第186回国会 外交防衛委員会 第5号
平成二十六年三月二十五日(火曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月十七日
    辞任         補欠選任
     牧山ひろえ君     林 久美子君
 三月十八日
    辞任         補欠選任
     林 久美子君     牧山ひろえ君
 三月二十五日
    辞任         補欠選任
     小坂 憲次君     高野光二郎君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         末松 信介君
    理 事
                佐藤 正久君
                松山 政司君
                三木  亨君
                福山 哲郎君
                石川 博崇君
    委 員
                宇都 隆史君
                岡田 直樹君
                島尻安伊子君
                高野光二郎君
                牧野たかお君
                脇  雅史君
                北澤 俊美君
                白  眞勲君
                藤田 幸久君
                牧山ひろえ君
                山口那津男君
                中西 健治君
                井上 哲士君
              アントニオ猪木君
                小野 次郎君
   国務大臣
       外務大臣     岸田 文雄君
       防衛大臣     小野寺五典君
   副大臣
       文部科学副大臣  櫻田 義孝君
       防衛副大臣    武田 良太君
   大臣政務官
       防衛大臣政務官  木原  稔君
   政府特別補佐人
       内閣法制局長官  小松 一郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        宇佐美正行君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       山崎 和之君
       内閣府情報公開
       ・個人情報保護
       審査会事務局長  菅  宜紀君
       警察庁長官官房
       総括審議官    沖田 芳樹君
       法務大臣官房審
       議官       萩本  修君
       法務大臣官房審
       議官       杵渕 正巳君
       外務大臣官房地
       球規模課題審議
       官        香川 剛廣君
       外務大臣官房参
       事官       丸山 則夫君
       外務省国際法局
       長        石井 正文君
       文部科学大臣官
       房審議官     中岡  司君
       国土交通大臣官
       房長       武藤  浩君
       国土交通大臣官
       房審議官     橋本 公博君
       海上保安庁長官  佐藤 雄二君
       防衛大臣官房長  黒江 哲郎君
       防衛省防衛政策
       局長       徳地 秀士君
       防衛省運用企画
       局長       中島 明彦君
       防衛省人事教育
       局長       豊田  硬君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○外交、防衛等に関する調査
 (防衛省改革に関する件)
 (安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会
 における議論に関する件)
 (慰安婦問題に関する河野内閣官房長官談話に
 関する件)
 (日米韓首脳会談に関する件)
 (海外からの留学生受入れの推進に関する件)
 (ウクライナ情勢に関する件)
 (海上自衛隊護衛艦乗組員の自殺事案に関する
 件)
 (日朝関係に関する件)
○在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務
 する外務公務員の給与に関する法律の一部を改
 正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
○委員長(末松信介君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、小坂憲次君が委員を辞任され、その補欠として高野光二郎君が選任されました。
    ─────────────
○委員長(末松信介君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 外交、防衛等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣官房内閣審議官山崎和之君外十五名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(末松信介君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
○委員長(末松信介君) 外交、防衛等に関する調査を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○佐藤正久君 自民党の佐藤正久です。
 安全保障の法的基盤の議論に入る前に、防衛省改革について何点か確認をさせていただきたいと思います。
 防衛大臣、平成二十一年の自民党の防衛省改革の提言とか、石破当時の防衛大臣のメモをお読みになったと思いますが、どのような御感想をお持ちになったでしょうか。
○国務大臣(小野寺五典君) 当時の石破大臣の私案、あるいは自民党内での議論については、私も党にいるときにはその議論についてどのような議論がなされているかということは承知をしております。
 現在の防衛省改革につきましては、これは佐藤委員が大臣政務官として大変重要な役割を担っていただいておりますが、昨年八月にまとめた内容につきまして、これは様々な改革の提言をいただいた中のものを織り込みながら、今そのスケジュールで進めさせていただいているところだと思っております。
○佐藤正久君 一番のポイントの一つは、文官と自衛官がしっかりそれぞれの専門性を生かして協働しながら大臣を支える、そこが一つのポイントだと思っています。
 大臣、実は、自民党の防衛大学校関係議員、尾辻参議院議員、中谷衆議院議員、そして宇都参議院議員、そして私、四人が、防衛省が作った防衛大学校の改革の報告書、これに対する問題点をまとめて森本防衛大臣に提出し、一部、森本大臣もこれを受け入れまして、国会に提出した自衛隊法改正、これも撤回しました。大臣、なぜこのようなことが生起したか、説明を受けておられますか。
○副大臣(武田良太君) 佐藤委員始め四名の先生方からの御指摘は、しっかりと我々も受け止めさせていただいております。
 当時、森本大臣の時代で、我々野党の立場にあって、様々な角度からこの防衛大学校ほか改革案というものを検証していったわけでありますけれども、先生もう我々よりもお詳しいので、余り詳細については我々もちょっと言うというのはどうかと思うんですけれども。とにかく、本当に国の、国家の安全を守る自衛官を養成する専門的な学校として、その制度が適するか適さないかということを我々冷静に見なきゃなりません。特殊性も重要視していかなくてはなりません。一般の大学と比べて、全て横並びで同じ制度を導入するということは、これは避けなければなりません。
 その中で、二十四年度実施した施策としまして、学位授与審査手数料、これを本人負担、それと総合選抜試験の実施、一般入学後期試験の実施、防大一学年の教育訓練の実施、リーダーシップ教育、こういったものは二十四年度に実施したというふうに私のところに説明に来ておりますが、いまだ実施していない施策については、高等専門学校卒業生の編入でありますとか、任官辞退者に対する償還金制度の導入でありますとか、入学試験手数料の徴収というものがいまだ実施していない施策に挙げられております。
○佐藤正久君 大臣、副大臣、なぜ我々防衛大学校関係議員が動いたか。これは、現場の、防衛大学校OBの現職の自衛官の声等が政務三役に届いていなかったんですよ。届いていなかったから、我々がその声を宇都議員を中心になってまとめて、防衛大臣に提出した。森本防衛大臣も、それから各方面に聞いたら余りにも評判が悪かった、で、初めて分かったんですよ。要は、現場の声が政務三役に届いていなかった。これは、内局が案がまとめた、ここに一つのやっぱり構造的な問題があるんです。だから、結果的に森本大臣もそれを認めて、それを引っ込めたということがあります。
 今副大臣が言われたように、防衛大学校は士官学校的な性格を持っております。実は、内局の事務官の方々も自衛隊員なんです。宣誓をしています。彼らがそういう自衛隊員としての宣誓の気持ちを持っていたら、あのような報告案には私はなっていなかったと思います。実際に、当時の尾辻副議長から森本大臣もいろいろといさめられました。その細部のくだりは、上田大臣秘書官がそばにいましたので、しっかり承知していると思いますので、後で大臣、しっかり聞いてください。ポイントは、やっぱりみんなが大臣を支えなきゃいけないのに情報が入ってこない、そこが一番の問題だと、こう私たちは考えたわけです。
 そういう観点からいうと、大臣、なぜ防衛大学校に法学部がないんでしょうか。これほど運用の時代と言われて、現場、海外においては法的な裏付けって非常に大事です。その重要性もいろんな面で冷戦が終わってから言われております。でも、いまだに防衛大学校は文系の方が二割で八割が理系です。その文系の二割の学生の中にも、法学部がありません。なぜだとお考えでしょうか。
○国務大臣(小野寺五典君) まず、委員が御指摘されているように、やはり私どもとしてはしっかりと現場の情報を常に把握することが役割として重要だと思っております。
 今月二十一、二十二両日、高等工科学校でしょうか、ここは防衛大臣として初めて実は卒業式に出たというふうに伺っております、そこでのカリキュラムを見ました。本当に十五の高校生がこれほど厳しいカリキュラムの中でしっかり勉学に励んでいるのだなということを改めて確認しましたし、翌日は防衛大学校に行き、現場の話を昨年に引き続き伺いました。その中で、今御指摘ありましたように、最近はやはり文系の部分について大変需要が多いという、たしか国際関係を含めて幾つか文系の分野があると伺っております。
 いずれ法学分野がどの程度必要なのか、自衛官としての役割として、それを専門にする役割としてどの程度必要なのか、これは様々な意見を聞きながら今後考えていく課題の一つだと思っております。
○佐藤正久君 大臣、これは昔から実は言われている話で、実はやっぱり一部の意見として内局が反対しているんです。自衛官が法学部出身が増えてしまったら内局の役割が減ってしまうと。そういう側面も確かにあるんですよ。だから、そういうことを踏まえながら、やっぱりどういうのが本当に大事かということを、この防衛大学校の改革含めて、せっかく組織の改革をやるわけですから、一番いいものをやっていただきたいというふうに思います。
 繰り返しますが、大事なことは、自衛官と文官がそれぞれの専門性を生かしながらしっかりと大臣を支える体制をつくる、情報が、政務三役へしっかり正しい情報が入るということが一番大事です。でも、それが今なかなかそうはいっていない。実際、自民党が改革提言を出しました。ところが、その後に政権交代が起きて、当時の事務次官等がやはり全部ねじ曲げてしまったという部分もあります。これまた後で聞かれてもらえばいいと思います。
 資料一を御覧ください。これは石破当時の防衛大臣がまとめたメモから抜粋したものです。この二、各キーワードのポイントの一つに、二番目の丸、幕僚監部と内部部局は、組織図上は並列になっているが、防衛省設置法第八条により内局が基本を握るために、実質的には上下構造となっている。これは石破大臣のメモです。要は、石破大臣はこの設置法の八条が問題だと、並列が上下関係になっていると言っています。当時、浜田大臣は、防衛参事官制度、これはなくしましたが、設置法第十二条、この改正まではいかなかったと言われていました。すぐにやれと言っておられましたが、政権交代でそれはできなくなってしまった、こういう事実があります。
 では、資料二を見てください。資料二に、旧、参事官制度をうたっていた防衛庁設置法、そして現在の防衛省設置法が書いています。この八条、十二条、こうありますけれども、八条は内部部局の所掌事務、一、二で、防衛省の所掌事務に関わる事務に関する基本及びその調整は内局がやるって書いてあるんです。
 防衛副大臣、この所掌事務に関する基本、これはどういうことだと考えておられますか。
○副大臣(武田良太君) この行動の基本が、内部部局というものが所掌しているということについて委員は強い御指摘があるわけでありますけれども、内部部局というものが担っている行動の枠組みを定める法令の企画立案や現行法令との適合性の検討といった政策的見地からの補佐は、これはやはり私は不可欠なものであると考えております。
 内部部局と統合幕僚監部との実態としての業務の重複というものを改めなければならない、そしてまた部隊運用に関する業務というものは統合幕僚監部に一元化しなければならないし、そうしたことを考えまして運用企画局の改廃も含めた組織の見直しを行うという我々は方針を持っております。
 基本というものについて答えろということですけれども、基本というのは、もう委員お分かりのように、まさに大臣が運用を行うべき必要性のある基本事項であって、これにほかならないというふうに私は考えております。
○佐藤正久君 副大臣、これは、この八条の一、二というのは運用だけじゃないんですよ。防衛省の所掌事務っていろいろあります。今二十何項目あります。その全部の基本を、運用だけではない、予算から人事、全部の基本を内局が握っているんですよ、要は。つまり、大綱とか指針的なものだというふうに考えてもらってもいいと思うんです。それを、その指針や大綱的なものの中心を内局が握る、それを受けて各幕はいろいろなことを命じられながらやるという、だから、石破大臣が言われたように上下構造になっているわけですよ。
 十二条を見ると、官房長、局長と幕僚長との関係、まさにその基本を、大綱を内局が作って、それに基づき各幕にこういういろんな方針、各幕の、各自衛隊の運用含めたいろんなものの方針を作成を指示したり、あるいはそれを承認したり、あるいはそれを監督する。基本と調整と全部内局が握っているという、だから構造上これが問題だと、これが文官統制と言われる一つの根源だということで、石破大臣とか浜田当時の大臣はこの八条、十二条問題だというふうに言われているわけです。
 この辺りはなかなか内局の人は多分説明しないと思いますけれども、これは極めて普通ではない、まさに文官統制と言われる弊害と多くの自民党の防衛関係議員が指摘しているところです。ここは副大臣にも理解していただきたいと思うんですけれども。
 ただ、これによって結局二重調整が起きているんですよ。全てまた、指示した後、途中段階、最終調整をまた内局がやって、で、自分でそれを承認するような、極めて、だから人事権も予算権も全部握っているという状況になっています。
 だから、例えばこの前の宇都議員が説明した官舎の問題ありますよね、官舎の問題。財務省の幹部の方が現場の実情を聞きたいといっても、内局が間に入って聞けないんですよ。内局が間に入って、現場の隊員の、自衛官の意見を財務省の人間は聞けないんですよ。でも、財務省の人間が聞きたいのは、現場の本当の生の声を聞きたいと盛んに言われています。でも、間に入るために聞けないんですよ。こういう状況も起きているんです、実際に。
 じゃ、国土交通省に伺います。
 国土交通省も実力集団の海保、これを有しておりますが、設置法とか組織令で内局の官房長あるいは局長が海保の基本をつかさどるとか、局長と海上保安庁長官の関係を規定しているような条文が設置法とかいうものに、組織令にありますか。
○政府参考人(武藤浩君) まず、海上保安庁長官につきましては、海上保安庁法におきまして国土交通大臣の指揮監督を受けると規定をされております。
 一方、委員御指摘の国土交通省の設置法あるいは組織令におきましては、外局の長である海上保安庁長官と、それから内部部局である官房長あるいは局長との関係について特別に律する規定は置かれておりません。
○佐藤正久君 ありがとうございます。ないんですよ。それぞれの所掌事務は書いてあると。みんな大臣を補佐する、当たり前です。
 では、警察庁に伺います。警察庁も実力組織です。警察法や組織令等で警察庁の内局が管区警察等の基本をつかさどるとか、あるいは内局の官房長と管区局長あるいは県警本部長との関係を律するような条文、これありますか。
○政府参考人(沖田芳樹君) お答えいたします。
 警察庁の内部に置かれる官房長又は局長と、今お示しの管区警察局の長たる管区警察局長あるいは都道府県警察に置かれる警察本部長との関係でございますけれども、警察法上、両者の関係を定めた明文の規定はございません。
○佐藤正久君 ないんですよ。極めて異例なのが防衛省なんです。
 普通に考えれば、それぞれの所掌事務をしっかり書いて、その所掌事務をしっかりやるというのが普通なんです。わざわざその関係で文官統制をやるような、局長が全部基本を握るとか、それについて、監督、指示、承認を内局がやれと、こういうのは普通ないんですよ。実際に、この状況どうなんだということを、さっき言ったように、政務三役による防衛大学校の改革と同じように入ってきませんから。
 大臣にお願いしたいのは、なかなか、現役自衛官は人事権と予算を内局に握られておりますから、実際生の声が言えません。本当はこれはおかしな話なのに言えません、実態上。ゆえに、大臣、この中央組織の改革等について、石破幹事長とかあるいは浜田大臣、当時やった方の大臣の話とか、あるいは各自衛隊の各幕の防衛部長、防衛部長を経験したOBの方、こういう方の意見もいろいろ聞いた上で、まさにこの二十七年度の概算要求含めて、いろいろ大事な今局面ですから、そういういろんな人の意見を聞いていただきたいと思いますが、防衛大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(小野寺五典君) 大臣に就任して一番初めに行いましたのは、陸海空統合それぞれの幕僚の、今言った部長も含めて、幹部との懇談をそれぞれ時間を掛けて分けてやりました。様々な問題点はその都度上がってきているとは思いますが、恐らく委員が御指摘ありますように、更にもっとその努力をせよというお話だと思っております。
