第186回国会 予算委員会 第8号
平成二十六年三月六日(木曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 三月五日
    辞任         補欠選任
    佐々木さやか君     長沢 広明君
     井上 義行君     松沢 成文君
     田村 智子君     倉林 明子君
     吉田 忠智君     又市 征治君
 三月六日
    辞任         補欠選任
     石橋 通宏君     森本 真治君
     松田 公太君    渡辺美知太郎君
     藤巻 健史君     中野 正志君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         山崎  力君
    理 事
                青木 一彦君
                宇都 隆史君
                大家 敏志君
                片山さつき君
               北川イッセイ君
                大塚 耕平君
                那谷屋正義君
                秋野 公造君
                中西 健治君
    委 員
                石井 正弘君
                猪口 邦子君
                大野 泰正君
                古賀友一郎君
                佐藤 正久君
                佐藤ゆかり君
                中西 祐介君
                二之湯 智君
                堀井  巌君
                丸川 珠代君
                三木  亨君
               三原じゅん子君
                三宅 伸吾君
                山下 雄平君
                山田 俊男君
                渡辺 猛之君
                石上 俊雄君
                石橋 通宏君
                大野 元裕君
                金子 洋一君
                田中 直紀君
                福山 哲郎君
                牧山ひろえ君
                森本 真治君
                安井美沙子君
                長沢 広明君
                新妻 秀規君
                若松 謙維君
                松沢 成文君
               渡辺美知太郎君
                倉林 明子君
                大門実紀史君
                片山虎之助君
                中野 正志君
                又市 征治君
                平野 達男君
   国務大臣
       財務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        麻生 太郎君
       総務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(国家戦
       略特別区域、地
       方分権改革))  新藤 義孝君
       外務大臣     岸田 文雄君
       文部科学大臣   下村 博文君
       厚生労働大臣   田村 憲久君
       経済産業大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(原子力
       損害賠償支援機
       構))      茂木 敏充君
       国土交通大臣   太田 昭宏君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)
       (内閣府特命担
       当大臣(防災)
       )        古屋 圭司君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(消費者
       及び食品安全、
       少子化対策、男
       女共同参画))  森 まさこ君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(経済財
       政政策))    甘利  明君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(規制改
       革))      稲田 朋美君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  世耕 弘成君
   副大臣
       財務副大臣
       復興副大臣    愛知 治郎君
   政府特別補佐人
       原子力規制委員
       会委員長     田中 俊一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小野 亮治君
   政府参考人
       内閣官房内閣参
       事官       佐々木裕介君
       人事院事務総局
       給与局長     古屋 浩明君
       消防庁次長    市橋 保彦君
       外務大臣官房審
       議官       金杉 憲治君
       外務大臣官房審
       議官       福島  章君
       財務省理財局長  林  信光君
       厚生労働省医政
       局長       原  徳壽君
       厚生労働省老健
       局長       原  勝則君
       厚生労働省保険
       局長       木倉 敬之君
       経済産業大臣官
       房審議官     後藤  収君
       経済産業省製造
       産業局長     宮川  正君
       資源エネルギー
       庁長官      上田 隆之君
       中小企業庁次長  横田 俊之君
       国土交通省国土
       政策局長     花岡 洋文君
       国土交通省自動
       車局長      田端  浩君
       気象庁長官    羽鳥 光彦君
       海上保安庁長官  佐藤 雄二君
       防衛省運用企画
       局長       中島 明彦君
   参考人
       日本銀行副総裁  岩田規久男君
       独立行政法人国
       際協力機構副理
       事長       堂道 秀明君
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  本日の会議に付した案件
○公聴会開会承認要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○平成二十六年度一般会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○平成二十六年度特別会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○平成二十六年度政府関係機関予算(内閣提出、
 衆議院送付)
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○委員長(山崎力君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 公聴会の開会承認要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成二十六年度総予算三案審査のため、三月十三日午前九時に公聴会を開会いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山崎力君) 御異議ないものと認めます。
 つきましては、公述人の数及び選定等は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山崎力君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(山崎力君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成二十六年度総予算三案審査のため、本日の委員会に独立行政法人国際協力機構副理事長堂道秀明君及び日本銀行副総裁岩田規久男君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山崎力君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(山崎力君) 平成二十六年度総予算三案に関する理事会決定事項について御報告いたします。
 本日は、一般質疑を百二十一分行うこととし、各会派への割当て時間は、自由民主党十分、民主党・新緑風会四十八分、公明党十六分、みんなの党十五分、日本共産党十分、日本維新の会十分、社会民主党・護憲連合六分、新党改革・無所属の会六分とすること、質疑順位につきましてはお手元の質疑通告表のとおりでございます。
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○委員長(山崎力君) 平成二十六年度一般会計予算、平成二十六年度特別会計予算、平成二十六年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。
 これより質疑を行います。大野泰正君。
○大野泰正君 皆様、おはようございます。私は、岐阜県から選出されました自由民主党の大野泰正でございます。本日が国会での初質問でありますので、限られた時間ではありますが、よろしくお願いを申し上げ、早速始めさせていただきたいと思います。
 間もなく、東日本の大震災から三度目の三月十一日を迎えます。改めて、お亡くなりになられた皆様の御冥福を心よりお祈りいたしますとともに、被災者の皆様にお見舞いを申し上げます。
 私たちは、あの日のことを改めて心に刻み、一日も早い復旧と復興に全力で取り組んでいくとともに、東日本の教訓を今後に生かしていかなくてはなりません。昨年末に国土強靱化大綱が策定され、本年はまさに国土強靱化元年と言ってもよいと思います。今回は、既に発生が予想されている震災に対する対策について伺ってまいりたいと思います。
 まずは、首都直下型地震の際に首都機能が失われないようにするための機能移転を含めたバックアップ機能の強化であります。
 官邸を始め、日本の中枢機能の保持には既に心を尽くされていると思いますが、首都直下型の瓦れき量は東日本の約四倍と想定されています。こうした状況では、官邸などの中枢機能は維持できたとしても、首都機能全体としては厳しい状況に陥ることは容易に想像できます。
 三・一一以降、首都機能バックアップの整備は、命を守り、国を守るために何よりも重要な課題であると思います。今日までバックアップについて余り表立った議論がされていないことに私は違和感を覚えます。今般、リニア新幹線の整備も始まり、日本の時間地図が大きく変わろうとしています。このような観点から、議論を進める環境が整いつつあると考えますが、防災担当大臣にお考えを伺います。
○国務大臣(古屋圭司君) 確かに、委員御指摘のように、首都直下地震とか大地震が発生したとき政府の機能をどうやって維持するかは極めて大切ですね。
 首都直下地震が仮に発生をした場合、あらかじめ業務の継続計画、よくBCPと言いますけれども、BCPを策定して政府機能のバックアップを行う代替拠点を確保する、極めて重要でございまして、昨年十二月の十九日に政府のBCP計画を発表いたしましたけれども、それによりますと、まず内閣府の五号館、今度八号館が五月以降はできますのでそちらに移りますが、それから防衛省、それから立川に広域防災基地がありますので、一応この三か所を政府の代替拠点として位置付けをさせていただいております。
 中央防災会議の防災対策実行会議の中でも、学識経験者の方から、やっぱり一定の距離を置いたところにそういったバックアップ機能も必要ではないかと、こういう提案もなされておりまして、特に、今御指摘があった昨年の十二月十九日に我々、政府のBCPを決定いたしましたけれども、今後の検討課題というところで、今申し上げた三か所以外にもやはり代替拠点としてなり得る地域、対象に検討していこうということも記されています。
 これは、もう一方では、国土強靱化大綱あるいは基本法にも、やっぱりそういう施設を造る場合には、平時にも活用できて、いざ有事の際にはその機能を発揮すると、こういった視点も必要でございますので、そういったことを総合的に勘案をして、また地方や民間セクターの皆さんの意見を聞きながら、どういう形でその政府機能が、どんな災害が起きても麻痺することなく維持することができるようになるかということをしっかり検討していきたいというふうに思っています。
○大野泰正君 大臣、ありがとうございました。大変丁寧な御答弁、誠にありがとうございます。
 次に、東海、東南海、南海の三連動地震に対応する国土軸について伺います。
 三連動地震が発生した場合、日本の大動脈を直撃し、太平洋側で東西が分断される可能性があります。こうした地域がいち早く復旧するためには、日本海側と太平洋側を結ぶ強靱な国土軸が必要だと思います。特に、中部圏は首都圏と関西圏を結ぶ重要な位置にあり、分断されれば日本経済への影響は計り知れないものがあります。
 強靱化の観点から、中部圏でいえば、名古屋港と福井、石川、富山の港を結ぶ強靱な道路網とともに、港湾の整備は大変重要な課題であると考えます。しかしながら、国交省は現在、日本海側の港湾を戦略的に重点的に整備する計画はないとのことでした。
 今後、平時においても大量の旅客を運ぶ大型客船や新たな物流航路である北極海航路への対応など、その重要性は非常に高いと言えます。港湾整備はもとより、太平洋と日本海を結ぶ国土軸の整備についてどのような強靱化対策のグランドデザインをお考えでしょうか。
 そしてもう一点、エネルギー危機管理上、日本海側の備蓄施設の整備も大変重要な課題であると考えますが、併せて御見解を国土強靱化大臣と国土交通大臣に伺わせていただきます。よろしくお願いします。
○国務大臣(古屋圭司君) お答えさせていただきます。
 今御指摘のように、南海トラフ巨大地震、あれは範囲が広いですね、九県ありますのでね。太平洋側で甚大な被害が発生をすることが予測されるので、経済社会システムが機能不全に陥らないように、平時から日本海側の地域や、あるいは代替性の確保、総合ネットワークの確保等々、国土全体を視野に入れた取組が必要です。これはもう委員御指摘のとおりだと思います。
 昨年十二月の十九日に決定をされました国土強靱化大綱、ここにおいても、例えば全国のエネルギーインフラや輸送ネットワークの重点的な対策、それから国家、社会の機能が維持できるように地域間、企業間等において相互連携を深めつつ、必要な機能の分担、バックアップを図る、こういうことが記されています。この国土強靱化大綱は、今年の五月ぐらいをめどに国土強靱化基本計画を作らせていただきます、そのバイブルとなるものでございますので、当然この五月をめどに策定をされる予定の強靱化計画においてもこういった視点をしっかり入れていきたいというふうに思っております。
 具体的には、特に今エネルギーのことがございましたけれども、エネルギーについては、やはり沿岸部の災害リスクも踏まえ、地域間の相互流通を可能とする全国のエネルギーインフラや輸送ネットワークの重点的な整備、こういったことを記させていただきましたので、その考え方に沿って対策を講じていくということは極めて重要であるというふうに認識をいたしております。
○国務大臣(太田昭宏君) 首都直下、そして南海トラフの地震ということからいきますと、東西の分断と、構造的にも中央構造線が走っていますから、ここのところをしっかり踏まえて対応していかなくてはいけない上に、今先生御指摘の、太平洋側と日本海側との連携というものは極めて重要だという認識をしています。
 港湾について、国交省は今そうした重点的なという考えがないということを聞かれたというふうに思いますが、私は全く実は違っておりまして、太平洋側の港の物流の増えた上昇率は約五%弱、日本海側の港湾の伸びは一三%ということで、これから日本海そしてロシア・ファクターというのが物すごく重要になってきますから、物流の流れからいいますと日本海側の港湾の充実というのは極めて重要で、また、東日本大震災のことからいきますと、太平洋側が本当に壊滅的な状況になりまして、日本海側の港から道路を経て太平洋側に行くという、そうしたルートが非常に重要だという認識をしているところです。
 したがって、そうした東西ということについて、また、この日本の太平洋側と日本海側を結ぶという、両面を充実するということが極めて重要だというふうに思っておりまして、道路を始めとして、多重防御とそしてリダンダンシーと、こうした角度を入れて整備をしたいというふうに思っています。
 今、岐阜から見れば、東海北陸自動車道の四車線化進めておりますが、これも非常に大事でありますし、中部縦貫自動車道、あるいは三遠南信、あるいは静岡、山梨、長野、そして新潟の方へ抜けるという、そうした中部横断道、こうしたことの整備というものは極めて重要だという認識をしておりまして、充実強化をしたいというふうに思っているところです。
○大野泰正君 ありがとうございます。是非力強く進めていただけることを心よりお願いを申し上げます。
 次に、消費税導入を目前に控えて、特に影響が懸念される中小・小規模企業対策についてお尋ねしてまいります。
 現在、アベノミクスの効果によって日本経済は久々の好況感に包まれています。しかしながら、本年四月に予定されている消費税引上げによって、経済への影響は避けられません。特に地方経済や中小・小規模企業にとっては、大都市や大企業に比べて好況は遅れてやってきて不況は真っ先にやってきます。消費税導入を見込んだ景気対策も、その効果は地方ほど遅れてしまいます。また、来年には更なる消費税引上げの議論もあり、地方経済や中小企業がこれを乗り越えるには今日までの単なる景気浮揚策では不十分であると思います。
 税制が変わるということは、これを前提にビジネスモデルも変わらなければならないということを意味していると思いますが、これを機にどのように変わるべきか、特に、地方経済を守り、地域を守るためにも、政府が率先して未来を見通せる分かりやすいメッセージを送ることが重要だと思います。どうかよろしくお願いいたします。
 そこで、質問させていただきます。まずは成長企業への支援策について伺ってまいります。
 私の地元の岐阜県には繊維、陶磁器などに代表される伝統産業が多いのですが、その多くが斜陽産業であると認識されているのが一般的であります。確かに、業界単位で見れば右肩下がりではありますが、企業単位で見れば大きく伸びている企業も少なくありません。これまでの中小・小規模企業政策は弱者救済的な色合いが強かったと思われますが、今後は伸び行く企業を支援することも大変重要だと思います。
 そこで、消費税の導入を目前に、積極的な中小・小規模企業政策としてどのようなことをお考えになっているのか、経済産業大臣に伺います。
○国務大臣(茂木敏充君) 大野先生の御地元の岐阜と私の栃木、大体、繊維であったりとか状況は同じではないかと思いますが、実は私の地元の足利市でも、元々は繊維をやっていたんですけれど、業種転換をしまして、機械部品、今では世界の冠たる航空機メーカーに部品を納入するような企業も生まれております。
 様々な意味で、チャレンジをするようなそういった中小企業、また小規模企業、全面的に応援をしていきたいと考えておりまして、我々が政権に復帰をして最初に作りました平成二十四年度の補正予算におきましても、ものづくり補助金という形で一千七億円を措置いたしまして、全国の町工場の試作品作り支援をしてまいりました。大変好評でありまして、平成二十五年度の補正ではこれを一千四百億円に拡充をいたしまして、製造業だけではなくて物流、サービス業まで対象を拡大する、そして試作品と同時に、いわゆる製造プロセスの改善、これも補助の対象とすることにいたしました。また、平成二十六年度の税制改正におきましては、中小企業投資促進税制、これを、中小企業にとってよりインセンティブが高い、またより広い範囲をカバーするものに拡充をいたしたところであります。
 また、この国会には、全国三百八十五万の中小企業の九割を占める小規模事業者、これを振興するための基本法、これも提出をする予定であります。また、小規模事業者等にとって資金繰り対策、極めて重要な問題でありまして、これは事業の新陳代謝を進めるという意味でも重要になってくるわけでありますが、この二月から、先月から運用を開始いたしました経営者保証に関するガイドライン、これは、これまで個人保証に依存してきた従来の融資慣行を改善する、これは経産省と金融庁、一緒に取り組んでおりますけれども、画期的な内容となっております。
 これらの施策を進めることによりまして、開業率一〇%、黒字企業倍増、海外展開する中小企業一万社、こういう高い目標をしっかりと達成してまいりたいと考えております。
○大野泰正君 ありがとうございます。次の質問の答えを半分先に言われてしまったような気もしますが、移らせていただきます。
 次に、業態転換等へついての支援策についてお尋ねさせていただきます。
 地方経済の中には、後継者がなく事業継承に悩み、低い利益率に甘んじながらも企業活動を続けているところが少なくありません。私も地元の経営者の方々から円滑に事業を終わらせたいとの切実な声をよく聞きます。仮に利益率の低い事業者が少なくなれば、業界の体質改善は進むのではないかとも考えられます。しかしながら、実際に事業をやめようとすると、金融機関の厳しい資金回収や同業者の連鎖倒産を招くおそれがあることから踏み切れないでいるのが現実であります。
 こうした実情を踏まえて、実は岐阜県では地元の銀行が円滑な廃業支援のための金融商品を作り、良い意味で実績を上げています。ちなみに、この商品の名前はカーテンコールといいますが、なかなかうまいネーミングだと私は思います。
 実際にこのような需要が存在する中、国として、経営者が次世代や周囲に迷惑を掛けずにソフトランディングでき、自らも再チャレンジできる可能性を見出すことのできる支援策を国として検討すべきではないかと思います。財務大臣、そして経済産業大臣にお考えを伺います。
○国務大臣(麻生太郎君) まず、これは中小企業、零細企業、小規模企業、いろんな表現がありますけれども、代が替わる、仕事の取り巻く環境が変わる等々によって事業を整理しなくちゃいかぬという話は、我々、石炭も閉めてきた経験がありますのでよく分かるところなんですが、これは、金融機関からの個人の借入金というところの個人保証等々が様々な課題を抱えているというのはよく承知をいたしております。
 したがいまして、こういった事業者に対して、これは日本商工会議所と全銀協を事務局とする研究会から経営者保証に関するガイドラインというものが昨年の十二月に公表されて、この二月から施行をされております。こういったところで、金融機関において、個人と法人が明確に分離されているなどで一定の条件を満たすということになっているのであれば経営者の個人保証を見直すということについて今取組が進められているところでありまして、このガイドラインの活用に関しましては、これは会社の事業整理を行うに当たっての個人保証の整理についていわゆる悩んでおられる事業者の方々に関して、これ全然分かっていない事業者もいっぱいおられますので、専門家を派遣するなどの取組を行っていると承知をいたしておりますし、中小企業庁もこれ一生懸命やっておられると思いますので、関係機関、特に中小企業庁が主なものだと思いますし、商工会議所もかなり、それから商工会も一部かんできておられますので、そういった意味で、様々なニーズに対応して事を進めてまいりたいと考えております。
○大野泰正君 それではもう一点、インフラの老朽化対策を通じた地方経済の活性化策について伺わせていただきたいと思います。
 地方経済を支え、地域社会を支える大きな柱に地域の建設事業者の存在があります。今般の大雪でも改めて認識されたように、除雪作業などは企業活動のみならず国民生活の維持のためになくてはならないサービスであります。しかしながら、重機を自社で所有している事業者は現在急速に減少していますし、担い手不足も深刻であります。この状況に歯止めを掛けなくては、地域を守り、命を守ることはできません。
 私は、この状況を打破するには、今後着実に需要が見込めるインフラの老朽化対策を活用することだと思います。こうした需要は各地域に幅広く分散していることから、このような対策を地域に根付く事業者が積極的に事業計画に盛り込むことができる政策の整備は、地域社会を守る上で大きな力になり、地域を守る効果的な対策になると私は思います。
 国土交通大臣にお考えを伺います。
○国務大臣(太田昭宏君) 全くそのとおりだというふうに思っております。近年、急に公共事業が減ってきたり、あるいは公共事業悪玉論という中で、働いている人にとりましては誇りが失われるということもあったと思います。
 しかし、大地震が切迫しているということや老朽化対策ということから、高度成長時代から約五十年、非常に大事になってきているということからいきますと、この老朽化対策をしていかなければならないということは、昨年、私はメンテナンス元年というふうに銘打ったわけでありますけれども、極めて重要。それを担っていただくのは、これはまさに地域の建設業界であるというふうに思いますし、今先生から御指摘のように、倒産をしたり、重機は持たない、リースになったり、担い手不足というようなことで悩んでいるという現状でございます。
 しかし、老朽化対策は非常に細かい仕事も多くて、なかなか技術的にも造る以上に難しいということもあります。その辺を、防災・安全交付金というのをつくっておりますけれども、昨年からですね、これを、具体的にここをこうしてくれということを出して、そしてお金を国から出すということでやらさせていただいている。
 まさに、担い手は地域の建設業者が、我が町は我々が守っていくぞという、そうした誇りを持ってやっていただくという体制をつくるということが極めて重要だというふうに思っています。そうした方向に今進んでおりますので、さらに地元の建設業者が地域を守っていくという自覚に立って働いていただけるよう環境を整えたいと強く思っているところでございます。
○大野泰正君 大臣、ありがとうございます。命を守り地域を守っていくためにも、どうか力強くよろしくお願いしたいと思います。
 それでは次に、現在、エネルギー基本計画において議論されている地熱発電について伺います。
 マグマのパワーを有効に利用し共生していく地熱発電は、地震国であり火山国である日本に与えられた自然の恵みであります。これを生かすことはこの国に住む私たちにとって大変重要なことであると私は思います。地熱は基本計画でも特にベースロード電源として注目されています。日本の地熱エネルギーのポテンシャルは世界でも有数の可能性を秘めており、実際には世界第三位と言われておりますが、開発を進めていただくことは、エネルギー基本政策の指針でもある3EプラスSにも合致すると考えます。また、地熱の二次利用によって中山間地などでは新たな産業を起こす起爆剤になるとも考えられます。
 このようなすばらしい力を持つ地熱発電に対するお考えを経済産業大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(茂木敏充君) 地熱発電の前に一言、大垣共立銀行ですけれど、あそこのそばで私、街頭演説何回もやったなと記憶があるんですけれど、別に街頭演説で使ったからということではないんですが、非常にいろんな新しい取組をされている金融機関でありまして、御指摘いただいた事業整理支援ローン、いわゆるカーテンコール融資も事業者が円滑に市場から退出するため極めて有効なツールであると、こんなふうに我々も考えているところであります。
 さて、地熱発電でありますが、CO2を出さずに安定的に発電が可能なベースロード電源として活用できるものであることに加えまして、我が国の地熱資源、世界で第三位ということでありまして、日本に豊富な国内資源の一つであるため積極的に導入すべき電源であると、こんなふうに考えております。
 地熱の導入に当たりましては、委員もよく御案内のとおり、温泉事業者を始め地域の方々の理解促進が極めて重要であります。このため、経済産業省としては、今年度から新規に予算を措置いたしまして、熱水を利用したハウス栽培事業であったりとか、道路の融雪、雪を解かす事業を実施するほか、地熱発電に対する理解を深めるためのセミナーや見学会を実施するなど、地域における地熱の利用促進に資する事業を支援することとしております。
 加えて、高い開発コスト、リスクに対する支援、環境アセスメントの迅速化に向けた支援など含めまして、地熱関連予算として平成二十六年度予算案に総額二百二十億円計上しているところであります。この予算も最大限に活用しまして、熱水を活用した地域振興事業等を通じて、地域の方々の理解を得ながら、更なる地熱発電の導入拡大に取り組んでまいりたいと考えております。
○大野泰正君 大臣、ありがとうございます。また、失礼いたしました。
 最後に、二〇二〇年の東京大会に向けた選手強化対策について下村文部大臣にお伺いしていきたいと思います。あっ、文科大臣ですね、失礼しました。
 各地にある既存施設の活用について伺わせていただきますが、大変手前みそでありますが、岐阜県には標高千二百メートルから二千二百メートルに位置する飛騨御嶽高原高地ナショナルトレーニングセンターエリアがあります。この地域一帯は温泉も大変豊富であり、トレーニングはもとより、リハビリにも最適であります。是非一度いらっしゃっていただきたいと思いますが。
 本年からは医科学の専門知識を持つスタッフを常駐させるなど自治体独自の取組も始めましたが、トップアスリートの使用に堪え得る総合的な施設を一地方自治体で維持管理することには大変無理があり、不可能に近いと思います。身体能力を高めることに大変有効な高地トレーニングに関して総合的な整備が必要なことから、政府としてしっかりとしたお取組をお考えいただければ有り難いなと、このように思います。
 二〇二〇年の成功に結び付け、日本の未来の活力を生み出すためにも、文部科学大臣の熱い思いをお聞かせいただきますようよろしくお願いを申し上げ、質問を終わらせていただきたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 現在、文科省におきましては、高地トレーニングなど東京都北区に設置しているナショナルトレーニングセンターで強化を行うことが困難な競技等については、地域の既存の施設をナショナルトレーニングセンター競技別強化拠点施設として指定し、ナショナルレベルの選手等が集中的、継続的にトレーニングを行う環境を整備する事業を実施しているところでありまして、高地トレーニング指定施設、二つありますが、そのうちの一つが大野委員の地元、飛騨御嶽高原高地トレーニングエリアであるわけでございます。この高地トレーニングについては、持久力の向上等により平地でのパフォーマンスを改善、向上させる効果があるというふうに聞いております。
 こうした高地トレーニングの施設を国として整備することについては、競技団体の強化策や整備後の施設運営の在り方、費用対効果などを踏まえ十分検討していく必要があるというふうに考えます。
 今後、二〇二〇年東京大会の成功に向けまして、関係機関、団体の意見も踏まえつつ、国内の高地トレーニングエリアも活用しながら選手強化に取り組んでまいりたいと思います。
○大野泰正君 大変ありがとうございました。
 これで終わらせていただきますが、明日七日から、現地時間ではありますが、ソチのパラリンピックが始まります。また寝不足になると思いますが、しっかりと応援していきたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げ、終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○委員長(山崎力君) 以上で大野泰正君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(山崎力君) 次に、石橋通宏君の質疑を行います。石橋通宏君。
○石橋通宏君 民主党・新緑風会の石橋通宏でございます。
 昨日に続きまして質問させていただきますので、よろしくお願いいたします。
 まず冒頭、昨日の予算委員会で、厚労大臣、若干ちょっと厚労関係、労働関係の予算について数字の確認が必要だったと思いますので、冒頭その説明をお願いします。
○国務大臣(田村憲久君) おはようございます。昨日は大変失礼いたしました。
 委員の方から、雇用関係の、社会保障関係費の中でのどれぐらいの予算増減があったのかという御質問でございまして、委員の出された数字は一千八百二十二億円で、百六十三億円減になっておるのではないかと。それに対して私は二千九百億円という数字を出しまして、百三十億円の減だと、こういうようなお話をさせていただきました。
 私の場合、社会保障関係費以外のものも入れておるというお話をさせていただきました。例えば最低賃金等々を引き上げた企業に対しての、中小企業の、そういうものを入れたということでございまして、数字が違うのはそこであります。
