第186回国会 本会議 第30号
平成二十六年六月十一日(水曜日)
   午前十時一分開議
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○議事日程 第三十号
  平成二十六年六月十一日
   午前十時開議
 第一 平成二十三年度一般会計歳入歳出決算、
  平成二十三年度特別会計歳入歳出決算、平成
  二十三年度国税収納金整理資金受払計算書、
  平成二十三年度政府関係機関決算書
 第二 平成二十四年度一般会計歳入歳出決算、
  平成二十四年度特別会計歳入歳出決算、平成
  二十四年度国税収納金整理資金受払計算書、
  平成二十四年度政府関係機関決算書
 第三 平成二十三年度国有財産増減及び現在額
  総計算書
 第四 平成二十三年度国有財産無償貸付状況総
  計算書
 第五 平成二十四年度国有財産増減及び現在額
  総計算書
 第六 平成二十四年度国有財産無償貸付状況総
  計算書
 第七 海洋汚染等及び海上災害の防止に関する
  法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆
  議院送付)
 第八 電気事業法等の一部を改正する法律案(
  内閣提出、衆議院送付)
 第九 出入国管理及び難民認定法の一部を改正
  する法律案(内閣提出、衆議院送付)
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○本日の会議に付した案件
 一、宜仁親王殿下薨去につき弔意を表する件
 一、国家公務員等の任命に関する件
 以下 議事日程のとおり
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○議長(山崎正昭君) これより会議を開きます。
 宜仁親王殿下には、去る八日薨去せられました。誠に痛惜の極みであり、哀悼の念に堪えません。
 つきましては、この際、院議をもって同殿下に対し弔詞を奉呈することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(山崎正昭君) 御異議ないと認めます。
 同殿下に対する弔詞を朗読いたします。
   〔総員起立〕
 大勲位宜仁親王殿下には にわかに
 薨去あらせられました まことに
  哀悼に堪えません
   参議院はここに恭しく
  弔意を表し奉ります
     ─────・─────
○議長(山崎正昭君) この際、国家公務員等の任命に関する件についてお諮りいたします。
 内閣から、情報公開・個人情報保護審査会委員、中央更生保護審査会委員長、労働保険審査会委員、土地鑑定委員会委員、運輸安全委員会委員及び原子力規制委員会委員の任命について、本院の同意を求めてまいりました。
 これより採決をいたします。
 まず、情報公開・個人情報保護審査会委員に鈴木健太君を任命することについて採決をいたします。
 内閣申出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十八  
  賛成            百七十九  
  反対             五十九  
 よって、同意することに決しました。
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
○議長(山崎正昭君) 次に、情報公開・個人情報保護審査会委員に市川玲子君及び常岡孝好君を、中央更生保護審査会委員長に安倍嘉人君を、労働保険審査会委員に神尾真知子君を、土地鑑定委員会委員に森田修君、清常智之君、井出多加子君、亀島祝子君、小津稚加子君、若崎周君及び河合芳樹君を、運輸安全委員会委員に庄司邦昭君、小須田敏君及び根本美奈君を任命することについて採決をいたします。
 内閣申出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十七  
  賛成           二百三十六  
  反対               一  
 よって、同意することに決しました。
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
○議長(山崎正昭君) 次に、原子力規制委員会委員に田中知君を任命することについて採決をいたします。
 内閣申出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十八  
  賛成            百三十三  
  反対              百五  
 よって、同意することに決しました。
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
○議長(山崎正昭君) 次に、原子力規制委員会委員に石渡明君を任命することについて採決をいたします。
 内閣申出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十九  
  賛成            百五十六  
  反対             八十三  
 よって、同意することに決しました。
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
○議長(山崎正昭君) 日程第一 平成二十三年度一般会計歳入歳出決算、平成二十三年度特別会計歳入歳出決算、平成二十三年度国税収納金整理資金受払計算書、平成二十三年度政府関係機関決算書
 日程第二 平成二十四年度一般会計歳入歳出決算、平成二十四年度特別会計歳入歳出決算、平成二十四年度国税収納金整理資金受払計算書、平成二十四年度政府関係機関決算書
 日程第三 平成二十三年度国有財産増減及び現在額総計算書
 日程第四 平成二十三年度国有財産無償貸付状況総計算書
