第185回国会 経済産業委員会 第8号
平成二十五年十二月三日(火曜日)
   午前十時二分開会
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   委員の異動
 十二月三日
    辞任         補欠選任
     中野 正志君     藤巻 健史君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         大久保 勉君
    理 事
                岩井 茂樹君
                松村 祥史君
                加藤 敏幸君
                倉林 明子君
    委 員
                磯崎 仁彦君
                高野光二郎君
                滝波 宏文君
                宮本 周司君
                吉川ゆうみ君
                渡邉 美樹君
                小林 正夫君
                直嶋 正行君
                増子 輝彦君
                杉  久武君
                谷合 正明君
                行田 邦子君
                中野 正志君
                藤巻 健史君
                荒井 広幸君
   国務大臣
       経済産業大臣   茂木 敏充君
   副大臣
       経済産業副大臣  松島みどり君
   大臣政務官
       経済産業大臣政
       務官       磯崎 仁彦君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        奥井 俊二君
   政府参考人
       内閣官房日本経
       済再生総合事務
       局次長      赤石 浩一君
       財務大臣官房審
       議官       星野 次彦君
       厚生労働省職業
       安定局高齢・障
       害者雇用対策部
       長        内田 俊彦君
       経済産業大臣官
       房審議官     西山 圭太君
       経済産業大臣官
       房審議官     後藤  収君
       経済産業省経済
       産業政策局長   菅原 郁郎君
       経済産業省商務
       情報政策局長   富田 健介君
       資源エネルギー
       庁長官      上田 隆之君
       特許庁長官    羽藤 秀雄君
       中小企業庁長官  北川 慎介君
       中小企業庁事業
       環境部長     松永  明君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○産業競争力強化法案(内閣提出、衆議院送付)
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○委員長(大久保勉君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 産業競争力強化法案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房日本経済再生総合事務局次長赤石浩一君外十名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに異議ございませんですか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大久保勉君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(大久保勉君) 産業競争力強化法案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○宮本周司君 自由民主党、宮本周司でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 私は、地元が石川県能美市というところでございまして、実はこの政治の世界に足を踏み入れる前は明治九年から続く酒蔵を経営してまいりました。酒蔵といいましても、実は従業員数名だけで、質にこだわって手作りでやるという、いわゆる小規模企業の経営者でございます。また同時に、地元地域におきましては商工会という組織に属しまして、いわゆる企業としての利益追求のみならず、地域振興また福祉の増進、青少年育成など社会的な活動にも参画をしてまいりました。そのように、地域をつくり、また地域を守り、また地域に根差してしっかりと事業を営んできた中小企業、多くの小規模企業の立場に立ちまして、その代表としてこの夏、参議院選挙を勝ち上がってまいりましたので、その観点でまず質問をさせていただければと思っております。
 現在、アベノミクス第三の矢も放たれ、経済全体としては回復の基調にある、そのように認識はしております。
 しかし、残念ながら、この政策効果に関しましては、地域や、また業種ごとにおきましてその影響の差、その効果というものが差があるということは十分に感じておりますし、地方に行けば行くほど、また中小企業、多くの小規模企業に関しましてはまだまだその効果が行き届いていない、このように感じているところでございます。しかしながら、地方の経済が、地域の経済が元気を取り戻していく、このことにおいては今のアベノミクス若しくは日本再興戦略というものは地方からも大いに期待をされている、このことが十分に認識もされていると感じているところでございます。
 そこで、現段階におけるアベノミクス効果、またアベノミクスの対象となっているのは私自身は大企業であると感じておりますが、それを支える多くの中小企業にもこれからしっかりと光を当てていかなければいけない。そして、中でも、そちら、お手元の方に、資料一の方でもございますが、その八七%、三百六十六万社を数える多くの小規模企業、ここにもしっかりと光を当てなければいけませんし、この小規模企業に特化をした政策も実現し拡充をしていく、この必要があると大いに感じておるところでございます。
 この意味におきましては、日本再興戦略の中にも明記されておりますが、小規模企業基本法の制定、このことが重要であり、そして、この小規模企業基本法の制定がこれからの地方経済を変えていく大きな原動力になると私は感じているところでございます。
 一九六三年に制定をされた中小企業基本法、これに加えまして、今、中政審の小委員会の方でも議論されていると聞いておりますが、小規模企業の振興に資する基本法が制定をされる、このことが実現をすれば、事業規模に応じた、そして身近で感じられる、身近で下支えができる、そんな有益な政策、施策を具現化できると期待をしているところでございます。
 そこで、まず、茂木大臣に伺いたいと思います。
 これまでも、この小規模企業基本法に関しましては副大臣も含め度々言及していただいているところでございますが、改めまして、この小規模企業基本法の制定に向けた大臣の決意を伺わせていただければと思います。
○国務大臣(茂木敏充君) 宮本委員御指摘のように、全国四百二十万の中小企業、中でもその九割近くを占めます小規模事業者、地域の経済、そしてまた雇用を支える極めて重要な存在でありまして、それぞれがその地域ごとのすばらしい産品を生み出していただいている。
 御自身の方からも御紹介いただきましたように、宮本先生、石川県の御地元で造り酒屋を営まれていると。なかなか手に入らない、すばらしい、夢醸、夢に醸造の醸と書くすばらしいお酒もお造りになっていらっしゃいます。そういった産品を生み出していらっしゃるわけであります。
 そして、今、アベノミクス、まさにその成果が生まれてきております。しかし、そういった成果を全国津々浦々の皆さんが実感していただくためには、そういった地域の小規模事業者、これが元気になるということがどうしても必要だ、こんなふうに考えておりまして、さきの通常国会におきましては、中小企業基本法の中に小規模企業の位置付けを明確にする、そういったことを始めとしまして、関連した八つの法案、これを一括で改正をする、こういった形で小規模企業活性化法、これを成立をさせていただきました。
 さらに、現在、中小企業政策審議会に小規模企業基本政策小委員会、これを設置をいたしまして、小規模企業の振興のための基本法の制定に向けて検討を進めているところであります。今後、委員会において具体的な基本法案の中身について集中的に議論を行い、来年早々に提案を取りまとめたいと思っております。
 この基本法、成立ということになりますと、ちょうど五十年ぶり、一九六三年ですから、東京オリンピックの前の年に成立をいたしました中小企業基本法に続きまして、戦後で二本目の内閣提出の基本法という形になってまいります。審議会での様々な議論、さらには、ちいさな企業成長本部、これは今年の春から二十一回の会議を開きまして、夏以降も十七回、地域地域の生の声を伺っております。そういった声も反映した基本法の一日も早い成立に向けて全力で取り組んでまいりたいと思っております。
 委員も商工会の全国の青年部長として活躍をされ、いろんな地域の生の声、聞かれていると思います。そういった声もこれからも聞かさせていただいて、そういった声も基本法の中にしっかりと反映をさせてまいりたいと思っております。
○宮本周司君 大臣、ありがとうございます。非常に心強い御発言でございました。地方も本当にこの言葉を励みとして頑張っていけると思います。
 それでは、この産業競争力強化法案におきまして、今回、今ほど言及もいただいたような小規模企業や若しくはベンチャー企業、これが各市場において競争力を付けていく、その強化を図っていく、その意味におきまして特許料等の減免措置が準備をされているところでございます。この措置自身大変有意義なものと感じております。私も商売をやってまいりましたので、経営資源が乏しい小規模企業又はベンチャー企業にとって、特許の国内外の出願に掛かる費用負担が軽減される。
 お手元、資料の二の方、一枚おめくりいただいた二の方の下段を御覧ください。実質、通常の三分の一まで減免措置が準備をされているところでございます。
 このような措置を使いまして、新たな挑戦を誘導していく、そのきっかけにもなると思っておりますし、何よりも、新規性や独自性のあるイノベーションを推進していくことで新たな価値若しくは新たな産業を創出していく、このことも強く期待できるところでございます。
 ただ、活用されなければ意味がございません。このことにおきましては、五年間という集中の実施期間でございますが、この有益な特例措置を広く発信をし、また実際に利用される、このことが重要な課題だと思っております。今回、特許庁における今後の方針又は具体的な周知実施の方法を是非伺わせていただければと思います。お願いします。
○政府参考人(羽藤秀雄君) この減免措置についてでございますけれども、中小企業の皆様の理解を深めていただいて活用していただくためにも、知財行政における仕組みを活用することはもとより、中小企業庁、様々な施策との連携を図って周知を徹底していくということが不可欠であるというふうに考えております。
 すなわち、中小企業施策に関する情報の提供には、現在、ネット上の経営支援ポータル、ミラサポにおいて今般の特許庁の減免措置を、これの周知をしていくといったこととか、あるいは各経済産業局におきましては、各地の商工会、商工会議所と連携をして、地域の中小企業の皆様の声を伺いながらその協力もいただいて、説明会の開催、パンフレットの頒布など、周知を進めてまいりたいと考えております。
 さらに、全国五十六か所には知財行政についての支援措置のための窓口として知財総合支援窓口を設けていただいておりますので、こういった場を通じて周知、あるいは実際に特許実務に携わっている弁理士を通じた周知など、関係者の様々な理解、協力をいただきながら積極的に周知に取り組んでまいりたいと考えております。
○宮本周司君 ありがとうございます。
 続いて、こういった実施スキームという点におきまして、地域の中小企業の創業等の支援に関しての御質問をさせていただきたいと思っています。
 当該法案におきましては、創業支援、市町村が事業計画を策定し主務大臣から認定を受ける、そして市町村自らがこの創業支援に携わるということになっておりますが、実際、直接的に市区町村がこういったものに従事するというのは難しいのではないかと考えております。
 過去、これまでは、やはりこういった具体的な中小企業の創業支援に関しましては、非営利で活動を行ってきた商工会や商工会議所が窓口になってきたと思っております。今後、ワンストップの支援体制を構築し、また市区町村が、民間の創業支援のいわゆる事業者、認定支援機関も含め、地域の金融機関も含め、また先ほどの商工会、商工会議所も含めてでございますが、官民一体となった形で連携をし、そしてこの支援システムをどうやってつくり上げていくのか、このイメージに関しまして中小企業庁長官の方に是非伺いたいと思います。
○政府参考人(北川慎介君) 支援体制に関する御質問でございました。
 委員御指摘のとおり、市区町村そのものが創業支援というのはできないだろうという御指摘でございます。私ども、今回の法案で考えておりますのは、市区町村の行政職員、いわゆる役場の職員が個々の創業事案に一つずつ携わると、こういうものではございませんで、地域の様々な課題を市区町村として熟知した上で民間の創業支援機関のネットワークをつくっていくと、こういう考え方でございます。
