第185回国会 外交防衛委員会 第10号
平成二十五年十二月三日(火曜日)
   午後一時開会
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   委員の異動
 十一月二十九日
    辞任         補欠選任
     儀間 光男君   アントニオ猪木君
 十二月二日
    辞任         補欠選任
     宇都 隆史君     豊田 俊郎君
     牧山ひろえ君     浜野 喜史君
     河野 義博君     新妻 秀規君
 十二月三日
    辞任         補欠選任
     豊田 俊郎君     宇都 隆史君
     北澤 俊美君     神本美恵子君
     浜野 喜史君     礒崎 哲史君
     新妻 秀規君     河野 義博君
     井上 哲士君     田村 智子君
   アントニオ猪木君     儀間 光男君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         末松 信介君
    理 事
                佐藤 正久君
                松山 政司君
                脇  雅史君
                福山 哲郎君
                石川 博崇君
    委 員
                宇都 隆史君
                岡田 直樹君
                小坂 憲次君
                島尻安伊子君
                豊田 俊郎君
                牧野たかお君
                三木  亨君
                礒崎 哲史君
                神本美恵子君
                白  眞勲君
                浜野 喜史君
                藤田 幸久君
                河野 義博君
                小野 次郎君
                中西 健治君
                田村 智子君
                儀間 光男君
   国務大臣
       外務大臣     岸田 文雄君
       防衛大臣     小野寺五典君
   副大臣
       外務副大臣    岸  信夫君
       財務副大臣    愛知 治郎君
       国土交通副大臣  野上浩太郎君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        福岡 資麿君
       総務大臣政務官  伊藤 忠彦君
       外務大臣政務官  牧野たかお君
       文部科学大臣政
       務官       上野 通子君
       厚生労働大臣政
       務官       高鳥 修一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        矢嶋 定則君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       北崎 秀一君
       内閣府大臣官房
       審議官      岩渕  豊君
       内閣府政策統括
       官        日原 洋文君
       警察庁警備局長  高橋 清孝君
       総務省政策統括
       官        平山  眞君
       法務省人権擁護
       局長       萩原 秀紀君
       外務大臣官房審
       議官       金杉 憲治君
       外務大臣官房審
       議官       和田 充広君
       外務大臣官房審
       議官       山上 信吾君
       外務省総合外交
       政策局長     平松 賢司君
       外務省欧州局長  上月 豊久君
       外務省領事局長  上村  司君
       文部科学大臣官
       房審議官     永山 賀久君
       文部科学省初等
       中等教育局長   前川 喜平君
       文部科学省国際
       統括官      加藤 重治君
       厚生労働省職業
       安定局高齢・障
       害者雇用対策部
       長        内田 俊彦君
       厚生労働省社会
       ・援護局障害保
       健福祉部長    蒲原 基道君
       国土交通省航空
       局安全部長    高橋 和弘君
       防衛大臣官房審
       議官       吉田 正一君
       防衛省防衛政策
       局長       徳地 秀士君
       防衛省運用企画
       局長       中島 明彦君
       防衛省人事教育
       局長       豊田  硬君
       防衛省地方協力
       局長       山内 正和君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○社会保障に関する日本国とインド共和国との間
 の協定の締結について承認を求めるの件(内閣
 提出、衆議院送付)
○社会保障に関する日本国とハンガリーとの間の
 協定の締結について承認を求めるの件(内閣提
 出、衆議院送付)
○障害者の権利に関する条約の締結について承認
 を求めるの件(内閣提出、衆議院送付)
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○委員長(末松信介君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、儀間光男君、牧山ひろえ君及び宇都隆史君が委員を辞任され、その補欠としてアントニオ猪木君、浜野喜史君及び豊田俊郎君が選任されました。
 また、本日、北澤俊美君及び井上哲士君が委員を辞任され、その補欠として神本美恵子さん及び田村智子さんが選任されました。
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○委員長(末松信介君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 社会保障に関する日本国とインド共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件外二件の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣官房内閣審議官北崎秀一君外二十二名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(末松信介君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(末松信介君) 社会保障に関する日本国とインド共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件、社会保障に関する日本国とハンガリーとの間の協定の締結について承認を求めるの件及び障害者の権利に関する条約の締結について承認を求めるの件、以上三件を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○島尻安伊子君 自由民主党、島尻安伊子でございます。
 今日は、社会保障協定及び障害者権利条約に関する質問をさせていただきたいと思います。
 防衛大臣が早くお立ちにならなければならないということでございまして、この二つの質問に関してちょっと後回しにさせていただいて、まずは沖縄関連の質問から入らせていただきたいというふうに思っております。この件、お許しをいただければというふうに思います。
 去った十二月の一日、報道で御覧になっているというふうに思いますけれども、沖縄県連の政策の追加変更というものがございまして、県連の総務会で正式に決定をされました。普天間飛行場の移設先として、辺野古を含むあらゆる可能性を排除しないという一文を追加をした次第でございます。
 これに先立ちまして、十一月の二十九日に沖縄県連の幹部が、総理、官房長官、幹事長、あるいは防衛大臣、外務大臣に対して五つの要請事項を申し入れております。この中で、オスプレイに関する分散配備、訓練の県外への分散に関して、報道によりますと、本土の自衛隊の基地にこのオスプレイの施設を整備する方針ということが載っているわけでありますけれども、この事実関係について、防衛大臣にお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(小野寺五典君) オスプレイにつきましては、沖縄の負担を軽減し、本土に分散させるという観点から、昨年九月の日米合同委員会合意に従い、沖縄以外の場所で飛行訓練を行う可能性を検討してまいりました。また、本年十月の2プラス2におきましても、オスプレイの沖縄における駐留及び訓練の時間を削減する、日本本土及び地域における様々な運用への参加といった機会を活用することを決定しております。
 その上で、私から、十一月八日の全国都道府県知事会におきまして、沖縄の負担を少しでも軽減するため、沖縄以外の場所でオスプレイの訓練について、全国に所在する自衛隊の演習場や飛行場の活用など、様々な角度から幅広く検討していく旨を説明させていただきました。これまでには、十月に滋賀県の饗庭野演習場で日米合同訓練が行われましたし、また、一昨日は宮崎県の新田原基地航空祭において展示するなど、それから、昨日ですが、二十日までの間、グアムにおいて訓練移転支援機として四機が使用されることが予定をされております。
 引き続き、負担軽減のために努力をしてまいりたいと思います。
○島尻安伊子君 オスプレイの訓練の分散ということは県民も是非やっていただきたいということで、前々からこのお話はあったわけでございまして、改めて今回の五つの要請事項ということに入りました。
 先ほど、自衛隊の基地に施設を整備するという、新たに施設を整備するということについてお聞きをしたわけなんですけれども、答えていただける範囲で結構ですが、この方針について、もし大臣から一言いただければというふうに思います。
○国務大臣(小野寺五典君) 今後、沖縄の負担軽減のために訓練移転がしっかりとできるような、そういうことについては政府として検討していきたいと思っております。
○島尻安伊子君 是非よろしくお願い申し上げます。
 今日、社会保障協定ということで、日・インドの関係についてこの後質問をしたいというふうに思っておりましたが、インドといえば、やはり防衛の関係でもこれから様々な可能性を秘めているというか、それをきちんと一つ一つ着実なものにしていかなければならないというふうに思っておりますけれども、防衛分野で、武器輸出三原則の例外として自衛隊のUS2をインドに輸出するという話を聞いているところでございます。
 インドとの協議の状況についてお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(小野寺五典君) US2飛行艇につきましては、今、武器輸出のことに言及がございましたが、関連装備を使わなければ武器という形ではないという判断を経産省がしているというふうに私ども承知をしております。
 その中で、本年五月に発表されました日印共同声明におきまして、このUS2についての協力というのが決定をされ、その具体的な作業として合同作業部会を設置することが決まっております。これを急いでやりたいと思っておりますが、今日、今月中に開催する方向でインド当局と調整が進んでいるという報告を受けております。
○島尻安伊子君 先ほども申し上げましたけれども、やはりこのUS2の輸出という話をきちんと進めるということが私は重要なことではないかというふうに思っておりますので、また大臣のリーダーシップの下で着実に実現方よろしくお願いしたいというふうに思っております。
 それでは、防衛大臣、結構でございます。
○委員長(末松信介君) 防衛大臣は御退席いただいて結構でございます。
○島尻安伊子君 それでは、沖縄の関連ということもございまして、まずその件について外務大臣にお尋ねをさせていただきたいと思います。
 先ほど申し上げました、十一月二十九日に沖縄県連が五つの要請事項の申入れをさせていただいたわけですけれども、この中で地位協定の改定ということがやはり触れられているわけでございます。特に環境条項について追加ができないかということは、これも前々から話があったことでございますけれども、この件について、外務大臣、御所見をいただければというふうに思います。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、この度の自民党沖縄県連の要請内容につきましては、政府として真剣に受け止めさせていただいております。
 政府としましては、沖縄の負担軽減、これはもう最優先で取り組むべき課題だと認識しておりますし、沖縄の負担軽減をできるだけ早期に、そして目に見えるものにするため、引き続き全力で取り組んでいきたいと考えています。そして、今日の夕刻、安倍総理とバイデン副大統領の会談も予定されております。このバイデン副大統領との会談にも今申し上げました考えの下で臨んでいきたいと政府は考えております。
 そして、地位協定についての御質問でありますが、日米地位協定、御案内のとおり、協定そのものに加えまして数多くの日米合意を含んだ大きな法体系であります。これまで、協定そのものの改正は行っておりませんが、協定の実施を実質的に改善する多くの日米合意を達成してきていると、このように考えております。
 地位協定について様々な意見があること、これは十分承知しておりますし、引き続き政府として日米合意を着実に積み重ねる、そして効果的な成果を上げていく、大変重要であると認識をしております。御指摘の点も含めて、引き続き、地元の要請にこたえるべく政府としてもしっかり取り組んでいきたいと考えております。
○島尻安伊子君 岸田大臣の下で地位協定の運用の改善ということはやはり着実に進んでいるということも理解をしているわけでございます。さらに、環境条項を追加するということは、やはり今後跡地利用を着実に、しかも早く進める上で大変重要な項目になってくるかというふうに思っておりますので、是非、引き続き岸田大臣のリーダーシップを発揮していただきたいというふうに思いますので、よろしくお願い申し上げます。
 それでは、社会保障協定についての質問に移らせていただきたいと思います。
 今回、インド及びハンガリーとの社会保障協定の締結によって、企業等により一時的に派遣される被用者について年金の二重加入の問題等が解消されて、人的あるいは経済交流が一層進展するということは歓迎すべきことであるというふうに思っております。
 両国との社会保障協定の締結によって保険料の二重払いが解消された場合の負担軽減額というものはそれぞれどの程度になるのか、教えていただけますでしょうか。
○大臣政務官(牧野たかお君) お答えをいたします。
 まず、日本・インドの間の社会保障協定では年間約二十三億円。これはインド国内の日系企業に対して行ったアンケート結果を基に厚労省が試算をしたわけですけれども、二重負担の軽減者は約二千六百人。一被用者当たりの平均年間保険料負担額がおよそ八十九万円と推測されますので、これを掛けますと約二十三億円の負担減になります。
 一方、ハンガリーとの社会保障協定でございますが、これはハンガリーの日系企業に同じように行ったアンケートの結果を基に計算したところ、二重負担軽減者はおよそ二百三十人。ハンガリーは年間保険料が高額でして、一被用者当たりの年間負担額はおよそ二百六万円と推測されますので、二百六万円掛ける二百三十人を掛けますとおよそ五億円ということになります。
○島尻安伊子君 先ほども申し上げましたけれども、この解消で一層人的あるいは経済交流が進展するということ、もうやはりこれを着実に進めるべきだというふうに思っております。やっと、何というんでしょうか、この法案きちんと通る場面が近づいているなというふうに思っておりますので、我々も頑張っていかないといけないなというふうに改めて思う次第でございます。
 それでは、障害者権利条約に関しての質問に移らせていただきます。
 先週の委員会で参考人の方々から条約締結後の課題についてもまさに様々な御意見が出たところでございます。特に急ぐべきと考えるのは、本条約の国民への周知の必要性であるというふうに考えております。東京大学の川島参考人からは、障害者権利条約を知っている人の割合は全国で一八%、さらに、条約の内容までちゃんと知っている人の割合は全国で二・二%という大変に低い数字になっていること、他方で、障害者に対する差別と偏見がまだ日本にあるというふうに思っている人は八九・二%もいるという、こういった数字が紹介されました。つまり、障害者に対する差別というものは多くあるけれども、障害者の人権を保障して障害に基づく差別の禁止を規定している本条約のことを知っている人はほとんどいないということが現状だというふうに改めて示されたわけでございます。
 こうした状況を踏まえれば、まずはこの障害者権利条約を国民に知ってもらうこと、これが当面の重要な課題になってくるというふうに思いますが、今後どのように国民への周知を図っていくのか、大臣の見解をお聞きしたいと思います。
○副大臣(岸信夫君) 今委員から御指摘がございました、この条約の国民に対する周知度が低いという御指摘でございます。
 本条約の完全な実施のためには、本条約の趣旨等について広く周知していく必要があると私どもも考えております。そのために、今後、条約の概要や意義等について、障害当事者の方を含む国民全体に対して分かりやすく利用しやすい形で広報をしていく所存でございます。その過程で、関係各府省庁とも緊密に連絡をしてまいりたいと思います。
 具体的な周知の方法でございますけれども、外務省におきましては、一つは、ホームページへの条約に関する情報の掲載のほか、ツイッター、フェイスブック等を用いた情報発信等を積極的に実施をしてまいります。これに加えまして、政府広報オンラインを通じた広報や関係省庁のホームページ、障害者施策の説明資料における本条約への言及等についても働きかけていきたいと考えております。
 また、本条約の周知を効果的に図っていく上では、障害者に関する社会全体の意識の向上も引き続き重要であると考えております。そのため、テレビやラジオ、新聞、雑誌等の、いわゆるマスメディアの協力を得まして、障害者に対する国民の理解を促進するための広報活動を行っていく考えであります。
○島尻安伊子君 この間、先週の委員会で、まずはこれがスタートなんだ、ゴールではない、スタートなんだという御意見も出されているわけであります。ここに来るまで、我が国では、政府はその法制度を一つ一つ進めてきているわけでありますけれども、また今後、こういった施策を後退させずに、やはりより充実をさせていく必要性もあるというふうに考えております。
 同じく、加えて本条約締結後の課題として、日本障害フォーラムの藤井参考人からは、本条約に基づき設置されて活動を行っている障害者権利委員会に日本の代表を送るべきであり、適任者の立候補に向けて官民を挙げて環境整備を行うべきという指摘がなされているわけでございます。
 この点について、現時点までの政府の検討状況についてお伺いをさせていただきます。
○副大臣(岸信夫君) 御指摘の点でございますが、我が国の障害者分野における国際的な貢献、我が国と障害者権利委員会との関係の強化等の観点からいたしましても非常に有意義な御指摘と考えております。
 本条約の締結後に障害者権利委員会に日本人委員が選出されるように、今後、最適と思われる候補者の人選、そして、どの年に立候補していくか、立候補の年を検討してまいりたいと考えております。
○島尻安伊子君 是非、これは大事な点だというふうに思っておりますので、着実にお願いをしたいというふうに思います。
 この障害者権利条約に対して我が国が解釈宣言をする予定であるということを耳にいたしました。本条約の第二十三条の四においては、権限のある当局が児童の最善の利益のために父母との分離が必要と決定する場合を除くほか、児童がその父母の意思に反してその父母から分離されないことを確保する旨規定をしております。政府は、本条約の締結に当たり、第二十三条四の規定は、出入国管理法に基づく強制退去の結果として児童が父母から分離される場合に適用されるものではないという解釈宣言を行うということであるとしています。これは、衆議院の外務委員会で外務大臣の答弁での御説明があったというふうに認識をしているわけでありますけれども。
 本条約で特に念頭に置かれているのが、障害のある児童であることを踏まえると、障害のある児童を父母と引き離すということにはより慎重であるべきではないかというふうに私は考えております。こうした解釈宣言を行うとしても、実際の運用においては児童の最善の利益を考慮した上で、極力障害のある児童と父母が引き離されないような配慮があってしかるべきではないかというふうに考えますが、御見解をお聞きしたいと思います。
○副大臣(岸信夫君) 本条約には、児童がその父母の意思に反して父母から分離されないことを確保するという、児童の権利条約第九条一と同趣旨の規定が置かれているところでございます。これが二十三条の四ということでございます。
 我が国は、児童の権利条約の締結に際しまして、同条約第九条一に対し解釈宣言を行っております。その内容は、同条の規定が出入国管理法に基づく退去強制の結果として父母から分離される場合に適用されるものではないということでございます。したがいまして、本条約においても同様の解釈宣言を行うことが適当であると、このように考えておるわけでございます。
○島尻安伊子君 やはり我が国として、念頭に障害のある児童であるということを踏まえると、やはりより慎重であるべきではないかと思います。
 海外あるいは海外諸国に対して我が国がまるで後ろ向きではないかというような間違ったメッセージになっては、これ元も子もないというふうに思っているところでございまして、その辺のきちんとした御説明がやはり必要ではないかというふうに思うんですけれども、再度お聞きをしたいというふうに思います。
○副大臣(岸信夫君) ただいまの御指摘、大変重要な点であると、こういうふうに思っております。
 我が国では、児童が父母から分離されないことを確保するこの二十三条の四の規定は、締約国の出入国管理法上の適切な処分の妨げになるものではないと、こういうふうに理解をしているところでございますが、このような考え方につきましては起草段階から締約国間で広く共有をされている、理解を得ているものと、こういうふうに考えておるところでございます。今回の解釈宣言は、それ自体をもって児童の最善の利益への配慮を否定するというものではございません。したがいまして、児童の権利擁護に我が国が後ろ向きであるというような指摘は当たらないと、このように考えております。
○島尻安伊子君 やはりきちんとした説明というのが必要なんだというふうに思っております。やはり、実際の運用においては児童の最善の利益を考慮するということが大前提だということをきちんと諸外国に対して説明が必要なのではないかというふうに思う次第でございます。その辺の御配慮を是非よろしくお願いしたいというふうに思います。
 二〇二〇年オリンピック・パラリンピックの東京大会が決定をしたわけでございます。我が国の今回の条約の締結、障害者権利条約の実施状況というものを国内外に示すことになるというふうに思います。大会に向けた準備状況、さすが日本だな、さすが考えているなというふうな、そういったアイデアがどんどん出てしかるべきではないかというふうに思いますけれども、この件について文部科学省にお聞きをしたいと思います。
○政府参考人(永山賀久君) まず、オリンピックあるいはパラリンピック競技大会の開催を契機にいたしまして、パラリンピックの価値や理念等につきまして国内外の理解を深めるということは大変重要なことでございます。
