第186回国会 厚生労働委員会 第12号
平成二十六年五月十三日(火曜日)
   午前十時三分開会
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   委員の異動
 五月十二日
    辞任         補欠選任
     羽生田 俊君     石田 昌宏君
 五月十三日
    辞任         補欠選任
     石田 昌宏君     三宅 伸吾君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         石井みどり君
    理 事
                高階恵美子君
                西田 昌司君
               三原じゅん子君
                津田弥太郎君
                長沢 広明君
    委 員
                赤石 清美君
                石田 昌宏君
                大家 敏志君
                大沼みずほ君
                木村 義雄君
                島村  大君
                滝沢  求君
                武見 敬三君
                三宅 伸吾君
                足立 信也君
                相原久美子君
                小西 洋之君
                西村まさみ君
                森本 真治君
                浜田 昌良君
                東   徹君
               薬師寺みちよ君
                山口 和之君
                小池  晃君
                福島みずほ君
   国務大臣
       厚生労働大臣   田村 憲久君
   副大臣
       厚生労働副大臣  佐藤 茂樹君
       厚生労働副大臣  土屋 品子君
   大臣政務官
       厚生労働大臣政
       務官       高鳥 修一君
       厚生労働大臣政
       務官       赤石 清美君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小林  仁君
   政府参考人
       内閣府大臣官房
       少子化・青少年
       対策審議官    岩渕  豊君
       内閣府男女共同
       参画局長     佐村 知子君
       警察庁長官官房
       審議官      宮城 直樹君
       総務大臣官房審
       議官       青木 信之君
       法務大臣官房審
       議官       杵渕 正巳君
       文部科学大臣官
       房審議官     永山 賀久君
       厚生労働大臣官
       房総括審議官   生田 正之君
       厚生労働省医政
       局長       原  徳壽君
       厚生労働省健康
       局長       佐藤 敏信君
       厚生労働省労働
       基準局長     中野 雅之君
       厚生労働省労働
       基準局安全衛生
       部長       半田 有通君
       厚生労働省職業
       能力開発局長   杉浦 信平君
       厚生労働省雇用
       均等・児童家庭
       局長       石井 淳子君
       厚生労働省社会
       ・援護局長    岡田 太造君
       厚生労働省老健
       局長       原  勝則君
       厚生労働省保険
       局長       木倉 敬之君
       厚生労働省年金
       局長       香取 照幸君
       厚生労働省政策
       統括官      唐澤  剛君
       厚生労働省政策
       統括官      熊谷  毅君
       国土交通大臣官
       房建設流通政策
       審議官      吉田 光市君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○社会保障及び労働問題等に関する調査
 (在宅認知症患者の徘徊問題等に対する取組に
 関する件)
 (年少期の歯科保健の在り方に関する件)
 (社会保障教育等の検討状況に関する件)
 (感染症対策に関する件)
 (児童養護施設等の社会的養護の充実に向けた
 取組に関する件)
 (離島における医療と介護の在り方に関する件
 )
 (市町村国民健康保険の都道府県への移管が行
 われた場合の保険料の在り方に関する件)
 (厚生労働省の短期集中特別訓練事業を都道府
 県に移管する必要性に関する件)
 (DV加害者を更生させる施策の必要性に関す
 る件)
 (介護分野における外国人技能実習制度の見直
 しの在り方に関する件)
 (非正規労働者に係る労働契約法第二十条違反
 事案に関する件)
 (原爆症認定審査の実態と見直しの必要性に関
 する件)
○難病の患者に対する医療等に関する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
○児童福祉法の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
○参考人の出席要求に関する件
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○委員長(石井みどり君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、羽生田俊君が委員を辞任され、その補欠として石田昌宏君が選任されました。
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○委員長(石井みどり君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 社会保障及び労働問題等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省老健局長原勝則君外十九名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(石井みどり君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(石井みどり君) 社会保障及び労働問題等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○大沼みずほ君 おはようございます。自由民主党の大沼みずほでございます。
 大臣、日曜討論、お疲れさまでございました。ちょっと朝の番組、私、見ることはできなかったんですが、新聞等で御活躍を拝見いたしました。同日の夜九時にあった番組は、ちょっと夜、私、間に合いまして、実は認知症行方不明者一万人という番組でございました。
 たまたまなんですが、金曜日に厚労省の方に私も質問概要を通告させていただいたときに、資料一にもございますように、四月の下旬に、徘回中に事故に遭われて電車にはねられ死亡した患者の家族に対してJR東海が損害賠償を求めた裁判で、家族の責任を認めた判決が出されました。
 昨日の報道にもありますように、認知症の疑いで行方不明となる方が一万人、そして亡くなる方も三百五十人に上るというデータを見て、国としての対策を強力に推進していく必要性を改めて感じたところであります。
 私自身も認知症の祖母の徘回を何度も経験いたしました。二十四時間見守れといっても到底不可能でありますし、この問題を家族だけに責任を負わせる世の中にあっては、在宅で介護する多くの家族がますます疲弊してしまいますし、家族が徘回を恐れて自宅の中に閉じ込めてしまえば、行政の目が行き届かず、かえって虐待などを誘発しかねないという懸念も生まれます。
 大臣は判決後の会見で、今回のようなことをどのように防いでいくのかという問題をしっかりと念頭に置きながら介護行政を進めていかなきゃいけない、大きな問題、課題としてしっかりと政策をつくってまいりたいとおっしゃられておられますが、国として在宅医療を進める以上、認知症、また認知症の疑いのある患者さんを抱える家族に対する対策、また認知症全体の徘回の問題等についてどのような対策を考えていらっしゃいますでしょうか。お聞かせいただければと思います。
○国務大臣(田村憲久君) おはようございます。
 NHKの番組に出させていただきましたけれども、なかなかテレビというのは難しいなということを改めて感じております。
 今、認知症の方々の徘回の問題を御質問いただいたわけでありますけれども、やはり徘回というものが起こるというものを本来は防げればいいんですけれども、起こったとしても、それが行方不明につながらないような、そういうような、やはり地域の結束力といいますか、体制を組んでいかなきゃならぬわけでありまして、そういう意味では、例えば、自治体、それから警察、地域包括センターもそうでありましょうし、そういう意味では、タクシー会社の方々でありますとかケアマネの方でありますとか、さらには地域住民の方々、それぞれでネットワークを組んでいただくというのは一つ大きな方策かも分かりません。
 SOSネットワークというようなものがつくられているところがあられますけれども、地域のそれこそ体制をしっかり組んでいただくということは重要だというふうに思いますし、また、そういうような認知症の方々に対してしっかりと、まずどういう状況かということを御理解をいただきながら、声掛けや見守りということでいえば、認知症サポーター、今六百万人養成を目指しておりますけれども、もう大分、四百万人超えてきましたけれども、認知症サポーターの方々を増やしていく中において、地域でそういう認知症の方々がおられたときの対応というものをしっかりやっていただくということも重要であろうと思います。
 あと、近隣の自治体同士の連携というものも大事でありまして、隣の自治体で徘回等々で行方不明になられたときに、やはり隣の自治体がすぐに、連絡網があって、何かあったときにはそういう方々をしっかり保護していただくということも重要であろうと思います。
 いずれにいたしましても、今回、このような形で多くの方々が行方不明という形になっておられるという情報の中において、警察と自治体といろいろとこれから調整をさせていただく中において調査をさせていただきたいというふうに思います。その調査結果を踏まえた上で、どのような対策方法があるのか、また、いい事例があれば、そういう各自治体等々でやられている事例等々もしっかりと周知をさせていただきたいというふうに思っております。
 今言われたような観点、しっかりと認識に置きながら認知症対策というものを進めてまいりたい、このように考えております。
○大沼みずほ君 ありがとうございます。
 ちょうど今日お配りした資料二にもございますように、釧路地域のSOSネットワークというのは、まさに今大臣おっしゃられた、警察を中心としながら地域で見守ろうということで、右の利用状況にもありますように、警察が行方不明の老人を見付ける数字が三割弱と。通行人の方、これは大臣おっしゃられたタクシーの方とか、やはりそういった方々が発見をする、それをいかに地域で情報を早く共有できるかということが鍵になってまいると思いますし、これ各地で結構あるようなんですが、活用のところがうまくいっていないというようなことも先日の日曜のNHKの番組でも見ました。ここのやはり運用面、何が問題なのかというところをしっかり厚労省としても今後調査していただければと思います。
 さらに、今アメリカでは、認知症患者へのGPS機能付きのブレスレットや靴といったものが出てきておりまして、こういったものへの助成も始まっています。また、夕方になると徘回されるような方々に対して、夜間、七時から朝七時まで様々なプログラムを提供している病院等もございます。
 日本でも認知症老人徘回感知機器が介護保険で利用できるようになっておりますが、基本的には家の中にいる人が外に出ていくのを防止するのが目途であり、既に外に出てしまった人に対応できるものというのはこれまで国としても助成がありません。独り暮らしで認知症の疑いのある人というのがますます増えていく中で、やはり日頃から場所を認知できるようなものへの助成も必要ではないかというふうに考えております。特に、在宅医療ということで在宅で認知症患者を介護できる、そういった体制づくりに早期に国としても整えていくことが必要だと思いますが、介護保険の中で、こうした徘回に関して様々な民間のこういった機器についての適用範囲というものを広げていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(原勝則君) お答えを申し上げます。
 徘回をされる高齢者の方々の安全確保という意味では、大臣から話がありましたように、やはり地域全体で認知症の人を支える体制づくりということがまず大変大事なことだろうと思っております。
 その上で、私どもとしては、徘回の場合、まずは高齢者が屋外に出ようとするときに、家族等がそのことをいち早く認識し早期発見できるようにすることが何よりも大事じゃないかなと思っておりまして、こうした考え方から、議員の方からもお話ございましたけれども、介護保険制度の福祉用具貸与という形で、センサーにより認知症高齢者が屋外へ出ようとする動き等を感知し、屋内にいる家族等へ通報する認知症老人徘回感知機器を給付対象としているところでございます。
 ただ、家族が遠方にいるような場合などには、当該機器と一般の携帯端末をつなげて情報を伝える場合には、現在、当該機器自体が給付対象から外れるというようなことになっております。このため、携帯端末等をつなげた場合でも機器部分を給付対象としてほしいというニーズがございますので、課題として今後検討していきたいと考えております。
 また、御提案ございましたGPS機能付きのそうした専門の機器でございますけれども、これにつきましては、一つは、そうした機器を徘回している高齢者の方が常に身に付けていただけるかというような問題、あるいは、そういう方を仮にGPS機能で所在を確認したときに、誰がそれを確認して、どういうふうな形でその安全を確保していくか、保護していくかというようなシステムというものがやっぱり併せてないとうまくいかないんじゃないかとか、あるいは、現在、民間企業によりまして、こうしたGPS機能付きの機器については携帯電話などを利用して居場所を特定するサービスが一部普及しているわけでございますけれども、このような一般でも使用される機器を福祉用具として個人の給付対象とすることの是非とか、あるいは、給付の対象とした場合の介護保険財政への影響といったようなことについては、ちょっと課題としてあるのではないかと考えております。
 いずれにいたしましても、徘回の対応につきましては、こうした通信機器の活用による早期発見と地域見守り体制の充実などの取組が重要であると考えております。
○大沼みずほ君 ありがとうございます。
 遠方の家族、私も山形県出身でございますが、山形で独り暮らしをしている家族を東京から、また仙台のようなところから見守るという意味では、早急にこうしたものを前向きに検討していただきたいと思いますし、GPS機能、その使い道がどうかといったときに、やはり訪問介護をされている方々とか、そういった方々が情報を共有するだけでも変わってくると思います。年間に三百五十人という方が命を失って、そして、その介護に当たっていた家族は、なぜ私たちが見付けられなかったのかという、そういう強い思いに苦しんでおられる方もいらっしゃいます。
 私自身、祖母がもう四回、五回、徘回をする中で、こういったものがあれば家族としても使いたかったと思いますし、携帯で今普及しているというお話でしたけれども、ここのサービスの部分だけどうやって切り出すのかというような課題はありますが、やはり独り暮らしの高齢者が多くなっている、ここが非常に問題であると思います。
 家族と住んでいるのが当たり前という前提に立つのではなくて、認知症の疑いのある、また元気で足が速くてどんどんどこかに行っちゃうような方々をしっかりとケアできる体制づくりに早期に取り組んでいただきたいと思います。
 次の質問に参ります。
 国の方でやはり在宅医療の推進を掲げている以上、在宅での介護における知識を当事者、家族が正しく持つことが非常に重要と考えております。在宅で介護していた人が施設に預ける動機の一つに排せつの問題があります。
 現在、お風呂のサービスなど訪問介護の方にお願いできても、夜や朝の排せつでは家族の負担が多く、おむつを一度使用すると使い続ける傾向があり、排せつの問題をきっかけに施設に預けたいということが多く見受けられます。しかし、排せつに係る正しい知識、指導があればポータブルトイレなどでの自力での排せつが可能でありますし、施設や在宅においてもこういったことを進めようというような風潮が今広がってきておりますけれども、訪問医療の中でこの排せつに係る部分というのは専門性への評価というものが正しくされていないのではないかというふうに私自身思っております。
 いろんな記事を読みまして、資料三にもありますように、泌尿器科の先生から私もお話を聞きました。下のところにありますように、専門的に泌尿器科の先生が介入することで、尿を測ったり、あと頻度を測ったりすることで六〇%の方が排尿状態が改善、介護時間や介護費用が三〇%軽減した。また、入院高齢者に対して、五六%でおむつが減量され、二四%で不要になったと。介護者の負担が増加することはなかったと。
 よく、おむつを外すと余計手間暇が掛かるというようなお声があると思いますが、それは逆に私は間違った認識で、なるべくやはり自力でやることがその患者にとっても病状が進まないという意味で重要でありますし、正直、私も介護をしながら、今、娘のおむつを替えるのはもう片手でぴょっとできるんですね。ただ、大きな体の方、また認知症であればもう暴れて、二人、三人掛かりでのおむつ替えであります。これを最後まで自力で、なるべく自力でできるような指導を積極的に行うためにも、国としてもそういったことができる体制にしていただきたいと思いますけれども、どのようにお考えでしょうか。
○政府参考人(木倉敬之君) お答えいたします。
 排せつ機能を維持していく、あるいは回復する、コントロールしていく、この大事さということは、私どももこれまでも病院あるいは施設あるいは在宅という場でお取組が進んでいらっしゃる方のお話を伺ってきました。その自立を維持していくために非常に大事なものであるということを我々も認識を持っております。
 今のこの診療報酬あるいは介護報酬の仕組みの中で、入院時の管理とか在宅の管理とか指導料とか、特記をされていないと。包括的にいろいろ指導を行う中で、こういうことも医学的に、あるいは介護の技術の上できちんと確立されたものはちゃんとやってほしいというものではあるんですが、特記をされていないという中でそういうことを、この三ページの資料もいただきましたように、東大の本間先生を始め、いろいろ御意見をいただいているというところだというふうに思っております。
 診療報酬の方の新しい技術を特別に評価をするという手続につきましては、内科系の学会あるいは外科系の学会等から二年ごとの改定のときに要望が出されます。それを有識者の方々の集まりであります医療技術評価分科会という場で議論をいただきまして、その技術評価の意見を更に中医協でも御議論いただきまして、今回の改定において導入をどういうものをしていくかということを決めております。
 今回、四月からの改定におきましても、約八百件ぐらいの学会要望等が出ました。排せつ機能に関するものも幾つかこの中に入っておりましたけれども、取り込めましたものは百三十件余りということで、やはりこの三ページにも付けていただいていますように、在宅で二十五名、入院施設九十一名、老人保健施設、入所施設で八十八名、こういうふうな改善効果を示していただいています。これがどういう対象の患者さんにどういう標準的なやり方で介入をしていって効果が上がるということ、これを標準化もいただきながらそのデータを踏まえた議論をもう少しさせていただきたいと、それを評価をきちんと高めるためにもさせていただきたいというふうに思っております。
 この本間先生の取組あるいはその他の方々の取組、しっかり我々も勉強してまいりたいというふうに思っております。
○大沼みずほ君 前向きな御答弁ありがとうございます。是非、次の改定の際にはしっかりと組み込めるようにしていただきたいと思います。
 最後になりますが、資料の四にございます左下のところに、今、産業競争力会議において外国人受入れ環境の整備というものが進められようと提案も出されておりますが、この中に技能実習生の見直しに向けて介護等の分野を追加するということが書かれておりますが、今現在、厚労省の方でこうしたことについては検討されているんでしょうか。最後にお聞かせいただければと思います。
○国務大臣(田村憲久君) 一月二十日の産業競争力会議の中でそのような御提案いただきました。これ、検討ということで方針の中に入っておるわけでありますけれども、これ本来は、専門的な技術というもの、それを海外に日本の技術を広げる中において、その国においてしっかりとその国の発展に資するというような意味でございます。
 そういう意味からいたしますと、例えば、元々その国では十分にそのようなものを、そのような技術能力といいますか能力自体を得ることが不可能な、そのようなものでありますとか、またなかなか習得が難しいようなもの、さらに、その上においてでありますけれども、そもそも元々そのような職種に勤めておられる、それはその国で勤めておられて、日本で学ばれたものをまたその国に戻ってすぐに生かしていただけると、こういうこと、そしてさらに、これは重要なことなんですけれども、やはりしっかりと国の中において、我が国の中においてその能力というものに対しての評価ができる、そのような仕組みがあること、そういうことが条件にあるわけでありまして、ある意味単純作業じゃないというものは、本来単純作業というものはできないわけでありますけれども、そうではないことを条件にこのような仕組みがあるわけでありますが、介護という問題を取りますと、これは人に対するサービスでありますから、正直申し上げて意思の疎通というものをしっかりしなきゃいけないわけであります。
 質というものを担保しながらやっていくためには、やはりコミュニケーションを取る日本語能力というもの、これをある程度はやはりしっかりと持っていただかなきゃいけないと。今EPAでやっておりますが、これ、実は母国で十二か月日本語教育をしっかりやっていただいた上で日本に来ていただいて、三年の実務経験を基に介護福祉士の試験を受けていただく、これに受かれば継続的に日本の中で仕事ができるということでございまして、これが技能実習制度とはちょっと趣旨が違うわけであります。
 そのような三年というものを上限としております技能実習制度と今あるEPA、これでの受入れと、これとのいろんな部分というものをしっかりと対比しながら、我々としてはどのような形があるのかということは検討をしてまいりたいと思いますが、いずれにいたしましても、介護の質が落ちてしまうと困るという観点はしっかり踏まえながら検討してまいりたい、このように考えております。
○大沼みずほ君 どうもありがとうございました。
 これからますます議論が進むと思いますが、この問題、しっかり私も注視していきたいと思います。どうも今日はありがとうございました。
○島村大君 おはようございます。自由民主党の島村大です。
 今回もこのような機会をつくっていただき、ありがとうございます。私に与えられている時間が残念ながら短いために、早速始めさせていただきたいと思います。
 今、政府でも、日本再興戦略で健康寿命延伸とかそういうことが一つの大きな柱だと言われています。今回は一般質問だということで、私も歯科と口腔と全身関係について、より一層解明をする必要があるということはもちろん承知していますけれども、政策に入れることも必要じゃないかということで、是非とも何問か質問させていただきたいと思います。
 先日、三月十七日の本委員会でも質問させていただきましたが、医療・介護サービスの提供体制改革のための新たな財政支援制度について、今回、厚労省さんは各都道府県の基金の担当者の会議を開いていただきまして、詳しく、都道府県計画の公平性、透明性を確保するための、官民を問わない幅広い地域の関係者、関係団体から意見を徴収する。また、新基金の趣旨に鑑み官民に公平に配分する等々のしっかりとした説明をしていただき、今、各都道府県ではそこを理解していただいて、先日も都道府県と厚労省との第一回のヒアリングがありましたが、そこの中でも、そこをしっかりと理解して、今各都道府県が取り組んでいただいています。この取組に関しまして本当に、今回厚労省さんが丁寧に進めていただいたことに関しましては、神奈川県もおっしゃっていましたが、本当に感謝しております。久しぶりに本当に心から感謝しております。
 ただ、この基金に関しまして、都道府県のいわゆる地方の負担分ですね、地方の負担分に関しまして、これは総務省さんがいけないとかというわけじゃなくて、やはりちょっと、説明する機会がなかなかないということで、三月十七日の本委員会で私が質問させていただいたところ、都道府県のこの基金の負担については、地方財政計画に所要額を計上し、その上で適切に地方交付税措置を講じることとしているということを答弁していただきました。本当にありがとうございます。
 そこまでは各都道府県、理解しているんですけれども、そこから、じゃ、実際的に本当にどのように計算されているのかとか、その辺が残念ながらちょっと分かりづらい。特に、各都道府県の財政局は理解しているのかもしれないですけれども、福祉保健部の方とかそちらの方がちょっと理解不足なので、是非とも計算方法とか教えていただければと思います。よろしくお願いいたします。
○政府参考人(青木信之君) お答え申し上げます。
 御指摘の基金の設置に係る都道府県の負担につきましては、地方財政計画に所要額を計上した上で、税収を補完する一般財源でございます地方交付税において適切に措置をすることとしておるわけでございますが、交付税の算定に当たりましては、多くの費目にわたり標準的な財政需要を積み上げまして基準財政需要額の算定を行いますが、各都道府県の基準財政需要額にこの基金の設置に係る所要額を算入することとしております。
 具体的には、人口を測定単位とする衛生費という費目におきまして、この単価のことを我々は単位費用と呼んでおりますけれども、この単位費用に基金の設置に係る所要額を新たに今回算入したということで需要額に反映をさせていただくということとしておりまして、こうした趣旨につきましては都道府県にもお伝えをさせていただいているところでございます。
○島村大君 ありがとうございます。
 ということは、今の御答弁ですと、その衛生費の中に平成二十五年より平成二十六年の方がその分をしっかりと組み込まれていると、そういうふうに解釈させていただいてよろしいでしょうか。
○政府参考人(青木信之君) 御指摘のとおりでございます。
○島村大君 ありがとうございます。
 それともう一点、今の関係で、基準財政需要額を算定するに当たりまして、毎年度、補正係数というのを掛けてやっていると思うんですけれども、その補正係数の値が出るのは大体いつ頃だと今総務省さんはお考えでしょうか。
○政府参考人(青木信之君) 交付税の交付決定、これは法律上は八月末までに行わなきゃいけないわけですが、毎年七月末までには行っているわけでございまして、それまでには補正係数も含めて全ての作業を終える前提で今作業に取り組んでいるところでございます。
○島村大君 ありがとうございます。
