第186回国会 厚生労働委員会 第22号
平成二十六年六月十七日(火曜日)
   午後一時三十三分開会
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   委員の異動
 六月十七日
    辞任         補欠選任
     木村 義雄君     堂故  茂君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         石井みどり君
    理 事
                高階恵美子君
                西田 昌司君
               三原じゅん子君
                津田弥太郎君
                長沢 広明君
    委 員
                赤石 清美君
                大家 敏志君
                大沼みずほ君
                木村 義雄君
                島村  大君
                滝沢  求君
                武見 敬三君
                堂故  茂君
                羽生田 俊君
                足立 信也君
                相原久美子君
                小西 洋之君
                西村まさみ君
                森本 真治君
                浜田 昌良君
                東   徹君
               薬師寺みちよ君
                山口 和之君
                小池  晃君
                福島みずほ君
   国務大臣
       内閣総理大臣   安倍 晋三君
       厚生労働大臣   田村 憲久君
   副大臣
       内閣府副大臣   西村 康稔君
       厚生労働副大臣  土屋 品子君
   大臣政務官
       厚生労働大臣政
       務官       赤石 清美君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小林  仁君
   政府参考人
       内閣府大臣官房
       審議官      豊田 欣吾君
       総務省自治行政
       局公務員部長   三輪 和夫君
       厚生労働省医政
       局長       原  徳壽君
       厚生労働省社会
       ・援護局長    岡田 太造君
       厚生労働省老健
       局長       原  勝則君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○地域における医療及び介護の総合的な確保を推
 進するための関係法律の整備等に関する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
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○委員長(石井みどり君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省医政局長原徳壽君外四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(石井みどり君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(石井みどり君) 地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律案を議題とし、これより内閣総理大臣に対する質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○武見敬三君 今回のこの法律というのは、私は、我が国の高齢化社会の中で国民一人一人が安心して暮らせる仕組みをつくる上で大変重要な法律だと思っております。特に、団塊の世代の方々は二〇二五年になりますともう七十五歳以上に皆さんなられて、五人に一人は七十五歳以上という形になりますから、病院における治療や介護における施設対応というようなことではとても対応できなくなってくる。そういうときに、在宅でも医療や介護というものを安心して効果的、効率的に受けることができるようにする、そのための計画を今から準備するというのがこの法律で、私は、確実にこれ遂行していかなきゃならぬだろうと思っています。
 ただ、中身はなかなか難しい。すなわち、従来のこういう分野であれば、医療法という法律に基づいて地域医療計画というのを策定する、それから介護保険法に基づいて介護保険事業支援計画というのを策定するという、こういう二つがあったわけです。これに加えて、今度の法律に基づいて、地域医療構想区域を策定をした上で地域医療構想をそれぞれ都道府県に策定していただく。さらには、今度は医療介護総合確保区域というのを設けまして、その中で今度は都道府県計画と市町村計画というのを策定していただいて、主にこの中では、地域医療・介護充実のための基金をどう分配するかというのをその中で決めていただくということになります。
 そうすると、従来の医療法の地域医療計画と介護保険法に基づく介護保険事業支援計画というものと、それぞれどうやって整合性を取ってこれを実施していくかということが問われる。その整合性というものの中身をどのようにしてきちんと地域の実情に合わせて調整をして、そして、この法律に基づいて地域の特性というものをちゃんと踏まえた形で医療や介護のサービスの提供ができるようにするかというのは、ひとえに都道府県や市町村におけるそれぞれ政策人材というのが本当にきちんと養成されていて、しかも、それぞれ地方自治体の中の人事制度で今みたいに二年に一回替わっちゃうわけですよ、くるくるくるくる。幾ら国が支援して政策人材を育成したって、その人材が二年ごとにくるくる替わっていたら何にもならない。したがって、それぞれ地方自治体にもしっかりとそういう人事制度を含めて、こういう専門的な知見を持ったきちんとした政策人材を、この法律に基づいた形で実際政策を遂行できるように今から計画的に準備していただかなきゃならない。特に平成三十年というときには、医療計画とそれから介護保険事業支援計画と地域医療構想と、全てがまず最初のスタート台にそろって、包括的に一致して計画を組み立てることができる非常に重要な年になるわけです。
 したがって、こうした政策人材の育成のための支援の在り方についての総理の御所見を伺って、なおかつ、これを地方自治体にもきちんと協力してもらって、そういう人事制度を含めて、しっかりとそういう人材が養成されてその任に就くように、政府としても支援をしていただきたいと考えておるわけでありますけれども、総理の御所見を伺わせていただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今回の法改正の趣旨について、もう既に武見委員から御指摘をいただきましたが、改めて申し上げますと、急速な少子高齢化の中におきまして、地域で安心して医療や介護サービスを受けられるようにするためには、救急医療などの急性期からいわゆる退院後の生活を支える在宅医療そして介護まで、一連のサービスを総合的に提供していく必要があるわけでありまして、このため、今回の法案では、患者の状態に応じた適切な医療が提供されるように医療提供体制の見直しを行うとともに、介護が必要となっても住み慣れた地域で安心して暮らしていけるように、そういう仕組みをつくっていく体制を整備していくものでございます。
 改革を進めていくに当たっては、国が基本方針を示していくわけでありますが、実際の計画策定等の実務を担うのは、今委員が御指摘になったように、地方自治体の職員であります。御指摘のように、地方自治体における政策人材の養成は重要な課題であります。
 そこで、国としては、今後、地域医療構想策定のガイドライン等を示すとともに、地方自治体職員に対する研修等を更に充実をしていく考えであります。また、専門的な知識を有する職員の育成のためには適正な人事管理を行っていくことも必要でありまして、人材育成の観点から、地方自治体に対し引き続き必要な助言等を行っていく考えであります。
○武見敬三君 ありがとうございます。
 その上で、今回のこの法律に基づいて医療介護総合確保区域を設けて、都道府県計画、市町村計画という形でこの基金の分配をするということになりますが、その基金というものの財源というのは消費税をもってするということになっておりますが、また同時に、平成二十六年度におきましては、五百四十四億円はこれは消費税を財源としている。それから、三百六十億円というのはこれは公費を財源としている。合計で九百四億円です。この公費の方の部分については、これは診療報酬改定等で薬価を切り下げた財源というものを、私はこれを充当したものと理解をしております。
 この薬価を切り下げた財源というものを、国民の負担が増えることがないように配慮しながら、いかにこれからも地域包括ケアということも踏まえて医療の分野に上手に活用していく仕組みをつくるかということを考えたときに、こうした基金というものをこれから更に活用していくことが私は非常に重要だと思っております。
 この点、財源構成について、これから消費税が八%から一〇%までいずれ引き上げられることになるだろうと私は予測をしておりますけれども、その中で、この消費税財源分について、そうした税源が増えるに従ってそれを増やしていくというお考えをお持ちであるのか、そしてさらに、薬価切下げの財源等について、これを上手に活用してこうした基金などにも充当していただくということについての御所見を伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 新たな基金につきましては、消費税増収分を活用することは法律に位置付けられておりますが、その規模については毎年の予算編成過程の中で調整をしていきます。
 基金の消費税増収分以外の財源については必ずしも薬価の引下げによる財源を充てているものではないと、我々の理解はそういうことでございますが、いずれにいたしましても、医療、介護については患者や利用者がその状態に応じたサービスを地域で安心して受けられるようにすることが重要であると考えております。
○武見敬三君 総理、これはやっぱり、これから薬価の切下げ財源というのは大切な財源になると思います。これをいかに、例えば消費税を引き上げたようなときにも、大病院等が控除対象外の消費税の扱いなどで今負担をしているようなところについて、これを上手に補填するような形でこうした基金を活用するなんということだって将来いろいろ考えてみる必要が出てくるだろうと思います。そういうときに、実は非常に使い勝手のいい財源がこの薬価の切下げ財源なんですよ。したがって、そのことを是非御理解をいただきたいと思います。
 多少時間が残っておりますので、厚労大臣はその点どうお考えになるのか、お聞きしておきたいと思います。
○国務大臣(田村憲久君) 薬価というもの、これを見直す中において、一定の財源というものが生じるわけであります。以前も申し上げましたけれども、これは必ずしも、これを全て今まで医療で取り返してきたというわけでは、診療報酬で取り返してきたというわけではないわけでございます。ただ、そのときそのときの状況に応じて必要な医療、そういうものに対してはやはり財源が必要なわけでございまして、様々な関係者の理解を得ながら、そのときの財政という意味からいたしまして、そのようなものを活用させていただくということも十分にあり得るということでございます。
○武見敬三君 以上で終わります。
○足立信也君 民主党の足立信也でございます。
 順番を変えて質問します。なぜかと申しますと、六月十三日、質問した後に医療界あるいは大学関係から極めて大きな反響がありましたので、ここを確認したいと思います。資料は四で質問は五に、そこからスタートします。
 同じ六月十三日に閣議決定されました死因究明等推進計画、これは中を御覧になると皆さんお分かりだと思うんですが、ウイッシュリストであって、まるで計画にはなっていない、工程も示されていないという代物でございます。
 その中で、重要なポジションを占めている九ページの死亡診断書記入マニュアル、これですね、これについて、前回の質問で、大臣答弁のはずのところを局長が答弁されましたが、警察に届け出るかどうかはあくまでも医師個人による状況判断だと、しかしこのままでは混乱が生じかねない、直すべきところは直していくという答弁でございました。
 私は、やっぱり、ポイントをこの前申し上げましたけれども、法律上決められてもいないことを義務のように書いているという点、それから異状死体を見たときの判断の二十一条を、異状ということに溶け込ませて混入させている、ここが大問題なんです。そこで、ある意味これは、これを作ったのは厚労省ですから、厚労省が自作自演をしているような感じもあるんですよ。現場は混乱している。
 そこで、まず大臣に、この前はちょっと、だんだん理解してくださっているという感じがあったので、明確に、今日は、これは改訂しなきゃいけないと思います。それについていかがですか。
○国務大臣(田村憲久君) 死亡診断書の記入マニュアルのことであろうというふうに認識いたしております。
 もちろん、これ言うなれば、中に書いてある内容自体を局長自体も内容が正確でないということを認めたわけであります。これ毎年度改訂をさせていただいておるものでありますので、そういう意味では二十七年度に向かって、もちろん長い目で見れば医師法二十一条、これをどうするかという議論を、この法律が通った後に議論を前倒しで始めていくという話になろうと思いますが、これとも絡む部分でありますが、この記入マニュアルの、前回委員がおっしゃられた部分に関しましては、二十七年度に向かってこれを直してまいりたい、このように考えております。
○足立信也君 ありがとうございます。
 ところで、これ閣議決定された今の計画なんですけれども、これは内閣府に官房長官をトップとする死因究明等推進会議ありますね、これ大臣もメンバーですね。これ検討会の報告が出た後、開かれましたか、会議は。
○国務大臣(田村憲久君) 一回目開かれまして、二回目は持ち回りで決裁をいたしました。
○足立信也君 これの持ち回りをしたということですね。そこは余り深くは行きません。
 九ページに資料として出しましたが、総理、この中で、私、実は大学に勤めていたときに、外科だけではなくてレジデント担当教官というのもやっていたんです。どういうことを研修医に教えていくかということなんですけれども、そこに、この死亡診断書記入マニュアルの活用をして、しっかり死亡診断等々を臨床現場の人間に分かってもらうようにしていくというふうになっているんです。そこで、十三日にこれは誤りであるとなったんです。ところが、九ページは、これを活用してしっかりやっていくと書いているんです。二十七年度に向けて、今大臣から明確に、これは変えますと。その変える前提でこれは書かれているんですか、閣議決定は。変えないと、今のままだと、これに従っていくと大混乱を起こしますよ。そこで私は、今、議員立法の話がいろいろありますけれども、それが先だろうということを申し上げているわけです。
 総理にお伺いしたいのは、今大臣はこれ見直すとしました。見直さないと、これつじつまが合わなくなります。その指示をしっかりやっていただけますね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 変えるということを前提に閣議決定をしているわけでございますが、先日の厚生労働委員会での議員の御指摘も踏まえて、厚生労働省において適切に検討されるものと考えております。
○足立信也君 変えることを前提にこれは書かれているということでございます。
 それでは順番を一番から戻します。資料一です。
 これは見出しだけ拾っても申し訳ないんですけれども、今非常に国民の関心を抱かせているノバルティスの「「ディオバン」事件と全く同じ構図」という見出しが出ております。
 どういうことかと申しますと、武田薬品、そして京都大学を中心に臨床試験、医師主導試験を行った。五年間やられた間に、研究の間に、今、ブロプレスという商品名なんですが、トップシェアですよ、高血圧の。この売上げが五百三十六億円から、国内ですよ、終わった年まで千二百三十五億円、二倍以上、急激に増えていったんです。そこには、武田から京大への寄附金は、これも資料に私、出しましたけれども、三十億円以上。そして武田の職員がこのプロジェクトの中に入っている。この資料一に出した中心人物と言われる人は、その後のこの調査で、調査の概要が資料の二から私、出してあるんですけれども、ここに名前は一つも出てこないです。
 これは、一社のことをとやかく言うつもりはありませんが、こういう形で産業を伸ばしていこうという考えは、捏造ですよ、不正利用です、データの。そこに産業界、医薬業界が大学と絡んでやっているということなんですよ。
 私が気になるのは、やはり社長の長谷川さんが産業競争力会議のメンバーであると。そこでこういう形で伸ばそうとやられると、今研究不正については日本は大ピンチです。世界三大論文捏造、大ピンチですよ。そこにこういう関わりのある方がいて、それが産業競争力を高めるんだと旗を振っていらっしゃる、これは私は見直した方がいいと思いますし、余りふさわしくないんではなかろうかと。例えば、ノバルティスの社長がこの競争力会議のメンバーにいたら、皆さんどう思いますか。
 ということで、ここは、私は、このメンバー構成もちょっと不適切ではなかろうかと、そのように思っているんですが、総理、いかがでしょうかね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 産業競争力会議は、我が国の国際競争力、産業力、生産性を高めていくために何をすべきかということについて中心的に御審議をいただいておりまして、具体策等についても御提言をいただいていることでございますが、日本の産業競争力強化や国際展開に深い問題意識を持っている経営者、あるいはまた産業競争力強化に資するイノベーションや規制改革、経済政策に深い知見を有する学識経験者に参加をしていただいているところでございます。
 御指摘の長谷川議員につきましては、経済同友会の代表幹事として産業競争力強化に関わる様々な提言を取りまとめるなど深い問題意識と見識を持たれており、我々は適任であると考えているところでございます。また、長谷川議員には、雇用・人材分科会の主査としてその知見を生かして雇用・人材分野の議論に多大な貢献をしていただいているところでございます。
 今議員が御指摘になられた点は我々も注視をしているところでございますが、この長谷川議員が経営者として国際展開をしてこられた、あるいは企業を成長に導いてきたという手腕については注目をしているところでもございます。
○足立信也君 資金提供については二の四に出しております。
 今、経済同友会の代表幹事、いわゆる充て職というようなことをおっしゃいました。これ、余人をもって代え難いとおっしゃるならば、それはまた考える余地はあるかと思いますが、経済同友会の代表幹事であるということであるならば、やはりこの指摘、うわさでは地検が京大に内偵に入ったといううわさも聞いておりますので、うわさだけかもしれませんけれども、ここは一考しないと、どういう態度で臨んでいるんだと、姿勢の面で疑われるところが出てくるんじゃないかと、私そう思いますよ。是非再考していただきたいと、そのように思います。
 じゃ、次に行きます。
 改革推進法では、これ三党で決めたものですね、自助、共助及び公助の最も適切な組合せ、これが社会保障制度だということにしましたが、プログラム法では自助、自立のための環境整備というふうに変わりました。これ広辞苑で調べると、社会保障というのは何ぞや。国民の生存権の確保を目的とする国家的保障である、日本では社会保険、生活保護、社会福祉事業、公衆衛生を主な内容として、失業、労働災害、病気、死亡などの事態に備える。現代国語辞典では、国民全てが健康で文化的な生活を営めるよう国が保障する制度、そのように書かれております。
 そこでお聞きしたいんですけれども、総理は本会議の答弁でも、社会保障制度の改革に当たって自助自立を第一にというふうに答弁されました。
 これ、社会保障制度における自助自立というのはどういうことを指すのでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これはまず基本として申し上げたわけでありまして、自らの生活については自らが働いて支えていくということであります。そして、自らの健康につきましても自らがしっかりと健康維持をするための努力をするという基本的な姿勢でありまして、この基本的な姿勢を失ってしまっては、これはもう公助、共助で全ていくというわけにはいかない、当たり前の話をしているわけでございまして、これが第一に来るのは当然のことではないかと、このように思うわけでありまして、その上において、社会保障制度の改革に当たりましては、自助自立を第一に共助と公助を組み合わせまして、弱い立場に置かれた方にはしっかりと援助の手を差し伸べることが重要であると、このように思います。
 また、例えば公的年金制度におきましては、自らの老後に個人で備えることには限界があることを踏まえて、これを支える共助の仕組みとして一人一人の保険料納付によって支えている制度であります。自助自立の考え方に根差した制度であると考えているところであります。
○足立信也君 わざわざ私が辞典を引いたのは、広辞苑でも国家的保障だと、現代国語辞典でも国が保障する制度だと、そう書かれてあるわけです。
 今、総理は質問三も先にお答えいただきましたけど、国民皆年金、このシステムで自助自立って一体どこにあるんですか。今、本人が老後の生活ができればそれはそれが一番いいと、それができない人のために共助、公助という話をされましたが、じゃ、制度の中に自立って一体どういう意味なんですか。公的年金に頼るなよという意味ですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、例として挙げさせていただきましたが、公的年金制度を例として挙げさせていただきました。
 まさに年金というのは保険料と税金から成り立っているわけでありまして、保険料としては、まさに自らの収入の中からそれを保険料として将来に備えて納付をしていく。と同時に、これは助け合い、賦課制度も併せ持っているわけでありますから、これは助け合いでもあるわけでありまして、まさに公助とそして自助、さらには、これは半分は基礎年金には税金を投入をしているわけでございまして、これは公助ということになるんだろうと。
 つまり、自助と共助と公助、これが我が国の公的年金制度であろうと、このように思うわけでありまして、繰り返しになりますが、やはり保険料を払える人は自ら払うという仕組みになっているというところが我が国の公的年金制度ではないかと、このように思います。
○足立信也君 保険料納付は義務なんですよね。で、自助自立が第一ということでは当たらないと思いますが、資料の三から見ていただきたいと思います。
 社会保障財源の項目別推移です。これは社会保障全般で赤い税金の比率がやっぱり高まってきています。その中身は何かと申しますと、次が医療を書きました。これも税金の比率が高まっております。三枚目が、介護の財源を書きました。これは一対一でございます。つまり税金の比率が高まっている。
 そこで、自助自立というのはどこに当たるのか。恐らくその他のところの自己負担ですよ。しかし、自己負担は、保険料、今、総理は保険料だと言いましたが、保険料は税と並ぶ大きな財源の一つであって、自助自立の範囲ではないと私は思いますよ、そこは訂正しておきますが。
 これからの社会、この前、我が党の櫻井委員も質問しておりましたが、消費税以外の税も保険料もやはり現役世代に負う負担が非常に大きいんですね。今後の人口減少社会、少子高齢社会の中で、やはり税の負担というのが、現役世代に頼らないところの税の負担がやはり大きくならざるを得ないだろうと、子育て世代、現役世代のみに頼ってはいけないだろうと。これは恐らく共有されていると思います。
 であるならば、今後の社会保障、特に今は医療の分野、介護の分野ももちろんそうです、保険料と税の比率、そして自己負担、これはどうあるべきだと、これから先、中長期的に、総理はお考えなんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 介護保険導入時、ちょうど私は自民党の社会部会長であったわけでありますが、その際、自助、共助、公助という考え方から、税金を入れる部分、そして保険料については確かに共助という考え方ではありましたが、同時にそれは、将来の自分は、サービスを受ける側に立って、それを維持していくためにも保険料を払うということで、これは自助を共助の中に組み入れているとも考えられるんだろうと思います。さらには、窓口負担として、それは自助であると、こういう考え方であったと、このように思います。
 日本の社会保障制度では、給付と負担の関係が明確な社会保険方式を基本としつつ、財源には保険料、公費負担、利用者負担の適切な組合せにより制度の安定化を図ってきております。
 こうした中で、近年では少子高齢化が進展する中で、世代間の負担の公平を図りつつ制度を持続可能なものにしていくとともに、低所得者の更なる負担軽減を図るなどの観点から公費財源の割合が増加傾向にあるわけでありまして、今後の社会保障制度で保険料と公費をどういった割合で御負担をいただくのかは、今後の少子高齢化の進展状況や経済・雇用環境の変化、さらに国全体の財政状況など様々な要因を踏まえて制度改革を進める中で決まっていくものであると、このように考えているわけでありますが、いずれにいたしましても、これ負担する方の側、これも国民でありますが、またサービスを受ける側、全体的なこれは理解の中においてこうした組合せも議論を進めていかなければならないと、このように思っております。
○足立信也君 税の負担が増えてきたと。これはもうそうせざるを得なかったわけですが、それは何なのかというと、赤字国債だったわけですね。
 ですから、今、国民的議論と、もちろんそうですが、やはりここはビジョンを示さないと、今後の二十年、三十年後の世界は、社会は、日本は、そこの人口比率を考えた場合にどういう負担の割合でいくのかというビジョンを示してもらうというのは極めて大きいと思います。
 次は、突然六月十日に選択療養から患者申出療養に総理の指示で変わったという答弁がございましたが、その件です。
 これは本会議の答弁でも、治験の始まっていないものという答弁がございました。ちなみに、アメリカで承認済みで日本で未承認の医薬品は九十六です。ヨーロッパでは七十三でございます。総理は、治験の始まっていない医薬品が対象と答弁されましたが、これは恐らく薬と薬の様々な併用療法あるいは新しい治療法も入るというふうに意味されているんだと思います。
 ところが、過去に欧米でスタンダードだと言われた併用療法、日本でそのままやったら大変な被害に遭ったということはありました。それから、イレッサの問題も、ずっと覚えていると思いますが、これは厚労省の対応は私は極めてよかったと思います、使える人を限定して情報をしっかり流すことによって。というのは、国がしっかり関与してきたからなんです。
 そこで、最後、もう時間がないのでお聞きしたいのは、これは臨床研究中核病院が責任持ってやったにしても、A病院とB病院で結果が違ったと、効果の面でも安全の面でも結果が違った。じゃ、それはどこがまとめるかというと、国がまとめるしかないんですね。そして、じゃ、これは効果のない、危険性の高いものでしたと後で出ていった場合に、その治療を受けた患者さん、あるいは治療をしたドクター、一体誰が責任持つんですか、結果が出るまで。そこの点を明らかにちょっとしていただきたいと思います。大臣、どうですか。
○国務大臣(田村憲久君) この患者申出療養でありますけれども、委員も御承知のとおり、基本的にはどの薬というのは決まっているわけじゃありませんが、今言われたような、外国では承認されているけれども国内ではまだ実際問題治験やられていないというような薬であったりでありますとか、また適応外薬ですね、日本の国の中において一定の今まで安全性、有効性はありますけれども、ほかのものに関してはその有効性というのがまだ証明されていないというようなものに関して、おおむねこういうものが対象にまずなってくるんだというふうに考えております。
 これに関しまして、まずは専門家の方々の会議、ここでこれを行う場合に、一定のスタートに向かっての審査をいただきます。その上で、今言われたような臨床研究中核病院のようなところが、多分ここになると思いますが、関連しながらこれの治療に始まるという形になるわけであります。実施計画そして実施状況、もちろん副作用があればその報告は国にいただいて、そのときそのときで国が適宜ちゃんとした対応をさせていただきたいと、場合によっては治療をやめてくださいということもあろうというふうに思います。
 その結果、途中で何か起こったときにどうだということに関しましては、それは様々な状況がありますので、今明確に誰に責任があるということは申しづらいわけでありますけれども、いずれにいたしましても、何かあったときにどのような対応があるかというのは、今もやっております保険外併用療養、これを参考に我々としては制度としてつくってまいりたい、このように考えております。
