第186回国会 経済産業委員会 第6号
平成二十六年四月三日(木曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 四月一日
    辞任         補欠選任
     浜田 和幸君     荒井 広幸君
 四月三日
    辞任         補欠選任
     増子 輝彦君     礒崎 哲史君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         大久保 勉君
    理 事
                有村 治子君
                岩井 茂樹君
                松村 祥史君
                加藤 敏幸君
                倉林 明子君
    委 員
                磯崎 仁彦君
               北川イッセイ君
                高野光二郎君
                滝波 宏文君
                宮本 周司君
                渡邉 美樹君
                礒崎 哲史君
                小林 正夫君
                直嶋 正行君
                増子 輝彦君
                杉  久武君
                谷合 正明君
                松田 公太君
                中野 正志君
                真山 勇一君
                荒井 広幸君
   国務大臣
       経済産業大臣   茂木 敏充君
   大臣政務官
       経済産業大臣政
       務官       田中 良生君
       経済産業大臣政
       務官       磯崎 仁彦君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        奥井 俊二君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       岡庭  健君
       内閣府政策統括
       官        武川 光夫君
       厚生労働省労働
       基準局労災補償
       部長       安藤よし子君
       農林水産大臣官
       房政策評価審議
       官        石田  寿君
       経済産業大臣官
       房審議官     広瀬  直君
       経済産業大臣官
       房審議官     中山 泰則君
       経済産業省貿易
       経済協力局長   横尾 英博君
       資源エネルギー
       庁電力・ガス事
       業部長      高橋 泰三君
   説明員
       会計検査院事務
       総局第五局長   藤崎 健一君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○貿易保険法の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
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○委員長(大久保勉君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 貿易保険法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官岡庭健君外七名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大久保勉君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(大久保勉君) 貿易保険法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○宮本周司君 自由民主党、宮本周司でございます。
 冒頭、この貿易保険法改正の一因ともなりましたアルジェリアの人質拘束事件で犠牲になられました方々の御冥福を改めて心からお祈り申し上げます。
 それでは、質問に入らせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 そもそも、当該貿易保険法ですが、これは昭和二十五年に制定をされました輸出信用保険法を起源としておりまして、輸出や海外展開、海外投資における戦争、内乱、また為替取引の制限など、通常の貿易保険では対象としていない、救済することができない、そういったリスクをカバーして対外取引の発展を目的として創設をされたと、このように認識をしております。加えて、今日まで様々な日本企業の御努力、また国際的な展開、国際経済環境の変化に対応し、制度を拡充若しくは充実を図るために、過去十七回にわたって改正をされてきております。
 今回、十五年ぶり、十八回目となる法改正が行われるということで上程をされておるわけでございますが、日本企業の海外事業地域における戦争、テロのリスクが増大していること、また、取引先の信用不安、取引形態や資金調達の在り方が多様化している、これを鑑みまして、この機能の見直しや国際的な事業展開を安定的に行える環境整備を目的として、改めての改正法案が上程をされているわけでございますが、ここで改めて茂木大臣に伺わせていただきたいと思います。
 今後、日本企業が海外事業展開を推進をしていくにおいて、この改正貿易保険制度の意義、また果たしていく役割についてお聞かせをいただけますでしょうか。
○国務大臣(茂木敏充君) 今後、我が国の経済の持続的な成長を実現するためには、著しい経済成長を遂げる新興国を始めとする海外の旺盛な需要、そして成長市場を獲得することが重要であります。
 日本は貿易立国でありますが、今後は同時に産業投資立国、海外に直接投資を行って、そこの収益をまた日本に戻して、それが新たな投資を国内でも生む、こういった貿易立国と産業投資立国、双発型のエンジンを持つ新たな成長、こういったものを目指していくことが極めて重要だと、こんなふうに考えておりますが、そういった中で、今委員から御指摘がありましたように、国際環境であったりとか企業のグローバルな活動も大きく変化をしております。
 その一つは、昨年一月にアルジェリアで発生したテロ事件に見られるように、近年、日本企業が海外で事業を行う際に直面するリスクが増大をしているということであります。また、企業活動がグローバル化をするということで、海外の子会社を活用した取引であったりとか、また外貨建てでの資金調達、こういった形で、取引形態とか資金調達方法、これも多様化が進んでおります。さらに、委員は御専門でありますけれど、地域の中小企業・小規模事業者においても今後海外展開を図る、こういう大きな動きが今起こりつつあるわけであります。
 こういった中で、なかなか民間の保険、そういった大きなリスク等々をカバーすることができないということで、適切な民間保険の存在というのが少ないわけでありまして、このような状況に対応できるように、貿易保険、これの機能を拡充する必要があるということから、今回、貿易保険法の改正案、提出をさせていただいた次第であります。
 日本の成長、そのためにも国際展開を進める、極めて重要でありまして、この国際展開をしっかりと制度的にも後押しする意味でも、貿易保険の機能、拡充していきたいと考えております。
○宮本周司君 ありがとうございます。
 では、関連で、田中大臣政務官の方にも伺わせていただきます。
 今回のこの改正案は、日本再興戦略におけるインフラシステムの輸出戦略、これを実現するためのものとも認識をしております。ただ、同じくこの日本再興戦略におきましては、今ほど茂木大臣にも言及いただきました、中小企業・小規模企業者の革新として、今後五年間で新たに一万社の海外展開を実現する、このことも掲げられているわけでございますが、これまでに拡充をされてまいりました貿易保険制度が、この事業推進をどのようにサポートし、またどのように作用をしていくと思われるか、是非、政務官の御所見をお聞かせください。
○大臣政務官(田中良生君) 宮本議員にお答えいたします。
 この貿易保険制度は、そもそも民間の保険では引き受けられない、対外取引を行う、そうしたものが戦争ですとかテロ等の発生によって被る損失を填補する制度であります。大企業のみならず、我が国の中小企業の国際展開においては必要不可欠なものと考えます。
 事実、この日本貿易保険の運営については、貿易保険の加入者の半数が中小企業であります。さらに、この中小企業に対する貿易保険の利用を促進していくために、中小企業向けに手続等を簡素化した商品、こうしたものも提供してまいります。また、地銀と提携いたしまして、地方の中小企業に貿易保険の販売委託を行う等の、そうした取組も行っているところです。
 また加えて、今回のこの法改正におきましては、地域の中小企業の貿易保険の普及という、そうした観点からも、日本貿易保険の引受能力及び民間の損害保険の全国的な販売網という両者の長所、これを合わせていくことが効果的かつ有効的に促進されるものと考えられます。このために、この日本貿易保険が民間の損害保険会社の対外取引向けの保険に再保険を付けることができるようにするという措置であります。この民間の損害保険会社がより充実した対外取引向けの保険を提供できるようにしたということであります。
 なお、宮本議員、今御指摘いただきましたが、日本再興戦略におきましては、中小企業の国際展開、支援、これを強化すると。そして、今後五年間で新たに一万社の海外展開、これを実現することがしっかりと盛り込まれております。今回の講ずる措置は、中小企業の国際展開においては更なる促進に資することができるものと期待するものであります。
○宮本周司君 ありがとうございます。
 続きまして、今回のこの改正案で、戦争、テロに係るリスクへの対応といたしまして、事業中断により負担が発生する人件費であったり、若しくは貨物保管費等の追加費用、これを貿易保険の対象とするという措置が盛り込まれております。ただ、この場合に、天災であったり自然災害、若しくはそれに起因する暴動又は伝染病等のそういったものが要因となった場合に、同じ事象が起こった場合も対象となるのでしょうか。このことに関しまして、貿易経済協力局の横尾局長に是非お答えをいただけたらと思います。
○政府参考人(横尾英博君) 日本企業が海外でプラント建設を行う際にテロや戦争などによって事業が中断された場合に、今委員御指摘のように、当該企業が被る人件費や貨物保管費などの追加費用を新たに貿易保険の対象とするわけでございますが、この対象はテロや戦争などによるものに限定をいたしまして、今委員から御指摘のありました自然災害又はそれに起因する暴動、伝染病等の要因によるものは、これは民間保険会社が主に対象とする分野でございますので、貿易保険では対象としないこととしてございます。
○宮本周司君 ありがとうございます。
 今までいろいろな御説明をいただきましたので、改めて第十八回目となるこの改正案、こちらの方が非常に今後の日本企業の海外展開若しくは国際競争力を支える重要な基盤であると、こういったことを改めて強く認識させていただきました。
 さて、今の御答弁の内容にもちょっと関わるんですが、元々、この輸出取引における不可抗力的な事態の発生に備えて、民間の保険では負い切れないリスクをこの当該貿易保険で引き受けてきた、そのように認識をしております。
 今回の法改正におきましては、当該保険引受け等の実務を行っておりますNEXI、日本貿易保険ですね、こちらによります再保険の提供先の拡充、この内容も盛り込まれていると。これまではどちらかというと海外の方での事業は盛り込まれておりましたが、今回国内の方も盛り込まれるというふうに私は認識をいたしました。
 これまで、国内に関しましては一般の民間の損保企業が対応をしてきた。今回NEXIがこの機能若しくは提供先を拡充することによりまして、一部では、これが民業の圧迫につながるんじゃないか、このような懸念もあると伺っております。このことに関しまして、是非経済産業省の見解をお聞かせいただきたいと思います。
○大臣政務官(田中良生君) 今回のこの改正においては、日本貿易保険が新たに提供できるようになる再保険の対象というのは対外取引に関する保険とすることとしております。この対外取引に関する保険については、国内の民間損害保険会社におきまして、日本企業の輸出取引先に対する債権が回収できない、このリスクをカバーする保険として提供している場合があります。その場合は、保険期間が短期で、また、かつ引受金額が少額であるということが通常であるということであります。
 今回、この日本貿易保険が、民間の損害会社の対外取引に関する保険の再保険、これを引き受けられるようにすることによって、民間の損害保険会社がより充実した保険サービスの提供を可能とするというのが本措置が講じる趣旨であります。民間の損害保険会社の事業の、ですから、圧迫にはならないものと考えます。
 損害保険業界からも、日本貿易保険に再保険を引き受けてもらいたいという、こうした要望もあります。よって、今回の措置はその要望を実現するものでもあります。なお、火災保険ですとか海上保険などの物的損害、これを填補する保険の分野は、やはり従前から民間の損害保険会社が主たる業務として保険引受け、これを行ってきているということであります。ですから、日本貿易保険が再保険を提供するということは予定はしておりません。
○宮本周司君 ありがとうございます。
 いろいろな新聞報道等でも、今回、今御質問した内容を懸念するようなことがございましたので心配をしておりましたが、改めて、このNEXIが参画、参入をする再保険の提供先の拡充に関しましては、リスクの大きい一部の分野にとどめ、民業圧迫ではなく、逆に引き続き民間でのリスク負担を回避するための措置と、このように認識をさせていただきました。
 それでは、一応もう一問、最後の質問として想定をしておりまして、是非内容を具体的に御教授、お教えいただきたいと思ってはいるんですが、今回この法律の改正案が審議されれば十八回目の改正となるわけでございます。当然、昨年のアルジェリア人質拘束事件、その被害の対象となりました日揮も含めまして、いろいろ被害企業、被害を受けた企業の救済のためにこの保険制度が見直しをされ拡充をされていく、このことは大変必要だと認識をしております。
 しかし、そもそもです、有事の後の対応というよりは、有事に対するリスクヘッジはこれで十分だとは思うんですが、事前の、これから海外に進出をしていこう、若しくは海外に投資をしていこう、こういったことを更に国として、日本国政府として後押しをしていくためには、やはり事前の危機管理体制、これを十分に充実させていく必要があるのではないかと思っております。
 今回いろいろ調べましたところ、各関連団体等からいろいろな陳情又は要望がありまして、外務省であったり内閣官房であったり、いろいろな分野におきましてこのことが協議をされてきたというふうには認識をしております。
 今後、日本国政府が民間企業に対しまして危機管理に資する新たなアプローチを始めたと、そういったような情報も私は伺っております。既に準備そして実施されている官民連携の対策でありましたり、また危機管理全般に関する御所見がございましたら、是非、岡庭内閣審議官の方に伺わせていただけたらと思いますので、よろしくお願いいたします。
○政府参考人(岡庭健君) お答えいたします。
 政府としては、昨年一月のアルジェリア邦人テロ事件の後、政府検証委員会や有識者懇談会等の提言を踏まえまして、海外安全対策のために、危機管理・即応体制の強化、官民協力の抜本的強化、そして情報収集・発信の強化の三つを柱として施策を積極的に進めてまいりました。
 危機管理・即応体制の強化につきましては、国家安全保障会議の新設による官邸の司令塔機能の強化、さらには、自衛隊による在外邦人の陸上輸送を可能とする自衛隊法改正、そして、緊急時にあらかじめリストアップした専門家等を迅速に現地に派遣する海外緊急展開チームの新設といった施策を講じてまいりました。
