第186回国会 農林水産委員会 第17号
平成二十六年六月十七日(火曜日)
   午後一時開会
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   委員の異動
 六月十三日
    辞任         補欠選任
     井原  巧君     中泉 松司君
 六月十六日
    辞任         補欠選任
     山田 太郎君     行田 邦子君
 六月十七日
    辞任         補欠選任
     行田 邦子君     山田 太郎君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         野村 哲郎君
    理 事
                猪口 邦子君
                山田 俊男君
                小川 勝也君
                紙  智子君
    委 員
                金子原二郎君
                古賀友一郎君
                中泉 松司君
                馬場 成志君
                堀井  巌君
                舞立 昇治君
                山田 修路君
                郡司  彰君
                徳永 エリ君
                羽田雄一郎君
                柳田  稔君
                平木 大作君
                横山 信一君
                儀間 光男君
                行田 邦子君
                山田 太郎君
   国務大臣
       農林水産大臣   林  芳正君
   副大臣
       農林水産副大臣  吉川 貴盛君
   大臣政務官
       農林水産大臣政
       務官       横山 信一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        稲熊 利和君
   政府参考人
       内閣官房日本経
       済再生総合事務
       局次長      赤石 浩一君
       内閣府規制改革
       推進室次長    大川  浩君
       農林水産省消費
       ・安全局長    小林 裕幸君
       農林水産省食料
       産業局長     山下 正行君
       農林水産省生産
       局長       佐藤 一雄君
       農林水産省経営
       局長       奥原 正明君
       林野庁長官    沼田 正俊君
       特許庁長官    羽藤 秀雄君
       環境省水・大気
       環境局長     小林 正明君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○特定農林水産物等の名称の保護に関する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
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○委員長(野村哲郎君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、井原巧君及び山田太郎君が委員を辞任され、その補欠として中泉松司君及び行田邦子君が選任されました。
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○委員長(野村哲郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 特定農林水産物等の名称の保護に関する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房日本経済再生総合事務局次長赤石浩一君外八名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(野村哲郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(野村哲郎君) 特定農林水産物等の名称の保護に関する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○山田修路君 自由民主党の山田修路です。
 まず、法案に先立って、農協改革等についてお伺いしたいと思います。
 先週の金曜日、六月十三日に規制改革会議の報告、第二次答申が出されました。今後、実行計画として閣議決定し、実施していくことになろうと思います。閣議決定前なので答えにくい点もあろうかと思いますけれども、本日は大きな方向性について伺いたいというふうに思います。
 五月十四日に規制改革会議の農業ワーキンググループ、この報告が公表されました。この報告については、五月二十二日の本委員会で私も質問をしたところですけれども、農業や農村の実態を余り踏まえていない、問題の多いものであったというふうに思っております。
 先週末に公表されました規制改革会議の第二次答申においては、今お配りをしておりますけれども、与党や関係団体との調整を行ったということで、前の農業ワーキンググループの報告に比べると相当程度修正をされたものとなっております。どのような組織形態にするかについては、関係者に選択肢を示して関係者が選択できるようにするなど、評価できる点も多々あると思っております。その今後の方向性についてお伺いしたいと思います。
 まず、農協中央会についてでございます。資料の五十九ページのCのアから六十ページにかけて書いてありますけれども、ここでは、六十ページの真ん中辺り、適切な移行期間の後に自律的な新たな制度に移行するとして、新たな制度は農協系統組織内での検討も踏まえて結論を得るということになっております。また、全農や経済連についても、資料の六十ページの次のイですけれども、株式会社化を前向きに検討するように促すというようなことであります。
 ここで大事なのは、やはり系統組織内で自分たちがどうすべきなのか十分検討し、自ら取り組むということだと思います。国の方針を押し付けるのではなく、系統組織内での議論を尊重し、自発的、自主的に改革をしていくことを促していくということが大事だと思いますけれども、この基本的な姿勢についてお伺いします。
○国務大臣(林芳正君) 農協の見直しにつきましては、与党において、農業、農村の発展のために大変熱心な御議論をいただきまして、十日に、「農協・農業委員会等に関する改革の推進について」、これを取りまとめていただいたところであります。十三日に、今お話のあった規制改革会議からの答申が出されたところでございます。
 この与党取りまとめ、また規制改革会議の答申においては、中央会制度については、現行の制度から自律的な新たな制度に移行し、新たな制度は単位農協の自立を前提とし、農協系統内での検討を踏まえて結論を得ると、こういうふうにされました。
 また、全農等の株式会社化についてもお触れいただいたとおり、独禁法の適用除外に係る問題の有無等を精査し、問題がない場合には株式会社化を前向きに検討するよう促すと。いずれも事業、組織の見直しについて農協系統組織が自主的に検討すると、これが基本となっているものと考えております。
 農林水産省としても、与党における取りまとめ、規制改革会議の答申を踏まえて、農林水産業・地域の活力創造プラン、これに適切な改革の方向を盛り込んだ上で検討を深めていくことになりますが、その際、農協系統組織の考え方もよく聴取した上で適切に検討してまいりたいと考えております。
○山田修路君 今お話がありましたように、是非農協系統組織内の議論を十分踏まえて対応していただくようにお願いをしたいと思います。
 それからもう一つ、准組合員の事業利用についてでございます。
 この報告書ですと六十一ページから六十二ページにかけてありますけれども、これ、北海道の先生方からもいろんな御質問がありました。地域によっては、生活していく上で必要なサービス提供してくれるのは農協だけだというところも非常に多くあります。このような地域においては、准組合員の利用制限をむやみに課すということになりますと、住民の生活基盤を奪うおそれもあります。今後閣議決定されれば、ここの文章によれば、一定のルールを導入するというふうに書いてありますけれども、地方の生活の実情を踏まえて、地方で生活している方々の生活基盤が維持できるような、そういった方向で対応していく必要があると思っておりますけれども、どのようにお考えでしょうか。
○政府参考人(奥原正明君) 農協の准組合員の問題でございます。
 与党の取りまとめ、それから規制改革会議の答申におきましては、この点につきまして、農業者の協同組織としての性格を損なわないようにするため、准組合員の事業利用について、正組合員の事業利用との関係で一定のルールを導入する方向で検討をするといった提言がなされているところでございます。
 農林水産省といたしましては、今後、与党における取りまとめ、それからこの規制改革会議の答申を踏まえまして、農林水産業・地域の活力創造プランに適切な改革の方向を盛り込んだ上で検討を深めていくということになりますけれども、この准組合員の事業利用につきましては、農協は農業者の協同組織でございますので、農協の事業利用についても正組合員たる農業者が主になるのが自然な姿というふうには思っておりますが、一方で、高齢化、過疎化が進む農村において、地域住民の生活のインフラとしての役割を果たしているのも事実でございます。こういった実態も踏まえまして、適切に検討してまいりたいと考えております。
○山田修路君 今お答えのように、地方にとっては、農協というのはやっぱりインフラという側面が非常にあるわけです。その点を考慮して、農協改革についても地域住民の方が不便に感じないように是非やっていただきたいと思います。
 それから、農業委員会の関係で少しお尋ねをしたいと思います。
 農業委員の選び方、これはちょっと戻りますが五十七ページのAのアでしょうか、ここに書いてあるのは、選挙制度を廃止するということ、それから市町村長の選任制度として市町村議会の同意を必要とすると、それから地域からの推薦、公募を行えるようにするということであります。
 言うまでもなく、農業委員会は農地等の権利移動について許可を行うなど、極めて重要な役割を担っております。その委員については、公平公正な人物が選ばれるというふうにしていく必要があります。今後、市町村長の選任制の具体的な内容を検討していくということになった際には、その選び方、その手続が本当に大事だと思います。公平公正な人物が選ばれたと、みんながそう思えるような仕組みをつくっていく必要があると思います。
 今後の検討課題であると思いますけれども、どのような方針で臨まれるのか、お伺いしたいと思います。
○副大臣(吉川貴盛君) 農業委員の選任に当たってでありますけれども、与党の改革案及び規制改革会議の答申におきましては、農業委員の選出方法につきまして、適切な人物が透明なプロセスを経て確実に就任するようにするために、選挙制度を廃止するとともに、議会の推薦やあるいは団体の推薦による選任制度も廃止をしということになっております。市町村議会の同意を要件とする市町村長の選任制度に変更をしということになっておりまして、その際、事前に地域からの推薦やあるいは公募等を行えることとされているところでございます。
 先ほど大臣も農協組織の改革のところで申し上げましたように、この与党の改革案と規制改革会議の答申を踏まえまして、農林水産業・地域の活力創造プランに適切な改革の方向を盛り込んだ上で、法制化を検討する際には、農業委員が、今御指摘をいただきましたように、公平公正に選任される制度となりますようにしっかりと検討してまいりたいと思っております。
○山田修路君 どうもありがとうございます。やはり農業委員さんも誇りを持って仕事をしているという現状にあります。是非そういった人がきっちりと自信を持って仕事をできるような選任方法というのを考えていただきたいと思います。
 それからもう一つ、都道府県農業会議、それから全国農業会議所の見直しについてであります。これは五十八ページのエに書いてあると思います。
 ここは、何というんでしょうか、都道府県の農業会議や全国農業会議所について、まるで農業委員会の自主性、主体性を阻害しているかのような記載ぶりのような気がいたします。もちろん、農業委員会の役割を見直し、それと併せて都道府県の農業会議や全国農業会議所の役割を見直すということは必要であるというふうに思いますけれども、特に私が心配をいたしますのは、指定法人化していくというような記述になっております。指定法人にするということは、指定をするまず母体となる団体がなければいけないということなんですけれども、その母体の法人をどのように形成していくのか、あるいは組織化していくのか、これは一つの課題ではないかと思います。
 やはり都道府県の農業会議あるいは全国農業会議所は財政的な基盤も脆弱ですし、そういう意味で、その母体となる法人の設立あるいは形成についてしっかりと支援をしていかないと、なかなか指定法人にするための指定ができないということになりかねないと思いますけれども、その辺についてのお考えをお伺いしたいと思います。
○副大臣(吉川貴盛君) 農業委員会に並んで、ただいま山田委員から御指摘をいただきました農業会議におきましても、与党及び規制改革会議の答申におきましては、都道府県農業会議、全国農業会議所につきましては、農業委員ネットワークとしてその役割を見直し、農業委員会の連絡調整、二つ目には農業委員会の業務の効率化、質の向上に資する事業、そして三つ目に農地利用最適化の優良事例の横展開などを行う法人として都道府県、国が法律上指定する制度に移行するとされているところでもございます。
 今後、農林水産省といたしましては、先ほども申し上げましたように、与党の改革案と規制改革会議の答申を踏まえまして、農林水産業・地域の活力創造プランに適切な改革の方向を盛り込んだ上で、法制化を検討する際には、御指摘をいただきました支援も含めまして、都道府県農業会議、全国農業会議所が円滑に新制度に移行できるようにしっかりと検討してまいりたいと存じております。
○山田修路君 どうもありがとうございます。
 今日は、ほかにもいろいろ問題はあると思うんですけれども、農協あるいは農業委員会の関係の改革について御質問をいたしました。今質問した以外にも様々な問題があって、今後更に具体化をしていくということになると思います。先ほど言いましたような観点も含めて、しっかりとこの農林水産委員会の場でも議論をしていきたいと思っております。
 それでは、時間が大分たちましたけれども、法案について御質問をしたいと思います。
 この法案については、農水省を始め農林水産関係者にとっては長年のやはり課題であったというふうに思っております。私も農林水産省に在職しておりましたときにこの地理的表示制度の検討に携わったこともございます。
 この法案については、やはり、なかなか諸外国との関係、EUあるいはアメリカとの関係で、EPA等の交渉でも問題になったり、あるいは商標との関係をどうやって整理をするかといった問題、そういった立法技術的になかなか難しい問題があるというふうに思います。農水省はこれらの問題を何とかクリアをしてこうして法律の形にしたということで、大変その点は評価をしております。
 この制度を農林水産物のブランド化に大いに役立てていくべきだというふうに思っております。そのためには、この制度ができた暁には、その普及を積極的にやっていくことが必要ですし、さらには、国の方においても、予算ですとか組織ですとか、そういったものをしっかりとつくって農林水産物あるいは食品のブランド化を進めていくということが大事だと思いますけれども、大臣の見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) 本制度の着実な定着と活用、これを実現するためには、今委員からもお話がありましたように、この制度の十分な周知、それから不正使用への厳格な対応を通じて信頼の確保をしていくと、これが大変大事だと思っております。
 制度の周知につきましては、生産者、生産者団体、そういう方々が本制度を十分に理解して活用していただけますように、まず、今年度ですが、知的財産の総合的活用の推進事業、これの一環として、品質管理基準の策定、マーケティングの確立等への支援を行うこととしております。また、来年度以降についても適切な支援を行えるように、概算要求に向けてしっかりと検討していきたいと、こういうふうに思っております。また、あわせて、小売流通業者や消費者に対してもこの地理的表示マークの周知を行うなど、施行に向けてしっかりと準備をしたいと思います。
 不正使用への対応ですが、関連する情報を受け付けて機動的に対応を行う通報窓口、これを設けるとともに、立入検査等の現場の対応を農林水産省の地方出先機関である地方農政局、また北海道農政事務所、これが行う方向で検討しておりまして、効率的で実効性のある体制の整備をしっかりと図ってまいりたいと思っております。
○山田修路君 是非、この法案ができた暁には、この制度が本当に地域に喜ばれるように、また、今お話がありました様々な対応が農水省あるいは国でできるように、組織あるいは予算の対応をお願いをしたいと思います。
 それで、特にその中で、やはり今、商標法の地域団体商標が既に登録が資料によりますと五百五十件以上あって、かつ農水産物や食品は二百八十八件ということになっております。地域では、地域団体商標とそれから地理的表示制度を両方活用しながら地域ブランド化を推進していくということになるんではないかと思いますけれども、その方針について、農水省のお考えをお伺いしたいと思います。
○政府参考人(山下正行君) 先生御指摘のとおり、既に地域団体商標制度がございます。本法案に基づくこの地理的表示保護制度は、地域団体商標制度と比較しまして、地域の特性と結び付いた一定の品質基準を満たした産品だけが表示を使用できること、さらには産品の使用が特定の団体及びその構成員に限定されないこと、さらには不正使用表示への対応を国が行うこと、こういった点が大きく異なっているというところでございます。
 このため、ブランド産品の名称を地域の共有財産と位置付ける場合には地理的表示が、さらに一つの生産者団体のみが名称を独占することになじむ場合には地域団体商標制度がそれぞれ選択されることになると考えているところでございます。地域の実態や産品の特性を踏まえたブランド戦略に応じて利用する制度を選択し、又は両者を組み合わせて利用するといった対応を取っていくことが重要ではないかと、こういうふうに考えております。
○山田修路君 どうもありがとうございました。
 この地理的表示制度については、先ほど言いましたように、地域の農林水産物や食品のブランド化に非常に効果があると思っております。何年かしたら、本当にこれはいい制度だったとみんなに言われるような運用を是非お願いをしたいと思います。
 それから、質問の最初でお話をしました農協あるいは農業委員会、系統組織の改革についても、やはり地域の実態を踏まえた、あるいは系統組織の意見を踏まえた対応を是非お願いをしたいと思います。
 以上で私の質問を終わります。どうもありがとうございました。
○堀井巌君 自由民主党の堀井巌でございます。
 時間が二十分と限られておりますので、早速質問に入らせていただきます。私は、今回のこの特定農林水産物等の名称の保護に関する法律案について、改めて基本的な事柄をまずお伺いしてみたいというふうに思います。
 今の質疑にもありましたですけれども、今回のこの法律案、地域の一定の品質を保持する農林水産物・食品をブランド化する、更にその価値を高めていくということで、これは地域の、特に生産者の方の期待は大変大きいと私もひしひしと感じております。また、それは消費者利益にもつながるものというふうに期待をいたしております。
 いま一度、今回のこの制度を導入することによって生産者そして消費者にどのようなメリットがあるのか、御説明いただければと思います。
○政府参考人(山下正行君) 本制度の導入に当たってのメリットについてのお尋ねでございますけれども、品質やブランド価値など、我が国の農林水産業の強みを生かす本制度は、攻めの農林水産業の核となるものと考えているところでございます。
 本制度におきまして、地域の特産品の名称を地理的表示として登録し、公的に保護することによりましてブランド価値が守られ、本来生産者が得るべき利益が確保されるものと考えているところでございます。また、地理的表示は、国が不正な表示を取り締まる制度としていることから、訴訟等の負担なく生産者が自分たちのブランド価値を低コストで保護することができる、こういったメリットもあると考えているところでございます。
 また、地理的表示が常に高い品質に裏付けられたブランド価値を保護する仕組みとして機能することによりまして、品質の高い商品の選択に資することによりまして消費者にも裨益するというふうに考えているところでございます。
○堀井巌君 ありがとうございます。私も、少しこれまでの質疑あるいはこの法律を勉強する中で、本当に今お答えいただいたようなメリットを特に感じ、期待をしているところであります。
 また、特に今回の場合、地理的表示がブランド化される、例えば私の地元ですと奈良県、大和何とかというものが仮に登録された場合に、これが信頼され得るブランド価値として、国内そして海外で価値あるものとして承認をされ支持をされていく、そのことが今後の様々な農林水産業の振興、発展にもつながるという意味で、大いに私は価値があるというふうに思っています。
 それと、今までも商標制度あるいは地域団体商標制度等もございましたが、特に食品、農林水産物について、この品質というものについて今回の制度がしっかりといわゆるお墨付きを与える、このことについても私は大変評価をしたいというふうに思います。さらには、例えば従来のいわゆる商標制度ですと、登録をした人、私人等に対してその権利を保護していくということでしょうけど、今回の場合は、一つの地域ブランドが登録されたら、そこの生産者の方々みんながそのブランドというものを通じて品質の高いものを提供できる、すなわちその地域の皆さんがこのブランドによって生産者としての恩恵も被ることができるという意味で、私は大変この制度に期待をするわけであります。
 重要なことは、この制度が本当にしっかりとした、先ほども大臣おっしゃられましたけど、信頼される制度としてきちんとワークするかどうか、これがこれから一番重要になってくるというふうに思うわけであります。登録ということを始めたからといって、すぐにこれが消費者の人にもブランドとして認識されるとは限らないわけであります。
 特に、質問ですが、海外において、これまでも中国等で商標登録問題がありました。今回は国内法制度としての整備でありますけれども、これで、仮に海外で地理的表示が不正使用されるような場合も当然想定されるわけでありますが、特にそういった場合にどのような対応が可能なのか、教えていただきたいと思います。
○政府参考人(山下正行君) お答え申し上げます。
 本制度は、地理的表示に係る国内法制度の整備を行うものでございまして、本制度による登録を受けたとしても、直ちに他国の地理的表示保護制度の対象となるわけではございません。
 地理的表示の登録を受けた産品につきましては、地理的表示のマーク、いわゆる統一マークでございますけれども、これを添付すべきとしているわけでございますが、このマークを主要な輸出国先で商標登録をすることによりまして、輸出国先においても我が国の真正な特産品であることが明示され、そのマークによりまして差別化が図られるというふうに考えております。
○堀井巌君 諸外国において、このマークをしっかりと商標登録していくということによって一定の不正使用を防止していく、極めて適切なやり方ではないかというふうに今お伺いをいたしました。