○足立信也君 最後にします。
 国民の安心、安全を守るのはこの委員会の務めでございますので、そこの点はお忘れないように頑張っていただきたいと思います。
 NHKの先週の調査でも、国民の関心、まずやってもらいたいことの第一位は社会保障制度改革でございました。第二位が景気対策、中小企業を含めたものでございました。是非、その点も興味を持っていただいて、総理にしっかり取り組んでいただきたいと思います。
 ありがとうございました。
○森本真治君 民主党・新緑風会の森本真治です。
 安倍総理に直接質問する機会をいただきましたことを先輩各位にまず感謝申し上げて、質問に入ります。
 私からは、まず成長戦略についてお伺いします。
 アベノミクス、現在、第二の矢ですね、公共事業のばらまきによって何とか踏ん張っているという印象を受けております。ばらまきが即効性はあっても持続的な経済を維持できるものではないということは皆さん共通の認識だと思います。よって、第三の矢、成長戦略が重要であること、皆さん御案内のとおりでありますが、昨日、産業競争力会議においていわゆる新成長戦略の素案もまとまったと伺っております。
 そこで、まず総理にお伺いします。
 安倍総理は、成長戦略を進める上で成熟分野から成長分野に失業なき労働移動を目指していくんだということをかねがね述べられておられます。それでは、安倍総理、介護分野は新たな雇用の受皿になり得る成長分野と位置付けておられるのか、お伺いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず初めに、第二の矢がばらまきというお話をされましたが、大胆な金融緩和とともにしっかりとした財政出動を行うことによってこれは初めてデフレから脱却できるわけでありまして、受注が全く弱い中においては当然、供給サイドばっかり力を入れてもデフレから脱却できないのは当たり前のことでございますから、我々はマクロ政策として正しい政策を進めているわけでございます。
 そこで、成長戦略における介護についてのお話でございますが、高齢化等の進展に伴いまして、介護サービスは今後需要の増大が見込まれる分野であります。また、介護従事者についても、団塊の世代が七十五歳以上になる二〇二五年には現在の一・五倍以上必要と推計されています。介護は雇用の受皿として今後成長が見込まれる分野であります。
 今回の法案では、地域のニーズに応じて在宅医療・介護サービス等の充実や人材育成等の支援を行うため新たな財政支援措置を設けることとしておりまして、今後、地方を中心とした雇用の創出にも資すると考えているところであります。また、従来の介護保険の下でのサービスに加えまして、NPOや民間企業、ボランティア等の多様な主体による生活支援などのサービスを充実させていくこととしておりまして、こうした分野での新たなサービスや雇用の創出も期待されるわけでございまして、更に加えまして、ICTや介護ロボットの活用を図りまして、介護従事者の負担軽減などにより魅力ある職場づくりを進めることによって、介護分野における新たな産業の創出や雇用の創出につなげていきたいと考えております。
○森本真治君 るる御答弁いただいて、地域の基盤整備についてのいろんなお話もありましたけれども、残念ながら、今回の法改正に当たっては、ただ、NPO、ボランティアの活用ということが一番メーンというふうに我々も理解をしておるわけでございます。百歩譲ってNPOを雇用の受皿と考えるとしても、じゃ、そのNPOを具体的にどうつくっていくのか、そのためには支援策を具体的にどのようにするのかというところがいま一つ今回の法改正では分からないということでございます。
 介護分野における新たな雇用創出策、全く私は不十分だと言わざるを得ないというふうに思っております。地域経済の活性化、雇用対策の観点から、今総理からも御答弁ございましたけれども、更なる具体的なイノベーションでありますとか、介護分野の、創業支援、事業者の体力強化というものを具体的にどのようにやっていくのか、もっと強くメッセージとして発していただきたいと思います。
 今総理からその辺りの御答弁があったように思いますので、具体的な話になりますから、これは大臣の方で御答弁いただければと思います。
○国務大臣(田村憲久君) まず、今回の予防給付の見直しというものを対象におっしゃられたんだというふうに思いますが、介護自体は、要支援者に対するニーズ、これも増えますが、そもそも要介護者のニーズ、これも爆発的にこれから増えていくわけでありまして、十二分にこれから人材が必要になってくる。しかし一方で、日本の国は非常にこれから生産労働人口といいますか生産年齢人口、これが減っていくわけでありまして、それをどうするかというのは大きな課題だというふうに思っております。そんな中において、やはり一定の処遇改善というものが図られないと、それは介護分野に人材が来ないわけでございますので、来年度の介護報酬改定に向かって、この分野に関しましても我々最大限の努力はしてまいりたいというふうに思っております。
 あわせて、要支援の方は、ボランティアだけじゃなくて、NPOだけじゃなくて、事業者も当然のごとくここに入ってくるわけでありますので、決して我々、ボランティアが全てを賄うとは思っておりません。ただ、その場所において働く方々という意味からすると、元気な高齢者の方々にもそういう部分で御活躍をいただける、そういうふうに我々期待をいたしておるわけであります。
○森本真治君 その事業者をどのように強力に創出して体力を付けていくのかという具体的なところが見えないという今お話をさせていただいたんですけれども、ちょっと介護の従事者の処遇改善、人材確保の話も出ましたので、ちょっとそちらに移らせていただきます。
 先ほども言いましたように、そこの問題意識、大臣も持たれているということで、来年の介護報酬改定でもしっかりと行っていきたいんだということはこれまでも委員会でも御答弁されました。昨日、公聴会で公述人から、ただ、事業所によっては介護報酬のアップがそのまま人件費の方に回っているのかということの提起がされて、その辺りはしっかりとやはり我々もチェックはしていかなければならないというふうにも思っておるんですけれども、その一方で実は気になる動きもあります。
 今般、経済財政諮問会議で示されたいわゆる骨太の方針ですね、その素案ですけれども、社会保障給付の効率化、適正化ということが言われておりまして、この中に介護報酬改定も対象に入っているというふうに理解しております。この文言だけを見ると、田村大臣の発言とは相反して介護報酬を抑制していくというふうにも読めるわけですけれども、そこは総理にお伺いしたいと思います。
 当然、総理も介護事業者の賃金アップはしていかなければならないという御認識を持たれていて、骨太の方針にある介護報酬の適正化の意味は、報酬額の抑制ではなくて報酬額を上げていくということでの適正化ということで理解していいんですね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 介護人材の処遇改善、処遇改善でありますから、この処遇改善については、これまでも自公政権下において、平成二十一年度介護報酬改定や補正予算の中で財政措置を講じるなど問題意識を持って取り組んできたところでございまして、今後は、先ほど大臣から答弁をいたしましたように、来年度の介護報酬改定に向けて、社会保障・税一体改革の中で必要な財源を確保し、更なる処遇改善を進めるとともに、介護人材の確保方策全般について厚生労働省に設けられた検討会で議論を進めまして、早急に一定の方向性を示すなど精力的な検討を進めていく考えであります。
○森本真治君 しっかりと上げていくんだというふうなことか何かよく分かりませんでしたけれども、しっかりと注視はしていきたいと思います。
 もう一つ気になる動き、産業競争力会議の新成長戦略が、これ昨日ですかね、素案が出たと思います。その中で、介護分野の外国人労働者の受入れ、これは六月十二日の我が会派の西村委員への田村大臣の答弁、現在は検討はしていないという……(発言する者あり)議事録見ました、ということだったと思います。そして、日本人が駆逐されるようなことがあってはならないということは言われましたね。ただ、議事録、私も詳しく読んだんですけれども、なかなかちょっと、この受入れを進めるのか進めないのか、よく分からない答弁になっておりました。
 そこで、これは総理にお伺いします。
 成長戦略では、外国人材の活用促進は重要と位置付けていると私は認識しております。昨日の新成長戦略の素案においても介護分野での受入れ拡大が含まれておったわけですけれども、総理は介護分野において外国人の受入れ拡大はするべきとお考えですか。お伺いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今までも外国人の人材については、EPAの枠組みの中で一定の数、質を維持しながら受入れを行ってきているわけでございます。この中で入ってきている方々は、それぞれ介護の分野においてもきちんとした知識を持って仕事をしていただいていると、このように思います。
 そうした中におきまして、今現場は人材が不足をしているのも事実であります。しかし、不足している中におきましては、やはり待遇が不十分、あるいは現場の方々が将来にこの職で希望が持てないという方々もいるのも事実であります。そうしたことも受け止めながら、しかしニーズとしては、介護人材、まさに今足下で必要なわけでございますから、その中でどのように解決をしていくかということについては政府として当然検討をしていかなければならないと、こう考えているところでございますが、この技能実習制度における外国人材の更なる活用でありますが、産業競争力会議における議論も踏まえまして、現在、政府部内で検討を進めているところでございます。今後、議論を深めて、成長戦略の改訂に向けてしっかりとした方向性を出していきたいと考えております。
○森本真治君 受入れ拡大を進めないということは否定をされなかったというふうに今の答弁では理解をさせていただきました。介護の人材不足の問題は総理も御認識をされておるわけでございますけれども、先ほどもあった二〇二五年度まで何倍かということで、百万人ということで我々よく言っていましたけれども、ということでした。
 先日、この委員会の参考人からの質疑の中で、国内において、今潜在看護師、これ八十万人ぐらいいるというふうに推定されるという発言がありました。ですから、今やらなければならないことは、この担い手を増やすため、先ほども言いましたが、ボランティアではなくて、きちんとした、それで事業として従事者が仕事をして生活ができるということを積極的にまずはやる。そして、外国人ありきではなくて、働き手の確保ということを、この実際八十万人という人が本当に、現時点ですけれども、仕事に就けばあと二十万人という単純な、というようなこともあるわけでございますから、そのことについてしっかりと、繰り返しになりますけれども、事業所の支援でありますとか処遇改善を先行してすべきということで、今般の改正案ではそのことについては不十分ということで到底賛成できないということを申し上げておきます。
 最後に一点だけ、新たな基金の話をさせてください。
 これは御提案なんですけれども、六月三日の私の質疑に対して、これは局長の答弁がございました。都道府県から今後九百四億円を超える事業の提案がなされる可能性があるというのは、これ、局長が前回……
○委員長(石井みどり君) 時間を過ぎておりますので、質疑をおまとめください。
○森本真治君 答弁があったわけでございます。
 今後、この基金の配分にはまさに予算の分捕り合戦が心配されるわけで、資料の一部も付けさせていただきましたけれども、各自治体では記録をきちんと取るということを制度として設けておるわけでございます。今回の基金にしっかりとこのような記録を残す制度をつくって今後検証できるようにしてもらいたいという提言ですが、大臣の御見解をお伺いします。
○委員長(石井みどり君) 田村厚生労働大臣、簡潔にお答えください。
○国務大臣(田村憲久君) 計画の公平性、透明性というものが担保できるようなちょっと努力はいろいろとしてみたいと思います。
○森本真治君 終わります。
○長沢広明君 公明党の長沢広明です。
 今日は、厚生労働委員会、総理、お出ましいただいてありがとうございます。お疲れさまでございます。
 まず、この法案の中で私ども一番やはり重視しているのは、地域包括ケアシステムの構築ということです。これは大変な大事業にもなりますけれども、公明党としても、昨年の十二月に地域包括ケア推進本部をつくりまして、専門家、そして地方の声、現場の声を今聞いたり現地調査も行ったりしながら、この地域包括ケアシステムがより良い体制が構築できるようにということで取りまとめた上で、きちんと今後の政策の提言も政府に対してしたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 この地域包括ケアシステム、大事なところは、高齢化がこれから急速に進む都市部と既に高齢化が進んでいる地方ではやはり状況が違う、そして、医療と介護の連携といっても、医療や介護のいわゆる社会資源がそろっているところといないところがある、それを支える人的資源も、人を集めることができる地域もあれば、とてもじゃないけれどもそういう人的資源に手が届かないというところもあるという、地域によって様々な事情の違いがあるということでございます。
 その地域の実情に応じた、また特色を生かしたシステムというものをつくっていかなければならないという、こういう観点で私どもも政策を取りまとめていこうというふうに思っているわけですが、今後、新たな財政措置として設けられる基金を始めとして、こういう各自治体に対する国の支援が不可欠でございます。国として惜しみない最大限の自治体への支援というものを強く期待したいと思うんですが、そこで総理にお伺いします。
 この法律案によって構築を目指している地域包括ケアシステム、この整備に関して、基金を活用することになると思いますけれども、地域において主体的に取り組む、そういう自治体に対する国の支援の在り方についてどのようにお考えか、伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 医療や介護を必要となった状況においても、やはり自分が住み慣れた地域やあるいは自宅でそうしたサービスを安心して受けられるようにすると、そういう中で自分らしく老後も暮らしていけることができる、これが国民の皆様のニーズなんだろうと、このように思いますが、このためには、身近な地域で安心して住み続けられる住まいを確保して、そして、医療や介護サービスはもとより、介護予防など自立に向けた様々な支援を受けられることが重要であります。
 今回の法案では、地域で安心して医療、介護が受けられる体制を整備するため、国が基本的な方針を示すとともに、都道府県がこの方針に沿って地域の実情も踏まえながら計画的に在宅医療・介護サービスの充実等を図るため、消費税増収分を活用した財政支援を行うこととしております。
 地域包括ケアシステムの推進に党を挙げて取り組まれております御党ともよく連携しながら、市町村の取組の参考となる事例を提供していくなど、地域包括ケアシステムを全国に広げていくために取り組んでいきたいと考えております。
○長沢広明君 消費税増税分がこの財源として使われる、これはもう大変大事なことだと思いますので、その点もよく国民の皆様に御理解いただくよう政府には努力をいただきたいというふうに思います。
 高齢化社会、日本は世界の中でトップを走っておりますが、決して高齢化が進展するのは日本だけではございません。欧米も高齢化がこれから進んでいくというふうに言われますし、アジアにおいては韓国やシンガポールは我が国を上回る勢いで高齢化が進むと、こういうふうに言われております。その意味では、世界のトップを走った高齢社会である日本の取組というのは、世界各国へ向けても様々な注目をされているというふうに言ってもいいと思います。
 そこで、総理、今後、高齢社会で私たちこの日本がいろいろな苦労をしながら、いろいろ試行錯誤しながら対応を進めているわけですけれども、介護サービスの提供の在り方とか介護予防の進め方とか、それからリハビリの進め方とか、こういった地域で蓄積されたノウハウあるいは知見というものを高めながら、こうした日本の経験というものを世界各国に提供していくということができれば、それは一つの大きな国際貢献にもつながるのではないかというふうに思います。
 こうした観点から、どのような取組が考えられるか、またどのようにお考えになるか、総理の御所見を伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 世界一の長寿国となった我が国には、医療やあるいは介護の技術、高齢化政策の経験や知見があるわけでありまして、この知見と経験を生かして国際貢献をしていきたいと、こう考えております。
 昨年末の日・ASEAN特別首脳会議におきましても、高齢化問題に関する協力を促進していくことなどが合意されたところでありまして、また、例えばASEAN各国の高齢化対策に関する政策対話の場の構築や二国間の技術協力などの枠組みを活用しながら、御指摘のこうした貢献をしっかりと行っていきたい。特に、認知症対策も含めて、高齢者介護分野を始めとした高齢者対策での国際貢献を進めていく考えであります。
 また、医療分野におきましては、再生医療など先端医療の分野で世界に先駆けた取組を進めていくとともに、国民皆保険の仕組みなど、長年培ってきた日本の経験や知見を生かして国際貢献を果たしていく考えであります。既にこの一年間で十四か国と医療・保健分野の協力関係を築きつつあり、今後ともこうした取組を進めていく考えであります。
○長沢広明君 その中でも、特に認知症対策について更に力を入れて聞きたいというふうに思います。
 厚生労働省の推計では、認知症の高齢者が二〇二五年には四百七十万人、これに軽度認知症の方を加えると認知症八百万人時代になると、こういうふうにセンセーショナルな表現もされております。しかし、現実にも、御本人が確認ができないとか徘回で行方不明になったとかいう痛ましい事故も非常に増えている。昨年一年間に警察に届出のあった不明者が一万人を超えたということもございます。認知症行方不明者に関しては、警察庁が市町村との情報交換を通じて早期発見に努めるよう全国の警察に捜索強化の指示をしたというふうにも聞いております。認知症の高齢者の方を介護する家族の皆さん、そして住み慣れた地域で住み続けられるという安心感、また地域が一体となってサポートできる、そういう体制、これが非常に今求められているときだと思います。
 私は、この認知症対策は、安倍政権の政策の大きな柱の一つとするだけの意味のある対策だというふうに思っております。厚生労働省だけではなく、既に動いている警察庁、あるいは公共交通機関との連携ということを考えると国交省。そして、先日も参考人のときに関係者の方から意見がありました。認知症対策の第一は認知症に対する社会の理解を深めていただくことであると、こういうことがありました。そういう意味では、認知症ということに対する接し方も含めた教育の分野での対応ということも必要になるというふうに思います。
 そういった、ある意味、省庁横断的に政府全体で認知症対策をきちっとまとめ、日本が認知症対策においては世界最先進国となると、こういうような取組を求めたいというふうに思います。総理の御所見を伺います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 高齢化の進展に伴いまして、今御指摘の認知症高齢者の方々が増えていくことが見込まれるわけでございますが、社会全体で認知症の方を支えていく仕組みをつくることが極めて重要であると考えております。
 そこで、政府としては、平成二十五年度からの五か年計画として、初期の段階から医療と介護の専門職がチームとなって支援を行う事業を推進をしていく、そしてグループホームなどの介護サービス等の整備を行っていく、さらには認知症サポーターによる地域での見守りの推進等について数値目標もしっかりと掲げながら施策を推進をしているところでございます。
 今後とも、これは厚生労働省一つの役所だけではなくて様々な役所に関わってくることでございますが、関係省庁が緊密に連携して政府一丸となって取り組んでいきたいと思っておりますし、日本は長寿社会、世界で最も長生きできる社会を実現をしたわけでございますから、認知症対策におきましても世界でも最も進んだ国となるように全力を挙げていきたいと、このように考えております。
○長沢広明君 是非、全力でお願いします。
 終わります。
○東徹君 日本維新の会・結いの党の東徹でございます。
 今回の地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律案、非常にこれからの少子超高齢社会を迎えていく、特に二〇二五年には高齢化率が三〇%、そして団塊世代の人たちがほとんどこの二〇二五年には七十五歳以上になるというような時代に当たって、非常に重要な法案であるというふうには認識をさせていただいております。
 今回の法案では、新しい財政支援制度とされる新たな基金、これが九百四億円もの、この四月から増税されました消費税を財源に充てております。しかし、仮に消費税を一〇%に引き上げても、国と地方の社会保障四経費に対してはいまだに十九兆円が財源が不足しているというふうに推定をされております。
 日本は世界でも例を見ない少子超高齢社会を迎えて、団塊の世代が既に七十五歳以上となる二〇二五年には社会保障の給付費が約百五十兆円になるというふうに見込まれておるわけでして、二〇一二年と比較すると約四十兆円もの社会保障給付費が増えていくという事態であります。
 また、介護や保育の人材不足を考えますと、これは介護人材不足、保育所においても保育の人材不足、そういったことが非常にこの委員会でもこれまでいろいろと議論をされてきました。また、こういったものへの対処をしていくためにも、当然財源というものがやっぱり必要になってくるわけでありまして、高齢化に伴い生活保護費も年々これも増加しておりますし、若年層におきましても若い世帯が生活保護になるというようなことも目立ってきているというような状況もあります。
 今後も、厚生労働分野でも予算が当然増大していくことは目に見えて明らかであろうというふうに思うわけですが、一方で、これから総理が御判断されることになります、二〇一五年の十月からは国民負担である消費税が一〇%まで上がるということが見込まれておりますが、さらには、税金以外の社会保険料も年々増額されてきているというのが現状であります。そう簡単にこれからもこれ以上の国民負担を求めていくというのはなかなか難しい時代になってきておるというふうに思います。
 もちろん、そんな中でも、障害や病気のために自立できない人に対しては社会保障制度を適用してしっかりと支援していくということはもう当然のことでありますが、このような、ある意味これからの少子超高齢社会という、日本の危機とも言えるような時代を乗り越えるためには、これは当たり前の話かもしれませんが、まずはやっぱり国民全体が自立ということを目指していく社会をつくっていく必要があるというふうに思うのですが、まず総理の御見解をお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この社会保障制度というのは、今委員が指摘されたように、人は不幸にして病気になることもありますし、それに伴って生活の基盤が失われていくこともあります。また、年齢をこれは重ねていけば定年を迎えて仕事による収入から年金生活に変わっていくわけでありますが、その際、言わば収入を確保するということにおいての年金制度というものがあるわけでございますが、しかし高齢化が進む中において、この社会保障の安定性を、財源の安定性を、財政基盤の安定性を考えたときに、お互いが助け合っていく中において自助の精神がなければこれは維持ができないのは当然のことでありまして、例えば、なるべく病気にならないような努力をしていくのは当然のことでありますし、そしてまた、なるべく自分の蓄えを増やしながら老後に備えていくということも大切なんだろうと、このように思うわけであります。そして、収入の高い人たちにとってはこの社会保障制度による給付が必ずしも必要でないわけでありますから、こうした給付の調整もできることになっていくわけであります。
 そこで、自助と共助と公助の組合せが必要になっていくわけであります。弱い立場に置かれた方々にはしっかりと援助の手を差し伸べることができるような、そうした財政的な基盤を我々はしっかりと守っていきたいと。そのためにも、自助と自立を大切にしながら共助と公助を組み合わせていく、こういう社会保障制度を次の世代に引き渡していきたいと、こう考えているところでございます。
○東徹君 ありがとうございます。
 もちろん、財政的基盤をしっかりと安定させていくということはまずは大事なことだというふうに私も考えますし、その中において、やはりこういう国の財政状況を考えても、そしてまた少子高齢化、人口減少、そういった時代の中で、まずはやはり、自立という言葉は非常に幅の広い言葉でありますが、目指して、国民全体で努力していく社会、こういったことを是非目指していかなきゃならないというふうに思います。
 次の質問でありますが、「選択する未来」委員会の資料によりますと、我が国の総人口は現在の出生率が続く場合、五十年後には八千七百万人に減少する見込みであるというふうに言われております。少子化対策も必要でありますけれども、国力を維持していく、経済的にも文化的にも世界の中で一定の地位を維持していくためには、年齢に関係なく働くことのできるような社会をつくっていくことが必要不可欠だというふうに思います。
 現状でも、日本は海外に比べて六十歳を過ぎても働く人が多い社会であるということは事実でありますが、今後この国も超高齢社会を迎えると、このままでは労働力人口というのが著しく不足してしまうということが言えるわけであります。外国人労働者とか移民とか、そういったことを受け入れる前に、六十歳を過ぎても七十歳を過ぎても、その人の意欲と能力に応じて働くことのできる活力ある超高齢社会を目指していくべきというふうに考えますが、総理の御見解をお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 安倍政権としては、少子化対策あるいは人口減少を克服していくための対策をしっかりと進めていくわけでありますが、残念ながら当分の間は人口減少は続いていくわけでございます。その中におきましても、しっかりと国を成長させていくためには、眠っている資源を活用する必要があるわけでありまして、その中で安倍政権としては、女性の活力を生かしていく、あるいはまた今委員が御指摘になったように、高齢者の力を生かしていくということではないかと、こう思うわけでありまして、意欲と能力に応じて年齢に関わりなく働くことができるような活力ある超高齢社会を構築をしていきたいと、このように思います。
 このため、高齢者の継続雇用に取り組む企業の支援、そして高齢者の再就職の援助、促進、地域で働ける場の拡大等により取り組んでいるところであります。これらの取組によって、生涯現役社会の実現を目指していく考えでございます。
○東徹君 六十歳を過ぎて働く、雇用を増やしていくというのはなかなか難しいということも私も理解をしておりますし、継続雇用、再就職、今回もJEEDのことがいろいろとまた問題にもなっておりますけれども、なかなかうまくいっていないというふうなこともありますが、考え方としては、やっぱりこういった方向性を示して、高齢者雇用、そして男性女性に関係なく仕事のできるような社会をつくっていくということはもう本当に大事だというふうに思います。
 続きまして、次の質問でありますが、これからの我が国にとっての、日本発の革新的医薬品の開発など臨床研究分野は、医学の発展はもとより経済成長の基礎となってもらわなきゃならない重要な分野であるというふうに思うわけでありますけれども、そのために、今回の法案にある臨床研究中核病院の位置付けは、医療機関の選定などについてはより慎重に行われるべきであるというふうに思っております。
 ノバルティスの事件も踏まえて、厚生労働省では罰則などを含めた法整備が必要との議論を始めたようでありますが、早期に日本の臨床研究に対する世界の信頼を一刻も取り戻さなくてはならないというふうに思いますし、そのためにも、臨床研究過程において製薬会社や大学側にデータ改ざんの事実などがあった場合に、政府としても厳格な対応を取らなくてはならないというふうに考えますが、総理の見解をお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 政府としては、再生医療など革新的な医療技術の実用化等に向けた積極的な戦略を進めている中において、その前提となる臨床研究において、今回、不正事案が続けて判明していることは大変遺憾であります。
 こうした状況を踏まえて、我が国の臨床研究に対する信頼を回復するため、現在、厚生労働省において専門家による検討会を設置をし、今後の臨床研究制度の在り方について、本年秋を目途に新たな立法措置を含めた検討を進めております。
 検討会の結論も踏まえつつ、日本の臨床研究の質を確保して世界に誇れるものとなるよう、政府としてもしっかりと対応していく考えであります。