 特に、先生御指摘の官民連携につきましては、テロ等に関する官民の一層の情報共有、さらには民間企業の危機管理能力の向上を目指しております。具体的には、国内におきまして、各地で海外安全対策に係る官民集中セミナーなどの開催を通じて、日本企業等とテロ情勢に関する情報共有を行うとともに、企業の安全対策担当者の危機管理に関する知識、能力の向上を図っております。
 海外におきましては、在外公館と現地日本企業等が海外安全対策連絡協議会を定期的に開催しております。また、昨年の事件が首都から離れた場所で発生したことを踏まえて、遠隔地での安全対策連絡協議会の開催、あるいは安全対策に関するセミナーといったものを今後実施を強化していく所存でございます。さらに、今年度からは、海外でテロや誘拐事件を想定した実地訓練というものを官民合同で実施していく予定でございます。
 第三の柱の情報収集・発信の強化につきましては、政府の関連部局におきまして情報収集や分析体制の強化に努めるとともに、特に在留邦人や日本企業との関連では、緊急事態発生時の安否確認、さらには危険情報の発信の強化に努めております。このため、今年度から、短期滞在者向け滞在届のシステム導入、携帯電話向けのSMS、ショートメッセージ一斉通報・安否確認システムの導入を実施いたします。
 政府としては、今後とも、こうした取組を着実に推進するとともに、政府一丸となって危機管理対応に万全を期してまいります。
○宮本周司君 ありがとうございます。
 一年前の事件を発端としまして、いろいろな見解があり、またいろいろな要望も出てきた、そのことに対して日本国政府が真摯に、またかつ早急にいろいろな対策、対応を講じていただいた、このことは非常にこれから海外に進出をする日本企業にとっても心強いことだと認識をしております。是非、今後この日本がいろいろなインフラシステム輸出も含めまして海外に進出、展開をしていく、このことがまた各国内の地域を守る中小企業にとってもいい方向に影響すると私は確信をしております。
 是非、日本国政府の更なる充実した支援の体制の拡充もしていただけますことを心から祈念をし、お願いをしまして、私の質問を閉じさせていただきます。ありがとうございました。
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○委員長(大久保勉君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 去る一日、浜田和幸君が委員を辞任され、その補欠として荒井広幸君が選任されました。
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○直嶋正行君 どうもおはようございます。民主党の直嶋でございます。
 今日は、貿易保険法について、若干それから外れることもありますが、全体的に関連するというふうに思いますので、そのことに関して茂木大臣中心に御質問させていただきたいと思います。
 まず、法律に直接関係ないんですが、御承知のとおり、日本の貿易収支がこの数年大変な赤字になっておりまして、二〇一三年はたしか八兆七千億ぐらいの赤字だったと思います。これに関しては、先般の予算委員会やあるいはこの経済産業委員会でも大臣にも質問をさせていただきました。特に貿易収支の問題について、今日は冒頭、大臣にお伺いをしたいというふうに思います。
 実は、様々な状況から見て、為替の動向も含めて、なかなか思うように輸出が伸びていないと、これも大きな貿易収支赤字の要因だと、こう言われているんですが、若干遡って調べますと、日本の輸出が過去最大だったのは二〇〇七年、二〇〇七年に約八十兆円ありました。それがリーマン・ショックで二〇〇九年には五十一兆円になり、昨年はこれが六十七兆八千億、約六十八兆円まで戻っております。
 問題は、先般大臣からも産業の競争力が大事だというお話、御答弁いただいたんですが、そういう競争力を強化することも含めて、じゃこの六十八が八十ぐらいに伸びるのかどうか、その可能性やいかにということなんですが、たまたま数字でいいますと、昨年の輸入総額は約八十兆円でございます。したがって、八十兆円のレベルの輸出が拡大をすれば何とか収支とんとんになると、こういうことなんですが、まずこの輸出の拡大について、これからの可能性、大臣の御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(茂木敏充君) 御案内のとおり、昨年の日本の貿易赤字、過去最大、十一・五兆円という数字になったわけでありまして、これは一方で、過度な円高の是正、進んできたわけでありますけれど、輸出企業も十分には、何というか、現地において価格等を下げなかったと、幾つかの要因もあるんだと思います。同時に、やっぱり日本企業全体の国際競争力、産業としての国際競争力の強化というのが課題であるとは考えております。一方で、輸入がこれ燃料費を中心に非常に大きくなってきているのは間違いないと思っておりまして、省エネの推進であったり、様々な形でこの輸入を減らしていくということは極めて重要になってくると。
 ですから、輸入全体を減らすような取組を一方で進めながら、輸出については、円高の是正、さらにはアベノミクスの効果等々によりまして、数字的に何年に幾らになりますというのは言いにくいところあるんですけれど、今後増大が見込まれると。
 ただ、御案内のとおり、様々な国際情勢であったりとか海外の景気等々、これも注視をしていく必要があると思っておりまして、大きな傾向としては、輸出は伸ばしていかなきゃならないし、また伸ばせるような環境が生まれつつあると、一方で、輸入を減らす大きな課題について国を挙げて取り組む必要があると、このように考えております。
○直嶋正行君 今、輸入を減らすという大臣からのお答えがございました。実は私は、今日はそれが一番言いたかったんですが、大臣も今お話あったように、燃料費の輸入が増大しておりまして、そういう意味でいいますと、今お触れになった省エネルギー、特に節電も含めた省エネルギーを改めて国としてしっかり取り組んでいかなきゃいけないんじゃないかと。この燃料費の輸入を例えば二割ぐらい減らせると随分様子が変わってくるんじゃないかというふうに思っています。
 今日の報道に、これちょっと真実かどうか分かりませんが、再生エネルギーについて関係閣僚会議を置くというような報道がある新聞に出ていましたが、私は、もちろんそれは結構なことなんですが、同時に、やはり省エネルギーについて政府の各部門、力を合わせて実行するという意味で、そういった関係閣僚会議等を置いてできるだけ早く取り組む必要があるんじゃないかというふうに思っています。
 原発の再稼働の話もなかなか時間が掛かるようでありますし、これは政府からいつまでにということを言えない話だというふうに思っておりまして、やはり今できることは省エネルギーの思い切った推進ではないかというふうに思っております。まずそれが第一じゃないかと、是非それを具体的にアクションを起こしていただきたい、こう思っておるんですが、大臣、いかがでございましょう。
○国務大臣(茂木敏充君) 省エネルギーの推進、日本にとって最優先、また最重要な課題の一つであると、このように考えておりまして、関係閣僚会議を置くかどうかと、そういう体制をどうするかという問題は別にしましても、これは一省庁とか一部局にとどまらず、政府一丸となってしっかりした体制の下で、またしっかりした目標の下で進めていかなきゃならないと、こういうふうに考えております。
 御案内のとおり、経済産業省といたしましてはトップランナー制度、これまでも家電であったりとか自動車等で成果を上げてきたところでありますが、この対象に今住宅であったりとか窓や壁と拡大する制度というのもお認めをいただいたところであります。
 また、今後、電力システム改革等々を進める中で、多様な料金設定であったりとか、そういうピークコントロールに協力をしていただく方に対する報酬の支払であったりとか、いわゆるデマンドレスポンスな制度をつくっていくと、こういったことも進めております。
 もちろん、これは経済産業省だけにとどまる政策というよりも、スマートグリッド、さらにはスマートコミュニティーを始めとする新しい社会システムをつくっていくんだと、こういう思いで政府を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。
○直嶋正行君 ありがとうございます。
 今まさに大臣がおっしゃったとおりなので、これはもう先般の予算委員会でも申し上げたので余り繰り返し申し上げる必要もないかもしれませんが、経産省のトップランナー方式は、これは僕はすごく成果が上がっていると思います。我々が政権時代も、住宅をエコポイントの対象にするとか、様々な政策を取らせていただきました。
 あと、やはり重要なことは、特に熱電併給という形で取組をしっかりやっていくということと、住宅対策だと思っています。これはトップランナー方式もいいんですが、やはり国交省も含めた建築物に関する基準だとか、そういうことも含めてやはり取り組む必要があるんじゃないかと。
 それからもう一つは地方自治体でありまして、今自然エネルギーの導入に熱心なんですけれども、例えばバイオ一つも、これ地域の熱利用と併せて実行するとうんと効率が変わってきますしコストも下がります。バイオだけじゃなくて、隣に増子さんがいらっしゃいますけれども、例えば福島なんか今地熱をすごく一生懸命やっておられますけれども、これもそうだと思うんです。そのためにはやはり総務省の御協力も得て地方自治体にしっかりと取り組んでいただくということも不可欠だと思っていまして、そういうもろもろのことを併せて、重ねて申し上げますけれども、国を挙げて取り組む体制を是非おつくりをいただきたいと、このことをお願い申し上げたいと思います。
 それから次に、競争力ということでいいますとかなり関わりがあるんですが、最近の企業の企業秘密というんですかね、機密漏えいについてお伺いをしたいと思います。
 今、新日鉄と韓国のポスコが裁判を行っていますし、先般、東芝もそういった動きがあるということで伝えられております。経産省の方でお調べになった、今日はその個別の係争の話じゃなくて、そういうことで今いろいろと注目されているということでありますが、経産省でお調べになったいわゆるアンケート調査で、人材を通じた技術流出に関する調査報告書というのがございます。これを拝見いたしますと、企業の営業機密等の漏えいはレアケースとはとても言えないなと、もう非常に深刻な問題になっているんじゃないかなと。
 今日は、実は大臣に人事管理だとかあるいは我が国の法制度をこれからどう考えてどう改善していかれるおつもりですかということをお伺いをしたいと思って、実は昨日、質問のヒアリングでそういうことを申し上げました。ですから、是非それをお伺いしたいと思うんですが、その際に実は経産省から資料をいただきまして、ちょっと改めて整理したものですということで頂戴をしたんですが、これ見て私、ちょっとショック受けました。
 実は、自分のところの営業機密が漏れていることが分からない、恐らく御存じないんじゃないかと、こう思われる企業が随分たくさんあるということであります。それからもう一つは、やはり、もちろん退職した社員が漏らすとか様々なことがあるんですが、企業の中できちっと営業秘密として管理しなきゃいけない情報を区分されているところが全体の二割ぐらいしかないと。これはもう大企業も含めてということでありますし、例えば定期的な監査なんかもやっていないとか、正直言いまして、ちょっと差し障りがあるかもしれませんけど、日本の民間企業の甘さというんですかね、あるいは認識の足りなさというんですかね、こういうものを強く感じまして、これは国が法制度をどうするかという以前に、相当企業に頑張ってやってもらわないと、これからの日本の競争力を考えるとちょっと空恐ろしいなという感じを持ちました。
 したがって、法制度を今経産省でもいろいろと検討されているようでありますし、人事管理についても研究されているというお話も伺っていますが、危機管理という視点で、企業のガバナンスも含めて相当具体的なことをきちっと定着をさせていかないと厳しいんじゃないかなと、こういうことを改めて感じましたんで、後段のところは特に大臣にお答えいただくことではないかもしれませんが、実態がそうじゃないかなというふうに思っていまして、この実態認識含めてちょっと御答弁をいただければというふうに思います。
○国務大臣(茂木敏充君) お示しいただきましたこの資料を見ましても、特に何もしていないという企業が三割近くに上るということでありまして、これはやっぱり私は、国としても、それから各企業が深刻に捉える必要があると、このように今考えております。
 もちろん従業員といいますか、何というか、それぞれの人が自分の新たな可能性を求めて新たな就職先を探すということは、これを否定するものではありませんけれど、それによって本来企業としてブラックボックス化して守るべき様々な技術情報であったりとか営業情報が流出する、こういったことはあってはならないことでありまして、これは企業の側としても適切な管理なりを行っていくということが必要だと思っておりまして、恐らく一部門の問題というよりも、そういった特に技術関係で他国と競合が激しい企業等においては会社のトップの問題としてこういう対策を取っていくことが必要なんではないかな、こんなふうに考えているところであります。
 また、それと同時に、なかなかこれ実態というのはつかみにくいという部分もあるわけでありまして、個々の例えば人が情報を持ち出した、それについてはオープンにするわけはございませんから、そういう中でどういった取組がいいのかというベストプラクティス等々を集約をしまして、それを共有していくということも必要だと思っております。さらには、制度を含めた国としての対応、こういったことも考えていかなきゃならないと思っておりまして、企業としての取組は強化する必要があります。そして、ベストプラクティス等々によりまして、企業横断的な、産業横断的なこういった対策の共有を行い、国としても必要な制度の見直し等々について検討を行う、こういう三段構えでの対応が重要なんではないかなと考えております。
○直嶋正行君 実態はかなり、大臣も今お話あったように、相当、言葉は悪いですけど、お粗末なところも多いと思います。この調査でも出ていますけど、一応、営業機密ということで指定しているんだけど、具体的に何が営業機密かはよく分からないからそれを漏らしちゃったとか、ちょっとそういうミスもかなりあるということでございますんで、今大臣のお話のように、是非具体的な対策をきちっと各企業が取れるようなことを、国からもその方向に導いていくべきじゃないかというふうに思っています。
 それから第三点でありますが、さっきちょっと、さきのやり取りでもございましたが、今回の貿易保険の改正について、ちょっと私は、テロ対策だとか含めて、海外での取引含めて、対象が随分幅広くなっておりまして、これはいいことだと思うんですが、どちらかというと大企業が非常に使い勝手が良くなっていて、中小企業の方は余り具体的にこの制度ができたからこうだよというメリットがないようにも思うんですが。
 先ほど再保険をしっかりやっていくという話もありました。再保険付けると保険料がどうなるのかなというのもちょっと心配ではありますが、もうちょっとやはり中小企業が具体的に使えるような方策も含めてこれから研究していかなきゃいけないんじゃないかなと。特に、国の目標として中小企業の輸出を二〇二〇年に二倍にするという目標がございます。この目標との関係で、やはりこれからの取組について大臣のお考えをお伺いしたいと思うんですが。
○国務大臣(茂木敏充君) 今回、この貿易保険法改正をさせていただく、また貿易保険の機能を強化する、大きく三つの観点といいますか、テロであったりとか戦争等のリスクに対してもっと、例えば人件費の面であったりとか倉庫保管料であったりとか、保険の幅、カバーできる範囲を増やしていく。さらには、企業のグローバル化が進むことによって、海外子会社を使った活動であったりとか資金調達、外貨建てのものが増える等々にもきちんと対応できる。さらには、中小企業が国際展開今進めておりまして、それに対する支援ができる。大きく三つぐらいの状況変化の中で今回改正をお願いしているわけでありますけど、最初にその二つが来ますんで何となく印象論的に先端企業というかグローバル企業が中心になるような印象を持たれるところがあるのかもしれませんが、実際に今貿易保険の加入者の半分、これは中小企業であります。ただ、中小企業といいましても、恐らく一般に地方の方が思う中小企業よりは大きな企業がまだ多いんだと思います。
