第186回国会 文教科学委員会 第8号
平成二十六年四月三日(木曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 三月二十六日
    辞任         補欠選任
     堀内 恒夫君     山本 一太君
     石橋 通宏君     小西 洋之君
     斎藤 嘉隆君     西村まさみ君
 三月二十七日
    辞任         補欠選任
     山本 一太君     堀内 恒夫君
     小西 洋之君     石橋 通宏君
     西村まさみ君     斎藤 嘉隆君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         丸山 和也君
    理 事
                石井 浩郎君
                二之湯武史君
                大島九州男君
                松沢 成文君
    委 員
                上野 通子君
                衛藤 晟一君
                中曽根弘文君
                橋本 聖子君
                堀内 恒夫君
                水落 敏栄君
                石橋 通宏君
                斎藤 嘉隆君
                櫻井  充君
                那谷屋正義君
                新妻 秀規君
                矢倉 克夫君
                田村 智子君
                藤巻 健史君
                柴田  巧君
   国務大臣
       文部科学大臣   下村 博文君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        美濃部寿彦君
   政府参考人
       総務省自治行政
       局公務員部長   三輪 和夫君
       文部科学省生涯
       学習政策局長   清木 孝悦君
       文部科学省初等
       中等教育局長   前川 喜平君
       文部科学省科学
       技術・学術政策
       局長       川上 伸昭君
       文部科学省スポ
       ーツ・青少年局
       長        久保 公人君
       文化庁次長    河村 潤子君
       経済産業大臣官
       房審議官     安永 裕幸君
       経済産業大臣官
       房審議官     高田 修三君
       環境省総合環境
       政策局長     清水 康弘君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関
 する調査
 (技術の優位性をいかすための文科系高等教育
 強化の必要性に関する件)
 (高校無償化制度見直しに伴う修学支援施策の
 実施状況に関する件)
 (海外子女教育に対する支援の必要性に関する
 件)
 (スポーツ庁設置に向けた検討状況に関する件
 )
 (アスベストによる教員の健康被害に関する件
 )
 (大学への競争原理導入の必要性に関する件)
 (和食文化の海外発信に向けた取組に関する件
 )
○義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関す
 る法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆
 議院送付)
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○委員長(丸山和也君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、総務省自治行政局公務員部長三輪和夫君外八名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(丸山和也君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(丸山和也君) 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○二之湯武史君 おはようございます。自民党の二之湯です。
 前回、ドイツの職業教育、デュアルシステムについてお伺いをさせていただきましたが、本日もあえてドイツを取り上げさせていただきたいと思います。とりわけ好きな国ではないんですが、日本とドイツというのは、やはり貿易立国型ということでよく比較をされる、国の形として似ていると、そういう点から特にドイツを取り上げて質問をしたいと思います。
 御存じのとおり、二〇〇〇年以降、中国や新興国の台頭によってエネルギー価格が高騰、コモディティー価格が高騰をしている中で、我々先進国の貿易条件というのは非常に悪化をしているという認識を持っておりますが、そういった中で、本日資料にもお付けをさせていただいているんですが、日本とドイツにおいてはパフォーマンスにおいて大きな違いがあると、これは民間のシンクタンク、エコノミスト等もこういった指摘をしております。
 まず、経産省の方から、事実だけを簡潔にお願いしたいと思うんですが、この日本の交易条件が極端に悪化している一方でドイツはそれを乗り切っているように見えると、そういった背景にはどういうことが考えられるのかという、事実ベースで簡潔に答弁をよろしくお願い申し上げます。
○政府参考人(高田修三君) 簡潔に申します。
 今先生御指摘ありましたように、ドイツ、こちらの方の交易条件は、品目ベースで見ますとウエートの高い輸送用機器や一般機器、この方で輸出価格が安定的に推移しております。
 一方、日本の場合は、交易条件の悪化、とりわけその要因として、エネルギーを中心とした輸入価格の上昇、また輸出価格の伸び悩みということがございまして、輸入価格の増大を吸収できていないと、こういう状況でございます。
○二之湯武史君 ありがとうございます。
 つまり、当然、通貨ユーロの安定性、若しくはドイツの国力の割にはユーロが非常に安い価格で安定していると、そういう為替の背景もあると思うんですが、今おっしゃっていただいたように、輸出価格にそのコモディティー価格の上昇を転嫁できているかどうかと、そういう私は構造的な問題だというふうに考えております。
 つまり、ドイツは、いわゆるハイエンドの商品、自動車で例えればベンツやBMWといったようなハイクラスの商品に特化をした形で産業構造を成り立たせている、最終消費財を中心とした貿易を行っている一方で、日本は、残念ながら、いわゆる技術力の優位を背景に、ベースにした中間財、最終消費財というよりは中間財、しかも東アジア、東南アジアを中心に非常にそういった中間財ベースで貿易を立国してきた中で、その分野において中国や韓国の技術力がキャッチアップしている、そういった中で価格競争に新興国の土俵に乗っかって敗れたという、私はそういう認識を持っているんですが、経産省の方はどうでしょうか、今の認識について。
○政府参考人(高田修三君) 先生御指摘の点、ごもっともであると認識しております。
 具体的に申し上げますと、日本の輸出産業の動向を見ますと、自動車の輸出価格は維持できておりますが、まさに新興国と競争になっておりますエレクトロニクス産業の輸出価格は趨勢的に低落してございます。
○二之湯武史君 ありがとうございます。
 私の仮説というか、それがある種立証できた形になりましてよかったと思っております。つまり、私はこれを高等教育に原因の一つを求めたいなというふうに思いまして、これを取り上げさせていただきました。
 つまり、日本は、いわゆる高度成長から、もう完全に成熟型の経済、また人口もピークを迎え減少傾向にあると。非常に国全体が成熟しているわけです。そういった国がコスト競争、価格競争において新興国に勝つということはまず不可能であると。私は、日本の経済の形を今までの技術優位、技術神話からやはり付加価値神話の方へ変えていかなきゃいけないんじゃないかと、そういう問題意識を持って今のようなまず事実ベースの認識、確認をさせていただきました。
 もう一枚資料をめくっていただきますと、いわゆる国際特許の出願数のランキングを載せております。例えば、国別で見ましても、日本は大変技術系では健闘しているんです。アメリカと日本はそんなに変わらない、一位、二位で、三位は大分空きますが。もう一枚めくってもらいますと、企業別でも上位三十社を載せましたが、実にそのうちの十四社が日本の企業であると。こういった意味でいいますと、日本の理系教育、科学技術教育というのは私はまだまだ世界において高い水準を維持できているんじゃないかと、これはまさにこの数字、ランキングでも明らかだと思います。
 しかし、今申し上げたように、こういった技術優位が必ずしも日本の企業若しくは経済全体で見た場合のパフォーマンスに反映できていないと、そういう今問題意識、認識を持っておるんですが、これに関しては経産省はどのように認識をされておられるでしょうか。
○政府参考人(安永裕幸君) 委員より御指摘をいただきました、まさに日本の特に製造業が新興国企業との競争で苦戦をし、技術で勝ってビジネスで負ける、また一部では技術でも負けてきていると、こういう状況になっていると認識をしております。すなわち、委員御指摘のとおり、技術の優位性をビジネスの優位性につなげられないでいるという状況が生まれてきているわけでございます。
 我々といたしましても、優れた技術を事業化に結び付けるためには、やはり技術が分かる経営者、それから経営やマーケットが分かる技術者、こうした方々を育成することが重要と考えております。このため、当省におきましても、例えば大学におけるMOT、技術経営教育を支援してきたところでございます。先ほど数えましたら、修士以上のプログラムで四十八プログラム、二年前の数字でございますが、工学系のサイドからも、それから経済学あるいは経営学のサイドからも技術経営に取り組んでいる大学がございます。
 一方で、我が国には、起業に挑戦する人材ですとかベンチャー活動を支援する人材、あるいは当省でも補助金などを交付をしておりまして支援を行っておりますが、技術開発へのリスクマネーなどが不足している状況でございます。こうした状況で、更にベンチャー企業、技術を基点としたベンチャー企業などを更に育成する視点からも、NEDOという当省所管の研究開発マネジメントを行う機関がございますが、ここに、アーリーステージにある技術を産業として応用可能な水準まで高めたり、専門人材で有望市場の開拓や事業化計画への助言を行うといったような支援を今年度より開始をいたします。
 いずれにいたしましても、優れた技術を事業化に結び付けるという、まさに先生の問題意識を更に実現できるよう取り組んでまいりたいと考えております。
○二之湯武史君 御答弁ありがとうございます。
 問題意識としては共通していると思いますが、今までもいわゆる産官学連携とかそういったものへの取組は自治体、国問わずたくさんなされてきた中で、なかなかそのパフォーマンスとしては結果が出ていないと。この辺に問題意識を持つ中で、やっぱり私は、今申し上げたように、理科系の、技術系の大学というのは、日本は世界においても、これ次のページをめくっていただきたいんですが、これもいわゆる研究水準、これは恐らく論文の引用数のランキングなんですけれども、見ていただいたら分かりますが、材料科学、また化学、物理学、生物学とこういった理科系の分野では、まさに政府が今目標とされている世界のトップハンドレッドに十の大学を入れるという目標をある種でいうと半分ぐらい達成していると。それこそ、ベストテンに入ってくるような分野に大学が入ってきていると。私の母校の京大もそうですし、東大、阪大、東北大、東工大、こういった大学が理系の分野ではかなり世界のトップクラスで頑張っていると。
