第186回国会 外交防衛委員会 第12号
平成二十六年四月十七日(木曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 四月十六日
    辞任         補欠選任
     大野 泰正君     岡田 直樹君
     中泉 松司君     脇  雅史君
     堀井  巌君     北村 経夫君
     北澤 俊美君     羽田雄一郎君
     藤田 幸久君     金子 洋一君
 四月十七日
    辞任         補欠選任
     山口那津男君     新妻 秀規君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         末松 信介君
    理 事
                佐藤 正久君
                松山 政司君
                三木  亨君
                福山 哲郎君
                石川 博崇君
    委 員
                宇都 隆史君
                岡田 直樹君
                北村 経夫君
                小坂 憲次君
                牧野たかお君
                脇  雅史君
                金子 洋一君
                羽田雄一郎君
                白  眞勲君
                牧山ひろえ君
                新妻 秀規君
                中西 健治君
                井上 哲士君
              アントニオ猪木君
                小野 次郎君
   国務大臣
       外務大臣     岸田 文雄君
   副大臣
       外務副大臣    岸  信夫君
   大臣政務官
       経済産業大臣政
       務官       田中 良生君
       防衛大臣政務官  木原  稔君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        宇佐美正行君
   政府参考人
       外務大臣官房審
       議官       山上 信吾君
       外務大臣官房参
       事官       下川眞樹太君
       外務省総合外交
       政策局軍縮不拡
       散・科学部長   北野  充君
       外務省中東アフ
       リカ局長     上村  司君
       財務省国際局次
       長        梶川 幹夫君
       文部科学大臣官
       房審議官     磯谷 桂介君
       経済産業大臣官
       房審議官     森   清君
       資源エネルギー
       庁電力・ガス事
       業部長      高橋 泰三君
       原子力規制委員
       会原子力規制庁
       長官官房審議官  片山  啓君
       原子力規制委員
       会原子力規制庁
       長官官房審議官  山本 哲也君
       防衛大臣官房審
       議官       鈴木 敦夫君
       防衛省運用企画
       局長       中島 明彦君
   参考人
       株式会社国際協
       力銀行代表取締
       役総裁      渡辺 博史君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○原子力の平和的利用における協力のための日本
 国政府とアラブ首長国連邦政府との間の協定の
 締結について承認を求めるの件(第百八十五回
 国会内閣提出、第百八十六回国会衆議院送付)
○平和的目的のための原子力の利用における協力
 のための日本国政府とトルコ共和国政府との間
 の協定の締結について承認を求めるの件(第百
 八十五回国会内閣提出、第百八十六回国会衆議
 院送付)
○第三海兵機動展開部隊の要員及びその家族の沖
 縄からグアムへの移転の実施に関する日本国政
 府とアメリカ合衆国政府との間の協定を改正す
 る議定書の締結について承認を求めるの件(内
 閣提出、衆議院送付)
○武器貿易条約の締結について承認を求めるの件
 (内閣提出、衆議院送付)
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○委員長(末松信介君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、堀井巌君、中泉松司君、大野泰正君、北澤俊美君及び藤田幸久君が委員を辞任され、その補欠として北村経夫君、脇雅史君、岡田直樹君、羽田雄一郎君及び金子洋一君が選任されました。
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○委員長(末松信介君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 原子力の平和的利用における協力のための日本国政府とアラブ首長国連邦政府との間の協定の締結について承認を求めるの件外一件の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として外務大臣官房審議官山上信吾君外十一名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(末松信介君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(末松信介君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 原子力の平和的利用における協力のための日本国政府とアラブ首長国連邦政府との間の協定の締結について承認を求めるの件外一件の審査のため、本日の委員会に株式会社国際協力銀行代表取締役総裁渡辺博史君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(末松信介君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(末松信介君) 原子力の平和的利用における協力のための日本国政府とアラブ首長国連邦政府との間の協定の締結について承認を求めるの件及び平和的目的のための原子力の利用における協力のための日本国政府とトルコ共和国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件の両件を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○宇都隆史君 おはようございます。自民党の宇都隆史です。
 先日は、三人の参考人の先生方にこの委員会に来ていただきまして、この原子力協定の意義もそうですし、我が国の原子力政策に関しての貴重な御意見、御批判もいただいたわけであります。
 この協定を審議する過程の中で、我が国の原子力政策、今後、細かい部分までしっかりと固め切っていない状況の中で、こういう形でまた協定に基づいて原子力の輸出をしていく、非常に複雑な思いがする先生方もこの委員会の中にもたくさんおいでだと思うんですが。
 まず、その中で、特に争点になった一点目について質問をするんですけれども、今回の、特に二協定のうちトルコに対する協定、このトルコの中の協定の文言を見ていきますと、濃縮、それから再処理に関して非常に前向きなのではないかと受け止められるようなできる規定の文言が入って、そこが非常に、物議といいますか、その意図するところは何なのかというのが質問の争点に上ったんではないかと思います。今日は、もうこれが二時間で最後の質疑なものですから、改めてそこの部分を大臣に確認したいんですが。
 特に、近年における韓国であったりロシアであったりとの同じような協定はどういう文言になっていたのか、そして、今回はそれよりもいわゆる濃縮、再処理に関して前向きであるというような意図であるのか、そこのところの御説明をお願いします。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のウラン濃縮、再処理の規定ぶりですが、まず、各国の規定ぶりにつきましては、例えば韓国及びロシアとの協定においては、我が国及び相手国の双方について二〇%以上の濃縮及び再処理を規制する、こういった規定ぶりになっております。また、ヨルダンあるいはベトナム、こうした国との協定におきましては、相手国についてのみ濃縮及び再処理を禁止、規制する、こういった規定になっております。
 こうした各国との濃縮、再処理に関する規定ぶりに関しましては、我が国としましては、まず一つは核不拡散の見地から、それから相手国が濃縮、再処理技術を既に有しているかどうか、こういった相手国の事情ですとか、あるいは相手国の原子力あるいは不拡散に関する政策ですとか、さらには相手国との間で想定される原子力協力の具体的な対応、さらには国際的な議論、こういった点を勘案して、そして総合的に検討し、そしてそれぞれの国の協定の規定ぶりになったということであります。
 そして、今回の日本とトルコの協定におきましては、この濃縮、再処理の規定について、まず我が国としては、基本的にトルコに濃縮、再処理は認めないという方針の下にこの協定の交渉に入った次第です。そして、その経緯につきましては既に当委員会でも何度か御説明させていただいておりますが、トルコが他の国と結んでいる協定との比較ですとか、あるいは国内における議論ですとか、こうした議論を踏まえてトルコ側からこの規定ぶりについて要請が出され、そして交渉の結果、御指摘のような規定ぶりになった次第です。
 我が国としましては、現状お示ししているこの規定によりまして、実質、トルコに濃縮、再処理を認めることにはならない、こうした実質を確保できると判断してこういった規定ぶりを認めたわけでありますが、こうした我が国のトルコに対して濃縮、再処理を認めないという考え方については、三回にわたるトルコとの協定交渉の場においても公式の場においても正式に再三伝えてきているところでありますし、我が国政府としましても認めない方針は明らかにしているわけですし、そして国会との関係においても、再三国会の質疑の場で認めないという方針を明らかにし、議事録にとどめさせていただいてきた、こういったことであります。
 こういったことを通じまして、我が国としましては、トルコに対して濃縮、再処理を認めることはないということを確認させていただいた次第であります。
○宇都隆史君 外務大臣、何度も同じような御答弁で、ありがとうございました。
 つまるところ、今回のこのトルコの協定に関しても、我が国は濃縮、再処理、そういうのを絶対認めない方針というのは、この近年にわたる前政権からの、もう引き継いだ形で認めていかないと。そして、今回の協定もよく見れば片務的であり、また二〇%という文言等もなく、非常に厳しい条件を課しているというところで、やはり平和目的のための原子力の技術、これの提供に我々は貢献はするけれども、それ以外は認めないんだというそのスタンスは引き続き堅持していただきたいと思います。
 さて、しかしながら、その次に考えていきたいのは、やはり安定的に安全にこの核技術というのを運用していく、その技術提供、ノウハウ、そしてそのプラント、これを我が国がそれを求めたい国に提供していくというのは、これは当然あってしかるべきなんだろうと思うんですが、今度、悪意を持たずに正規にしっかり安全に運用しようとしていても、それを悪意を持って、他から核技術であったり、あるいは核燃料であったり、こういうプラントであったりを妨害しよう、攻撃しようとする勢力というのは皆無ではないわけなんです。そこが核セキュリティーという意味でしっかりと考えていかなければならないところで、先日の参考人との意見交換の中でも、私は、日本の原子力施設に対する防護、セキュリティーというのはまだまだ劣っている、そこは教訓として抽出できていないんではないかということを指摘させていただきました。
 そこで、規制庁に質問いたしますが、核セキュリティー、今言ったような対テロとか、そういう悪意を持った攻撃に対する我が国の脆弱性、これに関して、福島第一原発事故から得られた教訓として規制庁はどのようにお考えですか。
○政府参考人(山本哲也君) お答えいたします。
 委員御指摘の、まず福島第一原子力発電所の事故でございます。これは自然災害によるものではございますけれども、全ての交流電源を失い、あるいは原子炉の冷却機能を喪失し、使用済燃料プールの冷却機能を喪失したということで、炉心が溶融し、大変大きな被害を及ぼした事案だというふうに認識しているところでございます。
 他方、これは自然災害でありますけれども、こういう設備が被害を被りますとこういう大変大きな事態も生じるという原子力施設の脆弱性を露呈したものであるというふうに考えてございます。それで、御指摘のように、核セキュリティーの観点からは、そういう設備が仮にそういうテロ行為によりまして攻撃を受けますと甚大な被害を受けてしまうと、こういうおそれがある事象であったというふうにも認識しているところでございます。
 それで、従来、原子力発電所につきましては、このセキュリティー対策につきましては、原子炉等規制法という法律の中で、事業者に対しましてテロリストの侵入などの対策を求めているところではございますが、先般のこの福島第一の原子力の事故を踏まえまして、その教訓を踏まえて関係省令の改正を行いまして、建屋の外にあります重要な設備の防護措置を求めること、それから、もちろんセキュリティー全般の対策を強化する観点から、特に国際的な水準に劣ることのないように、IAEAの核物質防護に関する勧告文書というのがございますけれども、これを踏まえた防護措置の強化を求めているところでございます。