 それを更に今後もっと、規模からいいますと小さくても国際展開を図るようなところに拡大をしていくということになりますと、日本貿易保険の引受能力と、また民間の損保会社の全国的な販売網、これを組み合わせていくということがどうしても必要になってくると考えておりまして、その意味から今回再保険を付けることができるように措置をしたところでありまして、これによりまして、本当の地域の中小企業、零細企業の中でも、持っている商品であったりとかサービスが優れているということで海外市場にチャレンジをしていく、こういった企業が安心して海外展開できるような後押しをできればと、そんなふうに考えております。
○直嶋正行君 是非周知徹底といいますか、告知、広報活動も含めて、是非お願いを申し上げたいと思います。
 続きまして、さっきもちょっと出ておりましたが、昨年のアルジェリアのテロ事件がございました。大変な大きな被害があったわけでありますが、その事件を受けて政府の方でも様々な御議論されてこられたようであります。この種の問題というのは、例えば今回、その事件での提言も踏まえて貿易保険法の改正ということになっているわけでありますが、この種の問題というのは、こういった経済的な制度はもちろん大事なんですが、それ以上にやはり安全をどう守るかという、これが非常に重要だと思います。ただ、今日、これやり出すともう時間がございませんので、今日は経産委員会らしく、提言があった制度的な内容について政府の方の今の進捗状況等を確認をさせていただきたいというふうに思います。
 貿易保険以外に具体的に申し上げますと三点、有識者懇からの提言があったということでございます。一つは、犯罪被害給付制度、犯罪被害者給付金をもっと範囲の拡充をしてほしい、範囲の拡大を含めて対応してほしいと、それから労災保険制度について、その適用範囲を拡大をしてほしいと、それから三点目が、海外安全対策費用を損金算入、その費用の損金算入を検討してもらいたいと。具体的にこの三点があったと思っています。
 ちょっと順番にお伺いしたいと思うんですが、まず犯罪被害者の給付制度の適用範囲について、これは既に事件が起きる前から三年計画で犯罪被害者給付金制度の政府が閣議決定した基本計画に基づいて議論がスタートをしておりました。その議論の途中でこの事件があったということでございます。その閣議決定を受けて、三年以内を目途に必要な結論を出すと、こういうことで議論がされてきたわけでございますが、しかし、先般、三月二十六日にこの犯罪被害者等施策推進会議の決定が出ましたが、その決定を拝見しますと、結局のところ、三年間検討したんだけれども、具体的な制度変更には至らずに課題が先送りをされたという状況になっているというふうに思っています。
 検討の途中でこういう重大事件が起きたということでありますし、この検討会議の資料も拝見させていただきました。いろいろ難しい課題があることは事実なんですが、しかし、この海外テロの被害補償というような制度をやはり何らかの法体系の中できちっとつくっていくべきではないかと、このように思っておりますが、これについて、まずこれは内閣府、今日いらしていただいていると思いますが、お答えをお願い申し上げたいと思います。
○政府参考人(武川光夫君) 海外での犯罪被害者の経済的支援につきましては、犯罪被害者等推進会議の下に置かれた有識者会議においての検討会で論点の一つとされ、これまで議論されてまいりました。今年一月三十日に出されました同検討会の取りまとめでは、国としての支援の必要性を認める意見が多数出されたということを踏まえまして、社会の連帯共助の精神にのっとり、何らかの経済的支援をスタートさせるべきとの提言が行われたところでございます。この提言を受けまして、本年三月二十六日に、官房長官を会長とする犯罪被害者等推進会議では、検討会提言に沿った施策の推進が決定されたところでございまして、現在、その経済的支援の具体化につきまして検討を開始したところでございます。
○直嶋正行君 今そういう状況だということなんですが、まずやはり、あの検討会の提言の中にも、まず見舞金でもいいからちゃんと制度をつくって出せと、こういう話がありましたよね。これは別に審議会とか検討委員会で議論しなくても比較的早くできると思うんです。
 それから、今お話あったように、実は三年掛けてやってきてまだ答え出ていないんですよね。その検討の途中でこういうテロ事件があったということなんです。ちょっと私は、こんな大きな事件があったにもかかわらず、まだ官房長官の指示を受けて制度を検討中ですということでは済まないと思うんですが、これいつからやれるんでしょうか。お答えいただけませんか。
○政府参考人(武川光夫君) 現行の犯罪被害者の給付制度は国内の事案のみを対象とした法律でございます。一方、海外の事案につきましては、外国の事案ですので、現地の事実認定等多大の困難が伴います。その辺りを踏まえまして、どういう支援制度がいいのかということを検討しているところでございます。
○直嶋正行君 実は、日本の現状ってこうなんですよね。国を挙げて海外に積極的に、さっき大臣が言われたように、投資をやろう、貿易を拡大しようと言って成長戦略を作って、これ三本目の矢で一番重要なんでしょう。一番重要なものを補完する制度が付いていかないんですよ。私はこれはすごく今の大きな問題だというふうに思います。
 二つ目の労災保険の適用拡大について、今度は厚労省の方にお伺いしたいと思います。
 これももう制度的なことはここではあえて御説明申し上げませんが、この提言を受けて議論をされて、現在、対策として実行されたのが特別加入制度における給付基礎日額の引上げ、上限を今二万円のものを二万五千円に上げましたと、こういうことであります。
 それから、手続がスムーズにいくように事務手続を簡素化をされたということなんですが、この有識者懇からの要請はこの充実を求めていますが、同時に、海外で駐在等を含めて事業活動に携わる日本人が非常に増加していますので、この労災保険の制度の適用を拡大してほしいと、こういう要請でしたよね。しかし、ちょっと経過を見ると、厚労省は、それは無理だから、さっき申し上げた制度の充実の方がどれぐらいできるかをまず審議会に相談したと、こういうふうにお伺いしています。これからどうされるおつもりかも含めて厚労省の方にお伺いしたいと思います。
○政府参考人(安藤よし子君) お答え申し上げます。
 ただいま議員が御指摘のとおりの経過でございまして、そもそも労災保険法は、属地主義の下で国内の事業主のみに適用されることに加えまして、本来、雇用労働者の労働災害について労働基準法に定められました使用者の補償責任を担保するための制度でございますことから、海外の事業主に使用される海外派遣者には原則として労災保険制度の適用はされないということになるわけでございます。しかしながら、国外における労災補償制度が必ずしも十分ではないということに鑑みまして、海外派遣者については労災保険の特別加入の対象としております。また、海外に出張されるという場合におきましては、これはもう通常の労災保険の補償の対象となっているわけでございます。海外派遣者として特別加入の対象になりますのは、海外の事業主、海外の法人の指揮命令の下で働く者ということになっております。
 御指摘のその報告書の提言にございます適用範囲の拡大につきましては、私どもといたしましても検討はしたところでございますが、労災保険制度の適用の及ばない海外の事業場に使用される労働者について労災保険制度を強制適用するということになりますと、これは大変難しいものですから、先生御指摘のとおり、二点につきまして、制度の拡充、特別加入制度についての拡充を行ったということでございますので、今後とも、その海外派遣者に対して労災保険給付が適切になされるように特別加入制度の周知に努めてまいりたいと考えておりますし、また制度の運用に関しまして、御要望を踏まえてより使いやすいものにしたいというふうに考えております。
○直嶋正行君 これは国内用の制度だから対象外だと、特別加入制度は認めて運用していくと、こういうお答えですよね。
 もう一つ、先にお伺いします。
 安全対策費用の損金算入という要請が有識者懇から出ていましたが、これは私はまず経産省がやはりちゃんと検討しなきゃいけないと思うんですが、この点について、状況、どういう状況でしょうか。
○政府参考人(中山泰則君) 御指摘いただきました海外安全対策費用の損金算入の件でございますけれども、有識者懇の提言を受けまして、例示的に、例えば日本貿易会でございますとか、それからエンジニアリング協会、関係する企業団体、それから幾つかの個別の会社とも、御相談といいますかヒアリングをさせていただきました。その結果、各社それから企業団体から具体的な御要望として税制改正要求ということをするに至らないという形になりまして、そういったことを受けまして、少なくとも今年度について具体的な税制改正要望は当省として行っていないというのが現状でございます。
○直嶋正行君 それで、ここまでやってきたところでちょっと大臣に是非御所見をお伺いしたいんですが、今、成長戦略を作って、それぞれ海外のマーケットにしっかり出ようと。これはもう国の方針ですよね。貿易保険もそういう側面を入れて改正されているわけです。
 例えば、労災の適用も、海外事業主は適用外だと、こういうふうに厚労省おっしゃっているんですけど、おっしゃったんですけど、今はそうかもしれません、法律は。しかし、貿易保険は日本の企業の子会社の、別法人の海外事業主も今度は対象にしているわけですね。犯罪被害者の給付金制度も同様です。国内と同様の調査等ができないんで非常に難しいと、こういうやり取りが検討会でもあったようであります。
 つまり、こういう方針を出して、これは国策としてやるわけですよ。国策としてやることについて、国が制度的にバックアップするということがなかなかできないんです。これはそれぞれの省庁の、その所管の省庁の立場とかあるいはお考えがあって付いていかないということなんです。
 私、これだとまた失敗すると思うんです。我々も、政権時代、成長戦略を作っていろんなことをやってきましたが、何かやろうとすると必ず突き当たるのはこの種の問題なんです。なかなか厚労省が難しいとか、農水省が難しいとか、そういうことに必ず突き当たってしまうんですよね。
 ですから、やはり国の政策としてやるわけですから、そこには当然国策として公益があるはずですから、この公益という概念に基づいていろんな制度はできていると思うんですけど、その公益の概念を変えないと、政策と一緒に変えていかないと、相当この種の問題を超えるのに時間が掛かってしまうわけです。さっきの犯罪被害者給付金も、三年間検討したけれどもまだ答え出ていない、こういう話ですよね。
 ですから、ここをどうやって打開していくかというのが一番大事なんです。私はこれはもう経産大臣の役割が一番大きいんじゃないかというふうに思っています。
 最後の損金算入も、具体的に要求なかったということなんですが、この有識者懇の議事録もちょっと拝見させていただきました。政府側の出席者からも、考える必要があるということを発言もされていますし、こういうことをやってくれると企業も意識が変わると、海外に対する取組方の意識が変わると、これはこのメンバーに参加されている経営者、委員の方からの御発言も出ています。
 ですから、是非ここをやはり総力を挙げて取り組んでいただきたいと思うんですが、今の給付金とか労災も、もう個別のことは結構でございますけれども、そういったことを含めて、大臣に御答弁いただきたいと思うんですが。
○国務大臣(茂木敏充君) 基本的な考え方、そして方向性については、私、直嶋委員おっしゃるとおりだと思っております。
 アベノミクス三本の矢のうち、まず三本目の矢、民間投資を喚起する成長戦略、そこの中に幾つかの柱がありまして、国際展開戦略、これは単に経産省が決めた話ではなくて、政府全体としてこれに取り組むということでありますから、内閣府も厚労省も経産省もなく政府として取り組んでいかなければいけないと思っておりまして、例えばそういった国際展開をする企業を支援するということは、組織としての企業というよりも、むしろそこで実際に働いている人も含めた、そういう有機体としての企業を支援していくということでありまして、企業で海外にいるその従業員であったりとか、また海外駐在員の安全確保を図っていく、そういった観点からも極めて重要な課題であると思っております。
 個々の問題について御指摘をいただいたところであります。早急に政府の中でも省庁の壁を取り払って検討しなければいけないと思っておりますし、また損金算入の問題につきましても、改めて企業等々の御要望も聞いた上で、また来年度以降の税制改正に必要な要望等は反映させていきたい、このように考えております。
○直嶋正行君 ありがとうございました。是非よろしくお願いいたします。
 それじゃ、残りの時間で少し貿易保険制度の今回の改正について、何点かお伺いをさせていただきたいと思います。
 まず、一つは海外子会社との関係でございます。
 本邦企業の海外子会社や製品の海外販売拠点による輸出サービス等の取引を貿易保険の対象とするというのが今回の改正の内容でございます。これは、簡単にいいますと、海外で、外―外取引と言うんですかね、こういうものも対象にするということであります。
 ただ、この海外出資法人の海外における取引を支援していくということで、これはバックアップになって取引の活性化につながると思うんですが、しかし海外での取引を幾ら活性化しても、日本国内にそれが利益として、プラスとして還元されてこないとそもそもの意味が乏しくなってくるわけでありまして、例えば外国子会社への配当金、今実施しています、外国からの配当金の益金不算入制度というのが今実行されていまして、これによってかなり海外から日本への送金が増えている、スムーズにいくようになったということも評価されていますが、一方で、いや余り効果ないよという声も実は聞いております。
 こういう制度も改めて検証した上で、やはり海外でそれぞれの企業が稼いだお金をきちっと日本へ送金をできるというようなことをきちっと図っていかないと、その成果は本当に還元できるということにならないと思うんです。
 まあ国によっては非常に送金が難しいというところもあるようでございますけれども、こういった点含めて、これからの取組をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(横尾英博君) 今、海外の旺盛な製品需要を取り込む販売戦略、あるいは海外の取引先企業との提携関係構築などを理由にしまして、海外子会社を設立をして国際展開を図る日本企業が増えております。今回の法改正は、まさにこのような実態に鑑みまして、海外子会社による事業活動を支援をして、そこで収益を上げてもらおうということでございます。
 委員御指摘の、今の税制がありまして、国内に送金できるときに九五%まで損金算入できるという措置もあって、近年国内への送金が増えてございます。
 他方で、海外におきましては、一部の国では送金を規制ないしは事実上規制している国もございます。そういったところにつきましては、二国間あるいは地域連携協定のような形で今後ともその規制の緩和というか、を取り組んでいくことが大事だというふうに考えております。
○直嶋正行君 是非、交渉していただいて、しっかり制度的にもできるようにしていただきたいなということを御要望申し上げます。
 それから、あと一点、もう非常に簡単な質問なんですけど、今回の改定の結果、保険料ってどうなるんですか。上がるんですかね。どんな感じになるのか、ちょっとお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(横尾英博君) 今回の制度改正におきまして填補範囲が拡大するものにつきましては、その範囲の拡大に応じた適切な保険料を上乗せをすることになります。具体的にはテロ等による事業中断に伴う追加費用を保険対象とするわけでございますが、これ、オプション契約でその分を追加費用まで保険を付するということになれば、その分の上乗せということになります。