 しかし、この下を見ていただきたいんですが、社会科学若しくは経済学、ビジネス。つまり、ここで私は見ていただきたいのは東大が二百八十三位ですね。ビジネスにおいてはデータベースには日本の機関が入っていないと。非常に残念な結果になっているんですが、今私が事実ベースで確認をさせていただいた問題意識、つまり、日本は技術の競争にはまだまだ優位性を持っているが、ビジネスという観点においてその優位性を転換できていないと、こういう構造的な要因の中に、まさにこの日本の文科系の高等教育、ここの弱さというものがこれはもう構造的にあるんじゃないかと、こういう仮説を立てております。
 それで、例えば数字で申し上げれば、先ほど二〇〇〇年以降の交易条件のお話をさせていただきましたが、ドイツにおいては輸入物価も上がっていますが、輸出物価も実は上がっております。数字ベースで申し上げますと、二〇〇〇年以降ドイツは、輸入物価が一・七%、輸出物価は一・〇%、共に上昇をしております。非常に理想的な、まさに日銀が目指している二%のインフレをこの十年間実現しているような格好であると。
 一方、日本は、輸入価格においては一七・九%上昇をする一方で、輸出価格が一三%も下落をしているわけですね。つまり、全く輸出価格に転嫁をできていない、そういった中で残念ながら貿易収支が赤字になると。我々子供のとき、日本は加工貿易だ、貿易で外貨を稼いで日本は食っているんだということを口酸っぱく教師から教えられたという記憶がありますが、もはや今、その構造自体が成り立たないようになっていると。
 そういった中で、私が今さんざん申し上げていますが、やはり文科系の高等教育というものが日本は大変弱いばっかりに、例えばマーケティングやデザイン、ブランド戦略やマネジメントといった、そういった付加価値を付ける力が大変弱っているんじゃないかと。大臣が常におっしゃっている、教育再生というのはこの安倍内閣の二本柱の一つだと、そういうふうに常々おっしゃっておられますが、教育再生というものはまさに大きく言えば文科系の大学院の専門教育、つまり職業教育に国家戦略として取り組んでいくことが私は一番経済に対するパフォーマンスの大きい真の教育再生ではないかというふうに考えておるんですが、是非、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 御指摘については、そのようなことはあるというふうに思います。ただ、じゃ、これから日本の文科系について理科系と同じような力を付ければ国際社会の中で日本が再び発展できるかどうかというと、時代状況はもっと激しく変化をしておりますから、その問題も踏まえ、まずは日本の大学の在り方、それが国際社会の中で今このままいくと地盤沈下していくのではないかという危機感を大学も持つ必要があると思います、これは理科系も含めてでありますけれども。
 そのために、是非、今国会で大学ガバナンス改革、これは学長選考やあるいは教授会の在り方を含めた、優れた経営者は大学経営ができるような、必ずしも学者としては優れていたとしてもマネジメント能力があるかどうかというのはまた別の能力が求められますから、そういう意味での大学のガバナンス的な部分。
 それから、あとはアドミッションポリシー、入学試験の在り方としてどんな学生を取って、そしてさらに出口管理まで含めて、大学側がどんな大学教育をすることによって社会に送り出すかという中では、今、二之湯委員指摘のように、文科系の在り方も今までのような学部の在り方でいいのかということが問われるわけでありまして、今までは大学は象牙の塔で、特に文系については社会と隔絶した部分があったのではないかという考え方を持って、大学側が社会に必要な人材を送り出すための高等教育は何なのかという視点から、これは個々の大学含めて日本の文部科学行政の、特に高等教育はそういう視点から、あるべき、それから二十一世紀以降、世界で通用する日本の大学は何なのかと、そういう視点からしっかりとした改革をしてまいりたいと思います。
○二之湯武史君 ちょっともう一回、改めて簡潔に私も申し上げたいですし、大臣も簡潔にお願いをしたいんですが、今おっしゃっていただいた、つまり大学の在り方というものを根本から見直そうと。そういった中で、私が今申し上げた、冒頭から申し上げているような、いわゆる世界的な経済の状況、そしてその中でこの十数年間の日本の経済のパフォーマンス、これからの十年、二十年、ひいては五十年、百年の日本の経済の在り方、簡単に言えば日本は何で食っていくのかと、これから。そういったことを考えたときに、技術系はしっかり頑張ってもらっているんだけれども、その技術を生かし切る、それをビジネスにして外貨を稼いでいくモデルというのが私はこの十数年つくれていないという今問題意識を持っているんですね。
 そういったビジネスモデルをつくっていくのが、まさにこの日本の文科系の大学、高等教育が求められているんだと思いますし、今大臣がおっしゃった社会が求める人材というのは、まさにそういった社会的な状況を考えてそこから演繹的に人材像というのをやっぱりつくっていかなきゃいけないということで、今申し上げているのは、つまり、これからの日本の経済の在り方を考える上で日本の文系の高等教育というのは大事なんだと、ここが今、日本の弱みなんだというふうなことを認識をいただいているのか、若しくはもっとフラットな、さっき理科系も含めて日本の大学は危機だとおっしゃいましたが、今、私は文系のこの高等教育というものを特に考え直さなきゃいけないんじゃないかという問題意識を持っているんですが、そこに対してはどのようなお考えをお持ちでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) おっしゃるとおりだと思いますが、ただ文系だけの問題ではないというふうには思います。
 それは、アベノミクスの三本目の矢、これはやっぱり科学技術イノベーション、世界で最も我が国がその環境をつくっていかなきゃいけない、それは今のままでは通用しない、新たな科学技術イノベーションを支えるための高度なやっぱり教育、人材力を養成する必要があるというふうに思います。そのことを考えると、今までの理系だけでは通用しない部分もありますから、文系はもっと努力してもらわなければなりませんが、理系も含めて大学教育の在り方ということを、新たな時代に合った教育ということを是非考えていくべき高等教育の時代に来ているのではないかということを申し上げているわけでございます。
○二之湯武史君 ありがとうございます。
 私は、それでも、それでもやはり文系だけじゃない、理系だけじゃない、だけど、この世の中、例えばこういう学部別のランキングなんかが出たときに、明らかに現在はですよ、現在はこの文系の水準というのは明らかに低いということはもう間違いないと思いますし、簡単に申し上げれば、例えばアメリカの大学院のような実学ベースの、そして言わばハーバードの経営大学院が日本に四つや五つぐらいあるようなイメージ、そういうことを私は今念頭に置いているんですが、そういった明確な方向性を持って大学教育というのを、在り方というものを変えていかなければ、本当に、今は理系頑張ってもらっていますが、大臣おっしゃるように、理系すらも地盤沈下したらもうはっきり言って終わってしまいますから、それが本当に急務であるという認識を申し上げて、この大学関係の質問は終わらせていただきたいと思います。
 それと、最後に一つだけ申し上げたいんですが、これも毎回申し上げていますが、和食に関することでございます。
 先週の金曜日に自民党の議員連盟を発足をさせていただきました。今日はお越しになっていませんが、西川副大臣もおられた。私、ちょっと参議院の本会議の関係でもう最後の最後にしか駆け付けられなかったので、たくさんの先生方においでいただいたことで本当に有り難く思っておりますし、和食に対する大きな注目、関心があるということをしっかり認識をいたしました。
 そういった意味で、今申し上げた職業教育の一環として、今京都府が、この資料に付けさせていただいていますが、和食に係る高等教育機関の設置に向けて検討を始めているということがございます。つまり、現在、例えば和食に関する、この前も道場六三郎さんとか服部さんとか著名な方に来ていただいて、世界遺産にはなったんだけど和食の門をたたく人材が減っている、若しくはもうみんな料理ばっかりで経営ができない、いろんな問題点がある中で、やはり私は、この和食にかかわらず、いろんな分野分野において高等教育機関を整備していかなきゃいけないと思っております。
 そのうちの一つとして、今この京都府が始めている検討をちょっと是非御覧をいただきたいんですけれども、一つの大学で学部なり学科をつくるというのはまずハードルが高いかもしれない。だけれども、例えば和食に関わる上で、経営のことはこの大学で勉強しましょう、和食の歴史についてはこの大学で勉強しましょう、栄養学的な観点はこの大学で勉強しましょう、例えば技術指導はこの専門学校で勉強しましょう、そういったいわゆる学部授業横断型の、例えばそこで和食学士なりそういった一つの学位をつくっていく、そういう今の現状ではちょっと考えられないようなスキームでございますけれども、こういった地域に根差した地域資源に関する高等教育というのをこれから充実させていかなければ、地域の経済若しくは地域の文化といった意味で、私はそういったものを担う人材もなかなかこの社会に出てこないと思っております。
 是非、今京都府が検討している和食に関する高等教育機関設置に向けた前向きな御答弁をできればお願いをしたいなというふうに思っております。
○国務大臣(下村博文君) 非常にすばらしい考えだというふうに思います。
 和食が昨年、ユネスコ無形文化遺産に登録されたということをきっかけに、是非京都からもそういう試みをされるということはすばらしいことだというふうに思いますし、今後、この和食文化の学際的な教育研究を推進するため、京都府の公立大学法人の中期計画では、和食文化の連続講座の開講や学部横断型プログラムの開発を進め、学部、学科の設置や学位創設を目指すとされているということについてお聞きをしております。
 是非応援をしたいと思いますが、これは決して難しいことではありませんので、文部科学省として、今後、学部とか学科等の設置に係る相談、申請があれば、所定の手続により適切に対応してまいりたいと思いますし、是非和食というのを世界に発信する、そのための人材が今御指摘のようにやっぱり十分確保されているとは言えない状況ですから、そのために教育機関、是非頑張っていただければと思います。
○二之湯武史君 大変前向きな御答弁をありがとうございました。
 様々な紆余曲折はあると思いますが、是非こういったものは大事なんだと、進めていかなきゃいけないんだという認識を是非文科省の方でも持っていただいて、前向きに設置に向けて御努力、御尽力をいただければというふうに考えております。
 これで私の質問を終わります。ありがとうございました。
○斎藤嘉隆君 民主党の斎藤嘉隆であります。今日はどうぞよろしくお願いをいたします。
 まず一点目の問題として、私は、高等学校の就学支援金制度、新たに導入をされたこの制度について少し確認からお伺いをさせていただきたいと思います。
 御案内のように、公立高校の授業料不徴収制度とそれから私立学校の就学支援金制度を組み直してというか、一本化をして新しい就学支援金制度をつくったということで、おおむね年収九百十万円以上の世帯については所得制限を課してこの就学支援金を支給しないという制度であります。
 以前から幾度か申し上げてまいりましたように、この所得制限そのものについて、私はかなり問題があるということを申し上げてまいりましたし、またこのことによって様々な事務上の負担が生じていると、こういったことについては御指摘をさせていただいてまいりました。今日は、それとは別に、これは大臣がこの法案の審議の折にも幾度となくおっしゃっていらっしゃいました、所得制限によって捻出をされた財源の使い道について少し確認をさせていただきたいと思います。
