第186回国会 予算委員会 第4号
平成二十六年二月七日(金曜日)
   午前九時開会
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   委員の異動
 二月六日
    辞任         補欠選任
     中西 祐介君     中川 雅治君
     新妻 秀規君     河野 義博君
     仁比 聡平君     紙  智子君
     東   徹君     片山虎之助君
     浜田 和幸君     平野 達男君
 二月七日
    辞任         補欠選任
     島村  大君     佐藤 正久君
     若松 謙維君     新妻 秀規君
     和田 政宗君     山田 太郎君
    渡辺美知太郎君     松沢 成文君
     片山虎之助君     東   徹君
     清水 貴之君     儀間 光男君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         山崎  力君
    理 事
                青木 一彦君
                宇都 隆史君
                大家 敏志君
                片山さつき君
               北川イッセイ君
                大塚 耕平君
                那谷屋正義君
                秋野 公造君
                中西 健治君
    委 員
                石井 正弘君
                猪口 邦子君
                大野 泰正君
                古賀友一郎君
                佐藤 正久君
                佐藤ゆかり君
                中川 雅治君
                二之湯 智君
                堀井  巌君
                丸川 珠代君
                三木  亨君
               三原じゅん子君
                三宅 伸吾君
                山下 雄平君
                山田 俊男君
                渡辺 猛之君
                石上 俊雄君
                石橋 通宏君
                大野 元裕君
                金子 洋一君
                田中 直紀君
                福山 哲郎君
                牧山ひろえ君
                安井美沙子君
                河野 義博君
               佐々木さやか君
                新妻 秀規君
                松沢 成文君
                山田 太郎君
                紙  智子君
                大門実紀史君
                東   徹君
                儀間 光男君
                福島みずほ君
                平野 達男君
   国務大臣
       内閣総理大臣   安倍 晋三君
       財務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        麻生 太郎君
       総務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(国家戦
       略特別区域、地
       方分権改革))  新藤 義孝君
       法務大臣     谷垣 禎一君
       外務大臣     岸田 文雄君
       農林水産大臣   林  芳正君
       経済産業大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(原子力
       損害賠償支援機
       構))      茂木 敏充君
       国土交通大臣   太田 昭宏君
       防衛大臣     小野寺五典君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(消費者
       及び食品安全、
       少子化対策、男
       女共同参画))  森 まさこ君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(経済財
       政政策))    甘利  明君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(規制改
       革))      稲田 朋美君
   副大臣
       財務副大臣
       復興副大臣    愛知 治郎君
       厚生労働副大臣  佐藤 茂樹君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小野 亮治君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       武藤 義哉君
       内閣法制局長官
       事務代理
       内閣法制次長   横畠 裕介君
       資源エネルギー
       庁長官      上田 隆之君
       資源エネルギー
       庁省エネルギー
       ・新エネルギー
       部長       木村 陽一君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○予算の執行状況に関する調査
 (経済外交をめぐる諸問題に関する件)
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○委員長(山崎力君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 予算の執行状況に関する調査のため、必要に応じ政府参考人の出席を求めることとし、その手続につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山崎力君) 御異議ないものと認め、さよう取り計らいます。
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○委員長(山崎力君) 予算の執行状況に関する調査についての理事会決定事項について御報告申し上げます。
 本日は、経済外交をめぐる諸問題に関する集中審議を行うこととし、質疑は往復方式で行い、質疑割当て時間は百七十四分とし、各会派への割当て時間は、自由民主党三十六分、民主党・新緑風会四十一分、公明党二十三分、みんなの党二十二分、日本共産党十六分、日本維新の会十六分、社会民主党・護憲連合十分、新党改革・無所属の会十分とすること、質疑順位につきましてはお手元の質疑通告表のとおりでございます。
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○委員長(山崎力君) 予算の執行状況に関する調査を議題とし、経済外交をめぐる諸問題に関する集中審議を行います。
 これより質疑を行います。中川雅治君。
○中川雅治君 自由民主党の中川雅治でございます。
 総理におかれましてはソチに出発される前のこの時間帯に私が質問をさせていただく機会をいただきまして、ありがとうございます。
 今年の最大の課題は、何といっても経済の好循環を実現することであります。年が明けまして、私も様々な団体や有権者の会合に出席をし、意見交換をしておりますけれども、今年は大変期待を込めた明るい気持ちで新年を迎えたという声を多く耳にいたします。これも、安倍政権になって放たれたいわゆる三本の矢のアベノミクスの効果の現れでありまして、今年は自分たちもアベノミクスの成果を手にできるのではないか、そういう期待が満ちているからだと思います。
 現実にもアベノミクスの効果は着実に広がっております。日銀短観によりますと、大企業だけでなく、中小企業の景況感も大きく改善をいたしております。
 経済の好循環を実現するに当たりましては、このグラフにございますように、(資料提示)GDPの約六割を占める個人消費を拡大していくということがこれはどうしても必要になります。この個人消費を拡大できるかどうかということがポイントになると思います。そのためには、企業が賃金を上昇させることが必要であります。企業収益は確実に拡大しておりますけれども、それが賃金の上昇につながるように、政労使の三者が共通認識の醸成を図るため、昨年、政労使会議を設け、五回にわたり真摯な議論がなされたと伺っております。
 今これからお見せいたしますフリップにございますように、昨年の十二月二十日、「経済の好循環実現に向けた政労使の取組について」という安倍内閣総理大臣と経済団体の長、そして連合の会長とで作成した確認文書ができております。それによりますと、「労使は、各企業の経営状況に即し、経済情勢や企業収益、物価等の動向も勘案しながら十分な議論を行い、企業収益の拡大を賃金上昇につなげていく。」ということで政労使で確認をしたということであります。
 これは過去の歴史にない画期的なことでありまして、安倍総理の強いリーダーシップがあって初めて実現したことだと思います。自由主義経済、資本主義社会の下で政府がここまで賃金上昇に関与するのかという意見もあるようですが、私は、アベノミクスを成功させ経済の好循環を実現するためには、政労使がこうして賃金上昇に関し一致した認識を持ったことは本当に意義深いことだというように思います。
 この政労使の賃上げに関する確認事項につきまして、総理の現時点での率直な評価をお聞かせいただきたいと思います、今、春闘が始まっておりますので。そして同時に、政府としては、賃上げを経済団体の長にお願いするだけではなくて、やはり企業が賃上げをしやすくするような政策を併せて提示して賃上げの環境整備をすることも必要だと思うわけですが、この点につきましても総理のお考えをお聞かせいただければと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 日本はこの十五年以上デフレから脱却できなかったわけであります。ある意味においては、このデフレ状況の前で立ちすくんでいた。そこで、私たちは三本の矢を思い切って打ち込み、このデフレから脱却する。デフレ状況でありますと、残念ながら、これは現金を持っている方が一番いいわけでありますから、企業は経営判断として、それを投資やあるいは従業員の給与に回すよりも現金として持っていて企業の経営状況が悪化したときに備える、これが習慣化していたわけであります。第一次安倍政権のときにも、企業は空前の収益を実は上げたわけでございますが、しかしそれが従業員の賃金の上昇には余り結び付かなかった。
 この反省も込めて、このデフレからしっかりと脱却していく上においては、そして景気の好循環をつくっていく上においては、まず物価安定目標を定めて、私たちが強い意思でデフレから脱却をしていくという意思を示し、その効果が出始めている中において企業は収益を改善し、今委員が御指摘になったように景況感はがらっと変わったわけですね。中小企業においてマイナスがプラスになる、しかも非製造業においてプラスになることは二十一年と十か月ぶりですから、二十二歳以下の方々には知らない経済状況を私たちは今つくろうとしているのは間違いないわけであります。
 ここを捉えて、私たちは、経済界の皆様に賃金を引き上げていただくと。賃金を引き上げていただければ景気の回復によって企業の収益が改善し、賃金が上がっていけば間違いなくそれは消費の拡大につながり、消費の拡大は更なる企業の収益の改善に向かい、そしてプラスになり、そしてそれはさらに更なる賃金の上昇あるいは設備投資へと回っていくという、この好循環に入っていくことが初めて可能になるわけであります。
 確かに、中川委員がおっしゃるように、市場主義経済、自由経済の中において、政府、総理大臣が賃金を上げてほしいということを経済界に対して言うことは、これは異例なことではありますが、しかし、十五年以上続くどこもやっていないデフレをやっているわけでありますから、ここから脱却するためには異例のことをやらなければいけないということであります。
 そこで、私たちは、復興特別法人税を廃止をし、私たちはやるべきことはやったと、あなたたちもやるべきことをやっていただきたいというきっかけをつくることには成功したと、このように思います。その中で、賃金を引き上げていただく中において、例えば所得拡大促進税制、これを使い勝手が良くするために、委員の様々な御指摘もいただきまして、使い勝手を良くするために思い切って拡大をいたしました。あるいは、中小企業の皆さん、ものづくり補助金、一生懸命物づくりに汗を流し油にまみれながら頑張っている皆さん、このものづくり補助金というのは彼らに大きな勇気を与えています。
 このものづくり補助金についても、物づくりだけではなくて、ものづくり・商業・サービス革新補助金でありますが、この分野において、イノベーションに挑戦する中小・小規模事業者に対してのこの補助金についても、賃上げを実施する事業者を優先的に採択することにしたところでございまして、このように、経営者の皆さんと、あるいは労働界の皆さんと力を合わせて、政労使の会議を開き、懇談会を開き、そしてみんなでできることをやっていこうという意味において一致をしたわけであります。
 力を合わせてこのデフレから脱却をして、同時に景気の好循環をつくり上げ、みんなの給与が上がっていく、そしてその暖かい景気回復の波が全国津々浦々に、あらゆる人々に及んでいくように全力を尽くしていきたいと思います。
○中川雅治君 ありがとうございました。総理の大変強い決意を伺わせていただきました。
 せっかく安倍総理のリーダーシップで政労使のこうした確認がなされたわけでございますから、今始まったばかりの春闘におきまして何としてでも具体的な結果を出していただきたいと思います。
 もうかっているのに賃上げをしない企業につきましては、その名前を公表したらどうかと思います。経産大臣がそういう方針だということを今ここで表明をされれば、経営者の皆様方のマインドにも大きく影響を与えると思います。そして、中小企業の場合にも、もうかっているのに賃上げをしない、これはちょっとまずいなと思わせるような何か公表の仕方を工夫されてはどうかと思います。
 茂木経産大臣よりお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(茂木敏充君) 昨日発表されました昨年の四月から十二月の企業業績によりますと、現時点で約七割の企業が前年同期比で増収増益という形で、企業業績、大幅に改善をしております。
 既に冬のボーナス増えた企業も多いようでありまして、ちなみに日本でボーナスを最初に出したのは三菱グループの創始者の岩崎弥太郎さんだそうであります。このボーナス、語源は古代ローマに遡りまして、古代ローマの成功と収穫の神ボヌス・エベントスと、ここから来ているんですけれども、成功、つまり企業収益の改善を収穫、賃金の上昇に、上げていくと。総理を先頭に政府一丸となって取り組んでいきたいと、そんなふうに思っております。
 そこの中でも、なかなか中小企業にとってはそういう賃上げができる環境をつくることは極めてこれから大きな課題でありまして、今総理の方からもありましたように、中小企業の投資促進税制であったりとか所得拡大促進税制、こういったものを大いに中小企業の皆さんに使ってもらうと。そして、ものづくり補助金の方も昨年の一千七億から一千四百億に拡充して、今総理の方からもありましたように、これから公募にかけますけれども、公募に当たって、採択では、人材育成とか賃上げをやっている企業、こういうのを評価点に加えると、こういった形を取りたいと思っております。
 その上で、恐らく大手上場企業、三月中旬ぐらいに春闘の結果、出てくると思っております。そこの中で、経団連であったりとか連合とも協力しつつ、賃金の動向であったりとか企業収益の状況を調査して、その形を、それを結果を取りまとめて適切な形で公表していきたい。
 具体的に申し上げると、大手企業、東証一部の上場企業で千七百社から八百社ぐらいになりますが、これについては、春闘の結果について可能な限り前年度からの伸び率や増加額といった賃上げの動向及び企業収益の状況を把握して、企業名も含めて公表もしたいと思っております。中小企業になりますとなかなかそういう形を取れませんが、アンケート調査等々も含めて、何らかの形で、こういった成果が出ているということを、若干時間は遅くなるかもしれませんが、公表したいと思っております。
○中川雅治君 ありがとうございました。大変前向きな答弁をいただきました。一部上場企業につきましては、当然これは企業収益の状況はもう公になっているわけですから、今大臣のお話だと、賃上げの状況を個別企業名をもって公表をすると、こうおっしゃったわけでございまして、これは今までの政府の対応からしますと画期的な御答弁だと思います。
 それともう一つ、やはり賃上げという場合には、パート労働者といいますか、非正規職員の賃金も改善されることを期待する人も多いと思うので、この点について、厚労副大臣、いかがでしょうか。
