第186回国会 予算委員会 第12号
平成二十六年三月十二日(水曜日)
   午後一時開会
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   委員の異動
 三月十一日
    辞任         補欠選任
     石上 俊雄君     小川 敏夫君
     安井美沙子君     小西 洋之君
     新妻 秀規君     矢倉 克夫君
    渡辺美知太郎君     和田 政宗君
     吉良よし子君     井上 哲士君
     福島みずほ君     吉田 忠智君
 三月十二日
    辞任         補欠選任
     牧山ひろえ君     難波 奨二君
     清水 貴之君   アントニオ猪木君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         山崎  力君
    理 事
                青木 一彦君
                宇都 隆史君
                大家 敏志君
                片山さつき君
               北川イッセイ君
                大塚 耕平君
                那谷屋正義君
                秋野 公造君
                中西 健治君
    委 員
                石井 正弘君
                猪口 邦子君
                大野 泰正君
                古賀友一郎君
                佐藤 正久君
                佐藤ゆかり君
                中西 祐介君
                二之湯 智君
                堀井  巌君
                丸川 珠代君
                三木  亨君
               三原じゅん子君
                三宅 伸吾君
                山下 雄平君
                山田 俊男君
                渡辺 猛之君
                石橋 通宏君
                小川 敏夫君
                大野 元裕君
                金子 洋一君
                小西 洋之君
                田中 直紀君
                難波 奨二君
                福山 哲郎君
               佐々木さやか君
                矢倉 克夫君
                若松 謙維君
                松田 公太君
                和田 政宗君
                井上 哲士君
                大門実紀史君
              アントニオ猪木君
                儀間 光男君
                吉田 忠智君
                浜田 和幸君
   国務大臣
       内閣総理大臣   安倍 晋三君
       財務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        麻生 太郎君
       総務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(国家戦
       略特別区域、地
       方分権改革))  新藤 義孝君
       外務大臣     岸田 文雄君
       防衛大臣     小野寺五典君
       国務大臣
       (復興大臣)   根本  匠君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)
       (内閣府特命担
       当大臣(防災)
       )        古屋 圭司君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(沖縄及
       び北方対策、科
       学技術政策、宇
       宙政策))    山本 一太君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(経済財
       政政策))    甘利  明君
   副大臣
       財務副大臣
       復興副大臣    愛知 治郎君
       経済産業副大臣  松島みどり君
       国土交通副大臣  高木  毅君
   政府特別補佐人
       内閣法制局長官  小松 一郎君
   事務局側
       事務総長     中村  剛君
       常任委員会専門
       員        小野 亮治君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       武藤 義哉君
       総務省情報流通
       行政局長     福岡  徹君
       観光庁長官    久保 成人君
       海上保安庁長官  佐藤 雄二君
   参考人
       日本放送協会会
       長        籾井 勝人君
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  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○平成二十六年度一般会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○平成二十六年度特別会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○平成二十六年度政府関係機関予算(内閣提出、
 衆議院送付)
○委嘱審査に関する件
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○委員長(山崎力君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成二十六年度総予算三案審査のため、本日の委員会に日本放送協会会長籾井勝人君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山崎力君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(山崎力君) 平成二十六年度総予算三案に関する理事会決定事項について御報告いたします。
 本日は、外交・安全保障・公共放送に関する集中審議を行うこととし、質疑は往復方式で行い、質疑割当て時間は二百四十分とし、各会派への割当て時間は、自由民主党六十二分、民主党・新緑風会六十一分、公明党二十七分、みんなの党二十六分、日本共産党二十分、日本維新の会二十分、社会民主党・護憲連合十二分、新党改革・無所属の会十二分とすること、質疑順位につきましてはお手元の質疑通告表のとおりでございます。
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○委員長(山崎力君) 平成二十六年度一般会計予算、平成二十六年度特別会計予算、平成二十六年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、外交・安全保障・公共放送に関する集中審議を行います。
 これより質疑を行います。丸川珠代君。
○丸川珠代君 自由民主党の丸川珠代でございます。
 まず冒頭、昨日は東日本大震災の発災から丸三年でございました。私も追悼式参加をさせていただきましたけれども、やはり三年を経て、今なお震災で家族を失われた皆様方の言葉というものは涙なしに聞くことができませんでした。改めて、震災で命を失われた方々に衷心から哀悼の意を表しますとともに、今なお仮設住宅や避難先で不便な生活、苦しい生活を強いられている皆様に心からお見舞いを申し上げたいと存じます。
 そして、総理がおっしゃったように、政府・与党一体となってこれからも引き続き復興に全力を挙げて取り組んでいくということを私自身もお誓いを申し上げたいと存じます。
 さて、本日は、NHK、公共放送とそして外交、防衛についての集中審議ということでございます。私は総務委員会の理事でもございますし、また予算委員会のメンバーでもございますので、まず冒頭、NHK、公共放送についてお伺いをしたいと存じます。
 今日は籾井勝人NHK会長においでをいただいております。私、正直、籾井勝人会長がこれまで答弁されるのを何度もお聞かせをいただいておりまして、恐らく衆参合わせて二十回近く委員会で呼ばれているという状況だと思います。そのたびごとにほぼ謝罪をなさって、また個人的見解、就任会見での個人的見解を取り消すという発言をなさっておられるということでございます。それでもなお国会でこのように御自身の発言の真意をただされるということは、取りも直さず、今までの御自分の表現のやり方、表現方法では御自身の真意が伝わらないのだということを籾井会長もそろそろ自覚をされているのではないかというふうに私は思っております。
 改めて就任会見の内容を私もじっくりと拝見をさせていただきました。確かに籾井会長は、靖国神社の件について質問がございましたときに、もうコメントは差し控えたいということを二回おっしゃっております。従軍慰安婦問題について聞かれたときも、コメントを控えては駄目ですかと言った上で、コメントをしないというふうな態度を取られている。なおかつ、その上でも再び聞かれたときにも、深入りするのはやめたいと思いますとおっしゃっていると。その後、結果的に記者の方と議論になるわけでございますけれども、最終的に、会長の職はさておき、さておきですよ、これだけは忘れないでくださいねと念押しをした上で個人的見解を述べておられるわけです。
 一般社会の感覚では尋常ではないぐらいにしつこく質問をされているということは間違いありません。御自身で記者に言わされたと言うのは、これは本人が言うべきことではないと私は思いますけれども、しつこく質問されたから答えなきゃいけないと思ったということをその会見でも述べておられるわけでありまして、私は、この御発言はある意味、籾井会長の人の良い一面というものが表れているのかなというふうにも思うわけであります。
 しかしながら、同時に、私はこの会見をじっくりと読ませていただいて、籾井会長はこの時点ではまだ、放送とは一体どういうものなのかということ、そしてまた、放送に携わる人たちがどれほどの思い入れ、熱意を持って放送を作っているかということについての理解がまだ十分ではなかったのだなということを改めて思うわけでございます。
 例えば、NHKがNHKとしての意見を言うことと政府の公式見解を伝えるということは違うことだということであるとか、あるいは、現場レベルでの編集権の自由というものはどういうものかと、これ、私の了解を得るんじゃなくて、番組の基準にのっとっているかどうかということ、NHKが自身で決めている番組の基準にのっとっているかどうかということを判断基準にすべきだというようなことについての理解が決して十分ではなかったと私は思います。
 この点は度々国会でも質問されておられますので、もう十分に御理解をされているのではないかと推察をいたします。しかし、その上で、私は籾井会長に是非御理解をいただきたいことがございます。それは、先ほども申し上げました放送に携わる人たちがいかに自分たちの放送に思い入れを持っているかということ、そして、その現場現場で放送の自由、表現の自由を守るためにどれほどの努力をしているかということについてでございます。
 私自身も民間放送で十四年間勤めさせていただきまして、報道からスポーツ、またバラエティーまで番組制作の現場に携わらせていただきました。放送に携わる人間というのは、それこそ寝る暇も惜しんで、自分が与えられたそのVTRの尺、また生放送の時間の中で、かき集めてきた事実の中から真実をどうにか見付け出してというか見通して、その真実を限られた時間の中で伝えるためにどういう編集をしようか、どういうコメントを書こうかということに骨身を削っているわけでございます。
 放送時間というのは、一日二十四時間、三百六十五日と限られているわけですね。もっと言うと、民間放送というのは番組単位でこれスポンサーに広告料を支払っていただいているわけでありますので、もう持ち時間というのはきちんと決まっているんです。その中で、実は放送するに当たってその何倍も何十倍も取材をして、編集をして、時間を掛けて作っているものに対して物すごく思い入れを持っているわけなんです。
 どうやってそのたった数秒、数十秒、数分、こういうものの中で真実を伝えながら政治的公平を実現するか、これは大変に知恵の要ることでもあります、努力の要ることでもあります。こういう思い入れを持って放送をしている人たちに対して、籾井会長が会見でおっしゃった放送をよく見ていないとか、よく分からないとか、こういうことを言われると、とてもじゃないですけど頑張る気になれないと私は思います。
 私は、籾井会長には、確かに経営のプロだということはお認めを申し上げたいと思う、それはもうそのとおりだと思います。しかしながら、放送については自分はまだまだ十分に理解をしていない、そのことについて謙虚さを是非持っていただきたい、そうして謙虚な気持ちになって、これから、放送に携わる人たちの気持ちを理解しよう、放送というものを理解しようという気持ちを持ってこの職に当たっていただきたいと思うんです。
 もう反省は何度も聞かせていただきましたけれども、もう一度謙虚な気持ちで御自身の発言、また行動というものに対して向き合っていただいた上で、籾井会長がどのような反省をされているのかということをお聞かせをいただきたいと思います。余計な言い訳、弁明というものは一切必要ございません。よろしくお願いします。
○参考人(籾井勝人君) お答えいたします。
 まあ今委員が御指摘になりました……(発言する者あり)ことにつきましては、まさしく私が一月二十五日、初日、私、NHKにおける初日でございましたけれども、全く私が公共放送NHKというものを理解せず申し上げたことでございます。
 したがいまして、私も何度もおわびを申しておりますが、この場で改めまして、一月二十五日の就任会見で個人的な見解を述べたことは誠に不適切であったと思います。改めて心からおわび申し上げたいと思います。これを言葉だけではなくて本当にするためには、今後のNHKを見ていただきたいというふうに思いたいと思います。言葉で何回言っても、多分実を示すまでは誰も信用してくれないでしょうから、私はそう思います。
 それから、まあ公共放送につきましては、私は非常に大事なことだと思っていますし、今後とも、いわゆる私個人の意見ではなくて、私個人がどんな考えを持っていようが、我々には放送法という非常にきちっとした縛りがございます。私はそれをバックボーンとしてやっていきたいというふうに思います。
 また、視聴者の皆様にも、今後折を見まして私から何らかの形できちんとおわびをする機会を持ちたいと思っております。
○丸川珠代君 今、籾井会長がまあとおっしゃった瞬間にいろんな不規則発言があったわけですが、私はテレビ局のアナウンス部というところに勤めておりました。これ、アナウンス部に入りますと、まず自分のしゃべり方の癖を直されるんですね。まあとか、ええとか、つい人間はしゃべり方の癖の中でそういうのが出てきてしまうものでございます。私も、すぐ何とかというふうに思いますとか、というふうにと余計なことを言ったりするわけですが、これを言うことによって、御本人が意図するところとは別の印象を与えることになってしまうわけなんです。NHKには立派なアナウンス部があるわけでございますので、籾井会長も是非、まあとか、ええとか言わずに、言いたいことが伝わるような話し方というものをしっかり研修をしていただきたいというふうに思うわけであります。
 やはりテレビというのは、これは私の自戒を込めています。私も野党時代の印象が非常に強いので、がみがみキャラだというふうに思われていると思うんですけれども、家に帰れば普通のお母さんです。やはりテレビというのは、その映像に映し出された人間が自分の意図をどういうふうに持っていたかということもさることながら、それを見た人がどう判断するかということが全てなんであります。面白いか面白くないか。俺はすごい面白いものを作ったと幾らディレクターやプロデューサーが思っても、見た人が面白くなければ視聴率も取れないし、それは面白かったという評価はされないのであります。
 ですので、これから公人として映像を通して国民の皆様に御理解をいただかなければならない立場になった籾井会長でございますので、やはりテレビは見る人が判断するものだということをよく頭に入れておいていただきたいと思います。
 その上で、私、何度も言いますが、民間放送出身でございますので、やはり民間放送と公共放送の違いというものについては籾井会長によく御認識を賜りたいと思っております。
 改めてお伺いをいたしますが、もう何度も委員会で質問されていると思いますが、民間放送と公共放送との違いというのは一体何でしょうか、籾井会長。
○参考人(籾井勝人君) 一番顕著な違いは、まあ民間放送の場合は、営利を目的としまして、私企業によって広告収入等を財源として運営されている放送であります。
 まあ公共放送、特にNHKは、公共的な事業体によって、営利を目的とすることなく、主として受信料等を財源として運営される放送と理解いたしております。まあ公共放送でありますNHKは、放送法の第十五条に定められているとおり、あまねく日本全国で放送を受信できるようにすることとともに、豊かでかつ良い放送番組を放送することなどを目的といたしております。
○丸川珠代君 おっしゃるとおり、民間放送と公共放送、民間放送の立場からいえば、とりわけやはり公共放送というのは受信料をいただいて放送をしているという点が大変大きく違うわけであります。この受信料というのはきちんと法律に書いてありまして、契約を結んだ人は一定の基準に合う人以外はこれは払わなければならないということになっているわけでありまして、これは民間放送からするとすごいことだなと思うわけですね。
 なぜならば、これ受信機、テレビの受信機持っているだけで契約を結んで払わなければいけないんです。たとえテレビ付けていても付けていなくても払うんですよ。つまり、サービスを提供を受けているか受けていないかにかかわらず払うんです。それは何のためかといえば、公共放送は日本全国にあまねく情報を伝えなければいけない、なおかつ民間放送にできないような豊かで良い質の番組を提供しなければならないから、見ない人からもお金取っているんです。このことの重みというのは、もっとしっかりと胸に受け止めていただきたい。
 籾井会長、そのことを本当によく分かっていただいておるかということを私はもう一度きちんとお伺いしたいと思います。これは別の聞き方で聞きます。大丈夫です。大丈夫って変な言い方ですけど。
 どういうことかというと、これは放送の内容も民間放送と同じではいけないということなんですよ。民間放送は、やはり視聴率をきちんと取って、スポンサーに評価を受けた上で広告料の収入を得なければいけないという構造になってございます。しかしながら、NHKは、法律に書かれた公共の福祉のために、豊かでかつ良い放送番組を行うということがあるわけですから、視聴率を追い求めることはNHKの仕事ではないと民間放送から見ると思うわけであります。NHKには、視聴率とは別の座標軸というものをきちんと持っていただきたい。言ってみれば、番組の質というものをきちんと求めていただきたいんです。もちろん、視聴率というのは各番組にブレークダウンできる非常に分かりやすい結果です。であるけれども、NHKにはきちんと、法律に書かれた公共放送の使命、豊かでかつ良い放送番組を行うためにどのような取組を行っていくのかということについて、籾井会長の御見解を御答弁賜りたいと思います。
○参考人(籾井勝人君) 委員仰せのとおり、NHKには視聴率のほかにやはり質というものを多く求められておるというふうに認識しております。私自身もNHKを、前ですよ、会長になる前、見るときは、やはりNHKの質というものを常に念頭に置きながらテレビを見たわけでございますが、まあNHKは公共放送の役割を果たしているかを測る、公平公正、正確、迅速な情報提供、社会的課題の共有などの十四の指標を設定しまして、年二回世論調査を行って期待度と実現度を把握しております。その差を縮めていくことを目指しております。
 具体例を挙げますと、やはり第一に、公平公正につきましては、期待度七七・九%、実現度七七・二%、これがやはり差が一番小そうございます。ということは、取りも直さずこの辺が一番視聴者の認識が高いということでございます。次に、正確、迅速な情報提供につきましては、期待度が八一・二%、実現度が七二・〇%、これについては差が九・一%ございますので、もう少しこの辺を強くしていってもいいかなと。
 今後、やはりもう少し力を入れていかなきゃいけないのが、新しいこと、創造性、こういうものに挑戦することでございまして、その次はやはり世界への情報発信と。これにつきましても視聴者の皆様の期待度と実現度の差が結構大きいわけでございます。この辺についても今後は実行して、視聴者の皆様の期待度に沿えるようにしていきたいと思っております。
○丸川珠代君 今、籾井会長がお話しいただいたNHKの三か年計画に書かれている十四の指標というのは、NHKの放送全体ではなくて、物によっては番組でも各指標を設けているというふうに伺っております。私は、やはりそれぞれの番組を作る人が中身を競い合っていい番組を作るというのは非常に社内で重要なことだと思っておりまして、これは各番組にもきちんとブレークダウンできるような形の指標でなければならないと思いますし、公共放送というのは、ほかの民間放送でもきちんと取り入れられるような放送技術であるとか、あるいは放送の評価の在り方というものを調査研究するのも仕事であると思いますので、こうしたことが民間放送でもきちんと各番組にブレークダウンしていけるようないい指標として生かせるように、今後、研究をより進めていってもらいたいと思いますし、活用していただきたいと思います。
 何よりも、籾井会長には放送を愛していただきたいと思います。そして、放送に携わる人たちの気持ちにきちんと向き合っていただきたい。そして、自分はこれから放送のことを知っていくんだという謙虚さを持っていただきたいということを重ね重ねお願いを申し上げておきたいと思います。
 それでは、次の質問に移ってまいりたいと思います。今日は公共放送そして外交、防衛に関する集中審議ということでございますので、公共放送の中でも国際放送について質問をさせていただきたいと思います。
 最近、海外出張に行かれる方のお話でこういうことを伺うことが頻繁になりました。ホテルの部屋に入ってケーブルなんかを付けると、大体アリランTVとCCTVは映ると、ところがNHKワールドが映らない、大丈夫かと、こういうふうに聞かれるわけです。アリランTVというのは韓国の国際放送でございますね。CCTVというのは中国の国営放送の国際放送でございますが、こういうアリランTVやCCTV、こういうものを中国や韓国が国策として推進をしている、普及を推進しているということはもはや公知の事実ではなかろうかと思います。
 これに対して我が国のNHKはどうかというと、ずっとこのところNHKの国際放送を強化すべきだという議論は国会の様々な場面で出てきているわけでありますが、この五年間、二十四時間の英語放送をNHKがNHKワールドということで普及を始めてから大変努力はされておられることは認識しておりますが、まだまだ、先ほどの海外出張者の印象が物語るように、十分とは言えない状況だというふうに私認識しております。これは一方で、我が国が対外広報戦略というものにどれほどの認識、重さを置いているかということにも付随するというか一致するものでもあろうかと思いますので、この点は是非お伺いをしていきたいと思っております。
 まず、籾井会長にお伺いをいたしますが、NHKの国際放送のチャンネル確保の現況はどうなっておりますでしょうか。
○参考人(籾井勝人君) お答えいたします。
 委員仰せのとおり、NHKの国際放送はまだ始まって日が浅いわけですが、今、視聴できる世帯を増やすために受信環境整備等々いろいろやっております。二十五年度でイギリス、ロサンゼルス、それにタイなどで二十四時間サービスが始まりまして、およそ百四十の国と地域の二億七千万世帯余りの家庭にNHKワールドが視聴していただけるようになりました。NHKワールドテレビが外国人向けテレビ国際チャンネルとしてスタートしました五年前と比べて、視聴可能世帯数は百倍に増えております。
 まあ、そういいましても、やはりインパクト、我々のNHKの国際放送のインパクト、今委員が御指摘になりましたように、多くの方がNHKワールドTVのやはり露出度が非常に低いというふうな話をよく聞きますので、我々としましても、今までの改善策と同時に、今後どうすれば他の国のそういう放送と伍してやっていけるか、これは実に積極的にやっていきたいというふうに思っていますので、是非皆様のサポートをお願いしたいと思います。
○丸川珠代君 平成二十六年の一月末でNHKワールドのテレビの視聴エリアは百四十の国と地域、そして視聴可能世帯というのが一億八千七百四万と聞いております。それでは、二十四時間の英語放送の老舗でありますところのBBC、またCNNはどうでしょうか。これは総務省にお伺いします。
○政府参考人(福岡徹君) ただいまのお尋ねの両社の公表資料によりますと、まずBBCワールドニュースでございますが、約二百か国・地域、そして約三億五千万世帯以上で受信可能ということでございます。また、CNNインターナショナルにつきましても約二百か国・地域、そして世帯の方では約二億八千万世帯以上で視聴可能ということでございます。
○丸川珠代君 BBC、CNNが始めてから二十年、三十年とたっているのに比して、NHKワールドはまだ始めて五年程度という中ではよく頑張っている方だろうとは思います。思いますが、やはりこれはもう一段の努力をして、BBC、CNNに肩を並べるところをやはり目指さなければならないのではないかと私は思っております。
 ちなみに、NHKは、これはケーブルテレビ、現地の国のケーブルテレビにお金を払って契約をしてもらって、そのケーブルテレビが現地の住んでいる人、視聴者とどういうお金のやり取りをしているかということは余り認識しておられないようなんですが、少なくともNHKからお金を払って放送してもらっているわけでございますけれども、BBCやCNNはどうなんでしょうか。NHKに伺います。