 ということは、各都道府県も七月末までには、基準財政需要額というんですか、これがはっきりと決まって、各都道府県がどのぐらいの金額が出るかというのがはっきりと分かるということでよろしいですか。
○政府参考人(青木信之君) 御指摘のとおりでございますし、今回の基金との関係でどの程度の額が算入される見込みかということについては、一定程度の推計は各団体もできようかと思いますが、決定段階において、七月末までにはかなり細かな情報も含めて提供できることになろうかと思っております。
○島村大君 ありがとうございました。
 その辺を、各都道府県、地方分に関しましては今お話ありましたように七月末か八月にははっきりと分かると。国費の分に関しましては今厚労省さんが進めていただいていて、このヒアリングは大体秋頃には決まるんじゃないかと言われていますので、そこではっきりと決まりますので、そこは各都道府県に、私ももう一回地元の神奈川県に御説明させていただきたいと思います。ありがとうございます。
 それでは、引き続きまして、二問目に移らさせていただきます。
 二問目に関しましても、先日の本委員会、四月八日の本委員会でみんなの党の薬師寺委員より提出していただきました安衛法の改正案、本当にありがとうございます。それに関しまして、附帯決議をこの委員会で示させていただきました。
 そこで、業務と歯科疾患の関連について、知見の収集及び職域における歯科保健対策の具体的な検討の進捗状況及び今後の予定についてまずは聞かせていただきたいと思います。
○政府参考人(半田有通君) 先日、安全衛生法の審議をいただきましたが、その際の附帯決議では、一般の労働者の口腔の健康を保持することの重要性に鑑み、百七十七回国会において本委員会提出により成立した歯科口腔保健の推進に関する法律の趣旨を踏まえ、業務と歯科疾患の関連についての知見の収集に努め、収集した知見を基に、労使関係者の理解を得つつ、職域における歯科保健対策について具体的に検討を行うこととされたところでございました。
 現在、私どもの方で、業務と歯科疾患の関連の知見についての収集を行おうということで、どのような方法、どのような枠組みで行うことが適当かといったことについて今検討を行っているところでございます。
 知見の収集方法といたしましては、業務と歯科疾患の関連に関する国内外の文献等の収集、評価、それから国内の事業場における歯科保健の取組に関する情報の収集、評価などが想定されておりますが、具体的には、今後、私ども安全衛生部が中心になりまして検討してまいりたいと考えております。
○島村大君 ありがとうございます。
 四月八日からはまだすぐなんですけど、本当に早い対応、本当にありがとうございます。これも心から感謝いたします。ありがとうございます。
 ですが、今、収集を始めるということなんですけど、例えば今後その収集をして、どのように、これはまだ法案が通っているわけじゃないですから、確かにこれまだ仮定の話になってしまうかもしれないですけど、具体的にその知見の収集が終わった後にどういうスケジュールでやるとか、そういうことはまだ考えていないんでしょうか。そこは、もしスケジュールがありましたら教えていただきたいと思います。
○政府参考人(半田有通君) 申し訳ございません、まだ具体的なスケジュールに至ってございませんけれども、できるだけ速やかにということで考えてございまして、それから産業保健、歯科保健の専門家、あるいは関係団体の御意見を踏まえて、効果的な知見の収集方法ということについてよく検討していく必要がございます。
 できるだけ早急に進めてまいりたいと考えてございます。御理解をいただくようにお願い申し上げます。
○島村大君 ありがとうございます。
 是非とも、この知見の収集が終わり、各団体又は有識者を集めていただき、審議とかをしていただく場合には、是非とも労働政策審議会の中の労働安全分科会ですか、その中に、やはり歯科の専門的な方も公益とかの中で入れていただき、しっかりと皆さんで話し合っていただきたいと思いますので、是非ともそこは、要望ですけど、よろしくお願いいたします。
 それでは続きまして、三番目の、入らせていただきます。
 三番目としましては、今回、フッ素ですね、フッ素化合物についてちょっとお話しさせていただきたいと思います。
 今日、資料をお配りさせていただいたんですけど、子供の十二歳、ちょうど小学校六年生の十二歳の一人平均のDMFT指数というのは、虫歯の数が今どのぐらいかということで、各都道府県の今これ数値が出ております。全国平均が約、今一本でございます。ちょっと高いところが二・四本、低いところはもう一本もない、〇・六本ぐらいだと言われている。
 これは、一つは、今、関係各省の皆様方、また関係者の方々、現場の方々、本当に努力をしていただきまして、これ、昔は本当に五本、六本あって当たり前だったんですね。それが今これだけの数値になったと。これ、本当に減っているということは大変いいことですし、私も小学校の校医を昨年までやっていたんですけど、一学年三学級あったんですけど、一学級で虫歯がある子はやはり数人。昔は本当に何人も何人も虫歯だらけでしたけど、そういう意味で本当に減ったということはすばらしいことだと思っています。
 ただ、これやはり全国的な、今見ていただいて格差が、格差という言葉を使っていいかどうか分からないですけど、どうしてもちょっと差があると。その辺に関しまして、やはり虫歯が新潟県とか岐阜県とかこれ減っているのは、虫歯の、歯ブラシをしてくださいとか、そういうのも確かに大きいんですけど、もう一つは、フッ化物洗口並びにフッ化物塗布、こういうことを積極的にやっているところと、残念ながらやはりなかなか御理解をしていただけずに、残念ながらなかなか普及しないところの差が大きいと言われているんですけど、その辺に関しまして、まず文科省の御意見をいただきたいと思います。
○政府参考人(永山賀久君) 御指摘のとおり、平成二十五年度の学校保健統計調査報告、都道府県によって虫歯、平均の本数ですけど、約四倍の差があるという実態でございます。
 もちろん、虫歯の罹患率を減らす、あるいは地域の格差を減らしていくということは大変重要な課題でございます。虫歯の原因や予防の仕方などの学習を通して、各学校においては、子供の意識や行動を変えて健康に良い生活習慣の形成を図りながら、生涯にわたって健康な生活を送る基礎を培うことを目的としてそれぞれ実践されているところでございます。
 特にフッ化物の活用につきましては、子供がフッ化物の配合歯磨剤、歯磨き剤ですね、を自分で選択し活用していくことができるようにすることが基本だということで、そういった方向で私どもも指導なり周知をしているところでございます。
○島村大君 ありがとうございます。是非とも周知徹底をしていただきたいと思います。
 それから、健康日本21の第二次において、歯科口腔保健の推進に関する基本的な事項において、公衆衛生的な施策としてフッ化物応用が効果的であることについて言われておりますけど、厚労省としての御認識と御見解をいただけたらと思います。
○政府参考人(原徳壽君) お答え申し上げます。
 歯科口腔保健に関する知識の普及啓発等の施策の総合的な実施のための方針、目標、計画を示しました歯科口腔保健の推進に関する基本的事項におきましても、虫歯予防方法の一つとしてフッ化物の応用を定めるとともに、口腔の健康の保持増進に関する健康格差の縮小ということも定めているところでございます。
 フッ化物の虫歯予防効果に関しましては様々な研究結果がございます。例えば歯科診療所や保健センターでのフッ化物の塗布でありますとか、先ほど文科省さんも触れられましたけれども、歯磨剤にフッ化物が配合されてきていると。現在、約九割近くの歯磨剤に入っているというようなことも言われております。
 また、それから、私どもで進めておりますのがフッ化物の洗口ガイドライン、口の中でフッ化物を含んだ水をぶくぶくとする、こういうような方法によって効果があるというふうに言われております。
 私どもとしては、この洗口ガイドラインを定めまして自治体に周知をしているところでございまして、今後とも、フッ化物の応用の普及や虫歯の地域格差の縮小を図るなど、歯科保健対策の推進に努めていきたいと考えております。
○島村大君 ありがとうございます。
 もう一つは、昨年の八月にフッ化物洗口剤の用量、用法に対しての変更がありまして、九〇〇ppmのフッ化物洗口剤の使用が可能になったと言われています。これに関しまして、これは毎日じゃなくて週一回でいいんじゃないかというふうに言われていますけど、現場がこのフッ化物洗口とかやはり大変だと言われているのはよく私ども理解しております。
 ですから、やるかやらないかじゃなくて、やはりいろんな選択肢があるわけですから、それを、学校の先生ももちろんそうですし、現場の方々に理解していただいて選んでいただくのもそうですけど、やっぱりお子さん御本人、それから親御さんが、やはり自分たちはどうしたいんだということをしっかりと親御さん、子供さんにも理解していただいて、できたら本当は選択制ですよね、選択できるような、文科省の皆様方と厚労省の皆様方に是非ともそういう啓蒙活動をしていただき、今のままですとどうしても一括のやり方なんですね。やるかやらないかとか、やるんだったらこのようにやるという状況ですから、是非ともそれは選択できるような状況をつくっていただきたいと思います。
 最後に、ちょっと時間が押してしまいましたので、保育所に関してちょっと教えていただきたいと思います。
 四番目の保育所における歯科健診についてどのような位置付けになっているのかとか、また、新制度の公定価格で幼稚園や認定こども園に関しましては学校歯科医として手当が措置されると聞いておりますが、保育所も同様だと考えてよろしいんでしょうか。よろしくお願いします。
○副大臣(土屋品子君) 保育所における健康診断については、学校保健安全法に準じて歯科健診も毎年定期的に行われておりますが、一方で、幼稚園や幼保連携型認定こども園では学校歯科医の配置が法令上義務付けられておりますが、保育所は法令上は義務付けられていないというのが現実でございます。
 先月、子ども・子育て会議等で新制度の公定価格の仮単価を明示しましたが、この中にも保育所は対象としないという整理をしたところでございますが、しかし、法令上の義務付けはないものの、昭和五十八年に嘱託歯科医の配置について指導するよう各都道府県に対して通知しておりまして、現に多くの保育所で嘱託歯科医が配置されております。
 公定価格の仮単価を精査していく中で、御指摘の保育所における嘱託歯科医の配置に要する費用の取扱いについては更に検討してまいりたいと考えております。
○島村大君 前向きな御回答ありがとうございます。
 是非とも、保育所では法令上義務付けは、歯科医、されていませんけど、実際的にはほぼ、皆さん、保育所のところで歯科健診なり嘱託歯科医師というのが配置されていますので、その方々、保育所にも公定価格の中にしっかりと入れていただき、ある意味じゃ、ちょっと差を付けることは、これだけ今保育所の必要性が言われていますので、是非とも前向きによろしくお願いします。
 時間になりましたので、終わらせていただきます。ありがとうございました。
○西村まさみ君 おはようございます。民主党・新緑風会の西村まさみでございます。
 三月十七日、四月十日の質問の中で、今日はその中二度もお願いをしていたのに質問ができなかった教育関連の質問をしようと思っておりますが、その前に、一昨日、五月十一日に朝日新聞に厚生省に関することが一面、二面と出ていました。
 内容は、医療費不正、ずさん調査とありまして、要は、不正があると健保組合から指摘を受けていたのにもかかわらず厚生局ではしっかりとその調査を行わなかったということ種々から始まっているんですが、そもそもこの医療費不正、ずさん調査、対象の半数放置なんて書いてあったり、記事の中で、疑いが高い順に全医療機関の四%に当たる約八千医療機関を毎年調査対象に選んでいると書いてあるんです。しかし、少なくとも全医療機関の四%、約八千件の指導が行われていることは承知していますが、そこの全てが不正の疑いがあるというような書きぶりに対して非常に私としては違和感を感じるんですが、これは、患者である国民の皆様も、大きな新聞ですから一面トップで載っていると、えっと思うんじゃないかと思うんですが、まず、これについて厚生労働省はどのようにお考えになっていらっしゃるか、お聞かせください。
○政府参考人(木倉敬之君) お答えをいたします。
 医療機関に対する個別指導でございますけれども、これは保険診療の質の向上、あるいはルールをきちんと守っていただくということを目的に実施をしております。
 今御指摘のように、全国約二十一万か所ある保険医療機関のうちに、対象の医療機関の選定を各厚生局の方で毎年やっておりますけれども、確かにそれは不正があるという前提に立っておるものじゃありませんで、ルールを守っていただくということでございますので、例えば不適切、ルールをちゃんと守れていないよという情報を保険者の方からいただいたとか、そういうものについてルールを守ってもらうために集まっていただいてのきちんとした指導を行う。あるいは、やっぱり高点数になりがちなところについて中身をよく見させていただいて、これは、これまでも御指摘いただきましたけれども、高点数だからそれがもう不適切だということではありませんので、どういうふうなルールでやっていただくかをよく分かってもらうということ。
 それから、指導をしたんだけれども、その指導結果が守られているかということを更にフォローするために、やっぱりこれはきちんとやらなきゃいけないということでまた集まっていただくということでございまして、この朝日新聞、見させていただきましたし、説明も社の方にもしたんですが、不適切な疑いがあるという表現で書いてあります。不正とは、まあそこまで決め付けてはいないんですが、選んでおるルールはこういうことだということはもう一度私どもからも説明はしたところでもございまして、毎年各県で四%ぐらいを目標に取り組もうということで、実際問題まだまだ体制も十分じゃない中で少しずつ増えてはおりますが、半分の四千件程度の指導にとどまっておりますけれども、これは保険のルールをきちんと守っていただくことを前提に御理解を得ていきたいという、それをしっかり充実を図ってまいりたいというふうに思っておるところでございます。
○西村まさみ君 ありがとうございます。
 当然です。ルールを守ってもらうこと、これはルールの中で我々もしっかりと国民に良質な医療を、これは医療機関、歯科もそうですし、調剤もそうだと思います。各医療機関はそのような目的を持ってしっかりと診療しているわけです。
 ですから、今おっしゃったように、高点数がイコールおかしいというような感覚というのもこれはまたおかしいということは度々私もこの委員会で、私だけじゃなく各委員からも御指摘が過去にもあったと思います。
 何といっても、正しくないことを請求する、やっていないことを請求する、二重に請求する、そういったことは絶対に許してはいけないことですし、しっかりとそこのところは厚生労働省としても指導していただきたいし、指導しても直らないようであれば更に再指導ということ、これはもう徹底してほしいと思う反面、今局長おっしゃったように、やっぱり今の医療制度の中で、例えば先ほど大沼委員もおっしゃっていました、これから在宅医療、在宅医療といっていく中で、私は、毎回言いますが、それをすればするほど平均点数は高くなったり、若しくは、例えば一人の患者さんを丁寧にゆっくり診ているとなると、診る患者の数は少ないけれども内容が濃くなったりすれば当然平均点数が高くなるというのは、これはどの医療機関、医科とか歯科とか関係なくあり得ると思います。
 そういったものを是非とも萎縮診療につながることがないようにしていくためにも、もうそろそろこの一件当たりのレセプトの平均点数に着目した指導の在り方というものを見直す時期に来ているんではないかと、そう思うんですが、それについてはいかがお考えでしょうか。
○政府参考人(木倉敬之君) お答えいたします。
 この点はかつても御指摘をいただいております。それから、この前のこの委員会でも、訪問診療を見直しましたけれども、それでお医者さんの確保ができないようなところをカバーしてもらうとき、そういうところまでも結果的にしっかりやられたからといってその点数が高くなった、これをもってすぐに指導ということ、何か工夫をしなきゃいけないということの御指摘もいただきました。
 この間も個別指導の対象となります保険医療機関を選定をする際に、まずもってお集めいただいた点数でもって見た上で、さっきのようにほかの情報があったものも含めてですが、ルールの指導を受けていただいておりますけれども、その際にも、やはり元々評価が高い医療を担当されているところというふうなことについてはその類型ごとに見る必要があるだろうということで、御案内のとおりでありますけれども、この指導監査のときに、病院、診療所の別であるとか、内科、外科の別であるとかいうふうな類型の中で傾向を見させてもらいながら指導を受けていただきたいということをやってきておりまして、例えば、近年でも在宅支援の診療所の仕組みを始めましたときに、こういうところをしっかりやられた場合に点数が高くなってもそのグループの中でまた議論をさせていただきたい、内科全体ということではなくてというふうなこともしてきました。
 ということで、今のお取組をしっかりいただいた結果として点数が高くなっているものをどのような公平な見方ができるかということを更に、これは医療機関の皆様、保険者の皆様の御意見も聞きながら、見直しを図ってまいりたいというふうに思っております。
○西村まさみ君 ありがとうございます。
 私としては、これ当選した直後からずっと四年弱、厚生労働省さんにお願いをして、見直しをするべきじゃないかということをお願いしてきました。なかなか先に進まない中で、是非ともこれを機に、何かきっかけがないと、より前へ進むことってなかなか難しい。きっちり議論していただいて検討していただいていることは十分に承知しているところですが、そのためには、これを一つの契機として、指導の在り方、一枚の平均で、レセプトの平均で点数が高いからというのと不正が明らかであると疑われるといったところとでは明確にやはり分けてお願いをしたいというのが一点。
 また、なかなか、そうはいっても、じゃ来年からとか、じゃ再来年からというわけにいかない中で、一つこれはお願いをしたいのは、今全国標準化でやっていますとおっしゃっています。ところが、これ実際には点数の基準というのは各県単位であったりするので、やはり同じ公的診療報酬の中でやっているのであるならば、全国標準というのであるならば、まさに県単位ではなくて全国的な平均というもので指導に対する取組をまず一歩として進めていただきたいという、これは要望でございますので、是非とも、こんな大きく新聞に出ているわけですから、これをきっかけに先に進めていただいて、抜本的な改革も含めてよろしくお願いをしたいと思っています。ありがとうございます。
 それともう一点、同じ日になんですが、今日は資料でもお配りしました。我が地元の西日本新聞で、一面に、これも一面なんです、歯を守ることによって消化器がんの予防につながるといって、これ九州歯科大学、二十九ある歯学部、歯科大学の中で唯一県立の歯科大学なんですが、この歯科大学の調査というものが出てまいりました。
 前回の労働安全衛生法の産業歯科の問題も、なかなか硝酸とか塩酸とか一部の取扱いをしている人に限っての健診事業というものだったと思います。その中で、やはり大臣もお答えになっていたのは、歯科というのはエビデンスが少ないというか、数値的な確立したものというのがなかなか少ないんだということで、是非ともその収集にとおっしゃっていただきましたので、こういった新聞記事が一面に載るという半面もありますから、是非とも、我々も様々な角度から様々な収集を行って、より国民の健康を守るということにつながるよう努力をしてまいりたいと思いますので、厚生労働省におかれましても、是非とも取組の強化をお願いしたいと思います。
 それでは本題に入りまして、教育の問題についてなんですが、日本の社会保障制度では、当然ですが、今、高齢化に伴って自然増だけでも毎年一兆円の更なる支出が必要と、さらに制度とかサービスの充実も必要となっている中で、大変厳しい状況の中で今の社会保障制度は行われています。
 でも、国民のいわゆる生活とか、そこが安心して、安定して過ごすために欠かすことができないこの社会保障制度というものを、やはり日本がどの国よりも速いスピードで超高齢社会になって、人口減少社会になって、子供たちが少なくなっている、この日本でしっかりとやっていくためには、国民がひとしく負担を平等に負担して支え合っていこうという共通の理解というものが、これが絶対に不可欠だと思っています。だからこそ、消費税を上げて社会保障に充てますよということで国民の皆様にも大変な御無理をお願いして、この四月から消費税が上がったわけです。
 そんな中で、この制度の国民への理解とか納得を更に深めていくためには、私はやっぱり社会保障に対する教育というものが必要だと思います。小さいときからお互いに支え合って、そして若い人が、働く世代が、高齢の皆さん、子育てをしている皆さんとか、いろいろなところがお互いに支え合って生きていくというのが我が国日本には、特に今近々に、早急にこの教育制度というものを確立していくことが必要だと思うんですが、厚生労働省として、社会保障と税の一体改革と同時並行で、社会保障に関する学校教育の充実に関する検討会も設けられ、検討を進めていらっしゃると聞いていますが、その検討会の現在の検討経過と成果、そして実際の教育現場へどのように適用しているか、その現状について厚生労働省にお尋ねしたいと思います。
○政府参考人(唐澤剛君) 御指摘いただきましたように、社会保障に関しましては、高齢化も大変進んでおりますし、財政規模も大変大きなものがございまして、こうした事柄につきまして特に若い世代の皆さんの御理解を得ることが大変重要なわけでございます。
 厚生労働省におきましては、社会保障に関する学校教育を推進をするために、平成二十三年十月に社会保障の教育推進に関する検討会を設けまして、有識者の方々にお集まりをいただき、教育現場で活用するための教材の在り方などにつきまして、その議論を行ってきているところでございます。
 検討会はこれまで八回開催をいたしました。ここにおきまして、高校生向けの教材といたしまして、ワークシートそれから映像教材、こういうようなものを作成をいたしまして、これを活用した高等学校での社会保障教育の試行授業を行ってきているところでございます。
 具体的には、平成二十四年度は十四校で試行授業を行った結果を踏まえまして、四種類の高校生向けのワークシートを作成いたしまして、さらにこれを厚生労働省のホームページに掲載をしております。また、平成二十五年度におきましては、新たに映像教材等を作成をいたしまして、十二校で試行授業を行いました。
 現在、教育現場から得られたこうした御意見を踏まえまして、検討会で教材の更なる見直し、改善等を行っているところでございます。
○西村まさみ君 ありがとうございます。
 二十四年、十四校、そして二十五年の映像については十二校と、高校生向けの教育を行っていただけているということは理解しました。
 でも、やっぱり教育というのはどこから始めるかというと、その子の成長、その子というか、その子供たちが成長していく過程の早い段階からもっと簡単に分かりやすい言葉で、やっぱり人間というのはお互い支え合って生きていくんだよということを教えていくためには、やはり高校生からスタートはいいと思いますが、中学生や小学生や、もう幼稚園、保育園児だって、例えばその教材が映像とか難しいものじゃなかったとしても、例えば漫画にしたって一枚の紙にしたってポスターにしたってできると思うんです。
 だから、やっぱり早い段階での教育を行っていくことの重要性を考えると、なるべく具体的に、高校生からといってまず取組をされたことに対しては大変な評価をいたしますが、次のステップでは中学生、その次のステップでは小学生というふうに順を追って是非ともやっていただきたいと思うんですが、大臣もきっと同じ認識でいらっしゃると思いますが、大臣は、この社会保障教育の重要性についてと、これから大臣としてはどのようにしていくべきか、お考えがありましたらお聞かせください。
○国務大臣(田村憲久君) 社会保障、大変な給付額になってきております。もちろん日本の国の予算の中でも大きな位置を占めておるわけでありますが、総給付費が足下百十兆円とよく言われております。三十六兆が医療、五十三・五兆が年金、そして二十一兆がその他ということで、この中に介護や子育て、障害福祉も入っておるわけでありますけれども、これだけの大きなものがこれ保険料と税で賄われているわけでありまして、国民の皆さんの理解を得ないとなかなかこれが持続可能性というものは保っていけないということからすれば、委員おっしゃられますとおり、なるべく早い時期からそういうものに対して御理解をいただくようないろんな教育の場というのは重要であろうというふうに思います。
 今も話がありましたとおり、高校生向けの教材、これ検討会でいろいろと御議論をいただく中でお作りをいただきました。試行授業も始めました。まずは、これまだ十分に広がっておりませんので、文部科学省と協力しながら、こういう教材があるということをPRして、各学校でこれを御利用いただきたい。
 そういうような状況も見ながら、言われるとおり、更に若い世代に向かって、ただ、難しいものでもございますので、どのように工夫して分かりやすく説明するかと、これ大変難しいわけでございますので、そういうことも含めて、まずは高校生スタート、これを機に次のステップを順序立てて進んでまいりたい、このように考えております。
○西村まさみ君 大臣、ありがとうございました。
 社会保障の教育推進に関する検討会の中の目的には、生徒・児童にはと、児童という言葉もありますので、是非とも、段階を追ってで構いませんが、できるだけ早いうちに教育を進めていくということを文科省と協力して取り組んでいただきたいと思います。
 もう一点、教育についてお尋ねしたいんですが、今度は労働法に関する教育、これについてお尋ねしたいと思います。
 御承知のように、非正規雇用がとにかく増えてきて、もうびっくりするようなスピードで増えてきて、当然ですが非正規雇用の皆さんは、全てとは言いませんが、身分も大変危ういし、処遇も正規労働者と比べると低いということも言われています。長時間労働や例えばサービス残業、残念なことに過労死といったこともなくなっていません。むしろ増えていると思っています。
 今の段階ではブラック企業対策に厚生労働省が乗り出さなければいけないような、こんな状況にもなっているわけですから、今までの歴史的な経緯から、やはり基本的に弱い立場に置かれている労働者の皆さんの保護というものを法制化してきたのが労働法制だと私は考えています。
 大多数の人は、当然ですが経営者ではなくて被用者として働いて生きる道を、すべを持っていかなければならない中で、やはりこの法制そのものの基本を理解しているかどうかとか、いざ自分に困ったことが起きたとき、一体どこに相談したらよいかというのは働くようになってからではなかなか見付けること、基本情報を知ることは難しいと思うんです。
 だからこそ、やはりこの労働法の教育についても、先ほどの社会保障と同じように検討会を設けて取組を進めてきたと聞いていますが、今度は労働法教育について、その目的や経過、そして実際の教育現場へどのように適用しているか、現状についてお知らせいただきたいと思います。
○政府参考人(熊谷毅君) お答えを申し上げます。
 厚生労働省におきましては、平成二十年度に労働関係法制度をめぐる実効的な教育の在り方を提示していくことを目的といたしまして研究会を開催したところでございます。この研究会では、六回の検討を経まして、平成二十一年二月に報告書を取りまとめたところでございます。この報告書におきましては、労働関係法制度を知ることは、労働者、使用者双方にとって不可欠であり、分かりやすさを最優先にしたハンドブック等を作成、配布するといった取組を強化すべきといったようなことが指摘されたところでございます。