 法案審議の折には、この財源についてはいわゆる低所得者世帯に対する支援、それから奨学のためのお金、こういったものに充てていくということを明言をされておりましたが、いま一度確認をさせていただきたいと思います。制度の設計上、このような形で間違いないでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) はい、そのとおりでございます。
 委員が資料を配付していただいていますが、高校生等奨学給付金ですね。これは公立、私立、それから親の所得によって異なりますが、最低三万台から十三万台まで、それから御指摘のように、ここにあるような、所得によって二・五倍、二倍、一・五倍、これは五百九十万まででありますが、こういう形でそれぞれ上乗せをすることによって公私間格差の是正や低所得者層に対する更なる厚い手当てを考えて、今月からスタートさせるわけでございます。
○斎藤嘉隆君 今大臣から御説明をいただきましたように、お手元に資料の方を御用意をさせていただきました。簡単に申し上げると、この斜め線の部分ですね、二・五倍、二倍、一・五倍と書いてありますけれども、この部分を、いわゆる公立高校とそれから私立高校の九百十万円以上の世帯の子供たちにこれまで支給をしていた部分の財源を、この斜めの部分、それから上にあります高校生等奨学給付金というこの部分に充てていくというのが基本だというように思います。
 これ、高校生のこの奨学給付金というものは、ちょっと具体的に中身はこれはどのようなものでしょうか。
○政府参考人(前川喜平君) 奨学のための給付金でございますが、これは都道府県事業に対する国の補助事業として今年度よりスタートさせるものでございます。国の補助率といたしましては三分の一の額を考えておりまして、その予算額が二十八億円でございます。この支給要件といたしましては、非課税世帯の子供であること、就学支援金支給対象である学校に在学している者、二十六年度の入学者から学年進行で実施すると、そのように考えております。
○斎藤嘉隆君 この部分については、私の知る限りでは、これは例えば修学旅行の費用とか教材費の補助、こういったものを直接家計に給付をしていくというものだというふうに理解をしています。
 まさに先ほど申し上げた斜め線の部分とこの給付金の部分が、今年度ですよ、新たな形で拡充をしていなければ、いなければ、九百十万円以上の世帯の所得制限によって捻出をした財源がきちんと目的どおり使われていないということが言えるのではないかなと思います。
 そこで、ちょっと確認をさせていただきたいと思いますが、今年度、今、各都道府県で行っているこの部分に関する独自の対応というものは文部科学省として把握をしていらっしゃるんでしょうか。
○政府参考人(前川喜平君) 先生おっしゃっているのは昨年度、二十五年度のことではないかと思いますが、二十五年度の状況につきましては……
○斎藤嘉隆君 いや、今年度のことです。新たに始まる制度です。
○政府参考人(前川喜平君) 今年度につきましては、今後把握してまいりたいというふうに考えております。
○斎藤嘉隆君 新年度の予算がもう既に各都道府県出ているわけですね。これをざっと見れば新たにどのような制度を拡充をしたのかということが、私立高校生向けにですよ、それはそんなに難しいことではないと思いますが、これはいつ、どのような形で調査をされるんでしょうか。
○政府参考人(前川喜平君) 今年度の各都道府県の取組につきましては、速やかに情報収集してまいりたいと考えております。
 現在のところ、数県につきましては実情を把握しておりますけれども、その中では就学支援金の加算の拡充に伴ってその分の財源を十分に活用できていないのではないかと思われるケースも散見されるところでございます。
○斎藤嘉隆君 今まさに前川さん言われたように、かなり散見されるんです。
 今ここに、これは全国私学助成をすすめる会からいただいた資料を持参をいたしました。確かにおっしゃるように、この財源を活用して各都道府県に行っているわけですから、極めて有効に活用して、例えば私は愛知県でありますけれども、愛知県などでは低所得者だけではなくて三百五十万円から八百四十万円の中所得者層に私立高校生のこの部分を加算をしているという例もありますし、あるいは長崎とか埼玉などでは生活保護世帯を中心に学費の全額免除と、こういった制度も新たに導入をして拡充をしているというようなことを聞いております。
 反対に、先ほど散見がされるということを申し上げましたけれども、現行制度のまま何も変わらない、この四月からの新しい年度の中でですね、したがって国から加算をされているものがどこにも活用されていないという県もこの調査の中においては実際に存在をするということが分かっておりますし、ほかにも、この加算が非常に微々たるもので十分にこの財源を利用したと言えないような県も幾つか実は見られるわけであります。
 こういったことについて、やはりこれは法をあのとき審議をして法改正をしていったこと、あのときの約束と随分違うんじゃないでしょうか。いかがですか、局長。
○国務大臣(下村博文君) そういう御懸念を解消する必要が我々もあると思っておりまして、昨年十二月と今年三月に都道府県に対し、現在実施されている高等学校の生徒等への経済的負担の軽減や教育条件の維持向上に係る事業等を拡充するなど、支援の充実に引き続き努めていただきたい旨、要請をいたしました。
 にもかかわらず、今のような御指摘があるということであれば、各都道府県において、改めて国の支援の充実を踏まえ、授業料減免制度等の見直しが行われるべきことでもありますので、今後、文科省としてその状況について把握をし、そしてそれは公表したいと思っております。各都道府県で実態的に上乗せを今までどおりにするのか、ただ吸収して実態的にこれは高校生の立場から見たら全く制度設計と変更がないような都道府県なのかどうかということを都道府県ごとに公表することによって促してまいりたいと考えております。
○斎藤嘉隆君 ありがとうございます。
 実は、これは、済みません、本当にもう一回、聞き取りの状況でありますので、もう一度現地でしっかり調べてみないと分からないんですけれども、実は財源として加算をされているにもかかわらず、制度を拡充をしていない都道府県もあれば、逆に従来あったこの部分の低所得者に対する支援を廃止をしている、そういう県も実はあると聞いているんです。
 制度が新しくなって国からお金が行っているにもかかわらず、今までしてきた水準さえ継続をしていないという県があるというように聞いておりますので、今まさに大臣おっしゃいましたように、この状況は是非しっかり調べていただいて、これは私立高校生の子供たちの、低所得者世帯の子供たちの支援ということで、私どもも反対はいたしましたけれども、最後、その部分で、教育に元々使われていたお金がそのとおり、形は変わるけれども別の教育財源として活用されるということで、一定の理解をしてきたつもりではおりますけれども、現実、新しい年度が始まって、そうではないということが少しずつ明らかになっておりますので、是非この件については明確に調査をしていただき、また先ほど言われましたように、公表も含めてしていただき、そして、ひょっとしたら、今年はやらないけれども制度設計に時間が掛かって来年度から充実をしていくという県もあるのかもしれません。そういった実態も含めて是非調査をしていただきたいと思っておりますので、この点についてよろしくお願いをいたします。
 それでは、もう一点、今日は別の内容についてちょっと御質問させていただきたいと思います。
 今日、この後、趣旨説明があるのかと思いますが、義務教育の教科書の無償措置法の改正について、少し事前に議論をさせていただきたいと思っています。
 御案内のように、この法律については、義務教育における教科書の無償給与を目的とするというように私自身は理解をしています。教科書の採択については、その権限等は地教行法によって定められている、すなわち自治体の教育委員会にある、この認識は間違いないですね。こういう形でよろしいでしょうか。
○政府参考人(前川喜平君) 教科書の採択につきましては、公立学校の場合ですと、その設置者である地方公共団体の教育委員会がその採択の権限を持っているということでございます。
 なお、教科書無償措置法に基づきまして、都道府県教育委員会が採択地区を定めますので、その採択地区におきましては、複数の教育委員会において協議をして同一の教科書を採択するという採択のルールが定まっているというところでございます。
○斎藤嘉隆君 ちょっとそこのところをもう一回整理したいんですけれども、いわゆる八重山の教科書問題についてでありますが、これ、文部科学相は平成二十三年の衆議院の委員会においてこのように見解を述べています。採択地区協議会の協議の結果に基づいて採択を行っていない竹富町教育委員会は無償供与の対象にならないが、地方公共団体自ら教科書を購入して生徒に無償で供与することまで法令上禁止されない、これは法制局の見解であると、こう答弁をしていますが、この基本的な考えは今も変わらない、そういうことでよろしいでしょうか。
○政府参考人(前川喜平君) その点については変わっておりません。
○斎藤嘉隆君 その後、文科省は、かなり度重なる指導等をこの該当教育委員会あるいは県教委等に対してしています。昨年の三月は、同一の教科書を採択するように政務官が自らそのことを求め、そしてその結果について報告をするように指導をされていますし、十月には、沖縄県教委に対して竹富町教育委員会に対しての是正の要求を行うように指示をしていらっしゃいます。また、これはもうついせんだってのことでありますけれども、三月十四日には、国として初めて、初めてであります、下村大臣名でこの竹富町に対する是正の要求をしているわけです。
 私、後ほども議論させていただきたいと思いますが、今回のこの事案について、ここまでの是正の要求を国が直接するということはやはり行き過ぎではないかなと率直に思っておりますが、この辺りの経過、考え方、基本的な、ちょっとお知らせをいただけますでしょうか。
○政府参考人(前川喜平君) 先ほど申し上げましたとおり、教科書無償措置法に基づきまして、共同採択地区内では協議をして同一の教科書を採択するということとなっております。八重山採択地区におきましては、この協議を行うための組織といたしまして、関係市町村の教育委員会の合意によりまして規約を定め、八重山採択地区協議会が置かれておりまして、平成二十三年の八月にこの八重山地区協議会の規約に従ってまとめられた結果があるということでございます。
 その協議の結果に即して採択した石垣市、与那国町につきましては、これは無償措置法に基づいて採択したと考えられますので教科書の無償措置が行われたわけでございますが、竹富町につきましては、この法律に違反している状態であるということで無償措置を行わなかったという経緯がございます。
 この竹富町教育委員会の採択が教科書無償措置法に違反しているという認識につきましては、平成二十三年当時から今日に至るまで一貫しておりまして、文部科学省といたしましては、その認識に立って、平成二十三年九月以降、二年以上にわたりまして繰り返し指導を行ってきたということでございます。
 また、昨年の四月には沖縄県教育委員会からこの問題の解決に向けた取組を積極的に行うという旨の報告がありましたので、それを踏まえまして、沖縄県教育委員会の指導による解決を期待してその取組を見守ってきたという経緯がございます。
 しかしながら、昨年の九月でございますが、平成二十六年度、今年度の使用教科書につきましてもやはり同一の教科書の採択に至らなかったとの報告がありましたので、そのため、昨年の十月、沖縄県の教育委員会に対しまして竹富町に是正の要求を行うよう指示したというものでございます。
