第186回国会 経済産業委員会 第13号
平成二十六年六月三日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月十三日
    辞任         補欠選任
     荒井 広幸君     浜田 和幸君
 五月十四日
    辞任         補欠選任
     直嶋 正行君     江田 五月君
     浜田 和幸君     荒井 広幸君
 五月十五日
    辞任         補欠選任
     滝波 宏文君     柳本 卓治君
     江田 五月君     直嶋 正行君
     真山 勇一君     小野 次郎君
 五月十六日
    辞任         補欠選任
     柳本 卓治君     滝波 宏文君
     小野 次郎君     真山 勇一君
 五月十九日
    辞任         補欠選任
     小林 正夫君     白  眞勲君
 五月二十日
    辞任         補欠選任
     白  眞勲君     小林 正夫君
 五月二十七日
    辞任         補欠選任
     荒井 広幸君     浜田 和幸君
 五月二十八日
    辞任         補欠選任
     宮本 周司君     佐藤ゆかり君
     渡邉 美樹君     牧野たかお君
     浜田 和幸君     荒井 広幸君
 五月二十九日
    辞任         補欠選任
     佐藤ゆかり君     宮本 周司君
     高野光二郎君     渡邉 美樹君
 五月三十日
    辞任         補欠選任
     牧野たかお君     高野光二郎君
 六月三日
    辞任         補欠選任
     増子 輝彦君     白  眞勲君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         大久保 勉君
    理 事
                有村 治子君
                岩井 茂樹君
                松村 祥史君
                加藤 敏幸君
                倉林 明子君
    委 員
                磯崎 仁彦君
               北川イッセイ君
                高野光二郎君
                滝波 宏文君
                宮本 周司君
                渡邉 美樹君
                小林 正夫君
                直嶋 正行君
                白  眞勲君
                増子 輝彦君
                杉  久武君
                谷合 正明君
                中野 正志君
                真山 勇一君
                松田 公太君
                荒井 広幸君
   国務大臣
       経済産業大臣   茂木 敏充君
   副大臣
       文部科学副大臣  櫻田 義孝君
       経済産業副大臣  赤羽 一嘉君
       環境副大臣    井上 信治君
   大臣政務官
       経済産業大臣政
       務官       磯崎 仁彦君
   政府特別補佐人
       原子力規制委員
       会委員長     田中 俊一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        奥井 俊二君
   政府参考人
       内閣府地域活性
       化推進室室長代
       理        富屋誠一郎君
       文部科学大臣官
       房審議官     田中 正朗君
       経済産業大臣官
       房審議官     高田 修三君
       資源エネルギー
       庁長官      上田 隆之君
       資源エネルギー
       庁省エネルギー
       ・新エネルギー
       部長       木村 陽一君
       資源エネルギー
       庁電力・ガス事
       業部長      高橋 泰三君
       国土交通大臣官
       房審議官     橋本 公博君
       環境大臣官房審
       議官       鎌形 浩史君
       原子力規制委員
       会原子力規制庁
       次長       森本 英香君
       原子力規制委員
       会原子力規制庁
       長官官房審議官  片山  啓君
       原子力規制委員
       会原子力規制庁
       原子力規制部長  櫻田 道夫君
       防衛省防衛政策
       局次長      真部  朗君
   参考人
       東京電力株式会
       社代表執行役社
       長        廣瀬 直己君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○電気事業法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
    ─────────────
○委員長(大久保勉君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 電気事業法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府地域活性化推進室室長代理富屋誠一郎君外十一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大久保勉君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
○委員長(大久保勉君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 電気事業法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に東京電力株式会社代表執行役社長廣瀬直己君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大久保勉君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
○委員長(大久保勉君) 電気事業法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。茂木経済産業大臣。
○国務大臣(茂木敏充君) 電気事業法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 東日本大震災以降、我が国が直面している新たなエネルギー制約を克服し、現在及び将来の国民生活に責任あるエネルギー政策を構築するためには、電気の安定供給の確保、電気料金の最大限の抑制、需要家の選択肢や事業者の参入機会の拡大を目的とし、広域系統運用の拡大、小売及び発電の全面自由化、法的分離の方式による送配電部門の中立性の一層の確保を改革の三本柱とする電力システム改革を着実に実施していくことが極めて重要であります。
 このため、まず、三本柱の一つである広域系統運用の拡大などを実現することによって電気の安定供給の確保に万全を期すとともに、具体的な実施時期を含む電力システム改革の全体像を法律上明らかにする改革プログラムを附則で定めた電気事業法改正案を昨年の国会に提出し、昨年十一月に成立したところであります。
 今回提出させていただいた本法律案は、改革プログラムに基づき、電気の小売業への参入の全面自由化を平成二十八年を目途に実施するために必要な措置を講ずるものであります。
 次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。
 まず、電気事業法の改正に関するものであります。
 第一に、現行の電気事業法においては一般電気事業者のみが家庭等に対する電気の供給を行うことが可能とされておりますが、今後は、経済産業大臣の登録を受けた小売電気事業者であれば、家庭等を含めた全ての需要家に対する電気の供給を行うことができることとし、これに伴い、一般電気事業を始めとする現行の電気事業法における事業類型を見直します。
 第二に、小売全面自由化を実施した後も電気の安定供給の確保に万全を期すため、現在の一般電気事業者の送配電部門に当たる一般送配電事業者に対しては、電圧及び周波数を維持する義務、どの小売電気事業者からも電気の供給を受けることができない需要家に対する電気の供給を最終的に保障する義務、離島における需要家が離島以外の地域と同程度の料金水準で電気の供給を受けることを保障する義務などを課すことといたします。一方、これらの義務を着実に履行できるよう、一般送配電事業者に対しては、料金制度により、必要な費用を送配電ネットワーク料金から回収することを制度的に担保することとしております。また、小売電気事業者に対しては、契約により供給する相手方の需要に応ずるために必要な供給力を確保することを義務付けるとともに、我が国全体で供給力が不足すると見込まれる場合に備えて、広域系統運用機関が発電設備の建設に係る入札など、発電設備の建設を促進するための業務を行えることといたします。
 第三に、需要家保護を徹底するため、小売電気事業者に対しては、需要家に対する料金その他の供給条件の説明義務などを課すとともに、現在の一般電気事業者の小売部門に対しては、当分の間、経過措置として電気料金を継続することとしております。
 第四に、小売全面自由化を実施した後は、電力の卸取引の重要性が高まることが想定されることから、卸電力取引所を電気事業法において位置付けるとともに、商品先物取引法を改正し、電力の先物取引に係る制度の整備を行います。
 加えて、電気事業に係る事業類型の見直しに伴い、電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法などの関係法律について所要の改正を行います。
 以上が本法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようよろしくお願い申し上げます。
○委員長(大久保勉君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○滝波宏文君 自民党、福井県選出の滝波宏文でございます。
 本日、電力システム改革のための電事法改正第二弾ということで、まず冒頭、市場と政府の役割について議論をさせていただければと思います。
 先般、原賠機構法改正の質疑でも触れましたが、私、以前、スタンフォード大学の研究所で日米の金融危機対応の比較研究をさせていただきました。その経験から、もう五年以上たちますが、リーマン・ショックの前と後では経済思想の潮流において大きな分岐があると考えております。
 すなわち、リーマン・ショック以前には、とにかく市場に任せれば大丈夫なんだ、市場は万能であって、自己修復機能さえ持っている、そういったいわゆる市場原理主義が経済思想の世界の潮流であったというふうに考えております。そして、その潮流の最先端にあったのがまさにアメリカの金融市場、デリバティブと言われる金融派生商品なども自由に認めたアメリカの金融市場であったかと思いますけれども、リーマン・ショックによってそのまさに最先端にあったアメリカの金融市場においてその考え方がもろくも崩れていった。まさに、株価等の下落の中で市場はフリーズして、民間ではリスクを引き受ける者が誰もいなくなって、やはり結局政府が、アメリカ政府が危機を受け止めるために公的資金の投入等をせざるを得なくなった。
 今、リーマン・ショックの後、いわゆる市場原理主義というのは昔のような勢いはもはやありません。もちろん市場の力というものが全て否定されたわけではなくて、引き続き資本主義の基盤として有効なわけでありますけれども、一方で政府の役割、特に危機時における政府の役割というものが再評価されているかと思います。
 こういったことを踏まえますと、私は、やはり市場とそして政府、どちらかが絶対ということではなくて、政府と市場が共働、共に働いて有効に機能していい社会をつくる、こういったことがあるべき姿だと思いますし、政策についてもそういった視点を持って考えていくべきであろうと考えております。
 そこで、できれば大臣にお伺いしたいのですが、このような市場と政府の役割分担についての御認識と、その中での今回の電力システム改革の位置付け、こちらについて御所見をいただければと思います。よろしくお願いします。
○国務大臣(茂木敏充君) 経済学は時代を経て様々な学説が主流になるわけでありますが、市場の在り方、アダム・スミスが見えざる手といった形で市場の機能に着目をいたしまして、その後マルサスの人口論であったり、また、シュンペーターがイノベーション、そして、一九八〇年代からシカゴ学派を中心にしてマネタリストと、こういうのがアメリカにおいては主流になる。そしてまた、リーマン・ショックを経てこういった市場万能主義に対する反省、見直し、これが起こっているのは委員の御指摘のとおりだと、このように考えております。
 そこの中で、市場は、民間企業が主役となった競争の中で効率を追求し、資金や人材など資源の最適配分を実施する機能を持つわけでありますが、他方、市場での競争が働きにくい場合には規制を行うこと、それから市場では提供できない公共財の提供、よく外部不経済の問題とか言われるわけでありますけれども、こういったことに対して政府の果たすべき役割があり、市場がうまく機能しない場合に補完的な役割を果たすというのが基本的な政府の在り方、そして民間と政府の役割分担である、このように考えております。
 こういった中で、電力システム改革、これは、六十年にわたりまして国の規制の下で続いてきた地域ごとの独占を基本とする供給体制であったりとか、コスト削減が総括原価等々によりまして働きにくい仕組みを競争的な市場へと改革するものであります。自由化によりまして、多様な事業者の参入を促すとともに、需要家にとっても多様な選択肢を生み出し、その中で柔軟な需給構造実現をしていきたいと考えております。
 今回の法案でも、全てを市場に委ねるということではなくて、基本的に競争環境を整えつつも、政府が適正なルールを作り、適正に監視を行うことといたしております。
 具体的に何点か申し上げますと、まず、送配電事業者に対しては、先ほどの趣旨説明でも申し上げましたように、需給バランスの調整の義務を課すことといたしております。一方、小売事業者には、供給力の確保を求め、そのための空売り規制を行うことといたしております。さらに、市場の競争環境の状況をモニタリングし、既存の電気事業者の料金規制はその結果を見極めた上で撤廃をすることとしております。政府によります適正な規制を行うことによりまして、安定供給や需要家保護に万全を期す制度設計としていきたいと考えております。
 このように、市場と政府の適切な役割分担の下、電力システム改革によります抜本的な改革を進めるとともに、バランスの取れたエネルギーミックス、そして電源構成の実現に向けた取組、そして支援を政府としても引き続き続けてまいりたいと考えております。
○滝波宏文君 ありがとうございます。御丁寧な経済思想の昔からの歴史も含めて、さすがの御解説ありがとうございました。
 それで、今回の電事法改正、小売の全面自由化等によって市場メカニズムを活用して電気事業をより効率的に運営していく、そしてまた競争によって電力料金も引下げを図っていく、こういった大きな方向性、よく理解できます。ただ、心配なのは、現在、原子力発電所の再稼働が遅れ、需給の逼迫状況が続いており、解消のめどが立っておりません。こうした需給逼迫の状況において、全面自由化を実施した場合、市場の反応としてはむしろ電気料金が上昇することが正常な反応だと考えられます。
 先ほども述べた金融危機の研究を行ったスタンフォード大学の研究所におきまして、この二月に日米のニューチャネル対話会議ということでエネルギー問題が取り上げられました。その古巣から私も会議の方の招聘をいただきまして、日本の政策担当者の代表ということで参加させていただきましたが、そのスタンフォード大学があるカリフォルニア州、以前に電力自由化をしたところ、料金の高騰ですとか停電ですとか、ちょっと失敗をしたというふうなことがありまして、それの反省も踏まえた上で、日本の電力システム改革においては慎重なマーケットデザインが必要である、そういった提言がございました。
