第186回国会 予算委員会 第9号
平成二十六年三月七日(金曜日)
   午後一時五分開会
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   委員の異動
 三月六日
    辞任         補欠選任
     長沢 広明君    佐々木さやか君
     倉林 明子君     吉良よし子君
     又市 征治君     福島みずほ君
     平野 達男君     浜田 和幸君
 三月七日
    辞任         補欠選任
     森本 真治君     石橋 通宏君
     若松 謙維君     谷合 正明君
    渡辺美知太郎君     山田 太郎君
     中野 正志君     東   徹君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         山崎  力君
    理 事
                青木 一彦君
                宇都 隆史君
                大家 敏志君
                片山さつき君
               北川イッセイ君
                大塚 耕平君
                那谷屋正義君
                秋野 公造君
                中西 健治君
    委 員
                石井 正弘君
                猪口 邦子君
                大野 泰正君
                古賀友一郎君
                佐藤 正久君
                佐藤ゆかり君
                中西 祐介君
                二之湯 智君
                堀井  巌君
                丸川 珠代君
                三木  亨君
               三原じゅん子君
                三宅 伸吾君
                山下 雄平君
                山田 俊男君
                渡辺 猛之君
                石上 俊雄君
                石橋 通宏君
                大野 元裕君
                金子 洋一君
                田中 直紀君
                福山 哲郎君
                牧山ひろえ君
                安井美沙子君
               佐々木さやか君
                谷合 正明君
                新妻 秀規君
                松沢 成文君
                山田 太郎君
                吉良よし子君
                大門実紀史君
                東   徹君
                福島みずほ君
                浜田 和幸君
   国務大臣
       財務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        麻生 太郎君
       総務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(国家戦
       略特別区域、地
       方分権改革))  新藤 義孝君
       外務大臣     岸田 文雄君
       文部科学大臣   下村 博文君
       厚生労働大臣   田村 憲久君
       農林水産大臣   林  芳正君
       経済産業大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(原子力
       損害賠償支援機
       構))      茂木 敏充君
       国土交通大臣   太田 昭宏君
       環境大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(原子力
       防災))     石原 伸晃君
       防衛大臣     小野寺五典君
       国務大臣
       (内閣官房長官) 菅  義偉君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)
       (内閣府特命担
       当大臣(防災)
       )        古屋 圭司君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(消費者
       及び食品安全、
       少子化対策、男
       女共同参画))  森 まさこ君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(経済財
       政政策))    甘利  明君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(規制改
       革))      稲田 朋美君
   副大臣
       総務副大臣    上川 陽子君
       財務副大臣
       復興副大臣    愛知 治郎君
       環境副大臣    北川 知克君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官
       復興大臣政務官  福岡 資麿君
   政府特別補佐人
       内閣法制局長官  小松 一郎君
       公正取引委員会
       委員長      杉本 和行君
       原子力規制委員
       会委員長     田中 俊一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小野 亮治君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       山崎 和之君
       内閣官房内閣審
       議官       前田  哲君
       内閣官房内閣審
       議官       谷脇 康彦君
       内閣官房内閣審
       議官       北村 博文君
       内閣法制局総務
       主幹       高橋 康文君
       内閣府原子力災
       害対策担当室長  黒木 慶英君
       原子力委員会委
       員長       近藤 駿介君
       原子力委員会委
       員長代理     鈴木達治郎君
       外務省総合外交
       政策局軍縮不拡
       散・科学部長   北野  充君
       外務省国際法局
       長        石井 正文君
       経済産業大臣官
       房商務流通保安
       審議官      寺澤 達也君
       経済産業大臣官
       房審議官     中西 宏典君
       経済産業大臣官
       房審議官     後藤  収君
       経済産業省経済
       産業政策局長   菅原 郁郎君
       経済産業省商務
       情報政策局長   富田 健介君
       資源エネルギー
       庁電力・ガス事
       業部長      高橋 泰三君
       国土交通大臣官
       房官庁営繕部長  鈴木 千輝君
       国土交通省住宅
       局長       井上 俊之君
       観光庁長官    久保 成人君
       防衛省防衛政策
       局長       徳地 秀士君
   参考人
       東京電力株式会
       社代表執行役社
       長        廣瀬 直己君
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  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○平成二十六年度一般会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○平成二十六年度特別会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○平成二十六年度政府関係機関予算(内閣提出、
 衆議院送付)
    ─────────────
○委員長(山崎力君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成二十六年度総予算三案審査のため、本日の委員会に東京電力株式会社代表執行役社長廣瀬直己君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山崎力君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
○委員長(山崎力君) 平成二十六年度総予算三案に関する理事会決定事項について御報告いたします。
 本日及び来る十一日は、一般質疑を百二十一分行うこととし、各会派への割当て時間は、自由民主党十分、民主党・新緑風会四十八分、公明党十六分、みんなの党十五分、日本共産党十分、日本維新の会十分、社会民主党・護憲連合六分、新党改革・無所属の会六分とすること、質疑順位につきましてはお手元の質疑通告表のとおりでございます。
    ─────────────
○委員長(山崎力君) 平成二十六年度一般会計予算、平成二十六年度特別会計予算、平成二十六年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。
 これより質疑を行います。三宅伸吾君。
○三宅伸吾君 自由民主党の三宅伸吾でございます。
 本日は、麻生大臣を始め閣僚の皆様、そして政府参考人の皆様、答弁のためにお集まりくださいまして本当にありがとうございます。また、山崎委員長を始め予算委員会委員の各位におかれましては、貴重な質問の機会をいただき本当にありがとうございます。
 本日は、財政再建のための法人税改革と題しまして質問をさせていただきます。
 昨年の夏の参議院選挙の前に自由民主党は総合政策集を発表しております。その中に、法人税を国際標準に合わせて思い切って減税しますと書いてあります。ただ、残念なことがございまして、私の地元でございます、うどんだけじゃない香川県、こんぴら歌舞伎もございますし、オリーブを食べさせたオリーブ牛もございます。そして、三宅伸吾もおります。残念ながら、うどん県の中小企業の経営者の方に法人税率の引下げについて話をいたしますと、中小企業は赤字だから関係ないとよく言われるわけでございます。
 茂木経済産業大臣にお聞きします。
 法人税率を引き下げても中小企業には何の影響もないのでございましょうか。
○国務大臣(茂木敏充君) 当然、税率が変更になりますと、様々な形で企業には影響出てまいります。
 例えば、黒字法人、中小企業は赤字が多いと言われるんですが、七十一万社のうち資本金が一億円以下の中小企業、七十万社を占めているわけであります。また、国税庁の会社標本調査によりますと、法人税額全体で、約八・七兆円のうちその三分の一以上、三五%、三兆円につきましては中小企業が納めているものであります。
 また、中小企業、傾向として、赤字の次の年は黒字と、黒字になると次の年が赤字という形で、赤字と黒字を繰り返すという企業も多いわけでありまして、そういった企業を何年かのタームで見てみますと、法人税の引下げというものについて十分裨益をするものだと思っております。
 同時に、現在、安倍政権におきましては、中小企業・小規模事業者の黒字企業を倍増していく、こういう計画を持っているわけでありますから、そういった意味でも裨益をする企業増えてくるものだと考えております。
○三宅伸吾君 法人税の引下げは中小企業にも影響が大きいということだと思います。
 皆様御案内のように、日本の法人実効税率は表面上世界第二位でございます。一番重い課税を企業に課している国は米国のようでありますけれども、ただ、世界のIT産業を牽引しておりますアップル、グーグルなど米国の主要ネット関連企業を中心に、実際の支払ベースの納税額は二〇%前後であったり、場合によっては一〇%前後の企業もあるようでございます。
 そこで、経済産業省にお聞きします。
 実質法人課税負担率におきます我が国の位置付けをお知らせください。
○政府参考人(菅原郁郎君) お答え申し上げます。
 議員の配付資料のAは、これは経済産業省が二〇一〇年十一月に政府税調に提出させていただいた資料です。当時は法人税の五%引下げの適否について議論が行われていた際に提出したものでございますが、これは日経二二五やS&Pグローバル一二〇〇などに採用されている企業の損益計算書から会計上の利益に占める法人税額の割合を計算したものでございまして、分子の法人税額は政策減税による税額控除等を引いた後の数字でございます。この計算によりますと、この表にありますとおり、我が国企業の税負担は国際水準に比べて重いという結果になってございます。
 ただ、本試算は企業会計に基づく計算でございますため、会計上の利益と税務上の所得の差、会計と税務の一時的なずれなどに留意する必要があると思いますが、現在公表されているデータで国際比較をするに際しては、少なくとも表面税率による単純比較よりは実態をより反映したものになっているというふうに理解してございます。
○三宅伸吾君 ありがとうございます。
 細かなところはいろいろ議論があるようでございますけれども、実質の負担ベースで見ても日本の法人に対する課税は厳しいということでございます。企業に対して過酷な課税、つまり日本の企業が最も重たいセメント袋を背負って企業活動をしているということではないかと思います。
 このことにつきまして、麻生財務大臣の御感想をお聞かせください。
○国務大臣(麻生太郎君) これは、三宅先生おっしゃるように、日本の場合、地方と合わせた法人税率が、表面税率やいわゆる法人実効税率というもので見ますと、これは、先進国はもちろんのこと、アジア諸国と比較しても極めて高い水準にあるということはもう承知をいたしております。
 他方、この法人課税の負担というのは法人税のみではありませんで、租特とか含めていろいろありまして、課税ベースとの組合せで決まるものですから、その意味で政策減税等々の調整を行った後の実質的な負担を考慮する必要もあろうという具合に思います。
 その点で、今のマクロ的分析する手法としては、いわゆる法人税収の対GDP比で幾らかという計算がありますけれども、これを見ますと、日本が三・二に対してアメリカが三・四、イギリス三・一等々、日本だけが突出して高いというわけではないんだと思っております。
 また、御指摘の実質的な法人税負担率の国際比較というのを使っておられましたけれども、これは税金と調整前の当期利益で除したものを比較しておられるんだと思いますが、会計上の連結グループの中には、これは税率の低いところのものも含めまして子会社も含まれますので、必ずしも親法人のある国の負担率を表しているとは言えない、もうそれは御存じのとおりなので、受取配当が多かったり少なかったりするなど毎年の負担率が大きく変わるという可能性もこれは十分に考えられるところだと思いますので、いろいろなことを留意しなきゃいかぬとは思いますが、実質的負担の比較を行うものとしては、これはちょっと適当じゃないとは思います。
 しかし、いずれにしても、今後この法人課税の改正というか改革に当たって、これは政府税制調査会において、これは専門的な観点から、御指摘の国際的な比較というものも含めて、これはどのような法人課税が一体適切なんですかというのを考えないと、これは各国、BEPSじゃありませんけれども、法人税引下げ競争になり得るということに、なるというのはこれは各国避けないかぬということにもなろうと思いますので、いろんなことを考えて、この政府税制調査会において、実効税率という以外に、全体として、税として、法人税の在り方等々について検討をするということを政府税調に依頼をしているところであります。
○三宅伸吾君 法人税率の引下げ競争は良くないというのは私も分かりますけれども、現実には、国際協調をしましょうと言いながら各国はどんどん引き下げていって、日本は一周遅れで引き下げていないという指摘もあろうかと思います。いずれにしましても、日本の企業が国際的に見て高い水準の重い課税を受けているというのはほぼ間違いないと思います。こういった状況が日本企業に、日本経済にどのような影響を与えているのか、茂木大臣にコメントをいただきたいと思います。
○国務大臣(茂木敏充君) 財務省と経産省若しくは麻生大臣と私の間で決して激しいバトルがあるわけではありませんで、これからあるべき日本経済や、そこに向けての税の在り方、しっかり議論していくテーマだと思っておりまして、そこの中で、法人の実効税率の在り方、経済がグローバル化しているわけですから、なかなか日本だけ全く違った制度、こういうことにはいかないんだろうと、こういう基本認識が必要だと思っております。
 これまで日本経済、内需が低迷をする、また過度の円高ということで、立地競争力、かなり低下をしておりました。さらに、今、製造業の設備の老朽化ということでありまして、これまで海外に工場を持っていっても、マザー工場、中心になるマザー工場は日本にあったんですが、それが古くなってマザー工場ではなくてグランドマザー工場になっていると、こんな話も聞かれるところでありますけれども、まさにその最先端の工場が海外の方に移転する、こういった事態が本格化することはどうしても避けなければならないと、そんなふうに考えております。国内での生産活動の活性化、雇用にもつながります。そしてまた、基幹となる機能であったりとか技術、これが国内に残るということが大切でありまして、そういった意味からも、法人税や為替への対応といったこと、極めて重要だと思っております。
 同時に、自民党は、世界でやはり企業が一番活動しやすい国というときに、単に日本の企業だけではなくて海外の優れた技術を持っている企業、そういった企業も日本に投資をしてくる、日本で活躍する、そういったことも想定をいたしておりまして、こういった事業環境の整備というものは海外からの企業の呼び込みにもつながるものだと考えているところであります。
 そういった観点も含めて、今後、法人実効税率の引下げの議論、早急に重要課題として取り組む必要があると思っております。単年度でどうするということよりも、今後の大きな見通し、このことを示すことが企業の経営判断にとっても大きなプラスになると、そのように考えております。
○三宅伸吾君 財政赤字の下で法人課税改革を考える際の重要な視点と申しますか、視座を取り上げてみたいと思います。
 私は、巨額の財政赤字を抱える日本において、法人課税改革に当たっての最も重要なポイントは中長期のトータルの税収の極大化策だと考えます。単年度の法人税収の極大化ではありません。法人税、所得税、消費税といった税の総収入が中長期のスパンで最大となり、財政赤字がこれ以上肥大化しないような法人税制改革が必要だと考えるわけであります。
 このような視点から、甘利明経済財政担当大臣にお聞きします。日本の法人実効税率がもし一〇〇%の場合、日本経済はどうなりましょうか。また、法人実効税率が〇%の場合、日本経済はどうなると思われますでしょうか。
○国務大臣(甘利明君) 経済のエキスパート、三宅議員から質問を受けるということで、ゆうべは緊張して八時間ぐらいしか眠れませんでしたけど。
 一〇〇%と〇%と、両極端から一番適切なところを探すというアプローチだと思いますけれども、経済というのは法人税だけじゃないですから一概にこうだという決め付けはできないんですけれども、一般論として申し上げますと、法人実効税率が一〇〇%となるとどういうことが起きるかというと、企業活動は成り立たなくなるわけでありまして、経済が立ち行かなくなるということになるんだと思います。一方で、じゃ、その逆に法人実効税率がゼロとなりますと、企業活動は確かに活発化して経済にプラスの影響を及ぼす可能性もあります。しかし、税収減から財政状況に悪影響を及ぼすという可能性も強くなると思います。
 いずれにいたしましても、法人実効税率の在り方につきましては、現在、総理の指示を踏まえて、諮問会議におきましてデフレ脱却、経済再生と財政再建の双方を実現する観点から景気動向と法人税収の関係について分析をしているところでありまして、その結果を踏まえまして、政府税調等とも綿密な連携を取りながら議論を進めてまいりたいと思っております。
○三宅伸吾君 麻生財務大臣に関連でお聞きいたします。
 法人実効税率が一〇〇%そして〇%、それぞれの場合、法人税収並びに所得税や消費税収はどのようになりますでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) これは一概にお答えすることは困難なんですが、税率の変更によって企業行動がどのように変化するかというところは様々なケースが考えられるんだと思っておりますが、その上であえて申し上げれば、一〇〇%の場合には、国内で企業活動を行うインセンティブというのは失われると思いますので、当然のこととして、企業は海外移転ということなどによって、法人税収というものはこれは大幅に減少することが考えられます。また、所得、消費の各税収につきましても、これは企業活動の減退に伴って大きくこっちも影響を受けることになるんだと思います。
 逆に、法人実効税率が〇%だったらというお話ですが、これは支払うべき法人税額というものがゼロということになりますんで、当然、法人税収というものはゼロということになります。その場合は、仮に企業が増加した利益を活用して設備投資や雇用を拡大して、所得や消費の増加というものを通じてその他の税収が増加する可能性というのは、これは決してないわけじゃないと思います。
 だから、こうした企業行動が起こらなければ実体経済への影響というのは極めて限られるということになるんだと思いますんで、減税分が企業内に今の昨今のように三百兆も何百兆も留保されちゃったり、より税金がとか、いろんな理由で海外に出ていっちゃうとかいうことも考えられますので、所得税収、消費税収が、実際ゼロの場合、一〇〇%の場合、どのようになるかということを予測するのは極めて困難ではなかろうかと思っております。
○三宅伸吾君 各国の事例を見てみますと、例えば法人税の分野だけを見た場合、法人実効税率を引き下げた場合でも、経済成長や課税ベースの拡大によって税収が増加する事例が現実にございます。もちろん、こうした税率引下げによる法人税の増収という現象が日本で必ず起きるとは断言できないと思います。また、今大臣おっしゃられましたように、法人税収の動向だけでなく、その他所得税、消費税といった税の総収入が中長期のスパンで最大となるようにすべきだと私は思っておりまして、財政赤字がこれ以上肥大化しないような法人税改革が必要だと改めて申し上げます。
 以上のような観点から、私、最近、法人実効税率の議論を見ておりまして気に掛かることがございます。中長期的に全体としての税収が最大となる法人実効税率が望ましいと考えた場合、どれぐらいの水準の法人実効税率や支払ベースでの法人の納税額がこの目的達成のために好ましいのか、政府はきちんとシミュレーション、研究をしているのかということであります。中長期のトータルの税収極大化という目的のために、今の実効税率がひょっとしたら低過ぎるのかもしれませんし、逆に高過ぎて、現状を維持しますと日本経済がじり貧となり、更にトータルの税収が落ち込むということがあり得るかもしれません。
 そこで、麻生財務大臣にお聞きします。このようなシミュレーションを財務省は過去になさっているのか、お聞かせください。
 また、甘利経済財政政策担当大臣にも、優秀なエコノミストを多数抱えておられますので、同一の質問をさせていただきます。
○国務大臣(麻生太郎君) 税収全体が最大となる法人実効税率の在り方について、そういうシミュレーションをしたことがあるかという御質問なんだと思っておりますが、そういう前提条件でシミュレーションを行ったことはございません。
 それで、過去の各税目の税収実績の経緯というのを見ますと、これは法人税につきましては、バブル経済の終盤以降、税収は総じて低下傾向にありますが、こうした税収動向の背景としては、これは法人税率の引下げのみならず、これは景気の低迷といった経済情勢の要因とか、また研究開発・設備投資減税等々いろいろ、平成十五年度の実施以降、これは制度改正というものもあって、これは結構大きく減ってきておると思っております。
 また、所得税につきましては、これは同じくバブル崩壊以降、減税とか利子所得、それから土地の譲渡所得もあります、と思いますが、そういった税収の落ち込みなどによって税収はピーク時の約半分まで減少して、二十六兆円が今十四兆円ぐらいまでになっていると思っております。
 最後に、消費税ですけれども、これは平成元年のときの税率三%導入されて以降、大体三から六%というのを、ずっと平均なんですが、平成九年度に税率が五%に引き上げられて以降は九から十兆円台というものをずっと維持しておりますので、景気変動の影響を大きく受けることなく安定的に推移しているということは確かだと思っております。
 いろいろな要因によって税収というのは変動いたしますけれども、因果関係も余りはっきりしていないということから、御指摘のように、税収全体が結果として最大となるようにということで法人実効税率の水準を導き出すというのは、その方向からのアプローチは極めて難しいのではないかと思っております。
○国務大臣(甘利明君) 確かに、法人税だけじゃなくて、所得税とか消費税とかいろんな税があって、それをどう最適組合せをすると税収が一番増えるかというのは、もしそれができたら面白いアプローチだと思います。ただ、これは相当複雑な連立方程式になるし、一体その連立方程式ができるのかどうかもちょっとよく分かりません。
 内閣においては、そういったシミュレーションというのを行っていないんですけれども、近々諮問会議におきまして民間議員より、景気動向と法人税収の関係、これについては分析結果を報告をいただくことになっておりまして、それを踏まえまして法人実効税率の在り方について更に検討を進めていきたいと思っています。
○三宅伸吾君 私は、異次元の金融緩和、二年前に誰も現在のような状況を想定していなかったわけでございます。多くの学者が、大規模な金融緩和はとんでもないと言った人もいたわけでございますけれども、今はどこかへ行ってしまいまして、拍手をしている方が多いように私は認識をいたしております。是非、シミュレーションの結果が私は全てだとは思いませんけれども、トライしてみる価値は十分あろうかと思いますので、是非やっていただきたいと思います。
