第185回国会 文教科学委員会 第4号
平成二十五年十一月二十六日(火曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 十一月二十一日
    辞任         補欠選任
     藤末 健三君     大島九州男君
     藤巻 健史君     中山 恭子君
 十一月二十二日
    辞任         補欠選任
     中山 恭子君     藤巻 健史君
 十一月二十六日
    辞任         補欠選任
     水落 敏栄君     堀井  巌君
     斎藤 嘉隆君     浜野 喜史君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         丸山 和也君
    理 事
                石井 浩郎君
                橋本 聖子君
                大島九州男君
                柴田  巧君
    委 員
                上野 通子君
                衛藤 晟一君
                中曽根弘文君
                二之湯武史君
                堀井  巌君
                堀内 恒夫君
                水落 敏栄君
                石橋 通宏君
                斎藤 嘉隆君
                櫻井  充君
                那谷屋正義君
                浜野 喜史君
                新妻 秀規君
                矢倉 克夫君
                松沢 成文君
                田村 智子君
                藤巻 健史君
   国務大臣
       文部科学大臣   下村 博文君
   副大臣
       文部科学副大臣  西川 京子君
   大臣政務官
       外務大臣政務官  牧野たかお君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        美濃部寿彦君
   政府参考人
       外務大臣官房審
       議官       新美  潤君
       文部科学省生涯
       学習政策局長   清木 孝悦君
       文部科学省初等
       中等教育局長   前川 喜平君
       厚生労働大臣官
       房審議官     古都 賢一君
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  本日の会議に付した案件
○理事の辞任及び補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学
 校等就学支援金の支給に関する法律の一部を改
 正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
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○委員長(丸山和也君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る二十一日、藤末健三君が委員を辞任され、その補欠として大島九州男君が選任されました。
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○委員長(丸山和也君) 理事の辞任についてお諮りいたします。
 石橋通宏君から、文書をもって、都合により理事を辞任したい旨の申出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(丸山和也君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 この際、理事の補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(丸山和也君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に大島九州男君を指名いたします。
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○委員長(丸山和也君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、外務大臣官房審議官新美潤君外三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(丸山和也君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(丸山和也君) 公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○那谷屋正義君 おはようございます。民主党の那谷屋正義でございます。
 先日の本会議に引き続いて質問に立たせていただくことになりました。また、先日の本会議のときには、本法案と国際人権A規約との関係を質問をし、さらに再質問もさせていただいたんですが、どちらもちょっと答弁が、一回目も二回目も同じような感じで、どうしても私の方の合点がいかなかったということもございますので、今日また改めて質問をしたいというふうに思っております。
 昨年の二月二十一日、これはまだ民主党政権のときでありましたけれども、衆議院の予算委員会でのやり取りで、留保撤回ということになったら私は漸進的な無償教育の導入ということが国際公約になると思うんですね、ですから、これは撤回したらの話ですけれども、そうなった場合には、少なくとも無償化教育の漸進的導入はやりませんというようなことを世界に向かって口にはできなくなるというふうに思うという質問者に対して、時の外務大臣、玄葉外務大臣でありますけれども、留保を撤回するということは無償教育の漸進的な導入ということに向けて努力をしていくということだと思うんです、一旦撤回したら取り消すなどということは基本的にはできないというふうに私は考えていますと、こういうふうに述べられております。
 このときのスタンスを考えますと、外務省は、政権が替わったということはありますけれども、これについてのスタンスを変えられたのかどうなのか、まずお聞きをしたいと思います。
○大臣政務官(牧野たかお君) お答えをさせていただきたいと思います。
 今、那谷屋委員が御質問をされたことでありますが、昨年の二月、当時の玄葉外務大臣が述べられた内容ですが、今のお話があったみたいに、無償教育の漸進的な、緩やかな導入ということに向けて努力をしていくという考え方に、現在も外務省の考え方に変更はございません。
 今回の高校無償化制度の見直しについても、こうした方針を維持しつつ、より効果的に高校無償化制度を実施する観点から、現行予算を活用して低所得世帯への支援を重点的に行うなどの改善を通じて実質的な教育機会の均等を図るものと承知しております。
○那谷屋正義君 外務省のスタンスは政権替わっても変わっていないということで安心をいたしました。
 しかし、本会議でも取り上げましたけれども、今年の五月、これは今度は今の政権でありますけれども、国連の社会権規約委員会で、日本の第三回定期報告に関する最終見解を発表しています。このときに、民主党政権の下で成立した高校無償化についての評価がされていると思いますけれども、これ、どんな評価をいただいたか、済みません、お答えいただきたいと思います。
○大臣政務官(牧野たかお君) 今年の五月に公表された社会権規約委員会による我が国に対する最終見解においての評価でございますが、そのまま英語を日本語に訳しますと、肯定的な側面、これは大いに評価するという意味の評価ですけれども、留保の撤回に満足をもって留意する、そしてまた、経済的、社会的及び文化的権利の履行の促進の努力に評価をもって留意する、そういうふうに書いてあるのですが、これは英語をそのまま訳した日本語ですので、意味が私もよく分からなかったものですから、もう一度事務方に聞いてみましたけれども、簡単に言えば、そうしたものについて評価をしているということでございます。
○那谷屋正義君 今答弁いただいたように、非常に肯定的な側面としてこれは評価をしているわけであります。しかし、と同時に、主な懸念事項及び勧告という項目がございました。これについてどのように触れられていたでしょうか。
○大臣政務官(牧野たかお君) これも英文を日本語に訳したものをそのまま申し上げますと、高校段階において、公立高校授業料無償制・高等学校等就学支援金制度を導入したこと、これに沿った形で、漸進的に完全な無償の中等教育を提供するため、早急に公立高校授業料無償制・高等学校等就学支援金制度に入学金及び教科書代を含めるように勧告すると、そのまま直訳するとそういう内容でございます。
○那谷屋正義君 ということは、社会権規約委員会でのその今の勧告の中身をもう一回かみ砕きますと、普通は現行の制度を前提とした上で、さらに、まあそれは日本の財政事情等々がありますからそれはそのまますぐにということではないでしょうけれども、入学金及び教科書も加える形で完全な無償化に向けて取組を進めていけと、こういうふうに我が国に勧告をしているのではないかと思いますけれども、外務省、いかがでしょうか。
○大臣政務官(牧野たかお君) 国連のこの社会権規約委員会を含めて人権関連の各委員会においてはそうした勧告を出されますけれども、これは各国によって事情が違いますので、各国が施策を実施するのに当たり十分にその勧告等を考慮して誠実に対応すべきものというふうに考えておりまして、今おっしゃったように、前の、留保を撤回をするというときの大臣の発言も、そして岸田大臣がお答えになった答弁も、要は同じ私は方向性であり、また、各人権委員会がその中で進めようとしている無償化という中に今のこの法案の改正案も入っているというふうに考えております。
○那谷屋正義君 提出する側としてはそういうふうに言わざるを得ないので非常に苦しいのであります。
 先ほど申し上げましたように、普通、素直に見たら、まず評価をされた現行の制度は前提になるというのが普通の読み方だと思います。その上で、さらに、完全な無償化に向けて、入学金なのか、あるいは教科書なのか、あるいは両方なのか、そういったものを無償化に向けて取組を進めていけというふうに理解をするのが普通の理解だろうと。各国によってどうのこうの違うというお話でありましたら、では、ここにある勧告というものについて外務省はどのように受け取っていらっしゃるのでしょうか。
○大臣政務官(牧野たかお君) 社会権規約に列挙された権利の実現というのを締約国は漸進的に、緩やかにという意味ですけれども、達成していくことが認められております。ですので、今回の高校無償化制度の見直しは、より効果的に高校無償化制度を実施する観点から、現行予算を活用して、先ほど申し上げたみたいに、低所得世帯への支援を重点的に行う等の改善を通じて実質的な教育機会の均等を図るものと承知しております。
 政府は、無償教育を漸進的に導入する方向に努力していく方針を維持しておりますし、かつ今般の見直しの具体的内容は中長期的には社会権規約に掲げている無償化の方向性、趨勢の範囲内にあると考えているところでございます。
○那谷屋正義君 これについてはまた同僚の議員が後ほど質問をさせていただきますので、ちょっとこの辺はここで止めたいと思いますが、いずれにしても、これからグローバルな社会の中の日本ということ、あるいは教育国日本ということであるならば、こういう類いの勧告はやはり受けないような形でやっていくというのが本来の在り方だろうと私は思うんですけれども、それは、またちょっと後で、委ねたいと思います。
 今、いみじくもというか、図らずもといいますか、中期的には完全な無償化に向けて云々というお話がございました。下村大臣、その考え方は同じでよろしいでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 御指摘のように、できるだけ教育費における公財政支出を出すことによって、経済的なハンディキャップなく多くの人たちにチャンス、可能性を提供するということがこれからの我が国の発展、また一人一人の経済的豊かさの享受のために必要なことであるというふうに思いますし、その方向性を求めたいというふうに思います。是非、財務省をお呼びになっていただいて、今の委員の御質問を財務省に対して言っていただきたいというぐらい、基本的な考え方は全く同じだというふうに思うんですね。
 ただ、今財政規律と、なおかつ高校だけでなく幼児教育から含めて、大学や大学院まで含めてトータル的な教育に関係する国の支援をどうするかということの中で、残念ながら高校段階だけを特化して更に補填なり補強するということが難しいという中で、今回はやむを得ず所得制限を設けて低所得者対策や公私間格差のための配分をしたところでございますが。
 今、教育再生実行会議で第五次提言に向けて六三三四制の学制について議論をしていただいているんですが、この中で私がお願いしているのは、この六三三四制の見直しだけでなく、同時に義務教育期間の見直し、さらに無償期間の見直しも併せて議論していただいております。必ずしも義務教育期間と無償期間を連動することなく、無償期間は無償期間で義務教育と別に議論をしていただく必要があるというふうに思っておりまして、その趣旨は委員の問題意識と共通しているのではないかというふうに私は思っております。
○那谷屋正義君 そこで、大変こだわりたいことがございます。
 今、下村大臣が今ある高校無償化制度についての評価、一定を述べられたと思いますけれども、ところが、自民党さんが野党のときにこの政策を何と言ったか。ばらまきという四文字で相当批判をされました。今でも大臣はこの政策はばらまきだったというふうに思われますか。
○国務大臣(下村博文君) 野党・自民党のとき批判した急先鋒の一人が私でございますので、当然そういうふうに思っております。
 理由は、同じ四千億円を使うのであれば、真に困窮している方々にシフトした財源の使い方がやはりあるのではないかと。一律にこれは無償化といっても、実際は公立高校における無償化ですよね。私立高校については、その相当額分を支援金として支給するということですから。実際は授業料の私立高校においては無償化にはなっていないわけであります。
 また、実際は授業料以外に教育費負担というのはかなりの額がございます。それを真に必要な、同じ四千億円の財源があるのであれば、そういう形で使うべきであるというふうに当時から提案をしていたところであります。
○那谷屋正義君 そこのところがちょっとよく分からないんですが、要するに、高校教育も無償化に向けてこれから何とか取り組んでいきたいという、そういうお考えがあるのであるならば、ただ単に我々の行った政策がばらまきだったというそういう評価というのは、それは党利党略のための単なる一つの戦法であって、本当は、そういったものを超えた教育という、教育政策というものを考えたときには、そういうふうな評価というのは本来はあり得ないんだろうと私は思います。同じようにやはり高校教育を受けたい子供たちに無償でいずれやっていきたいという思いをお持ちであるならば、その方がばらまきと評価されるというのはちょっと筋が違うんじゃないかなというふうに思うんでありますけれども、見解の相違だと言われればそれまでですので、ちょっと、更に質問させていただきたいと思いますが。
 二十日の参議院本会議での大臣答弁で、法案成立後様々なことについて情報提供に努めてまいりますというふうに言われました。この法案の問題点は、いわゆる、どこに生まれても、どんな家庭に生まれても、高校教育を受けたい子供たちがすべからくそれができるようにするということがこの制度の本来の趣旨だったわけです。それをまず覆そうとする今回の法案が一つ。もう一つの問題は、急に来年度これを行おうとする、ここに相当な無理があるということを、私自身、現場から様々な声を聞いている中で、これはもう本当におかしいんじゃないかということであります。
 自信たっぷりに、法案成立後、情報提供にというふうに言われていましたけれども、しかし、もう今この時期は、大臣も御案内だと思いますが、中学三年生は進路を決めなければならない、その時期にありますが、制度そのものは現在のまま、そしてこの国会で変えられるか変えられないかというそういう状況の中にあって、もう非常に現場が混乱をしている。そうした混乱をしている状況の中で、子供たち、そして保護者、あるいはそれを指導しようとする学校の先生たちに対して、何ら良心の呵責がないのかなというふうに私は思うんですけれども、その辺はいかがでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 現行制度においては、更なる低所得者支援や公私間格差是正が課題となっておりまして、特に低所得者支援については、さきの通常国会において、子どもの貧困対策の推進に関する法律が、これは議員立法として成立をしていただいたわけでございます。こういうこともありまして、実質的な教育の機会の均等を図るため、一刻も早く具体策を実施すべきと。これは、いいものであれば早く実施するという確信の下に、私は、平成二十六年度から実施するということで、今回法案をお願いしているわけでございます。
 この二十六年の四月からの実施に関しては、全ての都道府県において実施できるとお聞きいたしました。当初は、委員御指摘のように、八月には知事会等からシステム開発等で間に合わないところもあるという話がありましたので、その後、丁寧にお聞きしたところ、この臨時国会でこの法案が成立をするということであれば間に合うというふうにお聞きをしたところでありまして、また都道府県だけでなく学校に対しても、新制度の施行までの間、説明会の開始、それから事務処理に必要なマニュアルを配付するなど、現場に混乱が起きないように、迅速かつ丁寧な情報提供については、これは引き続き行ってまいりたいというふうに思います。
 基本的にこれは、来年高校に入る新一年生からの対象でございますので、今の高校生は対象にはならないということでありますが、事務体制がしっかり整うよう、事務手続に必要な経費についても、地方自治体の状況に応じ予算の範囲内で必要な支援を行ってまいりたいと考えておりますし、さらに、今御指摘がありましたが、来年の受験を控えた受験生や保護者に対しては特に速やかな周知が必要であるため、法案成立をさせていただきましたら、速やかにリーフレットの配付やホームページの掲載などによる周知のほかは、現在も開設している高校就学支援ホットライン等を利用しまして問合せにワンストップで対応することによりまして、混乱が起きないように最大限PR、周知徹底をしてまいりたいと考えております。
○那谷屋正義君 今大臣から答弁いただきましたように、八月八日の各紙報道にもあるように、自公とも来年度の実施がやっぱり無理だというふうにして一遍判断されたわけですよね。しかし、その後、今自治体に聞いたら云々というお話がございました。しかし、これ自治体だけではありません。それを受け付ける学校の事務の煩雑さ、それだけではありません。本当に、もう今、今日にでも進路を決めなければならないという、そういう状況がある中で国会ではまだこれを議論している。それが成立が決まりましたら速やかにと言ったって、もうそれは時既に遅い部分もあるわけであります。
 それはなぜかというと、低所得者のための様々な対策についていろいろと考えられているというお話が今ちょっとこの辺はどうなっているかということをこれから質問していきたいと思いますが、その前に、済みません、外務大臣政務官、私の質問はここまででございますので、もしよろしかったら御退席いただいて。
○委員長(丸山和也君) 退席いただいて結構です。
○那谷屋正義君 法案成立後速やかに周知徹底をするということなんですが、先日の本会議でも私、麻生財務大臣に質問をさせていただきました。そうしたらば、政府予算案が確定するまでは、所得制限の代替メニューの具体的な詳細あるいはそういったものについてまだ確定的なものではないというような類いの至極当然な答弁をいただいたわけであります。
 したがって、予算が決まる、政府の予算がほぼ確定されるのがこのクリスマスイブ辺りを挟んでだろうと思います。そのころにはもう既に私学の方はいろいろと手続が進んでいるということ、そして、それだけではなくて、本来は、自治体の方たちがオーケーと言っても、今度はその法案について国会で議論をするわけですから、その国会の議論というものをある程度しっかり認識していていただけたならば、成立後一体どうなるのかということについての日程的なものを考えると、やはり来年度のスタートというのは無理があるという、このことにやはり突き当たるんじゃないかなというふうに思うんですけれども、そんな中でも子供たち、保護者、学校の先生たちに納得できるお答えをいただけるのかどうか、ちょっと見解をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 民主党政権のとき、この高校授業料無償化については、これは三月三十一日に国会で可決をして四月一日から施行するということであったわけですね。
 我々は、周知徹底という意味でいえば、本来は、御指摘のように予算関連法案ですから、同様に次の通常国会で出すべき法案でありますが、しかし、今回はシステム開発等に時間が掛かる、また給付型奨学金等の新たな支給も都道府県にお願いをしているというような経緯から、やはり来年の四月からスタートするためには準備期間が必要であるということを十二分に配慮しながら、もちろん、この機会にこの臨時国会でこの法案を成立させていただければ、どの程度間に合うか間に合わないかについては、関係機関、地方自治体やあるいは私学関係者等、それから父母の方々等、お聞きした中で間に合うということを判断して、この臨時国会にこの予算関連法案を出させていただいていると。
 異例でありますけれども、それだけの準備期間をすることによって間違いなく来年の四月からスタートできるという体制を整えるような、そういう文部科学省の方でもフォローしておりますので、対応できるというふうに考えております。
○那谷屋正義君 もう今既にその進路を決定している人たちがいるということ、それにどうやって説明するのかということについてちょっとお答えいただけなかったんですが。
 ちょっと一つ、細かいお話になりますが、衆議院でのこの委員会でのこの法案についてのやり取りの中で、ある方が、特定扶養控除の削減を財源としたその中で、特別支援学校あるいは定時制、通信制、こういった方たちは逆に言うと削減された部分が大きくて結局マイナスだった、負担が大きくなったというような指摘がありました。それで、どうするんだということに対して西川副大臣が答えられています。その中で特に私が今日お聞きしたいのは、高校を中途退学した人が再び定時制、通信制高校でよしもう一回やるぞという形で学び直すときに、制度が、特に私学対私学の間で、三十六か月の間で切れてしまう、その辺のところもきちんと担保して、受給期間を、最高二年を上限として更に卒業までの間、継続して授業料支援をしっかり支援していきたいというふうに答えられています。
 これは私は大変大事なことだなと思っていますが、ただ、この答弁の中からだけでは、要するに一遍学校を退学しないとその更なる二年間の上限が、受給期間が得られないというようにも取れるわけです。そうではなくて、今現場では、要するに辞めるにも辞められない、しかし学校に行きたいんだけれども行けない、様々な事情が、この定時制、通信制の高校教育を受けている子供たちを取り巻く状況というのは様々複雑でありますから、辞めなくても、本当はやりたいんだ、だけどずるずるずるずる時間が過ぎていってしまっているという、そういうこともあるんだろうと思うんですね。そういう人たちへの配慮というのはどのようにお考えでしょうか。
○政府参考人(前川喜平君) 学び直しの支援につきましては、一度は高等学校段階で学んだものの何らかの理由によりまして途中で修学を断念した、そういう者の学び直しを支援するということを目的といたしまして、再入学してまた学ぶ意欲のある者の経済的負担を軽減しようとするものでございます。高等学校を中退した後に学び直しのために再入学した者のうち約九割が定時制あるいは通信制の課程において修学しているという実態もございます。
 修業年限を超過して留年するという場合でございますけれども、これは病気とかあるいは留学とか、そういったことを理由とする場合には休学をすることによりまして、その休学を申し出た者は就学支援金の支給の停止も申し出ることができるということで、この休学期間中につきましては就学支援金の受給期間の進行を停止することができますので、その期間、余分に在籍していたとしても、留年することができるということで、留年後も就学支援金を受給できるということになります。
 しかし、修業年限を超えて在学する留年者の中にも、現行制度において就学支援金の対象になっていないわけでございますけれども、遊びとか非行とか、そういった学ぶ意欲のない場合が少なからず見受けられるということで、これらの者を一律に支援の対象とすることは適当ではないと判断したところでございます。
○那谷屋正義君 その部分については今都道府県の方がいろいろと対応しているところが多いというふうに聞いておりますけれども、やはり高校教育を受けたい、そして高校教育の制度をどういうふうにするんだというふうなことを考えたときに、そのネグレクティブな方たち、子供たちの話をどうのこうのするということではなくて、やはり学びたくても学べない子をどうするんだというそういう観点に立つということは私は大事なことなんじゃないかなというふうに思うんです。
 これは、この次の質問に入りますけれども、いわゆる所得制限で、結局全ての子が申請をする中で申請が十分にしっかりと行くか行かないかという問題も実は大きな問題なんです、これは。
 つまり、学校からもらった通知を子供たちがまず家に帰って保護者にきっちりとそれを見せるかどうかという、この問題がまず大きな問題です。こんなものは家庭の問題だと言われちゃえばそれまでかもしれませんけれども、現実として、高校生の中で学校からもらった手紙をそのまま、はいといって渡す子供たちというのは半分いるかいないかだと思います。そういうふうな状況の中で、この手続がうまくいかなかった場合、当然有償になっていくわけですけれども、この部分について、やはり最初の年度、急な年度ということの中で様々な配慮が私は必要なんではないかなというふうに思います。
 特に、今日、資料を配らせていただきましたけれども、所得制限のいわゆる調査、査定の中では前年度の収入というのが当然影響してくるわけでありますが、これは総務省の労働力調査、平成二十四年の平均結果から作らせていただいた資料でありますけれども、これを御覧いただければお分かりのように、年度の途中で離職あるいは完全失業した人の数ですけれども、まず会社の都合でというのが、男女計の平成二十四年を見ていただきますと、それぞれ三つ項目がありますが、足すと六十三万人。そして、自己都合というのは、その色で付けたところは介護、看護のため、それから家事、通学、健康上の理由のためということで、ここのところで三十万人。こういった、自己都合といえども、これは本人の希望する問題ではないわけですね。希望してどうのこうのということではなくて、やむを得ずこういうふうな形になってしまっていわゆる失職をする、あるいは離職をするというような形になってくるんだろうと思います。