 厚生労働省におきましては、この報告書を踏まえまして、労働法に関する基本的な知識を分かりやすくまとめた「知って役立つ労働法」というハンドブックを作成いたしまして、学校や企業等の現場で活用できるよう、ホームページ等において周知を図っておるところでございます。
 また、都道府県労働局における取組といたしまして、大学等で行われるセミナー等の中で労働法制度の周知等を行っているところでございますけれども、その際にもこのハンドブックを活用して講義等を行っているという状況でございます。
○西村まさみ君 ありがとうございます。
 対象はどなたですか。
○政府参考人(熊谷毅君) 対象数でございますか。
○西村まさみ君 いえ、対象としている人。
○委員長(石井みどり君) 指名を受けて御発言ください。
○政府参考人(熊谷毅君) 失礼しました。
 今ほど申し上げましたセミナー等の対象につきましては、基本的に大学、短大、高等専門学校といったようなところを中心に実施しておるところでございます。
○西村まさみ君 今伺った限りでは、大学とか短大とか高等専門学校にとどまっているようですけど、やはり私は、より弱い立場で働いている方というのは、例えば中卒だったり高卒だったり中退者の皆さんたちじゃないかと思うんですね。
 ですから、やはりその皆さんの教育をしていくところは、さっきと同じなんですが、より早い段階、中学生のうちからとかやっぱり教育をしていかなければいけないだろうし、より知識とか常識とか社会的にもなかなかまだ未熟な若者たちに、働く人を守る法律があるんだよというその基本理解をしてもらうことを早くやるということがやっぱりどうしても大事だと思います。
 ですから、なかなか中退した皆さんを集めてとか中卒の皆さんを集めてということは難しいとするならば、より早い段階の、中学一年生のときとか二年生のときとか、具体的に言えば、そういうことも可能でしょうし、今の若者はみんな、先ほどホームページでお知らせしていると言っていましたが、ホームページとか様々な媒体を使うことは可能だと思いますから、是非その取組もして、もし困ったときにはこういうことがあるんだなということを、もちろん困ったことがありきではなくて困ったことがないようにするのが当然の取組だと思いますが、そういったときにも、悩みどころがほかにぶつける先がないなんということがないようにしていかなければならない。これにしても、やはり文科省との取組というものが同じように大事だと思うんですが。
 大臣、この労働法の教育についても、私は、社会保障の教育も、前から言っているように、例えば子宮頸がんワクチンの教育も大事ですよと言っているように、教育というのは全て早いうちに早いうちにまず教えてあげるということが大事だと考えるんですが、これについてはお考えがありますでしょうか。
○国務大臣(田村憲久君) 労働法制というのはなかなか一般の方はなじみが深くないわけでありまして、大変重要な法律なんですけれどもね。先般、テレビのドラマなんかで労働基準監督官のドラマがございました。ああいうようなドラマで、まあデフォルメの部分もあるんですけれども、周知徹底といいますか、なじみやすくなっていただけると有り難いなというふうに思います。
 学校に関して、学生さんに関しては、今大学でのセミナーの話が統括官からございました。やはり、これ知っていただいていると問題を未然に防いだりだとか、若しくは泣き寝入り、こういうものを防げるわけでありまして、相談の窓口等々にも行きやすくなるということもございます。
 実際問題、今も中高の教育課程の中でこの労働教育、どうかといいますと、学校の方から都道府県の労働局の方、ここの方に要請があればそこに講師を派遣するというふうにはなっているんですが、そういうことが周知が十分にできていませんので、文科省の方にお願いしまして、なるべくこれ、それぞれの教育委員会の方にこういうことができるということをお伝えをいただきたいということでお願いいたしております。
 二十四年度が三十七件、二十五年度、この二十六年の二月まででありますけれども、六十九件と、若干増えておるんですが、まだまだ少ないということがございますので、更に文科省にお願いをいたしまして、周知が図れるよう努力してまいりたい、このように考えております。
○西村まさみ君 ありがとうございました。
 制度の理解というのは、なかなか特にこの労働って大変に難しい、私もそう思っています。私の場合、働いてずっときましたけれども、どちらかというと経営側ですよね。大変小規模零細の医療機関であっても、経営側の人間と、やっぱり働いてもらう皆さんとの感じ、感覚というのはちょっと違うんだということは十分に理解していますが、そういったことも踏まえて、是非とも若いうちから、幼いうちから教育というものをしていくということの重要性については大臣も同じ感覚だということを認識させていただきましたので、是非ともお願いしたいというのと同時に、やっぱり今までの制度というのがずっと日本の場合、長く古い時代からの制度、世の中の構造がこれだけ変わっても同じ制度が続いているから、これを納得して理解して、そしてあるんだよと教えても、ここは難しいところ、これは大人も子供も一緒だと思います。
 ですから、やはり、今の制度、今までのあった、国民がみんな若くて経済はうんと成長していってという時代と、今みたいに低成長でもう高齢社会であって人口減少社会というものでは、制度そのもの、先ほどの朝日新聞の話でも言いましたが、制度そのものの抜本改革というものもやっぱりどこかの時点でやっていかなければならないということで、是非とも引き続き、これからまだある一括法などの質疑も通じながら議論については深めてまいりたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 続きまして、感染症対策についてお尋ねしたいと思います。
 今、世界保健機構、WHOが、抗生物質が効かない薬剤耐性菌が世界各地で拡大している、全世界で拡大しているという報告書を発表しました。そして、ポリオの感染拡大に対しても緊急事態宣言も出ました。薬剤耐性菌というのは、私たちの我が国日本でも、MRSA、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌の院内感染問題で大きく取り上げられてきた経緯があると思いますが、ちょっと順序を飛ばしまして、薬剤耐性菌全般について、我が国の今の現況と対策の状況についてお知らせいただけますでしょうか。
○政府参考人(佐藤敏信君) 薬剤耐性菌の増加につきましては、今も御指摘がありましたように、感染症の治療を困難にするということですし、そういうことで国民の健康に大変重大な影響を与えるということでございます。
 したがいまして、我が国におきましては、感染症法などに基づきまして、国内の薬剤耐性菌の蔓延の状況について日々把握を行っているところでございます。例えば、バンコマイシン耐性腸球菌、VREと言っておりますけれども、そういったものとか、バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌、VRSA、こういったものも含めまして調査をしております。
 調査によりますと、我が国における薬剤耐性菌の蔓延の状況というのが、概して申しますと、他の先進諸国や途上国と比較して、とりわけ、取り立てて蔓延状況が高い、あるいはひどいという状況にはないようでございまして、今後とも、こうした先進国との比較も含めまして継続的にサーベイランスを行い、抗菌薬の適正使用などについても指導をしということで、全体として薬剤耐性菌に対する包括的な対策を進めてまいりたいと考えております。
○西村まさみ君 では具体的にお尋ねしますが、三月二十日に、国立病院機構の大阪医療センター、二〇一〇年の七月から約四年間で入院患者の百十四名が多剤耐性菌の一種であるMBL産生菌に感染したということを公表しています。そのうち二十三人が亡くなっていて、六十代と七十代の女性二人に至ってはこの感染による死亡が強く疑われるということです。まさに最先端の医療機関にわたって、四年間にもわたって百名を超える入院患者がこのMBL産生菌に感染したということは大変信じ難い事実でありますが、現段階では、これについてはどのような状況で、原因というものはどこから来たのかということを把握されていますでしょうか。
○政府参考人(原徳壽君) お答えいたします。
 大阪医療センターにおいて、御指摘のとおり、平成二十二年の七月から平成二十六年の三月までの間に抗菌薬、いわゆる抗生物質が効かない又は効きにくくなっている多剤耐性菌の一つでありますMBL産生腸内細菌科に感染している方が百十四名がトータルで確認されたとなっております。
 原因でございますけれども、現在、国立感染研究所あるいは大阪大学医学部附属病院、それから大阪市の保健所から構成される外部調査委員会を設置をしまして、発生原因について早期の解明に向けて検証を現在行っているところでございます。元々の腸内細菌科でございますので、腸内にいる間は別に悪いことをするわけではないわけですので、常在菌でありますので、なかなか感染経路を的確につかむのは難しいとは聞いておりますが、今現在検証をしていると。
 あわせまして、対策としましては、陽性患者さんについては原則個室で管理をするとか、あるいは手洗い、手袋、マスクの着用などの医療スタッフの接触感染の予防策の徹底、それから尿路感染も疑われますので、尿の排液容器を使い捨てとするなどの感染拡大の予防などについて今取り組んでいるところでございます。
○西村まさみ君 ありがとうございます。
 院内感染はやはり患者さんにとってみたら、もう本当にびっくりするようなことだと思うんです。自分は違う病気でそれを治すために入院していたら、病院の中ではやっていたものに感染してなんということで、ましてや命を落とすなんということがやはりあってはいけないと思いますから、院内感染対策についてもしっかり取り組んでほしいと思います。
 次に、予防接種についてお尋ねしたいと思います。
 御承知のように、四月二十四日から三十日というのは世界予防接種週間でありました。私も度々予防接種、特に子宮頸がんワクチンについてお尋ねすることをやってまいりましたが、途上国を中心に世界中で行われたキャンペーンですけれども、私たちの国日本では世界予防週間に対してどのようなキャンペーンをして、どの程度の皆様に周知できたとお考えになっているかをお聞かせいただけますでしょうか。
○政府参考人(佐藤敏信君) 今お話のありましたように、四月二十四日から四月三十日というのは世界予防接種週間ということですけれども、日本におきましては、少し前倒しのような感じになるのかもしれませんけれども、毎年三月の一日から三月の七日にかけまして、日本医師会、それから日本小児科医会などと協力をいたしまして、これを子ども予防接種週間というふうに位置付けまして、接種率の向上のための広報活動を実施しております。
 また、こうした接種の週間は週間といたしまして、厚生労働省におきましても、本年三月末には、かかりつけ医療機関でワクチンを受ける前にそのワクチンを簡単に理解をしていただく、改めて理解をしていただくというために予防接種の保護者向けのリーフレットというものを作成しまして、これも御利用いただくようにホームページに掲載をしたところでございます。
 いずれにしましても、予防接種については、国民が正しい理解の下に接種をしていただいて、接種率ができる限り一〇〇%に近づくよう普及啓発に努めてまいりたいと考えております。
○西村まさみ君 私も度々の質問の中で予防接種は推進派ですというふうに言ってまいりました。今、その中でも保護者向けのリーフレットと局長おっしゃいましたが、子宮頸がんワクチンのときにも言いましたが、これ保護者向けも必要ですが、うんと小さい子は別だとしても、やっぱりそこの部分の対象者本人、受けるべき子供たちにも、何のために予防注射するのか、痛いだけじゃないんだよというようなことをやっぱり教えていく、これも教育だと思います。是非とも併せてお願いしたいと思います。
 本当に今まで、予防接種をすることによって防げる、これを予防することができるというものに関しては非常に予防接種は効果があるものと思っていた反面、前回から言っているように、副反応で苦しんでいる人もいるわけですから、それについてのきちっとした情報提供も国民、保護者、そして接種するべき対象者に対してきちっとしていかなければなりませんし、いいことばかりを言うんではなくて、当然ですが、どんな薬にでも副反応があるんだということも併せてしっかりと啓発、そして、予防接種が一〇〇%になることがいいのかどうかは別としても、より多くの方に御理解をいただいて、予防接種というものの理解を深めていただいて自ら接種するという方を募っていくということが私は大事だと思っていますので、引き続きお願いしたいと思います。
 それから、梅毒についてお尋ねします。
 これ、私も学生のときに勉強しました。それ以来、実は余り耳にしないまま来ておりましたが、今、平成二十二年以降、非常に梅毒増加が顕著であって、平成二十五年では平成二十二年の約二倍ということです。平成二十六年の四月三十日付けで都道府県の衛生主管部へ事務連絡が出されているようですが、梅毒の発生動向と拡大要因分析についてお伺いしたいと思っています。
 大変簡単で結構ですが、なぜここへ来て急に平成二十二年から増えたのか。また、二十五年と二十二年を比べると、その短い期間でも二倍になっているということについて、厚生労働省としてどのくらい現況を把握していらっしゃるか。もしお分かりでしたら教えていただきたいと思います。
○政府参考人(佐藤敏信君) 簡単にという御指示でございましたが、ちょっと難しいかもしれません。少し数字の羅列もありますので、分かりやすく説明をしたいと思います。
 今お話がありましたように、感染症法に基づきます平成二十五年の梅毒の累積届出数を見ますと、暫定値ではありますけど、千二百二十六例ということでして、御質問にありましたように、二十二年、僅か三年の差かもしれませんけれども、六百二十一例でしたから約二倍になっております。
 その原因を直ちに理解するというのはなかなか難しいんですけれども、内訳を細かく見てみました。内訳としては、千二百二十六例のうち、男性が九百八十九ということでして、これ、八割以上、八〇・七%が男性ということでございます。じゃ、その男性の感染経路は何かというと、梅毒ですから当たり前といえば当たり前なんですけど、九百八十九例中八百六十一例、八七・一%、これが性的接触によるもので、この割合が徐々に増えている、性的接触によるものが増えていて八七%、九〇%近くなっているということです。
 じゃ、その性的接触の中身をまた見てみますと、実は男性の性的接触による感染の中身を見てみますと、同性間の性的接触による感染が四百三十二例と半分以上を占めています。五〇・二%となっております。この割合を年次ごとに追ってみますと、平成二十二年に三五・七%だったものが、順次、四二・一、四五・九、そして平成二十五年に五〇・二と、こうなっております。
 この数字だけを見まして断定的なことは申せませんけれども、性的接触による感染、とりわけ同性間の性的接触による感染の報告が増えているということでございます。断定的なことは申せないと言ったのは、これだけでもって同性間の性的接触が増えている、それが原因で全体が増えていると言えるのかどうかということもありますし、また、これまで報告がなかっただけで、最近比較的報告が上がりやすくなったということも考えられますし、これだけで断定的なことは言えませんが、数字を見る限りはそういう状況であります。
 いずれにしましても、今御指摘がありましたように、こうした統計データについても注視をしていき、必要に応じて対策を取るということも重要になってくるかと思います。
○西村まさみ君 ありがとうございました。
 このように、今の社会、日本全体の社会の様々なところが変わってきていて、今までもうなくなりつつあったと思っていたもの、病気がまた更に違った観点から増えてきたり、また結核についてもそうだと思っています。今日結核についてお尋ねしたかったんですが、時間がないのでここは避けますが、結核もやはり症状が、まさか今の時代に結核はと思っている方が多くて、発見が遅くなるということがあります。
 ですから、やはり全てにおいて、これからの国民が日本の中で、健康寿命の延伸ということをうたっている今の政府、厚生労働省の感覚からすれば、やはり防げるものはしっかりと防いでいくようにしていかなければならない。そのためには、やはり感染予防であったり、例えば予防接種をしっかりと周知するということであったり、これ、様々な方法が取れると思います。
 是非とも、引き続き国民の健康を守るという観点から取組を強化していただきまして、守るべき病気からはしっかりと守ってあげることができるように、そしてそれがどの国民にもはっきりと分かるように、年齢の差別、性別の差別といったその差を超えて理解してもらえるように、そして、防げるものは防げるんだということを、何度も言いますが、幼いうちからしっかりと教育していくこと、守ってくれるところはあるんだということを教育していくことを是非ともお願いしたいと思っています。
 やはり、私も一つの小さな医療機関を持っていますが、院内感染を防ぐために様々な取組をしています。例えば歯科の場合、歯科の外来環境体制加算なんというものがありまして、大変高いハードルがあるんです。大きな機械を買わなきゃいけない、高額な機械を買わなきゃいけなかったりしますが、それでも患者さんに対してしっかりと環境を整えて、院内感染を防ぎ、適切な、良質な歯科医療を提供するためにということでやってまいりました。
 是非とも、全ての施設、全ての医療機関、そしてどこよりも我々が生きていく中で、生活に必要な場においてはそういったことの取組も併せてお願いしたいと思いますし、何といっても、やっぱりこれからは私たちの領域でいえば、治す医療から治し支える医療へ変えていくんだというようなこと、病気のときだけ治療をするというよりは、幅広い健康障害のケア、幅広いヘルスサービスというもの、これから必要であると思っています。
 そのためには、お互いの負担をしっかりと分かち合って、それぞれがやるべき役割分担を明確にして、それでどの世代も助け合うという姿勢というものが大変大切だと思いますが、最後に田村厚生労働大臣に、これからの感染症とか予防接種も含めまして、今まで、今日るるお願いをしました教育についても、最後、厚生労働省としてしっかりと取り組んでいく、教育もやる、そして院内感染予防もしっかりやる、感染症対策もやるということの御決意をお聞かせいただきまして、私の質問を終えたいと思います。
○国務大臣(田村憲久君) もちろん教育ということは大変重要であります。先ほど来お話しさせていただいておりますとおり、これは進めていかなきゃならぬと考えております。
 院内感染対策も、これをやらないと、言われるとおり、治しに行った病院で違う病をもらう、こんな大変なことはないわけでありまして、これも進めていく必要があろうと思います。
 あわせて、感染症対策、予防接種行政に関しては、もう御承知のとおり、昨年三つの予防接種を新しく定期接種化したわけでありまして、Hibワクチン、それから肺炎球菌ワクチン、それから子宮頸がんワクチン、ちょっと子宮頸がんワクチンは積極的勧奨は今止めておりますけれども、これに関しましても一定の結論を出さなきゃいけないというふうに思っております。そしてこの十月からは、さらに水痘、それから成人用の肺炎球菌ワクチンというような形で進めていこうというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、昨年御議論をいただきました予防接種法の改正、これにのっとりまして基本計画というものをこの四月に作らさせていただきまして、この中において、やはり防げる疾病は、これは予防接種でしっかりと防いでいくというようなことを基本理念に置いておるわけでございまして、中期的なビジョンというような形の中においてでもこれからも予防接種行政もしっかりと進めさせていただきたい、このように考えております。
○西村まさみ君 ありがとうございました。質問を終わります。
○森本真治君 大変お疲れさまでございます。民主党・新緑風会の森本真治でございます。西村委員に引き続き質疑をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
 今回通告をさせていただきましたのは、社会的養護の問題でございます。
 私事になるんですけれども、実は私、政治のこの道を志した原点というのがございまして、それは児童養護施設の子供たちとの出会いでございました。初めてその出会いがあったのは私が高校生のときであったんですけれども、その後、大学で社会福祉学を専攻もさせていただいて、さらに国会、こちらに来させていただく前には市議会議員を務めておったんですが、特にこの社会的養護の問題というのは思い入れを持って取り組んできた経緯がございました。
   〔委員長退席、理事西田昌司君着席〕
 そんな中で、今回、一般質疑、是非この問題を取り上げさせていただきたいと思っておりましたので、本日その機会をいただきましたこと、先輩各位に感謝を申し上げて、質疑に入らせていただきたいと思います。
 昨年の臨時国会、いわゆる社会保障制度改革プログラム法、これが成立をいたしました。この法律全般については、我が党としては、年金制度、また医療、介護の具体的な改革の姿というものがなかなか見えておらず不十分であるという立場であったわけでございますが、我々は、残念ながら、これ審議を行うことができなかったんですけれども、その中においても、個人的には一部というか評価する部分もありまして、それが子ども・子育て分野の中で「社会的養護の充実」という言葉が明文化されているということについては、私自身は評価をしたいと思っております。
 今後の社会保障改革における四分野の中で、この子ども・子育て支援でございますけれども、法律の中では少子化対策ということで項目がありますけれども、どちらかというと、多くの方は、この少子化対策で、例えば待機児童の解消などの保育の充実でありますとか、いわゆる成長戦略における女性の社会進出を促すための子育て支援といった点に関心が集まっていると思うんですけれども、その中でこの社会的養護の充実というのが少子化対策の中に入っているということでございます。
 私も、社会福祉をずっと学んできた者としては、この社会的養護というのはいわゆる児童福祉の範疇で、例えば非行児童でありますとか障害児でありますとか一人親家庭といったものの支援と同じような分類かなと、類型かなというふうに思うわけですが、そこで、まず最初に大臣の方に是非お伺いしたいんですけれども、この度の社会保障プログラム法の少子化対策の中に待機児童の解消などと併せて社会的養護の充実ということを盛り込まれたこの理由、それをまず冒頭にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(田村憲久君) 社会保障改革プログラム法でございますが、この中に、委員おっしゃられますとおり、政府は、社会養護の充実に当たって必要とする児童養護施設等に入所する子供たちの養育環境の整備、これに必要な措置というものを、これを着実に講ずるというふうになっておるわけであります。言われたとおり、ここに社会養護という言葉が入っておるわけであります。
 これは、御承知のとおり、このプログラム法を作るその前提といいますか前段で、これは三党で一昨年合意をいたしました社会保障制度改革国民会議、ここでの議論というものを踏まえておるわけでありまして、八月の報告書の中に、社会的養護を必要とする子供たちも含めた全ての子供たちが健全に成長する、それを保障するということがございまして、そのためにやはりしっかりと取組をしていかなきゃならぬということがあるわけでございまして、これにのっとってプログラム法の中にこの「社会的養護」という文言を入れさせていただいたということでございます。
 大変重要な位置付けでございますので、プログラム法にのっとって我々しっかりと進めてまいりたいと、このように考えております。
○森本真治君 このことがむしろ私は、先ほども申しましたように、大変有り難くも思っておるという立場でございまして、どんな形であってもこの社会的養護について問題意識を持ってもらって強化していただくということは非常に重要だと思っておりますので、しっかりと応援もさせていただかなければならない、そういう思いで今日も質問をさせていただきますけれども、ただ、決意はいいですけれども、やはりその中身がしっかり伴っていかなければなりませんので、しっかりとその辺りを議論もさせていただきたいと思います。
   〔理事西田昌司君退席、委員長着席〕
 それで、先ほど大臣の方から、全ての子供たちということであった中での特にこの社会的養護という部分だけが特化されているというようなところもあるんですけれども、ということは、我が国において、今この社会的養護の重要性というか必要性というものが相当やはり高まっているという認識の中で、様々な環境の子供たちがいる中で今回この社会的養護のことというのが特化されているというふうにも私は理解、認識をしておるんですけれども、その現状、我が国において今どうなのかということを皆さんにもよく理解をしていただきたいということもあるので御説明をいただきたいと思うんですけれども、私の方で用意させていただいた資料の一や二というのは、これは厚労省さんの資料でもありますので、もしよければこの資料一、二も活用していただきながら御説明をいただければと思います。
○政府参考人(石井淳子君) 社会的養護が必要な児童は、実は特に、先生の資料を使わせていただきますと、児童養護施設の入所児童数、これに顕著なんでございますが、平成七年ぐらいまではこれ落ち着いておりましたが、それ以降、近年増加をしているところにございます。その背景には児童虐待の増加があると考えているところでございます。
 その児童養護施設等における子供たちの状況なんでございますが、こうした虐待を、次のページ、資料二の方にあるわけでございますけれども、虐待を受けている子供、受けた子供、あるいは障害をお持ちの子供さんが増加をいたしておりまして、そういう意味で子供の抱える問題が複雑化かつ多様化をしているというふうに受け止めております。
 このような子供さんにつきましても、これはできる限り家庭的で健やかに育まれる環境を確保していく必要があるというふうに考えているところでございます。
○森本真治君 今御説明いただきましたように、昨今、特に虐待を受けた子供たちでありますとか障害のある子供というのが急激に増えているという、そういう状況があります。
 実際、私が児童養護施設に通っていたのが高校時代で、二十年以上も前、それ以降ずっと関わらせてもらっていますけれども、この資料一の下段なんかにもあるように、十年、二十年ぐらい前となりますと、虐待を受けた子というのは全体の一割ぐらいだったのが、もう今は三割を超える、三人に一人の子が虐待を受けた子というような状況になっていますね。
 二十年くらい前、私が関わった頃というのは、特にやはり、親が行方不明になったとか、経済的理由、離婚といったことが主な理由だったので、当時は親の元に施設を抜け出して帰っていくような、そういうようなことというのが比較的いろいろ問題としてあったんですけれども、今現状では、先ほどからあるように、虐待を受ける子供ということで、そういうふうに抜け出すような子供というのもなかなか今は、親の元に帰りたいというような子供というのも最近は少なくなっているというふうにも現状としてはあろうと思います。
 少しちょっと教えていただきたいんですけれども、虐待を受ける子と障害を持つ子というのが急激に増えているというのは、これ因果関係があるんですか。虐待を受けてやっぱり障害を持ってしまうというふうになるのかどうか、その辺の因果関係がどうなっているのか、もし分かれば教えていただきたいんですが。
○政府参考人(石井淳子君) よく現場から伺う話といたしましては、やはり多少の障害をお持ちの場合に、親がなかなか育てるのが難しいということで、つい手を上げてしまって虐待に走る、そういう傾向があるということでございまして、そういう意味では、先生おっしゃいましたように、障害と虐待というのは、これはかなり関係性があるというふうに受け止めているところでございます。