 いずれにしても、そういったことをしっかりとやっていくことが、このブランドというものの価値を高めていくことになるんだろうというふうに思います。言い換えれば、いかにブランドというものの価値を維持し高めていくかというのは、これは、例えば企業で様々なブランド価値を持つものを生産して販売されている方、これはもう物すごくブランド価値を維持発展させるために相当な労力を払って、様々な戦略を持って、このブランドというものをしっかりと守り育ててこられたんだと思います。
 これまでのEUの例でも、恐らく大臣も以前御指摘をされたと思いますけれども、例えばチーズでも、ブリー・ド・モーとかあるいはカマンベール・ド・ノルマンディーでしょうか、こういったものも、やはりその地域の長い歴史の中で培われてきたものをしっかりとその地域の中で制度として、ブランドとして守っている。様々な総合的な取組、もちろんこの制度があってですけれども、様々な方々の努力によってこのブランドというものの価値が守られてきたんだろうというふうに思うわけであります。
 今回のこの法案を拝見するに、今回は、生産者団体自らがまず品質管理をする、これは一番知見を有しているという点で、この点も理解できるところであります。そして、国がその品質管理体制をチェックしていくというふうになっているわけでありまして、国自らがしっかりとそのブランド価値を守るためにアクションを起こしていくんだという点で、私は、国の役割、責任、特にこのブランドというものを、地域ブランドを守り育てていくという意味でも極めて大きいのではないかというふうに思うわけであります。
 そういった意味では、今後の六次産業化に向けての地域ブランドの確立という点では、まさに行政である農林水産省の職員の方々が、どのようにブランドというものの価値を考え、戦略的に行動するかどうかいかんに私は懸かっているんだというふうに思うわけであります。
 そのためには、これはもう地方の農政局も含めた全体としてのやはり体制づくり、そしてそこに様々なブランドというものを、これ行政でひょっとしたら今までは余りブランドを守るために何をするべきかということについての観点から仕事をする機会というのは余りない場合もあったのかもしれませんが、やっぱりそういったことに携わる職員の方々が、そういうものをどうすればいいんだ、価値を理解し、戦略を理解し、そして不正をしっかりと防止もしていくという強力な体制で行っていけるかどうかというのが私は分かれ目になっていくというふうに思うわけであります。
 特に、最初これが走り出したときに、生産者の方からすると、いや、何か自分たちのものはなぜか分からないけれどもうまく登録してもらえないとか、そういう何か声が出てきたりしてしまうと、せっかくのいい制度もうまく機能していないなと思うようになってくるわけでありまして、やっぱり公平公正、そして迅速に登録も行われ、しっかりとチェックも行われていくという、全体としての信頼が伝わってくることが極めて私はやっぱり重要だというふうに思います。
 特に、その観点から、農林水産省における体制づくりについて、大臣の御見解をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) 今お話しいただきましたように、このブリー・ド・モーは千年、ブリー・ド・モーから言わせると、それを持っていったカマンベールが二百年と、こういうことでございましたが、私が視察にお邪魔したときも、そのレギュレーターの方がインスペクターということで立ち会っていただいて、作り方も詳細にそういう方がチェックをされておられると、こういう現場のお話を聞いてなるほどなと思いましたが。やはり今委員がおっしゃっていただいたように、この制度が着実に定着して、みんながいい制度だねと活用してもらえるようになるためには、やはりその制度に対する十分な御理解、周知徹底、それから不正使用した場合は厳格に対応されると、こういうことで制度に対する信頼の確保をすることが大事だと思っております。
 周知については、やはり生産者へ申請するときはこういうふうにという助言を、支援をすると。また、小売流通業者に対して、消費者に対しても地理的表示マークの周知を行うということで、施行に向けて、法案成立の暁にはしっかりと準備してまいりたいと思っております。
 それから、不正使用への対応ですが、関連する情報を受け付けて、先ほど申し上げましたように、機動的に対応を行う通報窓口、これを設けるとともに、立入検査等の現場の対応、地方農政局や北海道農政事務所で行う方向で検討しております。
 具体的な体制については、やはりこの制度の円滑な執行のために必要十分なものにしなければなりません。したがって、この地方農政局等の職員が持っております表示監視に関する専門的知見、これをどうやって活用していくかと、こういう観点等に配慮しながら、効率的で実効性のある体制整備に向けて検討を進めてまいりたいと、こういうふうに思っております。
○堀井巌君 ありがとうございました。
 次に、この法案に関連しての質問になってきますが、今回の、農林水産物ということで、林も入っている、林という字もあります。今回、この地理的表示の保護制度によって、特に食品関係の六次産業化進めていこうという取組と相まって、この林、すなわち林業の問題についてお伺いをしたいというふうに思います。
 先ほどの山田委員からの質問でも触れられましたが、日本創成会議、大変ショッキングな予測をまた出したところであります。町が消滅すると、人口減少の相当厳しい予測も出ているわけでございます。私の地元の奈良県のそれぞれの市町村の予測も大変厳しいものであります。特に、山間部の町村の予測は厳しいものがございます。一方で、山間部の様々な例えば棚田や何かは、中山間の制度やあるいは今回成立しました多面的機能支払の制度でしっかり支えていこうという、こういうこともあるわけですけれども、何よりもそこに、それを行っていく、実行していく人がいないとなかなかそういったものも支えられないわけであります。
 先日、大臣も御案内の方でありますが、徳島県の上勝町で葉っぱビジネスをやっておられる株式会社いろどりの横石知二さん、ずっと葉っぱビジネスをリードされていた方と少し話をする機会がありました。
 葉っぱビジネス、大変有名で、日本のそういった中山間地域の中でも特に成功事例として挙げられていますけれども、私、尋ねたんです。創成会議のこういう予測が出ましたけれども、上勝町、大丈夫でしょうか、大丈夫ですよねと言ったら、横石さんの答えは、駄目だと、これだけでは駄目なんだと。この葉っぱビジネスだけでこの人口減少なり中山間地域をしっかりと、そこに若い人たちを定着させるというのはまだまだ無理なんだと。次の一手はどう考えていられるんですか、それは山を動かすことなんだというのが横石さんのお答えであります。
 私も、まさに今活用可能となっているこの森林資源をいかに活用して、そしてそこに経済的な価値をしっかり見出して、それを通じてそこに人を、若い人たちを定着をさせていくかというのは、これは極めて重要になってくるというふうに思うわけであります。
 今、直交集成板、CLTの取組とか、あるいは木材を使った新素材の開発等も昨今言われていますけれども、川上から川下までの施策をしっかりと一体的に更に行っていくことが重要だと考えますが、改めて林野庁長官にその御見解をお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(沼田正俊君) お答え申し上げます。
 昨年十二月に官邸の本部で決定されました農林水産業・地域の活力創造プランでございますけれども、ここでは、新たな木材需要の創出、国産材の安定的、効率的な供給体制の構築により、林業の成長産業化を実現するということとされております。
 私どもとしては、このプランを踏まえまして、今お話がございましたCLT、直交集成板等の新たな製品、技術の早期実用化、そして木造の公共建築物の整備等への支援、そして木づかい運動を始めとした木材の需要拡大や需要者ニーズに対応した国産材供給体制を構築する取組等の支援、また間伐等の森林施業や路網整備の推進、そして大事なのは地域の林業の担い手となる人材の育成と、こういったことによりまして持続的な林業経営を確立していくということが大事だと思っております。
 こういったように、様々な角度から、川上から川下に至る施策に総合的に取り組んでいるところでございまして、私どもとしても全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
○堀井巌君 ありがとうございます。是非とも、もうありとあらゆる知恵と施策、総動員して、川上から川下対策まで林業の成長産業化に向けた取組を行っていただきたいというふうに思います。
 日本創成会議の予測で、奈良県の、また同じ村を出して恐縮ですが、川上村という江戸時代から本当にすばらしい吉野杉を守り育ててきた村がございます。今は約千六百人の村ですけれども、こちら、人口移動が収束しない場合には、二〇四〇年には二十歳から三十九歳の女性が八人になるという衝撃的な数字が出たわけでございます。
 しかしながら、これは、何もしない、手をこまねいたままでこの数字であります。逆に、今長官がおっしゃられたような様々な施策をこれから本気でやっていく、そのことによって、この創成会議の予測はそのとおりになりますよじゃなくて、しっかりとこれで、自分たちで今の社会の現状を見て、そうならないように頑張ってほしいという期待を込めての私は予測でもあるというふうに思います。
 特に、この中山間地域においては、そういった意味でも、林業でありますとか農業、こういったものを所管されておられる農林水産省の役割というのは極めて大きい、私はそう思っています。是非とも、こういった予測を絶対に外していくんだと、そして林業がしっかりと経済的価値をまた大きく再び持つようになって、地域に活性化と、そして国土保全がしっかりと守られていく、資源循環もしっかり起こっていくんだというふうな形に持っていくんだという、そういう思いで、是非、大臣の御決意をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) 今、長官から答弁いたしましたように、大きなポテンシャルが林業にあると。山の奥へ行けば行くほどポテンシャルが大きくなるわけでございますので、そこをどうやって川上から川下までつなげていって、森を守るというのは決して木を切らないことではなくて、切って、使って、お金を森に戻していく、すなわち植林をして、リサイクルをすると、こういうことであるという木づかい運動をしっかりとやっていきたいと思っておりますし、また、昨今は、例えば「里山資本主義」という本が結構たくさん売れたり、それから私も大臣になって四作目でございますが、別に自分が作ったわけじゃないんですが、映画とタイアップがですね。四作目はまさに「WOOD JOB!」ということで、都会育ちの高校生が、緑の雇用事業をモデルにしたようなストーリーで、田舎に入っていって、そこにどんどん定着をしていくと、こんなようなストーリーでございます。
 映画がこういうふうにできる、またアニメがヒットするということは、若い層がやはり関心を持っているということの表れではないかなと、こう見ておりまして、着実にそういう層が、自然の中に入っていってやる生活について非常に大きな欲望といいますか、そういうものに対するいい感情を持っているんだろうなと、こういうふうに思っておりまして、しっかりとそれを現実の場で林業に入っていってもらうということにどうやって定着させていくか。また、林業にとどまらず、この間、農山漁村の宝と書いてむらの宝と、こういうふうに呼んでおりますが、全国から二十三件選出しまして、そういうところでしっかりといろんな取組をしている皆さんに官邸に来ていただいて、そこを伸ばしていくとともに、こういう例があるということを皆さんに知っていただいて横展開をしてもらおうと、こういう試みをスタートさせたところでございます。
 そういう方とお話ししておりますと、今からどんどんどんどん夢が膨らんでいくと、こういう気持ちになってくるわけでございまして、そういうことを現実のものとしてしっかりと施策としてサポートしていくことによって、農山漁村の活性化、しっかりと図ってまいりたいと、こういうふうに思っております。
○堀井巌君 ありがとうございました。
 大臣、副大臣、政務官、そして林野庁長官、そして職員の皆さんの役割と取組に期待を申し上げて、終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○徳永エリ君 皆様、お疲れさまでございます。民主党・新緑風会の徳永エリでございます。
 本日は、特定農林水産物等の名称の保護に関する法律案について御質問をさせていただく前に、十三日に出されました規制改革会議の二次答申について伺いたいと思います。
 大臣、七日の日に北海道の富良野に行かれたということでありまして、JAの青年部の方々と大変に熱い意見交換をしたということであります。その意見交換の際に、この新たな農政改革について、また農業委員会の見直しや農協改革についても様々意見があったと思いますけれども、現場の農業青年たちと意見交換をしてどんな話が出たのか、また一番印象に残ったことはどんなことなのか、お聞かせいただけますでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) これは政務ということでございましたが、一か月、二か月ぐらい前から予定をしておりまして、北海道へお邪魔して、是非、青年部の方、いろんな方と膝を交えて率直な意見交換したいということで、七日、八日にかけて行ってまいりまして、七日は、今お話があったように、富良野でJAの上川管内の青年協議会の皆様と意見交換を行いました。
 本当に幅広い御意見、やっておられることがそれぞれ違いますので、それぞれの立場でいろんな御意見いただきましたが、当時、ちょうど農協改革、渦中でございました。したがって、生産者とJAグループそれぞれ役割を果たしているということを踏まえて、やっぱり若い農業者が夢を持って農業に取り組めるような、現場の声をよく聞いて改革してほしいと、こういう声が強かったように思います。それから、TPPについても、やはり将来に向かって安心して、特に若い世代ですから、中長期的に見て営農していけるようなことにしてもらいたいと、こういうような意見もいただきました。
 私の方からも、まだ検討途中の状況でございましたので、農業者のためになる農協というふうになるように与党の方で現場の声を踏まえて議論しているということですので、現場の声を踏まえた与党の御議論を踏まえてしっかりといい案を作りたいと、そのときはそういう話を、今ならこの決まったやつを御説明できるかもしれませんが、その場ではそういうお話をいたしました。それから、TPPについては決議を踏まえてしっかりと交渉していきたいと、こういうお話をしたところでございます。
 やはり自分の目で確かめるといいますか、自分で行って直接お話をしますと、そのお話を字にしたときと違って、やっぱりどういう表情で話されているか、どういう口調で話されているかというのが非常によく伝わりまして、大変に有意義な意見交換ができたと、こういうふうに思っておりまして、今後も現場の声を大切にしていろんな施策に取り組んでまいりたいと思っております。
○徳永エリ君 ありがとうございます。安倍総理に聞いてほしいなとつくづく思いますけれども。あと、農業は高齢化しているとよく言いますけれども、恐らく、農業青年たちにお会いになって、こんなに若くて元気で意欲的な農業者がいるんだということを改めてお分かりになったんじゃないかと思います。
 大臣は、規制改革会議の人も現場の感情をもう少し分かっていただけると有り難いとそのときおっしゃったそうですけれども、十三日にこの規制改革会議の第二次答申が出ました。この委員会でも農業委員会の見直しや農協改革については様々な指摘がありましたが、それらを踏まえて、この第二次答申、これを御覧になった大臣のイメージをお聞かせいただきたいと思います。御感想をよろしくお願いいたします。
○国務大臣(林芳正君) やはり現場の特に青年部の皆さんとお話をしておりますと、理屈はよく分からないんだけれども、言葉でうまく言えないけれどもというのが必ず付くんですね。だけれども、自分たちは現場で一生懸命やっていると。この気持ちがやはり現場へ行くことによってよく伝わったなと、こういうふうに思っておりますが、多分、私よく言いますのは、そういう声がやはり与党の議論、議員は与野党皆さん地元に帰って接しておられますから、与党の議論というのはそういうものが反映されるんですよと、こういうことをそこでも申し上げたんですが、まさに十日に、熱心に御議論いただいた結果として、「農協・農業委員会等に関する改革の推進について」というものを与党で取りまとめていただきました。十三日には規制改革会議から答申が出たところであります。
 これらの改革は、もういつも申し上げているところですが、特に担い手農業者から評価されて、農業が成長産業化に資する、青年部の皆さんがどんどんどんどん頑張ってどんどんどんどんもうかると、こういうふうにならなければならないと思っておりまして、今後は、与党取りまとめ、規制改革会議の答申を踏まえて、農林水産業・地域の活力創造プラン、これに適切な改革の方向を盛り込んでまいりたいと、こういうふうに思っております。
○徳永エリ君 今大臣がおっしゃったように、農業青年たちがどんどん元気に仕事ができて、所得も上がって、産業として今既存の農業者の方々が頑張ることによって農業が元気になっていけばいいんですが、なかなかそれについては私たちにとっては心配なところがたくさんあります。
 今、現場の声を聞いて、現場の声を聞くことがいかに大事かというお話がありましたけれども、そこで内閣府にお伺いしたいと思いますけれども、政府がまとめた新成長戦略の素案でも国民の生活よりも大企業の利益が優先ということはもう一層明らかになったわけでありまして、今般の農政改革の目的は農業の成長産業化であって、既存の農家、農村の生産力の向上や所得の向上ではなくて、今までの農業、農村の在り方を根底から変えてしまう、変えなければならない、それが新しい道を積極果敢に切り開くというのが規制改革会議の皆さんのお考えなんではないかと私は感じておりますが、その点についていかがでしょうか。
○政府参考人(大川浩君) この度の規制改革会議からの答申の内容についてでございますけれども、確かに新規参入の方ですとか企業の方も含めて農業の成長産業化に資することを期待してございますけれども、決して既存の農業者の方をないがしろにするということではなくて、既存の農業者の方も含めてみんなで農業を底上げして成長産業化につなげていきたいというふうな思いでお取りまとめいただいたものというふうに理解しております。
○徳永エリ君 今おっしゃった方向に行くのであれば、だからこそ、この委員会の中でもいろんな議論をしてまいりましたけれども、みんなの不安や懸念をしっかりと受け止めてもらって、その思いを改革の中に盛り込んでいただくということをしっかりとやっていただきたいと思います。
 今月中にも新たな成長戦略を閣議決定するということですけれども、与党の手続の中で、今申し上げたように現場の声をもっと反映させていただきたいですし、本当にこの改革の方向性が正しいのかどうか与党の皆さんには最後までしっかりと議論をしていただきたいということを心からお願い申し上げたいと思いますし、大臣もどうぞよろしくお願い申し上げます。
 もう国会もそろそろ終わりでございますので私たちも発言する機会がありませんので、今月中にも新成長戦略が閣議決定されるということで大変心配いたしておりますので、是非ともよろしくお願い申し上げたいと思います。
 この改革の中身ですけれども、しつこいんですが、農業委員会についてお伺いをしたいと思います。
 現在の農業委員については、名誉職となっているのではないか、兼業農家が多いのではないか等の指摘がある。農業委員会の使命を的確に果たすことのできる適切な人物が透明なプロセスを経て確実に委員に就任するようにするため、選挙制度を廃止し、議会推薦、団体推薦による選任制度も廃止、市町村議会の同意を要件とする市町村長の選任委員に一元化するということなんですが、前回も申し上げましたけれども、名誉職の何が悪いのか、兼業農家が多いと何が問題なのか、そこを御説明ください。
○政府参考人(大川浩君) お答え申し上げます。
 農林水産省さんがJAや県の出先機関などを含む広い関係者を対象に農業委員会の在り方に関するアンケートというものを実施されておられまして、その調査の結果によりますと、農業委員会の活動が低調であるというお答えをされた方々にその原因は何かというふうな問いを発しておるのでございますけれども、そのお答えの中に、農業委員は名誉職になっているからということをその活動が低調な原因の一つとして挙げた回答の割合が、JAや都道府県の出先機関といった農業関係団体だけでなく農業者においても極めて高い割合となっておるという事実がまずございます。ちなみに、このお答えを挙げた方の比率でございますが、農業者の方で六三・八%、JAの方で六二・一%、都道府県の出先機関で六〇・九%と、こういう数字になってございます。
 それからまた、同じ質問に対しまして、農業委員には兼業農家が多いからということをお答えに挙げられた割合も、農業関係団体や農業者において総体的に高い割合となってございます。ちなみに、数字を申し上げますと、農業者で四一・四%、農業委員会事務局が三五・七%、都道府県出先機関が三〇・四%の方がこれを理由に挙げておられるということでございます。
 ということでございまして、そういった実態を踏まえまして、農業委員会の使命を的確に果たすことのできる適切な人物を選任することができるように、選任委員に一元化することが提言されたものではないかというふうに考えております。
 また、これに伴いまして、農業委員の過半は認定農業者の中から選任し、また利害関係がなく公正に判断できる者を必ず入れることも同時に提言されているところでございます。
 以上でございます。
○徳永エリ君 そういうアンケートの結果があったというのは分かりますけれども、だからといって、名誉職だから悪いとか、兼業農家だから悪いということではないと思うんですね。だったら、ちゃんとそこを改善するような方法を考えればいいわけであって、名誉職だから、兼業農家だから、だから駄目なんだというのはおかしいと思いますよ。
 それから、市町村長は農業委員会の過半は認定農業者の中からというふうなお話を今していただきましたけれども、それだと、認定農業者とは必ずしもその地域に住んでいて、その地域で長年農業を営んでいる人ということではないというふうにも読めるんですが、そこはいかがでしょうか。
○政府参考人(大川浩君) お答え申し上げます。
 認定農業者制度と申しますのは、農業経営基盤強化促進法に基づきまして、農業経営を営み、又は営もうとする者が作成した農業経営改善計画を市町村が認定した場合に、当該農業者が認定農業者となる制度でございます。
 市町村が認定を行う際には、農業者の作成した計画が市町村の定める基本構想に照らして適切なものであること、計画が農用地の効率的かつ総合的な利用を図るために適切なものであること、計画の達成される見込みが確実であること等の基準に基づき認定を行うこととされておりまして、同一市町村内の農地について耕作する権利を有する農業者がこれらの要件を満たせば認定農業者として認定されるという仕組みになってございます。
 今回提言されました認定農業者につきましても同様の要件であるというふうに理解してございます。したがいまして、昔からいた方には限られないわけでございますけれども、しかしながら、一方で農業委員会の業務を的確に遂行する上では、地域に精通しているという要素もまた必要というふうに考えておりまして、農業委員の過半を認定農業者の中から選任するということといたしましても、御懸念のような、農業委員が地域と関係の薄い認定農業者で埋まってしまうというふうな事態には必ずしもならないのではないかというふうに考えてございます。