 そのためには、従来から創業支援を行ってこられた商工会、商工会議所を始めとして様々な機関との連携が不可欠と考えてございまして、実際に、ちいさな企業成長本部で各地の声を伺いましても、創業期における経営指導員のサポートが大変役に立ったというようなことで、商工会、商工会議所の活用が重要という声も出ております。
 先導的事例におきまして、富士市、板橋区、倉敷市、様々なパターンがございますけれども、いずれにいたしましても、このような先導的な取組を行っている自治体は、商工会、商工会議所始め様々な民間の機関と連携して支援体制を構築しております。今回の法案ではそのようなイメージを考えております。
○宮本周司君 ありがとうございます。
 十五分という時間が短いというものを改めて今感じておりますが、最後にちょっと提案もさせていただきたいと思います。
 今ほどの実施体制に関する御説明もいただきました。過去、二〇〇八年六月ぐらいに実施が開始されました地域力連携拠点事業というものがございます。私、これまでいろいろなそういった団体の指導員さんですとか地方の金融機関の皆様方からお声を聞いてきたんですが、あの制度が一番ワンストップの体制を現地、現場でつくることができた。ただ、その後いろいろな、政権交代であったり内閣改造もございます、有益、有意義だと思われていた地域力連携拠点事業が、支援ネットワーク強化事業又は応援センター事業又は今の地域プラットフォーム事業等、大体一年、二年でころころころころとそのスキームが変わってきた。今までいろんな中小企業政策がなされてまいりましたが、この現地、現場における体制が整っていない、固定化していない、こういったことがその成果を発揮できなかったそういった大きな要因じゃないかと個人的には感じているところでございます。どこに相談したらいいか分からない、若しくは相談しても次々とたらい回しにされる、そんなような中小企業の経営者の声も多く聞いてきたところでございます。
 先ほどの話にもございましたように、各地域の中で経済をしっかりと回していく、その意味においては、これまでのいろんな団体とか機関による個、点による支援ではなくて、これからは地域でいろいろな団体が、若しくは認定支援機関が協力をして、面で受ける、そういった体制を構築していく、固定化していく、このことが大切なんではないかと個人的には感じているところでございます。
 先ほどの商工会若しくは商工会議所というものは、全国の全ての地域に存在をしている、過去から中小企業支援をやってきた非営利の団体でございます。ここが窓口機能を果たしてコンシェルジュ役となる。そこに、地域の金融機関若しくは認定支援機関がしっかりと連携を果たし、その専門的な知識若しくは業務を提供していく。当然、地元行政ともしっかりと連携し融合することによって地域におけるワンストップの支援体制を構築することができる。このことがまた地域内のいろいろな強みを掛け合わせて新たな価値、新たな産業もつくり出す。こんなことも期待できるんじゃないかと思っております。
 このような地域における固定化した面の支援体制を構築することが個人的には重要と考えておりますが、最後の質問といたしまして、この意見に対する御見解を是非、磯崎政務官の方にお願いしたいと思います。
○委員長(大久保勉君) 時間が迫っておりますので、答弁は簡潔にお願いします。
○大臣政務官(磯崎仁彦君) 今、宮本委員の方から、御自身の中小事業者としての、またこれまでの商工会の経験を踏まえての御提言だったというふうに思っております。
 今、中小・小規模企業が抱える経営課題というのは非常に複雑化、多様化をしておりますので、それぞれの課題に対して、四百二十万を超える中小・小規模企業の経営ニーズをどのようにとらえてそれを解決をしていくかということにつきましては、やはり地域が一体となって取り組んでいく必要、まさに委員のおっしゃるとおりだろうというふうに思っております。点ということだけではなくて面で対応していかなければいけない、おっしゃるとおりだというふうに思っております。
 特に、支援機関の中でも商工会、商工会議所につきましては、やはり企業に非常に密着をした、そういう支援をこれまでも行ってきたということで、やはり中心になって活動していく母体だろうというふうに思っております。
 さらに、昨年の十一月からは、新たな認定支援機関としまして銀行、税理士等も加わっておりますけれども、やはり今後、それらの必要性を通じまして、地方の経済産業局の中での説明会でありますとか、あるいはミラサポといったような、こういったツールを通じまして、連携の必要性ということを私ども経産省としても推進をしてまいりたいというふうに思っております。
○宮本周司君 ありがとうございました。
 以上で閉じさせていただきます。
○加藤敏幸君 おはようございます。民主党・新緑風会の加藤でございます。
 議題となっております産業競争力強化法案につきましても、いよいよ大詰めの議論ということになってまいりました。ちょっと委員会の運営を含めまして場内協議を申し入れられておりまして、どきどきしておりまして質問の方が少しおろそかになってはいけないなと、こう思いつつ、少しその辺のところ質問させていただきたいというふうに思います。
 まず、企業実証特例制度並びにグレーゾーン解消制度、これにつきましては、まずしっかりやっていくということだと思いますし、いろいろと期待もあるというふうに思っております。
 そこで、一つ確認をしたいんですけれども、この二つの制度につきましては、事業者の方から要望が出されたときに、そのことを適切かつ迅速に検討し、そしてフィードバックをすると、これは非常に大事なことだと思います。いつまでもお待たせということでは駄目でありますし、それから、これがいいモデルになれば、その後広めていくということが趣旨でありますから、公開をしていく。それらにつきましては、最初のこの法律は、プラン・ドゥー・チェック・アクションをしっかりやるんだという、法律の中でも新しいアイデアを入れた法律になっていますから、当然このような提案に対しても、同じように回答期限、また利用状況を公開をし、広く世間に周知をしていくと。そのようなことを含めまして、どのように担保をされ、政府として対応されるのかということについてのお考えをお伺いしたいと思います。
○副大臣(松島みどり君) 加藤委員まさに御指摘のとおり、この法案、さらに、特に企業実証特例制度やグレーゾーン解消制度というのは、スピード感と透明性と、そして人に知らしめるということが本当に大事なことだと思っております。
 衆議院で議決いただきました附帯決議の中にも、企業実証特例制度及びグレーゾーン解消制度の運用に当たっては、原則として一か月以内に回答を行うこととしております。また、この期間に回答できない場合には、一か月ごとにその旨及びその理由を通知することとありまして、ですからこのように一か月という期限を切っているということであります。
 もう一つ、ここの附帯決議であるんですけれども、新たな規制の特例措置の求め、これは企業実証特例制度だと思いますけれども、これ及び規制の解釈及び適用の確認の求め、これはグレーゾーン解消制度であります、このそれぞれの件数については四半期ごとに公表することとなっておりまして、進捗度合いを世の中に分かってもらう、そしてまた活用してもらう、そういうことにしております。
○加藤敏幸君 そういう内容でよろしくお願いをしたいというふうに思います。
 二点目は、これも副大臣言われましたように、衆議院の方では附帯決議の方で提起されておりますけれども、事業再編につきまして、これはいろいろと議論がございますけれども、特に雇用の維持確保には甚大な影響を与えてくるというふうなことで、そういうような意味で申し上げますと、当然、労使、従業員が計画作りの段階からしっかりと議論をしていくと。その再編計画についても、従業員もその内容を理解をし、成功するべく努力をしていくということが日本の物づくり現場の強みという現実を十分受け止めてやっていく必要があるというふうに思います。その人たちと意見が分かれて、勝手に社長がやっているんだとか、そういうことでは本当の意味での成功の道にはつながらないんではないかと、このように考えております。
 これまで、産業活力再生法につきまして、いろいろな団体、労働関係団体、連合さんを始め多くの団体から、労働組合等との協議を法律に盛り込むことを一貫して主張されてきたというふうに思います。これにつきましては、二〇〇九年の改正の際に、当時の二階経済産業大臣の方から、労働組合と必要な協議を行うことなど、労使間で十分な話合いを行うこと、計画の実施に際しては、雇用の安定により十分な配慮を行うこと、この二つを計画の承認要件とする旨の答弁がなされておりまして、私は非常に意義ある答弁であると、このように思いますし、それを踏まえてこの産活法もしっかりと動いてきたと、このように思います。
 今回の産業競争力強化法案につきましては、労働組合等との十分な話合いの確保というこの視点につきまして、事業再編に伴う労働者の地位の確保あるいは失業の防止、雇用の確保といったものをどのように担保されるのか、大臣の御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(茂木敏充君) 委員御指摘のように、雇用の安定そして増加というものは経済政策上も極めて重要な課題であると考えておりまして、産業の新陳代謝を進めていく、同時に、失業なき労働移動というものを確保していく、まさに車の両輪だと、このように考えておりまして、この法案におきましても、働く側、労働組合との十分な話合いの確保という視点を導入をいたしております。
 具体的に申し上げますと、本法案におきましては、その第二十四条で、従業員の地位を不当に害するものでないことと、これを計画認定の要件としております。そして、実際の認定に当たりましては労働組合等との協議により十分に話し合うこと、また、計画の実施に際して雇用の安定等に十分な配慮を行うことを事業者に求めていくこととしております。
 また、認定事業者が事業再編を実施するに当たっては、雇用する労働者の理解と協力を得るとともに、失業の予防等の雇用の安定を図るための必要な措置を講じるよう努めなければならないこと、もう一点、国や都道府県にあっては、労働者への就職のあっせん、労働者の職業訓練の実施等を図るために必要な措置を講じるよう努めねばならないことを、法律上、法のこれは百三十五条でありますが、明確にしているところであります。
○加藤敏幸君 産業の競争力を強化をしていくという、いろいろな、この法律だけで全てをカバーできないんですけれども、これも重要なポイントであり、かつ、働く者の皆さん方の力、もっと言うと創意工夫も含めてやっぱり人材が日本の産業の基盤であると、基礎力であると。こういう今大臣の御認識だというふうなことで、その言葉を多として、この法律が施行されるときに是非先ほどの話につきましては担保していただき、率先して御指導いただきたいと、このように思います。
 さて、次に、これもいろいろな議員、先生方の御議論がございました規制改革、岩盤という言葉は使ってはいけないという我が先輩のお話でございますけれども、なかなか強固な規制がどう形成されているのかということにつきましては、参考人の方も随分率直に言っていただきました。いろいろあるけど、あなた方も作っているんだと、議員の先生方も各地方でいろんな人にいろいろ言われて、それも規制の一つだよという御指摘もございましたし、私たちも十分その言葉は受け止めていく必要があるというふうに思います。
 そこで、企業実証特例制度において、規制の問題を事業者から提起されてくるというときの基本的な考え方、余り哲学というと大げさになりますけれども、私は、これ何十年、実は規制の問題については議論がされてきました。そこで、私自身としては、まず第一に、労働規制と言われています、これは基準法だとかいろんな法から由来をしている、そこから発生している規制、それから人権規制、これは、児童労働を禁止するのはなぜなんだということを言わなくても、やっぱりベースとして、人類における人権を前進させていくために作られている国際的な約束事を含めて、国内的な法律を含めて、やっぱりそういう労働人権規制という、これはこれでしっかりとある。
 二つ目は、これは安全と健康、これを守るための規制。例えば、RoHSという有害物質六品目に関する国際的な規約がありまして、これは、ヨーロッパに輸出するときはボタン一つといえどもその成分表示を明確にしなきゃならないということで、中小企業は大変手間暇掛かることですけれども、しかし、安全そして健康、このことについての規制は非常に重要な内容であると。
 三つ目は、環境規制。これもいろいろと議論があってCOPも苦労をしていますけれども、COPでの会議もなかなか難しい側面も出てきて思うようには前進しませんけれども。しかし、環境規制もこれは明日の人類にとって非常に重要なアイテムでございまして、正直言って、大変な台風によって、途上国を含めまして、私どもの国々も大きな被害と、亡くなる人だけではなくて、生活そのものが危機に瀕するという状況の中で、私は環境規制というふうなものにつきましても十分な配慮が必要であると。