○副大臣(佐藤茂樹君) 今、中川委員御指摘された非正規雇用の賃上げというのは、もう処遇の改善も含めて我々大変大切なことだと思っております。特に非正規雇用については正規雇用に比べまして賃金の低いことが課題の一つとなっておりまして、例えば平成二十四年度の数字で申し上げますと、時給ベースで正社員の方が千八百四円に対してパート労働者については千二十六円と。正社員を一〇〇とするとパート労働者については五六・九という、そういう数字も出ております。ですから、先ほど来総理も答弁されましたように、政労使の会議におきましても、意欲と能力のある非正規雇用労働者についても業績と能力を評価し処遇に適切に反映させる、このことについても政労使共通の認識に至っているわけでございます。
 そこで、厚生労働省としても、正規雇用を希望する非正規雇用労働者の正規雇用化を進めるということがまず一つ、もう一つは、処遇の改善に取り組んでいくということが二つ、この二つの施策が極めて重要であると、そのように認識しておりまして、具体的に、非正規雇用労働者の正規雇用化の支援として、フリーター等を支援するわかものハローワークの拠点を来年度更に拡充をさせていただきます。今年度は東京を始め三か所でございますが、来年度は二十八か所拡充をしようと。さらに、キャリアアップ助成金及びトライアル雇用奨励金の助成額、助成対象等を拡充すると。
 法制度としては、雇用保険制度を見直して非正規雇用労働者である若者等の中長期的なキャリア形成を支援するということ、さらには、パートタイム労働法を見直しましてパートタイム労働者の均等・均衡待遇の確保等を更に充実するなど、総合的な対策を推進していくことを考えておりまして、いずれにしても、正規、非正規にかかわらず、労働者が安心して生活できる環境を整備してまいりたいと考えております。
○中川雅治君 ありがとうございました。
 それと、やはりデフレから脱却するためには、長い間続いたデフレによって染み付いてしまった我々の心の中のデフレマインドを取り払っていくということが必要だと思います。まず、役所の中に蔓延するデフレマインドを払拭するということが重要だと思います。
 財政事情が厳しかったために、年々例えばいろんな経費が切り詰められていく、特に公共事業費につきましては大幅に削減されていきました。そういう状況の下で、発注者である国や地方公共団体は、とにかく安ければいいということで、質というよりかは、むしろ競争入札をさせて、よく言われますね、安かろう悪かろうという言葉がありますが、そういう結果に終わる入札に甘んじる、場合によったらダンピング入札というようなことも行われてきました。やはり、そういうことになりますと、優秀な技術を持った企業が排除されて粗悪な企業が落札をしていく、その結果、優秀な技術者が流出してしまう。企業は、もうこんなことではやっていけないということで、倒産したり撤退をしたりするというような状況が出てきております。
 やはり、公共工事は、良い技術を持ったところが適正な価格で落札をし、適正な利潤を確保してこそ品質を確保できるわけでありますし、また中長期的な担い手を確保することが可能になるわけであります。それで経済の好循環というものが実現していくと思います。
 自民党では、公共工事の品質確保の促進に関する法律、いわゆる品確法を改正して、適切な工事採算性を確保し、人手不足にも対応していこうと今検討しているところでございます。公共工事だけではございません。様々な国や地方公共団体の発注についても同様です。
 デフレから脱却するためには、こうした役所の人たちが持つデフレマインドをまず改めていくことが必要だと考えますが、総理、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、中川委員がおっしゃったことは大変重要なことだと思っております。
 公共工事のいわゆるダンピング受注は、まず受注企業が赤字になるということがあります。そして、これが問題なんですが、粗悪な企業が手抜き工事をするということにもつながっていきます。そして、さらには下請や現場の職人へのしわ寄せにつながっていくという大きな弊害を生んでいくわけでございまして、特に、人件費を抑制することによってそこで働く人々の生活水準が厳しい状況になっていくということも大きな問題だと思います。
 政府においても、公共事業の労務単価の引上げを通じて現場の職人の方々の処遇を改善するなどの取組を今進めているところでございまして、引き続き、自民党における多様な入札方式の採用などに関する議論を行っているところでございますが、現在、自民党品確議連、品確というのは品質の確保でありますが、自民党品確議連公共工事契約適正化委員会において熱心な議論が行われておりますが、現場の実態をよく見ながら、見直すべきものはしっかりと見直していきたいと考えております。
○中川雅治君 ありがとうございます。私も品確議連に入って頑張っていきたいと思いますので、よろしくお願いをいたしたいと思います。
 バブル崩壊後、我が国の潜在成長率が低下の一途をたどっているわけです。この潜在成長率というのは、完全雇用を前提としてどのくらいの成長力を持てるかということを試算したものでございますが、一九九一年度から一九九六年度までの潜在成長率は二・〇%、それが、二〇〇八年度から二〇一二年度になりますと、潜在成長率は〇・五%まで落ちております。この最も大きな原因は、やはり少子高齢化による労働力の減少ということでございます。まさにそういう構造的な要因に基づくものであります。
 日本がこれから潜在成長力を高めて経済の好循環という軌道に乗せていくためには、この構造的な要因、労働力の減少という構造的な要因に適切に対処していくということがどうしても必要だと思いますが、この点についての総理の御見解を伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 我が国最大の潜在力は女性の力だろうと考えております。この女性の力を最大限発揮できるようにすることは、少子高齢化で今委員が御指摘になったように労働力人口の減少が懸念される中で、新たな成長分野を支える人材を確保していく上においても成長の上においても不可欠であると、このように認識をしております。
 我が国の女性の労働力率は、子育て期に一旦低下するといういわゆるM字カーブを描いており、希望しながら就業できていない女性が三百万人以上いると。まさにこの三百万人の方々こそ大きな力だと思います。夫婦が働きながら安心して子供を育てる環境の整備や女性の積極的登用等を通じて、女性の労働参加率を引き上げるように取り組んでいるところでございます。
 また、本格的な高齢社会を迎えている中で、国民一人一人の意欲と能力が最大限に発揮できるよう、高齢者が培ってきた知識や経験を生かして活躍することのできる社会を構築することも必要であります。こうした社会の実現に向けまして、高齢者の雇用環境の整備に対する助成などによって高齢者の安定した雇用の確保を推進していきたい。
 女性の力、あるいは高齢者の皆さんが経験と能力を生かしていただく、これが極めて重要であると、このように認識をしております。
○中川雅治君 本年一月二十日に産業競争力会議が取りまとめました成長戦略進化のための今後の検討方針に、女性の活躍を妨げる障壁を解消し、支援を強化するための具体的方策を平成二十六年年央を目途に取りまとめるとありますが、これに期待したいと思います。
 最近、株式市場、為替市場の状況が非常に乱高下して、為替の方は多少円高に振れたという程度でございますが、こういった市場の動きから、大変アベノミクスに対する不安の声もあるようですけれども、私は、この株式市場は、これは為替市場も同じですけれども、グローバルな要因によって多少乱高下があってやや下げたときもございますけれども、これは基本的には私は心配はない、やはりアベノミクスをこれからも積極的にこの今の路線でしっかりと進めて日本経済のファンダメンタルズを良くしていけば株式市場というのはもう必ず上昇軌道にあると、こういうふうに思います。
 国債市場の方は、金利は十年物で相変わらず〇・六%ぐらいで安定しております。しかし、その根っこにはやっぱり財政規律をしっかり維持すると、こういう姿勢をしっかりと守っていく、そのことによって国債市場が安定をするというように思いますので、その点も引き続きしっかりと守っていただきながら、この経済の好循環に向けて安倍総理の強いリーダーシップの下で引き続き御健闘いただきますことをお願いをいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○委員長(山崎力君) 以上で中川雅治君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(山崎力君) 次に、大塚耕平君の質疑を行います。大塚耕平君。
○大塚耕平君 民主党・新緑風会の大塚耕平でございます。
 今日は経済と外交に関する集中審議でございますので、両問題について建設的な議論をさせていただきたいというふうに思います。
 まず最初に、グラフをお配りをこれからさせていただくと思いますので御覧をいただきたいと思うんですが、去年の臨時国会のときにも御覧をいただいた財政赤字のグラフでございます。(資料提示)これ、臨時国会のときからまたデータは直近まで延ばしてリバイスしたグラフでありますので是非御覧をいただきたいんですが、このグラフは財政赤字の対GDP比でありますので、グラフの高さが高ければ高いほど日本の財政の状況は余りよろしくないというふうに御覧いただければと思います。
 横軸を見ていただくと、これは西暦でありますので、ちょうど真ん中で切れているところがございますが、これは一九四五年であります。これは、借金が減ったわけではなくて、もう総理、財務大臣におかれては御承知のとおり、その当時、敗戦した日本国政府が国債を十分に償還しなかったということに加えて、大変なインフレがしばらく続いたためにその比率が下がったというのが、これはもう客観的な事実であります。
 しかし、現状は御覧のとおりの水準まで来ているわけでありますが、このグラフの高さがこうなったからすぐ戦前と同じような比較をする必要はもちろんないと思います。国債市場も大変発達をしておりますので、国債は負債としての面もあれば資産としての面もある、これも十分理解をしております。しかし、日本の財政が大変深刻な状況であるということは、これは御同意をいただけるものと思います。
 また、そうした中で、一昨日、自民党のそちらにお座りの大家さんからも大変建設的な御発言がありました。我が国の現在の状況は、もちろん直近に政権をお預かりしていた民主党だけの責任でもなく、その以前大変長期にわたって政権を担っておられた自民党にも責任があるというふうに大変率直な御発言をされて、そういう御認識こそ国会がしっかり建設的な機能を果たすための重要なポイントだというふうに思っております。
 そこで、この財政赤字のグラフを御覧いただいた上で総理に一つ御確認をさせていただきたいんですが、どこの政党が政権をお預かりしようとも、財政健全化と経済成長、総理はもう経済成長、今しっかり取り組もうという意欲で臨んでおられるわけでありますが、この両方が課題であるということは、これはもう言をまたないわけでありますが、改めて、財政健全化と経済成長が両方とも重要な課題だということについて総理の御認識をお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 安倍政権としては、この財政の健全化、これはもう既に私たち累積的な借金を抱えているわけであります。この財政の状況を健全化していく、これは大きな使命であります。
 同時に、ではどうやってこの財政の健全化を図っていくかといえば、もちろんまず無駄遣い、出ていく方の無駄遣いを厳に慎んでいくということが一点。もう一つは、税収を増やしていく。税収を増やしていく上においては、今年の四月から消費税を引き上げさせていただきますが、同時に経済を成長させていくことによって税収増、自然増を図っていく必要があります。その中におきましては、デフレ状況では絶対に税収は増えていかないわけでありますから、ここでデフレから脱却をして、デフレを脱却をしてしっかりと経済を成長させて税収を増やしていく。そして、そのことによって、言わば出ていく方をちゃんと無駄遣いをなくしていく中において、そして同時に入ってくる方を増やしていく。
 つまり、経済の成長だけが全てを解決をするわけではありませんが、経済成長なしには財政の健全化もないわけでありまして、この両方を達成する上においては今私どもが行っている政策しか、この道しかないと、こう考えているところでございまして、その観点からも、今回、予算編成に当たっては、基礎的財政収支において五・二兆円改善をしたところでございます。
○大塚耕平君 ありがとうございました。
 二枚目の資料を御覧をいただきたいと思うんですが、私どもも認識は一緒なんです。お手元にもお配りをしておりますので、二枚目の資料でございます。財政健全化と経済成長は現下の安倍政権においても重要課題であると同時に、私どもももちろん重要課題として取り組んだわけであります。御覧いただいている基礎的財政収支の数字は、財務省の資料から作らせていただきました。
 平成二十一年度、私どもが政権を引き継がせていただいたのは、今財務大臣をお務めになっておられる麻生総理の下で編成された一次補正後の段階からでございますので、私どもは平成二十四年度の当初予算まで担当させていただきました。その間の基礎的財政収支は、この数字を見る上では一・五兆の改善でございます。そして、もちろんこの二十二・三兆には、注書きにありますように、平成二十四年度については三党合意による基礎年金国庫負担の二分の一と三六・五%の差額二・六兆円を除くベースで算出をするということが当時の財務省の認識としても示されたわけでありますので、あくまでそういう数字を使わせていただいております。
 そして、平成二十四年度、その後政権を担当された現安倍政権の下では、来年度の本予算の審議は来週から始まりますが、当初予算ベースではマイナス十八兆の基礎的財政収支ですから、四・三兆円の改善と。これは大変すばらしいことだと思いますが、ただし、そこには消費税増税分の四・五兆が入っておりますので、それを除けばもちろんとんとんというところであります。もちろん、我々も、先ほど申し上げました三党合意の二・六兆を除くと若干のマイナスになっておりますので。
 何を申し上げたいかというと、財政健全化はどの政権であってもこれはもう避けて通れない道でありますので、我々もこのように十分努力をさせていただいた。しかし、安倍政権においてもこれは努力をされなければならない。そこが問われているわけでありますので、今日は、この後、その議論をさせていただきたいと思いますが。
 その前に、一点、是非総理に御答弁いただきたいのは、衆議院では、この平成二十一年度のマイナス十三・一との比較において、私どもの政権で基礎的財政収支が十二兆も悪化したという御発言をしておられるんですが、この数字は御覧いただいたとおりでありますので、民主党政権下でも財政健全化に努力をしていたという点については是非御理解をいただきたいと思いますが、一言コメントをいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それは、各政権で努力をしているわけでありますが、しかし私は、一方、事実は事実として申し上げたわけでございます。努力していないということは申し上げていないわけでありますが、安倍政権下において、初年度に一・七兆円、そして次年度に五・二兆円、六・九兆円プラスになったのは、改善したのは事実でございます。つまり、基礎的財政収支において間違いなくそれはプラスになっているわけでありますから、その事実を申し上げたことは間違いない。
 そこで、先ほど歳出についてということをおっしゃったわけでありますが……(発言する者あり)それはいいですか、よろしいですか。これから分かりやすく説明しようと思ったところなんで。よろしいですか。
○大塚耕平君 はい、結構です。ありがとうございました。
 総理の御配慮は大変有り難いんですが、今私がお伺いしたのは、衆議院において民主党政権下では基礎的財政収支が十二兆悪化したと発言しておられるので、それは違いますということだけ私は申し上げたんです。それで、総理、建設的な議論をしたいですから。
 でも、私もだんだん総理の御答弁の傾向というか、癖が分かってきましたので。前の総理のことを申し上げて恐縮ですが、小泉さんとも何度も議論をさせていただきましたけれども、今のような質問をさせていただくと、小泉さんはすっとその辺はお認めになったんですよね、それはそうかもしれない、しかし私たちも頑張るという、こういう乗りだったんですが。
 私は今事実を申し上げたわけでありますので、今後、基礎的財政収支の推移はこういう経緯であったということを財務大臣におかれても是非御理解いただいて御議論をしていただきたいと思います。
 その上で、補正予算は昨日成立をいたしました。本予算は来週からでございますけれども、もちろん、いい予算であれば我々も賛成をしたいわけであります。総理がおっしゃるように、成長戦略実現に向けていろいろ弾込めをしておられる、これも分かります。しかし、今回の予算は、成立した補正予算も来年度の本予算も二つ大きな問題があります。
 一つは、これはもうこれまでも随分取り上げられました。後ろに稲田大臣も来ておられますけれども、昨年、民主党の事業仕分は大変意味があったというふうに稲田大臣もその取組自体は認めていただいて、それを継承する形で無駄削減四千六百億を実行されたわけであります、財務大臣とも御協力いただいて。しかし、そのうちの八割が、補正予算、当初予算案の概算要求で無駄だと指摘された四千六百億のうちの八割が実は補正予算で復活してしまったという、これが一点目であります。