 これから二十七年度に向けて、特に今、二十六年度につきましては、委員が大変な報告書をまとめていただきましたおかげで、内局への自衛官の定員化を含めて、二佐、三佐の定員化も含めて今進めさせていただいております。更に高いレベルを今後やはり内局の中に位置付けるということも含めて、これはそれぞれの先輩議員含めて、党の方からも様々な御意見を聞く中で検討していきたいと思っております。
○佐藤正久君 できるだけ自衛隊のOBの方の話を聞いてください。あれはもうしがらみも何もありませんから。実際の本当の悩みというのを大臣に直接言えると思います。どうしても現職自衛官は大臣御案内のとおりなかなか言えませんから、正直言って。これが現状なんです。よろしくお願いしたいと思います。
 では次に、安保法制懇を踏まえた安全保障の法的基盤、この議論をしていきたいと思います。
 防衛大臣、防衛省からこの安保法制懇の方に防衛政策局長、これがオブザーバー参加をされていろいろ報告を受けられていると思います。さきの委員会でも、大臣も内容については報告を受けているという答弁をされております。
 今、安保法制懇でされている議論、これは、集団的自衛権の議論だけではなくて、防衛事態には至らない我が国に対する侵害というものに対して、警察権あるいはそれを超えるものについてどういうふうに対応したらいいんだとか、あるいは海外における武器使用の問題等々含め、いずれも憲法九条との関係のいろいろ議論がなされているというふうに私も認識しています。
 だだ、今回の議論というのは、憲法九条があるという前提の下での議論です。憲法九条がないという中での集団的自衛権の議論とかあるいは武器使用の議論をやっているわけではなくて、憲法九条があると、そういう中での議論というふうに認識しておりますが、防衛大臣も同じお考えでしょうか。
○国務大臣(小野寺五典君) 現在、安保法制懇で方向がまとまり、そして報告書が出ているという段階ではありません。まだそれぞれの委員が議論をされているという段階でありますので、私どもとしては、その議論については、このような議論がなされているという状況は承知をしておりますが、最終的な方向が決まっているわけではありませんので、なかなかその評価について今ここで言及することは難しいと思います。
○佐藤正久君 今その結論を聞いているんじゃないですよ。今、法制懇がやっている議論は憲法九条を前提とした議論だというふうに私も報告を受けていますし、説明を受けています。大臣はそれ受けていないんですか。
○国務大臣(小野寺五典君) 繰り返しますが、まだ安保法制懇で結論が出ている話ではありません。様々な委員が意見を出されているというふうに伺っておりますので、この時点で私の方からコメントすることは適当ではないと思っております。
○佐藤正久君 これ、非常に誤解を与えちゃうんですよ。これは憲法九条を前提にしない議論をしていると言ったら、これは大変なことになっちゃうんですよ。そう受け取れるよ、大臣、それは。
 非常にこれは、そんな難しい話じゃなくて、今、安保法制懇の議論というのは、憲法九条を前提とした議論をしていると。小松長官、いかがでしょうか。
○委員長(末松信介君) じゃ、先に小野寺防衛大臣。
○国務大臣(小野寺五典君) 何度も質問されておりますのであえてお話をさせていただければ、当然、憲法九条を前提としての議論がなされているというのが常識的な考えだと思います。
○佐藤正久君 当然なんですよ。実際そういう議論をされている。だから、もう全然、集団的自衛権の解釈変更の議論をしようという、九条あるという前提でのいろいろ議論をしていると。これが出発点になっている。これは非常に大事な話で、これは当たり前の話。そういう中で今まで議論をしていると。
 ただ、ということで、私のこれは認識ですけれども、今、安保法制懇で議論をされているのは、例えば、憲法九条の中でやっておりますから、同盟国の米国が某国の領土で戦っている際に、自衛隊がその外国領で米軍を守るために戦争に参加する事例というのは議論していないというふうに私は思っています。これは、また今後それは議論を深めますが、今の議論というのは憲法九条でやっておりますから、アメリカが外国の領土で戦っている際に自衛隊がそれを応援するためにそれに参加するという議論はしていないと、そういうレベルではないというふうに認識しています。
 法制局長官、確認します。
 今、憲法九条が禁じているのは、自衛権の三要件、これに該当しない場合に武力を行使する、これを禁止していると。繰り返します。今、憲法九条が禁止しているのは、自衛権の三要件に該当しない場合に武力を行使する、これを禁止しているというふうに理解していますが、イエスかノーかでお答えください。
○政府特別補佐人(小松一郎君) 委員御指摘のとおりでございます。
○佐藤正久君 つまり、今の憲法九条は、自衛権の三要件、これに該当しない場合は武力を行使しないと言っているだけなんです。
 じゃ、すなわち、憲法九条は、長官、繰り返します、外国からの武力攻撃で国民の生命や身体が危険にさらされるような場合に、これを排除するために必要最小限の範囲で実力を行使することまでは禁じていないと。繰り返します。つまり、今、自衛権の三要件は認められているということは、憲法九条は、外国からの武力攻撃で国民の生命あるいは身体が危険にさらされるような場合に、これを排除するために必要最小限の範囲で実力を行使する、ここまでは禁じていないと。よろしいでしょうか。
○政府特別補佐人(小松一郎君) そもそも論で恐縮でございますけれども、自衛権発動の三要件と従来から政府が申し上げておりますことは、第一要件が我が国に対する急迫不正の侵害があること、すなわち武力攻撃が発生したこと、第二要件は、この場合にこれを排除するために他の適当な手段がないこと、第三要件が必要最小限度の実力行使にとどまるべきこと、以上がいわゆる自衛権発動の三要件ということで従来から政府が申し上げているところでございます。これに反するような、この条件に該当しないような武力行使はできないということを従来政府は繰り返し申し上げてきております。
○佐藤正久君 そこは非常にポイントなので、今回の議論のポイントは、まさにそこから出発しないともう発散してしまいますから。
 ということは、長官、すなわち、法理論的には、仮に他国の領域における武力攻撃で自衛権発動の三要件、これに該当するものがあれば、法理論上は我が国は武力行使を許されないというわけではないということでよろしいでしょうか。
○政府特別補佐人(小松一郎君) これは従来から政府が申し上げていることをそのまま申し上げますと、今委員が御指摘したとおりでございまして、仮に他国の領域における武力行動で自衛権発動の三要件に該当するものがあるとすれば、憲法上の理論としてはそのような行動を取ることが許されるわけではないと、こういうことを申し上げているわけでございまして、具体的には、例えば昭和四十四年四月八日付け、随分前の質問主意書に対する答弁書でございます。これは衆議院の松本善明議員からの質問主意書に対する答弁書で、このように答弁しております。「かりに、海外における武力行動で、自衛権発動の三要件」、この後括弧で説明がございますが、「に該当するものがあるとすれば、憲法上の理論としては、そのような行動をとることが許されないわけではないと考える。この趣旨は、昭和三一年二月二九日の衆議院内閣委員会で示された政府の統一見解によつてすでに明らかにされているところである。」と。
 ちなみに、この昭和三十一年二月二十九日の内閣委員会で示された政府の統一見解というのは、最近総理も御答弁なさいましたけれども、我が国国土に対して誘導弾等による攻撃が行われた場合、座して自滅を待つべしというのが憲法の趣旨とするところだというふうには、どうしても考えられないと思うのです。そういう場合には、そのような攻撃を防ぐのに万やむを得ない必要最小限度の措置をとること、例えば誘導弾等による攻撃を防御するのに、他に手段がないと認められる限り、誘導弾等の基地、まあ策源地とか言われておりますけれども、をたたくことは、法理的には自衛の範囲に含まれ、可能であるというものである。
 これは、船田防衛庁長官答弁と言われておりますけれども、実は鳩山内閣総理大臣の答弁を船田当時の防衛庁長官が代読されたものでございまして、政府統一見解という位置付けとなっております。
○佐藤正久君 要は、外国でもその三要件に該当すればできるということです。
 外務大臣、よって法理論上は、国際法上は、自衛権には地理的概念の範囲はないということでよろしいですか。
○国務大臣(岸田文雄君) 国際法上、例えば集団的自衛権は、一般に自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を自国が直接攻撃されていないにもかかわらず実力をもって阻止することが正当化される権利、このように規定されておりますが、このように、地理的概念はこの定義の中には含まれていないと承知をしております。
○佐藤正久君 私が聞いたのは集団的自衛権じゃなくて自衛権ですから、要は、個別的自衛権であれ集団的自衛権であれ、法理論上は地理的概念はないということだと思います。
 資料の四を見てください。これは安保法制懇の議論の中で使われているシーレーンにおける機雷掃海、これを有志連合で行っていると。そういう場合に、有志連合のところが、ある国が攻撃を受けたというような場合の事例です。
 法制局の長官にお伺いします。その有志連合のA国の軍艦が武装勢力に攻撃を受けていた場合、近くにいた我が国護衛艦が直接攻撃されていないにもかかわらずA国軍艦支援のために武装勢力に武器を使用した場合、これは今の憲法下では個別的自衛権、これで整理できるでしょうか。
○政府特別補佐人(小松一郎君) これは、先ほどお答えをしたその自衛権行使の三要件のうち第一要件、つまり我が国に対する武力攻撃を欠く事例であるというふうに理解いたしましたので、従来の政府見解によれば、我が国が武力を行使することは認められないわけでございます。
○佐藤正久君 つまり、これは個別的自衛権では整理できないんですよ、この場合、もしもやった場合は。これは個別的自衛権の拡大と言う人もおられますけれども、これはいかにそのまま放置をしていたら我が国に重大な影響を与えるといっても、これは個別的自衛権の範疇では私もこれは整理できない問題だというふうに思います。
 じゃ、外務大臣にお伺いします。
 この個別的自衛権であれ集団的自衛権であれ、これを我が国が行使をした場合、これは国連に報告しないといけないと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘の点につきましては、国連憲章第五十一条だったと承知しておりますが、個別的又は集団的自衛権の行使に当たって加盟国がとった措置、直ちに安全保障理事会に報告しなければならない、こうした規定が存在いたします。
○佐藤正久君 そのとおりなんです。やっぱり行使をした以上報告しないといけないんであれば、しっかり国内法に照らして、これは個別的自衛権を行使しましたとか、あるいは集団的自衛権を行使しましたとかいうことをしっかり説明しないといけない。よって、国内で説明しやすいから個別的自衛権を拡大解釈してやりましたと、本来、集団的自衛権で整理すべきものをそうやるということは、私はやってはいけないというふうに思っています。非常にそういういろんな制約、あるいはそういう決まりがある中でこの精緻な議論をしないといけないというふうに思っております。
 そういう中で、この資料三、これを見ていただきたいんですけれども、資料三、この左側の方に防衛作用と警察作用というものを書いています。今、安保法制懇の方では、この集団的自衛権あるいは海外での武器使用以外に、この真ん中に書いてある防衛作用、真ん中の辺り、これ、武力攻撃に至らない我が国に対する侵害行為を、警察作用、例えば自衛隊の治安出動、海警行動では対応できないような部分、こういう部分について今法的整備がなされていませんので、この間を埋めるべきだという議論がなされているというふうに承知をしております。
 防衛大臣、今、国家安全保障戦略とか大綱、中期でシームレスな対応、これをやらないといけないというふうに強調されておられますけれども、まさに今、安保法制懇で議論をしているような、領海内に侵入し浮上航行しない潜没潜水艦への対応、これは警察権で対応できない場合があると私は思いますが、これ一般論で結構ですから、我が国の領海に潜水艦が潜没したまま入ってきた、そういう場合、警察権では対応できない、今の現行法では、あると思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(小野寺五典君) 当然、潜没潜航した場合には、これは海上警備行動を取るということで対応するということになると思います。
 委員が多分御指摘されるのは、その海上警備行動を取った上でどのような形で実際に自衛隊が対応できるか、そこのことについての問題点について、恐らく今、安保法制懇等での議論の中で話し合われている内容について御指摘をされているんではないかと思います。
○佐藤正久君 まさに今大臣が言われたように、海警行動であっても、あくまでも警察権ですから。軍艦は国扱いですから、潜水艦も。なかなかそれは警察、国内法の適用に限界があるのは当然です。
 海上保安庁長官にお伺いします。
 今の海上保安庁法で、この警察作用を超えるような行動、真ん中の防衛作用、こういうことについては私は今の海上保安庁法ではできないと考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(佐藤雄二君) お答えします。
 海上保安庁は、海上保安庁法に基づき、海上における犯罪の予防及び鎮圧、海上における犯人の捜査及び逮捕などを行うことを任務としているところでありますが、これらはいわゆる警察権の行使であるとされております。したがいまして、海上保安庁においては、海上保安庁法の任務規定に基づく警察活動以外の権限の行使はできないものと考えております。
○佐藤正久君 そのとおりなんですよ。要は、幾ら安全保障戦略、大綱でシームレスな対応、事態に応じてシームレスな対応をやろうと思っても、今の自衛隊法、海上保安庁法によると、この真ん中の防衛作用の部分、いわゆるマイナー自衛権という部分に対する法的基盤がないんです。これは、まさに国際法上も、ほかの国と比べてまさにこの真ん中の部分が空白な部分になっていると。
 これは、尖閣諸島を防衛する、警備する上においても、場合によっては集団的自衛権よりも優先される課題かもしれないと私は思っています。まさにこの部分についていかにシームレスな対応をやっていくか、これが今大事だと思っています。前回の委員会で指摘しましたように、中国の公船等が武装勢力を乗っけてずうっと領海に入ってきて上陸するという部分を海上で阻止するためには、しっかりこの部分について海上保安庁あるいは防衛省の辺りがどういう対応を取るかというのを詰めないといけないと思っています。
 アメリカの場合は、軍だけではなくコーストガード、うちでいう海上保安庁のようなものですけれども、彼らは自衛権を行使するための一つの組織として位置付けられています。法的基盤もあります。よって、今後、このマイナー自衛権をどの組織がどういう形で行使するんだという部分もしっかり詰めていく必要があると思っております。
 本来は次の自衛隊法九十五条についてもやりたかったんですが、時間が来ましたので、これについては次回に譲りたいと思います。これについても、警戒監視もまさにシームレスな対応という部分では非常に大事な部分だと思っておりますので、しっかりまたこの委員会で議論を詰めていきたいと思います。
 以上で終わります。
○白眞勲君 民主党の白眞勲でございます。
 まず、消息を絶ったマレーシア航空機について御質問をさせていただきたいと思います。
 昨晩、マレーシアのナジブ首相は、記者会見において、同機はインド洋南部で飛行を終えたと発表した関係で、まず外務大臣にお聞きしたいと思います。
 この飛行機の乗員や乗客の御家族の皆さん、本当に大変おつらい思いを今されているんではないかと思いますが、外務省として、今後、もちろんこれはマレーシア政府の協力の依頼が前提だと思いますが、原因究明などに日本政府としても協力できる部分があるならばこれをお手伝いすべきだと思いますが、大臣の御見解をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) マレーシア航空機の消息不明事案に関しましては、これまでも我が国としまして、マレーシア政府の要請を踏まえて、国際緊急援助隊を派遣して捜索救助活動を行うなど支援を行ってきたわけですが、御指摘の昨晩のナジブ外相の会見を受け、今後、おっしゃるように、マレーシア政府の……(発言する者あり)失礼、ナジブ首相の会見を受けまして、マレーシア政府と緊密に連携しながら、同政府の要請を踏まえつつ、できる限り協力をしていきたいと考えております。要請の中身にはよりますが、例えば専門家の派遣など、こういった支援が考えられるのではないかと想像はしております。
○白眞勲君 防衛大臣にお聞きいたしますが、この件について、マレーシア政府、やはり依頼があった場合だと思いますが、防衛省として、今後、今派遣されているP3Cもありますけれども、その機数を増やしたりあるいは艦艇を出すということは今後検討として考えていらっしゃるのかどうか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(小野寺五典君) 防衛省としては、要請があって直ちにC130二機、P3C二機を派遣をいたしました。その後、今、主に、特にP3Cでの捜索活動についての要請が強いということで、適宜運用をさせていただいております。
 もし今後マレーシア政府からの何らかの要請というのがありましたら、その内容を精査の上、防衛省・自衛隊としては対応を検討することになると思いますが、基本的には、外務大臣から個別の御要請があって、そして私どもとしてこの問題についての対応をするということになると思っております。
○白眞勲君 これはこの報道が真実であるという前提でお聞きしたいと思うんですけれども、この飛行を終えた地、飛行を終えたという形でナジブ首相は言っているんですけれども、この海域というのは相当深いということだそうで、ボイスレコーダー、フライトレコーダーの回収は難航が予想されるであろうということも報道されているわけなんですけれども、私は、このような航空事故というのは人ごとではないというふうに思っております。やはり、これら二つの回収は謎の解明に大きな部分を占めると思います。
 そこで、以前、これは平成二十一年四月十六日に当外交防衛委員会で、北朝鮮のミサイル回収に関して当時の中曽根外務大臣が、一九九九年のHUロケット、中曽根外務大臣は以前、科学技術庁長官もおやりになったということもあって、そのときにHUロケットの発射の失敗に関して、その原因究明のために数千メートルの深さに沈んでいたエンジンを引き揚げたという実績があるんだということをこの委員会でも御説明されたわけなんですけれども、科学技術担当の櫻田文科副大臣、聞いていらっしゃいますか。まだ、まだ。まだ質問はこれからですから。
