ノーベル賞受賞者を含む多くの学者、研究者、マスコミ関係者、宗教者など、空前の広がりを見せています。今日の夜の日比谷の集会には一万五千人が参加をし、今もこの深夜も多くの市民が廃案を掲げて国会を包囲しています。そして、賛成の人を含めて八割を超える国民が慎重審議を求めています。これにこたえて審議を尽くすことこそが国会の責務であり、特別委員長の職責です。にもかかわらず、官邸と与党の意向に付き従い質疑を打ち切ったことは、断じて許されません。
 法案の審議は尽くされていません。大体、法案審議の前提となる資料すら隠され、提出されておりません。法案作成過程での各省庁から提出された意見について、衆院での審議で提出を求め、森大臣が提出を約束したにもかかわらず、いまだに提出をされておりません。
 さらに、質疑の中で次々と資料や統一見解が求められ、未解決のままです。理事会で配付された協議すべき懸案事項には、情報保全についての日米協議における協議内容の資料提出、防衛省の身上明細書、誓約書などの資料提出、本法案及び国会答弁において検討事項となったものの内容、件数など、多くの項目が並んでいます。採決までにこの全てに回答するのが当然であり、政府にそれを強く求め、徹底審議をするのが委員長の仕事です。
 ところが、中川委員長は、これら懸案事項の処理を全く行わないばかりか、昨日の質疑中にも、資料提出の要求があるたびに、後刻理事会で協議すると繰り返しました。にもかかわらず、強行採決を行って、理事会すらできなくしてしまいました。理事会協議などやる気もないのに、協議すると繰り返して委員を欺いた、その責任は余りにも重いものであります。
 大体、衆議院と比べても、質疑時間は半分にすぎません。地方公聴会は、前日の夜に与党が開催の決定を強行し、まともに国民の声を聴く準備も困難なものでした。改めての地方公聴会そして中央公聴会の開催が求められておりました。
 衆議院では、四党修正案について僅か二時間しか審議がされておりません。参議院ではどうか。昨日、特定秘密の指定の是非などを検証、監督する新機構について四党実務者の新たな合意がなされ、強行採決の直前に官房長官からその規模などについて答弁がありました。この内容については、中身も曖昧な上、一分たりとも委員会では審議をされておりません。
 このように、質疑はまだ入口に立ったばかりでした。およそ質疑を打ち切る状況などどこにもありません。にもかかわらず、中川委員長が政府・与党と一体となって行った暴挙は、再考の府としての参議院の役割を踏みにじるものであり、参議院の自殺行為と言わざるを得ません。
 中川委員長、あなたへの問責決議に賛成する第三の理由は、与野党協議を尽くして民主的運営を行うべき委員長の職務を全く投げ捨てて、これまでのルールを踏みにじり、常軌を逸した異常な委員会運営に終始したことであります。
 衆議院で強行採決が行われ、翌日の参議院本会議で与野党合意のないままに質疑が強行されました。その日に、今後の委員会運営について協議した最初の理事懇が行われましたが、出席大臣をどうするか協議をしている最中に打ち切り、職権で翌日の委員会立てと審議時間を決めるという異常な事態で始まりました。
 その異常さは更にエスカレートしました。中川委員長は、理事会で協議の途中に、休憩も宣言せずに、与党理事すら置き去りにしたままで一人委員会室に入り、質問者もいないのに一方的に開会を宣言するという異常な行動を取りました。その結果、理事会と委員会が同時に開催中という前代未聞の事態をつくりました。その後の理事会協議では、筆頭間協議もなしに与党理事が一方的に提案し、野党の発言を一切認めないまま職権で決定するという、文字どおり問答無用の理事会運営が行われてきました。それでも野党は、委員長の乱暴な運営に抗議しつつ、審議拒否はせず、国民の負託にこたえ、徹底審議に努めてきました。その妨害をしてきたのも、ほかならぬ中川委員長です。
 委員会質疑で、野党は、権限も持たず答弁が二転三転する森大臣では責任ある審議ができないために、菅官房長官の出席を求めました。ところが、与党は、野党の質問通告を政府とともに見て、官房長官の答弁が必要かどうかを選別するという不当なやり方を行いました。大臣は、国会に求められれば出席するのは憲法上の義務です。与党の行為は、議員の質問の事前検閲であり、質問権の重大な侵害です。