 二点目。二点目は、これも参議院では余り取り上げられませんでしたけれども、基金ですよね。この基金という予算の編成の仕方も理解できないわけではないんですが、ちょっと余りにもその規模が大き過ぎるのではないかという気がいたします。これが二点目であります。
 そこで、財務大臣あるいは行革大臣、どちらでも結構でございますが、補正予算における造成基金の数と総額、それから来週から始まる本予算案における造成基金の数と総額について、数字をお答えいただければと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 二十五年度補正予算に計上された基金の数というのは四十九、その総額は一兆二千億であります。既存の基金の積み増しが三十六基金〇・八兆円、新規基金が十三基金〇・四兆円であります。
 また、二十六年度予算に計上された基金の数は同じく四十九でありまして、その総額は一・四兆円、既存基金の積み増し四十四基金一・三兆円、新規基金の造成が〇・一兆円というのが現状であろうと存じます。
○大塚耕平君 財務大臣は、衆議院の議事録を読ませていただくと、もちろん繰越明許の話にも言及しておられて、十分その制度的な仕組みは御存じの上で対応しておられると思うんですが、繰越明許は一年しか延長ができないということは御答弁しておられましたけれども、もう一年できる仕組みがあるんですが、それは何だかは御存じでありますでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 質問ですか。
○委員長(山崎力君) ええ、質問で。お答えください。
○国務大臣(麻生太郎君) 知っていますかという意味ですか。
○大塚耕平君 はい。
○国務大臣(麻生太郎君) 済みません。知っています。事故繰越しのことでしょう。
○大塚耕平君 さすが麻生大臣であります。繰越明許は財政法十四条の三、事故繰越しは、実は会計年度独立の原則を定めた四十二条の後段の方に書いてあるんですけれども。
 実は、この単年度主義あるいは会計年度独立の原則の例外的な繰越明許や、更にもう一年だけ、つまり三年目まで対応可能な事故繰越し以外に、あと財政法上にはもう一つ仕組みがあるんですけれども、それは継続費なんですよ、継続費。これはもちろん別に、知っていますかみたいなそんな質問をするつもりはありません。ありませんが、継続費は財政法十四条の二に定められていて、継続費は五年できるんですよ。それは、単年度の予算だけで国の経済を運営できるとは思えませんので、だから財政法にこういう例外があるんですよ。
 先ほど御答弁いただいた基金という仕組みの財政法上の根拠はありますでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 財政法上の条項までは、四十何条だったか、あれは覚えておりませんけれども、繰越しできるという条項があったと記憶します。
○大塚耕平君 いや、これはまさしく建設的な議論をしたいんで。
 財政法上には基金というものの根拠はないんですよ。基金という言葉も一回も出てきません。
 基金という仕組みはいつ頃から始まったというふうに、まあ国会議員歴の長い麻生大臣でありますので、お考えでしょうか。(発言する者あり)
○国務大臣(麻生太郎君) 静かになりましたらしゃべりますから。時間はたちますので。
 今の話で、見込めないので基金でやるというのは毎年の話になっておりますけれども、いわゆる国からの基金造成のための補助金を出す場合にはというので、いわゆる基金についていろいろなあれがあるので、先ほど言われましたように、財政法上の中に基金という言葉が使われていないという……(発言する者あり)根拠、だから根拠がないというお話なので、見込めないので基金、いろいろ、毎年の話なので、見込めないので基金でやっているという形を始めたのがいつからかという話を聞いておられたんですか。ちょっと正直記憶がありません。
○大塚耕平君 もう一回財政赤字のグラフ出していただけますか。
 大事なところで総理がちょっと席を立たれました。これはもちろん委員長の了解を取って立っておられるのでしようがないですけど、残念ですので、後でお伝えくださいね。
 基金がいつから始まったか、それは私も知らないんですよ。私も知らない。
 委員長、是非これはお願いをいたします。
 基金という仕組みができた経緯、これまでの実績、現状に対する資料要求、これ一点、まずさせていただきます。
 そして、補正予算、本予算における全基金の期首残高、二十五年度補正予算への計上額、二十六年度本予算案への計上額の一覧の資料要求。
 この二つを是非お願いをしたいと思います。よろしくお取り計らいください。
○委員長(山崎力君) 今の大塚耕平君の要請に対しては、理事会で取り計らいの上、善処したいと思います。
○大塚耕平君 そして、私が調べた限りでは、その補正予算に入っていた基金のうち、さらに十三基金は本予算でも同じように更に造成されているんですね。
 麻生財務大臣は衆議院で、補正予算の中における基金につきましては、これは二十五年度中にまず事業に着手するということですというふうに答弁しておられるんです、これは桜内議員に対する御答弁で。つまり、昨日成立した補正予算の、先ほど御答弁いただいた金額の基金は二十五年度中に事業に着手するというふうにはっきり言われたんですね。これをしないと繰越明許の対応をしなきゃいけないんですが、これは単に翌年に延ばすということじゃなくて、根拠がなければ、やむを得からざる事情がなければできないんですよ。
 その上で、財務大臣は二十五年度中に成立した補正予算のものは実行するというふうに答弁されましたので、委員長、これもお願いですが、参議院の本予算を採決する以前に、あるいは審議が始まるまでに、昨日成立した補正予算における基金がそれぞれ実行されたかどうかという資料の提出を求めたいと思います。
○委員長(山崎力君) 先ほども申し上げましたが、今の大塚耕平君のこれは要求ということですので、後刻理事会で協議の上、対処したいと思います。
○大塚耕平君 私は、その基金の制度が一〇〇%まずいなどとは思っていません。稲田大臣、じっと真剣に聞いていただいていて有り難いんですが。
 この財政赤字のグラフでいうと、私のおぼろげな記憶では、やはり九〇年代、バブル崩壊後に景気対策で補正予算組まなきゃいけないというときに、何かいい案はないか、何かいい案はないかといって当時の与党の皆さんがいろいろ工夫をされた結果、しかし、役所の皆さんもそんなにアイデアが出てくるわけではないので、じゃ、基金という形で、基金という仕組みが徐々に徐々に増幅をしていったようにも記憶をしておりますので、その点を是非確認していただいて、私は、この基金の在り方については、財政法上の中にきちんと明記をするような財政法の改正か、あるいは基金の運営の仕方を明確にする基金に関する法律を新規に立法するべきだと思いますが、財務大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 今の御指摘は、財政法上にきちんとした基金という勘定科目というか、項目を挙げた方が今後の根拠としてきちんとしておるのではないかという御提案だと存じますので、それを議員立法でなさいますか。
○大塚耕平君 議員立法でも結構だと思いますので、大家さんに相談をさせていただきたいと思います。
 次に、株価とマネタリーベースのグラフをちょっと御覧いただきたいんですが、その次の三枚目のグラフでございます。これも秋に御覧いただいたんですが、直近までデータを延ばしてきておりますので是非御覧いただきたいと思います。秋の国会ではちょっと時間切れで十分に御説明できませんでしたので、もう一回御覧いただきます。
 これは、青い線がマネタリーベース、つまり、今、日銀が操作目標にしている金融緩和の操作手段であります。これはだんだんだんだん増えてきておりますが、もう一回あのとき申し上げ切れなかったことを申し上げますが、この青い線が二〇〇四年前後で大きく膨らんでいるのは、これは、竹中大臣がおられて、日銀の総裁が福井さんのときに、やはり金融緩和が必要だろうということで、方法としては、ちょっと耳慣れない言葉で恐縮ですが、非不胎化為替介入というものをやったわけであります。
 この効果は、私も元日銀の一員として分かっておりますので、だからこそ、我々の政権の時代、二〇一〇年から一二年の前後に、黒い縦の線が入っておりますが、その期間にその水準までは戻そうということをしたわけであります。現にその水準までは戻したわけであります。しかし、安倍総理におかれては、やっぱりそれではやり方が生ぬるいという御判断もあって、今この右肩上がりの青い線の状況になっているわけであります。
 そこで、安倍総理に是非お伺いしたいんですが、前もお伺いしましたが、はっきり御答弁いただけなかったような気もしますので、もう一回聞かせてください。
 あの竹中さんのときの青い線を下げた段階は実は安倍総理が官房長官のときであり、その後、この青い線をこの低い水準で維持したのは前安倍政権のときであったんですが、そのときはどういう御判断であったのかということを、今後我々が建設的な議論をするために是非聞かせていただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) お答えをする前に、ちょっと先ほどの議論で、基礎的財政収支なんですが、ちょっとおかしいなと思って見たんですが、これ皆さんの、二十四年度、二十二・三兆円になっていますが、これは年金のところを、二・六兆円を除いているんですね。これは本来足さなければいけないわけで……(発言する者あり)いや、しかし、あなたのグラフはこれ小さく書いてあるからね。ささっと早口でおっしゃったのを私聞いていますから。そこと比べなければいけないんですよ。だから、本来そこと比べなければいけませんし、当初予算と比べれば間違いなく、私が言っていることは間違いないわけでありますし、当初予算と比べれば、皆さんのときに十一・八兆円悪化したのは間違いない事実であるということを申し上げておきたいと思います。
 その上で申し上げますと、私が官房長官のときに、当時、日銀の総裁は福井さんだったわけでありますが、あのときに量的緩和をやめるという判断をされました。あのとき、我々政府としては、それはまだ早いということを再三再四申し上げたわけでございますが、ここは日本銀行の判断で結果としてそうなったわけでございます。
 そして、そのときの反省から、言わば政府と日本銀行との間においてしっかりと物価安定目標というものを定めると。そして、その物価安定目標というのは、やはりこれは二%が適当であろうと。言わば、今までずっと続いてきたデフレマインドを払拭する上においては、政府、日本銀行が本気だなと思われるようなこれは物価安定目標を定めるべきであると。こういう中から一月に政府とそして日本銀行との間において言わばこれは合意が結ばれたわけでございます。
 それが大きな変化をもたらしたのは事実でありまして、つまり私どもが、先ほど御指摘されたように、先ほど指摘されたように……(発言する者あり)後ろからやじを飛ばされると……(発言する者あり)いや、私は、どこまで言ったか分からなくなっちゃうんですよ。ですから、静かにして……(発言する者あり)
○委員長(山崎力君) お静かに願います。
 どうぞ、総理、御答弁をお続けください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) よろしいですか。
 つまり、先ほど申し上げましたように、官房長官のときに日本銀行が言わば量的緩和をこれはやめるという判断をしたのは事実でありまして、つまり、あのときの反省の上に立って、今回、我々は日本銀行との間において二%の物価安定目標を定め、そしてその後、黒田総裁が誕生して結果が出ているということになるわけでありまして、そしてCPIについても、生鮮食品、そしてさらにはエネルギーを除いてもプラスになった。つまり、デフレ脱却までは行っていませんが、デフレとは言えない状況になりつつあるのは事実であろうと、このように考えているところでございます。
○大塚耕平君 プライマリーバランスのところは、別に小さく書いたわけではなくて、二・六兆を差し引くと私どももマイナスだったとさっき私はっきり申し上げていますので、ここで。まさしくフェアに議論させていただいているつもりなので、是非総理におかれても、この平成二十一年度のマイナス十三・一から差し引いての計算というのは必ずしも正確ではないということを御理解いただきたいのと、あえて私申し上げませんでしたけど、その後、リーマン・ショックで九兆円の税収減というものもあったり、いろいろあった中で我々も努力をしていたということは御理解くださいと、こういう趣旨であります。それが前提じゃないとやはり建設的な議論はできませんので、是非よろしくお願いいたします。
 今お伺いしました。なるほど、そこで不退転の決意で今この右肩上がりのマネタリーベースの運営をし、この点線のところまでは日銀が約束をしているわけであります、今年度末にマネタリーベース二百七十兆円。
 しかし私も、私、一九八三年から日銀で勤務しておりましたが、バブルの発生から崩壊、その間も金融市場の最前線で仕事をさせていただきました。まだ大変難しい状況が続いているという認識でおります。それは、何となれば、この株価の動きを見ていただければ一目瞭然で、この赤い丸はその後の株価のピークがどういうふうに推移してきているかということであります。これは、マネタリーベースを二百七十兆円まで上げた上で、なおかつ、この赤い線がどうなるかということはまだ予断を許さないということを是非御理解いただいて、緊張感を緩めずに御対応いただきたいということを申し上げて、その上でベアの話をさせていただきたいんですが、先ほども中川先生がベアの話ししておられました。これは、なぜ安倍総理がこういうことをやっておられるかといえば、モデレートなインフレを実現するためということでありますが。
 そこで、ベアの話を一瞬させていただく前に、今日は厚生労働副大臣に来ていただいているので、現下の失業率と有効求人倍率だけお答えいただけますか。
○副大臣(佐藤茂樹君) 平成二十五年十二月の完全失業率三・七%、有効求人倍率は一・〇三倍となっておりまして、前月比から見ますと、十一月から見ますと、完全失業率は〇・三ポイント改善、有効求人倍率は〇・〇三倍改善と、こういうことから、現在の雇用情勢は、一部に厳しさが見られるものの改善が進んでいると認識しております。
○大塚耕平君 失業率が改善しているのは、それはもう喜ばしいことなんですが、ただ、この失業率や求職者等の定義を含めた統計の在り方を見直そうということが、これは私どもの政権の時代に始めたものを先頃おまとめいただいて統計見直しの方針を決定していただいたんですね、安倍政権の下で。それはまさしく結構なことでありますが、これ、総理、今までの統計は、求人というのは月末の一週間だけ求人をしている人たちを対象にしているので、見た目の失業率というのは実際の労働市場よりもかなり良く見えているというところがあるというふうに理解をしております、私は。
 その上で、麻生政権の最後におまとめになった経済白書の中で、雇用保蔵という言葉を使われました。雇用調整助成金という日本の大変優れた制度の下で、企業の中に実質的失業が退蔵されているという意味なんですね、これは。あの当時、麻生大臣、お忘れかもしれませんが、私、最後質問させていただいたときに、雇用保蔵も入れると日本の失業率は、あの当時六%ぐらいが表面上の数字だったのが、実際は一五%ぐらいだという議論があったんですね。だから、今も、これは表面上の数字だけで見ることなく実態を把握していただかないと、ちょっと実感と違うんです、実感と。
 だから、総理に一つお願いをしたいのは、これ、統計の見直しを五年間でやるということになっているんですが、この失業率の統計等は一刻も早く見直しに着手して、そして成し遂げるということだけお約束をしていただけませんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 確かに、統計の数字が実態と乖離していては正しい政策を打つことはできないわけでありますし、我々の実態認識が間違うことになりますので、そういう意味におきましては我々もできる限り早くそういう対応をしていきたいと、このように思います。
○大塚耕平君 ありがとうございます。一刻も早く実現をしていただきたいと思います。
 その上で、ベアなんですけれども、ベア、実現できればいいですけれども、多くの方が、やはり非正規の方が二千万人以上いらっしゃって、ベアだけではどうにもならないし、五千万人のいわゆる正規の就業者の方々のうち実際にベアが行われるのは二割に行くか行かないかぐらいじゃないかと、こういう議論があるんですね。
 厚生労働副大臣でも結構ですし麻生大臣でも結構なんですが、非正規の方々というのはベアとか定昇というのはあるんでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) ちょっと生意気なことを言うようで恐縮ですけど、正規の社員しかやったことない人。非正規というのは、炭鉱労働者というのは基本的に非正規。分かりますか、納屋制度というのがありますので、そういうのを一番扱っておりましたところが元々の職業ですからかなり詳しいと思っていただいて間違いないんですが。
 正直申し上げて、これは企業に、企業というか、昔は納屋と言ったんですけれども、今はいろいろ別の会社のモダンな名前が付いていますけれども、そこの会社のやり方というのがあろうかと思いますが、基本的にはないのが通常だと存じます。
○大塚耕平君 私ももちろん正規しかやったことございませんので麻生大臣ほどは存じ上げておりませんが、ただ、非正規の方ともいっぱいお話をしておりますので、非正規の方にとっては、ベアとか定昇とかそういう議論が行われていても、言わば空中戦で、自分たちには何の関係もないという感じなんですね。