 近年、日本企業が香港、シンガポールなどに地域の統括会社を設立しております。東南アジア諸国の現地工場で生産した商品をシンガポールの統括会社が買い上げて、全世界に輸出しているわけでございます。最近の税制改正によって、日本の親会社に配当を始めたアジアにある子会社も増えているようではありますけれども、現地での利益は東南アジアの地域統括会社にプールして課税の重い日本には持ち込まない企業もまだ多いようでございます。
 ある大手企業の経営者が言っておりました。もし日本の法人実効税率が二〇%に下がれば、シンガポールの税率、今一七でございますけれども、シンガポールの税率よりはまだ若干高いけれども、日本の親会社経由の商流としまして、日本に利益を落として納税するようになるだろうと言う経営者もいるわけでございます。
 また、法人実効税率を三五%から二〇%に引き下げますとどのように株価が動くのか試算をしてみました。株価を税引き後利益で割った値を株価収益率と申しますけれども、これから単純試算をしますと、株価は二三%上昇する可能性があるわけであります。資産効果によって消費が拡大し、消費税収が拡大することも見込まれるわけでございます。
 本年一月二十二日のダボス会議の席上、世界に対し安倍総理は、本年更なる法人税改革に着手しますと述べられたわけでございます。
 私は、繰り返しになりますけれども、法人税改革に当たって最も大事な視点は二つでございます。まず第一点でございます。賃上げも大事ですけれども、まずは日本企業の海外脱出、空洞化によって雇用が日本から減らないようにすること、また対日投資が膨らんで雇用が拡大するようにすること、これがまず第一でございます。もう一つの視点は、単年度の法人税収の維持、レベニュー・ニュートラルと呼ぶそうでございますけれども、そうではなく、所得税、消費税を含む税収トータルの長期の増加に資するように法人税制改革をすることであると考えております。
 稼ぐ企業が日本で職場を維持拡大し、給与所得を生み出し、海外の企業が日本に投資意欲を燃やすような環境づくりが求められております。二〇二〇年に向けまして、世界がいま一度日本に期待し、注目をしてくれております。日本を取り戻す、法人税改革の行方がまさにジャパン・イズ・バックが本物になるかどうかの試金石だと私は思っております。この機を逃してはなりません。麻生大臣の双肩と英断に日本の将来が懸かっていると思っているわけでございます。
 法人税率の高低と税収の拡大、どちらが大事なのかを含めまして、交際費の損金算入の拡大という英断を決断をされた麻生大臣に、財政再建のための法人税改革についていま一度お考えをお聞かせください。
○国務大臣(麻生太郎君) 先生、なかなか難しいところで、日本の場合はGDPが五百に対して借入金が千という異常な形になっておるというこの現実をこのまま放置しておいて国債発行が続けられるか。確かに、世界中の中で、国債を発行しております国の中で、自国通貨だけでやってそれを賄っている国は、アメリカ、イギリス、スイスだけかな、多分日本を入れて四か国しかないと思います、あとは全て外国、EU含めましてみんな外資を使っていると思いますんで、その意味では日本の場合は他国とはちょっと条件が全く違っておりますんで、ギリシャみたいになるとかいって訳の分からぬことを言った人もおられましたけれども、全然そういうことの分かっておられぬ方なんだと思って悲しく聞いていましたけれども。
 そういうような事態ではなっていないんですが、日本全体として、これはおかげさまで活力が出てくるところまで、日本を取り戻すというのは日本の活力を取り戻すということですから、そこまでは今来つつあると思っておりますんで、それが更にやる気になる部分のために、経済成長させるために、これはもうGDPの三要素のうちの政府支出というのはまずは先頭を切らなくちゃということでここまでスタートしておりますけれども、この後、いわゆる民間の設備投資とか消費とかいうものが付いてきて初めてGDPが大きくなりますんで、そういうところに行かせるまでの間、これは競争なんですが、その間、財政支出だけしてあとは全然駄目じゃないかということになりますと、これはいきなり国債売り浴びせられるということになると一挙にこれは計画が破綻をいたしますんで、そこのバランスを取りながらやっていかねばならぬところが私どもの一番つらいところでして、どれくらいのものをするかというのが最も悩ましいところですけれども、御期待に添えるように全力で頑張ります。
○三宅伸吾君 ありがとうございました。以上で終わります。
○委員長(山崎力君) 以上で三宅伸吾君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(山崎力君) 次に、谷合正明君の質疑を行います。谷合正明君。
○谷合正明君 公明党の谷合正明です。
 参議院では、故山本孝史議員の遺志を受け継ぎまして、当時の厚生労働委員会の理事を中心に超党派の自殺対策を推進するための有志の会が設立をされました。昨年秋、衆参全議員に呼びかける形で自殺対策を推進する議員の会が発足をされました。その折、安倍総理にも対策の一層の推進を申入れを行ったところでございます。
 今、資料を配付させていただいているところでありますが、我が国の自殺は、一九九八年以降、年間三万人の自殺を数えておりました。一昨年、十五年ぶりに年間三万人を下回ったところであります。二〇〇九年から四年連続して減少しており、二〇〇六年、自殺対策基本法ができて対策を進めてきたことの効果がようやく表れてまいりました。
 しかし、中高年以降の世代の自殺率が減少傾向にある中で、若年世代の自殺率は高止まりしたままであります。一昨年から少し減少しておりますが、それでも自殺が急増した九八年と比べて二〇%近く高いままでございます。資料にもありますが、二十代、三十代における死因の第一位が自殺であります。そしてまた、諸外国と比べましても我が国の若年世代の自殺率は突出して高いというのが統計的にも表れております。
 極めて深刻な問題と捉えまして、安倍政権におきましては国を挙げてこの問題について優先的に取り組むべきであると考えますが、まずこの若者自殺の高止まりの原因と、この現状に対する受け止め方を厚生労働大臣並びに文部科学大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(田村憲久君) 委員おっしゃられますとおり、自殺でありますが、平成十年から大幅に増えて、最近の傾向は全体では三万を切って減ってきておるわけでありますが、二十代に限りますと、平成九年、つまりその増大する前と比べても、今、更に増えておる傾向があるわけであります。
 社会のいろんな状況の変化というものはあるんだというふうには思いますが、とにかく社会全体でこれは総合的な対策を組んで、自殺というもの、特に若い人たちの自殺というものを防いでいかなければならぬわけでございまして、厚生労働省といたしましてもそちらの方向にしっかりと力を注いでまいりたい、このように考えております。
○国務大臣(下村博文君) 御指摘のように、十代の若者自殺率は近年増加傾向にありまして、児童生徒の自殺について依然として大変に憂慮すべき深刻な事態だと考えます。児童生徒が自ら命を絶つということは、理由のいかんを問わず決してあってはならないことであり、自殺予防に向けた取組は教育上の大変重要な課題であるというふうに思います。
 文科省では、児童生徒の自殺を防止するため、これまで教員向けのマニュアルや、学校、教育委員会等が行う個別の自殺事案に係る背景調査の指針や実態調査の実施に関する通知の発出、また、教育委員会担当者や校長などの管理職等に対する地域別の研修会の実施などの取組を行ってまいりました。
 現在、有識者会議におきまして、児童生徒に対する自殺予防教育の在り方や背景調査の指針の見直しについて検討を進めているところでありまして、児童生徒の自殺予防に資する取組を更に強めてまいりたいと思います。
○谷合正明君 今文部科学大臣から取組についても言及をしていただきました。
 そこで確認ですが、文部科学省のこの児童生徒の自殺数の統計データと、それから警察庁が発表するこの統計データに数字の乖離がございます。平成二十四年度の文科省で児童生徒の自殺数は百九十六人、一方、警察庁では平成二十四年で三百三十六人と、百人以上の開きがございます。この乖離がある理由とこのギャップについての認識について、大臣の見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 乖離の理由でありますが、内閣府・警察庁の統計は、警察が検視や事情聴取の結果を集計しているのに対し、文部科学省調査では、学校が遺族からの報告等により確認できた結果の報告を集計したものであるということで、両調査の件数が異なるという数字になっているわけでございます。
 文科省としては、学校や教育委員会等を通じまして、児童生徒の自殺の実態をより把握していくことが重要であると考えております。このため、昨年実施した調査から、警察等の関係機関と連携し、警察により自殺と判断されたものを把握した場合は自殺として計上するなど、可能な限り客観的な事実に基づき記入するよう留意事項を示すとともに、警察庁等の都道府県別の小中高校生の自殺者数のデータ供給を受け、各都道府県教育委員会にそれを情報提供し、調査の参考とするなどの取組を行い始めたところでございます。
 引き続き、警察等の関係機関と連携して、できるだけ実態把握できるように努めてまいりたいと思います。
○谷合正明君 対策となる基礎が統計データだと思いますので、違いがある理由は分かりますけれども、余りにもギャップがあるということが問題だと思っております。
 それに関連しますけれども、先ほど背景調査の件について有識者会議で今議論されているということでありました。この背景調査におきましては、いじめを起因としない自殺についてもしっかり背景調査を徹底すべきであると、私もそう思っておりますが、大臣としてもそういう考えであるということでよろしいでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 御指摘のように、子供の自殺予防対策を充実させるためには、自殺の背景となった可能性のある事実関係に関して、いじめの問題に限らず、全体的な傾向を把握することが必要であるというふうに考えております。
 このため、平成二十三年六月より、児童生徒の自殺事案等について、亡くなった児童生徒の個人の状況や置かれていた状況、環境を学校で把握することができた情報を基に回答するよう求める調査を実施しておりまして、できる限り多くのデータを収集するよう努め始めたところでございます。
 また、平成二十三年三月に作成した子どもの自殺が起きたときの調査の指針について、現在、各自治体における運用状況等を踏まえ必要な見直しを行っているところでありますが、この指針の中でも、自殺が起こってしまった際に学校が必ず行うべき調査の内容等を含めて検討を重ねておりまして、できるだけ早く結論を得たいと考えております。
○谷合正明君 続きまして、自殺の未遂者の方に、伺いたいと思います。
 自殺未遂者が再び自殺を試みる可能性というのは、自殺未遂者以外の者と比べて著しく高いというのがもう統計的に明らかであります。特に、それは若年の女性において傾向が高いわけであります。
 そこを踏まえまして、厚生労働省といたしましてもしっかりとその未遂者対策をすべきではないかと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(田村憲久君) 自殺未遂歴のある方の自殺者というのは割合が多いという話でございました。全体で見ますと、男性が一五%、女性は三〇%でありますが、男性は若くてもそれほど平均と変わらないわけでありますけれども、女性は男性と比べて高いという部分と、さらに、今言われた若い女性、二十代の女性は更に四五%ぐらい、このような数字が出ておりますから、非常に高い数字が出てきております。
 やはり、救急搬送等々をされたときの精神科医療というものが、これが重要であるわけでありまして、救急医療、精神科医療に従事される方々に関して、自殺未遂された方々に対してのいろんなケアをする、そんな研修をしっかりやったりでありますとか、それから、救命救急センターに精神科医の診療、こういう体制をしっかりと整えている場合には財政的な支援をさせていただいているところであります。
 いずれにいたしましても、救急搬送時にしっかりと精神科の診療ができるように、そういう体制を整えていき、自殺の予防、これがしっかり整えられるようにこれからも努力をしてまいりたい、このように考えております。
○谷合正明君 間もなく東日本大震災の発災から三年を迎えます。阪神・淡路大震災では、この発災三年で自殺のいわゆるリスクが高まったと言われております。
 そこで、今、被災地における震災関連の自殺の数と、また対応について福岡政務官にお伺いしたいと思います。
○大臣政務官(福岡資麿君) 委員御指摘のとおり、東日本大震災に関連する自殺の把握は平成二十三年六月から実施をいたしておりますが、自殺者は、平成二十三年の六月から十二月までが五十五人、平成二十四年が二十四人、平成二十五年が三十八人、平成二十六年一月が、これ一月のみですが四名となっております。一昨年減少した自殺者が昨年増加をしたということは、極めて憂慮すべき事態だというふうに感じております。
 政府が定めた自殺総合対策大綱においては、当面の重点施策として、大規模災害における被災者の心のケア、生活再建等の推進が盛り込まれており、関係省庁においてはその大綱に基づく取組を実施をしております。
 内閣府におきましても、復興庁及び被災三県に東日本大震災に関連する自殺の状況を伝えつつ、地域自殺対策緊急強化基金というものがございますが、これを通じまして被災地の取組を支援しているところでございまして、基金事業を通じて取組をより一層強化してまいりたいと考えております。
○谷合正明君 政務官、三県別にデータというのは分かるんでしょうか。
○大臣政務官(福岡資麿君) お答え申し上げます。
 岩手県、平成二十三年十七名、平成二十四年八名、平成二十五年四名、平成二十六年は一月のみですが、これはゼロ名というふうに承知しています。宮城県、平成二十三年二十二名、二十四年三名、二十五年十名、二十六年一名ということです。福島県におきましては、平成二十三年十名、二十四年十三名、二十五年二十三名、二十六年三名というふうになっております。
○谷合正明君 今聞いて明らかになりましたけれども、やはり福島県の数というのが心配でございます。ここはしっかりと対応していただきたいと思っております。また、別の視点では、名取市というところでは、私が承知しているところ、自殺者というのが今のところゼロであるということで、そうした好事例もしっかりと周知、シェアしていくように要請したいと思います。
 ところで、厚生労働省の研究班の調査で、被災三県で子供たちの三割弱がPTSDを抱えているというデータが出たところでございます。改めまして子供の心のケアというのが極めて大事だと思います。この対応について、改めて大臣、対応を聞きたいと思います。
○国務大臣(田村憲久君) 被災地の子供たちでありますけれども、近親者を亡くされたお子さんが多いわけでありまして、喪失体験をされる中においてやっぱりストレスが非常にあられるということで、心のケアが大変重要であります。
 従来より児童精神科医によります巡回相談等々も行ってきたわけでありますし、また、なかなか福島の子供たちは外に出れないというような状況もございましたので、そのような意味で、大型遊具、これを設置いたしました。これは安心こども基金から使ったわけでありますが。それに加えて、二十六年度からでありますけれども、やはり親を亡くされたお子さんに関しましては相談援助をしっかりやっていく。これは、体もそうでありますし心もそうであります。
 あわせて、仮設住宅のお子さん方が安心できるそういう環境づくり、これも進めていかなきゃなりませんし、大型遊具も、今までは福島だけでしたけれども、ほかの県にもこれを広げていこうという取組、さらには、避難所で生活されております子供をお持ちの家庭に関しまして、やはり生活でありますとかそれから育児、こういうものの支援、さらには、専門機関、こういうものに対してしっかりとつないでいけるような、そんな情報提供も含めて対応していくというようなことを含めて、この被災地の子供たち、大変心が傷ついておられます、対応をしてまいってきておる次第で、また二十六年度はそういうような形で対応してまいりたい、このように考えております。
○谷合正明君 特に、子供たちと接する時間の長い学校の先生方、この先生方の役割というのは非常に大きいと思うんですけれども、今、逆にその先生方がストレスを抱えていわゆる心のケアが必要ではないかというふうに指摘もあるわけでありますが、この点について、文部科学大臣、この心のケアの対応について、子供たちのみならず、それに対応する先生や教員たちへの対応というのはどうなっているんでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 学校教育は教員と児童生徒との人格的な触れ合いを通じて行われるものであり、教員が心身共に健康を維持して教育に携わるということは極めて重要でありますが、平成二十四年度においては精神疾患による病気休職者数が四千九百六十名という大変高い水準にありまして、御指摘のように、教員のメンタルヘルス対策の充実、推進を図ることがこれは喫緊の課題であるというふうに思います。
 文科省としては、教員本人のセルフケアや管理職等のラインによるケアなどの予防的取組、それから試し出勤等の再発を防止するための復職支援に係る取組などを通じまして、教員のメンタルヘルス対策の充実、推進について一層積極的に取り組むよう各教育委員会に対して指導しているところでございます。
 特に、被災地の教員の心のケアについては、平成二十三年十一月に被災三県の教育委員会等に対して副大臣通知を発出いたしまして、休暇取得の促進や、頑張り過ぎている先生が結構いるわけですね、休んでほしいと、心のケアに対する配慮等を通じた教員のメンタルヘルス保持に向けた一層の取組をお願いをするとともに、緊急スクールカウンセラー等派遣事業について教員のカウンセリング等にも活用してほしいと、子供たちだけでなく教員の活用もしてほしいということを求めたところでございまして、今後とも教員のメンタルヘルス対策については一層充実、推進してまいりたいと思います。
○谷合正明君 やはり、発災三年たちます、特に被災地に対する自殺対策であるとか心のケアというのはしっかりやっていただきたいと思いますし、また全国的にも、若年の自殺対応についても、これは国家を挙げて、国を挙げて、総力を挙げて取り組むべきであると改めて申し上げたいと思います。
 次に、話題が変わりますが、CLTについて、林業、農林業についてお伺いしたいと思います。
 先日、都内で、将来の、二〇三〇年の家というコンセプトである住宅展示会がありまして、これは産官学連携してやったわけでありますが、その住宅の多くが木造住宅でありまして、しかもその木造住宅に使われているのが国産CLTでありまして、まさに将来を見越して大学や産業界がこのCLTに着目しているということが私は非常に印象的でございました。
 そこで、このCLT、クロス・ラミネーティッド・ティンバーですけれども、この利点は何か、耐震性や耐火性について大丈夫なのか、また普及への鍵は何かということについて、林農林水産大臣にこの普及拡大に向けての決意を併せてお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) 今委員から、クロス・ラミネーティッド・ティンバー、都内の展示会でしょうか、使われていると、心強くお聞かせいただきましたが、直交集成板といって、集成材を縦横に張り合わせることによって強度を出すと、こういうものでございまして、断熱性、耐火性、また強度共に優れておるとされております。ヨーロッパでは九階建ての集合住宅、商業施設にも構造材としても使われている、こういうことでございまして、コンクリートと比較して重量が軽くなるということで、基礎工事が非常に簡単であるということ、それから加工してから現場に搬入することができるということで、建物の完成までの期間が短縮されるということで非常にメリットがあると、こう言われております。
 もちろん、木材の新たな需要の創出を通じて林業の成長産業化につながるということで、CLTの品質等の基準を定めたJAS規格をまず昨年十二月に制定いたしました。建築関係の一般的な基準の策定に必要となる強度のデータの収集、どれぐらい負荷を掛けたら最後は折れてしまうかと、そこまでは大丈夫だと、こういうデータですね、それからCLTを用いた建築物を実証する取組、こういうものに対して支援を行っておるところでございます。
 国交省と密接に連携をして、早期に実用化して林業の成長産業化につなげていきたいと、こういうふうに思っております。
○谷合正明君 是非、大臣におかれましては、私行ったところでありますが、岡山県真庭の方にもお越しいただいて、CLTのその現場も見ていただきたいと思っております。
 ところで、二〇一〇年に施行されました公共建築物木材利用促進法でありますけれども、これは国が整備する低層建築物は原則木造化するということでありますが、実績はどうなっているんでしょうか。
○政府参考人(鈴木千輝君) 国が整備した低層建築物の実績についてお尋ねでございますが、三階建て以下の建築物としてお答えさせていただきます。
 平成二十三年度に国が整備した低層建築物の総数は五百六棟となっております。このうち木造化されたものは三十一棟となっております。同様に、二十四年度につきましては、総数で四百六十二棟、そのうち木造化されたものは四十二棟となっております。
○谷合正明君 やはり低迷しているわけでございます。やはりここは木造を国産材活用するために積極的にやっていただきたいわけでありますが。
 そこで、これから、二〇二〇年に東京オリンピック・パラリンピックがございます。これはいろいろなところから提案もあるところなんでありますが、是非この施設について可能な限り、森林大国日本であります、その日本の首都で、東京で木が見えるアピールをしていただきたいと。バンクーバー・オリンピックでは、今日配付資料にありますけれども、施設そのものが木造で造ったということで大変そのメッセージ性があふれるものだったわけであります。東京オリンピック・パラリンピックの担当大臣であります下村文部科学大臣にその点についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 二〇二〇年オリンピック・パラリンピック東京大会の主要施設の整備に木材を利用することは、国内外の多くの方に対して、木と触れ合い、木の良さを実感する機会を幅広く提供し、木材の特性や木材の利用の促進についての理解を醸成する効果を図るいいタイミングでもあるのではないかと思います。
 また、このことにより、木材の利用を拡大し、地球温暖化の防止、環境型社会の形成、森林の有する国土の保全など多面的機能の発揮、山村など地域の経済の活性化にも貢献するものと考えます。
 今後整備される各施設については、建築に要する費用、整備される設備の性格や利用形態など様々な要件を考慮しつつ検討されることになります。東京都では、選手村のオリンピックビレッジプラザの設計には日本の伝統的な建築様式を取り入れ、木材を使用する予定というふうに聞いております。国立競技場においても内装は木材を活用するというふうになっておりますし、東京都が整備するその他の施設についても法律の趣旨に基づき木材の利用が図られるよう、より連携して推進してまいりたいと思います。
○谷合正明君 是非、ほかにもいろいろなところで工夫があると思うんですね。在外公館で一層国産材を使っていくという取組もあります。
 森林についての質問をさせていただきますが、森林、里山、両者一体ということで、この里山について更に触れさせていただきたいと思います。
 今、やはり鳥獣害被害に大変苦しんでおります。いよいよ環境省も従来のこの保護から管理へということで方針転換をされたところでございます。やはり、当面過剰な個体数を適正なレベルに抑えていくということは大事であります。鹿、イノシシは十年間で半減するという目標があります。この目標は結構でありますが、やはりネックとなるのはその対策でありまして、特に狩猟ができる担い手ですね、わな、銃、これができる、取扱いができる者が三十五年連続で、銃の狩猟者でありますが減少しております。特に高齢化していると。若い世代で狩猟ができる人を育成しないとこの目標というのは絶対到達できないと私は思いますが、まず北川環境副大臣にこの点についてお伺いしたいと思います。
○副大臣(北川知克君) ただいま委員の方から御指摘の鳥獣捕獲の担い手の減少、また高齢化との御心配の中での御質問でありました。
 確かに鳥獣捕獲の主たる担い手である狩猟者の数というものは年々減少傾向でありまして、昭和四十五年に約五十三万人であったものが、この四十年間の間に六割減少をしてきております。平成二十三年には約二十万人となったところであり、また、狩猟者に占める六十歳以上の割合、これも六割を超えておりまして高齢化が進展しているという現実があるわけでありまして、まさに委員御指摘のとおりであります。そして、生態系や農林水産業への鳥獣被害が深刻化している中で、これらの被害の防止のためには鳥獣捕獲の担い手の育成が極めて重要な課題であると認識をいたしております。
 環境省におきましても、鳥獣被害の現状や鳥獣の捕獲が社会的意義を有することについて国民への普及啓発を行うとともに、農林水産省等の関係機関とも連携しつつ狩猟免許取得促進のためのイベントの取組などを行っているところであり、このうち狩猟の魅力を発信するフォーラムにおきましては来場者の六割以上が四十歳までの若い世代であるなど、狩猟に対する若い人たちの関心が高まってきているのかなとも感じておりますが、しかし、今後、鳥獣の捕獲等の一層の促進とその担い手の育成に向けまして、まず、鳥獣の捕獲等を行う事業者が、その安全管理体制や従事者の技能、知識に関し一定の基準に適合していることについて都道府県知事の認定を受けることができる制度の創設や、そして網猟とわな猟の免許の取得年齢の引下げ、二十歳から十八歳というような、このようなものを含む鳥獣保護法の改正案を今国会に提出をすべく、現在検討を行っているところであります。
○谷合正明君 実は、捕獲した鹿やイノシシというのは、これは食肉の利用ということでジビエということで利用するところが増えてまいりましたけれども、ただ、その利用は、捕獲した鹿、イノシシのうちの全国平均で二%程度でございます。このジビエをこれから振興していくということを考えますと、ネックになりますのは、牛や豚というのは、いわゆる家畜の場合はと畜場法の対象となっていて、その衛生管理の全国的な基準があるわけでありますが、野生動物におきますと全国統一の衛生管理のガイドラインみたいなものはないわけでありまして、各県によってガイドラインを自主的に作って対応しているということでございます。