 中身でありますが、百六十三億円減だということに対して、マイナスじゃないかというような、そういう委員からの御指摘があったわけでありますが、昨日申し上げたことでもありますけれども、このうち雇用保険、これが失業者が減っておるということでございまして、この部分、それから同じような形で求職者支援制度、これも景気が回復した中において減が立っておると、これは景気が回復しておる中での減でございますので自然な減でありまして、これが百五十八億円ほどございます。残り五億円に関しましては、他のやはり失業対策、失業者対策も、景気が良くなっておりましてこれが減っておるということでございまして、景気が良くなったことにおいて大体前年度と比べてプラマイゼロに近いような数字であるということでございまして、このマイナス百六十三億円が立った理由はそういうところにあります。
 しかし一方で、特会の方でプラス六十三億円、〇・二%プラスだということと、それから、あと雇用保険、これ特会の方でございますけれども、六十三億円とはいいながら、これは求職者支援制度等々のものがございまして、本来、景気回復等々で一千億ぐらいマイナスになっておるものを、例えば、あれですね、あれです、ごめんなさい、ちょっとど忘れしましたけれども、例えば、例えば、失業じゃないな、ごめんなさい。答弁書がないものですから、ごめんなさい。あれ、あれです、ごめんなさい。
 ちょっとど忘れしましたが、要するに、幾つかのものがございまして、そういうものがプラスになっております。そういうようなことを含めて、一千億円ほど求職者支援制度等々でマイナスになったものも実は取り返した上でこのプラス六十三億円が立っておりますので、そういう意味では、雇用対策という意味では、実質的にはこの特会を入れますとプラスになっておるということでございまして、その点御理解いただければ、総理がおっしゃったとおり雇用対策に力を入れておるというふうに御理解をいただければ有り難いというふうに思います。
○石橋通宏君 後ほど記憶がまた戻ってまいりましたら詳細に説明をいただきたいと思いますが。
 厚労大臣、ちょっと確認ですが、昨日説明のあった中でも、労働局の経費が九百七十一億円で三十四億円プラスになっていますが、この労働局の経費三十四億円プラスの理由を、ちょっと中身を教えてください。(発言する者あり)
○委員長(山崎力君) じゃ、ちょっと速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(山崎力君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(田村憲久君) 済みません。忘れていたものを思い出そうと思っておりましたので聞いておりませんでして。
 給与特例法等々の部分がこの部分でございます。若干、労働基準監督官の増員も入っておるかも分かりませんが、そのような数字の中でプラスになっておるということであります。
○石橋通宏君 ありがとうございました。
 質問の趣旨は、私たちは、是非やっぱり一般会計の中でしっかりと雇用対策打っていただきたいと。特会があるのは分かりますが、これはもう大臣もよく御存じのとおり、労使の拠出による雇用保険ですので、やっぱり一般会計の中でしっかりといろんな対策を打っていただきたいという趣旨ですので、是非今後また対策をよろしくお願いいたします。
 プラス、昨日総理と、女性の活躍ということでいろいろと質疑をさせていただきました。そのときにちょっと聞こうと思って時間なかったので聞けなかったので、大臣に今日是非お聞きしたいのがいわゆる女性の就労継続支援策ですね。日本は、やっぱりM字カーブの問題ですとか、さらには、今マタニティーハラスメント、いわゆる育休切り等々の問題が深刻なものがまだまだあります。こういう今現状、このM字カーブの問題、育休切りの問題、どう厚労省として把握をされ、また今後対策を打とうとされているのか、その辺説明をお願いします。
○国務大臣(田村憲久君) まず、思い出しました。私が指示して労政審にかけていただきました育児休業給付の引上げ、五〇%から六七%、半年間というやつでございましたりですとか、あと、労働移動支援助成金ですね、こういうものがプラスになったということで全体一千億円、景気回復において求職者支援等々で減っておるものがそれを入れる中においてプラスになったということでございますので、御理解いただきたいと思います。
 M字カーブに関しましては、やはりこれ二十五歳から二十九歳ぐらいが正規社員という意味ではピークというような形でございまして、あと、パートとかそういうものに関してまたM字で戻っていくわけでありますが、やっぱり一つは妊娠、出産、育休取得、こういうところでやはり離職をされる方が多いわけであります。
 いろいろと相談を均等局等々、均等室の方でいただくわけでありますけれども、均等室でいろいろと聞いておりますと、実は辞めた後に相談に来られている方が結構多いわけでありまして、十分に例えば育休法でありますとかそれからいろんな法制というものを御承知いただかない中で、どうしても均等室の方に、まあ均等行政というものを御理解いただいていないというところがあるわけでございまして、そこは我々も周知徹底をしていかなければならないというふうに思っております。
 もちろん、今も母子手帳等々にそういうものを入れさせていただけるようになっておるわけでございまして、これ任意という形ではあるんですけれども、法制の整備、法律の説明でありますとか、担当は均等室でございますよというようなことは言っているんですが、なかなかそれが伝わっていない。それからまた、労働局自体も、なかなか地方労働局入りづらいといいますか、雰囲気もなかなか相談しづらい雰囲気があるということもお聞きをいたしておりますので、そういうことも含めて、我々といたしましては雰囲気づくりもやっていかなきゃならぬというふうに思っております。
 あわせて、これは新しく考えておるわけでありますけれども、二十六年度で、六月の男女雇用機会均等月間、これで今まで以上に来年度に関しましては説明をしっかりと強化していく必要があるなというふうに思いまして、そういうところで周知徹底を図りながら、もちろんそのほかにも、女性の方々の継続雇用、こういうものに関しての支援策あるわけでございまして、そういうものを強化しながら、一方で再就職したい女性に関してはセミナー等々も開いておりますから、そういうものも利用しながら、今委員がおっしゃられたような問題意識、しっかりと対応できるようにこれからも頑張ってまいりたい、このように思っております。
○石橋通宏君 大臣よく御存じのとおり、女性も、若い世代で一旦正社員で入って、残念ながら就労継続なかなか難しくて労働市場から退出をされて、また戻るときには今度は非正社員の職しかないということがあります。これ是非、女性の活躍と言っていただく以上は、やっぱり正社員で入っていただいた女性がそのまま就労をずっと継続して頑張っていただけるような環境をしっかりつくっていただくことが必要だと思います。
 その意味で、次世代育成支援の強化、今回またやっていただくんですが、一方で、やっぱり育休切りのような、そういったちゃんと法令遵守も含めてやっていただけない企業についてはしっかりと罰則を含めた対策を打つべきだと思いますが、この点は何か考えておられないんでしょうか。
○国務大臣(田村憲久君) 育休切り自体は本来駄目なことでございますので、やはり周知徹底をまずしないことには、これ、なかなか企業さんも十分に御理解をいただいていないところもありますし、もちろん、実際問題、育休を利用されようとしている方も本来権利であるということをしっかりと御認識をいただかなければならぬというふうに思います。
 その点、周知徹底を更に我々としては進めてまいりたいというふうに思っております。
○石橋通宏君 周知徹底していただくということも十分必要だと思いますけれども、その上で、それでもやっぱりなおというところにはしっかり対応していただかなければいけないと思います。この点は今後も是非取り上げていきたいと思います。
 続きまして、昨日もこれ議論させていただきました派遣法の関係です。
 今、女性のという話もさせていただきましたが、私たちは、やっぱりこれ、今回の派遣法改正が結果としてますます女性の正規の職を閉ざし、非正規を拡大してしまうのではないか、そういう道につながらないのかということを大変心配しているわけであります。
 大臣、是非、ちょっと昨日も派遣は引き続き一時的、臨時的なんだということを言っていただいた。しかし一方で、我々は、これは今回、間違いなく派遣の固定化そして長期化につながるのではないかというふうに考えているわけです。これ、決して派遣の固定化、長期化につながらせないんだということをどう担保されるのか、その辺、御説明をお願いします。
○国務大臣(田村憲久君) 派遣は一時的、臨時的な働き方だという、その基本的な概念というものは、これは今回の改正においても変わらぬわけでありまして、労政審の中でも、建議の中でそういう位置付けしっかりされておりまして、ここは認識は共有をされているものだというふうに思います。もちろんこれ、通知等々でしっかりとその旨等々も、あっ、通達等々で示していきたいと、このように思っておりますので、これは派遣元、派遣先に対してもそのような御理解をいただきたいということで、しっかりと通知してまいりたいというふうに思います。
 その上で、今般の法改正の趣旨でありますが、今、臨時的、一時的、そういうものであるというような前提において、例えば雇用安定措置というもの、これを盛り込まさせていただいているわけでありまして、三年間という期間限定でございます。その中において、三年たったら、例えば派遣先に対して直接雇用、これを依頼をしていくというようなことも入っておるわけでございまして、もちろん派遣先は派遣先で正社員の促進化ということで措置が盛り込まれております。これは義務付けられておりまして、どういう内容かといいますと、正社員を募集する場合、派遣先が、そのときにはその派遣社員に対して周知を必ずしなければならないというような義務も入っておるわけでありまして、決して派遣の固定化というものを目指しておるわけではないということでございます。
 そのような措置の中でしっかり担保してまいりたい、このように考えております。
○石橋通宏君 一時的、臨時的、今通達でという話でありましたが、大臣、これ法律に、もう一時的、臨時的としっかり書き込むという方策はないんでしょうか。
○国務大臣(田村憲久君) これは先ほども申し上げましたけれども、そもそもいただいた建議の中でもうそのようなこと種々書かれておるわけでありまして、そういう意味では、もうこれは労使共に共通認識であるというふうに我々は認識をいたしております。
 これだけ国会の答弁でも私が何度も何度も、衆参の予算委員会、多分これから厚生労働委員会でもそういう話が出るんだと思います。そこで申し上げるわけでございまして、その答弁の中でもしっかり担保されておるものだというふうに認識いたしております。
○石橋通宏君 共通認識ということであれば、法律に書いていただいてもいいのかなというふうに思います。このことを是非要望して、またこれからちょっとそれは突っ込んで議論させていただければと思いますが。
 大臣、派遣元事業者、今回許可にするというお話がありました。許可基準も併せて厳格化するという理解でよろしいでしょうか。
○国務大臣(田村憲久君) 許可にするという意味は、言うなれば、今まで登録されておったところ、こういうところは要するに登録すればそのまま派遣業できたわけでありますが、許可というのは、もう御承知のとおり、許可取消しができるわけでありまして、そういう意味では今まで以上に、特定派遣業者、もうこういうものがなくなるわけでありますから、厳しい中においてしっかりと我々監督しながら指導してまいるという意味で許可にするということであります。
○石橋通宏君 許可の基準は変わらないということですか。
○国務大臣(田村憲久君) 当然、法律改正の中身がいろいろあるわけでありまして、例えばキャリア形成等々も入ってくるわけでございまして、そういうものを義務化されてくる部分もあるわけでありますから、当然そういうものをしっかり守っていただくというような中においての中身の変更というものはあるということになると思います。
○石橋通宏君 許可基準、要件が今回厳しくなるということですね。ごめんなさい、もう一回確認。
○国務大臣(田村憲久君) 当然、新たに義務化されたものを守っていただかなければ、それは当然のごとく、義務でございますから、許可の中において場合によっては、もちろんそれまで是正命令だとかいろいろなことをやりますけれども、許可取消しということも起こり得るということであります。
○石橋通宏君 許可基準がいろんな新たなものも加えて厳しくなって、それ、許可取消しも十分あり得るんだという御説明だったと思います。
 この辺、基準の認定のとき、基準を満たしているのかどうか、そしてその後も引き続き基準をしっかりと守っているのかどうか、取消し事由に当たるのか当たらないか、こういうのをチェックする体制について御説明をお願いします。
○国務大臣(田村憲久君) 全体的な体制としては、需給調整指導官、こういう方々がしっかりとそれぞれの派遣業者等々を指導も含めて対応していくわけでありまして、今申し上げましたけれども、まずは何か本来やらなければいけない義務行為等々していなければ指導という話になると思いますが、それでも言うことを聞かなければ是正命令を出して、それでも聞かないという悪質な派遣業者の場合は、今も言いましたけれども、許可の取消しということもあり得るということになってこようと思います。
○石橋通宏君 済みません、確認ですが、認定基準のチェックから取消しの要件の確認等々まで需給調整官がやるということですね。
○国務大臣(田村憲久君) 基本的にそういうことになろうと思います。
○石橋通宏君 その大切な役割を担う需給調整官ですが、十分な体制が取られているとお考えでしょうか。
○国務大臣(田村憲久君) 二十六年度、六名増員を今お願いしておりまして、予定四百八十四名ということでありまして、この五年間で約八十名増員をしてまいりました。
 委員おっしゃられたいのは、特定労働者派遣事業が、届出分でありますが、五万二千九百八十二事業、これ平成二十三年の数字でありますけれども、あるわけでございまして、一般派遣事業が大体一万九千五百八十三ですから、それの二倍以上のところが新しく入ってくるということを心配をいただいておるんだというふうに思います。もちろん、特定派遣も含めて今もこの需給官がやっておるわけでありまして、そういう意味では、いきなり仕事が何倍も増えるわけではございません。でありますから、確かに許可業務だとかいろんな部分、新しい部分もありますけれども、この人員で対応をまずはさせていただきたい、このように考えております。
○石橋通宏君 今後の議論のために、今日、資料一、お手元に用意をさせていただいております。これ、需給調整指導官の今の数と都道府県別の違いです。
 これ、何でこんなに都道府県別で差があるのか。大臣、これ、事業者数と需給調整官の数を割りますと一人当たりどれぐらいの事業者を見るのかというのが分かるわけですが、一番悪いのが、沖縄が大変厳しくて、一人の需給官が二百三十六事業所を担当する、単純計算ですが、なります。少ないところでいきますと、佐賀なんかは五人で百七十一ですので一人当たり三十四と。
 これはこれだけ差があるのはどういうことでしょうか。
○国務大臣(田村憲久君) 詳しく私も中身がどういうような配置になっているかということを今検証させていただいているわけではありませんが、うちの担当者から聞く話は、もちろん派遣事業者の数も勘案しておりますけれども、それ以外にいろいろな、多分、違反事例の多いところでありますとかそういうところの数を勘案しながらこのような配置をしておるものだというふうに認識しております。
○石橋通宏君 これは是非、皆さんもそれぞれ御自身のお地元があると思いますので見ていただければと思いますが、こういう実態があります。さらに、これ全部許可制にすればそれだけ、極端に増えないとおっしゃったけど、いや、でも間違いなく業務量は増えるはずなんです。
 そういうことも含めて、これ今後ちょっと細かく、今、違反事業者の数も勘案されているんじゃないかというお話もありましたが、細かく追及していきたいと思いますので、この件はしっかりと今後説明できるように準備をお願いしたいと思います。
 次に移りますが、ちょっと順番を、済みません、変えさせていただいて、今回の派遣法の改正も、大臣、どこかの答弁でいわゆる現政権がやろうとされている失業なき労働移動という、これの一環であるというようなお話もございましたが、これはそういう理解でよろしいのかということと、改めて、失業なき労働移動、具体的にどういうふうな形で今後具体的に進めていかれようとされているのか、御説明をお願いできますでしょうか。
○国務大臣(田村憲久君) 派遣というものが、失業なき労働移動というより、それもあるのかも分かりませんが、多様な働き方の一つであろうと、それを望んでおられる方々もおられるわけでありますから、多様な働き方の一つであろうというような認識はあります。
 失業なき労働移動というのは、基本的に、離職を余儀なくされた方々が失業若しくは失業している期間、これを短くして新たな職に就いていただくということでありまして、そういう意味では、労働移動支援助成金、先ほど申し上げましたけれども、このような制度でありますとか、産業雇用安定センター、こういうものを利用しながら、先ほど言いましたとおり、労働移動をスムーズに進めていくと、こういうような概念であります。
○石橋通宏君 そこで、今触れていただきました資料の四に労働移動支援助成金のスキームが描いてあるんですが、ちょっと大臣、恐縮ですが、このスキームの全体像、そしてまた今回の予算でどういう具体的な強化措置がとられるのか、御説明をお願いします。
○国務大臣(田村憲久君) まず、このスキームでありますけれども、今申し上げましたとおり、事業主の都合によって離職を余儀なくされる、解雇も含めてであります、退職勧奨もあろうと思いますけれども、そのような形で離職を余儀なくされた、そういう労働者の方々に対して再就職に向けてのいろんな計画を作らなきゃならぬわけでありまして、そういうものを職業紹介事業者、これ民間でありますけれども、こういうところが中心になってやるわけでありますが、その前に、まずはこれしっかりと労働組合も御理解をいただかなければならない問題でありますし、併せてそういうものをこれハローワーク等々にも提出をいただかなければならぬわけでありまして、認定されたものに対して助成金が出るというような形のスキームになっております。
○石橋通宏君 強化は。
○国務大臣(田村憲久君) 強化に関しましては、例えば、全体といたしまして、送り出し側に対して助成金が出まして、それが受入れ側にも出ますし、それから間に入っている民間企業にも出るというような形で、今までよりも全体としての、何といいましょうか、お金の流れ、更に円滑に進めるような形で助成が出せるというような制度に変わったわけであります。
○石橋通宏君 これ一部ではリストラ支援助成金じゃないかという批判を受けておりますが、これ、リストラ促進にならないんですか。
○国務大臣(田村憲久君) 先ほども申し上げましたけれども、リストラ促進という話になりますと、多分まだ離職をしない、つまり会社側が都合で離職を余儀なくされると、つまり解雇等々ではなくてリストラをどんどん進めていくという意味からすればそうなのかも分かりませんが、基本的には、会社が会社都合で離職をさせるというような場合に対してのこれは助成金でございますので、言うなれば解雇ということが決まった後に進んでいくということでございますから、解雇を余儀なくせざるを得ない、そういう企業に対して、そこで働いている方、また解雇される方に対しての制度でございます。促進というよりかは、解雇が決まった後にしっかりと円滑に、その離職期間を短くする、若しくはなしにして次の就職につなげるという意味でございますので、解雇を促進するという意味にはならないというふうに認識いたしております。
○石橋通宏君 大臣、だってこれ、補助金もらえるなら、じゃ解雇しようかという企業の促進にならないんですか。
○国務大臣(田村憲久君) 御承知のとおり、解雇は四要件四要素、こういうものが整理解雇にはございまして、そう簡単には解雇ができないわけでございますから、そのような要件、要素に合致した場合に企業は解雇するわけでありまして、何でもいいから解雇しちゃえということになれば、整理解雇しちゃえということになれば、当然それは我々としては対応せざるを得ないという話になってまいろうと思いますから、解雇を促進するという意味にはならないというふうに認識いたしております。
○石橋通宏君 今回、対象が大企業にも拡大をされていると、補助金も手厚くなるということで、大臣、今そういうふうな説明もございましたが、これがむしろ解雇を促進するのではないかという心配が大変大きいわけであります。
 今回これ積み増ししていただいて、対象、どれぐらいの人数を考えておられますか。
○国務大臣(田村憲久君) 二万三千人ぐらいを対象にしております。
○石橋通宏君 事前にお伺いしたところ、七万人という数字もありましたが、そうじゃないんですね。
○国務大臣(田村憲久君) 受入れと送り出しがございまして、それを合わせると今委員が言われた数字になるということであります。
○石橋通宏君 七万人のその内訳を教えてください。
○国務大臣(田村憲久君) 二万二千九百三十八人がこれが受入れで、四万三千人が送り出しということであります。
○石橋通宏君 受入れで今数字がありましたけれども、これ、人材ビジネスが真ん中へ入ってやって、受入先、これ、受入先の要件は何ですか、どういう職でもよろしいんでしょうか。
○国務大臣(田村憲久君) 関連企業ではないということが基本的には受入先の一応要件になっております。
○石橋通宏君 関連企業ではない場合、あとは何でもいいと、非正規でも何でもいいということですか。
○国務大臣(田村憲久君) 要は、それは今度は送り出し側の要するに要件みたいな話であるわけですね。
○石橋通宏君 受入れ。
○国務大臣(田村憲久君) 受入れ側。あっ、受入れ側の、受入れの方ですね、済みません、失礼いたしました。雇用保険等々の対象になっていなければ、適用の対象になっていなければならないということであります。
○石橋通宏君 雇用保険の対象になっていればいいということ、それのみですね。
○国務大臣(田村憲久君) ですから、関連企業であってはいけないというのと、雇用保険の適用されておる、そういうような職であればいいということであります。
○石橋通宏君 派遣事業者でもいいということですね。
○国務大臣(田村憲久君) 基本的には、派遣事業者でも雇用保険の対象になっておればいいということであります。
○石橋通宏君 これは派遣事業者でもいいということになっているわけです。
 昨日レクで聞いたときには関連企業は駄目だと言っておられなかったので、関連企業でもいいということで派遣事業者でもいいということになると、これは人材ビジネス会社のための制度じゃないかという追及させていただいたんですが、改めて確認しますが、関連企業は駄目なんですね。
○国務大臣(田村憲久君) 関連企業は駄目でございます。
○石橋通宏君 細かくて済みません。関連企業、その場合の定義を教えてください。
○国務大臣(田村憲久君) 商法上の資本それから実態的に支配されているというような、そういうようなものは駄目であるということであります。
○石橋通宏君 その辺、しっかりとちょっと改めて確認していきたいと思いますが、これ、今一応要件としては関連は駄目だと、しかし雇用保険の適用であればいいと。つまり、非正規でも雇用保険の適用さえあれば構わないと、派遣でも構わないということです。つまり、これによって、その派遣事業者に登録をさせれば、それで成功報酬もいただけるというようなことだと思います。
 とすると、今回の派遣法の改正案がこれから出てくる、我々は、これは派遣の促進、固定化、長期化につながるのではないかという心配をしている。一方で、今回のこの助成金のスキームで派遣事業者も受入れ企業になり得るということを考えると、これ、派遣をまさにこれも含めて促進するということにならないんでしょうか。
○国務大臣(田村憲久君) 以前も衆議院の方でもお答えをさせていただいているんですけれども、今回の派遣法は決して派遣に固定をするための改正ではないわけでありまして、そのような意味で、派遣元に対してキャリアアップのための義務を課すということ、計画的な教育訓練でありますとか、また、本人が望めばキャリアコンサルティングもやらなきゃならぬわけでありますので、そういう意味では一旦派遣に入ってこられる方がおられると思います、労働移動支援助成金で。
 しかし、その後、派遣から更にステップアップしていただいて、例えば正規の方へ。私は個人的には、派遣から直接雇用の、非正規というよりかはそれは正規に行っていただいた方がいいと思っておりますので、そういうようなステップアップをするためのいろんな今回は仕組みを入れさせていただいておるわけでございまして、そのような形になっていただければ、本人がお望みになればという話でありますけれども、有り難いということで今般の改正をさせていただきたいというふうに思っておるわけであります。
○石橋通宏君 これ、今後ちょっとまた厚労委員会等々で細かくやりたいと思いますが、これ対象になるのは恐らく相当数高齢者、高齢世代の方々でしょう。その方々が、じゃ一回派遣に行ってまたステップアップと大臣言われますけれども、現実的にはそういうふうにならないでしょう。そういうことも含めて、本当にこの助成金の在り方、そしてまた今回の派遣法の在り方、これは我々は派遣の固定化、長期化に間違いなくつながっていくというふうに懸念をしておりますので、これも含めて今後またしっかり追及をさせていただきたいと思います。
 続けて、ちょっとそれに関連するんですけれども、失業者・求職者対策についてちょっと伺います。
 いわゆる、先ほど一般会計予算の雇用関係の予算ということでもまだまだ足りないんじゃないかというお話もさせていただきましたが、一般会計で失業者・求職者対策ってどうなっているのか、補正も含めて御説明をお願いします。
○国務大臣(田村憲久君) 平成二十六年度の一般会計においての失業者、求職者向けの対策でありますけれども、一千九百六十四億円計上させていただいております。
 そのうち、国庫負担金、雇用保険制度一千五百三十六億円、求職者支援制度が百二十四億円、これを除く事業経費は三百五億円でございまして、シルバー人材センター事業費が九十四億円、障害者職業能力開発校等の運営費が六十八億円、若年者、新卒者に対する雇用対策が三十五億円、生活保護受給者に対する就労支援が二十六億円、障害者に対する雇用対策が二十二億円。
 二十五年度補正予算においては、地域人づくり事業といたしまして一千二十億円、短期集中特別訓練事業が百四十九億円、民間人材ビジネスの活用による労働市場の機能強化事業が五十億円、若年育成支援事業が三十五億円、計一千二百五十三億円を計上させていただいております。
○石橋通宏君 御説明ありがとうございます。
 そこで、我々常に、やっぱり雇用対策も含めてしっかりと一般会計、本予算の中でやるべきではないか、補正で基金積んでどうのこうのということじゃないでしょうということも問題指摘させていただいておりますが、今触れていただいた中で、短期集中特別訓練事業というのが御説明がございました。
 今日の朝日新聞で出ておりましたので御覧いただいた方も大勢おられると思いますが、「独法入札に便宜か」ということで、参加要件が、一回ウエブサイト厚労省出してから、二月十八日十時に出して十一時に削除になって、そしてその要件が変更されていたということですが、ちょっと経緯を御説明お願いします。
○国務大臣(田村憲久君) 今、報道が今日あった件、この短期集中特別訓練事業についての入札参加要件でありますけれども、これに関して、おっしゃられましたとおり、二月十八日の十時頃、これに対する要件がウエブサイトに掲載をされたと。これ、企画競争入札の公示というような形でありますけれども、これがその後削除をされた。
 この記事の中では、JEED、高齢・障害・求職者雇用支援機構でありますけれども、ここがその入札要件にかなわなかったというような形の中において、そのような連絡が入って、そして要件が変えられたというような、そのような状況、記事はこう書いてありますし、私が確認しましても、その電話が入ってから、入ったから変わったかどうかというのはまだ事実は確認されておりません。これは調査をさせていただきたいというふうに思っております、変わった理由は。しかし、実際問題変わっておるということでございます。
 これは、たとえ一時間であったとしても、一回公示されたものが差し替わって、その後入札をされてどこかに落ちるということ自体は、これはおかしなことであります。私も、申し訳ない話でありまして、今日新聞で知ったというのが非常に申し訳ない話なんですが、その後いろいろと聞き取りをさせていただいて、これに関しては、もう一度前のこの要件でやり直すということにさせていただきたいというふうに思います。
○石橋通宏君 今、やり直すということで断言いただきましたが、JEEDから連絡が十時以降入ったのは事実なんですね。
○国務大臣(田村憲久君) ちょっと時間はまだ正確には申し上げられませんが、多分十一時前後ぐらいに入ったということは確認をさせていただいております。
○石橋通宏君 この全省庁統一資格というのが要件から外れたというのも事実なんですね。
○国務大臣(田村憲久君) 全省庁統一資格というものが要するに元々出されておったものでありまして、それが変わったというのは事実であります。
○石橋通宏君 全省庁統一資格が要件に入っていたらJEEDは入札できなかったというのも事実ですか。
○国務大臣(田村憲久君) そのとおりでございます。
○石橋通宏君 そういうことだそうです。これ本当に、大臣言っていただいたので、これは大変な問題だと思います。
 それで、随契でない場合はこれ全省庁統一資格を含めるべきだというふうに、これ新聞にも書いてありますが、実際そういうことでよろしいんでしょうか。
○国務大臣(田村憲久君) 必ずしもそうではないようでございます。
○石橋通宏君 しかし、今大臣、これもう一回ちゃんとやり直すということで、全省庁統一資格も含めてやり直すということで、元の条件でやり直すということでよろしいですね。
○国務大臣(田村憲久君) どういう経緯で変わったのかはこれから調べなきゃなりませんが、いずれにしても、たとえ一時間であろうが何時間であろうが、一回条件を示したものが途中で変わって、それによって入札が行われるということは、これは私は許されることじゃないというふうに思いますので、これは前の全省庁統一資格、この方でやり直させていただきたいと思っているというか、やり直させていただきます。
○石橋通宏君 今大臣断言いただきましたので、つまり、そういうことであればJEEDには落ちないということでよろしいですね。
○国務大臣(田村憲久君) どこか入札に参加されて、その結果落札されれば、それはそういうことになろうというふうに思います。(発言する者あり)
○委員長(山崎力君) ちょっと速記止めて。
   〔速記中止〕
○委員長(山崎力君) それでは、速記を起こしてください。
○石橋通宏君 前の規格でやっていく、つまり全省庁統一資格を含めてやるということで断言いただきました。JEEDはこの資格を持っていないわけですから入札できない。ということは、JEEDには落ちないということでよろしいですね。
○国務大臣(田村憲久君) この要件で入札をやりますので、入札に参加できないということであります。
○石橋通宏君 大臣から今御説明をいただきまして、しっかり調査もしていただくということですので、委員長、これ是非、調査していただいた結果、これまでの経緯とか対応も含めて当委員会に報告をいただけるように、よろしくお願いいたします。
○委員長(山崎力君) この件については、質問に答える形にするのかどうかも含めて、理事会で決めさせていただきたいと思います。協議させていただきます。
○石橋通宏君 ありがとうございました。
 済みません、厚労関係、ほかにも雇用保険制度等々お聞きをしたかったのですが、ちょっと時間の関係もありますので、これはまた後日の機会に譲らせていただきたいと思っております。準備をいただいた皆さん、大変申し訳ありませんでしたが、御理解のほどお願いをいたします。
 以上、厚労関係これで終わりますので、厚労大臣、もし委員長よろしければ、御退席いただいて結構です。
○委員長(山崎力君) じゃ、厚労大臣は退席していただいて結構です。
○石橋通宏君 続いて、後半はODAの在り方について、今日、外務大臣また麻生大臣にも質問をさせていただきたいと思います。
 まず最初に、ODAの目的についてちょっと改めて大臣、お考えをお聞かせいただきたいんです。というのは、この間、委員会でも総理からもODAに関してはいろいろと御発言があったわけですが、現在ODA大綱があって、大綱に基づいてODA事業を様々に推進をいただいているということも含めて、改めてODAの目的というのは何なんでしょう。
○国務大臣(岸田文雄君) ODAの目的ですが、ODA大綱の中に定められておりますように、国際社会の平和と発展に貢献し、これを通じて我が国の安全と繁栄の確保に資することとされております。よって、我が国としましては、引き続きまして、途上国の貧困削減や持続的成長、あるいは地球規模課題への対処、あるいは平和の構築と、ODAによるこの取組を通じまして、国際社会の平和、安定、さらには繁栄、こうしたものの確保に積極的に貢献していかなければならないと考えています。
○石橋通宏君 ありがとうございます。
 私もそうだと、大綱読ませていただいてもはっきりそういうふうに書いてあるので。ただ、先般もODA特別委員会等々でも外務省なりJICAなりから御説明を伺いますと、どうも今、先に経済成長第一だというようなニュアンス、そしてまた日本の企業の現地進出に資するというのが何か前面に出ちゃっているんじゃないかなと大変心配しているんです。