 今、足下、電力事業者を見ますと、電力十社の昨年度の決算では六社が経営赤字となっておりまして、電力料金の再値上げの可能性が検討されております。また、DBJ、日本政策投資銀行から九州、北海道といったところに資本支援、これは要は公的資金の投入みたいなところになるわけですけれども、こういったものも検討されている。やはりこれは政府の力が必要な危機的状況、先ほど大臣から政府は補完的にということがありましたけれども、まさにそういう補完的な政府の対応が必要なまだ状況にあるんじゃないかというふうな思いがあります。
 電気事業の先行きに対する、原子力の再稼働も含めて、こういった不透明さというのが各社の資金調達、ファイナンスについても影響をしておりまして、まだ正常なファイナンス状況とはとても言えない状態だと思います。こういった環境下で電力システム改革を進めていくということは、ファイナンスに関わってきた者として、正直ちょっと心配であります。特に、電力は産業の米とも言われて、日本経済の基盤であるわけですから、単にそういった電力会社の経営という問題だけじゃなくて、電力の安定供給の面から日本経済全体に悪影響を及ぼさないか、そういったことを心配する、懸念する向きがございます。
 そこで、今回の改革案ではこういった懸念に対してどのように対応しているのかということと、そして、あわせて、仮に全面自由化を予定している平成二十八年時点におきまして今夏のような需給逼迫が想定されるようなこういう危機的状況がもし続いている場合、全面自由化を延期する用意があるのか、併せてお答えいただければ幸いです。よろしくお願いします。それぞれでも結構です。
○副大臣(赤羽一嘉君) まず、委員御指摘のように、電力の安定供給は、我が国の国民生活、また経済活動にとってまさに基盤そのものであり大変重要なことであるというのはおっしゃるとおりだと思っておりますし、三・一一以後、こうしたエネルギーの状況が大変厳しい状況にあるということも同じ認識でございます。また、今原発が稼働していないというような状況の中で、電力システム改革を進めることに対して、電気事業者から今委員の御指摘のあったような御発言も出ているのも承知をしておるところでございます。
 ただ、一方、東日本大震災以降、需給の逼迫を始め、新たなエネルギー制約に直面をしている我が国にとりましては、私たちはこの電力システム改革はまさに待ったなしの取組だというふうに承知をしているわけでございまして、そうした中で、海外での様々な事例も参考にしつつ、また自由化後も安定供給を確保するための仕組みを構築すること、また電気事業の運営に当たっての必要な資金が円滑に調達されることが重要であるということは、そこのところは私たちも同じような認識をしているわけでございます。
 そうした認識に立ちまして、今回の法案につきましては、送配電事業者に対しまして、まず、現行制度と同様の料金制度により投資回収を保証するとともに、引き続き高品質な電気の安定供給義務を課すこととしているわけでございます。加えて、小売事業者に対しましても、先ほど大臣の答弁からもありましたように、空売り規制を課すことによりまして小売事業者の要請に応じて発電事業者により発電所が建設されるという仕組みをつくっておるほか、将来的にも、発電所が不足すると見込まれる事態におきまして、広域的運営推進機関によりましてセーフティーネットとしての発電所の建設者の募集を行わせることができる仕組みとしているところでございます。
 また、加えまして、電力の安定供給に必要となる資金の調達に支障を来さないようにすること、これも大変重要だというふうに考えておりますので、今回の法案におきましては、現在の一般電気事業者に対しまして、引き続き一般担保付社債の発行を認めることとしたところでございます。
○政府参考人(上田隆之君) 今の、では、こういった危機的状況が続いた場合に全面自由化を延期する用意があるのかということの御指摘をいただきました。
 今、副大臣から申し上げましたように、私ども、電力システム改革は、需給の逼迫の状況でも、むしろそれに役に立つ待ったなしの改革であるというふうに考えておるわけでございます。今回の第二弾改正につきましても、小売の参入の全面自由化ということに伴いまして、ディマンドリスポンスを可能とする多種多様な料金メニューが提供されるということになるわけでございまして、これはむしろ需給逼迫の改善にも資するものと考えております。
 この全面自由化による効果というものは経営効率化による料金抑制など様々な形で期待をされているわけでございまして、電力会社においては、需給の状況、国際資源価格の変動にかかわらず、様々な経営効率化あるいは燃料調達費を含めたコスト削減努力をしていかなければならないわけでございます。システム改革はこうした電力会社の経営努力を加速するということでございまして、様々な課題を克服しながらきちんと進めていくことが必要であると考えております。
○滝波宏文君 現在、日本経済最大のウイークポイントというのは引き続きエネルギー分野であるかと思います。今、そういう意味で、仮に経済危機が発生するとすればこのエネルギー分野ということだと思いますから、ファイナンスの話、先ほどしましたけれども、電力会社の発行する社債というのは日本の社債市場のベンチマークなわけです。そういった観点から、もし崩れれば日本の金融市場の危機ということにもなりかねない、改革をして危機を招いたということであれば何のための改革かということにもなりかねませんので、政府の役割を十分に果たして、慎重なマーケットデザイン、また自由化のプロセス、よろしくお願いいたします。
 ちょっとここから組立てを変えて、質問順、やや変えてまいりますが、よろしくお願いいたします。
 次、ちょっとエネルギーミックスについてお伺いさせていただければと思います。
 新たにエネルギー基本計画が策定されましたけれども、この中で、原子力発電については、エネルギーの需給構造の安定化に寄与する重要なベースロード電源というふうに位置付けつつ、その寄与度は可能な限り低減させる、こういうふうになってございます。
 一方で、資源のない我が国の制約のことを考えますと、経済、環境、安全保障等々といったことの観点から、原子力というのはやはりオプションとして不可欠であると思います。また、原発の安全維持向上のためにも、そして、日本にかかわらず、増加すると見込まれる周辺国における原子力発電において何かあったときのための分析や、また対応、そういったことからも、原子力事業に係る人材、技術ということを確保することがやはり必要であって、そのためには、今後も一定規模の原子力確保というのが必要だと思います。
 今後、エネルギーのベストミックスの議論の中で、それぞれの電源の割合、こういったものが示されることになると思いますが、京都議定書などで我が国が主導してきた気候変動条約の締約国会議、いわゆるCOPの議論なんかに備えるためにも早急にエネルギーミックスを示す必要があるんだと思っております。
 そこで、エネルギーのベストミックスがいつまでにどのような場で示されるのか、伺えればと思います。よろしくお願いします。
○副大臣(赤羽一嘉君) まず、原発の安全性につきましては、これは、独立した原子力規制委員会が現在、世界最高水準の新規制基準の下で判断している最中でございますので、我々から予断を挟むことは許されないと思いますが、世界的な考え方、原発の安全性の向上等々について、人材をどうするのか、技術をどう維持していくのか、発展させていくのかというのは、私は大変重要な指摘だということをまず申し上げておきたいと思います。
 また、その上で、電源構成を含めた将来のエネルギーミックスに関しましては、先頃閣議決定をさせていただきましたエネルギー基本計画の考え方を踏まえまして、まず省エネルギーの取組の進展ですとか再生可能エネルギーの導入状況、また原発再稼働の状況、また海外からの資源調達コストの状況、そして高効率の火力の技術開発の見通しなどを見極めて、できるだけ早期にベストミックスの目標を定めなければいけないと、設定していきたいとも考えております。
 もちろん、検討に当たりましては、今委員御指摘のように、COPなどの地球温暖化に関する国際的な議論の状況なども見極めていくことになるというふうに思っております。責任あるベストミックスの目標値を設定する必要があるため、現段階でいつまでにということは申し上げることはなかなか難しいんですが、これまでもできるだけ早く設定をするというふうな答弁を繰り返させていただきましたが、これは二年や三年掛かるものではないというふうに承知をしておるところでございます。
○滝波宏文君 エネルギーのベストミックスの中で原子力発電の一定規模が示されれば、原発の安全対策にも資する新増設、リプレース、こういったものにもつながっていきます。
 また、金曜日の本会議で小林先生が御質問の回答の中に、再生可能エネルギーに必要となるバックアップ電源の費用負担についてもこういったエネルギーミックスの議論の中で議論していくんだ、検討していくんだと、そんな回答もございました。こういった点も含めて、責任ある現実的な我が国のエネルギー政策の確立のためにはやはりエネルギーミックスが必要であるということでございますので、早急な決定をお願いいたします。よろしくお願いします。
 さて、済みません、ちょっと前回の当委員会の質疑で積み残してしまった質問に移らさせていただければと思います。防衛省さん、前回お呼びしたのに空振りになって大変失礼いたしました。
 秋にも質問いたしましたけれども、三・一一で脆弱性の高さが明らかになってしまった原子力発電所のテロを含む人災及び天災対策として、福井県の方から要望が出ている嶺南地域への自衛隊の駐屯について、本年度予算で調査費も付いたというのを承知しておりますけれども、その後の検討状況及び見通しについてお訪ねいたします。
○政府参考人(真部朗君) 防衛省・自衛隊といたしましては、ゲリラ、特殊部隊によりますところの原発に対する攻撃あるいは原子力災害などが発生した際に、各種の部隊などを機動的に運用するなど適時適切に原発の防護あるいは災害救援等に対応し得るよう、引き続きその体制に万全を期することといたしております。
 今後、各種訓練、演習の実施あるいは展開基盤の確保などの各種施策を推進することといたしているところでございます。
 この一環といたしまして、平成二十六年度予算におきましては、全国最多の十四基の原子力発電所が立地いたします福井県の嶺南地方におきまして、原子力災害等の対応時における陸上自衛隊の展開基盤の有用性などを調査するための経費、これを計上いたしているところでございます。
 防衛省といたしましては、今後、福井県が集められます防災・危機管理関係部署との会合などへの参加を通じまして、ヘリポートを含みますところの展開基盤の有用性などの調査をいたした上で、自衛隊として必要な体制について検討してまいる所存でございます。このために、適宜、福井県とも調整を現実に行っているところでございます。
○滝波宏文君 よく尖閣とかそちらの方がいろいろ狙われるんじゃないかというような議論がありますが、必ずこの手の軍事の世界というのは、陽動作戦、二正面作戦というのがあります。そういったときに、脆弱性が露見している状況のままでは非常に危ない。やはりしっかりと対応しているんだというふうなプレゼンスをこの嶺南地域に示していただく必要があると思います。しっかり検討していただければと思います。
 前回質問した原発避難道そして原発鉄道を含めて、こういったインフラそして体制整備の取組というのは、再稼働に向けて地元理解も不可欠であります。内閣府・規制庁が原子力防災の方、司令塔になっているわけですけれども、一層のリーダーシップをお願いしたいと思いますし、防衛省、国交省、そして何より経産省、各府省はしっかりと連携をしてやっていっていただきたいと思います。川内原発、それに続く高浜原発の優先審査が進んでいるわけでありますから、いよいよ立地地域の安全対策の整備、これ重要になっている段階であります。奮起を各府省に期待いたします。
 それで、ちょっとお手元に資料を配付させていただきましたけれども、今、福井県の方からエネルギー成長戦略特区というものの提案が出てございます。こちらに移らさせていただきたいと思います。
 御案内のとおり、エネルギー政策というのは国家の重要課題であります。南海トラフ巨大地震や首都直下地震などに備えた国土強靱化の中で、エネルギーの供給体制の強靱化、これも忘れてはなりません。資料の中、福井県の提案の後に新聞記事もちょっと付けさせていただきましたところですが、藤井聡内閣官房参与も新聞紙上で、震災を想定したエネルギー強靱化というのは国家の最重要課題の一つであって、LNGなどエネルギー供給の地方分散化というものを早急に進めるべきだというふうな指摘をしているところであります。エネルギー基本計画においても、供給体制の強靱化を進めるために、LNG受入れ基地の整備とか、また太平洋側と日本海側のパイプラインの整備などについて検討を進める、こういうふうに明記されているわけであります。
 こんな中で、この福井県からのエネルギー成長戦略特区の提案でありますけれども、福井県の提案、二ページに一、二とありますが、大きく二つありまして、その一つは、最先端のLNG、水素エネルギー活用都市を日本海側に整備し、パイプラインの建設により関西、中京へのエネルギー供給網を強靱化する、これによってエネルギーのベストミックスを軸とした成長戦略を実現するといった提案が一つ。もう一つの提案は、世界レベルの原子力の技術力、人材の育成ということであります。
 福井県では、平成十七年にエネルギー研究開発拠点化計画というのを策定しておりまして、原子力などエネルギーの技術を活用した新産業の育成、また人材育成などに努めております。特に人材育成の面では、昨年十月にIAEA、国際原子力機関とも覚書を福井県は締結している、そういったところであります。新しいこのエネルギー基本計画においても、高いレベルの原子力技術、人材の維持発展などに努めるとしておりまして、福井県の提案というのはこの新エネルギー基本計画の推進にも資するものだと考えております。
 国家戦略特区については、現在、内閣府の地域活性化推進室において、一次指定の六地域における区域会議の設置等々進められているというふうに承知しておりますが、残念ながら六地域の中にはエネルギー分野の特区は含まれておりません。しかし、安定的なエネルギー供給、もう御案内のとおり、国民生活や経済活動のまさに基盤であるわけです。また、エネルギー技術の人材の育成はこの分野のイノベーションを、つながる、喚起するものであって、我が国産業の国際競争力を強化する、そういう国家戦略特区の趣旨にも沿うものだと考えております。
 一月の記者会見で新藤国家戦略担当大臣も、どういうテーマを国家戦略として決めるべきかという中で、これまでの提案に加えてエネルギーや環境の分野、こういったものも私の方から例示として出しましたと話されているところ、エネルギー分野に焦点を当てたこの福井県の提案というのは国家戦略特区として実現すべきものと考えますが、まず、担当する地域活性化統合事務局の所見及び二次選定に向けた検討状況を伺います。
○政府参考人(富屋誠一郎君) 国家戦略特区に関してお答えを申し上げます。
 まず、国家戦略特区に関しましては、昨年の八月から九月にいわゆる提案募集というのを行っておりまして、国家戦略特区ワーキンググループという有識者の会合におきまして、昨年の九月、さらに本年二月、三月にヒアリングを行ったところでございます。このヒアリングを通じまして国家戦略特区の基本方針に定めました六つの指定基準に基づいた評価を行っていただいた上で、諮問会議等で御議論をいただいて六区域を指定したところでございます。
 先ほどの福井県からの御提案は、昨年の募集時期ではなく、本年四月に提案書を私どもいただいておるところでございます。本提案の内容につきましては先ほど御紹介ございましたが、最先端のLNG、水素エネルギー活用都市の日本海側への整備や、世界レベルの原子力の技術力、人材力の育成によりまして福井を世界と競争する最先端エネルギー技術の戦略拠点とするということを目指した内容であるというように理解をしております。