○参考人(籾井勝人君) お答えいたします。
 実はいろんな、ケース・バイ・ケースなんですが、やはりアメリカなど非常に強いマーケットのところではお金を払うケースもありますし、また、そうでないところは払わないケースもあるんです。ですから、まあ一概にNHKはお金を払ってケーブルテレビに提供しているとか払っていないとかいうことが言えないんですが、これは両方ございます。
○丸川珠代君 それでは、ちょっと質問の順番が変わりますけれども、籾井会長に重ねてお伺いをしたいと思いますが、国際放送に掛かる予算の内訳、特にチャンネル確保に掛かる予算の総額というのはどのぐらいになっているんでしょうか。
○参考人(籾井勝人君) お答えいたします。
 人件費、減価償却費を含む国際放送の実施経費は、二十六年度予算で二百十四億余りでございます。NHKの事業支出に占める割合は三・三%でございます。このうち、テレビは百五十・七億、ラジオが六十三・七億でございます。
○丸川珠代君 その国際放送の費用に占めるチャンネルの確保に掛かる費用はお幾らでございましょうか。
○参考人(籾井勝人君) お答えいたします。
 NHKワールドテレビの受信環境整備につきましては、各地域の衛星放送事業者、ケーブルテレビ局などでチャンネルを確保する形で進めておりますが、二十六年度は、チャンネルの借り上げコストやそのための交渉、周知広報などに、合わせて年間二十六億円余りの経費が掛かる見込みでございます。二十六億円のうち、チャンネルの借り上げコストは約六〇%に当たります十六億円を見込んでおります。
○丸川珠代君 十六億円チャンネルの確保に掛かっているということでございますが、これは視聴世帯数を増やしていく上では、十六億を土台にその上に積み重ねていくわけでありますので、普及を図れば図るほどここの部分は増える一方になるということだろうと思います。
 私は、国際放送の普及はNHKの義務にはなっていない、これは法律に書かれていませんし、義務にはなっていないわけでありまして、一方で、対外広報戦略上のこのテレビ放送というものの重要性に鑑みますと、是非ともここは、これから先普及を図る上において、しっかりと政府が対外広報予算、外務省の対外広報予算として普及の後押しをすべきではないかという考えを持っております。
 番組の内容はNHKに考えていただいて、きちんとNHKが作っていただければいい。ただ、その普及はNHKの義務ではありませんので、ここはしっかり政府が後押しを国家の戦略としてしていくべきではないかと思っておりますが、外務大臣にその点をお伺いしたいと存じます。
○国務大臣(岸田文雄君) 外務省としましても、国際社会の正しい理解を得る、また我が国の外交政策を説明する、さらには我が国の魅力を発信する、こういった点から対外的な広報の強化は大変重要だと認識をしております。
 そういった中で、この国際放送の国際世論に対する大きな影響力を考えますときに、NHKのこの国際放送、大変重要な役割を果たしていると考えています。
 外務省としましても、過去に例えばワシントンDC周辺地域において、現地放送事業者と契約してNHK国際放送を配信するパイロット事業を平成十九年から三年間実施し、この立ち上げに貢献するとか、一昨年、また昨年、アフリカ地域における現地放送局とNHKとの間のNHK国際放送を放映するための契約締結のための連絡調整支援、こういったことを行ってはいますが、こういった経験を踏まえまして感じることとして、是非こうしたNHKの国際放送、これを普及を図るためには、政府全体としてしっかりと取り組んでいく、こういった姿勢が重要ではないか、このように認識をしております。
○丸川珠代君 国外で放送することだけではなくて、私は、国内でも英語の国際放送をきちんと視聴できる環境を整えること、大変重要だと思っております。というのは、確認しましたら、NHKが知っている限りで東京都内のホテルでNHKワールドを見られるホテル、四つしかないんだそうです。日本に来てくださる観光客、外国人観光客の方というのはそもそも日本に興味があって来ているわけですので、そういう方に英語放送があると、しかも、それは御自分の国に帰っても見ていただけるということを気付いていただければ、それはますます海外での視聴を広げていく大事なきっかけになると思いますし、オリンピックに向けて日本に対する関心を高めるという上では非常に重要なツールだと思っております。
 是非ここは総理にお答えをいただきたいんですけれども、今後、対外戦略上、またオリンピックを迎えるに当たって、この国際放送を国内外で視聴できる環境、これについて国家としてきちんと後押しをしていくことについて政府がどのように考え、また取り組むつもりがおありになるかということについて御答弁をいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私も海外に出張した際は、なるべくNHKワールドを始めBBCとかあるいはCCTVとかアル・ジャジーラとか、そういう海外の放送局がどのようなスタイルで放送しているか見るようにしているわけでございますが、恐らく海外の人々は、もしアジアで何か起こっているというときに、アジアはどう伝えているんだろうか、こう思うんだろうと思うんですね。そのときに、例えばCCTVから情報を取る、あるいはまたNHKの国際放送から情報を取るというときに、CCTVしかやっていなかったら、あるいはCCTVの方が分かりやすいな、あるいは魅力的な番組を作っているなと思ったら、そちらの方に当然流れていくことによって、その視点でアジアを見る、あるいは日本を見る、様々な出来事についての分析を見ていくということになるわけでございます。
 そういう意味におきまして、我が国の重要な政策、そして国際問題に対する見解及び社会の動向等がしっかりと世界に伝えられていくことが極めて重要だろうと思うわけであります。日本のイメージ、真実の姿を知っていただく上においても大変重要ではないかと思います。こうした観点から、NHKの国際放送については一層の充実強化を図る必要があるというふうに認識をしております。
 これまでもNHKではテレビ国際放送の受信エリアの拡大等に取り組んできているというふうに承知をしておりますが、対外情報戦略の重要性に鑑みまして、魅力的な番組作りに努めるのみならず、まさに丸川委員が指摘をされましたように、国内外において、国内における海外からのお客さんたちも、観光客の方々も、日本での出来事あるいはアジアでの出来事を英語で知ろうと思えば、これ、チャンネルを合わせたら残念ながらこれはNHK国際はやっていなくてCCTVしかやっていないということになれば、そちらで知ることになるわけでありますから、そういうことがないように、国内外において受信可能な世帯の拡大を図るなど、受信環境の整備充実に努めていきたいと思います。
○丸川珠代君 ありがとうございました。以上で終わります。
○委員長(山崎力君) 以上で丸川珠代君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(山崎力君) 次に、宇都隆史君の質疑を行います。宇都隆史君。
○宇都隆史君 自由民主党の宇都隆史です。
 まずは、質問の冒頭に、三年前、三・一一大震災で亡くなった皆様に哀悼の意を表しますし、また御家族の皆様に非常に残念だったというお言葉を申し上げたいと思います。
 また、三年前、私の仲間である自衛官の皆さんも十万態勢で命懸けで戦いました。中には亡くなった隊員もおりました。引き続き隊員の皆さんには国民の最後の盾となって国民を守っていただきたい、そういうエールをここから送りたいと思います。
 また、その現場を守る隊員たち、昨年は全国末端の部隊まで激震が襲いました。その中身というのは、公務員の宿舎問題であります。この件に関しては、防衛大臣、まさに自分のことのように、また防衛省職員の皆さんが本当に走り回って、そして麻生財務大臣、それから副大臣ですね、愛知治郎副大臣にも非常に我々自衛隊出身の議員の声、よく聞いていただいて、一応の一段落を見たことに関し、御礼を申し上げたいと思います。
 しかしながら、まだ一部残された問題は残っておりますので、これはまた別の委員会でやらせていただきたいと思いますが、本日は集中審議ということで、安全保障問題を中心にしながら、この二十六年度予算に照らし合わせて、あるべき国の防衛体制構築の在り方、これを議論してまいりたいと思います。
 まずは、資料一を御覧ください。(資料提示)まずは、昨年の末に制定をした国家安全保障戦略、NSSの中で定義付けられた国益という話から入りたいと思います。
 非常に意義のあるこの戦略であったと思います。といいますのも、我が国で初めて定めた戦略であると同時に、国益国益という言葉は国会の中で非常に多く使われますけれども、それが一体何なのかという言葉が公的な、あるいは閣議決定された中で決められていなかった。
 この中で、今資料一にお示ししましたけれども、三つの国益が明確にされました。第一に、まずと頭が付けられていますが、まず、我が国の主権、独立、そして国民の生命、財産の安全確保ですね。そしてまた、第二に、経済発展を通じて国と国民が更なる繁栄をするための基盤を確保すること。そして、さらにということで、第三で、基本的価値、普遍的価値、これを守っていくこと。この優先順位が明確に決まり、今後の安全保障政策はこの基準にのっとってやっていくのだという認識でありますけれども、総理の御見解をお伺いいたします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今回、初めて国家安全保障戦略を策定をしたわけでございますが、我が国の外交・安全保障政策を透明性を持って内外に示すものであります。
 その際、御指摘があったように、では、私たちが守るべきものは何かということを明確にする必要がありました。これは、NSCにおきましてもしっかりと議論を行ったわけでございますが、我が国の国益とは、まず、我が国自身の主権、独立を維持し、つまり主権と独立を維持をしなければ、私たちの生命、財産を守る、それを担保する主体が失われてしまうわけであります。人権を守る主体が失われてしまう。その上において、主権、独立を維持し、そして領域を保全し、我が国国民の生命、身体、財産の安全を確保することであり、そして、豊かな文化と伝統を継承しつつ、自由と民主主義を基調とする我が国の平和と安全を維持し、その存立を全うすることであります。
 また、経済発展を通じて我が国と我が国国民の更なる繁栄を実現することや、普遍的価値やルールに基づく国際秩序を維持、擁護することも国益として定義されています。
 これらは、国民の生命、身体、財産の安全が確保された上でのことであることは言うまでもございません。
○宇都隆史君 ありがとうございました。共通の認識を得て、総理がまさにそういう思いでこの安全保障戦略を策定したということがよく分かりました。
 要は、国の主権、独立、これを確保するということが最も重要な国益なのだということをここでうたっているんだと思います。その上で、この安全保障戦略、その他に三つの私は有意義な点があったと思います。
 一つは、外交と防衛が一体化のものであるということをこの戦略で示したこと。そして二つ目は、その他の政策、例えば経済政策であるとかエネルギー、情報、科学技術、教育、ほかの政策全てにおいて、安全保障という観点がやはり含められて国として一つのベクトルを持って進めていくんだという点が明記されていること。そして三つ目は、安全保障の社会的基盤強化の策として、国民に対する愛国心の教育、これが重要なんだ、これを推進していくんだということが盛り込まれたことだと思います。
 要は、今度はこれをいかにして具体化していくかということが必要になってきて、これはもう防衛省任せでは駄目なんですね。国として各省庁一体となって取り組んでいかなければならないことだと思います。
 そこで、この安全保障会議の設置法の中の第二条三項にこのような記述があります。前号の計画、これは防衛大綱とか国防の基本方針とかです。前号の計画に関連する産業等の調整計画の大綱、これを定めなさいと書いているわけなんです。
 ちなみに、防衛大綱というのは、昭和五十一年に初めて作られてから、五一大綱、〇七大綱、一六大綱、二二大綱、そして今回は五回目の改定です。しかしながら、この防衛力を発揮するための防衛産業との調整基盤、これをどうやって図っていくのかという国の指針、今言った産業等調整計画の大綱、これは一度も国家として実は定められたことがありません。
 これは担当は経済産業省なのかなと思って今日お呼びさせていただきましたけれども、経産省として、これまでの検討状況、あるいは本産業等調整計画の大綱作成の必要性について御見解をお願いいたします。
○副大臣(松島みどり君) 経済産業省におきましては、委員がおっしゃいました防衛計画に関連する産業等の調整計画の大綱について、これまで検討を行ったことはございません。
 今後、国家安全保障会議がこの防衛計画に関連する産業等の調整計画の大綱を作成する場合には、製造業やエネルギーを所管しております経済産業省といたしましても、他省庁と連携して取り組むことになると考えております。
○宇都隆史君 なかなかこれは経産省だけでできるものではないですし、もちろん防衛省だけでできるものではないんですね。
 防衛産業あるいはエネルギー、燃料等の統制になれば経済産業省ですし、科学技術開発研究又はその技術保全になれば、これは文科省も入ってくると思います。あるいは、空港、港湾あるいはこれらの運航の統制という話が出てくれば国土交通省が入りますし、電波統制云々の話が入れば、これは総務省も入ってきます。
 まさにこれはNSCが今後検討していくべきテーマだと思うんですが、総理、是非この産業等調整計画の大綱、これについてもどうなるべきかという検討をNSCで進めていただくことを私は希望いたしますが、総理の御見解をお願いいたします。
○国務大臣(小野寺五典君) 宇都委員がおっしゃるとおり、例えば防衛力を整備する中で当然連接性を保つためには、無線通信の共通な部隊運用をする必要があります。これは総務省との協議が必要になりますし、また、航空優勢を保つためには、様々な民間航空機との調整をしながら、言わばその訓練空域も含めて非常な重要性が出てまいります。一つ一つ、防衛装備も含めてですが、実は一つ一つがあらゆる分野にまたがっており、それができて初めて日本の安全保障が保たれるということは共通認識だと思います。
 総理の御指示もございますので、私どもとしては、この問題についても国家安全保障戦略の中にある内容でありますので検討していきたいと思っております。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま防衛大臣からも答弁させていただきましたように、これは経産省だけで行える判断でもございませんので、調整をしていくという意味においても、そして戦略的観点から判断していくという意味においても、NSCにおいてもしっかりと議論していくべき問題だと思います。
○宇都隆史君 前向きな答弁を本当にありがとうございました。
 では、この大綱を実現するに当たって、実際は各年各年の予算を取っていきながら実直に一年ずつ整備をしていかなければならないんですけれども、じゃ、この予算の中身についてちょっと議論をしていきたいと思います。
 資料二を御覧ください。これは、各国の、国の年間の財政に関わる部分の防衛予算が幾つかというものを円グラフで表示をしたものでございます。
 非常に日本の全体の枠に占める割合というのは低いんですね。額ベースでいうと五%、GDPベースでいうと一%程度しかないというのが現状です。ただし、この防衛予算というのは、事業として国内の財政力でどれだけのことができるのかというよりは、海外との軍事力のバランスで一体どれだけのものを確保していかなければならないのかというような性質が非常に強いものだと思います。
 我が国のこの予算のつくり方というのは、財政要求基準、これを財務省の方から各省庁に出して、それから積み上げを持ってきて、概算要求でそこから折衝してと非常にある意味硬直化していて、このままの状況であると本当に大綱を実現するための予算を獲得できるんだろうかと思うんですが、この予算の獲得に係るプロセスというか、こういうのに対して改善を要するんではないかと私は個人的に思うんですが、財務大臣の所見をお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) これは宇都先生御心配になっておられますように、防衛予算というものは、これは細目に分けてみないとなかなか難しいところで、例えば公園なんというものは、日本ではこれは何でしょう、建設省公園局の予算になっていると思いますが、国によってはこれは防衛予算です、公園は人を集めて集合させる等々によって。これ、国によって違いますのでなかなか難しいところなんですが。
 いずれにいたしましても、この防衛予算につきましては、昨年発足をさせていただきました国家安全保障会議、通称NSCですけれども、これにおいて決定をされました国家安全保障戦略に基づいて、防衛大綱及び中期防において示されました考え方を踏まえた、その上で各年度ごとに編成をさせていただきますので、今年に限らせて言わせていただければ、周辺海空域における警戒監視の強化、また島嶼部に対する攻撃への対応などに重点化をしたところでもあります。
 これ、各年度の予算についてはその時々の政策課題というのは、これは相対的な話ですから、今おっしゃいましたように、めり張りのある概算要求基準をいわゆる内閣として決定して、その上で、単年度の予算編成にあって、こうした防衛予算についての基本的な考え方というのを含めて、各歳出分野における大きな方向性とか、またその課題を考慮しながら個別事業についていろいろ勘案してやっていくことになるんですが。
 いずれにしても、日本を取り巻く安全保障の環境が変化をしますので、その変化に対応してきちっとして、先ほどの、一番最初に御指摘のありました国益、国家というものを考えて、我々は国家の安全保障というものの充実強化というもののためにこれをやっていくわけですから、そういったことを政府全体としてそれを踏まえて取り組んでいくべきものだと考えております。
○宇都隆史君 ありがとうございました。
 今財務大臣から政府全体として取り組んでいく課題であるというお言葉をいただいて、非常に心強くあります。
 資料三をちょっと御覧ください。これは防衛費の推移なんですね。安倍政権になってから非常に、国を守るというのは、この額を見ても分かるように、右肩上がりでしっかりと伸びてきております。
 今年の二十六年度、我々が今審議している防衛予算ですが、資料、ちょっと四を見せてもらえますか。前年度比でいうと二・二%の増、そして二年連続で平成十九年度の予算ぐらいまで回復したんですね。これは第一次安倍政権でつくったときの防衛予算と大体同じ額です。しかしながら、中身をよく見ていくと、今回、額ベースにしてみると約一千三十五億円の増額というふうな要求が出ているんですけれども、実際の中身は、約一千億は公務員の給与の戻りの部分なんですね。そうすると相殺、ほとんどゼロになってしまうんですが、昨年の二十五年度分は、復興分の六百八十九億、これが含まれておりますので、トータルすると約三百億ぐらいの増にしかなっていないというところがあります。
 防衛大綱は、前政権で作ったときは動的防衛力、要は、数には限りがある、予算には限りがあるから、それを運用の妙と運動量、質でカバーするんだというのが動的防衛力でありました。これを今回、自民党政権、安倍政権において、統合機動防衛力、つまり質だけではなくて量をしっかり担保していくんだというふうに変えたんですね。この量というのを担保するにはやっぱりこれお金が必要なんですけれども、一体、量はどこに担保されているのかというのが実はここの数字から批判がやっぱり出てきます。
 このところをしっかりと防衛大臣として説明いただけませんか。
○国務大臣(小野寺五典君) おかげさまで二年連続防衛予算は増えておりますが、微増ということになります。ただ、その中で特に大切なのは、私ども、防衛装備をどれだけ充実できるかということが大切だと思っています。
 その中で、今平成二十六年度、審議をお願いしておりますが、その中での新規後年度負担額、これがいわゆる防衛装備品のこれから購入できる内容でありますが、それは中期防で計画された内容を実施するために一兆九千四百六十五億円ということになります。これは対前年比一七・八%ということになりますので、実は、防衛予算は少ししか伸びておりませんが、装備の充実につきましては、これについては一七・八%ということで、過去の中では最大級の伸びだと思っております。
 しっかりと、この予算を整備しながら、私どもとしては国を守っていきたいと思っております。
○宇都隆史君 防衛大臣、ありがとうございました。
 我が国の防衛予算、大体約四兆八千億ですけれども、実際その四割は人件費なんですよね。残りの三割という部分が実際の訓練費であったりあるいは新年度で購入する物品のお金。じゃ、残りの三割は一体どこに消えるんだというと、昨年、一昨年、今までに契約したもののまあ言ってみたらリボ払いが残っているわけですよね。そういう性質があるというのを実は一般の方は知らないわけなんです。ですから、この額だけを見ていると、何だ、自民党政権は非常にしっかりした予算を組むと言っておきながら、防衛予算全然上がっていないじゃないかという声がちらほら上がっているというのを聞きますので、是非やはりそこの辺りは、表の数字に見えない非常に充実した内容の部分は組んであるというところを、やっぱり安心を求めるためにも、防衛省から積極的な発信を是非していただきたいと思います。
 その上で、次、人の話にちょっと移っていきたいんですけれども、苦しい財政事情の中で、しかしながらこういう増額を続けていっていただけているのは、防衛省の努力、それから政権中枢の官邸の御理解にあると思うんです。
 ただ、人が大丈夫なのかというところに注目したいんですけれども、資料五は防衛大綱の末尾に付いております定量的な整備目標を定めたいわゆる別表というやつです。縦書きのものですね。これは、五年間でこれだけをそろえましょうというものです。矢印で示しましたのは私の事務所で入れたんですけれども、陸については人員十五万九千、定数そのまま、横ばいのところが多いんですが、海上戦力の例えば船、潜水艦、あるいは航空戦力の航空機、飛行隊等は五年間で増、増やしていく方向性をこの大綱別表でうたっているわけなんです。
 六をちょっと出してください。しかしながら、この装備品を扱う人員、人については一体どうなっているんだというのを陸海空で見ていくと、今年の人員要求ベースでいけば、陸も若干プラスにしていますけれども、海上自衛隊はたったの六十六名、それから航空自衛隊はたったの四十九名なんですね。陸海空合わせて、いずれも充足率、つまり、本来いなければならない定員に対してどれだけの人間がいるのかという率が九二%しかないんです。
 九割もいるじゃないかというふうに思われるかもしれませんけど、想像していただきたいんですね。百人必要な三つの部隊があったときに九十二人ずついる、これが九二%の充足です。部隊によっては、重要な部隊、非常に百の定数どおり置いておかなければならない緊急性の高い部隊があります。A、Bの部隊を百にするためにCの部隊から入れ込んでいくと、Cの部隊は七六%、七十六人になるんですよ。これ、三百人で運用しなければならない護衛艦に、七六%で計算すると、本来三百人で運用しなければならないのを二百四十六人、たったこれだけで運用しなきゃいけない。つまり、五十人も減の状態で船を運用するというこの危険性、恐ろしさというのが現状に起こっているということなんですね。
 防衛大臣、この足りない人、これを確保することは、我が国の防衛のためでももちろんありますけれども、平時において我が国の自衛隊が事故等を起こさずにきっちりと安全に国民の負託に応えることにつながると思うんですけれども、この充足を満たしていくための施策、防衛省としての考え方を教えてください。
○国務大臣(小野寺五典君) 防衛大臣に就任しまして一年と数か月がたちましたが、そのうち全国の部隊を九十か所以上も回っております。そして、必ず部隊では、今委員がおっしゃっておりますように、定員と実員というその乖離の部分を説明を受けて、どこのところに隊として十分に人員を回し、どこを効率化しているかという一つ一つ確認をしています。
 各部隊は大変やりくりをしながらこの体制を保っているということだと思います。ですから、私どもとしては、この定員、十分満たすような実員についての予算が付けばそれは有り難いと思いますが、ただ、やはり御案内のとおり、防衛予算が限られている中でなるべく新しい装備も充実させていただきたいという、そういう中での非常にやりくりをしているということなんだと思います。
 将来的には、私ども定員をしっかり満たすことは大切だと思いますが、もう一点、実は日本は今少子化を迎えております。そして、この分野だけは外国人に頼るわけにはいきません。その中で、どうその新しい装備の中で少ない人数でも今まで以上にしっかりとした対応ができるかという、そういう装備の工夫、あるいは、今後、例えば今回導入をさせていただきます予定をしておりますが、高高度の無人の偵察のような形で、できるだけ省人化をしながら逆に言えば能力を上げる、そういう工夫もこれから努力をしていきたいと思っております。
○宇都隆史君 防衛大臣、ありがとうございました。
 省内の、この予算が足りない、人が足りないなりの努力、これはもう血がにじむような努力を本当に一生懸命やっていただいていると思いますが、おのずとそこには限界が出てくる面はあると思うんですね。予算が付けばこれは人が付くわけですからお金があればいいんですけれども、その財源も苦しいという、まあ鶏、卵の状態にあるんですが、その中で、じゃ省庁として予算確保に努めるための努力の点で、そこのところの議論というのをもう少し踏み込んでやっていきたいと思います。
 資料七をちょっとお願いいたします。中期防で五年間で、政府の閣議決定をされた文書、この中期防衛力整備計画によると、五年間で防衛省には満額で二十四兆九千七百億円までを認めましょうということをこの中身でうたっているわけです。ただし、そのうちの内訳の二十三兆六千七百億まではしっかりと担保するから、七千億超に関してはしっかり効率化、合理化で防衛省として予算を捻出をしなさいということが書かれているわけですよね。
 これは二十四兆九千七百億円というと、単純に五年で割っていけば年間四兆九千九百四十億になるわけですから、ピーク時の平成十四年の額を十分に超えるぐらいの額になるんですが、じゃ担保されているだけの二十三兆六千七百億を単純計算割りすると四兆七千三百四十億で、二十六年度よりも低いベースになっている。
 要は、この防衛省の努力によって今後の伸びといいますか、防衛力整備が決まってくるというわけなんですが、二十六年度の防衛省の節減目標、六百六十億でした。つまり、七千億を単純に五年割りすると一千四百億ずつ削っていかなければならないのが、もう初年度から到達できないのではないかと危ぶまれている状況にあるんですね。このことに関して、防衛大臣としてどのようにお考えですか。