 大臣、そうじゃないんだと、やっぱり途上国、裨益国の貧困撲滅ですとか社会的な開発、発展、そういうものがあって、そしてというところだと思いますが、改めて大臣、それでよろしいんですね。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、御指摘のような考え方は大変重要だと思っています。
 ODAにつきましては、我が国は人間の安全保障の視点、これを基本方針の中に掲げています。ですから、途上国の貧困削減、あるいは持続的な成長のための支援、これは積極的に取り組んでいかなければならないと思っています。
 そして、その上で、来年度の予算案につきましても、一つは、日本にとって好ましい国際環境をつくるためのODA、そして、新興国、途上国と日本が共に成長するODA、そして、人間の安全保障を推進し日本への信頼を強化するODAと、三本柱を挙げているんですが、この二本目の柱、新興国、途上国と日本が共に成長するODAという部分ですが、昨今のODA等を通じての支援の実情を考えますと、昨年のTICADXの際にも随分議論になったんですが、単なる支援ではなくして、その支援が投資につながる、日本の企業等が進出することによって現地に雇用や技術移転、こういったものをもたらす、単なる支援ではなくして将来につながる支援が重要だという意見、要望が関係国から随分出されています。
 こういった声にも応えなければならないということで、日本の企業の国際展開を資するという視点も考えていかなければいけない、こういった点も併せてODAを考えているというのが現状でございます。
○石橋通宏君 ちょっと若干最後のところは苦しかったかなと思いますけれども、やっぱりそれが目的ではない。やっぱりそれは裨益国の発展、自立的な発展、そしてまた国民の皆さんの貧困撲滅等々がある、そのために資するということがやはり前面だと思いますので、そこは是非今後も堅持をしていただきたいと思います。
 その上で、そういったしっかりとした展開をやっぱり国際公約も含めて果たしていく上で、これもまた国際公約の一つであると思いますが、先進国みんなでGNI比〇・七%、ODA予算確保してしっかりと貢献していこうということがあったと思いますが、これ現実どうなんです、来年度予算も含めて。今大変残念ながら遠い状況だと思いますが、大臣、このGNI比〇・七%目標達成に向けたお考えをお聞かせください。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のように、ODAの対GNI比〇・七%目標、これ一九七〇年の国連総会で合意されて以降、我が国を含む国際社会が繰り返しコミットしている目標であります。
 しかしながら、我が国の現状は、政府全体のODA予算、平成九年度をピークとして減少傾向にありまして、平成二十六年度当初予算におきましては政府全体で五千五百二億円を計上しております。前年比七十一億円の減であります。このうち、外務省のODA予算は過去四年間連続して増額しており、平成二十六年度当初予算で四千二百三十億円、対前年度比十八億円の増となっていますが、これらの数字は、我が国のODA実績の対GNI比ということを考えますと、過去二十年間〇・三%だったものが今〇・一七%に減少しているというのが現状であります。
 そして、それについてどう考えるかという御質問ですが、これ我が国としましては、ミレニアム開発目標達成を始め国際社会の抱える様々な課題に主要国と足並みをそろえて取り組むためにも、こうしたGNI比〇・七%目標、これは引き続き努力をしていかなければならないと考えています。
 ただ、この〇・七%目標につきましては各国とも大変苦労しておるようでありまして、二〇一二年の数字ですが、〇・七%を達成している国は、ルクセンブルグ、スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、オランダ、五か国だけというのが現状でありまして、アメリカ辺りも〇・一九%という現状であります。各国とも大変この目標については苦労しておるようですが、今申し上げましたように、我が国としましてはこうした目標に向けて努力することは大変重要だと考えております。引き続き努力したいと考えています。
○石橋通宏君 今日せっかく麻生大臣おいでになりますので、これ政府全体の取組の問題だと思いますが、大臣、全体の予算が苦しい中だとは思いますけれども、まさに今外務大臣言っていただいたように、これはやっぱりみんなで取り組んでいかなければいけないんだということに対して、財務大臣としてどうお考えですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 二十六年度のODAの予算につきましては、これは先ほども言われましたように、この〇・一七と〇・七とえらい違いじゃないかと。元々のGDPの桁が十倍も違いますので、それはもう全然意味が、額の絶対量というのもちょっと考えておいていただかぬと、アメリカが〇・一九、こっちが〇・一七というのの両方とも抱えておりますGDPのでかさというのは、デンマークとかルクセンブルグとか一緒にしていただいて〇・七とか言われると、ちょっと額が違うんじゃないかなと。これは前から国連で話題になっていたところでもあります、パーセントが、何でこんな高くしたんだねというのが、景気のいい頃につくっておいてずっとそのままなんというのはそもそも無理なんじゃないのというような。ただ、目標として我々としてはこういったことを考えておるのは事実です。
 それから、二十六年度のODAに関して言わせると、これは国際機関を経由するマルチ、多国間のODAからバイに、二国間のものに変わっていくという状況がいいのではないかということで、これは御指摘もあるんだと思いますが、これは円安のおかげもありまして、いわゆる厳しい財政状況下の中で無償資金協力及びJICAの技術協力で三千百六十九億円と、プラスの五十八億になっておりますし、また被支援国にとって重要なODAの事業量というものでいきますと一兆九千三百五十億円程度で、これもやっぱりプラス三%ぐらいになっておりますので、そういったものでは、引き続き外交を展開するという意味におきましてもこれは重要なものだと考えておりますし、同時に、これは被支援国にとりまして、それができた後それを利用して何するかというのが分からなくて、ただそこの政治家が俺のところに橋架けてくれと言うだけで、その橋使って何するのと、その後の支援が全然何の利益もなかったじゃないですかというプログラムは実はこれまで幾つかないわけではありませんでしたので、きちっとそこらのところはどういった波及効果があったのかを調べてからでないと、単なる支援ということではなくてもう少し発展的な支援を考えにゃいかぬということが岸田外務大臣の言われたことで、戦略的にこれを活用していくこともこれは極めて重要で、その国にとってそれが重要なんだと、私どもはそう思っております。
○石橋通宏君 今大臣から、額の絶対額が、規模が違うんだからと。これそもそも、外務大臣、経済規模に見合った国際貢献をしようということで〇・七%というのをみんなで決めているんじゃないんですか。そういう理解だと思いますけど、違うんですか。
○国務大臣(岸田文雄君) 〇・七%の目標、一九七〇年にコミットされたということですので、その当時の議論、私も十分承知はしておりませんが、今委員のおっしゃった観点も議論の中に含まれているのではないかと想像はいたします。
○石橋通宏君 いや、これ大事なところで、額でいくなら最初からそのときに額でいったんだろうなと思うんですけれども、やっぱりこれは、経済規模に見合った国際貢献をみんなで協力してしていこうということで〇・七という数字をみんなで決めたということで理解をしておりますので、そうすると、麻生大臣が額が違うんだからというふうにおっしゃったけれども、そうではないのではないかと私は思うし、ちょっとその当時のあれが分からないから、そもそも無理だからという大臣、発言がちらっと見えましたけど、でも、外務大臣、先ほど、いや、これは引き続き努力していくんだというお話をされたので、これは引き続き努力していくんですね。これを放棄するんですか、〇・七%目標。
○国務大臣(岸田文雄君) 〇・七%の目標が作成された際には、いろんな議論があったと想像はいたしております。経済規模に見合った貢献という視点も重要かと思いますが、しかし、そもそも額の大きさ、経済の大きさというものに対する現実的な見方、これも当然あります。その上で、一応この〇・七%という目標が合意されて今日まであるわけですので、我が国としては、こうした目標を決して否定するものではありませんし、努力目標としては意義があると考えています。
 現実、なかなか厳しい状況にあるということを先ほども申し上げました。もう世界各国ともこの目標には程遠いのが現実であります。しかし、是非、大きな理想に向けて努力するということについては引き続き我が国も努力を続けなければいけないのではないか、こうした姿勢は大事なのではないかと考えます。
○石橋通宏君 国際的な協調的な取組としてこれは決めているわけですから、引き続き、各国も、先ほど大臣説明されたように、厳しい中でもそれぞれが努力をされていると、日本も併せて協力しながら努力をしていくんだということだと思いますので、是非その辺の認識は安倍内閣全体で共有化していただきたいと思います。
 その上で、各国もいろいろな取組をされています。革新的資金調達メカニズム、新しい何か資金調達のメカニズムがないものだろうかということで取組をされていて、日本もこの革新的資金調達メカニズム、リーディンググループのメンバーになっておりますし、数年前には日本でこのリーディンググループの会合もやられておるということですので、これは今、日本はどのようなコミットをされて、どのような提案をこのリーディンググループの中でされているのか、御説明をお願いします。
○国務大臣(岸田文雄君) ミレニアム開発目標、MDGsの達成など、世界の開発需要に対応するために幅広い開発資金の動員が必要だということは十分認識をしております。この革新的資金調達についても、国際的な議論を推進することが必要だと考えておりますし、また、石橋委員も、お伺いしますと国際連帯税創設を求める議員連盟の事務局長をお務めになられているということで、このテーマにつきまして、これまでも理解され、御努力をされてこられたと承知をしております。
 このテーマにつきましては、我が国は、平成二十年九月に開発のための革新的資金調達に関するリーディンググループに正式参加し、平成二十二年後半に議長国を務め、同年十二月に東京で第八回総会を開催する、こういった形でこの議論に貢献をしてきたということであります。
 そして、この具体的な資金調達のメカニズムですが、各国がそれぞれ可能な形でこの選択肢を検討していくということが必要だということで、我が国としましても、例えばポリオ撲滅のための借款転換、こういった形を採用して努力をしています。パキスタンのポリオ撲滅のために約五十億円の円借款を供与し、そして一定の成果が達成された場合にはゲイツ財団が弁済するというローンコンバージョン方式、こういった方式を採用し、これをさらにこれからナイジェリアでも採用しようと調査、調整を行っている、こういった取組を行っています。
 各国様々な形でこうしたこの革新的資金調達について知恵を絞っているわけですが、我が国としましては、具体的には今申し上げたような形の取組を行っているというのが現状でございます。
○石橋通宏君 ありがとうございます。
 このポリオ撲滅の取組なんかも非常にいい取組の一つだろうと思います。是非こういうことも、国際的にも貢献をしていっていただきたいと思いますが。
 今大臣からも触れていただきましたこういう取組の国際的な中で、一環で国際連帯税というのがございます。私も今御紹介をいただきましたように連帯税議連の事務局長を務めさせていただいておりますが、この連帯税議連、今、会長は自民党、与党の衛藤征士郎先生でございますし、前会長は川口前参議院議員、その前の会長は林農水大臣が会長をやられていたということで、これ超党派で取組をさせていただいておるということも併せて紹介をさせていただきたいと思いますが。
 麻生大臣、この国際連帯税なんですけれども、我々この超党派の議連でも、是非日本でも、各国で様々いろんな形で導入が進んでおりますので、日本でも是非検討していくべきだというふうに考えておるわけですが、麻生大臣、国際連帯税の導入について、もしお考えがあればお聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) この国際連帯税、元々貧困問題とか、それから環境問題もありましたか、地球規模の問題への対策のための財源確保を目的とした税だというように承知をいたしております。税制抜本改革法第七条におきまして、これは、国際連帯税について国際的な取組の進展を踏まえつつ検討するということとされておりますのはもう御存じのとおりです。
 したがいまして、その導入に当たって、課税の目的の範囲とか、また効果、それから執行の可能性などといった点なんというのをこれは留意して、これ今後検討していく必要があるものだと考えております。
○石橋通宏君 今日はちょっとこの辺にしておきますけれども、今大臣触れていただきましたように、これ税制抜本改革法の中にも検討していくということが条文の中でやられておりますので、是非政府としても御検討いただきたいと思いますし、我々議連としても、今後ともこの問題については協力させていただきたいと思っております。
 そして、今日は、先ほどODAの目的について外務大臣から御説明いただいて、やり取りもさせていただきましたが、まさに裨益国の開発、貧困撲滅、社会的な発展、そういうことをしっかりと我が国のODAが貢献していくということを含めて、JICAの方でも環境社会配慮ガイドラインというものをしっかり設定をして、それでODA事業がそれに沿う形でやっていくんだというふうな取決めがあると思いますが、まず、今日、JICAから副理事長においでをいただいておりますので、この環境社会配慮ガイドラインについて、概要だけ、ちょっと手短に御説明をお願いします。
○参考人(堂道秀明君) お答え申し上げます。
 JICAの環境社会配慮ガイドラインでありますけれども、これは、支援要請がなされたプロジェクトについて、環境面とかあるいは非自発的住民移転など社会面への負の影響を与えることが想定されるような場合、必要な調査を行うとともに、負の影響を回避あるいは最小化するよう相手国による適切な環境社会配慮の確保の支援とそのモニタリングを行う、こういう目的を持って設定しているものであります。世界銀行なども同じような基準を持っておりまして、平仄を合わせております。
 具体的には、そのプロジェクトの環境社会配慮についての責任は相手国にあると、こういう前提ではありますけれども、JICAとしましては、ガイドラインに従いまして、相手国と我が国政府が支援について合意する前に、予想される影響の大きさに応じてプロジェクトの分類を行いまして、その分類に沿って、懸念がある場合には相手国に対して適切な環境社会配慮がなされるよう働きかけると、こういう仕組みになっております。
○石橋通宏君 ありがとうございます。
 その中で、重要事項の一つとしてステークホルダーの参加を求めるというのがあると思いますが、これ、具体的にどのような形でステークホルダーの参加を求めるということになっていますか。
○参考人(堂道秀明君) このガイドラインを実行するに当たりましては、事業の影響を受けるステークホルダー、関係者でございますが、その意見を聴取すること、そして透明性を確保すること、これは重要な原則だというふうに考えております。この制度の中では異議申立て制度も設けております。
○石橋通宏君 その実効性が担保されているかどうかというのはどういう監視メカニズムがあるんでしょう。
○参考人(堂道秀明君) この点は元々、先ほど申しましたように、分類によって、その影響が大きいというものについてはカテゴリーAというふうな指定をします。それで、A、B、Cと、こういうふうに分けてあるわけでございますけれども、この基準に従いまして、特にステークホルダーの意見を聴取し、その考え方を踏まえてプロジェクトを遂行するということが必要になります。そのために、モニタリングを行うとともに、私どもは、JICAの中にでありますけれども、第三者委員会を設けまして有識者の意見をお伺いする制度をつくっております。
○石橋通宏君 ちょっと一つ具体的な事例で通告してありますが、モザンビークのプロサバンナ事業、これ、いろいろとこれまでも様々な場で取り上げさせていただいておりますし、さきの参議院本会議でも我が党の神本議員が取り上げたところでございますが、今、環境社会ガイドライン、とりわけステークホルダーの参加という観点で、このモザンビークのプロサバンナ事業をきちんと適正にやられているんでしょうか。
○参考人(堂道秀明君) このモザンビークにおきますプロサバンナ事業についても、この環境社会配慮ガイドラインに基づいて適切に事業を進めることが重要だというふうに認識をしております。
 特に、このプロサバンナ事業の全体計画の策定、マスタープランの策定でありますけれども、これを行っておりますが、基本的な考え方は、モザンビークが基本的に小農であるということでありまして、この小農である地域住民の生計向上を目的に実施するものだということであります。このマスタープランの中におきまして優先プロジェクトをこれから特定していくことになります。その際には、地域住民や現地のNGOなどとの対話、協議を行うとともに、この環境影響の予測、評価を行って適切な環境社会配慮がなされるようモザンビーク政府と緊密な協議を行うと、こういうふうに考えております。
○石橋通宏君 今御説明いただきましたけれども、私が聞いておりますところ、まさにそのプロサバンナ事業の裨益者、当事者である小農の皆さん、農民団体の皆さんとのステークホルダーの対話が今暗礁に乗り上げているという報告を受けておりますが、この点、事実でしょうか。
○参考人(堂道秀明君) このプロサバンナ事業でございますけれども、モザンビークの北部三州を対象にその事業を行っております。この地域におきまして農業の開発のポテンシャリティーが高いということでやっております。
 その際に、私どもとしましても、先生御指摘のとおり、地域の農業団体から様々な意見が出ているというのを承知しております。それで、この対話をモザンビーク政府にも話しまして、モザンビーク政府としても、この地域のステークホルダー、農民を含めてでありますけれども、五十回以上の対話を行ってきております。
 先生の御指摘の点はこの進捗状況でありますけれども、二州、この三州が対象でありますけれども、二州においては一つこういう対話の仕組みが軌道に乗り始めているわけでありますけれども、一州、まだ一州においてはその仕組みは進捗が遅いという状況は確かであります。これを改めて対話を開始するということで、これから進んでいくように持っていきたいと思っております。
○石橋通宏君 今御説明いただきました。一州で進捗が遅いというか、一州では完全に進捗が止まっているというふうに聞いておりますが、これ、ちょっとまた今後しっかりとこの辺追及させていただきたいと思いますが、外務大臣、これもしっかりと、社会的な対話の促進というのは基本だと思いますので、外務大臣としてもしっかりとこれ進捗、モニターしていただけるということでよろしいでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 対話の重要性、御指摘のとおりだと思っています。
 今答弁の中にもありましたように、モザンビーク政府、これまで五十回以上対話を行っているということではありますが、一月、安倍総理がアフリカ訪問の際にも、ゲブーザ・モザンビーク大統領との会談において、総理から、日本としても市民社会や農業組織の理解を得ながら支援を実施していきたいという旨伝えております。
 そもそも、モザンビークのこの事業、ブラジルと日本との三角協力という形を取っていますが、これはブラジルとモザンビークが元々条件的に近いのではないかとか、言語が同じポルトガル語であるとか、こういった条件でスタートしたものですが、実際やってみますと、現実の条件はブラジルとモザンビーク、かなり違う面もあるというのが現実だと承知をしております。そういったことから、やはり対話が重要だということを認識しております。
 今後とも対話プロセスは丁寧に進めていくこと、こういった形でモザンビークとの協力を進めていきたいと考えます。
○石橋通宏君 是非外務大臣の責任においてしっかりとこれ進めていただきたいと思いますし、今後ともまた折に触れてこの件については深めていきたいと思います。
 最後に、ミャンマーに対するODA支援について、残りの時間でお伺いします。
 いろいろとお伺いしたかったんですが、時間もありませんので、来年度以降、またミャンマーに対する支援、民主化の進展等々、様々に増額して協力をしていかれるということだと思いますが、その点で二つお伺いしたいんですが、一つは少数民族支援です。御存じのとおり、ミャンマー、大変残念ながら、まだ少数民族地域で、とりわけカチン州では内戦が継続をしておりますし、その他の少数民族地域では、まあ暫定停戦合意はできておりますけれども、本格的な停戦には至っておりません。こういったことへの日本としての支援、必要だと思いますが、この点についてお考えをお聞かせをいただきたいのと、もう一点は、ちょっとこの際、併せて要望をさせていただきたいと思いますが、今後、日本の企業が様々進出が図られると思いますが、そういったときに大事なのはやっぱり労使関係だと思うんです。労働者とそして企業がしっかりといい労使関係をつくって、そして社会の発展、経済の発展、併せて貢献をしていくということだと思います。この点、ODAの中で労使関係の発展についても是非支援をしていくべきだと思いますが、外務大臣、御検討いただけるかどうか、併せて回答をお願いします。
○国務大臣(岸田文雄君) ミャンマーにおきましては今日まで様々な改革努力が続けられていますが、その改革努力、民主化ですとか持続的発展と併せて御指摘の国民和解、これは大変重要な改革努力であると認識をしております。是非、この改革努力をしっかりと後押ししていかなければいけないと思っておりますし、その改革の配当が多くの国民にとって実感できるような支援をしていかなければならない、こういった認識に立って、引き続きまして国民の生活向上支援、経済、社会を支える人材の能力向上や制度の整備支援、そして持続的経済成長のための必要なインフラ整備、こういったものをバランスよく進めていきたいと考えています。国民和解、是非、重要な課題だと思っています。
 そしてもう一つ、労使関係について御質問いただきました。
 今申し上げた中で、持続的な経済発展、これを実現するためには健全な労使関係が大変重要だと認識をしております。是非御指摘の点も踏まえながら、ミャンマーの持続的な経済発展に向けて、労使関係、健全な労使関係の形成等も含めてしっかり支援をしていきたいと考えています。
○石橋通宏君 ありがとうございました。
 是非今後ともよろしくお願い申し上げて、私の質問、終わりにします。ありがとうございました。
○委員長(山崎力君) 以上で石橋通宏君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(山崎力君) 次に、金子洋一君の質疑を行います。金子洋一君。
○金子洋一君 民主党の金子洋一でございます。昨日に引き続きまして、消費増税などと景気の問題についてお尋ねをさせていただきます。
 昨日は消費増税の悪影響についてお尋ねをさせていただきまして、駆け込み需要のところにプラス四%、しかし四月一日以降、反動減がマイナス〇・四%分あると承りまして、それ以上はないのかというところでちょっと議論がごちゃごちゃっとしてしまいましたので、そこについて再びお尋ねをさせていただきたいと思います。
 家計への影響ということで、所得階層別の分析はなさっていない、あるいはジニ係数のようなものは計算なさっていないということでありました。それはなぜなさっていないのか、どうしてしなくてよいとお考えなのかについて、甘利大臣にお尋ねをいたします。
○国務大臣(甘利明君) 影響が強く出るであろう低所得者対策全般は行っております。そして、細かい分析をして、それに向けて細かく対応するというよりも、恐らく今までの消費税引上げのときに、所得階層別に細かく幾らから幾らまでの人にはこういう対策をする、幾らから幾らまではするというようなことは事実上やっていないし、物理的にできないと思うんですね。
 ですから、消費税引上げによって影響を受ける、いわゆる所得に対して消費税引上げの影響が濃く出るであろうという所得層の方々には対応をすると。これは給付金で対応する、あるいは住宅対策で対応する等々をやっておりますから、あえてそうしていないわけであります。
○金子洋一君 ありがとうございます。
 昨日の御答弁で、消費税増税による支払増が家計において七兆円、受取増が四兆円、差引きマイナス三兆円だというふうに大臣がおっしゃいました。マイナス三兆円です。
 では、大臣、関連してお尋ねをいたしますけれども、低所得者対策は行っているとおっしゃいました。その低所得者対策の総額の金額は幾らで、三兆円と比較してそれは大きいとお考えなんでしょうか。
○国務大臣(甘利明君) 詳細な数字について御入り用でしたら、事前にそういう詳細な資料を提出するようにという御指示をいただければいかようにも対応いたします。
 基本的に……(発言する者あり)今答弁していますから。いいですか。基本的に、好循環を実現をして所得を引き上げていくというのが基本的な政策であります。それで、複数年掛かるかもしれないけれども、物価の上昇をオーバーライドするような所得の向上を実現しようというのが政府の考え方であります。
○金子洋一君 となりますと、今年の分は足りないかもしれませんけれども、今年の分は目をつぶってくれという御趣旨でしょうか。
○国務大臣(甘利明君) そういう意味で申し上げているのではありませんが、詳細な数字については、例えば、簡素な給付措置を三千億とか、住宅取得に係る給付措置を一千億、ローン減税等の拡充対策を一千億行っております。
 基本的には、消費税を引き上げて、それをきれいに階層ごとに分析をして対応するというのは過去にもやっていないはずなんですよ、所得層別にですね、どのくらい細かく分けるかは別ですよ。基本的には、安倍政権の考え方は、低所得者層には対応すると。そして、保険料の軽減措置も考えるということをやっているわけですね。その上で、全体的には、とにかく消費税を引き上げたときには、それをオーバーライドするような所得環境を整えていくというのが政策の本道だと思います。そういう本道に従って対応させていただいているということです。
○金子洋一君 まず、物理的にできないとおっしゃいましたけど、総務省の家計調査で所得階層別の世帯のデータなんというのは見りゃ載っているわけですよね。(発言する者あり)物理的にできないとおっしゃいましたので、私はそうお尋ねをしています。
 もう一点、対応ですけれども、ローンが一千億円あるとおっしゃいました。しかし、その前におっしゃったのは三千億と一千億ですね。合計しても四千億にすぎない。大臣がまさに昨日おっしゃったように、マイナス三兆円です。残り二兆六千億。二兆六千億といえば五百兆のGDPから見て〇・五%ですね。〇・五%個人消費が落ちるということです。それを見逃すとおっしゃるわけですね。
○国務大臣(甘利明君) 経企庁にいらっしゃったんですから予算書を見ればお分かりいただけると思いますが、五・五兆円の補正予算を組んでおります。それは、需要の落ち込み分、二兆円弱ぐらいと言われています、それを埋め戻すいろいろ対策を行っています。需要を埋め戻すというのは、公共事業を始めとして埋め戻すわけです。それに加えて、成長軌道にきちっと乗せていくための予算を組んでいるわけです。そのために補正を組んだんですね。経済全体の落ち込みを補正予算で需要不足をカバーをして成長を本来軌道に乗せていくと、そういう政策を打っておりますし、税制も組んでおります。
○金子洋一君 おっしゃることがよく分かりません。
 二・六兆円の需要不足があるわけです。二・六兆円の需要不足をそのままにしておいて、じゃ、どうするのかと。個人消費どうやって伸ばすのかと申し上げると、補正予算を打ちましたとおっしゃるんですが、それではお尋ねをいたしますけど、その今回の補正予算を考慮に入れた場合、二十五年度と比較してこの四月一日以降の二十六年度、これ、プライマリーバランスの赤字が幾ら増えたり減ったりしているんでしょうか。そして、その増えたり減ったりは我が国の来年度の経済成長にどういう影響を与えるんでしょうか。
○国務大臣(甘利明君) 二十五から二十六年度にかけてのPBの改善幅をおっしゃっているんですか。
○金子洋一君 がどういう影響があるのかです。
○国務大臣(甘利明君) PBの改善幅は、一般会計ベースでいいますと、かねてから財務大臣が御説明させていただいていますように五・二兆円です。SNAベースでいうと六・六兆改善をするということであります。(発言する者あり)
○委員長(山崎力君) 甘利大臣。
○国務大臣(甘利明君) PBが改善をするということは、恐らく民主党さんからも強く言われていることですよ。PB……(発言する者あり)いやいや、PBを改善するという、それは当然のことですけれども、PB改善を放っておいたら日本の財政の……(発言する者あり)いやいや、今答えていますよ。質問がなっていないんじゃないの。
 PB改善をするということは、国の財政の継続性の信頼性ですよ、国債の信頼性ですよ、社会保障の継続性ですよ。そのために財政の健全化をやっているのであります。財政の健全化というのは、PBの赤を改善していくことじゃないですか。それは、だって国民生活にいろんな影響があるでしょう。国債の金利が、信用が失われたら、高くなってくれば財政の利払い費も増えていきますよ。財政の継続性もなくなりますよ。国民経済に影響が出ます。社会保障の継続性がなくなれば、これは雇用者にとってだって不安しかないじゃないですか。いろんな影響が出ます。(発言する者あり)
○委員長(山崎力君) ちょっと速記止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(山崎力君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(甘利明君) 定量的には計算しておりません。できないと思いますよ、定量的に。定性的にしか言いようがないでしょう。
 定性的に言えば、要するにPBの改善、これが例えば歳出の削減だけでやったとします。そうしたら、公需の出動が減ります。それは当然景気にはマイナスになります。ただし、ただしですよ、財政再建にそれが向かうということを市場が確認したら、それは日本国債の信頼性が上がります。ということは、金利に跳ね返る率が少なくなります。ということは、設備投資は伸びると思います。
 そして、今回の場合は、委員は、五・二兆の改善、そんなに減らすんですか、そんなに減らすんですかと、その意味が私はよく分かりませんでした、昨日も。予算書を見ていただければ分かりますけれども、これは歳出削減じゃなくて税収増で改善しているんですよ。七・四兆円のうちの四・五兆円は消費税です。それ以外は税収増が主です。これは成長の果実です。それによって改善しているわけですから、景気にはマイナスに働いていないんですよ。
○金子洋一君 つまり、プライマリーバランスの赤字の増減、これは、赤字は減るけれどもそれは景気にマイナスの影響は与えないという御趣旨でしょうか。
○国務大臣(甘利明君) 歳出が削減されていないのでなされたならば、それはないと思います。
 歳出を削減してやった場合には両面あります。公需が減るという意味では市場にマイナスに働きます。しかし、それが、目指すところが財政再建につながっていくと、政府の意思と具体的方策であれば財政の信認につながると思います。それは金利の引上げ要因を抑える役目があります。それは低金利であれば設備投資も促されると思いますし、そして社会保障をしっかり継続性を確保していく、赤字国債でいつまでも社会保障を担うわけにはいきませんから。そういうことであれば消費者に対しても将来の信頼が保たれて、消費にいい影響があると思います。
○金子洋一君 今大臣がおっしゃったのは、財政再建をすれば将来の社会保障の安定性などが増すので、それで安心して消費が伸びるという非ケインズ効果ですね。あともう一つは、国債の利回り上昇を抑えることができると、だからプラスになるんだというふうにおっしゃいましたけれども。
 昨日の答弁でも非ケインズ効果については大臣言及をなさっていましたが、じゃ、その非ケインズ効果はかつてどの国で現出をしましたか。そして、我が国ではそれと同じことが起きるとお考えなんでしょうか。
○国務大臣(甘利明君) この非ケインズ効果は、御党の議員から、衆議院で非ケインズ効果があるじゃないかという御指摘をいただきました、私に御党から。
 非ケインズ効果というのは、なくはなかったです、かつて小国であります。例えば、デンマークとかアイルランドでは一九八〇年代にあります。しかし、これが定説ではないというのが定説だと思います。起こる場合もあるけれども、必ずしもそうではないということであります。
○金子洋一君 まさに私は大臣の今の御答弁、おっしゃるとおりだと思います。
 ですから、非ケインズ効果というのは、うちの党の衆議院議員が何を申し上げたかについて、私のコントロール下にないのでこれは申し訳ございませんとしか言いようがないんですが、それは恐らくないんだろうと思います。(発言する者あり)ありがとうございます。閣僚にもやじっていただけるということでありまして、ありがとうございます。私と岡田さんでは考え方が全く違いますので、お互いにコントロール下にはございませんので、そこの点は御容赦をいただきたいと思います。
 戻ります。済みません、失礼しました。
 非ケインズ効果については、ないというおっしゃり方は私は正しいと思います。なら、なぜゆえに昨日今日と非ケインズ効果について言及をなさったのか、ちょっとそれを教えていただければと思います。
○委員長(山崎力君) この答弁で、お昼でございますから休憩に入るということで、よろしくお願いいたします。
