第185回国会 文教科学委員会 第5号
平成二十五年十一月二十八日(木曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 十一月二十七日
    辞任         補欠選任
     堀井  巌君     水落 敏栄君
     櫻井  充君     石上 俊雄君
     浜野 喜史君     斎藤 嘉隆君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         丸山 和也君
    理 事
                石井 浩郎君
                橋本 聖子君
                大島九州男君
                柴田  巧君
    委 員
                上野 通子君
                衛藤 晟一君
                中曽根弘文君
                二之湯武史君
                堀内 恒夫君
                水落 敏栄君
                石上 俊雄君
                石橋 通宏君
                斎藤 嘉隆君
                那谷屋正義君
                新妻 秀規君
                矢倉 克夫君
                松沢 成文君
                田村 智子君
                藤巻 健史君
   国務大臣
       文部科学大臣   下村 博文君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        亀岡 偉民君
       財務大臣政務官  山本 博司君
       文部科学大臣政
       務官       上野 通子君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        美濃部寿彦君
   政府参考人
       内閣府宇宙戦略
       室長       西本 淳哉君
       総務省自治行政
       局公務員部長   三輪 和夫君
       文部科学省生涯
       学習政策局長   清木 孝悦君
       文部科学省初等
       中等教育局長   前川 喜平君
       文部科学省高等
       教育局私学部長  小松親次郎君
       文部科学省研究
       開発局長     田中  敏君
       文化庁次長    河村 潤子君
       厚生労働大臣官
       房年金管理審議
       官        樽見 英樹君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関
 する調査
 (人材確保法の趣旨を踏まえた教員給与の在り
 方に関する件)
 (非正規教員の増加に関する諸問題に関する件
 )
 (学校教育における政治参加教育の必要性に関
 する件)
 (災害監視のための人工衛星技術開発の取組に
 関する件)
 (学校現場における文化・芸術教育の実情に関
 する件)
 (多様化した社会の要請と高校教育の課題に関
 する件)
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○委員長(丸山和也君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、浜野喜史君、櫻井充君及び堀井巌君が委員を辞任され、その補欠として斎藤嘉隆君、石上俊雄君及び水落敏栄君が選任されました。
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○委員長(丸山和也君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府宇宙戦略室長西本淳哉君外七名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(丸山和也君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(丸山和也君) 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○斎藤嘉隆君 民主党の斎藤でございます。今日はどうぞよろしくお願いをいたします。
 先般、委員会で、教職員定数の問題について財務省の山本政務官と議論をさせていただきました。今日は、それともかかわりがあるんですけれども、教員給与の問題について少し議論をさせていただきたいと思っています。
 今、財務省の方で、財政審などの議論だと思いますけれども、教員給与をいわゆる一般行政職並みに引き下げていくと、その方向で議論が進められていると聞いています。これ、資料の方もお配りをさせていただきましたけれども、教員の給与というのは、いわゆる人材確保法、昭和四十九年の制定でありますけれども、こちらをもって、教員が意欲と使命感を持って生き生きとした活動ができる、その職制とか給与、処遇をそれぞれにふさわしく改善をするんだということで、これはまさに自民党の当時の文教部会による提言を踏まえて制定をされたものだというように認識をしています。
 つまりは、教育を国の中心的な課題にして、そのためにも教職への優秀な人材の誘致を目的にしたこういった法律があるわけです。この法律に基づいて現行の給与水準というのが定められているということでありますけれども、今財務省の方で検討されているこの給与の削減の措置等については、この人材確保法の趣旨に照らし合わせるとやはり問題があるんではないか、法的にも問題があるんではないかと考えますが、財務省としての御見解をお聞かせをいただきたいと思います。
○大臣政務官(山本博司君) 斎藤委員、大変質問ありがとうございます。
 今の御指摘ございました人材確保法でございますけれども、義務教育の水準の維持向上を図っていくために、質の高い教員を確保し養成することは大変重要であるというふうに認識をしております。
 この点におきまして、今委員の御指摘のこの人材確保法の目的につきましては十分に理解をしているわけでございます。他方、この人材確保法につきましては、平成十八年五月に成立をいたしました行革推進法におきまして、廃止を含めた見直しを行う、こういうふうにされておりまして、さらに、この行革推進法を踏まえまして、自公政権におきましては基本方針二〇〇六、閣議決定におきまして、人材確保法に基づく優遇措置を縮減する、このことを決定したところでございます。
 教員年収に関しましては、依然として一般地方公務員年収を約十万円上回っております。こうした経緯も踏まえつつ、この教員給与の水準につきましては今後の予算編成過程で検討してまいりたいと思う次第でございます。
○斎藤嘉隆君 今言及がありました基本方針の二〇〇六、これの中に、人材確保法に基づく優遇措置を縮減をするというように示されているのは事実だと思います。
 その措置に基づいて、平成十九年以降、教員給与が一般行政職を上回っている分、つまりは二・七六%だと認識をしておりますけれども、義務教育等教員特別手当などが段階的に縮減をされてきたと。今、もう既に月額給与でいうと、教員の優遇分というのは千二百十七円であります。もちろん、一時金への跳ね返りとか、そういったものを全て総合をして、それでも月額一万円に満たない分が今、いわゆるこの人確法に基づく優遇分ということで措置をされているわけであります。
 財務省の言われますこの基本方針二〇〇六、これは平成二十二年の概算要求基準においても、この方針に基づく要求というのはもう廃止をするんだと、こういう閣議決定が実は一方でなされているのも事実であります。私は七年前のこの基本方針が今こういったことを論じる根拠になり得ないんではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○大臣政務官(山本博司君) 今お話ございましたけれども、人材確保法に基づく教員給与優遇措置の縮減方針ということでございますけれども、これは自公政権が決定した方針でございまして、国民に対する約束としては大変重いものであるというふうに認識している次第でございます。
 近年、こうした義務教育を取り巻く環境、大きく変化をしてございますけれども、この点に関しましては、文科省ともよく連携をして意見交換をしていきたいと思う次第でございます。
 他方、こうした大きく変わった点は財政状況、これは大きく平成十八年以降も悪化をしてきております。こうした厳しい経済財政状況を十分に踏まえていく必要があると思う次第でございまして、この教員の給与水準に関しましては予算編成過程で行っていきたいと思う次第でございます。
○斎藤嘉隆君 教職云々を語るときに、金がどうこうという、給料がどうこう、高いからどうこうというのは、やっぱりそれは僕自身もふさわしいとは思いません。ただ、今現政権の下で、教育というのは政権のもう中心的な課題とされているわけですよね。そんな状況の中で、改めて教職に優秀な人材を誘致していくというのは、非常に私は重要なことだと思っています。こういう政権そのもののスタンスからいっても今回のこういった方向性というのは反するんではないか、そのように率直に思いますが、いかがでしょうか。
○大臣政務官(山本博司君) やはり全体的には、こうした教育の充実ということを考えたときには、教職員の方の待遇という点では、これはやはり全体の、やる気のある教員の方の士気を高めていく、そういう意味でめり張りのある給与の部分でございますとか、若しくは外部人材のこうした支援、こういうことも含めて教職員の方々の学校現場のこういう負担を配慮していく、こういうこともすごく大事ではないかなと思っております。
 ですから、教職員の給与以外に、平成十九年以降、教員給与を優遇する特別手当、これを縮減する一方で、部活動手当、例えばこれは週休日四時間程度千二百円を二千四百円に倍増するとか、若しくは副校長の処遇で管理職手当を一五%導入するとか、こういう部活動手当、こういうことを倍増しているとか、こういうめり張りの利いた給与体系、これを推進をしてきたこともございます。
 また、平成二十五年度予算におきましては、学力向上に向けた補習等、地域人材を活用して、これ七千人ぐらいの規模でございますけれども、補習のこうした人材活用でございますとか、さらにソーシャルワーカーとかいじめ等の問題のカウンセリングを含めた方々、こうした様々な施策等の充実、こういうことも講じている点でございます。
○斎藤嘉隆君 今るる述べられた様々な措置、それは理解をしています。
 政務官、僕は委員会でもいろいろ今までも一緒にお仕事させていただいて、本当にこの教職、教員に対する様々な待遇改善、こういうものの重要性というのはやっぱり誰よりも御認識をされているんではないかなと思います。
 ちょっと視点を変えますけれども、この教員への人材の確保というのは本当に今なされているんでしょうか。といいますのも、今、ややもすると教員バッシング的な風潮がいまだに続いておりますし、給与の優遇措置もあるといっても、さっき僕が申し上げたみたいに本当にごく僅かなところであります。各自治体の教員採用試験の倍率なんかも、今年度の試験の合格者、もう発表されていますけれども、都市部を中心に下がる傾向があって、今多くの県、市でもう三倍を切っているんですね。一次試験なんかはもう平均でも二・七倍という状況であります。
 一般の企業、民間企業なんかでも倍率が三倍を切るともう質が確保できないんだと、保てないんだと、そんなようなことも言われておるような状況です。採用試験に合格しても、給料もどんどん下がっていますし、非常に社会からの厳しい目もありますし、四月からの就職を辞退をするという方も非常に多い。これも昨今の傾向ではないかなと思います。
 こんな状況をつくる一方で質の向上を叫ばれている今の政府でありますけれども、僕は全く相矛盾するんではないかと。教員の社会的地位の低下につながって、学校へいろんな形でクレームも増加をしておりますけれども、こういったものとも無関係ではないと私は思っています。
 この教職への人材確保の現状と必要性について、いま一度政務官御自身のお考えをちょっとお聞かせいただけませんでしょうか。
○大臣政務官(山本博司君) 今委員御指摘ございましたように、この教育業界の様々な課題というのは大変多くの課題があると思います。そういう意味では、教職員の方々のそうした様々な負担をなくしていくというようなことでございますとか、その支援というのは大変必要であると思います。
 一方、全体的な財政ということで考えていきますと、一般の、年収ベースでいいますと、教員が約六百七万円、これは文科省の試算でございますけれども、実際やはり、一般行政職が五百九十七万、年収ベースでは十万円近い形の差があるということも含めて、そういう点はまた配慮しないといけないのかなということは、私は、財務省に来て様々な全体を見る中で、この公平感ということも含めて考えないといけないということは認識しております。
○斎藤嘉隆君 繰り返しになりますが、教育の課題というのは大変多様化をしておりますし、僕は教員の職責というのも年々重くなっていると、そのように思っています。
 そもそも、一般行政職と教職と比べて教員給与が上回っているというのが、本当にそうなのかどうかというのも、金額では上回っていると思います、現状は確かに月数千円ですね、上回っていると思いますけれども、これ、十八年の文科省の調査なんかを見ても、教員の超過勤務月四十二時間。時間外手当の代わりに措置されている教職調整額は四%分でありますけれども、この四十二時間分が四%なんですね。四十年前に決まった四%ですけど、このときの超過勤務実態というのは月八時間なんです。これを基に四%というこの手当分が措置をされていて、今まだなお続いているという状況であります。
 一時間当たりの給与額の比較では、これ文科省さんの調査だと思いますけれども、一般行政職よりも実は一三%低いんです、給与が。そんなような状況もある。僕はむしろ、先ほど申し上げた教員特別手当の水準の回復とか、今言った四%の教職調整額の引上げが必要な状況だとも思っています。
 先ほどからの、財務省の山本政務官から様々な形で御見解をお伺いをしましたけれども、こうした全体的な考え方について、下村大臣、どんな御見解をお持ちか、お聞かせをいただけますか。
○国務大臣(下村博文君) この件に関しては斎藤委員と全く同じ私は考え方を持っておりまして、財務省の考えの方向性とは全く異にしております。
 そもそも教員給与については、人材確保法によって、「一般の公務員の給与水準に比較して必要な優遇措置が講じられなければならない。」とされていることであり、これはきちっと守るべきであるというふうに思います。
 文部科学省は、政府全体の公務員給与抑制方針の一環として、平成二十年度以降、教員給与、義務教育等教員特別手当等の縮減のための国庫負担金の削減を行って既にいるところでもございます。このため、先ほどから御指摘がありますが、人材確保法を踏まえた教員給与の優遇分は年々目減りをしておりまして、現在、月額ベースでは〇・三二%、年額ベースでは一・七%の優遇にしかすぎない、こういう状態でございまして、これ以上引下げは人材確保法に反するということになります。
 現在の安倍内閣は、御指摘のように、教育再生を内閣の最重要課題として取り組んでいるわけでありまして、教育再生実行会議においても真に頑張っている教師の士気を高めるためにふさわしい処遇の改善が提言されている中、教育再生を現場で担う教員の士気をそぐような見直しは到底認めることはできません。
 文部科学省としては、今後とも優秀な教員を確保するため、人材確保法における教員給与の優遇措置についてはその基本を維持しながら、教員の士気を高めるためのめり張りある教員給与体系を確立することが重要であるというふうに考えておりまして、引き続き財務省と協議を重ねてまいります。
○斎藤嘉隆君 ありがとうございます。この件についてはという注釈付きで、本当にありがとうございます。大臣と全く考えは同じだなというように思います。