 しかしながら、ジビエを将来的に六次産業化等で振興していこうということであれば、消費者に信頼して、また信用して受け入れてもらうためにも、私は、厚生労働省において全国統一の衛生管理のガイドラインの基準作りというのを今後作っていくべきであるというふうに考えますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(田村憲久君) 私も以前林業をやっておりましたので、獣害、これ大変な課題であります。
 今、県において野生動物をジビエという形で食用にしていくというような動きがあるわけでありますが、食用に供する肉というものは、今委員がおっしゃられましたとおり、屠殺から解体、流通、そして販売と、これ一連でやはり衛生管理というものをしっかりやっていかなければならぬわけであります。
 食品衛生法にのっとって、やはり許可された施設で、これは野生動物といえどもそこで処理をしなきゃいけないわけでありますけれども、一方で、野生生物、動物の場合は、なかなか、屠畜、屠殺自体、屋外で行うわけでございますので、独自のといいますか、衛生管理をしなきゃならぬということでございまして、盛んな一部の都道府県では、今おっしゃられましたみたいに、独自のでありますけれども衛生管理に関するガイドライン、こういうものをお作りでございます。
 そこで、厚生労働省といたしましても、厚生科学研究におきまして、野生動物の病原微生物、これの汚染実態調査、こういうものをやっておりまして、この結果をしっかりと我々は踏まえた上で野生動物の衛生管理に関するガイドラインというものを作ってまいりたい、その上でしっかりと安全対策を進めてまいりたい、このように考えております。
○谷合正明君 今大臣の方から前向きな答弁もございました。
 そこで、農林水産大臣にお伺いしますけれども、地域で持続可能なジビエを振興していくためには、やはり川上から川下までというんでしょうか、捕獲から販売までの連携した取組というのが必要なんですけれども、やはり農林水産省といたしましてもこうした地域の動きを後押ししていく必要があろうかと思っております。
 ジビエは、鳥獣害対策で捕獲という入口に対して食べるという出口とも言われておりまして、国を挙げて今後積極的な個体数調整に取り組むわけでありますが、これ野生動物の捕獲後も考えていかなきゃいけないと思っております。そのうちの一助になるかもしれませんこのジビエ振興について、改めて農林水産大臣の決意を伺いたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) まさに御指摘のように、鳥獣被害対策の一つとしても捕獲鳥獣の食肉をジビエに利用していくことは大変重要だと考えておりますし、たまたま、先々週か先週か、都内で毎日ではないんですが提供していらっしゃる、名前がしゃれていて、エゾシカフェというんですけど、そこへ行ってエゾシカをいただいてきましたけれども、そういう例を増やしていかなきゃいけないと思っておりますし、最近は、長野県の鹿肉を活用して、これJR東日本なんですが、猟友会が捕獲した鹿を地元の食品メーカー、社会福祉法人が加工、製造を行って、信州ジビエ鹿肉バーガーということで秋葉原や大宮などの首都圏の駅で期間限定で売ると、こういう工夫もしていらっしゃると。
 いろんな事例が出てきておりますので、我が省としても、鳥獣被害防止総合対策交付金というのがございます、ここで捕獲鳥獣の食肉処理加工施設の整備、販売面、この強化を目指す取組を支援をすると。それからもう一つは、狩猟者、加工事業者、販売事業者などの関係者が、今まさに委員がおっしゃっていただいたように、連携をしながら、先ほどのバーガーのようなジビエ商品の開発、販路開拓、いわゆる六次産業化の取組について、これは六次産業化の支援対策として、この御審議いただいている予算の中では二十六億八千万ほど概算決定しておりますが、こういうような事業を活用して、まさに捕獲した鳥獣を地域の資源として捉えて、実需者の方々が求める形で供給、販売を戦略的に取り組んでいくと、これを支援することによってジビエの振興努めてまいりたいと思っております。
○谷合正明君 どうもありがとうございます。
 質問をいたしませんが、そのほかにも大臣に、農福連携ということもこれからしっかりと推進もしていただきたいと思っております。
 最後の話題になりますけれども、NPDI、広島でこの四月に核兵器を持たない十二か国から成る軍縮・不拡散イニシアチブの国際会合が開かれるわけでございます。今年二〇一四年は実は、核廃絶、核を減らしていくという意味では、核のない世界を目指していくという意味では二〇一四年というのは非常に重要な年になっております。この広島外相会合もそうでありますし、NPTの準備会合もございます。また、来年には広島で、今、広島市が軍縮会合をということで呼びかけも行っているところでありますが、改めてこの核廃絶、軍縮・不拡散について我が国の強力な世界を巻き込んだ取組というのが必要ではないかと思っているわけであります。
 先般、メキシコにおきまして核兵器の非人道性に関する会合がございました。この会合では日本からも代表団は送ったわけでありますが、この会合でメキシコが宣言をするわけでありますが、この宣言について、まず外務大臣がどのように評価をされているのかということを端的にお伺いしたいと思っております。
○国務大臣(岸田文雄君) 二月の十三日と十四日行われましたメキシコでのこの核兵器の人道的影響に関する会議、この会議は、核兵器の非人道性に関して科学的見地から専門家が知見を深めると、こういった意味で大変重要な機会であったと認識をしております。また、その会議で発出された議長総括ですが、核兵器のない世界の実現という目標については我が国としましても共有をしております。その中で、この議長総括では法的拘束力のある規範作りを志向するという考え方が示されました。この点につきましては、拡大抑止政策を含む安全保障政策と両立する形で段階的に核軍縮を進めるという、この我が国のアプローチとの整合性につきまして検討すべき論点はあると認識をしております。
 いずれにしましても、我が国としましては、この核兵器のない世界、こういった大きな目標に向けて、現実的かつ実践的な取組、これを着実に重ねていきたいと考えております。
○谷合正明君 外務大臣の方からは、法的拘束力のある規範作りということについては検討していかなければならないと、斬新的な核のない世界を目指していくためには、あっ、漸進的なそのアプローチのためには検討しなければならないというこれまでの日本政府の立場が表明されたわけでございます。
 そこで、今、この非人道性の議論でありますが、核廃絶をしっかりもっともっと前に進めようという急進的なグループと、もう一つはどちらかというと漸進的にやっていこうじゃないかというグループに、場合によっては二つに二極化されてきているのではないかという議論もあるわけでありますね。この非人道性の議論というのが実はこの分断を促進させるものであってはいけないのでありまして、是非、この非人道性というテーマが、急進的なグループと漸進的なグループ、これをしっかり橋渡しするような役割になっていかなきゃならないと。
 昨年、実は我が国は、国際会合の中で、ニュージーランドが主体となった決議、それからオーストラリアが主体となった決議、核のない世界を目指すという意味で、非人道性のその決議について両方に署名した。それは唯一、両方署名した国は唯一日本であるということなんですね。
 そういうことで、実はこの広島外相会合で日本がどういう宣言をリードしていくのかということが非常に注目を浴びているわけでございます。改めて、広島の出身の大臣であります岸田大臣に広島外相会合における大臣の決意というものをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) 我が国は唯一の戦争被爆国として、核兵器使用の悲惨さを最もよく知る国として、核兵器のない世界に向けて国際社会をリードしていく道義的責務を負っていると考えております。
 御指摘のように、我が国が昨年十月の国連総会第一委員会においてニュージーランドとそしてオーストラリア、それぞれが主導した核兵器の人道的結末に関するこの二つの共同ステートメント、共に参加したのもこれもまた一つの我が国の姿勢を示す表れであると思っております。
 今年の四月十一日と十二日、第八回NPDI外相会合を開催いたします。被爆地で開催されるということで、まずはNPDIメンバー国の外相に集まっていただき、被爆の実相に触れていただくと同時に、核兵器のない世界に向けた政治的意思を発信する、こうした貴重な機会になると考えております。
 その際に、今、非人道性に対する認識について御指摘がありましたが、そもそもこの非人道性に関する認識というのは、現実、国際社会には核兵器を保有する国、また核兵器を保有しない国、様々な立場の国がありますが、こうした様々な国々の存在する国際社会を結束させる触媒にこうした非人道性に対する認識がなるという考え方があります。是非、こうした非人道的側面に対する考慮ですとか認識、これをもうしっかりと議論を深めていくことによりまして、こうした国際世論をしっかりリードしていく、こうした道筋をつくっていきたいと考えております。
 NPDI外相会談第八回目の会合におきましては、その直後に、二〇一五年のNPT運用検討会議、この最後の三回目の準備委員会が予定されております。この三回目の準備委員会の委員長、モレイ委員長も広島にお招きをしております。是非、NPDI外相会談においてしっかりとNPT運用検討会議準備委員会に有益な提言ができるように、しっかり努力をしていきたいと考えています。
○谷合正明君 メキシコでの国際会議の成果を受けまして、我が国としまして、今後、核保有国とまた拡大抑止に依存する国々を巻き込む議論を是非我が国が主体的にやっていただきたい、このことを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
○委員長(山崎力君) 以上で谷合正明君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(山崎力君) 次に、田中直紀君の質疑を行います。田中直紀君。
○田中直紀君 民主党の田中直紀でございます。
 私は、去る二月十八日に、参議院の原子力問題特別委員会の委員派遣で福島第一原発へ視察を行ってまいりました。二度と原発の事故を起こしてはならない、そのためには政治の責任は重大であるという認識を深めたところでございます。
 まず、浜岡原発四号の安全審査について原子力規制委員長にお伺いをいたします。
 中部電力は、浜岡原発の再稼働に向け、四号機の安全審査を原子力規制委員会に申請をいたしました。最も危険な原発と言われております。原子力規制委員会としては申請を受理すべきではないというふうに私は思っておりますが、委員長、御見解をお伺いいたします。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 電力事業者から提出されました申請について審査するということは、原子力規制委員会規制庁に課せられたいわゆる法的な義務でありますので、まずそれを受理するということについてはお断りするということはできません。
 中部電力浜岡原子力発電所四号機については、平成二十六年二月十四日に設置変更許可申請等が行われ、その後、先月二十七日の審査会合において、概要説明を受けた後、私どもとしていろいろ問題点について指摘して、今その検討を行っていただいているところでございます。
○田中直紀君 資料一を見ていただきたいと思います。拒否できないと、こういうお話でありますが、私は役割からいって、そして資料一を見ていただきますと、三十年間に震度六弱以上の揺れに見舞われる確率の分布ということで、防災科学技術研究所、これは政府が出しておる資料であります。これを右の方の申請と合わせますと、日本で最も危険な浜岡原発ですよ。それを規制委員会という使命の中で考えてみていただきたいと思いますが、これは受理すべきではないと思いますが、いかがですか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 大きな地震とか津波というのは全国各地で度々起こるわけですけれども、そういったことを想定されるからといって、事業者が申請を行わないように求めるという法的な根拠が私どもは持っておりませんので、事業者の申請を止めるということはできないことになっています。
 しかし、浜岡原子力発電所についていえば、先生御指摘のように、南海トラフによる大きな地震や津波が発生するということも予測されておりますので、そういった状況が起こった場合の発電所に対する影響、そういったことについては認識しておりまして、新しい規制基準では、そういった想定を踏まえた上で厳格に審査をしていくということにしたいと考えております。
○田中直紀君 法的なといいますか、消極的なそういう姿勢での委員会というのは求められてないと思うんですね。これは我が国の原発事故というものをなくそうというこの国の方針であるわけでありますから、その辺、個人的な見解でも結構でありますが、これをやめたいんだけれども法的にやめられないと、こういうことになりますかね。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 先生の御指摘でございますけれども、個人的な意見を今ここで私が申し上げる立場にはありませんので。
 まず、全ての申請があった原子力発電所につきましては、その適合性がきちっとしているかどうか、もちろんその審査の基準については、再三申し上げていますけれども、世界最高レベルの基準を設けて、特に我が国においては地震とか津波とか自然災害が厳しいということを踏まえて、いろんな観点からそういった厳しい基準を作っておりますので、それに適合するかどうかをきちっと厳格に見ていきたいと、そういうふうに考えております。
○田中直紀君 これは政府が出している地震の予測で参考にしなきゃいけないわけですね。明日にでも地震があるかもしれない、今、審査している間でも。
 政府の対応を伺うわけでありますが、海抜二十二メーターの防波壁建設を総額三千億円をつぎ込んでこれからやろうということでありますけれども、国土交通大臣、この件はどういうふうに関わっているんですか。
○国務大臣(太田昭宏君) ちょっと質問を再度、意味がちょっと分かりませんでしたので。申し訳ありません。
○田中直紀君 浜岡原発、海岸線です。ここが防波壁を三百億で今建設を始めると。
 これ、委員長の方で示唆したんですか、この計画については、審査のために。委員長、どうなんですか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 事業者が福島第一原子力発電所の事故を踏まえて様々な安全対策を取っているというのは承知しておりますけれども、現在、そういったものは、浜岡に限らずいろんな防波堤の建設等は進んでいますけれども、これについて私どもは今のところ関与はしておりません。
 ただし、そういった施設が今後の審査の中できちっと新しい基準に適合しているかどうかということは、もちろん高さ、津波ですと高さも含めて、強度も含めまして審査をしていくということになっております。
○田中直紀君 誰が許可したかということです。
○国務大臣(太田昭宏君) これは、全国的に防潮堤の基準あるいは防波堤の基準というのは、中央防災会議が全国の海岸について津波予想に基づいてL1対応、L2対応ということで基準を示しております。L1対応というのは、五十年以上、そして百数十年に一回の津波予想というものについてL1対応ということでございまして、そのL1対応の基準を中央防災会議が示していると。そして、その高さというのは基本的には海岸管理者である県が決め、そしてまた原発そのものについてはその設置者が決めるということでございます。
○田中直紀君 静岡の知事は反対だと、こう言っているんで、この問題は知事にも聞いてみますけれども、しかし、国土交通大臣については、津波防災地域づくり法というのができていますね。ですから、全国やはり相談に乗って、この問題についてはどういう見解が出されたか、伺いたいと思います。
○国務大臣(太田昭宏君) 津波防災地域づくり法ということが一昨年、その前の年ですね、十二月に成立をしまして、各地域においてどのように防災対策を展開するかということを決めたものでございます。あわせてまた、それは基本的には県とか地域が、市町村が決めていくということで、どういう町づくりをしていくかということを決めたのが津波防災地域づくり法でございます。
 また、昨年に、議員立法でありましたけれども、南海トラフの地震に対する対応が法案としてまとまりまして成立をさせていただきまして、現在、その法律に基づいてどのような対応をするかということを総合的に各県、各市町村で決めているというのが現状でございます。
○田中直紀君 国土交通大臣が指導しておられると思うんですが、これは、こういう津波が来まして、原発は残ったけれども周辺の方は対策が遅れると、こういうことになりかねないですよね。その辺の整合性はどうなのか。それで、二十六年度の予算は、この海岸線はどうなっているんでしょうか。今度、原発だけどんどん進んで、これ津波が来た場合には周辺の市町村はみんなお手上げになるわけですが、どうなんですか。
○国務大臣(太田昭宏君) 今申し上げたような仕組みでそれぞれの防潮堤あるいは防波堤の高さを決めているということでございまして、そこは連携を取るといいますか、地域によって高さが違ったりいろいろいたします。それについては、県がそれぞれの地域について高さを決めるという仕組みになっているところでございます。
○田中直紀君 非常に整合性が国として取られていない、しかし原発はこういう計画をしていると、こういうことでありますから、これからどういう国として防潮堤を許可するか、認めるかと、こういうことについて引き続き御検討をお願いいたしたいと思います。
 東電の社長さんにお出かけいただいておりますが、資料五の方をちょっと見ていただきたいと思います。
 昨年から、大変、レベル3の事故もありました、トラブルもありました。十一の事故、トラブルがリストアップされておりますが、ヒューマンエラーのトラブルというのはこのうち幾つあるんでしょうか。
○参考人(廣瀬直己君) 資料五、先生のお作りいただいた資料でございますけれども、もちろんそれぞれに原因がございます。私どもは、しっかり管理をすることによって、ハードの面でのトラブルについてもバックアップをして人間系で解消するというのもございますし、それから、人間系が原因となったというのもございますけれども、それを機械系でしっかりバックアップすると、そういうような仕組みになっているというふうに考えております。
○田中直紀君 後で質問はいたしますが、柏崎刈羽原発ももうこれは既に防潮堤を造っちゃっているんですよね。どのぐらいの費用か後で伺いますが、ヒューマンエラーを非常に福島原発の事故の中にあってもありながら、確かに、規制委員長にお伺いいたしますが、安全面ということをいろいろ言われますが、こういうヒューマンエラーというものもあるわけですね。そういう中においてこの浜岡原発を動かす、そういうふうな防潮堤を造るといっても、本当にヒューマンエラーを対応できるかという問題もあるんですが、規制委員会としてはどういうふうに取り扱っていますか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 私ども、これも常々申し上げていることですけれども、規制基準に適合したから安全、絶対安全であるというようなことではなくて、安全を守る第一義的な責任は事業者にあると。もちろん、その中には安全文化、そこには人的な質、それからいろんな手順書、それから経営者の考え方、そういったことを含めて全て安全を第一とするような文化をつくっていただくということが大事だということですので、御指摘のようにヒューマンエラーが度々起こるようなことでは大変困りますので、そういうことのないように私どもとしても規制とは別に求めていきたいというふうに考えています。
○田中直紀君 この浜岡原発については早めに停止をしていく、何か方針を出していただくということが大事ではないかと思っています。
 公正取引委員会の方にお出かけいただいてありがとうございます。
 公正取引委員会の方では、独占の私企業といいますか、特に電力あるいはガス、そしてまた鉄道、最近はJRの北海道の事故もありましたが、この独占というような中からやはり非常に不合理なものが出てきているわけですね。
 これは直接関係はないと思いますが、東電の新事業計画というのは、柏崎刈羽を再稼働する、七月に、これ、できなきゃ今度は値上げしますよというような、これはやはり地域を独占していなければできない計画ですね。そういうことにつきまして、公取については、具体的じゃなくて、これから電力、そしてまた鉄道、ガスと、こういうものについてどういうふうに指導されるか、お伺いしたいと思います。
○政府特別補佐人(杉本和行君) お答えさせていただきたいと思います。
 私ども公正取引委員会の任務というのは、公正かつ自由な競争を確保するということでございます。そうした観点から、公益事業分野におきましても競争環境を整備し新規参入を促進するという観点から、これまで電力市場等の規制分野について累次の調査、提言を行ってきているところでございます。
 去る平成二十四年九月にも報告書を公表しておりまして、その報告書におきましては、電力市場において、自由化後十年以上経た時点におきましても、新電力のシェアは依然として小さいほか、一般電気事業者の供給区域を超えた供給による競争もほとんど起きていないという状況であることから、電力市場において有効な競争が行われていない旨指摘しておりまして、競争上の観点からの対応について提言をしたところでございます。
 その上で、今般の一連の電力システム改革の方策が講ぜられることとなっておりますが、こうした方策にはこの報告書の考え方の多くも取り込まれているものと考えておりまして、私どもといたしましては、今後とも、電力市場の状況を見守りまして、電力市場において一層有効な競争が行われるよう注視してまいりたいと考えております。
○田中直紀君 引き続きよろしくお願いをいたしたいと思います。
 東電の社長に伺いますが、資料の五の中に、福島民報が、二月八日付けの新聞によりますと、昨年八月に判明したタンクからの約三百トンの汚染水が漏えいしたケースがありましたが、濃度の実態より低い値で公表された疑いがあると、こういうことを報道しております。
 レベル3というのが、これは濃度測定のこれが違った場合にはもっと大きな事故だと、トラブルだったと、こういうふうなことで規制委員会も調査をしておるというんですが、これは事実ですか。
○参考人(廣瀬直己君) お答え申し上げます。
 先生の御指摘は、先生のお配りになった資料五の上の段の一番下、八月十九日の件かと存じます。
 これは、三百トンが漏えいしたという計算をしております。これにつきましては、もちろんその時点でどのぐらいの放射線量があったかということを計算しておりますし、それから、御指摘のありましたように幾つかの例で過小評価をしているというケースが見られました。これは仕組み上、少しちょっと複雑な御説明が必要になりますけれども、これは、高い線量がある汚染水に関してはそうしたことが起こり得るということでございまして、本来であれば、その部分を薄めて計器に掛け、その後、その薄めた分を倍をするという形で正確な数字を求めるという仕組みになっておりました。
 もとより、最初に汚染されている物質の汚染度合いをある程度作業員が、検査員が想定をして、この水ならば、例えば百倍に薄めて検査器に掛けようと、そういうようなことをやるわけですけれども、そこに一定の我々の持っている基準をあらかじめ設定、セットしておきませんで、それぞれの力量といいますか、それぞれの経験に基づいてそうした検査をしていたことから、濃い濃度の汚染水に関しては、そうしたその実際よりも測定値が少なくなるというケースが判明いたしました。それを受けまして、原因はもう分かっておりますので、今この三百トンについても見直しをいたしているところでございます。
○田中直紀君 結局、値が違ったということで、レベル3が、もっとその事故が高かったというようなこともあり得るわけでありますから、真剣に、やはり世界が我が国の原発事故を注視しているわけでありますから、早く、そして規制委員会の方もそのレベルについては見直しをしてもらうと、こういうことでお願いをしたいと思います。
 TPP交渉についてお伺いをいたします。
 資料のこれは六でありますが、TPP交渉につきましては、二〇一一年一月二十四日に、TPPに関する各国の協議、外務省、財務省、農林水産省、経済産業省で三つのことを、スタンスを決めているわけであります。この中には、P4の延長、あるいは二国間のFTAの内容が延長になると、こういうことでありますが、今政府でどういう方針でこのTPP交渉に臨んでおられるんですか。この内容というのは踏襲されているということですか。
○国務大臣(甘利明君) まず、体制としては閣僚会議、関係閣僚会議がございます。その下にTPPの政府対策本部を置いて、本部長が私でありますが、私の下で一元的に各省調整を行っています。
 TPPに入るに当たっては日米首脳会談を行いました。これはTPPの、別に座長がアメリカというわけではありませんけれども、一番大きい経済主体でありますから、そこと話をすると。TPPの前提等を確認をいたしまして、その上で入ったわけであります。
 TPP自身は日本が入る前の九か国の時代に、二〇一一年十一月でしたか、ホノルル宣言があります。その宣言は各分野にわたって高い野心のものにするという前提がありますから、それに従って我が国も対応していくということであります。
○田中直紀君 いや、その経過は分かりますが、政府としてこの二〇一一年一月二十四日のこの協議の前提というのは踏襲されているんですか、それとも変更されて、変更しているんでしたら提示してください。
○国務大臣(甘利明君) 基本的にTPP、EPAとかFTAを結んでいく方針というのはありますけれども、TPPはもちろんその姿勢の下にTPPなりの水準、ルールがありますから、それに向かって我が国も努力をしていくということは、当然TPPに入るに従って要請されることであります。
○田中直紀君 そうすると、まあ、ほぼ踏襲しているということになりますと、P4協定というのの中に物品貿易というのがございますね。これの内容は何でしょうか。
○国務大臣(甘利明君) TPPの言ってみれば、チャーターメンバーというんですか、一番基になっているメンバーの国であります。そこでは、物品に関しては一〇〇%に向けて自由化を進めていくというふうな認識だというふうに思っております。
○田中直紀君 昨年の十二月からアメリカと二国間やっておられましたけれども、その十二月の末に全米商工会議所のファザリー上級部長が日経でインタビュー受けておりますが、日本は猶予期間の交渉をしなさいと、TPP関税撤廃は例外は認めませんよと。このP4から来て、重要品目、十から十五年は許容範囲なんだと。時間は許容範囲だけれども、ゼロに向かっていくことは、これはもう当たり前のことなんだと、こういうふうに言っているんで、これは間違いないわけですね。