 ところが、中川委員長は、この不当なやり方を認め、野党が要求大臣の出席なしには審議ができないと抗議しても、時計を止めることなく議事を進め、二重に議員の質問権を奪いました。許し難い暴挙であります。
 三点にわたって中川委員長の問責決議案に賛成する理由を申し述べました。
 最後に、与党の皆さんに言いたい。与野党合意の上で委員会運営のために努力していた二人の委員長の解任を強行する一方、全く不当な委員会運営を続けてきた中川委員長の問責に反対するならば、議会人として、国民の代表としてのあなた方の資格すら問われております。
 議員各位の賛成を心から求めまして、賛成討論を終わります。(拍手)
○議長(山崎正昭君) これにて討論は終局いたしました。
    ─────────────
○議長(山崎正昭君) これより採決をいたします。
 足立信也君外五十七名より、表決は記名投票をもって行われたいとの要求が提出されております。
 現在の出席議員の五分の一以上に達しているものと認めます。
 よって、表決は記名投票をもって行います。本決議案に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。
 議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
○議長(山崎正昭君) 投票漏れはございませんか。──投票漏れはないと認めます。投票箱閉鎖。
   〔投票箱閉鎖〕
○議長(山崎正昭君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
   〔議場開鎖〕
   〔参事投票を計算〕
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数        二百三十四票  
  白色票            百二票  
  青色票          百三十二票  
 よって、本決議案は否決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
○議長(山崎正昭君) しばらくお待ちください。
 これより委員長の報告を求めます。国家安全保障に関する特別委員長中川雅治君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔中川雅治君登壇、拍手〕
○中川雅治君 ただいま議題となりました法律案につきまして、国家安全保障に関する特別委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、国際情勢の複雑化に伴い我が国及び国民の安全の確保に係る情報の重要性が増大するとともに、高度情報通信ネットワーク社会の発展に伴いその漏えいの危険性が懸念される中で、我が国の安全保障に関する情報のうち特に秘匿することが必要であるものについて、これを適確に保護する体制を確立した上で収集し、整理し、及び活用することが重要であることに鑑み、当該情報の保護に関し、特定秘密の指定及び取扱者の制限その他の必要な事項を定めようとするものであります。
 なお、衆議院において、特定秘密を指定することができる行政機関の限定に関する規定を設けること、指定の有効期間の延長の上限に関する規定を設けること等の修正が行われております。
 委員会におきましては、安倍内閣総理大臣の出席を求めるとともに、森国務大臣及び修正案提出者等に対して質疑を行ったほか、参考人からの意見を聴取するとともに、埼玉県に委員を派遣しての地方公聴会を行いました。
 委員会における主な質疑の内容は、現行の秘密保護法制との関係、特定秘密の指定及び解除の適正の確保、適性評価の具体的な運用方法、国民の知る権利の保障との関係、国会等に対する特定秘密の提供の在り方等でありますが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、討論を省略して、直ちに採決に入ることの動議が提出され、本動議は多数をもって可決されました。
 続いて、本法律案を採決の結果、多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
○議長(山崎正昭君) このまましばらくお待ちください。