○東徹君 力強いお言葉ありがとうございます。
 本当にこの臨床分野において世界の信頼を取り戻すためにも、やはりここは政府としても、こういった事件に対しての厳格な対応のできるような法改正、法律を制定していただきたいというふうに思いますので、秋を目途にということでありますから、是非ともお願いを申し上げたいと思います。
 最後の質問でありますが、今月の九日に示されましたいわゆる骨太の方針でありますけれども、この骨子案では、医療、介護を中心に社会保障給付費を効率化、適正化していくということとされており、保険者機能の強化など、歳出の適正化に向けた取組が進められようとしております。
 我が国の課題の一つは、持続的可能な社会保障制度の確立と財政再建というものを両立させるということでありますけれども、我が国の債務残高は対GDP比で二〇〇%を超えるなど、依然として厳しい財政状況が続いておるわけでありまして、今回の骨太の方針の骨子案で二〇二〇年までにプライマリーバランスの黒字化を目指すということを目標に示されたことは大変重要でありますが、なかなか厳しいというのが現状であろうかというふうに思っております。その具体策については、具体的な道筋を早期に明らかにできるよう検討を進めるという表現にとどめられており、財政健全化の具体的な工程が示されていないというのは非常に残念でもあります。
 現在はまだ案の段階ではありますが、近々示される骨太の方針ですけれども、これも大変、与党におかれましても反対勢力も強いというふうに思われるわけでありますが、こういうことを聞くのは余り好きではないんですが、本気で進めていく覚悟があるのかどうか、総理の御決意をお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今御紹介をいただきましたように、骨太の方針の素案には確かに、二〇二〇年度の基礎的財政収支の黒字化に向けては、二〇一五年度予算編成等を踏まえ、具体的な道筋を早期に明らかにできるよう検討を進めると、こう記載をしているところでございますが、我々は、経済成長と財政の健全化、この二つを同時に実現していくしか道はない、この道しかないと、こう考えているところでございます。
 我が国の経済の持続的な成長を実現をし、そして経済再生と財政健全化を両立をさせていきたいと思うわけでありまして、基礎的財政収支を二〇二〇年度までに黒字化するとの財政健全化目標の達成に向けてしっかりと取り組んでいく考えであります。
 この財政健全化を進めていく上においては、デフレ下にあっては決して財政健全化はできないわけであります。当然でありまして、これ税収減っていくんですから、税収が減っていく中では財政健全化はできない中において、我々はやっとデフレではないという状況をつくり上げることができました。この中でしっかりと今進めている三本の矢の政策を進めることによって、デフレから脱却をし、税収を増やし、そして無駄遣いをなくしていく中において、我々は二〇二〇年の目標達成に向けて努力を重ねていきたいと、このように考えております。
○東徹君 時間になりましたので、これで終わらせていただきます。ありがとうございました。
○薬師寺みちよ君 みんなの党の薬師寺みちよでございます。安倍総理には、本会議以来、二回目の質問となりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 こんなにこの厚労委員会が華やいでいる、私一年生議員でございますけれども、本当に心躍る思いでございます。さあ、しっかりと質問をさせていただきます。
 まず一枚目の資料を御覧いただきたいと思います。
 安倍総理には本会議場でも質問をさせていただきました。ファイナンスとデリバリーのその両面での改革を同時並行的に行っていかなければ、この道しかないと言っても進めない、それが今回の医療制度改革でございます。デリバリーの面において今回は一歩、二歩前進したと言えますが、まだまだファイナンスの面では問題が山積でございます。医療の構造改革を行っていかなければ、この十九本という複雑に入り組んだ法案さえも形骸化をしてしまう、そのおそれがございますので、私、今回の質問はシリーズ化をして、特に医療の面に集中して議論をさせていただきました。
 まず第一点は、質の高いチーム医療の確立です。チーム医療後進国と言われているこの日本において、更に専門職をつくり、まさに世界標準のチーム医療を獲得していく、これが今回の肝であると私は考えておりました。しかし、特定看護師の研修制度、骨抜きになってしまいました。審議会にかかっていけば、次から次へと業界団体の声によって尻つぼみになっていく、まさにその姿を見せ付けられた、それが今回の、特定看護師ではなく、特定行為に看護師に許可をするための研修制度、そこに落ち着いてしまったゆえんでございます。
 第二に、ゲートキーパー、フリーアクセスは考えを変えるつもりがないと私は本会議場で答弁を安倍総理からいただきましたけれども、フリーアクセスというものをこれ以上認めてしまえば、更に医療費も、そして患者様方もどこで何をしたらいいのか、そういう情報の非対称性の中で迷ってしまわれるのではないか。
 第三に、出来高払というのがこの日本の医療制度の中でも高く評価されておりましたが、現在では医療費増大の大きな原因となっている。
 この三つを少なくとも直していかなければ、現在この日本の医療が抱えている、医師、看護師の不足、そして医療費の抑制できない、環境の改善もできず、医療安全も守れない。今日は一つ一つ確認をしながら質問をさせていただきたいと思います。
 前回の委員会で小西委員が質問をしました。ひっそりと一つとても大きな条項がこの中に入っております。本法案で医療法の第六条二の第三項として、国民の責務を新たに定めるということになっております。国民の責務です。
 私は、一人の医療者といたしまして、患者のモラル低下というものも一つ問題になっていることは重々承知いたしております。コンビニ受診、そしてタクシー代わりに救急車を使用する、モンスターペーシェントの問題でしたり、飛び込み出産と、このような患者のモラル低下が医師や医療従事者を疲弊させている原因ともなっている。
 では、今回、国民の責務を新たに定めることになる、具体的にはどのような施策をお考えなのか、田村大臣、お答えいただけますでしょうか。
○国務大臣(田村憲久君) これ、医療資源を有効に活用いただくということが重要であり、やはり質の高い医療を効率的に提供していくというためには、国民の皆様方にも御理解をいただかなければならないことであろうと考えております。そこで、医療機能の分化、連携、これに対して御理解をいただき、そしてまた、適切な医療を受けていただくということをこの法律案の中に国民の皆様方の義務としてお願いをさせていただいておるわけであります。
 これ自体は、当然のごとく、我々としては、国民の皆様方にとってもいいことでございますので、そのような御理解をいただくようにということで入れさせていただいたわけでありますけれども、かかりつけ医というものがその中において非常に大きな役割を果たすと思っております。委員は、もう少し厳しいゲートキーパーをおっしゃられますが、我々は緩やかなゲートキーパーというような形の中でかかりつけ医というものをこれからもしっかりと役割として果たしていっていただこうと考えております。
 そういうことも含めて、今般の、国民の皆様方に対してどのような医療提供体制であるかということを十分に御理解をいただくために、いろいろと我々も広報もしていかなければならぬわけでございまして、例えばパブリックコメントでありますとか、それから、そもそも医療制度が変わりますよというようなポスター、こういうものを医療機関に貼らさせていただいたりでありますとか、またパブリックコメント、さらにはいろんなシンポジウム等々で国民の皆様方に御理解をいただきながら、国民の皆様方にもそのような責任というものをしっかりと感じていただいて、いい医療を受けていただきたいという思いの中で、今般このような法文を入れさせていただいたということであります。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。
   〔委員長退席、理事西田昌司君着席〕
 権利と義務というのは私は一体だと思っております。今回、義務というものは定められても、どう探しても権利というものが見付からないんです。私は医療者として、世界の中でも有名な宣言があります。一九八一年、世界医師会で採択されましたリスボン宣言です。これが患者の権利の代表的な例だと言われております。私もそれを学んでまいりました。一方で、医療者は、ヒポクラテスの誓いというぐらいの、本当に古い時代から脈々と医師が医療を提供する義務を担っている。義務があれば権利もある。
 どうでしょう、大臣、済みません、教えていただきたいんですけれども、この中に、医療法の中に権利というものが書き込まれているんでしょうか。
○国務大臣(田村憲久君) 国民の責務という形で、努めることということで先ほどのことを盛り込まさせていただいたわけでありますが、同じように、これは権利ではないんですけれども、医療機関側に努めることということで書かせていただいておるわけでありまして、第一条の四の第二項、これはいわゆるインフォームド・コンセント、これの、医療機関がしっかり努めること、こういうことを書かせていただいております。あわせて、六条の二の第二項でありますけれども、ここで情報提供とそれから相談、これに応じるように努めること、こういうふうになっておりまして、権利ではありませんが、逆に医療機関の方に責務を課す中において、患者の方々、国民の方々に対して、それに対してのしっかりとした利益が生じるようにということで書き込まさせていただいております。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 医療を提供する義務はやがて医療を受ける権利へ、秘密を守る義務は秘密を守る権利へと読み替えられてまいりました。しかし、私ども、世界一の長寿国であるこの日本において、しっかりとやはり患者の権利というものをこの医療法の中にも位置付けるということが私は重要だと思います。それこそ、患者中心の医療というものを確立していくんだ、まさにその気合が感じられるんじゃないですか。
 今回は、まだまだ手落ちである、片手はできたけれども、もう片方の手をしっかり伸ばしてこれからの医療を守っていくんだと、しっかりとそこを打ち出していただきたいと私は考えております。
 国民の責務を果たすためにも、先ほどおっしゃっていただきました家庭医というものが必要である。しかし、この家庭医というもの、資料の二を見ていただきたいんですけれども、世界において日本、ほとんどゼロ%に近いというデータとなっております。地域包括ケアというものが今回大きなキーワードともなっておりますけれども、そのキーワードとなっている地域包括ケアのキーパーソンも家庭医です。代表質問の際には、フリーアクセスの原則というものは守っていくんだと御答弁を総理からもいただきましたけれども、私は、しっかりこれからの未来に向けて、先ほど言っていただきました、緩やかなフリーアクセスというようなところを制限をしていくことが必要かと思います。
 資料三を是非御覧いただきたいんです。
 私どもはどこに学ばなければならないのか。家庭医を学ばなければならないのは、まさにイギリスかと思います。イギリスで実際に家庭医をなさっていらっしゃる方のこれは記事でございます。英国の医療は基本的に、まず地域の家庭医が診て、必要に応じ各科の専門医、病院を紹介する仕組みだということです。下の方にも書いてございますが、イングランドの診療所を利用した住民の約九割が家庭医の診療に満足をしている。
   〔理事西田昌司君退席、委員長着席〕
 ある調査によりますと、健康問題の八割はプライマリーケアの段階で解決できるというふうにもなっております。高齢化してくると様々な疾患を持ち、様々なかかりつけ医をはしごしなきゃいけない。だったら、大病院一個行って、そこで全部の科を診てもらった方がいいだろう。日本人の特性といたしましても、薬好きということが言われています。検査漬けで薬漬け、こういう医療ではなかなか今回の法案の趣旨にも基づかないような現場がつくり出されてしまうということが私は一番の問題かと思います。
 それからもう一点、資料の四を御覧いただきたいと思います。
 代表質問の際にもこれも質問させていただきました。開業自由の原則と出来高払のことでございます。開業自由の原則と医師の裁量で診療の内容を操作できやすい出来高払、診療報酬体系というものが結び付いて、供給が需要をつくる医療費の特性というものがこの日本、生まれております。
 図の四に示しました。この表は、横軸が人口当たりの病床数、縦軸が一人当たりの医療費です。病床数が多いと医療費が増える、これは医療界の中でももう有名な図でございます。これをしっかりと抑制していくためにも、私は、この開業自由の原則、そして出来高払というものの見直しが必要ではないかと思います。
 もう一度同じことをお伺いいたします。このような状況下においても、やはりこの二つの原則というものを見直すという予定はないんでしょうか。総理、お願いいたします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 医師の自由開業制度は、医療に関して我が国が守ってきたフリーアクセスを確保する上で重要なものと考えております。一方で、効率的な医療提供の観点も重要でありまして、今回の法案においても、病床の機能分化、連携を推進すると同時に、かかりつけ医の普及や外来医療の機能分化に向けた取組を進めることとしております。
 また、診療報酬の出来高払につきましては、行われた診療行為を一つ一つ個別に評価するものであり、一般的に患者の状態に応じた医療サービスを提供しやすいという利点がある一方で、確かに今委員が指摘されましたように、過剰な診療を招くおそれもあるわけでございます。
 このため、平成十五年度から急性期入院医療を対象とした包括支払制度であるDPC制度を導入するなど、現在は出来高払と包括支払制度を組み合わせた診療報酬体系としているわけでございまして、今回の法案はフリーアクセスや出来高払と包括支払制度の組合せの診療報酬体系を前提に、患者がその状態に応じて地域で安心して医療や介護サービスを受けられるような医療提供体制の改革を行うことを目的としているところでございまして、しっかりと取り組んでいく考えであります。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 是非、ファイナンスの第二の矢というものを私は期待をいたしております。
 そして、私が以前にも取り上げさせていただきました、日本の医療の問題の中で大きな穴が空いております。それが、いつまでたっても雑用を任せられるような簡単な資格制度の件でございます。
 前回、総理にもお尋ねをいたしました。東日本大震災の際に、アメリカからナースプラクティショナー、そしてフィジシャンアシスタントという医師と看護師の中間職の皆様方が駆け付けて医療の現場で活躍をしてくださいました。その中で多くの医師の皆様方が、ああ、こんな職種があったのか、こんなに優秀な医療技術を発揮できる看護師がアメリカにはいるんだということを認識なさったという記事も多く報じられてまいりました。しかし、今回はまたお手軽な資格という形で特定看護師が収まろうとしましたけれども、結局、名称独占もできなければ認定も受けられない、誰でも医師の指示の下であれば医療行為ができるんだという制度に落ち着きつつあります。
 私ども、本来のチーム医療というものは、多くの専門職の皆様方、特に高い知識を持った専門職の皆様方が患者様を取り巻くようにフラットな関係で話合いをしながら、この方に必要なことは何だろうということを議論をし、そして地域の皆様方、介護に落としていったら、それがまさに地域包括ケアということになっていくわけでございます。
 私は、資料の五、資料の六、昨日、公述人からいただいた資料も添付させていただきました。日本版ナースプラクティショナー、フィジシャンアシスタント制度の導入の必要性というところでございます。医師と看護師の中間レベルの非医師高度診療師の導入というものが新しいチーム医療の推進、進めていく、そしてより成熟した医療を確立していく、高い医学知識を持った看護師が現場にいることによって医療事故というものも防げていく可能性がある、医療安全も守られていくだろうと。
 実際に、資料六に、見ていただければ、もう既に特定看護師が養成をされ試行事業も行われております。下の図では、既に業務にも携わり、試行事業の中でも高い評価を得ているという結果が出ております。
 資料七、資料八に添付をさせていただきました。私が小児慢性疾患の議論の中でも報告をさせていただきましたチャイルド・ライフ・スペシャリストという資格、しかし、これは日本の資格ではありません、アメリカの資格です。小児病棟にこのチャイルド・ライフ・スペシャリストの皆様方は入っていきながら、子供たちが安心して闘病生活を得られる、家族も共にケアをしながら、心理的、社会的支援を提供していく、そういう専門職です。
 では、日本ではどうなのか。八枚目の資料を見てください。優秀な看護師の皆様方がアメリカで資格を取られ、そして日本に帰ってきて、実際にチャイルド・ライフ・スペシャリストとして病院でケアを提供していらっしゃいます。しかし、彼女たちは診療報酬も付きません。病院の持ち出しの中で、本当に待遇が悪い中、働いてくださっております。
 各国ではこのように高い教育を受けた多くのスペシャリストが一つのチームとして患者様方を支える、それがチーム医療として提供されております。しかし、日本では、なかなかこういう専門職の皆様方の地位も確立できなければ、いつまでたってもグループ医療のままで、ある集団が関わればそれでチームだというような低い認識の中、医療、介護が提供されております。
 どうでしょう、これからこのチーム医療というものを更に成熟していく上で新しい職種というものを創設していってはどうか。安倍総理の御見解をお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 確かに、委員は医療の現場におられたわけでございますが、医療の現場においては、医師とそして看護師、薬剤師等々がしっかりとチームとして協力をしていく、そのことによって患者の命を救っていく、健康を守っていくということだろうと、このように思いますし、その方向で今回も、なかなかちょっと御評価をいただいてはいないわけでございますが、今回の法案におきましても、医師や歯科医師の指示を前提として、医療の安全性を確保しつつ、医療に関係する専門職が行う業務の範囲を広げることとしております。
 看護師につきましては、医師の判断を待たずに、例えば手順書によって一定の診療の補助を行う場合の研修制度を創設するなど、医療に関係する各専門職の業務範囲を広げる内容を盛り込んでいるところでございまして、また、勤務医の勤務環境については、今回の法案において各医療機関が勤務環境改善に取り組む仕組みを創設することとしております。
 さらに、医師の確保については、平成二十年度から医学部入学定員を増員しておりまして、平成二十六年度定員は過去最大の九千六十九人となっております。
 御指摘のような新たな職種の創設については、我が国の医療従事者の教育体系の在り方等にも関わるものでありまして、まずは今申し上げたような取組を推進していくことによって、勤務環境の改善や医師の確保を図るとともに、効率的で質の高い医療提供体制の確立に努めていきたいと考えております。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。
○委員長(石井みどり君) 時間が過ぎておりますので、質疑をおまとめください。
○薬師寺みちよ君 はい。
 私の方からは、最後に、ファイナンスとデリバリー、必ず両輪として改革を進めていただくことをお願いをいたしまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 私、先ほど武見委員の質疑を聞いていて、薬価差、薬価引下げ分の使途についての総理の答弁聞いてちょっとあれっと思ったので、ちょっと通告した質問に入る前にお聞かせいただきたいんですが、以前は違う主張をされていたと思うんですよ。
 九七年四月九日の衆議院の厚生委員会の議事録見ますと、ここでは総理はこう言っているんです。薬価差は一兆円あると。それがそのままお医者様の懐に入っているわけではなくて、その根底には、現在の診療報酬が果たして適正であるかどうかということになってくると。その薬価差の一部は、例えば病院の修理の方にも回っているわけですし、そういう観点から、薬価差を適正にすると同時に、診療報酬における技術料を適正に評価するべきだという声も強くあると。
 非常に正しい、私から見ると正しい主張を当時されていたんです。何で変わっちゃったんですか。先ほどの主張は全然違いますね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 当時、自民党の社会部会長だった時代だと思いますが、厚生委員会での私の質問ですね。自民党の言わば理事としての質問だったと、このように思うわけでありますが、先ほど大臣が答弁もされましたが、そこで言わば薬価差、薬価差というか薬価が改定されていく中において下がっていくこの分を、言わばこれを国としていただいてくるわけでございますが、診療報酬改定の際にですね、それを言わば診療報酬改定において医療に戻してもらいたいという要求は当然これはあるんだろうと、このように思うわけでございますが、国としての立場としては、政府としての立場としては、これは全体の収入の中に入れさせていただき、適時適切に使用していきたいと、こう考えているところであります。
○小池晃君 当時、自民党は政権与党だったんですよ。その政権与党の立場と国の立場が違うって、おかしいじゃないですか。かくも立場が人を変えるのかと、私、本当にあきれてしまう。これはおかしいですよね。こういう形で国の運営やっていていいのかということを、まず私、言いたい。
 こういう正しい主張をしていたのもつかの間、二〇〇一年に小泉政権が誕生して、聖域なき構造改革だと。二〇〇二年度には診療報酬マイナス改定で三千億円自然増が抑制されました。その後、毎年二千二百億円の削減をやった。もう御承知のとおりです。一兆六千二百億円の自然増の抑制が行われました。これが日本の医療崩壊を招き、介護難民という事態を生んだことはもう間違いない。
 総理にお聞きしますが、社会保障自然増二千二百億円削減というこの施策は正しかったんでしょうか、間違っていたんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 社会保障の伸びを毎年二千二百億円抑制していくという小泉内閣時代の方針は、社会保障費がどんどん増大をしていくという中において、制度の持続性を確保しなければならないということから大変これは重視されたわけでございまして、その中での試みであったというふうに認識をしております。しかし、単純に社会保障費の伸びに機械的にキャップを掛けて抑制をするという手法には、副作用として様々な問題が発生したことも事実であるというふうに認識をしております。
 いずれにいたしましても、社会保障改革に当たっては、必要な給付やサービスの質を維持をしながら、いかに効率化を図っていくかが課題であろうと。一つ一つの改革を積み上げていくことが必要であると、私はこう今考えているところでございます。
○小池晃君 しかし、今また同じことをやろうとしているんじゃないですか。
 経済財政諮問会議で議論をされている骨太の方針二〇一四の素案には、医療、介護を中心に社会保障給付について、いわゆる自然増も含め聖域なく見直し、徹底的に効率化、適正化していく必要があると。小泉政権時代の社会保障抑制路線の復活じゃありませんか。いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 安倍内閣としては、単純に、今申し上げましたように、社会保障費の伸びを抑えるためにキャップを掛けるということはいたしません。そういう手法ではなくて、重点化、効率化を含め、一つ一つの改革を積み上げていくことによって、受益と負担の均衡の取れた持続可能な社会保障制度の確立に努めていきたいと、こう思っております。
 御指摘の骨太の方針については、六月十三日の経済財政諮問会議で素案が提示をされたわけでありますが、その中では、国民負担の増大を抑制していく観点から、社会保障給付について、効率化、適正化が必要であるとする一方、国民のニーズに対応するための社会保障の機能強化を図ることについても記載されているところでありまして、二千二百億円ありきという形でキャップを掛けて削減をしていくわけではなくて、我々としては、限られた財源を有効に効率的にこれは使っていこう、サービスの水準は落とさずに、しかし効率化を図っていく、当然それぞれがそういう意識を持って改革をしていこうという姿勢でございます。
○小池晃君 私は、機械的かどうかということではなくて、自然増を抑制するということが、まさに一人一人の社会保障の水準を低下させてきた。障害者自立支援法しかり、後期高齢者医療制度、そして生活保護の母子加算の廃止、こういったことが日本の社会保障を破壊してきたんだと思うんですよ。それがまさに自然増の抑制なんですよ。それをまたやろうとしている。
 しかも、限られた財源だとおっしゃるけれども、じゃ、何で今回の骨太の方針には、法人税を二〇%台まで引き下げることを目指すというふうに書いてあるんですか。おかしいじゃないですか。財源を心配するのであれば、なぜ法人税を下げるんですか。結局、これでは社会保障の自然増を抑制して、それが法人税減税の財源になると。こんなやり方に国民が納得すると思うんですか。総理。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 法人税を下げることと社会保障の抑制は、全くこれは関わりがないことでありまして、法人税を、実効税率を下げていくということについては、これはまさに財源もしっかりと確保していくことでありますが、これはグローバルな経済の中において日本の企業が勝ち残っていく、あるいはまた海外からの投資がなされ、そしてそれによって雇用が守られ、雇用がつくられ、あるいは国民の生活水準が収入が上がっていくことによって向上していく、そのためのこれは実効税率の削減ということになるわけでありまして、他方、この抑制というのは、できる効率化はしていこうということでありまして、母子家庭の生活保護費の母子加算を削減していくということについては、これは同じ条件の家庭を見て、消費生活水準が逆転をしているということに鑑み行ったことであろうと、こう思うわけでありますが、いずれにいたしましても、効率化はしっかりと行っていくのは当然のことではないかと、こう思うところでございます。
○小池晃君 法人税減税、国際競争力のためだと言うけど、国際競争力の源泉というのは国民の生活が安定していることなんですよ。社会保障の将来不安が取り除かれることなんですよ。今回のような法案で介護の抑制などをやっていったら、これは、国民の生活は不安定になり、国際競争力の基盤が壊されることになっていくんですよ。
 しかも、総理は関係ないとおっしゃるけれども、関係あると言っている人もいますよ。日本経団連の榊原会長は六月九日の記者会見でこう言っているんです。法人税を二五%へと引き下げるべきだ、このためには、税体系の見直し、社会保障を始めとする歳出の削減と。法人税を二五%に引き下げるために社会保障を削減せよと日本経団連の会長は言っているじゃないですか。
 じゃ、総理は、この主張は誤りだとおっしゃるんですか。日本経団連の主張は誤っているんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私が出た競争力会議において、榊原新会長も、社会保障費の削減を法人税の実効税率の削減に結び付ける発言は私の前ではしておられないわけでございまして、直接聞いたわけではございませんが、政府としては、はっきりと申し上げておきますが、政府としてはそういう考えを全く取ってはいないということを申し上げておきたいと思います。
○小池晃君 これ記者会見で、ホームページで出ているんですから。
 じゃ、総理は、日本経団連のこの主張は支持しないんですね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) その考えというか、今、小池委員が紹介された、社会保障費を削って、それを法人税の削減に使うという考え方は取らないということははっきりと申し上げておきたいと思います。
○小池晃君 取らないと言ったって、同時に議論しているんだから、それは、法人税減税をやるのと社会保障の削減を同時に方針化すれば、結局、社会保障を削減した分が法人税の減税に回ることになるじゃないですか。国民から見ればそういうことになりますよ。
 社会保障の拡充だと言って消費税を増税した、しかしそれを社会保障の拡充にはほとんど回さなかった。社会保障を拡充すべきだと言うと、財源不足だからと言って拒否をする。舌の根の乾かないうちに法人税の減税に走り出して、その財源は社会保障の削減だという。こういう流れですよ、今の。こんなやり方に国民が納得すると思いますか、総理は。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 再々申し上げておりますように、今回の消費税五%から八%への引上げは、伸びていく社会保障費に対応するため、あるいは子育て支援を行うために充てられているわけでありまして、それはもう間違いがないわけであります。