 日程第五 平成二十四年度国有財産増減及び現在額総計算書
 日程第六 平成二十四年度国有財産無償貸付状況総計算書
 以上六件を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。決算委員長金子原二郎君。
    ─────────────
   〔審査報告書は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔金子原二郎君登壇、拍手〕
○金子原二郎君 ただいま議題となりました平成二十三年度決算外二件及び平成二十四年度決算外二件につきまして、決算委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 その内容につきましては、昨年五月二十四日及び本年三月二十八日の本会議において財務大臣から概要の報告を聴取いたしておりますので、これを省略させていただきます。
 委員会におきましては、決算審査の遅れを解消するための異例の措置として、平成二十三年度決算外二件及び平成二十四年度決算外二件を一括して審査することとし、国会が議決した予算及び関係法律が適正かつ効率的に執行されたかどうかを精査するとともに、政府施策の全般について国民的視野から実績評価を行い、その結果を将来の予算編成及びその執行に反映させるとの観点に立って審査を行ってまいりました。
 全体で十回に及んだ委員会の質疑では、財政赤字の常態化や国債残高の増加を受けた財政健全化への取組、東日本大震災復旧・復興関係経費の迅速かつ円滑な執行の確保、子育て支援、医療、介護などの社会保障関係予算の適切な執行、老朽化した社会資本の維持管理及び防災・減災対策、独立行政法人における入札談合問題や物品管理の適正化など、行財政全般について熱心な議論が交わされましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 六月九日、質疑を終局し、委員長より、両年度決算の審査を踏まえ、本会議で議決すべき議決案及び十一項目から成る内閣に対し措置を要求する決議案を提出いたしました。
 以下、議決案の内容を申し上げます。
    一、平成二十三年度決算は、これを是認する。
    二、平成二十四年度決算は、これを是認する。
    三、内閣に対し、次のとおり警告する。
      内閣は、適切な措置を講じ、その結果を本院に報告すべきである。
 1 平成二十三年度決算検査報告において、不当事項等の指摘件数が四百九十一件に上るとともに、指摘金額が五千二百九十六億円と二十一年度に次いで過去二番目となり、二十四年度の指摘金額も四千九百七億円と多額に上っていることは、遺憾である。
   政府は、我が国の財政が極めて深刻な状況にある中、本院の再三にわたる警告等にもかかわらず、多額に上る不適正な公費支出が後を絶たない事態を重く受け止め、予算執行の適正化に向けて一層尽力するとともに、本院における決算審査の内容を十分反映させた予算編成を行うべきである。
 2 政府開発援助(ODA)事業の不正をめぐって、平成二十年の贈収賄事件を契機に外務省が不正腐敗の再発防止策を講じたとしたにもかかわらず、ベトナム、インドネシア、ウズベキスタンにおけるODA事業を受注した企業による外国公務員への不正な資金提供事案が発生したことは、極めて遺憾である。
   政府は、改めて、ODA事業が国民負担で実施されていることを強く認識し、真相究明を徹底的に行い、説明責任を果たすべきである。ODA事業が今後適正に執行されるよう、これまでの不正腐敗再発防止策の抜本的見直しを行った上で、新規案件の審査の厳格化、執行監視体制の強化、贈賄企業への罰則強化等の不正防止策を講ずべきである。
 3 国等が補助金等を支出している大学等研究機関の公的研究費の不適正な会計経理に関し、本院は平成二十二年度決算警告決議のほか、数次にわたり是正を促してきたが、平成二十四年度決算検査報告においても、預け金やプール金等の不適正な会計経理が指摘されたことは、極めて遺憾である。
   政府は、これらの不適正な会計経理が行われる背景と指摘されている公的研究費の使い切り等の無駄を排除しつつ、公的研究費制度の一層の改善を図るとともに、二十六年二月に改正された研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドラインが着実に実施され、不適正な会計経理が発生しないよう、万全の体制を構築すべきである。
 4 厚生労働省の短期集中特別訓練事業に関し、その業務委託に係る二十億円の企画競争において、同省が独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構に対し、当該事業の仕様書案を公示前に提示し、説明していたこと、また、適切な修正手続を経ずにウェブサイトにおける公示内容を変更していたことなど、国民に多大な不信を抱かせたことは、極めて遺憾である。
   政府は、企画競争の特性に鑑みて、契約の透明性及び公平性がより一層確保されるよう再発防止に取り組むとともに、とりわけ契約の相手方が所管の法人となる可能性が高い場合には、国民の疑念を生じさせないよう、会計法令に従った厳正な契約事務を行うべきである。
 5 高速道路と立体交差する全ての跨道橋四千四百八十四橋のうち、六百三十五橋でこれまで点検が全く実施されていないこと、五百四十八橋で点検の実施状況が不明となっていることなどが会計検査院に指摘されたほか、供用期間の長い路線においてコンクリートの剥離や鉄筋の腐食が発生するなど、高速道路施設の維持管理等に関する問題が顕在化したことは、遺憾である。
   政府は、全ての跨道橋等の緊急点検結果を速やかに公表し、必要な補修等を行うとともに、点検体制の抜本的な見直しを行うべきである。また、跨道橋を管理する地方公共団体に対する技術支援及び情報提供、高速道路を始めとする社会資本の老朽化対策の実施に係る優先順位の設定等を併せて行い、国民生活の安全を確保すべきである。