 というふうな偉そうなことを申し上げましたけれども、こういう重要な規制がある中で、すなわち、事業者が実証制度の中で、あるいはグレーゾーン解消制度の中で提起されるいわゆるここを改善してほしいというふうなことと、まあ恐らくいろいろと議論が出てくると思いますけれども、先ほど申し上げました、私は、人類が、途上国においても努力すべきこの核心的な規制について、しっかりとこれはこれで守っていくべきではないかと、このように思いますので、この辺りのところをお考えをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(茂木敏充君) 規制は何のためにあるのかと、規制を所管する省庁のためにあってはいけない。委員御指摘のように、これは、国民のため、そして安心、安全を守る、三点御指摘をいただきましたが、二点目はある意味社会的秩序を守る、三点目の環境、自然の秩序を守ると、こういったために法律が要請をしているものであると、そのように我々考えております。
 ですから、今回の企業実証特例について特定の分野を除外するわけではありませんが、同時に、その規制を撤廃をする場合、解除する場合には、その規制が求める安全上の措置をとると。つまり、代替措置をきちんととることによって、本来求められるそういった安心、安全等が確保できるということを確認するといった形で進めてまいりまして、国民生活の安心、安全等々が脅かされる、こういう状況が生まれないように十分注意をしてまいりたいと考えております。
○加藤敏幸君 これは基本的な考え方ではまず一致をするということでありまして、あとは、各論がそれぞれどういう内容であるかということは、また現実的な内容に相応して判断をしていく必要があるということで、また国会もそのことについては当然かかわっていく、そういう段階があろうかと思いますので、これは議論をしていきたいというふうに思います。
 次に、エネルギー基本計画の見直しでございますけれども、大臣がエネルギー基本計画については年内に取りまとめをするということを言っていただいていまして、エネルギー基本法に基づく要請として国がそうすると。これは議員立法でできた法律でございまして、たしか私の記憶に間違いなければ、加納時男さんとか皆さん方が努力をされて多くの方々が賛同して作ったことでありました。
 なぜ基本計画が必要なのかと。これは今更言う必要はないんですけれども、やはりエネルギーというのは国民生活の基盤であります。また、産業にとっても、エネルギーの基本的な構成がどうなるかと、またそれは誰が責任を持って担保するのかということは、産業をあるいは企業を運営する上で非常に重要な案件なんです。特に、例えば、設備投資七十兆円、こういう目標に向かってやっていくときに、私も工場の管理エンジニアという仕事をやっておりましたから、エネルギーのコストがどうなるのか、安定性はどうなるんだと、それからいわゆる品質はどうなのか、この三つの条件がしっかり確定、明定しないとプラント計画立てられないんですよ。何々電力さんから受電をして、それ、どのぐらいのキャパもらえるのか、無限にもらえるわけじゃないんですよね。
 この前、三・一一の以降計画停電という話がございましたけど、これは本当にプラントエンジニアからすると恐るべきことなんです。ある日突然計画停電ということになると、一体、工場の電力源、エネルギー源をどういうふうに考えていけばいいか。そのことによってどういう設備だとか、現実に瞬停装置、瞬間停止あるいはいわゆるバックアップ電源を自家発電持つか持たないかとか、それは大していい品質のものじゃないですしということで、大変大きなテーマなんです。だから、ここのところがきちっと決まらなければ、工場を新設するとか更新設備で更に効率のいい新しいやつを入れるとかいうことはなかなか現場では決め切らぬと。
 そういうような意味で、私は、民間の活力、競争力強化、そしていわゆる民間設備投資の拡大とか、そういうようなことをお考えになるならば、この基本計画をしっかりと作っていただける、そのことを信頼をして民間は国内立地、国内に工場あるいは事業所、営業所を造っていくということになるわけですから、この辺のところを、余り質問すると時間食いますけれども、是非大臣に一言決意を。
○国務大臣(茂木敏充君) 我が国のエネルギー、どんな状況にあっても安定供給に万全を期していく、その上では量の確保も必要でありますが、委員御指摘のように質もしっかりと確保をしていかなければいけない。そして、三・一一以降のエネルギー需給の逼迫の中では、コストの低減、こういったものも含めて、発電のそういう設備も電源そのものも多様化をしていかなきゃなりません。さらには、送配電も今まで以上にしっかりしたものについて全国レベルでの融通と、こういったものも進められるようにしていきたいと、こんなふうに考えております。
○加藤敏幸君 それでは、エネルギー基本計画につきましてはまた議論できる場面があろうかと思いますので、よろしくお願いします。
 そこで、エネルギーのベストミックスというふうなことをいろいろ内部的に検討されていると思いますけれども、私は、原子力発電について主要な大きな政党の元総理大臣、元総理という方々がそれぞれ、見解をそれぞれに述べておられる、こういうふうな状況でございますけれども、一つ私申し上げたいのは、原子力発電というのも今の方式だけじゃないんですよね。御存じのように、次世代高温ガス炉の研究開発というふうなことも、これは結構やっておられると聞きます。
 まず最初に、この次世代高温ガス炉の内容について、エネ庁の方から御紹介をしていただきたいと思いますけれども。
○政府参考人(後藤収君) 今お話がありました次世代ガス炉の中の高温ガス炉でございますけど、こちらは、まず、今の軽水炉、第三世代の軽水炉と呼ばれるものの先に、今後第四世代の炉を造りたいというのが国際的にございます。それをジェネレーションWというふうに呼んでおりますけれども、その中で一つ有力な炉、「もんじゅ」のようなFBRのような炉もございますけれど、今委員から御指摘がございました高温ガス炉というのも非常に有力な炉の基型の一つだというふうに思っております。
 日本では日本原子力開発機構が茨城県大洗において造ってございまして、既にヘリウムガスを使いながら冷却温度を、出口で大体七百度ぐらいまでの高温のガスを取り出すことができるという炉で実験をやっているという状況になってございます。
○加藤敏幸君 まだ実験中ですから、この炉について確定的な特徴をここで申し上げるということもあれですけれども、言ってみると安全性の問題、それから建設コスト、いろいろございまして、使用済燃料の排出量であるとかいろいろな点でこれから議論がされますけれども、最近中国が随分力を入れて、今実証炉前段ぐらいまでに来ているというふうに聞いていまして、これも大変大きな、メルトダウンについては非常に強い耐性を持ったというシステムだと、このように考えておりますので、私は、原子力発電というふうなものも、やはりウランは世界に結構分散をしているし、そんな意味ではエネルギーの安全保障というふうな視点からも重要な仕組みだと。
 そんなことで、第三世代も随分レベルは上がっていますけれども、さらにこういうふうな新しい開発もやっていただく中で、安全性を更に更に高めた中で、やはり国民生活、産業の競争力を支えるエネルギー源を御努力をいただきたい、これもさらに今後の議論として私は上ってくるんではないかというふうに思います。
 次に、私、二〇〇四年の七月の選挙で議員になりました。その年の十月の経済産業委員会の初めての質問のときに、中川経済産業大臣、残念ながらお亡くなりになりました、最初の質問で申し上げたのは、全国、当時工場が海外に出ていく、全部中国だとかあっちに出ていくと。日本の工場というのはもうペンペン草が生えていた。全部シャットアウトしていたんです。そういう状況の中で、これでいいのかと。逆に言うと、もうこれ以上海外に工場を出すなと。国内に工場を残さなければ、雇用の問題だとか社会保障費だとか、その工場でお弁当を食べてもらうからやっぱりそこら辺の周りの業者の皆さん方も潤うということを含めて、国内立地というふうなことが国内経済を支える上で極めて重要なんだと。
 そこで、重要な問題は、国際競争ということからいけば、構内は、私たち働く者と経営者、労使が必死になってコストダウンやっているんですよ、一円単位で。だから、政治が一々口出しするなと、政府に言ってもらわなくたって、こっちは命懸けでやっていることだと、会社の中のことは。しかし、問題は会社の外。塀の外が高過ぎる。何が高いのといったら、まずエネルギーコストが高いんですよ、これは。いろんな意味で高い。このエネルギーコストの問題をどうするんですかと。物流コストも高いんですよ。水も実は高いんですよ。水がいかに高いか。行政コストも高いんですよ。高い高い高い、高いだらけの列島で私たちは工場を造って、中は必死、だけど外はどうなっているんだと。
 だから、やっぱり港湾も空港も高速道路も、JR貨物も含めた総体的な物流も含めて、私は、各種、政府、行政が努力すべきことがあるんじゃないでしょうか。すなわち、物づくり日本、これをどう支えるのかということで、九年間、十年目の活動をやってきました。
 いろんな意味で私は前進していると思うんです、港湾も随分改善されたし。そういうような意味で、経済産業省が中核になっていわゆる競争力強化でやっておられるんですけれども、ただ、このエネルギーコストの問題は、先週、IEAの事務局長さんが来られて、日本のエネルギーコスト、このまま行っちゃったら産業自身の競争力は落ちますよと、こういうふうな話がある中で、それは言われなくたって、外から言われなくたって分かっておるんだと、こう申し上げたいわけで、その辺のところで、我が国の電力料金というもの、これは小林委員が言われましたように、やはりある程度しっかりと構造的なところを、政府含めて、私は国民の合意もつくっていく中で考えていかないと、状況任せでエネルギーが上がったり下がったり、そして品質も、じゃ、もういいよ、三十分停電したってこっちでやるからと。それを前提で工場を造るんならまた別の設備投資が必要なんですよ。
 そんなことを含めて、やはり私は、我が国のエネルギー、生命線であるエネルギーをしっかりと、そしてそのことをやらないと産業競争力強化ということは画竜点睛を欠きますということを強く申し述べまして、この辺のところはちょっと話が雑駁になって、大臣としては大変答えやすいと思いますけれども、是非お話をしていただければと思います。
○国務大臣(茂木敏充君) 二〇〇四年、中川経済産業大臣の当時、私は、ITそして科学技術の担当大臣をやっておりまして、同じようなやっぱり、産業の空洞化等々について深刻な問題である、こういう認識を持っておりました。幾つかの立地環境というものを改善をしなきゃならない。恐らく、やはりデフレ、円高からの脱却というのは大きな課題であったと思っております。今年、デフレが解消され、円高が是正されつつある。そういった中で、恐らく、三菱電機だけではなくて、電機や自動車ですね、相当今業績も改善傾向にあるんではないかなと思っております。
 もう一つ、エネルギーコスト、物流コストの問題でありますが、先ほども御答弁申し上げたように、現下においては、やはり安定供給を図ると同時に、この電力、エネルギーのコスト低減を進めていかなきゃならない、このように考えておりまして、そういった意味でエネルギー源も多角化していく。同時に、調達先につきましても、中東だけに頼るという形から、例えば北米のシェールガスであったりとか、調達先も多角化することによって日本としてのバーゲニングパワーも付けていきたい。さらには、需要の側も適正にコントロールするような、そういった電力システム改革も含めて取組を行うことによりましてコスト削減にも努めていきたい。
 そして、物流コストに関しましては、経済産業省、それと国土交通省、こちらの方が連携をいたしまして、今後五年間の総合物流施策大綱、こういうのも取りまとめたところでありまして、両省連携してしっかり物流コストの削減にも取り組んでまいりたいと考えております。
○加藤敏幸君 エネルギーコストの中でも特に電力料金につきましては、電力事業者にだけ非常に集中した私は議論がやっぱり行われていると。それはそれで必要ですけれども、よくよく考えてみれば、新しい原子力発電方式の開発だとかいろんな要素があって、それらを私はそれぞれしっかりと議論をし、新しいソリューションを見付けていくということだと思うんです。
 だから、その意味では、そろそろ私は議論として、まあ事故が契機となって、電力事業者含めた、送配電を含めていろいろ、電事法だとかいろんなところで議論されてきましたけれども、ある種偏った議論だけではなくて、いろいろ今までこの委員会でも議論されてきました広範な、そして重層的な視野に立った議論を是非私はやっていく必要があると、そのことを申し上げまして、この産業競争力強化法案に関する質問を打ち切りたいと思います。
 ありがとうございました。
○杉久武君 公明党の杉久武でございます。
 今日は、前回に引き続き、設備投資促進税制について質問をさせていただきたいと思います。
 前回は、この税制を具体的にその現場でどういうふうに当てはめていくかという観点で種々御質問させていただきましたが、今回は、その経済効果の部分に焦点を当てて、一部重複する部分もあろうかと思いますが、質問させていただきたいと思います。
 まず、財務省にお伺いをさせていただきます。
 設備投資促進税制について、前回、十一月二十六日のこの委員会での答弁では、平成二十五年の予算ベースで減収額が四千四百億円ということを伺いました。また、中小企業投資促進税制の延長、拡充の部分については二百五十億円ということもお伺いしました。この減収額をどういうふうな前提で計算をされているのか、その概要についてお伺いいたします。
○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。