 他方、法人税改革につきましては、日本の競争力を高めていく、日本の企業の競争力を高めていく上において、成長戦略の一つとして考えられているわけでありまして、その財源として社会保障費から取ってくるということはつゆほども考えていないということは、重ねて申し上げておきたいと思います。
○小池晃君 つゆほどもと言ったって、そういう構図になっているんだから。国民から見ればそうなっているんですよ、これ。
 結局、これでは日本の社会保障はどんどんどんどん削られていく。そして、今回出されているこの法案というのは、まさに社会保障の大削減路線にかじを切るという法案だというふうに思っています。もう断じて認められない。これは廃案にするしかないというふうに思います。
 やはり医療や介護の前提となる問題をちょっと私、聞きたいんですが、今総理は、集団的自衛権行使を可能にする憲法解釈変更に、戦後政治の大転換を図ろうとされています。与党協議に自衛権行使の新たな三条件というのは提案されていますけれども、私はこれを読むと、この文面上には地理的限定はないというふうに思うんですが、総理、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今まさに自民党、公明党において協議がなされているわけでございまして、詳細について答弁させていただくことは控えさせていただきたいと、このように思います。
○小池晃君 いや、公明党の答弁だったら分かりますよ。だってこれ自民党が提案しているものなんですから、私は聞いているんですよ。それで総理は、機雷掃海も視野に入れて議論したいとおっしゃって、地理的限定のない議論をされているんだから。
 総理、だから、私が聞いていることは単純なことです。医療、社会保障の土台は、平和な世の中なんですよ。この新しい要件の文章を見ると、これは地理的限定というのは私はないというふうに思うんですが、地理的限定はあるんですか、文章の中に。今提案されている三要件の中に地理的限定はありますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 現在、政府としての考え方について与党にお示しをさせていただきまして、そして与党の中で今協議が進んでいる最中でございますので、まだ調っていないと。協議が調っていないという中におきましては、ここで詳細について答弁させていただくことは差し控えさせていただきたいと思います。
 いずれにいたしましても、しっかりと国民の命を守り、平和な暮らしを守っていくことが大前提であろうと、このように思うわけでございますし、さらに、経済をこれは成長させていくことが社会保障の財政基盤を確かなものにするためにも必要でございまして、そのためにも我々は活性化を行っていきたい、成長戦略をしっかりと進めていきたいと、このように考えているところでございます。
○小池晃君 経済の活性化と全然関係ないことを今やろうとしているわけじゃないですか。まさに周辺アジア諸国との関係を悪化させる、これは経済を悪化させ、社会保障の財源だって壊しますよ。
 総理、総理が考えておられる中身は、地理的限定のあるようなことを総理は考えておられるんですか。それとも総理は、機雷掃海も視野に入れている以上、やっぱり地理的限定ということはすべきでないというふうにお考えなんでしょうか。総理の考えを聞きます。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 機雷掃海につきましては、例として我々は挙げさせていただいているところでございますが、先ほど小池委員から言及のございました言わば三要件ということにつきましては、これは、先ほどちょっと政府というふうに申し上げましたが、高村副総裁が高村副総裁としてのお考えで、今与党協議において自分のお考えを開陳をしておられるわけでございまして、いずれにいたしましても、まだ与党で協議をしている最中でございますので、これ以上の答弁は控えさせていただきたいと思います。
○小池晃君 自民党というのは副総裁が総裁の意図に関係なく勝手に提案するところなんですか。あれは高村さんの意見で、総理は関係ないと言うんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今申し上げましたように、高村副総裁が与党の交渉において、自民党側の責任者として私も高村副総裁にお任せをしているところでございまして、ここで協議が今真剣に集中的に行われているところでございますので、結論を待ちたいと、このように思っているところでございます。
○小池晃君 お任せしているというのはもうびっくりしましたけれども……
○委員長(石井みどり君) 時間を過ぎておりますので、簡潔にお願いします。
○小池晃君 はい。
 これは憲法の破壊であり、戦後政治の大転換であり、許されないということを申し上げて、質問を終わります。
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 総理、法人税減税、今、実効税率三四%ですが、二〇%台にする、そして五兆円ほど減収になるということでよろしいですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今回の経済財政運営と改革の基本方針素案において、成長志向に重点を置いた法人税改革に着手すると方針を明記したところでありますが、今般の改革は、総合的な成長戦略の実行と併せて、法人税を成長志向型に変革をしていくことによって成長につなげていくことによって、個人にも企業にも良い影響を、成長につなげていくことによって良い影響を波及させていくことを狙ったものでありまして、国民生活の向上につながっていくと確信をしているわけでありますが、財源につきましては、今行っている我々の三本の矢の政策の効果によって、日本経済がデフレを脱却をし構造的に改善しつつあることを含めて、二〇二〇年度の基礎的財政収支黒字化目標との整合性を確保するよう、課税ベースの拡大等による恒久財源の確保をすることとしているところであります。
○福島みずほ君 総理、答えてくださいよ。私は幾ら減税になるんですかと聞いたんです。答えてください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今申し上げたのが我々の考え方の全てでございます。これ以上につきましては、さらに、これは今後、この問題につきましても最終的には与党と議論をいたしまして方針を決定していきたいと考えているところでございます。
○福島みずほ君 でも、もう法人税減税二〇%台と出していて、一%が大体五千億円であれば大体五兆円ほど減収になると言われています。消費税上げて五兆円、法人税減税して五兆円、一体何なんですか。
 しかも、社会保障の切り捨てです。今日お配りしている資料、これは厚生労働省が作った資料です。総合事業へのサービス移行の推進等による費用の効率化、かように費用を抑えるということが目的であると。今回の介護・医療の改悪法案最大の問題は、この費用の抑制だというふうに考えています。こういうことをやって社会保障を切り捨ててはならない。
 総理、ホワイトカラーエグゼンプション、一応一千万規模の人に関して労働時間の規制の撤廃をするというふうに言われていますが、昨日、衆議院の委員会でこの一千万というのは将来動き得るというふうに発言していらっしゃいますが、それでよろしいですね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは突然の質問でございますが、今回の改定によって、これは本人が了解をしなければ、昨日の委員会で議論になった、言わば時間で測らない成果主義という形に働き方を変えていく上においては本人の了解が必要であります。さらには、当然、これは専門性のある分野、そして限られるわけであります。そしてさらには、それによって収入が下がることがないようにしていくという措置をとっていく、これが三つの原則であります。
 そこで、本人のこれ同意がなければということでありますから、本人が企業と、会社側と使用者側に対して交渉力がなければならないわけでありまして、その交渉力は何かといえば、その人が持っている専門性において、この人には企業に残ってもらいたいと企業側が考える人でなければ交渉力は持てないということでございまして、現在でいえば大体一千万円ぐらいであろうということでございまして、これは、将来については、今我々が進めている経済政策がどんどんうまくいって、物価安定目標も二%、そして経済も成長していけばこの一千万円を下回っていくということは当然ないわけでございますが、将来これは大きな経済的な困難に世界中が直面して全体の収入がどんと下がった場合は、これはまた話が変わってくる。経済は生き物でありますから、そういう意味においてこれは絶対的なものではありませんが、今の水準でいけば一千万円と、こういう水準を維持していくのであれば一千万円であろうと、このように考えているところでございます。
○福島みずほ君 総理は労働法制を全く理解していません。労働基準法、労働時間規制は強行規定です。幾ら本人が同意しようが、強行規定で、あなたが同意したんだから給料下げます、あなたが同意したんだから残業代払いません、そんなことはできないんですよ。こんなホワイトカラーエグゼンプションみたいな制度を設ければ労働時間規制がなくなるので、過労死も本当に増えますし、それから残業代不払法案としてこれは認めることはできません。
 総理は女性の活用と言っておりますが、雇用を壊してどこに女性の活用があるんでしょうか。今国会に労働者派遣法の改悪法案が出ています。一生派遣で可能という派遣業界が言っていたとおりの法案が出ているじゃないですか。他方で雇用を壊しながら、どこに女性の活用があるんですか。
 いや、総理が答えてください、総理。
○国務大臣(田村憲久君) いやいや、もう通告もないので私からお答えさせていただきますが、まず、強行規定であるのはそうですけれども、そもそも交渉力のある人じゃないと、それは今言われたように、お互いに同意を得ているからといって、そこはやはり労働者が弱いわけであります。ただ、そこで交渉力のある、そういう労働者がどれぐらいの収入水準、つまり、それだけの能力のある方でありますから、そこはどうだということで、少なくとも一千万円以上と、それは今の水準でそういう話であります。基本的に、我々は、今の経済状況が続けばこれが下がるということは全然考えておりません。そんな中において今回これをお願いしておるわけであります。
 労働者派遣法も、これ、ずっと派遣と言われますが、逆に、今まで二十六業務はずっと派遣だったんですよ。ところが、今度は三年で人が替わらなきゃいけませんから、これ大変な違いですよ。だって、企業は同じ人で熟練した人をずっと欲しいんですから、それを三年で替わらなきゃいけないという話であれば、これは今までよりここは規制強化になるわけでありまして、どうもちょっと委員とそこは我々は意見が合わないというふうに考えております。
○福島みずほ君 派遣法は、これは派遣元で無期雇用であれば一生派遣ですし、三年おきに切り替えれば替えることができるわけです。女性の活用と言いながら、あるいは少子化の解決と言いながら、雇用を壊すようなことばかり提案をされていることが根本的に間違っていると思います。どこの世界に交渉力のある労働者がいるんですか。そんな人、本当にいませんよ。こんなホワイトカラーエグゼンプションなんてやったら本当に労働市場が壊れる、雇用が壊れるということを強く申し上げます。
 本法案ですが、まず二割負担について、これは大問題です。二割負担の根拠そのものが危ないんじゃないか。
 昨日、公述人はこう言いました。二割負担のところですが、例えば年収、収入が二百八十万円であっても、二割の利用者負担が厳しい場合も想定される、二百八十万を基準としております。例えば、夫二百八十万、妻六十万の世帯の賃貸住宅暮らしの場合で、夫が認知症のためグループホームに入居し、介護保険二割負担分、家事、食費、医療費等に例えば月額十五万円、年額百八十万円の負担をすれば、妻の手元額は年百六十万円となると。
 今回、介護負担、二百八十万で倍になるんですよ、一割負担が。これは社会保障の切捨てじゃないですか。いかがですか。消費税上げたことが本当に生きないですよ。
 総理、いかがですか。いや、大臣、いつも大臣に聞いているから結構です。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 同じことを答えるわけですけれどもね。
 二割負担となる所得基準は……(発言する者あり)だって、これ、事実関係について聞いているわけですから、事実関係で聞いているわけですから、同じことになるわけですよ、答えは。
 二割負担となる所得基準は高齢者世代内で相対的に所得の高い方のみを対象としているわけでありまして、二割負担とする対象者の範囲は六十五歳以上の高齢者の所得上位二〇%程度を対象とするわけでありまして、年金収入のみであれば二百八十万円以上の人たちが対象となる。つまり、上位の二〇%ですから、そういう方々を対象としているということは申し上げておきたいと、このように思います。
 そして、その上において、介護の自己負担には月額上限が設けられておりまして、これによって自己負担の上昇は抑えられることから負担可能な水準と考えておりまして、この案を基本としたいと考えているところでございます。
○福島みずほ君 私の質問に残念ながら答えていただけなかったと思います。さっき言ったのは、二百八十万とした場合に暮らしていけないじゃないかということなんです。二割負担になって高齢者は暮らしていけないということなんですよ。年間負担百八十万になって、今の倍になって暮らしていけないということです。
 次に、地域移管のことが大問題です。
 これは、例えば地域間格差が生ずる。この参議院の中で、私は衝撃的な厚生労働省からペーパーが出てきたというふうに思っております。つまり、これ地域移管したら、二〇二五年には、専門的サービスのサービス量を現状維持とし、今後サービス量が増える分を多様なサービスとして試算した場合、二〇二五年度の専門的サービスと多様なサービスは五割程度となると。
 これは、NPO、NGOが全くないところもある。地域移管して、その専門的なサービスが本当に介護必要ですよ、訪問サービス、そして通所サービスは。それが多様なサービスとなって、果たして地域で本当にそのサービスを受けられるんですか。また、今までは介護保険で、保険なわけですよ、要支援一、二。それが、そういうものでないチェックリストの人たちと一緒になって、保険の意味が全然なくなる。これについて、総理、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今回の改正は、これはサービス抑制ありきのものではもちろんございません。要支援者に対するサービスのうち、訪問介護と通所介護について、全国一律の基準に基づくサービスから、地域の実情に応じて市町村が効果的かつ効率的に実施する事業へと見直すものであります。
 この新しい事業は、従来と同様、介護保険の財源を用います。そして財源構成は変わらないものであります。そして、三年間掛けて各自治体の実施体制に配慮して段階的に実施していくわけでございまして、同時に、円滑な事業実施ができるように、国としてもガイドラインを示します。そして、そうした形で市町村の取組を支援をしていくという仕組みになっているわけでありまして、また、今回の制度改正後も、ケアマネジャーなどの専門職が要支援の方々の心身の状態に応じて専門的なサービスが必要な方々には適切なサービスにつなげていくこととしているわけでありますから、各地域で勝手に行われるということはないということも申し上げておきたいと思います。
 その際、専門的なサービスについては、それにふさわしい単価設定が行われるように国がガイドラインを示すこととしているわけでありまして、当然、労働条件の低下にはつながらないということでございます。
○福島みずほ君 もううそばっかりというか、そんなことを言わないでくださいよ。それはそうじゃないじゃないですか。だって、現に国は、要支援者の訪問介護、通所介護の部分の財源の計算の仕方を、給付の伸び率五から六%から後期高齢者の伸び率三から四%に抑制するとしています。しかも、専門的サービスと多様なサービスと半々ですよ。幾らボランティア、NGOやったところで、専門的なサービスを受けられる人が半分しかいないんですよ。これで十分なサービスができるなんて思わないですよ。介護保険給付から要支援一、二を外すこと、これが本当に要支援切りだということを強く申し上げたいと思います。
 憲法二十五条は、健康で文化的な最低限度の生活を規定をしています。憲法九十九条は、天皇、摂政、国務大臣、国会議員、公務員、裁判官に憲法尊重擁護義務を規定しています。最低限度の文化的生活を今政府が壊そうとしている。そして、総理が壊そうとしているものがもう一つある。憲法九条じゃないですか。集団的自衛権の行使がなぜ日本国憲法下でできるんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 当然、我々、私も総理大臣でありますから、九十九条の憲法尊重擁護義務を負っているわけでございまして、その中におきまして、国民の命を守り、幸せな暮らしを守っていくという責任を果たしていくために何をやるべきかという観点から検討を今与党において行っているところでございます。
○福島みずほ君 総理大臣も憲法に従わなくちゃいけないんですよ。何が必要かではなくて、憲法の上に総理がいるんじゃなくて、憲法の下にあなたがいるんですよ。憲法を守るべきはあなたじゃないですか。憲法を壊しちゃ駄目ですよ。
 米艦に日本人が乗っていて、それを日本の自衛隊が援護すると言った。しかし、アメリカは、自分たちでそういうことはやってくれと言っています。リアリティーのないあり得ないことを言って、そうやって必要だと言うのは……
○委員長(石井みどり君) 時間を過ぎております。おまとめください。
○福島みずほ君 デマゴギーじゃないですか。
 日本の国と日本の暮らしを守るのは個別的自衛権で十分です。日本の医療と介護を守ることに全力を挙げてくださいよ。これを壊そうとするこの法案に断固反対し、質問を終わります。
○委員長(石井みどり君) 以上で内閣総理大臣に対する質疑は終了いたしました。
 安倍内閣総理大臣は御退席いただいて結構でございます。
 引き続き質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○津田弥太郎君 民主党の津田弥太郎です。
 本法案につきまして、これまで与党理事の理解もいただいて、テーマ別の参考人質疑、さらには昨日の中央公聴会の開催など、参議院独自の審議を行い、工夫を凝らしてまいりました。このことに対しては、対してだけは一定の評価をしたいと思います。また、先ほどは、重要広範議案として、当初からの約束どおり総理入りの質疑も行われたところでございます。
 しかし、私自身、六月五日の質疑で強く指摘をいたしましたように、今回の法案は十九本というむちゃくちゃな本数がまとめられているわけであり、今現在においても審議時間は極めて不十分と言わざるを得ません。この原因をつくった厚生労働省の法案資料ミスによって失われた時間、これが大変残念でならないわけであります。その資料ミスを含めた厚生労働省の不祥事に対して、六月三日の本委員会で私は大臣に処分の時期をお尋ねいたしました。その際の大臣の答弁は、本国会中に適切な時期に処分をさせていただきたいというものでありました。
 そもそも、厚生労働省の資料ミスは、今議論している本法案に関するものであります。本法案の採決を与党が求めるのであれば、当然にその前にしっかりと処分内容を公表しなければならないはずであります。
 大臣にいま一度お尋ねをいたします。一体、処分はいつ行うんですか。
○国務大臣(田村憲久君) 我が省が趣旨説明のときに皆様方にお配りをさせていただきました資料においてミスをいたしましたことは、これは許されないことでございまして、大変申し訳なく思っております。
 その上ででありますけれども、この処分をいつするかということでございますが、皆様方にどうにか御理解をいただいてこの法案が本会議で採決をいただければ、可及的速やかに処分をさせていただきたいというふうに思っております。よろしくお願い申し上げます。
○津田弥太郎君 本会議の採決が終わった後、可及的速やかという話がございました。今、与党から採決の提案がされているところでございます。
 私は、個別の事案に対する問題ではなく、一連の不祥事が示すものは厚生労働省全体の緊張感の欠如である、そのように指摘をいたしました。だからこそ、最高責任者、事務方の、である村木事務次官が己をむなしゅうすべきだというふうに申し上げたわけであります。是非、私の意見も踏まえた厚労省の再生につながる処分を明日行うというふうに、大臣、言えますか。
○国務大臣(田村憲久君) まさに、この法案を採決をいただいたときがけじめを付けさせていただくときだというふうに考えております。
 採決が行われれば、可及的速やかに処分を行わせていただきます。
○津田弥太郎君 本来であるならば、もっと早く私は処分を行い、本法案について本当に厳しい審議が更に続くことを期待をしたいと思うんですが、残念ながら与党から今採決の提案がされているところでございます。したがって、確認答弁を、しっかりしていきたいというふうに思います。
 まず、医療関係からお尋ねをいたします。
 今回のうたい文句の一つである医療機関の機能分化と連携強化、これ、一定程度理解をします。その意味では、病床機能報告制度によって得られた情報、それから地域の将来の医療需要の適切な推計、これらに基づいてしっかりとした地域医療構想を都道府県が策定できるかどうかが極めて重要なものとなります。
 昨日、全国知事会の会長であります京都府の山田知事がこの場所にいらっしゃいました。山田知事は、優秀な官僚、地方自治のエキスパート、しかも知事として四期目のベテラン、京都府内の事情も熟知をしているし、国との意思疎通もしっかりしているでしょう。しかし、四十七都道府県の知事が全て山田知事と同じではありません。格差があることも事実です。そうすると、全国の都道府県において質の高い地域医療構想が推進されていくためには、国が定めるガイドラインの果たす役割が極めて大きくなるものと考えるわけであります。
 改めて、このガイドラインに関し、現在答えられる限りの詳しい内容を原局長からしっかりお述べください。
○政府参考人(原徳壽君) お答え申し上げます。
 地域医療構想の策定に当たりまして、御指摘のように、都道府県や地域ごとの医療機能ごとの必要量の算出でありますとか、その際、いろいろな範囲での補正を行うこともできますので、その範囲をどうするかというようなことも検討してもらう必要がございます。
 このため、このような作業が円滑に進みますように、都道府県の地域医療構想の策定に先立って、国において策定のガイドラインを検討して、今年度内に提示する予定としております。このガイドラインの策定に当たりましては、都道府県や医療関係者の参画した検討会の下で検討を進めていきたいと考えております。
 具体的には、まず医療需要の推計方法、これをどのような形でしていくのか。それから、地域医療構想を策定する際の手順、当然ながら、どういう手順になるかと。のみならず、医療機能ごとの必要量の算出方法、また医療機能をどのように分類していくか、そういうことも含めてこの検討会で検討することとしておりまして、その検討結果を踏まえてガイドラインを作成していきたいと考えております。
○津田弥太郎君 関連してお尋ねをいたします。
 地域医療構想実現のための関係者との協議の場、これ何回も議論で出てまいりました。この協議の場について、この場では、保険者や被保険者を含む幅広い関係者の合意形成が図られることが前提であると考えます。この保険者や被保険者を含む幅広い関係者の合意に基づいて地域医療構想が推進をされていくということで、大臣、よろしいですね。
○国務大臣(田村憲久君) はい。地域医療構想実現のためには、関係者が協議の場で議論をいただいて、やはり目指すべき医療提供体制でありますとか課題、こういうものを共有していただく必要があろうと思います。どのようなメンバーがこの協議の場に入っていただくか、これは、もちろん学識経験者の方々も入っていただきますが、保険者、被保険者そして医療関係者、こういう方々が入っていただきながら御議論をいただくわけであります。
 我々といたしましては、病床機能報告、この内容、さらには調査等々をしていく中でのデータ、こういうものがやはり御理解いただけるような、そのようなツールまたガイドライン、こういうものを提供させていただきながら、しっかりと地域医療構想、これが協議の場で議論できるように御支援をさせていただきたい、このように考えております。
○津田弥太郎君 この地域医療構想がしっかりと機能するためには、都道府県におけるハード、ソフト両面の充実が不可欠であります。やはり、施設設備といったハード面以上にソフト面、人的な体制の問題が重要になります。これは本委員会でもほとんどの委員の方の共通認識であると思うんです。
 中でも、その中心になる医師の確保、これは極めて重要な課題であります。民主党政権以前の旧自公政権において、我々が繰り返し医師不足を訴えたにもかかわらず、長らく政府はそのことを認めてこなかった。その罪は大変大きいものがありますが、少なくとも今後ということで建設的な提案を申し上げれば、医師の絶対数の確保のみならず、地域間及び診療科間の偏在の是正、これ同時に考えていかなければならないわけであります。この地域間の是正については、医学部の地域枠の拡大などによって一定の、進んでいるというふうに思うんですが、診療科間の偏在、これ大変重要でございます。これ分からない。
 原局長にお聞きするんですが、十年前と比較して、現在本当に診療科間の是正って進んでいるんですか。具体的な数字があるならば、お答えください。
○政府参考人(原徳壽君) 具体的な数字ということでお答えをいたします。
 例えば、医師不足が指摘されています小児科を例に取って挙げますと、小児科は、十年前には、平成十四年には一万四千四百八十一人という数でございました。それが、平成二十四年では千八百五十九人増加しまして一万六千三百四十人になっております。これは、この十年間の間に全体の医者が約四万人程度、毎年四千人ぐらい増えていますので数万人程度増えていますので、その中でのこういう割合であるということになっております。
 診療科間、診療科の医師数、絶対数で見ますと、外科とそれから産婦人科、それから一部で耳鼻科を除いてほかは相当伸びていると。それに対して、今の外科が〇・九九倍、耳鼻科が〇・九九倍、産科婦人科が〇・九八倍という、十年前に比べて、にとどまっていると。ただ、いずれにしても、平成十八年以降はそれぞれどの科も伸びてきているという現状でございます。
○津田弥太郎君 その〇・九何とかという状況というのは大変問題があると考えるわけですが、これに対して、今後施策としてどのように考えているか、お答えください。
○政府参考人(原徳壽君) 今事実はそういうところなんですが、それぞれの診療科をどうしていくかというのは、やはりそれぞれの医師個人の、何科をやるかという意欲の問題もございます。そういう意味では、専門家の間で十分な議論をしていただく必要があると思っております。
 御承知のように、今回、専門医の在り方に関する検討会を私どもでまとめましたけれども、これを基に、先日設立されました一般社団法人日本専門医機構が新たな形での専門医制度を統一して認定していくと、こういうような仕組みをつくるということになっております。これは私どもで作成いたしました報告書の中で、こういう中でプロフェッショナルオートノミーと、専門家の中で十分に議論をしていただいた中で育てていっていただく、それから、もちろんその中で数をどうするかも当然ながら専門家の間で議論をしていただこうということになっております。
 さらに、今回、専門医制度の中で、総合診療専門医というこれから非常に幅広く高齢者を診ていただけるような専門医が必要になってくるという中で、外科や内科やそういう診療科と同時に、この総合診療専門医も専門医制度の中の一つの科として位置付けるということを決めていただいたということでございます。
○津田弥太郎君 施策としてそれは早く実行して実を上げていただくように努力をお願いしたいと思います。
 さて、今回の法案に関しまして、医療分野と介護分野をつなぐキーワード、これまさに地域包括ケアシステムという言葉でございます。消費税の増収分を活用した基金、もうずっとこの委員会で議論が行われてまいりました、この基金でございます。具体的にどのように都道府県に配分されるか、これもういっぱい議論されてまいりました。
 介護と医療の区分を厳密に行わないで配分してしまうということも含めて、厚労省の性善説あるいは都道府県性善説に立てば、しっかりいいことをやってくれるだろうと。そんなもんじゃないんですよ。もう我利我利亡者の話になるんですよ。これ実際には、ここにはいらっしゃらないと思いますけれども、中央、地方の大物議員が介入をしたり、あるいはある種のつかみ金、こういうおそれが十分にあるんではないかというふうに考えるわけであります。
 この地域医療再生基金について、国の検討会において地域医療再生計画の評価やチェックを行っていたというふうに思うんですが、今回の基金は活用対象の幅が広くて、これは比較にならないほど厳正な目でチェックを受けることが私は必要であるというふうに思います。
