第186回国会 農林水産委員会 第6号
平成二十六年四月三日(木曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 四月二日
    辞任         補欠選任
     羽田雄一郎君     浜野 喜史君
 四月三日
    辞任         補欠選任
     浜野 喜史君     安井美沙子君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         野村 哲郎君
    理 事
                猪口 邦子君
                山田 俊男君
                小川 勝也君
                紙  智子君
    委 員
                金子原二郎君
                古賀友一郎君
                中泉 松司君
                馬場 成志君
                堀井  巌君
                舞立 昇治君
                山田 修路君
                郡司  彰君
                徳永 エリ君
                浜野 喜史君
                安井美沙子君
                柳田  稔君
                平木 大作君
                横山 信一君
                山田 太郎君
                儀間 光男君
   国務大臣
       農林水産大臣   林  芳正君
   副大臣
       農林水産副大臣  吉川 貴盛君
   大臣政務官
       財務大臣政務官  山本 博司君
       農林水産大臣政
       務官       横山 信一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        稲熊 利和君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       澁谷 和久君
       復興庁統括官   菱田  一君
       法務大臣官房審
       議官       杵渕 正巳君
       外務大臣官房参
       事官       正木  靖君
       文部科学大臣官
       房文教施設企画
       部長       関  靖直君
       厚生労働大臣官
       房審議官     大西 康之君
       農林水産省食料
       産業局長     山下 正行君
       農林水産省生産
       局長       佐藤 一雄君
       農林水産省農村
       振興局長     三浦  進君
       林野庁長官    沼田 正俊君
       水産庁長官    本川 一善君
       中小企業庁経営
       支援部長     矢島 敬雅君
       国土交通大臣官
       房審議官     西村 好文君
       国土交通大臣官
       房審議官     広畑 義久君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○農林水産に関する調査
 (日豪EPA交渉及び環太平洋パートナーシッ
 プ(TPP)協定交渉に関する件)
 (国際司法裁判所の「南極における捕鯨」訴訟
 判決に関する件)
 (食料自給率に関する件)
 (攻めの農林水産業に関する件)
 (蚕糸業への支援に関する件)
 (農林業の労働災害に関する件)
 (森林・林業・木材産業政策に関する件)
 (水産業振興対策に関する件)
 (東日本大震災からの水産業復興支援に関する
 件)
○森林国営保険法等の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
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○委員長(野村哲郎君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、羽田雄一郎君が委員を辞任され、その補欠として浜野喜史君が選任されました。
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○委員長(野村哲郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 農林水産に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官澁谷和久君外十三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(野村哲郎君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(野村哲郎君) 農林水産に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
○堀井巌君 おはようございます。自由民主党の堀井巌でございます。
 本日は、攻めの農林水産業と言われておりますが、その中にあります林、すなわち森林・林業に絞って質問をさせていただきたいと存じます。
 言うまでもなく、我が国は、国土に占める森林面積の割合が三分の二という、まさに森林国であります。地元の話で恐縮でありますが、私の地元、奈良県の森林面積は県土面積の七七%ということでございます。全国的にも有名な吉野杉の産地でもございます。もちろん戦後造林された木も多いわけですけれども、吉野の場合は九十五年生以上の森林も一万三千ヘクタールほど存在をしております。江戸時代から続く樹齢二百年を超えるような立派な木も多数存在しております。
 現在、全国見渡しましても、森林資源は人工林を中心に毎年増加しているという状況にあるというふうに思います。まさにこの攻めの農林水産業の林というところを捉えたときに、今我が国は伐採期を迎えた様々な森林資源も増加しているということで、その好機を迎えているというふうに言ってもよいかと思います。
 また、また地元の話で恐縮でありますが、奈良県には世界最古の木造建築物でもございます法隆寺がございます。世界最大級の木造建築であります東大寺もございます。まさに、我々日本人は、太古の昔より木とともに生活をし、木とともに国土を育んできたと、このように思っております。
 一方で、七七%を占める中山間地域、山村地域に出向きますと、その地域に住む人々からは、大変将来に対する大きな不安の声、そして現在の林業に対する、この衰退に対する危機感という声を切実に聞くわけでございます。山村地域の過疎化、高齢化、進んできております。若者がなかなかもうその地域に住むことができないということも言われてきております。
 北方領土を除くと、日本一広い村は十津川村というところでございます。奈良県内にございます。大字が五十四ほどありますけれども、そのうちの二十四、約半分がもう限界集落だという、現在でもそのような状況にございます。先日、国立社会保障・人口問題研究所が、昨年ですが、発表した人口推計がございます。奈良県には三十九の市町村がありますけれども、そのうち最も人口減少率が高い、すなわち人口が減る、三二・一%になってしまう、これは二〇一〇年から二〇四〇年の比較ですが、と言われたのが吉野杉の産地で有名な川上村というところでございます。二〇一〇年には千六百四十三人であった、二〇四〇年には五百二十七人に減少するというふうな推計が出ております。
 地域に暮らす方々と週末あるいは様々な機会で話をするたびに、現在の切実な状況に対する不安な思い、危機感、切実な声が私の耳に迫ってまいります。同時に、地元の方々は、絶対にこのような推計値のとおりにはしないんだ、必ず地域を再生していくんだ、そして先人から守り継いできたすばらしいふるさと、そしてこの国土をしっかりと保全をしていくんだ、この山を将来の世代にしっかりとすばらしい形で引き継いでいくんだ、そのような力強い思いで皆さんあふれていることであります。
 私は、日本のこの山村、中山間地域の再生、そして振興のためには、やはり一番核となるのは林業の再生ではないかと、このように思うところでございます。近年、増加傾向にある集中豪雨、地震等による山地災害への備えなど、緑の社会資本としての森林への要請もますます高まってきているということでございます。こういったことで、これまでも農林水産省、殊に林野庁におかれては様々な取組を行ってきておられるというふうに思いますけれども、更に攻めの林業・森林行政をもっともっと強力に推進していただきたいという、そのような思いを込めて、以下、質問をさせていただきます。
 第一に、森林経営計画についてでございます。
 従前の森林施業計画から、現在、森林経営計画というものに、これは前の政権のときの時代だったと思いますが、変わりました。このような制度が平成二十四年からスタートをいたしました。大規模集約化を図って、計画的な路網整備を進めていこうという、そのような理念には私も共感をするところでございます。
 他方で、全国一律の計画の考え方でありますので、地元の林業関係者からは、なかなか現実と合わず非常にハードルが高いという声が聞かれているのも事実でございます。私の地元の奈良県の東南部のいわゆる山林地帯、山間部のように、急傾斜が多く小規模林家が多い地域にあっては、その理念については分かるんだけれども、なかなか計画を作ろうとしたときに実際にその計画が作れない。そうすると、林業を再生していく前段階としてのまず計画が作れなくて困っているというような声も聞かれるところでございます。
 そこで、地域の実情に合った森林整備をしっかりと経営計画の下で進めていくためには、この森林経営計画について現場に合った柔軟な計画となるようにすることが重要と考えますが、御見解をお聞かせください。
○政府参考人(沼田正俊君) お答え申し上げます。
 この森林経営計画制度でございますけれども、面的なまとまりの確保による施業の集約化、そして効率的な森林施業の実施に必要な路網の整備を計画的に進めていくために、平成二十四年四月にスタートしたものでございます。
 その後、この森林経営計画制度の定着を図るため、私どもとしても精力的に現場との意見交換を行ってまいりました。そういった中で、小規模零細な所有者や森林経営に関心のない所有者が多数存在して、合意形成に多大な時間を要する箇所があると。あるいは、私ども林班と呼んでおりますけれども、都道府県等が森林を管理するために地形界等によって区分している一定のまとまりでございまして、五十ヘクタールないし六十ヘクタールございますけれども、こういった林班を単位とした集約化について、例えば人工林率が低いというようなこともございまして、なかなかなじまない箇所があるというようなことがございまして、直ちに森林経営計画を作成できない地域があるという声が多数寄せられたところでございます。
 そういったことで、私どもとしては、林班面積の二分の一以上を集めることとする従来からの要件、これを基本としつつ、市町村長が新たに森林施業等を効率的に行うことができる範囲として定める一定の区域内、その区域内において三十ヘクタール以上を確保すれば計画を作成できるということにいたしまして、本年の四月から適用を開始したところでございます。
 私どもとしても、意欲ある方々によります森林経営計画の作成を一層促進いたしまして、地域の実情に応じた効率的かつ持続的な森林経営が図られるよう努めてまいりたいと考えているところでございます。
○堀井巌君 ありがとうございます。二十六年四月から、今のその面積要件の考え方等について一部柔軟な考え方も取り入れていただいたと、これは非常に有り難いことだと思います。地元の関係者も柔軟な制度の変更の下での森林経営計画の作成ということに皆さん取り組んでいただけるものだというふうに思います。
 しかしながら、もう一層のお願いをしたいのは、やはり、そうは言いましても、今林業が衰退している中で各地域、地元からの声を聞きますと、まだなかなか、計画を作って、そしてそれを基に力強く進めていくというにはまだまだ様々なことについてハードルを高く感じておられる方々も多いのが実情でございます。
 まず、様々な補助金も得ながら、また支援を得ながらやっていく前提としてこの森林経営計画というものがあるとするならば、是非とも、林野庁におかれては、作成支援だとか、あるいは今のこの制度変更についての周知、あるいは是非現場に、時間と労力があれば現場に出かけていって直接対話をいただく、そして要望も聞いていただきながら、手作りで作っていくのを支援していただくというようなきめの細かい支援をしていただけないかということを強く要望いたしますが、その点についての御見解をお願いいたします。
○政府参考人(沼田正俊君) 私どもといたしましても、この森林経営計画制度の定着というのは非常に大切なことというふうに考えておりまして、これまでも都道府県等を対象にいたしましたブロック会議でありますとか、あるいは林野庁職員が直接現地に赴きまして森林組合や林業事業体を含めた関係者と意見交換を行う、こういったキャラバンを数多く実施してまいりました。また、パンフレットの作成でありますとか経営計画の相談窓口を設置しておりまして、そういった意味で、できるだけ現場と密接につながって物事を考えていきたいということで対応させていただいているところでございます。
 また、今回見直しいたしました森林経営計画作成の要件でございますけれども、この内容につきましても都道府県等に事前にお知らせはさせていただいたところでございまして、こういったことに加えまして、森林経営計画の作成を支援するために、森林所有者や森林境界の画定、あるいは合意形成活動への支援でありますとか、森林経営計画の作成を担う森林施業プランナー、こういった人材の育成にも取り組んでいるところでございます。
 先生から御指摘ございましたように、私どもとしても、今回の見直し内容を含めて現場への丁寧な説明、周知、そしてきめ細かな支援と、こういうことを引き続ききちんとやってまいりたいというふうに考えているところでございます。
○堀井巌君 ありがとうございます。
 早くそれぞれの地域でこの森林経営計画というものを作成をして、そしてそれを基に強力に森林・林業経営がしっかりとした形で進んでいくことを希望いたしております。
 次に、川下対策についてお伺いをしたいと思います。
 地域の林業・木材・森林産業を元気にしていくためには、やはりサプライサイド、川上での様々な施業への支援、路網整備等のみならず、需要を喚起する、すなわち川下対策が重要と考えております。ちょうど、先ほども申し上げましたように、今森林資源が利用期を迎えつつあります。また、合板等の加工技術が向上してきまして、今、国産材を様々な形で利用できるという裾野も広がってきていると、このように感じているところでございます。
 この木材需要を拡大していくための川下対策について、どのような取組を行っていくおつもりか、御見解をお聞かせいただければと思います。
○副大臣(吉川貴盛君) 堀井議員御指摘のとおりでありまして、川上対策と併せまして川下対策というのは極めて重要なことでございまして、この川上対策と川下対策を木材需要の拡大のために一体的に講じていく必要が、私は重要であると考えております。
 そのために、農林水産省におきましては、昨年十二月に官邸の本部において決定されました農林水産業・地域の活力創造プランを踏まえまして、中高層建築での活用が期待できるCLT、これ直交集成板と呼んでおりますけれども、もう既に、実は、大変うれしいことに、高知のおおとよ製材の社員寮が三月の六日の日に竣工をいたしました。このような新たな製品、技術の早期実現化に向けた支援を行ってまいりますとともに、木造公共建築物の整備等に対する支援、さらには木造住宅の建築等に対しポイントを付与する木材利用ポイント事業の実施も行ってまいります。そしてまた、委員会でもしばしば議論をされておりますように、バイオマス利用施設の整備や全国的な相談・サポート体制の構築等に対する支援等々、総合的に取り組んでいるところでもございますけれども、今申し上げましたこれらの施策を通じまして木材需要を拡大し、林業、山村地域の活性化を図ってまいりたいと存じております。
○堀井巌君 ありがとうございます。今お話しいただきましたように、木質バイオマスの関係、そしてCLTの取組、合板、集成材の取組等々、様々な努力をいただいているというふうに思います。そのことについては心から敬意を表したいと思いますし、是非ともそれをより一層力強く進めていただきたいと期待するものでございます。
 また同時に、今も木材利用ポイントのお話が出てきましたが、住宅を国産材で建てていくときの支援のお話もございました。ここから少し住宅あるいは建築物への木材利用について御質問させていただきたいと思います。
 私は、地元の林家の方々と話をしますと、やはり思いとしては、先人の方々が五十年、百年、二百年と丹精を込めて作ってきたこの木、すばらしい木、特にA材と言われるいい木はやっぱり住宅や建築物として使ってほしいという、このような思いがございます。これを粉々にしてバイオマスのチップとして燃料にするということのみならず、やっぱりすばらしい木は木としてきちんと住宅需要として使っていただきたい。
 例えば、地元の工務店で二十坪の国産材の家を造りますと、大体二十立米ぐらい木を使うわけであります。丸太を満載したトラック二台分ぐらいが一軒の家で使われるわけであります。やはり住宅需要が喚起されますと大変活気も出てまいりますし、A材をしっかり切り出そうと、その中でB材、C材にもいい波及効果が出てくるのではないか、このように思うところでございます。
 そこで、住宅分野における木材利用促進に関しまして、まず、林野庁さんにおかれましてはどのような取組を行っていかれるのか、お伺いしたいと思います。
○副大臣(吉川貴盛君) 私の方からお答えをさせていただきますが、御指摘をいただきましたように、A材につきましては極めて品質の良いものだと認識をいたしておりまして、国産材需要の約五割を占める住宅分野におきまして、私から申し上げるまでもございませんけれども、無垢の柱や木目の美しさを生かした内装材など、付加価値の高い製品として活用していくことが極めて重要であると考えております。
 そしてまた、このことが森林所有者、木材産業関係者の利益確保につながるものと私どもは認識をいたしておりまして、そのために、品質の良いA材をB材などと区別をいたしまして確実に地域の製材工場等へ供給できるように、山元と製材工場、工務店等との連携促進を図ることが必要だと考えておりますし、さらには、品質、性能の確かな製品を効率的に供給するための木材乾燥機などの施設整備への支援もしっかりと行ってまいりたいと思っております。さらには、大径化した杉等の用途拡大など住宅等における新たな製品、技術の開発なども行おうとしているところでもございます。
 そして、木材需要全体の拡大と併せまして、品質の良いA材が付加価値の高い建築用材として有効活用されるようにしっかりと取り組んでまいりたいと思いますので、また堀井議員のお知恵も拝借をさせていただければと、このように思っております。
○堀井巌君 ありがとうございます。林野庁におかれても、このような、川上だけでなく川下、特に住宅需要までを視野に入れた取組をしていただくということ、大変心強い限りでございます。是非一層の取組をよろしくお願い申し上げます。
 国交省さんにお伺いしたいと思います。
 今、地元の工務店でも吉野杉、国産材を使った住宅について、かなり省エネ性能、断熱性能、それから耐震性能についても大手ハウスメーカーと遜色ない、あるいはそれ以上の住宅、あるいは間取りについても現代風の間取りで造る例も大変出てきています。また、川上であらかじめプレカットをして産直住宅的にその材をうまく効率的に用いて中間マージン、コストをカットして供給しているという例も出てきております。関係者、本当に全力で今取り組んでいるところでございます。
 そこで、今、住宅着工件数のうち木造住宅の割合、あるいは木造住宅のうち国産材を使った住宅の割合はどのぐらいなのか、そしてどのように国産材を使った住宅の促進に取り組んでおられるのかをお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(広畑義久君) お答え申し上げます。
 平成二十四年度の住宅着工統計では、新設住宅の着工戸数八十九万三千戸のうち木造住宅は四十九万三千戸でございまして、約五五%でございます。我が国では、国民の木造住宅に対する志向が強くて、新設着工のうち一戸建てに限って見ますと、木造住宅の割合は約八七%と非常に高くなっております。委員お尋ねの木造住宅の国産材利用の割合に関する統計調査はございませんけれども、平成二十三年の林野庁の試算によりますと、建築用の製材用材における国産材の割合は約四四%と承知しております。
 木造住宅におきまして国産材の利用を更に推進するためには、木材の安定的な供給、あるいは木材の乾燥や寸法精度などの品質、価格などの課題があると承知をしております。このため、国土交通省におきましては、原木の供給、製材などの川上から設計者、工務店などの川下までが連携して取り組みます木造の長期優良住宅への補助を行う地域型住宅ブランド化事業を平成二十四年度より実施しております。この事業を通じまして、地域材の安定した供給体制の整備や品質、性能の明確な木材の活用、調達の共同化などを支援しております。また、木材利用ポイント事業との併用など、地域材の利用推進について林野庁とも連携しております。今後とも、こうした取組を通じまして、地域材を活用した木造住宅の推進を図ってまいる所存でございます。
○堀井巌君 ありがとうございます。国産材を使う、そして森林整備が進むということは国土保全にもつながるということだと思います。その観点からも、これは、国土保全を所管されておられます国土交通省におかれても、国産材利用の重要性、もちろん今御認識いただいていることを確認できましたので、より一層のお取組をお願いしたいと思います。
 次に、公共建築物について伺いたいと思います。
 平成二十二年、公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律が施行されました。これまで公共建築物というと、耐火性能とか強度とかいろんなイメージ、観点から、どちらかというと木造よりは鉄筋コンクリート、鉄骨の方がいいんだ、そういう考え方が主流でありましたが、平成二十二年のこの法律によってどんどん木を使っていこうじゃないか、このような一つの大きな考え方が示されたというふうに、私はこれ大変重要な法律であると、このように認識しているところでございます。
 そこで、現在の公共建築物の木造化の状況、そしてその取組について国交省にお尋ねをしたいと思います。
○政府参考人(西村好文君) 国の公共建築物の木造化の推進についてお答えいたします。
 まず、木造化の状況でございます。平成二十三年度に新たに完成した国の公共建築物のうち、木造化が可能な三階建て以下の建築物は五百六棟となってございます。これには、耐火建築物とすることが求められるものや災害応急活動施設などが相当数含まれており、結果としては木造化されたものは三十一棟となっております。同様に、平成二十四年度では、四百六十二棟に対して木造化されたものは四十二棟となっております。
 次に、公共建築物の木造化を推進するに当たっての課題でございます。これまで木造建築は住宅が中心であったことから、公共建築物の木造化のために必要な知識を有した設計者、技能者などの人材が不足しているという課題のほかに、設計、施工の技術基準類が十分に整備されていなかったこと、また木造化に関する具体的事例等の情報が不足していたことなどが挙げられております。
 このため、国土交通省では、国の木造建築物の設計手法を規定した木造計画・設計基準や公共建築木造工事標準仕様書などの技術基準類を整備し、その普及に努めておるところでございます。また、公共建築物の木造化の可能性を広く国民に知っていただくよう、地方公共団体とも連携してこれまでの木造化の事例などを取りまとめ、広く情報発信を行っているところでございます。これらの施策により、今後とも公共建築物の木造化推進に積極的に取り組んでまいる所存でございます。
○堀井巌君 是非とも、みんな一生懸命取り組んでいただいていると思いますけれども、これはやはり特に意識をして取り組んでいかないとなかなか増えていかないと思いますので、より一層よろしくお願いしたいと思います。
 次に、学校施設についてお伺いをしたいと思います。
 学校施設の木造化、あるいは内装木質化、あるいは備品等での木材利用の取組状況をお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(関靖直君) 平成二十四年度に新しく建築されました公立学校施設千二百十七棟のうち木造施設の割合は二〇・〇%、二百四十四棟で、前年度から四・八ポイント増加しております。また、非木造施設のうち内装が木質化された施設は五五・二%、六百七十二棟であり、合計七五・三%の施設で木材が利用されております。