 その上で、二〇二〇年東京大会の準備に関する国の事務、準備状況でございますけれども、これは、例えば大会のセキュリティー確保ですとか選手等の入国審査とか通関、交通網、都市基盤の整備とかバリアフリー化等々、大変多くの省庁にかかわるものでございまして、現在、下村文部科学大臣が東京オリンピック・パラリンピック担当大臣を兼務するとともに、事務局として内閣官房に二〇二〇年オリンピック・パラリンピック東京大会推進室を設置いたしまして、行政各部の所管する事務の調整を行うということになってございます。現在、この推進室において、東京都ですとか日本オリンピック委員会あるいは日本パラリンピック委員会、日本障害者スポーツ協会などの関係団体と数次にわたり意見交換を行っているところでございます。
 今後とも、このような関係団体、さらに来年二月には大会組織委員会が設置されますので、こういったところと緊密な連携を図りながら、円滑な準備を進めてまいりたいと考えております。
○島尻安伊子君 やはり、繰り返しになりますけれども、日本ならではというそういったアイデアをどんどん出して、成功に向けて国民一丸となって頑張っていきたいというふうに思います。
 それでは、最後になりますけれども、今回、この障害者権利条約の締結に向けて、先ほどから申し上げておりますけれども、参考人の質疑の中で多くの参考人からいろいろな考え方が出て、やはり今回の締結がゴールではなくてスタートなんだということであり、条約の趣旨を踏まえて国には障害者政策の更なる充実を目指してほしいという要望が多く示されたわけでございます。
 障害者に関する国内法制、施策を後退させず、より充実させていくんだという、最後、岸田大臣の意気込み等をお聞かせいただきたいというふうに思います。
○国務大臣(岸田文雄君) 御審議いただいておりますこの障害者権利条約につきましては、障害者の人権、基本的自由を確保する上で重要な意義を有していると認識をしております。本条約を締結することにより、障害者の権利の実現に向けた我が国の取組、一層強化され、また人権尊重についての国際協力が一層推進されることが期待されます。是非国内においてもしっかりと政策を進めていかなければならない、このように考えております。
 また一方、国連の人権機関等の国際場裏においても、我が国が本条約を締結することに対する期待が示されております。是非、国際的にもこうした期待にこたえるよう努力することが大変重要であると認識をしております。
○島尻安伊子君 では、これで私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
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○委員長(末松信介君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、豊田俊郎君が委員を辞任され、その補欠として宇都隆史君が選任されました。
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○宇都隆史君 自由民主党の宇都隆史です。よろしくお願いいたします。
 本日は、採決がかかっております障害者権利条約、それからインド、ハンガリーとの社会保障協定、これについてが議題なんですが、申し訳ありません、冒頭に一件だけ違う関係の質問をさせていただきますことをどうぞお許しください。
 防衛大臣に対して先に質問をさせていただきます。
 先日の佐藤委員の中でも、今もうちょうど時期的に最終的な折衝となっておりますが、自衛官あるいは国家公務員の宿舎の問題点についての質問だけ先にやらせてください。
 前回の質問の中でも、隊員の緊急即応性の維持、これのために非常に重要なんだという論点ありましたけれども、私は、実は地方における自衛官の宿舎、自衛官だけではないですね、緊急参集を必要とする海上保安庁とか、この宿舎というのはほかにももっといろんな有効性、目的があるように思うんです。その辺りのことを防衛大臣のお言葉で、ほかにもしあるとすれば教えていただきたいんですが。
○国務大臣(小野寺五典君) 御案内のとおり、自衛隊、その駐屯地、基地の周辺に基本的にやはり住居することが大切だと思っています。
 それは、即応性の問題もありますが、例えば部隊の出動時、特に災害のとき、最近であれば東日本大震災、伊豆の大島の台風被害、現在はフィリピンで活動を行っていますが、このような緊急時の支援のときに、実はある日突然一か月以上の出動を命ぜられる。そのときに、留守家族、特に隊員の子弟の例えばケアを実は隊舎の中の家族同士がしっかり支え合うというようなこともございます。また、近隣の様々なイベント等に、地域のイベント等にも積極的に隊員は参加して、地域の町おこし、そういうところにも役立つよう私どもとして日ごろ指導をさせていただいております。
○宇都隆史君 ありがとうございました。
 今大臣がおっしゃられたように、実際に災害派遣等で現場に出た隊員にとっても一つの、後ろ髪引かれない思いといいますか安心感にもなりますし、残された家族にとっては、日ごろから同じ、御主人あるいは奥様もいるでしょうが、職種を共有している家族ぐるみのお付き合いの中で助け合いというのも生まれて、そこが一つの自衛隊あるいは海上保安庁、現場で仕事をする皆さんの精神的な支えになっているかと思います。
 ただ、それ以外にでもいろんな意味での効果といいますか、官舎が持つ意味というのがありまして、例えば、非常に人口の少ない地方に行くと、その官舎があることでそこの子供たちを中心とした学校行事、PTAも含めてですね、こういうのを親御さんたちが中心的にやってくれていたりとか、あるいは、私のふるさと鹿児島薩摩川内には川内駐屯地という陸上自衛隊の部隊がありますが、伝統行事である大綱引、この大綱引はもう自衛隊がいなければ存続していけないというぐらいの、実際にもう若手が少なくなっている。そういう地域の祭りを支えている、そういう効能もあります。あるいは地域の清掃活動であったり、あるいは防犯パトロールであったり、そういういろんな地域コミュニティーに根差している、そういう実は効果もございます。これがまたばらばらになることに対するやっぱり懸念もあるわけですね。
 あるいは、地方自治体の首長の皆さん方からお話を聞くと、例えばその官舎自体から外に流出することによって、今まで自分たちの地方自治体に納めてくれていた地方税、それが例えばよその町に行ってしまえばそこに落ちるわけですし、自分たちは駐屯地、基地をずっと支えてきながら、でもその恩恵にあずかれなくなる、そういうやはり問題点も出てくるんだと思います。
 あるいはもう少し範囲を広げていくと、今、特定秘密保護法案の話をしていますけれども、例えば外国からのいろんな情報機関の隊員であったりとか、あるいは各種宗教団体の方々から隊員への接触、こういうのは、やはり目の届く範囲の中で隊員に暮らしてもらって、それをしっかりと部隊の方で目を行き届かせる、こういう重要性も実は持っているように私としては思うんです。
 そこで、財務副大臣にも是非お答えいただきたいんですが、前回、佐藤委員の質問の中でも非常に前向きな答弁をしていただいたと思っているんですが……(発言する者あり)
○委員長(末松信介君) 質問を続けてください。
○宇都隆史君 委員長、質問を続けてよろしいですか。(発言する者あり)
○委員長(末松信介君) 結構です。静粛に願います。
○宇都隆史君 質問を続けさせていただきます。済みません。
 財務副大臣には前向きな御答弁をいただいたんですけれども、前回の三・一一東日本大震災でも、副大臣のふるさとの中で非常に皆さん頑張っていただいたわけなんです。ただ、こういう、家庭も顧みず、それから自らの危険も顧みずに被災者の救助に当たった皆さんの中には過労死をした隊員たちもおりますし、また、この隊員たちにもしっかり家族がいるわけなんですね。この家族の生活の基盤というのが一つの宿舎なわけです。地域コミュニティーが壊れることを懸念している自衛隊員ではない地域の皆様方の声も届いております。
 是非、今回の宿舎問題、この値上げに関しては、自衛隊が所属する地方自治体の首長の皆さんであったりとか地域に実際にお暮らしになっている一般の国民の皆様方の声もよくこれはお聞きになった上で最終的な判断を願いたいと思いますが、財務副大臣の御答弁をお願いいたします。
○副大臣(愛知治郎君) お答えを申し上げます。
 先日もこの点について御議論をいただきました。
 まず、そもそも論で恐縮でありますけれども、改めてお答え申し上げたいと存じますが、国家公務員宿舎については国家公務員宿舎法というのがありまして、この法律の中で、この法律は、国が国家公務員等に貸与する宿舎の設置並びに維持及び管理に関する基本的事項を定めてその適正化を図ることにより、国家公務員等の職務の能率的な遂行を確保し、もって国等の事務及び事業の円滑な運営に資することを目的とするという法律が定められております。
 また、使用料に関してなんですけれども、当該規定に基づき、建設費用の償却額、修繕費、地代等に相当する金額を基礎としまして、例えば転勤時の場合に退去が義務付けられていること等の居住の条件その他の事情を考慮して算定することとされております。
 ただ、一方で、これは平成二十三年十二月一日、当時民主党政権ではありましたけれども、その中で国家公務員宿舎の削減計画が定められておりまして、そこにおいて、宿舎使用料については、宿舎に係る歳出におおむね見合う歳入を得る水準まで使用料の引上げを行うといった使用料の適正化に関する基本的な考え方が整理されているところでもあります。
 これらを踏まえて具体的な使用料の水準については現在検討中でありますけれども、国家公務員宿舎制度の趣旨に鑑み、自衛隊の即応態勢の維持等、公務に支障をもたらすことがないよう、また、御指摘の御家族の問題であるとかその地方の状況もしっかりと踏まえた上で適切に対応してまいりたいと考えております。
○宇都隆史君 財務副大臣、ありがとうございました。
 先日の佐藤委員の質問の中でもありましたように、あくまで二十三年度の、民主党政権下ですね、中でできた国家公務員宿舎に対する一つの道筋とそれに対する財務省の試算は、あくまで誰一人流出していかないという前提の下に出した試算でございますから、先日の委員の質問でもありましたように、アンケートによると約半数の隊員は出ていく、それで試算をし直せばかえって歳出の方が大きくなるという結果も一つの試算として出ております。重々よく検討をなさって慎重な決断を出していただきたいと心からお願いを申し上げます。
 防衛大臣、財務副大臣に関しては御退出されて結構でございます。
○委員長(末松信介君) 防衛大臣、愛知財務副大臣、御退席いただいて結構でございます。
○宇都隆史君 それでは、申し訳ございません、本日の議題であります障害者権利条約並びにインド、ハンガリーとの協定についての質問をさせていただきます。特に、私は、時間も限られておりますので障害者権利条約の方に重点を置いた質問をさせていただきます。
 先日は、参考人の皆様にお越しいただいて、非常に障害を持たれた方々の切なる声をお聞きしました。特に私は、四番手にお話しいただいた藤井克徳さん、今日は傍聴席にもお越しいただいてお聞きになっていますけれども、お話を聞いたときに非常に切実な、実際に海外の国際会議の場にも行ったときの感動等のお話に私自身も感動をいたしました。
 外務大臣、改めて、今回、この障害者条約、我が国が入ることによって今後の我が国における障害者の権利等々に関しても非常に開けた未来になっていくことを我々は希望するものですが、外務大臣としても、その辺りのお気持ち、この条約の意義について改めてお話しいただけませんでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 御審議いただいております障害者権利条約につきましては、障害者の方々の人権ですとか基本的自由を確保する上で大変大きな意義を有していると認識をしております。
 本条約を締結することにより、例えば国連の障害者権利委員会に我が国として報告を提出する義務を負う、そしてそれに対して勧告等を受ける、こういったことになるわけですので、こうした仕組み等を通じまして我が国自体の取組が一層強化される、これは大いに期待されるところであります。
 また、こうした条約に加わることによって国際協力も進む、こういった点も期待されるところであると思いますし、また、そもそも我が国がこの条約を締結すること、これは、現在のところ百三十七か国及び一地域機関がこの条約締結済みでありますが、国際場裏においても、様々な人権機関等から我が国が本条約を締結することに対して大きな期待が示されております。こういった期待にもこたえるという意味でもこの条約の意義は大変大きいのではないか、このように認識をしております。
○宇都隆史君 ありがとうございました。
 やはり、我が国のこれまでの障害をお持ちの皆様方に対する支援の施策というか流れについては、ある程度健常な皆様方からどちらかというと隔離されているようなイメージを障害を持たれている皆様が思うようなやっぱり施策であった部分も否めないと思うんです。
 先日の参考人の皆様方から貴重な御意見を拝聴した中での言葉、ナッシング・アバウト・アス・ウイズアウト・アス、私たちがいないところで私たちに関することは決めないで、この理念というのは非常に我々はやはり学ぶべきことが多かったんだと思うんです。
 その中で、参考人の皆様方のお話の中で私も改めて気付かされたことがありました。それは、障害を持たれている方々というのは、やっぱり障害を持っているがゆえに、災害が起こったとき、その中で自分たちの命を守る、あるいは災害から逃れるということに関しては非常にやはり難しい面があるんじゃないか、そういうお話がありましたけれども。
 ここで改めて、東日本大震災で死者、行方不明者、約一万七千、八千程度でしたか、この中で、実際に分かっている範囲で障害者の割合、障害をお持ちの皆様方の割合というのはどの程度だったのか、これは内閣府、お答えいただけますか。
○政府参考人(日原洋文君) お答えいたします。
 内閣府におきまして東日本大震災の被災市町村に対しまして調査を行ったところでございますけれども、平成二十四年十二月一日現在で、市町村が障害者の死者を把握している部分でございますけれども、千七百二人という数を把握しております。これを当該地域におきまして、特に岩手、宮城、福島の三県におきます割合で見ますと、大体一・五%程度というふうになってございます。同じ地域におきます被災者住民全体の死亡率の約二倍という数値になってございます。
○宇都隆史君 ありがとうございました。
 恐らく、これは各自治体が把握をしているだけの数ですし、これに漏れている障害をお持ちの皆さんもおりますでしょうし、中には、障害者認定という形ではなくても、例えばもうお年を召していて足腰が立たなかったりとか、いわゆるみんなが手助けをしなければなかなか避難ができない方というのは多いように思います。
 さて、これだけの大きな災害を経て、いわゆる一般的な災害対策ということに対しては国としても各種様々な施策が今取られていっているわけですけれども、特にこの障害者にスポットを当てて、やはり何かがあったときに障害を持っている皆様がすぐに自分たちの命を自分たちで守れるように、あるいはすぐ周りから手助けができるような施策というのはちょっとまだ遅れているのかなというふうにも思っております。
 この辺りの、例えば目が見えない方々にとってみたら、テレビでテロップを出しても見えない、あるいは耳が聞こえない方々に対していわゆる防災無線で大きな声で発信しても聞こえないわけですよね。あるいは知的障害を持っていらっしゃる方々もいる、あるいは肢体不自由な方々もいる。こういういろんな皆様に対する避難警告あるいは注意喚起、この在り方検討というのに関しては現在のところどうなっておりますでしょうか。総務省の方、政務官、お願いします。
○大臣政務官(伊藤忠彦君) ただいま御審議を賜っております障害者の権利に関する条約は、御案内のとおり、二〇〇八年五月、条約を発効いたしましたが、我が国として、その締結に向けまして、二〇一一年の八月以降、障害者基本法の改正以来関係諸法の改正をし、準備をしてまいったところでございます。
 その直前に起こりましたのが東北の大震災でございまして、ここで障害を持った方々が、この皆様方の身の上に起こった被害は本当に、ただいまのお話のとおり甚大なものがあり、尊い命が犠牲となったわけでございます。そこで、日本障害フォーラムの調査結果によりますと、防災行政無線による情報提供の充実でございますとか音声情報を入手できない方への情報提供の配慮等が求められたわけでございます。
 そこで、私どもといたしましては、障害者に対しまして災害情報を確実に伝達するためには、音声情報や文字情報等々、それぞれの方法を組み合わせまして災害情報伝達手段の多様化を図る必要があると考えております。
 具体的には、災害情報の伝達手段といたしまして、防災行政無線の屋外スピーカーやコミュニティーFMの音声によるもの、緊急速報メール等の文字によるもの、防災行政無線の戸別受信機やCATVの文字と音声によるものの複数の手段を組み合わせまして確実に、委員がおっしゃったとおり、災害情報を伝達することが重要であると考えております。
 私ども総務省といたしましては、市町村において情報伝達手段の多様化が図れますように、東北大震災の経験から、もっと国が直接市町村にアドバイスをしていかなければならない反省に立ちまして、専門家の派遣でございますとか、あるいは災害情報伝達手段の整備に係る必要な財政措置等により支援を講じてまいりたいと、かように考えているところでございます。
 恐らく宇都委員が全国を飛び回っておられる中でお聞き及びのことがございましたら是非お聞かせを願い、さらにまた、そうした情報をいただきまして、障害を持った方々が災害時に命を失うという最悪の事態を少しでも回避できるよう努力をしてまいりたい、かように思う次第でございます。
○宇都隆史君 総務大臣政務官、本当にありがとうございました。
 私も全く同感で、本当に重層的に、それぞれの障害を持っている方々にぴったりとフィットする形がやっぱり必要になってくると思いますし、そしてこれは、国がその重層的な制度を考えるだけでなく、一番現場で障害を持たれている方に近い現地の自治体が、そういう問題があるんだというのをしっかり分かりながら、ただ無線で流しておけばいい、ただテロップで流せばいいというのだけではないんだという意識がやはり必要になると思います。是非、きめの細かい各地方自治体への御指導を引き続きよろしくお願いいたします。
 さて、同じく警察庁の方に質問させていただくんですが、二〇二〇年にはオリンピック、それと同時にパラリンピックが開催されます。パラリンピックが開催されるということは、全世界から障害をお持ちのアスリート、又はアスリートだけではなくて、それを支援している御家族の皆様もそうですし、あるいは全国で、障害をお持ちの、それに勇気付けられる障害者の団体の皆様方も集まってくると思います。
 非常に悲しい最近の傾向でありますけれども、大きな世界大会等々になると、やはりテロの標的にされたりいろんな事件が起こったりするのが最近では往々にしてあります。このときに、テロ防止のための警備はもちろんですが、そこにもう一つ視点として、障害を持たれていない方々がいかにしてパニックに陥らないように何かが起こった現場から身の安全を確保しながら誘導していくか、これが非常に重要になると思うんですが、現在、警察庁の方で、七年後ではありますけれども、今後政府が考うるべき警備体制あるいは危機管理の在り方、このパラリンピックに向けてどのようなことを考えているか、お考えのことがありましたら御答弁お願いします。
○政府参考人(高橋清孝君) お答えいたします。
 パラリンピック競技大会につきましても、国際的に大きな注目を集める行事でありまして、テロ等各種脅威の標的とされることが懸念されているところでございます。
 警察としましては、二〇二〇年の東京パラリンピック競技大会に向けた課題として、一つは良好な治安の確保と大会の安全かつ円滑な進行の確保、二つ目がテロ等違法行為の未然防止と対処、三つ目が関係者の安全かつ円滑な輸送の確保等が重要であるというふうに認識しております。このため警察庁では、九月十二日に長官官房審議官を長とします二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会連絡室を設置したところでございます。
 引き続き、情報収集・分析機能の強化、警戒警備の徹底等の諸対策を推進していきますとともに、近く設置されます大会組織委員会や関係機関と緊密に連携しながら、大会警備に係る大綱方針や計画の策定等についても積極的に参画し、パラリンピックの安全な開催のために治安責任を果たしてまいりたいというふうに考えております。
○宇都隆史君 是非、警察庁の方もいろんな方策をこれからお考えになるんでしょうけれども、例えば耳が聞こえない皆さんにとってみたら、何が起こっているかを今教えてもらわないといけない、どちらに避難していいかが分からないわけですね。そういう不安を増長させないためにも、例えば大きな電光掲示板を避難のことを予想して持っておいて、ただいまこういうことが起こりました、こちら方向に避難をしてくださいとかいう、そういう視覚的に訴えるであるとか、あるいは目が見えない方の誘導って、やっぱり慣れている人でないと、実際に障害をお持ちの方は怖いんですよね。であれば、それを避難誘導する警察官の皆さんに、そういう障害をお持ちの皆さんのリードのやり方、研修をしてもらうであるとか、あるいは実際に車椅子で誘導できる体制になっているか、それを事前にチェックをして訓練をしてみるとか、そういういろいろな方策を是非お取りいただきたいと思います。
 最後の質問に移りますが、委員の皆様のお手元には資料を配付してあります。これは昨日、読売新聞の夕刊の抜粋記事であります。「障害者選手強化へ拠点」という題目になっていますが、要は、パラリンピックを目指してナショナルトレーニングセンター、つまり選手強化のための施設、これを現在の国立障害者リハビリテーションセンターのところに造ろうと、政府が一つそういう意向を示したというような記事でございます。非常にすばらしいことだな、パラリンピックで我々日本の選手が非常に大きな成績を、すばらしい成績を収めることで、また日本国内の障害者の皆さんに勇気を与えてくれるんではないかな、このように思います。非常にいい取組だと思います。
 ただ、同時に、スポーツだけではなくて、せっかくこういう条約に入るわけですから、これまで日本として立ち遅れていた障害者に対する差別、偏見の解消であったり、あるいは障害者教育とか雇用の促進、これに関する話であったり、あるいは労働環境の改善であったり、こういうのを網羅的に一元的に発信する障害者のための拠点地域のような形にこのトレーニングセンターを含めてやっていく、こういう試みもまた政府一丸となった障害者支援策ではないかと思うんですが、まずこれは内閣府、お答えください。
○政府参考人(岩渕豊君) 障害者差別解消法の施行に当たりましては、障害を理由とする差別の解消を効果的に推進するために、差別を解消するための措置として、障害を理由とする不当な差別的取扱い及び合理的配慮の不提供を差別に該当するとして禁止するとともに、差別を解消するための支援措置といたしまして、相談や紛争の防止、解決のための体制整備、地域における関係機関等の連携、普及啓発活動、差別の解消に向けた取組などに関する情報の収集、整理、提供を進めることとしております。
 内閣府といたしましては、こうした取組を進めることにより、障害を理由とする差別の解消を促すとともに、国民各層における障害者に対する差別、偏見の解消に向けた機運の醸成に努めてまいりたいと存じます。
○宇都隆史君 厚労省、手短に御答弁お願いします。
○政府参考人(蒲原基道君) お答え申し上げます。
 二〇二〇年の東京パラリンピック競技大会の開催に向けまして、日本障害者スポーツ協会から、先生御指摘ございました報道にありますとおり、ナショナルトレーニングセンターの設置の要望が来ておるということは承知をいたしております。この東京大会成功のためには、日本チームの国際競技力の格段の向上というのが求められておりまして、競技団体の要望あるいは選手強化のいろんな計画、こういったものを踏まえながら、関係省庁で連携して検討していくことになろうかと思います。