 原医政局長にお尋ねするんですが、この厳正なチェックの仕組み、それから成果を適正に判定するための事業実施後の評価の仕組み、これしっかり間違いなくつくられるんですね。
○政府参考人(原徳壽君) お答えいたします。
 この新たな基金を使うに当たりまして、まずは都道府県で計画を作っていただく必要がございます。この都道府県の計画策定に当たりましては、地域の医療関係者や医療を受ける立場にある方々など幅広い関係者から意見を聞きながら都道府県が検討していくと、こういうことになっているわけでございます。その中で、まずはオープンな形での議論があるということであります。
 それで、新たな基金は、こうした手続を経て策定された計画に基づいて執行されるものでありますから、都道府県において策定する計画に定めた目標を踏まえた成果測定を行っていく必要があると考えております。このためにも、私どもとしても、有識者の意見なども踏まえて、都道府県において適正な成果測定がなされるように取り組んでいきたいと考えております。
○津田弥太郎君 医療事故調についてもお尋ねをしたいと思うんです。これまで本委員会で様々に議論がされてきました。私はそれを聞いておりまして強く感じたことは、医療事故調の基本的な体制を都道府県単位にしていては、調査の質や標準化、さらには専門性においてどうしてもばらつきが生ずるんではないかという疑問であります。
 お医者さんだけではなくて、人間誰しも身内には甘くなるんですよ、身内に甘くなる。人情ありますからね。私なんか義理人情で生きている人間ですから。その意味で、現実として、一県一医大、これ圧倒的に多いんですね。そういうことを踏まえると、この公正性の担保ということからくると、むしろ都道府県単位ではなくてブロックのような単位でやった方がよりいいんではないかというふうに思うんですが、大臣、どうお考えでしょう。
○国務大臣(田村憲久君) これ、専門性というものを確保していくということを考えますと、やはり医療事故調査等支援団体、こういうところに必要な調査に関して委託をしていくというような形になっていくわけであります。もちろん必要なというか、できる限りは支援団体のお力を借りていただきたいという思いはあるわけであります。
 あわせて、ガイドライン等々を作る中において、その中において中立性、専門性というもの、これ院内調査の中においては一定程度確保してまいりたいと思っておりますし、また第三者機関等々でこの支援団体の力を借りる、これは事故調査だけではなくて、事故調査の後のいろんな意味での再発防止に対する普及啓発でありますとか、さらに人材育成、こういうこともこの支援団体のお力をお貸しをいただくということはあろうというふうに思います。
 当然、その中においてしっかりと中立性、専門性を確保していくわけでありますが、まずはその支援団体、何かあった場合に支援をいただくときに、支援団体の構成をどうしていくか、基本的には、言われるとおり、大学でありますとか、それから医師会でありますとか、学会でありますとか、こういうところが対象になってこようというふうに思いますが、そういうところの支援団体の構成をどう考えるかということ、それからもう一つは、必要な専門的な支援、それは何であるかというところをしっかりと着目しながら、中立性、公平性、また専門性を担保していく。
 今言われたブロック単位という話からすれば、登録は国が一元的にやってまいりますが、今言われたのは、多分、義理人情といういろんな問題があろうと思います。窓口という意味ではブロックを一つ窓口のような単位にしていくのが一つなのかなと、まだ完全には固まっておりませんが、そんなことも今検討させていただいておりまして、委員の御意見も踏まえながらこれから検討させていただきたいというふうに考えております。
○津田弥太郎君 東京や大阪ならともかく、ちょっと例を挙げると失礼かもしれませんけれども、例えば島根県でいえば島根大学医学部、ここの方々が、今おっしゃった医師会から学会から何からもう大体同じ先輩、後輩でつながっているわけですよ。そうすると、人情というのはやっぱり出てくるんですよ。だから、そういうところをどうやってしっかり公平性、公正性を確保していくかということを私は申し上げているので、私の言うことも少しは聞くと初めて言っていただけたので、しっかり聞いていただきたいというふうに思います。
 さて、後半、介護の問題を取り上げていきたいというふうに思います。
 まず、地域包括支援センター、これに関するお尋ねをさせていただきます。
 この地域包括支援センターにつきましては、本当に現在でも、業務量が多い、マンパワー不足、課題が本当にたくさんある。今回の制度設計によって更に事務量が増加をすることになるわけです。今でももう手一杯の状況にある中で更に増える。これ、多様なケアマネジメントが求められる中で、このままではボランティアとのマッチングとか苦情処理だとか、こういう業務が本当に十分に対応できるんだろうか、こういう疑問が出てくるわけであります。
 既に大臣はこの件に関してこのように答弁されているんです。事業は地域包括支援センターが中心となってやっていくわけであり、しっかりとした体制整備もやっていかなければならないわけでありまして、業務が増える部分は当然地域包括支援センターの人員面も含めてしっかりと強化を図っていくというふうに答弁をされているわけであります。
 これもう一度改めて確認をするんですが、この地域包括支援センターに関しては、厚生労働省は責任を持って人的、財政的な支援策をきちんと講じていく、大臣、間違いないですね。
○国務大臣(田村憲久君) 地域包括支援センター、今四千五百弱あります。ブランチ含めますと七千二百弱ということでございまして、言うなれば、地域の介護の要であることは間違いないわけであります。高齢者の総合的な相談でありますとか、またケアマネジメント、そしてケアマネジャーの支援でありますとか、いろんな仕事をしていただいております。
 やはりこれから、いろいろとお声をお聞きしますと、高齢者が増えてきて相談業務も増えてまいってきておりますし、また一方、今回の法律では、認知症対策でありますとか地域ケア会議、こういうものも地域包括センターが大きな役割を担っていただくわけであります。
 そのようなことを考えれば、やはりその業務量等々を考えて、必要なところにはめり張りを付けながらしっかりと対応を我々はしていかなければならないと思っておりますし、前回も申し上げましたけれども、行政が直接関与しておるようなそういう地域包括支援センター、基幹センター、こういうところと連携しながら、役割分担もし、しっかりと支援体制も組んでいかなければならぬと、このように思っております。
 いずれにいたしましても、これ、保険料と税と地域支援事業という形でやっておるわけでございまして、我々といたしましては、この地域包括支援センター、ここがしっかりと機能できるよう人員も含めて対応してまいりたいと、このように考えております。
○津田弥太郎君 人員はしっかりやるとおっしゃいました。財政面もしっかりやっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(田村憲久君) これ先ほど言いましたけれども、財源として地域支援事業の枠組みを活用しながらというのは、国費とそれから保険料ということでありますけれども、それも含めてしっかりと対応してまいりたいというふうに考えております。
○津田弥太郎君 これ掛け声だけじゃ駄目ですからね。人と銭を増やす、これ確約をしていただいたと認識しますよ、いいですね。はい、うなずいていただきましたので。
 さて、今日、話題の資料を配付いたしておりますけれども、六月三日の本委員会におきまして、新しい総合事業における専門的サービスと多様なサービス、この利用割合を求めましたところ、六月十一日に老健局からお答えをいただくことができました。その間ずっと各党から取り上げていただきまして、理事冥利に尽きるわけでございます。本院における審議を非常に深めることができた、そのように思っております。
 老健局からは、二〇二五年度の専門的サービスと多様なサービスの割合はそれぞれ五割程度。私は、賛成という意味ではないんですが、ある意味で老健局の事務方は、大体ごまかすことが多いんだけど、今回はごまかさずに、よく正直にこうした数字を出してくれた、それは評価したいと思います。中身のことじゃありませんよ。正直に言ってくれたということを評価をしたいと思っています。
 しかし、出てきた数字、すなわち本法案が成立すると、新しい事業においては専門職によって提供されるサービスが五割になってしまう。どう考えても、これでは介護保険制度が崩壊をしてしまうのではないかという危機感を大変強く持たざるを得ません。
 現在、要支援者に対して専門職が行っているサービスの中には必ずしも専門職でなくてもよいサービスが一部含まれている、これは私も認めるところであります。そうしたサービスについては、利用者の同意を得て専門職以外の提供に誘導していくということはある程度あり得るだろうというふうに思います。
 しかし、五割。これ五割というのは、これはすごいこと、これはちょっとあり得ない。これはある面では五割にしてはいけないという思いで老健局は資料を出したというふうに、私はそういうふうに、まあ性善説に立てばそういうふうに思いたいというふうに思うんですけれども、機械的計算とはいえ、しかし、現在の状況、将来の状況を踏まえて計算をすると、そういう数字を出さざるを得なかった。その理由ですよ、問題は。
 介護人材が不足をしているため、重度の要介護者に専門職を回さなきゃいけない。重度の方にはやっぱりどうしてもそれは専門家が行かなきゃいけないという理由があるんだろうな、それとも、介護保険の財政が厳しいから人件費は安くしなきゃいけない、そっちの方が強いのかな、あるいは両方なのかなと。
 原局長に、老健局長の方ですよ、正直に答えてください。
○政府参考人(原勝則君) 御指摘の五割でございますが、資料にも明記しておりますように、これは正確な予測が困難である中で、専門的なサービスは現状維持、今後サービス量が増える分は多様なサービスという一つの仮定の下で二〇二五年まで計算した結果でございます。要支援者の状態像にふさわしい多様なサービスの基盤整備に努めていくことが重要であると思っておりますし、また、多様なサービスは、例えば高齢者を雇用したNPOが支援を行うなど、様々な形態が考えられるということなどから、目指していく姿として、幅のある仮定の中での一つの試算結果であるということでございます。
 私どもは、五割とかどうかというよりも、今後、介護予防や自立支援の取組等を通じて専門的なサービスを受けなくてもよい方を増やしていきたいと。決して財政的なことではなくて、そういうお元気な方を増やしていきたい、あるいは要介護状態が進まないように、悪くならないようにしていきたいという中で、新しい総合事業においては、そういう姿を目指して介護予防等の充実や生活支援サービスの基盤整備に向けて努力をしたいという趣旨でこれを書かせていただいているということでございます。
○津田弥太郎君 上手に答えればそういうことになるんだけど、さっき大臣が首振っていましたけど、やっぱり専門家は限られているんですよ、残念ながら。
 そうすると、重度と軽度と比べたら、重度の方にやっぱりどうしても専門職は厚く対応したいという気持ちになるのは、私はある面では理解できるんですよ。それはやっぱり理由としてあるから、五割という数字も出ざるを得なくなったという理解でいいんでしょう。
○政府参考人(原勝則君) もちろん、これは専門職の方には、これから要介護者はどんどん増えてまいりますから、そういう重度の方に対して専門的なサービスをきちんと提供していただきたいという思いはもちろん強くございますが、一方で、要支援者の中で、じゃ、専門的サービス、専門家のサービスは要らないのかと、そういうことでは決してないわけで、これはあくまでもケアマネジメントに基づいて、そういう専門サービスの必要な方についてはきちんと専門的なサービスにつなげていくということで我々としては考えております。
○津田弥太郎君 それでは、今回のこの制度改変によって、現行制度なら五%から六%の伸びで推移していく要支援者の給付費を今後は三%から四%の伸びに抑えるという厚生労働省の目標が、具体的にこれ、ここからが問題です、個々の自治体に対する削減目標になるのかどうか。ここ、大変重要なところです。もしそうなるとすれば、これは本当に介護の切捨てにつながっていくわけでありまして、大変重要な問題ですが、原局長、いかがですか。
○政府参考人(原勝則君) 先ほど言いましたように、いろんな介護予防でございますとか自立支援の取組、こういうものを積極的にやることによって要介護状態にならない方を増やしていきたいと、こういうことで、そういう背景の中で、今回、現在でも上限というのは地域支援事業には設けられてございますけれども、努力目標として、予防給付と地域支援事業全体として、後期高齢者の伸び率、これが平均で三から五%でございますけれども、そういうものを目標にして努力をしていただきたいということでお願いをしているところでございます。
○津田弥太郎君 努力目標という言い方、それは結果としてそうなった、結果としてね。しかし、努力をした結果、地方によっては五%、六%のところも出てきた、そこはけしからぬという話になるんですか。
○政府参考人(原勝則君) 総合事業の上限につきましては、これから具体的ないろんな細かいところを考えていかなきゃいけませんけれども、実際にこれやってみないとどの程度移行が進むのかとかいろいろございますので、我々としては、制度施行後の費用の状況等を見極める必要があると考えておりまして、一義的に上限を超えたら直ちに切るとかということではなくて、これはいろんなやむを得ない事情、地域にあると思いますので、市町村にあると思いますので、厚生労働大臣の方に個別に協議をしていただいて、そういう中で判断をしていきたいというふうに考えております。
○津田弥太郎君 何となく、オーバーしたところはいかぬぞというふうに聞こえるんですよ。しかし、さっきからおっしゃっているように、努力目標としてはそれはあるでしょう。しかし、これは結果として削減になったら、よくやったねというのはあるでしょう。それは、介護度が下がって費用が削減できたということは結果として出てくることですから。努力をしても結果が出ないことだってあるんですよ。だから、成果を出せばどうのこうのとさっきありましたけれども、努力をしても成果が出ない場合だってあるんですよ。そこもやっぱり認識しておかないと、数字ありきでは私はいけないと思いますので、そこはしっかり認識をしていただきたいというふうに思います。
 続けて大臣にお尋ねをしたいというふうに思います。
 このガイドライン策定について、二号被保険者も参画をしております社会保障審議会介護給付費分科会など開かれた場でこのガイドラインの策定について議論を行うということで、大臣、よろしいですね。
○国務大臣(田村憲久君) これ、介護給付費分科会は、当然今般のこの中においてもこの議論というものは入ってくるわけでございますので、議論の中においてそういう話合いが起こることは、これはあり得ると思います。
 ただ、介護給付費分科会というふうに限定はしているわけではありませんでして、やはり関係者の方々に幅広く御意見をいただきながら、もちろんこの国会での御審議、これも参考にさせていただきながらガイドラインは作ってまいりたいと思います。なるべく多くの方々、幅広い方々から御意見を賜りたいと、このように考えております。
○津田弥太郎君 昨日の中央公聴会に公述人として出席をされました連合の古賀会長ですが、要支援者に対する予防給付が見直され、市町村の裁量事業となることは、サービスを受ける権利が保障される社会保険制度の原理を逸脱するものだという厳しい御指摘がされたわけであります。私も六月五日の本委員会で同様の趣旨の発言をしました。介護保険において、保険料を払っていることに伴う権利意識の重要性というものは、決してこれ我々野党だけではなくて、例えば大臣の下で副大臣を務められた公明党の桝屋衆議院議員もはっきりと申されているわけであります。
 そこで、少し具体的な質問をさせていただきたいわけでありますが、今回の法案審議が非常に困難なものとなった原因、十九本の法律をまとめるというとんでもないことをやったということ、これ以外にもう一つ大きな理由があるんです。それは、さっき聞きましたけれども、ガイドラインの問題だと。肝となる骨格部分がみんな、法律の条文ではなくてガイドラインで事務的に決まっていくんです。私がさっき取り上げました地域医療構想しかり、医療事故調しかり、そしてこの新たな総合支援事業しかり、みんなガイドラインは後からなんです。だから、この法律を決めるときにはどうなるか分からない。これ、とてもじゃないけれども、与党も含めて、どうなるか分からないものに賛成できますか。
 新たな事業の実施に関する細目についてガイドラインで定めるというふうになっているわけであります。大臣は、予防給付を受けたいという場合はガイドライン等に明記するというふうに発言されているんです。だから、大臣、そもそもガイドラインは自治体に対する従うべき基準というふうに考えていいのか、これが一点目。この新しい事業やそのガイドラインの運用に関するチェック、これは国が責任を持って指導、監督していく、監査をしていく、そういうことでいいのかどうか、これ二点目。この二つ、お答えください。
○国務大臣(田村憲久君) ガイドラインで多く、この後、ガイドライン作っていく中において各自治体に御周知をさせていただくわけでありますが、ガイドラインをあらかじめ作るというのはなかなか難しいわけでありまして、指針、ガイドラインというのは大体法律ができた後作らせていただくというのが法案の流れであります。ただ、方向性としてはお示しさせていただきながら、その中で国会でいただきました問題点等々を参考に指針やガイドラインというのを作らさせていただくということでございまして、この国会でもいろいろと御議論をいただいた問題、課題、こういうものも参考にさせていただきたいというふうに考えております。
 ガイドライン自体は強制力のあるものではないということはもう委員も御理解をいただいておると思いますが、ただ、一方で、やはり介護保険の財源を使っていくということでございますので、そこは各自治体には、このガイドラインというものはしっかりとこれを参考にしていただく一つの大きな指針であるというふうな御理解をいただきながらこれから事業の運営もしていただきたいと思いますし、我々もいろんなアドバイスやお手伝いをするときにはそれをしっかりとお伝えをさせていただきたいと思っております。
 あわせて、ガイドラインに沿っていろいろと事業を進めていただく中において、いろんなことが起こってくると思います。中には都合の悪い部分もあるかも分かりません。中にはいい好事例もあると思います。そういうものを含めまして、これは各自治体から御意見をいただく中において、しっかりとガイドラインの見直し含めて国が責任を持って対応してまいりたいと、このように考えております。
○津田弥太郎君 それでは、このガイドラインについて、最も重要なところについてお尋ねをしたいと思います。
 要介護認定を受けたい人、この人は権利として認定を受けられるということがこれから作られるガイドラインに盛り込まれるのかどうか。これ大変重要な点でございます。大臣、いかがでしょう。
○国務大臣(田村憲久君) これはガイドラインの中にしっかりと書かせていただきたいと考えております。大変重要なところでございますので、要介護認定を受ける、これができなかったらその次のサービスにうまくつながっていかないわけでございますから、この点に関してはしっかりと書かさせていただきたいと考えております。
○津田弥太郎君 分かりました。
 では、原局長にお尋ねをいたします。
 この新しい事業について、財源は従来同様に介護保険の枠内ということになるわけですが、この実施主体が市町村に移行するということです。
 そこでお尋ねですが、利用者がサービスによる不利益を被った際の救済策、これはどのようになるか、これ一点目。それから、現在、介護保険の給付については苦情処理の体制が整っているものと受け止めておりますが、法案に基づく市町村事業に対する利用者からの苦情対応は市町村にお任せということになるのか、これ二点目です。これ、市町村になるのか、国が責任を持つのか、どういう対応になるのか。これすごく市町村からも、大変関心を持っておられると思いますので、明確にお答えください。
○政府参考人(原勝則君) まず、この事業によって不利益を被らないようにするというのがまた一番、利用者などが不利益を被らないようにするというのも大変大事なことでございます。
 具体的に言いますと、いろんなNPOだとかそういった事業者が継続してサービスが提供できるのかとか、あるいは何か事故があったときに補償ができるのかとか、そういうような御趣旨だろうと思いますけれども、私どもとしては、そういう事業の継続性みたいなものがきちんと図れるように、これは市町村が最終的にはやっぱり責任を負う話でございますので、市町村のマネジメントの下で利用者のサービスの継続性に支障がないようにしていきたいと考えておりますし、それから損害賠償については、これは例えば市町村が実施主体の場合には、市町村が加入している総合の損害賠償保険みたいなものがございますので、そういったものを活用していただくとか、民間の保険等を活用してやっていただくというようなことであろうと思います。
 それから、苦情の問題でございますけれども、これはサービスについてはいわゆる処分性はないわけでございますけれども、これはあくまでもケアマネジメントということでサービスを提供いたしますので、あくまでも専門職が、その方の御意向だとか状態像とかあるいは置かれている環境に基づきまして、御本人の納得あるいは同意、これを必ず取った上でサービスを提供していくというものでございます。ここはやっぱり非常に大事な点だろうと思います。
 そういう中で、やはり当然苦情みたいなものがあるわけでございますので、それはどういう対応になるかということでございますけれども、これは現在でも予防給付の中では当然同じように苦情みたいなものがあるわけでございます。これは省令等で規定しておりますが、例えばサービス事業者については、そういう苦情があった場合にはきちんと受け付けて対応するというような規定がございます。それから、地域包括支援センターにおいても省令上の規定がございまして、そういった利用者あるいは事業者からの事情を聞いて対応すべしというようなことがございます。
 それから、国保連合会でございますが、これも法律上、規定がございますけれども、市町村で対応できない苦情等の相談を実施するとともに、申立てに基づきまして事業者等に対する指導、助言等を実施するというような規定になっております。これは当然、市町村、都道府県は本来の役割として住民の、住民でございますので、そういった苦情があればきちんと対応するということでございます。
 現在も予防給付にあるこういう仕組みはこの総合事業でも当然同じように対応したいと思っていますので、ガイドラインでこういった趣旨はきちんと書かせていただきたいと考えております。
○津田弥太郎君 基本的に利用者がサービスによる不利益を被った際の救済策は市町村で行うということですね。分かりました。市町村は相当厳しい立場に置かれるだろうと思います。
 時間が僅かとなりました。最後に利用料の二割負担の問題を取り上げたいと思います。
 この法案提出に至る社会保障審議会での検討段階におきまして、二割負担をお願いする際の年収要件、大臣の衆議院の答弁を引用すれば、その方の個人の収入に対して、では、その方がどのぐらい平均として支出を、どういうものに使っておられるか、そういうものを見たときに、二割負担にしても、一定程度、生活においては何とかできるね、そういうような中において出させていただいたという御答弁をされているわけであります。これがいわゆる六十万円問題、余裕があるという、そういう話でスタートしたわけであります。
 参議院における審議の過程で、一定程度生活が何とかできるねではなく、何とかやりくりしてねという話に変わってきたわけであります。そうしますと、これも大臣の答弁にありましたが、必要なサービスというものは受けていただけるだけの所得ということを勘案しながら、今回提案をさせていただいた、この答弁の前提条件が成り立たなくなってくる。これ明白なんですよ。
 過ちては改むるにはばかることなかれ、これ国会審議でよく使われる言葉でありますけれども、この年金収入二百八十万円というのは正式に決まったものではありません。あくまでも基本として出された仮の話だというふうに理解をいたしております。
 実際には、法案が成立した場合に、その後政令で定めるというふうに聞いております。この二割負担の基準となる個人単位の年金収入、これについては二百八十万円を見直すことも考える、まあ少なくとも区切りのいいところで三百万以上、大臣、どうですか。
○国務大臣(田村憲久君) 先ほど、要支援のところの新たな総合事業に関しては、我々は財政の削減、介護保険財政の削減ありきでやっているわけではないというふうに申し上げましたが、この点は、やはり持続可能な介護保険制度を維持するために、負担能力のある方々には負担していただきたいという思いでお願いをさせていただきました。
 厚生年金で約九・一%、上位というところであります。高齢者全体の二〇%、上位。で、二百八十万、モデルケースで、奥様が六十数万という形で三百五十九万でしたっけ、というようなモデルを示させていただいたわけであります。もちろんモデルであります。四十年間ずっと奥様が専業主婦であられた、そして年が一緒だ、なかなかそういうモデルはないわけでありますが、ただ、この二百八十万という厚生年金というのは、今の水準でいきますと、大体平均年収が八百五十万、九百万、平均であります、働き出してから引退されるまで、こういうところであります。
 今、七十五歳の方ならば、所得代替率高いですから、どれぐらいかというと、八百二、三十万のところの方々です、平均であります、働き出してから引退されるまで。かなりの言うなれば高所得層の方々であろうと思われます。そういう方々に、預貯金も、多分そうであるならば、あろうと思いますので、どうかお力をお貸しをいただきたいという流れの中において、今回、お願いをさせていただきたいということで、提案をさせていただきました。
 いずれにいたしましても、もちろん負担の増える話でございますので、大変申し訳ないことでありますけれども、どうかこの介護保険というもの、これを持続可能にするために御協力をいただければという思いで言っておるわけでございまして、六十万ということに関しましては、我が方がこれは説明の仕方がまずかったということで、しっかりとそれは我々も認めさせていただきながら、再度お願いをさせていただく次第であります。
○津田弥太郎君 バナナのたたき売りじゃないんですけれども、やっぱり区切りのいいところって大事なんですよ。三百万以上ということになると、まあしようがないかなという思いになる人がもしかしたら結構出るかもしれない。しかし、二百八十万というのは、これはひどい。大臣の選挙区で高齢者はもう投票してくれないですよ。三百万にしてくださいよ。
 これほどさようにまだまだ議論したいことがたくさんあるわけでございます。我が党や野党の委員の皆さん、恐らく与党の委員の皆さんもまだ聞きたいことがたくさんあっただろうというふうに思います。
 今回の法案が成立をしてしまうと、介護分野を始めとして、国民が安心した生活を送る上で大きな問題が生ずることになる。これ、やはり将来に禍根を残すことになるんじゃないかというふうに私は思います。そのように考えると、何よりも今年の四月から既に消費税を八%に引き上げられ、恐らく来年の十月には一〇%に引き上げられる。社会保障の充実と引換えにそのような負担増を受け入れ、これ、高齢者も同じように受け入れているわけであります。日々悪戦苦闘している多くの高齢者、この思いが今回の法案とは私は相入れないというふうに強く感じているわけであります。
○委員長(石井みどり君) 時間を過ぎておりますので、質疑をおまとめください。
○津田弥太郎君 そういう点で、私はこの法案の質疑を更に強く求めて、私の質問を終わります。
○東徹君 日本維新の会・結いの党の東徹でございます。
 通告をいたしておりますが、ちょっと順番を少し入れ替えさせて質問をさせていただきたいと思います。
 まず、医療・介護サービスの提供体制改革のための新たな財政支援制度のことからちょっとお聞きしたいというふうに思っております。
 今回、この法案の中では、各都道府県に消費税増収分を財源として活用した基金をつくって、各都道府県が作成した計画に基づき事業を実施していくということでありますけれども、厚生労働省の方では既に都道府県に対しましてヒアリングを行っているということでございます。大阪府についても、聞きましたら、既に金額等も示されておりまして、これ、各都道府県からの基金の要求額、全て合わせると今幾らなのか、まずお答えをいただきたいと思います。
○政府参考人(原徳壽君) 前回もちょっとお断りをしたわけでございますけれども、一回目のヒアリングで、それぞれ粗い計画といいますか、どういうような構想を持っているかということを聞かせていただきました。あわせて、どの程度の額を考えておられるかも聞いております。ただ、それぞれ都道府県、まだ確たる全体像が固まっているわけではございませんし、ある県においては、その当日言っていたところから一週間後には更に増えてきたりとかいろいろありますので、現時点でどれぐらいかというのはちょっと差し控えたいということでございます。