 木材が柔らかで温かみがあり、湿度の調整に優れておりますことから、学習環境の改善や地域の活性化に資するものと考えておりまして、この木材利用に取り組みやすくするためには、建設コストの問題のほか耐久性、耐震性、耐火性や、木材利用の検討の進め方等について地方公共団体の理解を促進することが重要であると考えております。
 このため、文部科学省では、木造施設の整備や内装木質化等に対して国庫補助を行う際に単価の加算を行いますとともに、手引書の作成や講習会の開催等によりまして木材を利用する際の留意点を解説したり、工夫した取組事例を紹介しているところでございまして、今後とも関係省庁と連携をしながら、地方公共団体が学校施設への木材利用に積極的に取り組めるよう支援に努めてまいりたいと考えております。
○堀井巌君 ありがとうございます。教育効果に関する御指摘もございました。私もこれは教育関係者からも耳にするところでございます。是非ともお取組をお願いいたします。
 最後に、林業・木材産業の成長産業化に向けた大臣の御決意をお聞かせいただきたいと存じます。
○国務大臣(林芳正君) 我が国の国土の七割が森林ということで、先生のお地元の奈良も森林がたくさんあるというふうに理解をしておりますが、今御質疑の中で示していただいたように、戦後、先輩方のおかげで人工林がかなり造成をされてきまして利用期になってきている、チャンスであります。したがって、森を守るということは、木を使って循環させることが森を守ることであるということを木づかい運動などを使って訴えながら成長産業化をしていきたいと、こういうふうに思っております。
 先ほど吉川副大臣から答弁をいたしましたように、地域の活力創造プラン、官邸で決めました。ここにCLT等々のいわゆる川下の政策を書かせていただくとともに、川上の供給体制の構築の方も書き込ませていただいたところでございます。
 こういうことを一体となってやることによって、私も林でございますので名前負けしないように、しっかりと林業・木材産業の成長産業化の実現に取り組んでまいりたいと、こういうふうに思っております。
○堀井巌君 林大臣のこれからお取組に御期待を申し上げまして、終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
○山田修路君 自由民主党の山田修路です。
 今日は、まず六次産業化の推進についてお伺いをしたいと思います。
 農林水産業の六次産業化、これは農林漁業者の所得を増やし、さらに地域の活性化にもつながるということで極めて重要だと思っております。一方で、この六次産業化というのはやはり場合によってはリスクを伴うということで、農家の方によれば、規模拡大で取りあえず生産だけでやっていくよというような方もおられるという状況でございます。
 こういう状況の中で、今後、六次産業化をどのように進めていこうとしているのか、まず基本的な方向について大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) 農山漁村における所得とか雇用、これを増大して、よってもって地域の活力を向上させる、このためにはやはり六次産業化の取組が欠かせないと、こういうふうに思っております。
 農業自体の生産額が九兆から十兆、これに比して、いわゆる流通も含めた川下まで、食品産業等を含めますと九十兆を超えるマーケットがあると、こういうことですから、その中でどうやって地域の活力向上に向けてこれを取っていくか、これは大変大事なことであるということと、それから、仙台で農家レストランへお邪魔したときに、自分のところで植えた野菜でレストランをやっておられて大変評判がいいと。なるほどなと思いましたのは、お客さんの動向をいろいろ感じながらメニューを作る、そのメニューによって次の年に植えるものを考えるんだ、こういうふうにおっしゃっておられまして、生産者の方が消費者に直接触れていただくということは非常に意味のあることだなというふうに思ったわけでございます。
 こういう六次産業化に取り組む農林漁業者等へのサポート体制、これを構築するために、それぞれの経営の発展段階に応じて補助事業、それからA―FIVE、農林漁業成長産業化ファンドによる出資等の支援を総合的に実施をしております。
 昨年十二月に官邸でまとめましたプランでもこの六次産業化を位置付けておりまして、今後、同プランに位置付けられた国別・品目別輸出戦略に基づく輸出拡大の推進、それから機能性、加工適性の高い品種開発等の国内の新規需要の掘り起こし、さらには医福食農連携、医療、福祉と連携したこの推進、それから農山漁村の地域資源を活用した再生可能エネルギーの導入、バイオマス産業都市の構築、こういった関連施策を総動員しまして、経産省、国交省などの関係府省とも連携しながら六次産業化を推進していきたいと、こういうふうに考えております。
○山田修路君 どうもありがとうございました。
 この六次産業化に関連して、四月一日の施行で農地転用に関する省令、これは農林水産省令の改正、それから内閣府と農水省の共同の府省令が施行されたということでございますが、これについてどういった内容なのか、また狙いについてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(三浦進君) お答え申し上げます。
 農業の六次産業化に関連いたしまして、四月一日付けで二つの省令を施行したところでございます。
 一つは、国家戦略特別区域法に基づきます内閣府・農林水産省令でございまして、農家レストランを農振農用地区域に設置可能な農業用施設とみなすというものでございます。農振農用地区域に設置可能な農業用施設につきましては、畜舎ですとか温室、農産物集出荷施設ですとか、農業者が主として自ら生産する農畜産物を使用する加工販売施設等が該当しておりますけれども、国家戦略特区の提案募集におきまして新潟市等から、農業の六次産業化を推進するために農家レストランについても農業用施設として農用地区域内に設置できるようにすることについて提案がございました。これを受けまして、国家戦略特区において、農業者が自己の生産する農畜産物又は地域で生産される農畜産物を主たる材料として調理して提供する農家レストランにつきまして、農業用施設とみなして農用地区域内に設置できるようにしたというものでございます。
 もう一つは、農業振興地域の整備に関する法律施行規則の一部を改正する省令でございまして、既に農振法上、農業用施設として認められている加工販売施設の要件の緩和を行うものでございます。これは、これまで主として農業者自らが生産する農畜産物を使用するものに限定していたものにつきまして、地域における農業の六次産業化を推進するという観点から、自己の農畜産物を含めて地域で生産される農畜産物を主として使用することを可能とするものでございます。
○山田修路君 今回の二つの省令等の改正、大変六次産業化に意義があるというふうに思うんですけれども、特区で行っているところの六次産業化、特に農家レストランの話ですが、特区だけでやるというものではなくて、やはり全国的に進めるべきものではないかと思います。
 林大臣から先ほど農家レストランについて、生産者の人が消費者に直接触れるということで非常にいい機会だというお話ありました。逆に、消費者の方も、生産現場にできるだけ近いところで、農業がこういうふうに行われていて、その物がレストランで供給されるということを消費者の方が知るという意味でも非常に大事だと思うので、そういう意味ではやはり農場の近くにレストランがあるということがやはり望ましいと思うんです。そのことは、今言いましたように特区だけでなくて、これは全国で起こることなので、是非この農家レストランについての特例について全国展開をできるだけ速やかにやっていただきたいと思うんですが、その考え方についてお願いします。
○政府参考人(三浦進君) お答え申し上げます。
 農家レストランにつきましては、農業の六次産業化を推進して農家の所得や雇用の増大、農村の活性化等を図るといった観点から、地域における取組を進めていくことが重要であると考えております。
 他方、農振農用地区域内に設置できる農業用施設といたしましては、これまで農業者が営む耕作又は養畜の業務に密接に関連するものに限定しておりまして、これを拡大することにつきましては農地の効率的な利用の確保の観点から慎重に検討する必要があると考えているところでございます。
 農家レストランを農業用施設として位置付けることは従来の農業用施設の考え方を拡大するものでございますので、まずは国家戦略特区におきまして農家レストランの農用地区域内への設置ができるようにいたしまして、全国に展開することにつきましては、特区制度の下でその効果ですとか周辺の営農への影響を検証いたしまして対応を検討することとしたいと考えております。
○山田修路君 お話はよく分かるんですけれども、六次産業化をやるというのは、もう農林漁業者という概念がそこの時点で変わってきているということだと思うんです。加工をやったりいろんなサービスをやるということがもうそのなりわいとして一体化しているので、これまで農業施設じゃないから駄目なんだ、それはちょっと違うんだという考え方をやはり改めていかないと、この六次産業化というのはなかなか進まないと。農家というのは農業をやるもんだということで規制ができているというのが今のお話ですから、それでは、やはり本当に六次産業化を一生懸命やろうとすれば、それではやっぱり駄目だというふうに思うんです。
 今回非常にいい対応をしていただいたと思うので、是非こういった六次産業化について、大臣、先ほどお話ししました助成措置とか、あるいは出資をやっていくというのも大事なんですけれども、個々の農家からすれば、助成をもらわなかったり出資をもらわなくても六次産業化に取り組む人がいる。そうすると、規制というものが従来の農業者、農家の概念にとらわれたままの規制では、やはり六次産業化は進まない。
 そういう意味で、六次産業化をやっていくという上で、様々な規制についてもう一回点検をして、各省庁に及んでいるものもあると思いますけれども、そういったことを点検して六次産業化を進めるというようなことを考えていただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(山下正行君) 六次産業化につきましては、大臣からお話がございましたけれども、我々、それを取り組むに当たりまして障害になっている規制があれば、これはできるだけ改善していくことは先生がおっしゃるとおり重要だと思っております。
 先ほども農家レストラン等の話ございましたけれども、農林水産省としては、引き続き、六次産業化の推進に当たってどういったものが障害になっているかということにつきまして、現場の農業者を始めとする関係者の方々の御意見を幅広くお聞きして、関係府省とも相談しながら、必要なものは改善するといった、そういった検討をしていきたいと思っております。
○山田修路君 ありがとうございます。
 現場の声で、一生懸命やっておられる方がやはり今までの農業という概念からはみ出していくときに、どうも今の規制が合わない、どうもやりにくいという話がありますので、是非点検をしていただいて六次産業化推進に努めていただきたいというふうに思います。
 それから次に、自給率の話をしたいと思います。
 自給率目標、食料自給率の目標ですけれども、これを定め、さらにそれを向上させていくというのは極めて重要であると思っておりますけれども、この食料自給率目標を定めることの意義、そしてそれを向上させていくということについての大臣の考え方、決意をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) 食料の安定供給、これを将来にわたって確保していくということは、国民に対する国家の最も基本的な責務でありまして、国内農業の生産の増大を図って食料自給率を向上させると、これ大変重要であると思っております。このために、食料自給率目標については、食料・農業・農村基本法に基づいて基本計画がありますが、ここにおいて、その向上を図ることを旨として、国内の農業生産それから食料消費に関する指針として設定することと、こういうふうになっております。
 二十二年度に現行の基本計画が策定されておりますが、この現行の基本計画には、平成三十二年度を目標にして、カロリーベース五〇%、生産額ベース七〇%という目標を設定しておりますが、やはりこの自給率の向上は生産と消費の両面の取組によって実現されることでありますので、まず生産面で、需要のある餌米、麦、大豆、こういった自給率の低い農産物の生産振興、こういうものを図るということ、そして消費面では、国産農林水産物の消費拡大、それから地域で生産された農産物を地域で消費しようとする地産地消の取組、こういったものを推進することによって、食料自給率の向上に取り組んでまいりたいと、こういうふうに思っております。
○山田修路君 ありがとうございました。
 お配りしている資料で、今大臣からお話がありました平成二十二年の計画、そしてさらに十七年、十二年と、前の計画とそれから実績を書いた表をお配りをしております。大臣からお話がありましたように、一番下が二十二年の計画の目標でございます。この一番下の右に二十四年現在での実績値が書いてございますけれども、今三年を経過しているという状況の中で、この実績、どういうふうになっているか、またどういうふうに見ているかということについてお伺いしたいと思います。
○副大臣(吉川貴盛君) 自給率の実績についてでありますけれども、カロリーベースの自給率目標につきましては、天候や東日本大震災の影響等もありまして、基準年であります平成二十年度に四一%であったものが、平成二十四年度には三九%となっております。一方で、生産額ベース自給率目標につきましては、基準年であります平成二十年度に六五%であったものが、平成二十四年度には六八%と堅調に推移をしているところでございます。
○山田修路君 今お話がありましたような実績値ですけれども、カロリーベースでいって四一%から五〇%にすると。もう三年以上過ぎているわけで、均等にいけば四四%ぐらいになってもいいのかなというようなレベルだと思いますけれども、現状三九%、カロリーベースでなっているということについて、どのように評価をしておられますでしょうか。
○副大臣(吉川貴盛君) 御指摘をいただきましたように、カロリーベースの食料自給率ですけれども、目標から乖離している状況にございます。
 これは、生産面におきまして、米粉使用が、平成三十二年度の生産数量目標五十万トンに対しまして平成二十四年度では三・三万トンでございました。また、飼料用米が七十万トンに対しまして十六・七万トンと、目標から大きく乖離をしているところでもございます。
 さらに、消費面でありますけれども、主食用米につきましては、消費増を見込んでおりましたけれども、平成三十二年度の予想消費量が一人一年当たり六十二キログラムに対しまして平成二十四年度は五十六キログラムでございました。同様に、消費増を見込んでおりました米粉用米の消費量が三・二キログラムに対しまして〇・三キログラムと予測を下回っておりまして、一方で、輸入に大きく依存をしております小麦につきましては、消費減を見込んでいたのでありまするけれども、二十八・〇キログラムに対して三十二・九キログラムでございます。同様に、消費減を見込んでおりました油脂類が十一・七キログラムに対して十三・六キログラムと、予測を上回って推移をしていることが大きな要因として考えられると存じております。
 なお、この生産額ベース食料自給率につきましては、国内生産額への寄与が大きい牛肉あるいは豚肉でありますけれども、見込みに沿って推移したことから、堅調な状況にあると申し上げてよろしいのではないかと思います。
○山田修路君 ありがとうございました。
 お配りしている表ですけれども、今一番下の二十二年計画の話をずっとしておりますけれども、さらに二つ、前に計画があります。十二年の計画、十七年の計画ということです。それぞれ十二年計画あるいは十七年計画というのは五年ごとに見直されるので、最後の数字というのは実はその評価の対象外になっている、五年の時点で見直されるわけで。例えば、平成二十二年の目標は四五%だったのが最後どうなのかということは、実はもう十七年の計画に移っているので、ここのところの評価が今までちゃんと行われていないんです。
 便宜上これはその二十二年の数字を入れてみたということなんですけれども、十二年に作った計画、今の状況では、九回まで野球の試合があったら、五回でもうやめて次の試合に移ると。そうすると、九回で例えば一対〇で勝とうと思っていたのに五回ぐらいで評価をして次のものに移ってしまうので、実際この九回の試合がどうだったかというのはなかなか評価されないわけですね。
 あえてこういうものを作ってみたんですが、十二年の計画、実際に最後の年では四五%のカロリー目標に対して三九%であるし、十七年はまだ二十四年の実績しか出ていないので最終回までは行っていないんですが、それでもかなり下がっていると、四〇%であったのが三九%になっている。いずれも目標に対して全然近づいていっていないというのが過去二回の経験というんでしょうか、実績であるというこういう状況に通して見ればなると。
 こういう状況の下で、現在の計画、カロリーベースで五〇%ということになっていますけれども、この目標が、過去の二回の状況もこうであるとすればちょっと高過ぎなんではないかという気もいたしますが、その辺についてどのようにお考えでしょうか。
○副大臣(吉川貴盛君) ただいまの御質問に答弁をさせていただきます前に、先ほどの答弁の折に、米粉使用米の消費量を三・二キロと私は申し上げましたけれども、正確には三・三キログラムでございますので、御訂正をいただければと思います。失礼いたしました。
 ただいまの御質問でありますけれども、平成十一年に食料・農業・農村基本法が制定されて以降は、平成十二年、十七年、二十二年策定の三回の食料・農業・農村基本計画において食料自給率の目標が設定をされているところでもございます。
 このうち、平成十二年及び十七年の食料・農業・農村基本計画におきましては、計画期間内における実現可能性を考慮して、カロリーベースで四五%の目標が設定をされたところであります。そして、平成二十二年の現行の食料・農業・農村基本計画におきましては、平成二十年以降の穀物価格の大幅な上昇等を背景にいたしまして、我が国の持てる資源を全て投入したときに初めて可能となる高い目標として、カロリーベースで五〇%の目標が設定をされました。
 山田先生御指摘の、五〇%は高過ぎるのではないかということでありますが、この現行の基本計画に代わる次期基本計画、来年、平成二十七年三月に向けまして、本年一月二十八日に食料・農業・農村政策審議会に諮問をしたところでもございまして、食料自給率の目標も含めまして、その議論の中でしっかりと検証を行った上で検討してまいりたいと考えております。
○山田修路君 後ほど時間があればイギリスの例もちょっとお聞きをしたいと思うんですけれども、今副大臣から次期の計画の改定作業に入ったというお話でございました。
 過去、十二年、それから十七年、そして二十二年、三回あるわけですけれども、この実情、実績値を見ると、決してその目標に向かって近づいているというわけではないと。そうすると、その自給率目標の設定自体がただ単に数字を書いただけというようなイメージでとらわれないか。本当にそれに向けて政策をやっているのかという、まさに目標に対する信頼性が今度の基本計画の見直しでは問われるというふうに思うんです。
 そういう意味で、やはり自給率目標の設定に当たっては、まさに実現可能な目標というものをしっかり見定めるということと、あわせて、先ほど大臣からお話がありました消費面や生産面での対策というのがありますけれども、実際にどういうことをやったら自給率にどの程度影響があるのかというような主要なものがあると思うので、そういう政策との関連付けというのも、あるいははっきりさせるということが自給率目標の信頼度を高めるという上でも非常に重要だと思うんですけれども、この点についての見解をお伺いしたいと思います。
○副大臣(吉川貴盛君) 御指摘のとおりだと存じます。
 本年の一月の二十八日に、先ほども御答弁を申し上げましたように、食料・農業・農村政策審議会にこの食料・農業・農村基本計画の見直しについて諮問をいたしたところでありますけれども、まずは現行の食料自給率目標の検証を行うことが重要であると考えております。
 さらに、今後の食料自給率の目標につきましては、この検証結果を踏まえまして、農業者や消費者の取組による実現可能性や、あるいは生産面、そして消費面の課題とこれに対応する政策等も含めて、しっかりとした検討をしてまいりたいと存じております。
○山田修路君 そういう意味で、自給率の向上に成功した国としてよくイギリスが例に挙げられるわけですけれども、どうして自給率向上ができたのか、またイギリス政府の政策的な対応についてお伺いしたいと思います。
○副大臣(吉川貴盛君) 英国のカロリーベース食料自給率でありますけれども、一九六〇年代は四〇%台で推移をしておりました。一九七〇年代から九〇年代半ばにかけましては徐々に上昇をして、一九九六年にはピークとなる七九%に到達をしたと承知をいたしておりまして、その後、低下をして二〇〇九年には六五%となっていると承知をいたしております。
 このように英国の食料自給率が向上した主な要因といたしましては、まず生産面でありますけれども、平地が多く、効率的な農業生産が可能であるなど、EU域内での競争力が相対的に高い中で、一九七三年のEC加盟に伴う共通農業政策の適用によりまして小麦等の生産が大幅に拡大をしたことが挙げられます。さらに、消費面でありますけれども、大きな食生活の変化が生じた我が国とは異なっておりまして、国内では生産可能な小麦ですとかあるいは畜産物を中心とした食生活に大きな変化がなかったことなどが挙げられるものと考えております。
○山田修路君 今副大臣からお話がありましたように、イギリスの例でいうと、政策的な意味があるのは共通農業政策をEUに加入して採用したということだというお話がありました。
 先ほど言いましたように、今の基本計画というのは食料自給率の目標は決めている、その後に政策がだあっと書いてあって、こういう政策を全部やれば自給率はこうなるでしょうというような形の、そういったつながりしかなくて、しかし、実際にその自給率向上に役立つ政策というのは多分非常にポイントポイントであると思うんですね。
 そういうものをはっきりと、この政策がこういう自給率の向上に役立つんだというようなことをある程度明確に出していかないと、ふわっと何か全体やれば上がるでしょうというのでは、やっぱりその自給率目標に対してしっかり政策をやっていくんだという意図が伝わらないと思うんですね。ですから、是非今度の見直しではそういうことも考えてやっていただきたいと思います。
 特に、今度の自給率目標の見直しでは、自給力ということも併せて指標とするというような考えがあるというふうに聞いておりますけれども、それはどういう要素なのかということについてお伺いしたいと思います。
○副大臣(吉川貴盛君) 食料の自給力、その要素の御指摘をいただきましたけれども、まずは農地、そして担い手、さらには農業技術などから成ります国内農業生産による食料の潜在的な供給能力を示すものと整理をさせていただいておりまして、農業従事者や農地面積の減少などの進展、世界の食料需給が中長期的に逼迫する可能性も踏まえまして、食料安全保障の観点から食料自給力の維持向上を図ることが極めて重要と認識をいたしております。
 食料自給力の取扱いにつきましては、今後の基本計画の見直しの議論の中で様々な観点から検討してまいる所存でもございますので、また山田議員からの様々な御支援、御指摘もお願いをいたしたいと存じております。
○山田修路君 食料自給力を目標としていくというのは非常にいいことだとは思うんですけれども、逆に言うと危険性もあるというんでしょうか、食料自給力というのは、いざというときに国内でどれだけ生産できるかということを指標とするということですから、例えば、昔よくあった議論では、ゴルフ場があればいざというときはそれを耕して芋を植えればいいんで、自給率がある程度低くてもゴルフ場開発をすれば自給力は確保されるんだとか、そういった乱暴な議論もあるわけですね。
 自給力というのがそういう意味で使われるとすればかえってマイナスなので、自給率を上げるためにこういう力を備えておくべきなんだというような形で、両方が相まって自給率の向上につながっていくというような、自給率と自給力それぞれがやはり我が国の安定的な食料供給に役立つんだという形で是非検討していただきたいと思います。
 先ほど言いましたように、自給力があれば自給率なんて多少低くてもいいんだというような、そういう議論に是非つながらないようにお願いをいたしまして、私の質問とさせていただきます。
 どうもありがとうございました。
○徳永エリ君 皆様お疲れさまでございます。民主党・新緑風会の徳永エリでございます。
 本日は、まずは南極における捕鯨訴訟の判決について伺いたいと思います。
 政府は、一体これ何をやっていたんでしょうか。国際司法裁判所裁判官の意見、反対が四、賛成が十二ということであります。完敗です。民主党の捕鯨議連でも政府からいろいろ事情は聴きましたけれども、この判決が出る前は自信があるというような印象を受けておりましたので、この判決に対しては大変に残念であります。