 その後、是正の要求の指示につきまして、沖縄県教育長に対して直接指導をしたり、また沖縄県教育委員会からの質問状に対して迅速に回答するなどの丁寧な対応をしてきたつもりでございますけれども、この是正の要求の指示をした後、沖縄県教育委員会におきましては五か月近く経過してもなお是正の要求を行わないまま推移し、新年度が迫ってきたという状況がございましたので、新年度からの教科書の使用についての問題でございますので、三月中に竹富町の教育委員会に対して是正の要求を行ったという経緯でございます。
○斎藤嘉隆君 一つちょっと確認させていただきたい。
 今局長は、規約に従ってまとめられた結果と異なるというようなことをおっしゃいました。
 八重山地区のこの規約を読むと、こうなっているんですね。採択地区教育委員会の決定が協議会の答申内容と異なる場合は、沖縄県教委の指導、助言を受け、役員会で再協議することができるとなっているんです。そこまでなんですよ、この規約上、この採択教科書の決定の手続について示されているのは。
 規約に従ってまとめられた結果と異なるというところの認識が、明らかに竹富町教育委員会と文科省でずれているんではないですか。
○政府参考人(前川喜平君) 文部科学省といたしましては、平成二十三年の八月二十三日に八重山採択地区協議会で行われた答申及びその後八月三十一日に役員会で行われた協議、その結果としてこの協議の結果が出ていると認識しているところでございます。
 その根拠といたしましては、この規約上の条文といたしまして、「採択地区教育委員会は、協議会の答申に基づき、採択すべき教科用図書を決定する。」という規定があり、その後の役員会の再協議の規定もございますけれども、その再協議の際にも、八重山地区の採択地区協議会の会長から、この答申に従うよう竹富町の教育委員会に対して要請があったという経緯がございます。こういった経緯を見ますと、この協議の結果が出ているというふうに考えているところでございます。
○斎藤嘉隆君 私、今の協議の結果が出ているという認識は、僕は明らかに認識間違いだと思っています。協議が調うまで再協議をするというのがこの規約上示されている内容であって、現状において各教育委員会の決定する教科書については同一のものとなっていない。協議が調っていないわけですから、それが調っていないので、まだ再協議をする必要があって、今局長がおっしゃるような、私は、明らかなですよ、明らかな法令違反があるとは言えないのではないかと、そのような指摘をさせていただきたいと思います。
 もう一点申し上げると、これ、協議が調っていないわけですから、これを違法だと、同じ教科書を採択していないので違法だと言うのであれば、これは石垣市や与那国に対しても同様の要求をするべきではないんでしょうか。この点はいかがでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 今、斎藤委員がおっしゃったように、この採択地区の協議会の規約については、今のお話のような問題点があるということで、今度国会でこれについてはもっと明確に定めるということを改正案として提出をさせていただくところでございます。
 ただ、この二十三年ということで先ほど局長からも答弁がありましたが、これは民主党政権のときですね。当時、これは中川文科大臣のときでありましたが、このときから、これはもう違法状態だということで、これは民主党政権下においても沖縄県教委に対してずっと指導をしてきた経緯があるわけでございまして、別に自公政権になってこれが急に何か違法だということで指導し始めたということではなくて、政権が交代する前から、当時からこれは政府は一貫して県教委に対して指導をしてきたわけでございます。
 なぜ違法状態かというのは、先ほど答弁がありましたが、これは教科書無償措置法に違反をしていると。無償措置法の中で、共同採択地区内では関係市町村が協議して種目ごとに同一の教科書を採択しなければならないということになっているわけでありまして、我々は、この八重山採択地区協議会の規約について、きちっとしたことが、取り方によっては違っている部分があるというのは現場で議論があったということは承知しておりますが、しかし、共同採択地区で一つの教科書に絞られたということは、これは間違いない事実だというふうに認識しております。その中で竹富だけ従わないと。逆に言えば、石垣や与那国は共同採択で選ばれた教科書を使っているわけですから、これは違法ではなくてそのとおりにしているわけでありまして、竹富だけがそれを使っていないということが、これがずっと二十三年以降沖縄県教委を通じて指導をしたところでございますが、それについて何の改善もしないということの中で、やむを得ず四月から始まる新学期に向けてのぎりぎりの段階で、三月十四日に国が直接竹富町に対して指導をしたところでございます。
○斎藤嘉隆君 時間がもう来てしまいましたけれども、私は、検定教科書ですからね、どの教科書を使う使わない、そのことはまあいいんです、検定教科書を使っていただく以上。ただ、今大臣おっしゃったように、本当に共同採択でこれは選ばれたと言えるのかということですね。
 それから、私は、確かに民主党時代も、そのような認識は間違いないと思います。間違いないと思いますが、そこの違法な状況にあることが本当に明確に一〇〇%そうと言えるのかという思いを持ちながら、この状況について、竹富町で一部の方の支援によって教科書が配付をされている状況、まあ言ってみれば黙認をしてきたということがあろうかと思います。
 それからもう一点、今、規約上やはりどうなのか、問題点があるんではないか、だから規約を明確にするような法改正をするんだとおっしゃいましたが、ということは、規約に照らし合わせて言うと、今回のこの竹富町のやり方が本当に違法な状況、規約に照らし合わせてそれにきちんと従っていない状況かどうかというのをはっきり言えないから、今回はっきりさせるような法改正をするとおっしゃっているわけで、ですから、いずれにしても、規約上照らし合わせても、法令上も、一〇〇%明確に法違反をしているということがなかなか私は今の段階では言えないと思うんですよ。こういうことに対してやはり是正要求をするということは、いや、これはやはり行き過ぎではないか、このことを……
○委員長(丸山和也君) 斎藤君、時間です。
○斎藤嘉隆君 はい。済みません。
 指摘をさせていただいて、終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
○新妻秀規君 公明党の新妻秀規でございます。
 今、グローバル化の中、海外で学ぶ子供たちが増えております。今からお配りする資料の一の下のグラフを御覧ください。下のグラフの、折れ線が二つありますが、ジグザグしながら上がっている線、これが海外の日本人学校そして補習校で学ぶ児童生徒の数です。昨年は三・八九万人、三万八千九百人にまで上っております。
 ここで用語の説明ですけれども、日本人学校とは、国内の小学校、中学校、高校と同じ教育を目的とした全日制の教育施設です。二年前のデータですけれども、世界で五十か国、八十八校が設置をされています。補習校というのは、現地の学校やインターナショナルスクールに通学している日本人の子供に対して、土曜日とか放課後を使って国内の小学校、中学校の一部の教科について日本語で授業を行う教育施設です。これも二年前のデータですけれども、世界五十五か国、二百二校が設置をされております。こうした学校は、現地の日本人会などが主体となって設立をされまして、運営は日本人会、進出している企業の代表、そして保護者によって運営をされております。
 このように増加傾向にある児童生徒数とは裏腹に、海外また帰国子女の教育の予算は、この同じ資料一の上側のグラフを御覧ください。このグラフのとおり、赤い線の外務省予算は横ばいで、大体ざっくり二十一億円。黒い線の文科省予算は、二百五十一億円から始まって、ピークは二百六十五億円、それからだんだん下がって、二〇一三年はざっくり百七十三億円にまで減少しています。
 教員派遣の予算だけ取り出してみますと、同じ資料一の下のグラフの下の表がありますが、予算額(億円)というところを見ると、二百十三億円からずうっと下がって百六十七億円まで一貫して減少傾向にあり、また派遣教員の数、これは下のグラフの派遣教員数、右肩下がりの線がありますけれども、元々千三百三十四人が千四十八名まで激減しています。これは一番下の表の一番下の欄、必要な教員数への充足率(%)、八六%から何と七二%まで激減、こういう状況です。
 こうした中、現地の窮状を伝える報道を紹介します。
 二年前、二〇一二年四月八日の産経新聞。
 上海では小中合わせて百四十人の教員がいるが、このうち文科省が日本国内の公立校から選抜して、人件費なども含めて海外に派遣する人数は全体の約六〇%。不足する四〇%の教員は日本人学校が独自に採用して、費用を負担して現地に赴任してもらっている。ちなみに高等部は全教員を独自採用に頼らざるを得ない。
 続いて、一年前、二〇一三年一月二十六日の産経新聞。
 先日、ASEANの国々を訪れる機会を得た。どの国に対しても日本の進出は続いており、比較的治安の良いタイやベトナムには家族帯同の駐在員が増えていて、現地の日本人学校は毎年一学級か二学級増やさなければならない状態であるとの報告。しかし、文科省の予算では増員が厳しく、日本人学校の校長が日本に出張をして増員の先生のリクルートをしているけれども希望者が少ない。
 こうした現実がございます。
 ここで質問に入ります。教員確保の取組について、現状についてお示しをください。
○政府参考人(前川喜平君) 海外に在住いたします日本人の子供に対しまして国内の義務教育と同等の教育環境を提供するという観点から、日本人学校及び補習授業校の果たす役割は極めて大きいと考えております。
 文部科学省では、これらの在外教育施設における義務教育年齢相当の子供に関して、国内に近い教育が受けられるよう最大限の援助を行うという観点から、在外教育施設教員派遣事業を行ってきております。派遣教員は、主に各都道府県教育委員会からの推薦を受けた教員の中から選考して派遣しておりますが、近年、教員の年齢構成の偏りや学校の繁忙化等を理由として都道府県から推薦される教員数が減少傾向にございます。そのため、派遣教員の資格要件の緩和でありますとか、また国内の学校を退職した教員をシニア派遣教員として活用するなど、派遣教員数の確保に努めております。
 財政状況が厳しい中で予算が減少してきているということは御指摘のとおりでございますが、今後とも日本人学校や補習授業校に対しまして継続的に優秀な教員を派遣していくことが大事だというふうに考えておりまして、そのため、各都道府県に継続的に教員推薦を働きかけるということを行うとともに、予算の確保にも努めてまいりたいと考えております。
○新妻秀規君 具体的な取組について紹介いただきました。こうしたことを強力に推進をして、また予算の拡充にも努めていただきたいと思います。
 次に、昨年のいわゆる高校無償化の見直しに伴う予算措置によって、日本人学校の高等部には国内と同じ基準で就学支援金が支給されることになったと理解をしております。しかし、同じ日本人学校でも、義務教育の課程では教員派遣や校舎の賃料の一部負担のような間接的な国の補助はあるものの、国からの直接の教育費に対しての支援はないというふうに理解をしております。これは補習校についても同様と理解をしております。
 憲法の二十六条には教育の機会均等また義務教育の無償が定められておりますが、これは在外邦人には適用されない、このようにされております。しかし、先ほど局長の答弁にもありましたように、政府はこの憲法の精神にのっとって、海外子女が義務教育に近い教育を安く受けることができるように政策上の配慮によって政府は支援をしている、このように承知をしております。
 今、日本人学校の高等部に支給されることになった就学支援金、これはまさに政策上の配慮によるもの、このように理解をしております。であれば、これと同じ理念、配慮で、日本人学校の義務教育の課程、また補習校にも国としての支援を検討すべきではないかと考えます。今、国としてグローバル人材の育成を目指している、そうした大方針を掲げているのでなおさらと考えます。