○国務大臣(小野寺五典君) 防衛装備品は一つ当たりが大変高額になります。この調達改革、これが大変重要だと思っています。
 実は、調達改革、よく見るといろんな面で効率化ができることがあります。例えばヘリコプター、これは陸海空それぞれの自衛隊が共通して使うものでありますが、当然、色が違う、様々な仕様が違うということで別々に発注する。そうすると、一つ一つの発注の機数が少なくなりますから単価が上がります。これを今回やはり、まとめ買いというんでしょうか、一緒になって陸海空合わせてある程度の複数機を、数の多い機数を注文し、その後に色を変えるとか、多少の装備を変えるという形で、まず発注のロットを増やすということが大切だと思います。
 それから、これは今財務省と御協力をいただいて協議していますが、今まで単年度でいろいろな契約を結ぶところが多いんですが、これ一定期間、例えば五年間ずっとこの装備を、毎年何機ずつ装備をして最終的にこうしますよと、こういう長期的な契約ができれば、メーカーとしては、これだけの期間買ってくれるんだったら部品の装備も工場の建て方もこれはちゃんとやれるねと。そうすれば単価が下がっていく。
 私どもは、とにかく単価を下げ、そしてなるべく調達を効率化していくことによって、本来、今回予算で認めていただいた二十四兆六千七百億ですが、実際にこの調達改革をすることによってそれをかなり下回る形で変えることになれば、これは貴重な税金を使わせていただきますので、国民の皆様にも十分説明のできることになるのではないのかと思います。努力をしてまいります。
○宇都隆史君 防衛大臣、ありがとうございました。
 非常に涙ぐましい努力を、防衛省、それからそれを支えている民間の防衛企業が一緒になってやっていっていると今思うんですが、これ、防衛省だけにやっぱり任せていては、やはり先ほど前段で言いました国家安全保障戦略、大綱に基づいて閣議決定をして、麻生財務大臣からもこれは政府として取り組んでいく課題だと。そういう調達の面も是非政府として取り組んでいただきたいということで、答弁は求めませんが、御意見として二点ほど私の方から個人的意見を申し上げておきます。
 一つは、防衛関係のその調達ですね。これを先ほど大臣が言われたようにできるだけ長期間で取っていくと、年間年間の負担というのは割合が低くなるわけです。しかしながら、今は財政法の絡みで最長の契約は五国、五年契約となっているわけですよね。例えばこういうのを、防衛省に関しては非常に一つ一つの単価の高いものを物買いをするわけですから、しかも非常に数も要る。防衛省に関しては、この五国というのを例えば七国、八国、広げていくような改革、こういうのも必要なのではないかと思いますし、あるいは、これから武器輸出に関する新しい枠組みをつくるような話も聞いております。
 私も与党PTの一人に入れていただいて、ちょうど今のこの時間ぐらいから始まっていると思うんですけれども、この武器輸出に関しても、安全管理あるいは第三国に対する流出だけのことを考えるのではなくて、国が全面的な支援をして研究開発したものを民間の会社が他国に譲った場合に、例えばある程度の、幾ばくかのその上がりの部分、利益の部分を国庫にやっぱり返納していただく。それは余り多い額取ると民間会社も苦しいでしょうから、初めは小さくでもいいんですけれども。やっぱりこの防衛省の努力というのが、しっかりと国庫に返ってきて防衛省の財政のプラスになるような形を検討していただきたいと思います。この件に関しては答弁は求めません。
 時間になりましたので、最後の質問に行きたいと思いますけれども、最後は、外務大臣、お待たせしました。外交力、これの増強ということについてお話しさせていただきたいと思います。
 今年の二十六年度予算では、外務省として大使館を三つ新造ですね。それから、人員は四十五名純増でプラスに要求して、それが今審議をされているわけですけれども、ただ、やっぱり四十五名というのは少ないですね。
 それから、大使館三というのは、箱だけ造ればいいというものではなくて、他国にある外務省の大使館というのはいわゆる出城なわけですから、そこの出城を守るやっぱり人がいてこそ、人は石垣、人は城ですよね。実際に人の数を比べてみると、日本は外務省職員数、国内も国外も含めると約五千七百ですね。中国は一・五倍の九千、これは数字は怪しいです。ロシアについては二倍の八千。米国については四・五倍の約一万二千なわけですね。やっぱり私は、こういう人をまず増やす、それから、増やすだけではなくて、しっかりとそこに人材教育をしていってプロの戦略家を育てていくべきではないかと思っています。
 先日二月二十八日に、東南アジア各国の大使三十名が出席した会議で山本領土問題担当大臣が、現在、他国の情報戦、プロパガンダに非常にやられていると。各国大使は戦略的にこれを対抗していってほしいという檄を飛ばされたという話を聞いておりますけれども、山本大臣、それから外務大臣双方に、この外交の人の強化ということに関して御意見を賜れればと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) 我が国の外交力を強化していく際に、人の力が重要であるということ、これはもう言うまでもありません。
 この人材育成という点について、外務省におきましても、従来からこの研修、あるいはこの育成、努力をしている次第ではありますが、今日まで、例えば新入省員に対しましては、必要な国際法ですとかあるいは安全保障に関する知識ですとか、こうした業務に必要な知識の習得に努めてもらう、さらには二年から三年、在外勤務を経ることによって専門語学の習得に努めるですとか、あるいは赴任した地域の情勢についてしっかりと情報把握に努めるですとか、こういった取組を行っているところです。
 しかしながら、こうした必要とされる語学のレベルですとかあるいは知識の内容ですとか、これは時代とともに、そして環境とともにこれは変化していきます。こうした激動する時代にあって、求められる知識とかあるいは語学力、こういったものにしっかりと応じていかなければなりません。
 ですから、従来からこうした人材育成には努めてはいますが、こうした激動する時代の中で、是非、的確な人材育成に努めなければならない、こうした研修ですとか育成につきましても不断の検討を続けていかなければならない、こういった認識の下にこうした人材育成についても考えていきたいと思っております。
○国務大臣(山本一太君) 短く申し上げます。
 私が領土、主権をめぐる対外発信を担当する大臣としてASEAN諸国を回って感じたことは、大使の役割は極めて重要だということで、やっぱり頑張っている大使をきちっと評価をして、ベストプラクティスを検証して対外発信に生かしていくという仕組みを総理と外務大臣を中心に是非つくっていただきたいなと思っていますし、これからも総理のお考えを踏まえ、外務大臣と平仄を合わせてしっかり対外発信に努めていきたいと思います。
○宇都隆史君 是非、NSCの谷内局長のような方をたくさん今のうちから育成していただきたいことをお願いしておきます。
 最後に、安倍政権における日本を取り戻す戦い、まだ始まったばかりでございます。是非細心の配慮を持って大胆に推進していただきますことを心からお願いし、全力でお支えすることをお誓い申し上げて質問を終わります。ありがとうございました。
○委員長(山崎力君) 以上で宇都隆史君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(山崎力君) 次に、小西洋之君の質疑を行います。小西洋之君。
○小西洋之君 民主党・新緑風会の小西洋之でございます。
 昨日の東日本大震災の三周年の追悼記念日、私も先ほど復興の特別委員会で黙祷をささげさせていただきました。
 本日の質疑におきましては、今NHKが迎えている戦後最大の危機、安倍総理が昨年の冬に行ったNHK経営委員の人事、それに端を発するNHKの国民・視聴者の皆様からの信頼の喪失、そうした最大の危機、そしてそれをNHKが担う復興への取組、その再生、それも重ねて厳しく追及をさせていただきます。
 なお、安倍総理始め皆様におかれましては、答弁は簡潔にお願いをいたします。
 では、早速参ります。
 昨年の十一月から十二月にかけて、十二名のNHKの経営委員、最高経営メンバーでございますけれども、そのうちの新人四名が、安倍総理が放送法の規定に基づいて、三十一条でございますけれども、任命を行いました。(資料提示)放送法の規定によれば、NHKの経営委員は、公共の福祉に関し公正な判断をすることができる者でなければならないとされております。しかし、その新人の四名、報道等によれば安倍総理と極めて近しい関係を持つ安倍総理のお友達であるというような指摘、批判もされているところでございます。公共放送NHKの不偏不党、政治的公平公正が疑われると、そういう事態になっているところでございます。
 さて、安倍総理が昨年の十二月に任命された新人のお一人、長谷川三千子さんという方がいらっしゃいます。安倍総理、長谷川三千子さんをNHKの経営委員に任命されたその理由を答弁ください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 放送法上、経営委員の選任に当たりましては、公共の福祉に関し公正な判断をすることができ、広い経験と知識を有する者のうちから、教育、文化、科学、産業といった分野等を考慮して、両議院の同意を得て内閣総理大臣が任命することとなっています。現在、経営委員の方々はそのような手続に従って適切に選任されているものと認識をしております。
 なお、長谷川氏につきましては、我が国の思想、哲学の在り方を探求した著作活動を行い、著名な哲学者、評論家として活躍をしており、文化等の分野について広い経験と知識を有しておられることから選任されたものと認識をしているところでございまして、長谷川三千子氏は、昭和六十一年に発表した「からごころ 日本精神の逆説」を中心に言語を主体として我が国における思想や哲学の在り方を探求し、平成八年に発表した「バベルの謎 ヤハウィストの冒険」において和辻哲郎文化賞を受賞するなど、その著作は高い評価を受けているところでございます。
 我が国を代表する哲学者、評論家として活躍をしているわけでございまして、このような観点から、公共放送機関の経営の最高意思決定機関の構成員としてその手腕が発揮されることが期待されるため、日本放送協会経営委員として同氏を任命したところでございます。
○小西洋之君 総理、答弁が非常に長くございます。本日は、民主党随一の法律また政策の専門家の小川先生とともに質疑に臨ませていただいています。時間は六十分ありますので、もう逃げることはできませんので、闘う政治家として答弁をお願いいたします。
 今の安倍総理の答弁ですけれども、国民の皆様、テレビで御覧の国民の皆様に対して一つの大きなごまかしがございます。適切に選任されたと認識していると言っておりますけれども、法律上この経営委員を任命しているのは安倍総理ただ一人でございます。放送法の任命権者はこの日本でただ一人、安倍総理が全責任を持って任命をしているのでございます。国会は同意権は持っていますけど、任命権は持っておりません。国民の皆様をごまかさないようにお願い申し上げます。
 今、安倍総理は、我が国を代表する評論家、哲学者であるからゆえに長谷川三千子氏を任命したと言っておりますけれども、この長谷川三千子氏、実は驚くべきような発言をいろんなところでされております。今日は調べさせていただきました。パネルを御覧いただけますでしょうか。
 日本国憲法は全くめちゃくちゃな憲法なのです、これは昨年の四月の産経新聞の投稿でございます。日本国憲法というものが日本の近代史における最大の汚点である、これは近年です、二〇一二年の著書でございます、長谷川三千子さんの御著書でございます。
 私、長谷川三千子さんの御著書、今総理が申し上げたものも含め、国会図書館から十冊余り集めました。十冊以上あったと思いますけれども、全部目を通させていただきました。到底理解できない、こういう方がこの世にいらっしゃるんだと、正直私は驚きました。ただ、どういう方が、思想の持ち主の方がいらっしゃってもそれは構いません、思想、良心の自由でございますから。しかし、国民の皆様の受信料によって支えられる公共放送の最高経営メンバーにこういう方がいらっしゃる、そのことを理解できるテレビの前の国民の皆様は誰一人いらっしゃらないと思います。
 この長谷川三千子さん、実は日本国憲法の三大原則の一つである国民主権を間違った思想だといろんな御著書でおっしゃっています。だから、全くめちゃくちゃな憲法だそうでございます。日本国憲法が近代史における最大の汚点というふうにもおっしゃっておりますけれども、天皇を中心とした「建国ノ体」に基づく憲法を作り直すというようなこともおっしゃっております。
 また、別の発言もなさっております。改正の必要がなかった大日本帝国憲法、大日本帝国憲法が改正する必要がなかった。しかも、その理由がすごいんでございます。合衆国憲法よりも、アメリカ合衆国憲法よりも大日本帝国憲法は人権保障の意味において水準が高かったので、占領軍のGHQの方々は日本に大日本帝国憲法を改正する、これはポツダム宣言の要求でもございますけれども、それを要求するぐらいだったら自分たちの国の憲法を変えろ。しかも、戦前、NHKも苦しみました苛烈な治安維持法を始めとする法律の下で、苛烈な言論弾圧を繰り広げたこの大日本帝国憲法の第二十九条、法律の範囲内において言論の自由を有す、法律さえ定めれば何でもできる、そうした憲法を、これを変えなくていいと。そして、アメリカ合衆国憲法、立憲主義に基づく近代憲法の先駆けの憲法でございます、今なお世界でも随一の言論、報道の自由を保障した憲法です、その条文をこの二十九条よりも劣るものであるというふうに言っているわけでございます。
 安倍総理に伺わせていただきます。
 要するに、この長谷川三千子さんというあなたが任命したNHKの経営委員は、日本国憲法を近代史上最大の汚点である、つまり日本国憲法を否定し、大日本帝国憲法を肯定し、しかも合衆国憲法を否定しているわけでございます。今の資料、既に私がアメリカ大使館の方に提供させていただいております。あなたの答弁は、アメリカ政府、アメリカ国民も見ております。
 先ほどおっしゃったように、日本を代表する評論家、哲学者、合衆国憲法を否定する方がそういう方なのか。そして、放送法上の経営委員の任命要件、こういう方が公共の福祉について公正な判断ができる方なんでしょうか。明確に答弁ください。
○委員長(山崎力君) 新藤総務大臣。(発言する者あり)
○国務大臣(新藤義孝君) 委員、委員、これ事実確認したいと思います。事実の確認をしたいと思いますから聞いてもらいたいと思います。
 まず、オオニシ、あっ、小西さんだっけ。小西さんが、あなた自分の説ばかり言わないで人の話もちゃんと聞いた方がいいと思いますよ。いいですか。(発言する者あり)
○委員長(山崎力君) 新藤総務大臣、答弁だけお願いします。
○国務大臣(新藤義孝君) まず、委員が引用した、この日本国憲法は全くめちゃくちゃな憲法なのですと、これはちゃんと全部を理解しなきゃいけないと思うんです。
 それは、この国家が一切の力を放棄するという日本国憲法の平和主義は国家主権の放棄であり、そこでは国民主権が成り立たないどころか近代憲法自体が成り立ちません、国民の基本的人権を守ることも不可能になりますと。だから、基本的人権を守るためにはこの憲法はまだ物足りないんではないかということを主張しているのであって、基本的人権を大切だと言っているわけなんです。
 それから、国民主権を否定しているというのは、これは元々からいうと、フランス革命において、王様を殺して国民が権力を奪うのが正義だという思想に基づく問題のある政治原理なのではないかと、だから、こういうことに関しては国民主権も成立し得ないではないか。だから、基本的人権は大切だと、こういうことをおっしゃっているわけなんです。
 それで、今、先ほど総理が全責任を持ってとおっしゃいましたけれども、これは総理が任命をする際には国会の同意を経ているわけであります。これは民主主義の最大のルールをもってやっているわけでありまして、これを適正でないと言われることは、私は、これは法律を、制度をきちんと理解をしていただきたいと、私はこういうふうに思っておるわけでございます。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま小西委員が質問の中で、こんな人が存在するとは信じられない、私は驚いて今委員の言葉を聞きました。自分の決めて掛かる考え方と違う人の存在を許さない、そういう考え方は、私はびっくりしたわけでございます。様々な考え方の人たちがこの世の中には存在するわけでありまして、当然私と違う考え方の方もおられる。しかし、私は、そんな人が存在するとは思わないなんということはつゆほども思いません。そう思うべきではないと思っているからであります。つまり、そのような人、そういう自分と考え方の違う人の存在を許さない、そうした狭量な考え方自体が私は極めて問題であろう、極めて危険なものを感じていると言わざるを得ないわけでございます。
 その上におきまして、その上におきまして……(発言する者あり)よろしいですか、よろしいですか、その上におきまして、例えば長谷川委員からのこれは説明でございますが、これは経営委員会の議事録でございます。
 NHKが真の意味での公共放送としての役割を果たすことができるようにお手伝いするための基本姿勢は常に根本から物事を考えるということ。常に根本から物事を考えて是々非々の判断をし、その論議において、常に反対意見にも耳を傾け、真っ当な議論を心掛けたい。これが研究、執筆活動における基本姿勢だが、その結果として、ほとんどの場合、私のたどり着く先は、常識的な公式見解と一致しない。しかし、むしろそのような常識を疑ってみる目というものが、公正、中立、自律を旨とするNHKの経営委員会のお役に立つに違いないと信じ、放送にも経営にも全くの素人である私が、NHK経営委員会の委員をお引き受けをしましたと。
 このように述べているわけでありまして、小西さんは自分の考えと違う人の存在は信じられないわけでありますが、長谷川さんは、あらかじめそういう人もいる、しかし自分の考え方をその中に述べてみることにも意味があるのではないかということを述べられているわけであります。
 繰り返しになりますが、小西さんは自分と考え方の違う人がこの世に存在することに驚いたと言ったわけでありまして、私は、小西さんのその発言に大変驚いたわけであります。
○小西洋之君 まず、申し上げさせていただきますけれども、私は総務大臣を通告しておりません。そして、総務大臣、放送法の解釈を述べていただきましたけれども、私は、かつて麻生総務大臣の下で放送法の担当、NHK、公共放送の担当をやっていた課長補佐でございます。放送法の専門家でございます。(発言する者あり)
○委員長(山崎力君) 御静粛に願います。
○小西洋之君 放送法の解釈は、国会の同意がいかにあろうが、国会の同意があっても、最後は総理大臣は任命しなくてもいいんですよ。任命権者はあくまで総理大臣なんですよ。安倍総理がこの長谷川三千子さんを任命したんです。(発言する者あり)
○委員長(山崎力君) 御静粛に願います。御静粛に願います。御静粛に願います。小西洋之君、質問を続けてください。
○小西洋之君 今回の質疑に資するために、安倍総理を始め委員の諸先輩方皆様に、あとテレビの前の国民の皆様に共有していただきたいことがございます。我々は公共放送、NHKの在り方を議論しているのでございます。NHKは言論報道機関でございます。その言葉によって国民との信頼をつなぐ、それが全ての機関でございます。
 とすれば、公共放送の最高意思決定経営者のメンバーが、日本国憲法はめちゃくちゃであり、日本国憲法は日本近代史上最大の汚点であるという言葉を間違いなく書いているわけでございます。そして、その文脈について新藤大臣いろいろおっしゃいましたけれども、この産経新聞のページについては民主党あるいは私のホームページでもう既に公表をさせていただいております。近代啓蒙思想あるいは近代立憲主義を根本的に否定する、相反するような思想から自らの主張を展開されているわけでございます。
 最後に安倍総理が、私が先ほど申し上げた、このような方が存在することが信じられないというような趣旨のことを批判をされましたけれども、私は、あのとき重ねて申し上げました、その後すぐに、どういう方がどういう思想をお持ちであろうが、それは日本国憲法の下で思想、良心の自由があるわけですから、そのことを私は、否定は何にもいたしません。
 ただ、ここで否定されなければいけないのは、こういう思想の持ち主の方が、あろうことか、日本国の公共放送の経営者にあなたが任命しているという事実です。その事実はまさに放送法をじゅうりんする、放送法違反そのものなわけです。公共の福祉について公正な判断ができる方が、日本国憲法を否定し、大日本帝国憲法を肯定して、しかも合衆国憲法を否定するんですか。自分の答弁について非常に反省をしていただきたいと思います。
 では、続けて、私の質問がまだ続きますので。
 実は……(発言する者あり)あっ、結構です。(発言する者あり)
○委員長(山崎力君) ちょっとお待ちください。ちょっとお待ちください。ちょっとお待ちください。ちょっとお待ちください。ちょっと新藤総務大臣、ちょっとお待ちください。新藤総務大臣、新藤総務大臣、お待ちください。ちょっと待って、ちょっと待って、ちょっと待って。(発言する者あり)
 質問者の小西洋之君にお尋ねしますが、質問の形は終了したんですか。質問の形態になっておりましたか。
○小西洋之君 失礼しました。小川先生の関連質問をお願いいたします。
○委員長(山崎力君) 関連質疑を許します。小川敏夫君。
○小川敏夫君 長谷川三千子氏を経営委員に任命された安倍総理に質問をいたします。
 小西委員から大分ありました。個人的な見解が違うから駄目だということを小西委員は言っているんではなくて、長谷川氏が経営委員としてふさわしい考え方をお持ちかどうかという観点から聞いておるわけです。
 それで、NHKというのは、まさに国民に知らせるべき義務を負っている、公正な義務、そして、言わば言論の自由というもの、憲法で保障された民主主義の最も根本である言論の自由をまさに体現するというところであります。
 その長谷川三千子氏でありますが、このように言っていらっしゃる、憲法について。言論の自由に関しては、大日本帝国憲法と合衆国憲法とは同じようなものだと、だから大日本帝国憲法は変える必要がなかったと、このように言っておられます。しかし、これは全くの間違いであると同時に、こういう方が経営委員としてふさわしいかどうか。
 具体的に言いますと、大日本帝国憲法は、法律の範囲内で言論の自由があると言っておる、すなわち、法律を変えればどうにもできるというのが大日本帝国憲法です。合衆国憲法は、言論の自由を制限するような法律を作ってはいけないというのが合衆国憲法です。全く違う内容の憲法であるのに、長谷川三千子氏は同じようなものだと言っている。まさに、この民主主義の根本である言論の自由というものに対して、このような間違った見解を持っている方をあなたは経営委員に任命された、それでよろしいんでしょうか。(発言する者あり)
○委員長(山崎力君) ちょっと、ちょっとお待ちください。ちょっとお待ちください。(発言する者あり)ちょっと、ちょっと、新藤さん、まだ新藤さん指名していない。(発言する者あり)新藤さん、指名していない、まだ指名していない。(発言する者あり)指名していない。だから、一旦は、一旦は……(発言する者あり)
 ちょっとお待ちください。
 ちょっと速記止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(山崎力君) 速記を起こしてください。
 新藤総務大臣。
○国務大臣(新藤義孝君) 法律の専門家でありますから、小川委員から良い質問をいただいたと思います。
 この件については、ずっと今、国会において議論がなされておりました。ですから、恐縮ですが、少しお時間をいただいて、しかも冷静にですよ……(発言する者あり)いやいや、ちょっといいですか、そんな長々やるんじゃないんです。ただ、これは委員、是非聞いていただきたいと思うんです。いいですか。
 まず、この放送法がどういうことになっているかということであります。それは民主主義の健全な発達に資するために不偏不党を維持しています。それは公平中立を維持するということであります。委員、経営委員が、その放送法において経営委員会というのがどういうふうに存在しているかということを是非御理解をいただきたいんです。今委員は、経営委員としてふさわしいか否かということで、過去のまた思想についてのお話をされました。まず第一に、放送法において、経営委員が経営委員の職務外でやったことについての規制というのはございません、まず第一に。
 それから、経営委員というのは、これは多種多様な方が……(発言する者あり)きちんと聞いてください、委員の質問に答えているんですから。いいですか。それは、経営委員会は……
○委員長(山崎力君) 新藤総務大臣。
○国務大臣(新藤義孝君) 経営委員会の合議体によってなされているわけであります。
○委員長(山崎力君) だから、短めに、先ほど、と言っていましたから。
○国務大臣(新藤義孝君) ええ、分かっていますよ。
 ですから、まず経営委員というのは個人で職務執行ができないんです。経営委員会は委員の合議体でもってNHKの運営を全体を見ていくわけであります。それから、経営委員会は委員会としての不偏不党を維持されるのであって……
○委員長(山崎力君) 新藤総務大臣、総務大臣、おまとめください。最初のあれになっていますから。
○国務大臣(新藤義孝君) はい。
 ですから、これ個人の、経営委員会で、経営委員会の中でそういう御発言があったんでしょうか。委員会ではないところで……
○委員長(山崎力君) ですから、新藤総務大臣、総務大臣、総務大臣、おまとめください。
○国務大臣(新藤義孝君) 思想、信条の自由があって、それを基にいろいろな多様な方が集まって、経営委員会が合議体としてNHKをチェックしていくわけでありますから……
○委員長(山崎力君) 新藤総務大臣、新藤総務大臣、最初の約束守ってください。
○国務大臣(新藤義孝君) いや、ですからやっていますよ。大事なところなんですから、大事なところ……
○委員長(山崎力君) 速記を止めますよ。速記を止めますよ。(発言する者あり)
○国務大臣(新藤義孝君) ばかやろうって言いましたか。
○委員長(山崎力君) 新藤総務大臣。
○国務大臣(新藤義孝君) どうしてちゃんと聞いていただけないんでしょうか。ですから……
○委員長(山崎力君) 新藤総務大臣。
○国務大臣(新藤義孝君) 経営委員会の中立性は守られているということを私は……