 もう一点だけ、山本政務官にお聞きをしたいと思います。
 調整額、さっきの時間外手当のことですけれども、これはいわゆる時間外手当として本来あるべきものの代替として措置をされているという認識をしているんですね。今、実態とも全く合っていないんだというお話もさせていただきました。財務省さんが、この教員の給与、様々な諸手当も含めて引下げが必要だということをおっしゃるのであれば、この時間外勤務手当のところをもう手当化していく、本当に、調整額ではなくてですね。そういったことも、引上げが困難ならば、全体の、そういったことも考えていいんじゃないか、それがまさにめり張りのある給与体系になってくるんじゃないかと思いますが、このことについてはいかがでしょうか。
○大臣政務官(山本博司君) ありがとうございます。
 今の委員御指摘の部分でございますけれども、公立学校の教育は、時間外勤務手当支給されない代わりに、今ございます四%分の教職調整額、これが支給されていると承知しているわけですけれども、この、じゃ、教職調整額の支給の在り方に関して、今文部科学省を中心に検討されてきておりますけれども、仮にこうした点の見直しを行う場合ということに関しますと、例えば、今、教職調整額、これは本給扱いになっております。時間外の場合ですと、本給でないとなるとボーナスの算定基準に含まれてこないという、こういう問題等の論点でございますとか、先ほどから言います一般行政職の水準を超えた部分の本給の取扱いの問題とか、若しくは教員のみに対する優遇措置である義務教育等の教員の特別手当の在り方、こういう論点も含めて、併せてこの時間外勤務手当の検討ということも含めて進める必要があるというふうに認識をしております。
 いずれにしても、この教職調整額の見直しという御指摘に関しましては、この時間外勤務手当の関係以外、様々なこうした多くの論点もある課題と、このように認識をしている次第でございます。
○斎藤嘉隆君 是非、実態に即した給与ということも含めて検討いただきたいと思いますし、一時金への跳ね返り分とかを考慮したとしても、時間外勤務手当の導入によって国庫の負担は増えると思いますよ、これは恐らく。そういった状況にあることも是非御認識をいただいて、今回のこの財政審等での議論に反映をしていただきたいと思います。アベノミクスは、もう内需拡大の方針の下で民間賃金を上げて経済を高揚させていこうという方針を示されているわけで、そんな中で公務員の給与は下げていこうと、何か本当に矛盾をすると思いますね。
 また、もう一個言いますと、義務教育費国庫負担金も実は多くの県で、算定どおりというか基準どおり支払われていない現状はもう御存じだと思います、給与カットをされていて。結果として、国庫にこういったものが残っていくわけですよね。この状況をほかっておいて、現場の士気を下げるような政策、これは是非政府全体として考え直していただきたい、このことを申し上げておきたいと思います。
 政務官、ありがとうございました。ここまでで終わりたいと思います。
○委員長(丸山和也君) 御退席ください。
○斎藤嘉隆君 じゃ、ちょっと論点を変えたいと思います。
 教育再生実行会議の大学入学者選抜の在り方について少しお伺いをしたいと思います。
 最近、友人の大学の関係者とかやり取りをすると、話題の中心は大学入試改革になろうかと思います。資料にも示させていただきましたが、現行のセンター試験を見直して、基礎レベルそれから発展レベルという二つの達成度テストを新たなテストとして導入をするという方向が示されています。具体的な実施方法などについては今後中教審で専門的、実務的に検討ということにされていますけれども、実施上の課題などはある程度の議論を今までも経て、最終的なテストの姿、イメージぐらいはされているのではないかなと思います。でなければ、こういう提言が出てくること自体ある意味無責任だと思っています。
 大学入学者選抜方法を大きく見直そうとするに当たって、ちょっと細かなことをお聞きをしたい。私の認識です。基礎レベルのテストというのは、高校在学中複数受験というようにありますけれども、これは、高校一年生のとき、二年生のときに受験を仮にして、二回ぐらい、そしてその上で、現行のセンター試験に代わるものとして卒業間際に今の発展レベルのテストを受けると、そういうことを通じて高校生活全体のいわゆる子供たちの活動ぶりを評価をしていくと、こういう考え方でよろしいんでしょうか。
○大臣政務官(上野通子君) ただいまの斎藤委員の質問にお答えしたいと思いますが、まず、御存じのように、教育再生実行会議の第四次提言において今おっしゃられた到達度テストについての提言がなされたところで、その内容につきまして、目的につきましては先ほど委員がお配りくださったところの目的のところに書いてあると思うんですが、その中で、到達度テストの中の基礎レベルまた発展レベルと二つに分けさせていただいております。
 さらに、基礎レベルの方の到達度テストは、高校の基礎的、共通的な学習到達度を客観的に把握し指導改善に生かすとともに、本来の趣旨と異なり事実上学力不問の選抜になっている部分の推薦又はAOの入試の状況を改善し、基礎学力の判定に活用するように促すとされていますし、また、発展レベルは、これは今の教育再生の実行会議の中におきましてはまだそれほど煮詰まってはおりませんが、それでも、全員が受けるというテストではなく、大学入学を希望している子供たちが大学教育を受けるために必要な能力の判定に活用するものであり、結果を段階別に示すことや各大学において多面的な入学者選抜を実施する際の基礎資格として利用することなど、一点刻みの選抜から脱却できるよう、その利用の仕方を工夫するとされております。
○斎藤嘉隆君 私、大変危惧をする点がこれ幾つかありまして、基礎レベルのテストについてですけれども、これ当然大学入試につながっていくというか、その一環でもあるわけですよね、今のお話も含めて。当然ながら、高校生にとっては極めて重要なテストになると思います。それを在学中に複数回受験ということでありますけれども、これ、ややもすると、今以上に受験一辺倒の高校生活になってしまうんじゃないか。
 御経験、どなたもあると思いますけれども、高校生活ってすごく、今思い出しても楽しい、まあ苦しいときもありましたけれども、楽しいものだと思いますし、一生の仲間をつくる極めて重要なときだと思いますし、部活動とかボランティアとかいろんな幅広い活動に参加ができる時期でもあると思います。まさに子供のその後の生涯を形作っている基礎的な部分を形作る、そんな重要なときだと思うんですね。まさに、そうやって持てる能力を伸ばす舞台である高校生活を、一年生とか二年生の段階でそうやって試験というものを課していくということがこういう主体的な活動を阻害することにつながるんじゃないか、高校生から高校生活を奪うことにならないかというのは正直危惧をしています。
 提言の初めの部分や一項目めの高等学校教育に言及した部分には大変立派な理念が書かれていて、生徒の多様性、学校の特色化、志を持って主体的に学ぶ能力の習得、こういった理念が生かされるようにということが書かれているわけですけれども、高校入学早々から場合によっては予備校に通って、いわゆる受験学力、あるいは、発展レベルのテストでも言われていますけれども、面接技術の習得を競い合うような環境になると、高等学校教育そのものがもう崩壊しかねないと思います。こういった危惧はないんでしょうか。こういったことについてどのようにお考えですか。
○大臣政務官(上野通子君) まず、先ほど到達度テストと言ってしまいましたが、達成度テストの間違いです。失礼しました。
 このテストが基礎レベルと応用レベルに分かれていますが、そこに注目していただきたいと思います。
 まず、基礎レベルというのは、主要五教科と言われているいわゆる今の大学入試センターが行っている五教科ですが、それに限らずに、幅広く学校で学んでいること、例えば技術的なもの、具体的にもっと言うとスポーツとか芸術ですね、そのような面に対してもその過程を評価するというような形で導入していきたいという方向性も持っております。
 また、基礎レベルの達成度テストばかりでなくて、インターンシップやまたボランティアの活動をしてきたということも、これからは大学の入試のときの一つのポイントとして認めていくような大学入試選抜制を取っていきたいということも含んでのテストに対しての提言でございます。
○国務大臣(下村博文君) 斎藤委員の前提条件については、そういうことではございません。先ほど上野政務官から説明があったとおり、この基礎レベルの達成度テストと発展レベルの達成度テスト、二つ考えているわけですが、この基礎レベルの達成度テストは高一、高二という段階別にやるというイメージではなくて、今大学入学試験が学力テストの試験とそれから推薦・AO入試に大きく分かれていると。特に今推薦・AO入試についてはこれは学力を問わないということで、実際、大学においても三割の大学が高校以下の補習授業をしているような実態がある中で、学力を問わない推薦・AO入試でいいのかという問題意識の中で、これはAO入試や推薦入試を受ける生徒に対しては、やっぱり基礎的な学力の判定も必要ではないか、大学ですから。その基礎的な学力の判定としての基礎レベルの達成度テストというのをイメージしておりますので、高一、高二で学年が進級するごとに受けるということではないということでございます。
 この達成度テストの中の発展レベルというのは、今の大学入試センター試験に代わることをイメージしているということであります。
○斎藤嘉隆君 いずれにしても、基礎レベルの試験が入試に直結することは確かなものですから、もちろんどういうようなテストの中身になるかということにもよると思いますけれども、本当に日々の学習の成果が、きちんと例えば学校へ行ってしっかり学んでいれば十分対応できるような本当の基礎的なものという考えであればまだしも、もしそうでないとすると、さっき僕が申し上げたような危惧も当然出てくると思いますし、是非そういった、これから具体的に議論されると思いますけれども、そういった視点を是非持ちながら試験の中身について御検討をいただきたいということを思います。
 それから、もうあと一、二点ちょっと危惧する点としては、これは受験する機会が増えるということは、要するに、会場も含めて受験回数そのものが年度の中で増えていくことになるんじゃないかなと思うんです。何が申し上げたいかというと、大学が多分会場になろうかと思います。昨日、文科省の方にレクでお聞きをしたんですけれども、今センター試験、七百七会場、ほとんどが大学、六十二が高校だというようにお聞きをしました。監督官は、基本的に大学の先生方がされています。
 この基礎レベルのテスト、発展レベルのテストについても同様な形になるのではないかなと予想をしますけれども、スケジュール的に可能なのかどうかというのもこれ是非十分な検討をお願いをしたいと思います。大学で行わないとすると、これはどこが一体担っていくのかというのは非常に疑問でもありますし、この辺りの議論というのは何かされているんでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 基本的に、日本の高校生、大学生は、今アメリカの高校生、大学生に比べると学習時間が半分以下で勉強しなくなってしまっているという現状がまず一つあります。それから、今回の大学入学者選抜試験は、学力一辺倒だけでなく、トータル的に、先ほど上野政務官からも話がありましたが、高校時代にどんな活動をしてきたのか、例えば生徒会活動とか部活動でどういうリーダーシップを発揮してきたのか、あるいはボランティア活動等で人に対する思いやり、感性、それをどのように発揮してきたのか。つまり、トータル的な高校時代が充実したものとしてどうなのかということを入学試験でも問うということは、結果的に勉強だけでなく、私は勉強をもっとハードにさせるべきだと思っています、今の高校生、大学生ですね。そうでなかったら、世界の中で伍していけるような人材を育成するということにはつながりません。
 しかし、勉強だけすればいいというようなことではなくて、つまり偏差値一辺倒の大学入学試験的な一つの物差しではなくて、勉強以外のことについてもアクティブに積極的に高校生活や大学生活を送るということこそ今の若い日本の高校生や大学生にやっぱり求めたいというふうに思うんですね。それを求めるだけじゃなくて、大学入学試験そのものにもそういうことを物差しとして入れていきたいと。
 ですから、そのためには、今まではおっしゃるとおり、学力一辺倒といいますか、一発試験に比べれば、大学側も相当手間暇が掛かることを入学試験の例えば面接試験とか小論文とか含めてしなければならないわけであります。しかし、それは人材として社会にその後送り出すという意味では、入学試験における努力は是非大学側はしていただきたいと。
 そのための人材の確保も必要でしょうし、相当な手間暇も掛かりますが、それについてそういうふうな入学試験に取り組むという大学に対しては、国が財政的なインセンティブを提供することによって、これは強制ではありませんから、各大学がどんな入学試験をするか、現行のとおりにする大学もあるでしょうし、今回の教育再生実行会議で提言した内容、詳細は中教審で更に詰めていただきますが、しかし、その方向性にのっとってやる大学が変わってくるのであれば、その大学に対しては財政的な支援をすることによって、その新たな枠組みの中における入学試験についての大学の取組については応援をしていくことによって、真にこれから世界に伍していくような、そういう人材を日本から送り出すようなことをしていきたいと思います。
○斎藤嘉隆君 テストの理念的なところはもうまさに大臣おっしゃるとおりだと思うんですね。ただ、今大学の掛かる労力が非常に増えるだろうという見通しも今お話をされました。例えば、面接を重視をしていく。僕は、例えば三十分や一時間の面接でその子の人間性なりその背景にあるものを理解する自信はとてもありません。もしそういったものを客観的に試験の中で生かしていこうということになれば、かなり時間を掛けてしっかり子供たちを見ていく必要が出てくるだろうと思うんですね。
 例えば、面接のこともそうですし、さっきの会場のこともそうです。僕は、本来の大学がしなければならないことというのは大学生の指導だと思います。大学生を指導することと、それから研究だと思うんですね。労力が増える、財政的な支援をしていただく、マンパワーの支援をしていただくというのはもちろんいいんですけれども、余りここが過度になり過ぎてしまうと、肝心要の大学がしなければいけないその機能を僕は阻害をしちゃうんじゃないか。なのに、トップ百の中に十校入れるんだ、こういうところが、僕はもうかなり掘り下げた議論をしていかないとむしろ逆のことになっちゃうんじゃないかなと思います。
 国立大学法人化以降、大学って今もう、当然担当の方は御存じだと思いますけれども、研究とか子供たちの指導よりも今中心はマネジメントですよ、金銭的なことも含めて。何か本末転倒になってしまっているような状況があるので、ここは是非、文科省さんとして、大学教育の在り方そのものを、ここをどのように考えていくかということを含めて、正しい、的確な改革につながるようにこの中教審での議論を後押しをしていっていただきたいなと思っています。
 もう一点だけ、ちょっと申し上げたいと思います。
 大学入試は多面的な形での入試が必要だと、もうもちろんそのとおりです。そうやっておっしゃりながら、高校入試とか中学校入試とかはもう全国的に見るとまさにその逆を行っている、今。一発勝負の傾向で、一点刻みですよ、一点刻み。中学入試に至っては、僕もかつて小学校におりましたけれども、三学期になると受験生はもう学校にも来ない。学校で勉強するよりも家庭で受験勉強をしている方が入試には役立つと、そういった子供も実際にいっぱいいます。多くいます。むしろ多いぐらい。
