第186回国会 厚生労働委員会 第23号
平成二十六年六月十九日(木曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月十八日
    辞任         補欠選任
     堂故  茂君     木村 義雄君
 六月十九日
    辞任         補欠選任
     大沼みずほ君     島田 三郎君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         石井みどり君
    理 事
                高階恵美子君
                西田 昌司君
               三原じゅん子君
                津田弥太郎君
                長沢 広明君
    委 員
                赤石 清美君
                大家 敏志君
                大沼みずほ君
                木村 義雄君
                島田 三郎君
                島村  大君
                滝沢  求君
                武見 敬三君
                羽生田 俊君
                足立 信也君
                相原久美子君
                小西 洋之君
                西村まさみ君
                森本 真治君
                浜田 昌良君
                東   徹君
               薬師寺みちよ君
                山口 和之君
                小池  晃君
                福島みずほ君
   衆議院議員
       厚生労働委員長  後藤 茂之君
       厚生労働委員長
       代理    とかしき なおみ君
       厚生労働委員長
       代理       馳   浩君
       厚生労働委員長
       代理       泉  健太君
       厚生労働委員長
       代理       山井 和則君
       厚生労働委員長
       代理       上野ひろし君
       厚生労働委員長
       代理       江田 康幸君
       厚生労働委員長
       代理       古屋 範子君
       厚生労働委員長
       代理       高橋千鶴子君
   国務大臣
       厚生労働大臣   田村 憲久君
   大臣政務官
       文部科学大臣政
       務官       冨岡  勉君
       厚生労働大臣政
       務官       高鳥 修一君
       厚生労働大臣政
       務官       赤石 清美君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小林  仁君
   政府参考人
       内閣府大臣官房
       審議官      安田 貴彦君
       厚生労働省医政
       局長       原  徳壽君
       厚生労働省健康
       局長       佐藤 敏信君
       厚生労働省医薬
       食品局長     今別府敏雄君
       厚生労働省労働
       基準局長     中野 雅之君
       厚生労働省職業
       安定局長     岡崎 淳一君
       厚生労働省職業
       安定局雇用開発
       部長       内田 俊彦君
       厚生労働省社会
       ・援護局長    岡田 太造君
       厚生労働省社会
       ・援護局障害保
       健福祉部長    蒲原 基道君
       厚生労働省老健
       局長       原  勝則君
       厚生労働省保険
       局長       木倉 敬之君
   参考人
       全国過労死を考
       える家族の会代
       表世話人     寺西 笑子君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○社会保障及び労働問題等に関する調査
 (過労死等防止対策の推進に関する件)
○政府参考人の出席要求に関する件
○介護・障害福祉従事者の人材確保のための介護
 ・障害福祉従事者の処遇改善に関する法律案(
 衆議院提出)
○アレルギー疾患対策基本法案(衆議院提出)
○国民が受ける医療の質の向上のための医療機器
 の研究開発及び普及の促進に関する法律案(衆
 議院提出)
○過労死等防止対策推進法案(衆議院提出)
    ─────────────
○委員長(石井みどり君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、堂故茂君が委員を辞任され、その補欠として木村義雄君が選任されました。
    ─────────────
○委員長(石井みどり君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 社会保障及び労働問題等に関する調査のため、本日の委員会に全国過労死を考える家族の会代表世話人寺西笑子君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(石井みどり君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
○委員長(石井みどり君) 社会保障及び労働問題等に関する調査のうち、過労死等防止対策の推進に関する件を議題とし、参考人全国過労死を考える家族の会代表世話人寺西笑子君から御意見を聴取いたします。
 それでは、寺西参考人、お願いいたします。
○参考人(寺西笑子君) 全国過労死を考える家族の会代表世話人の寺西笑子でございます。
 この度は、参議院厚生労働委員会採決に当たり意見陳述の機会を与えてくださったことに、石井みどり委員長始め厚生労働委員会の皆様に厚く御礼申し上げます。
 私たちは、愛する家族をある日突然に、長時間過重労働やパワーハラスメントで命を奪われました。夫や妻、娘や息子など、かけがえのない大切な家族を失った遺族が悲しみを乗り越え、励まし合って支え合う家族の会をつくろうと声を上げたことから、一九八九年十一月に過労死を考える家族の会が誕生しました。以来、毎年十一月に、国へ過労死防止対策を求めて要請行動を行い、過労死のない社会を願って活動しています。
 私は、平成八年に四十九歳だった夫を過労自死で亡くしました。飲食店の店長をしていた夫は、会社の利益を守るために、サポート体制がない中、通常の店長業務に加え、他店の仕入れ管理や未経験の営業活動が加わり、年間四千時間以上の長時間過重労働を強いられたことが原因してうつ病を発症し、飛び降り自殺を図りました。会社は過労死を出した反省をしなかったため、労災認定と民事訴訟を通して、夫を自死に追い込んだ真相解明に十年以上掛かりました。私は、経験者として、過労死、過労自死の相談に応じています。
 しかし、多くの遺族は圧倒的に泣き寝入りしているのが実態です。その理由は、申請者側に立証責任があるからです。遺族は家庭内のことしか分からず、職場で何が起こっているのか知らされないため、立証が困難なのです。さらに、家族を亡くしたことによる経済的問題と労災認定基準の高い壁の問題があります。労災申請や裁判をするために必要となる時間と労力と経済力、さらに長期の精神力を持ち続けなければならないことに耐えられないのです。ある日突然に、働き過ぎで大切な家族の命を奪われ、深い悲しみと喪失感にさいなまれ、混乱状態にある遺族にとって労災申請と向かい合う負担はとても大きなものです。たとえ労災認定されたとしても、一番の望みである被災者が生き返ってくることはないために、最後には、なぜ救えなかったのかと自分を責めていることから抜け出せず、これらが立ちはだかって労災申請や裁判を諦めてしまうからです。
 国が公表する労災申請数や労災認定数は過労死の氷山の一角であります。過労死は今もなお増え続けており、相談者は絶えることはありません。運輸関係、IT業界、製造業、外食産業、公務員、医師、看護師、福祉、介護など、職場は違っていても、その背景には、真面目で責任感が強い優秀な人が長時間過重労働で心身の健康を損ない、過労に陥り、命を奪われている極めて理不尽な実態があります。
 近年、入社数か月でうつ病になり、息子さんが自死された親御さんや幼い子供を抱えた妻が悲壮な状態で相談に来られています。懸命に育てた息子や娘を亡くした親は親自身の人生までもが奪われ、乳飲み子を抱えた妻は明日からの生きていくすべさえ奪われるのです。ましてや、これからという人生を奪われた本人の無念は、いかばかりでしょうか。
 これからの日本社会を背負っていく若者が過酷な労働環境に追いやられ、優秀な人材を亡くすことは日本の未来をなくすことであります。
 私たちは、繰り返される過労死をなくしたいとの切実な思いから、過労死をなくすための対策を国にお願いしたいと切望するようになりました。この国の過労死をなくす法案を参議院厚生労働委員会全会一致で本会議に送っていただきますように心からお願い申し上げます。この日本に初めて過労死という文言の入った法律を作り、国を挙げて過労死を防ぐ対策を進めてくださるよう切にお願い申し上げます。
 また、私たちの願いを受け止めてくださった馳浩議員連盟世話人代表を始め泉健太事務局長及び超党派議員連盟の先生方にお世話になりましたことを心より感謝申し上げます。
 四半世紀続いた過労死をなくし、明日にでも過労死するかもしれない命を一人でも多く救うために、過労死防止月間を今年十一月から実施できますように、来年度よりは更に本格的な施行ができますように、この法案を今国会で必ず成立させていただきたいと切に願います。
 過労死防止法案成立後も私たちも努力する所存でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○委員長(石井みどり君) 以上で寺西参考人からの御意見の聴取は終了いたしました。
 寺西参考人には、貴重な御意見をお述べいただきまして誠にありがとうございました。
 寺西参考人は御退席いただいて結構でございます。
    ─────────────
○委員長(石井みどり君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 介護・障害福祉従事者の人材確保のための介護・障害福祉従事者の処遇改善に関する法律案、アレルギー疾患対策基本法案、国民が受ける医療の質の向上のための医療機器の研究開発及び普及の促進に関する法律案及び過労死等防止対策推進法案の四案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省社会・援護局長岡田太造君外十名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(石井みどり君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
○委員長(石井みどり君) 介護・障害福祉従事者の人材確保のための介護・障害福祉従事者の処遇改善に関する法律案、アレルギー疾患対策基本法案、国民が受ける医療の質の向上のための医療機器の研究開発及び普及の促進に関する法律案及び過労死等防止対策推進法案の四案を一括して議題といたします。
 提出者衆議院厚生労働委員長後藤茂之君から順次趣旨説明を聴取いたします。後藤茂之君。
○衆議院議員(後藤茂之君) ただいま議題となりました各案について、その提案理由及び内容を御説明申し上げます。
 まず、介護・障害福祉従事者の人材確保のための介護・障害福祉従事者の処遇改善に関する法律案について御説明申し上げます。
 本案は、高齢者等並びに障害者及び障害児が安心して暮らすことができる社会を実現するために介護・障害福祉従事者が重要な役割を担っていることに鑑み、介護又は障害福祉に関するサービスを担う優れた人材の確保を図るため、平成二十七年四月一日までに、介護・障害福祉従事者の賃金水準その他の事情を勘案し、介護・障害福祉従事者の賃金を始めとする処遇の改善に資するための施策の在り方についてその財源の確保も含め検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとするものであります。
 なお、この法律は、公布の日から施行することとしております。
 次に、アレルギー疾患対策基本法案について御説明申し上げます。
 現在、我が国では、国民の約二人に一人が何らかのアレルギー疾患に罹患しております。アレルギー疾患は、全年齢層にわたる言わば国民病であり、国を挙げた対策が求められています。
 このようなアレルギー疾患の中には、急激な症状の悪化を繰り返したり、重症化により死に至ったりするものがあり、職場、学校等のあらゆる場面で日常生活に多大な影響を及ぼしております。地域によっては、適切な医療を受けられる体制の整備が進んでおらず、情報が少ないために、適切な医療機関を選択できず、間違った民間療法で症状が悪化する場合も少なくありません。
 住んでいる地域にかかわらず、適切なアレルギー疾患医療が受けられ、職場、学校等のあらゆる場面で生活の質を高める支援が受けられる総合的なアレルギー疾患対策は喫緊の課題となっております。アレルギー疾患対策については、アレルギー疾患医療、治療法や薬の研究開発、食品に関する表示、学校におけるアレルギー疾患を有する児童への対応、森林の適正な整備、大気汚染の防止など関連する分野は多岐にわたり、省庁横断的に施策を早急に講ずる必要があります。
 本案は、このような状況に鑑み、アレルギー疾患対策を総合的に推進するものであり、その主な内容は次のとおりであります。
 第一に、アレルギー疾患対策は、アレルギー疾患の重症化の予防及び症状の軽減に資するため、アレルギー疾患対策に関する施策の総合的な実施により生活環境の改善を図ること等を基本理念として行われなければならないこと。
 第二に、国、地方公共団体、医療保険者、国民、医師その他の医療関係者及び学校等の設置者又は管理者の責務を明らかにすること。
 第三に、厚生労働大臣は、アレルギー疾患対策の総合的な推進を図るため、アレルギー疾患対策の推進に関する基本的な指針を策定しなければならないこと。また、都道府県は、当該都道府県におけるアレルギー疾患対策の推進に関する計画を策定することができること。
 第四に、国は、アレルギー疾患対策として、アレルギー疾患の重症化の予防及び症状の軽減、アレルギー疾患医療の均てん化の促進等、アレルギー疾患患者の生活の質の維持向上並びに研究の推進等の基本的施策を講ずるものとすること。また、地方公共団体は、国の施策と相まって、当該地域の実情に応じ、研究の推進等を除く基本的施策を講ずるように努めなければならないこと。
 第五に、アレルギー疾患対策の推進に関する基本的な指針の策定又は変更に当たって意見を述べる機関として、厚生労働省にアレルギー疾患対策推進協議会を置くこと。
 なお、この法律は、一部を除き、公布の日から起算して一年六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。
 次に、国民が受ける医療の質の向上のための医療機器の研究開発及び普及の促進に関する法律案について御説明申し上げます。
 近年、医学、工学等の技術の進展に伴い、より高度な医療機器が開発されてきており、国民の生命及び健康の維持増進を図る観点から、有効で安全な医療機器を国民に迅速に提供することが期待されております。しかしながら、例えば、アメリカでは使用が認められている医療機器が我が国で使用できるようになるまでの期間、いわゆるデバイスラグは直近で二十三か月となっており、その解消は喫緊の課題であります。
 また、医療機器産業は、日本の高度な製造技術等を活用し、今後、更なる成長、発展が見込める分野であり、我が国経済の活性化を図るためにも、国際競争力を有する付加価値の高い医療機器の開発を促進するための施策の整備を行う必要があります。
 本案は、このような状況に鑑み、有効で安全な医療機器の迅速な実用化等により国民が受ける医療の質の向上を図るため、医療機器の研究開発及び普及の促進に関する施策を総合的かつ計画的に推進するものであり、その主な内容は次のとおりであります。
 第一に、医療機器について、医療の水準が我が国と同等である外国において実用化される時期に遅れることなく、我が国において実用化されるようにすること等の基本理念を定めること。
 第二に、政府は、医療機器の研究開発及び普及の促進に関する施策を実施するため必要な法制上、財政上又は税制上の措置等を講じなければならないこと。
 第三に、政府は、医療機器の研究開発及び普及の促進に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、医療機器の研究開発及び普及の促進に関する基本計画を策定し、基本計画に定められた施策の目標の達成状況を調査し、その結果を公表しなければならないこと。
 第四に、国は、医療機器に関する規制の見直しを行うものとするとともに、医療機器の製造販売の承認等の迅速化のための体制の充実等、医療機器の種類の多様化に応じた品質等の確保、医療機器の適正な使用に関する情報提供体制の充実等、先進的な医療機器の研究開発の促進、医療機器の輸出等の促進に関し、必要な施策等を講ずるものとすること。
 第五に、国は、基本計画に定められた目標の達成等を図るため、関係行政機関の職員、医療機器の製造販売等を行う事業者、医療機器に関する試験又は研究の業務を行う者、医師その他の医療関係者等による協議の場を設ける等、関係者の連携協力に関し必要な措置を講ずるものとすること。
 なお、この法律は、公布の日から施行することとしております。
 次に、過労死等防止対策推進法案について御説明申し上げます。
 本案は、近年、我が国において過労死等が多発し大きな社会問題となっていること及び過労死等が、本人はもとより、その遺族又は家族のみならず社会にとっても大きな損失であることに鑑み、過労死等に関する調査研究等について定めることにより、過労死等の防止のための対策を推進しようとするもので、その主な内容は次のとおりであります。
 第一に、この法律は、過労死等の防止のための対策を推進し、もって過労死等がなく、仕事と生活を調和させ、健康で充実して働き続けることのできる社会の実現に寄与することを目的とすること。
 第二に、基本理念として、過労死等の防止のための対策は、過労死等に関する調査研究により実態を明らかにし、その成果を過労死等の効果的な防止の取組に生かすとともに、過労死等の防止の重要性について国民の自覚を促し、これに対する国民の関心と理解を深めること等により行われなければならないこと等を定めること。
 第三に、基本理念にのっとり、過労死等の防止のための対策を効果的に推進する国の責務等について定めること。また、広く過労死等の防止の重要性について自覚を促し、関心と理解を深めるため、過労死等防止啓発月間を設けること。
 第四に、政府は、過労死等の防止のための対策を効果的に推進するため、過労死等の防止のための対策に関する大綱を定め、公表しなければならないこと。また、厚生労働大臣は、関係行政機関の長と協議するとともに、過労死等防止対策推進協議会の意見を聴いて大綱の案を作成し、閣議の決定を求めなければならないこと。
 第五に、国は、過労死等に関する調査研究等を行うものとするとともに、国及び地方公共団体は、過労死等の防止の重要性についての啓発、相談体制の整備等及び民間団体の活動への支援を行うものとすること。