○委員長(山崎力君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(山崎力君) 速記を起こしてください。
 先ほど来の議論の中で、お互いにヒートアップしていることは分かりますが、時間の中で短く答えてください。その後で総理の答弁いたしますという中での答弁でしたから、その中においては、中身はともかくとして、まさに時間を守っていただかなきゃいけないというのが委員長の立場でございますので、是非その辺のところは御留意の上、今後とも答弁をお願いいたします。
 続きまして、安倍内閣総理大臣。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど長谷川さんの著書を例にして挙げられましたが、しかし、聞いておられる方は一部だけを取られてもそれは分からないんだろうと思うんですね。(発言する者あり)いや、ですから、いや、ですから、全部を、全部をここで披露していただかないといけないということになりますよ。
 基本的には、経営委員会でどういう発言をされているかということをもってのみ、これは我々は評価をしなければいけないんだろうと、このように思うわけでありますし、経営委員としての役割は経営委員会でのみ果たされるわけであります。
 そして、その上において、誰がどういう信条を持っているか、どういう著書を書いているか、それは思想、信条の自由にまさに小西さんは入り込んでいっているわけでありまして、さすがに、自分とは考え方の違う人がこの世に存在することが信じられないと言った小西さん、で、小川さんも大体それに追従しておられるのかなと言わざるを得ないわけでありまして、私たちの立場といたしましては、放送法上、経営委員会の経営委員の選任に当たっては、これまさに公共の福祉に関し公正な判断をすることができ、広い経験と知識を有する……(発言する者あり)よろしいですか。ちょっと静かにしていただかないと答弁しにくいものですから。よろしいですか。
 じゃもう一度最初から言いますよ。(発言する者あり)よろしいですか。いや、それ、質問をしているんですから、答弁するときには……(発言する者あり)でも、横にいる人がやじるものですからね。よろしいですか。子供みたいにそんなどんどんやじられると答えられないわけですよ。よろしいですか。
 教育、文化、科学、産業といった分野等を考慮して、そして両議院の同意を得て内閣総理大臣が任命することとなっているわけでございまして、現在の経営委員の方々はそのような手続に従って適切に選任されているものと認識をしているわけでございますし、先ほど申し上げましたように、長谷川氏については様々な著作があるわけでございますが、我が国の思想や哲学の在り方を探求し、そして著作活動を行ってこられた方でありまして、文化等の分野についても広い経験と知識を有しておられると、このように考えたところでございまして、そして今、我々としては、繰り返しになりますが、経営委員として経営委員会においてどういう発言をしておられるかということがポイントであろうと。
 様々な人が、経営委員会の委員のメンバーは様々なバックグラウンドを持っている方々がおられるわけでありまして、その中の人物が自分の考え方とそぐわないことをこの部分で言っているからそれは気に食わないということではないのではないかという印象を持ったわけでございますが、いずれにいたしましても、今申し上げましたような理由で選任をしたところでございます。
○小西洋之君 先ほどから安倍総理、新藤大臣が、小川先生、私が問うてもいないことをずらずらと答弁をして時間稼ぎをする。その有様については、テレビの向こうの国民の皆様、まさにNHKの受信料をお支払いいただいてこのNHK放送を御覧になっている国民の皆様が、その異様な姿をきちんと御理解をしていただいているものと私は信じます。
 ではまた、次の安倍総理のこの経営委員の任命に関する許されざる問題について指摘をさせていただきます。
 放送法の三十一条の経営委員の要件、幾つかあるんですけれども、下の赤い字を御覧いただけますでしょうか。全国各地方が公平に代表されることを考慮しなければならない。放送法の条文については、安倍総理にも今、目の前にお配りをさせていただいております。
 全国各地方から公平に十二名の経営委員が構成されるように唯一の任命権者である安倍総理大臣は努力をする、考慮することを法律上、法的な義務として求められております。しなければ法律違反です。なぜそうかといいますと、NHKは全国放送でございますので、全国各地域の実情に通じた方にNHKの経営委員になっていただいて豊かな全国放送を実現していただく、経営していただく、そういう趣旨でございます。
 しかし、昨年の十一月、十二月に安倍総理が行った経営委員の任命によって初めて、戦後の日本のNHKの歴史において初めて東北地方を代表する経営委員の方がいなくなりました。昨日の三月十一日は東日本大震災の三周年の追悼記念日でございました。安倍総理も政府主催の追悼式典において実行委員長として実務を務められました。しかし、安倍総理が行った経営委員の任命において、あろうことか、東日本大震災最大の被災地域である東北地方を代表する経営委員の方がゼロになっているのでございます、戦後初めて。
 安倍総理に伺います。日本国憲法を否定するような方々を経営委員に任命して、そして、なぜ東北地方を代表する、最大の被災地を代表する経営委員の方を外したんでしょうか。あなたは、この全国各地方が公平に代表されることを考慮、すなわち東北地方の経営委員を入れるか入れないか判断しているはずです。していなかったら、考慮しなかったということですから法律違反です。明確に答弁ください。(発言する者あり)
○国務大臣(新藤義孝君) 私は、今日は担当大臣で来ておりますから、是非必要なところは答弁をさせていただきたいと、このように思います。
 委員の選任に当たりましては、私が放送法を所管している立場から、総理と御相談をしながら選任を、候補者を決めたわけであります。そこで、今の地域の偏りでありますが、当然私たちもそれはチェックしております。できるだけ全国満遍なく、各地方からそういった方をなっていただくようにということで、これまでも、また今回も配慮をさせていただきました。
 いつものときにも全ての地区が入っているわけではありません。そして、様々な、教育、文化、科学、産業といった分野も考慮した上で、地域性も考慮した上で総合的にそのとき適切な方を選任しているわけでありますので、これは、いつもあるのにたまたま今回抜けたのではなくて、全国どこも、地域が、全ての地区が入っているわけではないんだということで御理解いただきたいと思います。恣意的なことではございません。
○小西洋之君 籾井NHK会長に伺います。
 国会に提出されております平成二十六年度NHKの事業計画において、NHKとして復興にどのように取り組む、復興をどういう施策に位置付けているか、ランクに位置付けているか、答弁いただけますか。
○参考人(籾井勝人君) お答えいたします。
 昨日、NHKを見ていただいたと思いますが、三月十一日当日……(発言する者あり)分かっております、ああいうふうな形で報道をさせていただきました。そういう中で、引き続き、二十六年度につきましても東北の今後の状況等々についてはコンスタントに、常に報道を続けていく所存でございます。
○小西洋之君 NHKの事業計画は、この三月末に、六千四百億円の予算を使う事業計画でございますので、受信料六千四百億でございます、それを国会承認するんでございます。その事業計画における復興の位置付けを聞いたんですけれども、答弁は放送するということだけでございました。事業計画における位置付け、一丁目一番地です。一番初めの重点項目として書いてあります。公共放送としての使命を果たす、復興を支援する放送の番組作り、また歴史的資料等の記録保存、活用等々、そういうことを掲げています。
 安倍総理に重ねて伺います。
 先ほど申し上げましたように、私はかつて総務省でNHKの経営委員の候補者を人選する仕事をしておりました。麻生総務大臣の下でございます。仮に私が今回東北地方を代表する経営委員の方を候補者として選ばなければ、私は、尊敬する上司の総務官僚の皆さんから、おまえ、小西、首だと、何を考えているんだとお叱りを受けることになったでしょう。放送法において明確に、各地方の実情に通じた方を公共放送として、全国放送として経営委員に入れなければいけない、そしてそのことを考慮しなければいけないという規定があるわけでございます。
 重ねて聞きます。なぜ東北地方、最大の被災地を代表する経営委員を入れなかったんですか。明確に答えてください。(発言する者あり)
○委員長(山崎力君) ちょっと静かにしてください。
 新藤総務大臣、先ほどの答弁に重ならない形でまず答えていただきます。短く。短く。
○国務大臣(新藤義孝君) これは、先ほども申し上げましたように、様々な総合的な観点からやったということであります。
 それから、私ども、今回の二十六年度のNHKの収支予算について、これは大臣意見として、東日本大震災からの復興の貢献、そして公共放送の機能の強靱化、こういったものを明確に位置付けて、それをNHKについて求めております。
○委員長(山崎力君) それでは、安倍内閣総理大臣。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 基本的に、そうしたバランス等々も含めて、当然、総務大臣のところでまずは大体人選等についても考慮していくわけでございまして、その上で私が最終的に決めるわけでございますが、今……(発言する者あり)済みません、私がしゃべっているんですから、質問している人は、質問した後、答弁者に対して一々やじるのはやめていただきたいと、このように思います。よろしいですか。小西さん、よろしいですか。小川さんもよろしいですか。(発言する者あり)よろしいですか。
○委員長(山崎力君) 総理、お願いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それであればお答えをいたしますが、言わば総務大臣のところでそうした地域的な観点等も考慮するわけでございますが、いずれにせよ、東北の復興そして東北の現状をしっかりと放送していく、これ当然公共放送としての立場であろうと、そのことはいささかも変化がないということは私も確信をしているところでございます。
○小西洋之君 NHKが六千四百億円の受信料によって新しい事業計画を作って、その中で、復興を支援する放送、放送の使命を通じて被災地の皆さんを支援する、幸福に導く、そういうことを掲げているんでございます。そうした事業体であるNHKに、最高経営メンバーに最大の被災地出身の、最大の被災地に一番事情を通じている方を経営委員に入れること、私はそれは計り知れないメリットがあると思います。被災者に対する、私のかつての総務省での官僚経験に照らせば、それは到底理解できない、承服できない、そうした御判断であるというふうに申し上げさせていただきます。
 なお今、今なお被災地で仮設住宅で暮らされている皆さん、住み慣れた家を失い、仕事を失い、生活の困窮にあられる方、仮設住宅にいらっしゃる方も含めて、福島の一部の方を含めて、全ての方にNHKの受信料は支払っていただいているわけでございます。
 安倍総理、被災地の方々に向かって答弁ください。あなたは、東北地方を代表する、被災地を代表する経営委員を入れなかった、そのことを被災地で受信料を払っている皆さんに説明できますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、先輩として申し上げると、追悼の言葉を述べるときは前のボタンを締めた方が私はいいと思いますよ。その上で、その上で申し上げさせていただきますと、それが私は礼儀なのかなというふうに考えているところでございます。
 その上において申し上げますと、言わば震災からの復興、安倍政権としては、東北の復興なくしては日本の再生はない、この基本的な考え方の下に震災からの復旧復興に全力を入れておりますし、復興の加速化に全力を尽くしている次第であります。
 その上において、今の小西委員の御質問でございますが、当然NHKにおいてもその方針で恐らくしっかりと取り組んでいかれる、これは微動だにしないんだろうと、このように思うわけであります。
 そして、言わば地域において、その地域の代表、しかし、それは地域代表であるという場合もありますし、それは例えばたまたまその地域の御出身だということもあるんだろうと、このように思うわけでありますが、被災に対する思いというのは、これはまさに日本全国が共有しているわけでございまして、その上においてしっかりと対応していくということではないだろうかと思うわけであります。
 安倍政権としては、しっかりと住まいの再生、そしてなりわいの再生に全力を入れているところでありますし、幸い、一昨年には全く計画がなかった住まいについては、しっかりと今前に進んでいるのは事実、全ての地域において計画ができたわけでございまして、しっかりと前に進んでいるわけでありますし、来年のこれは三月末までには高台移転、そして復興公営住宅において約七割が進んでいくわけでございまして、今まさに、東北の皆さんに向いて述べてくださいということでございますのでお話をさせていただいておりますが、今までなかったものが計画ができて着実に前に進んでいるということは申し上げておきたい。
 そうした事実も含めまして、しっかりと東北の皆さんに向き合いながらNHKが番組を制作をしていくということになることは、私も確信をしているところでございます。
○小西洋之君 随分長い答弁をいただきましたけれども、最大の被災地である東北地方を代表する経営委員を、戦後初めて安倍総理が、代わりに自分のお友達と言われる方々を選んできたがゆえに任命しなかった。その理由としては、被災地の方の心に今の答弁は何ら届いていないというふうに私は感じます。
 もう一つ、安倍総理が許されないことを指摘させていただきます。
 放送法第三十六条、先ほどから安倍総理はごまかそうとしておりますけれども、繰り返し申し上げます。安倍総理は、放送法上、NHKの最高経営メンバー、経営委員を任命できる、その任命権限を持った日本でただ一人の方でございます。たとえ国会同意を得たとしても、最後は安倍総理の判断でもう一度やめることもできるわけでございます。そして、安倍総理がその任命した経営委員、日本国憲法を否定する長谷川三千子さん、そして最大の被災地を代表する経営委員の方は戦後初めて今はいない。こうした経営委員の方を安倍総理は任命できるゆえに、また罷免すること、辞めていただくこともできるんですね。この規定が放送法第三十六条でございます。赤い文字がその罷免の要件でございます。職務上の義務違反、そして非行たる行為。
 私、先ほど申し上げましたように、この放送法を行政の下で責任を持って運用する仕事をさせていただいておりました。放送法の専門家でございます。私の認識、かつ私が尊敬する法律の専門家の皆さんにも御相談をさせていただきました。実は、長谷川三千子さんと百田尚樹さん、安倍総理が任命した経営委員のお二人は既にこの罷免要件に合致しております。
 長谷川三千子さん、二月の六日、朝日新聞で報道されていたように、かつて朝日新聞本社であった右翼団体幹部による拳銃の自殺事件、言論報道機関に対する威圧的なテロ行為と言っていいんだと思いますけれども、そのテロ行為を賛美し、かつ、同時に象徴天皇制を否定するかのような追悼文を発表されておりました。
 そのことについて、二月の十二日の経営委員会で、先ほど安倍総理が取り上げたものでございますけれども、議論された。そして、安倍総理が先ほどまさに読み上げたその長谷川三千子さんの、私の考えは常に常識的な公式見解と一致しない。確かに、日本国憲法を否定する方ですから、常識的な見解は一致しないのかもしれませんけれども。昨日、NHKの経営委員会事務局に確認をいたしました。長谷川三千子さんは、この二月十二日の経営委員会のその調査において自らの発言を撤回していない、テロを賛美し象徴天皇制を否定するような発言を撤回していない。それがNHKの公式見解でございます。だとすれば、そういう方が公共放送の経営者にいることは公共放送NHKの信用失墜行為そのものなんです。職務上の義務違反です。
 かつ、百田尚樹委員、皆様も御案内のとおり、東京都の都知事選挙で、日本国のかつての総理大臣、厚生労働大臣、日弁連会長のお三方に対して人間のくずと二回にわたってマイクの大音量でおっしゃいました。
 人を人間のくずと発言する行為、公衆の中で、これは刑法の侮辱罪に該当します。刑法犯罪なんです。刑法犯罪に該当するのであるからは、この非行という、いわゆる不法行為でなくても該当するような広い概念に当然該当いたします。百田経営委員は非行行為を犯しているのでございます。
 すなわち、長谷川委員、百田委員、ここで安倍総理に伺います。このお二人をあなたの権限において罷免をして、もちろん国会同意が必要なんですけれども、同意人事を出されれば国会は多分誰一人反対しないでしょう。日本国憲法を否定し、また、人間のくずというような発言をなさり、また百田経営委員は、南京大虐殺はなかったと、安倍総理ですらお認めになっている政府見解とも異なるような見解をされております。そういう方を我々国会議員が再び同意するということはあり得ません。ちなみに、民主党は昨年の冬の安倍総理の人事に対して全て反対票を投じさせていただいております。
 重ねて聞きます。このお二人をあなたの権限において罷免なさって、代わりに東北被災地を代表する経営委員をNHKの復興のために迎えるお考えはありますか。
 安倍総理に聞いております。
○委員長(山崎力君) 安倍内閣総理大臣。(発言する者あり)
 ちょっとお待ちください。私が指名した名前を聞いてからその発言をしていただきたいと思います。
 では、安倍内閣総理大臣。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 少し、居丈高になるのはいいんですが、少し落ち着いて聞いていただきたいと、このように思います。
 それでは、まずお答えをいたしますが、百田委員を含め経営委員が個人的に行った発言やそれに対する対応について政府としてはコメントする立場にはないわけでありまして、そして、先ほど私が紹介させていただきました経営委員会における長谷川さんの発言は、今委員がまさに指摘をされた出来事に対する長谷川さんの弁を紹介をさせていただいた次第でございますが、先ほど、長谷川さんが述べられた、これは私の見解ではなくて長谷川さんが述べられたことでありますが、後半だけを申し上げますと、常識を疑ってみる目というものが公正、中立、自律を旨とするNHKの経営委員会のお役に立つに違いないと信じ、放送にも経営にも全くの素人である私がNHK経営委員をお引き受けをいたしました、また、一部報道のあった追悼文の記事については、現実の政治・社会的立場と日本精神史の二つの違う次元の話が混同されているという行き違いがあるというふうに述べられているところでございまして。
 また、百田委員につきましては、百田尚樹氏は放送作家として活躍する傍ら、平成十八年に「永遠の0」を発表し、小説家としてデビューを果たし、同作は平成に入って三百万部を突破する国民的なベストセラーとなったと。また、平成二十四年に発表した歴史経済小説、「海賊とよばれた男」は、全国の書店員が選ぶ二〇一三年の本屋大賞を受賞し、百五十万部を突破したということ等でございます。そして、一つのジャンルにとらわれることなく常に新しいジャンルに挑戦し続ける同氏の執筆姿勢、逆境においても前向きに生きる人々の命の大切さを描いたその作品は世代を超えて多くの読者の共感を得て高く評価をされているところであり、このような観点から、公共放送機関の経営の最高意思決定機関の構成員としてその手腕が期待されることからお願いをした次第でございます。
○小西洋之君 私は、放送法三十六条において、安倍総理が任命した二人の委員が罷免要件に合致している、だから罷免をなさい、そして、あなたが切り捨てた東北被災地を代表する経営委員をきちんと、戦後今まで欠けることが一度もなかった方を入れるべきではないかという質問をさせていただきました。全く何の答えにもなっていないことは、テレビを御覧の国民の皆様が深く御理解いただいたものと存じます。
 このように、安倍総理の放送法をじゅうりんする経営委員の任命行為によって、国民の皆様のNHKがあたかも安倍様のNHKとして乗っ取られている、これが今現実でございます。
 経営委員会を乗っ取った。次は、やっていることは、籾井会長、この方が現れた経緯というのもまた誠に不可思議な経緯でございます。御説明をさせていただきます。
 十一月八日の昨年の国会同意人事、安倍総理のその四名の新人任命によりまして、経営委員の候補者が会長人事に対して拒否権を持つことになりました。実は、籾井会長の前に松本会長という方がいらっしゃって、この方はNHKの歴史で初めて受信料の値下げを実現して、かつ国民・視聴者との結び付きをつくる大きなアンケート調査というような事業も起こされ、その事業の成果、またその人格について大きな信望を集めていた方と伺っております。
 今日お越しいただけませんでしたけれども、浜田経営委員長を始めとする当初の経営委員会の方々は、この松本会長を是非もう一期、三年間会長として再任したい、そういう希望を持っていたというふうにされております。しかし、松本会長、安倍総理の経営委員の人事によってその進む道を絶たれてしまい、十二月の五日、自ら記者会見で、二期目は私はやりませんと、そういう記者会見をなさいました。
 しかし、驚くべきことが起きております。その記者会見の僅か五日後に、浜田健一郎をリーダーシップとする方々により松本前会長を、これは辞退すると言っている方です、二期目はやりませんと自らおっしゃった方を、次期会長のたった一人の候補者に組織として決定しているわけでございます。しかし、松本会長は、まあいろんな圧力を受けていたと報道されておりますけれども、残念ながら辞退をされ、そしてその僅か三日後に、初めて、初めて籾井氏を始めとする他の候補者の資料が経営委員会の場に出され、そこで初めて籾井氏が審議され、その日のうちに籾井氏が唯一の次期会長候補者として決定された。これはNHKのホームページにも載っております。その経営委員会の議事録で全て明らかにされている事実でございます。
 つまり、国民の皆様の六千四百億円の受信料を預かり、かつ日本最大の放送局であるその放送局の最高経営者、執行経営者であるNHK会長がこんな不可思議かつ不透明な形で決められている。大きな政治介入があったというような報道がされているところでございます。つまり、NHKの経営委員、そしてNHKの会長、それを乗っ取ることによって国民の皆様のNHKをあたかも安倍様のNHKにしている、そういう指摘が今されているところでございます。
 ここで、籾井会長に伺います。
 あなたは公共放送NHKの最高経営者であり、かつNHKの番組作りの最高責任者、つまり編集権を有している方でございます。たとえ時の国家権力と見解が違っても、あなたが立つのは常に国民の立場です。国民の立場に立った公共放送の自主自律、不偏不党を守ることがあなたにできるのか、それが今国民の皆さんが一番心配していることでございます。
 今、日本社会で抱える最大の政治課題、安倍総理が進める憲法の解釈改憲がございます。
 籾井会長に伺います。
 立憲主義という言葉がございます。立憲主義という言葉について一般的に理解されている、安倍総理は古い王制の考え方というような間違った、とんでもないことを国会答弁しているんですけれども、立憲主義について一般に認められている考え方はどういう考え方でしょうか答弁ください。
○参考人(籾井勝人君) お答えします。
 憲法を有し、立憲政治に基づく政治が行われている国だと了解しております。
○小西洋之君 私は立憲主義を聞いたのでありまして、立憲主義というのは、憲法の名に値するものは、国家権力を制限し国民の自由と権利を保障する、それ以外のことを憲法には書かない、そういうものが立憲主義であり、それのみが憲法の名に値するというものでございます。立憲主義も分からない方が、立憲主義の破壊行為であるという安倍総理の解釈改憲について、公正中立な、不偏不党な放送を統括できるんですか。私は到底それができるとは思いません。
 では、この安倍総理のNHKの私物化、安倍様のNHK、その目的の最たるものは解釈改憲であるというふうに考えます。
 本日、参議院の事務総長にお越しいただいております。一九五四年、我がこの参議院の本会議において付された自衛隊に関する決議文をお読みいただけますでしょうか。
○事務総長(中村剛君) 昭和二十九年六月二日の参議院本会議決議をお読みいたします。
 自衛隊の海外出動を為さざることに関する決議
 本院は、自衛隊の創設に際し、現行憲法の条章と、わが国民の熾烈なる平和愛好精神に照し、海外出動はこれを行わないことを、茲に更めて確認する。
 右決議する。
 以上です。
○小西洋之君 今、参議院の事務総長にお読みいただいたこの参議院の本会議決議、その意味するところは、憲法九条の下において自衛隊の海外出動はこれを許さない、すなわち、自衛隊の海外での武力行使はこれを許さないとするものでございます。
 今、安倍総理は、この参議院の予算委員会においても、憲法九条の解釈改憲、集団的自衛権の行使について、閣議決定のみで行うということを再三おっしゃっております。しかし、我が参議院の本会議の決議は、九条の解釈、運用解釈において、自衛隊の海外での武力行使、すなわち集団的自衛権の行使はこれを断じて許さないと決議しているわけでございます。しかも、この決議、実は自衛隊がつくられたときに本会議で決議されたものなのでございますけれども、その後何十年にもわたって、何十回にもわたって、この参議院の中で、繰り返し政府と国会の間でその意味が確認されて定着しているものでございます。
 実は、当の安倍総理大臣も安倍官房長官の時代にこの決議の趣旨について政府を代表して答弁をいたしております。フリップに書いておりますけれども、この決議の意味は、趣旨は、海外に自衛隊を派遣してこの自衛隊が言わば武力行使をすること、これを禁止したものであると自らおっしゃっております。
 安倍総理に伺います。
 あなたは解釈改憲を、閣議決定を先行して国会での議論は後回しにすると再三おっしゃっておりますけれども、議院内閣制の下において政府と議会の間で繰り返し積み上げられたこの本会議決議を前にして、あなたは自分の内閣だけで、閣議決定だけで解釈改憲をするんですか。そういう方針を撤回してください。どうぞ。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 自衛隊が海外に出動することを禁じるという議論の中において、言わば、例えばPKOの際にも、それは果たしてどうなのかという議論がございました。言わば、自衛隊を海外に出動させることは駄目という決議であればそれは一切駄目だと、こう捉えられるわけでございます。
