第186回国会 文教科学委員会 第5号
平成二十六年三月十七日(月曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 三月十四日
    辞任         補欠選任
     藤巻 健史君     中山 恭子君
 三月十七日
    辞任         補欠選任
     中山 恭子君     藤巻 健史君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         丸山 和也君
    理 事
                石井 浩郎君
                二之湯武史君
                大島九州男君
                松沢 成文君
    委 員
                上野 通子君
                中曽根弘文君
                橋本 聖子君
                堀内 恒夫君
                水落 敏栄君
                石橋 通宏君
                斎藤 嘉隆君
                櫻井  充君
                那谷屋正義君
                新妻 秀規君
                矢倉 克夫君
                田村 智子君
                藤巻 健史君
                柴田  巧君
   国務大臣
       文部科学大臣   下村 博文君
   副大臣
       文部科学副大臣  西川 京子君
   大臣政務官
       文部科学大臣政
       務官       上野 通子君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        美濃部寿彦君
   政府参考人
       外務大臣官房国
       際文化交流審議
       官        齋木 尚子君
       文部科学大臣官
       房長       戸谷 一夫君
       文部科学省生涯
       学習政策局長   清木 孝悦君
       文部科学省初等
       中等教育局長   前川 喜平君
       文部科学省高等
       教育局長     吉田 大輔君
       文部科学省科学
       技術・学術政策
       局長       川上 伸昭君
       文部科学省研究
       開発局長     田中  敏君
       文部科学省スポ
       ーツ・青少年局
       長        久保 公人君
       文部科学省国際
       統括官      加藤 重治君
       文化庁次長    河村 潤子君
       厚生労働大臣官
       房年金管理審議
       官        樽見 英樹君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○平成二十六年度一般会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)、平成二十六年度特別会計予算(内閣
 提出、衆議院送付)、平成二十六年度政府関係
 機関予算(内閣提出、衆議院送付)について
 (文部科学省所管)
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○委員長(丸山和也君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十四日、藤巻健史君が委員を辞任され、その補欠として中山恭子君が選任されました。
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○委員長(丸山和也君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 委嘱審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、外務大臣官房国際文化交流審議官齋木尚子君外十名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(丸山和也君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(丸山和也君) 去る十二日、予算委員会から、本日一日間、平成二十六年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、文部科学省所管について審査の委嘱がありました。
 この際、本件を議題といたします。
 予算の説明につきましては既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○二之湯武史君 自由民主党の二之湯武史でございます。本日はよろしくお願い申し上げます。
 私は、与党議員として本当、本格的な論戦というものをさせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 まず、大臣、また副大臣、政務三役の皆さんにおかれましては、また文科省の幹部の皆さん、日本の教育再生に向けて大変御尽力を賜っている、そういうことに対し、まず心より敬意、感謝を申し上げたいというふうに思っております。
 私は、八年前、今現在九年目ですが、学習塾や予備校を経営しております。そういった現場の体験を経て、こうやって参議院議員となり、教育の現場において今様々な活動を行っておりますが、そういった意味で大臣とは共通のバックグラウンドを持たせていただいているということで、今まで委員会で答弁等をお聞きしても、大変かみ砕いた分かりやすい説明を、やはり塾講師の経験が生きているんだろうなと、さぞかし人気のある先生だったろうなというふうに思います。私もかなり人気があったんですが。そういった経験を是非、現場のそういった経験を持っておられる方がこういった大臣にいらっしゃるというのは私はもう大変心強いことだというふうに思っておりまして、是非、本当に教育再生に向けて邁進をしていただきたいというふうに考えております。
 本日は、まず大きな観点、テーマでお話をさせていただきたいと思うんですが、やはり教育というものは、その時々、その時代時代において、不易流行という言葉がありますが、変わらない本質的な教育というものの機能と、時代の変化、そういった社会の変化に対応して、社会のニーズに応じて人づくりをしていくと、そういう部分が混在をしているんだというふうに思います。例えば、人格や品性の鍛錬、また日本人としての教養、歴史、こういったものを学ぶということは、私はいつの時代にあってもこれは不易の部分だというふうに考えておりますが。
 今のように人口が減少し、また経済が成熟しつつある、こういった今の日本の社会において求められる教育の在り方、資質というものは、やはり三十年、四十年前の我が国が高度成長を歩んでいる時代とはやはり大分異なっているのではないかという意味で、私は教育再生というものは、簡単に申し上げれば、この日本人一人一人の持っている個性、そういった一人一人の資質、こういったものを本当に一〇〇%引き出せているんだろうかと、そういったところにやはり教育の成否の鍵があるのではないかというふうに考えて、まさに八年間塾講師をしている中で、いろんな現場で子供たちや親御さんと、延べ千人以上にわたる人たちと話をしていく中で、今の日本の社会、日本の教育というものはそういった非常に多様化した子供や多様化した社会のニーズになかなか応え切れていないのではないかと、こういう認識を私は持つようになりまして、まさにそういった一人一人の天分を生かし切るようなこの社会の在り方というものが私はまさに日本の目指す教育再生の方向じゃないかと。そして、そういったものの中に各論としてそれぞれ個別の政策があるんだろうと、そういうふうに考えております。
 そういった中で、現在、まず初等中等からお聞きしたいんですけれども、私は初等中等というのは、簡単に言えば、いわゆる生活においての実務的な能力、昔でいう読み書きそろばん、それと日本人としての基礎的な教養、こういったものはまず一〇〇%の人間が共有するべきものである、若しくは身に付けるべきものであると。そういった意味で、非常に私は初等中等というのは画一的な教育でいいんだろうと、むしろそういった画一的な教養、そして認識、こういったものを共有するのが私は初等中等教育の役割ではないかというふうに考えておりますが。
 昨今、ゆとり教育からの転換といいますか、もう一度かつての学力を向上させていこうと、こういう教育になり、今年度のPISAにおいては、数学的リテラシーまた読解力等々で非常にいい成績を収めているわけでございますので、そういった学力向上の取組というものに対しては一定の成果が出てきているんだろうと、そういうふうに考えておりますが、それが成人段階に至りますと、今度はPIAACという国際的な学力調査の結果によりますと、まあそれなりに能力は高いんですが、特にICTを活用した問題解決能力であるとか、いわゆるそういった部分で先進各国と比べて大変後れを取っていると、これが現状だと思います。
 大きく日本の社会、日本の経済を俯瞰して見ても、かつての高度成長のときのような大量生産・消費型の社会ではなくて、先ほど申し上げたように、市場は大変成熟をしておりますし、今日本が競争すべきは、コストの競争力や品質といったものではなくて、やはりクリエイティビティーであるとか、そういった新たな付加価値、新たな価値を社会の中につくり出していく、創造していくようないわゆる創造型の人間、こういったものが私は求められているというふうに考えておりますが、そこと、今私が申し上げたような国際テストの結果というものを私は問題意識として持っておるんですが、こういった私が今申し上げたような教育における構造的な問題が日本の経済や社会の減退するような一つの要因になっているのではないかと、私はそういった分析をしているんですが、その辺の今私の見解に対して御所見を是非お伺いさせていただきたいというふうに思います。
○副大臣(西川京子君) おはようございます。
 二之湯先生、塾を経営されて、本当に現場からの様々な疑問を感じたからこそ国会議員になられたという、そういう熱い思いが伝わってくる御質問、本当にありがとうございます。
 まさに今、創造的人間、創造力をもっとしっかり、現場対応能力やあらゆるそういうものをもっとしっかりと見据えた人間をつくっていくのが大事だろうという御質問、もうそのとおりだと思うんですが、その前提条件として、実はそのPIAACの成績なんですが、確かに成人力の、十六歳から六十五歳のPIAACの成人に対する調査で、読解力、数的思考力は非常にOECD中トップであったと。それで、ICT活用した問題解決能力がごく平均で十位ということであったというんですが、これが実は日本側の対応がやっぱりちょっとまずかったんではないかなと。要は、ICTを使って答えるべきところを紙で答えてもいいという、まあどちらでもいいですよというような印象を持たせたあれがあったので、紙で答えた割合が非常に多かったと、よその国より。それがかなりその点、順位を下げているというところがありまして、ICTでちゃんと答えている中ではやっぱりOECDトップでございますので、その辺のところがちょっと認識が違うかなということだけちょっと訂正させていただきたいと思います。
 その中で、あえて先生のおっしゃっていること、この創造性を培う新たな問題解決能力や創造力を育むことはもう極めて大事なことでございまして、実は改正教育基本法でも、第二条、「創造性を培い、」ということをまず明記、大きくいたしておりまして、学校の現場でも進めて、今、全ての教育活動で説明、論述、討論などの児童生徒の主体的な言語活動、こういうことの充実を図ること、あるいはまた総合的な学習の時間で、問題解決的な学習や探求的な学習に創造的、協同的に取り組む態度、まあ非常に硬い表現ですが、そういう問題意識を持って、総合的学習等で子供たちにしっかりとそういう力を付けさせるという指導はやっております。
 今回は、各学校における取組や指導に対して文部科学省としても支援を強化しているところでございます。
 以上でございます。
○国務大臣(下村博文君) 二之湯委員におかれましては、私と同じような経歴の中で参議員になられたわけでございまして、是非これから日本の教育に向けて期待をしたいというふうに思います。
 それで、先ほどの問題認識はまさにそのとおりだというふうに思います。今までの学校教育というのは、どちらかというとインプット教育といいますか、いかに知識等を教えるかということで、それはそれで基礎、基本として、特に義務教育のときには必要でありますけれども、これから求められているのはアウトプット教育、いかに本人の持っている潜在能力を引き出しながら意欲、やる気を喚起するか。ですから、二之湯委員も実際今実践されているんだろうというふうに思いますが、学習塾もただ勉強を教えるというような塾は本当に評価されるわけじゃなくて、勉強を教えながらいかに子供たちのやる気とか意欲とか志を育むようなことができるかどうかが問われているというふうに思います。
 これから日本の教育においても、そういう意味では受け身の指示待ちのような人材をつくるということではなくて、自ら行動力を持って問題解決をしていくような、そういうリーダー能力が問われますし、また創造性とか企画等の能力も問われますし、また人に対する優しさとか思いやりとか感性、これは教えられた中で更に自分がそれをどう引き出すことによって自分のそれぞれの持ち味を発揮できるかどうか、それを引き出すのがまさに教育、まあエデュケーションもそういう意味では引き出すという語源からきているということでありますが、それをこれから学校教育の中で二十一世紀型の更に付加価値の高い教育にしていかなければ、世界の中で活躍できるような人材育成はできないのではないかと。これは日本だけでなく先進諸国が同時に抱えているテーマでもあるというふうに思いますが、是非我が国がその中で教育改革に向けてそのような更なる潜在能力を引き出すような環境づくりをしていくように努力していきたいと思います。
○二之湯武史君 ありがとうございます。本当にかなりの部分で問題意識を共有していただいているということが分かって大変心強いと思います。
 そういった中で、特に、先ほど私申し上げましたように、初等教育というのは、初等中等というのは、やはり先ほど申し上げた最低限我々国民として必要なそうした素質、資質、ものを身に付けると、それをベースにして、いわゆる高校教育から、十五歳以上の教育というのは、私はそれをベースにして一人一人の素質、資質を引き出せるような、そういった教育的なインフラがないといけないんじゃないかというふうに私は考えています。
 塾をしていた経験上、小学生と中学生というのは大体みんな親の言うことを聞きます。中学生なんかは特に中間テストや期末テストやという、そういった外部的な強制力も大変強いので、ある程度みんな、勉強に対してはある程度取り組むと、それはもう今高校進学率も九九・八パーということも含めてですね。ただ、高校生の段階に入りますと、そこが大きく事情が変わってくるというふうに私は考えています。そして、現場の体験的にもそのような実感を持っております。
 お配りいたしました資料で見ていただきたいんですが、まず一枚目には、要は日本の高校教育というのが非常に普通科に偏っているという現状を示しております。かつていわゆる商業、工業、農業、こういった職業科というのが四割以上を占めていた時代がありましたが、現在は普通科がもう七二と。総合学科というものも事実上は普通科にかなり近い部分があると思いますので、もう八割弱が日本は今普通科教育になっているということでございます。
 その次のページもめくっていただきますと、そういった中で、いわゆる日本の強みであった中間層、学力でいう中間層の取組というのが大変この二十年の間に減退をしてしまっていると、こういう現状がございます。つまり、大学進学に問題意識を持っているいわゆる成績上位層というのは、つまり大学に進学しようと思っていますから、その勉強、高校に入ってもそういったものに取り組む一方で、中間層というのがそういった問題意識をなかなか持てていないと。
 勉強ということでしか、なかなか人、能力を判断できない、そういった現状があるのではないかというふうに私は考えておりまして、本来は、例えば手先が器用であるとか、芸術的なセンスがあるとか、若しくは様々なそれぞれ持っている資質が、普通科高校に行ってしまうがばっかりに、要は英語ができるのか、数学ができるか、社会ができるかと、そういった学力的な指標でしか物事を判断できない。そういった中で、なかなか学業に対して取り組めないそういった生徒たちの、一言で言うと才能をこれは無にしているのではないかと、極端に言えばそういう問題意識を私は持っておりまして、そういった意味で、なかなか高等教育以上の段階が私は余りにも画一的で、多様な人々の、一人一人の持つ個性、そういったものを生かせていないのではないかと、そういう問題意識を持っておるんですが、それに関してはどうお考えでしょうか。
○政府参考人(前川喜平君) 普通科高校と専門高校の生徒の割合でございますけれども、昭和三十年には普通科高校は六割程度、専門高校は四割程度であったわけでございますけれども、昭和五十年代に普通科高校の割合が急増したということでございまして、昭和六十年代から最近三十年間は約七割程度で推移してきております。
 一方、専門高校につきましては、かつて普通科高校に行けないからという理由で進学する、いわゆる不本意入学が多かったわけでございますけれども、その割合が徐々に減少してきておりまして、現在約二割程度の生徒が専門高校で学んでいるという状況で、その不本意入学もかなり減少してきているという状況がございます。
 このように、普通科の生徒の割合が高まってきた背景といたしましては、生徒数の増加でありますとか、高等学校への進学率の上昇に伴いまして、また大学進学率などの上昇に伴う普通科志向が高まるという中で、各都道府県が普通科高校を中心に量的な整備を図ってきたということが挙げられるのではないかと考えております。そのような状況の中で、近年、明確な将来への職業意識や学習の目的を十分に持てないまま、とりわけ普通科に進学するという傾向があるのではないかと考えております。普通科を置く高校にありましても、学力の状況が非常に多様になっているという状況がございます。
 学習内容の面では、普通科に比べまして、専門学科では専門教科・科目につきまして二十五単位以上の履修が求められているわけでございます。その中で、課題研究や実習などのより実践的な教育が行われておりまして、いわゆる知識の定着を中心とした評価以外の多面的な評価も行われております。
 文部科学省といたしましては、多様化した生徒へのニーズや進路希望に応えるために、普通科高校等におけるキャリア教育や職業教育の充実を推進いたしますとともに、義務教育段階での学習内容の確実な定着に向けた学び直しの充実でありますとか、学力のみにとどまらない生徒一人一人の幅広い資質、能力についての多面的な評価の充実を図ってまいりたいと考えております。
○二之湯武史君 ありがとうございます。
 前もそういう御答弁を聞かせていただいたんですが、四枚目の紙をめくっていただきますと、これ、高校卒業の方がどういった進路を歩んでいるかと、こういった中で、これも当然かもしれませんが、普通科を卒業して就職する生徒よりもやはりそういった専門科を卒業した生徒の方が正社員になる割合が非常に高いと、こういうデータを示しております。また、就職そのものも普通科の生徒は大変厳しいと、こういうデータがございます。それは当たり前の話でありまして、社会にとって必要な人材というのは、やはり企業からすればある特定の能力を持った人間が必要なのであって、英語や数学ができると、こういった一般教養も確かに必要ではありますけれども、直接的にそういった職業ニーズとは結び付かないと、こういう現状があるわけだと思います。
 そういった意味で、私は、かつてからドイツの教育制度に大変関心を持っております。その次のページをめくっていただきますと、いわゆるデュアルシステム、マイスター制度とも言われますが、そういったドイツの教育の制度について、是非今日は御紹介をさせていただくとともに議論をさせていただきたいと思っております。
 初等段階、これは六歳から十歳、つまり日本でいう小学校なんですが、ドイツは四年でございます。何と十歳において大まかな進路の方向性を決定しなければいけないと、こういった流れになっております。最近、余りにもその十歳というのが早いんじゃないかということで、十歳から十二歳の間はそれぞれの学校に行きながらその進路を自由にまた変更できると。つまり、十二歳までということでいえば日本の小学校と同じなんですけれども、十二歳の段階で、将来、例えばいわゆるそういう技術を持った職に就くのか、若しくはいわゆる総合、一般教養を極めていく、日本でいう大学に進学し、その先にいわゆる例えば公務員や大企業の社員になっていくのかと、こういうような教育のシステムになっております。
 特に、このデュアルシステムというのは、デュアルというのは英語で言うと二重のという意味ですが、例えば週五日のうち、四日間は企業で研修をする、一日はそれを論理的に補う意味で昼間の学校教育を受ける、こういったような仕組みでございまして、それで日本にもインターンシップや様々な制度はありますが、例えば一年間の間に一週間や二週間、職業体験をするとか、そういったある種やっていますよと、そういったアリバイにも見えるような、実を伴ったインターンというのはなかなか今日本の中では制度としては行われていないのが実態だというふうに思っております。
 片や、こういったドイツの方は、先ほども申し上げましたように、高校の段階でもう既に実習先の企業を各々が選ぶ、若しくは学校の例えばあっせんなどによって実習先の企業を選定し、三年間、そこである種の、社員ではないんですがバイトではないというようなそれぐらいの、企業にとってもそういった実習生を受け入れるのが企業経営的にもまた社会貢献的にも広く社会に受け入れられていると、こういった中で、私は、ドイツのいわゆる物づくり、製造業の強さというのがあるのではないかと。
 日本はかつて、いわゆる徒弟制度ですね、親方、弟子、こういった中で日本は職人というものを育んできたというふうに考えておりますが、昨今の日本の物づくりの不振ともある種軌を一にするような、こういった私はものがあるんじゃないかと。つまり、今の日本の社会には、かつての住み込みの弟子や親方といったような関係もなくなっております。かといって、それに代わるような社会的な受皿があるかというと、そういったものでもない。片や、ドイツは社会の中にそういった制度としてこういう教育インフラがあり、そして物づくりが伝統としてしっかり社会に定着をしていると。
 そして、それぞれの、私が一番申し上げたいのは、つまり一人一人の能力を生かす多様な教育の受皿という意味では、こういう実業部分とそしていわゆる一般教養を極めるゼネラリストとしての育成部分と、そういった意味での多様性というのは非常に見習うべきところがあるのではないかというふうに考えておりますが、是非その辺のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) これは非常に本質的なテーマでありまして、是非参議院の文教委員会の先生方とこれは深く議論をさせていただきたいと、私は思います。
 それというのも、ドイツも参考になるとは思いますが、ドイツの構造と我が国の構造と基本的に異なっている部分がやっぱりまずはあるのではないかというふうに思うんですね。ですから、ドイツの、十五歳から事実上このマイスター制度の中でやっていっても、その後マイスターとして十分な職業として待遇、それで食っていけると、またそれだけ社会で評価されているというようなシステムが成り立っている中でのマイスター制度というところもあると思うんですね。
 我が国においては、高校を卒業、専門学校等あるいはそういうふうな普通科以外の職業関係の学校を出ても、なかなか、それで社会の中で食っていくことはできるかもしれませんが、本当に親が期待するような、あるいは本人が求めるような収入が確保できるのかどうかということになると難しい部分があります。