 マレーシア政府の依頼が前提だと思うんですけれども、こういったいわゆる、何というんでしょうね、フライトレコーダー等の、こういったものをもし探してもらいたいという場合には、あらゆる技術を動員して日本としても引揚げに協力してもいいと思うんですけれども、その件に関してどうでしょうか。
○副大臣(櫻田義孝君) 新聞等によれば、今月八日未明に消息を絶ったマレーシア航空機はインド洋南部で飛行を終えており、オーストラリア政府等が当該海域を捜査範囲に絞り込んでいると報道されているところでございます。
 現時点では文部科学省に対して海洋探査等の協力要請は来ておりませんが、独立行政法人海洋研究開発機構は、海洋科学技術分野における先端的な基盤技術を有しており、これまでも国等からの要請に基づき海底探査を実施してきたところでございます。マレーシア政府から協力要請があった場合、協力に必要となる研究船、探査機器等の都合が付けば可能な範囲で協力してまいりたいと思っております。
○白眞勲君 まずは、是非、もちろん前提としてそういう協力要請というものがありますけれども、お願いをしたいというふうに思います。
 続きまして、河野談話についてお話をお聞きしたいと思います。三月十三日も櫻田文科副大臣にはお越しいただきまして御答弁いただきましたが、今回もまたよろしくお願い申し上げます。
 副大臣は、河野官房長官談話の見直しを求める国民大集会における発言につきまして、先日私が質問したところ、副大臣は、河野談話の見直しを求めるものではなくて、同談話に関する事実関係を確認する検証が非常に大事であるという趣旨でございますと答弁されました。ということは、河野談話の見直しはしないものの、それに関する事実関係については検証をする必要があるということだということだと思うんですけれども、その事実関係というのは一体何のことを意味するんでしょうか。
○副大臣(櫻田義孝君) あくまで、言ったのは、どのように検証がなされていたかということをしっかりと検証する必要があるということでございます。
○白眞勲君 ですから、その検証は何を検証するということを私聞いているんですけれども。
○副大臣(櫻田義孝君) 今回行われた検討については、二月二十日の衆議院予算委員会における山田宏議員と石原元官房副長官及びカン官房長官のやり取りの際に官房長官から述べられたとおりでございます。
○委員長(末松信介君) 副大臣、菅さんですね。
○副大臣(櫻田義孝君) はい。
 訂正させていただきます。菅官房長官でございます。失礼いたしました。
○白眞勲君 副大臣はこの集会で、事実を捏造することは大嫌いな人間でございますと御発言されているわけなんですけれども、この集会では、いわゆる従軍慰安婦は捏造だというふうに主張されている方が多く御発言されているわけで、そういった中での、事実を捏造と副大臣が御発言されているところを見ると、いわゆる従軍慰安婦のあった事実は捏造であり、だからこそ検証が必要であるとも取られると思うんですけれども、その辺いかがなんですか。
○副大臣(櫻田義孝君) 私はそんなことは言っておりません。あくまでも、検証が必要だと言っただけのことでありますので、事実関係については述べさせていただいておりません。
○白眞勲君 つまり、そういうことであるならば、これについてはどうなんでしょうかね。一生懸命応援してまいります、頑張ってくださいと、こう言っているんですね。
 これ、何を一生懸命応援しているんですか。
○副大臣(櫻田義孝君) 私は、一生懸命検証すべきだということで、事実関係を確認する検証については応援させていただきますと言っているだけであって、検証であります、あくまで。
○白眞勲君 いや、でも、頑張ってくださいと言っているんですね、頑張ってくださいと言っているんですよ。
 頑張ってくださいと言うんだけど、これ、河野官房長官談話の見直しを求める国民大集会で頑張ってくださいと言ったら、これは検証を頑張ってくださいとは絶対取れないんですよ。これについてはどうなんですか。
○副大臣(櫻田義孝君) そのようなことは全くございませんので、検証することについて一生懸命頑張ってくださいと、こういう意味で私は言いましたので、誤解のないように改めてお願いいたします。
○白眞勲君 この集会の内容というのは、櫻田文科副大臣は当然御存じで御参加されたんですよね。
○副大臣(櫻田義孝君) ちょうどその会館に同僚議員の励ます会がありましたので、その励ます会に行った、出てきたところ、こちらにも顔を出してくださいと言われて行きました。
○白眞勲君 いや、ですから、それは河野談話の見直しを求める国民大集会だということは知っていて参加されたのかどうかを私聞いているんですけれども。
○副大臣(櫻田義孝君) 中に入ってから知りました。
○白眞勲君 つまり、副大臣は、中に入るまでは知らないまま集会に出ちゃうんですか。そういうこともあるんですか。
 私、いや、副大臣、これ、ただの議員の身分であるならばそういうこともあるかもしれませんけれども、副大臣というのはこれ政府の機関でありますよ。それが、内容も知らないままそこに、会場に入ったとなったら、これまた大問題だと私は思うんですよ。
 どうなんですか、その辺は、副大臣。
○副大臣(櫻田義孝君) 誘った人が同僚の議員でありましたので、特別に違和感はございませんでした、入るまでは。
○白眞勲君 つまり、入るまではということは、入ってからは違和感を感じたわけですか。
○副大臣(櫻田義孝君) 入ってからはそういうふうに感じました。ただ、紹介をしますと言われただけで、紹介するまでで、途中から、一言挨拶をと言われたので、そういう場面になったわけであります。
○白眞勲君 今副大臣のお話を聞いていると、あくまで見直しではなくて検証を応援をしたいということでいいと。今うなずいていらっしゃるわけなんですけれども。
 そうであるならば、当然、この頑張ってください、応援しますだけだと、これは誤解を招くんではないんでしょうか。その会場にいらっしゃる方々は見直しに対して頑張ってくださいというふうに取られるとも私は思うんですね。ところが、実は違うんですと、検証を頑張ってくださいと今言っているんだというのであるならば、そういうふうに言わないと、私、誤解を招くんじゃないかと思うんですけれども、その辺はいかがでしょうか。
○副大臣(櫻田義孝君) 十分に真意が伝わらなかったことは私の不徳の致すところだと思っております。
○白眞勲君 二十三日に萩生田総裁特別補佐が、安倍政権が進める河野談話の作成過程の検証について、新たな事実が出てくれば、その時代の新たな政府談話を出すことはおかしいことではないとして、河野談話の見直しではなくて新たな談話を発表すべきだと主張されましたけれども、強制連行を示す証拠はないとしている安倍政権が、河野談話を見直すことは考えていないけど、それは変えないまま新たな談話を出すということに対して結果的に河野談話を見直すことにはならないのか、そういう疑問があるんですけれども、櫻田副大臣、どうお考えですか。
○副大臣(櫻田義孝君) 菅官房長官が二十四日月曜日午前の記者会見で述べられたことと同様の認識でございます。
○白眞勲君 そうしますと、外務大臣、ちょっとお答えいただきたいと思うんですけれども、このような発言を萩生田さんがすると、結果的に当時発表した河野談話そのものの継続性というのがなくなる可能性が私はあると思うんですけれども、その点についてはいかがでございますか。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘の萩生田総裁特別補佐の発言につきましては、まずもって本人御自身もこれは個人的な発言であると説明をされていると承知をしておりますが、ただ、誤解のおそれがあるということで、昨日、二十四日、菅官房長官から同特別補佐に対して電話で注意を促したというふうに承知をしております。
 安倍内閣のこの認識ですが、これはもう再三申し上げておりますように、安倍内閣としましては、歴代内閣の歴史認識に関する立場、これをもう全体として引き継いでおります。そして、安倍総理御自身がはっきり明言しておりますように、この河野談話については見直す考えがないというのが我が政府の考え方であります。こうした考え方は、誤解を招かないようにしっかりと説明をしていかなければならないと考えています。
○白眞勲君 いつも何か安倍内閣の周辺の方々が発言に問題があると、すぐ個人的な発言だというふうに言っているんですね。
 ところが、この萩生田さんは肩書は総裁特別補佐ですよね。特別の補佐である方の御発言があった場合には、私は個人的で済まされるものではないと思うんですね。今大臣もおっしゃいました、官房長官から注意をしたんだと。注意をしたということは、本当に個人的な発言だったら別に注意する必要もないじゃないですか。
 この辺どうなんですか。私は非常にこれは問題のある発言だと思いますよ。それについていかがか。櫻田副大臣、目の前にいらっしゃって言いにくいけれども、こういったやっぱり行動とか発言というのが、こういったものが国際的にもやはりイメージを余り良くないものにしていくんではないかと私は懸念しているんですけれども、その辺についていかがでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 萩生田総裁特別補佐の発言につきましては、立場が自民党の総裁特別補佐という立場であります。これは政府の一員ではありませんが、これは誤解を招くおそれがある、こういった理由から菅官房長官が注意をしたということだと認識をしております。
 そして、政府の立場にある人間は、先ほど申し上げました我が内閣の歴史認識、立場、これについて誤解が生じることがないように明確に説明をしていくべき立場にあると考えます。
○白眞勲君 今、櫻田文科副大臣は、私の不徳の致すところでありますとはおっしゃいましたけれども、それはあくまでもその場所に参加したことは私の不徳の致すところであったということであって、その発言を御撤回とか、そういったことはされていないんですよね。
 櫻田文科副大臣の場合には、これは政府の一機関の人間であるということになるわけなんですけれども、それについて、外務大臣としてはどういうふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 櫻田副大臣のこの言動に対して、私は直接それに対して指示をしたり申し上げる立場にはありませんが、一般論として、政府にある者、これは政府の立場、考え方、これに沿って行動すべきだと考えます。
○白眞勲君 今の御答弁を聞いて、櫻田文科副大臣としてはどういうふうにお考えでしょうか。
○副大臣(櫻田義孝君) 私の発言が趣旨が違う意味で受け取られたとすれば、それは不本意であり、今後は十分注意して対応してまいりたいと思っております。
○白眞勲君 先日、韓国側が二十一日の記者発表で、日本の外務省から慰安婦問題をめぐり四月中旬に韓国側と協議する意思を伝達してきた、これ日本側がですね、としております。また、韓国外務省は、この慰安婦問題に関する日韓局長級会議について開催する協議をしており、日程については調整中としておりますけれども、今回、日米韓三か国首脳会談、これ韓国側が受けたのも、この件について日本側からの立場表明があったからだとの報道があるわけなんですが、これについて、外務大臣、どうなんでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 歴史問題を始め様々な課題につきまして、日韓両政府の間においては様々なレベルを通じて意見交換を行い意思疎通を行ってきております。しかしながら、この御指摘のような局長級協議等、こういったものに、具体的なこの協議については現在のところ何も決まったものはありません。
○白眞勲君 いや、何も決まったものはないということですけれども、これは慰安婦について協議をするということだということを韓国外務省は言っているんですけれども、その辺について、もう一回ちょっと確認のため御答弁願いたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) 今申し上げたように、様々な課題について意思疎通、様々なレベルで行っていますが、この慰安婦問題について新たに何か協議を行う、こういったものについて現在のところ決まったものは何もありません。
○白眞勲君 いや、決まったものではなくて、それについての協議を優先的にやるということかどうかなんですよね。つまり、慰安婦問題について韓国側と局長級会談をするかどうか、それを聞いているんです。決まったものじゃなくて、するかどうかです。
○国務大臣(岸田文雄君) 今の段階で、現在、何か協議をするという日程、予定、何も存在いたしません。
○白眞勲君 つまり、確認ですけど、慰安婦問題を優先的にやるということはないということですね。
○国務大臣(岸田文雄君) 慰安婦問題を優先的にやることも含めて何も決まったものはありません。
○白眞勲君 NSC、山崎さんにお聞きしますけれども、今回の三か国の首脳会談ですね、日米韓の、NSCとしてはどのようなお立場なんでしょうか。何か発表されていますでしょうか。
○政府参考人(山崎和之君) 今回の三か国首脳会談につきましては、総理の首脳外交の日程でございますので、総理をお支えする国家安全保障局としても関与はしております。NSCとして何らかの発表をしたということはございません。
○白眞勲君 CNNなどの外信によりますと、二十一日、これ現地時間なんですけれども、ベン・ローズ、アメリカ・ホワイトハウス国家安全保障会議、つまりアメリカのNSCの副補佐官が、定例のブリーフィングで、今回の三か国首脳会談は北東アジアにおける最重要な同盟国とともに北東アジア安全保障に対しアメリカの約束を見せる強力なメッセージだと評価しているというふうに言っているんですけれども、日本のNSCは余りこのようなことを外に出しませんね。関心ないんでしょうか。
○政府参考人(山崎和之君) ただいま御答弁申し上げましたように、NSCとしては、総理の外交日程につきましてはお支えする立場として国家安全保障局で関与はしておりますけれども、具体的に対外的にどういうタイミングでどういうことを発表するかということにつきましては、それぞれの国において発表の仕方がございますので、日本の場合には官房長官の記者会見、ないしは同行している官房副長官、外務省関係者からの御説明をしているというのが通例だというふうに承知しております。
○白眞勲君 そうしたら別にNSC要らないんじゃないですか。外務省もやっているし、官房長官もいらっしゃるのなら。
 これは、アメリカとどのような連携を取っているのかと私は非常に疑問に思っているんですね。日本版NSCと政府も言っているわけなんですけど、日本版NSCと言うぐらいでしたらば、ちゃんと日本版のNSCとして記者会見がこれぐらいあったって、ブリーフィングがあったって、私はいいと思いますよ。せっかくできたNSCですよ。
 もう少しそういったものをもっと内外共にアピールする狙い、必要性というのはあるんじゃないんでしょうか。お聞きしたいと思います。
○政府参考人(山崎和之君) 私どもといたしましては、国家安全保障会議の事務局として関係閣僚をお支えするというのが国家安全保障局の一番重要な使命だと考えております。対外的な発表につきましては国によってやり方は違いますが、重要なことは、行われていることがきちんと国民の皆様方に知らされるということが重要だと思いますので、そこは関係機関間で協力して今後も対応していきたいと考えております。
○白眞勲君 やはり、国民がきちっとそういったものを、どういうことがあって、どういうふうになっているのかというのを、NSCとしても私はしっかりとこれは出すべきだというふうに思いますよ。そうしないと、何やっているか分からないということになっちゃうと私は余り良くないんじゃないのかなというふうに思いますので、この辺りは、これ以上の答弁は要りませんけれども、もう少し検討をされた方がいいんじゃないかなと私は思います。
 小松法制局長官にお聞きしたいと思います。先日の当外交防衛委員会で、委員長からの要求で、法制局で十九日付け提出の資料についてお聞きしたいというふうに思います。
 この資料というのは、三月十三日に私どもの福山議員に対して、安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会、いわゆる安保法制懇に関して、小松長官が頭の体操をやっていると答弁された、その関連で福山議員が、では、どんな頭の体操をやっているのかということに対して資料を出すことになったわけですけど、確認のため、小松長官、それでよろしいですね。
○政府特別補佐人(小松一郎君) 頭の体操という言葉の適否という問題は別にいたしまして、三月十七日の理事会において末松委員長より提出の御指示がございました資料を提出したわけでございますが、これは、内閣法制局におきましては、安全保障の法的基盤の再構築に関しましてこの懇談会で議論が行われているということを踏まえまして、同懇談会の報告書が提出された後に、これは総理が内閣法制局の意見を聞くということをおっしゃっているわけでございますので、政府においてその対応を検討するに当たって、まず内閣法制局の法的観点からの意見を聞くとおっしゃっているわけでございますので、これに、その場合に備えまして、これまでの関係する主要国会答弁などを精査することによりまして、考え方を整理するために勉強を行っておりますということを申し上げているわけでございまして、この勉強のために過去の主要国会答弁などを整理いたしまして作成いたしましたものを提出した次第でございます。
○白眞勲君 これ私見たんですけれども、これちょっと期待外れだったんですね。これ、三月十三日の答弁では、頭の体操につきましては、もちろん今結論が出ているわけではございませんので、極めて広範な事項について一般的な形で議論をしているということでございますが、何を議論しているかということについて資料ということであれば、その範囲内でお出しする用意がありますとされて出された資料、これ資料ですか。
 そうすると、これ、タイトルにありますように、「憲法第九条に関するこれまでの国会答弁・主意書答弁書」ということであって、これで法制局は毎日頭の体操をやられているんでしょうか。
○政府特別補佐人(小松一郎君) 私どもが意見を聞かれると意見を申し上げるというのは、設置法に基づいて行うべき私どもの使命であるわけでございます。その意見というのは、何度も申し上げておりますように、政策的な観点から行うものではございませんで、法的な観点から行うと。特にこの問題につきましては、憲法、特に第九条との関係を中心に私どもが意見を申し上げるべき性格のものでございます。