 しかし、そこで私が答弁をしたのは、まさに武力行使をするのはできないということにおいて言ったわけでありますが、しかし、まさにそれ以外の行為については、それ以外の行為についてはまさにこれは解釈によって、これは国会決議においては有権解釈を我々政府は持ちません、これは国会において解釈をするわけでございますが、しかし、その際の議論において、それは言わば武力行使ではない、言わば集団的安全保障である中における国連のPKO活動においては様々なこれは制約が掛かっているわけでありますからそれは自衛隊も海外に出動できると、そういう解釈をしたわけであります。つまり、そういうことも含めて理解をする必要があるんだろうと思うわけでありますが、それを含めて私は官房長官として答弁させていただいたことを記憶をしているわけでございますが。
 そこで、本題でございますこの集団的自衛権につきましては、言わば国際情勢が大きく変わっている中において、一国のみでその国の生存、安全を保持することができないという中において、例えば公海上におきまして米国のイージス艦が我が国に対するミサイル攻撃に対しての警戒に当たっている際に、そしてそのイージス艦のイージス機能が、上空の飛んでくるミサイル、弾道ミサイルに集中をされている場合には、周辺に対する警戒がこれはおろそかに、薄くなるわけでありまして、そして、近傍にいる日本の例えばイージス艦が高い能力を持ち、飛んでくる大陸間ミサイルを感知をし、撃ち落とす能力はあるにもかかわらず、それを撃ち落とさなくてもいいのかという考え方であります。
 それを、しかし正面から受け止めながら議論をしていかなければならないということについて、分類を行いながら今安保法制懇において議論が進められてきているわけでございますが、この安保法制懇においての議論が出た中においては、これは法制局を中心に憲法の解釈について変更が必要かどうかということを検討しながら与党と議論をし、そしてその中において解釈の変更が必要となればこれは閣議決定を行うわけでございます。
 ということの手続をしっかりと踏み、かつ、その上において実際に自衛隊を動かす上においては、これは個別の自衛隊法の変更が必要であるということでございます。このことについては丁寧に答弁をさせていただかなければ誤解を生むということにおきまして、丁寧に、御丁寧に答弁をさせていただいた次第でございます。
○小西洋之君 全く関係のない答弁をずらずらいただきましたけれども、参議院本会議の決議は、かつて安倍内閣官房長官も認めているとおり、自衛隊の海外における武力行使、すなわち集団的自衛権の行使を許さないというものでございます。これは各党各会派全体の持ち物でございます。これを守らなければ、我々参議院議員そして参議院の存在意義はないと、そのことを是非皆様に申し上げさせていただきたいと思います。
 最後に一言。
 自衛隊の命の宣誓と言われる服務の宣誓がございます。自衛隊員は、命懸けで事に臨んで、危険を顧みず戦闘行為を行うという宣誓を二十五万人の方全てがなさっています。解釈改憲、閣議決定だけで、こういう命の宣誓をやっている方々を、新しい戦争の下で命懸けの戦闘行為ができるのか、国民の負託はできるのか。私はできないと思います。質問ではございません。質問するつもりはございません。質問するつもりはございません。
 私は、国民の負託を確保するためには国民投票がなければならないと思います。
 最後に、安倍総理の野望を打ち砕くために、私は、立法府の名において、解釈改憲を禁止する法案を作らせていただきました。衆議院もであります。解釈改憲禁止法案、資料の一番最後に載って、私のホームページでも公表させていただきます。参議院法制局とも議論し、私の中で立法のめどが付いております。あなたの非常にゆがんだ、立憲主義を破壊する野望、それをこっぱみじんに打ち砕くことを国民の皆様にお約束して、小川先生に譲らせていただきます。
○委員長(山崎力君) 今のは質問ないですね。
○小西洋之君 質問はないです。意見の表明です。
○委員長(山崎力君) それでは、関連質疑を許します。小川敏夫君。
○小川敏夫君 籾井委員長に聞きます。(発言する者あり)籾井会長に聞きます。
 会長は理事の辞表を取りまとめたということですが、その事情について説明してください。
○参考人(籾井勝人君) お答えいたします。
 辞表の取りまとめは、やはり事のスタートに当たって、やはり役員各氏に私は緊張感を持って一緒にやっていただきたいと、こういうことでございます。
○小川敏夫君 放送法は、会長も始め経営委員も理事も、役員に対しては勝手に罷免されないような言わば身分保障の規定を置いております。なぜ放送法はそうした役員に対して身分を保障する規定があるのだと、置かれているのだと会長はお考えですか。
○参考人(籾井勝人君) 期間が二年で、むやみやたらと罷免もされないということでしょうが、私のやったことは、御存じと思いますが、民間企業は皆、任期一年でございます。それによって、やはりマネジメントはマネジメントの自由度を持っているわけでございます。
 そういう意味におきまして、さっき言いましたように、これは緊張感を醸し出すためでございますけれども、同時に、私のマネジメントとしての、いわゆる、まあちょっと適当な日本語が出ませんけれども、そのために私はそういう辞表を預かったわけでございますが、同時に、私はこれを濫用するということは決して言っておりません。
○小川敏夫君 私はなぜ役員に身分の保障の規定があるのかと質問をしたわけで、それに答えられない会長は、言葉が見付からないということではなくて、そもそもその意識がない、会長の任にあなたがそぐわない人材だからということだと思いますが。
 要するに、身分が保障されているということは、いかなる圧力にも屈しないで、自己の良識、信念に従ってその責任を果たしなさいということだと思うんですよ。こういう趣旨の答弁をいただきたかったんですが、そういう趣旨の答弁のかけらもないような今のお話、誠に残念であります。そのような方をNHKの会長として迎え入れているということは、国民の一人としても誠に恥ずかしいと思っております。
 放送法の規定で、五十五条の二項ですけれども、会長は理事の任命権を持っているけれども、自由に罷免できるわけじゃありませんですね。すなわち、一定の事由があるときに経営委員会の同意を得て罷免できるわけです。
 あなたがあらかじめ理事の辞表を持っておくということは、じゃ、罷免はこの放送法の規定によって自由にはできないけれども、理事が辞める場合には、これは別に経営委員会の承認は要らないですね。会長、どうですか。
○参考人(籾井勝人君) お答えいたします。
 今参照されました放送法第五十五条にはこのように書いてあります。「経営委員会は、会長、監査委員若しくは会計監査人が職務の執行の任に堪えないと認めるとき、又は会長、監査委員若しくは会計監査人に職務上の義務違反その他会長、監査委員若しくは会計監査人たるに適しない非行があると認めるときは、これを罷免することができる。」、二項にはさらに、「会長は、副会長若しくは理事が職務執行の任にたえないと認めるとき、又は副会長若しくは理事に職務上の義務違反その他副会長若しくは理事たるに適しない非行があると認めるときは、経営委員会の同意を得て、これを罷免することができる。」。つまり、罷免するときには経営委員会の同意が要るということでございます。(発言する者あり)
○委員長(山崎力君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(山崎力君) 速記を起こしてください。
 それでは、改めて籾井NHK会長。急いでください。
○参考人(籾井勝人君) お答えいたします。
 理事が辞表を書いたときには、それは要らないと思います。ただ、私が罷免するときには、当然のことながら委員会の承認が要ります。
○小川敏夫君 つまり、会長、あなたがなされたことは大変に重要なことなんですよ。本来罷免するためには経営委員会の判断を得なくちゃいけないというものを、あなたは、あらかじめ辞表を取っちゃって、経営委員会の判断もなしに首にできるという状態をつくったんですよ。放送法違反ですよ。
 今日はもっともっとたくさん質問する事項があって、財務大臣にも聞こうかと思ったんですが、余りにも饒舌な答弁があったので時間がなくなっちゃいました。しかし、財務大臣に聞きます。
 財務大臣は、すなわちナチスを見習えと、国民が知らないうちに憲法を改正するあのナチスの手口を見習えと言った。私は、今回のNHKのこの経営委員や会長の人事、結局、改憲というような事実、それも悪い方向に持っていくような事実について国民に知らせないで、ナチスの手口を見習って、そうしたことをなし崩しにやってしまおうという、そういう大きな流れの中にあるこのNHKの人事じゃないかというふうに思っております。
 今日は財務大臣にそのナチス発言について十分聞こうかと思ったんですが、大変残念なことに質問の時間がないので、また改めて質問する機会があると思いますが、結局はそういう大きな流れの、安倍政権の流れの中でNHKのこの現在の人事も進んでいるんだということを是非国民の皆さんに指摘させていただいて、私の質問を終わります。
○委員長(山崎力君) 以上で小西洋之君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(山崎力君) 次に、矢倉克夫君の質疑を行います。矢倉克夫君。
○矢倉克夫君 公明党の矢倉克夫です。
 昨日、東日本大震災発災から三年が経過をいたしました。私、先週末も被災者の方にお会いをいたしました。福島から避難された方々でございます。とにかく安心が欲しいんだと涙ながらに訴えられまして、その思いを改めて聞いて、復興への決意を新たにいたしました。一人一人の思いに寄り添い、そして励まし、さらにはお約束をしたことを実現する、改めてお誓いを申し上げる次第でございます。
 今日は、外交、防衛、公共放送がテーマでございます。
 質問に入る前に、一言、御就任以来、地球儀を俯瞰する外交を展開される安倍総理のたゆまざる外交努力に心から敬意を表したいと思います。三十一か国も回られている。私を含め国民全体、本当に感嘆をいたしております。
 総理も御訪問されたソチの地、今パラリンピックが行われておりますが、まさにその近くのクリミアでの情勢、大変緊迫をいたしております。報道でも、谷内国家安全保障局長、ロシアに派遣をされたとお伺いしました。まさに、是非、プーチン大統領と個人的にもお親しい安倍総理のリーダーシップの下、何としても外交努力、解決に導いていただきたい、このように改めてお願いを申し上げます。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、質問に入らせていただきます。
 まず、近隣諸国、特に中国、韓国との関係であります。
 私、全国津々浦々回らせていただいて、いろいろお声をお伺いをいたします。一番お聞きするのは、景気回復、早く実感したいというお声。ただ、実は、二番目にお聞きする声は、とにかく近隣諸国と仲よくしてもらいたい。特に、私の亡くなった父は実は大正十五年、昭和元年生まれでして、母は昭和十年生まれなんです。二人とも、当然ですけど戦争世代。そういうような戦争を経験された方々から、特に若者世代のためにも仲よくしてもらいたい、こういう声を非常にお聞きいたします。
 まずは外務大臣より、現状の日中、日韓関係、分析をいただければと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、日中関係につきましては、日本にとって最も重要な二国間関係の一つであります。経済を始め様々な分野において日中の間には切っても切れない関係が存在いたします。例えば、我が国にとりまして中国は最大の貿易相手国です。また、日本から中国に進出している企業数も二万三千を超えております。各国の中で第一位という状況にあります。日中の間には年間約四百八十万人の人的往来があり、留学生交流ですとかあるいは地方自治体の交流ですとか、様々な交流が存在いたします。
   〔委員長退席、理事北川イッセイ君着席〕
 また一方、日韓関係を見てみますと、日韓関係も、韓国、我が国にとりまして最も大切な隣国でありますが、国民交流あるいは経済分野等様々な分野で深い関係が存在いたします。こちらは、人的往来、年間五百万人を超えるという状況にあります。また、北朝鮮問題を始めとする東アジアにおける安全保障環境を考えましても、日韓関係が緊密であることは不可欠であると認識をしております。
 こうした日中韓の関係は、こうした関係が安定することが三か国の国民にとって利益であるばかりではなくして、地域や国際社会の平和や安定や繁栄にも大きく影響するということからして、日中韓三か国は地域や国際社会の平和や安定や繁栄にも責任を負う立場であると考えています。
 こうした状況ですので、確かに日中関係、日韓関係の間には大変難しい問題が存在し、そして難しい局面があります。しかしながら、こうした大切な関係にある日中関係、日韓関係、是非対話や交流を積み重ねていくことが大事だと思っておりますし、環境ですとか様々な実務的な積み重ねを行うことによって、是非高い政治のレベルでの対話につなげていかなければならないと考えているものです。
 難しい局面にあるからこそ、是非政治の対話を大事にしたい。こういった思いを是非中国、韓国にも受け止めていただき、我々のこうした呼びかけに応じていただきたいと考えております。
○矢倉克夫君 ありがとうございます。
 今大臣おっしゃいました日中、日韓関係、難しい局面、様々な課題がある、しかし政治の対話が必要であるという力強いお言葉であったと思います。いろいろ難しい局面はあるところではございますが、かすかながら光も見えてきているのかなという思いも私もいたしております。
 例えば、こちらは今、先日のジャパン・タイムズの記事なんですが、中国の指導者が、見出しですが、日本と紛争をしないというポリシーを設定したという、そういうような見出しの記事がございます。
 これは、外務省に事前に確認をいたしましたところ、昨年の十月、周辺外交工作座談会という、中国で開催をされております、習近平国家主席、また重立った共産党幹部、さらにはアジアに滞在している大使の方々が集まる重要な非公式会合においての習近平国家主席の反応であったというふうにお伺いをしております。人民日報等では公式な見解としては出ていないんですが、様々なインターネットの中での情報等を含めますと、日本について非常に言及もされているというようなことが報道でもございます。
 その後、総理の靖国参拝等の契機もあったわけですが、今年一月、中国は民間外交、民間交流を突如停止もするというようなこともございましたが、三月になりまして、突然ですが、また農村青年部代表団の訪日など、民間事業を急遽復活させてまいりました。これなども、先ほどの習近平国家主席の意向が末端まで反映されたというふうにお伺いもしております。
 また、韓国との関係についても、FTA交渉など様々実行、どんどん進んでいるところでございます。私も韓国の政府高官の方と直接お会いをしたんですが、韓国大統領の日韓友好に対しての強い思いというのを非常に、改めて直接お伺いをいたしました。
 外務大臣もおっしゃっていましたが、アジア情勢、緊迫はしております。防衛力を維持することは当然ではございますが、相手国の国内情勢も分析しながら、僅かなきっかけもしっかりとつかんで友好への道を開く、それが国民生活の安心のためにも政治の役割であると思いますが、総理はこの点、日中、日韓関係、どのように安定させていくおつもりか、御意見をいただければと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 矢倉委員の御指摘のとおり、日中関係、日韓関係、極めて重要な関係でありますし、こうした関係を発展をさせていくために様々なチャンスを捉えて関係を転換させていきたい、あるいは改善していきたいと、このように思っている次第でございます。
 日韓関係、日中関係、隣国でございますから様々な課題が当然生じてくるわけでございます。そうした課題があったとしても、一つの課題があった、一つの問題があったからといって全ての関係を閉じてしまうということがあってはならないわけでありまして、課題があるからこそ、例えば首脳間の交流はしっかりとしていく、首脳会談あるいは外相レベルでの会談は行っていくべきであろうと、こう考えているわけでございます。
 ですから、例えば日中関係におきましても、たとえ中国が防空識別区を一方的に設置をしてきたとはいえ、我々は、民間の交流あるいは文化交流等をこちらが一方的にそれを止めるということはもちろん一切していないわけであります。そういう状況だからこそ、防衛当局間の話合いを我々は求めているわけでございまして、韓国におきましても、基本的価値を共有する最も重要な隣国でございまして、本日、齋木外務次官を韓国に派遣をいたしまして、先方の外務次官との間で協議を行わせることにしております。政府としては、未来志向の日韓関係の構築に向けて引き続き尽力をしていく考えであります。
 日中関係は確かに厳しい状況にあるわけでございますが、日中間で不測の事態が発生することは誰の利益にもならないわけでございますし、第一次安倍政権の際に日中首脳会談で私が提案をしたのでございますが、防衛当局間の海上連絡メカニズムについて、我々が、私が提案をしたわけでございますが、いまだ中国はその運用開始に合意をしていないのは大変残念なことでございますが、引き続き中国側に働きかけを続けていきたいと、このように思うわけでございます。
 いずれにいたしましても、会談をやるための条件を付すのではなくて、まさに様々な課題を解決をするために首脳会談を開催すべきであると、このように考えておりまして、私の対話のドアは常にオープンでありまして、中韓両国にも同様の姿勢を取っていただきたいと思う次第でございます。
○矢倉克夫君 総理、ありがとうございます。今、首脳会談大事であるという力強いお言葉もいただきました。
 今おっしゃっていた防衛当局間の海上メカニズム、これは非常に大事な分野であると思います。防空識別圏の話題もあります。その中で、偶発的な衝突がないようにするためにも、やはり航空機同士の連絡も取り合えるようなメカニズムというのはしっかりとつくっていく。これは継続的にまた御協議をいただければと思っております。
 その上で、この首脳会談を含めどのように進めていくのか。やはり、いかに関係を進めて修復をするか。一つのヒントが先日の総理御答弁にあったと思います。総理は、我が党の河野義博議員、フィリピン台風被害に対する質問、また防災や減災対策についての共通の枠組みに関する質問に対しまして、中国、韓国との関係においても、防災対策の共有や共同研究等の取組を含め、できるところから互恵的な協力関係を発展させていくよう呼びかけていきたい、このようにおっしゃいました。全くそのとおりであります。
 特に、異常気象や台風もあります。また、津波、竜巻もある。さらには地殻変動など人類共通の課題に対しまして取り組むことは、仲間意識や連帯意識を育む上でも大変に意義のあることであると思っております。
 特に、日本にはそのような枠組みをつくる使命がございます。昨日、三年を迎えた東日本大震災、そのような中で得た知識、経験というのは、災害救助の在り方そのものとまた別に、震災被害からいかに復元をしていくのか、そのような知識、ノウハウもあると思います。例えば、住民の健康を守るべき病院その他が被災した場合の復旧の在り方をどうするか、そのような知識、経験は、まさに日本から世界に発信をして、共通をしていく財産であると思っております。
 それに向けて大事な会合が来年の三月、仙台で行われます、まさに第三回の国連防災世界会議でございます。この会議は、本来であればニューヨークで行われる閣僚級の国連総会をこの日本で行う。今まで三回やっておりますが、第一回は横浜、第二回は阪神・淡路大震災後の神戸、そして今回は仙台、全てこの日本で行われる会議でございます。
 総理、いかがでしょう。この会議は何としても成功させなければいけない。その成功を促す意義を込めて、日中韓首脳の間で防災対策をテーマにした何らかの合意ができませんでしょうか。そのために協議を開始すべきと考えます。
 事務方レベルではこのような日中韓の枠組み、既になされております。今月の六日、日本の外務省において、中国、韓国、また日本の事務方が集まりまして、東京で震災が起きたとき、中国、韓国がどのように救助をするか、それについての事務レベルの協議されました。外務大臣も急遽御参加されて、このような枠組みが大事であると発言されたというふうにお話も聞いております。こういうような事務レベルでの会議、これを政治レベルででもしっかりとやっていくべきではないかと。
 五月のOECDの閣僚会合もございます。九月下旬の国連総会、十一月にはASEANの関連首脳会議、G20の首脳会議もあります。そして秋、北京ではAPECの首脳会談など、幾らでも機会はございます。
 改めて総理、このような日中韓の防災、これをテーマにした首脳の会談、こちらについての御意見いただければと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 来年三月、仙台で行われます第三回国連防災世界会議では新しい国際的な防災の取組指針が策定される予定でございまして、極めて重要な会議になると思います。我が国としては、東日本大震災を始めとする幾多の災害を通じて得た貴重な経験や知見を世界と共有をし、そして国際社会において防災の主流化を積極的に推進していく考えであります。
   〔理事北川イッセイ君退席、委員長着席〕
 委員御指摘のとおり、防災分野は中国、韓国との関係でも重要な協力分野の一つでございます。三月六日に東京で第二回日中韓三国防災机上演習を開催するなど、実務レベルでの防災協力を推進をしてきているところでございますが、今後とも中国、韓国との間で防災対策をテーマとした取組を進め、できるところから互恵的な協力関係を発展させていきたいと考えております。
○矢倉克夫君 ありがとうございます。是非よろしくお願いいたします。
 日中韓の関係改善には、やはり何としても総理、安倍総理のリーダーシップが本当に大事である。総理のお言葉一つ一つがこの東アジアの安定にも本当に大きな大きな影響力を与える、このように私確信をいたしております。
 そう思う理由が実はございます。私、二〇〇六年の秋当時、中国の上海に滞在をいたしておりました。当時の日中関係、余りよろしくございませんでした。小泉元総理の靖国神社参拝問題が尾を引きまして、余りいい関係ではなかったと思います。日本製品の不買運動なども起きた。私も現地で少なからず嫌な思いもいたしました。
 そんな中、突如中国を訪問されたのが総理、安倍総理でいらっしゃいます。私驚いたんですが、その総理の訪中を受けた後の中国人の反応というのが大変に驚きまして、それまではいろいろ言い合いもしていた人たちも、みんな私に握手を求めてきました。アンベイ、アンベイジンサン、総理の中国読みなんですが、これはもう大変失礼、呼び捨てはみんなしていたんですけど、本当にすごいと、この状況で中国に来るということは本当に勇気の要ることだと、そういうようなことを言っておりました。なかなかできないと私に握手を求めて、そして何人かはありがとうというふうに言ってくれました。私も、個人の体験で大変恐縮なんですが、その経験を経て、やはり中国人も日本人と仲よくしたがっているんだなということを実感もした次第でございます。
 私にとってもこの外交というのは、時には相手の懐に入る度量の広さ、そしてもう勇気というのが必要なんだということを私、総理に教えていただきました。総理、もうその総理であればこそ、むしろ総理でしかこの難局は私は乗り切れないと思っております。先ほど来も、対話のドアは常にオープンである、こういうふうにおっしゃってくださっております。こういった従来の御答弁、これの枠を超えて、より強く近隣諸国に対しての関係改善に向け積極的なメッセージをいただきたいと思います。是非総理、よろしくお願いいたします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 朴槿恵大統領とは就任前に意見交換を行う機会がありました。また、就任後もサンクトペテルブルクのG20やバリのAPEC首脳会談の際に、これは社交ではありますが、会話を交わす機会はあったわけでございますし、またダボス会議では朴槿恵大統領の講演を伺いに参りました。
 また、習近平国家主席とは、昨年九月のサンクトペテルブルクのG20の機会に握手をして挨拶を交わしたところでございます。日中戦略的互恵関係の原点に立ち戻って日中関係を発展させていくべきとの考え方を伝えて以来、残念ながら、より深く意見交換をする機会は設けられていないわけでございます。
 先ほど申し上げましたように、それぞれの国に主張があるわけでございますが、しかしこの地域において、日中、日韓、日中韓が関係を強化をしていくことは、間違いなく地域の安定と発展、未来に資する、こういう共通の認識を持っているわけでありますし、それぞれの国益に資するということについても共通の認識があるんだろうと、このように思うわけであります。
 習近平主席、また朴槿恵大統領とも私は大体同じ世代でもあります。このような三人のトップリーダーの間で密接な関係を何とか築いていきたいと、このように思うわけでありますし、そうした関係を築くことは、先ほど、繰り返しになりますが、申し上げましたように、地域の発展には間違いなくこれは資することになるわけでありまして、今後とも私も努力をしていきたいと思うわけでありますし、私としては、大局的な見地から、韓国及び中国との間で政治、経済、文化など、あらゆる分野において未来志向の協力関係を発展させていくべく、引き続き尽力をしていく決意でございます。
○矢倉克夫君 ありがとうございます。
 日中、日韓の国内状況をつぶさに観察しますと、やはり国民的支持の高さもある、そして支持基盤も強固である、これはやはり総理のみでございます。そういう意味でも、海外に向けてしっかりとメッセージを発することができるのはまさに総理のみであると私は思っております。そういう意味で、引き続き関係改善に向けて御努力をいただければと思っております。
 それでは、次の質問に移りたいと思います。核なき世界に向けての取組、質問をさせていただきます。
 昨月の十三、十四日だったと思います。メキシコのナジャリットというところで日本を含む百四十六か国が一堂に会しまして、そこで第二回核兵器人道的影響に関する国際会議、開催をされました。核兵器というのは非人道的なものである、もう百四十数か国というこの大きな単位での国際的合意が確固となりました。さらには、会議に参加していない核五保有国、アメリカ、イギリス、フランス、ロシア、中国、これらの国にも幅広く参加を呼びかけていこうということが決議された大成功の会合であったとお伺いしております。
 私も、この会議に参加をされたNGOの方から直接にお話をお伺いしたんですが、会議の流れを決定付けたのは、会議冒頭に行われた被爆者の方々の証言でございました。会議を、それを聞いた多くの参加国、大半の参加国は、被爆者という言葉を使って核廃絶に向けての誓いを新たにした。