○国務大臣(甘利明君) P4の関係者がそう言っているということと、しかし、TPPが全く同義語というわけではないというふうに理解をいたしております。それゆえに、TPPに入りますときにわざわざ日米の首脳会談をやったわけであります。
 その首脳会談では、聖域なき関税撤廃が前提であるならば日本は入りませんということで、協議をした末、前提ではないけれども、しかしそれは交渉の中で結果として出てくるものだ、つまりそれぞれが言わば勝ち取るものであるということであったわけです。
 そこで、我々としては、衆参農水委員会の決議であるとか党公約を踏まえて、それと整合性が取れるように今必死に交渉しているところであります。
○田中直紀君 いや、御努力は評価しますが、何回かやっても開きがあるわけですね。どこにあるかというと、このP4のまず第三章の物品貿易に関してですよ。
 第三条第四項において、ほかに規定がある場合を除き全て、発効と同時に締約国の原産品に対する全ての関税を撤廃すると、こういうふうにうたっているわけですね。これの延長線で来ているわけですね。アメリカも、皆さんそういうふうに言っているわけです。そこで溝が埋まるんですか。
○国務大臣(甘利明君) 必ずしもそうではないと思うんです。
 それは、P4のメンバー、ですからニュージーランド、シンガポール、ブルネイ、チリですね、このメンバーは会議の中で一〇〇%を目指すんだという主張はされるわけでありますけれども、しかし、私が前回のシンガポール会合で申し上げたのは、ホノルル宣言というのはできるだけ高い野心を目指すと、その目指す努力は各国は責務を負いますよと。しかし、それはどこにかかっているかというと、市場アクセスというと、市場アクセスには物品と物品以外のアクセスがあります。その市場にどうやってアクセスできるかという自由度でありますから。それにも高い野心はかかっていますねと。
 それから、ルールだって、二十一世紀型の通商交渉と言う以上は新たなルールというのがあります。例えば、電子商取引なんというのは新しい商形態です。そこにルールを持ち込むと、そこもできるだけ自由化を目指すと。つまり、できるだけ高い野心というのは多方面にかかっているはずですよということを申し上げました。これは最低限私は共有されたと思います。
 ですから、今までの会合を通し、この間のシンガポールでは若干ニュアンスが違ってきた、ニュアンスが違ってきたというかニュアンスが正しい方向、ホノルル宣言の正しい方向に向かっているというふうに理解しています。
○田中直紀君 東電社長、それから規制委員会委員長、御退席いただいて結構でございます。(発言する者あり)
○委員長(山崎力君) それでは、今申し上げましたとおり、東電廣瀬社長、それから田中規制委員会委員長、御退席いただいて結構でございます。
○田中直紀君 大臣にはちょっとお付き合いいただきたいと思います。
 私は、非常に御努力されていると思うんですが、去年の十二月が正念場だったと思うんですよね。それ以降に韓国がTPPに参加をいたします。韓国から来られているようですが、これどれぐらいの自由化率ですか、韓国とアメリカは。韓国とアメリカは、自由化率は。
○国務大臣(甘利明君) 米韓FTAでいいますと、米国側の対韓国側に対する自由化率九九・二%、韓国側が九八・二%。米韓だけでいいですか。
○田中直紀君 はい。
 ですから、今、まずは関税ゼロですね、だけど何とかしてくれということで入ったわけでありますが、私は十二月が非常に山場だったと思うんですね。これは、韓国がもう入りますよということになりますと、今九八・二%ですか、これはやっぱりほかの国々との話が出るから、それは最低限になりますね。
 そして、豪州は、今度韓国とやりましたが、何%ですか。
○国務大臣(甘利明君) 豪韓、豪州と韓国でありますが、オーストラリア側から韓国側へは一〇〇%です。韓国側からオーストラリア側には九〇・八%です。
 先ほど、米韓FTAが基準になると。別にこれがTPPの基準になるわけではありません。韓国はまだ入るかどうかの意思表示もしていません。関心は示していますけれども、まだ意思表示はしていません。
○田中直紀君 いや、今来ているようですから、意思表示したかどうかというのはまた確認していただきたいと思いますが。
 豪州と韓国がほぼ一〇〇%なんですね。それで、豪州がメンバーですから。どうなんですか、その数字、日本は受けられるんですか。
○国務大臣(甘利明君) 二国間FTA、豪州は確かにもうTPPに入っています。韓国はまだ入っていませんし、正式に表明もしていません。情報収集の段階だということだそうであります。でありますから、別にその韓国の数字がTPPを拘束することはありません。
 あくまでも聖域、センシティビティー、それぞれセンシティビティーがあると。アメリカにだってあると。それを踏まえて、ただし、それは交渉の過程でどうなっていくか。結果としてセンシティビティーがどういう形になるかということだということは確認してあるわけですね。
 だからこそ、今私は交渉担当大臣としてタフな交渉をしている最中なんであります。それは、衆参農水委員会、国会がお決めになった、それとの整合性をどこまで取れるかということの今努力をしているところであります。
○田中直紀君 なかなか難しくなっているということなんですが。
 それで、最初のところに入るんですが、このTPP交渉のスタンスというのはどういうふうに政府は考えておるかと。これ、条文の基礎となるのはP4協定及び二国間FTAとなる可能性が非常に強いということで、FTAはどんどん決まっていきますから、その範囲内でどんどん決まっていくことじゃないんですか。
○国務大臣(甘利明君) P4がTPPの基になっていることは確かです。しかし、P4の取決めじゃなくて、TPPの基本になるのはホノルル宣言が基本になると。これは先般の大臣会合でも確認をされています。ホノルル宣言の解釈の仕方なんです。私は、ホノルル宣言は、読んでみる限り、これは物品の市場アクセスの野心をできるだけ高くする、それは読めるけれども、それだけじゃなくて、物品以外の市場アクセスにもかかっている言葉であるし、ルールにもかかっている言葉じゃないかということを強く主張いたしました。それは最低限は共有されている会議だったと思います、前回が。
○田中直紀君 いや、交渉努力は期待いたしますが。
 オーストラリアでは、もう最高五五〇%を超す農産品などの関税は段階的に削減されるようになったよと、韓国とはというんですね。最終的には九九・八%の関税が撤廃されると、こういうことになっていますから、ここまでは譲歩せざるを得ない。しかし、期間を長くするかと、こういうことしかないんで、私は十二月の努力は評価しますが、これ以上なかなか努力しても本当に詰まっていくかと。これは努力を期待をいたすところでございます。
 それで、済みません、石原大臣、結構です。どうもありがとうございました。
○委員長(山崎力君) 大臣は原則いていただくことになっております。
○田中直紀君 あっ、いていただく。済みません。
 二月十七日に発表されました昨年十―十二月のGDPが一・〇%と、こういう大変低い数字でありました。政府が予定をいたしました二・六%成長というのはこれはもうほぼ難しいと、麻生大臣、そういうことの認識でよろしいんですか。
○国務大臣(甘利明君) 経済財政担当としてお答えいたします。
 御指摘のとおり、なかなかハードルは正直高いと思います。しかし、今から諦めてしまってはというか、これはもう後で出てくる結果でありますけれども、しっかり期待をして見守りたいというふうに思っております。
○田中直紀君 アベノミクスも陰りが出てきたと、こういう局面ではないかと思っておりますし、この一―三月というのはどの程度の数字になりそうですか。
○国務大臣(甘利明君) 一―三の数字は、少なくともその前期比、十―十二よりは良くなると思います。ただ、まだどういう数字が出るかは出てみないと軽々なことは言えません。
 しかし、先生御指摘のとおり、年率で実質二・六を達成するためにはかなりいい数字が出ないと厳しいということは御指摘のとおりだと思います。
○田中直紀君 確かに、かなりいい数字が出ないとということなんですね。首都圏のマンションというのは、もう去年の九月がピークですから、どんどん落ちてきています、太田大臣は分かると思いますが。それから、何といっても個人消費で、二人以上の勤労者世帯の消費支出が、勤労者の消費支出が非常に、昨年十月以降どんどんマイナスになっていると。今、好循環と言われておりますけれども、なかなかサラリーマンの可処分所得が増えないと、こういう状況に立ち至っているわけでありますが。
 誤算だったのは輸出が伸びていないということなんですが、Jカーブというのはどんな動きになるんでしょうか。
○国務大臣(甘利明君) Jカーブ効果は、円安になると、まず真っ先にダイレクトに輸入品が押し寄せてくると、金額ベースで増えてくると。そして、輸出に効果が現れるのはタイムラグを置くということから、次第に後で上がってきて、輸入増を輸出増が取り返すということでありますけれども、今のところその効果がずれ込んでいると思います。
 その理由はいろいろなことが考えられるわけでありますけれども、一つには輸入と輸出の外貨建ての比率が違うということもありますし、あるいは輸出事業者が本当は現地輸出先での価格を下げて数量を増やせるはずが価格を下げないで利益を確保している動きがあるとか、あるいはその生産拠点、自動車と並んで家電というのは二本柱なんですけれども、もう既に家電の生産拠点が外へ出ているから意外と円安の恩恵は受けないということ等々が考えられると思います。
 ただ、私も経済団体と接触していますと、十二月辺りから地合いが変わってきたということをよく言われます。それから、むしろ内需が旺盛だから、本来、内需がある程度縮まってきたらそれから外へ行くんだけれども、生産したものが内需で吸収されているという部分もあるんだというような現場からの説明はありました。
○田中直紀君 消費税が増税になれば内需が落ちていくと、こういうことで輸入も減ってくるだろうという動きもありますが、どちらにしても問題は輸出が伸びないと、こういうことが一つありますし、公共事業で頼ってきておる内容が、非常に人手不足で伸びていませんね、成長率への寄与が。どんな感じなんでしょうか。
○国務大臣(太田昭宏君) 今年一月二十四日に閣議決定しました平成二十六年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度によりますと、平成二十五年度の公的固定資産形成は前年度比で名目では一七・九%の増加、実質では一六・一%の増加という見込みになっておりまして、このことから、公共事業は平成二十五年度のGDP成長率に相当程度寄与しているというふうに思っています。
 ただ、先生御指摘のように、人手不足とか資材不足とか執行が滞っているんではないかということがありますが、その辺については、現実には昨年十一月時点で、去年の二月に成立しました補正予算、二十四年度補正予算、そして今年度の予算ということからいきますと、十一月で七〇%の執行率でございます。そういう意味では、例年より執行率はいいという状況です。
 ただし、それ以上に、これからもそうした執行率が高まるように、人材そしてまた資材、こうしたことには留意していきたいというふうに思っているところです。
○田中直紀君 じゃ、私の持ち時間は終わりますので、最後に財務大臣に。
 来年度は一・四%成長見込みということにしておりますが、大体、この輸出が伸びない、あるいは国内の公共事業も寄与がしていけないということで、一・四%にはなかなか見込みが立たないというような事態ということを言われているわけですが、どういうふうに見解をお持ちですか。それを聞いて私の質問の時間は終わらせていただきます。
○国務大臣(甘利明君) 来年度の一・四という数字は、確かに御指摘のように、民間の予測の〇・八からするとかなり思い切った数字だと思います。
 ただ、そこは何が違うかというと、消費ですね。消費が、ほかの項目は大体似ているんですが、消費が政府見通しの方が強く出しています。その理由は、政労使の取組を始め経済の好循環が前へ進んでいくんではないかという、これを実現していくということと、それから雇用者数の総数が増えますから、そうしますと、消費をかなり支えていくんではないかということと、それから社会保障改革と併せてやっていきますから、政府のPRも大事なんですけれども、社会保障が安定しているから心配、将来に向けての心配の度合いはうんと減りますよということを通じて消費を喚起していくと。そういう三点で、民間予測よりは高めに出しているという点であります。
○田中直紀君 じゃ、終わりますが、ちょっとバトンタッチして、質問させていただきます。
 どうも済みませんでした。ありがとうございました。
○委員長(山崎力君) 関連質疑を許します。石上俊雄君。
○石上俊雄君 民主党・新緑風会の石上俊雄でございます。
 本日は、田中先生の関連ということで質問を継続させていただきたいと思います。
 今日は、国際競争力の強化と目指すスマート社会に向けてと、さらには東京オリンピック・パラリンピックの国際的なおもてなしと、さらにはエネルギーの基本政策のこの四つの視点から質問をさせていただきたいと思います。できれば通告どおりに質問をさせていただきたいと思いますので、御協力の方お願いしたいと思います。
 時間が限られていますので早速質問に入りたいと思いますが、国際競争力の強化についてお聞きしたいと思います。
 まず、様々な機関の報告によりますと、我が日本の国際競争力ランキング、年々低下しているように見えるわけでありますけれども、政府を挙げて上位回復目指してしっかりと取り組むべきではないかというふうに思いますが、決意の方をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(甘利明君) 御指摘のとおり、日本の国際競争力、なかんずく経済の国際競争力を上げていくということは極めて大事なことであります。
 お尋ねのありました国際競争力ランキングとして、日本再興戦略において達成すべき成果目標、KPIと呼んでいますが、その一つとして世界銀行のビジネス環境ランキングを採用しておりまして、その目標として、日本が二〇一三年時点で先進国、OECD加盟国中十五位だったものを二〇二〇年までに上位三位以内に入ることを目指す、いわゆる六重苦の解消等によりこの上位三位以内に入ることを目指すといたしております。
○石上俊雄君 ただいま力強い御宣言がございました。
 その中で、二つ目の質問でありますけれども、物づくり産業、ここで今、先ほど六重苦という話がありましたが、五重苦、六重苦と苦しんでいる企業はたくさんあるわけであります。そこの中の一つが税制に対する問題でございまして、先ほど来、三宅委員からの質問で答弁もありましたが、先進国、アジア諸国に比べて日本の法人実効税率は高いんじゃないかという話がありますが、産業競争力強化の視点で引下げについて検討されているのか、お願いしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 先ほど同僚議員の方からほぼ同様の御質問だったと記憶しますが、これは日本国と、いわゆる国と地方と両方合わせた税制ということになろうと思いますが、これは、先進国またアジアの諸国等々と比較しましても高い水準にあるということだけは承知をしております。他方、法人課税の負担というのは法人税のみではないのは御存じのとおりで、他の課税ベースと組み合いますと、租税特別措置とかいろいろございますので、法人税収の対GDP比で見ませんと、日本が突出しているというようなことにはなかなかならないんではないのかと思っております。
 ちなみに、対GDP比、これは主要国の法人所得課税の税収対GDP比というのはよく使われる数字ですけれども、これでいきますと、日本の場合は三・二%、アメリカで三・四%、イギリスで三・一%等々でありまして、これグローバルな競争社会の中でやっていきますので、これはそういうことを考えながら法人税というのは検討していかなきゃならぬものなんだと思って、この部分は高いけどこっちの部分は安いとか、地域によって、国によって大分違っておると思っておりますので。
 政府の税制調査会でもう正式にこの問題だけのパネルディスカッションをスタートさせておりますが、法人実効税率の在り方、課税ベースの在り方、それから政策効果の検証、そして他の税目との関係などについて今後検討させてまいり、早急に結論を得たいと思っております。
○石上俊雄君 確かに企業が六重苦の一つに挙げているわけでありますので、しっかりとした検討をお願いしたいと思います。
 その中で、償却資産への固定資産税でありますけれども、世界ではまれだというふうに言われております。ここの辺、このものについて廃止の検討等をされておられるかどうか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(新藤義孝君) この償却資産課税は、日本だけではなくて、アメリカでは一般的に行われております。それから、カナダ、イギリス、香港といった国でも行われているということであります。
 そして、固定資産税そのものが税収規模が八・九兆円、市町村税収全体の四割を占めています。そして、償却資産分は約一・六兆円分でありまして、地域に密着した産業振興施策、公共事業などの地域経済の活性化を担っている市町村にとって安定的な重要な基幹財源となっているということはまず共有しなければならないと思います。
 その上で、現状におきましては、地方六団体、そして全国知事会、全国市長会、全国町村会、いずれもこの現行制度は堅持してほしいと、こういう意見が数多く寄せられているという状況がございます。ですから、この償却資産課税の取扱いについては、これは様々な観点から総合的に検討していかなくてはいけないということだと思います。
 この二十六年度の税制改正論議におきましても、抜本的見直しというのはテーブルにのっております。そして、その中で、与党の税制改正大綱においては引き続き検討ということで、今そういう状態になっているということでございます。
○石上俊雄君 いろいろバランスがあるというふうに思いますが、是非前向きな検討をお願いできればと思います。
 さらには、欧州の方で普及されているというふうに聞いておりますけれども、知財に基づく所得に対して減税対象とするという、パテントボックスという制度なるものがあるようですが、この導入について御検討されているか、お聞きしたいと思います。
   〔委員長退席、理事北川イッセイ君着席〕
○国務大臣(麻生太郎君) これ、たしかオランダでしたかな、オランダでどこか最初スタートしたんだと思っておりまして、今、イギリスが今度三月から採用して、その他の国は聞いていないんですが、と思いますが、いわゆる特許権から生じる収益というものに法人税の軽減税率を適用するという話、簡単に言えばそういう話なんだと思いますが、これ新たな税制を導入するということになりますので、これは財源を含めてちょっと慎重な検討が必要なので、これは研究開発税制との関係がありますので、そちらの方はどうするんですかという話と、ちょっと論点として詰めないかぬところだと思っております。
 なお、研究開発を促進するという観点からは、今回の税制改正において、日本の成長の源泉であります研究開発投資の拡大を一層加速化するために、研究開発税制につきましては試験研究費の増加割合に応じて税額控除割合を高くする仕組みを導入するということにしておりますので、こうした施策を通じまして、企業のイノベーションが促進されていくためにこれはいろいろ考えるわけですけれども、今のも、パテントボックスの話も、この関係と、どちらの方がとか、いろんなことを検討していかねばならぬところだと思っております。
○石上俊雄君 いずれにしても、総理が世界で一番企業が活動しやすい国と言っている中で、国際競争力強化というのは重要なところでありますので、長期スパンの中で検討を是非お願いしたいというふうに思います。今お話をいただいたんですが、ちょっとなかなか見えないところもありますので、よろしくお願いしたいと思います。
 ちょっと話を次に進めますが、昨年、産業競争力強化法が成立いたしました。その中で企業実証特例制度の適用の第一弾がせんだって三件発表されたというふうに思いますが、そこの中で半導体関連の内容について、一件について御説明をいただければと思います。
○国務大臣(茂木敏充君) 先般、二月の二十六日に、産業競争力強化法に基づきまして、御指摘の企業実証特例、これに基づきます三件の特例措置、創設することを方針を公表いたしましたが、このうち、御質問にありました半導体製造に関係する装置は高圧ガス保安法に基づいて容器保安規則の特例措置を講じるものでありまして、もう少し具体的に申し上げますと、半導体製造に使用される、委員非常にこの分野はお詳しいと思いますけれども、高純度ガス用の容器の再検査につきまして幾つかの条件、一つは再検査手法の適切性の証明、そして専門的知識を有する作業員の関与、三つ目に事故等が発生した際の必要かつ適切な対応、こういったことを条件といたしまして現行法令では認められていない超音波検査等の検査手法の導入を可能とする、こういった特例の内容であります。
○石上俊雄君 ありがとうございます。
 今説明をいただきましたように、半導体に係る高圧ガスのボンベの検査方法の規制の緩和というところに、強化と緩和が混じっているんでしょうけど、だと思うんです。
 しかしながら、これをいろいろ見ていきますと、これは何か我が日本だけちょっと遅れているような気がしているわけでありますが、この我々の半導体が、競争相手であります欧米とか韓国、台湾、ここの方はどうなっているかといったところは調べられておられるんでしょうか。
○政府参考人(寺澤達也君) お答えします。
 欧米でも台湾でも韓国でも、御指摘があった容器の再検査において、水を使ったような耐圧検査、これは基本的に必要となっています。他方、今回の超音波検査みたいなものは、それらの国々においても特別の許可を受けた場合に特例的に認められると、一般的に認められているわけではございません。
○石上俊雄君 今説明をいただきましたように、産業競争力という、生産性を上げるという観点でも、こういう検査に対する規制をちょっとずつ見直していくというのは大変重要だというふうに思うんですけれども、この生産性を上げるという中で、やはり日常的にどういった項目が海外との規制で日本がバランス、遅れているかといったところを日常的に調査、比較していくところが必要じゃないかなというふうに思っております。そういった面では、日常的にそういう行動というか活動は行われておられるんでしょうか。
○政府参考人(寺澤達也君) お答えします。
 御指摘のとおり、海外の規制動向を把握することは極めて重要でございます。我が省としましても、こうした観点から、今年度二千四百万円の予算を確保しましてアメリカとドイツにおける規制を調査します。こうした調査結果を生かしながら世界の規制動向をしっかりとフォローしていきたいと考えております。
○石上俊雄君 ありがとうございました。引き続きよろしくお願いしたいと思います。
 ところで、今回のボンベのその検査方法、これは今まで外観とか耐圧試験を義務付けた規定、規則というんですか、規定の改定というのは、今回のその許可をされたことによって行われるんでしょうか。
○政府参考人(寺澤達也君) お答えします。
 今回の企業実証特例制度を通じまして、安全性が確認できる、実証できることになりましたら、特例措置だけじゃなくて、この特例措置を一般化をする、その方向で高圧ガス法に基づく所要の規定の改定というのを今後検討していきたいと考えております。
○石上俊雄君 ありがとうございます。
 ということは、その特例措置が安全が確認されて一般化されるまでは、今半導体メーカーたくさんあると思うんですけれども、申請をしていないメーカーがこのことを使うにはどうしたらよろしいんでしょうか。
○政府参考人(寺澤達也君) この企業実証特例制度を使っていただければ、今回提案があった企業以外でも、計画を出し、認定を受ければ、この特例措置の活用が可能となります。
○石上俊雄君 申請をするということでございますので、幅広く伝えていきたいというふうに思います。
 余りガスにこだわっているわけではないんですが、次の事例でありますけれども、現場を歩いていますと、高圧ガスの保安規程の運用で、ガスごとに検知器を設置しなければいけないという、そういうふうになっているんだと。現場からは、一つ一つではなくて統合検知器で一本化することがいいんだけどなということを言っているわけですよ。このことについて、これは駄目なのかどうか、お答えいただきたいと思います。
○政府参考人(寺澤達也君) お答えいたします。
 ガスからの漏えいを十分に検知できるものであれば、御指摘にあったような複数のガスに対応した統合型のガス検知器であっても利用可能になると考えております。
○石上俊雄君 ただいまお答えいただいた内容は、これはあれなんですかね、全県にわたってそういうふうな形でしょうか。聞いているところによると、県の許可によってこれは決まるというふうに聞いているんですが、今回申請があったところだけなんでしょうか。
○政府参考人(寺澤達也君) お答えします。
 既に、北海道、茨城、神奈川、静岡、三重県においては、実際にこうした複数ガスに対応した統合型のガス検知器が実際に導入をされています。それ以外の関係する都府県におきましても、ガス漏えいをきちっと検知できるということであれば、御指摘のような複数ガスに対応した統合型のガス検知器というのも利用可能になると考えております。
○石上俊雄君 この運用についても幅広く伝えていって効率化を図っていきたいと、そういうふうに思います。
 さらに、次のまた違う問題というか例なんでありますけれども、例示基準というものがあるようでありまして、検知警報設備の指示値の校正、これを六か月に一回やれというふうな指示になっているようなんですが、これ、例えば年に一回とか二年に一回このことをやるとなると、これは違法になるというふうに考えてよろしいでしょうか。
○政府参考人(寺澤達也君) お答えいたします。
 御指摘があったように、六か月に一度の校正というのはあくまでも例示基準でございまして、一年に一回あるいは二年に一回の校正ということであっても、ガスの検知能力に問題がなければ違法にはならないと考えております。
○石上俊雄君 このように、例示基準とかガスとかのいろいろ話を読んでいますと、法律とか政令、省令、公示、通達、例示基準、様々なものが出てくるんです。これに対して、法的な意味、守らないと違反になるのか、その辺について法制局の方からお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(高橋康文君) お答えいたします。
 例示基準については個別の話でございますので定かには承知いたしかねますが、その他のものにつきましては、大きく分けまして、法律、政令及び省令は法規範の形式でございまして、告示及び通達というものは一定の事実を知らせる行為の形式でございます。
   〔理事北川イッセイ君退席、委員長着席〕