 こういう人たちに対してどういうふうな手当てを考えられていらっしゃるんでしょうか。
○政府参考人(前川喜平君) 現在、私立高校につきましては、家計急変の際の授業料に係る支援が行われているわけでございます。今回の見直しによりまして公立高校においても同様の問題が生じることが考えられますので、文部科学省といたしましては、家計急変が就学支援金の支給額に反映されるまでの間、各地方公共団体が授業料減免を実施した場合に、その二分の一を補助するという仕組みを導入したいと考えております。
 家計急変への支援の仕組みにつきましては、具体的には地方公共団体がそれぞれに制度設計していただくということになるわけでございますけれども、文部科学省として、その補助の考え方といたしましては、家族の介護や看護のための離職、あるいは災害などによる収入の激減、そういった場合の具体的な要件や所得の把握方法につきまして、できる限り個別の状況を踏まえながら柔軟な支援がなされるように都道府県を促してまいりたいというふうに考えております。
○那谷屋正義君 急激な家計の変化ということに対して是非対応していただきたい、今お話のあった中で対応していただくということは大事だと思いますけれども。
 ちょっと先ほどに戻りますけれども、特に定時制、通信制というふうなこと、特に通信制の場合は子供たちが学校に行かないこともあるわけでありまして、いわゆる通信制ということの中で、そのときに、例えば単位を取るときにその都度、様々な複雑な事務、科目を決める、授業料を払う、それを認定される、そういうふうな様々な手続があると。その中で、それが年に二回行われるようなそういう状況になっているわけで、四月には間に合わないということも出てくるわけですけれども、そういう点についても御配慮いただけるんでしょうか。
○政府参考人(前川喜平君) 定時制、通信制に限りませず、生徒が受給資格があるにもかかわらず申請を行わないというようなケースが生じることがないように、これは私ども、都道府県、学校と一緒になりまして、生徒、保護者に対して十分な周知を行っていく必要があると考えております。そのために必要な事務経費につきましても、都道府県に対しまして予算の範囲内で必要な支援を行ってまいる所存でございます。
 なお、例えばドメスティック・バイオレンス、あるいは児童虐待、あるいは保護者と全く連絡が取れないというようなケースにおきまして、やむを得ない理由で保護者のうち一方又は双方の証明書類が提出できないというような事情がある場合につきましては、その事情を明らかにした上で、一方だけの保護者あるいは本人のみの所得によって判断するということとしておりまして、今後とも、個別の事案が都道府県から寄せられた場合につきましては丁寧に対応いたしまして、柔軟な運用について配慮してまいりたいというふうに考えております。
○那谷屋正義君 くどいようですけれども、やはり来年度の急なスタートということにおいて相当現場が混乱をする。今、前川局長言われたように、本当に家庭は様々でありまして、はっきり申し上げまして、この高校の授業料を払うか払わないかということについては、所得という問題だけでは測れない様々な問題が実はあるわけであります。したがって、その様々な多面的なもののうちの所得だけを取り上げて無償にするか無償にしないかというふうにするこの制度というのは、やはり問題あるというふうに指摘をせざるを得ないわけでありますけれども。
 もう時間がぼつぼつやってまいりましたけれども、ひとつこれは下村大臣に決意を聞かせていただきたいと思うんですが、今、来年度の予算がまだ決まらない中で、まだいわゆるその四千億という枠が確定されていない中で、このようにしっかりと周知徹底をしてまいりたいというふうなことを言われた。それは、裏付けとしては、当然のことながら予算をしっかり確保するということが大前提に今度はなってくるんだろうと思うんです。
 かつてこの委員会の中で文部科学大臣に、やはり財務省との対決の、対決って言っちゃいけません、交渉の中でしっかりと予算を確保するといって胸に辞表をしっかり入れて、これが取れなかったら私は文科大臣を辞めるんだというぐらいの決意でもって臨まれた方が実はいらっしゃいます。したがって、ここまで制度を変えて、そしていわゆる二二%で浮いた予算をその部分に、低所得者対策あるいは公私間格差の解消というところに向けてしっかりと予算を確保するということをここでしっかりと決意を聞かせていただきたい。
 胸に辞表を入れるかどうかというのは個人的な思想の問題もあるかもしれませんけれども、私はそのぐらいの思いを持ってしかるべきであろうというふうに、それが今進路を決めかねている様々な受験生に対する一つの文科大臣としてのあかしだろうというふうに思うんでありますけれども、強い決意を聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 胸に辞表を常に入れている覚悟で文部科学大臣として仕事をするという思いを常に持っていることを自分に期した思いで行動しております。
 このことについては、私は直接財務省に乗り込みまして麻生財務大臣に何度も折衝し、その中で合意をしたことでございますので、その上で今回の法案を出させていただいている。ただ、財務省の立場からいえば、予算関連法案で、これから来年度の予算を決める段階で、今の段階で国会の中で明言できるはずがないというのは、もう委員もよく御承知のことというふうに思います。
 そういう中で、今回の制度見直しにより生み出された財源については、これは国会でも確定的に財務省も言っていることでありますが、八月二十七日の与党間合意により、低所得者層の教育費負担の軽減を図るため奨学のための給付金制度を創設すること、また、教育費負担における公私間格差の是正を図るため就学支援金の加算を行うことなどに充てることが確認され、これらの支援措置はこの与党間合意を踏まえて財務省も考えるということは国会でももう明言しているわけでございます。
 文部科学省としては、当然、その支援策の実現に向けまして、私が先頭に立って不退転の決意で努力してまいります。
○委員長(丸山和也君) 那谷屋正義君、時間であります。
○那谷屋正義君 やっぱり高校無償化の制度の根幹が変えられてしまっているこの法案には私はどうしても賛成するわけにはまいりませんが、しかし、大臣が常に辞表を胸にという、そのような決意で予算の獲得に向けられるということ、これについては今後しっかりと注視をして、またこの委員会の中で議論をさせていただきたいということを申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。
○石橋通宏君 民主党の石橋でございます。那谷屋委員に続きまして、本法案に対する質疑をさせていただきたいと思います。
 那谷屋委員から質問がありました幾つかの点について、私の方も更問いといいますか、更に突っ込んだ内容の質問をさせていただきたいと思いますが、まず最初に、これ前回の一般質疑のときにもさせていただきました社会権規約第十三条の二違反であるという指摘に関する質問をさせていただきたいというふうに思いますけれども。
 お手元に参考資料をお配りをさせていただきました。先ほど那谷屋委員からもお話がありました点、これにまとめてありますので是非御確認をいただければと思いますけれども、これが五月の社会権規約委員会の日本の定期報告に対する最終見解であります。肯定的側面は先ほど触れられたとおりですが、特に皆さんにも是非御注目をいただきたいのはこの懸念事項及び勧告なんです。
 先ほど外務政務官は二十九のところは触れていただきましたが、七の点については触れられておりませんでしたので、改めて今日、外務省参考人来ていただいておりますけれども、この七の点、とりわけ最初のところで、「委員会は、締約国が本規約の下での義務について即時的効力がないと解釈していることに懸念を表明する。」と、つまり、日本がこの条約の要求する内容について即時的な効力がないと勝手に解釈していることについて懸念を表明されているわけですが、外務省はここについてどういう見解をお持ちですか。
○政府参考人(新美潤君) お答え申し上げます。
 まず、先生の御質問にお答えする前に、先生御承知のとおり、この社会権規約委員会、これは十八名の委員が個人の資格に基づいて参加をしている委員会でございます。経済社会理事会の決議によって設置された機関でございまして、締約国が規約において認められている権利の実現のためにとった措置等について報告を審査し、検討し、そして当該締約国に対しその結果を最終見解あるいは勧告等として提示することを主要な任務にしているわけでございます。
 そして、この委員会から出される勧告あるいは最終見解といったようなものにつきましては、先ほど外務政務官の方からもお答えさせていただきましたけれども、各国が施策を実施するに当たり十分に考慮し誠実に対応すべき性格のものであると考えております。ただ、これは私ども日本のみならず広く各国において共有されていると思いますけれども、この委員会における勧告というのは法的拘束力があるものではない、法的拘束力があるものではないという前提で各締約国が十分に考慮し誠実に対応すべき性格のものだという、かかる考え方については変わりございません。
○石橋通宏君 ちょっと確認しますけれども、今の答弁、衆議院の文科委員会、十一月六日、外務省山崎政府参考人が、無償教育の漸進的な導入という規定に我が国は拘束されているという断言をされ、答弁されていますけれども、今ちょっと答弁違うんじゃないですか。
○政府参考人(新美潤君) そうではございませんで、申し訳ございません。
 まず、今御質問がありましたのはこの委員会が出した最終見解の内容について、その法的な位置付けについて御質問がございましたので、私の方から、法的拘束力はないけれども、十分に考慮し誠実に対応すべき性格のものであると申し上げたわけでございます。
 他方、山崎政府参考人の方から恐らくお答えしたと思いますのは、社会権規約、規約自身の中で漸進的な無償化の実現ということが規定されておりますので、社会権規約、これはもちろん国際条約でございまして、その内容については日本政府も拘束されるという、恐らくそういう意味で山崎参考人の方からお答えしたのかと推測されます。
○石橋通宏君 ちょっとこの文章をよく読んでいただきたいんですが、「委員会は、締約国が」、つまり日本政府が、「本規約の下での義務について即時的効力がないと解釈していることに懸念を表明する。」ということになっているわけです。だからこそ、先ほど山崎政府参考人が答弁されたように、拘束があるということは外務省認めていらっしゃるんでしょう、正式に。だから、拘束はあるわけです。それを勝手に日本が、いやいや、即時的なあれはないんだというような解釈をしてはいけないということを改めて指摘をされているわけで、これについてはしっかりと我々は踏まえて議論をしなければいけないということだと思いますが、ちょっと長くなるので、ということですね。イエス、それだけで、はい、イエスでいいです。
○政府参考人(新美潤君) そうでございません。そうでございませんので御説明させていただかざるを得ないんですけれども、二つございます。
 まず、この人権規約、これ本会議でも議論になりましたし、この委員会でも議論をさせていただいている国際人権規約A規約、いわゆる社会権規約、これは日本も含めて各国が入っている条約でございますので、その条約に書かれている規定、これはいろいろ解釈がございますけれども、一般的に言えば加盟国である日本は拘束され得るということでございます。
 二点目は、今先生から御指摘あって、先生も御配付されましたこの最終見解の中で、確かに最終見解の中で即時的効力がないと解釈していることに懸念を表明しているというふうに言っていますけれども、この最終見解自身、この最終見解というものは法的拘束力がないということでございます。ちょっと私の理解が間違っていればお許しください。
○石橋通宏君 もう突っ込みませんが、それ論点すり替えていますよ。
 だから、確認しなきゃいけないのは、我々はこの社会権規約に拘束されているわけです。そこは確認してくださいね。されているわけだから、それを誠実に履行する義務があるということです。それは否定されないわけですので、そこは是非確認をお願いをいたします。
 その上で、その次に、中略の後にありますように、「漸進的実現」というところにも、この最終見解の中できちんと、どういうふうに理解すべきかということが書いてあります。「本規約の権利の完全な実現を可能な限り迅速かつ効果的に達成するよう義務を課すものである」という、これも国際的な共通の理解だというふうに思います。
 この点を日本が勝手に解釈をしてはいけないということだと思いますが、外務省、これはそれでいいですね。
○政府参考人(新美潤君) 済みません。私の説明が舌足らずであれば改めて説明させていただきますが、先生おっしゃいましたように、いわゆるA規約、委員今おっしゃいましたA規約に書かれている部分、これは要するに国は拘束されます。
 ただ、その解釈として、まさに今それが議論になっていると思いますけれども、例えば、いわゆるA規約十三条二項の(a)、(b)、(c)、特に(b)で見ますと、「無償教育の漸進的な導入により、一般的に利用可能であり、かつ、すべての者に対して機会が与えられるものとすること。」、これをどう読むか、その解釈の問題だと思います。
 その解釈の仕方として、今委員がおっしゃった最終見解においては、日本が即時的効力がないと解釈していることに懸念を表明している、これ一つの委員会の勧告でございますから、繰り返しになって大変申し訳ございませんが、勧告については各国が施策を実施するに当たり十分に考慮し誠実に対応すべき性格のものではございますが、私どもとしては、単に日本のみならず、あるいはほかの各国のプラクティスの積み重ね、解釈の積み重ねを見まして、これは必ずしも即時的効力がないと解釈していると。即時的効力がないという解釈という言葉にもよりますけれども、もう繰り返し私どもあるいは文科省からも御説明いたしたような、今の新しい、日本が今回この法案で御審議いただいている内容というのが中長期的に見ればこの漸進的な導入という観点から問題がないと考えている次第でございます。
○石橋通宏君 一点だけ確認させていただければ、条約をこれ各国がそれぞれの事情で勝手に解釈を始めていたら、これはばらばらになるわけです。これ、国際条約ですから。だからこそ社会権規約委員会という規約委員会をしっかりとつくって、まさに今参考人も言われたそれぞれの国々のいろんな積み重ねをそこで様々に集積をしながら、この十三条の二を国際社会全体で実現をしていこうと、そのためにやっているわけで、そういう意味でちょっと今確認をさせていただきたいんですが。
 この法案を作成するに当たって、外務省から若しくは文科省の要請に基づいて、世界各国のこれまでまさに積み上げられたプラクティス、これを分析をされて、一体この十三条の二、中等教育の無償化若しくは漸進的な実現、こういったことについて国際社会がどういうこれまで取組をされ、社会権規約委員会がそれをどう解釈、分析をし、そして見解を述べられているか、これをしっかりと分析をされて、それを文科省に資料として提出をされた経緯があるでしょうか。はいかいいえだけでお答えください。
○政府参考人(新美潤君) なかなか、はい、いいえと一言でお答えできなくて大変申し訳ないんですけれども、今回の見直しに当たりまして、文科省さんから私ども協議を受けております。そして、その点から、社会権規約の解釈等についての観点から検討を行いました。その際には、当然各国のプラクティス等についても調べておりますし、文科省さんともその点について意見交換をしております。
 そして、今回の見直し、今この無償教育の漸進的な導入という点についていろいろ議論をさせていただいているわけでございますけれども、先ほど委員もお配りなさいました資料の十三条の二項の(b)に書いてある「無償教育の漸進的な導入により、一般的に利用可能であり、かつ、すべての者に対して機会が与えられるものとすること。」という点にも私どもは注目しております。
 つまり、今回の法案におきまして、現行予算を活用して低所得世帯の皆様への支援を重点的に行うという改善、まさにこれを通じて実質的な教育機会の均等を図るものである、この点はまさにこの十三条の二項の(b)の規定との観点でも非常に重要ではないかと考えている次第でございます。
○石橋通宏君 今、外務省と文科省の間でそれぞれの国々のプラクティス等々についてもやられたということなので、これ委員長にお願いしますが、今回の法案の議論に基づく、事前の段階で外務省が作成をされた資料を是非当委員会にも提出をしていただくようにお取り計らいを願えないでしょうか。
○委員長(丸山和也君) 後刻理事会で協議いたします。
○石橋通宏君 その上で、最後、この件について、今大変、参考人も最後のところで確認されて、これは大臣もこれまで委員会の中でも答弁されています。
 今回、先ほど那谷屋委員も触れられましたけれども、財源があるならば無償化やるんだ、しかし財源が限られている中で、今回四千億円という枠の中でやりくりするんだということで、それであれば十三条の二に違反、当たらないということですが、これ万が一、先ほど那谷屋委員から辞表を懐に抱いてという御質疑もありましたが、これ万が一予算折衝の中でそれが確保できなかった場合、つまり、今回所得制限は導入した、しかし低所得者対策もそして公私間格差の解消も結果として実現できなかった、その場合はこれ十三条の二違反に当たるということですね。
○政府参考人(新美潤君) 済みません、私ちょっと御質問の趣旨を必ずしも正確に理解できていないかもしれませんけれども、今申し上げたように、まず一点目は中長期的にということであります。中長期的に無償化の方向性、趨勢の範囲になればいいということでございます。
 そして、具体的にこれをどう判断するかというのは各国の例にかなり任されているところが多いと思います。例えば、各国の例、日本は民主党政権の時代に留保を撤回したわけでございますけれども、現在留保を付していない国の中でも実は有償で教育している国はまだまだございます。
 そういう観点からいいましても、ちょっと仮の質問にはなかなかお答えするのは難しいと思いますが、今先生がおっしゃったようなことをもって直ちに十三条違反になるということは必ずしも言えないと思います。
○石橋通宏君 その辺は説明が大変矛盾するので、これ明らかに、もしこれを実現できなかったら、そもそも説明されている部分が成り立たなくなってきますので、ここは先ほど那谷屋委員の質問に大臣も御答弁いただきましたけれども、何としてもそれだけは覚悟いただきたいと思うわけです。
 それから、ちょっと先へ進めさせていただいて、先ほど那谷屋委員からも家計急変世帯への対応についてということで、これ文科省からも答弁をされました。私たちも今回やっぱり大変心配をしておりますのは、そもそもこの高校無償化というのは子供たちの学びを親の家計の状況、財政状況、これ様々な変化があるわけです。そういうものに左右されない、社会全体で、やっぱり子供たち、高校、中等教育、これ中学卒業して大体もう九九%近くの子供たちはその後引き続き中等教育へ行かれるわけです。だからこそ、社会全体で、親の財政状況に左右させず、子供たちの教育、学びをしっかりと確保してやりたい、すべきだという趣旨でこれをやっているわけで、その理念が大きく崩れてしまう、このことは大変問題は大きいという観点で我々は反対をしているわけでありますけれども。
 とりわけ、家計急変、先ほど文科省の説明では家計急変、それぞれ自治体でやっている授業料の減免措置があるんだと。今日、お手元に、ちょっと一つ飛ばして配付資料の三を見ていただきたい。これは文科省、私が要求して資料を出していただいたわけで、基本的には家計急変があった場合、今まで対象でなかった、しかし九百十万は割り込んだので対象になると。しかし、入学時は二年前のだし、その後も一年前の家計の状況なので、なかなかすぐには反映されない。だからこそ、自治体がやっている減免措置でまずは対応いただいて、そして、次に資格が得られたときにこれは支援金の対象になるんだ、そういう趣旨だというふうに理解をしますが、まずそういう考え方だと、これはそのとおりでよろしいですね。
○政府参考人(前川喜平君) そのとおりでございます。
○石橋通宏君 そこでちょっと心配なのが、要は都道府県のこの補助制度って、要件が全然違うわけです。例えばここで文科省は例として、都道府県の例で、埼玉県、広島県で出していただいていますが、対象の年収区分が全然違いますね。それはそういうことで、つまり、都道府県、自治体によってこの補助制度の年収区分、対象は全然違うということがあるということですね。
 とすると、仮に家計急変が起こって、九百十万円、今考えられておられる所得制限の水準を割り込んだと。割り込んだんだけれども、都道府県のこの補助制度の対象にはならないというケースが生じるのではないかと思うんですが、それはいかがでしょうか。
○政府参考人(前川喜平君) 家計急変をどのように認定するかということにつきましては、この制度をつくる都道府県の判断でございますが、家計急変という制度の本質からいたしまして、急激な変化があったということでございまして、必ずしも九百十万円、九百二十万円から九百万円になった、あるいは九百万円から更に八百万円になったというようなケースで、全てをこれを拾うということを想定しているわけではございません。
 したがいまして、家計急変による救済というのは、やはり緊急の対応ということで、この就学支援金の制度を忠実になぞるということまでは想定しているわけではございません。
○石橋通宏君 つまり、穴が空いているということを認められたわけですね、今。九百十万円というところで線を引くと。結局、どこかで線を引かなければいけないということはそうなんでしょうけれども、入れる限りは。しかし、そこで線を引いて、仮に家計急変起きたときに、いや、九百五十万円もらっていた方が七百万円になりましたと。七百万円になった、でも、都道府県の補助制度の対象にはならないので、支援金は次の資格認定までもらえないと。これが最長では一年以上ケースによってはもらえないというケースも当然出てくるわけです。
 その場合に、子供さんが修学を継続できずに諦めざるを得ないというケースが出るんじゃないですか。そこはどうやって防ぐんですか、大臣。
○国務大臣(下村博文君) なぜ出るかということについては、具体的におっしゃっていただきたいと思います。私は、それだけの理由で、ほかの要因があれば別ですけれども、出るとは考えられません。もしそうであれば、ほかの七百五十万家庭相当でも同じような問題があるわけですね。
 先ほど国際人権A規約について私に対しては御質問がなかったのでお答えする立場ではないんですが、一言だけやっぱり申し上げたいんですね。
 これは、今回の見直しというのは、むしろより効果的に本制度を実施する観点から、現行予算を活用し、低所得者世帯への支援を重点的に行う等の改善を行うものであり、これは逆に、我々は人権規約の趣旨を更に前進するものだというふうに考えております。
 先ほどの御質問を聞いていると一般国民はもうゼロか一〇〇かみたいなイメージで取る方もおられるかもしれませんので、あえて申し上げたいんですけれども、公立高校は、実際、税金投入額、平均百十万円相当は税金投入されているんですね、国、地方自治体含めて。今回は、授業料相当額分が十一万八千八百円で、これが全てのカバーをされているわけではありません。そういう中で、より効果的にという意味で、この国際人権A規約第十三条について我が国は漸進的な進みを進めているというふうに申し上げたいと思います。
○石橋通宏君 ちょっともう先ほどの議論に戻ってしまうので、大臣が今言われたので、より効果的にというのは大臣も分かって答弁されているんだと思いますが、四千億円という枠をはめてのその中での議論で、それを効果的にとおっしゃっているだけの話で、そもそも大臣も衆議院で何度も答弁されているように、財源があればやっぱり無償化はやるべきなんだと。大臣、大学、大学院まで含めてこれを目指していくべきなんだとおっしゃっているじゃないですか。だから、本来は我々はみんなでそこへ漸進的な取組をしていくべきなんですよ。あくまで四千億円という枠をはめて議論されるからそういう話になるわけで、それはちょっと考え方が違うのではないかということだけ申し上げておきたいと思いますが。
 家計急変対策ということで、これ、大臣、いや七百万円だって別にほかにも七百万円の家庭はいるんだからいいじゃないか、しかし、だから我々は問題だと言っているんです、所得制限で線を引くということが。家計の状況というのは、子供たちを始点に考えれば、家計の状況というのはそれぞれの置かれた家庭環境で全然違います。それを一律にどこかで線を引かなきゃいけないといって、九百十万円ぐらいならまあまあいいだろう、二二%ぐらいでいいだろうと。これも衆議院の議論で結構乱暴な議論で九百十万円、線を引かれているようなところもありますが。しかし、それで線を引く以上は子供たちをそこで分断するんですよ。それによって、子供たちが、親の家計の急変によって、今までは家計がある程度余裕があったかもしれない、でも家計が急変をしてそれで親が苦しくなった、でも残念ながら都道府県、自治体が実施している措置は受けられない、そういったときになったときに、子供がそれによって、それは数の問題じゃなくて、そういう子供が出てくる、出てきてしまう可能性があるじゃないかということが問題だということをどこまで大臣そして文科省の皆さんが認識をされて、いや、そういうことはあっちゃいけないんだと、だから、この制度の穴があるのであればそれを、穴を埋めていくために努力をしていただけるのかどうかということを確認したいわけです。
 この点については都道府県に基本的に、繰り返しますけれども、任せているので、穴は空くけれども文科省としてはしようがないと思っていらっしゃるわけですね。そこだけ確認させてください。
○国務大臣(下村博文君) そもそも石橋委員が、七百五十万になったときにどうするのかという具体的な質問でしたから、七百五十万相当の家庭の子供が家庭急変で高校に行けないということがあり得るのかということでお答えしたわけです。しかし、七百五十万という前提を外して、これが所得が例えばゼロになったということであれば当然家庭急変的な対応をこれは都道府県でもしているわけでありますが、今回、所得制限を導入することによってそのような、七百五十万とかじゃなくて、例えば収入がゼロになったという意味での家庭急変については、これは都道府県がしっかり対応するように文部科学省としても働きかけをしてまいります。