 今後、この提案の取扱いについてまず申し上げますと、まず、現在の国家戦略特区の規制改革の特例措置、いわゆる初期メニューと申しておりますけれども、にエネルギー分野の特例は措置されておりませんが、今後の規制の特例措置について、その追加につきましてワーキンググループ等において引き続き議論をしてまいる予定でございます。
 また、今後の地域の追加指定のスケジュールについてのお尋ねでございましたが、これにつきましては現時点では未定でございますが、これまでに頂戴した提案の中にもいろいろ見るべきものがございますし、更に今後追加の提案も求めるというようなことを考えておりますことから、基本的な方針として指定数は引き続き厳選をするという方針の下で、適切な時期に国家戦略特区諮問会議で議論をしていくことになると考えているところでございます。福井県からいただいた提案につきましても、その過程において検討されることになると考えているところでございます。
○滝波宏文君 人気の高い再生可能エネルギーをやりたいという地域はたくさんあるかと思うんですが、国家の基盤を支えるという意味では、むしろ原子力や火力といったベースロードからミドル電源、これをしっかり確保する必要があります。リスクもあり、なかなか人気もない中でこういった電源を引き受ける、そういう地域を大事にしないと国家として成り立たない、そういうふうに思います。
 エネルギー政策を所管する経済産業省としても、エネルギー基本計画を含む国の戦略に資するこの福井県のエネルギー立県に向けた提案について、やり方はいろいろ工夫があるかと思いますけれども、強力にバックアップをしていただきたいというふうに考えますが、経済産業省の決意を伺います。
○政府参考人(上田隆之君) お答え申し上げたいと思います。
 もう御存じのとおり、福井県は今まで原子力発電所の立地に多大な御協力と御貢献をいただいてきたと認識をしております。その上で、福井県がこういった原子力発電所の立地ということのみならず、さらに新しく最先端のLNG、水素エネルギーの活用都市を整備していくといったことであるとか、原子力の技術力、人材力を育成ということを行うというような、こういった御姿勢は私どもから見てもエネルギー政策を遂行する上で大変意欲的でかつ貴重な御提言であると考えております。また、この提案自身が天然ガスを含めたエネルギー供給体制の強靱化、あるいは高いレベルでの原子力技術、人材の維持発展ということを目指します今回のエネルギー基本計画とも非常に整合的なものであると考えてございます。
 特区そのものの指定につきましては今の御答弁のとおりかと思いますが、私どもといたしましては、この計画のそのような状況に鑑みまして、福井県の方々とその具体的内容について十分意見交換をさせていきながら、具体的にどういったことができるのか、エネルギー政策の観点から検討をしてまいりたいと考えております。
○滝波宏文君 経産省、内閣府、しっかりよろしくお願いいたします。
 さて、ちょっと今度、規制委員会に何問か、質問移らさせていただければと思います。ホームページの話からさせていただければと思います。
 配付資料、いろんな委員会の、三条委員会のホームページのトップページと、それから委員紹介のページを配付させていただいてございます。
 最初、規制委員会のものがトップページ、それから委員長、委員の紹介がありまして、その後に公正取引委員会始めほかの三条委員会のものがあるかと思いますけれども、公正取引委員会、委員長の証明写真とそれから集合写真といったもので、ほかの委員会めくっていただくと、もう写真も何もない、非常に簡素な堅実なものが続いておると思いますが、それと比べていただいて、最初の規制委員会のものを見ていただくと、五人の顔が並んで、その横にある委員長の幼少期から始まるプロフィール、そして委員のコメント付きの格好いい立ち絵写真ですね。
 正直、私、これ最近見て、何だこの人たちは選挙に出るのかと。このゴレンジャー気取りの写真は一体何なんだと思いました。大臣など政治家なら分かりますけれども、彼らは専門家であって、皆さん御存じのとおり選挙で選ばれているわけではないところであります。
 この図柄については、事務方が勝手にやっているということではなくて、委員も承知の上でこういう形を取っているというふうに規制庁から事前レクで聞きました。その際、顔を見せるのも大事なんだ、こういった説明もありましたけれども、それは、まさにこのトップページの左下に動画配信って記者会見の絵がありますけれども、こういった記者会見でちゃんと説明をしていく、そういうことが大事なんだということであって、トップページの冒頭にこの五人の顔を載せたりとか、選挙ばりの立ち絵やらコメントやら、プロフィールとか、幼少期からの、こういったものを披露するということは違うんじゃないかなと私は思います。
 すなわち、顔を見せる、顔が見えるようにするということは、独善的に超然とするということを排して、外部からの質問に真摯に丁寧に答える、それによって予見を与える、デュープロセス、次に質問しますけれども、適正手続を取っていく、そういうことが本旨であって、売名を正当化するものではないんだと思います。
 今年任期が到来する二人の委員も交代の方向になったようですけれども、人が替わったとしても三条委員会が組織として信頼が置かれるようにつくっていかなきゃいけないはずです。その点、このホームページでは、まるで現在の委員の売名あるいは残留を助けるかのようで、ミスリードであります。選挙用としては、いや正直見せていただいて、私は、こんなすばらしいものだから私も頼みたいなと思うようないい出来でありますけれども、役所の組織はこういうものではないんだと私は思います。
 事前レクでこんな指摘していたところ、なぜか昨日、このトップページの五人並びのゴレンジャー写真がなくなりまして、一枚別に配らせていただきました島崎委員と更田委員の格好いい視察写真に変わっていましたけれども、残念ながら私の指摘の観点からすると本質が変わっていないと言わざるを得ません。なお、委員長の幼少期以来のプロフィールとか委員の紹介ページ、こちらの方は昨日も変わっておりません。
 他の三条委員会の並びから見ても、このホームページ、問題であると考えまして改善すべきと考えますけれども、規制委員会の対応についてお聞きしたいと思います。
○政府参考人(片山啓君) お答えをいたします。
 原子力規制委員会では、原子力規制に対する信頼を回復するため、規制に関わる情報の開示を徹底をしておりまして、そのための有効な一手段としてホームページを活用しているところでございます。
 ホームページの構成や内容につきましては、情報の見やすさ、分かりやすさ等の観点から継続的に見直しを行っていきたいというふうに考えておりまして、委員の本日の御指摘も踏まえ、今後より良いホームページを目指していきたいというふうに考えてございます。
○滝波宏文君 トップページ変えていくなら、それこそ動画とか記者会見でも上に載せればいいんじゃないかと思うぐらいですが、こういったところにそもそも規制委員会の独善的体質が表れているんじゃないかと私は思います。前回も指摘したように、独立と独善、中立性と恣意性、これを混同することがないように自らの態度を戒めていただきたいと思います。
 続けて、先ほど申し上げたデュープロセスの話について、移らせていただきたいと思います。
 先般の原子力機構法改正の審議において、選挙の有無で審査のスピードが変わる規制委員会の政治的審査の疑念を取り上げましたけれども、問題があるのはスピードだけではありません。今年四月の敦賀原発の会合では、委員会は自らのコメントというのは会合までは事業者に知らせないで、しかも資料もその場で配らないで、正面のスライドだけ見て回答しろというふうなことを委員が言っていた。他方、次回行われる事業者のコメント回答というのは事前に出せよというふうなことを指示しております。一方で、昨年八月の会合では、日本原電が事前に発表資料を提出しなかったことを叱責していたし、それをもって規制庁が回答できなかったことの言い訳にしていたわけであります。この辺り、単なる自分勝手な振る舞いと言われても仕方ないか、そういうふうに思ったりします。
 また、大飯三、四号機の運転中に行われた昨年の適合性審査と今年の再稼働審査を比べると、同じ規制基準で評価をしているにもかかわらず、昨年指摘しなかった追加のコメントが出ています。例えば想定震源地の深さ、これについて、一度認めた四キロから更に浅くしろと、こうコメントしているわけで、コメントの根拠も抽象的で明確ではなくて、それでいて従わなければ先に進めない。関電は仕方なくこれに従ったようですけれども、こういった不合理なコメントの上書きを行っていくというのは、いわゆる後出しじゃんけんであって、行政手続の在り方としてはおかしいんだと思います。御都合主義と言わざるを得ないかと。こういった非常にアンバランスで不安定な規制では、中立な公正な審議とは言えないのではないかと。デュープロセス、すなわち適正手続の観点で問題だと言わざるを得ません。
 今回議論になっている電力システム改革との関係でも、こういう本来あるべき規制行政とは程遠い御都合主義を脱して、事業者にちゃんと予見可能性を与えるデュープロセスに沿った合理的な審査が不可欠だと考えますけれども、早急に改善すべきと思いますが、規制委員会の見解をお願いします。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 今二点御指摘があったと思います。
 まず、敦賀発電所の評価会合ですけれども、四月十四日の評価会合で発表された有識者のコメントについては全く新しい指摘が含まれているということで、事業者に対してその場ですぐに回答を求めることはしておりません。当日のやり取りはコメントの内容の確認のための質疑応答であって、その旨は事前の事業者との打合せであり、あらかじめ伝達しているところであります。また、事業者からのコメントの回答を事前に提示していただくのは、会合において有識者との間で科学的に詳細な議論を行うために有効であるというふうに考えておりますので、これはこういうことを、手続は推進していくべきものと私は思っております。
 また、もう一点、大飯についてですが、昨年、実は五月、六月に、いわゆる大飯発電所三、四号機が動いておりまして、それについて新しい規制基準の骨格が決まりましたので、それに基づいて現状評価を行いました。そこで、直ちに安全上重大な問題はないということは確認させていただいて、そのまま運転の継続を認めたものでございますけれども、地盤調査とかそういったことについてはまだ不十分であるということは申し上げてあります。それについては新しい適合性審査が間もなく、運転が終わった後にありますので、そのときにきちっと見ようということになっておりました。その後に出てきたことでございますけれども、そういった審査の過程で活断層の連続性、それから敷地基盤のいわゆる三次元構造、そういったことについていろいろデータが出てまいりました。
 一般的に申し上げますと、従来のこういったことを考慮しないことによって、実は柏崎刈羽の大きな地震動、あるいは志賀、女川、浜岡といった、近年、従来の基準地震動を上回るような大きな地震動がありまして、これは、その原因としてはやはり活断層の連動、あるいは敷地基盤の直下の構造の特異性ということを考慮すべきであるということがありました。
 大飯について見ますと、二キロから三キロぐらいのところで微小地震が頻発、かなり起こってきております、これまでも。微小地震ですからほとんど体には感じませんけれども、地震。そういったことで、大きな地震が起こるときには更に浅くなるということが言われております。こういったことを踏まえて、実際には、当初関西電力はそういった調査をきちっと出してこなかったんですが、きちっとその調査を求めまして、その結果三キロということで、今事業者も了解をいただいたところでございます。
 こういった地震の問題、津波の問題、いわゆる自然災害については相当我々の知見もまだ不備なところもございますけれども、十分慎重にすべきというのが福島第一原子力発電所の我々への厳しい教訓だと思いますので、先生の御指摘は御指摘として承りますけれども、原子力規制委員会としては、引き続き科学的、技術的に厳正な評価を行っていきたいと考えております。
○滝波宏文君 今、事前に提出するのは科学的な議論に役に立つので推進すべきだと。おっしゃるとおりだと思います。だとすれば、さっきの四月の会合も、事前に事業者に、こういうことを議論するからというふうに規制委員会の方も提出すべきじゃないんでしょうか。その辺りのその片面性というのが私は問題なんだと思います。方向としては、互いに事前に出さないでどんかちやるんじゃなくて、それぞれちゃんと事前に分かり合いながら、きちんと意見交換をしながらキャッチボールをして進めていただきたい、そういうふうな建設的な形でこのことが進んでいただきたいと思います。
 そして、今般、島崎代理を含む委員交代で、まさかまた突然早急で主観的な駆け込み判断をするようなことがあるとすれば、前回、敦賀原発の関係で指摘した国政選挙直前の拙速な判断と併せて、これでは政治的、恣意的審査であって、科学的な、合理的な審査ではないというふうにまた言わざるを得なくなってしまいますので、そんなことがないように、デュープロセスも含めてしっかりとお願いしたいと思います。
 時間も大分短くなってきましたので、最後に一問お願いいたします。
 大飯原発の関係で、先般、福井地裁の方で判決がございました。差止め判決ということでありましたけれども、その後、判決後、日にちもたっておりますので、判決文の精査の結果はもう十分進んでいるかと思います。
 私から見ますと、あれは、三・一一前のゼロリスク、安全神話というふうなことをそのまま先祖返りしたような部分があって、リスクがあるということを直視して、それに対して多重に安全対策をしていく、今規制委員会も進めているんだろうというそういう方向性をすっかり無視した判決になっているんじゃないかと思ったりいたしますが、規制委員会、そして経産省のこの判決についての受け止めと、それから大飯原発含めた再稼働に向けたそれぞれの今後の対応について伺って、私からの質問を終わらせていただきます。よろしくお願いします。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 先生御指摘の訴訟は民事訴訟であります、御承知のように。国はそもそも当事者でないために、原子力規制委員会として同判決に対してコメントする立場にはないと考えております。
 なお、原子力規制委員会としましては、大飯発電所三、四号機については、事業者からの申請に基づいて新規制基準の適合性審査を今進めているところであります。相当、もうかなり終盤に近づいているというふうに私は判断しています。
 そういった専門技術的観点から厳格に確認していくことが我々の役割と認識しておりますので、裁判の方とは独立して私どもの与えられたミッションを果たしていきたいと、このように思っています。
○政府参考人(上田隆之君) この訴訟の件でございますが、国が当事者ではないということでございますので、判決について私どもとしてもコメントをする立場にはないと考えておりますけれども、関西電力は既に五月二十二日に控訴をしており、現在、司法における審理が上級審において継続されているというふうに理解をしております。
 大飯原子力発電所も含めまして、その原子力発電所の再稼働につきましては、いかなる事情よりも安全性を優先しながら、その安全性については独立した原子力規制委員会が世界で最も厳しい新規制基準の下で判断していくということにしておりまして、この考え方につきまして全く変更はございません。原子力規制委員会によって規制基準に適合すると認められた場合には、その判断を尊重いたしまして、政府といたしまして地元の理解を得る活動と原子力発電所の再稼働を進めていく所存でございます。
○滝波宏文君 終わります。ありがとうございました。
○直嶋正行君 どうもおはようございます。民主党の直嶋でございます。
 実は今日の質疑は元々先月の二十二日に予定されておりまして、本会議でいろいろありまして、十日以上たちました。やや間延びがした感はあるんですけれども、先ほども御議論がございましたように、この電事法の改正は非常に重要な問題だというふうに思っておりまして、最近の状況も含めて、経産大臣始めとする政府の御所見を伺いたいというふうに思います。
 まず最初に、今年の夏の電力需給についてお伺いしたいと思います。
 今年は原発稼働ゼロで迎える初めての夏ということになります。もちろん電力の需給が逼迫しているということは申し上げるまでもありません。