 6 独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構が平成二十三年十月以降に発注した北陸新幹線の融雪・消雪設備工事において、同機構幹部が入札前に業者側に未公表の予定価格を漏えいしていたことが、公正取引委員会から入札談合等関与行為と認定され、関係者が検察庁に起訴されるに至ったことは、遺憾である。
   政府は、整備新幹線の建設に対して二十三、二十四両年度に千四百十二億円の国費が投入されていることを踏まえ、本件の事実関係の検証や具体的な再発防止策を講ずるとともに、同機構に業務の見直し及びコンプライアンスの向上を図らせ、国民の信頼回復に努めるべきである。
 7 北海道旅客鉄道株式会社(JR北海道)において、脱線事故や車両事故が相次いで発生しており、レール幅が基準値を大幅に超えても補修せず放置したこと、検査データを改ざんして国土交通省に報告したことなど、安全に対する意識が全社的に欠如していたことは、極めて遺憾である。
   政府は、JR北海道に対して、安全基本計画の実効性の確保、業務実施体制の改善、コンプライアンスの向上を図るよう指導するとともに、再発防止に向けた監査業務の見直し、積極的な技術支援策の検討を行い、安全かつ安定した鉄道輸送体系を確保すべきである。
 以上が議決案の内容であります。
 討論の後、採決の結果、平成二十三年度決算及び平成二十四年度決算はいずれも多数をもって是認すべきものと、内閣に対する警告案は全会一致をもって委員長提案のとおり警告すべきものと議決され、また、措置要求決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 次に、平成二十三年度国有財産関係二件及び平成二十四年度国有財産関係二件は、いずれも多数をもって是認すべきものと議決されました。
 なお、六月九日には、国会法第百五条の規定に基づく会計検査院に対する検査要請を行っております。要請した検査項目は、年金記録問題に関する日本年金機構等の取組についてであります。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
○議長(山崎正昭君) 討論の通告がございます。順次発言を許します。西村まさみ君。
   〔西村まさみ君登壇、拍手〕
○西村まさみ君 民主党・新緑風会の西村まさみでございます。
 私は、会派を代表いたしまして、平成二十四年度決算の是認に反対、平成二十三年度決算外二件及び平成二十四年度国有財産関係二件の是認に賛成、内閣に対する警告決議案に賛成の立場から討論を行います。
 平成二十四年度の当初予算は、民主党政権野田内閣の下で編成され、成立したものですが、二十四年暮れに実施された総選挙で自民党が政権に復帰し、安倍内閣は、発足直後に十兆円規模の補正予算を編成、成立させました。
 その当時の経済状況を振り返りますと、まだよちよち歩きの段階ではありましたが、景気は緩やかに回復に向けて進み出し、失業率は、政権交代直後の五・四%から二十四年末には四・三%まで低下、有効求人倍率も、同じく〇・四三倍から〇・八三倍まで回復していました。安倍総理は有効求人倍率が一を超えたことをおっしゃっておりますが、その大半は既に我が民主党政権下における回復であったことを改めて確認をしておきたいと思います。
 先月、内閣府は、二十四年十一月が景気の谷であったことを暫定的にではありますが確認されました。やはり当時の我が政権の景気判断は誤ってはいなかったのだと言えると思います。しかし、当時その回復の足取りが不確かであったことから、仮に総選挙を経て民主党政権が継続した場合でも補正予算を編成することを当時は検討しておりました。もし仮に民主党政権が補正予算を編成したなら、我が国の将来にわたる成長力の基盤強化に集中しただろうと思います。
 二十四年七月に、野田内閣は、グリーン、ライフ、農林水産業を成長産業として位置付け、これらを支える中小企業の活性化を内容とする日本再生戦略を決定いたしましたが、その実施を加速化させ、健全で持続的な経済成長を目指すことに全力を傾注していたと確信しております。
 一方、安倍内閣が実際に編成した二十四年度補正予算は、日本経済の成長力を高めるものではなく、公共事業大盤振る舞いの、まさに旧来型の自民党らしい補正予算でした。その後も、平成二十五年度当初予算、補正予算、そして二十六年度当初予算でひたすら公共事業を増やし続けていますが、これが本当に我が国の将来につながるのでしょうか、大きな疑問が残ります。
 確かに、株価は上昇し、行き過ぎた円高は修正されました。しかし、その流れは民主党政権下で始まったことは政府自身も確認しています。また、都市部の一部のとても裕福な皆様方の景況感が改善したのは事実かもしれません。しかし、一般の国民の皆様の生活、中小零細企業の業績や経営が改善されたとの声は残念ながら聞こえてきません。
 一部地域では、安倍政権の公共事業の大盤振る舞いで建設業関連は景気が良いと言われていますが、それで地域に将来展望が開けるかというと、決してそんなことはないのではないかと思っています。自民党政権は、バブル崩壊以降、巨額の公共事業を行ってまいりました。しかし、日本経済は再生せず、残されたのは天文学的な借金と、そして将来への不安であります。
 二十四年度補正から安倍内閣が繰り返す公共事業を中心とする旧態依然とした予算の在り方は、この過ちを繰り返すものではないでしょうか。今が良ければそれでいいとの経済運営の在り方に私たち民主党は真っ向から反対いたします。
 以下、平成二十四年度決算の是認に反対する具体的な理由を申し上げます。