○石橋通宏君 ゼロになれば恐らく多くのところで対象にはなると思うんです。でも、例えばこれ、広島県の例を文科省どうして出されたのか分かりませんが、これだと二百五十万、三百五十万です。これが都道府県の措置の対象の下限なのかどうか私もちょっと確認していませんが、これだけの大きな、例えば三百万、四百万、そういったところまでに落ち込んでも対象にならないということであれば、家庭の状況によっては子供が高校継続を諦めざるを得ない状況にもなるのではないかということも含めて、これ、改めて文科省にはしっかりと、この各自治体がやられている状況、これはもう全部調べていただいている、接続をきちんと考えておられるんだと思うんですが、ここはしっかりと各自治体の家計急変の場合の補助制度、実態を調査をしていただいて、子供たちの修学に万が一にも穴が空かないように、これは一層の努力はきちんといただきたい、そこだけ確認させてください。
   〔委員長退席、理事石井浩郎君着席〕
○副大臣(西川京子君) 御質問ありがとうございます。
 家計急変に関しては、もちろん最終的に自治体が判断して、それに対していかに国の方で補助をするかということですが、現在、私立高校においては、家計急変の際の授業料にかかわる支援ができております。それの実績として、三億円ぐらい用意してある中で平成二十四年度の実績が千百三十人で六千二百万円使っているという実績があります。その中で、今回、私立高校にはありましたけれども、同様の措置を公立高校にも必要ということで、家計急変が就学支援金の支給額に反映されるまでの間、各地方自治体が授業料減免を実施した場合は二分の一補助をする制度を導入したいと考えております。
 以上のようなことでしっかりと対応したいと思っております。
○石橋通宏君 ですから、穴が空かないようにきちんと対応していただきたいということを繰り返しお願いをさせていただきたいと思います。
 それで、時間がなくなってきましたので、あと、この所得制限の導入で、これはやっぱり資格認定ということが生じると。これも、文科省、大臣も含めて、いや、今も私学ではあるじゃないかというふうに言われますけれども、今度公立高校を対象にするということで、本当に対象となる生徒数がもう桁違いに増えてくるということで、これは子供たちの学校の中での万が一にも分断が起こったり子供たちにスティグマを与えてしまったりということがないように、また学校なり自治体の事務量がこれは膨大になるのは間違いないので、それに対する対応をしっかりしていただかなければいけないということも含めたものだと思いますけれども。
 子供たちへの配慮ということで一点確認をさせていただきたいのは、これ、資格申請、資格認定のための書類を子供たちが在学中四回出すことになるわけです。これも衆議院の答弁で、その出し方については配慮するんだということも大臣から答弁をいただいておりますが、一点確認したいのは、この子供たちが提出する書類というのを学校側がどのように扱うのかということについて、きちんとしたプライバシー保護や個人情報保護の観点からの基準、ガイドラインというものが既にこれまでの経験で設定をされているのかどうか、それをきちんと今後公立学校の運用においても導入してそれをしっかりと運用していただけるのかどうか、そこの確認させてください。
○国務大臣(下村博文君) まず、委員御承知だと思いますが、現行制度でもこれはあるんですね、そもそも、現行制度でもあるんです。あるんですが、現行制度においては、これは私立高等学校の生徒に対する就学支援金の加算申請の際に所得確認を行っていると。対象は限定されています。
 その中で、現在、保護者から所得確認書類の提出に当たって、例えば、封をした封筒で行う、事務室など他の生徒の目に触れにくいところで行う、学校への郵送で受け付けるなど、生徒、保護者への配慮を最大限行うよう、これは都道府県に対しても、今度は公立学校対象になるわけですから、改めて指導していきたいというふうに思います。
 この新制度において、所得確認書類の提出に当たって、引き続き、御指摘のように生徒の家計の状況に係るプライバシー保護、これについては都道府県に対して十分な配慮を求めてまいりたいと思います。
○石橋通宏君 済みません、お答えいただいていないので、きちんとした情報保護ルール、ガイドライン、そういうものを作っておられるのかどうかということを確認させていただきたかった。それを今回、今大臣が言っていただいた公立高校へ導入するということになると数が桁違いに増えるわけですから、それを現場でガイドラインなりにしっかり基づいて指導をしていただいているということでよろしいですか。
○国務大臣(下村博文君) 現行制度でも既にこの制度は導入されていると。その中で、特に御指摘のような危惧については今の段階では聞いておりません。ですから、改めてガイドラインを作る必要は今の段階では考えておりませんが、改めて都道府県に対して適切な指導を行うことによってそういう危惧が払拭されるような対応をしてまいりたいと思います。
○石橋通宏君 そこはきちっとガイドライン、情報保護ルール作って指導していただかないといけないと思いますので、それは是非検討いただきたいと思います。
 あと一分、二分なので最後の質問になりますが、先ほどちょっと触れました、学校側の事務負担の増大があると思います。
 今私学でやっていらっしゃるところで大体事務関係で四億ぐらいの予算を付けておられるというふうに聞いておりますが、今回公立学校でこれ導入されるということで、公立学校の事務負担増大に対する軽減策ということで、四十、五十億ですかね、これ計上される予定だというふうに聞いており、今要求はされておると聞いておりますけれども、これぐらいできちんと各学校に対して事務負担を先生方に掛けないということで可能なのかどうか。これ、四十、五十億、万が一にも担保できなかった場合は相当な現場で混乱起こると思いますが、この点について確認させてください。
○理事(石井浩郎君) 西川文部科学副大臣、時間ですので手短におまとめください。
○副大臣(西川京子君) 今先生がおっしゃったとおりでございまして、大体今まで四億円ぐらいでしたので、今回、所得制限に係る事務手続の経費としては約四十から五十億を必要と想定しております。
 その中で、所得確認事務に必要な経費については、都道府県の意向をしっかりと確認しながらきちんとした予算の確保に努めてまいりたいと思います。
○石橋通宏君 終わります。
○大島九州男君 それでは、民主党の大島九州男でございますが、質問に入る前に、今法案質疑されております公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給に関する法律の一部を改正する法律案については、本会議で登壇ものとする、そういう重要法案の取扱いをしていただいたにもかかわらず、本日の質疑をもって採決という委員会運営になりましたことは、本当に野党筆頭のお役をいただく私の責任であり、そしてまた、本来、参考人質疑を含む慎重審議を進めて、国民の代表である委員皆様の御意見をいただきながら、政府との議論の場を深めることにより国家の教育政策を進める大事な機会を失わせたことに、私は強く責任を受け止めております。
 そしてまた、委員また国民の皆様におわびを申し上げ、今後国会における委員会の使命をしっかり果たせる委員会運営に努めさせていただくことをお誓い申し上げて、おわびを申し上げて、そして質問に入らせていただきたいと思います。
 まず、確認でありますけれども、所得制限により捻出した八百九十億円の使途はどういうものかをちょっと確認をさせていただきます。
○政府参考人(前川喜平君) この所得制限により捻出する財源につきましては、八月二十七日の与党間合意を踏まえまして、低所得者支援と公私間格差の教育費負担の格差の是正などの施策に充てたいと考えております。
 具体的には、奨学のための給付金制度を創設すること、私立学校の就学支援金の加算を拡充すること、特定扶養控除の縮減により負担増となった特別支援学校等の生徒への支援を行うこと、海外の日本人学校や在外教育施設の生徒への支援を行うこと、外国人学校以外の各種学校で高等学校相当の学校の生徒等への支援を行うこと、その他、この新制度の円滑な実施のために必要な経費に充てる、このような経費の財源とする方針でございます。
 なお、捻出した財源の使途につきましては、最終的には十二月までの予算編成過程において決定されるものでございますけれども、文部科学省といたしましては、これらの施策の実現に向けて努力してまいりたいと考えております。
○大島九州男君 低所得者支援のための奨学のための給付金の創設というのは、これは大変大事なことだというふうに思っています。教科書、教材、学用品等に対する支出に対して非常に困っていらっしゃる、そういった生徒のために、この部分、それからまた、民主党政権のときに専修学校の方への手当を創設をして、これを、今回は中学卒業以上を入学資格とする准看護師や理容師、美容師などの養成課程に通う生徒に就学支援金を支給するようにするという、このことも私は大変すばらしいことだというふうに思っております。
 そしてまた、特別支援教育就学支援費の拡充ということで、特別支援教育就学奨励費補助の対象範囲を拡大したこと、こういったことは大変私は評価をしたいというふうに思っておりますけれども、これは本来、いつも言われることでありますけれども、教育費全体を増やすことによってこのことをしっかり担保をしていくということが我々も望むことであるわけでありますけれども、今回は、所得制限ということでその財源を確保する、まさに今ある予算の中からやりくりをするという、そういうことであったわけでありますけれども、今回のこの、先ほども質問にありました、事務費にも四十億、五十億という、そういった経費が使われる。
   〔理事石井浩郎君退席、委員長着席〕
 本来これは教育に係る予算として使われるべきものが事務費に回されるということも、大変それは我々にとっては、その財源が少しでも本来の教育に回せるようにしていただくことが本来の姿であるというふうに思っているわけでありますが、まあここは、先ほどの議論でもありましたけれども、都道府県独自に私立高校に対して授業料減免の補助を今までも行っていたわけであります。
 今回の就学支援金の加算拡充によって、今まで都道府県が行っていた授業料減免の事業は、その予算、どのほど軽減されるか。単なる国による予算の付け替えとならないように、今まで各都道府県が付けていたその地方の財源分については、都道府県において更なる低所得者支援に充てるように要請し、そしてそれを実現させるべきというふうに考えるわけですけれども、ここら辺の現状を文科省としてはどれぐらい把握して、どういう要請をしていくというような考えがあるのか、お聞かせいただきたいと思います。
○副大臣(西川京子君) 御指摘のように、私立高校が、今回、この授業料減免補助を行っていたわけですけれど、これは各都道府県で大変ばらつきがあります。一番低いところでは、大分県、鹿児島県辺りは年収二百五十万未満程度の生徒にのみ授業料減免措置を行っていた。あるいは、福島県、栃木県、大阪府、この三県は年収六百万未満まで減免措置を行っていたということで、今回のこの授業料減免事業によって軽減される、言わば予算が浮くということはかなり県によって差があるということで、二百五十万ぐらいまでしかやっていない県においてはその問題はほとんどないわけでございます。そういう中で、年収二百五十万未満程度までがほとんど、四十三都道府県、それから年収三百五十万未満程度が十六府県、年収六百万までが先ほど申し上げました三府県ということで、そういう状況にあります。
 その中で、しかし、今回、この加算拡充に伴いまして都道府県に言わば財源がきっちり出ることは事実でございますので、そういう都道府県については、本当に低所得支援やあるいは中間所得支援の方にしっかりと拡充していただくように要請してまいりたいと思います。
○大島九州男君 今おっしゃったように、各都道府県によって全然違うということが問題なんですよ。だから、我々は国においてそのことをしっかりと担保するという意味でこれをしっかり拡充をしていき、生徒、子供たちがどの日本の都道府県に生まれようが同じような状況で教育を受けられる、そういう場を担保していくということがこの法律のやはり一番大きな目的である。それが道半ばであるからこそ今のような状況が起こっていることに対して、我々そしてまた文科省の皆さんは、各都道府県にそのことをしっかりと促していきながら、そして現実的にその政策を実現をしていくということが大事なわけであります。
 さっきも副大臣の方から話がありましたけれども、全額免除しているというようなところが、二百五十万までやっているのが四十三県、中にはやっていないところもまだあるということですよね、それだけ低所得でも。そしてなおかつ、六百万未満まで無償にしているというのが三県あるというようなことであったと。このように、少し話を聞いただけでも大きくその差があるんだということを、これは我々は多く、国民の皆さんも委員も我々も認識をさせていただかなければならない。
 そして、今回、この財源が国が大体コンマ五、一・五倍、二・五倍というような形でコンマ五増えていく中で、県がその財源が浮いた部分を本当に教育に回すのかと。よく言われました、国が図書館費として本を買うお金を都道府県に差し上げているにもかかわらず、都道府県では一切本が買われないと。まさに、そこの県知事さんやトップの考え方に大きく左右をされているわけでありますけれども、そういった懸念が生じる、その一つの部分では今回の事務費の部分もあるわけであります。
 まさに、きちんとした予算を確実にしっかり取っていただくことによってそういった教育費がほかに流用されるということを防ぐという大きな役割があるわけでありまして、そのためにも、この新制度実施に当たっては、まさに所得確認をする事務の作業だとか、そういったところに対するその予算は確実に取っていただいて、それを早い段階で都道府県の皆さんに、心配することないぞと、そういう事務費については、本来であれば、教育関係予算から持ってくるんではなくて、ほかの予算からしっかり持っていくからというようなことを本来であれば発信ができるような、そういう予算取りをしていただいていることが必要だというふうに私は思っているわけですけれども、そこら辺はどのような状況で財務省とやり取りをされているのか、そしてまた今後の見通しをお願いしたいと思います。
○政府参考人(前川喜平君) 就学支援金に関する事務の執行に要する経費でございますが、これにつきましては現行法上も規定がございまして、国が、毎年度、予算の範囲内で、就学支援金に関する事務の執行に要する費用に相当する金額を都道府県に交付するということとなっておりまして、現行制度上も、これは現行では私立学校に関してその事務が生じているわけでございますけれども、約四億円を交付しているという実績がございます。
 新制度になりますと、これが公立高校も含めまして大幅に増えるということが見込まれますことから、これに相当する事務費を交付をしたいと考えております。新たに発生する所得確認事務に係る経費につきましては、約四十億から五十億と想定しております。都道府県の意向を伺いながら、財務省と折衝を重ねまして必要な予算の確保に努めてまいりたいと考えております。
○大島九州男君 これは私の私見なんですけれども、都道府県が今回このような形での改正を受け入れた背景には、自分たちが出す予算が、これは国が肩代わりしてくれるんでほかに流用できる可能性があるなという、そういう気持ちを持った都道府県は多分にいるんじゃないかと思っているんですね。だから、ここをしっかりと担保して、今まで皆さんが教育費に充てていたその予算は、国がちゃんと事務費は確保するからしっかり安心して教育費に使ってくれというふうな、そういう発信を是非していただきたいということを要望しておきます。
 そして、次の質問でありますけれども、ちょっと今日資料を一枚提出させていただいておりますが、これ、グラフを見ていただきますと、子供が三人以上いる家庭の年収が下に書いてあるんです。年収が高くなればなるほど子供が三人いるという、こういう資料として受けていただければ有り難いんですが。
 ということは何が言いたいかというと、三人分の高校の授業料を払わなきゃならないと。まあ一気に払う人はなかなかいないと思いますが、大体二人ぐらいは当然在学する可能性がある。また、そして次に大学と高校とというと、非常にこれは高所得者の人に対する負担は大きいぞということになるんですけれども、幼児教育の無償化は第二子、第三子と子供の数が増えるに従って授業料負担を軽減する等の制度設計をされているじゃないですか、与党は。そうすると、そういった議論で、この高所得者に対する第二子、第三子という部分についての検討はなされたのかどうかという、ちょっとそこら辺のところをお聞かせください。
○政府参考人(前川喜平君) 幼児教育における考え方、多子世帯に対する負担軽減という考え方で今回の見直しについて検討をしたという経緯はございません。この制度自体が教育費負担の軽減ということでございますので、そこに焦点を当てて制度設計をしているところでございます。
 現行制度におきましても、私立高校生への就学支援金の加算の支給に当たりましては、家族構成を勘案した市町村民税所得割額を使用しております。これは、高校生や大学生といった扶養親族がいる場合に控除があるということが、これが住民税に反映されるわけでございますので、市町村民税の所得割額を使用するということは、そういった家族構成が反映されるということでございます。これを新制度においても踏襲するということとしているところでございます。
○大島九州男君 そういう御答弁であれば、私は、幼児教育の無償化は保育園との負担の平準化を図るという意味で、第二子、第三子というふうな形で段階的に設けたというふうに教えてもらったんですね。
 ということは、当然、それは幼稚園、保育園、小中高と同じ子供たちを扱う制度としては、そういうものをしっかり検討しながら負担軽減を図るという視点が一つ必要だったんではないだろうかということ、ここについて今後そういった検討をされる用意があるのかを大臣にお聞かせいただくのと、もう一つ、これは私、大臣にもちらっと、大臣、現場の中で月謝をやり取りするということの中での、この子は無償とかあれとかいう、子供たちの目に見える世界ではなくて、所得の、税金の中である程度そういう調整ができないのか検討していただければ有り難いという話をさせていただいたこともあるんですけれども、今の答弁にありましたように、市町村民税の所得割額を使用してその家族構成を勘案しながらやっているということが、現実に今やっているし、やろうとしているわけですから、これをもうちょっと発展させると、現場での高所得だとか低所得だとかいうようなことの反映ではなくて、役所の中での今言う税金の徴収の中でこういう高校無償化の部分に当たるような制度設計というものは今後検討していけば十分できるんではないのかと。
 だから、高所得の人からはそういう税金をしっかりいただく中で、その十五歳から十八歳にかかわる子供たちのいる家庭から負担をしていただくという考え方もあり得るんじゃないかと思うんですが、そこら辺の考え方をちょっと大臣にお聞かせいただければと思います。
○国務大臣(下村博文君) 御指摘のまず幼児教育の無償化でございますけれども、これはまさに漸進的に進めていきたいというふうに考えております。
 ただ、御指摘のように、二十六年度の概算要求については、まず保育園並みに幼稚園の父母負担を軽減すると。保育園並みというのは、つまり第二子目は半額、第三子は無償と。同じような形を三歳から九歳まで取ることによって保育園と幼稚園の父母の負担格差を同じにする、それをまず第一歩にしていきたいというふうに考えております。この多子世帯の負担軽減という観点はそういう意味で非常に重要でございます。
 この新制度においても、家族構成を勘案した市町村民税所得割額を所得確認の基準として用いることに実際しております。これによれば、例えば高校生一人、中学生一人、つまり子供二人の世帯における所得制限の基準額は九百十万円であるわけでありますけれども、一方で高校生二人、それから中学生一人、つまり子供三人の世帯ですと実際の基準額は九百四十八万円でございまして、別に九百十万円に全部一律に決めているわけではないということで、子供の数は反映された仕組みになっております。
 それから、税制において対応すべきではないかという御提言ですが、これは今回の高校無償化制度について、現行の財源をより効果的に活用するということによって教育費の負担の軽減の適正化を図り、実質的な教育の機会均等を実現するというものでございます。したがって、今回の見直しは所得の再配分を目的としているものではないということで、税制改正という手段によることは適当でないというふうに判断いたしました。
○大島九州男君 まず税制改正の方からいきますと、今回この臨時国会で制度設計するその政策については、今大臣がおっしゃるように、今の現行予算の中で枠組みを考えるのは当然のことだと思いますので、私が是非お願いしたいのは、来年以降、新年度予算の部分の中で、税制改正を伴うような部分を含めて、これを一年、二年掛けてで結構でございますので、是非検討いただいて、子供たちが親の所得の格差というのを肌で感じることのない教育環境をつくっていただくということは大変有り難いと。私どももどれだけ税金取られているかというのはなかなかぴんとこないぐらい、我々でもそうですから、子供たちはなかなかそういったところまでは思いが付かないと思うんですね。だから、是非そういうふうな形の制度を実現していただくと私は大変有り難いなというふうに思っているところであります。
 それともう一つ、子供の関係ですけれども、保護者、親が子供の教育費で一番掛かるなと思うのが、やはり高校、大学、それに塾だとか予備校だとか、そういったところの予算なんですね。だから、幼稚園、保育園、当然そこを無償にしていただくということは大変有り難いことですから、それにも増して、高校、大学にこの子たちが行くときに自分たちの収入がどうだろうかということを考えたときに、先ほど言ったように、三人以上産める人というのはやっぱり所得が高い人になっているというこの現状を見たときには、やはりここの人たちにもっともっと安心をしていただくということは、当然、低所得者の人たちが三人、四人産んでも大丈夫だというふうな安心感につながっていくというふうに、長い目で見たときには十分考えられるので、そういう意味で、高校、大学を無償にしていこうとするその取組というものは、日本の将来の少子高齢化に対する一つの大きなインセンティブにもなるし、また、人材を増やしていく、まさに子供が増えるということは日本の未来の可能性が増えていくということでございますので、そういう政策につながっていけば本当に有り難いというふうに思うわけであります。
 まさに、低所得者支援及び公私間格差の是正については、大臣もずっとそういった部分のことを提唱され、そして今回、現実的に今ある制度の中で予算のやりくりをしながら低所得者の皆さんに手厚くされるというその理念は、下村大臣が今までずっと生きてこられたその人生の過程において、そしてまた、今まで取り組まれてきた活動について私は十分理解できるところでありますが。本来であるならば、まさにこのほかの予算、公共工事やいろんな大切な事業もありますけれども、まさにそれよりも、文科省として、日本の将来を、この日本を背負って立つ人材を育てていく、それに責任を持つ省庁として、やはり我々はしっかりとこの国の予算を子供たちの教育に振り向けていく、そのことが大きな使命であるというふうに考えているわけでありますけれども、是非そこら辺のところの大臣の決意をちょっとお伺いを、いただきたいと、よろしくお願いします。
○国務大臣(下村博文君) これは、大島委員始め、これは与野党問わず、文教科学委員の方々におかれましては、教育というのは未来に対する先行投資だと、そのためにしっかりと教育予算を増やせというのはもう全員の多分一致した思いであるし、意見であるのではないかというふうに思います。
 是非それに取り組んでまいりたいと思いますが、非常に財務省の壁は厚いものがあります。財政規律の中で、ほかの分野の、もちろんこれは教育関係もそうですが、無駄がどこがあるのかどうか行革含めて見直す中、財源をどう確保するかと。しかし、それだけでは今までのような御質問に対する答えというのには、十分な教育費予算の計上にはならないというふうに思っておりまして、そのために、財源があれば幾らでもやりたいことでありますが、その財源は自然増収によって、アベノミクスによって景気を良くして自然増収になる部分があるかもしれませんが、それだけを待っていたらすぐ対応することは難しいと思いますし、ある意味では、今、文部科学省の中でも独自に、例えば教育目的税や、あるいは今委員から御指摘がありました税制改正等しながら、できるだけ国民の皆さんに理解をしていただく形で、教育に対する投資が、公財政支出がもっとできるような、こういう取組をこれは先頭に立ってやっていきたいと思いますし、また、是非これは与野党問わず、文教科学委員会の委員の皆様方の御協力、御支援をお願い申し上げ、一緒になって教育、子供たちを育てていくということは本当に大切なことだということを多くの方々にもっと理解をしていただくような、そういう取組をしてまいりたいと思います。
○大島九州男君 ありがとうございます。
 私も、塾の先生ということで子供たちと直接教育を携わってきた人間として、是非大臣にお願いしたいのは、今までのこの日本の教育というのは、何かこう、学歴が高くて学者のようなところを目指す人が何かすごく尊くて、十五で自分の道を決めて、例えば美容師になりたいとか料理人になりたいとかいうような人たちと、私は、それぞれみんな同じ尊い仕事だと思っているんですね。私がよく言っているのは剣山型社会といいまして、剣山というのは一つ一つの山はみんな同じであって、そしてそこにいろんな花が生けられてきれいな芸術を生むわけですけれども、そういったお花と一緒に、社会というのもそれぞれのみんなが役割を持って生まれてきて、それが大学の教授であったり弁護士であるんだけれども、おすし屋さんの職人さんやガソリンスタンドの皆さんも同じ私は尊い仕事であると。
 だから、まさに今回、この専修学校の一般課程の各種学校への拡大をされたということは、私は、子供たちが十五から、ああ、こういう自分は国家資格を目指して頑張っていくんだというようなところに今回は手当てができた。そうしたら今度は、まるっきりそういう関係ない、国家資格はないけれど物づくりのためにしっかりと自分は専門的な学校へ進んでいこうという、そういったところの専修学校にもやはり同様の就学支援ができるようになり、そしてまた、大学においてもただ専門的なことを学んでいくということではなくて物づくりをやっていく、職人さんになっていく、伝統芸能を引き継いでいく、そういった専門の大学があったり、そういうところに進んでいくことが本当にこの日本の文化や伝統をしっかりと下支えする、日本人としてすばらしいことなんだということを是非大臣や皆さんが発信をしていただけると、子供たちは夢と希望を持って生きていけるんじゃないかと思うんですね。
 だから、そういう国をやはり目指していかなければならない。特に我々、文教科学委員会に所属をしている先生方は、スポーツであったりとか勉強であったりとかいうことですごくその中で、本当にオリンピックで活躍されたりプロ野球で活躍され、そして多くの国民に夢と希望を与えてこられた多くの先生たちがいらっしゃる委員会でもあるわけでありますから、今度のオリンピックに向けても、そしてまた学力の面に向けても、全て、それぞれの子供たちが自分の生かされている命を光り輝かせることのできるそういう国を目指して、委員会で議論をどんどん深めていくことが仕事だというふうに思わせていただいております。