 そんな、家庭や塾でひたすら受験勉強に精を出すような小学生がこうやって増えている。高校でもそれに似通った状況がややもすると広がっているような、こういう状況の中で、そこのところはちょっと看過をしておいて、大学入試だけ改革というのは、僕はちょっとこれは、なかなか考え方としてどうかなと思うんですね。全体を、今もう受験年齢って物すごく低下をしているわけですから、そういう全体像を、是非文科省として先頭に立って全体の改善をしていく、本当に子供たちの多様な学びを保障していくという、そんなような入試改革を是非望みたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) この件は二点、斎藤委員とは意見は異にしております。私は、今の大学は非常に問題だと思っています。このままでは世界の中で我が国の大学は、公私問わず、もう地盤沈下すると。それだけ人材も育ちませんが、大学そのものも、世界から日本の大学はもう評価されなくなるというか相手にされなくなると、そういう危機の状況にあるというふうに思います。
 そのためにはガバナンス改革も大変重要です。横一線でみんなで同じことをやっていればいいというような時代はもうとっくに終わって、国際社会の中で大学そのものがどう生き残っていくか。どう生き残っていくかというのは、つまり大学がどういうような優秀な教育や研究に対して成果を上げていくかと。このことを考えた場合の大学のガバナンス改革を今していかなければ、これは、そういう人材や研究を供給する、提供するというふうにはなりません。そのための改革は必要だと思います。
 それから、大学入学試験だけを変えればいいということではもちろんありません。問題は、その出口問題もあると思いますね。日本は、入るのは難しいけど出るのは易しいというふうに世界からも言われておりますが、出るのもやはり難しくすべきだと思うんですね。この四年間の中でどんな学問をきちっと学んだのか、それが社会へ出たときにどう有効に活用されるのかということを考えたときに、大学が個々の学生に対してどういう提供をしてきたのかということになると、今まではそれぞれが、学生が自分で独自に勉強してきたかもしれませんけれども、大学のこの教育成果、研究成果によって、優れた自分は四年間の達成を得て、そして社会に出してくれたという感謝をしている学生が、大学側に対して、どれぐらいいるかというと、大学の努力はまだまだ足らない部分があるというふうに思いますから、私は、出口管理含めて、大学教育の四年間についてはもっともっと大学側は真剣に厳しく学生指導や研究をやっぱりしていただかないと、世界の中では生き残っていけないというのは大学の問題ではなくて日本の子供たちの問題でもあると思うんですね。
 それから、入学試験の在り方でありますけれども、私は発達段階においてやっぱり子供の評価は違うと思います。例えば、中学入試や高校入試で人物評価できるのかというと、人格完成のまだ途中の段階で同じようなことを、つまり大学入学試験改革と同じようなことを高校入試や中学入試でするというのはこれは相当の無理があるというふうに思いますし、発達段階に応じた入学試験の在り方はあるべきだと思います。
 だからといって、今の中学入試や高校入試がいいというふうには全く思っておりません。学力検査においては、平成十九年の学校教育法改正や学習指導要領を踏まえて、知識、技能のみならず思考力、判断力、表現力等を踏まえた幅広い学力を問う問題の作成や、その実施の工夫について多くの教育委員会が問題意識を持って取り組んでいるところでありますし、真の学力とは何なのかという点から、今までのような暗記、記憶を中心とするような入学試験の在り方ではなくて、もっと幅広い、学問における、学力における、そういう観点から入学試験については是非もっと研究をしていただきたいと思っています。
○斎藤嘉隆君 大学教育の重要性、大学が努力をしていかなければならないことというのは全くそのとおりだと思うんですね。であるからこそ、大学が研究とか学生の指導にきちんと力を注ぐことのできる環境をつくっていく、このことも文科省さんの役割だと思いますので、僕が心配をしているのは、余り受験が複雑になってしまうとそういったことに割く労力が少なくなっちゃうんじゃないか、そんなことも危惧していますから、是非これから中教審の、繰り返しになりますけれども、そんな視点も含めて御議論をいただきたいと思います。
   〔委員長退席、理事石井浩郎君着席〕
 時間が少しずつなくなってきました。ちょっと若干ほかの話題に触れたいと思います。国家戦略特区について少しお聞かせをいただきたいと思います。
 衆議院でも随分議論になったと思います。公立学校運営の民間への開放、いわゆる公設民営学校の設置の件であります。民間への運営の委託というふうに聞きますと、かつて構造改革特区の中で進められた公私協力学校とか株式会社立学校と、こういったものをどうしても私なんかは想起をしてしまいます。
 公私協力学校は、いわゆる自治体と民間の事業者が一緒になって学校法人をつくって、自治体が例えば場所を提供をしたりして、そこで新たにつくった学校法人が、言ってみれば学校法人の下で設立をされた学校だというふうに僕は認識をしています。それから、株式会社の学校、文字どおり民間企業によって設立をされた学校、これも当然そうですけれども、公的な財政支援はないというように考えています。
 今回の国家戦略特区法案の中で示されている公設民営学校というのは、もう少し、この株式会社とか公私協力学校とまずどこが違いがあるのかというのを、少し簡単でいいのでお知らせください。
○政府参考人(前川喜平君) 構造改革特区法に基づきまして平成十五年より導入されました株式会社立学校でございますが、これは本来学校法人に限定されております私立学校の設置者につきまして、特例的に特区内において株式会社の参入を認めるというものでございます。
 また、平成十七年に同じく構造改革特区法の一部改正で可能になりました公私協力学校でございますが、これは地方公共団体と民間主体が協力いたしまして学校法人を設立し、地方公共団体が校地、校舎等を提供するなどの連携協力を行い、高等学校あるいは幼稚園を対象にして学校運営を行うということを可能にするというものでございます。これも私立学校としての位置付けでございます。
 他方で、国家戦略特区で検討することとしております公設民営学校でございますけれども、これは公立学校としての枠組みを維持したまま公立学校の管理につきまして民間のノウハウを活用するというものでございます。
 いずれも特区内において民間の活力を得ながら教育活動を実施するという点では共通しておりますけれども、民間の設置者が自ら管理するという構造改革特区制度、これは株式会社立にいたしましても、また公私協力学校につきましても、これは私立学校としての位置付けになるわけでございますけれども、こういった民間の設置者が自ら管理する構造改革特区制度とは異なりまして、国家戦略特区で検討しております公設民営学校の方は、公立学校として設置、管理されるものであるということでございます。公立学校として設置、管理されるけれどもその運営につきまして民間に委託するということでございます。ですから、公立学校としての形態を維持することになりますので、公立学校としての公共性を担保するとともに、地方公共団体からのこれまでの提案では、一般の公立学校と同様の財政措置が講じられるべきものとされているところでございます。
○斎藤嘉隆君 ということは、今回示されている公設民営学校とはあくまで公立学校であって、運営の部分だけ、子供たちへの指導も含めて、例えば民間事業者に包括的に委託をしていくということなのかなと思いました。しかもそこには、公立学校ですから、他の学校と同じように税金が投入をされるということですね、恐らく。
 僕ね、基本的に、大変言葉は悪いけど、性懲りもなくなぜまた民間事業者による運営というのにこだわるんでしょうか。経済社会のいろんな論理とか規制緩和の考え方とか、そういうのは分かります。分かりますけれども、過去見れば、それは公立か私立かの違いはありますけれども、様々な問題が、トラブルが多くあったと思います。経営不振による募集の停止とか、それからルールを逸脱をした運営とか無認可の施設とか。公立なんでそんなことはあり得ない、だから今回公立の学校なんだということなのかもしれませんけれども、是非、経済とか効率とかいった観点ではなくて、文科省なので、教育、それから子供たちにとってどうなのか、こういう視点で、文科省としてのこのことに対する明確な高いハードルというか、そういったものを投げかけるべきでないですか、省として、いかがですか。
○国務大臣(下村博文君) 官尊民卑とは申し上げませんが、民間の方が劣っているというような時代では私はないというふうに思うんですね。ですから、民間でも優れたところについては、よりそれを教育の中で反映するということが結果的に子供たちにとって望ましいということであれば、柔軟な発想を持つべきであるというふうに思います。
 公立学校の民間開放については、国家戦略特区法案の附則において、産業の国際競争力の強化及び国際的な経済的活動の拠点の形成の推進を図る観点から、地域の特性に応じた多様な教育を実施するため、公立学校の管理を民間に委託することを検討するということでございまして、公設民営学校に競争、経済的な原理とか、いかに利益を上げるかとかいう視点でそもそも公設民営学校をつくることではないということであります。
 今もお話がありましたが、この公設民営学校というのは、あくまで地方公共団体が設置する学校であって営利を目的とするものではありません。ただ、それぞれの自治体が公立の学校を運営をしているけれども、民間、民間の中には株式会社もあります、NPOもあります、あるいは既存の学校法人もあります。そういうところが優れた教育について対応できるというところについて、それぞれの自治体が公設の中で民間ノウハウを導入して、そしてこれはあくまでも公立の学校ですから、株式会社立になるということではもちろんありません。公設の学校として民間のノウハウを導入して、より今の公立学校では対応できない部分、その中のイメージとして、例えば国際バカロレア的な部分とか、それからあとは今の公立学校の中で付いていけない発達障害児等の、より特化した形で民間が優れたノウハウを持っているのであれば、それを公立学校内でやるというようなことをこの国家戦略特区で行うことによって、これからの時代に必要ないろんな多様な能力を公立学校で更に育てていただく、それが国際競争力の中でそれを支える人材育成につながっていくのではないか、そういう考え方であります。
○斎藤嘉隆君 僕もそんな公設のものと民間と比べて公設のものが優れているなんという考えは到底持っておりませんけれども、ただ、今の公立学校で、大臣が今おっしゃったみたいに、できないこと、例えば発達障害児の指導とか、こういったものを民間のノウハウを生かしてということであれば、これは今までの公立学校でもできると思いますし、それを既存の公立学校の仕組みの中でやっていくということも文科省さんとして重要なことなんじゃないでしょうか。
 私、税金が投入されるということなんで、これ恐らく細かなことはこれからの議論になってくるだろうと思います。例えば、そこで働く教員というものの採用は自治体がするのか、あるいは民間の事業者だったら事業者の方がするのか。いわゆる当然の法理と言われている考え方はどう生かされるのか。じゃ、そこの教員の処遇や立場というのはどうなるのか、民間事業者が独自に決めるのか。学校法人でもない民間の事業者がこういったものの運営を委託を受けるということは、じゃ、一体その民間の事業者にとってのメリットはどこにあるのか、営利でないはずですので。
 ちょっと、そういうところが今回、あの短い文章の中で公設民営学校という理念が示されてきていて、恐らくこの後自治体から形が何らか上がってきて、それを、文科省さんなのか内閣府なのか分かりませんけれども、中身を精査して、検討して、実際スタートするかどうかというのをこれから決められると思うんです。是非、その段階で、大臣、今おっしゃられたことともかかわりますけれども、教育的な視点で、子供たちにとってどうなのか、過去の様々な事例も含めた中で、是非十分に十分に御検討をいただきたいと思います。
 何かコメントがあれば。
○国務大臣(下村博文君) 御指摘についてはそのとおりだというふうに思います。既に公設民営学校で枠としてこうだということを確定しているわけではないということで、どうなるかよく分からないということについてはおっしゃるとおりだと思っています。
 これは、国家戦略特区の対象になったエリアの自治体、都道府県であったり市町村であったりしますが、そこが公設民営学校をつくりたいと。うちのところはこういう公設民営学校をつくりたいという申請が上がってきたら、これは文部科学省が対応します。文部科学省の中で、その個々のニーズに合った的確な形、しかしあくまでもそれは公設ですから、教員の身分もその株式会社の社員ではなくて、それは公務員的な立場で仕事していただくと、そこに税金が投入されるわけですから、公立学校ですから。
 ですから、株式会社が委託をされても、株式会社の社員ではない、そのままあり続ける、あるいはそこの利益が出たら株式会社の本体に戻すということはもちろんあり得ない話でありまして、株式会社が参入したとしても、この公設民営学校は新たな法人として位置付けてやってもらう必要があると。そうでなければ危惧される点が出てくるわけです。ただ、個別具体的にどういう形になるかは、それぞれの自治体が上がってきたことに応じながら、相談をしてやっていきたいというふうに思っています。
   〔理事石井浩郎君退席、委員長着席〕
○斎藤嘉隆君 もう時間が来てしまいましたので、これぐらいにしたいと思います。
 ほかにもちょっといろいろお聞きをしたいことがありましたが、今の公設民営の在り方については、繰り返しになりますけれども、是非教育的な視点で、これは文科省しかできませんので、文科省さんが本当に子供たちのためにどうなのかと、こういう視点で、是非極めて高い水準を求めていただきたいなというように思います。そのことを最後にお願いを申し上げて、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。質問の順番に御配慮いただきまして、ありがとうございます。
 非正規で働く教員が増加をしています。文部科学省の調査では、二〇一二年度の臨時、非常勤などの教員は公立の小中学校で十一万三千人、これに特別支援学校や高校、また市区町村費による非正規任用などを合わせると約二十万人に上ると推測がされます。その結果、公立学校では今や教員の五人に一人が非正規という状態で、しかもほとんどの自治体がそれを定員の中に入れているため、自治体によっては担任教員の四分の一が臨時任用という事態まで起きています。
 年度始めからクラス担任などに非正規の教員を充てているため、産休や病休の代替という本当に臨採が必要なとき、このときに配置ができない。副校長などが担任の代替をせざるを得ないなど、現に学校運営に支障を来す事態も起きています。これは、公立だけでなくて、私立の学校でも同様の状況だと思います。
 まず大臣にお聞きをしたいのは、こうした非正規の増大が学校教育に与えている影響についてどのような見解をお持ちか、お聞かせください。
○国務大臣(下村博文君) 公立学校で任用されている非正規教員は、御指摘のように近年増加傾向があります。習熟度別指導や多様な教科指導、様々な教育課題への対応など、重要な役割を担っているという、そういうところもあります。一方で、勤務時間や任用期間の都合によって、児童生徒に対する継続的な指導が制約されたり、教職員間、地域や保護者との連携が困難になるなど、体系的な研修を受ける機会が乏しいということなど、様々な課題もあるというふうに考えております。
○田村智子君 これは、文部科学省が昨年、二〇一三年度予算の概算要求資料を作りまして、その中には、国の計画改善がないため、都道府県が先の見通しを持った計画的採用・配置が行えない、臨時的任用教員など非正規教員が近年増加傾向にあり、学校運営や教育の質の面で問題だと、自ら国の責任を認めざるを得ないような、こういう資料を作るという事態なんですね。
 これは、重大な問題なので十分時間を取って取り上げたいんですが、今日は時間限られていますので、こうした中で、非常勤や臨時的任用などの教員が直面している不当な勤務条件の問題に絞ってお聞きをいたします。
 地方公務員法二十二条による臨時的任用の教員は、法律上は任期は六か月が上限で、更新は一回までとされています。文字どおり臨時的であることが原則なんです。ところが、実態は、年度末に一日とか数日の空白を設けて何度でも更新を繰り返すという脱法的なやり方が広範に行われています。これは、地方公務員法十七条による非常勤の教員についても同様です。