 今般の経済政策パッケージと二十五年度改正で行った税制措置、共に日本再興戦略で示された設備投資目標を達成していくことに両制度が相まって効果を発揮していくものと考えておりますけれども、先生今御指摘の経済政策パッケージに入っている投資減税措置の効果でございますけれども、経産省におきまして、事業者からのヒアリング等に基づいて生産性向上等の要件を満たす設備投資の額を推計した上で、大法人や中小法人の利益法人割合、それから税額控除割合等を勘案いたしまして減税額を見積もっているところでございまして、その金額は、先生御指摘のとおり、生産性向上設備投資減税としては全体四千四百億円、そのうち中小企業投資促進税制は二百五十億円ということで見込んでいるところでございます。
○杉久武君 ありがとうございます。
 この内容については私も事前に御説明もいただいたんですけれども、やはり私も様々な企業の現場を見ていく中で感じることは、今回の前提も、例えば即時償却と税額控除は約半々ぐらいではないかとか、税額控除割合が一定割合で計算上考慮されたりするんですが、現場の経営判断というのは、もう少しやはり様々な要素を考慮しながら、特に企業の現場として、やはり即時償却よりも、即時償却ですと単なる課税の繰延べになりますので、やはりこの税額控除の方がインセンティブは高いんではないか、そういった現場の判断が十分に考慮されているのかという点について、もう少し精緻な分析が必要なのではないかという点について御要望させていただきたいと思います。
 また、今回、中小企業の部分が二百五十億円ということで、これ、拡充の部分だけの影響にはなりますけれども、やはり今回の税制、今回、中小企業の税制ですので、これ税制上の中小企業になりますので資本金一億円未満の会社に対しての今回の拡充にはなりますが、やはり中小企業、資本金一億円未満の法人というのは全体の九八・八%を占めることになりますので、もう少しやはり中小企業に与える影響、またその効果についても今後実行段階でしっかり見ていただきたいというように考えております。
 続きまして、経済産業省の方にお伺いをさせていただきます。
 日本再興戦略では二〇一五年までに民間設備投資を七十兆円にするということを掲げられておりますが、そのためには現在の六十三兆円から毎年三・八%程度の設備投資の増加が必要になりますが、今回の設備投資促進税制の影響はこの目標数値に対してどの程度影響するのか、御答弁をお願いいたします。
○政府参考人(菅原郁郎君) 委員御指摘のとおり、今後三年間で六十三兆円からリーマン・ショック前の水準である七十兆円に設備投資水準を引き上げていくということが成長戦略に書かれておりまして、既に今年一月に行いました緊急経済対策で講じました立地補助金、それと設備投資減税、これによって、今年度についていえば既に一・八兆円の設備投資の底上げが行われると見越してございます。
 これに加えまして、この法案と並行して行うこととなっております生産性向上設備投資促進減税、これによって更なる企業の設備投資の判断の増加、既に判断している企業にあってはより高度かつより規模の大きい設備投資に踏み切るということも想定されまして、今のところ、先ほどの四千四百億円規模の減税効果をにらめば民間設備投資総額を年間二兆円程度押し上げる効果があると考えておりまして、ただ、設備投資が増える増えないはこの減税制度との一対一対応ではございませんで、様々なアベノミクスの他の政策措置と総合的に講じていく必要性がありまして、この三年間で七十兆円をしっかり実現するよう万全を期してまいりたいと考えてございます。
○杉久武君 ありがとうございます。
 本当に今回のいろいろパッケージの中で、やはりこの七十兆円の達成のために、こちらについてもしっかりと実行段階でのモニタリング、そして必要に応じての改善について御要望させていただきたいと思います。
 続いて、この生産性向上を促す設備投資税制について、税務上の取扱いを何点かお伺いさせていただきたいと思います。
 まず、この生産性向上を促す設備投資促進税制において、中小企業投資促進税制のような税額控除の上限額は、その当該年度の法人税額の二〇%を上限とするような、そういった上限規定は設けられているのか。また、一年間に限っての繰越し、中小企業の方は認められておりますが、それが今回の生産性向上も認め得るのか。また、即時償却については損金経理のほかに準備金方式による処理も認められているのか。この点について、三点、お答えをいただきたいと思います。
○政府参考人(菅原郁郎君) 委員御案内のとおり、今回の生産性設備投資促進税制でございますけれども、三千万以下の中小企業であれば中小企業促進税制で一〇%の税額控除、三千万から一億は七%、それ以上の企業であれば五%の税額控除が適用されることになっております。その際の上限でございますが、十月一日に定められました自由民主党、公明党の与党税制大綱では、この税額控除は当期の法人税額の二〇%を上限とするというふうに定められておりまして、今後そういう形で法的措置がなされるものと承知してございます。
 もう一点、二点目でございますけれども、中小企業につきましての税額控除額の繰越しでございます。これについては、中小企業が赤字企業であっても一年間についてはその税額控除の繰越しが措置される予定となってございます。これについては、中小企業の経営等に特別に配慮し、限定して認められた極めて例外的な優遇措置であるというふうに承知してございます。
 三点目のお尋ねの即時償却を選択した場合の特別償却制度において認められている特別償却準備金制度でございますが、本件についてもこの準備金方式による損金処理については措置されるものと考えてございます。
○杉久武君 ありがとうございます。
 税額控除の上限規定ございますということと、これについてはその分やはりどうしても使い勝手が悪くなるんではないかという点はあると思います。あと、準備金方式が取れるということで、一般的に上場企業においては即時償却は企業会計上は認められない仕組みになりますので、やはり適正な期間損益計算上、即時償却ができない、損金経理ができない、そういう上場会社においても準備金方式が認められることによって今回の制度は十分活用できるんではないかなと思います。損金経理要件自体はなかなか日本独自の制度で海外にはない仕組みでありますので、この点については私、個人的にはもっと柔軟な税制の見直しが必要ではないかとは思っておりますが、この点については別の機会に述べたいと思います。
 今回、こういった形で、税制でも税額控除の上限、繰越しも限定されるという中で、やはりこれは、納税をしている、そういった事業者には使い勝手がいいですけれども、やっぱり赤字法人というところについてはなかなかこれを利用する幅がないというように考えておりますので、こちらについてもしっかりやはりこれも実行段階でどういった影響があるか見ていただきながら、是非これも実行段階で改善を必要であれば図っていただきたいと思っておりますが、この点について御答弁をお願いいたします。
○政府参考人(菅原郁郎君) 税額控除でございますので、当然その適用対象となるのは黒字企業でございます。よく赤字企業、中小企業について見れば赤字企業が七割を超すというふうに言われてございますが、ただ、よく見てみますと、二期連続で赤字の中小企業というのは三割にすぎません。裏返して言えば、二年間で七割の中小企業の方が黒字を経験するということになりますので、先ほど申し上げました一年間の繰越制度、こういったものも活用すれば、かなり幅広い中小企業の方が意欲的な設備投資を行えばこの減税の恩典に浴することができるというふうに考えてございます。
 いずれにしても、今後、いろいろ税制の運用過程で様々な情報が得られると思いますので、それも参考にしながら今後の改善に生かしていきたいというふうに考えております。
○杉久武君 ありがとうございます。
 続いて、中小企業政策で何点かお伺いさせていただきたいと思います。
 まず、内閣府の方にお伺いをさせていただきます。前回も少し触れましたが、日本再興戦略では、二〇二〇年までに黒字中小企業や小規模事業者を倍増すると、現在の七十万社から百四十万社にするという目標を掲げられておりますが、ここで言う黒字というのはどういった定義になるんでしょうか、お答えを願います。
○政府参考人(赤石浩一君) お答えいたします。
 日本再興戦略における黒字中小企業・小規模事業者とは、国税庁が毎年実施しております会社標本調査における資本金一億円以下の法人であって所得金額が正である法人、すなわち利益計上法人を指しております。
○杉久武君 ありがとうございます。
 そうしますと、利益計上法人、ここの会社標本調査をベースということになりますと、やはりこれは納税をしているのとほぼ同義だというふうに感じております。
 ただ、今、利益計上中小法人も一九九一年の百九万社をピークとして下がり続けて、今一定の打ち止めがされていると思うんですが、やはりまだまだこれを百四十万にまで回復するのは非常に難しいというように考えております。
 また、納税をするということになりますと、今ある繰越欠損金を全部使い切って更に利益が出るという状態になりますので、今、繰越欠損金も九年間繰り越せる状況の中で、本当に二〇二〇年にそれだけの規模が、特に繰越欠損金、中小企業で総額で三十四兆円もあるという状況にありますので、その点について本当にこの二〇二〇年の百四十万社が達成できるのか、その見通しについて経済産業省にお伺いしたいと思います。
○政府参考人(北川慎介君) お答えいたします。
 黒字法人、赤字法人の件でございますけれども、日本再興戦略で黒字の中小企業・小規模事業者、これを二〇二〇年までに百四十万社に倍増させるということでございます。
 これは現在の中小法人、この半数を黒字にするということでございますけれども、これは過去を振り返りますと、一九九一年には約半数の法人が黒字になってございました。このときのGDP成長率、実質二・三%ということで、この黒字法人倍増のポイントは二つあると思っていまして、一つは経済全体、日本再興戦略に掲げられた名目三%、実質二%の経済成長、これができて、この上で中小企業の収益が上がっていくということ。それからもう一つは、個々の政策におきまして、例えば、ものづくり補助金のような政策、あるいは、今回経済対策を考えておりますけれども、そこで思い切った投資補助的な制度、あるいは、先ほど議論のありました税制、中小企業投資促進税制あるいは少額の減価償却資産の特例、こういった様々な制度を組み合わせて黒字法人の倍増に向けて進んでいきたいと思っております。
○杉久武君 ありがとうございます。
 もう時間が大分なくなってまいりましたので、最後に大臣に御質問させていただきたいと思います。
 先週、この委員会で参考人質疑もありまして、その中でPDCAをしっかり回していく中で、やはり悪い情報がしっかり現場から上がってこないと実効的なPDCAが行えないという話もありました。やはりどれだけいい設計図、仕組みをつくっても、例えば民間企業であれば、その社風とか倫理観とか経営理念とか、そういったものが浸透していなければ、なかなかそれがうまく機能しない。このPDCAをしっかり回すには、やはり大臣の強いリーダーシップの下、本当に悪い情報もどんどん吸い上げてしっかり改善活動をしていく、そういったことが必要になってくると思いますが、その点について大臣の御決意をいただければと思います。
○国務大臣(茂木敏充君) 大学の最初の会計学の授業で、会計は経営の鏡と、こういう言葉が出てきたのを、公認会計士として、税理士も経験された先生の御質問を聞いていて思い出していたところでありますけど、この法案におきましては、実行計画を作って、毎年一度進捗状況を管理しながらPDCAサイクルを回していく。そこの中で、良い情報もそうなんですけれども、特にうまくいっていないとか、そういう上がってきにくい情報がしっかり上がって、それが共有されることによって計画の見直し等々が行われる、そういうことをしっかりやってまいりたいと考えております。
○杉久武君 ありがとうございます。以上で終わります。
○行田邦子君 みんなの党、行田邦子です。
 前回の質疑におきまして、私は、官民ファンドと、そしてベンチャー投資の促進について主に質問をさせていただきました。補足説明をさせていただきたいと思います。
 前回の質問で私は、官民ファンドについて、行政の関与によって公的資金を投入するわけでありますので、その運営というのはしっかりとした規律をもってなされるべきであるということ、そしてまた、行政が介入する投資案件というのはどうしても、特に長期にわたる投資案件であればあるほど責任の所在が曖昧になってしまいがちですので、官民ファンドという手法には過度に依存することへの懸念を表明させていただきました。
 一方で、ベンチャー投資の促進策として、企業がベンチャーファンドに投資をする、その投資額の一部を損金算入できるという策が本法案に盛り込まれていますけれども、これについて私は優れた政策であると評価をさせていただきました。
 なぜならば、税制の特例措置でありますので新たに国の予算を必要とはしません。そしてまた、税額控除ということではないので、厳密に言えば減税ではなくて損金算入と、税の繰延べであるということから評価をさせていただきました。
 このように、国の予算規模を肥大化させることなく民間投資を促す環境整備というのは、私はもっと要件を緩和してもよいのではないかと考えたわけであります。官民ファンドを限定的にするということと、企業のベンチャーファンドへの投資の損金算入の対象を広げるということの双方を主張するというのは矛盾するものではないというふうに考えております。
 質問に移りたいと思います。
 まず、大臣に伺いたいと思います。産業の新陳代謝に関連しての質問であります。
 本法案では、事業再編の促進ということと、それから百三十五条に雇用の安定の努力義務が、両方が盛り込まれていますけれども、事業の再編を促進するというと、どうしてもそのままの雇用を維持するということはなかなか難しくなると思います。