 第六に、厚生労働省に、大綱の案の作成に際して意見を聴くため過労死等防止対策推進協議会を設置すること。
 第七に、政府は、過労死等に関する調査研究等の結果を踏まえ、必要があると認めるときは、過労死等の防止のために必要な法制上又は財政上の措置等を講ずるものとすること。
 なお、この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。
 以上が、各案の提案理由及びその内容であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
○委員長(石井みどり君) 以上で四案の趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより四案について質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○津田弥太郎君 民主党の津田弥太郎です。
 最初に、通告しておりませんが、今日、常任委員会全てで聞くことになっておりますので、石原環境大臣の発言、最後は金目でしょという発言について、田村厚労大臣の所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(田村憲久君) 言葉が足りなかったところはあると思いますが、石原大臣本人が発言の真意について説明し、誤解を招いたことに対しておわびをしているものと承知をいたしております。
 被災地の方々の心に寄り添って、復興を最優先に取り組んでいくという安倍政権の方針に従って、私も閣僚の一人として対応してまいりたい、このように考えております。
○津田弥太郎君 そのような優等生的な発言ではなくて、けしからぬと一言言えばいいんではないかなと思うんですが。
 一方で、厚生労働省もけしからぬということで、昨日、一連の不祥事に対する処分内容が発表されたわけであります。
 冒頭、大臣に一点だけ確認をしたいと思います。二度とこのような不祥事は発生しないのか。再発防止は万全と断言できますか。
○国務大臣(田村憲久君) 大変御迷惑をお掛けをいたしましたことに本当に心からおわびを申し上げたいというふうに思います。
 事務処理等々ミスが重なったわけでございますし、そういう意味では深く我々反省をいたしております。こういうことが二度と起こらないというようにするために、チームをつくって今見直しをいろいろとさせていただいております。七月初旬には一定の方向性をお示しをさせていただきたいというふうに思っております。
 二度とこのようなことが起こらないように、更に気を引き締めて努力をしてまいりたい、このように考えております。
○津田弥太郎君 今回の一連の不祥事の問題でいうならば、例えば医療、介護の問題でいえば、十九本もの法律を一つにまとめたことにより、事務方がもう日頃のルーチンワークじゃない仕事をせざるを得なくなって、様々に穴が空いたというふうに私は承知をいたしております。今後、法案を提出される場合には、そういう事務方の体制をしっかり見ながら、やはり余りにも多くの法律を一つにまとめるようなやり方は是非避けていただきたいということを申し上げておきたいというふうに思います。
 それでは最初に、過労死防止法案に関連して質問をいたします。
 先ほど、全国過労死を考える家族の会の寺西代表世話人から大変悲痛な意見陳述がございました。遺族の願いが込められた今回の法案でございます。私、個人的には、馳さんには申し訳ないんですけど、昨年の臨時国会で提出された野党案の方がいいんじゃないかなと、馳議員も頭を振られておりますけれども、思うわけでございますけれども、全党で委員長提案という形でまとめられたことには敬意を表したいというふうに思うわけでございます。
 そこで、まず厚労省にお尋ねをしたいと思います。
 法案の第二条に「過労死等」の定義規定が置かれているわけでございますが、この規定に基づく直近の一年間における過労死の件数、それから過労死が年間の我が国の総死亡者に占める比率、これはどのような内容になっているでしょうか。
○政府参考人(中野雅之君) まず、脳・心臓疾患により死亡し、平成二十四年度に労災認定を行いました件数は百二十三件でございます。また、精神障害により自殺し、平成二十四年度に労災認定を行った件数は九十三件でございます。平成二十四年の死亡数は、人口動態統計によりますと百二十五万六千三百五十九人でございます。
 これらの統計は、調査期間等が異なり単純に比較することはできませんが、脳・心臓疾患による死亡と精神障害による自殺の労災認定件数の合計二百十六件を人口動態統計の死亡数で割りますと〇・〇二%となるところでございます。
○津田弥太郎君 今、過労死が総死亡者数に占める比率〇・〇二%、死亡原因だけでいうならば、数十倍あるいは数百倍を占める要因がほかにも複数あります。死亡順位の第一位である悪性新生物については既にがん対策基本法が平成十八年に制定をされておりますが、他の要因の多くは特段の個別法は制定されておりません。
 法案提出者の泉衆議院議員にお伺いしたいんですが、そのような状況の中でなぜ今過労死に焦点を当てた特別の法律を成立させなければならないのか、その理由について御説明ください。
○衆議院議員(泉健太君) 御質問ありがとうございます。また、御審議ありがとうございます。
 まず、今回の過労死防止の法案につきましては、やはり社会的に長く我が国の労働環境が大変悪化をしており、過労死も社会問題化しているという事情がございました。今ほど御説明のあった過労死の労災認定件数、これは二百十六件ということが挙げられましたけれども、その周辺には、例えば気分障害と言われる、厚生労働省の調査、こちらで国内でも百万人近くの方が精神障害、気分障害ということの疾患にかかられているということを始め、その他にも様々、心疾患や脳血管疾患において仕事が、就労が難しくなっておられる方というのが多数おられます。
 そういった意味では、死亡者数のみならず、こういった多くの健康を害されている方、あるいは命を落とされる方がおられるという環境に鑑みて、また国際的にもカローシという言葉そのものが英語の辞書に載るというぐらいに国際的にも日本の労働環境が大変大きな問題になっているということに鑑みての、今回の法律の制定を目指しているということでございます。
○衆議院議員(馳浩君) 昨年の五月にILOにおいても勧告が出されております。私も、友人がILOに勤務しておりまして、お話を伺いました。馳さんね、カラオケと同じようにカローシという言葉がILOにおいても非常に懸念を示されていると、そしてその勧告には立法措置も含めて対処を求めると、こういう勧告となっており、その後、超党派で議連がつくられて、その後、何としても超党派でこの問題は正面から立法府として答えを出すべきであると、こういう考え方に基づいて今回の立法に至ったものであるということをお伝えします。
○津田弥太郎君 法律の制定の必要性ということについて御説明がございました。
 この法案の第二条で、そもそも「過労死等」の定義として、脳血管疾患若しくは心臓疾患の場合についても、あるいは精神障害についても、その原因が日常生活上の行為ではなく、あくまでも業務、「業務における」ということで原因を限定しているわけですね。
 この点、過去の労災認定の状況を見ますと、不幸にして過労死が発生してしまったケースについては、まず間違いなく一日八時間、週四十時間という労働時間の大原則を大幅に超えた勤務実態が認められているわけであります。
 そこで、泉衆議院議員にお尋ねしますが、なぜ労働者はそのような労働基準法の大原則を超える労働時間の勤務をしてしまったのか、なぜ自らの健康と命を守るためにそうした業務については断固として拒否をしなかったのか、ここがポイントになるだろうと思うわけで、こういうことについての職場の実態も踏まえておられると思いますが、御答弁をお願いします。
○衆議院議員(泉健太君) ありがとうございます。
 各企業、職場、業界において様々な特徴ですとか事例があると思いますけれども、やはり会社に入ったときは誰しも一定の労働条件で働けるものだというふうに思っていると思うんですが、いざ職場に入ってみると、いわゆるパワハラ、そういったもので、非常に職場で相当きつい労働をさせられる、あるいはノルマを課される、中には職場の中でのいじめに遭うと、そういうケースもあります。そのノルマを果たさなければ、あるいはその仕事を終えなければ、会社を出てはいけない、あるいはそのまま夜泊まって勤務をしなさい、タイムカードはいついつまでに押して働き続けなさい等々、様々な事例がございます。
 そういったものが、今はブラック企業なんという言われ方もされておりますけれども、そういったところに象徴されるように、今行われているというところがあって、労働者一人一人が声を上げたくても、なかなか会社全体がそういう雰囲気である会社も含めて相談に乗ってくれる方がいなかったり、あるいはSOSを発せれられる周りの人がいなかったりということで、本人自身も抱え込んでしまって、中には自死に至るケースもあれば、本当に心疾患や精神疾患になってしまう場合もあるということであります。
○津田弥太郎君 よく分かりました。
 この現行の労働基準法、この基準法において、一日及び一週の労働時間について明確に規制が行われているわけであります。さらには、休憩時間あるいは残業等への割増し賃金の定めもしっかりされているわけです。
 そうであるにもかかわらず、現在でも残念ながら、今、泉議員が説明されましたように、いわゆるパワーハラスメントを始めとして、やはり事業者とそこに働く従業員との力関係、これが圧倒的に事業者が強いということの差があって、結果的に過労死が生じてしまうということでございます。
 そこでお尋ねをしたいんですが、現在、この労働時間規制を撤廃させるという、ホワイトカラーエグゼンプションなどの、この残業ゼロ法案とも呼ばれておりますけれども、この提案がされている状況にございます。労働基準法の規制事項を労使の自主性に委ねるというのがこの趣旨になっているわけでございます。
 私は、何というか、過労死防止をしようという今その取組を我々はやっている一方で、今度は過労死をどちらかというと進めようという法案が提案されようとしている、非常に皮肉な話ではないかなというふうに思うんですが、万が一この残業ゼロ法案のような法改正が行われた場合……(発言する者あり)残業代ゼロ、済みません、言い直します。その場合、過労死は増加していくというふうに見込まれるのかどうか、馳議員、どのように思われますでしょうか。
○衆議院議員(馳浩君) 現在、産業競争力会議においてこういった議論がなされているということは承知しておりますし、また各党においてもそれぞれのお立場があり、お考えがあるということも承知しております。
 今のお尋ねは、たらればというふうなことなので、今回の法案の提出者という立場から、そういうお尋ね方をされれば、過労死等のない社会を目指した、労働することと生活をすることの調和の取れた働き方を目指していただきたいと。
 そして、法案の中には四つの対策が書いてございますけれども、そこには当初の基本法の方にはなかった自覚を促すということも明確に明文化をさせていただいております。過労死のない社会を目指すというこの法律の趣旨にのっとった今後のやっぱり労働法制といった考え方が取られることが望ましいと、こういうふうに考えております。
○津田弥太郎君 済みません。苦しい答弁をさせてしまいました。
 どう考えても、労働基準法というのは労働時間をしっかり決めているわけですね。ホワイトカラーエグゼンプションというのは、言ってみれば、それを決めない自由な働き方という意味合いなんですが、自由な働き方というのは、短く働くこともあるかもしれないけど、物すごく長く働くということも当然あるわけでして、そこが労使関係が対等であるならばいいんですけれども、対等じゃないとすれば、それはどうしても長く働くことに引っ張られていきやすいのではないかという私は危惧を持っているわけでございまして、是非、馳議員におかれましては、そのようなことを、先ほどのホワイトカラーエグゼンプションのような法案が提案されようとしたならば、阻止の立場で頑張っていただくことを是非お願いを申し上げておきたいというふうに思います。
 最後に、介護・障害人材確保法案に関連した質問を行いたいと思います。
 今月の十日の本委員会におきまして、我が党の櫻井充議員が介護分野における離職率、この高さについて取り上げました。それに対して田村厚労大臣が答弁として、介護の離職率は平均で一七%で大変高いということであるが、実は半数ぐらいの事業所は離職率は一〇%未満なんだ、じゃ、なぜこんなに高いのかというと、実は三〇%を超える大変高い離職率の事業所が二割ある、ここが全体の足を物すごく引っ張っているんだという答弁を田村大臣がされたわけでございます。覚えていらっしゃると思います。
 私は、この離職率が三〇%を超える事業所、これ恐らく間違いなく利用者の満足度も低いと思うんです。だって、職員がころころころころ替わっていくわけですから、とてもじゃないけれども、本当に親しく、いろんな介護の自分の状況について、また人が替わればまた説明しなきゃいけない、これじゃたまらないですね、利用者もたまらないわけでございます。そして、すぐに職員がころころ退職するような事業所というのは、恐らく労働基準法上あるいは労働安全衛生法上も多分様々な労働法違反を行っている可能性が私は高いというふうに考えるんです。
 したがって、この二割の事業所に対して、これはやっぱりしっかりした対応をすることが介護職員の安定確保という点でも、あるいは介護事業所のレベルアップという点でも大変重要ではないかと思うんですが、私は、やれるとすれば、この二割のところに対して重点的に労働基準監督署の臨検を行う、これが最も効果的ではないかと思うんですが、大臣、いかがでしょう。
○国務大臣(田村憲久君) 先般の委員会で、そのまま委員がおっしゃられたような言葉じゃなかったと思いますが、その趣旨は申し上げたことを覚えております。
 これに関してですけれども、全体調査してみますと、アンケートを取ってみますと、離職をした理由というのが、三割強ぐらいは結婚でありますとか出産、育児、こういうことが理由であります。それから、二五%ぐらいのところで、その企業、法人、会社、こういうところの理念でありますとか、運営の方法といいますか取組方、こういうことに関して不満がある。さらには、人間関係でも大体二五%近くであります、まあ収入が、賃金が少ないというところもあるわけでありますが。全体で見て、労働基準法違反とは言えない、ただマネジメントをする上で、また職場環境という意味ではいろんな不満、問題があるというようなことなんだろうと思います。
 今もいろいろと、どうもこれは苦情をいただいて内容をいろいろと勘案すると労働基準法違反の疑いがあるなというところには、我々立入調査入っておるわけであります。
 社会福祉施設全体で見ますと、平成二十五年、六千五百五十三件、これ監督指導をしておるわけでありますが、労働基準法令の違反が四千八百九十四件と七四・七%違反率があるということでございまして、そのようなものに対してはしっかりと指導監督をやっていかなきゃならぬというわけでございます。
 今のお話でいいますと、例えば今言われたように離職率の高いところであって、どうもそれが労働基準法違反のおそれがあるというところには、しっかりと我々立入調査をしていくわけでございます。全般として見ますと、労働基準法違反というのもありますが、それ以外の運営の仕方に問題がありますので、これは介護労働安定センターというのがございますので、そこでいろんな雇用管理の改善でありますとか、健康の確保でありますとか、相談支援をしておったりでありますとか、さらには雇用改善、雇用管理改善、雇用環境改善、こういうものに対しての好事例等々もしっかりと周知徹底をしていくという中において、その会社もやはり離職されると困るわけでございますので、いいサービスの提供をいただけるような、そういう環境改善、こういうことにしっかりとお手伝いをさせていただくというふうな形で、今いろいろあった離職の問題、こういう問題にも対応させていただければと、このように考えております。
○津田弥太郎君 私の質問は以上で終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○委員長(石井みどり君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(石井みどり君) 速記を起こしてください。
○西村まさみ君 民主党・新緑風会の西村まさみでございます。
 まず冒頭、厚生労働省は余りに、この委員会に対してどういうおつもりでいるのか、私たちも非常に、急に決まった質疑の中で質問を考え、より良い法律にしていただきたいというお願いで質問をさせていただいているつもりです。
 今のこと、そして一連のことも含めまして、大臣、先ほど津田筆頭からのお話でも、厚生労働省としてしっかりと再発防止について取り組んでいただく御決意をいただきましたが、もう一回、もう二度とこのようなことがないということで大臣の方から一言いただけますでしょうか。
○国務大臣(田村憲久君) 今ほど来、健康局長がこちらの方に登録をしておったにもかかわらず遅れまして、委員会に大変御迷惑をお掛けをいたしました。
 冒頭、このようなことがないようにということで申し上げたわけでありますが、再三にわたってこのようなことが起こるということでございまして、改めて、私、皆様方におわびを申し上げますとともに、厳しく省内の綱紀、これを粛正するために努力をさせていただきたいというふうに思っております。
 誠に申し訳ございません。
○西村まさみ君 是非、厚生労働省、よろしくお願いをしたいと思います。
 今日これから審議をする例えば介護に関係する処遇の改善の話、アレルギー疾患の話、そして医療機器の研究開発の話、そして過労死の本当に御家族の皆様の参考人の御意見を聞いた後で、やはりこういうことになるというのは、大変厚生労働省はたるんでいるとしか言いようがないと思います。是非とも、命を守るのが我々政治家であり、また厚生労働省の大きな役目ということを是非もう一度心に入れて取り組んでいただきたいということをお願い申し上げたいと思います。
 それでは、私は、アレルギー疾患対策基本法について今日は質問させていただきたいと思っています。
 今はもう国民病と言われています花粉症であるとかアレルギー性鼻炎、そしてアレルギー性の結膜炎から突然死、ショック死というようなことまで、アレルギーというもの、これは大変身近なものになってきていると思っています。アレルギー疾患対策を積極的に進めること、これは非常に必要なことだと思っていますが、新しい法律に委ねられなければいけなかったのかどうかということは、非常に私自身としては疑問を持つところであります。
 そこで、厚生労働省の今までの取組としては、厚生科学審議会疾病部会の中でリウマチ・アレルギー対策委員会を中心に検討を実施されてきたと思っています。今までの厚生労働省のアレルギー疾患対策の対象疾患を教えてください。
○大臣政務官(赤石清美君) 私も、改めて反省をして、皆様におわび申し上げたいと思います。
 ただいまの質問でありますけれども、厚生労働省では、平成二十三年八月に厚生科学審議会疾病対策部会リウマチ・アレルギー対策委員会におきまして、アレルギー疾患対策に係る課題や今後の対策の在り方などについて議論をし、報告書を取りまとめたところであります。この報告書におきましては、アレルギー疾患を明確に定義しておりませんけれども、例示として、気管支ぜんそく、そしてアレルギー性鼻炎・花粉症、そしてアトピー性皮膚炎、それから食物アレルギーなどを列挙して、幅広く対策を講じることとしております。
 以上です。
○西村まさみ君 ありがとうございました。
 それでは、法案の提案者の皆様にお尋ねしたいと思います。この法案の定めるアレルギー疾患の定義、そして対象疾患は何か、教えてください。