○森本真治君 どちらが先かというか、障害を持っている子だからついつい親も子育てに悩まれて手を出してしまうというのもあるだろうし、虐待をすることによっていろいろ障害というか、脳なんかに影響を与えてしまうというようなことも、両方だとは思いますけれども、どちらにしても、大変、そういうケアをするというか養護をする上でも非常に難しい子供たちが増えているということだろうと思います。
 そういう中で、今後もこの社会的養護の施策を展開していく中で、そういう子供たちの状況が変化をしているという部分においては、やはり新たな施策展開というか、新しい方針というかに基づいて施策も展開していかなければならないんだと思うんですけれども、今後どのような点に力点を置いていく必要があるのか。やはり、特に質の部分の向上ということが大変重要になってくるんだと思うんですけれども、厚労省としてはどういう方針をお持ちなのかをお伺いしたいと思います。
○政府参考人(石井淳子君) まさに複雑化、多様化した、とりわけ虐待を受けた児童さん、あるいは障害をお持ちの児童さんが多くおられるという、そうした今の現状を踏まえますと、そうした子供たちを含めて、子供たちがより家庭的で安定した人間関係の下で健やかに育っていくと、そういうことをつくっていく必要があるだろうということでございまして、まずは里親及びファミリーホームにおける家庭養護を積極的に進めるとともに、児童養護施設等の施設における養護におきましても、地域の中で家庭的な環境の下できめ細かにケアすることができるよう、施設の小規模化あるいは地域分散化を進めているところでございます。
 そうした養育環境、これも重要だと思いますけど、それと併せまして、やはりそうしたケアの質ということを高めていかなきゃいけないということで、施設職員や里親等の専門性の向上、さらには児童と親との関係性の修復や親子での生活の立て直しなどに向けた支援、これをよく親子関係再構築支援と呼んでおりますが、そうしたこと、さらには、施設の中で長く過ごされるお子さんもおられるわけでございまして、年長児童の進学や就職に際しての自立の支援、さらには、措置をされた児童の中での時として施設内虐待ということもこれは残念にして起こることがあるわけでございまして、こうしたことが決して起こることがないように、措置された児童の虐待防止等の権利擁護といったような支援の内容面での充実をしっかりしていく必要があるのではないかなというふうに考えているところでございます。
○森本真治君 幾つかポイントを今御説明をいただきました。その中で特に、やはり障害とか虐待で精神的にも非常につらい立場の子供たちに対して特に力を入れていかなければならない中で、今の御答弁を伺う中で、一つが、家庭的な養護ということで、より愛情を注いであげるということでありますとか、ケアの質というふうに言われましたけれども、より専門性ですね、やはりここら辺が今後特に力を注いでいかなければならないのかなということで、お話もありました例えば里親委託を増やしていこうというようなことも、諸外国と比べて割合が非常に低いというようなこともあります。施設も小規模化ということもあるんですけれども、じゃ、実際にこれを具体的にどうやって進めていくのかということがやはり大きな今後課題になるわけでございます。
 そうすると、どうしても財源の問題ということは避けて通れなくなってくるわけでございまして、そういう観点での人材確保という部分をまずはお伺いしたいと思うんですけれども、それで、例えば今介護の関係でいいますと、今後百万人の人材確保が必要だというようなこともこの委員会の中でもよく話として出てきます。それでは、今後社会的養護を充実させていこうという中で、この社会的養護の分野について言えば、今後、施設の職員さんなり里親さんはどのぐらい確保する必要があるというふうに見積もっていらっしゃるのかをお伺いしたいと思います。
○政府参考人(石井淳子君) 児童養護施設等においてできる限り家庭的な環境の下で養育を行うことができるよう、そして里親を進めていくことができるよう、施設の小規模化を含めたケアの充実を図っていくためには、議員おっしゃったとおり、やはり職員の確保というのはこれは重要になってくるわけでございます。
 これはなかなか、試算としてはどうしても前提を置くことになるわけでございますけれども、仮に平成二十九年度において受入れ児童数の拡大を進めるとともに職員配置基準の引上げ、これは今五・五対一でございますが、それを四対一にしていくということを仮に行うとした場合の試算を行った場合には、平成二十六年度と比較をしまして、二十九年度におきましては約三千七百人の児童指導員等の職員が必要になってくるというふうに見込んでいるところでございます。
○森本真治君 平成二十九年度ということで今御答弁いただきましたけれども、厚労省さんの方で社会的養護の将来像ということで方針を今作られているというふうに思います。そうすると、これは平成二十九年ではなくてもっと先に理想の形というのがあろうかと思うんですけれども、今のその目標を実現するために、ちょっとせっかくなので将来像のことも御説明いただいて、その将来像を実現するためにはどのぐらい必要かというようなことがもし御答弁できるようであればお伺いしたいと思います。
○政府参考人(石井淳子君) 社会的な養護というものをできるだけ家庭的、小規模化を推進していくということで課題と将来像というのを策定いたしておりまして、その中での考え方でございますが、これは三分の一、三分の一、三分の一という姿で、すなわち、施設、それから家庭的な環境での小規模化、グループケア化、そして里親という形で三つ分類で、今の大舎化を中心とした児童養護施設の在り方をより家庭的な環境にしていこうということであります。
 これは実は二十七年度をスタートとしまして、四十一年度まで十五年間を掛けて徐々に進めていこうということでございまして、かなり将来的、長期的な展望を持っているものでございまして、実はその数字につきましては現在まだはじいているものはございませんで、その点はお許し賜ればと思います。
○森本真治君 三分の一ずつという目標があるんだから、大体の予測というか、それで数字が出てきて、ある程度は見積りが出るんじゃないかなというふうにも思ったものでしたからちょっと質問をしたんですけれども。
 その中で、今実際に私の方で御説明すると、施設の子供たちが大体九割、里親が一割ですよね。これをだから三分の一に里親を上げていこうということになろうかと思うんですけれども、今はその目標だけがありますが、先ほども申しましたように、今後というか、今本当に急激に虐待とか障害を持つ子が大変多くなってくるという状況を見てみると、里親もいろんな専門性を持った里親さんというか、そういう人を増やしていかなければ、やっぱり単に里親を増やしただけでいいという話にもならないというふうに思うんですけれども、その辺りの今の子供たちの状況を踏まえて、里親を単にこれだけ増やすという話ではなくて、その中での専門里親を幾ら増やしていくかというようなところの予測というか、そこら辺までは見積りというか予測というか、ありますか。
○政府参考人(石井淳子君) 現時点でその見積りというのはないのでございますが、議員おっしゃったとおり、確かに専門里親、これを増やしていく必要があるというふうに認識をいたしております。
 現在も増やしてきている最中ではございまして、今持っております目標値は、平成二十六年度の目標値を八百世帯とするということでございまして、実はこれ、二十年度におきましては専門里親は四百九十五世帯でございましたのが、直近の二十四年度は六百三十二まで増えておりまして、これ着実に増やしてきているところでございますが、そういう延長線上で考えるのか、あるいは子供の数も増減をしたりするわけでございまして、またさらに施設に入るお子さんの数というのも、これもちょっと見込みというのを立てていかなきゃいけない。その中で、どういう形で専門里親の数というものについて目標設定するのか。ちょっとこれは課題として受け止めさせていただければと考えております。
○森本真治君 何か私が厚労省さんに代わってしっかり取り組んでいる部分を御説明するようになってしまうかもしれないんですけれども、今、里親さん、今後の将来像の中で、ちょっとこの資料は用意していないんですけれども、大体七千百人程度から一万二千五百人程度というような、これ予測というか、そういう見積りも立てられていますよね、この資料を見ると。
 そうすると、今大体三分の一の子が虐待を受けているというようなことでいえば、やはり専門里親はそのうちの、例えば、単純ですけれども、これ、このうちの三分の一ぐらいの専門里親さんは確保しなければいけないというように計算を私は単純にするんですけれども、そうすると、具体的にどのように増やしていくのかというところになりますけれども、もちろん専門里親さんになってもらうには、その前段として、普通のと言ったらいけないですけれども、里親さんを増やしていかなければならないですけれども、具体的な増やしていく方法というのは何か今案としてお持ちでいらっしゃいますか。
○政府参考人(石井淳子君) まさに里親になっていただく方を増やしていくための取組、今一生懸命進めているところでございます。
 実は、日本全体で見ますと、里親という方の比率がまだ高くないわけでございますが、かなり都道府県別、自治体別に差がありまして、非常によく取り組んでいるところがあるわけでございます。その好事例に学ぶということで、好事例を流布していくという取組を行っております。
 とりわけ、自治体の方で、施設ではなくて里親なんだという強い思いを持って、いろんな各種研修会とかあるいは働きかけを行っているところにおきましては非常に数字が上がってきている。それに倣って付いてきているところもあるわけでございまして、そういうノウハウをしっかり努めていくということと併せまして、一旦里親になった後、これが孤立してしまうという問題が往々にして起こりがちでございますので、そのバックアップ体制を取っていくということでそのルールも定めまして、定期的に専門施設の方から働きかけをするとか訪問するとか、そういう形をやることによって里親を確実に増やしていこうということを今取り組んでいるところでございます。
○森本真治君 自治体の方で一義的にはしっかりとそういう活動というかお願いをしていかなければならないというふうに思うんですけれども、国としてもしっかりとその辺りのバックアップというか、そういうこともしていただきたいということで、これは総括的にまた大臣に一番最後に、この社会的養護については自治体の方だとは思うんですけれども、全体としても最後にまた決意はお伺いしたいと思いますので、ちょっと次に移りますけれども、里親を三分の一に増やしていかなければならないというのにちょっと関連して、特別養子縁組について少し取り上げさせていただきたいと思います。
 特別養子縁組というのは法的にも、里親は法的には親子関係ということではないけれども、特別養子縁組によって法的にも親子になるということで、これを積極的にやはり進めていこうという意見がある一方で、現状、ほとんどこれが民間事業者が担っている状況の中でいえば、今いろいろマスコミなんかでも取り上げられておりますけれども、高額な寄附金を支払わなければならないというようなこととかもあって、いろいろそこら辺のルールづくりの必要性なども言われております。
 ちょっとお伺いしたいのが、まず厚労省さんとしては、この特別養子縁組については積極的に進めていこうというお立場であるのかということをまずお伺いしたいと思います。
○政府参考人(石井淳子君) 特別養子縁組といいますのは、保護者のない児童や家庭に恵まれない児童に安定した温かい家庭を提供するという重要な意義あるいは役割を持っております。そういった意味で、要保護児童対策の大変重要な一つの取組だろうと思っております。
○森本真治君 そういう中でいろいろと課題が、先ほども言いましたような寄附金の問題なども含めて、しっかりとしたルールづくりをやはりしていかなければならないという今議論がありますけれども、この特別養子縁組については大変重要だという認識だというお話であったので、じゃ、やはりこれをしっかりどう進めていくかという中での今後の方針というか、どういうふうに展開をしていこうとお考えなのかということをお伺いしたいと思います。
○政府参考人(石井淳子君) 議員御指摘のように、特別養子縁組がなかなか広がらないと。その背景として、なかなかその前提となります養子縁組のあっせんがうまく機能していないということはつとに指摘もされているところでございますし、昨今では、民間で第二種社会福祉事業として、これは営利目的のあっせんは禁止されているわけでございますが、その中でやはり、これはもしかして営利ではないかと疑われるような報道もなされているということがあるわけでございます。
 そういう意味で、民間事業者、もちろん児童相談所も行っているわけでございますけれども、民間事業者において事業が適正に行われる、あるいは透明化を持って行われる、そういうことが課題だというふうに受け止めておりまして、これに対応するべく、実は去る五月一日でございますけれども、外形的に営利目的が疑われるような事業運営の禁止や養親希望者などからの金品の徴収ルールの明確化、これは実費はいいということでありますから、どこまでならいいのかというところをルールとして明確化したものでございます。そういったことを内容としました自治体の指導基準を改定することと併せまして、自治体の指導が円滑に行われるように事業運営の状況の調査の様式も変えていまして、それも現在実施しているところでございます。
 もっと根本的な問題としまして、事業者における児童や実親、養親に対する相談や支援の質の向上を図っていくために本年度から調査研究を開始をいたしまして、支援に係る適切な手法や、あるいは事業者と児童相談所との連携方法の在り方等についても明確にしていこうというふうに考えているところでございます。
○森本真治君 元々これ愛知方式というんですかね、愛知で始まったというふうにも、児童相談所。だからこれ、今民間事業者でやられているというようなところだと思うんですけれども、これを今後、より行政として積極的にやるのかどうかというようなことも含めて議論をしていくんだというふうに思いますので、いろんな課題も多分あると思うんですけれども、私はどちらかというと、これはやっぱり積極的に今後展開をしていくべきじゃないかというふうにも思っておる中でいえば、しっかりとまた、時間を掛けてはいけないかどうかよく分からないけれども、今の状況からすれば、早期にまた方針なども考えていただければというふうに思います。
 それともう一つ、今の課題の中での専門性の向上ですね、職員さんの、という部分についても少し触れたいんですけれども、施設の職員さんの充実とか資質の向上という部分については、ちょっと今日時間的に難しいのでまたの機会に譲りたいと思うんですけれども、今日、あわせて、この専門性という部分について提起したいのが、情緒障害児短期治療施設、情短施設、情短施設というふうに言われておりますけれども、について少し提起をしたいと思います。
 情短施設、心理的、精神的問題を抱えた日常生活の多岐にわたり支障を来している子供たちに心理治療を行うところということで厚労省の資料に説明がありますけれども、現在、七五%の子供が、この情短施設のですね、虐待を受けた子だということです。現在、平均約二年間、二年強、治療をして、その後に里親でありますとか児童養護施設での養育につなぐ役割をこの情短施設は担っているというふうに厚労省の資料には書いてあります。ということは、やはり大変重要な、今後の社会的養護を担っていく中でも重要な施設だというふうに思うんですけれども、実際、これは地域によっては設置されていないところもあります。そのため、本来は情短施設で治療する必要があっても、それができないので、児童相談所の方の判断として直接児童養護施設に入所していって、職員さんの負担がまた大変多くなっていくというような現状があると思います。
 この情短施設の今の現状、確かに、障害を持っている子のケアという部分も含めて、現状どういうふうに認識をされていらっしゃって、今後どういうふうに展開をしようとお考えになっているのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(石井淳子君) 情緒障害児短期治療施設は、虐待や発達障害などにより心理的な課題を抱えて日常生活の様々な場面で困難に直面をし、心理治療を必要とする子供に対してその支援を行っているものでございますが、平成二十五年の三月末現在で十七都県においていまだ設置を見ていないところでございます。
 若干これは増えつつはありますけれども、まだ、全都道府県一か所は置いてほしいという我々目標を持っているんでございますが、それに達成をしていないという状況でございます。実は、将来的には、人口の多い都道府県では複数施設があってほしいということで、将来は五十七か所は欲しいなということを、それを目標に立てているところでございます。
 ここを増やしていくためにどうしていくかということでございますが、現在、子ども・子育て支援法に基づく基本指針の概ねの案、これが示されているところでございますが、そこにおきまして、子供に対する専門的ケアを充実するため、情緒障害児短期治療施設の設置について都道府県の計画に記載するよう盛り込んでおります。そこに加えまして、直近におきましても、これは毎年私ども行っておりますが、全国児童福祉主管課長会議において、未設置の自治体に対してはこの設置推進に努めていただくよう働きかけを行っているところでございまして、またフォローアップも行っているところでございます。
○森本真治君 複数箇所、人口の多いところもということで五十七か所という目標と言われましたけれども、当面は少なくとも各都道府県一か所、全部ということをまず最優先でやってもらいたいと思いますけれども、これのめどはどうなんでしょうかね。具体的にいつ頃には達成できそうだというようなことは把握しておいでですか、厚労省の方としては、全県一か所というのは。
○政府参考人(石井淳子君) 現在、まさにそれをできるだけ早く到達したいということでありますが、現に、確かに今数か所ちゃんと設置を計画をしてお金の手当てもしているというところは動きあるんでございますが、その数はまだ全県に到達するものではなくて、とにかくこれは、議員御指摘のとおり、一日でも早くという思いでやっていきたいと思います。
 ただ、一方、これは東京都の例なんでございますが、ここは現在設置をされておりませんが、児童養護施設に非常勤でございますが児童精神科医を置いて、それで対応しているという例もありまして、そういう意味で、それなりの対応をしているというふうに認識をしているところもあるというのも一方事実でございまして、その状況なども把握をしつつですね。
 ただ、やはり専門的な体制を整えた施設というのは本来都道府県一か所ずつあってほしいと思っておりますので、その設置促進に努めてまいりたいというふうに考えております。
○森本真治君 お願いをしているという、もちろん自治体の方で主体的にやってもらわなければいけないんですけれども、これについては、ある意味、中央集権的な圧力でも何でもなくて、やっぱりバックアップですから、しっかりとした、そこについては、精神的な応援だけじゃなくて、もっとこう、何というんですか、物質的な応援というか、そういうことも含めてしっかりと、これやることは全然中央集権とは違う話だと思いますから、しっかりとやっていただきたいというふうに思います。
 それと、次なんですけれども、自立支援の話も少しさせていただきます。これもちょっともう時間がないので簡単にいきますが、資料の三でございます。
 児童養護施設の子供たちの特徴ということで、実際、進学率も低いんですけれども、これ左側のところにあるように、高校卒業後の進路では七割近くの子供は就職をされるということでございます。それと、右側の資料にもありますように、就職はするんだけれども、そのうちの七割ですね、七割がもう二年以内に離職をしていると、これは厚労省の資料ではないんですけれども、そういうNPOの調査でも数字が出ております。まさに子供の貧困問題ということで国としてもいろいろ力を入れておりますけれども、貧困の連鎖、この象徴が社会的養護を必要とする子供の中にはあるというふうにも言えるのではないかというふうに思います。
 そういう面では、退所後の児童のアフターケアについても一層力を注いでいかないと、自立するまで、出ていくまでは面倒見るけれども、あとはもうみんな自立してねではやはりいけない。やっぱり特別な事情を持っている、より丁寧なフォローというのは退所後にもしていく必要があろうと思うんですけれども、その辺についての認識をお伺いします。
○副大臣(土屋品子君) 入所児童が退所後、社会で自立できるよう就職や進学に際しての自立支援策の充実を図っておりますが、就職や進学する際の家財道具等の準備費用として、平成二十四年度より、二十一万六千五百十円だったものを二十六万八千五百十円に引上げになっております。
 それから、就職や進学に役立つ資格取得等についての支援もしております。資格取得等特別加算として五万五千円ということになっております。
 また、義務教育を終了した施設で退所した児童等に対して、アパート等での共同生活を通じて日常生活上の援助や生活指導、就業の支援を行う自立援助ホームの設置も進めているところでございまして、現在百十三か所でございます。これはもっともっと進めていく予定でございます。
 さらに、施設を退所した児童等の生活や就業に関する相談や、施設を退所した児童同士が相互に意見交換や情報交換を行える自助グループを支援する事業も進めておりまして、このような取組により児童の自立支援に取り組んでまいりたいと考えています。
 特に、二年で会社等せっかく就職したのに退職してしまう人たちは、やっぱり孤独とかそういう何か孤立感があるのかなとも思いますので、そういう意味では仲間同士のグループをつくっていきたいと思っています。
○森本真治君 実際にこういう就労支援などをしているNPOの皆さんなんかと話をしていても、実はこれ施設の子供たちは逆に長所もあるんですね。ハングリー精神というか、働く意欲の強さでありますとか、集団生活をしているので、周囲への適応力の高さとか、規律を守るというようなこと、周囲との融和を図るという点は非常に施設の子供たちの強みになっているんだということです。
 ですから、就職の際にきちんとマッチングを行えば、企業にとっても有用な人材でありますし、そのためにはやはり企業の理解ということも必要なんですけれども、そういう面でのそれらへの意識啓発、またマッチングなどについても厚労省としても今後積極的に関わっていただきたいということで、これはもう要望で終わります。お願いをしたいと思います。
 それと、内閣府さんに来ていただいておるので、ちょっと一つだけ気になることがあったので、このことだけは是非ちょっと取り上げさせていただきたかったんです。
 今後のこの社会的養護体制の充実に向けて、先ほど来話があるように、各自治体の方でしっかりとやっていかなければならないという中で計画的に進めていくわけですけれども、これについては、来年度からの本格的スタートの子ども・子育て新システム、この中にもしっかりと各自治体で事業計画を作成をしなさいということになっていて、来年度スタートですから今年度中にはこの計画を自治体が策定をするんですけれども、この計画策定の前段として子ども・子育て支援法においては、内閣総理大臣が基本指針というものをしっかり定めて、それに基づいて計画を自治体が作るということだと理解しております。
 ただ、ちょっとこれ伺ってみると、今の段階でも基本指針ができていないというふうに伺いました。もう一年切っている状況の中で、国が基本指針を示していない中で自治体の方にしっかりとやれと言うのもこれはおかしな話ではないかというふうに思います。なぜ作業が遅れているのか。自治体に多大な影響を与えるのではないかというふうにも危惧するわけですけれども、その辺りの状況について御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(岩渕豊君) ただいまお尋ねのございました子ども・子育て支援新制度におきます基本指針でございますけれども、この基本指針は、市町村、都道府県の事業計画を策定する上での指針となるものでございます。これにつきましては、内閣府に設置されている子ども・子育て会議におきまして御議論いただきまして、昨年七月に案を取りまとめまして既に公表されているところでございます。
 具体的には、基本指針の案を受けまして、各市町村におきまして、これに沿いまして、現在まだ告示という形式にはなっていないものの、これに沿いまして各自治体におきまして計画の検討を進めていただいているところでございまして、具体的には、基本指針の案を受けて各市町村、都道府県におきまして事業計画に向けた準備を進めて、量の見込みを把握するためのニーズ調査の実施、分析などが進められているところでございます。
 進捗状況といたしましては、ニーズ調査につきましては、平成二十六年二月二十八日の時点で既に九九・五%の自治体が実施済みないし実施準備中という状況になっております。
 また、基本指針につきましては、現在、告示の準備を進めておりまして、関係する府省令等と併せまして速やかに公布できるように取り組んでまいります。
 自治体へのサポート等につきましては、国による自治体向け説明会を節目節目に開催しておりますほか、必要に応じ、事務連絡の発出、あるいは都道府県等が市町村に対して説明会を開催する場合に国の職員を派遣するなどを行っておりまして、引き続き、自治体が施行に向けて準備を円滑に進められるように支援してまいりたいと存じます。
○森本真治君 ちょっと時間になったのでもう終わりますけれども、案があるからもう大丈夫ですよという意味ですか。でも、それってやっぱり私は不親切だと思いますね。やっぱりしっかりしたものを国がまず示してあげて、その中で取りあえず案の段階で準備しておいてくれというのは、これはやっぱり私、怠慢だと思います。
 内閣府さんがこれ今やられていますけれども、各自治体は大体やっぱり厚労関係の部署でやっていますので、これはやはり厚労省さんとしてもフォローというか、内閣府さんともしっかり連携をしていただいて、円滑にこの新システムが施行できるように、やっぱり不安は残りますよ、こういうような状況では。当初示さなければいけない部分もできていなくて、これはもう法律で書かれていることですからね。そういうような部分についてはしっかりと、あえて猛省をしていただきたいというか、一日でも早く確定して、これで安心してくださいというふうに自治体の方にも示していただきたいということでございます。
 ちょっと大臣にもう答弁していただく時間がなくなりましたが、またの機会ということで、終わらせていただきます。
○委員長(石井みどり君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時三分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
○委員長(石井みどり君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、石田昌宏君が委員を辞任され、その補欠として三宅伸吾君が選任されました。
    ─────────────
○委員長(石井みどり君) 休憩前に引き続き、社会保障及び労働問題等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○長沢広明君 公明党の長沢広明です。
 今日は、へき地、特に離島における医療の確保ということで質問させていただきたいというふうに思います。
 政府としては、昭和三十一年度以降、過疎地域における住民への医療提供ということで、へき地保健医療対策、これを五か年計画で進めてきております。現在は、平成二十三年度からの五か年ということで、第十一次へき地保健医療計画が実施されているということでございます。
 そこで、現下の過疎地域における、へき地における医療確保に向けた主な取組と今年度の予算について、まず説明を求めたいと思います。