 具体的には、法律とは国会によって制定される国法の形式でございます。また、政令は、法律の委任がある場合又は法律の施行に必要な場合に内閣によって制定される法規範の形式でございます。省令は、法律又は政令の委任がある場合、あるいは法律又は政令を施行するために必要な場合に各省大臣によって制定される法規範の形式でございます。
 また、告示は、公の機関が広く一般に一定の事実を知らせる行為の形式であり、各省大臣などが必要な場合に発するものでございます。また、通達は、法令の解釈や運用等を内部的に知らせる行為の形式でございまして、各省大臣等が所管の諸機関及び職員に対して発するものでございます。
 したがいまして、各省大臣等が内部的に通知する通達につきましては、一般の国民を拘束する性質のものではないというふうに考えております。
○石上俊雄君 またちょっと後でしっかりと答弁聞きたいと思いますが、いろいろ、この例示基準とか、何かもやもやとしたところで守っていて効率を下げているところもありますので、これしっかりと今後また聞いていきたいというふうに思います。
 次に入りたいというふうに思いますが、建築基準法の施行令百二十条で直通階段規定というのがあるんですね。そして、四十メートルごとに階段を設置する義務があるわけであります。これは居室の場合です。しかし、半導体の工場というのは装置だけ並んでいるわけですよ。そして、機械室だとこの基準が当てはまらないということなんですね。そういった意味で、何か緩和策というのがあるかどうか、国交省お願いしたいと思います。
○政府参考人(井上俊之君) お答え申し上げます。
 直通階段の基準につきましては、火災時に煙や炎からの安全性を確保するために設けているものでございます。居室かどうかの判断というのがポイントになると思いますけれども、機械が設置をされていて常時人が作業をしているような場合には居室、メンテナンスのためにたまに入るというようなものについては居室ではないという判断をしております。
 こういう点、細かく見るためには実は大臣認定の制度がございまして、これでやりますと細かい条件やりますので、そういう面で適用可能な場合もあるかと存じております。
○石上俊雄君 結構こだわって長々と様々な案件についてお聞きしましたが、要は国際競争力強化、要はこの競争力の強化をやっていくためには無駄を省いていかないといけないというふうに思うんです。そこのところに様々立ちはだかっているのは様々な規制、訳の分からない規制なんですけど、それをしっかりと一つ一つ対応していかないといけない。これを一気に競争力が上がるような政策というのはなかなか難しいと思うんですね。こういうふうに一つ一つ積み上げていくことこそ重要じゃないかなというふうに思うんです。
 そして、現場を歩いていくとこういう案件というのはたくさんあるわけでありまして、こういったところをとにかく行政に上げろと、そうすれば何とかなるというふうに私は言っていきたいというふうに思うんですけれども、そのことについてちょっと考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(稲田朋美君) 委員が先ほどから御指摘になっているように、一口に規制といっても、運用で規制が強化されていたりとか、あと法律で規制がなくてもそれを下位の省令等で強化されている場合とか様々な場合があるかと思います。そして、規制ができたときには合理性があっても、その後不合理になったり時代遅れになっているものもあるかと思います。
 民間の創意工夫が本当に発揮できるよう無駄な規制は排除しなければならないと思っていまして、規制改革会議で取り上げているものはその一部でありますので、同じような問題意識から、昨年の三月に規制改革ホットラインというのを設けまして、広く国民、企業から規制改革要望を受け付けております。今年の二月までの間に寄せられた約二千二百件の提案のうち、規制改革に関連しないと認められるものを除いた約千二百件について関係省庁に検討を要請をしているところでございます。
 規制改革の下にワーキンググループを設けまして、そこでホットラインで受け付けた規制について検討し、そしてそれを省庁で解決をしたり、企業の誤解の場合もありますし、また大きなものについては規制改革会議でも取り上げるというような方法を取っておるところであります。
 規制改革会議の委員から構成されるホットライン対策チームを活用をして、規制改革ホットラインに寄せられた提案事項への対応に注力しているところでございますので、是非どんどんと積極的な提案をお寄せいただければと思っております。
○石上俊雄君 ありがとうございます。そういうふうに伝えますので、よろしくお願いしたいと思います。
 時間がだんだん減ってきましたので、ちょっと次の項目に入っていきたいと思いますが。
 目指すべきスマート社会という視点でちょっと質問をしていきたいというふうに思いますが、日本の公共施設、老朽化が皆さん御存じのように進んでいるというふうに思いますが、大体高度成長期に備えられたものですから更新の時期を迎えていると。更新をせっかくするんだったら、そこにしっかりと最先端のICT技術を盛り込んだ形で徹底して効率的な管理が運用できるように進めるべきというふうに思いますが、そのことに対して御意見を賜ればというふうに思います。
○国務大臣(太田昭宏君) 日本のそうしたメンテナンス技術を始めとすることは、実は、私は昨年、メンテナンス元年と呼ばせていただいたんですが、東日本大震災であるとか笹子トンネルの天井板落下であるとか、そうしたことの中で政治のメーンストリームになってきたというふうに思います。
 御指摘のように、そこにICTをということは、ローテクも含めて、センサーを使うとか変動の範囲をどう捉えるかということでICTということを大いに取り入れていかなくてはなりませんし、実はカルテのような台帳が整っていないということがありますから、そうした点でもこのICTを利用していくということを今徹底をし始めているという状況でございます。
○国務大臣(古屋圭司君) ICT技術を活用というのは、私担当の国土強靱化においても、国土強靱化大綱を昨年末に策定しましたけれども、積極的に活用と記していますね。
 国土強靱化の考え方は、基本的に、リスクに対する脆弱性を評価して、その脆弱性に対する対策を優先順位を付けて取り組んでいく、ソフト、ハード両面取り組んでいく、そしてもう一つは、必ず見直す、不断の見直し、PDCAサイクルを回すこと、その中で、やっぱり技術革新がどんどんできていったらそっちに変えていくということなんです。
 だから、ICT技術というのは非常にそういう意味で、ドッグイヤーと言われる、速く技術が進展していますから、当然国土強靱化の中にもこういう技術は積極的に取り入れていく、当然のことと考えています。
○石上俊雄君 このことは地方との連携も重要だと思いますが、新藤総務大臣、ではお願いします。
○国務大臣(新藤義孝君) その問題意識には私も全く共感、共有をしたいというふうに思います。そして、インフラ長寿命化計画というのを作ることになっておりますから、国の方の整備に合わせまして地方もしっかりと対応できるように、そしてそれはICTを使って新しい考え方で、予算をできるだけ使わない、若しくは同じ予算で数倍の効果を上げる、こういったような取組をICTで実現したいと、このように考えております。
○石上俊雄君 ありがとうございました。
 今回は強靱化の観点でスマート社会について質問させていただきました。また次回、機会があれば違う視点でお聞きしたいと思います。
 次の項目の、東京オリンピック・パラリンピックの国際的なおもてなしの視点で質問をさせていただきますが、まず、二〇一三年、海外から来たお客さんが日本で一番苦労している、このことについてどういう認識でおられるか、お聞きしたいというふうに思います。
○政府参考人(久保成人君) お答えいたします。
 私どもが成田空港で外国人観光案内所訪問者等を対象に実施しました調査結果では、旅行中最も困ったこととして無料公衆無線LAN環境を挙げた人が全体の約二四%を占めていまして、第一位となっています。
 日本を訪れた外国人がスマートフォンで情報を収集したり、あるいは日本の情報を発信できる、そういった無料公衆無線LAN環境の整備というのは喫緊の課題であるというふうに認識しています。海外からのお客様の受入れ環境を整えようとたくさんの自治体あるいは民間事業者の方々が積極的に無料公衆無線LAN環境の整備を進めていただいているところでありますけれども、まだ使える場所が少ないだとか、場所が分からないとか、手続が分かりにくい等の声も寄せられているところであります。
 私ども観光庁といたしましても、今後、関係の省庁あるいは自治体、民間事業者の方々と連携して、更なる環境整備に努めてまいりたいというふうに考えております。
 以上です。
○石上俊雄君 このように、無線LAN、これが一番困っていると。東京オリンピック・パラリンピック、これに向けてこの整備をするという考えはあるかどうかお聞きしたいと思いますが、よろしくお願いします。
○国務大臣(下村博文君) 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックでは、通信技術を始めとした我が国の科学技術を駆使し、世界の一流アスリートがベストを尽くせる環境に整えるとともに、外国から来られた、最高のおもてなしを提供し、大会の歴史に残るような大成功を海外の方々にも提供するということは当然必要なことだと思います。
 御指摘の無料の無線LAN環境の整備を含む通信インフラ整備については、大会成功において非常に重要であると考えており、東京大会の立候補ファイルでも、大会組織委員会が無線LAN設備を競技会場や選手村等に必要に応じて設置又は増設し、無償で開放する旨が明記されております。
 今後、関係省庁と東京都、それから大会組織委員会が一体となって具体的な取組を進めていく必要があると考えております。
○石上俊雄君 是非積極的な検討をお願いしたいと思いますし、また、この無線LANは災害時でも有効だというふうに報道されておりますし、結果が出ているわけであります。この辺の認識についてお聞きしたいと思いますが、よろしくお願いします。
○国務大臣(古屋圭司君) 確かに委員御指摘のように、災害のときにこの無線の活用というのは極めて有効であるというふうに思っておりますね。
 実際に、ただ無線を使うときに、やっぱりその設備を充実していくに当たっても、平時にも活用できて有事の際にはしっかり対応できる、この視点が必要なので、例えば国土強靱化の有識者懇談会で専門委員から、ふだんは例えば公衆電話を街角情報ステーションに使って、いざ災害が起きれば、その公衆電話のネットワークを使いながらWiFiを提供していく。これ実証実験、これは総務大臣が恐らくもしあれでしたら細かい答弁されるんでしょうけど、たしか十億円近く予算が付いていたと思いますので、そういう取組必要ですね。ふだんは街角情報ステーションとして、オリンピックを始め観光客の皆様がいらしたら、モニターを付けて、そこでしっかり中国語、韓国語、英語等々で情報を取っていただく。いざ災害があったら、基本的に有線回線ですから錯綜は少ないので、そんな効果もあろうかというふうに考えています。
○石上俊雄君 ありがとうございます。
 公衆無線LANの環境ですね、先ほどオリンピックに向けてとありましたけど、やはり外国の観光客の方も多いですし、日本にはすばらしい観光地もあるわけですから、これ全体的にだんだんと広げていかないといけないというふうに思うんです。
 この環境を整備していくとしたら、今、自治体とか事業者、店舗で様々有料、無料のLANを提供しているわけでありますけれども、国がこれをやろうとしたらどういう手法でやっていくか、そのことに、現時点での考えで構わないので、ちょっと教えていただければと思います。
○副大臣(上川陽子君) 先ほど観光庁の方の説明がございましたけれども、無料無線LAN環境への不満ということで二四%に上っているということでございます。ただ、このアンケート調査が実施されましたのは平成二十三年の十月ということでありまして、それ以降、この無線LANの分野におきましては、地方自治体、空港、駅、コンビニエンスストア、ショッピングセンター、飲食店等が導入する事例、数多く見られておりまして、集客の増加、また店舗等施設の魅力向上、あるいはマーケティングへの活用といった目的で、ビジネスベースでの整備、順次進展しているというところでございます。
 総務省では、海外における無料無線LAN、こうした公衆無線LANの提供状況、あるいはICTに関する外国人旅行者のより詳細なニーズというものを把握するための調査を昨年十二月から実施しているところでございまして、この終了結果を踏まえまして、無線LANのアクセスポイントの普及についての促進に向けて、国としてどう対応するかということにつきましての具体的な在り方についてよくよく検討してまいりたいというふうに思っております。
 また、より簡便な利用を可能とするための環境整備ということでございますが、例えば一回の手続で複数の場所で無料無線LANの利用が可能になる、こうした事前登録手続の一元化といった取組もビジネスベースで始まっているところでございまして、こうした取組の拡充に向けまして、観光庁あるいは地方自治体、関係団体ともよく協力しながら進めてまいりたいというふうに思っております。
○石上俊雄君 ただいまの事前登録手続という話がありまして、多分、外国の観光客の方、これが一番あれなんですかね、不評だというふうに思うんです。メールアドレスの登録をしろといっても、メールアドレスを送るLANがありませんから登録できないというわけでありまして、この辺やはり検討していかないといけないというふうに思うんですけど、この辺の考えについてお聞きします。
○副大臣(上川陽子君) 無線無料LANの利用事前登録の手続ということでの御質問でございますが、利用者にメールアドレス等の入力を求めるものがあるというふうに認識をしております。また、外国人旅行者に対しまして、無料で無線LANの利用が可能となるチケットを配布する際にパスポートの提示を求めている例もあるということでございます。
 これらの手続でございますが、無料無線LANを提供する者が個別の判断で行っているというふうに考えておりまして、法的根拠に基づいたものではないということでございます。したがって、事前登録手続を課さずに無料無線LANの提供をしたとしても違法ではないという認識でございます。
○石上俊雄君 ありがとうございました。
 この無線LAN、様々な方向で活用していきたいと思いますので、是非積極的な対応をお願いします。
 このように社会インフラがICT活用に進む中で、サイバー空間というのは水、空気のようにどんどん広がっていくわけであります。サイバーセキュリティーの問題、このことも重要でありまして、この辺について、今、国のサイバー犯罪対策の人員、能力、十分かどうかお聞きしたいと思います。
○国務大臣(古屋圭司君) サイバー犯罪対策、今の前の質問にも若干関連があるかもしれません。無線LAN、非常に利便性もありますけど、ただ問題は、やっぱり犯罪にも活用されてしまっているケースもあるというのは残念ながら事実ですね。EUなんかはEU指令があってログ保存の義務が課されていますけれども、日本はございませんので、やはりそうなるとログの追跡というのはなかなかできないということで、昨年の十二月に閣議決定された世界一安全な日本創造戦略で、やはりサイバー犯罪に対する事後追跡可能性をしっかり追求していく必要もあるというようなことも記されています。やっぱりそういう利便性と、それから安全性、犯罪のしっかり防止ということも含めて対応していく必要があるというふうに思っています。
 それから、サイバー対策の強化を図るためにはどういうことをしている。これは実際、人員をまず増やしていく、それから能力を高めていく、知見を高めていく、それから民間との連携を深めていく、そういったこともございますし、また一方では、日本版のNCFTAですね、これ、アメリカではいわゆる民間セクターの方とかあるいは法の執行機関、あるいは学術団体がデータベースを共有をして、そして情報の収集とか分析、トレーニング等々で相当いい連携ができていますので、そういった日本版のNCFTA、こういったものも取り組んでいこうということで今その作業を加速化させていただいております。
○石上俊雄君 ありがとうございます。
 聞くところによると、情報セキュリティー予算というのは欧米に比べるとかなり少ないというふうに聞いているんです。各省ごとに行われている、ばらばらにやられているというんですが、国としてしっかりとそれをまとめるような形で推進するべきと思うんですが、この辺についての御見解を聞きたいと思います。
○政府参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 政府におきましては、昨年の十二月に閣議決定をいたしました国家安全保障戦略及び同年六月に情報セキュリティ政策会議で決定をいたしましたサイバーセキュリティ戦略等におきまして、各省庁の役割を明確にするとともに、内閣官房情報セキュリティセンター、NISCがその司令塔となりまして、情報セキュリティー政策や重要インフラを所管する関係省庁等が連携をいたしまして、政府機関や重要インフラ事業者の情報セキュリティー水準の向上、サイバー攻撃への対処能力の強化など具体的な施策を推進しているところでございます。
 このNISCにつきましては、先ほど申し上げました国家安全保障戦略等に基づきまして、平成二十七年度を目途に機能の強化を図ることとしているところでございます。現在、官房長官を議長といたします情報セキュリティ政策会議等におきまして、関係省庁とも密接に連携をしながら、政府CIOとも連携した関係省庁のセキュリティー政策間の総合調整機能の強化など横串的機能の強化、GSOCの機能強化など能動的な役割の強化、それから政府機関、重要インフラのインシデント情報の集約機能の強化など、情報集約、国際連携機能の強化について検討しているところでございます。
 今後は、本年六月頃を目途にNISCの機能強化に関する方針を決定する予定としておりまして、これを踏まえて、体制強化あるいは連携強化に向けて引き続き積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
○石上俊雄君 なかなか突っ込んだところをやると時間がなくなるので、ちょっと次へ行っちゃうんですけれども。済みませんね。
 次、オリンピック関係の話にちょっと戻しますけれども、オリンピック開催されます。海外からお客さんがたくさん来ます。そこの中で、この日本が強みであるインフラの技術、まさしくスマートコミュニティー、このスマートコミュニティー展というのをしっかりと五輪開催に合わせてやって、そして海外にこの技術を売り込む、そういうことも必要だというふうに思うんですが、そういうことについてやられるかどうか、考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(茂木敏充君) 日本は現在、一九七〇年代以来の新たなエネルギー制約に直面をしているわけでありますが、一九七〇年代、石油ショック、官民の努力挙げて乗り切る過程におきまして、日本は世界に冠たる省エネ技術、省エネ製品、さらには省エネ社会というものを確立してきました。同じように、御指摘のスマートコミュニティー、ITを用いることによりましてエネルギーの制約であったり環境問題などの課題を解決する新しい社会システムであると。そして、これは需要面から、エネルギーの供給状況、これに応じてスマートに消費パターンを変化させるいわゆるディマンドリスポンス、こういったことを可能にするものであります。
 このスマートコミュニティーに関しましては、新興国を始め世界各国からも日本の技術であったりとかシステムに対して大変高い関心とかニーズがありまして、今後、我が国の国際展開戦略、成長戦略の一つの柱になっていくものだと、こんなふうに考えております。
 経済産業省といたしましては、平成二十六年度の予算案に二百億円を超える金額を計上いたしまして、海外におけます日本企業のスマートコミュニティーの構築に関する政府の調査から始まりまして、実証、さらにはその後の普及展開まで一貫して支援をすることとしております。さらに、海外向けの情報発信につきましても、これ二〇一〇年からスマートコミュニティサミット、これを東京ビッグサイトにおいて開催をいたしておりまして、ここにもたくさんの来場の方いらっしゃるわけでありますけれども、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック近づきますと、当然それ以上の、海外のアスリート、競技関係者、そして観光客の皆さんいらっしゃるわけでありますから、御提案をいただきましたような形のスマートコミュニティーに関します展示会といいますか、そういったイベント、前向きに検討したいと、こんなふうに思います。
○石上俊雄君 東京オリンピック・パラリンピック、皆さんが期待していますので、是非対応をお願いしたいと思います。
 時間がありませんので、エネルギー基本計画について質問をさせていただきたいと思います。
 せんだって経産省から出されましたエネルギー基本計画の案、その中の、様々な状況を見極めて速やかにエネルギーミックスについて示していくというふうな記載がありましたが、この速やかにとはどういう意味なんでしょう。数か月とか一年とか二年、このことについてお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(茂木敏充君) できるだけ早くという思いでおりますけれども、これ、御案内のとおり、そのベストミックスを決めていく中では、エネルギー源、それぞれ特徴があります。そして、そのエネルギーの特性、安定供給に資した方がいい、コストは安い方がいい、環境負荷は少ない方がいい、そして安全性は高い方がいい、全ての条件を満たしますエネルギー源というのは残念ながらないわけでありますから、現実的、またバランスの取れた需給構造つくるということが必要だと考えておりまして、今回のエネルギーの基本計画、この後、与党プロセスを経て閣議決定を目指しておりますが、その上で、これを踏まえてベストミックスにつきましてはできるだけ早く決めていきたいと思っております。できるだけと、何年も時間を掛けるという話ではございません。
○石上俊雄君 民間の投資の弊害になるわけでありますので、早急に結論付けていただければと思います。
 省エネの観点で、次世代パワーエレクトロニクス、電力用の半導体を使った製品でありますけれども、ここに対して導入加速のための補助、これも検討いただきたいと思うんですけれども、お考えを伺いたいと思います。
○政府参考人(富田健介君) お答えさせていただきます。
 御指摘をいただきました次世代パワーエレクトロニクス機器でございますけれども、通常のシリコン半導体ではございませんで、炭化ケイ素という材料を使った半導体でございます。これによりまして電力の損失を大幅に抑制することができるということで期待をいたしております。
 既に空調ですとか一部の産業機械に使われ始めておりますけれども、私どもとしては、その普及を加速するという観点から、技術先端性あるいは省エネ効果、費用対効果といったものを踏まえて政策的意義の高いものについて、パワエレ機器を用いた設備を含めまして、省エネ補助金という制度、これ平成二十六年度予算案で四百十億円と増額をさせていただいておりますが、この制度を活用することで支援を図ってまいりたいというふうに考えてございます。
○石上俊雄君 続きまして、スマートメーター、導入が始まっておりますけれども、この設置が進んでいるんですけれども、一部ではその利用料、電波利用料を取られているんですが、これ無料にする計画はないでしょうか。新藤大臣。
○国務大臣(新藤義孝君) これは御案内のように、日本は世界の四分の一のセンサー使っているんですね。全世界で年間販売量が百七十億個販売されておりますけれども、そのうちの四十五億は日本であります。世界の四分の一のセンサーが使用されているセンサー大国なんです。そして、先ほどからお話がありましたようなスマートメーターですとかM2Mとかそういったシステムが、これらを使って物流、それから環境、交通、エネルギー、いろんな分野で私は新しいイノベーションを起こすことができると思っています。
 今国会に電波法の一部を改正する法律案、既に提出をさせていただきましたが、ここでお願いしておりますのは、こういった携帯電話及び携帯電話等を利用するスマートメーター、またM2M等の無線システム、これの電波利用料については上限を設けて利用台数が増えてもこれ以上負担が増えない、言わば実質ゼロと、こういうことを実現させたいということで法案を提出しておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○石上俊雄君 時間がもうないので次に入っちゃうんですが、原子力政策についてちょっと聞いていきたいと思いますが、原子力大綱ですね、今後策定されないというふうに聞いているわけでありますけれども、我が国の原子力政策、この政策はどこに今後示されていくのか、ちょっと原子力委員会委員長の方に聞いてみたいと思います。
○政府参考人(近藤駿介君) お答えいたします。
 原子力政策は、エネルギー利用のみならず、放射線利用、核融合研究開発、それから平和利用に限定する担保となる核不拡散、核セキュリティーに関する施策等から構成されます。
 今次のエネルギー基本計画の策定過程におきまして、委員会は原案に対して見解を公表し、私が関係閣僚会議にて意見を申し上げており、政府原案には委員会の原子力発電に関する問題意識が反映されていると判断しております。
 今後につきましては、委員会の見直しに係る有識者会議が原子力政策大綱の取りまとめを不要としたことも踏まえまして、後任の委員長、委員が原子力政策を決定するという使命を果たすために最善の方策は何か、政策パッケージを示すべきかどうかも含めて熟慮され、お決めになるものと考えております。
○石上俊雄君 今ちょっと御説明をいただきましたが、実は今のエネルギー基本計画の中に、二〇二五年の実証炉、二〇五〇年の商業炉という目標が消えちゃっているんですね。これ見当たらないんです。ということは、消えているというふうに考えてよろしいんでしょうか。経産大臣、お願いしたいと思います。
○国務大臣(茂木敏充君) 高速増殖炉でありますが、これまで御案内のとおりトラブルが続いてきておりまして、現時点におきましては、機器の信頼性であったりとか発電コスト等々克服すべき課題多いと考えております。
 第三回、前回のエネルギー基本計画では、この高速増殖炉につきまして御指摘のような形の記述がなされておりましたが、震災以降原子力政策の見直しが必要となってきている中で、当初のスケジュールどおりに開発を進めることが困難な状況になってきていると、このように考えております。
○委員長(山崎力君) 石上俊雄君、おまとめください。
○石上俊雄君 時間が来ましたのでまとめに入りますが、今の原子力政策大変重要なんでありますけれども、日本の再処理、これに向けて一点だけ。
 日米の協定、三十年包括というのがあるんですが、この期限が、二〇一八年に失効するわけであります。この辺について原子力委員会の委員長代理の所見をちょっと一つ聞いて終わりにしますので、是非よろしくお願いしたいと思います。