○衆議院議員(江田康幸君) 西村先生は歯科医であり、また専門家でもございます。
 私の方からは、今の先生の御質問に、定義ということでございますが、その範囲についても第二条において、本法案の対象とするこのアレルギー疾患を気管支ぜんそく、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、花粉症、食物アレルギーその他アレルゲンに起因する免疫反応による人の生体に有害な局所的又は全身的反応に係る疾患であって政令で定めるものというふうに長く定義をさせていただいております。具体的に列挙しているのが、個別的には先ほど申したものでございますが、現時点においてはそれ以外の疾患は想定はできていないところでございます。
 今後、本法案による対策を推進する必要がある、そういう疾患が確認された場合に備えて、政令によりアレルギー疾患を追加できるようにしているところでございます。
○西村まさみ君 ありがとうございました。
 例えば、ぜんそくでしたら小児気管支ぜんそくとか、例えば鼻アレルギーだったら結膜炎、食物アレルギー以外にも、じんま疹とか接触性の皮膚炎ですとか、私、今提案者の先生おっしゃってくださいました歯科医師ですから、ラテックスアレルギー、いわゆるグローブによるアレルギーとか金属アレルギーとかいろいろあるんです。
 今回、政令でどのように定めるかはまだ決まっていらっしゃらないということで理解してよろしいでしょうか。
○衆議院議員(江田康幸君) 先ほども申しましたように、この具体的な六疾患以外については、今後更にこの条件に相当するものが出てきた場合にはこれを政令で追加するということでございますので、現在は政令で追加するものは今のところないということで、この六疾患に限定されるということでございます。
○西村まさみ君 それでは、施行日まではまだもう少しあると思うんですが、施行日までにその政令で定める疾患を増やすおつもりというのはありますか。
○衆議院議員(江田康幸君) 今申し上げたとおりでございますが、現時点で政令で追加するものはこの六疾患以外はない想定でございますので、施行日までにそれを策定するということは今予定はされておりません。
○西村まさみ君 それでは、是非、アレルギーというのは決してこの六疾患だけじゃないことは提案者の先生方も御承知だと思いますが、いろんなアレルギーがあります。いろんな反応があります。それで苦しんでいる患者さん、国民の皆様もたくさんいるわけですから、是非とも一日も早く政令で定める疾患の対象を増やしていただくようにお願いしたいと思います。これから一年六か月もの長き、まだ施行日まであるわけですから、その間でも是非とも御検討をお願いしたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いします。
 それから、少しそれるんですが、先ほど私ラテックスアレルギーとか金属アレルギーの話をしました。金属アレルギーというものも、これは今回の対象疾患には入っておりませんが、非常に症状が出るまでに時間が掛かる。例えば、ネックレスとか肌に身に付けるものだけではなくて、例えば時計の革のベルトをなめすときの金属イオンが付着する、そしてその場所に出るだけではなくいろんなところに出ると。
 例えば、私の分野でいう歯科では、奥歯、金属の歯を保険では入れるわけです。今回の診療報酬改定で、小臼歯の部分に係りましては、CAD・CAMという先進医療が保険収載になりました。しかし、かむことに一番必要な大臼歯の部分は、いまだ保険では金属の歯しか入れることができません。それについて、やはり私は大臼歯まで拡大するべきだと思うんですが、保険局長にお尋ねしたいと思います。
○政府参考人(木倉敬之君) お答え申し上げます。
 この春、二十六年度の診療報酬改定におきましては、これまで保険外併用を認められます先進医療として評価を進めておりましたこのCAD・CAMによります小臼歯の冠、かぶせものですね、これを保険導入したところでございます。これは、先生御指摘のように、歯科用の金属ではなくて高分子系の材料でございまして、これを用いてのコンピューターによる設計で作られるという技術でございます。この間、先進医療の中で評価を受けましたときに、小臼歯を対象としてデータを取っていただき、有効性、安全性を確認をして保険導入をするという決定がなされたものでございます。
 大臼歯の方のこの冠、かぶせものにつきましては、このCAD・CAMの冠に限らずでございますけれども、大臼歯のかむ力に耐えられるかどうかというデータがきちっとまだ評価がなされておらないという段階でございます。この重要な課題というふうに思っています、この大臼歯に対する適用の拡大、重要な課題だと思っておりますので、この有効性、安全性に関するデータをきちんと取っていただき、関係学会等の御意見も踏まえまして、これから中医協においてしっかり検討いただきたいというふうに思っておるところでございます。
○西村まさみ君 是非、金属アレルギーの患者さんは奥歯で物がかめないなんということになると、今度は全身の健康にまた違った意味で大きく関わるわけですから、前向きに早めに検討をお願いしたいと思います。
 続きまして、この対策の基本法についてちょっとお尋ねしたいんですが、国民病としてのアレルギー疾患をやはり一般的に代表するのは、今何といっても急増しているのが花粉症だと思います。
 最初は杉の花粉から始まって、今はもうありとあらゆるいろんなところからその花粉症というもの、これが、今国民の皆様の半分近くはこの花粉症による症状というものが出ていると言われているぐらいであります。是非とも、この花粉症は、決して命に関わるものではないかとは思いますが、この対策においては医療の対策以上に環境対策も大変大きな課題だと思っています。厚生労働省以外に、他省庁でもこの環境対策を進めているということはお互い理解しているところでありますが、この感染対策、疾患対策というものも第一番だと思いますけれども、学校保健に関する文科省の取組ですとか、環境対策を所管する環境省だとか、例えば林野庁だとか農水省、経産省にもわたって大きく取り組んでいかなければならないことだと思っていますが、提案者に是非お尋ねしたいのは、医療中心の今回の疾患対策の基本法とされた理由はいかがかということ、またこれからどのように広げていきたいか、お考えになっていらっしゃるかをお聞かせいただきたいと思います。
○衆議院議員(江田康幸君) 西村先生が御指摘のように、このアレルギー疾患、また対策というのは、これは医療のみならず、食品表示や森林の適正整備や大気汚染防止等々関係する分野は多岐にわたります。したがって、省庁横断的な取組が求められるということは先生の御指摘のとおりでございまして、私どももそれと同じ目的でこの基本法を出させていただいているわけでございますが、このアレルギー疾患に対する対策を定める本法案が基本法でございまして、医療分野はその大きな役割を果たすことは間違いないわけですが、医療にとどまるものではございません。
 例えば、第十五条で大気汚染の防止や森林の適正な整備など生活環境の改善に関する施策を規定しております。これは、まさにぜんそくやそして花粉症がそういう対応が必要ということであろうかと思いますし、また第十八条の二項では、医療現場と学校、職場との連携協力体制を確保して、教員や事業主等にアレルギー疾患に対する医療的、福祉的、教育的援助に関する研修の機会を確保する、こういうことを規定しておりますので、まさに先生が御指摘のように、多岐にわたるこのアレルギー疾患対策については、医療にとどまらず様々な分野についても対策を講ずることとしているところでございます。
 特に、私も強く申し上げたいわけでございますが、厚生労働省と関係省庁においては、アレルギー疾患対策において連携を取りながら省庁横断的な取組を推進していくことを大きく期待をしているところでございます。
○西村まさみ君 ありがとうございました。
 提案者の江田先生は、今まで長い国会の議員生活の中で、厚生労働省、環境省そして経産省の委員会にも御所属と聞いています。是非とも皆さんで一緒に、これは多省庁横断してやらないと、どこかの省庁だけが一生懸命取り組んでもなかなか花粉症対策というものはうまくいかないと思いますので、引き続き、是非お願いをしたいと思います。
 そこで、今ちょっと提案者の説明の中にもありました、次、今日、文科省にもおいでいただいていますのでお尋ねしたいんですが、児童生徒にやはり学校給食ということで理解はされているものの、アレルギー疾患、例えばお友達にアレルギーを持った子がいるということは理解していても、その教育というものはまだまだ足りていない。していないとは申しませんが、なかなかその教育の部分が足りていないと。毎回教育で恐縮ですが、やはり児童生徒にアレルギー疾患に対する、またアレルギーに対する教育というものを必要と感じるんですが、その辺は文科省としていかがお考えでしょうか。
○大臣政務官(冨岡勉君) ありがとうございます。西村委員の御質問にお答えしたいと思います。
 委員御指摘のように、学校教育においてもこのアレルギー疾患というのは大変重要な疾患の一つになってきております。教育については、平成二十六年三月に取りまとめた今後の例えば学校給食における食物アレルギーの対応についての中で、学校が今後取り組むべきこととして、「児童生徒の発達段階を踏まえた上で、食物アレルギーに関して、指導することが望まれる。」と提言されたりしております。したがいまして、文部科学省では、本年三月二十六日付けで各都道府県教育委員会等に通知を出したところでありますが、今後、各種会議等の場において、給食指導や保健指導等の時間を利用し、適宜、児童生徒に対してアレルギー疾患についての啓蒙をしていきたいと考えております。
 ありがとうございました。
○西村まさみ君 ありがとうございます。
 この厚生科学審議会のリウマチ・アレルギー対策委員会の報告で見ますと、全国の小児ぜんそくの患者さん、子供たちというのは、六、七歳で一三・八%、十三から十四で九・五、そして十六から十八で八・三と、年を取るというか、年齢を重ねるとだんだん減っていく傾向にあるわけですね。ですから、一年生で入ったときに、お隣の子がぜんそくで発作でもうごほごほとやっているときに、うわっとなるようなことがないようにやはりしていかないと、その環境整備というものは非常に必要だと思うんです。そのためには、学校教育というものはありとあらゆる部分に関して、分野にとって必要なことだと思いますので、アレルギーに対しては、食べること、そして生活をすること、様々な営みの中で関わってくることになると思いますから、是非ともより細かい、きめ細やかな教育というものを心掛けていただくことをお願いをしたいと思います。
 そして、この法案の第九条についてお尋ねしたいと思います。
 この第九条は、学校やそれら施設の設置者又は管理者に対し、その設置し又は管理する学校等において求められる適切な医療的又は福祉的又は教育的配慮とあるんですが、この教育的配慮とは何でしょうか。
○衆議院議員(江田康幸君) 今先生おっしゃられましたように、医療的、福祉的又は教育的配慮とは、医療面、福祉面、教育面の必要な配慮を払うということでございまして、具体的には、医療的な配慮といえば、例えば発作が発生したときに教職員の対応についてのマニュアルを作成することとか、また、学校には常備薬として、常服薬として例えばアナフィラキシーショックを抑えることのできるエピペンですね、このアドレナリン自己注射薬、こういうものを保健室に常備していくというようなことが当たるかと思います。
 福祉的配慮というのは、安心できる生活環境をつくるという観点から、例えばハウスダスト対策を行う、さらにはアトピー性皮膚炎患者が発汗時にシャワーを使えるようにしておくとか、また、食物アレルギーを有する者の学校給食とか、施設において提供される食事からアレルギー物質を除いておく除去食、こういうことが考えられるわけでございます。
 教育的な配慮というのは、食育に関しての個別指導とか、さらには、学校で動物当番がある、それを免除してあげることとか、そういうようなことが様々細かく考えられると思います。
 したがって、こういう適切な医療的、福祉的又は教育的配慮をすることは当然の義務ではないかと思っております。
○西村まさみ君 ありがとうございます。
 当然の義務だと私も思いますので、是非、当然の義務として取り計らいをしていくことを一緒に皆さんでやっていかなければいけないと思っているところです。
 済みません、今日いただいた時間が二十分で大変短くて、私はもう一つだけお尋ねしたいのは、これ、やはりまだ一年六か月の間に絶対やらなければいけないことは、地域の格差があってはならないと、これはいろんな一括法のときにも申し上げました。
 例えば、アレルギーですと、例えば先ほど言った、小児の場合だと小児科だったり、皮膚症状だったら皮膚科だったり、眼科だったり、耳鼻咽喉科だったりと、様々な医療関係者に対する指導や徹底も必要でしょうし、また地域における格差というものをないようにするためには、都道府県でしっかりとアレルギー疾患対策を医療計画の中に記載してもらわなければならないと思うんですが、今現状で都道府県ではどのぐらいか、数だけ簡単に教えていただけますでしょうか。
○大臣政務官(赤石清美君) 格差はありますけれども、現在、十三都道府県で行われております。
○西村まさみ君 四十七のうちまだ十三ということですから、これから一年六か月までの間にきちっと四十七都道府県でやっていただくということをお願いし、厚生労働大臣におかれましては、やはりこの法案を通じ、今の現状は対症療法です、皮膚だったら皮膚に塗るもの、目だったら目に目薬と、そういったものから治すということにしていくような調査、研究をしっかりと取り組んでいただきまして、アレルギー疾患で苦しんでいる皆様が、何としても一日も早く治るということを目標に病気と闘っていくことができるような施策を講じていただきますことを最後にお願いを申し上げまして、私の質問とさせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
○足立信也君 民主党の足立信也です。
 寺西さんはまだお見えで、お聞かれになっていますから、私申し上げたいんですけど、去年我々が作った過労死をこの国からなくすんだという法案に比べて相当後退していると私は思っています。
 その理由がどこにあるのかというのは、先ほど馳さんの答弁である意味分かったような気がしました。それは、日本に対する勧告を誤解しているということです。一つは、本人いなくて言うのも申し訳ないですが、馳さんはILOの勧告と言いましたが、これ国連社会規約委員会の勧告です。
 それから、その内容は二つあるんですよ。過重労働による死、そして職場における精神的嫌がらせによる自殺、この二つを問題にしていて、過重労働による死については労働時間法制をきちっと守らせるように制裁をきっちりすると、労働時間法制を守らせるということを言っているんですよ。そして、職場でのあらゆる形態の嫌がらせ、さっきパワハラの話、津田さんから出ました。これについては、防止を目的とした法令、そして規則を採用すると。これは、我が党の石橋委員も、それから私もこれ申し上げました。
 それを、何となく過労死、委員会で、彼もILOと言っていましたが、それで言われたから、何となく名前が入ったものだけ作ったと、そういう形になっているんじゃないでしょうかね。私は、物すごく後退している、それが調査研究が目的になってしまっている、この国から過労死をなくすんだという強い寺西さん始め家族の方の思い、それからそれを受け止めた国会議員で作ってきた法案の方がはるかに良かったと、私はそう思っています。
 私は、二つの法案を担当ですので、その件については私の今所見を述べさせていただきました。
 医療機器の法案について聞きます。
 提出者にお聞きしますが、この法律案の医療機器というものは、再生医療等製品は入っていないんですか。
○衆議院議員(上野ひろし君) 提案者といたしましては、本法案の医療機器に再生医療等製品が含まれるとは考えておりませんが、薬事法等の一部を改正する法律で新たに再生医療等製品という概念ができたことを踏まえて、再生医療等製品についてどのような扱いをすべきか、今後御議論いただくものと考えております。
○足立信也君 法律に定義が書いてないんですよ、この法律は。
 だから、当然、薬事法の、改正された薬事法ですよ、今は医療機器になっていますが、薬事法を改正して、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律と変えたんですね、去年。その中には、医療機器の中にはわざわざ再生医療等製品を除くと書いてあるわけですよ。ですから、このまま読むと、この法律は再生医療等製品は入らないと、そう解釈するのがそのとおりなんですよ。
 しかし、安倍総理は、再生医療等製品に物すごくこだわりありますよね。これを進めたいんだと、世界をリードしたいんだと。この法律に入っていなくていいんですか、最初から。
○衆議院議員(上野ひろし君) 再生医療等製品については、再生医療について基本法において別途定めておりまして、それも踏まえて今後取扱いについては御議論いただけるというふうに考えております。
○足立信也君 これ以上は議員立法ですから厳しくは言いませんけれども、恐らく総理が一番興味あるところはここです。これを入れなかったら意味がないと彼は考えていると思います。それだけ言っておきます。
 もう一つ、やっぱりこの法律、どうしてもない。二〇一二年のときに、これ三党を中心に、私も法案作りに参画してまいりました。そこからやっぱり国民の責務あるいは役割というのがすぽんと抜けてきているんですね、前作ったときに比べて。
 資料をそこに、皆さんにお渡しいたしました。これ介護保険法は、我々野党ですけど、与党になった後、その後も含めて、これ医療とか介護は提供する側と受ける側の共同作業ですよ。そして、それを普及するにも、今回の法案は普及と書いてある。国民がどういう役割を果たして、どういう責務を負うのか、ある意味ですね、それがないと普及しないですよ。ずっとこれ下から時系列的に書いてあるんですが、国民の責務、表現はいろいろ変えてきました、その法律にふさわしいように変えてきました、でも必ず国民の責務、役割と入れてきたんですよ。ところが、今国会提出された健康・医療戦略推進法案、これにも記載がなかった。この点、私、委員会でかなり言いました。健康・医療戦略を推進するのに国民は関係ないのという話ですよ。この法律、二年前は明らかに国民の責務、役割というものをしっかり入れておりました。それが不要と考えた理由、なぜなくしたのか。なくした内容は、どこがまずいからなくしたんですか。
○衆議院議員(とかしきなおみ君) お答えさせていただきます。
 委員おっしゃりますように、医療機器の開発研究及び普及の促進という、この中で国民の果たすべき役割というのはとても重要であるというのは十分認識しております。ということで、先ほど資料で、足立委員がお配りになられました資料を拝見させていただきますと、いろんな法案で国民の責務というのが触れられておりますけれども、今回提出させていただきました議員立法の中では、この内容につきましては、この法案の四ページの第九条と五ページの十一条を御覧になっていただければ、この中にその要素を含ませていただいております。
 例えば、治験の意義や医療機器の適正な使用に関する理解の促進を求める、こういったことに国民の理解を求めていくということで今の要件は満たされているということで、これはあえて削除したということではなくて、国民の責務を法案の中に盛り込ませていただいて、別建てにしていないということで御理解いただければと思います。
○足立信也君 そうお答えになると思っていました。
 先ほど挙げました健康・医療戦略推進法案には、「目的」、「基本理念」のところにはっきり国民の理解と関心は不可欠だ、答弁でも言っている。国民の理解と関心がなかったらこんなこと進まないんですよ。その文言は一つもないですね。