○政府参考人(原徳壽君) お答え申し上げます。
 御指摘のように、現在、第十一次のへき地保健医療計画を実施しております。この間、昭和三十一年からおおむね五年ごとにへき地保健医療計画を作ってやってきたわけでございます。
 当初は、へき地診療所の整備や、あるいは患者の輸送車などの配備、それからへき地診療所をサポートするへき地の中核病院、あるいは最近はへき地拠点病院と言っていますが、そういうところの整備の話とか、あるいは都道府県にへき地医療支援機構という組織をつくってサポートをしていく。
 現在の十一次計画では、へき地へ派遣される医師のキャリアパスの育成機能であるとかドクタープール機能などについてのへき地医療支援機構の機能強化を図ってきたところでございます。
 また、第十次、前回の平成十八年度からの計画におきましては、国で作成するだけではなくて、各都道府県でもそれぞれ実情に合った計画を作成していただくこととしております。例えば、有人離島が非常に多い長崎県などでは、長崎大学の中に離島・へき地の医療学講座という、これは自治体がお金を出した寄附講座を設けて、離島への診療応援あるいはその実習など、様々な対策を取っていただいているところでございます。
 予算につきましては、平成二十六年度におきまして、へき地医療拠点病院やへき地診療所等に対する運営費に対する財政支援として約十三億円、また、へき地医療に対する支援策の企画調整を行うへき地医療支援機構の運営費の財政支援として二・六億円、また、へき地医療拠点病院や診療所の施設設備の財政支援としましては、医療施設等の施設整備費等で約十億円を計上しているところでございます。
○長沢広明君 五か年計画の今途中に入っているということで、特にへき地の無医地区での巡回診療等への支援、そういうことも行われるというふうに伺っております。
 特に、離島の重要性というのは大変高まってきております。日本は、国土面積は非常に小さいですけれども、排他的経済水域のいわゆる海面積では世界第六位ということで、この排他的経済水域を保持できているその最大の理由はやはり離島にあるわけでございます。しかも、有人離島で生活基盤をきちんと維持するということはこれ非常に大事な意味がありますので、一昨年でしたか、離島振興法の改正にも我々も力を入れて、離島の生活の安定ということについてはこれは国の責務というふうにはっきりと明記をして、国がこの離島対策をしっかり責任を持って行うと、こういうふうにしてきたところでございます。
 これまでもいろいろ予算委員会等でも離島の問題取り上げてきたんですが、今日は特に医療、医師の確保というのは非常に離島では深刻な課題であるということで質問をさせていただきます。
 ちょっと例を挙げますけれども、新潟県の佐渡島の北というか東というか、北東方向に粟島という小さな島がございます。粟島浦村という一つの村になっておりますけれども、人口が四百三十八人程度の小さな村でございますが、この粟島の粟島浦村というのは無医村でございます、お医者さんがいない。そのために、約十年前に役場の隣に保健所と診療所とデイサービスを統合した保健福祉複合施設というのを造って、この保健福祉複合施設に本土側、特に新潟県岩船郡の医師会の皆さんの協力を得て、医師会の皆さんが、月三回から四回医師が訪問して、医療を受けるという形になっています。ただ、気候の問題等もありまして、五月から九月までの期間だけは月三回から四回医師が派遣されると、こういう体制になっているんですね。それ以外はお医者さんはいないと。小さな村ですけれども、年一回の総合健診はほぼ一〇〇%皆さん受診されるということでございます。
 ただし、緊急時には本土とのテレビ電話による遠隔診療も行われておりますが、五月から九月の間、医師は派遣されますけれども、それ以外の期間は、これは定期船に乗って本土まで渡らなければなりません。フェリーとそれから高速船、二つありますけれども、わざわざそれに乗って本土まで渡って医療機関に行かなければ診療を受けることができない、こういう地域がございます。
 別に今、例として粟島を挙げましたけれども、こういう離島には様々な、例えば介護の問題も様々に指摘をされておりますし、あるいは教育の問題も様々にあります。特に、地域によって常勤の医師がいない、かつ、粟島の場合は五月から九月までの間はお医者さんが来てくださいますけれども、それ以外の期間はお医者さんは来ない、そうした島については医療へのアクセスということに対しては大変な負担が掛かっているわけであります。
 離島振興法の第十条に、離島振興対策実施地域における医療を確保するため、離島振興計画に基づいて、診療所の設置あるいは患者輸送車、これは輸送艇、船も含むということで、輸送車の整備、定期的な巡回診療、医療機関の協力体制、救急医療用の機器を装備したヘリコプターによる輸送とか、ドクターヘリを離島にきちんと届くようにしてもらいたいという要望は離島からもかなり多く上がってきておりますが、そういう体制の整備などの事業を離島振興法の第十条には実施しなければならないと、こういうふうに書いてあります。
 第十一次へき地保健医療計画の中にもいろいろ盛り込まれておりますけれども、へき地医療支援機構の強化を更に進めて、離島への医師の派遣とか巡回診療、こういうことを更に強化する必要があるというふうに思います。
 そこでまず、我が国における有人離島で常駐の医師がいない又は医師の巡回診療がないという島はどの程度あると把握をされているか。また、それらの島の医療サービスの現状、それから今後の医療支援の対策について説明を願いたいと思います。
○政府参考人(原徳壽君) まず、常勤の医師がいない島がどれぐらいかということでございますが、公益財団法人日本離島センターによる、離島振興法等で指定されている離島のうち、これは平成二十三年四月一日現在ですが、常勤の医師がいない島は、調査対象三百一島中百七十一島であったというふうに聞いております。
 また、私どもの調査で、常勤医師が不在であっても近隣の島に医療施設があり、そこで受けられる体制の島もあるということで、平成二十六年四月一日現在で私どもで調査をいたしました。その時点では、有人島三百十二島のうち医療施設がない島が百十三島あり、そのうち近隣の島にも医療施設がない島が十七島、その中でも巡回診療も行っていない離島は約十一ございました。十一あったわけですけれども、このうち住民登録の人口で最も多い島で五十二人、あるいは八島においては二十人以下の住民登録という、そういうような島が約十一ございました。
 これらの島についての実際の医療をどうしていくかということ、先ほど御質問の中でも御指摘ありましたように、救急時にはドクターヘリによる患者輸送あるいは消防所有の救急艇による患者輸送などが取られているというふうに聞いております。
 これらを含めまして、へき地医療拠点病院の巡回診療に対する財政支援や、あるいはドクターヘリの運航に係る財政支援等を行うことによりまして、離島における医療提供体制が確保されるよう引き続き支援してまいりたいと考えております。
○長沢広明君 離島振興協議会に伺ったところ、先ほど話のあった離島振興法が所管する有人離島は三百一島あり、そのうち常駐の医師がいない島は百七十一島、五七%、つまり六割ですね、が医師がいないと。しかも巡回診療も来ない。今近隣で診療を受けられるというお話ありましたけれども、島で近隣で医療を受けるにしても、船に乗っていかなきゃならないんですよ。船というのは波が高かったら行けないんですよ。それは常に受けられる体制にならないんです、実は。それを余り数えて現実を見誤ってはいけないと私は思います。
 巡回診療も来ない島が三百一島のうち四割に当たる百二十一島あるんです。確かに人数が、住民が例えば百人とか五十人とか二十人とか、人口は少ないかもしれませんけれども、人が少ないからそこに医療のサービスが必要ないということにはならない。そういう意味では、逆に言えば、人口の少ない島で、そこでしっかりその島を、ある意味では、人がいなくなると島って途端に荒れるんですよね。そこでしっかり生活をしてくれることで島を守って、自然を守ってくれている、そういう人たちに対するサービスというのはやっぱり真剣に考えるべきだというふうに思います。
 離島における医療の確保というのはいろいろ課題があって、先ほど答弁の中にもありましたけれども、大学の医学部の枠、定員ですね、こういうことを増やすということもされてまいりました。医学部の地域枠というのを活用する、こういうことで医師を定着をさせる、それを定着を促すにはどうしたらいいかとか、ICTを活用した遠隔医療というのも一部始まっていますけれども、そういう有効性や実用性をどう向上させるか、そういうような課題というのはたくさんあります。遠隔医療は、使われてはいるけれども非常にまだ有効性が低いとか、十分に活用されていないという問題もあります。離島においては、初期救急及び二次救急のトリアージとか、病気の予防、慢性疾患の管理、リハビリ、みとり、様々な医療ニーズに対応するものがやっぱり欠落をしております。
 このような地域にも対応できるような幅広い診療能力を有する総合診療医が必要になります。そういう総合診療医が必要と思いますが、そこで、今後の医療・介護総合確保推進法案による改正も踏まえて、離島における実効的な医師確保策の在り方について、また総合診療医の育成についてどう考えているか、お伺いしたいと思います。
○大臣政務官(赤石清美君) 長沢委員の御指摘のとおりでありまして、私も長崎県の五島列島に行ってまいりまして、五島中央病院というのがあるんですが、そこが離島関係の中核病院をやっておりまして、そこで各離島と連携してやっている、それでもやっぱりドクターが全然足らないということで、自治医科大学から毎年何人か派遣していただいているというふうな話をしておりました。
 先生御指摘の離島などのへき地における医師確保につきましては、各都道府県に設置されました、先ほど委員からも指摘がありましたへき地医療支援機構におきまして、離島などへき地にある診療所への医師派遣の調整など、へき地医療対策の総合的な企画調整を実施しております。現在、四十三都道府県のうち四十都道府県にこの機構が設置されておりまして、設置されていないのは山梨と長野と佐賀県ということであります。
 また、都道府県には、特定の地域等で診療を行うことを条件とした地域枠による医師確保を行っております。例えば、今私がお話ししました長崎県は離島での診療を条件として奨学金を貸与しており、医療・介護総合確保推進法案に盛り込まれた新たな財政支援制度、基金におきまして奨学金に要する費用を補助することが可能であるということで、これは漸次定員枠を増やしてきておりまして、平成二十八年度よりこの新たな定員枠の卒業生が出てくるということで、少しずつは緩和されていくだろうというふうに思います。
 さらに、御指摘のとおり、離島において様々な医療ニーズに対応するためにも、総合的な診療能力を有する医師である総合診療医が必要であります。総合診療医につきましては、新たな専門医の一つとして総合診療専門医が位置付けられており、先日設立されました日本専門医機構の下、地域の実情に応じた各研修病院における養成プログラムの作成等を経て、平成二十九年度から養成開始を目指しております。厚生労働省でもこのような養成プログラムの作成を支援することとしておりまして、これらの取組を通じて離島における医師の確保を支援していきたいと、このように思っております。
○長沢広明君 総合診療医を確保し、そして総合診療医がへき地、離島の医療のサービスの中心になっていくというような体制をできるだけ早くやっぱりつくらなければいけないというふうに思いますので、しっかり推進をしていただきたいと思います。
 もう一点、先ほどちょっと遠隔医療のことについて触れました。ICTを活用した遠隔医療はまだ端緒、緒に就いたばかりというふうに思いますが、その現状ですね、今ICTによる遠隔医療の現状、どうなっているか、どう判断をしているか、評価ですね、どう見ているかということと、課題、私は先ほど余り有効に活用されていないようだと、そういう声が多いというふうに思いますが、その課題と対策についてどのように考えているか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(原徳壽君) ICTを活用した遠隔医療ですけれども、いろいろなやり方がございます。
 例えば、画像などにつきましては、いわゆるへき地の医療機関から専門の医療機関に対して画像を送って高度な診断をしていただくというような、ドクター・ツー・ドクターといいますか、そういう形での活用でありますとか、あるいは、特に慢性の疾患の患者さんについては、在宅でなかなか来れないというような場合に、その家庭の中に画像を送る装置を付けて、そこによる遠隔からの診療、ドクターとペーシェントとの間の診療、それぞれで役割が違いますのでまたそれぞれ課題があると思いますが、全般としては、やはりこのシステムの導入については当然ながら費用が掛かるということ、それから、それを運営するためにも費用が掛かるという、こういう金銭的な問題と、それから、こういういずれの場合にしても、その遠隔医療をするノウハウといいますか、そのための知識とかあるいはノウハウの共有化が十分ではないのではないか、こういったところが課題ではないかというふうに考えております。
 これまで特に費用面につきましては、遠隔医療を実施するための設備整備に対する補助事業を行ったり、あるいは、特にドクター・ツー・ドクターのそういうしっかりとした診断を行うためには診療報酬上の評価などもしてきたわけでございます。
 また、知識の面につきましては、どういう形でやるのがいいか、それらの使い方も含めましてやはりしっかり勉強していただくことが必要だと思いまして、平成二十六年度から、機器の導入を検討している医療機関等に対しまして、実際に実行しておられるところも含めまして、運用していくためのポイントとか、あるいは情報通信システムを活用した研修を実施するための新たな予算を獲得したところでございます。これらも実際、離島等における医療の充実に活用していただけるのではないかと考えております。
○長沢広明君 やっぱりコストの問題もあり、運営する人の能力の問題もあり、まだまだ歴史が浅いというか、実務がまだ積み重ねられていないという問題もありますけれども、せっかく導入されているところでも余りうまく活用されていないという面もありますので、この遠隔医療の在り方ということについてもう一歩深く突っ込んで検討する必要があるというふうに思います。
 この数年、医学部定員が増加して、平成二十年度から定員を増加して、お医者さんが増えるということはいいと思いますけれども、その増えたお医者さんがやはり、先ほど来私申し上げているとおり、無医村とかそういう医師のいない離島とか、そういうところに行ってもらえる人がやっぱり増えてこないといけないというふうに思いますし、巡回診療を担ってくれる方々がやっぱり増えていかないといけないというふうに思います。
 こういう医師、研修医も含んでですね、そういった環境を体験してもらって、離島の医療に携わろうと、そういうふうに思ってもらう医師が増えるということが期待されるというか、待ち望みたいというふうに思っておりますけれども、この点についてはどういう対応を考えているか、伺いたいと思います。
○政府参考人(原徳壽君) 御指摘のとおり、離島での医療をまず体験するということは非常に重要なことだろうと思います。
 そのために、例えば離島に所在するへき地診療所、今二百二十六ございますが、このうち八十九の施設で医学生など離島診療の実習をさせているというようなことを聞いております。また、先ほどの長崎の例でありますけれども、五島の中央病院において離島の医療を全医学生に対して長崎大学がやっておられるとか、そういう取組もされているところでございます。
 また、例えば、臨床研修の中に地域医療というものを必修化しておりますけれども、その中では、プラグラムにもちろんよりますけれども、へき地や離島の医療も体験させるというような研修を組み込んでいるところもあるというふうに聞いております。
 いずれにしましても、いきなりぽこっとへき地に医者を送り出せばいいという問題ではなくして、その医者をちゃんと育てながらしっかりとしたへき地医療ができないといけないと思います。そのためには、地域医療支援センターやあるいはへき地医療支援機構の活動を通して、医師のキャリアパスも含めながら、離島に赴任する医師が増えるよう進めていきたいと考えております。
○長沢広明君 この後、本当は地域包括ケアについて触れたいというふうに思っておったんですが、ちょっと時間の関係で少し飛ばします。
 市町村国保の都道府県移行について若干ちょっと質問したいと思います。
 市町村国保は、国民皆保険の実現に大きな役割を果たしてきたわけでありますけれども、近年、高齢の加入者が多くて医療費の支出が多い反面、所得水準が低い、保険料負担が重い、市町村ごとの保険料水準に大きな差があるという構造的な問題がずっと指摘をされてきました。
 この問題に対処するために、昨年の社会保障制度改革国民会議報告書では、都道府県が医療提供体制の見直しを進めるということと併せて、国保の財政運営、これを都道府県が担うという方向が打ち出されております。
 昨年末に成立した社会保障制度改革プログラム法でも、国保の財政運営を都道府県が担うことを基本としつつ、保険料の賦課、徴収、保健事業については市町村の積極的な役割が果たされるように、都道府県と市町村で適切な役割分担を行うということが明記をされました。
 今後、来年の通常国会にまた法案提出ということを目指して、国と地方の協議を含めて具体的な検討に入っていくということでございますが、この都道府県単位に広げていくということについては、いわゆる保険料の平準化、あるいは国保財政の安定化を図る事業を拡大することによって進められていると、方向性としてはそういう延長線上の方向性にあります。
 ところが、加入者の視点に立って保険料への影響を考えてみますと、とりわけ離島や過疎地域、こういった市町村によっては保険料が引き上げられるケースが出てくるということが懸念されるわけでございます。
 市町村の保険料水準は住民の所得水準によっても異なってまいりますけれども、一般に、病院とかそういう医療資源が元々少ない、あるいは全くないそういう離島において、あるいは過疎地域において、この所得水準、低い傾向にあるわけです。こうした地域に住んでいる方々が医療へのアクセスということが限られる、そういう現状にいる、それを甘受せざるを得ない現状のまま保険料の負担だけを強いられるということは理解が得られないし、あるべきではないというふうに思います。
 市町村が医療費適正化の努力を行うことで医療費を抑える、保険料負担が軽くなる、そういう仕組みとすることで各市町村が医療費の適正化にまた一層取り組める環境づくりをしていくことも重要だというふうに思いますが、政府は、国保の財政運営を都道府県が担うこととするに当たって、各市町村の保険料負担がそれぞれの医療費水準を考慮したものとなるよう制度設計を行うべきではないかと思います。また、制度改正で各市町村の保険料の水準に変化が生じる場合、その場合、保険料が上昇する被保険者に配慮して必要な対策を講じるべきではないか、このように思いますが、厚生労働省の見解を伺いたいと思います。
○政府参考人(木倉敬之君) お答えいたします。
 御指摘のように、国保制度、構造的な課題を抱えている中で、今後とも安定的に運用していかなきゃいけないというものでございます。
 このために、二十四年に国会で改正をしていただきました国保改正、この中でも、市町村間の医療費あるいは保険料の平準化、財政安定化を図る措置が組み込まれて、それは例えば市町村ごとの医療費を全て共同で事業を行おうというものも、来年の春、二十七年四月から施行ということで準備を進めてもらっております。
 これは、市町村ごとに住んでいらっしゃる高齢者の方でも、例えば県庁所在地の方の医療を受けられるという場合もあるわけですので、今まで三十万円以上の医療を共同で持っていたものを全ての医療費を共同して持とうと。ただし、今先生御指摘のように、そのときに保険料が急に高くなってしまうというようなことも出てまいりますので、既にこの二年前の法律におきましても、都道府県の持っていただく調整交付金の割合を増やしまして、これによって市町村間のそういう保険料の激変緩和ということも同時に進めていただこうということで今準備を進めていただいておるところでございます。
 この上に立って、さらにこの国民会議の報告書、それからプログラム法の中では、やはり国が財政支援の拡充をしっかり図って構造的問題を解決することを前提としてではありますが、都道府県の方にもこの運営について財政を始めとして役割を担っていただく、これが必要だということの方向性が出されております。
 それから、そのときには、顔の見える関係であります市町村、これが保険料の賦課、徴収をきちんとやるとか、それから健康づくり等の保健事業をしっかり進めていただく、これはやっぱりインセンティブも与えながらしっかり頑張っていただかなきゃいけないと、これも同時に進めるべきだということでございます。
 こういうことを踏まえまして、御指摘のように、医療提供体制等からきます医療費の水準にやっぱり差が出てしまうことを県全体でどう考えていただくのかということについて、差を付けることをどう考えられるかということ、あるいは、そのときに保険料水準もどうしても差が出てしまうけれども、それを一律にならすことができるのか、それともある程度の合理的な差を認めるべきかということ、これ今、国と地方三団体の間で実務的なワーキンググループを動かしながら、協議の場で検討を進めております。こういう中でもこの課題についてきちんと議論を踏まえて合意を得ていきたいと、そういうふうに考えておるところでございます。
○長沢広明君 これはしっかり地方ともよく協議をしてもらいたいと思うんですね。離島の場合は、医療資源がほとんどない、にもかかわらず保険料だけが負担が上がるということが出れば、それはやっぱりさらに離島を守って、離島の自然を守り、生活を守ってくださっている皆さんに対して大変申し訳ない事態になるというふうに思いますので、この配慮はしっかり組み込んでもらいたいというふうに思います。
 これは医療だけではなくて、介護も一緒です。介護サービスを受ける拠点施設が全くないにもかかわらず介護保険料を払っている、こういうことが現状生じているわけですね。
 高齢化が非常に特に離島の場合は進んでいると。高齢化が進んでいるけれども介護サービス事業者がない、介護保険料を払う、介護サービスを受けるには近くの大きな島とか本土に移る、つまり生活の拠点を移さなきゃいけないというようなことが起きるわけです。そういうことに対する私たちの配慮、やっぱり国としての配慮はもう欠かせないというふうに思うんですね。
 全国どこに住んでいてもサービスが受けることができるようサービス提供体制を整えていくのが第一でありますが、立地面でどうしてもサービス提供が十分にされないような場合、その場合は保険料負担の軽減ということで不公平感をなくしていくということも考え方の一つだと思うんです。
 地域包括ケアシステムをこれから推進していくということに当たり、これは前にも大臣に対して、地域包括ケアは地域の実情に合わせて、実情にしっかり合った形の体制を進めるように是非細かに心を砕いてもらいたいということをお願いしましたが、この介護保険料についても、各地の被保険者が置かれている状況に応じて必要な対策を講じるということも考えるべきではないかというふうに思いますが、この点についての見解を伺って質問を終わりたいと思いますが、どうですか。
○政府参考人(原勝則君) お答えを申し上げます。
 離島等の地域における保険料というのをちょっと全国的に眺めてみたんでございますけれども、実は、議員がおっしゃっているような、市町村の中の一部に離島がある、他の地域ではサービス提供体制はあるんだけれども、その離島だけ見るとない、しかし保険料は均一なので相対的に高くなっていて、これは何か不公平じゃないかと、こういう問題。あるいは、その離島だけで一つの市町村を構成している、これはこれでサービスがないこと自体が問題なんですけれども、逆に保険料も低くなっているというような実態もございます。あるいは、御指摘のように、他の市区町村の例えば特養なんかに入所をしているといったようなケースもございます。したがって、やはりその離島の状況に応じた対応ということが必要だと思っております。
 サービスがないということにつきましては、私どもとしては、介護保険制度におきましては、事業所の人員や設備、あるいは運営の基準を緩和した居宅サービスについても特例的に保険給付の対象とする措置、基準相当サービスというような言い方をしておりますけれども、こういうものを制度当初以来講じることによってできるだけ離島地域でのサービスの確保に努めてきているところでございますし、住んでいるところから少し離れなきゃいけないという問題はありますけれども、こういった他の地域における特養への入所みたいなこともやはり確保していく必要があるだろうと考えております。
 御指摘のあった、同じ地域の中で保険料をちょっと不公平感を解消するために差を付けてはどうかという御趣旨かと思うんですけれども、これ、やはり介護保険といいますのは、市町村を単位として一つの保険集団とするいわゆる地域保険でございますので、そういった基本に関わることにもなりますので、その辺はちょっと慎重に考えるべき事柄ではないのかなと考えております。
○長沢広明君 これで終わります。
 済みません、大臣にお伺いする質問のところを割愛してしまいまして、大変失礼申し上げました。
 以上で終わります。ありがとうございました。
○東徹君 日本維新の会の東徹でございます。
 時間の関係でちょっと質問の順番を入れ替えさせていただきまして、質問を始めさせていただきたいと思います。
 まずは、千葉県の医療死亡事故の件につきまして質問をさせていただきます。
 これは五月八日の報道にあった内容であるんですけれども、厚生労働省は、千葉県のがんセンターにおきまして腹腔鏡手術で死亡事故が相次いでいるということや、歯科医が無資格で麻酔をしているということを知らせる内部告発を受けながら、調査していなかったということであります。この内部告発は、公益通報者保護法に基づいて内部告発を受け付ける事務を行う厚生労働省の行政相談室に対してなされたものであるにもかかわらず、本件は調査などされずに、記録も残っていないということであります。
 まず、厚生労働省に対してなされた直近三年間の内部告発の件数と、それに対してどのような対応を行ってきたのか、お示しいただきたいと思います。
○政府参考人(生田正之君) お答えいたします。
 厚生労働省に対する直近三年間の公益通報の受理件数につきましては、平成二十二年度が四千四百十一件、平成二十三年度が三千九百五十九件、それから平成二十四年度が四千百二十九件でございます。
 そのうち調査に着手した件数につきましては、平成二十二年度が四千十四件、平成二十三年度が三千六百四十五件、平成二十四年度が三千九百十二件でございます。
 さらに、このうち何らかの是正措置が講じられた件数でございますが、平成二十二年度が三千三百一件、平成二十三年度が二千九百三十三件、平成二十四年度が二千九百八十二件でございます。
○東徹君 四千件、三千件、四千件と、非常に年間かなりの多い件数ではありますけれども、今回のような医療死亡事故というのは大変重大なことではないのかなというふうに思います。
 今回の千葉県のがんセンターの件におきましては、平成二十三年二月の話であり、ここで何らかの対応がなされていればその後の死亡事故の発生を防ぐことができたかもしれないというふうに思います。なぜこの時点で調査などがなされなかったのか、また記録も残っていなかったのか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(田村憲久君) 記録が残っていなかったのは今調査中でありますけれども、これ二十三年二月の案件であります。
 この当時は省庁共通の通報処理に関するガイドラインというのがありまして、この中で、通報された方が職員、雇われている方でない場合は、これは内部通報にならないということでありまして、当時、これに対して、この方はもう退職をされておられたということでございますから、そもそもこのガイドラインの対象にはならなかったわけであります。