○徳永エリ君 必ずしもならないかもしれないけれども、なるかもしれないわけですよ。
 選任委員は農業者の創意工夫を最大限に引き出すことに優れた人、どういう人ですかというふうにこの委員会でも伺いましたら、農地法の公正な運用、それから農地の監視、改善指導などの実務に精通した者、あるいは農業者の創意工夫を最大限引き出してNPOなどほかの団体ともうまく連携していける人で識見を有する人という御答弁でした。認定農業者以外の選任委員も特に地域との関わりのある人ではなくてもいいということですよね。
 そうなると、つまり、農業委員会という名は残っても、その構成は今までと全く違う人たち、必ずしも地域の農業者の代表が農業委員に選任されるということではないという理解でよろしいのでしょうか。
○政府参考人(大川浩君) 先ほど来申し上げておりますように、その地域に以前から居住され、あるいは耕作されている方ということを要件としているわけではございませんので、農業委員に選任される方の中には確かに比較的新規の方も含まれる可能性はございます。
 ただ一方で、答申におきましては、農業委員の選任に際しまして事前に地域からの推薦、公募等を行えるということも併せて提言されておりまして、そういうことも併せ考えますと、先ほど申しましたように、必ずしも地域との関わりが少ない人ばかりが選任されるというようなことにはなかなかならないのではないかというふうに考えております。
○徳永エリ君 非常に曖昧なんですよ。いっそのこと、はっきりした方がいいんですよ、はっきりした方が。ですから、はっきりと、地域に住み着いている、地域のことを熟知した農業者の代表を農業委員にするんだと、この代表制を担保するということをはっきりすればいいんです。はっきりしてほしいということをお願いしたいと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(大川浩君) 答申におきましては、先ほど来答弁申し上げていますように、認定農業者あるいは経営等に精通した方という要件でございまして、御理解賜りたいと思います。
○徳永エリ君 繰り返し申し上げますけれども、農地のことだけではなくて、もう農村のこと、農家一戸一戸のことをよく分かっている方が今まで農業委員をしていたわけですね。あらゆる相談を受けて、地域に貢献してきた方々ですから、やはり農業そして農村地域をしっかり守っていくという観点からは、農業者の代表が、地域に住み着いた農業者の代表が農業委員になるということは非常に重要ですから、選任される委員の中にそういう人がしっかりと入る仕組みを担保していただきたいということを繰り返しお願い申し上げたいと思います。
 そして、地域の代表で構成された農業委員会が持つ意見の公表、建議、諮問、答申の機能は、地域の農業者の声を農業の施策に反映させるためになくてはならない機能だというふうに考えます。
 法定化されている意見の公表、行政庁への建議が維持されなかったら、個々の農家の声を誰が行政に届けるのですか。農家の声を施策に反映させるためにも行政庁への建議は維持すべきと考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(大川浩君) お答え申し上げます。
 農業委員会につきましては、遊休農地対策や転用違反対策に重点を置きまして、これらの業務の積極的な展開を図るべく、行政庁に対する建議等の業務を農業委員会等に関する法律に基づく業務からは除外するということが提言されております。
 ただ、これはあくまでも法律に基づく業務としては除外するということでございまして、法律に基づかずに農業委員会が行政庁に対し言わば任意で意見を提出することにつきましては、これは特に法律の根拠がなくても可能であると思われますし、それから行政庁の側から見ますと、行政庁は農業委員会のみならず幅広く農業関係者から意見の提出を求めることも可能というふうに考えておるところでございます。
○徳永エリ君 だとしたら、その法律に基づかなくする意味が分からないんです。このままで全然問題ないと思うんですけれども、建議ができるのであればこのまま法定化されていてもいいんじゃないでしょうか。いかがですか。
○政府参考人(大川浩君) そこは農業委員会の御負担を幾らかでも減らす、少しでも減らすべく法律に基づく業務としては除外するという御提言をいただいたものと理解しております。
○徳永エリ君 何だかはっきりしない、自信のない御答弁ですけれども、大丈夫なんですか、それで。もしそれが正しいと思うんだったら、堂々と答弁してください。よろしくお願いいたします。
 先ほど山田委員からもお話がありましたが、農協改革についても、私は北海道ですから北海道をひいきするわけではありませんけれども、北海道の町村では、総合事業の維持、そして准組合員の利益の適切な保護ができなければ、本当に地域のサービス、ライフライン、これに様々な影響がある、この委員会でも申し上げました。もし影響があった場合に、あるいはどんな影響があるのか、影響があった場合にはどう対応していくのかということが具体的に何も示されていないんですね。ですから、内閣の方に来ていただいてお話を聞くと、北海道は大丈夫です、変わりませんからと言うんですけれども、なぜ大丈夫なのか、なぜ変わらないのか、全く分からないんですね。ですから、まずは、しっかりとどんな影響があるのかということを調査をしていただき、それにどう対応していくのかきちんと御説明をしていただいて、納得をさせていただきたいというふうに思います。
 地域の単協もそうですけれども、信用事業と経済事業を切り離すことによって単協の活性化につながるというふうにおっしゃいますけれども、これ、やっていけないというところもたくさんあります。そこもしっかりと調査していただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
 今後どう対応していくのかということも非常に重要でありますので、是非、大臣もしっかりチェックをしていただきまして、この農政改革や規制改革会議の答申について本当に大きな不安を抱いている方がたくさんいて、もうこんなに先が見えないんだったらやめてしまおうかという、そういう動きがどんどん起きてくるという状況にもありますので、是非ともしっかりと対応していただきたいということを重ねて重ねてお願い申し上げたいと思います。よろしくお願いいたします。
 続いて、特定農林水産物等の名称の保護に関する法律案について伺います。
 平成七年に我が国がWTOに加盟した際に、我が国は、WTO設立協定の附属書であるTRIP協定を批准していましたが、それから二十年たっています。随分と時間が掛かっているわけですが、なぜこんなに時間が掛かったのか、そしてなぜ今、今般の農林水産物・食品の地理的表示保護制度を導入するための法律が提出されるに至ったのか、その経緯を御説明ください。
○政府参考人(山下正行君) お答え申し上げます。
 地理的表示保護制度は、品質やブランド価値など、我が国の農林水産業の強みを生かすものとなることから、先生御指摘のように、大分前から、十年以上前から制度導入に向けまして断続的に検討を進めてきたところでございます。
 この制度につきましては、我が国に新しい知的財産を創設するものであること、また商標制度など既存の法制度との調整を行う必要があること、こういうことからこれまで政府部内での成案を得ることがなかなかできなかったというところでございます。このような状況の下、攻めの農林水産業を展開し、農業、農村全体の所得の倍増を図る上で、我が国の農林水産業の強みである品質やブランド価値を守ることにつながる本案の取組はその一助になるというふうに考えております。
 そういうことと、それから、昨年六月になされました衆議院の農林水産委員会の決議におきましても、これは輸出拡大に関する件の決議でございますが、その中で全会一致でこの地理的表示の導入が求められたということ、そういう経緯もございます。
 こういったことを踏まえまして、関係省庁等との間で精力的に調整を行いましてようやく法案の提出に至ったという、そういう経緯でございます。
○徳永エリ君 地域名と商品名から成る商標がより早い段階で商標登録を受けられるようにし、地域のブランドの育成に資するために、平成十八年四月一日に地域団体商標制度が施行され、既に地域商標という形で登録している団体も各地で現在五百件以上、そのうち農林水産物・食品が三百件近くを占めているわけです。
 この地域団体商標制度と本制度との違い、また商標との整理をどうしていくのか、御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(山下正行君) 先生御指摘のとおり、産品の名称を国が登録し、その表示等の不正使用を防止する措置を講ずる制度として、既に商標法に基づく地域団体商標制度というのは存在しているわけでございます。しかしながら、この地域団体商標制度では、商標登録の際、産品の品質基準の登録、その品質の確認までは求めておらず、言わば一定の品質基準を満たすものを保護するという、そういった制度にはなっていないところでございます。
 また、地域共有の知的財産である地域ブランド産品の適切な活用を図るためには、一定の品質基準を満たす地域内の生産者であれば誰でも地理的表示を使用可能とすることが望ましいわけでございますけれども、地域団体商標制度は登録権者にのみ商標使用を認める制度でございまして、そういったものに対応するものとなっていないという状況にございます。
 このような状況の下で我が国の農林水産業の強みである品質やブランド価値を守り、攻めの農林水産業を展開していくためには、地域ブランドをより強力に保護していくための制度が必要である、こういう考え方から本制度を導入したというものでございます。
○徳永エリ君 ありがとうございます。
 法案の二条の中で特定農林水産物等の定義がありますが、特定の場所、地域又は国を生産地とするものであること、そして品質、社会的評価その他確立した特性が生産地に主として帰せられるものであるということになっていますが、何かよく分からないんですね。もう少し分かりやすく、具体的にどういうものが登録の対象になるのか、御説明いただきたいと思うんですが。
 それから、例えば、大臣、伊勢市の赤福餅、有名ですよね。これは北海道の名寄市の風連地区のモチ米と北海道の小豆で実は作られているんですね。お菓子も対象になるという話でしたが、地域名称と原材料の産地が違うと。それから、この原材料が輸入品であってもこの法律ではよいということのようですが、だとすれば、農林水産業の収益性や農家所得の向上という点ではちょっと問題があると思うんですけれども、この点はいかがでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) この特定農林水産物等の定義でございますが、国際的な制度の調和の観点を踏まえて特定の生産地と結び付いた産品であるということを求めておりますが、農林水産物等に特性を付与する行為が定められた生産地で行われていれば、必ずしも全ての原材料が現地のものである必要はないということにしております。
 よく引き合いに出されますヨーロッパは二つあるんですね。原料から最終のところまで全部そこでやっているのが赤だったかな、それから一部やっているのが青というふうに、二つやっております。
 ですから、考え方としては、最初からこの二つでスタートするという手もあったんですが、初めて入れますので、余り最初からやりますと混乱もしてはいけないということで、シンプルに両方を一つの制度として幅広い生産者が利用できるというふうにしたところでございます。
 したがって、じゃ、何が結び付きということになるのかと、こういうことですが、その地域の特別な気候、風土、土壌を活用している、その地域で育まれた品種の産品である、その地域に根差した伝統的な生産方法で生産されていると、こういうことを総合的に勘案して判断すると。こういうふうになっておりまして、具体的な内容は、法案成立の暁には、この基準を定める過程でしっかりと検討をしてまいりたいと、こういうふうに思っております。
 したがって、先ほど申し上げましたように、原材料が現地のものである必要はないわけですが、どこかでそこの地域と結び付きがなければいけないと、こういうことでございます。
○徳永エリ君 それから、第四条の第一項、登録標章について伺います。
 登録された特定農林水産物等又はその包装等に地理的表示を付する場合には、当該地理的表示が登録された特定農林水産物であることを示す登録標章を同時に付さなければならないということなんですが、お手元に皆さんにペーパーを配らせていただきましたけれども、北海道の食品に関するマークの例、これごくごく一部なんですね。北海道で暮らしている私も、この一番左上の北海道というマークしか知りません。全くこれ認知されていないんですよね。(発言する者あり)私知りません。こういうマークがとにかくたくさんあって、本当に消費者の皆さんにきちんと認知をしていただかないと、何が何だか分からなくて混乱してしまうんですね。
 ですから、まずはインパクトのある、もうこれだというロゴマークを作成すること。そして登録を促すためにも、消費者が安心して選ぶことができるためにも、さらには制度の認知度を上げていくこと、着実に制度を定着させること。そしてそのためには、メディア等の活用も含めて積極的な取組、必要な予算、人員の配置、この制度の必要性を多くの人が認知できるように、そして農家、生産者、地域、ひいては国の利益となるようにしっかりとした制度にしていただきたいと思いますが、最後に大臣のお言葉をお聞きして、結びたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) おっしゃるとおりだと思います。この制度の趣旨の実現のためには、やっぱり消費者がこれだというふうに認識できるだけでなくて、強くアピールするロゴマークというのが重要であると思っております。今度は、この法律を通していただければ、このマークを悪用すると処罰の対象になるという意味ではかなりそういうかちっとした制度になるんではないかと、こういうふうに思っておりまして、そういうことも含めて、先ほど来申し上げておりますように、制度の周知徹底、それから不正使用があった場合にはちゃんと罰せられると、その双方でしっかりと生産者、消費者の利益につながるようにやってまいりたいと思います。
○徳永エリ君 ありがとうございました。終わります。
○小川勝也君 引き続きまして、民主党の小川勝也でございます。
 地理的表示を利用して攻めの農政を展開し、農村地域や農家の方々の所得を増やしていく、その理念については賛成であります。考え方の一部違いなども含めて後ほど質問させていただきますが、今日はいきなり珍しい話題から質問させていただきたいと思います。ネオニコチノイド系農薬についてお伺いをいたします。
 水田、稲作の育苗などに使われているというふうに承知をしておりますが、この系農薬が生態系に大変大きな影響を及ぼしているのではないかという、そんなお話がございます。特に蜜蜂を中心とした蜂に影響が及んでいるのではないかということで様々危惧しておられたり、あるいはこれは大変ゆゆしき事態だというふうに警告を発しておられる団体もあるようでございます。まずは農水省にお伺いをいたしますけれども、このネオニコチノイド系農薬はどのような形で日本列島の中でいつから使用されている農薬でしょうか。
○政府参考人(小林裕幸君) ネオニコチノイド系農薬について御説明を申し上げます。
 我が国では、ネオニコチノイド系農薬というのは七つの成分が登録をされております。登録されております年次で申し上げますと、一番早いのが平成四年、それから平成七年、平成十三年、十四年、こういった時期から登録が始まっているということでございます。
 それから、利用目的ですが、野菜、果樹など多種類の作物に使用ができますが、特に稲作においてカメムシの防除に主に使用されているという状況になっております。
○小川勝也君 続いて、環境省に来ていただきました。私が冒頭申し上げましたように、このネオニコチノイド系農薬が使われるようになってから生態系に変化があったのではないかという市民団体や様々なグループからの警告があるやに私は承知をしております。環境省としてはどのように把握しておられるでしょうか。
○政府参考人(小林正明君) ネオニコチノイド系農薬、これにつきましては、蜜蜂あるいは野生生物への影響がどうかと、こういうことにつきまして、欧州委員会では蜜蜂群の減少にネオニコチノイド系農薬が関与しているのではないか、こういう懸念から一部こうした農薬の使用制限がされているというふうに承知をしております。
 環境省としましては、欧州と我が国ではまた今の農薬の使用状況、それから自然環境の状況も異なりますので、我が国におけるネオニコチノイド系農薬の野生生物への影響、これを実態を把握する必要があるのではないかというように考えているところでございます。
 具体的には、本年度、ネオニコチノイド系農薬の普及状況や使用方法から想定される環境中の予測濃度を出します。一方で、水田環境のごく普通種でございます、特にまた環境保全を考える上で重要だとされておりますトンボなどへの毒性を調査をいたしまして、これらを見合わせた上で、トンボなどの生息に及ぼす影響がどうかと、こういうことにつきまして検討することにしているところでございます。もし、この結果、トンボ等の野生生物の生息に深刻な影響を及ぼしている懸念があるというようなことが出てまいりますれば、これは農林水産省さんとも連携をして必要な対応を考えていきたいというふうにしているところでございます。
○小川勝也君 後に触れますけれども、私たちの国の例えば農産物を輸出頑張りましょうということでございます。なぜ高価な私たちの国の農産品を求めるかといいますと、おいしくて美しいというのはあるんですけれども、一番大事なのは安心ということでありますので、生態系に影響を及ぼすような農薬の使用はできれば少ない方がいいわけでありますので、そのことは後にまた触れたいというふうに思っています。
 特に、ここにおられる皆さんは、多分、田んぼの生き物などというのに物すごく思い出がある方々ばかりだと思います。私もその一人でありますが、生態系は大事であります。少なくなったり消えた生物が少なくないわけでありまして、例示をいたしますと、蛍、ドジョウ、メダカ、ナマズ、少なくなったのはスズメ、蜂、コオロギ、トンボ。これは一つは、いわゆる土からコンクリートに変わったという、様々な用水路や排水路の施工のやり方が変わったということが一つであります。そしてもう一点は、圧倒的に農薬の影響であります。
 私は、上川管内、大臣が先ほどお尋ねをいただいた上川管内北部の生まれでございまして、小さな町の市街地の生まれでありました。後背地には水田がありまして、私が子供の頃は、すなわち昭和四十年代前半、私の家の座敷の窓から蛍が光って見えたと、これぐらいの環境でありました。今、蛍を復活させたいということで、移殖をしてまたトラブルを招いているなどという時代になっているようであります。
 生物の多様性はまさに重要でありますので、ここでコオロギやトンボが、蜂がいなくなったのを諦めずに、科学技術立国でもありますので、様々な原因を究明して、様々な生物との共生を得つつ、安心、安全の農産物を作る我が国になっていく、これは大事なことだろうというふうに思います。
 とりわけ、ネオニコチノイド系農薬について、今後、農林水産省として環境省としっかり連携をして注視、ウオッチしていただきたい。そのことについて御答弁をいただきたいと思います。
○政府参考人(小林裕幸君) まず、一般論で申し上げまして、農薬の生態系への影響につきましては、今御指摘いただきました最新の科学的知見を踏まえて環境省において評価を行っておられます。それに基づきまして農林水産省が農薬を登録するという仕組みになっております。
 現在、今お話しのネオニコチノイド系農薬等につきましては、環境省で残留性だとか浸透移行性、そういったものの生態系への影響について検討、調査が行われているということでございます。農林水産省としましても、環境省の調査、検討を十分踏まえて、防除効果への影響はどうか、人や生態系への影響など総合的に見て、しっかり連携した対策を取っていきたいというふうに考えております。
○小川勝也君 生産性を上げるということは大事ですけれども、農薬の使用については世界で最もナーバスな国を目指したいと私は思っておりますが、大臣の見解はいかがでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 今、まさに局長から答弁いたしましたように、しっかりと環境省の調査、検討を踏まえまして、この対策を検討したいと思っております。
 衆議院でも同じような御指摘を、鷲尾先生だったと思いますが、やっぱりいただいておりまして、養蜂業者の皆さんからも直接意見を聞こうということで、そういうこともしながら今検討しておるところでございますので、輸出をしていこうということを一生懸命、先ほど小川委員おっしゃっていただいたようにやっていくわけですから、日本の農林水産物またその加工食品は安心、安全であるという一つの大きなブランドの価値をしっかりと守りながらやっていきたいと思っております。
○小川勝也君 しっかりとお取組をお願いをしたいと思います。
 さて、本法案でありますが、いきなり提案理由のところから私は提起をしたいと思います。我が国の農林水産業、農山漁村を取り巻く環境は厳しさを増しており、これを克服し、本来の活力を取り戻すために攻めの農林水産業を展開することが喫緊の課題となっております。一見何のことない文章でありますけれども、私は先日、当委員会で島根県の中山間を訪れました。厳しい中山間、それから先ほど徳永委員と大臣とのやり取りの中で、北海道農業の特性については何度も何度も大臣にお話をさせていただいております。いわゆる首都圏に売れる強い生産物、海外に輸出する農作物を作る農業ばかりではありません。でん粉の原材料となるようなバレイショ、あるいは砂糖の原材料となるようなてん菜、あるいは小麦粉になる小麦、これはすなわち一義的に競争力を持たないものを作る農業であります。ですから、攻めの農業だけで日本の農業が成り立つわけではありません。
 ですから、そういう特色のあるしっかりとした守っていかなければならない農業、それから、再三申し上げさせていただいていて恐縮ですけれども、攻めがなかなか難しい中山間や条件不利地域、こういった農業にはしっかりと施策があって、なおかつ攻めの農業であると。ここはちょっとこだわりたいところでありますので、大臣にも御同意をいただきたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) 同意を申し上げますと言えば答弁終わってしまうのかというと、そうでもないと思いますので。これは小川委員と何度もやり取りさせていただいて、車の両輪であるということを申し上げてまいりました。したがって、この産業政策と地域政策というのは、やはり両方回っていかなければ車は先に進まないという意味で非常に地域政策は大事だと、こういうふうに思っております。
 本制度ですけれども、この制度は、一義的には今おっしゃっていただいたように攻めていこうと、ブランド化しようと、こういうことでありますが、例えば今中山間地のお話がありましたけれども、前もお話ししたかもしれませんが、魚沼産のコシヒカリというのは棚田でしかできないと、こういうところもあるわけでございまして、むしろ、私の地元もそうですが、中山間地の方が平たんなところよりも地理的な特性という意味ではいろんなバラエティーがあるなと。こういうことも一方で言えるところがございまして、そういうところを、逆転の発想といいますか、活用して、地理的特性ということでこの制度を御活用いただくのも一つあるのかなと。こういうふうにも思っておりますので、地域政策とこの産業政策というのは車の両輪だと、こういうふうに申し上げておりますが、どこかの地域でこちらをやったらこちらはやらないということではもちろんなくて、両方、車の両輪としてしっかりと併せて中山間地域も含めた農山漁村の活性化、つなげてまいりたいと思っております。