 五月十六日でしたと思うんですが、電力需給に関する検討会合で、関西電力管内の予備率が一・八、九州電力管内は一・三という非常に厳しい状況の中で、当初はいわゆる周波数変換装置を通じて東の方から西の方へ六十万キロワットを何かのときには供給できるようにして乗り切ろうということであったようなんですが、五月十六日には、関電、九電に対してこのFCを通じた融通に頼らなくとも予備率を三%以上確保するようにという要請が出ました。五月十六日ですから、余り時間がない中でどういうふうにされるのかなというふうに思って見ておりましたが、ちょっと関西電力の方に確認をいたしましたところ、関電はいわゆる災害規定等に基づいて四つの火力発電所の定期点検を秋まで延期をすると、そういうことで政府の承認をもらったというふうに聞いております。今回の延期も合わせると、十の火力発電所で定期点検の延期をされているということであります。
 これは非常時でありますからやむを得ない措置だというふうに申し上げざるを得ないんでありますが、この状況について経産大臣としてどのように受け止めておられますか。まず御所見を、御認識をお伺いしたいんですが。
○国務大臣(茂木敏充君) この夏の電力需給、極めて厳しい状況にあると、このように考えております。
 よく、原発は動かなくても電気は足りているではないかと、こういう主張をされる方もいるわけでありますけれども、相当今、各電力会社において、老朽化した火力のたき増しと、ぎりぎりの運転をしながら安定供給に万全を期すと、こういった措置をとっているところでありまして、御指摘の五月十六日の電力需給に関する検討会合において、今後の対策、特に中部及び西日本において、特に今厳しい需給の見通しであることを踏まえまして、余力のあります東日本から東西を結ぶ周波数変換装置、FCを通じて西日本への電力融通を行うと、このことはやってまいります。
 ただ、御案内のとおり、全体でも百二十万キロワットしかないということになってくると、当面六十万キロワットをやるにしましても、大幅な、例えば事故であったりとか大規模な電源の脱落、これが発生をしますと、安定的な電力需給に予断を許さないということで、特に、予備率、これが不足をしております関西電力一・八%、九州電力一・三%につきましては、電力需要が高まる夏までにFCを通じた電力融通に頼らずとも予備率三%を確保できるように、合計で二十四万キロワット以上の予備力の積み増しを要請することにしたと。
 これはやはり、電力というのは安定供給、これに対して万全の対策を取らなければいけないということで、いや、東西で融通できるんだからどうにかなるでしょうということではなくて、融通もやりますけど、その上で、電源脱落が起きた、起きるかもしれない、こういったことにも備えて、特に厳しい電力会社に対する要請を行ったところであります。
 また、今、火力発電所がほぼフル稼働という形でありますし、そこの中には相当老朽化した火力発電所もあると。こういったことから、計画外の停止を最大限回避するための火力発電所の総点検、これを実施するとともに、全国の皆さんにもお願いをいたしておりますが、特に中部、西日本全体を中心とした大規模な節電、そして省エネのキャンペーン、こういった対策も講じてまいりたいと考えております。
○直嶋正行君 今回定期点検を延期した火力発電所においても、さっき大臣も総点検というお話しされました、ここも、寿命が迫っている部品の取替え等を実施をして設備の信頼性を確保すると。つまり、消耗部品のようなものは点検をして取り替えた上で、定期点検は延期をして動かすと、こういうことになります。相当これは綱渡りに近い状態ではないかというふうに思っておりまして、危惧をいたしております。さっきお話あったとおり、いわゆるFCを通じた供給は可能でありますから直ちにどうこうということはないのかもしれませんが、この状態を続けていくということはやはり持続的ではないというふうに私も受け止めておりまして、この夏の特に供給には経産省挙げて万全を期していただきたいと、このことも申し上げておきたいと思います。
 それで、続いて、今ちょっと議論に出ました予備率の話なんですが、今こういうせっぱ詰まった状況であるわけなんですが、ややそういう状況からすると間延びした質問になるのかもしれませんが、今度の電力システム改革を行いますと、当然、電力市場に大変多くのプレーヤーが参入することになります。もう既に二百とか三百とかいろいろ言われております。
 今までは、電力会社が供給するわけですから、それぞれ予備率三%確保すると、こういうことで最低限の対応はしてきたんですが、今度プレーヤーが何百ということになってくると、みんなが三%も予備率持つと大変なことになりまして、これは供給過剰になることは必然であります。
 今議論していますこの電力システム改革法が成立した後、こういう予備率について何らかの考え方なり方法を変えていかなきゃいけないと思うんですが、この点についての交通整理をしてきちっと打ち出さなきゃいけないと思うんですが、この点についてどのように今お考えでしょうか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(茂木敏充君) 予備率の確保といいますか安定供給に向けて、これは、今後の送配電事業者であったりまた小売電気事業者、こういったものがそれぞれの役割を果たしていくということになりますけれども、御案内のとおり、今回の法案では、小売電気事業者に対しまして供給力の確保義務、いわゆる空売り規制、これを課すことといたしておりまして、これによりまして小売電気事業者の要請に応じて発電事業者による発電所の建設、これが促されると思っております。
 同時に、全体についてどうするのかということになりますと、全体の安定供給につきましては、今の一般電気事業者の送配電部門であります一般送配電事業者が担うということでありまして、エリア全体の適正な供給予備力の確保も含めて、電気の安定供給義務を課すこととして、安定供給の確保に万全を期してまいりたい。さらには、広域的運営推進機関、ここがセーフティーネットとしての発電所の建設者の募集、これを行うことによりまして、市場機能や小売事業者の規制だけでは将来的に発電所が不足すると見込まれる事態においても、最終的には必ず発電設備が建設される、こういう仕組みにしていきたいと考えております。
○直嶋正行君 つまり、小売電気事業者には空売り規制を課すということなんですが、送配電事業者がその供給について責任を持つ、あるいは広域運営機関がそれを調整すると、こういうことなんですね。ちょっと今回のようなこういう状況というのは異例だと思うんですが、広域運営機関が突然発電所の建設について入札をしても、実際でき上がるのは随分掛かると思いますので、なかなかこの辺の取り方が難しいなと思いますが、是非その点も具体的にまた詰めていただきたいなと思います。
 それで、次に、今、五月一日から、ちょうどこれ中部電力が規制料金の値上げが認可されました。値上げの問題についてお伺いしたいと思うんですが、これで規制料金の方は十電力のうち七社で値上げということになったわけです。
 今日お伺いしたいのはこの規制料金の方ではなくて、この間電力会社も二〇一三年度決算で見ますと六社が赤字ということでありますし、経営状況が非常に厳しくなっています。巷間、再値上げということも言われているわけなんですが、今日お伺いしたいのは、特に産業への影響をお伺いしたいと思います。
 結構、これ、例えば二〇一〇年と比較しますと、キロワットアワー当たり自由料金が十五・四円から翌年の二〇一一年は十七・九円になっています。ちょっとデータがなくて今はよく分からないんですけれども、今はもっと上がっている可能性があるというふうに思っています。これは大体、今の十七・九円で見ますと、米国の電力料に比較しますと約二・五倍になります。ヨーロッパ、イギリスやフランスに比べても一・四倍ぐらいの電気料金に既に二〇一一年の段階でなっているということでありまして、もしこのまま値上がりが続くとしますと、この国際的な電力格差がますます大きくなってくる。そうしますと、いわゆる電炉やセメントといった電力多消費型産業だけではなくて、産業全体に深刻な影響を与えてくるのではないかというふうに危惧をいたしております。
 この電気料金が高止まりして我が国の産業競争力を奪っていくという危険性について、今どのように認識をされ、どのような対策を考えておられるのか、経産大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(茂木敏充君) 日本の電気料金、震災以降、我々としては電力会社の方に、最大限の経営の効率化によってできるだけ電気料金の抑制を図ってほしいという要請を行っておりますが、実際に原発が停止をしまして火力のたき増しを行わなければいけない、また輸入燃料価格、これが、国際資源価格が上がり、また為替の変更等によりまして上昇ということで燃料費が増加をいたしまして、結果的に電力料金、一般家庭で二割、それに対して御指摘の工場であったりとかオフィス、こういった産業用の料金は約三割上昇ということになっておりまして、これは、電炉であったりとかセメント、こういった電力多消費産業に限らず、中小企業であったりとか様々な産業に対して影響を及ぼす、収益を圧迫する。
 これが例えば人員の削減につながったり企業の海外移転につながらないようにしていくためにも、電力料金の抑制、エネルギーコストの削減、これは我が国にとって恐らく法人税の国際水準並みの引下げと並んで最大の課題ではないかな、こんなふうに今考えているところでありまして、まさに今回の電力システム改革、これも、中期的に競争の参入であったり電気料金の自由化、こういったものを通じて電力料金の最大限の抑制等を図っていくものであります。
 同時に、調達レベルから燃料コストを下げていかなければならない。先ほど米国のお話もいただきましたが、御案内のとおり、米国ではシェールガス革命によりまして相当国内のガス価格、これが下がっているわけであります。日本としても、これからLNGを含め調達先、これの多角化を図っていく必要がある、こんなふうに考えているところであります。
 同時に、先日、五月の初めにローマで開かれましたG7のエネルギー大臣会合にも出席をしてまいりまして、アジア向けのLNG、仕向地条項が非常に厳しくなっておりまして、ヨーロッパ等と比べるとどうしても高くなるということで、仕向地条項の緩和というのをG7レベルでは初めて合意をいたしまして、実際その後、日本の企業の契約でも緩和された仕向地条項での契約も進むと。いい兆候というのはこういった面でも生まれてきていると思っているところであります。
 さらに、電気料金が上昇する中で、事業者が省エネの投資を進めてもらう、それによってエネルギーコスト削減に取り組めるよう最先端の省エネ機器の導入支援策、これは平成二十六年度の予算で四百十億円を講じておりますが、こういった形のまずはやはり電力料金を抑制するための制度改革を進める。
 それだけではなくて、どうしても資源が不足する我が国において、エネルギー源を多様化する、調達先を多角化する、こういったことによって少しでも安定的で低廉なエネルギーを調達をしてくる、さらにはできるだけエネルギーを使わずに同じ生産活動ができるような省エネの設備等々を導入する、技術等々を導入する、こういったことに努めてまいりたいと考えております。
○直嶋正行君 非常に幅広い角度からお答えいただいたんですが、例えば私の手元に、電気料金の生産額に占める割合、いわゆるコストの一覧表、業種別、産業別の一覧表がございます。これ、製造業の平均が一・三二、これは二〇一〇年のデータです。多分これは今かなり高くなっているんじゃないかと思います。今年の春の、安倍内閣も随分後押しされたんですが、賃上げですね、今言われているのは一%強ぐらいというふうに言われていますよね。そうすると、さっき大臣まさにおっしゃったように、こういうところを抑制していかないと、いわゆる経済の好循環に支障を来すということになりかねないのではないかというふうに思っています。
 エネルギー政策というのは非常に息の長い取組になりますから、なかなか政策を打っても効果が即出ないわけでありますので、やはり今から先を見た政策をしっかり取る必要があるんじゃないかと。さっき大臣もおっしゃったんですが、やはり省エネルギーも、後ほどちょっと議論させていただきたいと思いますが、非常に重要な取組だというふうに思っています。
 それからもう一つ、電気料金の値上げに関してやはり懸念をしているところがございます。いわゆる電力多消費産業ですが、要は割安な夜間の電力を使って例えば鋳造とか電炉とかそういう業種では操業しているということを聞いております。これ、何かフクロウ操業とか言われているわけなんですけれども。これらの業種でも、電気料金が値上がりをして非常に経営が厳しくなっておりまして、撤退をするところも出始めているというふうに言われています。
 とりわけ中小企業が非常に多い鋳造業、これはちょっと私のところにもこんな状況ですということで陳情に来られたりしたものですから、ちょっと数字もいただいていますので申し上げますと、全国の電力会社から買っている鋳造業の年間の購入電力量が五十三億キロワットアワーらしいんです。平成二十四年から二十六年にかけて値上げを実施した電力の管内では、年間四十五億キロワットアワーの電力を購入していると、この管内におけるコスト負担の増加額が約八十三億円だと、こういうふうに数字もいただいています。これ、ちなみに全国ベースに広げますと約百二億円という計算になります。
 我が国の産業を考えますと、こういう一部の産業であっても弱体化してしまうと、やはり代わり、輸入か何かに頼らざるを得なくなってくると。つまり、サプライチェーンの中でいうとこの鋳造なんかは非常に重要な位置にいるわけですが、これがどんどん欠けてくると、やはり海外からの調達とか、あるいは逆に海外に出て調達できるところで作ろうとか、いろんな影響が出てくるんじゃないかと。これは産業構造にも大きな影響が出るんじゃないかというふうに思っています。また、一時はやりました例えばオール電化とかエコキュートとか、こういうものも実は深夜電力活用した仕組みなんですが、場合によってはこういうものまで影響を及ぼす可能性があるんじゃないかというふうに思っております。
 こういった電力需給の逼迫が我が国の産業に与える構造的な問題について、どのように分析をされておられるのか、御所見をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(高田修三君) ただいま委員の御指摘ありましたように、我が国の鋳造業、電力料金の製造コストに占める割合は一〇%になり、八割が三十人未満の中小企業ということでございまして、非常に影響大きいかと思います。そのほか、電炉業、シリコン業、産業・医療ガス業、セメント業においては大量の電力を消費するため、電力料金の値上げの結果として負担が増加している事業者が多いと認識しております。これらの産業は、自動車、産業機械、情報通信機器、建設を始めとする幅広い川下産業に部素材を供給しており、電炉業においては鉄スクラップのリサイクルのシステムの一翼を担っているということでございまして、このため、電炉業、鋳造業などが国内で操業することが難しくなった場合、我が国の産業構造やサプライチェーンにも影響が生じる懸念があると認識しております。
 このため、当省としましては、平成二十四年度補正予算において、円高・エネルギー制約対策のために先端設備等への投資を促進するための補助制度を二千億円規模で講じましたほか、省エネ投資を一層促進するための最先端省エネ機器の導入を支援などしております。
 今後とも、電気料金値上げの影響が大きくならないよう、引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
 以上です。
○直嶋正行君 今お話しされた平成二十四年の政策は、ちょうど私たちが与党のときに行ったことだというふうに思っています。
 それで、それはそれでいいんですが、やはり今度のシステム改革についてもそうなんですが、経産省おっしゃっているのは電力料金の抑制ですよね、電力料金をできるだけ抑制すると。これ、抑制というのは下げるという意味じゃないですよね。上がるのを抑えるというふうに理解した方が正しいのかもしれません。ですから、さっき大臣がお話しされたように、やはり調達含めて高くならないように工夫することは重要なんですが、この傾向はやはりすぐに変わってくるわけじゃなくて、私は結構我が国の産業にボディーブローのように効いてきているというふうに受け止めています。なかなか難しい問題なんですけれども、是非経産省でもっと踏み込んだ対策をお考えいただきたいなと、このことは御要望させていただきたいと思います。