 あわせて、これ担当といいますか、指導監督権限というのは都道府県でございますので、この病院の場合は本来都道府県が内部通報の担当になるわけでありますが、ただ、そうはいっても、そのようなお話でございました、対象にはならないんですけれども、厚生労働省として、対象になるといいますか、その監督権限を持っておられるのは都道府県であられるので、千葉県の方に御連絡をいただきますようにというような、そのような助言をさせていただいたわけであります。
 今はガイドライン変わりまして、退職した方も対象になるんですが、ただ、この場合も、やはり都道府県というような形が、監督権限を持っておりますので、厚生労働省が言うなれば対応するものではないわけであります。これに関して、もし何らかの、死亡事件等々ということもございます、そういうものであるとするならば、これは担当の省庁、つまり消費者庁でありますけれども、消費者庁がこのガイドラインに関して何らかの方向を変えていただかなきゃならぬわけでありまして、これに関しましては相談をさせていただきたいと思います。
 なお、そうであったとしても、今委員が言われたように、死亡案件のような、死亡案件も一概には言えませんが、死亡案件のような非常に重たい案件に関してどうするか。例えば、御本人に確認を取って都道府県、監督官庁は都道府県なので、御本人にまず確認を取った上で、連絡しますよ、あなたもどうぞ御連絡をしてくださいというような、そういう対応は取れるかも分かりません。そういうことに関しては、厚生労働省として、これはケース・バイ・ケースになろうと思いますけれども、検討してまいりたいというふうに考えます。
○東徹君 これは、大臣がおっしゃったように、当初は退職者は入っていなかったということなんですね。当時の経緯をこれ見ますと、公益通報者保護法に基づく公益通報の要件に当てはまらないということと、それから、これは指導監督は千葉県の所管になるので、千葉県の医療機関を指導監督する部署若しくは保健所に相談するように教示したというようなことになっておるわけですね。
 これは本来なら、建前上そうであったとしても、大臣おっしゃるように、やっぱりこれは死亡案件ですから、ここは、ガイドラインも変わったということでありますけれども、退職していたということであったとしても、当時在職しておった方でありますから、ここはしっかりとやっぱり調査をするなり、また、都道府県に調査行きましたかとか、調査行った結果どうだったんですかとか、そういう是非しっかりとやっぱりフォローをしていかなかったらなかなか、こういった病院のことですから、もちろん都道府県が動くということも大事なことだと思いますけれども、やはり厚生労働省としても何らかの報告をしっかり受けるようにするとか、やっぱりそういうことは大事じゃないかなというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(田村憲久君) 後段、私、今も申し上げましたけれども、まず、そもそもの、ガイドラインを変えるとなれば、これは消費者庁と相談をしなきゃいけない、消費者庁が所管でございますので、そういうことになろうと思います。
 ただ、それはそれとして、今言われたみたいに、ケース・バイ・ケースです、あくまでも。今般のように命を落とされたというような死亡事故のような重大なケース等々に関して、厚生労働省の方から、まずは通報者に確認を取る、都道府県の方に申し上げますよというような。確認を取らないと、これまた勝手に言いますと問題が起こりますので、確認を取った上で、都道府県にこのような案件が連絡として来ているけれどもどうなんだというふうに問い合わせる等々に関しましては、いろいろと検討をさせていただきたいというふうに思います。
○東徹君 是非御検討をお願いしたいと思います。
 テレビドラマだけではないと思っておりまして、実際にはこういった死亡事故というのが複数続いていれば、これはやっぱり重いと思って、こういうことについてはやっぱり真剣に取り組んでいっていただきたいというふうに思いますので、是非ともよろしくお願いをいたします。
 続きまして、前々から何度か質問させていただきましたJEEDのことについて質問させていただきたいと思います。
 今回、調査が行われて、報告書の方も出ました。中身を見ておりまして、ちょっとやっぱり身内に対しての調査なので少し甘いんではないのかなというふうに思えるようなところもあるわけですけれども、なかなか何点かやっぱり分かりにくいところがありまして、それにつきましてちょっとお聞きしたいというふうに思います。
 まず、短期集中特別訓練事業についてですけれども、厚生労働省が入札を実施しているけれども、そもそも事業の実施主体は中央職業能力開発協会であります。五月八日に出された報告書では、協会の理事長が本事業について、協会は支払機関でいいので協会の実力に合った仕組みにしてほしいという意見があったこと、厚労省と協会の間でどちらが入札を実施するかについて意見の相違があって何回もやり取りが行われた上で、結果、ようやく厚生労働省が入札を行うことになったわけでありますけれども、仮にこれ協会が自分で入札を実施していれば、時間に追われることなく、本件のような問題は生じなかったというふうにも思われます。
 なぜ協会は自ら入札を行わなかったのか、まずこの一点、ちょっとお聞きしたいと思います。
○政府参考人(杉浦信平君) 短期集中特別訓練事業の公示を厚生労働省と中央能力開発協会のどちらが行うかについて、委員御指摘のように、協会と厚労省の方でいろいろやり取りをしたわけでございますけれども、そのやり取りの結果、この事業については制度設計等の段階から厚生労働省がその企画を担ってきておるということ、それから、補正予算で措置をされたものでございまして、早期の執行が求められていたということもあって、厚生労働省の方で最終的に行うこととしたものでございます。
○東徹君 これは本当に、なかなかこんなことはあり得ないんじゃないのかなと思うんですけれども、協会は協会で厚労省にやってくださいよと、厚労省は厚労省で協会でこれやってくださいよということを、これは文書でやり取りしているんですよね。
○政府参考人(杉浦信平君) 検証結果の資料にもございますように、何度か文書でやり取りをした経緯がございます。
○東徹君 こんなことって本当に、押し付け合いみたいな形で文書でもって強力にお互いがやっているという、本当にこれ、もめていたんだろうなというふうにこの検証結果からも分かるわけですけれども。
 次に、協会は、自ら事業主体であるにもかかわらず支払機関でいいというふうに考えており、事業を実施する主体性に欠けるというふうに考えられます。本事業について協会が実施する必要があったのかどうか、お聞きしたいと思います。
○政府参考人(杉浦信平君) この緊急人材育成・就職支援基金というのは短期集中特別訓練事業以外にも幾つかの事業を含んでおりまして、これらにつきましては、職業訓練や再就職支援、それから生活支援等を総合的に実施するという目的で設置をされておるわけでございます。
 それで、その基金をどこに造成をするかということで、最終的に中央職業能力開発協会になっておるわけでございますけれども、この中央職業能力開発協会は法律に根拠を有しており、その事業運営や財産管理に関して厚生労働大臣の直接の処分権限が及び、基金の適正な管理を期することができるということ等の観点から、最もふさわしいということでここに基金を造成すると判断をしておるものでございます。
○東徹君 ということは、この協会は基金を積むためだけの機能としてあるというふうに考えられるんですけれども。
○政府参考人(杉浦信平君) 単に基金を積んでおるだけではございませんで、それに伴う支払、それから、それぞれの事業によって異なりますけれども、それに関する事務ももちろんやっております。
○東徹君 じゃ、今回、厚労省が入札を行ったにもかかわらず、公共調達委員会にかけなかったのはなぜでしょうか。
○政府参考人(杉浦信平君) この事業につきましては、国が公告するなど受託者の選定に関わっておるものの、厚生労働省が自ら調達を行わないという事業であったことから、公共調達委員会の審査の対象となっていなかったものでございます。
 しかしながら、今般の監察本部の検証結果を踏まえまして、これら同様の案件についても厚生労働省公共調達委員会の承認を経なければ調達手続に移行できない仕組みとしたところでございます。
○東徹君 今後は、こういう場合には公共調達委員会にかけるということですね。
 じゃ、続きまして、今回の短期集中訓練事業ですけれども、企画競争入札を実施しているにもかかわらず、JEEDに事業をやっぱり実施させたかったというような厚生労働省の認識が問題の根本にあったんではないのかなというふうに私は思います。
 一方で、離職者向けの訓練事業など、本件事業と同様なことを都道府県でもこれまで実施してきておる実績があります。都道府県に基金を積んだりとか、そういったことを実際にやってきておるわけですけれども、本件事業についてもこれ都道府県で実施できることができたはずだというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(杉浦信平君) 今回の短期集中特別訓練事業につきましては、現行の求職者支援訓練がございますけれども、その受講をためらったりですとか、訓練の修了に至らないといったような職業経験の少ない方々に、専門実技に重点を置き、短期間の訓練機会を提供するという新たな事業として組み立てたものでございます。
 委員御指摘のように、都道府県では既に離職者訓練等の実績はあるわけでございますけれども、今回新たな方式あるいは対象者としてこういった事業を仕組んだわけでございますし、それから、補正予算で措置されて早期執行が求められるという中で、全国規模で一斉に実施するということが効果的であるという判断の下に今回実施をすることと考えたものでございます。
○東徹君 例えば、これまでも「働きながら資格をとる」介護雇用プログラムということで、これの事業スキームなんかを見ると、都道府県に基金を積んで、そして都道府県が事業計画を立てて、そういう訓練事業とかに委託していくというような、こういったことというのはやっておりましたですよね。ほかにも、公共訓練事業なんかを見ると、都道府県の方でやはり地域の実情に応じた訓練を実施することができるというふうに思います。
 こういったことも過去にはやってきておりまして、恐らく都道府県ではできないということは絶対に言えないというふうに思いますが、ここは是非、厚生労働大臣、こういったことはこういった独立行政法人とかではなくて、やっぱり独立行政法人でしかできないものではないわけでして、こういうようなことはやっぱり都道府県でできるはずだというふうに思いますので、是非ともこれは都道府県で実施していくべきというふうに考えますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(田村憲久君) 今も局長から話がありましたとおり、就業経験の少ないそういう方々対象の事業で、今までこういう短期集中で、特別訓練というような形で、他の訓練で途中でやめたような方々を対象にするような、そういう事業というのはなかったわけでありまして、そういう意味で、都道府県でやれない、やれるところはあるかも分かりませんが、本当に全国一律、四十七都道府県全て受けてもらえるか。
 これは正直申し上げて、ノウハウもそれぞれないわけでありますから、我々としては、今般、まずこれ全国統一というような形で一斉にやろうということでございましたので、そういう意味では、それができるところということで企画競争入札ということにさせていただきました。もちろん、これが独立行政法人以外でもやっていただければ、それはそれで結構であるわけでありますが、残念ながら手を挙げていただくところがなかったわけでございます。
 とはいいながら、これ再入札を掛けるわけでございますが、やはり全国一斉というのが難しいということであれば、ブロック別、でもブロック別であったとしても、これは四十七というふうにやっておるわけではないわけでありまして、ブロック別でそれぞれ各地域でやっていただけるような、その責任主体ということを考えると、やはり四十七都道府県がそれぞれ他の地域まで、他の県までやるというわけにはいかないということでございますので、今般は民間の方々に入札に参加いただいて、これをしっかりと落札をいただければ有り難いということで、再入札の準備をさせていただいております。
○東徹君 これ、話を聞いても、そういう職業訓練のところの、専門学校とかですけれども、これを認定する作業はJEEDがやるわけですよね。これ、どこの専門学校がいいかどうか、こんなこと、都道府県というのは私学課というところがあって、私学課というところはそういう専門学校をやっぱり監督しておるわけですよ。こういう事業なので一番都道府県が分かっている事業なんですが、そういうふうに思わないでしょうかね。
○国務大臣(田村憲久君) もちろん、これ選定もしなきゃなりません。その後、要は評価をしていかなきゃならぬわけでありまして、そのようなノウハウを持っておるところというのはどこかと。いや、都道府県も全くないわけではありません。もちろんある程度持っておられますが、今般の事業は、先ほど言いましたとおり、就業した経験、そういうのが非常に少ない、職業能力というものが少ない方々を対象にということでありますから、そういう意味では、やはりノウハウを持っておるところというところにお願いをさせていただくということであります。
 都道府県が全部受けていただければいいわけでありますけれども、例えばこの県は受けていただくけど、この県は、うちはいいと、これ強制的にやれというわけにはいかないものでありますから、そういうような意味で、自治事務ではございませんので、都道府県になかなかこれを委託していくというのは、全国一斉でやろうという形になりますと難しいということもございます。でありますから、今般も民間を中心にお願いをさせていただこうと、このように考えております。
○東徹君 繰り返しになりますが、都道府県で基金を積んで、同じような過去に事業をやっているようなこともありますので、是非そこは前向きに検討していっていただきたいというふうに思いますし、今回のことは、これは官製談合の疑いを招いたというようなことをやっぱり指摘されていますので、是非、そういうふうにならないためにも前向きに検討していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 以上で質問を終わらせていただきます。
○薬師寺みちよ君 みんなの党の薬師寺みちよでございます。
 今日は、まず皆様方に絵本を少し御紹介したいと思います。有名になった「パパと怒り鬼」という絵本でございます。この物語は、DV家庭で父親の暴力におびえて、その暴力は自分のせいで起きているのではないかと悩んだ少年ボイが、誰にも話しては駄目だという母親の制止を振り切って手紙で王様に訴えるということで事態が動いていく、そういう物語です。日本ではまだほとんど一般化されていない加害者更生プログラムですけれども、このノルウェーの絵本の中で実は紹介をされて、子供にも分かりやすいように解説がなされています。このように、もうこれからは日本でも、このDV加害者プログラムというものをどうしていくべきなのかという議論を今日はさせていただきたいと思います。
 では、まず、DV被害というものの推移、最近どうなっているのか、教えていただけますでしょうか。
○政府参考人(宮城直樹君) DV被害についてのお尋ねでございます。
 警察が配偶者からの暴力事案につきまして相談等を受理いたしまして認知した件数でございます。
 これは、平成二十五年中、四万九千五百三十三件となってございます。これは前の年と比べまして五千五百八十三件の増、割合でいきますと一二・七%の増加となってございます。この数字は、実は法の施行後、最多となってございます。さらに、こういった配偶者からの暴力事案のうち、これを刑法あるいは特別法で検挙した数でございます。この検挙件数でございますが、これは四千三百件でございまして、これも前年比百九十七件の増、四・八%の増となってございます。このうち、さらに殺人、これは未遂を含みます、この件数を見ますと、これは六十一件でございまして、これもやはり前年比六件のプラス、一〇・九%の増加と、このような状況になってございます。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 本当に年々右肩上がりと。この数値の中で、じゃ、一体どうしてこのDV被害というものが様々な施策が実行されたにもかかわらず減少していかないのか、その分析結果について教えていただけますでしょうか。
○政府参考人(宮城直樹君) お答えいたします。
 これはあくまでも警察の方から見たということになりますけれども、警察における認知件数が増加している要因といたしましては、この種事案に対します社会的な関心、これが高まってきているということ、それで、それによりまして被害者の方々から積極的に相談や届出がされる、こういったことでこれまで隠れていたものが出てきていると、こういったものが一つあるかと思います。
 これに加えまして、各都道府県警察の方におきましても、これに対しまして積極的に対応すると、こういったことをすることによりまして、御指摘のような形で数が増えてきていると、このように考えてございます。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。
 本年一月にDV防止法が改正されまして、同居中か同居していた交際相手にも適用できるようになった、これ大変評価できることでございます。しかし、被害者救済には至っていない事実というのがこの数値を見ても御理解いただけるかと思います。
 警察がDVの相談を受けた場合、被害届を受け、事件にするのか、警告を出すのか、DV防止法に基づいて被害者への接近を禁じる保護命令を裁判所に申し立てる、そういう選択肢を被害者の方に提示をいたします。しかし、初めて相談に来た多くの女性というものは、報復を恐れたり情がまだ断ち切れないという思いの中で被害届の提出を望まないと、そういう報告もございます。
 また、アメリカのDV被害者支援シェルターでこういうことが言われるんです。被害者は加害者の元を七回出入りする。それだけ被害者が自分の人間関係、生活を変えるため自己決定を下すのは大変難しいことだということが分かりますし、時間が掛かることだということも分かります。
 日本では、被害者の告訴がなければ加害者を逮捕できないという法制度になっております。オーストラリア、ノルウェーでも同じような法制度の中で、DV加害者を対象とした様々なプログラムが実施されており、公的機関もそのプログラムへの参加を積極的に推進をいたしております。
 日本におけるDV被害者支援というものは、積極的に加害者から逃げる、それを最優先としています。しかし、加害者は、自らの行為をDVであるということを認識することなく、妻に対する、被害者に対するそういう被害者意識を更に募らせ、暴走し、殺人未遂など不幸な展開に至るケースも相次いでおります。
 では、現在、資料一、二に示しているような、配偶者暴力相談支援センター及び婦人相談所で加害者からの相談があるんでしょうか。教えていただけますか。
○政府参考人(佐村知子君) 配偶者からの暴力の防止及び被害者保護等に関する法律の第三条では、配偶者暴力相談支援センターは、被害者に関して相談や緊急時の安全確保、自立支援等を行うこととされております。
 平成二十四年度における被害者からの相談件数については八万九千四百九十件となっておりますけれども、加害者からの相談の有無については把握しておりません。
○政府参考人(石井淳子君) あわせて、婦人相談所の状況についてもお答え申し上げたいと思います。
 当方、全く同様でございまして、配偶者暴力相談支援センターの一翼を婦人相談所は担っているわけでございますが、DV加害者からの相談についての機能は有しておりませんで、したがいまして、婦人相談所におけるDV加害者からの相談については基本的には受け付けていないというふうに承知をいたしているところでございます。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。
 資料三に提示しているDV防止教育センターに私、行ってまいりました。本当に加害者の皆様方、どこに相談したらいいか分からないからこういうところに電話してみたけれども、自分たちの管轄じゃないとはねられてしまったようなケースもあるようでございます。
 では、このDV防止法、実はその二十五条に加害者に対する調査をしていくというような項目も掲げられております。DV加害者の更生に関する調査の現状についても教えていただけますでしょうか。
○政府参考人(佐村知子君) 加害者更生の取組につきましては、私ども、先日取りまとめをいたしました女性に対する暴力に関する専門調査会の報告書におきまして、加害者更生の在り方の調査も含めた検討が一層推進されることが求められているとされたところでございまして、今後、こういった御指摘も踏まえまして、関係機関と連携をしながら検討してまいりたいと存じます。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 やはり省庁の壁というところが大変厚い、その溝が大変深いということがこれでも分かってきたかと思います。私どもいろいろ議論をしておりますけれども、この厚生労働省だけではなく様々な省庁の関連分野ということで、まずはこのDV、真剣にここで連携を考えていただきたいと思います。
 と申しますのも、加害者の中には、アルコール、薬物、あるいはギャンブルといった依存症、抑うつ症状を抱えている場合も少なくはありません。さらに、加害者の暴力の中には被害者に対する依存症と取られるものもあり、最近ではDV加害者が精神科など医療機関を受診するケースも少なくはありません。
 厚生労働省として、DV加害者の更生に関する調査は今後必要だとお考えになられますでしょうか。教えてください。
○政府参考人(石井淳子君) DV対策全体の企画立案は内閣府さんの方で行っておられまして、その専門調査会も活発に議論されているところと理解をいたしております。
 加害者更生の取組につきまして、先ほど佐村局長からのお話もございましたように、平成二十六年四月の報告書の中で、加害者更生の在り方の調査も含めた検討が一層推進されることが求められるという記載を受けて、今後検討されるということでございますので、私ども一緒になって検討に参画していきたいというふうに考えております。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 もう一度、皆様方にこの資料一、資料二を見ていただきたいと思います。資料一が配偶者暴力防止法の概要、全体のチャートでございます。そして、この資料二というものが厚生労働行政における婦人保護事業の関係機関、書いてございます。しかし、やはりここのどこにも加害者というものが認められません。
 しかし、海外では、先ほども御紹介をさせていただいたように、絵本にもなるぐらい加害者の更生プログラムというものがポピュラーな現場で議論がなされ、そして推進がなされているこの現状、厚生労働省としてそのような事例を把握していらっしゃいますでしょうか。そういう検討が進んでいらっしゃいますでしょうか。教えてください。
○政府参考人(石井淳子君) 先ほども申し上げましたように、本件につきましては内閣府が中心になっていろいろ調査研究を各種累次行ってこられておりまして、とりわけ平成十五年と二十年に調査研究を行っていらっしゃいます。もちろん、私どもそれを拝見をさせていただいておりまして、それぞれその調査対象とした国の一部では、司法手続の中などでカウンセリング等の加害者更生プログラムをDV加害者が受講している旨の指摘があることは承知をいたしておるところでございます。
○薬師寺みちよ君 ですから、どこの省庁の管轄であるというよりも、やはりもう少し関心を持っていただきたいんですね。医療機関も受診している方もいらっしゃるし、心理療法が実際に行われている現場もある、だから内閣府だろう、厚生労働省だろうと、そう言っているうちに多くの方々が本当にシェルターに入りもせず、暴力を受けながら今も生活していらっしゃる、これが現実でございます。
 今の日本の現行制度において、被害者が加害者の元を逃げたときだけしか援助が講じられないんですね。シェルターに入って分離をされたとしても、結局、以前にもそういう事件ございましたけれども、そこから引きずり出されて、そこで命を奪われるような、そういう事件もございました。ということは、やはり加害者の方が再犯をしないように、再発しないように、いかにここから更生プログラムを構成していって、この日本という国でもポピュラーな場でこういった議論ができるようにしていくのかということが大切なことだと思います。
 皆様方にお示ししたこの資料三、DV防止教育センター、本当に悲しい事件が様々起こった後に、なぜ自分がDVだということを言われなきゃいけないのかということで、ネットを検索して遠くからこの名古屋に相談にいらっしゃる方も多いそうです。DVだと言われても自分では自覚がない。そして、この方にお話を伺いましたら、デートDVだと言われて心配になって相談に来た、そうしましたら、よくよく話を聞いてみると、やっぱり自分はDVをやっているんだと初めてそこで認識できた、しかし今まで自分は四人の女性とお付き合いをさせていただいた、その四人の女性全てにDVをやっていたということがその場で分かったと。ですから、お一人の方が更生ができないことによって次から次へとやっぱり被害者を増やしていく、これもやっぱり現実だと思うんですね。
 ですから、シェルターに避難をしなかったとしても、先ほど申しましたように、やっぱり女性が自分の生活を変えるということは大変勇気が要ることです。時間が要ることです。ですから、そのようなことがないように、同居していたとしてもこういうプログラムを受けられるような、そういう普及をお願いしたいと思います。
 しかし、このDV防止教育センターを始め、NPO若しくは民間の方々が本当に今まで地道に活動してくださったその実績はございます。しかし、国として大きな動きはございませんでした。調査も一回だけやった。しかし、それを発展させて、何か施策に落とし込むこともございませんでした。
 そこで、神奈川県というものがようやく動き出してくださいました。かながわDV防止・被害者支援プランというものを五年ぶりに計画を改正して、DV行為についての認知度や市町村の取組に初めて数値目標も設定してくださいました。その中で、男性向け、加害者を含んだものなんですけれども、専用の相談窓口を設ける方針を打ち出してくださっております。このように、地方自治体の方から声も上がってきております。
 是非、田村大臣の方から、被害者の支援の一環としてです、被害者支援の一環として、他省庁と連携の上、加害者の更生に対する施策の推進というものをより一層検討していこうじゃないかと、ちょっとお声を上げていただきたいんですね。是非、省庁の壁の中、高い壁、深い溝の中で苦しんでいらっしゃる女性をここで大臣に救っていただけるように、是非この加害者更生プログラムというものを更に厚労省でも検討し、調査し、そして普及していくような施策をここでお願いできないかと思っておりますが、いかがでいらっしゃいますでしょうか。
○国務大臣(田村憲久君) 厚生労働省といたしましては、このように配偶者から暴力を受けた女性、婦人保護事業のそのような下に、相談でありますとかそれから保護、自立支援、こういうような支援をさせていただいておるわけであります。
 一方で、加害者といいますか、暴力の予防、この取組でありますとか、また特に若い方々に対して予防啓発していくこと、やはり若いうちからそういうものは知らず知らずのうちにそういうような行動パターンというのができ上がってくるわけでありますから、早いうちから予防啓発するということが大変重要であろうというふうに思います。