○小川勝也君 さて、この特定の名称の届出でありますけれども、徳永委員からも指摘がありましたけれども、いまいちぴんとこない部分があります。例えば、諸外国で商標登録を乱発をして日本の地名を、その国の中ではありますけれども、がっつり登録をしたような国があります。その国は多分WTOに加盟をしていないというケースがあるんだと思います。
 今回この法律が成立をして、いわゆる特定の名称等が法律によって保護されるようになったときに、そういった部分では今までとこの法律が仕上がった後ではどのような変化があると考えられるのか、教えていただきたいと思います。
○政府参考人(山下正行君) 本法案が成立した暁には、この地理的表示の保護制度というのができます。これは登録がされますと、その表示とそれから統一のマークが付けられるということになるわけですけれども、これはあくまでも国内の法制度でございまして、それをもって直ちに海外においてそれが効力を発するというものではございません。
 ただ、先ほども申し上げましたけれども、この統一マークを輸出先国で商標登録することによりまして、その他のものとその輸出先国で差別化できるということで、その点がこの法律ができると違いになると思います。
○小川勝也君 できてみなければ分からない部分もたくさんあるんだと思いますけれども。
 裏話で、この法案を作るまでの間にいわゆる担当の皆さんが大変御苦労されたという話を伺っております。大変御苦労いただいて、多分この後この法案が成立する運びになろうかと思いますけれども、一体どのくらいの期間でどのぐらいの件数の登録が見込まれるというふうに腹積もり、皮算用しておられるのか、こっそり教えていただきたいと思います。
○政府参考人(山下正行君) お答え申し上げます。
 この登録の申請についてでございますけれども、地域の生産者のこれは発意によるところでございますので、現段階において具体的に何件というようなことを予想することはなかなか難しいんじゃないかと思っています。
 ただ、個別の案件について、その産品の特性、品質が際立っていることとか、それからその産品の名称が多くの物産展を通じて広く浸透しているとか、こういったような点があれば申請の段階でもアピールできるかと思います。
○小川勝也君 徳永委員も私も北海道で、北海道はやはり名前そのものが相当ブランドが強くなってきていると思いまして、我々も、今法案でロゴマークもいただき、ブランドが強くなって輸出促進などに期待をするものでありますけれども、例えば北海道ではどんな登録申請のイメージをお持ちなのか、重ねてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(山下正行君) お答え申し上げます。
 北海道におきまして、今、農林水産物・食品で地域団体商標の登録を受けているものが二十三件ございます。こういったものが登録の申請をしてくるのかななんというようなことを思っておるんですけれども、ただこれは、登録の申請を待ってその要件に合致するかどうかを審査しなければそれは何とも言えませんので、先ほど申し上げましたけれども、この北海道の農林水産物・食品につきましては、やはり品質、特性が際立っているとか、北海道というブランドで物産展等で広くブランドが浸透しているということもございますので、その辺をしっかりとアピールしていただければいいのかなというふうに考えております。
○小川勝也君 余り答弁になっていなかったけれどもね。
 それで、輸出は、これは我々が政権だったときも一生懸命やったつもりであります。
 それで、お伺いしたいんですけれども、先日も総理が当委員会にお見えいただいたときに、第一次安倍政権で米の輸出で一俵八万円で売れたと言いました。それから、この間大臣が行っていただいた上川地区の当麻町というところは北海道で最も米がおいしい場所だというふうに言われています。ある国から、当麻のお米、一俵六万円で買いたいと、こういうお話もいろいろありました。
 それで、輸出のルールを調べましたら、いわゆる虫等がやっぱり国内に入ることを嫌がって、薫蒸処理して送ってくれと、こういうふうに言われているんですが、調べましたら、昔も今も薫蒸施設は神奈川県にしかないんですよ。これをもっといろんなところに薫蒸施設を、民間なのか国なのか分かりませんけれども、こさえて、やっぱりもっと輸出をするスタート地点を高めていかないと輸出できないんだと思いますが、この米の薫蒸施設と攻めの農業について、輸出促進についていかがお考えでしょうか。
○大臣政務官(横山信一君) お答えいたします。
 今、御質問で紹介していただいたとおりでございまして、中国への米の輸出に当たりましては、中国と取り決めました検疫条件によりまして、指定精米工場での精米及び登録薫蒸倉庫での薫蒸を行うことが必要になっております。現在、指定精米工場は一か所、神奈川県、先ほど御紹介いただいたとおりでございます。また、登録薫蒸倉庫は二か所ございます。
 このため、農林水産省としましては、中国向け輸出に意欲のある米生産者が各地において継続的に米輸出に取り組むことができるように、平成二十二年度からこれまでの間、二十六か所の精米工場及び三十八か所の薫蒸倉庫に対して施設の指定、登録に必要な調査について支援を行ってまいりました。しかし、しかしといいますか、中国への米の輸出ができるようにするためには、中国側の検疫条件に即したものとなるように確認を受ける必要がございます。農林水産省からは、中国政府に対しまして検査官の派遣等を再三要請を行っているところでございますが、今のところ、まだこれに対しての具体的な対応がないという状況にございます。
○小川勝也君 総理大臣が、攻めの農業だとか輸出だとか、いわゆる大所高所からどんどん言えばいいと、これはいいんですよ。それはやっぱり、必要な施策をしっかり政府、内閣一体となってやっていかないと、総理大臣に恥かかせることになりますよ。攻めの農業だ、輸出だと言っていて、お題目だけ唱えて輸出が全然進んでいないということじゃないですか。やっぱり必要な施策を一つ一つ積み重ねていく、これが大事だと思います。
 次に、これも継続の案件ですが、牛肉の輸出。日本の和牛は、これはもう世界の人が憧れるおいしさだというふうに言われています。とりわけ、私が関係した例でいいますと、ロシア、ベトナム、メキシコ、これはもう特に注目をし、話合いが進んできたというふうに言われています。ロシアについては、農林水産省の職員がロシアの在日大使館に、モスクワに赴任をして話を途中まで進めたところまで私は確認をしています。それから、ベトナムについては、ベトナムに輸出するけれども消費地はベトナムじゃないかもしれないと、こういう怪しい情報もありますけれども、それは知ったことじゃありません。高いお金で買ってもらえればいいわけでありまして、そういう意味でいうと、やはり高級なものでブランド化で高い付加価値のものしか売れないわけでありますので、これもいわゆる生産者にお金が入るように輸出促進することは、我々は応援をさせていただきたいと思います。
 牛肉の輸出、とりわけ私が今例示した国については、今どういうような交渉状況になっているのか、お伺いをいたしたいと思います。
○政府参考人(佐藤一雄君) お答えいたします。
 牛肉の輸出でございますが、平成二十二年が五百四十一トンでございましたが、平成二十五年は九百九トンというような数量になっております。
 そこで、昨年八月二十九日に公表いたしました牛肉の輸出戦略におきまして、平成二十四年に五十億円であった輸出額を平成三十二年までには二百五十億円まで拡大するとの目標を設定したところでございまして、この目標を設定するためには、まず一つといたしまして、現在、牛肉の輸出が可能な国に対しての輸出を更に拡大するということと、先生御指摘のように、現在、牛肉を輸出できないが、日本産牛肉への需要が見込まれるロシア等への検疫協議を進めていくことが重要というふうに考えているところでございます。
 これまで鋭意検疫当局の方で協議を行ってきた結果でございますが、メキシコにつきましては、今年の二月に牛肉の輸出が解禁されたところでございまして、五月二十八日にメキシコにおきまして商談会を開催したところでございます。また、ベトナムにつきましては、本年三月に輸出が解禁されたところでございまして、この七月末にベトナムにおきまして商談会を開始する予定というふうに相なっているところでございます。なお、ロシアとの検疫協議でございますが、現在、輸出戦略上の有望市場として優先的に取り組んでいるところでございまして、早期の輸出解禁に向けて引き続き粘り強く対応することとしているところでございます。
 以上でございます。
○小川勝也君 今、商談会という言葉がありました。これ、輸出入は一義的には民間の取引になろうかと思います。しかし、取引には当然リスクが付き物でありますので、リスクが余りにも大きくてメリットが小さいと、輸出戦略も絵に描いた餅になっていくわけであります。交渉の途中までは、やはり政府対政府の話というのが非常に重要だと思っているわけであります。
 とりわけ、相手国の水際問題、例えば関税なのか保税なのか検疫なのか分かりませんけれども、例えば生鮮食料品を輸出をしたはいいけれども、港で足止めを食うなんということがありますと大変高いリスクであります。中国に様々なものを輸出したいという方々からいろんな相談を受けるわけでありますけれども、一番のネックはそこにあるわけであります。
 大変難しい交渉になろうかと思いますけれども、輸出の拡大を訴えるならば、一つ一つその困難な糸をほどいていくという作業が大事だと思います。特に、やはり外交のフロントに立っていただくのは我が国の外務省になろうかと思いますけれども、輸出促進を目指す農林水産省と担当する外務省との間でしっかりとした協議が進められているのか、そして今後どういうような抱負をお持ちなのか、御答弁をいただきたいと思います。
○大臣政務官(横山信一君) 農林水産物の輸出に当たりましては、輸出相手国側の食品安全、動植物検疫といった専門的な条件があるわけでございます。こうしたことのために通関時にトラブルが生じることがございます。このトラブルを回避するために、我が国唯一の貿易促進機関でございますジェトロを農林水産物・食品の輸出に関する情報窓口としてワンストップサービス化を推進することとしております。
 今後は、オールジャパンの輸出促進の司令塔として輸出戦略実行委員会を設置する中で、御指摘のあった外務省や経済産業省を始め関係府省と連携しながら、輸出環境の整備などを進めることにより農林水産物・食品の輸出拡大に取り組んでまいります。
○小川勝也君 御努力をしていただいていることもよく承知をいたしております。
 大変多くの話題がこの委員会を取り巻いておりましたので、多くの話題というのは、先ほど来議論になっております規制改革の話、それから何といっても一番大きいのはTPPの話であります。しかし、実は日豪EPAの話も影響が大変心配であります。牛肉の関税が一九・五%、あるいは冷蔵、冷凍ということで御努力と工夫をいただいたのは私もよく承知をしております。
 北海道の酪農家が一番心配しているわけでありますけれども、逆に、北海道の酪農家がここ数年来楽しみにしていたのは乳製品の輸出であります。これも政府の大変重要な戦略の一つであるかと私も認識をしているところであります。ヨーロッパのチーズが有名なわけでありますけれども、私たちの国でチーズがどのように口に入るようになったのか。先ほどカマンベールの話も出ましたけれども、カビやあるいはブルーチーズなどというのは大人になってから皆さん食べたはずだと思います。そういったように、アジア市場には、日本がチーズ文化にどう親しんできたのかという歴史が一番マッチしているわけでありますので、日本のチーズがアジアにどんどん輸出されるようなことが私は望ましいのではないかと思いますが、乳製品の輸出について、今後の取組について御答弁をいただきたいと思います。
○政府参考人(佐藤一雄君) お答えいたします。
 乳製品の輸出に当たりましては、御指摘のように、輸出先国の消費者ニーズや流通事情等、これを踏まえて行っていくことが重要と考えておるところでございます。とりわけチーズにつきましては、台湾、香港、韓国といったアジア諸国を中心に輸出を行っているところでございまして、その主体はプロセスチーズでございまして、平成二十三年度、百五十トンの輸出があったわけでございますが、二十五年度はその倍の三百トンというような数量に相なっているところでございます。
 他方、近年はこのプロセスチーズ以外にナチュラルチーズの輸出もプロセスチーズの輸出とともに増加しておりまして、輸出量でございますが、二十三年、五十六トンでございましたが、二十五年度は六十三トンといったような状況に相なっているところでございます。
 いずれにいたしましても、御指摘のように、こうした現地での需要をつかむために、農水省といたしましても、国別マーケティング調査や現地の輸入業者等とのマッチングの場、先ほど申し上げました商談会でございますが、こうしたものの設置を支援しているところでございまして、こうしたことによりまして今後とも乳製品の輸出促進に努めていきたいと、このように考えておるところでございます。
○小川勝也君 冒頭申し上げましたように、多様な農業を大事にしつつ、攻めの農業も応援をしたいというふうに思っています。しっかりと農家の所得が増えるように、政府として必要な施策を打っていただきたいと存じます。そんな中で、冒頭申し上げましたように、諸外国に輸出するに当たっては、私たちの国の農産物がおいしくて見栄えが良くて、なおかつ安心、安全だということでございますので、その御努力も引き続きお願いをしたいと思います。
 この法案が成立した暁には、適時適切な時期を決めて、当委員会でその後の進捗、特にこの法案については登録の数だとか運用などお伺いをしなければならない内容だと思いますので、そのことも議事録に残させていただいて、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○平木大作君 公明党の平木大作でございます。
 本日は、議論させていただきます特定農林水産物等の名称の保護に関する法律案、この攻めの農林水産業を掲げまして日本の農林水産物の高付加価値化に取り組む上で、地理的名称を知的財産としてしっかり登録し、また国が保護していくと、大変重要な制度であるというふうに思っております。私、今日はこの議論を開始するに当たりまして、この地理的表示、日本の地理的表示というのは、実は我々が思っている以上に大きなポテンシャルがあるんじゃないか、このことをまず一つ指摘をさせていただきたいというふうに思っております。
 卑近な例になってしまうんですが、三年前、二〇一一年、私は仕事の関係でインドネシアのジャカルタに三か月間暮らしていました。インドネシアという国は大変親日的な国でありまして、好きな外国をアンケート調査すると日本が一番最初に出てくる、日本製品の市場シェアも自動車ですとか家電ですとか様々なものが上位に並ぶ国であります。
 この大変親日的な国で私が三か月暮らしまして、でも一番驚きましたのは、実は、ショッピングモールにあります食料品売場に行ったときに、総菜パン、調理パンの売場がありまして、チョコレートパンですとかあんパンみたいなものですとかいろいろ並んでいるんですけれども、そのパンの名前が、あんパンの下にハラジュクと書いてあり、チョコレートパンの下にシンジュクと書いてありという形で、実はいろんな日本の、山手線のどうも駅名から取ったんじゃないかと思うんですけれども、地名が書いてあるんですね。それは別に一か所ではなくて、実はいろんなところのショッピングモールへ行っても同じようなことが起こっておりまして、特に隣に説明が付いているわけでもありません。ただ、そのくらいに、神戸ビーフのように、いわゆる地名と地理的表示とその食品がしっかり結び付いて知れていると。これはもう当然のことなんですけれども、実は日本のその他の地名ですとか地理的表示に関しても、食品とまだ結び付く前の段階から、例えばアニメですとかテレビドラマですとかファッションですとか、様々なものと一緒にもう既に流布をしているということがございます。
 ですから、日本の大変品質の高い農林水産物と、もう既にある程度のブランドイメージですとか、こういう非常に好印象を確立している地理的表示といったものを組み合わせていくことによって更に力強い推進力になっていくんじゃないかな、このように思っております。ですから、この制度をどんどんどんどんこれから拡充をさせて、是非、まだスタートの段階ではありますけれども、にらんで取り組んでいただきたいというふうに思うわけでありますけれども。
 同時に、この法案について、私が初めて御説明をお伺いしたときにまず最初に感じた印象というのは、大変分かりにくいなということを正直に思ってしまいました。これは再三、今日の議論の中でも御指摘ありますけれども、やはり商標権との関係で、どっちがどっちなんだと、二つ、何かダブルスタンダードになってしまうんじゃないかというような懸念があるのかなというふうに思っております。やはり制度は使われてこその制度であるというふうに思っておりまして、その中でも、いわゆる制度としての分かりやすさ、利用のしやすさというのは大変重要な要素だなというふうに思っております。
 そこで、まず最初の質問に移らせていただきます。ちょっと通告の一問目を飛ばしまして二問目からお伺いしようと思っております。制度の立て付けでありますけれども、商標権の下で、地域団体商標制度、もう既にあるわけでありまして、一つの考え方として、この既にある制度を発展させる形でそもそも一本化できなかったのか、こういった議論って農水省の中でもなかったのかどうか。
 あわせまして、やはり使われてこそということでありますので、結局今回は二つの制度が同時に走るということになるわけでありますけれども、もう既にこの商標法の下でブランドを確立している農産品、たくさんあるわけですけれども、この生産者から、この制度もしっかり使っていきたいんだと、このような声というのは農水省に届いているのかどうか、この二点について御確認をさせてください。
   〔委員長退席、理事山田俊男君着席〕
○政府参考人(山下正行君) お答え申し上げます。
 一本化についてのお尋ねでございますけれども、商標法に基づく地域団体商標制度は、商標権という独占的、排他的権利を与える制度であります。したがいまして、一定の品質基準を満たす地域内の生産者であれば誰でも地理的表示を使用できるようにするというこの地理的表示保護制度の趣旨とはこれは相入れないものでございます。このため、この地理的表示の保護を地域団体商標制度を発展させる形で一本化することはなかなか難しいというふうに考えていたところでございます。
 また、そのニーズについてのお尋ねでございますけれども、平成二十四年三月から八月にかけまして開催いたしました地理的表示保護制度研究会におきまして生産者からのヒアリングを行った際にも、制度の創設への期待が示されたということがございます。また、全国農協中央会が平成二十五年八月にまとめた要望書におきましても知的財産対策としてこの地理的表示の導入を提言しているというところでございまして、生産者団体からの期待も高まっておりまして、ニーズはあるというふうに認識しております。
○平木大作君 商標権との間では、なかなか一本化するのに、そもそも基本的な制度設計ですとか思想性が違うということで難しかったという今御説明をいただきました。一方で、しっかり生産者とはコミュニケーションを取って、そのニーズをしっかり酌み取りながら制度設計したということでありますので、今後に期待したいなというふうに思っております。
 やはりこの制度、第一義的には、基本的に国内の生産者そして消費者の利益を守るためのものだというふうに理解しております。定着をさせる意味では、そういった意味でいくと、まず生産者が使っていただく、その後は、今度は手に取っていただくために消費者にもしっかり認知していただくということで、これから様々、やることがたくさんまだまだあるんだなというふうに思っております。
 一方で、これも先ほど来の議論の中で出てきておりますけれども、実はこういったいわゆる品質ですとか生産行程の管理、こういったところを政府としてお墨付きを付ける、これが実は効いてくるのは、世界一難しい市場と言われている日本国内でのいわゆるブランドの確立、あるいは発展ということよりも、むしろ海外に向けてやっぱりより有効なのかなというふうに思っております。
   〔理事山田俊男君退席、委員長着席〕
 そこで、ちょっと次にお伺いしたいんですけれども、海外における日本ブランド、今現状どうなっているのか。現在、海外において、日本の地名ですとか地理的表示、これを連想させるような食品ですとか農林水産品、一体どの程度流通しているのかと。これ分かるのでありましたら是非教えていただきたいということと、こういった日本の農林水産品のブランドを守るために政府として今何か取り組んでいることがあれば教えていただけますでしょうか。
○政府参考人(山下正行君) お答え申し上げます。
 例えば神戸ビーフとか青森といった、こういった名称で我が国の農林水産物・食品の高い評価に便乗するため、海外においてこういった日本の地名を冠した産品が流通していたり、商標出願、登録しようという事例が見受けられるところでございますが、その具体的な、何といいますか、流通量とか、これについては把握していないところでございます。
 こういった便乗の問題に対応するために、平成二十一年度から、地方公共団体、農林水産業関係団体、それからまた弁理士ですとか、それから弁護士等による団体を組織いたしまして、中国、台湾等における商標出願の共同監視ですとか、それから偽装品に対する海外現地調査等の取組を行ってきているところでございます。
 このような取組を通じまして、例えば韓国における長崎チャンポンというふうな名称ですとか、それから中国における千葉の名称のこういった商標登録出願の動きを国内の関係者に情報提供をしてきたところでございまして、引き続き、我が国のブランド産品の名称に関する不正使用の動きをしっかりと監視してまいりたいと思っています。
○平木大作君 なかなか全体の流通量ですとか、そういったものを把握するのは難しいということでありましたけれども、是非ともこういった、いわゆるまず国内に向けた制度をスタートさせていただくわけでありますけれども、同時に、海外についても、今後のこともにらんでしっかりこの取締りですとか、日本のブランドを守るという取組、これ並行して今後も進めていただきたいというふうにお願いを申し上げます。
 御当地ブランドを確立し、また育成する上で、主に品質ですとかあるいは生産管理、こういった面から支援を行うのが本制度の趣旨であるというふうに私も認識をしているわけであります。
 ただ、一点、ちゃんと改めて強調しておかなくてはいけないのは、本制度というのは、あくまでも農林水産品の高付加価値化あるいは農山漁村の活性化にとって必要なピースの本当に一部分でしかない。ブランドを活用した公正な競争のまず土俵をつくるということ、環境整備をするということでしかなくて、ブランドの価値を確立して、そして高めるというのは、その先にあるやはり難作業であるというふうに思っております。
 私も、いろんな企業の製品開発の会議ですとかいろいろ出させていただいて、やっぱりまず最初に出てくるのは、ブランドにしたいと、ブランド戦略を取りたいということを必ず言われるわけでありまして、広告を打つですとかいろんな取組をするわけですけれども、結局のところ、成功する例というのはほとんどない。そもそも、ブランドというのは希少性に依存するものというのは多々あると思っておりまして、やっぱり成功するのは難しい、そういった一面があるというふうに思っております。
 そういったことを踏まえて、じゃ、このマーケティングですとかパッケージングですとか、まだまだ様々生産者がやらなきゃいけないことあるわけですけれども、現在、政府として、そもそもこのブランドの確立あるいは育成に対してどのような支援を行っているのか、この点について御答弁いただけますでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 地域で長年培われた特別の生産方法、気候、風土、土壌、こういった生産地域の特性で高い品質と評価を獲得するに至った地域ブランド産品、これは我が国に多く存在しておりますので、こうした産品のブランド化を国内外の市場で推進することは大変大事だと思っております。