○国務大臣(甘利明君) 私は、非ケインズ効果をあえて強調したつもりはありません。
 委員が五・二兆円も歳出を削減するんですかと質問があったから私が混乱したのであります。一般会計当初予算は歳出削減で達成しているのではないと、委員のおっしゃっている意味がどういう意味だったのかと。SNAベースで歳出削減しているのかという意味なのか、地方がどのくらい歳出削減しているのか、私の知識の中にありませんでしたから、だから混乱したわけであります。
 非ケインズ効果については、あるという学説と、いや、そうじゃないという学説があるということでありまして、私が確定的にこれはこうですと言うだけの専門家としての知識、経験はございません。学説として二つあるということであります。ですから、必ず非ケインズ効果で歳出削減をすればむしろ経済が成長するんだということは、私は確定的には申し上げられません。
 現に、ギリシャでは、歳出削減をしたら税収が減って泥沼に入ったわけです。あの国に成長戦略という発想がなかった、なかったと言うと失礼でありますけれども、弱かったということがマイナススパイラルに陥ったんだというふうに思います。
○委員長(山崎力君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。
 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時一分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
○委員長(山崎力君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 平成二十六年度総予算三案を一括して議題とし、休憩前に引き続き質疑を行います。金子洋一君。
○金子洋一君 午前中は大変ありがとうございました。
 休みの時間に、尊敬する大先輩から、もう少し冷静になってやれというお叱りをいただきましたので、大変恐縮でございます。
 午前中私が申し上げましたのは、まさに甘利大臣が最後におっしゃいました、七兆円も税収増があるという状況、これでどこが悪いんですかとおっしゃった、まさに私の申し上げたいことはそこでありまして、そういう税収増がきちんと出るような状態に、経済に持っていくのが大変重要であって、そのためには余りにも急激な財政緊縮をやってはまずいのではないかということでお尋ねをさせていただいておるわけであります。そして、午前中には、いわゆる非ケインズ効果については基本的に見解は一致したのではないかなと思っております。
 続きましては、国債の金利についてのお尋ねをさせていただきたいと思います。
 午前中にも、そして昨日にも、国債の利回りが、金利が上がってしまうと大変経済に悪い影響があるということを御発言なさっておられました。
 今日は日銀の岩田副総裁にもおいでをいただいておりますけれども、まず、せっかくでございますので岩田副総裁にお尋ねをさせていただきますが、今の日銀の取っている異次元の金融緩和の中で、一体どれほど、毎年どれほど長期国債その他の資産をそれぞれ買い増しをしていくことになるのかについて簡単にお教えいただければと思います。
○参考人(岩田規久男君) 現在、ネットベースで長期国債を五十兆円を中心に買っていくということで、差し当たりそれを一四年度まで見通しを出しているという段階です。
○金子洋一君 ありがとうございました。
 そうした日銀による異次元緩和という状況の下で、一体どういう条件があると国債の利回りが高くなってしまうというふうに甘利大臣はお考えでしょうか。
○国務大臣(甘利明君) 今のところは非常にうまくいっていると思います。日銀の金融政策で金利が例を見ないほど低く抑えられていると、そういう中で経済成長も財政再建もうまくかみ合うと思います。
 問題は、この日銀の金融緩和、未来永劫無限にやるわけにはいきません。アメリカでもテーパリングが非常に微妙な対応になっています。これは、やがて日本でも同じ課題を抱えると思います。そうしますと、未来永劫金利が低く抑えられるということはなかなか難しい。経済成長があれば当然資金需要が起きますから、金利は少しずつ上がっていきます。でありますから、日銀の金融政策が、この金融緩和の度合いを、やがてアメリカのテーパリングと同じような状況になっていくことを見越して、財政の健全化策、これは成長戦略と組み合わせて、税収を増やして、なおかつ不要不急の部分を節約をしていくと。質の向上と言っていますけれども、歳出は若干減らしぎみでも政策効果は変わらないというように持っていくのが政権がなすべき、出すべき知恵だと思っています。
○金子洋一君 ありがとうございます。
 つまり、異次元の金融緩和が続いている限りにおいては大丈夫だけれども、そこからの脱出の過程で何か起こっては困るという御趣旨だと受け取らせていただきましたが。
 異次元の金融緩和をやめるということは、それすなわち景気が良くなってきたからやめるということになろうと思います。景気が良くなれば、それは金利の上昇も起きると思いますけれども、同時に、まさに今起きているような所得税とか法人税収の伸びというのがぐうんと出てくると。そうすると、国全体としての財政収支というのは決して悪くならないと思うわけです。
 ということを前提に、私から申し上げますと、やはり今の時点で余りに急に財政緊縮をする必要はないんじゃないかと。もちろん計画としてお持ちになる必要はあると思いますけれども、そんなに年間数兆円ずつ緊縮を続ける、しかも消費増税という大変大きな増税をやるときに同時にやるというのはいかがなものかと私は思うんですが、いかがでしょう、どうお考えになりますでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 違う見解を期待なさらない方がいいと思いますが、基本的にはこれは、経済を成長させる、それによって税収を増やし、よってGDPを増やして、今一千兆と五百兆の約二倍の差があります差を少しでも埋めるということを考えると、こちらの方を主体にして伸ばすか、こちらの方を主体にして減らすかという話なんだと思いますが、私は基本的に、デフレ下におきましてはこれは経済成長を伸ばすようにしていかないと、これは縮小均衡と言えば聞こえはいいけれども、縮小して均衡もしない形になりかねませんので、経済をきちんと伸ばす方向に考えていく。
 同時に、国債を買っていただいておる立場からいいますと、その国債は信用できる国債かといえば、間違いなく、日本人が一〇〇%というか、正確に言いますと外国人の持ち株が約一割で九割が日本人が持っていて、しかも外国人の持っております国債も全て円建てという状況にあっては、極めて信用の高いものであるがゆえに〇・五八%、〇・六%というような金利、十年国債の金利ですけれども、で持っているということだと思いますので、この信用も維持し続けるということが大事なので、ここのバランスは私ども政府として最も、どれくらいの比率にするかというのは日銀等といつも常にバランスを取りながら詰めていかねばならぬ大事なところだと思っております。
○金子洋一君 ありがとうございます。
 お言葉、お話を聞いておりますとまさにそのとおりなんですが、実際の予算編成になりますとかなり、数字として見るとかなりこれは感じが違うなという感じがいたしてなりません。
 そこで、この問題はもうそろそろ終わらせていただきたいんですが、最後に一問だけまだお尋ねをしたい、この経済成長の問題でお尋ねをしたいこと、一問というか一分野だけございまして、それは要するに今後の経済政策の在り方でございます。
 まず、今日、先ほども岩田日銀副総裁においでになっていただいておりましてお話をいただきましたけれども、岩田副総裁にお尋ねをいたします。
 まず、消費増税後、雇用や物価や生産などがどのような状況になれば追加的な金融緩和を行うんでしょうか。
○参考人(岩田規久男君) 日本経済、今緩やかな回復を続けております。先行きも、消費税率引上げに伴う駆け込み需要とその反動の影響はありますが、基調的には緩やかな回復を続けていくというふうに見ております。物価面でも、二%の物価目標の達成、実現に向けて順調な道をたどっていると思っております。そうした下で、金融政策運営については、現在の量的・質的金融緩和を着実に推進していくことが重要であると考えております。
 もとより日本銀行では、経済・物価情勢について上下双方のリスク要因を点検して必要な調整をするということにしておりますので、今後、何らかのリスク要因によって見通しに変化が生じたという場合には、二%の物価安定目標の実現のために必要であれば適切な調整を行う方針であります。
○金子洋一君 例えばテーラー・ルールのように、特定の数字を意識しながら金融政策を行っていくというお考えはないんでしょうか。
○参考人(岩田規久男君) 現在、テーラー・ルールというのは、参考にはしておりますが、そのルールに沿ってはおりません。
○金子洋一君 そうなりますと、また特定の指標を見るというよりは総合的にということになってしまうわけですか。
○参考人(岩田規久男君) 何よりも、ゼロ金利下で短期金利がもうそれほど下がる余地がないという中で、一つの物価安定を達成するための手段として量的・質的緩和があるわけですね。量的というのは、基本的に負債サイドのマネタリーベースを増やすということです。質的というのは、そのマネタリーベースを増やすのにどういう資産を買っていくかということでありまして、その資産の買い方の内容ですね。
 それで、どんな資産を買ってもマネタリーベースは増えるわけですけれども、どういう質の資産を買うかによっても効果が実は金融政策は違うということで、今その資産サイドの質的な方にも注目して金融政策をしているという点が単なる量的緩和とは違うという意味で質的という言葉を用いているので、それによって物価の安定二%をできるだけ早期に、二年程度を念頭に置きながらできるだけ早く達成していこうと。それは現在はそのオントラックにあると考えております。
○金子洋一君 ありがとうございます。
 それでは、財務大臣にお尋ねをいたしますが、一〇%への引上げの決断というのは政府としていつ、何月にという意味ですけれども、判断を下されるんでしょうか。そして、その時点で入手し得る最新のGDP統計は一体何月から何月期までをカバーをするんでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) この一〇%の引上げにつきましては、これはかねてから総理からも申し上げておられますし、また三党合意においても、これは財政の抜本改革法の附則第十八条の三項に書いてありますとおりなんですが、基本的に私どもは再来年の十月というのを目標にこの残り二%というのが一応合意の条項になっております。それに当たりましては、この十八条の三項によりまして、いろいろな経済指標をということの中にGDPというお話がありました。
 御存じのように、これは四―六の分、七―九の分ということになろうかと存じますが、これは、来年度のいわゆる予算案というものを、来年度って、平成二十七年度の予算案の編成というのを考えますと、平成二十六年度中にこの予算案を編成するということがこれは技術的には要求されることになろうと存じます。
 しかし、それに対応するためのGDPの指標は、指標数字というものは、七―九の分が、一次QEが十一月、二次QEが大体十二月中頃に出ることになりますので、その意味では、我々としてはなるべく十―十二まで見たいところではありますけれども、その十―十二の分はちょっと速報値でもなかなか入ってきていないという状況にもあろうと存じますので、確定値でいきますと七―九の分が主たる経済指標ということになろうと存じますが、そのほかにも、失業率やら何やらかにやらいろいろなものを総合的に勘案させていただいて決めさせていただくことになろうと存じます。
○金子洋一君 ありがとうございます。
 となりますと、七―九までしか手に入っていない段階で判断を下されるということなんだろうと思いますが、ただ、四―六のGDPは、これはどう考えても反動減が大幅にあると。で、七―九について、そこからすぐ立ち上がるとおっしゃっている方は多分政府を含めてないと。つまり、その半年というのは誰が見てもそういう動きをするとしか言いようがない。
 大きな意見の異なり方というのは、まさに十―十二が上がってくるのか、いや、やっぱり横ばいのままなんだよということになるのか、そこが大切になるわけで、そういう言わば一番大切なところの数字を完全に把握をせずに決めてしまうことが果たして日本経済にとっていいことなのかどうか、私はこれは極めて問題があると思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) それはもう間違いなく御指摘のとおりでありまして、十―十二の分の一次QEが出ますのが二月、二次QEが多分三月上旬ということになります。しかし、二次QEが出た段階、もう既に予算の審議に入っている真っ最中になりますので、そういうことになりますと、間違いないということで、じゃ、その段階で予算案を全部やり替えるかということになりますと、それはちょっと技術的には少々無理なことになろうかと存じますので、その場合はどうするかという問題は、これは全然別の観点で考えねばならぬところだと思いますので、その点につきまして、どういう手法があるか、どういう方法があるかは、今の段階でまだ決め切ったわけではございません。
○金子洋一君 その場合は二つ作っておいてぱっと出すというようなことをやればいいんじゃないかと思いますけれども、財務省の皆さんの作業量、予算関係の皆さんの作業量というのは大きくなりますけれども、むしろそうした方がいいんじゃないかと私は思います。
 質問をちょっと変えますけれども、では、来年度の実質経済成長率が一・四%に満たないと判断をされたときには、一〇%への引上げの決断というのは延期をなさるんでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) これは考え方もあろうかと存じますが、先ほどもお答え申し上げましたとおり、これはこの附則十八条の三項に従って経済状況を総合的に勘案しながらということを総理も言われておられますので、私どもといたしましてはその一・四%も一つの指標と思っておりますので、その他の指標が良ければ、私どもとしては、二%というのは、これは社会保障と税の一体改革の中で一応総意として五%ということが決められておる関係もございますので、私どもとしては、あの社会保障と税の一体改革という、これは日本にとって非常に大きな枠組みを決めた話でもありますので、その意味では、私どもとしては、基本的にはその線に沿っていけるように最大限の努力をしなければならぬものだと理解をしております。
○金子洋一君 例えば、完全失業率でしたら景気より遅れて動きますけれども、有効求人倍率でしたらほぼ同じに動いていきますから、それらが景気の全体の動きと全然違って乖離をして動くとはとても思えませんので、やはり一・四という数字をこれは重視をしていかなきゃいけないんだろうと思いますが、この問題についてはまた別の機会に譲らせていただきたいと思いますが。
 それで、岩田日銀副総裁にお尋ねをしたいんですが、似たようなことを違った側面で聞かせていただきます。
 消費増税をすることによって、特に四―六に財・サービスが供給過剰に陥ると。供給過剰に陥れば物価が下がってくるという状況になって、消費者物価上昇率が二%にはこれは程遠い状態になった場合に、物価安定目標の趣旨からしますと、これは追加的な金融緩和をしなきゃならないと思うんですが、いかがお考えでしょうか。
○参考人(岩田規久男君) 繰り返しになって恐縮ですけれども、今後、どのような要因であっても、何らかのリスク要因によって見通しに変化が生じて、二%の物価目標を実現するために現在のままでは駄目だというような場合には必ず調整をするということでございます。
○金子洋一君 ありがとうございます。
 現実にどういう数字になるか分かりませんけれども、必要なときには必ずやっていただかないと、今のところは一本足打法状態になっておりますので、是非ともそれはお願いをしたいと存じます。
 ちょっとこの問題につきましては終わらせていただきまして、続いて、円安関連の問題についてお話をさせていただきたいと思います。
 円安が進むことによって非常に大きな利益を得た有力な企業もございます。一方で、輸入エネルギーなどに頼っている業界では大変大きな赤字を出すところも多く出ております。また、消費者にとってもこれは円高の方がいいのかなとおっしゃるような方も少なからずおいでになります。
 そこで、まずお尋ねをしたいんですが、この円安になったことによって、我が国とそして日銀、それぞれにお尋ねをさせていただきたいんですが、それぞれ保有する外貨建ての資産の円評価額はどういうふうになったんでしょうか。過去と、過去の動きと申しましょうか、昨年、一昨年とそして直近の数字というような形で、どのくらい増えたのかということでお聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 直近のというお話でしたので、外国為替資金特別会計の保有外貨資産ということなんだと存じますが、外貨証券、平成二十四年度決算で九十四兆七千億であります。平成二十五年度決算見込みで百十四兆二千億でありまして、差はプラス十九兆五千億の増加ということになろうと存じます。
 関連して、外貨の貸付金につきましては、これ平成二十四年度決算で三兆五千億円、平成二十五年度決算見込みで四兆六千億でありますので、プラス一・一兆円の増加ということになっておりまして、このときの二十四年度決算のドルの資産は一ドル八十九円で、決算書のレートはそのようになっております。二十五年度の決算見込みは一ドル百円で見込んでおりますので、したがいまして、将来の外貨資産の円の評価額につきましては、これはもう様々な要因が入ってまいりますので現時点で確たることを申し上げられるわけではございませんけれども、ちなみに今日は百二円ということになっております。
○金子洋一君 日銀ではどうでしょうか。
○参考人(岩田規久男君) 日本銀行が保有する外貨資産の円評価額ですが、平成二十四年度末時点で約五兆五千億円です。昨年九月末時点では約五兆八千億円となっています。
○金子洋一君 さらに、これはお答えできるかどうか分かりませんけれども、岩田副総裁に、異次元緩和を続けている状態で、今後の国庫納付金、日銀から国への納付金の伸びの予想はどうなりそうでしょうか。あるいは、予想ができないんでしたら直近のものとその一つ前のものというような表現でも結構です。
○参考人(岩田規久男君) 一般的に申し上げますが、中央銀行の収益に関しては、現在非伝統的な緩和をしておりますので、バランスシートが拡大しております。その期間においては、買入れ資産からの収益が増加するために国庫納付金が押し上げられる傾向にあると。一方で、こうした期間の終了後は収益に対しては逆の方向に寄与をするということでございます。
 ただ、実際の収益や国庫納付金がどうなるかというのは、先行きに金利がどうなるかとか、為替や株価が市況によってどう変化するかということ、様々な要因によって変化しますので、一概には申し上げることはできません。
○金子洋一君 ありがとうございました。
 特に、国の方で申し上げますと、円安による評価益というのが大体単純に足しますと二十一兆円ぐらいあるのかなというふうに受け取らせていただきました。こういうふうに大きなプラスが出る一方で、先ほども申しましたようにマイナスが、円安でマイナスが出てしまうところもあるということでありまして、その問題、特に今日は経産大臣に、午前中からお越しをいただきまして大変恐縮でございましたけれども、お尋ねをさせていただきたいと思います。電力の問題であります。
 今年の夏の電力の需給見通しはいかがでしょうか。そして、電力不足が生産のボトルネック、景気のボトルネックにならないかどうかということについて、いかがでしょうか。
○国務大臣(茂木敏充君) 夏の見通し、結論から申し上げますと、四月の中をめどにお示しをしたいと思っておりますが、政府としては、電力需要高まりますのは夏と冬でありますから、この夏季と冬季につきまして電力需給見通しについて、総合資源エネルギー調査会の電力需給検証小委員会において専門家による検証を行った上で見通しをお示ししております。
 直近の二〇一三年の冬、冬季の電力需給については、昨年の十月に検証を行いまして、いずれの電力管内においても電力の安定供給に最低限必要な予備率三%以上を確保できる、こういう見通しをお示ししたところであります。
 ボトルネックと、こういうお話をいただきましたが、こういった状況、これは御案内のとおり、現在、発電所の定期点検、これの繰延べを行ったり、老朽火力をフル稼働と、かなり無理をしております。こういったことを行うことによって行っているものでありまして、電力需給は引き続き予断を許さない状態が続いている。今年の夏につきましては四月に見通しをお示ししたいと思っております。
○金子洋一君 ありがとうございました。
 日銀の岩田副総裁については、委員長のお許しがあれば御退席いただきたいと思います。
○委員長(山崎力君) 岩田日本銀行副総裁は御退席いただいて結構でございます。
○金子洋一君 ありがとうございました。
 経産大臣、どうもありがとうございます。
 そういった大変厳しい状況にあるということで、老朽火力も回し続けているということを考えますと、やはりこれは、世論にはいろんな御意見がありますけれども、私は新規制基準を厳正に適用をして、そして安全だと認められたものについてはこれは速やかに、原子力発電所については速やかに再稼働すべきじゃないかと思っておるんです。
 ただ、今安全審査を申請中の原子力発電所が全て再稼働された場合でも、これは一体どのくらいその容量が増えるのかと。そして、非常にその電力需給、綱渡りの状態にあることがそれでクリアできるのかどうか、私はかなり危惧をしておりますけれども、大臣、いかがお考えでしょう。
○国務大臣(茂木敏充君) 原子力につきましては、いかなる事情よりも安全性を重視して、そして、その安全性につきましては、規制委員会、これが世界で最も厳しい新規制基準の下で判断を行うということでありますが、現在十原発十七基の適合申請行われております。仮にでありますが、あくまで機械的な計算を行いますと、これら十原発十七基の発電能力の合計、これは千六百七十万キロワットでありまして、最大需要時の電力の約一割に当たると、そのように試算されます。
○金子洋一君 ありがとうございます。是非その点はきちんとやっていただきたいと思います。
 そして、あともう一点、電力については電力料金の上昇がございます。この背景には、やはり私は円安があるんではないかと思います。つまり、円建ての原油価格の上昇の要因の大半は円安にあるのではないかなと思います。
 同僚議員の大野さんが、実は二十四年の十二月の二十六日から二十六年、今年の二月二十八日までのデータを計算しましたところ、円建てで原油価格の上昇が三四・四%アップ、そしてドル建ての上昇は一三%、円安によるものは一九%というふうに計算をしております。やはり円安があるんではないかと思いますが、いかがでしょう。
○国務大臣(茂木敏充君) 電力のコストの上昇のどの部分を取るかによります。それからまた、何年から何年比で見た場合ということによります。恐らくこの後大野先生の方から御質問あるかと思うんですけれど、一二年から一三年ということでいいますと、当然円安でありますからその影響出ております。
 ただ、原発事故前、一〇年、それと一三年を比べてみまして、このトータルの中で申し上げますと、上昇しているベース部分の原発が動かない部分を化石燃料で代替をしていることによりますコスト増、これにつきましては、化石燃料に代替されたことによります要因が七割、そして化石燃料の国際価格の上昇による部分が約二割、そして為替の要因、これが一割強、こういう要因分析になってまいります。
○金子洋一君 ありがとうございました。
 そこで、電力多消費産業の景況感についてお尋ねをしたいと思います。特に電炉を使う業界ですけれども、大企業を中心に史上最高益が続いておりますけれども、そういった電力多消費産業というのは厳しいんじゃないかと思いますが、現状認識をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(茂木敏充君) 日本の企業の業況感、これは中小企業含めて改善傾向にはありますが、電炉事業者、これは御案内のとおり、金属を溶解して加工する過程におきまして大量に電力を消費をするということでありまして、電気料金値上げの結果として負担が増加している事業者が多い、このように承知をいたしております。
 また、経済対策の効果もありまして、ユーザーであります建設業界などの需要が増加しましたが、電気料金の値上げに加えて、業界におきましては、原料であります鉄のスクラップの価格上昇などによりまして厳しい環境での操業が続いていると、このように認識をいたしております。
○金子洋一君 同じく電炉業界なんですけれども、普通鋼電炉工業会によりますと、電力料金の引上げに伴うコスト負担増が年間百八十一億円だったと、そして、この額は昨年度の経常利益合計額の八十二億円をはるかに上回っているというふうに言うんですが、こういう数字をお聞きになっていかがお考えでしょうか。
○国務大臣(茂木敏充君) 今も申し上げたとおり、電炉業、これは相当電力を使うわけでありまして、コストに占めます電力費、これの割合は一〇%前後ということになりまして、製造業の平均が二%でありますから、相当やはり電力料金の値上げの影響は大きいと、このように考えております。
○金子洋一君 ありがとうございます。
 先ほども、円安の影響で我が国の外為資産が円評価で二十一兆円ぐらい増えたということもありますし、またこれは、日本鉄鋼連盟では、原子力発電所停止に伴う、要するに化石燃料のたき増し分で石油石炭税の自然増収分が八百十七億円あると。ですから、そういったところで出てきたような大きな税収増を電力多消費産業に一定程度補填をするというようなことはお考えになれないでしょうか。
○国務大臣(茂木敏充君) 業界の試算については私も承知をいたしております。その上で、石油石炭税、委員も御案内のとおり、受益者負担の原則の下で広く石油等の化石燃料の利用者に負担を求めまして、その税収を何に使うかといいますと、省エネ・再エネ対策、そしてまた石油、天然ガスの開発、権益確保などに充てると、こういうことにされているわけでありまして、御指摘のように、これは電気料金には必ずしも限りませんけれど、激変緩和措置、このもの自体は必要だと、このように考えておりますが、激変緩和措置はあくまで激変の緩和措置でありまして、これが恒常化することによって、事業の再編であったりとか、また産業の新陳代謝などに、前向きな取組の足かせとならないようにバランスを取りながら対策に取り組むことが極めて重要だと考えております。
 そういった中で、電力多消費産業においても、エネルギーの価格の変動を受けにくい、こういった体質をつくり、競争力を強化していくということは極めて重要だと考えておりまして、政府としても、事業者の省エネ設備への投資を支援する省エネ補助金につきましては、平成二十五年度の補正予算で百五十億、また二十六年度の予算案におきましても四百十億円と、大幅に拡充、計上しているところであります。
○金子洋一君 電力料金が高くなるということで考えますと、再生エネルギーの固定価格買取り制度で、電力多消費産業についてはその賦課金について減免措置が八割ですか、あるということでありますけれども、それを更に増強するというようなことはいかがでしょうか。
○国務大臣(茂木敏充君) 御指摘のように、電力多消費産業につきましては、この固定価格買取り制度の賦課金の減免制度、国会における法案の修正で盛り込まれたものでありまして、賦課金支払額の八割と、これが減免をされております。
 また、この減免分は、消費者にしわ寄せが行かないように、法律の規定によりまして予算措置を講じ、国費で補填をされることとされております。どれくらいの額かと申し上げますと、平成二十五年度予算では百九十一億円、そして二十六年度の予算案では二百九十億円を計上いたしております。
 経済産業省としては、今後とも本措置の適切な執行に努めていきますが、いずれにしても、この固定価格買取り制度の在り方につきましては、法の規定に基づきまして、これからエネルギーの、新たなエネルギーの基本計画も取りまとめ、政府原案を行いました。今後、丁寧なプロセスは踏んだ上で閣議決定したいと思っておりまして、それを踏まえて、再生可能エネルギーの導入促進策の検討の中でしっかりこの固定価格買取り制度の在り方、議論をしてまいりたいと思っております。
○金子洋一君 ありがとうございます。
 円安のメリットのある企業、一方で円安のデメリットの大きな企業、業界とございますので、是非とも円安デメリットの大きなところにも目配りをお願いをしたいと存じます。
 私はこれで、以上でございます。
○委員長(山崎力君) 関連質疑を許します。大野元裕君。
○大野元裕君 民主党・新緑風会の大野元裕でございます。昨日に引き続き、また今日は朝から二人目の、大野先生に引き続きの大野でございます。よろしくお願いを申し上げます。
 まず最初に、今日のお昼のニュースで知りましたので質問通告をしておりません。大変恐縮でございますが、岸田大臣、一問お伺いさせていただきたいと思いますが、昨日の本委員会で私は総理に対して、ソチで開催されるパラリンピック、ここへの政府要人の派遣については、ウクライナ情勢、ひいては東アジアへの安全保障に与える影響、また要人を派遣した場合には、我が国の立ち位置を問われて誤ったメッセージとなりかねないという理由からよくよく熟慮をされて、我が国の国益に鑑みた御判断をお願いしたいという話を、昨日お話をさせていただきました。
 先ほどお昼のニュースを見ておりましたら、櫻田副大臣の派遣が決まったというような報道もございましたが、よくよく熟慮をされたんでしょうか。あるいは、これ、誤ったメッセージと取られないような新たな措置をなさるんでしょうか。まず、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) ソチのパラリンピックへの政府関係者の派遣につきましては、御指摘のように、ウクライナ情勢等、様々な事案を勘案し、そして各国の動静等もしっかり確認した上で判断をしております。そして、現状、このソチのオリンピックに関しては、こうした出席を見合わせるという動きもあるのは事実でありますが、一方で、オーストリアですとかオランダですとかドイツですとか、こういった国々は予定どおり政府要人が出席する、こういった方針を表明しております。そういった事態も受け、我が政府として判断し、この政府関係者の派遣を決定したという次第であります。
○大野元裕君 もちろん、選手に対してこのような政治の影響を及ぼすことは私も好ましくないと思いますが、政府の要人の参加はやはり政府の判断でございますので、改めて誤ったメッセージにならないように御努力を賜りたいと思います。
 と申し述べた上で、次に、安倍政権の危機管理についてお伺いしたいと思いますけれども、古屋大臣にお伺いをさせていただきます。
 古屋大臣、先月は二回にわたって大雪となりました。古屋大臣におかれましては、十四日から様々な会議、対策を講じられたと思っておりまして、そこは感謝をさせていただきたいと思っています。
 他方で、この十四日から十六日にかけて降った雪は、これまでに前例がないような、降雪が余りない地域にも及びまして大きな被害を出したんです。それは、私の地元埼玉県で四百六十二名という最大の死傷者を出したことからも分かるとおりでございます。この降雪に際しては、地方自治体、それから内閣府防災も含めての各省、警察、消防などが大変御苦労されたことですが、他方で、その規模、範囲の大きさもあって、孤立した集落があったり、長期にわたって交通インフラ等が大混乱をいたしました。
 まずは、政府の初動の態勢について、古屋大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(古屋圭司君) 二月の十四日にもう既に大雪が降るという警報が出されていましたので、まだ降り始める前でしたけれども、内閣府設置法四条に基づきまして関係省庁災害警戒会議を昼に開会させていただいて、ちょうどその日は衆議院の予算委員会とか本会議がございましてもうこの昼だけの時間でしたので、この時間に全省庁に招集を掛けまして、副大臣も出席をしてもらいましてこの警戒会議を開きました。
 そして、私から、まず気象の見込み、それから警戒段階から各省庁にしっかり対応するように、それから情報の共有、こういった指示を出させていただきました。それから、NHK始め全メディアにもお越しをいただきまして、私の方から、こういう雪の場合は不要不急の外出は絶対避けていただく、あるいは車も完全装備でない車については使わないでほしいと、こういった呼びかけをメディアを通じてさせていただきました。そのほかにも、各省を通じて、例えば帰宅困難者への対応だとか除雪の対応の確保とかを指示をさせていただきました。
 明けまして十五日は、私、直接もう横内正明山梨県知事と電話連絡をさせていただいて、まず速やかな自衛隊の派遣、これ十一時に横内知事も自衛隊に要請をしていただきました。また、内閣府の事務方に対して、警察とか消防とか自衛隊の広域的な応援、これについて指示をさせていただきました。しっかり連絡調整をするように指示をしたところです。
 ちなみに、テレビを見ておりましてもほとんど映像が出なかったんですね。それで私、後で調べてみましたら、これ、実はNHKも結果的にヘリコプターが飛ばせなかったんですよ。だから、やっぱりどうしても、雪が昼過ぎまであの地域で降っていましたので、現実に、警察がヘリコプターが飛べると判断したのは十五時過ぎ、消防も十四時五十分ぐらいでございましたので、どうしてもそういう情報がなかなか入らなかったというところはあろうかというふうに思います。