 そこで、事業再編の促進と雇用の安定をどのように両立できるとお考えでしょうか。
○国務大臣(茂木敏充君) 我々としては、事業の再編、そしてまた雇用の安定、拡大、これは両立できるものであるし、また、していかなければいけない、そんなふうに思っているところであります。
 日本におきましては、今、過小投資、そしてまた過当競争、こういう問題を抱えておりまして、産業の新陳代謝を進めていかなきゃならない。この法案の中にもその仕組みを盛り込んでおります。これによって新しい事業、さらには新しい産業というものが生まれてくるわけであります。企業の中から新しい文化を持った事業等がカーブアウトされる、スピンオフする、こういったものが生まれてまいります。同時に、雇用にしても、一つの企業にとどまっているのではなくて、失業なき労働移動、こういった形で新しい分野、新しい事業に雇用の方が移動していくということが極めて重要だと考えております。
 少子高齢化社会が進む、そして労働力人口が減る中で、優秀な日本の人材というのが一番活躍できる場所で活躍できるような環境をつくっていく、こういったことが極めて重要だと我々としては認識をいたしております。
○行田邦子君 ありがとうございます。
 私も今の大臣の御答弁、全く同感であります。
 そこで、今日は厚生労働省に来ていただいていますので伺いたいと思います。先ほども大臣から失業なき労働移動ということがおっしゃられましたけれども、それに関連して質問をいたします。
 事業再編等によって離職を余儀なくされる労働者の失業予防、また再就職支援というのは、これは私は雇用主の責任として努めていかなければならないと、これが前提であると考えています。しかしながら、このことが事業再編の足かせとならないよう政府としてもやはり策を講じるべきと考えますけれども、具体的な策はどのようになっていますでしょうか。
○政府参考人(内田俊彦君) お答えいたします。
 日本再興戦略におきましても、行き過ぎた雇用維持型から労働移動支援型への政策転換により失業なき労働移動の実現を図るとしているところでございまして、現在、労働移動支援助成金を拡充する等の施策を検討しているところでございます。
 御承知のとおり、労働移動支援助成金は、事業規模の縮小等に伴いまして離職を余儀なくされる労働者等の円滑な再就職実現を図るために、その再就職支援を民間の職業紹介事業者に委託した事業主に対して委託費用の一部を助成するものでございますが、具体的には、現在、この労働移動支援助成金につきまして、対象を中小企業だけではなくて大企業に拡大し、また送り出し企業が民間人材ビジネスの訓練を活用した場合の助成措置を創設するほか、助成金の支給時期を支援委託時と再就職実現時の二段階にする、さらに受入れ企業の行う訓練への助成措置を創設する等の拡充を検討しているところでございます。
 平成二十六年度概算要求におきまして三百一億円を計上しているところでございます。
○行田邦子君 労働移動支援助成金の拡充ということで、これは産業の新陳代謝を促していく、そしてそのための失業なき労働移動ということにうまく呼応した策ではないかなというふうに私は評価をしたいと思います。
 そこで、この労働移動支援助成金について伺いたいんですが、この助成金はいわゆる非正規雇用者、有期直接雇用、またパートタイム労働、そして派遣労働者と、こういった非正規雇用者も対象となるのでしょうか。
○政府参考人(内田俊彦君) 先ほど申しました労働移動支援助成金は、事業規模の縮小等に伴い離職を余儀なくされる労働者等に対してその再就職を実現するための支援、これを民間の職業紹介事業者に委託した事業主に対して助成するものでございますけれども、この助成金におきます対象の労働者は、事業主が作成する再就職援助計画等の対象になっている雇用保険被保険者ということになってございます。
 パート、アルバイト、契約社員、派遣労働者といったいわゆる非正規の労働者につきましても、この要件を満たせば本助成金の支給対象になるものでございます。
○行田邦子君 雇用保険の対象者であれば対象となるということですけれども、有期直接雇用、またパートタイム労働の場合は、パートタイム労働、週二十時間以上の労働者の場合は恐らく適用されるんだろうと思っていますけれども、やはりどうしても、事業再編のような局面におきましては、教育機会が十分に与えられていない非正規雇用者から先に人員調整がされがちであります。雇用の流動化に対応してしっかりとした職業教育、職業訓練ということを充実をさせていく、セーフティーネットを敷くということは国としても整えるべき、重要であると思っておりますけれども、私は、それだけではなくて、今、雇用制度の転換が求められているというふうに考えています。
 かつては、終身長期雇用、また年功序列といった日本型の、日本的な雇用慣行が、人口が増える、また高い経済成長という中ではうまく機能していたわけであります。けれども、様々な環境変化によりまして、このような日本的雇用慣行を維持するには正社員の数を減らさざるを得ない、そしてまた非正規雇用者が増えていくという二極構造になってしまっています。また、見方を変えますと、正社員は、日本的雇用慣行の下では、新卒で入社したまんまそこに居続けるという、その後、新たに自分の能力を発揮できるような職場が、可能性があったとしてもなかなか移りにくいというような、逆に働く人の選択肢が狭められてしまっているとも言えます。
 先ほど大臣がおっしゃられたように、人材がより成長が見込める産業へと移動しやすくする、また働く人が自身の能力をより生かせる職場へと移動しやすくする、そのような日本的雇用慣行の見直しを今すべきと考えています。そのことが、労働者にとっても、また企業にとっても、そして産業競争力の強化という視点でも望ましいと思っています。そのためには、入社年次や年齢といった属人主義の評価から職種ごとの、職務内容を明確化して職務による評価、つまり職務主義の評価に転換していくべきと、そのことが正規、非正規雇用の問題の解消にもつながっていくと考えています。
 このような議論が産業競争力会議でも行われていたのでありますけれども、残念ながら、全体としてのまだ雇用改革の姿というのが見えてきておりません。
 政務官、ちょっと申し訳ないんですが、質問を飛ばさせていただきます。
 最後の質問になります。産業の新陳代謝につながる事業の再編などの経営判断を促す方策として、コーポレートガバナンスの強化ということが言われています。
 大臣に伺いたいと思います。社外取締役の導入ということが、様々な議論がなされて、法案も出されたようでありますけれども、産業の新陳代謝につながる事業の再編を促す方策としての社外取締役の導入ということについて、大臣はどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(茂木敏充君) 適正な経営判断を行い、それによって産業の新陳代謝を進めるためには、コーポレートガバナンスの強化、極めて重要でありまして、社外取締役の導入を促すこと、これは有効であると、このように考えております。実際、六月に作りました日本再興戦略におきましても、独立性の高い社外取締役の導入を促進するための措置を講ずるなど、少なくとも一人以上の社外取締役の確保に向けた取組を強化する、そういった措置が盛り込まれたところであります。
 これを受けまして、先月、十一月の二十九日に、社外取締役を導入しない企業に対して導入しない理由の開示を義務付けると、こういったことを内容とします会社法改正案を閣議決定し、今国会に提出をしたところであります。この改正案では、社外取締役を入れない企業は、なぜその企業にとって社外取締役を入れることが相当でないのか、毎年の株主総会で説明することとなっております。
 この改正案が成立をいたしますと、各企業は、きちんとした理由がない限り社外取締役を導入することが期待をされるわけであります。そうなりますと、社外ならではの専門性であったりとか、社内のこれまでのしきたりとか古い考えにとらわれない社外取締役が経営に参加する、参画することによって、経営者の思い切った、そしてスピーディーな判断が促され、産業の新陳代謝、一層進むものと期待をいたしております。
○行田邦子君 法案が出されて、その中では、社外取締役を置かない場合は株主総会などで説明するというようなことになっているようでありますけれども、私は、それだけではなく更に踏み込んで、やはり上場企業等への社外取締役の設置の義務付けということも早期に検討すべきであると、そのことが、産業の新陳代謝につながる事業の再編を自ら企業が判断し、また実行できる体制、つまりコーポレートガバナンスの強化につながるというふうに考えております。
 少し時間が余りましたが、終わらせていただきます。
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子でございます。
 電機産業は、製造業の中でも最大の雇用を支え、二〇一一年の労働力調査でも自動車産業を上回る百四十二万人の雇用を確保しているということです。さらに、一次、二次下請入れますと、パナソニックグループ、シャープ、これだけでも四万社、雇用は一千百万人と言われております。この電機産業の動向は、日本経済と国民生活にとっても本当に極めて大きな影響を与えるものだというふうに考えております。
 さて、その電機産業が現在実態どうなっているかということでございます。大阪の茨木市太田東芝町、松下町と、いずれも企業名が付いた町から、東芝は完全撤退、パナソニックは開発拠点だけを残して縮小しております。これ、この大阪の例に限らず、今、工場閉鎖、縮小、新たに地域経済に与えている影響、極めて大きいと考えておりますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(茂木敏充君) 我が国の電機産業、自動車産業と並んで基幹産業、そして多くの雇用を支えてまいりました。ただ、委員御指摘のように、大規模な工場等が閉鎖された場合、そこでの雇用の喪失、下請企業への波及、さらには消費の減退など、地域経済全体にも大きな影響を及ぼす懸念があることは間違いございません。
 御案内のとおり、今、電機産業を取り巻きます環境というのは、恐らくこの二十年ぐらいで大きく変化をしてきていると思います。かつては、部品から部材、そして製品までいわゆる垂直統合型で一つのグループで全て作る、こういう形で事業のモデルが成り立っておりましたが、最近では、これが、基幹の部分をあるメーカーであったりが押さえて、そして水平分業によって製造が行われる、こういう状況で、日本が得意といたしますすり合わせ技術、こういったものがなかなか国際的に通用しにくくなってきている。同時に、コスト競争力、こういったことを考えて、韓国、台湾、中国の企業との激しいグローバル競争に直面をしているのも事実であると思っております。
 ただ、そういった中でも、今、また電機産業も円高の是正等々によりまして復活をしてきている。まさに国内経済が良くなれば電機も良くなる、こういう側面もあるわけでありまして、この産業競争力の強化、アベノミクス、こういったことを通じて、基幹産業が日本で活躍できる、こういった環境をつくってまいりたいと考えております。
○倉林明子君 地域への影響は極めて大きいということなんですよ。
 国内半導体大手、ルネサスエレクトロニクスが、大規模な工場閉鎖とリストラ計画を進めております。産活法で認定を受け、投資を受けております。その投資総額と、そのうちの産業革新機構からの投資額、これ、幾らになっておりますでしょうか、額でお願いします。
○政府参考人(富田健介君) お答え申し上げます。
 半導体大手、ルネサステクノロジでございますけれども、株式会社産業革新機構、それから、民間ではトヨタ、日産等の自動車関連、パナソニック等の電機関連、計八社、合わせましてルネサスエレクトロニクス株式会社への出資総額は千五百億円、そのうち産業革新機構の出資額は千三百八十三億五千万円と承知をいたしております。
○倉林明子君 ルネサスは、二〇一二年の十二月にこの一千五百億円の資金調達の方針を発表しております。今ありましたように、そのうち産業革新機構が九二%を出資するという方針となっておりました。
 この昨年、二〇一二年の十二月の時点で、ルネサスは既に国内工場十八のうち十工場を閉鎖、売却いたしまして、一万四千人の人員削減計画を進行させていたさなかでありました。加えて、今年八月に新たな人員削減計画を打ち出しまして、当初は存続すると言われておりました甲府、鶴岡、柳井工場を二、三年以内に閉鎖という方針が示され、熊本工場、ここについても閉鎖か売却だということです。滋賀、高崎工場は生産ラインを削減するという大規模な計画が追加で発表されております。
 このルネサスの資金調達の方針発表は昨年十二月ですが、実際に投資が実行されたのはいつでしょうか、日時でお願いします。
○政府参考人(富田健介君) お答え申し上げます。
 株式会社産業革新機構及びその他関係八社による出資につきましては、本年九月三十日に払込手続が完了したと承知をいたしております。
○倉林明子君 経緯を見ますと、追加のリストラ計画の直後にこの出資が実行されているということだと思うんですね。出資実行の決め手がこのリストラ計画だったんじゃないかと。これはいかがでしょう。
○政府参考人(富田健介君) 昨年十二月の方針決定以降、その後、元の出資会社、NEC、三菱電機、日立製作所、関連の債権者が非常に多うございますので、実際の債権者との調整を進めておりました。そういった事情で実際の払込手続が九月の三十日になったというふうに承知をいたしております。
○倉林明子君 産業革新機構は、事実上経産省のつくったファンドと言えると思うんですね。