 そういう意味で、今これから高度化社会、特に知識基盤社会の中でより高度な職業も含めた教育力を身に付けないと、なかなか新しい時代のニーズに対応した教育を学ぶことによって社会の中で仕事をしていくというのが難しいという部分がありますから、例えば大学進学率なんかも、普通科というのはやっぱり高校卒よりは大卒の方が、それだけ本人にとって生涯獲得年収も含めてより恵まれた環境に就けるのではないかという、そういう思いがあって大学進学率が高まっているという部分があるというふうに思います。
 ただ、そうはいっても、OECD諸国に比べると、我が国の大学進学率は実際はかなり下位なわけですね。これからの高度化社会の中では、より、大学進学率も含めて、あるいは大学までつながる形で、こういうマイスター制度的な部分、あるいは職業に特化した教育をどうしていくかということが求められていると思います。
 基本的には、みんなが同じような勉強をするということではなく、今、二之湯委員が言われたように、それぞれの能力とか意欲とか、それに生かした多様な教育環境をどうつくっていくかということが基本でありますけれども、そのために、高校段階から果たしてそれに対応できるようなものができて、そしてその後、社会においてもその子供たちの受皿が社会システム的にきちっと完備できているのかどうかということを併せてやらないと、なかなか結果的には、中堅の人材づくりにはなるかもしれないけれども、それ以上の、例えばドイツでいえば日本的なこのマイスターとしての制度設計の中に合っていない部分もありますから、社会における仕組みも併せて考えていかないと、なかなか高校における学校教育だけで十分に対応できないという部分もありますので、トータル的にどう変えていくかということが問われているんだろうというふうに思います。
○二之湯武史君 私が申し上げたいのは、つまりそういう、いかに多様な教育体系というものを構築する中で、いわゆる一般教養に優れていない生徒においても、ほかの個性、ほかの資質、こういったもので立派に創造性、クリエイティビティーを発揮する中で社会で生きていく、かつ日本の社会経済を活性化できると、そういったことを思い描いている中で、つまり、高校や大学という一言で言っても、今のやはり日本の普通科教育、大学においても、いわゆる一般教養中心の学校では一部の、まあエリートとは言いませんが、一部の成績上位層には対応していると思うんですが、あとはいわゆるそれの七掛け、五掛け、三掛けといった形になっちゃうと。だから、大学という形は、それで社会の高等教育機関として存在しつつ、その中の教育の中身がもっと多様化する中でいろんな個性を伸ばせる、そういった社会の受皿をつくっていかなければならないのではないかということを私は申し上げたいというふうに思っているんです。
 ですので、このマイスター制度を日本に導入すると、そういうことではなくて、こういった一種の事例、その中で見習うべきというのは、やはり多様な人々の個性、資質を何とか生かし切れないかというような取組を私は日本でももっとしていかなきゃいけないんじゃないかというふうに思っております。
 そういった中で、例えば大学教育と高校教育の接続でありますとか、大学のガバナンス改革でありますとか、そういった議論が徐々に行われ始めておりますが、それは私の言う各論だと思うんですね。要は、高校教育と大学教育の接続というのは、いわゆる大学入試の話ですけれども、大学入試というのは一般教養を突き詰める人たちの対象であって、それ以外の、いわゆる実学、職業教育を担う人たちのやはり受皿というのも大学教育の中でしっかり整備をしていかなきゃいけないというふうに思っているんです。
 この三十年の間に、日本の私立学校や県立大学というのはもうほぼ倍増に近いほど増えております。そういった中で、大学に行ったはいいけれども就職できないとか、もうそもそも定員割れしているとか、もう大学の在り方というものがこの社会の中で大きくこれから問われ始めてくるんだろうというふうに思います。全入時代というものを迎えて、そしてこれから少子化が一層進んでいく中で、その大学というものの在り方、大学というものの社会の中での役割と、こういったものを根本的に考える中で、それぞれの大学教育の方向性、それぞれいわゆる一般教養中心の大学もあり、例えば職業大学というのもあり、そこが当然、今さっき大臣がおっしゃったように、社会とのしっかり出口戦略もあった上で、企業が必要とする人材と大学教育がある程度一致してくるという中で、一人一人の個性を生かし切るような教育制度というのが私は必要なんじゃないかというふうに考えております。
 是非、その辺のことについてまたこの委員会でも議論していきたいと思いますし、自民党でもそういった議論が進んでいくと思いますが、私も積極的に発言をしていきたいというふうに考えております。
 そういった中で、これもちょっとあれですが、教育委員会のことについてお伺いしたいと思います。
 私はいわゆる大津事件の地元の選挙区選出でございまして、当時のああいう教育委員会の対応、教育長の対応、そういった中で、それまでの学校の対応、救えた命が救えなかったんじゃないかと、こういった中で、教育委員会制度の改革というものが大きなこれからの位置を占めていくという中で、この教育委員会制度が語られる中で、そもそもどこが改革すべき課題点に論点としてなっているのかというのをもう一度整理をしてお伺いしたいというふうに思います。
○国務大臣(下村博文君) これは二之湯委員が御指摘のように、大津の中学生の自殺の問題、これがきっかけになったわけでございます。
 現行の教育委員会制度は、合議制の執行機関である教育委員会、その代表者である委員長、事務の統括者である教育長との間で責任の所在が不明確である。また、直接選挙で選ばれる首長との意思疎通、連携に課題があり、地域住民の意向を十分に反映していない。教育委員会が事務局の提出する案を追認するだけで審議が形骸化している。非常勤の委員の合議体である教育委員会では、日々変化する教育問題に迅速に対応できていない。こういう課題があり、そういう問題があって、大津の問題も、それから、これは大阪における教師における体罰、暴力によってやはり生徒が自殺したという問題がありましたが、こういう教育委員会の今申し上げたような状況の中で、教育委員会だけの問題ではありませんけれども、しかし教育委員会に今申し上げたような問題があるということは、これは客観的事実であるというふうに思います。
 今後、教育現場で起きる問題に教育委員会が的確に速やかな対応ができていない事態を発生していることに対してどう解決するかということの中で、地方教育行政の権限と責任を明確化し、全国どこでも責任ある体制を築くため、教育委員会制度の抜本的な改革が必要であるということで、教育再生実行会議で提言をしていただき、それを受けて中央教育審議会でやはり答申を昨年暮れにしていただき、与党で議論していただき、先日合意ができたということで、是非今国会に提案をさせていただきたいと思っております。
○二之湯武史君 どうもありがとうございます。
 以前大臣が、官邸から高めの球を投げてくれと、そういったお話があったと思います。かなり高めの球でございましたので、与党の方でもいろんな様々な議論があったというふうに聞いております。私も部会の方で様々、いろいろ発言をさせていただきました。
 とにかく、やはり今非常勤の合議体の教育委員会が責任を負うという、これはやっぱりなかなか難しいというか、不可能であるというふうにも考えておりますし、そういった重大事案に関しまして首長がしっかり関与する権限がしっかり認められるべきであると。若しくは、沖縄の教科書採択の問題のように、法令違反に対しても実行力を持ってしっかり介入するべきであると、こういった大きな方向性においては、私は非常に時代、要は現実をしっかり追認していく形になるというふうに思っているんですが。
 実は私も京都出身でございまして、京都はかつて蜷川府政という共産党の知事が二十八年間も知事をされておられた。私はそういった中で京都の学校に通っておったんですが、物心付いたときから父親が自民党の政治家をしておりましたので、なかなかこっぴどく先生にいじめられたと、そんなこともございまして、やはり教育における政治的な中立性というのは子供心ながらに本当に染み付いている部分がございます。何かありましたら私が教室の前に連れていかれて、この二之湯君がこうだああだと言われたような覚えがございます。
 やはり教育というものは、教育行政というものは、首長の一部局にして、例えば建設行政やそういったものと同じようにし、その首長が替われば大きな方針が変わっていくと、こういうことではなくて、やはりあるしっかりした政治的な中立性を担保できる仕組みが、私はこの教育委員会を改正する際にも絶対に必要だというふうに私は思っておりました。そういった中で今回、教育長が教育委員長を兼ねるという中で、そしてそれを首長が任免をするという中で、その首長の関与というものが今まで以上に認められていくことになると。
 そして、もう一つ、私はあの事件以来、滋賀県内の若しくは京都の教育委員会を数十、回らせていただきました。そういった中でいろいろ現場の声をお聞きしたんですが、これは概してですが、やっぱり首長さんと教育長さんがしっかり定期的にコミュニケーションを取っていると。そして、首長は当然予算を持っているわけですから、事実上は教育長がどんな施策をすると言ってもやはり首長との連携がなきゃ不可能なんですね、現状でも。そういった中で、ある特殊な町では、もう首長が教育長とのコミュニケーションすら拒むと。教育長というのは首長の、まあ言ったら言うことをしっかり執行すればいいんだと、こういうスタンスのところがうまくいっていなくて、しっかり日常的に教育長と首長がコミュニケーションを取って、教育行政についてあらゆる課題を共有しながら進めているところは現状の組織でも非常にうまくいっていて、首長さんの意向もある程度、ある程度というかしっかり反映されていると、そういう現状がある。
 しかし、今回、総合教育会議というものを必置をされました。私はあれも非常に評価できることだと思います。それは法定によって、要は非常に特殊な首長さんがおられても、しっかり首長と教育長で教育を議論しなきゃいけない、こういう担保がなされたわけですし、今回の与党合意案というのは私は非常にバランスの取れた案になったなというふうに非常に私は安心をしているわけでございますが、そういった中で今回の委員会でも議論をされていくというふうに思いますが、それは与党の責任としてしっかりそれは進めていきたいというふうに考えております。
 最後に文化行政についてお聞きをしたいと思います。
 これも私は、松下政経塾以来十数年にわたってこの日本の文化、海外への発信というものに対して自分なりに取り組んでまいりました。私は、日本の文化行政というのは世界にもまれに見るほど戦略がないというふうに考えております、これはもう残念ながら戦略がないと。
 文化庁が元々文化財保護委員会でしたかね、昭和四十三年、二年に文化庁になったというふうに記憶をしておりますが、やはり文化財の保護を担当するという部局であるという伝統が今もなおそのまま生きていまして、つまり文化を戦略的に構築していくであるとか、その日本の持つ文化を資産として活用することによって経済的な国益若しくは外交的な国益、こういったものに転換をしていこうであるとか、そういった諸外国が当然持っているいわゆる文化の戦略というものが私は日本には欠如しているんじゃないかと、そういうふうに考えております。
 今回の委員会でも、私は、この前、十三日ですね、三人の委員さんが文化行政について質問されていました。非常に時代が変わってきたなというふうに考えております。そういった意味で是非、大臣の文化に対する思いというか、日本の文化を戦略的資産として活用し発信をしていくといったことに対する意気込みを是非お聞きしたいというふうに思います。
○国務大臣(下村博文君) 全くおっしゃるとおりだと思います。
 今までの文化庁というのは文化財の保護が中心の官庁であったのではないかと思います。そのために大臣就任してから私的懇談会をつくりまして、二〇二〇年に向けて我が国を文化芸術立国にしていくための中期プランを作成をいたしました。その後、九月七日、ブエノスアイレスで東京オリンピック・パラリンピックが決定したということもありますので、是非二〇二〇年が、東京だけで行える競技スポーツだけではなくて、日本全体が文化芸術立国として世界の人たちに来てもらうと、そういうチャンスとして捉えて、東京オリンピック・パラリンピックを活用すべきだというふうに思います。
 日本は圧倒的な世界の中でも歴史のある国でありまして、文化、芸術含めて、埋蔵している潜在的なものというのは、ほかの国に負けないようなすばらしいものがそれぞれの地域地域にあるというふうに思いますし、是非二〇二〇年に向けて文化芸術立国として、そのためには、おっしゃるとおり、今までのような文化庁の延長線上ではなくて、クリエーティブに、そして日本全体を世界トップの文化芸術立国として、世界中の人たちが日本に行ってみたいと思うような魅力あふれるコンセプトをいろいろとつくっていく必要があるというふうに思いますし、オリンピック・パラリンピックを目標に是非それをつくっていきたいというふうに思っております。
○二之湯武史君 力強いお言葉、ありがとうございます。
 私、実は十数年前に京都の料亭の皆さんとNPOを立ち上げまして、十数年にわたって海外において様々な国で日本食の普及推進のプロジェクトをしてまいりました。その中心が菊乃井という料亭の村田さんという方ですが、昨年、世界遺産に登録をされた大きな原動力に実はなりまして、微力ですが少し貢献をさせていただいたと、そんな次第でございまして、今回、それを機に、ここに中曽根先生がおられますが、役員にもう皆さんなっていただいて、自民党の中に日本食文化普及推進議員連盟というのを立ち上げさせていただきました。現在、九十四名の方に御入会をいただいておりますが。
 そういった意味で、実はここ私が関わっていた限りで言いますと、日本食というのは文化庁の中で文化という捉え方を実はなされていなかったんです。これだけ世界に今五万五千軒も日本食レストランというのがあると言われております。必ずしも日本人の経営、若しくはいわゆる日本料理ではないものがほとんどなんですが、非常に世界における魅力あるコンテンツであることは間違いありません。つまり、戦略的資産としては非常に申し分のない価値を持っているわけでございます。しかし、そういったものに取り組んでいる人が日本の中にいるにもかかわらず、そういったものに余り見向きをしようとしてこなかった。民間の自助努力によってあそこまでのものをつくり上げたと。
 そういった意味で、私は、自身も今回政治家になったわけですから、そういったものをしっかり政治の側もバックアップしていかなきゃいけないというふうに考え、今回そういう議連を立ち上げたんですけれども。
 そういったそれぞれ、食もそうですし、いろんなものが戦略的資産としてまだまだ価値を発揮できずに眠っているものがあると思うんですね。そういったものをやっぱりしっかりと戦略に練り上げていくと、是非大臣の在任中にそういう道筋を付けていただきたいと思いますし、是非それはもう与党の立場として全面的に応援、微力ですが、させていただきたいというふうに思っております。
 かつて部会で西川副大臣に、そういった食の関係者が、文化的ないわゆる社会のステータスとして余り高いところに置かれていないんですね、いわゆる文化功労賞であるとか文化勲章の対象にはほとんど今までなってこなかったと。料亭の皆さんとお話ししていますと、我々は平安時代から宮中に仕えているんだと。要は千年以上この日本の食という文化を支えてきた。例えば歌舞伎なんというと、五百年前に京都の鴨川の河原でいきなり始まった踊りなわけですね。それが今文化という意味では非常に高いところに置かれていると。能や狂言、お花もやっぱりまだ四百年、五百年の歴史であると。千年以上の歴史を持つ食の世界がそういったなかなか高い顕彰の地位に置かれていないと、こういったことに関して是非見直しも含めて検討をいただきたいと思うんですが、その点について是非お伺いしたいと思います。
○副大臣(西川京子君) 本当に二之湯先生と党の部会でいろんなお話をさせていただいたこと、しっかりと頭に入っております。
 日本の食ぐらいある意味では本当に包容力があって、外国あらゆるところを回ってまいりましたけど、日本人ぐらい多様な食生活をしている、一般の普通の毎日の生活の中で多様な食生活している民族っていないと思うんですね。その中で日本食というものをしっかり守ってきているという、そのことが私はすごいなと思うんですが。
 一つの大きなきっかけとして、食育基本法というのを議員立法でしたが作りました。その中でやはり文科省、厚労省、農水省三省が関わった中で、文科省の関与というのがその辺から出てきたと思うんですね。それ以前は確かに文科省の中で食というものに対して文化だという認識がなかったと思いますけど、その法律の中で、日本の伝統と文化の日本食というものを子供たちに教育の現場でもしっかりと継承させる、そういうことが書き込まれておりますので、そういう中で文科省の中でも、今回、ユネスコの和食登録という動きの、先生が大変御尽力いただいたわけですが、その一つの認識として文科省の中にできたと思っておりますので、今後、確かに文化功労賞、文化勲章、食の関係のいろいろ板前さんやらいろんなシェフやら、いろんな人も含めてなかなかいらっしゃらないので、このことは私もきっちりと指示したところでございます。何かそういう人をリサーチして、なるべくそういう食関係の方々もそこに挙げるようにしてくださいということは指示させていただきました。
○二之湯武史君 是非前向きな御検討をよろしくお願い申し上げます。
   〔委員長退席、理事石井浩郎君着席〕
 それでは、最後になりますけれども、その文化戦略の点でもう一つ、私、これは意見なんですが、通告をしておりませんので、申し上げたいんですけれども。
 よく文化というときに、この文化という定義がなかなかままならないというふうに思うんですね。若しくは、文化芸術といったときに、それはどういったものを指すのかという共有がなかなか難しい言葉でございまして、これは。特に、私は、一番懸念をしているのは、日本の文化行政であるにもかかわらず、割と西洋芸術を取り入れている、西洋芸術に予算を付けているという場合が実は結構多いんです、これ。
 ただでさえ一千億しかない文化庁の予算に、例えば、私も国際交流の世界でいろいろやってきましたが、日本人の西洋音楽をしている方、西洋芸術をしている方、そういった人に対する助成というんですか、私は、やっぱり誤解を恐れずに申し上げれば、日本の文化庁なので日本の伝統文化というものをまず第一義に考えていただきたいなと。日本の伝統文化というものがまず第一に日本の文化資産であるということをまずしっかりと一つの共通認識として持っていただきたいというふうに思っているんです。
 特に、本当に、日本の様々な国際交流事業というのは本当戦略がなくて、何でこの事業をこの国でやるんだとか、何でこの事業をこの人たちがやっているんだとか、私、今回、文化庁のいろんなレクも受けましたし、こういう事業をこの国でやっていますと、全く必然性も関連性もないんですね。そういった中で、割とそういった日本の伝統文化に携わっていないような方にそういった助成が下りている場合が多いと。
 まず第一に、この日本の伝統文化に携わっている人たちをしっかりこう、何ていうんでしょう、環境を整備していくであるとか、そういったものを海外に発信していくということを是非第一義に考えていただいてこれからの文化戦略というものを構築をお願いをしたいということを最後に申し上げて、もし何か感想がありましたらお伺いしたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 昨年の九月にオリンピック・パラリンピック担当大臣を拝命をしたとき、先ほど申し上げたような、つまり二〇二〇年をスポーツだけでなく文化芸術として日本全体が活性化するようなことを考えたいということをどこかで話をしたことがあったとき、すぐ最初に飛んでこられた方が京都の知事でございます。京都にはこれだけ文化遺産がもう山のようにある、是非これを活用してほしいと。
 で、それを受けたように、昨年暮れには滋賀県の知事も来られまして、滋賀県も、それほど奈良や京都から比べると注目されていないかもしれないけれども、文化芸術資産が山のようにあると。同時に、琵琶湖というのがあって、これはまさにオリンピックの競技種目の受皿の、まあ競技そのものは東京でやるわけですけれども、事前の練習とか合宿とかいうのは琵琶湖ならではの滋賀県が対応できる部分があるから是非活用してほしいということで、しかし、文化芸術についても併せてたくさんいろんな資料を持ってこられました。
 それだけ関西は文化に対して大変に、それぞれ自治体も含めて極めて関心を持ち、また、それだけ大切にしてこられたからこそ今もすばらしいものが生かされているのではないかというふうに思います。それを日本全体の中で広げていくようなことを是非していきたいというふうに思いますし。
 もちろん、同時に、世界中からアスリートが一万人ぐらいオリンピック、パラリンピックには来ますが、世界中からトップアーティストも、芸術家も一万人ぐらいは是非招聘したいと思っておりますが、そのときには、今委員が言われたように、日本の文化芸術でいろんな地域イベントも含めてやっている部分があるわけですね。そこにジョイントしてもらいながら、日本古来のすばらしい文化芸術と、それから海外のそういうものを生かしながら、それを見に世界の方々が一度文化芸術立国日本に訪れてみたい、行ってみたいというようなムーブメントをつくれるかどうかは、まさに日本の持っている文化芸術の資産を生かせるかどうかということになってくると思いますので、それをしっかりと発掘しながら、逆にそれが日本の武器になる、世界に広げていくと、そういう環境づくりをつくっていくように頑張りたいと思います。
○二之湯武史君 ありがとうございます。
 京都の歴史、これは平安京七九四年です。滋賀県は大津宮六七二年、百二十年以上古いということを最後に申し上げまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○大島九州男君 民主党の大島九州男でございます。
 今、二之湯先生のお話を聞かせていただいて、やっぱり大臣の御答弁にもありましたけれども、ドイツと日本の文化というか、今の現状が違うということで、今回私が質問させていただこうと思っているこの専修学校なんですけれども、よく高専だとか専修学校だとか専門学校とかいろいろこういうふうな話が出るので、ちょっと整理をしてみましたけれども、専修学校というのは昭和五十一年に新しい学校制度として創設をされて、専門学校と言われるのは専門課程、これの入学資格は高等学校の卒業資格、三年制の高等専修学校を出た人がそこに入ると。で、高等専修学校、まあこれは専門学校の高等課程、高等課程と言われる、特にそれは中学を卒業した人が入る。で、また一般課程というのがあって、その一般課程は特に入学資格がないというふうに整理されている。各種学校もそうであると。
 十五から、先ほどドイツの話がありましたけれども、日本は中学を卒業して大体みんな高等学校に行くというのが何かこう普通のように言われているけれども、十五から選択する進路は簡単に言うと五つはあるということですよ。それは何かというと、普通一般に言われる高等学校、それから高等専門学校、高等専修学校、専修学校一般課程、そして各種学校と。これぐらい、五つの選択肢があるにもかかわらず、高等学校に行くのが何か一般的なように言われているところにちょっと違いがあるのかなと。私は、やはりそういう選択肢が多様にあるということをしっかりと子供たちにも理解をしていただいて、そして子供たちというよりも学校の先生、そしてまた保護者にも、そういう意識の中で子供たちにその選択肢をしっかりと持っていただきたいという、そういう思いがあるんだということを是非ちょっと御理解をいただきたいと思います。
 そして、今回、今年四月から新しく専門学校については職業実践専門課程という新たな取組が始まるというふうに聞いておりますけれども、この制度の概要、内容を教えていただきたいと思います。
○政府参考人(清木孝悦君) 職業実践専門課程でございますが、これは平成二十三年の中央教育審議会答申「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について」において提言されました高等教育における職業実践的な教育のための新たな枠組み、その先導的試行でございまして、企業等との連携を通じまして実践的な職業教育に取り組む専修学校の専門課程を文部科学大臣が認定して奨励することによりまして、専門学校における職業教育の水準の維持向上を図ることを目的としております。