 本案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。大野君。
 大野君は在席しておりませんので、議長は同君が発言を棄権したものと認めます。
 島尻安伊子君。
   〔島尻安伊子君登壇、拍手〕
○島尻安伊子君 自由民主党、島尻安伊子です。
 私は、自由民主党、公明党を代表し、ただいま議題となりました特定秘密の保護に関する法律案に賛成の立場から討論をいたします。
 私は、この度の法案審議の過程において不思議に思うことがございます。それは、この法案の対案として、民主党が閣法よりも立派なものをお作りになったとおっしゃっていたのにもかかわらず、なぜ参議院で修正協議の場を持とうとしなかったのかということでございます。衆議院においては、終盤、協議を行っておりましたけれども、参議院に送られてきたとき、そのときには民主党はなぜかこの法案を廃案にするという決定を下しております。
 法案は国会で承認を得なければ何の意味もありません。幾ら民主党案は優れているのだと主張したところで、今や民主党単独で通すなど全く不可能であり、自己満足と言われても反論できないでしょう。本当に国家国民の幸福を追求しているのであれば、それを真剣に考えているのであれば、堂々とそのすばらしい対案を持って協議に加わればよかったのではないかと。民主党の行動は全く理解できないものでございます。協議の場で他党を説得し、民主党案を丸のみさせるぐらいの努力をすればよかったのではないかというふうに思います。
 温厚篤実な中川委員長の下、参議院特別委員会では衆議院と同等の質疑時間が持たれ、審議時間不足ということは全く当たりません。むしろ、衆参で審議を尽くしたからこそ問題点が明らかになり、結果、四党協議が持たれ、合意に至りました。この合意内容については時間の都合上ここで詳細に触れることはしませんが、本法案の成立後、施行までに、特定秘密の指定及び解除の適正確保やその妥当性の検証や監察など、特定秘密の取扱いに関して法的裏付けを持つ高度な独立性を備えた第三者機関を設置することなどが合意されました。
 国家の安全保障に必要な機密保全の必要性と国民の知る権利の両立をどう図るのかという難しい問題もあり、今後、情報公開に関する新たな法整備など、不断の検証、努力を続けていくことは当然のことでございます。
 協議に参加した四党、自民、公明、日本維新の会、そしてみんなの党に所属する議員は責任を持ってこの法案を成立させなければなりませんが、日々深刻さを増す我が国の安全保障を鑑み、我が国国益を保持するために、国家国民のために必要な法案であること、そして、決して、政府の都合が悪いことを隠し、あるいは恣意的に秘密指定を拡大させ、必要な情報にアクセスしようとした一般の方がむやみに逮捕されてしまうような法案ではないということ、そして、戦争に向かうための法案ではなく、戦争をしないために今成立させなければならない法案だということに御賛同をお願いし、私の賛成討論といたします。
 ありがとうございました。(拍手)
○議長(山崎正昭君) 仁比聡平君。
   〔仁比聡平君登壇、拍手〕
○仁比聡平君 私は、日本共産党を代表して、この参議院においても、先週水曜日の審議入り強行以来、実質僅か七日の間に行われた国会の自殺行為というべき暴走の数々に満身の怒りをもって抗議するとともに、特定秘密保護法案に断固反対の討論を行います。
 同僚議員の皆さん、今この瞬間も、立場を超えて国会を包囲し、国の隅々から噴き上がっている、希代の悪法、特定秘密保護法案廃案、今国会成立などもってのほかという圧倒的な国民の声がどう聞こえているのでしょうか。私たちは、この世論を敵視し、テロ行為とその本質において変わらないなどと威嚇した政治家と断じて同じ立場に立ってはなりません。これほどの重大法案の行方に世論が集中する中で、法案への賛否さえ明らかにせずに退席をした議員諸君の態度は、私にとって到底理解し難いものであります。
 与党諸君、与党諸君、昨日の特別委員会において、先ほど中川委員長が報告をしたような採決など存在をしておりません。審議中に突然自民党委員が立ち上がり、議場が騒然とする中、私は自民党理事及び委員諸君の席に迫って断固抗議の声を上げましたが、僅か二メートルほどの間近にいた私にさえ、何の動議かさえ聞き取ることはできませんでした。まして中川委員長に聞こえたはずがないではありませんか。これ自体、国会議員の質問、討論、採決の権利を奪う重大な憲法違反であります。