 ルネサスへの出資は、九二%が先ほど説明あったように産業革新機構から出されていると。予算の認可にとどまらず、個別の事案に対し、支援基準、整合性など、大臣が意見をつくる仕組みもある。政府の政策判断が反映されたこれ投資だという受け止めなんですけれど、いかがでしょう。
○政府参考人(富田健介君) 御指摘のとおりでございまして、この方針決定をする際には、雇用対策に万全を期すようしっかりと経産大臣名で意見を申し述べているというところでございます。
○倉林明子君 この追加の、そして突然の工場閉鎖、人員リストラにつながるこの計画の発表に、従業員はもとよりですが、下請にも動揺が今広がっております。それに加えて、地域経済への影響が甚大だということで、知事や首長からも計画の見直しを求める要請の動きが伝わってきております。
 私、知事や首長から出されているこうした要請に対して、大臣もしっかり受け止めてこたえるべきじゃないかと思います。いかがでしょう。
○国務大臣(茂木敏充君) 山梨県の横内知事とは当選同期なんですね。昔からよく存じ上げております。要請についても、その趣旨についてもよく承知をしているつもりであります。
 一方で、ルネサスの方針、これ大変厳しい経営環境の中で、経営の判断として行われたものだと思っております。従業員、また地域に対する丁寧な説明、そして配置転換等によりましてその影響を最小限にとどめる、そういう努力を続けるように経済産業省としてルネサスの方には要請をしております。
○倉林明子君 そもそも、去年の夏の時点では閉鎖対象になっていなかった工場まで追加の閉鎖対象に挙がっているし、更にもっと縮小させていくのではないかという動きになっているので、現地、地方自治体の首長を含めて、何とかこの計画を撤回してくれという要請になっていると思うんです。そういうことにしっかりこたえることが必要だと思いますので、今の応援していきたいという言葉もありましたので、しっかり地元の声にもこたえて、要請にこたえていただきたいと、これは強く要望をしたいと思います。
 その上で、こうした事業再編計画が実行されていきますと、更に地域の雇用が奪われることになるのは、これは明らかだと思うんですね。産活法では、目的規定である第一条に雇用の安定等を配慮しつつ講ずるとされてまいりました。ところが、本法案では、雑則でもある百三十五条に、雇用の安定に関する努力義務の記載となっているということです。
 先ほど来様々な議論がありました。人が財産だという御指摘もあり、中小企業が技術を構築してきたと、継承してきたと、本当にそのとおりだと思います。労働者が培ったこうした技術を生かせる職場そのものが今奪われつつあるということではないかと思うんです。
 大臣、いかがでしょう。
○国務大臣(茂木敏充君) 産活法の当時、振り返ってみますと、過剰設備、そして過剰債務、さらには過剰人員を抱えていると、こういう企業を再生する、こういう事業再編の状況でありまして、事業撤退等々が十分想定されたために、目的規定に、雇用の安定等に配慮しつつと、こういう文言を付け加えたところであります。
 現在の状況、これ何度も申し上げておりますが、三つのゆがみ、過小投資、過剰規制、過当競争、こういったものを是正をしていくということでありまして、これは、産業の再編をして新しい事業もつくる、そして、何度も申し上げておりますけど、それによって雇用も安定し、そして新たな雇用が生まれる、こういったことを想定しております。
 そういった中におきまして、雇用の重要性につきましては、第二十四条、そして百三十五条にしっかりと書き込みをさせていただいたつもりでおります。
○倉林明子君 確かに、雇用の数の確保という点では維持されているというのは統計上も明らかだと思います。しかし、その中身を見てみますと、過去最大に非正規雇用の数が拡大し続けておって、最新のデータでは一千九百万人を超える状況になっているかと思います。それが果たして安定した雇用、質の高い雇用の確保につながるのか、私は決してそうではないというふうに思います。
 今、電機産業は海外に生産部門を移転させるだけにとどまらず、技術の移転、そして流出に歯止めが掛からないというのが現状だと思います。下請取引先を含めて、物づくりを支えてきたこの産業の基盤や技術が大きく崩れつつあるんじゃないかというふうに思っております。日本から製造業が撤退することにアクセルを踏むような仕掛けとなっているんじゃないかと、この本法案について、日本の経済、国民の暮らしの土台、これも壊すことにつながるのではないかと、このことを指摘して、質問は終わりたいと思います。
○中野正志君 日本維新の会の中野正志でございます。
 質疑も終盤でございますので、三つ、四つ、確認ということで質問をさせていただきます。
 まず、第五条の事業者の責務についてであります。
 この法案の第一章第三条では、この法案の基本理念を打ち出しております。第四条では国の責務を述べております。そして、第五条ではさらに事業者の責務という条文を設けていますけれども、この第五条の内容とは、簡単な言い方をすれば、事業者に対して経営改革を進めて競争力を付けてくださいと、そう言っておられるんですね。条文の表現としては、新たな事業の開拓その他の事業を積極的に行うよう努めなければならない、こうされております。
 そこで、質問ですが、この条文の趣旨というのは、事業者に対して生産性向上の意識を持ってもらう、言わば精神条項として掲げておられるのか、あるいは、法の趣旨の周知徹底を図るという観点から、事業者に対して積極的に国が働きかけるというようなことをやっていくのか、その辺りの国の考え方についてまずお尋ねしておきたいと思います。
○大臣政務官(磯崎仁彦君) お答えをいたします。
 今御質問ありましたのが、法の第五条の事業者の責務ということかと思います。
 まず、今委員御指摘ございましたように、第三条にこの法律の基本理念というものが掲げられておりまして、産業競争力の強化につきましては、これは、具体的な取組をどう行っていくかということにつきましては、基本的にその各事業者が自発的に決定をしていく、これが基本的な考え方でございます。ただ、国はそのための環境整備であるとか、この法文上の言葉を借りれば、事業者に対する支援措置を講ずる、こういったことを国としてやっていくというのがこの第三条に掲げられております基本的な理念ということでございます。したがいまして、この基本的な理念を踏まえて、第五条の事業者の責務があり、第四条の国の責務があるということでございます。
 したがいまして、主役である事業者が、政府が産業競争力の強化に関する施策、これは五年間集中的に行っていくということでございますけれども、国はとにかく環境の整備を行う、事業者の支援を行う。したがいまして、それを受けて、各事業者が、生産性の向上等を目指して、新市場の開拓や新事業の開始など前向きな事業活動を積極的に取り組んでほしいと、そう努めるよう国が求めていくというのがこの第五条の考え方ということでございます。
 したがいまして、この法文に違反をしたようなことがあったとしても、私的な効力には影響がないということでございますし、罰則も設けられていないということでございますので、いわゆる訓示規定という、そういう扱いということで御理解をいただければというふうに思っております。
○中野正志君 続いて、第六条の実行計画についてお伺いをいたします。
 これまでのこの委員会における議論で、大臣も何度か発言されておりますけれども、計画を実行していくために民間企業では当たり前にやっている、いわゆるPDCA、プラン・ドゥー・チェック・アクト、このサイクルをしっかりと回していくということ、そしてこの法案を実効性のあるものにするということの重要性は改めて強調するまでもありません。
 そこで、この法案を本当に実効性のあるものにすることの重要性、何度か私も指摘はいたしてまいりましたけれども、私の提案でもあり質問でもありますけれども、法案の第六条、実行計画の第六項に、政府は、実行計画を作成したときは、これを公表するものとする、こうあるんですが、これをより具体的に、誰が、例えば経産省の外局などが、どのように、例えば小冊子にして事業者に配布するとか、大臣が記者会見なりあるいはその他で発表するとか、などと言葉に表すべきだとも思いますけれども、政府では、この点、周知させる方法、言葉にしっかりと残す方法、どのように今現在検討されておられるんでしょうか。
○政府参考人(菅原郁郎君) 委員御案内だと思いますけれども、この実行計画は閣議決定をもって決定することとなってございます。閣議決定されれば、当然各それぞれの大臣が記者会見においてこれを発表するのはもちろん、政府広報、その他ホームページ、いろんな媒体を通じてこの内容については周知徹底することとしてございます。
 そのほかにも、経産省といたしましては、この法律の一番根っこでありますこの実行計画については、より多くの人に知ってもらう必要性があると思いますので、経産省としての様々な周知広報ルートを活用してこの徹底に努めていきたいというふうに考えてございます。
○中野正志君 第七条の担当大臣の責務についても確認をしたいと思います。
 今言いましたPDCAサイクル、これが確実に回るようにするためにこそ、アクションの部分はより明確に具体的にする必要があると思います。そういう意味では、第七条の担当大臣の責務に関しても何をどうしたらいいのかということが明確になっている必要があると思います。
 担当大臣が重要施策を実施期限までに実施をする、そして実施できなかったときに必要な措置を講ずるものとするという具体的な中身、そのイメージについて御説明願いたいと思いますし、さらに、担当大臣が実施しなかったとき、実施できなかったとき、必要な措置を講じなかったときなどに、罰則とまではいかないまでも、担当大臣がこれはやらなければ駄目だと実感するような、それこそ必要な措置は何か講じられているのかどうか、お伺いをいたします。
○政府参考人(菅原郁郎君) この法案におきましては、成長戦略を着実に実行するために当面三年間の実行計画を策定しまして、委員御指摘のとおり、この実行計画において担当大臣が責任を持ってその自分の担当分野について期限までに実施するということが大前提でございまして、これが実施できないことを想定していろいろなことをここで書くのは適切ではないというふうに思いますけれども、例えばどんな事態が考えられるのかということを例示として申し上げますれば、例えば日本再興戦略で、これが実行計画で書かれるかどうかは今後でございますけれども、例えば二国間オフセット・クレジット制度の本格導入というのは書かれてございます。これについては、相手国がある話でございますので、必ずしも想定した期限のとおりにこのオフセット・クレジット制度が導入できるかどうかといったことは相手次第によって不分明なところがございます。
 これについて、仮に相手の事情で遅れるようなことがあった場合であっても、二国間クレジットの推進によって地球環境に寄与するという大目的を達成するために、例えばODAの活用ですとか実証事業の実施などによって、それまでの間しっかりと着実に地球環境、CO2の削減に進めるための措置を講ずる。これが、例えば万やむを得ず実施できなかった場合の一つの例になり得るんではないかというふうに考えてございます。
 ただ、担当大臣がそれをしっかりできないときには、いずれにせよ、この実行計画については最低年一回、政府として評価レビューをして、その見直しをやるという中で必要な対策をしっかり講じていくということになると考えてございます。
○中野正志君 次に、総理大臣のリーダーシップについて。
 第六条で定めた実行計画に関して、二項の五で、内閣総理大臣が実行計画の案を作成し、閣議の決定を求めるものとするとされております。そして、担当大臣が重点施策を実施期限までに実施したり、グレーゾーン解消に当たっては経産省が窓口となって省庁間の調整をしたりすることとなっております。最終的な決断が必要とされる場合に、実行計画の案を作成した総理大臣がリーダーシップを発揮して物事を決められるような体制を整えておくことが必要であると考えますが、この点、政府として手だてを講じる考えはありますか。
○大臣政務官(磯崎仁彦君) 今局長の方から話ありましたように、御指摘の実行計画につきましては、当面、三年間に着実に実施していくもの、これを盛り込んだものでありまして、内容につきましては基本的には担当大臣が自らの責任の下でしっかりやっていく、これが大前提であるということはもう今答弁をしたとおりでございます。ただ、やはり実行計画全体の実施に当たりましては政府が一丸となって取り組んでいく必要があるということでございます。
 したがいまして、この実行計画に盛り込んだ重要政策、これにつきましては、総理を本部長とする日本経済再生本部等において、少なくとも毎年度一回、その進捗状況等などを評価をして必要な見直しを行っていくということにしております。
 こうしたプロセスの中において総理大臣、総理がリーダーシップを発揮をしていただくということになろうと思いますけれども、いずれにしましても、総理の下、政府を挙げてこの実行計画を着実に推進をしてまいりたいというふうに思っております。
○中野正志君 これまでの政府で経済の成長を考えなかった政府はもちろんありません。いつの政権でも日本の成長を望みながらいろいろな施策を展開してきたわけであります。