 具体的には、福島第一の教訓について申し上げますと、従来は原子炉、あるいは中央制御室といった原子炉建屋本体のところを防護するのが中心でありましたが、今回のように建屋の外にあります重要な設備が攻撃を受けた場合に対してもこれを十分守れるよう、周辺設備への防護壁の設置をするなどの対策を新たに求めているところでございます。それから、IAEAの勧告を踏まえた対策といたしましては、従来の立入り制限区域の範囲を更に広くする制限区域の設定をするとか、サイバー攻撃に対する対応、防護本部の多重化、無停電電源対策、あるいは不正傍受対策の強化、それから内部脅威でございますけれども、内部で作業される方は二人以上で、いわゆるツーマンルールというものでございますけれども、そういったことを規制として盛り込んでいるところでございます。
 これは事業者の対応ではございますけれども、さらに、原子力発電所周辺におきましては、警察によります常駐の警備部隊、それから、海におきましては海上保安庁の巡視艇が常時配備されているところでございますので、こういったことを相まって核セキュリティーの強化に取り組んでまいりたいというふうに考えているところでございます。
○宇都隆史君 事故後に、政府としてもろもろの対策の強化というのは取られているんだろうと思います。
 今御答弁いただいたように、防護壁を造ったりだとか警察を増強したりだとか周辺海域の海上保安庁の警備体制を強化したりとかあるんでしょうけれども、まだまだ、これまでの流れの中で原子力を担当している民間の警備の意識と、それから実際に我が国の国防に関わるような訓練をしている防衛省との間の乖離といいますか、差というのは非常に多いような気がいたします。
 専門的に軍事的な訓練を受けたような特殊工作員が数名入り込んできて、それなりの装備を持ってきたときに、本当にそれが対応できるのだろうか。あくまで前回よりは、事故前よりは強化したというそれは比較差であって、本質的な、悪意を持ったプラントに対する攻撃に対しての対応というのがしっかり取れているのかという部分は、私はまだまだ想定外になっているんではないかなということを深刻に憂えているわけなんです。
 そこで、防衛省にもちょっとお聞きしますけれども、仮に、災害でも結構です、原子力災害があったときに、そのプラントに対して災害派遣を自衛隊として行わなければならない、その上でのハード的な不備というのに、自衛隊の中で、こういう原子力災害の専門家という人員が極めて少ないという話であったりとか、そういう部隊自体も一部しか持っていないわけですね。
 あるいは、そういう原子力施設が多数存在する、立地されているようなところのすぐ近くに駆け付けられるような部隊がどの場所にもきっちりあるのかというと、例えばですけれども、福井などは原発立地過密地域ですけれども、あの福井のところにもし災害があったときに駆け付ける隊区に指定されているのは石川県にある金沢の連隊なんですね。何か起こってすぐ駆け付けても、陸路だけでもう二時間近く掛かってしまうというような、そういう連隊に災害派遣の隊区は任せていて、実際にその現場で話を聞いてみると、非常に問題である、自分たちも危機的に問題点を感じているというような話も聞きます。
 あるいは、実際に放射能で汚染された中での活動をしなきゃいけないような場合について、ロボットであったり、今回も水を投入するのに急遽ヘリに放射線を余り透過しないようなフィルムを中に張って水を投下したという事案も聞いていますけれども、その辺りの防衛省としてのハード上の不備というのをどの程度お捉えになっているか、これ、政務官、お願いいたします。参考人でも結構です。
○政府参考人(鈴木敦夫君) 私の方からは、まず、自衛隊のこうしたいわゆるNBC対策というか、そうしたものの体制について御説明させていただきたいと思います。
 自衛隊におきましては、核・生物・化学、いわゆるNBC兵器ですが、こうしたものが使用された場合等に対応するために、化学防護車ですとか生物偵察車、除染車等を装備する化学科部隊というものが合計十七個部隊、人員にして約九百五十名、こうしたものを保有しております。
 それに加えまして、その中で、平成二十二年度以降、広い範囲にわたりまして放射線探知等が可能になるNBC偵察車というものを整備を開始いたしまして、中央特殊武器防護隊を始めまして順次その化学科部隊に配備してきているという状況がございます。万が一原子力災害等が発生した場合には、これらの化学科部隊が放射線による汚染地域における情報収集、これは検知ですとか識別等になると思いますが、それを行いまして、人員、車両等の除染も行うということになっております。
 防衛省といたしましては、こうした部隊を含めまして、自衛隊が持てる能力を最大限発揮できますよう必要な体制を引き続き整備するということに努めておりまして、平成二十六年度、今年度予算におきましても、NBC偵察車ですとか各種の線量率計、それから個人用の防護装備など、所要の装備の取得に必要な経費を計上させていただいておるという状況でございます。
 以上でございます。
○宇都隆史君 二十六年度の予算でそこに対する強化をしっかり盛り込んだ、そこのところは評価するところでもあります。
 しかしながら、全体を見た中で本当にどれぐらいの規模の部隊が、もちろん限られた予算ですから何でもかんでもというわけにはいかないんでしょうけれども、ある程度、このぐらいの人員とこれぐらいの装備をもってすれば何か一つのものがあったときにはきっちりと対応できるというような数量的なものもよく考えた上で、昨年よりも強化をしましたというのでは、さっきの規制庁の話と一緒だと思うんですね。特に防衛省は実務を担当する役所ですから、その辺りはしっかりと認識をして体制整備に励んでいただきたいと思います。
 また、今答弁の中にはなかったですけれども、先ほど私が一つの例に出しました福井原発に対してどうするのかという話に関しては、たしか二十六年度の予算で緊急の展開用地の調査費も付いていると思うんですけど、調査費が付くということはそこから数年掛けてだんだん整備するような形になると思うんですけど、比較的時間がない、緊急性は非常に高いものだと思います。現地出身の国会議員の我々の同僚からの声も上がっていますし、また国会議員だけではなくて地域の首長あるいは地方議会の方からも、いざとなったときにどうなるんですか、防衛省として何らかの方策を考えているんですかという意見はよく上がっております。
 是非、この辺りも、政務官含めて政務三役、現地に足を運んでいただいて、現地のニーズと、それから国を守る上での本当に必要な措置、それからそれに対する人員、装備、よく考えた上で早急な整備を図っていただきますようお願いをしたいと思います。
 最後に一点、防衛省の取組について現状をお伺いしたいんですけれども、テロに対する原発施設の警護、実際にテロ情報であったりとかその緊迫性が認められているような状況にあって、現行の法制度では、警護出動では原子力施設を自衛隊が守れることにはなっていないわけです。これ、再三にわたって自民党の部会等でも検討しなければならないということを野党時代から言ってきたわけなんですが、防衛省として、今のこの検討体制、どのような現状にあるんでしょうか。
○大臣政務官(木原稔君) これ、宇都議員がもう以前から非常に懸念を持ってずっと考えておられることだと承知しております。
 自衛隊法第八十一条の二に規定する警護出動でございますが、これは、大規模なテロが行われるおそれがあり、かつ、その被害を防止するための特別の必要がある場合に下されるというものであります。警護出動の対象施設にこの原子力発電所を追加すべきとの御指摘も含めて、テロ等の不測の事態から原発施設等を守ることは極めて重要でございます。
 政府部内での十分な調整が必要な事項でもありますから、国会での御議論も是非議員に喚起していただきながら、それを踏まえつつ適切に対応してまいります。
○宇都隆史君 本日は問題提起にとどめておきますけれども、是非真剣に御検討ください。我々が協定を結んだ韓国、ベトナムあるいはロシア、こういう国々も、基本的には公安庁とかしっかりとした国の機関、そして軍もいざとなったらすぐに入れるような体制を取りながらやっぱりこのプラント等の安全に活用しているわけですね。
 現行法においては、防衛省は警察と治安出動が下令されるという前提での訓練を行っているというやには聞いております。しかしながら、治安出動下令前における情報収集、これは隊法の七十九条の二ですけれども、このときに行われる武器の使用であったりあるいは自衛隊の部隊に与えられている権限は、警護出動の与えられている権限等を見ると非常にお粗末な権限しか与えられていないんですね。その辺りのことをよくよく勘案をして、これは問題提起にとどめておきますけれども、余り時間を掛けずに、しっかりとその問題点の抽出と対策を練っていただきますようお願いをいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
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○委員長(末松信介君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、山口那津男君が委員を辞任され、その補欠として新妻秀規君が選任されました。
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○福山哲郎君 おはようございます。福山でございます。よろしくお願いいたします。
 もう時間がありませんので、今日はもう早速行かせていただきます。
 まず外務大臣、先週のNPDI、お疲れさまでございました。各国の外相が直接広島を訪れていただいて、そして被爆者の体験も聞かれたと。さらには、慰霊碑にも献花をされ、原爆資料館も御覧になられたということで、私は大変、大臣お疲れさまだったと思いますし、外務省を始めそれぞれの皆さんに心から敬意を表したいというふうに思います。
 NPDIは、御案内のように、我々の政権の岡田外務大臣が形として付けられて、今、岸田外務大臣の下できっちり動かしていただいていることに関して本当に感謝を申し上げる次第でございます。報道等では、成果が乏しいと皮肉交じりの報道がありますが、私は、軍縮・不拡散の問題というのはそんなに目に見えた成果が出るようなものではないと。いかにそのことについて各国の首脳が共有していくかが重要だと思いますし、特に今回、広島という、外務大臣は地元でもいらっしゃいますが、非常にインパクトのあるというか、被爆国として日本がその場所でNPDIをされたことについて本当に敬意を表したいというふうに思います。
 一方で、実はゲストスピーカーとしてアメリカの国務次官、ガテマラー国務次官も訪日されたり、さらにはNPTの準備会合の議長が来日されたりということで、この点についても非常に良かったのではないかなと思っております。特に、国務次官のガテマラー次官が、個人的な意見とはいいながら、人間として深い同情という言葉を発せられたということは、これは歴史的に私は意義があると思います。私が副長官のときに、実はルース大使が初めて広島の慰霊祭に御出席をいただきました。こうやって歴史を一つ一つ重ねることによって不拡散の流れが積み上がっていくことを私は希望しております。
 岸田大臣、是非、NPDI、終わった後の評価というか、自らの感想も含めて御答弁をいただければと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) 四月の十一日と十二日にかけまして、NPDI外相会合を広島で開催させていただきました。その際には、民主党の先生方、また与野党の多くの国会議員の皆様方にも、貴重な御提言ですとかアドバイス、御協力をいただきました。改めて心から感謝を申し上げたいと存じます。
 今回のNPDI外相会合、二〇一〇年にこの枠組みができましてから八回目の会合ですが、初めて日本で、そして被爆地で開催することとなりました。
 まずもって、今回の八回目の会合は、来年二〇一五年に予定されております五年に一度のNPT運用検討会議に向けてしっかりとした政治メッセージを発する、こういった意味で重要であると位置付けられてきたわけですが、あわせて、被爆地で初めて開催されるということから、御指摘のように、各国の外相、参加者には、原爆慰霊碑の参拝、あるいは平和記念資料館の視察、そして被爆者の方々からも直接話を聞いていただく、こういったプログラムを用意いたしました。この点につきましては、各国の参加者から大変大きな反応が、反響がありました。大変心に重く残った、忘れられない経験であると、ほとんど全ての参加者が口々にこういった感想を述べておられました。こうした被爆の実相に触れていただいた上で、この議論に参画をしていただきました。
 結果として、広島宣言、そして六つの作業文書をまとめることができました。NPDIとしましても、今日まで十の作業文書を来年のNPT運用検討会議にまとめてきましたが、合わせて十六の作業文書を来年のNPT運用検討会議に発出することとなりました。
 そして、これも御指摘がありましたように、今回、米国のゴッテメラー国務次官、核保有国から初めてNPDI外相会合にゲストスピーカーとして出席をしていただきました。あわせて、CTBTの促進会議の議長でありますインドネシアからもマルティ外務大臣に出席をいただき、そしてNPT運用検討会議の準備委員会の議長でありますロマン・モレイ大使にも出席をいただいたということであります。このように、NPDI自身は核兵器を持たない国十二か国の枠組みですが、CTBTですとか、あるいは核保有国ですとか、他の立場に立つ国々とも連携を確認できたという意味で、今回の会議は大変大きな意義があったのではないかと考えております。
 原爆投下から七十年になります二〇一五年に開催されますNPT運用検討会議に向けて、是非我が国としましてもしっかりと国際世論をリードしていきたいと考えております。
 改めて御礼を申し上げ、御報告とさせていただきます。
○福山哲郎君 ありがとうございました。
 五年前のNPT運用検討会議は、まさに被爆者の方が展示を国連会場でやられたりアメリカの高校生に話をされたりということで、私も出席させていただいたんですが、それからもう五年でございます。来年に向けて、是非日本として、NPDIだけではなくNPT運用検討会議においても多大な貢献をいただきますように、まずは祈念を申し上げたいと思います。