 その第一は、今申し上げましたとおり、経済の成長力強化に結び付かず、巨額の借金を更に積み上げることになった補正予算における公共事業の大盤振る舞いであります。補正予算では、総額十兆円のうち、国の公共事業費として二・四兆円を追加するほか、地方における財源として交付金を交付するなど、実質的に合計五・五兆円の公共事業を盛り込みました。補正予算は原則として当該年度内に執行することが前提でありますが、このような巨額の予算を僅か二か月足らずで執行できるはずがありません。
 その結果、二十四年度予算における公共事業関係費のうち三・七兆円が翌年度に繰り越されているわけです。補正予算計上分が丸々翌年度に繰り越されているわけです。財政の原則を初めから無視した予算編成であったことは火を見るより明らかだと思います。
 同時に、巨額の事業追加によって様々な弊害が明らかとなりました。一つは、公共事業のコスト増です。当時、既に東日本大震災復興の進展などにより、資材費、人件費など高騰の兆しが出ておりましたが、巨額の補正予算の公共事業投入により更にこれが逼迫し、コスト増が顕在化しました。政府は、これを受けて人件費単価の見直しを進めておりますが、結果として見れば、コストの高い非効率な公共事業の無駄を積み重ねたことになります。
 その影響は復興にも及んでいます。全国で公共事業がばらまかれたことにより、被災地におけるコンクリート、鋼材などの資材、そして建設労働者などが大幅に不足しています。コストが高まるばかりでなく、入札が不調に終わるなどによって復興工事自体が停滞する事例が頻発しているわけです。これらは全て二十四年度補正を始めとする安倍内閣の公共事業偏重予算によって生じているものであります。
 第二には、基金の乱立であります。
 二十四年度補正予算では、約五十の基金に対し、総額一兆六千億円の予算が投入されました。基金そのものを全否定するわけではありません。しかし、基金は、一旦国の会計から支出されるとその後の執行状況は非常に把握しにくくなり、また、年度を越えた活用ができることから事後チェックが甘くなります。このような性格を有する基金にこれほどの巨額の投入を行うことには極めて慎重であるべきだと考えます。
 第三に、財政に与える影響です。
 民主党政権は、財政健全化への道程として、二〇一五年度プライマリー赤字半減、二〇年度には黒字化の目標を掲げ、徐々にではありましたが、その道筋を歩んでいました。
 この健全化目標自体は安倍内閣も継承されましたが、巨額の公共事業財源を全て借金で賄うことによって一歩後退しました。その後、プライマリーにおける赤字は減少していますが、しかし、極端な金融緩和と公共事業の大盤振る舞いという持続可能性のない政策で支えられた景気が長もちするはずはありません。今の景気が変調を来したとき、再度それを公共事業で支えようとすれば、我が国財政への信頼は徹底的に失墜しかねません。
 以上申し上げてまいりましたように、安倍内閣の編成された平成二十四年度補正予算には重大な問題があり、それまでを含めた二十四年度決算を是認することはできません。したがいまして、平成二十四年度決算の是認に反対する旨を改めて申し上げまして、私の反対討論を終えさせていただきます。(拍手)
○議長(山崎正昭君) 山田太郎君。
   〔山田太郎君登壇、拍手〕
○山田太郎君 みんなの党の山田太郎でございます。
 私は、みんなの党を代表して、平成二十三年度決算外二件及び平成二十四年度決算外二件に反対、内閣に対する警告決議に賛成の立場から討論を行わせていただきます。
 私は、参議院議員に当選する前は企業経営に携わっておりました。企業経営の観点からは、決算は予算よりも重要と位置付けられております。私は上場企業の社長を拝命しておりましたので、仮に企業決算として有価証券報告書の提出が期限までにできないとか、その内容がいいかげんであるとかいうことであれば、当然許されるものではありませんでした。
 しかし、我が国の国会では、予算編成過程の審議に力点が置かれ、決算審査は軽んじられる傾向があります。国は民間と違い、当たり前のプラン・ドゥー・シーという政策検討の循環がありません。それが、反省のない行政、変わらない政治を生み出してきた原因ではないかと考えています。その結果、国民本位の政治、予算とならず、苦しんできたのはいつも国民の側なのだと考えております。
 例えば、平成二十三年度と二十四年度には、復興関係で十九兆円以上が予算として成立していますが、東北地方の被災地の皆様は、仮設住宅で御不便な暮らしをされている方々がまだ大勢いらっしゃるという現実があり、一向に改善していません。その一方で、復興予算が全国防災の名目で被災地以外の道路整備や官庁施設の耐震化など様々な形で流用されるという、信じ難い事件が起こっております。
 さらに、東京電力福島第一原子力発電所の事故に見舞われた福島県では、なお十三万人の方々がふるさとの町や村へ帰れず、避難生活を余儀なくされている実態もあります。しかし、そのような中、国は東京電力に対し債務超過を避けるために五兆五千億の交付を行い、二兆円の政府保証を行いました。そして、東京電力は、さらに電力料金の値上げを実施し、平成二十五年度決算では黒字に転換するという、本当に首をかしげたくなるような現実も見られるところであります。こうした理不尽な現実の数々は、もちろん決算一つで改まるものではありません。
 しかし、国民の信託を受けた我々国会議員は、派手な予算審議だけではなく、地味ではありますが、しっかりと決算を審査し、政府に政策やお金の使い方に間違いはなかったのか、本当にそれでよかったのか反省を促していく、本来、こういった立法府の責任をしっかり果たしていかなければなりません。それが国民の生活を一歩一歩改善していくことになるだろうと、私は国会議員になり改めて再認識しているところであります。
 そうした中、良識の府と言われる参議院においても、大変遺憾ながら、平成二十三年度の決算審議が遅れ、二十四年度の決算とともに審議が行われることになりました。大切な国民の税金を預かる決算の審議もせず、次の予算編成を行うなど本来あってはなりません。