 しかしながら、保険料が余り高過ぎますと利用者のコスト増大を招きます。これは、填補する損害の範囲と保険料とのバランスの問題でもあります。今後、エンジニアリング業界始めユーザーの方々の意見も踏まえて、日本貿易保険において詳細な商品設計を行って、引受けリスクに見合った水準を設定していくことになるというふうに考えております。
 他方、今回の制度改正のうち、填補範囲は変わらないけれども取引形態の変化に対応するもの、具体的には本邦法人の海外子会社等による取引あるいは外国銀行による融資への付保に係る保険料につきましては、これは現行でも日本からの輸出あるいは本邦銀行による融資への付保を保険の対象にしているわけでございます。その保険料に準じて設定をされるということでございますので、この部分については保険料の上昇には基本的につながらないというふうに考えております。
○直嶋正行君 最後にあと一点お伺いしたいと思います。
 今回、海外における外国の銀行からの融資についても貿易保険の対象になるということでありますが、ここのところの法律の決め方が、いわゆる省令でその対象取引を決めるというふうに書かれているわけですが、その書きぶりが、対外取引の健全な発達を図るために特に必要な事業として経済産業省令で定めると、こういうふうに書かれています。
 ただ、実際にこれが、やはり、保険の対象になるや否やというのは、特に海外投資事業、資源開発等をおやりになっている企業にとっては非常に大きなものだというふうに思いますんで、私は、省令で決めるということなんですが、やはりどういうものがその対象として考えられるのか、例えば適用基準とかスタンダード的なものはきちっと前もって出す必要があるんじゃないかと思うんですが、この点についてはいかがでしょうか。
○政府参考人(横尾英博君) 今回の法改正で外国銀行による融資を貿易保険の対象に追加をいたしますが、これは、日本企業が参画をする海外のプロジェクトの資金調達を円滑化することが目的でございます。
 近年、大変プロジェクトが巨額の資金が必要になったり、あるいは現地の通貨建ての資金が必要になるということで、海外にいる銀行からの資金調達のニーズが高まっております。これは、今申し上げましたとおり、あくまで我が国の国益に資するということが重要でございますので、融資対象の事業を経済産業省令で定めるということにしております。
 具体的には、日本企業が出資をする資源開発等のプロジェクト、あるいは日本企業が輸出をする発電プラント、交通システム向け機材等を活用するプロジェクトといったものを想定をしております。
 いずれにしましても、今後、経済産業省令を定めるに当たりましては、ユーザーの御意見や政策的意義を勘案しながらしっかり定めていきたいというふうに考えております。
○直嶋正行君 終わります。ありがとうございました。
○杉久武君 公明党の杉久武でございます。
 本日は、貿易保険法の一部を改正する法律案について質問いたします。
 さて、今国会は好循環実現国会と位置付けられておりますが、これは景気回復と企業収益の増大、そして雇用拡大と所得の増加による消費拡大といった経済の好循環を実現するという重大な決意の表れでありまして、これは是非とも実現していただきたいと思うのですが、企業収益を増やしていくためには、内需のみならず、やはり海外にも打って出る必要があると思います。特に、今回の貿易保険法の改正は好循環の実現、また成長戦略にとっても重要な法案であると思いますので、これらの観点から順次質問をさせていただきます。
 まず、本改正案を拝見いたしましたが、今回、独立行政法人日本貿易保険、NEXIの保険制度の拡充等によって、新たなリスクを伴いながらも大きなリターンを得られるような新興国への事業展開、また事業進出などについて大きく貢献できるものと期待をしておりますが、最初に今回の法案改正の背景について確認をいたしたいと思います。
 今回のこの貿易保険法は十五年ぶりの改正というふうに理解しておりますが、NEXIができたのが二〇〇一年ということで、NEXI設立以来初の改正という位置付けであります。先ほど来話が出ておりますが、昨年一月のアルジェリアでの人質拘束事件が本法改正の契機になったという説明がありましたが、海外でテロの犠牲に遭われた日本人の方は二〇〇一年の九・一一以降だけでも三十人以上に上っております。
 邦人の安全確保につきましては政府一丸となって対策を重ねていただいておりますが、アルジェリアのテロは、日本企業が参加するプロジェクトが狙われ多数の犠牲者が出た初のケースでもあり、その衝撃は多方面に及んだと思います。今後、同種の事件が他の紛争地域や政情不安な地域で発生する可能性は大きいと考えますと、政府には危機管理能力の一層の向上をまずはお願いしたいと思います。
 その上で質問に入らせていただきますが、戦争やテロなどのリスクが増大しているという観点からも本法律案の速やかな成立が望まれるわけでございますが、これまで十五年間改正が行われてこなかったことについて、いま一度確認をさせていただきたいと思います。
 というのは、この十五年という期間は我が国のデフレ経済の時期でもありまして、NEXIの利用実績がデフレによって業務拡大というところまで至らなかったのか、あるいはこの改正を行うに足るようなリスクが発生していなかったのか、この十五年の経緯について、経済産業大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(茂木敏充君) 委員御指摘のとおり、前回の貿易保険法の改正、これは十五年前の一九九九年のことでありまして、その内容は、貿易保険の運営主体として独立行政法人日本貿易保険を創設するということでありまして、それに沿いまして日本貿易保険、二〇〇一年に発足をしたわけであります。
 この十五年間、様々な国際情勢、また日本を取り巻く環境の変化というのを見てみますと、二〇〇一年の九月、九・一一、あの同時多発テロ、発生をいたしました。それからかなりな頻度で地域を限定しないテロというのが頻発するようになってまいりました。また一方で、国際経済を見てみますと、BRICSを始めとします新興国の台頭、これが大きく注目されてきたのもこの十五年ではないかなと思っております。
 さらには、日本の国内でいいますと、旺盛な海外需要を取り込むと、こういった観点から、大企業だけではなく中小企業も含めた国際展開戦略、そういったものが進みまして、またその形態といいますのも、単に輸出をするということから、直接投資を行う、そしてまた、その取引も海外の子会社を使ったり、資金調達手段につきましても外貨建てのものであったりとか、取引形態、さらには資金調達手段、こういったものもこの十五年で大きく変化をしてきた。
 こういった変化を捉えまして今回法改正をお願いしているところでありまして、委員御指摘のように、日本として成長戦略を進めていく上で、旺盛な新興国を始めとする海外の需要、そして成長市場を取り込んでいくということが極めて重要でありまして、そういった活動をする日本企業を後押しする意味からもこの貿易保険法の改正が必要になった、このように認識をいたしております。
○杉久武君 ありがとうございます。
 今、改正のこれまでの背景、流れについて大臣から答弁いただきましたが、他方、今、独立行政法人や特別会計の改革が現在政府の行革推進本部で行われているところでありまして、独法通則法の改正も検討されているところであります。このような環境の中で、独立行政法人のこの日本貿易保険、NEXIは政府出資の特殊会社に移行するということについて、昨年末の閣議で決定をされたところであります。
 私自身も公明党の独法・特会改革の委員会の作業チームに所属をしておりまして、そのような立場から申し上げますと、今回のこの法律の改正とまたこの独法改革、組織の再編というものも同じタイミングで今回行われているというふうに思っております。
 そこで、改めて経済産業大臣にお伺いさせていただきますが、今回の特殊会社への移行ということと本法案の改正については関連性があるのか、又は完全に別個独立した動きであるのかというところについて確認をさせていただきたいと思います。
 あわせまして、今回、この法案の改正、業務の拡大と組織の再編という大きな二つの作業が伴いますので、それぞれが遅滞なく進められていくかどうか、そういった点について伺いたいと思います。
○国務大臣(茂木敏充君) 今御指摘ありました今回の法改正、それともう一方で、この日本貿易保険につきまして特殊会社に移行する。これ、一つは、前者は外に対する対応であります。それに対しまして後者の方は、この貿易保険の自由度、効率性、機動性を高める、言ってみますと内側の改革を求めている。こういった意味では、基本的には別の動きであると、こんなふうに考えております。
 法改正につきましては、先ほども説明を申し上げましたような事業環境であったりとか企業行動の変化、こういったものを踏まえて早急に検討して必要な措置を講じる必要があるということから、この国会に法改正をお願いしているところであります。
 一方、独法の改革につきましては、昨年の十二月に閣議決定されました独立行政法人改革等に関する基本的な方針において、独立行政法人日本貿易保険について、国の政策意図の反映など国との一体性を高めつつ、先ほども申し上げたような経営の自由度、効率性、機動性を向上させるため、全額政府出資の特殊会社に移行することとしたものでありまして、その際、日本貿易保険の保険金支払の確実性を担保する制度等、所要の制度設計、これもしていかなきゃなりません。また、法人税の減免等、所要の税制措置を行う必要がありまして、これらの検討には一定の期間をどうしても要するということでありまして、早急に進めなきゃなりませんけれど拙速になってはいけない、このように考えておりまして、貿易保険の機能拡充についてはこの国会で法改正をお願いしておりますが、特殊会社化については次期通常国会に法案を提出できるよう、今申し上げましたような課題、しっかりと検討してまいりたいと考えております。
○杉久武君 是非、それぞれについてしっかりとした審議がされまして進められていかれるようお願いしたいと思います。
 続いて、このNEXIの財務の健全性の観点から質問いたします。
 NEXIは、特殊会社、今後移行されていくというところでありますが、その特殊会社へ移行されるに当たって、貿易再保険の特別会計の資産及び負債を特殊会社に継承するという形になると思います。特殊会社ではありますが、一つの事業主体として独立して業務を行うことに今後なっていくと思います。また、今回の法案改正に伴って、様々なサービスというか事業範囲の拡大におきまして、その引受残高も三千億円程度増額するという形で伺っております。
 そこで質問ですが、今回の保険対象の拡大によって新たなリスクを引き受けるということになると思いますが、この新規のリスクについて、NEXIの財務の健全性を保てるのかどうか、例えばこの財務的なシミュレーションをどのようにやって確認をされているのか、また、あわせて、今回NEXIが特殊会社になって、最終的には政府が一定額の出資をするという形の組織形態になると思いますが、NEXIが想定しているリスク、最大のリスクを超えるような事態、そういったことが起こったときには、要はNEXIの財政基盤が厳しくなったときには政府としてはどういう対応をされるのか、追加出資をされるのか、そういった点について経済産業省にお伺いしたいと思います。
○政府参考人(横尾英博君) まず、現在でございますが、貿易保険の年間の保険引受けの総額は約八兆円、引受残高は約十三兆円の規模でございます。これに対して、日本貿易保険、NEXIと再保険を引き受けております政府の再保険特別会計に合計一・二兆円の積立金がございます。したがいまして、現時点で保険金の支払に支障が生ずるような事態にはならないというふうに考えております。
 今回の法改正によりまして、インフラ分野を中心に年間で、これはなかなか難しいんですが、二千億程度の引受けが増加するんではないかなというふうに見込んでおりますが、現在の引受総額との対比でいいますと、これが大幅に増加するわけではございませんので、これに伴いまして保険金の支払に支障が生ずるというような状態ではないというふうに考えております。
 それから、貿易再保険特別会計につきましては、NEXIの特殊法人化と併せまして、昨年の十二月の閣議決定で、平成二十八年度までにこれを廃止をして、その資産及び負債を日本貿易保険に継承するということが決められてございます。継承後も、委員御指摘のような、想定を超えるような巨額の保険事故が発生しても貿易保険のユーザーへの保険金支払に支障がないようにすることが大変重要だというふうに考えてございます。先ほど大臣からも御答弁申し上げましたが、保険金支払の確実性を担保する制度、閣議決定の文言では、再保険特別会計の廃止に伴い、保険金支払に係る債務等に対する政府保証、これを検討するということになっております。
 今後、貿易保険ユーザーへの保険金支払に支障が生じないような具体的な制度設計を行っていきたいというふうに考えております。
○杉久武君 その保険金の支払の確実を期すというのも非常に大切なポイントだとは思いますが、逆にNEXIの財政基盤が厳しくなった場合でも、やはり安易な税金による損失補填というものは慎まなきゃいけないと思いますので、やはりそのNEXIの財政基盤について、しっかりとした評価をして継続をしていただきたいと要望をさせていただきたいと思います。
 あと、続いて、これも確認をさせていただきたいのですが、NEXIの業界での競争力というか、NEXIのその保険市場における位置付けについて質問をいたします。
 例えば、一般的に再保険といいますと、我が国においては、ミュンヘンやスイス再保険あるいはイギリスのロイズなど、外資系の保険会社が幅を利かせていると思います。また、NEXIが取り扱っている貿易保険、貿易取引に対する保険になりますと、例えばユーラーヘルメスやCOFACEなど、ヨーロッパの大手の保険会社が取り扱っているというように理解をしております。
 これらの欧州の会社とNEXIの競合関係はどうなっているのか、また今回の改正によってNEXIは世界的視野で我が国企業の貿易をどうサポートして国益につなげていくのか、政務官にお伺いしたいと思います。
○大臣政務官(田中良生君) 今議員御指摘の欧米系の輸出信用保険会社でありますが、これは世界各国に広範なネットワークを持って幅広く事業を営んでおります。一方において、我が国の日本貿易保険、これは海外支店が三店舗であります。人員数も限られていると。そうした意味で、規模の面では劣っているというのも事実であります。これをいかに競争力を高めていくかということでありますが。
 そして、今回のこの法改正によりまして、この日本貿易保険は、外国子会社による取引ですとか外国銀行からの融資についてもこの貿易保険が引き受けられるようになるということです。また、平成二十八年度末までにこの日本貿易保険は特殊会社とするということがもう既に閣議決定されております。これによりまして、保険事業にふさわしい会社法に基づくガバナンスの構築及び柔軟な体制整備、こうした実現を目指していくと考えております。今回のこの法改正及び将来の特殊会社化によりまして、日本貿易保険の競争力、これは確実に強化されるものと期待しているところであります。
 経産省としても、日本企業のグローバルな事業展開、これを後押しして、成長著しい新興国、これを始めとする海外の旺盛な需要、成長市場、これをしっかりと獲得していけるように支援してまいりたいと思います。
○杉久武君 是非ともしっかりサポートを行っていただきたいと思います。
 続いて、中小企業への貢献という観点で質問をさせていただきます。
 先ほど来何度か質問にも上がっておりますが、やはりこのNEXIの役割は、中小企業もしっかりサポートをしていくことが非常に大切であるというように考えております。