 その際、先生お話ございましたけれども、障害者の社会参加の推進だとか、あるいは国民の皆さん方の障害に対する理解の促進という、そういう観点にも十分配慮しながら検討を進めてまいりたいと、かように考えてございます。
○宇都隆史君 ありがとうございました。
 厚生労働省、初めからそういう御答弁をするために来ていただければよかったんですよ。お互いに、答弁があっちでもないこっちでもないといって結局二人来てもらうことになったんですけれども、そういうことをしないで、我先に手を挙げて、やりましょうという気持ちがやっぱり障害者の未来をつくるわけですから。
 この条約が障害者の皆さんにとって本当にすばらしい未来へのスタートになることを心から祈念申し上げて、質問を終わらせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
○福山哲郎君 民主党・新緑風会の福山哲郎でございます。よろしくお願い申し上げます。
 今日は、大切な障害者権利条約の批准に向けた審議でございますが、外交防衛委員会ですので、冒頭幾つかだけ、外務大臣、防衛大臣に御質問させていただいて、権利条約の質疑に入りたいと思います。
 中国の防空識別圏の設定の対応について御質問をしたいと思います。
 民間航空会社への対応について、日米間で相違が出てきております。
 十一月二十六日、我が国からは、我が国の航空会社に対して飛行計画の提出の取りやめ協力を要請をいたしております。その次の日に、アメリカの国務省の報道官が、航空会社に対しては、東シナ海上空を飛行する際、安全確保に必要な措置を全て講じるよう指示したと発言をされました。十二月の一日に安倍総理は、米国政府は民間航空会社にフライトプランを提出するよう要請したことはないということを外交ルートを通じて認識しています等々の発言をしています。
 しかし一方で、飛行計画の事前提出にはデルタ、ユナイテッド、アメリカンの三社、CNNによりますと、各社は米政府の助言に従って応じていると言われています。また、非常に遺憾なことに、中国の外務省は、アメリカの民間会社が飛行計画書を提出したことについて歓迎の意向を昨日表明をされました。
 私は、この状況を非常に残念に思っております。外務大臣としては、この状況についてどう今お考えなのか。また、一般的に申し上げれば、日米は同盟関係ですし、対中国のことでございますのでコメントラインなり対応ラインなりを事前調整をするのが私は通常の対応だと思いますが、そこの部分について、外務大臣、是非御説明をいただきたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) 今般の中国における防空識別区の設定をめぐりましては、まず日米の間で緊密に連携協議を行ってきたと考えております。私自身も、二十五日にケネディ駐日大使と、また二十六日にはケリー国務長官と電話会談を行いました。その中で、ケリー長官からも、日本の冷静かつ毅然とした対応を評価しており、日本の立場を引き続き支持する、こうした発言もあり、この日米の連携、確認をしております。そして、米国政府としましては、今般の中国におけるこの東シナ海防空識別区の設定を深く懸念し、当該区域における運航に関する中国による要求を受け入れないとの立場、これを明確にしております。
 そして、御指摘の民間航空会社の対応でありますが、その点につきましても、我が国から外交ルートを通じましてアメリカ政府に正式に確認をさせていただいております。そして、その確認によりますと、中国によるこの東シナ海防空識別区設定に基づくノータムに従って飛行計画を提出するよう米国民間航空会社に指示したという事実はない、こうした回答を正式に受け取っております。
 民間航空会社の動きは様々に報じられていますが、少なくとも、米国政府そして日本政府、この政府レベルにおきましては立場は一致しておると思いますし、米国の立場は一貫していると認識をしております。
 今現在、米国のバイデン副大統領も訪日をされておられます。今日夕刻、安倍総理との会談も予定されております。こうした機会をとらえまして日米の連携、またしっかりと確認をする機会にもしたいと考えております。
○福山哲郎君 連携を確認してきたという外務大臣の言葉は、それは一定多とします。
 じゃ、先ほど外務大臣が言われたアメリカの国務省、アメリカの政府がアメリカの民間航空会社に対して何らかの指示したことはないと確認したと。ということは、アメリカの民間航空会社はアメリカ政府の意向とは関係なく自らの判断で中国側にフライトプランを提出したと外務大臣はおっしゃるわけですか。
○国務大臣(岸田文雄君) 民間会社の判断、対応について、他国の民間会社の対応、判断について申し上げる立場にはありませんが、我が国としては、最大限政府レベルにおいてしっかり意思疎通を図り連携をしなければいけない。そして、その問題についても米国政府の対応を外交ルートを通じまして正式に確認をし、先ほどの回答を得ているということであります。我々は、米国政府レベルにおいてはしっかりとした方針、立場は変わっていないと思っていますし、一貫していると考えています。
○福山哲郎君 逆に言うと、米国務省談話の中では、確かに大臣がおっしゃったように、米政府は外国が出した航空情報に従って運航することを一般論としては勧めるという発言もあります。つまり、このことを受けて民間航空会社がフライトプランを提出したのかもしれません。指示を出したか出さないか、外交ルートでは出していないと言っているけれども、その前は国務省の報道官が全て講じるように指示したという発言もある。ここは言った言わないの話です。
 しかし、日本の国交省なり日本の政府が民間の航空会社にフライトプランを提出しないでほしいと我が国の航空会社に要請したのは、今回の中国による防空識別圏の設定が既成事実化することを我々としては全くもって受け入れられない対応だからこそ、日本の民間会社にはフライトプランを出すなと日本の政府は言ったわけでしょう。しかし、現実の問題として、今のアメリカの対応は、逆に、アメリカ政府が指示したかどうかは別にしても、民間会社はフライトプランを提出している。これを既成事実化していくことの事実は変わらないわけです。その中でコメントラインが日米の間で異なると、非常に重要なことですよ、このことは。
 私が野党だから申し上げているのではありません。自民党とも昔、今もかもしれませんが関係の深かった、元々外務省の官僚の岡本行夫さんは、愕然とした、長い間日米関係を見ているが、これほど日本の安全保障が直接かかわった問題で、アメリカが日本の利益を損なう形で、外に見える形で行動を取ったことは記憶にないとおっしゃられているんです。これは岡本さんの話ですから、相当重たい発言です。
 これ今、言った言わないの議論をしているのではない。まずは、このコメントラインがずれたことによって中国に逆に言うと足下を見られる可能性も出てくる。また、そのことの事前の調整を日米間でできていないことについても私は非常に問題だと考えております。
 外務大臣、いかがですか。
○国務大臣(岸田文雄君) ただいま、委員の方からコメントラインが食い違っているという御指摘がありましたが、我々は、日米の政府間においてはコメントライン食い違っていないというふうに認識をしております。そのために、米国政府に対しまして外交ルートを通じて正式に問合せを行い、確認をした次第であります。
 そして、今回の事態に関しましては、東シナ海の公海上の航空の自由が脅かされる、損なわれる、こうした国際社会全体に対する大きな懸念につながる事態であります。実際、米国のみならず韓国あるいはEUからも懸念が表明されています。これは、国際法の一般原則であります公海上の飛行の自由という大原則が損なわれるという事態、国際社会全体でこの問題についてしっかりと懸念を表明し、取り組んでいかなければならない問題だと思っています。
 こうした関係国との連携も我々はしっかり大事にしなければいけないと思っていますし、その中にあって、日米両国の関係は最も重要だと認識をしております。引き続き、こうした国際社会共通の懸念に対して、米国を始め関係国としっかり連携していくべく努力をしていきたいと考えています。
○福山哲郎君 今外務大臣からいただいた御答弁は至極当然のことです。国際社会が懸念をする、そして他国との連携を強化をし、なおかつ日米の連携を強化していく、そんなの当たり前の話です。
 私は、言われたから言い返すみたいな話は余り良くないと思いますが、よく自民党が我々の政権のときに、日米同盟が崩れた、壊れた、民主党だからとさんざん言われました。根拠もなく随分言われました。しかし、私は、岡本さんが、こんなに見える形でアメリカが日本の国益について動いたことはないと言われた、コメントされたことというのは非常に大きいと思っていて、私はいたずらに批判をしようと思っているのではなくて、その状況で最初の段階のコメントラインがそもそも違っていて、現実に今、アメリカの民間航空機は出しているわけです。
 幾ら指示していないとはいいながら、大臣が言われたように、アメリカの航空会社がアメリカ政府に意向を確認しないで独断でやるなどというのは一般的に言えば考えられないはずで、幾ら政府間でそこは確認したといっても、なかなかそこは余り説得力がないと思いますし、バイデン副大統領が来られています、この問題は本当に重要ですので、是非日米間の連携しっかり確認できるように御努力をいただきたいと申し上げておきたいと思います。いや、もう結構です、答弁は。
 もう一個、今日、障害者権利条約の非常に重要な批准に向けての審議が今されている今日に、国連人権高等弁務官の方から、ピレイさんから、日本の特定秘密保護法案について、秘密の要件が明確ではない、政府がどんな不都合な情報も秘密に指定できてしまうという懸念が表明されたという報道がありました。
 私は、今これ日経と朝日の報道を見ていますが、政府が不都合な情報を秘密として認定するものだと、日本国憲法や国際人権法で保障されている表現の自由や情報アクセス権への適切な保護措置が必要だと認識を示したと。まさに国連の障害者の人権、権利に関する条約を批准するこの日に、国連の人権高等弁務官から日本の政府が今審議をしている法案については急ぐべきではないという懸念を表明されたというのは、私は非常に残念に思っています。そして、国連の高等弁務官がある国の法案の審議に対して懸念を表明するなどというのは、よほどの状況がない限り、私も外交を多少やりましたので、ないと思います。
 この国連人権高等弁務官の発言に対して、外務大臣はどのように受け止めておられますか。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、御指摘の報道については承知をしております。
 我が国のこの特定秘密保護に関する法律案、この法律案につきましては、今御審議をいただいている最中でありますが、法律としまして、恣意的な指定が行われないように様々な仕掛けを設け、制度をつくり、重層的な仕組みを設けております。あわせて、報道の自由あるいは取材の自由に配慮しなければならない、こういった規定も設けています。こうした我が国の法律につきましては、ピレイ人権高等弁務官のこの懸念、当たらないと私は認識をしております。
 是非、こうした我が国の状況につきまして、法案の内容につきまして、ピレイ人権高等弁務官の懸念が払拭されるようにしっかりと情報提供を行っていきたいと考えております。是非、引き続きまして、こうした懸念を払拭するべく必要な説明を行っていきたい、このように考えています。
○福山哲郎君 いや、懸念は当たらないと大臣が言われること自身が大問題だと思いますよ。国連の高等弁務官がそれなりの調査をされないとこんな会見での発言はされません、普通でいえば。一つの国の法案の審議に対してこんなことは普通あり得ない。現実の問題として、こういった状況の中で審議が行われている、そして今日、障害者の権利条約が批准に向けて審議をするということで、私自身は非常に複雑な思いでございます。
 ただ、一方で、御案内のように、二〇〇六年に国連総会でこの障害者の権利条約が採択をされてから七年、障害当事者の皆さん、関係者の皆さん、そして支えてこられたいろいろな団体やNGOの皆さんを含めて、本当に長い間の御尽力に心から感謝をしたいと思っております。
 我々の政権のときに、二〇〇九年に障がい者制度改革推進本部、とにかくこの権利条約を批准するための準備をしたいということで本部を設置をして、五年間、障害者制度に係る改革の集中期間として障害者基本法や総合支援法、そして、残念ながら政権交代後になってしまいましたけれども、差別解消法、雇用促進法を改正する中で、この条約の批准に至るところまで来ました。
 前にも申し上げましたが、私も京都で障害者団体連合会の会長を仰せ付かっておりまして、ほぼ毎週、障害者の方と接する機会をいただいているところでございます。この私がいただいている会長というのは、実は前職は自民党の野中広務先生でございまして、本当に、福山君頑張れ、とにかく一生懸命この条約に向けて頑張れという励ましもいただいておりますし、地元も含めて多くの障害者の方が期待をしているものでございますので、今日は少し細かい審議をさせていただきたいと思います。委員会の審議としては、少し逐条的な審議になりますので面白くないこともあるかもしれませんが、どうかよろしくお願いしたいと思います。
 そして、今日は外務省だけではありません。内閣府、厚生労働省、法務省、そして総務省、文科省、多くの役所の皆さんに御協力をいただきました。このことに関しても冒頭感謝を申し上げたいと思います。是非、私は至りませんが、いい審議にしたいと思いますので、お願いしたいと思います。
 一方で、防衛大臣、どうぞ御退席いただいて結構でございます──ああ、そうだ、防衛大臣に対する質問を忘れた。でも、いいです。もう障害者権利条約に入ります。
 とにかく、自衛隊の面々は、今回の防空識別圏の問題で大変緊張感のある毎日の準備、対応をされていると思います。恐らく相当緊張度合いが高まっている中で二十四時間の態勢で準備をされていると思いますので、隊員に対してのしっかりとしたケアと、士気が落ちないように防衛大臣におかれましてはお願いをしまして、もう一個質問ありましたが、御退席いただいて結構です。
○委員長(末松信介君) 防衛大臣には御退席いただいて結構でございます。
○福山哲郎君 それでは、中身に入りたいと思います。
 障害者権利条約の前文(e)では、「障害が発展する概念であることを認め、」とありまして、それを受けて第一条の目的のところには、「障害者には、長期的な身体的、精神的、知的又は感覚的な機能障害であって、様々な障壁との相互作用により他の者との平等を基礎として社会に完全かつ効果的に参加することを妨げ得るものを有する者を含む。」と明記されています。
 本条約の趣旨を踏まえて、改正障害者基本法では、障害者の定義として、「身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む。)その他の心身の機能の障害がある者であつて、障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるもの」となっています。
 今般の条約の批准をされると、障害と社会的障壁との関連性を重視して、現実の実態です、いわゆる今の社会的障害、障壁の実態を踏まえて障害者の範囲を柔軟的に広げていく方向で対応されていくことが必要になってくると思っております。実は、しっかりとした定義がまだ障害者差別解消法にもありません。この権利条約を批准するに当たって、障害者の定義について、今後も弾力的に解釈をされていくということでよろしいのかどうか、そう理解をさせていただいてよろしいのかどうかについて、外務省と内閣府、答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、本条約には障害者を明確に定義する規定は置かれておりません。そして他方で、今御指摘のように、この前文(e)において、「障害が発展する概念であることを認め、」としております。そして、これも今御指摘がありましたが、第一条に、「障害者には、長期的な身体的、精神的、知的又は感覚的な機能障害であって、様々な障壁との相互作用により他の者との平等を基礎として社会に完全かつ効果的に参加することを妨げ得るものを有する者を含む。」との概念規定が置かれています。
 要は、これは、障害が固定化された概念でなく、環境や社会の変化等により今後も発展し、時代により異なる解釈がなされ得るものであることを示していると考えます。よって、御指摘のように、この障害者の範囲についても柔軟な解釈がなされるものと考えられます。
○福山哲郎君 前向きな答弁をありがとうございます。
 内閣府、よろしくお願いします。
○政府参考人(岩渕豊君) 障害者基本法における障害者の定義は、平成二十七年の障害者基本法の改正におきまして、障害者権利条約の趣旨を反映し、日常生活又は社会生活において障害者の受ける制限は社会の在り方との関係によって生じるといういわゆる社会モデルの考え方を踏まえた規定となっておりまして、障害者差別解消法においても同様の定義としたところでございます。
 一方で、障害者基本法、障害者差別解消法以外の個別の法律における障害者の定義は、各個別法において、その目的、内容に応じてその対象範囲を画する観点から定められるものでありまして、それらの個別法におけるそれぞれの定義に基づき、個別のケースごとに障害者であるか否かが判断されるということになるものと認識しております。
 そして、障害者基本計画においては、障害者基本法の障害者の定義を踏まえまして、各分野に共通する横断的視点として、施策が、障害者が日常生活又は社会生活で直面する困難に着目して講じられる必要があるということ、障害者の自立と社会参加の支援という観点に立って行われる必要があることを盛り込んだところでございます。
 今後、この計画に基づきまして、各施策の実施に当たって障害者の置かれた実態に応じた対応が幅広く行われるように努めてまいりたいと存じます。
○福山哲郎君 外務大臣からも内閣府からも前向きな答弁をいただいて、ありがとうございます。
 先ほどおっしゃられたように、個別法の世界に入っていきますと、縦割りの状況で解決できないような問題とかも出てまいります。そのときにやはり多少は弾力的に解釈をしていただく状況等も必要になってまいりますし、例えば障害者手帳を持っていないけれども今難病に当たられる方とか、例えば合理的配慮をある場面で、ある環境の中でもらえない人たちに対して、どういう形で合理的配慮が欠けている状況でこの場合に障害に当たるのかということを、本当に状況状況によって判断をしなければいけないので、そのことについては是非確認をさせていただきたいと思いますし、今後、何が差別に当たるかという定義付けの蓄積が私は国内において非常に重要だと思っておりますが、そのことは内閣府としてはどういうふうにお考えですか。
○政府参考人(岩渕豊君) 個別の事案におきまして、特定の行為が差別に該当するか否かにつきましては、それぞれの事案に応じて個別具体的に判断されるものでございまして、障害者差別解消法では、障害を理由とする差別についてあらかじめ一律に定めることはしておりません。
 今後、障害者差別解消法に基づく対応要領や基本指針において具体的事例等を示すとともに、本法の施行後、具体的な相談事例や裁判例が積み上がっていく中で、具体的にどのような行為が差別に当たり得るのかについて国民の間で認識の共有が図られるように努めていくこととしております。
○福山哲郎君 是非、内閣府におかれましては御努力をいただきたいと思います。これは厚生労働省の皆さんも実は共有している部分があります。これは、外務省というよりかはどちらかというと内政の施策の話ですので、そこは両省においてはくれぐれもよろしくお願いします。
 続いて、第六条でございます。障害のある女性に関連してです。
 六条の一項は、障害のある女性及び少女が複合的な差別を受けていることを認識し、またこれに関して、障害のある女性及び少女が全ての人権及び基本的自由を完全かつ平等に享有することを確保するための措置をとることと明記されています。
 政府としては、女性に関して、女子に関して、こういった女子が複合差別を受けている存在であるという認識を持たれているのかどうか。実は、女性の障害者は三割がセクハラで被害を受けているというような報告もあって、これは非常に大きな課題なんですが、日本の場合には実は男女別の障害という概念が余りこれまでなかったと私は認識しておりまして、是非、女性が複合的差別をより受ける可能性が高い存在だということを外務省としてどう御認識をいただくのか、内閣府もどうなのか、厚生労働省もどうなのか、それぞれお答えいただけますでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、女性に対する差別の撤廃につきましては女子差別撤廃条約に規定をされております。しかしながら、この女子差別撤廃条約には障害のある女性に対する独立した条文は存在いたしません。
 政府としましては、障害のある女性が複合的な差別を受けており、そして社会的弱者の中でも特に弱い立場に置かれやすいこと、これを認識をしております。ですから、障害者権利条約、御指摘の六条ですが、本条はこのような認識に立ち、そうした方々の権利の保護、促進を図るべきであるとの考え方から創設されたものと承知をしております。外務省としましてはそういった認識に立っております。
○政府参考人(岩渕豊君) 障害者基本法におきましては、障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策は、障害者の性別、年齢、障害の状態及び生活の実態に応じて、かつ有機的連携の下に総合的に策定され及び実施されなければならない旨が規定されているところでございます。
 これを踏まえまして、本年九月に閣議決定いたしました第三次の障害者基本計画におきましては、各分野に共通する横断的視点といたしまして、特に女性である障害者は、障害に加えて女性であることにより更に複合的に困難な状況に置かれている場合があることに留意する旨を記載したところでございます。
 引き続き、女性である障害者を含めまして全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に向けて、障害者施策の総合的かつ計画的な推進に努めてまいりたいと存じます。
○政府参考人(蒲原基道君) お答えいたします。
 ただいま内閣府の方から話がございましたのと同じ認識でございます。障害者基本計画におきまして、女性である障害者については更に複合的に困難な状況に置かれている場合があることに留意するというふうに書かれてございます。
 私どもとしては、こういう認識の下に、女性である障害者を含めて全ての国民が、障害の有無にかかわらずきちっと共生できる社会を実現できるように頑張っていきたいというふうに思っております。
○福山哲郎君 外務大臣が認識をしていると明言をいただいたので非常に心強く思います。なかなかこれまでは、はっきりとそこのところについては言及をいただけないような場合もかつてはありましたので、三省庁共にはっきりと言っていただいたので大変心強く思いました。ありがとうございます。
 実際には、じゃ、男女別の現状把握を行わなければいけません。今はっきりと、女性は特に複合的差別を受ける存在であるということを認識をされたと。そうすると、男女別の現状把握がしっかり要る、その複合的な差別についての困難な実態について把握していかなければいけないと。ところが、障害者にかかわる国の統計等ではなかなか男女別の統計が示されていません。
 二〇一二年七月に出しました第三次男女共同参画基本計画の実施状況についての意見においても、障害者や高等学校中途退学者についての男女別の統計情報が現状では未整備である、これらの例にとどまらず、施策を効果的に推進するためには男女それぞれが置かれた状況等を客観的に把握することが必要であると指摘されています。