 まさに今御指摘いただいたように、この表示保護制度はそういうものを保護していくということですので、この制度だけでは、ブランドをつくっていくということでこれだけで足りるかというと、そうではないというのは御指摘のとおりでありまして、まさにブランドをつくっていくための施策として、地域に埋もれたブランドの卵、こういうものを知的財産として発掘をしてデータベース化すると、その魅力を消費者、実需者に情報発信をすると。それから、やはりノウハウを持った専門家がいらっしゃいますので、こういう方を派遣する。それから、まさに今申し上げた知的財産として保護、活用すると。こういうことを併せて、ブランド化に意欲のある地域の取組を支援しているところでございます。
 また、この制度の導入に向けて、地域産品の品質管理基準の策定、それからマーケティングの確立等への支援も併せて行っているところでございまして、こういうものと併せて本制度を活用することで、国内外への市場におけるブランド化を強力に支援していきたいと思っております。
○平木大作君 このブランド化というのは、本当に正解がない取組、難作業であるというふうに思っております。
 その中で、政府の中に、例えばブランド化のためのノウハウがあるということではなくて、いろんな今御紹介いただいたような、例えば専門家と生産者をつなげていくですとか、あるいはデータベースを提供することによってそれを活用していただく、そういった意味で、やっぱり政府がまだまだ果たしていかなきゃいけない役割というのも大きいというふうに思いますので、是非そういった点についても今後も御支援いただきたいというふうにお願いを申し上げます。
 残りの時間を使いまして、少し細かいところ、法文に則して今後の運用について若干お伺いをしたいというふうに思っております。
 まず最初、これは先ほども徳永先生が御指摘をされておりました。また、衆議院の農林水産委員会でも議論されているんですけれども、私も議事録を拝見しても、やっぱりはっきりしない。第二条二項で定めております特定農林水産物の定義、もう一度お伺いしたいというふうに思っております。
 まず、第一号でどうしているかと。要件として、特定の場所、地域又は国を生産地とするものであること、これが具体的にどういう条件になるのか。そして、第二号の中に二つあります。品質、社会的評価その他確立した特性、この確立したというのは具体的にどういった基準で判断がなされるのか。また、その特性が生産地に主として帰せられるものであることとあるわけですけれども、どうしたら帰せられるということを判断できるのか、この三点について御説明いただけますでしょうか。
○政府参考人(山下正行君) この地理的表示保護制度は国際的に広く認知されておりまして、WTOの協定のTRIPS協定にも位置付けられているところでございます。
 この定義についてでございますけれども、特定農林水産物等の定義につきましては、国際的な調和の観点を踏まえて、特定の生産地と結び付いた産品であるべきことを明確にする観点から、生産地についての定義を設けることとしたところでございます。
 この登録の具体的な基準につきましては、施行に向けて検討を進めていくことになるわけでございますけれども、例えば糖度が高いなど、当該産品の特性や品質が同種類の他の産品と異なること、また、当該産品の特性や品質がその生産地と強く結び付いていること。さらに、その産品の名称を見て生産地や品質を思い浮かべることができることというようなことが大きなポイントになると考えております。
 このうち、先生御指摘ございました産品の特性や品質とその産地との結び付きについてでございますけれども、その地域の特別な気候ですとか風土、土壌を活用しているとか、それから、その地域で育まれた品種の産品であること、さらには、その地域に根差した伝統的な生産方法で生産されていることなどを総合的に勘案することとしているわけでございますが、その具体的な内容につきましては、登録の具体的基準の検討の中で今後併せてしっかり検討してまいりたいと思っております。
○平木大作君 ちょっとやっぱり、この答弁の中でいろいろつまびらかにするのは難しいのかなと思いますので、個々についてしっかり、いわゆるどの場合当たるのか当たらないのか、これやっぱり利用していただかないと制度として本当に命が入らないことになりますので、しっかりここをガイドラインで示していただきたいということをお願い申し上げます。
 続きまして、第八条なんですけれども、この点について、登録の申請がなされた場合に、農林水産大臣は生産の方法も含めて、申請書類の内容を公示することになっております。この生産の方法を開示するというのは、大変これ、場合によっては企業秘密に当たるようなものも含まれる可能性があって、制度の利用をためらう一つの要因になってしまう可能性がないのかなというふうに懸念をいたします。どの程度詳細な情報を明細書に記載する必要があるのかどうか、この点について現状の検討をお示しいただけますでしょうか。
○政府参考人(山下正行君) お答え申し上げます。
 この明細書に定めるべき農林水産物等の生産方法につきましては、その内容が規制の基準となります。これに適合しない産品に地理的表示をすることはできず、違反した場合には罰則が掛かることになるわけでございますので、本制度においては、一般の農林水産物等との区別に当たって、必要な程度に詳細な記述を求め、登録に当たってその内容をあらかじめ公示することとしているというところでございます。
 一方、地域ブランド産品の生産方法につきましては、門外不出のノウハウとして地域で守ってきたものでもございます。これを秘密にしておきたいという地域のニーズもあるだろうというふうに思っております。
 いずれにしましても、明細書の原案は地域でよく話し合って作ってもらうことになるわけでございますので、当該産品の特性と結び付く範囲で公表される必要があるものの、具体的にどこまで詳細に生産方法を公にするかは、これはやはり地域でしっかりと話し合って決めていただくことになると考えております。
 また、本制度の円滑かつ的確な実施を確保していく上では、地理的表示の登録基準が事前に予見できることが望ましいと考えておりますので、登録の審査に当たってのガイドライン、これを示すことを検討しておりまして、明細書の記載事項についてもその対象とする方向で検討してまいりたいと考えております。
○平木大作君 ありがとうございます。
 ほかにも質問したかったんですが、時間が来てしまいましたので、ちょっと法文読んでいて、やっぱり生産者の側からすると若干まだ分からない、分かりづらいところが他にも多々ございます。こういったところ、今御答弁いただきましたけれども、しっかり具体的なガイドライン、まず使っていただくためにどんな要件が必要なのか、ガイドラインでお示しいただきますようにお願いをいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○行田邦子君 みんなの党、行田邦子です。
 山田太郎議員に代わりまして今日質問のお時間をいただきまして、ありがとうございます。
 せっかく農水委員会で質問の時間をいただきましたので、法案の審議、質疑の前に、関東甲信越地方におきまして二月に起きた大雪の被害について伺いたいというふうに思っております。
 二月の十四日の夜に、関東甲信越地方におきまして記録的な大雪に見舞われました。私が住んでおります埼玉もその地域の一つでありました。交通網や、また電気などのインフラというのの復旧も、これは予想よりも時間が掛かってしまったわけでありますけれども、何よりもこの地域におきましていまだになかなか復旧が思うように進んでいないのが農業でございます。特にビニールハウスでございます。
 埼玉県におきましては、被災農家が一万四千八百八十四戸、埼玉県内の全体の農家の三分の一を占めています、被災しています。また、被害額は、これ県の試算ですけれども、二百二十九億円と言われていますし、被害に遭ったハウス面積というのが県内ハウスの全体の三割を占めています。特に、二月の大雪に見舞われた埼玉県内の地域というのは、県北また秩父といった農業が基幹産業の一つ、重要な産業の一つである地域でありました。
 今、県におきましても一生懸命まずはハウスの撤去ということをやらせていただいています。おかげさまで、六月二日現在では、撤去の方は六八・六%まで進んでいる状況であります。また、今回もハウスの撤去につきましては農水省さんにおきましても様々な御支援をいただいたことを感謝申し上げたいと思います。
 ただ、再建の方がまだ、同じ六月二日現在で八・二%と、進んでいません。なぜ進まないか、この理由の大きな一つが、ハウス再建に必要な資材の確保や、また施工業者の確保が非常に困難であるといったことが挙げられています。
 そこで、まず局長に伺いたいと思うんですけれども、ハウス再建のための資材や人員確保への取組についてお聞かせいただけますでしょうか。
○政府参考人(佐藤一雄君) 行田先生の御質問にお答えします。
 今回の雪害によりましてハウスの再建要望の面積でございますが、現時点で把握しておりますところ約千八百ヘクタールと相なっておりまして、この再建のために必要なパイプの量というのは約五万四千トンというふうに相なるところでございまして、これは、通常年の年間需要量、大体五万トンから六万トンでございますので、これと合算しまして約二倍のパイプ需要が見込まれている状況でございます。
 このため、私どもといたしましては、農業用パイプメーカーに対しまして円滑供給について協力要請をしておりまして、パイプメーカーにおきましては、三月から五月にかけましては通常年月五千トンの生産でございますが、その六割増の月八千トンの増産に取り組んでいただいているところでございます。
 また、ハウスの解体、施工に必要な人材の面でございますが、確かに先生おっしゃいましたように非常に人手不足といったようなことに相なっているわけでございますが、ハウスメーカーにおきましては、他の地域の支店から再建に必要な技術者を、これを派遣していただくということ、それと、農業団体におきましては、できるだけ農家の方が自主施工を進めるというふうなことで、この建て方をインターネットで公表するとともに、各地においての講習会を今開催しているところでございます。さらに、私どもの方では、農業関係団体や関連業界、普及員のOB等に対しまして人的協力を依頼するようなことをしておりまして、現場におけるボランティア募集の希望をホームページで情報提供等の取組を進めているところでございまして、一部、山梨県でございますが、何人かのボランティアの皆さんがこの復旧の作業に携わっておるといったような実例も出ているところでございますが、いずれにいたしましても、この被害状況の詳細な把握に努めるほか、パイプメーカーや建設業関係者等の皆さんと情報共有することによりまして雪害からの復旧について万全を期していきたいと、このように考えているところでございます。
○行田邦子君 埼玉というと都市部のイメージが強いかもしれませんけれども、確かに県南は埼玉都民などと言われていますけれども、そういった方がいます。けれども、今回被害に遭った県北、また秩父というのは首都圏の台所を支えているとも言えるような農産地でありますし、また、地域にとっても農業というのは産業として欠かせない、そのような地域でありますので、是非これからも様々な働きかけ、また連携、お取組、お願いしたいというふうに思います。
 大臣に伺いたいと思います。
 何とか意欲のある営農者が早く再建をしたいというふうに思って頑張ってはいるんですけれども、今このような資材不足や、また人員の確保が困難ということもありまして、今年度中の再建が難しいのではないかという声も出てきております。是非、経営体育成支援事業の特別措置を今行っていただいていると思うんですけれども、これを来年度以降にも継続していただけないかなというふうに思っております。その御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) 行田委員が今おっしゃっていただいたように、埼玉の県北と県南の違い、実は育樹祭にお邪魔したときに知事からそういうお話を聞いて、育樹祭があったのは県北の方でございましたので、なるほど、大宮とかあの辺とは大分違うなと思わせていただきましたが。
 まさに埼玉県を始めとする今度の被災地域の農業は、ハウスの被害ということから見ても分かるように、ハウスに投資をされて先端的に、専業的にやっていらっしゃる方が多いと。こういうことで、大変に食料の安定供給にも重要な役割を果たしていただいているということでございまして、この地域の基幹産業である農業が壊滅的な被害を受けているということで早急に産地の復旧を図ると、こういう観点で、また、今お話があったように、豪雪の被害の直後はもうやめようかと、こういう声が、私は山梨に視察行きましたけれども、やはりあって、早くこの施策を打ち出すことによって、ハウスは折れたんですが、心は折れないようにしなければならないと、こう思いまして、特例的な措置を集中的に講じていこうと、こういうふうにしたところでございます。
 農業用ハウス等の被災施設の再建を支援する被災農業者向け経営体育成支援事業、平成二十五年度、それから平成二十六年度予算を活用して復旧が速やかに行われるように支援していく必要があると思っております。したがって、予算のルールとして平成二十六年度末までに行うのは基本でありますが、今お話がありました、また、この間も現地の方からいろいろお話を聞きましたが、最大限努力をしていただいても、現下の資材、人員の事情等によって年度中に対応できないということも考えられるというふうに思っておりまして、こういう場合においては、地域の事情をよく伺った上で、災害対策の性格を踏まえて適切な対応を検討したいと思っております。
○行田邦子君 この度の大雪では、長瀞町で九十歳を超えるおばあさんが、こんな大雪生まれて初めてだといったような、そのような状況でありました。特にこの度の大雪で壊滅的な被害を受けたビニールハウス等ですけれども、これを機に逆にもっと更に事業を拡充していきたいといった現役世代の声も出てきておりますので、是非これからもしっかりとしたお取組をお願いしたいと思います。
 それでは、法案の質問に入りたいと思います。
 地理的表示保護制度を創設するこの法案ですけれども、それと似たような制度として、平成十八年に導入された地域団体商標制度というのが商標法を根拠にあります。
 まず大臣に伺いたいんですけれども、地域団体商標制度と、それからこれからつくろうとしている地理的表示保護制度のその相違点、違いは何なんでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) この今度つくる制度は、商標制度と比較しまして、まず、地域の特性と結び付いた一定の品質基準、これを満たした産品だけが表示を使用できること、それから、商標制度の場合はその商標を持っている人だけが表示の使用をできるということですが、このGIの方は表示の使用が特定の団体やその構成員に限定されないこと、それから不正表示への対応、これを国が行うと、こういったところが大きく商標制度と異なっていると、こういうふうに思っております。
 したがって、ブランド産品の名称を地域の共有財産だと、こういうふうに位置付けていこうと、こういう場合には地理的表示がなじむわけですが、一つの生産者団体のみがもうこの名称を独占すると、こういうふうにやっていこうと、こういうこともないわけではないと思いますので、こういうことがなじむ場合には地域団体商標制度をお選びいただくと、こういうことになるんじゃないかと考えております。
 地域の実態や産品の特性を踏まえてブランド戦略をつくっていただいて、これに応じて利用する制度を選択すると、こういった対応を取っていくことが重要だと考えております。
○行田邦子君 地域で地域ブランドとして広く共有していこうというようなことの場合には地理的表示保護制度がふさわしいのではないかと、一方で、ブランドをしっかりとその商標として独立的、排他的な権利を持って保護していきたいという場合にはやはり商標法の地域団体商標制度がふさわしいのではないかと、それぞれその目的は違うということでありました。
 そこで、局長に伺いたいんですけれども、この地域団体商標制度と地理的表示保護制度の両方を登録することは可能というふうになっていますけれども、両方を登録することは可能とした理由をお聞かせいただけますでしょうか。また、その場合の商標権の内外における効力についてお聞かせいただけますでしょうか。
○政府参考人(山下正行君) お答え申し上げます。
 地理的表示保護制度は、商標制度と別個の体系でございまして、産品の品質等の特性を公的に保証し、その名称を保護する制度でございます。その法的効果も両者で異なるわけでございますので、必要に応じて双方の制度を利点を活用していただくということで、二つがブランドを保護するための制度として並列することになると考えております。
 両制度の登録が併存するときの扱いでございますけれども、商標が先に登録されており、その後、商標権者の承諾を得るなどによりまして地理的表示登録がなされた場合には、その生産地内で正当な地理的表示を使用する者に対してはこの商標権の効力が及ばなくなることとしているところでございます。一方、明細書に定められた生産地と異なる地域で生産された産品への使用のように、地理的表示を不正に使用する者に対しては、従来どおり、商標法に基づく差止め請求等、商標権の行使が可能になるというふうにしておるところでございます。
○行田邦子君 続けて、他の法制度との関係を何点か伺いたいと思うんですけれども、同じ名称で他に通常の商標権者がいる場合、普通商標権ですね、通常の商標権者が既にいる場合、又は商標登録の出願中の者がいる場合、またさらには地域団体商標制度の登録者がもう既にいる場合、こういった場合は地理的表示保護の申請は可能なのでしょうか。
○政府参考人(山下正行君) お答え申し上げます。
 地理的表示保護制度と商標の優先関係についてのお尋ねでございますけれども、この優先関係は原則として登録の先後関係で決することとしておりまして、地理的表示の登録の前に商標登録がなされていた場合、その登録商標と同一又は類似の地理的表示は登録できないことになります。ただし、既に商標が登録されていても、その産品の商標権者自らが申請する場合又はその商標権者から承諾を受けた場合に限り、この地理的表示の登録を受けることができるということにしております。
 なお、商標登録の出願中に地理的表示の登録の申請がなされた場合は、商標の方が先に登録されると、これは原則どおり商標権者の承諾を受けなければ地理的表示の登録ができないと、こういう関係に相なっているところでございます。
○行田邦子君 既にあるこの商標の制度と現場で混乱しないように、是非分かりやすく、これから登録をしようとしている方たちに対して説明をしていただきたいというふうに思っております。
 次の質問ですけれども、農林水産物や食品を含む商品の品質や産地の表示について規定された法律というのはほかにもあります、不正競争防止法、景表法、またJAS法ですけれども、こうした法律との罰則の関係を伺いたいと思うんですけれども、不正表示があった場合なんですが、この今審議をしています特定農林水産物等の名称の保護に関する法律案の罰則と、それからさらに、その他の今申し上げたような法律の罰則と両方が掛かることになるんでしょうか。どのような整理になっていますでしょうか。
○政府参考人(山下正行君) お答え申し上げます。
 本法案においては、登録された地理的表示の不正使用に対しまして、まずは措置命令を発出することとしておりまして、その命令に違反した場合に、この法案では罰則を科すことにしております。
 先生、今言及されました不正表示に関する他の法律、このうち不正競争防止法、それからJAS法なんですけれども、この両法においては、この原料原産地表示の違反行為に対する直罰規定が定められている一方、この景品表示法においては、違反行為があった場合にはその措置命令が発出され、この命令に違反した場合は罰則が科される仕組みになっております。
 本法案の罰則規定とその不正表示に関する他法の罰則規定のいずれかが適用されるかについては、不正使用行為の対応がそれぞれの法律の規定に該当するかどうかで判断されるものでございますが、同一の不正使用に対して複数の罰則が併科される場合もあるということでございます。
○行田邦子君 今、他法の罰則との関係で答弁いただきましたけれども、この法案上の罰則規定なんですけれども、先ほどの御答弁にもありましたが、行政上の措置、それから刑罰もあります。けれども、民事上の救済手段といったものが規定されていませんけれども、なぜその民事上の救済手段といったものを規定しなかったのか、お聞かせいただけますでしょうか。
○政府参考人(山下正行君) 今般の地理的表示保護制度は、地域ブランド産品が地域共有の財産であることから、特定のものに権利を付与して保護する権利制度としてではなくて、登録されていない産品に地理的表示を付する行為を取り締まる、いわゆる行政規制による保護とする制度としているところでございます。また、民法の不法行為に基づく損害賠償請求や不正競争防止法に基づく差止め請求により民事請求を行うことも引き続き可能となっているところでございます。
 したがいまして、我が国におけるこの地理的表示の不正使用に対しましては、まずは地理的表示保護法案に基づく行政規制と従来から用いられている民法や不正競争防止法の規定に基づく民事請求の併用により排除を行っていくこととしたいと考えております。
 なお、我が国においては、本法案に基づきます行政規制とそれから民事請求、これを両方を新法の設立当初から措置した事例というのは希薄でございまして、国内で不正使用が横行し生産者に著しい損害が生ずる等の特段の事情がない限り、これらを同時に一つの法律の中で措置することには法制的にはなかなか無理があるのかなというふうに思っているところでございます。
○行田邦子君 まずは、その新しい制度導入に当たって、行政措置とそれから刑事罰ということからスタートするというふうに理解をいたしました。
 何点か他の法制度との関係について質問いたしましたけれども、既に商標登録制度があります。それから、他の法律でも幾つかの法律で原産地やまた品質の表示のこういった規律も設けられているところであります。是非、この制度を多くの皆さんが期待しているというふうに私は思っていますので、これから登録しようと思っている皆さんに対して分かりやすく説明をしていただきたいということを重ねてお願いを申し上げます。
 それでは次に、内外における販売、売上増への効果について伺いたいと思います。
 まず、大臣に伺いたいと思います。
 特許庁が平成二十四年に地域団体商標制度に関する調査というものを実施していまして、この結果を公表しているんですけれども、その中では、PR効果は非常にあったという評価がなされています。商品、役務のPRができたという回答が四八・三%というふうになっています。ところが、一方で、売上げが増加したとか販売単価が高まったといった評価というのは、それぞれ四・二%、二・八%と、非常に低い回答となっています。
 この調査結果を見ると少し不安になってしまうんですが、これから導入しようとしている地理的表示保護制度なんですが、この登録によってどれだけ売上げや販売増が期待をできるんでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) この地理的表示制度は、特定農林水産物等の名称、これを生産の方法や品質等の基準と併せて登録をしまして公的に保護をするということで、まずは消費者の選択に資するということですが、やはりブランド価値を守って、本来その品質に見合ったものとして生産者が得るべき利益を確保すると、これを目指したいと思っております。