 続きまして、電力会社の今度経営の問題について、その関係でお伺いしたいと思います。
 さっきもちょっと申し上げましたが、二〇一三年度決算で赤字を計上した電力会社が六社ございます。その中で、もう名前を挙げてもいいと思いますので申し上げますと、北海道、中部、関西、四国、九州の五社が三期連続の赤字ということになっています。単体のそれぞれの自己資本比率で見ると、電力会社の中で申し上げますと、東電、北海道電力、九電で一〇%を割り込んでいるという状況でございます。
 私は、経営状態としては非常に厳しい状態だと思いますし、電力会社の体力が低下している、こういう状況の中で、さっきもちょっとやり取りありましたが、この電力システム改革を今行おうとしているわけでありまして、本当にこれが円滑に行われるのかどうかというのは懸念がないとは申し上げられないと思います。
 二〇一五年に電力システム改革の第三弾の法案が提出をされるということになっていますが、例えばこの時期、来年でありますけど、この時期においても例えば老朽火力への依存や電力会社の赤字が続いているといった状態はやはり避けなければいけないと思うんです。また、電力会社の経営が、これまでの地域独占、いわゆる総括原価方式で競争原理が働かなかった結果、今、率直に言って、過剰な資産と過剰な人員を抱えた高コスト体質になっているというのも間違いないと思います。
 そういう中で、少なくともシステム改革が完成するのが二〇一八年から二〇二〇年でありますが、この時期には、原子力発電の再稼働の有無にかかわらず、やはり電力会社は資産や事業の売却といった抜本的なリストラ、それから経営上のコストメリットが確実な高効率火力発電への計画的なリプレース、こうした経営改革が必要ではないかと思います。これは当然求められてくるんではないかと、このように思っておりますが、これらの点について、経産大臣、どのようにお考えか、御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(茂木敏充君) 電力システム改革、これは単に制度を変えるだけではなくて、電力会社にもこれまでの経営のマインドを変えより効率的な抜本的な経営刷新を図ってもらう、こういったことも極めて重要であると思っております。
 安定供給を図る、こういったことは極めて重要でありますけれども、それを地域独占体制の中で、そして総括原価方式の中でやってくるということになりますと、当然やはり競争意識というのはほかの産業と比べても進んでこなかった、これは厳然たる事実なんだと思います。どうして世界に冠たるトヨタが生まれたか。国際競争の荒波にさらされたからですよ。なぜコマツという会社が世界一になれたか。あの巨大なキャタピラーという会社に対峙をしなければならなかった。こういう極めて厳しい経営状況の中で新たな改革の路線を打ち出したということでありまして、今回の改革を通じまして新規参入が進んでまいります。そして、地域を超えた競争というものが生まれてまいります。さらには企業を、電気を選べる、そういう需要家の立場が強まります。
 こういったことを通じて電力システム改革を進め、それが結果的には電気料金の抑制、抑制と申し上げるのは、これは電気料金は単に国内だけの事情で決まるわけではなくて、国際的な市況であったり、またそれには新興国の経済成長がどうなるか、様々な要因がありますので、確実に下げられると、こういうことは申し上げられませんが、ほかの条件が悪い方に行ってもできる限り上がらないような状態をつくる、こういった意味で申し上げておりますが、そういった環境をつくってまいりたいと思っております。
○直嶋正行君 確かに競争が企業を鍛えるという面は、大臣おっしゃるとおり、その面はあると思います。
 ただ、私もさっき申し上げたように、このシステム改革をやる中で、やはりその中で依然としてそれを推進する上で重要なプレーヤーといいますか、役割を果たしていくのは電力会社だというふうに思っておりまして、そういう観点で見たときに、幾つか、当面、さっき申し上げた電力システム改革が一応目標としている二〇一八年から二〇年ぐらいに向けていろんな課題があると思いますので、ちょっとこの後、その問題も、そういう視点で幾つか御質問させていただきたいと思うんです。
 一つは、今もリストラの話がございました。先日この委員会でも、東電の廣瀬社長が松田委員の御質問に答えられて、いわゆる修繕費の問題について答弁をされていました。コストを下げていく、コストカットをしていくという場合に、やはり設備投資とか修繕費を先送りをして経費を節減する、そのことによって値上げ幅も圧縮しようと、こういうケースが見られるのではないかと思います。コストのカットはもちろん必要なんですけれども、さっき申し上げたとおり、電気の安定供給の要となる設備投資や修繕工事をいわゆる先送りする形でコストを削減するというのはやはり本末転倒ではないかと、こういうふうに思っています。
 そういう意味で、電力各社は、さっき申し上げたとおり、一般送配電事業者としても電力システム改革の中心を担うことになるわけでありますから、送配電の安定なくして参入の自由化もあり得ないと思います。必要なこの設備投資とコストカットの両立について、どういうふうにこれからやっていかれようとされているのか、経産大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(高橋泰三君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のように、今、電力各社は厳しい収支の状況でございますけれども、その中で最大限の経営効率化に努めながらも、安定供給の確保に向けました修繕や必要な投資、あるいは安全対策等につきましては適切に実施しているものと認識してございます。
 足下につきましては、先ほど御議論ございましたように、夏の需給に関しまして火力発電所の計画外停止を最大限回避すべく、電力各社に対しまして火力発電所の総点検を行うよう要請をしておりまして、各社対応を今しているところでございます。
 また、保安の観点からは、これは今年の三月に産業構造審議会電力安全小委員会におきまして電力各社の保安の取組について検討しまして、各社それぞれ、保安の維持のための設備更新、修繕等に係る必要な資源を投入しているということにつきまして確認をしたところでございます。
 電力料金の原価につきましては、当然のことながら、修繕費あるいは設備投資等に係る資金につきまして、安定供給に必要な工事料は原価に織り込んでおりますけれども、同時に、コストを効率化していくという観点から、経営効率化努力も求めているところでございます。
 それから、電力システム改革との関係で申し上げますと、委員御指摘の一般送配電部門でございますけれども、これは、全面自由化後も引き続き総括原価方式によりまして料金回収を保証するという制度にしておりまして、必要な設備の修繕、あるいは投資について必要な資金の手当てが確保されるような制度としているところでございます。
○直嶋正行君 ありがとうございました。
 幾つか確認したいこともありますが、ちょっと時間の関係もありますので次に進みます。
 次に、高経年化した原発の廃炉と今後の原発の方針について幾つか質問させていただきたいと思います。
 五月二十日に日本原電の東海第二原発が適合審査を申請しましたが、これ以外の今適合審査申請をしている原発は十八基ありますが、全て稼働後三十年以内の原発ということであります。
 前回も申し上げましたが、新規制基準への適合には巨額の対策費が必要で、運転期間の四十年基準を合わせますと、やはり今後、動かす原発と廃炉としていく原発とが区分されてくるのではないかというふうに思います。廃炉についても多額の費用が必要になります。前回の委員会だったと思いますが、エネ庁長官から一基当たり平均約五百五十五億円掛かると、こういう御答弁がございました。これは見積価格ということであります。解体引当金制度が、会計規則が昨年改正されましたが、この解体引当金の未引き当て金額が、二〇一二年度末、昨年の三月末で合計しますと一兆二千億円以上というふうになっております。
 ちょっと逆説的な言い方になりますけど、老朽化した原発の廃炉を進めるためには、電力会社の経営状況の好転が、良くならないとできない、必要になります。そのためには、再稼働する原発は再稼働する、廃炉にする原発は先延ばしせずに廃炉にするという峻別が問われているんじゃないかと思います。
 老朽化した原発の廃炉について、これも国のより一層の後押しが必要だというふうに私は思っておりますが、この点についてどのような御所見をお持ちか、お伺いをしたいと思います。
○国務大臣(茂木敏充君) まさに、それぞれの原発、これについて、再稼働をするか、そして廃炉にするか、これ、当然、新規制基準に適合した上での判断でありますが、炉の設置者であります事業者において判断をされるものであると思っております。その上で、廃炉を行う場合には、御指摘のように、解体引当金の未引き当て額のほかに、原子力発電設備や核燃料の減損等によりまして事業者にとりまして財務面での負担が発生すること、これが見込まれることは事実であります。
 このような中で、廃炉に伴います電力事業者の財務的な影響も考慮をして、おっしゃるように、廃炉にすべきと判断した原発については、廃炉が円滑に行われるような措置をとる必要があるであろうということで、昨年の六月から八月にかけまして、従来の料金、会計制度が円滑かつ安全な廃炉を行う上で適切なものになっているかどうか、会計の専門家等から構成されます廃炉に係る会計制度検証ワーキンググループにおいて審議をいただきました。
 その結果でありますが、具体的に申し上げますと、解体引当金の未引き当て額を運転終了時にこれまで一括費用処理してきましたけれど、そうするのではなくて、運転終了後十年間で積立てを行うことといたしました。また、原子力発電設備のうち、格納容器であったり使用済燃料プールなど、廃炉作業を安全に進める上でこういった装置は廃炉を決めてからも必要になります、廃炉がある程度完成するまで。ですから、こういった必要な設備については運転終了後も引き続き減価償却を続けられると、こういう形にいたしました。
 こうした見直しを踏まえまして、廃炉に伴います財務的な影響は相当程度緩和すると考えておりますが、エネルギー基本計画にも記述しておりますように、電力システム改革によって競争が進展した環境下においても、原子力事業者が今後廃炉を円滑に進めていけるよう、海外の事例も参考にしつつ、事業環境の在り方について検討を行うとしておりまして、そのように進めてまいりたいと思っております。
○直嶋正行君 事業環境の在り方について検討を行うということですから、多分今のままじゃなかなか大変なので更に検討すると、こういうふうに理解しておきたいと思います。
 今大臣が説明された会計規則の変更は確かに効果があるのかもしれませんが、私もいろいろ聞いていますと、これだけじゃなかなかという声が相変わらずあるということも併せて今日お伝えしておきたいと思います。
 それから次に、原発の再稼働なんですが、これはもう化石燃料が値上がりしている中でいいますと、発電コストの低減策ということになるわけであります。川内原発の一号機、二号機が再稼働すれば、今年の夏も九州の予備率は一四・二%まで回復すると、九電の予備率はですね、というふうな試算もなされていまして、やはり電力各社はこの再稼働に向けて多額の追加投資を行ってマンパワーを振り向けています。
 政府からは、安全が確認された、いわゆる規制基準に合格した原発は再稼働すると、こういう方針が示されており、エネルギー基本計画でも原子力は重要なベースロード電源ということを言われていますが、まだどれぐらいの規模でこれから使っていくかという、いわゆるエネルギーミックスは出ていません。
 経営者の立場に立つと、企業としての、さっきから議論しています経営改善と電力供給に責任を持つと、こういう立場から考えますと、需給の改善が必要である一方で、やはり政府が原発についてちゃんとした方針を示してくれないと、今依然として、こういう状況でありますと、やはり、さっき事業者の判断だ、動かす動かさないはと大臣おっしゃったんですけれども、これはなかなか判断できないんじゃないかなというふうに私も思わざるを得ません。
 したがって、それぞれの電力事業者が判断できるように、やはり一日も早く政府としては方針を出すべきじゃないかと、このように思います。私どもは必ずしもこれからもずっと使うとは言っていませんが、しかし現状を考えるとこういうふうに申し上げざるを得ないと思っています。
 そういう点に関して、現状、今大臣がどのように受け止めておられるか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(茂木敏充君) 原発については、あらゆる事情よりも安全性を重視し、その安全性につきましては独立した規制委員会が新たな規制基準の下で判断をすると、こういったことは民主党政権時代に新たな枠組みとして決めさせていただきました。我々としては、この規制委員会の判断がなされた場合には原発の再稼働を進める、こういう方針を政権として掲げております。
 同時に、今回のエネルギー基本計画におきまして、原子力、これは石炭等々と並んで重要なベースロード電源と、こういう位置付けをさせていただいていまして、そういった意味では、確かにベストミックスで何%ですと、こういった比率があった方が事業者にとっては予見性は高まると思っておりますけれど、原発の重要性等々については事業者としてある程度の認識というのは持てる状態ではないかなと思っております。
 中国で自動車市場が拡大しそうである、そのときに、自動車市場がこれから五年間でどこまで伸びるか分からないから投資をしないということではないんだと思います。ある程度の見通しをそれぞれの経営者が持ちながら経営判断としてやっていく。ですから、既に、まだベストミックスは決まっておりませんが、十一原発十八基について事業者の判断において適合審査の申請を行っている。稼働させるつもりがなければそういう審査申請を行わないと思いますから、ある程度事業者としては見通しを立てつつ、そういった準備を進めている、このように理解いたしております。
○直嶋正行君 ありがとうございました。
 賛成できる部分とちょっとどうかなという部分とございます。結局、これまでは十電力体制で、はっきり言って国と一体になって電力会社の経営は行われてきたと思います。こういう赤字決算が続いている状況で、突然、おまえたち、自分で判断しろと言って放り出されると、なかなかこれは大変じゃないかなというふうに思っていまして、先ほど申し上げた経理面での廃炉に向けての対応と併せて、やはり何らかの手当てなり、よく御相談をされるということが重要じゃないかなというふうに思っています。
 それから、もう一つ、ちょっとこれは確認的なことなんですが、去年成立しました電力システム改革の第一弾の法律ですね、この附則の十一条五項の七に、原子力政策を始めとするエネルギー政策の変更その他環境変化によって、競争条件が著しく悪化、あるいはその可能性が明らかな場合は、電気小売業、電気卸売業を営む者の競争条件を改善するための措置を検討するという規定がございます。原発保有は、今やり取りさせていただいたように、これは確かに再稼働すると状況が変わるということで、プラス面もあるんですが、逆に廃炉というマイナス面もあるということでありまして、現在の状況を見ると、老朽化した原発がマイナスの影響を与えているということが言えるのではないかと思います。
 電力各社が今後小売業者として極端に不利な立場から競争に巻き込まれるとすれば、電力システム改革の目指す方向性とは異なるのではないかと考えますが、この点について御所見をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(上田隆之君) 老朽化した原子力発電所、稼働年数が非常に長い原子力発電所の件でございますが、それは設備の償却の度合い、あるいは追加投資の必要性、あるいは今後どれぐらい運転できるのかといった運転可能期間の長さなど、個別の発電所ごとに事情は異なるものでございまして、老朽化原発だから必ずしも高コストである、競争上不利であるということではないということであると考えております。