 具体的には、修業年限が二年以上であること、企業等と連携した教育課程の編成や実習、演習等を実施すること、また実務に関する教員研修の組織的な実施を行うこと、さらに、企業等から委員が参画する学校関係者評価の実施とその結果の公表や情報公開などを行うことなどを要件といたしておりまして、より実践的な職業教育の質の確保に組織的に取り組むものでございます。
 先生おっしゃいましたように、この職業実践専門課程につきましては、昨年八月に認定要件等を定める文部科学省告示を制定いたしておりまして、学校からの申請を所轄庁でございます都道府県等が受けまして、その推薦を経まして、現在、文部科学省において審査を進めているところでございまして、今月末には認定をいたしまして、本年四月からスタートをする予定としているところでございます。
○大島九州男君 今御説明をいただいたのを分かりやすく皆さんに見ていただくように資料を付けさせていただいておりまして、先ほど、今説明があったのがこの認定についての概要の一番目の一ページ目でありますね。二ページ目、三ページ目、特に企業との連携を図っていく、非常に大事なことであり、当然今ここには工業分野と文化・教養分野ということと、そして、そういった中身を付けさせていただいているんですけれども、やはり現実的にそういう企業としっかりコミットして実質的な勉強というかいろんなことを実践的にやるということは非常に大切なことであるというふうに思っておりますし、これは企業にとっても大変有意義である。その生徒の特質も分かるし、また人間的な部分も理解をできる。そういう意味においては、こういう取組によってその生徒がその企業に入社をしていくという道も開かれていくような非常に私はすばらしい制度だというふうに思っているわけです。
 先ほど大臣がおっしゃったように、ドイツは、マイスター制度とかそういう職業訓練の専門的なところに行くと食べていけるんだと、大学出るのと同じようなそういう文化があるんだと。だから、まさにこういうことを通じて日本にそういった文化を根付かせていこうという、そういう心構えでこういう制度をつくっていらっしゃれば、それは大変すばらしいことだというふうに私は思っているわけですね。だから、ここが必要なんですけれども、先ほど私がちょっと分類を言いましたけれども、専門学校の専門課程に今回これを入れていきますよということですね。
 実は、私、昨日ちょっと地元に帰っておりましたら、やはり大和青藍高校といって地元に高校があるんですね。そこがまさしくホテルでの研修だとか、調理科を持っていましてホテルでの研修をやっていると。それとか、特に介護、医療の関係の分野の課程を持っていますから、そういったところにも実質行っていると。一般のそういった高等学校にもそういうことを取り組んでいるところもあるんですね。
 当然、この専門課程の前である高等専修学校、先ほど言いました高等課程ですね、中学を卒業してその専修学校の分野に入っていくところにもやはりそういった目を向ける必要があると思うんですよ。
 だから、当然、今回、四月から導入をされている専門課程の分野をまた当然これをその前段階である高等課程にも広げていき、そしてなおかつ、普通一般高校と言われる私立学校法の高校においてもそういった取組をしているところがあるわけですから、現実に横も広げていく。縦に広げ横に広げていくことによって、十五からいろんな専門的なところの仕事を身に付けて、そして職人として日本で学んで、そして就職をしていくその子供たちは尊いんだと。当然、大学へ行って研究者のようになっていく人もすばらしいけれども、そういう手に技術を持って物づくりをやり、日本の伝統文化に貢献をする、こういう人材をしっかり育てるという、そういう強い意識を文部科学省は発信をする一つのきっかけにしてもらいたいと。
 まさにそれはいい私は制度だというふうに思っているので、これをどんどん広げていきながら、そして最終的には、先ほど大臣がおっしゃった、そういうところを卒業したら十分食っていけるんだと、だから、大学を卒業するのと専門学校を卒業するのでは能力は別として給料が違うというようなことがない社会にしていくべきだということを思っていて、ここの職業実践専門課程についてはもっともっと積極的に情報発信をして、そして実質的な職業教育の地位向上に努めるべきと。そして、先ほどの諸外国の状況を踏まえて、今回、平成二十六年度予算案に計上されている職業実践専門課程等を通じた専修学校の質保証・向上の推進事業ということもあるわけですね。だから、つながっているわけですよ。
 そうしたら、その先、この事業、どういうふうに進めていって、最終的に何を目標にしているのかと。さっきも言いましたように、大学を卒業するのも、専門学校を卒業して例えば専門学士というような、そういう専門士、今は高度専門士とか専門士ですけど、これが専門学士だとかそういう高度専門学士、韓国に専門学士という言葉がありますけれども、そういうふうに地位向上を図って、最終的には、大学出ても、また専門学校を出ても同じような給料がもらえると、まさにそういう国にしたいのかというのを、そこは最後大臣に聞いて、制度的なところはちょっとこちらの方で、併せてお願いします。
○政府参考人(清木孝悦君) ただいま先生から御指摘ございましたように、この来年度からスタートいたします職業実践専門課程につきましては、その認定校を中心として更に質保証や向上の取組を推進するために、平成二十六年度予算案におきまして、職業実践専門課程等を通じた専修学校の質保証・向上の推進事業といたしまして一億八千万円を計上しているところでございます。
 この事業におきましては、先ほど申し上げました、企業と連携した教育課程の編成や演習、実習の実施などの認定要件に関わる取組の検証と情報発信、また職業実践専門課程の推進を担う教員の研修モデルの開発や実証、さらに産業界等の関与を十分に確保した第三者評価の実施、国際的な通用性を伴う職業教育、教員に求められる実務能力や指導力の検討などに資する先進的な取組の実践や研修を行いたいというふうに考えております。
 先生おっしゃいましたように、卒業後の就職の取扱いなども含めまして、この実践的な職業教育が社会から、あるいは国際的にも適切に評価されますように、職業実践専門課程につきまして今後とも情報発信を行いますとともに、諸外国の例なども参考にしながら、本事業におけます検証等を通じまして、専修学校におけます職業教育の質の保証や向上に努めてまいりたいと考えております。
○大島九州男君 大臣の前に、その前に。
 今伺いました、本当にそれをちゃんと確実にやっていくということと、そのことをしっかり企業や社会の人が認知して、ああ、そうだなというふうに思う風土をつくる。そのためには私、何が大事かというと、我々文部科学行政に関わる議員であったり、特にそのトップである大臣がそういう発信をしてもらうというのはすごく有り難いんですよね。正直、何か大学で研究者になると、その人は末は博士か大臣かとかいうことで、博士はすばらしい、大臣はすばらしいということですけど、大分時代も変わって末は職人かみたいな、やっぱりそういうふうになっていいんじゃないかと。
   〔理事石井浩郎君退席、委員長着席〕
 さっき、私、ふと、本当、二之湯先生の話で思い出しましたけど、職の文化で一千年以上も宮中に伝えるというその技術とか、宮大工さんとか、そういう人というのは、もう一朝一夕にできないわけですよね。だから、時間も掛かるし、そういう意味で、早くからそういうところに携わっていく、そのことを決めてその道に進んでいくというのは本当にすばらしい人材だと、私はそのように思うんです。
 だから、それは是非文部科学省を挙げて、大臣が先頭になって、そういう子はすばらしいんだ、そういう子は貴いんだと言ったら、どれだけの子供たちが救われるか。そして、自分が本当はこういうところに行きたいんだけど、何か大学行かないと駄目だと言われるからというので普通高校に行ったという子供たちの話をよく聞くんですね。だから、そういうんじゃなくて、本当にそれはすばらしいことだと、それで大臣がおっしゃるように、そういう道に進んでいってもちゃんと食っていけるんだという国に是非してもらいたいと、私は切なる願いがあるんですけど、それに対して大臣のお言葉、よろしくどうぞ。
○国務大臣(下村博文君) 今の大島委員のお話を聞いていて思ったのは、私、一月にワシントンで国際宇宙探査フォーラムがありまして、初めて三十五か国が、今までは宇宙は軍事が優先でしたから各国それぞればらばらだったわけですけれども、今度一緒にやろうということで国際会議がありました。二回目は今度日本でやることになっているんですが。
 そのとき、NASAの長官とプライベートな会合がありまして、NASAの長官が言っていたのは、アメリカは今から五十年ぐらい前に実際に月に有人飛行をしているわけですね。しかし、実際のところ今はできない。それはなぜかというと、そのときの技術者がいなくなって技術が継承されていないからと。宇宙工学というもう最先端の分野においても、やっぱりそういう技術者がきちっといないと継承できないということについて、私は本当に驚いたんですけれども、しかし、それは宇宙だけでなくあらゆる部分でそういうことが言えるわけでありまして、それぞれの専門分野における技術者を育成するということは、最先端の科学の分野から、それから日本の伝統、古来の文化から含めて重要であって、その中で今回、専門学校、専修学校が新たにこの職業実践専門課程というのを設置することになったわけでございます。
 この平成二十六年度の予算案に計上している職業実践専門課程等を通じた専修学校の質保証・向上の推進事業において、認定校を中心として先進的な取組について検証を行うとともに、その意義や成果等について、高校の進路指導担当者等も含め幅広く情報発信をしていくということになっております。
 今後とも、新たに設置される職業実践専門課程のような実践的な職業教育の重要性を踏まえまして、これを機会に積極的な情報発信に努めつつ、その質の保証、向上に全力で取り組んでまいりたいと思います。
○大島九州男君 ありがとうございます。
 有り難いお言葉をいただきました。大臣には是非、専門学校のいろんな団体さんというのは、自民党の先生を一生懸命応援していただいているんですね。私は別に応援してもらっているわけじゃないんですけれども、必要だからしっかりこれをずっと発信をさせていただいておりますので、是非先生方もそういうところへ行って、是非この発信をしていただくと本当にそれ進むと思うんです。だから、是非そのことは大臣には積極的に行っていただいて、そこで講演してもらったりとかいうことで周知をしていただくことをお願いして、次の質問へ移ります。
 次は、私は、福島復興推進会議という、今、民主党内にありますその仕事もさせてもらって、事務局長もさせてもらっているんですけれども、あの発災当時、宮城県の担当だったんですね。そこの宮城県と、そしてまたその後に福島県の担当をいただいたときに、徹底的にその被災者の皆さんの違う反応で印象に残っているのが、宮城県で津波でお亡くなりになった方は、私は御遺体が上がっただけでも有り難いんだという話を聞かせてもらったことがある。福島へ入らせていただいて、福島で話聞かせていただいたら、有り難いという言葉が一つも聞けた記憶がない。それは何かというと、東電にだまされたとか、また行政にだまされたとか、それとか家族がばらばらになって、そしてみんなつらい思いをしているんだと。賠償でいろんな手当のお金をもらっているから有り難いなんというようなことは一言も聞いたことがない。
 まさに自然災害と、まあ人的被害とは言いませんが、そういったものの大きな違いがそこにあるんだなと感じさせていただいて、いろんな今賠償問題を聞かせてもらうと、まあその恨みつらみに、なおかつお金の、もう貪瞋痴が固まったような話になった。これはもう生きていても、本当に何か幸せを感じる場面はないんだなというのをつくづく感じさせていただく中で、せめて賠償の問題なんというのは、もうああだこうだとかもめずに、その補償が出せるものはちゃんと出していくという、そういう道をつくるべきだというふうに思っていて、この原子力損害賠償については、文部科学省がいろんな指針を出して、その指針の中から東電が支払っていく方向を決めていっているというのが現状です。
 まさにその中でADR、紛争解決のセンターをつくられて、裁判になる前に何とかその形をきっちりと決めていくというようなことをされている努力も分かります。しかし、やはりなかなか解決されていない。でも、情報が届いていなくて、分からなくて発信をしていないというか、紛争の解決が見えない人もいるわけですよね。
 だから、私が感じたのは、今ADRにどういうような案件が上がってきてどういうふうに解決していったのかとか、どういうふうな基準で賠償されているのかというのがある程度皆さんに分かると、そこの部分はまた違った反応があるのかなという思いがあり、そこら辺の状況で、まあ個人的なことはなかなか言えないでしょうけれども、そういうADRの和解事例なんか、例えばどういうのがあるのか、そしてまたそれをどのように周知をされているのかというのをちょっと教えていただければと思います。
○政府参考人(田中敏君) お答えをいたします。
 被害者の方々が東京電力による迅速かつ適切な賠償を受けるということは大変重要だと思っております。原子力損害賠償紛争解決センター、ADRセンターというふうに言ってございますけれども、による和解の事例ということをお示しするということは、被害者の方々がそれぞれの事情に応じてどのような賠償を受けることができるのかということを知る上で大変重要だというふうに思っているところでございます。
 文部科学省としては、できる限り分かりやすい形でこのADRセンターの和解の情報ということを発信していきたいというふうに思っているところでございます。
 ADRセンター、これは二十三年九月に発足をいたしましたけれども、これまで、三月十四日時点でございますけれども、全体として一万四千八十五件申立てをいただいてございます。そのうち、既済済みが七千四百七十九件、そのうちで和解に至ったものが五千九百七十九件でございます。
 この和解に至ったものの中から、代表的な例というと変なんですけれども、皆さん方にお知らせをして役に立てそうなというような事例については、これ七百四十五件でございますけれども、避難費用、あるいは精神的損害、風評被害、あるいは自主的避難、それぞれのカテゴリーをきちっと分けまして、その内容、概要ではございますけれども、ADRセンターのホームページ、あるいは文部科学省からもたどっていけますけれども、そういったホームページで提供し、また、平成二十四年度末までの案件、百四十五件なんですけれども、そこにつきましては、冊子としてまとめて、自治体の方々等に、これは一千部配布をしてございます。
 さらに、避難区域ごとにいろいろ被災者の方々が悩んでおられるだろうということから、その避難区域ごとで比較的多く見られる事例につきましては、その概要について、百五十例ずつではありますけれども、二種類冊子を作りまして、被災者の方々のお手元に置いていただこうということから、二万一千部ほど、被災者の方々、自治体に配布をしたというところでございます。
 文部科学省としては、被害者の方々にあくまでも寄り添って原子力損害賠償が実施されていくよう、今後とも取り組んでまいりたいというふうに思ってございます。
○大島九州男君 ありがとうございます。
 今の取組は、私、非常にいい方向で、それは理屈でいくとそういう流れだと思うんです。だから、自治体の人に周知するために自治体に冊子を千部と、それでまた、いろんな直接被災者の方たちのためにというんで二万一千部というのを被災自治体に配布したと。
 よく私が選挙の例を取って申し訳ないですけど、我々が自分たちのあれやってもらおうと思って、本当に意識のある人は、渡した後援会の入会用紙なんというのは一生懸命配ってくれますけど、ほとんど渡すとそこに眠っていると。意識のある人は一生懸命配ってくれるんだけど、じゃ、これ、どういう人に渡したらいいのかというのを考えた方がいいと思います。
 だって、正直言うと、役所の人は、みんなが窓口に来ていろんなこと言われるので手いっぱいですよね。そうすると、自分から主体的に配って歩くなんて無理ですから、だから、そういう意味からいうと、例えばその地域の公民館長さんや自治区長さんや、そういういろんなボランティアで動いていらっしゃるボランティア団体の皆さんにそういう冊子をお渡しすると、多分、さっとまく速度がまず違うということと、必要とされる部数が違うだろうなと。
 今の世の中、インターネットでホームページ見ていけば、今、文部科学省からたどっていけばとまさしくおっしゃったそのネットサーフィンなんて、私もしたことがないというぐらい縁がない。ということは、福島で本当に独りで避難所にいるおじいちゃん、おばあちゃんなんかにはまるっきり縁のない世界なので、そういう冊子を配るというのはいいんですけど、冊子というのはなかなか見づらい。だから、一枚紙のようなチラシみたいなやつをぱっぱぱっぱ戸別配布するぐらいの、そういう実践的なことをやってもらいたいという要望が一つ。
 それと、私、国民の皆さんに問いかけていることがあるので、是非ちょっとこれは皆さん、私の認識をちょっと聞いてもらいたいんですけど、ここに資料を付けています。原子力損害賠償の体制というところで、一番右側の方を見ていただくと、原子力損害賠償支援機構のところの下、資金援助というのがあって、資金援助、東京電力、特定原子力事業者、括弧になっていますね。その右側、全原子力事業者が負担金ということで原子力損害賠償支援機構にお金を出しているわけですよ。
 これは何が言いたいかというと、これが悪いと言っているんじゃないんです。私は、国民の皆さんがこういうことをよく言われるんです。大島さん、東電の事故に、処理するのは東電のお金でやるのが当然でしょうと、何で税金を出すんだと、これはおかしいじゃないかというふうにいつも言われるので、私も考えたんですけど、この全原子力事業者というのは、これは沖縄電力は入っていないですよね、多分、原子力持っていないから。ということは、北海道電力から九州電力までみんな負担金出しているんですね。
 じゃその負担金はどこから出ているのかって、電力会社が出すお金というのは電気代からもらっているんですよね、間違いなく。ということは、電気代の一部が負担金になっているということは、既にこれは、税金とは言いませんよ、公共料金として払われるその電気代からこの支援機構にお金が行っているわけですよ。それが悪いと言っているんじゃないんですよ。国民の皆さんに私はしっかりお伝えしたいのは、所得の低い人であろうが高い人であろうが、電気代はみんな払うんです。税金は所得の低い人とか収入のない人は払わないんです。だから、どっちが負担が多いのかなという素朴な疑問を投げかけるわけですよ。
 もうちょっとそういうことで言われると、うんっとおっしゃるので、私が、いやいや、今アベノミクスってテレビですごく景気いい景気いいというからいいですよねと言うと、いや、それはいい人もいるかもしれないけど私は駄目よ、庶民は駄目よと言うんですね。なるほど、それはそうでしょうねと。
 もうちょっと分かりやすく言うと、お金の総量というのは大体決まっているとすれば、誰かが得すれば誰かが損するんだよねと。ということは、円安の為替差益で大企業にもうかっているそのお金ってどこから来ているのかと思ったら、ああ、国民のガソリン代高くなった分とか、ああ、輸入小麦が高くなった分がそこに回っているから我々庶民は景気悪いんだねと。テレビが何でああいうふうにいいぞいいぞと言うのかって、それは簡単だと。それは大企業のスポンサーのお金でテレビつくっているから、大企業の声の代弁だから景気がいい景気がいいと言うんだねという、そういうところに気付くわけです。
 何が言いたいかというと、電気代と税金と名前は違うけれども、我々財布から出ていくそのお金は、どういう取られ方をしているかだけの違いであって、じゃ誰が払うのかというのは、税金は所得の低い人は払わなくていいというそういう視点を見ると、電気代で取られるよりはいいんじゃない、税金の方がと。だから、税金を入れるんだったらその心構えの中でしっかりと自信を持って入れなさいということなんです、私が言いたいのは。
 だから、よく、今回の福島第一原子力発電所の廃炉に向けてこの機構をつくるということになっているでしょう。現在、その法律がこれから審議をされていくんでしょうけど、その法律を作るときにも、東京電力の廃炉するその子会社が、廃炉、子会社に今度すると言っていましたから、その子会社は東京電力と決算一緒ですから、だから決算一緒なので、投資する東京電力の株買おうと思う人は、そんな廃炉にどれぐらい掛かるか分からないようなところの、先に見えないところに投資はできないから東電の株上がらないよなと思うんです。ところが、もしその廃炉カンパニーというのが東電と切り離されて、例えば機構側にあったとすれば、あっ、切り分かれると東電というのは安定株になるねと。東電も当然そこには負担金という形でその廃炉にお金を出すという、仮にそういう仕組みだったとしたら、投資家は東電のところの株を買う気になるよねと。
 じゃ、その足りない分どうするの、足りない分税金でやらなきゃ駄目ですよねといったときに、それは国民の理解が得られないからとかいうので、何かうまく取りまとめちゃって、税金はちょっと何か申し訳なさそうに出しますよ、でも東電の事故だから東電がちゃんとやらなきゃならないんですよという見せかけをつくってるけど、でも結局、東電がそれに掛ける金を電気代から捻出していくわけじゃないですか。そしたら、東電が値上げを先に申請すると、原発事故だから東電がこうやってやっているのおかしいだろうと言われるので、関係ない北海道電力とか九州電力が値上げ申請して、それからだんだんじわじわじわじわ上げていくという、そういう構図になるんですよ、間違いなく。ということなら、そういう全国民から電気を取るようなことじゃなくて、税金入れてやる心構えを決めて僕はやるぐらいの心構えが必要なんじゃないかと。
 そうすると、最終的にどうなるか。最終的に、福島第一原発の廃炉というのは絶対やらなきゃいけないんですよ、絶対に。ということは、世界に対して我々日本の責任は、あの事故を起こしたあの廃炉をしっかりと日本の責任でさせていただいて、その知見とその技術を世界の原発の廃炉や、起こってはならないそういう事故が起こったときに日本はそういう貢献ができるんですよという、そういう企業が日本に一つ生まれるということになる。そしたら、その企業は世界に注目をされ、上場すれば世界からお金が集まる、まさにそういう会社になったとき、財務省がずっと入れてきた税金は投資のお金として世界から回収することができるんじゃないのと。
 そしてなおかつ、原発を輸出することで国際貢献したり外貨を稼ぐんじゃなくて、この原発をなくしていくという一つの世界に貢献をする、そういう国の企業として外貨を稼ぎながら世界に貢献していくという、そういう会社に変化をしていくんだと。その心構えを持って発信していけば国民はみんな理解するんですよということが言いたいんです。
 文部科学省は、この廃炉の研究やそういう技術革新について担当し、なおかつ賠償についても先導的指導をする立場にある省として、その心構えはどうなんでしょうかということなんです。税金を出すことに対して、何か申し訳ない、それは申し訳ないんですよ。でも、起こったことは仕方がない。だから、このことをいかにプラスに転じるかという、そういう考え方の中でやっていくことが必要だと。
 是非大臣に、今私の見解でございますけれども、御所見をいただきたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 昨年末の「原子力災害からの福島復興の加速に向けて」の閣議決定の方針に従いまして、原子力損害賠償支援機構に特定原子力施設の廃炉等の実施を支援する業務等を追加する改正案が本年二月二十八日に閣議決定されまして、現在、国会に提出されているところでございます。
 国が前面に立って東京電力福島第一原子力発電所の廃炉を迅速かつ円滑に進めていくことは、我が国が抱える現在の課題の克服のみならず、今後の発展にとって極めて重要であるというふうに認識しております。
 また、今、大島委員の意見については傾聴に値する部分が非常に大きいというふうに思いますが、私は所管が文部科学大臣ですので、文部科学大臣としての立場で申し上げれば、文科省としては、この廃炉の実施に必要な研究開発や廃炉人材の育成に関する取組を通じて、今後とも本件について積極的に取り組んでまいりたいと思います。
 今の提案は、これは文科省の枠を超えた政府全体で対応すべきことでありますので、大島委員の意見も参考にしながら、政府として適切に取り組んでいくことが必要であるというふうに認識をしております。
○大島九州男君 大臣、ありがとうございます。