 だから、正規の方でも、もちろんベアも大事ですけれども、実は定昇の方がより大事なところがあって、賃金には生活給と能力給と実績給というこの三つの要素がありますから、総理、これから物価を上げられるということは、生活給的にいうとベアももちろん物価上昇分をカバーしていただかなきゃいけないんですが、昨今の議論でも、ベアが一%ぐらいで、もし総理のおっしゃる二%インフレが実現できちゃったら実質一%賃下げですからね。そうすると、生活維持するためには定期昇給というものを各企業が考えていかなきゃいけないし、これは非正規の方々にとっても大事な問題でありますので。
 これ、厚生労働副大臣にお願いをしておきたいんですが、田村さん、インフルエンザもし治って復帰されたら、大臣に、非正規の方の賃金構造の実態と、これをどういうふうにしていったら非正規の方々の生活水準も上がるのかということは、これは労働行政を所管する厚生労働省として是非やっていただきたいということを厚生労働副大臣の元職としてもお願いをしておきたいんですが、よろしくお願いします。一言、どうぞ。
○副大臣(佐藤茂樹君) 田村大臣、申し訳ございません、ちょっと体調を崩しておりますが、もう来週には回復されると思いますので、今、大塚委員からありましたことを受けまして、しっかりと検討してまいりたいと思います。
○大塚耕平君 それでは、残された時間で、次は外交について、集団的自衛権について議論をさせていただきます。パネルをお願いします。
 これも臨時国会のときにお話をさせていただいたのを御記憶にないかもしれませんが、総理、集団的自衛権や集団的安全保障の話は、これは当然、国会議員みんな関心があります。そして、私たちも、私も、当然、アメリカや日本に協力してくれている国々が日本の国民の生命と財産の安全を守ってくれるのであるならば、日本としてどれだけの貢献ができるかということをこれは考えなければならないと思っております。
 しかし同時に、我が国には戦後五十年間積み上げてきたこの安全保障問題についての歴史というものがあります。国会は、その歴史の中で道理、理を重んじるということをしなければ、これは国会の存在意義がなくなるというふうに思っております。
 そこで、去年の秋に私が御説明申し上げたのは、この図そのものは私が作った図ですが、お手元の四枚目にございますので是非御覧いただきたいんですが、元々は、日本が攻撃を受けている場合も攻撃を受けていない場合も、基本的にどう対応するか決まっていないところからスタートしたものを、昭和四十三年の佐藤首相の答弁、そして昭和五十八年の中曽根首相の答弁で私がこの図の中に入れたところがカバーされるようになったわけです。今、この丸を付けてある領域では、この国会、そして現行憲法上で、同盟国が攻撃を受けた場合、そしてそのとき個別的自衛権でどう対応するかということが、これがもう脈々と引き継がれているわけでありますね。
 だから、残されたのは、総理がおっしゃるように、国際情勢の変化によってこの青い部分についてどうするかという議論なんですが、ところが、残念ながら、注の四に書いてありますように、集団的自衛権の行使については、これも脈々と引き継がれたこの国会としての考え方、そして政府としての考え方があるものですから、だからどうしようということが今議論になりつつあるわけであります。
 そこで、法制局に来ていただいていると思いますが、集団的自衛権及び集団的安全保障について、これまでの考え方を簡単に聞かせていただきたいと思います。
○政府参考人(横畠裕介君) お答えいたします。
 集団的自衛権とは、国際法上、自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を、自国が直接攻撃されていないにもかかわらず、実力をもって阻止することが正当化される権利と解されており、これに関する従来からの憲法第九条の解釈は、平成十六年六月十八日の島聡衆議院議員に対する政府答弁書でもお答えしているとおり、憲法第九条の文言は、我が国として国際関係において実力の行使を行うことを一切禁じているように見えるが、政府としては、憲法前文で確認している日本国民の平和的生存権や憲法第十三条が生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利を国政上尊重すべきこととしている趣旨を踏まえて考えると、憲法第九条は、外部からの武力攻撃によって国民の生命や身体が危険にさらされるような場合にこれを排除するために必要最小限度の範囲で実力を行使することまで禁じていないと解している。
 これに対し、集団的自衛権は、我が国に対する武力攻撃に対処するものではなく、他国に加えられた武力攻撃を実力をもって阻止することを内容とするものであるので、国民の生命等が危険に直面している状況下で実力を行使する場合とは異なり、憲法の中に我が国として実力を行使することが許されるとする根拠を見いだし難く、政府としては、その行使は憲法上許されないと解してきたところであるということでございます。
○大塚耕平君 今まで、そして今の解釈はこうなんですね。
 そして、総理がおっしゃるように、国際情勢が変わってきたと。そういう中で、これまでの解釈との理、つまり論理的な正当性を維持しつつ、どういうふうに対処するかということに知恵を絞って、それを隘路を見出して対応していただくのが時の総理の仕事であるわけでありますので、憲法を改正しない限りは、やはり個別的自衛権の解釈をどのように拡大をしていくのかということが理にかなった対応であると私は思います。私は思います。
 その上で、二つ、総理に残された時間で質問をさせていただきます。
 やはりこの議論は非常に言葉が上滑りすると危ない議論でありますので、今日は内閣府の審議官の武藤さんに来ていただいていると思いますが、答弁しなくていいんです。おととい、武藤さんは脇さんにこの問題質問されて、いろいろしゃべっておられたんですけれども、僕は物すごく気になる点があって、集団的自衛権に関しましては、必ずしも軍事同盟を結ぶとか集団的自衛権を結ぶということではありませんと、そういうことがなくても行使できるという発言をしておられるんですが、これは違いますので、どうですかというのが一つの総理への御質問であります。
 それからもう一つは、その上で、総理は、先ほどほかの方でも御答弁されましたが、昨日でしたか、例えばハワイにミサイルが飛んでいく、そのミサイルを撃ち落とせないかとか、こういうようなことが、これ公海上のこの青いところになると思うんですが、一体、総理はどういうお考えで臨んでおられるのかという。
 今の集団的自衛権は軍事同盟とか安保条約を結ばなくても行使できるという考えは間違いじゃないですかという点と、この図においてどこをどういうふうにしようとしておられるのか、二つお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 集団的自衛権については、これはまさに政府が答弁したように、同盟関係ではなくても密接な関係がある国に対しては、これは言わば集団的自衛権としての権利を持っている、これは国際的なまさに常識と言ってもいいんだろうと思います。
 もう一点加えさせていただきますと、まさに個別的自衛権を、個別的自衛権をどんどん広げていくという考え方自体は、これは安保法制懇において、これはある意味、国際的においてはむしろこれは非常識であるという議論の方が強いのではないかというふうに私は認識をしているところでございます。
○委員長(山崎力君) 大塚耕平君、まとめてください。
○大塚耕平君 もうもちろん終わりますが、是非、義を重んじる政治、これは大変大事でありますが、同時に、理のない政治はやはり国民から支持を受けない蓋然性が高いということを御理解いただいて、今後の御奮闘を期待したいと思います。
 私の質問は以上で終わります。
○委員長(山崎力君) 以上で大塚耕平君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(山崎力君) 次に、河野義博君の質疑を行います。河野義博君。
○河野義博君 公明党の河野義博でございます。
 今日は経済外交をめぐる諸問題に関する集中審議でございますので、冒頭、一点、沖縄の米軍基地負担の軽減に関しまして総理に伺います。
 昨年十二月、沖縄県から申入れのありました基地負担軽減に関する要望に対して、総理は今までの御答弁で、普天間飛行場の五年以内の運用停止を含めて政府を挙げて全力で取り組むと答弁をしていただいておりますけれども、この普天間飛行場の五年以内の運用停止の実現に向けてどのような点が重要になると総理はお考えになられておられるのか、また、五年以内の運用停止に向けて具体的にどう取り組んでいかれるのか、総理の見解をお聞かせください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 昨年十二月に仲井眞知事からいただいた普天間飛行場の五年以内の運用停止を含む四項目の御要望については、米国を始め相手のあることではございますが、政府を挙げてその実現に向けて全力を尽くしていく決意でございます。
 その際、重要な点、今委員から御指摘のあった重要な点は何かということでございますが、基地の集中する沖縄の負担を軽減するため、沖縄県外におけるそれに向けた努力を十二分に行っていくことでございまして、これがまさにポイントであろうと思います。沖縄の皆さんが背負っている負担をまさに我が事として考えてこの努力をしていくということだと思います。まず、何よりも本土の皆さんの理解と協力が不可欠でございまして、在日米軍の抑止力は国民全体の安全確保に必須でありまして、米軍駐留に伴う負担も国民全体が様々な形で分かち合っていくことが、これが一番重要だろうと、こう思います。
 同時に、米国との密接な協力がある必要があります。そして、米軍再編の推進については日米両国が協力して鋭意進めていくことで一致をしておりますが、普天間の危険性の除去についても日米協力して進めていきます。
 具体的な取組としては、普天間における飛行機の運用を減らしていくことによって、学校や住宅に取り囲まれている普天間の危険性を一日も早く除去することが重要であると思います。
 このため、政府として、政府としてやっていくということも申し上げてよろしいですか。政府としては、現在普天間に所在する空中給油機十五機について、本年の六月から九月までの間に全て、全機ですね、岩国への移駐を進めます。そして、オスプレイについて、まずはその訓練等の約半分を県外で行うこととしまして、そのために本土に訓練基地を整備することとしています。
 こうした施策を着実に進めていくことによって、目に見える形で、普天間飛行場における航空機の運用を県外に移転をし、そして沖縄の基地負担が軽減されるよう、政府一丸となって取り組んでいく決意でございます。
○河野義博君 ありがとうございました。
 総理も十分に御案内のことと思いますが、さきの大戦で地上戦が繰り広げられた沖縄に今なお七四%の米軍基地負担が強いられているという状況でございます。是非とも目に見える形で一日も早い沖縄全体としての基地負担の軽減にリーダーシップを発揮していただきますよう心からお願いを申し上げます。
 続きまして、昨年十一月に発生をしました、フィリピン中部におきまして、台風被害に関連して質問をいたします。
 私は、先月十七日より秋野公造理事とともに被災地のレイテ島、サマール島に行ってまいりました。パネルを御覧いただきたいと思いますが、(資料提示)パネルの一枚目、これはタクロバン市から車で三十分程度の集落の写真でございますが、訪問当時、二か月を経ておりましたけれども、その爪痕は非常にまだまだ大きく、電柱は軒並み倒れておりまして電気が通っていない。タクロバン市内の九〇%以上は停電が続いておりました。
 また、二枚目のパネルを御覧いただければと思いますが、各種病院も被災をしておりまして、満足な医療行為は行えない、また清潔な環境での出産も行えないというような状況が続いておりました。
 一方で、既に撤収をしておりますが、我が国の国際緊急援助隊が果たした役割は非常に大きく、特に自衛隊部隊が行った一万本以上の予防接種は現地で感染症の蔓延を防ぐなど、会見しましたエンリケ・オナ保健大臣からも深い感謝の意が表されまして、今後、復興期におきましても日本からの継続的な支援が強く要望されました。
 そこで、総理に伺います。
 昨日成立した補正予算では、フィリピン台風被害への支援として六十六億円が計上されております。一方で、被災地を実際に訪れた実感としては、復興までにまだまだ時間が掛かるというような印象を受けましたので、来年度以降も継続をして支援する必要があると思いますが、総理の見解をお聞かせください。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のフィリピンの台風支援ですが、我が国は、あの台風の被害発生直後からフィリピン政府の要請に基づいて、国際緊急援助隊として自衛隊部隊あるいは医療チーム、専門家チームを派遣したほか、緊急物資の供与、あるいは緊急無償資金協力、こうした緊急人道支援、積極的に取り組んできました。
 そして、フィリピン、我が国にとりまして大切な戦略的パートナーです。御指摘のように、昨日成立しました補正予算を有効に活用してしっかり取り組んでいかなければならないと思っておりますし、あわせて、来年度以降も、こうした復興復旧に加えまして、中長期的な視野に立って引き続き支援を行っていかなければいけないと考えております。
 是非、積極的平和主義、こういった観点に立ってこのフィリピンの支援、続けていきたいと考えています。
○河野義博君 ありがとうございました。
 次に、引き続き外務大臣に伺います。
 今回、我が国が表明したフィリピンに対する支援額は六百二十億円、自衛隊部隊も千二百人を派遣するという過去最大規模の支援を行っております。一方で、被災地では我が国の支援といったものが、その足跡が目に見える形ではほとんど残っていない、他国の国旗ばかりが目に付いたという状況でございました。
 もちろん、この支援の目的というのは人道的な支援ではありますが、我が国の支援に関する認知度を国内外で高めていくということ、こういった努力をすべきではないかと率直に感じたわけですが、外務大臣の見解をお聞かせください。
○国務大臣(岸田文雄君) 先ほど答弁させていただきましたように、我が国は、緊急人道支援、そして復旧復興の段階、そしてこれから中長期的な視野に立っても支援を続けていきたいと考えております。
 そして、その中で我が国の存在感ということですが、フィリピン政府からは高く評価されています。昨年十二月に行われました日・フィリピン首脳会談におきましてもアキノ大統領から安倍総理に対しまして直接謝意が表明されておりますし、また、フィリピン政府主催のドナー会合の場でもアキノ大統領から我が国に特に言及する形で謝意が示されています。
 ただ、こうした支援はフィリピン国民始め広く認知されること、大変重要だと存じます。委員の御指摘は大変重要だと認識しておりまして、現状、現地メディアへの対応ですとか、支援活動場所での国旗の掲示ですとか、あるいは供与物資への日章旗ステッカーの貼付など、こういった形を通じて努力は続けております。現地でも報道等には取り上げられているわけですが、是非、御指摘も踏まえまして、一層努力は続けていきたいと考えております。
○河野義博君 是非よろしくお願いいたします。
 続きまして、防災・減災と平和外交という観点から質問させていただきます。
 マニラで会見いたしましたロヘリオ・シンソン公共事業道路大臣を始め関係者からは、今後、復興に向けての最大の課題は災害に強い町づくりだと、そういう言葉が至るところで発せられました。一方、東日本大震災からの復興を加速させる我が国においても大きな課題であるということで、フィリピン、日本両国にとって災害に強い町づくりというのが共通の利益であると強く実感したわけであります。
 そこで、国土交通大臣に伺います。
 今回のフィリピン台風は想定をはるかに超える大型のものであったということですが、我が国の大型台風被害への防災・減災対策について、お取組についてお聞かせください。
○国務大臣(太田昭宏君) 直ちにフィリピンの現地に公明党の若手議員として入っていただいたということで、心から敬意を表したいというふうに思います。
 すさまじいものであったと思います。風速九十メートルというのがそのまま勢力を増しながら突入する、まさに津波のような状況というのが映像でも明確になっているところであります。
 これから考えますと、これから地球の温暖化ということを十分懸念をし、考えてみますと、こうしたスーパータイフーンというものが我が国にも来るということを想定しなくてはならない時代だと思います。このスーパータイフーンとともに、ハリケーン・サンディというのがニューヨークを一昨年十月二十九日に襲ったわけですが、地下街が完全にやられたという状況もあります。
 こうした災害にどう対応するかと。日本の災害は局地化し、集中化し、激甚化しているという特徴があります。したがって、今までとは違う次元の想定内にそれを入れるという肺活量を持って防災対策をやっていかなくてはいけないということを強く思っています。
 一つとしては、そうした新しい形での防災対策をより強力に進めるということと同時に、台風は時間が分かりますから、アメリカのハリケーン・サンディなんかの対応を見ますと、五日前にはどうする、三日前にはどうする、そして一日前にはどう動いたらいいかというタイムラインというのが設定をされています。そうしたことから、私は、今年からそれぞれの台風ということについてはそうした日本の防災対策にタイムラインを入れると、そしてあわせて、高波は、そしてまた地下街はというような、そうした新たな観点に立った万全の防災・減災対策を取っていかなくてはならないと、力を入れていきたいと考えています。