 そして、その核不拡散の議論に関わる原子力協定の質疑に入らせていただきたいと思います。
 珍しく、私はこの協定の賛否について悩みました。福島第一原子力発電所の事故の災禍はまだ続いています。避難されている方々は十四万人を超えています。汚染水の処理は、日々新たな課題が出現し、混迷を極めています。
 トルコからの強い希望があったことは私も理解をしておりますが、日本国内の輸出時の安全確認体制がまだ不備であることは国会でも明らかになっております。トルコ国内の規制機関や放射性廃棄物の処理体制が万全でないことを考えても、私は、輸出には極力慎重であるべきだと思います。いや、輸出しない方がいいとも考えております。
 しかしながら、我々民主党政権時に、ヨルダンやベトナム等との原子力協定を皆様にお願いをした経緯がございます。私は、外交というのは継続性が大切だと思っておりますし、別に批判をするわけではないんですが、例えば、当時、もう勇退された議員なので名前は申し上げませんが、ある公明党の議員は我が政権の総理に向かって、まさに放射能汚染の死の商人の片棒を担ぐ、そういう格好にしか見えないと言われました。そして、結果として反対をされました。まさに、原子力を低減すると言いながら輸出をするというのは、国内と海外でダブルスタンダードではないかという批判をあちこちの政党からいただきました。私は、批判をしたいから今申し上げているわけではありません。そのぐらい多分難しい問題なんだと思います。
 自民党も、原子力ではありませんが、民主党の交渉するTPPだから反対だというような議論がありました。例えば、今日は小野寺防衛大臣いらっしゃいませんが、小野寺防衛大臣は当時TPP反対で、私とテレビ討論の相手側でした。与野党の対処の仕方というのは本当に難しい問題だと思います。それぞれの政党の事情もある、政局もある。私も、野党として反対だと言えれば非常に楽だなと、この協定は思いました。
 私は、脱原発論者です。福島の事故を目の当たりにし、官邸で東電や保安院の対応と向き合った者として脱原発をしたいと願っておりますが、一方で、先ほど申し上げましたように、我が政権が原子力協定をお願いしたときの、今、岸田外務大臣のところに座っておられたのが玄葉外務大臣でございました。私はそのとき、末松委員長のところに座っておりました。
 今回、我が党は、党内本当に大激論があったんですが、やはり継続性、もう一つ申し上げれば、今回のトルコとの協定の交渉に入ったのは民主党政権時です。その責任はあると考えて、非常に厳しい選択でしたが、賛成をすることを党として決めました。
 私は、核不拡散の問題は、先ほどのNPDIの問題も含めて重要だと思いますし、私自身も一生懸命これからも取り組んでいきたいと思いますので、この協定というのは、不拡散、平和利用の問題も含んでいる、そして我々にも責任がある、野党になったからといって安易には反対はできないと、そういう自問自答を繰り返した中で今質問に立っています。
 輸出についてはできるだけ抑制的にしたいという思いは今も変わりません。党としては国内ゼロを三〇年代に決めましたので、我々としては、海外に輸出することの批判を受け止めて、将来の在り方についてこれからもしっかり再検討が必要だという認識に立っております。
 そういった思いをまず述べさせていただいた上で、岸田大臣にお伺いをします。この原子力協定というのは原発輸出を自動的に決めるものとは限らないと、例えばあるプロジェクトを確実に、そこに自動的に決めるものではないというふうに私自身は理解をしていますが、そのことについて大臣から御答弁いただけますでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、今委員のお話を聞いておりまして、民主党におかれましても、こうした原子力政策あるいは原子力輸出に関しまして、真剣に、そして深い議論をされておられることに敬意を表し申し上げたいと存じます。
 そして、その上で、我が国としましては、あの福島第一原発事故という悲惨な事故を経験した立場から、その経験あるいは知見、これを国際社会と共有することによって原子力の平和利用の安全についてしっかりと貢献をしていく責務があるということ、これを再三申し上げているところであります。
 まずもって、相手の国の原子力政策ですとか様々な事情をしっかり勘案した上で、相手の国が原子力を導入しようとしている、そうした政策を持ち、そして何よりも、この原子力の安全を大事にしたいとし、そしてそのために日本の世界最高水準の技術をしっかり共有したいという思い、こういった要請をしっかり確認した上で、我が国としてそれに応じていくというのは、先ほど申し上げました我が国の国際社会に貢献する責務の在り方としてあり得る姿ではないかと考えております。
 しかしながら、今審議をお願いしておりますこの原子力協定というものは、あくまでもそうした協力、貢献の前提として、相手の国に原子力の平和利用、さらには不拡散、そして様々な国際的な原子力安全関連条約の遵守、こういったものをしっかりと求めていく、こうした法的な枠組みをしっかりとはめる、こうした枠組みであるということであります。これを今国会に御審議いただいているということでございます。
 この後、協定が結ばれた後、具体的な協力あるいは原子力安全への貢献につきましてはまた別途丁寧に議論を進めていかなければならないと思いますが、その大前提としてこの協定はしっかり結んでおかなければならない、こういった考えで国会の審議をお願いしている次第でございます。
○福山哲郎君 御丁寧に答弁いただいて、ありがとうございました。
 協定そのものについては、原発を輸出するための十分条件ではない、あくまで必要条件の一つだという認識でよろしいですね、大臣。
○国務大臣(岸田文雄君) 我が国が原子力の平和利用の安全に貢献するための大前提としてこの協定は結ばれていなければならないと考えております。
○福山哲郎君 なかなかはっきり答えていただけなかったんですが、私はそのように認識をしております。
 その中で、先ほど宇都委員との話の中で大臣はっきり言われましたので、再処理、濃縮を認めない方針は明らかにしていると、そこは私も信頼をしておりますし、先ほどのNPDIの広島宣言の会合にはトルコの外務大臣も出席をいただいていることは私は非常に評価をしています。つまり、NPDIに参加をし、核不拡散の問題についてコミットしているトルコの国の外務大臣が出られていると、まさかそこで再処理、濃縮という議論は出てこないと、それは一つの私は現れている形としては評価をしたいというふうに思います。
 ただ一方で、トルコが一体他の国とはどういう協定を結んでいるのか。カナダ、アルゼンチン、韓国、フランス、米国、実はトルコは各国と原子力協定を結んでおります。日本だけがこうやってポジティブの協定を結ばされたのではないのかという懸念が若干あります。
 このことについて、他国との協定はどういう状況になっているのか、政府委員でも結構でございますので、お答えいただけますでしょうか。
○政府参考人(北野充君) お答え申し上げます。
 トルコと各国との原子力協定、これまで締結、発効したものとして六件ございます。そのような各国との原子力協定につきましては、トルコとそれぞれの国との事情、原子力政策、想定される原子力協力の態様というものを踏まえてそれぞれ定められているというふうに理解をしております。
 今お尋ねの濃縮、再処理ということにつきましては、トルコと各国との協定におきまして、協定の適用を受ける核物質の濃縮、再処理というのは一切認められていないというケースはございませんで、また規制がない例というのも幾つかあるところでございます。
 具体的に申し上げますと、カナダ、韓国、ロシアとの協定におきましては、トルコと相手国の双方を規制する形で、協定の適用を受ける核物質を二〇%以上に濃縮する場合及び再処理を行う場合には両締約国政府の合意又は核物質を供給した締約国政府による合意が必要という、そのような規定ぶりになっております。アルゼンチン、フランスとの協定におきましては、濃縮、再処理に関する規制に関する規定は特に置かれていないという状況と理解をしております。
 また、アメリカとの協定におきましては、アメリカ、トルコ双方を規制する形で、再処理については、両締約国政府が合意する場合を除くほか再処理されない、また濃縮については、両締約国政府が合意する場合を除くほか移転後に濃縮されないという、そのような規定ぶりとなっております。
 以上でございます。
○福山哲郎君 今のお答えのように、日本だけがポジティブな表現をのまされたわけではないということは、それで私は確認をさせていただきましたし、二〇%の濃縮の具体的な数字が入っているということも、これは軍事転用にならないぎりぎりのラインだということについて、こういう表現を韓国側と、それからカナダとはしていると。日本では二〇%の濃縮も含めて認めていないということですから、より包含的なというか厳しい状況になっているということだというふうに認識をしております。
 ただ一方で、これだけ具体的に濃縮の数字や何かが出ているということは、トルコの国内でやっぱり濃縮、再処理をしたいという国内世論等があるのではないかというふうに若干懸念をせざるを得ないんですが、そのことについては、大臣、いかがですか。
○国務大臣(岸田文雄君) トルコの国としての政策を考えますときに、先ほど委員からも、NPDIにトルコのダーブトオール外相が出席したという点、御指摘をいただきましたが、トルコはNPDIのプロセスには第一回目から参加しておりますし、第四回目のNPDI外相会合も議長国としてリードするなど、不拡散の分野におきましてそもそも積極的に取り組んでいる国であると認識をしております。
 こうしたトルコとの関係において、濃縮、再処理の規定を始めとする協定の交渉を行ったわけでありますが、トルコ、今日まで様々な国と協定は積み重ねておりますが、現時点で、我が国と協定の交渉をする時点において、濃縮、再処理につきましては、我が国の考え方について我が国としましてもしっかり伝えた上で理解を深め、そして今回の規定ぶりに至ったと理解をしております。
 こうしたトルコの政府としての方針、そして今回の規定ぶりをめぐる交渉、これはやはりトルコ国内の様々な国民世論を反映した上での動きであると認識をしております。
○福山哲郎君 今大臣がかなりはっきり御答弁いただいたのでもうこれ以上は申し上げませんが、そのことについては、万が一トルコ政府の対応が変わったりした場合には、日本はそれを断固として拒否し、できるだけ早く国会に報告をしてほしいと思いますので、そのことについては強く申し上げておきたいと思います。
 一方で、日本は、原子力協定、他国との今交渉中のものも幾つかあります。私が懸念をしているのは、これは各委員会でも大臣も御答弁いただいているかもしれませんが、NPT未加盟で核保有国であり核実験もしたことのあるインド、さらにはIAEAの追加議定書未締結国であるサウジアラビアとも今協定の締結に向けた交渉を進めていると聞いています。
 私は、被爆国であり、さらには福島の事故を経験した日本として、無原則に原子力協定を進めていくことについては非常に心配をしていますし、私はある意味良くないと思っております。特にNPT未加盟のインドというのは、二国間関係が中国との関係も含めてあるのは僕は重々承知をしていますが、その交渉については慎重にするべきだと実は政権のときにも申し上げておりました。サウジアラビアも同様でございます。
 そういった問題について、私は無原則に行うべきではないと思いますが、大臣の見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) おっしゃるように、我が国が原子力において協力をする、原子力の安全に貢献する、こうしたことのためにこの原子力協定の締結を行うわけですが、その際に、やはり核不拡散の観点ですとか、あるいは相手国の原子力政策ですとか、さらには日本と相手国との信頼関係ですとか、様々な二国間関係の現状等も総合的に勘案した上でこの対応を考えていかなければならない、無原則で行うものではないと考えます。
○福山哲郎君 無原則で行うものではないとはっきりお答えをいただいたので、今後どういった原則が必要なのか。そのうちの例えば一つとしては、この間の参考人でもありましたように、相手国側の例えば立地環境の問題、そこの自治体の関係、住民避難の問題、それから使用済核燃料、核廃棄物の処理の体制の問題、規制機関の問題、そういった問題が非常に私は今後横たわってくると思っております。
 そんな中で議論になっています、公的信用を付与する際における安全確認の機関が今は空白になっているということでございますが、経産省にお伺いします。この安全確認についての規制官庁としての機能を持っているところは今あるんでしょうか。
○大臣政務官(田中良生君) お答えいたします。
 この原発の安全確保という点でありますが、原子力規制委員会設置後でありますが、安全確認の手続の在り方でありますが、政府において今検討を進めているところであります。
 今までも、この原発の安全確認に関しては様々な事実関係の確認をしてきたものであります。今政府内にそうしたものがないという御指摘でありますが、今、早急にこの件に関しては検討を進めているところでございます。
○福山哲郎君 あるのかないのかだけお答えください。もうそれだけで結構です。
○大臣政務官(田中良生君) 現在、この……
○福山哲郎君 いや、あるのかないのか。時間がないから。
○大臣政務官(田中良生君) 現在は検討中であるということでございます。
○福山哲郎君 だから、あるのかないのかを答えてください。
○大臣政務官(田中良生君) ないということでございます。
○福山哲郎君 今、ないんですね。ないんですよ。規制官庁は、保安院を規制委員会にしたわけですから、規制委員会しかないんです。
 規制委員会は、田中委員長も含めてこの安全確認はするつもりがないと言われていますが、事実関係、規制委員会、短く答えてください。
○政府参考人(片山啓君) お答えいたします。
 今委員御指摘のとおり、原子力規制委員会というものは原子力施設に係る国内規制を担っているということでございまして、原子力資機材の輸出における安全確認については原子力規制委員会の所掌外であるというふうに考えてございます。