 この空白期間が大きな不利益をもたらしている、その一つが健康保険や厚生年金の問題で、この加入資格は月末日で見ているんですね。三月三十一日が空白期間に含まれていると、脱退手続が行われて国保や国民年金の加入手続を取らなければならない。この脱退手続のために、保険証も事前に返却を求められて、そのため受診控えとか十割負担での受診が強いられると、また毎年三月は国民年金への切替えを余儀なくされるので、年金額にも当然不利益が生じてまいります。
 今国会で、実は私、この問題で吉良よし子議員との連名で質問主意書を提出したんですけれども、具体的な答弁がいただけなかったので改めて確認をしたいと思います。
 日本年金機構は、二〇一〇年五月七日に、再度雇用されることが決まっているのに雇用期間に一日だけ空白が生じている健康保険被保険者の資格の得喪失について、「辞職の手続を履行したと否とにかかわらず現実に使用せられざる状態におかれた日が使用されなくなった日であるから、一日だけ雇用契約が空いたとしても、引き続き被保険者とすることが妥当」という見解を示しています。厚生労働省も同様の見解かどうかを確認いたします。
○政府参考人(樽見英樹君) 厚生労働省としても同様の見解でございます。
○田村智子君 つまり、任用期間終了時に同じ任命権者又は同じ自治体に再度任用されることとなっているが、再度の任用までに一日若しくは数日の空白期間があるという者の場合、引き続き健康保険、厚生年金の被保険者になるということだと思いますが、これも確認したいと思います、厚労省。
○政府参考人(樽見英樹君) 被保険者資格、引き続き被保険者となるか否かということについては、就労の実態に照らして個別具体的に判断する必要があるという考え方でございますけれども、御指摘のような場合で、例えば事業主と被保険者の間であらかじめ次の雇用契約又は任用の予定が明らかであるといったようなケースで事実上の使用が継続していると認められる場合には、被保険者資格は継続するものとして取り扱うことが妥当と考えております。
○田村智子君 学校現場では、三学期の残務処理を三月の後半までずっと行った後、新年度の新しい任用先が決まるまで待機をするということが広範にあるんです。自治体によっては、任用期間終了の時点では再度の任用が決定していなくても、空白が短期間である場合には資格を喪失させないという扱いをしているとも聞いています。
 この任用期間の終了後、あらかじめ次の任用が告知をされていないけれども一日ないし数日空けて同じ任命権者により同様の仕事に任用されるなど、実態として任用が継続していると言える場合には、健康保険、厚生年金の被保険者の資格はどうなるか、これも厚労省、お願いいたします。
○政府参考人(樽見英樹君) 事実上の使用が継続していると認められるかどうかということの判断になるわけでございまして、まさに就労の実態に照らして個別具体的に判断する必要があるというふうに考えておりますので、今のようなケースについてちょっと一律にお示しするということはなかなか難しいかなというふうに考えております。
○田村智子君 これは実態を踏まえるんだという御答弁だったと思います。
 私、質問主意書で、このような見解を是非厚労省に、明らかにして、そして必要な周知を図ってほしいということもお願いをいたしました。今こういう見解が示されましたので必要な周知を図っていただきたいと思うんですが、どうなりますでしょうか。
○政府参考人(樽見英樹君) このような取扱いに関する解釈、一番初めに先生お引きになりました「辞職の手続を履行したと否とにかかわらず現実に使用せられざる状態におかれた日」という考え方というのは、実は昭和二年二月五日の通知ということで、従来からお示ししてきているということなんでございますけれども、大変古いものでございますし、御指摘のような状況を踏まえまして厚生労働省として改めて解釈を示し、必要な周知を図るといった対応を適切に取ってまいりたいと考えます。
○田村智子君 これ、日本年金機構などにそうした周知を行っていただくということでよろしいでしょうか、地方公共団体や年金機構に。もう一度お願いします。
○政府参考人(樽見英樹君) 私どもとしては、年金機構に対してこのような周知を、指導を図ってまいりたいと考えております。
○田村智子君 今御答弁があったように、現実に使用が継続しているか否かで健康保険の資格の得喪失を判断するという解釈は、御答弁のとおり、昭和二年からの一貫した健康保険上の解釈なんです。にもかかわらず、地方公共団体の一部は、実態として任用が継続しているか否かにかかわらずに機械的に被保険者資格を喪失させて、臨採や非常勤の教員あるいは自治体の職員に大きな不利益を与え続けてきました。これは、地方公務員制度を所管する総務省にもきちんとした対応や地方公共団体の指導をお願いしたいと思いますが、総務省、いかがでしょうか。
○政府参考人(三輪和夫君) お答え申し上げます。
 地方公共団体の健康保険及び厚生年金保険の適用事業所に対する調査につきましては、日本年金機構が実施をされ、また、その年金機構に対する指導あるいは各保険の適用に関する解釈についての必要な周知、こういった対応は所管の厚生労働省において適用されているものと承知をしております。
 総務省といたしましても、臨時・非常勤職員の任用の在り方等々に関します通知を平成二十一年四月に発出をいたしまして、厚生年金、健康保険等の適用につきまして、各法律に基づく適用要件にのっとった適切な対応が図られるように、地方公共団体に助言を行ってきたところでございます。
 今後も、臨時・非常勤職員に対する社会保険の適用につきまして、厚生労働省の見解も踏まえて、総務省としても必要な周知を図るなど、対応を検討してまいりたいと、このように考えております。
○田村智子君 是非よろしくお願いしたいと思います。
 厚労省と総務省の方への質問は以上ですので、委員長のお許しあれば御退席いただいて構いません。
○委員長(丸山和也君) では、退席していただいて結構です。
○田村智子君 では、続けます。
 次に、改正労働契約法にかかわる問題についてお聞きをいたします。
 有期雇用契約の反復によって五年を超えて契約が行われた場合、無期雇用への転換を図ることとなりました。ところが、早稲田大学など大学や研究機関等で、この法改定を受けて、更新回数、契約期間の上限を五年以内とする就業規則や労働契約の変更が今相次いでおります。
 さきの通常国会の予算委員会で私この問題を取り上げまして、下村大臣からは、「教育研究上の必要があり、能力を有する人が一律に契約を終了させられることにならないよう、適切な取扱いを促してまいりたい」と、こういう御答弁をいただきました。とても大切な答弁だと思います。
 ところが、実態は更に深刻になっていまして、これが高校などの学校にも広がっているんです。全国私立学校教職員組合連合の調査では、これは全国の私立高校のおよそ一三%に当たる百七十六校から回答があったものですけれども、東京や愛知など少なくとも二十五の学校が今年から新たに非正規の教職員の雇用期間を五年以内と制限をしていることが分かりました。この学校の中には、なぜそうやって変更するのかと、それは労働契約法が改正をされたからだと、これを理由にしているところまであったわけです。
 大臣、このように私立の高校にまで脱法的なやり方が広がっている、このことを承知していたかどうか、まずお聞かせ願います。
○国務大臣(下村博文君) 基本的に脱法ではないというふうにまず思います。
 文部科学省としては、学校法人内の就業規則について届出等を受ける立場ではございませんので、その内容については、今の御指摘については詳細は把握をしておりません。報道等によれば、有期労働契約の更新の上限を五年とする就業規則の改定を行った学校法人もあるということは認識しております。
○田村智子君 私は、違法とは言っていないんですよ、脱法的というふうに言ったわけです。何でかというと、これは厚生労働省が労働契約法をなぜ改正したかというパンフレットにも書いてありますけれども、これは非正規労働者の雇用の安定を図るための措置なんだと、五年も働いていたらその職場にとって必要な人でしょうと。私たちは、これ、もっと短い期間で見るべきだというふうに思っていますけれども、だから、何度も何度も半年とか一年の契約を繰り返すことが必要なくなるように、少なくとも契約期間については無期とするんだと、これは雇用の安定を図るためだと。
 ところが、その改定を受けて、一律に、これまで六年、七年と働いてきた人も含めて、一律に五年以上は雇わないよと、契約更新やらないよとやることは、これは法の趣旨と反するような脱法的なやり方ではないかという指摘をしたわけです。
 実際、私立高校は今や教員の四割が非常勤の講師で、こういう皆さんが一律に機械的に五年未満で学校を渡り歩くというような事態になれば、これは学校教育上の問題が生じますし、教育の質の低下につながるということは明らかだと思います。だから、私学の経営者の中には、こうしたアンケートの結果も見て、私学にとって非常勤講師は不可欠な存在であり、特にベテランの講師は財産だと、こういうふうに述べられた方もいらっしゃるんですね。
 一律に機械的に非常勤の講師などを五年で雇い止めにしてしまう、これはやっぱり、私、何らかの対応が必要じゃないか。あるいは、一体どういう人を雇い止めにするのかという実態調査なども、これは学校教育の向上ということを考える上でも、私、文科省、何らかの調査など必要だと思うんですけど、大臣の御見解お聞かせください。
○国務大臣(下村博文君) 私立学校の教員の雇用については、一般の民間法人と同様、各学校法人との間で労働関係法令にのっとってなされるものであるというふうに思います。
 このため、各学校法人において、公教育を担う立場から、教育の質の維持向上という面も考慮しつつ、各学校法人がそれぞれの教育ニーズや経営状況を踏まえて自主的かつ適切な判断をするべきものであるというふうに思いますが、いい教員は是非これはきちっと確保していただきたいと思います。
○田村智子君 これは、教員の地位にかかわるような問題なんですよ。社会的権利にかかわるような問題だと私は思うんですね。しかも、国の法律の改定によって短期間に切り捨てられると。国の法律の改定によってなんですよ。これ、厚生労働省所管の法律だとしても、文部科学省にもかかわる問題ですから、これ重大な関心を持って是非実態の調査などもしていただきたいということを、これは繰り返し要望しておきたいと思います。
 残る時間に、二十六日に質問時間が余りに短いために時間切れでできなかった問題を一問だけ質問をさせていただきます。
 奨学のための給付金という問題についてお聞きをいたしました。給付制奨学金という言葉を使わずに奨学のための給付金というふうに文科省は言っておられると。これは、二十六日の日に、就学援助制度の高校生版というようにして予算要求をしているということも文部科学省は事実上お認めになりました。
 この就学援助制度は、生活保護以下の低所得の世帯だけれども生活保護を受けていないという小中学生は全て対象にしているんです。ところが、今度の奨学のための給付金は、文科省の制度設計見ますと、支給対象、まあモデルケースですけど、世帯収入二百五十万円以下と、こういうふうにするというふうにしているんですけど、これでは、私たちが試算したところ、住んでいる場所とか世帯の構成によっては、生活保護世帯の収入を下回ってもこの奨学のための給付金が受けられないという場合が生じてしまうんです。
 これ、少なくとも、生活保護水準以下の収入だと、だけど生活保護を受けていないと、こういう世帯は全て対象とすることが必要だと思いますが、大臣の見解をお聞かせください。
○国務大臣(下村博文君) おっしゃるとおり、この奨学のための給付金については、住民税が非課税である年収二百五十万円未満程度の世帯を支援とする対象でございますので、対象に入ります。
○田村智子君 これは、例えば東京都など、地域によって額が違うんです、生活保護の額が。世帯構成によっても違って、今の二百五十万、住民税非課税というだけでは漏れる人が出てくることは明らかなんです。
 漏れることのないようにもう一度是非細かく見ていただきたいんですが、大臣、もう一回お願いいたします。
○国務大臣(下村博文君) 今申し上げたように、住民税が非課税である年収二百五十万円未満の世帯、これは対象であるということです。その枠の中できちっと対象として給付をいたします。
○委員長(丸山和也君) 田村君、時間が来ています。
○田村智子君 時間がないので終わります。
 是非、今後検討をお願いいたします。
○松沢成文君 みんなの党の松沢成文でございます。大臣、お疲れさまです。
 これまで同僚委員から日本の教育現場の様々な具体的な事案について厳しい質問がなされておりましたけれども、私は、ちょっと大きなテーマでまた大臣と少し意見交換をして質問をしていきたいなというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 そのテーマは何かといいますと、日本の教育のあるべき姿、中でも政治参加教育、英語ではよくシチズンシップエデュケーションと言われますけれども、この政治参加教育の在り方について、日本の現状を憂えて少し質問をさせていただきたいと思います。
 私たち参議院議員も、そして大臣も衆議院議員でありますから、公職選挙で国民に選ばれて、そして政治家として国民の代表として政治をつかさどっているわけですね。この国民の信任を得て仕事をしている、信任を得る場は公職選挙の場であります。私は、この公職選挙の投票率がどんどんどんどん時代とともにというか年を重ねるにつれて下がり続けている。これは日本の民主政治の危機だと思っているんですね。
 大臣、覚えているか分かりませんが、昨年十二月の衆議院の総選挙の投票率五九・三二%、いよいよ六〇%を切ってきました。中でも驚くべきことは二十代ですね。これ、投票率というのは、大体二十代、三十代、四十代とだんだんと、社会の経験もあって税のことや教育のことや社会保障のことに直面しますから、だんだんと上がっていくんですね。どの民主政治国家でも若年の投票率が低いのは同じような傾向があるんですが、この二十代の投票率が三七・八九%です。
 私たち参議院議員、この前の七月の選挙で当選してきた方も多いと思います。私もそのうちの一人ですが、何と参議院選挙の投票率は五二・六一%ですね。もうこのまま行くと五割を切ってきそうな感じです。その中で、二十代の投票率が三三・三七%。もう平成に入って参議院議員の選挙をやるたびに二十代の投票率は三〇%台です。つまり、三人に一人しか投票にも行かないという状況の中で選挙が続いているわけですね。
 これ地方選挙になると、もう本当に惨たんたる状況ですよ。実は、今年の十月に私の地元の川崎で市長選挙がありました。これまでずっと川崎というのは大体三六%ぐらいだったんですね、市長選挙を何回やっても。それが、今回、三二・八二%まで落ちました。現職が引退して新人同士の新しい市長を決める選挙なのに、もう三人に一人も有権者は選挙権行使しないんですね。驚くことに、二十歳代は何と一六・二五%です。つまり、川崎市民の六人に一人しか若い人、二十歳代は選挙に行かない。三十歳代でも二六・二九%。まあ五人に一人ですね。こういう状況がずっと続いているというよりも、投票率、日本の公職選挙における投票率は下がり続けています。
 これは教育というよりも、大臣、政治家として、この日本の公職選挙の投票率が下がり続けている、つまり国民あるいは地方選挙においては地方住民が政治や行政や自分たちの町のこと、国のことに対してほとんど関心がなくなっている、あるいは関心があるかもしれないけれども選挙に行かない、こういう現実を大臣はどう認識されておりますか。
○国務大臣(下村博文君) 御指摘のように、若年層の投票率を含め一般に投票率が低いということについては、これは民主主義の健全な発展の観点から大変遺憾なことであるというふうに思いますし、一つの危機だというふうに思います。特に、若者の投票率が低いことは大変憂慮すべきことであり、次代の有権者となる我が国の子供たちに政治参加や選挙の意義について理解をさせることは大変重要であるというふうに思います。
 もう十年以上前になりますが、十八歳に選挙年齢を引き下げるNPO、若い人たちの集まりに、当時、私、青年局長を自民党でしておりましたので、参加をする機会がありました。高校生たちが自ら模擬投票等することによって参加意識を高めていく。これはもう大変すばらしいことであって、是非選挙についても関心を持つような、そういう環境をつくっていく必要があるのではないかというふうに思います。