 私は、この男女別の統計というのは非常に重要な要素だと思っております。例えば障害者白書の統計資料の掲載についても男女別のデータを盛り込むことが必要だと思っておりますが、障害者白書の統計資料、男女別のデータを盛り込むことについて内閣府は今どのようにお考えでしょうか。
○政府参考人(岩渕豊君) 本年九月に閣議決定した障害者基本計画におきまして、障害者の実態調査等を通じて障害者の状況や障害者施策等の情報、データの収集、分析を行うこと、そして、その際には障害者の性別、年齢、障害種別等の観点に留意する旨を盛り込んだところでございます。
 障害者白書に掲載されている各データにつきまして男女別のデータを盛り込むことが可能かどうかも含めまして、当該データを把握する関係省庁と連携いたしまして、必要な情報、データの収集、分析、充実を図ってまいりたいと存じます。
○福山哲郎君 私、障害者基本計画の中は存じ上げた上で申し上げているので、逆にこの基本計画に入れ込んでいただいていることは多としますが、国会で答弁をしていただくことによって、より僕はしっかりやっていただきたいという思いです。
 ただ、これまで障害者白書は男女別のデータがなかなか出ていなかったと。これからやるにしたって、各府省は準備も必要だと思います。それから、これまでの統計調査のやり方とは若干異なる可能性も出てまいります。そうすると、データをそろえたくてもなかなかそろえにくいという環境があって、そこは一定ひょっとしたら時間が掛かるかもしれません。しかし、そこは私は、多少時間が掛かってもやるんだという意志を持ってそれぞれの担当に向けて指示を出していただくことが非常に肝要だと思っております。
 やるのかやらないのか分からなかったら、今までどおりの調査しかしないところが必ず出てきます。どうか、はっきりと基本計画に男女別のデータについて取っていくんだという方向が示されていますので、そのことについて具体的にやり切る思いで指示を出す、これから動いていくと、そのようにもう一度明言をいただけませんでしょうか。
○政府参考人(岩渕豊君) 今回、新たに障害者の性別等の観点に留意するということで基本計画に盛り込んだところでございますし、そういった点を踏まえまして、この男女別のデータを盛り込むことが可能かどうか、おっしゃるように関係省庁とよく連携をいたしまして充実を図ってまいりたいと存じます。
○福山哲郎君 最後のところだけは、関係省庁と連携を図って充実を図っていきたいと、ちょっとむにゃむにゃとなるんですよ。そこが僕はちょっと怪しいなと思っておりまして、これ以上の答弁はなかなかしにくいと思いますが、是非、来年の障害者白書から、努力の結果が見えてきたと確実に分かるような状況をつくっていただきたいと思います。
 そのためにも、いろんな障害女性が持つ課題を認識をしなきゃいけないので、その認識を共有をしていく、いろんな課題を抽出して対応していくと。それはもうデータを集めて充実していけば課題が自動的に抽出をされてくるわけですから、その課題についても対応をしっかりしていくということでよろしいかどうか、内閣府、お答えください。
○政府参考人(岩渕豊君) おっしゃるように、女性である障害者が、障害に加えて女性であることにより更に複合的に困難な状況に置かれている場合があることに留意するというのが新たに閣議決定されたわけでございますので、この趣旨を踏まえまして、女性である障害者を始めとして様々な障害特性等に配慮して施策の充実に努めてまいりたいと存じます。
○福山哲郎君 ありがとうございます。
 続いて、一問だけだと思いますが、総務省さんにも来ていただいております。お忙しい中ありがとうございます。
 現状において、これは参考人の質疑で藤井参考人からも強く御指摘いただいたんですが、統計法に基づく基本計画や基幹調査に障害分野は含まれていません。統計法における障害分野の拡充について今総務省はどのような見解、先ほどの内閣府の意見をしっかりとしんしゃくをしていただいた上で、総務省、御意見いただけますか。
○政府参考人(平山眞君) 現在、総務省は、統計法に基づきまして、平成二十六年度からの五か年の新たな公的統計の整備に関する基本的な計画の案を作成いたしまして、去る十月三十日に内閣府統計委員会に総務大臣から諮問をしておりまして、現在、同委員会におきまして計画案を審議中でございます。
 この計画案におきましては、新たに各種法定計画等における統計の整備や当該分野における各種施策との整合性に留意しつつ取組を推進するよう盛り込んでおりまして、障害者基本計画につきましても同様の取組を進める必要があるものと認識をしております。
 総務省といたしましては、統計委員会における審議も踏まえ、新たな公的統計の整備に関する基本計画の策定を進めてまいりたいと考えております。
○福山哲郎君 今の御答弁は、検討中だということを加味したとしても、新たな基本計画の中に障害分野について拡充をしていく、含んでいくという方向で考えたいという答弁と受け止めてよろしいですか。
○政府参考人(平山眞君) 現在の諮問した計画案の中にも各種、男女とか障害者の基本計画がありますが、各種政府の計画における統計の整備についても言及しておりまして、それについて推進をするということで書いてありますので、それに基づきまして推進をしてまいりたいと思っております。
○福山哲郎君 それについてというのは。
○政府参考人(平山眞君) 各種基本計画でございますから、当然、今回議題になっています障害者基本計画も含めて、その統計の整備について推進してまいるということでございます。
○福山哲郎君 強く言い切れないのは分かりますが、障害者基本計画をしっかり受け止めて推進していくという御答弁をいただいたので、何とか統計法の世界でも、日本は権利条約を批准することになるわけですから、しっかりとお答えをいただきたいとお願いしたいと思います。
 さらに、十九条でございます。私、英語苦手なんですけど、いわゆるリビングアレンジメントという言葉が英文の中で、条文の中で出てまいります。いわゆる公定訳の中で、障害者が特定の生活施設で生活する義務を負わないというふうに公定訳にはなっております。この特定の生活施設をリビングアレンジメントというふうに、特定の生活施設という訳をしているわけですが、これは一体どういうことを指すのか、お答えをいただけますでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 条約の交渉経過等から見ますところ、特定の生活施設とは場所的概念だと認識をしております。障害者が生活を送る可能性のある場所一般を指しているものと考えられます。
○福山哲郎君 場所ということでございますが、これは、障害者福祉施設で生活する義務を負わないという意味のほかに、一般的に言うと、例えばある障害当事者の方が独り暮らしとか自分の障害の状況によって親や家族と生活をする、若しくは生活をしなくて別々に暮らすということに対しても義務を負わない、いろんなことに対して義務を負わないという意味も含まれると解しています。
 今大臣が場所一般を指すということは、障害者が意に反して病院とかを含む特定の場所で生活する義務を負わないという意味でよろしいでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、障害者が意に反して入所施設、病院等の特定の場所で生活する義務を負わないことを意味するものと解しております。
 また、この十九条におきましては、誰と生活するかを選択する機会を有すると規定されていますから、独り暮らしをする義務や家族との生活義務についても負わない、このように解しています。
○福山哲郎君 はっきりと解釈について大臣が明言をいただいたので、本当にありがとうございます。
 一個だけ確認です。これ、特定の生活施設というのは一個に限らない、そこだけに限らないということでいいんですよね、特定のこの施設、生活施設というのに限らないということで。いや、大臣の先ほどの答弁はその意味だと思うんですけど、確認だけです。それでよければそうだと言っていただければオーケーです。
○国務大臣(岸田文雄君) その特定というのは一つに限るという意味か、意味ではないという確認だと思いますが、そのとおりだと存じます。
○福山哲郎君 私は、この特定の生活施設という公定訳は、どちらかというと誤解を招くと。何らかの施設というイメージが日本の場合にはあります。それは、何となく障害者の方のいらっしゃるどこかの特定の施設というイメージがすぐ出るんですけど、リビングアレンジメントというのは、やっぱり生活環境とか生活形態とかそういったものに対して義務を負わない、いろんなことが可能性としてあるという意味合いだと思っておりますので、今大臣が明確に御答弁をいただいたので非常に有り難いと思っております。
 次、二十四条一項でございます。二十四条一項は、アン・インクルーシブ・エデュケーション・システム・アット・オール・レベルズ・アンド・ライフ・ロング・ラーニングとあります。障害者を包容するあらゆる段階の教育制度及び生涯学習というのは、これは同一の学校の中で障害者が共に学ぶことができる教育制度のことを意味しているのか、これは一体どういう意味をしているのかということについて、外務大臣、よろしいでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 本条約二十四条一に規定する障害者を包容する教育制度とは、障害のある者とない者とができる限り一緒に教育を受けられるよう配慮することであると解しております。したがって、必ずしも全ての障害のある者とない者が同一の学校で学ぶことまでは意味していないと解しております。
 また、あらゆる段階の教育制度及び生涯学習、この部分には生涯学習、職業訓練、成人教育も含まれると、このように解しております。
○福山哲郎君 後段のやつは、次質問しようと思っていたことだったんですけど、ただ、それをお答えいただいたので結構です。
 それで、同一の学校で学ぶことは意味しないけれども、可能な限り一緒に教育を受けられることは配慮することと解釈するというふうに言っていただきました。可能な限りというのは、障害を持つ方が望む場合というふうな趣旨でよろしいでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) そのように理解いたします。
○福山哲郎君 ありがとうございます。
 今も、支援学校もございます、そして学校があると。だから、すぐにというわけではありませんが、障害を持つ方が望む場合に、可能な限り一緒に教育を受けられるように配慮することを今外務大臣もお認めをいただいたので、非常に力強いお言葉をいただきました。
 実は、前段のリビングアレンジメントですが、生活施設の件ですが、特定の生活施設ではないということですねということを、僕、厚生労働省さんに確認するのを忘れていました。厚生労働省さん、お答えいただけますか。
○政府参考人(蒲原基道君) 先ほど外務大臣から御答弁があったとおり、特定の施設で何か義務付けるということではないというふうに認識をいたしております。
○福山哲郎君 ありがとうございます。
 それから、今のインクルーシブ教育のところでございますが、これは文科省、今の外務大臣の御答弁でよろしいでしょうか。
○政府参考人(加藤重治君) お答え申し上げます。
 外務大臣から御答弁あったとおりでございまして、障害者本人が希望される場合には一緒に教育を受けられるように支援措置などを講じる、こういう認識でございます。
○福山哲郎君 ありがとうございます。
 細かくて恐縮なんですけど、その後、二十四条の二項にあります、ザ・ゴール・オブ・フル・インクルージョンというのがあります。これは完全な包容という目標なんですけれども、これは、完全な包容という目標は、今おっしゃられたように、可能な限り一緒に教育を受けられるようには頑張っていただけるということなんですけど、この完全な包容という目標というのはどういう意味を表すと解釈されますでしょうか。外務大臣、よろしくお願いします。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘の文言ですが、障害のある者と障害のない者とができる限り一緒に教育を受けられるということの実現を最終的な目標として掲げる趣旨であると考えております。
 他方、障害者自身の意向を無視して、あらゆる場合において障害のある者とない者とが一緒に教育を受けなければならないことまで意味するものではないと解しております。
○福山哲郎君 ありがとうございます。
 それから、これも細かいことですが、二十四条二項の(d)、ジェネラル・エデュケーション・システム、一般的な教育制度というのは、我が国の場合は文科省の下での制度を意味するんでしょうか。外務省、よろしくお願いします。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘の一般的な教育制度とは、各国の教育行政により提供される公教育であるという点につき、起草段階で多数の国の理解が一致しております。したがって、我が国においては文部科学省の管轄の下での制度、これを意味していると解しております。
○福山哲郎君 ありがとうございます。
 文部科学省に確認します。先ほどのゴール・オブ・フル・インクルージョンと今のジェネラル・エデュケーション・システムというのは、今の外務大臣の御答弁と同様というふうに解釈してよろしいでしょうか。
○政府参考人(加藤重治君) お答え申し上げます。
 お尋ねの点、二点とも外務大臣から御答弁があったとおりと考えておりまして、前者につきましては、障害のある方とない方ができる限り一緒に教育を受けられるようにするということの実現を最終的な目標として掲げるという趣旨であると考えております。
 また、この一般的な教育制度につきましては、各国の教育行政により提供される公教育であるということでございまして、我が国におきましては文部科学省の管轄の下での制度を意味するというふうに考えてございます。
○福山哲郎君 ありがとうございます。
 次、二十七条の一項に行きます。だんだん時間がなくなってきましたので、ちょっと急ぎます。
 二十七条の一項において、職場において合理的配慮が障害者に提供されることを確保することのための適当な措置をとるように二十七条一項では求めています。また、二条では合理的配慮の否定を障害に基づく差別と定めておりますし、五条でも障害に基づくあらゆる差別を禁止するものとしております。
 障害者差別解消法、私がやらせていただいた審議では、合理的配慮を提供しないことは差別であるとその当時答弁をいただいておりますが、障害者基本法や障害者雇用促進法においても同様の位置付けであると考えてよろしいでしょうか。内閣府、お願いします。
○政府参考人(岩渕豊君) いわゆる合理的配慮の不提供につきましては、平成二十三年の障害者基本法改正によりまして、第四条第二項において、社会的障壁の除去の実施に関する必要かつ合理的な配慮を行わないことが、一定の条件の下で障害を理由とする差別に当たる旨が明確に規定されております。
 なお、先ほど、基本法の改正年を二十七年、差別解消法の対応指針を基本指針と誤って答弁いたしました。訂正いたします。申し訳ございません。
 そして、障害者差別解消法はこの基本法の規定を具体化したものであり、同法におきましても、障害者障壁の除去の実施に関する必要かつ合理的な配慮を行わないことによって障害者への権利利益侵害をもたらす場合には、障害を理由とする差別に当たる旨を規定しております。このような整理は障害者雇用促進法におきましても同様であるものと承知しております。
○福山哲郎君 ありがとうございます。
 障害者雇用促進法においても合理的配慮の提供というのはすごく重要だと御答弁をいただきました。
 一方で、厚生労働省さんにお伺いをします。
 まさに雇用分野は障害者の自立や社会参加においては非常に重要なところでございます。今、私のある知り合いの経営者の方は、障害を持った方を雇用するんだ、月二十五万で雇用するんだといって本当に障害者の方を今雇用して、頑張っていただいて、表参道にカフェをつくったりされている。それはもうITの機械を使って本当に頑張っていただいている経営者も今出てきているところでございますが、事業主の合理的配慮の提供について、厚生労働省さん、国内的にはどのように今後担保していくおつもりでしょうか、お答えいただけますでしょうか。
○政府参考人(内田俊彦君) 改正障害者雇用促進法におきましては、事業主に対して、当該事業主と雇用関係のある障害者に対する合理的配慮の提供を義務付けたところでございます。
 この合理的配慮の具体的内容につきましては、同法では、公益、労働者、使用者、障害者の四者で構成されます労働政策審議会で検討を行って、これを指針として定めるということとされてございます。
 厚生労働省としては、この指針が定められましたら広くその周知を図るとともに、その履行確保が図られますように適切に対応してまいりたいと考えております。
○福山哲郎君 確保されますように適切に対応していただきますという抽象答弁が一番危ないんですね、それは半分やるかやらないかは相手任せみたいな話になりますので。厚労省さん、そこはしっかり、権利条約を批准するんですから、ちょっともう少し何か言ってください。
○政府参考人(内田俊彦君) まさに、その具体的内容につきましては今有識者を集めての研究会等で議論をしておりまして、さらに審議会で検討して指針として定めるということでございますが、それをきちっと事業者に守っていただくように、私どもとして一生懸命広報していきたいと思います。
○福山哲郎君 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
 重要な三十三条一項についてお話を、私、三十三条は非常に重要な条文だと思っておりまして、まず三十三条一項、デジグネート・ワン・オア・モア・フォーカル・ポインツ・ウイズイン・ガバメント、一つ又は二つ以上の中央連絡先を政府内に指定すると条約にあります。我が国において中央連絡先は、国際社会との対話窓口としては、私のイメージとしては外務省、それから各省間の総合調整ということでは内閣府かなというふうに思っておりますが、このフォーカルポイントについて今どのようにお考えか、外務大臣、お答えください。
○国務大臣(岸田文雄君) この中央連絡先の役割ですが、国連の説明によりますと、障害者の人権の尊重が確保されるよう戦略や政策を見直すこと、また関連法令を立案、修正し、見直すこと、そして国の定期的な報告の準備を調整すること等とされております。
 我が国におきましては、外務省総合外交政策局人権人道課、そして内閣府政策統括官(共生社会政策担当)付参事官障害者施策担当、この二つがこれに当たると考えております。締結に当たっては、国連にその旨通報することになると考えます。
○福山哲郎君 こんな、こんなと言うと変だな、委員会の審議の場で外務大臣がフォーカルポイントの具体的な場所についてこれほどきちっと御答弁をいただいたということに対して、審議に当たってのそれぞれの省庁間の御努力と外務大臣の御協力、御英断に心から感謝を申し上げたいと思います。そういった窓口がはっきりすることによって、いろんな国際的なところからの連絡もきちっと、どこへ行ったら日本は対応するんだみたいなことがなくなると思いますので、今の御答弁はもう非常に有り難いと思います。
 また、三十三条一項にア・コーディネーション・メカニズム、調整のための仕組みとあります。それは、我が国においてはどういう役割、どのようなものを指すと外務大臣は思われていますでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘の政府内における調整のための仕組みとは、政府内の関係者の調整を担う仕組みを指すと考えております。
 この仕組みについては、我が国においては内閣府政策統括官(共生社会政策担当)付参事官障害者施策担当、担当付が担当することになると考えております。
○福山哲郎君 内閣府、これまで以上に役割重要になります。それぞれの調整のための仕組み、今までも内閣府さんが頑張っていただいたのは僕分かっておりますが、しかし、これまで以上に重要な役割になりますので、是非よろしくお願い申し上げます。
 続きまして、三十三条の二項でございますが、ア・フレームワーク・インクルーディング・ワン・オア・モア・インディペンデント・メカニズムズ・アズ・アプロプリエート、「枠組み(適当な場合には、一又は二以上の独立した仕組みを含む。)」について、これ実は重要で、この条約の実施を促進し、保護し、監視するための枠組みなんですけれども、この指定に当たり、いわゆる国内人権機構の地位に関する原則、パリ原則との関係はこの三十三条二項はどういう関係になるのか、お答えをいただけますでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) この独立した仕組みについては、政府から完全に独立した機関が要求されるものではなく、運営において公平、中立、独立が確保された機関を指すものと考えています。この理解は、条約起草過程において共有されております。本条約は、この条約の実施を監視するための枠組みを構築する際、御指摘のいわゆるパリ原則を考慮に入れるよう定めております。
 我が国のこの条約の監視枠組みである障害者政策委員会は、障害当事者自身を含む多元的な代表で構成されております。また、同委員会は障害者基本計画について調査、審議し、内閣総理大臣等に意見を述べることができることになっています。これらのこと等から、障害者政策委員会はパリ原則を考慮に入れたものになっていると考えております。
○福山哲郎君 そのように解釈もできるんですが、実は、先ほど申し上げたように、促進、保護、監視という言葉があります。これは一体、具体的には、二項によるこの条約の実施を促進し、保護し、監視するための枠組みというのは、今の大臣が言われた障害者政策委員会だけで本当に全部がカバーできるとは思えません。
 この促進について、保護について、監視について、どういった位置付けだと外務省は考えられているか、お答えをいただけますでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、本条約上、条約の実施の促進とは、啓発等を通じて本条約の趣旨の実現を推進すること等であると解されます。そして保護とは、本条約に定めた障害者の権利の確保や救済を図ることであると解されます。また監視は、本条約の実施状況を調査し、必要に応じて勧告等を行うことであると解されます。
 こうした条約の実施を監視することの一環として行われる勧告の内容には、必要に応じて法制度の整備に係る提案も含まれ得ると考えております。
○福山哲郎君 具体的な外務省の今の解釈についてお答えをいただいてありがとうございます。
 それでは、今の促進、保護、監視、どのように進めていくのか。内閣府、促進、監視についてお答えいただけますか。
○政府参考人(岩渕豊君) 促進につきましては、例えば内閣府による障害者週間、各種行事の実施、法務省の人権擁護機関による人権週間を中心とした各種啓発活動の実施等を通じた、障害者権利条約の趣旨を踏まえた各種周知啓発を行うことを想定しております。
 また、監視につきましては、我が国における障害者権利条約の実施については国内の障害者施策をもって行われることとなるところ、同条約の国内実施状況の監視は、我が国の障害者施策の方針の根本を成す障害者基本計画について、それが同条約の趣旨に沿って実施されているかを監視することによって行われることになります。
○福山哲郎君 監視はどのような仕組みでやられるおつもりですか。
○政府参考人(岩渕豊君) 条約三十三条二に言う国内実施状況の監視につきましては、障害者基本計画の実施状況の監視を通じまして障害者政策委員会が行うということが想定されております。障害者基本法上、障害者政策委員会は、障害者基本計画の実施状況の監視に当たり必要があると認めるときは、関係行政機関の長に対し資料の提出、意見の表明、説明その他必要な協力を求めることとされているほか、それ以外の者に対しても必要な協力を依頼することができるとされているところでございます。