 しかしながら、確かに様々なことでコストが変わることになることはあり得るわけでございまして、今先生御指摘がございました電気事業法第一弾改正法の附則におきまして、エネルギー政策の変更等に伴って特定の電気の小売業、卸売業を営む者の競争条件が著しく悪化した場合、あるいはそれが明らかな場合にはその競争条件を改善するための措置について検討するということになっているところでございます。
○直嶋正行君 これは、あれですかね、状況からいうと、そういう検討をせざるを得ないかもしれないし、まだ何とも言えないと、こういう今現状判断だということでよろしゅうございますか。
○政府参考人(上田隆之君) 老朽化した原子力発電所があるということだけでこういった状況に当たるとは私ども考えておりません。今後、こういった事態、今先生がまさに御指摘のこの法律の規定に当たるような事態に立ち至ったような場合については、検討を加えまして、その結果に基づいて必要な措置を講ずると、こういうことを考えておるところでございます。
○直嶋正行君 続きまして、火力発電所の話についてお伺いしたいと思います。
 この新しいエネルギー基本計画においても、先ほど申し上げましたように、まだエネルギーミックスというのは示されておりません。原発の再稼働も今予定よりかなり遅れているという状況でありますが、この電源構成について明確な判断ができていない。今、先ほど来、夏の電力のところで議論させていただいたように、老朽化した火力に依存した状態が続いている。この状態が続くということは、大きな経済的な損失を招くということにもつながりかねないと思います。
 私、ちょっと実は東電の鹿島に小林議員のお世話でお邪魔したことがあるんですが、初めて行きまして非常に驚きました。一号機から七号機まであって、七号機は最先端なんですが、一号機は一九七〇年代にできた。そして、お話聞くと、震災までは全く使っていなかった設備なんです。
 なぜ驚いたかというと、そういう使っていない設備が依然として残っていることに驚きました。普通の企業だと、さっきの大臣の競争の話じゃありませんが、もう使わない設備はさっさと処分して、土地も更地にするなり別のものを建てるなり、別の使い方を考えると思うんですが、電力会社の場合は、休止をさせて、そのままの状態で置いている。
 まあこれが良かったわけですね。今度そのさびを落として動かして、まあ何とか電力を供給できたと、こういうことなんですが、今度のシステム改革で、さっき御答弁ありましたように、やはり競争の中に入っていくということになると、その考え方そのものからいろいろと変えていかなきゃいけないというふうに思っています。
 ある意味ではこの移行期なんですが、例えば東京電力の場合は、二〇二四年までに東京湾周辺の火力六百万キロワットを入札を募集するということで、大規模なリプレースをされるということも発表されています。
 ただ、全体的に見ると、さっき申し上げたように、非常に赤字経営で厳しい中で、一部高効率化ということで動きは出ているようでございますけど、なかなか全体的に言うと進んでいきにくい状況にあるんじゃないかというふうに思っていまして、やはり今後の環境対策等も含めて考えると、この火力の高効率化ということも早く着手をすべきではないかというふうに思っていますが、例えば環境アセスの期間の短縮等もいろいろ図られているということでありますが、やはり投資をしていただくための後押しというんですかね、こういうことについて、経産省として今お考えのことがあればお聞かせいただきたいと思います。
○大臣政務官(磯崎仁彦君) 今、直嶋委員の方からは鹿島のお話出ましたけれども、五月の二十日には、この委員会におきましても、東京ガスの扇島のパワーステーション、それから磯子の火力発電所、そういうところを視察をしまして、やはり非常にすばらしいものだなということを私も痛感をいたしました。非常に効率も良くて環境負荷も小さいということで、やはりこういった高効率化といいますか、これを進めていく必要性というのは、そのときに私も感じた次第であります。
 今、お話ございましたように、やはり石炭、LNGの火力発電につきましては、エネルギーのセキュリティー、あるいはそのエネルギーコストの削減という観点からも、やはり高効率な技術の利用によって環境負荷というものを低減をしながら活用していくということがこれから重要であるというふうに思っております。そのためには、今お話ありましたように、やっぱり技術開発について支援をしていくということも必要だと思いますし、また導入をどういった形で支援をしていくのか、あるいは、更にリプレースをしていこうといっても長い期間が掛かるということではなかなかそのリプレースの決断もできないということがありますので、どうスムーズにリプレースをしていくのかというそういった環境整備、いろんな観点でやはり検討していかなければいけないというふうに思っております。
 まず、技術開発につきましては、もう御承知のとおり、石炭火力の蒸気温度、これ七百度以上の高温にすることで発電の効率を高めるための技術開発、このための予算を平成二十六年度でも二十一・二億円取っているという状況でございますし、またLNG火力のガス燃焼温度、これを千七百度まで高温化させて効率を高める技術開発、これにつきましても平成二十六年度の予算で三十四・四億円などを取り込んでいるということで、既に技術開発につきましては経産省としても力を入れているところでございます。
 さらに、建設に当たりましては、やはりまさにおっしゃいましたように、それを促進をしていくための何らかのインセンティブも必要だということでございまして、これにつきましては、高効率のガスタービンコンバインドサイクルの導入を進めるためには、グリーン投資減税、これは平成二十三年度から始まっておりまして、今、二十七年度までということでございますが、投資初年度に三〇%の特別償却を認めるということで、やはり早期に償却できるというそういうインセンティブを持つことによって後押しをしていくという政策を取っておりますし、また先ほどまさに環境アセスメントのお話ございましたけれども、通常でございますと、従来三年程度掛かるこの環境アセスメントにつきましても一年強程度に短縮する等の措置をとってリプレースをスムーズにできるような、そういった環境も今整えているということでございますので、こういった総合的な対策を通じまして火力発電所の高効率化を進めてまいりたいというふうに思っております。
○直嶋正行君 ありがとうございました。
 今御説明いただきました。私その中でちょっと欠けているなと思うのはやはり資金面の話だと思います。最近、電力会社単独ではなくていろんな事業者と組んで新しい発電所を造るという動きも出ていますけれども、その場合のやはり資金面の、資金の調達等について何らかの仕組みが必要ではないかなというふうに思っております。
 ちょっと時間の関係で、時間がなくなりましたので、恐縮ですが、幾つか通告をさせていただいたものを少し飛ばさせていただいて、省エネルギーについてお伺いをしたいと思います。
 これも何度かこの委員会で大臣とも御議論させていただいておりますが、天然資源が少ない我が国において、今まさに燃料費が急騰しておりまして、為替の影響もあって非常に高くなっていると、それで貿易赤字も増大していると、こういうことなんですが、まさに省エネこそ国産エネルギーだというふうに受け止めています。
 東京電力の福島原子力発電所の事故以降こういう認識は高まっているというふうに思っておりますが、我が国のこれまでの省エネの歴史を振り返りますと、一九七三年の第一次石油ショック、これ以降日本の省エネは急速に進みました。特に七〇年代、八〇年代、非常に大きく進展をしまして、まさに世界一という状況になったと思います。
 ただ、これデータ見ても明らかなんですが、ここ二十年くらい、九〇年代以降省エネは停滞をしているというふうに申し上げても過言ではないと思います。家庭、業務、産業の各部門において努力の余地がまだまだ大きく、国を挙げて取り組めば大きな成果を期待できるのではないかというふうに思っています。私は、今まさに国策として省エネに取り組む七〇年代以来のタイミングではないかと、そのように思っております。
 先日決定されたエネルギー基本計画を拝見しますと、例えばLED照明とか次世代車、それからネット・ゼロ・エネルギー・ビル、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス等、個別の分野ではこれぐらい普及させるという目標が記載されています。また、その同じ基本計画の中で、各部門ごとの省エネルギーの取組を一層加速すべく、目標となり得る指標を速やかに策定するというふうに掲載をされています。これらの指標について、まず、これらの指標をいつ頃どんな形でまとめようとされておられるのか、それをお伺いしたいと思います。
 それからもう一点は、やはり機器の普及やこういった部門ごとの指標だけではなくて、全体的な目標をきちっと掲げることが重要ではないかと思っておりまして、この全体目標を掲げることについてもお考えをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(茂木敏充君) 個々の目標の時期につきましては、この後、参考人の方からお答えをさせていただければと思っておりますけれども、我が国、委員御指摘のように、一九七〇年代、二度のオイルショックを経験をいたしまして、そこの中で企業の努力そして省エネ技術の進展によりましてその危機を克服する、その過程で世界に冠たる省エネ製品、省エネ技術、さらには省エネ社会というのを生み出したんだと思っております。
 ただ、当時は、エネルギーの消費そのもの全体をコントロールする、こういった立場からの省エネでありました。現在は、三・一一以降、全体というよりも、いかにピークをコントロールするか、こういったことを中心にした省エネが必要であろうと思っております。もちろん、産業部門と比べて、家庭であったり運輸部門、業務部門、まだまだ省エネの余地はあると思っておりますけれども、需要側を様々な技術であったりとかこの電力の自由化等々によってスマートにコントロールしていく、こういったことが極めて重要である、このように思っているところであります。
 省エネの目標につきましては、エネルギー基本計画におきまして、これまでの計画で示された水準を更に上回るレベルのものとしていくと、こういったことを書かさせていただいておりますが、これは、御案内のとおり、省エネも進めますけれども、同時に再生可能エネルギーがどこまで導入されるかとか、ほかのエネルギー源をどう使っていくか、全体に関わる問題でありますから、ベストミックスと同時にこれについてはお示しをできればということでありまして、検討を進めていきたいと思っております。
○政府参考人(木村陽一君) 御質問いただきましたエネルギー基本計画にございます目標となる指標につきましてお答え申し上げます。
 我が国全体の省エネ目標のみならず、産業ですとか業務、家庭、運輸、それぞれの部門ごとにエネルギーの消費実態に応じましてやはりきめ細かく省エネの取組を進めるためには、例えば個別の機器の導入でございますとか技術開発の目標といった、そういった個々の事業者や家庭が取り組むに当たって目標となる個別の指標というのをきめ細かく策定するというのが一つ有効ではないかというふうには考えてございます。これらの指標につきましては、事業者レベルでエネルギー利用の動向ですとかあるいは将来の省エネの余地などを見極めて、十分に野心的ではあるけれども非現実的でない目標を策定することというのは可能ではないかと考えてございます。
 その一例がまさに御指摘いただきましたLED、あるいは新築の建築物等についての数値ということでございますけれども、今後、エネルギーミックスを策定するに先立ちまして、実際に個々の事業者や家庭の省エネの取組を加速するために有効な個別の指標、これはどういうものが可能かということにつきましても、専門家の意見を踏まえましてよく議論をした上で、速やかに策定してまいりたいと考えてございます。
○直嶋正行君 きめの細かい目標も非常に大事だと思いますけれども、やはり全体的に分かりやすい目標を掲げるということも併せて是非お願いしたいと思います。
 それで、次にエネルギー基本法についてちょっとお伺いしたいと思います。
 省エネとの関係なんですが、私は、今あるエネルギー基本法でありますが、エネルギー基本計画において、まず省エネの位置付けがやはり弱いのではないかというふうに思っています。
 その原因なんですが、やはりエネルギー政策基本法がありまして、これに基づいて政府はエネルギー基本計画を作るわけでありますが、よく言われます三要件といいますか、三つの原則といいますか基本方針、安定供給の確保、環境への適合、市場原理の活用の三原則というのが言われています。ここの中にエネルギー消費の効率化という形で省エネと思われる表記はあるんですけれども、これ全体的に見ると、やはり供給をどうしていくかという供給サイドからの発想が強いのではないかというふうに思います。さっき大臣もピークカットのお話されました。これはやはり供給ということより、むしろ需要の方の話ではないかというふうに思います。
 それで、さっき申し上げたとおり、福島第一原発の事故を経験して、今非常に厳しい需給状況に陥っているわけでありますが、先ほど申し上げたとおり、私も省エネこそ有望な国産エネルギーだというふうに思っております。このエネルギー基本法をやはり改めて、もっと省エネを一つの大きな原則として位置付ける、そういう発想が必要ではないかというふうに思っております。
 この点についてどのように受け止めておられるか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(茂木敏充君) まず、エネルギー基本計画におけます省エネの位置付けでありますけれども、全体の章立てを御覧いただきますと、エネルギー基本計画の中では、各エネルギー源ごとの特徴であったりとか施策の章が出てまいりますが、その前に省エネが来ております、先に。省エネのことを書いた上でエネルギーの供給の話に入っているということでありまして、それは先に書いてあるからそっちを重視しているんだと。後だから重視していないということではありませんけれども、我々としては、この省エネについては極めて重要な施策であると、こういうふうに考えております。
 その上で、エネルギー政策の基本法、これは平成十四年のたしか六月の七日に成立した法案であると思っておりますけれども、これはエネルギー政策、具体的に進めていくに当たっての基本的な考え方、指針というのを三つ示すということでありまして、その一つが安定供給の確保、エネルギーセキュリティーの話です。そして、環境への適合、エンバイロメントと。さらに、市場原理の活用、エコノミックエフィシェンシー、この三つのEということで基本方針を定めて、この基本方針に沿って各エネルギー政策を進めていきましょうということになっておりまして、省エネは重要でありますが、言ってみますと、理念というよりも具体的な対策である。再生可能エネルギーの導入も具体的な政策であると思います。省エネというのも、理念というよりは考え方として、理念でもありますけれども、具体的な政策として進めていくと、こういう考えで今後とも重点的に取り組んでまいりたいと思っております。
○直嶋正行君 省エネは重要だけれども、大原則ではなくて具体的な政策としてやっていくというお話なんですが。
 ちょっと私、御提案申し上げたいのは、エネルギー基本法の第十二条なんですね。十二条の第二項に、「エネルギー基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。」と、こういうふうに書かれていまして、三つ書いています。「エネルギーの需給に関する施策についての基本的な方針」、「エネルギーの需給に関し、長期的、総合的かつ計画的に講ずべき施策」、三が「エネルギーの需給に関する施策を長期的、総合的かつ計画的に推進するために重点的に研究開発のための施策を講ずべきエネルギーに関する技術及びその施策」ということなんです。ここに私は、「エネルギー基本計画は、次に掲げる事項について定める」という、この中にやはり省エネルギーというのを明確に位置付けると先ほど大臣がおっしゃったような具体策もしっかりと書き込むことができるんではないかと、このように思っております。