 「捕鯨外交 自信が裏目」というふうに今日の新聞にも書かれています。「最低でも数千万円単位の弁護報酬を支払い、世界的権威の弁護士を雇った。完敗はあり得ないとなめていた」と政府関係者の弁と書かれております。鶴岡代理もこれ、少しおごりがあったんではないでしょうか。鶴岡代理のコメントも判決に従うというものでありまして、これをどう受け止めたらいいのかということに関しては大変に困惑をいたしております。
 そこで、南極における捕鯨ができなくなるのか、それとも水域の見直し等なのか、その辺り。また、JARPAUの見直しをするのか、この判決を受けて政府の対応。そして、林大臣、御地元ですから、下関、総理もそうですよね。鶴岡審議官をお呼びになって総理もかなりお怒りになったということも聞いておりますけれども、まずは林大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) 国際司法裁判所が、第二期南極海鯨類捕獲調査が国際捕鯨取締条約第八条一項の規定の範囲内で収まらないと、こう判示したことは誠に残念でありまして、深く失望しております。私のところにも昨日、鶴岡代理人が来られまして、最初深々とおわびをされましたので、私はそれほど、総理ほど叱責をしたというところまでいかなかったかもしれませんが、やはりちょっとここの趣旨はお伝えをしたところでございます。
 鯨類、これはほかの水産資源と同様に重要な食料資源でございまして、日本のように海に囲まれている国が海からたんぱく質を取るということは非常に大事であると考えておりまして、そういう意味で、科学的根拠に基づいて持続的にこれを利用していくべきという我が国の基本的な考え方は変わらないということを申し上げたいと、こういうふうに思っております。
 今回の判決の結果は残念ではありますけれども、我が国は商業捕鯨の再開を目指すということによって、鯨肉の供給の確保、鯨食文化の維持、これを図ってまいりたいと、こういうふうに思っております。
 今後の対応につきましてですが、判決の内容、これはかなり分厚いもの出ております、また現地に行かれた方が帰ってこられるということもありますので、これを慎重に検討した上で早急に対応を検討していきたいと、こういうふうに考えております。
○徳永エリ君 この問題に関しては、この後、小川委員が厳しく御質問をさせていただくことになると思いますが、私からは幾つかお願いをさせていただきたいと思います。
 今大臣からもお話がありましたけれども、まず、捕鯨やその食文化は我が国の貴重な文化の一つであり、これまでもIWCの席上や様々な国際会議を通じ、政府は我が国の捕鯨に対する立場を説明され、また一定の理解も得て今日まで調査捕鯨を続けてくることができました。現にIWCでは、我が国の主張を支持してくださる加盟国が少なからずおります。これらの国々は、水産分野を中心に我が国が国際会議上で展開する様々な主張への強力な後押しをしてくださる重要な協力国でもあるわけです。こういった方々にも日本の今後の対応をしっかりと説明していただきたいということ。
 また、判決を受けて、当事者である関係団体、それから船員の方々、また鯨肉を扱っている食品産業の方々は大変に不安な気持ちでいっぱいであります。早くこの判決文を精査していただいて、何が問題なのか、捕獲頭数なのか、水域なのか、その上で何ができるのか、御判断をいただきまして対応してください。
 そして、国の政策を信じ、認可を受けて調査を実施してきた皆さんです。関係者の皆さんの仕事、それから暮らしにもくれぐれも影響が出ないように、また、日本の伝統である捕鯨、鯨肉を食する食文化をしっかり守る、その強い思いで対応していただきたいということをお願いさせていただきたいと思います。
 大臣、いかがですか。
○国務大臣(林芳正君) 一つ一つ誠にごもっともな御指摘だと、こういうふうに思っておりますので、先ほど申し上げましたように、早急にこの対応を検討する。それから、持続的利用を支持してくださる国々の皆さんとの連携、これは大変大事だと思っております。私も、実は自民党の捕鯨議連の幹事長ということで、IWCにも下関の総会を含めかなり毎年のように行ってまいりましたので、そういうところにきちっと一緒に引き続き頑張っていこうということになるように、しっかりと対応していきたいと思っております。
○徳永エリ君 よろしくお願いしたいと思います。
 それでは、TPPそれから日豪EPAについてお伺いをしたいと思います。
 TPP、日豪EPAに反対する私たちにとっては、この四月というのは大変に大きな山であります。特に本当に北海道は大変なことになると思っているからです。
 TPPについてまず伺いますが、昨日の日経新聞に、三月二十五日、オランダで核サミットが開かれた際に約十分間の日米首脳会議が行われて、オバマ大統領からTPPの話をしようということだったと。四月の首脳会談までに我々は合意ができる、お互い譲れるところは譲ろうと語りかけたと。そして、それに対して安倍総理も、早期妥結が必要だと応じたという記事が掲載されていました。これは事実なんでしょうか。
○政府参考人(澁谷和久君) 先月、ハーグで安倍総理とオバマ大統領が短時間の会談を行った際に、両首脳はTPPの交渉を加速させていくこと、またその旨事務方に指示をしていくということで一致したというふうに承知をしてございます。
 他方、交渉の妥結に当たりましては、特定の期限を切って交渉するという指示は受けておりません。
○徳永エリ君 加速するということでありますが、USTRカトラー次席代表代行と大江首席交渉官代理はワシントンで二日間、関税をめぐる協議を行いました。大江首席交渉官代理は、前回と比べて少し間合いは狭まったというふうにおっしゃったと聞いています。
 今後もオバマ大統領来日前にも協議が行われると思いますけれども、この四月二十二日からのオバマ大統領の来日の際に妥結ということを目指すという方向で協議をしていくのか、総理からそのような指示が果たしてあったのか、伺いたいと思います。
○政府参考人(澁谷和久君) 先ほど申しましたように、総理からは交渉の期限についての特段の指示はございません。オバマ大統領が来日をされるということでございますが、それに向けて、そこを交渉の期限とするということが決まっているわけではありません。
 ちなみに、先ほど公表いたしましたが、来週の七日から今度は東京で、カトラーUSTR次席通商代表代行が来日しますので、七日から大江代理とカトラー代表代行との間の協議が引き続き行われると、現時点で決まっておるのはそこまでということでございます。
○徳永エリ君 四月の首脳会談までに我々は合意ができる、譲れるところは譲ろう、そして総理は早期妥結が必要だ、このやり取りは大変に気になります。
 林大臣は、オバマ大統領来日の際、この関税協議大筋合意ということがあり得るとお考えでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) TPPについては、最初四か国、そしてアメリカが入って、我々が安倍政権になりまして交渉参加を決めて、それまでの経緯をずっと見ておりましても、常に妥結に向けて努力をしていくということはずっと重ねてきておりますが、今内閣官房からお話があったように、どこかで期限を決めてそこまでにやろうということを誰かが言うと、じゃ、おまえが譲れと、こういうふうに当然なるわけでありますので、それは交渉、これはTPPにかかわらず何でもそうですが、イロハとしてそういうことはしないということであると、こういうふうに理解をしておりまして、これはたしか総理も予算委員会でもその旨の答弁をされておられると、こういうふうに承知しております。
○徳永エリ君 どう受け止めたらいいんでしょうかね。あるかもしれないし、ないかもしれないということなんでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) これは、そもそも一般論で申し上げて、交渉というのはどこかで妥結をしようと思って交渉をするということですから、未来永劫妥結をしないということは、逆に、なぜ交渉しているのかと、こういうことになります。
 したがって、大事なことは、我々にとっていかに有利な交渉をし、いかに有利な妥結をするかと、ここに尽きるんではないかというふうに考えております。
○徳永エリ君 いつもお話しすることですけれども、あくまでも国会決議を守るということでお願いしたいと思います。
 そして、TPP交渉にも影響するかもしれない日豪のEPAに関してお伺いをいたします。
 アボット首相が五日から八日まで来日します。今日は農業団体による全国要請集会が開かれるということですが、農業関係者、現場には、六日、七日、安倍総理とこのアボット首相との首脳会談を経て日豪EPAは妥結するのではないかという緊張感が走っています。
 昨年の四月、日豪EPA大筋合意かと一部新聞の誤報がありました。そのときの牛肉のアクセス交渉では、豪州から輸入される牛肉を冷凍牛肉と冷蔵牛肉に区分し、冷凍牛肉については二〇%関税を削減する、冷蔵牛肉も、グラスフェッド、牧草だけで肥育した牛肉であることが確認できるものに限りやはり二〇%関税を削減することを提案する考えだったと。誤報かもしれませんけれども、そんなことが聞こえてきています。それから、豪州からの輸入数量を発動基準とする数量セーフガードを導入するという提案もあったやに聞いています。
 昨年九月に豪州では政権交代がありました。アボット首相に替わって、それまでの交渉を日本はスタンスを変えずに継続しているのか、また、政権が交代して新たな提案という形での交渉になっているのか、その辺りだけ伺いたいと思います。
○政府参考人(正木靖君) お答えいたします。
 先生御案内のとおり、日豪EPA交渉は、二〇〇七年の四月に第一回交渉会合を開催しまして以降、二〇一二年六月までに十六回交渉会合を開催してきてまいっております。その後、先生御指摘のように、二〇一三年九月に豪州連邦の議会選挙が行われまして、保守連合が議席の過半数を獲得した結果、当時のラッド首相に代わり現在のアボット新首相が就任いたしました。
 このように、日豪EPA交渉の途中で豪州の政権が交代したことは事実でございますが、豪州の新政権の下でも日豪EPA交渉は継続しておりまして、新政権の下に新たに交渉を始めたということではございません。
○徳永エリ君 そうすると、先ほどのお話ですけれども、昨年の四月に日本がこういうことを提案していたのではないかというような話がありまして、それが継続しているのかと考えただけでも大変に厳しい状況だなというふうに思います。
 先ほどのTPPと同じですけれども、アボット首相の来日で日豪EPAが合意する可能性は今のところ何合目ぐらいまで来ているというふうに考えたらよろしいのでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 三月二十六日にロブ貿易・投資大臣と会談を行いました。これは、この間も申し上げたかもしれませんが、農産品の市場アクセスについても率直な意見交換を行いましたが、引き続き協議を継続するということになっております。
 したがって、今の段階で、もう一度どこかでロブ大臣とお会いするかどうかにつきましては、この可能性について、先ほどと一緒ですが、未来永劫会わないということはないわけですから、可能性については否定はしませんけれども、現時点では決まっておらないと、こういう状況でございます。
 先ほどオバマ大統領の訪日とTPPの関係についてもお話があったとおりでございまして、この日豪EPAについても、どこかの日にちを区切って交渉を妥結しようということはないわけでございますので、したがって、今何合目かというのはなかなか申し上げにくいところにあるのではないかと思っております。
○徳永エリ君 前回この委員会でも、北海道のホルスタインの雄への影響についてお話をいたしましたが、冷凍牛肉はホルスタインの雌の廃用牛と競合するわけです。
 今日の農業新聞には、熊本の赤牛の価格が牛肉の自由化で暴落して、飼養頭数も生産者の数も八割減ったという記事が掲載されていました。北海道も、競合することになるホルスタインは同じことに恐らくなると思います。ホル雄をブランド化して頑張っている十勝の士幌町や清水町の酪農・育成・肥育農家や加工業者、それから地域への影響を考えると、私としてはもう助けてくださいと言いたいような思いでいっぱいであります。
 日豪EPAの、私たちからしてみれば僅かなメリットのために、長い間地道な苦労を積み重ねてきた農業者が犠牲になるということは本当につらいことであります。ホル雄のような低価格帯の牛肉価格が下がれば、高価格帯の牛肉もだるま落としのように価格が下がると私は思います。そして、豚肉の価格にも少なからず影響が出ます。
 今、農家にとっては、TPP、円安の影響、消費税、そして日豪EPAですよ。もう本当に暗雲が垂れ込めていて、意欲が持てるような政策が何もありませんから、本当に負担や不安を抱えているという状況で、政府に関しては、もう本当にこれ以上に離農が増えることがないように、あくまでも最後の最後まで国会決議をしっかりと守っていただく、その思いで交渉に当たっていただきたい。そして、意欲が持てるような政策をきちんと考えていただきたいということを、毎回でありますけれども、重ねてお願いをさせていただきたいと思います。いかがでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 毎回ここでも申し上げておるところでございます。この日豪EPA交渉については、衆参農林水産委員会の国会決議、これが既にできております。TPPもかなり似たような中身の決議になっておりますが、日豪についても二〇〇七年に開始するときに当たって決議がありますので、この国会決議を踏まえて真摯に交渉に取り組んでまいりたいと、こういうふうに思っております。
○徳永エリ君 よろしくお願いいたします。
 それでは、次の質問に移りたいと思います。
 農業と林業の現場で作業中に起きている事故と対策、また労災についてお伺いをしたいと思います。まず、農業の現場で作業中に起きている事故の発生状況を伺います。
○政府参考人(佐藤一雄君) お答えいたします。
 農作業での死亡事故でございますが、非常に残念なことではありますが、毎年四百件前後発生しておりまして、平成二十三年では三百六十六件となっておりまして、そのうち約八割が六十五歳以上の御高齢の農業者の方の事故となっているところでございます。
○徳永エリ君 済みません、委員長。澁谷審議官、お戻りいただいて結構でございます。ありがとうございました。
○委員長(野村哲郎君) 澁谷審議官、退席をされても結構でございます。
○徳永エリ君 今、平成二十三年には三百六十六件に減少しているというお話がありましたけれども、農業就業人口が減っているので件数が減少したのであって、事故の割合は増加傾向となっているわけであります。
 この農作業死亡事故の内訳について、どのような作業のときにどんな事故が起きているのかということについて御説明ください。
○政府参考人(佐藤一雄君) 平成二十三年の農作業死亡事故、三百六十六件でございますが、このうち農業機械作業によります事故が二百四十七件ということで約七割を占めております。さらに、この二百四十七件のうち半分が乗用型トラクターで発生しておると、こういう状況になっております。また、このほか、ハウスあるいはサイロなど農業用施設での作業に係る事故が二十件となっておるところでございます。このほか、圃場や道路からの転落、あるいは熱中症といったような事故がございまして、圃場や道路からの転落が二十七件、熱中症が二十一件というふうになっておりまして、約三割の九十九件が農業機械や施設以外の事故となっているところでございます。
○徳永エリ君 お手元に資料をお配りいたしましたけれども、年間四百件の死亡事故が起きているということで、今御説明いただいたような事故なんですね。これを何とか減らさなければならないと思います。
 そこで、安全な作業をし、事故をなくすためにどのような取組をしておられるのか、お話しください。
○政府参考人(佐藤一雄君) この農作業死亡事故のうち主な要因となっております農業機械でございますが、これにつきましては、乗用型トラクターのブレーキの誤操作というものがございますので、それを防止する装置でありますとか、あるいは自脱コンバインで手が入ってしまうといったようなことがございますので、緊急に即時に停止する装置、あるいはこのトラクターや何かが転倒した場合に、転倒通報システムといったものを私どもの所管しております独立行政法人農研機構といったところが、官民共同によりまして、事故を未然に防止するための研究開発を進めておりまして、本年度から逐次実用化される予定というふうになっておるところでございます。
 あわせまして、この機械事故がなくなるように、本年度からは、国の農林水産研修所のつくば館におきまして、農業者等を対象といたしまして、安全な操作方法等を学ぶための研修を年間五十コース設けまして実践することとしているところでございます。
 さらに、こうした対策以外にも、関係農業団体と連携しまして、春と秋の農繁期に全国農作業安全確認運動を実施するとともに、安全ステッカー、あるいはDVD、ポスターの配布といったような普及啓発に努めている、こういうふうな状況に相なっているところでございます。
○徳永エリ君 いろいろ取組をされているようですが、それでも年間四百人の死亡事故が減っていかないということでありますので、しっかりとその対策が効果が出るように取り組んでいただきたいと思います。
 また、万が一に備えた農業者の労災保険について伺いたいと思います。農家が加入できる労災保険について現状を伺います。
○政府参考人(大西康之君) 農業者が加入することができる労災保険でございますが、これは特別加入というのがございます。種類は三種類ございまして、現状を申し上げますと、一つ、特定農作業従事者というカテゴリーにつきましては平成二十四年度末時点で七万四千百八十九人の加入がございます。また、二つ目の指定農業機械作業従事者というカテゴリーにつきましては三万九百七十九人の加入がございます。また、三つ目のカテゴリーで、中小事業主等につきましては二万五千六百九十一人の加入、そういった状況でございます。
○徳永エリ君 今御説明がありましたけれども、農業者でも労災保険に入ることができるということでありますが、三つに分かれている、三本立てとなっているわけですね。
 この労災保険があることを知らないという方もいらっしゃいますし、加入率を見てみると僅かに五%なんですね。北海道は五〇%ということで、この加入率にも地域によって大きな開きがあるということであります。
 そして、実はこの労災保険の給付を受けられないという場合があるんです。これが大変に問題だと思うんですが、野菜の収穫や草刈りの際に鎌や包丁で手を切ったとき、あるいは、北海道では三月のビートポット作業などで、ビニールハウスの周りが凍っていて、滑って転んで、高齢者が多いですから骨折をするということもあるんですけれども、動力により駆動される機械を使用していないことが理由で給付が受けられないという方々がいるんです。
 ところが、中小事業主等の従事者は、労働時間内の事故、けがは全て労災となるんですね。しかし、この中小事業主等に加入したいと思っても、そのためには年間、労働者を百日以上雇わなければいけない、みなしで雇わなきゃいけないということなんですけれども、この辺、全てのけががカバーできるように見直しということはできないのでしょうか、お伺いいたします。
○政府参考人(大西康之君) 委員御指摘のこの労災保険制度でございますが、保険制度、本来労働基準法に定められた労働者に対する使用者の災害補償責任という、こういったものを担保するわけでございます。
 先ほどの特別加入制度につきましては、本来この労働基準法上の労働者に該当しないわけでございますので、労災保険の保護は及ばないんですけれども、労働者に準じて保護するにふさわしい者につきまして、何というんですか、極めて例外的といいますか、そういったことで労災保険の加入を認めていると、そういった趣旨でございます。
 特別加入の範囲につきましては、業務の実態とかあるいは災害の発生状況から見て、これはやっぱり労働者に準じて保護することがふさわしいという、そういう必要があるのかどうか、あるいは業務の範囲が特定できて、業務災害の認定等を、いわゆる保険制度でございますので、そういうのが可能かどうかと。あともう一つ、逆選択が生じないように、いわゆる法令により安全確保義務が課されているということで、そういうことで災害の発生が一定程度抑制されると、そういったものが期待できるとか、こういったような条件を勘案して、そういうのをクリアして認められているという範囲でございます。
 現行の農業従事者の特別加入につきましては、こういった補償の対象につきまして今申し上げたような点を踏まえて定められているというような、そういった現状にございますので、この拡大については、何といいますか、慎重な検討が必要だという具合に考えております。
○徳永エリ君 お手元に資料をお配りいたしましたけれども、給付されないのは@の特定農作業従事者ということなんですが、アからオまでの項目に該当しないと保険給付が行われないんですね。例えば、刃物で手を切った場合にも給付されるんですけれども、農作業場の高さが二メートル以上の箇所において行う作業、高さという条件が付いているんですね。高齢化が進んでいてリスクも非常に高まっておりますし、間違いなく農作業の中で刃物を使うと。そして、ただ切るというだけではなくて、指を落とすとか腕を落としてしまうとか、そういうこともあるわけですから、該当するものがどういうものであるかということももう一度精査していただいて、是非とも前向きに御検討いただきたいというふうにお願いいたします。
 それから、続いて林業労働災害について伺います。林業災害の発生状況はどうなっているか、御説明ください。
○政府参考人(沼田正俊君) お答え申し上げます。
 平成二十五年におきます林業の労働災害の発生状況でございますけれども、厚生労働省の発表によりますと、休業四日以上の死傷災害でございます、けがも含みますけれども、千七百十一人でございまして、前年に比べまして百八十六人減少しております。長期的には減少傾向にございます。ただ、残念ながら、死亡災害でございますけれども、三十九名でございまして、前年に比べて二人増加しているという状況でございます。
 こういった事故を分析いたしますと、死傷災害につきましては、いわゆるチェーンソー等によります切創によるものが三百九十九人と、全体で二三%でございます。死亡災害について見ますと、伐採いたしますので、その伐倒木といった、そういった物体に当たったり激突したりというのがございます、そういったものが十名。斜面等からの転落等によるものが十名と、それぞれ全体の二六%を占めているという状況になっております。
○徳永エリ君 その労働災害防止のための取組に関する予算は今どうなっているんでしょうか。項目としてしっかり付いているんでしょうか。
○政府参考人(沼田正俊君) 労働災害の発生の防止のための予算ということでございますけれども、現在、平成二十五年度の補正予算におきます森林整備加速化・林業再生事業、そして平成二十六年度予算におきます森林・林業再生基盤づくり交付金、こういった中で都道府県が行う労働災害防止のための研修、それから安全装備の導入支援、こういったことを措置しておりまして、地域の実情に応じた対策を実施することとしているところでございます。
 こういった交付金的な事業でございますけれども、実績は、平成二十四年度におきます労働災害防止に係るこういった事業の実績でございますけれども、森林整備加速化・林業再生事業として約二億四千万円、森林・林業再生基盤づくり交付金として千七百万円でございまして、二十六年度におきましてもこういった予算、少なくともこの水準は確保できるものというふうに考えております。
 こういった予算のほかに、私ども……
○委員長(野村哲郎君) 長官、時間が来ておりますので、簡潔におまとめください。
○政府参考人(沼田正俊君) はい、恐縮でございます。
 緑の雇用事業を実施しておりますので、そういった事業の中で、技能習得などのための研修でありますとか労働安全に関する研修を行うということにしているところでございます。
○委員長(野村哲郎君) 徳永エリさん、時間が来ておりますので、まとめてください。
○徳永エリ君 はい、済みません。
 今御説明いただきましたけれども、林野庁の方々に聞きますと、労働災害防止のための取組に関するその現場、現場の予算がまだまだ少ないということでありますので、二十七年度予算に関してはこの労働災害防止に向けてしっかりと必要な予算を付けていただきたいということで、御検討をお願いしたいということを申し上げたいと思います。
 時間が来ましたので、終わります。済みません、時間が過ぎて。ありがとうございました。
○小川勝也君 民主党・新緑風会の小川勝也でございます。
 徳永委員の方から頭出しがありましたとおり、いわゆる捕鯨に関するハーグからのニュースに愕然といたしました。この判決内容が七十ページにもわたる膨大な内容であり、外務省が精査をし、水産庁が分析をし、今後の対策を練っていくというふうに確認をしているところでありますけれども。冒頭、林大臣から御答弁がありました、総理がいわゆる鶴岡さんを叱責した、そして私のところにも挨拶に来たと、こういう話でありましたけれども。我が国が捕鯨と捕鯨の文化をどれだけ大事にしてきたのか、歴代の先輩たちがどれだけ汗と涙を流してきたのか。世界の各国を見ると、捕鯨支持国と反捕鯨国とのバランスは大変微妙な中、全く大事にしてきたことが今音を立てて崩れ去ろうとしているわけであります。