 このような権限も活用しながら、障害者政策委員会がその任務を全うできるように適切な事務局運営に努めてまいりたいと存じます。また、障害者権利条約に基づく政府報告の作成におきましても、障害者基本計画を通じて条約の実施に資する意見を障害者政策委員会から聴取し、政府報告にも反映させていく所存でございます。
○福山哲郎君 今、事務局も充実しという言葉がありましたが、障害者政策委員会の役割もこれからますます大きくなりますので、先ほど申し上げた調査、それからこの事務局の充実等々は全部実は有機的につながってきます。
 ですから、そのことについては、内閣府におかれましては、なかなか予算が取りにくい時代だと思いますけれども、そこは予算をしっかり取っていただいて、頑張ってこういった仕組みを一年一年充実をさせていただきたいと思いますが、決意表明をいただいていいでしょうか。
○政府参考人(岩渕豊君) 障害者政策委員会がただいま申し上げました任務がきちんと果たせるように、適切な運営ができるように努力してまいりたいと存じます。
○福山哲郎君 実は、促進、監視に関しては一定ある程度のフォローができる可能性があるんですけど、実は、保護について言うと、救済の問題についてはまだ日本にはその仕組みができておりません。パリ原則に基づくいわゆる人権救済機関の設置については、日本はなかなかできておりません。民主党政権も、法案、閣議決定までには至ったのですが、残念ながら政権が替わってしまいました。そのことについては、法務省は今どのようにお考えでしょうか。
○政府参考人(萩原秀紀君) お答えいたします。
 新たな人権救済機関を設置するための人権委員会設置法案でございますが、これは、昨年の十一月九日に第百八十一回国会に提出されましたが、十六日の衆議院解散によって廃案になりました。
 それで、その後の関係でいいますと、人権救済制度のそういった在り方につきましてはこれまで様々な議論がなされてまいりまして、その議論の状況を踏まえまして、当局におきましては幅広く現在検討しているところでございます。
○福山哲郎君 これは一定与党側にいろんな異論があると思いますが、随分誤解もこの議論にはありまして、障害を持たれた方の差別事案だとかお年寄りに対する差別事案だとか、ネット上の非常にひどい差別事案だとかが今あちこちであります。
 このことに対して、どう差別をなくすのかというガイドラインを作っていく意味も含めて、ましてや、障害者権利条約を批准するに当たっては、この保護措置というのは私は国内としては必要だというふうに思っているので、今検討中だというふうに承りましたので、そこについては我々自身もいろんな形で準備をしていきたいと思いますが、よろしくお願いしたいと思います。
 障害者の権利委員会における障害当事者の日本人の委員の実現については先ほど質問がありましたので、もう重ねての質問はやめておきたいと思います。
 時間になりました。大変前向きな答弁を、解釈も含めて難しいところを具体的に外務省も内閣府も厚生労働省もお答えをいただいたと思っております。事前の御準備というか調整をしていただいたこと、本当に感謝を申し上げますし、この批准が、先ほど宇都委員もおっしゃられましたけれども、新たな障害者政策を実現をしていく、充実をしていくスタートラインだという認識で各府省におかれましてはお力添えをいただきたいと心からお願いを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
 本当にありがとうございました。
   〔委員長退席、理事佐藤正久君着席〕
○神本美恵子君 民主党・新緑風会の神本美恵子でございます。
 今日は、福山理事の御配慮で、この外防委員会で質問させていただく機会をいただきました。ありがとうございます。
 この障害者権利条約の批准について私は質問をしたいと思うんですが、今日、傍聴席に、もう本当に一時からたくさんの方々が座ってこの議論を聞いていただいております。
 私自身も、この障害者権利条約については強い思い入れもありまして、この機会をいただきました。議員になる前、小学校の教員をしておりまして、障害のある子供さんと障害のない子供さんが一つの教室で一緒に学ぶという経験をしてまいりました。その中で学んだことは、本当に私にとっては教員としてこんな経験はない、そして、その後の私の人生にとってもとても大きな経験でございました。そういう立場から、この障害者権利条約がまず国連で採択をされたときに、そして二十四条でインクルーシブ教育ということが提案されたことには本当に感慨深いものを感じたところでございます。
 一日も早くこの条約を批准して、我が国でも共に学ぶ教育が実現できるということを思う一方で、これまで、子どもの権利条約や女子差別撤廃条約、様々な人権にかかわる条約がございましたが、これを我が国も署名し批准して、果たして本当に子どもの権利条約が生かされてきたのか、本当にそれがきちっと監視されて条約履行の状況がこの国でつくられてきたかというと、必ずしもそうではない。女子差別撤廃条約についても、採択、署名から批准まで約六年掛かっております。子どもの権利条約は四年半、何一つ国内法を整備しないままに今日に至っております。
 この障害者権利条約がそういうことになってはならないと。これは私だけではなくて、私も党の障害者政策の一端を担わせていただいているときに、今日おいでいただいている何人もの方々から、拙速な批准はやめてくれ、私たち抜きに決めないでくれという強い声をいただきました。それを受けて、民主党政権のときに、障がい者制度改革推進本部を政府内に置き、総理大臣をトップとして障がい者制度改革推進会議をつくり、その中には障害当事者の方々を中心メンバーとして入っていただいて、たくさんの御意見をいただきながら様々な国内法整備に取り組ませていただきました。
 その経過の中で、署名から六年、批准まで七年も掛かってしまうという、この長い期間を要したわけですけれども、それだけに、批准した後の国内が、本当に障害者政策が総合的に、この条約が求める基本的人権の尊重、差別解消、そして何よりも障害とは個人、本人の問題ではなくて社会モデルという社会の障壁に問題があるというとらえ方がこの条約で示されている、そういう方向へ施策が行くことを心から願うものであります。
 たくさん通告をさせていただいて、今日は政務三役においでいただいているんですが、先ほどの福山議員の、権利条約二十四条、教育にかかわるところでもう少し深めさせていただきたいのですが、ちょっと文科省のメンバーが替わっているので、大丈夫ですかね。
 政務官においでいただいておりますが、先ほど岸田外務大臣は、福山理事の質問に対して、二十四条で、共に一緒に学ぶということは、できる限り一緒に学ぶということで全てということではないというふうにおっしゃいました。その意味は、本人の意向が、一緒に同一教室で学ぶのではなくて、例えば特別支援学校を望んだりする場合もございますので、そういう本人の意向を無視して一緒に学べということではないというふうにおっしゃったんですが、もう一度確認させていただきます。それでよろしいでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 先ほども答弁させていただきましたが、本条約二十四条一に規定する障害者を包容する教育制度とは、障害のある者とない者とができる限り一緒に教育を受けられるよう配慮することであると解しており、したがって、必ずしも全ての障害のある者とない者が同一の学校で学ぶことまでは意味しないと解しております。
 御指摘のとおりだと考えています。
○神本美恵子君 そこで、その全てではないというのをその後もう一度質問されて、それは、できる限りというのは本人の意向を尊重したときに一緒ではない場合もあるよというふうに私は聞き取ったんですけれども、それでよろしいでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 障害者の方御自身の意向を無視してあらゆる場合に一緒に教育を受けなければならないということまでは意味していない、こういった趣旨で申し上げさせていただきました。
○神本美恵子君 ありがとうございます。
 なぜ何度も繰り返し申し上げるかと申しますと、今、教育の現場はその逆になっているんですね。一緒に学びたいというお子さんや保護者の方がいらっしゃる。ところが、学校がその条件整備ができない、受け入れる条件整備ができないので特別支援学校に行ってくれ、あるいは特別支援学級で学んでくれというふうに分けられるこれまでの制度になっておりました。
 ただ、今回のこの条約批准に向けての国内法整備の一環として、学校教育法の施行令が今年の八月ですか、変えられまして、九月ですか、そして十月から施行されているわけですけれども、総合的な判断で、できる限り本人、保護者の意向も尊重しながらやっていこうというふうになっておりますが、今外務大臣がおっしゃったように、原則一緒で、本人、保護者が望まないときはそうじゃなくていいんだよというのとはちょっと違うようになっているのではないかと思いますが、文部科学省、そこはいかがでしょうか。
○大臣政務官(上野通子君) 今委員がおっしゃられましたように、本条約の批准に向けて文科省としては、先ほどおっしゃったように、八月に学校教育法施行令を改正しまして、今大臣おっしゃったことなんですが、繰り返しにもなりますが、具体的には、障害のある児童生徒の就学先決定について、特別支援学校への就学を原則とし、例外的に小中学校への就学を可能にしていたというのがこれまでの仕組みでございますが、それを新たに、本人若しくは保護者の意見を最大限に尊重して、個々の障害の状況などを踏まえて総合的な観点から就学先を決定するという仕組みにしたところでございます。
○神本美恵子君 ニュアンスといいますか、違うんですよね。
 私は外務大臣が条約を体した形で御答弁なさっていると思いますので、そういう考え方からいうと、今文科省が施行令を変えて、これまでは原則あっちへ行きなさいというふうに決めて例外的に一緒に学ぶ地域の学校を選択できたという、それを変えたところは私は了とします。
 ただ、変えたのは、原則分けるのではなくて、原則と例外をなくして真ん中にしただけなんですね。真ん中って分かりますか、ニュートラルという言葉を文科省はずっと使われるんですが。しかし、外務大臣が答弁していただいたのは原則一緒ですよと、しかし、本人、保護者が望む場合はこちらの特別支援学校に行ってもいいです、それができる限り、可能な限りという意味だというふうにおっしゃったんですが、そこは文部科学省、外務大臣の御答弁でいいんでしょうか。
○大臣政務官(上野通子君) 外務大臣の御答弁でよろしいと思います。原則は一緒でいいと思います。
○神本美恵子君 原則一緒ということでいくとすれば、それを実現するためには本当にたくさんの条件整備、いわゆる合理的配慮というものが必要になってくると思います。
 これについては具体的な通告をしておりませんでしたけれども、今、インクルーシブ教育体制の構築ということで文部科学省も御努力いただいていると思いますので、その具体的な条件整備のための、一緒に学ぶための予算とか体制、どのようにつくっていらっしゃるでしょうか。
○大臣政務官(上野通子君) 神本議員もお分かりのように、今、義務教育下では、通級といいまして、普通の学級に通っている子供たちと一緒の障害を持った子供たちのための加配措置をしております。また、児童生徒の学習活動のサポートを行う特別支援教育支援員を配置して地方への財政措置をしております。
 これはまだ義務教育の下だけでもございますが、今後は、これを高等学校まで広げて通級を見ていきたいということを思っております。
○神本美恵子君 もう政府予算案がこれから作られるわけですので、どういうふうにそれが予算化されて、同一の場所で障害のある子とない子が共に学ぶための、これまで条件整備ができていないのであっちへ行けと言われていた子供たちが、本人が望めばそちらに行けるという、そういうふうな条件整備を今、今度の予算編成に向けてやられているかということをちょっと具体的に聞かせていただきたいんですが。
○大臣政務官(上野通子君) インクルーシブ教育構築のモデル事業をします。まずは、モデル事業として二十四地区で合理的配慮協力員を約百二十人配置します。そして、合理的配慮の調査研究も実施するということです。
○神本美恵子君 モデル事業はよく分かりました。
 そのモデル事業がインクルーシブ教育、同一場所で学べるような方向のモデル事業にならなければいけないと私は思っておりますけれども、どういうモデル事業を考えていらっしゃるんでしょうか。
○大臣政務官(上野通子君) まだ、具体的なものとしては私まで来ておりませんが……(発言する者あり)
○理事(佐藤正久君) 続けてください。
○大臣政務官(上野通子君) はい。
 小中高におけるインクルーシブ教育の実現に向けた、先ほど言った合理的配慮の調査研究の実施として、インクルーシブ教育の構築をするために各地点や学校での様々な協力を得ながらデータベースを作って、そして普及促進に、ちょっと済みません。
○理事(佐藤正久君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○理事(佐藤正久君) 速記を起こしてください。
○大臣政務官(上野通子君) 申し訳ございません。もう一度最初からさせていただきます。
 今、小中学校で既にやられているものを、それを高等学校にも広めるというモデル事業に拡大するという予定でございます。
   〔理事佐藤正久君退席、委員長着席〕
 具体的に言いますと、特別支援学校と小中高におけるインクルーシブ教育システムを特別支援学校と通常の学級の交流及び共同学習の形で追求するなどの事業を行うということです。
○神本美恵子君 インクルーシブ教育体制を構築していく方向を向いているということは確認をさせていただきますが、具体的に一緒に学ぶための今これからやっとモデル事業をしようとするという、それでは本当にまだまだ時間が掛かるということも予測されます。そうすると、これまでも、実際は一緒の地域の学校で学びたいのに、分けられて特別支援学校や学級に行けと言われて、いや、それでも地域の学校に行きたいといって、校門で追い返されたり、親が付き添わなければ教室に入れてもらえなかったりという実態が今全国にあるわけです。
 そういった場合に、そういう親御さんたちは今の制度の中で、いわゆる制度違反になりますから、これまではそういう苦情や相談を聞いて何とか紛争を解決するというような手だてがなかったわけですけれども、こういう方向を向いたわけですので、そういった紛争あるいは相談、苦情があった場合には、これは内閣府に今日おいでいただいていますし、先ほどもちょっとあったんですが、差別解消法の中では、第十四条で相談及び紛争の防止のための体制整備に関する規定がございます。この体制整備ということはとても重要だと思うんですね。これまでの相談機関で、それを何か少し充実すればいいというような考え方では今事例に出しましたようなことにはとても対応できないと思うんですが、この相談及び紛争防止のための体制整備、どのようにお考えでしょうか。
○大臣政務官(福岡資麿君) お答え申し上げます。
 委員御指摘いただきましたように、相談及び紛争の防止等のための体制の整備というのは極めて重要な問題だというふうに思っております。
 その上で、今委員はそれじゃ不十分だというふうにおっしゃいましたが、今いろいろな省庁の中で窓口を整備させていただいています。そこのまずは活用、充実を努めることが必要だというふうに思っていまして、そこの職員の確保や窓口の設置を含めた体制の見直しなどを行っていきたいというふうに思っています。その上で、関係省庁等としっかり連携しながら法施行の準備に着実に取り組んでまいりたいと考えております。
○神本美恵子君 今日はちょっと時間がありませんので余り詳しく突っ込めないと思いますが、今ある窓口を充実させていくというだけでは不十分ではないかと私は申し上げたんです。
 これまではもちろん、学校の場合、分けるということが前提でしたので、それを今度は原則統合ですから、そういう御答弁もいただきましたし、ただ、そういう方向になっていないので、苦情がこの相談機関に来たときに、対応がこれまでのような対応では何ら解決できませんので、きちっとこの条約を理解して、国の制度が変わったということを理解して、その立場で紛争解決に向けてやるような、そのための体制整備、もう一言お願いします。
○大臣政務官(福岡資麿君) まず、現時点では、今委員がおっしゃいました観点に沿いまして、今ある既存の施設の中で体制強化とかそういったことを図っていきたいというふうに思っていますが、いずれにしても、御指摘のような新たな機関の設置を含め、相談、紛争解決の在り方については、本法の施行状況を踏まえながらしっかりと検討してまいりたいと思っております。
○神本美恵子君 続けて内閣府にお願いしたいんですけれども、先ほども出ました障害者政策委員会、基本法の中で設置が決められたこの政策委員会、この障害者権利条約は、当事者参画ということが大きくクローズアップされて採択から今日に至っております。
 意思決定プロセスに当事者が参画する、この批准に向けての国内法整備もそういう形で当事者参画でやってこられたわけですけれども、障害者政策委員会、このメンバーの中に障害当事者、中にメンバーが入れるのか、あるいはどういう連携をして意思決定プロセスに当事者が参画できるように考えられるのか、そこについて、非常にこれは重要な存在だと思いますので、お考えをお聞かせ願いたいと思います。
○大臣政務官(福岡資麿君) 今委員が御指摘いただきました障害者政策委員会につきましては、昨年五月に設立されまして、昨年七月の第一回目の会合以降十八回開催しているというふうに承知しておりますが、その委員の中には、そういう障害に携わる団体の方々の代表の方々等にも入っていただいているところでございます。
 今後も、そういった方々を通じて、当事者の声というのはしっかり承ってまいりたいと考えております。
○神本美恵子君 私も、女子差別撤廃条約の関係では、男女共同参画基本計画を作り、その基本計画の進捗状況を見ながらまた国連に報告をしなければいけない、国の報告書を作るときにも履行状況を報告しなければいけない、そして報告を受けて勧告を受けたものをまたしっかりと政策に反映しなければいけないという、こういった流れから見ると、この政策委員会というのはとても重要だと思いますので、それも含めて、最後に岸田大臣に、この障害者権利条約の批准後の国連との関係で、国内の報告書、それから履行に向けて勧告、提言を受けたものを政策に生かしていくという決意をお願いしたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、障害者権利条約、障害者の方々の人権ですとか基本的自由を守るために大変意義ある条約だと思っております。
 そして、条約締結後、御指摘のように、我が国は国連の障害者権利委員会に定期的に報告をする義務を負うことになります。そして、その報告を受けて同委員会の方から勧告等を受ける、こうした仕組みに組み込まれることになるわけですから、おのずと我が国の体制について国際的な評価にさらされることになる。こういったことを受けて我が国の国内の制度が充実していく、こういったことが十分期待できると考えております。
 是非、こうした仕組みを通じまして我が国自身の国内的な制度が進展することを期待したいと思いますし、外務省も含めて関係者がしっかり努力をしていかなければいけない、このように考えております。
○神本美恵子君 終わります。
○河野義博君 公明党の河野義博でございます。
 障害者権利条約に関しまして質問をさせていただきますが、まずは冒頭、先週の参考人質疑の際にも申し上げましたけれども、公明党は、条約批准に向けまして、国内整備に向けて積極的に取り組んでまいりました。同僚の議員、先輩議員たちが中心となりまして、障害者の皆様と意見交換を数多く重ねながら一歩一歩着実に進めて、この度の障害者権利条約批准に向けた審議に至ったこと、感慨を覚えております。
 ほかの委員の方々から質問をいただきましたので一部割愛をさせていただきますが、重要な点に関しましては重複しても質問をさせていただきたいと考えております。
 まず、外務大臣に伺います。
 啓蒙活動、周知徹底という観点から、同条約八条に、締約国は、障害者に関する社会全体の意識を向上させ、並びに障害者の権利及び尊厳に対する尊重を育成するための即時の、効果的な、かつ適切な措置をとると、こういう記載がございます。
 参考人の質疑でも数多く意見が出されましたけれども、本条約批准に向けて国民の意識、関心を飛躍的に向上させるということが一つの大きなかつ喫緊の課題であると思います。
 島尻委員の質問に対する回答としまして、ホームページやツイッター、フェイスブック、政府オンラインを通じて広報活動を広めていくというお答えもございましたが、市町村レベルでの周知徹底も必要というお声も、強い要望もいただいておりますので、今後の対応に関しまして予算措置も含めて大臣の見解をお聞かせください。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のように、本条約を完全実施するためには本条約の趣旨等について広く周知していくことは大変重要だと思いますし、現状まだまだ努力をしなければいけない、こういった指摘はそのとおりだと認識をしております。是非こうした周知には努力をしていきたいと思っておりますし、市町村レベル等様々なレベルにおいて努力をしなければいけない、こういった御指摘もそのとおりであります。
 ですから、今後、先ほど答弁させていただきましたように、ホームページですとかツイッターですとかフェイスブックですとか政府広報オンライン等、様々なツールを使って働きかけることを考えておりますが、やはり内容において、この条約の概要ですとか意義、これを障害当事者の方々を含む国民全体に分かりやすく、そしてさらには利用しやすく、こうした広報をしていくことが重要ではないかと考えています。
 様々なツールを使い、そしてさらにはマスメディアの協力等も得ながら広報をしていきたいと思いますが、内容においても、今言った点を重視してしっかり広報していくことを考えていかなければいけないのではないか、そのことによって市町村レベルを始め様々なレベルにこうした広報が浸透していく、こういった結果を出していかなければいけない、このように認識をしております。
○河野義博君 今の私の質問は、予算措置も含めて是非見解をお伺いをしたかったわけですが、もしその点に関しても一部コメントをいただければ。そして、啓発活動には関連省庁とともに外務大臣の強いリーダーシップを私期待をしておりますので、改めて御決意をいただければと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) ただいま申し上げましたような広報を実現するためには、やはり外務省のみならず関係省庁の連携が必要だと存じます。
 そして、予算についての御質問でありますが、こうした広報を周知徹底するためにどのような役割分担や連携が必要なのか、この辺もしっかり確認した上で、予算においてもできるだけ努力をしていきたいと考えています。
○河野義博君 ありがとうございました。
 続きまして、内閣府に統計及び資料の収集という観点で伺います。
 条約三十一条、「締約国は、この条約を実効的なものとするための政策を立案し、及び実施することを可能とするための適当な情報を収集する」とございます。福山委員の質問にもございましたけれども、統計法に基づく基本計画に障害の分野が含まれていないという点、また、統計法に基づく基幹調査にも障害分野が加えられていないという点が指摘をされておりますけれども、本件指摘を踏まえました障害分野の情報収集の現状認識、そして今後の方針に関して内閣府よりお聞かせください。
○政府参考人(岩渕豊君) 障害者施策を適切に講じ、また施策の適切な企画、実施、評価及び見直し、PDCAを行うためには、情報やデータの収集を行うことが重要であると認識しております。このため、障害者基本計画におきましては、障害者施策を適切に講ずるために、障害者の実態調査等を通じて障害者の状況や障害者施策等の情報、データの収集、分析を行うこと、その際には障害者の性別、年齢、障害種別等の観点に留意する旨を盛り込んだところでございます。