○河野義博君 ありがとうございました。
 私の地元は台風の多い九州、沖縄でございまして、特に沖縄、鹿児島、長崎、島々では同様の被害を受ける可能性がございますので、是非離島や島嶼部への対応にも今後力を注いでいただきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
 続きまして、総理に伺います。
 我が国の防災・減災への取組を、フィリピンはもとより、近隣諸国の中国や韓国含むアジア太平洋地域の各国と共有をして、解決への取組を我が国がリードしていくことで地域の平和と安定に貢献していくべきと考えておりますが、御意見を伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 来年の三月に仙台市で開催される第三回の国連防災世界会議では、新しい国際的な防災の取組指針が策定される予定であります。我が国として、東日本大震災を始めとする幾多の災害を通じて得た貴重な経験や知見を世界と共有し、国際社会において防災の主流化を積極的に推進していく考えであります。また、それこそが日本の知見を生かし、世界に貢献をしていく道でもあると、道の一つでもあると思います。
 自然災害が多発するアジア太平洋地域においても防災は共通の課題であります。御指摘のあったASEAN地域フォーラムの活用を含めまして、地域における防災の取組を主導していきます。中国、韓国との関係においても、御指摘のとおり、防災対策の共有や共同研究等の取組を含め、できるところから互恵的な協力関係を発展させていくよう働きかけていきたいと思います。
 今後ともこうした、我々、東日本大震災はつらい経験ではありましたが、ああした知見も生かしながら、アジアにそして世界に貢献していきたいと考えております。
○河野義博君 ありがとうございました。
 続きまして、再生可能エネルギー発電への取組に関して質問させていただきます。
 私は、一昨年まで総合商社に勤務をいたしまして、再生可能エネルギーの発電事業に携わってまいりました。その観点から何点か質問をいたします。
 我が国でも平成二十四年七月に固定価格買取り制度を導入し、その普及促進に努めてまいりましたけれども、昨年十月末まで一年半を掛けて導入した再生可能エネルギーの実績を見てみますと、その九五%が太陽光だった、太陽光発電にやや偏重した導入実績となっております。今後は、太陽光に比べて発電コストが比較的低い風力発電にその比重をシフトしていくこと、これが大事だと私考えておりますが、そのために送電網の整備ですとか環境アセスメントの期間を短縮させたり、また農地や国立公園を開放していくといった省庁横断的な取組が必要と考えておりますが、再生可能エネルギーの所管大臣として茂木大臣の御決意をお願いいたします。
○国務大臣(茂木敏充君) 委員は、福島沖の洋上風力も手掛ける総合商社で風力発電事業を手掛けてこられた経験もお持ちであります。
 これまで再生可能エネルギーの中で太陽光の導入が進んできた。これは、建設工事に要する期間が半年から一年と比較的短くて、立地の際に支障となります規制も少ないことが背景にあったんだと考えております。今後は、風力発電についても計画中の事業、順次立ち上がり、導入が進んでいくものと考えております。
 政府としても、従来から風力発電を再生可能エネルギーの中で相対的にコストの低い電源として重視をしておりまして、委員の方からも御指摘いただきました環境アセスメントの迅速化、また系統も強化をしていかなきゃなりません。どうしても風力の場合は立地が北に偏る。これ、例えばドイツを見ましても、実際に消費量が多いのは南のバイエルンなんですけれども、風力がいいのは北のプロイセンと、こういうことで送電網を充実しているわけでありますけれども、そういった系統の充実を図るなど立地環境の整備を進めていく必要があると、そんなふうに考えております。
 そして、固定価格買取り制度、これ、委員御案内のとおり、利潤に特に配慮する期間について、再生可能エネルギー特別措置法に施行の日から起算して三年間に限ると、こういう記載があるわけでありますけれども、この点も含めて今後新たなエネルギー基本計画、策定をしてまいります。そして、再生可能エネルギー導入の促進策、検討する中で、委員の御指摘も踏まえて風力発電の一層の導入促進の在り方、検討してまいりたいと考えております。
○河野義博君 ありがとうございました。
 時間が参りましたので、以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○委員長(山崎力君) 以上で河野義博君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(山崎力君) 次に、山田太郎君の質疑を行います。山田太郎君。
○山田太郎君 みんなの党の山田太郎でございます。
 本日は、消費税の問題と、それから日米外交の問題について質疑させていただきたいと思います。
 実は、昨日、私のところに、みんなの党の山田太郎議員は安倍政権の揚げ足取りの質問ばかりすると、こんな投書が来ました。野党冥利に尽きるといえばそれまでなんですけれども、やはり建設的な意見を責任野党としてやっていきたいと思いますので、是非御丁寧な運営と建設的な答弁いただければ幸いだなというふうに思っております。(発言する者あり)ありがとうございます。
 さて、まず消費税増税の問題なんですけれども、私どもみんなの党は、消費税増税の前にやるべきことがあるだろうということで、行財政の改革を中心に訴えてまいりました。四月からこの消費税、あと五十日間で上がるということでありますが、消費税の増税がもう避けられないのであれば、じゃ、しっかり公正な課税をしていただきたい、こういう観点に立ちまして、この消費税の特に便乗値上げの問題に関して取り上げたいと思っております。
 今、消費税の値上げに関して、テレビも今日は入っていますから、国民の皆さんの間ではこの増税にかこつけて便乗値上げが起こるのではないかと、こんな懸念があるようであります。あらゆるものが便乗値上げをしてしまえば、消費税増税に加えて便乗分の値上げということにもなりますから、家計を直撃するという重要な国民につながる問題だと思います。
 そこで、昨日来、政府の方々に何が便乗値上げに当たるのかということを、いわゆる便乗値上げの定義についてお伺いしたんですが、実はそういうものはないと。このパンフレット、これ消費者庁さん中心に作られているんですが、ここに書いてある程度だということだということなんですね。
 私、これびっくりしまして、これだけ便乗値上げが問題だということなので、何をもって便乗値上げなのか、してはいけない便乗値上げはこういうものなのか、閣議決定等を含めてあるいは法律を含めてされているのかというふうに思いましたところ、何もないということなんですね。
 そこで、ちょっとこの消費税値上げに関して少し整理をしておく必要があると。非常に複雑な仕組みになっていますので、ちょっとこれを整理しておきたいと思いますが、例えば、ある商品に対して百五分の百八を掛けて全部の商品が値上がっているのであれば、これはちゃんと消費税を転嫁したということになります。ただ、皆さんが御存じの百円ショップみたいなところで、全てが同じ値段の店で、百円という価格にこの百五分の百八を掛けた百二円ではなくて、仮に百十円というふうになれば、これは便乗値上げということになるわけであります。
 ここからが複雑なのでありますが、その増税後に、ある製品は百円で、ある製品は仮に二百円の大げさに一割値上げをしたとしても、全てのその会社の事業所の売上げの中でしっかり消費税分が八%、全体の売上げに八%掛けてきちっと預かった消費税を納めるのであれば、これはトータルとして便乗値上げにはならないと、こういう仕組みになっているわけであります。
 非常に国民から見てみますと便乗値上げというのは何なのかと。国民から見れば、一つ一つの商品が、これは値上がっている、これは値上がっていないということがそういう仕組みでは分かりにくいということになるわけなんですね。
 このように、仮に便乗値上げがあるんではないかということで、国民の皆様方が例えば、じゃどこに問い合わせればいいかということなんですが、これは消費者庁に電話をして聞いてくれと、こういうことなんです。(資料提示)通常、国民だと、税金の話ですから何か税務署じゃないかとか、あるいは犯罪行為ということであれば警察なんじゃないかと、こんなふうにも思ったりするわけなんですが、この消費税の円滑かつ適正な転嫁・価格表示に関する対策の基本的な方針という政府の方針でそう決められているということだと思います。つまり、消費者庁に電話をしないと対応ができないということであります。
 ちょっとここまで話が長くなったんですけれども、一連のこと、そのとおりかどうか、消費者担当大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(森まさこ君) 山田太郎委員とは、いつも消費者特別委員会で建設的な議論をさせていただいていると理解をしております。
 この便乗値上げの定義でございますけれども、事業者が、他に合理的な理由がないにもかかわらず、税率の上昇に見合った幅以上の値上げをする場合、それを便乗値上げとみなすというふうに承知しておりまして、御指摘のこのパンフレット、これはホームページにも掲載しておりますが、こちらの方に書かせていただいております。御指摘のとおり、法律上定義付けられているわけではございません。
 それから、問合せ窓口でございますけれども、御指摘の消費者庁以外に公正取引委員会、それから財務省、それから内閣府の方にも総合相談専用ダイヤルを設置しておりまして、受け付けておると。
 事実の指摘についての回答は以上のとおりでございます。
○山田太郎君 全国から電話を一つ消費者庁を中心に受けていくということですが、この担当の方が何と非常勤で四名だということなんですけど、それもいかがでしょうか。事実関係、教えてください。
○国務大臣(森まさこ君) 現在のところ四名でございますが、これは状況に応じて検討してまいる予定になっております。
○山田太郎君 また、ちょっとほかの行政の対応が今後どうなっていくかという話も少ししていきたいんですけれども、例えば八百屋さんとかラーメン屋さんでもってこの便乗値上げがあったという相談を実は受けるのは、何と農林水産省さんだそうです。そこで対応を依頼された農林水産省さんは、便乗値上げがあるかどうかの調査に具体的に行くことになります。調査の結果、便乗値上げだとすれば、それを改めるよう行政指導するということなんです。
 そこで、これも昨日農林水産省さんの方にお伺いしたんですが、その調査と行政指導に当たる人は本省でたった三人しかいないということなんですけど、これはいかがなんでしょうか。事実関係を教えてください。
○国務大臣(林芳正君) 農林水産省では、関係局庁ごとに担当者を配置をして、消費者庁から今お話があったように、連絡を受けますと事案ごとに調査や要請を行うということであります。今、ラーメン屋や八百屋ということでございました。これ食品産業ということで、食料産業局の体制としては三名ですが、各部所管課、それから地方農政局職員も個別事案が出てくれば対応をしていくと、こういうことでございます。
 便乗値上げの禁止も含めてこれまでも適正な転嫁の在り方についても電話による相談に応じてきておりまして、それから業界団体への通知により便乗値上げをしないよう要請をしてきたところでございます。仮に便乗値上げの情報が入ってきたときには、地方の出先機関も活用しながら事実関係の調査を行うとともに、必要に応じて適正な転嫁について要請を行ってまいりたいと思っております。
○山田太郎君 では、スーパーとかインターネット通販なんというのを取り上げていきますと、これは経済産業省さんだということなんですね。
 では、経済産業省さんが消費者庁から依頼を受けた場合にどうするのかということ、これ経産省さんにお伺いしたら、まだ決まっていないという御回答をいただきました。四月から消費税値上げして、仮に便乗値上げというものがあった場合に経産省としては今後どうされるのか、簡単にお答えいただけると有り難いです。
○国務大臣(茂木敏充君) こういったボードで正確でないことを、どなたに聞かれたか分からないが、未定とか書かれると非常に困るんですね。
 まず一言申し上げたいのは、便乗値上げ、これは問題ですけれども、適正な転嫁、これは極めて重要です。まず、転嫁対策につきましては、経済産業省として四百七十四名の転嫁対策Gメン、全国に配置をいたしております。
 一方、便乗値上げについてでありますが、これまでのところ、事実関係から申し上げますと、スーパーやネット通販に関する便乗値上げについて消費者庁から対応要請、これは来ておりません。
 では、今後、スーパーやネット通販に関する便乗値上げについて国民から寄せられた相談に基づいて消費者庁より経済産業省に対応が要請された場合には、対策はもう決まっています、きちんと。経済産業省では、商務流通保安グループそして各地方経済産業局を中心に八十名以上の体制で対応すると。個別企業に対する指導、業界団体への要請、こういったことも行っていきたいと考えております。
○山田太郎君 しっかり大臣お答えいただきましたので、であれば、昨日のちょっと質疑要求でレクをしたときには経産省さんそういう答えだったので、是非お答えいただければよかったなと思っています。
 それで、まずこの話、保健所とか税務署さんが、先ほどの例えばラーメン屋さんのケースなんていうのは一つ分かりやすいケースだと思うんですけれども、保健所とかいわゆる税務署の方がこのことについて行くというのは一つ分かりやすいんですけれども、例えば農水省さんのケースでいろいろお話ししましたら、これまで実際官僚の方が現場に足なんて運んだことがないのでどうして行くんだろうねということを少しちゅうちょされていたということもあります。
 これ、消費税、税金の話でもありますから、多分国民的には津々浦々ある国税庁の税務署も一つ関与する、対応する話なんじゃないかなと、実はこんなふうにも思うんですね。国税庁の税務署、六万人近くの方がいます。一々、九州とか北海道に、東京の消費者庁に電話を掛けて相談をするのではなくて、お近くの税務署に行って、あれは便乗値上げじゃないかとか、あるいはお店の方からも価格設定に関してはどうすればいいかという相談を例えばこの税務署がやれないのかなと。そういうことで国税庁の方に今度お伺いいたしましたらば、便乗値上げに関する調査や行政指導の権限がないということをお答えいただきました。
 そこで、これ財務大臣にお伺いしたいんですが、財務省設置法には国税庁の権限といたしまして、内国税の適正かつ公正な転嫁の実現というのがあるんですね。そういう意味で、財務省設置法の解釈権限は財務大臣にあるわけでありますので、是非これ、調査とか行政指導、国税庁はやれる仕事なんだというふうに解釈していただければいいと思うんですけれども、それはできないものなんでしょうか。財務大臣、よろしくお願いします。
○国務大臣(麻生太郎君) ラーメンの値上げが適正か適正でないかというのに財務省が権限、介入するというわけね。言っておられることはそういうことですね。税務署、すなわち国税庁でしょう。国税庁が、税務署、ラーメンの値上げはおたくちょっと上げ過ぎじゃないかと税務署が入ってくる。何か暗い世界。おたくの村では、おたくの所属しておられる会派ではちょっと考えられぬような発想じゃないかと思って、どこか別の政党かなと思って今もう一回見直していたんですけれども。
 少なくとも、便乗値上げ自体というのは、これは業者が、自由主義社会では価格設定の適否の問題ですから、これは国税庁の任務である内国税の適正かつ公平な賦課及び徴収の実現の一部としてというようなところを援用しようという点に関しては、税務署が指導を行うということはいかがなものかというのが基本的な考え方です。
 いずれにしても、そういった問題が仮に、国税庁というのは職員の数が、先ほど言われましたように数が多いですから、そういったところにお話があったときは、必要に応じて消費者庁の相談窓口にというような話をするというところが私どものやるべきところかなと思って、少なくとも国税庁が指導するというのはいかがなものかと存じます。
○山田太郎君 ただ、相談窓口ということもあるわけですから、是非これ、転嫁が問題があるのかどうか、どうすればいいのか、是非、消費者庁だけに帰するのではなくて、政府一丸となって、国税庁さんも対応していただければなと思って、建設的な提案としてお話をしたわけであります。
 一方でもう一つ、ただこれが、消費者庁さんがやるに当たってもいろいろ厄介な問題がまだあります。行政指導の方の問題なんでありますが、行政手続法三十二条というのがありまして、行政指導は、その相手方が行政指導に従わなかったことを理由として不利益な取扱いをしてはいけないという、こういう規定があるわけですね。
 先ほどのラーメン屋さんの話をさせていただきますと、向こうが便乗値上げはやめないと、こういうふうに突っぱねられちゃうと、それ以上は何もできないということなんですね。
 これ、行政指導の観点の法律、行政手続の法律でありますので、総務大臣、そういうことなんでしょうか。
○国務大臣(新藤義孝君) 行政指導そのものは、行政機関が一定の行政目的を実現するために、当該行政機関の任務又は所掌事務の範囲で、国民や民間事業者に対して、強制ではなくてその必要性に理解を求め自主的な協力を要請するという能動的な働きかけと、こういう位置付けであります。