 今九条の話しましたが、「国民の理解の増進」というふうになっている。しかし、この法律は、普及の促進が入っているわけでしょう。普及するためには国民は理解して、そしてそこに積極的に取り組むであるとか、あるいはどういう役割を国民がこれに果たすのだということは極めて大事ですよ。
 先ほどお答えになっていないんですが、なぜ外したんですかと。その外した内容は何がまずくて外したんですかということにはお答えになっていないんだけど、私はこういう基本法的な、あるいは推進法は、ある意味不可欠な項目だと思います。
 菅官房長官も、国民の理解と関心は不可欠だから、表面的には出ていないんだけれども、必ずそれは盛り込んで含んで考えてあるということでおっしゃいましたが、ここから先余りきつく言ってもしようがないんですが、是非ともこれは、目的にも基本理念にもまず国民の役割、責務ということはないのと、国民の理解と関心という言葉もない。だから、少なくとも基本計画にはここは入れてくださいよ。計画にそれがないと進みませんよ。幾ら言葉で言っても、法律だけできても、それを進めるための方策がないですよ。どう対応すればいいのかという表現がないんですよ。是非そのことは魂を入れてくださいよ、どうせ法律作るんだったら。そのことについてどうですか。
○衆議院議員(とかしきなおみ君) 先生のおっしゃることはごもっともでございますし、私たちは法案の中でこれ読み込んでいただけるようにということで、こういう文言で国民の皆様の理解を得られるような形で書かせていただきましたけれども、より積極的に基本計画の中でそういったことを加味していただけるようにこれから働きかけていきたいと思います。
○足立信也君 それでは、これから基本計画を策定することになります。先ほど申し上げました薬事法を改正して、これは医薬品と医療機器の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律となりました。ここでも、当然のことながら基本計画というこれからの工程というものが書かれてあります。これと、きちっと今回のこの法律によって作られる基本計画というのが、整合性がきちっと保たれるようにこれはやらないと意味ないですからね。イノベーション五か年戦略でもあるわけですから、そういうものとの整合性をきっちり担保できるかどうか、その点について、大丈夫ですか。
 去年作った法案と整合性の持てる基本計画をきちっと作ってください、ばらばらになってはいけませんよと、これ大臣かもしれませんね。済みません、ごめんなさい。
○国務大臣(田村憲久君) 今般のこの議員立法でございますけれども、成立を見ましたら、我々といたしましても、しっかり整合性が付くようにしっかりと努力してまいりたいというふうに考えております。
○足立信也君 物すごく薬事法始まって以来の大改正を去年して、別の章立てで医療機器のところもしっかり定めた、こういう法案を作ったわけですね、皆さん一緒に作ったわけですよ。
 その後でこういう基本法的なことが出て、基本法なのに、国民の役割は一体何なんだろう、分からない。それは順番が違うし、本当に意味があるのかな。これ、私、口が悪いですから、これだと薬にも毒にもならないんじゃないかと言ったら、それは薬じゃなくて医療機器ですからと言われましたよ。そんな印象があるんです。やはり基本法と言うからには足りない部分があるし、後で出すからにはもっとはっきりさせたものじゃないといけないなということを感じています。
 機器についてはこの程度でとどめておきますが、繰り返したいのは、やはり医療や介護は提供する側だけでは駄目、促進しようと思ってもそこだけたたいても駄目なんです。受ける側の共同理解がないと駄目なんですよ。そのことを法にうたわないということはあり得ないと私は思っているし、委員長が大きくうなずいてくださっているので、そういう姿勢で我々は取り組んできたはずですよ、ここ何年間。是非それを継続していただきたいということを最後に申し上げます。
 次がアレルギーで、これは恐らく西村委員の方からかなり言われるだろうと思って割愛していきます。
 要は、基本理念は、これ生活環境の改善、そして均てん化、ADL向上のための支援、そして研究推進と、大きく四つに分けられると思うんですね。
 先ほど、省庁横断的に取り組むんだと江田さんの方からお答えになりましたが、これ、以前の法案ですと、非常に多岐にわたるので、例えば大気汚染の防止、森林の適正な整備、食品に関する表示の充実、建築構造の改善の推進、学校の教職員の研修、非常に多岐にわたるので、以前は内閣総理大臣、総務大臣、文部科学大臣、農林水産大臣、経済産業大臣、国土交通大臣、環境大臣と共同するとなっていたんですが、これだけ大きなもの、総理のリーダーシップがなくて本当に省庁横断的にできるでしょうか。
 厚生労働大臣が基本的施策を講じる、考えるときに、これだけ大きなことを背負えるでしょうか。やりますと言われたら、はい、頑張ってくださいとしか言いようがないんですが、私は実際に政府にいた経験から極めて難しいと思いますよ。そこら辺は、江田さん、どういう自信を持っているんですか。
○衆議院議員(江田康幸君) 足立先生は、医者であり、また本当に専門家であられますので、その立場からこれまでも御指導いただいてきたところでございますが、確かに平成二十三年に提出した法案には、これは内閣総理大臣を上として、各省庁の連携が実質的に取られるような形、共同でこの各省の大臣はアレルギー対策に取り組むということを明記していたところでございます。
 今回の法案では、厚生労働大臣が各省庁の大臣とこの施策において連携をしていくということにしているわけでございますけれども、しかし、その中身はかなり踏み込んでおります。
 まずは、第十一条の三項においては、厚生労働大臣は、アレルギー疾患対策基本指針を策定しようとするときは、あらかじめ関係行政機関の長に協議するということで、それぞれの、例えばアレルギー表示の問題については内閣総理大臣に、そして救急業務については総務大臣に、そして学校においては文部科学大臣に、等々の協議をすることと明確にさせていただいている。また、十二条において、必要と認めるときには、関係行政機関の長に対して、基本指針の策定のための資料の提出を要請することができる、さらには、必要があると認めるときには、ほかの府省の所管に係る実施についても必要な要請をすることができるというようなこととして明確に示しているところでございます。
 私どもも、この府省の連携というのが、アレルギー疾患対策は縦割りであってはならないと、本当に府省が連携して取り組む総合的な取組が実質的にいかなければその対応は進まないということでこういう基本法を作ってきたわけですけれども、この基本法の、現在の中においてもそのように、省庁の協議と、そして要請による実効性のあるものにしているというようなところから、実効性のあるものになると大きく期待をしているところでございます。
○足立信也君 江田さん、これから要職に就かれるでしょうから、是非頑張っていただきたいと思います。
 ところで、数か月前、WHOが発表しましたが、大気汚染、特にアジアの東側で今後一千万人死亡者が増えるんではなかろうかというのが出ていました。すぐ頭にぴんとくるのはPM二・五ですね。そうなると、それに近いことになると私も思っていますが、これ大気汚染の防止、例えば対中国、これはどのように取り組むんでしょうか。大気汚染、恐らく僕はメーンはそちらにあるのではなかろうかという気がしておりますが、お答えできれば──難しいでしょうね。私は、大きなファクターはそこにあると思いますよ、アレルギーの問題も。
 例えば、日光で、これ花粉症ですね、杉並木のところの人たちよりも今市あるいは宇都宮の人の方がはるかに罹患率高い。それは、車等を始め環境の影響ですよ。花粉だけじゃないというようなことは当然のことでありまして、私は、大気のことを考えると、日本だけでは済まない話だと、はるかにそれ以外の方が大きいと思いますので、ここも自信を持って、じゃ取り組んでいただきたいと、そのように思います。
 となると、今、アレルギー疾患、いろいろ定義の問題、西村さんがおっしゃいましたが、これはしっかり情報を把握しながら、治療がどうだったか、あるいは環境が大きいというのであれば、その人の生活歴、物すごく大事になってくる。これはデータを収集してずっと追跡するようなことをお考えなんでしょうか。そのためには、がん対策基本法に続いたように、これ、登録の義務化という法制も必要になるんでしょうか。
○衆議院議員(江田康幸君) 足立先生の御指摘は、このアレルギー疾患対策においてもこういう登録の義務化を大きく進めるべきではないかということだと思っておりますが、確かにがん登録については、これはもうアレルギーよりも大きく進んでおります。アレルギーの方が本当に遅れているわけでございますけれども、がん登録の場合には、もう既に確立した科学的知見に基づいて、がん医療等の質を向上させるために、がんの罹患、そして診療、転帰等の状況をできる限り正確に把握して調査研究に役立てるという必要があることから義務化がされていると。これも公明党も大きく推進してきたところではございます。
 アレルギー疾患対策においても、我々提案者としても、この施策を科学的知見に基づいて実施して、そしてアレルギー疾患対策、医療の質を向上させる、その必要性と、その調査研究の重要性については提出者としても認識しているところでございます。
 具体的にも、第八条において、科学的知見に基づく良質かつ適正なアレルギー疾患医療を行うことを医師の責務としていますし、また十九条で研究の推進を行うとしているところでございます。
 足立先生御指摘のような、がん登録に相当するような、アレルギー疾患対策においても実態把握をする方法を進めよとのこの御指摘については、今後の研究の推進とともに是非とも御議論をいただきたいところと思っておるところであります。
○足立信也君 まとめます。済みません。
 我が党の姿勢を示させていただきたいと思います。
 個別疾患に対する法律を作るというのは我が党は反対をしておりまして、唯一例外ががん対策基本法でした。しかし、これも、あの山本孝史さんも個別疾患の法律を作るのは反対でございました。これは、しかし、がんという、日本語のがん、平仮名のがんは、悪性新生物全体を指すから個別疾患ではない。しかも、告知の問題、救急の問題、みとりの問題等々、広い範囲を含むので、これは作ってもいいのではなかろうかということでやりました。
 なぜ個別の疾患の法律を作らないか。法律がある疾患とない疾患で区別ができるのかという話です。これからどこまで作っていくんですかと。全ての方たちは、難病の方もそうです、きちっと登録していただいて、私たちが今後どうなるかフォローしてほしい、全てそうおっしゃいます。これから、じゃ何本の個別疾患の法案を作る気持ちなんですか、そして登録法は必ず必要になるんですかというようなことは、やはり私は差別を生んでしまうと思っているし、もう尽きなくなってくる。
 私は科学者の端くれではありますが、科学にとって法規制はブレーキです。マイナスの部分もあるということをしっかり理解していただいて、今後、古屋さんには質問する機会はありませんでしたが、次、多分あると思いますので、そういう姿勢で私は臨んでいただきたいと思います。
 終わります。
○東徹君 日本維新の会・結いの党の東徹でございます。
 今日の委員会の始まりに、過労死等防止対策の推進に関する件につきまして、全国過労死を考える家族の会代表世話人の寺西笑子さんの方から参考人として意見を聞かせていただきました。
 本当に過労死を防止するために国としてしっかりと対策を進めていくのはもちろんのこと、個人個人が家族を悲しませないためにも、やっぱりしっかりと健康に気を付けていくということを、自分の健康は自分で守っていくということをしっかりとやっていかなくてはいけないなということを改めて思いました。
 時間の関係もありますので、今日、四つ法案が提案されておりますが、そのうち絞って質問させていただきたいと思います。
 まず、介護等人材確保処遇改善法案についてでありますけれども、介護職の人材確保を進めていった場合、例えば看護助手のように資格を持たずに医療機関で働いている職員の方々、介護施設が採用するなど医療機関と介護施設の間で人材の奪い合いが生じる可能性があるのではないかというふうに実感をいたしております。
 医療機関で働く看護助手の方々も、医療機関を支えていく、下支えしていく非常に大事な人材であるというふうに思っておりまして、この点についてどういうふうにお考えなのか、お聞かせいただきたいと思います。
○衆議院議員(とかしきなおみ君) お答えさせていただきます。
 今回の法案で提案させていただきましたのは、特に介護職の皆さんの、産業全体における平均賃金と比較して十万円程度、非常に介護・障害福祉従事者の方々が賃金が低いということで、その人材確保の意味、処遇改善の措置を講ずる必要があるということで今回、法案を提案させていただきました。
   〔委員長退席、理事高階恵美子君着席〕
 先生おっしゃるように、介護と医療の取り合いっこみたいな形があるのではないかという御指摘もありますけれども、ただ、この産業の中を見ますと、それよりも、ほかの産業に比べて非常に離職率が高いということと、資格を持っているのにもかかわらず、その資格を使わずに、介護・福祉分野以外のところで仕事をしてしまっている方々が非常に多いということで、実態を見ますと、医療や介護の施設の取り合いではなくて、むしろほかの産業との比較の中で問題があるのではないかと、このように考えまして、そこで、今国会の今回提案させていただきました法案の中では、なるべく人材を確保していくために処遇を良くしていきたいと、そういう思いで法案を出させていただきまして、有資格者の参入をどんどん促進していこう、あと職場の環境を良くしていこうと、そういう意味で提案をさせていただきました。
○東徹君 これも、現場からのこういった意見があるということで、是非この点につきましてもお考えいただければというふうに思っております。
 続きまして、介護等人材確保処遇改善法案についてでありますけれども、介護人材の確保を進めていくということは、本当にこれは非常に大事だということで、誰もが共通する問題意識だというふうに思っております。この法案の本則にありますように、介護従事者の処遇改善というものが求められているということで、来年の介護報酬の改定においても財源の確保が必要になってくるのではないのかなというふうに思っております。
 これまでのこの厚生労働委員会の中でも再三再四、全ての各党の方々から介護従事者の処遇改善ということをお話をされたというふうに記憶をいたしております。当然、介護従事者の処遇を改善していくということは非常に大事だというふうに思うんですが、一方、処遇の改善のためには、何といいましてもやっぱり財源の確保というものが必要になってくるわけでありますけれども、この法案では財源の確保も含めて検討を加えというふうにされているのみになっております。
 今後、消費税におきましても、今八%で、来年十月から一〇%に引上げが予定をされているという中ではありますし、また昨日成立しました医療、介護の人材確保の総合的な法律においても何かと自己負担割合が増えていくとか、そういった部分はありましたけれども、この介護保険料を引き上げていくことや自己負担を増やしていくことにつながっていくというふうに思うんですが、これは財源を確保していこうと思うとやっぱりそういったことも当然考えていかざるを得ないというふうに思うわけでありますが、これをやると、一方、国民の方からも非常に負担が重くなってくるというふうなことも当然考えられるわけでありまして、ただ、やはり介護人材を確保していく、そのためには処遇改善のために財源が必要になってくる。そこをやっぱり乗り越えていかなければならないというふうに思うわけですけれども、その介護保険の引上げや自己負担を増やしていく、このことについてどのように考えておられるのか、ここはやっぱり上げていかざるを得ないという覚悟でおられるのかどうか、それについてお聞かせいただきたいと思います。
○衆議院議員(山井和則君) 東委員の質問にお答えを申し上げます。
 この介護・障害者福祉の職員の賃金引上げについては、今まで二つの方法がございました。一つは、介護処遇改善交付金のように全額税金、公費でやっていくと。実際、これ六年前に月給を一万五千円上げました。そして、もう一つの方法は、今、東委員御指摘のように、介護報酬を来年四月からその分上げていくという、交付金でやるのか、介護報酬でやるのか、二つ方法があります。それぞれメリット、デメリットがございます。
 交付金の方は、全額税ですから自己負担アップや介護保険料アップなどに響かないというメリットがある反面、逆に公的財源がそれだけ制約されるわけですから、賃上げの上げ幅が少なくなりかねないということや、また介護現場からすると、そういう全額税金の、補正予算みたいなようなものは一年、二年、三年、何年続けられるんだという、そういう先の見通しの不安もございます。また逆に、介護報酬の方は、恒久的な財源が確保できるという反面、東委員御指摘のように、介護保険料に響く、自己負担増に響くじゃないかということもございます。
 それぞれメリット、デメリットありまして、このことに関しては、今回全ての政党の賛同でこの法案を出しているわけですけれども、各党違いはあるかとは思いますが、やはり何らかの形での負担というものをしていきながら、介護職員の賃金を引き上げていく必要があると思っております。
○東徹君 ということは、やはり税金を上げていくか、介護保険料を上げて、そしてまた自己負担も上げていくか、このどちらかをやっぱり考えていかざるを得ないということであります。それはもう本当に、御存じのように二〇二五年になれば介護人材も百万人必要だとか、そしてまた、二〇二五年になれば社会保障の費用も百五十兆円になっていくというような時代を迎えていくというようなことがやっぱり言われているわけでありまして、我々も本当に介護人材確保していかなければならないというふうに当然思いますし、そのためにはやっぱり処遇を改善していかなければならないというふうなところは本当に思うところでありますけれども、一方、財源の確保というところがやっぱり一番大事だというふうに思っておりまして、ここをしっかりと我々もやっぱりどういうふうにしていくのかということは答えを出していかなきゃならないというふうに思っております。
   〔理事高階恵美子君退席、委員長着席〕
 次に移らせていただきますが、国民が受ける医療の質の向上のための医療機器の研究開発及び普及の促進に関する法律案についてでありますが、医療の研究、審査の迅速化を図るということは、これは当然必要になってくるというふうに理解をいたしております。ただ、その後の普及促進というところが非常に、先ほども足立委員の方からもちょっと質問がありましたが、大事な課題だというふうな認識をいたしております。
 この普及促進についてですけれども、どのようにこの普及促進を図っていこうというふうに考えておられるのか、御見解をお伺いしたいと思います。
○衆議院議員(上野ひろし君) ありがとうございます。
 第七条の基本計画において、医療機器の研究開発及び普及の促進に関し政府が総合的かつ計画的に実施すべき施策について定めるということとしておりまして、この基本計画を策定するに際し、具体的な普及促進策については議論されることになるというふうに考えております。
 例えば、医療機器に関する規制の見直し、また医療機器の製造販売の承認等の迅速化のための体制の充実ということについては医療機器の迅速な実用化に資するということになるわけでありますし、また医療機器の種類の多様化に応じた品質の確保、また医療機器の適正な使用に関する情報提供体制の充実については医療機器の安全性及び有効性を確保するということになりまして、これらを通じて医療機器の普及促進に資するということになるわけであります。