○政府参考人(鈴木達治郎君) お答えいたします。
 日米原子力協定は三十年間包括的に再処理について同意を得ていますが、これは失効するわけではありません。したがって、今後も両政府が変更を希望しない限り継続するものと考えております。現時点で日本政府からこの包括同意を変更を希望する理由はないと私は理解しております。
 以上です。
○石上俊雄君 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○委員長(山崎力君) 以上で田中直紀君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(山崎力君) 次に、山田太郎君の質疑を行います。山田太郎君。
○山田太郎君 みんなの党の山田太郎でございます。ありがとうございます。
 本日は、参議院予算委員会一般質疑ということで、ナベノミクスに関して取り上げたいと思っております。
 先日、安倍総理の方にも、ナベノミクス、私どもの代表から渡させていただきましたが、総理は、我々の政策としてやらせていただきますと、笑顔で受けていただきましたので、是非それを推進していただきたいと思って、その関連についてやりたいと思っています。
 その中でも、本日は、予備費の有効活用による独法や特会の剰余金の見直しと、それから岩盤規制、既得権益のいわゆる農協改革の問題、ちょうど今日、全中の方でも改革案が出ているようですから、そこを含めて少し取り上げていきたいなと思っております。
 実は、今回、参議院の予算委員会の質疑に当たりましては、私どもの党、政調のメンバーでチームを組みまして、ナベノミクスシリーズということでやらせていただいています。中西議員の方が第一、第二の矢、私の方が第二の一部と第三の矢ということで、担当としては農業、独法、それから特会分野ということでやらせていただきたいと思います。
 さて、まずスタートは予備費についてやりたいんですが、平成二十六年の予算案でも三千五百億円の予備費が計上されています。これをうまく活用いたしまして、独法や特会分野の剰余金をなくしていくことでまさにナベノミクスの財源がしっかり確保できるんじゃないかと、こういう観点で質問をさせていただきたいと思います。
 まず、予備費に関して少し法制局長官にお伺いしたいと思います。
 本当に、お病気で間に合うのかどうかということをはらはらしながら待っておりましたが、本当にそういう状況の中でお越しいただきましてありがとうございます。
 予備費を使える場合の要件ということでお聞きしたいと思います。集団的自衛権のようなちょっと厳しい質疑にはなりませんので忌憚なくお答えいただければと思いますが、まず、その予備費については、憲法八十七条に、予備費は予見し難い予算の不足があった場合に使えるという趣旨のことが書かれています。
 そこで、長官にお伺いしたいと思いますが、この予見とは、いつの時点で、誰が予見するという解釈なのか、お願いします。
○政府特別補佐人(小松一郎君) お答え申し上げます。
 今委員が御指摘されたとおり、憲法第八十七条第一項は、「予見し難い予算の不足に充てるため、国会の議決に基いて予備費を設け、」、これから後が重要だと思いますけど、「内閣の責任でこれを支出することができる。」と規定しているわけでございます。
 したがいまして、この予見し難いとは誰が判断をするのか、どの時点で判断をするかということでございますが、これは、まさに内閣の責任でこれを支出する必要があるかどうかということを決めるわけでございますから、この予見し難い予算の不足があるかどうかということも含めまして、予算編成の時点において内閣が判断をするというふうに解されると考えます。
○山田太郎君 予算編成の段階ということなんですが、これ、最終段階としては閣議決定が予見の最後の時点ということでよろしいでしょうか。
○政府特別補佐人(小松一郎君) 内閣は合議体でございますので、内閣の意思決定を最終的に行うと。これは、予算については通常閣議決定で行っているということで、仰せのとおりと考えます。
○山田太郎君 次に、その閣議決定後なんですが、国会で決議して成立した予算の各項目の金額が多分予見し得た予算ということになると思いますが、その金額を超える支出、不足が予見し難い不足という解釈で、これ、よろしいんでしょうか。
○政府特別補佐人(小松一郎君) これは基本的に予見し難い予算の不足に充てるためでございますので、そういう不足があって、その上で、内閣がその支出する必要があると内閣の責任において決定を行って予備費の支出が可能になるということでございます。
○山田太郎君 済みません、ちょっとしつこくここは確認させていただきたいんですが、そうすると、国会の決議を経て成立した予算の各項目が例えばいろんな状況の変化によって足らなくなった場合に、原則としてなんですけれども、予算の予見し難い不足に当たって予備費を使用できると憲法上解釈できるということでよろしいんですよね。
○政府特別補佐人(小松一郎君) 仰せのとおりでございます。
○山田太郎君 実は、今日、ちょっとこの大事なポイントでございまして、と申しますのは、各省には特別会計とか独立法人がありますが、そこには何千億という剰余金が埋め込まれています。例えば農水省さんなんかでは、食料安定供給特会に二千億円、独立行政法人の農畜産業振興機構には三千億円ぐらいの剰余金があるんですね。先日、みんなの党でプロジェクトチームが調べましたところ、独立行政法人には合計四兆円以上の剰余金があるのではないかという指摘もされています。さらに、平成二十三年度の決算でいきますと、国債整理基金を除いても約十二兆円の剰余金があって、これが各特別会計に埋め込まれているという構造になっています。
 何で、じゃ、各省がこれだけ特別会計や独法に剰余金を埋め込むかというそのちょっと言い分をいろいろ聞かせていただきましたら、災害など不測事態が起きたときに使える予算を確保しておく必要があるからと。
 そうであれば、じゃ、そういうときのために予備費という制度があるんだから、特会という自分の財布にお金をためるんではなくて、余った予算は一般会計に返還して有効活用すると、予算が足りなくなったら予備費で助けてもらえばいいじゃないですかということをいろいろ委員会なんかでも提案したんですけれども、役所の方から、いやいや、予備費を出してもらうには時間が掛かりますと、間に合わないんですとか、予備費は予見できない場合のものだから、予見した予算が足りない場合には使えないんですというふうにおっしゃっているわけです。
 そこで、今回、その小松長官に示していただいた解釈を踏まえて、実際どんな運用がされているかということについて、これからちょっと財務大臣に伺っていきたいと思います。
 まず、予備費の使用には時間が掛かるんだという話がありますが、実際の予備費使用の手続にはどれぐらいの時間が掛かるのか、最短でどのぐらいの時間で使用できるようになるのか、財務大臣、教えていただけますでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 十日間ぐらいだったかな、平均ではそんなものだと思いますが。最近で一番早かったのはアルジェリアかな、あれは二日間ぐらいでやったと思います。
○山田太郎君 昨日のレクでは最短で三日でしたというお答えをいただいていたんですが、まあそんな程度で出るということだと思います。
 では、予備費は足らないのかということもあるので、最近五年間の使用状況等についても教えていただけますでしょうか。
○副大臣(愛知治郎君) 一般会計予備費の使用状況についてお尋ねがありましたので、お答えします。
 二十一年度については六百二十六億円、二十二年度については千六百四十九億円、二十三年度については七百四十八億円、二十四年度については千百三十二億円、二十五年度については、本日現在でありますけれども、二百五十四億円となっております。
○山田太郎君 三千五百億円に対しては、不測の事態が起きたときにはすぐ使えるし、ある程度余裕もあるんだなということが確認できたと思います。こうなってきますと、各省が特別会計や独法に剰余金を蓄えておく理由というのもなくなってきたかのように思います。
 ただ、昨年の参議院の農水委員会の方で当時の山口財務副大臣の方が気になる答弁をされておりまして、これ一枚目の資料にございますけれども、食料安定供給特会の剰余金は予見できる予算だから予備費になじまないというような御趣旨の答弁をされています。小松長官の御答弁で確認しましたように、閣議決定した予算を上回る支出が必要な事態になったら制度的に予備費が使用できるということでありますから、この答弁は是非財務大臣の方から訂正していただきたいんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) これは昨年四月の二十五日の参議院農水委員会における山口財務副大臣の答弁のことだと理解しておりますが、農作物の収入減少緩和対策費、いわゆるナラシ対策と言われる予算について、予備費の使用を当然の前提として少なめに予算を計上するということは適切ではないという趣旨を述べたものだと考えております。
 したがって、適正な予算額を計上していたにもかかわらず年度中に実際に予算が不足したような場合であっても予備費を使用することは難しいといった趣旨を答弁したものではないというように理解をしておりますが。
○山田太郎君 分かりました。
 もう一つ、林大臣の方も、この資料に載せさせていただいたんですが、やはり何かあったときのために交付を遅滞なく確実に実施できること、それから、予備費というのはなかなか予見し難いということですから、ある程度予見されているという意味では難しいということで、よく財務省と相談していきたい、この制度を見直して相談やっていきたいということだったんですが、その後どんな相談をされていますでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 今、委員会で委員から御指摘があったことについて、先ほどそういうやり取りを御紹介していただきました。
 したがって、これ毎年予算を折衝して決めていくわけでございますので、その都度その都度、今財務大臣から御答弁がありましたように、どれぐらいのものをきちっとこの特会なり独法なりに積んでおくことが適正な規模かということをしっかりと毎年毎年詰めてまいりたいと、こういうことでございます。
○山田太郎君 そういう形でそれぞれの特会、独法にやはり剰余金というかお金を積んでおきますと、トータルでは物すごい大きな生きていない我々の血税がたまっていると、こういうことだと思うんですね。
 ただ、各省がもしこの剰余金をためる理由がなく予備費が使えるということであれば、困ったときは財務省に助けてもらえばいいじゃないかと、こういうことにもなるんですが、ただ、各省の中には困ったときには財務省は助けてくれないんじゃないかという不信感もあるようでございまして、ここは財務大臣が仲よく話をしていただいて、困ったときは予備費で助けるから特会、独法の剰余金は一般会計に返してくださいということで信頼関係をつくっていただきたいと思うんですけれども、是非、財務大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) これは、今言われていますのは、何となく財務省に対するかなり劣等感的な思いのある方の言われたせりふかなと思いながら聞いていたんですが、少なくとも、あくまでも予見し難い予算の不足に充てるのが予備費でありますので、あらかじめ予算が足りなくなることというのを前提として少なめに予算を計上するというのは、これはちょっと適切じゃないのではないのかという感じがいたしております。
 結果として、予算が余った場合も剰余金として翌年度に繰り越された後、その翌年度の一般会計からの繰入れを減らすことができるので、無駄になるというわけではないんだと理解をいたしております。
○山田太郎君 実は、麻生大臣も昨年の財金の委員会の方で特別会計改革を積極的にやっていこうということをおっしゃられています。間仕切りのない選挙事務所は風通しがあってよろしいというような答弁をされておりまして、まさに塩じいことさきの塩川財務大臣の、母屋でおかゆ、離れですき焼きという名言に負けじと劣らずだというふうに思っておりまして、我々もそれを是非進めていただきたいなと思っています。
 今の御答弁等を受けて、それでは、全て返せというのが乱暴な議論でありましたら、剰余金を、一定の積立て限度の仕組みをつくると、こういうことがもう一つ必要なんではないかなと。それを上回る部分については一般会計に返すと。勝手に現場でため込んでおくということじゃなくて、各省庁と特に財務省が信頼関係をつくってそういったルールをつくってもらえないものかどうか。その辺についても、財務大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) これは基本的には予算の執行官庁もよく知っているはずだと存じますが、予備費の使用をなかなか認めてもらえないので特別会計や独立行政法人が剰余金をため込みがちになっているとの御指摘というのは、私は必ずしも賛同しないんですが。
 特別会計における毎年の剰余金について、特別会計法に基づいて一般会計に繰り入れるということは、これは可能ということになっております。したがって、行政改革推進法が制定されました平成十八年度から二十五年までの八年間に約三十兆円以上を一般会計に繰り入れられてきているというのが現実だと思っておりますので、何となく今の話を聞いていると、ううん。
○山田太郎君 うんということで終わっちゃったんですけれども、是非キャップというか、これは私も、財務省さんがもうひいひい言いながら毎年ない中をやりくりして審査されていると思いますので、そういったところを後押しする意味においても、是非、制度というか、やはりこれやらないと、官僚の方々はやっぱり何かあったとき、何があったときということでため込みがちだと思っておりますので、もう一度是非その辺、財務大臣の方、所見をいただけないでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) これは山田さん、波長が合ったり合わなかったりいろいろ難しいと思いますよ、これは、現実にやってみて。主計をした、主計の方にしてみれば、何となく、まあこの人だったら大丈夫だろうなというようなのもいれば、何となくとか、いろいろな感情論もこれは人間ですから否定はできぬと思いますね。それまできちっと全部やれるなんというほどみんな立派な人たちばかりだと思ったこともありませんし、そういった意味ではある程度のことは起きると思いますけれども、でも、今言われましたように、基本的に、こういったようなものがいざというときに、別に私腹を肥やすためにやっておるわけではありませんので、いざというときにスムーズに金が下りるようにしていくということが結果として国家利益というか国民のためになるんだと、私もそれはそう思います。
○山田太郎君 波長が合い過ぎてため込み過ぎても困ると思いますので、またこれは引き続きやらせていただきたいと思います。
 次に、ナベノミクスの重要課題であります農政改革、その中でも農協改革の問題についても触れていきたいと思っております。
 世間では今年に入ってアベノミクスが息切れとか又は腰折れなんじゃないかという声も出ていますが、やはり我々としては、原因はやっぱり、農業、医療、電力といった規制、岩盤規制の改革がなかなか進んでいない、こんなところが大きいように思っております。そういった意味で、農業、それを支配しています農協について少し考えていきたいと思うんですが。
 お手元の資料二ページを見ていただきたいと思います。これ、農協の組合員の推移でございます。正組合員が減って准組合員が増えていると。つまり、農業をやっていない組合員が増えているということであります。結果として、日本の農業人口が減る中で、しかし農協の組合員数は増えているという状況なんですが、農協法の例えば第一条によりますと、その法律の目的として、農業者の協同組織の発展を促進するということが規定されているわけですから、こういった実態はもしかしたら農協法の趣旨に反する状態ではないかと思いますが、この辺、農林水産大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) これは農林水産委員会でも、あるいは委員とだったかほかの方だったかちょっと覚えておりませんが、議論したことがある件でございます。
 基本は、農業者の自主的な協同組合という立て付けで、農協法で規定された枠内でこの農家組合員の選択により定款で組合員資格というのを定めております。農協の中には、今御指摘のあったように、准組合員が正組合員を上回るようになっているものも多くなっているわけですが、准組合員には議決権がないと。農協の事業運営についての意思決定は農業者である正組合員により行われており、准組合員の増加により農協の性格が直ちに変わるというものではないということであります。
 したがって、法律違反ということではないんですが、本来農業者の協同組織でスタートしたというのが農協の経緯でございますので、こういう状況が必ずしも胸を張って適切だと言える状況でもないと、こういうふうに考えておりまして、自己改革を、原則として改革をしてまいらなければならないと、こういうふうに思っております。
○山田太郎君 確かに、農協は民間任意団体ということでありますが、ただ、農協法によって、もう一つ農協には独占禁止法の適用除外規定というのが認められております。
 独占禁止法の適用除外の趣旨について、これ一般論で構わないので、公正取引委員長の方から御説明いただけますでしょうか。
○政府特別補佐人(杉本和行君) 独占禁止法の趣旨についてのお尋ねでございます。
 独占禁止法二十二条という規定がございまして、協同組合の一定の行為について、同条所定の要件を満たしている場合には原則として独占禁止法の適用が除外される旨規定されております。この結果、中小企業協同組合、消費者協同組合、農業協同組合、水産業協同組合、こういったものが適用除外とされております。
 この適用除外の趣旨でございますが、以下のように考えております。
 すなわち、単独では大企業に伍して競争することが困難な小規模な事業者等が相互扶助を目的とする協同組合を組織して活動する場合、これは市場において有効な競争単位として位置付けられるということで除外しているものでございます。
 したがいまして、農業協同組合につきましても、その構成員が大宗が家族経営ということで小規模でございますので、そういったことから独占禁止法の適用を除外しているものでございまして、こうした場合、共同販売とか共同購入、こういったものに独占禁止法の除外が適用されるということでございます。
 ただし、農協においても、農協自体が事業体として活動するという面を捉えますと、やはりこの場合におきまして不公正な取引方法を用いる場合、それから不当な取引制限等を行う場合もございますので、こういった場合においては独占禁止法に反することになりますので、公正取引委員会といたしましても、そういった事例に対しては厳正に対処することとしておるところでございます。
○山田太郎君 まさに大企業から零細の企業だったり小さい事業者を守るという趣旨でつくられていると思いますが、もちろん、農協さんが販売とかそれから共同購買とか一生懸命やっていく、それが独禁法には違反していないという趣旨は分かりますが、ただ、JA連合会という巨大事業体というふうに考えていきますと、本当に、それ自身も実は農協法の中では独占禁止法の適用外を受けるということで、しかし、このJAの市場が実は、御案内だと思いますが、米で五〇%、野菜で五四、牛肉で六四%、農業資材で、肥料で七七%、農薬で六〇、農業機械で五五%ということなんですね。力の強い企業に対抗できるように認められたのが独禁法の適用除外だとは思いますけれども、実態は大手の商社さんなんかよりもはるかに市場支配力は勝っていると言えると思います。
 しかも、商社とは違って、JAさんは銀行も保険業務もできるわけであります。銀行とか保険の分野でも実は第二、第三の地位を争う、まさに農協というのは日本最大の巨大事業体だと言っても間違いだと思いません。
 そんな中で、いま一度、これに独禁法の特例というか、を適用するのは果たして妥当なのかという議論もあるのかと思っております。是非、その辺り、農林水産大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) 先ほど公取の委員長から答弁がありましたように、全て、全部適用除外かというとそうではなくて、事業体としてやる部分については独禁法の適用があると、こういうことがまず一点ございます。
 それで、合併により大きくなりますと、今おっしゃったように大きくなって、中小事業者である農業者が自主的に設立したという当初のスタートのところと変わってきているのではないかと、こういうことですが、法人の性格としては協同組織というところが変わっていないということで、員外利用制限等の規制があるというところが株式会社と違っているということでございますので、今申し上げた理由で法人税の軽減税率や独禁法の適用除外、この特例が認められておりまして、これは先ほど、冒頭財務大臣からお話がありましたように、農協だけではなくて協同組合という制度に付随している特例でございます。
 ただ、先ほど申し上げましたように、このスタートが昭和二十二年でございますから、担い手農業者と小規模な兼業農家が混在を今しているということ、それから、先ほど御指摘があったように、やっぱり准組合と正組合が逆転していると、環境が変わっておりますので、やはりこの協同組合としての原点に立ち返って自己改革をやはり進めていただかなければならないと、こういうふうに思っております。
○山田太郎君 もう一つやっぱり農業が成長していくためにはある程度の競争と自由な参入というものを促さなきゃいけないと思っていますので、この問題、引き続き考えていきたいと思うんですが。
 もうちょっと、そういった意味で農協の中身も見ていきたいと思いますが、割と保護されている農協でありますが、給与なんかも少し見ていきたいんですが、農協職員の平均給与、賞与、見込みで幾らだか教えてください。
○国務大臣(林芳正君) 農協職員の平均年収は約四百六十三万円であります。販売農家の農業所得は、先ほど聞かれましたですかね。(発言する者あり)取りあえずいいですか。じゃ、四百六十三万円でございます。
○山田太郎君 御丁寧にありがとうございます。今聞こうと思ったんですが、平成二十四年度のまさに農業所得が五百二万なんですが、主業農家の関与者が二・五人ということなので、一人当たり二百一万ということになるわけであります。
 まさに、農協職員が四百六十三万で、主業農家の一人当たりのお給料が二百一万円、それから一般の平均サラリーマンが厚労省の調査だと全国平均で三百七十六万円ということですから、かなり四百六十三万円のお給料がもらえる農協というのは地元じゃ優良企業なのかなと、こういうふうに思っております。
 大臣、この辺りの給与水準の御感想をいただけますでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) これは、委員今おっしゃっていただいたように、販売農家の農業所得が低いわけですが、主業農家で出していただくと先ほどのような数字になってくるということでございますので、それと単純にこのJAの方の職員の平均年収を比較というのは難しいと思いますが。
 これは農協が、自主的な協同組織というのは農業者がつくられているということですから、農業者がそういう自らのためにおつくりになったという原点からすれば、この農協の事業運営、給与の水準も含めた事業運営ということですが、総会で決定された事業計画に基づいて行われて、その結果、人件費を含めた損益計算書として組合で承認を得ていると、こういうことがありますので、先ほどから何回か申し上げている自己改革というのは、こういう数字を見てどう思うかということをまず自己改革をするということがスタートではないかという趣旨で申し上げております。
○山田太郎君 では、その組織としての農協も見ていきたいんですが、農協の内部留保の金額なんですけど、直近年度と十年前の数字をお答えいただけますでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 直近の額が四兆円、これは平成二十三事業年度総合農協統計表でございます。同じ総合農協統計表の平成十三年度が三・〇兆円ということでございます。
○山田太郎君 まさに巨大事業体だと。十年間で一兆円も増加させたということであると思います。随分大きなお金が内部留保されていると思いますが、これほど内部留保を積み上げてきたのはどうしてなのかなといったこともあるかと思っています。
 もう一つ、農協さんの財務体質を拝見させていただきますと、預貯金だけで六十一兆の流動資産があるんですね。いわゆる預金は八十八兆円ということでありまして、もう大手銀行にも伍すほどの規模であります。ただし、そんな中で、その金融部門、農業分野での貸付けは僅か一・五兆円なんですね。その他の貸付けでも二十二兆円ということでありますから、多くの、六十兆円というお金は農林中金さんに向けて上部系統預金として六十兆円が上がっていっていると、こんな状況だと思います。
 もう一つ資料を、お手元の最後のページのを見ていただきたいんですけれども、販売、購買、信用、共済というふうに個々の事業体のそれぞれ取扱高というのを見ていただければと思いますが、いわゆる貯貸率なんかを見て、二六・八%ということでこれ問題もあるかと思っていますけれども。
 ちょっとこの数字を見たときに、これひとつ財務大臣にもお伺いしたいんですけれども、まさに農協は、これは金融機関だというふうに思わざるを得ないんですけれども、これ、財務大臣の方からの御所見をいただけないでしょうか。引き続き、農水大臣からも御所見をいただきたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) 農協は、信用事業、販売、購買事業と多様な事業を行っておりまして、今内部留保のお話がありましたけれども、やはり継続的にサービスを組合員に提供するために一定の内部留保は必要だと、こういうふうに考えております。
 委員は御専門だと思いますが、金融業ということでありますと、自己資本比率というのを求められます。国際行八%、内国行四%、こういうものがございまして、これを計算するときのたしかティア1の方には内部留保も入るということで、一定のそういう要請も金融をやっている以上は要求をされているということでございまして、そういう意味では、内部留保だけをもってほかの製造業等と比べるというのはなかなか難しいと思いますが、一方で、自分のためにあるという、先ほどから申し上げるところでいきますと、やはり農家のための金融サービスと、これをやっぱり基本にするべきだというところは農協の基本精神としてあるべきところでありまして、やはりそういうところに、きちっと原点に立って自己改革をする必要があると、こういうふうに思っております。
