第186回国会 内閣委員会 第23号
平成二十六年六月十九日(木曜日)
   午前十時六分開会
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   委員の異動
 六月十二日
    辞任         補欠選任
     滝波 宏文君     世耕 弘成君
     水野 賢一君     江口 克彦君
 六月十九日
    辞任         補欠選任
     江口 克彦君     水野 賢一君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         水岡 俊一君
    理 事
                上月 良祐君
                松下 新平君
                芝  博一君
                山下 芳生君
    委 員
                岡田  広君
                鴻池 祥肇君
                佐藤ゆかり君
                山東 昭子君
                世耕 弘成君
                福岡 資麿君
                山崎  力君
                山谷えり子君
                大野 元裕君
                神本美恵子君
                蓮   舫君
                秋野 公造君
                江口 克彦君
                水野 賢一君
                浜田 和幸君
                山本 太郎君
   国務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(科学技
       術政策))    山本 一太君
   副大臣
       環境副大臣    井上 信治君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        浮島 智子君
   政府特別補佐人
       原子力規制委員
       会委員長     田中 俊一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        藤田 昌三君
   政府参考人
       内閣府政策統括
       官        倉持 隆雄君
       内閣府原子力災
       害対策担当室長
       兼原子力規制委
       員会原子力規制
       庁放射線防護対
       策部長      黒木 慶英君
       原子力委員会委
       員長       岡  芳明君
       外務大臣官房審
       議官       廣瀬 行成君
       文部科学大臣官
       房審議官     田中 正朗君
       資源エネルギー
       庁廃炉基盤整備
       総合調整官    藤原 正彦君
       原子力規制委員
       会原子力規制庁
       長官官房審議官  片山  啓君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○原子力委員会設置法の一部を改正する法律案(
 内閣提出、衆議院送付)
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○委員長(水岡俊一君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十二日、水野賢一君及び滝波宏文君が委員を辞任され、その補欠として江口克彦君及び世耕弘成君が選任されました。
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○委員長(水岡俊一君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 原子力委員会設置法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣府政策統括官倉持隆雄君外六名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(水岡俊一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(水岡俊一君) 原子力委員会設置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○神本美恵子君 おはようございます。民主党・新緑風会の神本美恵子でございます。
 前回に引き続きまして、原子力委員会設置法の一部を改正する法律案について質疑を行いたいと思っておりますが、その前に、これ通告はしていないんですけれども、先日の石原環境大臣のいわゆる最後は金目でしょというあの発言について、山本大臣、放射性廃棄物の処理処分等を管轄するこの原子力委員会の担当大臣でもございますが、この発言についてまずどのような所感をお持ちか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(山本一太君) この件について、言葉が足りなかったところはあると思いますが、石原大臣本人が発言の真意について説明をし、誤解を招いたことに対しておわびをしているものと承知しております。
 いずれにせよ、被災地の方々の心に寄り添って復興を最優先に取り組んでいくという安倍政権の方針に従って、閣僚の一人として対応してまいりたいと思います。
○神本美恵子君 誤解を招く表現とおっしゃいましたけれども、私は、この誤解を招く表現が悪かったというふうな認識そのものが二度福島県民を踏みにじる、また、今大臣は寄り添うとおっしゃいましたけれども、寄り添っていないからこそこういう発言が出てくるというふうに思いますけれども、もう一度お願いします。
○国務大臣(山本一太君) もう一度申し上げたいと思いますけれども、石原大臣本人が発言の真意について説明をし、誤解を招いたことに対しておわびをしているということでございます。
 今委員長、委員がおっしゃったように、被災地の方々の心に寄り添っていくと。安倍総理が、やはり安倍内閣の閣僚は復興担当大臣である、全てが、全員が、そういうお話もいただいておりますので、その方針に従って真摯に取り組んでまいりたいというふうに思っております。
○神本美恵子君 おっしゃればおっしゃるほど踏みにじっているというふうにさっき申し上げたんですけれども、山本大臣自身は、この環境大臣がこういう発言をしたことについて、やはりこれは誤解を招く表現だった、あるいは寄り添う、そういう方針は変わらないということを山本大臣、また今ここで、本当にそう思われますか。あの環境大臣の発言は、住民に寄り添って、ただ誤解を招いた表現だったというふうに今思われておりますか。
○国務大臣(山本一太君) 何度も申し上げますが、石原大臣本人が発言の真意について説明をしていると、誤解を招いたということを認めていらっしゃるんだと思います。この誤解を招いたことについておわびをしているというふうに考えておりますので、その発言を大臣のお気持ちとして受け止めたいというふうに考えております。
○神本美恵子君 いいえ、だから、それは環境大臣がそうおっしゃっているんであって、山本大臣自身は、環境大臣は住民に寄り添っている、そして、しかもこの発言は誤解を招く表現だったとおっしゃっているんですけれども、それはそう言い訳をしていらっしゃるので、山本大臣はそのことについてどう思いますかということを聞いているんです。
○国務大臣(山本一太君) 度々同じ答弁で恐縮ですが、石原大臣は真摯に取り組んでいくおつもりをおっしゃっていますから、そういうふうにしていただけるものだというふうに考えております。
○神本美恵子君 お答えが出ないようです。
 山本大臣自身のお考えを、これ、放射性廃棄物の処理処分にこの原子力委員会はこれから重点化して取り組むわけでしょう。これに関わるんですよ、この中間貯蔵施設をどうするかという話は。だから、当事者としてこの発言についてあなたはどう思いますかということを聞いているんです。再度お願いします。
○国務大臣(山本一太君) 石原大臣本人がおっしゃっているように、誤解を招く発言だったということだと思いますので、それについて大臣がおわびをされているということですから、今後も被災地に寄り添う気持ちで、石原大臣だけでなく閣僚全員がしっかりと取り組んでいかなければいけないと、改めてそういうふうに考えております。
○神本美恵子君 そのとおり、同じように思うという今御答弁でございましたけれども、この発言の後、山本大臣自身は、福島県民あるいはこの事故によって避難している方々の声とか聞かれたことありますか。
○国務大臣(山本一太君) この件について特にどなたかにお聞きしたということはありません。
○神本美恵子君 私のところには電話があったりファクスがあったりしております。本当に悔しいと、ばかにしているという声があるんですけれども、是非、私は山本大臣にもそういう声聞いてほしいと思うんですね。
 何が悔しいって、金が欲しい、金をもらったもらわない、これは損害賠償もそうなんですけれども、こういう経済的な補償を当然受けるべくして受けている人と受けられない人、あるいは受けるべきなのに受けることができない人、そういう人がみんな今ばらばらにされていると。しかし、それなしでは、経済的な補償なしでは生活が立たない。ここで中間貯蔵を受け入れたら、これがもしかしたら、どこの県も、その後、最終処分場にしないと幾ら言っても、ここが最終処分場になるのではないかと、そういう不安も抱きながら、しかし、それは仕方がないんじゃないかと、もう本当にその悔しさの中身というのは、私も昨日電話で長々とお話をしましたけれども、本当痛いほど分かります。そういう声を受けてこそ寄り添うと言えるんじゃないですか。
 大臣、そういう声を聞かないで、寄り添うという言葉を私は撤回してもらいたいと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(山本一太君) 今委員のおっしゃったお話は安倍内閣の閣僚の一人としてしっかり受け止めたいと思いますし、福島の方々の声、これについて特にお聞きをしておりませんけれども、私なりに改めて、どんな方法か分かりませんけれども、いろいろと御意見も伺ってみたいというふうに考えております。
○神本美恵子君 先ほども言いましたけれども、この原子力委員会は、これから放射性廃棄物の処理処分について、所管としてここに重点化して取り組むわけですよね。今回のこの大臣の発言を受けて住民がどんな思いをしているかということを考えると、私はこれも難航していくと思うんですよね、このままでは。
 私は、環境大臣に辞任を、山本大臣、担当として進言されるか、あるいは総理に対して罷免を進言されるべきだと思いますけれども、いかがですか。
○国務大臣(山本一太君) 先ほど申し上げたとおり、石原大臣の方からこの件について、誤解を招いたことについておわびがあったということでございますので、私の方からそれについて何か申し上げるというような立場にはないというふうに考えております。
○神本美恵子君 多分、昨日私に電話をくれた知人は今日の質疑を見ていると思います。安倍内閣自身、閣僚がこういう答弁をするということを見て更に傷ついていると思いますので、そのことを申し上げて、法案に入りたいと思います。
 まず、二条四号の核燃料物質及び原子炉に関する規制に関する事務の削除についてでありますが、原子力委員会は長く平和利用の番人と言われてまいりました。しかし、このことは原子力委員会の所掌事務には必ずしも明記されていないと思います。原子力委員会はこれまで、どのように平和利用目的ということを担保してきたのか。
 平成二十四年の十一月六日、原子力委員会見直しのための有識者会議において、当時の委員長でありました近藤駿介委員長は、このことに関して、発電とか再処理について平和の目的に限られることのチェックというのは紙に書いたものしかないわけですから、判断の基準としては、目的が平和の目的というふうに書かれていれば、それから外れないという答えしか書きようがないというふうに発言をされております。
 また、昨年末の有識者会議報告書でもこのことについて、今後も原子力委員会がダブルチェックを行う必要が乏しくなっており、これらの手続は廃止すべきであるというふうに提言をされております。
 確かに、現行法の二条四号ではこれを削除するというふうになっておりますけれども、今後も一定の役割が期待されるとして引き続き新たな改正案の四号として実施することになっているようですけれども、これ、有識者会議で廃止すべきというふうになっているんですが、どうしてこれが残るようになったのか、その経緯と、じゃ、これを、近藤委員長がおっしゃったように、平和利用と書かれていればそれはそのままそうかと言うしかないというチェックしかできないというこれまでの実態があったわけですけれども、引き続きこれをやるとすれば、どのようにそれを担保されるんでしょうか。
○国務大臣(山本一太君) 現行の原子炉等の規制法における原子力委員会の意見聴取規定は、委員御存じだと思いますが、この原子炉の設置等の許可等において、平和目的に関する原子力規制委員会による判断の妥当性をチェックするために、原子力の平和利用を確保するための任務を担っている原子力委員会の意見を聴取していると、こういう形になっております。
 今委員がおっしゃった有識者会議での指摘を踏まえて、原子炉等規制法を所管する原子力規制庁に当該手続の必要性を改めて確認をいたしました。そうしましたところ、法改正後の原子力委員会が引き続き原子力の平和利用を確保するための任務を担うのであれば、平和利用の妥当性を確認する現行の法的手続は引き続き重要だというふうに原子力規制庁の方から見解が示されました。