○松沢成文君 さすが下村大臣、視点が鋭いと私は認識しました。
 選挙における低投票率、私も様々な原因があると思います。例えば、私ども政治家の側あるいは政党の側が、国民や市民に対してきちっとした選択肢を示していないとか、あるいは政策を分かりやすく伝えられていないとか、こういう政治の供給者である政治の側にも様々問題があると思います。
 もっと言えば、スキャンダルばかりが起きて、それがメディアで報道されて、政治家というのは何か裏で悪いことをやっている人間じゃないかというようなイメージを小さい子供たちに持たれちゃっている、こういうこともあると思うんですね。
 ただ、私は、日本において、どうしてこれだけ公職選挙の投票率が上がらないかというか、下がり続けているかは、やはり最大の原因は教育にあると思っているんです。一言で言うと、日本の今の学校教育あるいは教育の中で、政治に参加することの重要性、つまり民主主義国家を維持するには投票権は権利であると同時に義務なんだと。みんなで政治に関心を持って、そして政治に参加する最も大きな機会である、選挙のときにはしっかりと自分で政策を見て、候補者を見て、そして選挙権を行使する、これが物すごく重要なことなんだということを学校でも全く教えていないんですね。私はここに最大の問題があると思っています。
 むしろ、これまで日本の学校の教育現場というのは政治を遠ざけてきた。もちろん、教育というのは政治的に中立でなければいけません。例えば、先生が、この政党がいいからみんな応援しなさいね、将来はなんて言ったら、これは政治の偏向教育ですよ。これは絶対にあってはいけないんです。ですから、政治色を出しちゃいけないわけですね、学校の中で。しかし、しっかりと選挙のときには候補者や政治家の政策を見て、自分で判断して投票に行くということが民主政治国家を形成するに当たっては物すごく重要なことなんだと。そういうことを教育で教えていないから、急に二十歳になって、はい、選挙権がありますよといったって、ぴんと来ないんですね。自分が行ったって一票で何が変わるの、この国の政治、全然自分なんかと遠い存在で全く関係ないわという意識でみんな二十歳になっていくわけです。
 私は、そこに最大の問題があると思っていますけれども、大臣はいかがでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 全くおっしゃるとおりだと思います。
 ある大学で、選挙年齢を十八歳に引き下げることに対して賛成か反対かということで、学生を幾つものグループに分けて議論をするイベント企画がありまして、そのときに私参加をして話を聞いていて驚いたんですが、十八歳に選挙年齢を引き下げるということについて、これは今の十八歳、二十歳ぐらいの大学生は、これは権利だと思っていないんですね、義務だということで、そんな義務は要らないと。二十歳から十八歳に義務を押し付けるというようなことについては迷惑だという感覚の大学生の方が多いんですね。
 ですから、是非十八歳に、それは権利にしてもらいたい、行使したいと思っている学生の方が圧倒的に少ないということで、本当に率直に言ってがっかりしました。今までの民主主義社会における足跡の中で、いかに我が国においても普通選挙の獲得の歴史を全く理解していないと。今は、学生は逆にそれを重たいものだ、要らないというような学生の方が多いということは、御指摘のある今の投票率の低下にもやっぱり影響していると思います。
 しかし、民主主義社会の中でやっぱり一人一人が同時に社会を、国を支えていく主権者であるわけですから、主権者としてのきちっとしたこれは教育だとやはり思います。なぜ一票を行使することは大切なことなのかということを発達段階に応じてきちっと教えていくことによって、日本の大学生、これは大学生だけでなく、同じようなことを私は高校生が国会見学に来たときに、高校三年生のいるところでこれを聞くんですね。そうすると、十八歳に選挙年齢引き下げたら選挙へ行くと、それを求めるという学生はどこの高校においても少数派なんですね、要らないと。これでは将来の民主主義というのはこの国において成り立たないのではないかと、そういう思いを持っておりますので、教育というのは大変重要だと思います。
○松沢成文君 政治参加教育の重要性、大臣も大変重く認識しているということで、私も大変力強く思っています。
 私もいろいろとこの問題興味を持ちまして、世界の国々調べてはいるんですけれども、政治参加教育が最も進んだ国は恐らく中米のコスタリカだと思います。この国では大統領選挙四年に一回ありますけれども、ほとんどが、七〇%から八〇%行っています。
 その最大の原因は、模擬投票にあるんですね。四年に一回の大統領選挙は、これもう全国民が参加するんです。要するに、十八歳以上の有権者は選挙権がありますが、十八歳以下の子供たちにも投票権があるんです。したがって、全ての大統領選挙の政党の大会にも親は子供を連れていきますし、何と投票に行くときに子供がいる親は子供も一緒に連れていかなければならないんですね。それで、親は本物の選挙権者用の投票箱に入れて、子供は子供用の投票権を行使する模擬投票箱に入れるわけですね。こうやって、選挙のときに子供を様々な政治活動にも、あるいは投票行為にも参加させて選挙の重要性というのを教えていくということをやっております。
 それで、驚いたことに、この結果も公表するんです。子供たち、十八歳以下の投票のカウントも全部公表して、十八歳以上の本物のカウントと比べ合ってまた議論するんですね。こういうこともやらせているんです。
 実は、民主政治の先輩国アメリカは、モックエレクションと呼ばれていますけれども、大統領選挙に大体六百万人から八百万人の高校生が模擬投票で参加をいたします。これも結果発表がありまして、驚くことに本物の選挙の二、三日前に結果が発表されるんです。ですから、その結果も見て親も、おっと、十八歳以下はこんな結果かよと考えるわけですね。
 こうやって、カナダでも、ドイツでも、イギリスでも、フランスでも、民主政治の先進国はみんな学校教育の中というよりも、学校、家庭、地域社会が連携して、公職選挙に子供も参加させて選挙の重要性を教えているんです。それが一つの仕組みとしてでき上がっているんですよね。本当に驚くべきことだと思います。
 実は、アメリカの選挙支援委員会、連邦政府の中にありますけれども、日本でいうと選挙管理委員会ですね、ここが大統領選挙のときには三十万ドルの補助金を、まあ三千万ぐらいですけれども、民間団体に出しています。その民間団体、NPO団体みたいなものですが、そこが様々な模擬投票の仕組みをつくって、各学校はそれを使って子供たちに選挙をやらせるんです。これは高校生だけじゃないです。もう中学生、小学生までやっているところもあります。実は、コスタリカでは最年少の投票は二歳の子が投票していますからね。ここまで行くとちょっと選挙のことは分かっていないかもしれませんが。そうやって、本当にもう学校、地域社会、家庭が連携してやっているんです。
 よく言われるのは、政治家が堂々と学校の中に入っていきます。日本の場合は、政治家が学校の中に入っていくと、いろいろ政党も見られて、何であんな人を呼んだんだなんていって学校で問題になるんですね。そうやって政治というのをシャットアウトする傾向にあるんです。ですから、我々議員も学校視察は行けますけれども、なかなか学校の授業の中に入っていったりできない部分があるんですけれども。
 アメリカの場合は、これはカナダの事例ですけれども、大統領選挙の候補者を小学校が招いて、そこでディベートをしてもらって小学生からの質問を受けるんです。親も全部聞いています。そういう、小学生に対して、未来の有権者に対しても易しく分かりやすく自分の主張を伝えられるか、こういう能力も見られるし、そして政治家の側もみんな協力して小学校の現場、中学校の現場に入っていって、それで子供たちと対話をして今の政策の重要性だとか選挙の重要性を教えていくわけですね。
 それで、驚くべきことに、先生は生徒に宿題を出すんです。この問題についてはすごく重要な問題だから、家に帰ってお父さん、お母さんと相談していらっしゃい、意見交換をしていらっしゃい。例えば、今だったら消費税増税について、いい部分、悪い部分あるでしょう。それを子供が家庭の中で議論をする、これを奨励しているんですね。そうやってまた子供たちはお父さん、お母さんの意見も持って帰ってきて、それでまた教室で議論をする。教室でも政党別に分かれてロールプレーでディベートをやったりしています。これは本物の選挙に合わせてですよ。だから、アメリカだったら共和党チーム、民主党チーム、併せて、じゃ、みんなもどう考えるか意見交換してみなさい、やっているんですね。
 つまり、投票行為だけじゃなくて、公職選挙を利用して家庭、学校、地域、社会それぞれで、みんなで政治の議論をして、それで政治的に成熟した国民になっていこうと。つまり、自分で情報を集めよう、自分の考えをしっかり持とう、そして相手の意見も聞こう、そしてディベートをしてみよう、それで最終的に自分の判断をして、しっかり投票に行って意思表示をしよう。これがいかに民主政治をつくっていくために重要なのかというのを教育の中でというか、もう社会の中でしっかりと教えているんですね。まあアメリカの投票率がそこまで高くはないのは残念ですが。
 ただ、私は、こういう何か仕組み、制度というのが日本にも求められていると思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) それは、おっしゃるとおりだと思います。自民党の方でも、高校新科目公共というのを提案を今していて、私、それを受けて、今後、文部科学省の中で検討していきたいと思っているんですが。
 この新科目公共というのは、主体的に社会生活を営む上で具体的に必要な知識や実践力、態度を身に付けるということの中で、今委員が御指摘の政治参加、選挙などですね、こういう項目が入っていたり、あるいは働くことについての重要性とか、それから結婚や家族、相続なども含めた重要性とか、消費生活、金融とか投資とか、それから資源とか環境とか、それから税とかですね。つまり、市民、一般の国民として学ぶべき、あるいは常識的に知っておくべき、あるいは民主主義社会の中で社会を支えていく一人としての基礎的なものについて、この新科目公共。
 これは、中学校でしたら公民というのがありますが、今のような、松沢委員のような指摘の中で、今まで日本の学校教育の中で位置付けられてきたかというと、やっぱり遠ざけられて、特に選挙関係、政治関係ですね、という部分があったというふうに思います。これは、一党一派に偏するような教育はもちろん排除すべきですが、しかし、そうでなかったら、積極的なやはり民主主義教育というのをきちっと学校の中でもっと位置付けるべきだというふうに思います。
○松沢成文君 そこで、ちょっと具体的な例を出すんですが、私、神奈川県知事を務めていたときに、全県立高校で参議院の選挙のたびに模擬投票をやってみようという仕組みをつくらせていただきました。皆さんにもペーパーを配らせていただいている一枚目なんですけれども。
 実は、なぜ参議院議員選挙を選んだかというと、三年に一回ありますから、高校に在学していると一回は経験するんですね。これ、四年に一回の選挙だと経験しないで卒業しちゃう高校生もいるので、参議院選挙を選びました。それから、今、高校は結構全県学区になっています、神奈川もそうなんですが。そうすると、選挙区と学区が一緒の方が選挙をとらえやすいので、小さな選挙でやりますと、高校生は全県から来ていて自分の住んでいない地域の選挙をやることになってしまうので、参議院を選んだんです。公民科や現代社会の中でやっていこうと。あるいは、総合学習の時間でやっているところもございます。
 実は、参議院選挙前にまず三回の授業をやるんですね。一回目が、選挙の制度や投票の意義とか、あるいは選挙に関する基本原則みたいなものを教えたり、ディスカッションをします。二回目に、政党政治の在り方、そして投票率が低下している、なぜこうなってしまったのか、こういうことも議論をします。そして、三回目の授業で、ここは私も何度も見に行っていますけれども、各政党の主張を勉強させます。インターネットでマニフェストを引いてごらん、あるいは選挙公報をみんなで読んでみよう、そうやってもうこれは自民党から民主党から様々、子供たちに、主体的に情報を集めて、そして議論をしてもらっています。
 それで、どういう形で模擬投票をやるかというと、学校のロビーに投票箱、最近では選管から借りてきた本物の投票箱でやっているところもありますけれども、あと本物と同じような投票用紙で、これで、自分たちで政策を勉強して考えて、今回の選挙でどういう政党が伸びてくれるといいかなということを判断して、投票用紙にその名前を書いて投票してみようと、その実践までやらせているんですね。
 終わった後もきちっとそのフォローアップということで、投票の結果も終わって三十日してから発表します。これは公職選挙法との関係があって、人気投票をやっては駄目だと書いてあるので、これはいろいろと選管の方も非常に注意を払っておりまして、そういうことで結果についても、本物の選挙の結果と自分たちの学校の模擬投票の結果、ああ、こういう違いがあったんだなということで、生徒たちもそこから何かを学ぶように導いているんですね。
 実は、神奈川県での模擬投票制度導入に当たって様々議論がありました。私は、まず教育委員会で議論をお願いして、そしてこれは教育委員会だけじゃなくて選挙管理委員会、これ本物の参議院選挙を使って模擬投票をやりますから、生徒会の選挙とは違うわけですね。選挙管理委員会でもどこまでできるのか、様々な議論があった。ただ、神奈川では二〇〇七年に四校の試験校でやってみて余り問題がないということで、たしか二〇一〇年の参議院の選挙、そして一三年の今年の参議院の選挙で全校で実施をしています。
 もちろん、これをやったから、じゃ神奈川県の投票率が今後上がる、そんな簡単なものじゃないと思います。でも、こういう形で日本の中でできる形での模擬投票を実施をして、きちっと教育課程の中に位置付けて政治参加教育を教えていこうと、こういう方向をつくったわけなんです。
 私としては、是非ともこれを日本中に広げたいと思っているんですね。もうアメリカなんかも、大統領選挙の模擬投票は連邦政府の機関である選挙支援委員会がきちっと予算も取って、やりたいという高校に支援をしているんですね、民間団体を通じて。是非ともこれ日本中で、今回十八歳に投票権を下げるという議論もありますから、選挙権を下げるという議論もありますから、高校生のときにしっかりと政治参加の重要性を学んでもらうという意味で、是非ともこれ日本中に広げていきたいんですけれども、文科大臣として、こういう制度を日本の高校教育の中につくっていくという方向性はいかがお考えでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 非常にすばらしい取組だというふうに思います。松沢知事のとき神奈川県でこれを実践をされたということに対しては高く評価をさせていただきたいというふうに思います。
 これは、神奈川県から全国にという提案ですが、実際、詳細はちょっと今初めてお聞きしたので詳しくは分かりませんので、全国でどんな形でどう広げられるのかどうかと、その場合の課題が何なのかということについては検討する必要があるかというふうに思いますが、いずれにしても、高校生たちにそういう模擬投票等を通じて政治参加意識を養う教育の場を提供するということは、これからの創意工夫の中の一つとして大変重要なことであるというふうに思いますし、前向きに検討いたします。
○松沢成文君 二枚目のペーパーを見ていただきますと、実は神奈川県のシチズンシップ教育はこの模擬投票、政治参加教育だけではなくて、二つ目に司法参加教育というのをやっています。裁判員制度や検察審査会で一般の国民が参加するという司法の民主化の改革が行われてきて、やはり司法制度について何にも知らないというんじゃ困りますから、横浜の弁護士会に協力いただいて出前授業をやってもらったり、あるいは幾つかの高校が一緒になって模擬裁判をやって、高校生にロールプレーをやってもらって裁判の在り方というのを勉強してもらったり、こういう司法参加教育というのもやっています。