 そこで、現在、NEXIを利用している企業の中で中小企業は、先ほど来の答弁でも五〇%程度中小企業に利用されているというふうに伺っておりますが、一方で、海外展開を促す結果、中小企業の国内雇用に及ぼす影響、また国内産業の空洞化になるんじゃないか、そういった懸念もあると思います。そういった点について、今回、中小企業も含めた海外展開を促す中で、それに伴って国内産業に与える影響、特に雇用に与える影響、そういった点についてどのように評価をされているか、経済産業省に確認をさせていただきます。
○政府参考人(横尾英博君) 今回の改正におきましては、まさに日本企業の国際展開を支援をするということで、今様々な形で海外の子会社を設立をして国際展開を図る日本企業が増えております。そうした実態に鑑みてこれを支援をするわけでございます。
 他方、これが国内の雇用に与える影響でございますが、二〇一二年の中小企業白書におきまして、二〇〇二年度に国際展開を始めた中小企業が二〇〇九年度にどうなったかというのを分析をしております。国際展開を始めた中小企業につきましては二〇〇九年度に国内雇用を一三%増加をさせております。これに対して、国際展開をしていない中小企業につきましては三%の増加にとどまっているという分析結果でございます。言ってみれば、国際展開をしている中小企業が国際展開をしていない中小企業よりも国内雇用を増やしているという結果が出てございます。そういう意味でも、雇用の面からも、元気な中小企業・小規模事業者というのをつくっていくことが大事であるというふうに考えております。
 今回の法改正におきましても、今までも御答弁申し上げておりますとおり、中小企業の利用を更に促進をするために、民間の損保会社の全国的な販売ネットワークも活用して再保険を受けるという措置を導入してございます。
○杉久武君 今お話ししていただいたとおり、海外展開をすれば逆に国内の雇用も活性化できるという点について非常によく理解ができました。今後もしっかりバックアップをしていただきたいと思います。
 時間になりましたので、質問を終わります。
○松田公太君 みんなの党の松田公太です。
 日本企業のグローバル化に伴い、そのサポートのために貿易保険を拡充する考え方には基本的に賛同いたしております。幾つかただ疑問点がありますのと、また、更に改善の余地はないかという観点から、今日は幾つか質問をさせていただきたいと思います。
 資金調達の円滑化は本邦企業が関与するプロジェクトを促進するものだと思いますが、外国企業のやはり融資にまで保険の対象とすることはどうなんだろうなというふうに正直思ってしまいます。そもそも海外事業資金貸付保険というものは、制度創設時の説明によりますと、日本からの輸出に結び付かないアンタイドな貸付けを対象とするとのことでしたが、今回の改正ではそこの考え方に変更はあったのでしょうか。
○政府参考人(横尾英博君) 海外事業資金貸付につきましては、現在は本邦銀行が日本企業が関係をする、関連をするプロジェクトに対する融資を、資金調達を円滑化することを目的に導入したものでございまして、基本的には、今回の法改正によってもその基本的な考え方は変わってございません。
○松田公太君 当時の資料をちょっといろいろ読ませていただいたんですけれども、日本の貿易黒字であったりを是正するという意味合いも含めてこの貸付制度が当時考えられて、そしてやはりアンタイドでなくてはいけないという議論があったと覚えているんですけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(横尾英博君) 当時の日本の貿易黒字の中で資金還流をするというのが背景にあったのは事実でございます。
 そういう中で、日本企業が関連する海外プロジェクトに対して付保をするということでございますので、その点については、今回、従来の本邦銀行に限らず、海外に所在する銀行、すなわち外国銀行ないしは本邦銀行の海外拠点に拡大をするということでございますので、基本的な考え方については同様でございます。
○松田公太君 日本企業が関与するプロジェクトといっても、関与の度合いって様々あると思うんですね。
 本法案では、本邦法人また本邦人が輸出する貨物を使用する事業その他の対外取引に係る事業のうち、対外取引の健全な発達を図るために特に必要な事業として省令で定められているものと思いますけれども、例えば、関与するプロジェクトの出資割合が何割以上だとか、どのぐらい関与しているか、そういった明確な基準というものはございますでしょうか。
○政府参考人(横尾英博君) 今回新たに貿易保険の対象にしますのは、外国銀行からの融資でございます。これにつきましては、我が国に裨益をするというものに限定をしたいということで、対象の事業につきましては経済産業省令で定めるということにしております。
 具体的には、日本企業が出資をする資源開発等のプロジェクト、あるいは日本企業が輸出をする発電プラント、交通システム向けの機材等を活用するプロジェクトといったものを想定をしております。詳細につきましては、今後ユーザーの御意見等をお伺いしながら検討してまいって、省令の中に具体的に定めていきたいというふうに考えております。
○松田公太君 つまり、出資をするのであれば、例えばそれが一%でも二%でも対象になり得るということでよろしいんですね。また、輸出をするということも、その輸出の割合が非常に小さかったとしても、それも場合によっては対象となり得るのかということだけ、イメージで結構ですからお答えいただけないでしょうか。
○政府参考人(横尾英博君) 出資の比率も含めまして、これは今後検討してまいりたいというふうに思っております。
○国務大臣(茂木敏充君) 今後具体的な検討はしていきたいと思いますが、日本企業、日本が裨益をするということを考えたときに、例えば一%であったりとか、例えばプラント輸出でありましても、ほんのそこの中の一部のごくごく小さな部品というのを対象にすることについては対象の広げ過ぎではないかなと、こんなふうに考えております。
○松田公太君 ありがとうございます。
 私は、今後、例えば出資比率が非常に小さく、若しくはその輸出する部品が非常に小さなパーツだというところにまでこのような貿易保険の対象を広げてしまうと、仮にデフォルトがあったときなんかは非常に問題となってくるんじゃないかなというふうに思いますので、是非そういった基準も含めてクリアにして運用をしていただければというふうに思います。
 引き続きまして、カントリーリスクについてお聞きしたいんですけれども、OECDや民間の格付会社は様々な算定方法で各国のカントリーリスクというものを割り出していると思うんですね。NEXIも独自の算定基準を持っているというふうに聞いております。その格付表を見ておりますと、今回の法改正のきっかけとなったアルジェリアが例えばフィリピンとかインドネシア、ブラジルと同ランクであったり、また北朝鮮がラオスとかミャンマー、パキスタンと同じようなランクというのはちょっと驚いたんですけれども、NEXIのカントリーリスクというものはどのような頻度でまず見直されているのかということと、また独自基準とはいえ、見ていると何となく米国基準の格付と似ているような気がするんですね。その辺りはいかがでしょうか。
○政府参考人(横尾英博君) まず、カントリーリスクでございますが、これはOECDの輸出信用機関が集まりまして、カントリーリスクの専門家会合で国のカテゴリー、これ八グループございますけれども、これを決めております。これは年に四回開催をされて、その都度見直しをしてカテゴリー分けをしてございます。したがって、NEXIについてもこれに沿った運用をしております。
○松田公太君 済みません、昨日、ヒアリングをさせていただいた際に、OECDが確かにベースとなっているというのをお聞きしたんですけれども、それに伴ってNEXIさんでも独自の基準を作っていらっしゃるというふうに聞いたんですが、今の御説明では基本的にOECDの決定されたものがそのまま適用されているということでよろしいんでしょうか。
○政府参考人(横尾英博君) まず、カントリーリスクの考え方につきましては、OECDの中で共通の考え方を取っております。これを踏まえまして実際にNEXIがどう引き受けるかにつきましては、NEXIとしての独自の判断をしてございます。
○松田公太君 いろいろと昨日見比べたんですけれども、やはり米国基準にちょっと近いのかなという印象を私は受けたんですね。
 私は個人的にミャンマーまたラオスを訪問したりもしていますし、パキスタンにも何度かビジネスでお伺いをしているんですけれども、例えばパキスタンという国は現状ではアメリカ人にとって非常に厳しい状況なのかなと、ビジネスを展開するのがほぼ無理じゃないかなというふうに私は思っておりますが、日本人としてはそこまでのリスクを正直私は感じずに入国をしてビジネスをしたという経験があるんですけれども。余り一国若しくはOECDに傾斜してしまう、そのままの適用となってしまいますと、保険料率が非常に高くなってしまったり、日本の現状と比較して、国際情勢等考えて、若しくはそのカントリーリスクを見てしまって企業が萎縮してしまったりということがあるんではないかなというふうに思いますので、もう少し日本独自の算定というものをできるようにしていくべきじゃないかなというふうに思いますが、いかがでしょうか。また、一か国内で全部同じカントリーリスク、これは間違いないんですね。
○政府参考人(横尾英博君) OECDの議論で、輸出信用のアレンジメントというガイドラインがございます。したがって、カントリーリスク、カントリーごとのリスクとそのアレンジメントに基づきまして、これが、各国の貿易保険が貿易の歪曲にならないようにというルールを決めておりますので、例えば最低の保険料というのもここで決めてあるものがございます。したがいまして、そういった国際的な枠組みの下でNEXIが運用しているということでございます。
 それから、一国の中でございますが、基本的にカントリーリスクそのものにつきましては、実際、貿易保険がカバーする主なリスクというのは外国政府の為替取引の制限等、あるいは戦争、テロといったいわゆるポリティカルリスクでございますので、基本的には国ごとに考えるということでございます。ただ、その上で、国の中の一部の地域で例えば内乱等が発生した場合に、当該一部地域について引受けをしないといった運用は現実にやってございます。
○松田公太君 ありがとうございます。
 私は、例えば中国も、チベットやウイグル地方があったり、またモンゴルがあったり、若しくは都市部があったりと、広大な土地の中で大分カントリーリスクというものが違うんだろうなというふうにも考えておりますし、また、最近問題になっておりますウクライナでもそうだと思うんですね、西と東、またクリミア地方、地区と、全く違うのかなと。
 また、外務省が出しています海外安全ホームページというものを拝見していますと、ここにあります危険情報、これもやはり一つの国の中で分かれて色づけが明確にされておりますので、私はフレキシブルにこのような対応を是非NEXIさんにもしていただきたいと思いますので、独自のこういった算定方法を作っていただくのもいいのではないかなと。また、年に四回ということでしたが、そのぐらいでしたら頻度的にはいいのかと思いますが、もちろんフレキシブルに、何かあった場合は臨機応変に対応していただければと、このように思っております。
 それについて何かございますでしょうか。そういった検討を是非していただきたいという話ですが。
○政府参考人(横尾英博君) これは、OECDのガイドラインは紳士協定でありますが、OECD加盟国の基本的なルールでございますのでルールを破るわけにはいきませんが、このルールの下におきましてNEXIとして当然機動的に運用していくということでございます。
○松田公太君 日本の貿易保険におけるNEXIのシェアは九割というふうに言われております。これまでも委員会の中で何人か発言がありましたけれども、民業圧迫になるのではないかという議論もされておりますが、ちょっと私の方から少し視点を変えて伺いたいと思います。
 諸外国における政府系の貿易保険のシェア、例えばアメリカ、イギリス、フランス、ドイツなどでの輸出入銀行の先進国向けの短期保険分野のシェア、これはどの程度のものになっていますでしょうか。ちょっとこれは質問通告、済みません、していなかったようなので、お分かりでしたらお答えいただければと思います。
○政府参考人(横尾英博君) 済みません、ちょっと今手元に資料がないものですから、答弁をいたしかねます。
○松田公太君 この先進国向けの短期保険分野についてなんですけれども、欧州諸国では例えばEU指令というものがありまして、それに基づいて民間に完全に委ねるということになっているんですね。つまり、政府の貿易保険の対象にはなっていないんです。
 貿易保険全体として見れば政府による信用の供与というものは私も必要だというふうに思いますし、それは冒頭申し上げましたけれども、分野別に見ていくと、果たして本当にそこまで、その短期の部分まで政府系機関に任せていいのかなと、それも検討の余地が必要なところじゃないかなというふうに思っております。
 今回の改正案、これをお考えになる際に、政府として、NEXIの現在の取扱分野を諸外国の例を例えば参考にしてそういった短期部分についてどうしようかと、そのような検討はなされたのでしょうか。
○政府参考人(横尾英博君) 短期分野も含めNEXIの貿易保険サービスを提供しておりますが、平成十七年の閣議決定がございまして、規制改革・民間開放推進三か年計画におきまして、国は、民間保険会社が参入した貿易保険分野について、利用者から見て民間保険会社が十分かつ安定的にサービスが提供される見通しが明確になった場合には、その分野から撤退をするというのが決められております。
 これ以降、民間の損保会社がいわゆる対外取引、取引信用保険の分野に参入を始めたわけでございますが、現時点におきまして、民間保険会社が提供する取引信用保険は先進国向けも含めまして短期少額物に限られる、あるいは限度額が設定されるなど限定的でございます。そういう意味では、現在の利用者の利便性というのを考えますと、この分野も含めてNEXIが貿易保険サービスを提供する必要性があろうと思っております。
 損害保険会社、業界からは、むしろNEXIに再保険をしてもらって自ら対外取引のサービスを充実させたいという要望もございましたので、これがこちらにとりましても特に地域の中小企業への保険サービスの充実という観点からは大変意義のあることでございますので、今回の改正法案におきまして民間保険会社の対外取引の保険をNEXIが再保険をするという提携を進めるということで、まずこれをしっかり実現していきたいというふうに考えております。
○松田公太君 今後、短期保険分野についてその再保険のビジネスが拡充してきたということであれば、是非、じゃ、そういった部門のNEXIさんの取扱分を減らすというようなことも含めて今後考えていただければと思います。
 最後に、大臣にちょっとお聞きしたいんですけれども、民業圧迫という心配もあるんですが、私は、自由貿易交渉、例えばTPPとかFTA交渉について、こういった例えば分野をNEXIさんが、要は政府系ですから、大きく持っているということになれば、それが交渉の対象とされて、相手国にとってはある意味有利なカードとして……
○委員長(大久保勉君) 時間が過ぎておりますので、質疑をおまとめください。
○松田公太君 はい。済みません。
 出さざるを得なくなるということになろうかと思いますけれども、こういった危惧を私はしているんですが、これについて一言いただければと思います。
○国務大臣(茂木敏充君) これからかなり広域的な経済連携交渉を日本としても進めて、経済連携の網を世界に張ってまいりたいと思っております。
 個々の交渉の具体的な内容、つまびらかにできない部分もありますが、NEXI等、国のこういった保険が相手国との間で大きな問題になっている、こういう状況ではないと認識をいたしております。
○松田公太君 ありがとうございます。
 終わります。
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
 まず大臣に伺いたいんですけれども、本法案が国民生活にどう寄与し、どんな公共性があると認識されているのか、御説明をお願いしたい。
○国務大臣(茂木敏充君) 大変大きな視点から御質問いただいたところでありますけれども、今、安倍政権としては、企業の収益の改善、これを賃金の上昇、所得の向上につなげ、それが消費の拡大を生んで、投資が拡大をする、こういった経済の好循環をつくっていきたいと考えております。