 それで、こんなものがベースになるのかという御指摘でございますけれども、この問題に関する関連の答弁等と申しますのはほぼ無数にあると言っていいと思います。それで、その中から、これは、過去の見解というのは一つの体系を成しておりますので、その中でどうしても外してはならないようなものということを精査をいたしまして、それを基に申し上げる意見を勉強しているということでございまして、ベテランの白議員は、こんなものは全部知っているという、当然だと思いますけれども、例えばマスコミの方などには十分、こういう答弁もあったのかと、こういうような答弁書もあったのかということを御存じでない場合も、私も接触のある方に反応を聞いたりしておりますけれども、こういうものもあったのかということでございまして、決して無駄なものを出したという自覚はないわけでございます。
○白眞勲君 いえ、別に私は無駄なものを出したんじゃないかなんということを言っているわけでもございません。それから、私も別にそういう面では知識が豊富なわけでもないから、こういった答弁書というのは私自身も非常にこれは有り難いものだなというふうに受け取りましたけれども。
 私が申し上げたいのは、今までずっと小松長官がこの資料を出す上で、この頭の体操というのは何のための頭の体操かといえば、それはこの安保法制懇、今まさに議論が行われているこの安保法制懇に関しての頭の体操であるんだということであったわけですから、当然そうであるならば、これ議事録とかそういったものがここにあってしかるべきだと私は思うんですよ。今回の安保法制懇における議事録があったってということなんですよ。私は、それもないまま頭の体操をどうやってやるのかということを私は聞いているわけなんですね。それについてお答えください。
○政府特別補佐人(小松一郎君) 安保法制懇の議事録でございますが、これは私どもが所管をしているわけではございませんけれども、私の理解しているところでは、議論は非公開になっているというふうに理解をしております。
 ただ、これも御答弁申し上げておりますけれども、例えば、毎回の会合におきまして、内閣法制局につきましては、ナンバーツーでございます法制次長がオブザーバーとして参画をしているわけでございまして、その議論は拝聴しているわけでございます。したがって、どういうような議論をしておられるかということにつきましては、私どもとしてはそれなりに把握をしているつもりでございます。
 それを踏まえまして、報告書が出た暁には、それを踏まえて、内閣としてどういう対応を取る必要があるのかということを内閣総理大臣が御検討になるとおっしゃっているわけでございまして、それに当たっては、まず法的な観点から内閣法制局の意見を聞くとおっしゃっているわけでございますので、従来の蓄積、憲法議論の蓄積に照らしまして、そのような今行われている、私どもが理解しております議論を勉強するというのは当然のことではないかと考えております。
○白眞勲君 いえ、別に非公開の資料まで出してほしいなんて私は申し上げておりません。ちゃんと公開されている資料があるじゃないですか。その公開された資料をなぜ付けないんですかということなんですよ。それを私聞いているんですね。だって、これ付けなければ基本的な部分がないんじゃないんでしょうか。それを私聞いているんですよ。それをお答えくださいと私言っているんですけど。
○政府特別補佐人(小松一郎君) 公開されたものがあったとしても、それを、私どもがオーソリティーを持ってそれをこの国会にお出しするという立場にないわけでございまして、仮にそれを御要求ということであれば、内閣官房になりますのか、その辺り、私も判然といたしませんけれども、そちらの方に御要求をいただきたいと思います。
○白眞勲君 いや、それだったら、何で前回の第一次安倍政権のときの安保法制懇の内容がここに入っているんですか。二十ページ、二十一ページにその安保法制懇の前の内容は入っているんですよ。であるならば、これ、整合性取れないじゃないですか、言っていることが。それ、どういうことなんですか。
 前の安保法制懇の資料は出している。それでいて今回出していない。その今の御答弁ですと、法制局の長官として、これ、整合性取れないんじゃないんですか。
○政府特別補佐人(小松一郎君) お言葉を返すようで大変申し訳ございませんけれども、整合性が取れないという御指摘が私はよく理解できないわけでございます。
○白眞勲君 いや、理解できないんだったらもう一回申し上げますけれども、今「参考」にこれ書いてあるんですよ。第一次安倍内閣、二十ページ、二十一ページを御覧いただければ書いてありますよ、これ、安保法制懇の内容が、資料として。この中に載っているんですね。載っていて、今回載っていないのは、長官の今までの御答弁だと、それは合わないんじゃないんですかと言っているんですよ。それをどう捉えるんですかと聞いているんです、私は。
○政府特別補佐人(小松一郎君) 第一次安倍内閣の安保法制懇の報告書については、現実に、これは安倍内閣のときには提出をされずに、その次の福田内閣のときになって正式に提出されたというふうに記憶をしておりますが、正式に提出されたものでございます。
 現在行われておりますその第二次安倍内閣の下における安保法制懇の議論は今継続中でございまして、報告書はまだ提出されていないわけでございます。それを私どもがここにお付けするという理由も根拠もないわけでございます。
○白眞勲君 それはちょっと私としては理解ができませんね。これ、だって、もうこれ、公開された資料ですよ。公開されている資料を何で出さないんですかと私は聞いているんですね。ですので、今のままですと、ちょっとそれは私は分からないです。
 ちょっと、それともう一つお聞きしたいんですけど、この資料なんですけど、これ、もしかして安保法制懇にこの資料を出したということはないですか。二ページ目からですね。一ページ目はこれは表紙ですからあれですけど、二ページ目以降のこの内容というのは、これ、安保法制懇に出した資料とは違うんですか。
○政府特別補佐人(小松一郎君) 安保法制懇に内閣法制局から資料を出したということはございません。
○白眞勲君 今長官はオブザーバーで今の会議には参加しているんだということを聞いていますけれども、ちょっとここでお聞きしたいんですけど、このオブザーバーは委員からの質問があった場合には答えることはあるんでしょうか、お聞きします。
○政府特別補佐人(小松一郎君) 私自身ではなく、次長がオブザーバーとして参加しております。私も、ごく概要、こういう会合であったという報告は毎回口頭で受けておりますが、御質問をお受けをして、それに対してお答えをしたということがあったというふうには聞いておりません。
○白眞勲君 いや、私は、これ、非常に重要なんですね。長官が聞いている聞いていないじゃないんですよ。
 私、今日、この委員会に次長もお呼びしようと思ったんですね。そうしたら、小松長官が全部答えられますからということだったから、私は小松長官でいいでしょうと言ったんですけれども、それ、確認してください、それじゃ。聞いているか聞いていないか。それから、意見を言ったことがあるのかどうか。これをまず確認してもらいたいんですね。それ、ちょっとお願いしたいと思います。
○政府特別補佐人(小松一郎君) まず、次長がなぜ私と一緒にこの当委員会に出席しないのかという点についてお答えいたしますと、まず、各省の事務の統括というのは大臣が行われまして、法制次長というのは、事務次官の職務と横並びになっておりまして……(発言する者あり)
○委員長(末松信介君) 答弁はできるだけ簡潔に願います。
○政府特別補佐人(小松一郎君) 各省の事務次官は国会に出席を原則としてしないわけでございます。それで、私とともに法制次長が御出席するということは筋が合わないかなということを申し上げているわけでございます。
 それから、今の法制次長がオブザーバーで参加したときに質問を受けたことがあるかと、それから、お答えをしたことがあるかということについて確認しろという御質問でございますけれども、これは委員長の御指示があればそのようにいたします。
○委員長(末松信介君) 質問者が今確認ができますかという質問でございますので、それについて答弁いただきたいと思います。
 それでは、小松長官。
○政府特別補佐人(小松一郎君) それでは、確認いたしまして、適当なお時間をいただけますれば答弁をさせていただきます。
○白眞勲君 是非、これは委員会でまた御答弁をいただきたいというふうに思います。それで、そのときにどういう質問があったのか、それからどういう意見表明をしたのかということも、これ差し支えなければお話をいただきたいというふうに思います。
 そこで、一つまた別の観点からちょっとお話を聞きたいと思うんですけれども、時間がもうあれだから、じゃ、ちょっとこれ、朝鮮総連中央本部……(発言する者あり)じゃ、小松長官、どうぞ。
○委員長(末松信介君) それでは、小松内閣法制局長官。
○政府特別補佐人(小松一郎君) 今、質疑の中継を次長がテレビで見ておりまして、連絡が私の同伴してきた者に入りましたけれども、質問を受けたこともなく、お答えしたこともないということでございます。(発言する者あり)
○委員長(末松信介君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(末松信介君) 速記を起こしてください。
 小松内閣法制局長官。
○政府特別補佐人(小松一郎君) 携帯電話をこの議場に持ち込みましたということは、国会のルールに違反していて大変重大な誤りでございまして、ただいまの私の答弁を取り消させていただきます。
○委員長(末松信介君) 以後、注意してください。
 白眞勲君。
○白眞勲君 朝鮮総連中央本部の入札についてお聞きをいたします。
 昨日二十四日に前回の再入札で二番目の価格を提示した企業への売却を許可したとのことですけれども、これまずお聞きしたいんですけれども、今回、モンゴルの企業に提示しましたが、当初、売却の許可を延期をして、結果的に入札に必要な公的な証明書ではなかったとして不許可になったとのことですけれども、そもそもこれ、私ちょっとあれっと思ったのは、公的な証明書というのはそもそもこれ添付されていなかったんでしょうか。これ、お答えください。
○政府参考人(萩本修君) 以前も御答弁申し上げましたが、裁判所における競売の手続は非公開の手続ですので、ちょっと詳細は把握していないという前提で、把握している限りで御答弁申し上げたいと思います。
 聞いている限りですが、裁判所で競売に入札する場合には、法人が入札をする場合には代表者の資格を証する文書を提出しなければならないという決まりになっております。そのモンゴル国の法人が代表者の資格を証する文書として提出した文書はあったようですけれども、それを裁判所が審査した結果、正式な、正式というか、それが正当に作成されたものとは認められないという判断をし、それゆえに結果として代表者の資格を証する文書の提出がなかったものと判断したというふうに聞いております。
○白眞勲君 ちょっとよく分からないんですけれども、ということは、その書類が提出されたときに、これは、いわゆる代表者の証明事項が、そのときには受理をしたわけですよね、結果的にはね。それは本物だと思ったわけでしょう。
 それなのにもかかわらず、裁判所がこれ違うよねということになったとなったら、何でそれを受理したんだろうということになって、何かうわさによるとカラーコピーだったという話もあるんですけれども、この辺りはどうなんですか。
○政府参考人(萩本修君) 競売の手続をちょっと前提としてお話ししますと、まず執行官が入札の結果を開札するという手続を行います。そこで執行官が誰が最も高い価格で札を入れたか、入札をしたかということをまず判断をします。そして、今度、裁判所が、その執行官が最も高い価格を付けた人に対する売却を許可するかどうかを正式に決定します。
 今委員の御質問は、まずその執行官が札を開いたときには一応その代表者の資格を証する文書が付いていたので、適法な入札だと判断をして、その人を高い価格を付けた人と認めたわけです。ただ、その後、裁判所がその人に対して売却を許可するかどうかのその審査の中で改めて見たところ……
○委員長(末松信介君) 時間が迫っていますので、簡潔に。
○政府参考人(萩本修君) その文書についてやっぱり正当なものとは認められないと判断をしたという経過でございます。
○白眞勲君 まず、入札に手を挙げたときに、当然これは書類を出しますよね。その書類のときにチェックできればという、何か今の話だと、箱を開けてみたら違っていましたみたいな話なんだけれども、そうじゃないでしょう。最初に受理、受理というのかな、何ていうの、受けるわけですよね、役所で。そのときに、それが、真贋というのかな、おかしいじゃないかというふうに思わなかったのかどうかを私聞いているんですよ。それについてちゃんとお答えください。
○政府参考人(萩本修君) その辺になりますと、その個別の事案におけるその執行官の判断ですので分かりませんが、後に裁判所が否定した書類について認めてしまったということは、執行官は気が付かなかったと、見逃してしまったということだろうと思います。
○白眞勲君 あともう一件。最後になりますけれども、一回目は入札は、これは我々的な、法律的に何というか知りませんけど、流れて、二回目になったわけですよね。二回目のときには今度は二番札をした人にやる。何で一回目のときには流して、二回目のときには二番札になったのかって、この辺りは何がどう違うんでしょうか、それをちょっと最後にお聞きしたいと思います。
○政府参考人(萩本修君) 把握している限りでは、そもそもは一回目の入札のときは一人しか入札をしなかったということがまず違うと思いますし、一回目は最も高い価格で入札をした人に対して裁判所が売却を許可したわけですが、その許可を受けたにもかかわらず、その人というか、その宗教法人が代金を納めなかったということでございます。今回は、最も高い価格で入札したと一旦執行官が判断した人について裁判所が売却を許可しなかったという違いがございますので、手続の経緯に違いが生じたということでございます。
○白眞勲君 終わります。
○石川博崇君 公明党の石川博崇でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 まず、岸田外務大臣、バングラデシュとミャンマー外遊されて、今朝六時に御帰国されたばかりというふうに伺っております。大変疲労もたまっている中、当委員会での質疑、誠実に御対応いただいていることを評価を申し上げたいというふうに思いますし、大臣の外遊というのは極めて重要な外交アセットになってまいりますので、今後とも精力的に世界各地飛び回っていただきたいということをお願い申し上げたいというふうに思います。
 まず、一番最初にお伺いしたいのは、本日予定されております、最終的に私、正確な開始時間は聞いておりませんけれども、今オランダのハーグで行われている核セキュリティ・サミットにおきまして、日米韓の首脳会談が実現する見通しが立ったということでございます。
 これまで、安倍総理が誕生し、また韓国の朴槿恵大統領が誕生してから一度も両首脳間の直接的な公式の対話のきっかけ、チャンスというものがなかった中で、今回、アメリカの仲介もあってのことでございますけれども、実現する運びとなったこと、関係者の御努力にも高く御評価を申し上げたいというふうに思います。
 私ども公明党といたしましてもこうした日韓の首脳による直接的な対話の実現ということを訴えてきたところでございますが、大臣から、まず、今回このような三者の首脳会談が実現するに向けてどのように日本政府として取り組んでこられたのか、また今回、首脳会談が実現することになった場合、いかなる成果を期待されるのか、今の時点での大臣の御所見をお伺いをしたいというふうに思います。
○国務大臣(岸田文雄君) 日米韓三か国の連携ですが、北朝鮮問題を始めとする東アジアの安全保障環境を考えましたときに、この連携性の重要性は言うまでもないところでございます。
 残念ながら、今日まで日韓の間で首脳会談は実現しておりません。
 しかしながら、この日韓関係の重要性、そしてこの日韓関係が地域に与える影響等にも鑑み、我が国としましては、是非、大局的な見地から未来志向の二国間関係を築いていかなければならないと考え、様々なレベルにおいて意思疎通、意見交換は行ってきたところであります。今日まで外相会談も行いましたし、次官級あるいは局長級など様々なレベルでの意思疎通は積み重ねてきました。そして、この度、この核セキュリティ・サミットの機会を捉えて日米韓首脳会談が行われることになったことにつきましては歓迎すべきことだと考えております。
 是非、この日米韓首脳会談におきましては、核不拡散を始め北朝鮮問題等につきまして、この三か国の連携をしっかりと確認する会議になることを期待したいと思っております。
 そして、今回のこの三か国の首脳会談は、安倍総理にとりましては朴槿恵大統領と初めて直接会談を行う機会となります。是非、この未来志向の日韓関係に向けた第一歩としたいと考えております。
 引き続き、粘り強く重層的で未来志向の関係を構築すべく努力をしていきたいと考えます。
○石川博崇君 今大臣おっしゃっていただいたとおり、今回、第一歩でございます。是非、今回の日米韓の首脳会談の実現を踏まえ、今回は日韓バイの首脳会談は残念ながら予定されていないというふうに伺っておりますけれども、今後、こうしたバイの首脳会談の実現に向けても御尽力をいただきたいというふうに思います。
 また、日韓両国間には様々な諸課題ございます。歴史認識あるいはあの慰安婦の問題等、両国の立場の相違がある問題も多くございますけれども、是非、外交の極意というのは、そうした厳しい両国間の立場の違う中でウイン・ウインの関係、合意できる点をどう導き出していくのかという、外交とはそういう国際社会における芸術だというふうに評した評論家もございますが、厳しい中で、針の穴に糸を通すような作業かもしれませんけれども、二国間の関係改善に向けて様々な知恵や工夫を凝らしていただきたいというふうに思っております。
 そういう中で、是非御検討いただきたいなというふうに思っている点を今日は取り上げさせていただきたいというふうに思います。
 なかなか歴史認識等については両国間で立場の相違もありお互いに直ちに意見の一致を見るということは難しいかと思いますが、しかし、これまで両国で共通認識を持って進めてきた事業などがございます。例えば、戦時中の韓半島由来、朝鮮半島由来の軍人軍属の方々の遺骨の返還事業であったりとか、あるいは戦後サハリンに残留することになりました韓国人の方々に対する支援事業、これまで日韓で協力して進めてきたところでございます。
 特に、遺骨の返還事業につきましては、前の自公政権の折、二〇〇四年だったかと思いますけれども、盧武鉉大統領の訪日の際に行われた日韓首脳会談で盧武鉉大統領からの要請があり、それに対して、当時、小泉総理のときでございますけれども、協力していくことを約束し、その後、遺骨の返還に向けて、特に軍人軍属についての遺骨の返還に向けて、民間団体、企業、自治体や諸団体などにも調査依頼を行った上で、所在確認を行い、返還の作業を進めてきて、二〇〇八年の一月には百一体、十一月には五十九体、そして翌年、二〇〇九年七月には四十四体、二〇一〇年には二百十九体の軍人軍属の遺骨の返還が進んでまいりました。しかし、ここ最近、こうした軍人軍属の遺骨の返還が若干滞ってきているのではないかというふうにも捉えられております。