 その上で、政府においても本法案で定めた国が講ずべき施策の内容を十分に踏まえ、制度の見直し、また予算の確保等々を踏まえて医療機器の普及促進に必要な施策を講じていただけるということを期待しているものでございます。
○東徹君 是非ともこの普及促進がしっかりと進むように、我々もこの法案が通った後、しっかりと見ていかなきゃならないというふうに思っております。
 続きまして、高齢者雇用安定助成金のことについてでありますけれども、ちょっと先日、報道もありまして、今日皆さんに資料をお配りさせていただいております二枚目の部分でありますが、「転職支援予算 ずさん」ということで、目標二千人が実績はたった一人だったというような記事が出ておりました。
 定年を控えた高年齢者を雇った企業にお金を出す厚生労働省の助成金で、二〇一三年度の実績が二千人の目標に対し、僅かたった一人だったということが分かった、関連事業も含め約七十億円の予算の九九%が余ったが、今年度は予算を八十四億円に増やした、成長戦略で高齢者雇用に力を入れているためだが、過大な見積りを前提としたお手盛り予算として批判を浴びそうだというような記事が出ておりました。
 ちょっと厚生労働省の方にも確認をさせていただきました。この助成金の対象である二つのコースのうち、高年齢者活用促進について、件数では平成二十五年度の見込み件数九百四十五件に対し実績はたった四十八件しかなかったと。金額でも予算額約五十四億円に対して実績は約たった四千万円だったと。また、もう一つの高年齢労働者移動支援コースについて、人数では二千二十五人に対して実績はたった一人と。金額でも予算約十二億円に対し実績は七十万円だったと。
 このような結果に終わった理由として聞きますと、計画の認定から申請までタイムラグなどがあったことであるが、このように申請に時間が掛かって実績がすぐには上がらないというふうにおっしゃるんですけれども、こんなことも当然前もって予想できるはずであります。また、実に約七十億円の昨年度の予算のうち九九%が余ったにもかかわらず、今年度の予算は八十四億円に増やしているわけですね。
 私も、この高齢者雇用というのは、非常にこれからの時代において年齢に関係なく働くことができる社会、活力ある高齢社会をつくっていくということが非常に大事だというふうに思っておりますけれども、この厚生労働省のやっていることは、一体何をやっているのかなと、こんな実績では駄目じゃないですかというふうに思うわけでありますし、またこれ、例の、これも高齢・障害・求職者雇用支援機構、JEEDに委託をしてこの結果なわけですよね。これはもうとんでもないなというふうにまた改めて実感したわけでありますけれども。
 そもそもこのやり方ですよね、お金を出して高齢者雇用を増やしていくという、このことも一体どうなのかなというふうに思うんですが、この助成金の対象である二つのコースについて仕組みがうまくいっていないということはもう明らかだというふうに思うんですが、これは事業をやっぱり見直すべきというふうに考えますが、いかがでしょうか。
○大臣政務官(高鳥修一君) 東委員にお答えをいたします。
 今委員が御指摘になられたとおりでございますが、高齢者が年齢に関わりなく意欲と能力に応じて働くことができる生涯現役社会を実現するための環境を整備し、高齢者の雇用を促進していくことは重要と考えておりまして、高年齢者雇用安定助成金は高齢者の雇用確保を図る事業主を支援するために必要な施策であると考えております。
 本助成金につきましては、平成二十五年度に新設されたものであり、支給申請までに一定の期間を要することなどから初年度における執行率は低かったところでございます。本年度におきましては、支給申請の前提となる計画申請件数が上半期で約七十件、下半期で約四百件と大きく伸びている活用促進コースにつきましての予算を上限額五百万から一千万円に増額する一方で、労働移動支援コースの予算については減額するなど、支援コースごとに必要な予算額を見直すとともに、今後とも執行状況等につきましてしっかりと把握し、予算額や内容について必要な見直しを行いながら活用促進に努めてまいりたいと考えております。
○東徹君 本当にこの予算の立て方というのがずさんというふうに指摘されていますけれども、本当、全くそのとおりじゃないのかなというふうに思います。
 この前も話をさせていただいたんですけれども、JEEDにこれ委託をしておるわけですけれども、この助成金の事業は、雇用保険法第六十二条第三項によってJEEDが入札などの手続を経ることなく実施しているわけです。これは入札なしで実施しているわけなんですよね。何で入札がないんですかと。
 これも、私も前の若年失業者の職業訓練事業のときにもお話ししましたけれども、こういうことって都道府県でやってもらったらできるじゃないですかと。今回の医療、介護の人材確保の総合法案だって、これ都道府県に毎年一千億円ぐらいの基金を、お金を出してやっていくわけですけれども、今回のことだって都道府県にやってもらえばいいわけなんだけれども、これはJEEDに委託している。しかも入札がない。
 何でこれ入札がないのかなと思うと、今日お配りしました一ページ目の資料によるんですけれども、雇用保険法の抜粋でありますけれども、これの第六十二条の三項のところに、「第一項各号に掲げる事業の一部を独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構に行わせるものとする。」と。わざわざこれは法律にJEEDにやらせると書いてあるんですね。これを見て、本当にお見事というか、やっていることは本当にすばらしいなと、本当にあきれた次第なんですけれども、法律にこれわざわざ書き込んでJEEDにやらせていく。
 これ、JEEDって本当に何か肥大化、物すごく肥大化していて、全国に組織もあって、今回の高齢者の雇用だって、目標達成、たった、二千人の目標に対して実績一人という、こんなお粗末な結果になっているわけでありまして、これちょっと、まずはこれ法改正して、このJEEDのところだけでもこれは削除しなきゃ駄目ですよ。どうですか。
○大臣政務官(高鳥修一君) お答えをいたします。
 JEED、すなわち高齢・障害・求職者雇用支援機構でありますが、高齢者が年齢に関わりなく意欲と能力に応じて働くことができるよう、高齢者の職業の安定を図ること等を目的として設置をされた機関でありまして、例えば高齢者を雇用する事業主のための作業環境や雇用管理制度の整備に関する相談援助業務を行っております。
 高年齢者雇用安定助成金は、高齢者の作業環境や雇用管理制度の整備等を行う事業主に対して助成を行うものでありまして、事業主に対する相談援助業務と助成金の支給業務を一体的に実施することで高齢者雇用がより促進されるものであることから、JEEDにおいて実施することが適当と考えております。
 一方で、支給申請までに一定の時間を要することなどの理由があるものの、初年度は実績が低調であったことは事実でありまして、今後の執行状況をしっかり把握いたしまして、事業内容や予算額について必要な見直しを行いながら、今後このような御指摘を受けることのないよう、しっかり取り組んでまいりたいと考えております。
○東徹君 全然質問に答えていないじゃないですか。削除したらどうですかと聞いているんですよ。
○国務大臣(田村憲久君) 専門性のある機関が高齢者求職者障害者機構であるということで、このような形になりました。
 実は、先般の問題のあった事業のこともいろいろと議論させていただいたときに、衆議院の方では御党の清水委員から、本来やれるところに初めからやらせるべきではないかと、こういう御意見もいただいております。どこに任せるかということ、これ大きな課題でありまして、実は今般のようなことも含めて、今どのような形でどのような方法で委託等々をすべきかということも含めて検討を我が省の中でさせていただいておるわけでございまして、全体の中において見直しをさせていただきたいと思っております。
○東徹君 何度も言っていますように、都道府県でも、私も大阪府議会におりましたから、高齢者雇用だって一生懸命やっていますよ、頑張っていますよ。これ、同じように基金、都道府県に積んであげてやったらいいわけですよ、これ。当然、これ、やるところがないなんて、そんなことありません。是非見直しをしていただきたいと思います。
 もう時間になりましたので、終わらせていただきます。ありがとうございました。
    ─────────────
○委員長(石井みどり君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、大沼みずほ君が委員を辞任され、その補欠として島田三郎君が選任されました。
    ─────────────
○山口和之君 みんなの党の山口和之でございます。
 今回は、アレルギー疾患対策基本法案と医療機器開発・普及促進法案、またもう一つ、介護・障害福祉従事者の人材確保処遇改善法案について質問させていただきます。基本法と促進法、基本的なところだと思いますので、質問も大きく三つに分けております。今まではどうで、何を目指して何が大きく変わるのか、あるいは何が大きく進むのかという観点で、基本的なことをお聞かせ願いたいと思います。
 まずは、アレルギー疾患対策基本法案ですが、アレルギー疾患の現状と今の厚労省の対策について教えていただきたい。
○政府参考人(佐藤敏信君) お答えをいたします。
 平成二十三年の八月に、厚生科学審議会の疾病対策部会リウマチ・アレルギー対策委員会というところで報告書が取りまとめられておりまして、この中でリウマチ対策とかアレルギー疾患対策に係る課題とか、今後の対策の在り方について御議論いただいております。
 この中で現状が分析をされているわけですけれども、まず第一点目は、先ほど御議論の中にもありましたように、全国民の半数以上が何らかの形でアレルギー疾患に罹患しているとされておりまして、しかも増加傾向にあるということです。二つ目は、その増加傾向の要因として、どんな疾患かというと、花粉症を含むアレルギー性鼻炎が増えているようだということです。それから、アレルギーのスタートラインの疾患であったはずですけれども、気管支ぜんそく、これにつきましては治療法の開発とかあるいは患者管理の徹底が進みまして、こういうものによる死亡については減少傾向であることなどが示されております。
 厚生労働省は、この報告書を踏まえまして、一つは、医療の提供等の確保ということで、診療ガイドラインのようなものを作成して普及をしたと。それから二つ目に、情報提供や相談体制の確保ということで、医療機関向けの相談体制の確保、ホームページによる情報提供、相談員の養成研修の実施などをしております。そして最後に、研究として、免疫アレルギー疾患等政策研究事業、それに免疫アレルギー疾患等実用化研究事業ということで実施をするなどして、今申しました医療の提供体制、情報提供、そして研究という三本柱でアレルギー疾患対策を推進してまいっているところでございます。
○山口和之君 三本柱で来ているということなんですが、発議者に質問をしたいんですけれども、現状を踏まえて何が不足で、基本法案は何を目指すのかということをお伺いしたいと思います。
○衆議院議員(江田康幸君) 様々な観点がございますけれども、このアレルギー疾患対策基本法の趣旨としまして、アレルギー疾患が、先ほども申しましたように、国民の大多数、二人に一人が罹患しているという、そういう状況の中で、さらにはこの疾患が生活環境に関わる多様な複合的な要因で発生して重症化するというようなことにも鑑みて、その対策を広範囲に講じているところでございますが、先ほども申しましたように、この対策は多岐にわたるわけでございまして、そういう省庁横断的な対策が取られなければ実効性があるものにはならないわけでありますが、そのような省庁横断的な対策が取られるようにこの基本法が規定をしているところでもございます。
 その対策としても、これまで予算制度の中でやられてきたことが多々あるわけでございますけれども、アレルギー疾患の重症化の予防や症状の軽減等においては、国民への普及啓発や教育の推進等が図られるようにこの法案として規定をしておりますし、また、アレルギー医療の均てん化ということにおいても、更に専門的な医師の育成から医療体制の整備まで取られるように、この基本法を機に、なっていくものと思われます。
 さらには、治療法の研究等が大きく進む、そういうようなところが、このアレルギー疾患基本法が、日本で初めてアレルギーに関する基本法が成立するということでもって、大きくその対策が取られていくものと思っております。
○山口和之君 ありがとうございます。
 大きく変わるところはどこなのかというところまで含めてお答えいただきました。
 厚労省だけではなく、横断的に幅広くこの法律は進めていくんだという話だったと思います。とすれば、この法案によってどのように強化されていくのか、厚労省としてはどんな見解をお持ちか、教えていただきたいと思います。
○政府参考人(佐藤敏信君) 今、江田議員からお話しいただいたことをそのまま受け止めるということになりますけれども、基本法案におきましては、厚生労働大臣が関係行政機関と連携しつつ、アレルギー疾患対策に関する基本的な指針を策定することと、こうなっておりますので、法案が成立すれば、法律、それから法律に基づく基本方針等を踏まえまして、関係各省と連携を強化して、例えば文部省でありますとか、もしかすると環境省や林野庁なんということもあるのかもしれませんけれども、そうしたところと連携を強化しながら、必要な予算を確保して、アレルギー疾患対策をこれまで以上に総合的に推進していくということになると思います。
○山口和之君 進む可能性は非常に高いというふうに評価していると思ってよろしいんだと思います。
 この疾患だけではないんですけれども、人類の問題、これは日本だけの問題ではないと思うんですけれども、世界共通の課題であるし、これは世界との協業が必要なんではないかというふうに思うんですけれども、発議者の方の御意見を伺いたいなと思います。
○衆議院議員(江田康幸君) 山口先生の大変幅広い御質問でございますので、的確ではないかもしれませんが。
 このアレルギー基本法は、研究開発の推進を大きくうたっているところでございます。アレルギー疾患は、その根本的な治療法がない、また予防においても多岐にわたる対策が必要だ、こういうようなところで、この基本法を機に大きく国内の研究は当然のことながら進んでいくものと考えられますが、しかし、先生御指摘のように、アレルギー疾患はこれは世界共通のところでございまして、今若い世代がアレルギー疾患の罹患率が大変高くなっているのは、かつての我々の世代よりもはるかに高くなっております。これは、やはり生体内の免疫反応が大きく違ってきている現代社会における現代病とも申しましょうか、そういうものでございますので、先進国においても、これから後進国においても非常に多くなる疾患でございます。
 そういうような意味においては、国際的にもこのアレルギー疾患基本法の成立を、我が国がこの成立をさせることで、この研究においても行政の対応においても大きく進むことが世界にも大きなモデルとなってまいると思いますので、国際学会や国際的な研究並びに行政の交流をもって世界にも貢献していけるものと考えております。
○山口和之君 ありがとうございます。
 世界との連携を図って、共通の課題ですし、売るとかもうけるとかという、そういうレベルの話ではなくて、共同して開発していく、あるいは研究していくということを是非入れていただきたいなと思います。
 続きまして、医療機器研究開発・普及促進法案についてお伺いしますけれども、輸入超過の現状はどうで、これまでの対策はどうかということを厚労省にお伺いしたいと思います。
○政府参考人(原徳壽君) 医療機器についての御質問でございます。
 平成二十四年において、医療機器の輸入金額が約一・二兆円であるのに対しまして、輸出金額は約〇・五兆円となっております。この中で、侵襲性が高い治療系の機器が特に大幅に輸入に依存をしていると。一方で、検査用の機器については、これは逆に輸出の方が多いという現状でございます。
 これらにつきましては、なかなか要因は様々ございますので分析は難しゅうございますけれども、特に治療機器につきましては、やはり開発に伴いまして、あるいは使用に伴いますリスクというのがどうしても出てまいりますので、そのリスクをどう調整するかというようなところ、そういうところがございます。そういう意味ではなかなか治療機器へと踏み出していただけないという現状があります。
 一方で、物づくり技術そのものは我が国に大変優れたものがございますので、そういう技術とそれから医療で必要とされるニーズと、これをいかに合わせるかと、そういうような事業をするとか、あるいは厚生労働省としては、研究開発に係る税制上の措置について御要望しております。
 そのほか、実際の開発に際しまして治験が必要になりますので、その際の治験がしっかりできるような体制の整備ということで、臨床研究中核病院等の整備、また、実際上の事業化に向けましてはその承認を取っていく必要がありますが、そのためのPMDAにおきます薬事戦略相談などの事前相談の拡充などについて対策を取ってきたところでございます。
○山口和之君 検査機器は輸出は非常に強いと。治療機器は弱いと。つまり、でも、検査機器が強いということは、体制さえ変わればその治療機器に対しても勝負できる、世界と。それだけの技術を持っているというふうに判断していいんですか。ざっくりですが。
○政府参考人(原徳壽君) 一概には申し上げられませんが、例えば先ほども申しました埋め込み型の心臓ペースメーカー、もうこれは一〇〇%輸入に頼っているわけですけれども、例えばこれを今から新たに開発しようとしますと、やはり特許がもう外国に握られているわけでありまして、そういう意味でその特許料を払ってでも開発してメリットがあるかどうか、そういう問題もありますので、なかなか、技術はあっても開発しにくいという状況は一方ではあると。ただ、そのほかにも新しい機器等も必要になってまいりますので、例えば病院と、あるいは大きな病院と、それから中小企業とで共同していろいろ開発していくなどなど、そういう工夫はしているところでございます。
○山口和之君 自分の感想ですけれども、環境さえ整えば世界と戦える、勝算はあると思っています。研究される方々が日本から出ていかない環境、世界から日本に来るような環境に変わってくると、大きく変わってくると思っています。
 さて、じゃ、不足分が何で、この法案の目的は何かというところを発議者の方にお伺いしたいと思います。
○衆議院議員(とかしきなおみ君) ありがとうございます。
 委員御指摘のように、医療機器、輸入収支は約六千九百八十億円の赤字ということで、やはりなかなか今、国際競争力がそれほど強くない状況であります。これを高めていくためには、やはりきちっと法整備を整えていくこと、そして一番の目的はやはり連携をしっかり取っていくことだと思います。
 この医療機器のメーカーさんというのは中小が非常に多くて、ばらばらに開発している、これが日本のある意味弱みでありますので、ここをなるべく集中させて連携を取らせていく、こういった法整備をしっかりしていくこと。さらに、先ほどお話がありましたように、検査期間の、こういったデバイスラグ、これをなるべく短くしていくこと。今、なかなか審査ラグは大分短くなってまいりましたけれども、申請ラグ、こちらの方が、どんどん申請してくださいということでお声掛けさせていただいておりますので、まだここの期間は短くなっておりませんけれども、今後PMDAも人員の方、どんどん増強しておりますので、こちらの審査期間も短くなると想定されますので、ここは競争力が出てくるのではないかなと、このように思います。
 環境整備をしっかりしておくこと、日本人はいろんなアイデアをたくさん持っておりますので、これを形に持っていくような雰囲気というか、周りの整備を整えていくという意味ではこの法案は非常に有効ではないかと、このように思いまして、提案をさせていただきました。