 それを行っていくためにも、民間投資を喚起する成長戦略、アベノミクス三本目の矢、これが極めて重要になってまいります。そして、成長戦略の中の一つの大きな柱が海外展開戦略ということになってくるわけであります。
 そして、今企業が国際展開をする、貿易だけではなくて直接投資も行う、そこの中で、企業の取引形態も海外の子会社を使ったり、資金調達手段にしましても外貨建てのもの、そうした取引形態であったりとか資金調達手段も多様化をしております。そして、大企業だけではなくて、地域地域の中小企業、小規模企業も国際展開を図る、こういった一連の活動を支援をしていくために貿易保険の機能を拡充する必要があるということから今回法改正をお願いをしているわけでありますが、まさにこういった成長戦略の大きな一翼を担う国際展開戦略、これを進めることによりまして、成長が実現され、その果実が全国民、全国津々浦々に行き渡るような状況をつくってまいりたいと考えております。
○倉林明子君 なかなかアベノミクスの効果も実感しにくいという中で、今のお話聞いていますと、なかなか距離のある話やな、巡り巡ってくるまではという印象を持ちました。
 そこで、この貿易保険ユーザーについてなんですけれども、資本金別に内訳を見ると一体どういう方々がユーザーになっているのかということで、それぞれ資本金別で何社になっているかというのを数で教えていただきたいんです。一兆円以上が何社か、一兆円から一千億円、一千億円から百億円、百億円から十億円、十億円から三億円、それぞれ何社でしょうか。
○政府参考人(横尾英博君) 中小企業の全体の割合は五二%でございます。ただ、資本金の額で、今ユーザーの上位三十社で区分をしましたが、まず一兆円以上の資本金があるところが三社、それから一千億円以上一兆円未満の資本金のところが十三社、百億円以上一千億円未満が十一社、十億円以上百億円未満が二社、三億円以上十億円未満が一社と、これで上位ユーザー三十社の資本金別の内訳でございます。
○倉林明子君 今中小企業が件数でいえば五二%になるということなんですけれども、この上位三十社が保険引受総額に占める割合で見るとどうなりますでしょうか。
○政府参考人(横尾英博君) この上位三十社の保険金額の合計額でございますが、日本貿易保険が引き受ける保険金額全体に占める割合、これを過去五年間の推移を見ますと、二〇〇八年度が八三・六%、二〇〇九年度が八五・三%、二〇一〇年度が八二・二%、二〇一一年度が八二・二%、二〇一二年度八二・四%という推移になってございます。
○倉林明子君 三十社でほとんど八割を超えて引受総額を占めているということで、大きいところ、特定のユーザーに利用されているというのがやっぱり実態だと思うんですね。
 そこで、今回新たに海外の子会社に付保できるように改正するということですけれども、海外子会社の利益、これが本当に回り回って国内に還元されているのかというところでもよく検証する必要があると思っているんですが、そこで、数字でお伺いしたいんですけれども、日系企業の海外子会社から第三国へ輸出している額、もう一点は、日本から海外への輸出高、これが〇四年、二〇一二年、それぞれどうなっているでしょうか。
○政府参考人(横尾英博君) まず、日本企業の海外現地法人から第三国向けの輸出額でございますが、経済産業省の海外事業活動基本調査によりますと、二〇〇四年度が四十三・一兆円に対して、二〇一二年度が五十九・八兆円となっております。
 また、日本から海外への輸出額でございますが、貿易統計によりますと、二〇〇四年度が六十一・七兆円、二〇一二年度が六十三・九兆円ということになっております。
○倉林明子君 今御報告ありましたとおり、日本企業の海外現地法人から第三国向けの輸出額というのが大きくこの間伸びておりまして、日本から海外への輸出額に相当してくるという勢いになっているということだと思うんですね。
 そこで、この海外現地法人の内部留保残高が一体どうなっているのかというのを、同じく経産省の数字で資料を見てみますと、〇九年、十七兆円だった残高が二〇一二年では二十八・七兆円と、十兆円超えて拡大しているんですね。国内でも内部留保をため込んでなかなか回ってこうへんという話題になっておりますが、海外の現地法人でも利益がため込まれている傾向があるという数字だというふうに思うんですね。多国籍で展開して利益は内部留保で蓄える、体力もある、こういう企業のリスクを国に転嫁するということではないかと思うんです、今回の措置は。
 更に質問します。民間損保会社にNEXIが再保険を可能とする改正、これについて欧米の損保会社での扱いはどうなっているか。いかがでしょう。
○政府参考人(横尾英博君) 欧米の貿易保険機関、NEXIのカウンターパートに当たる機関にNEXIから調査をいたしたことがございますが、民間の損保会社が販売している対外取引向けの保険について再保険を引き受けているという回答をいただいたのが、アメリカ、イタリア、カナダの貿易保険機関からそのような再保険を引き受けているという回答を得てございます。
○国務大臣(茂木敏充君) 内部留保の方を若干補足をさせていただきますと、確かに内部留保、御指摘のように額増えてきておりますけれど、これ、先ほどほかの委員からも御指摘のありました国内の税制上の課題、また相手国におけます様々な制度的な障害もありまして、この後者についてはしっかり日本として国際場裏、また二国間協議の中で改善をしていく必要があると思っておりますが、もう一つ大きな課題としては、内部留保を国内に戻しても投資するだけの機会が今までなかったと、こういった部分もあるんだと思います。過小投資の問題でありまして、やはり国内において投資が進むようなことを進めていかなければいけないと思っております。
 更に申し上げると、海外子会社からの第三国輸出が増える、一方で日本からの貿易というのがそれほど増えないということでありますけれども、例えばRCEPであったりとかTPP、こういったことを進めることによりまして、タイからの輸出が日本からの輸出に変わる、メキシコからアメリカに出していたのが日本からアメリカに出る、こういった状況も生まれてくると考えております。
○倉林明子君 先ほど、他の国でも民間損保会社への再保険あるんだということでしたけれども、極めてそれも例外的な扱いになっているということだと思うんですね。欧州委員会の原則認めないということを確認した中で、十分な保険市場がない国については認めるという措置もあろうかと思うんですね。
 いずれにしても、日本の貿易保険、このNEXIが占める貿易保険の割合というのは、日本は一割と非常に高い。諸外国と比べてみても、最終リスクを国がカバーする割合というのは非常に高くなっているというところは特徴だと思います。
 そこで、この民間保険の再保険、NEXIが引き受けなければならないという必要性が一体どこにあるのかと。原則として民間にということで再保険をさせている欧米と同じような商業ベースでの再保険、なぜできないのか。以上、いかがでしょう。
○政府参考人(横尾英博君) まず、日本におきまして日系の民間の保険会社が対外取引に係る保険で商業ベースで再保険を提供しているというのはないというふうに認識をしております。
 他方、今回の改正におきましては、地方の中小企業への貿易保険の普及という観点から、NEXIの引受能力と民間の損保会社の全国的な販売網という両者を組み合わせることが効率的、効果的だということで再保険を付する措置を盛り込んでいるところでございます。
○倉林明子君 これまでも民間の損保会社から再保険についての要望が繰り返し出されていたと思うんですけれども、その際、民間会社の逆選択によって不良案件が集中し多大なリスクを抱え込むおそれがあると。モラルハザードという部分だと思うんですけれども、この懸念の払拭というのはされたんでしょうか。
○国務大臣(茂木敏充君) 二〇一〇年頃の話でありますが、日本損害保険協会から、民間損保が引き受けた対外取引に関する保険について国が直接再保険を付けられるよう要望があったところでありますが、これにつきまして慎重な検討を行ってまいりました。
 二つ大きな変化があると思っております。その一つというのは、中小企業にとっても海外進出の重要性が高まった。そういった中で、民間の損保業界からも自分たちの全国的なネットワーク、こういったものを利用して、また日本貿易保険の引受能力を組み合わせることによって、そういった分野に対する付保が進む。一方、日本貿易保険、これも二〇〇一年に創設をされまして十五年間ということで、十分な経験そして専門性が向上してまいりまして、民間の損保会社が持ち込む個別の案件についても十分なリスク審査を行える、こういう状況になってきた、このように考えております。
○倉林明子君 そこで、会計検査院に確認をしたいと思うんですが、二〇一〇年度の決算検査報告を見ますと、貿易保険の保険金査定について是正改善を求めたという指摘があります。この事業の概要、取引の存在が確認できない保険契約があったということですが、契約件数及び金額はどうなっていますか。
○説明員(藤崎健一君) お答えいたします。
 十八年度から二十年度までの間に同一被保険者に保険金を支払いました保険契約計九件、支払保険金額計九千百二十六万余円につきまして、取引の相手方の業者や貨物を輸送した運送業者の存在が確認できなかったり、存在していても被保険者との取引を否定していたりしていて保険の対象である取引の存在が確認できない状況となっておりました。
○倉林明子君 つい最近でもこういう不十分な査定能力が露呈しているというのがNEXIだと思うんですね。今後、こんな民間の保険会社でも考えられないような事案があってはならないと思うんです。
 改めて、公的保険制度を巨大な多国籍企業など、リスク軽減に使うというようなことには賛成できないと申し上げて、終わります。
○中野正志君 日本維新の会の中野正志でございます。
 貿易保険法の改正につきまして、その背景につきましては、るる質疑がありまして改めて理解、承知をさせていただきましたから、早速ながら、個別の質問に入ります。
 日本企業がグローバルな経済活動を牽引していく、そのためには、いわゆるグローバルスタンダードに沿って日本国政府が様々な制度を設計していく必要があります。
 貿易保険については、保険料設定のためのガイドラインとして、OECD公的輸出信用アレンジメントが、合意の上、設定をされております。
   〔委員長退席、理事加藤敏幸君着席〕
 また、この原則を守ることで、WTOが定める補助金及び相殺措置で禁止される輸出補助金に該当しないというルールになっておりますけれども、OECDの公的輸出信用、どのように行われているのか。また、この改正案はそのアレンジメントに沿ったものとなっているのかどうか。また、本改正案、WTOのルールなどもちろんちゃんと遵守しているものだろうと思いますけれども、改めてお伺いをしておきたいと思います。
○政府参考人(横尾英博君) まず、OECDの輸出信用アレンジメントでございますが、これは、返済期間二年以上の輸出契約を対象に、貿易保険の引受けに際しまして最低の保険料率などのルールを原則守るべきルールということで規定をしております。日本の貿易保険は、当然このルールを遵守をして貿易保険の引受けを行っているところでございます。
 また、WTOの補助金協定におきましては、輸出信用保険制度につきまして長期的な運用に係る経費及び損失を補填するためには不十分な料率によって運用するというものが禁止される輸出補助金に該当するということになっております。日本貿易保険におきましては、中長期的に事業の収入が経費及び保険金支払等の支出を補うように行われるべきとのいわゆる収支相償の原則にのっとって運営をされております。
 このように、日本の貿易保険制度はこうした国際的なルール、ガイドラインを遵守をして運用されておりまして、今回の改正によりましても、カバーする範囲は拡充をしておりますが、これらの国際的なルールを遵守をして適切に運用するということに変わりはございません。
   〔理事加藤敏幸君退席、委員長着席〕
○中野正志君 グローバル市場で競争している日本企業といいましても、現地一〇〇%子会社が主体的に動いているという場合もあれば、外国企業とのジョイントベンチャー形式の企業など、その態様は様々であると言えるでしょう。この点、今回の改正案では、日本側企業の出資比率が何%以上のジョイントベンチャーを対象とされるのか。また、出資比率に応じた企業活動の実態を把握することも肝要かと思いますが、この辺りはどのように整理されているんでしょうか、お伺いをいたします。
○大臣政務官(磯崎仁彦君) お答えをいたします。
 新たに貿易保険の対象とします海外子会社の範囲につきましては、最終的には経済産業省令で決定することになりますけれども、現段階におきましては、日本企業が株式の総数の半数以上を所有をしていることであるとか、あるいは半数未満の場合でありましても半数以上の役員派遣を行っている、こういったことを定める方針で今おります。
 このように、日本企業が主導して実施をしているビジネスを支援するという観点で、やはり日本企業が実質的に支配をしているという、そういう観点で省令を定めていく必要があるというふうに思っております。出資比率が低い場合でありましても、半数以上の役員派遣をしているということで日本企業が実質的に支配をしているということになろうかと思います。
○中野正志君 日本企業が海外で活動する場合、必ずしも出資を伴わずに、技術協力やOEM契約などによる場合もあります。例えば、一つには、日本から部品を輸出して外国法人が組み立てて販売する場合、二つ目には、日本から技術を供与して外国法人がライセンス製造の上販売するという場合、あるいは三つ目には、OEM契約によって外国法人が販売する場合、そういったことなどが実は考えられます。
 こういった点を踏まえて、日本企業がどういう形でどの程度関わると本改正案の対象となるのかということを明確にする必要があると思いますけれども、この点は今後更に詳細に定義されていかれるのか、お伺いをしておきたいと思います。
○政府参考人(横尾英博君) これにつきましても、基本的には今後経済産業省令で定めることになりますが、今回の日本企業が海外事業活動の出資を伴わない場合でございますけれども、海外の日本製品を売る販売拠点について支援対象にするというふうに考えております。
 これは、その販売拠点といいますのは、日本企業の輸出促進に資すると、言ってみれば、日本企業が輸出した製品を外国企業が販売拠点としてそのまま販売する場合、これは日本企業による輸出と言ってみれば同等とみなせるという観点から、今回、貿易保険の対象にしようというふうに考えております。
 他方、今議員御指摘の点でございますが、日本企業が部品を外国企業に供給して、当該外国企業がその部品を用いて生産をして製品を販売する場合、あるいは日本企業がライセンス、技術供与をして、その外国企業がそれに基づいて生産して販売をする場合、これは日本企業による輸出と同等とはみなせませんので、今回の貿易保険の対象とはしないという方針でございます。
 なお、いわゆるOEMでございますが、日本企業が外国企業に受託生産をさせた製品を販売するケースでございますが、これは本邦にいる日本企業が、販売先の外国法人との関係では、日本企業が取引の相手方になります。商流は日本企業とその外国企業でございます。これは、自社ブランドで販売をすることでより付加価値の付いた製品販売が実現できるという意義がございまして、既に現行の制度で貿易保険の対象になっているところでございます。
○中野正志君 本改正案では、出資外国法人等貿易保険を新設することで、日本企業の海外子会社等や本邦製品の海外販売拠点からの輸出、サービスの提供などの取引についても貿易保険の対象となるようになった、そういったことは日本企業の海外展開支援にしっかりと役立つものだと考えてはおります。
 一方、従来、日本から海外の子会社を通じて輸出を行う場合は、日本から海外子会社に対する輸出までしか貿易保険でカバーできなかった、そのために、これを補うために外国の貿易保険機関と協定を結ぶことによってリスクを回避してきたという、当然ながら事実になります。