 なぜ与党は、ここまで暴力的に審議を打ち切り、採決を強行しようとするのか。それは、この法案を審議すればするほど、幾たびもの修正や弁明答弁を重ねても、到底覆い隠すことのできない重大な問題点があらわになるからです。それは、本法案の骨格それ自体が、国民主権、基本的人権の尊重、平和主義という日本国憲法の基本原理を根底から覆す、極めて危険な違憲性を本質としているからであります。
 第一に、特定秘密の指定は政府に委ねられ、政府が保有する膨大な情報の中からその恣意的判断で勝手に決められることです。国民は、何が秘密かも秘密とされる社会の中で、自分が近づいた情報の中身も分からないまま処罰され得るのです。そんな国にしてよいのか。断じて許すわけにはいきません。
 政府が、幾ら特定秘密の範囲は別表で防衛、外交などに限定されていると繰り返しても、秘密指定の要件が、我が国の安全保障にとって著しく支障を与えるおそれがあるという広範かつ曖昧なものである以上、際限なく指定されるおそれがあることは余りにも明白です。
 昨日、自民、公明、維新、みんなの四党が新たな機関の設置で再び合意したと報じられ、総理が責任を持ってチェックする仕組みをつくるなどと言いますが、一昨日の総理答弁さえ密室協議で修正されるなど、結局、幾ら名ばかりの第三者機関をつくっても、法案の危険性は何も変わらないことが一層明らかになっただけではありませんか。法案の危険性はいささかも減じられていません。
 そもそも、我が国の国家秘密のほとんどは日米安保体制の根幹にかかわるものです。核密約も沖縄返還密約も隠し続け、我が党が米国で公表された文書そのものを国会で示して追及しても、目の前にあるものをないと、うその答弁を繰り返してきたのが歴代自民党政府ではありませんか。在日米軍の特権や基地の運用にかかわる取決めは、今なおその全容を明らかにしておりません。原発、TPPを始め、国民が強く求める情報を今でも隠し続けているのが政府・与党であります。
 しかも、修正合意によって、秘密の指定期限は六十年に延長されました。六十年前の旧安保条約当時の非公開文書が特定秘密に指定されれば、百二十年以上にわたって国民に明らかにされないことになります。まさに永久秘密ではありませんか。
 密約の存在さえ認めず、反省すらせず、日米軍事同盟のやみを一層拡大するなど、断じて認めることはできません。
 第二に、本法案で、懲役十年以下の重罰と威嚇や適性評価の名によるプライバシー侵害と権力の監視にさらされるのは、限られた公務員の殊更な漏えい行為だけではなく、広く国民の普通の日常とその自由であり、知る権利にこたえて巨大な行政機関の秘密に迫ろうとする取材と報道の自由だということです。
 政府・与党は、一般の国民は一切処罰の対象となりませんとか、報道機関や取材の自由は配慮されるなどと繰り返してきましたが、捜査機関が罰則違反の容疑を抱き、その事件で必要と判断するなら、逮捕、勾留で身柄を拘束した密室での取調べも、捜索、差押えも行われる、そのことは刑事司法を所管する大臣、総理も認めたとおりです。故意や目的を明らかにするのだといって、自白の強要や盗聴など違法捜査が横行する危険は一層強まることになります。しかも、その逮捕や捜索差押令状にも、起訴状や判決にも、秘密の中身は明らかにされません。刑事裁判の証拠としての秘密の開示も極めて困難であることもはっきりいたしました。
 これは、国民の裁判を受ける権利、弁護を受ける権利、裁判の公開原則は踏みにじり、処罰は憲法違反ではないのかを国民が争うことを困難にする暗黒裁判にほかならない。まさに、報道機関から国会議員、広範な国民に至るまで、捜査機関の一存で容易に処罰することを可能とする弾圧立法そのものであります。こうした重罰法規は、それだけで言論、表現の自由を萎縮させ、民主主義社会をその土台から掘り崩し、日本を暗黒社会とするものです。
 さらに、政府が秘密を取り扱う者に行う適性評価によって、精神疾患や飲酒の節度、借金など、国民の機微なプライバシーを根こそぎ調べ上げる国民監視の仕組みがつくられることになります。