 客観的なコメントではなくて、責任をどのように痛感しているのか、林大臣のコメントを求めたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) 先ほど申し上げましたように、大変今回の判決の結果は残念だと、こういうふうに思っております。
 判決の内容を今から慎重に検討した上で対応を検討したいと、こういうふうに思っておりますし、裁判の結果が出たわけでございますので、裁判の中でこうした方がよかったなということを終わってから言ってもなかなか仕方がないかもしれませんが、今からこの判決をきちっと見ていく中で、そういうことも含めて、今後の対応を真摯な反省の上に立ってしっかりとやっていきたいと、こういうふうに思っております。
○小川勝也君 徳永委員の方からあえて厳しくという指摘がありましたので、こういうスタートにさせていただきました。
 今大臣から答弁があったとおり、冷静に分析をして、やれることをやってきて、やられたらやり返すで巻き返しを図っていく、これに尽きることだと思います。
 まず、外務省に来ていただいておりますので、概要を簡潔に御説明をいただければと思います。
○政府参考人(正木靖君) お答えいたします。
 今回の判決内容につきましては、先生御案内のとおり、第二期南極海の鯨類捕獲調査は国際捕鯨取締条約第八条一項の規定の範囲内では収まらないという点が一つと、もう一つは、日本に対しましてこの第二期の調査に関する現行の許可証を取り消し、また、今後、同プログラムのための許可証発給を差し控えなければならないという内容の判決でございます。
○小川勝也君 大きなショックと動揺があったのは事実でありますけれども、るるやり取りがありましたとおり、我が国の捕鯨文化そして鯨食文化をしっかり守るべく、外務省と協力をしながら、しっかりと体制を立て直してまた頑張っていくという決意を林大臣、お答えをいただければと思います。
○国務大臣(林芳正君) まさに委員からお話があったように、この判決が出た以上、これは管轄権を合意して裁判に臨んだわけでございますので、これは判決に従うということは申し上げなければなりません。その上で、よくよく分析をして、今後、先ほど徳永委員の御質問にもお答えして、海からたんぱく質を取ること、また我が国の捕鯨文化の醸成については述べさせていただいたところでございますが、そういうことを基本にして、しっかりと何ができるか冷静に考えてまいりたいと、こういうふうに思っております。
○小川勝也君 私のところにも情報がたくさん来ているわけではありませんけれども、詳しい関係者からも解説も伺いました。また、新聞などを見させていただきますと、大きな新聞社のコメントも同じ方がコメントをされているようでありまして、いわゆる専門家がかなり少ない分野なのかなというふうに拝察をしているところであります。
 そんな中で、一つの新聞は、日本が真剣に調査をしようとは思っていないと判断された。もう一つの新聞では、日本がするべき主張を怠ったと、こういう解説があります。また、分析を全てされたわけではない研究者の方でありますけれども、日本の活動を不適切に理解されたり、不適切な内容が判決に含まれている部分もあると、こういう解説もしているところであります。
 大臣からも、冷静に分析をしてこれから方針を立てていくという答弁をいただいて、私もそれは当然だと思いますけれども、現在までのところで反省点があるとすれば、どういう点が考えられるのか、御答弁をお願いします。
○政府参考人(本川一善君) 昨年のハーグでの弁論にも我が水産庁次長に参加をしていただき、鶴岡さんの指示の下で外務省、水産庁一体となって対応してまいりました。著名な弁護士の方の助言を受けながら、私どもとして最善を尽くした結果、このようなことになって本当に申し訳ないと思っておるところでございます。
 まさに、どういう反省点があったかということを含めて、判決を精査をして、私どもとして今後どのように対応していくか、慎重に真剣に検討してまいりたいと考えております。
○小川勝也君 調査なのか商業なのかというところが諸外国から大変見えにくいシステムだと思っています。私たちも、いわゆるナローな道を先輩たちが模索しながら、何とか調査と文化を守るために仕方ないというふうに考えておりました。これからはいろいろと対策を練っていくわけでありますけれども、しっかりと日本が調査をしているんだということはやはり見せていかなければならないんだろうというふうに思っています。
 徳永委員とのやり取りもありましたけれども、例えばこれから人口がどんどん増えていく中で、いわゆる海からたんぱく質を取る、あるいは食料を供給していただくということは非常に大事なわけであります。そんな中で、人類が食するいわゆる水産資源が一億トンだとすれば、鯨類が食するその量は五倍だと言われています、五億トン鯨類が食べる。これは、私たちの国やほかの数少ない国が捕鯨をしているということは、大変数値的には小さいわけでありますけれども、もしこの鯨類がこれ以上増えて海の生態系のバランスが崩れて一気に鯨が増えれば、我々が食している水産資源、未来においてバランスが崩れる可能性が否定できないわけでございます。そして、その鯨はいわゆる海洋生態系の頂点に達している動物でありまして、その生態がどうなのか、これをやはり研究していく、調査していくということは大変意義のあることだと思います。
 そしてまた、世界の中においてこの調査研究のリーダーとして大きな役割を果たしてきたのが私たちの国だとするならば、やはり調査は本当の意味で大事なんだという、その共通の理解が必要だと思っています。本当の意味での調査の必要性について御答弁をお願いしたいと思います。
○大臣政務官(横山信一君) 我が国は、これまで商業捕鯨の再開を目指して、南極海及び北西太平洋におきまして調査捕鯨を実施をしてまいりました。鯨類資源管理に不可欠な知見を多数得て、より適切な管理方式の発展に貢献をしてきたというふうに思っております。
 さらに、ただいま御指摘がございましたように、日本近海で鯨類が漁業対象のイワシ、サバ、サンマ、スルメイカ等の漁業資源を大量に捕食している、このような事実もこの調査捕鯨の中から明らかになってきたことでございます。また、鯨類全体の海洋生物資源の捕食量が世界中の海面漁業の漁獲量の約五倍にも匹敵すると、こうしたことも推定をされてきたわけであります。これらの成果は国連食糧農業機関の水産委員会にも報告をされ、更なる研究の実施が奨励をされているというところでございます。
 我が国は、世界で唯一調査捕鯨を実施をしている国であります。科学的根拠に基づく鯨類資源管理における我が国の責務を果たしてまいりたいというふうに思っております。
○小川勝也君 調査といいながら、余りにもその捕獲、捕殺が多過ぎるのではないかというようないわゆる関係国からの指摘もあります。真摯に耳を傾けて、やはり調査、調査、研究、研究、こういった論拠も正しく整えるべきだと思います。
 そして、まさかだとは思いますけれども、朝日新聞の編集委員にはこういうことを書かれています。将来は南極海での調査捕鯨から撤退し、日本人が食べる分を一般の漁業者が北太平洋や日本沿岸で捕る枠組みにすることが現実的な着地点と言えそうだと。こういう余計な観測もあるわけでありますけれども、もしこういうふうにかじを切るということであれば日本が調査をしてきたということがうそになってしまいます。
 まさかこういうことは私はあり得ないというふうに思っておりますし、何よりも国の関与が薄くなり過ぎたので研究と商業との曖昧さを指摘された。私は、調査というのであればもっと国が関与すべきだと、それ以外に道はないというふうに考える者の一人であります。この考え方についていかが御答弁されるのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(本川一善君) まさに商業捕鯨の再開を目指して、言わば国策として調査捕鯨を実施をしているということでございます。
 私どもとしても、この二十三年度、二十四年度、二十五年度につきましても多額の、まあ新聞などでは批判をされておりますが、例えばシーシェパードの妨害対策、あるいは調査に要するような経費、そういったものにつきまして支援をさせていただいておりますし、それから、日新丸の改造でありますとか、そういう漁業構造改革の事業についても、私どもとして多額の支援を行いながらまさに国策として実施をしておる、そのようなことで支援をしてまいっておるということでございます。
○小川勝也君 あの報告の中には、日本が届け出たいわゆる調査頭数に達していないという批判もあります。これは御案内のとおり、今長官から御答弁がありました妨害をするグループがいて、そのことによって我々が目標数に至らなかったというファクトがあります。そんな中で、大変、今回の判決についてそのグループは歓迎のコメントを出しているわけであります。
 これは多分お答えにくい質問になろうかと思いますけれども、このグループの妨害と今回の判決について、どのような因果関係があるとお考えでしょうか。
○政府参考人(本川一善君) いろいろ御論議はあろうかと思いますが、今回のICJの裁判につきましては、やはりそれぞれ各国とは独立した、任命された裁判官が取り組んでおられるというようなことでありまして、妨害工作を行っている団体の働きかけであるとかそういうことが存在したというふうには承知はしておりません。
 いずれにしましても、判決内容を精査して、私どもとして今後どのように対応するかということを慎重に検討してまいりたいと考えております。
○小川勝也君 妨害をしたということじゃなくて、我々の調査を妨害したおかげで捕るべく計画を立てた頭数に至らなかったということが裁判官から批判をされたということに関して、因果関係はあるかというふうに問うているんです。もう一度御答弁をお願いします。
○政府参考人(本川一善君) 確かに判決の中には、当初計画をした頭数に至っていないと、それを踏まえていろいろな目標頭数の修正をしていないということが、調査の科学性を疑わせる、そのようなことで書かれていることは事実でございます。
 それにつきましては、目標頭数に届かなかったということにつきましては、ここ数年は本当に妨害活動がゆえに頭数を確保できなかったといったようなことがあることはもう否めない事実でございまして、まさに御指摘の点はその面では当たっておるというふうに思っております。
○小川勝也君 そちらの席からは御答弁しにくいでしょうから、私があえて申し上げます。
 国際司法裁判所、これは、我々の国も法治国家でありますし、国連中心主義や国際主義を掲げる国でありますので、この判決については大変大きな信頼を置かざるを得ない立場を取っています。
 しかし、そのいわゆる判決にもしその妨害グループの影響が少しでも及ぶとすれば、これはゆゆしき事態であります。これは、妨害は暴力行為でありますから、そのことが国際司法に影響を及ぼすということはあってはならないわけでありますので、そのことも踏んまえてしっかりと関係諸国の理解を得る努力をこれからして巻き返しを図っていかなければならないというふうに思っているところであります。
 さて、今回のこの判決を受けて、いわゆるところの沿岸捕鯨も、いわゆる大西洋諸国における捕鯨も全部やめさせたいと思っている者もいます。このことによって我が国沿岸の捕鯨がまた新たなターゲットにならないように、しっかりと対策を取っていかなければならないというふうに思っています。まだ対策を検討する途中だと思いますけれども、その決意も併せてお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) 先ほど申し上げたように、また小川委員からもいろんな貴重な御指摘をいただいたところであります。しっかりとこの判決を慎重かつ冷静に分析して、今後の取組について、先ほど申し上げました基本的な視点に立って取り組んでまいりたいと、こういうふうに思います。
○小川勝也君 事実、今回のこの調査捕鯨も大変苦しい台所事情やあるいは様々な事情を抱えてこの判決に至りました。それは幾つかのつらい状況があります。それは、思った頭数の捕獲ができないのでいわゆる金銭的に苦労が絶えないということ。そしてまた、その鯨の肉が幾らで売れるのかということを含めて、いわゆる鯨類の消費が思ったほど伸びないということ。
 私は、今回、この厳しい判決を受けて、改めて林大臣から決意を伺いました。今こういうつらいときだからこそ、先人が努力と苦労の下で守ってきたこの鯨食文化をしっかり守る、そのことの決意を今固めるときだと思っています。ですから、こういうつらいときだからこそ、いわゆる鯨を食するということを大事にしていかなければならないというふうに思います。
 消費の維持拡大、あるいは給食、あるいは様々な工夫が求められていると思いますけれども、そのことについての御答弁をお願いしたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) 大変大事な御指摘だと、こういうふうに思います。
 この調査捕鯨に関係している共同船舶においては、居酒屋、すしチェーン店などの外食、学校給食、こういったところへの販路拡大活動を行うとともに、鯨肉に含まれる抗疲労成分バレニンというものの宣伝による消費拡大も行っております。また最近では、イスラム教徒の方に食材を提供するために調査捕鯨の母船がハラール認証を受けるなど、様々な取組を行っておるところでございます。
 また、地方自治体においても、例えば石巻では市民を対象に定期的にセールスを、安価な価格で鯨肉の販売を行っておられる。それから、うちの地元の下関等では、学校給食へ助成をして子供のときから鯨食に親しんでいただくと、こういうことをやっております。それから、イベント。下関ではくじらフェスティバル、恵比寿の鯨祭というのがありまして、こういうものを通じて宣伝し、また、そこの場等で試食をしてもらうということで消費拡大を図っておるところでございまして、農林水産省としても、こうしたイベントを後援することなどによって引き続き鯨肉の消費拡大にしっかりと取り組んでいきたいと、こういうふうに思っております。
○小川勝也君 ありがとうございます。
 冒頭、しっかりと判決を分析をし、あるいは今回の判決に至るまでの間に諸外国の裁判官等がどういう判断基準を基に判断をしたのかということなど、様々研究をし、次の出発をしなければならないというふうに思っています。
 まだ分析が緒に就いたばかりですので、少し気が早いかと思いますけれども、いわゆる分析をし、体制を立て直し、次の新計画についてIWCに提案、提示をする時期はどのくらいと想定しておられるのか、お伺いをしたいと思います。
○政府参考人(本川一善君) 調査捕鯨の計画を立案をいたしましてIWCに提出をするというルールに関して御説明を申し上げます。
 IWCの科学委員会というところに新しい調査計画については提出をしなければいけないということになっておりますが、この科学委員会の開催の前、六か月前に提出をするということになっております。これは、提出をすることによりまして、科学委員会で議論をしていただく期間を設けるということでございます。通常、科学委員会は、今年でありますと五月の上旬に開催をされます。五月頃に開催をされるといたしますれば、その六か月前に提出をするというのが今のルールになっておるということでございます。
○小川勝也君 最後に、徳永委員からも指摘がありましたとおり、調査捕鯨に係る会社、乗組員の皆さんも大変動揺を余儀なくされていますし、いわゆる経済的にも大変な御苦労をされるというふうに思います。
 それから、国の関与についても先ほど質問をさせていただきました。調査捕鯨に関わってこられた方が不安に思わないような施策をしっかり水産庁として、農林水産省として取っていただくということ、それからリベンジ、再開に向けて、国策として国がしっかり関与していくということで、林大臣の答弁をお願いをしたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) 今御指摘いただいた件は、実は私がそちら側にいたときには常に主張してきたことであります。したがって、御指摘一つ一つごもっともだなと思いながら聞かせていただきましたが、今回の判決、特にそれに対する先ほどちょっと御披露いただいたような様々な報道があるものですから、関係者の皆さんが少し不安に思っていらっしゃるところがあると、こういうふうに思っておりますので、そういう方々が不安に思わないように、いろんな意味でしっかりと、予算等も確保しながら対策をしっかりと打ってまいりたいと、こういうふうに思っております。
○小川勝也君 ありがとうございました。
 ちょっと次の質問に入るんですけど、時間が多分中途半端になろうかと思います。
 予算委員会のときも、林大臣にも閣僚席にお座りをいただいたときに、安倍総理に、この国立社会保障・人口問題研究所の地域別将来推計人口の統計を基に質問をさせていただきました。大変衝撃的な数字であります。たまたま総理と大臣が同じ出身県でありますので、多分関心を持って聞いていただいたんだと思います。
 人口が減少していく、その中で労働力が不足をしていく。今まさに、いわゆる復旧復興から東京オリンピックも相まって、建設等に関わる方々の人材不足が経済に与える影響も大変大きくなってきています。
 そして、その次の問題は、今衆議院から審議がスタートいたしておりますけれども、介護人材の大幅な不足であります。いろんな推計がありますけれども、百万人足りなくなる。百万人足りないとなると、どうやって人材を育成したらいいのかというふうにぴんとこないわけであります。
 そんな中で、当農林水産委員会は、私の主張は、地域コミュニティーを守るために、いわゆる企業的な経営だけで農村は維持できないので、様々な農業や多面的機能を国が評価するシステムの中で、様々な農業者と、先ほども六次産業化の御質問がありました、生産、加工、流通、販売で何とかコミュニティーを維持していかなきゃならないということを申し上げておりました。そして、規模拡大の先進事例として、特に北海道農業や十勝の農業や釧根の酪農地帯の現状をお示しをしながら、本当にこんなふうに日本全国がなっていいんでしょうかというお話もさせていただいております。
 しかし、全分野で、いわゆる成長や経済を支えながら、この農業の分野に一体どの程度の人材、人口を割いていただけるものか。これは、私は農業や農村を大事だと思っておりますけれども、私の思いだけでこれが実現できるわけではありません。
 例えば、二〇四〇年、人口が減少いたします。労働力人口が減少し、高齢社会がどんどん進んでいく中で、第一次産業や農業はどれだけの人材を確保していいのか、あるいは中山間とか農村集落とか農村コミュニティーはどういう姿になるのか。これは多分、私も答えを持っておりませんし、林大臣におかれても、まだ検討、学習段階だと思いますけれども、どのような感想や構想をお持ちなのか、今日、頭出しだけ答弁をいただければと思います。
○国務大臣(林芳正君) これは大変大きな課題であるということだと思います。
 国立社会保障・人口問題研究所の推計ですが、二〇四〇年の総人口は全ての都道府県で二〇一〇年を下回ると。六十五歳以上人口が四〇%を占める自治体が半数近くになると。二〇五〇年の人口は九千七百万人になる、こういうようなことが出ております。
 本年三月に、国土交通省から「新たな「国土のグランドデザイン」(骨子)」というのが出ておりますが、この推計を前提として、二〇五〇年には約六割の地域で人口が半減以下、そしてそのうち三分の一の地域が無住化、つまり誰もいらっしゃらなくなる。こういうシミュレーションも示されております。やはり晩婚化の進行、それから若い世代が地方から都市へ流出するということで、子供を産み育てることが困難な環境に置かれているということで、出生率が非常に下がっているということでございます。
 東京の合計特殊出生率というのは全国平均一・四一に対して一・〇九ということでございます。実は農村は逆に、美しい景観、豊かな自然の中で子供の教育にもいいわけですし、それから子供を産み育てる場として良好な環境にありまして、沖縄県は一・九〇、島根が一・六八、宮崎が一・六七と、こういう数字がありまして、実は若者を農村に呼び込むということが人口減少全体の歯止めに寄与するのではないかというふうに考えております。
 したがって、日常生活や住環境の整備を農村の良さを生かしながらやっていく。そして、今お話があったような経営基盤の強化や六次産業化、こういうものでやっぱり所得を確保していかなければならないということで、やはり息子さんとかそういう方だけに限らず、新しい方が新規の就農ということで入っていただけるような雇用の場、所得の確保ということをすることによって、若い人がやはり農村、農業に関心を持っていただくというふうにしていくことが大事であるし、これは農業、農村のためだけではなくて、全体の人口問題にとっても寄与するんではないかというふうに考えております。
○小川勝也君 今国会はたくさん質問の機会をいただけそうでありますので、次々回以降、また大臣と議論させていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
○委員長(野村哲郎君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   正午休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
○委員長(野村哲郎君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、浜野喜史君が委員を辞任され、その補欠として安井美沙子さんが選任されました。
    ─────────────
○委員長(野村哲郎君) 休憩前に引き続き、農林水産に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○平木大作君 公明党の平木大作でございます。
 私の方からは、まず本日は水産施策についてお伺いをしていきたいというふうに思っております。
 水産日本の復活、これは以前にも質問、取り上げたことがございますし、この委員会でも今活発に議論されているというふうに認識をしております。
 そうする中で、いわゆる漁業、養殖業それ自体を強くするというのは当然大事なわけでありますけれども、例えばその周辺を見てみますと、供給サイドにおいては、まさに漁業、養殖業と一体となって浜を形作ってきた水産加工業、また需要サイドの方に目を転じますと、やはり世界的には大きく消費が伸びている水産物なわけですけれども、国内需要がなかなか右肩下がりから脱することができないという今状況がございます。こういった点、水産加工業、そしてまた国内外の水産物に対する需要にどう取り組んでいくのか、この点についてまずお伺いしていきたいというふうに思っております。
 そこで、一点目の質問なんですが、まず近年、海外では大きく需要が伸びている水産物、国内で今消費がかなり低迷している。二〇一二年の総務省の調査によりますと、生鮮魚介に対する一世帯当たりの消費額、これが、二〇〇五年と比べてなので僅か七年の間に二割も減ってしまっているという、そういったデータもございます。この国内消費の低迷、この要因をどう分析されているのか、御答弁いただけますでしょうか。
○政府参考人(本川一善君) 御指摘の点につきましては、私どもも極めて強い問題意識を持っておりまして、いろいろな調査を行っております。
 まず、平成二十三年度に農林水産省が消費者の方々に対して調査をしたところによりますと、消費者の方が肉類と比べて水産物を低く評価しているポイントというのをお聞きをいたしました。そうしましたところ、一点目としまして、やはり生ごみが出る、買い置きが難しいなど食材としての非常に使い勝手が悪い、良くないといったような御指摘。それから二点目は、割高感がある。それから、骨があるなど食べにくい。それから四点目は、メニューの種類が少ない。それから五点目は、これとも関連しますが、調理が簡単ではないなどが消費者の方々による水産物の評価を下げる要因となっております。
 ただ一方で、全国の主婦の方々を対象に調査をいたしますと、良い点として、健康に良い、それから自分自身ももっと食べれるようにしたいといったようなこと、さらに子供にもっと食べさせたい、栄養価が高い、短時間で調理ができる。こういったような栄養価が高く健康に良いとのイメージが強く、魚料理を食べる機会を増やしたいとの意向が強いことが分かっております。
 このことから、私どもとして、水産物の消費拡大を促進していくためには、こういった消費者の方々の魚に対するハードルを低くする、一点目の調査と二点目の調査のギャップをいかにして埋めていくかといったようなこと、気軽に魚を楽しむことができる環境をつくり出していく、こういうことが重要だと考えているところでございます。
○平木大作君 ありがとうございます。このような形でアンケート調査をされていると。私も結果を拝見させていただきましたけれども、細かく消費者の今ニーズがどこにあるのか、どういったところがある意味消費に結び付いていかないのか。魚、水産物が健康にいいというところ自体の認識は恐らく一般に広まっているんだとは思うんですけれども、それが実際の消費行動に結び付かない。そこをしっかり今見ていただいているというふうに理解をいたしました。