 私も足りませんけれども、冒頭におわびを申し上げましたけれども、しっかりとこうやって国会、委員会の中で議論をさせていただいて、そしてそのことを多くの国民の皆さんにも知っていただく努力もさせていただき、国民の皆さんと一緒にこの日本の国の子供たち、そして日本の未来が開く文教科学委員会であることを希望して、質問を終わらせていただきます。
 本当に今日はありがとうございました。
○矢倉克夫君 公明党の矢倉克夫です。
 質問に入る前に、冒頭一言。前回の委員会で私学のいじめ問題、質問させていただきました。下村大臣また西川副大臣、大変に誠実に御回答いただきまして、早速相談者の方にお伝えをしましたら、国が対応してくれたということで感動をしてくださって、登校拒否になっていたお子さんも高校進学に向けて一生懸命勉強を頑張ると、今度私の国会事務所の方にも来たいというふうにおっしゃってくださっていました。一言、この前時間がなくて余り御礼できなかったんですが、御対応いただいてくれたことに対して、御礼とともに、より一層しっかりと御対応いただければと思いまして、冒頭、御挨拶させていただきました。ありがとうございます。
 それでは質問に入らせていただきます。
 所得制限を掛けることをいろいろ議論をされております。いろんな議論があるんですが、私は、今回の所得制限を掛けられたことに、法案の意義というのは、前提はやはり親の収入や格差によって教育を受ける権利を奪われかねない子供がいる、それを何とか救っていきたいという思いがありまして、ただ財源の問題もあり、どうしても子供の教育のために将来的に現役世代に負担を掛けるような国債増発等もなかなか難しい、限られた財源の中でどうすればいいかというやりくりの中で、やはり、高所得者の方には大変申し訳ないんですが、その御負担の下、社会全体で支えるという思いも込めて、この所得制限、決断をされたというふうに認識をしております。
 通告とはちょっと若干順序が違うんですが、まず冒頭、大臣から、その所得制限を掛けられたことを、そしてそれを財源をどうやって生かしていくのか、その点を含めてちょっと御答弁いただければと思います。
○国務大臣(下村博文君) 御指摘のように、国の財源が豊かであれば、これは高校だけではありませんが、幼児教育の無償化含め、あるいは大学教育の公財政支出をすることによって、より負担を軽減することによって、どんな家庭の子供であっても、貧しい家庭の子供であっても、意欲と志があれば大学や大学院あるいは海外まで留学できる、そういうチャンス、可能性をつくっていくということは、この国の将来を考えた場合に大変重要なことだと思いますし、是非そういう方向性を目指していきたいというふうに思います。
 ただ、高校においては、今の制度において、無償化前から授業料が全額免除されていた低所得者にとって恩恵がなかったこと、また私立高等学校の低所得世帯の生徒には授業料を中心に依然として大きな負担がある、こういう課題があり、低所得者世帯の生徒に対する一層の支援と、それからもう一つは、公私間の教育費格差の是正を図る、こういう必要があるというふうに考えているわけであります。
 そこで今回の改正においては、文部科学省としては、所得制限によって捻出された財源を活用して、一つは、奨学のための給付金制度の創設、二つ目に、私立学校の就学支援金の加算の拡充、三つ目に、特定扶養控除の縮減により負担増となった特別支援学校や定時制、通信制高校の生徒の支援、これらを実施することによって現行制度の課題に対応してまいりたいと考えております。
○矢倉克夫君 ありがとうございます。
 既に与党の政調会長同士も合意をされたその趣旨にのっとって、今回の所得制限で浮いた財源をしっかりと低所得者のまた子供に対しても振り向けていく非常に具体的なお話であると思います。
 私自身も、実は小学校三年生のときに父が事業を立ち上げ、失敗もし、非常に借金がずっと続いた状態で、それでも自分の思いとして私立に行きたかった思いもあり、親に何とか頼み込んで授業料等も捻出してもらった、父親も働いたお金をそのまま予備校代に出してきて、生活費を消費者金融で賄ったりとか何かはありました。親が収入がなかなかない中でも、一生懸命学校に出してくれた親に対して感謝する思いとともに、私立に行った、授業料も高いのは当然なんですけど、例えば定期代を親に出してもらうというのが非常に心苦しくて、そのために毎回毎回お金をもらうのが大変申し訳ないなという思い、そういう思いもあって御飯をよく抜いたりとかして、そこで少しだけでも浮いていこうとか、そういうような思いもしたことを今改めて思い出しております。
 先ほど大臣の方から、まず低所得者、これまで恩恵を受けなかったまさにその低所得者世帯に対しての奨学のための給付金というふうにおっしゃってくださいました。今申し上げましたとおり、教育費という点でなかなか授業料がすぐに浮かぶ部分もあるんですが、私、今手元にある文部科学省の子供の教育費調査という資料なんですけど、平成二十二年、ちょっと今日はお手元には配れなかったんですが、それを見ますと、例えば平成二十二年度で全日制の公立の高等学校教育全体で掛かるお金というのは、授業料ゼロという前提であっても、学校教育費で二十三万、年間ですけど、二十三万七千六百六十九円、修学旅行やまたPTAの会費その他が掛かると。また、学校外活動費でも十五万五千七百九十五円掛かる。私立になりますと更にそれ以上掛かるというような数値もあります。授業料という部分の負担とはまた別に、やはりそれ以外の部分での教育費の負担というのもそれぞれ低所得の家庭では大変な部分もあるので、それに対してしっかりと附帯をされるというのは非常に重要な点であるなと思います。
 ただ、今回、法文では明文化されることはなかったと思うんですが、その辺りの経緯の御説明とともに、改めて具体的な制度について、御説明を大臣からいただければと思います。
○国務大臣(下村博文君) 私も小学校三年生のとき父が交通事故で亡くなりまして、それ以来母子家庭で、たまたま高校に入るときにあしなが育英会の前身である交通遺児育英会ができて、日本育英会、当時は給付型があったんですね。この日本育英会と交通遺児育英会の奨学金二つを貸与なり給付することができるので高校進学することができたと、そういう経緯がございます。
 さて、委員が御指摘のとおり、今回、これは真に公助が必要な方々のための制度とするものでありまして、そういう意味で、現下の厳しい財政状況の下、低所得者支援や公私間格差を是正するための財源を捻出すべく所得制限を設けることにしたわけでございますが、この所得制限によって捻出された財源については、八月二十七日の与党間合意で、低所得者支援としての奨学のための給付金制度の創設、それから公私間格差是正としての就学支援金の加算拡充、また特定扶養控除縮減への対応等に充てるということを踏まえまして、文科省としてこれまでも財務省と調整を行ったところでございます。
 今後の予算編成過程においては、当然、この与党間合意が守られるものであるというふうに確信をしておりますが、さらに、低所得者支援等の施策の実現に向けまして、先頭に立って努力をしてまいりたいと思います。
○矢倉克夫君 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
 あと、公私間格差の是正という話もありました。なかなか、一般のイメージですと、私立に通う御家庭というのは高所得な方が多いんじゃないかと。私も、私立と公立の格差を是正する必要はないんじゃないかというようなお声も実は聞いている部分はあるんですが、今、手元ですと、例えば年収四百万未満の御家庭で公立の小学校に、小学校、中学校の話をまずしますが、公立の小学校に通っている御家庭は一六・三%、私立は二・九%、非常に差はある。公立の中学校は一四・四%、私立の中学校は二・八%。公立の高校になりますと一五・四%通うんですが、私立の高校も九・五%と。この数字から見ると、収入が低い御家庭でもやはり私立の高校に通わざるを得ない方がいらっしゃるということであると思います。
 今回、具体的には、地方でもやはり公立の競争力が激しくて、収入が低くても私立に行かざるを得ない、高い授業料の私立に行かざるを得ないというような御家庭があるというような話もお伺いしておりますが、今回、公私間格差是正というふうに政策向けられている趣旨、背景というのはそういう辺りもあるというように理解しておりますが、いかがでございましょうか。西川副大臣、よろしくお願いします。
○副大臣(西川京子君) 先ほどから矢倉先生のお話を聞いていて、本当に、そういう中から頑張って国会議員になられたってすばらしいなと思いまして、頑張っていただきたいと思います。
 おっしゃるとおり、実は、都市部においては富裕層があえて非常に難関校を目指すというような私立志向というのはあると思うんですが、地方においては本当に、むしろ所得が公立へ行っている子より低い家庭が結構あるというのは現実です。就学支援金制度においても、私立学校に通う生徒のうち二割程度が加算措置を受けている年収三百五十万未満程度の世帯であるということが分かっております。
 そういう中で、御指摘のとおり、高所得者世帯の人たちが私立高校に行っているというのは、ある意味では地方においては当たらないと思いますので、私立学校への支援というのはしっかりしていかなければいけないと思っております。
○矢倉克夫君 ありがとうございます。是非よろしくお願いいたします。
 先ほど大臣もおっしゃってくださいました今回の所得制限というのは、やはり真に公助を必要としている子供たちのための政策であると認識をしております。であるからこそ、浮いた財源は当然そちらに向けなければいけないわけでありまして、それに対しては、今後財務省とのいろいろ御折衝も、既になされていると思いますけど、重要な部分もあるかと思います。
 もう一言大臣に、財務省との折衝も含めて御決意を御答弁いただければと思っております。
○国務大臣(下村博文君) これは予算関連法案でございますので、財務省の立場からすると、予算編成の過程において現段階で明言できないということであるかもしれませんが、先ほどから答弁させていただいているように、与党間の政調会長合意について誠実に履行するということについては財務省は国会答弁でも述べておりますので、これは必ず、所得制限で捻出された財源は低所得者や公私間格差の是正等に使われるのは当然のことですし、またそれに向けて全力で対応してまいりたいと思います。
○矢倉克夫君 ありがとうございます。是非よろしくお願いいたします。
 それで、具体的な法文にちょっと入らせていただきたいと思うんですが、今回出されている法案、制度設計としては、高校無償化という原則を一旦外した上で就学支援金を支給するという形になっていると思います。やはり、今まで無償化になっていた、今回の所得制限に入らなかった御家庭に対して、同じような状況をしっかり担保するというのは、法文上も、その就学支援金の額がこれまで無償とされていた月額授業料と同額であるということをしっかりと担保する必要はあるかと思っております。
 法案の五条の三項なんですが、「第一項の支給限度額は、地方公共団体の設置する高等学校、中等教育学校の後期課程及び特別支援学校の高等部の授業料の月額その他の事情を勘案して定めるものとする。」、「その他」という文言がございます。この「その他」というのは、その前に書かれていた月額をマイナスする要因というふうには理解しておりませんが、その理解でよろしいでしょうか。
○政府参考人(前川喜平君) 先生御指摘のとおり、この法案の第五条第三項には「その他の事情」という文言が出てくるわけでございます。この就学支援金の支給限度額につきましては、現に公立の高等学校等で徴収される授業料の月額、その実態をまず勘案するということでございますけれども、それに加えて、その他の事情もあり得るだろうということで「その他の事情」という文言が入っているわけでございますけれども、これは決してその標準的な授業料額を下回るように支給限度額を設定するための規定ではございません。
 現に、公立の高等学校と比べまして、定時制、通信制の高校におきましては私立の高等学校の授業料は高いわけでございますが、こういった事情を勘案するということでございまして、具体的には、現在、公立の定時制、通信制高校の授業料はそれぞれ月額二千七百円と五百二十円となっているわけでございますけれども、これをそのまま私立の定時制、通信制の支給限度額とするのはこれは問題があるということで、私立の定時制、通信制高校につきましては全日制と同じように月額九千九百円に上限を引き上げるということとされております。
 このため、そのその他の事情を勘案するということが全国の標準的な授業料額を下回る額を設定するということに使うということは想定していないわけでございます。
○矢倉克夫君 ありがとうございます。明快な御答弁、ありがとうございました。
 また、さらに、制度の内容に入りたいと思うんですが、与党の政調合意では所得制限の額として九百十万という金額が出ております。なかなか報道ではその九百十万という金額が先走りしているところもあるかもしれないんですが、合意の中でもこれは基準額として九百十万というふうに書かれている。
 ただ、九百十万という額で仮にぴったり切ってしまうと、この教育費に掛かる負担の感覚というのも、お子さんが何人いらっしゃるかとか、そういうところで家庭ごとにいろいろ事情も違ってくる部分はあるかと思います。単純に所得だけで区切るということはいかがなものかというようなお声もあるんですが、その辺りに対してはどのような配慮をされているのか、御答弁いただければと思います。
○政府参考人(前川喜平君) この所得制限に係る所得の把握につきましては、現行の就学支援金の低所得者加算における場合と同様に、市町村民税の所得割額を使用するということにしているわけでございます。この市町村民税所得割額は、これは控除の対象となる家族の構成が反映される形になるわけでございますので、教育費のかさむ高校生や大学生といった子供を持っている家庭につきましては、この市町村民税所得割額を使うことによりまして、その子供の数を含めた家族構成が勘案されるということになります。
 例えば、夫婦片働きで高校生一人の家庭でありますと年収九百十万ということになるわけでございますけれども、これが高校生一人にプラスして大学生一人であるということでありますと九百六十二万円まで基準額が上がります。また、更に高校生二人、大学生一人という三人の子供を持っている家庭でありますと年収が一千万円というところまで基準額が上がると。これはいずれも市町村民税所得割額が三十万四千二百円なんでございますけれども、この家族構成が控除に反映されることによりまして、実際の年収額に引き直しますとこういった違いが出てくるということで、子供の多い家庭、特に教育費のかさむ子供の多い家庭にはそういった事情が反映されるという基準になっているわけでございます。
○矢倉克夫君 ありがとうございます。
 あと、所得制限の関係でいいますと、やはり所得の判断の基準の在り方といいますか、先ほど来からも質問が出ていたので改めて確認なんですが、やはり前年度所得を参考に無償化適用があるか否かを判断されておられるということで、収入の激変などによって授業料負担が、前年は九百十万以上だったものが急に減って、本来であればその減った収入基準であれば無償化適用の場合にあるかもしれないんですけど、収入の激変によって、授業料を払わざるを得なくなっているというような状態が仮に起きた場合、それに対してどのような対処をされるのか、御答弁いただければと思います。
○政府参考人(前川喜平君) 御指摘のとおり、就学支援金の支給につきまして、所得制限等の基準、これの所得確認につきましては、前年度の市町村民税の所得割額、これを使うわけでございますけれども、その場合、当該年度において家計が急変したという場合に直ちに対応できない、こういう問題がございます。これは現在の私立高校への就学支援金の加算においても同じことが起こっているわけでございますけれども、こういったことにつきましては、私立高校につきましては、現在既に各都道府県の行っております家計急変への対策につきまして国としての補助をしているわけでございますが、この新しい制度を実施するに当たりましては、公立高校も含めまして家計急変への対策を取ってまいりたいと考えております。
 具体的には、これは各都道府県がどのような判断をするかということでございますけれども、家計急変につきましては、失職やあるいは死亡あるいは病気といったことの事情を勘案いたしまして、収入が大幅に減ったということについて、それをカバーする緊急の措置というふうに理解しております。そういったものにつきまして国の補助をするという仕組みを設けることによりまして、急激な変化に対する対応をしてまいりたいというふうに考えております。
○矢倉克夫君 ありがとうございます。
 今後、制度が動き出したときにやはりまた問題になり得るのは、収入の把握についての現場の事務負担がやはり増えるのではないかというような部分もあるかと思います。その辺りについてはどのように御対応されるのか、御答弁いただければと思います。
○政府参考人(前川喜平君) この制度の改正によりまして、所得確認の事務など地方自治体での事務負担が増えるということは御指摘のとおりでございます。特に所得の把握に当たりまして、現行制度における就学支援金の加算あるいは都道府県が行う授業料減免措置の対象者の判断におきまして、多くの都道府県が採用しております保護者の市町村民税所得割額の合算額によって支給の有無、支給額を判断するということでございます。この市町村民税所得割額で判断するというのは、これは一律に三十万四千二百円という数字で判断するということでございますので、この所得の確認につきましては最も簡素で容易な方法であるというふうに考えております。
 また、この事務の実施に係る経費につきましては、各地方公共団体の状況に応じまして、予算の範囲内で必要な支援を行ってまいりたいと考えております。
 今後、学校現場や地方公共団体の御意見も十分お伺いしながら、可能な限り更なる手続の簡素化を検討してまいりたいと考えております。
○矢倉克夫君 ありがとうございます。
 最後に、法案とは少し離れますが、幼児教育の無償化。
 幼児教育の重要性は非常に、皆様御案内のとおりであります。また、幼児をお持ちの世帯の所得というのはやはり低いというふうに推定もされる部分もありますし、幼児教育、今後、小学校、中学校、高校ともう様々な教育費の負担というのが潜在的に増えるという、そういうようなお子さんを持っている御家庭に対してのやはり教育関係の無償化というのは非常に重要であるなと思っております。
 与党もこの六月に無償化に関する関係閣僚・与党実務者連絡会議で基本方針を取りまとめて、五歳児を対象とした無償化を実現することを視野に置いて二十六年度から段階的に取り組むとしておりますが、財源確保への対応も含めて、今後の無償化への取組、決意について、下村大臣、最後によろしくお願いいたします。
○国務大臣(下村博文君) 御指摘のように、幼児教育は生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なものでありまして、特に先進諸国は、この幼児教育における投資というのはその人にとってだけでなくその社会、国にとっても大変な先行投資として社会発展に寄与する、そのための無償化ということを各国も進めているわけでございます。
 委員が御指摘のように、今年の六月に幼児教育無償化に関する関係閣僚・与党実務者連絡会議におきまして今後の取組の基本方針が取りまとめられ、無償化に関する環境整備と財源確保を図りつつ、まずは五歳児を対象として無償化を実現することを視野に置いて平成二十六年度から段階的に取り組むこととされました。この基本方針を踏まえまして、先ほど説明申し上げましたが、幼稚園と保育所の負担の平準化を図る、こういう観点から、幼稚園の就園奨励費補助において低所得世帯、多子世帯の保護者負担について保育所と同様の軽減措置を行うということを決めまして、平成二十六年度の概算要求を今行っているところでございます。
 引き続き、幼児教育の無償化に向けた取組を財源を確保しながら段階的に進めてまいりたいと思います。
○矢倉克夫君 ありがとうございました。よろしくお願いいたします。
 以上で終わります。
○委員長(丸山和也君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時三分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
○委員長(丸山和也君) ただいまから文教科学委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、水落敏栄君が委員を辞任され、その補欠として堀井巌君が選任されました。
    ─────────────
○委員長(丸山和也君) 休憩前に引き続き、公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○柴田巧君 みんなの党の柴田巧です。
 この高校無償化への所得制限導入ということでありますが、厳しい財政状況の下、低所得世帯の生徒に対して一層の支援と、いわゆる公私間の教育費格差の是正を図るために財源を捻出していくには、限られた財源の中からそれを有効活用する必要があるということ、そして、そのために、いわゆる富裕層の皆さんに所得制限を導入をして、その浮いた分で低所得者の世帯の皆さんの生徒の教育支援を拡充するということは、おおむね理解をするところではあります。
 されども、先ほど来からもいろいろ議論がありますように、二十六年度実施ということになれば、今日がもう十一月の二十六日、もう残り四か月ちょっとしかないという中で本当に大丈夫なのかという心配やらいろんな疑問点があるわけでありまして、大事なことは、高校の現場や地方自治体、そういったところに過重な負担を掛けない、あるいは保護者や生徒の皆さんに無用な心配や動揺を与えないということが何よりも大事だろうと思いますが、そういったことがクリアどれだけできるのかどうか、そういう観点でお尋ねをしていきたいと思います。問題意識がかなり似通っておりますので、繰り返しになる部分も多々あると思いますが、確認の意味を含めてお聞きをしていきたいと思っております。
 それで、これ二十六年度から導入ということなんですが、これから地方としても現場としてもいろいろ準備をしていかなきゃならない問題もありますし、一旦システムを止めてしまって、その関係の職員なども少なくしてしまったわけであって、こういったものも一回戻していかなきゃならぬと。そして、全国知事会からもあるいは県議会などからも慎重な意見が出されていた中、また与党の中からも、先ほどありましたように、二十七年度以降でもいいんじゃないかというような考えがあった中ではありましたが、なぜこれ二十六年度から実施をしなければならないのか、その理由を改めて大臣からお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 今回の制度改正は、現行制度の問題点を解消するため、所得制限により捻出した財源をより効果的に活用し、低所得者世帯への支援の拡充や公私間の教育費の格差是正に充てることで経済的負担の軽減の適正化を図り、教育の機会均等をより実質的に保障しようとするものであります。
 低所得者支援や公私間格差の是正は、平成二十二年度、本制度を導入したときからの課題であったわけであります。また、現行法附則でも求められている現行法制度の見直しについて、これは一刻も早く実施すべきであるというふうに考えております。また、近年、子供のいる世帯の貧困世帯は増加しており、それを背景として、さきの通常国会において、子どもの貧困対策の推進に関する法律を超党派の議員立法として成立をしていただいたわけでございまして、このことからも、実質的な教育の機会の均等を図るため、低所得者支援を速やかに実施する必要があると考え、平成二十六年四月から新制度を実施したいと考え、提案をさせていただきました。
 平成二十六年度からの実施のためには、都道府県の、御指摘のように、準備期間、それから保護者や生徒への制度周知の期間が必要であるということから、予算関連法案ではありますけれども、本臨時国会に改正法案を提出をいたしました。
 今臨時国会に法案提出するに当たって、改めて都道府県やあるいは私学等関係団体にお聞きしたところ、今国会で成立をもししていただければ、これは各都道府県、関係団体も周知徹底、準備ができるということを聞いた上での法案提出でございます。
○柴田巧君 ありがとうございました。
 であるならば、来年度四月、来年度の実施に向けてやっていくということであれば、先ほど申し上げたように、現場が混乱しないように、過重な負担が掛からないように、スムーズに作業が進むようにしていかなきゃならぬと思いますが、そういう意味でも、施行事務における詳細な運用基準でありますとか、あるいは実務処理手順等というものは一日も早く都道府県に示していく必要があると思いますけれども、この法案の成立後という、実際はそういうことになるんだろうとは思いますが、どのように、そしていかなるスケジュールでやっていかれるのか、お聞きをしたいと思います。
○政府参考人(前川喜平君) もちろん、法律による制度の見直しにつきましては国会におきまして法律改正をしていただくということが前提でございますので、その暁にはその詳細につきましてきちんと説明する機会を設けてまいりたいと思っております。また、予算による事業につきましては、予算案ができた段階で予算案として十分説明してまいりたいと考えております。ただ、現段階でも文部科学省としての見直しの方針や考え方ということを説明することは可能でございますので、既に都道府県に対しましては十月の十一日に担当者向けの説明会を開催いたしまして、見直し案についての文部科学省としての考え方を説明し、また可能な範囲内で個別の問合せについても丁寧に回答してきております。
 法案が成立いたしまして、さらに政府の予算案が決定した際には、速やかに都道府県等の担当者向けの説明会を開催したいと思っております。また、事務処理要領の作成をいたしまして、これを周知徹底いたしまして、新制度全体の詳細について遺漏なきように周知してまいりたいと考えております。
○柴田巧君 是非、今おっしゃったように、しっかりと来年度から実施できるように手続をしていっていただきたいと思います。
 それから、先ほどからもお話がありましたが、そのためにいろいろと必要事務の簡素化を図っていこうという考えが既に出され、方向性ははっきりしているんだろうと思います。時間のない中で余り必要のない書類を集めてこいというのは、なかなか現実、無理があると思いますが、どのように取り組んでいくのか。そして、もしこういう書類等は、事務などは簡素化できるというものがあれば、教えていただければなお有り難いと思います。
○副大臣(西川京子君) 御承知のように、新制度が決まりますと、今までの事務よりも十倍近くいろいろと煩雑な事務の経費掛かることになると思います。そういうことで、もうこれは地方自治体と可能な限り意見を交換いたしまして、事務の簡素化を検討してまいりたいと思います。