 それから、三つ目に消費者教育です。今おれおれ詐欺とか消費者被害もありますし、また、消費者として賢い消費者になって、食品の偽装の問題なんかもありますから、こういうものに対してどう対応していくのか、これもいろんな方に参加してもらって授業を構成しています。
 四つ目が道徳教育。国の方も道徳教育の教科化という方針が出ました。私も賛成であります。ただ、広い意味で道徳という、人間としてあるべき姿、これを考えるのであれば、この政治参加とか司法参加、あるいは消費者として賢い消費者になる、これも広い意味では道徳の中にも含まれる、関連すると思うんですね。
 是非とも、神奈川でこういうシチズンシップ教育、先行事例をつくらせていただいたんで、これを文科省として検討していただいて、今後、学校教育の課程の中に入れるとしたら、例えば中教審の方にもこういう政治参加教育や司法参加教育、どのような形でやるべきなのかということを検討していただければと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) このシチズンシップ教育というのはすばらしい取組だと思います。先ほどもちょっと御紹介しましたが、自民党でも高校新科目公共の設置を提言している。恐らくこの神奈川県で取り組んでいることにかなり重なっているのではないかというふうに思います。
 時代の大きな変化の中で、今の、高校だけではありませんが、学校教育における教科が果たして社会的な態様と的確に連動して合っているのかということについては、これは公民それから家庭科とか、ほかのことを含めて全部やっぱり見直していく時期にも来ているのではないかというふうに思います。その一環として、このようなシチズンシップ教育、公共の教科の在り方、これ前向きに検討すべきことだというふうに思いますし、省内においてもしっかりとした、PT等対応をつくっていき、必要な時期に中教審等にも諮問できるような体制をつくってまいりたいと思います。
○委員長(丸山和也君) 時間が終了しております。
○松沢成文君 どうもありがとうございました。
○新妻秀規君 公明党の新妻秀規でございます。
 前回、十一月五日の文教科学委員会で宇宙の開発利用について質問させていただきましたが、時間切れとなってしまいましたので、本日、この分野について引き続き質問をさせていただきます。
 まず、実用準天頂衛星についてお尋ねをします。
 前回の答弁では、測位衛星、位置を測る測位衛星につきましては、内閣府にて平成二十四年よりGPSを補完、補強する準天頂衛星の整備などに着手しており、これを着実に実施していきたい、こうした方針をお話しいただきました。
 内閣府が本年八月に発行いたしました「宇宙基本計画」、この本には、準天頂衛星の整備によって、現在GPSで十メートルほどの位置の測定精度、これを二メートルから数センチメートルにまで高め、車両、鉄道そして船舶などの輸送機械の位置測定、またトラクターの自動運転などのIT農業、また測量など様々な用途が期待される、このように伺っております。
 まず、このプロジェクト、宇宙戦略室が最重要と位置付けたものであって、予算の規模も極めて大きいものである、このように考えます。プロジェクトの総額、そして来年度以降の必要額をお示しください。
○政府参考人(西本淳哉君) お答え申し上げます。
 準天頂衛星システムは、これは三基の衛星、これと地上システムで構成されており、平成三十年度、二〇一八年度から運用を開始するということを目指しまして、昨年度より整備を進めているところでございます。
 衛星の方につきましては、平成二十四年度からの五年間、これで開発整備を行うということといたしておりまして、事業費は約五百三億円でございます。それから、地上システムの方でございますけれども、これも平成二十四年度からこれは平成四十四年度まで、これも民間資金等を活用してPFI事業として実施したいということでございまして、事業費は総額として千百七十三億円でございます。
 平成二十三年九月の閣議決定では、二〇一〇年代後半を目途に四基体制を整備するということといたしておりまして、また、今年一月、安倍総理を本部長といたします宇宙開発戦略本部で決定されました宇宙基本計画においても位置付けられておりまして、着実に進めてまいりたいと思います。
 よろしくお願いいたします。
○新妻秀規君 大変に大きなプロジェクトである、こうしたことは分かりました。
 それでは、これまでの取組についてお示しください。
○政府参考人(西本淳哉君) 本年三月に開発契約を締結したところでございまして、現在、地上システムにつきましては総合システム設計を行っております。衛星につきましては基本設計を行っているというところでございます。
 また、準天頂衛星システムは、これ普及促進が非常に重要だというふうに考えておりまして、利用方法の開拓、これに取り組んでおります。各府省、それから産業界などとも連携をして積極的に取り組んでいるところでございます。
○新妻秀規君 このプロジェクトについては、内閣官房に設置された地理空間情報活用推進会議において、平成二十四年の三月に、衛星測位に係る専門的な検討については、内閣府に宇宙開発利用に関する体制が整備された段階で内閣府が中心となって関係省庁を構成員とする会合で行う、このように示されております。
 このような大きな予算を投入するに当たって、この関係府省を構成員とする会合、これはこれまでどのような構成員でいつ開催されてきたのか、そしてどのような方針がまとめられてきたのか、お示しください。
○政府参考人(西本淳哉君) 準天頂衛星の利活用を進めていくためには、関係府省との連携が大変重要だというふうに思っております。関係府省の課室長級で構成されます衛星測位のワーキンググループ、これを設置をいたしまして進捗状況の報告などに努めているところでございます。
 また、個別具体事例が幾つもこういうプロジェクトをやっておりますと発生いたします。こういう場合にも関係府省と円滑に連携をして進めているというところでございます。
 先ほど先生御指摘いただきましたように、G空間社会実現の上で地理情報システムとそれから衛星測位、これは重要なインフラとして位置付けられてございます。内閣官房副長官を議長といたします地理空間情報活用推進会議の下で、準天頂衛星の活用についても関係府省間で検討が行われているところでございます。
 それからまた、産業界との連携も重要でございまして、産業界が設立いたしました高精度衛星測位サービス利用促進協議会、QBICと言っていますけれども、こういったものも通じて産業界との連携にも努めているというところでございます。
 このように、様々な、いろいろなレベルで関係府省、産業界等とも連携をして利用拡大に積極的に取り組んでいるところでございます。
○新妻秀規君 今の御答弁では、具体的な構成員云々というのはつまり瑣末なのでということだと理解しましたので、じゃ、このプロジェクトを成功させるための関係省庁、民間、そして近隣諸国のニーズを掘り起こすなどして今後また利用を促進するのが非常に重要だと、今おっしゃったとおりですけれども、そういうふうに私も考えます。プロジェクトとしての課題とこうしたことについての今後の方針についてお示しください。
○大臣政務官(亀岡偉民君) 新妻議員にはいつも御支援と御理解いただいていること、心から感謝と御礼を申し上げたいと思います。
 今プロジェクトのお話もありましたけれども、この準天頂衛星システムは、システムの整備だけではなくて、普及啓蒙そして実証実験に取り組むときに、今言われたように官民一体となってやらないと利用拡大を図っていくことができないと考えております。
 このため、内閣府としては、準天頂衛星システムの開発整備の一環として、ニーズ、これを発掘しながら利用拡大に取り組んでいるところであります。例えば、これは各府省にいろいろお願いをして一緒にやっていただいているんですけれども、実証実験の一番いい例としては、経済産業省と民間で組んで種子島で実証実験を行っていただいており、これもかなり子供たちも含めて理解の度合いが進んだということを認識しております。
 こういうふうに、産業界とも一緒に組んで準天頂衛星を利用しようとする様々な取組にこたえていきたい、そして、できれば官民一体となって利用拡大を進めていくためのあらゆる手段をこれからも講じていきたいということを今のところ考えております。
○新妻秀規君 分かりました。
 今おっしゃったように、関係府省そして大学等研究機関、また近隣諸国、ニーズをしっかり掘り起こして、ユーザーが本当たくさんいる、こうしたプロジェクトにしていただきたいので、引き続き努力をお願いを申し上げます。
 次に、災害を監視するための衛星の開発について質問をいたします。
 前回のこの文教科学委員会で下村文部科学大臣の答弁にて、東日本大震災の際には津波による浸水範囲の把握等に貢献した人工衛星「だいち」、この後継機として、レーダー機能を向上させ、約十倍の精密な観測を可能とする後継機「だいち2号」、これを来年打ち上げる予定であると。さらに、関係府省や幅広いユーザーのニーズを踏まえて、災害状況のより詳細な把握などを目指して、今後とも人工衛星の技術開発を推進をし、開発した衛星を活用することで社会に貢献していきたい、このような方針をいただきました。
 最初に、この「だいち2号」を始めとした災害監視のための人工衛星の技術開発について、取組の状況をお示しください。
○政府参考人(田中敏君) ただいま先生から御指摘がございました、災害監視のための人工衛星技術ということでございます。
 宇宙から地上を広域かつ迅速に観測できる人工衛星、これは災害対応に極めて有効であり、文部科学省としては、その衛星の技術開発、そして利用の促進ということに積極的に取り組んでいるところでございます。
 具体的に申し上げますれば、ただいま御指摘がございました東日本大震災のときに貢献をいたしました「だいち」でございます。その「だいち」の後継といたしましては、夜間あるいは雨が降っていたとしてもきちんと観測ができるレーダーの性能、これを十倍に向上させました「だいち2号」、これを来年打ち上げる予定にしてございます。さらに、「だいち」の光学センサー、これは目で見える映像と同じものでございますけれども、その分解能を二・五メートルから八十センチまでという、約三倍に向上させたそういう衛星、陸域及び海域における精密な観測を実施できる、そういう広域・高分解能観測技術衛星の開発に向けて、平成二十六年度、着手すべき必要な予算を要求しているところでございます。
 今後とも、関係府省あるいは幅広いユーザーの方々のニーズを踏まえ、災害状況のより詳細かつ迅速な把握などを目指して、センサーの性能向上など人工衛星の技術開発を推進し、開発した衛星の活用、利用を進めていきたいというふうに考えているところでございます。
○新妻秀規君 御答弁ありがとうございました。
 では、まずはこの二基の衛星の技術開発に今注力をしているという理解でよろしいでしょうか。
○政府参考人(田中敏君) 「だいち」の後継でございますけれども、「だいち2号」、これは来年。その次でございますけれども、広域・高分解能観測技術衛星、これはもう光学センサー部分の高性能化ということでまず考えているところでございます。
○新妻秀規君 分かりました。じゃ、引き続きこうした災害監視に資する衛星の開発に注力をしていただきたい、このようにお願いを申し上げます。
 次に、広域災害監視衛星ネットワークシステムについてお尋ねをします。
 前回、防災衛星ネットワークについて質問をさせていただきました。それに対しての答弁として、内閣府において、防災、災害対策、海洋監視などに貢献をする複数機のリモートセンシング衛星群、すなわち広域災害監視衛星ネットワークについての整備等に掛かる経費を平成二十六年度に概算要求をする、こうした答弁をいただいております。
 このプロジェクトの概要、そして実施に当たっての課題についてお示しください。
○大臣政務官(亀岡偉民君) 今お話しいただいたように、広域災害監視衛星ネットワークは、衛星に搭載した光学センサーやレーダーセンサーにより宇宙から地表面を撮影するリモートセンシング衛星を複数打ち上げ一体的に運用するものであり、現在予算要求を行っているところであります。
 特に、この事業で一番大切な災害、これをしっかりと認知するためには、アジアを含めた広域を高頻度に映像にして、防災、災害対策や海洋監視等の貢献をしっかりと目指さなければいけないということで現在取り組んでいるところであります。
○新妻秀規君 御答弁ありがとうございます。
 このプロジェクトの名称に広域と掲げてあります。平成二十六年度宇宙開発利用に関する戦略的予算配分方針、この文書には、本プロジェクトの意義として、ASEAN防災ネットワーク構築構想、これへの貢献が掲げられております。この貢献に向けた今後の取組の予定についてお示しください。
○大臣政務官(亀岡偉民君) 今御指摘いただいたとおり、ASEAN防災ネットワーク構築構想は、情報の共有システムのみならず、人材育成を通じ、ASEANの防災や防災能力の強化に向けた包括的な構想として、二〇一一年の日・ASEAN外相会議において我が国からASEANに対して提案したものであります。
 この広域災害監視衛星ネットワークが推進された場合には、ASEANにおいて災害が発生した場合に、宇宙から写した被災地の画像を被災国政府等に適時に提供し、災害対策を支援するということが可能になっておりまして、これをしっかりと生かされる環境がつくれると思っております。
○新妻秀規君 ありがとうございます。
 今、東アジアの安全保障環境が非常に今不安定である、こういうふうに認識をしております。今ASEANの話が出ましたけれども、実は昨日、ASEANの議員団の方が日本に今来日しておりまして、その懇談会に参加いたしました。その場で、ASEANの議員団の方も口をそろえて、南シナ海でも非常に今安全保障環境不安定だ、同じ懸念を共有されておりました。不審船の検知など海洋監視は大変にやっぱりこういう観点からも重要かなと思っております。
 さらには、この海洋監視に加えて、地上監視の能力も高めることで我が国は安全保障に寄与できるものと考えます。この広域災害監視衛星ネットワークシステム、これの安全保障用途の検討状況について、そして、これについての今後の取組の予定についてお示しください。
○大臣政務官(亀岡偉民君) まさに今委員の言われるとおり、この宇宙開発も含めて安全保障の確保が、一番重点の課題として取り上げております。
 特に、安倍総理からも、宇宙政策委員会において、今後の宇宙政策の要諦は、産業振興及び日米協力、安全保障とのお言葉をいただいているところであり、広域災害監視衛星ネットワークについては、防災、災害対策、それから海洋監視等への貢献を目指しているところであります。
 今後は、関係機関との協議を通じ、安全保障用途での活用が可能になるようにしっかりと検討してまいりたい、これは全てに対して活用できるように取り組んでいきたいというふうに考えております。
○新妻秀規君 御答弁ありがとうございます。
 具体的な取組を積み重ねて、しっかりとした安全保障にも寄与するシステムにしていただきたい、このようにお願いを申し上げます。
 最後に、宇宙開発利用における内閣府の司令塔の機能についてお尋ねをいたします。
 先ほどの質問にて、災害を監視する衛星について、文科省そして内閣府からそれぞれ取組状況を伺いました。この防災そして海洋の監視という目的を共有して、関係府省がより緊密に連携すれば、更に大きな成果が上がるのではないか、このように感じました。
 さて、新たな宇宙開発利用体制が昨年発足いたしまして、その下で最初の宇宙基本計画が本年の一月、安倍総理を本部長とする宇宙開発戦略本部で決定をされました。今お手元にお配りをした資料一を御覧ください。
 この資料一の左側のページの下から六行目から始まって右のページの上の五行目までがこの宇宙開発戦略本部での会合冒頭での安倍総理の挨拶の内容です。左のページの一番下からの内容を要約しながら読むと、宇宙の利用は各国がしのぎを削る競争の現場であって、政府が一丸となって国家戦略として取り組まないと世界に後れを取る、関係閣僚はそれぞれの役所の利害にとらわれず宇宙政策の推進に取り組んでほしいとあります。
   〔委員長退席、理事石井浩郎君着席〕