○国務大臣(麻生太郎君) 山田先生、事業総利益一兆八千八百六十一、なかなかちょっと企業には普通にありませんな。これだけのあれ出している企業ってそう日本中にないですよと、私はこれ見て、へえと思って感心して見たんですが。これを見てどう思うかと言われても、うん、なるほどという以外に特に言うことはないんですが。
 協同組合になっておりますので、これは基本的には、元々の生い立ち、法律ができた昭和二十何年にできた生い立ちは、組合員の、どのみち相互扶助とかいう目的になっていたと記憶いたしますので、そういった組織でありますので、その根拠法においてはこれは営利を目的としたものではないと。お互いのためにということで小さい農家が集まってお互いに共同防衛ということでやられたんだということなどを踏まえて、これはちょっと、その時代と今とを比べてみますと、随分その法律を作った時代とは状況が違ってきているので、先ほどの農林大臣の言葉を拝借させていただければ自己改革という表現がいいのか、少なくとも今の現状に合わせた形に変えていく必要があるのではないかという感じが正直なところです。
○山田太郎君 BIS規制という自己資本の話も出たんですが、実は農業分野には一・五兆しか貸していなくて、六十兆が上部構造に上がるわけですから、じゃ預金を切り崩して、もうちょっといわゆるバランスシートを改革していくという手だってあると思っておりまして、ちょっとその辺は構造を欠いていると思っています。
 最後になりますが、農林水産大臣に是非、今日改革案出ています、私まだ見れてないのでこれから拝見させていただこうと思いますが、実は今年の一月二十一日、大臣は積極的に農協改革について御発言されています。まさに、先ほどおっしゃっていた昭和二十二年に作られた農協法には随分たがってしまっているのではないか。担い手農業と兼業農家が混在しているよね、それから正組員よりも准組員の方が多い問題点、協同組合の原点に立ち戻りましょう、営農指導しましょう、かなり積極的におっしゃっていますので、是非これ進めていただきたいと思います。
 最後に、歴史をたどればということで、協同組合は品川弥二郎氏がドイツで見てきて民間の立場からつくったものだというふうにおっしゃられました。私も実は、協同組合としての農協は重要だと思っております。現場で農業をやって物を作る人が売るところまで、いろんなところまで全部できません。ただ、今の農協さんはどうかという問題はあると思っていますが、まさにその品川氏の見立てた農協、協同組合から見たときの、最後、大臣の御所感をいただいて、私の質問を終わりにしたいと思います。
 ありがとうございます。
○国務大臣(林芳正君) 品川弥二郎は、私や総理の地元の長州の大先達でありまして、伊藤博文の子分格であったと、こういうことですが、明治維新のときに自分たちと一緒に戦ってくれた下級武士が報われないということを非常に心を痛めておった。後にドイツに行ったときに、ドイツでも製造業が出てきて大きな資本に小さい人が劣位に置かれている状況を見て、協同組合というのが出てきたと。そこで、彼は、これを一生の仕事と思い定めて、協同組合のための法律を、後に内務卿となって作っていくわけでございまして、まさに、小さい人たち、競争力のない人たちが集まってバーゲニングパワーを大きなものに対して対抗させていくというのがこの協同組合の原理原則だと思っておりますので、先ほど委員が御披露いただいたように、私も委員会で答弁をさせていただいたような、やはり原点に返って、本当に農業者、現代における農業者に評価されるような自己改革をきちっとやっていけるように我々も後押しをしていきたいと、こういうふうに思っております。
○山田太郎君 ありがとうございました。
○委員長(山崎力君) 以上で山田太郎君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(山崎力君) 次に、福山哲郎君の質疑を行います。福山哲郎君。
○福山哲郎君 民主党・新緑風会の福山哲郎でございます。
 各大臣におかれましては、連日の審議御苦労さまでございます。少しの時間お付き合いをいただきたいと思います。
 また、北川理事始め、我が党の大塚理事を始め、今日の私の審議に対していろいろ格段の御配慮をいただきましたことを感謝申し上げます。ありがとうございます。
 まず、特定秘密保護法案についてお伺いをしたいと思います。
 特定秘密保護法案は、強行採決でいろいろやられたことはもう去年の話でございますが、今年に情報保全諮問会議というのが設置をされています。
 森大臣、この情報保全諮問会議というのは何に基づいて設置されているのでしょうか。
○国務大臣(森まさこ君) お答えいたします。
 特定秘密保護法第十八条二項では、特定秘密の指定等に関し統一的な運用を図るための基準について、内閣総理大臣が有識者の意見を聴いた上でその案を作成するとされておりますが、この有識者の意見を内閣総理大臣が聴く場として内閣総理大臣決裁により情報保全諮問会議を開催することとしております。
○福山哲郎君 御案内のように、特定秘密保護法案の十八条二項では、合議体というものは何も規定がございません。御案内のように、「者」というふうに書いてあります。
 法制局長官、この「者」というのは、法律の解釈上はどういうふうに考えればよろしいでしょうか。
○政府特別補佐人(小松一郎君) 法令に「者」という言葉が使われている場合、それがどういうものを含むのかということにつきましては、個人であるか、法人も含むのかといったことも含めまして、個別の法令により解釈されるものだと思います。
○福山哲郎君 個別の法令だということでございますが、なぜ会議体となったのか、お答えいただけますか。
○国務大臣(森まさこ君) 先ほども御答弁申し上げましたとおり、有識者の意見を内閣総理大臣が聴く場として内閣総理大臣決裁により情報保全諮問会議を開催することといたしました。
 合議体とした根拠でございますけど、今御説明したとおり、内閣総理大臣決裁により定められました。その理由は、各委員への説明の便宜が図られることや、有識者間で意見交換を行い個々人の認識を深める上で有益というふうに考えたところからでございます。
○福山哲郎君 なぜ閣議決定にされなかったんですか。
○国務大臣(森まさこ君) これは、条文上は有識者の意見を諮るというふうに記載しておりまして、内閣総理大臣がその有識者の意見を聴いた上で様々なことの参考にするというふうになっておりますので、その有識者の意見を聴く場として定めるということで、閣議決定ではなく内閣総理大臣決裁により定めたものでございます。(発言する者あり)
○委員長(山崎力君) それじゃ、もう一度、質問してください。
○福山哲郎君 だから、理由を聞いているんですが、なぜ決裁にしたんですか。
○国務大臣(森まさこ君) 有識者の意見を聴く場としてふさわしいものとして決裁で定めたものでありまして、法令上、閣議決定で定めるというふうにはしておりません。また、他にも前例があるということで、そのようにしております。
○福山哲郎君 お答えいただいていないんですけど、今日は僕は、あの強行決裁による法案ですから、その後の動きについて全然私は分かっておりません。なぜなら、国会での審議がなかったからです。それで諮問会議がスタートしたので、一個一個確認をさせていただいておりますので、そういう位置付けということでお答えをいただきたいんですけど、じゃ、情報保全諮問会議の意思決定はどうやって、何に定められているんでしょうかね。
○国務大臣(森まさこ君) 御質問の趣旨が、情報保全会議の意思決定が何に定められているかということですか。
 情報保全会議は、その場で合議体としての意思を決定する場ではございませんで、先ほど御説明申し上げましたとおり、内閣総理大臣が有識者の意見を聴く場として設けてあるものでございます。
○福山哲郎君 ということは、意思決定の方は何も定められていないということでよろしいんですね。
○国務大臣(森まさこ君) お答えいたします。
 情報保全諮問会議として、合議体として最終的に何か意思を決定するということは定められておりません。
○福山哲郎君 そうすると、ある情報保全諮問会議の委員は、個人として意見を出すことを確認したというふうに御自身のブログで書かれているんですけど、この会議は、みんなが好き勝手総理に言って、言いっ放しの会議ということですか。
○国務大臣(森まさこ君) 好き勝手に意見を言って言いっ放しの会議ですかというような御質問でございますけれど、先ほど御説明したとおり、法律では、有識者の意見を内閣総理大臣が聴いて、内閣総理大臣の方で様々な決定をしてまいります。そのための参考となる意見を聴く場であります。
 ただ、その中で、皆さんの意見を聴いている上で他者の意見を聴いて参考にするということもございましょうし、他の委員が求めた資料をほかの委員も参考にすることができるということで、有意義な意見交換ができるというふうに思っております。
○福山哲郎君 意見交換と参考にする場なんですね。なるほど。
 この情報保全諮問会議の個々の委員は法律上の守秘義務が掛かっていますか。
○国務大臣(森まさこ君) 情報保全諮問会議の委員には、国家公務員法上の守秘義務は掛かっておりません。
○委員長(山崎力君) ちょっと聞き取れなかった、最後のところだけ。
○国務大臣(森まさこ君) 守秘義務は掛かっておりません。よろしいですか。
○福山哲郎君 承諾書を取っておられるはずですが、承諾書、要は会議で知り得た秘密について漏らさないという承諾書を取っておられるはずですが、これには法的拘束力やペナルティーは掛かっていますか。
○国務大臣(森まさこ君) 承諾書というものをいただいておりますが、これは、有識者会議、情報保全諮問会議に参加するということと併せて、この本会議の中の知り得た秘密については漏らさないということで承諾書をいただいております。これについては罰則等は掛かっておりません。
○福山哲郎君 特定秘密を漏らした公務員に厳罰に処す法律の基準を作る会の割には何も守秘義務は掛かっていないと、参考にするだけという状況です。
 じゃ、この情報保全諮問会議の委員に対して、特定秘密にすべきものの例、特定秘密にしないものの例というのは具体的に提示されるんですね。
○国務大臣(森まさこ君) 御質問の趣旨が特定秘密の内容そのものということでありましたら、そのような要請はまだございません。この情報保全諮問会議において運用基準等を定めていくわけでございますが、その中で必要な資料を提出することになっていこうかというふうに思います。
○福山哲郎君 いや、だから、その資料の中には個別の、特定秘密にすべきもの若しくは特定秘密には適合しないものの例示はあるんですかとお伺いしています。
○国務大臣(森まさこ君) 例示はあります。御要望があればそれは例示はしていこうと思いますが、今答弁したとおり、例示をするときに特定秘密の中まで全てお見せをして例示をするかといった、そのような今御要望はございませんし、もしそのような御要望があったら、そこはまた必要な範囲ということで検討をさせていただくということになると思います。
○福山哲郎君 率直な疑問なんですが、今、要望があれば例を出すと言われたので、これ、委員の方は多分要望出ると思いますが、そうなると、これ、基準作るんですよね。基準作る委員が具体的に例示だけ、要望したものだけ出してきて中身は出さないと。例示したものをたまたま一個、たまたま誰かが出したものを出してきて、どうやってそれに対して特定秘密保護法案に対する運用基準が作れるんですか。
○国務大臣(森まさこ君) 今、福山委員が委員からそのような要望が出ると思いますというふうにおっしゃいましたけれども、今の時点では出ていません。また、その特定秘密の内容そのものまで全部見るか、見ないと運用基準が作れないかとなると、またそこは別の話であろうかというふうに思います。
 例えば、潜水艦のプロペラの内容が特定秘密になっていたというときに、そのプロペラの図面まで全て見ないと運用基準が作れないのかというとそうではないというふうに思いますので、特定秘密の中身を全て見るという話と運用基準の細目を作っていくのに必要な範囲というところは、おのずとやっぱり違ってくるんだろうというふうに思っております。
○福山哲郎君 いや、だから、僕は今の話が一番危ないと思っているんですよ。あなたは今、プロペラのものは一応言うけれども設計図は要らないと、都合のいい例だけ提示したわけですよ。
 いいですか。審査をされる方、運用基準を作られる方は、何が特定秘密に当たるのか、何が当たらないのかをちゃんとやらなければ、きちっと、そうじゃなきゃ基準なんか作れないじゃないですか。そうやって森大臣の都合のいい例示だけぽっと出して、これでいいですねと言って運用基準作るんだったら、これは本当に運用基準分からなくなると僕は思っているんですよ。
 それで、じゃ、例示をするんですかといえば、要望があれば例示をすると。じゃ、その要望で、それぞれの省庁の特定秘密と特定秘密でない事例を挙げてくださいという要望が出たら、それぞれの省庁できちっと出すんですね。
○国務大臣(森まさこ君) 福山委員が先ほどおっしゃいました、要望があれば出すんですかということに対して私御答弁申し上げたのは、要望がありましたら必要な範囲を検討をさせていただきますというふうに言いましたので、それは全てお見せするということにはつながらないと、イコールではないというふうに私は考えております。
 それと、二つ目に福山委員がおっしゃった、都合のいい例示だけを出すのかといったら、決してそうではございません。細目基準を作るのに御要望があったものの必要なものを、その例示を見せていきます。その一つ一つをお見せをするときに、じゃ、その内容まで全て見せる必要があるのかどうかというのは、それは違うであろうというふうに思っているわけでございます。
○福山哲郎君 今、細目基準を作る際にとおっしゃいましたが、先ほどは総理が意見を聴く会だと言われました。今、細目基準を作る、先ほどは運用基準を作る会と発言をされました。どっちなんですか。
○国務大臣(森まさこ君) 運用基準、細目基準とも同じ意味でございます。つまり、今定めている別表の詳しい運用基準を定めるということで前回の国会答弁でも申し上げておりますので、そういった細目、運用基準というものを検討していく、その御意見を伺う会議ということで、先ほど申し上げたとおり、決定はもちろん政府の方で、内閣総理大臣がいたしますので、そこは誤解のないように今申し上げておきますけれども、それを作っていく上で意見を伺うのがこの諮問会議でございます。(発言する者あり)
○委員長(山崎力君) ちょっと速記止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(山崎力君) 速記を起こしてください。
○福山哲郎君 大臣、はっきり定義をしてください。細目基準や運用基準を作る会なのか、そうではないのか。
○国務大臣(森まさこ君) お答えします。
 細目や運用基準を作成するに当たって意見を聴く会でございます。
○福山哲郎君 さっきの答弁撤回してください。
○国務大臣(森まさこ君) 情報保全諮問会議は、細目や運用基準について内閣総理大臣が定めていくために有識者の意見を聴く会でございます。
○福山哲郎君 意見を聴くに当たって、何が特定秘密にするべきかしないべきかという例示もないのに意見を言うんですか、一般論として。
○国務大臣(森まさこ君) 何が特定秘密とするのか、しないのかというような例示はしてまいります。そのときに、特定秘密の内容そのものを全てお見せするかどうかは別の話ですというふうに申し上げております。
○福山哲郎君 だから都合よく恣意的に出されるんじゃないかと申し上げているんですけど、どうですか。
○国務大臣(森まさこ君) 都合よく恣意的に出すということはありません。委員の御要望に応じて、しっかりとそれは提供してまいります。現在、委員の方から特定秘密の内容そのものを諮問会議に出してくれというような御要望はございません。
○福山哲郎君 今まで情報諮問会議、何回開催されましたか。
○国務大臣(森まさこ君) 情報保全諮問会議は一回開催されました。
○福山哲郎君 要望があるもないも、一回しかやっていないじゃないですか。一回しかやっていないじゃないですか。一回は検討事項の説明なんですよ。検討事項の説明なんです。僕、議事録全部読んでいますから。どうやって一回で要望聞けるんですか。どうぞ。
○国務大臣(森まさこ君) 情報保全諮問会議は、先ほど申し上げましたように、有識者の御意見を伺う場としておりまして、第一回が開催された後、個別にそれぞれの委員から御意見又は質問事項を伺っているところでございます。
○福山哲郎君 そうなんですよ。現段階は個別に聞いているんですよ。個別に聞いているんですが、ある委員は非常に大部にわたった本質的な詳細な質問を出されています。
 こういったことに関して、全てのものに対して回答されるんですね。
○国務大臣(森まさこ君) たくさんの御質問が寄せられておりますが、国会答弁等で御説明したものと重複するものも多くございます。今、福山委員の御質問にお答えをいたしますと、寄せられた御質問に対しては回答を行ったということになっております。
○福山哲郎君 全て回答するんですかと聞いています。昨日私が聞いたときには回答していませんと答えたんです。だから、今日の半日で回答したんでしょうけれども、全て回答したんですか。
○国務大臣(森まさこ君) 委員の方がどのようにおっしゃったかは私把握しておりませんけれども、いただいた質問には丁寧に回答をしております。(発言する者あり)
○委員長(山崎力君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(山崎力君) 速記を起こしてください。
 内閣官房北村博文内閣審議官。
○政府参考人(北村博文君) 事務的作業に関わりますことですからお答えいたしますが、情報保全諮問会議の委員のそれぞれの方々から、質問があれば出していただきたいということで受付をしているところでございます。
 この質問につきましては、何回かに締切りを分けて受付をいたしておりまして、このうち第一回目の回答につきましては、先般回答をしたところでございます。
 なお、委員お尋ねのブログにおいて大量の質問をしたという方の質問については、今の時点ではまだ御回答を申し上げておりません。(発言する者あり)
○委員長(山崎力君) じゃ、速記をちょっと止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(山崎力君) じゃ、速記を起こしてください。
 それでは、森大臣、再答弁ではっきりさせてください。
○国務大臣(森まさこ君) 質問については締切りをつくらせていただいておりまして、第一次締切りは二月二十四日、第二次締切りは三月十日でございます。二月二十四日までにお寄せいただいた質問については御回答を送付をいたしました。
○福山哲郎君 さっきと答え違うじゃないですか。さっき丁寧にお答えしましたって言ったじゃないですか。(発言する者あり)いや、最初に大部って言ったでしょう。
 いや、じゃ、大部に質問をされてブログで公開されている方の質問については今後答えられるんですね、全てに、全ての質問に対して。
○国務大臣(森まさこ君) ブログで言われている委員というのがどなたのことか承知をいたしておりませんが、いただいた質問については丁寧にお答えをしております。
 第一次締切り二月二十四日までにお寄せいただいた質問については回答を送付いたしました。第二次締切りは三月十日でございます。今後の質問についても丁寧にお答えをしてまいります。
○福山哲郎君 この質問、それぞれの委員から出た質問、回答については国民に開示をいただけるんですよね。
○政府参考人(北村博文君) 個別の委員からお尋ねいただきました事柄につきましては、委員の皆様方に知っていただく必要がございますので、まとめた形で全ての委員の方々に回答を差し上げているところでございます。
 他方、その個別の委員とのやり取りにつきまして国民の皆様方に公表、公開するかという点につきましては、今のところ予定はいたしておりません。
○福山哲郎君 その質問が、どういう質問が出たかとかどういう回答が出たかは国民には知らせられるんですか。
○政府参考人(北村博文君) お答えいたします。
 委員の個別のやり取りにつきましては公開することは予定しておりませんけれども、国民の皆様方に私どもと委員との間でどのような意見のやり取りがあったか、あるいは意見がどのような形で出されたかということについて、何らかの形で国民の皆様方にお分かりいただけるための方策については今後検討してまいりたいというふうに考えております。
○福山哲郎君 なぜ出せないんですか。
○委員長(山崎力君) もう一度ちょっと言ってみてください。
○福山哲郎君 何で委員の質問と回答については出せないんですか。
○国務大臣(森まさこ君) 個別の委員とのやり取りを公開することは考えておりません。それは、委員との率直な意見交換を確保する必要があるからというふうに考えておりますが、会議のプロセスの透明性を確保することは重要であると考えておりますので、私は、委員からどのような意見が出されたかというものをお示しする方法については今後検討してまいりたいと思います。
○福山哲郎君 いいですか。今、個別の委員と事務局で質問とやり取りをやっているんですよ、一人一人。そこで意見闘わされて恐らくいろいろやっているんでしょう。こっちではこっち側でやっているんですよ。それに関してはどの程度開示されるか全く分からないし、どんな質問出て、それに対してどう回答されたかも分からないんですよ。その状況で、ここでは意思決定しないと言われているんですよ。なおかつ具体的な特定秘密の例示もないんですよ。一体これがどう透明化しているプロセスなんですか。全部ブラックボックスじゃないですか。この中でどうやって運用基準が議論として積み重なっていくんですか。
○国務大臣(森まさこ君) 個別の質問について公開はしておりませんが、各委員の質問とその回答については共有できるよう、各委員に全ての質問と回答をまとめて送っております。
○福山哲郎君 じゃ、それぞれの委員から出た質問と回答は各委員が全部共有しているんですね。それも実は、私、昨日聞いたら、共有できるのかと聞いたら、いや分かりませんと言っていたんですけれども、今日は共有できると言っていただいているのでそれはいいんですが、共有できるんですね。確認しますよ、共有できますね。
○政府参考人(北村博文君) お答えをいたします。
 先ほども御答弁申し上げましたが、各委員から出されました質問につきましては、全ての委員に質問とその回答をお示ししているところでございますし、今後意見が出されれば、それにつきましても同様に対応してまいりたいと考えてございます。
○福山哲郎君 そうすると、その全ての委員のやり取りについて委員同士は開示されていると。さっき守秘義務違反はないと言われた。そしたら、そのことをある方が、ある委員が国民にこれは知らせるべきだと開示しても、それは守秘義務違反にならないということですね。
○政府参考人(北村博文君) 罰則はございませんので守秘義務違反という形にはなりませんが、先ほど大臣からも御説明申し上げましたように、各委員の方々には承諾書もお出しいただいておりますので、適切な対応がなされるものというふうに理解いたしております。
○福山哲郎君 恐らくそれは各委員の、国民がこの情報について知った方がいいかどうかということの比較考量の中で判断される場合には罰則規定掛からないということですね。そこは確認いたしました。
 それからもう一点、実はこの間、一昨日、我が党の大野議員の質問に森大臣は、重要な例の第三者機関ですけれども、第三者機関が政令なのか立法なのかについて、四党合意に記載されてありますように、「政令(または立法措置が必要な場合には立法)により設置する。」とお答えになりましたが、それで間違いございませんね。
○国務大臣(森まさこ君) はい、そのとおりです。
○福山哲郎君 今日、委員の方にお示しをしたペーパー、見てください。これは諮問会議の第一回の会議で示されたペーパーですが、三項目めにある第三者機関、これが実は第三者機関の設置の問題です。左側、見てください。仮称独立公文書管理監、審議官級、「○政令により、施行までに内閣府に設置。」って、もう設置、施行に、政令になっているじゃないですか。これ、どういうことですか。
 もう一点。今後の検討事項ということに関して言うと、第三者機関はその他になっています。これ、立法措置の、立法の検討項目なんか一個も書かれていません。あなたは国会では、政令若しくは必要な場合には立法だとおととい明示されました。しかし、一回目の一月に配付されたもうこれに政令って書いてあるじゃないですか。誰がこれ政令って決めたんですか。
○国務大臣(森まさこ君) 四党合意には、政令又は立法措置が必要な場合には立法によるというふうに書かれております。政府としては、特定秘密保護法附則第九条に規定する新たな機関として、総理が御答弁申し上げましたとおり、本法の施行までに、内閣府に審議官級の独立公文書管理監(仮称)と、その下に二十人規模の情報保全監察室(仮称)を設置し、業務を開始することになっております。さらに、その上で、政令又は立法措置が必要な場合には立法により、できる限り早期に情報保全監察室(仮称)を局へ格上げすることをさきの臨時国会においてもお約束をしたところでございます。
 この場合において、まず最初の、審議官級のポストである独立公文書管理監(仮称)を最初に設置する場合には内閣府本府組織令の改正によることが見込まれますので、公表資料に「(審議官級)」とお書きして、その下に「政令により、」というふうにお書きしたということになります。(発言する者あり)
○委員長(山崎力君) ちょっと速記止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(山崎力君) じゃ、速記を起こしてください。
 森国務大臣。
○国務大臣(森まさこ君) 第一回情報保全諮問会議で配付された資料の今後の検討事項についての御質問でございますけれども、二番に政令関係と書いてありまして、三番にその他というふうに書いてあります。
 二番の政令関係というのは、今の審議官についての内閣府本府組織令の改正又はその他の本法の施行令等を意味しております。審議官級のポストがその後局に格上げをされる、又はこの組織についての内容が検討された結果、立法措置が必要な場合には立法になるわけでございますので、そういったことについて三番のその他で議論することになっております。
○福山哲郎君 いやいや、それね、じゃこれ全部政令でこの独立公文書管理監が設置されて、次のこの右側の情報保全監察室は、いつ立法化されるのか政令化されるのか決まるんですか。どこが検討するんですか。いつどこが検討するか教えてください。森大臣、答えてください。
○国務大臣(森まさこ君) いつというお尋ねでございますが、四党合意に、これは局に格上げをするかどうかをその後検討をしていくというふうになっておりますので、まだ確実な時期は定まっておりませんけれども、施行のときにはとにかくこの審議官級のポストをつくると、そこまで決まっておりまして、その後検討を重ねていくというふうに四党合意によっても決められております。