 原子炉等規制法を含めて、ほかの法令においても規定されている原子力委員会の意見聴取については原子力委員会に求められている機能であることから、引き続き当該事務は存続させるということにいたしました。
 さらに、原子力委員会においては、平和利用の担保の観点から、これも委員御存じだと思いますが、従来から、原子炉の設置の許可等の際に意見を述べるに当たり、申請書の内容の確認、それから規制庁へのヒアリングを行ってまいりました。その際、従来は許可等の後の保障措置等に関する情報を確認していくこと等必要な検討も行ってまいりましたけれども、法改正後もこれらの取組をより具体的に進めていくことを検討していきたいというふうに考えております。
○神本美恵子君 どのように平和利用目的だということを担保するかということは、これから引き続き具体的に考えるということで、ちょっとよく分からないんですけれども。
 次に、第五号の試験及び研究の助成、第六号の研究者及び技術者の養成、訓練の削除についてお伺いしたいと思いますが、福島の原発事故、今のような問題もあります、先ほどのような問題もありますけれども、事故を起こしたあそこの廃炉措置とか、メルトダウンした原子炉をどうするのか、燃料デブリどうするのかというような、非常に複雑で困難な課題に立ち向かう今必要性があると思いますけれども、この高度な専門知識を持った人材、これは国を挙げて育成すべきと考えますけれども、これ文部科学省にお伺いしますが、この原子力に対する不信が国民の間に広がって強まっている中で、研究分野の学生が減っているというふうによく言われるんですけれども、政府はどのようにこの現状を把握していらっしゃいますでしょうか。
○政府参考人(田中正朗君) お答え申し上げます。
 文部科学省では、名称に原子という言葉を含む学科を設置している大学に対しまして入学者数に関する調査を行っておりますけれども、これらの学科への入学者数につきましては、震災前の平成二十二年度には百三十四名であったのに対しまして、震災後の平成二十六年度におきましては約二・七割減の九十八名となっているところでございます。
 また、一般社団法人日本原子力産業協会が主催します原子力関係企業の合同就職説明会につきましては、大阪と東京の二会場で開催しておりますけれども、同協会が公表しているデータによりますと、震災前の平成二十二年度における参加企業数は延べ六十五社、参加学生は千九百三名であったのに対しまして、震災後の平成二十五年度における参加企業数は約半減しまして、延べ三十七社、参加学生は約八割減った四百二十名となっているところと承知しております。
○神本美恵子君 言われているように、確かに学生のこの原子力関係の分野を希望する学生が減っている。また、関係する企業も減っているという今御報告だったんですけれども、私はこの福島の事故にしっかり向き合って、ちゃんと安全に廃炉にしていくということは非常に重要だと思うんですけれども、そのように学生が減っている中で、プロフェッショナルを育成していくということは非常に国としての取組として重要なことだというふうに思っております。
 また、こういう原子力発電所は世界中にあるわけですから、そういうところでもしも事故が起きたときにはどのように安全に廃炉にしていくのかというような、この日本での経験を世界に発信するということで国際的な貢献もできると思うんですけれども、ただ、人材育成というのは一朝一夕にできるものではありません。長期的に人材育成を考えるその視点が必要だと思うんですけれども、政府としてはこの人材育成についてどのように考えるのか。
 この原子力委員会の研究者及び技術者の養成、訓練が今回削除されましたけれども、これはそれぞれの、例えば文科省とか経産省に任せるのではなくて、これまで以上にこの人材の育成、養成、訓練といったようなものが、しかも原子炉を造るとか原子力の研究開発だけではなくて、それを廃炉していくというこれは新たな問題だと思うんですね。
 そういったことをする中長期的な方針、考え方というのが必要だと思うんですけれども、それを省庁横断的にこの原子力委員会が私は担うべきだと思いますけれども、どのようにお考えでしょうか。
○政府参考人(田中正朗君) 委員御指摘の点につきまして、まず文部科学省は、私ども原子力の科学技術を所管する立場から考えを述べさせていただきたいと思います。
 今御指摘のございましたように、東京電力福島第一原子力発電所の事故の経験、それから、これから長きにわたって続きます廃炉対策といったようなものにつきまして、私ども、まず、当然研究開発を通じて人材育成を図っていくということが大事だと思ってございます。
 私ども、今進めております研究開発の重点といたしましては、第一にこの東京電力福島第一原子力発電所の廃炉等に貢献する研究開発、第二にシビアアクシデント研究等の安全研究、第三に原子力の人材育成あるいは基礎基盤研究、第四に核燃料サイクル及び高レベル放射性廃棄物処理処分の研究開発などを推進しているところでございます。
 特に人材育成に係る取組としましては、産学官連携による幅広い原子力人材の育成を行います国際原子力人材育成イニシアティブに加えまして、平成二十六年度からは廃止措置等基盤研究・人材育成プログラムを新たに創設いたしまして、事故で損傷した東京電力福島第一原子力発電所という特殊な環境下での廃止措置を行うために、大学、研究機関等の能力を結集した基盤研究の実施を通じまして、必要な人材を育成することを目指してございます。
 いずれにしましても、文部科学省といたしましては、福島第一原子力発電所の廃炉や原子力の安全性向上等のために、原子力の技術や人材を維持発展させることは極めて重要と認識しておりまして、引き続き、原子力に関する研究開発あるいは人材育成を進めてまいりたいと考えてございます。
○神本美恵子君 経産省にもお願いしていたんですが、もう時間がないので結構ですから。
 先ほどお聞きしたのは、文科省や経産省がそれぞれに今のような取組をやっているけれども、これは非常に中長期的な人材育成ですから今すぐ育つわけではないので、省庁横断的に中長期的な展望を持って人材育成の方針を示すのは私は原子力委員会の役割ではないかと思うんですが、それについていかがですか。
○国務大臣(山本一太君) 人材育成については、現在、民間企業、研究機関における原子力利用に係る研究開発が一般的となっておりまして、研究者及び技術者の育成、養成訓練についてはこうした組織が自ら実施しておりまして、先ほど説明ありましたが、各省においてもこうした人材育成に対する支援等の取組を実施しております。
 法改正後の原子力委員会においては、原子力委員会設置法第二条第一号の原子力利用に関する政策の一つとして、人材育成の実施を担う関係省庁の調整機能として役割を果たしていくものだと、委員のおっしゃるとおり、そう考えております。
 研究開発についても、放射性廃棄物の処理処分等といった重要な政策課題を中心に関係各省等における取組の実施状況をきちっとヒアリングをし、聴取をし、必要に応じて取組等の進捗を促すなど、原子力委員会としての役割をしっかりと果たしてまいりたいと考えております。
○神本美恵子君 それぞれの取組を促す、調整するだけではなくて、中長期的なやっぱり方向性を示すべきだというふうに私は思います。
 次に、原子力委員会の組織に関する透明性の確保についてお伺いしたいと思います。
 これは前回も別の会派の水野委員から御質問があったことなんですけれども、原子力委員会の委員長や委員の人選に当たって、これに当たっては、専門性の高い人を登用するということはもちろんですけれども、原子力に関し利害関係のある企業と密接な関係がある人を任命するということは、これはもう今回の原発事故を受けて、原子力村というような言葉も出てくるように、国民の間に非常にこれは不信が広がっている、いまだに広がっていると思います。その不信を招かないためには、委員長と委員の人選に当たって公正さと専門性の確保のバランスが必要だと思うんですけれども、政府としてはどのような措置をとっていらっしゃるのか。
 この前の質問に対しては、条文にもあるように、罷免とか、それから行動規範を決めているというふうなことをおっしゃいましたが、私が聞きたいのは、まず人選に当たって、決まった後のことではなくて、人選に当たってどのような公正さの担保を考えていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(山本一太君) 前回の質疑のときにも申し上げたと思いますが、原子炉等規制法に基づいて原子力の安全確保に関する規制の実務を担い、施設の許認可等を行う原子力規制委員会においては、委員長及び委員の要件として、委員も御存じのとおり、原子力事業者や原子炉を設置する者等を除外する規定があるということは私も承知をしております。
 一方で、これも前回お答えを申し上げましたが、原子力利用に関する行政の民主的な運営を担う原子力委員会、これが基本法に書かれている表現そのままなんですが、この原子力委員会の委員長、委員として研究機関や大学の有識者の専門性が求められる可能性が高いということがございまして、こうした有識者が原子力事業者、原子炉を設置する者等に含まれる可能性があることもあって、本改正法案において、原子力規制委員会と同様に、これらを一律に除外する規定を設けるのは難しい側面があると考えております。
 ただ、委員もおっしゃったように、現在の社会情勢を踏まえれば、原子力事業者のうち、特に電力会社等の出身者については国民の理解を得るのは難しいというふうに考えておりまして、原子力委員会の委員長や委員としては不適切であると考えておりまして、候補者の選定段階で除外することとしております。
 大臣としても、先般、水野委員からも御質問ありましたが、こうした委員の候補者の選定についてはやはり国民の視点にも留意すると、こういう観点もしっかり定着をさせて選定をしていくような仕組みにしていきたいというふうに考えております。
○神本美恵子君 今、皆さんにはこれを、原子力規制委員会の委員長及び委員の要件についてということで資料をお配りしております。
 今お答えになったように、この原子力委員会においても国民の理解が得られるような人選をするに当たって、私は、このような規定を、これと全く同じでいいのかどうかは検討を要すると思いますけれども、今お答えになったようなことをやっぱり欠格要件あるいは人選に当たっての要件として明確にすべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(山本一太君) 今のお話は先ほども申し上げましたけれども、原子力委員会について言うと、これは原子力利用に関する行政の民主的な運営を担うというふうに規定をされておりまして、これも委員御存じだと思うんですが、研究機関、大学の有識者の専門性が大変必要になってくるということを考えると、原子力事業者、原子炉等を設置する者等に含まれる可能性がありますので、原子力規制委員会と同じように一律に除外する規定を設けるというのは難しいというふうに考えております。
○神本美恵子君 その専門性は原子力事業者も欲しがっているわけで、そういう意味で、そこに密接につながっていたがために利益誘導しているのではないかという疑いが国民の間にいまだに広がっているわけですから、この前の原子力規制委員会の委員長の国会同意人事のときも、そういうことが大きな問題になっておりました。ですから、原子力委員会が同じような轍を踏まないために、私は、やっぱり専門性が必要だからということはありながらも、疑いが持たれないような規定が必要だということを申し上げておきたいと思います。
 時間がもうなくなってまいりましたので、少し、次は、原子力委員会の独立性の担保ということですが、今の設置法の二十四条、改正案にも残っておりますけれども、ここでは勧告することができるというふうになっております。それから、二十五条では報告を受ける、あるいは資料提出を要求できるというふうな監視機能もここで求められているわけですけれども、原子力委員会として、しっかり行政のやっていることを監視するということをこれまでどのようにやってこられたか。
 今日、岡委員長にまたおいでいただいております。この前、しっかり見解を出したものに対してはフォローしているというふうにおっしゃいましたけれども、監視機能としてのフォローも含めて、どのようなことをこれまでやられたか、またこれからやられようとするかということをお伺いしたいと思います。
○政府参考人(岡芳明君) 原子力委員会におきましては、二〇〇六年から二〇一〇年までの間に原子力政策大綱を示しました。この過程で、各政策課題について、政策評価部会それから研究開発専門部会等の専門部会並びに委員会の場において、関係行政機関及び事業者の取組状況をヒアリングしてございます。それで、有識者と意見交換を行ってきております。
 その結果、二〇〇六年から二〇一〇年までの間に、原子力政策大綱に示しております平和利用の担保と核不拡散体制の維持強化に関する取組の基本的考え方の評価について、それから、原子力政策大綱に示している原子力と国民、地域社会の共生に関する取組の基本的考え方の評価について等の原子力委員会決定を取りまとめてございます。
 また、東電福島第一原子力発電所事故の後でございますが、二〇一二年末に、東京電力福島第一原子力発電所の廃止措置等に向けた取組の推進、バックエンド対策、国民の信頼醸成等、原子力の基本政策に関する見解を取りまとめてございます。
 その後、委員会の場において、東電福島第一原子力発電所における汚染水対策の現状、それから国際廃炉研究開発機構の取組等、関係府省機関の取組状況について聴取してきております。