 次に、一枚めくりまして資料の二を御覧ください。これは宇宙関連の政府の機関をまとめたものなんですが、この一番トップに宇宙開発戦略本部があって、その下に事務局があって、そして宇宙戦略室があって、それを支える多くの省庁そして法人があります。
 また済みません、資料一に戻りまして、右のページの上から六行目、これが安倍総理が全閣僚に出された指示の内容なんですが、この数字の一とあるところを要約しますと、内閣府の司令塔機能を一層強化せよ、宇宙政策を関係府省が連携して強力に推進せよというふうになります。内閣府が文科省を始め関連府省と連携をしながら宇宙政策の司令塔として機能することが求められている、このように理解をしております。
 ここで、内閣府のこれまでの取組の状況についてお示しください。
○大臣政務官(亀岡偉民君) まさに今委員が指摘されたとおり、昨年の七月に内閣府では宇宙戦略室と宇宙政策委員会を設置し、内閣府が司令塔機能を発揮することによって宇宙政策を国家的に、国家戦略として総合的かつ計画的に推進してきたところであります。
 具体的な取組としては、先ほど言われた本年一月に宇宙開発戦略本部で決定された新たな宇宙基本計画に沿って、関係省庁と連携をしながら計画の推進を図るとともに、概算要求の前に宇宙開発利用に関する戦略的予算配分方針というものを各省庁にしっかりと提示をしまして、各省庁の概算要求の内容をフォローアップすることにより、めり張りの付いた宇宙政策の推進に今努めているところであります。また、宇宙開発利用の推進に関する関係省庁連絡調整会議を設置し、関係府省との間の連携調整を現在強化しているところであります。
 今後とも、内閣府は、関係省庁と綿密に連携を取りながら、宇宙政策の司令塔機能をしっかりと発揮してまいりたいと考えております。
○新妻秀規君 ありがとうございます。
 それでは、時間もなくなってしまいましたので最後の質問にします。
 司令塔の機能の発揮に向けた課題にはどのようなものがありますでしょうか。御答弁ください。
○大臣政務官(亀岡偉民君) 本年の一月に開催された宇宙開発戦略本部において安倍総理から、内閣府が司令塔機能を一層発揮し、宇宙基本計画を効率的かつ効果的に実施すべきとの指示をいただいているところでありまして、内閣府としては、宇宙開発利用に関する戦略的予算配分方針の策定、また宇宙開発利用の推進に関する関係省庁連絡調整会議の開催、政府全体としての総合的かつ計画的な宇宙開発利用の推進のための基本的な政策に関する企画立案、そして総合調整に関する取組が一番重要であると、今やっております。
 このような取組を通じて、内閣府の司令塔機能が十分発揮されるよう関係府省庁と連携調整を一層強化してきたところであり、これからまさにその本領を発揮させるべく一番大切なところに来ていると考えております。
○新妻秀規君 是非ともその司令塔機能をしっかりと発揮をしていただいて、日本が世界に誇れるような宇宙開発を、宇宙開発利用を推進していっていただきたい、このようにお願いをいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○藤巻健史君 日本維新の会、藤巻です。よろしくお願いいたします。
 まず最初に、文化・芸術教育についてお伺いしたいんですが、先ほど下村大臣が大学が危機的状況にあるという認識だとおっしゃいましたが、まさに私も同じような感想を持っています。
 私、前もちょっと申し上げたかもしれませんけれども、一橋大学の経済学部で十三年間、そして早稲田の大学院商学研究科で六年間非常勤講師、ずっと非常勤講師でしたけど、非常勤講師として教えさせていただきましたけれども、授業、試験もさせていただきましたけれども、やはり全く大学生、勉強しないんですよね。私が行っていたアメリカのビジネススクールだったら物すごく勉強して、二つの大学とも世間的にいいと言われている学校なんで、非常に勉強している人もいるんです。しかし、全く勉強しない人がいる。私がテストをやると、零点から百点まで非常にばらけているわけですよ。もし、私が行っていたアメリカのビジネススクールだったら、私のテストだったらみんな九十点から百点ですよ、全員が。それくらいに日本の大学生というのは勉強していないなというのが私の体験からの感想です。
 今の話というのは、単に文科系だけの話であって、理科系の学生というのは私は非常に勉強しているという認識はあるんですけれども、やはり文系の学生というのは勉強していないというふうに思っています。それで、あと、確かに大学に入る前に受験勉強で疲労こんぱいしているからというのも一つはあるかとは思うんですが、それでもやっぱり勉強しないなというのが感想です。
 それはいいんですけれども、大学生だけじゃなくて、もっと下の方の中学生、高校生もまだまだ勉強していないな、受験勉強は別として、していないなという気がします。特に、よく昔は、よく学びよく遊べというふうに言われていましたけれども、昔は、よく遊べというのはこれは確かに納得したというか、確かにいいなというふうに思っていたんです。なぜかといえば、やっぱり野原で遊んで体力を養うというのもあるし、感受性を養うというのもあったんですけれども、今の場合は、現在の場合には、よく遊べというと大体テレビゲームなものですから、それだったらもうちょっと勉強なりほかのことに時間使った方がいいかなというふうに今は思っています。
 今までお話しした話というのは、実は左脳の話、左側の脳の話なんですけれども、右脳の教育はどうなっているのというのが私の非常に大きい疑問なんです。
 というのは、実は私の長男、今はちょっと私の第一秘書をやっていますけれども、彼が中学受験をしたときに、実は私のボス、当時は私はアメリカの銀行に勤めていたので、私のボスにちょっと話をしたことがあるんです。というか、彼が聞いてきたんですね、スイス人だったんですけれども、聞いてきた。日本には中学受験があるけれども大変だね、君のところはどうするんだねと言ったんで、うちの子は何とか算数ができるんで、そんなに難しく、何とかなるんじゃないでしょうかと言いまして、その後、でもちょっと音楽と美術が全然できないんですよというふうに言ったら、彼は、それは大変だ、すぐ病院行って医師に診断してもらえと言ったわけなんです。
 要するに、私は受験のことだけ考えて、美術と音楽ができなくてもまあいいや、えへへという感じだったんですけれども、西洋人にとってみるとそんなのはとんでもないと、右脳が発達していないというのは極めて人間的に欠陥しているという物すごい意識があるわけですね。
 ということを考えても、やはりもうちょっと右脳を鍛えることも特に小さいときは考えておくべきじゃないか。大学になったらやはり専門分野の勉強になるとは思うんですけれども、小さいころはもうちょっと右脳を鍛えろと。そういう教育というのを今きちんと考えてやっているのかということをまずちょっとお聞きしたいなと思っております。
 例えば、この前もちょっと申し上げたかもしれないんですけれども、美術館へ行って一日座っているとか、それからいい音楽、クラシックにみんな連れていくとか、ちょっとお金掛かるかもしれないけれども、そういう教育というのは非常に重要じゃないかなと思っています。
 お金がなければ、例えばNHKの「日曜美術館」を見せるとか、ずっと何回も授業中に見せるとか、美術の時間、それからNHKの交響楽団を聞かせるとか、ずっと、ということも一つの方法としてあるんではないかなと思っているんで、そういうことも考えて右脳教育をやっていらっしゃるかどうかということをまずお聞きしたいなと思っております。
○政府参考人(前川喜平君) 次代を担う子供たちが優れた文化芸術や伝統文化に身近に触れたり体験したりするということは、子供たちの感性、情操や創造性などを育む上で大変重要であると考えております。
 学習指導要領におきましては、小学校の図画工作でありますとか、中学校の美術という教科の指導に当たりまして、地域の美術館を利用したりあるいは外部の人材の協力を得るといった工夫をいたしまして、その充実に努めているということでございます。
 また、文部科学省におきましては、子供たちに一流の文化芸術団体やあるいは芸術家による質の高い様々な文化芸術を鑑賞したり体験したりする機会を提供するという事業を実施しております。平成二十六年度、来年度の概算要求におきましては、義務教育の期間中に平均して二回程度は現代実演芸術でありますとかそれから伝統芸能、こういったものの鑑賞、体験機会を提供できるように所要額を要求しているところでございます。
   〔理事石井浩郎君退席、委員長着席〕
 今後とも、こうした施策を通じまして、学校における文化、芸術、音楽に関する教育の充実に努めてまいりたいと考えております。
○藤巻健史君 その方向はいいと思いますので、是非よろしくお願いしたいと思うんですけれども、音楽とか美術の場合には、ノウハウというか知識よりも、是非味わうというかそちらの方に教育していただければなというふうに考えています。
 ちなみに、今申し上げました私のボスであるスイス人なんですけれども、東京に赴任してきてから、まさに自分の部屋を全部美術館のように変えちゃったんですよね、自分の好きな本を全部持って、本とか自分のところから持ってきて。ああいうのを見ていますと、やはり欧米人が何か非常に生活豊かにしているというのはそういうところにあるんじゃないかと。自分の好きな感性を高めておいて、きれいな音楽とか美術に囲まれてその中で仕事をしているという、そういうところまで是非日本人も持っていかないと、日本人ってやっぱり野蛮だなと思われちゃう、野蛮とは言いませんけれども、成熟していないと思われちゃうんで、是非そちらの方も考えていただきたいなというふうに思います。
 次に、教育のモチベーションについてなんですけれども、実は私が勤めていた銀行、米銀、米国銀行なんですけれども、その今までお話ししたスイス人というのは将来的に社長になるんじゃないかと言われたとても優秀な男だったんですが、実は小学校卒なんですね。当時の、私のいたモルガン銀行というところがあったんですけれども、そのときに、会長、これは「摩天楼はバラ色に」という出世映画のモデルになった男なんですけれども、ウェザストンといってイギリス人の中卒なんですよ。まさに米銀というのは実力主義なんですけれども、そのスイス人とかイギリス人、もう物すごく偉くなっちゃうんです。ということは何かというと、やっぱり彼らがどうして成功したかというと、まあ能力もあったんでしょうけれども、それ以上に絶えず勉強し続けるという勉強に対するモチベーションを絶えず持っていたからだと思うんですよ。
 ですから、知識を教えることも重要なんですけれども、やはり教育に対するモチベーションを絶えず高めておくということも特に小さいころの教育では必要だと思うんですが、その辺の配慮というか取組を教えていただければと思います。
○国務大臣(下村博文君) 御指摘の点は大変重要だというふうに思います。
 先日、ノーベル生理学・医学賞を受賞された利根川進さんが、アメリカに拠点を置かれているんですが、日本に来られまして、今大学入学試験改革を大胆に進めようとしているということで、それを聞きたいということで私の大臣室の方に来られました。
 利根川先生がおっしゃっていたのは、アメリカの主要大学はノーベル賞受賞者が大変多いと。それは、大学入学試験は、日本のような学力ではなくて、それももちろん見るけれども、モチベーション、つまり大学入って何をやりたいのか、あるいはその後どんなことを目的として大学に入ろうとしているのか、その意欲、やる気を入学試験では評価すると。それは、客観的に分かるわけではないかもしれないけれども、しかし教育者が見れば意欲、やる気があるかどうか、そういう生徒を大学に入れさせるということが大学にとっても必要なことだということで、そういう発想で日本の大学は入学試験は全くしていませんから、そういう発想を持つということはグローバル社会の中で大変に我が国においても重要なことだというふうに思います。
 今度、道徳教育の充実を来年の四月から今の心のノートを全面改訂版をしてやりますが、その中に、例えば小学校の五、六年生の道徳教育の改訂版の中では、イチロー、大リーグで活躍している野球選手の小学校六年生のときの作文を例えば掲載しているんですね。イチローは小学校六年生のとき、もうプロ野球選手になると、そしてみんなを球場に招待して感謝したいと。もう明確なイメージをつくって、そして今日があるという意味では、モチベーション、それから目的、こういうことを早くから持つということは大変重要なんだということをあらゆる機会で日本の教育の中で是非導入したいと思っています。
○藤巻健史君 今の大臣の御答弁、非常にすっと入ってきたんですけれども、私が米銀の入社試験もちょっと担当したときに、欧米人の採点を見ると、入ったら何をするかという質問に対して、何でもやります、言われたことをやりますと書いた人はみんなバツにしているんですよね。何々の何をやりたいと明確に目的を持っている人だけマルにして返ってくるんですね。ああ、やっぱり日本と欧米、アメリカとは違うなというふうに思ったんですけれども。
 やはり、目的、大臣がおっしゃるように目的を持つとかモチベーションをきちんと持つというのは非常に重要だと思うので、その辺は日本人にも是非植え付けていただきたい、若者にですね、植え付けていただきたいなというふうに思います。
 次の質問に入りますけれども、学歴と保護者の所得についてなんですが、これちょっと前に週刊誌がよく取り上げていたんですね、お金持ちじゃないと東大に行けないというような記事がよく出ていたんですけれども、それについてどういうふうにお考えか。ちょっと、若しくはデータでもあればお聞かせいただきたいんですけれども。
○国務大臣(下村博文君) 御指摘のように週刊誌情報になりますが、各大学の保護者の所得と有名大学は比例しているところがありまして、一番保護者の所得の高い大学は東京大学だというのは事実だというふうに思います。そのように、経済格差と結果的にそれが教育格差に関係してくるということは非常に問題だと思います。子供の経済的、文化的、社会的背景と学力や高等学校卒業後の進学状況は一定の関係があるということを位置付けて、それを是正するということをこれから考えていかなければならないと思います。
 そのために、低所得者の教育費負担の軽減を図るための、昨日通していただきましたが、高校授業料の無償化見直しとか、それからさらに、これから奨学金事業や授業料減免の充実を通じた家庭教育費負担の軽減とか、それから一人一人の子供、生徒に応じた指導の充実等を更にすることによって、家庭の経済状況によって教育格差や学力格差が生じないようにしていくということは、本人の問題ですが、この国にとっても将来の発展のために重要なことだと思います。
○藤巻健史君 多くの事柄で下村大臣とは意見を同じにしているなと思って前からずっと聞いておりましたけれども、実はこの点については全く別な見解を持っておりまして、なぜかというと、親の所得が高いから東大行けたんじゃないんだと私は思っているんですね。
 どういうことかというと、やっぱり今の日本の制度では、例えば東大、私は東大じゃないから言えますけど、東大に行けるというのは大変なことだと思うんですよ。やっぱり子供も大変だけど親も大変なんですね。例えば、小さいときから遊びに子供を連れていって、旅行行きたいのにそれをやめて子供の塾に行くとか、そういうことをしてやっぱり東大行かせているんじゃないかと私は思っているんですけど。
 何を言いたいかというと、やっぱり親に克己心がないと東大行かせられないんですよ。お金よりも克己心の問題だと私は思っているんです。要するに、子供を連れて遊びに行きたい、キャッチボールやりたいけれども、そうじゃなくてやっぱり勉強時間を取ってやろうとか、家族旅行行きたいけど、やめて塾に行かせようとかいうことで子供が勉強していくんだろうと私は思っているんですが。ということは、克己心がある親が子供を東大に行かせるし、克己心ある親が成功してお金持ちになると、私はそういうふうに考えているんで、そこで結論付けちゃうとまずいのかなというふうに、だから週刊誌を読みながらいつもそう思っていたんで、そういうコメントをさせていただきました。