 しかも、その調査にかかわる機関には、自衛隊の情報保全隊や公安警察、公安調査庁が含まれることも明らかになりました。情報保全隊は、自衛隊の中でも一般市民に対しても思想信条を含めた洗いざらいの調査を行い、イラク戦争反対運動に対する不当な監視は裁判でも違法と断罪をされています。公安警察は、この間流出した情報によって、違憲の思想信条の調査、網羅的な不法な監視活動を行っていることが発覚をしています。
 法案は、これまでも行われてきた情報機関の不当な調査活動に法的なお墨付きを与え、公務員のみならず、国から事業を受注して特定秘密の提供を受けた民間企業やその下請企業で働く労働者、派遣労働者、さらに、その対象者の家族、親友、友人、知人と限定なく監視の対象を広げていくのであります。
 第三に、法案が、特定秘密と指定されれば、情報の国会への提供さえ政府の裁量に委ねるばかりか、秘密会に提供された秘密を同僚議員に話すだけで重罰を掛けるなど、国会の国政調査権、議員の質問権を乱暴に侵すものです。この法案は、国民主権と三権分立、議会制民主主義の根幹を壊すものと言わなければなりません。
 皆さん、本法案反対、廃案の声はこれまでになく広範に、そして急速に噴き上がり、山田洋次さんや宮崎駿監督など映画関係者の反対する会、ノーベル賞受賞者の益川敏英さん、白川英樹さんなど学者の会、全国に広がる連日のデモなど、その広がりは国民的というべきものになっています。
 数々の暴挙を重ねて、安倍政権がこの世論から逃げ切ったと考えるなら、それは大間違いであります。追い詰められているのは安倍政権と暴走する与党の側であります。たとえ多数を頼んで強行しても、法案の施行など許さない、廃止を求める国民の闘いは一層燃え盛ることになるでしょう。この暴走を突破口に、憲法の明文改憲を狙い、集団的自衛権の行使容認や国防軍創設を企てようとも、強権と戦争国家への道を許さない国民の団結の前に、一層の反撃を浴びることになるでしょう。
 与党諸君は、その暴走の一歩一歩が政権の基盤をますます掘り崩していることを知るべきであります。一人の政治家として反対の票を投じようではありませんか。かつて、軍機保護法、治安維持法の体制下、大本営発表で国民を欺いたあの戦争の誤りを再び繰り返してはなりません。
 日本共産党は、広く国民各層と手を結んで、憲法を高く掲げ、米軍とともに海外で戦争をする国に変える企てと断固として闘う決意を申し述べ、反対討論を終わります。(拍手)
○議長(山崎正昭君) これにて討論は終局いたしました。
 しばらくお待ちください。
    ─────────────
○議長(山崎正昭君) これより採決をいたします。
 足立信也君外五十七名より、表決は記名投票をもって行われたいとの要求が提出されております。
 現在の出席議員の五分の一以上に達しているものと認めます。
 よって、表決は記名投票をもって行います。本案に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。
 議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
○議長(山崎正昭君) 投票漏れはございませんか。──投票漏れはないと認めます。投票箱閉鎖。
   〔投票箱閉鎖〕
○議長(山崎正昭君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
   〔議場開鎖〕
   〔参事投票を計算〕
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百十二票  
  白色票           百三十票  
  青色票           八十二票  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
○議長(山崎正昭君) この際、日程に追加して、
 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案(第百八十三回国会内閣提出、第百八十五回国会衆議院送付)を議題とすることについてお諮りいたします。
 これに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
○議長(山崎正昭君) 過半数と認めます。
 よって、本案を議題といたします。
 本日はこれにて延会することとし、次会は明七日午前零時十分より開会いたします。
 これにて延会いたします。
   午後十一時二十四分延会