 今回のアベノミクス、第三の矢の柱であります日本再興戦略、これがこれまでいろいろな政権が打ち出してきた過去の成長戦略とどのように違うのか。この法案もあります、あるいは国家戦略特区法、電気事業改正法、また設備投資優遇税制の拡充、ただ物足りなかったのは岩盤規制の突破、ちょっとできなかったよな、そんな思いはあるんでありますけれども、また、これから震災復興、あるいは参考人質疑で申し上げました休日の分散化とかいろいろなテーマがありますけれども、これからこの過去の成長戦略とどのように違うのか、そして目玉政策、最大の特徴は何なのか、これまでの答弁を総括する形で是非ともここで改めて強調していただきたいと思います。
○国務大臣(茂木敏充君) 今回の競争力強化法もそうでありますが、我々の成長戦略、民間の投資を喚起する成長戦略、こういう呼び方をしております。あくまでも主役は民間である、民間の大胆な決断、こういうのを後押しをする、また環境整備をする、そういったことが政府の役割であると考えております。
 今までの成長戦略、何度も作ってまいりました。恐らく同じように民間が動いてくれないと、なかなか実際に経済は良循環に入っていかない。ところが、もう半年ぐらいすると、政権が多分替わるんじゃないか、成長戦略見直しになるんじゃないかということで、なかなか民間の活力を喚起するまでいかなかった。その点がまず今回は違っていると思います。
 さらには、施策のスピード感、レベルというものが違うと思います。先生も御案内のとおり、自民党、与党におきましては税制改正、毎年、年末の恒例行事でした。これを今回は、設備投資減税、そしてまた事業再編を促進する税制、秋には決める、こういったスピード感で物事を進めさせていただいております。税制改正を大胆に行う、規制改革についても大胆に行う、そして産業再編、新陳代謝、これをこの産業競争力強化法を中心にしてしっかり行っていきたい、こんなふうに思っております。
○中野正志君 大変恐縮ですが、安保委員会の質疑時間が迫っておりますので、終わらせていただきます。大変ありがとうございました。
○荒井広幸君 その残った時間を私にいただければ一番いいんですけれども、そうなりませんけれども、最後の質問になります。改革の荒井でございます。
   〔委員長退席、理事加藤敏幸君着席〕
 まず、資源エネルギー庁長官にお尋ねしたいんですが、よろしいでしょうか。
 新聞報道によれば、福島原発事故直後に、経済産業省の一部で、原発推進という内容で様々な問題を整理して内部機密文書を作ったと、こういうふうにされております。真偽のほどはいかがなんでしょうか。
○政府参考人(上田隆之君) そのような事実が、そのようなことが報道されているのは承知しておりまして、私どもも関係する部署に確認をいたしましたけれども、現時点では御指摘のような文書の存在は確認されておりません。
○荒井広幸君 特定秘密保護法案もありますけれども、こういう議論は大いに、大臣、私はしていいと思うんですね。しかし、報道によれば三月の時点なんです。この三月の時点は、避難している被害者を、どう命と健康を守っていくか、ガソリンも、もちろん移動手段もなかったですが、食べ物もない、こういう状況に全ての経済産業省の資源、英知を集めるべきだったと思うんですね。そのときに、大いに議論は結構なんですよ、今後どうしていくかと。しかし、あのときやるべきものの優先順位が違っていただろうと思いますので、そういう事実はないということでありますが、どうぞ優先順位だけは間違えることのないように、そして、やはりこういう事故が起きたという検証もしないままに、維持していくとかどうこうするというのは甚だ軽率であるということも申し添えさせていただきたいと思います。
 企業減税についてから、お話から入らせていただきたいと思うんですが、例えば企業減税、これは常に政府では話題になり、どうするという話になりますが、企業減税をした場合、恩恵を受ける中小企業、大企業、それぞれどれぐらいの社数があり納税金額になっているかということを聞きたかったんですが、自民党の宮本議員から分かりやすい数字がありました。そこで、大体の数も分かるんですが、これは通告しておりましたから、数と納税金額、最近でお知らせください。
   〔理事加藤敏幸君退席、委員長着席〕
○政府参考人(菅原郁郎君) 直近で確定したデータで、平成二十三年度国税庁会社標本調査というのがございます。これによりますと、資本金一億円超の大企業で黒字となっているのは約一万二千社、納税額で約四兆九千九百億円でございます。資本金一億円以下の中小企業で黒字となっているのは六十九万九千社、納税額で約三兆四百億円となっております。
○荒井広幸君 減税されれば企業は非常に活性化していくんだと、経済も活性化していくんだと、こう言われるんですけれども、減税されて恩恵を受けるといっても、実際はもう大企業、非常に納税の部分多いんですが、大企業の場合は海外展開をしておりますから、連結を使っても国内に納めるということはございません。ですから、国内の生産、収益に対しての課税、こういうことになろうと思いますけれども、そういうことで実際は減税効果というのはそれほど恩恵としては少ないのではないかと、このようにも思われるんですが、いかがでしょう。
○政府参考人(菅原郁郎君) 法人税減税、今回やっておりますのは、設備投資減税を大胆なものを用意してございますけれども、当然、設備投資減税の対象は、国内で設備を投資し、そこで事業活動、そこで雇用、収益を生むという場合に限定した投資支援でございますので、十分日本経済にとっては効果があると考えてございますし、もっと言いますと、今、企業活動がグローバル化する中で、企業の国際競争力と立地競争力の強化、そして産業の空洞化の防止という観点からもこの法人実効税率の引下げは極めて有効な手段であるというふうに考えてございます。
○荒井広幸君 そうなりますと、一般に法人減税といっても、今のように設備投資減税というような形で的を当てていくということはそれなりに効果があると、私もそれを認めるんですが、そういう分野できちんと、減税をするにしても、どういうところに焦点を当てる、それはどういう効果があるからだと、こういうことをしっかりしていかなくてはならないんだろうというふうに思うんです。
 もし、私はアベノミクスの応援団でございますが、今うまくいかないと、もう当面どの政権になろうとなかなか難しい。今、茂木大臣を中心に、これを何とか産業構造も転換しつつ活性化していきたいと。その恩恵が国民に行くようにと。
 私は国民という、恩恵が結果国民に行くんじゃなくて、国民が最初恩恵を受けるようにすれば実は企業も設備投資をして活性化するというふうな論法なんですけれども、それにしても、減税しても内部留保されてしまって、実際に先ほどのような、投資が先か減税が先かみたいな話にもなってしまいますし、またアベノミクスの利益というものも出ました。これも内部留保されていますよね、なかなか雇用と賃金に来ていませんね、一時金であっても。
 これを私は非常に心配するんで、減税しても、アベノミクスという意味でのこの利益があっても内部留保というところに行ってはどうしようもないので、活用されるようにどうするかが問題だと思っているんですが、この辺はどうでしょうか。
○国務大臣(茂木敏充君) いい循環をつくっていくということが極めて重要だと我々も考えております。これまで日本の企業なかなか収益が上がってこなかったと。また、収益が上がってもそれが投資であったりとか賃金に向かわなかったと。この大きな原因として、やはり日本が長引くデフレに覆われて、そして企業にも縮み志向というのがあったんだと思います。そうなりますと、デフレですから現金で持っていた方がいいんです、設備で持つのより。どうしてもそういう志向になってくる。我々はこのデフレマインド、第一の矢で変えていく、こういった取組もしております。
 同時に、それによって上がってきた収益が賃金、所得、まさに先生おっしゃるような形で賃金、所得に跳ね返ってそれが消費を生むと。消費が拡大することによって新たな投資や生産が生まれる、そういった良循環をつくっていくということに全力で取り組んでまいりたいと考えております。
○荒井広幸君 私の手元に、日本医師会総合政策研究機構ということで、医師会のシンクタンクがあります。これは坪井栄孝日本医師会長のときに設置されているんですが、ここで前田由美子主任研究員が雇用誘発係数を見ているんですね。雇用を誘発するということの指標、これを出しているんですが、一番新しいのがありますかと聞いたんですが、二〇〇五年のものが一番新しいんだということでございました。
 若干そのタイムラグはあるかもしれませんが、公共事業は〇・一三なんですね。ところが、医療関係は〇・一四なんです。さらに、介護という分類を取りますと〇・二八なんですね。
 こういうところを見ていきますと、我々も自分自身で感じている、家族的にも感じていることは、福祉とか健康とか医療というのは非常に切迫している、あるいはもっと安心を求めたい、健康を求めたいという気持ちがあるわけですから、そこから解きほぐしていった方が、我々の政治としても、どのように先ほどの、設備投資減税と言いましたけれども、どの分野のじゃ設備投資減税なんだということも同じことだと思うんですが、見えてくるんだと思うんですね。産業界の方が見えてくるんです、それによって。
 そういう意味で言うと、私は、今回の国会のまとめにもなるんですが、減税の恩恵やアベノミクスの内部留保の恩恵を個人や家庭に的を絞って流し込んでいくという、そういう政策誘導が必要だろうというふうに思います。そこが、随分予算委員会等からも話をして、六月にいろいろと計画がまとめられ、概算になり、今に来ているんですが、補正や新年度予算をにらんで、もう一歩、今のような健康とか福祉とか医療のところに対して、もう実需があるんですから、そして雇用も生まれるんですから、そのところに的を絞っていく。
 もう一つは、エネルギー制約があるんです、原発で、大臣がいつも言うエネルギー制約ですよね。それを取り除くには、家庭のいわゆる光熱費をつくっている、負担が高くなっている家庭の設備投資、ここを買い換えさせてやる。これ、設備投資ですよ。家庭の設備投資というのをもっと的を絞れば、最新のものですからエネルギーが少なくて済む、つまり排出量、CO2も排出しない、しかもエネファームのようなものは、ガスでお湯を作っていたのが、ガスで発電をして四分の一の電気量を賄い、そして効率は、二五%熱効率が良くなるわけですね。こういうところに集中していくということが私は非常に重要だと思うんです。
 そこで、改めて、今まではそうしたエネルギーに対する家庭の設備の切替えというのは効果があるんだ、もちろんソーラーパネルも可能性はあるんですが、今回は、健康、福祉、医療、こういった家庭、個人の必要性にぐっと迫っていくための産業構造を変えていくその後押しをするファンド、これを官民連携でもっともっと充実させていく必要があると思うんですが、大臣の御見解、簡単にお聞かせください。
○国務大臣(茂木敏充君) 委員まさにおっしゃるとおりで、六月に取りまとめました日本再興戦略、ここの中でも戦略分野、提唱しております。その一つが健康長寿、そしてもう一つが新しい、より効率的なエネルギーという形で明確に書き込みをしておりまして、健康長寿、これは産業としても極めて雇用の吸収であったりとかそういった効果がありますが、同時に、そこから新しいサービス等が生まれることによりまして、家庭や個人もそれの便益、裨益を受けると、こういった形にもなってまいります。
 そして、ファンドをつくる。例えば医療品であったりとか医薬品、こういったものはベンチャーにおきましても、特にバイオベンチャーというのは長い期間、やっぱり研究開発から事業化まで掛かってしまう。魔の川、死の谷、ダーウィンの海とか言いますけれども、この死の谷が広く深いものでありますから、そこに対してリスクマネーがしっかりと供給できるような体制をつくっていくということは重要だと考えております。
○荒井広幸君 一層踏み込んだ、場合によっては補正予算あるいは新年度予算というものにしていただきたい、形にしていただきたいと思います。
 その際は、命にかかわりますので、厚生労働省がやっぱりきちんと、グレーゾーンなどつくらないで、しっかりそこは厚生労働省がやっていく、そして文科省と、そして産業分野で経済産業省がリードを取っていくと、こういうすみ分けかなというふうに思いますので、注文を付けておきます。
 一人で豚カツ何杯食べられるかなと思いました。まあ二杯ぐらいがせいぜいですね。やっぱりどんな大企業であっても、それはある程度、富裕層であっても限られるんです。やっぱり一杯ずつ食べる中間層一人一人が千人、一万人になった方がいいに決まっているんです。ですから、もう一回消費者サイドに立って、生活者サイドに立っていけば、やはり厚みのある中間層というものを復活させるというのが大切だと思うんですね。意図しないけれども、日本はそういうものを意図して、結果的に中間層をつくってきた。そこが様々な文化や経済に好影響を及ぼしたんだと思うんです。今回も、福祉や健康に着目する、家庭の光熱費を小さくしていく、そういう家庭や個人、そこにぐっと的を絞っていくと、先ほど言ったように、実は雇用係数も付いているわけですから、上がってくるんですね。
 そういう観点に立ちますと、これはどうしたって中間層、この厚みを増すための産業政策というものをもっともっと具体的に打ち出していただきたいと思うんですね。これは、大企業、この減税など支援策をするのは手っ取り早くて多少の経済効果はあることは間違いありません。ところが、持続しないんです。これは、もう再三分かっていることなんです。やっぱり中間層が購買層となっていく、そういう好循環、大臣がおっしゃる好循環をつくるということではまだまだ。私は共働きと思っていますが、共働き家庭というのが私のモデルなんですよ。その共働き家庭というものを増やして、中間層というものをどっしりさせて、様々な循環、文化もつくっていく、こういうことだろうと思いますが、大臣、最後に、もう時間参りましたので、方向性だけお示しください。