 また、軍人軍属のみならず、旧民間の徴用者の方々の遺骨の返還をどう進めていくのかということは、身元確認あるいは遺族の方々の確認作業等、作業が膨大にある、これは韓国側ともしっかり協力してやっていかなければいけないこともあってなかなか前に進んでいないという課題もございます。
 是非、今回、日韓で初めて首脳間同士が対話を行うことができたということをきっかけに、これまで両国で力を合わせて進めてきたことで、かつここ一年半ぐらいの間でなかなか進められてこなかった事業について前向きに進める意思を日本側からしっかり発信していくことというのは大事ではないかというふうに思いますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 大局的な観点から未来志向で重層的な二国間関係を進めるために、御指摘のように、具体的な課題において協力を積み上げていく、大変重要な視点だと考えます。
 そして、御指摘の、朝鮮半島出身の方々の御遺骨の返還につきましては、人道的観点から可能な限り真摯に対応してきているところですが、これまで祐天寺に預託されている旧軍人軍属の方々の御遺骨の返還を行ってきました。
 また、旧民間徴用者等の御遺骨の返還についても、実態調査や実地調査を実施し、御遺骨の所在の把握に努めておりますが、早期返還を目指して韓国政府とも話合いを行ってきているところでございます。
 また、在サハリン韓国人支援事業についても、在サハリン韓国人問題のこの歴史的経緯を踏まえ、人道的観点から、一九八八年以降、継続して予算措置を講じ、日本赤十字社及び大韓赤十字社を構成員として設立された在サハリン韓国人支援共同事業体を通じ各種支援を実施してきているところであります。
 こうした人道的な取組については、当然のことながら引き続きしっかり努力をしていきたいと考えております。そのことによって二国間関係を、全体を前に進めていく努力を続けていきたいと考えます。
○石川博崇君 是非、こうして両国で進めてきた事業、残念ながら二国間でなかなかここ数年停滞の傾向にあったものを前向きに進めていくことで、うまくてことして活用し、二国間の関係改善に努めていただきたいというふうに思っております。
 また、さらに、これは韓国の方に限りませんけれども、日本に在住しておられる永住外国人の方々、永住許可者の方々の再入国の手続について取り上げさせていただきたいというふうに思っております。
 現在、様々な法改正が行われまして、日本在住の永住許可者の方々については再入国時に今指紋押捺が義務付けられております。永住外国人の方々に対して指紋押捺を義務付けることについては、これまで歴史的にも様々な議論がございましたが、また様々な意見があるところでございますが、現場の声として一点ございますのは、二〇〇七年以降、指紋押捺が義務付けられているわけでございますが、永住許可者の方々には、家族で御渡航される、再入国を申請した上で海外に渡航される方々もいらっしゃいます。家族の方の中には日本国籍をお持ちの方もいらっしゃるんですが、再入国されるときに審査の場所が家族によって異なるということで大変不便を感じておられるというお声もあります。
 また、現在は、毎回、再入国のたびにこうした指紋情報等を提供することが義務付けられているわけでございますが、人によっては年に複数回、何回も海外渡航され、また再入国される方もいらっしゃるわけでございます。
 こうした部分を運用によって改善することができるのではないかというふうに思いますが、法務省の見解を伺いたいと思います。
○政府参考人(杵渕正巳君) お答えいたします。
 日本人と永住者等の外国人で構成される家族への対応につきましては、現状におきましても、家族が一緒に審査を受けることを希望していることを把握できた場合には、再入国用審査ブースに案内し、家族一緒に審査を行う取扱いをしているところでございます。
 しかしながら、日本人用審査ブースに並んでしまった外国人家族に対して改めて再入国用審査ブース等に並び直すように依頼する例がないわけではございませんでした。
 今後につきましては、家族が一緒に審査を受けられるように案内を徹底し、また日本人用審査ブースに並んでしまった場合でも改めてほかのブースに並び直すように依頼することなく対応することとし、日本人と外国人とで構成される家族の入国手続に対して一層配慮してまいりたいと考えております。
 他方、毎回の指紋を取るという件につきましては、永住者については引き続き必要だというふうに考えてございます。
○石川博崇君 まずは家族の中で違う審査場所になるようなことがないということを御配慮いただけるということは一歩前進ということで、御評価をしたいというふうに思います。今後とも、この点については議論をさせていただきたいというふうに思っております。
 続きまして、私の地元の話で恐縮でございますが、最近参加させていただいた事業の中で大変感慨深い思いを受けた件がございましたので、御紹介をさせていただきたいというふうに思っております。
 中国の有名な文豪魯迅のことでございますが、実は、私の地元は大阪の豊中市というところでございますけれども、ここの豊中市で中国の文豪魯迅とそして豊中市出身の西村真琴氏という方の交流を記念する展示会及びパネルディスカッションというものがございました。この西村真琴というのは、俳優の西村晃氏は有名で御存じの方は多いかと思いますが、その父親に当たられる方でございまして、生物学者であり、東洋で初めて人間型ロボットを製作したと言われている方でございます。
 この西村真琴氏は、上海事変が起こった年、一九三二年、日中両軍が衝突した直後でございますが、医療団として訪中をし、現地の負傷した人たちを治療する活動にも当たったところでございますが、このときに上海の郊外で飢えて飛べなくなったハト、鳥のハトを見付けまして、このハトを見付けた場所が三義里という場所なんですけれども、それにちなんで三義と名付けて連れて帰りました。この三義に二世、次の子供が生まれたら日本と中国の友好のあかしとして上海に贈ろうと思っていたんですが、残念ながらこのハトは日本で、地元豊中で死んでしまうわけでございます。
 こうしたことを踏まえて、日中友好の思いを込めて、西村真琴氏は魯迅に対して三義の絵とともに詩を贈ることになります。この詩を贈ったことに魯迅自身が大変感激して、漢詩を西村に返答することになります。この詩の最後に、荒波を渡っていけば兄弟がある、会って笑えば恩讐は消えるという意味の詩を記して贈っておりまして、現在もこの魯迅が贈った「三義塔に題す」という漢詩が碑文として構築されて、設置されておりまして、そうした日中間のその戦火の下で行われた友情というものが今も語り継がれているところでございます。
 御案内のとおり魯迅は日本に留学経験がございまして、仙台の当時の医学専門学校、現在の東北大学の医学部で公費で留学をしております。このときに教鞭を執っておりました藤野厳九郎氏との出会いが、小説「藤野先生」という中で記されておりますとおり、魯迅にとっては大変大きな感銘を与えることになりまして、その後、日本軍による中国本土侵攻が進むような中にあっても、上海における、例えば内山完造氏との交流を含め、魯迅は日本の友人との交流を晩年まで大切にしたということで知られております。
 今回、こうした行事に参加させていただいて、私自身、改めて留学生を受け入れる事業というものがいかに将来への投資として重要かということを実感をさせていただきました。
 外務省、文科省、また各省庁力を合わせて今留学生の受入れ事業、取り組んでいるところでございますが、まずは、外務大臣、こうした日本が取り組んでいる留学生の受入れ事業についての重要性について御認識をいただきたいというふうに思います。
○国務大臣(岸田文雄君) ただいま委員の方から魯迅のお話を伺いましたが、言うまでもなくこの近代中国を代表する文学者であり、日本の教科書も、たしかあれ中学校の教科書で私は「故郷」という作品を読んだ記憶がありますが、小中学生を始め多くの方々に親しまれております。私も「阿Q正伝」は読んだ記憶があります。
 こうした、魯迅は、仙台専門学校、現在の東北大学の医学部に留学をし、それを御縁で多くの日本人の方々と交友を深め、そして帰国してからもこうした交流が続いたということでありますし、また、仙台市あるいは東北大学においては、今日も魯迅とのこの交流を一つのきっかけとして交友が続いているという状況も聞いております。改めて、こうした留学生交流あるいは青少年交流、こういったものの大切さ、重さを感じるところでございます。
 外務省としましても、引き続きまして、留学生受入れを含む様々な交流を行うためにしっかりと支援をしていきたいと考えております。こうした環境整備に外務省としましても引き続き努力をしていく所存でございます。留学生三十万人計画達成に向けて、各省と連携しながら努力をしていきたいと考えます。
○石川博崇君 今、最後に大臣おっしゃっていただきました留学生三十万人計画でございますが、先ほど魯迅と西村真琴の交流を通じて言わせていただいたとおり、将来的な投資としてやはりこういう民間レベルの交流を深めていくためにも、留学生の受入れ事業というのは極めて重要だと思います。
 政府として、グローバル化等に対応する人材力の強化のために、昨年取りまとめられました日本再興戦略におきましても、外国人留学生を、現在約十四万人でございますが、六年後の二〇二〇年までに三十万人に倍増するという計画を立てているところでございます。六年後に三十万人、倍増でございますから、今から毎年二万人ずつ増やしても足りないというような大変高い意欲的な目標でございます。
 今日は文科省来ていただいておりますけれども、この二〇二〇年までに三十万人、果たしてどのように達成していくおつもりなのか、これは相当力を入れていかないとなかなか厳しい目標だと正直思っておりますが、いかがでございましょうか。
○政府参考人(中岡司君) 委員御指摘の二〇二〇年までに外国人留学生受入れ三十万人の目標を達成するためには、関係省庁と連携いたしましてより積極的な留学生受入れ施策を実施するとともに、我が国への留学が世界中の学生にとって魅力的なものとする必要がございます。
 このため、文部科学省では、平成二十六年度予算におきまして、日本への留学を促進する留学コーディネーターの設置などによる日本留学に関する情報発信の強化、外国人の留学生が安心して勉強に専念できる環境を整えるための奨学金等の経済的支援の充実、大学の徹底した国際化に向けた体制整備、我が国での就職を希望する外国人留学生に対する日本の企業等に就職するための支援の充実などに取り組むこととしてございます。
 一方、関係省庁におきましても、留学生の受入れ拡大に伴う審査体制の充実強化、あるいは企業側の意識改革や受入れ体制整備の促進、外国人雇用サービスセンターを中心に行う就職支援の整備、帰国留学生会への支援の充実などの取組を実施されているところでございます。
 今後とも、留学生三十万人計画の着実な実現に向けまして、関係省庁と密接に連携をし、効果的な施策を着実に推進したいというふうに考えております。
○石川博崇君 是非、これ関係省庁広く関わることではありますけれども、本当に本腰を入れてやっていかないと、とても実現できる目標ではないというふうに思っております。私どもとしても積極的にサポートしてまいりたいと思いますので力を入れていただきたいというふうに思いますが、特に大変になるなというふうに思いますのが留学生のための住居確保でございます。
 現在、十四万人の留学生の中で、いわゆる公的な、例えば学校法人が設置しているような宿舎ですとか、あるいは公営住宅等に住まわれている人、あるいはUR等が設置している公的な宿舎に住んでいる人というのは約二割で、残り八割が民間の宿舎あるいはアパートに滞在しているわけでございます。
 これから留学生を倍増していく、十四万人を三十万人にしていくに当たって、一気に公的な部分の宿舎を増築していくというのは大変厳しい中で、民間宿舎、アパート等を活用していくことが求められてくるわけですけれども、留学生にとりますと財政的負担が大変重くなるということで、この留学生の住居確保というのをいかに迅速に行っていくのか、また効率的に行っていくのかが極めて重要でございます。
 先般、私が視察させていただいた取組で大変参考になるなというふうに思いましたのは、大阪国際文化協会というところがやっております団地留学の取組でございます。これは、都市再生機構、URの団地を活用いたしまして、留学生とそして学生が同居する、ルームシェアをする、そういう取組であります。
 団地において留学ができるという、日本の学生にとっても大変有意義な経験ができますし、また留学生にとっても安心して日本の様々なことを学ぶことができる環境を得られるということでございますが、ほかにも様々な施策を活用しながらこの留学生のための住居確保に取り組んでいただきたいというふうに思いますけれども、文科省及び国交省から御答弁をいただいて、質問を終わりたいと思います。
○政府参考人(中岡司君) 委員御指摘の外国人留学生の受入れ促進に向けましては、留学生が我が国において安心して留学生活を送ることができる環境整備が重要でございます。
 このため、文部科学省におきましては、奨学金の支給などによる経済的支援に加えまして、日本学生支援機構が保有する国際交流会館などを活用した宿舎の提供及び交流事業の実施、あるいは、大学などがアパート等の民間宿舎を借り上げるに当たりまして、契約時の礼金、仲介料、保険料等に関わる費用を補助する留学生借り上げ宿舎支援事業の実施等に取り組んでおります。
 さらに、公益財団法人の日本国際教育支援協会では、留学生が民間の宿舎に入居した際の火災事故等による損害賠償に加えまして家賃の未払等の補償を行うことで、入居契約における連帯保証人の負担を軽減する留学生住宅総合補償事業を行っております。
 今後とも、外国人留学生の住環境確保に関わる支援の充実に努めてまいりたいと考えております。
○政府参考人(橋本公博君) 留学生の受入れの促進につきましては、国土交通省といたしましても従来から公的賃貸住宅等を活用した留学生の宿舎確保に努めておるところでございます。
 具体的には、まず都市再生機構の賃貸住宅につきまして、都市再生機構と大学との間で協定を締結をしていただきまして、この協定に基づき、留学生の連帯保証人となる大学側の推薦がある場合には、通常の家賃の三か月分である敷金につきまして一か月分に軽減して入居できる留学生入居促進制度を実施をしております。加えて、大学等の学校法人が都市再生機構賃貸住宅を借り上げて留学生に賃貸する方法も用意をしております。
 また、公営住宅につきましては、空き家となっている公営住宅がある場合には、地域の実情を踏まえた各地方公共団体の判断によりまして、国土交通大臣の承認を得ていただきますけれども、留学生向けの宿舎としていわゆる目的外使用することも可能となっておるところでございます。
 引き続き、これらの施策を推進することで、留学生の受入れの環境づくりに取り組んでまいりたいと考えております。
○石川博崇君 終わります。
○中西健治君 みんなの党の中西健治でございます。
 外務大臣、外遊大変お疲れさまでございます。
 まず、外務大臣にお伺いしていきたいと思います。ウクライナ情勢に絡んで、ロシア及びアメリカについてお聞きしていきたいと思います。
 まず、ロシアでございますけれども、先月の二月の二十五日に政府はエネルギー基本計画案というものを発表しております。その中で、ロシアの豊富な資源ポテンシャル、地理的な近接性、我が国の供給源多角化等の点を考慮すれば、ロシアの石油・ガス資源を有効に活用することは我が国エネルギー安定供給確保にとって大きな意義を持ち得るだけに、総合的、戦略的視点からロシアとの関係を検討していくことが必要とうたっておりました。
 これが先月の二十五日ということでありますが、それからウクライナ情勢が急転していくということになります。そして、最近では、ロシアの政府系天然ガス大手のガスプロムのCEOがウクライナ向け天然ガスの供給を停止する可能性があることを示唆するといった動きも出てきている中で、今後の我が国のエネルギー戦略に対する影響をどのように認識しているか、外務大臣の認識している範囲内で結構でございますので、お考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、エネルギーの安定的かつ安価な供給、これはこの日本経済の存立の基盤だと考えます。よって、外交を進めるに当たりましても、この供給源の多角化を図っていくこと、これが大変重要だと考えておりますし、そのために主要な資源国との間で包括的かつ互恵的な関係の強化に努めていかなければならないと考えています。
 そして、御指摘のエネルギー基本計画ですが、これは経済産業大臣の所管ではありますが、エネルギー供給に関する施策の長期的かつ総合的かつ計画的な推進を図ることを目的としております。
 御指摘の記述もそういった観点に立っての記述かと思いますが、その中でロシアのウクライナに対する対応ですが、このウクライナに対する天然ガス供給停止の示唆に関しましては報道等で承知をしております。こうした情勢につきまして、外務省としましてもしっかり注視はしていかなければならないと考えています。
 ただ、エネルギー基本計画そのものについては、これは中長期的な観点から作成されるべきものであると考えておりますので、現時点で早計にこの計画自体を変更するとか、そういった必要があるとまでは認識をしておりません。
 是非、今後とも、ウクライナ情勢、ロシア情勢につきましてはしっかり注視をしていきたいと考えています。
○中西健治君 今回ロシアが行っていることというのは、これまでのことからすると、大変大きな川を渡ってしまっているんではないかなという認識を持っている方が多いと思います。
 エネルギー基本計画というのは確かに中長期的な計画であるという位置付けであるかと思いますけれども、現時点で政府としてロシアへの期待値は下がっていないということでよろしいんでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、ロシアの今回のウクライナのクリミア編入につきましては、我が国としまして、力による現状変更は容認できないとして、G7各国とも共同声明を発出する、そして昨日はハーグ宣言を発出するなど、ロシアに対しましてしっかりとこのメッセージを発出し続けております。
 今後、ロシアの状況、そしてウクライナ国内の状況につきましてはしっかり注視をしていかなければならないと考えておりますが、こうしたG7の共同声明あるいはこのハーグ宣言を見ましても、ロシアに対しまして外交的な対応を促す、ロシアにこうした状況に対してあるべき行動に戻らす、こうしたことを促す内容になっております。是非、こうしたしっかりとしたメッセージを送り続けることによってロシアがどう対応するのか、今後の状況につきましては引き続きしっかりと注視をしていかなければならないと考えています。