○山口和之君 資源がない国ですから、これを資源にしていくというぐらいの覚悟は必要だと思います。この法案ができることによって医療機器研究開発の取組がどのように変わっていくのか、強化されていくのか、厚労省の方の見解をお伺いしたい。
○政府参考人(原徳壽君) お答え申し上げます。
 今回の法案で、医療機器の研究開発から普及の促進を総合的かつ計画的に推進すると、こういうような理念の下に作られております。
 このことから、厚生労働省としましては、基礎研究をやっております、担当します文科省でありますとか、事業化をします経産省、関係の府省と連携しつつ、この目的である医療機器の研究開発及び普及の促進に関する施策を総合的にかつ計画的に推進していきたいと考えております。
 またさらに、ベンチャーや中小企業の参入、これなどについても支援をしていくと。また、国際的な競争力を持った医療機器の実用化について、一層支援する体制を整えていきたいと考えております。
○山口和之君 今、話に出ましたベンチャーや中小企業なんですけれども、大半が、七〇%ぐらいが中小企業だという話と、自分の周りですけれども、なかなかベンチャーで立ち上げるのが大変だ、研究するお金がないと、頭脳はあってもなかなか行けないと、もうしようがないからほかの国とくっつくかなんというぐらいの話がしょっちゅう聞こえるわけなんですね。もったいない、非常にもったいない話があって、打率が多少低くても投資してもいいんじゃないかと。銀行でお金を貸すときに、土地が担保されていて全部ないと絶対貸さないというのと何か似ていて、ここに投資していくんだというぐらいの何かあれがないと少し日本は弱いのかなと思うんですが。
 ベンチャーや中小企業が育成されにくい現状だと認識しているんですけれども、それに対する対策、先ほど少し触れられておりましたけれども、その対策、また、あと、医療機器を申請すると、途中でバージョンアップを行うとまたゼロからやらなきゃいけないとか非常に大変で、もう面倒だから医療機器申請するのをやめようとかというところも結構あって、医療機器の承認を取るのが非常に難しい。また、ちょっとでも進化するともう一回ゼロからかみたいな雰囲気があって非常に大変なんですけれども、その辺、二つ質問させていただきたいと思います。
○政府参考人(原徳壽君) 中小企業対策については、実は経産省の方で中小企業やベンチャー育成などをやっております。特に、医療機器に関しましては、医工連携の事業化推進事業ということで、先ほど言いましたが、医療からの必要なものとそれから技術、これをマッチングさせるための様々な工夫をしているところでございます。
○政府参考人(今別府敏雄君) 薬事法につきましては、昨年の臨時国会で二度改正をいただきまして、インターネットの方は先週施行になりましたが、この医療機器関連の部分につきましては十一月下旬を目指して今鋭意準備をしているところでございます。
 御指摘の医療機器のバージョンアップの関係でございますが、これは必ずしも全て承認を取り直す必要はなくて、現在でも、「製品の品質、有効性及び安全性に影響を与えるおそれのあるもの」、これは承認が必要だと、こう書いてあるんですが、この「おそれのあるもの」というのを広く解されるのではないかというおそれを業界の方が抱いておられるようでございまして、今回、この規定のおそれという文言を落として規定を明確化しようというふうに考えております。
 また、具体的に通知におきましてどういうものを対象にするのかということも、関係者と相談をして明確化をしていきたいというふうに考えております。
○山口和之君 いずれにせよ、勝算はある、この分野は非常に可能性がある分野ですので、厚労省だけの話ではなく、広げて国全体で対応していくようにお願いしたいと思います。
 介護・障害福祉従事者の人材確保について質問させていただきます。
 この法案は何を目指して、目標としているのか、発議者の方にお伺いしたいと思います。
○衆議院議員(とかしきなおみ君) お答えさせていただきます。
 介護・障害福祉従事者の方々は、産業全体の平均賃金と比較しまして十万円程度低い傾向にあります。この理由は、多分キャリアパスが十分に確立されていないということと、年数だとか経験の積み重ねが賃金に上手に反映されない、評価の尺度がはっきりしていないということが二つ目で、三つ目は事業主の雇用能力、こちらにも大きなばらつきがあったりとか、こういった環境がありまして、なかなか賃金が低い傾向が定着しているというのが現状であります。
 そのために、非常に離職者も多く、そして資格を持っているのになかなか働いてくださる方も少ないという、こういう現状でありますので、少しでもその人材を確保していこうということで処遇を少しでも良くしていきたいと、このように考えております。
 そして、処遇改善だけではなくて、いろんな形で参入を、どんどん業者の方にも入っていただけるように、更に資質の向上が図れるように、そして雇用の環境の改善をしていきたいと、このように思っておりまして、法整備をしっかり整えさせていただいて環境を整えていきたいという趣旨で今回提案をさせていただきました。
○山口和之君 ありがとうございます。
 来年の四月までということですので、具体的に何を狙っているのか、お聞きしたいと思います。
○衆議院議員(山井和則君) 山口委員にお答えを申し上げます。
 年末までに来年度の予算が決定するわけですが、三つ具体的に検討せねばなりません。まず一つは、先ほど東委員にも申し上げました、介護報酬引上げ方式でいくのか、全額税金の処遇改善交付金方式でいくのか、このどちらを選択するのかという選択、そして二番目は、じゃ幾らぐらい上げるのかということであります、そして三つ目はその財源をどうするのか。
 ちなみに、幾ら上げるのかということに関しましては、二〇〇八年四月に介護処遇改善交付金というのが今回と同様、超党派で成立をいたしました。そのときにどうであったかといいますと、翌年四月に介護報酬がアップして、約、介護は月給九千円、障害者は月給七千二百円アップいたしました。それが翌年の四月。さらに、翌年の十月からは処遇改善交付金ができまして、プラスアルファして一万五千円月給で上がる計算になりました。
 しかし、今回は財政も当時より更に厳しくなっておりますから、今申し上げましたような大幅な賃上げは難しいとは思いますけれども、こういう今物価もアップしているときでありますから、そして今回、衆議院、参議院合わせて七百二十二人全員が賛成してこの法案を通すわけですから、しっかりと賃金引上げに取り組んでいかねばと考えております。
○山口和之君 ありがとうございます。
 大臣も上げると言っていましたから、うなずいていますし、だから多分大丈夫だと思うんですけれども、大臣からもお伺いしたいと思います。
○国務大臣(田村憲久君) これ、来年度に向かっての予算要求という話になってくるわけでありますが、介護報酬改定の中においてしっかりと介護労働者の方々の処遇改善に向かって最大限努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○山口和之君 どうもありがとうございます。突然申し訳ないです。
 ただ、今までちょっといろいろお聞きしていることと、自分の意見も少し入れさせていただきたいんですが、先ほど発議者の方からもあったんですけれども、対症療法ともう一つはビジョンアプローチがあると思います。
 介護のイメージを良くするために学校に行って説明するんだ、あるいは何をするんだという話が出てくるんですけれども、介護というのはそもそもどういうもので、どういうビジョンがあって、先にあるものは何かということが明確にないとやはり対症療法的なことになって、もちろん賃金が安いのではこれは話にならないんですけれども、どういうイメージでつくっていくのかという大きなビジョンというのはやっぱり必要なんだと思います。先ほど発議者の方から話されたと思うんですけれども、例えば予防においても、あるいは自立支援介護においても、どういう社会をつくっていく、どういう役割を果たしていくんだという大きなビジョンがあった上で、賃金もしっかりとしてそこに持っていくというふうなことが必要なんではないかなと、自分はそう思います。
 是非そういったものをつくっていただいて、先ほど価値の話がありましたけれども、この分野はしっかりと価値のある分野なんだということを国民の中にしっかりと定着するような方向性を持っていっていただきたいと思います。
 ちなみに、人材確保のための技能実習制度の拡大が検討されているんですけれども、どのように発議者は考えますか、お聞きしたいんですが。
○衆議院議員(山井和則君) この技能実習制度の活用につきましては、介護については各党様々な見解があると思われます。
 しかし、一つ前提として言えますのは、今、介護施設では七割以上が認知症の高齢者になっております。その意味では、コミュニケーションが高齢者としっかり取れて質の高いサービスが日本人であろうが外国人であろうが提供できるということが前提になってくる。
 とにかく、介護の主役は高齢者でありますから、高齢者のサービスが向上するような形で様々な方法が検討されるべきと考えております。
○山口和之君 様々な方法を是非検討していただきたいと思いますが。
 EPAの介護の方々がいらっしゃるんですけれども、非常に質が高いという評価は自分の周りではございます。ある意味、どの分野を、どこをどう担うのかというのを、担う場所によってやっぱり若干違ってくるのかと思いますので、これもしっかり検討していただきたいと思います。
 ちょっと時間があるので、少し福島関連をお伺いしたいと思います。
 福島県は、今非常にハンディが、震災後、原発の問題等で大きなハンディがあるんですけれども、介護職についてちょっと自力では集められない状況なんです。もう何回か質問はしているんですけれども、大変申し訳ないけど国を挙げて応援していただきたいと。四月から四十五万円の資格取得費用の支給される制度が始まったとは思うんですけれども、効果が上がっているのか上がっていないのか、次の一手はないのかと。先ほどビジョンの話がありましたけど、これが駄目だったらこれがいけますよとかというふうにやってもらわないと、とても対応できていないと。その辺をお答え願います。
○政府参考人(岡田太造君) 相双地区を始めとした福島県内において、特に福祉・介護人材の確保は非常に困難な状況であることは承知しているところでございます。
 介護職員の確保につきましては、これまで福祉・介護人材確保緊急支援事業によって、福祉人材センターやハローワークによるマッチング強化など被災地も含めた全国の介護人材の確保に支援してきています。
 これに加えまして、平成二十六年度予算におきまして、特に人材不足が深刻化しています福島県の相双地区などにおきまして、その相双地区の介護施設で二年間従事した場合に返済が免除となる奨学金の貸与や、住まいの確保を支援する被災地における福祉人材確保事業を創設したところでございます。この事業につきましては、現在、福島県におきまして事業の実施に向けた周知活動や介護施設のニーズの把握など準備活動を行っているところでございまして、早期の本格実施に向けて、今、福島県と同様に国とも必要な連携をしながら、その実施に向けて今努力をしているところでございます。
 今後、この事業を着実に実施することによりまして、福島県の福祉・介護人材の確保に効果を上げるよう最大限の努力をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○山口和之君 四月からですからそんなに時間がたっていないんですけれども、次の一手はないんですかね。
 というのは、進んでいないじゃないか、まずは。あと、ほかの人に聞いても、ちょっと首をひねると。実際、この作戦で介護職が集まってくるか非常に疑問だという声がやっぱり出るんですけれども、次の手はあるんでしょうか。
○政府参考人(岡田太造君) 現在まだ事業が開始されておりませんので、事業に向けて福島県において今準備中だということでございますので、まずはその事業をしっかりと立ち上げるということと、その事業を最大限うまく使って努力していくことがまず取りあえず重要なことではないかというふうに考えているところでございます。
○山口和之君 もし集まらないときは、是非国を挙げて全力で応援していただきたいと思います。
 何か最近いろんな言葉が飛び交って、福島県の話が風化しつつあるような大臣の発言等々、田村大臣じゃないですよ、あります。これは、福島県民だけではなく被災地の人たちを含めて皆さん思っていることですけれども、こういうことになったら困るとずっと言い続けていたら、案の定ああいう言葉が出てくるということは、そういうことだと思います。是非とも、他人事ではなく、我が国で起きた大きな事故だということを肝に銘じていただいて、次の一手も考えていただきたいと思います。
 もう一つなんですが、被災地……
○委員長(石井みどり君) 時間を過ぎておりますので、質疑をおまとめください。
○山口和之君 心のケアなんですが、これも集まらない。正直言って、働いている人が全国に散らばっているかもしれませんけれども、これも集まる状況じゃないと。少し国を挙げて考えていただきたいと思います。
 どうもありがとうございました。
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 過労死等防止対策推進法案について、発議者に伺います。
 この法案には、過労死、過労自死の根絶をという家族あるいはお友達を亡くされた本当に多くの思いが詰まっているんではないかなと、それは先ほど寺西笑子参考人からもこの場で訴えがございました。
 発議者に、この法案の特徴を御説明いただきたいと思います。そして、過労死をなくしていくために更に強化すべき点、どういうことが考えられるのか、お聞かせください。
○衆議院議員(高橋千鶴子君) 小池委員にお答えいたします。
 御指摘のとおり、現行の法律において過労死という文言の入ったものはなく、定義なども存在しませんでした。本法案は、過労死を初めて法律上規定し、過労死はあってはならないという認識を共有すること、そのために国が必要な対策を行うことを明記したことが最も重要な成果だと考えています。
 働くことで命を落とすことなどあってはならない、この原点は使用者であれ誰でも一致できないはずはない、この思いから、家族の会、弁護団とともに超党派の議員連盟が法案をまとめてまいりました。
 本法案の特徴としては、過労死等についての調査研究の実施と、政府に対し、その結果を踏まえ、必要があると認めるときは過労死等の防止のために必要な法制上又は財政上の措置その他の措置を講ずることを義務付けたことが挙げられると思います。また、その調査研究の対象の範囲は、公務員や一人親方など、全ての勤労者を対象としていることも重要であります。
 調査研究で明らかにすべきは、過労死等の発生状況についての統計的調査、言わばマクロ的調査及び過労死等の発生原因についての労災認定事例を分析するというミクロ的調査を行う必要があります。
 例えば、今日、労災認定における精神障害の支給決定において、明らかにパワハラと思われる件、職場における嫌がらせ、いじめ等は、二〇一〇年から三百八件中三十九件、三百二十五件中四十件、四百七十五件中五十五件というように、どちらも上昇傾向にあります。パワハラが精神疾患や最悪過労自死の大きな要因であることは明らかです。家族の会の訴えからも、二十代、三十代の若さで自死や心筋梗塞などに至った背景には、長時間労働と併せて無理なノルマの押し付けや人格を傷つける嫌がらせに追い詰められていったことが分かります。
 事例研究によってこうした実態が明らかになり、白書などでその成果を報告することによって、国が取った施策との関係でも検証されていくことが期待されます。
 最後に、過労死のない社会へ具体的な対策に結び付けていくために国会としても力を尽くしてまいりたい、このように考えております。
○小池晃君 ありがとうございました。
 この法案が間もなく全会派の一致でこの委員会で可決されるということの意味は極めて大きいというふうに思っておりまして、以下厚労省に、法案を本当に生かすための、過労死をなくしていくための施策について私は聞いていきたいというふうに思うんです。
 四月のこの委員会で、固定残業代制度の問題について、過労死水準超える百時間の残業をさせながら、僅かな固定残業分以外の残業代を支払わない札幌の田井自動車の例を挙げて、実態調査、厳格な指導を求めました。
 職業安定局にお聞きしますが、この質問の四日後に都道府県労働局宛てに事務連絡文書出されました。今日お配りをしております。そこでは、企業がハローワークに提出している求人票の中に固定残業代に関する不適切な記載事例が多数あったとされていますが、どれだけの不適切事例があったのか、主な事例はどういうものか、どう対応していくのか、お答えください。
○政府参考人(岡崎淳一君) 固定残業代の問題につきましては、国会でも取り上げられたということもありましたので、ハローワークの求人につきましてもやはり調査しようということで、百件につきまして、固定残業と書いてある求人票を取り出しまして調査いたしました。そのうち百四十五の求人につきましては不適切な事例でございます。済みません、千件でございます。
 それで、具体的な事例としましては、基本給の中に入れてしまっているという一番不適切なものもございましたし、それ以外にも固定残業代と書きながら何時間分かが書いていない、あるいはそれを超えた場合にはちゃんと残業代がプラスで払われるということが明示されていない、こういったようなものがございました。
 いずれにしましても、不適切な求人票というのは適切なマッチングのためによろしくないということでありますので、全国の労働局、ハローワークにそういうことがないように適切に求人票をチェックして事業主を指導するようにということをいたしました。
○小池晃君 現在の求人票に固定残業と明記されているものだけでも不適切な事例が一五%近くあったということですから、これは極めて重大だと私は思うんです。
 しかも、前回指摘した例は、これは固定残業というふうに明記していなかったわけですから、今回のようなこの調査ではこれは出てこないはずでありまして、本格的な対策が必要だと思うんですね。
 これとは別に、固定残業代に係る労働基準法違反の調査結果も明らかになりました。これは、昨年の割増し賃金未払の違反二万四千件のうち二千四百四十九件が固定残業代制関係だったということで、違反率が六七・八%というのも驚くべきなんですが、その一割が固定残業、これ重大だと思うんですね。
 労働基準局に聞きますが、固定残業制による未払金額と未払対象の労働者はどれだけいたのか。固定残業代制がどれだけのサービス残業、未払賃金をもたらしているのか、分析はしたんでしょうか。
○政府参考人(中野雅之君) 御指摘のとおり、平成二十四年に監督した三十七条一項違反、割増し賃金不払のうち一〇%に当たる二千四百四十九件が固定残業代に係る指導を行ったものでございました。このうち、典型的な例としては、実際に行った時間外労働に対応して、一定時間を超えた部分を支払っていなかったというものでございます。
 具体的に、対象労働者数やあるいは額ということでございますが、これは個々の指導結果票を当たらないと、それを集計しなきゃ取れないものでございますので、なかなか今そこまでは分析しておりませんが、毎年、賃金不払残業の総額を一企業で合計百万円以上の事案については集計しております。これから約一〇%ということでありますから、ある程度の推計ということになりますが、その推計をすると、約十億程度、対象労働者が一万人程度というふうになるものと推計しているところでございます。
○小池晃君 十億、一万人というのはすさまじいことだと私は思うんですね。やっぱりこういったことが過労死を生み出しているわけですよね。
 局長にお伺いしますが、固定残業制というのは、これは臨時的であるべき残業を固定化するわけで、労働時間延長そのものなわけで、こんなルールでやっているところは日本以外にありますか。そして、これを好ましい制度だと厚労省は思われますか。