   〔委員長退席、理事石井浩郎君着席〕
 私自身、この一月、アメリカのシアトルに現地調査に行きました。そこでシアトルの日本語補習校の校長、理事長、そして日本人会の幹部、また、かつて仕事を共にした駐在員である同僚にも話を聞きました。国からの支援を求める声が寄せられました。
 また、特に海外赴任者から寄せられる悩みの声として大きいのが就学前の教育の非常に高い費用です。資料を一枚おめくりいただきまして、資料の二を御覧ください。これは幼稚園の保育料の比較なんです。この青い線で示したのが海外の幼稚園の一か月当たりの保育料、ちなみにこのグレーの棒で示したのが日本の私立の幼稚園、公立幼稚園なんですけれども、御覧のように一番高い上海では月額十二万円を超えるという非常に高い保育料でございます。会社負担が全額出すよというところは極めて少ない、個人負担がかなり大きいという状況です。
 私は、先ほど申し上げましたように、延べ五年間、アメリカのシアトルで駐在員として暮らしておりましたが、家族帯同の同僚からこうした高い教育費についての悩みの声を聞いておりまして、先ほど申し上げました一月の現地調査でも全く同じ悩みの声が寄せられました。このままでは、就学前の子供、また義務教育課程の子供を持つ家庭が海外赴任を忌避して、嫌がって、グローバル人材が育つ機会が失われかねないというふうに危惧をいたします。
 ここで、文科省にお伺いします。日本人学校の義務教育課程、そして補習校、また就学前教育、ここに国としての支援を検討できないでしょうか。
○政府参考人(前川喜平君) 在外教育施設の高等部に在籍する日本人の生徒につきましては、今年度新たな取組といたしまして、今年度以降に入学する者を対象に、国内の高等学校等の生徒に支給されます高等学校等就学支援金と同等の支援を行うという事業を始めるわけでございます。これは御指摘のとおりでございます。
 一方、高等部につきましては、義務教育段階ではないということで、これまで義務教育段階に行っているような教員の派遣等、そういった支援は該当していないということでございます。
 一方、義務教育段階の日本人学校や補習授業校につきましては、従来から文部科学省におきまして教員の派遣を行っているわけで、そのほかに教材整備の補助でありますとか義務教育教科書の無償給与などを行いまして、この結果といたしまして、保護者の教育費負担は一定程度に抑えられ、負担の軽減に資するものにはなっているというふうには考えております。
 また、就学前の教育に係る保護者負担の軽減につきましては、そもそも我が国全体の考え方といたしまして、昨年六月の幼児教育無償化に関する関係閣僚・与党実務者連絡会議の方針を踏まえまして、幼児教育無償化の実現に向けてどのように取り組むか、その対象や方法等につきまして今後総合的に検討することとしているところでございます。
 そうした中で、日本人学校等への支援に関しまして、厳しい財政状況にあるわけではございますけれども、教員の派遣を始め、どのような支援策が可能か、引き続き検討してまいりたいと考えます。
○新妻秀規君 しっかりとした検討、また推進をお願いしたいと思います。
 最後に、グローバル人材の育成を目指した海外子女教育の充実に向けた大臣の御決意をお願いします。
○国務大臣(下村博文君) 委員が資料として用意をしていただきましたが、確かに海外に在住する日本人の子供が増加傾向にある、平成二十五年四月現在で義務教育段階で約七万二千人の子供が海外で生活しているということの中で、我が国の主権の及ばない海外に在住はしておりますけれども、しかし、少なくとも義務教育段階については国内に近い教育が受けられるよう最大限の援助を行うことが必要であるというふうに思いますし、また、高等学校については今回から対象拡大をいたしましたが、幼稚園、保育園の保育料を見ても、相当の負担になっているなというのを改めてこの資料でも見させていただきました。
 これからグローバル人材を育成するということを、国の、文部科学省の大きな政策として掲げている中で、やっぱりこういうところについても力を入れる必要があるというふうに思いますし、私も、国会日程が許されれば、前からマレーシアの日本人学校を一度是非視察に来てもらいたいということを現地からも言われておりますので、これは上海の方からも言われておりますけれども、日本人学校、現地を見させていただきながら、もっと国として積極的な対応をしていくことが必要だというふうに思いますし、しっかり検討してまいりたいと思います。
○新妻秀規君 前向きな御答弁、ありがとうございました。
 引き続き着実な推進をお願いしまして、質問を終わります。ありがとうございます。
○松沢成文君 みんなの党の松沢成文でございます。
 今日は、スポーツ庁についてちょっと大臣の考え方、見解を伺いたいなと思っております。
 スポーツ庁については、三年ほど前ですか、スポーツ基本法ができて、その附則の中に、政府は、スポーツに関連する施策を総合的に推進するために、スポーツ庁始めそういう必要な施策を講じていくべきだという附則ができて、それを受けて、国会の方でも議連を中心にスポーツ庁の在り方について今議論を進めているというふうに聞いております。そしてまた、昨年にはオリンピック・パラリンピック招致が決定しまして、それを受けて、政府の方としても一体的な組織をつくっていくんだという方針が出ていると思うんですね。
 私は、つくるとしたら、しっかりしたものを早くつくってどんどんどんどん施策を実行していかないと、どんどんどんどんこれが遅れるとオリンピックにもいい影響を与えないですし、また様々な施策の推進が遅れていくわけなので、まあそういうふうに考えているんです。ところが、なかなかこのスポーツ庁がどういう組織になってどういうことをやっていくかというのが見えてこないんですね。
 さあ、そこで、まず大臣に、このオリンピック招致、パラリンピック招致も決まった、あるいは日本という国が経済も発展し、人々が多様な価値を持って様々な生活を楽しむ、そういう中でスポーツの持つ価値というのがどんどん多様化して大きくなってきているわけですね。そういう時代背景があると思うんですが、大臣はスポーツ庁というものの必要性についてどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 現在、スポーツに関する施策の実施主体は、文部科学省だけでなく、スポーツを通じた国際交流の観点から外務省、スポーツを通じた健康、医療、福祉の観点から厚生労働省、そしてスポーツ産業の観点から経済産業省、さらに都市公園、スポーツツーリズムの観点から国土交通省と、多岐にわたっております。
 このため、御指摘がありましたが、スポーツ基本法においても、スポーツに関する施策を総合的に推進するため、スポーツ庁等の行政組織の在り方について、行政改革の基本方針との整合性に配慮して検討を行った上で必要な措置を講ずる旨が規定をされました。これに沿って、私も大臣就任のときに安倍総理から、スポーツ庁の設置について検討し、そしてそれを立ち上げるようにという指示をいただいたところでございます。
 是非、我が国がこれから二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、また全ての国民が健康を維持するためにも、スポーツ立国を実現をしていく必要があるのではないかと思います。スポーツの意義を総体的に把握しつつ、多岐にわたる施策を総合的に推進するということがそのためには重要でありまして、これらの観点も踏まえスポーツ庁の設置について検討を進める必要があると思いますし、できるだけ早くそれを取りまとめてまいりたいと考えております。
○松沢成文君 私も大臣の考え方、賛同いたしますけれども、それでは、このスポーツ庁、今、必要だということになってつくっていくわけですが、これ、今の進捗状況がどうなっているのか、我々からもなかなか見えないんですね。
 もちろん、スポーツ議連があって、そこでも、国会の場でも議論をして、スポーツ庁をつくるとしたら、その組織の在り方、形態だとか、あるいはいつ頃までにつくるのかと、こういうことまで含めて議論をしているんでしょうが、これ、スポーツ基本法の附則でも、「政府は、」となっているんですね。やはり、国会の議論を待つんじゃなくて、これは政府の一組織つくるわけですから、政府が主体的にスポーツの総合的な政策をしっかり推進するんだと。
 そして、一つのイベントとしてオリンピック・パラリンピックの招致が決まったわけで、これはもう六年後に来るわけですよね。ですから、ゆっくりいろいろ議論をしていて直前にできましたというんじゃ、施策を推進してオリンピックの準備できないわけです。つくるのであれば早くつくって、そこできちっと施策を整備して、予算も取って、オリンピックを成功させる。
 ただ、これはオリンピックのための組織じゃないですから、これから日本の社会の中でスポーツを大きく発展させて国民の福祉向上に役立てるという長期的な視野もありますのでね。でも、それも含めて、私は早く実現させなきゃいけないと思うんですが、大臣、その進捗状況とかスケジューリング、どんなふうに考えているんでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) スポーツ庁の設置の検討については、御指摘ありましたが、現在、超党派スポーツ議員連盟にプロジェクトチームが設けられております。これまでに九回開催され、関係省庁のスポーツ施策の所掌の在り方などを議論したほか、昨日も、ソチ・オリンピック・パラリンピックの総括や、今後の強化支援策に関してスポーツ庁に期待することなどを議論したと聞いております。
 また、文科省では、櫻田副大臣の下に設置したタスクフォースにおいて、スポーツ議員連盟における議論を踏まえながら、組織の在り方など実務的な検討を進めております。私も、定期的に櫻田副大臣から報告を受け、その都度、検討の方向性について指示を出しております。
 私としても、スポーツ庁をできる限り早期に設置したいと考えており、スポーツ議員連盟とも連携してまいりたいと思いますが、基本的に、文部科学省の中にあるスポーツ・青少年局を外局にするということでしたら、これはそんな難しい話ではないんですが、先ほど申し上げましたように、やっぱり外務省、厚生労働省、それから経産省、国交省と多岐にわたっておりまして、それを一本化してやるということについては、これは相当力技が必要で、政府全体でなかなか取り組まなければ、これは他省庁が簡単に引き離すということについて了解するような事項ではありませんから、ある程度の骨格ができて、どれぐらいのスポーツ庁の枠を定めるかということがある程度見えてきたら、場合によっては、これは改めて政府全体でこのスポーツ庁について取り組もうとしないと、文科省だけで解決できる話ではないと思っておりますので、これはよくその結果を踏まえて、総理と相談しながら、政府としてしっかり取り組む体制をつくっていく必要があると考えております。
○松沢成文君 まさに私がお伺いしたかったのがそこでありまして、本格的なスポーツ施策を総合的に推進する体制をつくるのであれば、これは諸外国ではよく教育の担当の省とは別にスポーツ文化省とかもう省にして、一つのお役所としてスポーツの振興をやっているという例も結構あるんですよね。そういう体制をつくるのであれば、先ほど大臣おっしゃったように、例えば厚生労働省が持っている健康とかこういうところとスポーツの関係の部署、それから経産省が持っているスポーツ産業とかこういうところの部署、そして国土交通省がやっているスポーツ公園だとかハードのそういう施設、町づくりとかそういうところも、あるいは文科省がやっているスポーツ教育ですね、体育教育とか部活とかこういうところもあるでしょう。それを一つに合わせて、それこそ内閣府の、同じ外局でも内閣府の下に置いて、それで権限も機能もそこに集中させて、もうぐいっと推進させるようなしっかりとした組織体制をつくり上げるという一つ考えがあると思います。