○福山哲郎君 そうすると、安全確認する場所はないんです。検討している中で経産省が安全確認するのは、推進機関が安全確認するので、これは理屈として合いません。規制委員会は所掌ではない、それから規制委員会は推進機関ではないということで、今、拒否をされています。
 私は、規制委員会設置法を改正してでもこの安全確認の作業を規制委員会にやってもらうべきだと思いますし、そうでないと、この協定を始めとした原発輸出に対する国民の懸念は払拭できないと思っておりますが、外務大臣、いかがですか。
○国務大臣(岸田文雄君) ただいま国会で原子力協定について御議論いただいているわけですが、今後、協定が締結されて、そして仮に具体的な原子力協定の事案が進むとしたならば、こうした案件が進む中にあっては、御指摘のように、この原子力安全確認の我が国の体制、これはしっかりと整えなければならないものだと私は考えております。
○福山哲郎君 当然で、それを経済産業省内でちょこちょこと安全確認しましたなんという事務手続上に変えたら、曲がりなりにも前は保安院がやっていたわけです。曲がりなりにも保安院がやっていたものをあえて推進官庁内でやるということは恐らく許されないと思いますので、そこについてはしっかりと規制委員会に安全確認をするように私は制度を変えていただきたいと思っております。
 一方で、公的ファイナンスを付けるに当たって、JBICや貿易保険が基本的にはOECDの環境コモンアプローチに基づいてやられています。
 お手元にお配りした三枚、実は、まずはOECDの環境コモンアプローチというものの一枚目が内容でございます。これは、真ん中ぐらいに実は国際基準としての原子力安全条約の例示というのがあるのと、下の方に実はメンバー国の社会的人権政策というのがOECDの環境コモンアプローチには入っております。これは非常に重要です。
 二枚目を見ていただきますと、二枚目が実は安全確認の用紙です。今申し上げた、保安院がなくなって今安全確認をする場所がない状況でのこれが安全確認の用紙ですが、右側を見ていただきますと、放射性廃棄物の処理の問題、それから事故時対策の補償制度の問題等、かなり専門的な中身になっております。ところが、この安全確認の書面は実は二〇〇三年二月に作られておりまして、先ほどのOECDのガイドラインは二〇一二年でございます。
 私は、この書面も、改めて福島原発事故を踏まえ、今の規制基準を踏まえ、この書面も見直さなければいけないというふうに思いますし、これだけの書面について確認をするに際しては、私は規制委員会がやるべきだというふうに思っておりますが、外務大臣、規制委員会、いかがですか。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘の点、大変重要なポイントではあると存じますが、具体的にどういった対応をしていくのかにつきましては経産省等を中心に今検討が進んでいるものと外務省としては認識をしております。
○政府参考人(片山啓君) お答えいたします。
 繰り返しになり誠に恐縮ではございますが、先ほど申し上げましたとおり、原子力規制委員会は原子力の資機材の輸出について御意見を申し上げる立場になく、また、各国の原子力施設の安全の責任は同施設を管轄する国が負うということが原子力の安全に関する条約でも示されているかというふうに承知をいたしております。
○福山哲郎君 だからこそ、逆に言うと、推進官庁だけの内部でやれば余計輸出する側として責任が問われることになります。万が一事故のときも含めてです。
 三枚目を見てください。JBICのこれ実は環境チェックリストです。原子力発電とありますが、ここには明確に、ほかのリストもあるんですけど、明確に住民移転、生活、生計のことが書いてあります。
 実は、参考人質疑において、トルコ内のシノップの市長が反対をしているとか今反対運動が起こっているとかいう議論が参考人の中でありました。JBICが公的信用を付与するというのは、JBICは一応公的資金が入っておりますので非常に重要なポイントになります。JBICにおかれましては、是非このJBICのガイドラインに応じて、更に言えば、日本の今の原発事故の状況も含めて厳しくこのことについては調査をしていただきたいと思いますが、総裁、いかがでしょうか。
○参考人(渡辺博史君) お答え申し上げます。
 JBICにおきましては、投融資等の対象プロジェクトに関して私どもの環境社会配慮ガイドラインというものでチェックをしておりますが、この環境社会配慮ガイドラインそのものは、今委員御指摘のOECDの環境コモンアプローチ等に適合するような形で作られているというところでございます。
 この中では、それぞれの国において、地域社会あるいは自然環境に与える影響ということについてどういう形できちんと分析あるいは評価をしているかということを確認すると、そういうことを踏まえまして、最終的に私どもが判断をさせていただく、そういう手続を踏ませていただいております。
○福山哲郎君 ODAもよくあることですが、それで融資ができないということもあり得るということですね。
○参考人(渡辺博史君) お答え申し上げます。
 今おっしゃいましたような、審査を満足させない結果が出るということは、余り期待してはおりませんけれども、そういうことはあるという前提で考えております。
○福山哲郎君 財務省、せっかくお越しいただいたので聞きます。
 世銀、アジア開発銀行、ADBは原発への融資の枠組みはありますか。
○政府参考人(梶川幹夫君) お答え申し上げます。
 世界銀行、アジア開発銀行共に、現在、原発支援は行っておりません。
○福山哲郎君 理由は分かりますか。
○政府参考人(梶川幹夫君) 理由でございますけれども、まず、世界銀行の方は、明示的に機関決定はしておりませんけれども、再生可能なエネルギーというところを中心にやっておるのが理由だというふうに承知しております。
○福山哲郎君 もうこれで終わりますが、原発施設の安全性や核不拡散に対する専門性を有していないというのが昨日の財務省の答えでした。つまり、原発の安全性とか不拡散に関する専門性とか評価というのは、他国がしたり金融機関がするのは難しいという判断が世銀やADBでございます。
 ですから、そういった状況の中で、今回、まず、安全確認をする機関がありません。それから、トルコの国内の問題があります。ということも鑑みて、私は、まず、この安全確認をする機関をきちっと国民にも理解できるような形で整備をしていただくこと、それから、このガイドラインに沿って、ガイドラインの中では、OECDの中では原子力安全条約が一つのメルクマールだと書いてありますが、安全条約はもっと厳しい状況になっています。
 そういった状況の中で、協定通ったから輸出が全てできるということではなく、まだ環境が全く整備をされていないと、輸出には慎重に慎重を期していただくと。それが、逆に言うと、トルコとの関係も含めて、トルコの安全性を確保することも含めて重要だということを御指摘申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
○石川博崇君 公明党の石川博崇でございます。
 本日は、トルコ、UAEとの原子力協定対政府質疑、最後の質疑となります。短い時間でございますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 我が党といたしましても、今回のUAE、トルコとの原子力協定の閣議決定前党内審議プロセスにおきましては様々な意見が出ました。先ほど民主党の福山筆頭から話がございましたとおり、前回の原子力協定には我が党として反対をした経緯がございます。前回反対に至った最大の理由は、あの三・一一東電福島原子力第一原発事故の事故直後であったこと、事故の原因究明が十分にはなされていないこと等が最大の理由でございました。
 そうした中で、今回、与党としてどのように責任ある対応を取っていくのか。当然、慎重な意見も多くあったのが事実でございます。党内の議論の中で、その後、国会の事故調による報告書も出たこと、あるいは福島における復旧復興も、まだまだ道半ばではございますが、着実に帰還準備も含めて進んでいること等を含めて、今回、私ども公明党としては賛成することにしたわけでございます。当然ながら、福島で今なお帰還困難な状況に置かれている方々の復旧復興、これを最優先に挙げていくということは大前提でございます。
 そしてもう一点、私どもとして是非とも重視をしていかなければならないというふうに考えておりますのは、今回の福島の事故、この教訓を世界、国際社会においてしっかりと共有をしていくこと、そして二度とこのような事故がないように、私ども日本として責任ある行動を取っていかなければならないということではないかと考えております。
 そういう意味で、おとといの質疑におきましても私の方から重点的に質問をさせていただきましたのは、人材育成に関することでございます。我が国の企業が関わる原子力発電所の建設計画、あるいはその後の運転管理におきまして、ヒューマンエラーに基づく事故を絶対に起こしてはならないという固い決意で日本政府としても取り組んでいただきたいというふうに切にお願いをしたいと思います。
 経産省、文科省、そして原子力規制委員会におきましては、それぞれ海外からの研修生の受入れ事業を行っております。今回、トルコとの原子力協定におきまして研修生の受入れということが具体的に明記され盛り込まれたことというのを、是非政府としては、外務省のみならず関係当局重く受け止めていただきたいというふうに思っております。
 非常に幅広い分野の人材育成が必要となってまいります。先日も、参考人の方からの説明でもございましたが、建設に実際に関わる現場の作業員の方々、そして運転に関わる方々、設計に関わる方々、またマネジメント、経営管理に関わる方々、さらには規制、その規制の制度に関わる方々、あるいは検査体制に関わる方々、非常に幅広い分野での人材育成が極めて重要になってまいります。
 今回のトルコ、ア首連との原子力協定を受けまして、経産省、文科省、原子力規制委員会におきましては、更にこうした人材育成事業、研修員の受入れ等、力を入れていただきたいと思いますが、今、原子力規制委員会、そして文科省において進めておられる事業においては、どうしても、これまでの経緯もあって、アジア諸国を中心に人材育成事業を行っていくということが明記をされておられましたり、あるいは原子力規制委員会におきましても、中国、ベトナムが基本的にこれまで研修員の対象国となっていたというふうに思っております。今回、トルコ、ア首連との協定締結を受けて、対象国拡大、また必要なニーズにきちんと応えていくということが必要だと思いますが、それぞれ御答弁をお願いしたいと思います。
○政府参考人(片山啓君) お答え申し上げます。
 我が国の原子力規制に関する知識、経験というものを国際的に情報提供するということは、先ほど委員も御発言ありましたように、東京電力福島原子力発電所事故を経験した我が国の責務であるというふうに考えてございます。そういう観点からも、原子力の新興国を含めた諸外国の原子力規制機関に対する国際協力というのは重要であるというふうに考えてございます。
 今般、原子力協定が締結されるトルコ、UAEを始めとした中東諸国に対しましても、原子力規制委員会が担当する分野は原子力規制機関の人材育成かというふうに承知をしておりますけれども、先方の具体的な要請を踏まえまして今後検討してまいりたいというふうに考えてございます。
○政府参考人(磯谷桂介君) お答え申し上げます。
 文部科学省といたしましては、国際交流事業といたしまして、海外の研究者を我が国の研究機関等に招聘いたします放射線利用技術等に関する研修を実施する研究者育成事業、あるいは対象国での講師候補を招聘いたしまして放射線利用技術等に関する研修を行う講師育成事業の二つの事業を行っております。アジア諸国を中心に、原子力の基礎基盤分野の人材育成に取り組んでおります。両事業の実施に当たりましては、各国のニーズ等を踏まえまして研修対象国や研修コース等を選定しておりまして、トルコについては、平成二十六年度より講師育成事業の対象国として追加しております。
 文部科学省といたしましては、引き続き、原子力の基礎基盤分野の国際的な人材育成事業の充実に努めます原子力協力協定の締結を機に、トルコやアラブ首長国連邦などのニーズ等を踏まえて対応してまいりたいと考えております。
○石川博崇君 ありがとうございます。
 あわせて、ここは広島御出身であります外務大臣にお伺いをしたいんですが、こうした研修生の方々、原子力の平和利用に関わる人材の方々でございますが、平和利用と核兵器の分野というのは表裏一体の部分がございます。そうした日本で核の原子力分野における平和利用の研修を行われる方々、是非、せっかく日本に来られる機会に、被爆地広島あるいは長崎を訪問していただいて、核の悲惨さ、あるいは被爆地の実相というものを見ていただく、そういう機会を可能な限り持ってもらうことが重要ではないかというふうに思いますけれども、大臣の御所見をいただきたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) 原子力の平和利用につきましては、本当に様々な幅広い分野の能力や人材が求められます。そしてその際に、やはりどうしても核不拡散というテーマにも関わりが出てくる部分はあるかと存じます。そういった点を考えますと、被爆地を訪問して被爆の実相に触れるということも意義があるのではないかと考えます。
○石川博崇君 是非、経産省、文科省、原子力規制委員会、それぞれ事業を組む中でこうした点を参考にしていただき、日程的な、スケジュール的な点もあろうかと思いますけれども、広島、長崎の実相に触れる機会を可能な限り設けていただくよう、これは御要望として申し述べておきたいというふうに思います。
 それから、続きまして、公的信用供与の際の輸出国先の安全規制の確認業務についてでございますが、これ、先ほど福山委員からも御質問ありました。私自身も、JBIC、NEXIが公的信用を供与する際にこうした確認する官庁がいまだに定まっていないということを、是非政府として反省をしていただきたいというふうに思っております。衆議院でも、幾度もこの点について我が党からも指摘がございました。また、参議院においても幾度となくこの点、この委員会でも質問がなされている状況で、経産省からは答弁が、繰り返し検討中でありますという答弁が続いているというのは大変遺憾に考えているところでございます。