○神本美恵子君 もう時間がなくなってまいりましたので、最後にお伺いしたいのは、福島事故からの復旧復興に向けた取組ということで、事故が発生した背景として、いわゆる国全体が安全神話に陥っていたと。陥っていたというよりも、私は、原子力委員会も当時の原子力、今なくなった安全委員会も、それから保安院も経産省も文科省も、関係するところが全部私は安全神話を作り上げてきたというふうに思っているんですけれども、原子力委員会も含めてこの安全神話に陥っていた、あるいは作り上げることに加担してきたという認識があるのかということと、今度はそこからの復旧、安全な廃炉措置に向けて原子力委員会に課せられた役割というのはどのようなものがあるというふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(山本一太君) 東京電力福島第一原子力発電所の事故は、過酷事故への対応策が欠如していたことを露呈したと思います。委員がおっしゃったように、いわゆる安全神話に陥っていたということだというふうに理解をしております。
 政府においては、東京電力福島第一原子力発電所の事故を防ぐことができなかったと、こういうことを真摯に反省をし、事故の原因等を踏まえてこのような事故の再発防止のための努力を続けていかなければならないと考えております。
 原子力委員会においても、事故の反省を常に念頭に置きつつ、関係各省における施策の実施状況をしっかりと聴取をし、必要に応じて、委員からもいろいろ今日御指摘がありましたが、今後の取組等に関する考え方を示していきたいと、これによって具体的な施策の推進を促すことが役割として求められているというふうに考えております。
○神本美恵子君 そうであれば、また最初の質問に戻りますけれども、この原子力委員会としての見解の中にも、地域住民とのコミュニケーション活動というようなことが重要なこととして見解として示されているわけですよね。そんな中で起きた今回の環境大臣の金目発言については、やっぱりこれは担当大臣として、また原子力委員会の委員長としても、私は何らかの環境大臣に対して進言をなさるべきだと思います。辞任要求されるべきだと思いますが、最後にお答えをお願いします。できれば、岡委員長にもお願いします。
○国務大臣(山本一太君) 先ほど申し上げたとおり、今の委員のお話も踏まえて、安倍内閣の閣僚の一人として真摯に対応してまいりたいというふうに考えております。
○政府参考人(岡芳明君) 地元の方々の心に寄り添って原子力政策を進めることは一番重要だと思っております。
 御質問に対しましては、山本大臣が御回答になったとおりでございます。
○神本美恵子君 終わります。
○秋野公造君 公明党の秋野公造です。お役に立てますよう質疑をいたします。
 原子力委員会が今後主に担う平和利用、そして放射性廃棄物の具体的な処分、それぞれ実施官庁が既に存在している中で、法改正後の原子力委員会の具体的な役割分担についてまず伺いたいと思います。
○政府参考人(倉持隆雄君) お答え申し上げます。
 原子力委員会は、原子力の研究、開発及び利用について企画し、審議し、及び決定する組織でございます。これまで様々な政策課題に関する方針の決定や関係行政機関の事務の調整等の機能を具体的な実務を担う官庁とは異なる立場で果たしてきているところでございます。
 この法改正後の原子力委員会におきましては、平和利用の確保や放射性廃棄物の処理処分等といった重要な政策課題を中心に、引き続き具体的な施策の推進を促す役割を果たすとともに、国際原子力機関、IAEAの総会であるとか、カーネギー国際原子力政策会議といった原子力関連の国際会議等で専門家として我が国の立場を発信していくということが考えられております。
○秋野公造君 私もおっしゃるとおりだと思いますが、具体的な実務を担う官庁と異なる立場で仕事をしていただかなくてはなりませんが、かつて二〇〇一年までは原子力委員会の決定を内閣総理大臣は尊重しなくてはならないという尊重義務がありました。これが二〇〇一年に外れました。また、二〇一二年には権限が非常に強い原子力規制委員会も設立をされました。そういった意味では今はバランスが少し悪いような感じがしていますが、二〇一二年にもこの尊重義務規定を外し続けた理由について伺いたいと思います。
○政府参考人(倉持隆雄君) いわゆる尊重義務規定についてのお尋ねでございますけれども、平成十三年の中央省庁再編以前におきましては、内閣総理大臣が原子力委員会の決定につきまして報告を受けたときは、これを十分に尊重しなければならない旨が規定されておりました。この中央省庁再編時におけます審議会等の整理合理化におきまして、審議会の答申等の尊重義務規定についてはこれは一律に削除するものとされまして、原子力委員会に関する当該規定においても統一的方針に従って削除されたというふうに理解しております。
 原子力規制委員会でございますけれども、国家行政組織法第三条に基づく国の行政機関、いわゆる三条委員会でございますけれども、それに対しまして、原子力委員会は審議会組織、いわゆる八条委員会であるという位置付けにつきましては、御指摘の二〇一二年の原子力規制委員会設立時点でもそこは変わっておりません。
 したがいまして、中央省庁再編時における審議会の答申等の尊重義務規定を削除するという整理についても変更はなかったものというふうに理解しているところでございます。
○秋野公造君 八条委員会であるということで理解をいたしましたが、どうして私がこういうことを申し上げるかといいますと、この原子力の平和利用を促進する国際機関のIAEAの総会には大臣が参加をしてくださるわけでありますが、この四月の上旬にIAEAが開催をした放射線従事者が受ける被曝線量の一元管理に関するトレーニングコース、これが開催をされたのでありますが、我が国においてはこれを担当する原子力規制委員会と厚生労働省が両省で分担をして対応しているという理由で、結果としてどちらも受けることなく、我が国からは民間団体の参加という結果になりました。
 なぜ行かなかったのかという理由を聞きたいわけでありますが、その前に、原子力委員会に調整機能を果たさなかったのか、与えられた権限の中でなかなか省庁間、難しいかもしれませんが、尊重義務がないということがこういうこと、混乱をさせていないかということで見解を伺いたいと思います。
○政府参考人(倉持隆雄君) 原子力につきましては現在幅広い分野にわたって活用されているところでございまして、関係省庁がそれぞれの分担に従って施策を実施しているところでございます。御指摘のような事例、今後、原子力委員会として調整の必要性についても検討を行い、必要に応じて対応を行っていくことになるというふうに考えております。
 政策課題に応じまして、関係行政機関からの報告の聴取であるとか勧告の権限を有効に活用していくことも可能だというふうに考えております。
○秋野公造君 仕組みとしてあり得るということを理解いたしました。
 大臣にお願いをしたいと思います。原子力委員会として調整を図ることについて御検討をお願いできませんでしょうか。
○国務大臣(山本一太君) 今御指摘のあったトレーニングコースへの出席の点については、まずはこれまでの経緯と現在の状況を改めて大臣として確認をさせていただきたいと思います。その上で、必要があれば原子力委員会として検討を行っていくというふうに考えております。(発言する者あり)
○秋野公造君 いや、ちゃんと答えていただきました。
 一つ確認をします。
 原子力平和利用の定義について伺いますが、これは医療を含むということでよろしいでしょうか。
○政府参考人(倉持隆雄君) 原子力基本法におきまして、我が国の原子力研究、開発及び利用については平和の目的に限るということが定められております。医療分野等における放射線利用は、原子力研究、開発及び利用の一環として位置付けられると考えております。
○秋野公造君 もう一つ、改めて伺いたいと思います。
 今回の法改正で六号業務、すなわち人材育成を削除した理由について改めて伺いたいと思います。
○政府参考人(倉持隆雄君) これも、原子力委員会、長い歴史がございます。現在では、民間企業であるとか研究機関におきまして原子力利用の研究開発が一般的となった結果、各省が個別に現場のニーズを踏まえた人材養成を実施することが有効な手段となりまして、各省で人材養成に関する取組を実施しているところでございます。
 このため、かつてのように原子力委員会が自らの事業として直接人材養成に関与する意義というものは薄れているということでございまして、原子力委員会における研究者等の海外派遣等の事業も既に廃止されているという状況がございますものですから、この号につきましては削除することとさせていただいております。
○秋野公造君 公明党が持続的経済成長のための成長戦略ということで五月三十日に申入れをいたしました。この中で、我が国の優れた医療システムで世界に貢献ということで、日本が誇る内視鏡手術などは、こういったものを海外展開、あるいは海外から来てもらうといったことを明記をいたしましたが、もう一つ、がん医療には放射線治療というのが非常に重要でありまして、重粒子線あるいは陽子線を使用した医療というのも世界の最先端を切っているということでありますが、こういった世界最先端の医療技術についても原子力委員会は携わっておりますでしょうか。
○国務大臣(山本一太君) 原子力委員会におきましては、平成十七年に決定した原子力政策大綱で、「国は、放射線医学の研究開発成果に基づく患者の負担が少ない放射線治療についての情報が医療や医学教育の現場において広く共有・教育され、適正な放射線治療が普及していくよう、所要の措置を講じるべきである。」というふうに示しております。また、原子力委員会としては、放射線利用分野を含めた関係各省における人材育成等に関する政策について、関連する施策が有効に実施されるよう、関係各省の施策の状況に応じて必要な取組を行うこと等が考えられます。
 なお、現在、研究開発、放射線利用等の幅広い分野にわたり原子力が活用されておりまして、関係各省がそれぞれの分担に従って責任を持って施策を実施しているところです。
 法改正後の原子力委員会においては、こうした幅広い分野を対象として、原子力利用の理念となる分野横断的な基本的考え方を示しつつ、関係各省の施策の状況に応じて積極的に関わることとしてまいりたいと思います。
○秋野公造君 貴重な方向性が示されたわけでありますが、我が国の重粒子線、陽子線の治療体制について十分であるとお考えになりますでしょうか。
○政府参考人(倉持隆雄君) お答えします。
 原子力委員会は、重粒子線、陽子線の治療体制の整備そのものに直接関わっているものではございませんけれども、平成十七年に決定いたしました原子力政策大綱におきまして、「国は、放射線医学の研究開発成果に基づく患者の負担が少ない放射線治療についての情報が医療や医学教育の現場において広く共有・教育され、適正な放射線治療が普及していくよう、所要の措置を講じるべきである。」というふうにしているところでございます。
 また、この原子力政策大綱のフォローアップ評価というものにおきましても、放射線医療人材について、粒子線、がん治療施設の建設計画と併せて計画的に育成、確保することが重要であると指摘しているところでございます。
 原子力委員会といたしましては、関係各省における施策の実施状況を聴取し、必要に応じて今後の取組等に関する考え方を示すことにより具体的な施策の推進を促していくこととなるというふうに考えております。
○秋野公造君 放射線医療人材については確保すべきであるということでありますが、福島第一原発の対応も含めて原子力人材の養成に係る政策は重要であるということは変わらないと思います。今後の原子力委員会の人材育成について伺いたいと思います。
○政府参考人(倉持隆雄君) お尋ねのように、原子力人材の養成に係る政策、極めて重要であるというふうに認識しております。
 原子力委員会におきましては、平成二十四年十一月に原子力人材の確保・育成に関する取組の推進についてという見解を公表しているところでございます。その中では、震災以降の我が国の原子力の状況を踏まえ、人材の確保、育成に適切な対策を講じる必要があるという観点から、教育機関における原子力教育の取組の強化、原子力分野の業務に従事することのインセンティブの強化、国内の原子力発電所の運転維持のための人材の確保、原子力の国際展開に向けた人材育成の取組などに関して所要の取組を着実に推進すべき旨の指摘を行っているところでございます。
 こうした原子力人材の養成に係る政策は大変重要でございますから、引き続き、第二条第一号の原子力利用に関する政策の一つとして、新しい原子力委員会は人材養成の実施を担う関係省庁の調整機能を担うことが考えられます。各省庁の取組を確認してこれを促していくことは、これまでも行ってきた重要な機能でありますけれども、これからもしっかりと取り組んでいくものと考えております。
○秋野公造君 最後に、大臣に伺いたいと思います。
 今後、人材の育成を始めとして様々な分野の政策を議論する際には、これまでどおり各方面の有識者の知見を活用することが重要であると、そのように考えます。
 法改正後の原子力委員会ではどのようにして多様な有識者の意見を活用していくのか、最後に大臣に伺いたいと思います。
○国務大臣(山本一太君) 原子力に関する多様な政策課題に取り組むに当たっては、それぞれの課題に応じた有識者の知見を活用することは必要不可欠だというふうに考えております。
 これまでも原子力委員会では、重要な政策課題の審議には各分野の専門家が参画する専門部会等を活用しておりましたが、法改正後の原子力委員会においても、求められる役割を果たすために、従来と同様に専門部会等を活用していきたいというふうに考えております。
○秋野公造君 終わります。ありがとうございました。
○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。
 今日は、原発の周辺自治体における住民の避難計画について質問したいと思います。