 一方で、最終的には、それは強制であるわけではなく、相手方が行政指導に従わなかったとしても、そのことを理由に不利益な取扱いをしてはならないと、このようになっております。
○山田太郎君 つまり、便乗値上げを本当に防ごうと思っても、なかなかいろいろ難しい制度上の欠陥があるということで、これはまさに建設的に何とかしていかなきゃいけないんじゃないかなと、こんなふうに思うわけですね。
 例えば、もし便乗値上げが起こった場合に、これは行政指導という形じゃなくて、例えば詐欺に当たるんではないかというような観点からも含めて、例えば、法務大臣にお伺いしたいんですけれども、何かそういった措置を法務省また警察等を含めてやれる余地はあるのかどうか、その辺りも少しお話しいただけますか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 昨日、私、委員の御質問が、詐欺に当たるか、詐欺罪に当たるかということ、どう答弁したらいいのか、今日委員会に出てよくお考えを承ってからお答えを申し上げたいと思って出てきたんですが、犯罪は、もう私が申し上げるまでもなく、やはり厳格に構成要件を定めて、こういうときが犯罪であるというときに出ていきませんといろんな弊害が起きてまいります。
 ですから、今便乗値上げだけだというだけで犯罪として取り締まる何かあるかと言われると、ちょっとお答えが難しいというのが正直なところでございます。
○山田太郎君 つまり、最終的に戻ってくるところは便乗値上げの定義がないといったところで、なかなかこれに今後対処していくということは実はいろいろ難しいんじゃないかなということだと思います。
 ただ、国民の側から見てみれば、やはり消費税が上がったことによってどんどん端数が切り上げられて便乗値上げされるというのは、やはり国民にとっては非常に大きな、いわゆる可処分所得が減っていくという痛手にもなりますので、是非総理、その辺りの整備を、各省庁またがっている話でもあると思いますので、一言いただけないでしょうか。
○国務大臣(森まさこ君) 要するに、便乗値上げというのは、本当はこんなに値上げしなくてもいいんだけれども、消費税アップのタイミングに合わせて消費税に転嫁した上で更にもっと値段を上げるということで、なかなかそれを消費者に気付かれないでやるのも難しいと思うんですけれども、ちなみに、過去、平成元年の消費税導入時及び平成九年の消費税引上げ時については、この便乗値上げ、確認されておりません。また、現時点において、今般の消費税率引上げに向けての便乗値上げの動きも確認されておりません。
 したがって、現時点で法的措置とかいうところまで検討する必要はないと思いますが、消費者庁としては、こういったパンフレットにも便乗値上げはいけませんというふうにしっかりと書きまして、便乗値上げがないようにしっかりと対応を適切にしてまいりたいと思います。
○山田太郎君 分かりました。政府としては、前回の消費税導入も全く便乗値上げがなかったということなので、四月以降、もしその問題があればということで引き続きこの話はさせていただきたいと思います。
 さて、鉄道運賃、これも関係するところなので少しやりたいと思っていますが、御案内のとおり、鉄道の場合は、消費税八%ということになりますと、一円単位の部分がどうなるのかという議論もあります。四捨五入とか切上げとかという話が議論としてありますが、切符の運賃は販売機の関係から十円単位で切上げですと、それからSuicaなどICカードは一円単位で課金するということで運賃改定を国交省に出されているということを伺っております。つまり、四捨五入をすると百四十円は百四十円でありますし、百五十円は百五十円の据置きなんですが、切上げというふうにすると一気に百四十円が百五十円、百五十円が百六十円と、こういうふうになっていっちゃうわけですね。つまり、切符で電車に乗る場合は消費税を支払い過ぎということが起こっているというわけであります。
 お手元の方にも資料を配付させていただきましたが、首都圏の鉄道例えば会社二十三社のうち、二社は四捨五入を取っていますので、その他全体で二十一社が切上げということになります。トータルで、簡易に数字を計算させていただきましたところ、三十一億円の消費税取り過ぎということになりますと八%を上回って支払うということになります。これに対してどういう対処をするかということは、定期を安くしてその分を還元しよう、それからグリーン券とか特急券の部分も安くして、これでトータルに国に支払う消費税分は合算すると、こんな話なんです。
 ただ、これよく考えてみると、切符で乗る場合には高く払って、それから定期とかグリーンは考慮されていると。ただ、どういう方が、じゃ使っているかということを想像していただくと分かりやすいんですが、例えばお年寄りだとかそういう方は切符を買われる、それから、会社に勤めていらっしゃる方は例えば定期を使っているなんということで、結局、会社体として国に支払っている消費税は変わらないものの、国民から見た場合にはやっぱり不公平感というのがあるんじゃないかなと、こんなふうに考えています。もうちょっと公平な運賃体系にできないものなのかといった辺り、是非政府としても検討していただきたいと思うんですね。
 もう一つ、この問題、根が深いのは、じゃ、ジュースの自動販売機どうなるのかとか、最近、食券なんかでもあります。鉄道会社は切上げをこういう形で容認して、定期だとかそれから特急券で相殺できるんでいいんですが、単品でしかないようなもの、例えばQBハウスさんみたいな千円カットなんというのがありますけれども、ああいうものは一体どうなっていくのかという話がもう四月から迫っているわけですね。
 ちょっとこの辺に関して、政府として、特に一つ不公平感といった辺り、これは国交省の問題でもありますから、国土交通大臣、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(太田昭宏君) 鉄道運賃への消費税転嫁については、個々の運賃額を設定する際に、一つは合理的な方法で端数処理を実施する、もう一つは、端数処理に伴い一定の幅で運賃収入が増減することについては、事業全体で百五分の百八を超えないように調整を行うということが政府の方針として認められておりまして、まずこのことで、従来もこういう考え方で行ってきたということでございます。
 議員御指摘の点につきましては、定期外十円単位運賃の端数処理を切上げとすることで定期外運賃の申請内容が三%の消費税転嫁に比べて運賃収入が多くなっているということは、これは事実でございます。しかしながら、個々の事業者が認可申請の際に公表しているものに基づいて計算するとしましても、事業者によっては、一円単位運賃の導入に伴うものと、それ以外の新幹線等の四捨五入の要因によるもの等が合算をされておりまして、その額を正確にお答えすることは困難でございます。
 今回、ICカード一円単位運賃を設定しようとする事業者は、議員御指摘のように、IC以外は切上げによる端数処理を申請しておりますが、一円単位運賃は正確に消費税を転嫁できること、ICカードの運賃が常に現金運賃より低額となって分かりやすい運賃体系を取るという必要があること、首都圏の鉄道利用の実態として約八割がICカード利用者であり、多くの利用者の方々の理解が得られやすいこと等を勘案すれば、このような端数処理は合理的なものと考えておりまして、是非とも御理解をいただきたいと思います。
○委員長(山崎力君) よろしゅうございますね。
○山田太郎君 時間も来ているのでこれぐらいにしたいと思いますが、是非、我々、こういう不公平感のないようにやりたいと思っていますので、我が党なんかは、歳入庁みたいのをつくって、例えば年金、税金、この他そういったもの、しっかり議論していきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
 本日はどうもありがとうございました。
○委員長(山崎力君) 以上で山田太郎君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(山崎力君) 次に、紙智子君の質疑を行います。紙智子君。
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 TPP問題について質問いたします。
 今、消費者の皆さんの大きな関心事、それは食の安全が守られるかどうかということです。特に、遺伝子組換え表示が守られるかどうかということ。遺伝子組換えは、生態系への影響や毒性、アレルギー性などの面で心配されているわけです。昨年も、米国のオレゴン州で安全性の確認をされていない未承認の遺伝子組換えの小麦が作付け地帯で自生していたということで大問題になって、日本もアメリカ産の小麦の入札や売渡しをストップしました。それだけに、日本の消費者は、遺伝子組換え表示がTPP交渉によってなくされて、自分で表示を見て選択できなくなるのではないかと不安に思っているわけです。
 しかし、政府はこれまで、TPP交渉でも、それから日米二国間でも遺伝子組換え表示の撤廃問題は議題になっていないと説明してきたわけですけれども、総理、どうなんでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 事実関係でございますので答弁させていただきますが、交渉の具体的内容、これは今までもそうでしたが、お答えは控えさせていただいております。
 遺伝子組換え食品の表示、ラベリングも含めて、食の安全、安心について今お尋ねございました。
 これは、紙委員も御所属されております参議院の農林水産委員会、また衆議院の農林水産委員会で、食の安全、安心を損なわないことなどが決議をされております。「残留農薬・食品添加物の基準、遺伝子組換え食品の表示義務、遺伝子組換え種子の規制、輸入原材料の原産地表示、BSEに係る牛肉の輸入措置等において、食の安全・安心及び食料の安定生産を損なわないこと。」と、こういうふうに決議をされておられまして、このことを踏まえて、政府全体として国益を守り抜くように全力を尽くす考えでございます。
○紙智子君 総理、今アメリカで、TPA、大統領貿易促進権限法というのが議会に提出をされて問題になっています。現物を私、今日ここに持ってきております。これが現物です。
 それで、米国では、貿易交渉権というのは、これは議会が権限を持っていて、政府が交渉しても議会が内容の修正や拒否をすることができるということになっている。それを防いで、大統領に貿易交渉権を与えるためにこの法案が出されていて、詳細に貿易交渉の目的を記載をし、それを大統領に実行させることを求めているんです。TPP交渉は秘密交渉だからということで内容については明らかにされてこなかったんですけれども、この法案を見れば、米政府がこのTPPで何を実現させようとしているかということが分かるわけです。
 それで、内容は広範囲にわたっていて、物品の貿易、サービス貿易、農産物の貿易、外国投資、知的財産、国有企業及び国家管理企業、労働及び環境、通貨などです。この中に遺伝子組換え表示も出てくるんですね。
 それで、ちょっとパネルを見ていただきたいんです。(資料提示)赤線のところを見てください。合衆国を不利にするような諸手法を撤廃させるというふうに書いてあります。そして、バイオテクノロジーを含む新科学技術に影響を与えるような表示といった不当な貿易諸制限ないし商業上の諸義務、これを撤廃するということが明記をされているんですね。
 要するに、バイオテクノロジー、すなわち遺伝子組換え技術に影響を与えるような表示や制限義務を撤廃するとしているわけです。となれば、米政府がこのTPP交渉において遺伝子組換え表示の撤廃を議題にするというのは明らかではないでしょうか。これ、議題にしないという政府の今までの説明とは全く違うんじゃないか。いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、米国議会においてTPA法案が提出をされました。これは貿易促進権限法案でありますが、これはそもそも政府側が求めていたものでありますが、議案を出すのは、日本と違いまして、これは政府が出すのではなくて、言わば向こうの場合は上院議員、下院議員が、議員が出すものでありますし、政府は出せないわけでありまして、議員が出すということでございまして、ですから、これは政府とイコールではもちろんないと言ってもいいんだろうと思います。一応、これはテレビを見ておられる皆さんが誤解しないように申し上げているわけでありますが。
 この米国議会に提出されているTPA法案では、交渉目標につき、より開放された、公平で相互に利益のある市場アクセスを獲得することなど十三項目の全般的な通商交渉目標を掲げるとともに、十八項目の主要な通商交渉目標及び三項目の能力構築及び他の優先事項ごとに目標が記載されているというふうに承知をしているわけでございます。
 基本的には、今この中身そのものではなくて、TPAについて国会議員からこの法案が提出をされた、もちろんこれは政府がそれぞれの議会に働きかけを行いまして、こうした法案を提出をしていただくように進めているわけでありますが、その観点から見れば、米国政府がしっかりとこのTPP交渉について権限を持って進めていきたいという意欲の表れではないかと、このように考えております。
○紙智子君 この中身をめぐって、その中身を見れば、今言われたことだけじゃないんですよ。こういうことも明記されている。
 もう一つのパネルを見てください。ブルーのライン、見てください。主要な生産諸国において相当に高い関税、あるいは補助金体制の下に置かれている農産物の市場開放に優先順位を置く、交渉相手国の関税を合衆国の当該産品と同じか、それより低い水準まで削減すると明記されているわけです。
 そこで、農水大臣にお聞きしますけれども、日本の重要五品目、米、小麦、牛肉、脱脂粉乳、砂糖の日米の関税率というのはどうなっているでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) お答えを申し上げます。
 我が国及び米国における主な農産物の関税率についてでございますが、これはWTOデータベースにも出ておりますが、米の精米については、一キログラム当たり我が国は三百四十一円、米国は一・四セントでございます。それから、小麦については、一キロ当たり我が国は五十五円、米国は〇・三五セントということでございます。それから、牛肉については、我が国は三八・五%、アメリカは二六・四%でございます。これは従価税ということでございます。脱脂粉乳については、我が国は二一・三%とそれから一キログラム当たりの三百九十六円の合計、それから、米国は一キログラム当たり八十六・五セントでございます。それから、砂糖の粗糖については、一キログラム当たり我が国は七十一・八円、米国は三十三・八七セントと、こういうふうになっております。
○紙智子君 今御答弁していただいたのがこのパネルに示されている中身なわけですね。
 それで、これ農水省から出していただいたわけですけれども、重要五品目のこの米国関税を適用した場合の関税率ということですから、これ米の日本の関税率、今見たように、一キログラム当たりで三百四十一円、アメリカでいうと一・四セントということは、日本円にすると約一円ですよね。次の小麦で見ると、五十五円に対しては一円にも達しないということなわけで、米国の同じかそれより低い水準まで削減するということになると、これ五品目、到底守れないんじゃないですか。いかがですか、総理。
○国務大臣(林芳正君) 先ほど総理からも御答弁がありましたように、一月九日に米国上下両院にこの法案が提出をされておりますが、今委員がお話があったように、米国の関税と同等又はそれ以下の水準まで関税を引き下げることと規定をされているのは今御指摘があったとおりであります。
 なお、二〇〇二年にTPA法というのがあって、これが延長されてたしか二〇〇七年まであったわけですが、今はこれは失効しているわけですが、その二〇〇二年のTPA法にも全く同じような規定がございます。ちなみに、バイオテクノロジーについても同種の規定も入っていたと、こういうことでございます。
 先ほど総理から御答弁もありましたように、これ米国の国内法案でございまして、御案内のように議員が法案を出して議会で審議をすると、こういうことでございますので、これについて一々コメントは差し控えますが、米国の動向はきちっと注視をしてまいりたいと、こういうふうに思っております。
 いずれにしても、我々としては、決議をいただいております五品目などの聖域の確保について、この決議を踏まえて国益を守り抜くように全力を尽くしたいと思っております。
○紙智子君 そうはいっても、TPA法案、これは米国政府が議会と約束するという中身なわけですよね。だから、これ日本がいろいろ政府と交渉したとしても、結局まとめようと、日本が、まとめる気ないんだったら別ですよ。まとめようと思うと、今この議論されていることというのは受け入れざるを得なくなっちゃうわけですよ。そういう問題ですよね。
 今、アメリカ大統領に交渉権を与えるためのこのTPA法案というのは、米国議会でも今大変な問題になっているわけですよ。昨年の十一月には上院下院両院議員の約四割に相当する百九十一名がオバマ大統領にTPA、大統領貿易促進権限に反対する書簡を送っているということですね。米国の一月末の共同世論調査を見ても、六二%の国民がこの法案に反対しているわけです。
 それで、米国国内では、結局労働者や消費者団体などが、TPPは雇用を増やすどころか逆に海外に流出するんじゃないかと、オバマさんは増やすと言っているけど、逆に流出するんじゃないかということで反対の声が広がっているわけです。だから、議員の多くは、これ今年の秋に中間選挙があるんだけれども、これ下手をすれば国民の審判を受けることになるということで動揺しているわけですよ。