 是非、迅速な結論を出していただきたいというふうに思いますし、私、個人的には、やはり規制とそして推進の機能を分離するという原則の下に規制委員会が設けられた経緯を踏まえれば、やはりこの安全確認、これは事実関係を確認するという部分が大宗を占める業務ではありますけれども、やはりそこに信頼性を持たせる、そして客観性また安心感を国民の皆様、これは公的信用ですから、国民の皆様に安心感を持っていただくという観点からも、私、個人的には規制庁が引き続き役割を担うべきではないかというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、早期に結論を出していくべきだと考えておりますが、経産省、いつまでに結論を得ることを考えているのか、御答弁をお願いいたします。
○委員長(末松信介君) 資源エネルギー庁高橋電力・ガス事業部長、しっかり受け止めて御答弁ください。
○政府参考人(高橋泰三君) はい。
 お答え申し上げます。
 これまで、先ほど御審議ありましたように、二〇一二年にOECDの環境コモンアプローチが改訂されましたので、その改訂を踏まえまして、諸外国の取組を踏まえまして、今後、具体的な案件が生ずるまでに適切な対応ができるように検討を急いでまいりたいと思っております。
○石川博崇君 本当に、この委員会でこれだけ多くの、各党、与野党なく質疑が出ているということを是非重く受け止めていただきたいというふうに思います。是非重く受け止めていただきたいというふうに思います。
 時間もありませんので、次に行かせていただきたいというふうに思います。
 私も、インドとの原子力協定の交渉について非常に深い関心とまた懸念を有している者の一人でございます。特に、今、インドにおきましては国内総選挙中でございまして、この選挙の結果がどうなるのかということが大変今国際社会でも注目をされております。五月十二日まで九回に分けて投票が実施される予定でございますが、今のところの見通しとしましては、最大野党のインド人民党、BJPが有利というふうに言われております。この最大野党インド人民党が掲げる公約の中で、これは具体的な中身がいまいちはっきりしない点もあるんですけれども、インド政府がこれまで掲げてきた核ドクトリン、これを見直すということを掲げております。
 このインドが掲げてきた核ドクトリン、一九九〇年代に核実験を行い、そしてその後国際社会から大変多くの批判を浴び、先制不使用を含め、インドとしての核政策の根幹を成してきた核ドクトリンでございます。また、この最大野党のBJPがもしかしたら現在続けております核実験停止、モラトリアム、これを見直すのではないかというような見通しといいますか報道なんかも散見されることでございます。
 御案内のとおり、二〇〇八年九月、原子力供給国グループであるNSGは、インドがこの核実験モラトリアムの継続をコミットする約束、そして行動を前提条件としてインドに対する原子力協力を認めることをこれまでの極めて例外的な対応として取ったわけでございます。これは、アメリカとの米印合意が結ばれたことを受けて、NSGとしてのぎりぎりのラインでの対応を取ったわけでございますが、これがもし今回の選挙結果で覆るようなことになれば、これまでの我が国のNSGにおける対応、あるいは各国のインドに対する対応も大きく変わっていき得るというふうに思っております。
 そういう意味で、国内選挙中ということもあり、国内の内政に関わることではありますけれども、我が国としては、インドが今後、選挙終了後新政権が樹立された後も、引き続きこの核実験停止、モラトリアムを維持することを含め、約束と行動を着実に実施すべきであると考えているということを、明確に強いメッセージを発出すべきであるかというふうに思いますが、外務大臣の御所見をいただきたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) インドの総選挙につきましては、委員御指摘のように、九回の投票が行われ、開票が行われるのは五月十六日、そして結果が出るのはそれから更に一週間先ではないか、こんなことが言われております。
 よって、現時点でインドの総選挙の結果について予断を持って申し上げるのは控えなければならないと思っていますが、ただ、インドとの原子力協力を進めるに当たりまして、インドによる核実験モラトリアムの継続、あるいは原子力施設の軍民分離、こうしたものを含む約束と行動、これは協力の大前提であります。
 ですから、今後、選挙の結果がどうなるにせよ、今後のインドの政権に対しましても、こうした考え方が大前提であるということはしっかり伝えていきたいと考えています。
○石川博崇君 また、インドは、IAEAの追加議定書、これ署名はしておりますけれども、いまだ発効の手続、国内手続が終了していない状況にございます。おととい、私も、サウジとの関係で、この追加議定書の締結なしに原子力協定を結ぶべきではないということを訴えさせていただきましたが、この観点からもインドとも整合性をしっかり取っていただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) インドとの原子力協力に当たりましては、先ほど申し上げました約束と行動、これが当然の前提であるということですが、この約束と行動の中にIAEA追加議定書の署名、遵守、これは含まれております。インドは、もう既にこの追加議定書は署名済みであります。また、追加議定書に関するインドとIAEAとの協議はかなり進んだ段階にあり、これらの議論がまとまれば追加議定書を批准するということになると我々は承知をしております。
 我が国としても、インドによる追加議定書締結の重要性の観点から、追加議定書の発効を待って原子力協定を締結することとしたいと考えております。こういった考え方につきましては、既にインドに伝えております。
○石川博崇君 明確な御答弁、ありがとうございます。
 仮にですけれども、インドが仮に核実験を再開するといった場合には、岸田大臣、昨年の六月のこの当委員会において我が国からの原子力協力を停止すると明言されておりますが、この認識に今も変わりないかということを御確認させていただきたいということと、それから、今交渉中のインドとの原子力協定にこれを明記することが重要ではないかというふうに思っております。この働きかけをしっかりやっていただきたいと思いますが、この点について、あるいはどのようにこの原子力協力を停止するような法的な担保ができるのか、ちょっと時間もありませんが、簡潔に大臣から御答弁お願いしたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) 仮にインドが核実験を行った場合に我が国からの原子力協力を停止するという考え方につきましては、今も全く変わっておりません。
 そして、それをどう担保するかという御質問でありますが、こうした考え方は既にインドにしっかり伝えております。そして、それを担保する形につきましては、引き続きこれインドと協議が続いておる段階ですので、実質的にそれを確保するためにどうあるべきなのか、こういったことを念頭に引き続き協議を続けていきたいと考えております。
○石川博崇君 時間が参りましたので終わらせていただきます。ありがとうございました。
○中西健治君 みんなの党の中西健治です。
 UAE、トルコとの原子力協定を考えるに当たって、二〇一一年十二月に国会で承認しましたヨルダンとの原子力協定についてお伺いしたいと思います。
 当時のヨルダンの状況と現在の状況を比較した場合、政府としてヨルダンを取り巻く状況をどのように認識しているか、外務大臣にお聞きしたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、ヨルダンの現状についてどう認識しているかという御質問ですが、ヨルダンと原子力協定を締結したのは二〇一二年一月であります。それ以降、シリア情勢が悪化いたしました。そのことによりまして、シリアの難民がヨルダンに多数流入しているということを承知をしております。数としては六十万人に上るのではないか、こういった指摘があります。
 こうした中で、ヨルダン政府、政治及び経済面で様々な改革を進め、そして、特に治安維持に力を入れていると承知をしております。さらに、こうしたヨルダン政府の努力を我が国を含む国際社会が積極的に支援をしている、こうした取組が進んでいます。
 こういったことから、現在のところ、ヨルダン国内の政治、治安情勢はおおむね安定していると認識をしております。
○中西健治君 外務大臣は六十万人というふうにおっしゃいましたけれども、ヨルダン王国の方も日本にいらっしゃって、公式の数字以上にもっと難民の数は多いんだということをおっしゃっていたかと思います。元々の人口の何割かということにならんとしているということで、社会不安にもつながりかねないと、こんなことを日本でおっしゃっていたというふうに私も認識しております。
 そして、外務省在ヨルダンの日本国大使館のホームページを見てみると、ヨルダンの渡航情報の引上げということまで行われております。そこで書かれていることというのは、ヨルダンとの国境付近でシリアの内戦が行われていて、砲弾等がヨルダン側に着弾してヨルダン人が負傷している、こんな事案も発生しているというのが日本国大使館が出しているコメントでございます。
 こうした状況にあるということの中で、先日、参考人の質疑の中で、原発建設予定地が変更になっていると、こういうお話がありました。外務省に問い合わせたところ、外務省ではそれは確認できていないと、こういう返事をいただいたわけでありますが、私自身はその後いろいろ調べてみました。
 日本語の文献では一つもそうした資料は見当たりませんでしたが、英文もいろいろ見てみますと、元々アカバという場所に建設が予定されていたものが、このアカバというのが紅海寄り、レッドシー寄り、ヨルダンの南西の県です。ここはイスラエルと隣接しているところということなわけですけれども、ここはコストが一五%高いという理由で北側のマフラクという県に移設されると、こんなような資料を見ました。このマフラクというのはまさにシリアと接している県ということでございます。これ、一つの文献で見たわけでありますので確実かどうかは分かりません。しかし、いずれにせよ、イスラエルに接している県なのか、若しくはシリアと接している県なのか、いずれかということなんです。
 その中で、もし仮に今協定がここで審議するということになって、この協定を結ぶのかどうかということを判断するということであったら、外務大臣は特段の問題なしということでお考えになるでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、ヨルダンとの原子力協定ですが、これは、我が国としてヨルダンに原子力協力をする大前提として、法的に原子力の平和利用ですとかあるいは核不拡散をしっかり確保する、そして国際的な原子力安全関連条約の遵守をしっかり確保する、こうしたことのために重要な枠組みであると考えております。
 そして、そうした協定について、核不拡散の観点ですとかヨルダンの原子力政策ですとか、あるいは日本との信頼性、あるいは二国間関係等、様々な観点を総合的に判断し、この協定を結んだ次第であります。こうした原子力協定を結ぶことは、核不拡散、原子力の平和利用、そして原子力安全にとって大変重要なことであると思っております。
 そして、現実は、ヨルダンにおいては原子力発電所建設の優先交渉権、これ、我が国ではなくしてロシア系企業が得るということになりました。その具体的な案件の進展については、やはり民間契約等を通じまして関係者がしっかりとこれ確保していく問題であると認識をしております。
 我が国として協定を結ぶことは、先ほど言いました不拡散や平和利用について大変重要だと思いますが、この現実については具体的な案件を進める中でしっかりと確認され、そして進められるべき課題だと考えております。
○中西健治君 いろんな事情があってロシアがこれは取ったということでありますけれども、仮に日本の企業が取っていたら、今の情勢の中で具体的な案件を進めていいものだろうかと、これは大きな問題なんじゃないかなというふうに思います。そうしたことも含めてそれぞれの国との協定というのは考えていかなきゃいけないと、私はこういうふうに考えている次第でございます。
 国内の原発事故の原因の究明と特定ができていない中で輸出するのはいかがなものかということを前回の委員会でも私は質問させていただきました。そのときに外務大臣は、私は道義的責任はどうなのかということをお聞きしましたけれども、相手国からの要請に応じるものだ、相手国からの期待に応じるものだということをおっしゃられたわけでありますけれども、相手国からの要請に応じるということであれば、今、安倍総理がトップに立ってどんどんどんどん積極的にセールスを行うという姿勢はちょっと行き過ぎなのではないかというふうに私は思います。もっと抑制的に、日本の技術を最高水準だと相手国思うのであれば、それは待ちに徹する、そうした姿勢こそ求められているのではないかと思いますが、現在の原発を他国に売り込む我が国の姿勢について、政府の姿勢について、経産省なのか、経産省にも来ていただいています、外務大臣なのか、どちらかお答えいただきたいと思います。
○大臣政務官(田中良生君) お答えいたします。
 まず、深刻な原発事故を起こした我が国といたしましては、やはりこの経験、教訓、これを世界と共有することはもう必要なことであります。世界の原子力安全の向上ですとか平和利用に貢献していくこと、これはやはり我が国の責務であると考えているところであります。
 そんな中で、経済成長が著しく、電力需要、これが急増する新興国始め、また地球温暖化対策ですとか、そういった分野から原発の建設を進める先進国に至るまで、様々な事情から我が国の原子力技術に対する今、期待の声、これが寄せられているのも事実であります。
 我が国としては、こうした相手国の事情ですとか意向を踏まえつつ、我が国の安全性の高い原子力技術、ノウハウを提供していくという方針でおります。