 国は、新たな原子力災害対策として、原子力規制委員会が策定した原子力災害対策指針によって、原発から五キロ圏内をPAZ、予防的防護対策を準備する区域、それから五キロから三十キロ圏内をUPZ、緊急防護措置を準備する区域と決めました。これによって、該当する県あるいは市町村は、地域防災計画や連絡体制、環境モニタリング、被曝防護対策、住民避難計画などを事前準備することが義務付けられたわけであります。
 先月、私、滋賀県における原発再稼働問題について自治体や住民の皆さんから話を伺いました。滋賀県は、関西電力の高浜、大飯、美浜原発、日本原電の敦賀原発、日本原子力研究開発機構の高速増殖炉「もんじゅ」、「ふげん」の六つの原子力施設、十五の原子炉が集中する福井県に隣接する県であります。
 資料一を御覧いただきたいんですが、これは滋賀県が作成した放射性物質の拡散予測図であります。滋賀県内のどの地域で防護対策が必要なのかを把握するために滋賀県独自にシミュレーションを行ったものでありまして、この四つの原発施設でそれぞれ東京電力福島第一原発並みの事故が起きた場合、過去の気象データに基づいて放射性物質がどのように拡散するかを予測した合計百六ケースを重ねた図であります。これ、四つ同時に事故が起こった場合ではありません。それぞれ、一つ一つ気象条件が違えばこういう拡散をするということを重ねた図であります。
 緑色の地域が安定ヨウ素剤予防服用の判断基準となる甲状腺被曝等価線量五十ミリシーベルト以上になる地域、オレンジ色は百ミリシーベルト以上となる地域であります。その結果、滋賀県では、このオレンジ色の地域までを、原発からおよそ四十三キロ圏内ですが、UPZ区域にしたわけであります。
 田中原子力規制委員長に伺いますが、福島第一原発の事故では、放射性プルームと呼ばれる気体状の高濃度放射性物質による被曝が重大な被害をもたらしました。滋賀県のこの拡散予測では、UPZ区域をはるかに超えて放射性プルームが五十キロ、六十キロと飛んでいく可能性があることが分かりました。緑色の地域であります。国が決めた重点対策区域では全く甘い。UPZの外の地域、国が防護策の準備をしていない地域が広大にある。これ、どうするんですか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 今御指摘のありました滋賀県が行った放射性物質の拡散予測は、まずヨウ素等の放出、放射能の放出量が東京電力福島第一原発と同じ規模の事故が起こるということであります。これにつきましては、まず、新しい規制基準では、こういったことは二度と繰り返さないということで、フィルターベント等、環境への放射能放出を極力抑えるという方向で、大分そこは条件が違います。それから、この影響が大きくなるような、北の風が吹いているような滋賀県に最も大きくなるような日を選んで、しかも風が余り強くない、長期間そのプルームがそこにとどまるような、そういう評価をしているというふうに認識しております。
 私どもが示しました原子力災害対策指針では、国際基準に基づいて、UPZの最大半径は原子力施設から五から三十キロの間で設定されているということを踏襲しまして、おおむね三十キロを目安として原子力災害対策重点区域を設定しているところでございます。
 私どもも先日、試算をさせていただきました。それによりますと、当初はUPZにおいても、五キロから十キロになりますけれども、そのプルームの通過時には屋内退避をしている方が実際の被曝線量は少なくなるし、実際にそれによって被曝限度を超えるということはないだろうというふうに見ております。
 なお、指針では、大規模な放射性物質の放出、漏えいが発生する事故というのは否定しておりませんで、仮に先生御指摘のように、UPZの外においても追加的な防護措置が必要となる場合があります。今回の事例でいきますと計画的避難区域と言われるようなところがそうですけれども、UPZ、外におけるモニタリング結果を踏まえまして、そういう場合には原子力災害対策本部がその地域においても必要な追加的防護措置を判断して指示することにしています。つまり、事故が起きてすぐに被曝限度に達するような、そういうふうな状況は想定しておりません。
○山下芳生君 もう今聞いていて、また新しい安全神話を作ろうとされているのかと率直に思いましたよ。
 まず、こんな事故が起こり得ないと、冗談じゃない、起こったんですよ。これ、北風が吹くとか滞留する時間が長期のものをしかも想定して、そういう想定だってあり得るから県はやっていて、そういう想定したらこういうことが起こり得るということを県がわざわざ試算しているのに、そんなことはあり得ないというふうに原子力規制委員長が言うこと自体、私は驚きました。
 それから、県も関西広域連合も、こういう放射性プルームが遠くまで飛んできた場合の指針がないじゃないかということを厳しく非難していますよ。そのことに全く応えないで、起きたらそのとき指示すると。一方でもう再稼働の審査はどんどこどんどこやりながら、一方でこういう自治体の心配には全く応えないと。山本大臣、そんなことでいいんですか。
○国務大臣(山本一太君) 個別の地域防災計画は、これは一義的には当該自治体において判断されるべきものだというふうに考えております。
○山下芳生君 個別の自治体が判断した結果、国の指針では当てはまらない地域にもそういう対策が必要だということが出ているんですよ。それを問題提起しているんですね。これは引き続き検討中ということも聞いていますから、そういう指針が作られるのかもしれません。
 次に、じゃ実際に、今政府が重点対策区域としているUPZ、緊急時防護措置を準備する区域では対策がどうなっているかについて質問します。
 このオレンジ色の区域、滋賀県のUPZ区域の対象住民は、高島市三万七十四人、長浜市二万七千六百四十人となります。滋賀県と高島市と長浜市で連携して住民の避難計画を検討しましたが、マイカー、自家用車で避難すると主要道路が限られていること、あるいは福井県から避難してくる車もあると想定されることから、渋滞が発生するんではないか、その混乱を避けるために両市ともバスを主体とした広域避難の計画を決めたんです。高島と長浜の対象避難住民を合わせますと、さっき述べた数字を合わせますと五万七千七百十四人になるわけですね。これ、一度に避難させるためには五千三百三十四台のバスが必要だということになりました。
 私ここでちょっと考えたんですが、五万七千人に対し五千台のバスというのはちょっと多いんじゃないかと、バス一台十人しか乗らないのかと思ったんですが、なぜ、山本大臣、五千台も必要になるとお考えですか。
○国務大臣(山本一太君) 山下委員、全部御存じの上でお聞きになっているんだと思いますが、先ほど申し上げたとおり、原子力災害に係る地域防災計画は、災害対策基本法等に基づいて避難のための対策を含めて対象となる自治体が作成することとなっております。
 御指摘のバスの台数については、滋賀県が地域防災計画の検討において幾つかの前提条件を踏まえた上で必要な台数を見積もったものであるというふうに承知をしています。
 いずれにせよ、個別の地域防災計画に係る検討の妥当性、これは一義的には当該自治体において判断されるべきものであるというふうに考えております。
○山下芳生君 よく考えていただきたいんですよね、五千台、なぜ必要か。
 資料二枚目を見ていただいたら、滋賀県の原子力防災対策パンフレットからの抜粋ですが、この真ん中下辺りの広域避難の基本的流れと書いてあるところを御覧になっていただきたいんですが。
 なぜ五千台のバスが必要になるのか、二つ大きな理由があります。一つは、この高島市や長浜市、オレンジの地域ですけれども、ここは中山間地域なんです。琵琶湖からもうずっといきなり急峻な山に連なっていまして、スキー場などがいっぱいあるところなんですね。そういう中山間地域ですから、五人、十人の集落というのがたくさんあって、そういうところに細かくバスを向かわせる必要があるというのが一つの理由です。
 それから、二つ目の理由としては、この図でも分かるんですが、UPZ区域からの避難というのは、必ず避難中継所というところに立ち寄って、スクリーニングと書いてありますけれども、避難住民全員が放射線の測定、体や衣服の除染を行う必要があるわけです。放射性物質のこれは汚染の拡大を防ぐためですが、こういう避難中継所でスクリーニングする必要がある。UPZ地域を移動した住民を運んできたバスにも同じく放射性物質が付着して汚染されますので、この避難中継所までとする必要があるわけです。避難中継所から各避難所に向かうには別のバスを用意する必要があるということで、これだけでもう二倍バスが必要になると、単純計算では。そういうことになるわけでして、こういう中山間地の細かい集落まで巡回しなければならない。だから、避難中継所以前と以降、バスを分けなければならないということになりまして、五千台のバスが必要だということになったわけであります。
 山本大臣、これ五千台、バス確保できると思われますか。
○国務大臣(山本一太君) 先ほど申し上げたとおり、これは滋賀県が地域防災計画の検討において幾つかの前提条件、恐らく今委員がおっしゃったようなシミュレーションもされて必要な台数を見積もったというふうに考えております。
○山下芳生君 だから、見積もったんだけど確保できると思いますかと聞いているんですよ。もういいです。
 これ、無理なんですよ。滋賀県もその計画立てたけど、五千台はさすがに無理だという判断をして、結局、滋賀県の計画は、滋賀県内に民間のバス事業者中心に保有されているバスが千台ある、せめてその半分のバス五百五台を確保するという計画にして避難計画を策定しました。そうすると、この集合場所と避難中継所までの間をピストン輸送する必要があるわけですね。それから、今度、中継所から避難先の移動もピストン輸送すると。そうすると、一度に避難してもらうことが当然できなくなりまして、避難地域を二つに分けて、一日目避難する地域と二日目避難する地域の二段階で避難することを滋賀県は想定しております。
 ですから、避難指示後二日間での全員避難を目指す計画にせざるを得なかったんですね。一度に一斉避難した方が早いですけれども、五千台のバスが無理なので、二日間で避難する計画にしたわけです。これ、住民にとっては一刻も早く避難したいという思いが、特に地域の線量が高ければそういう不安が募ると思いますが、やっぱり一日待たされる住民が出ざるを得ないということなんですね。
 ただ、問題は、それでも五百五台、五百台のバスを運転手付きで必要になるわけですね。そういうことが確保できるのか。私、簡単ではないと思いますが、今日は浮島原子力防災担当政務官に来ていただいておりますが、いかがでしょうか。
○大臣政務官(浮島智子君) 山下委員にお答え申し上げます。
 滋賀県のうちUPZの対象とされているのは、委員御指摘のとおりに長浜市、高島市の一部の地域でございます。この地域における緊急時の対応といたしましては、住民の方々には屋内退避を行っていただくのが基本でございます。その上で、緊急時のモニタリングを実施をさせていただきまして、その測定の結果が原子力規制委員会の原子力災害対策指針で定めた基準、これを超えた場合、これは例えば空間線量率が毎時二十マイクロシーベルトを超えた場合ということでございますけれども、一週間程度以内に避難先へと一時的に避難をしていただくということになります。この場合には、UPZの対象となっている地区の全てに一時移転の指示が行われるわけではございませんで、UPZの対象区域のうち、毎時二十マイクロシーベルトを超えている地域、これを超過が測定されてから一日以内をめどに区域を特定いたしまして、その区域の住民の方々に対して一週間程度以内に移転をしていただくということが基準となっているところでございます。
 また、避難手段といたしましては、バスの利用以外に自家用車を使う場合も考えられるところでもございます。避難住民のためのバス等の今御指摘ありました確保についてでございますけれども、昨年の十二月に内閣府と国交省の連名でバス協会等に対しまして、原子力災害時の住民避難に対する支援の要請を行わせていただいたところでもございます。また、滋賀県におきましては、滋賀県バス協会との間で原子力災害時における住民避難に関して協力をするという旨の協定を締結していると承知をいたしております。
 いずれにいたしましても、政府といたしましても、現在、地域ごとに国のワーキングチームをしっかりと設け、関係省庁を挙げて自治体の取組への支援を行っているところでございます。滋賀県につきましても、福井エリアのワーキングチームにおいて、国と自治体が協力をして地域が抱える問題の解決に向けた取組を行っているところでありまして、引き続き、地域防災計画、避難計画の実効性の向上に向けてしっかりと自治体を支えてまいります。
○山下芳生君 肝腎なお答えはありませんでした。
 協定を結んでいるからということだけなんですが、なかなか難しいと思うんですよ。協定結んでいるといっても、滋賀県や市からの要請に応じて協力するという旨の協定でして、どこのバスがどこの地域の集合場所に迎えに行くといった準備がされているわけではありません、頑張りますという協定ですから。いざ頑張った結果、五百台が本当に確保されるかという保証はありません。
 それから、また浮島政務官も非常に計画が過大なものであるかのような印象を与える御発言だったと私は思ったんですが、滋賀県がこれシミュレーションして、こういうことはあり得るということになっていますから、先ほどの基準で、これが全部に当てはまらないことだってあるんだというふうにおっしゃいましたが、当てはまることだってあることを想定して、自治体は住民の命を守るためにこういう想定して、そのためにバスが五百五台少なくとも必要だと言っているんです。五千台本当は一気に逃げるためには要るんだけど、無理だから五百台ということで現実的な想定をしてやろうとしているのを更に低めるような御発言というのはやるべきでないと私は思います。