 安倍政権の中で、先生の立場や先生のいろんな御発言というのはやはり総理も耳を傾けて聞いていただける、そういう話になると思うので、先生から言っていただけると有り難いと。我々が言うと、安倍先生は右から左というよりも最近こうなっちゃうところがありますので、だから、是非そういう形の中で進めていただきたいということが、本当にそういう思いなんですね。
 だから、私は常々、この文教科学委員会にいさせていただけることが大変有り難い。それは何かというと、やはりこの日本をリードする省庁なんだと、それが私の思いなんです。やはり、人をつくる、そしてなおかつその国の将来を左右するのは人材ですから、その人材がどういうふうに育っていくか、またどういうふうな方向に向かっていくかという方向を決める省庁ですから、だから私はその文教科学委員会、またここの皆さんと一緒に仕事をさせていただけるというのは、本当にこの国の将来のために携われる、ああ、有り難い仕事をさせてもらっているんだなという、その思いで来ました。
 原発が起こって本当に非常に残念ではあるんだけれども、あの事故を教訓にどういうふうに考えなければならないか。まさにあの事故から私たちが学んだことをしっかりと世界に発信できる技術をつくっていく、まさに、あっ、文部科学省はそういうところで、またそういう仕事が有り難くいただいたんだと受け止めなければ、あの事故をこのまんま本当に風化させてしまったり、何の知見も得られないで過ごしてしまったら、何のための国民の犠牲だったのかということを思ったときに、これはさきの大戦で多くの国民の命をなくして、そして私たちは二度と戦争をしない、まさにそういうことを発信をする平和憲法というものを日本は持ったんだと。だから、日本の役割は何なのかというのを見たときに、集団的自衛権を行使をして、そしてそれで世界と一緒の、アメリカと一緒に、ソ連と一緒にとか韓国と一緒にとかいう、そういう貢献の在り方ではなくて、日本は独自のその平和へ向けた発信をする、そういう取組があるんだと。
 だから、原発事故でいただいた私たちのその経験を、あってはならない原発事故の対応をする、そういった役割と、これから数多くの廃炉をしていかなければならない、その廃炉に私たちの知見が、そしてその役割がそこにある、役に立つんだと、こういう発信をする国として心を決めて私は取り組むべきだというふうに思っていて、それがこの文教科学委員会からしっかり発信をし、そして政府の皆さんや国民の皆さんにそのことを理解をしていただく中で仕事をさせていただくのが私の使命だというふうに受け取らせていただいているので、あえて今回、こういう自分なりの考えと意見を言わせていただいたわけでありますけれども、是非大臣に、先ほど言っていただいたように、政府として、この国として取り組んでいくべき課題でございますので、閣議の中でいろいろお話しをいただいたり、いろんな人脈の中でお話しをいただいて、そのことが前へ進み現実のものになるようにお願いを申し上げて、質問を終わります。
 どうもありがとうございました。
○櫻井充君 民主党・新緑風会の櫻井でございます。文教科学委員会で質問させていただくのは多分相当久しぶりで、国立大学の法人化以来じゃないのかなと、そう思います。
 今日は国立大学の問題を中心にまず質問させていただきたいと思っていますが、法人化して良かった点もあると思っていますし、それから問題点も随分分かってまいりました。特に、私は大学で研究していたものですから、今日は研究者の処遇なども含めて質問させていただきたいと思いますけど。
 まず、本来、国立大学とは一体どういう目的でつくられたのか、この点について改めて御答弁いただきたいと思います。
○政府参考人(吉田大輔君) 国立大学につきましては、教育基本法あるいは学校教育法に規定されるいわゆる大学、国公私を通じた共通の目的とともに、国立大学法人法におきましては、「大学の教育研究に対する国民の要請にこたえるとともに、我が国の高等教育及び学術研究の水準の向上と均衡ある発展を図る」、こういう目的を果たすために設置されていると考えております。
○櫻井充君 今のところが多分大事なポイントなんだろうと思っているんですが、そうすると、国民の皆さんの要求に応えられるということは、例えば今の社会、まあ企業と言った方がいいのかもしれません、そういった企業側が望んでいるような人材を本当に輩出できているのかどうかという点に関していうと、私は若干疑問を感じているんです。大変申し訳ありませんが、例えば、名指しにして本当に恐縮ですが、文学部を卒業された方々が文学部で学んだことをきちんとした形で生かして就職される方が一体何割いらっしゃるのか。こういったことを考えてくると、研究として残すべきことは残すべきだし、文化として残していかなければいけないことは残していかなきゃいけないと思っているんですが、果たしてそういった社会が望んでいるような人たちを、今人材を輩出できるようになっているのかどうか、この点について大臣はどうお考えでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) それは単純にはちょっと言えないと思いますね。大学教育というのは、確かに私は今象牙の塔になっている部分があると思います。やっぱり的確な社会変化に適応できるような教育研究をしていただきたいというふうに思いますが、一方で、今例えば文学部という話が出ましたが、確かに社会における実践的なそれが教育の場になるのかどうかということになると、それは例えば哲学においてもいろんな文学ジャンルについても、必ずしも将来それぞれ学者を目指すというわけではありませんから、そういう直接的な社会における価値は何なのかということであれば、そういう視点があるかもしれませんが、しかし、必ずしもそれだけで大学教育が存在しているわけではないわけでございまして、それは多様な中でやっぱり認めるということも必要なことだというふうに思います。つまり、実践力、即戦力だけの物差しではないということですね。
 ただ一方で、的確な科学技術イノベーションに適するような教育研究になっているのか、社会が企業が望むような大学教育になっているのかということについては、これは相当各大学が努力してもらわなければならない部分がたくさんあるのではないかと私も思っております。
○櫻井充君 企業側のアンケート調査を見てみると、企業側が望んでいるような人材ではないと答えている企業は本当に多くございます。今のはあえてああいう、まあ学部をあえて言ったのはいいかどうか、これはもう反発を食うことは分かった上で申し上げております。今大臣からお話があったように、例えば人格形成とかそれから教養を身に付けるという点では重要なことだとも思っています。しかし、それが本当に社会に出たときにどこまで生かされてくるのかということがもう一つ鍵だと思っているんです。
 ちょっと時間がないので、じゃ、新たに学部一つお伺いしたいことがありますが、例えば、もう今、歯医者さんは本当に過剰で困っているわけですよ。それなのにいまだに、まあ定数は若干減らしているものの、国立大学で歯学部がずっとある程度一定の割合で輩出されるということになっています。こういうことが本当に起こっていていいのかどうかだと私は思っているんです。
 元々、医者の数は足りませんでした。それで医学部の定数は随分増やしていただいて、我々の時代にも増やしたので、これから何年後かにはかなりの医者が輩出されるようになるとは思っているんです。医学部の新設の話もありますけれど、新設してみる難しさというのは何かというと、今度はやめられないという難しさというのもあるとは思っているんです。所得の低い人たちが私立の歯学部に入るというのは難しいことですから、国立の歯学部を残すことは私は当然のことだとは思っているんですが、今の需要と供給の関係でいうと果たしてこのまま継続することがいいことなのかどうか。
 それから、地域の割合でいうと、九州にはかなり多く歯学部が今設置されております。九州の歯科の先生方と話をすると、もう歯科は過剰なんだと、ここのところは何とかならないのかねという話も受けていて、そういう意味では、国として人材を輩出する中で、やはりある程度社会に応えていかなければいけない点というのが多々あるんじゃないかと思いますが、この点についてはいかがでしょうか。いや、これ大臣に聞いていますから。
○国務大臣(下村博文君) おっしゃるとおりだと思いますね。特に、国家試験に関係する部分は、やっぱり需要と供給のバランスを考えていく必要はあるというふうに思います。
 今度三十六年ぶりに東北地区に限定して医学部新設するということを認めることにいたしましたが、実際に医師不足によって、都会においても、これは東北だけではありませんが、医師を増やしてほしいという要望は一方でかなりあります。歯学部のような状況もありますし、また最近では法科大学院の問題がありまして、これは我が国における司法関係は非常に少ないということで数を増やすということと、ただ単に司法試験ということではなくもっと多様な能力が必要だということで法科大学院をつくったわけですが、結果的には過剰になっているという問題があるわけでございます。
 この辺、これからの社会的な需要供給をどう読み込むかということがあるというふうに思いますが、歯学部もそういう観点からバランスを考えていかなければならないと思います。
○櫻井充君 ありがとうございます。
 ちょっと名指しをして大変申し訳ないとは思っているんですが、私立などはもう定数割れの大学も出てきていて、果たしてこういう関係でいいのかというのはちょっと前々から感じているところがございました。
 もう一つ、大学そのものが大学院を拡充するというんでしょうか、充実するということに伴って、大学全体がミニ東大を目指していたようなところというのがあったんじゃないのかと思っています。各々の大学がその大学大学ごとに設置された目的というのはやはりあると思っていて、東京帝国大学はあの時代には富国強兵策で優秀な官僚を育てて、日本の、何というんでしょうか、発展に資するようなと、そういう思いでつくられていて、あの当時は目的はちゃんと果たしてきたとは思っているんです。
 一方で、例えば地域の医学部などはなぜ新設されたかというと、地域の医師不足の解決のためにつくられてきたわけであって、ところが残念なことですけど、東北地区なら東北地区の医学部に対しては関東の人たちがいっぱい来て、結局のところはその後卒業してみんな帰っていくわけですよ。大分最近は増えてきましたよ、最近は増えてきてはいるものの、私が医局にいた当時などは、大体東北大以外は半分ぐらいに、医局に残る人たちは半分程度です。
 こうなってくると、その地域の医療を担う人たちを育成するために私はつくられたと思っていますが、当初の目的はですね、残念ながらその目的を果たせてきていないと。そういう意味からいうと、国立大学全体の役割分担をもう一度考えていかなきゃいけないんじゃないかと思っているんです。基礎研究なら基礎研究をしていくところを、ある程度の基礎研究は必要かもしれませんが、これから世界と戦っていくような研究をするようなところは、ある程度場所を限定するべきだと思っているんです。その意味では、例えば東北大学なら東北大学は、私は東北地区のこういった世界に対して戦っていけるような研究をするような大学になるべきだと思っています。
 そうすると、地域医療を担うべき病院がないんですね、大学がないんです。ほかの例えば旧七帝大のところは医学部は二つ以上必ず存在していて、そうすると、そういったところが基礎研究をやり、一方のところが地域の医療を担っていくと。役割分担というのはきちんとした形でやっていく必要性があると思っていまして、そういう意味では大学の、今度は、今のは学部の話をいたしましたが、そうではなくて、大学ごとにある程度機能をきちんとした形で明確にして方向性を打ち出していく必要性があるんじゃないかと思っていますが、大臣はその点についていかがでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 昨年に国立大学改革プランを発表いたしまして、全国八十六ある国立大学の学長会議で説明をいたしました。その中で、国立大学とはいえこれから統廃合の対象にもなり得ると、努力を独自にしていかない大学は淘汰されることがある時代だということを申し上げました。
 国立大学は様々な社会の要請に応えるため、それぞれの、おっしゃるとおり、有する強み、特色を最大限に生かし、機能強化を図ることがこれから更に求められるというふうに思います。機能強化の方向性として、例えば世界最高水準の教育の展開拠点、それから全国的な教育研究拠点、また地域活性化の中核的拠点など、国立大学間で役割を分担していくことが求められるというふうに考えられます。現在、国立大学それぞれにおいて専門分野ごとにその強み、特色、社会的な役割を明らかにするミッションの再定義を行っていただいております。文科省としては、各国立大学の強み、特色、社会的役割を生かした機能強化が進むよう効果的な支援を行ってまいりたいと考えております。
○櫻井充君 ありがとうございます。是非そういう方向で整理をしていただきたいと思っているんです。
 その意味で、国立大学の法人化になってから運営交付金が実は毎年ずっと減額されてきたんです。私、財務副大臣やらせていただいた際に、もうこんなに減らしていったら教育ができなくなるだろうと、研究もできなくなるだろうということで運営交付金の増額にかじを切らせていただいて、今回の予算も、運営交付金見る限りにおいては昨年度よりは増えております。これで果たして本当に運営交付金として十分な額とお考えでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 大学力は国力そのものでありまして、大学の強化なくして我が国の発展はないと考えております。喫緊の課題である国立大学改革を推進していくためには、また御指摘のとおり、研究者が安定して研究活動に専念できる環境を改善していくためにも、教育研究活動の基盤を支える運営費交付金の確保は重要であるというふうに考えております。
 このため、平成二十六年度予算案においては、対前年度三百三十一億円、三・一%の増の一兆一千百二十三億円を計上いたしました。これは、平成十六年度以降、毎年減っている中で久々の増額であるというふうに思います。文科省としては、引き続き必要な予算の確保に努めてまいりたいと思います。
○櫻井充君 財務省と闘うんであればいつでも闘いますから、是非頑張っていただきたいと、そう思います。
 なぜかというと、今回の大臣の所信の中で、研究開発をどんどん進めていきましょう、イノベーションを進めていくんだというお話がありましたが、これは非常に大事なことなんですが、実は現場の研究者が相当疲弊していて、とてもじゃないけどああいう内容の仕事ができるかというと、私はそういう環境にないと思っています。
 少なくとも、私がいたときよりは少しは良くなっているのかどうか分かりませんけど、私がいたときは相当大変でした。まず、大学に、御案内のとおり、定数がございましたから、医員待ちという身分でして、大学に二万円、私、毎月毎月支払って大学で研究を続けさせていただいたんです。その医員待ちという制度が悪いと言われ、全員、大学院生になるようになりました。でも、結果的には、今幾らか分かりませんが、大学院の授業料を払って研究者は今そこにとどまるという状態にございます。
 みんな生活ができませんから、一週間程度どこかに行ってバイトをして三週間研究に当たると。そういう生活の方々もいれば、医員になってからは、一応国からは、僕らの時代だと十五万ぐらいでしたけれど、そのぐらいの処遇でした。とてもじゃないけど生活ができないので、月に三日から四日ぐらいバイトに行くと。そのほかに病棟を持ち、それから外来もやりと、こういった中であとは研究をやるようなことになってきていて、とてもではないですけれど、研究に割く時間というのが非常に限られてきていると思っているんです。しかも大学では、今教育というお話がありましたが、学生さんたちの教育もしなければいけないと。そうすると、研究する時間というのが十分に確保されていないというのが現状なわけですよ。
 是非お願いは、医学部はバイトができてそれなりに何とかやっていけるかもしれませんが、この医学部の人たちでもできればバイトしなくても済むぐらいの賃金にしていただいて、もう少しきちんとした形で研究できるような環境をつくっていただきたいんですよ。そのためには、運営交付金をもう少し増やしていただかないと何ともならないと思っているんです。
 それから、アメリカの研究者と比較して見たときには、やはり研究の補助をしてくださる方々がアメリカは非常に多くいらっしゃいます。我々の時代は、自分たちでその研究用の器材を作るときにも医者が作っていましたし、それから、当たり前のように薬の調合からセットアップから全部我々がやって、なおかつデータの管理からスライド作りまで我々がやると。だけど、必ずしもそういったものは医者がやる必要性もないわけであって、いろんな方々にサポートしていただいたらもっと効率的に研究ができるし、こういったところにこそこれから新しい雇用を生んでいく必要性があるんだと、そう思っているんです。
 そういう意味では、今の運営交付金では、とてもではないけれど、十分な額とは私は考えておりません。ですから、この間大臣が所信で述べられた方向性について、私たちは是非応援をしたいと思います。そういう意味では、運営交付金の額がこの額では私は全然足りないと思っていますけど、大臣としてはいかがでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) おっしゃるとおりでありまして、財務副大臣の経験から、是非財務省に対して強く要請をしていただきたいと思います。
 これは国立大学の運営費交付金だけでなく、私立大学の私学助成金も物すごく額が私は少ないというふうに思っておりまして、そもそも我が国はOECD諸国の中で高等教育に対する公財政支出が〇・五%で、ほかが一%ですから、つまり差額でいうと二兆五千億円不足していると、平均に比べてもですね、ということでありますから、これは高等教育に対して、倍増してもOECD諸国並みということですので、是非これは党派を超えてお力を賜りたいと思います。
○櫻井充君 我々の時代には文部科学予算は相当増えたと思っています。それで、たしか国交省の予算を上回るようなぐらいの予算の規模になったんではなかったかと思っていますが、いずれにしろ、もう少し教育関連の予算を増やしていくべきであって、これは与野党関係のないことだと思っています。
 もう一つ、今回うちの子供も国立大学に入学いたしましたが、びっくりしたのは授業料の高さでした。我々のときは、入学金も含めて、医学部におりましたが、六年間でたしか全部で百万ぐらいで終わったはずなんです。今は初年度に百万近く入学金も含めて支払うようなことになっていて、どんどんどんどん、今の雇用体系の問題やいろんなことがあるのかもしれませんけれど、親の所得が減ってくる中で、その厳しい環境で奨学金ということも考えられるかもしれませんが、やはり国立大学の授業料をもっと引き下げて、高等教育を受けられるような機会を確保していくということの方が大事なんじゃないかなと。これは通告しておりませんけれど、もう少しその点についても御検討いただきたいと思いますが、大臣、いかがでございましょう。
○国務大臣(下村博文君) 今、国立大学の文系でも授業料だけで年間五十四万円、そして私立大学は文系は年間八十万円を超えておりまして、当然理系はもっと超え、医学部は更にもっと超えているという状況でございまして、おっしゃるとおり、我々が、我々とちょっと年代違うかもしれませんが、私が学生の頃は、国立大学は月にいえば授業料は千円とか二千円の時代だったんですね。私立大学でも一万円行かないぐらいでしたから、そのときから比べると、公私共に大学の授業料は物すごく物価上昇をはるかに超える額で上がっております。
 ただ、残念ながら、この授業料を低くするというのは非常に難しいことだと思いますが、一方で、それに代わる、学生の負担軽減を図るため、これは奨学金制度だけではありませんが、いろんな形で支援制度を充実することによって、経済的に厳しい家庭の子供であっても、意欲、志があれば大学、大学院に行けるような、そういう環境づくりを是非促進をしていきたいと思います。
○櫻井充君 ありがとうございます。
 ただ、ヨーロッパなどは基本的には授業料は無料ですよね。日本だけだと思うんです、こんなに取っているのは。しかも、国立大学ですから、ここは、ですから国立大学の考え方だと思っているんです。官民格差があると言われて国立の大学の授業料がどんどん高くなっていっているんですが、やはり、私の個人的なことだけ言ってもう大変申し訳ありませんが、私、大学六年間通ったとき、親は無職だったんです。それでも自宅から通える国立大学に入れて授業料がそれだったので、何とか自力で卒業することができました。ですから、そのことを考えてくると、特に医学部などは私立と相当の差がございます。
 そういう点でいうと、繰り返しになりますが、ヨーロッパなどは授業料をただにしているわけですから、その奨学金で、今隣でも声が上がりましたが、借金漬けになっている人たちが随分いまして、そういうことではなくて、授業料そのものを下げて、その地域の人材を育成していくんであれば、地域にとどまるような格好でその地元の国立大学を目指していった方が私は社会全体として良くなっていくんじゃないのかなとそう思っていて、是非、もう少し授業料の在り方については御検討いただきたい。これは答弁結構でございます。
 それから、医学部のことだけ申し上げて大変恐縮ですが、医学部を設置している大学だけ最終的には借金を残されたまんま運営をしております。その額がトータルで約一兆円ぐらいかと思いますが、この一兆円の返済に苦しんでいることが今は事実だと思います。
 大学の医者がデューティーが増えた最大の原因は何かというと、稼げと言われます。だけど、大学は特定機能病院なのであって、民間の役割を担うべきものではないと思っていますし、国立大学病院がそういうことをやったら、私はむしろ民業圧迫になって決していいことではないと思っています。
 東大などは何千人と外来をやっていて、地域医療に貢献していますと、そういう話をされますが、そもそも間違いです。東京大学は特定機能病院なのであって、民間病院でなかなか治療できない方々を治療する病院であって、民間病院に任せるべきものは民間病院に任せるべきなんです。
 そうなってくると、大学病院で稼げというのは無理な話になってくるので、むしろですよ、むしろ、これから財務省と闘わなきゃいけないと思っていますけれども、一兆円の借金をこの際だから全額返済してもらって、その上で本来の特定機能病院としての機能を果たせるようにしていくべきではないのかと思いますが、この点についていかがでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 基本的な考え方はそのとおりだというふうに思います。民業圧迫があってはならないわけですし、特定機能病院としての在り方を追求していく方法はこれから求めるべきことだと思います。
 ただ、その一兆円の借金をどういう形でどう返すかということについて、あるいは国がどうそれを負担するかについてはいろんな議論があるところでございますので、今後の課題であるというふうに思います。
○櫻井充君 是非よろしくお願いいたします。
 そうでないと、本当に研究できないんですよ。結果的には、もうベッドの回転率とか、東北大学などはショートステイサージャリーといって、もうこんなの民間でやることだろうと思うようなものも入れて、それで稼働日数を、まあ入院の期間をいかに短期間にするかとか、診療報酬上ですね、そういう努力をみんなしているんですが、こういったことに疲弊している人たちが随分いるわけですよ。
 しかも、研修医制度だけではなくて、実は専門医制度などの方が今は重要になってきているものですから、大学に戻ってきて学位を取る人たちが減ってきています。昔は、学位論文がないと地域の国立病院などで部長になれないものですから、みんな何とか大学に戻ってきて研究をして学位論文取って、それでお礼奉公してという、そういう生活でした。ところが、今はそうではなくて、専門医制度の方がもう優位になってきていて、専門医だと診療報酬が高くなるところもございますから、そういう道をたどってきて大学に戻ってくる人たちも随分減っているんですよ。そうやって随分減っている中でデューティーだけが増えていくと、結果的には本来やるべき研究とか教育に充てる時間が減ってくるんですね。こういった環境整備を是非やっていただきたいと、そう思います。