○中西健治君 私は抑制的に、謙虚に行っていくべきであるというふうに考えております。
 国内の原発の再稼働、これをしないと原発をトップセールスで外国に売るに当たって都合が悪いのではないか、こうした見方もあります。この国内の再稼働と原発の輸出というのは関係があるのかないのか、お伺いしたいと思います。
○大臣政務官(田中良生君) 今も答弁したとおり、原発に関してでありますが、もちろんこれは、いかなる事情よりもやはり安全性を最優先していく、そして、独立した規制委員会によって、世界で最も厳しい新規制基準、これに適合するということが認められない限りやはり再稼働はしないということであります。
 そして、原子力規制委員会によります安全性の判断ということでありますが、これとやはり原発輸出の関係、これには一切影響がないものと考えるものであります。
○中西健治君 その点は是非とも確認したいというふうに思っておりました。
 そしてもう一つ、先ほど来出ています原発関連資機材の輸出に対する我が国の安全規制体制、これは公的なファイナンスを提供するということに関連してですけれども、前回の私の質問に対しても検討中であるというお答えをいただいているわけでありますが、検討中という中には、検討の対象には経済産業省は入っていない、経済産業省内でこの安全審査をするということはないということだけは確認させていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○大臣政務官(田中良生君) お答えいたします。
 この手続でありますが、安全確認におけるということでありますが、安全規制に基づく審査とはやはり異なりまして、公的信用供与に当たっては、相手国の安全確保等に関する配慮の事実、これを確認するのみの作業であります。
 現時点で、そういった意味では、経済産業省が実施することについては否定されるものではないと考えております。
○中西健治君 経済産業省が行うのは否定されないということですね、対象の検討になり得ると。これは、ちょっともう一度確認させてください。
○大臣政務官(田中良生君) この件に関してでありますけれども、今まで具体的な案件がなかったということで、実際のそうした手続、審査というものは行われていないということでありますが、委員の御指摘、しっかりとこれを受け止めて、この件に関してはできる限り早急に結論を得ていきたいと、そのように思っております。
○中西健治君 いや、一つ前の答弁について確認を求めているんです。
 経済産業省が行うことも排除しないと、こうしたことを明言されたと思いますけれども、それを是非もう一度確認してください。
○大臣政務官(田中良生君) これは、ただいま検討中ということでありますから、あらゆるものは否定されるものではないということであります。
○中西健治君 時間ですけれども、経済産業省が排除されていないということを議事録にとどめていることだけ確認させていただきます。それの撤回をしないということでよろしいですね。
○委員長(末松信介君) 確認の質疑ですか。
 それでは、資源エネルギー庁高橋電力・ガス事業部長、最後の答弁です。
○政府参考人(高橋泰三君) お答えします。
 今、田中政務官からお答えがございましたように、現在、政府部内で検討中でございまして、具体的にどこがやる、どこがやらないということの結論を得ていないということでございます。
○中西健治君 終わります。
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 まず、前回に続いて、原発建設に関するトルコ現地の世論についてお聞きいたします。
 前回の質疑の際に、シノップ市長の立場について、三月三十日の地方選挙で市長が再選された際に、選挙キャンペーン中には原発建設反対の主張は全く展開されていないと、まるで市長が反対でなくなったかのような答弁がございました。
 しかし、この答弁を聞いて、トルコのNGOから市長選挙直前の三月十一日付けのニュースが送られてまいりました。ラディカルというトルコの新聞で報道されております。こういう内容であります。CHP党所属のシノップ市長パキ・エルギュル氏は、二つの大きな問題がある、一つは火力発電所で、それをやっと撃退することができたが、次は原発である、誰もシノップ市民の意見を聞いてくれない、シノップ市の未来は観光と教育にある、原発では健康的で豊かな未来が描けない、私たちには原発は不要である、シノップ市は天国のような町だが、それを壊して地獄をつくろうとしていると語ったと、こういう報道でありまして、火力発電と同様に、撃退をする対象として述べているわけですね。先日の答弁と全く違うんじゃないですか。
○政府参考人(上村司君) お答え申し上げます。
 今委員が御指摘の報道について、私、恐縮ですが存じ上げておりませんが、私の手元にありますのは、二〇一三年十月三十日の現地報道、シノップ市長が、原子力発電自体には反対ではないが、シノップに建設されるのは反対である、水温の変化、生態系に影響を及ぼす、シノップは原子力でなく観光と教育によって発展させたいと、今御指摘のような発言を、昨年の十月三十日の現地の報道、これは我々も承知をしております。
 先ほど委員の御指摘になりました一昨日の私の御説明でございますが、もし誤解がありましたらおわびを申し上げますが、まず、シノップ市長が同市における原発建設に反対の立場であると、しかもそういう報道がなされているということは我々も承知をしておりまして、日本政府として、その後このシノップ市長がその立場をお変えになったと、そういう判断する何らかの情報に接しているわけではございません。
 私が一昨日御説明申し上げましたのは、我々の得ている現地報道によりますと、先月末の地方選挙におきましてシノップ市長は、与党公正発展党の汚職疑惑を第一の論点として強く批判する一方、原発建設反対に関する主張につきましては展開されなかった、したがって、シノップ原発建設計画につきましては先月の地方選挙の争点ではなかったと承知していると御説明を申し上げた次第でございます。
○井上哲士君 これ三月十一日付けですから、選挙の直前なんです。この間の答弁は、選挙キャンペーンを子細にフォローしてきた、そして原発反対の主張は全くないと、こう言われたんですよ。
 そして、この今私紹介しましたラディカルという新聞は、在トルコ日本大使館のサイトを見ますと、トルコ国内の十二の新聞のリンクが貼ってあって、その一つにあるんです。現地で聞きますと、大体、日本でいうと毎日新聞ぐらいの位置付けの新聞だと、こういうお話でありましたが、当然、私は大使館は目を通しているはずだと思うんですね。だって、このトルコの原子力協定は現に国会で問題になっているんですよ。そういうときに、選挙の直前にシノップ市長がどんなことを発言しているかという主要紙に書いてあることを見ていないというのは私は信じ難いんです。
 しかも、それだけじゃありません。この記事は更にこう報道しております。市長選挙のためにシノップ市を訪れているCHP党の国会議員エンギン・アルタユ氏も、現代の技術で造られる原発には反対である、シノップ市で原発を建てるかどうかについて住民投票を行うべきだと語ったというものであります。これも、この間の答弁では、国会議員等からも様々な報告を受けているけれども、予定地域の住民からはおおむね支持を得ていると、こういう内容でありましたけれども、これも事実と違うんじゃないですか。
○政府参考人(上村司君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、トルコの国会議員の中で様々な意見があることは我々も承知をしております。私どもがトルコの国会の議員の方々から、全員ではございませんが、主要な方々からお伺いしたところで、現地における反対については決して大きな動きではないという説明を受けているということを御紹介したわけでございます。
 なお、追加して御説明をさせていただきたいのは、今回お諮りしております原子力協定でございますけれども、トルコの国会にかかりましたのは今年の一月の初頭のことでございます。このトルコの議会での審議が行われ、採決に付されて、賛成多数で可決をされているという事実があることも御指摘を申し上げたいと思っております。
 以上、例示をいたしました事実の関係から、原発建設に関するトルコの国会議員の総体としての意思は既にこの一月の時点で示されているというのが我々の判断でございます。
○井上哲士君 まあ政府が推進しているんですから、多数派はそうなんでしょう。問題は、現地の住民がどうなのかということなんですね。
 私、先日の質問の際にも、トルコの大手世論調査が行った一三年四月の世論調査で、建設反対派が六三・四%だと指摘しましたけれども、この数字も承知していないというお話でありました。そして、今の主要紙の報道も御存じないと。私は、その一方で、政府関係者など推進の側だけの一方的な情報を基に現地住民からおおむね賛同を得ていると、こういう答弁をされていると思うんですね。
 私、紹介したのは、いずれも日本国内でも入手できる情報なんですよ。ですから、それを承知していないというのは、大使館の情報収集能力がよほど低いか、それとも都合の悪い情報を見ないようにしているのかと。大臣、こういうことで正しい判断ができるんですかね。
○国務大臣(岸田文雄君) 前回の委員会で委員から御指摘されましたこの世論調査につきましても、あれはたしか東日本大震災発災直後の段階での世論調査だったと承知していますが、その世論調査も、またその後、一年後の結果はこの数字が随分と変化をしている、こういったことにつきましても承知をしておりますし、それ以外にも、様々な情報につきまして我が国としまして接し、そして情報収集に努めているところであります。
 こうした様々な情報、そして情報の変化、こういったものもしっかりと踏まえながら我が国として総合的に判断し、先ほど来中東アフリカ局長から申し上げているような判断に至っているということでございます。
○井上哲士君 この間の答弁、衆議院の答弁でも世論調査の数字は承知していないと答弁されたんですよ。今はされていると言って、違うんじゃないですか。
○国務大臣(岸田文雄君) 前回、世論調査の指摘がございましたので、我が国としましても、政府としましても、その世論調査につきまして確認をした上で、ただいま答弁させていただいた次第でございます。
○井上哲士君 私は、大使館がきちっと正確な情報をつかみ、不都合なものも含めてちゃんと伝えているのかどうかという疑問があるということが一点と、やはりトルコの当局がこうした現地住民の反対の声に耳を傾けることも、日本側にそれも含めてきちっと伝えることもやっていないんじゃないかなと、こういう懸念を持つわけですね。
 先日の質疑でも指摘しましたように、やっぱり安全神話を振りかざしていろんな住民の懸念を真摯に受け止めてこなかったということが福島の原発事故の一つの私は問題だと思います。それに反する事態ではないかと。
 そして、この間の参考人の質疑でも、トルコでは民主化と逆行する状況が多々見られ、ツイッターやユーチューブが閉鎖をされ、政府に反対する意見を表明する自由が極めて制限されている状況にあると。その中で、果たして政府の政治的意思とは異なる技術的、科学的決定ができる独立した規制当局ができるか甚だ疑問だと、こういうような趣旨の指摘もありました。
 私は、こういう現地世論に対する対応や、現に今起こっている様々な民主化に逆行する事態を見たときに、こういう中で原発の輸出を進めるということは福島の教訓を生かすということにならないんじゃないかと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) トルコ国内の動きにつきましては民主化に逆行するような動きがあるのではないかという御指摘ですが、例えば、今御指摘があったツイッターあるいはユーチューブへのアクセスの問題につきましても、三月二十日にツイッターへのアクセスが遮断されたということは事実でありますが、その後、トルコの大統領が全面的な遮断は認められないというような発言を行い、そして憲法裁判所が国内でのアクセス禁止を撤回する判決を下し、そしてこれを受けてアクセスが可能になる、こういった動きもありました。ユーチューブにつきましても、アンカラ行政裁判所が措置の解除を命令する、こういった判断をしております。
 このようにトルコ国内に様々な動きがあるわけですが、それぞれ民主化に向けての努力が行われ、そして国内における制度が機能している一つの表れではないかと存じます。こうしたトルコ国内における民主化へ向けての努力につきましてもしっかりと見守っていきたいと考えています。
○井上哲士君 もう一点聞いておきます。
 使用済核燃料の取扱いについて、トルコでは最終処分がまだ検討中だと、その上で、これまでの経験に基づいて助言を行うなど可能な範囲で協力していくことはあり得ると、こういう答弁がありました。日本自身がこれはできていないわけですね。一体どういう助言をし、協力をしようというんでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 使用済燃料の取扱いにつきましては、現在、トルコ国内において、放射性廃棄物安全条約の締結のための国内手続を進めていると承知しておりますが、その中で、御指摘のように、我が国において高レベル放射性廃棄物の最終処分場の選定が進んでいない、こういったことは御指摘のとおり事実であります。
 しかしながら、高レベル放射性廃棄物の最終処分に関しましては、これまで、我が国としまして、調査研究等を通じまして大変高い科学的な知見を蓄積していると考えております。こうした知見はしっかりと貢献する一つの材料として尊重されなければならないと思っていますし、また、原子炉等規制法に基づいて、原子力発電所等において使用済燃料を今現在我が国は適切に管理をしております。こうした管理の在り方につきましてもしっかりとアドバイスができるのではないか、このように考えます。こういった知見、経験、これは相手国の要望に応じてしっかりと協力していくことを可能にするのではないかと考えます。
○井上哲士君 日本が助言するとすれば、処理の当てのない使用済核燃料を生み出し続けながら原発の建設をするようなことはやめるべきだと、こういうアドバイスをすることだと思います。福島の教訓を生かすというのはそういうことだということを言いまして、質問を終わります。