 それから、自家用車も既にこれ計画の中に入っているんですよ、バスが行けないところは。それでなお五百五台が必要なんだというふうになっているんですが、私これは実際なかなか大変だと思いますよ。当日になって、結局、運転手、バスをかき集めるということになりますので、頼まれるバス事業者の方だって、いつ原子力災害起こるか分からないわけですから、いろんなところにバスを営業で出していることだってあるでしょう。
 それから、関西広域連合で対応するという案もあるんですが、関西広域連合での対応という場合、これ消防の広域連携だったらそれぞれの消防車とか消防職員が待機していますけれども、バスの運転手とバスを待機させているわけじゃありませんから、広域連携といったって消防のような即応態勢にはなかなかならないのは当然であります。しかも、これ滋賀県だけじゃなくて、当然、福井で事故が起こった場合はかなり広域の地域からバスの要請が来るでしょう。
 これ、実際、滋賀県長浜市も苦労されております。高島市も苦労しております。住民の声としては、放射性物質が降り注いだところへバスを出してくれるか、運転手が応じてくれるかという不安の声が出ておりますし、滋賀県の嘉田知事も、バスの確保に大変苦労していると、長浜での集会ではそういう実情を述べておられます。
 これは山本大臣に伺いたいんですが、ちょっと、滋賀県が決めたことだからそれは認めますという、そういう人ごとじゃなくて、これ実際に本当にできるかどうかを国が責任持つ必要があると思うんですが、私、結局絵に描いた餅にならざるを得ないんじゃないか、なる危険があると思っているんですよ。本当に住民の安全、安心に責任を持つというんだったら、バスも運転手もどこかに確保して待機させておく以外にいざというときに対応できないと思うんですね。そこまでやらなければ、原発事故という非常事態のときに滋賀県だけで五百五台ものバスと運転手を確保できるのかと。これ、県や市にはそんなことできませんよ。
 本当に事故が起こったときに住民の安全を守るというんだったら、国と電力事業者でこの五百台のバスと運転手を用意しておく以外ないと思うんですが、そういう構え、政府としてありますか。
○国務大臣(山本一太君) 個別の地域防災計画ですから、当該自治体が一義的に判断をするということだと思いますので、その細かいことについてここで私がコメントする立場にありませんが、先ほど浮島政務官がおっしゃったように、これは絵に描いた餅ではなくて、きちっとした対応ができるというふうに考えます。
○山下芳生君 バス確保できるというふうに思っているんですか。
○国務大臣(山本一太君) バスが確保できるかどうかではなくて……(発言する者あり)いや、それは現時点で私が、これは自治体が一義的に作ったものですから、私がそれについてお答えする立場にはありません。
 ただ、全体として、今、浮島政務官がお話をされたように、いろんなことを考えて対応を今打ち出しているということだというふうに考えております。
○山下芳生君 結局、バスの確保を私は答えられないということが無責任なんですよ。バスの確保ができなければ、この避難計画は絵に描いた餅になるということを私は言っているんですよ。バスの確保は大変だと嘉田知事が言っているわけですよ、実際に。この計画、現実的にということで五千台じゃなくて五百台としたけれども、その確保も大変ですということをつい最近、嘉田知事が住民に対してやっぱり言わざるを得ない状況にあるわけですよ。そのぐらい自治体は、本気で住民の避難をしてもらおうと思ったら、こういう壁にぶち当たっているんですよ。そのことについて全く心を痛めなくていいのかと、それは自治体のことだと、それでいいんですか、本当に。
○国務大臣(山本一太君) 心を痛めていないとかそういうことではなくて、この計画は滋賀県が中心になって作った計画でございますので、それについては浮島政務官の方から御説明がありました。そのことについて、私が細かい点について今ここで解説をするような立場にはないというふうに考えております。
○山下芳生君 何も解説してくれと言っているんじゃないんです。責任持つべきだと言っているんです。結局、責任持たない。再稼働には熱心だけど、住民の安全は自治体任せということじゃありませんか。これ、周辺自治体はたまったものじゃないですよ。
 そこで、資料三枚目を御覧になっていただきたいんですが、これは先月、滋賀県が国に提出した原子力防災対策の要望書であります。赤い波線引いているところに、国、原子力事業者と関係自治体との情報共有や、地方意見の反映を図るために必要な制度の法定化、これを求めております。
 これはどういうことかといいますと、原発が立地している例えば福井県の知事には原発の再稼働についてそれを認める、認めないという権限が与えられています。しかし、周辺自治体、滋賀県知事にはそんな権限ないんですね。ないんだけれども、再稼働されて、もし事故が起こったら、こういう大変な、言葉は悪いですけれども、尻拭いをさせられるという状況にあるわけで、したがって、せめて地方の意見を反映できるような制度を法定化してくれと、極めて当然な周辺自治体の首長からの要請ですが、山本大臣、これを真剣に検討するべきじゃありませんか。
○国務大臣(山本一太君) これも山下委員は御存じの上で質問されていると思うんですが、この御指摘の要望書の中身は、これは原子力防災担当部局の所管ということですから、今私がここで具体的なことをお答えを申し上げる立場にはありません。
 原子力委員会においては、安全の確保に関係がある事項については原子力規制委員会の意見を聴くということをしつつ、こういったことをしつつ、企画、審議等を行うことになっておりますので、まず本件に対する規制委員会等の対応についてはしっかり関心を払ってまいりたいと思います。
○山下芳生君 本当に逃げの答弁ばかりで困るんですよ。自治体に対する責任を負うのは、内閣が一致して負わなきゃ駄目ですよ。私、そういう立場から質問しているのに、私の担当じゃないって、そんな逃げを打ってどうするんですか。
 原発の再稼働があれば、これだけの避難の計画を立てて、本当に対策を取ろうと思ったら大変な壁がいっぱいあるんですよ。その対策だけを強いられて原発再稼働について物も言えない、聞いてももらえない、そんなことでいいのかということを、滋賀県知事だけではなくて、関西広域連合としても、三月ですね、そういう要望書を出していますよ。せめて立地自治体と同程度の内容の安全協定が結べるようにすべきだと、それを真剣に受け止めるべきじゃないんですか。
○国務大臣(山本一太君) 先ほど申し上げたとおり、原子力委員会に与えられた機能について、きちっとこれを果たしていくということに私は尽きるというふうに考えております。
○山下芳生君 安倍内閣の一員として大臣に聞いたんですが、自治体の住民に対する安全責任を果たす上でのそこから来る要望について、真剣に受け止めるという姿勢が私は感じられませんでした。政治家として真正面から受け止めてすぐ対策打つべきですが、そのことがなかったのは極めて残念です。
 再稼働ばかり熱心で安全には責任負わない今の安倍内閣に原発の問題を扱う資格はないということを申し上げて、終わります。
○浜田和幸君 新党改革・無所属の会の浜田和幸です。
 原子力委員会がこれから新たに直面する課題、それをできるだけ柔軟かつ実効性のある形で進められるように、そういう観点で質問を幾つかさせていただきたいと思います。
 今、日本とアメリカとの間で原子力損害補完的補償条約、通称CSCですね、これの協議が進んでいると承知しています。本年中の締結、批准ということが求められているんですけれども、その肝というのが、やはり今、日本の国内での除染が十分予定どおり進んでいない、その分野において様々な経験や技術を持っている、主としてアメリカの原発メーカーですとか除染メーカーが安心して福島、東北の除染に参入できるためには、こういう補償の制度が必要だということだと思うんですね。
 これまで三年以上たって、様々な除染の活動が行われているんですけれども、今回アメリカからの強い要求があって、アメリカの企業が日本の除染に参入するためにこの条約が必要だということなんですが、この条約が批准された場合に今までとどういう違いが想定されているのか。そのことについてまず担当の、これは外務省ですか、説明をお願いしたいと思います。
○政府参考人(廣瀬行成君) 今CSCについてのお尋ねがございました。
 我が国といたしましては、国際的な原子力損害賠償制度の構築に参加することの重要性を認識し、また福島第一原子力発電所の廃炉、汚染水対策に知見を有する外国企業の参入の環境を整えるためCSCを締結することとし、本年の適切な時期に国会に提出すべく、現在関係省庁間で鋭意作業を行っているところでございます。
 このCSCの内容でございますけれども、各締約国において原子力損害賠償制度を構築する、それから、越境損害に係る訴訟手続の整理ということで裁判管轄権の原則的に集中といったものが規定されているわけですけれども、仮に我が国とある外国の双方がCSCの締約国になることになり、また、その当該外国の企業が例えば参入するということになった場合には、原子力損害に対する賠償について双方に適用される共通のルールが定められることとなります。
 これによりまして、外国企業にとっても、廃炉や汚染水対策の実施等の活動を我が国で行うに当たりまして予見可能性が高まると、こういった効果があると思うと考えております。
○浜田和幸君 ですから、このCSCはある意味では保険制度のようなものですよね。アメリカの企業からすると、日本の除染や廃炉のために新しいマーケットに参入する、しかし、そのプロセスの中においてまた何か新たな事故が起こったりしたときの責任を問われた場合に、このCSCによってこれからつくろうとしている基金の中から賠償、補償金を捻出するという仕掛けですよね。
 となりますと、実際、日本はこのCSCの基金のためにどれぐらいの拠出金というのか保険金というものを用意する必要があるのかどうか、それが果たして本当に日本のこれからの除染や廃炉にとって欠かせないものなのかどうか、その辺りについて御説明をお願いしたいと思います。
○政府参考人(廣瀬行成君) CSCの内容でございますけれども、原子力損害賠償制度を各国が整備して、その中で、まず各国において賠償措置額をある一定の額、最低三億SDR以上の賠償措置を確保することとされております。仮に原子力事故が発生して賠償が必要となり、この賠償措置額を超える場合には、全締約国が一定のルールで拠出金を支払う、これによって一定程度を補完する仕組みを設けているところでございます。
 ただ、具体的に日本がどれぐらいの額を拠出するかという問題につきましては、そのときの締約国の数、それから締約国の原子力施設の保有状況、それから、そのときの事故の内容によって異なりますので一概に申し上げることは困難と思いますが、一定の条約上のルールに従って拠出がされるということでございます。
○浜田和幸君 今このCSCは、加盟している国はアメリカほか計四か国しかありませんよね。日本がこれに批准するという方向で年内の批准に向けて日米間で協議が進んでいるという話なんですけれども、果たしてその四か国、まあアメリカはいいんでしょうが、あとはアルゼンチンとモロッコとルーマニア、これに日本が加わって、十分な賠償ができるような基金ができるものなのかどうか。その辺り、大臣としてもどういうお考えでこの条約について臨もうとされているのか。
 また、今月、東京で日米の二国間委員会が開かれましたよね。そのときにアメリカのエネルギー副長官ポネマンさんは、このCSCというのはアメリカの企業が日本で新しいビジネスができるのを応援する目的なんだということを明確に主張されていました。このCSCの在り方というものは、何かアメリカの新しいビジネスに言ってみれば日本が協力する、何かそういうような位置付けとなると、本来の目的というか、我々が想定しているのとちょっと違うような感じがするんですけれども、その辺り、大臣、外務省、どういう受け止め方をされているんでしょうか。
○政府参考人(廣瀬行成君) まず、CSCにつきましては米国を含め各国と今、締結に向けて関係国と累次にわたって議論しているところでございます。
 このCSCに入るということでございますけれども、我が国としては、あくまでも国際的な原子力損害賠償制度の構築に参加すること、それから福島第一原子力発電所の廃炉・汚染水対策に知見を有する外国企業の参入の環境を整えるということで考えておるところでございます。
 例えば、アメリカから言われたのかというと、アメリカとの間でも議論はしております。米国とは当然議論をしております。米国だけではなく関係国と累次にわたり議論をしておりますけれども、この参加については我が国として主体的に判断したものでございまして、特定の国からの要請を理由に締結を決めたものではございません。
○浜田和幸君 是非、日本もそれなりの技術を持っている、ウェスティングハウスなんかはやっぱり日本の企業の傘下にあるわけですから、そういう福島の事故を経験した我が国とすれば、やはりアメリカの、あるいはフランスのアレバとか、そういうところの技術に依存するという方向を、もう少し自前で対応できるような、そういうことも考えるべきだと思うんですね。
 それとの関連で、次の質問は規制庁にお願いしたいんですけれども、日中韓、要するに今、中国が一番たくさん新しい原発を造ろうとしていますよね。韓国も北朝鮮との間でそういう話がある。ですから、日中韓でこういう原子力の事故が起こったときの対応、あるいは予防するための仕掛けというのを、私、日韓の議員の会合なんかに出るとしょっちゅうこの話題が出るんですけれども、日中韓でこういう未来の災害に対する備え、万が一起こったときの緊急事態の協力の仕組み、そういうことについて、今話合いが進んでいるんでしょうか。また、原子力規制委員会として、あるいは規制庁として、こういうことについてのどういう取組が可能だとお考えでしょうか。