○中西健治君 G7及びハーグ宣言で厳しいメッセージを出している、これは評価できるものだというふうに思います。
 ただ、昔のことを、またソ連の時代のことを少し、少しというか、想起させるような動きであったり、あと、このエネルギーに関しても、ロシアといえばサハリン2ということで日本の期待が裏切られたということもありました。ですので、期待値はやはりそれ相応に下げておくべきではないのかというふうに私自身は思っております。ですので、そうしたこともこのエネルギー政策の中でも政府として考えておいていただいた方がよろしいだろうというふうに思います。
 それから、ロシアではなくてアメリカということでお聞きしたいと思いますが、このウクライナ問題でのロシアへの制裁をめぐって、G7を始めEU諸国や日本との調整に今奔走しているというところなんじゃないかと思います。とてもこのタイミングで、日米同盟におけるそれぞれの役割分担に大きく影響を与える我が国の集団的自衛権についての議論に目を配っているどころではないという状況なのではないかなというふうに私自身は思います。
 今回のウクライナ問題で、我が国の集団的自衛権の解釈変更に関わるタイミングについてアメリカ側が時期をずらしてほしいなどと要請してくるかもしれないという可能性について、政府としては少しでも想定をしているでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、今回のウクライナ問題においては、我が国は、アメリカを始めこのG7諸国あるいはこの関係各国と連携しながら、この問題につきまして平和裏に解決が図られるべくしっかりと対応していかなければならないと思っていますし、何よりもロシアに対しましては、力による現状変更は容認できないという強いメッセージを送っていかなければならないと考えています。
 こうした緊迫した情勢の中で、我が国としましても、国際社会の中でしっかりとした責任を果たし、関係各国との連携は図っていかなければならないと思いますが、ただ、その中にあって、御指摘のこの集団的自衛権の議論につきましては、これはあくまでも我が国自身が判断する問題であると考えております。
 ですから、こうした情勢に対しては、ウクライナ情勢等に対しましては引き続きしっかりとこの状況を注視しながら適切に対応していかなければならないとは思いますが、集団的自衛権の議論は我が国自身の問題として行うべく、議論はしっかりと積み重ねていくべき課題だと考えております。
○中西健治君 我が国自身が判断する問題であるということをおっしゃられましたが、自衛権は国際法上の概念であると政府は繰り返し答弁をされております。国際法上の概念でありますから、解釈、言わばその変更を行うということになると、当然何らかの影響を関係国に与えることになるということになります。アメリカはその最たるものだと思いますし、中国や韓国というところにも影響は与えるということになるかと思いますけれども、憲法解釈の変更は純粋に国内問題であり、他国の事情は一切関係ないという認識でよろしいでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 集団的自衛権の議論は、そもそも我が国を取り巻く安全保障環境の厳しさに鑑み、また昨今、サイバーですとか宇宙ですとか容易に国境を飛び越える新しい脅威の出現等を勘案した上で、どの国も一国のみでは自らの安全や安定を守ることができない、やはり地域や国際社会全体の安定や安全を確保することによって自らを守っていく、こういった発想に立たなければならない、こういった考え方が基本にあり、その上で、今、安保法制懇におきまして憲法と集団的自衛権の問題等について議論を行っている、このように認識をしております。
 こうした議論の行方については、まだ今の段階で予断を持って申し上げることは控えなければならないと思いますが、こうした我が国の考え方について結論が出たならば、これは関係国に対しましてしっかりと説明をして理解を得ていくべき課題であるとは考えております。
 我が国は、こうした考え方に基づいて、今まで以上に国際社会に対して積極的に貢献していく、こうした積極的平和主義の考え方に立っている、こういった外交姿勢、安全保障姿勢につきまして関係国の理解を求めるべく、努力はしっかりしなければならないものだと考えます。
○中西健治君 そうしますと、今のウクライナ情勢によって集団的自衛権の解釈変更に関するタイミングは、今の時点では変えるものではないと、このようなことだと思います。
 別の角度から防衛大臣にお伺いしたいと思います。
 二〇一四年末までに集団的自衛権に関わる憲法解釈の変更や実際の行使に当たって必要な法律の改正手続が終わっていない場合、ガイドラインの見直し交渉は先延ばしとするのか、あるいはそれはそれで変わっていないということを踏まえてガイドライン見直しをまず行うのか、お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(小野寺五典君) 日米防衛協力のための指針、ガイドラインということでありますが、これは我が国に対する武力攻撃に際して日米両国の役割分担など日米防衛協力の在り方を規定するものであります。
 現在のガイドラインは、一九九七年の見直しからかなりの時期がたっております。安全保障環境も変わっているという中で、昨年の2プラス2、日米の2プラス2の中でこの見直しということが提議をされ、それが今年末までにという一つの区切りがございます。私どもとしては、このスケジュールに沿って進めていくことが現時点でのスタンスだと思っております。
○中西健治君 じゃ、集団的自衛権の議論とは別個に進んでいくと、そういうことでしょうか。
○国務大臣(小野寺五典君) お答えしましたように、日米の2プラス2の中の合意というのは、今年末までにガイドラインについての方向をまとめるということであります。
○中西健治君 続きまして、外務大臣にまたお伺いしたいと思います。中国についてです。
 これは何度か取り上げておりますけれども、防空識別区に関してでありますけれども、昨日の米中首脳会談でも言及はされていたようでありますけれども、日米両国は三月の十一日に、国際民間航空機関、ICAOに対して、各国政府が自国の管轄する空域の外を飛ぶ民間機に対し指示したり飛行を制限したりする権限を持っているのかどうかを問う内容の書簡を提出されたということであります。
 報道では、理事国が三十六あるうち、イギリス、ドイツ、韓国などの五か国が支持を表明する一方、中国やロシアなど三か国が不支持を表明したということでありますが、今後このICAOに対する書簡というのはどのように取り扱われるのか、教えていただきたいと思います。
○政府参考人(香川剛廣君) お答え申し上げます。
 御指摘いただきましたように、ICAO事務局に専門的な見解を求める書簡を米国と連名で提出いたしました。その際、ICAO事務局としてしっかりと技術的な検討をするよう申入れをするとともに、理事会においてこの共同書簡を事務局に発出した旨、発言を行っております。
 今後の対応といたしましては、このICAO事務局の検討を受けて、その回答をいただいた上でまた理事会等で議論を、関係国とともに協力して、どう進めていくのか等、取り上げていくのか検討してまいりたいというふうに思っております。
○中西健治君 時期的にはいつ頃を想定しているんでしたっけ。
○政府参考人(香川剛廣君) 次の理事会が六月を予定しておりますので、六月が一つのめどではないかというふうに考えております。
○中西健治君 もう一つ外務大臣にお伺いしたいと思いますけれども、韓国の戦時中の徴用工についてはこれまで二度か三度この委員会でも取り上げさせていただきました。新たなことが、同じような事案が中国でも起こってきたということであります。中国の裁判所、北京市の第一中級人民法院が訴えを受理したということでありますけれども、韓国については、先週の委員会でも外務大臣は、韓国政府自身が解決すべき問題であると、ですので見守っていきたいと、こんなようなことをおっしゃられたと思います。私自身は、私がそこで申し上げたのは、あちらの大法院の判決が確定する前にも国際司法裁判所に対して請求権協定の存在の意義確認をするべきではないかということを申し上げました。
 中国についても同じことが言えるのではないかと思いますけれども、あくまで事態を見守って待つという姿勢なのか、それとも何らかの方策を政府として行っていくのか、それについて御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) 中国の状況について御説明もいただきましたが、まず、政府としましては、いわゆる中国人の強制連行そして強制労働問題について、当時多数の方々が不幸な状況に陥ったことは否定できないと考えており、戦争という異常な状況下とはいえ、多くの方々に耐え難い苦しみ、悲しみを与えたことは極めて遺憾であったと考えております。
 そして、中国でのこの訴訟、この二月二十六日に提訴されて以降、政府としては関心を持って状況を注視していますが、先般、中国の裁判所において訴状が受理されたことは中国国内で類似の事案を誘発することにもなりかねず、日中間のこの戦後処理の枠組み、あるいは日中経済関係への影響、こういったものに大きな、深刻な影響を与えることを懸念せざるを得ない、このように考えております。
 さきの大戦に係る日中間の請求権の問題については、日中共同声明発出後存在しておらず、日本政府としては引き続き関心を持って状況を注視し、そしてその上でしかるべく対応していく考えであります。
○中西健治君 状況を注視してばかりだということで、これ何らかのやはり深刻な影響が日本の企業活動にも及びかねないという事柄だというふうに思いますので、是非何らかの知恵を絞って行動をしていただきたいと思います。私が申し上げたのも一つの策なんではないかと思いますが、ほかに知恵も働かせられるのかもしれませんが、是非そうしたアクションも求めたいと思います。
 私の質問はこれで終わらせていただきます。ありがとうございました。
   〔委員長退席、理事佐藤正久君着席〕
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 自衛隊でのいわゆるいじめ自殺の問題についてお聞きをいたします。
 過去十年間の陸海空自衛官及び事務官の自殺者数は年間八十一人から百一人で推移をしておりますが、自殺者数の比率は一般公務員と比べますと一・五倍ぐらいになると言われておりますが、自衛隊における自殺の原因と対策はどうなっているでしょうか。
○国務大臣(小野寺五典君) 一般的に自殺は様々な要因が複合的に影響し合って発生するものであり、個々の原因について特定することは困難な場合が多いと考えております。
 なお、自殺原因の把握については、周囲の隊員や御遺族に対する聞き取り等により可能な限り特定できるよう努めているところであり、病苦、借財、家庭問題、職務、精神疾患等その他不明という区分に整理して把握をしております。
 防衛省・自衛隊における自殺防止対策は、隊員のストレスを軽減するなど心理的ケアとして、メンタルヘルスに関する啓発教育の徹底、カウンセリング体制の充実強化、自殺事故発生後のアフターケアの実施などに努めております。また、これらの施策を推進するため自殺事故防止対策本部を設置し、省全体として自殺事故防止に取り組んでまいります。
 いずれにしても、自衛隊員の自殺に関しては、前途ある隊員を志半ばで失うことや悲しい思いをされる御家族が生じるといったことを減らすべく、今後とも自殺防止施策を強力に推進してまいります。
○井上哲士君 専ら自殺した隊員のメンタルの問題など個人的事情が問題とされて、その対策が中心だと思うんですね。しかし、実際には職場でのいじめとかパワハラとか、そういうことによる自殺が少なくありません。
 先ほど分類を挙げられましたけれども、二〇一二年では年間八十三人の自殺者のうち、精神疾患等が三十二人、その他が八人となっておりますが、この中でいわゆるいじめを理由にするものというのは何件でしょうか。
   〔理事佐藤正久君退席、委員長着席〕
○政府参考人(豊田硬君) お答え申し上げます。
 防衛省・自衛隊におきましては、先生御指摘のいじめにつきまして、特に明確な定義があるわけではございません。このため、先生の御質問に正確にお答えすることは困難ではございますけれども、特定の年度を挙げてということではございませんが、例えば過去十年間について見ますれば、直属の上司による侮辱的な言動でございますとか同僚による暴言等と自殺との因果関係が認められる旨裁判所において判断が示されたような事案につきましては、二件あるというふうに承知しております。
 その一つは、平成十一年の十一月に護衛艦「さわぎり」で起こりました自殺、三等海曹の自殺の案件でございまして、もう一つは、平成十七年の十一月に航空自衛隊の浜松の第一術科学校所属の三等空曹が自宅において自殺した案件がこうしたものに該当するのではないかと承知しております。
○井上哲士君 学校でのいじめ自殺とか、そしてスポーツ界における体罰なんかについても定義が明確でないとか、いろんな複合的なことがあるといって、これもう正面から認めないということがこの間大きな社会問題になってきたと思うんですが、今の答弁を聞いておりましても、やはり正面からこのいじめの問題に向き合うということではないと思うんですね。
 今、二件言われましたけれども、自衛隊内のいじめが自殺の原因だという損害賠償訴訟であるとか公務災害の申請はたくさん起こされておりますし、自殺に至らないパワハラ、セクハラという問題も起きております。私は、やっぱりそれを正面から認めないというところに事実を覆い隠そうとするのではないかと思わざるを得ないわけですね。
 具体的に海上自衛隊の「たちかぜ」における自殺事件について詳しくお聞きしますが、まずこの事件の概要について述べてください。
○政府参考人(豊田硬君) 「たちかぜ」事案の概要についてでございますが、平成十六年十月、護衛艦「たちかぜ」乗員の一等海士、当時二十一歳の方が外出中に自殺をいたしました。その捜査の過程で、「たちかぜ」艦内で暴行、恐喝事案があったことが判明いたしまして、その被疑者の二等海曹が起訴され、有罪となり懲戒免職にされております。この一等海士の御遺族が、自殺の原因が元二等海曹によるいじめであるとして、同人と国に対しまして損害賠償を求め提訴をされました。平成二十三年一月、一審判決が出されましたが、原告側が控訴をされ、現在東京高裁におきまして控訴審が係属しているという、こういった事案でございます。
○井上哲士君 これ、艦内にエアガンを持ち込んでこの自殺した一士の顔を撃つなど、様々な暴行と恐喝が行われておりました。
 今お話のあった裁判については、横浜地裁は十一年の六月にこの恐喝や暴行を認定をして、その精神的苦痛への慰謝料として計四百四十万円の賠償を命じました。判決文では、元二曹からの理不尽な暴行や恐喝を受けたことが、元一士の自殺の重要な原因となったと推認できるとして、上司や国の責任を認めた非常に重要な判決であります。
 一方、自殺を予見できたまでとは言えないとして賠償は認めませんでした。これを不服として遺族が控訴しているんですが、この自殺の予見性を明らかにする上でも非常に重要なのが、事故の直後に行った「たちかぜ」の乗務員に対する艦内実態調査アンケートであります。お手元にこの事件の経緯の年表をお渡ししておりますが、遺族は提訴後、このアンケートの情報公開請求をしておりますし、裁判でも証拠として提出するように求めました。ところが自衛隊は、破棄しており存在しないとして、一貫して応じなかったわけであります。
 ところが、裁判は劇的な展開になりました。一審で海自の法務官として国側の代理人を務めた自衛隊の三等海佐が、二〇一二年四月に東京高裁に実はアンケートは存在していると、文書隠しがされているという陳述書を提出をしました。すると、その二か月後の六月に海上自衛隊は一転して、このアンケートがあったということを記者会見で認めたわけであります。
 なぜこういうことになったのか。組織的な隠蔽が、大臣、行われてきたんじゃないですか。
○政府参考人(黒江哲郎君) 「たちかぜ」事案のアンケートの発見に至る経緯の事実関係でございますので私の方から御答弁申し上げますが、本件につきましては、ただいま委員の方から御指摘ありましたように、平成二十四年の六月に、それまで防衛省として破棄済みであるとしてきました「たちかぜ」乗員の自殺事案に関します艦内生活実態アンケート、この原本の存在が明らかになったということでございます。そういう意味で、当初破棄済みとしておったものが、なぜこれが存在が明らかになったのかといった経緯を調べるということで、平成二十四年の九月及び平成二十五年の七月に海上幕僚監部が調査を行い、その結果を公表いたしておりますけれども、その過程といいますか結果の中で、原因としまして二つの点が指摘をされております。
 具体的には、まずこのアンケート原本につきまして、一般事故調査報告書の作成後、横須賀地方総監部の中で行政文書として管理されずに保管されていたという意味で、極めて不適切な行政文書管理が行われていたということが第一点でございます。
 また、先生御指摘の経緯の表の中でも累次にわたって情報公開の請求等があったわけでございますが、その情報公開の請求への対応に当たりまして、アンケート原本を引き継いでいた横須賀地方総監部の監察官が十分な確認作業を行わなかったと。また、海上幕僚監部の担当課室も行政文書を特定するための必要な調整業務あるいはその手続といったものを十分に踏まなかったということで、二点目の大きな原因としまして、不適切な情報公開業務への対応といったものが行われていたというのが事実関係でございます。
○井上哲士君 文書管理の不備とか不適切な処理ということにとどまる問題では私はないと思うんですね。
 この一覧表にもありますように、アンケートの存在は、この一二年の四月に突然指摘をされたものではありません。この内部告発をした三等海佐は、昨年の十二月に控訴審で、法廷で証言もしておりますし、テレビでも証言をしております。
 裁判の担当を外れた後のまず二〇〇八年六月に、防衛省の公益通報窓口にアンケートの存在を告発しましたけれども、海上自衛隊は否定しました。さらに、二〇一一年の一月と二〇一二年の四月にもそれぞれ裁判を担当している別々の首席法務官にアンケートの存在を認めるように進言しましたけれども、いずれもこれが入れられなかったと。一一年一月には自ら情報公開請求をしたけれども、再び海自は破棄をしたと。
 こういうことをやっても、結局全部事実を認めないので、最後にはこの陳述書を出すという行動に至ったわけでありますね。ですから、きちっと対応すれば、これを発見する機会は何度もあったわけであります。