 繰り返しになりますが、是非、御決意もう一度改めていただきたいのは、こういった環境を整えていかないと、大臣所信の中で海外の優秀な人間を日本に招き入れたいという話がありましたが、その前に優秀な日本の研究者が今どんどん海外に行っています。これを止めることの方が私は先だと思っていて、そのためには大学での研究の環境を相当改善する必要性があると思っておりますので、大臣の御決意をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 今のお話は櫻井委員の経験の中から実体験としてのお話であるというふうに思いますし、初めてお聞きしたこともありました。
 是非、これから国立大学においても、例えば年俸制で新たな対象者を大幅に増やすことによって、能力のある方に対してはですね、国内外から優秀な人を入れるという意味でありますが、必ずしも海外からの優秀な学者だけでなく国内における学者もそういうふうな形で対応するという給与年俸システムに変えていくということでありますが、今のような医学部等における状況もよく踏まえながら、優秀な人材が海外に流出しないような受皿を我が国においてどうつくるかということについてはしっかり検討させていただきたいと思います。
○櫻井充君 是非頑張っていただきたいと思います。
 財務省は、設備投資はある程度認めてくれますが、その後の運営費というのは全く、全くとは言いませんけれども、その割には認めてくれないので、立派な設備はできました、しかもそれは全国何か所かにできるものですから、毎日動かせられるものなのに人がいないので一週間に一回程度しか動いていないとか、財務省の査定そのものが僕はおかしいと思っているんです。随分闘ってまいりましたが、ここら辺のところをもう一度財務省にきちんとした形で説明をして理解をさせていかないと、本当にいろんなものが生まれてこないんじゃないのかと思っているんです。
 アメリカに見習うべき点というのは幾つかあると思っていまして、あの国がいいとは私は全く思っていませんが、ただ現在、特許での貿易収支と言ったらいいんでしょうか、特許の収支が八兆円なんです。輸出が八兆円じゃありません、トータルとして八兆円のプラスになってきていて、こういったことをやはり日本でも目指していくべきだと思っていて、日本ではせいぜい五千億行っているか、まあ一兆円まで行っていなかったと思います。そのぐらいのレベルなんですよ。
 ですから、やはり新しいものを開発して、そしてその上で特許などの収入を得てくるような国に変わっていく必要性があるんじゃないか。こういったものはダンピングされないんですよね、結果的には。そういうようなことを行っていくためにもやはりきちんとした研究を行っていくような体制をつくる必要性があると思っています。
 今日は、済みません、国立の話だけしましたが、私立の大学でも本当にいい研究をしてくださっているところもありますから、そういったところも含めた上で全体の底上げを図れるように是非研究者の処遇の改善をお願いしたいと思います。
 その上で、今度はちょっと次の話題に移りたいと思いますが。
 現在もまだ私、診療しておりまして、不登校やそれから引きこもりとか摂食障害の患者さんを診ております。残念だったことは、今回の大臣の所信表明演説の中に不登校という文字が入っておりませんでした。いじめなどの話は今もちろんまさしく教育委員会制度の見直しなどで重要視されてきていますが、やはり不登校の患者さんが減っているとも私は思えませんし、それから、不登校ではないけれども不登校ぎみであると、この人たちが社会に出ていったときに本当にどうなっているかというと、なかなか働けないような人たちが出てきていることであって、学生の時代にある程度、ある程度ですね、この人はどういうふうになりそうだというのは分かるわけであって、治療している現場の感覚で申し上げれば、大人になってから治療するよりは子供のうちに治療してしまった方が圧倒的に治りはいいし、効果的であると思っているんです。
 そういう意味で、現状の不登校対策で十分だとお考えなのかどうか、その点についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 現在、平成二十四年度の国公私立の小中学校における不登校児童生徒数は約十一万三千人、前年度が十一万七千人ですが、依然として大変な数でありまして、教育上の大きな課題であるというふうに認識しております。
 直接、不登校については大臣所信では触れてはおりませんが、重要な問題だと思っておりますし、その中の一つとして、これは是非、櫻井委員にお聞きしたいぐらいですけれども、不登校の中でも発達障害の占める割合が、少ない学者の見積りでも二割、多い見積りでは五割いるということもあって、それだけではありませんが、今回、発達障害関係の予算は倍増いたしました。
 そして、この不登校への対応についてでありますけれども、これまでも、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー等の配置による教育相談体制の充実、それから地域の不登校施設の中核的役割を担う教育支援センター、これは適応指導教室でありますが、充実などに取り組んできたところでもあります。
 文科省としては、不登校児童生徒の学校復帰や社会的自立に向け適切な支援を図ることの重要性に鑑みまして、平成二十六年度の予算案におきましては、スクールカウンセラーの週五回相談体制の導入やスクールソーシャルワーカーの配置人員の拡充などの教育相談体制の充実を図るとともに、平成二十三年度より実施してきた不登校追跡調査を踏まえ、従来の不登校施策を検証し、より効果的な施策を検討するための会議を新たに立ち上げるなどの取組を進めてまいりたいと考えております。
○櫻井充君 ありがとうございます。
 体制は大分でき上がってきていると思っているんですが、中身は一体どういうことをやっていくのかということだと思っているんです。
 一番悪いのは何かというと、正論をもって説得することが一番悪いことでして、子供たちは学校に行かないことが問題だということはよく分かっています。つまり、学校に行かないと将来、例えば大学に進学できなくなるよ、そうすると社会に出たときにいい会社に入れなくなるんだとか、まあもっともらしい説得するんですが、そんなことはみんな分かっているんです。
 何で行けなくなっているのかというと、やっぱり心の悩みを抱えて行けなくなっている子たちが大半です、もちろん発達障害という人たちを除けばと言っておいた方が正確かもしれませんが。
 どういうタイプの子たちがなりやすいのかというと、もう大体性格的に決まっておりまして、厳格で真面目な子なんです。それから、周囲の評価を非常に気にします。誰の評価を気にするかというと、一番は親の評価です。親に対していい子でいたいと思っているけれど、なかなか期待に応えられない。一生懸命頑張っているんだけど、親が褒めてくれない、認めてくれないと。それから、考え方がかなり極端でして、白黒決着を付けたがるとか勝ち負けにこだわるとか、そういうような共通した性格がありまして、この辺のところをどう是正していくのかということと、やはりその親子関係を、全てが私は親の責任とは申し上げません、親も一生懸命育てていますから。ですが、残念ながら、若干方向性が僕は違うところがあると思っていて、子供ができたときに認めてあげていないんですよね。褒めてあげていないんですよ。そのために、自分はやっぱりできないんじゃないかとか、親からきちんと認められていないんじゃないか、駄目な子と思われているんじゃないかと、で自信を失ってくると。大体がそういうことなので、御両親にもお願いして、もっと認めてあげてほしいとか、褒めてあげてほしいということを申し上げています。
 学校の教育そのものがどうなっているかというと、やはり忙しいこともあるかもしれませんが、先生方がどれだけ褒めてくださっているかというのは僕は大きなことだと思っているんです。学校の先生方、経験者もいらっしゃって大変申し訳ないんですが、ここにいる人たちは違うと確信しながら申し上げますけど、やはりどうしても駄目なことから先に話が行くんですよね。勉強ちゃんと、ここ遅れているじゃないかとか、それから、だらだらしているなとか。そういうことじゃなくて、やはりできたところをちゃんと認めてあげるような教育にしていかないとなかなか難しいと思っていますし、カウンセラーの方々が果たしてどこまで理解した上でそのカウンセリングに当たってきているのかと。
 ですから、体制の整備も体制の整備として大事なんですが、ソフトの点をどういう形で盛り込んでやっていくのかということは極めて大切なことだと思っています。
 それからもう一つ、先ほど発達障害のお話がありましたが、果たしてどこまで発達障害と言っていいのか、僕は難しいと思っているところがあるんです。
 コミュニケーションが取れないといって大体簡単に発達障害というふうにするんですけど、例えば私が診ていた患者さんで場面緘黙症という患者がいたんです。場面緘黙症というのは、本来言語機能を有しているんですけど、ある場面に行くと話ができないと。家に帰ると緊張感がないものですから本当に親とはよく話ができるんですけど、今度は外に行ってしまうと緊張してしまって話ができないんです。なぜかというと、何かを話をしたときに、自分はどう見られるんだろうか、こんなことを言ったら相手傷つけるんじゃないかとか、そう思うとなかなか話ができなくなってしまう子というのがいて、この子たちなんかは、僕が治療していたときにはもうずっと筆談だったんですけど、最後にありがとうと言ってもらえるまで二年掛かりましたけれども。だけど、そうやって少しずつ緊張感をほぐしていってあげると何とか社会に出て話ができるようになってくる人たちもいて、どこまでをどういう形でその発達障害としてくくっていくのか。
 それから、その中でも、私は、治療可能な人たちと、残念ながらできないかもしれないと思っている人たちと、それから別な治療の方がいいのかもしれませんが、もう少しきちんとした分類をしていかないと、何か一くくりで対応してしまうと、せっかくきちんとした対応をすれば助かる子供たちも助からなくなってしまうんではないのかなと、そう思っております。
 いずれにしろ、こういった分析をやられているとは思うんですが、その分析がきちんと正しくできていて、もし分析ができているとすれば、今度はそのカウンセラーの方々に対して適切な指導をしていくということが大事なことになります。
 繰り返しになりますが、カウンセラーだけではなくて学校の先生も含めて、それから家族も含めて全体としてやっていかなきゃ、家族療法をやっていかないといけないと思っていますので、是非その体制だけではなくて、その中身についても御議論をいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○国務大臣(下村博文君) 先ほど二之湯委員から塾の話が出たんですが、私も塾をやっておりまして、子供を教えることよりも親に教えることの方が多くなりまして、それは日本の親というのは子供に対して期待感があって、これは悪意ではないんですけれども、もっと頑張れ、もっと頑張れということをいつも子供に求めるんですね。ですから、子供は自己肯定感を自ら得られないと。親から見るとまだ駄目な子だ、駄目な子だというメッセージしか伝わらないということで、親が子供に対して愛情がないわけじゃないんですけれども、愛情があるからこそもっと頑張れと言っているわけですが、しかし受け止め方は子供にとっては全然違うように聞こえるということで、親に対する話をしてから生徒が二千人ぐらい増えたという実績が自分で持っているんですけれども、それぐらいやっぱり親の意識から変えていく、つまり子供一人の問題じゃなくて家庭ぐるみで。おっしゃるとおりですね。
 それからもちろん、これはスクールカウンセラーとかソーシャルワーカーだけでなく、学校の教員含めて、そういうところからアプローチをしていくという本質的な問題があると思いますが、それはしっかり本当に取り組んでいくことが必要だと思いますし、文部科学省としてもトータル的に対応していくようにしていきたいと思います。
○櫻井充君 是非よろしくお願いします。
 その中で、学校の先生の負担というのが物すごく増えているような感じがするんですよね。家庭教育でやるべきところまで学校に押し付けられるとか、それから給食代支払ってくれないのでそれを集めにいかなきゃいけないとか、様々な苦労をしてきていて、そのために先生方にも余裕がなくなってしまっていることが、子供たちにこう向き合う向き合い方に、適切なというか向き合い方ができなくなってきているところもあるんじゃないかと思っているんです。
 そこで最後に、例えば今後雇用を増やしていくための政策として、スポーツ関連というのは私は有力な分野だと思っているんです。今回のオリンピックを見ても、活躍している人たちは子供の頃からきちんとした指導を受けている人だと思うんですね。フィギュアスケートはフィギュアスケートで、お金を支払って習っています。その指導者もちゃんとそれで職が成り立ってきています。例えば、体操もそうですけれども、塚原親子が、子供の頃からきちんと教育しているから、あれだけ美しい姿勢ができて体操日本が復活してまいりました。
 一方で野球、済みません、堀内さんのところの前でこんなこと言っちゃ、石井さんのところの前で言っちゃいけないのかもしれませんが、野球は専門的な資格制度というのがなくて、その辺の気のいいおやじたちが教えてくれていると。そこに理屈があればいいんですけれども、そうでなくて、何となく、ほらおまえ根性が足りないとか、よく見かける風景なんです。
 そこで、大学なんかでもきちんとした形で、今後野球をやっている人たちも、うちの地元でいうと福祉大学の野球部の学生たちは非常に強いんですけれども、結果的には指導者として残れないんですね、ほとんどが。だから、こういったことを考えてくると、むしろもう野球学部とかスポーツ学部野球学科とかサッカー学科とか、こういうものをつくって資格化していった方が、その指導者として生き残れる道ができてくると全然違うと思っていますし、こういった人たちが例えば中学の部活を担ってくださると、中学校のスポーツのレベルも上がってきますし、そして学校の先生の負担も減ってくるんじゃないのかなと、そう思っているし、こういうことを、仕事が増えてきて初めてスポーツ庁という構想に私はなっていくと思っていまして、この辺のこと全体について、是非御検討いただきたいと思いますが、大臣いかがでございましょうか。
○国務大臣(下村博文君) 国際的な競技水準の向上に対応するとともに、スポーツ指導者の社会的地位を確立するためには、スポーツ指導者の質の向上、保証を図ることが不可欠であり、そのためスポーツ指導者資格制度の整備は確かに重要であるというふうに認識しております。
 文科省で昨年七月に取りまとめたスポーツ指導者の資質能力向上のための有識者会議報告書におきまして、現在の我が国のスポーツ指導者は必ずしも資格を保有しておらず、また競技によっては資格制度が整備されていなかったり、十分な数の指導者を育成していない等の課題があるというふうに指摘をされておりました。これらを踏まえまして、同報告書では、スポーツ団体において、資格制度の整備を含め、体系的な指導者の育成制度を整え、原則として、スポーツ指導の現場に立つ全ての指導者が資格を有するよう取り組むことが期待されるとともに、国等において、スポーツ指導者の育成制度の評価方法の検討を行うことが必要と提言されております。
 このような状況の下、公益財団法人日本体育協会においては、国民体育大会の監督に公認スポーツ指導者資格の保有を義務付ける等、加盟する各競技団体に対し資格制度の整備を求めているところでございます。
 文科省においては、平成二十六年度から、独立行政法人日本スポーツ振興センター、そして公益財団法人日本体育協会、また日本オリンピック委員会、全国体育系大学学長・学部長会議等のスポーツ指導者育成に関わる諸機関を集めまして、課題の分析や連携した取組の推進を図る協議会、コンソーシアムを設置し、この中でスポーツ指導者資格制度の整備を促すとともに、制度の評価方法を検討し、その充実を図ることとしております。
 今後とも、スポーツ指導者の資質能力向上及び社会的地位の確立に向けて、二〇二〇年オリンピック・パラリンピックが東京で開かれるということをチャンスとして捉えて、整備に取り組んでまいりたいと思います。
○櫻井充君 済みません、すぐ終わります。
 是非よろしくお願いしたいと思います。
 我々、楽天が優勝して、やはり地元での経済効果というのは物すごいんですよ。ですから、そういう点でいうと、今社会人スポーツもどんどんどんどん減ってきているという、全体として逆行していると思いますので、もう一度底上げしていって、スポーツ全体をもう少し広げていけるようなそういう社会をつくっていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
 どうもありがとうございました。
○委員長(丸山和也君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時十二分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
○委員長(丸山和也君) ただいまから文教科学委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、中山恭子君が委員を辞任され、その補欠として藤巻健史君が選任されました。
    ─────────────
○委員長(丸山和也君) 休憩前に引き続き、平成二十六年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、文部科学省所管を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○新妻秀規君 公明党の新妻秀規でございます。
 本日は、国連持続可能な開発のための教育の十年について触れたいと思います。
 二〇〇二年に開催されました持続可能な開発に関する世界首脳会議、これは開催地の名前からヨハネスブルク・サミットとも呼ばれておりますが、この会議にて、当時の小泉首相から、国連持続可能な開発のための教育の十年について提案がありました。
 なお、この持続可能な開発のための教育は、英語で言いますとエデュケーション・フォー・サステーナブル・ディベロップメントと言うので、以後、頭文字を取ってESDと略することにします。同様にして、この持続可能な開発のための教育の十年は、ディケード・オブESDなので、DESDと略すことにいたします。
 さて、この小泉首相の提案を受けまして、その年、二〇〇二年、この第五十七回国連総会において、二〇〇五年から始まる十年間、つまり本年二〇一四年までを国連DESDとすることが決議をされました。その十年の最終年が本年でございます。我が国で、この秋、十一月に日本政府とユネスコ、国連教育科学文化機関の共催でESDに関するユネスコ国際会議が開催されることが既に決まってございます。先般の大臣の所信表明演説におきましても、持続可能な開発のための教育に関するユネスコ世界会議の本年の日本開催を通じたESDの推進についても触れられているところでございます。
 ESDとは、将来にわたって持続可能な社会を構築する担い手を育む教育と承知しております。また、これは、現代社会の様々な課題を自らの問題として捉え、身近なところから取り組むことによって課題の解決につながる新たな価値観や行動を生み出して、それによって持続可能な社会を創造していくことを目指す教育、学習、このように伺っております。
 そのため、ESDは非常に幅広いものであって、気候変動、災害リスクの低減、生物多様性、環境、国際理解、文化財、エネルギー、様々多岐にわたるものと聞いております。このESDの取組には、平成二十六年度の予算案では、新規の項目として九億五千二百万円が計上されていることを確認しております。
 それでは、質問に移らせていただきます。
 まず、文部科学省としてのDESDに関するこれまで十年間の取組状況についてお示しください。
○政府参考人(加藤重治君) 委員お尋ねの国連の持続可能な開発のための教育の十年でございますけれども、文部科学省といたしましては、この国連のESDの十年が開始されました二〇〇五年に、ESDに関しますユネスコの活動を支援、強化するために、持続可能な開発のための教育信託基金というものを平成十七年度予算でお認めいただきまして、以来、毎年度ユネスコに拠出いたしてきております。
 ユネスコでは、この信託基金を用いまして、各国の政策立案者ですとか教員向けのガイドブックの開発普及、また、ESDに関わる教員向けの研修、また、世界におけますESDの実施状況のモニタリングレポートの作成、配布、さらには教材開発といった全てのユネスコ加盟国を対象にした事業を実施して、国際的なESDの普及促進に努めてきたところでございます。
 また、国内について申し上げれば、平成十九年度からユネスコパートナーシップ事業というものを開始させていただきまして、ESDの推進拠点でありますユネスコスクールの加盟申請ですとか活動を支援するための事務局、また、ユネスコスクールを支援するための大学間ネットワークの設立、運営、更にはユネスコスクール全国大会といったものの開催などを通じましてESDの普及促進のための事業を実施してきております。
 また、このほか環境省におきましては、持続可能な地域づくりを担う人材育成事業でございますとか、国連大学と連携いたしまして世界各地のESDに関する地域拠点の認定、またネットワーク化に対する支援といったものを実施していると承知してございます。
○新妻秀規君 ありがとうございました。
 様々な取組が推進されているという状況が確認ができました。
 次に、こうした取組について継続的な改善のための計画、実行、評価、改善、いわゆるプラン・ドゥー・チェック・アクションのPDCAサイクル、これがどのように回されてきたのか、お示しください。
○政府参考人(加藤重治君) まず、ユネスコに対します持続可能な開発のための教育信託基金による事業についてでございますが、こちらについては、ユネスコから提案される各種プロジェクトをその計画段階から私どもで審査するとともに、ユネスコ事務局と日本政府との間で毎年開催しております信託基金のレビュー会合を通しまして事業の進捗状況や成果などについて確認して、その後の事業に日本政府の意向を反映させてきております。
 また、ユネスコにおきましては、ESDの世界的な取組状況につきまして、外部有識者の参加を得て定期的にモニタリング及び評価を行った上で報告書を作成いたしまして、加盟国や関係者間で優良事例などの共有を図ってきたところでございます。
 また、国内で行ってございますユネスコパートナーシップ事業についてでございますが、こちらは文部科学省からの委託事業として実施しているものでございますけれども、各事業実施団体からの申請を受け付けました後に外部専門家による審査を行いまして、その結果を踏まえて事業計画に当省としての意見を反映させております。
 また、事業の実施の段階に当たりましては、当省の職員を派遣して適切に事業が実施されたか確認するとともに、また、事業の実施終了後は各団体からの報告を義務付けておりますが、そういった報告結果を評価した上で更に次年度の事業内容の改善に努めてきたところでございます。
○新妻秀規君 御答弁ありがとうございました。
 ユネスコにお金を出しっ放しじゃなくて、きちんとチェックをして、それが日本政府の意向をきちんと示すものに改善をされてきたというふうには理解をさせていただきました。
 それでは、これまで十年間で明らかになりました文部科学省から見た国内及び国際的な課題はどのようなものがございますでしょうか。また、課題克服のためにどのような取組が必要か、併せてお示しください。
○政府参考人(加藤重治君) まず、国内についてでございますが、日本ユネスコ国内委員会での議論を踏まえまして、平成二十年度にユネスコスクール、これはユネスコの理念を実現するために平和や国際的な連携を実践する学校として世界的なネットワークに加わっているものでございますが、このユネスコスクールをESDの推進拠点として位置付けましてESDの普及促進に努めてまいりました。その結果、ユネスコスクールの数は六百七十五校まで増加したところでございますけれども、課題といたしましては、ユネスコスクールにおけます教育の質の向上、また国内外のユネスコスクールの間での交流の促進、またユネスコスクール以外の学校へのESDの普及といったことが挙げられます。