○政府参考人(中野雅之君) 我が国以外でこのような割増し賃金を固定額で支払うという実態が広範囲に行われている国については承知しておりません。
 我が国の法制上、固定残業代制度につきましては、それ自体が労働基準法に違反しているわけではありませんが、不適切な運用によりまして労働基準法違反が生じる場合もあると考えております。
 このため、労働基準監督機関が立入調査を行い、固定残業代制度を採用していることを把握した場合には、その運用状況をしっかりと確認するよう、本年四月に改めて指示を行ったところでございます。具体的には、労働契約締結時に基本給と各種手当の計算方法及び金額が個々の労働者に具体的に明示されているか、それから、時間外労働等の実績に基づく割増し賃金額が固定残業代を超える場合、差額を適切に支払っているかなどについてでございます。
 現在、これらの指示に基づいて確認をしっかり行っているところでありますが、今後とも、労働基準法違反が疑われる事業所については立入調査を行い、問題が認められる場合には厳しく指導を行ってまいりたいと考えております。
○小池晃君 私は、こういう制度が過労死の温床になっていると思うんです。
 これは、以前から厚労省もしっかりこの問題は認識していたと思うんです。二〇〇一年の四・六通達では、「時間外労働手当の定額払等労働時間に係る事業場の措置が、労働者の労働時間の適正な申告を阻害する要因となっていないかについて確認する」とあるわけですね、これ。もうまさに十五年前からこういう制度がやはり長時間労働、労働時間を把握できない温床になっているということを厚労省は認めて、今もなお、監督したところだけでも二千五百件近くもあったわけですよ。
 大臣、これ、四月十日の質問では、大臣は全て調査するのは難しいと私に答弁されたけれども、今回の調査で二千五百件、固定残業制の下でサービス残業代という事態が分かったわけですから、この二千五百件について調査、分析を行って、これは必要な対策を取っていくということはやるべきではないですか。
○国務大臣(田村憲久君) 固定残業代制度自体が即座に労働基準法違反になるわけではないわけでありまして、これはもう委員も御承知のとおりであります。それで固定されている部分を超えても賃金が不払であれば、そのときには労働基準法違反になるわけでありますが、そういうような形からすると、即座に全て調査するということはなかなか難しいと。今、二千五百というお話でありましたが。だから、今、先ほど来の話の中の調査で、一定程度、割増し賃金不払というような状況があって是正勧告をやっておるわけであります。
 今も局長から話がありましたが、実際問題、立入調査をしたときに、その中において固定残業代制度等を採用していると、このように判断した場合には、調査の着眼点というもの、これを示して、さらにその上でその運用状況をしっかり確認するということで対応していくということにいたしておるわけでございまして、そのような意味からいたしますれば、しっかりと立入調査した中においてそういうものがあれば、これ違反があれば当然のごとくそれに対して対応していくということでありますから、少なくとも、固定残業代制度がその中で採用しているということが分かれば、それに向かっての着眼点等々で調査をするわけでありますので、その中において一定程度分かっていくのではないか。しっかり運用されていないところに関しましてはしっかり指導してまいりたい、このように考えております。
○小池晃君 やっぱりもうちょっと危機感を持ってほしいんですよ。その上乗せの残業代を払っていればいいんだという問題じゃなくて、やっぱり固定残業というようなやり方自体が、長時間労働、本当にもう労働時間の延長を是認する制度なわけですからね。これ法律違反じゃないというけど、限りなくやっぱり労働法制の精神に反する制度ですよ。こういったことにやっぱり厳しく対応するということが私は労働行政に問われていると思うし、せっかく踏み込んでいろんな調査も始めたんだから、その材料をもっと使うべきですよ。そこを分析し対策を立てるべきだと私は思うんですね。これ、この間、この問題を何度もやってきましたけれども、更に取組を求めたい。
 それから、残業代ゼロ、先ほども議論がありました。局長にお伺いしますが、やっぱり過労死を生み出している大本にあるのが日本の長時間労働である。そういう中で、労働時間規制というのは一体何のためにやられることですか。簡潔にちょっと、全面的にやられると時間が掛かっちゃうんで、簡潔にお答えください。
○政府参考人(中野雅之君) 労働基準法上の労働時間規制の趣旨でございますが、労働者保護の観点から労働者の心身の健康とワーク・ライフ・バランスを確保することが労働時間規制の重要な目的であると考えております。
○小池晃君 極めて簡潔にお答えいただきました。
 大臣は、労働時間と切り離した働き方、つまり残業代ゼロ、この制度について合意をして、その要件として年収一千万円以上と高度な専門職に限るというわけですが、今お話があったような労働時間管理というのは、これは全ての労働者の健康を守るために必要なことであって、何か年収が幾らだからやらなくていいという話じゃないと思うんです、私。関係ないじゃないですか。年収幾らであろうとワーク・ライフ・バランスは必要なんですよ。健康は大事なんですよ。だとすれば、年収要件でこれを外すということは私は全く理解できない。
 説明していただきたいんですけど、年収の多寡と労働時間規制の必要性というのは一体どういう関係があるんですか。
○国務大臣(田村憲久君) 年収の多寡というのは、言うなれば労働契約を結ぶときにその成果、これ成果を評価する働き方でありますから、成果が過大にならないというような、そこに交渉力のあるというような部分で年収要件は掛けております。年収要件と時間という考え方ではなくて、そもそも時間で測らないそういう働き方、つまり時間で測っても意味のない働き方、そういう職種、そういうような仕事に我々は限るということで今回提案をさせていただいております。
 これから労働政策審議会で中身は具体的にお詰めをいただくと思いますが、長く働いたら成果が出るというようなものではない、そういうようなものを我々は考えておるわけでありまして、でありますから、これをもってして労働時間が過重にならない。
 もちろん、一方で、労働時間等々が過重になっちゃいけないので、そういうことはならないようにというような防止策は入れていかなきゃならぬとは思いますが、いずれにいたしましても、逆にそのワーク・ライフ・バランスが崩れるような、そのような働き方の方々は今般の対象にはならないというような考え方の下で今回提案をさせていただいておるわけであります。
○小池晃君 だから、それが分からないんですよ。何で年収が多かったらワーク・ライフ・バランス問題ないんですか、労働時間が幾ら長くても。年収が幾ら高くたってワーク・ライフ・バランスのためには労働時間規制は必要じゃないですか。その関係は一体何なんだと私聞いているんですよ。
○国務大臣(田村憲久君) いや、ですから、今回の働き方を取った方は、そもそもワーク・ライフ・バランスを取れる方々であるわけで、つまり長く働けば成果が出るというような働き方じゃない方々でありますから、その方々の発想力、構想力、いろんなものを使われると思いますが、能力を使ってちゃんとワーク・ライフ・バランスを守って成果が出る方々、そういう方々を対象にしておるというような、そういうような制度であります。
○小池晃君 今だって成果があればちゃんとそれに見合うお金は出ているんですよ。やっぱり労働時間管理なんですよ、必要なのは、全てに。それが何で年収高ければ労働時間管理が必要ないのか、今の説明では全く説明に私なっていないというふうに思います。年収高くたって自己管理はできるわけじゃないですよ、これは、大変な状況にあるわけです。しかも、高収入の人ほど過労死という事態は多く起こっているという実態もあるわけですよ。そういう中でこんなことをやってしまってはいけない。
 加えて、大臣は、残業代ゼロというと、ゼロじゃないと、込みだと、残業代込みだと言いましたよね。労働時間ではなくて成果で測る働き方だといいながら、その中に残業代が込みだ、含まれるっておかしいんじゃないですか。労働時間という概念から除外するわけだから、残業代という概念そのものはなくなるんじゃないですか。
 それでも込みというんだったら、じゃ、報酬の中のどの部分が残業代だという説明されるんですか。全く論理的におかしいですよ。論理的に説明してください。
○国務大臣(田村憲久君) 私は、裁量労働制においては残業代込みだと申し上げたわけでありますが、今回の新しい労働時間制度に関しましては私は言っておりません。調べて、議事録見ていただいても、私は残業代込みとは一切言っておりません。
 唯一言わさせていただいたのは、衆議院の方で、深夜に関してどうなんだと言われたときに、深夜に関してはそもそも深夜じゃなければ働けないような職種がありますと、そういう方の場合はそういう形態の中で言うなれば報酬というのが決まっていくんではないですかと。高橋委員の質問であったと思いますが、それは申し上げましたけれども、残業代込みということは私はたしか申し上げておらないというふうに認識いたしております。
○小池晃君 いや、私、NHKのテレビ討論に出たら、高市政調会長は残業代込みですと言いましたよ。あれ間違いですか。政調会長の込みというのは間違いなんですか、あれ。
○国務大臣(田村憲久君) 政調会長がどう申されたかは私は見ていないから分かりませんが、少なくとも、もし私が残業代込みだというような報道があるとすれば、私は残業代込みであるということは一度も申し上げた記憶がございませんので、ちょっとそれは勘違いであるんであろうというふうに思います。
○小池晃君 いや、私はこの五月三十日の高橋議員への答弁を見ると、元々入った中において報酬が決まっていると言っているわけだから、込みだと言っているじゃないですか、はっきり。これ、含まれるということだ。
 込みじゃないんだと。じゃ、込みという言葉は使わないわけですね、厚労省としては絶対に。じゃ、政調会長には込みというのは間違っていると言ってください。甘利大臣だって残業代込みと言っていますよ。閣内不一致ですね、これ。間違いだと言ってください。
 先ほどから議論してきましたが、これ、年収で労働時間法制の例外とするようなこと、世界のどの国でやっていますか。局長、お答えください。
○政府参考人(中野雅之君) 諸外国の労働時間法制、様々でございますが、労働時間規制を適用除外するやり方につきましては、管理監督者や農林業について法定して除外している場合、あるいは労働者本人の個別同意に基づいて認めるもの等ございますが、労働者の収入、給与等に基づいて認めるものとしては、時間給ではなく週、月、年当たり定額の俸給払いであって、その俸給額が週当たり四百五十五ドル以上であることを要件とする米国のホワイトカラーエグゼンプションの例がございますが、それ以外には同様の例は承知していないところでございます。
○小池晃君 年収でやっているような国はないわけです。
 過労死が増え続けています。特別条項付きの協定を結べば年間三百六十時間を超えても働かせることができるからであります。
 新しく経団連会長になった榊原定征東レ会長、彼は、具体的な要件は労使自治に委ねると明言していますが、その労使自治を掲げている経団連会長企業の東レでの労働実態はどうか、大臣、御存じですか。東レの労使協定では、一月百六十時間、年間千六百時間の時間外勤務が可能なんですよ。過労死基準をはるかに超える基準でやっているわけですよ。大臣、これが日本経団連会長の言う労使自治の実態なんです。こんなことが日本を代表する企業でまかり通っているわけですよ。私は、こんな方々に労働時間規制を外せなどと言う資格はないというふうに思います。
 こういう中で、まずやるべきことは、我が党が提案しているようなブラック企業規制法案のような、やっぱり労働時間規制をきちっと労働基準法に明記すること、インターバル規制を盛り込むこと等々の労働時間のやっぱり抜本的短縮の方向こそ必要なのであって、そんなときに労働時間規制を外す……
○委員長(石井みどり君) 時間を過ぎております。
○小池晃君 終わります。
 残業代ゼロ制度など断じて許されないということを申し上げて、過労死をなくすために力を合わせようじゃないかということを申し上げて、質問を終わります。
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 今回は四つの重要な法案に関して議員立法という形で結実させて、今日、発議者として努力をされてこられた皆さんに心から敬意を表します。そして、とりわけ過労死防止推進法については、私自身も議連のメンバーですが、馳浩さん、そして泉健太さん、取りまとめて頑張ってこられたことに心から敬意を表したいと思います。
 また、遺族の皆さんたち、弁護士、そしてそれを支援する皆さん、当事者の皆さん、どれだけ長い間、遺族としての苦しみを乗り越えて、過労死をなくすために努力をされて、長年努力をされてこられて、この日を待っていらっしゃることにも心から感謝と敬意を申し上げたいと思います。その意味では、今日、もしここで可決をされれば、日本の本当に働く人にとってエポックメーキングな日になると、私自身も大変感無量に思っております。
 まず初めに、基本理念において、百八十五回国会二八号法案では、過労死はあってはならないという基本的認識が示されていました。これは、過労死防止基本法制定実行委員会ホームページでも、一、過労死はあってはならないことを国が宣言すること、二、過労死をなくすための国、自治体、事業主の責務を明確にすること、三、国は、過労死に関する調査研究を行うとともに、総合的な対策を行うこと。一の過労死はあってはならないというのが削除されたんですが、それはなぜなんでしょうか。
○衆議院議員(馳浩君) 一つの概念があってはならないという文章が法文上ふさわしいのかどうかという観点で議論をしました。その結果、立法を求めている遺族会始め家族会の方の気持ちはよく分かると。したがって、もっと具体的に目的規定に書いた方がよりふさわしいのではないかということで、目的規定に「もって過労死等がなく、仕事と生活を調和させ、健康で充実して働き続けることのできる社会の実現に寄与する」という具体的な規定を設けたものであります。
○福島みずほ君 それでは、過労死はあってはならないということは当たり前のことで、この法案ができれば、政治の宣言として、過労死はあってはならないということだということでよろしいですね。
○衆議院議員(馳浩君) そもそもあってはならないという概念というものは私たちもよくよく理解しておりますが、法文上に表現するとして、先ほど申し上げた表現の方がよりふさわしいのではないかということであります。
○福島みずほ君 過労死等の定義を脳血管疾患、心臓疾患、精神障害を理由とする自殺、死亡などに限定したのはなぜでしょうか。
○衆議院議員(馳浩君) まずは労災認定の定義を引用することが妥当であろうと。しかしながら、初めて過労死という文言を法律に規定する以上は、過労死等というふうに表現しておりますように、労災認定では明確に疾患というふうに表現されておりまして、疾患と認定されるまでもないけれども周辺状況から見てどう考えてもこれは過労死だろうと、そして自殺に至る状況であろうと、それはまさしく今後、調査分析の上、過労死の定義として定着するものであるならばそうでありましょうが、まずは調査の対象として、そちらの方を広い概念で取った方がよいであろうということでこういう書き分けをしたものであります。
○福島みずほ君 過労による呼吸器疾患が労災認定されるケースもあります。このようなケースも過労死等に入るんでしょうか。仮に入らないとすれば、どのように対応するのでしょうか。
○衆議院議員(泉健太君) 今回の法案では、先ほど馳委員からもお話がありましたように、過労死の定義、これは脳血管疾患、そして心臓疾患、精神障害ということになっておりますので、現段階では呼吸器疾患が入らないということになります。しかし、既に裁判でも呼吸器ということで労災認定を受けているものもあります。そういったことも含めて、我々立法者としても、今後不断の見直しというか検討を図っていかなければいけないと思っておりますので、この調査研究の対象には含めてまいりたいというふうに思います。
 そういった知見をしっかりとためていって、また言ってみれば、大変難しいのは、御遺族の方や労働者本人が様々な資料を収集をして労災の申請をする、あるいは裁判をする、しかし資料を持っているのは会社側だというところが大変難しいところもありますので、そういった資料の収集等々も含めて、やりやすくできるように働きかけをしていきたいというふうに思います。
○福島みずほ君 本法案四条三項に、事業主は国及び地方公共団体が実施する過労死等の防止のための施策に協力するよう努めるものとするとあります。努力義務規定となっておりますが、不十分ではないでしょうか。また、行政の対策への協力のほかにも職場においての配慮が必要だと考えますが、具体的にどのような配慮が考えられるでしょうか。
○衆議院議員(泉健太君) やはり、ブラック企業という言葉が、先ほどもお話しさせていただきましたが、あるように、様々な企業がある中で、様々規制を考えなければいけない側面もあるかもしれませんが、しかし、この立法が初めての立法であるということ、そしてやはりなかなか民間にすぐに規制を掛けるということにはならないということで、まずは「努めるものとする。」というような書きぶりをさせていただきました。
 国、地方公共団体の実施する施策への協力については規定をさせていただきましたけれども、一方で、事業者、事業主には、そもそもでいうと労働基準法ですとか労働安全衛生法の中で労働者に対する配慮義務、これは健康や安全、そして労働条件に関する義務が具体的にありますので、改めてその周知徹底ということをさせていただくようにしたいと思います。
○福島みずほ君 二〇一二年度の労災補償状況を見ますと、精神障害の決定が千二百十七件、支給決定が四百七十五件、自殺、未遂を含むは、決定二百三件、支給決定九十三件と、いずれも過去最高となっております。
 政府の過労死、過労自殺防止の施策とその効果、総括と今後の方針を教えてください。
○政府参考人(中野雅之君) これまで厚生労働省といたしましては、過重労働による健康障害防止のため、時間外・休日労働の削減に向けた労働基準監督署における監督指導の徹底、計画付与制度の活用による年次有給休暇の取得促進、労働安全衛生法に基づく労働者の健康管理に係る措置の徹底等に取り組んできたところでございます。
 また、職場のパワーハラスメントにつきましては、職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議の提言を踏まえ、その予防、解決に向けて周知啓発を行うとともに、各企業、職場の取組支援を行っているところでございます。
 さらに、メンタルヘルス対策に関しましては、先般、本委員会でも御審議いただき、本日成立いたしました改正労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度等により、メンタルヘルス不調の未然防止を図ることとしております。
 厚生労働省といたしましては、労災補償の現状や過労死等防止対策推進法案が審議されている状況を踏まえれば、働くことによって命を失ったり、心身の健康を損なうような事態を防止することが一層強く求められていると考えております。
 このため、労働基準監督署における監督指導の徹底などによる過重労働の防止、それから職場のパワーハラスメントの予防、解決、改正労働安全衛生法等に基づくメンタルヘルス対策等にこれまでにも増して全力で取り組んでまいる所存でございます。
○福島みずほ君 本法案施行は、公布の日から六か月を超えない範囲内で政令で定める日となっておりますが、今年十一月の過労死等防止啓発月間に間に合わせるという考えはあるんでしょうか。