○政府参考人(片山啓君) お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、原子力規制におきましては、最新の国際的な技術、知見の収集に努めて安全性の向上につなげていくことが必要でございます。このため、国際機関あるいは海外の規制機関との協力関係の構築というのは非常に重要な課題だというふうに認識しております。原子力規制委員会といたしましては、多国間及び二国間の枠組みというのを活用して規制に関する情報交換等を今積極的に進めているところでございます。
 御指摘の中国、韓国との関係につきましては、現在、日中韓原子力安全上級規制者会合という枠組みを有しております。これは二〇〇八年に始まったものでございますが、原子力規制委員会が発足した後に改めて三国間で覚書を結びまして、この枠組みを現在も維持をしております。この枠組みの下では、原子力規制に関します相互の取組についての情報交換、例えば我が国におきましては、東京電力福島第一原発の事故後の廃炉プロセスでございますとか、あるいは事故の教訓を反映して、規制委員会ができた後、新しい規制基準を作っておりますけれども、そうした情報提供を行っております。また、同様に中国、韓国からの取組状況について情報を受けております。
 また、昨年の成果といたしまして、原子力事故が発生した場合の三国間での情報共有の枠組みというものについても合意をしたところでございます。
 今後につきましても、更にそういう一般的な情報交換の枠を広げて、恐らく三国ともこの原子力規制を支える人材育成をどういうふうに取り組んでいくのかというのは大きな課題でございますので、相互にまずどういう研修プログラムを持っているのかといった情報交換から始めまして、今後とも積極的に取り組んでいきたいというふうに考えているところでございます。
○国務大臣(山本一太君) 先ほど浜田委員から御質問のあったCSC条約に対する日本政府の対応、これはもう外務省の所管ですけれども、原子力損害賠償制度という点について言うと、この見直しの話については、この原子力損害賠償に関する法律を含む原子力損害賠償制度、文科省それから経産省、内閣府等が関係しておりますけれども、政府においてはこれまでも機構法附則を踏まえていろいろ取組が行われてまいりました。原賠制度の更なる見直しについては、本年四月に閣議決定したエネルギー基本計画を踏まえて関係各府省における取組が行われるものと承知をしております。
 原子力委員会としては、まずはこうした政府の取組についてしっかりと注視をしつつ、必要に応じて検討を行うものだというふうに考えております。
○浜田和幸君 是非、日中韓の協力体制、万が一起こったときにはお互いに大変な被害を被る。今、北朝鮮の白頭山の周辺にも新しい原発が建設中。もしああいうところで大地震が起これば、もう立ち所に大変な朝鮮半島に被害が起こる。韓国と北朝鮮は既に地震が起こったときの原発事故の対応のためのドリルというか訓練までやっているという状況ですので、まさに日本が今回福島で得た教訓というものを朝鮮半島や中国に対しても共有できるような、そういう仕掛けを是非考えておく必要があるのではないかと思います。
 最後の質問になりますけれども、原子力委員会がこれまで北朝鮮の核、ミサイル、核実験、そのたびに緊急声明を出していますよね。必ず、原子力委員会としては北朝鮮を強く非難する、あるいは強く求めるということを繰り返し言っているんですけれども、なかなか遺憾表明を発出しているだけではちっとも北朝鮮に対してもあるいはインドの状況に対しても不十分な結果しか得られていないように思うんです。
 担当大臣の、この非難決議を出した後のそれをきちんと実効あるものにするための対策、フォローといったものがないと、その都度何か非難決議だけを発してそれでもう満足しているということでは、ちっとも原子力の安全、あるいは本当に平和利用ということにつながるとは思えないんですけれども、大臣のお考えをお聞かせください。
○国務大臣(山本一太君) 浜田委員御存じだと思いますが、原子力委員会の見解、決定等については、必要に応じてその進捗状況に関する検証は行っておりまして、進捗が順調でない場合には施策の実施を行う各省等の対応を促す見解を公表する等の措置を講じております。
 今回の改正の対象ではない原子力委員会設置法第二十四条、第二十五条には、必要がある場合には、関係行政機関の長に対し、内閣総理大臣を通じて勧告することとか、あるいは報告を求めることができるという旨も規定されておりますので、こうしたいろいろなツールを活用しながら必要な施策の実施を促す必要があると、こういうことをしっかり取り組んでいかなければいけないというふうに考えております。
○浜田和幸君 国内の一元化、これはそのとおりだと思うんです。私が質問したのは、北朝鮮とかインドだとか、そういうところが核実験をやった直後に毎回原子力委員会は非難決議、遺憾表明をしているんですよ。でも、幾らそれをやってもちっとも終わらない。そのことに対して何かフォローの対外的な働きかけが必要じゃないか、そのことについて大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(山本一太君) 今のようなケースで対外的な働きかけをするという機能は原子力委員会には与えられないと思うんですけれども、もう一度言いますが、全体としてやはり見解を出しただけに終わらず、様々な形でフォローアップするという必要性はしっかり頭に置いておきたいと思います。
○浜田和幸君 以上で終わります。
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○委員長(水岡俊一君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、江口克彦君が委員を辞任され、その補欠として水野賢一君が選任されました。
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○山本太郎君 こんにちは。内閣委員会所属の皆様にはおなじみかもしれません、新党ひとりひとりでございます。代表の山本太郎です。よろしくお願いします。
 原子力委員会設置法改正案なんですけれども、前回の質疑の最後のところで、岡原子力委員長さん、このようにおっしゃいました。原子力発電所の再稼働の是非につきましては、原子力規制委員会の専門的な判断に法律的には委ねられております。それから、防護措置の要否についても、原子力規制委員会において判断していただけるものと理解しております。原子力委員会としては、その要否とか内容の妥当性について直接申し上げる立場にはございませんので、御理解いただきたいと思います。このような答弁がありました。
 原子力委員会は原子力規制委員会に対して再稼働の是非であるとか防護措置の要否について意見さえも言うことができない、これじゃ原子力委員会が存在する理由って一体どこにあるのかなと思ったんですよね。非常に情けない残念な答弁だなと感じてしまいました。
 気を取り直しまして、今日は田中原子力規制委員長に御出席いただいておりますので、前回の続き、質問させていただきたいと思います。
 お手元の配付資料を御覧ください。
 平成二十四年三月二十二日付けの当時の原子力安全委員会の防災指針検討ワーキンググループの文書です。二枚目の右の下の方に、放射性プルーム通過時の防護措置実施地域、PPAですよね、プルーム・プロテクション・プランニングエリア、おおむね五十キロと書いてあります。
 前回の質疑で、原子力規制庁の黒木放射線防護対策部長、このPPA対策は、できる限り早く原子力規制委員会で検討し、原子力災害対策指針に記載すると答弁されました。私が兵庫県の申入れに早急に対応することを約束してくださいよと申し上げたところ、約束する、約束しないという話ではなくて、まさに我々やらなきゃいけない話なんですというふうに答弁されていたんです。余りにも力強い答弁のスタイルに一瞬うれしくなったんですけれども、結局、これ意気込みだけなんですよね。対応することを約束してもらえなかったということを後で気付いて、ちょっとがっかりしました。
 田中委員長、このPPA対策、指針に記載することがどうしてできないのか、説明していただけますか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 重点区域内では、原子力施設から環境中に放射性物質が放出される前に予防的防護措置を講じることになります。これに加えて、放出後においては、施設の状況とかモニタリング結果等を踏まえて、原子力災害対策本部が必要な追加的防護措置の実施を判断することになります。これに基づいて応急的な判断も含めて原子力災害対策本部が行うわけですけれども、その基準となりますいわゆるOILは今指針の方に示しておるところでございます。
 今御指摘のいわゆるPPAの領域については、これはかなりその気象条件とかいろんな事故の状況によって変わりますので、災害対策本部が早急にモニタリング等をきちっと実施し、あるいはシミュレーション等を実施し、必要に応じて必要な対策を指示するということにしております。
 指針に一義的に書くことが必ずしもそれが有効かどうかということについては今後もう少し検討していきたいと思いますが、基本的考え方は今述べたとおりでございます。
○山本太郎君 現在の原子力災害対策指針にも、UPZの外のPPA対策では、屋内退避だけでなく、プルームが長時間又は断続的に到来する場合、避難への切替えを行うとか、安定ヨウ素剤については備蓄や事前配付、緊急時の配付手段の設定といった平時からの準備が必要となる、また、安定ヨウ素剤には副作用があるので、服用不適切者や慎重投与対象者の事前把握等に努めなければならないと書いてあるんですよ。それはそうですよね。ということは、準備が必要だよということなんですよね。やっぱりこれはしっかりと書き込んでいって地方自治体が準備ができるという、心の準備、もちろん指針に書いてあることもしっかりと準備していって、それ以外のことも気が回せるようなスタンバイ状況というのをつくらないといけないと思うんですね。
 だから、PPA対策をしっかりと指針に記載することは地方自治体が防災計画を策定するためには非常に重要であると、必要不可欠であると思うんですけれども、田中委員長、PPA対策の記載の重要性についてどうお考えですか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 少し具体的な事例、福島第一原子力発電所の事故のときに、PPAというものが該当したところが大体、計画的避難区域ということで、約一か月間ぐらい掛かって避難、その後に避難指示が出て、それから二か月ぐらい掛かって避難したということです。
 これはやはり遅いと思います、正直言って。ですから、当然その事故の状況については早急に原子力災害対策本部はモニタリングを行いまして、それに基づいて必要な避難対策を責任を持って、総理が本部長ですから、総理の下でそういった対策を取るということになります。
 今御指摘の安定ヨウ素剤についても、これはいろいろな議論があります。ただし、一応備蓄としては相当余分に各市町村とか県とかに備蓄することになっておりますので、そういったことも含めて、それが必要であればそれを服用していただくように対策を立てるということで、今そういう考え方でおりますので、それを指針にどういうふうに書き込めばいいのかどうかということについては今後検討していきたいという、先ほどの繰り返しですが、そういうことになろうかと思います。
○山本太郎君 ちょっと今、話しながらも少しずつずれがあるなということを感じるんですけれども、もちろんモニタリングしてからというのはありますけれども、そのモニタリングしている間に、外に出ちゃいけないよというお知らせができない場合は、ほとんどの人が被曝することになりますよね。モニタリングする前から、そちらに行く可能性があるから屋内退避だというような情報が、その先、プルームが移動するであろう先の自治体に対してお知らせができなきゃ、これ意味がないんですよね、プルーム・プロテクション・エリアと言うぐらいなんですから。通過した後にモニタリングをして、あっ、ごめん、ここ、これだけ汚染されていました、その時間外に出ていた人たちはかなり被曝しましたねと、これ、しゃれにならないんですよ。
 そうならないために、このPPAという考え方があると僕は思うんですけれども、このPPA対策、この指針に記載されて、それに基づいて地方自治体が防災計画を策定するという、もう平時からの準備体制、これ整うまで再稼働なんてとんでもないと思うんですけれども、田中委員長はいかがお考えでしょうか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 再稼働するかどうかということについては、何度もお答えしていますけれども、私どもが判断することではないということでございます。
 その前の御指摘がありまして、被曝をしてしまうではないかということですけれども、これは、こういった重大事故が起きた場合にはUPZについても屋内退避をしていただくと、UPZ、ここから三十キロ以内ですけれども、これは屋内退避をすぐにしていただくということに、そういうことは指針に書いてあります。
 あとは、その外側が今先生御指摘の地域になると思いますが、それについては、その状況を見ながら、モニタリングの状況を、一遍にばっと大量の放射能が飛んでいくということではありませんで、かなり広い地域に拡散するわけですから、そうすると、被曝量がゼロだとは申しませんけれども、十分にそれを対処して、指示を出して対策を取る時間はあるというふうに認識しております。
○山本太郎君 放射性物質の動きが田中委員長ぐらいゆっくりな動きであればすごく助かると思うんですけれども。
 前回の質疑で私、福島の東電原発事故時の三月十五日午後、福島県の中通り、福島市、二本松市、郡山市を放射性プルームが通過したことを質問いたしました。規制庁の答弁は、福島市にはデータが残っているよと、福島市はプルームの通過であろうと、二本松市は測定されていないというものでした。