 ただ、前回も言いましたように、いわゆる公費の九百四億円を超える額の要望は集まってきているということは申し添えておきます。
○東徹君 既にもうヒアリング、一回目、二回目終わっているところもあるというふうに聞いておりまして、九百四億円を超える額ということですけれども、どれぐらい、じゃ、現時点で超えているのか、ちょっとそこぐらいは今お答えいただきたいと思うんですけれども。
○政府参考人(原徳壽君) どのくらいというのはなかなか難しいんですけれども、先ほど言いましたように、一回目を聞いて集めた額と、それからその後もうちょっと絞っておられる県もあれば、やや大きいところもございます、一つの県で数百億というところもございますので、全体として集計しても余り意味がない数字なのでお答えしづらいと。
 ただ、総額としては、その九百四億をより下回ってこの基金が余るというようなことではないというような状況であるということを御理解いただきたい。
○東徹君 いや、何で聞くかというと、やっぱりこれを超えているということだと、そこから絞っていかないといけないわけでしょう、これ予算が限られているわけなんで。だからお聞きしているんですよ。それはもう当然のことだと思うんですけれども、それ答えられないって、ちょっと非常に何か不信感を生むような御答弁だなと、こう思うわけですけれども。
 今回の法案に盛り込まれている各種施設の財源として用いられる新しい基金でありますけれども、国民に新たに負担していただいた消費税の増税分を用いられるということですから、基金を用いた事業の費用対効果を厳しく検証しなきゃならないというふうに思っておりまして、これまでもいろいろとこういったことの質問がありました。
 そこで、地域医療再生基金のような、都道府県の自己評価だけではなくて目標値を定めた上で、数量的な評価の仕組みを導入するべきというふうに考えるんですが、まずこの点について、大臣の見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(田村憲久君) 当然のごとく、各都道府県に計画をお作りをいただかなければならない話でありまして、目標値を持っていただいて、事業の評価、この有効性といいますか、効率性、これを評価いただくわけであります。その上で、我々も何度か聞き取りを、今一回目のヒアリングという話がありましたが、何度かヒアリングをさせていただいて、本当にその事業の内容というものが適正な効果を発揮されるのかということも含めて御相談に乗らさせていただきたいというふうに思っております。
 その中において、行っても九百四億円しか今年度ないわけでございますので、当然この中に収まってもらわなければ困るわけでございますから、もちろんその後、今年度で終わりではありませんので、これからの継続的ないろんな計画も含めて我々相談に乗らさせていただきながら、効率的にといいますか、有効にこの九百四億円という基金を利用させていただきたいと、このように考えておるわけであります。
○東徹君 質問は、数量的な評価の仕組みを導入していただきたいと、評価の仕組みをですね、数量的にきちっと評価できる仕組みをつくっていただきたいということを申しておるんですけれども。
○政府参考人(原徳壽君) 物によって、その事業によって明確になるようなものとかは、できるだけの数値化をして評価できるような形は求めていきたいと思いますけれども、全てに統一的な数値目標というのはなかなか難しいかも分かりませんので、それぞれの事業の内容を少し参考にしながら考えていきたいと思います。
○東徹君 そもそも今回のこの十九本の法案というのは、二〇二五年の団塊の世代の方々が七十五歳以上を迎える、これに向けて、それに備えるために今回の法案を出してこられたということで、その点については私も理解できるところでありまして、じゃ、そのために何をどういうふうにきちっと目標を定めて達成していくのか、そういう考え方がやっぱり非常に大事なんじゃないのかなというふうに思うんですが。
 今回の新しい基金については、今年度は九百四億円、多分来年度はもっと増えていくのかもしれないんですけれども、我が国がもう厳しい財政状況ということもありますけれども、毎年約年間一千億円もの財政負担をいつまでもずっと、恐らく延々と続けていくというわけではないと思うんですね。
 この基金を用いた事業を、きちっとやっぱり二〇二五年に向けた改革をいつまでに達成しようというふうに考えているのか、この点について大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(田村憲久君) 財源は消費税の中の一%部分、二・八兆円の内訳であるわけであります。一・五兆円というのは、たしか医療、介護の充実だったというふうに思いますが、その中の内訳であるわけでありまして、その中でどれぐらい毎年確保していく必要があるかということは、これから都道府県から上がってくる計画を拝見させていただきながら決めていくわけでありますが、二〇二五年というのが一つの大きな目標でございますので、それまでにやはり整備していかなきゃならぬわけであります。
 ちなみに、それぞれこれから、今般は、言うなればこの確保方針に従っていろんな形で対応いただいていくわけであります。最終的には、これはやはり地域医療構想、この中で示されていくような、言うなれば医療提供体制を含めた姿というものを実現をしていくためのこの基金でございますので、これから計画が進んでいく中において必要財源というものを、これをしっかりとこの中で確保していき、なるべく効率的にこの体制が組めるように我々もアドバイスをさせていただきたいと、このように考えております。
○東徹君 だから、今回の地域医療構想ですね、実現をするという目標設定というものを、これは二〇二五年ですけれども、二〇二五年ではやっぱり駄目だと思うんですね。例えば二〇二〇年を目標にやっていくとか、前倒ししてやっぱり検討するとか、じゃ、二〇二五年が目標年月で、そこが終わればこの基金はもうなくなるということの考え方ですか。
○国務大臣(田村憲久君) 二〇二五年という一つターゲットを絞ったのは、これは前からお話しさせていただいておりますとおり、団塊の世代という大きな人口の塊がこの二〇二五年に七十五歳になると。七十五歳になると、医療費もやはりそれまでと比べて七十五歳以上は大きく伸びます。介護という意味からいたしましても、やはりそれまでの年齢と比べれば、七十五というのは一つ大きなやはり節目になってくるわけでありまして、そういう意味で二〇二五年というのをターゲットにさせていただいております。
 これに向かって整備していくわけでありますが、二〇二五年以降はどうなるか、それはそのときの状況を勘案しながら、どのような形であるかということは検討させていただくことになろうというふうに考えております。
○東徹君 ただ漠然と、ただ単にお金を出していくわけではなくて、やっぱりきちっと目標を定めて、そのときまでにきちっと整備していくという目標設定を是非していただきたいというふうに思います。
 ちょっと次の質問に入らせていただきますけれども、今回の法案が成立前提で来年度予定される地域医療構想の策定についてでありますけれども、これも最初に武見委員の方からも話があったことでもあるんですが、来年度予定される地域医療構想の策定に向けて、今年の七月と九月に、地域の医療データを分析しながら医療計画のPDCAサイクルを推進する手法の研修会、これが国立保健医療科学院で開催される予定であるというふうに聞いております。
 ただ、しかしながら、この研修に参加できるのは各都道府県でたった一名しか参加できないということでありまして、これ、たった一名で参加というのはちょっと余りにも定員の枠がやっぱり狭過ぎる。定員を増やす又は複数回開催していくとか、この研修のやり方を是非見直すべきというふうに考えます。
 また、この国立保健医療科学院で研修を受けるだけで、地域医療ビジョンの策定やその後のビジョンの実現に向けた政策立案能力が養成されるのか、これ以外にどのような政策人材を養成するための施策を考えているのか、この点も併せてお伺いしたいと思います。
○大臣政務官(赤石清美君) 東委員にお答えいたします。
 今、先生御指摘のように、各都道府県一名ということで、これは今年度一名ということで、来年度からはもっと考えていきたいというふうに思っています。
 その上でですけれども、都道府県は、地域医療構想策定のための先ほどから出ておりますガイドラインに基づきまして、地域の医療情報を分析した上で地域医療構想を作成するとともに、基金を活用しながら、これを実現するための取組の企画立案、調整等を行っていくことになるため、これらを担う都道府県職員の保健医療分野における専門的な資質の向上は重要な課題だと思っております。
 今年度は、都道府県の職員を対象とした医療計画のPDCAサイクルに関する研修会を、先生指摘のように、七月と九月の二回に分けまして合計六日間開催することとしております。この研修会では、医療計画を作成するための中心的な役割を担う実務者を育成することを目的としておりまして、国立保健医療科学院のスタッフに加えまして、様々な専門家による講義やグループワーク方式による研修を行う予定であります。
 また、参加者は研修を終えて地元に戻った後、各都道府県において医療計画策定に関わる他の職員と研修内容を共有するよう求めておりまして、いわゆるリーダーを育成するということで進めてまいりたいと、このように思っています。
○東徹君 済みません、時間がなくなりましたので、ちょっと早口で話をさせていただきますけれども、介護福祉士の資格についてでありますが、超高齢社会、一人暮らしの高齢者がどんどんどんどんと増えていくわけですけれども、これ、こんな時代に、やっぱり介護福祉士は介護福祉士、生活支援だけ、医療はやっぱり看護師さんだけとかいうと、なかなかこれ非常に難しいんじゃないのかなというふうに思っております。
 例えば、服薬指導とかインシュリン注射、認知症の方なんかですとインシュリン注射は自分で打てなかったり、また忘れてしまったり、体が不自由だったらインシュリンを自分で打てないとか、やっぱりそういったところもあると思うんですが、そこで、介護を受ける者の安全確保などを考慮して、介護福祉士の資格取得については、医療分野の知識や技術を求めた上で、介護施設内における先ほど述べた医療的な行為は介護福祉士の独占業務というものも取り入れていってはどうかと、これは前に予算委員会の中央公聴会で、淑徳大学のたしか結城先生だったと思うんですけれども、おっしゃっていました。
 この点について是非検討してはというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(岡田太造君) 御指摘の医療行為につきましては、医師法であるとか保健師助産師看護師法におきまして、免許を持たない者がその行為を行うことは禁止されているというような状況でございます。
 こうした中で、先生御指摘のようなこともありまして、喀たん吸引であるとかそれから胃瘻などの経管栄養といった行為につきましては、平成二十四年度から、一定の研修を受けた介護福祉士などの介護職員などがこういった喀たん吸引、経管栄養といった医療行為を実施できますよう、保健師助産師看護師法の例外として所要の法整備を行ったところでございます。
 これらの行為は、介護福祉士などが実施するに当たりまして……
○委員長(石井みどり君) 時間を過ぎておりますので、答弁は簡潔に願います。
○政府参考人(岡田太造君) はい。
 必要な研修であるとか、それから事業所が医師、看護師、医療関係者の十分な連携を図るために一定の条件を満たすことを前提にして今進めているところでございますが、取りあえずそれを進めていくということが現在の状況ではないかというふうに考えているところでございます。
○東徹君 もう時間が過ぎましたので、これで終わらせていただきますけれども、是非御検討いただきたいと思います。
 以上で終わります。
○山口和之君 みんなの党の山口和之でございます。
 少し、通告はしていないんですけれども、先ほど総理入りのときに薬師寺委員の方から出ました、グループ医療からチーム医療へ進化してはどうだと、今、ドラッグラグ、あるいはデバイスラグを改善して世界の標準に向かっているところだと思います。更に世界に誇る医療にしていく、あるいは日本に住んでいる皆さんが安心して暮らせるにはスペシャリストをつくっていくと、これは大事なことだと思います。
 今回は第一歩として諦めますけれども、いわゆるコメディカルの専門的なスペシャリストとして育成していく、教育も含めてやっていくことに対して、改革とはやっぱりチャレンジすることだと思いますし、より良いものをつくっていくためには更に進化していくことが大事だと思います。安心できる地域社会をつくる、すばらしい医療の提供体制をつくっていくためにも、いわゆるチーム医療を推進していくべきだと思いますけれども、通告はしておりませんが、大臣、一言お願いします。
○国務大臣(田村憲久君) チーム医療を進めてまいることは我々も賛成でございますから、今般も、看護師における特定業務の研修制度というものでありますとか、臨床検査技師、診療放射線技師、さらには歯科衛生士の皆様方の業務内容等々に含めてこれを見直しを図るということであります。これからも医療関係者の方々、いろいろな御議論をいただきながら、どのような役割を担っていただくかということに関しては検討してまいる、そういう機会もつくってまいりたいと思っております。
 ただ、新しい職種という話になりますと、これはかなり、医療教育、医療関係者の教育内容、ここまで踏み込んでくる話になってまいりますし、今ある仕組み自体が変わる話になってまいります。どこに何が必要なんだ、どういう能力のある人が必要なんだ、これはかなり大きな議論になりまして、下手をすれば今の体制自体が逆に大きくマイナスの影響が出ることも考えられるわけでありますので、まずはこのチーム医療、現行ある中において、それぞれの役割というものをどのように発揮をいただいていくかということを今後検討していきながら、お力をそれぞれお貸しをいただけるというような方向性を進めてまいりたいというふうに考えております。
○山口和之君 今後の方向性で、いい方向に向かうのか、あるいはまたマイナスに向かうのかも含めてしっかり検討していただいて、いわゆるコメディカルの教育年数も含めて世界標準に向かっていっていただきたいと。うなずいていただいておるので非常にうれしいんですけれども、うなずいていただいたことは文章に残っていないので、うなずいていただいているという言葉に換えさせていただきます。
   〔委員長退席、理事西田昌司君着席〕
 さて、介護予防においては、前期高齢までに脳卒中、いわゆる生活習慣病、それからロコモ、それから生活不活発病の予防、後期高齢においては活動的な生活の継続となりますけれども、大切なことは、もし加齢とともに障害を持つことになっても、世間のお世話になることになっても、そんなことはお互いさまなんだと言える社会、そして誰もが安心して最後まで生きがいと存在を感じられる社会、そんな社会を目指すべきと思いますが、当たり前のことだと思いますが、どう思われますか。大臣に再確認したいと思います。
○国務大臣(田村憲久君) やはり、介護が必要になっても、もちろん医療が必要になってもでありますけれども、しっかりと尊厳を持って地域社会で生きていける、これが大事なことだと思います。
 そういう意味では、介護が必要になる、医療が必要になる、そういう状況の中においても、自分自身が発揮できる能力は最大限発揮していただきながら自立、まあ自立という言い方はいろいろあるんですが、たとえ介護が必要になっても、自分の持てる力を最大限発揮して生きていただいている方は自立をしておられるというふうに私は思っております。そういう生き方を目指していただきたい。そういうような、今般、制度といいますか、地域包括ケアシステムというのは一つそういう考え方が基にあるわけであります。
 機能回復訓練のように高齢者の方々に直接アプローチしていく、こういうアプローチの仕方もありますが、一方で、高齢者の方々が自ら集いの場、通いの場等々に集まっていただき、体操教室等々で自分も主体的になりながら参加いただくということが大変重要なことであろうというふうに思いますし、それ自体が社会への参加であるわけでありまして、それが生きがい、やりがいにもつながっていくんであろうというふうに思います。
 もちろん、専門職、これはリハの専門職の方々もこの中において大きな活躍を我々は期待をいたしておるわけでありますけれども、いずれにいたしましても、これから進める我々の政策の中で好事例というものは幾つも出てくると思います。そういうものは各地域地域の方にしっかりフィードバックをさせていただきながら、高齢者の方々が生き生きと暮らせる社会、これをつくってまいるよう厚生労働省として最大限努力をいたしてまいります。
○山口和之君 ありがとうございます。
 今まで大きく抜けてきた、介護保険が始まって十五年ですけれども、大きく抜けてきたところが活動と参加、特に参加の部分が非常に抜けてきたと思っています。したがって、しっかりとした町づくり、先ほど津田委員の方からもありましたけれども、地域包括支援センター、これが極めて重要であって、ここにしっかりと投資をしていかなければ対応できないというふうに思います。
 さて、公述人質疑の中でもありましたけれども、効率的な運営といいますと、やはり予防がしっかりしていること、それから自立支援で効率化、適正化を図っていくこと、決して単なる費用削減であってはならないというふうに思います。これも通告しておりませんけれども、もう一度大臣に確認したいと思います。自立支援、予防が非常に大事だと。
○国務大臣(田村憲久君) 今申し上げましたけれども、自らの能力を最大限発揮していただける、そういうやっぱり環境もつくっていかなきゃなりませんし、またそういう支援というものがなければならないわけであります。
   〔理事西田昌司君退席、委員長着席〕
 あわせて、予防というものは大変重要でございますので、今般の介護予防そして日常生活支援総合事業、これもそういうような観点から、我々としては、しっかりと今言われた参加、自ら参加していただく、自発的に参加していただく、その中においてやはり社会とのつながりを持っていただいて、自分自らがやっぱりやりがい、生きがいというものをしっかり持っていただける、そういうような環境をつくりたいというのが今般の我々の思いであります。
 こういうサービスがありますよ、だからこれに対して受動的に受け身で来てくださいではなくて、こういう場があるからじゃ主体的に参加していこう、場合によっては自分自身が今度はその中で中心的な役割を果たして、来られる方々に対していろんな対応をしていただこう、こういうようなことを我々は目標に置いておるわけでございまして、それが予防にもつながっていくというふうに思っております。
 委員はいい好事例もたくさん知っておられるというふうに思いますので、どうかまたいろいろと御示唆をいただければ有り難いというふうに思います。
○山口和之君 では、もう一つ、今度は障害のある高齢者の方々の居場所についてお伺いしたいと思うんですけれども、長期化する社会的入院、あるいは老健での長期入所などなど、これについてどういうふうに対応されるのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(田村憲久君) 今般の医療提供体制の見直しも、やはり急性期のところからその後どこに受皿をしっかり確保していくんだ、場合によってはやはり療養病床というようなものもしっかり確保していかなきゃならないと思います。ただ、一方で、在宅でしっかり対応ができるのであるならば、それは在宅でしっかりと医療、介護を受けながら御生活をされるという必要があろうと思います。
 今委員がおっしゃられましたとおり、本来、老健施設は在宅復帰等々を目指すものであるわけでありますが、それが今ついの住みかになっておるという現状も事実あります。特別養護老人ホームもこれからまだ整備をしていかなければならないということも我々も認識をいたしております。
 それぞれある役割というものをしっかり発揮していただけるような基盤の整備というもの、環境の整備というものをしっかりする中において、委員がいつもおっしゃっておられます、老健の本来の役割というものを果たすべきだということでございますから、その方向性を我々も目指していきたいですが、ただ、今現状はまだそういう状況じゃありませんから、それは我々も認識いたしておりますので、高望みして、言うなれば理想に走って、それによって、実際問題、介護を受ける方々がこれは大変な状況になってはいけないわけでありますから、そこのところはしっかりとあんばいというものを我々は考えながら理想に向かって進んでまいりたい、このように考えております。
○山口和之君 ありがとうございます。
 自分は医療機関にずっとおりましたので、医療機関はやはりベクトルが治療の方に走っております。そういう意味で、生活の場ではないところに住んでいる方がたくさんいらっしゃるわけで、長期に入院されている方がいらっしゃいます。医療依存度が高くて、病院でないと、そこにいないと対応できないという場合は別ですけれども、いわゆる受皿がしっかりできていないところによって居場所を病院にされている方々もたくさんいらっしゃいます。
 見る人によっては医療機関じゃなきゃ無理だろうというふうに思われる方もいらっしゃるかもしれませんけれども、自分から見ると、地域の中、生活の中で医療を受けられたらどうだという方もたくさんいらっしゃる。そう考えていくと、しっかりとした居場所をつくっていくことが大事だと思いますので、今後、是非ともこれを早急に解決できるように検討していただきたいなと思います。
 さてそこで、六月十日に、特養入所要件の厳格化に関連して、特養は要介護状態の重い人ばかり入るところではないかというような社会の在り方でよいのかという質問をさせていただきました。大臣は、だからこそ在宅などのシフトも力を入れると答弁する一方で、重度の方は特養でもと答弁されておりました。
 できる限り在宅で、それが困難になったら特養でという認識と理解してよいのか、それとも、特養というのは重度となられた方々が集まっていますけれども、今は過渡期だから将来は違うよとおっしゃるのか、ちょっとここを確認させていただきたい。
○国務大臣(田村憲久君) 過渡期という言われ方をされましたが、まだまだ特養に対するニーズというものは増えてまいるというふうに思います。これからもつくってまいる、特に小規模に関してはまだ今財源措置があるわけでありますが、こういうもの、我々も必要だと思いますけれども、それでも十二分にニーズに対して追い付いていけるかというと、かなり厳しい状況が現状あります。だからこそ、ある程度重い方も在宅で生活できるような、御本人もそれを望んでおるという方々もおられるわけでありますから、そういう環境を整備していかなきゃならぬと。そうなってくると、それでもやはり在宅では無理だという方々中心に特養というのがこれからもまだ続くんであろうということが私の認識であります。
 もちろん、委員がおっしゃられますとおり、重い方々ばかりの特養というものが本当にいいのかというようなお考えがあることは重々に承知をいたしておりますが、それであるならば、例えば開かれた特別養護老人ホーム、子供たちも来る特別養護老人ホーム、さらにはデイサービスで来られる方々との交流等も含めて、いろんなパターンがあるんであろうと思いますので、いろんな知恵を使いながら、委員がおっしゃられておるその趣旨というのは我々も分かっておりますので、そういうようなところが対応できるような、そういうような特養というものも一つ模索していけるのではないかなというふうに考えております。
○山口和之君 特養、こういう形も提案できるぞというお話があったので、それは非常に自分としてはいいなとは思います。
 ちょっと順番は違うんですけれども、六番目にお願いしようと思っていたんですが、社会福祉法人の改革について、社会福祉法人の本来の意義とは何かをお伺いしたいんですけれども、ちょっと飛びますが、お願いします。
○政府参考人(岡田太造君) 社会福祉法人は、公益性の高い社会福祉事業を主に実施していただきます非営利法人ということでございますので、低所得者の方であるとか生活困窮者などの対応について一定の規制の下で事業を実施することや、地域の福祉ニーズに対応することが求められているんじゃないかというふうに考えているところでございます。
○山口和之君 確認しますと、福祉をするところというふうに思っていいんだと思うんですけれども、今まで病院の運営であったりあるいは老健の運営であったり、必ずしも福祉というところではないところで役割を果たしてきたところもあると思います。
 今大臣が、どうしても重い方々がそこに入られる、それ以外の方々をそこに交流するという作戦もあるだろうという話もありましたけれども、福祉として地域の中で存在すると、あるいは低所得の方々が安心してそこに障害の軽い状態のときから受けられるということも考えられるのではないかなと思います。
 特養のニーズという話が出ましたけれども、ニーズというのはそれが必要だからということになっているんですけれども、またいろんな在り方によっては、つまり重度じゃなくても、軽度から重度までということを福祉の中でやろうとすればできないこともないだろうというふうに思います。
 ニーズとディマンズ、一度お話ししましたけれども、希望と本来必要なことと少し違うぞというところなんですが、資料の一を見ていただくと、以前にも出しましたけれども、老人ホームなどの施設に入りたいかと在宅の方にお聞きしますと、自宅にいると家族に負担が掛かってしまうからと思っていらっしゃる方々もいらっしゃいます。それから、施設に入られている方々が老人ホームの施設に入りたいかという質問、これは多分老健とか入っている方々だと思うんですが、現在いる施設、病院で生活を続けたいという方々、それと、特別養護老人ホームに入りたいという方は実に八・三%ぐらいしかいない。そんなにいるわけではない。
 だから、これをリロケーションとも言うんでしょうけれども、できる限り自分の住み慣れた地域で最後まで通していく、人生を全うしていくと。障害が重度になったらこっちに来て、障害が重度になったらまたこちらに来て、そこで慣れていくというのは非常に大変なことなので、もう一度やはりその在り方を考えていきたいなと思います。
 そこで、小規模多機能居宅介護事業の目的は何かをお伺いしたいと思います。
○政府参考人(原勝則君) 小規模多機能型居宅介護事業でございますけれども、これは平成十七年の介護保険法改正で入ったものでございまして、今後、高齢者ができる限り住み慣れた地域で暮らしていくことができるようにするために、日常生活圏域において、小規模で多様かつ柔軟なサービスを提供する新たなサービス類型として、地域密着型サービスとして創設をしたものでございます。
 具体的には、通いを中心として、要介護者の様態や希望に応じまして訪問や泊まりを柔軟に組み合わせ、家庭的な環境と地域住民との交流の下でケアを提供することで、中重度となっても在宅での生活が継続できるよう支援をするものでございまして、平成二十六年三月の時点で四千三百の事業者がございまして、七万九千人の利用者がある状況でございます。
○山口和之君 現在はいわゆる地域の方々の通いの場所というイメージしかないんですけれども、大臣にお伺いしたいんですが、サ高住、サービス付き高齢者住宅に低所得者対応居住を設けて、加えてリハ機能を付加した小規模多機能を組み合わせることにより重度の障害高齢者が住めると思うんですけれども、どう思われますでしょうか。
○国務大臣(田村憲久君) サ高住は住まいでございますので、そういう意味からいたしますと、安否確認等々相談事業をやりながら訪問介護を受けるという、もちろん特定施設であれば別でありましょうけれども、そういうような役割を担っております。そこに小規模多機能居宅型介護を併設すると、これは一つの考え方であろうと思います。介護員、さらには介護支援専門員、さらには看護師ですね、こういう方々が付いておるわけであります。
 今、リハ職というようなお話がありましたが、基本的には、ここでは機能訓練等々、介護士の方々がリハをやっていただくというような話になっております。リハ職の専門員という思いがお強いんだと思いますけれども、二十五名ぐらいが対象でございまして、なかなかここに常駐いただくというような、別に常駐すること自体は問題ないんですけれども、点数等々でしっかり確保していくということになると、他の専門職の方々もおられるわけでございまして、なかなか難しいというのが今の現状であろうというふうに認識いたしております。
○山口和之君 現在の特養は百人に一人の機能訓練担当者ということで、特に理学療法士であろうが何であろうが構わないという形になっているので、これは正直言ってアリバイづくりにしか見えないと思います。
 資料の二を見ていただくと、これは自立支援介護とリハを加えた特別養護老人ホーム、何回も出しておりますけれども、改善例です。下は小規模多機能の中で自立支援介護とリハを付けたもので、大体年間一千万円ほど収入が減ったそうです。減ったということは自立した、要介護状態が改善した方。だから、この一千万円使えば、正直言って人件費に多少回すことはできるし、それなりのものはできるわけです。そう考えると、リハ機能というのは大事だと思いますし、資料の三を見ていただきたいと思います。