 さらに、オバマ大統領の一般教書演説の翌日、一月二十九日には与党である民主党のリード院内総務がこのTPA法案に反対の意向を示したと。これは、日本でいえば自民党の幹事長が反対を表明するというようなことになるわけです。
 法案が否決されるのか可決されるのか修正されるのか、これは分からないけれども、すごく揺れているというのが今アメリカの議会なんですけど、結局、TPP、このTPPが多国籍企業の利益優先で各国の産業や雇用にも弊害をもたらすと。だから、ほかの国もそうですよ、マレーシアとかベトナムなんかでも問題になっているけれども、アメリカの国内でさえもこうやって揺れているんじゃないかと。
 安倍総理、これについてどう思われますか。こういうときに日本だけ急いでやるというのはいかがなものかと思いますけれども、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 基本的に、日本だけ急いでやろうと思ってもこれはできないわけでございまして、各国が同意をしないとこれは進んでいかないということであります。もちろん、各国それぞれ事情を抱えております。日本におきましても衆参の農林水産委員会で決議がなされました。
 我々、しっかりとそうしたものを踏まえて、国益を守るために、守るべきものは守り、そして攻めるべきものは攻める、この姿勢で交渉に臨んでいきたいと、こう考えているところでございます。
○紙智子君 今もう一つ総理にお聞きしました。結局そういう揺れている状況をどういうふうに認識されているか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 確かにそれは、民主党の院内総務が反対するというのは甘利大臣も驚いたということでございますが、しかし、米国は日本のように党議拘束を掛けずに、それぞれ議員が個人の責任において投票するというクロスボートを行うわけでございます。
 我々といたしましては、いずれにいたしましても、米国の動きをしっかりと注視をしながら、同時に、交渉において公約を守り、そしてこのTPPについてはアジア太平洋地域においてこの大きな経済体をつくって地域の活性化につなげていきたいと、このように思っているところでございます。
○紙智子君 総理は肝腎なことを答えていないんですよ。なぜ揺れているかと、そこにはTPPの本質的な問題があるからじゃないですか。総理はもうこの間ずっと繰り返し、攻めるものは攻めるし守るものは守ると、国益にかなう道をというふうに言ってきたわけですけど、既に国益は損なわれていると思いますよ。
 前にもお話ししましたけれども、北海道を中心に中堅酪農家が将来の経営展望が持てなくなっていると、離農が相次いでいるわけです。この離農数でいうと、北海道だけでも一年間に二百戸ですよ。そういう中で生産基盤が弱体化しつつあるということで、今JA北海道も実態調査に乗り出してきているわけですよ。生乳の生産が減産となっている、乳製品の需要が逼迫する事態になっている、地域経済と雇用にも重大な影響が出ていると。まさにこれ、国益が損なわれているということじゃないですか。ですから、直ちにTPP交渉から撤退することが日本の国益を守る第一の道だというふうに思いますけれども、いかがですか。
○国務大臣(林芳正君) 今御指摘のありましたことは、農水委員会でも紙委員からも御議論いただいて、総合的な対策をいろいろやっているという議論もさせていただいているところでございます。
 したがって、その乳製品等々をやっていらっしゃる、酪農をやっていらっしゃる方についてのいろんな対策というのは総合的に考えていく必要があると、こういうふうに考えております。
○委員長(山崎力君) 紙智子君、時間ですのでおまとめください。
○紙智子君 はい。
 結局、国民の国益は損なわれているというふうに思いますし、はっきりしたことは、米国のTPA法案を見れば、TPPで米国が何を実現させようとしているかというのは明らかだと。やっぱりこんなひどいTPPは撤退以外ないということを重ねて申し上げまして、質問を終わります。
○委員長(山崎力君) 以上で紙智子君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(山崎力君) 次に、儀間光男君の質疑を行います。儀間光男君。
○儀間光男君 おはようございます。
 私は、日本維新の会の儀間でございます。見てくれのとおり頭には霜降りがいっぱいたまっておりますが、それでも国会、はたまたこの委員会のこの壇上、私にとって初陣であり、ぴかぴかの一年生でありますから、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
 自己紹介はそこそこにいたしまして、質問に入っていきたいと思います。今回は、日台民間漁業取決めについてであります。
 さきに、昨年四月十日に日台漁業取決めが締結され、同時に発効されております。御承知のように、現在、日台間には国交はありません。誠に残念なことでありますが、一九七二年、日中の国交正常化共同声明と同時に断絶となったのであります。したがって、日台間の交渉事は全て民間主導で行われてまいっております。
 今回の日台民間漁業取決めは、日本側、公益法人交流協会と、台湾側、亜東関係協会との間で、漁業秩序の構築を目的に二〇一三年四月に締結されました。同取決めの具体的な目的は、東シナ海における平和と安全が維持され、友好と互恵協力の推進、排他的経済水域の海洋資源の保存及び合理的な利用と操業秩序の維持を図ることとされておりますが、しかし、遺憾ながら、漁業高や操業ルールが策定されないまま、いわゆる見切り発車されたことの方の印象が強いのであります。拙速に過ぎはしませんかということでございます。
 もとより、日台漁業取決め交渉は長年の日台間の懸案でもありました。ここに来て一気呵成に締結をされるに至ったのでありますが、一体何があってこんなに急がなければならなかったのか。急ぐ余り、総理が常におっしゃっている丁寧さに欠け、現場の声を聞くことなしに頭越しに決められたと、現場が不満を持つゆえんがそこにあるわけであります。
 この日台漁業取決めを急いだ背景には、尖閣諸島の領土問題に関して、もっとも我が国の立場からは存在しないのでありますが、台湾と中国の間でこのことについての連帯を懸念する我が国政府の思惑が先に行った、急いだとのことが漏れ聞こえてまいりますが、そのとおりだったのか。併せて総理に御見解を賜りたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) 日台漁業取決めですが、御指摘のように、日台のこの民間窓口機関の間で長きにわたり、十七年にわたりこの協議が重ねられた。結果としまして、昨年四月、海洋生物資源の保存、利用、あるいは操業秩序等について共通認識が得られ署名に至った、こうした経緯をたどってきました。
 そして、これについて操業ルール等が策定されないまま見切り発車されたのではないか、こういった御指摘をいただきましたが、先月、今年の一月ですが、日台双方の漁業者の皆様方の参加を得て日台漁業委員会が開催されまして、本当に精力的な御議論をいただきました。結果としまして、今後遵守すべき操業ルール等について一致するに至ったと承知をしております。
 そして、この取決め、署名の背景に尖閣諸島をめぐるこういった議論があったのではないか、こういった御指摘がありましたが、尖閣諸島をめぐりましては、台湾は、昨年四月の本取決めの署名に先立って、もう昨年二月の時点で中国と連携しないという立場、これを正式に表明をしておりました。
 いずれにしましても、こうした議論が行われ、そして取決めが署名され、そしてルールも策定されたということは日台間の実務者協力の充実ぶりを示すものではないか、歴史的な意義があると承知しております。
 是非、今後はこのルールに基づいて、しっかりと円滑に実施されていくことを期待したいと思いますし、その状況を見ながら、また更なる支援等が必要なのかどうか判断をしていきたいと考えております。
○儀間光男君 外務大臣、そうはおっしゃっても、普通、交渉事は、いろいろな条件を整備して、それで双方ともまずまずこれならいけるなという段階で署名されるものだと承知をいたします。この場合は、ほとんどルールは策定されないままに署名され、署名ありきからスタートしている。
 この一月二十一日から二十四日までの間、台北で協議が持たれて、ある一定の進展はあるということは聞きました、知っております。それについては評価をするんですが、そもそもサインをする以前に問題があったと私は思うんですね。そのことが四月十日以前に知らされなかった、締結された後に現場の漁民、情報が入ったなどという不満につながっていくんです。
 いかがですか。こういうことは、ある程度の条件、両国の条件、両方の条件が備わって後に署名、発効するものだと認識しますけれども、いかがですか。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のように、こうした取決めについて議論する際に、地元の漁業関係者を始め多くの関係者の皆様の理解が重要だという点、これはそのとおりだと存じます。
 そして、この取決めにつきましては十七年間、日台のこの民間窓口機関、そして関係者の皆様方が議論を行い、そして努力を積み重ねてこられました。十七年間にわたりまして様々な意見をいただき、そして理解をお願いしてきたわけであります。
 そして、署名後のこのルール作りにおいても、沖縄の漁業者の皆様方にも御参加をいただいてこの日台漁業委員会が開催をされ、ルール作りの議論が行われ、そして結論に至った、一致するに至ったということでございます。
 引き続きまして、この取決めの運用に当たりましても、沖縄始め地元の関係者の皆様方の意見はしっかりと受け止めて参考にさせていただかなければならないと思っておりますが、こうした十七年間の足跡を振り返りますときに、様々な意見をいただいた上で今回の結論に至ったということ、是非御理解をいただきたいと存じます。
○儀間光男君 地元の関係者との合意の下でやったとおっしゃいましたけれども、恐らく漁連や地元の漁業組合、こういうネクタイ組とやったと思うんですね。その後に現場組、つまり漁業をなりわいとする現場の声は全く違っておりまして、是非とも機会があればもっともっと現場へ入って、現場の声ありきで吸収をしていただいて、これからの施策を展開していただきたいと思います。
 そもそも協定や条約は、国益イコール国民の生活を最大限に守る、このことが前提でなければならないはずであります。また、交渉相手があることですから、ある程度のリスクカードを持つことも大事なことですね。全部百点満点で通る話じゃありませんから、ある程度の譲るカードがあっていいと思うんです。それは承知をいたしますものの、今回の場合は、国民のなりわい、つまり関係者のなりわいや生活圏を脅かすぐらいのリスクが残ったと、こういうことを指摘しなければならないと思っております。
 しかしながら、日台漁業取決めの内容は、尖閣諸島周辺の我が国の排他的水域での台湾漁船の操業を認めるいわゆる適用水域を設定、片や日台双方で操業する海域として特別協力水域を設けていることから、同取決めはどう見たって、この内容は台湾側に大きく譲歩をして、我が国の関係者のなりわいを著しく脅かしているという結果にしか見えないのであります。
 状況をパネルでもって説明させていただきますが、(資料提示)皆さんの手元に三色刷り、四色刷り、一部カラー刷りの資料が行っておると思います。まずは右から、東側から南に青い太い線が下りてきて弧を描くように北上していきます。これがいわゆる日本の言う地理的中間ラインです。それから、それに交差するようにグリーンの角を切ってのラインがずっと上の方に延びていきます。これがいわゆる我が国も国際社会も認めていない台湾の暫定執法ラインであります。この中に囲まれた水色で囲んだ部分、これが今回の法令適用除外の水域、つまり台湾漁船が自由勝手に入って操業していいですよと同意した水域であります。真ん中の蚕の繭みたいな白抜き、右側のあんパンみたいな白抜き、これがいわゆる尖閣列島で我が国の海域であります。これを包むようにして協定が締結されて、もう既に十か月になんなんとする間に多くの台湾漁船による漁具被害が発生しております。あるいは、はえ縄が持ち去られたり切られたり、我が国が設置するパヤオが傷つけられたりという多くの被害が出ているわけであります。
 早くもこのような被害が出ているのでありますが、我が国政府は、さきに現地において台湾漁船による漁具被害が出た場合は補償する方針を示したそうですが、漁業者はそのことを言っているんじゃないんです。安心し、安全な操業を担保してください、自分たちの生活環境、なりわい環境を保障してください、自力で頑張って生活をいたします、金目の話じゃありませんよと、こういうことを関係漁業者は言っているのであります。
 話は少し変わりますが、政府のこの問題の対応の仕方は、日米地位協定で不平等感を抱く県民の意見に、全くとは言いませんが、余り耳を貸さない、無視するごとく、漁業者の声を無視した暴挙としか思えず、不平等、不信感を増幅させる発言だと断ぜざるを得ないと私は思っておるのでありますが、御見解を賜りたいと存じます。
○国務大臣(林芳正君) 今委員がお話がありましたように、漁業者の皆さん、沖縄、それから九州の方も一部おられますが、やはり今お話があったように、台湾漁船とのトラブルなく安心して操業したいと、これが一番の強い御要望だというふうに受け止めております。
 私もこの件では、知事さんにもお話を聞く機会を設けさせていただきましたし、また地元のいわゆるネクタイ組、それから現場組も含めてお話を聞いてきたところでございまして、こうした漁業者等の思いを踏まえて、農林水産省として、沖縄の漁業者の皆さんと意見交換を重ねながら、この操業ルール、この地域が決まった後、ここのどうやって操業ルールを決めていくかということをずっとやっておったわけでございますが、この早期確立に全力を尽くしまして、先月の日台漁業委員会で合意に至ったというところでございます。
 したがって、今御指摘があったように、本ルールの適切な実施を確保して、沖縄等の我が国の漁業者の皆さんが安心して漁業を操業できるように全力を尽くしてまいりたいと思っております。
 また、仮に漁具被害があった場合は、沖縄漁業基金事業、これを活用して漁具の復旧等についてしっかりと支援をしてまいりたいと思っております。
○儀間光男君 ありがとうございます。是非頑張って漁業者のなりわいを担保をしてやってください。
 次に参りますが、もう一回パネルを見ていただくことになりますけれど、去る一月二十日、二十一日に沖縄県議会から総理を始め関係大臣にも要請、意見書の提出があったと思います。その一番目には、いわゆる日台漁業取決め適用水域から次の水域を撤廃すること。パネルで見てください。東経百二十五度三十分、つまり右側のオレンジ色で囲んだ枠でございますが、この左側のラインが東経百二十五度三十分でございますから、これの東へ向けての海域を協定から撤廃をしてくださいと。それからもう一つは、左に進んでまいりまして、逆三角形の……
○委員長(山崎力君) 時間です。
○儀間光男君 はい。
 形がありますが、これを撤廃してくださいとの要求がなされておりますけれど、これについての御見解を賜りたいと存じます。
○委員長(山崎力君) 岸田外務大臣、簡潔にお願いいたします。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、沖縄県議会から提出された意見書等につきましては、真摯に受け止めなければならないと思っております。
 そして、この意見書の中で今御指摘の点が触れられているわけですが、今回の操業ルールにつきましては、先ほども答弁させていただきましたように、日台双方の漁業者の参加を得て大変熱心な議論が行われました。その結果でございますので、まずはこの実施状況をしっかりと見守っていきたいと思いますし、円滑に実施されることを期待したいと存じます。そして、日台双方に決定されたルールの実施状況を今後改めてレビューをした上で、その結果を踏まえ、必要な見直しを検討していくものと承知をしております。
 是非、状況をしっかりと注視しつつ適切な支援は行っていきたいと考えています。
○儀間光男君 どうもありがとうございました。終わります。
○委員長(山崎力君) 以上で儀間光男君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(山崎力君) 次に、福島みずほ君の質疑を行います。福島みずほ君。
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 昨日、集団的自衛権の行使について御質問をいたしました。内閣法制局と総理から、集団的自衛権の行使は憲法違反であるという旨答弁をしていただきました。違憲なもの、憲法違反のものが合憲になることはありません。日本国憲法下で明文改憲をせずに集団的自衛権の行使を認めることはできない、そのことを強く冒頭確認として申し上げます。
 今日は、雇用と介護についてお聞きをいたします。
 雇用についてですが、小泉構造改革で製造業も派遣を可能とし労働法制の規制緩和を行い、派遣村があり、派遣切りがあり、国会は労働法制の規制強化に向かってきました。やはり正社員を増やそう、労働契約法や派遣法の改正、正社員を増やす方向で、労働法制を規制する方向でやろうということでやってきました。しかし、今国会上程が予定されている派遣法は明確に労働法制の規制緩和であり、これでは派遣労働者が増えるというふうに考えています。
 ちょっと見てください。(資料提示)現行では、三年を過ぎれば派遣先で正社員になるという申入れができます。しかし、今度の変更では、派遣元で無期雇用であれば一生派遣のまま、三十年、四十年、ある会社に派遣として働き続ける、あるいは三年ごとに人を替えれば派遣労働者を使い続けることができる。三年というものの上限が撤廃をされるわけです。