 本改正では、こういった各国保険機関との協力関係、これは今後どのような取扱いとなるのか、出資外国法人等貿易保険とどう使い分けられるのかといった点について詳細をお伺いをしたいと思います。
○大臣政務官(磯崎仁彦君) 委員まさにおっしゃいますように、これまでもNEXIにつきましては、日本企業の外国法人、海外子会社、これらの取引を支援するために、その現地におけるいわゆる貿易保険機関、これが一旦子会社の元請をして、それをNEXIが再保険という形で受けると、こういう協定を七つの国若しくはその地域の貿易保険機関と締結をしておりました。例えばシンガポールでありますとかマレーシアでありますとか、こういうところと今まで締結をしてきたわけでございますけれども、ただ、やはり今回、新たな仕組みとしまして直接保険を引き受けるということができるということは、それまでそういう仕組みがなかったところにつきましても新たに支援をしていくということができるわけでございます。
 ただ、これに伴いまして、今までの協力関係につきましても継続をしていくということになりますので、言ってみればこの七か国あるいはその地域につきましてはいずれの方式も選択をできるということになるということで、これまでの協定がこれをもってなくなるということではなくて、引き続き継続をしていくということでございます。
○中野正志君 先ほど来、民業圧迫のお話もございました。
 ちょっと視点を変えて質問をさせていただきますが、この法案によってNEXIの貿易保険金上限が一気に強化をされます。具体的にはどの程度の強化になるのかなと思いますので、お伺いをいたします。
 また、大幅な貿易保険金上限の上昇で企業の海外リスクが減って、日本企業の海外での活躍がより活発になることは日本経済において大変望ましいことでありますけれども、この上昇分の原資を具体的にお伺いをしておきます。
 一方で、この巨額な上昇分を後ろ盾に、二〇〇五年から民間の参入が可能となった再保険事業分野への進出を阻害することにならないか、これも改めてお伺いをします。
 また、この民業圧迫の危険性について、NEXIが進出する再保険は一部の分野にとどめると経産省の考え方もちらっと説明はされましたけれども、この一部分野とは具体的にどこまでの範囲、それを想定されているのか、お聞きしたいと思います。
○政府参考人(横尾英博君) まず、日本貿易保険が引き受ける保険契約で、制度上保険金の上限があるわけではございませんが、今回の改正によりまして、特にインフラ関連の保険引受額でおよそ二千億程度増加をするということを見込んでおります。
 現在、年間の引受総額が八兆円で引受残高が十三兆円の規模がございます。これに対しまして、日本貿易保険、NEXIと再保険を引き受けている政府の再保険特別会計で合計一・二兆円の積立金がございます。したがいまして、今回の引受けの増によりましても引受総額全体が大幅に増額するというわけではございませんので、保険の支払に支障が生ずるような状況にはないというふうに認識をしております。
 また、民間の損保会社との関係でございますが、二〇〇五年度の閣議決定で、民間保険会社につきましても対外取引に関する保険に参入をするようになっております。現時点で再保険に参入したところはまだないというふうに認識をしております。元請の方の保険事業に参入をしているところはございますが、現時点では大変保険期間が短かったり引受金額が少額だったりという限界がございます。
 したがいまして、今回の措置によりまして、日本貿易保険がこうした民間の損保会社の提供する対外取引に関する保険の再保険を受けるということができるようにするということで、特に地域の中小企業の方にも貿易保険のサービスが行き渡るようにということで措置をしたものでございます。
 この点につきましては損害保険業界からも要望がありましたので、この要望を実現するものでございます。これは、一部といいますのは、損害保険会社が主たる業務としてやっておりますのがいわゆる火災保険、海上保険など物的損害を填補する保険の分野でございまして、これは当然損害保険会社の領域でございますので、今回、日本貿易保険が再保険を提供することはないということでございます。
○中野正志君 分かりました。ありがとうございます。頑張ってください。
○真山勇一君 結いの党、真山勇一です。お昼回りましたけれども、もう少し、しばらくお付き合いをいただきたいというふうに思います。
 私もこの貿易保険法についての質疑をさせていただきたいと思うんですが、やはりこのグローバル化の中で、日本からの輸出、海外展開、投資、大変大事なことでもあるし、日本の経済発展のために大変重要であるというふうに認識しておりますけれども、やはり今の世界、いつどこで戦争、テロ、そうしたもののリスクがあるかどうか分からない。そうしたものに備えて、民間では引き受けられない保険、そしてそれを更に再保険できるようにということが一つ。そして、使いやすい、間口を拡大した、そんな保険体制を整備をしていくということと、そのためにはその窓口となっているNEXI、独立行政法人日本貿易保険の改組ということですね、それが今回の改正の大きなポイントであるというふうに私も理解をしております。
 やはりこれは是非進めるべきであるというふうな観点から質問させていただきたいんですが、その改正点に幾つかの疑問を感じたり持つというところがあるので、その辺を少しこれから伺っていきたいというふうに思っております。
 これまでの委員の方の質問でもう大分出ておりますので多少重複も御勘弁していただきたいと思うんですが、やはり一番気になるのは、民間では引き受けられないということがあるんですが、海外の子会社、大変今増えてきているという現実があるというお話が出ていました。
 今回の保険の対象ということに海外の子会社ということがあるんですけれども、今の御説明ですと、どのぐらいの割合ならばいいのかということがあって、日本企業が実質的に支配をしているというお話ありました。確かにそういうことでなくてはいけないというふうに思っています。そうでないとやはり、先ほども話が出ましたけれども、海外の企業が利益を上げておいて、何か事があったときにだけ日本からの保険金でということになると、まあ言ってみますといわゆる保険金の流出みたいなことが起きてしまうんではないかなと思うんですが、その辺り、もう一度その定義、例えば国内でいえば会社法の国内法人とか国内の子会社というのはあるわけですけれども、その辺りの基準とはどういうことなんでしょうか。その辺りをやはり適用するのか、あるいはそういう辺りをある程度意識した基準ということになっているのか、まずこれからお伺いしたいと思います。
○政府参考人(横尾英博君) 今回支援対象にいたします海外子会社でございますが、これ、経済産業省令で具体的に内容を定めることにしておりますが、日本企業が株式の総数の半数以上を所有していること、半数未満の場合には日本企業が半数以上の役員派遣を行っていることというのを基本的な方針にしたいというふうに考えております。
 これにつきましては会社法上の子会社の概念とほぼ同様でございますが、本法における具体的な内容を明確に定めるために、これに基づく経済産業省令で明確に定めることにしたいというふうに考えております。
○真山勇一君 その経済産業省令なんですが、これで定めるということで今おっしゃった内容を考えておられるということですけれども、やはり皆さん心配している、あるいは気にしている部分というのは、やはりそういうことで対象範囲が際限なく広がらないかとか、あるいは恣意的に運用されるおそれがないかとか、そういうやっぱり心配を感じているわけですし、特に外国との関係でいえば、その辺りというのは大変これから難しい判断を迫られるところもあると思うんですけれども、その辺のおそれについてはどんなふうに考えていらっしゃるでしょうか。
○大臣政務官(磯崎仁彦君) 今局長の方から答弁をしていただきましたし、先ほど私もお答えをさせていただきましたように、省令の方で決めさせていただきますが、パブリックコメントもいただいておりますので、それを踏まえて、具体的な内容については経済産業省令できちんと決めてまいりたいというふうに思っております。
 いずれにしましても、議員が御懸念をするような恣意的な運用は決してないようにきちんと取り扱ってまいりたいというふうに思っております。
○真山勇一君 是非そういう方向でというふうに私も考えていろいろ伺っているわけですけれども。
 それから、もう一つちょっと気になることで、一つは、その法人への保険サービスの中で非常危険というのと信用危険というのがありまして、その双方とも今回保険の対象にしていくというふうに言われているわけなんですが、非常危険というのは、リスクが大きい、まあ国のリスクなどということ、それから信用危険というのは相手国の企業ということなんですが、このことも見ますと、なぜNEXIが両方扱う必要があるのかな。非常危険というのは、ある程度想定できないようないろいろなリスクがあるということは分かるんですが、例えば信用危険という方の内容ですね、これまあ比率としては小さいんですが、これがやはり加えられているということは、この辺りは民間でも十分カバーができるんではないかというふうに思うんですね。
 この辺りまで広げているのが、要するに際限なく広がるのではないかなというような、そういうことを、気掛かりになることなんですけれども、この非常危険、信用危険、例えば信用危険はNEXIが行う必要はないんじゃないかというふうにも感じるんですが、いかがでしょうか。
○大臣政務官(磯崎仁彦君) 今まさに委員がおっしゃいましたように、貿易保険につきましては、民間の損保、保険会社の保険ではやはり引受けを行うことが困難なそういった保険について国の制度として保険を引き受けるということでございます。例えば、ある期間に保険事故が集中をしたり、あるいは非常に巨額なリスクが生ずるといったような場合にはなかなか大数の法則がなじまないということで、民間保険会社にはなかなか引受けができないということで貿易保険で対応するというニーズが出てくるんだろうというふうに思っております。
 そういった意味では、テロ、戦争、外貨送金規制のようなポリティカルリスクとともに、やはりその相手先企業の破産、あるいは履行遅滞のような信用リスクにつきましても、やはり日本と外国とはいろんな面で違っているところがございますので、そういった面につきましても、非常に保険事故として民間としてなかなか引受けができないということになりますと、日本の企業の進出というものを支援をしていくという観点からは、やはり貿易保険としてカバーをしていくニーズがあるんだろうというふうに思っております。
 これは、今回の改正で信用保険についても新たに付加をしていくということではなくて、これまでもポリティカルリスクと信用リスクというのは担保していたものを、それを海外の子会社についても拡大をしていくということに伴ってポリティカルリスクと信用リスクをそのまま適用していくということになりますので、現行の規定をそのまま適用するということで、なかなか民間保険では引受けが難しいということで対応をしていく必要があるんだろうというふうに思っております。
○真山勇一君 それで、あともう一つお伺いしたいと思うんですけれども、新しくできる出資外国法人等貿易保険というのがあるんですが、これについて伺いたいんですが、その出資外国法人等貿易保険というのは、もちろんこちらの企業の海外子会社というものは当然含まれているというふうになっているんですけれども、それに加えて現地の販売代理店というのが出てきているんですが、この販売代理店というのが含まれるというのは、どういうものを想定というか考えればよろしいんでしょうか。
○政府参考人(横尾英博君) 出資外国法人等ということで、これも具体的内容は経済産業省令で定めることにいたす予定でございますが、海外の販売拠点につきましては、日本製品を販売をする外国法人で、一年程度の期間以上継続的に日本製品を扱っている外国法人を定めるという方針でございます。
○真山勇一君 やはり現地の販売代理店というと、日本との結び付きというか関係性でいうと、先ほどの海外子会社などとはやはりちょっと違うというか、違和感を感じるわけですね。やはりそれは日本の製品をどんな形で売っているにしろ、例えば輸入会社なんか時々ありますけれども、それは日本の会社であるわけですね。ですから、つまり日本の製品を輸出した先で外国の会社が売るという、これも今回の保険サービスの中に含めているということなんですけれども、この辺りをちょっと、本来ならばその土地の、国の保険でもいいような気がするんですが、ここまで含めているという何か理由というのはあるんでしょうか。
○政府参考人(横尾英博君) 海外子会社を設立することが必ずしも難しい場合、例えば現地の出資規制があったり、リスクの観点から子会社を設立するのが難しい場合には、そこにある外国企業の販売拠点を使って日本製品を輸出をするという形態が現在も多くなりつつございます。こうしたものについては、日本製品をそのまま販売するわけでございますので、日本製品の輸出と同等だという評価が可能かと思われますので、今回この対象に加えるということにしたいと考えてございます。
○真山勇一君 いずれにしても、かなり今回はその保険の対象の範囲を海外に広げるということがありますので、やはり、もういろいろ出ておりますけれども、使いやすくて広くカバーするという保険の目的、これでは必要だと思うんですが、その一方で、何もかもということで、やはり国の税金を使って行う保険なので、その辺の、何というか、一つのけじめというか、そういうものは必要ではないかなということを申し上げておきたいというふうに思います。
 そして、今回のこうした保険法の改正の、実質的にいろいろ事務、実務を行っていくのがNEXIであるというふうに思うんですが、当然そのNEXIもこうした新しい法改正、かなり業務も様々広がるということで、これからいろんなことを考えていかなくちゃいけないと思うんですが、取りあえずどういったNEXIというのは組織、現行どんなふうになっているのかというのを、特にこうした法人ですと、やはり気になるのは経済産業省からどのぐらいの方が出向しているのかとか、そういうことがあると思うんです。そういうことも含めてちょっとお伺いしたいと思います。
 NEXIのホームページから組織図、それから役員の一覧というのをちょっと出してみたんですけれども、現体制が百三十九人ということなんですが、現行体制を、余り細かくなくて結構ですが、出向者なども含めて、ちょっと現行どんなふうになっているのか、お答えいただければと思います。
○政府参考人(横尾英博君) 本年四月一日現在は、職員数は百三十三名になってございます。このうち、NEXIが二〇〇一年から創設されまして以降、プロパー職員というのを増やしてきております。この百三十三名のうちプロパー職員は百六名ございます。私ども経済産業省からの出向者は十三名でございまして、それ以外は民間の出向者、契約社員等でございます。
○真山勇一君 ありがとうございました。
 やはり最初は経済産業省、そういう専門的なスキルとか知識を持った方がいらっしゃらないとなかなかできない業務だと思うんですが、これだけ業務を拡大していくと、今後やっぱりプロパーなどはかなりスペシャリストが必要になってくると思うんですけれども、その辺りの、その将来NEXIの制度、機構みたいなものは何か描いていらっしゃることがあったら教えてください。
○政府参考人(横尾英博君) まさに委員御指摘のとおり、専門性を持ったプロパー職員の育成というのが重要でございまして、二〇〇一年に創設をしたときはほとんど経済産業省で、それまで経済産業省でやっておりましたので経済産業省の人間がやっておったんですが、だんだんプロパーを増やして専門能力を高めてきてございます。この努力は今後とも続けるわけでございますが、NEXIを特殊会社化することが決まってございます。これにつきましては、来年の通常国会を目指して具体的な制度設計をしてまいる考えでございますが、その特殊会社化の設計に当たりまして、まさに柔軟な組織体制ができるような、そうした設計を今後考えていきたいというふうに考えております。
○真山勇一君 特殊会社化するということで、平成二十八年度でこの貿易再保険特別会計も廃止するというふうになっておりますが、特殊会社化と同時に特別会計も是非廃止ということに対する決意、大臣から伺って、終わりにしたいと思います。