 その上で更に感動を呼んだのが、そこでいらっしゃっていた、参加をされていた長崎の高校一年生、小柳さんの英語スピーチ。ユース非核特使、ユースは英語で青年のユース、非核は非核三原則の非核でございます。このユース非核特使として参加をしていた小柳さんのスピーチでした。被爆三世である小柳さん、祖父母に対して、生き延びてくれてありがとう、大変な中、生き延びてくれたから自分がいるんだ、こういうような思いも訴えた上で、核兵器の非人道性を世界に向けて訴えていくことが被爆三世である使命だと高らかに訴える姿勢に多くの方々が賛同をされていたというふうにお伺いをしております。
 ちなみに、このユース非核特使制度は、被爆者の高齢化が進む中、被爆体験を継承するため、岸田外務大臣がイニシアチブの下推進された制度であると承知をしております。
 総理にお尋ねいたします。
 オバマ大統領の訪日を調整中とお伺いしております。大統領と核廃絶に向けて様々お話をされると思いますが、大統領とこのユース非核特使、面会の機会を是非設けていただきたいと思います。未来へのメッセージとして両国の若い世代に核なき世界の理念を伝える、この意味で非常に重要だと思いますが、では、よろしくお願いします。
○国務大臣(岸田文雄君) 我が国は唯一の戦争被爆国であり、核兵器のない世界を目指すというこの大きな目標に向けて、世界、国際世論をリードしていく、こうした道義的な責任があると考えています。
 そして、ユース非核特使につきましては、ただいま委員の方から御紹介をいただきました。核兵器使用の悲惨さを世代を超えて継承していく、こういった観点から昨年六月に立ち上げたわけですが、今日まで二十五人をこのユース非核特使として委嘱しております。
 オバマ大統領自身も核兵器のない世界を目指すという目標を掲げています。この核兵器のない世界を目指すという目標においては、日本と米国、これは目標を共有しているわけですので、米国政府関係者とこうしたユース非核特使が面会するということは、核軍縮の機運を高めるという意味においては大変有意義な機会になると認識をしています。
 ただ、オバマ大統領の訪日については、日程、それから日数等、詳細はまだ決定しておりません。よって、そうした具体的な日程について今の段階でちょっと申し上げることは難しいかと考えております。
○矢倉克夫君 ありがとうございます。
 最後、質問させていただきます。
 三月には核セキュリティ・サミットが行われます。オバマ大統領も出席を検討されているという報道がございます。私、国会審議の状況が許すのであれば、是非このサミットには総理に御出席いただきたいと思っております。その際には、是非核兵器廃絶、これを訴えていただきたい。前回、韓国で行われたとき、当時の野田総理、核兵器廃絶までは言及されなかったと聞いております。核の問題は、唯一の被爆国であるこの日本、世界の中で我が国にしかなし得ない発する価値というものがございます。我が国しかできない価値、これをしっかりと発信していくことが外交力であると思っております。
 是非総理の御決意をいただければと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 核兵器のない世界に向けた世界的な核不拡散、核軍縮を進める上で、核セキュリティー、いわゆる核テロ対策の強化を話し合う三月の核セキュリティ・サミットは極めて重要であるというふうに認識をしております。我が国は唯一の戦争被爆国であるとともに、原子力の平和利用に長い経験を有しており、このサミットに積極的に貢献すべき立場であると、このように思います。
 このような核セキュリティ・サミットの重要性と我が国の立場に鑑み、もし国会の状況を含め諸般の事情が許せばこのサミットに出席をし、我が国の立場、十分に主張したいと考えております。
○矢倉克夫君 是非よろしくお願いいたします。
 以上で質問を終わります。
○委員長(山崎力君) 以上で矢倉克夫君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(山崎力君) 次に、和田政宗君の質疑を行います。和田政宗君。
○和田政宗君 みんなの党の和田政宗です。
 昨日、東日本大震災から三年目の三月十一日を迎えました。今日からは復興四年目に入ります。私は当時、NKH仙台局のアナウンサーで現場から悲惨な状況を伝えてまいりました。あのひどい状況から被災された方々は立ち上がり、諸外国からも多くの支援を受けました。被災された方々、そして国民のため、さらに諸外国に恩を返すためにも、何としても復興を成し遂げなくてはなりません。私もここに復興を何としても成し遂げることを固く誓います。
 さて、震災復興がどのような形で進むのか、諸外国が注目しています。その中で今問題になっている沿岸部の巨大防潮堤計画ですが、計画を知った諸外国の学者やメディアによって海外にも伝えられ、疑問の声が上がっています。
 そうした中、おとといの予算委員会で総理が巨大防潮堤について見直しを考える必要があるという発言をされたことは非常に大きく、宮城県の地元住民も非常に喜んでおります。しかし、事業主体である宮城県の村井知事がかたくなに計画は変更しないと言っております。これに対して総理のお考えをお聞きします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 防潮堤のこの復旧事業については、事業主体となる県が、比較的発生頻度の高い十数年から百数十年に一度の津波を想定しつつ、環境保全、周辺の景観との調和や地元市町村の町づくりなどとの整合性を図りながら、具体的な防潮堤の高さを含め柔軟に計画できることとなっております。
 同時に、震災から時間が経過をいたしまして様々な状況も変化する中におきまして、地元にとって最善の復興、防災計画が実現されることが大切であります。県が地元住民の意見を十分に聞きながら事業を進めていくことを期待をしております。今申し上げたことを、先般、片山議員の質問に対して私は答弁をさせていただいたところでございますが、宮城県におきましては、砂浜を残してほしいとの地元の要望を踏まえ防潮堤の位置を変更する予定のところや、地元の意見を踏まえ防潮堤の高さ等を変更することとしたところもあるなど、見直すべきところは見直すという対応を今行っているというふうには伺っているところでございます。
 これまで国土交通省など担当省庁の幹部職員が現地に赴きましてアドバイスを行っているところでありますが、今後とも県に対して必要な助言等を行っていきたいと考えております。
○和田政宗君 国会審議でも何度も取り上げているんですけれども、(資料提示)気仙沼の小泉地区、この地区の巨大防潮堤計画、ビルの五階に相当する十四・七メートル、しかもこの地区は人が高台移転して全く住まないのに二百三十億円を掛けるわけです。防潮堤を造らなければ町づくりが進まないなどと強引に合意形成が行われて、住民の懸念が残ったまま巨大防潮堤の建設が始まろうとしています。こうした地区、ほかにも幾つもあります。
 来年には仙台で国連の防災会議もありますし、二〇二〇年の東京オリンピックではたくさんの外国の政治家や観光客が復興の様子がどうなるかというふうに東北を訪れるというふうに思います。そのときに、安倍総理のおっしゃる美しい国日本とは程遠い巨大防潮堤が万里の長城のように沿岸に巡っていましたら、これは世界から失望されて、外交上も大きな損失になるというふうに思います。
 既に巨大防潮堤計画に合意とされた地区についても、見直してもらえるなら見直してほしいという声が地元から上がっています。総理のお考えをお聞きします。
○副大臣(高木毅君) 防潮堤の計画につきましては、市町村による町づくりの議論などを踏まえて海岸管理者である県などが適切に定めるものでございます。県には引き続き丁寧に対応いただくとともに、合意形成がなされた海岸については速やかに復旧が進むように、国土交通省として最大限の支援を行ってまいります。
 例えば、今委員御指摘でございますけれども、気仙沼市小泉地区の中島海岸につきましては、県は住民説明会等を通じて合意形成を進め、現時点では多くの地元住民が事業計画に賛同しており、気仙沼市長から宮城県知事に対して早期の事業推進について要望があるというふうに聞いているところでございます。
 また、防潮堤の整備に当たりましては環境面に配慮をしてほしいという意見があることを踏まえまして、震災後に形成された干潟の保全対策、あるいはまた防潮堤背後の樹林の再生、いわゆる緑の防潮堤でございますけれども、そうしたものの整備などの配慮を行うという計画であると聞いているところでございます。さらに、海水浴等の利用に配慮してほしいとの意見については、堤防位置を陸側に約二百メーターセットバックするとともに、離岸堤を設置して砂浜の回復を促進する計画であるということも聞いているところでございます。あわせて、堤防から避難路を設置してほしいとの意見を踏まえて避難路を設置する計画もあるというふうに聞いているところでございます。
 このように、海岸管理者である県に丁寧に対応していただき、合意形成がなされた海岸については速やかに復旧が進むよう、国土交通省として最大限の支援を行ってまいるところでございます。
○和田政宗君 これ、総理が美しい国日本というふうにおっしゃっておりまして、これは凛然たる日本ということとともに、やはりこの景観でありますとか日本の風景、環境というものを受け継いでいくということも入るというふうに思っております。外国にも美しい国日本というのはとどろき渡っているというふうに思いますけれども、これ、やはり沿岸、万里の長城のようになりますと、何でこんなものを造ったんだということになると思いますけれども、総理のお考え、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 防潮堤の復旧については、どういう計画が地元にとって望ましいか。当然、今委員が御指摘になったような景観、すばらしい、世界に誇るべき景観を残していきたいという住民の方々もおられるでしょうし、他方、やはり震災直後におきましては、もうとにかく海が怖いという方々もたくさんいらっしゃったのも事実だろうと、このように思うわけでありますが、十分に話し合っていただきながら進めていくことが大切であると考えております。
 その際、事業実施主体の県において具体的な合意形成の方法も含めまして適切に判断されるものと考えますが、引き続き県には丁寧に対応していただきたいと考えています。
 いずれにいたしましても、地元にとって最善の復興そして防災計画が実施されることが大切であり、政府としては、今後とも県に対し必要な助言等を行ってまいりたいと思います。
○和田政宗君 是非、不本意に合意形成されたというところも見直しをお願いしたいというふうに思っております。
 震災からの復興と外交という観点では、仙台藩祖伊達政宗公が、今から四百年前、一六一一年に起きた慶長の大津波の二年後、ヨーロッパに派遣した通商外交使節、慶長遣欧使節に学ぶところも多いというふうに思っております。仙台藩主の支倉常長が日本の外交官として初めて太平洋を渡りまして、メキシコ、キューバを経てスペイン国王、ローマ法王に謁見して、ヨーロッパで日本で初めての貿易交渉を行うという壮大な事業でした。この慶長遣欧使節をきっかけとして日本との交流が始まった国もあります。交流四百年に合わせまして、日本とスペインを始めとして様々な交流事業が行われているということは承知しておりますけれども、例えば四百年前に倣って平成の遣欧使節を同じルートで送るですとか、これを、民間を政府が支援するということでもいいと思いますけれども、この慶長遣欧使節の歴史を外交上活用しない手はないというふうに思います。総理のお考えはいかがでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘の慶長遣欧使節団の派遣から四百周年に当たります去年から今年にかけて、スペイン、そしてメキシコ、さらにはキューバ、こういった国々との交流年というものを指定させていただいております。
 この交流年に当たりまして、相互理解の促進、あるいは二国間関係の新たな展望を開くことを目指して、様々な交流事業を昨年から実施をしております。人的交流も図っているところです。今年は、ですからこの交流年の後半に当たります。是非、この後半、一層盛り上げていかなければならないと思っていますし、私自身も昨年四月にメキシコ、そして今年一月にスペインを訪問させていただきました。そして、メキシコ、スペインの政府関係者との間でこの交流年を盛り上げるという点について一致をし、協力を確認してきたところです。
 是非、交流年の後半の今年、政治、経済はもちろんですけれども、スポーツ、文化などあらゆる分野、幅広い分野で交流事業を進めていきたいというふうに思っていますし、こうした機運を活用して、外交においてもこうした二国間の協力を進めていく、こういった成果を上げていきたいと考えています。
○和田政宗君 次に、尖閣諸島周辺の中国公船による領海侵犯についてお聞きしたいと思います。
 尖閣諸島の国有化の後、中国公船の領海侵犯が続出しております。グラフを見ていただければ分かるんですが、激増しているわけです。中でも去年八月には二十八時間にもわたって領海に入られています。速やかに退去をさせる、領海に入れない、断固たる手段を取るべきだと思いますけれども、去年八月の長時間の侵犯の後、具体的な対応を取られているんでしょうか。
○政府参考人(佐藤雄二君) お答えします。
 海上保安庁では、領海に接近した外国公船に対しまして領海に侵入しないよう警告するとともに、領海に侵入した場合には退去要求や進路規制を行い、領海外へ退去させているところであります。このほかの具体的な対処の方法につきましても、国際法上許容される範囲内で必要な措置をとることとしております。
 いずれにいたしましても、尖閣諸島周辺海域の領海警備に関しましては、関係省庁と緊密に連携しながら万全を期してまいります。
○和田政宗君 佐藤長官は制服組御出身ということで大変現場の御苦労をお分かりだと思いますので、引き続きしっかりとした対処をお願いしたいというふうに思います。
 では、次に領空の防衛について聞きます。
 去年十一月に中国が防空識別圏を日本の領空にかぶせてきた後、緊迫の度合い、増していると思います。航空自衛隊の中国軍機に対するスクランブル回数も増えているというふうに認識しておりますが、どれくらい増えているんでしょうか。また、中国軍機の日本領空への近づき方にどんな傾向が見られるんでしょうか。
○国務大臣(小野寺五典君) 委員御指摘ありますように、中国機による緊急発進、スクランブルは増加傾向にあります。平成二十五年四月一日から十二月三十一日までの間、合計二百八十七回、これは前年の同期と比較しまして百二十七回の大幅増ということになります。また、四半期ごとの合計としましては、四月から六月が六十九回、七月から九月が八十回、十月から十二月が百三十八回ということであります。
 今回、東シナ海防空識別区を中国は一方的に設定をいたしましたが、それを契機として中国側の対応が大きく変化をしたということではないとは思いますが、ただ、例えば直近では三月九日、日曜日でありますが、中国のY8情報収集型機一機及びH6爆撃機二機が沖縄本島と宮古島の間を航行しております。中国の活動というのは活発なまま推移をしておりますので、引き続き私どもとしてはしっかりと対応を行いたいと思っております。
 なお、重ねて申し上げますが、防衛省・自衛隊としては、今後とも、東シナ海防空識別区への配慮のために我が方が警戒監視活動等を変更、制限するつもりは一切なく、活動を活発化しております中国軍機の動向を注視しつつ、我が国の領土、領海、領空を断固として守ってまいります。
○和田政宗君 答弁をお聞きしましても、領海も領空も緊迫しているというふうに認識をしております。だからこそ、同盟国、友好国と防衛に関する情報交換を密にする必要があり、そのために特定秘密保護法の制定が必要であったと考えます。
 そこで、台湾との関係について聞きます。
 国防の観点からも台湾との関係を強めることというのは重要であるというふうに考えます。例えば、アメリカは台湾との防衛交流を含めて緊密な関係を保っております。日本も更に台湾との関係を強化すべきと考えますが、総理のお考えはいかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 台湾との関係に関する我が国の基本的立場は、昭和四十七年の日中共同声明を踏まえ、非政府間の実務関係として維持するというものであります。
 その上で申し上げれば、台湾は、自由、民主主義、基本的人権、法の支配といった基本的価値を共有し、そして緊密な経済関係と人的往来を有する我が国の重要なパートナーであり、古い友人であります。このような認識の下、引き続き日台の実務的協力関係を着実に発展させていきたいと、このように思います。
 あの東日本大震災におきまして二百億円を超える援助をしていただいたのは台湾であります。昨日の追悼式にも台湾は在京の代表を出席をさせてくれました。我が国としても、当然その台湾の厚意には敬意と礼を持って対応したところでございます。
 今後、台湾との間で更にどのような協力や対話を進めていくか、今委員がおっしゃった視点も大変重要な視点なんだろうと、このように思いますが、台湾に関する我が国の基本的立場を踏まえつつ検討していきたいと思います。
○和田政宗君 我が国の防衛上は、何かがあったときのために近隣諸国と直接やり取りできるホットラインというのは重要だというふうに考えますけれども、日本と台湾との間にはホットラインがありませんので、是非、政府間で直接連絡が取れるホットラインの開設の検討をお願いしたいというふうに思います。
 次は、北朝鮮による拉致問題について聞きます。
 総理は、先日の答弁で、北朝鮮が内乱状態になったときでも自衛隊を派遣して拉致被害者を救出することは憲法上難しいと述べています。しかし、相手国の同意がなくても、部隊を派遣して自国民を保護、救出することは国際法上一定の条件を満たす場合には認められる場合があると答弁しています。
 これは、誘拐されたり、紛争に巻き込まれた自国民の救出について国際法上の一般論を述べたものであると思いますけれども、では、日本が部隊を派遣して北朝鮮の拉致被害者を救出することはどんな条件でも憲法上無理なんでしょうか。
○国務大臣(小野寺五典君) 緊急事態において在外邦人を保護するための現行の枠組みとしましては自衛隊法に基づく在外邦人等の輸送がありますが、当該輸送を行う場合には派遣先国の同意を得ることが前提となります。
 北朝鮮の内乱のような事態に対して当該枠組みにより拉致被害者を救出するということは、北朝鮮が認めるということはおよそ考えられないとすれば、これは困難だと思います。
 また、我が国に対する武力攻撃が発生しているわけではない北朝鮮の内乱のような事態については、憲法九条の制約があるため、自衛権の行使としての自衛隊の特殊部隊の救出のための派遣というような対応は、これは難しい課題があると言わざるを得ません。
 したがって、拉致被害者の安全確保という面でも唯一の同盟国たる米国との協力が極めて重要だと考えておりますので、日米同盟を強化するための各種施策を講じると同時に、国際社会と連携して、あらゆる事態に対して全ての拉致被害者の安全確保を図るべく全力を尽くしていくということが大事だと思っております。
○和田政宗君 北朝鮮の拉致被害者を救出するためには、そうしますと、憲法の改正ですとか自衛隊法の改正が必要であるということになってくると思うんですけれども、私はそれをすべきであるというふうに思っております。拉致被害者の御家族は、亡くなった方も何人もいらっしゃいます。もう待てません。総理のお考えはいかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 拉致被害者の安全を確保する、これは政府として状況に応じて対応に遺漏なきを期していく、当然のことであると思います。安倍政権としても、拉致被害者の安全の確保をいかに講じていくかについて、北朝鮮情勢も注視しながら不断に検討を重ねているところでございます。
 他方、現行憲法第九条の下、我が国に対する武力攻撃が発生しているわけでない状態においては、自衛隊の特殊部隊を派遣して実力をもって救出をするといった対応を取ることは憲法上難しい課題であると言わざるを得ないわけでございます。これは、言わば安保法制懇においてもこのことについては残念ながら検討していない、できないわけでございますが、そのための憲法改正といった問題についても、これは国民的な議論を深める必要があるわけでございますが、我々はそういう現実の中にいるということは認識する必要があるんだろうと、このように思うわけでございまして、拉致被害者の安全確保という面でも同盟国たる米国との協力は極めて重要でありまして、拉致被害者の情報については米国側にも提供をしながら必要な場合の協力は常に求めているところであります。
 今後とも、日米同盟を強化すると同時に、国際社会とも連携をしながらあらゆる事態において全ての拉致被害者の安全を確保すべく全力を尽くしてまいりたいと考えております。
○和田政宗君 それでは、次に靖国神社の参拝について聞きます。
 私は、普通に例大祭や年末年始、終戦の日に靖国神社に昇殿参拝しているわけですけれども、総理の靖国参拝を外交問題化して批判する国があります。A級戦犯が合祀されていて軍国主義の美化につながるという的外れな批判です。そこで、A級戦犯とされる方々と東京裁判についてお聞きしたいというふうに思います。
 過去の質問主意書に対する政府答弁によれば、東京裁判によるA級戦犯に対する刑は国内法に基づいて言い渡された刑ではないとしています。ということは、国内法においては、A級戦犯とされる方々は戦争犯罪人として裁かれていないということでよろしいでしょうか。あくまで連合国が設置した東京裁判の下、裁かれたということでよろしいでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) いわゆるこのA級戦犯につきましては、極東国際軍事裁判所において被告人が平和に対する罪等を犯したとして有罪判決を受けたこと、これは事実であります。極東国際軍事裁判所が科した刑は、我が国の国内法に基づいて言い渡された刑ではありません。しかし、我が国としては、サンフランシスコ平和条約第十一条により極東国際軍事裁判所の裁判を受諾しております。
○和田政宗君 それでは、お聞きしますけれども、東京裁判が国際法上有効な裁判であったかという議論については、政府は、今答弁にありましたように、サンフランシスコ平和条約で裁判を受諾しているので異議を述べる立場にないというふうにしています。一方で、当時の国際法上、A級戦犯とされる方々の平和に対する罪というのは戦勝国により事後的に考えられたもので、それを基に裁くことは法の不遡及の原則に反するという考え方があります。国際法上、平和に対する罪はいつから存在するようになったと捉えているのか、政府の見解を聞きます。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘の平和に対する罪ですが、この平和に対する罪は、極東国際軍事裁判所条例のほかにニュルンベルク国際軍事裁判所条例にも規定されております。戦後、国際社会においては、国際法廷を設置し、国際社会全体の関心事である最も重大な犯罪を犯した個人を訴追し処罰するとの動きがあるものの、この極東国際軍事裁判所条例に規定された平和に対する罪がこれまでに国際慣習法として確立しているか否かについては種々議論があるところです。
 いずれにしましても、この極東国際軍事裁判所において被告人がこの平和に対する罪等を犯したとして有罪判決を受けたこと、これは事実でありますし、我が国としてもサンフランシスコ平和条約第十一条により同裁判所の裁判を受諾はしております。
○和田政宗君 そうしますと、更に聞きますけれども、ニュルンベルクの裁判ですとか極東国際軍事裁判の条例ですね、これ以前にはその平和に対する罪というのは存在しなかった、すなわち一九四五年前後に確立したものであるというふうに捉えているんでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 過去の例全てを検証したわけではありませんが、極東国際軍事裁判所、そしてニュルンベルク国際軍事裁判所、こうした裁判所の条例にはこの平和に対する罪というものが規定され、登場しています。それ以後、戦後、この平和に対する罪につきまして国際慣習法として確立しているか否か、こういった議論が続いているということであります。
○和田政宗君 そうしますと、東京裁判というのは、国際法上新たな罪名をつくり出して刑を言い渡すという問題点があるというふうなところがあるとともに、これ、連合国による一方的な裁判であったというふうになるわけです。
 私は、A級戦犯とされる方々の中には、政策や作戦を誤って国体を危機にさらして国民に多大な犠牲を与えた責任がある人物はいるというふうに思います。しかし、死をもって償ったわけです。さらに、政府が東京裁判による刑を受け入れているにしても、刑罰終了をもって受刑者の罪は消滅するというのが近代法の理念であるとともに、政府は、処刑されたA級戦犯とされる方々を公務死として扱っています。
 でありますなら、靖国神社にA級戦犯とされる方々が合祀されていても軍国主義の美化にはつながらず、総理も二度と戦争を起こさないという信念の下、参拝しているわけですから、何ら総理の参拝に問題はないと考えますが、総理のお考えはいかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私は、累次申し上げておりますように、国のために戦い、倒れた方々のために手を合わせ、御冥福をお祈りをする、尊崇の念を表するのはリーダーとして当然のことであろうと、これは各国共通のリーダーの姿勢であろうと、こう思っておりますし、今委員がおっしゃったような意味において戦没者を追悼する、そして不戦の誓いをする、そういう意味において参拝をしたわけでございまして、また同時に、戦争で亡くなられた靖国神社に合祀をされていない国内外、諸外国の霊を慰霊する鎮霊社にも参拝をしたところでございます。
 戦後、我が国はまさにこの自由で民主的で基本的人権や法の支配を尊ぶ国をつくってきたわけでございまして、今後ともその平和国家としての歩みはいささかも変わることがないわけでございますし、様々な批判が加えられておりますが、私の参拝に対して、それは、その言わば批判は私は誤解に基づくものであると、このように思っております。
○和田政宗君 最後に述べますけれども、日本が真にあるべき姿を取り戻して、子や孫の代以降も我が国の繁栄があって、諸外国に対しては、正しいことは正しい、間違っていることは間違っているとしっかり主張できる国家や政府、国民でなくてはならないというふうに考えています。そうした点では、総理と同じ考えを持って行動する政治家は多いと思います。