 十六日には、今度は関係省庁災害対策会議、これ名前変えましたけれども、同じです、警戒会議と災対会議は中身は同じでございまして、私が本部長として、全省庁の関係者が集まって対応すると。これは、そのときには横内知事とは電話会議もさせていただきまして、そのほかにも、やはりSNSの活用が非常に重要でございますので、既にSNSの活用を言っておりましたが、そのときからもう既に内閣府にはフェイスブック等も開設をさせまして、これ、意外と効果がありましたね。例えば、現地に行っている国会議員からも連絡があるんですね、選挙区の。それで、国道四百十一号だ、いや、百四十号はこういう状況になってこういう対応の方がいい、それをもうすぐ、みんな全省庁集まっていますから、すぐそこで指示して数時間後に対応するとか、できるだけの対応はさせていただきましたし、また、十七日には亀岡大臣政務官を現地に派遣して、そして現地の本部長として指示に当たらせました。
 いずれにしても、そういう形で、つかさつかさでぴしっと対応させていただきましたが、ただ、今委員おっしゃるように、めったに雪の降らない、百二十年の観測史上初めてということで、やっぱり山梨県においてはどうしても除雪のノウハウがない、あるいはマンパワーが十分でない、それから機材が十分ではないということ。それは、ほかの北陸地整とか新潟県とかにも応援を依頼したりとか、自衛隊も千人のオーダーで、もう機材だけでは不十分なのでマンパワー使って雪かきをしてもらうと。ちょうど十六日ぐらいになりますとやっとNHKも現地へ行けるようになりましたので、大分報道はしてくれたようですけど、そういった状況の中でできるだけの対応はさせていただいたということを御報告を申し上げたいと思います。
○大野元裕君 そうなんです。皆さん大変一生懸命なさったし、困難なさった。百二十年に一回の大変な時期でしたが、他方で、十四、十五、十六と官邸の動きが全く見えませんでした。十七日になってようやく政務官に行っていただいて、その後、十八日になってからやっと重い腰が上がって非常災害対策本部の立ち上げになりました。それまで大臣が御苦労されて災対本部があることは分かっています。なぜ、非常災害対策本部の設置が十八日まで遅れてしまったのか教えてください。
○国務大臣(古屋圭司君) この非常対策本部と十七日までやっていたいわゆる災害警戒会議あるいは十六日やった会議とは、基本的に中身は変わらないんです。それは、根拠法が若干違うんです。内閣府設置法によりましてやっています。
 それで、今度の十八日からの対応は災害対策基本法二十四条に基づくものでありまして、じゃ、何が違うかというと、ただ一点なんです。実は、私が防災大臣として本部長を務めることは同じなんですが、一点違うことは、各省に対する指揮監督権と、それから都道府県会議に対して指示権が私には与えられるんです。ということは、例えば、今回はこんなことは全くなかったんですけれども、例えばちょっと変わった知事が見えまして、絶対に俺は自衛隊に派遣要請するのは嫌だと、こういうふうに言いますと、実はこの災害対策基本法二十四条に基づく非常対策本部ですと、私が知事に対して自衛隊を派遣しなさいということが言えるんですね。強いて言うと差はそれぐらいであります。ですから、これはしっかり対応をしたということが言えるというふうに思います。
 それから、もちろん総理官邸とは私、電話を通じまして頻繁に官房長官あるいは総理大臣にも報告をしておりました。十八日になってもやはり孤立集落がなかなか解消しない、そして除雪が進まない。これは後で、除雪が何で進まなかったという致命的な理由がありますので、それは後でもしお聞きいただければお答えしたいと思うので。そういうことがありましてバージョンアップをして非常対策本部にさせていただいたと、こういうことでございまして、常に官邸とは連絡を取りながら対応をさせていただいているということを御報告を申し上げたいと思います。
○大野元裕君 おっしゃるとおり、指揮監督権の問題というのが災対法に基づいて与えられていることは私も承知をしております。しかしながら、こういった非常災対本部ができるときに調整の問題というのがやはり円滑に私はよりいくようにわざわざ法律に明記をされたものだと思っていますが。
 先ほどの除雪の話も、私が聞いておりますところでは、例えば高速道路等で、既にその県には二十数台の除雪車があるのに、警察と道路管理者あるいは国土交通省との協議、つまり、みんな一生懸命はやっていたんですよ、が遅れたためにそこで渋滞が発生し、そして除雪車が通れなくなって、結果として、先ほどNHKも行けなかったという話もありましたけれども、報道も含めて除雪車も含めて入れなかった、こういった判断の遅れというものが私は今回の雪の災害については一つの、もちろん幾つも特徴はありますが、一つの特徴ではないかと思っています。
 過去の二十八例の緊急災害対策本部及び非常災害対策本部の設置状況、これは雪のときもあったんですが、昭和三十八年なのでこれはちょっとさすがに詳細は分からないんですが、ほかについて様々なものを調べますと、例えば台風についても、来る前には警戒の態勢ができる、あるいは担当大臣が災害対策本部に詰める、しかしながら、被害が出始めた翌日か遅くとも、有珠山のような噴火のときには大きな被害ができた翌日にはこういった非常災害対策本部が設置されているんです。
 今回はそれが、被害が出始めたのは、十四日には例えば埼玉の富士見では体育館の屋根が崩落したり幾つもアーケードが潰れたり、そういった既に事例が起きていたんです。にもかかわらず、十八日に至るまで本部は設置されない。
 さらには、私もかつて政務のときがありましたけれども、何かあると総理指示というのが当然出てきますけれども、各省に聞きましたら、少なくとも総理指示は十八日まで受けなかったというふうに各省おっしゃっておられますが、総理指示も十八日まで出なかったのはなぜでしょうか。
○国務大臣(古屋圭司君) まず、非常対策本部の設置ですけれども、これは過去の例、今若干触れていただきましたけれども、昭和三十八年、いわゆる有名なあの三八豪雪というのがあったですね。私も何か記憶に残っていますね、もうとんでもない雪だったような気がしますけれども。それ以来、大きな雪、このときは二百三十一人が亡くなっていますね。昭和五十六年にも豪雪があって、このときは百五十二人が亡くなった、昭和五十九年も百三十一人が亡くなって、平成二十三年、二十四年、二十五年とそれぞれ豪雪がございましたけれども、このときにもいずれもいわゆる災対基本法に基づく非常対策本部は設置されていませんで、豪雪の場合は、昭和三十八年のこの三八豪雪以来今回初めて実は設置をいたしております。そういう意味では豪雪対策についての対応はしっかりできていたんじゃないかなと。
 ただし、今言うように、除雪が一番遅れたんですよ。これはどうしてかというと、一番大きな原因がありまして、それは放置車なんです。車が放置をされたまま、そのままドライバーが車から離れたと。特に豪雪地帯の皆様はよくその辺は御存じで、鍵を掛けたまま車を離れるそうです。そうすると車を動かしたりとかできるけれども、現実に鍵を取ってロックしたまま離れてしまった。
 今確かに道路法で対応はできるんですが、補償の問題等が全然整理されていませんので、やはり地方公共団体はその辺の個人の権利の問題、個人の所有物に対する毀損をする可能性があるということで、なかなか腰が引けてできない。そうなると、どうしたかというと、警察がナンバープレートを見て一軒一軒電話していったんですね。それは千台の単位だったと思います、最終的に。これはもうどれぐらい時間が掛かるかというのは皆さんよく御理解いただける。
 だからこそ、こういった教訓を私たちは踏まえまして、早速、官房長官も週明けには、十七日には会見してもらったんですね。やっぱりこの問題一番あるんで、これから、これは関係するのは、国交省、警察等々が関係がありますので、この放置自動車に対する、どういう要件の下ならば強制的に撤去できるのかと。雪ならともかく、地震のときにはもっとこれ深刻な状況になりますので、そういった対応をしようということで、やはり常に教訓によって不断の見直しをしていくという視点に立ってこういった除雪の障害の問題も対応させていただいております。
 総理指示は、もう実質的には、私、携帯電話でも総理にも報告をしております、官房長官にも報告しておりますので、しっかり私がその命を受けて、災害対策の今度の防災担当大臣として、警戒本部長あるいは非常災害本部長として対応はさせていただいております。だから、実質的なそういうものはあったんだけど、確かに、委員のおっしゃるように、それはアナウンスメント効果という意味では、十八日に総理が御出席をいただきましたので、これは報道する量が非常に増えたという意味ではアナウンスメント効果はあったというふうに思いますが、総理の指示が全然出ていなかったというのはそれは事実ではなくて、常にそういう官邸と連携を取りながら対応して、そして各省庁には私の方から、これは法律の根拠に基づいて、災害対策基本法あるいは内閣府設置法に基づいてしっかり指示を出させてもらっているということは付言をさせていただきたいと思います。
○大野元裕君 総理指示は、大きな事件があると、北朝鮮のミサイル発射のときもそうでしたが、電話ではやっているんです、発射した瞬間に総理指示が紙で下りることによって、そこでフェーズが変わって起動するスイッチが入る。これはやはり我々の全政府が一体となって取り組まなければいけないような問題のときには私は不可欠だと思いますよ。
 これ以上余り議論しても仕方がないんですが、ただ、いずれにしても、私も放置自動車については是非やっていただきたいと思いますが、もう一方、放置自動車ができた原因、先ほど申し上げた、判断の遅れによって渋滞が長くなってしまった、通れなかった、こういったところについても是非御検討をいただきたいということを、一点だけそこについてコメントをいただいて、この件については話を終わります。
○国務大臣(古屋圭司君) 放置自動車だけの問題ではなくて、今回幾つかこの豪雪の教訓があります。それは、例えば特別警報の問題ありますね。これは、注意報、警報、特別警報とありますから、これは気象学的には特別警報というのが正しいんです。でも、国民の皆さんとちょっとその辺乖離がありますよね。だから、こういったものをどうすべきかということ。それから今言った放置自動車の対策をどうするか。
 それだけにとどまらず、例えば、豪雪で不慣れな自治体に対してもう全ての機材とかマンパワーを入れておくというのは、これはなかなかコストからして非効率的ですので、広域的に豪雪地帯からの応援をあらかじめシミュレーションをしてつくっておく、それですぐそういう派遣できるような体制にしておく。その支援も、派遣先に支援をしていくというようなことは考えられないか。
 それから、やはり発生直後における政府あるいは報道機関あるいは地方公共団体からの国民への情報の提供、速やかにするという必要がありますので、これはNHKを含めたそういう関係者を呼んで、どうやったら一番早く適切にできるかというようなことも不断の見直しの一環として取り組んでいきたいというふうに思っています。
○大野元裕君 よろしくお願い申し上げます。
 私、昨年にもこの予算委員会におきまして、アルジェリア事件の対応に関して安倍政権の危機管理というのは非常にひどいと、ただの一人のアラビストすら派遣しなかったということを指摘させていただきました。国民の安全と安心を標榜してしっかり御安心いただくのが政府の役目ですから、是非不断の見直しをお願いをさせていただいて、この質問から移らせていただきます。
 茂木大臣に次にお伺いをいたします。
 先ほど同僚の金子委員の方からも話がございましたが、現在、経済が良くなっているという実感、これについてはいろいろな議論があると思います。しかしながら、業種によっては、原材料費やエネルギー価格の高騰、特にそれは中小企業、あるいは消費者もそうですけれども、為替要因によって様々な影響を受けていることも、これもまた事実だと思っています。過去の為替要因の変動は、アジア通貨危機やリーマン・ショックといった外から来たものです。今回は中からのある意味問題でもございますので、政府としては、対策、特に円安に苦しむ業界に対する対策というものを十分に講じる必要があると思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(茂木敏充君) もちろん委員もう御案内のとおり、為替レート、過度な円高が是正されることによりまして、例えば自動車であったりとか電機関連の裾野の広い中小企業裨益していると、こういう部分もありますが、同時に、燃料、さらには原材料価格と、こういったことの値段が上がることで苦しい立場にある中小企業、あるのも事実であります。状況は厳しいと。恐らく一つは価格転嫁ができるかどうかという話であります。そしてもう一つは資金繰り等々の問題が出てくるんだと思っております。
 価格転嫁につきましては、政府として、価格転嫁が適正に行われるよう、下請代金の減額であったりとか買いたたきなどの違反行為を行っていると見られる事業者に対しては、立入検査によりまして、消費税の転嫁状況も含めてでありますけれど、価格の転嫁状況の監視、取締りを行っております。下請代金支払遅延等防止法に基づきます取締り、本年度の実績は、三月の四日現在で、立入検査件数が九百七十六件、うち改善指導件数が八百七十二件でありまして、今後とも厳正な取締りを行っていきたいと。
 もう一点、資金繰りの支援策につきましては、円安によります原材料、エネルギーコスト等の値上がりの影響を受ける中小企業・小規模事業者に対して政府系金融機関によりますセーフティーネット貸付けの更なる充実を図ったところでありまして、こういった取組もしっかりと進めていきたいと思っております。
○大野元裕君 是非お願いしたいんですが、これは出口が見えないという彼ら不安があります。是非、私と出身が同じの新藤大臣と閣議で会ったら聞いていただきたいんです。あの川口などの辺りの多電力消費産業、鋳物屋などは本当に苦しんでいます。そこは是非彼らの声を聞いていただきたいと思っています。
 特に、エネルギー価格でございますが、若干昨日違和感を感じました答弁がございました。先ほど金子委員からもございました。
 石油というのは、世界の市場の中で物として最大のものでございます。また、ガス価格なども当然ペグしている、連動しているわけですから、全てのエネルギー価格の私は基本になると思っていますけれども、これは私が実は十年ぐらい作っているんですけど、円建てでいつも私、石油価格を見ています。この原油価格の円建てのグラフを書かせていただきました。青の部分がドル建ての一バレル当たりの石油価格、NYMEXです。緑が円・ドルレート、そして赤が円建ての石油価格です。
 昨日のモギ大臣の御答弁を聞いていると、櫻井委員が、三日だったでしょうか、燃料費の高騰について、安倍政権の経済について相手にしているのに対して、実はそのときおっしゃったのが、今回の燃料費の高騰、これは為替要因よりも、二〇一〇年から比べますと原材料そのものの値上がり、この要因が倍になりますとおっしゃっているんです。
 私、ちょっと違和感があって、これ見ると円安の方がはるかに大きな影響を、悪影響を及ぼしているように思うんですが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(茂木敏充君) 大野委員、私、茂木でありますんで、名前を覚えていただきますと有り難いと思います。
 それで、このお作りいただきましたグラフ、非常に分かりやすくできていると思います。どのタームで見るかによりまして若干違ってくるということでありまして、確かにこの一年を見ますと、円建ての輸入原油価格、これは二〇一二年のキロリットル当たり五万七千円から二〇一三年には六万七千円と一七%上昇しております。この間のドル建ての国際原油価格、これは一二年がバレル当たり百九ドル、これが二〇一三年は百五ドルと三%下落をいたしております。一方で、為替レートの方は、一二年一ドル八十円から一三年九十八円と二二%円安へ推移しているということで、御指摘のとおり、一二年から一三年にかけての一年間だけを見ますと円建ての輸入原油価格の上昇、これは円安が主たる要因になってまいります。ただ、二〇一〇年からの数字を取ってみますと、円建て原油価格の上昇の第一の要因は国際原油価格の上昇という分析結果になります。
○大野元裕君 失礼いたしました。私は茂木大臣と申し上げたつもりでしたが、申し訳ございません。
 正直、私も、大変聡明な、そして鋭い茂木大臣に対しては尊敬をしているんですが、しかし、しかし櫻井委員につきましては、実は安倍政権の経済政策をおっしゃっています。二〇一〇年を起点に取るのは私は詭弁、茂木大臣ではなくて、もしかすると役所かもしれませんけれども、起点どこに取るかといったら、じゃ石油ショックの前から取ればいいじゃないかという議論すらあるわけですから、そこはやはり、議論の中でしっかりとしたことをファクトとして押さえていくことが必要だと思っていて、ちなみにこれは安倍政権誕生の、二〇一二年の十二月十六日、選挙の日から二月二十八日までを取って計算をさせていただいておりますので、必要であればお送りをさせていただきたいと思っております。
 さて、この石油についてだけではないんですが、LNGも続いて、是非聞きたいと思っています。
 ガスの調達価格が私、最近高過ぎるんじゃないかと思っているんです。高過ぎるというのは、もちろん国際市場的にも高いんですが、日本は世界で最大のLNG消費国で、もう一枚の方に書いてございますが、二〇一〇年頃のいろんな経済関係のところは、二〇一二年度ぐらいになると日本の天然ガス価格はシェールガス革命の恩恵を受けて下がってくるんだと、こういう議論がよくありました。実際、割合でいうと、価格じゃないですよ、割合でいうと、私の記憶では、原油価格の、NYMEXの一四%から一五%をミリオンBTU当たりのガス価格が上回ったことはなかったはずですが、例の震災以来、一七%近く、今もそのとおりなんです。
 あの直後はともかく、今、少し私、高過ぎるのではないかと思いますけれども、安価なLNGの調達等に関するエネルギー政策について、いま一度経産省の方でお考えになる余地があるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(茂木敏充君) 基本的には大野委員と私も考え同じでありまして、LNGの調達価格、高止まりをしていると思っております。そして、どうしても日本の場合、石油連動という形で調達価格が高過ぎると、こういう問題意識も持っております。
 もちろん最近は、石油価格に連動した従来の契約ではない、天然ガス価格指標に連動したLNGの売買契約で、従来より三割程度安価な契約もでき始めております。これだけエネルギーコスト掛かっているわけでありますから、LNGの調達費の低減、これも極めて重要なテーマでありまして、そのためにも調達先を多角化すること、極めて重要だと思っております。
 御案内のように、今北米、二〇〇六年ぐらいからシェールガス革命と、こういうのが起こっておりまして、アメリカでの国内価格、大体百万BTU当たり四ドルから五ドルぐらいで推移をする、液化しても三ドル、そして輸送も三ドルという形でありますから、今の調達価格よりかなり安く調達することが恐らく可能になってくると考えております。こういったLNG、北米を含めて多角的に調達をしていく。
 同時に、ロシア、カナダ、モザンビーク等々で日本企業の参画している資源開発もございます。こういったことをJOGMECが支援をするということも含めた権益確保といったものも重要になってまいります。さらには、LNGの産消会議の開催を始めとしまして消費国間の連携を強化することによりましてバーゲニングパワーを強める、こういったことも極めて重要だと。
 様々な手法を組み合わせながら、より安い競争的な価格での調達、これからも図ってまいりたいと考えております。
○大野元裕君 今石油価格に連動しているから高いというお話を、実はずっと私もそうだと思っていたんですが、二〇一一年以降は、石油価格と連動しているにもかかわらず石油価格以上にLNGが上がっているということでございますけど、そこは何かございますか。
○国務大臣(茂木敏充君) それぞれの契約によって形態が違ったり、その時々の状況によりまして調達価格というのは変わってくると思っておりますが、少なくともそれで個々の契約についてどの値段が適正であるとここで確たることは申し上げられませんが、少なくとも全体としては今高い、これを下げていくことは極めて重要だと、こういう認識を持っております。
○大野元裕君 是非よろしくお願いいたします。
 シェールガスの価格については先に言われてしまったんですが、私も個人的に計算したのがここにございまして、経産省の計算式の方が若干高い気はいたします。しかし、今の石油価格が七、八十ドルになると、大体一四から一五%はLNGですから、そうすると実はそんなに、シェールガスが入ってきても実は日本の水揚げの段階では多分そんなに安くならないんではないんでしょうか。そこについては御見解いかがでしょうか。
○国務大臣(茂木敏充君) ちょっとこの試算、またゆっくり拝見をさせていただいてと思っておりますけれど。
 二〇一七年以降、日本の企業が参加しております四つのプロジェクト、これから順次輸入というのが始まってくる。最終的には千七百万トンでありますから、日本の総輸入量九千万トンの二割程度が入ってくるという可能性があります。こうなりますと、その価格自体が、私は、今のアメリカの国内価格、一時よりは上がっております、確かに、それを含めても、現在の調達価格よりはかなり安いところで買うことが可能になってくるんではないかなと。ただ、そういうオプションができることによりまして、例えばカタールに対してどういうバーゲニングパワーが持てるかといった形で、全体的にも引下げに向けた要因になってくると考えております。
○大野元裕君 エネルギーはもっとやりたいんですが、時間がないので、済みません、次に移らさせていただきます。ありがとうございます。
 麻生大臣にお伺いをさせていただきます。
 昨年の五月、この円安に関しまして岸田外務大臣の答弁なんですが、円安でODAへの影響額は今年度二百億円程度に影響が及ぶんではないかという話がございました。財務省では、政府の外貨資金の決済を行っておられるときの調整をされておられます。今年度、どの程度この調整の影響が出るとお見積もりでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) これは大野先生御存じのように、貨幣の交換のいわゆる差減補填金と言って、各省のを一括まとめてこれやっておるんですけれども、支払などにつきまして、円安などにより予算上のレートと実際の為替レートの間で差額が生じて予算が不足する場合にこれを補填するものということに決められておりまして、これ各府省の分を全部財務省が所管しておりますけれども、平成二十五年度につきましては、一般会計全体での執行見込額を申し上げれば八百四十九億円を見込んでおるというのが現状であります。
○大野元裕君 大変多額な円安による影響だと私は思います。
 しかし、外交については私は与党も野党もないと思っておりまして、厳しい財政事情ではありますけれども、特に二〇一一年の例のあの大震災のときには、本院におきまして、ODAの継続的な推進を求める、こういう決議も行われております。是非、ここについては、円建てでも実は、の方は見えない分が消えています。ドル建てではおっしゃるとおり補填が入っています。是非、外務省だけ応援するわけじゃないんですけれども、ODAについてはしっかりと本年度の予算でも面倒を見ていただけますよう最後にお願いをして、麻生大臣のコメントを求めて終わりたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) これは日本の外交にとりましては極めて大きなものであって、円安って、それはおまえの国の都合で、もらう方にしてみれば俺には関係ないという話だと思いますので、向こうにしてみれば、当てにしておったものがいきなり二割下がった、三割下がったって勝手に下げられても向こうも困るということもありますので、事業ベースとしては基本的に前年度を維持するという方向でいろんな形で今工夫をさせていただいておるというのが現状です。
○大野元裕君 終わります。
 ありがとうございました。
○委員長(山崎力君) 以上で金子洋一君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(山崎力君) 次に、長沢広明君の質疑を行います。長沢広明君。
○長沢広明君 公明党の長沢広明です。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 今日は、防災の問題と、それから障害者、高齢者向けのグループホームに関することと、それから離島振興に関係するこの三点を質問させていただきたいというふうに思っております。
 ただ、その前に、ちょっとこれ質問通告はしておりませんが、是非お願いとして一つございます。
 先般来のこの予算委員会でも取り上げられております豪雪の被害ですね、大変多くの被害があって、被害に遭われた方々へのお見舞いを申し上げます。また、亡くなられた方々に対して心から御冥福をお祈りしたいと思います。
 この委員会でも、この豪雪被害に対して様々な質問、また御意見があり、特に農業被害、今もずっとその被害から抜け出せないでいらっしゃる方、特に農業の被害について随分取り上げられております。私、もう一つ、せっかく国土交通大臣、今日お越しいただいておりますのでお耳に入れておきたいとは思いますが、今もこの豪雪の被害から抜け出せていない業界の一つに観光業がございます。
 長野県を一つ例に取りますと、この二月の八日の土曜日から二月の十六日の日曜まで、ちょうど八、九の土日と、それから十一日の建国記念日があり、またその後十五、十六の土日があったと、この九日間で長野県内だけで六万人のキャンセルが発生しています。ウインタースポーツ非常に花盛り、盛んなときでもありますし、たくさんのお客さんが来ることを見込んでいた観光業の方々にとっては、見込んでいた収入がすぽんと消えた、もう非常に大きな被害を受けている、そして、この被害から今も経済的にやっぱり抜け出せないでいらっしゃる方が非常に多いということです。
 この観光業に対する、政府としても是非全力の支援体制を取っていただきたいということをまず冒頭お願いだけさせていただきます。よろしくお願いいたします。
 それでは、質問に入らせていただきます。
 大規模な災害時における海上からの医療支援体制ということについて質問したいと思います。
 大規模な災害のときに被災者に迅速な医療支援をするということが非常に大事だということは、当然誰もが承知をしていることですし、東日本大震災の重い教訓の一つでもございます。特に、我が国は海洋国家であります。四百を超える有人離島を持っている国でもございます。今後かなり高い確率で発生が、発災が予想されているという例えば南海トラフ地震、そして首都直下型地震、こうしたものが発生をいたしますと列島の沿岸部に大きな被害を受ける、これはもう既に様々な形で予測をされているところでございます。
 このときに、いわゆる発災の直後から始動が可能になるのは実は海であります。海路が使えると。この海上からの支援ということを、実は非常に有効で、これができれば救命率も高まるというふうに言われています。そういう中で、残念ながら、この海からの医療支援、被災者支援というのはまだそのシステムが完全には構築をされていないというのが現状だと思います。
 ちょっと確認でございます。防衛省と海上保安庁に確認させていただきますが、東日本大震災のときに、防衛省も海上保安庁も医療機能を備えた船舶を持っている、その医療機能を備えた船舶が東日本大震災のときにはどのような活動をしたのか、出動状況どうだったのか、簡潔に御報告いただきたいと思います。
○政府参考人(中島明彦君) お答え申し上げます。
 防衛省・自衛隊におきましては、医療設備、具体的には手術用設備を念頭に置いておりますけれども、かかる設備を有しております自衛艦を十二隻保有しております。
 東日本大震災の際でございますけれども、護衛艦「ひゅうが」、潜水艦救難艦「ちはや」などの九隻が三月十二日から七月三日までの百十四日間、捜索救難活動、輸送活動などを実施しておるところでございます。これらのうち、護衛艦の「ひゅうが」及び輸送艦の「おおすみ」、「しもきた」、「くにさき」におきましては入浴支援をしておりまして、この入浴支援時におきまして自衛隊医官による艦内での診療及び健康相談を実施しているところでございます。
○政府参考人(佐藤雄二君) お答え申し上げます。
 海上保安庁では、阪神・淡路大震災の教訓を生かし、大規模災害に備え災害対応型巡視船として整備いたしました「いず」及び「みうら」の二隻を有しております。両船は、災害対応機能として被災者の緊急輸送や宿泊、給食・給水機能などの能力を有しているほか、手術用寝台等の医療設備を有し、派遣医師による応急的な処置が可能となっております。
 東日本大震災におきましては、災害派遣医療チームからの依頼に基づき、巡視船「いず」を中継基地として、被災地の入院患者を当庁ヘリコプターにより他の安全な地域の病院まで搬送する業務を行っております。また、巡視船「いず」及び「みうら」では、海上における生存者等の捜索や被災地への災害救援物資の輸送業務なども実施しております。
○長沢広明君 今、御報告いただきました。防衛省も医療機能を持った艦船を出動させて、一部患者の手当てをして、あるいは健康相談を行ったということですが、基本的な活動の柱は防衛省の場合はもう捜索、救難、これがやっぱり一番の活動だったわけでございます。
 そして、海上保安庁の「いず」、「みうら」、これも二隻、応急処置が可能なんですけれども、これも一部搬送を行ったということはありますが、医師と看護師はこれ乗っていたんですか、「いず」、「みうら」。乗っていなかったんですよね。医師も看護師も乗せる余裕もなく海上保安庁は現地に行ったわけです。せっかく医療機能を持ちながら、医師も看護師も手配できないまま行ってしまったので、結局は、行方不明者の捜索、これがやっぱり主目的になって、医療機能を発揮することができなかったということであります。
 大規模な災害のときに海上に包括的な医療支援のできる医療拠点をもし形成することができれば、こういう災害のときにいろんな形でサポートすることが可能になります。首都直下型地震一つ取りましても、昨年十二月、中央防災会議が首都直下型地震の被害想定、ワーキンググループから出されました。その際の被害想定を見ますと、東京都の二十三区、区部で直下の地震が起きた場合、主要な道路は、少なくとも主要道路の開通にだけで一日、二日掛かると。一般道については復旧に一か月掛かる。しかも、鉄道を取りますと、運転再開は地下鉄で一週間、JRや私鉄は一か月掛かると。
 いわゆる陸路が使えなくなってくると海と空しかなくなりますが、こういう中での大規模な災害時では、海路、海上に拠点を設けての支援というものは非常に必要で有効である、それをしっかり検討していただきたいということで、昨年の三月、私どもは政府に対しまして、大規模災害時における海路からの包括的医療支援の検証事業実施に関する申入れというのを行いました。
 これは、海路にその拠点を、例えば政府が保有する艦船あるいは民間の船をチャーターしてそこに医療モジュールを搭載し、例えば野外用の手術システムですね、こういうものを搭載して、DMATの方々からも協力をもらったりして、どういうふうにして災害のときに海上の拠点に搬送し、どういうことができて、そしてその場合の課題はどういうことがあるのか実証訓練をやってみたらどうかという提案をさせていただきました。これを受けて、昨年八月、この広域医療搬送訓練、医療モジュール搭載船実証訓練というのが検証事業として昨年八月三十一日に三重県尾鷲沖で行われたと聞いております。
 これについて、この結果どうであったのか、海路からの医療支援の有効性をどう見ているか、また今後の課題についてどう考えられているか、古屋大臣の報告をいただきたいと思います。
○国務大臣(古屋圭司君) 委員御指摘のとおり、あるいは御党も熱心にこの御提案をいただいておりますが、やはりいざ災害が起きたとき、海からの医療のアプローチというのは有力な手段の一つですよね。そういう意味では非常に重要だという認識で取り組んでおります。それは、今御指摘があったように、道路が寸断をされた場合、使えない場合であるとか、被災病院の入院患者の受入れがなかなかうまくいかなかったりとかいうようなことがありますね。
 そこで、昨年八月に委員も御指摘の実証実験を行いまして、この場合は海上自衛隊の輸送艦を活用させていただいて、発災後間もない初期の段階というものを想定して、DMATだとか自衛隊の参加を得て、医療用のモジュールを実際に活用して患者搬送から応急処置までの一連の訓練を行いました。
 その結果、まず船内でどういう治療内容を行うかとか、あるいは災害医療全体の中で果たすのはどういう役割なのか、これを明確化させていこうと、あるいは医療スタッフ等の要員の確保、海と陸上間での連絡とか運用体制をどうしていくか、それから船内の患者搬送手段の確保だとか、患者の収容に当たって船内で滞在する環境の確保等々いろんな問題がありましたので、こういった課題を整理をさせていただきました。
 その上で、今年は民間の船舶を借りまして、新たな、これらの昨年やりました実証実験の課題あるいは成果を踏まえつつ実証実験をさせていただこうというふうに思っておりまして、もう委員が今強調されましたように、こういった医療モジュールを使って、海からのアプローチというのは極めて大切ですね。それから、そのシステムをつくることと、もう一つは、じゃ、その医療モジュールをどうやって確保していくか、それから船舶をどうやって、民間の船舶を含め、自衛隊の船舶を含めるか、この二点があると、課題があるということであります。
○長沢広明君 今、古屋大臣に御指摘いただいたとおり、海路からの医療支援というのは非常に有効で、それをしっかり用意していくことは非常に大事な施策であるというふうなことで、今年も、二十六年度、事業をまたやっていただくということで、今度は民間船の活用をされると今大臣おっしゃいました。