 そんな中、今国会においては、決算審査に力を注ぎ、平成二十三年度と二十四年度の決算を一括した大変精力的な決算委員会運営が行われ、五年ぶりに、政府の決算提出とタイミングを合わせた決算審査が今回実現しました。
 立法府の国民に対する責任を着実に果たしていこうという決算委員長を始め関係各位の御尽力には心から敬意を表します。安倍総理を始め政府関係者の皆様には、私たちの決算審査の結果を真摯に受け止めていただきたいと切に願うものであります。
 では、平成二十三年度決算外二件及び平成二十四年度決算外二件に関する反対の理由を申し上げます。
 平成二十三年度決算の対象である二十三年度政府予算につきましては、民主党が二〇〇九年のマニフェストで国民に約束した国の総予算の組替えによる財源捻出が果たせず、税金の無駄遣いの解消も、事業仕分のパフォーマンスを演じた以外は具体的な道筋が見出せませんでした。子ども手当、高速道路無料化といった理念なきばらまき政策だけが先行し、そして、増税の前にやるべき改革、すなわち、議員や公務員の削減、給与カット、天下りの禁止、税、保険料の徴収漏れ対策などに取り組んでいないこと、さらにはマクロ経済環境の改善へ向けた方策が見えないという理由で、私たちみんなの党はこの決算に反対です。
 平成二十四年度予算につきましても、民主党がマニフェストで約束しました国の総予算二百二十八兆円の組替えが行われず、消費税を始めとする増税のみを先行し、歳出圧縮が不十分であること、また、政府案では財政金融政策、すなわち全体としてのマクロ経済政策の方向性が見えないことをみんなの党は問題視しております。
 みんなの党は、あらゆる新規参入規制を撤廃し、自由で公正な金融資本市場、そして流動性の高い労働市場を形成し、新たな経済成長に資する未来への投資を進めるべきだと考えております。こうした予算案に反対している会計年度においては、決算においてよほどの改善が見られない限りは決算には賛成することはできない、これがみんなの党の基本的な立場であります。
 では、平成二十三年度及び二十四年度の決算に関する委員会審査で予算執行面における改善努力のあかしが政府側から表明されたかといえば、残念ながらそのようなことはありませんでした。
 例えば、国庫補助金の交付により法人等に設置造成された基金の保有金額は、合計平成二十四年度末で二兆六千百五十五億円となっております。平成二十年四月時点の一兆五百九十二億円に比べ倍増しています。基金保有額の水準については、平成十八年に閣議決定された補助金等の交付により造成した基金等に関する基準において、少なくとも五年に一回は見直すこととされておりますが、平成二十三年度に見直しを実施したのは経済産業省のみでありました。
 会計検査院は、所管府省が行うべき上記基準による見直しが十分に行われておらず、一部の基金において使用見込みのない額の滞留が見られると指摘しています。
 政府は、基金の設置造成に当たっては、必要額の精査等により基金規模の適正化を徹底するとともに、事業の進捗状況を踏まえた実効性のある見直しを毎年度実施し、使用見込みの低い基金等については速やかに国庫返納させるなど適切に措置するべきであります。
 また、貿易再保険特別会計における政府開発援助、ODAの債権放棄による損失額は九千六十六億円に上りますが、そのうち一般会計でいかなる金額を負担するかは特別会計法等に明文規定がなく、毎年の財政状況に応じて一般会計から同特別会計に繰入れが行われており、平成二十四年度決算までに累計で約二千五百億円が繰り入れられております。しかし、貿易保険は輸出入業者が加入する保険であり、その損失を一般会計、すなわち国民一般がどのように負担すべきかは慎重に検討される必要があると考えています。
 政府は、貿易再保険特別会計が、平成二十八年度末までに廃止の上、独立行政法人日本貿易保険に統合され、同法人はその後株式会社化することが閣議決定されていることに鑑みて、ODAの債権放棄による損失額九千六十六億円については、一般会計で今後更なる過大な負担が生じないよう検討するとともに、説明責任を果たすべきであります。
 さらに、国民生活に密接な関わりのある目的税等が、平成二十四年度末現在で、電波利用料四百二十七億円、牛肉関税五百二十億円、石油石炭税八千八百五十五億円、電源開発促進税一千三百四十五億円と、何と合計一兆一千百四十七億円もが目的外に使用されているという事実も決算審査の過程で明らかになっております。目的税等は目的に沿って使われるからこそ国民は応分の負担に納得するのであり、政府はこの目的税の使用の在り方についても早急に是正するべきだと考えています。
 このように、根本的な問題を抱えた平成二十三年度及び平成二十四年度の予算は、その予算執行において改善が見られるどころか問題が山積していて、到底両年度の決算外四件に賛成することはできません。
 他方、内閣への警告決議につきましては、各党の決算審議の過程で明らかになった様々な問題点を適切に盛り込んだものであり、政府、内閣への改善の努力を促すものとして賛成いたします。
 本日出席の安倍総理を始め政府関係者各位には、みんなの党が決算審査で指摘した多くの課題と警告決議に述べられた各党からの問題点の指摘を真摯に受け止め、しっかりと反省し、来年度の予算編成にそれを生かし、国民生活向上に向けたたゆまぬ努力を積み重ねていただくことを求めまして、討論とさせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
○議長(山崎正昭君) 大門実紀史君。
   〔大門実紀史君登壇、拍手〕
○大門実紀史君 私は、日本共産党を代表して、二〇一一年度及び二〇一二年度決算並びに両年度の国有財産増減及び現在額総計算書について是認することに反対の討論を行います。