 これでは派遣労働者が増えてしまう、派遣労働者の増大になると思いますが、総理、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 現在、これはまだ法案は提出をしておりません。この法案につきましては、今与党で審議をしていただいている最中でございますが。
 この検討中の労働者派遣法の改正については、労働者派遣事業を全て許可制としまして質の向上を図るとともに、派遣期間の設定について労使双方に分かりやすい仕組みといたします。そして、派遣労働者のキャリアアップを促進することを目指すものであります。つまり、派遣労働者の皆さんにとって、さらに正規労働者になっていく、あるいは自分のキャリアをアップしていくと、そういうものを目指すものであります。
 派遣期間の設定を見直していくことによって、まず、これまで期間制限がなかった二十六業種については新たに三年という上限ができるわけでありまして、しかし、期間が満了した場合、正社員になったり、そして別の会社で派遣を続けること等ができるように派遣会社が雇用の安定化措置を講ずることを新たに義務付けております。
 そしてまた、二十六業種以外についてもちょっとお話をさせていただきますが、二十六業種以外については、これまでは業種ごとに三年という上限があったため、例えば、ある部署で派遣社員が例えば二年で辞めた場合は、後任は残り一年しか働けなかったんですね。三年という上限がありますから、自分の前に働いていた人が二年働いた場合は、残りの人は残りの残存期間の一年しか働けないという問題がありました。しかし、上限設定を業務単位から個人単位に見直すことによって、三年までは続けて働くことができることになります。
 また、期間が満了した場合、正社員になったり別の会社で派遣を続けることができるように、先ほど申し上げましたように、派遣会社が雇用の安定化措置を講ずることをこれは新たに義務として課すわけでありまして、これも大きな違いと言ってもいいと思いますね。
 このように、今回は派遣労働者の立場に立った見直しを行うこととしておりまして、三年を超えて働く派遣労働者の正社員化の道が閉ざされる、あるいは一生派遣で働く労働者が増大するという御指摘は当たらないと思います。
 安倍内閣においては、成熟産業から成長産業への失業なき労働移動と多様な働き方を実現することによって活力ある日本経済を取り戻すとともに、企業収益がこれは雇用拡大そして賃金上昇につながっていくという経済の好循環を目指しているわけでありまして、今回の労働者派遣制度の見直しもこのような方向に沿ったものであります。
 また、一般に非正規雇用については正規雇用に比べて賃金が低いなどの課題があります。ですから、非正規から正規へのキャリアアップ、先ほど申し上げましたね、このキャリアアップを支援することを行うことによって非正規の方々の雇用の安定や処遇の改善を進めていく考えであります。
○福島みずほ君 今回の改正案は派遣会社が要望していたことをほぼ認めています。総理がそうおっしゃるんだったら、なぜ労働者団体や働く人や派遣ネットの人や様々な人がこれでは駄目だと大抗議をしているんでしょうか。
 もう一度見てください。これは、今までだったら、ようやく最近の改正で、三年を過ぎれば派遣先に申し入れて正社員になれた。しかし、これからは派遣元で無期雇用なら一生派遣のままなんですよ。だから、Aというところで三年働く、Bというところで働く。三年ごとに人を替えれば、ずっとある会社は派遣労働者を使い続けることができる。どこに正社員の道があるんですか。
 派遣労働者は増えますよ。現在、去年の年末の非正規労働者数は千九百六十五万人、女性は千三百三十七万人で、いずれも過去最高となりました。今、資料をお配りしていますが、新卒で働く人の四割は非正規雇用です。女性は今、五五・八%が非正規労働者。総理は女性を活用するとおっしゃるけれども、これから事務職、女性はほとんど派遣か有期契約になってしまいます。今度の派遣労働者の改悪は許せないと。今まで正社員化、規制をしようとするのが、ちゃぶ台返しで自民党政権はもう一回雇用を壊そうとしている。こんな改悪は許せないということを強く申し上げます。
 次に、介護についてお聞きをいたします。
 介護の今回の改正で、要支援認定者、訪問介護、ホームヘルプサービスと通所介護、デイサービス合わせて三百十万人、介護保険給付から外すということが言われています。私は、父も介護保険のお世話になり、そして母も現在通所介護、デイサービス、それからショートステイに大変お世話になっています。とても感謝をしています。そんな人、多いと思います。これが介護保険給付から外して市町村事業に移すと。その理由は、自治体に押し付けて予防給付の費用抑制を狙うと。厚生労働省が、お手元に配ってある資料にあるように、費用がその分減ると言っています。
 でも、自治体で、財政力のない自治体でやれるでしょうか。また、これはボランティアやNPOにやらせると言っていますが、本当に通所あるいは訪問介護がそのボランティアやいろんなことでできるとは思いません。介護労働者の労働条件の悪化にもなります。
 これ、介護保険の崩壊じゃないですか、あるいは保険詐欺と言いたいですよ。だって、みんなは、デイサービスやそれから通所サービス、保険給付から受けられると思って今納めているわけじゃないですか。これを今度の国会で変えてしまう、これは保険金詐欺のようなものだ、あるいは介護保険のもう破壊だと思いますが、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 介護保険制度をこれは自民党がつくったわけでございますが、当時の与党がつくったわけでございますが、当時も様々な批判もいただきましたし、これは多くの様々な困難があったわけでございます。
 しかし、現在、言わばそういう中において、いよいよ団塊の世代がこの介護保険の給付を受ける側に回るわけでございまして、こうした保険制度というのは、常にこれは負担をする人がいて初めて給付が可能になるわけでありまして、給付と負担、これは裏表になっているということも念頭に置きながら制度を常に設計をしていく必要があるんだろうと、このように思うわけでございます。
 この法律もまだ提出をしておりませんが、今国会に提出予定の介護保険法改正案は、消費税の増収分を活用して、在宅でサービスが行われる環境を充実することによって住み慣れた地域での暮らしを継続できるようにするとともに、所得の低い方々の保険料の軽減を行う、所得の低い方々の保険料の軽減も行うんです。
 と同時に、受益と負担の均衡を図りながら制度の持続可能性を高めることを目指したものでありまして、要支援者の方々の給付については、地域の実情に応じて多様なサービスを柔軟かつ効率的に行うため、市町村が実施する事業へと見直すこととしております。
 この新しい事業は、従来と同様、介護保険の財源を用いて行うものでありまして、また、市町村を中心とした支え合いの体制づくりをこれまで以上に推進することになるわけでありますから、社会保障の改悪、あるいはこの介護保険を駄目にしていくものであるという御指摘は全く当たらないものと思います。
○委員長(山崎力君) おまとめください。
○福島みずほ君 はい。
 消費税が上がりながら、なぜ介護保険給付から要支援の中で訪問介護とそれから通所介護が切り離されるんでしょうか。こんなの、今得ている人も大変ですし、将来も駄目です。介護保険の破壊は許さない、撤回するよう強く求め、質問を終わります。
○委員長(山崎力君) 以上で福島みずほ君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(山崎力君) 次に、平野達男君の質疑を行います。平野達男君。
○平野達男君 平野達男でございます。
 今日は、原発に関連しまして、使用済核燃料の処理、管理ということについてできるだけ特化して、短い時間でございますけれども、質問させていただきたいというふうに思います。
 これは、使用済核燃料の処理をどうするか、これは世界的な課題でありますけれども、この問題に一つの決着方向を付けている国はフィンランドだけであります。これはワンスルー方式といいまして、使用済核燃料をそのまま再処理をしないで処分をするという、そういう方向で今動いているということでありますが、日本の場合は、これはもう大臣御承知のように、特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律というのがありますが、これには使用済核燃料の地層処分、最終処分というのは入っていないんですね。あくまでガラス固化をするということで、再処理が前提になっています。
 そこで、日本も今まで再処理をやってきました。東海村でJAEAを始めとしてやってきていますけれども、結果として、今日本には約九トンのプルトニウムができています。御案内のとおり、ウラン性の核燃料を燃やしますと、フィッシャリープロダクトと合わせてプルトニウムが、238ですね、これが中性子入れて転換をします、プルトニウムに。これが大体一トンの核燃料でありますと、約一%ぐらいがそこにプルトニウムができるということになりますが、大体今、日本の国内では自ら再処理してプルトニウムを抽出したのが九トンあります。それからあと、フランスとイギリスに再処理を委託して、これが大体、政府の資料によると三十五トン、これは日本のものですね、あります。これはいずれどこかで返ってくるのかどうなるか分かりませんが、いずれMOX燃料として返ってくるのかどうか分かりません、いずれ三十五トン、合わせて四十四トンです。
 ちなみに、長崎に原爆が落ちました。長崎はプルトニウム型の原爆ですけれども、これは八キログラムだったんですね。それだけであれだけの威力のある爆弾が出てくる。そして四十四トンのプルトニウム、それだけでもすさまじい量だと思います。
 一方で、日本には御案内のとおり一万七千トンの使用済核燃料があります。これを仮に全部再処理しますと、一%ですから百七十トン、政府の見解では百六十トンですね、多少ばらつきがありますから。約百六十トンのプルトニウムが出てくるということになるんです。
 この再処理をどうするかということについて、今、政府ではどの程度のことまで考えておられるんでしょうか。
○国務大臣(茂木敏充君) 二つの論点があるかと思うんですけれど、使用済核燃料全体の量をどうするかと、それから御指摘いただいたプルトニウムをどうするかということでありますけれど、御指摘のように、日本には今、使用済核燃料一万七千トン、ガラス固化体にして二万五千本分があるわけであります。これを再処理いたしますと、直接処分する場合と比べて体積四分の一に減らすことができます。そしてまた、全体としての有害度、こういったことで見てみますと、天然ウラン並みになるまでに期間、これが直接処分する場合に比べて十分の一以下と。フィンランドで十万年と言われているのは、これは直接処分をするから十万年掛かるというわけでありまして、我々としては、こういった全体の減容化、さらには有害度の低減等々の観点から、核燃料サイクル、適切に進めていきたいと、そのように考えております。
○平野達男君 どれだけ掛かるかにつきましては、フィンランドの場合は直接処分ですからプルトニウムが入っています。プルトニウムの半減期は二万四千年ですから、それがある程度無毒化するために約十万年という、多分その背景にあると思います。日本はそのプルトニウムを抽出してしまいますから。
 ただし、そのプルトニウムをどうするかが問題なんです。この使用済核燃料の再処理というのは、元々核燃料サイクルを前提としてスタートしたはずです。核燃料サイクルの代表的なものというのは、やっぱりこれは何といっても「もんじゅ」ですね。その前に、この「もんじゅ」は液体のナトリウムを使いますから非常に難しいということで、その前に「ふげん」という、重水素を使って中性子をやや減速させる、そういうもので、これはプルトニウムを燃焼させるという施設なんですが、それも造りました。だけど、この「ふげん」はもう既にこれ今廃炉になっています、廃炉の作業を進めています。「もんじゅ」についてはどうなるか分からない、これは。
 これはもう御案内のとおり、「もんじゅ」なんか今進めるなんという決断なんか到底できないと思います。そもそも、この「もんじゅ」自体は一九九五年に施設ができています。これだけテクノロジーが進んでいる中で、もう二十年前の施設ということになりますね。これを運転するなんというのはちょっと考えられないんじゃないかと思います。そのぐらいに、この「もんじゅ」、高速増殖炉が様々な問題があるということについてだけはよく分かっているということですね。
 じゃ、そういうことで、そこでプルトニウムが使えなくなっちゃっているんです。その中で代わりに出てきたのがMOXですね。MOX燃料は、これは軽水炉で燃やします。ところが、軽水炉というのは元々はウラン性燃料を燃やすためになっていますから、ここにMOX燃料でプルトニウムを入れるというのは、ある人の表現を借りますと、灯油用でガソリンを燃やすのと同じことなんです。だから、おっかないから、全部ではなく燃料棒の三分の一ぐらいにMOXを使ってこわごわ今運転している。
 今まで、このMOXを装荷したのは四つ場所あります。これは福島、玄海、伊方、高浜、不思議なことに全部これ三号炉なんですね。そして、その一つは残念ながらこの間の福島の原発事故でメルトダウンを起こしています。
 それから、MOX燃料が本当にいいかどうかというのは様々な議論があります。最大の問題は、MOX燃料をやって、それを燃やした後に出る使用済核燃料、これはウランの使用済核燃料よりもはるかに厄介だと言われているんです。特にアクチノイド系という超ウラン物質を含む、これが多量に出るとも言われています。だから、この処理をどうするかということも今度問題になってくるんです。これは再処理なんかできっこありません。これは間違いなくそのまま地層処理をするしかないんじゃないかと思います。かなり危険です。
 それからもう一つは、再処理自体が物すごい危険ですね。そもそも使用済核燃料なんか今ジルコニウムで覆われていますけれども、それでもおっかないから水に入れて人が近づかないようにしているわけです。それを外して溶かしてそれを処理するわけですから、とってもおっかない。だから、今までも再処理工場では世界的にいうといろんな事故が発生して、東海村でも出ました。これもきっちり見る必要があると思います。
 そういう中で、本当に今の体系はプルトニウムを、確かにスタートのときはプルトニウムを使うと。特に燃えない燃料のウラン238をプルトニウムに変えて、これが使えたら、これをサイクル、サイクル、サイクルしていくということで、日本の燃料問題は解決するという壮大な夢があったわけですね。でも、夢になっちゃった。代わってプルトニウムだけが残っているということなんです。
 だから、これ以上プルトニウムをつくり続けるかということについては、これ本当に今ここでしっかりとした判断が私は必要だと思います。もちろん、これは再処理をやめることによって様々な問題もあります。六ケ所村に建設している再処理工場をどうするんだ、この問題があります。それからあと、日米原子力協定。これは本当に、これは今日議論しませんけれども、三年後に改定を迎えていますけれども、これをどうするかという問題もあります。
 だけれども、そういう問題をおいて日本のこれからの使用済核燃料をどうやって処分するか。特に大量に発生するかもしれないプルトニウム、使い道は決まっていないですよ。決まっていないまま再処理をするというのは私は大反対です。これはきっちり、民主党政権のときもちょっと中途半端な議論で終わっちゃったんです、実は。これは是非、茂木大臣、大変だと思います、経産大臣をやりながら原発のことをいろいろやるというのは。これは考えていただきたいというふうに思います。
 じゃ、ちなみに、それからもう一つ、再処理としての使用済燃料についてどうするかということについて一つ提案なんですけれども、今、使用済燃料プールに入れられていますが、これをずっとやるわけにいきませんね。やっぱり乾式キャスクに入れるということは一つの技術体系として確立しています。福島の原発では今それを、第一ではそれをやろうとしていますね。それは是非進めていただきたい。これについての見解だけちょっと。
○国務大臣(茂木敏充君) まず、御指摘につきましては重く受け止めさせていただきたいと、今後の対応に生かしていきたいと思っております。
 一点だけ。MOX燃料、こわごわとということでありましたが、慎重にやらさせていただいております。そこの中で、いわゆる乾式貯蔵施設の設置、増設、これも含めて検討していかなければいけない。同時に、燃料プールのいわゆる区切りを狭くする、リラッキング、それも含めて原発の敷地内においてこの貯蔵能力を高めると、こういったことが重要だと考えております。
○平野達男君 時間でございますけれども、あと一つは、やっぱり原発はいろんな問題でこれから様々な観点で議論する必要があると思います。茂木大臣は本当に一生懸命やっておられますけれども、私はやっぱり、原発担当大臣、是非置かれた方がいいのではないかということをちょっと申し上げて、時間ですから、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
○委員長(山崎力君) 以上で平野達男君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 これにて経済外交をめぐる諸問題に関する集中審議は終了いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時四十九分散会