 海上自衛隊がこの特命監察や特別の調査もされておりますが、この三等海佐と二人の首席法務官のやり取り、つまり、あるということを認めろということを進言をしているわけですが、これをやらなかったということについては、こうした報告ではどのように検証されているんでしょうか。
○政府参考人(黒江哲郎君) 御指摘の海上幕僚監部によります特命監察の結果の中では、今先生御指摘になられましたような進言といった経緯につきましては特段の記述というのはしてございません。
 他方で、この告発といいますか、これは陳述書を訴訟の場で提起をこの方がされたわけですけれども、直接この陳述書の提起といいますか、提出が引き金となりまして特別監察が行われておりますので、この三佐の方がおっしゃりたかったこと、あるいはどういった経緯で自分がそういったものを知るに至ったのかといったことも含めて、特別監察の調査の過程では、当然これは調査の、何といいますか、対象となっておるということでございます。
 ですので、調査結果、先ほど私申し上げました、二つの大きな不備があったということを申し上げましたけれども、その結果の中にはこの方の御主張といったものも当然踏まえた上での結果という形になっておるということでございます。
○井上哲士君 しかし、事実経過には全くこの二人の首席法務官の進言とその対応については書かれていないわけですね。このやり取りはICレコーダーに録音されておりまして、先日もテレビ番組の中でやっておられました。まさにこれはもう事実としてあるわけですから、きちっとこれは調査もし、そして明らかにしていただきたいと思うんですね、事実関係を。
 一二年の六月にこのアンケートの存在を海幕長が会見で認めました。海上自衛隊の追加調査を見ますと、この会見で認める約半年前に、この表にもありますように、横須賀地方総監部の法務係員の二等海尉がアンケートの原本を発見して、そして係長に伝えております。ところが、海幕の法務室にも法務省にも報告しなかった。そして、その後、この事実を知った専門官が、更に上の専門官ですね、それがこの係長に対して隠密に破棄するようにという内容のメールを送っていたという驚くべき事実も調査報告書には書かれております。
 こうした自衛隊の対応について、内閣府の情報公開・個人情報保護審査会が昨年十月に出した答申で触れておりますけれども、どのように指摘をしていますか。
○政府参考人(菅宜紀君) お尋ねにつきましては、平成二十五年度行情答申第二百三十三号の中の付言におきまして、行政組織におけるガバナンスの体制が構築されていないことを示す点で問題である上、相談を受けた他の事務官らは報告を勧めるどころかむしろ廃棄を働きかけている、これらの経緯からすれば、個々の職員の対応にとどまらず、処分庁には組織全体として不都合な事実を隠蔽しようとする傾向があったことを指摘せざるを得ないとの指摘をいただいております。
○井上哲士君 組織として不都合な事実を隠蔽しようとする傾向があったと、こういう厳しい指摘でありますが、さらにこの答申では、本件のまとめ、全体としてはどういう指摘と要望を防衛省にしているでしょうか。
○政府参考人(菅宜紀君) お尋ねにつきましては、同じく答申の付言の中に、個人の資質や案件の特異性だけではなく、処分庁の組織的な傾向に関わる問題であることがうかがわれる、省略いたしますが、情報公開制度の運用全般について大きな疑念を生ずることとなる、国民に対する説明責任を進んで果たす開かれた組織として信頼を得られるよう、指摘した問題点を踏まえ、情報公開により真摯な取組をするよう要望するとの指摘をいただいております。
○井上哲士君 防衛省としての組織的な傾向に関わる問題だということを受け止めて真摯な取組をするように要望するという極めて異例な厳しい指摘がされているわけですね。
 防衛大臣に伺いますが、私は、この文書管理の不備とか不徹底とかそういうことではなくて、こういう指摘をされた、組織的な傾向に関わる問題だ、私に言わせれば隠蔽体質、このこと自身に踏み込んだ対応が更に必要かと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(小野寺五典君) 私も、一連のこの事案の報告を受けた中で、やはりこの問題について、文書管理だけではなくて、情報公開に関わる重要な問題についてしっかりとした対応が必要だということを認識をしております。
 二十四年六月に艦内生活実態アンケートの原本の存在が明らかになったことを受けて実施した海上幕僚監部の調査の結果、部内で不適切な行政文書管理が行われていたこと及び不適切な情報公開業務が行われていたことが認められたということは委員の御指摘のとおりでございます。
 防衛省としては、これらの問題を受け止め、二十四年九月に行政文書管理及び情報公開業務の適正な実施を図るための通達、事務次官通達でありますが、それを発出させていただきました。防衛省として、二度と同じような問題が起きないよう、しっかりと再発防止に努めていく考えでございます。
○井上哲士君 この問題、国会でも議論になりまして、六月に認める直前の三月に、当時民主党政権でありましたけれども、神風防衛政務官が、これは廃棄されたものと承知していると、こういう答弁を行っているんですね。つまり、不都合なことを隠蔽する、組織守るために政治家に虚偽答弁を読ませているわけですよ。
 私は、今の大臣の御答弁からは、やっぱりそういう深刻な事態を正すというような思いがとっても伝わってきません。
 そして、これは単にその担当部署の問題ではないんですね。三等海佐による告発が報道された後に当時の上官から圧力を受けたやり取りの録音が、先ほど紹介したテレビの番組で紹介されております。お手元に配っておりますが、あなたは組織の中の一員だよねと、こういうことをやるんだったら自衛隊辞めてねと、組織を離れてやるべきだと、組織の中でやっちゃいかぬよと、こういうことを言っているわけですね。
 私は、このまさに内部告発するような者は組織から出ていけというようなことが、担当部署でなくて全体としてのこの組織の傾向にあるんじゃないか、そういうことで正す必要があると思いますが、その点でも、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(小野寺五典君) この番組、たしか深夜に放送された番組だと思います。私、それを見ております。全般を通じて、やはり組織の中でしっかりと組織を正そうと思う、そういう役割を果たす隊員、職員、そういう者について、私どもとしてその意見をしっかり受け止めることは大変重要なことだと思っております。
○井上哲士君 ところが、自衛隊はこの三佐に対して懲戒処分の手続を始めているとされております。こういうやり方は内部告発を封じることによって結局こうした体質を温存することになると思いますけれども、こういうあれこれ理由を付けて別件で処分するようなやり方、これはやめるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(豊田硬君) これまでの情報公開開示請求におきまして不存在とされていた護衛艦「たちかぜ」の艦内生活実態アンケートが、先ほど申し上げましたように平成二十四年六月に横須賀地方総監部監察官室で発見された事案につきましては、現在、公益通報を行った方を含めまして複数の関係職員に対しまして様々な角度から調査を実施しているところでございまして、判明した事実に基づき適切に対処する所存でございます。
 いずれにいたしましても、防衛省といたしましては、公益通報者保護法及び防衛省における公益通報の処理及び公益通報者の保護に関する訓令を踏まえ、公益通報をしたことを理由として公益通報者に対して不利益な取扱いを行うということはございません。
○井上哲士君 時間なので終わりますが、事実上こうした内部告発者の見せしめになるような、そういう処分は行うべきでないと、そのことを改めて強く申し上げまして、質問を終わります。
○アントニオ猪木君 元気ですか。元気があれば何でもできるということで、元気があればワインも飲めるということで、両大臣、ワインはお好きですか。外務省は外国のお客さんがたくさんおりますから、ワインのクラスによってそのお客さんのランキングが決まるという話も聞いていますが。かつて、鈴木宗男さんの娘さんである貴子さんというんですかね、在外公館のワインの質問をしているようですけど、約三万四千本、在外公館。私もワインが大好きで、いい仲間と時々ワインの会をやっていますが。
 それよりも、今日は、今からちょうど六、七年前でしょうか、モルドバというところに行きました。仲間と食とそれからスポーツ交流、いろんなテーマを含めましてモルドバに訪問したとき、大統領からの招待もありましたが。
 このモルドバというのは、かつて、ウクライナのすぐ隣で、旧ソ連の時代の核の保有庫というんでしょうかね。それで、国土の三分の二ぐらいがブドウ畑で、そこの中に地下蔵がありまして、世界遺産になったんでしょうかね、それともギネスに載っかったんですが、全長、全部縦横合わせると二百キロになる。距離にすると東京から静岡ぐらいの距離になるんですが、その地下蔵にも入りましたが、まあ見事な本当に地下蔵になっておりまして、その中に迎賓館みたいな形になって、そこでワインを大分飲みました。エリザベス王家もここにワインを預けております。非常にモルドバワインの愛好者でもあると聞いていますが。
 当時、ゴルバチョフ政権のときにアルコール統制が起きまして、八六年以後、生産はしていますけど表に出ていないということで、非常に私もワインを堪能しました。で、昼間から飲んだものですから、おおモルドバよ、君たち世界遺産、俺たち飲み過ぎて太田胃散というので、非常に受けていましたけど。まあ、そのぐらい本当にワインを飲まさせてもらって。
 今日のテーマはワインじゃないんです、本当は。そのモルドバの中にあります沿ドニエストルという国が、かつてロシアの時代に、ソ連の時代ですね、ここは武器の、何というんでしょうかね、保有庫、保管庫ですね、本当にいろんな武器があり、そしてちょうどモルドバから独立宣言をして、国連ではまだ認められておりませんけど、事実上もう半分独立したような形で自分たちで自治をやっております。そこには本当に核の問題、あるいはありとあらゆる武器が保管されているということを聞いております。ちょっとそこも行ってみたいなと思って行ったんですが、立入禁止で入れてもらえなかったんですけど。
 その沿ドニエストルの、今クリミアのこういう問題がありまして、そして人口は多分ソ連とそれからモルドバ、それからウクライナってとこでしょうね、大体三割ずつぐらいの人口なんですが。この問題は、今回一番、総理も行かれて、核セキュリティ・サミットの中で余り話題になっていないと思うし、また皆さんの中に認識がないんじゃないかなと思います。その辺の、沿ドニエストルについて、もし知っていることがあればお聞かせください。
○政府参考人(丸山則夫君) ただいまの委員の御質問にお答えいたします。
 御指摘のモルドバ領内の沿ドニエストルでございますけれども、ここでは一九九〇年にロシア系住民が分離独立を宣言いたしました。九一年と二〇〇六年に独立を問う住民投票が行われ、独立賛成が多数を占めております。これまでロシアを含む国際社会は独立を承認せず、解決に向けた協議が継続されております。また、同地域には現在ロシア軍が平和維持活動のために駐留しております。
○アントニオ猪木君 二〇〇九年四月ですかね、オバマ大統領がプラハにおいて演説を行い、核テロは世界規模の安全保障に対する最も緊急かつ最大の脅威と言った上でこのサミットを提唱したことから始まりました。
 サミットにおいては、首脳レベルで核テロ対策に対する基本姿勢や取組状況、国際協力の在り方について議論しています。
 そこで、ロシアが今後、旧ソビエト連邦下にあった沿ドニエストルやクリミアなど軍事上の要衝に対しどのような影響を行使するのか、非常に今不透明な状況になっていますけれども、その辺の見解をお聞かせください。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、今回、核セキュリティ・サミットに合わせてG7の首脳会合が開かれました。総理から、この首脳会談におきまして、力による現状変更は許してはならないこと、そして、このウクライナという一地域の問題ではなくして、特にアジアを含め国際社会全体にとって極めて重要な問題であるということを強調し、多くの参加者から賛同が得られた次第であります。
 こうしたウクライナをめぐるロシアの動きにつきましては、国際社会と連携してしっかりとメッセージを発出していかなければならないと考えておりますが、一方、東アジアの厳しい安全保障環境を考えますときに、このロシアとの関係、日ロ関係を安定させることは、我が国の安全保障を確保する上でも重要だと認識をしております。特に、極東におけるロシア軍の活動は活発化傾向にあるということで、その透明性を高める、あるいは信頼関係の増進を図る、こうした重要性は認識をしております。そういったことから、昨年十一月には日ロ間で2プラス2を開催した次第でありますが、こうした日ロ関係を念頭にしながらも、ウクライナ情勢につきましては引き続きしっかり注視していきたいと考えております。
 ただ、このウクライナ情勢においても、今回のG7で発出しましたハーグ宣言の中に、ロシアには明確な選択肢があると、状況を緩和するための外交的な道筋は引き続き開かれておるという内容が含まれております。ロシアに対しましては、是非外交的な責任ある行動を求めていくという内容でありますが、こうしたメッセージをしっかり伝えながら、ロシアの今後の動向についてしっかり注視をしていきたいと考えます。
 いずれにしましても、ロシアとの対話というものは重要だと考えておりますので、この対話を重ねながら日ロ関係全体を安定させていくことも考えていかなければならないと認識をしています。
○アントニオ猪木君 次に、北朝鮮外交における国会議員団の訪朝、役割について大臣にお聞きをしたいんですが、先日、外務省にもお伝えしました、国会議員の、今年の四月末に、ゴールデンウイークですね、訪朝を計画をしております。外務省にもお渡ししましたが、北朝鮮からの書面で招待状を一月の訪朝時に受け取っております。
 三月十九日の予算委員会で、同僚の中山恭子議員が安倍総理に議員訪朝団の是非を質問したところ、総理は、言わば情報収集ということを含めて、あるいはこちら側の考え方を向こうのトップに近い人に打ち込んでいくという可能性のある中において効果的にそうしたものが行われるということであれば、私は大変有意義ではなかろうかというふうに考えているところでございますという、訪朝団に前向きな答弁をされました。
 北朝鮮については極端に情報が少ないんで、直接対話する意義は大変大きいと思いますが、そこら辺についてはどうでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、一般論として申し上げるならば、国民を代表する国会議員が外国政府等に我が国の事情あるいは国民の声を直接説明し訴えかけるということ、これは大変意味があると考えています。他方、我が国としては、対北朝鮮措置として我が国から北朝鮮への渡航の自粛を要請しており、国会議員団の訪朝についてはこの政府の方針を踏まえて適切に対応されるべき事柄であると考えております。
 そして、三月十九日の予算委員会でのやり取りでありますが、このやり取り、私も聞いておりましたが、要は、拉致問題解決に向けてそれが有益である場合、あるいは情報収集等効果的にそういったものが行われるのであれば有意義ではないか、こういった総理の答弁があったと承知をしております。しかしながら、現状においては我が国の方針、渡航自粛の方針については変更することは難しいと考えております。
○アントニオ猪木君 さきの予算委員会でも申し上げましたが、私は民間人の時代、拉致担当大臣の親書を預かって向こうに持っていったことがありますが、今本当に、テレビを見ているといろんな情報が流れて、行ったことのない評論家の方もいろいろ意見を述べられて、大変、私なりに分析すると、まあよくこういう話もできるなと、行ったこともない方がというようなことで、国民は一方的にその情報を受け取るだけですから、非常にゆがんだ部分、また確かに北朝鮮という、我々から違和感のある国には違いない。
 そんな中で、今まで私が培ってきた人脈というのか、既に、今回の総連の会館の問題も、ちょっと向こうの考え方を聞きました。私が七月に当選した折にすぐに北朝鮮に訪問したときに、総連の会館の話も出ました。そして、何とかいい方向にということもありましたが、私はスポーツ交流を通じて世界平和というテーマなのでできるだけそちらの方と、それから拉致問題には絡まないということにしていましたが、行けばやはりその辺の話も出ます。そんな中で政府の皆さんに正確な情報を伝えたいと思っております。
 先日も外務省の方が来られて、いろいろ話を聞きたいというので率直にいろいろ意見も述べさせてもらって、できれば、一つには、今遺骨の収集の問題、あるいはこれから、私どもの二〇二〇年のオリンピックに向けて、これからもうちょっと窓を、ドアを開いていかなきゃいけない。本当に振り上げた拳を下げるのは大変ですけど、ある意味での友好、これから平和というテーマのためには、振り上げた拳も下げる勇気も必要かなと私は思っております。
 そこで、先週、日朝の非公式協議が、外務省の小野啓一北東アジア課長、北朝鮮の外務省劉成日担当課長が政府間協議の再開について話し合ったと聞きます。また、三月十日から十五日まで横田御夫妻がお孫さん、キム・ウンギョンさんと再会したニュース、大変喜ばしく思っていますけど、前から私も、とにかく、横田夫妻、もう何回かお会いして、それだけかわいいお孫さんなら、どうですか、一緒に行きましょうという話もしましたが、これはともかく、今回の話題の中に娘さんの話が一切出ていないんですね、横田めぐみさんの。それは何か特別なあれがあるのでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 今回、横田御夫妻が御家族でお会いになられたということについては、長年御夫妻が願ってこられたことであり、これは私もよかったと思っております。
 そして、その中でのやり取り、会話について御質問いただきましたが、内容につきましては横田御夫妻が言っておられるとおりだと承知をしております。横田めぐみさんについてのやり取りはされなかったという記者会見で発言をされたということを承知をしております。
○アントニオ猪木君 今月の三十、三十一日には両国の局長級会議が開催されると聞きました。ようやく日朝間で話合いの環境が整い、好ましい状況になってきたと思います。日朝間は拉致問題など大変多くの懸案を抱えていますが、一日も、できるだけ本音の話ができるような環境づくりと。今まで私も、とにかくそういう拉致等、あるいはそういう問題ではなく、スポーツ交流を通じて世界平和というテーマで、話合いのできる環境づくりをということで今まで言い続けてきました。できるだけこの話が、今回の総連の会館の問題がありますので、その問題が結果的にせっかく前へ進もうとした話が後に戻らないようなひとつ皆さんで知恵を絞ってもらって、もう一つは振り上げた拳を下げる勇気も大事かなと思います。