 平成二十九年の七月からマイナンバー制度が実施される予定でございますけど、これが導入されますともう著しく簡素化、手間が省けてくるようになると思います。いずれにいたしましても、地方自治体の事務に係る経費はしっかりと対応してまいりたいと思います。
○柴田巧君 必要事務の簡素化、是非現場とよく話し合って、できるところかなりあるんじゃないかと思われますので、是非取り組んでいただきたいと思います。
 一番何か心配をしますのは、この法案が成立するとして、これを受けて、十一月、十二月議会ということで地方議会等はやっているわけですね。そこで、一旦この止めてしまったシステムを復活をしていく、あるいはいろんな準備をしていくに当たって、条例の改正をしなきゃいかぬし、地方はこの補正予算を組まなければなりません。また、システムを整備をしていく上で、仕様書を作成したり、入札や検査や契約やというもろもろの手続があるわけで、果たしてこれが三か月、四か月余りの間でそれが完備できるのか、完了できるのか、大変心配になるわけですが、先ほどの答弁の中でおおむね大丈夫だというようなことはお聞きをしましたが、この点はしっかり地方にも確認をして万全を期しておられるのか、お聞きをしたいと思います。
○政府参考人(前川喜平君) 御指摘のとおり、地方公共団体におきましては、新制度の実施に当たりまして、授業料徴収条例の制定でありますとか授業料徴収システムの整備といったことが必要になるわけでございます。このため、今年の八月以降、この準備のために課題があるということを言っておりました都道府県につきましては、個別に担当の審議官が訪問いたしまして、具体的な課題について聞き取りをし、また相談に乗ってきたところでございます。
 文部科学省におきましては、都道府県からの要望を受けまして、今年度中に整備するシステム経費を措置する、この経費については財政措置をするという対応を講じていこうとしております。仮にシステムの整備が来年度の当初、来年度四月以降まで掛かってしまうという可能性がある都道府県におきましても、例えば整備までの間授業料の徴収を猶予するというような方法も取れるということで、何らかの方法で実施が可能であるという回答を得ているところでございます。
 九月十三日に改めて文部科学省から全部の都道府県の対応状況を確認したところでございますけれども、その際には平成二十六年四月からの新制度の導入ができないという回答はございませんでした。十月十一日には、先ほど申し上げた説明会も開催したところでございますけれども、法案の成立後におきましては、十分な説明会の開催、あるいはホームページやリーフレットなどの方法で十分な周知を図りまして、地方公共団体や学校現場に混乱のないように、迅速かつ丁寧な情報提供に努めてまいりたいと考えているところでございます。
○柴田巧君 是非、現場に混乱が生じないように、またスムーズにいくようにしっかりと対応していただきたいと思います。
 それで、今申し上げてきたそのシステムの整備等々、これ、先ほど西川副大臣一部お答えもいただいたような気がするんですが、いろんな必要経費が、準備経費等が発生を地方はしていきます。それからまた、いろんな所得確認等の必要書類、必要事務にも人的な経費が掛かってくると思いますが、この地方に掛かる経費、今回掛かる経費というのは、国の政策の言わば変更によって生じるものでありますし、適切なやっぱり財政措置をするというのは必要だと思いますが、改めてですが、どのようにやられるのか、お聞きをしたいと思います。
○副大臣(西川京子君) 先ほどおおむね御回答申し上げましたけど、今回の法律の第十五条に、「国は、毎年度、予算の範囲内で、就学支援金に関する事務の執行に要する費用に相当する金額を都道府県に交付する。」ときちんと明示してあります。そういうことですので、今回の法施行による様々な事務手続の費用、その他しっかりと対応してまいりたいと思っております。
○柴田巧君 是非お願いをしたいと思います。
 それから、先ほども申し上げましたように、また先ほどからいろいろ議論も質問もありましたが、我々が聞いていても、結局どういうことになるのか、まだまだ分からないという部分も正直ありますが、一般の方といいますか、生徒を持っておられる親御さんにしたらなかなか複雑で、結局我が家はどうなるのかというのが分からない、こういう場合はどういうことになるのかというのがまだまだ分からない人が多いんだろうと正直思います。
 特に世帯収入九百十万前後の方は、じゃ、我が家は結局どうなるんだろうかという強い関心をお持ちになるでしょうし、今まで掛からなかったものが掛かってくるという言わば不利益も被っていくということですから、なおさらのこと、保護者への丁寧な説明というのがこれから求められると思いますが、どういうふうにこれは取り組まれるのか、お聞きをしたいと思います。
○政府参考人(前川喜平君) 御指摘のとおり、所得制限の導入によりまして授業料を負担いただくことになる保護者、また所得制限の基準額以下で所得確認のための書類を提出していただく必要のある方々、こういった方々につきまして、今回の法律改正の趣旨について十分に丁寧に説明して、理解していただくということが必要であると考えております。
 所得制限の額につきましては、市町村民税所得割額三十万四千二百円、この額が一律の基準になるわけでございます。
 このことを含めまして、法案成立後、速やかにリーフレットの作成、配付やホームページへの掲載など、文科省としてできる方法を全て取りまして、都道府県あるいは学校を通じて保護者への周知徹底に努めてまいりたいと考えております。
○柴田巧君 是非、丁寧な、大きな言わば制度変更ということになりますので、丁寧な周知に努めていただきたいと思います。
 また、先ほどもありましたけれども、この世帯年収という極めてプライバシーにかかわる情報をどう保護、管理するかというのが一つ大きな課題だろうと思いますけれども、この徹底にはどのように取り組まれるのか、お聞きをしたいと思います。
○政府参考人(前川喜平君) 所得確認につきましては、現行の制度におきましても私立学校の就学支援金の加算の対象者につきましては行っているわけでございますが、この所得確認の書類の取扱いに当たりましては個人情報を保護しなければならないということは、これ当然のことでございます。その取扱いにつきましては、引き続き都道府県に対しまして、生徒、保護者のプライバシーに十分配慮するよう求めてまいりたいと考えております。
 この就学支援金の事務につきましては、高等学校等就学支援金事務処理要領というものを作成しております。これは、法案を通していただいた暁にはこの事務処理要領を直ちに改訂いたしまして、これを各都道府県に示すことにしておりますけれども、その中でも具体的に生徒及び保護者のプライバシーに配慮した方法ということについて書き込みたいと考えております。
 これは現在も書き込んであるものでございますけれども、例えば加算、この届出の文書につきまして、それを提出する場合は封をした封筒で行うという方法でありますとか、あるいはその受付を事務室などの他の生徒の目に触れにくいところで行うとか、あるいはその提出を学校への郵送で受け付けるとか、そういった方法、これは一つの例示でございますけれども、こういった方法が考えられるという形で、プライバシーに配慮した方法を取るように促してまいりたいと考えております。
○柴田巧君 その管理、保護の徹底をしっかりやれるように御努力お願いをしたいと思います。
 また、この所得制限の導入によって言わば心配されるのは、同じ教室で無償化の人と所得制限が掛かるおうちの子がいるということになります。親の所得によって、そのことによって、生徒間の、子供たちの間の人間関係にひびが入ったり、亀裂が入ったり、あるいは差別や分断が図られたりとするようなこともあり得るんじゃないかと心配をするんですが、こういったことを招かないためにも、どのような配慮、対応を考えておられるのか、お聞きをしたいと思います。
○副大臣(西川京子君) 先生からの今の質問の御懸念は、今までも多くの先生方からいただいている御質問でございます。
 具体的な話としては、今政府委員の方からお答え申し上げたことがほとんどなんですが、要はこれがいかに各都道府県、現場で県辺りの指導がしっかり徹底されるかということが一番大事だと思いますので、大変微妙な問題ですから、その辺のところはしっかり徹底して御要請していきたいと思っております。
○柴田巧君 現場で今申し上げたようなことが起きないように、最善の努力を文科省としてもしていただきたいと思います。
 また、入試の日程が固まり、先ほども質問がございましたけれども、もう進路選択の中学校三年生にとっては大詰めを今迎えつつあるわけで、そういう中でこの問題が、これからやっていくというこの所得制限の導入の問題が出てきたわけで、言わばこの進路を控えた中学校三年生の子供たちにとって進路選択に影響を与える可能性というのも否定できないと思いますが、ここら辺の配慮というのはどういうふうに考えておられるか、お聞きをしたいと思います。
○副大臣(西川京子君) 確かに私どもこういう国会の場にいてこういう法案、政策にかかわっているからこそいろいろ分かるのであって、自分が普通の親の立場、一般の国民の親の立場になると、確かにそういう細かいところは意外と分からないので、結局自分の子供が今度受けるときどうなるのかしらねというのが非常に率直な普通の感覚だと思うんですね。ですから、その辺のところは本当に現場サイドでしっかりと対応していかなければいけないと思っております。
 特に、受験生にとっては、ただでさえ受験の心配とともにそういう制度的なことまで不安を持たせるということは大変かわいそうなことですので、しっかり対応していきたいと思います。法案成立後、速やかにリーフレットの作成、配付やホームページへの掲載など、この辺のところをしっかりやっていきたいと思います。
 そして、今も実は文部科学省内に開設しております高校就学支援ホットライン、これ朝の九時半から夕方六時までやって、様々な高校生からのいろんな質問とかいろんなのを受け付けているんですが、これなど大いに活用させていただきまして、生徒、保護者、都道府県、学校からの問合せにワンストップで対応していくように頑張りたいと思います。
○柴田巧君 是非そういう方向でやっていただきたいと思います。
 今細かいこといろいろお聞きをしてきましたが、先ほど冒頭にも申し上げましたように、とにもかくにも来年度の実施に向けて、地方に過重な負担を掛けていかない。また、保護者や生徒に無用な心配や混乱を、動揺を与えないということが何よりも肝要だろうと思います。
 そして、先ほど申し上げたように、当初いろんな慎重意見等々もあった中にもかかわらず、こうやって今進めていくわけで、万全を期していくんだと、そして、この二十六年度からしっかり実施をしていくという決意を大臣に改めてここでお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 御指摘のように、地方自治体では授業料徴収条例の制定や授業料徴収システムの整備が必要になるということで、私のところにも八月の二十二日、全国知事会から平成二十六年度からの導入には課題があるということで意見表明がございました。これを受けまして、担当審議官が個別に訪問して、具体的な課題について聴取をしました。さらに、九月十三日には文部科学省から全都道府県の対応状況を確認いたしましたが、その際、この二十六年度四月からの新制度の導入が不可能であるという都道府県は一県もなかったということもあって、今回、臨時国会にこの法案を提出させていただいたという経緯がございます。
 また、先ほどちょっと説明をさせていただきましたが、十月の初旬にこの制度の改正案について都道府県に対する説明会を開催をしたところでありますが、法案成立後に改めて説明会の開催による詳細な説明、ホームページやリーフレットなどの方法で周知し、現場に混乱がないよう、迅速かつ丁寧な情報提供に努めてまいりたいと思いますので、来年の四月から各都道府県において完全な形で行われるように、法案成立後については文部科学省の方でしっかりと対応してまいります。
○柴田巧君 ありがとうございました。
 まだいろいろ問題点、課題点などもあろうと思いますが、しっかりクリアできるように最大限の努力をお願いをしたいと思っております。
 この後お聞きをしていきたいのは、貧困の連鎖の防止をどうしていくかということでありまして、言わば今議題になっている高校の無償化の所得制限、先ほど申し上げたように、富裕層の皆さんに所得制限を導入して、その浮いた分で低所得者の皆さんの教育支援を拡充、充実していくということでありまして、言わばこの貧困の連鎖の防止にもつながることだと思っておりますが、改めて言うまでもありませんが、残念ながら我が国は相対的貧困率が先進国の中でもかなり高い部類に今なってしまいました。そして、その貧困がずっと続いていくというか、連鎖をしていくということがだんだん明らかになって、歯止めがなかなか掛からないというのが現実だと思っております。生活保護受給者の二五%がやはり受給世帯の出身であるといったことや、シングルマザーの生活保護世帯の調査によると、その三割がやはりそうであったというようなずっと連鎖になってしまって、ここにやはり歯止めをいかに掛けていくかというのが大事なことだと思っております。
 そういう意味でも、いわゆる低所得世帯の経済的な負担、教育の経済的負担を軽減するということはもちろん最重要なことでありますが、あわせて、そういう世帯の子供たちへの学習の支援であるとか生活支援であるとか、そういう取組も併せてやっていくということが大事なことだと思っております。そういう意味で、親の所得格差が教育格差につながっていかないように、人生の格差につながっていかないように、そういう手だてをやっぱり総合的に講じていく必要があると思っております。
 そういう観点で以下お聞きをしていきたいと思いますけれども、そういう中で、文科省としては、平成二十年からだったかと思いますが、いわゆるスクールソーシャルワーカーというのを学校に配置をしていると思っております。
 このスクールソーシャルワーカーは、御存じのとおり、スクールカウンセラーは心理的な面をケアをしていくわけですが、それにとどまらず生活面も含めてケアをしていくと、それで家庭とあるいは学校と児童相談所とのつなぎ役的な役割を果たしていると思っておりますが。このスクールソーシャルワーカー、いろんないじめの問題や不登校の問題にももちろん対処をしておりますけれども、貧困からくる児童や生徒の様々な課題を解決する上でも大変期待を寄せられていると私は思っておりますが、スクールソーシャルワーカーが貧困世帯の、低所得世帯の子供たちのそういう悩みや課題に解決する上でどのような役割を果たしてきていると評価をしているのか、お聞きをまずしたいと思います。
○副大臣(西川京子君) 聞くところによりますと、アメリカ辺りは、教師は本当に教科だけを担任して、いわゆる生徒の諸問題、そういうところはこのスクールソーシャルワーカー、こういう人たちが多く配置されて、機能分担をしてしっかり対応しているという状況だということをお聞きしたことがありますけれども。そういう意味では、今、日本の学校の教師、先生たちというのはあらゆる問題を一手に引き受けているところがありますので、でき得るところはやはりそういう専門家の方々に分担していただくということがこれからの方向としては大事なんだろうと思っております。
 そういう中で、スクールソーシャルワーカーの人たちは本当に専門的な知識を持ちながら、いわゆる子供たちの環境整備、心理カウンセラー、先ほど先生もおっしゃいましたけれども、心理的な悩みはカウンセラーの方の先生たちということで、子供たちの生活上の環境整備や悩み事、いろんなことを対応していくということで、実は文部科学省では平成二十年度よりスクールソーシャルワーカー活用事業を実施しておりまして、現在、七百八十四人の方々が対応して頑張っていただいております。
 この人たちは、子供たちの暴力行為、いじめ、不登校など様々な生活指導上の課題を始め、貧困も含めて家庭への働きかけを行ったり、福祉機関との、言わば民生委員さんたちとの橋渡しの役もしてくださったりということで、大変今の状況の中でこれから大事な仕事をしていただけている人たちと認識しております。今回、貧困から起こる児童生徒の様々な課題を解決する上で本当に家庭への働きかけというのは不可欠でございますので、スクールソーシャルワーカーの果たす役割は大変大きいと。これからしっかりとそういう御意見をちょうだいしながら対応していきたいと思っております。
○柴田巧君 そうなんですね。
 それで、このスクールソーシャルワーカーに対する期待が大変高まってはいるんですが、なかなか育成確保が正直難しい面もあって、なかなか受入先がないとか、非常勤でやっていらっしゃるのでなかなか若い人たちになるように勧めるのが難しいとか、いろいろ課題もあるというふうに思っておりますが、この育成確保、この現状と、今後どういうふうに取り組んでいかれるか、お聞きをしたいと思います。
○政府参考人(前川喜平君) スクールソーシャルワーカー活用事業を実施しております都道府県等の自治体におきましては、スクールソーシャルワーカーの確保に当たりまして、自治体の広報紙やホームページによる公募、あるいは職能団体との連携によりまして、例えば社会福祉士あるいは精神保健福祉士といった資格を持っている方々を始めといたしまして、教育分野及び福祉分野の双方の知識、経験を有する方々、そういった専門性の高い方々の人材の確保に努めているところでございます。
 文部科学省におきましては、毎年度、各自治体がスクールソーシャルワーカーを活用する際の参考といたしましてスクールソーシャルワーカー実践活動事例集を作成するとともに、スクールソーシャルワーカー活用事業連絡協議会という会議を開催しております。特に今年度は、スクールソーシャルワーカーの人材確保と資質向上を重点課題としてこの連絡協議会を開催しているところでございます。
 文部科学省といたしましては、こうした取組を通じまして、引き続き各都道府県等において適切にスクールソーシャルワーカーの育成確保がなされるように指導や支援に努めてまいりたいと考えております。
○柴田巧君 また併せて、大変子供が抱える問題というのは非常に多様化していきます。その貧困から出てくる問題も、いろいろな悩みや問題、課題が出てくるだろうと思いますが、そういった子供たちへの対応能力を高めていくためにもスクールソーシャルワーカーの研修の充実というのはこれから一層求められると思いますが、どのようにこれからやっていかれるか、お聞きをしたいと思います。
○政府参考人(前川喜平君) 御指摘のように、多様化する子供たちの課題に適切に対応するためには、スクールソーシャルワーカーにつきましても研修等による資質向上を図っていくことが重要であると認識しております。
 スクールソーシャルワーカーを活用しております都道府県等の自治体におきましては、スクールソーシャルワーカーを対象とした研修会でありますとか連絡協議会における事例検討、こういったことが行われているわけでございますが、特にスーパーバイザーによるスクールソーシャルワーカーへの指導、助言、これが効果的であるというふうに考えております。スーパーバイザーというのは、言わば先輩格に当たるスクールソーシャルワーカーでございますが、そういった先輩格に当たるスーパーバイザーを中心として指導、助言の体制をつくっていくということが必要ではないかというふうに考えております。
 文部科学省といたしましては、これらの取組を通じまして、引き続き各都道府県等においてスクールソーシャルワーカーに対する研修の充実等により資質向上が図られるよう支援、指導に努めてまいりたいと考えております。
○柴田巧君 貧困をめぐる問題を抱える子供たちへの対応のためにも、このスクールソーシャルワーカーの増員、そしてより一層の配置というのが求められると思います。
 文科省は今年度も増員をとの思いがあったようですが、なかなか財務省が厳しいことを言ってというような話も聞きましたが、いずれにしても、貧困を抱えているという低所得者世帯の子供たちのいろんな悩みにこたえていく、その課題を解決していく上でも、このスクールソーシャルワーカー、一層多くの学校に、小中高も含めてですね、高校も含めて配置していくということが望ましいと思いますが、どのように取り組んでいかれるか、大臣にお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 生活指導上の様々な課題に対応するため、教育分野に関する知識に加えて、更に社会福祉等の専門的な知識、技術を用いて児童生徒を取り巻く環境に応じた適切な指導を行うスクールソーシャルワーカーの果たす役割は大変大きいというふうに認識しております。
 特に、いじめ防止等対策推進法を踏まえた地方公共団体におけるいじめ問題への対応の支援や、今御指摘がありました貧困家庭の子供への対応を含む教育支援の観点から、スクールソーシャルワーカーの重要性は更に高まっているというふうに思います。このため、文科省では、平成二十六年度概算要求においてもスクールソーシャルワーカーの配置の充実を盛り込んでいるところでございます。
 今後とも、スクールソーシャルワーカーの活用の推進に更に努めてまいります。
○柴田巧君 子供たちの、とりわけ低所得世帯の子供たちが抱える悩み、課題、こういったものを解決する上でスクールソーシャルワーカーの果たす役割は大変大きいと思いますので、その育成や確保やあるいは研修の充実、そして一層の配置に是非力をまた注いでいただきたいと思います。
 次に、いわゆる生活保護を受けている世帯の子供たち、低所得世帯の子供たちへの支援というのは、やはり切れ目のない支援をしていかなきゃならないと思います。例えば、高校進学率は今九八・三%、全体でいうとそうですが、厚労省の調査によると、生活保護世帯の子供の高校進学率というのは八九・六、約一〇ポイント低いんですね。したがって、中学校の段階からいろんな形で支援をしていく。やはり、いろんなデータからも明らかなように、高校卒業程度でなければなかなかいいサラリーというか給与をもらえないというのが現実のものでありますし、そういうデータは明らかになっているわけですね。
 例えば、学力の面からいっても、高収入の家庭の子供とそうじゃないおうちの子供を比較すると、高所得のおうちの子供の正答率が高いというデータもありますが、そういった面でいろいろ差が出てきているわけで、こういったものをしっかり埋めるようにしていくということが大事だろうと思います。そのためにも、そういう世帯の子供たちが学習意欲をしっかり持てるように、また学力の向上のお手伝いをしていけるように、そしてこの生活習慣、ややもするとそういう家庭の子供たちというのはいろいろ生活習慣が乱れたりしますが、そういった生活習慣を改善したり、あるいは将来に対する意識の改革をしていくということが高校進学率を、そういう世帯の子供たちの進学率を上げ、また高校中退を防止をしていくという歯止めにもなっていくと思いますが、そういう切れ目のない支援というのをやっていく必要があるんだろうと思います。
 そこで、そういう観点から幾つかお聞きをしていきたいと思いますけれども、まず、そういう中学校三年生、高校受験などを控えたそういう世代の子供たちの進路相談、あるいは受験に向けた学習支援というのは大事なことだと思いますが、どのように取り組んで、またこれから力を入れていこうとするのか、これは厚労省でも事業をしておられますので、文科省、厚労省という順番でお聞きをできればと思います。
○副大臣(西川京子君) 基本的には、文部科学省は、所得が低い多い、所得の多寡にかかわらずきめ細かな指導をしていくというのが基本原則だと思っております。そういう中で、やはり生徒自らが生き方を考え主体的に進路が選択できるように、そういうことを非常に組織的、計画的にきちんとしたきめ細かな指導、これが一番大事なことだと思っております。
 そういう中で、やはり、先ほどいろんな方のアドバイスとかそういうことが必要とおっしゃっていらっしゃいましたけれども、文科省としては、放課後子ども教室、こういう事業などを通じて土曜日の教育活動の充実を、地域社会の皆様あるいは産業界の方々と連携して、いろんな方の御意見をちょうだいしたりしながら、今厳しい経済状態にある子供たちも発奮してもらう、そういうことも想定したことをいろいろと今考えております。
 そういう中で、生徒指導上又は進路指導上、特別な配慮が必要と認められる事情を有する生徒に対しては、特に定数の加配措置などもしておりまして、きめ細かく対応していきたいと思っております。
○政府参考人(古都賢一君) お答え申し上げます。
 先ほど先生からも御案内がございましたように、生活保護受給世帯の子供が大人になって再び生活保護を受給する、いわゆる貧困の連鎖を防止するには、低所得世帯の子供への学習支援などをしっかりと行うことが重要だと思っております。
 このため、生活保護世帯につきまして、子供に対する学習支援あるいは親に対する相談支援など、貧困の連鎖を防止する取組を行っており、これに取り組む自治体に対しまして国として積極的な支援を行っております。
 実績を申しますと、こうした取組を行う自治体は徐々に増えており、二十三年度に七十三自治体、二十四年度、県、市合わせまして九十四自治体と増加傾向にございまして、その実績を見ましても、先ほど先生が御指摘ございましたように、全国の高校進学率が二十五年四月に九八・四%と聞いております。これに対しまして、生活保護世帯の高校進学率は八九・九、そして今申しました学習支援事業に参加した方々の高校進学率は九六・四ということで、やはりこうした事業をやることが一定成果があるということになっております。
 そこで、先ほど先生からも御指摘ございましたように、従来は中学三年生を対象として実施してきたところでございますが、平成二十五年度からは対象者を中学一年生まで拡大をして充実を図っていきたいと。さらには、現在国会で御審議いただいております生活困窮者支援法におきまして、生活保護受給世帯を含む生活困窮家庭の子供に対する学習支援を制度化することにいたしておりますので、こうした取組を引き続き通じて学習支援を強化してまいりたいと思っております。
○柴田巧君 ありがとうございました。
 西川副大臣は内閣委員会に呼ばれているそうですので、どうぞ御退席ください。ありがとうございました。
 今も学習支援、厚労省も文科省もいろんな形でやっていただいているわけで、それをしっかり充実をして、学習意欲を持てるように、そして、厳しいながらもやっぱり自分は高校に進学して将来の夢を見出していけるようにいろんなサポートをしていただきたいと思います。
 また、子供さんもそうなんですが、家庭のいろんなやっぱり悩みを抱えていらっしゃる、そういう養育相談をしっかりやるというのも大事なことなんだろうと思いますが、これは厚労省ということになると思いますが、そういった取組というのはどういうふうにやっておられるのか、お聞きをしたいと思います。
○政府参考人(古都賢一君) まさに先生御指摘のように、家庭訪問については、養育相談と、これは大変重要なことだというふうに認識しておりまして、地方自治体が行います親に対する個別相談ですとか講習会、こういったものへも支援をしてまいりました。二十五年度からは、こういった自治体が行う取組につきまして、夜間、休日などの相談時間帯を新たに対象にするなど支援策をまず拡充いたしたところでございます。