 その上で、消費者のニーズ、動向を把握をしていただいて、じゃ、今具体的に水産物の国内消費を喚起するために一体どのような取組をされているのか。例えば、先日の林大臣の所信の中でも、ファストフィッシュといった具体的な取組を挙げていただきましたけれども、これどういう取組で、また今のところどんな成果が見えているのか、お答えいただけますでしょうか。
○大臣政務官(横山信一君) 私も、今年の一月でしたけれども、Fish―1グランプリFINALというところに行かせていただきまして、そこにファストフィッシュ部門というのがございまして、たしかグランプリを獲得したのは本鮪ほるもんという、そういったものだったと思いますが。
 先ほど長官の答弁にもありましたけれども、魚に対してのイメージは非常にいいんですが、やはり生ごみが出るとか、骨があるとか、そうしたところでなかなか消費に結び付いていかない、魚離れを食い止めることがなかなか難しいという状況がございます。
 そういう中で、関係者が一丸となって消費拡大に取り組んでいるところでございまして、その一環として、平成二十五年度から国産水産物流通促進事業というのをやっております。これは、流通の目詰まりを解消しようという、そのことが目的でございまして、販売ニーズや産地情報の共有化と漁業者等が地域の漁獲物を利用した商品開発に対して支援をしていると。浜ではこれはいいんだというものはあるんですが、なかなかそれを流通に乗せられないと。そうしたものを、双方の、消費者サイドそしてまた生産地サイドから、そうしたものを両方ともうまく結び付けていこうという、そうした取組でございます。
 そしてまた、先ほど質問にもございましたけれども、ファストフィッシュでございまして、これは平成二十四年五月に官民共同の「魚の国のしあわせ」プロジェクトというものを開始をいたしまして、生産者、水産関係団体、流通業者、行政等関係者が一丸となって取り組んでおります。これまでに延べ五百八社、二千九百十四商品が選定をされております。
 今後もこうした各種取組によりまして水産物の消費拡大を官民一体で取り組んでまいりたいと考えております。
○平木大作君 今、御答弁の中にもございましたいわゆる消費者の部分、そこだけではなくて、流通の目詰まり解消ですとか様々の施策を今打っていただいているということでございました。
 ファストフィッシュというのは、正直、まだ余り世間的な認知はされていないのかなと、このマークを見て買ったとかいう方、周りにはいないなというちょっと印象を持っております。そういった意味では、今後、引き続きこの認証、あるいは周知徹底していただいて、是非広めていただきたいということをお願いすると同時に、一方で、例えば湯煎だけですぐ食べられるような魚の料理、こういったものは例えばコンビニに行っても最近は棚の上に並んでいたりしますし、また駅の広告等でも、こういったいわゆる簡単、手軽に骨がなくて食べられるような魚の加工食品、こういったものも宣伝が目に付くようになったなというふうに感じております。これ、最近ようやく増えてきたなという実感でありまして、裏を返すと、本当はもっとずっと以前からこういった取組はあってもよかったんじゃないかなという気もいたします。
 こういった、いわゆる、ある意味、産業としてこの水産加工業を捉えていくときに、従来どおりということではなくて、例えば新しい食べ方あるいは新しい調理法の提案、こういったものがあって初めてやっぱり需要というのは喚起されていくものであるというように思っておりますので、こういった点、引き続き水産庁としても推進していただきたいというふうにお願いを申し上げます。
 そして、これ、国内だけではございませんで、やはり海外の需要、これもしっかり取り込んでいくことが大事だというふうに考えております。二〇二〇年の水産物の輸出目標額、これ三千五百億円と大変高い目標が掲げられているわけでありまして、この施策について細かく拝見しますと、国家的マーケティングに取り組むと。大分威勢のいい言葉を使っているんですけれども、いまいち具体的にどういったことをされているのか、ちょっとまだ分かりづらいところがございます。これ、特に水産加工品についてどういった形のマーケティング、需要喚起策を今後行われていくのか、御説明いただけますでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 今、委員から御披露いただいたように、水産物の輸出戦略も全体の輸出戦略の中で公表させていただきましたが、そこには、品質管理水準の向上、国家的マーケティングの実施ということが書いてあります。でもって、千七百億の現状を三千五百億に倍増しようと、こういう目標でございます。
 やはり和食に対する関心が世界的に高まっておりますので、ホタテガイやブリといったいわゆるキラーコンテンツという生鮮水産物にとどまらずに、今お話のあったファストフィッシュといいますか、水産加工品、かまぼこというのは元祖ファストフィッシュじゃないかと、こう思いますけれども、こういうものについても輸出を大きく伸ばしていく余地があるんではないかと、こういうふうに考えております。
 したがって、やはりマーケティングというのが非常に重要になると、こういうふうに思いますので、これを専門にやっておられるジェトロと連携を強化しまして、主要な海外事務所に海外コーディネーター、こういうものを配置しまして総合的にビジネスをサポートしていく体制、こういうものを積極的に進めているところでございます。
 商売をつくっていくためには、やはり個々のメーカーさんがどこにどうやって持っていくか、どういうふうにマーケティングを含めてやったらいいかということを個別にやっていくということが大事であるということからこういう体制の構築をやるわけでございますが、それに加えて、全国団体等が行うジャパン・ブランド、やっぱりワインにしてもフランスワインというのがまずあって、フランスワインの中にボルドーがありブルゴーニュがあると、こういうことでございますので、日本の魚ということをまずブランドとして確立をしていくということも大事だと、こういうふうに考えておるところでございます。
 これに加えまして、零細な水産加工業者の皆さんも輸出に取り組めるように、国産水産物流通促進事業、これによりまして、新しく商品開発をする、それから品質管理の向上、こういうことのための研修、それから専門家を派遣してそういうことをやると、こういう支援策を細かく講じているところでございまして、こういうものを全て動員して、この輸出目標の達成に向けて取り組んでまいりたいと思っております。
○平木大作君 ありがとうございます。特に今御紹介いただいた中で、例えば現地でジェトロと一緒に協業しながら現地のニーズを探っていくというような御施策ですとか、あるいは商品開発も含めて零細企業もしっかり支援していくというところ、是非力を入れてやっていただきたいというふうにお願いを申し上げます。
 これまでのいわゆる海外の需要の掘り起こしの施策、いろいろ、例えば現地のマーケットのシェルフスペースを確保するですとかブランドをつくっていく、ジャパン・ブランドというものをしっかり立ち上げていく、これ自体やっぱり国の単位でないとなかなかできないというところで、大変大事な取組であるというふうに思っております。
 ただ、一方で、いわゆるそういった取組というのは、これは大臣もよく言葉として使われますけれども、いわゆるプロダクト・アウトの取組、いいものがあって、それをどこに需要があるかというのを探しに行ってはめに行くというか、そういった取組になるわけでありまして、本格的な需要をしっかり喚起していこうというときにはもう一歩踏み込んで、やっぱりマーケット・イン、具体的に現地にどんなニーズがあるのか、魚を今、顕在化はしていないんだけれども、この水産加工品に対するニーズ、そういったものがどこにあるのかというところも含めて、是非また力を入れて取り組んでいただきたいというふうに思います。
 一点だけ付言しますと、海外のジェトロの事務所、私もよく、海外進出の仕事をしたときに、必ず現地にジェトロのオフィスがあったら寄るんですけれども、現地で見せていただくジェトロの現地の資料ですとか情報、それ正直言って余り使えないなと思うことが多い。海外で英語で出版された文献の翻訳であったり、いわゆる大企業にだけ使えるような、割と大きいざっくりとした数字ですとか、そういったものが中心でありまして、本当のところ、いわゆる特に水産加工品を海外で展開しようと思ったら何が必要かというと、やっぱり現地の中間層の方たちがどういう生活をしていて、冷蔵庫の中に何が入っていて、そういった情報も含めて是非ジェトロと協力して集約、収集に努めていただきたい、こういったことを一点付言しておきたいというふうに思います。
 続きまして、いわゆる需要の喚起といったことと併せてやはり必要なのが、先ほども御答弁にございましたけれども、食品の衛生管理ですとかいわゆる品質管理、ここの部分でもしっかり手を打っていかなければいけない。この水産加工品に関しては、特に輸出していく上でHACCPの推進、こういったことが今全力で取り組まれているわけでありますけれども、一方で一つ象徴的な事件がございました。
 これは、昨年末、マルハニチロホールディングス傘下の会社でありますアクリフーズ群馬工場において、農薬が作ったものの中に混入してしまうという事件であったわけでございます。このアクリフーズの群馬工場、これはきちんとHACCPに対応したISO22000という基準をしっかり取得して運営されていた工場であったわけであります。そういった、ある意味対応した、認証をしっかり満たした工場であっても、やっぱりこういうジャパン・ブランドを傷つけるようなことというのは実際に起きてきてしまう。
 こういう、なかなか対処が難しい複雑な状況なわけでありますけれども、こういった事故を踏まえまして、水産庁として、今後この水産加工品の品質管理水準の向上、どのように取り組まれるのか、御答弁いただけますでしょうか。
○政府参考人(本川一善君) 御指摘のHACCPにつきましては、コーデックス委員会が食品の安全性を向上させる手段として各国に推奨しているものでございます。最近は輸出を促進するためにHACCPが必要だといったような議論がなされておりまして、私どももそのための施設整備の予算をいただいたりしておるわけでございますけれども、我が国を含む多くの国で推進をされておりまして、輸出のためということではなくて、やはりその品質なり管理の一つの手法として非常に重要なものであると認識しております。
 我が国におきましては、食品衛生法に基づきましてこういうHACCPの管理手法の導入を推進するとともに、HACCP支援法によりましてHACCPの導入を促進しております。御指摘のように、それだけで品質管理ができるわけではございませんで、まさに食品衛生法に基づいて、本当に基礎的内容でございますけれども、手洗いの励行であるとか害虫、ネズミの駆除でありますとか、一般的な衛生管理の徹底を図る、それから低温の管理を進めていく、このようなことが必要だと考えております。
 いずれにしましても、HACCPの取得推進だけではなくて、水産物の品質管理水準を高めるように、総合的に衛生管理の向上に取り組んでいきたいと考えておるところでございます。
○平木大作君 ありがとうございます。
 この事件後、一部の報道によりますと、国内の食品加工施設において、今度はFSSC22000という国際規格の取得に向けた取組というのが大分活発になってきているという報道がございます。このFSSC22000、これどのような認証なのか、また水産庁として取得支援に取り組んでいく御意向なのかどうか、御答弁いただけますでしょうか。
○大臣政務官(横山信一君) 世界の食品安全のマネジメントシステムは、適用品目や運営主体等によって様々な認証スキームがございます。ただいま御指摘のありましたFSSC22000、これはオランダに本部のあります食品安全認証財団が運営するヨーロッパ発祥の国際的な認証スキームでございます。
 このFSSC22000は、食品に限らない一般的な品質の管理システムISO9001に食品の一般的衛生管理とHACCPを統合した管理システムでありますISO22000の一般的衛生管理の部分をより具体化したものということになっております。その中には、意図的な異物混入を防ぐことを目的としたフードディフェンス対策についても規定をされております。例えば、人の出入りの管理、あるいは管理上の注意を要する区域の設定等が示されているということでございます。
 しかし、一方で、このような対策を強化したとしても、意図的な混入に関しては完全に防止できるものではないというふうに考えております。これらの認証の取得に合わせて、日頃からの従業員との関係構築、あるいは品質管理への取組も重要であります。そのフードディフェンスという考え方に沿っていけば、こうした異物混入というのは明らかに犯罪ということになりますので、そうした考え方もしっかりと従業員との関係の中からつくり出していきたいということでございます。
 また、食品事業者のこうした取組を水産庁としても推進をしているということでございます。
○平木大作君 ありがとうございます。このような、ある意味、HACCPの対応、ISOの対応、FSSCの対応と、認証自体もたくさん出てきてしまっていたり、あるいは最終的にはこういうハードの部分あるいはプロセス、工程管理、こういったところだけではやっぱり意図的な犯罪も含めてなかなか完全に防ぐことはできないということであるかというふうに思います。
 当然、このHACCPの対応といったもの自体は、今後特に国際展開していく上では進めなくてはいけない重要な、品質管理においては重要な側面であるというふうに思っているわけですけれども、同時にこれはあくまでも最低線でしかないと。その上で、やはり実はこういったいわゆる国際規格だけではなくて、日本の物づくり、あえて出すまでもありませんけれども、生産工程における改善ですとか、あるいは工場長がやっていらっしゃった、工員さん一人一人と朝、会話をしながら、この人大丈夫かなという目配りをしていくですとか、そういったいわゆる生産管理の上のソフトスキルといったもの、元々日本は強いものを持っているというふうに思っておりますので、こういったところも含めて細かいところまで是非目配りいただきたいというふうにお願いを申し上げます。
 続きまして、本日、水産業、水産加工業を考えていく上で、やはり担い手というのがもう一つ大きなテーマであるというふうに考えております。今、外国人技能実習制度、これが大分世間の注目を集めております。
 まず、今日は法務省に来ていただきましたので、この外国人技能実習制度、この制度趣旨について御説明いただけますでしょうか。
○政府参考人(杵渕正巳君) お答え申し上げます。
 技能実習制度は、我が国で培われた技能、技術、知識の開発途上国への移転を図り、開発途上国の経済発展を担う人づくりに寄与するということを目的とするものでございます。
○平木大作君 ありがとうございます。今のような形で、いわゆる国際的な支援の取組の一環である、そこには人づくりが中核にあるという御答弁だったわけでございますけれども、一方で実態としては、これ制度として六十八の職種を対象として、かつ中国やベトナム、そういったところから様々な実習生いらしていて、現在でも十五万人ぐらいの方が来日されているということでございます。
 こういった実態を踏まえて、昨今の報道の中で、深刻化する人手不足、これに対応するために、建設業界においては外国人の受入れに関してこの制度の中で要件を緩和していこうと、そこに着手するんだといった報道が先刻ございました。これ、ある意味六十八の中の建設というのは一つなわけでありますけれども、農林水産業を含めて、制度全体としてそもそも見直しというのは行う御意向なんでしょうか。御答弁お願いいたします。
○政府参考人(杵渕正巳君) お答え申し上げます。
 技能実習制度については、平成二十一年改正の際、衆参法務委員会の附帯決議におきまして、制度の在り方の抜本的見直しについて総合的に検討することとされております。
 この制度について、各界においてそれぞれの立場から様々な御意見があることを承知しており、昨年の十一月から、法務大臣の私的懇談会である出入国管理政策懇談会の分科会におきまして制度の見直しについて検討いただいているところでございます。分科会の議論等を踏まえまして、本年年央を目途に一定の方向性を出すこととなってございます。
 なお、先生から御指摘いただきました建設分野における外国人材の活用に関する緊急措置、これに関しましては、復興事業の更なる加速を図りつつ、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック東京大会の関連施設建設等による当面の一時的な建設需要の増大に対応するため緊急かつ時限的に行うというものでございまして、開発途上国への技術移転を目的とする技能実習制度の見直しの検討とは別個に検討されているものでございます。
○平木大作君 ありがとうございます。まさにこの制度自体を今抜本的に見直すというお話でありまして、また年央ぐらいでしょうか、一つの結論を得るということでございました。
 これ、まずあえてお伺いした意図なんですけれども、一つには、制度趣旨自体、そもそものこの制度の成り立ち自体は国際的な貢献の一環であるということでございまして、実情としては、今、人手不足に大変助かる有り難い制度だというふうに受け止められている点も多々あるわけでございますけれども、制度趣旨をそのまま据え置いて実態が進んでいるからなし崩し的に拡大しようと、これやはり本来の議論であってはいけない議論であるというふうに思っております。そういった意味で、まず、抜本的に制度自体をどういう位置付けにしていくのか、人手不足にも対応した形の制度に変えていくのか、ここは是非真剣に御議論いただきたいというふうにお願いをいたします。
 その上で、結局この議論においてどのような結論が出てくるかというのが大事なわけでありますけれども、その中で、先ほど申しました六十八の職種、様々ありまして、当然一つ一つの人手不足の実態ですとかそういったものが異なるというふうに考えております。先ほども建設業のお話のときに、被災地の復興ですとかそういったところも勘案しながら検討というふうにおっしゃっておりましたけれども、六十八の職種の中でも、やはり同じように個々の今人手不足の状況、深刻さ、こういったものに大きな差があるというふうに考えております。
 そういった意味では、制度趣旨、しっかりまず見直していただきたいわけでありますけれども、今すぐ手を打たなければこの業種自体が本当に立ち行かなくなってしまう、あるいは東北の復興において今すぐ手を打つ必要があるところ、ここについては是非ともある意味緊急避難的な措置としてでも喫緊に取り組んでいただきたいというふうにお願いをいたします。
 その上で、特にこの六十八の中でも状況が大変厳しいなと考えておりますのが、先ほど来質問にもさせていただいておりますけれども、水産加工業、ここにおいて、現在この水産加工業の中で外国人技能実習生の果たしている役割、どのように評価されているのか、これ水産庁の方からいただけますでしょうか。
○政府参考人(本川一善君) いろいろな業種がございますが、水産加工業においても外国人労働者の方々に実習をしていただいております。
 御承知のように、多くが漁村地域に立地をしておりまして、求人をしても、3Kと申しますか、なかなか、きつい、汚いといったようなことで人が集まらないといったような状況がございまして、例えば今御指摘の岩手県の食品製造の職業の有効求人倍率、二・五倍から三・五倍といったような状態にあるような状況でございまして、関係団体は、受入れ人数の拡大でありますとか、あるいは在留期間の延長、こういったものを要望しております。水産加工業につきましては、私ども、いろんな調査をしていただいておりますけれども、きちんと労働関係法令が適用されておりまして、日本の労働者と同様の処遇をされているなど、制度自体は適切に運営されているというふうに理解しております。
 それから、本来の目的であります技能の移転、こういう観点でございますが、これもいろんな調査をしておりますけれども、水産加工施設の衛生管理の方法などの技能、知能の海外への移転、こういった本来の制度の目的にも貢献しているというふうに理解をしておりまして、私どもとして、こういう団体の要望を受け、先ほど来、法務省の方から御答弁ございますけれども、政府の中での議論、検討の中できちんと必要性を主張してまいりたいと考えているところでございます。
○平木大作君 ありがとうございます。また、本当に大変厳しいという声、私も直接様々なところからいただいておる次第でございます。
 今、御答弁の中にもありましたけれども、やはり外国人技能実習生、この拡充に向けて、一つ懸念の声としては、やはり賃金の未払ですとか長時間労働ですとか、そういった、働く上での受皿の部分でまだまだ問題があるんじゃないかという御指摘もあるわけであります。
 この点、現時点でどのような問題を認識して、またどのような改善に取り組まれているのか、法務省からいただけますでしょうか。
○政府参考人(杵渕正巳君) お答え申し上げます。
 不適正な受入れが行われていたということで、入国管理局が実習実施機関等に不正行為を通知した数については、平成二十三年百八十四機関、平成二十四年百九十七機関、平成二十五年については現在集計中ですが、概数として約二百三十機関となってございます。
 これらの事案の不正行為の内容につきましては、賃金不払といった労働関係法令違反や本来の技能実習計画に基づく技能実習を行っていなかった事案というものが多くなっております。
 不適正な受入れの疑いのある技能実習実施機関や監理団体に対しては、実地調査を実施いたしまして、不正行為と認められたものにつきましては、その類型別に応じて最長で五年間の受入れを停止することになります。
 入国管理局におきましては、調査体制を強化するなどし、この種の不適正な事案に厳格に対応しているところでございます。また、労働基準監督機関等の関係機関との連携強化や監理団体に対する啓発活動等にも取り組んでいるところであり、今後とも、技能実習制度の適正化に適切に取り組んでいきたいと考えているところです。
○平木大作君 ありがとうございます。なかなか不正の件数自体はそんなにやはり少なくはないというか、まだまだ問題があるのだなというのはお伺いして実感をいたしました。
 いずれにいたしましても、まずはこの制度自体がある意味揺らがないようにしっかりと、不適切なものはしっかり取り締まっていただいて、また運用が間違っているところ、ここについては適宜御指導いただきながら、制度自体の安定性、安定的な運用、ここを確保していただきたいというふうに思っております。
 と同時に、繰り返しになりますけれども、やはり、この制度の中で実際に今多くの業種が人手不足といったもの、業種自体として成り立つのかどうか、地域の産業の存続自体助けられているといった面がございます。この一つ一つの運用の実態ですとか、あるいは求人の厳しさ、そういったところも是非御勘案いただいて、緊急避難的にでもこの拡充、是非御検討いただきたいというふうにお願いを申し上げます。
 もう一つ、大きなテーマ、林業についてお話を伺いたかったのですが、時間が参りましたので、今日はここで質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○山田太郎君 みんなの党の山田太郎でございます。
 本日は、南極における捕鯨の問題と、それから旧政府倉庫の問題、それから官舎借り上げの問題について少し質疑させていただこうと思っております。
 ちょっと、まず冒頭、確認とお願いというか、お話をしたいのが、実はこの南極における捕鯨の問題、取り上げようというふうに思いまして、昨日、質疑レクを、実は担当の方に来ていただきました。今朝、ちょっと新聞を見てびっくりしたのでありますけれども、自民党の議連の方には水産庁長官が十二時にはこの南極海での調査捕鯨は中止するというふうに発表しているとなっています。ただ、私どものレクでは十四時に来られたわけでありまして、そのときの水産庁の国際課の調査官、それから課長さん、課長補佐さんの間では、私たちには今後の南極海調査捕鯨をやるかどうかいまだ決まっていないと、判決をよく分析して検討するという御説明でありました。
 自民党の議連の方には本当のことを説明して、野党には検討中だと言うのは大変不誠実な対応だと思います。又は、担当のいわゆる課長さんとか課長補佐さんたちが、長官が自民党の議連で言うことを知らなかったということもちょっと考えられませんので、今後こういうことはないようにしていただきたいんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 水産庁長官呼んでいただければ御本人からあるいは事実関係の説明ができたかと思いますが、今ちょっと事実関係をお聞きして、これ、先ほどの徳永委員、それから小川委員からも御指摘をいただいていろいろお話ししたときに申し上げたんですが、判決がかなり分厚いものが出てきておりまして、これを慎重に検討すると。このことについては全体として分かっていたわけですが、その中で、先ほどたしか手続の説明を長官からいたしましたけれども、その辺りについて、ルールがそうなっているということと、それをどういうふうに対外的に申し上げるかということについて意思の統一が、判決直後であったということもあってなされていなかったのかなと、こう思いますが。二時間のずれではありますけれども、前後関係としては山田先生がおっしゃるとおりですので、今後こういうことがないようにしっかりと対応したいと思います。