 海外の例なんでございますが、フランスの中東部のブレス地方の代表的な鶏肉ですが、ブレス鶏というのは通常の鶏肉の価格の四倍の高値で取引をされておりまして、やはりブランドの確立が生産者に利益をもたらして、よってもって地域の活性化に資すると、こういうふうに認識をしております。
 したがって、本法案が成立した暁には、本制度の最大の特徴であります品質等の特性が公的に保証される、いわゆるお墨付きが付くと、この点を最大限にPRをするということによって消費者の理解と支持を得て、生産者の利益が確保されるように努めてまいりたいと思います。
○行田邦子君 今大臣の御答弁にありましたように、ブランドを確立して、またその価値を高めていくためには、単にその商標を保護すればいいと、それだけでは足りないというふうに思っております。やはり一番大切なのは、そのブランドの品質をしっかりと維持をして、また守っていって、また保証するということが、これが要だというふうに思っています。その点におきまして、地理的表示保護制度というのは、しっかりと生産者団体において品質の管理をし、また維持をし、またそれを国が保証するという制度でありますので、この点が非常に期待がされているところかなというふうに思っております。
 次に、局長に伺いたいんですけれども、海外での売上げ、販売増についてなんですけれども、この地理的表示保護制度は農林水産物や食品の輸出促進に効果をもたらすというふうに期待をされているわけでありますけれども、これはあくまでも国内法にすぎません。国内において登録をされた農林水産物・食品が保護されるということであります。これを諸外国で保護するためには、やはりその国の制度に登録したり、また商標権を得たりする必要があるというふうに私は思っているんですけれども、この地理的表示保護制度が農林水産物・食品の輸出振興に直接与える影響はどのようなものなのか、お聞かせいただけますでしょうか。
○政府参考人(山下正行君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のように、この制度は、国内法の制度を整備するものでございますので、直ちにこれが他国で保護されるというわけではございません。このため、諸外国で我が国の地理的表示産品を保護するためには、それぞれの国の地理的表示制度でありますとか、それから商標制度でありますとか、そういった諸外国の制度を活用して登録なりをしていただくということが必要だと思っております。
 ただ、今回の地理的表示保護の制度で登録を受けた産品につきましては、地理的表示が、これが国で登録しているものだという、そういう標章、いわゆるGIマークと呼んでもいいと思いますけれども、そういったマークを添付すべきということにしておりますので、このマークを主要な輸出先国で商標登録することによりまして、輸出先国において我が国の真正な特産品であるという、そういうことが明示されまして、それによりまして差別化が図られるということで、輸出先国においてもそういう意味で輸出促進の一助となるのかなというふうに考えております。
○行田邦子君 先ほどからの質疑でもありましたけれども、市場にはありとあらゆるマークというものが氾濫していまして、このマークは何を意味するのかよく分からないといったものもたくさんあるのが現実であります。それを海外で日本のGIマークというものを浸透させるというのはこれは大変なことだというふうに私は思っておりますけれども、せっかくこの制度が導入されるわけですので、これを機に農林水産物、また日本の食品の輸出振興というのも、この制度だけではなく様々な手段を講じて振興を図っていただきたいというふうに思っております。
 そこで、大臣に伺いたいんですけれども、諸外国におきまして食品の模倣品の被害というのが増えています。今年、平成二十六年三月に特許庁が発表した模倣被害調査報告書のこの報告書を見てみますと、模倣被害率は二一%と全体で微減していますけれども、食品が増加傾向にあるということであります。特に中国、韓国、台湾で被害率が依然として高い水準にあるというような結果になっていますけれども。
 事業者によっての模倣品の被害対策というのは様々行われていると思いますけれども、特に農林水産物や食品というのは中小の業者が多いというふうに思います。なかなか事業者単独では被害対策というのは十分に行えないという状況でもあると思いますけれども、政府としての取組についてお聞かせいただけますでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 我が国の農林水産物・食品の高い評価、これに便乗するために、神戸ビーフとか青森とか、こういう海外において日本の地名を冠した産品を流通させたり、商標出願、登録しようとする事例が相次いでおるということでございます。裏を返せば、それだけ消費者にとって日本の地名とかそういうものが魅力になってきていると、こういうことの裏返しでもあるので、しっかりと取り締まりながら展開をしていかなきゃいけないと思っております。
 例えば、青森というのは、平成十四年に中国企業が中国で商標登録を申請して、パブコメみたいなのを翌年やって、青森県等が異議を申し立てて、二十年三月に異議は認められて登録できなかったと。それで一件落着かと思ったら、今度は青森の森のところを、木が三つで森と書きますが、木を水に変えて、水を三つやって、ぱっと見るとほとんど見分けは付きません。そういう漢字が中国にあるそうで、チンミャオと読むそうですが、それがまた十七年七月に商標登録申請で一月に公告、で、青森県とリンゴ関係団体で異議申立てで異議が認められたと、こういうことでございます。
 したがって、このパブコメをやって公告しているときによく見ておかないと、誰も文句言わなきゃ通っちゃっている、こういうことが起こると。こういうことでありますので、今まさにおっしゃっていただいたように、中小企業や生産者お一人お一人がそれはなかなかやれないと思いまして、平成二十一年度から地方公共団体、農林水産業関係団体、弁理士、弁護士等によるコンソーシアムを組織をいたしまして、特に中国、台湾等における商標出願の共同監視、偽装品に対する海外現地調査等の取組、こういう取組を行って、先ほどのような例を、実績を上げているということでございます。
 韓国において長崎チャンポンというのが出てきたりとか、中国では、青森に続いて、千葉も葉の字を少し向こうの簡単な字に変えたり、こういうことも出てきておりますので、こういうものも国内の関係者に情報提供をしてきておるところでございまして、引き続きこういう我が国のブランド産品の名称に関する不正使用の動きをしっかりと監視してまいりたいと思っております。
○行田邦子君 一義的には事業者が自ら努力をして様々な対策を打つべきであろうかと思いますけれども、なかなか今大臣の御答弁の中にあったような、非常にその模倣や不正表示も巧妙になってきているわけでありますので、ここは、事業者だけではなく、やはり政府としても引き続き共同監視など、お取組を強化していただきたいというふうに思っております。
 それでは、残る時間でこの地理的表示保護制度の、ちょっと細かい、詳細について確認をしたいと思っております。
 まず、二条の二項で定義されていますけれども、特定の場所、地域又は国を生産地とするものであることというふうになっていますが、この特定の地域の限定の仕方について伺いたいと思います。
 この特定の地域というのは、その名称があるその行政区分にかっちりはまっていなければいけないのかといった趣旨の質問なんですけれども、例えばなんですけれども、私が住んでおります埼玉県には狭山茶というお茶の有名なブランドがあります。色は静岡、香りは宇治、味は狭山でとどめを刺すというような有名なブランドなんですけれども。ところが、この実際の狭山茶の産地は、七割が入間市です。残りが、二割が狭山市、それから一割が所沢市というような構成になっていまして、ブランドを形成しています。
 例えば、このような狭山茶の場合は、特定の地域の限定というのを、どのように登録上、申請上すればよいのでしょうか。
○政府参考人(山下正行君) お答え申し上げます。
 生産地の範囲でございますけれども、これにつきましては、その農林水産物・食品との結び付きに応じて、最も従来からの適切な範囲がおのずから決定されるべきものであると考えております。具体的には、生産の実態に応じまして、都道府県単位又は市町村単位又はそれ以下の単位を選定することになると見込んでおりますが、その結果、生産地の一部がその名称に付いている地名の行政区画と一致しない場合も、当然これは生産の実態に応じましてあり得ると考えているところでございます。
○行田邦子君 狭山茶だけじゃなくて、恐らく関アジ、関サバとか、稲庭うどんなんかもこのようなケースではないかなというふうに思っております。
 そこで、もう一つ質問したいんですけれども、この狭山茶だけではないと思うんですけれども、お茶でよくあることなんですが、ブレンドをする場合があります。主な割合としてはその産地の茶葉ですけれども、そこに別の産地の茶葉をブレンドするということがあります。こうした場合についてなんですけど、二条二項では、特定の場所、地域又は国を生産地とするものであることというふうになっていますけれども、このようなブレンドをするような場合というのは、産地の含有率が一定以上高ければこれは認められるんでしょうか。
○政府参考人(山下正行君) お答え申し上げます。
 この地理的表示として登録されるためには、登録される産品の特性と加工地との結び付きを判断しまして、その産品の生産過程において、特性が生まれるのがその加工地に由来するものであるかということで判断することになります。
 原料の調達度合いについてでございますけれども、このブレンドも本制度上は加工に該当することから、ある地域に結び付いた伝統的な特色のある加工方法に由来して独特の品質等が生まれるのであれば、原料が一〇〇%その地域で生産されていなくても地理的表示として登録される可能性がございます。いずれにしましても、明細書にどのような形で記載されるのかということによると思います。
 以上です。
○行田邦子君 この二条二項の生産地というところの意味するところは、原産地ということだけではなく、またその加工地ということも含まれるのであろうというふうに理解をいたしました。
 続けて、またちょっと細かい質問をさせていただきたいんですけれども、例えばなんですけれども、埼玉の例ばかりで恐縮なんですけれども、深谷ネギというのがありまして、これも有名なブランドなんですが、深谷ネギ煎餅というものとか深谷ネギみそというのも実際にあるんですけれども、こういったものの登録は可能なんでしょうか。
○政府参考人(山下正行君) お答え申し上げます。
 加工品につきましても、ある地域に結び付いた伝統的な特色ある加工方法に由来してその加工品に独特の品質等が生まれるのであれば、地理的表示として登録される可能性がございます。
 なお、名称がこの地理的表示として登録された産品、例えば先ほどの深谷ネギとかでございますが、これについて、その加工品、例えば深谷ネギ煎餅とか、こういったものに地理的表示を付することは可能でございまして、その場合でもその加工品の名称そのものが地理的表示として認められるわけではございません。
 いずれにしましても、最初、冒頭申し上げましたように、加工品であっても、それは地理的表示として登録されることは可能でございます。
○行田邦子君 加工品であっても、品質や社会的評価がその土地に由来するものであれば可能であるということであるかと思います。
 こうした例を挙げると切りがないので、もうこの辺にしておきたいと思いますけど、最後の質問にさせていただきます。
 この制度上、生産者団体が登録申請をすることになっていますけれども、その生産者団体に加入をしていない生産者の扱いをどうするのかについて伺いたいと思うんです。
 例えば、済みません、また埼玉で恐縮なんですけど、東北部の方では有名な梨の産地があるんですけれども、そこで個人で非常に良い梨を作っているんですが、団体に加入していないといった方があります。ただ、その農家というのは非常にその地域の梨のブランド性を上げていたりもするといったケースもあるんですけれども、生産者団体に加入していない生産者が地理的表示を使ってよいのかどうか、お聞かせいただけますでしょうか。
○政府参考人(山下正行君) お答え申し上げます。
 本制度では、生産業者は加入する生産者団体の生産行程管理を受けることを前提に地理的表示とマークを使用することができる仕組みとしているところでございます。したがいまして、登録時に生産者団体に加入していない生産者であっても、事後的にこの生産者団体に加入するか、生産行程管理を行う能力を有する生産者団体を新たに立ち上げ追加的に登録を受けることによりまして、その基準に従って生産された産品については地理的表示をすることができる、こういうふうな仕組みにしているところでございます。
○行田邦子君 是非、その産地ブランド、地域ブランドの価値を高めるような生産者に対しては、できるだけこの地理的表示を使えるように、そのような制度運用をしていただきたいと思っております。
 この制度が地域ブランドの確立に貢献することを期待を申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○儀間光男君 日本維新の会・結いの党の儀間光男でございます。
 今日は、特定農林水産物等の名称の保護に関する法律案について、少しくお尋ねをしたいと思います。
 大臣、大臣は、我が国の農業、農村の生産現場を取り巻く状況が厳しさを増す中で一昨年の十二月に農林水産大臣に就任されました。それ以来、攻めの農林水産業をキャッチフレーズに、まさに改革革新、中国風じゃないんですが、に向け推進してきたと、あらゆる施策を検討し実施してきたものと理解しております。
 我が国の農林水産物あるいは食品は、世界の消費者、企業を引き付ける高品質なものであります。皆さんがおっしゃったとおりであります。また、世界を引き付ける農林水産物・食品は、その地域の人々や気候、あるいは風土、文化に育まれながら日本各地に数多く存在してまいっております。
 このような我が国の高品質な地域ブランド産品を促進していくためには、世界の市場に日本の優れた地域ブランド産品が輸出をされ優良な評価を受けることにより、その生産者の利益の向上が図られるものとも理解をいたしております。
 そのためにも、まずは国内においてこれらの高品質な地域ブランド産品の価値の維持あるいは向上が図られるよう、そのための環境整備を行うことが必要だと思っております。また、農業、農村の活性化を図っていくためには、これら農山漁村に存在する高品質な地域ブランド産品を保護し、そのブランド価値の維持向上の取組を一層進めることが肝要かとも思います。
 このような状況の下で、今国会には、長年培われてまいりました特別な生産方法などにより高い品質と評価を獲得するに至った地域の特産品について、その名称を地域共有の知的財産として保護する新しい制度として本法が提出されたとも認識します。
 まず、お尋ねするんですが、この法律案の名称において特定農林水産物等という表現が用いられておりますが、例えば、私の地元である沖縄県では、我が国唯一の亜熱帯海洋性気候を生かした農業生産が行われております。品目別に生産額を見てみますというと、まず肉用牛、豚、それから花卉、花卉の場合は菊でございますが、サトウキビ。菊の場合は全国で二位の産地になっておって九十億円売り上げておるのが二十三年度の統計で読み取れます。花卉生産は重要な産業となっております。
 そこで、お尋ねですけれど、本法律案の対象となる農林水産物とは具体的にどのようなものを想定しているのか、法律案では食用となる農林水産物のみを対象としているのか、それとも花卉や園芸作物のような非食用の農林水産物も対象になっているのかを伺いたいと思います。
○政府参考人(山下正行君) お答え申し上げます。
 本法案で保護の対象となります農林水産物等の範囲は、酒類及び医薬品等を除く農林水産物及び食品となっているところでございます。このうち食用に供されない農林水産物及びその加工品につきましては、政令で指定するということによりまして本法案の対象にすることができるということとしておるところでございます。
 今後、国内におけるブランド化の取組の進展状況等を踏まえまして、適切な品目を政令指定していきたいと思っております。
○儀間光男君 例えば、沖縄はああいう気候、地域ですから、野山に薬草類がいっぱいあるんですよね、自然の中で。その薬草を使った、あるいは深海ザメやシジミやスッポンやそういうものを使ったサプリメントや清涼飲料水などなどがあるんですけれど、それは対象になるのか外なのか。
○政府参考人(山下正行君) お答え申し上げます。
 先生おっしゃいましたサメとかシジミ、これを使った、要するにサプリメントの原料ですね、これは農林水産物等として本制度の対象となり得ます。
 ただし、先生おっしゃいました薬草についてでございますけれども、これは医薬品等としての薬草は、先ほどもちょっと触れましたけれども、本制度の対象外ということで取り扱わさせていただいております。
○儀間光男君 薬草を登録じゃなしに、何ですかね、健康食品のサプリメントとしてされたときは、原料が薬草でもどうなんでしょうか。
○政府参考人(山下正行君) なかなか、非常にちょっと難しいところでございますけれども、加工方法によってこれがサプリメントにどのようになるのかというところによるところが大きいと思います。いわゆるこれが医薬品ということでありますと、これはこの法律の第二条で除かれておりますので、今後、先生がおっしゃいました薬草でそれがサプリメントというのはちょっとよく検討したいと思います。
○儀間光男君 是非検討していただいて、沖縄の薬草農業がこの法律に加護されますように是非検討していただきたいと思います。
 先ほども申し上げてまいりましたが、我が国の農山漁村は、世界を本当に引き付ける高品質な農林水産物・食品が数多く存在をいたしております。農山漁村の現場を元気にするには、これらの産品について本法律に基づく地理的表示保護制度を活用し取組を進めることがその一助にもなると思います。そして、地理的表示の仕組みに乗るためには、国に申請を行い登録をする必要が生じてまいります。
 まず、その申請について伺いたいと思いますが、さきに質問された委員の先生方のお話もたくさん聞いておってかぶさるところもあるんですが、どうぞ飽きないで御答弁をいただきたいと思います。
 本制度登録の申請を行うことのできる申請主体としては、どのような団体、どのような個人を想定しているか。あるいは、農業生産の現場では農協が生産者団体として一定の役割を占めておりますが、同法案に対して農業団体などの意見の調整は十二分にされたのかどうか。なぜなら、過日、島根県の出雲へ行ったときに、ゲタとナラシをやったんですが、説明では十分調整したという話を聞いたんですけど、公聴会では多くの方々が不満を示したわけですよ。苦情がたくさんあったということ等からすると、やっぱりこの法律も生産者との整合性をきちっとやっていかなければならないと思っております。
 ところで、ここは、農協の申請に当たっては農協はどのような役割を演じるのか、あるいは市町村の関わりはどうなっていくのか、都道府県も含めて地方公共団体の関わりはどうなっているのか、お聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(山下正行君) お答え申し上げます。
 本制度におきましては、地域の生産者や加工業者を直接又は間接の構成員とする団体を申請主体となる生産者団体として位置付けているところでございます。例えば、生産者により組織される農業協同組合は生産者団体として本制度の申請主体となり得るところでございます。また、地方公共団体につきましては、農協や商工会などと一緒になって地域ブランド協議会のような組織を形成することによりまして、本制度の申請主体となり得るというふうに考えております。
 生産者からの意見、生産者との調整というお話でございますが、本制度の創設を検討するために平成二十四年三月から八月までの間に開催いたしました地理的表示保護制度研究会の際の生産者からのヒアリングにおいては、制度の創設への期待が示されたほか、全国農業協同組合中央会の平成二十五年八月にまとめました要望書において、知的財産対策として地理的表示の導入を提言しているというところでございまして、こうした生産者団体の意見も踏まえまして制度を検討してきたところでございます。
 やはりこの制度をまだ十分に、これ結構難しい制度でございますので、この制度を十分に御理解いただいていないという、生産者団体につきましてもそういうふうな気がしますので、これはまさに、この制度というのはこんなにいいものだというものをこれから一生懸命、各地の説明会におきましてPR、アピールしていきたいと思っております。
○儀間光男君 これも、先ほどから質問が出て、答弁もされておって理解もしたんでありますが、やはり少し言い方を換えると答え方は違うのかなと思ったりいたしておりまして、重ねて聞いてまいります。
 これは、地域で育まれた伝統と特性を有した農林水産物・食品のうち、品質の特性が産地と結び付いており、その結び付きを特定できるような名称が付されるものを知的財産として、保護制度が今まではなかったということですが、一方では、これも出ましたけれど、商品の名称を保護するに当たっては経産省の商標制度などがあるわけでありますが、この辺との調整はこれいかにということと、地名付きの名称を保護する制度として、これも先ほど指摘されましたけれど、平成十八年四月から地域団体商標制度が導入をされております、発効されております。
 今回、地理的表示保護制度が創設されることによって、生産現場がこの二つの制度から大いに混乱することが予想される。したがって、地理的表示保護制度と商標制度との違いを明確にし、指導していく必要があると思います。そこで、地理的表示保護制度と商標制度との間にどのような違いがあるのかをいま一度説明していただきたいと思います。
○政府参考人(山下正行君) お答え申し上げます。
 先生がおっしゃいましたように、特許庁との、商標制度との調整というのが図られた結果、今回、この法案を提出することになったわけでございます。
 本制度は、商標制度と比較いたしまして、地域の特性と結び付いた一定の品質基準を満たした産品だけが表示を使用できること、それから表示の使用が特定の団体及びその構成員に限定されないこと、さらに不正表示への対応を国が行うことといった点が異なっているところでございます。このため、そのブランド産品の名称を地域の共有財産と位置付ける場合はこの地理的表示制度が、また、一つの生産者団体のみが名称を独占することになじむ場合は地域団体商標制度がそれぞれ選択されることになるだろうと、このように考えております。
 地域の実態やその産品の特性を踏まえたブランド戦略に応じて利用する制度を選択して、又は両者を組み合わせて利用するといった、こういった対応がこれから生まれてくるのかなというふうに考えております。
○儀間光男君 平成十八年に導入された地域団体商標の登録によって、農林水産物あるいは食品は約三百件ほどあると伺っておりますが、それだけに、今お答えいただいたように、地域にしっかりと説明していかないというと、大混乱を来すということにもなりかねません。
 例えば、また沖縄県言いますけれども、沖縄黒糖などという地域団体商標を取得している産品があります。既に地域団体商標を取得している産品がどのような取扱いを受けるのか、関心事であります。既に商標や地域団体商標に登録された産品は地理的表示保護制度に登録できるのかどうかを伺いたいと思います。
○政府参考人(山下正行君) お答え申し上げます。
 この地理的表示と商標の優先関係でございますけれども、原則として登録の先後関係で決することとしております。地理的表示の登録の前に商標登録がなされている場合は、その登録商標と同一又は類似の地理的表示は登録できないということになります。