 PPA対策をやっている、やっていくというのであれば、東電の原発事故時の放射性プルームがどう流れたのかというのはもうしつこく検証、もうとっくにされていると思うんですね。もう嫌というぐらい検証されていると思うんです。再稼働が近づいているんですから当然ですよね。これ、されていないのなら話にならないんですよ。
 田中委員長、原子力規制委員会、三月十五日午後、福島市、二本松市、郡山市等の福島県中通りを放射性プルームが通過、折からの雨でそれが地上に降り積もった事実、それさえも把握していないなんてあり得ませんよね。それとも把握できていないんですか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 福島市あるいは郡山の一か所ですけれども、固定モニタリング等がありまして、そういうところではきちっと連続的にモニタリングしていたという事実は把握しております。それから、二本松市については固定モニタリングのいわゆる放射線測定器がありませんでしたので、来るまで、十五日ですけれども、三月十五日にそういった状況が起こりまして、その測定をして、そのデータは残っております。
 一時的に十とか二十マイクロシーベルト・パー・アワーというような状況があったということですけれども、その後プルームの通過とともに線量は下がっておりますので、その後の対策はいわゆる避難というようなことにはなっておりません。
○山本太郎君 福島東電原発事故の教訓としてお聞きします。当時、福島市、二本松市、郡山市などの場合、屋内退避指示、安定ヨウ素剤の予防服用、これ指示すべきだったんじゃないかなと思うんですけれども、委員長、いかがですか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 先生御指摘のように、やはり屋内退避ということについては、これは特にそう困難な対応ではありませんから、そういった指示ができればよかったというふうに私は、結果論ですけれども、そう思います。
 ただ、安定ヨウ素剤の服用については、これは安定ヨウ素剤自体にも幾つか医学的な問題もありますので、そういったことも含めるということと、それから被曝線量の量的な問題もありますので、これはその状況を見ながらやっぱり判断すべきものというふうに思っています。
○山本太郎君 今もしもあのときに戻れるなら、まあ戻れるわけないんです、例えばの話です。東電原発事故のときに戻れたと、だとしたら、屋内退避は規制庁としてそれは言えていたことだし、もしも時間があったならば、そういうヨウ素剤とか配付できる時間があって、そういう時間があったとするならばそれをやっていたかったという思いはあるというお話ですか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 原則的にはそのとおりでございます。
 ただ、あの事故は原子力事故だけではなくて、複合災害で電気も通信手段もないというような状況にあったので、ああいうことになったのかなというふうには想像できます。ですから、そういった点も含めまして、今回は防災対策についてはそういう情報の伝達等がきちっとできるような対策も講じているところでございます。
○山本太郎君 前回、黒木部長、具体的に福島市、二本松市のそのときの状況を前提に質問ということで、まさにその点について検討中なので、規制委員会として、規制庁としてこの場で答弁することは控えたいと答弁されたんですよ。PPAの詳しい話ですよね。検討中なので答弁を控えたいって、これ全く意味が分からない話なんです。もし今検討されていることが見当違いだったらどうするんだって、取り返し付かないよということなんですよね。
 委員長、具体的にこのPPAに関してどこまで検討しているのか、なぜ検討にこれだけ時間が掛かっているのか、PPAの部分に関して。再稼働はやるぜって、もうここを第一番手に動かすとか、そういうことはどんどん決まっていくのに、このPPAという部分に関しての深い議論というものがどこまで進んでいるのかということを教えていただきたいんですけれども、簡潔に。ありがとうございます。
○政府特別補佐人(田中俊一君) お答えが若干繰り返しになりますけれども、先ほど来申し上げましたように、いわゆる放射性プルームの挙動というのは、風向とか風速とか放出後の気象条件によって非常に大きな影響を受けます。UPZ外の区域において、放出後の状況において適切なタイミングで的確な屋内退避等を実施するという、そういう判断ができることが最も大事であります。ですから、モニタリング体制をきちっと充実させるとか、そういったことについての検討は行っております。
 そういう状況を踏まえて、それプラス、それからプラントの施設の状況、今後どういうふうに推移していくのかというふうなところも踏まえて防護措置の実施を判断するということ、そういったことについて今細かい点を詰めているところでございます。
○山本太郎君 もう時間がないんですけれども。
 とにかく、福島市、郡山市、原発から六十キロですよ。それだけじゃなくて、この間、兵庫県が試算したもの、大飯原発から百二キロ、それでもヨウ素剤服用必要だって言われている。東京は二百五十キロですよ、もちろんプルームも来ましたよね。だとしたら、もっと広い範囲においてPPAというものをもっと真剣に捉えて考えなきゃ原発再稼働なんてあり得ないと思います。
 済みません、時間がなくなったので、これで終わりたいと思います。
○水野賢一君 みんなの党の水野賢一でございます。
 まず、山本大臣にお伺いいたしますけれども、大臣も再三答弁していらっしゃるのは、今まで原子力委員会というのは原子力政策大綱を作ってきたと、昔の名前でいえば長期計画ですよね、長計ですよね。これを作ってきたけれども、今後はもう策定しないんだとおっしゃっていますね。それはそれで分かりました。
 それに対して、世間にはこういうような声もあるわけですね。要は、原子力政策大綱というのは原子力委員会、つまり内閣府にある原子力委員会で作ってきたから、内閣府というのはいわゆる原子力推進官庁とは違うでしょうと。実際には、原子力委員会の中には東電から顧問料をたくさんもらっていた尾本彰みたいな人がいたから、そんなきれい事では済まないんだけれども、一応、形式的には原子力委員会というのは原子力推進官庁とは切り離されたところにある。そこで計画を作ってきたけれども、今後これがなくなって、今後の計画が原子力基本計画一本になっちゃうと。そうすると、エネルギー基本計画ですね、エネルギー基本計画一本になると。これの策定の主導というのは経済産業省ですよね。経済産業省は簡単な色分けをすれば推進官庁だと、原子力の。
 となると、言わば中立的な立場から作っていた原子力政策大綱がなくなって経済産業省が主導するエネルギー基本計画一本になると、原子力村的なところの意向一色に染まっちゃうんじゃないかという、そういう危険性があるという声も、私がその立場に立つわけじゃないけれども、そういう声が世の中にはあると思うんですが、こういう批判に対してはどのようにお考えになりますか。
○国務大臣(山本一太君) 今、水野委員からもありましたが、これまでの原子力委員会においては、原子力政策全体を見通した網羅的かつ詳細な長期計画や、あるいは原子力政策大綱を策定しておりましたが、閣議決定されるエネルギー基本計画と内容が重なる部分が多い等の理由で、法改正後の原子力委員会においては、このような網羅的かつ詳細な原子力政策大綱は作成しないということにしております。
 一方、法改正後の原子力委員会においては、引き続き、原子力政策全体を包含する基本的考え方を示す役割は重要というふうに考えておりまして、エネルギーに関する原子力利用、研究開発、放射線利用等の幅広い分野を対象として基本的な考え方を策定することとしております。
 この基本的考え方が閣議決定されたエネルギー基本計画と整合的ではない中身を記載するというのは、これは現実的には難しいと考えております。ただし、水野委員がおっしゃったように、経済産業大臣が原案を作成するエネルギー基本計画とは別に、具体的な施策の実施に責任を持つ省庁とは異なる立場の原子力委員会が基本的考え方を打ち出す意味は、委員の御指摘もありましたが、これはしっかり頭に置いておかなければいけないと思っております。
 なお、原子力委員会の企画、審議、決定のプロセスについては、中立性等を確保するために定めたルールにしっかりとのっとって、その内容等についても疑義が生じないように尽力をしてまいりたいと考えております。
○水野賢一君 私の申し上げた問題意識はかなり理解していただいているようで、そこはしっかりやっていただければというふうに思います。
 さて、原子力規制委員会の人事についてお伺いをいたします。
 原子力規制委員会というのはこれは国会同意人事の対象ですから、今国会にも二人政府の方から提示をされましたね。二人提示されて、まあ承認されてしまったと言うべきなのかもしれませんけれども、みんなの党は少なくともそのうち一名は反対しましたので。
 そういう状況なんですけれども、これ、まず原子力規制委員会というのは言うまでもなく規制組織なんですから、規制組織の人間というのが原子力事業者なんかと余り近過ぎる人間だったらそれはいかぬというのは、これは当然のことですわね。当然のことなんで、だからこそ、これ最初ガイドラインがあったんですね、この人選のときの、民主党政権のときですけれども。要するに、過去三年間に五十万円以上そういう同じ原子力事業者から、電力会社とかそういうところからお金をもらっていた人は駄目よとかというガイドラインがあったんですが。
 さて、お伺いしたいのは、井上副大臣にお伺いしたいんですが、これは資料一、配付した資料の資料一で、去年私が環境委員会でこれ、井上さんに聞いているんですね。この民主党政権のときに作ったガイドラインは今も踏襲しているんですかというふうに聞いているんですね。井上さん、ここにあるように、「基本的には踏襲すべきものと思っております。」というふうにありますね。ページめくっていただいて、さて、実際に人選を行うときに石原大臣は、この二ページ目、今年の六月六日の衆議院での委員会質疑ですけれども、「民主党時代のガイドラインについては考慮しておりません。」と言っているんですね。
 となると、井上さん、あなたが去年おっしゃったのは、基本的に踏襲するというふうに言っているのと、これは考慮していないという、考慮しないというのは全く百八十度逆の話なんであって、百八十度逆のことを言ったら、普通は、井上さん、あなたは、自分はそのときはそう思っていたけれども、これは踏襲されなかったんだから、ごめんなさいというふうにおわびをするのが普通でしょう。この前、それを開き直るような答弁をほかの委員会でしているけれども、これはどういうことなんですか。まず、おわびから入るべきじゃないですか。どうですか。
○副大臣(井上信治君) まず、私の発言が誤解を与えるような発言であったと、説明が不十分であったということであれば、そのことについてはおわびを申し上げたいと思っております。
 ただ、私の真意については、私の国会での発言は、文字どおり、当時のガイドラインの考え方を基本的に踏襲するとの趣旨でございます。今回の人事案を検討するに当たっては、法律の要件に照らして適切な候補者を選定したものであり、ガイドラインそのものを直接適用したわけではありません。ただし、その際、電力会社から距離を置くといったガイドラインの基本的な考え方も念頭に、候補者に係る経歴や金銭の授受を始めとした様々な情報を収集し、その適切性を確認してきたところであります。したがって、石原大臣が考慮しないと答えた趣旨であるガイドラインそのものを適用していないということと私の発言が矛盾しているわけではないと、こういう御趣旨でございます。
○水野賢一君 最初は何かちょっとわびたようなところから入って、最後は結局、百八十度違うことを言っているのに矛盾しないと言っているんですが、井上さん、民主党政権のときのガイドラインを基本的に踏襲すべきというんだったら、これは例えば、基本は残していて一部変えたというんだったらこれはそもそも分かりますよ、一部変えて基本の精神は踏襲したというんだったら分かりますけれども。
 そもそも、じゃ聞きますけれども、ガイドラインはあるんですか、今。
○副大臣(井上信治君) 民主党政権時代に作ったガイドラインのことをお聞きになって……(発言する者あり)自民党政権時代、自民党としてのガイドラインは作成しておりません。
○水野賢一君 ないんでしょう、ないということでしょう。だから、基本的に踏襲といったら、一部は何か基準を変えるかもしれないけれども、ガイドラインというのはあってしかるべきでしょう、一部は変えたとしても。ないということは、そもそも踏襲していないんじゃないかと言いたいんだけれども。
 じゃ、ちょっとお伺いしますけれども、これ、原子力規制委員会というのは原子力規制委員会設置法に基づいて動いているわけですよね。原子力規制委員会設置法というのは、これ、二年ぐらい前に成立したんだけれども、法律を通すときにはガイドラインをしっかり作っていくんですと、つまり、こういう人は委員に適さないんだというガイドラインはしっかり作っていくんですということを立法者が何度も何度も答弁しているんですよ。何度も何度も答弁しているんですよ。それを、法律を通すときにはガイドライン作るというふうに言っていて、その言ったことをやらないというんだったら、国会審議の意味がないじゃないですか。
○副大臣(井上信治君) そういう意味では、原子力規制委員会設置法、当時議員立法として提案され、法案作成段階から国会審議まで集中的かつ精力的に議論を経て成立したものと承知をしておりますので、法律に基づいて的確に業務を行っていく、これが政府に与えられた役割だと認識しております。