○山田太郎君 ありがとうございます。委員会の質疑とか国民への説明というのもありますから、どうかよろしくお願いします。
 さて、南極における捕鯨の問題、やっていきたいんですが、ちょっと質疑の順番変えたいと思うので、お手元に資料をお配りさせていただきました、三枚目を見ていただきたいんですが、この際なので、今、鯨肉の状況がどうなのかということもきちっと質疑しておきたいなというふうに思っております。今回の結果は結果として、今後どうしていくかということが一つ重要だというふうに思っておりますので、その話もやりたいと思いますが、まず、在庫量ですとか消費量ですとか見ていただきたいと思っております。
 特に私自身気になっておりますのは、先ほど小川委員の方からもいろいろ御指摘ありましたが、消費量、実は落ちてきていて、かつ、こういうことがあって今後鯨が捕れないかもしれないという話になりますと、何だ、もう鯨肉は食べられないんだというふうに、国外ばかりではなくて国内の方からも鯨肉を食べる文化が変わってきてしまうという危惧もすごく持っております。そういった意味で、総合的にどう考えていくかというようなことは特に早急に対処しなければならないのかなと、こんなふうにも考えておりますが、まずそういった意味において、しっかり今の例えば国内での消費量それから在庫量ですね、この辺りを確認しておきたいと思います。
 特に、問題意識といたしましては、もし今回、南極の方で捕れないとすると水揚げ量が減るわけでありますから、在庫を出すとかそういうことも考えなきゃいけないと思いますので、その辺のバランス等も含めて、一応資料は用意しましたけれども、改めてお伺いしたいと思います。
○大臣政務官(横山信一君) 平成二十四年の我が国の鯨類捕獲調査及び小型捕鯨による鯨類の捕獲頭数は六百七十三頭になっております。また、国内の推定消費量は四千五百九十一トン、輸入量は八百七十八トン、年末の在庫量は四千七百二十一トンとなっているところでございます。
 御指摘のありました南氷洋での調査捕鯨ができなくなった場合、この南極海で生産をされている量は国内供給量の約二割でございまして、その部分が国内流通から消えるということになりますが、国内供給量は北西太平洋における調査捕鯨、あるいはまた沿岸小型捕鯨の生産量によっても変化をいたします。また、需要についても変化をすることが予想されますので、その影響については一概には言えないというふうに考えております。
○山田太郎君 今御答弁あったようなことであるのであれば、しっかり広報していただいて、今二割の部分、しかも在庫がまだたまっているので、逆に鯨の値段が上がるなんていう話を記事にまた書かれますと、非常にまたこの食文化、危機になりますので、やっぱり情報をどうやって出していくかということが一つ重要だと思っております。
 もう一つ、今回、判決に関わっているかどうかは分かりませんけれども、調査捕鯨の実態はどうだったのかということもポイントだと思っています。特に、今回、その調査捕鯨を実施しております日本鯨類研究所、これは一般財団法人でございますけれども、そことの関係がどうだったのか、そこも含めて国がきちっと国内外にいわゆる調査捕鯨に関してしっかり効果的に情報を提供できていたのかどうか、こんなことも実は問われているのではないかなというふうに思っております。
 そこで、まず予算の辺りから、国会の審議でもありますから、これを機会に少し質疑していきたいと思いますけれども、実は、この日本鯨類研究所の調査捕鯨に対してかなり多くの予算を使っています。平成二十三年では実は評判の悪い復興予算の流用なんというものも、ここに使われたということも報告受けておるわけでありますが、これまで、いわゆる平成二十三年から始まった国費投入、先ほど長官の方からはお金も掛けてやってきたんだよという御発言もあったようですけれども。では、平成二十六年までの総額で幾らぐらい使ってこられたのか、この多額な国費投入は何のために使ってきたのか、この辺りも併せてお答えいただけますでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 日本鯨類研究所の行う調査捕鯨につきましては、妨害活動への対応として、平成二十三年度七億円、二十四年度十億円、二十五年度七億円。それから鯨類資源の目視調査、国内流通鯨肉のDNA調査の経費ということで、二十三年、二十四年、二十五年度それぞれ三・五億円。それから鯨類捕獲調査を安定的に実施するものとして平成二十三年度二十三億円。これを国が支援をしておるところでございます。平成二十六年度についても、妨害活動への対応及び目視調査やDNA検査の対応として平成二十五年度同様の予算措置をしておるところでございます。
 このほか、鯨類捕獲調査改革推進事業ということで、平成二十四年度は四十五億円を投入しておりますが、今後、販売収入を基金に返還をするということになっております。これらは、鯨肉の販売収入により調査費用を賄うこととしている調査捕鯨を継続的に行うために必要な費用として支援をしているところでございます。
○山田太郎君 そのお金が十分かつ効果的に使われたのかということもありますが、もう一つ、今大臣の方からも御答弁ありましたように、この平成二十四年の四十五億円、もうかる漁業創設支援事業という助成金があります。これは確かに販売費用の中から返還されるということですが、仮に販売で返還ができなくなった場合にも残金は九割返さなくていいという仕組みにもなっておりまして、じゃ本当に返ってくるのかなということもしっかり国民から預かったお金でもありますので質疑する必要があるかと思います。
 これからということかもしれませんけれども、今回の調査捕鯨中止の判決を受けまして、では、一体国民負担というのはどれぐらいになるのか。実はこれ、初年度、平成二十四年の十二月から平成二十六年九月が一クールのいわゆる捕鯨の決算というかタイミングでありますから、ということは九月には確定するということで、もしそれで国民に対する負担をいわゆる還元するということであれば、もうそろそろ在庫を放出するとか、いろんなことも手として考えなきゃいけないと思うんですけれども、その辺り、御見解はいかがでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) この鯨類捕獲調査改革推進事業ですが、これは、三年を期間とする改革計画というのを作って、毎年度赤字が生じた場合は赤字の十分の一を返還するという仕組みになっております。
 今回のICJの判決を受けまして第二期南極海鯨類捕獲調査は中止することとなりますが、その場合における鯨類捕獲調査改革推進事業の取扱いについては、この判決の内容を慎重に精査をして早急に検討しなければならないと思っております。
○山田太郎君 もう一つちょっと突っ込んでお話ししますが、これから検討ということですけれども、できるだけこれは販売費の中から返還していくというそもそもの仕組みでもありますので、是非、大臣としてはもう一歩踏み込んで、何とか国民負担がこれによって増えないようにと。今回のいわゆる捕鯨の判決の見通しが甘かったのは政府のせいじゃないかという声もあったんですけれども、その辺の御答弁ももう一度いただきたいんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 判決につきましては先ほど申し上げたように大変残念なことで失望しておりますが、これは法治国家でありますのでしっかりと受け止めるということでございます。
 今の事業の仕組みは、申し上げたとおり赤字が生じた場合は十分の一を返還する仕組みと、こういうふうになっておるところでございますが、これは税金でございますので、なるべくそういうことのないようにしていくというのは当然の考え方であります。
 一方で、先ほど小川委員からも御指摘があったように、これはそもそも調査捕鯨というのは国の仕事としてやっているので国費でやるべきではないかという御意見も方々から聞かれておるところでございますので、今の山田先生のような御意見や先ほどの御意見等もいろいろ踏まえながらしっかりと検討したいと、こういうふうに思います。
○山田太郎君 もう一つ、この調査捕鯨をめぐる話について、まさにこの百億円の国費投入を受けている日本鯨類研究所についてお伺いしたいと思うんですが、実は、この調査捕鯨に関する国費のほとんどが共同船舶株式会社という船会社の事業の活動に実は使われています。この日本鯨類研究所はこの共同船舶会社と随意契約を、用船契約を結んでおりまして、まさに下請のような構造になっているわけですね。
 そこでちょっと気になりましたので調べさせていただきましたところ、日本鯨類研究所の役員名簿を見ますと、この下請になっているところの共同船舶の社長さんがそこのいわゆる研究所の発注者側の理事に名前を連ねていると、こういう構造になっているわけですね。まさに公金を受領する財団法人の役員に、仕事を受注する会社の社長さんが理事として法人の経営、運営に参画しているというのはいかがなものかというふうに思います。昨今、独法もJEEDの問題が非常に大きな問題になっております。くれぐれもあらぬ誤解を得ないように、この辺り今後見直していただきたいと。
 やっぱり、そうなってくると、調査捕鯨にも何か甘さがあったんではないかとか、要は情報発信とか効果的なものができなかった要因はこういうところにもあるんではないかというふうに誤解されてしまうと思いますから、是非そういったことも含めて、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 先ほどちょっと申し上げたように、私は党の議連の幹事長もやっておりますので少し中身もお話しさせていただきますと、まず我が国で母船式の船舶、これを持っているのがこの共同船舶のみということがございます。したがって、この調査捕鯨の実施主体である鯨研、鯨類研究所ですが、これは共同船舶から用船することが必要であると、そこはそういうふうに認識をしておるところでございます。
 したがって、今委員から御指摘のあったように、あらぬ誤解を招かぬようにと、こういうことでありますので、まず鯨研と共同船舶の役員において三名が両組織の役員を兼務しておるところでございますが、これはかつてモラトリアムが始まる前の商業捕鯨華やかなりし頃と比べると、調査捕鯨になって全体の規模も随分縮小しておりますので、この調査捕鯨の知識を有しているという人材がなかなか少ないわけでございます。そういう中で円滑な実施に必要な役員の確保を図るための措置であり、一方の組織の常勤の役員は他方においては無給の非常勤役員としておるところでございます。さらに、この組織の間で取引ということが行われるわけでございますので、その場合は、両組織の役員会等で審議を行う場合は、当該兼任役員はその審議に加わらないか、仮に審議に加わるときは議決権を与えないと、こういう措置をとることによって利益相反が起こらない、またそういう指摘がいただかないようにしておるところでございます。
○山田太郎君 大事な時期ですし、もちろん随意契約でここしかないということは承知をしておるんですが、やっぱりこういうときだからこそ緊張感を持ってということでお願い是非したいと思っております。
 さて、旧政府倉庫の話に移っていきたいと思います。
 まさに消費税が始まりましたけれども、一方で、我々自身、その前に予算の無駄というか、やるべきことがあるだろうということを訴えております。
 そんな中でも、農林水産省さんの所管のいわゆる食料安定供給特会の中の普通財産の処分という辺りについて質疑をさせていただきたいんですが、皆さん御案内のとおり、国有財産は行政財産と普通財産と分かれております。行政財産の方はもちろん行政目的に使われるということでありますが、普通財産の方はどちらかというと用途が決まっていないというか、土地であれば一種の空き地になっているような部分もありまして、基本的にこの普通財産については処分をしていくと、それで代金を国庫に返納していくと、こういうことが政府の方でも方向性決められているんじゃないかなというふうに思っております。
 そんな中で、まず、財務省、今日来ていただいていると思いますが、平成二十四年度の末の数字で国の特別会計に所属する土地、建物全体の金額と農林水産省所管の特別会計に所属する土地、建物の合計金額を会計別に教えていただけますでしょうか。
○大臣政務官(山本博司君) 平成二十四年度末時点の台帳価格によりますと、特別会計所属の普通財産のうち、土地の合計額は約千三百二億円、建物の合計額は約百六十三億円でございます。このうち、食料安定供給特別会計に所属する土地は約二百三十二億円、建物は約七十億円でございます。
○山田太郎君 今日お配りした一枚目の紙が多分その説明にも当たると思うんですが、今の御発言の中で、こういった財産、特に特別会計の普通財産に関して内閣を挙げて売却を進めるということだと思いますけれども、この辺りの方針、財務省、いかがでしょうか。
○大臣政務官(山本博司君) 平成二十四年八月、政府の行政改革実行本部におきまして決定されました国有資産及び独立行政法人が保有する資産の売却等に係る工程表におきましては、平成二十八年度末までの間に売却等による収入の合計額が五千億円以上となることを目安として必要な措置に取り組んでいくこととされております。特別会計所属の普通財産につきましては、各省庁におきまして工程表に沿って売却等が進められているものと認識をしております。
○山田太郎君 もう一度資料を見ていただくと、財政投融資特会の土地、建物は六百億ぐらい。これはもう近々ほとんど売却される予定のものだというふうにお伺いしておりますけれども、それ以外、社会資本整備特会は今年から一般会計になりましたので、それを除くと、食料安定特会の土地、建物三百億というのは断トツな金額なんですね。その中身は何かといいますと、食管制度がありました、米の倉庫だった土地と建物、旧政府倉庫と言われるようなものが中身だと思います。これを調べましたところ、全国に十二か所ありまして、長いものですと二十年以上放置されていると、こういうことであります。
 旧政府倉庫に係る維持費というのは、分かる範囲で結構なんですけれども、どれぐらい維持費に掛かっているんでしょうか、お答えいただけますでしょうか。
○大臣政務官(横山信一君) 平成二十年度から平成二十四年度までの五年間におきまして、会計検査院の決算検査報告で指摘を受けた十一の旧政府倉庫等の維持管理に要した費用は約三千万でございます。
○山田太郎君 不要な土地とか建物を持っているだけでお金掛かりますから、一刻も早く処分されるというのが常識なんですけれども、なかなか農水省さん、これを放置してきたと。考えてみれば、これを売って売却益が入りますと一般会計からも予算が減らされちゃうと、こういう構造になっているとちっともやらないということになるかと思います。
 実は、これは会計検査院の方からもこの旧政府倉庫に関しては指摘を受けておりまして、会計検査院から昨年の十月二十四日付けの文書で、農水大臣宛てに意見の表示というもの、言わば警告がなされております。
 平成二十四年度の決算検査報告にも記載されるところとなっておるんですけれども、実はこの決算報告の四百二十ページに「本院が表示する意見」ということでかなり厳しい意見が警告として出されております。その一つが例えば、地方農政局において旧政府倉庫等の処分に向けての具体的かつ詳細な計画を策定しなさいと、計画を出しなさいと、こういうことにまずなっているんですが、この辺の計画はいかがになっているでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 委員が今御紹介いただいたように、平成二十四年度の決算検査報告においては幾つか指摘をなされておりまして、その一つが、地方農政局において具体的かつ詳細な処分計画の策定をしなさいと、こういうことでありました。
 これを受けまして、農林水産省としては、昨年九月に普通財産の取扱要領、正確に言いますと、食料安定供給特別会計(食糧管理勘定及び業務勘定)所属普通財産の取扱要領ということですが、これを改正をしまして、地方農政局等による各倉庫ごとの処分スケジュール表の作成、本省による定期・統一的な進行管理、地方自治体と協議等を行う際の目標期限の設定等の早期処分を図るための措置を講じたところでございます。
○山田太郎君 今大臣がおっしゃられた、本省においては統一的な進行管理及び地方農政局に対する指導も行いなさいと、こういった警告もなされているということでありますが、では、この指摘を受けて具体的にどのような対応を農水省さんとしてはされたんでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) この各地方農政局において、昨年の九月に今申し上げました改正しました普通財産の取扱要領に基づきまして処分等の工程表や処分等に係る折衝状況を作成しまして、定期的に農林水産本省に提出することにしたところであります。
 この中身でございますが、これ将来的に処分をしていきます。したがって、旧政府倉庫等の入札等で処分をやっていこうということが想定される中で、入札の前にこの中身、関連情報を提供をするということになりますと公正な入札の実施に支障が生じるおそれがあるということ、それからさらに、対外的に公表することを前提としない関係機関との協議、折衝状況、これも実は地方農政局から来ておるものには記載をされております。したがって、この具体的な内容についてはこの場で提出、お話しすることは適当でないと、こういうふうに考えております。
○山田太郎君 それだと、会計検査院が警告をしてどう対処しているかということは、やっぱり国会のチェックの必要性はあるかと思っています。私も実は決算委員でもありますので、そこで詳細は譲って議論させていただきたいと思いますけど、ただ、いずれにしても、その進行状況ですとかある程度の中身はやっぱり国会には報告していただきたい。もちろん、入札価格とかその時期を詳細に出せと言っているわけではありませんので、しっかりやっているかどうかということが我々国会議員としてもチェックできるかどうかということですので、またそれは決算委員会でしっかりやりたいと思います。
 それで、今もう一つ気になりましたのは、地方農政局へのいわゆる通達等をきちっと文書等を含めてやったのかどうかといったところがありますけれども、その辺り、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) これは、平成二十三年の十一月二十九日付けで作りました生産局長通知を昨年の九月五日に改正をしておりまして、その旨、関係の地方農政局にも通知をしたというところでございます。
○山田太郎君 文書で、私どものレクに対しては、農政局への文書は出していないというような内容であったんで、ちょっと今日の御答弁びっくりしたんですけれども。そうであればきちっと徹底していただきたいということと、もう一つ、この警告文書の中には、あらかじめ具体的な期限を設定して、必要以上に時間を費やすことがないようにと、かなりこの辺も厳しく会計検査院の方もメッセージとして上げていますので、是非どうかよろしくお願いします。
 さて、最後、時間が少なくなってきましたので、借り上げ宿舎の問題について移っていきたいと思っています。
 国家公務員宿舎の中には、自前の宿舎と同時に借り上げ宿舎があります。まず、財務省に借り上げ宿舎の状況につきまして、平成二十四年九月の数字で、全体の数と農水省さんの借り上げ宿舎の戸数、そしてその借り上げ宿舎についての政府の方針ということをお答えいただけますでしょうか。
○大臣政務官(山本博司君) 平成二十四年九月現在におきまして、全国に所在をする国家公務員宿舎は約二十万一千戸でございます。そのうち、民間等からの借り上げによる宿舎を確保しているものは約二万六千戸となっております。なお、農林水産省所管の省庁別宿舎は全体で約八千戸、そのうち借り上げは約千八百戸となっております。
 国家公務員宿舎につきましては、平成二十三年十二月に取りまとめられました国家公務員宿舎の削減計画におきまして、真に公務のために必要なものに限定をし、借り上げ宿舎も含めました宿舎戸数を、平成二十一年九月時点の二十一万八千戸から平成二十八年度を目途に十六万三千戸まで、五万六千戸、二五・五%程度を削減することとしております。
○山田太郎君 二枚目のお手元の資料を見ていただきたいと思うんですが、まさに、これも農水省さんが断トツで借り上げ宿舎分というのが多いんですね。これ、役所が支払う借り上げ料と入居者が支払う家賃だと逆ざやが発生しておりまして、お手元の資料の方、下の方を見ていただくと分かるんですが、平成二十四年度で実に十億円ぐらいの税金が借り上げ宿舎のためにつぎ込まれていると思います。
 どうして農水省さんは他の省庁さんに比べて借り上げ宿舎がこんなにも多く必要なのかと。防衛上の問題で自衛隊さんとかが多いのは何となく理解できるんですけど、その辺りを教えていただけますでしょうか。
○大臣政務官(横山信一君) 国家公務員宿舎につきましては、平成二十三年十二月に策定されました国家公務員宿舎の削減計画におきまして、真に公務のために必要な宿舎に限定するということにされておりまして、農林水産省といたしましても、平成二十三年九月から平成二十九年三月までの五年半で、宿舎戸数を約三割削減するとともに、本年四月から使用料を段階的に引き上げ、平成三十年度以降、宿舎に係る歳出におおむね見合う歳入を得ることとしております。
○山田太郎君 私の質問は、特に何で農水省さんが多いのかなというようなところをお伺いしたんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 今政務官から答弁いたしましたように、きちっとこの全体の計画に対応して減らしてきたところですが、先ほど委員からお話があったように、ほかのところと比較するとこの数字が多いと。一つは、防衛省に続いて職員の数がそもそも多いということはあるんだと思いますが、その中でもやっぱり地方で仕事をするというところが非常に多いわけでございまして、例えば国営のかんがい排水事業を行う事業所ですとか、それから森林管理署等の勤務の職員ということで、そういう方のための借受け等による宿舎を設置しているところでございます。
 必ずしも、そういうところは農村部、山間部でありまして、都心のような民間住宅物件が余り多くないと、こういう事情も考慮して、業務環境の整備のために借り上げをして職員が確実に居住できるようにしている事情があるということでございます。
○山田太郎君 であれば、現場の工事の方々は車で通ってきていたりしていると多分思いますので、しっかり現状を調べていただいて、本当に必要なのかどうかということについては精査していただきたいと。先ほどの旧政府倉庫であったり、こういう問題、農水省さんは特に遅れているというふうに思われてはなりませんので、是非そういった意味でスピーディーに、いわゆる政府の方針も出ているわけですから、対処していただければなというふうに思っております。
 それから最後、その借り上げの問題に関しては、できれば直接オーナーと契約していただいてその部分を負担するということになりますと、政府は一定の基準で家賃を払うということになっちゃいますから、特にこれ、借り上げの安い物件を探すとか努力が今後必要だと思うんですね。その辺り、この問題について、もう一度最後大臣から、どのようにされていくのか、御意見いただけますでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) これは、つまるところ税金でございますので、しっかりと国民負担の低減に努めるということが重要であります。それと公務員が国家国民のため積極的にきちっと働ける環境、これをどう両立させるか、こういうことであろうかと、こういうふうに思っております。
 これまでも、先ほど政務官から答弁ありましたように、全体の基準に従ってやってきたところでございますし、それに加えて、経費節減ということで、赴任してくる職員の年齢層、単身、世帯の別などを考慮に入れて、できる限り長期間借り上げることが可能な間取り等の物件を借り上げの対象として、そのことによって契約コストを節減する。また、個別の部屋をばらばらに借りるのではなくて、四月などの異動期に合わせて例えば一棟ごと借り上げるなど、まとめるということができるように、日頃から近隣の不動産情報や家主とのコンタクトを取るということに努めてきたところでありまして、こういう地道な努力をしっかりと続けていくことも併せてやっていきたいと思っております。
○山田太郎君 時間が来ました。引き続き、決算委員会なんかもありますので続けていきたいと思います。
 本日はどうもありがとうございました。
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 今日は、東日本大震災からの復旧復興についてまずお聞きします。
   〔委員長退席、理事山田俊男君着席〕
 昨日もチリで地震があって、津波の被害ということでは非常に心配をしていたわけですけれども、まず水産加工業、流通についてです。
 漁業の再建は、漁業、養殖業と産地流通加工業を一体的に整備することが不可欠です。これはもうずっと言われてきたことでもあります。現地を歩きますと、流通加工業者は中小企業が多いと。零細企業というイメージもあるかもしれませんけれども、果たしている役割は本当に大きいということがよく分かるわけです。