○委員長(大久保勉君) 時間が過ぎておりますので、答弁は簡潔にお願いします。
○国務大臣(茂木敏充君) 閣議決定どおり、しっかりと廃止してまいります。
○真山勇一君 ありがとうございました。
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○委員長(大久保勉君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、増子輝彦君が委員を辞任され、その補欠として礒崎哲史君が選任されました。
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○荒井広幸君 御苦労さまです。
 先ほど中座いたしましたのは、日本国憲法の改正手続に関する法律の一部を改正する法律案、これを自民、公明、民主、維新、みんな、結い、改革の八党で内容を協議し、合意をいたしました。この八党で衆議院に提出する運びと、こういうふうになりますので、委員、大臣、皆さんにも御報告申し上げたいというふうに思います。
 まず、貿易保険の利用者を上位三十社の資本金で見てみますと、三億から十億の会社が三%、十億から百億円の資本金の会社が七%、百億円以上が九〇%であるというふうな数字が出されています。さらに、これら上位三十社の引受保険金額、NEXI全体に見て八割、過去五年ベースで八割が、この三十社で引受金額全体の八割を占めているんですね。ということは、大企業や特定企業の優遇になりはしないかという心配する向きがありますか、どのようにお答えされますか。事務方の方、どうぞ。
○政府参考人(横尾英博君) 貿易保険の加入者のベースで見ますと、過半、五二%はいわゆる中小企業でございます。また、こうした中小企業の方の貿易保険の利用を促進するために、中小企業向けに手続等を簡素化した商品を提供するほか、地銀と提携をして地方の中小企業に貿易保険の販売委託を行うなどの取組を行っております。
 加えまして、今回の法改正で、地方の中小企業への貿易保険の普及の観点から、民間の損害保険会社の対外取引向け保険の再保険を受けるよう措置をしまして、より充実した対外取引向け保険を地方の中小企業も含めて提供できるように措置をしたところでございます。
○荒井広幸君 中小零細企業に対して強力な助っ人になっていただきたいと思うんですね。今ほど示された中にはそのための措置が入っておったわけですが、国際展開した企業一万社のうち、国際的に展開すると国内での雇用も増えているということでございますので、一層の努力を求めたいと思います。
 そこで、中小零細企業という形で、農林水産品の輸出、これを、今五千億程度ですね、弱ですが、これを一兆程度に伸ばしていこうという目的もあるやに聞きますけれども、この農林水産品の輸出、これらをこの保険とどのように絡めていくというんですかね、積極的に利用してもらおうとしているのか、農林水産省、見解を聞かせてください。
○政府参考人(石田寿君) 農林水産省では、グローバルな食の市場が拡大してございますので、これを我が国の農林水産業、食品産業の発展につなげるために、二〇二〇年度までに約一兆円規模に拡大したいと、輸出を、そういったことで今戦略的に進めてございまして、昨年の八月には国別・品目別の輸出戦略というものを策定、公表いたしました。
 数字ですけれども、先日公表いたしまして、直近の平成二十五年は、農林水産物、食品の輸出額は五千五百五億円というところで、対前年比二二%増、過去最高額というところまでなったところでございます。
 それで、先生の御指摘の貿易保険の関係でございますけれども、輸出に取り組みます農林水産事業者の抱えるリスク、これヒアリング等で聞きますと、最も高いリスクは農林水産物は相手国の輸入検疫において不合格になるリスク、あるいは輸送時における品質の劣化、そういったリスクもございまして、貿易保険でカバーされているリスクよりもまずこちらの、これらへの対応が必要であるというふうには聞いてございます。
 ただ、いずれにいたしましても、輸出促進を図る上で、保険によりましてリスクを低減することも重要であるというふうに考えてございますので、これを同時に、今私が述べましたようなリスクの顕在化をさせないように、輸出先の国の規制をあらかじめ把握してこれらを事業者に情報提供すると。そのときに、あわせまして、現在、輸出振興につきましてはジェトロと密接に提携をさせていただいてございますので、ジェトロにおけるセミナー、個別の貿易相談等の場を通じまして、事業者さんのニーズを踏まえながら積極的に情報を提供していきたいというふうに考えてございます。
○荒井広幸君 アンケートを取ったら、貿易保険ではないところのリスク、課題が多いということが分かったようですが、さらに、この保険をどう活用するかというところもまだまだ残っている課題があろうと思いますから、この保険を使うことで有利に展開ができるように、また一工夫、また説明、そういったものを進めていただきたいというふうに思っております。
 この保険は原発関連についても適用されるのかどうか、確認をさせていただきます。
○政府参考人(横尾英博君) 貿易保険は我が国企業の対外取引に係る損失をカバーする制度でございますので、例えば日本企業が原子力発電所の資機材を輸出した場合には、輸出の相手方に対して日本企業あるいは本邦銀行が有する債権につきまして当該相手方から支払がなされないことにより被る損失をカバーすることが可能でございます。
○荒井広幸君 二〇〇一年から一三年度までで累計五十三案件、千七百十六億円という規模になっております。
 そこで、インフラシステムの輸出戦略というのがあるわけですが、先ほど来も出ていたようでございますけど、二〇二〇年度、エネルギー分野全体です、エネルギー分野全体で二〇二〇年度のインフラシステム輸出の海外受注の推計を出されていると思いますが、約九兆円ということになっているようです。そのうち、原発についての推計を示してください。
○政府参考人(高橋泰三君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のように、二〇二〇年のエネルギー分野全体でのインフラシステム輸出の推計は九兆円ということでございますけれども、うち、原子力分野についてはおおむね二兆円程度と考えてございます。
 将来推計の方法でございますけれども、二〇二〇年時点の海外市場の規模につきましてIAEAの原子力発電に対する予測値がございますので、それに基づいて二〇二〇年時点の海外市場の規模を推計いたしまして、その中で世界の主要原子力メーカーに占める日本企業の割合を掛けるということによっておおむね二兆円程度というふうに推計してございます。
○荒井広幸君 二〇一〇年ですね、二〇一〇年の推計でこのインフラシステムの金額を見ると、原発は〇・三兆円程度なんですね。二兆円ということになりますと、三、七、二十一ですから七倍というふうになるんです。
 これ大臣、結果的には海外に政府は原発を輸出していくと、こういう方針でありますが、非常に今度のこの貿易保険、有意義な面もあるんですが、ある意味においては国内でまだ整理が付いていないものに対して海外に積極的に攻めていけという、その意思に更に保険という形で後押しをしていると、こういうふうな駄目押し的な側面もあろうというふうに思っておるんですが、この辺、大臣としてどのようにお考えになりますか。
○国務大臣(茂木敏充君) 国際展開戦略、様々な分野でありまして、インフラシステム輸出、ここの中にはエネルギー関係の高効率の火力発電もありますし、今御指摘をいただきました原子力もございます。また、日本が優れた運営ノウハウ等を持っております鉄道であったりとか、技術的に世界一と言われております水システム等々もあります。さらには、こういったインフラシステム輸出とは別に、日本のコンテンツであったりファッション、農産品、日本食、こういったものをアジアを始め新興国等々に展開していくクール・ジャパン、様々な分野で国際展開を進めてまいりたいと思っております。
 そこの中で、原子力でありますが、今海外では、電力の安定供給そしてコストの観点から、原発計画を進めている国、さらに、検討している国も多いわけであります。そういった国におきましては、単に原発を建設するだけではなくて、これを安全に運転をしていく、こういうオペレーションノウハウであったりとか、それに携わる人材育成、こういったニーズも大きいわけでありまして、そこに対する日本の期待もございます。相手国の事情であったりとか意向を踏まえながら、安全性の高い原子力技術を提供していきたいと思っております。
 福島第一原発の事故の経験そしてまた教訓、これを世界と共有をすると、これによりまして、世界の原子力安全の向上、さらには原子力の平和利用に貢献をしていくことは我が国としての責務でもあると、このように考えております。
○荒井広幸君 この委員会で視察に行きました次の次の日に汚染水漏れがあって、その後に今度はALPSが止まるというようなことの事故、故障があったんですね。やっぱりまだまだ大臣がおっしゃる意味での安全性に対する対応、結果論としては日本自身もまだ不十分だと思うんですね。その原点だけは、不十分だという原点だけは是非忘れないでいただきたいと思うんですね。
 結局、原子力協定を結んだりしていくんですが、各国、原発を造るところの国々で今どういう動きがあるかというと、日本の場合もそうですが、GEの責任、取っていませんよね、第一原発などは。メーカー責任は問わないということになっているんですね。ところが、原発を増設していこうというところ、あるいは新設しようというところの国ではメーカー責任を問うという国内法を整備しつつあるところがあるんです。そういう方向に向いていると。これ国際標準だからということでそうするしないなんというようなことあるかもしれませんが、福島原発の教訓や経験ということを言えば、メーカーだけが責任を免れていいのだろうかと、こういう問題点、私は今回指摘しておきたいんです。
 そのときに、この貿易保険ではメーカーを保険を付けて支援するという形になっているんです。じゃ、我が国においてはメーカー責任問われませんから、原発というものに対しての義務はないんですよ。ですから、こうした原発のメーカー責任ありやなしや、その場合の保険、どのような形で、莫大なものになってきますから、これらを対応するのか、そうしたことなども含めて多くの課題がこの法律のちょっと勉強させていただいたら気が付いたということでございまして、こういった点、問題意識を申し上げて、終わりといたしたいと思います。
○委員長(大久保勉君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○倉林明子君 私は、日本共産党を代表し、貿易保険法の一部を改正する法律案に対し、反対討論を行います。
 我が国の貿易保険は、諸外国の制度に比べて国がリスクを負う範囲が広く、特定の巨大商社、大手メーカー、メガバンクなどの多国籍企業が専ら利用しているのが実態です。今回の改正は、多国籍企業のリスクを一層軽減し、民間損保会社のリスクまで国に負担させようとするものです。
 反対理由の第一は、海外の子会社や販売拠点からの輸出やサービスにまで貿易保険の付保を拡大することは、多国籍企業のリスクを更に公的保険に転嫁するものだからです。日系企業の海外子会社等から日本以外の国への輸出額は、今や日本から海外への輸出額に匹敵する規模にまで拡大しています。その一方、多国籍企業が世界中で上げた利益は、国内経済や国民生活には還元されてきませんでした。事業の多国籍展開に伴うリスクは本来親企業が負担すべきであり、多国籍企業にはその体力も資金力も十分にあります。公的保険がそのリスクを肩代わりすべきではありません。
 第二は、原発も含むインフラシステム輸出戦略を推進するものになるからです。この間、インフラシステムの海外展開が進められており、原発輸出も成長戦略の一環と位置付けています。しかし、原発輸出には国民的な合意は得られていません。福島第一原発事故原因の検証もないまま世界最高水準を標榜するなど、決して認められません。
 第三は、国内損保会社もNEXIの再保険の対象とすることです。法案審議においても、損保会社にまで再保険を拡大する理由が明確に示されませんでした。民間損保会社のリスクまで国に付け回しするものであり、実施すべきではありません。
 一昨日、政府は、防衛装備移転三原則を閣議決定いたしました。武器輸出禁止の原則を大きく転換し、海外への武器輸出を可能にするものとなります。
 武器輸出禁止は、衆参両院で全会一致で決議されたいわゆる国是でもあります。国会での審議も抜きに国の基本方針を百八十度転換するなど、到底許されることではありません。なし崩しに防衛産業にも付保対象を拡大することにつながるものであり、これまで武器を輸出してこなかったことで果たしてきた日本の積極的な役割や国際的な信頼を自ら傷つけ、掘り崩すことにつながるものであることを最後に指摘し、討論といたします。
○委員長(大久保勉君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 貿易保険法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(大久保勉君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、加藤君から発言を求められておりますので、これを許します。加藤敏幸君。
○加藤敏幸君 私は、ただいま可決されました貿易保険法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、みんなの党、日本維新の会及び結いの党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    貿易保険法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
 一 インフラシステム輸出など対外取引の健全な発達の推進を図るに当たり、在留邦人や日系企業等の安全対策に万全を期すこと。また、「在留邦人及び在外日本企業の保護の在り方等に関する有識者懇談会」の提言及び犯罪被害者等施策推進会議決定を踏まえ、海外での犯罪被害者に対する経済的支援制度の創設及び労災保険制度の運用改善など、被害者及び被害企業に対する救済措置の拡充に努めること。
 二 独立行政法人日本貿易保険が行う貿易保険事業については、「民間でできることは、できるだけ民間に委ねる」との考え方に基づき、民間保険会社が引受け困難な分野を対象とするよう、詳細な制度設計を行い、民間保険会社の参入を妨げないよう配慮すること。
 三 民間保険会社が充実した対外取引向け保険を地域の中小企業・小規模企業者へ提供できるよう、日本貿易保険による再保険の引受業務に係る周知を図るとともに、手続の簡素化に努めること。
 四 独立行政法人日本貿易保険のリスク管理及び保険金査定等の業務運営、内部統制、コンプライアンス等の強化を図るための体制整備、並びに人材育成に引き続き取り組むこと。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(大久保勉君) ただいま加藤君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(大久保勉君) 多数と認めます。よって、加藤君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、茂木経済産業大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。茂木経済産業大臣。
○国務大臣(茂木敏充君) ただいま御決議のありました本法案の附帯決議につきましては、その趣旨を尊重してまいりたいと考えております。
○委員長(大久保勉君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんですか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大久保勉君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時四十六分散会