○水野賢一君 いやいや、質問に答えていないんであって、要するに、精力的に審議をしたんですよ、そのときに。精力的に審議をしたときに、立法者、これは議員立法ですから衆議院の環境委員長提案ですよ。その環境委員長も環境委員長代理も、若しくは当時の政府の人たちも、これは法律を通した後はガイドラインを作りますとさんざん言っているんですよ。だから、それが立法者の意思なんだから、そういうものを作るべきじゃないですかということを言っているんですよ。作るつもりはないんですか。
○副大臣(井上信治君) 政権としては、その法律の条文にのっとって人選を行うべきだと考えておりまして、そういう意味では新しいガイドラインを作るつもりはないと。
○水野賢一君 だから、これは法律の審議のときに、抜け穴だってことなんですよ。つまり、法律は過去のことについて書いていないんですよ。今現在、原子力事業者の人間が規制委員会の委員になれないということは法律に書いてあるんですよ。だけど、そんなことは当たり前なんですよ、だって規制組織なんだから。今現在、電力会社の職員とか役員が規制委員に同時にいられないなんてことは当たり前なんですよ。じゃ、過去はいいのかという議論の中で、だからガイドラインを作りますということで立法者が、つまり法案提出者が答弁しているんだから、それに拘束されるのは当たり前でしょう、政府が。
○副大臣(井上信治君) このことに関しましては、石原大臣も答弁しているとおり、現政権としてガイドラインを作るという考えはありません。
○水野賢一君 いや、そもそもそれがおかしいんだけど、じゃ、聞きますよ。
 このガイドラインの問題というのは、この人たちが、原子力規制委員会の委員の候補になる人が過去どういうお金をもらっていたかとかというそういうことを調べる、つまりガイドラインがあれば当然調べるわけですよね。じゃ、民主党政権のときは、曲がりなりにも一応そうやって三年間五十万円というような、もらっていた人は調べていたわけですよ。ガイドラインのない今、今国会に提示するときに同じようなことを調査しましたか。
○副大臣(井上信治君) そういう意味では、ガイドラインそのものは適用はしておりません。
○水野賢一君 いや、調査したか聞いているんです。
○副大臣(井上信治君) しかし、幅広く情報収集を行って候補者としての適切性を確認をしております。
○水野賢一君 いや、調査のその仕方というのは、そのガイドラインのあったときと同じレベルの調査をしたかということが質問です。甘くなったんじゃないかということです。
○副大臣(井上信治君) 同じレベルで調査をしていると理解しております。
○水野賢一君 本当ですね、それ。本当ですね。そういうふうに私は必ずしも思っていないけど、本当ですね。
○副大臣(井上信治君) そういう意味では、ガイドラインそのものを適用していないのでガイドラインそのものでありませんが、同じようなレベルで調査をしたと認識しております。
○水野賢一君 資料の二を御覧いただければと思うんですが、要するに、これ、この法案を質疑するときに、要は、さっき言ったように、今、原子力事業者の人が規制委員会の委員になれないなんていうのは当たり前なんですよ、そんなもの。だって、規制組織と推進、推進というか事業者が同じ人のことはあり得ないからね。
 じゃ、過去にそういうような、例えば電力会社の役員だった人が規制委員になれるのかということを質問したときに、この資料二の二枚目のところ、この十八ページというやつですね、平成二十四年六月十九日の委員会の、提案者こう言っていますね。過去も準ずるということでございますというふうに言っていますけれども、過去も準ずる、この答弁は、当然、立法者の意思だから、今の政府も踏襲しているわけですね。
 答えてくださいよ。時間なくなっちゃうから、止めてくださいよ。
○委員長(水岡俊一君) 答弁しませんか。答弁しないなら止めますけど。
○副大臣(井上信治君) 現政権としては、法律の条文にのっとって人選を行ったということでございます。
○水野賢一君 要は、過去も準ずるというふうに立法者が言っている、法案提出者が言っていることは現政権は踏まえないわけですか。これは、つまり、条文には書いていなくても、国会答弁で立法者の意思として示されていることというのは踏襲しないんですか。
○副大臣(井上信治君) 設置法の第七条の欠格要件の解釈として現在の経歴を指しているのであって、提案者が言うような、過去の経歴も準ずるとの立場は取ってはおりません。
 ただし、今回の人選に当たっては、過去三年の経歴も調査をして候補者としての適切性を確認しており、問題はないというふうに考えております。
○水野賢一君 いや、そんなこと言ったら、国会答弁で、法文の意味するところはどうだという提案者の答弁は意味がないじゃないか。
○委員長(水岡俊一君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(水岡俊一君) 速記を起こしてください。
 もう一度、水野賢一さん、質問してください。
○水野賢一君 要するに、法文に書いていなければ、国会の答弁で立法者の意思として明確に言っていることは政府は無視していいんですかと言っているわけです、聞いているんです。
○副大臣(井上信治君) この発言は、準ずるということは、これは条文の解釈ではなくて、運用の解釈だというふうに私ども思っております。そういう意味では、法律にのっとって私ども運用をしていると、そういう理解になります。
○水野賢一君 いや、全く納得しないし、大体、あなたの言っているのは、今日ほかの委員会でも、福島の例の最後は金目発言、あの発言に対して、福島の中間貯蔵施設整備に対して何の悪影響もないというふうに答弁しているその神経が大体理解できないんだけど、ちょっと大臣も大臣なら本当に副大臣も副大臣なんだけど、ちょっと別の観点から質問します。
 資料三、田中知原子力規制委員候補は自分の講座に一億円寄附とかを東京電力から受けていたという記事がありますよね。これ、国会に同意人事で提示するときに、国会にこういうような情報を提示しましたか。
○副大臣(井上信治君) この記事の内容である講座に一億円寄附という、このことに関しましては、これは提示を必要とする内容ではないと判断して、提示をしておりません。
○水野賢一君 何で不要なんですか。何で不要なんですか。
○副大臣(井上信治君) この寄附は田中氏個人又は所属する研究室に対するものではなく、東京大学の核燃講座に対する寄附ということで、ガイドラインの欠格要件や情報公開要件に当たるものではないというふうに判断しております。
○水野賢一君 ガイドラインを踏まえないと言っているときに、こういうときにガイドラインを使うのはちょっといかがかと思いますけどね。
 そもそも、この話というのは、情報開示請求を報道機関がやったら出てきたわけでしょう。情報公開法に基づく情報開示請求というのは、何人がやっても、若しくは年齢とかと関係なく、何人であってもこれは請求して同じものが出てくるんですよ。何人がやっても出てくるような情報を国会に提示しないというのは、しかも金額が一億円とかという範囲ですよ。どういうことですか。
 じゃ、これは提示するときには、副大臣、知っていたんですか、こういう情報は。
○副大臣(井上信治君) 私自身は認識をしておりません。
○水野賢一君 じゃ、調べてないということじゃないですか。
○副大臣(井上信治君) ただ、この提示するときの必要な情報ということ、そのことに関してはきっちり私も認識をした上で提示をさせていただいております。
○水野賢一君 じゃ、今後はこういうような情報は、これは事実上公開情報ですからね、情報公開請求して出てくるような情報というのは、個人情報でも何でもないんだから。こういうような情報は、積極的に国会に対して同意人事を求めるときには提示するというふうに約束しますか。
○副大臣(井上信治君) 原子力規制委員会の委員候補になる方について追加的に情報が必要である場合には、国会の御要請があれば、それに基づいて適切に情報提供するよう対応していきたいと思います。
○水野賢一君 要求がなくたって、そもそも規制組織なんだから、規制組織がいわゆる原子力村と決別しているとかということを国会に対して提示するときに情報を提供するのは当たり前でしょう。自分から出すべきじゃないですか。
○副大臣(井上信治君) 必要な情報は提供していきたいと考えております。
○水野賢一君 それは、求めがなくても積極的に自分から出すということですね。
○副大臣(井上信治君) 私どもの判断で、必要な情報はしっかり提出をさせていただきたいと思います。
○水野賢一君 時間ですので最後の質問にしますけど、あなた方の、あなたの判断というのは基本的に信じられないと思います。
 最後に、ちょっともう一回聞きますけれども、先ほど、最後は金目でしょ発言は中間貯蔵施設の整備には悪影響はないんだというふうに、つまり普通、常識で考えると、地元の人たちの心を傷つけていろんな今後の交渉はしにくくなると思うのが常識だと思うんだけれども、副大臣は他の委員会、今日の環境委員会ですよね、午前中の、それで悪影響はないというふうに答弁しましたけど、これは何の根拠をもって悪影響がないというふうに感じられるんですか。それをお聞きして、私の質問を終わります。
○副大臣(井上信治君) 明確な根拠というわけではありませんが、悪影響を与えないようにしっかり頑張ってまいりたいと思います。
○水野賢一君 終わります。
○委員長(水岡俊一君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○山下芳生君 私は、日本共産党を代表して、原子力委員会設置法改正案に対する反対討論を行います。
 法案は、東京電力福島第一原発事故並びに原子力委員会での秘密会議が発覚した問題等を受け、同委員会の抜本的見直しを行うものとして提案されました。しかし、その内容は、既に行われていない事務、他組織に移って形骸化している事務を廃止するだけで、引き続き原子力利用に関する政策及び重要事項を企画、審議、決定する組織として存続させ、原発ゼロ社会の実現を願う圧倒的国民世論に反して、原発恒久化を前提とする原子力政策の推進体制を整えるものです。
 今回、福島第一原発事故の教訓を踏まえて抜本的に組織を見直すというのであれば、原発を推進するための体制を温存するのではなく、原発ゼロ社会を求める圧倒的多数の国民世論に応え、原発ゼロを政治決断すべきです。
 このことを強く求め、反対討論を終わります。
○委員長(水岡俊一君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 原子力委員会設置法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(水岡俊一君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、神本君から発言を求められておりますので、これを許します。神本美恵子君。
○神本美恵子君 私は、ただいま可決されました原子力委員会設置法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、新党改革・無所属の会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    原子力委員会設置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
 一 原子力委員会は、東京電力福島第一原子力発電所事故を踏まえ、再発防止策等について継続的に審議を行うとともに、原子力委員会設置法第二十四条及び第二十五条の規定を積極的に活用すること。
 二 原子力委員会は、委員会及び事務局の運営の公正性・透明性の確保に努めること。
 三 東京電力福島第一原子力発電所事故の収束に向け、放射性物質による影響の軽減・解消及び廃炉措置が重点的に取り組むべき課題であることに鑑み、政府は、これらの技術等に関し、研究者及び技術者の育成並びに研究開発支援の強化を行うこと。
 四 本年四月に閣議決定されたエネルギー基本計画を踏まえ、政府は、原子力損害賠償制度の見直しや、高レベル放射性廃棄物の最終処分を含む核燃料サイクルの在り方など、原子力政策全体について早急に検討の上、適切な措置を講ずること。
 五 政府は、我が国の原子力政策が東京電力福島第一原子力発電所事故等により国民からの信頼を著しく低下させるに至った現状を十分認識し、国民の信頼を回復するため、公正な政策決定過程の設計等に努めること。
 六 原子力委員会の委員長及び委員の選定に当たっては、政府は、利害関係者の関与等について国民の疑念を招かない措置を講ずるなど公正性・透明性の確保に十分に留意すること。
 七 原子力委員会と原子力規制委員会は、連携を強化し、互いの動向や問題意識を理解するよう努めること。
 八 政府は、国際原子力機関及び諸外国との連携強化を図り、唯一の被爆国として、世界の原子力平和利用と核不拡散への貢献を通じた国際協力に取り組むこと。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(水岡俊一君) ただいま神本君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(水岡俊一君) 多数と認めます。よって、神本君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、山本内閣府特命担当大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。山本内閣府特命担当大臣。
○国務大臣(山本一太君) ただいま御決議のありました事項につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。
○委員長(水岡俊一君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(水岡俊一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時十三分散会