 このため、文部科学省におきましては、来年度からの新規事業といたしまして、ESD推進のためのコンソーシアム形成事業というものを来年度予算で要求させていただいております。これは教育委員会、また大学が中心となりまして、地域のユネスコ協会ですとか企業などの協力を得ながらESDの推進拠点であるユネスコスクールとともにコンソーシアムをつくりまして、地域ぐるみでESDの実践、普及や国内外におけるユネスコスクール間の交流を促進しようというものでございまして、こういったことでこれらの課題克服に向けた取組を強化してまいりたいと考えております。
 また、国際的には、二〇一五年以降のESDについてのグローバル・アクション・プログラムといったものが昨年十一月のユネスコ総会で決議されておりますが、このグローバル・アクション・プログラムにおきましては、ESDの十年でこれまでに得られた成功事例、教訓などを基に、今後、ESDを更に推進していくための優先分野として五つの課題を挙げてございます。ESDの各国における政策への位置付け、二点目として機関全体としての取組、三点目に教育者の育成、四点目に若者の関与、五点目に地域コミュニティーとの連携ということで、こういった五つの課題を優先分野としております。
 国連のESDの十年の提唱国であり、かつまた今年のESD世界会議のホスト国である我が国といたしましては、二〇一五年以降も引き続き、ユネスコへの信託基金の拠出を通じまして、また、このグローバル・アクション・プログラムに対して我が国の幅広いステークホルダーからの積極的なコミットメントを示すことによりまして、ESDの更なる国際的な普及促進に貢献してまいりたいと考えてございます。
○新妻秀規君 御答弁ありがとうございます。
 私、実はこのESDの国際会議が開かれる愛知県が地元でございますが、愛知でもやはりこのESDという言葉自体を知らない人が非常に多いという状況の下、やはりもっと広報、普及にちゃんと取り組んでいただきたいなと思います。今の御答弁の中に、コンソーシアム事業、コンソーシアムの形成を通してこの認知度を上げていくという取組おっしゃられていましたけれども、こうした予算を拡充するなどして、より多くの方々にこのESDの取組を知っていただけるような御配慮をお願いをしたいなというふうに感じました。
 次に、冒頭紹介いたしました、今度日本で開催されますESDに関わる国際会議でございますけれども、具体的な日程で申し上げますと、この秋の十一月の十日から十二日、月曜から水曜の三日間、愛知県名古屋市で閣僚級会合及び取りまとめの会合が予定をされておりまして、国内外から千人規模の会合が予定をされている、このように承知をしております。この会議に先立つ前の日程で、岡山市でユネスコスクールの世界大会、これは国内外の高校生、教員約六百名が参加をする予定であり、またユース・コンファレンス、これには世界各国のESDを実践する方々五十名程度、またESDに関する拠点の会合には世界各国から二百名程度の参加を見込んでいる、このように承知をしております。この一連の会議は、更にESDを推進をするのに非常に重要なものであるというふうに認識をしております。
 この成功のためには、提唱国であり、また今回のホスト国である我が国の取組、非常に重要であると思うんですが、是非とも文部科学大臣の御出席をお願いをしたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 先日、愛知県に視察に行ったとき、愛知県ではこのESDに取り組んでいる学校がたくさんございまして、その中の代表的な学校であります豊田東高校の生徒さんたちからどんな取組をしているのかプレゼンをお聞きしましたし、また校長先生を始め学校ぐるみで非常に熱心に取り組んでいるということに対して感銘をいたしました。
 それだけ愛知県全体で取り組んでいるということで、今御指摘がありましたが、今年十一月に愛知県名古屋市そして岡山市において開催される持続可能な開発のための教育、ESDに関するユネスコ世界会議は、国連ESDの十年を総括し、二〇一五年以降のESD推進方策について議論し展望を示す重要な会議であるというふうに認識しております。加えて、本世界会議は、国連ESDの十年提唱国である我が国のESDの取組やその成果、今後の推進方策を国際社会に発信する絶好の機会でもあるわけでございます。
 ESD世界会議開催の中心的役割を担う文部科学省のトップとして、文部科学大臣が会議に出席し、また会議の成功に向けてしっかり取り組むということは大変重要なことであるというふうに認識しております。
○新妻秀規君 御答弁ありがとうございます。是非とも前向きに検討をお願いを申し上げます。
 次に、この一連の世界会議への準備状況はいかがでしょうか。
○政府参考人(加藤重治君) この世界会議に向けた準備でございますけれども、文部科学省を中心に、内閣官房、外務省、環境省など関係府省と連携いたしまして、日本政府として共催者であるユネスコとも定期的に協議を行いながら準備を進めているところでございます。また、開催地でございます愛知県及び岡山市のそれぞれのこの世界会議支援実行委員会と連絡を密に取りながら、各会合の準備に取り組んでいるところでございます。
 文部科学省といたしましては、四月以降、更に体制を強化いたしまして準備を加速してまいりたいと考えてございます。
○新妻秀規君 引き続きしっかりとした準備の方をお願いを申し上げます。
 先ほど、下村文部科学大臣御自身の出席についてお願いを申し上げましたが、これからホスト国として、大臣自らあらゆる機会を用いまして各国の閣僚への参加を働きかけていただきたいのですけれども、大臣の御決意のほど、いかがでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 今日もこの委員会が終わった後、大臣室にアイルランドの青少年・児童省大臣が来られますので、アイルランドにも是非大臣出席をお願いするようにしたいというふうに思います。
 個々にこの教育関係の各国の大臣や首脳が来たときの機会を捉えまして、ESDの世界会議への出席を呼びかけていきたいと思いますし、是非、二〇一五年以降も引き続きESDを推進していくためには、今年日本で行われる世界大会、大変重要だというふうに思っておりますので、積極的に要請とまたアピールをしてまいりたいと思います。
○新妻秀規君 ありがとうございます。よろしくお願い申し上げます。
 続きまして、これまで十年間の活動の成果、そして様々な活動主体からのフィードバックを、この秋のESDの世界会議にどのように生かしていくのか、お示しください。
○政府参考人(加藤重治君) 日本政府といたしましては、国連のESDの十年を推進するに当たりまして、関係省庁連絡会議で平成十八年にESD実施計画というものを策定いたしまして、この計画に基づきまして、これまでの十年間、関係府省、学校、教育委員会、社会教育施設、関係のNPO、企業など様々な活動主体がESDに取り組んできたところでございます。これまでこういったESDを実践してこられた関係者の声も取り入れながら、我が国におけますESDの十年の取組、成果といったものをジャパンレポートという報告書の形で取りまとめて、ESD世界会議において、我が国から国際社会へのメッセージとして打ち出していく予定でございます。
 我が国といたしましては、このESD世界会議の機会を最大限活用いたしまして、このレポートを国内外に発信していくことといたしておりまして、現在、この作成につきまして、内閣官房、外務省、環境省など関係省庁と作業を進めているところでございます。
○新妻秀規君 ありがとうございます。ジャパンレポートの取組、非常に重要だと思いますので、しっかりとした取組を引き続きお願いを申し上げます。
 さて、先ほど御答弁にもございましたが、二〇一五年からESDの後継プログラム、ESDグローバル・アクションが計画をされており、今年の国連総会で採択をされる、このように承知をしております。本年十一月のESD世界会議の成果を踏まえ、今後どのようにESDを推進していくのか、お示しください。
○大臣政務官(上野通子君) 議員がおっしゃいましたように、先ほどもお話ししましたが、ESDに関するグローバル・アクション・プログラムでは、二〇一五年以降は五つの優先的分野を設定して取り組んでいくことが盛り込まれております。繰り返しになりますけど、ちょっとお話させていただきますと、ESDの各国における政策への位置付け、そして機関全体としての取組、さらには教育者の養成、そして若者の関与、そして五つ目、地域コミュニティーとの連携でございます。
 また、ユネスコとしては、ESD世界会議において、本プログラムに対する世界の多様なステークホルダーのコミットメントを大々的に打ち上げるとともに、二〇一五年以降のESDの推進方策についての議論を行い、それを宣言の形として取りまとめることと承知しております。
 これらの本会議の成果を踏まえまして、我が国においてESDが政府や自治体レベルの政策により一層反映され、学校、大学、企業等組織全体としてESDの取組が広がり、そしてESDを教える教育者の育成、若者へのESDの積極的な関与の促進、地域コミュニティーへのESDの普及、浸透が図れるよう文部科学省としましても関係省庁及び多様なステークホルダーと連携しつつ尽力してまいりたいと思います。
○新妻秀規君 御答弁ありがとうございました。
 私も、本当に様々な機会を通してこのESDのことを幅広く国民の皆様にお訴えをし、そして今年の秋に、やはり提唱国でありホスト国である日本はすごいなと、これだけ推進をしているのか、こういうふうに世界から本当に喝采を浴びるような、そうした取組を私自ら展開をしてまいりたい、このように決意をしております。
 私の質疑は以上にて終了します。ありがとうございます。
○松沢成文君 みんなの党の松沢成文でございます。大臣、連日御苦労さまでございます。
 いよいよ東京オリンピックの招致が決定して二〇二〇年の開催まで六年ちょっとということになりました。せんだってはソチのオリンピック・パラリンピックが行われ、また夏の大会はリオデジャネイロ、それからもう一度冬の大会の平昌があって、その次に東京と来るわけですね。六年というのは長いようで短い、もうすぐやってくるんだと思います。
 それで、今日はちょっとオリンピックの準備についてお聞きしたいんですが、まずその前に、ちょっと通告はないんですけれども、これ大臣の思いで結構ですので、東京オリンピックに向けて、特に若い選手をしっかりと育成して、もちろんメダルの数至上主義じゃいけませんが、ただ、東京オリンピックでホスト国日本の選手がどの競技でも大活躍していると、そういう姿を見ると国民も感動するでしょうし、また日本人としてのアイデンティティーとかあるいは誇りにもつながってくると思うんです。
 そういう意味で、選手の強化、育成は非常に重要だと思いますが、大臣はこの六年間で、特に若手の選手育成、どんな思いでやっていきたいですか、もう大臣の思いで結構ですから。
○国務大臣(下村博文君) 松沢委員御承知のように、ソチ・オリンピックにおきましても、もう十五歳でメダルを獲得したという実績もあるわけですし、今の中学生、高校生、場合によっては小学生も、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックのときにはオリンピアン、パラリンピアン、メダリストになれる可能性が十分あるわけでございますし、できるだけ小さい頃から才能のある選手を育成、強化をしていくということは大変重要なことであるというふうに思いますし、是非それを取り組んでまいりたいと思います。
 確かに、かつてのような国威掲揚としてのメダル至上主義ではありませんが、やっぱり国民が勇気と感動、そして自分も頑張ろうと、こういう気持ちを持ってもらうという意味では、メダルが獲得できればできるほど、それだけ感動、感激を享受していただく環境をつくるという意味で重要なことであるというふうに思いますし、是非、二〇二〇年オリンピック・パラリンピックが過去最高のメダル獲得になるような準備をしていきたいというふうに思います。
 ナショナルトレーニングセンターにおいても、この若い人たちの養成、育成を今図っているところでもございます。ある意味では、そういう国内留学みたいな形でナショナルトレセンを使ってそこで指導すると、そして最寄りの中学校等に通学するという仕組みで、既に中学生、高校生がそういう中でトレーニングに励んでいるということがありますが、さらにほかの競技種目も含めて、幅広く若手を発掘して、養成をし、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックではよりベストな状態で迎えるような体制をつくってまいりたいと思います。
○松沢成文君 熱い思いを語っていただいてありがとうございました。まさしく、若手の育成をする環境を整えていかなきゃいけないと思うんです。
 実は、私のところにも幾つかのスポーツ団体の方が相談に来てくれておりまして、そんな中でよく聞くのが、若い選手たちが各競技団体の強化合宿に出るというときに、これなかなか参加しにくいまだ状況があると。といいますのは、現状では各競技団体が主催する強化合宿に公立学校の生徒が参加する際に、小中高校がいわゆる公欠ですね、欠席にならないような形の公欠にするか否かの判断というのが実は学校長に任されているんです。例えば、国なりあるいは自治体でもいいんですが、こういう基準でやりましょうというマニュアルがあるわけじゃなくて、学校長がそれぞれ学校長の考えで、公欠はこれぐらいまでいいだろう、いや、一切認めないと、こうなっちゃうわけなんですね。
 例えば、小学校では、例えば日本代表を選抜するレベルの強化合宿で公欠が認められることがほとんどなくて、欠席扱いにされてしまうところが多いらしいんです。中学校では、学校によっては公欠は認められているとのことではありますけれども、やはりこれは学校長の判断によって、地域によって取扱いが違っていまして、かなり不公平感も持っているようなんですね。
 その公欠を認めるか否かというのは、地域やPTAの理解なんかあるところは、オリンピックに出る可能性もある、あの子、すごい頑張っているんだから、そういうのは公欠にしてやってもいいんじゃないかという理解のある学校もあれば、例えば、一部父兄も含めて、何だ不公平じゃないか、そんなスポーツなんかで学校を休んで、それが公欠になったりしたらおかしいじゃないかという声もあると、やはり校長先生はそういう声にも押されてなかなか公欠扱いにできないという実態もあるやに聞いているんですね。
 大体平均すると、各競技団体がやる強化合宿というのは、小学校では四、五日程度、一年のうちですよ、中学校、高校ぐらいでも十日ぐらいだっていうんですね。この公欠という言い方はちゃんとした用語じゃないらしい。一般的に公欠と言うと一番分かりやすいんですけれども、この学習指導要録というんですか、これでは公欠ではなくて、その指導要録上は出席停止・忌引等というふうになっているらしいんですね。
 さあ、そこで、文科省の方では、スポーツ強化のために小中高校生が合宿に行って休みたい、ただなかなかそれが公欠扱いにならなくて困っている、こういう実態、どのように把握されているんでしょうか。
○政府参考人(前川喜平君) 御指摘のいわゆる公欠でございますけれども、法令上の定義のある言葉ではございませんが、指導要録の様式につきまして、文部科学省におきまして参考様式を定めて指導しているわけでございます。
 児童生徒の学籍や指導の記録を記載するのが指導要録でございますけれども、その中の出欠の記録におきまして、教育上特に必要な場合で、校長が出席しなくてもよいと認めた場合、こういう場合について、これは出席しなければならない日数から除外するということでございまして、出席すべき日数から除きますので欠席にはならないということでございます。この場合、指導要録上は欠席日数に含まれないことになるわけでございますけれども、もう一つ、学校の教育活動の一環として児童生徒が運動や文化などに関わる行事等に参加したものと校長が認める場合、これは出席しなければならない日数に含まれると同時に出席の扱いにすると、こういうこともできるというふうに指導しているところでございます。
 ソチで銀メダルを取りました平野君の場合ですと、全日本スキー連盟の強化合宿に参加した場合、これも出席扱いになっているということでございました。また、ソチ・オリンピックへの出場も出席扱いになっているという状況でございます。
 ただ、いずれにいたしましても、最終的な判断は各学校長に委ねられているということでございまして、私どもとして全体的な状況を把握しているということではございません。
○松沢成文君 今局長から御答弁いただいたように、これ、学校長の判断でやっぱりそれぞれ対応が違うんですよね。やっぱり、その地域に、その学校に日本を代表するような優れた例えば小学生なり中学生なりが頑張っていると。これはもう地域の誇りであり、学校の誇りです。そしてまた、オリンピックに出るような選手を我が郷土から育てたんだということで、地域全体の誇りにもなると思うんですよね。
 私は、こういう大変優れた可能性のある小学生、中学生、高校生も含めますが、こういう選手たちが、そのスポーツ団体の強化合宿、これ公式なものでなきゃ困ると思いますが、強化合宿なんかにはきちっと参加できる、公欠で参加できるというのを、やはり学校や校長先生の判断に任せるのだと、どうしても不公平が生じる可能性あるんですよ。同じチームにいるのに、公欠扱いになって来れる子と、欠席扱いになってしまって、これ学習指導要録というのは内申書に関わってきますから、これがやっぱり統一されていないと非常に私は不公平感を招いてしまうと思うんですね。
 そこで、大臣、これやっぱり、オリンピックの若手選手強化に非常に必要な私は一つの仕組みだと思っているんですけれども、例えばこうした合宿を学校教育活動の一環として指導要録上、出席の扱いとするというようなガイドラインをこれやはりできれば全国できちっと作って、そのガイドラインに沿って、これは公欠で行けますよ、いや、ここまでは無理ですよ、やっぱりここは欠席になっちゃいますよというふうにやった方が分かりやすいし、不公平感もなくなると思うんですね。また、逆に言えば、校長先生の判断で、校長先生はいろんなことを言われますから、それで非常に厳しい判断するよりも、きちっとルールに従って、これは全国共通でこういう形でやっていきますという方が分かりやすいし、それが選手の育成強化につながるんじゃないかと思うんですが、大臣、是非ともガイドラインを文科省の方で整備して、全国で対応させたらいかがでしょうか、どうでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 今お聞きしていて、トップレベルのアスリートレベルであれば、学校を休んでいてもそれはサボったとは思わないでしょうから、それほどは公欠にならなくても余り影響ないのではないかと思いますが、一方で、今、松沢委員から御指摘のような不公平感が出ると、それは確かに何かマイナス要因が出たら、それは選手にとってはかわいそうだなという思いを持ちました。
 この二〇二〇年の東京大会に向けて、小中高のトップアスリートが強化合宿等に参加しやすくなるような配慮が求められる、そういう意味で公欠になった方が参加しやすくなるということであれば、それはやはり重要なことだというふうに思います。一方で、義務教育においては、一人一人の有する能力を伸ばしつつ社会において自立的に生きる基礎を培うことなどを目的としておりまして、児童生徒本人のためにもバランスの取れた対応も一方で求められるところでもございます。
 今後、参加形態や地域差、それから過去の事例、教育上の意義や学校の教育活動との関連等を考慮しながら、学校における公欠や出席の取扱いについてどのような工夫ができるか、改めて東京都や各都道府県教育委員会、そして競技団体、また大会組織委員会等と連携しながら検討してまいりたいと思います。
○松沢成文君 是非とも、各競技団体の方からも、私の方にも幾つか声が届いていますので、そういう団体からも意見を聴取していただいたり、あとはやっぱり学校が、ほとんどの父母はいいんじゃないかと、それだけ優秀な選手が強化合宿に行って二、三日休むだけならば公欠でいいじゃないかという意見が強くても、一部の父兄が非常に声大きく、そんなのおかしいじゃないかと言われると、学校側が萎縮しちゃって、校長先生もやっぱりどうしてもこれは公欠にできないという判断に傾きがちらしいんですよ。そうすると、同じ合宿に来た子供でも、公欠になって、何というか、伸び伸びと合宿に参加できる子供と、結局学校側の判断で公欠にならずに反対もあったような環境で来ざるを得ない子供と、一緒に合宿をやるわけですから、やはりここは選手育成、そして地域でそういうスポーツ選手を育てていくという意味も含めて、全国統一のルールを何かガイドラインのような形で作っていただきたいということを改めて要望させていただきます。
 さて、二つ目なんですけれども、先般のこの委員会でも大臣に私はお願いをしたんですが、ソチに行かれて、ソチのスモークフリーオリンピック、ソチのオリンピック大会、かなりスモークフリーシティーを宣言して、受動喫煙防止のために禁煙あるいは完全分煙化をオリンピックの競技施設のみだけでなく、町の中の様々なレストランやバーも含めてやっていこうという方針を打ち出していたそうですけれども、大臣、町の中、ゼロ泊三日じゃ見られなかったかもしれませんが、会場や町を歩いてみて、このたばこ対策という意味ではどんな形だったでしょうか。感想をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) ソチにおいては、現地大使館より、ソチ大会の組織委員会では、健康的なライフスタイル及び禁煙の推奨を重要な課題の一つとして掲げており、全てのオリンピック施設及びオリンピックパーク内のレストラン、カフェ等における喫煙を禁止し、園内でのたばこの販売を行わないなどの取組を行っているという説明を受けました。
 実際に、行く前から松沢委員からこのような質問を受けておりましたから、私もオリンピックパーク内を見てまいりまして、一つ一つチェックしてまいりました。その結果、実は全ての園内のベンチの脇には灰皿が必ず置いてありまして、屋外でありますが、分煙は実は徹底されていないと。後で聞いたら、ロシアというのは世界で二番目にたばこを吸う国であるということで、相当建前と本音が違いのところがあるという感じはいたしましたが、しかし、スモークフリー化、たばこの煙のない状態へ取り組むということは、これはやっぱり重要だというふうに認識しております。
○松沢成文君 先般、大臣は、オリンピック開催国に決まったので、開催都市、東京が決まったので、ほかの国がどんなふうな形でスモークフリーオリンピックを目指して法律を作ったり準備をしたか、こういうことを調べさせているというふうにお聞きしたんですけれども、今、その調べている検討はどんな状況なんでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 今、内閣府のオリパラ室で調査をさせております。現在、海外における法制度の調査を行い、今後さらに在外公館を通じて情報を入手するなど、更に詳細な調査を徹底して行いたいというふうに思っております。
 また、今回のソチ・オリンピック・パラリンピックの期間中、東京の大会組織委員会の職員が将来の大会関係者のために開かれたオブザーバープログラムに参加をし、大会運営における個別分野の状況について視察する機会もあったというふうに聞いておりまして、今後、これらの報告も踏まえながら、受動喫煙対策を含めた二〇二〇年大会の運営準備に役立てていきたいというふうに考えております。
 二〇二〇年大会期間中の受動喫煙対策について、これらの調査、報告の内容も踏まえつつ、引き続き検討していきたいと思います。
○松沢成文君 検討も大分進んでいるようで心強く思います。
 私の参考資料をちょっと用意させていただいたのでちょっと紹介しますが、これは予算委員会でも取り上げたんですが、IOCのフェリ統括部長、事務方のトップの方です。この方の見解で、国際オリンピック委員会は二〇二〇年の東京オリンピックがスモークフリーでなければならないと考えていると。オリンピック運動に参加する全ての人々の健康の保持増進と受動喫煙被害防止のために、開催都市と各国の政府が全てのパブリックな施設と区域における喫煙を禁止する法令を制定し実施する促進剤としてオリンピック大会が機能することを望んでいるということであります。
 WHOとIOCが協定も結んでいまして、オリンピックというのはスポーツの祭典なんだから、健康的な都市環境の下でやらなければいけないと、たばこ対策をやっていただくのは必至ですよということで、こういうコメントも出しています。