○政府参考人(北村博文君) お尋ねの情報保全監察室、こちら仮称でございますけれども、その設置につきましては、法律の施行までに内閣において手当てするということになってまいります。
○福山哲郎君 内閣においてというのは、どこですか。
○政府参考人(北村博文君) 政令により組織を設置する場合には、政令の閣議決定という形になると存じております。
○福山哲郎君 違うって。立法化するか政令にするかの検討するんでしょう。誰が政令にするときに閣議で決めるなんて、そんな当たり前のこと聞いているんだよ。
○政府参考人(北村博文君) 個別の検討の作業につきましては、内閣官房において検討してまいるところでございます。
○福山哲郎君 ちょっと待ってくださいよ。これ、だって、今後の検討事項の中に第三者機関の設置・運営ってあるんですよ。これ、諮問会議に諮問したんじゃないんですか、これ、配ったの。大臣。
○国務大臣(森まさこ君) 諮問会議は、先ほど御説明しましたとおり意思決定機関ではございませんで、御意見を伺う場となっておりまして、その三番についても御意見を伺っていくというふうになっております。
○福山哲郎君 じゃ、どこで決めるんですか、大臣。
○国務大臣(森まさこ君) 内閣総理大臣が決定いたします。
○福山哲郎君 これ、去年の審議に戻っちゃうので嫌なんですけど、内閣総理大臣を始めとした各大臣が秘密を指定するのが、それは恣意的になるかもしれないから第三者機関が要るって必要になって、じゃ、第三者機関をどうつくるか、立法措置が要るんじゃないかと言ったら、立法か政令だと言って、それを誰が検討するんだと言ったら、今全然答えが出てこなくて、結果として誰が決めるかというと内閣総理大臣って、何言っているんですか。元に戻るじゃないですか。(発言する者あり)いやいや、経産大臣には聞いていない。森大臣、答えてください。
○国務大臣(森まさこ君) 今の御質問の趣旨は、特定秘密の指定を各省庁が指定をしていく、そこのチェックをする、恣意的なことが行われないようにチェックをする第三者機関を決める手続等を、またその最終的な姿を誰が決めるのかという御質問であると思いますけれども、答弁申し上げたとおり、内閣総理大臣です。
 ちなみに、こういったものをチェックする機関って、諸外国ではアメリカの例がございますけれども、こちらも大統領が大統領令によって決めております。
○福山哲郎君 それなら、総理大臣が第三者機関を設置するんだったら設置するで、そう考えるんだったらそれでいいですけれども、それに対する法律を作ってください、中身も含めて。どういう権限でどういう形でチェックするのかの法律を作っていただければ、それは閣法として出てきて責任を持って議論するんだったら国会でもう一回やりましょう。
 それが今、政令か立法かどっちが決めるんだと言って、内閣総理大臣が決めると言われちゃったら、で、誰が検討するんだと言ったら、この第三者機関もふにゃふにゃ、意思決定機関でもない、意見を聴くだけ、事務局は個別に聴いている、情報は開示するのかどうかも分からない。
 どうやってチェックするんですか、これ国会で。大臣、お答えください。
○国務大臣(森まさこ君) 第三者機関の委員につきましては、個別に今御意見を伺っておりまして、その出た質問それから回答の内容については、先ほど私から御答弁しましたとおり、透明性を図れるような方法を検討してまいります。
 大統領が決めているアメリカの例によりますと、法律ではなく大統領令で定めているわけでございまして、ここは有識者の御意見を伺った上で内閣総理大臣が適切に判断していくものというふうに思います。
○福山哲郎君 これ、時間がないのでもうあれですけど、これからも続きやりますけど、最初の話でいえば、諮問会議は意見を言うだけ、誰に言っているかといえば事務局、誰が基準を作るのかと言ったら分からない。これ、事務局、結局作ることになるんですよ。
 そして、さっきの左側にあった公文書管理監も審議官級、これも結局官僚ですよ。上にある保全監視委員会も、今準備委員会ができていて、これ事務次官でできていますよ。全部官僚組織ですよ。
 官僚が指定することに対して、恣意的になるかもしれないという話が問題意識としてあって、去年あれだけ問題になったのに何にも反省していないじゃないですか。何も改善していないじゃないですか。これでどうやって国民に、不安を払拭する努力をすると総理が何度も言われていますけど、不安を払拭できるんですか。
 もう一個聞きます。特定秘密保護法関連で予算幾ら付いていますか、大臣。
○国務大臣(森まさこ君) 国民の疑問を払拭するのにどうやってやるのかという御質問でございます。(発言する者あり)二つ、もう一個質問しますとおっしゃって、今二つ質問したんではないんですか。最初の質問……(発言する者あり)いいんですか、予算の方だけで。
 では、予算についてお答えをいたしますけれども、特定秘密保護法の運用に密接に関わることが想定される省庁において、特定秘密保護法の施行に要する経費は、平成二十五年度補正予算、平成二十六年度本予算に特に計上されていないものと承知しております。
○福山哲郎君 国民に理解を求めるといっても、予算ゼロです。それは、役人の中で政令でやっていれば、それで省庁内の中身で収まるからです。まさに、役人のお手盛りになるんじゃないかという、もう既にその兆候が現れるどころか、結果として出てきているじゃないですか。予算ゼロですよ。
 ここでこれ以上やると切りがないのでやめますが、国民の不安はこれでは払拭できないということを申し上げて、次に行かせていただきます。
 ごめんなさい、小松長官、今日お越しいただきましてありがとうございました。
 小松長官は、私、外務副大臣のときに御一緒に仕事もさせていただいて、私、大変尊敬をしております。そして、本当に能吏だと思います。今回、病を押して職務に当たられていることについても心から敬意を表したいと思います。
 大変な投薬ということをしながらの国会審議で、本当に頭が下がる思いでいっぱいでございますが、若干嫌なことを申し上げれば、その思いは受け止めますが、私、昨日、長官が今日投薬だと聞いたときに、やっぱり質問するのをためらいました。本当にそうやって質問していいのかどうかと考えました。確かに病魔と闘いながら国会の審議に出てこられるのは立派だと思う。でも、今回の集団的自衛権の議論は、国民の命、生命にも関わってきます。小松長官のもちろん健康は重要ですが、それを国会の委員に気を遣わせながらとか、投薬だから審議に出てこられないということで審議に影響を与えるなら、私は、小松長官、よく存じ上げていることも含めて、是非しっかり療養していただきたい、そうお願いしたいと思います。
 個人的な事情でこの国会の審議の中で、特に集団的自衛権のような重要なもので小松長官が無理に出てこられることについて私は非常に心配をしていますし、それが委員会の審議に影響することに対しても危惧をしています。こうやって質問をしていても、病魔と闘いながら出てこられている長官に本当にどの程度審議を求めていいのかというのも僕はちょっと今日は抵抗がありました。そのことについて少し、これは官房長官にもお願いですが、僕はどんな健康状態かは詳しくは存じ上げません。しかし、そのことについては、是非官邸も含めて、別に衆議院の審議は代理の方を立てられたわけですから、そのことについてはまず一言お願いを申し上げたいと思います。
 それで、そうはいっても、来ていただいたので、質問をいたします。
 小松長官は三月五日の予算委員会での答弁で、憲法九条に関する安倍内閣の憲法解釈は、現時点では従来からの政府見解のとおりであるということでございますと発言されました。このことについては間違いございませんね。
○政府特別補佐人(小松一郎君) お答えをいたします前に、大変有り難いお心遣いをいただきまして、心から感謝を申し上げます。
 官房長官が記者会見で御発表になりましたとおり、私は、医師の判断で外来に切り替えて、一週間に一回これは化学療法が必要でございますけれども、それ以外は通常の勤務をして差し支えないという御判断をいただいてこの職務に復帰させていただいているわけでございます。もちろん、本日、委員の本来御予定されていた質疑時間に私の投薬の時間が掛かったものですから、あらかじめそういうことを例えば理事会の理事の方に申し上げていなかったというようなことは大変申し訳なく思っておりまして、心からおわび申し上げますが、それでこの質疑の時間帯が変わったということについても大変申し訳なく思っておりますが、委員のおっしゃったとおり、大変重要な問題でございますので、そこは御質問をいただきましたら最大限誠意を持ってお答えをさせていただきます。
 それで、御質問でございますが、まず平成二十五年八月十三日、昨年の八月でございますけれども、辻元清美衆議院議員からの提出の質問主意書、これに対する答弁書、これは御案内のとおり閣議決定されたものでございますが、次のとおり答えております。
 現時点で、集団的自衛権に関する政府の憲法解釈は従来どおりである。
 他方、現在、「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(以下「懇談会」という。)において、我が国周辺の安全保障環境が一層厳しさを増す中、それにふさわしい対応を可能とするよう安全保障の法的基盤を再構築する必要があるとの認識の下、集団的自衛権の問題を含めた、憲法との関係の整理について検討が行われているところであり、政府としては、懇談会における議論を踏まえて対応を改めて検討していく。
 以上でございます。
 この御趣旨は、今閣議決定されているわけでございますが、これが安倍内閣の見解でございまして、この御趣旨は、その後、口頭の国会答弁においても総理も繰り返し答弁をしておられるところでございます。
○福山哲郎君 いや、だから、法制局長官が、憲法九条に関する安倍内閣の憲法解釈は、現時点では従来からの政府見解のとおりであるということでございますということは間違いないかと聞いているんです。余りお話しになり過ぎないでください。法制局長官としての立場でお答えください。
○政府特別補佐人(小松一郎君) 現時点ではそのとおりでございます。ただ、安保法制懇の検討の結果を待って検討をするということを政府の、内閣の見解として申し上げているわけでございます。
○福山哲郎君 平成九年二月二十八日衆議院予算委員会における大森法制局長官の答弁について、もう何も結構ですから、そのままお読み上げいただけますか。「ただ、」以降で結構です。
○政府特別補佐人(小松一郎君) そのまま読み上げさせていただきます。
 私が法解釈の変更は困難であると申しましたのは、特に九条に関する政府の解釈と申しますのは、憲法の基本理念の一つである平和主義という国の基本的なあり方に係るものでありまして、長年の議論の積み重ねによって確定し、定着している考え方、解釈というものを、政策上の必要性によって変更するということは困難ではないかということを申し上げたわけでございます。
 以上でございます。
○福山哲郎君 ありがとうございます。
 続きまして、恐縮でございますが、昭和五十八年二月二十二日の角田禮次郎内閣法制局長官の答弁を、「仮に、」以降、もしよければお答えください。
○政府特別補佐人(小松一郎君) そのまま読み上げさせていただきます。
 仮に、全く仮に、集団的自衛権の行使を憲法上認めたという考え方があり、認めたいという考え方があり、それを明確にしたいということであれば、憲法改正という手段を当然とらざるを得ないと思います。したがって、そういう手段をとらない限りできないということになると思います。
 以上でございます。
○福山哲郎君 今の答弁が、現時点での政府の解釈のあれです、中身です。安倍政権は、今の現時点ではここは変わっておりません。
 ところが、安倍総理は、集団的自衛権の行使が認められるという判断も政府が適切な形で新しい解釈を明らかにすることによって可能であり、憲法改正が必要だという指摘はこれは必ずしも当たらないと総理は言われていますが、法制局長官の立場では、今の段階ではこの安倍総理の答弁は、あれですよね、行き過ぎな答弁だとお認めいただけますよね。
○政府特別補佐人(小松一郎君) 内閣総理大臣の御答弁、これは口頭でなされたものでございますので、この真意と申しますか、その総理のお考えを私が勝手に解釈をするということはできないと思います。
 その上で、御指摘の安倍総理の発言は、懇談会におきまして、そもそも憲法には個別的自衛権や集団的自衛権についての明文の規定はなく、集団的自衛権の行使が認められるという判断も政府が適切な形で新しい解釈を明らかにすることによって可能であり、憲法改正が必要だという指摘は当たらないという意見も表明されているということを御紹介されたものではないかと認識しております。
○福山哲郎君 総理の答弁を推察して内閣法制局長官には求めていません。法制局長官の立場としてお答えください。
 ついでに、先ほどの角田長官のもう一度例示をしてお答えください。
○政府特別補佐人(小松一郎君) これは、内閣法制局長官としては、現在の内閣の憲法九条に関する解釈、これは従来の解釈どおりであると。しかし、その懇談会の報告書を見て検討をするとおっしゃっているわけでございまして、この総理の御方針として、懇談会の報告を受けて、受けて、その結論は出ておりませんけれどもそれを検討をするということをおっしゃっているわけでございますから、そのときに法制局としては法制局設置法に基づきまして適切な意見を申し上げる立場にあるということだと考えております。(発言する者あり)
○委員長(山崎力君) ちょっと速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(山崎力君) じゃ、速記を起こしてください。
○福山哲郎君 先ほどの答弁の前段の部分は長官の答弁として私も理解をしますが、後半の答弁は、法制局長官の答弁としては私は甚だ不適切だと思いますので、そこは撤回をいただけますでしょうか。
○政府特別補佐人(小松一郎君) 大変恐縮でございますが、後半の答弁で、委員が法制局長官の職責を逸脱しているのでこの部分は撤回をすべきではないかという部分をお示しいただければ大変幸いでございます。(発言する者あり)
○委員長(山崎力君) ちょっと速記止めて。
   〔速記中止〕
○委員長(山崎力君) じゃ、速記を起こしてください。
○福山哲郎君 しようがないですから、もう一度質問します。
 安倍総理が、集団的自衛権の行使が認められるという判断も政府が適切な形で新しい解釈を明らかにすることによって可能であり、憲法改正が必要だという指摘は、これは必ずしも当たらないと我々は考えているところでございますというのは、現時点の法制局長官の立場としては、その考え方とは異なるということでよろしいですね。
○政府特別補佐人(小松一郎君) 私の理解が不十分で大変失礼いたしました。
 ただいまの質問に対しまして、総理のこの口頭の国会答弁でございますので、その真意ですね、どういうお考えに基づいて答弁をされたのかということについて私がそんたくをすることはまさに僣越だと思いますので、ここで差し控えます。
 その上で……(発言する者あり)その上で、憲法九条の解釈についての安倍内閣の立場はどうかということにつきましては、昨年八月の政府答弁書でお答えしているとおりでございます。これは、内閣法制局長官として当然、閣議決定の内容を私が尊重しないというと、これは職務に反しますので、そのとおりお答えをさせていただきたいと思います。
○福山哲郎君 先ほど御答弁をいただいた角田長官の、全く仮に、集団的自衛権の行使を憲法上認めたいという考え方があり、ということであれば、憲法改正という手段を当然取らざるを得ないと思いますと、したがって、そういう手段を取らない限りできないということになりますというのが法制局長官の御答弁です。それは、現在の政府の解釈です。
 小松長官が参議院の三月五日の予算委員会で、解釈を変更するとすると、その解釈を変更したのはどういうふうに変更したんだということが、まさに、きちっと議論のベースになるようなものにならなければ等々の議論をしています。
 解釈を変更するとするとと仮定をした場合には、今の法制局の見解は憲法改正が必要だという見解なんです。あなたが変更するとするとと仮定をして、次が、例えば法律を出せばとか、国会に議論をしていただくというのは、あなたの個人的な意見であり、それは法制局長官としてはふさわしくないので、この答弁については、これも撤回していただけますか。
○政府特別補佐人(小松一郎君) 憲法九条の解釈につきまして、安倍内閣の立場はどういうことかということにつきまして、昨年、繰り返しませんけれども、八月の辻元清美衆議院議員に対する政府答弁書があるわけでございます。現時点では、従来の憲法解釈のとおりである、その上で、安保法制懇の報告書を待って改めて検討をすると、こういうのが内閣の決定なわけでございます。それを踏まえまして、内閣法制局は所掌事務に基づいて仕事をしなければなりません。その所掌事務の第三条に、この法律問題について内閣総理大臣、関係大臣等に対して意見を申し上げるというのが私の使命であるわけでございます。
 したがいまして、内閣総理大臣がこの報告書をお受けになって、安全保障の法的基盤の再構築について見直しをする必要があるという御指示があれば、私どもは政策的な観点からではなく、純粋に法的な観点から、従来のもちろん重要な答弁の積み重ねもございます、角田答弁もございます、こういうものも十分踏まえた上で、その解釈を、従来の解釈を変更する余地があるのかないのか、そういうことも含めて適切に意見を申し上げるということが当然の使命であると考えておりまして、その使命が果たせないようであれば、私はこの職にとどまる資格がないと思っております。
○福山哲郎君 違うんですよ。私、今の話は理解しているんですよ。
 じゃ、何で安保法制懇の報告書が出る前にあなたが、変更するとするとと言って仮定の答えをするんだ。総理も閣議決定も安保法制懇の検討の上にと言っているんでしょう、あなたもそう言っているじゃないか。なぜ、あなたが変更を前提の議論をするんですか。あなたは、今の段階では変わらないと言っている政府の答弁をするのが法制局長官の役割じゃないんですか。
○政府特別補佐人(小松一郎君) 私は、現在の憲法解釈の変更ができるということもできないということも、この段階では全く予断をしておりません。そんなことはできません、できません。ただ、ただ、ただ……(発言する者あり)いえいえ、ただ、安倍総理が、安倍総理が他の院の予算委員会の質疑において、まさに民主党の委員とのやり取りの中で、この安保法制懇を踏まえてどうするのかということについて、安全保障の法的基盤の見直しを行って、その見解を閣議決定の形でお示しをしたいと、こういう御答弁をなさったわけでございます、内閣総理大臣がですね。そのことが、そのことが立憲主義に反するという御批判がございますので、私は法制的な観点から総理の答弁が立憲主義に反することはないということを申し上げるために御指摘の答弁をしているわけでございまして、これは、大変僣越でございますが、内閣法制局長官としての私の職務の範囲内であると考えております。
○福山哲郎君 いやいや、そんな、そんなこと言っていないですよ、そんな議論をしていないですよ。
 あなたが解釈を変更するとするとと自分で言って、その解釈を変更したのはどういうふうに変更したんだと。あなたは今長官の立場ではそのことは、安保法制懇の報告書も出ていないし、あなたがまさに言ったように、解釈は変更するかしないかも決めていない状況で、あなたがこれを言っちゃ、それは法制局長官としてののりを越えているのではないですかと申し上げているんです。
○政府特別補佐人(小松一郎君) 安保法制懇の議論に私は出席をしておりませんが、法制次長がオブザーバーとして参加しておりまして、どういう議論をおやりになっているかということは、もちろん私どもはあらかじめ情報を収集しているわけでございます。
 それで、この報告書を踏まえて、安全保障の法的基盤の見直しを内閣法制、総理大臣の御方針でおやりになるということが分かっているわけでございますから、そのときに……(発言する者あり)分かって、ちょっとお聞き……(発言する者あり)安保法制懇の、安保法制懇の……(発言する者あり)いえ、いえ、いえ、この安全保障の法的基盤の再構築というのは、集団的自衛権のことが重要な一部でございますけれども、それだけでございません。憲法上、今まで憲法、今までの従来の憲法解釈でもその憲法の範囲内のことであっても、その法律のレベルでこの十分なこの措置がとられているのか、シームレスな対応ができるのか、いろんなあらゆる事態に、そういうことの検討も必要だということも内閣総理大臣は述べておられます。
 したがって、そういうことを総合的に私どもがあらかじめ勉強を、局内で勉強をしておくということをやらずに、報告書が出てきたら、そこから一から検討をしますということで私の職責が果たせるとは思っておりません。(発言する者あり)
○委員長(山崎力君) ちょっと速記止めておいてください。
   〔午後五時三十一分速記中止〕
   〔午後五時四十二分速記開始〕
○委員長(山崎力君) それでは、速記を起こしてください。
 改めて、福山哲郎君、御発言願います。
○福山哲郎君 委員長の御指示ですから質問しますが、なぜ私が何回も同じ質問をしなければいけないのか。
 あの総理の二月五日の発言は、法制局の現在の見解とは異なるということでよろしいですねと聞いています。
○政府特別補佐人(小松一郎君) 理解力が不足しておりまして、度々同じ答弁で申し訳ございませんが、総理のその御答弁ですね、どういうお考えに基づいて言われたものかということを私がそんたくする立場にございません。(発言する者あり)
○委員長(山崎力君) ちょっとよろしいですか。今、ちょっと場内からも声がありましたけれども、今の発言のほかに内閣法制局長官の発言中に不適当と認められる言辞があったという指摘がございました。
 委員長としては、後刻理事会において、小松内閣法制局長官の速記録を調査の上、適当な措置をとることとさせていただきます。
 続けさせていただきます。福山哲郎君。
○福山哲郎君 委員長の公平な運営に心から敬意を表する次第でございます。
 長官、平成十七年十一月四日、我が党の藤末健三君の集団的自衛権に関する政府見解をもう一度読み上げいただけますか。
○政府特別補佐人(小松一郎君) 失礼いたしました。
 憲法を始めとする法令の解釈は、当該法令の文言、趣旨等に即しつつ、立案者の意図や立案の背景となる社会情勢等を考慮し、また、憲法第九条のように議論の積み重ねのあるものについては、全体の整合性を保つことにも留意して、論理的に確定されるべきものであり、政府による憲法の解釈は、このような考え方に基づき、それぞれ論理的な追求の結果として示されてきたものであって、諸情勢の変化とそれから生ずる新たな要請を考慮すべきことは当然であるとしても、なお、前記のような考え方を離れて政府が自由に憲法の解釈を変更することができるという性質のものではないと考えており、仮に、政府において、憲法解釈を便宜的、意図的に変更するようなことをするとすれば、政府の憲法解釈ひいては憲法規範そのものに対する国民の信頼が損なわれかねないと考えられるところである。
 以上でございます。
○福山哲郎君 ありがとうございます。
 今安保法制懇で議論されている具体的な事案についてお伺いします。
 基本的に、総理からの例示もありますが、我が国近隣で武力攻撃が発生し、米国が集団的自衛権を行使している状況で、我が国は攻撃国に武器を供給するために航行している船舶のいわゆる臨検をする必要があるのではないかということだと思います。なかなか外務大臣は国の名前を挙げることができないと思いますが、これ一般的に言えば、朝鮮半島有事です。アメリカが集団的自衛権を行使して、恐らく北朝鮮と、韓国と一緒に北朝鮮と対峙している状況だと思います。その状況でアメリカから臨検の要請があると。
 答えられない場合は、外務大臣、答えていただかなくて結構ですが、そのような状況において、北朝鮮に何らかの物資を運ぶ船が想定されるのでしょうか、第三国として。
○国務大臣(岸田文雄君) 今御指摘のようなケースにおいて、武器を運ぶというようなことが想定されるかという……(発言する者あり)
 第三国においてそういった行動が想定されるのかという御質問かと思いますが、これは、こうした有事においては様々なケースが想定されるとは思いますが、今ここで一概にあるかないか、それは申し上げることは難しいかと存じます。
○福山哲郎君 そのとおりだと思います。
 どこの国が北朝鮮に向かうのか。一番あり得る例としては、恐らく当該国、北朝鮮の船だと思います。その船が何らかの物資を置くときに、臨検に行くと、これは一般的に言えば周辺事態です。周辺事態のときには、公海上においては我が国は周辺事態法において輸送しかできません。これは確かに問題提起としては重要な提起だと思います。
 しかし、そういう状況のときに、相手が、相手がですよ、北朝鮮の船だとして、臨検を公海上でするということになると、これは国際法上、武力行使に当たりますね。外務省、お答えください。
○国務大臣(岸田文雄君) 国際法上、公海において船舶は一般にその旗国以外の国の執行管轄権には服することはないとの旗国主義の原則があります。しかしながら、この船舶が国籍を有していない場合など当該船舶を臨検することができるほか、経済制裁の実効性を確保するために、国連安保理決議に基づき行われる船舶検査等についても旗国以外の国が行うことができるとされています。
 国際法上の武力の行使については、この国連憲章第二条四において、「すべての加盟国は、その国際関係において、武力による威嚇又は武力の行使を、いかなる国の領土保全又は政治的独立に対するものも、また、国際連合の目的と両立しない他のいかなる方法によるものも慎まなければならない。」、このように規定しております。
 よって、この武力の行使に当たるかどうかという御質問につきまして、個々の事案に応じて判断する必要がありますので一概にお答えするのは困難ですが、一般論として申し上げるならば、外国船舶に対して、国際法上の正当な法的根拠なく、実力の行使を伴う強制的措置をとれば、そのような行為が武力の行使と評価される可能性、否定はできません。
○委員長(山崎力君) おまとめください。
○福山哲郎君 もう時間がないので、本当はもっと長くやりたかったんですけど、旗国が同意をしなければ、臨検に行けば、それは武力行使に当たると解される可能性があります。
 そうすると、本当に、ひょっとしたら、朝鮮半島で対峙をしている北の船に自衛隊が向かっていくことになります。これは本当に、ある意味でいうと、日本の安全保障上、大変大きな政策の変更です。これはマイナー自衛権とか領域警備ののりをはるかに越えています。こういった具体的な事例が検討されているということも含めて、この問題については非常に重要な論点だと思いますので、今後も議論を深めていきたいと思います。
 どうもありがとうございました。
○委員長(山崎力君) 以上で福山哲郎君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 次回は来る十日午前九時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後五時五十分散会