 今のこの更生プログラムに関しましては、これは先ほど来局長の方から話がありますとおり、内閣府の所管で、加害者の更生というような立場で、法務省とも協力されておられるんだと思いますが、いろいろと検討、調査をしておられると思います。元々、こういういろんなところにまたがるものに関しましてはやはり内閣府というのが一番適しているということで対応していただいておりますが、厚生労働省もしっかりと御協力をさせていただく中において、そのような予防が進められるようにしっかり努力してまいりたい、このように考えております。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 更に強い一言をいただきたかったんですけれども、今後、まだ検討、検討するという言葉が一番弱いのでございますので、連携をしていただきまして、医療機関、心理療法等々を利用して、加害者の皆様方が再考なさり、こういう女性の被害というものが少なくともこの日本からなくなるような施策でよろしくお願いしたいと思いまして、私の質問を終わらせていただきます。
○山口和之君 みんなの党の山口和之でございます。
 今日は、介護福祉士の資格取得の方法の見直しの施行を一年延長する話と、午前中にも出ましたけれども、技能実習制度について質問させていただきたいと思います。
 また介護かいという話だと思うんですけれども、自分はリハビリをずっとやっていました関係上、リハと介護が相乗的に効率よく動くとその方の人生は大きく変わっていくと、自分はそう信じていますし、実際、今までの経験でもそうでした。そういったことで、介護については非常に強い関心を持っておりますので、どうかしつこく付き合っていただければと思います。
 平成二十七年度に施行予定であった介護福祉士の資格取得方法の見直しの施行を一年間延長するということになっていますけれども、その理由は何でしょうか。
○政府参考人(岡田太造君) 介護福祉士の資格取得方法の見直しにつきましては、資質の向上を図るという観点から平成十九年に制度改正が行われまして、平成二十七年度から施行予定でございました。しかし、養成施設ルートに新しく国家試験を課すことは養成施設入学者の減少をもたらすのではないかというような御意見であるとか、実務者ルートに実務者研修を義務付けることは介護現場で働く方に過重な負担を課すのではないかというような御意見もございまして、介護人材の確保が困難な現状でありまして、そういったことも踏まえて、予定どおり施行することについて懸念の声が寄せられてきたところでございます。
 こうした点から、今回の医療・介護の関連法案におきまして、介護人材の確保につきまして幅広い視点から実効性のある方策を一年という期間を区切って検討することとし、併せて介護福祉士の資格取得の方法の見直しについても施行を一年間延期するということとさせていただいたところでございます。
 資格取得方法の見直しは、介護人材の資質をいかに向上させていくかという意味で重要だと考えております。今後、幅広い関係者の皆様から十分に御意見を伺いながら精力的な検討を進めていきたいということを考えているところでございます。
○山口和之君 今そういう試験をすることによって介護になろうとする人が少なくなるんじゃないかという懸念もされるという声が出ているという話なんですが、実際そうなのかということを、多分ここにいらっしゃる皆さんはもしかしたら違うんじゃないかと思っているんじゃないかと思います。
 例えば、今日午前中にも話が出ましたけれども、認知症の徘回の問題がありました。随分昔、自分が理学療法士になって随分たってからですかね、まだ介護保険が始まったぐらいのときに視察してきました。老人保健施設を造るための視察をしてきましたけれども、そのときに見た光景は、壁が洗えるんです、すばらしいということで。壁が洗えるという、居室の壁が洗える、どういうことかというと、便をそこにこすりつけるので洗えるようにできています、すばらしい施設でしょうということでした、その当時はです。考えられないですね。便があるから付けるんであって、洗うことがすばらしい対応ということです。
 これ、ちょっと進化してどうなっているかというと、例えば、ちょっと前は排せつの検討ということで、排せつのアセスメントということで、排せつのアセスメントをしているところの現場に行くとどういう話がなされているかというと、おむつの吸収力の話をしている。二十四時間もつ、何時間もつと、そういう会話をしている。そういうレベルでは話にならないわけですよ。だから、ようやく進化はしているんですけれども、まだまだレベルというのはもっともっと高くなる可能性を秘めているわけです。
 これもまたちょっと前なんですが、車椅子からずり落ちる、車椅子からずり落ちるから危険ですといってベルトをするんです。危険ですからということでベルトをするんです。元々椅子の形が合わない、長時間座っていられない、座っている理由がないというところに問題があるのにもかかわらず、そういう状態なわけです。そういうことを考えていくと、介護ってすごくケアというところが大切なところであるわけです。
 先ほど認知症の話が出ました。A施設とB施設、同じ方がA施設に行ったら暴力をふるう、あるいは暴言を吐く、でもB施設に行ったら同じ方でもその方は平穏に暮らすことができると。じゃ、A施設には認知症のウイルスが飛び交っているのかと、そういうわけではないですよ。それはケアの質の話なんです。
 そういうふうに考えていくと、介護福祉士のステータスを上げることにより、なり手を増やすという方法もあるのではないかと思うんですけれども、厚生労働省の見解をお聞かせください。
○政府参考人(岡田太造君) 介護の人材の確保というのは非常に重要な課題だというふうに考えておりまして、これは、介護のイメージアップをして若者へのアピールとか、そういう新しく入ってこられる方をどんどん入ってこられるような参入促進を図るとか、それからキャリアアップを確立して資質の向上を図っていくというようなこと、それから介護職員の処遇改善であるとか雇用管理の改善といった環境改善というような、そういうような取組を一体として講じていくことにしているところでございますし、これまでもやってきたところでございます。
 また、介護福祉士については、質の高い介護サービスの提供のため、中核的な役割を果たすことが期待されているというふうに考えております。介護職員に占めます介護福祉士の割合の統計がございまして、これは平成十二年では二四・二%であったものが、平成二十四年度には三七・八%という形で上昇してきているというようなことでございます。
 こうした中、御指摘のとおり、介護福祉士の社会的評価の確立を図るとともに、介護福祉士を介護職のキャリアパスの中でもしっかり位置付けていくということは、やっぱり介護職全体の魅力を高め、多くの方々の参入を促すという観点からも極めて重要なことだというふうに思っておりまして、今後とも、御指摘の点も踏まえて、介護人材の確保についてしっかりと検討を進めていきたいというふうに考えているところでございます。
○山口和之君 介護人材、非常に大事なんですけれども、生産人口がどんどん減って、質のいい方がしっかりと自立して、を支援して、長期間、介護状態悪化しないように、あるいはならないように支援をするための人材というのは非常に大事なところですし、そこにやりがいも出てくるし、生きがいも出てくるんだろうと思います。もちろん、そこに給与としてしっかりと対価を支払うということも出てくるんだと思います。
 一方で、経済財政諮問会議と産業競争力会議の合同会議で技能実習制度の対象職種の介護への拡大が提案されていますけれども、これについての厚労省としての考えを伺いたいと思います。
○政府参考人(杉浦信平君) 技能実習制度の見直しにつきまして、御指摘のように、四月四日の経済財政諮問会議・産業競争力会議合同会議の長谷川主査ペーパーの中で、介護等の分野の追加について検討すべきということが指摘をされております。
 御案内のとおり、この制度については、技能移転という制度の趣旨に沿った見直しを進めるということが前提であると考えております。技能実習に新たな分野を対象とするということにつきましては、単純作業ではないことですとか、送り出し国での修得が不可能又は困難な技術であること、母国において同種の業務での従事経験を有し、帰国後、本邦で修得した技術等を要する業務に従事することが予定をされていること、実習の成果が評価できる公的な評価システムがあることという要件を満たす必要がございます。
 介護については、これに加えまして、これまでの技能実習の対象分野とは異なり対人サービスであるということから、介護サービスの質の担保、それから介護現場での混乱を生じさせないために、日本語の要件等、介護分野特有の観点を踏まえて議論をされることが必要ではないかというふうに考えております。
○山口和之君 もし労働力として入れてそういうふうに考えていくと、日本の介護というのは全く違う方向に行ってしまう可能性があると。それによって不幸になる方もたくさんいらっしゃる。本来の技能実習で、自分の国で日本の介護をしっかり提供するために学びに来るということであれば話は別ですけれども、労働力として従来の考え方をされたのでは、とても、介護の未来はなくなっていく可能性があると思っています。
 現在、谷垣法務大臣の下で、技能実習制度の改善や実習期間や対象職種について見直しをしているということですけれども、検討状況についてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(杵渕正巳君) お答え申し上げます。
 技能実習制度の在り方につきましては、今お話のありました四月四日に開催されました経済財政諮問会議・産業競争力会議合同会議におきまして、総理大臣から、法務大臣を中心に、技能実習制度の監理・運用体制を抜本的に強化、改善するとともに、実習期間や対象業種などについて必要な見直しを行うこととの指示があったところです。
 法務省におきましては、昨年の十一月から、法務大臣の私的懇談会である出入国管理政策懇談会の分科会におきまして、制度の見直しについて検討をいただいているところです。技能実習の対象となる業種につきましても、先生が御指摘いただいているような介護の分野も含めまして、その拡大の可否等について御議論をいただいているところでございます。
 これらにつきましての分科会の議論等を踏まえまして、技能実習制度の在り方については本年年央を目途に一定の方向を出すことといたしております。
 以上です。
○山口和之君 是非厚生労働省の方からはくぎを打っていただきたいと思うんですけれども、介護のビジョン、いわゆるあるべき姿、教育のあるべき姿、スタンスをしっかりと構えた上で、それで国際貢献なりそういうことに広げていくということをしないと間違った方向に行ってしまう可能性があります。従来の考え方はやはりちょっと捨てていただいて、労働者として来てもらうのではなくて、しっかり教育、指導するということであればまた話も変わってくると思います。
 デンマークに自分が行ったときに、一人でお暮らしになっている方がいらっしゃったんです。女性ですけれども、車椅子に座っている方がいらっしゃいました。その方は一人で暮らしていたんですけれども、プロの介護がしっかり入った上で、そこに互助としてボランティアの方々がプロの介護以外のところをサポートして暮らしていくことがされていました。そう考えていくと、何でもかんでもということではなく、しっかりそこのスタンスを取っていただきたいなと思います。
 これらを踏まえて、技能実習制度の拡大について、午前中も大臣の方から答弁ありましたけれども、もう一度強くくぎを刺していただきたいなと思います。
○国務大臣(田村憲久君) 問題意識としては、まず一方は、これから二〇二五年に向かって介護従事者百万人必要になってくると。ただ、一方で今、日本の国の労働人口、生産労働人口はどんどん減っていきます。例えば、今現状でも完全失業率三・六%、これ完全雇用に近い多分数字になりつつあるんだと思います。日本の均衡失業率が、去年の十二月はたしか三・五%だったというふうに思います。有効求人倍率一・〇七でありますが、介護はもっと高いわけであります。そういうふうな中においてどうやって介護従事者を確保していくかという大きな課題がある。
 一方で、外国人という形になると、今はEPAでしか認めていないわけでありまして、これは介護福祉士の資格を取っていただくということが大前提、ですから、三年間は実務経験が必要でございますから、その三年間で試験を受けていただいて、一定の要件があれば、点数があれば、落ちてももう一回チャンスはありますけれども、基本的には帰っていただくという制度であります。
 技能実習制度は、これは日本の国で学んだ技能を自国に戻って生かしていただく、これが大前提であり、今現状は三年でありますから介護福祉士の試験が受けられない、当然、そういう状況であるわけであります。そんな中において今般の提案があるわけでありまして、日本の労働者、介護に従事される労働者の方々の処遇が落ちることもあってはならないわけでありますから、そういう観点も踏まえて、この技能実習制度、いろいろな提案がございますから、そういうものに対して、厚生労働省は我が方の考え方の下で検討させていただきたいというふうに考えております。
○山口和之君 どうもありがとうございます。
 間違っても、資格取得方法の見直しの施行を一年間延長したことは介護を確保するためにハードルを低くするんだということは絶対ないようにしていただきたいことと、もう一つは、海外からの受入れについては慎重にしっかりと考えていただきたいなと思っています。
 介護福祉士会の方々とお会いしたときに、田村大臣の時代に解決できるようにしっかりと要望を出してくださいとあちこちで言っておりますので、決して擦り寄っているわけではございませんので、是非よろしくお願いします。
 ありがとうございました。
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 今日は、契約社員の格差の問題について、労働契約法二十条をめぐる例についてお聞きをします。技能実習生についても私もお聞きしたいと思います。
 東京メトロの駅売店で働く労働者の四人が、五月一日、売店を運営するメトロコマースを相手取り、損害賠償を求めて東京地裁に提訴しました。四月一日施行の改正労働契約法を根拠とした裁判です。
 メトロコマースは東京メトロの一〇〇%出資子会社であり、東京メトロは国が五三・四%、東京都が四六・六%出資をする完全な公的企業です。その意味では、国も都も責任があるというふうに考えています。
 メトロコマースには、正社員、契約社員A、それからこの原告四人が属する契約社員Bの三種類があるんですが、契約社員Bの皆さんは時給千円です。そして、その正社員、A、Bはいずれも職務内容は全く同じであると。就職したときに自分が正社員なのかAなのかBなのか全然分からなくて、とにかく働いていたら、どうも格差があることが分かったということなんですが、駅で働く女性たちなんですが、発注、返品に関する権限、売上計算、納金の権限、クレーム処理の責任、全く同じで、それから他部署への異動がほとんどない点も一緒であると。制服も名札も全部一緒で、外から見て、正社員なのか契約社員なのか分からない。配転もほとんどそんなに変わらないわけで、そして契約社員とおっしゃる皆さんも、もう八年、十年、十何年働くベテランの方ばかりです。
 しかし、極めて格差というか差別があると。賃金が時給千円ですので、どうしても十数万円、手取りが十三万円ぐらいになってしまうと。契約社員Bと正社員との間には、月例賃金で六万円から九万円の格差が生じています。正社員には住宅手当が毎月九千二百円支給されるが、契約社員Bにはありません。また、一時金が正社員に対して年間百五十万円出るのに、契約社員Bには年間二十五万円で、支給されない年もあると。退職金も契約社員Bはゼロ、十年勤務の正社員には三百万円支給される、もう全部違うんですね。でも、外から見たら本当に全く一緒。同じような労働時間、配転も、というか、ほとんど余り異動はありませんし、全部一緒で、やることも一緒で仕事も一緒で、これだけ差があるんですね。
 これは労働契約法二十条が禁ずる不合理な差別と言えるんじゃないでしょうか。いかがでしょうか。
○国務大臣(田村憲久君) 現在係争中の事案でございますので、個別のものに対してはお答えするわけにはいかないということが前提でありまして、一般論として申し上げますけれども、労働契約法二十条、まさに無期労働契約の方と有期労働契約の方、この間に不合理な差が、労働契約上、差別があってはならないというものであります。これを禁止しておるわけであります。
 それが具体的にはどういうものかといえば、いつも申し上げますけれども、職務の内容と人材活用の仕組みと。職務の内容というのは、その業務の内容、さらにはその当該業務の責任の程度、人材活用の仕組みというのは、職務の内容、配置の変更の範囲、こういうもの等が考慮されてそれぞれの契約上いろいろと勘案されるということでございます。
 いずれにいたしましても、労働契約法二十条、これの違反がないように我々としては努めてまいりたいというふうに考えております。
○福島みずほ君 大臣、ありがとうございます。
 今大臣が例示された全てのこと、一緒なんですよ、全部、全く一緒。責任も一緒、配置転換も一緒、制服も一緒、労働時間もほぼ一緒、全部一緒なんですね。有期契約というけれど反復更新すごくやっていますから、もう八年、十年、十何年と働くみんなベテランの女性たちなんです。でも、こんなに格差、差別があると。
 また、賃金なんですが、丸子警報器事件は、同じ同一時間における時間単価で見て八割の場合は、八割を切る場合は公序良俗違反であるという判決があります。
 さっき大臣がおっしゃった、これとこれとこれとこれが一緒の場合、不合理な差別は許されないとおっしゃいましたが、まさにどんぴしゃ当てはまるんじゃないですか。
○国務大臣(田村憲久君) いや、そう言われても、個別の係争中の案件でございますので、私からはそれに関してはコメントするわけにはいきません。
○福島みずほ君 でも、一般論として、さっき転勤、責任、時間といろんなものをおっしゃいましたね。全部一緒なんですよ。どうでしょうか。
○国務大臣(田村憲久君) いや、何度そうやってお聞きになられても、個別の係争案件でございますので、私からはコメントは差し控えさせていただきます。
○福島みずほ君 じゃ、厚労省、こういう事案をどうやって救済するんですか。裁判やらないと救済されないんでしょうか。あるいは、さっき言ったことが同一であれば、じゃ、抽象論としてお聞きします。さっき大臣がおっしゃった点、配置、いろんなものが同じであればこれは差別してはならない、不合理な差別はあってはならない、よろしいですね。
○政府参考人(中野雅之君) 労働契約法二十条は、有期契約労働者の労働条件が無期契約労働者の労働条件と相違する場合に、その相違につきまして、大臣から申し上げたような点でございます、職務の内容と、業務の内容と当該業務に伴う責任の程度、それからその職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情を考慮して不合理と認められるものであってはならないと、こういうことを明らかにした条文でございます。
 したがいまして、有期契約労働者と無期契約労働者との間で労働条件の相違があれば直ちに不合理とされるものではなく、ただいま申し上げましたような要素を考慮して、期間の定めがあることを理由とした不合理な労働条件の相違と認められる場合を禁止する規定でございます。そして、その判断は個々の事案ごとに最終的には司法判断でなされると、こういう性格の規定でございます。
○福島みずほ君 最終的には司法判断なんです。でも、裁判を起こすことがどれだけ大変か。それは、裁判で労働裁判、私も争ってきたので、弁護士として、物すごく分かります。時間が掛かるし、救済ができない。裁判だって負担です。とすれば、労働契約法がせっかくできたわけですから、救済をしなければならない。
 これはやっぱり厚労省がこういう事案についてちゃんと救済してほしい。いかがでしょうか。
○政府参考人(中野雅之君) 労働契約法は、労働基準法とは異なりまして、労働契約の民事的効力に係るルールを定めるもの、純粋な民事法規でございまして、行政が使用者に対して指導を行うという性格のものではございません。
   〔委員長退席、理事西田昌司君着席〕
 したがいまして、我々といたしましては、御指摘の労働契約法二十条の規定も含めまして、労働契約法の内容の周知に努めてまいるとともに、個別の労働紛争でございますので、都道府県労働局の個別労働紛争解決援助制度、具体的な窓口は総合労働相談コーナー等での相談対応、こういうようなことによって必要な対応をしてまいりたいと考えております。
○福島みずほ君 通達は出していらっしゃいますが、それがなかなか浸透していないと思うんですね。
 賃金に差異もあるし、家族手当、住宅手当、それから退職金、賞与、全部違うんですね。あと、病気のときの取扱いや、もう様々、全部違う。元々は社内報にも名前を載っけてもらえなかった。正社員は退職金もらって、ホテルで全員、社長さんから賞状と粗品を渡してもらって、みんなで慰労して、社内報にも全員載るんですよ。ところが、同じように働いて、十何年働いて、ベテランで同じようにやってきた女性は、制服返してと言われるだけで、花一輪もらわないんですね。同じように働いてきたわけで、まあ花一輪というのはちょっと別かもしれませんが、全部これだけ違うと。これはやっぱり労働契約法二十条ができて、救済する、あるいはやっぱりこういうのは変わるべきだというふうに思っています。
 一般論で結構ですが、ほぼ労働時間、それから転勤や、個別事案で、労働時間やそれから職務の内容、それから責任、それから配置転換の頻度、割合、要素ですね、制服、それから名札、役割、全部一緒の場合には、これは労働契約法二十条の言う不合理な差別ということの理解で、一般論としてよろしいでしょうか。
○政府参考人(中野雅之君) 一般論で申し上げますと、考慮要素といたしましては、ただいま委員が御指摘になったような事項、それから最初に冒頭、大臣からお答え申し上げました内容でございます。
 そのような考慮要素を判断して不合理と認められるものであるかどうかということを判断するものでございますので、一般論としてはそのようなものだということと考えているところでございます。
○福島みずほ君 この労働契約法の議論のときに、賃金、通勤手当などがよく議論になりました。もちろんこの中には住宅手当や家族手当、退職金、賞与なども不合理かどうかという要素の対象に含まれるという理解でよろしいでしょうか。
○政府参考人(中野雅之君) この労働契約法二十条の不合理なものであってはならないと、労働条件の相違は。これは個別のケースごとに、また個別の労働条件ごとに判断されるものでありますので、それぞれ今委員御指摘になりました、手当であればその個別の当該手当ごと、それから通勤手当であれば通勤手当ごと、そういうのに個々の状況、個別のケースの個別の事項ごとに判断されるものと考えております。
○福島みずほ君 じゃ、質問の角度を変えます。
 家族手当や住宅手当の質が問題になるわけですよね。だとすると、労働契約法二十条が対象とするものの中に、家族手当のその会社における位置付け、住宅手当におけるその会社の位置付け、賞与、退職金の位置付けがそれぞれどういうものかを考慮しない限り一概に言えないというお答えは今聞きましたが、ということは、逆に家族手当は入らない、住宅手当は入らない、賞与、退職金は入らないということではないということでよろしいですね。
○政府参考人(中野雅之君) この労働契約法第二十条で、相違は不合理なものであってはならないという労働条件につきましては、賃金や労働時間等の基本的な労働条件だけではなく、福利厚生等も含めました幅広いものが労働条件というふうに解釈されるものと考えておるところでございます。
○福島みずほ君 ありがとうございます。
 全ての人を正社員にというのは、それは無理だと私も思います。ただ、余りに格差がある、余りにすごい格差があって、同じように働いて同じように責任があるのに、それはやっぱり是正することをして底上げをしなければならないと思います。
 その当事者の女性たちに話を聞きました。すごい頑張って、本当に一日中立ちっ放しで、物すごいベテラン業務ですよね、売店の販売の人たちは。でも貯金ができない、だから病気を絶対しないように気を付けていると。ですから、定年になって、また年金も女性は低いですから、なかなか老後というか、六十五歳過ぎても仕事がないと心配であると、こういう状況でみんな本当に働いている。
 パートは、とりわけ女性は家計補助的だという時代はもう過ぎました。シングルマザーや一人で女性も働いている、家計を支えて一生懸命働いているんです。ですから、是非、労働契約法二十条、これについての活用を厚生労働省として大いにやっていただきたい。大臣、ちょっと決意をお願いします。
   〔理事西田昌司君退席、委員長着席〕
○国務大臣(田村憲久君) 突然の決意でございますが、いずれにいたしましても、労働契約法二十条の精神というものをこれは我々はしっかりと確認しながら労働行政やっていかなきゃならぬわけであります。もちろん、これをもってして監督指導というわけにはいかないわけでありますが、個別労働紛争、例えば、今局長からも話がありましたけれども、総合労働相談コーナー、こういうところに御相談に来られれば、丁寧にそれは助言、指導、場合によってはあっせんということも進めてまいりたいというふうに考えております。
○福島みずほ君 次に、日本郵便で働く郵政産業労働者ユニオン組合員の人たちの労働条件についてお聞きをいたします。
 これは以前この委員会でも質問をしましたが、これまた同じように働いていても給料は三分の一であると。そして、郵便局の場合、期間雇用社員の割合が、非正規の割合が四九%になっています。つまり半分は非正規雇用で働いている。でも給料は三分の一です。
 この有期契約社員三人の方が、日本郵便に対して七百三十八万円の支払を求め東京地裁に提訴をしました。日本郵政には現在、正社員、時間給契約社員、月給制契約社員、エキスパート、四種類の労働者がいます。この原告三人はいずれも時給制契約社員、十五回更新の七年勤務、十一回更新の六年勤務、二十三回更新の十一年三か月勤務です。これが賃金が三分の一なんですね。
 また、労働条件の相違については、外務業務手当、正社員が郵便外務業務、二輪車、四輪車による集配、集荷などに従事した場合支給される手当、最大千四百二十円が時給制契約社員にはないと、今年三月に廃止されたようですが。あと、例えば年末年始、郵便局は忙しいと。このときに、年末勤務手当一日四千円、これが時給制契約社員にはない。年始勤務手当一日五千円、これが時給制契約社員にはないと。それから、住居手当、これも時給制契約社員には住居手当もないと。祝日給もこれもすごく差があると。それから、早く出勤する手当も、時間外割増し賃金とは別に支払われるものですが、一回の勤務について二百円から六百五十円差があると。つまり、物すごくやっぱりいろんな面で差があるんですね。それから夜勤の特別勤務手当、これも時給制契約社員にはないと。
 でも、正社員も期間雇用契約も勤務指定は一緒だし、それから週休日も就業時刻も非番日もこういうのも、それから担務指定、職務内容と休憩時間の位置を所属長が指定する内容も規定上全く一緒であると。新人の正社員の訓練を契約社員が担当することもある、正社員に寄せられたクレーム処理を命ぜられることがある。全く一緒なんですね、さっきの売店の女性たちと同じように。
 これだけ同じでありながら三分の一の賃金、しかも年末年始出ても手当がないという。やっぱりこれはひどいじゃないか。いかがでしょうか。これは労働契約法二十条違反ではないですか。
○政府参考人(中野雅之君) 御指摘の事案については、現在、裁判所において係争中の事案でございますので、個別事案についてのお答えは差し控えたいと考えております。