 さらに、一般施策といたしまして、学校において教員が児童生徒が抱える保護者との間の問題、あるいは生活困窮などに伴う不適切な養育の兆候に気付いた場合などにつきましては、市町村が設置しております要保護児童対策地域協議会、教育委員会あるいは福祉関係などの人が入っておりますが、ここにおきまして関係機関の間で適切な支援を図るための情報を共有し、支援方針を個別に協議、確認の上、必要に応じては市町村の児童福祉担当や児童相談所の家庭訪問などの支援が行われているところでございますので、こうした取組を引き続き続けていきたいと考えております。
○柴田巧君 そういう家庭訪問を通じて親の悩みを聞き、またいろんな相談に乗っていくというのも大事なことだと思います。引き続いてしっかり充実をしていっていただきたいと思います。
 また、先ほど言ったように、そういう生活困窮世帯の子供たちというのは、家の中でもなかなか親が忙しかったり親がいなかったりしてそのつながりが薄い、また学校へ行っても、ややもすればほかの仲間からちょっと外れたところにいたり、あるいは、地域の中ではもちろんのこと、つながりがない子供が多いというデータもあります。
 そういう意味で、それが原因でいろんな、生活が乱れていく、あるいは不登校になっていく、いじめになっていくということがあり得るわけで、そういう意味でも、全般的な日常生活の支援を行う、そういう居場所を提供するというのも、子供たちがいろんな意味でつながりを取り戻していく、前向きに物事を考えていく一つのきっかけになるんだろうと思いますが、こういう取組はどういうふうにやっているのか、お聞きをしたいと思います。
○政府参考人(古都賢一君) 御指摘の子供の居場所の提供、これは大変重要なことだと思っており、これまでも社会的な居場所づくり事業という形で支援をしてまいりました。この取組につきましても、学校の始業前あるいは放課後に通うことのできる居場所を提供する取組につきましても、今年度から新たな財政支援の対象にいたしたところでございます。
 また、引きこもりの方々もいらっしゃいます。こうした方々につきましては、ひきこもり地域支援センターを中心に、関係機関の連携の下、専門相談でありますとか、まさにこういうセンターが居場所をつくって、いろいろ子供さんの相談とか支援を行っているということでございます。
 こうした取組を現在続けております。先ほど御案内申し上げました御審議いただいている新しい法律におきましても、こういった事業が適切にやれるように引き続き検討してまいりたいと思っております。
○柴田巧君 また、先ほども申し上げましたが、ややもすると、そういう世帯の子供というのは、なかなか将来に前向きにとらえていけないというか、自分も今のような生活がどんどんどんどんこれからも続いていくんだというような思いになりがちだと思います。そうではなくて、将来に対する意識を改革をしていくためにも、就労体験とかそういう場が必要です。そういう体験をすることによって、また気持ちが変わってくる、前向きに物事をとらえていける、自分の将来に明るさを見出していけると思いますが、こういうような取組はどういうふうにやっておられるか、お尋ねをしたいと思います。
○政府参考人(古都賢一君) 低所得世帯の子供さんが就労に対する意識を前向きに持てるように支援する、これも大変重要なことでございます。こういった場合は実際に体験をしていただくということが大変重要でございまして、先ほど来行っております居場所づくり支援事業、まずは家庭訪問、相談と、そういうことに加えまして、二十五年度からは新たに中学生あるいは高校生を対象といたしまして、働く大人像の実体験と申しましょうか、そのための合宿でありますとか、就労の体験についても実施できるよう支援の充実を図ったところでございます。
 御審議いただいている新しい法律におきましても、就労準備支援事業でありますとか中間就労、あるいは学習支援などを推進するためにいろいろ制度化をします。そうした中におきましても、就労体験等のこれまでの実績を踏まえながら十分な事業ができるように引き続き検討してまいりたいと思っております。
○柴田巧君 今、厚労省にもいろいろお聞きをしてきましたが、いずれにしても、さっき冒頭に申し上げたように、親の所得の格差が子供たちの人生の格差にいかにしていかないか、また貧困の連鎖を止めていくか、そしてその子供たちが将来職に就いてしっかり、ある意味、税金を払えて社会保障の担い手にしていけるかということに、やっぱりいろんな形でこの国の政治は、特に教育政策もしっかりやっていかなきゃならないと思っております。
 大臣は、先ほどもおっしゃいましたが、小さいときにお父様を交通事故で亡くされて、奨学金で大学に学ばれ、そして在学中に塾をやられて、その後、都議になられて、衆議員になられて、今、文科大臣にお就きになったわけであります。そういう御経験をお持ちの方であります。また、先般、子ども貧困対策法ができて、これにも大きく大臣もかかわられてきたと思っておりますが、今ほど申し上げたように、この貧困の連鎖をやっぱりなくしていくんだと、そして、つまずいても困難があっても前向きに生きていこうと子供たちが思えるようなそういう教育支援、切れ目のない教育支援というものはこれからますます重要になると思いますが、大臣のお考えと決意を含めてお聞きをできればと思います。
○国務大臣(下村博文君) 御指摘のように、さきの通常国会で子ども対策貧困法ですね、これは超党派の議員立法で国会で成立をしていただいたことを感謝申し上げたいと思います。
 私は大臣になる直前まであしなが育英会の副会長をしておりましたが、この貧困対策法は、あしなが育英会と民間NPO関係団体が先生方にお願いした経緯がございます。あしなが育英会は、そういう、父親がいろんな形で亡くなったというのが基本的な家庭形態ですが、母子家庭に限定すればOECD諸国で我が国は子供の貧困率は圧倒的に高くて、六〇%が子供の貧困率という大変高いものでありまして、学校に行くこともままならないと、これをしっかり断ち切るということで子どもの貧困対策法を作っていただいたわけであります。
 これに対して、国が、貧困の状況にある子供が経済的理由によってその将来が左右されることないように教育に対する支援を行っていくということは大変重要であるというふうに思いますし、特に政府の中でも文部科学省がその先頭に立って、子どもの貧困対策の推進に関する法律案、それに向けた対応をしていかなければならないというふうに思っております。
 具体的に、平成二十六年度の概算要求において、幼稚園就園奨励費補助について生活保護世帯の保護者負担を無償にすること、また今議論をしていただいているわけでありますが、高校生世帯の低所得者支援として、奨学のための給付金制度を新たに創設をすること、また大学等奨学金事業について無利子奨学金の貸与人員を来年度大幅に増員をし、また真に困窮している奨学金返還者に対する救済措置の新たな改善充実を図っていく。また、先ほど御質問ありましたが、スクールソーシャルワーカーの配置の拡充等を盛り込んでいるところでございます。
 これらの施策を一つずつ確実に実現をしながら、子供の貧困格差が教育格差につながらないような施策をしっかり対応してまいりたいと思います。
○柴田巧君 どうもありがとうございました。終わります。
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
 この法案は、公立高校の授業料無償化の制度を廃止するというものです。これまで自民党は、マニフェストなどでも、高校無償化に所得制限が必要だという政策を盛り込んでこられたはずです。ならば、公立高校の授業料不徴収を原則として、その適用除外としての所得制限の規定を置くと、こういう法案にもできたはずです。
 なぜ授業料不徴収条項を丸ごと削除するのか、まず大臣にお聞きをいたします。
○国務大臣(下村博文君) 所得制限を設けることにより、一部の方に授業料負担をお願いすることになるにもかかわらず、不徴収制度を維持することは適切でないと考え、この就学支援金制度、これは私学でそういうふうになっているわけですが、一本化をしたわけでございます。あえてこの不徴収制度の下で所得制限を導入しようとすることになると、全ての生徒、全員に対しての所得確認を行うという事務作業が更に増えてしまうということにもなってくるわけでございます。
 また、これまで公立学校の授業料不徴収制度と、それから今申し上げました私立学校等の就学支援金制度、この二つの制度が存在を今までしていたわけでございまして、私立学校から私立学校に転学する場合のみ、この就学支援金の支給期間が三十六か月となる等の不均衡が生じるという、そういう課題もあったということもありまして、今回は制度を一本化にするということをもって課題を解消するものでもあります。
○田村智子君 不徴収条項に所得制限となれば全ての高校生の所得の把握が必要だと。今も就学支援金で恐らく全ての高校生、自ら九百十万円超えているから必要ないですよという方が出さないという例外があるのかもしれないんですけれども、全ての高校生から所得の確認を前提とするように法案を組んでいるわけですから、私はやっぱりこの不徴収条項の削除って大きな問題があると思う。これを具体的に幾つかお聞きをいたします。
 例えば、公立高校について、授業料を発生させて就学支援金を給付する、こういう制度になると、就学支援金を上回る授業料を定める都道府県があった場合は、その差額が授業料として発生することになるのではないか。局長に確認をいたします。
○政府参考人(前川喜平君) 就学支援金の額につきましては、この法案の第五条第三項におきまして、支給限度額は、地方公共団体の設置する高等学校、中等教育学校の後期課程及び特別支援学校の高等部の授業料の月額その他の事情を勘案して決めると規定されております。そのことから、現実には全国の標準的な授業料額を設定するということになると考えております。
 したがいまして、地方公共団体が標準的な授業料額に基づいて定める就学支援金の支給限度額を超える額として授業料を設定するということも、これは制度上は確かに可能であるということでございます。
○田村智子君 可能だから授業料が発生するということですよね。差額分は徴収の対象となるということですよね、局長。
○政府参考人(前川喜平君) 授業料が就学支援金の額を仮に上回っているという場合には、就学支援金が学校の設置者に支給されまして授業料に充当されますので、その差額分が生徒から徴収されるということになります。
○田村智子君 東京都は、公立高校の授業料徴収条例を今も廃止していません。その年額は十二万二千四百円で、現行の就学支援金を三千六百円上回っています。法律から授業料不徴収の条項を削除し、就学支援金の支給額が現行のままであれば、東京の公立高校に来年四月に入学する高校生の多くが授業料の一部又は全額を払うということになってしまいますが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(下村博文君) 就学支援金については、法案第五条第三項で、「支給限度額は、地方公共団体の設置する高等学校、中等教育学校の後期課程及び特別支援学校の高等部の授業料の月額その他の事情を勘案して定める」と規定されていることから、実際には全国の標準的な授業料額を設定することになると考えております。
 したがって、本法案が地方公共団体の定める授業料額を規定するものではありませんが、公立学校の授業料の規定に当たっては、その設置者である地方公共団体の権限と責任において適切に判断されるものと考えており、今回のことを法律改正しても、東京都は現状、つまり上乗せして授業料を徴収しないということを今もしているわけでございますが、そのようになるのではないかと期待をしております。
○田村智子君 期待なんですよ。今は不徴収条項があるから、標準額を上回るのを条例で書いていても徴収できないんです、東京都は。これ、このままだったら東京都は発生するということですよ。
 これ、東京だけの問題じゃないんです。例えば大阪府は、授業料不徴収の法律ができる前、府立高校の授業料を年額十四万四千円としていたわけです。これは、当時の国の地方財政計画の基準額を二万五千円以上上回るものなんです。今後の条例で公立高校の授業料が各都道府県でどのように設定されるか、これは都道府県の判断に委ねられる。そうすると、公立と私立の公平性を理由にとか土地代が高いとか人件費が高いとか、そういうことを理由に授業料の一部を私立と同様に徴収する可能性が否定できないんじゃないのかと。大臣、これ、徴収は起こらないと、そう確約できるんですか。
○国務大臣(下村博文君) 元々、平成二十二年から民主党政権のときに、高校授業料、実際には公立高校授業料無償化でありますが、これは全国平均の十一万八千八百円に沿って相当額を無償化したということですから、現行法でも地方自治体の判断というのはそれは尊重されるべきものであるわけでありますが、にもかかわらず、東京都においてもあるいは大阪府においても相当額で無償化ということで対応したということでございますから、それは都道府県で独自に考えられることであるというふうに思いますが、できるだけ負担が増えないような対応についてはそれぞれの都道府県で努力をしていただきたいと思います。
○田村智子君 繰り返し言うように、それは、不徴収条項が法律で定められているから各都道府県は徴収ができないというふうになったわけですよ。それを削除するからこういう問題が起きると言っているんです。この授業料不徴収条項の削除は、就学支援金の支給額にも影響を与えかねないと私は思います。
 現行法は、第三条二項で、公立高校無償化のための国の交付金は公立高等学校基礎授業料月額を基礎に算定すると、こう定めた上で、就学支援金の支給限度額をこの公立高等学校基礎授業料月額その他の事情を勘案して定めると、こうしています。
 ところが、法案でこの三条二項も含めて削除をいたしますので、公立高等学校基礎授業料月額という規定そのものがなくなります。就学支援金の支給限度額は、先ほどから答弁あるとおり、公立高等学校などの授業料の月額その他の事情を勘案して定めると、これだけになるんですね。では、都道府県によって公立高校の授業料にこれまでも現にばらつきがありました。こういうばらつきがある場合、一体、公立高校の授業料を勘案する、これどういうふうになるんですか。お答えください。
○政府参考人(前川喜平君) 公立高校の授業料の設定につきましては、その設置者である地方公共団体の権限であるということは確かでございます。そのため、各地方公共団体によって授業料額が異なることは確かにあり得るということでございますが、実際には全国の標準的な授業料額を就学支援金の支給限度額として設定することになります。その全国の標準的な授業料額につきましては、例えば地方交付税の算定基礎となる地方財政計画における授業料単価がその一つの指針になると考えられます。このような形で、現実の授業料と地方交付税上の授業料単価とこの就学支援金の支給限度額が調和的に設定されていくことになるだろうと考えております。
○田村智子君 現行法は、公立学校の基礎授業料月額というラインがはっきりした上でその他事情を勘案とあって、公立と私立の公平性から就学支援金がこの基礎授業料月額というのを下回ることはまずあり得ないんですよ。そのラインをなくしてその他事情を勘案ということになれば、就学支援金の額は毎年予算折衝で決まることになります。時々の政府の判断になってしまう。
 国の財政事情などを理由に現行の支給額よりも後退するということがあり得ないという保証がこの法案の中にあるんでしょうか、大臣。
○国務大臣(下村博文君) それは基本的にあり得ないことだと思います。この就学支援金については、法案第五条第三項で、「支給限度額は、地方公共団体の設置する高等学校、中等教育学校の後期課程及び特別支援学校の高等部の授業料の月額その他の事情を勘案して定める」というふうに規定されていることでございまして、将来的にも国が全国の標準的な授業料を下回る額を設定するということは考えておりません。
○田村智子君 それは大臣が個人的に考えていなくても、法律というのは一度できたら独り歩きしていくわけですよ。独り歩きしていくんですよ、その他事情を勘案という言葉も入れて。しかも、公立高等学校の授業料というのはこれまでだって幅ありましたよ。授業料不徴収になる直前でいっても、一番安いところは鳥取県で十一万一千六百円、一番高いところは大阪府で十四万四千円ですよ。その標準額がどうなるのか、そしてその他事情が勘案されたときどうなるのか、これ分からなくなっちゃうんですよ、将来的に。
 大体、来年度の予算編成に向けても、公立高校の授業料無償化廃止で就学支援金に所得制限も設けて、これ三百億円ひねり出すと、こういう提案していたって、財務省はそれを就学支援金の加算に使うことをまだ未定だと言い張っているじゃありませんか。まさに政権の判断、財務省の判断、こういうことになっていっちゃう。私、だからこそ、改めて公立高校の授業料不徴収条項、この削除は撤回しなくちゃ駄目だということを強く申し上げたいと思います。
 時間がないので、次に行きます。
 所得制限の問題です。現行の制度では、学校設置者を通じて高校生が申請を行うことで就学支援金は支給をされます。この申請書の様式も極めて簡単です。生徒本人の氏名、生年月日、住所を記入するだけでいいと、あとは学校側が記入するんです。
 法案の第十七条、これに加えて、受給権者は、「保護者等の収入の状況に関する事項として文部科学省令で定める事項を届け出なければならない。」として、この届出がない場合は就学支援金の支給を差し止めることができるとしています。
 局長にまず確認をします。この保護者等の収入の状況の届出、この届出が義務付けられている受給権者とは高校生のことですか、それとも保護者のことですか。
○政府参考人(前川喜平君) ここでいいます受給権者でございますが、これは現行制度でも同じでございますけれども、高等学校等に在籍する生徒又は学生を指すわけでございます。したがって、その生徒等が本人の名義で受給資格の認定の申請等を行うということになりますが、その際に、今回新たな制度で提出することとなる文書につきましては、これは保護者でなければ入手できないものであるというふうに考えております。
○田村智子君 今までの受給権者って、本当に申請出すだけで受給権者になれるんですよ。その申請出すこと、別に高校生に大変な負担でも何でもないんです。
 もう一点局長にお聞きしたいんですけれども、全ての高校生にこういう就学支援金の支給が必要であるということを証明しろと義務付けたということなんです、法律で。このように全ての高校生に法に基づく行為を義務付ける、こういう法律はほかにありますか。
○政府参考人(前川喜平君) 高校生が権利義務の主体となっている制度というのは、現在、都道府県が行っております高校生の奨学金事業がそれに当たると考えます。
 また、現行制度におきましても、申請その他就学支援金に関する事務の手続の主体は生徒とされておりまして、低所得者加算を受ける場合に所得証明書などを提出するわけでございますけれども、これも現行でも生徒の名前でやっておるということでございます。
○田村智子君 だけれども、奨学金の返還というのは高校を卒業してからの返還ですよね。全ての高校生に就学支援金受けるため法律によって何かの届出義務付ける、法によって何かの行為を義務付ける、こんな法律、ほかにないわけですよ。
 私、法案を条文に沿って調べるほどに悲しくなってきました。高校生に申し訳ない気持ちになってきました。無償としていたはずの公立高校の授業料をたった四年で元に戻して、就学支援金を受けたければ保護者の収入を届け出て経済的な負担軽減が必要であるということを証明しなさいと。これ全ての高校生に義務付ける、これがこの法案の姿なんですよ。
 こんな法制度をつくることが、大臣にお聞きします、国際人権規約、社会権規約の第十三条、中等・高等教育授業料無償化の漸進的な実現、これを進めることになるなんてどうして言えるのか、御答弁ください。
○国務大臣(下村博文君) まず、先ほど、この法律改正をすることによって授業料を下回るような設定をすることがあり得るのではないかということは、これはあり得ないというふうに思います。それは、私が大臣である間だけじゃなくて自民党政権でもあり得ませんし、また、ここにおられるほかの党も含めて、これは民主党政権にあるいはほかの政権に、もしなった、将来政権交代があったとしても、今までの議論からしてあり得ないのではないかということを申し上げたいと思いますし、そういう法律案ではないということを申し上げたいと思います。
 それから、今回の制度改正は、現行の高校授業料無償化をより効果的に実施する観点から、現行予算を活用し、低所得者世帯への支援を重点的に行う等の改善を通じて実質的な教育機会の均等を図るものであり、全ての者に対して教育の機会が与えられることを目的とする人権規約の趣旨を更に前進するものと考えております。
 なお、公立学校で就学支援金と授業料の差額が生じる可能性があることについては、これは国として全国の標準的な授業料額を就学支援金の額として設定すること、また、受給する生徒全員に対する必要書類の提出を義務付けることは、これは個人給付の制度で一般的であるということから、特段の問題であるとは考えておりません。
○田村智子君 今まではそんな届出がなくても就学支援金を受け取れていたわけですよ。現行の法制度も就学支援金の加算の規定というのはあるんです。あるんですよ。現行法を変える必要ないんですよ、充実させるために。全然これ、国際人権規約の前進だなんて言える保証はこの法案の中に何もないです。そのことを強く指摘します。
 もうちょっと具体にお聞きします。
 高校生に保護者の収入を届け出るように義務付ける。これは、保護者が安定した働き方で、例えば年末調整のための書類を毎年会社に提出している、こういうような働き方をしていれば、確かに課税証明を取る手間というのはありますけれども、それほど問題にならないと私も思います。しかし、貯金もないような貧困世帯、還付金なんか受けたことないというような世帯、複雑な問題を抱えるような家庭、社会から孤立したような家庭、こういう家庭ほどそのハードルが高くなってしまう。幾つかのケースを私、取り上げたいと思います。
 例えば、短期の仕事でどうにか生活を維持しているという場合があります。自分で確定申告しなければ課税証明取ることできません、年末調整ありませんから。経済的に苦しい方ほど時間的にも追われて複雑な税金の手続が大きな負担になるということは、ちょっと考えれば分かることです。中には、源泉徴収が手元にないという場合も残念ながらあるわけです。今、モラルを欠いた事業所が現に存在していまして、源泉徴収を労働者に出していないというケースが現実にあるわけです。この場合はどうやって課税証明を取ればよいのか、局長、お答えください。
○政府参考人(前川喜平君) ただいまのお尋ねは、事業所が源泉徴収票を出してくれないというようなケースということだと承知しておりますけれども、源泉徴収をする事業所といいますのは給与等の支払を受ける者に対しまして源泉徴収票を交付しなければならないと、これは所得税法で定められているところでございます。
 源泉徴収された者が仮に勤め先から源泉徴収票が発行されないということで適正な納税額を申告できないというようなケースがあった場合には、まずは税務署等で相談して、まず、源泉徴収票は税務署にも出すことになっておりますので、税務署を通じて会社に対して源泉徴収票の交付を求めるということができると考えます。
 そういうことを通じまして源泉徴収票につきましては入手することが可能になるだろうと考えておりますけれども、このような生徒あるいは保護者の責めに帰すべきではないような理由によりまして、仮に期限までに課税証明書を取得し提出するということがかなわなかった場合につきましては、その旨を事前に申し出ることによりまして、本来支給が開始されるべき時点、すなわちその事前の申出を行った時点に遡及して就学支援金の支給を受けるということもできると、制度上はできると考えております。
○田村智子君 労働問題として解決しなきゃいけない問題なんですけどね。税務署に届け出て相談して出してもらうようにしてと、こういう手間を、もちろん解決しなきゃいけない問題ですが、就学支援金を受け取るためにも必要になってしまうということです。
 例えば、次です、DV、事実上の離婚状態、親のどちらかが家を出てしまい行方不明、こういう場合は保護者一人の収入を届け出ることになります。そうした事情を自治体などに確認をさせることも必要だということが衆議院の委員会の中で答弁がされています。
 これ、多感な年齢の高校生にこういう複雑な家庭状況を報告させること自体、私は余りにも残酷なことだと思います。また、確認ができない期間は就学支援金の支給は差し止められて、授業料満額の請求書が本人の元に届くことになってしまうと、これも指摘しなければなりません。
 お聞きをしたいのは、更に複雑な場合、ネグレクトなど親からの虐待がある場合です。この場合、高校生本人の収入で判断するといいますけれども、これまたその届出が必要で、ネグレクトしていますなんて保護者が事情を届け出ることはまずあり得ないですよ。そうすると、高校生が、自分は虐待を受けていますと、親がネグレクト状態ですと、こういう届出をしなければならないということでしょうか、局長。
○政府参考人(前川喜平君) 保護者であります両親に共に所得がある場合につきましては両親の市町村民税の所得割額を合算して判断するというのが原則でございますが、ネグレクトを含む児童虐待の場合など、やむを得ない理由によりまして保護者のうち一方又は双方の証明書類が提出できないというような場合につきましては、当該事情を明らかにした上で、もう一方の保護者又は本人の所得のみにより判断することができると考えております。こういった取扱いは現行制度でも可能でございますけれども、新制度でも継続してまいりたいと考えております。
 その際の確認方法につきましては、本制度の受給権者があくまでも生徒本人であるということから、例えば生徒本人に申出書の提出を求めるなど、やむを得ない理由の判断主体である都道府県におきまして柔軟に運用することが可能であるということで、高校生は未成年ではありますけれども、こういった申出書を作成する能力はあるというふうに考えております。
 ただし、ネグレクトあるいは児童虐待ということが深刻な事態であるのであれば、これは、学校あるいはスクールソーシャルワーカーの対応の域を超えているというケースにつきましては、やはり児童相談所に学校として連絡をするということが必要になってくるだろうと思います。
○田村智子君 今、虐待ということを本人自身も認めたくなくて、子供の場合ですよ、それを認めちゃったらもう自分自身が傷ついちゃうから認めたくない、こうやって虐待が見えなくされている、ネグレクトが見えなくされている、そういう状態だと思うんですね。それを高校生が届け出ることは可能だと。これは私は余りにも机上の論理といいましょうか、機械的な理論といいましょうか、余りに冷たい法案だなということもまた改めて感じたところです。
   〔委員長退席、理事石井浩郎君着席〕
 もう一つの事例でお聞きいたします。