 ただし、商標が登録されていても、例外として、その産品の商標権者自らが地理的表示保護申請をする場合、また、その商標権者から承諾を受けた場合、こういった場合に限りまして地理的表示の登録を受けることができるということとしております。このため、例えば既に地域団体商標の登録を受けている農協等の団体がブランド価値をより強力に保護するため、併せて地理的表示の登録を受けるというようなことも可能でございます。
○儀間光男君 例えば本法律、特定農林水産物等の名称の保護に関する法律案は、いわゆる国際パテントですね。そうですよね。世界に通告して国際パテントになるはずなんですよ、EUや東アジア等にある。
 この国内の商標というのは国内のものであって、例えば、先ほど大臣から説明があったんですが、青森とか千葉とかということで模倣物が作られるんですが、これは国内の商標で、国際パテントじゃないことからそういうことになると思うんですが、その辺はどうなんでしょうか。
○政府参考人(山下正行君) 今回の地理的表示保護制度で登録をされたとしても、これは国内では登録されるわけですけれども、それが直ちに海外でこれが登録されたとか保護されるということには相なりませんで、海外で保護されるためには、海外の地理的表示制度なり、又は、地理的表示制度がなければ、例えば商標制度ですね、そういった海外のそれぞれの制度に基づいた申請なりをして登録されていただいて初めて保護されるという、そういうことになるわけでございます。
○儀間光男君 例えば、今はそうであっても、将来そういうことで海外で国際パテントを取らぬと海外へ進出していくときに弱いし、またいつかの委員会でも言いましたけれども、オリジナル、種子、そういうものを国際パテントとして取っておかぬというと模倣品いっぱい出ますよ。制限利きませんよ。そういうことで、是非とも将来にわたって早い時期に世界の特許を取っていただきたいと、こう思います。
 例えば、いつかの委員会で言いましたが、これは食品ではありませんけれども、私が浦添市長時代に、平成十八年だったんですけれども、桑を育てて蚕を養い、繭を巻かせて糸繰りをさせて、染色して織物、そしてマーケットという、よく言う川上から川下、ラインでやったんですが、これは私、浦添の市が特許庁に申請をして商標登録をさせていただきました。浦添市のうらそえ織という商標があるんですね。これ、今織物団体に無償貸与して使ってもらっているんですが、例えば市町村において食品に類する、市町村が商標を持っている、こういう例があれば示していただきたいし、それは今度の扱い等は今説明のあったとおりでよいのかどうか、お答えをいただきたいと思います。
○政府参考人(山下正行君) 先生、市町村が持っている商標とかですけれども、ちょっと今ここに資料がございませんので即座には答えられないんですけれども、仮に市町村が商標登録をされているといった場合も、その市町村の承諾があれば地理的表示の登録に載ることは可能だと考えております。
○儀間光男君 可能。
○政府参考人(山下正行君) はい。
○儀間光男君 何か少し自信なさそうですが。お調べいただいてしっかりと後日答弁をいただきたいと、こう思います。
 市町村財政を、一般財源をつくるには、こういうのは非常に大事なんですよ。だから、物によっては市町村に皆さん指導して促進したっていいと思うんですね。そういうことで提言をさせていただきたいと思います。
 地理的表示保護制度は、その品質を国が保証して、国がその不正も取り締まるものですから、一度登録されれば、その登録された基準に合わないものは取締りの対象にならないというふうに理解します。したがって、この登録の手続は透明性や公平性をきちっと確保して慎重に行われる必要があると思います。不適切な申請内容のものについては、それらを適切に排除するだけの専門性と知見が必要だと考えます。
 このようなことに対処するため、登録の審査に当たっては第三者からの意見書の提出手続が法律上措置されているほか、専門の知見を備えた学識経験者や意見を聴取するシステムを設けていると思われますが、この学識経験者の意見聴取手続は具体的にどのようなプロセスを経て行うのか、また具体的にどのような者を想定しているのかを伺いたいと思います。
○政府参考人(山下正行君) お答え申し上げます。
 この地理的表示の登録の審査に当たっては、審査の公平さを確保するために、先生言及ございました、学識経験者の意見聴取手続を設けているところでございます。
 具体的な聴取手続につきましては現在検討中でございますけれども、産品ごとに求められる知見が異なるわけでございますので、学識経験者についてリストを作成し、産品の登録申請があった段階でその中から必要な学識経験者を選んだ上で、集めて、一堂に会した形で意見聴取を行う方向としたいと考えているところでございます。学識経験者としては、産品の生産、流通に関係する者、また各般の産品や地域ブランドの実態等に専門的知見を有する者、さらには知的財産法に知見を有する者といったような方々を想定しているところでございます。
○儀間光男君 ありがとうございました。
 それでは次に、地理的表示保護制度の特に重要なポイントと私は思っている品質確認に関する事項を少し尋ねたいと思います。
 本制度と似たような制度として存在する商標制度との相違点についてお尋ねしたんですが、最も大きな違いは、地理的表示保護制度は品質基準が導入をされる、義務化されることとの答弁を得ました。本制度は、国の品質保証を行うことから、まさに品質管理が本制度の命になるであろうと思います。しっかりとここは管理せぬといかぬと思いますが。
 地理的表示制度の登録を受けようとする生産者団体、あるいは登録を受けようとする特定農林水産物の生産方法、特性を定めた明細書と生産行程管理業務規程を申請書に添付することになっておりますが、この生産行程管理業務規程に生産者団体が行う品質の確認の方法が記載されると理解をいたしております。ここにどのような内容が記載されるというようなイメージをお持ちなのか。適正な品質管理の担保の観点でそのイメージづくりは大事だと思います、説明の上からも。
 そこで、伺いたいんですが、この品質確認のための生産者団体の定める規程とは具体的にどのような内容をイメージしているのか、また、農林水産省はそのガイドライン的なものを別枠で示していくのかどうか、その辺、お答えいただきたいと思います。
○政府参考人(山下正行君) お答え申し上げます。
 本制度においては、生産者団体は登録の申請に当たって生産行程管理業務規程を提出することとなっております。この生産行程管理業務規程とは、産品について明細書に記載された生産方法やこの品質が守られているか生産者団体が確認を行うための、いわゆる生産者団体の業務の方法書であると考えております。
 例えばということでございますが、例えばリンゴについて、その生産方法や品質について、明細書で無袋栽培、袋なしですね、それから糖度十二度以上といったものに限定すると定めた場合、無袋栽培であることの確認方法として生産者団体の職員が圃場を巡回して確認することですとか、糖度の確認方法として生産者団体が保有する光センサーの糖度検査計を使用すること、またそのサンプリングの頻度を定めること、こういったこと、それから、さらには、明細書に沿った産品であることの確認方法としてロットごとに仕分けを行い記帳するといったような、こういったことを記載することを想定しておるところでございます。
 なお、本法案の円滑かつ的確な実施を確保していく上では、地理的表示の登録基準が事前に予見できることが望ましいわけですので、登録の審査に当たってのガイドライン、これを示すことを検討しております。その中で、生産行程管理業務規程の記載事項についてもその対象とする方向で検討してまいりたいと考えております。
○儀間光男君 品質管理に対すること、あと一つ聞きたいと思いますが、本法律に基づく地理的表示保護制度では、品質は国が保証し、国が取締りをする。したがって、登録に当たっては手続の透明性、公平性を確保することが大事であるということは先ほど言いましたけれども、しかしながら、本法律案では、申請者たる生産者団体が自ら品質を確認する規程も定めて品質確認を行うとしております。要するに、そもそも生産者団体にこれを行うところの知見、こう言っちゃ失礼かも分かりませんが、知見とか機材とか設備とか、そういうものが必要になってくるであろうと思うんです。
 このような観点から踏まえて、生産者団体には自ら品質確認を行うためのいわゆる知見、技術、設備あるいは機材等々、あるいは団体のそれに対する財政的負担などなど、どうお考えでいらっしゃるのかを伺いたいと思います。この負担が生産者の生産に大きなコストとして乗っていかないかどうか、その辺が気になるところでありますが、伺いたいと思います。
○政府参考人(山下正行君) お答え申し上げます。
 現在、地域ブランド産品で品質基準を定めているものについては生産者団体が品質確認を行っている例が多く存在しており、仮にそれらの産品が地理的表示登録された場合には、生産者団体自らが品質確認を行うことは十分可能ではないかと考えております。
 明細書に定める品質基準の原案、この原案については地域が話し合って定めることになるわけですので、生産者団体が客観性を持って確認できる基準が定められることとなると考えられ、その能力を超えるものが定められることはないのではないかというふうに考えております。
○儀間光男君 次に、大臣にお答えをしていただきたいと思いますが、有名レストランや有名ホテルのメニュー、それにおける原産地の偽装表示など、食に関わる多くの不正表示があって後を絶たないような様相ですが、新しく導入する地理的表示保護制度において、不正を十分に見付け、あるいはその方法を把握されているのかどうか、その辺が対応として待たれるわけでございますけれども。結局、地域ブランド商品の保護はそういうことをきちっとやっていかぬと私は図られぬのではないかというような思いがするんですが、その現状をどう把握されているのかについて伺いたいと思います。
 本制度の導入に伴い、不正使用に対する監視方法などの対応はどうなっているのか、あるいは国外において我が国の地名を冠した模倣産品が流通する事実があると先ほど二例挙げて聞きましたけれども、どのように対策をしていくのかを伺いたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) この不正使用への監視でございますが、ほかの巡回調査を行っている行政機関等と連携をしまして、まずは情報収集を図らなければならないと思っております。また、一般の方々からやっぱりこういう不正使用がありますよという申出を受け付ける、これが中心になるものと思っておりまして、不正使用についての申出の受付はメールや電話などいろんな情報提供に機動的に対応できるように通報の窓口を設けて、ここにいろんな情報をお寄せくださいと、こういう形でやっていくと。そういうことをやっていますよということが抑止効果にもなるんではないかというふうに思っておるところでございます。
 そういった意味で、厳格に不正使用に対応してきちっと制度が守られているということがこの制度の信頼に係る重要な部分だと、こういうふうに思っておりまして、その対応のための体制については、この地理的表示産品の登録状況、どれぐらいの登録になっていくのかということも踏まえながらしっかりと検討していきたいと思っております。
 また、先ほど海外の模倣品対策について青森と青ミャオの話をいたしましたけれども、まさに今、人気の裏返しと言っていいと思いますが、便乗するための海外においての日本の地名を冠したケースが出てきておりまして、先ほども申し上げましたように、商標出願、登録ということが実際に起こっているということでございますので、しっかりとこういう問題に対応するために、先ほど申し上げましたように、平成二十一年度から、地方公共団体、農林水産業関係団体、弁理士、弁護士等による団体を組織しまして、なかなかお一人お一人の生産者や業者の方々、単独で対応できないような共同監視や偽装品に対する海外現地調査等、こういう取組を行っておりまして、先ほど申し上げたような効果も上がっておりますので、引き続きしっかりと対応してまいりたいと思っております。
○儀間光男君 私、過去の職務上、中国福建省の泉州市と浦添市が姉妹提携をしておって、過去、毎年十二回行ったんですが、上海市場へ行きますと、袖を引くおばちゃん、おじちゃんたちがおって、何を言うかというと、社長とか先生と言うんですが、社長、先生、完璧な日本品の偽物がありますよ、買いませんかと言うんですよ。完璧な偽物ってどういうことかよく分からないんですが、何であんた、偽物売るんだったら本物よってうそをついて売るんだと。そんなことを言うかといったら、そう言っておかぬと取締りに掛かったときに捕まっちゃうって言うんですね。だから、私どもの製品は完璧な日本の偽物ですから、日本のものと同じようにしっかりしていますよ、お土産に買わぬかと。こういうことが堂々とやれる市場なんですよ、中国は。
 だから、しっかりとチェックをしていって、今大臣答弁のあったように、情報の提供は非常にやりやすく、しなやかにしてもらう。これが煩雑になると情報提供しようといったってなかなか大変だし、電話、メール、あるいは何らかの受付、こういうことで情報提供がしやすいような制度をつくって、広報してつくっていってほしいと、こう思います。
 最後になりますが、EUやアジア諸国などにおいても、今般成立を目指している特定農林水産物等の名称に関する法律案と同類の法律が存在しておりますね。EUもアジアも、何百という国がこれに類似する制度をつくって参加しているんですよ。輸出対象国の理解を得ることが最も重要だと思います。先ほども言いましたが、この法律の成立後、林農林水産大臣、トップセールスしながら日本のこういう制度を大いにアピールして、海外との取引が促進できるように頑張っていただきたいと思います。御見解をお聞かせください。
○国務大臣(林芳正君) 大変大事な御指摘をいただいたと、こういうふうに思います。
 この制度は、明細書に適合すると確認された産品のみが地理的表示ができる、それから国が定めるGIマーク、これを使用できるということでございまして、このマークが付されたものであれば一定の品質が備わっているということが国がお墨付きを与えていると、こういうことになります。
 先ほど局長からも答弁いたしましたが、輸出先国でこのマーク自体を商標登録するということで、このマークをまねして、例えばフランスならフランスでこの日本のGIマークをまねしてやると向こうの商標法違反ということになりますので、このマークを登録した上で、このマークを付けた、何でもいいんですが、さっきの青森でいうと、青森リンゴというのがもしGIだとすると、このマークと青森リンゴが両方付いているのは日本の政府が認めた日本の青森リンゴであるということがしっかりと分かっていくと。ですから、中国がさっきの青ミャオというのを出していってもこのマークは付けられないわけでございまして、マークをまねして付けるとフランスの商標法違反で捕まると、こういう仕組みでございまして、そういった意味できちっと差別化をしていくということになるわけでございまして、こういう登録申請の過程を通じて相手国における理解の醸成をしっかりとやっていくということが大事だと、こういうふうに思っております。
 その先に、我が国と同様の、今委員が御指摘になっていただきましたような地理的表示保護制度を持っている国がございます。したがって、相互にこの地理的表示を保護しようという協定、こういうものを締結することになりますと、先ほどのマークを商標登録せずとも、お互いの地理的表示保護制度の相互乗り入れによって我が国の特産品のブランド価値が自動的に保護されることも可能となると、こういうことでございますので、そこまで視野に入れてしっかりとやってまいりたいと思っております。
○儀間光男君 この法律案が可決、成立して、これをもってして農家、農村が海外にシェアを求めて、マーケットを求めて大いに頑張っていくことを期待して、終わります。
 ありがとうございました。
    ─────────────
○委員長(野村哲郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、行田邦子君が委員を辞任され、その補欠として山田太郎君が選任されました。
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○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 最後になりますとかなり重なっているところもありますが、確認の意味も含めて質問させていただきたいと思います。
 まず、地理的表示法案についてですけれども、この法案の提出の意義について、まずは農林水産大臣、御説明をお願いいたします。
○国務大臣(林芳正君) 我が国には、その地域の気候や風土を生かしたり、特別な方法によって長年にわたってその地域で生産されたりしてきた産品、こういうものが多く存在しておりまして、これらの産品は高い付加価値を持つ地域ブランド産品として評価をされております。
 これらの地域ブランド産品の中には、その名称を見ただけで産地と産品の特徴が分かるものがございます。これは、産地が長年努力を積み重ねて産品の特徴をしっかりと守り続けたことで、産地の名称と特徴が深く結び付いたためであると、こういうふうに思っております。
 こうした地域の努力を国が評価をし、産品の名称を地理的表示として国が登録をして、地域共有の知的財産ということで保護する、このことで生産者の利益の増進、それから消費者の信頼の保護、こういうものを図るために今国会にこの法律を出させていただいたところでございます。
○紙智子君 それでは、この法案の前に既に地域団体商標、これが二〇〇六年から導入されているわけですけれども、経済産業省の特許庁長官においでいただいていますが、この地域団体商標について、この制度の導入の目的について御説明をお願いいたします。
○政府参考人(羽藤秀雄君) 地域団体商標制度でございますけれども、これは、伝統的工芸品などの地域ブランドの名称について、商標権という独占的な利用の権利を与えることによって、ブランドの育成に努力する地域の事業者組合などがブランドの評判に便乗するいわゆるまがいもののようなものを排除をし、当該地域ブランドの信用を維持強化をする、そして、そのことが産業の発達に寄与し、併せて需要者の利益の保護に資すると、このような観点から、当該地域ブランドの信用の維持強化ということの取組を応援するという、こういう目的で、今お話ございましたように、平成十七年の商標法改正によって導入をされ、平成十八年に施行されたものでございます。
○紙智子君 それで、今お話あったように、この地域団体商標の実施状況、配られておりますけれども、これを私も見せていただきました。
 それで、見ていきますと、例えば北海道では、小川委員や徳永委員、横山政務官も北海道なので大体身近な話になるわけですけど、北海道でいうと、この中に登録されているのが、十勝川西長いも、それから鵡川ししゃも、豊浦いちご、はぼまい昆布しょうゆ、それから大正メークイン、大正長いも、大正だいこん、苫小牧産ほっき貝、幌加内そば、虎杖浜たらこ、それからほべつメロン、大黒さんま、めむろごぼう、それからめむろメークイン、十勝和牛、北海道味噌、東川米、これは先ほどありましたけど、びらとりトマト、それから十勝若牛、いけだ牛、釧路ししゃも、北海道米などがこの地域団体商標を受けていて、それぞれ地域農協や漁協などが申請者となっています。これによって、地域ブランド名ということで保護されているわけです。これだけ地域団体商標が浸透しているという中で、今回、この地理的表示が積極的に受け入れられるかどうか、ネックになるというか、スムーズに申請になるかどうかというふうに思うわけですけれども、まずその点で農水省としてどのように考えていますか。
○政府参考人(山下正行君) お答え申し上げます。
 紙先生御指摘のとおり、既にこの商標法に基づく地域団体商標制度が存在しているわけでございます。しかしながら、我が国の地域団体商標制度では、商標登録の際、産品の品質基準の登録、品質の確認までは求められておらず、一定の品質基準を満たすものを保護する、そういった制度とはなっていないというふうに理解しております。また、この地域共有の知的財産である地域ブランド産品の適切な活用を図るためには、一定の品質基準を満たす地域内の生産者であれば誰でも地理的表示を使用可能とすることが望ましいわけですけれども、この地域団体商標制度は登録権者にのみ商標使用を認める制度でございまして、そういった要請に対応するものとはなっていないというふうにこれも理解しております。
 このような状況の下で、我が国の農林水産業の強みである品質やブランド価値を守り、攻めの農林水産業を展開していくためには、地域ブランドをより強力に保護していくための制度が必要である、かような考え方から本制度を導入することとしたわけでございます。
○紙智子君 ちょっと今、早口にばあっとしゃべっておられたんですけれども、要するに、地理的表示は地域団体商標がカバーできていない当該農林水産物の品質を保証する機能が一つはあると。権利侵害に対しては自ら訴訟などの負担なくブランドを保持できるという点、それから地域的な表示を地域共有のものとして使える点をカバーしているんだということで、この法案を使って申請するメリットがあるんだということですよね。
 それで、品質の確保のための生産行程管理業務というのは、これ生産者団体が自ら行うことになっているということでいいますと、次に聞きたいのは、生産者団体が自ら行うということは負担感が強いんじゃないかなと思うんですけれども、この点いかがでしょうか。
○政府参考人(山下正行君) お答え申し上げます。
 我が国の地域ブランド産品の中には、生産者団体が自ら品質基準を取り決め、品質管理を行うことでブランド価値を高めているものも多く見受けられるところでございます。また、地理的表示の登録を受けた産品は、その生産方法や特性が産地と結び付いている必要があることから、その品質管理については生産者団体自らが最も知見を有していると考えております。このような実態を踏まえますと、多くの地域ブランド産品について、本法案に基づく生産行程管理は既に実施している品質管理の延長線上にあるものと考えられることから、本制度の導入に当たってそれほど追加的な負担が生じることとはならないものと考えております。
○紙智子君 追加的な負担は生じないんじゃないかというんですけれども、いや、本当にそうなのかなというふうに思うんですね。
 例えば、北海道米で見た場合に、お米で見た場合に、北海道米のブランドはありますけれども、今の地理的表示でいうと北海道米の品質が変わっていくわけです。例えば、一等米で粒の大きさが何ミリ以上の品質とする場合に生産行程管理業務はどのようになるのかと。これはどうですか。
○政府参考人(山下正行君) 北海道米の事例を先生挙げられましたけれども、この北海道米につきましては、商標権者であるホクレンにおいて、きらら三九七、それからふっくりんこやおぼろづきなど、こういった約二十の品種について、生産者とJA、ホクレンが一体となり進めている、安全、安心を確保するための取組である北海道米あんしんネットに定められている統一栽培基準や残留農薬の基準を守って生産されたものがその名称を使用できることとされていると承知しているところでございます。
 この地理的表示の登録申請に当たり定める必要のある生産方法や品質等の基準につきましては、地域で議論をして合意形成いただくことになるわけですが、仮に現在のような内容の基準のみを定めるとした場合、登録された生産者団体は、生産者に栽培履歴を記録させ、また、これらの栽培履歴の確認や、残留農薬試験の実施により基準が遵守されているかを確認することになるのではないかと考えております。
○紙智子君 そうしますと、今、生産行程管理業務ということでいうと、これは、今言われた点でいうと、ちょっともう一回言っていただけますか、どういう作業を、業務をすることになるのか。