   〔理事石井浩郎君退席、委員長着席〕
 そこまでやるのはちょっと難しいだろうと、当然、権限持っている官庁はそれを奪われることに反対しますし。であるのであれば、文科省の下に、先ほど言ったスポーツ・青少年局ですか、ここに今のところ厚生労働省のパラリンピックの担当みたいなのがくっつくらしいですが、その下で取りあえず文科省の外局としてスポーツ庁ができるという考え方もあると思うんです。
 私は、本気でやるなら前者の方でやった方がよっぽど大きな効果が出ると思うんですよ。これ、行革の視点というんですが、私は、各省庁に外局をつくるのも、果たしてこれ、行革の視点でいいとは思いません。じゃ、内閣府の下に大きな形の権限を持ったスポーツ庁というのをつくる。これは行革に反しているかというと、私は、機能と結果を見れば、私は一つの行政の推進としてあり得る形かなと思っているんですが、最後の質問ですけれども大臣に、大臣はどちらの方向に行くのが日本のスポーツの発展あるいは当面のイベントであるオリンピック・パラリンピックの成功に資するというふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) これは松沢委員の御指摘のとおりがあるべき形だと思います。それは、スポーツ基本法にも、スポーツは、心身の健全な発達、健康及び体力の保持増進、地域社会の再生、長寿社会の実現、国民経済の発展や国際的地位の向上等、多様な役割を果たすものであるとうたっておりまして、特にこれからオリンピック・パラリンピックの東京開催の決定を契機に、我が国のスポーツ施策についても、スポーツを通じた健康、福祉、医療分野への貢献や裾野の広い地域スポーツの振興等も含め、様々な付加価値を加える必要があると考えております。
 文科省としても、超党派のスポーツ議員連盟における議論とも連携をしながらスポーツ庁の検討を進めていきますが、今後、スポーツ基本法のその理念そのものが実現されるとともに、スポーツ施策の付加価値を最大限高められるよう、その枠組み、方向性について精力的に検討し、あるべき形を是非つくるように努力をしたいと思います。
○松沢成文君 オリンピック・パラリンピックも、もう本当に六年というか、すぐそこに来ているわけですね。それを成功させるためにもしっかりとした体制づくりが必要だと思いますし、日本のやっぱりスポーツの発展、国民の健康増進のためにも、私は新しい行政の在り方というのはここで検討してしかるべきだと思っていますので、これは是非とも大臣におかれましてもそのリーダーシップを取っていただいて、しっかりと早めに打ち出していただきたいなと思っていますので、よろしくお願いいたします。
 以上です。
○田村智子君 学校でのアスベストの問題についてお聞きいたします。
 大阪府立高校の理科、化学の授業を担当していた教員が中皮腫で死亡したのは学校での理科実験によるアスベスト暴露が原因であるとして、今年一月、地方公務員災害補償基金大阪府支部審査会は公務上災害と認定をしました。公立学校の教員で理科実験によるアスベスト被害が公務災害と認められたのはこれが初めてのことです。
 それだけでなく、教員でアスベスト起因の公務災害認定は、二〇一〇年に一件、今年に入って二件、現在まで僅か三名となっています。公務員全体で見ますと、最初のアスベストの公務災害認定というのは一九九一年だったと、このことを考えても、最初の認定も非常に遅いと感じます。
 では、アスベストによる健康被害は教員の中ではほとんどないのかということを見なければなりません。公務災害ではなくて石綿救済法によって救済を受けた教員は何名いるのか、そのうち中皮腫は何名か、環境省、お答えください。
○政府参考人(清水康弘君) お答え申し上げます。
 今の御質問でございますが、石綿健康被害救済制度で平成二十三年度末までに認定され給付を受けることになった六千二百四十五人を対象に、職業歴なども含めたアンケート調査を行っております。その結果によりますと、対象者六千二百四十五人中五千四百七十六人から回答が寄せられ、そのうち百三十九名の方が職業分類で教員と回答されております。その百三十九人中、中皮腫で認定された方が百三十七名ということでございます。
○田村智子君 アンケート調査ですから、これは少なくとも六年間で百三十九人がアスベストによる健康被害だとして救済認定をされたということになります。
 総務省に確認をします。
 公立学校の教員で、アスベスト起因の疾病だとして公務災害の申請が行われた件数及び認定がされた件数はどうなっているでしょうか。
○政府参考人(三輪和夫君) お答え申し上げます。
 公立学校教員のうち、アスベストによる中皮腫を発症いたしましての公務災害の認定の申請ということでございます。平成十七年度から二十五年度の請求件数は十八件でございます。また、この間、公務災害が認定をされたのは三件という数字でございます。
 以上でございます。
○田村智子君 石綿救済法による救済認定というのは百三十九名と、これ実は二〇〇六年から二〇一一年度の六年間なんですね。この六年間で見ると、中皮腫を公務災害として申請した件数は先ほどの十八件のうち僅か十件、これだけの乖離があります。認定されたのも三件ですが、実は本省協議ではいずれも公務外とされて、審査請求、再審査請求を経ての公務災害が認められたというものなんです。
 中皮腫というのは基本的に石綿暴露が原因で、その大半が職業性暴露によるものと考えられています。このことは環境省のパンフレットでも、石綿に暴露される機会は職業性のものが最も多い、職業性石綿暴露には直接的な暴露もあれば間接的な暴露もある、中皮腫の場合には間接的な暴露を受けた者でも発症が見られることがあるなど、環境省のパンフレットでも書かれているところなんです。
 これはつまり、家族で石綿を扱う人がいて、そしてその人が持ち込んだ衣服に付いていた石綿などで暴露してしまった家庭内暴露とか、あの尼崎のクボタの事案のようにアスベスト飛散が地域的に生じていたと、こういうことが否定されるならば業務起因性があると判断すべきだというふうに私は捉えています。
 学校では一九七五年に吹き付けアスベストを原則禁止としましたが、五%程度のアスベストが含まれたロックウールは一九八〇年頃まで使用されていたことが分かっています。学校のアスベストが大きな問題となったのは一九八七年で、当時、文部省は実態調査を行いましたが、最も石綿が使われていた給食室や廊下、放送室などは調査の対象とはせず、対策も吹き付けアスベストの飛散防止を求めたという程度だったんです。
 文部科学省による本格的な調査や学校設置者に吹き付けアスベストの除去が義務付けられたのはつい最近、二〇〇五年のことになります。理科の実験で使う石綿付金網の販売取りやめも一九八八年四月頃とされていて、一体いつまで使用されていたかというそういう実態調査、分からないんですね。
 こうした実態を考えれば、教員の中皮腫のほとんどが公務災害申請すらされていない、申請がされてもほぼ全てが公務外とされている、これが現状です。それは、その大半が職業暴露によるものと言われる中皮腫の取り扱われ方としては私は極めて不自然なものだと思いますが、大臣の見解をお聞かせください。
○国務大臣(下村博文君) 私も、二〇〇五年、義務化された直後、当時文部科学大臣政務官をしておりまして、北区の小学校のアスベスト除去、そしてアスベストでない、これは天井板でしたが、設置するという現場を見に行ったことがございます。
 そもそも、この石綿健康被害救済法でありますが、これは、石綿による健康被害の特殊性に鑑み、石綿による健康被害を受けた者及びその遺族に対し、医療費等を支給するための措置を講ずることにより、石綿による健康被害の迅速な救済を図ることを目的としたものであると環境省から聞いております。一方、公務災害の認定は、公務により発症した被害者を救済することを目的としたものであり、その救済する目的が異なっているという部分がございます。
 教職員を含めた地方公務員全体の公務災害の認定については、地方公務災害補償基金が運用しているところであり、文科省としては答える立場ではありませんが、教員が安全な環境で勤務ができるよう、公務災害の認定が適切に行われることは重要なことであるというふうに考えております。
○田村智子君 もうちょっと一歩踏み込んで御答弁いただきたかったんですけれども、石綿救済法での救済というのは、これは労災では救えない方々、公務災害でも救えない方々が出ちゃうわけですよね。雇われていないような一人親方とかこういう方は労災にも入れない。で、どうするんだと。で、石綿救済法というのができたわけですよ。だから、労務が原因、公務が原因であるものは当然、労災や公務災害によって救済するのは当然のことだと思うんです。教員についてそれがなされているのかということをやっぱりよく見なければいけないと思います。
 先ほど紹介した三件も、中を見てみると、滋賀県の中学教員は、これ最初申請をして、支部段階での判断は、石綿環境下で勤務していたことを認めながら業務起因性を否定しているんです。大阪の理科教員も、石綿を用いた実験による暴露を認めながら業務起因性を否定したんです。そしてもう一件も、石綿含有石材などを使用して増築を行っていた小学校に勤務していたと、このことを認めつつも、その状況が明らかではないからということで公務災害とは認めなかった。これら全てが審査会で判断が覆ったということなんです。
 支部段階で石綿暴露についての判断は、これは審査会の中では完全に否定しています。業務起因性あるんだということで認めています。公務員災害補償基金では、実際に審査に当たる専門医も含めて、中皮腫は石綿の職業性暴露によるものが大半であるということ、あるいは低濃度暴露でも中皮腫に発症する場合があるということ、これについての認識が余りに不十分であるがためにこのような結果になっているのではないかと思うんですが、総務省の見解をお聞きします。
○政府参考人(三輪和夫君) お答え申し上げます。
 地方公務員災害補償制度におきましては、石綿による疾病の公務上外の認定に当たりましては、労働者災害補償保険制度におきます厚生労働省の専門家検討会の結果に基づきまして同省から発出をされました「石綿による疾病の認定基準について」、この基準に準じて判断をしているところでございます。
 また、認定に当たりましては、各地方公務員災害補償基金のそれぞれの支部におきまして、今申しました基準に基づきまして個別事案ごとに被災職員のアスベスト暴露作業への従事の有無、あるいは従事の状況、期間、作業の環境、時間、そしてまた被災職員の既往歴や家族歴、勤務歴等々、こういったことにつきまして調査を行いました上で、医学的な所見を踏まえた上での公務上外を判断をするということにいたしているところでございます。
○田村智子君 これ、私は、石綿救済法での救済の件数と見ても余りに乖離があるということは、是非総務省の中でも厳しく検討していただきたいというふうに思うんです。
 これ、欧米では、教員はアスベスト暴露の危険職種とされていて、実際に教員の中皮腫発生増加というのが報告をされています。この中皮腫というのは、アスベスト吸っちゃってから、その潜伏期間二十年、五十年と言われているんですよ、二十年から五十年。だから、日本でも、教員についてもこれから中皮腫など石綿による疾病が増加する可能性が否定ができないわけです。そのときにちゃんとその原因がどこにあるのかということが認定されなければいけない。
 これ、建築の働いている皆さんもそうなんですけど、どこで暴露したのかという証明がなかなか難しい。だから、建築で働いている方でいえば、一年建築関係で働いていたことが認められれば、もうどこではいいんですよ、中皮腫を認定するんです。それによるものだということで認定するんです。教員も異動があります。その時々で、いつ学校が改築されて、石綿使っているボードが破壊されて飛散していた可能性があったりするわけですよ。その学校がどれほどの老朽化だったかなんということは、一人一人の教員がその資料を持つなんということはまず難しいわけです。