 この法律は、御承知のとおり、議員立法で成立した法律でありまして、それを経産省がどういうふうに扱うかというのはちょっと私まだよく分かりませんが、ただ、できてかなりたちますし、先ほどというか、まさに我々が今ここで電力システム改革の大改革の話をしているわけでありまして、この大改革を踏まえて、やはりこれからのニーズをしっかり受け止めて考えるということで、私も今申し上げた点が具体的に改正すべき点だということで、これだけを御提案するつもりはありませんで、今ちょっとそういうことを感じていますので、我々も引き続き検討したいというふうに思っていますが、やはりそういうタイミングではないかというふうに思っておりまして、御提案を申し上げておきたいというふうに思います。
 それで、次に、これ省エネルギーと密接に関わると思うんですが、建物の省エネについてお伺いしたいと思います。今日は国交省の方にも出席いただいておりますので、国交省、経産省、併せてお伺いしたいと思います。
 建築物の省エネということなんですが、特に欧州等では建築許可とその省エネの基準、断熱基準ですね、断熱基準が連動しておりまして、省エネ性能が満たされなければ建築ができない、こういう制度になっています。日本の場合は、省エネ法に基づく届出というのが一定規模以上のものに限って義務付けられているといいますか、届出が義務付けられているということであります。
 また、住宅の省エネ基準適合率も、数字で比較しますと欧州に比べてかなり後れを取っているということが言えると思います。例えば、欧州では二〇二〇年にはゼロ・エネルギー・ハウスあるいはゼロ・エネルギー・ビル、ZEH、ZEBの義務化に向かって今進んでいまして、二〇二〇年には幾つかの国で義務化されるというふうに聞いています。
 実は、日本はその頃にやっと公共用の施設についてこういうことを義務化してはどうかという議論がされているというふうに聞いています。これも一つの判断でありまして、民間が主導的にできないのであれば、公共の建物からしっかりとゼロエネルギー化すべきであるというふうに考えていまして、公共の既存ストックも含めてやはり計画的にゼロエネルギー化すべきであるというふうに思っています。
 さっき大臣の方からも、省エネの発想が変わったんだと、総消費量じゃなくて需要、ピークカットなんだという話、これは電力の場合はそうだと思うんですが、エネルギー全体で見ると、やはり幾らエネルギー使用を効率化していっても、建物が断熱性能が悪ければ、これはもう穴の空いたバケツと同じでして、幾ら入れても漏れてしまうと、こういうことになるわけでありまして、私は今公共施設の話をさせていただきましたが、こういうものを含めて、やはりもっとピッチを上げて建物の省エネについて取り組むべきだというふうに思っておりますが、今どのように考えておられるか、お伺いをしたいと思います。
○政府参考人(橋本公博君) お答え申し上げます。
 住宅建築物の省エネ基準適合義務化についての御質問がございました。御指摘のとおり、民生部門のエネルギー消費というのは大変増加が著しくなっておりまして、住宅建築物の省エネルギー対策の推進は重要な政策課題であると認識をしております。
 エネルギー基本計画におきましても、適合義務化につきまして、「規制の必要性や程度、バランス等を十分に勘案しながら、二〇二〇年までに新築住宅・建築物について段階的に省エネルギー基準の適合を義務化する。」と位置付けられておるところでございます。具体的には、エネルギー消費量の大きいオフィスビルなどの非住宅建築物、住宅以外の建築物をまず先行させ、かつ規模の大きい建築物から段階的に省エネ基準への適合義務化をしたいというふうに考えております。
 一方で、住宅、特に戸建て住宅につきましては、大規模な事業者、いわゆるハウスメーカー等が供給する住宅はほとんど全てが省エネ基準に適合しておる一方で、中小の大工、工務店さんが供給されている住宅はいまだ省エネ基準に達していないものが多く見受けられるところでございます。特に、住宅、戸建て住宅につきまして義務化を早急に実施をいたしますと、中小の大工、工務店さんにとって大きな支障となりまして、地域の住宅生産体制を壊しかねないということで、慎重な対応が求められると考えております。
 したがいまして、まず省エネを適合義務化する環境づくりといたしまして、中小大工、工務店さんの省エネ施工技術の向上のため、例えば、新しい工法、材料等の開発の支援をするとか、あるいは省エネ技術取得のための講習会を実施するとか、あるいは先導的な取組に対する支援を行う等で現在その条件整備を行っておるところでございます。これらの条件を整えた上で、段階的に省エネの義務化に向けて進んでまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○直嶋正行君 ありがとうございました。
 今おっしゃった、大規模なものから順次というお話で、それは一つのそういう考え方としてそうかもしれないと思いますが、やはりさっき申し上げたとおり、例えば、私ちょっと驚いたんですが、驚いたと言うと怒られますけど、韓国もかなりこういう議論進んでいまして、二〇二五年には全新築建築物を義務化すると、こういう政策を出しているようであります。もちろん、さっき申し上げたとおり、欧米はもっと進んでおりまして、二〇二〇年くらい、あるいはその前、二〇一八年とか二〇一九年から義務化すると、こういう方針を出しています。
 そういう点で考えますと、やはり日本の場合はかなり遅れているということが申し上げられるんじゃないかと思います。さっき申し上げたとおり穴の空いたバケツ状態でありまして、建築物、建物のエネルギー消費量というのがやはり国全体のエネルギー消費量の、例えばドイツ辺りだと四〇%占めているという話も聞いています。非常にこういった政策は効果が大きいということを重ねて申し上げておきたいと思います。
 それで、あと一点、建築物に絡んで窓の話なんですが、窓がなかなか断熱が難しいということなんですが、日本の住宅というのは割合アルミサッシが普及しているわけです。このアルミサッシを仮に全て樹脂のサッシに切り替えたとすると、年間で約一億トンのCO2削減効果があると、こういう試算がございます。一億トンというと、ちょうど原発が止まってしまって火力で今たき増しをしていますが、これによって排出される量にほぼ相当するんだという話も伺っています。
 そういう意味では、樹脂サッシに切り替えるということは重要だと思うんですが、日本の場合は実はこの樹脂のサッシの普及率が七%であります。欧米諸国では大体六〇%を超えるというふうに聞いています。つまり、それぞれ環境先進国では厳しい断熱基準を設けておりまして、例えばアメリカのニューヨーク等でも相当厳しい基準でないとうちを建てることができないというふうに言われておりまして、我が国の場合は、そういう点からすると、この断熱基準が実は省エネ法で決められています。ただ、建築基準法上は規定がないというふうに理解していますが、これも併せて断熱基準をしっかりしていくと、窓のですね、それをまた建築基準法に明記していくということによって建築段階からの省エネ性能の高い樹脂サッシを普及させていくべきだと思うんですが、この点について最後に御所見を伺って、私の質問を終わりたいと思います。
○委員長(大久保勉君) 時間が過ぎておりますので、答弁は簡潔にお願いします。
○政府参考人(橋本公博君) 樹脂サッシは、御指摘のとおり、断熱性能が高く、省エネ効果も高い製品でございます。現実に北海道では九割以上のサッシが樹脂サッシになっております。したがいまして、私どもとしても、これから樹脂サッシの普及に努力してまいりたいと思います。ただ、建築基準法の中に入れるか省エネ法の省エネ基準に位置付けるかは、今後、適合義務化の段階で具体的な方策は考えさせていただきたいと思っております。
○直嶋正行君 時間が来ましたので、終わります。
○委員長(大久保勉君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午後零時十一分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
○委員長(大久保勉君) ただいまから経済産業委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、電気事業法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○杉久武君 公明党の杉久武でございます。
 本日は、電力システム改革の第二弾となる小売参入の全面自由化に向けた電気事業法の改正について順次質問をしたいと思います。
 まずは、今回の改正案に先立ちまして、昨年成立いたしました第一段階の部分について少し確認をしておきたいと思います。
 まず、昨年の改正では広域的運営推進機関の設立が決まったわけでございまして、来年の設立に向けて、現在、設立準備組織が立ち上がっていると聞いておりますが、広域的運営推進機関の設立に向けた現状と今後の流れにつきまして確認しておきたいと思います。
○政府参考人(高橋泰三君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のように、昨年成立させていただきました第一弾の電気事業法の改正を踏まえまして、現在、広域的運営推進機関の設立準備を進めているところでございます。具体的には、総合資源エネルギー調査会の下に設置されました専門家によるワーキンググループにおきまして、その組織の詳細設計につきまして検討を進めているところでございます。
 具体的に申し上げますと、まず、その運営に関する組織の構成、それから東西の例えば周波数変換設備、あるいは地域間の連系線等の広域的な送電インフラの整備、あるいはその利用に関するルールなど、その設立に当たりまして必要となる課題につきまして、学識経験者などの御参加をいただきまして議論を進めているところでございます。
 また、この広域的運営推進機関は電気事業者等が発起人となりまして設立をするという形になっておりまして、国の認可を経て設置されるということになっております。その設立に向けまして、本年一月には、電力会社、それから新電力、再生可能エネルギーの事業者などが設立準備組織を発足をさせておりまして、現在、その具体的な組織設計、業務運営方法、それから広域運営に必要となるシステムなどの設計につきまして、実務的な準備も進めているところでございます。
 今後、この設立準備組織は夏に向けて認可申請を行うということを目指して作業をしておりまして、私どもとしても、二十七年中に広域的運営推進機関が設立できるよう、引き続き着実に準備を進めてまいりたいと考えてございます。
○杉久武君 広域的運営推進機関につきましては、今御答弁をいただいたとおり、電源の広域的な活用に必要な送配電網の整備を進めるとともに、全国大で平常時、緊急時の需給調整機能を強化するために設置される機関となっております。広域的運営推進機関には、こういった国家全体に関わる問題を電気事業者といった利害関係の領域を超えた立場から判断していっていただく役割、使命があるものと私は認識をしておりますので、民間主導の組織ではありますが、経産省にも、広域的運営推進機関がどこまでも国益第一で取り組むようしっかり見ていただきたいことを要請したいと思っております。
 さて、送配電網の話に関しまして、広域メリットオーダーの件について少し伺いたいと思います。
 御承知のとおり、広域メリットオーダーは地域間で電源をシェアすることで全体の経済性を高めようというものでございますが、例えば、極端な話、仮に九州電力の電力を北海道電力が調達するということを仮定しますと、理論的には長大な送電となりますので、送電のための電力系統は必然的に軟弱なものになってしまいます。よって、長距離送電によって電力の安定性が損なわれるようなことが起こってしまうのではないかと、素人目にはこのようなことも感じるわけであります。
 そこで伺いますが、広域メリットオーダーを進めるに当たって電力の安定性というものはどれだけ担保されているのか、答弁をお願いいたします。
○政府参考人(高橋泰三君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、広域メリットオーダーを実現するに当たりましても電気の安定供給を確保することが大前提と考えてございます。このため、今回の法案では、一般送配電事業者に対しまして、当該エリア全体の需給バランスを維持する義務、いわゆる周波数維持義務と申しておりますけれども、これを課しておりまして、広域メリットオーダーを実現した場合であっても、それぞれきちっと電気の安定供給を確保するということとしてございます。
 また、広域メリットオーダーを実現する場合になりますと、これまでと比較いたしましてエリアを超えた電気の融通というのが拡大するということとなりますけれども、一般送配電事業者間でエリアを超えた電気の融通を行うに当たりまして、先ほど御指摘ございました広域的運営推進機関が融通のルールあるいはシステムを整備をするということをしておりまして、広域メリットオーダーと電気の安定供給の両立を図る措置をとっているところでございます。
 こうした措置によりまして、安定供給を確保しながら広域メリットオーダーの実現、それからそれによります電気料金の最大限の抑制に、実現を図ってまいりたいと考えてございます。
○杉久武君 電力の安定性という面からは、広域メリットオーダーについて今御答弁いただきましたが、これは質問ではございませんが、電力の安定性を追求していきますと、送電線を太くしていくとか、送電線の回線を増やすとか、またあるいは送電距離を短くするといったような必要がございます。中でも、送電距離が短い場合ですと、必然的に丈夫な系統が生まれますので、発電所から消費地までの距離が短いほど電力の安定性は確保されるものと考えます。例えば生産地が消費地に近ければ近いほど新鮮な野菜が手に入るといったような、言うなれば電力の地産地消といいましょうか、自然エネルギーも含めまして、私は消費地に近い場所での発電といったものに一層真剣に取り組んでいただきまして、電力の安定性やコスト削減などを推進していただけるよう、施策の充実を図っていただきたいと思います。
 さて、今、系統の話に加えまして、連系についても伺いたいと思います。特に、東西連系線の問題について言いますと、周波数変換設備、FCの強化は避けて通ることができないのは御承知のとおりでございます。極めて残念なことでありますが、戦後長い間、電気事業者がこの東西連系線への投資を怠ってきたことは、事業者側からすれば競争回避という原理に基づいたものかもしれませんけれども、三・一一を思い返すまでもなく、国内におけるエネルギーセキュリティーの観点から極めて不適切な対応であったと言わざるを得ないと、このように思うわけであります。
 先ほど質問いたしました広域メリットオーダーによる年間一千七百億円のコスト削減の試算につきましても、これはFCの増強が大前提でございますので、電力の広域的な安定供給の観点からも、FCの増強を始め各地域間の連系線強化は不可欠でありますので、これら連系線強化に向けた茂木経済産業大臣のお考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(茂木敏充君) まず、先ほど御指摘いただいた電力の地産地消、これから極めて重要になってくる、またそういった意味でも、公明党の皆さんが強く主張されています再生可能エネルギー、これを最大限導入していくということは極めて重要な問題であると考えております。
 それで、電力を全国レベルで使っていく、低廉なものから使っていく、こういう広域メリットオーダー、九州の電力を北海道に送るといいましても、委員御案内のとおり、九州でつくったものをずうっと引っ張ってというよりも、九州の電力が中国電力に行ったり、何らかの形で調整をしながら最終的には北海道にということになるんだと思いますが。
 いずれにしても、このメリットオーダーを実効性高めるためにも、今御指摘をいただきましたような地域間の連系線の容量と、これを十分確保することが重要でありまして、総合資源エネルギー調査会の下の専門委員会が昨年の二月に取りまとめた報告書においては、一つには周波数の変換設備について、まずは二〇二〇年を目標に、現行の百二十万キロワットから二百十万キロワットまで増強して、それ以降できるだけ早期に三百万キロワットまで増強するとしております。また、北海道と本州をつなぎます北本連系設備については、現行六十万キロワット、これを九十万キロワットまで増強を早期に実現することが提言をされておりまして、これらの実現に向けて検討、準備を進めているところであります。