 二〇一一年度予算は民主党菅内閣が編成し、野田内閣に引き継がれたものでした。この頃になると、民主党政権は、政権交代前に掲げた、生活が第一、コンクリートから人へ、対等な日米関係などの公約を投げ捨て、以前の自公政権と大差のない政策を取るようになっていました。
 予算案も、高速道路を始め巨大港湾など大型開発の温存、大企業向けの法人税五%減税、大金持ち優遇の証券税制の延長、一方で、年金、児童扶養手当の引下げなど、社会保障の削減を進めるものでした。東日本大震災に伴い第一次から四次までの補正予算が組まれましたが、仮設住宅の建設、中小企業グループ補助金など必要な施策が含まれる一方で、庶民に復興増税を押し付けながら、被災地と全く関係のない地域の道路などの公共事業、大企業への補助金まで予算化し、国民の強い反発を受けました。また、アメリカ追随という点では、TPP推進を決定し、米軍のグアム移転経費まで増額負担させられました。
 自民党政治と変わらぬ大企業、大金持ち優遇、アメリカ優先の予算を執行した二〇一一年度決算について是認できないのは当然のことであります。
 二〇一二年度当初予算は民主党野田内閣によって編成されましたが、その中身は、税と社会保障の一体改革を先取りして消費税増税を前提とし、その一部を先食いしながら年金給付や子ども手当の削減で社会保障費を抑制する、その一方で、八ツ場ダムや東京外環道の復活、原発推進予算維持など浪費を拡大するもので、マスコミからも、自民党時代と変わらず、マニフェスト総崩れなど、厳しく批判をされました。そして、とうとう二〇一二年十二月の総選挙によって自公政権そのものが復活をしてしまいました。
 発足した安倍内閣が最初に組んだ巨額の補正予算は、国債増発による公共事業の拡大を主な内容とするもので、旧来の自民党政治の再開を宣言するものでした。かくなる予算を執行した二〇一二年度決算についても是認できないのは当然のことであります。
 特に指摘しておきたいのは、二〇一二年度に民主、自民、公明の三党合意を基に打ち出された税と社会保障の一体改革路線の危険性です。本来、一体改革というなら、税制を応能負担原則に基づいて改革し、社会保障を充実させる努力をすべきです。ところが反対に、逆進性のある消費税を引き上げ、一方で社会保障は改悪をする。こんなことを続ければ、貧富の格差は更に広がり、国民負担と将来不安の増大で景気は冷え込みます。結局税収も落ち込んで、また財源がないと増税に走る、そういう悪循環を繰り返すだけであります。応能負担の財政運営こそ国内経済を活性化し、税収増にも貢献することを知るべきであります。
 安倍内閣は、日本の法人税の実効税率は三五%と高いから引き下げると言いますが、今週九日の決算委員会で我が党の井上哲士議員が明らかにしたように、数々の優遇措置のおかげで、実際には一〇%台しか払っていない大企業はたくさんあります。これ以上の国際的な法人税引下げ競争は、グローバル企業がもうけをため込むだけで、各国の財政を圧迫し、国民を更に苦しめるものになります。何より、財源がないというなら、もうかっている大企業や大金持ちから取れというのは、当たり前の国民感情ではないでしょうか。
 このことを指摘して、討論を終わります。(拍手)
○議長(山崎正昭君) これにて討論は終局いたしました。
    ─────────────
○議長(山崎正昭君) 日程第一及び第二の決算二件の委員長報告は、平成二十三年度決算を是認すること、平成二十四年度決算を是認すること及び両件の決算につき内閣に対し警告することから成っております。
 これより採決をいたします。
 まず、平成二十三年度決算を委員長報告のとおり是認することについて採決をいたします。
 本件決算を委員長報告のとおり是認することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十六  
  賛成            百九十二  
  反対             四十四  
 よって、本件決算は委員長報告のとおり是認することに決しました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
○議長(山崎正昭君) 次に、平成二十四年度決算を委員長報告のとおり是認することについて採決をいたします。
 本件決算を委員長報告のとおり是認することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十五  
  賛成            百三十四  
  反対              百一  
 よって、本件決算は委員長報告のとおり是認することに決しました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
○議長(山崎正昭君) 次に、委員長報告のとおり内閣に対し警告することについて採決をいたします。
 委員長報告のとおり内閣に対し警告することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十五  
  賛成           二百三十五  
  反対               〇  
 よって、全会一致をもって委員長報告のとおり内閣に対し警告することに決しました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
○議長(山崎正昭君) 次に、日程第三及び第五の国有財産増減及び現在額総計算書二件を一括して採決いたします。
 両件を委員長報告のとおり是認することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十六  
  賛成            百九十三  
  反対             四十三  
 よって、両件は委員長報告のとおり是認することに決しました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