 魚は水揚げした後、荷さばきという作業をやります。鮮度、品質、規格によって選別をすると。大きな魚であればひれを外したり内臓を取るとか、用途別に仕分をすると。これらを背景にして、流通業者や問屋さんやあるいは加工業者、出荷業者などの産業が発展しているわけです。
 加工業は、多品種の魚を処理をして特産品も作っていると。練り製品なんかは細工かまぼこというような技術もあるんですけれども、これが消えてしまうんじゃないかという話も聞きます。特別の技能や技術を持って伝統を守ってきた業者であるわけです。それから、季節的であって、地域的な特性もあるということも聞きました。
 二〇一三年度の水産白書に地震・津波による水産関係の被害状況というのが掲載されました。民間企業が所有する水産加工施設や製氷冷凍冷蔵施設等の被害は約一千六百億というふうになっています。これは水産加工団体などからの聞き取り調査ということなので、実際にはもっと多いというふうに言えると思うんですね。
 最新の水産庁の資料では、再開を希望する水産加工施設は八百十九施設、昨年末で七九%が業務を再開したというふうになっているんですけれども、この中には掲載されていないんですけれども、百三十三施設が廃業したということもあるわけです。東北経済産業局が行ったグループ補助金交付先アンケート調査というのがありますが、それによると、売上げが震災前の水準に回復した水産・食品加工業は一四%ということですね。
 そこで、大臣にお聞きしたいんですけれども、水産加工業、これやっぱり全体としてはまだ遅れているという認識をお持ちでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) この被災三県における施設の復旧でございますが、全国水産加工業協同組合連合会の調査ですが、二十五年十二月現在で、岩手県で八三・八%、宮城県で七八・三%、福島県で七三・七%と、こういうふうになっております。女川や気仙沼などで用地造成の遅れによって整備が遅れている地域があるものの、東日本大震災復興交付金等を活用した施設整備の支援に取り組んでおります。
 一方で、被災地では販路の確保、これに苦慮している話が出ていることを私も実際に行っていろいろお聞きをしたりしております。したがって、この被災地の水産加工流通業の復興には、施設を復旧するということは当然なのでございますが、これに併せて販路の確保、拡大、一度失った棚がなかなか取り戻せない、こういう声をよく聞くわけでございまして、ここも併せて経営が継続できるようにしていくということが大事であると、こういうふうに思っております。
   〔理事山田俊男君退席、委員長着席〕
 このために、東日本大震災復興交付金、これを活用しまして、被災した市町村が地域の水産物の販路拡大、販売促進、こういう取組を行う場合にこれを支援する。それから被災地域の漁業協同組合、それから水産加工業協同組合等が販売回復に必要な加工原料の確保、それから営業活動、こういうことに取り組む場合の支援、こういうものを実施しておるところでございまして、今後とも被災地の水産加工業の復旧復興に向けて適切に対応してまいりたいと思っております。
○紙智子君 東北経済局のアンケート調査は、業種別に見ると、回復していると回答した割合が最も低いのが水産加工業だというふうに指摘されているんですね。
 加工流通業の復旧復興を支援する水産庁の事業には、水産業共同利用施設復旧支援事業というのと水産業共同利用施設復旧整備事業ということであります。同じような名称なんですけれども、違いは支援というのと整備というのが違うんですけれども、あくまでもこれは共同利用が条件だと。
 民間業者や民間個社を支援する事業として経済産業省に中小企業等グループ補助金というのがありますけれども、この水産加工業でどの程度これ活用されているのかということについて御説明をお願いします。
○政府参考人(矢島敬雅君) お答え申し上げます。
 水産加工業を含みます被災中小企業の事業継続、再開の支援といたしまして、被災されました中小企業が所有する施設設備の復旧経費を補助するグループ補助金におきまして、これまで累計で五百七十三グループに対して支援を行ってきております。このうち、水産加工を共同事業に含むグループでございますが、六十六グループとなっております。
 以上でございます。
○紙智子君 ですから、パーセントでいうと一一・五%ということで極めて少ないわけです。それから、グループを組めていない企業はやっぱりこれ使えないということなんですよね。予算が少ないという問題もあるわけです。
 それで、復興庁にお聞きしたいんですけれども、民間団体が活用できる事業として水産業共同利用施設復興整備事業というのがありますけれども、今度は復興整備というすごく似たような名前なんで分かりづらいんですけれども、この事業の概要とそれから補助対象、補助要件、基本補助率について御説明をお願いします。
○政府参考人(菱田一君) お答え申し上げます。
 復興交付金の水産業共同利用施設復興整備事業につきましては、本格的な水産業の復興に向け、被災した市町村が所有する水産業共同利用施設に加えまして、民間事業者の水産加工流通施設の整備に対して支援を行うものでありまして、東日本大震災により被災した施設及び漁港又はその背後集落の水産業に関連する施設の整備が対象となっております。
 民間事業者が事業主体となる水産加工流通施設の整備につきましては、市町村におきまして策定されます復興計画等に位置付けられた上で、公募により事業者の選定を行っていただくことが要件となっております。
 また、基本補助率につきましては二分の一でございますけれども、さらに補助率のかさ上げ措置等によりまして、事業主体となる水産加工業者等の負担割合は八分の一となっております。
○紙智子君 今お話あったように、基本補助率でいうと、国二分の一、それから市町村八分の三、それから民間団体八分の一ということでよろしいですよね、はい。
 それで、民間企業の活用状況についても説明をお願いいたします。
○政府参考人(本川一善君) この事業の被災各県の民間団体における活用実績でございますけれども、市町村が策定する振興計画に基づきますれば民間企業も活用できるという事業でございまして、岩手県では全六十四件のうち民間企業が六十二件でございます。それから、宮城県は全三十九件のうち民間企業が三十七件、それから福島県は全一件、民間企業はゼロでございます。茨城県は全三件で、民間企業はゼロでございます。全体で、岩手、宮城、福島、茨城県で全百七件のうち、民間企業に九十九件御活用をいただいているというような実態にございます。
○紙智子君 これ、事業費でいうと一千三百三十一億円、このうち国費が九百二十八億円ですよね。そして、市町村が計画をして事業を進めているということで共同と民間を事業ベースで区分けするということがなかなか難しいという回答だったですよね。それは今もそういうことですよね。
○国務大臣(林芳正君) この復興交付金事業である水産業の共同利用施設復興整備事業、これは水産庁で執行しておりますが、そこにおける水産加工業の活用実態、水産庁で市町村ごとの採択者数に至るまでは把握をしておるところでございます。
 今お尋ねになったことかどうかちょっとあれでございますが、中小企業庁のグループ化補助金は水産加工業以外の他業種も含めたグループに対して補助するものでございまして、グループの共同事業者の中に水産加工業者が含まれるか否かといった活用実態についても、中小企業庁では把握に一定の時間を要すると、こういうふうに聞いております。
 したがって、我々としては、これらのほかの役所の事業も活用した水産加工業者に対する政府全体の支援の実態を把握することは重要だと考えておりますので、今後、中小企業庁や復興庁と連携して実態把握をしてまいりたいと思っております。
○紙智子君 ちょっとこの間何回か聞いているんですけど、なかなか把握されていなくて、今これから把握するということでもあるので、そこはしっかり把握していただきたいと思います。
 それから、先日、岩手県に行って、それで市場で何人かのおかみさんから話を聞いたんですね。サケの薫製を作る技術を開発をして、新しい商品を販売しようということで努力をされていたわけです。しかし、形の上では一応品物並んでできているんだけれども、しかし実際にはなかなか売行きが上がっていかないという話がありました。やっぱり軌道になかなか乗らずに悩んでいる方も、業者も多いということでした。
 被災地で加工流通業を再開している方からは、先ほども話がありましたけど、販路の確保の問題や労働力の確保、運転資金の対策などが必要だということが言われていて、これについての現状と支援策について、御説明をお願いします。
○政府参考人(本川一善君) 先ほど大臣からも御回答いただいたように、やはり施設の復旧はある程度進んできておりますが、先ほど来御指摘あるような販路の拡大、確保、こういった面で非常に苦慮されておるという実態にございます。それから、運転資金の確保、こういったことも経営継続の上で必要になっているというふうに認識をいたしております。
 このため、販路拡大につきましては、先ほど大臣から御答弁いただいたように、市町村が行う場合には復興交付金によって、それから漁協など協同組合が行う場合には私どもの補助金で販路回復、販売促進の取組を支援させていただいております。
 それから、運転資金につきましては、水産加工業者の方々が補助事業により取得した施設を担保として事業の運転資金の融資が受けられず苦慮しているといったようなことも受けまして、平成二十五年十二月二日には財産処分承認基準を改正をいたしまして、事業の運転資金についても補助施設を担保に入れて借り受けられるようにしたと。こういったようなことを通じまして、今後とも被災地の水産加工業の復興に向けて対応してまいりたいと考えておるところでございます。
○紙智子君 水産加工業は、住んでいる、住居の近くにあって女性の働く場所になっていたわけですけれども、しかし今は仮設住宅に住んでいる方が多いという中では、通わなくちゃいけないと、遠くまで。それで今までどおり働けなくなったという話もあるんですね。やっぱり、今後、そういう意味では職住接近という問題もどうするかということが課題になると思うんです。
 そこで、水産加工業の再建をどうしていくかということについてお聞きしたいんですけれども、漁港や漁場は公共事業としてのインフラ整備をされています。それから農地整備、田んぼの除塩作業なんかも公共インフラとして整備をされていると。一方、加工流通業の施設というのは、一部の地域を除いて産地整備への支援が弱いというふうに思うんですね。漁業や水産業が基幹産業である地域においては、加工流通業は地域経済を支えて雇用の場としても本当に大事な役割を果たしています。
 安倍政権として、これは震災復興について重視して取り組むんだというふうに言われているわけですけれども、今回、質問するまで、結局このグループ補助金が、加工流通業、復興庁の事業をどれだけ活用されているのかということについてはなかなか定かじゃないということがあって、お金の額はいろいろ出てくるんですけれども、お金の額だけでは実態が見えないわけですよね。ですから、私は、改めて政府として加工流通業の実態をちゃんとつかんで、公共インフラ相当に位置付けてきめ細やかな対策が必要だというふうに思うんですけれども、この点についての農水大臣の見解、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) 今委員からお話がありましたように、まず施設を復旧して、そして今度はその販路の拡大によってそこが実際に使われて業として成り立っていくようにすると。その場合に、今お話があったように、前は近くに住んでおられた方が職住接近でやっておられたけれども、同じところに復旧復興すれば今度はそこにおられない方がどうやってそこに出勤されるかと、こういういろんな課題が出てくるわけでございます。
 したがって、三年たちましたので、この復旧復興、特に復興の方にだんだんだんだん、単なる復旧というのは旧に復するということですから、それを超えて新しい状況にどう対応していくかと。特に、今御指摘のあったように、この地域で水産加工業というのは結局漁業の出口として大変大事なところでございますので、しっかりと全省庁的に、どういうことが、結局現場ではどういう水準になっているかということを把握した上で、そこにとどまらずに、じゃ、どういう課題があるか、その課題についてどう対応していくかということをしっかりと検討して対応してまいりたいと、こういうふうに思っております。
○紙智子君 よろしくお願いします。
 次に、漁船漁業の問題で一つお聞きしたいんですけれども、漁協が漁業者に船を貸し出すリース事業が行われているわけですけれども、この固定資産税の扱いがどうなっているかということについてお聞きしたいと思います。
○政府参考人(本川一善君) 共同利用漁船復旧支援事業は、今御指摘のように、東日本大震災によりまして漁船を失った漁業者に対しまして漁船を供給するという事業でございますけれども、漁協が漁船を取得して被災した漁業者の方にそれをリースをするという形で利用していただく仕組みとしております。この事業で取得した漁船の固定資産税につきましては、その漁船の所有者であります漁協が負担をするということになっておりますが、実際にはその相当額は利用契約に基づいて利用者が負担をしているという実態にあります。
 漁業者個々人が漁船を復旧した場合には震災特例がございまして、償却資産に係る特例として課税標準が船価の二分の一になり、さらに震災特例として更に二分の一になると。結果として、個人の方が前持っていた漁船を復旧した場合には固定資産税は課税標準の船価の四分の一となるといったような特例が講じられておりますけれども、漁協が取得するということになりますと、これは復旧ではなくなるという位置付けで固定資産税が掛かっているという実態でございます。
 ただ、これにつきましては、先ほど申し上げましたように、いわゆる使用料として実質的に漁業者の方にお負担をいただくといったようなことができることになっておりますし、それから、何よりもやはりこれ、市町村が条例を定めることにより減免をできるという仕組みになっておりまして、宮城県の市町村においては条例により漁協に減免措置を講じるといったような措置が講じられておりますので、そういう措置について我々も周知はしておりますけれども、再度、必要であればこのような市町村の減免の可能性もあるということを周知をさせていただきたいというふうに考えておるところでございます。
○紙智子君 ちょっと確認しますけれども、要するに固定資産税は漁業者には、個々人には掛からないですよね。要するに、漁協がリースをするということで漁協には掛かるけれども、個々人には掛からないということですよね。
○政府参考人(本川一善君) 漁協が固定資産税本体を払うということになりますが、リース料の中で、場合によっては漁協から個々人の漁業者に固定資産税相当額がリース料の中で付加されるというか、求めるといったようなことに実態はなっておるんではないかなというふうに思っております。
○紙智子君 その辺がちょっと問題で、現地ではだからすごい大変なわけですよ。漁業者自身、収入がそう入ってくるわけでもない中でこれは大変負担になるということでありますし、それから、漁協に掛かるものについても、先ほどお話あったように、市町村の判断で条例で減免されるということはそれは確認できると思うんですけれども、個人に掛かっていくというのは、これはちょっと何とかしなきゃいけないというふうに思うんですね。それはいかがですか。
○政府参考人(本川一善君) 個人で船を導入されて復旧を図られた方については、先ほども少し申し上げましたが、償却資産に係る特例として漁船の課税標準が船価の二分の一になる、さらに震災特例として課税標準は更に二分の一軽減され、結果として課税標準は船価の四分の一になると、個人の場合はですね。そのようなことが講じられておりますが、漁協が取得をするということになりますと復旧名目ではなくなりますので、この震災特例は適用にならないと。しかしながら、市町村が条例で減免をするということも可能でございますので、私どもこの問題を受けて宮城県などにはそのように周知をさせていただいて、宮城県の一部の市町村では市町村が条例を作って減免をしておる、そのような実態にございます。
○紙智子君 宮城県ではという話をされていて、ほかの県の話も実は聞いているんですけど、そこがちょっとばらばらしていまして、やっぱり負担を掛けないようにということで是非御努力いただきたいと思います。
 それから、ちょっと時間が過ぎてきたので、一つ削って、もう一つ、漁業生産は回復しつつあると思うんですけれども、震災から三年たって、漁業者、漁協のニーズというか、変化してきているわけですよね、最初の段階からは。これから借金の返済が始まっていくということもあります。魚の水揚げが回復しないと返済することが困難ということでもあります。それから、復旧復旧というのは原形復旧なので、震災後に立ち上げた事業の支援が弱いという声も出されているんです。新たにやったところなんかはほとんど対象にならなかったりということもあります。漁業、水産業の復興というのは、漁業者や加工流通業者の自立再建が進んで所得が増えるということが、それがあってやっぱり回復ということになると思うし、水産資源の回復ということも大事だというふうに思います。
 復旧復興事業、五年をめどに行われていますけれども、三年たって、今、やはり国の支援が現場でどこまで活用されているのか、ニーズに合っているのか、新たな課題が何なのかということをつかんで対応していただきたいということを申し上げておきたいと思います。これは指摘にとどめたいと思います。
 次に、養蚕、蚕糸問題についてお聞きをしたいと思います。
 農林水産省が二〇〇八年に生糸輸入調整法を廃止しました。国としては大日本蚕糸会に三十五億円の基金を積んで、大日本蚕糸会が蚕糸・絹業提携支援緊急対策事業ということでやることにしたと。この事業、六年間の事業なので、この三月で終了したんですよね。
 二〇〇八年当時、私、生糸輸入調整法を廃止して養蚕振興が本当に前に進むんだろうかということで質問しました。当時、若林大臣だったんですけど、若林農水大臣が、生糸輸入調整法を廃止するというのは、蚕糸業の経営安定の仕組みがもう有効に機能しなくなっているので、新しい蚕糸対策が必要だというふうに述べられたんですよ。大日本蚕糸会に三十五億円の基金を積んだので、養蚕農家が安定的に養蚕を続けられるよう、軌道に乗るまでの資金として三十五億円を措置したというふうに述べられたんですね。
 そこで、大臣にお聞きしたいんですけれども、三月末でこの事業が終わりましたけれども、養蚕農家が安定的に養蚕を続けられるようになっているのかどうかということなんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) この蚕糸業でございますが、かつて生糸の輸出を通じて我が国の経済発展を支えていただいた主要な産業でありまして、現在においても主産地である群馬県などの中山間地で米、野菜等との複合作物の一つになっているわけでございます。
 需要の方が、和装需要が低迷をする、それから安価な中国産絹製品の輸入が増える等々で、養蚕の農家数が平成元年には五万七千二百三十戸あったんですが、平成二十四年には五百六十七戸にまで減っておりまして、繭の生産量についても平成元年は二万六千八百十九トンであったものが平成二十四年には二百二トンということで、大変この数字を見ただけでも厳しい状況ということが分かるわけでございます。
 若林当時の大臣とやり取りをされたときの御披露がありましたけれども、十九年度に今の事業によって三十五億円の基金を造成しまして、養蚕農家、蚕糸業、川上の分野とそれから川下の絹織物業がやっぱり提携をして、グループによって国産生糸の希少性を生かした純国産絹製品のブランド化、それから純国産絹マークの普及促進等による消費拡大、こういう取組をこの基金の事業によって支援をしておりまして、全国で五十六の今提携グループが形成をされまして、特徴ある純国産絹製品作りに取り組んでいるところでございます。
 本事業の実施によりまして国産繭・生糸の特徴を生かした絹製品作りが進んできておりますが、景気の低迷、それから東日本大震災の影響もありまして、先ほど言った五十六のグループの中では大変苦戦しているグループも多いことでございまして、グループの自立をより確実なものとするために、この事業の実施期間、これを平成二十八年度まで延長をすることとしたところでございます。
○紙智子君 ちょっとこれから聞こうと思っていたところまでお答えいただいちゃったんですけれども、要するにグループはできたと。できたけれども、自立できているグループは本当にもう僅かということですよね。
 それで、繭代金については、その事業を開始したときは一キロ当たり三千五百円の繭代金を保証していたんだけれども、昨年度は千五百円しか保証されていないわけですよね。当時の説明では、事業が進めば、製品が高く売れて、生糸も上がって、繭代金が農家に出せるから、養蚕農家は従来以上の繭代を確保できるんだというふうに説明していたわけですけれども、この説明がもう全然違っちゃっているということだと思うんですよ。本当にそういう意味では厳しいという話、今されたんですけれども、ちょっとやっぱり成功したというふうには言えないと思うんですね。
 蚕糸・絹業提携支援緊急対策事業が今年の三月で終わると。二〇〇八年に法律を廃止するときに、私、実は三十五億円というのは国が蚕糸の振興から撤退する手切れ金じゃないかというふうに質問をしたんです。若林大臣は、そんなことはありません、そんなこと考えていませんというふうに言われたんだけれども、しかし、現実は、これ、グループを取っても繭代金を取っても、養蚕農家の経営が安定しているとも言えないし、日本の伝統産業が発展しているとは思えないわけです。ある自治体の首長さんは、行政として大変心配していると、国会議員などにも要請しているが、厳しい状況に年々入っていっているというふうに言われているわけです。
 私、日本の伝統産業を見捨てていいのかと思うんですね。本当に僅かに残った、やっぱり大事なわけですけれども、少なくとも蚕糸・絹業提携支援緊急対策事業の成果と課題についてやっぱりきちっと検証すべきではないかと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) この支援の緊急対策事業の実施で、先ほど申し上げましたように、ちょっと先走って先までお話ししてしまったようでございますが、五十六の提携グループが形成をされまして、特徴を生かした純国産の絹製品作りが取り組まれております。
 例えば、繊維が本当に細い新品種を用いた高級生地、それから世界では類を見ない雄のみの蚕品種のプラチナボーイ、これ、雌に比べて収量が多く、繊維が細かくしなやかな特徴を持つそうでございますが、これを用いた男性用の着物、それから国産繭・生糸の特徴を生かした製品作り、こういう事例が出てきておるところでございますが、先ほど申し上げましたように、景気低迷、それから東日本大震災発生後は高級品を中心とした買い控え、こういうものがやっぱりどうしても出てきております。それから、やっぱり風評被害により苦戦しているグループも多いと、こういう状況だというふうに承知をしておりまして、したがって、この蚕糸・絹業提携支援緊急対策事業については、平成二十五年度までの事業ということにしておったわけですが、こうした状況を検証した結果、提携グループの自立をより確実なものにするための支援、これが必要という判断をいたしまして、その結果、今年の三月で終わったところを二十八年度まで延長をするということにしたところでございます。
 今後は、国が純国産絹製品の更なる高品質化のための技術実証、それから生産の基盤となる稚蚕の安定供給の確保を行うこと、それから大日本蚕糸会が提携グループが購入する繭の量に応じて支援を行う、こういう役割分担の下で事業を実施していきたいと、こういうふうに思っております。
○紙智子君 今、二十八年度まで延ばすというふうに言われたんですけれども、やっぱり検証をすべきだし、やっぱり課題ということではっきりさせる必要があると。それについてもちょっとまた後で御回答いただきたいんですけれども。
 実は、昨年来、一部の養蚕農家、連携グループの方々から、四月以降も緊急対策を、助成がないと事業の継続が不安だという声が出されて、群馬県内の自治体でも助成を求める議論が活発に行われて、大日本蚕糸会が独自に繭一キロ当たり千二百円を助成するということで、群馬県内も三百円上乗せすると。で、更に上乗せする自治体も生まれてきていると。
 上毛新聞ですね、この新聞では、今年二月に、「養蚕農家に補助金 国に代わり県と蚕糸会 世界遺産登録後押し」という記事が載ったんですよ。そういうやっぱり自治体の努力、国がもう、国に代わってというふうに言われるということ自体もうとても恥ずかしいと思うんですけど、やっぱり国を挙げてというふうにしなきゃいけないんじゃないかと思うんですけれども、こういう自治体の努力をどう思われるかということ、それから、やっぱり日本の伝統産業、養蚕をしっかり守るというメッセージを出すべきじゃないかと、この三点、最後にお答えをいただきたいと思います。
○委員長(野村哲郎君) 林農林水産大臣、時間が来ておりますので、簡潔に御答弁ください。
○国務大臣(林芳正君) はい。三問いただきましたので、簡潔にしたいと思いますが。