 委員御指摘の統計法は、その目的として、公的統計が国民にとって合理的な意思決定を行うための基盤となる重要な情報であることに鑑み、公的統計の体系的かつ効率的な整備及びその有用性の確保を図り、もって国民経済の健全な発展及び国民生活の向上に寄与することを規定しているもの、一部略しておりますけれども、規定しているものと承知しておりまして、基本計画に基づく情報やデータ収集を通じまして状況把握を行い、的確な政策立案を行うということは、このような統計法の考え方にも沿うものと認識しているわけでございます。
 引き続き、本計画に基づきまして、個別施策を実施する関係省庁と連携し、必要な情報、データの収集、分析、充実を図ってまいりたいと存じます。
○河野義博君 正確な状況の把握が、データ整備がなされていない中で効果的な政策立案というのは非常に困難であると考えております。今回の審議に当たって、内閣府や厚労省さんにデータの整備を問い合わせたところ、私個人の印象ですが、非常にデータ整備が遅れているという印象を強く受けました。
 統計法においても障害分野を含めることの検討も引き続きお願いしたいと思いますし、また、各省が各施策を推進するためにデータを集めるということではなくて、やはりどのような地域にどのような障害者の方がどのような性別で年齢構成でいらっしゃるという正確な状況を把握した上で政策立案を進めていくべきだと私考えておりますので、引き続き、データ整備には力を置いて進めていただければと思っております。
 次に、批准後の運用に関しまして、条約三十三条、三十四条に関しまして外務省、内閣府に伺います。
 三十三条においては国内における実施及び監視、三十四条には障害者の権利に関する委員会等の設置の記載がございます。批准後の運用に関する規定がございますけれども、外務省、内閣府よりそれぞれ、具体的な批准後の方針及び運用方法に関して改めて御説明をお願いいたします。
○政府参考人(平松賢司君) お答えいたします。
 本条約におきましては、締約国に対しまして、本条約に基づく義務を履行するためにとった措置等に関する報告を定期的に障害者権利委員会、国連の委員会でございますけれども、提出するよう義務付けております。本条約によりますと、条約が自国について効力を生じた後二年以内に、その後は少なくとも四年ごとに報告を提出することを義務付けております。
 また、障害者権利委員会においては、その報告を検討した上で締約国に提案や勧告を行うこととなっております。同委員会からの提案あるいは勧告につきましては、各国が施策を実施するに当たりまして十分考慮し、誠実に対応すべき性格のものであると考えております。この報告制度によりまして、各締約国が本条約を効果的に実施し、また誠実に遵守することが具体的に確保されるというふうに思ってございます。
 外務省といたしましては、この制度を通じまして、障害者団体の御意見等も踏まえつつ、関係省庁間で連携いたしまして本条約に基づく義務を誠実に履行してまいりたいと、そういうふうに考えております。
○政府参考人(岩渕豊君) 我が国における障害者権利条約の実施につきましては国内の障害者施策をもって行われることとなるところ、この条約の国内実施状況の監視は、我が国の障害者施策の方針の根幹を成す障害者基本計画につきまして、それが同条約の趣旨に沿って実施されているかを監視することによって行われることになります。
 障害者政策委員会は、昨年七月に第一回を開催して以降、部会や小委員会を含めまして十八回開催しておりまして、精力的に御議論をいただいているものと認識しております。今後、障害者差別解消法に基づく基本方針案の作成に向けての議論や障害者基本計画の実施状況の監視を行っていただく予定でございます。
 具体的な監視の在り方につきましては、関係省庁や障害者政策委員会の御意見も伺いつつ今後検討していくことになりますが、いずれにせよ、障害者政策委員会がその任務を全うできるように適切な事務局運営に努めてまいりたいと存じます。
○河野義博君 ありがとうございました。
 続きまして、厚生労働省に伺います。まずは就労と収入に関しての問題でございます。
 障害者年金と賃金、工賃を合わせた年収が百万円以下の方々というのは五六%、二百万円以下になりますと九九%にも上るという新聞記事もございました。私が地元を回っておりましても、こういった賃金、低い収入という問題に関しては数多くお話を伺うわけですけれども、入所費用を払ったらもうお小遣いも残らないというような切実なお話もたくさん伺うわけですが、障害者の収入増加に向けた具体的な方針及び取組に関してお聞かせください。
○政府参考人(蒲原基道君) お答え申し上げます。
 障害のある方々が地域で自立して生活していくという観点からいいますと、今お話がございました形のように、就労の支援というのが非常に重要であるというふうに認識をいたしております。
 障害者総合支援法においては、一つは、いわゆる企業への一般就労への移行を支援するという形の就労移行支援事業という形で事業が一つございます。また、なかなか企業での一般就労が難しい方々に対しましては、就労の機会を提供して必要な訓練を行う就労継続支援事業、これは昔の言葉で言えば授産施設でございますけれども、そういう事業を実施しているところでございます。
 とりわけ後者の就労継続支援事業におきましては、事業所でいろんな生産活動をやった後、売上げから一定の経費を除いた分を工賃として御本人に支払うという形になっているわけでございます。その意味でいうと、やっぱり事業所における工賃を上げるための、売上げ増とか幾つかの取組が必要だというふうに考えています。
 我が省におきまして、現在、工賃向上計画支援事業ということで都道府県を中心に幾つかの事業をやっておりまして、例えば就労継続支援事業を行っている事業所にコンサルタントを派遣するだとか、あるいはいろんな各分野の専門家を派遣してできるだけ売上げを上げるようにするだとか、あるいはもう一つは、個々の就労継続支援事業所は非常に小規模なものですから、幾つかの事業所が集まって共同でいろんな受注を受けて、かつ作ったものは共同で販売するような、こういう共同受注窓口の設置促進といったことをやってございます。
 また、あわせまして、今年の四月からは障害者優先調達推進法というのが施行されてございまして、これは、各省庁や自治体に対して物品等の調達について努力義務を課しているということでございます。
 こうしたいろんな施策を組み合わせて、できるだけ障害者の工賃が一層向上するように取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○河野義博君 ありがとうございました。
 制度面に関しては充実しつつあるという印象を持っておりますけれども、実際にどうやって収入を増やしていくかというのは引き続き大きな課題であると思いますので、協力し合いながら進めさせていただければと思います。よろしくお願いいたします。
 二点目、異性の介助の問題と、もう一点は、通勤通学に際して視覚障害者への同行支援の問題、併せて質問をさせていただきます。
 特に女性に対する介助に関して、同性によるものを求める声というのが多く聞かれますけれども、その対応並びに今後の方針を伺いたいと思います。また、同行支援、視覚障害者に対する同行支援でございますが、通勤通学にまで適用を求めるという現場の声が非常に多く伺えます。まず、本件に関する当局の見解をお聞かせください。
○政府参考人(蒲原基道君) お答え申し上げます。
 今先生から御指摘ございました障害者の方々に対する同性介助の問題、あるいは通勤通学への支援について、非常に重要な課題であるというふうに認識をいたしております。
 まず一点目でございますけれども、介助の関係でございますが、例えば障害者の支援施設等における介助につきまして、一つは、言わば運営の基準というのがございまして、その中で、例えば利用者の意思及び人格を尊重し、常に利用者の立場に立った障害福祉サービス等を提供する旨の基準というのを設けておって、これをきちっとやってもらうというのが一つございます。
 また、これは少しあれでございますけど、障害者の虐待防止の手引というのを作りまして、これでいろんなマニュアルとして利用いただいておるわけなんですけれども、その中で障害者のプライバシーについての自己チェックの項目が幾つかございまして、その中の一つに異性による入浴等の介助の有無というのをよくチェックするようにということで、言ってみればできるだけ同性によるそうした介助というのをやってもらうように注意喚起をしていると、こういうことをやってございます。
 さらにもう一つは、夜間、例えばグループホーム、ケアホームの夜間の支援体制で、できるだけ手厚く人員が配置されるように報酬の引上げをこれまで行っておりまして、手厚く配置できるということは、例えば複数の人が配置できれば男性女性の両方を配置できるといったことで、こういった点もこれまで対応しているところでございます。
 また、もう一つの、特に視覚障害者であろうかと思いますけれども、その方々に対する通勤通学の支援の件でございます。
 視覚障害者に対する一般的な移動の支援については、同行についてのきちっとした給付というのをつくっておるわけでございますけれども、先生がおっしゃったとおり、通勤通学のところがまだ対象になっていないということでございます。
 この点については、例えば障害者の差別解消法の中で言わば事業者側に合理的配慮が求められているということで、そうした合理的配慮がどうなるかという議論をよく見ながらいかなきゃいけませんし、さらにはいろんな財源の問題等もございます。そうしたことを踏まえながら、どのような対応を行うべきかということをよく検討していく必要があるというふうに考えております。
 いずれにしても、こういったいろんな施策をきちっとやって、できるだけ地域で障害のある方が安心して生活できるように取り組んでいきたいというふうに考えております。
○河野義博君 ありがとうございました。
 同行支援に関しまして、通勤通学、長期継続的になることから財源の問題が非常に大きいと、私もそれは同じ認識でございますが、今後とも是非継続的に議論をさせていただけたらと思います。ありがとうございました。
 続きまして、直接権利条約には関係ございませんが、スペシャルオリンピックス、デフリンピックに関しまして伺います。
 二〇二〇年パラリンピック開催、東京で開催されることというのは非常に喜ばしいことで、是非とも大成功に導かなければならないというのは皆さん一致した考えだと思いますが、一方で、今後より一層その存在を広めて盛んにしていかなければならないのが、知的発達障害者の皆様に対する四年に一度の国際大会であるスペシャルオリンピックス、また聴覚障害者に向けたデフリンピック、この二点があるかと思いますけれども、政府の両大会への取組、また普及に向けた今後の方針に関して御説明をお願いいたします。
○政府参考人(蒲原基道君) お答え申し上げます。
 障害者のスポーツにつきましては、障害者の社会参加を促進するという観点から非常に重要であると認識しておりまして、今お話がございましたスペシャルオリンピックスあるいはデフリンピック、これも含めまして障害者のスポーツの普及支援に取り組んでいるところでございます。
 幾つか具体的な施策を申し上げますと、例えば障害者スポーツの普及として、先生お話のありましたスペシャルオリンピックスといったような大会への、全国大会の後援だとか、あるいはそうした大会があるときにはホームページ、広報誌で広く周知をしていくということがあります。また、そこに参加されるアスリートの方々への支援でございますけれども、そういうスペシャルオリンピックス、海外で四年に一回ございますので、そうした国際的な大会へ派遣する際の選手の派遣費用を助成いたしましたり、あるいはそこに至るまでの言わば選手の強化活動、これへの助成といったものを行っているところでございます。
 また、アスリートといっても言わば裾野のところから育てていくことが併せて大事だろうというふうに考えてございますので、そうした障害者スポーツの裾野を広げる支援として、市町村が非常に身近なところで行っている障害者のスポーツ大会だとか、あるいはもう少し幅広く、スポーツのレクリエーション大会、こういったことへも今度は自治体レベルでいろんな補助を行っていると、こういうことでございまして、この問題は、今後文科省ともよく相談しながら、スポーツの下支えを含めたスポーツ活動への支援に取り組んでいきたいというふうに考えております。
○河野義博君 ありがとうございました。
 続きまして、社会保障協定に関しまして外務省に伺います。
 この協定は、各国が、個人及び企業の負担が大幅に軽減されることで自国企業が自由な企業活動を可能とする環境整備と言えます。私自身も昨年まで海外に商社の駐在員としてこの社会保障協定の利益にあずかってまいりました。この度、発効国は十四か国で署名済みは三か国ということになっております。今後、取り組むべき相手国はどの国々と考えておられるのか、状況をお聞かせいただきたい。
 また、そのうち、それらの国の中で在留邦人が多いと思われる相手国はどこになるのか、状況をお聞かせください。
○政府参考人(上村司君) お答え申し上げます。
 今後どのような国々と社会保障協定に取り組むべきかということでございますが、具体的に申し上げますと、中国、ルクセンブルク、スウェーデン及びフィリピンとの間で現在政府間交渉を実施中でございます。また、今後スロバキアとの間で政府間交渉を開始する予定にしております。さらに、オーストリア、トルコ、フィンランドとの間では交渉に向けた予備的な協議を開始しておりまして、双方の制度について情報交換を行っているところでございます。
 これらの国のうち在留邦人数が特に多いのは、中国約十五万人強、フィリピン一万七千人強ということでございます。
○河野義博君 中国との社会保障協定の交渉状況をいま一度お聞かせいただけますでしょうか。
○政府参考人(金杉憲治君) お答えいたします。
 中国との間では、中国が二〇一一年に社会保険法の施行というのを行いまして、それ以降、日本企業に対して中国の社会保険制度に加入するようにという動きが出てきております。それを受けまして、中国とは二〇一一年の十月以降、三回にわたって交渉を行ってきているという状況でございます。
 以上でございます。
○河野義博君 三回の交渉の具体的な時期と次回交渉の予定に関してお聞かせいただけますでしょうか。
○政府参考人(金杉憲治君) お答えいたします。
 第一回の交渉は二〇一一年の十月に北京で行われております。第二回の交渉は二〇一一年の十二月に東京で行われております。第三回の交渉は二〇一二年の三月に北京で行われております。
 私どもといたしましては、中国の国内における動き、あるいは日本の経済界から中国との社会保障協定についての強い要望が出ておりますので、ともかく第四回の交渉を早急に開始したいということで今中国との間で鋭意調整を進めているところでございます。
 以上でございます。
○河野義博君 次回の交渉を鋭意交渉中ということでございまして、是非この議論は進めていただきたいと考えております。
 日中関係、様々問題を抱えておりますけれども、個別の問題があったとしても全体には影響を及ぼさない、戦略的互恵関係の下で実務的な交渉再開というのは常に働きかけていくべきと考えておりますけれども、最後に外務大臣の見解をお聞かせください。
○国務大臣(岸田文雄君) 委員御指摘のように、中国との間には個別の問題があったとしても両国関係全体に影響を及ぼさないようにしっかり努力し、発展させていく、こうした戦略的互恵関係の基本的な考え方にのっとって両国関係を進めていきたいと考えております。
 今御質問の中にもありました社会保障協定ですが、中国側は平成二十二年十月に社会保険法を成立をさせた後、最初の社会保障協定交渉の相手方を日本とすることを中国側が決定をしております。このように、中国側も日本とのこの協定締結の重要性、十分認識をしていると理解をしております。
 ただ、中国は、現状、中国自身、現在我が国以外に十か国との間で並行して交渉を実施しており、中国側は、日程調整は容易ではない、こういった説明をしております。しかしながら、我が国としましては、第四回目の交渉開催に向けて今力強く働きかけているところでありますし、是非、中国側にもこうした我々の働きかけにしっかり応じていただきたい、これを強く期待をしております。
○河野義博君 ありがとうございました。
 総理、外務大臣共に、対話の窓口は常に開いていると答弁、お話を何度もいただいておりますけれども、是非とも、我が国からもその開いたドアから出ていっていただいて、関係改善に努めていただければと思います。
 本日はありがとうございました。
○中西健治君 みんなの党の中西健治です。よろしくお願いいたします。
 まずは、障害者権利条約についてお尋ねしたいと思います。我々は賛成の立場でありますが、今後のことについて何点かお聞きしたいと思います。
 先週の参考人の方々の質疑でも取り上げさせていただきましたけれども、この障害者権利条約が二〇〇六年に国連総会で採択された際に、併せて個人通報制度及び調査制度を定めた選択議定書が採択されましたけれども、本条約締約国の百三十七か国のうち半数以上の七十八か国がこの議定書に締約をしている中、日本はこの議定書には未署名という対応を取っております。
 岸田外務大臣はさきの衆議院の外務委員会で、我が国の司法制度や立法政策との関係でどう対応するか慎重な検討が必要と答弁されておられますけれども、それでは、特にほとんどが加わっている欧州各国では主権の問題をどのように克服していて、なぜ我が国ではその考えに立てないのか、確認したいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘の個人通報制度ですが、欧州地域には国連の人権諸条約が成立する以前より欧州人権裁判所が存在し、その管轄権を多くの欧州諸国が受け入れていると承知をしております。そのため欧州諸国は、同裁判所の判決を受け入れ、履行するための国内体制が既に整っていたと承知をしております。こうした背景から、この人権諸条約の個人通報制度を受け入れることも比較的容易であったと考えられます。
 このように、欧州諸国には個人通報制度に関して独自の事情、背景があり、これは他の国と単純に比較できるものではないと考えております。この障害者権利条約、そもそもこの条約そのものに参加していないアメリカもありますが、障害者権利条約に参加しておりながら個人通報制度を受け入れていない国、韓国ですとかカナダ、こういった国も存在いたします。
 そういった様々な事情があるとは存じますが、我が国としましても引き続き検討は続けていきたい、このように考えております。
○中西健治君 引き続き検討ということでございました。
 欧州にはEUなどもありますから、事情、背景が大きく異なるだろうというふうに思いますけれども、先ほど申し上げました先週の参考人の質疑でも、やはり今後の課題として是非政府に前向きに取り組んでもらいたいと、このような声があったかと思います。
 慎重に検討、引き続き検討、これはどういうニュアンスなんでしょうか。前向きには検討していこうと考えているのかどうか、そこをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) こうした個人通報制度については、意義は感じますし前向きに考えていきたいと存じます。
 ただ、委員御指摘のように、我が国の立法制度、司法制度との関係において乗り越えなければいけない課題もたくさん存在いたします。国内判決と異なる見解が出されたらどうするのか、あるいは裁判係争中にこうした見解が出された場合にどう対応するのか、さらには損害賠償や補償を要請する見解が出された場合どう対応するのか、さらには法律改正を求める見解が出された場合にどう対応するのか、こうした予想される事態に対して我が国国内の様々な体制整備を整えなければいけない、こういった大きな課題が存在いたします。
 是非検討はしっかりしていきたいと考えていますが、今申し上げましたような課題、それぞれ大変重たいものがあります。是非しっかりとこの議論は続けていきたいと考えております。
○中西健治君 克服すべき課題はあるというふうに思いますが、大臣の答弁の初めの方に前向きに考えたいという言葉もございましたから、是非前向きに検討をしていただきたいというふうに思います。
 そして、やはり先週の参考人の方からの御意見、複数の方から寄せられた意見という中に、政府訳についての問題があります。まず確認したいのが、今回国会で承認する条約はあくまで英文の条約であって、政府の訳文は参考的な位置付けであるというふうに認識しておりますが、今後、訳語が必要に応じて見直しが必要となる場合、新たに国会での手続を経なければならないか、これについてお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(平松賢司君) お答えいたします。
 訳文についていろんな御指摘があるということは我々認識しております。
 御指摘のとおり、国会の承認の対象としておりますのは条約の締結行為自体でございまして、訳文は国会審議の資料として政府の判断と責任において作成するものということでございます。現在の訳文につきましては、これまでに障害者団体の方々からいただいた御意見も踏まえまして、政府として考え得る最善の訳として国会に提出されているということでございます。
○中西健治君 これまでも意見を聞かれていて、最善だということでありますけれども、先週の御意見では、リビングアレンジメントですとかインクルーシブ・エデュケーション・システム等の訳語をめぐって貴重な意見が出されていたというふうに思います。
 今後について、やはりこうして必要なときには前向きにこれを反映していくのかどうか、そうしたことについて認識をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(平松賢司君) 先ほど申し上げたとおり、提出に先立ちまして、障害者団体の御質問に答える形でできる限り丁寧に説明を行うなどして本訳文に対して御理解が得られるように努力をしてきたところでございます。
 したがって、現在の訳文の更なる見直しということは考えておりませんけれども、障害者団体の間で御懸念があるということであれば、改めて丁寧に説明し、理解を求めたいというふうに考えております。
○中西健治君 少なくとも、また丁寧に説明はしていただきたいと思いますし、また、今後事情が変わってきたときにはやはり柔軟に対応していただきたいというふうに考えます。
 続きまして、ODA大綱、一九九二年に閣議決定されましたODA大綱では、子供、障害者、高齢者等社会的弱者に十分配慮すると規定されておりましたけれども、二〇〇三年に改定されました現行のODA大綱では、この障害者という記述はなくなっております。そのため、国際協力における障害者の位置付けが後退したのではないかとの指摘も一部されていますが、それに関して、ゆめゆめそうではないということだと思いますが、政府の認識を問いたいと思います。
○大臣政務官(牧野たかお君) 中西委員にお答えをいたします。
 今、中西委員が質問の中でおっしゃったように、後退をしているわけではございません。十年前に閣議決定をした現在のODA大綱においては確かに障害者という言葉は使われていませんが、ODA政策の立案及び実施に当たって社会的弱者の状況を考慮することが明記されており、その前の旧ODA大綱と同様に、障害者の方たちを含めた社会的弱者に対し適切な配慮を行っております。
 具体的には、我が国は、障害者の能力開発やリハビリサービスの向上などに資する無償資金協力、技術協力等の支援を行っております。また、市民社会と連携して、日本NGO連携無償資金協力や草の根・人間の安全保障無償資金協力などを通じて障害者関連の事業を実施しているところでございます。