 最後に、両大臣に見解を聞かせてください。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、今回、戦後残された人道的問題であります日本人の遺骨問題に関しまして日朝赤十字間で会談が開かれたことは意義あることであったと思っています。そして、それに合わせて日朝政府間において非公式な協議が行われました。その結果として、一年四か月ぶりに日朝間における政府間の協議、局長級の協議が三十日、三十一日、この両日で再開されることで一致をしたということであります。
 こうした対話をすることは大変重要なことだと思いますが、現状を見る限り、ミサイルですとかあるいは核実験等において北朝鮮の行動に変化は見られないと感じております。我が国としましては、従来からの方針として、拉致問題、核、ミサイル、こうした諸問題を包括的に解決するという方針で臨んでおります。是非、この方針で北朝鮮に対して真摯な行動を求めていきたいと考えています。
○アントニオ猪木君 今朝ここに来る前にいろんな書類を届けてもらいまして、この週刊誌がどこまで信用ができるか分からないんですが、今回の落札についてのことが書いてあります。私も読み上げると、確かに、ううん、ちょっと違うかなということもありますが、実際にこういう競売のあれには私も詳しくないので、これがとにかく障害にならなければということを願って、私の質問を終わります。
 ありがとうございます。
○小野次郎君 結いの党の小野次郎です。
 岸田外務大臣含めて、政府は繰り返し、河野談話の策定経過は政府として再検証する、それは国民への説明責任を果たすためだと、しかし、検証結果のいかんにかかわらず河野談話の見直しはしない。何度伺っても、何か二つのものを、両方の顔を立てようとしてつなぎ合わせているけど、すっきりとは理解できない説明を繰り返しておられる。その結果がいろんなところにはじけてきている気がするんですね。
 ほかの議員も質問されていましたけれども、萩生田自民党総裁特別補佐、二十三日、もう間もなく日米韓の首脳会談があるわけですが、三日前ですよね、三日前になってもまだ問題のある発言をされている。談話の作成過程を検証して、事実と異なる部分が明らかになれば政府が新たな談話を出す可能性はあり得るという認識をあえて示しているんですね。
 こういうタイミングにこういう立場の方がこういう発言するということをどのように受け止めておられますか。
○国務大臣(岸田文雄君) 萩生田総裁特別補佐のこの発言についてですが、萩生田総裁特別補佐は政府の一員ではありませんが、ただ、こうした発言は誤解を招くということで、二十四日、菅官房長官からこの特別補佐に対しまして電話で注意を促したというふうに承知をしております。
 我が内閣、政府の立場は、もう再三繰り返しておりますように、歴代内閣の歴史認識を全体としてしっかり受け継いでおります。そして、安倍総理自身も、これは予算委員会で発言されておられますように、この河野談話見直しは考えていないということであります。これが我が政府の基本的な立場であり、考え方であります。誤解のないように、これからもしっかりと説明をしていかなければならないと考えています。
○小野次郎君 萩生田さんは個人的発言だと釈明していますけれども、大臣は大体、彼はどういう場面でこの発言をしたか御承知ですか。
○国務大臣(岸田文雄君) その当日、私は海外におりましたが、現地の大使館で、テレビの出演の中で発言があったというような話を伺いました。
○小野次郎君 日曜日はニュース番組が続くじゃないですか、定番のですよ。局の名前を挙げていいのかいけないのか分かりませんが、毎週行われる定番の報道番組ですよ。そこで発言をされ、その趣旨が、真意を聞きたいといって外で待っていた記者さんがまたぶら下がりで聞いて、重ねて同じ趣旨を言われているので、個人的発言、政治家にとって、報道番組に出たときに、肩書が付いて出ていてしゃべっていて、それが個人的発言で済むとは思わないんですけど、大臣、そう思いませんか。
○国務大臣(岸田文雄君) そういった言動について誤解を招きかねないということで官房長官から注意があったものだと承知をしております。
 是非、我が国の政府の立場や考え方、正確に伝えていくよう努力をしなければならないと考えます。
○小野次郎君 また、私は、地元で街頭で署名集めしている人がいた、別にこれは自民党の人と言っているわけじゃないんですけれども、いたから、何かなと思ったら、談話の見直しをしてほしい人、署名してくださいと言っているんですね。説明をちょっと聞いたら、検証してもらって、事実と違うんだったら談話を見直すべきだと言っているわけですよ。
 その談話見直しの署名運動の根拠を与えているのが、一方で、半分の、前段の方の政府の説明なんじゃないですか。そういう結果も生んでいるわけですよ。これについてはどうお考えですか。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、今回、河野談話の作成過程について確認するということを政府としてやるということを表明しています。
 この部分につきましては、二月二十日の衆議院の予算委員会におきまして石原元官房副長官が出席をされ、元慰安婦の聞き取り調査結果について裏付け調査は行っていない旨、さらには、河野談話の作成過程で韓国側と意見のすり合わせがあった可能性がある旨、そして、河野談話の発表により一旦決着した日韓間の過去の問題が最近になり再び韓国政府から提起される状況を見て、当時の日本政府の善意が生かされておらず非常に残念である旨、こういった証言がございました。
 こうした証言を受けて、政府としては、国民に対してしっかりとこの説明責任を果たさなければいけない、こういった考えの下に、この作成過程について実態を把握しようという対応を行うということだと承知をしております。
○小野次郎君 ちょっと意外な発言されましたね。そうすると、その策定過程の中で、何というんですか、当時の方の証言、もう一遍聞き直すということですか。
○国務大臣(岸田文雄君) この作成過程について実態を把握するということであります。そして、証言については、元々これは匿名を条件として聞き取り調査をしたということであり、こうした前提をしっかり守っていくのは政府の信頼性を維持する上でも重要であるということは官房長官から答弁をさせていただいていると承知しています。
○小野次郎君 ですから、論点を整理すると、さっき大臣は三点あると言ったけど、三番目のその話は別。で、一番目の話は改めて聞く気はないと。要するに二番目の、日韓の外交当局間で事前にすり合わせをしたかどうかという、この点について検証されるということですか。
○国務大臣(岸田文雄君) 先ほど申し上げた点について説明責任を果たす、そのために作業を行うと承知いたしております。
○小野次郎君 前回も私申し上げましたけど、外交上の何か仕掛け、動きをするときに、その相手方の外交当局とこちらの外交当局が水面下である種のサウンド、打診をする、こうしたらこうなるの、こうしたらどうするのということを確認する、言葉を換えればすり合わせは外交の日常の仕事だろうと思うんですね。
 それを安倍内閣では、何か国民からあるいは国会で指摘されたら、その外交上の水面下の事前の打合せ、すり合わせを、どうだったのか、何がどうだったんだということを再検証してくれて、国民にお知らせいただけるという方針だということなんですか。
○国務大臣(岸田文雄君) 過去の外交案件に関しまして検証を行うかどうかということについては、これは個別に判断する問題だと考えています。ですから、具体的な案件に応じてどのように対応するのか、それは政府が判断する問題であると考えます。
○小野次郎君 何か歯切れが良くないなと思うんですが、今回はじゃなぜ検証することにしたんですか。
○国務大臣(岸田文雄君) 今回につきましては、二月二十日の予算委員会でのこの証言を受けまして、国民に対して説明責任を果たす、こういった考え方に立ち、対応を表明したということであります。
○小野次郎君 ほかの質問もあるのでこの関係はこれにとどめますけど、検証はするけど見直しはしない。今度の首脳会談も、口が悪い人が言うのは、対面はするけど懸案は論じないという話だそうですね、話題にはならないそうですけれども。
 そういう何か説明を、こっちの説明とこっちの説明を何とかうまくやっていこうみたいな外交姿勢というのはやっぱりどこか克服しなきゃいけないと思うので、是非、この歴史認識についてもちゃんと首脳同士が話ができるような状況に早くすべきだと思いますけど、大臣はどうお考えですか。
○国務大臣(岸田文雄君) 今回の河野談話につきましては、作成過程を確認いたしますが、この見直しは行わないという方針を明らかにしております。
 そして、日米韓の首脳会談におきましては、核不拡散を始め北朝鮮問題等について三か国で議論をし、連携を確認する場になるものと想定をしております。
 そして、二国間においても是非、様々なレベルや課題を通じまして意思疎通を行っていますが、この二国間、日韓間におきましても引き続きましてしっかりと意思疎通を図り、そして高い政治のレベルでの対話を実現して、大局的な見地に立って未来志向の二国間関係をつくり上げるべく努力をしていきたいと考えています。
○小野次郎君 私も、その点に関しては心からそういう成果が上がることを願っております。
 さて、法制局長官にお伺いします。
 先日提供いただいた資料についてお伺いしますが、私は、頭の体操というのは、いろいろなケースを想定した非公式でかつ未発表の検討を意味するんじゃありませんか。法制局長官、頭の体操というのはどういう理解でいるんですか。
○政府特別補佐人(小松一郎君) お答え申し上げます。
 これはもう、本日も答弁申し上げたところでございますけれども、安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会の報告書が提出された後に、それに対する対応を内閣において検討をするということを内閣総理大臣がおっしゃっていると。その最終的結論を出す前に、内閣法制局の法的な観点からの意見を聞く、また与党の意見もお聞きになると、こうおっしゃっているわけでございまして、したがって、私どもは、いろんな個別のケースについてどうするかということは、これは政策の問題でございますので、そういうことについて私どもが勉強するということが使命とは思っておりませんので、憲法九条に関するこれまでの議論というのは積み重ねがございますから、それとの関係でどういう意見をいずれお出ししなければならないかということを念頭に置いて勉強をしているということでございます。
○小野次郎君 質問にちゃんと答えてくださいよ。頭の体操って何だと思っているんですかと聞いているんです。
○政府特別補佐人(小松一郎君) 今申し上げたような勉強を頭の体操という言葉で申し上げました。
 この言葉の選択が適切かどうかということについて私自身も自信がないということを福山委員との御質疑において、その当初から申し上げております。
○小野次郎君 あなたが提供した資料というのは、端的に言えば、これから安保法制懇のいろんな結論、報告が出た後に対応するための頭の体操ではなくて、これまでの政府部内あるいは法制局内の解説をまとめたものだったんじゃないですか。
○政府特別補佐人(小松一郎君) 例え話で恐縮でございますけれども、大学の入試の共通一次試験がいつ、これいつが行われるかということは決まっていないわけでございますけれども、行われると。それを受けなければならないと。そういう立場からすれば、いわゆる過去問というのを勉強をするというのは当然のことではないかと考えます。
○小野次郎君 何か噴き出しそうになってしまう例を挙げられるんで、攻めにくいんですが。
 それで、仮にその参考書で過去問だとしたら、福山さんも聞かれた、今日も白議員も聞かれましたけど、じゃ、それを参考にして行った頭の体操の内容を示す資料はどこにあるんですか。
○政府特別補佐人(小松一郎君) 今申し上げましたような勉強は通常の業務の一環として行っているものでございまして、提出申し上げました資料のほか、既存の法令集でございますとか参考書などが存在いたしますが、いろいろなケースを想定するといったような検討作業は、先ほど御答弁申し上げたとおりやっておりませんので、御質問のような資料は存在いたしません。
○小野次郎君 もう一遍確認しますよ。
 頭の体操の内容を示す何らかの資料がこの間いただいた資料と別に存在したら大変なことですよ。資料は全くないんですか。紙なしでやっているんですか、頭の体操を。
○政府特別補佐人(小松一郎君) ございません。
○小野次郎君 後で存在することが明らかになったら、これはもう事もあろうに法律を扱う局でそういうことを対応していたとなったら、国会だって黙っていられないということを取りあえず申し上げておきますけど。
 全くノーペーパーで頭の体操をやっているって、じゃ、誰が何しゃべったかって後で分かんないじゃないですか。
○政府特別補佐人(小松一郎君) 私どもは、内閣法制局設置法に基づきます所掌事務といたしまして、内閣総理大臣にいずれ意見を申し上げなければならないという立場にあるわけでございます。その意見はまだ申し上げておりません。それで、それはなぜかと申しますと、安保法制懇の報告書が出てから意見を聞くと総理大臣がおっしゃっているものでございますから、それに備えて勉強をしているというわけでございまして、誰が何と言ったというような資料はございません。
○小野次郎君 長官に別の角度から聞かせていただきますが、日本の憲法秩序の中では、憲法解釈の最高権威はどこの部局になりますか。
○政府特別補佐人(小松一郎君) これは参議院の予算委員会でももう答弁申し上げましたけれども、憲法解釈の最終的な判断というのは、最高裁判所が憲法八十一条に基づきましてお示しになるというものだと思います。
 ただし、御答弁をもう既に申し上げておりますとおり、これは司法権の作用でございますので、具体的な法律上の争訟というものがございまして、それについてのみ、個別の案件についての争訟事件についてのみ示されるということでございます。フランスやドイツにございますような憲法裁判所はないわけでございますので。
 他方、行政府は日々行政を実施しなきゃいけないわけでございまして、憲法九十九条は公務員の憲法尊重義務を定めてございますので、日々、これはまず第一義的に、行政府では内閣が憲法の解釈を行った上で、その下にある法令の解釈も行った上でないと行政が実施できないわけでございますので、これが私が申し上げている御答弁でございます。
○小野次郎君 つまり、集団的自衛権に関する安保法制懇の議論自体も、またその報告を受けてつくり上げられる内閣の意思も、やはり憲法第九条に関するこれまでの最高裁の判断から逸脱することはできないと理解してよろしいですか。
○政府特別補佐人(小松一郎君) 繰り返し申し上げますけれども、憲法解釈についての最終的判断は最高裁判所がお示しになるものでございます。
○小野次郎君 重ねて聞きますよ。現行憲法、憲法改正じゃないんですから、現行憲法九条の下で日本の安全保障を考える限り、確立された憲法上の要請である、外部からの武力行使に対して、我が国の独立、安全を守るために必要最小限度の実力手段の行使は排除されない、許されるという自衛権の範囲については、集団的自衛権の行使を容認する立場に立ったとしても、そういう結論を出そうとした場合にもこのラインから逸脱することは許されないと私は思うんですけれども、御認識をお伺いします。
○政府特別補佐人(小松一郎君) 総理も繰り返し御答弁になっておられますとおり、懇談会の報告書が出てから対応を検討するということでございまして、今私どもとして私どもの意見の内容について結論を出しているわけではございませんので、お答えする立場にございません。
○小野次郎君 もうそろそろ時間ではありますけど、そういった青天井の議論をして、何でもありですよみたいな、法制局長官が言っているのは僕はおかしいと思いますよ。やはり、法律的な議論をするんだったら、そこにはこういう土俵の中の議論ですよというのがなければ、自由にお絵描きしていいってものではないんだと思いますけど。
 法制局長官、今あなたがお答えできるのは限られているとは思いますけれども、この土俵というのは、やっぱり憲法九条の今までの最高裁の判例、示している判断などの範囲内での議論だということじゃないんですか。
○政府特別補佐人(小松一郎君) これも予算委員会、当院の予算委員会等において繰り返し御答弁申し上げておりますけれども、内閣が内閣の解釈を示す、決めるというに当たって、憲法を始めとする法令の解釈についてどういう限界があるかということについては、平成十六年六月十八日の島聡衆議院議員に対する政府答弁書でお答えしておりまして、これは詳細は繰り返しませんけれども、縮めて申し上げますと、論理的整合性や合理性のない恣意的な解釈変更は認められないが、このような厳しい制約を前提として熟慮した上で真に至当であるという結論が得られた場合には……
○委員長(末松信介君) 時間が参っておりますので、簡潔にお願いします。
○政府特別補佐人(小松一郎君) 解釈変更はおよそ許されないわけではないということでございます。
○委員長(末松信介君) 小野次郎君、簡潔にお願いします。
○小野次郎君 私は、あなた自身が司法の裁判が最終的な判断だと言っていて、最高裁が示してきた判断の範囲内のことですよねと言うと、今度また司法の判断でない例を挙げて答えられるから堂々巡りになるので、是非その辺はきちんと整理することが、まあ憲法の番人とか言う人もいるらしいですけれども、そういうお立場におられるわけですから、しっかりと役目を果たしていただくことをお願い申し上げて、私の質問を終わります。
○委員長(末松信介君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。
 防衛大臣は御退席いただいて結構でございます。お疲れさまでした。
    ─────────────
○委員長(末松信介君) 次に、在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。岸田外務大臣。
○国務大臣(岸田文雄君) ただいま議題となりました在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案理由を御説明いたします。
 改正の第一は、在外公館に勤務する外務公務員の在勤基本手当の基準額を改定することであります。
 改正の第二は、外務公務員の研修員手当の支給額を改定することであります。
 以上の改正内容については、平成二十六年度予算と一致させて行うため、四月一日から実施する必要があります。
 以上が、この法律案の提案理由及びその概要であります。
 何とぞ、御審議の上、本件につき速やかに御承認いただきますようお願いいたします。
○委員長(末松信介君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後四時六分散会