 是非とも、各国のオリンピック開催都市、あるいはこれから開催する都市のルール作りを参考にしていただいて、ここで言うように、私はきちっとした法律を作っていくのが一番分かりやすいと思うんですが、この六年間の中で、国が法律としてやるのがいいのか、あるいは東京都が条例としてやるのがいいのか、あるいはその中身はどの程度までのものがいいのか、含めて検討していただいて、進めていただきたいということを最後に要望いたしまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
 昨年十一月二十八日の本委員会で、臨時教員などの社会保険の適用についての質問をしました。実態は継続任用なのに、年度末などに一日あるいは数日の空白を置くことで社会保険から一旦脱退させる事例が少なくないと。こうした事案について厚労省からは、実態として雇用継続の場合は社会保険も継続することが法の運用であり、これは公務の職場でも同じであるということが明確に答弁されました。
 この質問後、厚労省はどのような対応をされたか、お答えください。
○政府参考人(樽見英樹君) お答え申し上げます。
 昨年十一月二十八日のこの委員会におきまして、先生御指摘のとおり、事実上の使用が継続していると認められる場合には、被保険者資格は継続するものとして取り扱うことが妥当と考えているということを申し上げたところでございます。
 これを踏まえまして、今年の一月の十七日になりましたけれども、日本年金機構の担当理事宛てに、私ども厚生労働省の保険局の保険課、年金局事業管理課の連名でございますけれども、課長通知を発出をいたしまして、事実上の使用が継続していると認められる場合には被保険者資格は継続するものとして取り扱うことが妥当ということをお示しをし、適用事業所に対して適切に周知、指導を行うように指示をしたところでございます。
 また、総務省におかれましても、今年の一月の二十九日に地方自治体に対しまして事務連絡というものを発出をされておりまして、この課長通知について周知を図っていただいたというふうに承知をしてございます。
○田村智子君 ありがとうございます。
 この課長通知が出されたことで、三月分の社会保険負担分を補正予算で手当てをして、この三月、脱退手続を取らないことになったという県が実際にあります。
 しかし、その一方で、自治体によっては、問合せをしても、そのような文書は見ていないというふうに答えるところもまだあるんですね。この法の運用というのは厚労省の責任ですので、是非、保険者、被保険者にこの課長通知の内容を周知するとともに、自治体をしっかり監督指導するよう改めて求めたいと思います。一言お願いします。
○政府参考人(樽見英樹君) 日本年金機構におきまして事業所調査といったものも定期的に実施しておりますし、こうした機会などを通じまして、被保険者資格の取扱いの解釈についてしっかりと周知するとともに、必要な指導等を適切に行ってまいりたいと考えます。
○田村智子君 この問題で、大臣にも一言いただきたいんです。
 空白の一日あるいは数日、この問題は長きにわたって臨時教員の権利を侵害してまいりました。社会保険の脱退手続を取られることで、年度末、年度初めの非常に忙しい時期に国保、国民年金への加入・脱退手続を自分でやらなければならないと。
 文科省からも実は通知を、事務連絡ですが、出していただきまして、これ、各教育委員会も、多くがこれまでのやり方を見直すという方向だと聞いています。しかし、一方で、いまだ改善方向を示そうとしていないところがあり、これは看過できません。この三月にまた社会保険からの脱退手続が取られれば、それは法の適正な運用をサボタージュするということで、仮に本人から資格確認請求が行われれば年度を遡って年金記録の訂正を行わなければならないという重大問題なんです。
 是非、文科省からもしっかりと指導をお願いしたいと思います。大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 任用が数日空けて再度行われる場合の厚生年金保険及び健康保険の被保険者資格の取扱いに関する厚生労働省の通知については、文部科学省としても周知を図ることが必要と考え、去る二月十日に各都道府県及び指定都市教育委員会人事担当課に事務連絡を行ったところでもございます。
 文科省としては、今後とも諸会議などを通じて厚生労働省通知の周知を更に図ってまいりたいと思います。
○田村智子君 ありがとうございます。
 厚労省さんへの質問は以上ですので、委員長のお許しあれば退席いただいて構いません。
○委員長(丸山和也君) じゃ、御退席ください。
○田村智子君 じゃ、続けます。
 次に、就学支援金についてお聞きしますが、質問の前に一点、要望をしたいことがあります。
 公立高校授業料不徴収の条文を削除したことで、単位制の定時制高校などで入学時に年間授業料を徴収しようとすると、こういう動きが実際にあります。
 私、この問題は、二月の初めに文科省を呼びまして、実際にある県で徴収しようとしているよと、所得制限掛けたって話と違うじゃないかと、何とかしなさいということをお話をしましたら、二月五日の日に事務連絡が出されまして、その中で就学支援金については受給権者の授業料に係る債権の弁済に充てるものであり、授業料を徴収せず、就学支援金と相殺させることが望ましいと。一時的であれ、授業料負担を発生させないようにという内容の事務連絡を出していただきました。これは大変素早いやり方で、大変歓迎したんですけれども。
 実は、昨日、私の事務所に北海道から連絡がありまして、北海道は単位制の定時制に限って収入証紙で授業料を納めることになっていると。この収入証紙は債権ではないので、文科省のこの事務連絡とは違うんだと言い張っているようなんです。これは、ちょっと余りにもいかがなものかと。是非状況をおつかみいただきまして、事務連絡の中身が正しく理解されるように各都道府県委員会、北海道教育委員会も御指導いただきたいと。これは昨日、私も情報をつかんだところで、質問通告していませんので、要望にとどめておきます。
 就学支援金についてお聞きいたします。
 十三日のこの委員会で学び直しの支援事業について留年者も是非対象にということを求めたんですけれども、ちょっと時間もありませんでしたので改めて質問します。
 公立高校の授業料不徴収という法律の下では、修業年限を超えた者、原級留置をした者の授業料を徴収するかどうか、これは都道府県などに任されてきました。二〇一二年度には都県と政令市で二十七自治体が徴収を行っていました。
 文科省は、この授業料の徴収者数について、全日制でどれだけか、定時制等の課程別で人数つかんでいるかどうか、お答えください。
○政府参考人(前川喜平君) お尋ねの件につきまして、その人数については把握していないところでございますけれども、二十五年度におきまして、公立高校で留年による修業年限超過者から授業料を徴収する場合があるという都道府県につきましては二十都県であるというふうに承知しております。
○田村智子君 これは、政令市含めて二十七自治体、二〇一二年度というふうに私たち聞いているんですけれども。
 これはお配りした資料を見ていただきたいんですが、日本高等学校教職員組合が授業料徴収の実態を全都道府県教育委員会にアンケートを送って調査をいたしました。直近の二〇一二年度を見ますと、授業料徴収された二千三百八十六人のうち、定時制、通信制は二千百十六人と全体の九割近くを占めています。これは高校無償化を行った二〇一〇年度以降、ほぼ変わらない傾向なんです。
 この授業料徴収者のうち圧倒的に定時制、通信制の高校生が占めていると。このことについて大臣の御感想をまずお聞きしたいんですけど、いかがでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) それぞれの事情があって定時制、通信制に通っているというふうに思いますが、なかなか、全日制のように限られた年数の中で卒業するというよりは、もうちょっと柔軟にという思いを持っている生徒さんも大分多いのではないかと。さらに、通信制の場合には、かつて不登校児であった学生が通っているという事例も多いので、なかなか限られた年数の中で卒業するというのは難しい状況もあるのかなというふうに思います。
○田村智子君 いろんな困難な事情があってのことだと私も思うんです。
 この日高教の調査では徴収の理由についても集計をしていまして、これはクロス集計ではないんですけれども、授業料徴収のその理由の九割が留年者だという結果にもなっています。そうすると、定時制で授業料徴収されている者の大多数が留年を理由にしたものだと推測がされるわけです。
 文科省の資料についてもその下に付けているので見ていただきたいんですけれども、留年者の割合、これも定時制は割合でいうと全日制の十倍、全日制ですとそれぞれの科で見ても約〇・三%、それが三%を超えるということですので、十倍になってしまうと。
 定時制の生徒が病気や休学あるいは留学、こういう理由以外で留年するその理由は何ですかということを現場の先生にお聞きしましたところ、次のような事例が挙げられました。
 一つは、定時制の統廃合が進んでいて長距離通学の生徒が増えている。学校の最寄り駅までは乗り継ぎなどで交通費が高くなって払えない。本当は学校まで五分という地下鉄の駅があるんだけれども、三十分掛かる駅から歩いて通学をする、その負担が大きくて休みがちになってしまう。あるいは、定期券が買えずに交通費の負担から週二回しか通学ができない。また、修学費用を稼ぐため、アルバイトが忙しい。飲食業などで働く子供も増えていて、職場の書き入れの時間と学校の始業時間が重なるために遅刻、欠席が続いてしまって留年してしまう。また、午前中の議論にもありましたけど、発達の遅れのある子供も定時制の中で増えている。四年で終えることができなくて、どうにか六年掛けて一生懸命卒業していくという子供たちもいるんだと、こういうことなんですね。
 これは、もちろん全日制に通う子供たちも困難抱えている子、もちろんいると思います。けれども、定時制の子供たちというのはやはり相対的により困難な家庭から学校に通っている子供さんが多いということは、これは皆さん納得されるところだと思うんです。そうすると、やはりそういう困難が留年の多さに結び付いていると、それがあの授業料徴収の数にも表れているんじゃないかと思いますが、その点はいかがでしょう。先日は遊びとか非行とかという事例が語られたんですけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 田村委員がおっしゃるような理由も結構あるというふうに思います。
 ただ、文部科学省の調査では、この定時制高校については不登校生徒が比較的多く、不登校から留年に至るケースがありますが、その理由としては、無気力が三四%、遊び、非行が二一%といった調査が出ておりますので、これらの実態にもやはり留意をする必要があるというふうに思います。
○田村智子君 その無気力や遊びが一体どこから来るものなのかということもやはり丁寧に見ていくことが必要だと思うんですね。
 ネグレクトがある、虐待がある、あるいは家庭の事情が複雑で仕事に一生懸命ならなくちゃいけなくて、仕事の方が面白いと、学校へ行って難しいことを習うよりもと気持ちが揺れる子供もいるんじゃないかと。そういう中で、その子供たちをどうやって卒業まで支援していくのかということをやはり検討するのが私は文部科学省の役割であると思うし、それが就学支援金の制度ではないのかなというふうにも思うわけです。
 そうすると、やはり丁寧に事情を見て卒業までを支援する制度として考えるということが必要だと思うんですけれども、その点いかがでしょうか。検討が必要だということは、大臣、思われないでしょうか。いかがでしょう。
○国務大臣(下村博文君) それは、おっしゃるとおり、定時制高校には様々な背景を持つ生徒が在籍をしておりますから、それらの生徒一人一人に対してどんな支援をしていくかということをきちっと検討していくということは大変重要なことだというふうに思います。
 このため、平成二十六年度の予算案では、高校無償化制度の見直しによる予算を活用して、定時制高校に多く見られる、一度高校を中退し学び直す意欲のある者について支援する事業を創設するということと、それから、不登校生徒や中退者の多い定時制高校等での学力向上策や学校生活に不安を抱える生徒への対応として、地域人材による指導員等を活用するための予算を計上しております。これは補習等のための指導員等派遣事業でありますが、まず、このような形でできるだけとにかく学校に行こうという意欲を持って、そしてなおかつ、限られた年数の中で進級し卒業しようと、そういう意欲を更に促進させるような施策をしていきたいというふうに思います。
 二十七年度以降は、そういう状況を見ながら判断をしてまいりたいと思います。
○田村智子君 そうなんですね。授業料が例えば留年して発生したと、そのことが理由になっちゃって、じゃやっぱり卒業はもう諦めようと、そこから中途退学ってなっちゃうのが私は一番悲しいことだと思うんですよ。その授業料が発生してしまうことをもって卒業への意欲が失われてしまうようなことのないように、是非、制度について考えていただきたいというふうに思うんです。
 それと、もう一点、十三日の委員会のときに、病気や留学などのやむを得ない休学の場合、これは就学支援金をちゃんと面倒見るんだというふうに大臣言われたんですね。これは、確かに支給の休止を申し出るということで、復学した際には休学期間の就学支援金を受けられるということですけれども、この場合も上限は三十六か月なんですよね。
 そうすると、留学という場合は恐らく計画的だと思うんです。この丸々一年間留学しましょうと、だから一年分丸々後ろに持ってきて、卒業までの就学支援金が受けられるということになると思うんですが、病気という場合はそういうわけにいかないわけですよ。年度途中、夏以降、体調を壊しちゃったというふうになると、これは半年分ぐらいの卒業までの間というのは復学しても就学支援金の対象から漏れてしまう、三十六か月を超えるわけですから。そうすると、やっぱり病気の子、こういう子供たちも必ずしも卒業までの支援制度に、これ、ならないわけなんです。こういう様々な困難を抱えている、その中でも卒業しようとしていくその子供たちの努力を応援するという制度にしなくてどうするんだろうかという思いがあるんです。
 まして、授業料不徴収というふうに定めているときには、先ほどお話ししたように、多くの都県で徴収を行っていないんですよ、法律で不徴収だから、公立の場合だと。でも、今回は不徴収という条項をなくしちゃったので、そうすると、新たに留年者に就学支援金も来ないから徴収しようじゃないかという県が出てくることも危惧がされるわけですよ。そういう方向になっていくことが本当に危惧されるんです。
 となると、卒業までを支援するという就学支援金制度にするということを、是非、病気の方も含めて検討いただきたいんですけど、もう一度大臣、お願いします。
○国務大臣(下村博文君) 問題設定の前提条件がどうかなと思うんですが、やはり学生ですから、学校ですからね、決められた年限、年数というのは決まっているわけで、その中でいかにきちっと卒業できるようにまず本人が前向きに意欲、努力を持つか、これは一般論ですけれども、ということがやっぱり必要だと思うんですね。
 ですから、留年してもそのまま対象になるというよりは、やっぱり年数を限って、先ほどの文科省のデータでも申し上げましたが、本人が無気力とか遊びとか非行によるこの結果だけでも五五%、留年に至るケースということで出ているわけでありますから、まずはその無気力感とか遊びとか非行から早く脱却して、限られた年数の中で学校に行かせるようなことこそがやっぱり教育で求められるのではないかというふうに思います。
 それから、今お話がありましたが、休学については、これは就学支援金の給付の停止を申し出た者については、休学期間中は就学支援金の受給期間の進行を停止することができるため、この場合においては修業年限を超過して留年することになった場合でも就学支援金を受給できるということになるわけでありまして、病気がどれぐらいの期間かということについてあらかじめ分からない場合もあるでしょうけれども、ただ、そういうこともできるだけ把握しながら、そういう場合においては配慮するようなことはもちろん必要だと思います。
○田村智子君 今の大臣の数字でも、無気力、遊びが五割ぐらいだと、私はそれも原因よく見るべきだと思いますけれども、逆に言えば、じゃ、四割ぐらいの子供はそうじゃなくて留年をしているということじゃないですか。経済的な理由とか家庭の事情とか、そういうことですよね。そういう子供たちも支援しないということになっちゃうのかということなんですよ。
 だから、私、これはもう繰り返しの押し問答になってしまうので、ここからの制度として、一旦中退して学び直そうという子は支援していこう、これはすばらしいことだと思います。同じように、困難を抱えながら卒業しようとする子供たちも、是非、大臣も御苦労されて学問を成し遂げられた方ですから、そのお気持ちで支援の制度をいろいろ再考いただきたいということを申し上げまして、質問を終わります。
○藤巻健史君 日本維新の会、藤巻です。よろしくお願いいたします。
 質問の前に、私事ですけれども、一言申し上げたいと思っております。
 弟、幸夫が土曜日、夜十時三十四分永眠いたしました。生前の皆様の御厚情に感謝いたしたいと思います。五十四歳、短い人生でした。
 では、質問に入りたいと思います。
 私は、アメリカのビジネススクールに二年間留学して修士号を取って、その後三年半、日本の銀行のロンドン支店で三年半働いて、その後十五年間、米系銀行に勤めておりました。最後の五年間は東京支店長兼在日代表という経歴を持っております。
 経歴から見ますと英語はぺらぺらのように思えるんですけれども、家内に言わせますと、あなたの経歴を見てあなたの英語を聞くと、人が人を信じられなくなるので、日本人の前で英語をしゃべってはいけないと言われております。しかし、私はその下手な英語を駆使して国際金融の世界を一応生き抜いてきたつもりでございます。その意味で、英語教育に関しては一家言ございます。
 私の勤めていた銀行では毎週一回英語会議が、全世界つなげて会議があったんですけれども、私の東京のときのボスがその会議のチェアをしておりました。全世界の行員がその電話会議を毎週一回聞けるんですけれども、最初のときに、私がしゃべっていたらば、電話の向こう側で英語が聞こえると。人が一生懸命しゃべっているのに何だと思いましたらば、その声が非常に良く耳慣れた声でございまして、要は前の日本にいた私のボスでございました。要するにフジマキズイングリッシュを本物のイングリッシュに通訳していたということでございます。ただ、二回ほどそういうことがあったんですけれども、三回目以降、その通訳もなくなりまして、議事録を見る限り、私の言ったことは全部きちんと議事録に残って返ってきた次第です。
 私自身、業績が良かったものですから、全世界のセールスマンが私の言うことを聞きたがっていたということ、そしてそのお客さん自身も、藤巻は何を日本の経済について言っているかということを聞きたかったということで、聞いている方が一生懸命英語を聞いていた。おかげで私は英語をうまくならなかったんですけれども、ここで申し上げたいことは、英語そのものよりは内容が重要であって、内容があれば、多少下手な英語であっても、発音が下手でも文法が下手でも聞いてくれるということでございます。
 そんな私なんですけれども、またNHKの「英語でしゃべらナイト」に二回ほど出たことがございます。一回目は、番組の始まる前にディレクターが、パックンが最初に英語で二言三言聞きますと、それで英語がこいつはできるなと思ったらばそのまま英語でなりますと言ったんですけれども、パックンが、最初に番組が始まりまして、二言三言言ったらば、その後はずっと日本語だったということでございます。
 それで、その後すぐ、それにもかかわらず二回目の出演依頼があったんですけれども、それは、家内が若い女性に聞いていたんですね。こういう回答はいけないんだろうと私は思うんですけれども、そのアシスタントの女性いわく、藤巻さんがテレビに出ていただいて英語をしゃべると、視聴者が非常に安心すると、一応国際社会で生き抜いてきた人間があんなに下手な英語かということで、目標が低いということで安心するんだというふうに申しておりました。
 もう一つだけ例を言ってから質問に入りたいと思うんですけれども、もう一つ、私が支店長の在日代表だった頃に、部下のアメリカ人の女性が、これは総務兼教育担当だったんですけれども、会話をした後に、彼女が私に席に来てほしいというふうに言ったんです。私が彼女の席に行ったところ、後ろに九人ほどの新入社員が、一流、超一流の大学を出た日本人の学生がいたんですけれども、その彼らに向かって私の部下のアメリカ人の女性は、今ボスの、まあスピーカーホンにして聞いていたらしいんですね、あのボスの英語を聞いただろうと、発音も文法もめちゃくちゃだけど堂々としゃべっていると。要するに、一番言いたいことは堂々としゃべることであって、あなた方は英語をしゃべるときにおどおどしていると、ボスを倣って下手くそでもきちんと堂々と話せということを言ったわけです。
 こういうような経験からしますと、まず一つは、先ほど申しましたように、内容が重要だということとともに、やっぱりしゃべることよりも、まずはリスニングだと思うんですよね。というのは何かというと、リスニングができないと、まず会話ができない、それからビジネススクールでは全く授業が分からないということで、まず英語で何かやるときにはリスニングをしなくてはいけない。
 私自身、まずアメリカに留学したときは、当時は日本で英語を聞くというチャンスはほとんど映画行くぐらい、なかったものですから、アメリカへ行ったら、まずずうっと朝から晩までニュースを探し出して英語のニュースを聞くと。それでリスニングだけは人並みになったかなというふうに思っています。
 というような経験を考えますと、私、今文科省のやっている英語教育、日本人の英語教師の英語を聞かせているわけですけれども、授業をやっているわけですけれども、それじゃちょっと本当に英語の効果があるのかどうかと大変疑問に思うんですね。
 今は、当時私が留学したときに比べて、NHKの英語番組というのはかなりすばらしいものができていると思うんです。それで、NHKというのは日本中全部で聞くことができますので、思うに、NHKに英語番組の番組を使って、若しくはさらに、その教育予算がたしか今年度は、昨年度の一億九千万円から今年度は十六億七千百万円と十四億円予算が増えているわけですから、このような予算を日本人のしゃべる英語に充てるよりは、NHKに少しでもお金を出して、これも文部省が関与してもいいと思うんですけれども、より一層、ただでさえすばらしい英語番組をもっと作って、それを小中学生にまず聞かせると、朝からずうっと聞かせると。英語の授業は聞かせるというのは、私はそれが実質的に英語教育、日本人の英語能力を高めることになるんではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) まず初めに、藤巻委員の弟様がお亡くなりになったことに対して、心より御冥福をお祈り申し上げたいと思いますし、またお悔やみも申し上げたいと思います。
 今日は、そういうことがあったので、藤巻委員は質問をおやめになるのかなと思っていたんですが、今日お越しになって自分の職務をきちっと果たされているということに対しても本当に心から敬意を申し上げたいと思います。
 そして、御質問でありますが、我が国が成長、発展する上で様々な国際舞台で活躍できる若者を育成することが極めて重要な課題であることに鑑みまして、平成二十六年度予算案において、初等中等教育段階におけるグローバル人材育成として、御指摘のように、大幅な増額を盛り込みました。
 初等中等教育段階における英語教育においては、音声や映像を活用した教材を用いることは極めて有効であり、各学校ではDVDやデジタル教材を通じて音声や映像を授業に取り入れる工夫がなされているところでもございます。
 そうした中で、NHKは現在もテレビ、ラジオを通じて良質な語学番組を提供しており、こうした番組を活用して子供たちが個人で又は授業の中で英語を学ぶ事例も多いというふうに思われます。文科省では現在、英語教育の在り方に関する有識者会議において議論を始めたところであり、様々な教材の整備についても検討課題の一つとしているところでもございます。外部の専門的な機関とどのような連携が可能かも含めて検討してまいりたいと思います。