 なお、一般論として申し上げれば、これも先ほどの件で大臣から御答弁したとおりでございますが、労働契約法二十条に規定されております不合理であると認められるかどうかにつきましては、無期契約労働者と有期契約労働者の労働条件の相違について、職務の内容や人材活用の仕組み、その他の事情を考慮して個々のケースごとに、さらに個々の労働条件ごとに判断されるものと考えております。
○福島みずほ君 この東京メトロの駅売店で働く人たちも、郵便局で働く人たちも、同じ仕事をしていて何でこんなに差があるのかということなんですね。やはりこれは差別を是正していくこと、低賃金をやっぱり上げていくこと、どんなに頑張って働いても全く良くならない、というよりも、この差別をなくすように是非お願いいたします。
 技能実習制度についてお聞きをします。
 建設分野に外国人労働者を受け入れるのに、なぜ構造的に人権侵害の危険をはらむ技能実習生の受入れ制度を使うのでしょうか。
○政府参考人(吉田光市君) お答え申し上げます。
 今回の建設分野における外国人材の活用に関する緊急措置につきましては、復興事業の更なる加速を図りつつ、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック東京大会に向けまして一時的に増大する建設需要に的確に対応するため、まずは国内人材の確保に最大限努めることを基本とした上で、大会の成功に万全を期することが重要との観点から、建設分野で即戦力となり得る外国人材を時限で受け入れるものでございます。先般、関係閣僚会議で取りまとめられたものでございます。
 したがいまして、今回の緊急措置につきましては、技能実習制度とは趣旨、目的が異なるものでございますけれども、その受入れに当たりましては、人権問題等が発生しないよう、現行の技能実習制度と同等の監理に加えまして、更に強化した特別の監理体制を新たに構築することとしているところでございます。
○福島みずほ君 技能実習制度は人身売買制度の一環であるとして、国際的にも長年にわたって批判され続けてきました。労基法違反も非常に多い。労働者として活用するのになぜ技能実習制度という枠組みを使うのか。むしろこの枠組みを使わず、じゃ、質問をちょっと、時間がないので一つだけ、変えます。
 今回の受入れは、労働力確保のための元技能実習生の受入れだから、技術移転の目的での受入れではなく、受入れ企業を制限する必要はないはずではないか。受入れ企業を変わる自由、労働契約を解約し、再締結するなどの自由はあるのでしょうか。
○政府参考人(吉田光市君) 今回の緊急措置につきましては、委員御指摘のとおり、技能の移転による国際協力を目的とするものではなく、技能実習を修了した即戦力となり得る外国人材が日本で建設業務に従事することを可能にするものでございます。
 したがいまして、現行の技能実習制度においては原則として受入れ企業を変わることは認められてございませんけれども、今回の緊急措置においては、一定の場合には受入れ企業が変わることが可能となるよう、関係省庁と調整を進めてまいりたいと考えているところでございます。
○福島みずほ君 時間ですので、終わります。
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 質疑順序の変更を認めていただいてありがとうございます。
 ノーモア・ヒバクシャ訴訟の大阪地裁で五月九日、また原告勝訴の判決が出されました。原告の原爆症認定申請を却下した処分を取り消すことを命じたものであります。
 この二人の原告は、昨年十二月の新しい審査方針の積極認定に関する基準には該当しない。つまり、今回の判決もまた新しい認定基準、認定審査方針が極めて不十分であることを示したものだと思います。二人の原告は判決を待たずして亡くなっております。厚生労働省及び大臣の責任は重い。
 ノーモア・ヒバクシャ訴訟のこれまでの判決を見ますと、二十八名の原告のうち二十一名が勝訴、四名は裁判の経過の中で厚労大臣が却下を自ら取り消して認定されています。原告敗訴は三名だけ、八九・三%が勝訴しています。それ以前の原爆症の集団訴訟でも、原告三百六名中二百七十九名が認定されて、九一・一%が勝訴。司法判断は本当に揺るぎのないものになりつつあるんですが、行政とこれほど乖離しているという事例は私はほかに知りません。
 大臣、厚労省はいたずらに争うことなく、控訴せずに判決に従うべきではないですか。
○国務大臣(田村憲久君) 今般の判決におきまして、国の主張を一部認められなかったということは、我々もこれに対していろいろと協議をこれからしていかなければならぬことがあるわけであります。関係省庁と協議した上でどうするか決めたいというふうに思っておりますが、今般の判決は、昨年十二月の新しい審査の方針、これが決まる前に結審をしておるものでありますから、新しい方針の下で行われた裁判ではないということでございます。そういうことも含めて、関係省庁と協議しながら最終的に判断してまいりたいと考えております。
○小池晃君 しかし、厚労省は、新しい審査方針に照らして認められなかったということをわざわざ結審後に裁判所にそういう意見書を出しているんですよ。情報を伝えているんですよ。それを踏まえて裁判所に判断することを求めてそういう結果が出たんですから、これはそういう言い分は私、通用しないというふうに思います。
 何の罪もない広島、長崎の住民が、原爆投下によって一瞬にして家族も本当に暮らしも奪われて、その後六十九年間苦しみ続けているわけですね。原爆症認定すら切り捨てるというのは、私は本当にあってはならないことだというふうに思うし、これだけ裁判で結論が出続けているにもかかわらず、いたずらに争い続けるというのは、本当に人道に反することだというふうに私は思います。しかも高齢化しているわけで、やっぱり一刻も早くこの苦しみから解放してさしあげるのが私は政治の責任だというふうに申し上げたいと思います。
 今日はこの問題に絞って聞きたい。
 先日取り上げた岡山地裁の判決ですが、申請者が提出した書類を認定審査でも異議申立てでも二回にわたって見落としたという事案です。厚労省も控訴を断念いたしました。前回この問題で厚労大臣は、その後、審査体制を強化して申請書類の様式も変えたので、そのようなことのないようにしたと言いましたが、しかし、今回の岡山判決の原告の認定が却下された第百四回医療分科会は、これは二〇一〇年一月に開かれていますから、これは厚労省がおっしゃる体制強化の後のことであります。その実態はどうだったか。
 厚労省に聞きますが、第百四回医療分科会は何名の審査委員で何件の認定審査、異議申立て審査を行ったのか。そして、実質の審査時間はどれだけだったんですか。
○政府参考人(佐藤敏信君) お答えをいたします。
 御質問のありました平成二十二年の一月十八日に開催されました第百四回の疾病・障害認定審査会原子爆弾被爆者医療分科会でございますけれども、二十三名の委員に御出席をいただきまして、二百五十三件の原爆症認定審査、それから四件の異議申立て審査が行われております。
 開催時間ですが、おおむね十時から十七時でございまして、場合によっては若干超過したりということがあるわけですけれども、休憩時間をおおむね合計で一時間程度取っておりますから、実質の審議時間は約六時間ということになります。
 原爆症認定の審査でございますけれども……
○小池晃君 いいです、もう。
 六時間で二百五十七件ですね。一人当たり一分半にも満たないわけですよ。こういう時間で審査しているということは、結局、医療分科会での審査は事務局が作成した一覧表で審査して、そのまま承認あるいは却下というふうにしているのではないか。
 例えば、今回のケースで見落としたような、添付されていた入市証明書とか申請者の陳述書をやっぱり一人一人に当たって審査員がチェックしていたら、こんな時間でできるわけがないわけですよ。逆に言えば、そういう審査しているから見落としが起こったんじゃないですか。どうですか、局長。
○政府参考人(佐藤敏信君) 私も十六年前に直接の担当をしておりましたけれども、そのときの経験も踏まえ、またさらに、最近の訴訟の結果等々も踏まえて申しますと、原爆症認定の審査というのは医療分科会の審議だけではなくて、先生から御批判を浴びるかもしれませんけれども、事務的にも十分に審査をいたしまして、必要に応じて都道府県等に照会を掛けて、事務の不備がないかどうか不足資料等を整えますし、また、必要に応じて現在では法律を専門とする委員が審査案件の確認を行うということでございまして、その上で、医療分科会に設置されました六つの審査部会で審査を行う案件もあり、分科会での審議時間それのみならず、その前後に十分に時間を掛けているものと承知しております。
○小池晃君 その事務的な審査が大問題なんです。後でそのことは私、問題にしたいと思うんですが。
 しかし、実際にこれだけの、六時間で二百五十七件の審査をする中で、私は、審査委員が一人一人の生の声をちゃんと聞いて審査をするということにならない、なるはずがないと、こんなやり方では。審査方針に何と書いてあるかというと、認定の判断を行うに当たっては、積極的に認定を行うために申請者から可能な限り客観的資料を求めることとする。審査に当たっては、被爆者援護法の精神にのっとり、より被爆者救済の立場に立ち、被爆実態に一層即したものとするとなっているわけですね。これが審査方針なんですよ。
 局長、しかし実際には、岡山の事案でいえば見落としているわけでしょう。ということは、これは審査方針が求める審査になっていなかったということは、これは事実としてお認めになりますね。
○政府参考人(佐藤敏信君) 一般論でお答えをすることになりますけれども、多くの申請に対しましてできる限り早くお答えを返してあげる、つまり迅速に審査をするという視点、それのみならず、やっぱり多方面から御検討をいただくという観点から、できる限りの範囲で審査に十分な時間と手間を掛けて対応しているものと承知しております。
○小池晃君 早かったら間違っていいんですか。早かったら見落としていいんですか。それで人生変わるんですよ。そんな考え方でやっているから、やっぱり被爆者の実態に応える、この審査の方針で言っていることと全く違う審査になっているじゃないですか。これでいいのかと私、言っているんですよ。
 そもそも、こんなことで対応できなくなるような審査に私は構造的な問題があると思います。先ほど事務が事前にチェックをしているとおっしゃいましたが、そのことをちょっと聞きたいんですが、大臣はこの間の答弁で、申請書類の書式を変えて入市の状況を含むという、申請書類の書式を変えたんだとおっしゃいました。確かに変わっています。入市の状況も含むということが申請書類の項目に入りました。今日お配りした資料の一枚目にあります。
 これは、その新しい審査様式で認定申請した広島で被爆した川田義男さんのケースです。入市状況について、これ、別紙のとおりということで、川田さんは、右側に別紙に書いてありますが、八月七日に自転車で御幸橋を渡って日赤病院辺りまで行った記憶があるというふうに記載をされております。それから、その二枚目の被爆者手帳の認定の交付の申請書、これはそれ以前に提出されたものですが、よりリアルに、八月七日にどういうことがあったのかということを克明につづっておられるわけですね。
 御幸橋というのは爆心地まで二・二キロです。日赤病院は一・五キロです。そして、川田さんは膀胱がんの治療をされていたわけです。原爆投下から百時間以内に爆心地から約二キロ以内に入市した悪性腫瘍については積極的に認定すると、これが新しい審査の方針ですよね。だとすれば、川田さんのケースというのは、これは御本人の言っていることに照らせば当然認定されるべきケース。ところが却下されているわけです。なぜ却下されたのか。事前の事務のチェックなんですよ。
 三枚目に、実際に分科会に出されている一覧表があります。これ、ほかの方はちょっとプライバシーのことがあるので消しておりますが、川田さんのところだけ残していますが、川田さんのところは入市状況というところが空白になっているわけです。書かれていないわけですよ。本人の主張、全く記載されていないわけですよ。
 局長、事務的なチェックによって事前に書類を見て、こういう一覧表を作って、入市状況のところに何も書かれていなかったらば、これは認定されるはずがないじゃないですか。こういうことをやっているから救うべき人が救われていないという実態があるんじゃないですか。これが、審査委員にきちんと客観的な資料を提供する厚労省の担当事務局としての役割を果たしたと言えるんですか。
○政府参考人(佐藤敏信君) 一般論で申し上げますと、この認定に当たりましては、被爆時の状況につきましては被爆者健康手帳がありますから、被爆者健康手帳の状況をまずよく見るということからスタートをいたしまして、更にその上で、今議員からお話のありましたように、入市に当たってとりわけ特別の状況があればそれも書いていただくというようなことで被爆の状況は判定をしているということになります。
 それから、先ほど、余り詳しく申し上げませんでしたけれども、御提示いただいている岡山地裁判決の事案について具体的に申しますと、原告の被爆者健康手帳においては、直爆のみが、五キロというのみが記載されており、この健康手帳の方に入市の事実が一切書かれていなかったということがありますし、申請時から異議申立て時にも原告自身は、これは項目欄がなかったということなのかもしれませんけれども、入市についての御主張がなかったといった特殊な事情があったことも事実であるということを御理解いただきたいと思います。
○小池晃君 国家賠償請求認められて、控訴しなかった事案について、今更こんなところで弁解しちゃ駄目だよ。とんでもない答弁だよ、今のは。じゃ、あなた、おわび状を送ったと言ったけれども、おわびの気持ち全然ないじゃないですか。おかしいよ、これ。
 大臣、担当部局がこんな態度だからやはりきちっとした認定なんかできないんじゃないんですか。しかも、この川田さんの場合は、いろいろ言うけれども、そういった事実が全く書かれていないわけですよ、入市状況のところに。わざわざ厚生労働省は東京都に問合せをしているわけです、この事案については。東京都は、交付申請書には入市の事実を記述しており、入市の事実を否定するものではないという回答を厚労省に出しているわけです。東京都が入市の事実を否定するものではないという回答をしているにもかかわらず、そして本人は入市を克明に書いたにもかかわらず、実際にこの申請書類の入市状況のところには書かれていなかったらば、これ何のための審査かということになるじゃないですか。
 大臣、これが実態なんですよ。こんなことでいいんだろうかと私は思うんですよ。
 川田義男さんは、却下処分に対する異議申立てを行いましたが、今年四月八日に、田村大臣、あなたの名前で異議申立ての棄却の処分をしています。川田さんはその翌日、四月九日に亡くなられているんです。本当にどんなに無念の思いだったろうかと思う。
 今日の資料の四枚目に、これは新しい審査方針になる前の話ではありますが、審査委員を務めたことのある元広島県医師会長の碓井静照さんが語っておられます。こう言っているんです。「申請書には、家族を失ったことや、脱毛や下痢に苦しんだ当時の出来事、その後の生活や思いが細かく書かれている。申請というより訴え。字が書けない人は絵を描いたり、本当に読んでいて胸が詰まった。でも審査委員はそういうことに関係なく、被曝線量と疾病名だけを根拠に機械的に振り分ける。振り落とされた人を何とかしようと、一人で粘ったりしてはみましたが、早ければ一分、結果的に認定される人でも五分で審査せざるを得ない状態が非常につらかった。」と。
 こういう訴えも受けて、その後いろんな運動もあって、議論もあって、政府もこの問題では新しい審査の方針作りました。この新しい審査の方針では、申請者に係る被曝線量、既往歴、環境因子、生活歴などを総合的に勘案して、個別にその起因性を総合的に判断するとしているわけです。
 ところが、大臣、今私指摘をしてきましたけれども、現状の審査というのは、この新しい審査の方針に照らして、きちっと一人一人の実態を拾い上げるものになっているんだろうかと、私、大変疑問に思う。結局、やっぱり今の審査の状況も碓井先生が嘆かれた当時と基本的には変わっていない状況なんじゃないですか。大臣、このままでいいと思いますか。
 大臣、大臣ですよ、大臣です。
○国務大臣(田村憲久君) 基本的には申請時の資料、こういうものをしっかりとチェックしなきゃいけないわけでありますが、足らないものに関しましては、地方自治体を通じていろいろな資料を整えて審議に提出をするということでありまして、これはちょうど今から七年前の新聞記事でありますが、先ほど来、話がありますとおり、平成二十年の四月に体制を変えたということでありまして、法律の専門家の方々に入市の有無、それから被爆の状況等の確認をしていただく、さらには医療分科会の下に審査部会というものをつくって、分科会の審議は審議でやりますが、審査会で審査もやってしっかりと対応していくということでございますから、この頃よりかは体制はしっかりと整備されてきておるというふうに考えます。
 いずれにいたしましても、しっかりとした審査、審議ができるように、これからも努力してまいりたいと考えております。
○小池晃君 この頃よりはって、これは碓井先生の言っている頃とは審査の方針も違うわけですから、それは当然だと思います。
 しかし、現実に今起こっている状態、変わっていないんではないかと。だって、大臣いろいろおっしゃるけれども、きちっと情報が提供されていないじゃないですか、審査委員に。しかも、それだけの時間が、審査の時間が保証されていないじゃないですか。こういうやり方で審査方針が言っているような客観的な情報をできるだけ集めて積極的に認定すると、そういう審査ができるような状況にあるんですかと私聞いているんです。
 実際に、だって見てくださいよ、ブランクになっているわけです、入市状況というのは、一覧表では。これで判断したらば、入市したということを受け止めないまま審査するということになってしまうじゃないですか。これでいいんですかと私言っているんです。
○政府参考人(佐藤敏信君) 繰り返しになりますけれども、現在でも被爆時の状況については被爆者健康手帳で確認をしますし、また申請のときの交付申請書の中も確認をするということをやっております。また、申請の内容の不備についても事務局、事務局だけではとおっしゃいますけれども、都道府県等自治体にも問合せをして、そういう形で書類を整理をして、そして審査会に提出をするというスタイルを取っておりまして、こういう、間違いというふうに言えるかどうか分かりませんけれども、そういうものがないように、今後とも審査体制の充実に努めてまいりたいと考えます。
○小池晃君 間違いと言えるかどうか分からないって、まさか岡山地裁のことを間違いと言えるかどうか分からないと言ったんですか。あれは間違いでしょう、あれはそうでしょう。大臣うなずいているからもういいけれども。
 きちっとやっていると言うけれども、実際に提供するべき情報が提供されていないということを私言っているわけですよ。これでいいんだろうかと。だから、事務方の事前のチェックでちゃんと審査委員に届くべき情報すら届いていないというのが実態じゃないですかと。それはそうでしょう、これだけの件数を短時間でやらなきゃいけないという仕組みにしておいたらこうなるでしょうと私言っているわけです。
 一点確認しますが、新しい審査の方針では、被爆者救済及び審査の迅速化の見地から、現在の科学的知見として放射線被曝による健康影響を肯定できる範囲に加え、放射線被曝による健康影響が必ずしも明らかではない範囲も含め積極的認定の範囲を設定するとしています。これ大事な考え方だと思いますが、確認しますが、イエスかノーかで答えてください。これは被爆者援護法に基づいた考え方ですね。
○政府参考人(佐藤敏信君) そのとおりでございます。
○小池晃君 大臣、被爆者、高齢化が進んでいるわけです。被爆当時の状況の証言というのは本当に困難になりつつあるわけです。それから、比較的若い被爆者でいうと、被爆した当時非常に小さい子供でしたから、やっぱり覚えていないという実態があるわけです。これも証明が困難になっている。ところが、今の原爆症の認定行政というのは、被爆時の克明な証明を求めるようなやり方で、少しでも条件を満たさないとどんどん切り捨てるということをやっている。これが司法の場では次から次へと覆されているわけですよ。いつまでこんなことを続けていいのか。
 今日は、資料の最後に、被団協が提案している新しい原爆症の認定制度といいますか、被爆者支援の在り方についての提言まとめたものを、これ厚労省が会議に提出したものを、分かりやすくまとめられているのでこれをお示ししていますが、被団協は、現行の認定制度を廃止をして、被爆者手帳の所持者に現行の健康管理手当相当額の被爆者手当を支給して、放射線起因性が認められている疾患に限って段階的に区分を設けて手当を支給すると。今は認定されれば医療特別手当、満額出るわけですが、この制度では段階的支給になるわけですね。だから、結局、今の手当よりも減る人も出るわけです。でも、被団協は、今のような認定制度で切り捨てる、こういう事態を変えたいということで提言しているわけですよ。
 私、政治の決断が求められている問題だと思う。これだけやっぱり切迫している、高齢化している、司法との乖離も進んでいる。やっぱり被団協の提案というのは、これは事態を打開する中身だと思います。党派を超えて、これは本当に政治のイニシアチブで、大臣、一歩前に進めるべきじゃないですか。新しい制度をつくるときじゃないですか。いかがですか。
○国務大臣(田村憲久君) この認定制度でありますけれども、いろんな御意見がある中で、平成二十二年から三年間掛けて検討会をお開きをいただいて、昨年の十二月に方向を出していただいたわけであります。
 それが審査の新しい方針であるわけでありますけれども、十二月の検討会、昨年の……
○委員長(石井みどり君) 時間を過ぎておりますので、答弁は簡潔に願います。
○国務大臣(田村憲久君) 済みません。
 この放射線の起因性の問題でありますが、これを、要は、個別の認定に当たってこれを要件とするということが、結果的に他の戦争被害とこの原爆の被害の違いなんだというところを、国民的な理解も含めて示す上ではやはり必要であるというような形の結論を得たわけでございまして、この方針という中においてここを外すというのはやはり難しいというふうに考えております。
○小池晃君 援護法の改正も含めて、私は、これは党派を超えて本当に解決すべき課題だということを全会派の皆さんに申し上げたいと思います。
 終わります。
○委員長(石井みどり君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
    ─────────────
○委員長(石井みどり君) 難病の患者に対する医療等に関する法律案及び児童福祉法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
 両案について、政府から趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明を聴取いたします。田村厚生労働大臣。
○国務大臣(田村憲久君) ただいま議題となりました難病の患者に対する医療等に関する法律案及び児童福祉法の一部を改正する法律案について、その趣旨を説明いたします。
 まず、難病の患者に対する医療等に関する法律案について申し上げます。
 難病対策については、これまで約四十年にわたり予算事業として推進してきましたが、医療費助成の対象となる疾病が限られていることや、都道府県に超過負担が発生していることなど、様々な課題を抱えています。
 このため、持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律に基づく措置として、基本方針の策定、公平かつ安定的な医療費助成の制度の確立、調査研究の推進等の措置を講ずることとし、この法律案を提出いたしました。
 以下、この法律案の内容について、その概要を説明いたします。
 第一に、難病の患者に対する医療等は、難病の克服を目指し、難病の患者の社会参加の機会が確保され、難病の患者が地域社会において尊厳を保持しつつ他の人々と共生することができるよう、総合的に行わなければならないことを基本理念としています。また、国は、難病対策の基本的な方向等について基本方針を定めることとしています。
 第二に、難病のうち患者数が一定数に達しない疾病を指定難病に指定するとともに、都道府県は、指定難病の患者が、指定医療機関からその医療を受けた場合には、医療費を支給することとしています。
 第三に、国は、難病の原因や治療方法等の調査研究を推進するとともに、その成果を積極的に研究者や医師等に提供することとしています。また、都道府県は、療養生活環境整備事業として、難病の患者の相談に応じる事業等を行うことができることとしています。
 第四に、国は、医療費の支給に要する費用の二分の一を負担するとともに、療養生活環境整備事業に要する費用の二分の一以内を補助することができることとしています。
 最後に、この法律案の施行期日は、一部の規定を除き、平成二十七年一月一日としています。
 次に、児童福祉法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 小児慢性特定疾病の児童等に関する施策については、医療費助成について、安定的な財源の仕組みとなっていないこと、小児慢性特定疾病の児童等の自立支援の充実等が求められていることなどの課題を抱えています。
 このため、持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律に基づく措置として、公平かつ安定的な医療費助成の制度の確立等の措置を講ずることとし、この法律案を提出いたしました。
 以下、この法律案の内容について、その概要を説明いたします。
 第一に、都道府県は、小児慢性特定疾病の児童等が、都道府県知事が指定する医療機関からその医療を受けた場合には、医療費を支給することとしています。
 第二に、都道府県は、小児慢性特定疾病児童等自立支援事業として、小児慢性特定疾病の児童等とその家族等に対し、相談支援事業を行うとともに、地域の関係機関や小児慢性特定疾病の児童等及びその家族等の意見を聴いて、小児慢性特定疾病の児童等の自立を支援する様々な事業を行うことができることとしています。
 第三に、国は、長期にわたり疾病の療養を必要とする児童等の健全な育成に資する調査研究を推進するとともに、その成果を研究者や医師等に提供することとします。また、厚生労働大臣は、長期にわたり疾病の療養を必要とする児童等の健全な育成に係る施策の推進を図るための基本方針を定めることとしています。
 第四に、国は、医療費の支給及び小児慢性特定疾病児童等自立支援事業の実施に要する費用の二分の一を負担することとしています。
 最後に、この法律案の施行期日は、一部の規定を除き、平成二十七年一月一日としています。
 以上が二法案の趣旨ですが、この二法案の検討規定につきまして、衆議院において、施行後五年と定められていた検討の目途を、施行後五年以内とする修正が行われたところであります。
 御審議の上、速やかに可決していただくことをお願いいたします。
 以上でございます。
○委員長(石井みどり君) 以上で両案の趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明の聴取は終わりました。
 両案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
    ─────────────
○委員長(石井みどり君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 難病の患者に対する医療等に関する法律案及び児童福祉法の一部を改正する法律案の審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(石井みどり君) 御異議ないと認めます。
 なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(石井みどり君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時十一分散会