 先ほど申し上げましたように、川上と川下の連携、これが大変大事であるわけでございまして、群馬県や蚕糸・絹業提携支援緊急対策事業の実施主体であるこの大日本蚕糸会の取組と連携をしながら、今後も意欲ある提携グループの活動を支援してまいりたいと思っております。
 冒頭申し上げましたように、絹の歴史は非常に古くて、各地で特色ある絹織物が伝承されておりまして、和の文化を象徴するものであると、こういうふうに思っておりますので、やはり絹の良さを消費者に知っていただくということで需要を開拓していくことが大事だと思っておりまして、まず足下からということで、農水省の玄関にも組立て茶室を作りまして、純国産絹製品等の展示もしておるところでございますし、文化遺産の登録、加えて二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックの開催されるという機運を捉えて、しっかりと対応してまいりたいと思います。
○紙智子君 終わります。
○儀間光男君 皆さん、こんにちは。維新の会の儀間でございます。
 今日は三つ通告をしておりますが、全て日本の和の文化を追求する衣食住の斜陽産業と言われているものを取り扱ってみたいと思います。
 先に養蚕業を聞きたいと思いますが、紙先生のと大分かぶりましたから、割愛しながら何とかやっていこうと、こう思うんですが、どうぞ寄り添うような思いで答弁をしていただきたいと思います。
 まず、少し歴史からちょっと見てみたいんですが、我が国の養蚕業の歴史は今大臣がおっしゃったように大変古く、長い鎖国時代から、安政六年、一八五九年、開国、開港をきっかけに生糸が輸出品として国の基幹産業になったのは、今説明もありましたし、御承知のとおりであります。明治の昭憲皇太后が生糸産業推奨のために始められたと言われる皇室の養蚕業は、自来、明治、大正、昭和と歴代皇后陛下に継承され、我が国を象徴する伝統文化として誇ってまいっております。
 しかし、特に戦後の日本では、産業構造の急激な変化とウルグアイ・ラウンドの繊維製品の自由化により、その後、様々な歴史を経て安価な国外産の絹が大量に輸入されるに至り、いよいよ輸出品としての往時の地位を失い、衰退の一途をたどり、今や、余り面白くない表現ですが、斜陽産業などと言われているのであります。
 そんな中にあって、国内にいまだ熱心に衣料の伝統文化、絹の伝統文化を守っている人々に対する強い思いと連帯のお気持ちから、絹というこの美しいものを蚕から作り出す技術が日本から失われることのないよう、また、今日まで先人たちが営々と築き上げた養蚕の手法をせめてあと一世代残しておきたいとする美智子皇后陛下のお気持ちから継承され、現在も、我が国の固有種である小石丸という蚕と交配種四種の蚕を飼育し、絹を紡いでおられるのであります。
 いろいろ具体的なことは紙先生に答弁されましたから、私は、ここで質問というよりは、林農林水産大臣の絹に対するあるいは伝統産業に対する思いのたけをお聞かせいただきたいと、こう思います。
○国務大臣(林芳正君) 儀間先生から実は資料をいただきまして、浦添で平成十八年からずっとやっておられる取組について、ざっとでございますが、目を通させていただきました。
 うらそえ織というのを立ち上げられて、ブランド化していって、そして教育、シルバー会員、いろんな広がりを持って、島桑という、これを活用していく。この島桑の方は、単にうらそえ織に行くだけではなくて、例えば、この実をアイス、泡盛、ジャムの試作にしたり、繭を石けん、化粧品関係にしたり、葉っぱを健康のお茶や粉末にしたりと、いろんなことで、川下の方の御工夫もされておられるということで、こういう行き方があるんだなと非常に感服をいたした次第でございます。
 先ほど申し上げたように、私も、この数字を最初見たときはちょっと数字が間違っているんじゃないかなと思うぐらい、農家の戸数それから生産量についても減ってしまっていると。こういう状況が現実にあるわけでございますので、余り大きなことをぶち上げるつもりもございませんけれども、長年、先輩方が営々として築かれてきた伝統の文化でありまして、とかく自分で持っているものの有り難さというのはなかなか気が付かないところがあると。海外なんかに行ったりしたり、海外の人と話して向こうから言われて、ああ、なるほど、それほど実は価値のあるものなのかと、こう気付かされることが多いわけでございまして。やはり、日本の食文化が無形文化遺産になったことも喜ぶばかりではなくて、しっかりと我々自身がもう一度この日本食文化を思い出すということもあるんではないかなと、こういうふうに思っておりまして、そういう意味で、先ほど申し上げましたように、二月三日から農水省の正面玄関に組立て茶室を造ったのでございますが、そこにこの純国産絹製品である反物、帯、組ひも、こういう展示もさせていただいているところでございます。
 やはり、こういうものというのは良さをきちっと説明して、そして消費者に分かっていただければ、本当にいいものでありますし、日本の文化やあるいは日本の気候といったものにも合っているものであると、こういうことでございますので、そういうことを念頭に置いてしっかりと取り組んでまいりたいと、こういうふうに思っております。
○儀間光男君 ありがとうございました。浦添の件ではいま少し後でやろうと思ったんですが、先に切り口をつくっていただいてありがとうございました。
 なぜ私がこのようなことを申し上げるかというと、日本の絹産業が衰退はしておっても、その需要はまだあるんですよ。外国から輸入品を入れなければ需要を賄えないというぐらい国内需要はあるんですね。それを国産品で賄っていくという体制を取っていただきたい。今、連携事業を含め五十六グループでいろいろやっておられるようでありますけれど、これも含めて、輸入量が徐々に減退して、後で言いますけれども、少なくなっておりますが、まだ輸入量の十分の一しか国内は絹を供給していないんですね。
 したがって、まだまだマーケットとして、国内の需要は国内で賄うんだという政府の意欲と生産者あるいは行政、大日本蚕糸辺りの団体等の意欲がマッチングしていけば、この業界はまだまだ捨てたものじゃない。しかも、中国やインド産に見られるような大量生産による低品質化、これとは違って、やはり日本の物づくりの技術を生かして高級ブランド品を狙っていくというようなことをしなければなかなか大変だと思うのでありますが、そういうことも含めて是非御検討をいただきたいと、こう思いますけれど、いかがでしょうか。
○政府参考人(佐藤一雄君) 今、儀間先生の方から御指摘いただきました我が国の蚕糸業の振興策でございますが、先ほど紙先生の方から御質問がありましたように、平成十九年度の補正予算で蚕糸・絹業提携支援緊急対策事業ということで三十五億円の基金を造成しまして、川上であります蚕糸業と川下であります絹織物業が連携した絹製品作りを支援してきたところでございます。
 これまでに全国で五十六の提携グループが形成されたわけでございますが、先ほど大臣の方からお話ちょっとありましたけれども、かなり細い繊維の新品種の白繭細一号ということで、白い繭の細いという字を書くんですが、白繭細号による高級生地といったもの、あるいは、先ほど大臣の方からお話ございました、雄のみの新品種のプラチナボーイという蚕を用いまして、著名な職人の方とコラボして製作した江戸小紋ちりめんといったものができております。それとまた、特定の産地の繭を使用しまして、音色の極めていい琴糸、こういったものも出てきておりますし、また、玉繭ということで、双子の繭でございますが、これを作る蚕品種の玉小石といったものを用いた超高級のつむぎといったものが出ておりまして、それぞれの特徴を生かした純国産絹製品作りが取り組まれているところでございます。
 先生まさに御指摘いただきましたように、和の文化というのは、やはりきめ細かな繊細な高級品といったようなところが大きな点になると思っておりますので、こうした提携グループにつきましてしっかり支援していきたいと、このように考えているところでございます。
○儀間光男君 もう少し輸入品と国産品についての関わりを見てみたいのでありますが、輸入品全体も、中国、インドが主でありますが、減ってきているんですね。それは、はっきりした理由はよくつかめていませんが、推測するところ、恐らく両国とも、糸の原料を輸出するよりは自ら製品を開発して、そして自分の国でそれぞれ製品を作って高付加価値を付けて更なる経済発展につなげていくというようなことから輸入量が減ってきたのではないかというようなことが推測されるのであります。
 例えばインドでありますけど、二万トン生産をするんですけれど、これは国の政策援助、これによって高品質の高付加価値の製品ができ上がって、それをブランド物として世界に出すことによって農家が増えてきているんです、逆に。だから、そういうことを思ったりいたしますというと、紙先生も御指摘があったんですが、国がどうしても徹底した関与をしていただきたい。五十億だの百億だの言わずぼんぼん入れて、湯水のようにとは言いませんけれど、やはり成長産業に切り替えていただきたい、成長産業にしていただきたい、そういうふうに思えてなりません。
 したがって、そのことも含めてお願いをしてまいりたいと思いますが、そういうことによって、日本の伝統産業あるいは産業資源として、私は大いにまだまだ市場へ参入していけると思っておりますから、僕が思ったってしようがない話でありますけれど、どうぞそういうことも含めて促進をしていただきたいと、このように思います。
 先ほど申し上げましたように、インドでは国が政策支援して多くの効果を出しているのでありまして、我が国も是非とも、せめて地産地消、さっき冒頭申し上げたんですが、我が国の需要を我が国の産品で、絹糸のみならず多くもそうですけれど、自給率を上げていくということに御配慮をいただきたいと、こう思います。
 私は、この養蚕業を単なる懐古調、懐古というのは虫の蚕じゃなしに古きを懐かしむ懐古ですね、懐古調でもノスタルジーから言っているものでもありません。リアルタイムで私自身が、実は、今切り口をしていただきましたが、平成十三年に市長に就任して二十五年二月までの浦添市長三期十二年の間にこの事業に関わった経験から、可能性として、あのちっちゃなところでほんの少しやっていろんなことが分かりましたから、組織的にもっともっと多くやっていくと可能性として非常に高い、そういうふうなことから訴え出しているのであります。
 お手元に少し数多い資料を配付させていただきましたが、どうぞお持ち帰りいただいて、捨てないで、しばらくこれ扱いたいと思いますから、沖縄キャビネットでも作ってファイルしていただけたら有り難いなと、こういうふうに思います。
 平成十三年に就任をして、翌十四年から農林水産省へも通いながら行動を起こして、平成十八年には生産体制に入ってまいりました。事業経緯はお手元の二枚目の紙に簡単に書いてありますから御覧いただければいいんでありますが、大臣、ここが違うところ。実は、沖縄のこの浦添の六農家というのは、減ったんじゃないんですよ、新たにできた農家なんです。ほとんどの養蚕事業が十年ほど前まで細々やっていたのが消えて、新たにつくった。浦添、元はゼロだったんですね。都市化される浦添にこういう農業というのも皆が気違い扱いされましたけれども。こういうことで、ゼロからスタートさせていただいて、今は資料に見るようにかなりの進化をしてきたと。
 そして、私も、沖縄県もかなりの絹糸の需要がありますから、少しでも県内の需要を県内での生産で賄っていけたらいいというような、つまり地産地消、地域力をキーワードに位置付けてこの事業を進めてきた経験から、国、都道府県、市町村、農家あるいは製糸関係の各団体、連携チーム、こういうものをもっともっと強化していけばこの絹産業の再興は夢ではないというふうに思ってのことでありますが、答弁はまた同じ答弁になりますから結構でありますけれども、ここで私がどんなに力んだって、大臣、大臣が理解を示してその気にならなければなかなか物事は進んでいきません。
 したがって、今思いのたけを聞きましたけれども、実行へ向けての思い入れのたけをいま一度伺いたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) 今改めてこの浦添の取組の経緯を御説明いただく中で、先生が市長に就任されて、もう十八年からはこの立ち上げがあったと。ここですごいなと思いましたのは、浦添市の商工産業課がまず試験的に桑の栽培、蚕の飼育を市役所自らやられたと、こういうところが、なかなかここまでやれるというのはやはり市長さんの御決断というのがあったんだろうなと、こういうふうに思っておるところでございまして。
 全くないところに六戸できて二千坪の桑園ができたと、こういうところだというふうにお聞きしておりますので、やはりこういうグループの取組、先ほど五十六ということがございましたけれども、いま一度、この延長をするに当たって、どういう取組をされておられるのか、こういううまくいっている浦添のような事例、これをどういうふうにしたら横展開できるのかと。こういうことをしっかりと考えながら、先ほど申し上げました、これ、良さがあるわけでございますので、先ほど平木委員のときに、いいものを作ったら売れるという時代からプロダクト・アウトとともにやっぱりマーケット・イン、こういうことをしていかなければいけないと。
 誠にそのとおりでありまして、実は独立行政法人でも、この間、私、視察に行ったときに、遺伝子の研究の成果で、白い絹糸にいろんな操作をすることによって、蛍光色といいますか、光を当てるとピンクとか緑とか、そういう発色をするような絹糸と、こういうものができるようになったと。これ実際見せていただきましたけれども、そういうもので付加価値を付けて、これを例えばウエディングドレスか何かにするという例がありましたけれども。どういうふうにしていくかというところと、それからどういうものが需要があるかということを併せて視座に置いてしっかりと取り組んでまいりたいと、こういうふうに思っております。
○儀間光男君 浦添の取組ですが、まだまだ緒に就いたばかりで、まだああでもないこうでもないしてやっておるんですけれども、八年目に入って、これ十年計画でスタートさせたんですよ。今年九年目に入りますから、あと一年の余裕あってどうマーケット展開で成功させるか、これからというところでありますが、こういうところも是非とも国の支援などをいただかなければなかなかやっていけないというようなことで、一自治体のことではもうやっていけないというようなことがうかがい知れますので、それの成功に向けて次への展開を考えていかなければならない。そのためには、大臣を始め役所側にも強いお願いをしていって、全国との連携もさせていかなければならないと、こういうようなことだと思いますけれども。
 実は、蚕というのは非常に多様性、いろんなものが出まして、蚕からは試薬、薬品のキットが取れるんですよ。これは、独立法人の沖縄高専と浦添市が提携をいたしまして、沖縄高専で、虫のある器官を取り出して急速冷凍に掛け、水素冷凍でマイナス八十度ぐらいに瞬間に冷凍してガラス状にして、これを崩してある薬剤を入れるとこれが転化、化学剤を入れると転化して試薬キットができるということで、もう産も参加が始まって産官学が協同してやっているんですけれども、こういうふうに絹糸だけじゃなしに、多様な生き物として重宝がられなければならないと、こういうふうに思っておるのであります。
 大臣さっきおっしゃったように、果実、桑っ葉、これは桑っ葉はヘルシー茶としていろいろ、化学分析もさせて、いろんなのが含んでおって健康茶として売れますし、パウダー状にしてお菓子やいろんなものに添加、おそばに添加をしていくというようなこともありますし、果実はジャムや今紹介ありましたアイスクリームと、そういうものに使えて、実に多様性のある関連作物だな、製品だなと思いましたね。桑の利用、あるいは果実の利用、あるいは蚕そのもの、糸を作らすと。
 それから、奇形繭をつくらすわけにいきませんが、実は農薬をかぶった桑を与えると完全に大量の奇形繭を巻いてくれるんですよ。これは木炭より除湿効果があるということですから、これは高級なイメージからは合わないからこういうことはやっちゃいけないんでやりませんけれども、浦添というのが都市化現象の中で農薬の飛散がほとんどないということから始まったものであって、したがって、いかに蚕というのが健康な生き物であるかということがここからもうかがい知れるんです。
 それから、学校教育にも非常に役立つんですね。小中学校に蚕を飼ってもらって、小さな生き物の生命体を知ってもらうというようなこと等も含めてやっております。ですから、繭を量産する中で、さらに学校教育へも取り入れていくべきだと思います。
 大臣、川上から川下への話がありましたが、もう一歩今度はサイドステップして、学校、文部省とも向き合って、学校教育に小さな生き物の生命がいかに大事か。なぜかというと、自分たちの指一本で潰せる虫なものですから、その希少価値は子供たちは非常によく感じ取ってくれますね。そういう意味で、学校での繭が必要になる、虫が必要になるということ等も含めて多様性を追求していただきたいと思いますが、これについての御見解をいただきたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) なるほど、先ほどちょっと申し上げましたように、単に絹糸を織物にすると、これがメーンではあるんでしょうけれども、しかしそれにとどまらず、葉っぱをお茶にする、それから桑の実をアイスにする、繭を石けんにする、それから蚕そのものがいろいろ使い道があるということも今御披露いただいたところでございますし、また、川下、川上から、さらに学校における教育の現場での活用と、こういうことも浦添市ではやっておられるということでございますので、まさに平成二十三年に浦添市養蚕絹織物施設のサン・シルクを設立されたと、こういうところも加えて、この取組、横でどうやって展開をして、それぞれの地域の、先ほど申し上げた五十六のグループ、それぞれ特色を持ってやっておられると思いますけれども、やはりこの浦添でうまくいっているところをしっかりと横展開していく、それを全体としてしっかりとバックアップをしてまいりたいと、こういうふうに思います。
○儀間光男君 ありがとうございます。
 実はこれが浦添産のシルク織りのネクタイです。ジャケットやかりゆしウエアやショールやいろんな小間物までやっておって、是非沖縄へ行かれる際は我がシルクハウスを御訪問いただいてお買い求めいただければ、ますます経済的に展開できると、こういうことであります。
 しつこいんですが、これは名刺入れ。最初にできたもので、もう七年になって手あか付いているけど、いとおしくて捨てられないんですよ。ぼろぼろになりながら使っているところです。(発言する者あり)セールスに行きたいと思いますけど。
 それで、今五十六のグループで連携していろいろやっているとおっしゃいましたが、ここに「致知」という月刊誌がございますが、これの三月号に「我が城はこうして守る」、いわゆるメード・イン・ジャパンじゃなければ世界に通用しないという、メーカーズシャツ鎌倉の創業者で貞末良雄さん、今会長です。それから靴下メーカーでタビオさんの創業者、現在会長ですが、越智直正さん。この二人の対談集があるんですよ。
 これを見ますと、実にいいんですね。純国産でなければ世界では戦えない。この人たちは欧米に高級ブランドを進出して相当展開している方々ですが、この方々は、自分たちの販売戦略が功を奏したんじゃない、純国産でメード・イン・ジャパンのブランドでこれだけの取引ができたということで、こう書いてあります。
 途中抜いて行きますけれど、どうも富岡の工場も行ったようでありますが、越智さんが言う分、僕は日本の絹産業を何とか残さなければならないと考えている、靴下メーカーです。そして、富岡製糸工場へ行ったら、理事長さんが越智さんに向かって、越智さん、もう自分たちの代でこれ滅んでしまいそうで大変心配しておるんで、工場を買い取ってくれというようなお話があったようですが、残すためには自分が買い取っては駄目だ、支援してまいりましょうと。
 じゃ、支援者は誰かということでいろいろ物色、物色というのは悪いんですが、人を調べてみたところ、メーカーズの貞末さんと会うことができたと。で、二人でこれをやろうよと言っているんですね。しかも、日本の政府は繊維産業を一貫してフォローする仕組みが成っていないという御批判があるんですね。それから、やはり純国産でなければ世界では戦えませんので、中国で作って中国で売っては、まねされることしかないので、これは価値がないと。したがって、私たちが日本で作って、日本で打ち出して、その他の国にまねのできないオンリーワン、メード・イン・ジャパンを世界へ展開しなければならないと。
 こういうことをおっしゃっているんでありますが、これについての御感想と、もう一つは、生産局に命じていただいて、このお二人を呼ぶなり会うなりしてこういう対談の真意を確認されて、必要だったらいろいろアドバイスをしていただいて成功に導いていただきたいなと、そういうふうに思いますし、どうぞ浦添市も御訪問いただきたいと、こういうふうに思いますが、この二人の対談集から見て少しばかりの紹介ですが、感想をお聞かせいただければ有り難いと思います。
○国務大臣(林芳正君) まずは、その対談の雑誌の記事を読ませていただきたいと思いますが、今御披露があった部分だけを聞いても、やっぱり何かを始めるというのは、そういうパッションといいますか、熱情を持った人がぐいぐい引っ張っていくと。先ほどの浦添市役所も、まず市役所に自分で植えたというところから始まったと。
 よく、地域活性化の私、仕事していたときに、三種類の人間が必要なんだということを達人と言われる方から聞いたことがございますが、それは若者、ばか者、よそ者だと、こういうふうなことでございました。やはり、ばかになってこれだけだと信じてやるということがないと、なかなか新しいことや難しいことというのはできないということを、そのときもそう思いましたけれども、こういうことをやっていくについても、この絹の場合は綿々たる伝統がある、またこれはいいものだという基本的な認識もあるわけでございますので、そういうものを生かしながら、しっかりと今のお話も参考にさせていただいて、必要があれば生産局の方でいろんなヒアリングを含めて検討させたいと、こういうふうに思います。
○委員長(野村哲郎君) 儀間光男君、時間が来ておりますので、おまとめください。
○儀間光男君 はい。
 ありがとうございます。是非とも、思いのたけをお聞きしましたから、それが達成できますように期待を申し上げたいと思います。
 いろんな御答弁いただきましたけれども、感謝を申し上げて終わりますが、日本を取り戻す、瑞穂の国日本、寄り添う、総理がよく使う言葉ですが、これを是非とも、大臣も御一緒になって瑞穂の国日本をつくってください。
 ありがとうございました。
○委員長(野村哲郎君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
    ─────────────
○委員長(野村哲郎君) 次に、森林国営保険法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。林農林水産大臣。
○国務大臣(林芳正君) 森林国営保険法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明を申し上げます。
 森林国営保険は、火災、気象災及び噴火災による損害を填補する総合的な保険として、林業の再生産の阻害防止と林業経営の安定に重要な役割を果たしてまいりました。
 この森林国営保険については、政府を実施主体とし、森林保険特別会計を設置して経理を行ってまいりましたが、昨年十二月二十四日に閣議決定された独立行政法人改革等に関する基本的な方針において、特別会計の改革を推進するため、森林保険特別会計を平成二十六年度末までに廃止し、森林保険事業は独立行政法人森林総合研究所に移管することとされたところです。
 この閣議決定を受け、森林保険の実施主体の変更その他必要な措置を講ずることとし、この法律案を提出した次第であります。
 次に、この法律案の主要な内容につきまして、御説明申し上げます。
 第一に、森林国営保険法の一部改正であります。
 森林保険の実施主体を政府から独立行政法人森林総合研究所に改めるとともに、同研究所の自主性を発揮する観点から、これまで政令で規定していた保険料率等について、同研究所がこれを定め、農林水産大臣へ届け出ることとする等、所要の措置を講ずることとしております。
 第二に、独立行政法人森林総合研究所法の一部改正であります。
 独立行政法人森林総合研究所の目的及び業務の範囲に森林保険に係るものを追加するとともに、同研究所が森林保険の業務に要する費用に充てるための長期借入金、債券発行及びこれらについての政府による債務保証等、同研究所による森林保険の運営に必要な規定の整備を行うこととしております。
 第三に、特別会計に関する法律の一部改正であります。
 森林保険特別会計を廃止するため、森林保険特別会計に関する規定を削除することとしております。
 以上がこの法律案の提案の理由及び主要な内容であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
○委員長(野村哲郎君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後三時五分散会