 これはちょっと自分のイメージよりはかなり大きなものなので何ともあれなんですけれども、小規模多機能が付いております。小規模多機能の利点というのは、毎日、例えばデイサービスに必要な人は来てもいいわけです。つまり、これは病院や特養と老健と余り変わらないです、必要な方がここに来ていただければ。しかも、夜間はどれぐらいいるかというと、夜間は、病院や老健見て分かるように、一人で何十人も見ているわけです。したがって、どうも病院や老健の神話が非常に大きいんですけれども、もし小規模多機能で、地域の方がここにかかっていて、例えば住んでいらっしゃる方でも結構です、認知症になればグループホームがここに併設されています。重度になれば小規模多機能を使ってケアを受けながらここで住むこともできる、障害が重度になってもここで支援することができます。しかも、病院や老健ではなかなか実現しないかもしれませんけれども、家族やあるいはお友達や昔からの知り合いが部屋に遊びに行くことも可能なわけです。本来の人間らしい生活が営むことが可能になってくる場所だとは思うんです。
 従来のやり方も大事かもしれませんけれども、ここで少しひねって、医療が外付けでも結構ですし、ここの中でいろんなことが、可能性が秘められていると思います。特養一辺倒でいくのも一つあるかもしれませんけれども、このようなことを是非検討していただきたいなと思います。
 よろしければ、大臣、リロケーションをこれで防止することも可能だと思うんですが。
○国務大臣(田村憲久君) 委員がお示しをさせていただいた資料、なるほどというふうにも思うわけでございまして、勉強させていただきたいと思います。
○山口和之君 これは大規模なんでなかなかあれなんですけれども、もう少し小規模ですと費用も少なくて済みますし、本当に重度になったときは最後のみとりを見ていただく。
 それから、先ほど地域包括ケアシステムの中で、ボランティアの方、いろんな方々が専門職以外のところでここでお手伝いをしていただけるとすれば、地域も活性化すると。特養に行ってしまうと、友達も来ないし、家族もたまにしか来ないという形になる社会よりも、地域の中で昔からの友人がここに来てお手伝いする。自分たちも障害を持つんだからお手伝いをするんだという社会がつくりやすくなるのだと思います。
 資料四を見ていただきたいと思います。
 これは車椅子です。チェックの柄で非常におしゃれな車椅子のように見えます。見えますと言うのも失礼ですけれども、おしゃれな車椅子です。これは日常的に病院や施設で使われている車椅子です。良く見えるんですけれども、このタイヤを外すとどういう形でしょうか。このタイヤを外すと、周りのタイヤを外すと、キャンプで使うハンモックの椅子と同じ形になるんです。これで六時間座っていましょうというのは……
○委員長(石井みどり君) 時間を過ぎておりますので、質疑をおまとめください。
○山口和之君 これで六時間座りましょう、日中はこれで過ごしましょうというのが今の日本の社会です。搬送用の車椅子でずっと暮らすんです。そうではなくて、経済的に世界第三位の日本は、もっとしっかりとこちらの方に目を向けていく必要があると思います。
 安心できる地域社会に是非ともしていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。ありがとうございました。
    ─────────────
○委員長(石井みどり君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、木村義雄君が委員を辞任され、その補欠として堂故茂君が選任されました。
    ─────────────
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 看護師による特定行為の実施について聞きます。
 私、もちろんチーム医療の推進は非常に大切だと思っておりますし、看護師さんというのは大変勉強熱心だというふうに思っていますし、自分の経験からも。専門的知識を身に付けて地位の向上を図っていくことは本当に大切だと思うし、そういう意味では職能団体の思いも理解できるところなんですね。
 しかし、これ実際にやるとなるとどうなるかというのをちょっといろいろ考えると、例えば、ある病棟に二十人程度の看護師さんがいて、特定行為に関する研修を受けた人と受けていない人が混在をする。受けた研修についても、今のところ十四区分ぐらいで、それぞれいろんな分野で、循環器とか呼吸器とか血糖の管理とか、いろんなジャンルで研修を受けているかどうか、それが混在するわけですね。しかも、指定研修を受講していない看護師さんでも医師の指示の下には手順書によらず特定行為を行うことができる。その研修を受けているかどうかも一見して分かるというわけじゃないわけですよ。
 病棟の看護師さんというのは、これは当然ローテーションで替わっていきますし、医師も例えば一週間に一回というような勤務形態もあるわけで、私は、こういう中で特定行為の実施が医療現場に持ち込まれてくるといろんな混乱が起こるんではないかということを懸念するんですが、この点はいかがお答えになるんでしょうか。
○政府参考人(原徳壽君) 特定行為の研修については、あくまでも医師や歯科医師が看護師の能力を勘案して手順書に基づいた指示を出すということになると思います、今回の場合。その場合に、あくまで医師、歯科医師がどのような看護師を想定しているかというのは、今先生が具体的におっしゃられた、例えば病棟に常時おられるといいますか、常勤の医師の場合ですね、恐らくその病棟にどういう看護師がいるか多分御存じだろうと思います。多分、顔の見える関係になっているだろうと思います。そういう病棟に例えば週一回非常勤で行かれるような場合、その場合には恐らく、恐らくといいますか、その場合には、その病棟を管理している看護師長さん、この方が、誰がどういう研修を受けたかということは十分管理できると思います。
 それから、病院を変わるというお話がありましたけれども、そのときにも、どういう研修を受けてきたかということについては雇用される側の医療機関側でその確認をしていただきたいと、そういうふうに思っております。
○小池晃君 私は、この問題はやっぱり議論が不足をしているんではないかなと。今のままでこれが実行されていく、実際にこれが決まっていけば、業務命令という形でこうなっていくという中で、やはりいろんな問題が起こってくるんじゃないかと。
 私は、今看護の現場で何よりも必要なのは、安全、安心の看護をやはり実現するための看護師の抜本的な増員、看護師確保だというふうに思うんですよ。これなしにいろんなことやったって、これは現場の矛盾は解決しないと。
 日本医労連、労働組合ですが、実施した看護職員の労働実態調査を見ると、悪化しているんですね、これ。二〇〇九年の調査時よりも、三交代の場合は九日以上の夜勤が五%増えて三六・六%、三人に一人が九日以上夜勤です。それから、二交代では五回以上が三・四%増えて四割超えています。夜勤の拘束時間も深刻で、十六時間以上が最も多くて五三・九%ですから、これ半数を超えているわけですね。で、夜勤にもかかわらず九割が時間外労働を加えてやっていて、六十時間を超えている看護師も一%。これ、夜勤交代制労働の過重負担を認めて過労死認定された、私も国会で取り上げた村上優子さんと同じ水準なんですね。いつ倒れても不思議でない状況が広がっています。
 こうした働き方を強いられれば、やっぱり看護師としてのやりがい、誇りを幾ら感じていても、命と引換えにできない、家族との時間には代えられないということで職場を離れざるを得ないと思います。実際、この調査でも、七五%の看護師、四人に三人が仕事を辞めたいと回答しているわけです。
 二〇一一年度の看護師退職者数は二万四千人で、厚労省の調査と若干違うんですが、医労連の調査では、退職者の三割が、超過勤務、休暇が取れない、夜勤の負担が大きい、こういう理由を挙げていて、出産、育児のためという数字を上回っていて、やはり過重労働が一番の原因ではないかと。
 大臣にその認識をまず聞きたいんですが、やっぱり看護師のこの過重労働の問題、これについてどう認識されていますか。
○国務大臣(田村憲久君) 看護職の方々を始め医療に従事される方々が過重労働というのは、我々もよくお話をお聞きすることであります。
 今般の医療の中においての勤務環境改善、これはまさにこの法律の中に盛り込まさせていただいておるわけでありまして、都道府県で支援センターをつくってしっかりとバックアップしていくと。まさに、看護師の皆様方も含めて大変厳しい環境の中で本当に御活躍をいただいておる、本当に厳しい中でぎりぎりのそれこそ業務をしていただいておるわけでありまして、それに対して少しでもやはり勤務環境を改善していきたいという思いの中での今般の法律の提案でございますので、御理解いただければ有り難いというふうに思います。
○小池晃君 私は、やっぱりそういう中身が今回の法案に入っているとは思えないんです。第八次需給見通し策定に向けて対策が求められるわけで、やっぱり具体的に、実際に夜勤回数の制限、夜勤後の時間外労働の禁止、こういったことをきちっと法律に盛り込むような、そういったことをやっていく必要があるんじゃないか。
 それから、やはり第八次需給見通しの検討会には、労働組合など含めて現場の代表の声を反映させるべきではないかというふうに思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(田村憲久君) 看護職員の需給の見通しでありますけれども、やはり現場の実態を反映させなきゃならないと思っております。都道府県を通じて各病院にいろいろと調査を掛けて、その上で現場の実態を把握していくわけでございまして、これは、今委員がおっしゃられました勤務環境の改善、それからやはり看護の質の向上、こういうものも見込んでこれをつくっていかなきゃならぬと思っております。
 先ほど来申し上げております今法案にはこの勤務環境改善というものが入っておるわけでありまして、今般はこれを更に入れた上で、今年度からスタートする第八次の需給見通しでありますけれども、見込みでありますけれども、これに関してしっかりと検討をしてまいりたいというふうに考えております。
○小池晃君 やはり具体的な労働時間規制それから看護師の抜本的増員、これはどうしても必要だと。七対一、七対一って、何か七対一が悪いかのように言われるけれども、僕は決して悪くないと思うんですよ。本当は七対一じゃなくて三対一とか四対一とかあるべきなんですよ。やっぱり今の看護現場の現状があるから七対一が増えていくわけですよ。何か、ワイングラス、ワイングラスって、ワイングラスを悪者にするような、そういう議論はおかしいと、もっともっとやっぱり抜本的な増員が必要だと、それが今回の法案に私はないというふうに思います。
 それから、介護利用料の問題、再三この間指摘をしてまいりました。昨日の中央公聴会でも日本ホームヘルパー協会の因会長が、やはり二百八十万円で二割負担は重過ぎると、私もそのとおりだと思うんです。
 昨日、因会長は、例えばということで提示されたのは、夫二百八十万、妻六十万、厚労省が示しているモデルでいうと、夫が認知症でグループホームに入ると、二割負担になると、大体これ家賃、食費、医療費で月額十五万掛かると。そうすると、年額百八十万ですから、妻の手元には年額百六十万円しか残らないと。これで家賃、食費、生活費、医療費、払えるんだろうかと。妻が低栄養、閉じこもりなどを誘引するんじゃないかと、こういうふうに言われています。
 先ほど、何か二百八十万か三百万という話があったけれども、私は、やはり説明がこれだけ崩れた以上は、これはやっぱり、罪滅ぼしとは言わないけど、せめてこの政令で定める二割負担の基準を見直すということぐらいの姿勢を示すのは当然じゃないかと思うんです。
 実際、今のやり方ではこういう矛盾が起こってくるという指摘があるわけだから、厚労省は余裕があるから大丈夫だと言っていたのを、切り詰めれば大丈夫だと変えたわけだから、だったらば、その変えたものに応じた基準の変更ということを当然検討してしかるべきじゃないですか。
○国務大臣(田村憲久君) 介護保険の財政というものは大変厳しくなってきておるということは御理解をいただきながら、これはただ単に厳しいといいますか、公費自体も厳しいですが、当然半分は保険料でございますので、保険料の上昇というものにも影響してくるわけであります。
 その中において、能力に応じた負担ということを今般お願いをさせていただくという中において、この二百八十万、年金収入のみの方々、厚生年金でいえば、先ほども申し上げましたけれども、今七十五歳の方で、今の現在のお金の価値に割り直すと、平均年収が八百万を超える方々であります。蓄えの方もお持ちの可能性もあられるということで、こういう方々には何とか、心苦しいですけれどもお願いをさせていただきたいという提案をさせていただきました。
 世帯ということからしますと、介護の上限額、これは世帯で組んでおりますので、そういうものも使っていただきながら対応いただきたいというのが思いでございまして、六十万ということを余裕があるというような、そういう誤解を受ける説明をしたこと自体は、これはもう我々は申し訳ないと思うわけでありますけれども、そもそも、何とか御負担をお願いできるのではないかというような、そういう収入をお持ちの方々であるということでお願いをさせていただいております。
 もちろん、最終的にはこれは政令の方で決めさせていただく話でございますので、どのような形になるかというのはこれからの議論ではありますけれども、基本的に、今申し上げました二百八十万、年金収入の方々の、そういう層を中心にお願いをさせていただきたいというふうに思っております。
○小池晃君 そんなことやっていて制度がもつんですかということなんですよ。二割負担を導入する、あるいは要介護三以上を特養を制限する、保険料を幾ら払ったって給付が受けられないんではないかというような制度になっていったらば、制度そのものがもたないでしょうと。
 しかも、これ質問しませんけれども、六十五歳以上の一号保険料は、今のままでいったって二〇二五年度、月八千二百円ですよ。このままいったら一万円を超えることだって予想されるわけですよ。
 大臣、こんな制度がこのままもつと思いますか。こういう中で、ただ給付を抑制するというだけの改革をやっていく、どんどんどんどん制度に対する信頼が失われていく。こんなことやったって展望全くないと思いますよ、私。だから私は、抜本的にこれを見直す必要があるんだと、それと併せてやらなければ本当の改革は絶対できないと思うんですよ。
 地方自治体関係者からも、やはり国庫負担の引上げということが要求されています。全国市長会、町村会なども、国庫負担五%あるいは一〇%引上げを求めています。田村大臣もこの委員会で、自民党野党時代は、介護保険公費六〇%にする、増加分の一〇%は国で出すという政策を掲げたんだというふうにここで披瀝されました。公明党も政権復帰後の参議院選挙政策で、介護保険財源の公費負担を現行の五割から六割に引き上げると言っています。私ども日本共産党も政策で、介護保険の国庫負担割合を当面一〇%引き上げるという政策を出しています。
 みんな同じじゃないですか。これ、やりましょうよ。やっぱりこれをやらずして、こういう給付を削減する、負担を増やす、こんなこと幾らやったって、制度に対する信頼がどんどん失われているだけじゃないですか。まさにこういう抜本改革こそ求められているんじゃないかと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(田村憲久君) 非常に厳しい介護保険財政でありますから、負担能力に応じた御負担をお願いをせざるを得ないところまで来ておるということは申し上げたわけであります。
 一〇%、確かに消費税一%分、二兆八千億円を医療、介護、子育て、年金、こういうところに充実策として使うということを、これは三党の合意で決めさせていただきました。使い道はそれなりに大体見えてきておるわけであります。
 介護ということを考えれば、一〇%、確かに私も、何もまだこういうような三党合意がない中において、自民党の中でいろいろと検討する中においてはそういうものを提案したこともありますが、二〇二五年には二十兆円を超える給付になってまいります。一〇%でありますれば二兆円になってくるんでありましょう。財源をどこに見出していくのか、なかなか難しいことでございまして、一つお考えとしては私どもも傾聴に値するお話だなというふうに思いますが、財源二兆円、二〇二五年、大変大きい、さあ、どうするんだろうということにおいて、なかなか、委員がおっしゃられることを私がここで、はい、そうですとは申し上げられないということは御理解をいただきたいというふうに思います。
○小池晃君 でも、消費税増税して、結局四十億円しか介護保険に回していないというじゃないですか。今回の制度では四十億円ですよ、消費税増税分が入るのは。しかも、財源だ財源だと言うけれども、先ほど総理ともやったけど、何で、じゃ、法人税の減税は先行するんですか。おかしいじゃないですか。
 やっぱり税金の使い方間違っているんですよ。税金の取り方間違っているんですよ。そこをやっぱり変えて、本当の意味での介護に財政投入するということなしにこういう改革、改革の名に私は全く値しないというふうに思います。介護に対する不安をあおるだけだというふうに申し上げたい。
 消費税の増税を決めながら介護保険への財政投入はごく僅か、その一方で、要支援者サービス保険給付外し、特養ホームの入所の制限。こんな欺瞞的なでたらめなやり方は断じて認められないと、これはやっぱり廃案にするしかないということを申し上げて、質問は終わります。
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 地域ケア会議についてお聞きをいたします。
 地域ケア会議の開催が努力義務ということは、市区町村によって開催の有無を決定していいということでしょうか。
○国務大臣(田村憲久君) 地域ケア会議は、ケアマネジメントをする中において難しい方々、非常に難しい方々に関して、ケアマネジメントの支援という形で、専門職の方々が連携していただきながらケアマネジャーの方にいろいろとアドバイス、支援をしていくということであります。
 この中においては、もちろんこの地域ケア会議を義務化はいたしておりませんが、ただ、これをやっていただくことによって、やはり介護サービスを受けていただく方々、若しくは要支援の中において総合的なサービスを受けていただく方々、こういう方々が適切なサービスを受けていただく、特に難しい方々に関して受けていただけるようになってくるわけでありますし、そういう中でのまた蓄積というものが次のケアマネジメント等々に生かされていくわけでございますので、これは義務ではありませんけれども、我々としては是非ともやっていただくべくお願いをさせていただいてまいりたいと、このように考えております。
○福島みずほ君 地域ケア会議の開催には多職種協働として様々な専門職や関係者がラインアップされておりますが、厚労省が示す図ではサービスを利用する本人、介護する家族の記述が見当たりません。
 地域ケア会議は高齢者本人、介護する家族の参加を認めないつもりでしょうか。また、参加が認められない場合、高齢者本人、介護する家族などは傍聴ができるのか、議事録は公開されるんでしょうか。
○政府参考人(原勝則君) ケアマネジメントにおきましては、高齢者本人はもちろんでございますけれども、家族の意向というようなこともありますし、それから、置かれている環境の中で家族が関わるということもございますから、地域ケア会議の検討の場におきまして必要に応じて高齢者本人やその家族に参加をいただくことは実施方法の一つであると考えております。
 いずれにしましても、地域ケア会議はケアマネジメントの支援でありますので、会議に本人、家族が参加しない場合でも、担当ケアマネジャーから本人、家族に十分な説明が行われ、その同意を得ていくということが肝要だろうと思っております。
 それから、個別ケースを地域ケア会議では検討いたしますので、通常、議事録というものは作成はしていないと思いますし、またその公開というんでしょうか、そういうことも、やっぱり個人情報でございますので、特にそういうことはなじまないんじゃないかと考えておりますけれども、傍聴はもちろん先ほど言いましたように可能かと思います。家族の傍聴は可能かと思います。
○福島みずほ君 地域ケア会議の判断に高齢者本人が不満や不服がある場合、申立てを行うことはできるんでしょうか。
○政府参考人(原勝則君) 地域ケア会議は、あくまでもこれは担当ケアマネジャーのケアマネジメント支援を行うというのが目的でございます。したがって、高齢者が利用するサービスの内容につきまして、最終的には、専門的視点を有する担当ケアマネジャーと本人の話合いを通じて理解と同意を得ながら決定されるということでございます。
 今回の法案では地域ケア会議は制度化いたしますけれども、こうした役割は、位置付けは変わらないわけでございまして、地域ケア会議の場で利用者の同意を得ずにサービスの変更等を決定するということはございません。あくまでもケアマネジャーとの関係で同意を得ていくということでございます。
○福島みずほ君 不服申立ての制度などありませんので、ここはきちっとされるように強く要請したいと思います。
 ところで、法案を読みますと、特養老人ホームに入るに当たっては、介護老人福祉施設等に係る給付対象を、厚生労働省令で定める要介護状態区分に該当する状態である者というふうになっておりまして、要介護三以上となっていないんですね。そうすると、厚労省の省令で決めるわけですから、将来、要介護四以上とか条文上ではなり得ると思いますが、いかがですか。
○政府参考人(原勝則君) これは、同じようなものとしては、認知症のグループホーム、これの予防給付について、やはり同じような法令の規定の仕方があって、現在は要支援の二以上という形で、二ということで規定をさせていただいていまして、こういう立法例に倣って今回措置をしております。
 実際、省令ではございますけど、これは大変重要な問題でございますから、当然、これを見直す際には国会の御議論等も踏まえながら対応していくべきだろうと思っております。
○福島みずほ君 先ほども特養老人ホームなのか何なのかありましたが、大臣、特養老人ホームをこれからどれぐらい増やすつもりでしょうか。
○国務大臣(田村憲久君) これ、介護事業支援計画、それぞれ都道府県や市町村に作っていただきますけれども、これを基に整備をしていくわけであります。今までは三年間というような計画であったわけでありますけれども、今回、第六期でありますが、これは二〇二五年というものを一つこれから見越していくということでございますから、中長期的な計画の中でこれを整備をしていくということになろうと思います。どれぐらいのニーズが上がってくるのか、これから都道府県からいろいろとお話をお聞かせをいただくという形になると思いますが、小規模な特養に関しましては、これは新たな財政支援制度の対象でございますので、それも使いながら必要な分というものを整備をしてまいるということになろうと思います。
○福島みずほ君 今回、三以上にすると一、二の人、要支援が待機者のリストに入らないわけですよね。ですからニーズがなかなかないと。今までよりも随分目減りしてくるという形で建設が遅れるんではないかということも心配しています。
 また、今回の法案で医療と介護の両方が壊れるんじゃないかと心配していますが、とりわけ介護が壊れるんじゃないか。基金をつくったときに介護のしっかりした予算の獲得というものができるか、それは財務省との関係とかあるかもしれませんが、しっかりこれは確保できるという言質を取りたいんですが、大臣、どうですか。
○国務大臣(田村憲久君) いずれにいたしましても、先ほど来申し上げておりますが、消費税の一%分が社会保障の充実でありまして、この中のたしか一・五兆円が医療、介護、〇・七兆円が子育て、〇・六兆円が年金だったというふうに記憶いたしております。この一・五兆円の中でどれだけこの新たな財政支援制度、この中に持ってくるか。
 これは、一方でいえば、医療も介護もどちらがどうではなくて、それぞれ計画が各都道府県から上がってまいりますから、この内容に応じて我々も、もちろん無駄があってはいけませんから、中は有効に効率的に使っていただかなきゃなりませんが、必要なものを、この一・五兆円という医療、介護の充実、ほかのものに使うものもありますけれども、この中からどれだけ確保するかということでございますので、必要な分を確保できるように努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○福島みずほ君 法人税減税が五兆円なんですよね。ですから、二〇%台で五兆円だという試算をしておりまして、そうすると恒久減税になるので、どこからじゃお金を持ってくるのか、やっぱり社会保障の切捨ては間違っているというふうに思っています。
 次に、医療についてお聞きをいたします。
 手元に資料をお配りしておりますが、ワイングラスからヤクルト型へという、このヤクルト型というのは、二〇一三年九月六日、社会保障審議会医療保険部会、医療部会で厚労省が配ったものです。この現在の姿、ワイングラスの形から、それからヤクルト型に二〇二五年にするというものなんですが、何でワイングラス型が良くないんですか。何でこのヤクルト型にするんですか。
○政府参考人(原徳壽君) これは先ほどの小池委員の議論とはまた若干ずれることになるかも分かりませんけれども、今現在、看護師の数が全体としてある中で、七対一の配置基準を満たしているところにできるだけ、そこは言わば、全体の中では手厚い看護といいますか、看護師さんがたくさんいる病棟であります。そこにはどういう患者さんがふさわしい、ふさわしいといいますか、そういうところにはできるだけやはり急性期で手の掛かる、病状がよく変化するような患者さんにいてほしいわけですね。それがうまく、要するに提供する側の看護師の密度と必要な患者側の要件とが合っていないのではないかというのが今回の七対一が多いという議論の根本にあります。
 ですから、これからどうするかというと、前回も御説明いたしましたけれども、将来の年齢階級別の人口が分かりますので、その地域の中にどのような患者さんがいるかということは推計できます。その推計に合わせて、急性期の方にはできるだけ人的な配置の手厚い看護、それから回復期のときはもう少しそれよりは薄い看護という形で資源の配分をしていく。それが機能別の病床になっていくということになります。それをマッチさせていくということを表しているということです。
○福島みずほ君 いや、このワイングラス型からヤクルト型を見ると、単に七対一がお金が掛かるからやめましょうというふうにしか聞こえないんですよね。
 ここに厚労省の中医協に出されたペーパーがありますが、病床数で見ると、七対一入院基本料が最も多く、二〇二五年に向けた医療機能の再編の方向性とは形が異なっている。つまり、七対一で看護師さんがいたらお金が掛かるからやめましょうということじゃないですか。こんなの、やっぱり十分な看護が受けられないんじゃないですか。
○政府参考人(原徳壽君) ここで言っている現在七対一の三十五万床の中に、三十五万七千床ですかね、資料でいいますと、そこの中に七対一が真に必要な人がどれだけいるかという議論があるということです。
 その中で全体の数を配置するときに、それより下のところをもう少し手厚くしていかないと全体としては回らないだろうと、そういうことを表しているんだろうと思います。
○福島みずほ君 では、この二〇二五年のイメージはどこからこれが出てきたんですか。それから、地域に密着した病床二十四万、これは何ですか。
○政府参考人(原徳壽君) 保険局で作られた資料なので、私もちょっと正確に言えるかどうか分かりませんが、地域に密着した病床については、今回、いわゆる急性期からの受皿になるとか、あるいは在宅医療の急変した患者さんの受皿になるとか、いわゆる地域包括ケア病棟という形で診療報酬でつくられました。そのようなことを想定された病床というふうに決められていると思います。
○福島みずほ君 厚生労働省が審議会に配っているペーパーは、明らかに七対一で入院基本料が最も多く、二〇二五年に向けた医療機能の再編の方向性とは形が異なっていると。ここにも例えば入院の日数を短くするとかというものがあるんですね。結局、医療費の削減じゃないですか。そのために今回こういう医療を言っているんじゃないか。
 法案についてお聞きをしますけれども、三十条の十二なんですが、都道府県知事は、構想区域における療養病床及び一般病床の数が、療養病床及び一般病床に係る基準病床数を超えている場合において、正当な理由がなく、許可を受けた病床に係る業務を行っていないときは、病床数の削減の措置をとるべきことを要請することができるものとすると。
 条文を読むと、削減の措置をとるべきことを要請するというのはあるんですが、増やせという条文はないんですよね。やっぱり、今回の医療の改正案というか、上からやるビジョンは明らかに病床削減を狙っているんじゃないか。いかがですか。
○政府参考人(原徳壽君) 公的病院については、新設とか増床を求めることができる規定は元々ございますので、今回は、その機能に合わなくなっている病床についての削減要請ができるということにしたということです。
○福島みずほ君 いや、私の質問に答えていないんですよ。
 条文では、削減の措置をとるべきことを要請することができる、民間の病院に削減を求めることができるとなっているけれども、増やせという要請をすることができるとはなっていないんですよ。疑り深くて済みませんが、でも、これから高齢社会であれば病床数は絶対必要なんですよ。それが何で削減の措置をとるべきことを要請するというのだけが条文に書いてあるんですか。