○中西健治君 このODA大綱、約十年のスパンで改定されているということでありますので、次回、次期のODA大綱の改定もある程度近未来的にあるんじゃないかというふうに考えていますけれども、本条約の趣旨、障害者の方々の参画という、この趣旨を踏まえれば、障害者の方々を社会的弱者という受け身の存在として位置付けるのではなくて、例えば障害者支援の援助プロジェクトにおいて当事者である障害者の方々の意見を十分に聞き入れる、障害者の視点や要望が生かされる形で支援を実施するといった内容に変えていくべきではないかというふうに思いますが、ここは外務大臣のお考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) ODA大綱につきましては、ただいま政務官から答弁させていただきましたように、平成四年の旧ODA大綱においては、障害者、高齢者等の社会弱者と記されており、そして現ODA大綱、平成十五年の現ODA大綱ですが、要するに、例示は外れていますが、やはり社会的弱者ということでしっかり位置付けております。これは基本的な姿勢は全く変わっておりません。
 その上で、次期ODA大綱について御質問いただきましたが、現時点で政府として改定について何ら決めているものはありませんが、仮にこのODA大綱を改定する場合には本条約の趣旨も踏まえて対応したいとは考えます。
 ODA政策を考えるに当たって、障害者を含む社会的弱者への対応も含めた包摂的な社会の構築の重要性はますます増加していると認識をしておりますし、是非、今後とも、障害者の方々の意見を踏まえ、そして障害者の方々に資する支援、現実に実施をしていきたい、このように考えております。
○中西健治君 是非、本条約の趣旨を踏まえた上で次のODA大綱の改定を行っていただきたいと思います。
 続きまして、社会保障協定についてお伺いしたいと思います。
 社会保障協定については、先ほども幾つあるんだという質問がありましたけれども、やはり取組が先進諸国に比して遅れているんではないかなというふうに思います。
 今後締結しようとしている国の名前は先ほど教えていただいたわけでありますけれども、どういう基準で協定締約優先国を決定して締結交渉を進めていこうと考えているのか、そうした原理原則、基準についてお尋ねいたします。
○国務大臣(岸田文雄君) 社会保障協定の締結に関する優先国決定の基準あるいは考え方についての御質問ですが、社会保障協定の締結をするに当たりましては、まずは相手国の社会保障制度における一般的な社会保険料の水準、さらには相手国における在留邦人及び進出日系企業の具体的な社会保険料の負担額、また我が国の経済界からの具体的要望の有無、さらには我が国と相手国との二国間関係、そして我が国と相手国との社会保障制度の類似性等を総合的に考慮しております。その上で優先度の高いと判断されるものから順次締結交渉を行っていく、こういった考えに立ってこの締結の努力を続けております。
○中西健治君 是非とも、優先順位の高いところ、しっかりとやっていただきたいというふうに思います。
 条約についてまだまだ質問したいわけでありますけれども、日本の周辺では外交、防衛で様々な事態が生じており、出来事が生じておりますので、もう閉会も近いということですのでこの外交防衛委員会で聞くチャンスも余りありませんので、幾つかどうしても聞いておかなきゃいけないことがありますので聞かせていただきます。
 まず、中国が設定しました東シナ海の防空識別区についてお伺いいたします。
 先ほどもありましたが、二十三日土曜日の当日のことをお伺いしたいと思いますけれども、国交省の主管する航空情報センターから、中国の出したノータム、いわゆる航空情報の連絡を本邦の民間の航空会社が受けた際に航空情報センターに対応を確認したところ、政府の対応方針は決まっていないとのみ回答し、実質的に航空会社の判断に任せたと聞いておりますが、事実でしょうか。
○副大臣(野上浩太郎君) 今お話ございましたとおり、十一月二十三日に航空会社から航空局運用課航空情報センターに対しまして、飛行計画の提出に関する取扱いについて問合せがございました。航空会社から問合せがあった段階におきましては、外務省、国土交通省も参加します関係省庁局長会議を開催しておりまして、政府全体として情報収集、分析に当たっていたところであります。
 このため、航空局としては、飛行計画提出に関する取扱方針について情報を有していない旨、回答をいたしました。
○中西健治君 局長会議を行っていたということでありますけれども、航空会社の問合せは昼の十二時半ごろ、そして当該区域を通過する日本発の台湾路線、香港路線について言えば、一番早いものでも十六時ごろの出発、その間、四時間近くあるということでありますが、民間航空機の飛行計画の提出の必要性について、これだけの時間があっても決まらないということなんでしょうか。
○副大臣(野上浩太郎君) 今申し上げましたとおり、この間、政府全体として情報収集、分析を行っていたということであります。
○中西健治君 こうしたものは迅速性というものが要求されると思いますけれども、民間航空会社に対して政府の対応方針は決まっていないというのは、最終的に誰の責任で回答したのでしょうか。
○政府参考人(高橋和弘君) お答え申し上げます。
 航空局の責任でお答えしたところでございます。
○中西健治君 結果的に、月曜日の二十五日の夜になって国交大臣から航空会社に対して提出する必要はないと口頭で要請し、文書での要請は翌日の火曜日、二十六日になって行われ、航空会社はようやく二十七日以降、飛行計画の提出を取りやめたということであります。
 情報収集、土曜日に行っているというお答えでありましたけれども、これ、なぜ二十三日に相談があった時点から二十五日の夜まで、口頭、二十六日に文書、ここまで時間が掛かっているのでしょうか。
○副大臣(野上浩太郎君) 中国による発表直後から、外務省、国土交通省も参加します関係省庁会議で情報収集、分析を行ってきまして、十一月二十四日には外務大臣談話を発出して、中国側に飛行の自由を妨げる一切の措置の撤回を求めております。また、翌二十五日には齋木外務事務次官から程永華駐日中国大使に対して、改めて関連措置の撤回を求めるとともに、我が国としては、民間航空機を含めて、当該空域を飛行する航空機についてこれまでのルールどおりの運航を行っていくとの政府の方針を通告をしております。これに対して中国側からは、今回の措置は特定国を対象としたものではなく、民間航空機を含めて飛行の自由を妨げるものではないとの回答があったところです。
 さらに同日、国土交通省から本邦航空会社に対しましてこれまでのルールどおりの運用を行っていくとの政府方針を伝達するとともに、翌二十六日に文書にて協力を要請したということでありまして、特段の問題は生じていなかったというふうに認識しております。
○中西健治君 局長会議は行ったかもしれませんけれども、今回の事案が週末に発生したため、大臣の対応というのは週明けの月曜日になってしまったというのが実情なんじゃないんですか。
○副大臣(野上浩太郎君) 国土交通省の対応としては、今申し上げましたとおり、逐次必要な対応を行ってきているということであります。情報の共有もしてきたということであります。
○中西健治君 それにしても、土曜日から月曜日の夕方までということですから、大きな時間が掛かっていて、その間に失われた国益があるのではないかというふうに思います。
 次に、航空法との関連でお尋ねいたします。
 航空法第七十三条の二では、「機長は、国土交通省令で定めるところにより、航空機が航行に支障がないことその他運航に必要な準備が整つていることを確認した後でなければ、航空機を出発させてはならない。」、こうなっておりまして、そして、これを受けて航空法施行規則百六十四条の十四で、法第七十三条の二の規定により機長が確認しなければならない事項として、国土交通大臣が提供する情報、航空情報と明示されております。二十六日に航空局長が、民間航空会社、定期航空協会長あてに発信した飛行計画の提出の取りやめについてという文書におきましては、航空法との関連が一切示されておりません。
 国交省として、中国の出した当該航空情報は航空法施行規則に定める航空情報には当たらないという考えなんでしょうか。
○副大臣(野上浩太郎君) 中国による措置については、我が国として中国政府に対して厳重な抗議を行うとともに、公海上における飛行の自由を妨げるような一切の措置の撤回を求めております。当該措置においては、防空識別区を飛行する航空機に対して飛行計画の提出等を求めてきているわけでありますが、このような中国側の措置は我が国として何ら効力を有するものではなく、当該空域を飛行する航空機に不当な義務を課すような今回の措置は受け入れられません。
 一方、中国からは、今回の措置は特定国を対象としたものではなくて、民間航空機を含めて飛行の自由を妨げるものではないとの回答を得ているところであります。
 したがって、今回の東シナ海防空識別区に関する情報は、機長が航空法第七十三条の二の規定等に基づき運航に必要な準備が整っていることを確認するために必要な情報ではないということであります。
○中西健治君 受け入れられないというのはよく分かっているんですが、ちょっと最後のところがよく分かりません。
 国交省の主管する航空情報センターから受け取っていた情報なわけですから、これは航空情報に当たるわけじゃないんですか。そして、それに当たらないということはしっかりと明記する必要がある、それを伝える必要があるんじゃないかと思いますが、そうしたことがここには書かれていません。それはどうしてなんでしょうか。
○政府参考人(高橋和弘君) お答え申し上げます。
 国際民間航空条約の附属書の規定によりますと、締約国は、他国の発行する航空情報についても入手し、運航乗務員に提供しなければならないということになっております。
 今回の中国側の情報は、形式上、同条約及び附属書が定める国際的な手続に沿って発行されたものでございますので、我が国として内容を認めているわけではございませんけれども、発行責任国を明記した上で運航乗務員に提供することが適当であると考えたものでございます。
○中西健治君 ストレートなお答えになっていないと思うんですけれども、航空会社に対して、もう正式にそうしたことを文書で通知しているのでしょうか。そうでなければ、航空会社は航空法違反となるおそれが高いと、そうしたことを思うのではないかと思いますが、通知はしているんでしょうか。
○政府参考人(高橋和弘君) お答え申し上げます。
 個々の航空会社に個別に通知するわけではございませんで、こういうノータムを中国当局が出しているということを一般に広くお知らせしているというところでございます。
○中西健治君 そこを聞いているのではなくて、これが航空情報に当たらないということをどう通知しているのかという質問です。
○政府参考人(高橋和弘君) 航空情報に当たらないということについては、政府の方針が定まった段階で、その旨口頭でお知らせをしているところでございます。
○中西健治君 確認ですが、口頭でだけ知らせたということでしょうか。
○政府参考人(高橋和弘君) さようでございます。
○中西健治君 確認をさせていただきました。
 本件に関して、外務大臣は、二十三日にアメリカの国務、国防長官が声明を発した後の二十四日日曜日になって初めて談話を発表しております。日米の連携が重要という理由と聞いていますけれども、当事国としての主体性に欠けるのではないかという見方もあります。
 なぜすぐに声明を発表しなかったのか、一昼夜置いたのか、そこについて御説明を求めます。
○国務大臣(岸田文雄君) 本件につきましては、二十三日、中国側の発表を受けまして、まずは迅速に抗議をしなければならない、こういった観点から、二十三日午後、アジア大洋州局長から在京中国大使館に対し抗議を行い、また同時に、在北京日本大使館から中国の国防部、外交部に対しまして抗議を行いました。
 まずは迅速に抗議をするということでこうした対応を行い、先ほど答弁の中にもありました関係省庁の局長級の連絡会議を開催し、情報収集し、対応を検討したということであります。そしてその間、日米間でも意思疎通、連絡を図る、こういった努力をしてきました。そしてその結果、二十四日、この外務大臣談話を発出したわけですが、アメリカとの時差等を考えますときに、我が国の対応が極端に遅れていたという認識はありません。
 我が国としましては、まず迅速に抗議をし、実態を把握し、日米の連携を確認して外務大臣談話を発出する、しかるべき対応を行ったというふうに認識をしております。
○中西健治君 当初は局長級の会合が行われたということでありますけれども、今後、国家安全保障会議が設置された場合には、こうした事案が発生したときには緊急大臣会合を開催したとお考えになるでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 今般の事案は、国家安全保障会議、NSCが正式に設置される前に発生した事案であります。ただ、一般論で申し上げるならば、国家安全保障会議が設置後は、今般のような事柄が発生した場合、NSCで審議を行うことはあり得ると認識をしております。
○中西健治君 最後に一問、別のことをお伺いします。
 韓国がTPP交渉への関心の表明をいたしました。私は二週間前に、そうした場合には政府はどうするのかというお尋ねをしましたけれども、いよいよ現実味を持ってきたということであります。そのときに、二週間前には外務大臣は、様々な課題についてどう判断するか、そのときの状況を見極めて判断していくと答弁されたわけでありますけれども、この交渉参加国に日本はなっているわけですから、言わば拒否権を持っているような存在ということでありますが、純粋な条約の問題のみならず、懸案となっている諸問題についても交渉のテーブルにのせるべきではないかと思いますが、その点についての見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、TPPの参加につきましては、本年十月八日の環太平洋パートナーシップ貿易閣僚による首脳への報告書という文書が発出されていますが、その中で、TPPは生きている協定を目指しており、将来のTPP参加への他のアジア太平洋の国々の関心を喜んでおり、当初の協定の妥結の後の参加を円滑にするため、そのような国と関与する用意ができている、こうした内容が盛り込まれております。参加を求める国がTPPの求める高い水準を満たす用意があることを示した上で正式に参加表明する場合には、我が国を含めたTPP交渉参加国がそれを判断することになります。
 我が国としましても、今後、TPP交渉参加国として、韓国が参加を表明した場合、判断することになると認識しておりますが、ただ、今回の韓国の発表、関心表明ということになっております。要は、予備的な二国間協議を開始する手続であり、公式的な参加宣言とは異なるということでありました。ですからこれは、参加表明が正式に行われていない段階で私の口から日本がどう対応するか、これを申し上げるのは適切でないと存じます。今後、韓国が正式にどういった態度を表明するのか、これを注視していきたいと考えております。
○中西健治君 今後フォローさせていただきますけれども、是非とも、この予備交渉においても二国間の交渉をうまく活用していただきたいと思います。
 質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
 今日は、障害当事者また関係者の皆さんが七十名以上この議場で傍聴に来られました。障害者権利条約の批准が皆さんが本当に直面している障壁を具体的に取り除く力になると、このことを願ってのことだと思います。私もその立場で以下質問をいたします。
 まず、条約の第三十三条、国内における実施及び監視についてですが、先ほど民主党の福山委員の質問に、障害者権利条約の実施状況について監視をする枠組みというのは障害者政策委員会のことだということが明確に御答弁がされました。この条約は、第三十三条の二項で自国の法律上及び行政上の制度に従って枠組みを置くということを求めています。それでは、障害者基本法の中で障害者政策委員会の役割として障害者権利条約の実施の促進、保護、監視というような内容を今後加えるということが求められてくるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(岩渕豊君) 障害者権利条約第三十三条の二に言う条約の実施を監視するための枠組みとしては、内閣府に設置された障害者政策委員会がこれに当たるものと考えております。
 障害者基本法第三十二条第二項第三号におきまして、障害者政策委員会は、障害者基本計画の実施状況を監視し、内閣総理大臣又は内閣総理大臣を通じて関係各大臣に勧告することを事務とすることとされております。
 これは、我が国における障害者権利条約の実施については国内の障害者施策をもって行われることとなるところ、同条約の国内実施状況の監視は、我が国の障害者施策の方針の根本を成す障害者基本計画について、それが同条約の趣旨に沿って実施されているかを監視することによって行われることになるという考え方に基づき規定されたものでございます。
 障害者基本計画は、障害者施策全般にわたる事項について総合的かつ包括的に定めるものであることから、障害者政策委員会は障害者基本計画の監視を通じて障害者権利条約の実施状況を幅広く監視することが可能であると考えております。
○田村智子君 端的にちょっとお聞きをしたいんですけれども、法解釈として、障害者権利条約の実施状況を監視し、必要な意見を総理大臣や関係大臣に述べることができると、そういうふうに理解してよろしいでしょうか。
○政府参考人(岩渕豊君) 現在ある法律に沿って、その解釈に従ってそのようにできると考えております。
○田村智子君 障害者政策委員会が意見を述べるというのが大臣止まりということにはならないと思うんです。
 そこで、これも確認なんですけれども、そうした意見は行政各部、支分局などに対しても必要な調査を行い、意見を述べることができるというふうに解釈できると考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(岩渕豊君) 障害者基本法第三十二条第二項第三号において、障害者政策委員会は、障害者基本計画の実施状況を監視し、内閣総理大臣又は内閣総理大臣を通じて関係各大臣に勧告することを事務とするとされております。
 御指摘の行政機関の部局や地方支分部局については、最終的な指揮監督権限は各行政機関の長たる関係各大臣にあることから、法制上は関係各大臣に対する勧告権限を規定すれば足りるものと考えております。
 また、障害者政策委員会には関係行政機関の職員から成る幹事が置かれておりまして、適宜、関係行政機関による説明や質疑応答に対応いただくなど、審議の状況を逐次共有しているところでございます。
 また、いわゆる審議会等につきましては、一般的に、審議会等は各省庁の施策の実施に当たって意見を述べるということがその役割であることから、計画の実施状況に対する勧告については、その施策の実施に責任を負う関係各大臣に直接行うこととされており、法制上は個別の審議会等に対して意見を言うことは想定しておりません。その一方で、障害者政策委員会での議論をほかの審議会等で事務局が報告するなどして双方の議論を互いに把握し合うことについては運用として可能であると考えております。
 いずれにいたしましても、障害者政策委員会による監視が実効的に施策に反映されるように、適切な事務局運営に努めてまいりたいと存じます。
○田村智子君 今、各行政機関の末端のところまでの意見が届くということは大臣通じてそうなんだというふうにお認めになったんですけれども、審議会についてはちょっと違うような御答弁だったように思うんですね。
 ちょっと具体にお聞きをしたいんです。
 十一月十一日の第八回障害者政策委員会では、政府から障害者差別解消法の基本方針策定に向けた報告が行われました。この中で、改正障害者雇用促進法に基づく差別禁止・合理的配慮の提供の指針の在り方に関する研究会での議論が障害者政策委員会に報告をされて、その内容に委員から危惧の声や意見が相次ぎました。そして、その議論を労政審に報告をしてほしいということも求められたやに聞いていますが、内閣府からはそれについての明確なお答えがなかったというふうにも聞いています。
 この労政審、労働政策審議会は障害当事者が入っていないんです。それだけに、障害者の雇用について政策委員会の意見が報告をされるというこの仕組みはとても大切なことだと思うんですね。これは雇用問題にとどまりません。やはり当事者参加で権利条約に沿って法制度や基本方針が検討されるということは必要ですから、大臣に同じように報告書を上げる審議会の中で、言わば法律の母体になるようなことを審議する審議会の中で政策委員会の意見が必要に応じて報告されることは必要だと考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(岩渕豊君) 御指摘の件につきましては、障害者政策委員会の状況を労働政策審議会に報告する予定はないとまでの発言はなかったものと承知しておりますけれども、先ほど申し上げましたように、例えば障害者政策委員会での議論をほかの審議会等で事務局が報告するなどして双方の議論を互いに把握し合うということについては運用として可能であると考えております。
 いずれにいたしましても、現時点においても労働政策審議会の事務局と連絡を密にしておりまして、今後とも、必要に応じまして先方とも相談いたしまして、適切な対応を取りたいと考えております。
○田村智子君 これは、雇用の問題というのは障害者差別の一つの焦点にもなるようなことですから、是非労政審にちゃんと意見を伝えていただきたいということを求めておきます。
 もう一点、政策委員会についてのことですけれども、これ、条約が国内で効力を持ってから二年以内、その後は少なくとも四年ごとに国連の委員会に報告書を提出することになりますが、その報告書は、障害者政策委員会の意見を聴取するだけでなく監視機関として政策委員会の意見が記述されるものと考えますが、いかがでしょうか。
○副大臣(岸信夫君) 障害者政策委員会がどのように政府報告の作成にかかわってくるかということの御質問だと思います。
 本条約の取り扱う問題は多くの省庁にわたるものでございます。報告書の作成に当たっては、事実関係の把握と、また政策指針の両面で政府部内の十分な連絡調整が必要でございます。その上で、関係省庁の有する資料や見解を政府報告として取りまとめ、障害者権利委員会に提出する役割を外務省が負っておるということでございますけれども、我が国では、この障害者政策委員会が、障害者基本計画の実施状況を監視し、政府に報告いたします。外務省として、同基本計画を通じて条約の実施に資する意見を同委員会から聴取し、そして政府報告にも最大限反映をしていくということでございます。
○田村智子君 これは、政府の報告書の言わば案が政策委員会に提出をされて、そこで練られるというふうに理解をしてよろしいでしょうか。
○副大臣(岸信夫君) そういうことではなくて、政策委員会として意見を反映させるのは、基本計画に対する意見でございますけれども、そこを通じまして、条約の実施に関してはその政府報告にも最大限反映させるということです。ですから、直接的にその報告を受けて、それを委員会に報告するということではないということでございます。
○田村智子君 そうすると、条約の実施状況がどうかということをやっぱりちゃんと監視している機関としての意見は、私は報告書の中に書くべきだというふうに思うんですけれども、そうはならないんでしょうか。
○副大臣(岸信夫君) 繰り返しになりますけれども、今おっしゃったその意見につきましてはその報告の中に最大限反映をさせると、こういうことでございます。
○田村智子君 反映させると。ちゃんと基本計画についてだけじゃなくて、法の解釈で、権利条約の実施の監視というのが法解釈で政策委員会の役割だというふうに先ほど御答弁いただいたわけですから、これ是非よろしくお願いしたいと思います。子どもの権利条約などを見ると、もう報告書って各行政機関の施策の寄せ集めみたいな報告書になってしまっている実態を見ても、きっちり実施がどうかという、こういう観点が報告書に入ることを強く求めたいと思います。
 次に、この条約実施の監視機関としての政策委員会が機能を果たすための事務局の体制、これはどの部署が担当して、どのような人員体制になっているのか、お答えください。
○政府参考人(岩渕豊君) 障害者政策委員会の事務局は、内閣府政策統括官(共生社会政策担当)付参事官障害者施策担当及び障害者制度改革担当室において行っており、関係省庁の併任職員及び非常勤職員を含め十五人体制となっております。