 一人前の国家として我が国が未来も繁栄できるよう、憲法改正など総理の決断をお願いして、私の質問を終わります。
○委員長(山崎力君) 以上で和田政宗君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(山崎力君) 次に、井上哲士君の質疑を行います。井上哲士君。
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 くしくも三・一一を挟んで、おとついと今日も質問に立つことになりました。改めて犠牲者の方へのお悔やみと被災者へのお見舞い、そして復興への決意を新たにするものでございます。
 さて、武器輸出三原則について聞きます。
 我が国は、武器及び関連技術について海外に輸出しないという武器禁輸政策を取ってきました。これは一内閣の方針ではありません。衆参の本会議で八一年に全会一致で決議をしております。そして、内外に国是として宣言をしてきました。決議では、「日本国憲法の理念である平和国家としての立場をふまえ、」「政府は、武器輸出について、厳正かつ慎重な態度」を求めております。
 残念ながら、様々な抜け穴がつくられてきましたけれども、安倍内閣は昨日、この武器禁輸原則そのものを変える新しい原則の案について決定をしております。憲法と国会決議に基づく国是をなぜ一内閣の判断で覆すことができるのか。総理、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 武器輸出三原則等については、国連憲章を遵守するとの平和国家としての基本理念に基づくものでありますが、具体的内容につきましては、佐藤総理と三木総理の国会答弁を根拠とするものであります。
 その後、安全保障環境の変化に対応いたしまして、平和貢献、国際協力や国際共同開発、共同生産等の必要性に応じて、累次にわたりまして官房長官談話を発表するなどして例外化措置が講じられてきており、既に例外化は二十一例に及んでいるわけでございまして、これは自民党政権時代だけではなくて、自民、社会、さきがけ連立政権時代、あるいは民主、社民、国民新党の連立時代等にも行われていることでございますが、昨年の十二月に策定いたしました国家安全保障戦略においては、国際協調主義に基づく積極的平和主義の観点から新たな安全保障環境に適合する明確な原則を定めることとしており、新たな原則は現在検討中でありますが、あくまでもこれまで積み重ねてきた例外化の実例を踏まえまして、それを包括的に整理をして、防衛装備の移転を認め得るケースを明確かつ適切な形で限定する考えであります。
 また、移転を認め得る場合であっても、万が一にも国際紛争の当事国に武器が渡ることなどがないよう、移転先の適切性や安全保障上の懸念等を個別に厳格に審査する考えであります。あわせて、これまでは必ずしも明らかではなかった審査基準や手続等についても明確化、透明化を図るとともに、政府全体として厳格な審査体制を構築する考えであります。さらに、同様の観点から、目的外使用や第三国移転についても適正に管理していく考えであります。
 このように、言わば新たな基準については、国連憲章を遵守するとの平和国家としての基本理念は維持した上におきまして、防衛装備の移転に係る手続や歯止めを言わばこれは今まで以上に明確化していくものであるということでございますので、御理解をいただきたいと思います。
○井上哲士君 今の答弁にも新しい案にも肝腎な言葉が抜けております。一つは憲法ということ、そして日本が武器輸出を禁止してきた理由、その肝腎の言葉がありません。
 七六年の政府統一方針は、平和国家としての立場から、国際紛争等を助長することを回避するために、憲法の精神にのっとり、武器の輸出を慎むと述べています。これは、この間、例外が積み重ねられてもこの国際紛争の助長を避けるという言葉は維持されていましたが、今の答弁にも政府の新方針にもありません。国際紛争の助長をしてもよいと、こういう立場に変わるんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 従来は国際紛争を助長することを回避するとの文言を用いていたのは事実でございます。しかし、テロとの戦いなど、国際社会の平和と安定のために取り組まねばならない紛争があることを踏まえますと、紛争の平和的解決や国際の平和及び安全の維持を目的としている国連憲章に言及する形でこれを遵守することこそ平和国家としての基本理念であるとした方が適切であると、このように判断したところでございます。
○井上哲士君 これは、国連憲章に置き換えられるものではないんですね。我が国は、国連憲章の上に更に日本国憲法の精神にのっとって、国際紛争の助長を避けるために武器輸出をしないということを方針にしてきたわけです。これは、国際社会でも広く注目をされてきました。
 昨年の十二月三十日のニューヨーク・タイムズの社説は、総理の積極的平和主義と武器輸出解禁について述べています。
 もう一つの武器輸出国が生まれることがどう世界の利益になるというのか全く不可解だと述べた上で、日本は武器でなく厳密な外交を通じて憲法の平和原則を輸出すべきであると、すなわち、平和原則の精神の下に武器管理の熱心な擁護者になるべきであると、こう述べております。世界は日本の立場についてこう見ているわけですね。
 なぜ、この憲法九条を持つ日本が、普通の国連加盟国、一般の立場の横並びになって武器輸出を進めるのかと、こういうことが問われるわけでありますが、大体、国連加盟国は憲章を守るというのは当たり前のことなんですね。しない国というのは、つまり、武器輸出ができない国というのは具体的にどの国のことを想定されているんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今まさに、我々、この新しい原則におきまして、最終的な調整を今日から与党と行い始めたわけでございまして、その最終的な姿について今ここで申し上げることはできませんが、今原則についての政府の問題意識を申し上げれば、現状の三原則等によれば、例えば、現状の三原則によれば、紛争終了後に遺棄された地雷の除去装備や化学テロ等への対処のための除染用装備、あるいは危険地帯に邦人が滞在する際に必要な防弾チョッキなども一律に海外への持ち出しが禁止されていることになっています。果たしてそれでいいのかということもあります。
 また、防衛装備品については国際共同開発が主流となってきていますが、現状のままでは我が国はこれに一切参加することができない状況にあるわけでございまして、国民の生命や財産の保護、平和貢献、国際協力の積極的推進からは、このような状態のままでよいのか見直しが必要ではないかとの問題意識に基づいて検討を行っているものでございます。
 そして、基本的には、もちろん紛争をしている地域、あるいはまた国連決議によってそれは武器等を出すことができない、また、あるいは既に条約がある、そうしたものは当然だろうと。そしてまた、中身の詳細につきましては、今まさに政府と与党において協議が今日からスタートしたところでございますので、まだ今の段階では断定的に申し上げることはできません。
○井上哲士君 具体的にどの国になるかという明確なお答えがありませんでした。
 報道では、現に国連から制裁を受けていなければ国連憲章の遵守に当たるということにされているようでありますが、そうであれば、例えば、現に紛争に関与していても国連から現在制裁を受けているわけじゃないアメリカとかロシアとかもこれは可能になる。それから、レバノンやパレスチナなどに空爆を繰り返して過去何度も安保理から決議を受けているイスラエルも輸出の対象としてはオーケーだと、こういうことになるということで、外務大臣、それでよろしいですか。
○国務大臣(岸田文雄君) この新たな原則につきましては、ただいま総理からも答弁させていただきましたように、今現在検討中であります。これ、詳細について今の段階で申し上げることは難しいと考えています。
 是非これからしっかりとした議論が行われ、新たな原則が、しっかりとした原則ができ上がるのを期待したいと考えています。
○井上哲士君 昨年の三月に、この国際紛争の助長を避けるという言葉を外した官房長官談話を出してイスラエルに輸出されるようなF35への共同参画を決めたわけですね。つまり、それを原則に取り込むと、こういう国も輸出が大手を振ってできるようにするというのが私、今度の中身だと思うんですね。
 さらに報道では、石油輸出ルートを守るためのシーレーン沿岸国への武器輸出も新原則の下で認められるとされておりますが、これはそういうことでいいんでしょうか。
○国務大臣(小野寺五典君) 委員のお話を聞いていると、何か日本が他国の紛争を助長するような、そういうイメージに取られるので正確なお話をさせていただきますと、防衛当局で、例えば中国の遺棄化学兵器、これは旧軍が遺棄したものですが、これを当然日本として支援をして無力化するというときに持っていく防毒のマスクあるいは防護服、これも実は武器ということで、今まで官房長官談話で一つ一つ外さなければいけない。あるいは、例えば海外で復興支援のために自衛隊が持っていくブルドーザー、これも自衛隊のブルドーザーであればこれは実は武器という範囲で、復興支援に持っていくこのブルドーザーですら武器という範囲で私どもは官房長官談話等でクリアしなきゃいけないわけですよ。
 そういう一つ一つのことを積み上げていくことが、私どもとして、今まで継ぎはぎだらけの状況の中できちっとした明確な基準を考えなければいけないのではないか。二十一ももう例外をつくっているわけです。そういうことで今政府を含めて検討しているということですので、どうも委員のお話を聞くとまるで武器という話ですが、現実的には防衛装備ということです。
 それから、シーレーンのお話ですが、シーレーンについて、もし私どもがしっかりとした形で、今自衛隊は、例えばソマリア沖・アデン湾においての海賊対処行動を行っております。これは我が国のための行動でありますので、こういうことを一つ一つをすることが日本としては大切なことだと思っております。
○井上哲士君 全然関係ないことを答弁しないでくださいよ。ごまかしちゃ駄目ですよ。だって、イスラエルにF35を輸出される共同開発、参加したんでしょう。これ使ってイスラエルは空爆したらどうするんですか。今みたいな話、全然違うんですよ。
 そういうことをやろうとしていると、結局、武器輸出は禁止という原則をなくして、原則解禁して個々に判断をすると、こんなことになるから、多くの今、日本の人は、日本で輸出された武器が使われるんじゃないかと、人を殺すんじゃないかという懸念の声を上げているんですよ。最近の共同通信の世論調査でも、武器輸出三原則の緩和に反対は六六%です。賛成の二五%を大きく上回っていますよ。このことを正面から受け止めていただきたいと思います。
 そして、一方、この武器輸出国への転換を一貫して求めてきたのは経済界や防衛産業でした。今、大歓迎していますよ。経済界の要求に応えて、政府は、昨年初めて、防衛産業の国際競争力強化というのを掲げました。まあ武器輸出で世界の軍需産業と競争する国へ踏み出そうというわけですね。
 その下で、この間一年余りで総理が外国訪問した際に経済界が同行した国を私まとめてみました。(資料提示)ロシア、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、トルコから始まって、インドまでの十五か国でありますが、外務大臣、この間のロシア、中東、アフリカ訪問の中で、新しい原則で武器輸出が禁じられる、こういう国はあるでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) この新たな原則につきましては、従来の原則に加えて様々な例外が設けられました。こうしたものも整理した上で、より明確に考え方を示す、透明化を図る、こういった考えの下に新たな原則をつくっていこう、こうした考えに基づいて今作業が進められようとしています。
 これは、議論がこれから続くわけですので、具体的にどういった結果をもたらすのか、これは今の段階では明確に申し上げることは難しいと考えています。
○井上哲士君 つまり、これは、輸出できないということは一つもさっきから挙げることができません。この外国訪問の際に、防衛産業がどれだけ同行して、訪問国との間で防衛協力等でどういう合意がされているのか、私調べてみました。
 これ、防衛産業というのは、この六年間に防衛省との中央調達上位二十社になったことがある企業です。合意内容というのは、首脳会談の内容や外務省が発表した共同声明から引用をいたしました。そうしますと、全ての外遊に上位二十社からの同行がありまして、ほとんどの国と防衛協力の強化などが合意をされております。例えば、昨年のロシアやサウジアラビア、アラブ首長国連邦、トルコへの訪問には、三菱重工や川崎重工、三菱電機、東芝、富士通、IHIなどなど、軍需産業十二社が同行し、そしてそれぞれの国と防衛協力の拡充などの合意がされております。
 武器輸出拡大を前提に総理を先頭としたトップセールスが既に行われているんじゃないですか。総理、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それは全くそんなことはございません。今挙げられた企業がそうした自衛隊の装備品について造っているかもしれませんが、私が訪問した国々でそうしたものが言わば商談としてできているという話は全く聞いていないわけでございますし、また、そもそも別の大きなプロジェクトを目的としているものでございますからこれは全く関わりのない話でございまして、それとは別に、言わばそれぞれの国と、防衛交流を行うということをそれぞれ取り決めているわけでございますが、関係を緊密にしていく。言わば、特にロシアとの関係もそうでございますが、ロシアとはそもそも残念ながら平和条約がないわけでございまして、平和条約がない国に対して、これは武器を輸出するということは基本的にこれはそもそも考えられないわけでございますが、一方、防衛交流を行っていく上においては、これは両国の信頼関係を醸成していく上においては極めて重要であると、このように考えている次第でございますが。
 いずれにいたしましても、先ほど小野寺大臣が答弁をさせていただきましたように、今まで既に二十一例、例外として挙げている、この穴を空けているわけでありますが、それは例えば防弾チョッキであるとか、化学兵器を、これを解体していくためのものであるとか、向こうにブルドーザーを置いてくる、そういうものに一々やってきた。それを今度はルール化しようというものでありまして、例として挙げられたF35につきましても、部品をある程度造って、この言わば製造の一部を供給をしていかなければF35自体が購入できないという中においてそういう判断をしていくというものでありまして、こちらが積極的に武器を輸出をしていこうということでは全くないということははっきりと申し上げておきたいと思います。
○井上哲士君 繰り返しの答弁はやめてほしいんですが。
 過去、これらの国々の外遊の例を見ましたけれども、こういう形で防衛協力などの合意をしたというのはほとんどありません。そして、こういう形で同行企業が来ていると。現実にはいろんな形で前さばきがされているわけですね。
 大体、経済界、防衛産業はどう見ているかと。経団連はこの二月に、共同開発に限らずに国産品の輸出も広く容認することや、政府に専門の部門を求めると、もっと拡大しろという要望書を出していますね。
 それから、みずほ銀行の産業調査部が昨年十一月に、「「武器輸出三原則等」の見直し機運高まる」というレポートを出しています。その中で、民間企業が防衛装備品分野で国際共同開発、生産に参画することを可能にし、防衛産業の事業性を大きく改善することにつながると。量産開始後には共同参画した国に販売することが可能になり、生産量、販売量が拡大し、スケールメリットを享受できると書いているんですね。
 つまり、武器の生産、輸出を拡大してもうけを上げようという経済界の狙いは明らかじゃありませんか。政府はこの間、防衛産業の国際競争力の強化なんかを打ち出していますけれども、まさにこういう防衛産業の要望と一体となって進めてきているのがこうした動きじゃないですか。総理、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど申し上げたとおり、我々がやろうとしていることは、今まで二十一例において例外措置をとってきたと、今度はやっぱりこれを整理してルールを明確化していこうということでありますし、そしてルールの透明性を上げていこうということであります。そして、私たちは、基本的に平和を維持をしていくという重要性についてしっかりと認識をしながら、そのための国連憲章をしっかりと遵守をしていくという精神においては、今までの三原則とこれ全く同じであるということは申し上げておきたい。
 つまり、今までのこれは例外措置として行ってきたこと、これからは、しかしそれを整理いたしまして、厳格なルールとして透明性の高いものを作り、国内外に示していくというものであるということは申し上げておきたいと思います。
○井上哲士君 この間の憲法に基づくこの武器禁輸政策に様々な抜け穴がつくられてきた、であるならば、その抜け穴を防ぐことが今求められているんですよ。結局、抜け穴をつくった例外を原則に変えてしまって、大手を振って武器輸出ができるようにする、こんなことは絶対に許すことができません。
 武器輸出で栄える国になったり、集団的自衛権行使で戦争する国に踏み出すと、国会決議も憲法も踏み出してこの国の形を変えるようなことは許されないと申し上げまして、質問を終わります。
○委員長(山崎力君) 以上で井上哲士君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(山崎力君) 次に、アントニオ猪木君の質疑を行います。アントニオ猪木君。
○アントニオ猪木君 元気ですか。元気があれば何でもできる、元気があれば質問もできるということで、猪木の常識、非常識で通っています。済みません。まだこの台も全然変わっていませんね。
 ちょうどこの震災で、私の仲間が翌日、震災地にトラックで物資を運びました。途中止められましたが、自衛隊の先導で無事届けることができまして、その後、四月の八日に私が、いわきあるいは東松島、いろんなところを回りまして、そして、体育館に避難されている人たち、そこへ車から降りたらいきなり、皆さんが赤いタオルをして、元気ですかと言うので、私がびっくりして体育館に入りましたら、年寄りの方もみんな立ち上がりまして、一、二、三、ダーをやって、元気になりましたということで、喜んでもらいました。
 ちょうど私が、十八年ぶりに国会に復帰したんですが、ここでまさか質問の席に立つとは思っていなかったんですが、二十五年前に参議院に初当選して、その後すぐに、ある同僚議員から誘われまして会津若松というところで講演をいたし、演説をしているときに後ろから暴漢に襲われて、頭と、傷がまだ残っております。入院した後、十日後にまたこの席に立たせてもらい、頭と首に包帯だらけの、本当に今思い出しております。
 今日は北朝鮮問題に絞って質問をさせていただこうと思います。政府に協力する立場を明確にした上で質問をさせていただきます。
 よく、私がどうして北朝鮮にそんなに一生懸命なのか、あるいは北朝鮮に足を運ぶのかと聞かれることがありますが、私の師匠力道山は、出身地は朝鮮半島の咸鏡南道というところです。戦後、御存じのとおり、テレビに登場して、本当に敗戦の中で夢をなくした国民が力道山の勇壮を見て、そして元気と勇気、あしたの生きる力を与えてくれました。私もその中の一人です。
 しかし、私が十四歳のときにブラジルに家族を挙げて移民することになりまして、私の子供の頃の夢はプロレスラーになることだったんですが、夢が遠くに行ってしまった。しかし、三年たって、私が陸上競技の砲丸投げで優勝したら、それが新聞に載りまして、ちょうど力道山師匠がブラジルに遠征に来ておりまして、その場でスカウトされて日本に戻ってきました。もう二度と日本の土を踏むことはないと思っておりましたが。
 そして、平成元年、参議院に当選したとき、ある人から写真を見せてもらいました。その写真に力道山の娘が北朝鮮にいるということで、例えば、私が力道山の付き人をやっておりましたので、一日の行動もよく分かっておりましたが、向こうからもらった本の中に「力道山物語」というのがありまして、その中にいろんなことが書いてあり、ああそうか、あのときはああいうことか、新潟で万景峰号でその娘さんに会ったこと。
 あるいは、師匠の周りには政財界の大物がたくさんおりました。そして、日韓条約の二年前ですが、大野伴睦さん、自民党の実力者が、日本のコミッショナーもやっておりましたので、力道山も招待を受けることになったんですが、本人も大分戸惑ったようです。しかし、韓国に行きましたら大変な歓迎を受けまして、本人も感激し、そして一つだけお願いがある、聞いてくれということで、どういうことかというと、板門店に連れていってくれということで、力道山が板門店に行きました。六三年ですが、一月の寒風吹きすさぶ中を、上着を脱ぎ捨て、やにわ走り出したので、軍隊の皆さんも、そこにいた皆さんがみんな真っ青になりました。そして、北に向かって走ったんですが、足を止めて、師匠は大きな声で、多分、お母さん、あるいは、お父さん。分断された国家の悲しみ、そして日本でこれだけ有名になったその勇壮も家族や故郷の人に見せることができない無念さ。
 そんな分断された師匠の心を、私は、一九九四年に、北の、師匠の果たせなかったことをということで訪朝することになりまして、そのときに、ちょうど北京から北朝鮮に向かおうという空港に行く途中に金日成主席が逝去というニュースを聞きましたが、九月に招待状が来て北朝鮮に行きましたところ、その娘さんとも会い、また向こうの要人とも会い、そのときに、本当のプロレスを見せましょうかということで、翌年の四月に平和とスポーツの祭典を開催いたしました。何と、二日間で三十八万人という人が足を運んでくれ、それ以来、私が毎回行くたびに、町じゅうの人たちも、あるいは軍隊の人までが私に手を振ってくれます。
 そこで、総理に質問ですが、私は、過去二十年間、議員であっても民間人であっても、一日も早くお互いが本音の話ができる環境づくりに今日まで努めてまいりました。かつては、拉致担当大臣の親書を北朝鮮に届けたこともあります。一貫して政府に協力してきました。
 対策本部より、北朝鮮情勢について教えていただきたいという話もありました。見たこと、あるがままのことを話しました。その際にも申し上げましたが、私は、今年の一月に通算二十八回の訪朝を行いました。そのときに大きな進展があったのが、国会議員の訪朝団計画です。訪朝計画。同僚の議員から、もしその訪朝団に参加するんであれば、是非、向こうから正式な書面での招待状があればということを聞きまして、私がこの一月に金永日書記と話をし、朝日親善協会から正式な日本の議員団の招待状をいただいてまいりました。今までにこのような北朝鮮が招待状を出したことはないと思いますが、国会議員の訪朝団について総理の御見解をお聞きしたいと思います。
○委員長(山崎力君) ちょっとお待ちください。
 アントニオ猪木委員に申し上げます。
 最初の御発声は、元気が出るだけでなくて心臓に悪い方もいらっしゃると思いますので、今後はお控え願いたいと存じます。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) いわゆる議員外交につきましては、一般論として申し上げれば、国民の代表である議員が、外国政府等あるいは相手国側の議会と交流を深める中において、それぞれの国との関係を発展させていくということにおいては大変有意義であるし、国民の声を直接説明し、そして訴えかけていくということにおいては有意義であると、このように思いますが、一方、我が国としては、対北朝鮮措置として、我が国から北朝鮮への渡航の自粛を要請をしているわけでございます。
 これは、北朝鮮におきましては、言わば日本に対する拉致問題、拉致という行為、そしてミサイルの発射、核実験、累次にわたるこうした行為に対して国際社会が制裁を科しているという状況にあるわけでございます。その中におきまして、政府の方針を踏まえて適切に対応されるべき事柄ではないかと、このように思うわけでございまして、御党におきましてこの問題にずっと対応してこられました中山恭子議員あるいは平沼赳夫議員ともよく相談をしていただきまして、適切に判断をしていただきたいと、このように思います。
○アントニオ猪木君 その辺は、この世界が根回しが大事だということをよく勉強をさせていただきました。
 そこで、次に安倍総理にお伺いいたしますが、北朝鮮の情報が少ない中で、直接対話する意義が大事であるかどうか、お聞きしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど申し上げましたように、北朝鮮に対しては、基本的には様々な課題を解決をしていくためには、これは対話を行わなければ解決はしていかないということでございます。
 しかし、残念ながら北朝鮮におきましては、今まで日本との対話の中において、様々な約束等について北朝鮮側においてその約束が果たされていないという現実もある中において、我々は国際社会と協力をしながら北朝鮮に圧力を掛け、現在取っている政策を変えなければ北朝鮮の未来はないという認識の下に対話を行っていくことによって初めて結果が出てくるんだろうと、このように思っているところでございますが、我が国は、関係国とも緊密に連携をしつつ、北朝鮮に関して不断に情報収集を行い、情勢を注視をしているところであります。
 我が国としては、先般の日朝赤十字会談の機会を利用いたしまして政府間でも非公式に意見交換を行ったところであります。しかし、北朝鮮との直接対話のためには、北朝鮮が拉致問題の解決や非核化を含めて、問題解決に向けた真摯な姿勢を示すことが何よりも重要であります。
 また、北朝鮮との議員外交については、我が国として、先ほど申し上げましたような考え方でございまして、適切に対応されるべき事柄ではないかと、このように考えております。
○アントニオ猪木君 今申していただきました対話の大切さ、さっき岸田外務大臣も申されておりました。韓国あるいは中国にもいろんな私の友がいますが、対話の大切さを今お聞きしました。
 まず、その中で一番本当の大事な部分は情報だと思いますが、テレビやあるいはその他いろんな部分での情報が日本に入り、北朝鮮はそれに対して一切反論をいたしませんから、それが、どれが事実かどうかというのは分かりませんが、多分、政府の皆様より私の方が北朝鮮における情報は多く持っているんではないかと自負しています。