○国務大臣(田村憲久君) 法の施行日に関しましては、提案者の議員の皆様方やまた関係者の方々、そういう方々が大変大きな期待をお持ちであろうというふうに考えております。
 もちろん、準備状況、これを勘案しながらでありますけれども、適切に法を施行してまいりたい、このように考えております。
○福島みずほ君 十一月を月間としますので、拙速ではいけませんし、準備は大変でしょうが、今年の十一月の月間がやはりこの法案を踏まえた意義のあるものになるように心から期待をいたします。
 過労死等防止対策推進協議会の組織及び運営については政令で定めることとされております。研究者や当事者も含まれた重要な組織であり、大綱の策定作業はもちろん、その他にどのような役割を果たすことが想定されるんでしょうか。街頭啓発や全国でのシンポジウムなど国の啓発活動の計画を策定、実施したり、委員の調査派遣なども役割として入れたらいかがでしょうか。
○衆議院議員(泉健太君) 大変いい御提案をいただいたと思います。
 自殺対策のときもそうなんですが、やはり当事者なり専門家の方、現場の方がこういった協議の中に入っていただく、計画の策定に入っていただくことでより実態に近い対策を打つことができると思っておりますので、今お話しいただいたような街頭啓発、そして全国でのシンポジウムなど国の啓発活動の計画を策定する段階でしっかりと当事者の御意見を伺いたいと思いますし、また、調査研究ということでいえば、全国各地に様々な事例がありますので、そういったところにこういった協議会の委員のメンバーが調査に行くことも含めて、積極的な活動を想定をしていきたいというふうに思います。
○福島みずほ君 自殺防止対策のときに大臣政務官で、街頭でチラシまいたり月間つくったりやって、いろいろやりました。是非、厚労省、内閣府挙げてやっていただけるように、また当事者を、当事者というか、そういう皆さんの声を聞いて、活用して、そういうキャンペーンもやっていただけるよう、国会も協力しますので、是非よろしくお願いいたします。
 過労死等防止対策推進協議会設置並びに大綱策定のスケジュール感を示してください。
○衆議院議員(馳浩君) 参考までに、これまで高齢社会対策の大綱が七か月、法施行から七か月、少子化に対処するための施策の大綱が九か月、自殺対策の大綱が八か月と、こういうふうな経緯もございますので、法施行から少なくとも一年以内に、一日でも早くというふうに願っております。
○国務大臣(田村憲久君) 今お話がございました過労死等防止対策協議会でありますが、遺族の皆様方や関係者の方々、それから労使の方々、専門家の方々が入っていただくわけであります。
 それからまた、大綱の方の策定に関しましても、これ、どちらにいたしましても、もう準備段階から、法が施行する前から準備はしていけるわけでございますので、そういう準備段階の中におきまして、関係者の方々からいろいろと御意見をいただきながら、施行後しっかりと進めていけるような、そんな段取りで進めてまいりたい、このように考えております。
○福島みずほ君 過労死はあってはならないという形で準備され、大綱がきちっとしたものができ、それに基づいて全国津々浦々に過労死はあってはならないということがしみ通るように、是非よろしくお願いいたします。
 過労死等防止対策推進協議会に家族会のメンバー複数人、やっぱり当事者は入れていただきたい。これは、さっき泉健太議員がやはり当事者の意見が大事だとおっしゃってくださったんですが、いかがでしょうか。
○衆議院議員(馳浩君) 厚生労働大臣が適切に任命されるものと確信しております。
○国務大臣(田村憲久君) 二十名以内で構成されるということでありまして、今ほど来申し上げましたが、当事者の方々、関係者の方々、それから労使、さらには専門的知識を有する方々、こういう方々で構成されるわけでございまして、当然、関係者の方々は入っていただくわけでございます。法成立後、適切に対応してまいりたい、このように考えております。
○福島みずほ君 適切にということは、やっぱり複数ちゃんと入るという意味だと私は理解しますので、よろしくお願いいたします。大臣がうんと言ってくださったので──あ、違いますか。じゃ、適切に対処よろしくお願いいたします。
 大臣、一方で、内閣府の平成二十五年版自殺対策白書を見ると、勤務問題を理由とした自殺は二〇〇七年以降一貫して二千人台のまま推移をしております。勤務問題を苦にした自殺の全てが労災ではないにせよ、二つの数字に余りに隔たりがあることについてどうお考えでしょうか。
○政府参考人(中野雅之君) 御指摘の自殺対策白書における原因、動機別の自殺者数は、精神障害の発病の有無を問わない警察庁の統計を基にしておりまして、業務による精神障害を発病して自殺された方々の労災認定件数とはそもそも一致する性質のものではないと認識しております。なお、労災請求すべき人が請求しないことがないように、その意味では行政の責任でありますので、そこは最大限我々として努力してまいりたいと考えております。
 それから、本法案では、いわゆる調査研究には過労死等の定義に該当しない方についても行うこととしておりますので、その方面からの調査研究もしっかり行っていく必要があると考えております。
○福島みずほ君 実は、私は弁護士として過労死の事件を担当したことがあります。先ほど寺西笑子さんの初めの基調報告の中で、やっぱり氷山の一角だという話がありました。実際、労災認定されたりするケースは少ないというか、なかなか裁判も起こせないし、問題も提起を遺族そのものができにくい、資料も本当に会社にしかなくてとても困難であるという状況があります。このギャップを埋める努力を是非していただきたいと思いますが、どうでしょうか。
○政府参考人(中野雅之君) 労災請求がなされた場合、労働基準監督署におきまして実際に働かれた職場の状況とか、その他業務起因性について判断をして認定作業を行っていくわけでございますので、その際には、請求をされた方々の置かれている状況等にも十分配慮して、行政として取り組んでいきたいというふうに考えております。
○福島みずほ君 次に、介護・障害福祉従事者の人材確保のための法案についてお聞きをいたします。
 これもまた重要な法案で、提案をされた発議者に心から敬意を表します。介護も障害福祉従事者も極めて大事な仕事であるにもかかわらず、やっぱり給料が安いと。これをやっぱりどう変えていくのか、百八十三国会、介護従事者等の人材確保に関する特別措置法案、これは民主、社民、生活が出したものですが、二〇一三年、施行に要する経費見込みとして千八百七十億円を記載し、介護従事者一人当たり月額一万円の処遇改善を実質的に担保しておりましたが、本法案ではそのような具体的担保がありません。なぜでしょうか。また、処遇改善をどう具体的に担保されるのか、お聞かせください。
○衆議院議員(山井和則君) 福島委員にお答え申し上げます。
 確かにおっしゃいますように、平均にして約十万円ぐらい介護や障害者福祉の職員の賃金は一般の労働者に比べて低いということが言われておりますし、また重要なのは、全国二百万人の介護や障害者福祉の職員の賃金を上げるということだけではなく、それによって高齢者が幸せになる、障害者が幸せになる、またその御家族も幸せになる、やっぱり安心して暮らせる社会に日本がなるということだというふうに考えております。
 では、今回の法案は、その財源などが明確ではないということでありますが、これ与野党で様々な協議をする段階でこういう丸い法案になったわけでありますが、先ほども答弁させていただきましたが、実は六年前にも同じような経緯で検討規定が中心な介護処遇改善法が成立いたしました。
 そのときにも、こういう曖昧な検討規定の法律で本当に賃金は上がるのかという批判を受けたことがありますが、二〇〇八年の四月に法律が成立して、翌年四月には介護報酬、障害者福祉の報酬両方とも上がりまして、それによって介護は月給九千円、障害者福祉は月給七千二百円アップしました。さらに、半年遅れて十月には処遇改善交付金がスタートして、今申し上げました月給アップに加えて、月給一万五千円、さらに計算上、理論上はアップしたということになっております。
 そういう意味では、その六年前の実績があるわけですから、そして今回物価も上がる中、超党派七百二十二人の衆参国会議員全員が賛成するわけですから、私たちのその思いを込めて、来年四月には六年前のその額を目指して賃上げに取り組んでいかねばならないと考えております。
○福島みずほ君 発議者の皆さん、本当にありがとうございます。
 ところで、今日もホワイトカラーエグゼンプションの話が出ておりますが、過労死防止推進法がみんなの努力で成立しようとしている国会において、にもかかわらず、厚生労働省がホワイトカラーエグゼンプションを了承するというのは歴史に泥を塗るものだというふうに思っています。過労死をなくそうと一方で言いながら、一方で労働時間規制をなくす、年収で区切ったらどんどん下がっていきますよ、限定容認って集団的自衛権と一緒で歯止めなくなるんですから、駄目ですよ。ですから、一方で過労死防止推進法をみんなで作る、一方でホワイトカラーエグゼンプション、労働法制の規制緩和は断固これに相反するもので許せないと。これ、過労死促進法ですよ、ホワイトカラーエグゼンプション、断固反対。
 厚労省が正気に戻って反対をしっかりしてくださるよう、この過労死防止推進法の趣旨を理解して、しっかり労働者を守る省としてまた生まれ変わって頑張ってくださるよう私は申し上げ、質問を終わります。
○委員長(石井みどり君) 他に御発言もないようですから、四案に対する質疑は終局したものと認めます。
 これより四案について討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより順次四案の採決に入ります。
 まず、介護・障害福祉従事者の人材確保のための介護・障害福祉従事者の処遇改善に関する法律案の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(石井みどり君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、高階君から発言を求められておりますので、これを許します。高階恵美子君。
○高階恵美子君 私は、ただいま可決されました介護・障害福祉従事者の人材確保のための介護・障害福祉従事者の処遇改善に関する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、日本維新の会・結いの党、みんなの党、日本共産党及び社会民主党・護憲連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    介護・障害福祉従事者の人材確保のための介護・障害福祉従事者の処遇改善に関する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
 一、介護・障害福祉従事者の処遇の改善に資するための施策については、賃金の改善はもとより、キャリアパスの確立、労働環境の改善、人材の参入及び定着の促進等、人材確保のために有効な措置を含め、幅広く検討すること。
 二、介護・障害福祉従事者の賃金水準を検討するに当たっては、その処遇及び労働環境等について、正確な実態把握に努めること。
 三、今後増大する介護の需要に対応するに当たっては、介護従事者の安定的な人数の確保と併せて、人材の質の確保に努めること。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(石井みどり君) ただいま高階君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(石井みどり君) 全会一致と認めます。よって、高階君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、田村厚生労働大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。田村厚生労働大臣。
○国務大臣(田村憲久君) ただいま決議になられました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして努力いたす所存でございます。
○委員長(石井みどり君) 次に、アレルギー疾患対策基本法案の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(石井みどり君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、長沢君から発言を求められておりますので、これを許します。長沢広明君。
○長沢広明君 私は、ただいま可決されましたアレルギー疾患対策基本法案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、日本維新の会・結いの党、みんなの党、日本共産党及び社会民主党・護憲連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    アレルギー疾患対策基本法案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
 一、アレルギー疾患対策基本指針の策定に当たっては、関係行政機関が多岐にわたることから、政府を挙げてこれに取り組むとともに、アレルギー疾患対策が総合的かつ一体的に推進されるよう十分配慮すること。
 二、都道府県のアレルギー疾患対策の推進に関する計画の策定など、地方公共団体が地域の特性に応じた施策を着実に実施できるよう必要な支援を行うこと。
 三、アレルギー疾患の予防法と根治的治療法の確立を目指し、患者の実態把握に努めるとともに、効果的かつ効率的な研究推進体制を構築すること。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(石井みどり君) ただいま長沢君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(石井みどり君) 全会一致と認めます。よって、長沢君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、田村厚生労働大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。田村厚生労働大臣。
○国務大臣(田村憲久君) ただいま決議になられました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして努力いたす所存でございます。
○委員長(石井みどり君) 次に、国民が受ける医療の質の向上のための医療機器の研究開発及び普及の促進に関する法律案の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(石井みどり君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、東君から発言を求められておりますので、これを許します。東徹君。
○東徹君 私は、ただいま可決されました国民が受ける医療の質の向上のための医療機器の研究開発及び普及の促進に関する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、日本維新の会・結いの党、みんなの党及び社会民主党・護憲連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    国民が受ける医療の質の向上のための医療機器の研究開発及び普及の促進に関する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
 一、基本計画の策定等本法律案で定める事項の実施に当たっては、第百八十五回国会において成立した薬事法等の一部を改正する法律(平成二十五年法律第八十四号)との整合性を図ること。
 二、医療機器の審査ラグの解消に向けて、独立行政法人医薬品医療機器総合機構における審査体制の強化、審査の迅速化を進めるため、平成二十六年度からの第三期中期計画の着実な実行等、中長期的な観点からの取組を引き続き進めること。
 三、基本計画の策定に当たっては、国民の果たすべき役割についても定めること。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員の皆様の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(石井みどり君) ただいま東君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(石井みどり君) 多数と認めます。よって、東君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、田村厚生労働大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。田村厚生労働大臣。
○国務大臣(田村憲久君) ただいま決議になられました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして努力いたす所存でございます。
○委員長(石井みどり君) 次に、過労死等防止対策推進法案の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(石井みどり君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、津田君から発言を求められておりますので、これを許します。津田弥太郎君。
○津田弥太郎君 最後です。
 私は、ただいま可決されました過労死等防止対策推進法案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、日本維新の会・結いの党、みんなの党、日本共産党及び社会民主党・護憲連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読します。
    過労死等防止対策推進法案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
 一、過労死等の防止に当たっては、その対策が国の責務であることを踏まえ、地方公共団体、事業主その他の関係者の協力、連携の下にその推進を着実に図ること。
 二、過労死等の防止のための対策に関する大綱の策定に当たっては、過労死等防止対策推進協議会の意見を尊重し、当事者等の意見を十分反映したものとなるよう努めること。
 三、過労死等に関する調査研究等に当たっては、国民に対する啓発と正しい理解の普及を促すため、調査研究結果等について積極的な公表に努めること。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(石井みどり君) ただいま津田君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(石井みどり君) 全会一致と認めます。よって、津田君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、田村厚生労働大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。田村厚生労働大臣。
○国務大臣(田村憲久君) ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして努力いたす所存でございます。
○委員長(石井みどり君) なお、四案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(石井みどり君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時十分散会