 例えば、定時制高校などでは、通学のための費用などを自分で払っていると、こういう高校生がいます。家族関係が複雑であったり、あるいは、これもネグレクトなど絡んでくるかもしれませんが、保護者から自分自身を守るためとか、あるいはもう自分で自活したいんだという信念持っている場合とか、様々な事情で親元離れて暮らしたり、自分で自分のことを賄おうって頑張って働きながら高校に通っている方っています。
 この場合は本人の収入で見るのでしょうか、保護者の収入で見るのでしょうか。
○政府参考人(前川喜平君) 本法案におきましては、この判断すべき収入といいますのは保護者について見るわけでございますので、本案において保護者というのは学校教育法上の保護者でございまして、これは原則親権を行う者、親権を行う者がないときは未成年後見人ということとされております。
 親と離れてアルバイト等により得た自らの収入で学費を払っているというような場合につきましても、成人である生徒である場合を除きましては基本的に保護者の所得で判断するということになるわけでございますが、先生の御指摘の中にございましたようなドメスティック・バイオレンスでありますとか児童虐待というようなケースにつきましては、これは親の収入を確認することができないという状態であるということで、本人の所得のみによって判断するということも可能であるというふうに考えております。
○田村智子君 だから本人の所得で見る場合の状態というのが一体誰が判断することになるのか。局長、もう一度、今のドメスティック・バイオレンスとか親からの虐待の場合の本人の収入で見るという場合、一体誰が判断をすることになるんですか。
○政府参考人(前川喜平君) これは、現在もこの就学支援金の加算につきまして同様の状況が起こり得るわけでございますけれども、現在の就学支援金の事務処理要領の中で、ドメスティック・バイオレンスや児童虐待など、やむを得ない理由により保護者のうち一方又は双方の証明書類が提出できない場合には、当該事情を明らかにした上で、もう一方の保護者又は本人の所得のみにより判断することができるとしておるわけでございますが、この判断をする主体は都道府県でございます。
○田村智子君 これ大変なことですね、そういうことを義務付けて、高校生に届出義務付けて都道府県に判断してもらうと、こういうことを高校生がやっていかなくちゃいけないという法案になっているんですね。
 私、これまでいろんな聞き取りやってきた中では、例えば、両親は高校に行かなくてもいいんだと言って授業料を払ってくれない、不徴収の前の話です。それで、やむなく祖父母が見るに見かねてその授業料の負担をしてくれて、そして高校に通うことができたという高校生が現にいるんだということを教職員組合からも聞いてきました。授業料が不徴収になったから、こういう心配、親とのあつれきなどなく、ただ自分の権利として高校に通うことができるという道がやっと開けた、それがまた様々な届出を必要とすると。親とあつれきがある高校生に、お父さん、所得証明が必要なんだ、課税証明書取ってきてくれと。そんな手間掛かるぐらいだったらおまえ高校なんか行かなくてもいいよと。こういう事態が一件も生じないなんてこと、私は考えられないと思うんですよ。
 今まで私が挙げてきた例というのは、子供の貧困の深刻化の中で現実に起きていることです。空想ではありません。このような事例で、収入証明ができないために就学支援金の受給ができないとか、差し止められて、支給が遅れて授業料が一旦発生するとか、こういうことは私は一件もあってはならないと思います。
 社会的に孤立した家庭の高校生や家族関係に困難を抱える高校生が制度の谷間に陥る危険性、これを防ぐために、大臣、具体的にはどんな施策を検討されておられるんですか。
○国務大臣(下村博文君) そもそも、大局観になって考えていただきたいと思うんですね。つまり、今回の法律改正案は、低所得者層に対する更に厚い手当てをするための財源を所得制限によって確保して、更に手厚くしていこうというのがこの趣旨、目的でありますから、今委員が御指摘されたようなことは手続上のいろんなことはあるかもしれませんが、より手厚くしていこうというのが基本的な考え方の根本にあるということをまず認識していただきたいと思います。
 そして、今のような事例があることについては、十二分に都道府県や、あるいは民生委員、児童委員等々、地方自治体も含めて配慮していただきたいというふうに思いますが、基本的には、第一義的には親の責任ですから、子の教育については。ですから、子供が成人する前については親がしっかりとした第一義的に教育に対して責任を持つということをもっと当事者の親は理解をし、そしてそういう視点で子供を育てていくということをより思っていただきたいというふうに思います。
 御指摘のネグレクトを含む児童虐待の場合など、そういうやむを得ない理由により保護者のうち一方又は双方の証明書類が提出できない、こういう場合は、現行制度でも、当該事情を明らかにした上で、もう一方の保護者又は本人の所得のみにより判断することができるようになっていると。このような取扱いは新制度でも別に変わるわけではないわけです。都道府県に対しても改めてこれは周知をしていきたいというふうに考えております。
○田村智子君 親の責任って、子どもの貧困対策法というのは、どういう家庭の状況、どういう親の下にあっても子供たちの貧困の問題の解決は国にあるんだ、自治体にあるんだという法律を大臣も一緒になって作ったわけじゃないですか。それを後退させるように、まず第一義的に親の責任なんだなんて、この法案の審議で言ってもらったら私困るというふうに思うんですよね。一般論では分かりますよ、一般論でも。でも、私が具体的に挙げたのは、そういう様々な複雑な家庭状況にある子供たちへの責任はやっぱり国が最低限のものを果たすべきじゃないかという立場で質問しているわけですから。
 私、低所得でそこの世帯への加算が必要だということで、所得についての状況とか家の状況を説明する、それについて学校が丁寧に相談に乗る、これ必要だと思います。今回、それ、全ての高校生の所得の状況をつかむということで、かえって手薄になる危険性あるわけですよ。出してくれないところにはまず出してくれってせっつく必要があるんです。出してくれない人がいっぱいいたら、個々の事情に目をやっている時間がなくなっちゃうんですよ。そういうやり方を持ち込んでいるんだということを私やっぱり強く指摘をしなければならないというふうに思うんです。
 私が一番聞きたかった一件も、本来支援が必要なのにその支援の制度の谷間に落ちてしまうという人を出さないためにどうするかという具体的なお答え、何もないわけですよね。それでもう来年度から親の収入の届出を義務付けるわけですよ。こんなやり方は私はやるべきじゃないというふうに思います。
 今、何度も何度も就学支援金の加算、これ必要だということを言ってきました。私たちもそれを認めます。先ほども言いましたけれども、それは別に法律を変えなくとも既に現行の法律で制度化をしているわけです、加算という問題は。何をすればいいか。私は概算要求で堂々と要求すべきだったと思いますよ。
 大体、文部科学省は、概算要求総額で一〇・二%の増額要求をしているわけです。その中身を見てみても、スーパーグローバル大学事業、これ新規事業で百五十六億円。小中高校のグローバル人材育成、つまりエリート教育、これには五十四億円増の五十六億円。戦略的イノベーション創造プログラムの創設として総合科学技術会議の司令塔機能強化、これも新規事業で三百五十億円、つまり三百五十億円増ということです。国際熱核融合実験炉の計画には百三十六億円増額の三百五億円。「もんじゅ」も、存続を前提に二十一億円増額の百九十五億円と。これ、一つ一つの施策がいいか悪いかというのはここで論じません。
 しかし、就学支援金の加算、これに使うお金は二百五十億円から二百六十億円だってさっきから御答弁ありますね。所得制限によって生み出すのは三百億円だけど、うち四十億から五十億は所得把握のための事業費だというわけですから、加算に純粋に使えるのは二百五十から二百六十億円ですよ。これ、何でこれの増額要求ができないのか。ほかの施策と同じように増額要求すればよかったんじゃないですか、大臣。
○国務大臣(下村博文君) 個々に言われれば個々に反論したいことはたくさんありますが、まあ言葉じりをお互いに取るような議論をしてもしようがないと思いますが、私が申し上げる、まずは、第一義的には親の責任だと。で、今回の法律改正によって、今の田村委員の言葉を借りれば、その枠の中で落ちこぼれてしまうような、あるいはその制度の中に乗れないような、そういう子供をどうするかということについては、これは都道府県等十分に対応するように周知徹底をしていくことによって、そういうことがないような、これは本来、先ほどから申し上げていますように、低所得者層に対する更に厚いこれは手当てですから、厚い手当て支給がそういう一人一人の全ての子供たちに対象になるように、しっかりとした、これは、法律を作れば解決する話では御指摘のように全てがないわけですから、いろんな細かい対応については十二分に文部科学省が先頭に立って都道府県に対して配慮をしていきたいと思います。
 それから、来年度の一〇%の概算要求をしているのにもかかわらず高校についてはそんなにしていないのではないかという、一言で言えばそういう御指摘だというふうに思いますが、我々は、あるいは田村委員も考えは同じではないかと思いますが、やっぱり教育というのは未来に対する先行投資だと思うんですね。
 一人一人の可能性をどう教育によって引き伸ばすことができるかという、そのチャンス、可能性を教育は提供できる場であるというふうに思います。そして、一人一人の付加価値を提供、教育によって、することによって、これからグローバル社会の中で伍していくような人材育成を考えるということをすれば、これは幼児教育から含めて、大学や大学院、あるいは今の御指摘のような留学に関係する、あるいは科学技術についてもそうです、それを支えるためのやっぱり高度な人材、教育によって養成することが可能でありまして、それをトータル的に考えた中での政策として、今回、高校においては、これは更なる低所得者対策や公私間格差を是正するということについては、この財源については、これは所得制限を上位二二%の方々からいただくことによって賄うということを政策的に判断したわけでございます。
○田村智子君 納得のいかないお答えなんですね。就学支援金の加算が必要だという立場に立てば、これは増額要求できないはずがないというふうに私は思うんですよ。これは、高校無償化の廃止、おっしゃったとおり所得制限の導入先にありき、先にありき、だからこういう法案が出てきたとしか言いようがないわけです。
 私、子供の貧困対策、全ての子供に教育を受ける権利を保障する、これは最優先課題だと思います。本気で予算の増額を進めなければなりませんので、この点についても質問をいたします。
 これまでの委員会の審議では、給付制奨学金の必要性、これ、今回、所得制限を課したその予算の中に入ってないんですね。新たに予算取りに行かなきゃいけないんですけれども、この給付制奨学金の必要性ということも繰り返し指摘をされてきました。
 衆議院の委員会質疑を見ていますと、これ質問されると、文部科学省は答弁で給付制奨学金という言葉を絶対使いません。奨学のための給付金と言い換えています。これなぜですか。
○政府参考人(前川喜平君) 新しい給付の制度でございますので、どういうような呼び方をするかということは制度をつくるときに考えればいいことなんでございますけれども、従来、給付型奨学金あるいは給付制奨学金という言葉で呼ばれてきておりました。
 ただ、奨学金という言葉はこれは既に定着している言葉で、我が国におきましては原則が貸与制であると。都道府県が行っております高校生に対する奨学金事業は貸与制で、所得要件と併せまして成績要件が課されている、こういうものを我が国では奨学金と概念しているということでございます。都道府県におきましては、奨学金条例等に基づきましてこの奨学金事業を行っているということですので、奨学金という言葉を使いますとその一種であるという形にとらえられかねないと。
 むしろ、現在、奨学のための給付金と呼んでおります仕組みは、教育費負担の軽減として行われております義務教育段階における就学援助の制度を参考といたしまして、経済的な観点から低所得世帯への支援として創設するということを考えているものでございます。
   〔理事石井浩郎君退席、委員長着席〕
 したがいまして、この成績要件等が定められている貸与型の奨学金とは性格の全く異なるものであるということですので、その点を明確にするためにあえて給付型奨学金という言葉はやめまして、奨学のための給付金という名称を用いることとしたところでございます。
○田村智子君 これは就学援助の高校生版なんだというような説明を私も受けました。それは必要なことだと思います。生活保護の制度には、生業扶助の中に高等学校等就学費というのが二〇〇五年度から計上されているわけです。これ、学資保険のあの裁判などを受けて、高校進学まで保護世帯の子供たちも保障すべきだという運動を反映してのものなんです。
 だったら、私、大臣にちょっと二点要望したいんですけれども、やはりこれ、制度として、就学援助の制度を高校生にも広げるという制度として確立をすべきではないか。それともう一点……
○委員長(丸山和也君) 田村君、時間が来ておりますので、おまとめください。
○田村智子君 はい。
 それを超えて高校生の生活支援も含めた給付制奨学金の制度というのが必要ではないか、このことを求めたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 私も必要だというふうに思います。
 今、全体的に見ていただきたいと思うんですが、一種、奨学金というよりは今はもう学生ローンのような形になっているわけですね。つまり、貸与制。それから、有利子貸与制、これを有利子をできるだけ無利子にすると、無利子にして、それからさらに給付型をつくるという意味で、やっぱり物事には順番があるのではないかと思います。
 これは民主党のおかげでありますけれども、高校については無償化の制度を導入したその枠の中で、給付型奨学金をつくるということについては、これは新たな財源がなくても所得制限を設けることによってできるということで私は財務省に今主張しているところでございまして、これが別の財源だったら今の財政状況で絶対認めないというところが今の財務省の立場でありますから、まずはこの制度の中で高校における給付型奨学金をスタートをしたいということであります。
○田村智子君 時間がないので終わります。
    ─────────────
○委員長(丸山和也君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、斎藤嘉隆君が委員を辞任され、その補欠として浜野喜史君が選任されました。
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○藤巻健史君 日本維新の会、藤巻です。よろしくお願いいたします。
 まず最初に、教育というのは極めて重要なものであるということは私は十分認識しております。それともう一つ、教育というのは未来を担う若者にとっても非常に重要であるということであり、文部省はその任に当たっているということも十分承知しておりますけれども、文部省というのは、かつ若者の明るい未来に責任を持っている一番の省庁であるというふうに認識しております。その観点から幾つかの質問をさせていただきたいと思っております。
 いろいろ細かい質問等も考えていたんですけれども、最後で、いろんなことは皆様が、ほかの委員の方が聞いていただいたということで、ちょっと根本的な話、質問をさせていただきたいなというふうに思っています。ですので、ちょっと告知した質問からは少し離れるところもあるかと思いますが、お許しいただければと思います。
 まず最初は、企業であったらば必ず投資に対しては費用対効果というものを考えるわけですけれども、民主党が高校無償化を導入した段階でどの程度の効果があったかということをお聞きしたいと思います。
 既に大体年間四千億円というお金を使っていると思いますけれども、幾らの効果があったか、どのくらいの効果があったかということなんですが、何人の高校生がこの制度のおかげで高校に行けるようになったかというのが一番の指標になるかと思いますが、これは確かにどう考えてもなかなか統計を取るのは難しいということですし、ちょっとお聞きしてもなかなか統計はないということだったので、何人の高校生がこの制度のおかげで中退をしなくて済んだかと。要するに、制度が始まったときと制度が始まる前と、スタートした段階での中退者の数、高校中退者の数をお聞きしたいと思います。
○政府参考人(前川喜平君) 中退者の数につきましては、平成二十一年度と二十三年度を比べることが可能でございます。
 二十一年度におきましては高校中退者の数が五万六千九百四十七人、これに対しまして平成二十三年度、二年後でございますけれども、制度導入後の二十三年度におきましては五万三千八百六十九人となっております。そのうち経済的な理由による高校中退者の数、これは文部科学省の調査で調査しているわけでございますけれども、この数は平成二十一年度が千六百四十七人、これに対しまして平成二十三年度が九百四十五人と、二十一年度に比べまして七百二人減っているわけでございますが、この経済的理由による高校中退者の減少につきましては、全体の中退者も減少しているという中で、これをどう評価するかということについては考え方が分かれるところでございます。
 全体としては、この制度は高校生世帯の教育費負担の軽減には効果があったというふうに評価しております。
○藤巻健史君 七百二名ということだったんですけれども、全体の数が減ろうとどうであろうと、七百二名の方が恩恵を得たということだと思います。
 それから推測するに、高校に行けなかった者がこの制度のおかげで高校に行けるようになったという人数もそんなに多いものではないだろうと推測されますが、例えば中退しなくて済んだ人、そして高校へ入れた人、合わせて例えば千人だったとすると、四千億で千人を助けたわけですから、一人当たり四億円を掛けて高校へ行かせてあげたということになるわけです。二千人がこういう恩恵を受けているんだったらば、一人当たり二億円を掛けて高校に行かせることができたということになりますが、その辺、今何度も出ておりますけれども、この財政危機の折に、一人当たり二億とか四億とか掛けるのが妥当かどうかをちょっとお聞きしたいと思います。できれば大臣、お願いします。
○国務大臣(下村博文君) 数字上は、中退者が対二十一年度、つまり高校無償化導入前に比べて七百二人減ったということで、そういう計算になりますけれども、しかし、その生徒だけ対象の高校無償化ではありませんから、私はやはり教育というのは未来に対する先行投資だと思いますし、我が国は先進諸国の中でも経済的な格差が更に拡大をし、そしてそれが子供の学力や学歴格差につながり、所得格差にもつながっているということは、これは客観的な事実であります。
 ですから、どんな家庭の子供であっても、本人の志と意思があればそのチャンス、可能性を提供するという意味で、教育における公財政支出を拡大するということは、これは一人一人にとって、国民一人一人にとっても大切なことですが、同時に一人一人の国民の豊かさというのは国の豊かさにもつながってくるわけですから、教育における更なる公財政支援をするということは大切なことだと考えております。
○藤巻健史君 日本は経済的格差が広がっているという御発言がありましたが、この点については私は非常に疑問に思っておりますので、これは今日の議論じゃないんで、これ以上、まあちょっとだけお話させていただくだけで、それ以上は議論いたしませんけれども、確かにジニ係数とか、そういうことで言えば格差は広がっているかと思うんですが。私は昔からアメリカの銀行におりましたけれども、私の部下で欧米人が日本に来て、日本は一番世界で格差がない国だと言って大体帰ります。それはかなり日本にいる外国人の間ではコモンセンスと、常識であるというふうに私は理解しております。
 それがゆえに、私、いつも若者たちを海外に留学させろというのはそういうことなんですけれども、目で見ていただければ、日本がいかに平等な世界かということは分かると思うんですよね。だから、そういう面でも留学というのは必要だと思うんですが、今日のタイトルは経済格差があるかないかではないので、議論はここでやめておきます。
 私が申し上げたいのは、今日の議論をいろいろ聞いていますと、ちょっと違和感がある。質問に対しても回答に対しても、皆さんの、委員の質問、疑問に対して違和感があるんですが。それは何かというと、効率的な運用とか、運用というか配分とか、財源があればということなんですけれども、確かに財務省から文部省が財源を持ってきたのは分かるんですが、そこであるかないかじゃなくて、そもそも国に財源がないんですよね。そういう財源がないときにお金をここまで使っていていいのかというのが、私の根本的疑問なんです。
 私自身は、日本の財政、極めて危険だと思っていて、大丈夫だという方もいらっしゃいますけれども、学者の先生いらっしゃいますけれども、大丈夫だと言っている先生方も、今日は破綻しないということだけであって、解決策は何ら明示されていないんですね。日ごとに財政は悪くなっている。私は悲観論者として割と世間では有名なので極端なのかもしれませんけれども、私は、財政はすぐにおかしくなるような状況にあると思っているんです。そういうときに、この四千億をこういうところに掛けておいていいのかなという疑問あるんですね。
 別に、私は幸か不幸か文科省、この委員会にいるので、この四千億を責めていますけれども、私は全省庁にもうばさっと切らない限り日本の将来はないということを言いたいわけです。今日はここにいるからそういうことを言っているわけで、もし、日本が破綻したり、破綻を避ける意味でハイパーインフレが起これば、それこそ若者の未来はないんですよ。
 そういう意味で、若者のためには少しでも切り詰められるところは切り詰めておかないと、将来の若者の未来はないということで、今日議論を聞いていて、確かに高校無償化、極めてすばらしいことだと思います。でも、それはお金があればという話であって、国に今、現状お金がないという事実、それを理解した上で高校無償化、四千億、皆さんが払うべきだというんだったら、私はそれは賛成します。
 ただ、私が思うに、日本の財政の状況を皆さんが分かっているのかどうか、それが疑問なんですね。いかにひどいかということは、ちょっとこれから少し、この委員会とは離れるかもしれないんですけれども、ちょっと申し上げたいと思います。その日本の財政、ひどい状況が分かっていて、それでもまだ四千億ここに使いたいというのであれば、それは私も納得します。
 そういうことで、日本の財政についてお話ししたいと思うんですが、昨日ちょっと私、決算委員会でお話ししたんですけれども、実は、突然言おうと思ったんで数字の点にはちょっとチェックしていません。うろ覚えの数字で全部議論させていただきますけれども。
 一九九七年に橋本前首相が財政構造改革法案というのを出しました。そのときの借金というのは、三百六十九兆円なんですね。その財政構造改革法案というのは、第二条に、財政は危機的だと言ったんです、既に、九七年、三百六十九兆円です。そのときは、九七年というのは日本は極めて大変な状況で、そのときは山一証券が潰れたり、三洋証券が潰れたり、北海道拓殖銀行が潰れたりして日本の経済自身が大変だということで、財政再建どころじゃないということでその法案は骨抜きになって、その後、小渕内閣で破綻しちゃったんですね、実質、骨抜きになってしまったんです。でも、そのときの借金は三百六十九兆円だったんです。でも借金は増え続けて、今、千十一兆円ですね、去年の九月、三倍弱になってきたんです。
 確かに体力が三倍になっていれば借金が三倍になってもおかしくないんですけれども、今の日本の体力というのは、名目GDPで比べればいいと思うんですけれども、かなり下がってきちゃっているんです。要するに、九七年に五百十五兆円ぐらいだったかな、五百二十三兆円であったんですけれども、今は四百八十五兆円ということで体力は下がっている。それにもかかわらず借金は三倍強になっているんですね。
 そのように、財政というのは極めておかしい。要するに、橋本さんがあのときに、三分の一しかない借金のときに危機的だと言った状況が今、三倍になっているんですね。なぜ、今、財政が破綻しなかったかというと、私はひとえに景気が今悪かったからにすぎないと思っていますけれども、そういう状況。
 これは、どうしてこういうふうになったかというと、四十七兆円の税収に対して九十三兆円使っているんですね。これは、平成二十五年の予算ですけれども、四十六兆円の赤字なんですよ。四十六兆円の赤字だと、これ物すごい赤字ですね、毎年の四十六兆円。例えば、法人税は大体八兆円、ちょっとうろ覚えですが、八兆円とか九兆円ですから、大企業からふんだくれとか、それから税率を二倍にしろと言ったって、あと八兆から九兆、二倍にしたって八兆から九兆です、単純計算で。それしか減らないんです、四十六兆円が。
 それから、もう一つ言えば、じゃ所得税二倍にするか。二〇%払っている方が四〇%。今、千八百万円以上の収入の方は地方税と所得税合わせて五〇%ですから、千八百万円以上、全部没収にしたって十三兆が二十六兆にしかならない、要するに十三兆しか生まないんです。その四十六兆円という赤字はべらぼうな大きい赤字で、その大きい赤字をバブル以降ずっと積み上げてしまったから千十一兆円の借金なんです。千十一兆円の借金、これ、どでかいです。
 例えば、この前、復興債、三・一一の復興債出ましたけれども、十一・五兆円の復興債です。十一・五兆円の復興債、これは最初どうやって財源見付けるかといったら、最初に出てきたのは、たしか所得税と法人税を合わせて五年間一〇%上げるという話でしたね、今二十五年になりましたけれども。
 ということで、十一・五兆円を調達するだけでも物すごい大変なんです。これは一回だけです。そのほかに、毎年毎年四十数兆円の借金がたまっていっているわけです。これ、どこに財源があるのという話です。たまりにたまっちゃった千十一兆円、これ十兆円ずつ返しても百年掛かる借金なんですよ。
 これ、例えば百年で返すために十兆円を返そうとすると、今四十七兆円の歳入ですから、三十七兆円に支出を抑えなくちゃ、それでも十兆円ずつで百年掛かるんですけれども、三十七兆円に支出を抑えなきゃいけないところ、九十七兆使っているんです。今年なんか今度九十九兆とかその辺ぐらいの予算が出てくるわけですから、そういうことを考えると、もう二百年たったって三百年たったって返せない借金がたまっているんです。
 かつ、問題は、今金利がゼロだからいいですけど、金利が一%も上がったら、千十一兆円というのは、借金というのは一%当たり十兆円も金利上がっていっちゃうんですね、支払金利。五%も上がったら五十兆円ですよ、すぐにじゃないですけど。ということで、四十七兆円の収入しかないのに五十兆円を支払うと、これどう考えても、日本の財政、もたないんです。