 そこで、平和外交を標榜される安倍総理に対し、大局を見据えた決断をしていただきたいと思います。総理の決意を伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 議員が北朝鮮を訪問された九四年、これはまさに北朝鮮と国際社会においてはKEDOの合意がなされたわけでございます。このKEDOの合意によって、北朝鮮は言わば核開発をやめるということであったわけでございまして、それに対しまして国際社会は軽水炉を造るということでありまして、日本も一千億円出資をするということになり、日本はその一千億円に向けて出資をしていったわけでありますが、残念ながら北朝鮮は約束を守らずに、ウランの濃縮計画を大体ほぼ同時期から進めていたわけでございます。ここに外交の難しさがあるわけでありまして、言わば行動対行動、しっかりと我々が、彼らが行動を示せばこちらも行動を示しますよということの中において、結果を出していくことが大切であろうと思います。
 私もその頃からずっと北朝鮮の問題に関わってきているわけでありますが、大切なことはしっかりと北朝鮮に約束を守ってもらうことでありまして、言わば対話のための対話を行い、こちらが何か出すということに関しましては、残念ながらそれでこちら側の結果は得られていないという現実があるわけであります。
 ですから、大切なことは、今北朝鮮にまさに拉致問題について解決をしなければならないという認識に立ってもらわなければならないわけでありまして、これを解決をしなくても北朝鮮は何とかやっていけるよ、あるいは日本と付き合いを再開してこの問題を解決をしていかなくても進んでいく、物事は進んでいくという判断をされてしまっては、残念ながら拉致問題は永久にこれは解決されない、これが私がこの問題、ずっと関わってきた中において得た結論でもあります。
 だからこそ、大切なことは、国際社会と連携しながら、圧力を掛けるべきときはしっかりと圧力を掛けながら、その中においてチャンスをつかみ、北朝鮮の変化を見極めながら対話を行っていくということではないかと、このように思います。
○アントニオ猪木君 最後に、スポーツ交流ということで、やはり今私どもが、イラクの人質の解放のときもスポーツの一団、プロレスの一団を連れていきましたが、そこで胸を開いた本当に会話ができる。
 今言われたとおり、壁は非常に高く、拉致という問題があります。その中で対話という、先ほど言われた話合いの場で、その先にあるものと。私は、この前もその招待状をいただくときに、とにかくとことん膝を突き合わせて話をしましょう、そのときにどちらかが当然けんか別れになるような結果では困ります、次につながるような話合いで終わらせてくださいということで、先方の皆さんにお話をしまして、そして、できれば、先ほど御答弁いただきましたが、その訪朝団に対して政府の安倍総理が一番信頼を置ける方も御同行していただければ、何か今言われた壁の向こうに一つの明かりがあるのではないかと。そんな私の今までやってきた闘魂外交ということなんですが、ひとつその辺については、総理、どういうお考えでしょう。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 人と人とを結び付ける上において、スポーツとか文化の力は大変大きな私は力を持っていると思います。プロレスにおいても、私も子供の頃、猪木さん対ブルーノ・サンマルチノとの戦いに手に汗握ったことも覚えておりまして、ハルク・ホーガンとの戦いもテレビの前で熱中したことを覚えておりますが。
 しかし、北朝鮮におきましては、先ほど来申し上げておりますように、拉致問題、核問題、ミサイル問題解決する上において、今国際社会とともに連携を取りながら制裁を科しているわけでございまして、対北朝鮮措置を行っている中において、我が国から北朝鮮への渡航の自粛を要請をしているわけでございまして、その中において、北朝鮮との音楽やスポーツ等を通じた交流あるいは議員との交流、そうしたものを踏まえて適切に対応されるべきものだと、このように思っております。
○アントニオ猪木君 飯島参与も行かれたことを、非常に、第一歩を踏み出したことだと思いますが、後でお聞きします、政府も了承の上で行かれたということで、そういうような壁が厚ければ厚いほど、私どもはそこに向かって体当たりをしながら、本当に日本の国家のために頑張ってまいりたいと思います。
 時間がもうあれなので、本当にまだまだたくさん聞きたいことがありましたが、今日はありがとうございます。
○委員長(山崎力君) 以上でアントニオ猪木君の質疑は終了いたしました。(拍手)
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○委員長(山崎力君) 次に、吉田忠智君の質疑を行います。吉田忠智君。
○吉田忠智君 社会民主党・護憲連合の吉田忠智でございます。
 大地震、大津波、あってはならない原発事故から三年が経過をしました。改めて犠牲となられた方々の御冥福をお祈り申し上げます。社会民主党も、私も、肉親を亡くされた方々のいまだ癒えることのない悲しみを胸に刻み、そして、今なお困難な生活をされておられる方々の思いに寄り添いながら、復興の加速、そして被災者の心のケア、原発被害者対策、その上で脱原発社会の実現に向けて全力で取り組んでいく決意でございます。
 まず、ウクライナ情勢に関する自民党石破幹事長発言について質問をいたします。
 石破幹事長は三月三日の会見で、ロシアのクリミア半島への軍事介入についてロシアが国会において全会一致で介入を支持したということは、ウクライナにおける自国民保護であって、それは日本流に言えば邦人救出という話であり、武力の行使とか武力介入という言葉とは少しニュアンスを異にする、我が国が邦人保護のために自衛隊を派遣するということになっても、それは武力行使とか武力介入という話にはならないと発言されました。看過できない発言であります。自民党のホームページで公表されています。日本政府は三月三日のG7首脳声明において、ロシアの軍事介入を二条四項等の国連憲章やロシア、ウクライナ間の一九九七年の協定に違反すると、明確に国際法違反であると非難しています。
 石破発言は総理の本音ですか。自民党総裁として、石破幹事長の公式会見での発言、撤回すべきだとは思いませんか。(発言する者あり)総理が発言しないと意味がないじゃないか。
○国務大臣(岸田文雄君) ウクライナ情勢につきましては、我が国としての見解は平和裏に事態が収拾されるべきだということで、あらゆる当事者に対しまして自制と責任ある行動を求めています。法の遵守、そしてウクライナの主権、そして領土の統一性が尊重されなければいけないという考えに基づいて三月二日に外務大臣談話も発出しておりますし、三月三日の日に御指摘のG7共同声明にも参加をしております。
 その中にあって、このクリミアにおけるロシアの行動については、国連憲章及びロシアとウクライナの間の一九九七年の地位協定に基づくロシアの義務に違反するものであると明記をしています。この共同声明に我が国も参画しているわけですから、これが我が国の政府としての見解であります。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私、幹事長のその発言、ちょっと寡聞にして存じ上げないのですが、政府におきましては、今申し上げたように非常に立場が、G7で出しておりますので立場は極めて明快でございまして、ロシアによるクリミアの併合は、国連憲章、ヘルシンキ宣言の下でのロシアの約束、そして一九九七年のロシア・ウクライナ友好協力条約及び二〇一〇年のロシア連邦黒海艦隊駐留の地位及び条件に関する協定に基づく義務、並びに一九九四年のブダペスト覚書における約束の明確な違反になろうということを我々は立場を明確にしております。
○吉田忠智君 自民党総裁として、撤回して、ホームページから削除すべきじゃありませんか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私も日々総理大臣としての仕事がございますから、幹事長の一々の発言というのを一々確かめる立場にはないわけでございますが、それは、今御指摘がございましたが、政府としては今、累次外務大臣も私も申し上げているとおり、これが日本国の正式な見解でございます。
○吉田忠智君 イギリスのエコノミスト誌によれば、プーチン大統領は国際秩序を支える規範をじゅうりんし、ウクライナだけでは済まない危険な前例をつくったと論評しています。私もそのとおりだと思っています。このような前例はアジア地域にも大きな影響を与えるわけでありますから、是非その点、自民党総裁として石破幹事長のしっかり指導をしていただきたいと思います。
 次に、引き続いて、集団的自衛権について伺います。
 昨年のインタビューで、民主党政権時代の北澤元防衛大臣、七百十七日務められましたけれども、在任中に、公式、非公式を問わず、日本政府は集団的自衛権行使を容認すべきとの意見は全く聞かなかったと発言されています。また、柳澤協二元内閣官房副長官補も、米国から要求されたことは全くないと答えています。
 総理は、米国から集団的自衛権行使容認を求められたことがありますか。あるのであれば、いつ、誰に言われましたか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) そもそも、解釈についての議論は米国から言われてやるものではなくて、我が国が主体的に判断をし、我が国の国民の生命と財産を守るために、今安保法制懇において議論がなされているわけでございまして、米国から指示されて行うものではないし、事実行われていないわけでございます。
○吉田忠智君 日米安保に基づいて、米国は日本防衛義務を負い、他方、日本は米軍基地と駐留経費を提供しておりますね。来年度予算における米軍関係経費は四千六百六十七億円にも上るわけであります。ホスト・ネーション・サポートの比較でも、総額、負担率とも世界最高水準であります。既に十分過ぎるほど双務的だというのがこれまでの政府の認識ではありませんか。
 安倍総理は双務性ということに随分こだわっておられるようでありますが、経費は米国持ちで米国内に自衛隊基地をつくる、あるいは日本国内の米軍基地を全て撤去しないとこれは論理的には成り立たないと思いますが、総理は米国にそのようなことを提起をしますか。双務性のことについて。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 双務性につきましては、言わば安保が六〇年に改定をされまして五条と六条ができたわけでありまして、そこで初めて、第一次の改定される前の安保条約には米軍が日本を防衛するという防衛義務は課されていなかったわけでございます。言わば、最初の安保条約は一条から五条までしかなかったわけでありますが、日本を防衛することができるとは書いてありますが、共同対処するということは書かれていなかったわけでありますが、この六〇年の安保改定によって、言わば五条で共同対処、米国が日本を守るという防衛義務を事実上負ったわけでございます。そして、それに対応する形で、六条において我が国の施設を米国はこれは極東の平和と安定を守るために使用するという権利を持ったわけでございまして、これにおいて言わば双務性ということになっているわけでございます。
 しかし、同時に、今我々が検討しておりますことは、先ほどもこの場で申し上げましたように、公海上において日本を攻撃をしてくるかもしれない、ミサイルが攻撃をしてくるかもしれないという状況において、この警戒に当たっている米国のイージス艦がこの弾道ミサイルに対してイージス機能を集中した場合は自分の船の周りの防衛はおろそかになるわけでありますが、その対艦ミサイルが発射された場合はそれを見落とす可能性があるわけでありまして、それを探知した日本のイージス艦、近傍のイージス艦がそれを撃ち落とすことは今集団的自衛権の行使としてできないと言われているわけでありますが、それができなかった中において、これはまさに日米同盟のこれは関係が大きく毀損されるのは間違いがないわけでございます。
 そういう中におきまして我々は今検討しているところでございまして、いずれにいたしましても、米国のためにとか米国に言われたからやるのではなくて、まさに我が国を守るためにそうした見直し等について安保法制懇において行われているわけでございます。
○吉田忠智君 これまでもるる議論がありますように、総理が自らが最高責任者で長年積み上げてきた憲法解釈を変える、海外で武力行使は行わない、そのことが一貫した見解でもございますし、それを総理自身の判断で閣議決定で変えるなどといったら、内閣が替わるごとに憲法解釈が変わるということにもなりかねません。憲法の最高規範性、立憲主義の点から極めて問題であるということを指摘をしておきたいと思います。
 それから、集団的自衛権行使に関わって、小松内閣法制局長官について質問をしたいと思います。
 三月五日の私と小松法制局長官とのやり取り、総理も目の前で聞かれていたと思います。私の質問に対して、長官に複数の憲法の条項の言い間違い、引用ミスがあって、昨日、法制局事務局から私の部屋に議事録の訂正を了承してくれないかとの打診がございました。憲法の番人が憲法の条項を間違うなどというのは前代未聞ですよ。それから、私の質問に対する前回の答弁の中で、全く関係ない他党の議員の発言まで言及する。あるいは、内閣法制局長官、昨日の福島みずほ副党首の質問に対して内閣法制局長官が答弁されましたけれども、首相に代わって先回りして方針を答弁する、これ、異例のことですよ。また、場外における、今日出席されておられますけれども、国会議員の方との口論など、私はやっぱり法制局長官としてこの間の言動を見ると不適格ではないかというふうに思わざるを得ません。
 総理、病気の治療もされておられるということですが、是非、人道的な観点から、交代させて本人、病気療養に専念させるべきじゃありませんか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 小松長官は国際法の専門家でもあるわけでございます。確かにがんを患ったわけでございますが、幸いこれは抗がん剤等の治療が功を奏しているところでございまして、現役に復帰をされたわけでございます。言わば、これは日本においても、多くの方々がそうした病気に打ちかち、そして立派に仕事をされている方々がたくさんいらっしゃるわけでございまして、小松長官にも立派に仕事をやり遂げていただきたいと、このように期待をしているところでございます。
○吉田忠智君 人道的な観点から、是非交代をさせて病気療養に専念させるべきだと思います。
 そして、今、この国会において憲法解釈が非常に重大な局面になっております。是非、しっかり職責を果たすことのできる法制局長官に代えるべきだと、そのことを強く申し上げて、質問を終わります。
○委員長(山崎力君) 以上で吉田忠智君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(山崎力君) 次に、浜田和幸君の質疑を行います。浜田和幸君。
○浜田和幸君 新党改革・無所属の会を代表して質問をさせていただきたいと思います。
 時間が限られているんですけれども、まずはウクライナの危機的情勢、そして対ロシアに対する経済制裁について、総理、外務大臣の所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) ウクライナにつきましては、平和裏に事態が収拾されなければならないと我々は考えており、そのために、一つは、このウクライナの財政危機に対してしっかり経済支援を行っていくこと、あわせて、このウクライナの国内の混乱において、政治対話が進み、そして国内における透明性が高まるということ、これが重要だと考えております。
 そういったことから、我が国としましては、この経済支援につきましては、現在ウクライナ暫定政府とIMFとの間で協議が進められています。この協議の結果に基づいてしっかりと経済支援を行っていきたい、行うことについては既に表明をさせていただいております。
 あわせて、国内における政治対話あるいは透明性の確保につきましては、OSCE、欧州安全保障協力機構のミッション派遣が議論されておりますが、このミッション派遣につきまして二十五万ユーロが要するとされておりますが、その十万ユーロを我が国は支援をする、拠出をする、これも既に公にさせていただいております。こうした支援を通じまして、ウクライナ情勢につきましては平和裏に解決されるべきだと考えております。
 制裁につきましては、今、国際世論で議論が行われておりますが、ウクライナの国内情勢、そしてG7を始めとする関係各国の動き等も注視しながら適切に考えていきたいと思っております。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 本日から谷内国家安全保障局長をロシアに派遣をいたしまして、パトルシェフ安全保障会議書記等、ロシア側関係者と協議を行わせる予定でございます。その際には、ウクライナ情勢が現下の国際社会の重大な関心事となっていることを踏まえまして、ロシア側に我が国の立場を伝えるよう私から局長に対し指示をしたところでございます。ウクライナの安定化のために我が国としても可能な限りイニシアティブを取っていく所存でございます。
 先般も、オバマ大統領と四十分間にわたって電話会談をし、そしてウクライナ情勢について意見交換をしたわけでございますが、日本といたしましても、日米関係そしてEU、G7としっかりと協調しながら、この問題を平和裏に解決をしていきたいと、こう思っております。
 また、ウクライナに対する経済支援につきましては、現在、国際社会において議論が行われておりますが、政府としては、IMFとウクライナの間の議論を踏まえ、我が国としての支援の具体的な内容を検討していきたいと思います。
 また、欧州安全保障協力機構の政治対話促進及び少数民族監視ミッション派遣に対し、緊張緩和のための対話と透明性の促進を目的といたしまして、同ミッション派遣経費総額二十五万ユーロのうち十万ユーロを拠出することを決定し、表明済みでございます。
○浜田和幸君 総理は、ソチ・オリンピックの機会にプーチン大統領ともお会いになりましたよね。あの段階では、ロシアによるウクライナへの軍事介入を何かにおわせるような、そういう言動はなかったんでしょうか。
 というのは、アメリカの情報局では、プーチン大統領の言動をつぶさに分析して、彼が何を考えているのか次の一手を読むという分析をしているんですが、総理はもう五度プーチン大統領とは間近にお会いされているわけですけれども、そういった意味で、プーチン評、彼の、何を狙っているのか、もし心が読めればお聞かせいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 日本とロシアとの間には、御承知のように、六十八年間にわたって残念ながら平和条約が締結をされていないという現実の中において、この平和条約交渉を我々は再開させ、そして五回にわたって首脳会談を行ってきたところでございまして、いかにこの平和条約の交渉をしっかりと進めていくかということにもちろんこちらは集中をしているわけでございます。その中におきまして、様々な情勢等について意見交換を行うわけでございます。
 今、そのときのプーチン大統領の状況、この問題についての考え方が、あるいは感じとして分かったかどうかということでございますが、そういう言わばこの間における第三国に対する認識等については発言は控えさせていただきたいと思います。
○浜田和幸君 ロシアからの天然ガスにヨーロッパも大きく依存をしていますし、報道によると、我が国もロシアからLNGをヨーロッパの価格の五倍の値段で買い取る、そのことがロシアとの関係改善、ひいては北方領土問題の解決につながるんではないかということが言われているんですけれども、今回の経済制裁、アメリカからも圧力があるようですし、かといってヨーロッパも一枚岩ではないわけですね。
 先ほど、いろんな今検討中だということであったんですけれども、基本的には日本とロシアの関係を改善するということだと思うんですけれども、そういう中で、果たしてどこまでウクライナの安定化と、そして欧米との関係においてロシアとの関係をどうバランスを取るか。総理のお考え、戦略をお聞かせいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど申し上げましたように、日本とロシアにおきましては、昨年、私がロシアを訪問して以来、言わば平和条約交渉が本格的に再開をしたわけでございまして、そして外相級あるいはまた次官級での交渉が実務的にもスタートしておりますし、初めて2プラス2の会談も行われたわけでございまして、防衛当局間の交流もスタートしたところでございます。
 そして、もちろん経済、これはロシアにとって日本の技術、経済力を必要としているわけでございますが、そうした観点から様々なレベルにおける交流が盛んになってきたのは事実でございますし、私どもといたしましては、何とか悲願である四島の帰属問題を解決をして平和条約を締結をしていきたいと思っております。
 一方、ウクライナの情勢につきましては、我々はG7で声明を出しているわけでございまして、国際社会と協力をしながら、この問題に対して全ての当事国に自制を促しながらこの問題を解決をしていきたいと考えているわけでございます。日本の立場は立場といたしまして、しかし、国際社会と協力をしながら解決をしなければならない問題であるウクライナ情勢についてしっかりと日本はイニシアチブを発揮をし、その責任を果たしていきたいと考えております。
○浜田和幸君 是非、この六月のG8サミットでもこの問題を取り上げていただきたいと思います。
 中国の軍事力の増強について是非小野寺大臣にもお伺いしたいんですけれども、中国は、このウクライナの問題でもロシアとの間で軍事的な連携を深めていると承知していますが、中国の軍事的な拡張戦略、これが世界に及ぼす影響、また軍事力だけではなくて、軍事力をバックに世界から資源を、石油や天然ガスをどんどん買いあさる、ベネズエラの九割の石油を中国が押さえる、そういう状況をどうやってコントロールするのか。一番近い国、中国の軍事力、エネルギー、資源外交と日本がどう向き合うのか、大臣のお考えをお聞かせください。
○国務大臣(小野寺五典君) 御案内のとおり、公表ベースだけでも中国の二〇一四年の国防予算というのは約八千億元、これは日本円にしますと十二兆九千億ということになります。我が国の防衛費の既に二・七倍ということでありますし、実は、この内容については実際公表する数字の一・六から二倍ぐらいこの数字を上回るものがあるのではないかというのが、これは欧米を含めて諸外国が今分析をしているところであります。
 資源については、御案内のとおり、様々なところに中国は資源の獲得に乗り出しているということも事実であります。ただ、このような中国の最近の状況については国際社会で共通認識にもなっていると思います。
 私どもとしましては、外交当局を始め政府を挙げて、この中国の特に軍事予算の不透明さ、これについては透明性を確保するように国際社会の中でリードしていくことが大切だと思っております。
○浜田和幸君 その中国との関連で、今、アメリカのミシェル・オバマ夫人がこれから中国を訪問されると聞いています。お母様と娘さんを連れて、女性の力で、習近平国家主席の御夫人も軍の将軍ですから、そういう意味でファーストレディー外交というものが大変注目を集めています。昭恵夫人もいろんなところに御活躍のようですけれども、日中関係を打開するという意味で、このファーストレディー外交、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この日中関係におきましては、まずは首脳外交、これは再開をしていくことが重要だろうと、このように思う次第でございまして、日本といたしましては、何かこれを日本はやらなければ首脳会談はやらないという姿勢はやはりおかしいだろうと、このように思うわけでありまして、そうしたことではなくて、何か課題があるからこそ首脳会談をするべきだと、このように考えているわけでございますし、日中関係というのは重要な関係でありますし、まさに切っても切れない関係であると、経済的にはですね、言ってもいいんだろうと、こう思うわけでございまして、中国側にも同様の立場を取ってもらいたいと、このように思います。
○浜田和幸君 来月、オバマ大統領が来られる。まあ中国には行かないということなので、あえて御夫人を派遣されているのではないかと思うんですけれどもね。四月にオバマ大統領来られて、TPPの、暗礁に乗り上げている、これをどう打開するか。もう四年も五年も交渉しているのに全然着地点が見えない。
 甘利大臣、来月、オバマ大統領を迎えるに当たって、TPPをどういう形で決着を付けるのか、あるいはTPPはもうこれで、てことして一応置いておいて、より参加国の特殊事情に配慮したRCEPのような形の方が多くの国々には受け入れやすいんじゃないかという考え方もあるんですけれども、その辺りのお考えをお聞かせください。
○国務大臣(甘利明君) TPPの意義は、今までも申し上げていますとおり、アジア太平洋地域に一つの経済圏をつくる、バリューチェーンをつくるということで、極めて大事だというふうに思っております。WTOドーハ・ラウンドが漂流ぎみということで、随分長く掛かっております。TPPはモメンタムがしっかりあるうちにまとめなきゃならないというふうに思っております。
 オバマ大統領が四月に来日されるわけでありますが、日米関係を更に強化するということで大きな節目にはなると思いますが、いずれにいたしましても、TPP交渉参加国のGDPの八割を日米が占めているわけでありますから、日米がしっかり妥結をしていかないとこれはまとまらないというふうに思っております。
 しっかり攻めるところは攻め、守るところは守る、従来から申し上げているところでありますが、国益を踏まえてタフな交渉に努めていきたいというふうに思っております。
○浜田和幸君 ありがとうございました。終わります。
○委員長(山崎力君) 以上で浜田和幸君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 これにて外交・安全保障・公共放送に関する集中審議は終了いたしました。
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○委員長(山崎力君) この際、平成二十六年度総予算三案の審査の委嘱についてお諮りいたします。
 本件につきましては、理事会において協議の結果、次のとおり決定いたしました。
 一、審査を委嘱する委員会及び各委員会の所管は、お手元に配付のとおりとする。
 一、審査を委嘱する期間は、常任委員会については三月十七日の一日間、特別委員会については三月十八日の一日間とする。
 以上でございます。
 ただいま御報告いたしましたとおりとすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山崎力君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
 次回は明十三日午前九時から公聴会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後五時十分散会