 今度、民間船の活用をするときに、昨年は南海トラフ地震を念頭に置いて三重県尾鷲沖で行ったんです。今度、今年やるとすれば、それは首都直下型地震を念頭に東京湾上で行うべきだと、このように思いますが、お考えどうでしょうか。
○国務大臣(古屋圭司君) 委員御指摘のように、今年の実証実験は東京湾内で行うということを想定をして今検討を進めております。やはり、南海トラフ巨大地震、そして首都直下地震、両方もう法律もできましたので、南海トラフはやりましたので、今度は東京湾内で対応していくと。今、関係機関と調整をして、その訓練内容を速やかに決定をしてまいりたいと思います。
○長沢広明君 ありがとうございます。
 東京湾上で海からの医療支援拠点を形成して、それを首都圏の中でどうそのシステムをつくり上げることができるかというこの実証訓練が成功して、ここから新たにシステムを組み上げることができれば、これはもう二〇二〇年の東京オリンピックへ向けてこの首都圏の防災体制はしっかりいろんなことを日本は考えてやっているというすばらしいアピールにもなるというふうに思いますので、是非成功させていただきたいというふうに思います。
 その際、大事なことは、海路からの救命救助対応ということは、すなわち指揮命令系統をどうするかということなんです。指揮命令系統をどうするか、そして搬送した患者をどこにまた搬送するか、こういうシステムをつくっていくことは非常に大事です。
 空路は恐らくヘリを活用することになると思いますが、これ、東日本大震災のときにヘリが何機出動して、どのような任務を行ったか。これも実態、実績について、防衛省、海上保安庁、それから消防庁、それぞれ御答弁いただきたいと思います。
○政府参考人(中島明彦君) お答え申し上げます。
 東日本大震災におきまして、自衛隊は、ヘリ延べ約一万八百七十機が三月十一日から十二月二十六日までの二百九十一日間、被災地における被害状況などの情報収集、捜索、救助及び障害者、患者の方々の搬送、物資輸送などの活動を実施したところでございます。
○政府参考人(佐藤雄二君) 東日本大震災への対応において、海上保安庁のヘリコプターは、漂流した船舶や陸上における孤立者のつり上げ救助、傷病者や入院患者の搬送などの救助活動のほか、行方不明者の捜索活動にも従事いたしました。発災日から平成二十三年三月二十日までの十日間に延べ百七十一機のヘリコプターを投入し、船舶等からのつり上げ救助及び傷病者等の搬送に併せ、二百七十九名を救助しています。
 ヘリコプターの運航に際しましては、青森、岩手、宮城、福島県等の災害対策本部に派遣した当庁職員を通じてヘリコプターのニーズや他機関の運航情報を入手し、それらの情報を踏まえ、被災地域を担当する管区本部長が指揮を執りました。
○政府参考人(市橋保彦君) 消防の関係でございますが、東日本大震災におきましては、緊急消防援助隊の航空隊のヘリコプター五十八機が三月十一日から五月三十一日までの八十二日間で延べ八百六十回出動いたしまして、千五百五十二名の方の救助、救急搬送を行いました。また、そのほか、情報収集、空中消火、隊員搬送、緊急物資輸送等多様な活動を実施したところでございます。
 ヘリの運航に関する調整につきましては、宮城県や岩手県の災害対策本部に設置されました消防、自衛隊、海上保安庁等で構成いたします航空運用調整班で実施したところでございます。
○長沢広明君 今御報告いただいたとおり、自衛隊のヘリは延べ一万機飛んでいるんですね。海上保安庁のヘリも十日間で百七十一回出動と。消防庁も八十二日間で八百六十機。一番多い日で、三月十六日、宮城県上だけで二十一機、消防のヘリが飛んでいるんです。物すごい数のヘリがもう被災地をずうっと飛んでくださった。
 それぞれやっぱり指揮系統がばらばらなんです。陸上自衛隊のヘリについては、例えば宮城県では宮城県対策本部からニーズを受けて、そのニーズに受けて動いていた。それから、海上保安庁は各地にリエゾンを派遣してリエゾンから直接情報を取っていた。それから、消防庁はその対策本部の中の運用調整班からのニーズに受けて動いていたと。要するに、事故が起きなくて本当に良かったと思うぐらいの大変な活動だった、本当によくやっていただいたというふうに思います。
 大事なことは、この空路での指揮命令系統の一元化ということも大事なんだと思います。こういうことを考えますと、海路からの医療支援をきちんと効果的なものにするためには指揮命令系統の在り方が必要です。
 例えば、東京湾上でやるのであれば、東京都だけではなく、神奈川県、千葉県、埼玉県、こうした首都圏の県、あるいはそこにある政令市、こういうところともしっかり連携をしながらの情報連絡の在り方、調整の仕方、救命救助に対する情報連絡、搬送のシステム、こういうことをしっかりシステムを検討しながらの事業にしなければならないというふうに思っているんですが、この点について、防災担当大臣、どうでしょうか。
○国務大臣(古屋圭司君) 今委員御指摘いただいたように、実際海からのアプローチをするに当たっては、その支援のニーズを、どれぐらいあるのかとか、あるいは船舶だけではなくて今航空機、ヘリコプターの問題もございました、そういった手配。医療チームをどれぐらい派遣するか、資材はどれぐらい要るのか、それから患者をどうやって搬送するか、その情報の連絡体制と協力体制、この構築、極めて大切ですね。
 ですから、実際、今度の訓練でも、やはりそういった実際のオペレーションを担当していくセクター、関係省庁とも十分連携をして、将来的にこういった海からの医療提供が効果的に行えるための体制構築に当たって、いろいろな課題をしっかり検証した上で取り組んでいきたいと思います。やはり、具体的なアクションプログラムを作っていくということが極めて重要だというふうに認識をいたしております。
○長沢広明君 まさに今大臣がおっしゃったとおり、そういう取組をしっかり進めていく、これには多少やっぱり時間が必要になると思います。
 今年度のその事業では、予算額五千百万円、この事業で東京湾上で行うと。今申し上げた事業をやるとすると五千百万円、本当に、結構民間船チャーターするだけでお金が掛かるかなというふうに思っていますので、更に必要であれば予算の確保をしっかりする必要もありますが、その辺、古屋大臣、予算が足りなかったからここまでしかできなかったということではなくて、その先、更にやることも含めまして、しっかり取り組んでいただきたいと思うんですが、この点いかがでしょうか。
○国務大臣(古屋圭司君) まず、今年は民間船舶を借りて、今委員が御指摘の課題、あるいは私が指摘をさせていただいた課題をしっかり検証していこうと思っております。
 これは、実際にいざそういう災害が起きたときの、いかに効果的に、なおかつ人の命を救うための機能的なシステムをつくり上げていくかということですから、それは、二十七年度以降もその研究が必要ならば更にしっかり、後ろに財務大臣も控えておりますが、しっかりそれは対応していくべきだというふうに思います。
 それともう一点、私の方からよろしいでしょうかね。今、医療モジュールということで、今度は自衛隊のものを借りましたけれども、実際にそういうシステムを、プランをつくっていくと同時に、その医療モジュールの確保というのは極めて重要なんですね。御党が御提案をいただいている規格型コンテナですね、八フィート、八フィート、二十フィート、あるいは八フィート、八フィート、四十フィート、こういったコンテナにそういう医療機器であるとかベッドだとかを積んで、装備をして対応していくと、こういった取組も必要だと思います。
 国土強靱化の考え方の中には、平時にも使えて有事の際にはその機能を発揮するということではございますけれども、例えば平時には無医村であるとかあるいはへき地の医療に提供をさせていただいて、そしてそういった規格型コンテナでしたら、船はもちろんのこと、トレーラーにも陸送にも、全部フックが一緒ですから簡単に輸送ができますので、そういった有事のときにも取組ができる。
 是非、これは御党からも、こういった取組、我々も提案をしておりますけれども、厚生労働省の方にもそういった平時からの取組に対しての御要請というのを、是非御党の方からもお力添えをいただければと、こんなふうに思います。
○長沢広明君 私どもも一生懸命後押しをしたいと思っております。
 これからもこういう海路からの医療支援について、更に長いスパンでいろいろ検討しなきゃならないということで、財務大臣、こういう検証事業に五千百万円という大変破格の予算を付けていただいたこと、それはもう大変感謝申し上げます。ただ、これからもこういう検証事業について様々な手段が必要になり、検証が必要になっていくことがありますので、その点、そのときには予算の確保ということで前向きに御協力いただきたいとお願い申し上げますが、お考えどうですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 実験を二回やらせて、二年度やらせていただいているんですが、これ長沢先生、災害じゃないとき何に使っているかですよ、問題は。
 それは、ふだん民間で使っているというのは、これはいいことなんであって、いざというときには、失礼ですけれども、お客を降ろして被災地に向かいます条件にして民間船を利用するとか、いろいろ条件を付けて運用を効率的にやっていただくということを御提案をいただいておかないと、役人にやらせると、大体それはそれしか動かせないような話になりますと、さびついて使えないなんてことにならないようにしていくというように、いろんなことも考えにゃいかぬと思いますが。
 いずれにしても、海上からの医療機能を提供するということは、これはほかのところでもいろいろ行われておるところでもありますので、是非こういったものは、平成二十六年度も実証訓練を行う予定と承知いたしておりますので、有意義なものになるように私どもとしては応援をしてまいりたいと考えております。
○長沢広明君 ありがとうございます。
 じゃ、またちょっと、このテーマはいずれまたいろんなことでいろいろ提案もさせていただきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いします。
 グループホームの課題について伺いたいと思います。
 まず、厚生労働大臣、認知症高齢者グループホームあるいは障害者向けグループホーム、これから非常に私たち役割が大きくなるというふうに思っております。その意味で、現在の設置数や利用者数、あるいは今後どのような増やしていくという目標をお持ちか。その場合、既存の建物と新築とどのような割合で、現在どうなっているのか、将来どうなるのか。その辺の見込みについて伺いたいと思います。
○国務大臣(田村憲久君) 認知症の皆様方のグループホーム、それから障害者の方々のグループホーム、ケアホーム、これグループホームに法律改正で一つになるわけでありますけれども、今現状を申し上げますと、障害者のグループホーム、ケアホームにつきましては、平成二十五年二月時点で設置数が一万六千か所、二十五年十月時点、ちょっと時点が違うんですが、利用者数が八・七万人となっております。各自治体が定める第三期障害福祉計画において、平成二十六年度、全国で十万人がグループホームを利用することを見込んでおります。
 また、新築と既存建物の割合についてお聞きになられましたけれども、新築が現在二五・一%、既存の建物が七四・九%であります。
 目標はなかなか、これはこれからでございますので、十万人というのは一つの数字、これも二十六年度ということでございますから、もう来年度になるわけでありますけれども、これに向かってこの十万人分しっかり確保できるような努力をしていかなきゃならぬというふうに思っております。
 あわせまして、認知症高齢者グループホームでありますが、二十五年十月時点での設置数及び利用者数でありますけれども、設置数が一万二千か所、そして利用者数が十七万八千人となっております。こちらの方も、認知症施策推進五か年計画におきまして、平成二十九年度までに二十五万人と定めております。
 新築と既存でありますが、これ関係団体の抽出調査でございますけれども、新築が八三・九%、既存が一四・九%ということになっております。
○長沢広明君 障害者向けグループホーム、それから認知症高齢者向けグループホームで若干雰囲気が違うんですけれども、中身を見ると違うんですが、ただ、認知症高齢者向けグループホームも、将来的に今の水準でいくと一・五倍に増えていく、障害者も八万人レベルから十万人レベルへグループホームの入居者が増えていくということで、既存の建物を、戸建て住宅を改修してグループホームにしやすくすれば、これをしっかり受皿にすることができるというふうに考えています。
 ところが、実際に既存の戸建ての活用を進めていくに当たっては、建築基準法上の規制がこれは壁になってしまいます。普通の住宅は、住んでいると住宅です。これをグループホームに変えるとすると、管理者の下に何人かの人が住む、これを寄宿舎というふうに定義が変わります。同じ住宅であっても住み方を変えるだけで寄宿舎となり、寄宿舎というふうな定義になった場合に防火上の様々な規制を受けることになります。間仕切りの壁を準耐火壁にしなければいけないとか、廊下を一・五メートル以上用意しなきゃいけないとか、いざというときの非常用の照明を付けなければいけないとか、そういう規制をやり、なおかつ耐火のためのスプリンクラーを設置するというようなことになりますと数百万円の改修コストが掛かってしまう。そこで、このグループホームが、造るのに二の足を踏んでしまうと、こういうことになります。
 是非このグループホームについて、厚生労働大臣、今後増えていくという中で、障害者の地域生活へ向けて改修を助成すると、こういう助成措置についてどういうふうに考えていらっしゃるか、伺いたいと思います。
○国務大臣(田村憲久君) 障害者の皆様方にいたしましても認知症の皆様方にいたしましても、やっぱり地域で安心して暮らしていくという意味では住まいという部分が大変重要になってくるわけであります。グループホーム、その大きな役割を果たすわけでありますが、今委員おっしゃられましたように、既存の建物、これを利用して整備できれば非常に早く整備していけるわけであります。
 ただ一方で、おっしゃられるとおり、これは建築基準法上、また消防法上、やはり規定がございまして、これがなかなか、改修する等々の手間があって非常に深刻な問題であるというような御意見もあるわけでありますが、ただ一方で、昨年も幾つか事故がありまして、お亡くなりになられる本当に痛ましい事故があったわけでありまして、そういう意味では、やっぱり安全というものはしっかり確保、担保していかなきゃならぬわけであります。
 そこで、今おっしゃられたところでありますけれども、障害者のグループホーム等の整備に関しましては社会福祉施設整備費補助金というのがございまして、平成二十五年度補正予算で百四十八億円、平成二十六年度予算案で三十億円を計上いたしております。またあわせて、認知症高齢者のグループホーム等、こちらの整備でありますけれども、介護基盤緊急整備等臨時特例基金というのがございまして、これ一年間期限延長しまして平成二十六年度末までといたしておりますが、二十五年度の補正予算で二百六億円計上させていただきました。
 こういうものを使っていろいろと改修も含めて整備をいただきたい、このように思っております。
○長沢広明君 厚生労働省としても、グループホームを増やすためのそういう予算措置をいろいろ考えてくださっていると、進めてくださっているということです。
 ただ、例えば認知症高齢者向けグループホーム等の高齢者施設に関しては、今後、防火用にスプリンクラーの設置というのが義務付けられることになりました。全施設にスプリンクラーが設置をされます。スプリンクラーが設置されるということで、防火上のある意味大事な対応はそれで取れるようになるわけです。
 国土交通大臣、是非これはお願いなんですけれども、住宅を転用してグループホームにするというときに、建築基準法上、寄宿舎という規制というか、そういうものを受けてしまう。しかし、スプリンクラーを設置するようになれば、その安全性を確保した上で防火上の規制を合理化することはできないか、そうすればグループホームが造りやすくなる。ここの壁をひとつ突破することはできないのか。ここを是非大臣に御決断お願いしたいと思っておりますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(太田昭宏君) おっしゃるとおりで、急増しているグループホーム、これを厚生労働省と消防庁とそして国土交通省、また私たちにとりましては建築基準法ということで、がしっと、それぞればらばらにやるというのではなくて、よく実態に即して、安全が確保されるということが一番大事ですから、そういう点では、安全ということをどう確保するかということを見て、そしてこの建築基準法についても何らかの緩和をしていくということが極めて重要だというふうに思います。
 今御指摘がありましたように、来年四月から原則としてスプリンクラーを設置することを義務付けたということを受けて、このスプリンクラー設備が設けられた場合、あるいは規模が小さくてそのままぱっと屋外に逃げることができるというような場合、この二点、特に二点でありますけれども、この場合には間仕切り壁の防火対策の規制を緩和するということを本格的に検討したいというふうに思います。
○長沢広明君 今大臣から、スプリンクラーを義務化、設置した、そして小規模の場合、防火耐壁等の規制を緩和する、そこに向けて検討するという大変有り難い答弁をいただきまして、これで大きく前進をすると思います。ありがとうございます。
 時間がなくなりましたが、最後に一つだけ。
 以前にもこの委員会で私お願いしたことがあるんですが、離島での車検制度の問題をお願いしております。離島で車を乗っている人は、この車検を受けるために、それをわざわざフェリーに載せて本土まで運んで、車検整備を受けてまた持って帰ってくると。それだけで片道三万円近くコストが掛かる、そういうところがたくさんございます。
 国から義務化された車検制度、それを受けるために本土の人より何万円も多い負担が必要になる、これは非常に厳しい問題だと思っていますので、これはもう大臣、車検制度については、例えば車検の時期を一か所に集められるような幅をつくるとか、あるいは整備士の出張整備みたいなことについて何らかの補助を考えるとか、あるいは検査士は出張検査を国からちゃんと出せるようにするとかいう形で、離島で排他的経済水域を保持する、大変な海洋権益を守ってくれている、そういう人たちに対して何らかの対策を打っていけるよう検討をお願いしたいということを、これお願いして、質問を終わりたいと思います。よろしくお願いします。
○委員長(山崎力君) お答えになりますか。
○国務大臣(太田昭宏君) 拍手をいただきましたが、お答えをさせていただきます。
 この離島での車検につきましては、御指摘のように、大変負担が掛かるということを何とか緩和をしていくということが大事だというふうに認識をしています。
 具体的に今幾つかの例を出されましたけれども、出張検査を行う離島や検査回数の増加であるとか、あるいは指定整備工場の増加を図るため自治体や関係団体への働きかけであるとか、あるいはより多くの方が出張検査を利用できるよう出張検査の予定の周知や時期の調整を行うとか、今、長沢先生御指摘になりました、車検二年という、ここのところの何らかの工夫はできないものかというようなことも含めて、現段階で即答は十分できませんけれども、少なくとも何か負担が軽くなるようにという措置について課題を整理して、どういうことができるかということについて検討をさせていただきたいというふうに思います。
○長沢広明君 ありがとうございます。
 終わります。
○委員長(山崎力君) 以上で長沢広明君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(山崎力君) 次に、松沢成文君の質疑を行います。松沢成文君。
○松沢成文君 みんなの党の松沢成文でございます。
 大臣、御苦労さまでございます。
 これまで安倍政権が様々な政策の打ち出しをやってきた。その中で、経済の再生あるいは安全保障、こういったところにはいろんな政策を打ち出してきました。賛否あると思いますが、それは一つの私は成果だと思います。ところが、残念ながら、行政改革というか組織改革、政府系の組織の改革という意味では何か新しい打ち出しがないんですね。小泉総理のときに郵政民営化とかあるいは道路公団の民営化とか大きな改革にチャレンジしました。それで抵抗勢力と戦って疲れ過ぎちゃったかと思うんですが、なかなかこういう政府の構造改革に取り組んでいないというのが私の印象なんです。
   〔委員長退席、理事北川イッセイ君着席〕
 我々みんなの党は、増税の前にやることがあるだろうと。一つは、徹底したデフレ対策で経済を良くすること。もう一つは、政府の構造改革によってお金をつくれるだろうと。その一つの分野が政府が持っている特殊会社ですね。政府が株をどんと持って政府の管理下に置いているような特殊会社、これ民営化せよと。そして、その株を民間に売ってかなりの額を確保できるんじゃないか。それ合わせると我々の試算では六兆円超える、こういうことになるんです。
 さあ、そこで、今日はその関連で幾つか質問をしていきたいと思います。
 まず、政府系の特殊会社というと、国民の皆さんがよく知っているのはJP、日本郵便、あるいはNTT、そしてJTですよね、日本たばこ産業。
 さあ、ちょっと参考に教えていただきたいんですけれども、まず、総務大臣、日本郵便、JPとNTTの社長さんのお給料、社長としての報酬どれぐらいか。あるいは取締役、全体の平均の報酬、どれぐらいなんでしょうか。まず、NTTと日本郵便。総務大臣から。
○国務大臣(新藤義孝君) NTTの取締役、これは社外取締役を除くでありますが、平均の報酬額は平成二十四年度実績で五千百九十万であると承知しています。それから、日本郵政株式会社の同じ取締役及び執行役の平均の報酬額は、平成二十四年度実績で二千四百万というふうに承知をしております。
 また、両社の社長の報酬額でありますが、それは個別の役員の報酬額などは会社のガバナンスに関する事項だということでありまして、これはもう株式会社である両社が自律的に決定する事項ということでございまして、私の方からお答えする立場にございません。
○松沢成文君 取締役の平均の報酬はそれぞれ出てきたわけです、五千万ちょっとと二千四百万ですね。ただ、そのトップの報酬は会社のガバナンスがあるから言えないと。でもこれ、政府が最大の株主であって、そして政府が監督する、総務省が監督する特殊会社なんですね。そのトップの給料も国会で言えないで、これ改革できるんでしょうかね。
○国務大臣(新藤義孝君) これは、NTT及び日本郵政株式会社、これは株式会社として効率的な経営を行うようにするとともに、事業の公益性に鑑みてそれぞれの根拠法に規定する目的や責務の確保のために必要な範囲で規律を課していると、こういうふうに御理解いただきたいと思います。
 それは、NTTであればそれは電話の役務をあまねく日本全国に確保する、それから日本郵政であれば郵便の役務等をあまねく全国において提供する、こういう責務を確保する観点から国が一定の株式を保有をする。そして、私は総務大臣として、各年度の事業計画の認可、それから取締役の選解任決議の認可、剰余金処分の決議の認可等、そういったものについての権限の行使をいたします。そして、会社の経営の健全性全体を確保されているかどうかをチェックすると、こういう仕組みになっているわけであります。
 しかし、これは両社とも民営化された株式会社であり、法律の規定に基づいて国に権限が付与されている事項以外の点については、これは株式会社としての自主的な経営に委ねることが適当であると、このように私も考えております。
○松沢成文君 まあ、そういう答弁なんでしょうね。
 それでは、財務大臣、財務大臣が監督しているJT、日本たばこ産業ですね、ここの取締役の平均の報酬と、ここのトップ、社長さんの報酬、それで、大臣が監督しているわけですから、ちなみに財務大臣の報酬も含めてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) これは、公表されております最新の有価証券報告書を見られりゃすぐ分かる話なので、平成二十四年度によれば、社長の報酬は一億五千六百万、取締役の報酬は一人当たり平均六千二百七十万、財務大臣の報酬ということで、これは幾ら引かれているんだっけ、これは、二〇%の臨時特例減額になっておりまして、二千三百万、平成二十四年度となっております。
○松沢成文君 監督する財務大臣の報酬がちょっと引かれて二千三百万、監督されるJTの社長の報酬が一億五千六百万ですよね。すごい高額いただいているんですね。私もちょっと調べさせていただきましたけれども、この小泉社長、一億五千六百万、これはNTTの社長やJPの社長よりも全然多いですよ、同じ政府系企業でも。
 その中にストックオプションというのがあるんですね、ストックオプション。これ、ストックオプションというのは私は民間の会社がやるものだと思っていたら、政府系の企業までストックオプションをやって、株価が上がればどんとお金をもうけられる、よくぬれ手にアワなんて言って批判されていますけれども、こういうことになっている。まず、NTTの社長はストックオプションをやっているんですけれども、あっ、ごめんなさい、JTの社長は。じゃ、NTT、JP、この役員はストックオプションもらっているんでしょうか。これは総務大臣ですね。
○国務大臣(新藤義孝君) この両社の取締役報酬にはストックオプションは含まれていないというふうに承知しております。
○松沢成文君 同じ政府の監督下にあるいわゆる特殊会社、株式会社だけども、政府が株主で様々保護を与えたり規制をしている、こういう会社ですね。じゃ、なぜJTだけ、JTの役員だけにストックオプションが付いて、これは国の監督下にある特殊会社なのにストックオプションというものを付ける、その正当性はどこにあるのか、これ財務大臣にお聞きしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) これは平成十九年ですな、平成十九年に会社法上の手続として、株主総会の決議を得てストックオプションを導入したというものだと承知をいたしております。このJTのストックオプションですけれども、これは業績に連動しない役員の退職慰労金は廃止ということで、その上で導入したものだというように聞いております。業績に連動して実質的な報酬額が変動するという意味で、役員に業績向上のインセンティブを与えることになったというようにこの点に関しては理解をいたしております。
○松沢成文君 私は、政府系の企業、特殊会社に、まあ民間企業なら分かるけれども、株を使って、ある意味で退職金がないからといってストックオプションを付けるということ自体、私は国民の理解は全く得られないと思いますので、是非とも、これはちょっとJTの社長さんをお呼びして聞いてみなきゃいけないなというふうに思っております。
 二点目に行きます。
 まずこのJTという会社ですけれども、今関連の会社、子会社は何社ぐらいあるんでしょうか。
○政府参考人(林信光君) JTの関連会社でございますが、最新の有価証券報告書、平成二十四年度事業年度によりますと、持分法適用会社として記載されているものが十二社、子会社は同様に有価証券報告書に連結子会社として二百三十社が記載されてございます。
○松沢成文君 JTというのはたばこを製造する会社なんでしょうけれども、二百社を超える関連会社、子会社があるということですね。
 その中で、大臣、ちょっと、知らなかったら感想でいいんですけれども、テーブルマーク株式会社あるいはジャパンビバレッジ、まあこれ結構有名だから知っているかな、こういう名前の会社が子会社にあるんですけれども、これ、財務大臣、どんなことをする会社か想像できますか。
○国務大臣(麻生太郎君) これは加ト吉だろう。知っていますよ。たしか、これは香川県かどこかの会社だね。社長が市長だったかな、元。よく知っています。あなたより顔が広いから、いろいろこれ知っております。
 ビバレッジの方はこれ自動販売機、たしか、の会社だと思っておりますので、知っているかと言われりゃ知っていますよ。
○松沢成文君 JTはたばこの生産会社だと思っていたんですが、例えば鳥居薬品、医療の会社、あるいは加ト吉、これ食品加工の会社、これがテーブルマークになっています。ジャパンビバレッジは飲料会社、自販機なんかもやっていますね。こういうほかの、たばこに全く関係ない業種の子会社、ばんばんつくるか買収をしちゃっているんですね。要するに、民間企業のような経営の多角化をどんどんどんどんやっているんですよ。
 これ、たばこ事業法とJT法でJTという会社は成り立っているんですね。たばこ事業法というのはたばこ産業の健全な発展を目的にして、そのためにJTという会社をつくって、製造は国家に独占をさせて、それで日本のたばこ産業の発展が経済の発展につながるようにしようと、こういう仕組みになっているんですね。だから政府は株を三分の一も持って、様々監督もしているわけですよ、財務大臣が。それなのに、たばこに関係ない会社をばんばんばんばんつくって多角化している。
 これ、おかしいんじゃないですか。財務大臣、当然だというんですか。財務大臣が認可しているんですよ、事業は。
○国務大臣(麻生太郎君) これらの事業というのは、これは、JTはたしかJT法という法律があるんだと思いますけれども、それに基づいて、違反しているのかな、これは。違反していないと思いますので、違反していない場合は、これはJT法に基づく認可を受けているということになるんじゃないんですかね。そうすると、問題はないということになろうかと存じます。
○松沢成文君 法的には財務大臣が認可していれば問題ないんですが、まあ、もうちょっと話を進めましょう。
 そうすると、皆さんに配付した資料を見てください。JTによるMアンドA一覧というのがあります。
 JTは、国内でのたばこの製造の独占を許されて、たばこをしっかりと作れということで認可されている会社なんですね。ところが、最近は世界中のたばこ会社買いあさっているんです。MアンドAというやつですね。
 例えばナビスコ、これは約一兆円の買収総額ですね。それから、ギャラハーを買っています。これは二兆二千億円。これ、日本の企業で今までで最大のMアンドAなんですよ。ソフトバンクがボーダフォン買った、これは一兆九千億。サントリーがビーム社を買った、一兆六千五百億。JTはそれよりもでっかいようなMアンドAをどんどん仕掛けて、世界中の市場を牛耳っているわけですね。
 こういうMアンドAが、民間企業だったらいいんですよ、これはもうグローバル戦略だ。世界戦略として当然考えるでしょう。ところが、国が株を三分の一持って、たばこの製造をほぼ社会主義的に独占してもらっている国に保護されたJTが世界中の市場でたばこ会社買いまくる。それも、先進国じゃたばこの需要落ちて厳しいから、どんどんどんどん途上国の会社買いまくっているんですね。
 民間企業ならいいんですよ。ある意味で半国営会社、特殊会社のJTがこんなことをやっていいんでしょうかね、大臣。
○国務大臣(麻生太郎君) これはJTが発足するときに当たって、これはJTにはたばこ事業法というのを適用して、たしか葉たばこ、日本の国産の葉たばこは全量買わなくちゃいけないというようにたしかあのとき決めたと、ちょっと私、何やっていたかな、あのとき、そういう契約をしたと思っております。
 これは衆参両議院の附帯決議において、政府の公的関与は極力排除し、経営の自主性を発揮できるよう十分配慮すべきとされておりまして、JTは事業範囲の拡大などにより経営基盤の強化を図ることと、これはそういうように決議をされておりますので、JTによります海外葉たばこ企業のMアンドAについて、これはグローバル化する市場の中で競争力を高めるという点から、これはJTの自主的な経営判断として行われているというように理解しなくちゃいかぬのであって、これは財務省として、株主として言わせていただけりゃ、これが赤字で大損こいているというのならともかくも、ぼんぼんもうかって、その分が税金で納めていただいている分に関しましては、私どもとしては大変有り難く、税金を稼いでいただいている一会社ということになろうかと存じますけれども。
 いずれにしても、これはJTの経営判断というものを尊重しないと、これはちょっと法律の趣旨からいきますと、そこのところはなかなか難しいんじゃないかなと思いますし、これは、株式の取得はJT法上事前認可の必要事項になっておりませんので、そういった意味では、これはなかなかちょっと言い方として、気持ちは分からぬことじゃありませんけど、何となく言い方としては難しいなという感じだけはしますが。
○松沢成文君 総務大臣、もう大丈夫ですから。
○理事(北川イッセイ君) 新藤総務大臣、もうお帰りになって結構です。
○松沢成文君 株式会社なんだからいろんな経営判断でいいじゃないかということだと思うんですが、ただ、これはもうイコールフッティングの面で大きな問題があるんですね。
 国内市場は、JT、圧倒的な有利につくられているんです。実は製造も独占ですし、流通も財務省が認可、例えばたばこ店を出す場合に認可する形になっていますが、これもうJTが裏で全部絡んでやっています。
 ですから、国内市場で圧倒的な保護を受けながら、国際市場ではどんどんMアンドAやって、民間企業顔負けの買収を繰り返してやっているわけですよ。これ、ほかの企業からしてみれば、イーブンじゃないじゃないかと、いわゆるイコールフッティングの面で全然有利になっちゃうじゃないかと。
 だから、大臣が、株式会社なんだから経営判断があってもうけてくれれば税金も入っていいというのであれば、即刻民営化すべきですよ。民営化すれば、私、全然文句言わない。JTだって会社としてグローバル戦略があるんでしょうから。何で国内でここまで保護して政府の監督下に置いている会社が、海外では自由にやって、それでもうけまくっている。これが許されるのか。これはもう道義上私は許されないと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) これは法律ができ上がるときの経緯で、ちょっと正確な記憶じゃないんで違っているかもしれませんが、これは当時、専売公社と当時言われたんですが、あの専売公社を民営化するに当たって一番の問題は、国産葉たばこ業者をどうするかというのが一番問題になったんだと記憶をします。このときに、民営化しても間違いなく、たばこは民営化されるんだからアメリカみたいに勝手に値段決めていいようにして売ればいいじゃないかと、店だってどこだって勝手に値段付けるようにさせないで、どこへ行っても現金、今でも前払みたいなたばこのやり方しているのはおかしいと、当時、私、何やっていたか忘れましたけれども、といった記憶だけは今あるんですけれども。