○藤巻健史君 ちょっと通告をしたかどうか忘れてしまったんですけれども、もう一つ、英語を上手にするためにはやはり若いうちに留学することだと思うんですね。私が英語を学び始めたのは二十八歳だったので、それが一つの大きいうまくならなかった理由ではないかと思っているんですが。留学制度、できれば高校生、遅くとも大学の前半には行ってもらいたいと思っておりますが、何か文部省はやっていると思いますけれども、どういうふうに承知されているでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) おっしゃるとおりでありまして、藤巻委員も発音で御苦労されたということでありますが、これは頭がいいとか悪いとかいうよりは、ある意味では語学は音楽感覚でいかに脳に刺激を与えるかですから、できるだけ小さい頃から語学に触れれば誰でもネーティブな英語発音はできるようになるわけでありまして、そういう意味でも、小学校三年生から是非我が国においても英語教育の導入をスタートしたいと思います。
 それから、今年から官民ファンドで、民間にも協力していただいて、高校生、大学生の留学については、先進諸国の中で我が国だけが留学生の数が減っていると。特にアメリカにおいてはピークのときには五万人ぐらいの留学生がいたわけですが、今は二万人を割ってしまっているような状況でございますので、今年から高校生、大学生で留学をしたいという学生に対しては、できるだけ給付型で全額国がお金を出すような形で官民ファンド、このバッジもそうです、「トビタテ!留学JAPAN」、こういう形でムーブメントを起こして、多くの学生に留学のチャンスを提供したいと考えております。
○藤巻健史君 それは非常にいい試みだと思うんですが、一つだけちょっと付け加えておきますと、今私は円が強いと思っていますので、この強い円を活用して英語を学ぶというのは非常に青少年にとっていいんだよということを十分分からせていただきたいなというふうに思っています。特に、円が安くなれば英語を学んでいるというのは非常にその個人にとっても強みになるわけですし、例えば、これも前申し上げたかもしれないんですけど、例えば四万ドルの給料をアメリカの企業に勤めてもらうのであれば、今百円だと四百万円にしかならないんですけれども、一ドル千円になれば四千万円で、二年働けば日本に帰ってこられるということで、草食系男子が肉食系男子見習ってこぞって留学するようになるんだと思うんですね。やはり英語が自分の収入アップにつながるということであればモチベーションも湧くと思いますので、そういうことも、為替によって君たちのチャンスは広がるんだよというような内容も、是非、お金を付けるだけじゃなくて、青少年に知らしめていただければというふうに思っております。それは一応コメントでございました。
 次の二つの質問、少し耳に痛い質問かもしれませんけれども、ICT予算についてお聞きしたいと思います。
 ICTを進めていくという方針というのは極めて重要なことであって、まさにそうなんですけれども、文部省内がどうなっているかということをお聞きしたいと思います。まず隗より始めで、やはりリーダーがICTに精通していないとなかなか、あと何というか、指導される方も付いていかないと思いますし、本当のICTの重要性とかいうことも理解できないと思いますので、私は是非、文科省のお役人の方々にはICTのプロになっていただきたいと思っておりますが、予算も付いておりませんし、どうなっているか、ちょっとお聞きしたいと思います。
○政府参考人(戸谷一夫君) このICTの関係につきましては、なかなか先進的な技術ということで我々もキャッチアップするのに非常に苦労しているというのが実情でございます。
 ただ、政府全体といたしましては、世界最高水準のIT利活用社会の実現などを目指してということで、IT総合戦略本部が中心となりまして、世界最先端IT国家創造宣言といったものを平成二十五年六月に閣議決定で決めているということでございます。そういった中で、政府部内におきましてもこの公共サービスのICT化といったものも重要な課題として取り上げられておりまして、今、文部科学省の中でも関連の業務につきましてのICT化を進めているということでございます。
 そういった中で幾つか例示的に申し上げれば、例えば電子申請ということで、いろんな方々が役所に申請をしていただくに当たりまして電子的にやっていただくと。あるいは、調達の関係でございます。今はもう電子入札につきましては、もう文部科学省が直接やるものにつきましてはもう一〇〇%電子化、今いたしております。
 それからあと、省内の意思決定の際の電子決裁といったものも今進めておりますが、なかなかこの電子決裁等につきましては、やはり単純に電子的にばらまいて本当にうまく決められるかということにつきましては、なかなか従来どおりのやっぱり書面で見ないと納得できないというのも多うございまして、この分野につきましてはなかなか、ちょっと遅れているといったような実情がございます。
 ただ、電子申請の関係につきましては、ちょっと少しよろしければ一つ二つ具体的な例を申し上げさせていただきますと、実は研究費の申請というのがかなり大きな業務としてございます。これは文部科学省だけではございませんで、政府全体でいろんな競争的研究資金というものを持っておりまして、そういったものが各府省ばらばらに申請がございますと、重複関係その他も判別できない、あるいはその後の成果の管理も十分できないということで、この分野につきましては実は文部科学省が主導いたしまして府省共通研究開発管理システムというものをつくっておりまして、各府省が持っております競争的資金に対しましては全部ここで電子的に申請を行うという仕組みの構築がされておりまして、もう既に運用もされております。実は、この仕組みにおきましては民間の研究機関も含めまして約二万ほどの研究機関が登録されておりまして、対象となる研究者の方々も六十三万人ということで、これは恐らく政府全体の中でもそれなりに機能しているシステムではないかなというふうに私ども認識をいたしております。
 さらに、それに加えまして、現在文部科学省では実は省内でe―ラーニングのシステムを実は相当取り入れておりまして、人事関係、あるいはセキュリティーの関係、あるいは業務のいろんなスキルの向上を図ると、そういったような研修で大体三十五種類ぐらいの研修をe―ラーニングということで既に実施をしているというものがございます。
 それから、それに加えまして、広報的な活動、普及啓発の活動にもこのICTの活用ということでございます。先ほど来、留学の関係が少しやり取りの中で話題になっておりましたけれども、実は今、「トビタテ!留学JAPAN」というキャンペーンをやっておりますが、これにつきましても、動画サイトあるいはソーシャルネットワーク等を積極的に活用いたしております。特に動画サイトにつきましては、二月の十四日に関連のプロモーション的な動画をアップしておりますけれども、二月十四日以来で既に再生回数が五十一万件ということで、かなり大学生の方々に国としてこういうキャンペーンをやっているということについてそれなりに御認識を今していただくような状況にあるのではないかというふうに考えております。
 ただ、いずれにしましても、民間等々と比べますと、まだやはりこのICT化につきましては若干遅れているといった面があるというのは十分認識いたしておりまして、今後とも文部科学省としてはできる限り努めてまいりたいというふうに思っております。
 それから、ちなみに予算につきましては、業務的な経費ということでなかなかちょっと表に明確な形で出ておりませんが、先ほど申し上げました行政情報システム、メールも含めまして、全体的な経費としては大体九億円程度で年間やっております。
 それから、先ほど申し上げました研究者の研究費の申請のシステムにつきましては、年間大体三億九千八百万円程度でやっているというのが実情でございます。
○藤巻健史君 おっしゃられたように、ICT化、民間に比べると、少しじゃなくてかなり遅れていると思いますので、更に一層ICT化、特に文科省の職員の方が官僚の中では一番ICT化が進んでいると言われるように頑張っていただければと思います。
 もう一問あったんですが、これ時間がありませんので、次回に回したいと思います。
 どうもありがとうございました。
○柴田巧君 結いの党の柴田巧です。よろしくお願いをいたします。
 まず冒頭に、先ほどもございましたが、ちょうど横にはお兄様、座っておられますが、我が党の藤巻幸夫議員が先般お亡くなりになられまして、御遺族、御親族の方々には心からお悔やみを申し上げたいと思います。
 また、行動を共にしてきた者の一人として本当に痛恨の極みでございまして、亡くなった藤巻さんは、実業界での経験を基に、国会議員になられてから、芸術、文化やデザインやあるいは観光といったクール・ジャパンの問題に特に熱心に関わってこられたということがございます。志半ばであの世に旅立たれたこと、御本人も大変無念だろうと思っておりますが、彼のそういう思いもしっかり受け止めて、今日はクール・ジャパンといいますか文化政策の問題からお聞きをしていきたいと思います。
 まず、この来年度の文化庁の予算案、事業の中に新規のものというのはそんなに、ほとんど、余りないんですが、その中の数少ない一つとして日本遺産発信・活用事業というのがございます。これは、世界遺産の暫定リストに記載された文化遺産等を日本遺産という呼称で国内外に発信をしていくに当たって、その手法、戦略などの調査研究を行うということでございますが、御案内のとおり、現在の暫定リストには十二、三記載をされていると思いますが、今のところ原則として年に一度しかこの世界遺産の登録を推薦できないということで、かなりたまってきておるというか、活動している地域も長期化しているわけで、登録が認められていない地域が、しているわけで、例えば一九九二年に記載された彦根城もそうですが、そういう状態が続いております。
 したがって、こういった地域の国際的な知名度を上げて観光資源として活用したり、何よりも将来のこの世界遺産登録に向けた後押しをするということが大事だろうと思いますし、何よりも、先ほども触れたように、クール・ジャパンの一環としてこういったことを推進していくことは意味あることだと思っておりますが、そこで、この事業の、日本遺産発信・活用事業の、具体的にこれは結局どういうことをしようとしているのかということ、ちょっと通告の質問をちょっと区切ってお聞きをしますが、まず具体的にどういうことをされようとしているのか、お聞きをしたいと思います。
   〔委員長退席、理事石井浩郎君着席〕
○政府参考人(河村潤子君) 御指摘の事業は、平成二十六年度予算案において新たに日本遺産発信・活用事業として計上しているものでございます。
 これについては、我が国が誇る文化遺産を情報発信をしていくについてどのような戦略、手法があり得るかということについての調査研究を行うというものでございまして、まさにその研究をしたいと、こういう趣旨でございます。
○柴田巧君 そこでちょっと一つ確認ですが、その暫定リストに記載された文化遺産等と、この等の中には、この暫定リストには入ってはいませんが、一覧表候補というのはカテゴリーT、カテゴリーUに分けて約三十ぐらいあると思いますが、こういったところも対象になり得るのかどうか、この点はどうなんでしょうか。
○政府参考人(河村潤子君) 今回の調査研究については、我が国の世界に誇る有形無形の文化財を広く捉えていこうという考え方に立っております。これまでそれぞれの文化財が言わば点として捉えられていたところ、これからはむしろストーリーを持った面として捉えて、一体的に活用することを通じてその魅力を国内外に効果的あるいは戦略的に発信をしていこうということでございますので、現在の暫定リストに記載されているものも対象として考えますけれども、それにとどまるものではございません。
○柴田巧君 まあ、次にしようとした質問の中身も答えていただいたような気がしますので。今おっしゃったように、それぞれの地域には本当に有形無形のすばらしい文化財があると思います。それを点としてあれするというよりも、やっぱり今おっしゃったように面として総合的に活用していく、あるいはストーリー性を持ってやっていくというのが何よりも大事だろうと思っておりますので、今おっしゃったように、この新たな事業の中にも幅広く対象を捉えていただいて、総合的な活用を図っていただくようにお願いをしておきたいと思います。
 そういう中で、木曜日の日でございましたが、文化庁からユネスコの無形文化遺産の候補として、山車や屋台が町を巡る全国十八府県の三十二件の祭りを山・鉾・屋台行事として一括提案するという発表がございました。
 京都の祇園祭を始め、この中にもゆかりの方はたくさんいらして、滋賀県もそうです、秋田も愛知も埼玉も私のところの富山県もそうですが、我が県も高岡の御車山や魚津のタテモンや、あるいは南砺城端の曳山祭などもその中に入っておりますが、そういう各地の山車や鉾などの祭りというのはそのそれぞれの地域の活力の源泉であり、少子高齢化や過疎化、なっているわけですが、少子高齢化や過疎化や運営資金面等々で非常に難しい面にもぶつかっているのが事実で、この登録がなされればこの継承へ弾みが付くと思いますし、後継者育成への機運も高まってくると思っております。
 また、日本ならではの祭りというか、その施された装飾であるとかからくりの技術であるとか、日本ならではの文化の、芸術の高さがそこに凝縮されているものだと思っておりますが、そういう日本を代表するような、お祭りが世代間で受け継がれて、その山・鉾文化の多様性や豊かさが世界にアピールすることは大変大きな意味を持つと思っております。
 そこで、大臣には、その登録に向けての、どのように進めていくかというか、心意気というか思いを大臣にお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 今回提案を決定した山・鉾・屋台行事は、平成二十一年に登録された京都祇園祭の山鉾行事と日立風流物を含む、また、柴田委員地元の高岡御車山祭などの国指定の重要無形民俗文化財である山・鉾・屋台行事三十二件から構成されるものでございます。
 この山・鉾・屋台行事は、山、鉾又は屋台と呼ばれる豪華けんらんな出し物を中心とした我が国を代表する祭礼行事であるわけであります。山、鉾、屋台の形や大きさ等は多種多様でありますが、当該地域の人々が行事の主体的な担い手であるという共通点、また、重要な年中行事として地域の人々が毎年参画し、行事の内容、手順、技術等が次世代に伝承されていること、さらに、地域の象徴であり地元の人々の誇りであるという共通した特徴が見られるものであります。
 文科省としては、こうした山・鉾・屋台行事の提案は、我が国の文化遺産の豊かさや保護の取組等、国際社会に示すとともに、無形文化遺産そのものの国際的な認知度の向上に寄与するものと考えておりまして、登録に向けましてしっかりと努めてまいりたいと思います。
○柴田巧君 今、登録に向けて各地域で長年にわたって活動してこられまして、ようやく登山口に立ったという状態かなと思います。どうぞ、頂上に向けて、目指して、また、大臣始め御努力をいただきますようお願いを申し上げたいと思います。
   〔理事石井浩郎君退席、委員長着席〕
 さて、我が国のそういうすばらしい文化芸術をやっぱり世界にどう効果的に発信をしていくかというのは非常にこれから大事なことだと思っておりますが、また我が国も世界の文化交流のハブを目指そうと、これは大臣もおっしゃっておられるわけで、そのためにもこの発進力の強化が求められると思います。
 そういう中で、かねてから文化庁においては、伝統音楽や舞台美術やポップミュージック、ポップカルチャーも含めて、多様な分野で活躍する芸術家の皆さんを一定期間海外に派遣する文化交流使事業というのをやっておられまして、これが世界の人々の日本文化への理解を深めてもらったり、外国の文化人とのネットワークを形成してもらうために大変意味のある事業だと評価をするものです。今年度も書道家の武田双雲さんとか俳優の森山未來さんですか、とかも選ばれておりますし、あとは盆栽師とか左官の方とか多種多様な方が行っておられます。
 短い期間ではないので、首都や大都市のみならず地方にも回られていろんな交流をしていただいたり、また、行った芸術家等の皆さんがいろんな逆に刺激を受けて、日本に帰国してから更に芸を磨こうとするきっかけにもなっておるということで、大変意味あると思っておりますが、我が国の文化芸術に対する理解を広め、ファンを増やしていくためにも、この文化交流使、一層の拡充が必要であろうと思いますし、外務省や国際交流機関との連携をより強めて効果的な展開を運用することが望まれると思いますが、どのようにやっていかれるか、お尋ねをしたいと思います。
○大臣政務官(上野通子君) 委員御指摘のように、現在文科省としては、芸術家や文化人を海外に派遣し、一か月から一年間海外に滞在しながら日本文化を紹介する、先ほどおっしゃった文化交流使の派遣事業を実施していることでございまして、日本文化への理解促進、海外の芸術家、文化人とのネットワーク形成を図っているところでございます。
 海外での国際文化交流を推進するに当たっては、諸外国の様々な国に現在派遣させていただいていますので、その情報や専門知識を蓄積している在外の公館、そして国際交流基金の海外事務所との連携が大変効果的であると考えており、本事業においても、文化芸術分野に関するニーズ調査、文化交流使が現地で行う活動への協力などの面で連携して取り組んでいるところでございます。
 今後としては、更に本事業を充実するに当たって、例えば在外公館が行うイベントや催しに文化交流使が参加するなど、在外公館や国際交流基金等、関係省庁との連携をより一層深めて、文化交流使が効果的に活動できるよう事業の充実に努めてまいりたいと思っております。
○柴田巧君 ありがとうございます。是非、そういう方向でしっかり進めていただきたいと思います。
 次に、この日本の文化を世界に発信をしていくためにも、海外での日本語の普及というのはやっぱり欠かせないことだと思っております。今、漫画やアニメやファッションなど、いわゆるクールジャパンが世界の若い人たちの心を捉えているという、ある意味いい環境の中にもあって、こういう状況を積極的に生かして海外の若い人たちが容易に日本語を学べるような環境整備を図っていくということは非常に意味のあることだと思っております。よく言われるように、その国の言語を学ぶことはその国の文化を学習することであると言われておりますように、日本語を学ぶ人が増えることは、日本のそして我が国の文化への理解が広まり、またいわゆる知日派というか親日派を増やすということにもなると思っております。
 今、この前、外務省の日本語を普及させる、ちょっと正式な名称は忘れましたが、有識者会議のデータの中にもございましたが、今約四百万人近い方が日本語を世界で学んでいるということでございますが、かつてよりは、残念ながら、一時は二〇%ずつぐらい伸びていたようですが、今一〇%を切るぐらい陰りが見えてきているということでもあり、またいろんな問題も浮上していて、教材の問題あるいは教員の数、質、量共の問題、あるいは教育設備といいますか環境の問題等々、いろんな問題があるという指摘もされております。
 しかし一方で、中国なんかは孔子学院というんでしょうか、こういう政府系の関係機関が世界各地で中国語を広める戦略を取っているといいますか、やっているわけで、この六年でその数は八倍に大きくなっていますし、予算も国際交流基金の日本語普及の予算に比べれば三倍ほどの百六、七十億ぐらい掛けて、中国語を学ぶ人を世界中に広めているということでありまして、しっかり国際社会で日本の存在感を示す、日本の文化の理解者を増やしていくというためにも、今ここで一度、やっぱり日本語普及の戦略をしっかり立て直すということが大事だと思いますが、海外における日本語の普及のためにどのようにこれから取り組んでいくのか、これは外務省にお聞きをしたいと思います。
○政府参考人(齋木尚子君) お答え申し上げます。
 ただいま委員御指摘のとおり、海外における日本語の普及は、日本に対する理解を深め、諸外国との友好関係の基盤を強化していく上で極めて重要と考えております。外務省は、国際交流基金を通じまして日本語講座の運営、日本語専門家の派遣、海外の日本語教師の訪日研修、日本語教材の開発、寄贈、日本語能力試験の実施、また、日本語弁論大会の開催などの取組を積極的に行ってきているところであります。このような取組も後押しをいたしまして、先ほど委員にも御言及いただきましたが、昨年の国際交流基金の調査によりますと、世界における日本語学習者の数は、三年前の約三百六十五万人から約三百九十九万人に増加をしたところでございます。
 さらにアジア地域においては、昨年十二月の日・ASEAN特別首脳会議において安倍総理から御発表いただきましたが、国際交流基金の中にアジアセンターを立ち上げまして、平成三十二年までをめどに「文化のWAプロジェクト 知り合うアジア」を実施することにしてございます。日本語学習パートナー三千人以上の派遣を含めまして、日本語学習支援事業はこの文化のWAプロジェクトの主要な柱の一つです。
 岸田外務大臣の下に設置をされておりました海外における日本語の普及促進に関する有識者懇談会から岸田外務大臣に対しまして、昨年、提言書、最終報告書を提出いただきましたことを受けて、外務省としては、今後も国際交流基金、また文化庁、文部科学省等関係機関としっかり連携をしながら、海外における日本語教育の一層の推進に努めていきたいと考えております。
○柴田巧君 ありがとうございます。
 今、御答弁ありましたように、外務省の取組をお聞きをしましたが、文科省、文化庁とも連携をしてやっていかなきゃならぬ問題だと思います。
 文科省、文化庁においても、日本文化をよりよく理解をしてもらうためにはこの日本語の海外での普及というのは非常に大きな意味を持つと思っておりまして、先ほど二之湯先生から、我が国の文化政策には戦略がないというお話がありましたが、しっかりこういうことこそ省庁の枠を超えて政府全体として、国家戦略としてそれこそ進めていくべき問題だろうと思いますので、文科省、文化庁等もしっかり協力をしてやっていただきたいということを申し上げておきたいと思います。
 それからあわせて、日本の文化をよりよく理解してもらうためには、日本文学を海外に広めていくということが大事だろうと思います。そのためには、最近では村上春樹さんなんかもかなり各国で訳されておられるようですが、優れた翻訳者を育成するということが大事だと思いますし、そのことによって日本文学の翻訳の推進などを進めて、海外への発信強化をしていくということが求められると思いますが、これらについてどのようにお取り組みになるか、お聞きをしたいと思います。
○大臣政務官(上野通子君) 委員御指摘のように、我が国の優れた文学を外国語に翻訳し海外へ紹介することは、日本の文化や日本人の考え方などを海外に紹介するとともに、我が国文化の水準の一層の向上を図る上で極めて有意義と考えております。
 従来は、海外向けに翻訳されてきたのは源氏物語などの古典や川端康成などの知名度の高い作品が多く、また、先ほどお話にありましたように、村上春樹さん、吉本ばななさんなどの現代に有名とされている作品の数々は、もう欧米では人気があることから、外国語に既に翻訳されております。
 一方、まだ海外へ紹介されていない優れた現代日本文学も多いということから、文科省としては、優れた現代文学の作品を翻訳し、海外で出版、寄贈を行う現代日本文学翻訳・普及事業を平成十四年度から実施しており、これまでに百二十三の作品について英語、フランス語、ドイツ語などに翻訳し、百五十四種の図書を出版しているところでございます。また、出版した図書については、市販されているもののほか、海外の大学や図書館等にも寄贈を行っております。
 さらに、御指摘のように、この事業において、我が国の文学作品を世界に発信する基盤を整備するため、優れた外国人等の翻訳家の発掘や育成を行っており、平成二十二年から平成二十四年にかけて行われた第一回コンクールでは、六名の翻訳家を表彰しているところでございます。
 文科省としては、今後も翻訳者の発掘、育成を始め、優れた日本文学の海外への普及や我が国文学の水準が一層向上するために必要な取組を努めてまいりたいと思っております。
○柴田巧君 ありがとうございました。
 この後、和食文化、食育についてもお聞きをしようと思いましたが、時間が来ましたので終わります。
 今日はどうもありがとうございました。
○委員長(丸山和也君) 以上をもちまして、平成二十六年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、文部科学省所管についての委嘱審査は終了いたしました。
 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(丸山和也君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時四十一分散会