○政府参考人(山下正行君) 繰り返しになりますけれども、先ほど申し上げましたように、生産行程管理業務という、この事例に即して申し上げますと、例えば、生産者に栽培履歴を記録させ、また、これらの栽培履歴の確認や残留農薬試験の実施と、こういったことが確認業務になるのではないかと考えております。
○紙智子君 その品質保証についていえば、例えばEUの場合だと、公的機関又は独立した第三者機関が確認する仕組みになっているわけですよね。
 やはりこの品質保証の客観性ということから見ても、将来的に言えば、今はまだそうなっていないわけですけれども、将来的には、そういうEUのやっているような方向性に持っていかないといけないんじゃないかと思うんですけれども、この点はいかがでしょうか。
○政府参考人(山下正行君) お答え申し上げます。
 我が国の地域ブランド産品の中には、生産者団体が自ら品質基準を取り決めて品質確認を行うことでブランド価値を高めているものが多く見受けられること、また、地理的表示の登録を受けた産品は、その生産方法や特性が産地と結び付いている必要があることから、その品質確認については生産者団体自らが最も知見を有していると考えているところでございます。
 このような実態を踏まえて、先生おっしゃいましたEUのような第三者機関が品質管理を行う仕組みではなく、生産者団体が品質管理を行うとともに、国がその品質管理の体制をチェックすることにより、品質確認の効率性と客観性とを両立させ、産品の品質が公的に保証される仕組みとしたところでございます。
 今後、本法案が成立した後には、品質確認の仕組みについて、これは将来のことになりますけれども、施行の状況等を踏まえつつ、必要に応じて検討してまいりたいと考えております。
○紙智子君 生産者団体が自分たちで品質の評価をして国が助けるという形になっているんだということなんだけど、EUのような体制がないことで、言ってみれば、その体制がない分、安上がりにできるという面はあるんだと思うんですね。そのことが信頼性の確保という点では弱点を持ったものになってしまわないかということもあるんですけれども、そういう心配というのはどうでしょうか。
○政府参考人(山下正行君) これは、先生おっしゃいますように、第三者機関によって確認するというのが信頼性があるのではないかということでございますけれども、これは生産者団体が確認すると、それで、生産者団体がもし仮にそれを不正を働くといったことになりますと、これは生産者団体取消しというような措置もございますので、そういった措置も含めて国がしっかりと、何といいますか、監視をしていくということをやっていきたいと思っておりますので、現在この制度は生産者団体が品質確認をするということにしておりますので、この施行の状況を見ながら、今後、将来的には必要に応じて検討したいと思っています。
○紙智子君 施行の状況、この後の実際始まった状況を見てということでもあると思うんですけど、やっぱり運用が始まってからいろんなトラブルが起こったり、ちょっと想定していなかった問題が起きるということだってあるわけですから、そこのところは是非状況を見ながら、一番やっぱり望ましいのはEUのようにちゃんと体制を取ってやっていくというところにあると思うので、是非そういう方向になるように要望しておきたいというふうに思います。
 それから、既に地域団体商標を登録している方々が今回地理的表示を新たに申請するということが想定されるわけですけれども、地域団体商標を登録している方々が今回の地理的表示の申請をするということは当然可能だということも先ほどやり取りがあったわけです。
 それで、その申請の際の注意点がないかどうか。これは農水省さんにもそのことについて触れてほしいですし、それから経済産業省にもそのことをちょっと触れていただきたいと思います。
○政府参考人(山下正行君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、地理的表示の登録を受けようとする産品について既に地域団体商標が登録されている場合は、その産品の商標権者自らが申請する場合又はその商標権者から承諾を受けた場合に限りこの地理的表示の登録を受けることができるということでございます。
 注意点ということでございますけれども、地理的表示の登録後は、言わばこれが地域の共有の知的財産ということで、従来の商標権者に限らずその生産の方法等の基準を満たす地域の生産者全体が使用できることになるという、こういったことに相なるわけでございますが、その点について留意をしていただく必要があるというふうに考えております。
○政府参考人(羽藤秀雄君) 今御答弁がございましたけれども、地域団体商標制度、これは商標法に基づく制度であります。そして、商標法に基づく制度においては、例えば品質の管理につきまして、商品の品質等の審査であるとか検査というのを国が行うことはありません。また、そういう意味での国による取締りということもございません。
 ところが、地理的表示保護制度におきましては、先ほど来御議論ございますように、生産者団体が品質管理の確認を行うとともに、国が品質確認の体制をチェックするという形での品質等に関する規律がございます。したがいまして、私ども経産省、特許庁の視点から申し上げますと、品質等の維持向上という非常に重要な課題についてこの申請時に地理的表示保護制度における規律というものをしっかりと満たす、これがまず何よりも重要な留意点ではないかというふうに考えております。
○紙智子君 それでは、次に行きますけれども、今回の地理的表示法案は、知的所有権としてTPPやEUとのEPA交渉とも絡んでくる問題だというふうに思います。
 それで、米国とEUとでいいますと、この地理的表示についての考え方が異なっているというふうに思うんですね。その点、考え方の違いについて、ちょっと詳しく説明をしていただきたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) 知的所有権の貿易関連の側面に関する協定、いわゆるTRIPS協定でございますが、この地理的表示の保護を求めておりますが、具体的にどうやってやるか、これは各国に委ねられております。したがって、各国の状況に応じて制度設計がなされておりまして、EUのように独立した保護制度を設けて、先ほどちょっと申し上げました赤いマークと青いマークと分けて、委員がさっき御指摘になったように、きちっと第三者的機関を置いてしっかりと監視をするという国々もありますれば、一方、よく新大陸といいますが、アメリカや豪州のように商標制度の中でそういう国内担保措置を行っている、こういう国もあると、こういう状況でございます。
○紙智子君 今、米国について言うと、商標法の中に位置付けるというような話がありました。EUはそうじゃないということで話があったんですけれども、今回、日本が作っている地理的表示法案でいうと、どちらかというとEUに近い法体系になっているわけですよね。仮にEUからカマンベール・ド・ノルマンディー、チーズですけれども、これを地理的表示として指定を求められた場合には、これは当然指定することになるわけですよね。ちょっと確認します。
○国務大臣(林芳正君) 本制度は内外無差別ということでございますので、例えばカマンベール・ド・ノルマンディーとかパルミジャーノ・レッジャーノと、こういった海外産品について、我が国の産品と同様に要件を満たすものについては保護対象となり得る、こういうことにしております。
 このため、海外からの登録申請についても、適正手続を確保した公平な審査を経て、本制度に基づいて農林水産大臣の登録を受けることを可能としているところでございます。
○紙智子君 当然、これは指定されるということになる、登録されるということですよね。そうしますと、米国政府はカマンベール・ド・ノルマンディーなどは、これは保護対象にすべきでないという考え方なわけですよね。日本政府とも考え方が異なっていることになるわけです。
 現在行われているTPP交渉でも、知的財産の交渉分野でこの地理的表示が検討対象になっていると思うんですね。仮に米国が主張している証明商標制度に近いものがTPPの中で導入されたら、今回の地理的表示法案もこれは修正を余儀なくされることになるんじゃないかと思うんですけれども、この点いかがですか、大臣。
○国務大臣(林芳正君) このTPP交渉において、地理的表示も含めた知的財産分野についての議論が行われている、よく言われている二十一分野のうちの一つが知的財産でございますので、そこで議論が行われているということでございます。
 具体的な中身についてはお答えは差し控えさせていただきますが、この交渉がどうなるかということにも関わってきますけれども、TPP交渉においても、今般の地理的表示制度を基にして適切に対応してまいりたいと思っております。
○紙智子君 適切に対応してまいりますといっても、これ重大な問題だと思うんですよね。実際上は、中身は言えないけれども交渉されているわけですよね、話がされているわけですよね。
 私、実は、去年の十一月だったと思いますけれども、予算委員会か決算委員会だったかと思いますけれども、質問で取り上げたんですが、二〇一三年の十一月に、インターネット上でTPPの、内部告発サイト、ウィキリークスというところが情報を、TPPの知的財産権に関する議論の中身というような情報が出回ったんですね。そこで、文書の中で、地理的表示について、EU、欧州連合が対外交渉で強く主張している、しかし、米国は消極的で、TPP交渉の中で徹底的に骨抜きにしようと各国に働きかけている姿が文書から浮かんでくるというふうに指摘しているわけですよ。米国の主張は、食品分野の知的財産保護は、登録商標を基本に据え、地理的表示は二の次にすべきということで、この主張に沿った文書にTPPの交渉の中ではなっているということを指摘しているわけです。
 この点、政府としては、外に中身は明かせないと言うんだけれども、こういう議論がされていて、そういう文書があるということが一方で言われているわけですけれども、これどうするのかと問われてくると思うんですけれども、いかがですか。
○国務大臣(林芳正君) 一度この委員会でもウィキリークスでしょうか、問合せがあって、それはそういうものはないという、本物でないというような御答弁を差し上げたという記憶もございますが、いずれにしても、まだ交渉途中でございます。
 それから、EUの保護制度と日本の今回御審議いただいている制度、全く同じということではないわけでございまして、EUの地理的表示保護制度を参考にしながら、そしてなお、今お話があったように、今新大陸アメリカとEUの間でいろんな議論があると、こういう国際的な議論にも十分配慮しながら設計をしておるところでございまして、そういった意味で、この法律が成立した暁には、この表示制度を基に国際交渉の相手方とも連絡を密にしながら対応してまいりたいと思っております。
○紙智子君 これはやっぱり、いや、そういうことはあるでしょうけれども進めますという、簡単にいかない話じゃないかなと思うんですよ。
 やっぱり、TPPには、TPP交渉にはEUは入っていないわけですよね、EUは入っていないと。だけど、日本とEUとは貿易上の交渉をいろいろやっていて、特にEUに対しては日本側からは車も出していきたいと。そういう点では、EUが求めているような今回のこの表示についても要望に沿ってというか、やらなきゃいけないということもあり、この間進めてきたんだと思うんですよ。EUでできているものを参考にしながら、こういう日本におけるものをつくってきたんじゃないかなと思うんですよ。
 それが、TPPの交渉の中で、TPPは、EUは入っていないけれども、アメリカが主導して各国に対してアメリカの言ってみればルールに基づく中身でやれよという話になってきているという中で、これもし、今TPPも早く妥結しなきゃいけないなんていうことを安倍総理は言っているわけだけれども、これは大変なことだと思うんですね。変えなきゃいけなくなるんじゃないかと思うし、それから米国の大統領貿易促進権限法案、これも予算委員会でも議論、質問しましたけれども、TPA法案ですね、これも、向こうの、アメリカで出しているTPA法案の中身を見ると、そこにいろいろと書いてあることを見ると、ここでも地理的表示が米国販売に障害をもたらさないようにということが入っているわけですよ。
 そうすると、これ、交渉途中で明かせないと言うけれども、どっちにしたって日本は対応を求められることになる、どうするのかということを求められることになると思うんですけれども、大臣、いかがですか。
○国務大臣(林芳正君) まず、基本的な認識として、なぜ地理的表示保護制度を日本でやるかというのは、通商政策上の理由というよりは、先ほど私が先生の御質問に答えて冒頭申し上げたように、やはり農業者の所得を向上していく、地域で培われたブランドをきちっと保護していくために、我が国の国益と言っていいと思いますが、そのために必要であるということでやるということでございます。
 したがって、法案が成立した暁には、これは我が国の制度ということでございますから、これは当然この設計をするときには、先ほど申し上げましたようにEUの表示保護制度も参考にさせていただきましたけれども、同時にこの地理的表示をめぐる今御指摘があった国際的な議論、これにも十分配慮しながら仕組みを設けてきたところでございます。
 したがって、しっかりとこの保護制度、法案が成立をすれば我が国の守るべき立場ということになろうかと、こういうふうに思いますので、日・EUのEPAの交渉、既に始まっておりますし、TPPも同じように始まって、並行してやっておるわけでございますから、双方の国際交渉にしっかりとこの地理的表示の保護の仕組みがある我が国の立場を主張してまいらなければならないと、こういうふうに思っております。
○紙智子君 もう一つちょっと紹介しておきたいんですけれども、アメリカとEU間のFTA交渉開始と、アメリカ・EU高級作業部会最終報告書ということで、茨城大学の准教授の方が、荒木先生という方がいろいろ論文書いていて、それを読んでみますと、こう書いてあるんですね。
 地理的表示保護の在り方こそが、米・EU間の最も大きな相違であることは米韓FTAとEU・韓FTAの規定ぶりから明らかであって、EU側が極めて強い関心を持つ、重要な知的財産権上の課題の一つであることも明らかだというふうに書いていて、GI、地理的表示法ですね、GIにつき、米韓FTAではこれを商標として保護対象たり得ることを確認するのみであり、米韓のFTAではとにかく保護対象たり得ることを確認するのみということになっていて、それ以外の定めはないと。他方、EUと韓国のFTAでは、このGIに関する詳細な定めを商標に関する定めとは別個に多数設けていると。特筆すべきは、EU・韓FTAがTRIPS協定上はワインとスピリッツのGIのみに与えられている強力な保護をその他の食品や農産物のGIにも及ぼしていることであるというふうに言っていて、だから、それぞれの交渉の中でいっても、そういうふうにもうはっきりと、一番そういう意味ではEUとアメリカとの間の対決部分でもあるということを言われるぐらい知的財産権のところでいうと非常に大きな問題なんだと思うんですよ。
 ですから、今成立した暁にはという話もあるんですけれども、やっぱりこれ、この間、日本とEUとのEPAについても言えることだと思うんですけれども、二〇一三年に日本とEUとのEPA交渉に際しては、EUのザイミス通商部長が、日本との経済連携協定交渉の中で最も重視しているものの一つが地理的表示保護をしっかり行ってもらうことだというふうに明言していたわけで、この法案で言いますと、EUも今回日本がこうやっているということを歓迎しているというわけですよね。
 EUは、やっぱり、日本が今こういうのをつくっているということについては歓迎しているんですよね。ちょっと確認したいと思います。
○国務大臣(林芳正君) ちょっと御通告がなかったので記憶をたどりながらになりますが、基本的には、こういう制度が新しく法律が提出されてつくるようになっていくということについては、歓迎という言葉だったかどうかあれですけれども、そういうことだったと思いますが、中身を詳細に見ますと、先ほど申し上げましたように、EUの制度と我が国が今御提案している制度と全く一緒ではございませんので、その辺の違いについては若干リザベーションみたいなものがまだ残っているということだったというふうに記憶をしております。
○紙智子君 違いはあったとしても、やっぱりこの間の流れからいうと、そういうことだったと思うんですけれども。結局、TPP交渉の結果次第ではこの法案の修正をせざるを得なくなるんじゃないかと。当然、EUとのEPA交渉にも影響を与えるということになるんじゃないかと思うんですけれども、いかがですか。
○国務大臣(林芳正君) 確かに、新大陸とEUの間で特によく例に出されますのは、バドワイザーというビールがございますが、これはチェコのビール産地のブドヴァルというところがあるらしくて、そこから出てきた語源だという話もあって、それから、イタリアのパルマ産チーズがパルメザンということになっているということで、これもというようないろいろな例が挙げられております。
 そういう議論があるということは、先ほど申し上げましたように我々はしっかりと把握をしておりますので、その国際的な議論にも十分配慮しながら今回の設計をさせていただいたということでございまして、法案が成立して我が国の制度となりますれば、それは我が国の国益を守るための制度であるということで、その立場でしっかりと交渉すると、こういうことになろうかと思います。
○紙智子君 今回の法律に関わっての、TPPとの関わりということを改めて紹介させていただきましたけれども。やっぱりこの間、TPPをめぐっても、四月に閣僚の会議があり、五月も大筋合意にも至らずということがあり、国内においては衆参でやっぱり本当に公約としてきた決議があるわけですよね。決議をちゃんと守ると、林大臣も踏まえて、国益になるようにと。当然その中には、重要五品目を守るということや、医療の問題やその他の問題も含めて約束してきていることがあるわけですよ。
 それをやっぱりあくまでも貫くということと併せて、今回のこの法律をめぐっては、こういう形で今国内で決めたとしても、結局もしTPPに日本が参加することになっていった場合には、そっちが優先されるということになるわけで、せっかくこの決めたことがやっぱり根本から変えざるを得ないということになるんじゃないのかと。それは日本の主権ということから見たときにどうなのかというふうに思うんですよ。
 改めてそのやっぱり立場といいますか、私はTPPについてはあくまでもこれはもう参加すべきでないと、撤退すべきだということを繰り返し申し上げてきましたけれども、こういうことまで影響するんだということを改めて見たときに、やっぱりこれはもう国民にとっては百害あって一利なしだというふうに思っているわけで、撤退すべきじゃないかとあえて言わせていただきたいと思いますが、どうでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) いつその話になるかと思っておりましたが、まさに委員はいつもそういうふうにおっしゃっておられますので、そういう前提で御質問いただいているんだろうなと思いながら先ほど来答弁をしておりましたが、まさに委員と私の立場が少し違うのは、やっぱり交渉というのは我々のポジションを主張して、いかにこの我々のポジションを多く取るかということでございまして、最初から相手の言うとおりに全部なってしまうという前提に立ってしまうと、これは交渉する意味自体もなくなってしまうということでございまして、したがって、これについても先ほど来繰り返し申し上げておりますように、法案が成立すれば、その法律の提出させていただいた元々の意義というものがしっかりあって出させていただいているわけでございますので、そういうものをしっかりと守っていくために、また決議も踏まえて交渉をしっかりとやりたいと思います。
○紙智子君 こういう地理的表示の問題をめぐっても深刻な影響も与える、そして国民にとっても何一ついいことがない、こういうTPPについては断固撤退を求めるということを最後に申し上げまして、質問を終わります。
○委員長(野村哲郎君) 他に発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 特定農林水産物等の名称の保護に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(野村哲郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、小川君から発言を求められておりますので、これを許します。小川勝也君。
○小川勝也君 私は、ただいま可決されました特定農林水産物等の名称の保護に関する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、日本維新の会・結いの党、みんなの党及び日本共産党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    特定農林水産物等の名称の保護に関する法律案に対する附帯決議(案)
  我が国の農林漁業・農山漁村をめぐる厳しい状況を克服し、本来の活力を取り戻すためには、農林水産物・食品に関する地理的表示保護制度を確立し、生産業者及び需要者の利益の保護を図ることが喫緊の課題となっている。
  よって政府は、本法の施行に当たり、次の事項の実現に万全を期すべきである。
 一 地理的表示保護制度の導入に当たっては、それぞれの地域においてその効果的な活用が助長されるよう、生産業者、生産者団体等による地域ブランドの確立に向けたこれまでの取組を十分尊重しつつ、関係者に対し、新たな制度の趣旨及び内容はもとより、既存の地域団体商標制度等との相違点及び制度の役割分担等について周知徹底を図ること。
 二 地理的表示の登録に係る明細書の作成に向けた地域における合意形成の重要性に鑑み、円滑な合意形成に向けた支援を行うこと。
 三 国による登録業務が迅速かつ公平に行われるよう、地域の様々な特性に由来した品質等を備えた農林水産物・食品をめぐる事情とともに、知的財産に係る高度な知見を有する人材を育成・確保する等、審査体制の整備を図ること。
 四 登録を受けた特定農林水産物等の品質に係る信頼性の確保を図るため、登録生産者団体による実効ある品質管理が実施されるよう、適切に指導・監督を行うこと。
 五 地理的表示及び標章の不正使用に対し、実効ある取締りが機動的に行われるよう、通報窓口の設置を含めた効率的な監視体制の整備を図ること。
 六 地理的表示保護制度の活用を我が国の農林水産物・食品の輸出促進対策の重要な柱として明確に位置付け、輸出促進のための総合的なサポート体制を強化するとともに、海外における農林水産物・食品の模倣品への対策を充実・強化すること。
 七 本法の施行状況に係る検討については、特定農林水産物等の登録の状況、生産業者及び需要者の利益保護の状況はもとより、諸外国における地理的表示保護制度の導入状況とこれが我が国に与える影響等も踏まえ、適時適切に実施し、その結果に基づき、十全の措置を講ずること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(野村哲郎君) ただいま小川君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(野村哲郎君) 全会一致と認めます。よって、小川君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、林農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。林農林水産大臣。
○国務大臣(林芳正君) ただいまは法案を可決いただき、ありがとうございました。
 附帯決議につきましては、その趣旨を踏まえ、適切に対処してまいりたいと存じます。
○委員長(野村哲郎君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(野村哲郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時二分散会