 それだけに、私は、是非大臣に文科省として検討をお願いしたいことがあるんです。環境省では、既に百三十九名の方を石綿が原因だということでの救済を行っています。ならば、その事例を文科省としても検証をするなど、学校での石綿暴露についての実態の調査、これを進めることが必要になってくると思うのですが、大臣の見解をお聞かせください。
○国務大臣(下村博文君) 教育委員会は所管の学校の教職員の健康を保護する必要があり、文科省では、平成十七年度から学校施設等における吹き付けアスベスト等の使用実態調査を毎年実施するとともに、アスベスト対策に関する留意事項を周知し、学校施設等における適切なアスベスト対策、要請しているところでございます。
 公立学校の教職員の石綿による健康被害の実態については、石綿健康被害救済法を所管する環境省、厚労省、地方公務員災害補償法を所管する総務省から情報提供を受けて、引き続き把握に努力してまいりたいと思います。
○田村智子君 最後、一言だけ。
○委員長(丸山和也君) 田村君、時間です。
○田村智子君 はい、一言だけ。
 これは、その場に子供たちもいたということなんですよね。だから、教員がどういう石綿暴露の実態があったかということを調べることは、今後、子供たちに対しての健康被害が出るのかどうかということを考える上でも非常に重要になってきます。
 また今後もこのアスベストの問題を取り上げたいと思います。
 終わります。
○藤巻健史君 日本維新の会、藤巻です。
 先ほど、二之湯委員の方から、日本の大学の特に文系の実力について質問がありまして、大臣が大学のガバナンス制度、システムを強化するというふうに御回答されました。それも非常に重要だとは思うんですけれども、それだけで果たして日本の大学の実力が上がるかというと、多少疑問に思います。
 私自身は、日本経済とそして教育の低下というのは、やはり競争の欠如にある。特に日本が社会主義的な体質があって、働いても働かなくても同じであるし、学んでも学ばなくても結果は同じであるし、教員も、教えても、きちんとした教育をしても教えなくても結果は同じということで、極めて競争がないというところが非常に日本の経済並びに教育に問題のある点じゃないかなと思うんですけれども。
 アメリカの大学の場合に、特にニューヨーク・タイムズとかビジネス・ウイークとかウォール・ストリート・ジャーナル、それからUSニューズ等で大学のランキングが発表になります。他大学の教職員とかそれから就職担当者からのアンケートを取って、毎年いろんなところのランキングが出るわけです。
 いいランキングの大学に入っていい成績を取れば、学生も卒業してから非常に高い給料をもらえる。二倍ぐらいですかね、ちょっとはっきりとした数字は分かりませんけれども、高い給料をもらえるということで一生懸命勉強をするということです。大学自身も、そのランキングで高い評価を得るためにいい教授を連れてくる、高い給料、非常に高い給料を、いい教授を連れてくるということで、学校間でも、それから教授の間の中でも非常に競争があると。したがって、大学の実力が上がっていくというふうに私は理解しているんですね。
 日本の場合、働いている教授とか教職員にとっては非常に優しい制度で楽なシステムかもしれませんけれども、学ぶ方の学生とか、それから国自身、彼らがいろいろ能力を得て貢献してくれる、そういうことがないということで、国とか学生自身にはなかなか競争がないというのはデメリットじゃないかと思うんですけれども、日本の大学教育において、もっとアメリカの例えば評価を入れるとか、競争原理を導入するということを文科省は考えているのかどうか、その辺をお答えください。
○国務大臣(下村博文君) 藤巻委員がおっしゃるとおりだというふうに思います。
 かつて金融界は護送船団方式と言われた時代がありましたが、教育もやっぱり似たようなところがあって、教育においてはいまだにその護送船団方式的な部分が現存しているといいますか、というところがあるというふうに思います。しかし、これからの我が国のことを考えると、大学力というのは国力そのものでありますから、大学教育について質、量共に充実をさせていくための施策をしていく必要があるというふうに思います。
 大学の質を高めるためには、大学関係者自身が学生や社会のニーズを的確に受け止め、教育内容や方法の改善、国際化や社会人の学び直しなどの多様なニーズへの対応、研究力の向上、産業界との連携強化、迅速な意思決定のためのガバナンス改革などに取り組む必要があり、文科省としては、国公私立を通じた競争的な事業等により、こうした課題に前向きに取り組む大学を積極的に支援をしていくというふうなシフトを取るようにいたしました。
 また、昨年六月の日本再興戦略において、今後十年間で世界大学ランキングトップ百に我が国の大学が十校以上入ることを目指すとしておりまして、本年度からスーパーグローバル大学創成支援を事業化いたしまして、世界ランキングトップ百を目指す力のあるトップ型の十大学を含む三十大学程度を重点的に支援をしていく方針であります。
 これらの取組を通じ、各大学が、競争的な環境の中でそれぞれの強みや特色を生かし、多様で質の高い高等教育が実現できるように努めてまいりたいと思います。
○藤巻健史君 あと、昔、文科省はゆとり教育ということをやっていらっしゃいました。それはちょっと方向転換に来ていると思うんですけれども。
 また、よく学びよく遊べという標語もよくありまして、昔はよく分かったわけですね、勉強した後、野原で走ったり相撲を打ったりして、学力も体も強くしてそして社交性も学ぶということで、よく遊びよく学べということはよく分かるんですけれども、今の時代、よく遊べというと大体テレビゲームになっちゃったわけで、果たしてよく学びよく遊べがいいのかどうか。
 私は、もうそれくらいだったらば、よく学びよく学べでもっと詰め込んでも、小さいときから詰め込んでもいいんじゃないかなと私は思っているんですけれども、やっぱり人生一回は、どの段階かは知りませんけれども、詰め込みというのも重要で、詰め込みって悪いというイメージも何か日本ではあるんですけれども、どこかの段階では一回詰め込むというのも決して悪いことではないと私は思っておりますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(前川喜平君) いわゆるゆとり教育でございますが、これは平成十年に改訂されました学習指導要領におきまして、生きる力を育むという理念の下で、併せまして教育内容の厳選や授業時数の縮減を行ったわけでございます。これが一般的にゆとり教育と呼ばれるようになったものというふうに認識しております。
 この生きる力を育むという理念自体は間違っていなかったと考えております。また、そのために様々な体験活動などが重要であるということも変わっていないと思っております。しかし、基本的な知識や技能を習得した上で、それを活用して課題を解決する能力を培うような学習活動を行うためには授業時数が必ずしも十分ではなかった、また個に応じた指導など指導方法の改善のための支援にも課題があったというふうに認識しております。
 これまでも、平成十四年一月に「学びのすすめ」というものを出しまして、指導の重点を明らかにした方策を提示したり、また平成十五年の十二月には学習指導要領を一部改訂いたしまして、補充的な学習や発展的な学習など、個に応じた指導の充実を図るという取組をしてまいりました。
 さらに、平成二十年に改訂された学習指導要領では、一つには、基礎・基本的な知識、技能、これをしっかりと身に付けさせる、その上で思考力、判断力、表現力等を育成する、そのために必要な教育内容を充実すると併せて授業時数を増加させる、そういった必要な手だてを講じたところでございます。また、習熟度別指導など少人数指導、あるいは小学校の専科教員の配置などの推進で、きめ細かい充実した指導の促進にも努めているというところでございます。
 このような中で、PISA二〇一二の我が国の結果は過去最高のものになったということでございまして、これまでの取組の成果が表れたものというふうに考えております。
○藤巻健史君 今の前川局長の回答にもあった少人数教育ということなんですけれども、これは少人数教育にすればするほどいいんでしょうか。極端な例で、一番少人数教育というのは過疎地の一対一教育なんですけれども、あれも問題ですよね、きっと。要するに、社会性はないし、それは確かに教員の負担というのは減るかもしれませんけれども、学びの場としてはどうかということだと私は思っています。
 最近、私みたいな年になるとクラス会へ行くのが楽しくて、昔の仲間と一緒になるし、昔の一緒に学んだ仲間というのは一種の財産ですから、そういうのが少人数になればなるほどいなくなっちゃうわけですよね。郷土愛もきっとなくなっていっちゃうと思うんですけれども。
 どこで少人数教育を歯止めを掛けるのかと、少なければ少ないほどいいというわけでは決してないと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(前川喜平君) 適切な学級規模につきましては様々な議論があるわけでございますが、例えば小学校における平均的な学級規模を見ますと、我が国の場合は二十七・九人、OECD加盟国の平均は二十一・三人ということでございます。文部科学省といたしましては、このOECD並みの学級規模を目指すということを一つの目安として取り組んできておるわけでございます。
 一方、一学年の児童生徒数が例えば二十人を下回るというような場合、これは過疎地の小規模校などに起こってきているわけでございますが、そういった場合には学習集団としてのメリットが低下するということも考えられます。そういったことから、過小規模化した学校につきましては、教育上の効果を高めるという観点からも学校の統合を検討する必要があるというふうに考えております。
 文部科学省といたしましては、引き続き、きめ細かく指導でき、かつ一定の質の確保ができるような学校の規模あるいは学級の規模ということを考えてまいりたいというふうに考えております。
○藤巻健史君 二十八・何人とかいうお答えがありましたけれども、欧米が。私の小学校は、私のときに四十人だったんですけど、今でもあのときの四十人ぐらいがちょうどよかったなと思います。二十八・何人がいいとか三十人ぐらいがいいとかいうふうに最初から思い込まないで、偏見を持たないで、本当に何人ぐらいがいいのかというのは是非検討していただきたいなと思います。
 時間がないのでこれで終わります。ありがとうございました。
○柴田巧君 結いの党の柴田巧です。
 私からは、先ほども二之湯先生からありましたが、和食文化のこと、あるいは食育の推進についてお聞きをしたいと思います。
 御案内のように、昨年末に和食が無形文化遺産登録をされました。フランスの美食術やスペインなどの地中海料理などに次いで食では五番目ということになったわけですが、これを機会に我々自身が我が国の食文化の伝統を改めて振り返ったり、その豊かさや繊細さに誇りを感じたり、未来にどうつなげていくか、残していくか、考える機会にしたいと思います。
 と同時に、この和食の精神というか文化というものを海外にも強く発信するチャンスにしたいものだと考えるところでありまして、ちょっと質問の通告の順番、一番最後のを最初にお聞きをしますが、文化庁にお聞きをするということになると思いますが。
 前にも二之湯さんからお話があったと思いますが、菊乃井のこれは村田さんの言葉だったと思いますが、和食のおもてなしの真髄というのは、相手の立場に立って物事を考え、心を配り、食事を調えるまでの多くの人々の働きに感謝する心だとおっしゃいましたが、こういう和食の精神こそ世界に広めていきたいものだと思います。そして、和食を通じて日本のファンが増える、日本の文化の理解者が増えるということは、日本にとってもいろんな意味で、経済的な面でもメリットもあるでしょうし、ひいては外交面の安定にもつながるものだと思います。