 もう一つ、次に、私は余り教育に関してはもう経験でしか物を言えないんですけれども、外国人が日本に来たときに、やっぱり私どもは接待をするわけですね。お客さんにしろ上司にしろ接待をするんですが、何を接待すると喜ぶかなといったときに、最終的にたどり着いたのがお相撲なんですよね。お相撲、場所中を見せに行くんじゃなくて、相撲部屋へ連れていくわけです。相撲部屋へ連れていって、稽古を見て、そして一緒にちゃんこを食べて、男性の場合には土俵に降りて押して、お相撲さんって動かないでしょうってやると外国人はもうめちゃくちゃに喜ぶんです。
 ということは、今、国交省でクール・ジャパンで日本を売り出そうというふうにやっているんですが、私の弟もみんなの党で、そちらの国交省でそういうことをやっていますけれども、だから弟にでも言えばよかったかもしれないんですけど、相撲というのはたしか文科省の方の管轄だと思うんですけど、相撲というのをクール・ジャパンでもっと国交省と一緒にどんと売り出せばいいんじゃないかなと私は思っているんですけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(河村潤子君) クール・ジャパンに関しまして、文部科学省としてまず一番大事なのは、多様な文化を、相撲も含めですけれども、芸術文化も振興し、また伝統芸能を継承していく、その基盤をつくることだというふうに存じます。そうした多様な文化、生活文化、暮らしの文化も含めて、どのように外国に向けて、あるいは外国人の方々に向けて発信していくかというふうなことかと存じます。
 今例で挙げていただきました相撲は、文部科学省直接というか、相撲協会の取組としては、外国人力士が随分いますので、その人たちの出身の国が、観光業者がツアーを組むときに、相撲の本場所を観覧できるようにするという工夫はしているというふうに聞いております。また、相撲の朝稽古を見るのが非常に人気だということもあるので、相撲部屋、一生懸命開放しようとしているわけですけれども、こういうことがある、いつどこでこういうことを見られるとか、こういうものも実は外国人に見ていただけるということを、これは相撲のケースもそうですし、そのほかの様々な日本全国にある文化行事とか文化的な景観とかも含めてどう発信するかということがまだまだちょっと課題としてあるかと存じます。
 私ども、文化庁長官と観光庁長官が、この間、一緒に、こうした文化プログラムの発信ということに向けて協力していこうということも含めた、大げさですけれども連携協定というものを結びましたので、今御指摘の相撲など幅広い分野を含めて発信について協力し、連携していきたいと存じます。
○藤巻健史君 文化については、日本の文化を海外に広めるということは極めて重要だと思いますし、日本人の若者にとっても極めて重要だと思いますので、是非頑張っていただければと思います。
 時間ですので、終了します。
○二之湯武史君 自由民主党の二之湯武史でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 早速質問に入らせていただきます。
 先般、高校授業料無償化法改正がなされました。私は、これはもう限られた財源の中で、とにかくまず低所得者の方々の就学を支援していく、そして漸進的に無償化へ移行していく経過期間だというふうにとらえております。
 大臣は、常に、人づくりは国づくり、また教育は未来への先行投資という言葉を何度も強調されておられます。引き続き、教育の再生のために予算の確保を是非よろしくお願いを申し上げたいというふうに思います。
 今回の改正において、私は経済面における高校教育のインフラ整備なんだというふうに思っておるんですが、同時に、やはり大事なのは教育の質であり、また教育の制度設計、そして大学教育との接続、こういった制度面、大局的な、構造的な教育の問題もまた同時に大変重要であるというふうに私は考えております。
 私は、八年間、塾、予備校の経営を通じて高校生の教育に当たってまいっております。現在もしております。そういった中で、現場感覚、肌感覚として、私は小学校、中学校以上に高校生における学習の現状というのは格差が大きいというふうに思っておりまして、その感覚があるデータによって裏付けられているので、私も、あ、なるほどと実感をしたんですが、高校生における例えば平日の学習時間というのは今、かつての一九九〇年、二十三年前のデータと比べますと、平均値で九十三・七分から七十・五分というふうに激減をしていると。しかし、その成績層で割りますと、いわゆる学力の高い層というのはほとんど変わっておりません。学力中位、中上位、中下位、いわゆるミドルゾーンですね、一番人数の多いボリュームゾーンにおいて半減していると。私の今申し上げたように、高校生における学力格差というのは飛躍的に高まっているというふうに私は考えております。また、なりたい仕事がある、なりたい職業があるという高校生の割合も、二〇〇四年六八・七%から五三%。また、高校生活にある種の不適応を感じているという生徒も、昭和五十七年の二〇%から平成二十二年には四〇%というふうに倍増しております。
 こういった客観的なデータの中で、私は現在の高校教育というのはある種の大きな問題を抱えているというふうに考えておるんですが、取りあえず、大臣の御見解をお聞かせいただけますでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 御指摘のとおり、非常に問題だというふうに思います。日本人はほかの民族、国民に比べて非常に勤勉性の高い要素があるというふうに言われておりますし、事実、我々の人生の先輩はそういう方が多かったと思うんですね。
 ですから、今の高校生が勉強しなくなってきている、あるいは将来に対する動機付けが少ないというのは、高校生自身の問題ですが、そういう高校生の状況をつくっている今の教育の問題、社会の問題だというふうに思いますね。それを変えることによって、個々の高校生が勉強に対する意欲や将来に対する動機、目的につながってくると思いますし、そういう環境づくりを、是非つくっていきたいと思います。
○二之湯武史君 私も、簡単に申し上げますと、要は、今の日本の高校教育というのは実は七五%が普通科教育でございます。普通科学校でございます。実は、昭和三十年におきまして普通科学校というのは五九・八%であったのに対し、いわゆる職業科というのが四〇%ございました。これが今、先ほど申し上げましたように、普通科が七二・四パー、職業科が一九・二と。この社会は一方で非常に多様化しております。職業も多様化しておりますし、そういう意味での職業ニーズというのは非常に多様化している中で、高校教育においては普通科が逆に割合を伸ばしているという現状がございます。
 私は、先ほど申し上げたように、現場で八年間いわゆる受験指導というのを中心に指導してきました。要は、大学、総合大学ですね、いわゆる総合大学に進学をする、進学を希望している学生にとって今の高校教育、つまり一般教養中心のこの教育に対して、何らかのモチベーションを持てるとは思うんですが、例えばデザイナーになりたい、料理人になりたい、若しくは革だの伝統工芸だのの職人になりたいというような漠然とした具体的な技術職を例えば志望している子供にとっては、今の英語や数学などリベラルアーツを中心とした普通科中心の教育に対してなかなか知的な好奇心、モチベーションが持てないのではないかというふうに思っておりまして、その結果がまさに先ほど申し上げた、つまり中間層がごそっと半減をし、そして成績上位層は大学進学を希望しますので学習時間をしっかり確保できていると。そういうふうな多様化した今の社会、若しくは高校生のニーズに十分こたえ切れていない今の高校教育のシステム的、体制的な課題があるのではないかというふうに私は仮説を立てておるんですが、そういったことに関する御見解を是非お伺いしたいと思います。
○政府参考人(前川喜平君) 御指摘のとおり、昭和三十年ごろ、普通科高校は約六割程度、専門高校は約四割程度だったと、こういう比率でございましたが、その後、大学への進学率も高まり普通科志向が高まる中で、各都道府県におきましても普通科を中心にその量的拡大を図ってきた、そういう経緯がございます。ただ、その間に、社会の多様化あるいは高等学校への進学率が高まることによって、高等学校の生徒の中に様々な多様性が生まれてきていると。能力、適性、あるいは興味、関心、進路の希望、そういった実態が非常に多様であると、こういう実態が生まれてきたわけであります。
 その中で、四割を数えておりました職業学科につきましては、成績が低いからやむを得ず農業高校に入るというような、いわゆる不本意入学が増えてきたと、こういう事情がございました。また、中学校におきましても、いわゆる偏差値輪切りの進路指導ということで、偏差値の順番に学校を割り振っていく、下の方の子供たちは職業高校に行くと、このような実態もございました。こういったことに対して、これを変えていかなければならないということで、臨時教育審議会以降、私どもも高等学校の制度を多様化するための取組は続けてきておるところでございます。
 一人一人のニーズにできるだけ対応して、一人一人の力を高めていく、そのためには柔軟な教育の仕組みをつくり、多様な選択肢を設ける、こういう考え方の下で、平成に入ってからこれまでの間、総合学科、これは学校の中に多様な選択肢が設けられるような学校でございますけれども、その総合学科というものを創設する、あるいは学校外で学習したものを学校の単位として、高等学校の単位として認めるような制度をつくる、あるいは中高一貫という選択肢をつくる、あるいは単位制高校で柔軟な学び方ができるような学校をつくると、そういうような形で多様な学びの選択肢を提供するための制度を整備してきているところでございます。
 その結果といたしまして、最近二十年間を見ますと、元々六割程度であった普通科は七割に増えているわけでございますけれども、専門高校の方は二割程度に減少している、約半分のシェアに落ちたわけでございますが、その結果として、専門高校、いわゆる職業高校に関しましては、目的を持って入学する者が格段に増えまして、いわゆる不本意入学というものは減ってきていると。その代わり、普通科の方に十分な目的意識を持たない生徒がかなり入ってきていると、そういう状況があると考えております。
 こういったことのためには、普通科の中にもいろいろな職業コースを設けるというような工夫をしている県も多いわけでございますけれども、少子化の影響を受けまして、各都道府県とも学校の規模を縮小しなければならない、学校を統合しなければならないというような課題に直面しておりまして、様々な選択肢を設ける多様な仕組みをつくりたいと考えても、その学校規模の縮小という事態でなかなか難しいと、このような状況があると思っております。
○二之湯武史君 本当に高校生の、今申し上げたように、人材を、多様な個性、能力を最大限活用していくという、そういう方向性で是非これからも取組を進めていただきたいと思います。
 先ほど大学入試の改正のお話も出ましたが、私もそれは今申し上げたように、大学入試の仕事をしてきた関係から非常に矛盾を感じてきましたが、私は実は選抜方法の見直しというのは当然必要だと思います。ただ、その選抜制度の改革にとどまらず、今申し上げたように、中等の後期、若しくは高等教育、この接続ですね、日本でいえばこの七年間の教育の在り方そのものをもう一度見直すぐらいの大きな視野で教育の再生というのを考えなきゃいけないんじゃないかというふうに思っております。
 いわゆる、私は個人的には日本版マイスター制度という言葉を使っておるんですが、先ほど申し上げたように、明確なやっぱり職業意識、その中にいわゆる総合大学という進学もあります。しかし、各それぞれの職業教育、キャリア教育というものが平等な形で、そして同じ資格で行われるようないわゆるマイスター制度。その本場であるドイツにおきましては、例えば大学の数よりも職業大学というのが、数がやっぱり一・五倍、学生数でいうと五十四万人も所属をしています。アメリカにおいては、高校卒業者の三七%がいわゆる日本でいう大学、総合大学に進学します。そして、五六%はキャリア大学、いわゆる専門、職業大学といったものに通うという意味で、私は、日本の今の大学進学率六〇%程度というのは、非常にある意味でいうと、先ほどおっしゃったように不本意入学、無目的入学、こういったものが多い。大きく国の観点で見ますと、将来有為な人材の活用が十分にできていないんではないかというような今実感を持っております。
 ですので、今、例えば大学以外の高校卒業後の進路としては、短期大学若しくは高専、そして各種専修学校、専門学校という、様々な制度面でも統一されていないいろんな形がございますけれども、こういったものをやはりある意味でいうと統合再編する形で職業大学校と、これは仮称ですが、大学卒業という認定において、資格において統一をしながら、しかし先ほど申し上げたように、一般教養にとどまらない様々な多様な教育というものを保障していく高等教育機関というものを制度的にもしっかり立ち上げていかなければ、私はこの日本の人材の能力をフル活用していくという方向性はなかなか難しい、大学の入試の改正だけでは難しいというふうに感じておりますが、どうでしょうか。御見解をよろしくお願いします。
○国務大臣(下村博文君) 先日、中曽根先生の地元の群馬県の県議会の方々が来られまして、農業の高等専門学校をつくりたい、協力をしてほしいという話がありましたので、群馬県ではそういうニーズがあって、いろんな関係者の理解が得られるのであれば応援をいたしますということを申し上げましたが、そういうふうにいろんな地域でいろんな多様な教育を積極的に提言しながら、また今委員の言われるマイスター制度とは直接は関係ありませんが、しかし発想としてはそういうような、高等専門学校というのは海外でも大変に評価されておりますけれども、多様な高専をつくるということで大変重要なことだというふうに思います。
 今の御指摘ですが、今年の八月に新たな枠組みの実施に向け、先導的試行として、企業等との密接な連携を通じ、より実践的な職業教育の質の確保に組織的に取り組む専修学校の専門課程を文部科学大臣が職業実践専門課程として認定し、奨励する仕組みを創設をいたしました。また、これから教育再生実行会議でも六三三制の見直し等の学制改革の検討が始まりましたが、この職業教育の充実も含めて六三三制をどうするか、それから一つの教育の方向性だけでなく多様な価値観の中で、多線化の中で我が国の教育をどうするかと、今御指摘がありましたが、そういうことを含めてしっかりと議論をしながら方向性を定めていきたいと思います。
○二之湯武史君 ありがとうございます。
 今申し上げた職業教育、つまり全体的な国家としての多様な人材の能力を最大限生かし切ると。日本は天然資源に恵まれた国ではございませんので、先ほど大臣がおっしゃったように、国民性としてのこの勤勉さ、真面目さ、こういったものが私は今の日本をつくり上げている一番大きな資源であるというふうに考えております。
 現実で、ちまたでそういう指導をしておりますと、是非さっき申し上げたような職業大学というものの再編統合というものをしていただきたいんですが、そのときにやはり現実的には専門学校に行くという、まさにその教育内容ではなくて、やっぱり親御さんが求めるのは資格なんですよね。要は、大学であるというその資格というものが、私はそれが広く市民権を得ていく上で一番大事なことであろうというふうに思うんです。
 つまり、例えば京都大学へ行こうが、慶応大学へ行こうが、若しくは例えば料理何とか大学に行こうが、社会としてはこれは大学卒業者なんだと、こういう統一的な資格制度というものを例えばドイツやアメリカのように整備をできれば、今、様々に大学においても経営に苦しんでいる大学、若しくは専修・専門学校も含めて、それぞれ独自の取組を応援する形で例えば業態を変化させていく、今の大学から職業大学として再生をしていく。
 そんなようなイメージで、是非今のこの大学というものの教育の在り方を見直していただきたい、そのときには是非資格というものを統一することによって市民権をしっかり得ていっていただきたいというふうに強く要望いたしたいと思います。
 PIAACについてもお聞きをしたかったんですが、時間が参りましたので、ここで私の質問を終わらせていただきます。
 どうもありがとうございました。
○委員長(丸山和也君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後零時四十分散会