○政府参考人(原徳壽君) 元々、申請をしてもらって許可をすることができるようになっていますので、そこで命令でもってつくれと、こういうこと、御質問の意味がちょっと取れなかったんですけれども、もう一度ちょっと御質問を。
○福島みずほ君 時間になっているんですが。
 私が聞きたいことは、これはレクでも言ったんですが、削減の措置をとるべきことを要請することができるものとすると条文上なっているんです。何で増加する措置をとるべきことを要請することができるというのはないのか。結局、病床数の削減を厚労省は狙っているのではないかということなんです。
○国務大臣(田村憲久君) もちろん、日本は病床数が他国に比べて多いというのはありますが、ただ、我々は、必要があるのに減らしていくということをやっちゃいけないということは、これはもう分かっておるわけでありまして、ただ一方で、民間病院に病床を増やせというのは、なかなかこれはこちらの方から言うのは難しい話でございますから、当然、今回、地域医療構想をつくる中において、必要ならばその分必要だということが出てきますので、やる意欲のある病院があれば、そこで申請を出してくるものだというふうに認識いたしております。
○委員長(石井みどり君) 福島みずほ君、時間を過ぎておりますので、質疑をおまとめください。
○福島みずほ君 はい。
 これについては、増やせとは言えない、でも減らせとは言えるという、やっぱり変だと思うんですよ。
 私は、これから高齢社会になるのに病床を減らす方向でこのビジョンなどがつくられるのではないか、今回の一括法案は介護を壊すんじゃないか、地域医療を上から目線で壊しちゃうんじゃないか、大変問題があるということを申し上げ、これは廃案しかないということを申し上げ、質問を終わります。
○委員長(石井みどり君) この際、お諮りいたします。
 本案に対する質疑を終局することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(石井みどり君) 多数と認めます。よって、本案に対する質疑は終局することに決定いたしました。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○森本真治君 私は、民主党・新緑風会を代表して、地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律案に対し、審議不十分な中で採決されることに憤りを持って反対討論を行います。
 反対の理由は、第一に、本法律案が極めて多岐にわたる十九本もの改正法を一括して束ねた前代未聞の形式を取っているからであります。しかも、各改正法の内容はいずれも重く、医療法や介護保険法一つ取っても、本来であればそれだけで相当の審議時間を費やすべき大改正でございます。
 政府は、一括法とした理由について、医療と介護を一体的に整備するためとしていますが、医療事故調査制度まで含んでいることを問われると、ちょうど時期がうまく合ったために一緒にしたなどと理由にもならない理由で強弁しました。しかし、総理自ら衆議院本会議で認めたように、医療、介護の分野で今回のように一本化して法案を提出した例はありません。こうした方法が慣例となってしまえば、改正項目ごとの十分な審議ができず、採決態度も明らかにできないなど、国会審議が形骸化していくのであって、我々民主党・新緑風会だけでなく、本会議や委員会で質疑に立った全ての野党会派から強い異論が上がったのも当然でございます。
 反対の理由の第二に、本法律案が自助を優先し、共助と公助を軽視する方向にかじを切っているからであります。
 一昨年、民主、自民、公明の三党により提出、成立した社会保障制度改革推進法では、自助、共助及び公助が最も適切に組み合わされることを掲げていました。ところが、その後、昨年成立された社会保障制度改革プログラム法では、自助、自立のための環境整備等の推進を図るとされ、法律の条文から共助と公助が抜け落ちてしまいました。これを具体化するかのように、本法律案では、介護予防給付の中で大きなウエートを占める訪問介護と通所介護を保険給付から外すこととされています。これは、要件に該当すれば権利としてサービスが受けられる保険給付から、市町村の裁量下でサービス提供が行われる、言わば措置への逆戻りです。介護保険創設時の理念である介護の社会化が、自助を中心とする介護へ変質していると言わざるを得ません。
 加えて、安倍政権は、女性の活用を勇ましく掲げる一方で、女性が多くを占める介護離職や家族介護者支援の問題には冷淡であり、さらに、介護人材確保策についても、ボランティアやNPOに頼るとするだけで、基盤整備策について何ら示さないなど、本法律案では有効な対策が見受けられません。
 反対の第三に、今回の改革は、団塊の世代が七十五歳以上となる二〇二五年に向けて、限られた医療・介護資源を有効に活用することが目的であったにもかかわらず、それを実行するために十分な財源が確保されていないからであります。
 消費税の引上げにより今年度は約五兆円の増収となりますが、社会保障の充実に充てられるのは僅か五千億円弱です。その上、本法律案を根拠として新たに都道府県に設置される基金には、消費税増収分からは五百四十四億円、介護に至っては四十三億円が措置されているにすぎません。これで果たして有効な対策が打てるのか、大いに疑問であります。
 このほかにも本法律案には多くの懸念がありますが、いかんせん、法律案の内容が、サービス付き高齢者向け住宅への住所地特例の適用から歯科技工士国家試験の全国統一化に至るまで、余りにも幅広く、とても一つ一つ挙げていくことはできません。やむを得ず主な問題点のみ申し上げ、本法律案に断固反対し、討論といたします。
○東徹君 日本維新の会・結いの党を代表いたしまして、ただいま議題となりました地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律案について、反対の立場から討論をさせていただきます。
 本法律案は、医療と介護の連携強化など、団塊の世代が七十五歳以上を迎える二〇二五年を迎え、我が国における超高齢化社会の進展への対応策が盛り込まれていることについて一定の評価はいたしております。しかし、残念ながら、少なくとも以下の三点について本法案には非常に問題があると考えます。
 まず一点目は、医療事故調査制度です。これは、予期せぬ死亡又は死産が生じたときに、それを医療機関の管理者が医療事故であると判断する場合に限って調査報告の対象とする制度です。
 厚生労働委員会の審議の中で厚生労働大臣は、責任を追及することを目的とする制度ではないから、医療機関の管理者において適切に医療事故かどうかの判断がなされることになると答弁されました。しかし、これでは医療事故かどうかの判断すら微妙で、むしろ調査すべき死亡事案について医療機関の管理者の判断によって調査対象外とされてしまいます。これは、結局、原因究明と再発防止というこの制度の目的にそぐわない結果を招いてしまいます。少なくとも、患者の遺族から医療事故調査・支援センターに対して調査を依頼できる仕組みにするべきであります。
 この医療事故調査制度についてだけでもこの法案の内容は非常に中途半端であり、もう一度見直すべきではないかと考えます。
 次に、二点目は、今回の法案の新たな財政支援制度である基金です。この基金は、消費税増税分を活用して設立されたもので、今回の法案にある在宅医療の推進や医師・看護師確保のための事業などに用いられるものです。しかしながら、これらの事業の多くは、平成二十一年度に設けられた地域医療再生基金により実施してきた事業と内容が重複します。
 地域医療再生基金は、今までに約五千億円もの多額の税金をつぎ込んでおり、行われた事業の結果や費用対効果など、しっかりとした検証を行う必要があります。しかし、十分な検証はなされないまま新たな基金が創設され、今後、一千億円ずつ毎年使われようとしています。国民に消費税率の引上げという新たな負担をお願いしておきながら、それを用いる各事業の効果などをしっかりと見極めないまま漫然と費消することは、国民に対して不誠実であります。
 最後に、三点目は、この法案の提出の仕方であります。
 今まで何度も指摘されているところですが、今回の法案では、十九本もの法案審議と採決が一体化されています。そもそも、社会保障改革プログラム法案では医療と介護の別の条に規定されており、一括法として提出することは求められておりません。その上、臨床研究中核病院の医療法への位置付けなど、医療と介護の連携とは直接関係のない内容も含まれております。このようなやり方は政府に対する国会のチェック機能をないがしろにするものであり、二度と行うことのないよう強く要請いたします。
 以上の三点から反対であることを申し上げ、討論を終わらせていただきます。
○山口和之君 みんなの党の山口和之でございます。
 私は、みんなの党を代表しまして、ただいま議題となりました政府提案、地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律案について、反対の立場から討論を行います。
 みんなの党として反対する理由は以下のとおりです。
 第一に、本法案は、医療、介護のみならず、特定行為に係る看護師の研修制度や医療事故調の創設など、性質の異なる分野を含めた十九本の法改正を一括して賛否を求めるという極めて乱暴な総合法案であります。
 第二に、介護保険創設以来、医療、介護の大改革という国民の命と暮らしに直結する重要なテーマであるにもかかわらず、本法案の質疑は、衆議院では二十九時間、参議院では二十七時間しか審議が行われておりません。持続可能な社会保障を確立するとして消費税増税を強行したにもかかわらず、この医療、介護の大改革をどのように進めるのか、国民的な理解が得られないまま議論を打ち切って法案成立を急ぐのはとても拙速であり、自民党のおごりを象徴する国会運営に強く抗議をいたします。
 第三に、本法案の目的は、来るべき超高齢化社会へ向け、高度急性期医療から在宅医療・介護までの一連のサービスを地域において総合的に確保することで、地域における適切な医療・介護サービスの提供体制を実現し、患者の早期の社会復帰を進め、住み慣れた地域での継続的な生活を可能とすることとされております。
 目指す方向性は良いとしても、医師不足や医師の偏在をどのように是正し、公平で効率的な医療を確立していくのか。また、在宅で暮らせるための医療、介護のサービスやマンパワーを質と量の両面でどのように十分に確保していくのか。法案はそうした抜本的な改革につながる論点を避け、小手先の対応に終始している気がしてなりません。また、予防給付の地域支援事業への移管は市町村の格差を拡大させるのではないかという国民や自治体の懸念も十分に払拭できていません。
 さらに、医療事故に係る調査の仕組みを創設することについては、やはり医師法二十一条の問題を棚上げにしたままですし、制度の詳細が未定であり、議論の前提がそろわないことの問題点を指摘せざるを得ません。また、特定看護師や介護福祉士の質をしっかりと担保するところまで至らないことも、踏み込みが不十分、医療と介護のあるべき姿が見えないものと断ぜざるを得ません。
 効率的かつ質の高い医療提供体制や地域包括ケアシステムの構築を急ぐためには、理想に基づく医療、介護の抜本的かつ具体的な改革こそ必要であります。医師不足の解消と医師等の勤務条件の改善を含め、介護保険創設後の懸案である質重視の体制整備、そして地域包括ケア構築へ向けた予算と人材の集中投入、介護職の処遇改善等、人材確保策をしっかりと確立することを強く訴え、私の反対討論を終わります。
 以上です。
○小池晃君 私は、日本共産党を代表して、医療・介護の総合的確保を推進する法案についての反対の立場から討論を行います。
 反対の理由の第一は、介護保険利用料二割負担の根拠が完全に崩壊したにもかかわらず、政府がこれを撤回しようとしないことです。
 政府は、年金収入二百八十万円の世帯では平均的な消費支出をしても年間六十万円が余るので、介護利用料の二割負担は可能だということを唯一の論拠にしていました。しかし、参議院での質疑でその説明は完全に崩壊し、六十万円余るという説明は撤回され、大臣は反省していると述べました。昨年の介護保険部会でこの説明に疑問を投げかけていた委員は、参考人質疑で、驚きと怒りを覚える、介護保険部会に差し戻すべきだと述べられました。
 このような法案をこのまま採決にかけるなど、国会の自殺行為と言うべきであり、法案は断固として撤回すべきです。施設の食費、居住費に対する補足給付の大幅縮小も、高齢者の生活に深刻な打撃となるもので、認められません。
 第二に、要支援者への訪問・通所介護を保険給付から外し、市町村の地域支援事業に置き換えることが受給権の剥奪にほかならないからです。
 これもまた参議院での審議の中で、地域支援事業に移行した場合の専門的サービスは、多くとも現状維持であり、二〇二五年度には五割程度になるという試算が示されました。これでは新たに要支援とされた人にはボランティアなどのサービスしか提供されなくなるおそれがあります。
 また、要支援者の数を減らしていく方針も示されました。介護予防の充実で状態が改善して非該当と認定されるならば大いに歓迎すべきことですが、実際にモデル事業が行われている地域では、地域ケア会議で介護保険からの卒業と称してサービスの打切りを強制する例が多数報告されています。これは卒業とは程遠い強制退学にほかなりません。
 また、基本チェックリストによって要介護認定を受けさせない手法も広がっています。これは医療保険に例えるなら、病院に来た人に受付で問診票を書かせ、この程度の症状なら医師に見せるまでもない、薬局で薬を買いなさいと追い返すようなものであります。
 今の制度ならば要介護認定を受け要支援と判定されるはずの人が認定抜きでサービスを割り振られていき、その人はもはや要支援者とも扱われない。このやり方が広がれば、確かに厚労省が示した文書のように要支援者に至らない者が増加し、要支援者の数の伸びが低下していくこととなります。しかし、これでは保険制度の根幹が壊されてしまいます。
 政府は地域支援事業になっても適切なサービスが維持されると言いますが、今回の制度改変により、毎年五・六%の要支援者への給付費の伸びを三・七%に抑制することになります。その結果、二〇三五年で二千六百億円の給付費抑制になってしまいます。大規模な給付費削減がサービス単価や人件費の切下げ、利用者の負担増につながり、介護サービスを量、質共に低下させることは明らかです。
 しかも、要介護認定には大きな地域格差が存在します。とりわけ要支援二と要介護一の判定は認定審査会によって左右される極めて微妙な境界であるだけに、これが保険給付の対象になるかどうかの境界になってしまうことは、介護保険制度に対する信頼性を根底から崩すものだと指摘せざるを得ません。
 第三に、特養老人ホームへの入所を原則として要介護三以上に限定することに何の道理もないからです。
 五十二万人の特養待機者のうち十七万八千人は要介護一、二です。現在でもこうした方々は入所待ちの行列に並んでも後回しにされていますが、今後は行列に並ぶことすら許されなくなってしまいます。本法案では、要介護一、二の方の特養入所の権利を奪いながら、それに代わる施設計画は一切示されていません。大臣も、特養待機者の増大の背景に低所得高齢者の増加があることを認めながら、低所得者には利用できない有料老人ホームやサービス付き高齢者住宅の建設を民間に依存するだけで、特養建設のための抜本的対策は示していません。
 このままでは、都市部を中心に介護難民化、老人漂流社会は一層深刻にならざるを得ません。特養ホームの抜本的増設に背を向ける一方で、要介護一、二の人を待機者にカウントしないことで待機者の数を減らす、余りにもこそくなやり方だと言わねばなりません。
 法案には、住所地特例をサービス付き高齢者住宅に拡大することも盛り込まれています。地域包括ケアの名で住み慣れた地域で最後まで暮らすという理念を掲げながら、他方で、住所地特例を拡大し、要介護高齢者の遠隔地への移住を促進することは支離滅裂な政策と言うほかありません。
 介護福祉士の専門性の向上のための資格一元化は、法制定後五年の準備期間があったにもかかわらず、実施を三年先送りしていたものを本法案で更に一年先送りすることについて、参考人質疑でも中央公聴会でも関係団体から厳しい批判がありました。
 以上のように、本法案は、介護保険の根拠なき負担増を押し付け、給付範囲を大幅に狭めるなど、あらゆる面で制度の根幹を揺るがす歴史的な大改悪であると断じざるを得ません。
 反対理由の第四は、上からの強権的な医療計画の押し付けで国民の医療を受ける権利が侵害されるからです。
 医療法の改定により、都道府県主導で病床の再編、削減を推進する仕組みには与党議員からも懸念の声が出されました。厚労省は、都道府県の病床計画に病院が従わない場合、医療機関名の公表、各種補助金や融資対象からの除外などの制裁措置をとるとしていますが、中央公聴会で公述人から、医療機関同士の信頼関係を壊すものという指摘もありました。
 日本の国民皆保険制度を支えてきたのは、自由開業制度とフリーアクセスの原則の下での質の高い開業医と民間医療機関の献身的な努力でした。上からの強権的なベッド規制は、世界に冠たる国民皆保険制度の根幹を揺るがす危険をはらむものであり、到底容認できるものではありません。
 医療事故調査のための第三者機関についても様々な懸念が示されました。医療事故再発防止のための公正中立な第三者組織の設立は我々も求めてきましたが、遺族側からの発議が生かされないこと、医療者側への責任追及につながる懸念、第三者機関に対する公費負担が条文上明記されていないという問題点も解決していません。
 看護師による特定行為の実施についても、医療現場に混乱をもたらすおそれがあります。今、看護現場で何より必要なのは安全で行き届いた看護の実現のための看護師の確保であり、それなしに医行為を拡大することは更なる労働強化をもたらし、患者に寄り添う本来の看護を困難に導く懸念が拭えません。
 何よりも、これら一つ一つが医療制度や国民の生命、健康にとって重大な制度改変であり、本来なら別々の法案として十分な時間を掛けて慎重に審議すべきものでありました。改めて、十九本もの法案を一括して提出したことは国会の審議権を奪うものだと言わざるを得ませんし、個々の問題についての審議は全く不十分だと言わざるを得ません。このままでは国民に対する立法府としての責任を果たすことができず、質疑終局、採決など言語道断です。
 以上、あらゆる点から本法案には大きな問題があり、採決に付すこと自体に強く抗議をし、反対討論を終わります。
○福島みずほ君 福島みずほです。
 私は、社会民主党・護憲連合を代表して、地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律案について、反対の立場から討論をいたします。
 まず、反対の第一の理由は、本法律案は本則で十九本もの法律案を一くくりにする余りに乱暴なつくりであるからです。その内容は、介護保険制度の大幅なサービス抑制、地域病院の存続を左右する医療制度の見直し、医療の特定行為を行う看護師研修制度新設、医療事故調査など、質が全く異なります。これらを短時間の一括審議で採決することは国会審議を軽視しているとしか思えません。
 第二の理由は、本法律案が地域医療の確保に深刻な影響を与えかねないからです。病床の機能分化の名の下で病床が削減され、在院日数が短縮されれば、行き場のない患者が更に増えます。
 また、本法律案の地域ケアシステムは、地域に根差した病院等が核となり、医療、介護、福祉等に従事する人々が患者、家族の生活を軸として試行錯誤を繰り返しながら築き上げてきた先駆的な実践とは別のものです。国や都道府県が上から計画を押し付けチェックするのでは、逆に医療、介護の費用抑制、サービス削減の道具に使われかねません。
 さらに、地域医療構想の実現に当たって、民間病院にペナルティーを科してまで病床規制を行うことは、地域を支える病院の士気をそぎ、医療崩壊に拍車を掛けることになりかねないのです。
 第三の理由は、介護保険制度の根本である認定制度、保険給付の原則を崩すからです。特に、全国一律の予防給付を地域支援事業へ移行させることは、要支援者百六十万人に及ぶ大問題です。高齢者は要支援と認定されても、サービスの種類によっては保険としてのサービスが受けられなくなります。給付を受ける権利が発生する仕組みが形骸化すれば制度への信頼が失われます。
 さらに、一定以上の所得という曖昧な線引きで利用者の自己負担を一割から二割へ引き上げること、特別養護老人ホームの利用者を要介護三以上に限定するなど、消費税を引き上げておきながらサービスの削減がめじろ押しです。
 第四の理由は、介護の現場や関係学会から危険性が指摘されているにもかかわらず、看護師の医療特定行為について省令で範囲の拡大ができるようになることです。医師不足、看護師不足の解消こそが先決です。
 第五の理由は、関係者の議論が不十分なまま医療事故に関する調査の仕組みをつくることです。法律案では、医療機関の管理者が申告しなければ調査は始まらず、遺族からの申請や内部告発では調査が行われず、対象も限定的です。拙速な法制化は禍根を残すことになります。
 最後に、政府は、二〇二五年には介護職員が更に百万人必要と推計しながら、介護従事者の処遇改善に対して何ら有効な施策を講じていない問題点を強く指摘したいと思います。
 本法律案で介護や医療が崩壊するのではないか。極めて重要な法案であり、まだ審議が尽くされたとは言えません。
 以上をもって私の反対討論といたします。
○委員長(石井みどり君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(石井みどり君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、津田君から発言を求められておりますので、これを許します。津田弥太郎君。
○津田弥太郎君 私は、ただいま可決されました地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、日本維新の会・結いの党及びみんなの党の各派共同提案による二十二項目にわたる附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、公助、共助、自助が最も適切に組み合わされるよう留意しつつ、社会保障制度改革を行うとともに、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
 一、地域における公的介護施設等の計画的な整備等の促進に関する法律の一部改正について
  1 地域包括ケアシステムの推進に当たっては、地域の実情に十分配慮した上で、実施体制の充実及び機能の強化を図り、その実現に努めること。
  2 地域における医療及び介護の総合的な確保のために都道府県に設けられる基金の配分に当たっては、実効性、公正性及び透明性が十分に確保されるよう、総合確保方針を策定し、官民の公平性に留意するとともに、成果を適正に判定するための事業実施後の評価の仕組みの構築を急ぐこと。
 二、医療法の一部改正について
  1 医療提供体制等について
   ア 病床機能の報告に当たっては、報告内容が医療機関に過度の負担とならないよう留意するとともに、地域医療構想の策定において将来における医療機能の必要量が適切に推計され、また、その実現に資するよう、都道府県に対し、適切な指針の提示や研修及び人材育成等の必要な支援を行うこと。
   イ 病床機能の再編に当たっては、地域において医療機関相互の協議が尊重されるとともに、保険者及び地域住民の意見が反映されるよう配慮すること。
   ウ 医療従事者の確保に当たっては、医師の地域又は診療科間の偏在の是正等に留意しつつ、医療需要を満たすよう適切な措置を講ずること。
   エ 医療従事者の勤務環境の改善については、医療従事者の離職防止及び定着促進の観点から、関係団体の意見を十分に尊重するとともに、取組が遅れている医療機関にも必要な支援がなされるよう、都道府県に対し十分な協力を行うこと。また、いわゆるチーム医療の推進を含めた医療提供体制の抜本的改革の推進に努めること。
   オ 国民皆保険の下で行う医療事業の経営の透明性を高めるため、一定の医療法人の計算書類の公告を義務化することについて検討すること。
   カ 臨床研究における不正行為を排除し、臨床研究に対する国民の信頼を回復させるため、研究データの信頼性が確保される体制が整備されるよう、臨床研究中核病院の承認基準を定めること。
   キ 医療提供体制の政策立案から評価、見直しに至るPDCAサイクルの実効性を確保するとともに、その過程における患者、住民、保険者の参画を図ること。あわせて科学的知見に基づいた制度の設計と検証に資するため、医療政策人材の育成を推進すること。
  2 医療事故調査制度について
   ア 調査制度の対象となる医療事故が、地域及び医療機関毎に恣意的に解釈されないよう、モデル事業で明らかとなった課題を踏まえ、ガイドラインの適切な策定等を行うこと。
   イ 院内事故調査及び医療事故調査・支援センターの調査に大きな役割を果たす医療事故調査等支援団体については、地域間における事故調査の内容及び質の格差が生じないようにする観点からも、中立性・専門性が確保される仕組みの検討を行うこと。また、事故調査が中立性、透明性及び公正性を確保しつつ、迅速かつ適正に行われるよう努めること。
   ウ 医療事故調査制度の運営に要する費用については、本制度が我が国の医療の質と安全性の向上に資するものであることを踏まえ、公的費用補助等も含めその確保を図るとともに、遺族からの依頼による医療事故調査・支援センターの調査費用の負担については、遺族による申請を妨げることにならないよう最大限の配慮を行うこと。
 三、介護保険法の一部改正について
  1 介護予防訪問介護及び介護予防通所介護の地域支援事業への移行に当たっては、専門職によるサービス提供が相応しい利用者に対して、必要なサービスが担保されるガイドラインの策定を行った上で、利用者のサービス選択の意思を十分に尊重するとともに、地域間においてサービスの質や内容等に格差が生じないよう、市町村及び特別区に対し財源の確保を含めた必要な支援を行うこと。
  2 軽度の要介護者に対しては、個々の事情を勘案し、必要に応じて特別養護老人ホームへの入所が認められるよう、適切な措置を講ずること。
  3 いわゆる補足給付に際し、資産を勘案するに当たっては、不正申告が行われないよう、公平な運用の確保に向け、適切な措置を講ずること。
  4 一定以上所得者の利用者負担割合の引上げに際し、基準額を決定するに当たっては、所得に対して過大な負担とならないようにするとともに、必要なサービスの利用控えが起きないよう十分配慮すること。
  5 介護・障害福祉従事者の人材確保と処遇改善並びに労働環境の整備に当たっては、早期に検討を進め、財源を確保しつつ、幅広い職種を対象にして実施するよう努めること。
  6 介護の現場においては、要介護者個々の心身状態に応じた密度の濃い支援を適切に実施することができる有資格者による介護を行うこと。
 四、保健師助産師看護師法の一部改正について
  1 指定研修機関の基準や研修内容の策定に当たっては、医療安全上必要な医療水準を確保するため、試行事業等の結果を踏まえ、医師、歯科医師、看護師等関係者の意見を十分に尊重し、適切な検討を行うとともに、制度実施後は、特定行為の内容も含め、随時必要な見直しを実施すること。
  2 特定行為の実施に係る研修制度については、その十分な周知に努めること。また、医師又は歯科医師の指示の下に診療の補助として医行為を行える新たな職種の創設等については、関係職種の理解を得つつ検討を行うよう努めること。
 五、歯科衛生士法の一部改正について
   健康寿命延伸のために歯科衛生士が果たす役割の重要性に鑑み、歯科衛生士が歯科医師等との緊密な連携の下に適切な業務を行えるようにするとともに、歯科衛生士が活躍する就業場所についての環境の整備を図ること。
 六、看護師等の人材確保の促進に関する法律の一部改正について
   看護職員の離職者の把握に当たっては、その情報の取扱いに留意するとともに、ナースセンターを通じた復職支援が適切に実施されるよう必要な体制整備を実施すること。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(石井みどり君) ただいま津田君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(石井みどり君) 多数と認めます。よって、津田君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、田村厚生労働大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。田村厚生労働大臣。
○国務大臣(田村憲久君) ただいま決議になられました附帯決議につきましては、その趣旨を十分に尊重いたしまして努力いたす所存でございます。
○委員長(石井みどり君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(石井みどり君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後六時十五分散会