 よく政府の方で、二〇二〇年にプライマリーバランスが黒字化すると。これ、プライマリーバランスが黒字化するというと皆さんすぐ安心しちゃうんですけれども、プライマリーバランスというのは国債費を除いているんですね。要するに、国債の金利と元本の支払を除いた数字なんです。
 それで、昨日、ちょっと決算委員会で私は甘利大臣に聞きました。二〇二〇年、プライマリーバランスが達成してどのくらいの国債費が残るのと聞きましたら、四十三兆円とお答えいただいたんです。二〇二〇年でプライマリーバランスが達成されても、四十三兆円まだ赤字なんですよ。赤字があるということは、累積赤字が、千十一兆がどんどんどんどん未来永劫に膨れ上がっていっちゃうんですね。財政再建というのは、その累積赤字が下がり始めて初めて財政が再建されていくんです。こういう状態に今あるんですね。
 これどうなるかというと、なかなか難しいんですよ。消費税をかなり上げる。これ、消費税だけ上げようと思うと、きっと三〇%にあした消費税を上げれば黒字化して百年で返せます。そうすればこの高校無償化もできると思います。でも、皆さんが三〇%、その消費税を受け入れますかという話ですね。若しくは、例えば歳入歳出をバランス取らせるためには、例えば年金を三分の一にしちゃうとかね。それを受け入れて、四千億円のこれを浮かせますかという話だと思います。
○委員長(丸山和也君) 藤巻委員、大変面白い話で私個人的には三時間ぐらいお聞きしたいんですけれども、本委員会の趣旨に少し限定していただくことと、それから質疑ですから質問という形にしていただいた方が持ち時間が少し有効に使えるんじゃないかと思っております。
○藤巻健史君 分かりました。
 それでは、ちょっと省きまして、後のところは九時間分ぐらいを省きまして質問いたしますけれども、そういう状況のときに四千億はこれは果たして有効なのか。じゃ、逆の言い方をしますと、九百十万円の上限がありますけれども、その九百十万円というのは高いのか低いのかということをまずはお聞きしたいなと思います。
○委員長(丸山和也君) 大変あれですけれども、下村文部科学大臣、明快に答弁お願いします。
○国務大臣(下村博文君) 藤巻委員から大所高所に立った、財政論というよりは国家運営論、この国を何百年単位でどう経営として考えるかと、そういう視点のお話であったというふうに思います。
 その中で、四千億というのは本当に小さな数字のように聞こえるわけでありますが、だからといって緊縮財政をして明日に日本があるのかというのもこれは考えていかなければならないことだというふうに思うんですね。
 ですから、ぎりぎりの判断の中で、我々も本来であれば、これは民主党の方が何度も言われているように、更に上乗せすればいいじゃないかと、現行制度維持の中で公私間格差を是正するとか低所得者対策を上乗せすればいいじゃないかという提案があったわけですが、それはできないと。所得制限の中でその財源を生み出すと。それは、少なくとも矜持として、赤字国債を更に発行してそして教育に拡大をするということは、これはしてはならないことだというふうに思います。今の財源の中で、どう、いかに無駄や、行革をすることによってより有効に教育の財源を確保するかであって、赤字国債を発行してまで教育の予算を増やすということについては、これは私はしてはならないことだというふうに思います。
 そのために、自ら、じゃ、財源をどうするかということも、これは財務省任せじゃなくて我々自身が、文科省がしっかり考えていかなければならないことでありますし、また、先ほどちょっと申し上げましたが、文教科学委員の方々、与野党を超えて、その財源論も是非今後一緒になって議論していただきながら進めていただければ大変有り難いというふうに思います。
 その中で、私は、やはり教育というのは未来に対する先行投資ですから、本来であれば、平成の米百俵ではありませんけれども、できるだけほかの財源を削ってもらって、しかし教育にはやっぱりしっかりと投資をすると。それは、全て教育においても財源を緊縮にするということは、私は、結果的に貧すれば鈍するといいますか、国もそうなりますし、一人一人の個人もそうなってしまうというふうに思うんですね。
 ですから、志、意欲があればチャンス、可能性、誰にも提供していると。一見無駄のようであっても、しかしそういうふうな教育における状況を設定するということは、日本に生まれ育った全ての国民に、特に若い人にチャンス、可能性を提供するという意味では、私はこれからの日本の将来を考えたら大変必要なことであるというふうに思いますし、そういう中で教育における財源を考えていく必要があるというふうに思います。
 そして、九百十万円が適切かどうかということでありますが、これは、まず、この制度をスタートする中で、最低条件として、できるだけ激変緩和といいますか、元々野党のときに自民党が民主党がこの高校授業料無償化を導入するときの対案として出してきたものは、当時から、同じ四千億あれば所得制限を七百万にして、その浮いたお金で更に公私間格差や低所得者層に対する厚い支援をすべきではないかというのが当時の自民党の考え方でありましたが、現在においては、都道府県によって相当その格差がありますが、大阪や京都府等は年収九百万まで、特に私学に対する軽減措置を図っているということと、それからもう一つは、上位二二%ですから、最小限のそれだけの影響については理解をしていただけるのではないかというぎりぎりのところの判断で決めさせていただいたという経緯がございます。
○藤巻健史君 いや、私は九百十万円じゃなくて、もっとぐっと下げて五百万とかその辺でいいのじゃないかなというふうに思うんですけれども。
 なぜかというと、先ほどちょっと長く、ちょっと話戻しちゃって申し訳ないんですが、四十七兆円の収入に対して九十三兆円使って、これだけ借金たまっているんですよ。少なくとも千十一兆円もあると、間違いなく我々の世代では返せないんです。今の若者が返すんです、もし財政破綻しなければですけれどもね。ということは、四千億円使ったうちの半分は少なくとも彼らが返すんです。ということは、今四千億円使って七百人が中退しなくて済んで、でもその二千億円は我々の税金じゃなくて、自分たちですよ、今の高校生、そして高校生の子供たちが返すんですね。
 そういうことを考えると、今のこの高校無償化制度というのは、子供のための制度なのか、若しくは親のための制度なのか。私はこれ、どう考えても親のための制度だというふうに考えてしまうんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 私は、公共事業以上に教育というのは未来に対する乗数効果が高いのではないか。もちろん、それは人によって違いますが、しかし、若いころの教育をきちっと受けることが、結果的に、その後潜在能力を更に社会の中で生かし活用することによって、高い社会に対する貢献、それが例えば所得、収入としてつながってくるという部分があります。ですから、客観的に言えば、それは中卒よりも高卒、学歴を積んで勉強した方がそれだけ社会の中で、それだけ個人の立場から見ても所得、収入が得られるチャンスが更に得られると、それが教育の成果、効果だというふうに思いますから、ですから、これは本人のためでもあるし、また親のためでもあるというふうに思います。
○藤巻健史君 最初に申し上げましたとおり、教育というのは非常に重要であるということを私も理解しておりますし、非常に国の投資としても重要だということは理解しております。
 ただ、先ほど来、下村大臣がおっしゃっていましたように、やはりどこが重要かというのは、本当は文部省の予算だけじゃなくて全ての予算をぐっと詰めて、その中で非常に、余り相対的に必要でないものを切っていって、より必要なものに配分していくということが必要だと思うんですが。
 その観点からいいますと、私はこの前ちょっとレクチャーを受けて愕然としたんですが、文化庁の予算が一千億しかないんですよね。私だったらば、高校無償化を四千億を二千億にして、その二千億、文化庁に付け替えますけれどもね。私の経験からすると、やはり日本の文化を、若者に本当の文化を、これ高いですよ、やっぱり、高いけれども、本当の文化を植え付けておけば真のグローバル人間がどんどんできて、その人たちに引っ張られて日本は国力が上がって景気も良くなって、そちらの方がよっぽどいい効率的なお金の使い方かなと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 文化芸術予算についてはおっしゃるとおりでありまして、私は、大臣になってから四か月後ぐらいに、二〇二〇年に向けた文化芸術立国プラン、中間プランを発表いたしました。これは、二〇二〇年までに今の予算を倍増すると、おっしゃるとおりに二千億にすると。これは簡単なようで相当大変な話で、過去十年間を見ても、せいぜい対前年度比一億、二億増やすのも大変でしたから、これからの七年間で更に一千億、倍増するということは、これは大変な野心的な予算であります。
 しかし、これから日本が、ちょうどオリンピック・パラリンピックが二〇二〇年に開かれるということもありますが、スポーツだけでなく文化芸術そのものが大きな日本が発展していくビジネスチャンスにもなるし、経済的なこれは波及効果というのは大変なものがあって、そういう財産が眠っていると。そういう意味で、もっと文化芸術についてしっかりとした予算を増やすということは重要なことだと思いますが、先ほどの財源論でいえば、これは、じゃ赤字国債を発行してまで出すのかということについてはそれは理解が得られないと思いますし、それから、高校授業料無償化の半分をそちらに持っていけというのもこれも率直に言って理解が得られるとは私は思いません。
 ですから、是非、二〇二〇年の文化芸術予算を倍増するということについては、新たな目的税的な形でこれは国民の皆さんに提示をしながら考えていく。例えば、その中の一つとして今考えているのは、これから公共事業を造るときに、その公共事業の一%は必ず芸術文化予算を使って、公共事業にそれを付加するというような形で日本全体を文化芸術的な切り口から考えていくということを含めた財源論を別につくっていきたいと思っております。
○藤巻健史君 赤字国債をこれ以上発行しちゃいけないというのはまさにアグリーでございまして、ただ、公共投資から一%でいいのかというのは、ちょっと私も考えたことがないんで、それに対するコメントは避けますけれども、今大臣のお話を聞いて、やっぱり今の政府というのはいつも対前年比で何%という話しか考えていないんで、是非、政府のメンバーの一人として、そんなのはガラガラポンで、最初からどのぐらいどこに重点的に予算を配分するかという根本的な議論をできればいつかやっていただきたいなというふうに思います。前年比だけでは話は日本は良くならないというふうに思っております。
 それから、財源の問題につきましては、公共投資に課税をするとかいうのはどうかは別としまして、やはり税制でいくのがいいのかなと私は思うんですけれども、税制ってどういうことかというと、アメリカなんかはたしか、これもうろ覚えなんで突然今ひょっと思い出したんであれなんで、裏はないんですけれども、たしか私の記憶だと、奨学金を大富豪が出してあげるとそれ寄附金控除なんですよね。日本はたしかそうじゃないと思います、何かいろんなのあって。そうやって、お金持ちが奨学金を出してあげる、そうするとそれが寄附金控除になるというような仕組みの方がより財源としてはいいのではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) それは御指摘のとおりでありまして、文部科学省の方でもこのバッジを付けておりますが、この「トビタテ!留学JAPAN」ですね、これは、国の税金だけでは十分ではないと思っておりますので、官民ファンドで民間からも二〇二〇年までに二百億円集めて、そして海外に高校生、大学生を是非給付型で留学させたいと思っている。その場合の企業からの献金、寄附、ファンドですね、これは税額控除ができる新たな仕組みをつくって、企業から出しやすくするということを考えております。そういうふうな工夫をしていきたいと思います。
○藤巻健史君 あと、今日議論を聞いていて思ったことで、感想というか質問というかなんですけれども、皆さん低所得者層、低所得者層と言うんですけれども、何をもって低所得者層というのかというのは極めて疑問に思っているんですけれども。
 皆さん、都合のいいところで低所得者層と使うわけなんですよ。例えば、日経新聞でアジア地域で中間層が伸びているとか書いてあるんですけど、そのときの定義って一世帯当たり五千ドルからたしか三万五千ドルか四万ドル、どちらかなんですよ、五千ドルから。一世帯当たりですよ。五十万円から三百五十万か若しくは四百万、これがビジネスとかそれから中間層が伸びたというときの定義なんですね。ということは、三百五十万とか四百万以上って、みんな、アジアのスタンダードからいうと大金持ちなんですよ。九百十万円なんて、もう大大大金持ちですよ。なので、省庁によっても、低所得者層といえば、全てが、みんないろんなところで定義が変わってくる。
 例えばジニ係数がよく使われていますが、私、ジニ係数は非常に疑問だと思っていますけれども、例えば、昔でいえばエンゲル係数でしたよね。エンゲル係数でいえばもう日本人なんてみんな富裕層なんで、どの段階で、何をもって低所得層かというのをやっぱり、これは告知していませんのでお答えないと思いますけど、是非しっかりさせていただきたいと思うんです。所得税を払ってないとか住民税を払ってないとかいうこともあるんでしょうけれども、そもそも課税最低限が日本は世界でもかなり高いですから、払ってない人多いので、払ってないから低所得者層というのもまた疑問なんですね。
 本当に、日本、確かに政府の仕事としては生命と財産を守るのはこれは一番重要なことですから、確かにセーフティーネットは必要です。本当にお金のない人、貧乏な方に対する助けというのは必要なんですけれども、でも、遊んでいる人のために代わりに高校無償化してはいけないと思うんですね。
 だから、そういう意味では、これは要望とも言えるんですけれども、是非、低所得者層とは何かということをきちんと議論してからいろんなことを決めていただきたいなというふうに思っております。
○国務大臣(下村博文君) 今回の高校授業無償化では、二百五十万以下、それから三百五十万以下でそれぞれ上乗せする額ということを目安にしております。現在、平均家庭の収入が六百万弱でございますので、その数字が目安になっております。
○藤巻健史君 ちょっと突然思い出した大まかな質問が終わったので、細かいのを時間がある限りちょっとお聞きしたいと思うんですけれども。
 今、児童手当がほぼ月一万円、一万円から一万五千円だと思うんですけれども、国の支援は中学生と高校生ほぼ同じ数字と考えてよろしいんでしょうか。ちょっと担当省庁が違うので、きちんとしたその整合性はできているとお考えでしょうか。
○政府参考人(前川喜平君) 児童手当は、家庭等における生活の安定に寄与するとともに、次代の社会を担う児童の健やかな成長に資するということを目的とするものでございまして、両親の収入のどちらか一方が九百六十万円の収入以下の世帯、これを対象といたしまして、三歳児未満の場合ですと月額一万五千円、三歳から中学生までは月額一万円を支給しているというものでございます。
 一方、高等学校等就学支援金でございますけれども、この新たな仕組みとして考えておりますのは、両親の収入の合算で九百十万円、これは高校生一人と中学生以下一人の子供が二人いて夫婦のうち片方に、これは両方に収入があっていいんですけれども、どちらかに収入があるというケースで、両親の収入の合算で九百十万円以下の世帯に対しまして、授業料に充てる支援といたしまして月額九千九百円を支給するというものでございますけれども、この月額九千九百円は家計に直接届くものではございませんでして、学校の設置者が代理して受領するということになっております。
○藤巻健史君 ほぼ一致する、児童手当とバランスするという考え方でよろしいんでしょうか。
○政府参考人(前川喜平君) 額だけ見ますと、三歳から中学生までの児童手当が月額一万円、高等学校等就学支援金が月額九千九百円でございますから、額は近い額であるということは言えると思います。
○藤巻健史君 先ほど午前中の大臣の回答にありましたけれども、義務教育と義務教育でない高校教育への援助というのが同じというのはロジカルなんでしょうか。
○副大臣(西川京子君) 現在、高校への進学率が九八%に達している現状では、やはり社会全体で教育費を適切に負担していくということは必要であると考えております。
 特に、授業料や中学段階では教科書代が無償であり、就学援助の制度も整備されておりますが、高校段階では家計における教育費が大変大きな負担となっておりますので、公私間の格差是正ということを大きな目的として、授業料以外の教育費負担がまだ依然と大きいということも考えて、今回の制度を必要だと思っております。
○藤巻健史君 もう時間がないので終わりますけれども、今日はいろいろ無駄遣いだというふうに責めさせていただきましたけれども、別にこれは文部省を責めているわけでありませんで、日本の政府全体でやはり費用を削れるところは削っていかないと、若者が一番不幸になるよ、若しくはひょっとすると我々世代も不幸になるよということで質問をさせていただきました。
 どうもありがとうございました。
○委員長(丸山和也君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○大島九州男君 民主党を代表し、政府提出の公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給に関する法律の一部を改正する法律案に反対の立場で討論をさせていただきます。
 二〇一〇年に恒久法として実現した高校無償化制度の理念は、保護者等の所得に影響されることなく全ての子供たちが平等に教育を受ける権利を保障していくことにあります。改正案に盛り込まれた所得制限の導入によって全ての子供たちが支援金を受けられないことになれば、そもそも法制定の理念を大きく後退させるものとなり、日本の人材育成に大きな影響を与えることは間違いありません。
 あわせて、この改正案の成立が、中等・高等教育無償化の漸進的導入を定めた国際人権A規約の趣旨に逆行し、世界に向けて日本の教育・人権政策は後退したとのメッセージを発信することになるものと考えます。
 私は、低所得者支援のための奨学のための給付金の創設や公私間格差の是正、専修学校一般課程、各種学校への支援の拡大、特別支援教育就学奨励費の拡充には大いに賛成であります。しかし、その予算の確保は、所得制限を導入することによって財源を確保するのではなく、教育予算全体を増やすことによって実施していくべきものと考えております。
 また、本案については、学校現場などへの事務負担の増大、さらに保護者の所得間格差に起因する子供たちの精神的な影響など数多くの弊害と懸念が指摘をされております。
 以上、本改正案に所得制限を導入することの問題点のごく一部を申し上げてまいりましたが、我が国の教育政策の根幹にかかわる問題を、拙速に所得制限導入という手法による改正を行うのではなく、与野党で我が国の教育の在り方、人への投資の重要性をしっかり議論し、それを受けて我が国全体の予算配分を見直し、教育予算を充実させることによって高校無償化制度をより良いものとしていくこと、そのことが我々国会に課された使命ではないでしょうか。
 公共事業関係予算などを増額させる一方で、教育財源が限定されていることを理由に所得制限を導入する対応は、現政権の未来への我が国の人材育成の投資の後ろ向きな姿勢を表していると言わざるを得ません。我が国は人材こそが資源であり、教育は未来への投資であります。
 民主党は、引き続き、日本の未来への人材の育成を目指し、全ての国民に平等な教育の機会を提供できる社会づくりに取り組んでいくことを申し上げ、私の反対討論とさせていただきます。
○田村智子君 日本共産党を代表して、公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給に関する法律の一部改正法案に反対の討論を行います。
 理由の第一は、公立高校の授業料不徴収条項を削除することです。
 文科省は授業料相当額を就学支援金で支給するとしていますが、公立高校の授業料は都道府県ごとに決定されます。就学支援金の支給額を上回る授業料を決めた場合、その差額が授業料として徴収される可能性があります。現に、東京都は公立高校の授業料年額十二万二千四百円の徴収条例を廃止していないため、このままでは就学支援金との差額が授業料として多くの高校生に発生してしまいます。
 また、国の責任で公立高校の授業料を無償とすることが現行の就学支援金支給額の根拠ともなっています。不徴収条項の削除によって今後の支給額は時々の政府の判断となり、国の財政危機などを理由とした支給額の縮小も危惧されます。公立、私立共の高校授業料の無償化が求められている下で、このように公立高校の授業料不徴収を僅か四年で廃止することは断じて容認できません。
 理由の第二は、就学支援金の支給に所得制限を行うことです。
 文科省の試算で、二割を超える高校生が支給対象外となることは重大です。所得制限を実施するには、全ての高校生について保護者等の所得の把握が必要です。そのため、法案では、高校生に保護者等の収入を届け出ることを義務付け、届出がなければ就学支援金の支給を差し止めるとしています。このように、現役の高校生全てに何らかの行為を義務付ける法律はほかにはありません。就学支援金を受けたければ、その必要性を証明せよと高校生に義務付ける、これは全ての高校生の教育権を保障するための法制度を著しくゆがめるものです。
 保護者等の収入は課税証明書によって確認することになりますが、これは、社会的に孤立した家庭、複雑な事情や困難を抱える家庭ほどハードルが高くなることは明らかです。雇主が源泉徴収を出さない場合、ネグレクトなどがある場合、家庭の不和から親を頼らないことを選択した高校生など、経済的支援が切実に求められている高校生が課税証明書の提出ができないために就学支援金を受けられないという事態も危惧されます。
 こうした点から、本法案が、日本政府が留保撤回した国際人権規約、社会権規約の中等・高等教育無償化の漸進的実現に逆行することは明らかです。
 文科省は、所得制限によってつくり出す予算を就学支援金の加算に充てると説明していますが、本来、概算要求で増額要求すべきです。そうしなければ、OECD諸国の中で最低ランクの我が国の教育予算割合を増やすことなどできるはずがありません。
 最後に、本日の質疑では質問し切れない問題を残しました。衆議院では参考人質疑を含めて三日間の委員会質疑が行われたにもかかわらず、参議院では僅か四時間の委員会審議で採決を強行することに強く抗議し、反対討論を終わります。
○委員長(丸山和也君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(丸山和也君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、大島君から発言を求められておりますので、これを許します。大島九州男君。
○大島九州男君 ただいま可決されました公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党及びみんなの党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府及び関係者は、本法の施行に当たり、次の事項について特段の配慮をすべきである。
 一、本法の施行から三年を経過した後、学校現場や地方公共団体等に対する本制度の影響、低所得世帯への経済的支援の拡充や公私間の教育費負担格差是正の状況等、本制度の具体的効果や影響を様々な角度から検証した上で、全ての子どもたちに教育の機会均等を確保する観点から、速やかに必要な措置を講ずるものとすること。
 二、本制度の趣旨・内容及び就学支援金支給に係る具体的要件・手続について、当事者・関係者に対する周知・説明を十分に行うこと。特に、進路選択の時期に当たる中学三年生の生徒及び保護者が、制度変更等の影響により、進路の変更や断念を迫られることのないよう、特段の配慮を行うこと。
 三、就学支援金の受給資格の認定に当たっては、本来就学支援金の受給権を持つ生徒等が支給から漏れることのないよう十分な対策を講ずること。特に、家庭環境等の実情にも十分考慮し、教育費を支出することが困難な生徒等に対しては別途、特段の配慮を行うこと。
 四、受給資格認定のための申請の取扱いについては、その過程における生徒等のプライバシーや個人情報の保護・管理に関して十分な対策を講ずるとともに、学校現場で生徒等が分断・差別されたり、いわゆる「スティグマ」に悩まされることのないよう十分な配慮を行うこと。また、その事務処理等のために地方公共団体や学校現場に相当の事務量が発生することに鑑み、要員の確保や様々な財政措置等を行うことにより、その負担軽減に努めること。
 五、急な家計変動が生じた生徒等に対しては、授業料減免の早急な実施等により、就学支援金の支給や加算が開始されるまでの接続を確保するなど、教育の継続に支障がないよう特段の配慮を行うこと。
 六、高等学校等の中途退学後の再入学など、やむを得ない理由により修業年限を超えて在学している生徒等に対する授業料徴収に関しては、教育的な配慮を十分に行うこと。特に、定時制・通信制の高等学校については、様々な事情を抱えている生徒が多いことに鑑み、特段の配慮を行うこと。
 七、教育は未来への投資であることに鑑み、就学支援金については、将来的に所得制限を行うことなく、全ての生徒等に支給することができるよう必要な予算の確保に努めること。また、引き続き教育費負担の軽減を図るとともに、一層の教育予算の拡充に努めること。
 八、所得制限の導入により捻出される財源については、公私間格差の縮減や、奨学のための給付金の創設など教育費負担軽減施策に確実に用いること。そのために、平成二十六年度予算はもとより、今後の予算編成を通じて最大限の努力を行うとともに、その財源が地方公共団体によって確実かつ継続的に就学支援の拡充のために使われるよう、強く要請し、毎年その状況について調査・確認を行うこと。
 九、国際人権A規約における中等教育の漸進的無償化条項の趣旨を踏まえ、後期中等教育の無償化を早期に実現するよう最大限努力すること。
   右決議する。
 以上。
○委員長(丸山和也君) ただいま大島君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(丸山和也君) 多数と認めます。よって、大島君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、下村文部科学大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。下村文部科学大臣。
○国務大臣(下村博文君) ただいまの御決議につきましては、その御趣旨に十分留意をいたしまして対処してまいりたいと存じます。
○委員長(丸山和也君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(丸山和也君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時十九分散会