 その当時は、とにかく葉たばこ業者の葉たばこを全量買い取れということを押し付けるに当たって、これはちょっと国営の何らかの意思が働くということをしないと葉たばこ業者全部ということになったというのがその当時の背景だったと記憶をしますので、これはそのときの経緯やら何やらがありますので、これは民営化を完全にするとした場合は、その葉たばこ業者との関係をどうするかというのはちょっと考えにゃいかぬところだと思いますね、これ、多分。
○松沢成文君 国産葉たばこ問題というのは確かにあるんですけれども、行革大臣にせっかく来ていただいているので、日本の企業が国内市場では国の保護を受けて守られながら、世界市場ではほかの企業とばんばん競争して利益を貪る、これ、イコールフッティングの面で問題あるといって、日本郵便だって様々な批判を受けているわけですね。JTのこのやり方、いかがお考えですか、行革という視点から。こういう会社があっていいんでしょうかね。
○国務大臣(稲田朋美君) 今先生御指摘のJTのこの問題については、やはりこの専売制度改革時の国会での附帯決議があって、その附帯決議の中に、業務の拡大であるとか、あと経営基盤の強化を図ることということが衆参で規定をされております。そして、民業圧迫という観点からは、JTの有する技術等を有効に活用するものであること、本来業務の遂行に支障を来すおそれのないこと、また、製造たばこの製造独占を背景として民業圧迫にならないことについて財務大臣の認可を受けて事業をしているわけであります。また、海外企業のMアンドAについてはJTの自主的な経営判断を尊重しているということですが、いずれにいたしましても、財務大臣の適切な関与の下で民営化による効率的な業務運営がなされるべきだというふうに考えております。
○松沢成文君 もうちょっと話を進めましょう。
 このJTの一〇〇%子会社、JTIという、JTインターナショナルという会社があるんですね。ここが海外の政府、たばこ規制を条約にのっとってきちっと進めようとしている政府に猛烈なロビーイングを掛けているんですよ、ロビイストを雇って。この実態、財務省の方で把握していますか。ロビー活動、あるいはロビーイング活動費、JTどれぐらい使っているか。いかがでしょうか。
○政府参考人(林信光君) JTIが意見広告や慈善事業への協力等の活動を行っていることについては確認できておりますが、委員御指摘のようなロビー活動の有無、あるいはその費用については現段階では確認できておりません。
○松沢成文君 まず、JTIは、アメリカで毎年ロビイストを雇って、アメリカのたばこ規制をできるだけ自分たちに有利になるように妨害しています。それから、昨年は、イギリス政府が進めるプレーンパッケージの規制、たばこのパッケージはできるだけ地味なものにしようという規制、これは条約にのっとってやっているんですね。これについても猛烈なロビーイングで、何と三億円以上使っているということがスキャンダルになっています。イギリスの国会議員に対しても、そういう法律を作らないでくれ、一生懸命ロビーイングしているんですね。
 半国営会社ですよ、日本の。その会社が、海外の政府が条約にのっとってたばこ規制やろうとしているのに、それを潰すためにロビーイング活動に相当金使っているんですよ。こんなのもう企業倫理として許されないですよね。
 大臣、JTのロビー活動、これきちっと監督官庁の財務省として調べていただきたい。そうしないと、これ、半分、半国営会社ですから、日本の政府が海外の政府のたばこ規制のための政策を邪魔している、内政干渉にも取られちゃいますよ。この辺り、いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) これは内容を詳しく知りませんのでいいかげんなことは言えませんが、これはJTの子会社が直接やっているのか本社が直接やっているのか知りませんが、この海外のいろんなロビーイングの話につきまして、これがその国の法令に違反しているのかというところが一番問題なんであって、その法令にのっとって適正にされているというのであれば、これはなかなか私どもとしては言えるような話ではないのではないかなと思っておりますので、いずれにしても、JTの子会社の海外事業とかそういったものに対して、JT本体の経営に直接影響が及ぶというような場合ならともかくも、JTに対して指導を行うというようなことになるかといえば、ちょっと今の段階で確たることを申し上げる段階にはないと思います。
   〔理事北川イッセイ君退席、委員長着席〕
○松沢成文君 今まで議論をしてきて、例えばJTの高額な役員報酬、それからストックオプションまで使っている。さらには、JTの本来の設立目的を無視した経営の多角化、そして海外での派手なMアンドAですね。もっと言えば、JTの海外でのロビーイング活動。これ、やっぱり財務省の方でもしっかりは把握できていないわけですよ。
 そこで、委員長、是非ともこの予算委員会にJTの社長を参考人として呼んでいただいて、そして、今のJTの経営の在り方、事業の在り方がたばこ事業法、JT法にのっとった形でしっかり行われているのか、これを調査したいと思いますので、是非ともよろしくお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○委員長(山崎力君) 理事会の方で後刻協議して結論を得たいと思います。
○松沢成文君 大臣、たばこという財は、もう日本の国内では、たばこ規制も強いし、健康志向もあるし、どんどんどんどん縮小しているんですね、売れなくなってきている。ですから、たばこ農家の生産額もどんどん落ちていますし、あるいはたばこ小売商の数もどんどん減っていますし、あるいはJTの国内での売上げとか収益もどんどん落ちているんですね。
 こういう状況の中で、もうたばこ産業は斜陽産業なんですよ。それで、このたばこ産業を、もっと言えば、WHOたばこ規制枠組条約で、たばこは物すごく人の健康に害があるからできるだけ規制して禁煙や完全分煙化を進めようと、こうなっているんですね。
 なぜ、こういう状況の中で国家が筆頭株主になって、たばこ事業法とJT法でこのJTという会社を保護、まあ育成になっていないですけれども、保護して管轄下に置かなきゃいけないのか。こんなことをやっているのは先進国で日本だけです。唯一、中国だけがたばこは生産も流通も全部国の中でやっています。だから、中国以外のほとんどの主要国、先進国は、みんな、たばこは自由にやってもらって、たばこ規制の中で商売してもらって、たばこ税を取ってやっているんです。日本だけが、たばこというのを国が、財務省が守っていかなきゃいけない、監督下に置かなきゃいけないという理由は何なんでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) これは、先ほども申し上げましたように、多分、最初の事業法というものが最初にできたときの経緯というのが、専売公社からたばこという会社になっていったときの経緯というのが多分あるんだと思いますが、そのときに、国内の葉たばこ業者の葉たばこを全額買わねばならぬ、これは明らかに国際価格よりはるかに高いと記憶しますので、そういったものを買わねばならぬということを義務付ける、これによって国内葉たばこの業者を擁護したという点もあるんだと思いますが、いわゆる全量買取りを義務付けるということにしたことのほか、また、いわゆる健康に関わる何とかとかいろいろ規制したんだと思いますので。
 あれは、たしか私の記憶のときは三千億本ぐらい売れていたと思うんですけれども、二千億切ったぐらいになっていないですかね、今。それで、じゃ、がんは減ったかといえば、余りがんは減ったという話を、僕は病院やっている経営で聞くんですけれども、どれくらい減ったんですって聞くけれども、肺がんは減ったという話は余りありませんので、どれくらい関係あるのかなと私どもは正直なところ思わないわけではありませんが、いずれにしても、健康に係る注意表示とか広告規制などを規定するということ、これはたばこ事業法でいろいろ厳しく規制をしているところであるのであって、これ、完全に民営化をしちゃった場合は、葉たばこ業者に限らず、いろんな問題がまた別な意味で出てこやせぬかなというのが一つ。
 それからもう一点は、たばこは税金として今総額二兆円ぐらい税収に上がっていて、そのうちの半分が地方税、半分が国税と記憶しますので、その意味でいきますと、今の時代に一兆円、二兆円の額というのは極めて大きい額だという感じは率直な、財務省としてはそういう感じがいたします。
○松沢成文君 大臣、JTを完全民営化したって、たばこ税は上がっていくんです。それは、たばこ税率を上げればもっと上がっていきますよ。たばこ税の問題は全く民営化とは関係ないんですね。
 ただ、日本郵便にしても、あるいはNTTにしても、それはできてきた経緯ってありますよ、公社から始まって。たばこだってそうです、専売公社から、それを受け継いでJTになった。でも、そんな経緯があるからなかなか民営化できないと言っていたら、いつまででも民営化できないですよ。葉たばこ問題なんて解決できない、どんどん内外価格差が広がっちゃっているんですから。
 だから、ここは財務大臣のリーダーシップで。もうJTは完全に国が保護し管理するべき会社じゃないんです、民間ベースでやってもらえばいいんです。そのためには、たばこ事業法の廃止、JT法の廃止、そしてJTの完全民営化、この構造改革をやってもらわないと、たばこ利権ががっちりできちゃっていて、たばこ税上げるのも反対、たばこ規制やるのも反対、みんなでそれわいわい騒いで、何にも動けないんですよ、今の日本のたばこ産業。改革できないんですよ。
 そういうことをやっていただきたいんですが、最後に見解をお願いします。
○国務大臣(麻生太郎君) たばこ、何にも運営できないというところだけ、これは世間に広まると困りますので。
 随分たばこというのは、私の記憶では、たばこの税は私が政調会長のときに上げましたし、今度も上げていますから、たばこのことに関しましては結構いろいろ上げられていると思いますので、何もできないというのは間違っていると存じます。
○松沢成文君 じゃ、御検討をお願いします。
○委員長(山崎力君) 以上で松沢成文君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(山崎力君) 次に、倉林明子君の質疑を行います。倉林明子君。
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子でございます。
 今日は、まず七十から七十四歳の患者負担特例措置の見直しについて質問したいと思います。
 医療費の窓口負担を現行の一割負担から、四月以降七十歳のお誕生日を迎える方から二割負担にするというものです。完全に七十四歳までの負担割合の引上げが終わる二〇一九年度、ここで一体、医療費、給付費、国費、患者負担、それぞれ影響額をお示しいただきたいと思います。
○政府参考人(木倉敬之君) お答え申し上げます。
 今御指摘いただきましたように、七十歳から七十四歳、これは、法律上は二割負担とされていましたところを予算措置で、前の予算措置で一割負担に抑えてきておりましたけれども、昨年の社会保障制度改革国民会議の報告書、あるいはそれを受けてのプログラム法の検討規定が盛り込まれたことを受けまして、予算の上で、この四月から新たに七十歳になった方から段階的に一年ごとに本来の二割負担、それまで六十九歳までは三割だった方について二割の御負担ということでお願いをしたい。それで、五年を掛けてそういう方々が七十四歳まで進んでいく、それで全体が二割負担と。これまで一割負担でおられた方については、そのままの状態で進んでいくということをお願いしたいというふうに思っております。
 今御質問いただきました影響でございますけれども、七十四歳までの全ての方が二割負担となります二〇一九年度、平成三十一年度におきましての予算で一割を補填をしておりました国費、この所要額は約二千六百億円減少すると推計をしております。
 それから、二割負担とすることに伴いまして、それまでの方々に比べてどう受診行動が変わるかと、これも見込んでおりまして、この受診行動の変化によりまして、平成三十一年度で見れば、医療費そのものが約二千百億円縮減されるというふうな見込みを置いております。その中で、医療の給付費、自己負担を除いた給付費というのは約千四百億円減るというふうに推計をしております。
 患者さんの御負担というのは、二割になることに伴いまして、これらによりまして、平成三十一年度では今よりも約一千九百億円増えるというふうな推計をしておるところでございます。
○倉林明子君 この世代、七十から七十四歳というところ、ここの世代で見れば、結局、御説明あったとおり、医療費も給付費も国費も減ると、増えるのは患者負担だけやということだと思うんです。
 このそもそも七十から七十四歳というのはどんな世代なのかと、ここ注目する必要があるというふうに思っているんです。六十五歳から六十九歳の世代と比べてみて、平均年収、そして一人当たりの医療費、これは年額でどうなっているでしょうか。
○政府参考人(木倉敬之君) お答え申し上げます。
 国民生活基礎調査を見まして、平成二十二年でございますが、これの平均の年収を見てみますと、六十五歳から六十九歳の世代で二百三十六万円、それから七十歳から七十四歳の世代で百九十八万円ということで、徐々に落ちていく状況にあります。
 一方で、二十二年度の一人当たりの年間医療費につきましては、六十五歳から六十九歳の平均を見ますと四十一・〇万円、それから七十歳から七十四歳は五十五・六万円でございますが、その前後の世代と比べて、先ほどの一割負担での負担の割合というのは、六十五歳世代あるいは七十五歳世代よりも、この七十―七十四歳が低くなっておるのが今の実情でございます。
○倉林明子君 七十五歳以上の負担割合が高いということが、これ問題だと思うんですよ。実際にはここを下げるということを考えていくべき中身じゃないかなと思います。
 そこで、六十五歳と六十九歳代、これ比べて数を出していただきましたけれども、収入で見れば、六十五歳―六十九歳の層よりも、七十から七十四歳代は年収で三十八万円も減ると。一方で、掛かる医療費は大きく増えているということがはっきり出ていると思うんです。七十歳代、七十から七十四歳の外来の受診状況を見ればこれはもうはっきりしていると思うんですが、資料としても準備をさせていただきました。
 お配りしております一枚目の資料、一番左の上を見ていただきますと、外来受診率を年齢階層ごとに区切っております。七十から七十四歳というところがぐっと跳ね上がっていることが一目瞭然だと思います。見ていただきますように、加齢に伴う疾患、歯の補綴等でも特徴的に受診率が、受療率が上がっているという傾向が見て取れるかと思うんです。
 こういう、医療が必要になる、特に必要になってくるという世代で窓口負担増を実施するということが、受診行動に対してどういう影響が出るとお考えでしょうか、大臣。
○国務大臣(田村憲久君) まず一点、確かに七十未満の方々と比べると、これ拝見すると収入が減ると。一方で医療費は掛かる。五十五万六千円という数字と四十一万円という数字を見ればそうなるわけでありますが、だからこそ三割負担というものが二割負担になるわけでありまして、今まで一割負担であったわけでありますけれども、二割負担に上がるとはいえ、それは三割から二割へと負担が七十歳を機に下がるということになっておるわけであります。
 どれぐらい医療費が、給付が減るかというような話でありましたけれども、予算の中で組んでおります。ただ、これは長瀬効果というもの、長瀬式というものを見込んで今までやってきておるわけでありまして、機械的に今までの慣例に従ってそういう数字を入れました。ただ、多分、三割から一割に負担が減っておったものを三割から二割に負担を減らすというようなことは初めての試みでございますので、実態、どれぐらいこれが給付行動といいますか受診行動に影響するかというのは実態を見なきゃ分からないと考えておりますが、ただ、過度な受診抑制は掛からないものと、このように認識いたしております。
○倉林明子君 過度な受診抑制は起こらないのではないかという御答弁でしたけれども、やってみたことがないので分からないと言いつつも、これまでで見ると医療費ベースで二千百億円減るという見込みですから、受診行動の抑制をこれだけ見込んでいると、これはそういうことじゃないかと思うんですよ。
 一方で、これ日本医師会の調査も昨年九月に行われておりまして、その中で見ますと、受診を控えた結果症状が悪化したと、こういう患者さんが負担割合が一割負担という場合で三・四%なんだけれども、二割負担というところになると七・一%になっていると、これは医師会の調査結果でございます。受診抑制ということが、一割、二割というところで比べると、二割のところでやっぱり調査でも出ているということは紹介をしておきたいと思うんです。
 そこで、これ大臣も、この受診抑制がどう起こってくるかということでいうと、あっ、失礼しました。戻りまして、患者の負担の引上げが、私、個人のレベルで問題にしているんじゃなくて、世代、七十から七十四のところにどんな影響が出るかというところに注目して質問をさせていただいているんですね。それで先ほども七十から七十四歳のところの受療率や受診率の変化等も紹介した。
 そこで紹介したいのは、これ二枚目に入れたのはちょっと衝撃的な写真なんですけれども、受診抑制で、経済的な理由で受診を抑制するというのが大変歯科に特徴的に出ているんです。この歯科のところでの例を見るまでもなく、受診抑制が慢性疾患などに治療中断などが起これば、深刻な合併症で医療費も結局増加すると、こういうことは広くもう知られてきていることだと思うんです。
 窓口負担、これを引上げしていくということは、病気の早期発見や早期治療にも逆行することになるんじゃないかと思います。いかがでしょう。
○国務大臣(田村憲久君) 二割になったらというお話が先ほどありました。まだ二割になっていないので、結果ではなくて多分何か予想か何かの資料を出されたということですかね、まだ二割にはなっていませんから。実態として二割になったらどのような受診行動になるのかというのはこれからの話でございます。
 ちなみに、三割から二割になる方はこの新しい四月から七十歳になる方でございまして、今までもう七十を超えている方々はそのまま一割のままでございますから、こういう方々は負担が増えるというわけではございません。ですから、負担は下がると、七十歳になると負担は下がるという中において、いや、新しい方々ばかりですからね、これ、今まで既存の方々はあれなので。新しい方々は負担は下がるという中において、一割に下がるのが二割にしか下がらないという中において、今委員おっしゃられたように、受診抑制が掛かって、歯科も含めていろんな慢性の疾患等々が悪化するのではないかというお話でございましたが、一方で、高額療養費に関しましては、これは今までどおり据置きということでございます。
 そういうことを考えましても、一般の高額療養費から比べれば低いわけでもございますし、全てが全て負担が倍になるというわけではないわけでございますので、そういう意味では、一定の金額、自己負担の中で医療を受けていただくという中においては過度な受診抑制は行われないのではないかという下で我々は今回の制度設計をさせていただいておるわけでございます。
○倉林明子君 過度なという表現を繰り返し使われておりますけれども、実際に五年間で影響額ということでの推計、出ている分では二千百億円と。こういう医療費の削減が起こるということは、それだけの受診の量が減ると、これははっきりしていることだと思いますので、その点は押さえておきたいと思います。
 私、高齢者にとって三割が二割になるんだから一人一人見れば増えないという御議論あるんだけれども、この間、連続した負担増が起こっているわけですよね、高齢者のところで。国民健康保険料は上がるし、介護保険料は三年ごとに改定されて上がっていますよ、多くのところで。年金は減るばっかりなのに天引きされる保険料は増えるばっかりだと、こうした怨嗟の声とも言えるような声を聞いてきました。本当に高齢者に、ここに更に消費税の増税が加わった中で、年代としてここに負担増を掛けていくということははっきりしているので、必要な医療からやっぱり患者を遠ざけることになると。これは引上げの撤回を求めておきたいと思います。
 次に、医療、介護、高齢者の住まいということで質問を続けたいと思います。
 私、看護師を十一年間やっておりまして、高齢者の看護にも関わってきましたが、二十年前の当時でも、せっかくリハビリして良くなった高齢者の方々が、家族受けられないということで転々と行き先探さざるを得ない、大変苦い、苦しい経験をしたということもございました。
 そこで、NHKスペシャルで「老人漂流社会」ということで番組を見せていただきまして、本当に今大変なことになっているということを改めて実感をさせていただきました。
 ここで紹介された例、たくさんあるんですけれども、とりわけ、半年前まで普通の暮らしをしていた八十代の方だったと思います、七十まで仕事していたというんですね。家族と普通に暮らしていたんだけれども、奥さん突然亡くなると。体調崩したら、今度は一緒に暮らしていた息子さんが病に倒れると。嫁ぎ先に行っている娘を当てにしていたんだけれども、がんで、向こうの親の介護まであると。結局この方、一気に体調も悪くなって、一人で住むことができないと。で、支え手もない。どこに行ったかというと、無料低額宿泊所だったんですね。御存じのとおり、ホームレスが一時的に宿泊する施設です。
 私、高齢者のついの住みかが見付からないと、こうした事態が先進国である日本で起こっていると、こうした事態についてどうお思いになるでしょうか。
○国務大臣(田村憲久君) 住まいという意味からいたしますと、今我々、地域包括ケアシステムというものを一つ大きな柱に据えながら、地域でそれこそやはり自分の人生を全うされたいという方々が六割ぐらいおられるという、そういうアンケートがございますので、そういう意味では、医療、介護、住まい、予防、さらには生活支援、こういうものをパッケージでというふうに考えておるわけでありますが、もちろん特養も必要でありますし、それから、昨今言われておりますサービス付き高齢者住宅、こういうものも整備していかなきゃならぬというふうに思っております。
 ただ、一方で、在宅で対応という意味、これも大変大きいわけでありまして、二十四時間介護が受けられる、また看護もやってくる、さらには訪問診療でありますとか往診というような形で医療も提供できる、こういうようなことを整備していく中において、ある程度の状況までは御自宅で御生活をいただきながら介護や医療を受けていただく、こういうような方向性を今目指しておる。
 もちろん、それではどうしても生活できないという方々に対しては施設という形になるわけでありますが、これ、両輪をしっかりと動かしていくという形の中で今般の新しい法律を出させていただいておるような状況でございます。
○倉林明子君 ところが、高齢者の実態はどうなっているかというと、それぞれの、厚生労働省等の資料もお付けしましたけれど、高齢の単独、夫婦のみという高齢者世帯が本当に増えているし、家族もそれを支えられない低所得化、貧困化というのはかつてなく進んでいるというのが実態です。住み慣れた家で暮らしたい、最後までという願いは本当にあるんだけれども、現状は本当にできていないという実態がある。施設に入りたくても入れない、こういう状況がある。満杯だからですよ。
 医療、介護の一体改革でパターン一という形で示されたものも資料に付けました。二〇二五年度、一体どんなところを目指すのかという資料です。厚生労働省が推計値として出しているものを入れました。これで見れば、医療のベッドも介護のベッドも本当に減っていくということになるんです。
 私、一点、今ある施設の活用ということで求めたいのは、養護老人ホームなんです。この養護老人ホームが今定員割れの実態にある、これは御存じだと思います。これを本当についの住みかとして措置ができるような財源確保も必要だと思うし、ここに対するしっかり措置できるような、整備していけるような手だてを打つべきだと考えますが、いかがでしょう。
○国務大臣(田村憲久君) 低所得の方々の住まいという意味からすれば、空き家などを活用するという方法も今我々考えておりますし、それから軽費老人ホーム、これを整備していくということも一つの方向だと思います。
 養護老人ホームに関しましては、これも御承知のとおり、一般財源化を平成十八年、三位一体でさせていただきました。そういう意味からいたしますと、これに関しては地方の責任になるわけでありますが、ただ、地方債の対象でございまして交付税措置をやるということでございますので、そういう意味からいたしますと、二分の一、これは地方債を発行していただきながら交付税措置の中において地方で整備していただければ有り難いというふうに思っております。
○倉林明子君 ありがとうございました。
○委員長(山崎力君) 以上で倉林明子君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(山崎力君) 次に、中野正志君の質疑でございますが、ちょっと時間の関係でお待ち願いたいと思います。
 速記止めておいてください。
   〔速記中止〕
○委員長(山崎力君) 速記を起こしてください。
 それでは、中野正志君。
○中野正志君 日本維新の会の中野正志でございます。
 私たちは時間が短いものでありますから総論の質問しかできないんでありますが、正式な質問に入る前に、世耕官房副長官、せっかくお出かけをいただきましたから、一つ質問の前にお尋ねをさせていただきたいと存じます。
 安倍総理の奥様、昭恵夫人、まさにトップレディーとして外交始め大変いろいろ御活躍をいただいております。ただ、一部マスコミで心ない、本当に悪口、困ったものだと私たちも感じてはおりますけれども、しかし、とにかく非常に天真らんまんに頑張っておられるということは心強い限りだと思います。
 我々、被災地に行きますと、むしろ安倍さん来るより奥さんの方がいいと、こう言われたりするなど、結構好感を持って迎えられております。今度の日曜日も、横浜、官房長官のお地元で、巨大防潮堤が必要か、そういうシンポジウムをやられるそうなんでありますけれども、うちの宮城県の石巻からも高校生始め若いグループがそこに駆け付けて交流をされるようでありますから、それぐらいに非常に親しまれている。
 安倍さんにとりましては、いろいろそういう悪口やら心ない批判が出てきたりしても、今までと同じように大きな広い気持ちで是非昭恵さんをしっかり守っていただきたいと、こう念じておりますが、現在は愛妻家の世耕官房副長官、一言感想いかがでしょうか。ちゃんと安倍総理にお伝えくださいよ。
○内閣官房副長官(世耕弘成君) 総理の御家庭についてはコメントをさせていただく立場にはありませんけれども、当然、世界各国、ファーストレディーの活動というのは非常に重要なことでありますので、これは官邸としても昭恵夫人の活動もしっかりサポートしていきたいというふうに思います。
 昭恵夫人はよく家庭内野党というふうに言われていますが、私は本物の野党が家庭におりまして、異なった意見を少し聞いてみるというのも活動上プラスになるという面もあるのかなというふうに思っております。
○中野正志君 さすが世耕さんであります。どうぞ、総理と兄弟分でありますから、共々に御夫婦仲よく頑張っていただきたいと思います。
 せっかくお立ちいただきましたから、いわゆる従軍慰安婦に関する河野官房長官談話の再検証についてお話をお伺いをしたいと思います。
 言うまでもなく、二月二十日の衆議院の予算委員会、私たち日本維新の会の山田宏衆議院議員とそれからかつての石原信雄官房副長官、平成五年当時の副長官、よく私はこの予算委員会にお出かけをいただいたと思います。氏名、生年月日もでたらめな元慰安婦と称する十六名の聞き取りを基に、その裏付け調査もしないで、しかも談話を作る過程で韓国の言い分を全くもう受け入れて作られた。石原官房副長官いわく、日本の善意が踏みにじられた。私たちもそう思います。いずれにしても、政府は一日も早くこの談話の作成過程を調査、検証するべきだと、これはもう全体、議会全体の意見だと思います。
 官房長官は二月二十八日、政府の中に極秘のチームをつくって当時の状況を把握し、その上で取扱いを検討したいと。今までよりは一歩進んだ見解を示されましたけれども、やっぱり、歴史学者あるいは有識者、検証するとのことでありますけれども、作業はできるだけ早く終わっていただきたい。いつのときまでこの作業が終了されるのかを確認したいと思いますし、それから当然、検証の終了後は私たちの国会への報告もしっかりとされるよね、このことを確認しておきたいと思います。
○内閣官房副長官(世耕弘成君) 今御指摘の二月二十日の衆議院予算委員会における石原元官房副長官の証言を受けまして、官房長官からは、元慰安婦からの聞き取り調査については、これは非公開を前提として実施をされたものであり、そうした機密であるということを保持する中で政府として確認をする必要があるということ。そして、河野談話の作成過程で韓国側との意見のすり合わせがあったのかどうかの可能性については、当時の実態について解明をする必要があると考えており、政府の中に極秘の検討チームをつくり、当時の状況を掌握をし、その上でその取扱いについて検討していきたいというふうに表明をされておられるわけでございます。この検討の結果を踏まえて、慰安婦問題に対する政府の立場を国際社会に説明をしていきたいというふうに思っています。
 今、どういうチームを組むのかとかそういったところに、検討に着手をしているところで、ばかりでありますので、まだこれ、どういったタイミングでどれぐらいのスケジュールで検討が行われるか、結果、どれぐらいのタイミングでその結果がまとまるのかといったところはまだちょっと今決まっていない状況であります。また、その結果の公表の仕方、報告の仕方についてもこれから少し議論を詰めてまいりたいというふうに思いますので、今の時点では少しお答えを差し控えさせていただきたいというふうに思います。
○中野正志君 是非できるだけ早い対応をしっかりお取り進めをいただきたいと存じます。
 結構です。ありがとうございます。
 それでは……
○委員長(山崎力君) ちょっとお待ちください。
○中野正志君 はい。
○委員長(山崎力君) ちょっと速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(山崎力君) 速記を起こしてください。
○中野正志君 続きまして、消費税増税問題について副総理・財務大臣にお伺いをいたしたいと思います。
 内閣府から、相変わらずで、中長期の経済財政に関する試算というのが一月に出されております。相変わらず超楽観的な予測と言わなければなりませんけれども、私たちはアベノミクス、何としても成功していただきたい。そして、早くデフレから脱却して、日本の経済しっかり回復軌道に乗っていただきたい。この思いは、私たちは野党でありますけれども、同じであります。
 二〇一三年の成長を支えたというのは、やっぱり円安によって輸出企業を中心とした企業業績が大分に改善をされた、あるいは株高、そして消費税増税前の駆け込み需要に刺激された個人消費が大分に拡大をした、あるいは景気対策による公共投資の当然ながらの伸び、こういったことで、二〇一三年度の成長は相応の成果、プラスでいいますと二・六%ということになるんでありましょうか。
 しかし、二〇一四年度の実質成長率、これ、日本経済新聞関連のエコノミストのアンケート調査でありますと、二〇一四年度の実質成長率は今年一月の調査では平均が〇・八二%。昨年一月では〇・二三%であったから、大きくは上昇しております。アベノミクスの言ってみれば効果でありますから、私たちは率直に評価したいと思うんでありますけれども、しかし、内閣府の当初の予想の一・四%よりは低いということになるわけでありまして、二〇一四年、あっ、失礼しました、二・六%程度という当初の成長予測からいたしますと大分に低いよなということで、今ここで私たちはどうしなければならないのか、デフレ脱却の大きなチャンス、これを潰していいのか。そうではありませんから、いろいろな手だてを、今日も議論がありました、進めていかなければなりません。
 OECDは、二〇一五年の日本の実質成長率は一%と予測をいたしております。世界経済、各国が順調に成長する中で日本が一%。IMFも同じく一%成長という予測なんであります。アベノミクスで賃金が上がって景気が回復する、これは甘い幻想だよという人もたくさんいることも事実であります。確かに、実質賃金をグラフで見ますと輸入品の値上がりなどで既に下がっております。
 私たちは、この日本経済の現実を見ますと、今日もありましたけれども、追加の金融緩和だ、あるいは大規模な追加の補正予算だ、あるいは消費拡大のための減税だ、あるいは新エネルギー、ロボットなどの研究開発、まあiPSなんかもありますけれども、日本企業の国際競争力を高める施策を強力に実行することだ、いろいろなとにかくあらゆる政策を実行していこうということになるわけでありますけれども、副総理、どんな手だてを考えられますか。
○国務大臣(麻生太郎君) これは中野先生、去年の今頃、去年の十二月の予想をした経済学者はゼロです、全部外れましたから。だから、その意味では余りその種の話は当てにはならぬと。それだけは、もうこれくらい去年はっきりしたことはないんじゃないでしょうかね。全ての予測は政府の予想の方に寄りましたから。