○アントニオ猪木君 元気ですか。元気があれば飛んでも八分歩いて十分ということで、今日はよろしくお願いいたします。
 私の、ちょっと質問に入る前に、経験なんですが、私の子供の頃はよく、海水浴が好きで、湘南の海岸とか何かで海へ潜って、それでサザエを捕っておりましたが、息をいっぱいためて海底まで潜って、大きなサザエが昔はいっぱいありましたので、それをつかんで上がってきて息を思いっ切り吸ったら海水を飲んでしまいました。しかし、その周りに浮いている物を見たときに、これは何だと思った。海藻かなと思ったら、昔は汚穢船という、東京で、関西は汚穢と言いませんけど、はっきり言えばくそ船ですけど、それを積んで沖合で流してくるという。潮の流れを間違ったのか、それが全部岸の方へ来てしまって、それを飲んでしまったという。後で、味はどうでしたって、覚えていないよと。
 今日は、核セキュリティー強化についてお聞きしたいと思いますが、三月の二十四日と二十五日ですかね、オランダのハーグで核セキュリティーに焦点が合わされていろいろ議論されたと聞いております。その点について、日本のリーダーシップ、あるいはその辺の子細についてのお話を聞かせてください。
○国務大臣(岸田文雄君) 三月の二十四日と二十五日に開催されました核セキュリティ・サミットですが、これは首脳レベルで、世界的な核不拡散、核軍縮の推進のため、核テロ対策強化に関する各国の基本姿勢、また取組状況、また国際協力の在り方について議論する場ですが、今回で三回目となります。
 前回のソウル・サミット後の各国の取組を評価しつつ、核セキュリティー強化の重要性について改めて首脳レベルで確認をいたしました。
 そして、我が国からは、我が国の取組の成果、あるいは更なるコミットメントということで、核物質の最小化と適正管理について、そして日本国内の取組強化について、そして国際貢献の強化について、三点にわたって表明を行いました。
 核物質の最小化と適正管理につきましては、日本原子力研究開発機構にある高速炉臨界実験装置にあります高濃縮ウランとプルトニウムの全量撤去処分を含む日米首脳共同声明を発表いたしました。また、利用目的のないプルトニウムは持たないとの原則の堅持を表明いたしました。
 また、日本国内の取組強化については、原子力規制委員会の設置などによる体制強化を紹介し、核物質や関連施設の防護体制につき国際的な知見を得るためにIAEAのミッションを受け入れること、これを表明いたしました。
 また、国際貢献の強化につきましては、輸送セキュリティーに関する有志国の取組の主導、あるいは東海村にあるISCNによる各国の人材育成、能力構築への一層の貢献、こういったものを表明いたしました。
 こうした表明を通じまして、引き続きまして、我が国としてリーダーシップを発揮し、議論をリードしていきたいと考えております。
○アントニオ猪木君 新興国支援についてお聞きします。
 新興国における原子力発電の導入は今後も拡大していくようですが、新興国の安全性を確保するために我が国としてどのような関わりを持っていくのか、お聞かせください。
○政府参考人(高橋泰三君) お答え申し上げます。
 福島第一原発事故の経験と教訓を世界と共有することによりまして、世界の原子力安全の向上や原子力の平和利用に貢献していくことは大変重要な我が国の責務であると考えてございます。
 原子力の安全性確保につきましては、当該原子力発電所が立地する国が行うことが国際的にも確立した考え方でありますけれども、我が国といたしましても、事故から得られた教訓を生かしながら、我が国との原子力協力を求める新規原子力発電導入国に対しまして、原子力の安全を担う人材の育成や制度整備の面で貢献をしていきたいと考えてございます。
 具体的に申し上げますと、これまで、ベトナム、それからアラブ首長国連邦、トルコなどの国に対しまして、原子力発電導入のための基盤整備が適切に実施されますよう、原子力の専門家の派遣それから受入れなどによりまして、安全規制体系や核不拡散等の制度整備、あるいは原発の安全な運転管理のための人材育成等への協力を行ってまいりました。
 今後とも、こうした取組を通じまして、新興国におけます原発の安全性確保に貢献をしてまいりたいと考えてございます。
○アントニオ猪木君 次に、放射性廃棄物の不法投棄についてお聞きしたいと思いますが、今までに、これまで各国が放射性廃棄物の不法投棄が行われてきました。政府はどのような認識をしているのか、この点についてお聞かせください。そして、日本の廃棄については、水洗なのか、それともくみ取りなのか、これはどちらでもいいですけど、その点についてお聞かせください。
○副大臣(岸信夫君) 放射性廃棄物の海洋投棄に関しましては、旧ソ連、ロシアが原子力船舶から放射性廃棄物を日本海を含む極東海域などで海洋投棄していたという事案が一九九二年に明らかになりまして、これに対応したことがございました。その後、こうした事案があったとは承知をしておりません。各国は、例えば以下のような国際法上の義務を遵守することが求められております。
 それは、一つは国連海洋法条約でございますが、この条約自体には放射性廃棄物の投棄について特に定めた規定はございませんけれども、同条約上、いずれの締約国も海洋汚染を防止する一般的義務を負っているわけです。また、投棄によります海洋環境の汚染防止のために、少なくとも世界的な規則及び基準と同様に効果的な国内法令を制定し、措置をとることとされております。
 この世界的な規則及び基準に該当いたします国際約束には、ロンドン議定書があります。放射性廃棄物を含む廃棄物等を船舶等から海洋に処分する行為を禁止をしておるわけでございます。我が国は同議定書を締結しており、同議定書の定める内容を確保するための我が国の国内法には、海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律を国内法として定めておるところでございます。
○アントニオ猪木君 福島原発の汚染水についてお聞きをしたいと思いますが、十四日の夕刊各紙で、福島原発の高濃度の汚染水が二百トンも移送先ではない建物に過って送られたことが出ていました。また、東電は、汚染水のタンクから最大で一トンという汚染水が漏れて地中に染み込んだと書かれています。このようなことが海外でどのような報道をされているか、お聞かせください。
○政府参考人(北野充君) お答え申し上げます。
 今委員から御指摘ございました福島第一原発におきます汚染水問題というものにつきましては、政府としては最も緊急性の高い課題であるという認識でございまして、政府が前面に出て取り組むということとしておりますけれども、状況といたしましては、汚染水の影響は原発の港湾内にとどまっており、その外ではWHOが飲料水に対して示している基準よりも低い放射線濃度であるという状況でございます。
 今お尋ねの海外のメディアでの反応というところについて申し上げますと、汚染水の処理、それから汚染水の海水の影響に懸念をするという、そういうふうな論調もございますし、また日本政府の取組というものを客観的な視点から報じているというものもございます。また、IAEAは、海洋における放射性濃度の上昇は福島第一原子力発電所の港湾内の小さな領域でのみ生じており、周辺の海域や外洋では上昇していないということを確認をしたということを指摘しているところでございます。
 政府といたしましては、また外務省といたしましては、福島第一原発の状況について国際的な情報発信の重要性を認識しておりまして、これに一層取り組んでいきたいというふうに考えているところでございます。
○アントニオ猪木君 最後に、放射性廃棄物の処理についてお伺いいたします。
 原子力発電所から出る放射性廃棄物もいろいろありますが、特に作業員が着た、使用した放射線防護服、これは、あるときにある国から依頼があって、そこへ持っていってくれないかという話がありました。国の名前は出せませんが。
 そんなことで、この防護服の今処分についてどうされているか、お聞かせください。
○政府参考人(高橋泰三君) お答え申し上げます。
 御指摘の低レベル放射性廃棄物ということでございますけれども、発生者責任の原則の下、電気事業者等におきまして処分に向けた取組が進められてございます。
 具体的に申し上げますと、原子力発電所の運転に伴い発生いたします低レベル放射性廃棄物につきましては、電気事業者の出資により設立されております日本原燃株式会社が処分事業を実施をしてございます。
○アントニオ猪木君 質問終わります。ありがとうございます。
○小野次郎君 結いの党の小野次郎です。
 早速質問に入りますが、福島で原発事故のあった二〇一一年以降に我が国の企業が海外の原発建設に関して、既に受注、あるいは優先交渉権を得た、若しくは今セールス中だ、売り込み交渉中だと、そういう諸国について御答弁いただきたいと思います。
○政府参考人(高橋泰三君) お答え申し上げます。
 まず、二〇一一年以降でございますけれども、現時点で我が国の原子炉メーカー及び子会社が原発建設の優先交渉権を得ているプロジェクトでございますけれども、これはベトナム、トルコ、リトアニア、ブルガリアで四件、計八基あると承知してございます。
○小野次郎君 完全に一対一対応じゃないとは思いますけれども、しかし、私は、やはり今の話聞いてみても、実態は、日本企業の原発売り込みセールスが先行していて、その後追いとして政府が後から原子力協定を用意しているというだけじゃないかと、そういう批判があるんですけれども、これについてどういう御認識をお持ちでしょうか。
○政府参考人(北野充君) お答え申し上げます。
 今のお尋ねは、先ほど経産省から御答弁がありました我が国の企業の海外における原発建設についての優先交渉権と原子力協定との関係という点であろうかと思います。
 先ほど言及がありました幾つかの国でございますけれども、我が国は、リトアニア、ブルガリアの加盟するユーラトムとは既に協定を締結をしてございます。それからまたカザフスタン、それからベトナムとも原子力協定を締結済み。そして今回、アラブ首長国連邦、それからトルコについて国会の承認をお願いをしていると、そのような関係でございます。
○小野次郎君 だから、それが、実態は結局、企業の原発売り込みセールスが先行していて、その後追いでほとんど一対一対応で政府の方が今度は原子力協定を準備しているという、そういう構図になっているんじゃないかという批判に対してどうお答えになりますかと言っているんです。
○政府参考人(北野充君) お答え申し上げます。
 今の二つの関係については、それぞれの国においてそれぞれまちまちでございますけれども、例えばユーラトムとの関係で申し上げますと、ユーラトムとは二〇〇六年に原子力協定を締結をしております。その意味で、原子力協定というのがかなり先行して締結をされているという状況でございます。
○小野次郎君 それでは伺いますけど、同じように福島で原発事故があった二〇一一年以降で、海外の原発建設に関する我が国の協力というのが話題になった総理の外遊、若しくは閣僚の外国出張というのはどんな国々があったんでしょうか。
○政府参考人(北野充君) お答え申し上げます。
 二〇一一年以降に総理が海外を訪問をしたと、その際に原子力協力について意見交換を行った国、これは内容が、詳しく議論をしたり、また様々なことがございますので重立った例ということで申し上げますと、インド、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、トルコ、ポーランド、こういった各国が挙げられるところでございます。
○小野次郎君 その全てが結果に今つながっているとは言えませんけれども、しかし、本音で言って、やはり企業の方は、二〇一一年三月十一日の原発事故以降国内で売れなくなった、そういう実態があって、その後海外セールスに重点を置くようになったんじゃないかという批判があるんですけど、これについてどういうふうに御認識をお持ちでしょうか。
○政府参考人(高橋泰三君) お答え申し上げます。
 海外におきます原子力発電所の建設の計画でございますけれども、これは、IAEAの見通しがありますように、かねてから今後数十年に向けて相当拡大するという見通しがございました。一方で、国際的にも日本の原子力技術というものは高い評価を受けておりますので、これは必ずしも震災以降そうなったということではなくて、震災前からもう世界的には日本の技術に期待は高かったと考えております。
○小野次郎君 一例挙げますけれども、去年の五月に安倍総理がトルコを訪問した際には、原発メーカー、三菱重工、伊藤忠など挙げられていますけれども、そういったところが総理に同行するなど、明らかに特定の原発建設プロジェクトについて企業努力のレベルを超えて、政府自体が我が国企業の受注を全面的に後押ししているんじゃないかと思うんですけれども、この点について、御認識を外務大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、日本企業の海外展開を支援するということ、これは我が国の成長戦略の重要な柱であります。そういったことから、総理がトップセールスを行う、こうした取組を行っているところであります。
 その中にあって、御指摘の昨年五月のトルコ訪問ですが、これはまず、このトルコ訪問に当たっては、ボスポラス海峡横断地下鉄、マルマライ・プロジェクトなど、大規模な案件の進展、あるいはEPA交渉に向けたプロセスの進展など、これは経済面で多くの成果を上げたと認識をしております。
 こうした総理としてのトップセールスを行ったわけですが、御指摘の原子力協力につきましては、やはりトルコ国内の政策あるいは核不拡散に対する考え方、様々な観点から、何よりもトルコ側の要請に基づいて我が国として協力を進めていった次第であります。
 先ほど経産省からも答弁がありましたように、国際的に原子力建設の動き、これからどんどん拡大するという方向性が指摘をされています。その中にあって原子力の安全、これは何よりも大切な観点であります。そして、その安全において我が国の世界最高水準の技術を是非必要とする、こういった声に対しましては、我が国として、福島第一原発を経験した貴重な経験あるいは知見、こういったものをもってしっかりと貢献していく、これは当然あるべき姿ではないかと考えております。