○議長(山崎正昭君) 次に、日程第四及び第六の国有財産無償貸付状況総計算書二件を一括して採決いたします。
 両件を委員長報告のとおり是認することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十八  
  賛成            二百十一  
  反対             二十七  
 よって、両件は委員長報告のとおり是認することに決しました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
○議長(山崎正昭君) 先ほど議決されました内閣に対する警告に関し、内閣総理大臣から発言を求められました。内閣総理大臣安倍晋三君。
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいまの御決議に対しまして所信を申し述べます。
 政府としては、従来から国の諸施策の推進に当たって、適正かつ効率的に執行するよう最善の努力を行っているところでありますが、今般、七項目にわたる御指摘を受けましたことは誠に遺憾であります。
 これらの御決議の内容は、いずれも政府として重く受け止めるべきものと考えており、御決議の趣旨を十分に踏まえ、今後このような御指摘を受けることのないよう改善、指導してまいります。(拍手)
     ─────・─────
○議長(山崎正昭君) 日程第七 海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。国土交通委員長藤本祐司君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔藤本祐司君登壇、拍手〕
○藤本祐司君 ただいま議題となりました法律案につきまして、国土交通委員会における審査の経過と結果を報告いたします。
 本法律案は、二千四年の船舶のバラスト水及び沈殿物の規制及び管理のための国際条約の締結に伴い、船舶の安定のために取り入れる海水などのバラスト水について、生態系に悪影響を与える排出を禁止し、有害なバラスト水の処理設備の設置等を義務付けようとするものであります。また、これらの規制の実効性を担保するため、我が国の船舶に対する検査に加え、外国船舶に対する立入検査を実施する等の措置を講じようとするものです。
 委員会におきましては、バラスト水の処理設備の設置に対する支援の在り方、処理設備等に係る検査体制の整備の重要性、海洋環境の保全に向けた取組等について質疑が行われました。その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、報告いたします。(拍手)
    ─────────────
○議長(山崎正昭君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十六  
  賛成           二百三十六  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
○議長(山崎正昭君) 日程第八 電気事業法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。経済産業委員長大久保勉君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔大久保勉君登壇、拍手〕
○大久保勉君 ただいま議題となりました法律案につきまして、審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、第百八十五回国会で成立した電気事業法の一部を改正する法律附則第十一条の規定に基づく電気事業に係る制度の抜本的な改革に係る措置として、電気の小売業への参入の全面自由化を実施するため、一般の需要に応じ電気を供給する事業を営もうとする者に係る経済産業大臣の登録制度を創設する等の措置を講ずるとともに、電力の先物取引に係る制度及び再生可能エネルギー電力の調達に係る制度を整備する等の措置を講じようとするものであります。
 本法律案の審査に先立ち、神奈川県横浜市におきまして、火力発電設備等の実情調査を実施いたしました。
 委員会におきましては、参考人から意見を聴取するとともに、電気の安定供給の確保に向けた取組、電力システム改革による電気料金の抑制効果、広域的運営推進機関における中立性の確保策、省エネルギーを推進する必要性、労働災害防止に向けた取組等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終了し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して倉林理事より反対する旨の意見が述べられました。
 討論を終わり、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対して附帯決議を行いました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
○議長(山崎正昭君) 本案に対し、討論の通告がございます。発言を許します。倉林明子君。
   〔倉林明子君登壇、拍手〕
○倉林明子君 私は、日本共産党を代表して、電気事業法等の一部を改正する法律案に対し、反対討論を行います。
 本法律案は、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故の教訓を踏まえ、六十年ぶりに行う電力システム改革の第二段階とされています。
 一番の教訓にすべきは、原発事故は憲法で保障している国民の人格権を侵害するということです。事故は起こり得るものであり、一旦事故が起これば取り返しの付かない被害をもたらすということです。今なお、家族、なりわい、ふるさとを奪われ、十三万人を超える人々が不自由な避難生活を強いられている原発事故の実態を直視するならば、被害者への完全賠償を行い、原発ゼロを電力改革の土台に据えるべきです。