 我々は経験したことがないことをやっておりますので、そういった意味では、経済学者の予想が外れたり、新聞の予測はもう一〇〇%外れたりいろいろしましたので、これは我々としては少なくともいい方に外れたと思っておりますので、それなりの結果が出たというのは良かったことだと思っております。
 何といってもこれは、いまだかつてデフレ不況をやった経験は我が国にはありません、戦後一回もありませんでした。大東亜戦争以後、昭和二十年この方一回もありませんし、もちろん世界中でもありませんから。
 だから、この種の経験は誰もしたことがないことに我々は初めて挑戦をいたしておりますので、その意味ではいろんなものが難しいことになっていることははっきりしておりますが、二つだけ我々ははっきりしていることは、これはOECDとも去年一年間で全ての調整が終わっていると思っていますが、我々は経済は成長させる。そのためには、経済成長をやるためには、我々としては財政出動等々政府支出をやる、規制を緩和する等々ありとあらゆることはやる。
 そして、今回も補正予算等々で減税、投資に関しては減税をやらせていただくなどなど数え上げれば幾らでも出てきますが、そういったものをやらせていただきますが、そのときに、世界から見た場合に、その金はどこから出るということを必ず聞かれることになりますので、それは政府から出すということになりますから、その政府の財政は、きちんとした方向で我々は財政再建も目指しているんだというメッセージをきっちり世界に伝えない限りは、日本の国債が売り浴びせられることになれば、これは国債の金利が上がる、金利が上がるということは日本の経済の足を引っ張るということになろうかと存じますので、その両方をやらねばならぬ。
 財政の再建をやる、しかしそれは経済の成長によってそれを賄う。先ほど民主党の方が言っておられた、金子さんが言っておられたのと同じことなんですが、そういう方向で事は進んでいきつつあって、今のところはおかげさまでうまくいっておりますが、問題は、その財政再建の一部としてやらねばならぬ消費税というものは、これは与野党合意の上で三党合意でなされたものでありますので、この点に関しては、我々は世界に対してきっちり、うちはこれもやるということを、おたくらは与野党で合意できなかったけれども、うちは民主主義が成熟しているから、おたくらはできなかったけれども俺たちはきちんとやれた、そしてこの四月から実質やりますからということをはっきり言い切って、去年の十月のOECD、もう全てこれで、ここまで来たんですが、この四月からいよいよスタートをすることになるので、我々としてはその対策を、いかにうまく最低限の落ち込みで抑えるかということに関しましては、これは五・五兆円の補正を組ませていただいたり、一兆円の減税をやらせていただいたり、いろんなことをやらせていただいておりますけれども、私どもとしてはこれが一番肝腎なところであって、この結果が全てになろうかと思いますので、私どもとしては、なるべく早い時点で経済が元の軌道に乗りますように、七―九、十―十二、そういったところで早く乗るように我々としては全力を挙げねばならぬところだと思っております。
○中野正志君 是非共々頑張り合いたいと思います。
 時間ありませんので、済みません、はしょって申し上げますけれども、我々被災地では、オリンピック、実はマラソンを開催していただきたいという経済界を始めとして強い要望もあります。もちろんIOC始め関係団体調整もありますから、まして競技種目を別な場所でというのは非常に厳しいことも分かっておりますが、是非御検討いただきたい。
 もう一つは、やっぱり聖火リレーは被災地全てを回るようにしていただきたい。いろいろ知恵を使って是非お願いしたいと。
 また、私たち宮城県は幸いにサッカーの予選はやりますけれども、かつて、あのワールドカップサッカーのときでありますけれども、合宿地、これをそれぞれの県で引き受けたという経緯もありますけれども、オリンピック、いろいろ強豪国、強豪チームの合宿地を被災地のできるだけ多いところで引き受けるとか、いろいろな知恵を持ちながら復興とオリンピックを何とかいい意味で一体化して、さらに、私たち、ただですら東北、スポーツ熱も高くなっておりますけれども、いい形でなお更に伸ばせないかと考えておるんでありますが、文科大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 中野先生おっしゃるとおりで、東京一極集中を加速させる、あるいは単なるスポーツの祭典ということでなく、もうオールジャパンで、特に東北、被災地、当然ですけれども、日本全体が元気になるように、同時に、二〇二〇年が終わりではなくて、二〇二〇年以降の日本をどう元気にさせるかと、そういう視点からオリンピック・パラリンピックを考えていきたいと思います。
 ただ、残念ながら、これは東京都のやっぱり主催ということでもありますので、競技はやっぱり東京でしなければならないというのは、これはIOCとの約束事でありますので、マラソンは残念ながらやっぱり東京でこれはせざるを得ないという経緯がございます。ただ、御指摘がありましたように、被災地での競技開催については宮城スタジアムでサッカーの予選を実施すると。これはIOCが認めてくれていることでもございます。
 また、大会組織委員会では、東京大会を生かした東日本大震災の被災地支援策を検討するための体制整備を今年の四月からもう行うと、そういう予定であるということを聞いておりますし、今後、アスリートと子供たちが交流するスポーツイベントの実施、それから各国代表選手団の事前合宿、また各地域の文化芸術行事とも連携した文化プログラムなどの様々な取組、これはオールジャパンですが、特に東北、被災地では必ずこれが入れ込むように、そして御指摘のように、聖火リレーのコースについては、今後、被災地の復興という観点からも必ず大会組織委員会において検討し、それが入るように私の方からも促してまいりたいというふうに思います。
 こうした数々の取組によって、被災地の復興が間違いなく二〇二〇年には遂げたということが世界の方々に見ていただけるような、被災地の方々の声も十二分に伺いながら、大会組織委員会それから東京都とも連携して取り組んでまいりたいと思います。
○中野正志君 心強いです。期待いたします。ありがとうございます。
○委員長(山崎力君) 以上で中野正志君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 ちょっと速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(山崎力君) それでは、速記を起こしてください。
    ─────────────
○委員長(山崎力君) 次に、又市征治君の質疑を行います。又市征治君。
○又市征治君 社民党の又市です。
 今日は、地味な賃金と経済問題について質疑をいたしたいと思います。
 安倍内閣はこの間、企業に賃上げを求めて、その結果が日本経済の再生につながるとお考えのようでありまして、これは私たちも同感でございます。
 昨年十二月二十日の政労使の合意文書では、「景気回復の動きをデフレ脱却と経済再生へ確実につなげるためには、企業収益の拡大が速やかに賃金上昇や雇用拡大につながり、消費の拡大や投資の増加を通じて更なる企業収益の拡大に結び付くという経済の好循環を実現することが必要である。」、こう明記をされました。
 そこで、経済の好循環にとって賃上げがなぜ重要かということを改めて甘利大臣にお聞きをいたしたいと思います。
○国務大臣(甘利明君) 振り返れば、デフレのときには我々が今やろうとしている逆が起きていたんだと思います。企業収益を企業の下にため込んで、それを還元するといいますか、そういう行動がなくて、そして、逆に消費が縮んで生産がだぶつき、よりまた物価が下がったということだと思います。
 でありますから、私どもは、企業収益が上がった分については、結局自分のところに返ってくるということなんでありますから、賃金に反映をさせて、それが購買力につながって、そしてそれが生産の増強なり設備投資につながれば、更に景気は拡大していくという、この拡大のスパイラルをつくっていこうということで、異例といえば異例でありますが、政府から賃上げ要請をしたということであります。
○又市征治君 御指摘のとおりでありまして、賃上げで個人消費や内需を拡大をして経済成長を図っていく、これは常識的な話なんですが、経済界の方が目先の利益にきゅうきゅうとしてそうしてこなかったということだと思います。
 そこで、幾つか具体的な資料をお聞かせいただきたいと思いますが、まず、九七年から昨年まで民間賃金と国家公務員の賃金はどのくらい低下をしてきたのか、二つ目に、資本金一千万円以上の企業の配当金が九七年からデータが出ている直近の年までどう推移をしてきたか、もう一つは、また同時期の利益剰余金の推移はどうなっているか、お聞かせいただきたいと思います。
○副大臣(愛知治郎君) お答えを申し上げます。細かい数字もございますので、私からお答えさせていただきたいと存じます。
 国税庁の民間給与実態統計調査によれば、一年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は、一九九七年を一〇〇とした場合、二〇一二年の指数は八七、金額ベースでいいますと、一九九七年が四百六十七万円、二〇一二年が四百八万円となっております。
 また、財務省の法人企業統計年次別調査によれば、資本金一千万円以上の金融業、保険業を除く企業の配当金は、一九九七年度を一〇〇とした場合、二〇一二年度の指数は三三一、金額でいいますと、一九九七年は四・二兆円、二〇一二年度は十三・九兆円となっております。
 また、利益剰余金は、一九九七年度を一〇〇とした場合、二〇一二年度の指数は二一四、金額ベースでいいますと、一九九七年度は百三十九・九兆円、二〇一二年度は二百九十九・六兆円となっております。
○政府参考人(古屋浩明君) お答えいたします。
 国家公務員の給与につきましては、行政職俸給表(一)の、一般の事務の職員でございますが、これにつきまして、平成九年、一九九七年の年間給与と直近平成二十五年の給与につきまして、現在給与減額支給措置がございますが、この影響を除きましてモデル例で比較いたしますと、地方機関勤務の四十歳の係長クラスで約一八%の減となっているところでございます。
○又市征治君 総理は施政方針演説で、企業の収益を雇用の拡大や所得の上昇につなげる、それが消費の増加を通じて更なる景気回復につながる、経済の好循環なくしてデフレ脱却はありませんと、先ほどの甘利大臣と同じことを強調されたわけですが、今お聞きのとおり、九七年以降、企業は収益を賃上げに回すどころか賃下げで更に収益を上げる、配当や内部留保に回してきたという、こういうことですよね。
 民間賃金でいうならば、一三%減、八七%に落ちる。公務員でいっても、国家公務員で、減額措置除くのはおかしい話だけれども、それを除外してでも一八%下がっている。だけれども、今お聞きのとおり、この配当や内部留保の伸び方は三三〇%あるいは二一四%、こういう格好ですから、そのことは如実だろうと思うんです。
 こうした企業の姿勢が景気の好循環を妨げてきた側面というのは、甘利大臣、これは否定できませんよね。
○国務大臣(甘利明君) 金融危機以降、企業がそういう対応を取ってきたわけであります。企業は内部留保を何に使ったかというと、そういう使途でありますが、もう一つ、債務が超過になってきておりまして、その有利子負債を返済するということに相当力を注いできたということももう一つの事実だというふうに思っております。
○又市征治君 私が申し上げたことを否定なさらず、その上で今の補足だったと思いますが。
 さて、そこで、二月五日に連合と経団連が会談をして春闘が本格的にスタートをしたわけでありますが、今年の春闘は、そういう意味で、単に労働者の賃上げ実現で生活防衛というだけではなくて、日本経済の再建にとっても極めて重要な意義があるんだろうと、こう思います。
 そこで伺いますが、政府は経済の好循環実現ということで、そういう意味では賃上げを是非やってくださいという要請をしているわけですが、具体的にどの程度の賃上げが必要だというふうにお考えになっているのか。
 例えば、消費税増税法案の附則には、平成二十三年度から三十二年度の平均で名目三%程度、実質二%程度の経済成長率を目標とする景気条項が記載されているわけですけれども、この経済成長を実現するためにも、この程度以上、この程度ぐらいはということはお持ちじゃないかと思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(甘利明君) 日銀の物価安定目標というのが二%であります。それ以外に消費税が上がるわけです。まあそっくり乗っかるわけじゃなくて、大体消費税分の七掛けぐらいがCPIに乗っかると思います、カバレッジからいって全てをカバーしているわけではないので。ですから、消費税の上がり分掛ける七〇%プラス物価安定目標がCPIの上がり方になっていくんだと思います。
 理想的には、一発でそれを超えていくというのが理想だと思いますけれども、なかなかそうもいかないと思いますが、少なくとも複数年でその物価の上昇を超えていくような賃金上昇があれば、好循環は非常に強く回っていくというふうに思っております。
○又市征治君 日銀が今年の消費者物価上昇三・三%という見通しなわけですが、これをクリアしなけりゃデフレからの脱却というのは難しい、別の言葉で言えばそういうことでしょう。
 そこで、政府は一方で民間企業に賃上げを求めながら、他方では公務員には依然総人件費抑制方針、こういうことですね。昨年十一月十五日の公務員給与に関する閣議決定では、国家公務員の給与については、地場の賃金をより公務員給与に反映させるための見直し、あるいは五十歳台後半層の高齢層職員の給与構造の見直し等を挙げて、具体的な措置を取りまとめるように人事院に要請をされています。
 民間の未組織労働者の賃金が低いことはもう周知の事実でありまして、この政府の方針は、その底上げを図るということではなくて、公務員の賃金をむしろこの低いところに合わせる、低平準化ということじゃないか、こう言わざるを得ません。これでは全体の賃金が上がるわけもないし、企業に賃上げを要請をしたということも、政府言っているのはそれは口先だけ、本気にされない、景気の好循環に逆行するんじゃないか。この点について、総務大臣、どのようにお考えですか。
○国務大臣(新藤義孝君) この国家公務員給与の特例減額措置につきましては、法律の期限が来る本年三月をもってこれを上げるのではなくて戻すわけであります。それには様々な総合的な検討が行われたわけでありますが、本年四月以降は国家公務員の給与水準は民間企業の給与水準と均衡したものになるということであります。
 その上で、御指摘いただきました閣議決定であります、昨年の十一月十五日の。この閣議決定においては、地域における官民給与の実情を踏まえて官民給与の均衡を図る観点からと。これは、人事院の勧告のまさに民間準拠というこの基本にのっとって、その精神にのっとってこの具体的な措置が、取りまとめるように要請をしたということであります。
 したがいまして、下げるのではなくて、これは地場の賃金をより国家公務員給与に反映させるように、そしてそれは民間準拠を基本として適切に対応するようにということを考えておるわけであります。
○又市征治君 これは総務大臣とはまた総務委員会でやり合いますけれども、民間準拠という場合に、やはり同職種、そして同等規模の民間に準拠するということはこれはもう御承知のとおりでありますが、そのことがしっかり踏まえられて掛かる必要があるということだろうと思います。
 そこで、次に厚労大臣にお聞きをいたしますが、労働契約法三条第二項では、労働契約は、労働者及び使用者が、就業の実態に応じて、均衡を考慮しつつ締結、又は変更すべきものであると、包括的な理念が明記をされています。また同様にパートタイム労働法でも、パートタイム労働者と通常の労働者との均衡待遇がうたわれているわけですよね。しかし、実際には、この賃金構造統計調査によれば、平成二十五年度でも男性は三十二万六千円、女性は二十三万二千六百円、九万三千四百円からの差がある、あるいは企業別で比較をするならば、男性の場合、大企業で一〇〇に対して中企業で八二、小企業で七五という、こういう大きな格差がある、こういう格好ですよね。
 政府が本気で労働者の賃上げで日本経済を力強く成長軌道に乗せたいとおっしゃるならば、同一価値労働同一賃金の原則に沿って、これらの企業規模、男女あるいは雇用形態による賃金格差や差別をなくすための義務規定若しくは罰則規定を盛り込んだ立法措置をとるべきじゃないかと思いますが、まず少なくともそのような提起を経済界にされるべきじゃないかと思うんですが、見解はいかがですか。
○国務大臣(田村憲久君) 委員、同一価値労働同一賃金のお話されました。日本は、もう御承知のとおり、職務に限定したような働き方には、実際問題、雇用労務管理上なっていないわけでありまして、もちろん職務もありますけれども、能力、責任、さらには配置転換の範囲でありますとか、様々な要素を勘案して賃金が決められておるわけであります。
 そのような意味からいたしますと、雇用形態に応じての均等・均衡待遇というものはそのような観点も入れていかなければならぬわけでありますが、男女間の賃金格差、これに関しましては、今ポジティブアクション、つまり、そもそも管理職が多いか少ないかによってもかなり違ってくるわけでございますので、ポジティブアクション等々を企業等で導入をいただきながら、一方で、男女間の賃金格差解消のガイドライン、これをしっかりと周知をさせていただいておるわけであります。
 あわせて、パートタイム労働法、今国会で御議論をいただいて是非とも成立をさせていただきたいと思っておりますが、さらには、派遣法に関しましても、派遣先に対して賃金の配慮義務、こういうものも入れさせていただいておるわけであります。
 政労使会議で、非正規の方々に関しましても、やはりその意欲でありますとか能力に応じた処遇の改善、さらには、中小・小規模、こういう事業者に関しましては、経済の好転による企業の利益、この拡大に応じてしっかりと賃金の上昇ということもおっしゃっていただいておるわけでございまして、共通認識はそれぞれ政労使間の間において持たれてきておるということでございますので、是非とも賃金が上がっていくような方向で我々もしっかりと頑張ってまいりたいというふうに思っております。
○委員長(山崎力君) よろしいですね。
○又市征治君 指名がないのですが、いいですか。
○委員長(山崎力君) もう時間でございます。
○又市征治君 もう時間が来ましたので、あと本当は麻生大臣にしっかりと聞きたいことがあったんですが、残念ながら話をお聞きすることができませんでした。
 いずれにしても、今の話、中小零細企業へのやっぱり支援とか税制措置とか、そういうのを併せてやらないとなかなか格差是正というのは進まないと、そんなことを是非政府全体で挙げてやっていただくことを要請して、終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
○委員長(山崎力君) 以上で又市征治君の質疑は終了いたしました。(拍手)
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○委員長(山崎力君) 次に、平野達男君の質疑を行います。平野達男君。
○平野達男君 今日は、昨日に引き続きまして、火山と原発の今再稼働審査等々をやっておりますけれども、その関係についてお聞きをしたいと思います。
 今回、火山影響評価ガイドというのを作っております。これは大変いいことだと思います。この制定の背景と火山影響評価ガイドの中身を、田中委員長の方から御説明をいただいてよろしいでしょうか。資料一に基づいて説明をしていただければ有り難いというふうに思います。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 昨日も申し上げましたけれども、福島第一原子力発電所の反省を踏まえますと、まず様々な安全機能というのが全て失われるということを避けなければいけないということで、今回も、火山影響については十分な評価をして、万が一にも火山によってそういうことの起こらないようにということで、ガイドの作成に当たりました。
 この作成に当たりましては、外部有識者、具体的には東京大学地震研究所の中田節也教授ですね、火山の予知連の副会長をなさっています方を始め四人の有識者の方に意見を聞きながらそのガイドをまとめております。実際のガイドラインを作るときにも中田先生に来ていただいて、いろいろ御意見を伺いながら制定したものでございます。
○平野達男君 この一のフロー、概要の考え方について御説明いただけますか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) この基本フローでございますが、まず火山による影響というのは、立地そのものに影響を及ぼす事象と、それから火山灰のようなものが降った場合にどういった安全機能に影響するかという二点がございます。
 それで、立地に及ぼす影響につきましては、具体的には、昨日も火砕流というふうなことを申し上げましたけれども、幾つかございます。火砕物の密度流と申しまして、一種の火砕流も含みます。それから溶岩流、それから岩屑雪崩、それから地すべり、斜面崩壊、あるいは新しい火口ができる、それから地殻変動と、こういった五つの事象につきましては設計で対応することができないので、こういったことが可能性があるところについては立地そのものが適切でないということで、まさに新しい規制基準には合わないということになります。
 それからもう一つ、そういったこと以外に今度は、昨日も議論になりました火山灰等がかなり広範囲に降る場合があります。例えば、川内ですと、今事業者からは十五センチぐらい、今までの歴史を踏まえて過大に見て十五センチぐらいあるということが言われておりまして、これにつきましては、まず幾つかそれについて評価するところがありまして、まずその重さに耐えられるかとか、給水が大丈夫かとか、冷却するための空気の取り入れが大丈夫かとか、そういったことについて評価して、その適正を今評価している最中でございます。
○平野達男君 火山のことを考えた場合には、噴火の可能性ということをまず気になると思います。
 それで、昨日、藤井先生は、噴火予知についてはまだまだ技術的には未達成の部分が多いんだということですが、気象庁長官、噴火の可能性の予測ということについてはどのような気象庁としては見解を持っておるんでしょうか。短期、中期、長期という形でお願いいたします。
○政府参考人(羽鳥光彦君) まず、短期的な予測ということでございますが、これにつきましては、現在の火山噴火予知では、観測データから検知した異常データ、これに基づきましてマグマの動きを推定する、例えば山体が膨張しているのを観測して、マグマが貫入し、さらに噴火が近いというようなことを予測する、あるいは過去の噴火事例から噴火の発生を予測するということが火山によっては可能な時代に入ってございます。しかしながら、まだまだ経験則に基づく要は観測と、これまでの事実に基づく、経験則に基づく予測でございますので、これらについては更に科学的なレベルに発展させるように今研究者が鋭意取り組んでいるところでございます。
 一方、中長期的な予測、これにつきましては、例えば一年先、十年先、数十年先といった未来における具体的な噴火の時期や規模、さらには様式を前もって予測するということが中長期的な予測でございますが、これはもう現時点では技術的には困難でございます。現段階で研究段階ということでございますと、過去の噴火経歴やこれまでの経験等を踏まえましてどのような可能性があるかという噴火シナリオ、これはあくまでも類推でございますが、こういったものを調査するということが行われていると承知してございます。
 以上です。
○平野達男君 短期的にも難しい、だけど一生懸命やっている、だけど中長期的にはこれはなかなかできないということですね。
 ところが、この火山影響評価の基本フローでは、将来の活動可能性あるか、これを判断しろと言っているんです。それから、火砕流等々についても、この可能性はあるかというのを判断しろと言っているんです。
 田中委員長、これなぜ判断できますか。しかも、これ、発電所がこういうことをまず申請書として上げてくるんです、発電所というか、失礼しました、電力会社ですね。それから、規制庁がなぜこういうそれを審査できますか。お答えください。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 今気象庁の方からお答えがあったように、完全に今全てが予測できるという状況ではありませんけれども、今までの火山のいろんな歴史を踏まえながらそれを見ていくということと、それから今気象庁が活動性のある火山については観測網を充実させていると聞いています。そういったことを踏まえて、事業者がきちっと更にそれに加えるような判断をして、できるだけ速やかにその予兆を検知して対策を練るということを今求めています。
○平野達男君 委員長、評価ガイドに書いていることと違ったことを答弁しちゃ駄目ですよ。あなた技術者だから、ちゃんと技術の状況を見て答弁しなくちゃ駄目ですよ。この中で言っているのは、評価をしろと言っているんですよ。評価をした形で申請書を上げると言っているんですよ。電力会社にそういうことができるのか、規制庁がそういう判断ができるのか、それをお聞きしているんですよ。できるかできないかでお答えください。
○政府特別補佐人(田中俊一君) まず、基本的には事業者の方がそれを評価をしていただくということを私どもとしては求めておりまして、その妥当性について私どもとしては判断するということにしてあります。
○平野達男君 気象庁は、先ほど言ったように、中長期的にはそれはできないと言っているんですよ。
 電力会社は、じゃ、できるというのが田中委員長としての判断ですね。
○政府特別補佐人(田中俊一君) それは程度の問題だと思います。基本的に、こういった自然現象ですから一〇〇%できるできないということではないんですが、ある一定の期間についてはきちっとした観測網とかを利用してできるというふうに聞いております。
○平野達男君 田中委員長は火山の専門家じゃないですからあれですが、とてもこれじゃ審査なんかできませんよ。
 それからもう一つ、次の調査に進みますけれども、降灰の十五センチ、これどうやって審査するんですかね、影響評価は。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 仮に十五センチの降灰があった場合に、例えばそれに水分を含んだ場合の重さに対してそれが耐えられるかどうかというまず耐力の判断をします。それから、水とか空気の取り入れについては、フィルターを設けて入らないようにするとか、詰まった場合には速やかに取り替えられるようにするとか、そういうことをしています。それから、電源喪失も考えられますので、そういったことについては、基本的には一週間から十日は確実に維持できるような電源の確保を求めております。
○平野達男君 まず、十五センチというのは、昨日の議論にもあったと思いますけれども、文明社会というか、こういういろんなものが、機器が発展した社会では経験したことのない事項なんです。だから、内閣府は、この影響については、いろんな機器に対する影響、資料二見てください、これを至急検討しなくちゃならないと言っているんです。だけど、規制庁は、電力会社からそういうものを、申請書を出してもらって、検討できると言っているんですよ。政府間の中での全くの意思疎通ができていないんですよ。
 これ、田中委員長に言うのは申し訳ないんですけれども、そこのところの問題意識はきちっと持ってもらいたいと思うんですよ。それ、どう思いますか、委員長として。ここは委員長としては逃げられませんよ、この問題をしっかり直視するのは。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 内閣府の方の議論は詳細には私も把握しておりませんけれども、十五センチの降灰に対して我々が今審査をしているのは、原子力発電所に対する一つの、一般的な建物ではなくて、それの構造、機能をきちっと確保するという観点から見ております。
○平野達男君 ここに九州電力が出した影響評価があります。今言ったように原発のことしか見ていません。だけど、降灰が出たら全体の地域のことを見なくちゃなりません。
 それからもう一つ、機器に対する影響は、繰り返しますけれども、こういったものに対して十五センチとか厚い層があった場合の影響についてはまだ知見ができていないと言っているんですよ、内閣府は。そこに対しての問題意識を持ってもらいたいということなんです。どうですか。そもそも見ていないということ自体が問題だよ。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 内閣府が知見は持っていないというその中身が詳細に私は把握しておらないということを言っているわけです。
○平野達男君 これは予算委員会にちょっとお願いしますけれども、是非、規制庁長官、内閣府とよく話をして、何が問題かということを整理した上で、このガイドラインに対しての対処方針というのを予算委員会としてその方針を文書にして出してください。それを理事会でちょっと検討をお願いします。
○委員長(山崎力君) 後刻理事会で協議させていただきます。
○平野達男君 田中委員長を私は本当に尊敬しているんですけどね、火山で申し訳ないんですけど、想像し難いものを想像するというのが福島の原発の事故の最大の教訓じゃないですか。この火山については物すごい認識が甘い。評価ガイドの制定の仕方についても全く認識が甘い。十五センチの降灰が積もるということは大変なことなんですよ。そこに行けないかもしれないですよ、当日そんなことになったら。そういうことを想像力をたくましくしてやらなくちゃ駄目です。
 それから、今詰めているものと詰められていないもの、政府の中で明らかに検討の相違がある。このものはしっかり詰めてください。時間を余りそんなに置きたくありませんから急いで、あした、あさってとは言いません、しっかり検討してください。気象庁の意見も聞いてください。もう一度、そこの委員長のお答えだけお聞きしたいと思います。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 周囲の交通の遮断とかいろんな影響というのは我々も十分に考慮しておりまして、一日、数日の予兆ですと大体検知できるということでございますので、そういった予報が出た場合には、火山予知の情報が出た場合に、速やかに必要な人員とか資機材の確保をするということを求めております。
○平野達男君 まず、委員長、とにかく認識が甘過ぎる、そこは。よくもう一回、さっき言ったことで委員会で検討をお願いしたいと思います。これはまた後で、委員長、じかにやってもいいですよ、この問題は非常に重要な問題だから。そんな形で再稼働の認可の審査なんかされたら福島の原発の教訓生きませんよ。これだけ強く申し上げておきます。
 話は変わりますけれども、十和田火山、ぼんと飛びます、どういう火山でしょうか、気象庁長官。
○政府参考人(羽鳥光彦君) お答えいたします。
 十和田火山は約二十万年前から活動を開始してございまして、その中でも、一万五千年前の大規模噴火によって現在の十和田カルデラ、これが原形が形成されてございます。この十和田カルデラ形成の後でございますが、現在までに少なくとも八回の爆発的噴火が発生しており、最近の噴火では九一五年、延喜十四年でございますが、この噴火が我が国有史以降で最大規模の活動でございまして、火砕流や泥流が発生してございます。
 最近では、十和田付近では散発的な地震活動はございますが、火山活動については特段の変化はなく、噴火の兆候は認められていません。
 以上です。
○平野達男君 資料の三ページを見ていただきたいんですけれども、今気象庁長官から話がありましたが、過去二千年間で日本で一番大きな火山噴火が起きたのは実は十和田なんです。そして、ここにあるのはかつての保安院が作った資料なんですけれども、この点線の中で、火砕流が及ぶ可能性がある範囲として点線を引いています。可能性は非常に小さい、確率は小さいと思います。
 そこで、気象庁長官ですけれども、常時観測火山の中に十和田火山というのは入っていません。上には八甲田山があります。これは二つとも活火山です。これは本当、田中委員長に問題持ってもらいたいんですけれども、モニタリングするにしても何にしても、常時観測体制になっていないんです。この北東の方向に六ケ所村があります。それから、東通原子力発電所があります。そういう中で、この十和田の火山については、これは常時観測体制の火山に指定すべきではないかと思いますが、気象庁長官、ちょっとその見解だけお伺いしたいと思います。
○政府参考人(羽鳥光彦君) お答えいたします。
 十和田につきましては、仙台に火山監視・情報センターがございまして、大学等関係機関と連携して地震計やGPSでデータを収集し、火山活動の把握に努めてございます。例えば、最近でも散発的な地震活動というものがございまして、それにつきましては現在の観測体制でも十分検知でき、かつ火山活動に特段の異常はないというものを確認しています。
 しかしながら、十和田火山も含めていずれの火山におきましても、火山活動が仮に活発化した場合には、大学等関係機関と連携し、地震計や傾斜計、GPS、それらの観測機器を速やかにかつ機動的に設置する等して観測体制を強化したいと思います。当然、その際には二十四時間体制の監視を行いたいと考えてございます。
 以上でございます。
○平野達男君 まだまだいろいろ言いたいことはあるんですけれども、時間ですからやめます。ありがとうございました。
○委員長(山崎力君) 以上で平野達男君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 次回は明七日午後一時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後四時三十五分散会