○田村智子君 これは非常勤の方も含めて十五人ということで、障害の多様性ということを考えても、また施策の範囲も広いということを考えても、条約に位置付けられた役割の大きさを考えても、更に機能強化ということを検討すべきだというふうに思います。専門的な人材確保を今後努めていただきたい、弱体化することのないようにと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(岩渕豊君) 障害者政策委員会は、昨年七月に第一回を開催して以降、部会や小委員会を含めて十八回開催しておりまして、精力的に御議論をいただいているものと認識しております。
 今後、障害者差別解消法に基づく基本方針案の作成に向けての議論や障害者基本計画の実施状況の監視を行っていただく予定であり、障害者基本計画においても、障害者政策委員会の円滑かつ適切な運営のために事務局機能の充実を図ることとされたところでございます。障害者政策委員会がその任務を全うできるように、適切な事務局運営に努めてまいりたいと存じます。
○田村智子君 お願いします。
 次に、条約二十七条、労働及び雇用についてお聞きをいたします。
 ここには、障害者が他の者と平等に労働についての権利を有することを認める、この権利には、障害者が自由に選択し又は承諾する労働によって生計を立てる機会を有する権利を含むとあります。
 障害者の雇用に関しては、ILO第百五十九号、職業リハビリテーション及び雇用(障害者)に関する条約及びその母体となった身体障害者の職業更生に関する勧告、第九十九号の遵守が日本政府にこれまでも求められてきました。しかし、これまで障害者関係団体からは、こうしたILO条約違反の疑いがあるというような指摘が何度も行われてきて、二〇〇七年には、障害者自立支援法の制定も受けて、全国福祉保育労働組合がILO条約違反の申立書も提出をしています。
 問題の一つは、自立支援法によって応益負担が導入されたことで、本来無料であるべき職業訓練、職業リハビリテーションに利用料が制度化されてしまった。これは、総合支援法の下でも仕組みは残されています。ILO第九十九号勧告は、職業訓練や職業リハの期間の経済上の援助を規定して、無料の職業更生施設の提供、生活費の支給、必要な交通費などの支援を行うこととしています。
 現に、独立行政法人の高齢・障害・求職者雇用支援機構が行う障害者への職業訓練、これは無料です。ところが、総合支援法の枠組みでは利用料負担が制度上課されていると。これはおかしいと思うんです。見直しが必要だと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(蒲原基道君) お答え申し上げます。
 先生御指摘の高齢・障害・求職者雇用支援機構等の行う公共職業訓練につきましては、職業能力開発促進法に基づきまして、失業者であることに伴う経済的事情を考慮し、その負担を軽くしようとする社会政策的配慮等から、教材費等を除きましてその費用が無料となっているということでございます。
 一方、ただいまお話ございました総合支援法の関係でございますけれども、この法律に基づきます就労移行支援事業あるいは就労継続支援事業というのは、障害者に対しまして、生産活動の機会を通じて就労に関する知識及び能力の向上のための必要な訓練、それに加えて、その他生活面のいろんな支援を、サービスを提供するというものでございます。
 また、総合支援法の中におきましては幅広く障害福祉サービスが入っておりまして、そうした障害福祉サービスの一環として実施されているということでございますので、そこは他の障害福祉サービスの利用と同様に、利用者も含めて費用の負担をしてもらうということでございまして、そうしたことから、障害者の方々に一定の負担を求めているところでございます。
 ただ、実態を見ますと、先生御案内のとおり、障害者の家計の負担能力をよくしんしゃくして負担額を設定するということになってございますし、平成二十二年の四月から、ここの負担額というのは低所得世帯に対してとりわけ引き下げまして、現在、低所得世帯に属する障害者につきましては負担が無料ということになってございます。現実にも、約九三%と大部分の利用者について負担がゼロという実態になっているということでございます。
○田村智子君 そうしたことも含めて、ILOでは専門委員会が検討して見直しを求めるような意見をまとめているわけですから、権利条約批准は何のためにやるのかということを是非考えていただきたいと思います。
 もう一つ、先ほど指摘をしました二〇〇七年の申立て、これを審査したILOの専門委員会は、二〇〇九年に報告書を出しています。その中では、授産施設や小規模作業所で余りに低い賃金、工賃の問題についても検討していて、政府の五年間で倍増という政府計画に注目はしつつも、こう述べているんです。授産施設における障害者が行う作業を妥当な範囲で労働法の範囲内に収めることは極めて重要であろうと思われると結論すると。
 さらに、今年五月十七日には、国連社会権規約委員会から、保護施設で働いている障害者に労働基準を適用することを要求すると、こういう勧告も出されています。
 こうしたことを受け止めて、権利条約の実施のために検討が必要だと思うんですが、いかがでしょうか。短くお願いします。
○政府参考人(蒲原基道君) 障害者総合支援法の中で、就労継続支援A型という事業所がございます。ここの利用者の方々につきましては、雇用契約に基づいて就労を行っているため、原則として労働基準法等が適用されるということでございます。
 一方、就労継続支援B型事業、こちらにつきましては、事業所での出欠、あるいは作業時間、作業量等の自由があり、指揮監督を受けることなく就労することとされていることから、基本的には労働基準法等は適用されませんが、一方で、使用者の指揮監督下にあるか否か等の実態というのをきちっと確認した上で、そこは総合的に判断していくという仕組みになってございます。
○田村智子君 ここで一番求められているのは、やっぱり最低賃金をどうそこに向かっていくかということだと思うんですよ。工賃倍増計画といいますけれども、さっきの就労継続支援事業B型の平均工賃は月額一万二千円で、倍増しても二万四千円と。まして、こういう就労の場というところに利用料負担の仕組みが残されていると。こういうことを権利条約の批准に当たって、批准をした以降もやっぱりちゃんと検討していくということを改めて求めておきたいと思います。
 時間がないので、次に行きます。
 第三十一条の統計及び資料の収集についてお聞きをいたします。
 障害者差別解消法の制定に当たって、六月の内閣委員会で私は、基礎的なデータ、生活実態調査というようなものが障害者に特化したものがないということを取り上げまして、森担当大臣は、関係省庁とも相談しつつ、前向きに検討してまいりたいというふうに御答弁をいただきました。
 これ、検討状況をお聞きしたいのと、是非私やっていただきたいのは、障害者の方のその就労の所得についての調査なんです。これ、ないんですよ、そういうものが。
 きょうされんの調査によりますと、これ、約一万人の作業所などで働いている方の調査なんですけれども、年収百万円以下という方が五六%を超えていると。これは、やっぱりこういう貧困の問題をどうするのかということは今後焦点となる課題だと思います。是非この調査していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(岩渕豊君) 本年九月に新しい障害者基本計画を閣議決定いたしました。そこで、障害者の実態調査等を通じて障害者の状況や障害者施策等の情報、データの収集、分析を行うこと、その際には、障害者の性別、年齢、障害種別等の観点に留意する旨を盛り込んだところでございます。
 引き続き、この計画に基づきまして、個別施策を実施する関係省庁と連携し、必要な情報、データの収集、分析、充実を図ってまいりたいと存じます。
○政府参考人(蒲原基道君) 先ほど障害者の収入の関係の調査の話がございました。
 厚生労働省では、原則五年ごとに在宅の障害者の生活実態等を把握するための調査を実施しておりまして、直近では平成二十三年度の調査が実施されたところでございます。この調査によりますと、一月当たりの平均収入を把握しておりまして、調査結果では、これは十八歳以上六十五歳未満の障害者等の一月当たりの平均収入でございますけれども、六万円以上九万円未満という回答をされた方が二四・三%と最も多くて、次いで九万円以上十二万円未満が一一・二%となっているところでございます。
 引き続き、所得も含めて生活実態の把握にきちっと努めてまいりたいというふうに考えております。
○田村智子君 終わります。
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○委員長(末松信介君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、アントニオ猪木君及び浜野喜史君が委員を辞任され、その補欠として儀間光男君及び礒崎哲史君が選任されました。
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○儀間光男君 皆さん、こんにちは。維新の会の儀間でございます。
 本来ですというと、開会と同時に審議に加わって、これまでのいきさつ全部聞いて、その後に更なる質問ができたらと思ったのでありますが、委員会の都合でもってただいましか来ることができずして、ほとんどの委員の先生方の質問は聞き及んでおりません。したがって、どなたがどういうお話をしたか分かりませんが、恐らくは法案からは全部審議され尽くされていると思うことから、私は、逆に現場の声をここへ届けたいと。
 都道府県や市町村がやるこういう事業で、条約関係は違いますが、一般の福祉事業は市町村が執行者でありますから、なかなか現場から直接この場へ声が届くというチャンスはございません。そういうことで、去る二十八日に当委員会において関係者四名の方々をここにお招きをして意見聴取をしております。それも含めて現場の声も少しずつお届けをしたいと、こう思いますが。
 その前に、今は障害者の話でしたが、まずは社会保障に関する我が国とインド共和国との関係の協定の締結、その承認についてを求める件、さらには社会保障に関する日本国とハンガリーとの間の協定の締結について承認を求める件でありますが、本協定の締結については、いずれも社会保障制度への二重加入や保険料の掛け捨てなど、これらの問題が解決されるということでありまして、賛成以外に何もないということで賛成をして、質問はしないことにいたしております。どうぞ御了承いただきたいと思います。
 さて、ここにただいま議題となっています障害者権利条約の批准について、これは先ほど申し上げましたように、二十八日に参考人をお呼びをしていろいろお話を伺ったのでありますが、その中から幾つか拾い上げながら聞いてみたいと、こう思います。
 まず、先ほど申し上げましたように、障害者の権利にかかわる条約の批准、誠にもってうれしく、おめでとうございますということを申し添えたいと思います。
 ここでちょっとお伺いをいたしますが、二〇〇六年十二月に国際会議で採択され、我が国はその翌年九月に署名をいたしておって、二〇〇八年から条約は発効するんですが、その時点では加盟国に我が国がなっていない。そういうことで、あれから五年、いろいろ国内での条件整備を整えようということで今日に至って、二十八日には参考人を呼ぶまでになったということでは、皆さんの御努力を多としたいと、こう思います。遅かったか早かったかは別にして、御努力を多として、これから質問したいと思います。
 当時、同条約に参加できなかった主な理由は、国内の法整備ができていないということが最大の理由だったのかなと思ったりいたしますが、それよりも、これはどうも聞いてみますというと、EU型の条約になっていたということで、したがって、EU各国と我が国とのこれに対する環境というかレベルというか、そういうものが不足をしておって、いや、レベルが低いというのかな、そういうものが不足をしていてそこに至らなかったというふうなことを聞き及んで認識をしているのでありますが、それに相違ないかどうか、お聞かせください。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のように、同条約につきましては平成十九年九月二十八日、署名をしております。その後、長い年月を要したわけでありますが、こうした年月を要した理由につきましては、委員御指摘のように、国内法制度を始めとする制度改革を進めた後に締結を行おう、こうした方針の下に作業を進めてきたということであります。そして、その際に、今御指摘のようにEU諸国等とは国内事情が我が国は異なっていた、この点についてもこうした時間を要した理由の一つとして考えなければならないのではないかと存じます。
 我が国として国内法整備をしなければならない課題がたくさんあり、そして一つ一つ法律を作るに当たってこうした期間を要したということですが、その理由として、EU諸国との違い等も理由として挙げておかなければならない点かと認識をいたします。
○儀間光男君 ありがとうございました。
 理由はともかくとして、ここへ来てようやく追い付いたという感がいたしておりまして、先ほど申し上げたように労を多としたいところであります。
 さて、去る二十八日に参考人をお呼びして、いろいろお話を伺いました。その中に、多くのお話を聞けたんですが、中でも、日本障害フォーラム、JDFの幹事会議長の藤井さんのお話の中で耳を疑うようなお話があったんですが、後日、藤井さんから、実はあの質疑、舌足らずで間違っていた部分があるので修正をしたいというようなお手紙をいただきましたが、そのときに、統計国である日本、先進国である日本が統計法に基づく基本計画に障害者分野が含まれていなかった、あるいは統計法に基づく基幹調査にも障害者分野は加えられていなかったと、そういう話がありましたが、実は何を申し上げたかったというと、統計法において障害分野を重視をしてほしい、統計法において障害分野を重視して、いま一つ正確な障害者のデータを出していただきたいと、こういう意味だったというふうにとらえております。
 わけても、一般健常者、一般市民と特に生活水準での比較が可能になるような調査のデータの集積を図るべきであるというふうな御意見が聞かれましたけれども、それについてはどういう御見解を示すか、伺いたいと思います。
○政府参考人(岩渕豊君) 障害者施策を適切に講じ、また政策の適切な企画、実施、評価、見直しを行っていくためには、情報やデータの収集を行うことが大変重要であるというふうに認識しております。
 統計法はその目的といたしまして、公的統計が国民にとって合理的な意思決定を行うための基盤となる重要な情報であることに鑑み、一部略しますが、公的統計の体系的かつ効率的な整備及びその有用性の確保を図り、もって国民経済の健全な発展及び国民生活の向上に寄与すること、これを規定しているものというふうに承知しております。
 基本計画に基づく情報やデータ収集を通じまして状況の把握を行いまして、適切な政策立案を行うということは、このような統計法の考え方にも沿うものであるというふうに認識をいたしますので、引き続き、この計画に基づきまして、個別施策を実施する関係省庁と連携いたしまして必要な情報、データの収集、分析、充実を図ってまいりたいと存じます。
○儀間光男君 これは、このJDFのみならず全ての障害者に共通する課題だと思っているんです。共通して持っている問題だと思うんですね。したがって、是非ともその辺は徹底してきちっとしてやってほしいと、こういうふうに思いますね。
 私、実は行政に携わって、地方行政やってまいりましたが、その地方行政の中でこういう運動体をつくっていました、指一本の福祉ですね。指一本の福祉、これは私が言った言葉じゃなしに、どこかで聞いたか読んだか脳裏にあって、それを行政時代に職員を集めてそこに移し、指一本の福祉というのを実施して、運動体としてつくっていました。
 例えばどういうことをいうかというと、エレベーターを例えて、障害者の方と同時に乗り込んだときの話をさせていただきますけれど、公共の建物やあるいは福祉関係の建物、学校、ホテル、そういうとき、エレベーターを利用するときに、仮に車椅子の方が同時に乗った、あるいは重度身障者の方が同時に乗った、その折には、すぐ行き先を尋ねて、指一本、人さし指一本でいいんですよ、その階を案内してあげるというようなことでも大きな福祉の運動につながるぞというようなことで、指一本の福祉という運動体をつくってみて、割と職員の中では効果が出たんですね。あるいは地域でも効果を出してきたんです。
 そういう意味では、きめ細かな私どもの配慮、こういうことが、障害者というか体の不自由な方々への配慮がなければ共同社会の中で生活できないと思うんですね。一番課題は、やはり地域コミュニティーで障害を持たない人々と持つ方々が共々に日々生活できる、そういう社会環境、そういうものをつくっていくのが何よりも大事なことだと思っておりまして、そういう意味で、これからも国を挙げてそういう運動もしていくべきだと思うんですが、御見解を賜りたいと思います。
○政府参考人(蒲原基道君) 少し一般的な話だと思いますけれども、障害行政をやる中で、公的ないろんなサービスを提供するということは当然だと思いますけれども、一方で、今先生お話がありましたとおり、公的サービスと並んで大事なのは、やっぱり地域でいろんな助け合いとかちょっとした気遣いだということだと思います。
 そういった意味では、いろんな施策をする際にも直接給付をするということも大事ですけれども、そういう地域のいろんな助け合いを支えるような仕掛けというか、そういうサポートをやっていくことが非常に大事だというふうに今先生のお話を伺いながら思いました。また、そういうことで頑張っていきたいというふうに思います。
○儀間光男君 何はさておいても、やはり先天的に体に障害を持った方、あるいは事件、事故でもって後天的に障害を持った方々、障害を持つ方々は様々です。ですから、そういうことを私どもが大事に大事に支え合っていくことが一番大事だと思います。
 重度身障者の介護を見ていますと、大体家庭介護が多いんですよ。その介護には大体お母さんが付いていますね。ところが、朝から晩まで毎日お母さんが介護に付いていますというと、お母さんが要介護になってしまうというようなことが間々あって、また見てまいりました。
 その折に、何とかそのお母さんを要介護になさないように助けてあげるというか手伝ってあげる、そういうことのために一週間のうち二日か三日休んでいただこうということで、派遣介護員を派遣してみました。一週間のうち二日連続お休み取ってもいいし、あるいはどこかで飛び飛び取ってもいいですけれど、とにかく二日ないし三日はお休みになってリフレッシュして、新たにまた介護に当たってくださいというようなこともやってまいりましたけれど、これは一自治体で持つのは財政的にも大変なんです。
 したがって、国がこういうことに予算の措置もしながらやって、事業執行する、行政執行する自治体を手助けしていかないと、地域でもって心豊かに日々生活することはなかなか難しい。したがって、その予算措置も含めてこういうことにも配慮をしてくださるようにお願いをしたいと思います。
 時間がそんなにないですから進みますけれど、ここに東京都のデータを私取ってまいりました。二十八日以前に、二十五、六日ごろ、障害を持つ方のお父さん、お母さんに会ってまいりました、知的障害者でした。この方々に会いますと、東京都の障害者でも施設への入所希望が多いんですが、いわゆる待機者、対象者のうちの収容人員が二割近くで推移しておって、多くの方々が施設に入れず待機の状態にある。施設数は八十あって、あるいは地域施設千百あるんだそうですが、なかなかそれでも重度の方々は収容できないと。重度の方々の施設を造ろうとしたら地域が反対して、とうとう東京都の場合は青森辺りに行って施設をして、ここで二千九百名を収容しているというような状況等があるわけです。
 だから、東京都によってこうであるならば全国は推して知るべしと言っていいかなと思ったりするんですが、こういう状況の全国ベースのデータはお持ちじゃないですか。
○政府参考人(蒲原基道君) 東京都のところは、先生がお話しのとおり一定の数字を我々も聞いておりますけれども、ちょっと全国的な状況までは今は把握をいたしておりませんけれども。
 一方で、今の待機の話は、恐らくいろんな障害のある方々が、将来重くなるとかあるいは高齢化するだとか、少し将来的に入所を希望している方も含まれていると考えられるので、その辺のところの精査をしつつ、一方で、今の施設入所者の人もだんだん地域に出ていく枠もありますので、そうした数も頭に置きながら真に必要な施設の確保ということを進めていくことが大事だと思いますし、一方で、在宅系のグループホーム、ケアホーム等の、あるいは独り暮らしの支援といったサービスも併せてきちっと提供していくことによって、全体として安心して生活できるようにしていくことが非常に大事であるというふうに考えております。
○儀間光男君 時間もないのでもう最後の質問になりますけれど、こういうことの底辺を上げていかないというと、障害者の国際条約の批准に参加してもなかなか中身が伴っていかない。障害者が世界旅行したりいろんなことをやるときは相当の恩典を受けますけれど、国内にあって生活するときには批准国であって国内でどうもねという状況では批准国らしくないし、日本らしくありませんから、その辺を是非とも強化をして、都道府県あるいは市町村、そういう地方自治体と提携してうんとバックアップをしていただきたいと、こういうふうなことをお願いをして質問を終わりますが、外務大臣におわびをしたいと思います。
 相当資料を持ってきているんですけれど、二十分内ではどうもこなせない状況にあって質問申し上げませんけれど、中国の防空識別圏の件でございました。これは、一言聞きますが、中国側は区と言って日本側は圏と言っているが、この言葉の違いだけ教えてください、識別圏と識別区。
○国務大臣(岸田文雄君) 言葉の、何というか、使い分けについての御質問かと存じます。防空識別区は、中国側が自らの制度についてそういう名称を名のっております。ただ、一般的には、国際的には防空識別圏という言葉が一般的であると我々は認識をしております。
○儀間光男君 どうもありがとうございました。質問を終わります。
○委員長(末松信介君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 まず、社会保障に関する日本国とインド共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件の採決を行います。
 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(末松信介君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
 次に、社会保障に関する日本国とハンガリーとの間の協定の締結について承認を求めるの件の採決を行います。
 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(末松信介君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
 次に、障害者の権利に関する条約の締結について承認を求めるの件の採決を行います。
 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(末松信介君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
 なお、三件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(末松信介君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日は、多数の傍聴者の皆様には終始熱心に御清聴いただきまして、本当にありがとうございました。心から感謝を申し上げます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時六分散会