 ところが、政府は、原発を重要なベースロード電源と位置付けたエネルギー基本計画を定め、原子力規制委員会の人事まで変えて原発の再稼働に突き進もうとしており、決して許されるものではありません。
 国民が求める電力改革は、原発ゼロ、再生可能エネルギーを主役にした小規模分散・地域循環型の電力システムへの転換です。電力独占のガリバー支配を支えてきた戦後の発送配電一貫体制を解消するとともに、東電の破綻処理、原発ゼロのエネルギー政策こそ必要です。
 反対の第一の理由は、実質破綻している東電の持ち株会社や子会社にも新たに一般担保付社債の発行をできるようにしたことです。
 政府は、柏崎刈羽原発の再稼働と、持ち株会社グループの分社、子会社の成長計画を前提にした東電の新・総合特別事業計画を電力システム改革の先取りと位置付けています。しかし、実質債務超過の東電を存続、延命させることを可能とする一般担保条項は、まさに東電救済条項というべきものであり、認めることはできません。
 東電は破綻処理し、株主やメガバンクなど貸し手責任を問い、一時的に国有化する道こそ取るべきです。今や、原発などの大規模集中型の電源開発のために必要となる巨額の設備資金調達を保障する、言わば公益特権ともいうべき一般担保付電力債はその役割を終えています。
 第二の理由は、巨大企業のエネルギー独占状態を新たにつくりかねないものだからです。
 大手電力会社の地域独占を支えてきた発送配電一貫体制をそれぞれ分離することは当然です。しかし、原子力や火力など巨大な発電事業者が届出制になることで、原発付加金などの料金コストが今以上に消費者には見えなくなります。さらに、公聴会の廃止により、消費者、国民にとって託送料金などの原価情報のブラックボックス化が進むことは、この間進めてきた情報開示からの大きな後退であり、認められません。
 また、システム改革を前に、東電始め大手電力会社や鉄鋼、ガス、石油、通信、総合商社、さらに外資企業などは、エネルギーをめぐって巨大な独占企業間で再編を進める動きを見せています。電力に加えて、エネルギー市場全体の新たな規制なき独占となる危険があります。
 さらに、再生可能エネルギーの爆発的普及は世界的な要請であるにもかかわらず、原発の再稼働を前提に原発の優先給電を担保する仕組みは再エネ普及の足かせとなるものです。再エネを活用した地域循環型の取組が、原発事故後、福島始め全国で広がっております。地域のエネルギーは地域でつくり、仕事と雇用も生み出すことで地域再生につながる希望が膨らんでいます。再エネを最優先にした接続、給電を義務化し、経産省から独立した規制組織を設立し、徹底した情報開示と消費者、国民が監視できるシステムが必要です。
 完全な発送電分離と送電網の公的管理、電力独占への民主的規制と再生可能エネルギー・地域循環型を柱とする電力民主化こそ国民が求める道であることを指摘し、反対討論といたします。(拍手)
○議長(山崎正昭君) これにて討論は終局いたしました。
    ─────────────
○議長(山崎正昭君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十七  
  賛成            二百十一  
  反対             二十六  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
○議長(山崎正昭君) 日程第九 出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。法務委員長荒木清寛君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔荒木清寛君登壇、拍手〕
○荒木清寛君 ただいま議題となりました法律案につきまして、法務委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、我が国の経済の発展に寄与する外国人の受入れを促進するため、高度の専門的な能力を有する外国人に係る在留資格を設ける等の在留資格の整備を行うほか、上陸審査の手続の一層の円滑化のための措置等を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、高度外国人材の受入れを促進しようとする理由、在留資格、高度専門職の認定基準の在り方と明確性確保、高度専門職の在留資格の取消しの取扱い、ポイント制による高度人材外国人の認定状況、船舶観光上陸の許可に係る上陸審査手続の適正性確保、通過上陸の許可を活用したクルーズの振興、入国管理局の人的体制整備の必要性、入国管理局が取得した個人識別情報の取扱い、建設分野における外国人材の活用に係る緊急措置の問題点等について質疑が行われました。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して仁比委員より本法律案に反対する旨の意見が述べられました。
 討論を終わり、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
○議長(山崎正昭君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十六  
  賛成           二百二十四  
  反対              十二  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
○議長(山崎正昭君) 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時五分散会