 ジェトロの調査でも、世界に今五万五千店ぐらい日本食のレストランがある。世界の人々が一番好む料理の一つが今、日本食だと言われておりまして、そういう意味でも、この日本のというか和食、そして和食文化、その奥にある精神、深いもの、これを海外にしっかりと発信をしていかねばならぬと思います。
 そのためにも、先般もお聞きをしましたが、文化庁には文化交流使というもの、事業をやっています。一定期間、海外において日本の文化を発信をするということなんですが、これまで俳優の方とかいろんな、書道家の方とかおられましたが、この機会に和食の、あるいは和食文化の専門家という人を文化交流使として活用すべきじゃないかなと。これは今までないことだと思いますが、是非そういうこともやり、また、世界に広めていくためには外務省や農水省などとも連携しなきゃならぬのだろうと思いますが、そういう関係機関との連携も強化をして、この和食の文化、世界に是非広めていくべきだと思いますが、どのような取組をされるか、文化庁にお聞きをしたいと思います。
○政府参考人(河村潤子君) 昨年十二月に、委員から御言及がございましたように、日本人の精神を体現した食に関する社会的慣習としての和食がユネスコ無形文化遺産に登録されたことは、我が国の伝統的な食文化が広く世界にも認知されることとなるものでありまして、大変喜ばしいことと存じます。文化庁としましても、これを契機に日本人の伝統的な食文化が次世代に着実に継承されるように、また海外での認知が高まってまいりますように、関係省庁としっかり連携を図ってまいりたいと存じます。
 具体的には、昨年度来、食文化に関するイベント、紹介などを海外において実施いたしましたり、また関連の様々なイベントのレセプションなどでも多様な和食メニューに親しむ機会を提供したりといった取組を強化してまいりましたが、さらに、芸術家、文化人を海外に派遣してまいりました文化交流使事業の中でも、新たに食文化の関係者を文化交流使として派遣してまいりたいと存じます。
 これら関係省庁との連携の下で、外務省それから農水省も様々なイベントをしている中にこの文化交流使を例えば参加、活用する機会を設けていただくなど、こうした連携の下、我が国の食文化を体験、理解していただけるように一層努めてまいりたいと思います。
○柴田巧君 是非、文化交流使の活用などなど、積極的にこの和食文化の発信に、より多くの方がまた関心、興味を持ってもらえるように努力をしていただきたいと思います。
 さはさりながら、じゃ、我々自身がそんなにすばらしい食生活を今行っているのかと言われると大変心もとないことばかりでありまして、御案内のように、実は我々の和食離れは非常に顕著になっておりますし、特に子供たちの食をめぐる状況というのは、欠食だったりあるいは孤食であったり偏食であったり、寒い限りであって、日本の食文化を次代に継承していくためにも食育の積極的な推進というのは欠かせないものだと思います。
 そういう中で、新年度、スーパー食育スクールというのを実施をするということにしておりますが、これまでは例えば栄養教諭なども地域的なばらつきがあったり、あるいは、今まで食育をやってまいりましたが、それがどういうふうに科学的に検証できるのかといったものは十分ではなかったと思います。したがって、この栄養教諭を核にしながらも、外部の皆さんとも連携をしながら、あらかじめ具体的な目標を設定した上で、この食育に関する多角的な効果について科学的なデータに基づいて検証していくということになっているわけですけれども、これは具体的にどういうふうに検証して、またその成果をいかに他のところに普及をしていこうとしているのか、ちょっとまだ十分に見えないところがあるんですが、そこら辺をお聞きをしたいと思います。
○政府参考人(久保公人君) 学校における食育につきましては、栄養教諭を中核とした食育推進事業など、様々な取組を推進してきたところでございます。
 この度、スーパー食育スクール事業というのを実施いたしまして、今年度から取組を図ることとしておりますけれども、これは、これまでの取組の更なる充実を図る観点から、栄養教諭を中心としつつ、大学、企業との連携を深め、地域を挙げて食育に取り組むモデル事業を推進することを目的といたしまして、今年度予算に新たに計上したものでございます。
 この事業を通じまして、大学等と連携して食育の効果を検証し、その成果を各地域や全国に広く周知するなど、学校における食育の一層の推進に取り組んでいきたいと考えているところでございます。
○柴田巧君 分かりやすく言うと、成果を数値化して、そしてその見える化を図っていくんだろうと思いますが、今の答弁、なかなかちょっとまだ十二分に分からないところもあるんですが、いずれにしても、食事の重要性や生活習慣の改善や食に関する感謝の心を醸成する機会にしていくべきだと思いますし、子供たちへの意識付けはもちろん、保護者、家庭、そこにも関心を高める機会にやっぱりしていただきたいものだと思いまして、いい事業になるように期待をして今から見ていきたいと思います。
 これはこれであれなんですけれども、やはり具体的な食育を現場でやっていくためにも、教材となるような、食育の教科書のような教材がやっぱり必要なんだろうと思います。地域間の格差あるいはばらつきを解消するためにも幅広い内容から成る食育の教科書を、多角的な観点からのそういう教材を作成する必要があるんだろうと思いますが、また、今いろいろ理科とか家庭科とかに散在しているそういったものとも関連付けて、食について理解が進むような取組をその教材によってやっていくべきだと思いますが、どのように取り組んでいかれるのか、大臣のお考えをお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 御指摘のように、学校における食育については、各学校において学校給食の時間を始め家庭科、保健体育等の教科の時間や総合的な学習の時間などを通じて実施されてまいりました。
 一方、御指摘のように、学校ごとに取組の温度差があるということから、昨年十二月の食育に関する有識者会議の最終報告におきまして、学校における食育の指導内容の体系的整理を行うための方策として、食育の教科書の作成についての提言がなされたものであります。
 文科省としては、平成二十六年度、新たに食育の教科書作成のための有識者会議を立ち上げることとしておりまして、食生活や食文化、食への感謝の心の醸成など、食育を多角的に捉えた幅広い内容から成る教材作成のための検討を進めてまいりたいと考えております。
○柴田巧君 是非、今大臣おっしゃったように、学校の現場でしっかり食育が展開されるように、そういう教材の作成に力を入れていただきたいと思います。
 最後の質問になると思いますが、食文化を次世代に継承していくためにも、やはり国をそれこそ挙げた食育というか、そういうふうなものが大事なんだろうと思います。
 フランスでは、いわゆる美食術を次世代に確実に保護して継承するためにも、日本に比べれば徹底的な味覚教育・学習というのをやっております。味覚の教室と称して小学生を対象に、これは平生からもやっておりますし、秋には味覚の週間というのが日本でもよく知られてきつつありますが、それこそ国を挙げた味覚の教育、レッスンをしております。三千人を超えるシェフや職人が学校に行って子供たちにフランスの食文化の基本というか味覚の基本を教えるということですが、是非、我が国においても、こういう日本の和食の味覚教育、こういったものを小さいうちからやっていく、また大規模に国を挙げてやっていくということがこれから求められるんじゃないかと思いますが、大臣の御見解をお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) おっしゃるとおりに、フランスの味覚の一週間は非常に参考になると思います。和食がユネスコ無形文化遺産登録をされたわけでありまして、この日本の食文化に対する関心が高まる中、我が国の伝統的な食文化を継承するためにも学校における食育を推進することは重要であると考えております。
 我が国では、食に関する指導は学校給食を中心に行っておりまして、この中で五感を使って味覚を学ぶための学習も既に行われてはおります。
 例えば、旬の食材や京野菜を使った和食給食を通じて伝統文化の継承を目指す取組を行っている京都市の小学校の事例などもございます。
 また、毎年一月二十四日からの一週間を全国学校給食週間として、全国の学校で、郷土料理や行事食などを組み合わせた学校給食の提供や、食に関する展示などを通じて食に対する興味や関心を深め、伝統的な食文化について理解を深めるよう取り組んでいるところでもございます。その間は、文部科学省の食堂においても同じようなことをいたしました。
 さらに、農水省とも連携し、和食料理人を学校に招き、直接児童に和食の魅力を伝えてもらう取組なども行っております。平成二十五年度の補正予算では、全国六か所の小学校で実施をいたしました。
 今後、フランスの取組も更に参考にしながら、伝統的食文化、次世代へ継承できるよう、食育の推進に一層努めてまいりたいと思います。
○委員長(丸山和也君) 柴田君、時間です。
○柴田巧君 ありがとうございました。終わります。
○委員長(丸山和也君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
    ─────────────
○委員長(丸山和也君) 次に、義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。下村文部科学大臣。
○国務大臣(下村博文君) この度、政府から提出いたしました義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 市町村立の小学校及び中学校において使用する教科書については、都道府県教育委員会が設定する採択地区が二以上の市町村の区域を併せた地域であるときは、そのような共同採択地区内の市町村教育委員会は協議して種目ごとに同一の教科書を採択することとする、いわゆる共同採択制度を採用しています。
 この法律案は、義務教育諸学校の採択の制度の改善を図るため、近年、共同採択に当たって協議が難航する事例が生じていることを踏まえ、共同採択地区における市町村教育委員会の協議の方法に関する規定の整備を行うほか、柔軟に採択地区を設定できるようにするための採択地区の設定単位の変更、教科書の採択に関する信頼を確保するための採択結果及び理由等の公表について定めることをその内容としております。
 以下、項目ごとにその概要について御説明申し上げます。
 第一に、共同採択地区内の市町村教育委員会は、協議により規約を定め、当該共同採択地区内の市町村立の小学校及び中学校において使用する教科書の採択について協議を行うための採択地区協議会を設けなければならないものとするとともに、共同採択地区内の市町村教育委員会は、採択地区協議会の協議の結果に基づき、種目ごとに同一の教科書を採択しなければならないものとすることとしております。
 第二に、都道府県教育委員会が設定する採択地区を、市若しくは郡の区域又はこれらの区域を併せた地域から、市町村の区域又はこれらの区域を併せた地域に改めることとしております。
 第三に、市町村の教育委員会等が教科書を採択したときは、遅滞なく、当該教科書の種類、当該教科書を採択した理由その他文部科学省令で定める事項を公表するよう努めるものとすることとしております。
 このほか、所要の規定の整備を行うこととしております。
 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、十分御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。
○委員長(丸山和也君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時五十四分散会