○国務大臣(茂木敏充君) 大企業だけでなく、何度も答弁申し上げておりますように、中小企業そして小規模企業、これをしっかり支援していきたい、そんなふうに思っております。
 また、個人におきましては、中間層も、それから豚カツも厚ければ厚いほどいいと思っております。
○荒井広幸君 終わります。
    ─────────────
○委員長(大久保勉君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、中野正志君が委員を辞任され、その補欠として藤巻健史君が選任されました。
    ─────────────
○委員長(大久保勉君) 他に発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 産業競争力強化法案の修正について行田君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。行田邦子君。
○行田邦子君 ただいま議題となりました産業競争力強化法案に対する修正案につきまして、みんなの党を代表いたしまして、その主な内容を御説明申し上げます。
 第一に、国は、規制の見直しを行うに当たっては、産業競争力の強化を阻害することのないよう配慮しなければならないことを追加することとしております。
 第二に、新事業活動に関する規制の特例措置の整備等に関する規定を削除することとしております。
 第三に、政府は、この法律の施行後三月以内に、株式会社に社外取締役の選任を義務付けることについて検討を加え、その結果に基づいて必要な法制上の措置を講ずるものとすることとしております。
 第四に、政府は、この法律の施行後一年以内に、株式会社の業務の適正を確保するための体制の強化に係る方策及び雇用に関する規制の緩和について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとすることとしております。
 以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(大久保勉君) これより原案及び修正案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○行田邦子君 私は、みんなの党を代表いたしまして、衆議院送付の産業競争力強化法案に反対の立場で討論をさせていただきます。
 本法案は、アベノミクス三本目の矢、成長戦略を実行するために重要な法案と位置付けられています。みんなの党といたしましても、本法案の柱となっている規制改革と産業の新陳代謝は極めて重要であるとの認識を共有していますが、本法案は残念ながら施策の実効性が十分に担保されているとは言えません。
 まず、規制改革の目玉として企業実証特例制度が盛り込まれていますが、規制改革を実現する枠組みとして機能するか疑問を感じます。一企業からの申請について、事業所管省が規制所管省と協議をすることによって規制特例が認められるとのことですが、事業所管省と規制所管省が同一の場合、例えば医療法人からの医療の規制特例、通信事業者からの通信の規制特例、飲食業からの食品衛生の規制特例、建設業からの建築基準の規制特例等々、正当の理由があるとのことから崩さずに来た規制を容易に解除するとは考えられません。
 また、規制の特例措置を講じた後、適用状況を見て検討を加え、全国展開するとのことですが、どれぐらいの期間で規制撤廃がなされるのか曖昧であり、特定企業のみに優位な状況が続くことも考えられます。
 このような規制改革の実効性に不明な点が多い本制度を採用せずとも、国家戦略特区を柔軟に運用することで先端的な取組に関する規制改革という目的を果たせると考えます。
 次に、産業の新陳代謝についてです。
 本法案には、企業がベンチャーファンドに投資した一部を損金算入できるという施策が盛り込まれていますが、対象となるベンチャーファンドが限定され過ぎており、所期の目的を達成するには十分ではありません。事業拡張期のベンチャー企業に投資するファンドに限定せず、また小規模ながらもイノベーションを起こすベンチャーを支援するファンド等が対象から漏れないよう、間口を広げるべきと考えます。
 さらに、本法案には、政府は、事業再編の実施の円滑化のために必要があると認めるときは市場構造等の調査を行い、公表する規定が盛り込まれていますが、事業の再編はあくまでも企業の自主判断によって行われるべきであり、官が過度に介入することは慎むべきであります。
 むしろ政府が行うべきことは、企業が事業の再編を自ら判断し実現することを困難としている要因を取り除くためのルール変更であります。すなわち、上場企業等への社外取締役義務付け等コーポレートガバナンスの強化であり、個々の働く人が能力を発揮し、その人材を産業競争力に生かす雇用制度の見直しでありますが、残念ながらこれらへの取組は十分ではありません。
 以上の理由から、産業競争力強化法案には反対であることを申し上げて、私の討論とさせていただきます。
○倉林明子君 私は、日本共産党を代表して、産業競争力強化法案に対し、反対討論を行います。
 本法案は、日本再興戦略を具体化し、世界で一番企業が活躍しやすい国に日本を変えるとして、日本経済の三つのゆがみ、過剰規制、過小投資、過当競争を根本から是正するための中核となるものだとしています。
 しかし、この二十年間に及ぶ規制緩和と構造改革により大企業を世界的な多国籍企業に成長させたものの、国民には貧困と格差を広げ、雇用の悪化と地域経済を疲弊させてきました。大企業の競争力を強化するとして提案されているその中身は、国民の利益と一致しないばかりか、国民の雇用も安全も犠牲にし、日本経済の再生や国民生活の向上と逆行するものです。
 以下、反対の理由を述べます。
 第一の理由は、大企業のリストラを支援してきた産活法を継承するものだからです。
 産活法は、株主の短期的利益の確保を最優先とした大企業のリストラ、人減らしに対し政府がお墨付きを与え、税金を使って支援する役割を果たしてきました。とりわけ、電機産業が事業再編で工場の閉鎖などを行った結果、全国各地で地域経済に深刻な影響を広げています。電機産業の大リストラは、昨年夏、十三万人規模と言われていたものが、更に新たなリストラ計画が加わり、その規模は十八万人へと拡大しています。
 第二に、新たに企業実証特例制度やグレーゾーン解消制度を導入し、規制緩和の突破口を開き、全国に広げる仕組みとなっていることです。
 特例の対象は全ての分野が対象となるもので、その代替措置が十分かどうか、事業官庁と規制官庁の協議、調整の最終判断は内閣に委ねられ、国民も国会も関与できない仕組みとなっております。医療や労働、環境など様々な規制は、そもそも国民の命や財産を守るために積み上げてきた経過があります。企業ビジネスに障害となるものは岩盤規制として打ち破る対象としていることは到底容認できません。
 第三に、法案とセットで用意されている法人税等の軽減措置が、大企業の内部留保は増やしても、下請や取引先中小企業の収益向上や労働者の賃上げに結び付くものではないからです。
 今、日本が目指すべきは、コスト競争に勝ち抜く多国籍企業にとって世界で最も企業が活躍しやすい国をつくることではありません。大企業の内部留保を労働者の賃上げに回して内需を拡大すること、事業所の九九・七%、雇用の七割を支えるだけでなく、日本の物づくりの主役である全ての中小企業と地域経済を支援することが日本経済の真の再生につながるものであると指摘し、反対討論を終わります。
○委員長(大久保勉君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 それでは、これより産業競争力強化法案について採決に入ります。
 まず、行田君提出の修正案の採決を行います。
 本修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(大久保勉君) 少数と認めます。よって、行田君提出の修正案は否決されました。
 それでは、次に原案全部の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(大久保勉君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、加藤君から発言を求められておりますので、これを許します。加藤敏幸君。
○加藤敏幸君 私は、ただいま可決されました産業競争力強化法案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党及び新党改革・無所属の会の共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    産業競争力強化法案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
 一 産業競争力の強化は、民間事業者の自発的な取組によって行われるべきものであることに鑑み、政府の関与は最小限とし、あくまで民間事業者の活力の向上を促進するための環境整備にとどめること。また、企業収益の改善が雇用増大、賃金上昇及び消費拡大につながる好循環を安定的に生み出していくために、供給面のみならず需要面も加味した施策を講ずること。
 二 企業実証特例制度において、事業所管大臣と規制所管大臣の協議が整わない場合、法律の趣旨に則り、内閣総理大臣が適切に調整を行うこと。
 三 企業実証特例制度及びグレーゾーン解消制度の運用に当たっては、新たな規制の特例措置の求め及び規制の解釈及び適用の確認の求めについて、原則として一か月以内に回答を行うこととし、当該期間に回答できない場合には、一か月毎にその旨及び理由を通知すること。また、新たな規制の特例措置の求め及び規制の解釈及び適用の確認の求めの件数については、四半期毎に公表すること。さらに、制度を活用しようとする事業者の視点に立って、二つの制度が一体的に進められるよう配慮するとともに、早期にモデルケースを明示し、可能な限り情報公開を進めることを通じて、企業にとっての予見可能性を高めるよう努めること。
 四 事業再編計画、特定事業再編計画及び中小企業承継事業再生計画について、計画に伴う失業の予防等雇用の安定に万全を期するため、計画の作成に当たり、事業者が労働組合等と十分協議を行い、また、計画の実施に際して、事業者が雇用の安定等に十分な配慮を行うなど、労働者の雇用の安定及び質の高い雇用の創出・維持に最大限の考慮を払いつつ当該計画が実施されるよう、厳に適切な運用を行うこと。
 五 中小企業承継事業再生計画については、人員削減が主たる目的とならないこと、第二会社に移行する労働者の労働契約及び労働条件が不当に切り下げられないこと、また、第二会社に移行しない労働者がいる場合にはその選定が恣意的にならないよう、労働組合等と協議により十分に話し合いを行うことを要件として認定すること。
 六 ベンチャー企業の支援について、従前の施策が必ずしも十分な成果を上げられなかった要因について検証を行うとともに、日本再興戦略に掲げる開・廃業率十パーセント台の目標達成に向けて、大企業と比べて十分な経営基盤を構築することができないベンチャー企業がその成長過程に応じた支援を受けられるよう、資金、経営ノウハウ、人材確保等、多方面にわたる支援の仕組みを構築すること。また、ベンチャーファンドへの投資を促すため、特定新事業開拓投資事業計画の認定基準は、経済の実態に合わせ、可能な限り弾力的に設定し、運用すること。さらに、本法に基づく地域中小企業等の創業支援に当たっては、十分な体制を整えられない市区町村に対し国として必要な支援を行う等、実効的な創業支援体制の構築に万全を期すこと。
 七 先端設備投資を促進するためのリース手法を活用した施策については、速やかに詳細な制度設計を行うとともに、リース事業者及び利用者に対し周知徹底などを積極的に行うことにより利用拡大に努めること。
 八 中小企業の再生支援に当たっては、今後、事業再生を要する中小企業の増加が予想されることから、本法により規定される独立行政法人中小企業基盤整備機構の機能拡充、事業再生計画実施関連保証の創設を始めとした支援策を関係者に広く周知するよう引き続き努力するとともに、再生支援の強化に寄与する専門人材の育成・確保に取り組むこと。
 九 株式会社産業革新機構については、機構設立以降の実績の検証の上に立ちつつ、民間の目利き人材の十分な確保及びその積極的活用等を図り、出資対象の審査を継続的かつ厳格に実施する体制を整備するとともに、中長期の産業資本を提供することを通じて次世代産業の育成を図るという目的の実現に向けた適切な運営に努めること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(大久保勉君) ただいま加藤君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(大久保勉君) 多数と認めます。よって、加藤君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、茂木経済産業大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。茂木経済産業大臣。
○国務大臣(茂木敏充君) ただいま御決議のありました本法案の附帯決議につきましては、その趣旨を尊重してまいりたいと考えております。
 ありがとうございます。
○委員長(大久保勉君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大久保勉君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時十五分散会