○小野次郎君 原発関連資機材の輸出に関して、同僚議員からもJBICやNEXIによるファイナンスの付与について、その審査をどこがするんだという質問が度々出ました。
 私は、もっと基本的に、そんなJBICやNEXIによる公的信用付与によって輸出支援をするというのは政府が原発推進に手を貸す行為であって、そもそも私は慎むべきではないかと思うんですが、この点について御認識をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(高橋泰三君) お答え申し上げます。
 国際展開の戦略といたしまして、原子力発電に限らず、高効率の火力発電、鉄道等々インフラシステムの輸出については、成長戦略としても重要な分野を占めてございます。
 御指摘の原子力関連資機材の輸出に対する公的信用の付与につきましては、企業からの申込みがありました段階で、JBIC、NEXIにおいて判断をされ、輸出信用が供与されるということでございます。
 それから、御議論ありました安全確認の手続につきましては、御指摘も踏まえまして、できるだけ早急に政府部内で結論を得たいと考えてございますので、検討を急いでまいりたいと考えております。
○小野次郎君 原発輸出とそれ以外のインフラの問題を全く区別せず、インフラ輸出だから支援するのは当然だみたいな御答弁はなかなか納得できないんですが、経産省の頭の中では、原発輸出とそれ以外のインフラ輸出とは全く同じ扱いをするという覚悟なんですか。
○政府参考人(高橋泰三君) お答え申し上げます。
 原発輸出につきましては、これは、海外のエネルギーの安定供給等々の観点から、外国において建設を計画をする国もございます。私どもとしては、福島の事故の経験と教訓を世界に共有する、それから原子力安全の向上は原子力の平和利用に貢献していくという観点から、単なる建設だけではなくてオペレーションのノウハウ、それから関連の人材の育成など、相手国の意向や事情を踏まえながら安全性の高い原子力技術を提供していくということが基本的な考え方だろうと思っております。
○小野次郎君 政府は、二国間の原子力協定について、この外務省からもらう紙にもう各ページに全部同じことが書いてあるんです。何かというと、この協定は核不拡散と安全技術情報の提供を定めるものであり、特定のビジネスやプロジェクトについて取り決めるものじゃない、こんな政府の説明、まるっきり実態と違うじゃないですか、今まで質問したことで明らかになっているとおり。
 これは国民の目を欺くだけの弁解にすぎないような気がするんですが、外務大臣、御認識をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) 我が国としましては、相手国が原子力政策を進めていきたい、そしてその際に原子力の平和利用の安全を重視したいと考える中にあって、世界最高水準の技術でもって原子力の平和利用の安全に貢献していくということ、これは大変大きな重要な責務であると考えております。
 しかしながら、その大前提として、我が国としましては、いわゆる原子力の平和利用の3S、不拡散のための保障措置、そして原子力安全、そして核セキュリティー、これを重視していかなければなりません。そして、それを法的にしっかりと確保するのがこの相手国との原子力協定であると認識をしております。
 是非、こうした我が国が国際社会に貢献するための大前提としての原子力協定につきまして、しっかりと御審議をいただき、そして御理解をいただきたいと考えております。こうした核不拡散、あるいは原子力の平和利用、さらには国際的な原子力安全関連条約の遵守、こういったものをしっかり定めた原子力協定の大切さ、是非我々はしっかりそれを頭に入れながら、こうした協定締結に努力をしていかなければならないと考えています。
○小野次郎君 今日は私は討論をしませんので、質問の最後はちょっと自分の意見に関することも触れますけれども、安倍総理自身が繰り返し、原発依存度を可能な限り下げていくんだとおっしゃっている、国民に約束しているのは、やっぱりこの原発事故の経験を踏まえて日本人が得た最大の教訓が、まさにこの原発依存度を下げていくと。党によっては即時ゼロと言い、党によっては原発ゼロを目指すんだ、あるいは与党のように原発依存度を下げていくと言う、言い方は違うけれども、下げていくべきだというのが最大の教訓だったんじゃないでしょうか。なのに、それを総理が海外では、言いにくいことですけれども、自民党が政治献金を受けている、そういった企業のトップまで引き連れて原発輸出のトップセールスに力を入れている姿というのは、国民に対して欺いているんじゃないんだったら、今度は海外の人に対して、そういった我々が得た最大の教訓を押し隠して諸外国の方々に欺いているんじゃないかと思うんですけれども、何か御異論、反論があれば、大臣、もう一遍お伺いしたいと思います。
○委員長(末松信介君) 最後の質問にしてください。
○国務大臣(岸田文雄君) 委員から今のような御指摘をいただきましたが、我が国として、まずは我が国の原子力政策はしっかりと国民の理解を得ながら進めていかなければならないと思いますが、一方で、国際社会における様々な動きがある中にあって、我が国のこの世界最高レベルの原子力安全に対する知見や経験が求められている、こういったことにしっかりと応えていくことも、我が国の国際的な貢献における責任の果たし方として大変重要なのではないかと私は考えております。
○小野次郎君 質問を終わります。
○委員長(末松信介君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○中西健治君 みんなの党の中西健治です。
 私は、議題となりました両原子力協定の承認に対して反対の立場から討論をさせていただきます。
 東日本大震災による福島第一原発の事故は、いまだに収束するどころか、汚染水処理への対応も後手後手に回り、廃炉に向けた作業の道筋もいまだ立っていません。国会事故調が指摘した未解明の事故原因の究明も使用済核燃料の最終処分についてもいまだ結論が出ておらず、幾ら政府が事故に関する知見と教訓を国際社会と共有すると繰り返し説明しても、全く説得力はありません。
 政情不安の状態が続き、テロも含めたリスクの高い中東地域に我が国が積極的に原子力施設や技術を輸出することへの不安も懸念されます。
 トルコでは、建設予定地の市長自らが建設反対の立場を取っており、日本との国民的親密性の高いトルコとの間の国民感情のしこりも大いに懸念されます。
 免震重要棟やベント設置について猶予期間を設けたり、周辺住民の避難計画が基準に盛り込まれていないような、とても世界標準に程遠い安全基準を根拠に国内の原発の再稼働を急いでいるのは、安倍政権がこの原発輸出を成長戦略の重要な柱として位置付けている中、セールスに支障があるからとも言われており、本末転倒とはまさにこのこと、到底認めるわけにはいきません。
 また、本日の質疑では、政府からは、原発関連機材の輸出の安全審査について、輸出を促進する経済産業省自らが審査を行うことを排除しないという驚くべき答弁が返ってきました。あの大事故から何を学んだのでしょうか。促進と規制は厳しく分離することだったのではないでしょうか。
 南相馬市長は、先日行われたみんなの党との会合の場で、政府がエネルギー基本計画で原発を重要なベースロード電源と位置付け再稼働を進める方針を閣議決定したことについて、被災者を助けるとは今までの日常を取り戻してあげること、それをまずやってから次を考えるのが筋である、なぜ原発が必要と政府は言うのか、原発を海外に売るためか、電力会社の経営を守るためかと厳しい言葉で政府の対応を批判されました。
 今、政府が行うことは、積極的に原発を海外に売り歩くことではなく、一刻も早く目の前の事故を収束させ、原発推進政策を改めることであると申し上げ、私の反対討論とさせていただきます。
○井上哲士君 私は、日本共産党を代表して、議題となりました両原子力協定に断固反対の討論を行います。
 反対理由の第一は、重大な事故を引き起こした日本政府が他国に原発を率先して売り込むことは無責任そのものであり、新たな安全神話の輸出にほかならないからであります。
 安倍内閣は、今月十一日に、原発のない日本を願う国民世論にも、原発依存度の低下や一年でも早く原発ゼロを目指すという与党自らの公約にも反して、原発を重要なベースロード電源と位置付けたエネルギー基本計画を閣議決定しました。そして、海外への原発輸出を成長戦略の柱に据え、首相のトップセールスによって推進しています。
 両協定は、東京電力福島第一原発事故後に日本が署名した二国間原子力協定としては初めてのものであり、国際的な原発建設計画に日本企業が参入し、積極的な原子力ビジネスの展開を可能とする業界の要求に即したものです。福島原発の現状は、事故から三年以上たった今なお汚染水問題など深刻な状況にあり、いまだに十三万五千人の被災者が避難生活を余儀なくされているなど、収束のめどすら立っておりません。原発事故の解決にこそ全力を挙げるべきです。
 第二に、世界有数の地震国のトルコへの原発輸出は、日本国民もトルコ国民も望んでおらず、国際的道義に反するからであります。
 トルコ国内の世論も建設予定地のシノップ市長も原発建設に反対しており、住民の声を安全神話で抑え付けたことによる福島事故の教訓に反して原発を輸出することは許されません。
 第三に、トルコとの協定では、両政府が書面で合意すればトルコ国内でウラン濃縮や使用済核燃料からプルトニウムを取り出す再処理が可能としていることは、核兵器への転用につながりかねない重大な問題であり、認められません。
 今、日本政府のやるべきことは、原発の輸出ではなくて脱原発を世界に発信する先頭に立つことであります。
 そのことを厳しく指摘し、反対討論を終わります。
○委員長(末松信介君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 まず、原子力の平和的利用における協力のための日本国政府とアラブ首長国連邦政府との間の協定の締結について承認を求めるの件の採決を行います。
 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(末松信介君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。
 次に、平和的目的のための原子力の利用における協力のための日本国政府とトルコ共和国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件の採決を行います。
 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(末松信介君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。
 なお、両件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(末松信介君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
○委員長(末松信介君) 次に、第三海兵機動展開部隊の要員及びその家族の沖縄からグアムへの移転の実施に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定を改正する議定書の締結について承認を求めるの件及び武器貿易条約の締結について承認を求めるの件の両件を一括して議題といたします。
 政府から順次趣旨説明を聴取いたします。岸田外務大臣。
○国務大臣(岸田文雄君) ただいま議題となりました第三海兵機動展開部隊の要員及びその家族の沖縄からグアムへの移転の実施に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定を改正する議定書の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。
 政府は、平成二十五年四月以来、アメリカ合衆国との間でこの議定書の交渉を行いました。その結果、平成二十五年十月三日に東京において、我が方外務大臣及び防衛大臣と先方国務長官及び国防長官との間でこの議定書の署名が行われた次第であります。
 この議定書は、現行の協定を部分的に改正するものであり、我が国が提供した資金等について、グアムに加えて北マリアナ諸島連邦における施設及び基盤を整備する移転のための事業にも使用できることとするとともに、グアム及び北マリアナ諸島連邦における訓練場を使用するための我が国政府による要請を、アメリカ合衆国政府は、合理的なアクセスを認める意図をもって好意的に考慮すること等を定めております。
 この議定書の締結により、第三海兵機動展開部隊の要員及びその家族の沖縄からグアムへの移転の実施が確実なものとなり、これにより、米軍の抑止力を維持しつつ、沖縄の負担軽減が図られることが期待されます。
 よって、ここに、この議定書の締結について御承認を求める次第であります。
 次に、武器貿易条約の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。
 この条約は、平成二十五年四月にニューヨークで開催された国際連合の総会において採択されたものであります。
 この条約は、通常兵器の不正な取引等を防止するため、通常兵器の輸出入等を規制するための措置等について定めるものであります。
 我が国がこの条約を締結し、その早期発効に寄与することは、通常兵器の国際貿易の管理に関する国際協力を推進するとの見地から有意義であると認められます。
 よって、ここに、この条約の締結について御承認を求める次第であります。
 以上二件につき、何とぞ御審議の上、速やかに御承認いただきますよう、お願いいたします。
○委員長(末松信介君) 御苦労さまでした。
 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 両件に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後零時十八分散会