 また、今回のエネルギー基本計画におきましても、「政府が示す政策方針や、広域的運営推進機関が策定する計画に基づき、東西の周波数変換設備や地域間連系線等の送電インフラの増強を進める。」と、このようにされておりまして、この方針に基づきまして、地域間の連系線の一層の増強、しっかり取り組んでいきたいと思っております。
○杉久武君 今大臣からも御答弁いただきましたが、東西の連系設備を二〇二〇年度、この二〇二〇年度というのは発送電分離の年という位置付けになろうかと思いますが、それまでに現在の約二倍に当たります二百十万キロワットへ増強するという計画のお話でございました。また、FCの増強に加えまして、同一周波帯での連系線強化、例えば北海道と本州の脆弱性の解消もそうでありますが、整備にはやはり巨額のコストが掛かるということも指摘されているところでございますので、電気事業者のみならず、茂木大臣を先頭に、政府のリーダーシップなくしては実質的、加速度的な進展は望めない問題であると考えておりますので、喫緊の課題として引き続き取り組んでいただきたいことをお願い申し上げたいと思います。
 それでは、今回の法案につきまして質問をいたします。
 まず、今回の改正案の概要につきましては、これまで電力会社が独占しておりました家庭向けの市場を開放すると同時に、事業者を発電、送配電、小売の三区分に再編をして競争を促進するということが狙いとなっておりまして、順調に進みますと、二年後の二〇一六年には小売の自由競争が一気に加速をしていくと、このような段取りであると理解をしているところであります。
 そこで、確認をしておきたいのは、そもそも電力の自由化は何のためにするのかということでありまして、それは、特定の事業者から全事業者へ、そして全消費者へと門戸を開くことによって効率的で安価で安定的な電力供給システムをつくるという目的に向けたそのための第一歩が自由化であり、今回の改革の第二弾がそういった位置付けになると考えております。
 しかし、大事なことは、やはり安定と安価とそして安全な電力供給の確保ということは自由化云々以前の前提であり、根幹であることを確認しておきたいのでございます。この安定と安価、安全という三本柱のうち、万が一にもどれか一つが欠けてしまうような事態になりますと、電力システム改革は意味を成さなくなる。そのような意味からも、電力改革は三位一体で取り組んでいただきたいところでありますが、その中でも国民の皆様が強い関心を持っていらっしゃるのは、今回のこの改革によって我が家の家計にメリットがあるのか、電気料金はどうなるのかという安価な電力供給という点であろうかと思います。
 法案の説明でも種々触れられておりますが、この第二弾の改革によりまして、規制部門でありました一般家庭や小規模な商店、事業所といった七兆五千億円規模の市場が新たに生まれます。企業側からしても相当なビジネスチャンスになるわけでありますから、当然、新規に参入される業者が増え、価格競争が生まれて、結果として安価な電気料金となるのではないかと、このようなことを国民の皆様は大いに期待しているというふうに思います。
 そこで、質問をいたしますが、今後、新規に参入する企業数はどの程度を想定しているのか、参入企業の事業規模や業種等も含め、確認をしておきたいと思います。
○政府参考人(高橋泰三君) お答え申し上げます。
 現在、既に自由化されている部門に参入している新電力の数ですけれども、足下二百社ぐらいございます。このうち実際小売供給として事業を行っているものは四十社ぐらいでございますけれども、石油、ガスなどの他のエネルギー業種の企業あるいは商社等々の企業などが多岐にわたり参加をしてございます。
 今後、今委員御指摘のあったように、規制部門七・五兆円の市場が開放されるということで、足下、小売部門への参入、小売全面自由化をにらんだ家庭向けへの参入ということの動きも広がってございます。例えば東京ガスとかあるいはJX日鉱日石エネルギーなどは家庭向けの電力小売に参入する方向で検討を進めていると表明していると承知をしてございます。
 具体的な規模感をお示しするのは難しいわけでございますけれども、既存の電力会社が他のエリアへ供給すること、それから、今申し上げました関連のエネルギー業種、そのほか通信などの消費者サービスを提供している事業者の参入など多様な事業展開が行われるものと期待をしておりまして、こうしたことによりまして、家庭向けの小売参入、それによる需要家のメリットというのが図られるのではないかと期待をしているところでございます。
○杉久武君 今御答弁いただきましたが、今の答弁でありますとある程度の業者が参入されると考えてよいと思いますが、これらは消費者の皆様にとりましても、電力会社を選べるという選択の自由があるわけですから、当然、安い電気料金を選択できるというメリットがあるはずであります。
 自由化に対する国民の皆様の期待は、まさに価格競争によって安価な電気が得られるという点にあると思います。ところが、様々な指摘がなされているところでございますが、二年後の小売参入の全面自由化で本当に電気料金が下がるのか、むしろ上がるのではないかといったことも言われているわけであります。
 そこで確認をしておきたいのですが、率直なところ、自由化によって電気料金は安くなると考えているのか、また電気料金が安くなるインセンティブは一体何なのかを伺いたいと思います。
○政府参考人(上田隆之君) お答え申し上げます。
 電気料金が本当に安くなるのかというお尋ねでございます。
 御案内のとおり、電気料金は、こういった電力システム改革のみならず、石油の値段であるとかLNGの値段であるとか、そういったエネルギーの調達価格にも影響を受けるものでございまして、こういったものも一生懸命下げる努力をしていかなければならないと考えているわけでございますが、今回の電力システム改革では、今競争の促進とおっしゃいましたけれども、高コスト構造の一つの要因であると考えられます地域の独占あるいは総括原価方式を見直していく、あるいは先ほどにもお話ししました新規事業者の参入が期待される、あるいはディマンドリスポンスを可能とするような様々な料金メニューの拡大等々といった取組を通じまして電気料金を最大限抑制をしていきたいというふうに考えております。
 どの程度かというところはなかなか難しいわけでございまして、今後、競争がどの程度進展するのか、あるいは需要家の行動がどう変わるのかという不確定な要素がございますけれども、幾つかの試算を申し上げたいと思います。
 一つの試算あるいは例ということでありますけれども、いわゆるディマンドサイドリスポンスということで私どもが豊田市あるいは北九州市などで実証した実証実験がございます。これによりますと、ディマンドリスポンスのシステムを用いることによりまして需要抑制が働きまして二割のピークカットができる。その際、支払う電気料金も、家庭の平均的な電気料金の支払額よりも三割程度安くなるという実証例がございました。また、先生御指摘のとおり、広域メリットオーダー、非常にうまくいけば千七百億円程度の削減ができるという試算もございまして、これらが電気料金の引下げの要因となってくると考えております。
 それから、当分の間は、新規参入者は当然いるわけでございますが、競争環境が整うまでは当分の間は規制料金を残すことにしております。したがいまして、新規参入者が規制料金よりも安い料金メニューを提供することが期待されるわけでございまして、この経過措置の間におきましても電気料金を規制料金以下に引き下げる効果があると、こういった要因が電気料金を最大限抑制する方向としての要因として考えられるところでございます。
○杉久武君 今様々御答弁いただきましたが、まずはやはり今回の目的としては、市場メカニズムの競争環境が起きて電気料金を下げるということが想定されていると思います。
 ただ、今我が国が置かれている状況というのは、電力という商品が言わば品薄の状況でありまして、慢性的な供給不足の状態に置かれていることを忘れてはいけないと思います。純粋に考えれば、自由化というものは市場原理そのものですので、需給、需要と供給のバランスによって価格が決まるわけであります。例えば、数か月前、記録的な大雪がございました。あの大雪の影響で野菜の収穫作業が遅れまして、野菜の値段があっという間に二割から四割も高騰したということもあります。電気もある意味では野菜のような生鮮食料品と同じようにストックができない商品でありますので、例えば電気の需要があるのに電気の供給が増えなければ、市場原理に従えば電気料金は当然値上がりする可能性があると思いますし、むしろ価格の値下げといった話にはなかなか結び付かないのではないかというように思います。
 また、別の視点から考えてみますと、自由化によって先ほどの答弁にもあったような新規の事業者が多数参入することになりますと、電気の供給量が増えなければ、業者の数だけが増え、その分供給に関するコストが増加するということにもなりかねません。結局それらが価格転嫁されて電気料金が上がってしまうことにはならないのかと、そういう可能性も考えられるわけであります。
 要は、今我が国が置かれております現状が今後も続いてしまいますと、二年後の小売参入の自由化は電気料金の低下という目に見える形でのベネフィットを消費者が受けられない、そういった事態が発生してしまうのではないかと、そういった危惧もするわけであります。
 ただ、今お話もございましたが、料金規制の話も今お話しいただきましたけれども、昨年の電力システムに関する改革方針の中では、「一般電気事業者の料金規制は、電気の小売業への参入の全面自由化後も、実際に競争が進展していることを確認するまでの間、経過措置として継続する。」とされておりまして、この料金規制につきましては、私は、海外での自由化後の価格高騰の事例を鑑みますと、経済産業省としてはよく研究をされ、電力価格の高騰を抑える手段として手堅い手順を踏まれたのではないかというように評価をしております。
 そこで、伺いますが、この料金規制の部分で述べられております実際に競争が進展していることを確認するまでの間というのは具体的にどのようなことを想定されているのでしょうか。例えば競争の進展を図るための目安や、数値的なまたあるいは別の何か目安としてあるのか、競争の進展は誰がどのように確認をするのか、できるだけ具体的に御説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(高橋泰三君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のように、小売参入の全面自由化をした後も、当分の間、現在の一般電気事業者に対しまして料金規制を課すこととしてございます。これは、電気というのがほかの代替性が困難である財であること、それから実際今自由化をされている部分でも競争が十分進展していないということを考えまして、既存事業者による規制なき独占が起こらないようにということで措置をしたものでございます。
 こうした経過措置の解除の考え方でございますけれども、今申し上げましたこの経過措置の趣旨に鑑みまして、市場の実態等について慎重な判断が必要だと考えてございまして、具体的には例えば新規参入がどれだけ入ってきているのか、それから既存事業者間での競争というのがどれだけ生じているのか、それから、新しい制度の下では自由な料金設定もできますので、そういったものを選択している需要家がどれぐらいの割合になっているのか、そのほか、スマートメーターの普及状況、それから卸電力市場の活性化の状況等々といったものを総合的に勘案いたしまして、競争の進展を精査をした上でこの経過措置の撤廃時期を決定すべきものと考えてございます。
○杉久武君 今様々御説明いただきました。やっぱり定量的な、数値的な目標ということはなかなか難しいと思いますが、私はやはり、もう一つ大事なのは、この料金規制を掛けることによって新規参入企業は料金規制よりも低い価格で参入せざるを得ないと、そういった話になると思います。
 したがいまして、注意しなくてはいけないのは、企業側も利益が出て初めて商売が成り立つわけでありますから、企業側に損失が生じるような状況であれば、なかなか逆に参入が行われないという状況になると思います。新規参入企業が出てこなければ、結局、よく言われるような規制なき独占といった形で、自由化を行っても従前と何ら変わらない可能性というものも様々指摘されているところでございます。
 ただ、これは見方を変えますと、規制料金を残すことによって、消費者の皆様が最低限選べる電力に対して料金規制を掛けるわけでございますから、消費者は最悪でも規制料金を選ぶことができると、こういったことも言えますので、現在よりも料金が高くなるというようなことにはならない、そういったある意味社会的規制を設けるのだと、経産省はこういうふうに考えていらっしゃるのではないかと思います。
 そういうふうになりますと、やはり規制料金部分は国民の皆様に保証した上で、自由化によって十分な競争が働き、価格が下がって規制料金の電力を誰も選ばなくなるというのが理想的な話になりますから、消費者保護の観点、また我が国の電力供給の現状を考えますと、規制料金の撤廃というのはよほど慎重に判断をしていかなければならないというように考えてしまいます。
 他方、一般電気事業者のみに引き続き規制が課せられるのは不公平ではないかという指摘もございます。結局のところ、規制料金が撤廃されるための大前提としては、先ほど指摘いたしましたが、商品となる電気の供給量が増えませんと価格競争が起こらない、価格競争が起こらなければ規制料金の撤廃もできないわけでありますから、何としても電力の供給量を上げていかなければならないということに帰結すると思います。
 今後、電力の供給量の確保に向け、どのような見込みがなされているのか、茂木経済産業大臣の御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(茂木敏充君) 電力システム改革によりまして、もちろん小売への新規参入も進みますが、我々は発電事業へも新規参入というものが促されると、このように考えておりまして、実際に最近の発電所の新規参入の状況を見てみますと、東京ガスと昭和シェル石油の合弁会社であります扇島パワーによります川崎市でのガスの火力発電所、これは四十一万キロワットであります。また、三菱商事、日本製紙、中部電力の合弁によります発電会社による富士市での石炭火力発電所、これが十万キロワット、さらには神戸製鋼所によります真岡市でのガス火力発電所が百四十万キロワット、さらに、西部ガスによる北九州市でのガスの火力発電、これは百六十万キロワット、こういったものが計画をされておりまして、これまでの実績も、ガス、石油、製鉄、製紙など、様々な業種から大規模な発電所の運営、行っている事業者が出ているわけでありまして、こういった発電部門にも新規参入は進むと。
 さらには、確実に安定供給を確保するために、各送配電事業者にエリア内での安定供給の責任義務を課すことにしておりますし、さらに、小売電気事業者に対しても供給力確保義務、いわゆる空売り規制ということで掛けております。そして、将来的に発電所が不足すると見込まれる事態においては、全体の計画をつかさどります広域的運営推進機関にセーフティーネットとしての発電所の建設者の募集を行わせることで、最終的には、これらの措置を併せて発電所が適切に建設され、供給力が確保されるものだと考えております。
○杉久武君 今大臣から様々、新しい発電の供給力の増加について具体的なお話をいただいたところでありますが、今お話されたやっぱり火力を中心とした電力になると思います。現状、原発が停止をしておりますので、電力の供給量を上げ、かつ安価であるためには、やはりどれだけ安く燃料を調達できるかという点が至上命題になってくると思います。
 しかし、将来的に、例えば改革第三弾の発送電分離といった改革が進みまして今以上に多くの電力会社が個別ばらばらに燃料を調達するようなことが仮にあったとすれば、やはり価格交渉の問題、つまり燃料価格で有利な条件を勝ち取ることができないと燃料調達の交渉力が致命的に失われるのではないかという指摘もございます。
 このように、燃料調達の問題は一層重要な課題になると思いますが、燃料調達の交渉力を維持、向上させるために国としてどのような対策を講じていく考えなのか、伺いたいと思います。
○副大臣(赤羽一嘉君) 電力システム改革を進める中で、燃料調達コストの低減に向けた買主側のバーゲニングパワーを強化していくというのは大変大事な指摘だというふうに思っております。
 また、そもそも今回の電力システム改革の狙いは、それぞれ競争環境が進展させることによって、結局、燃料調達の方法につきましても、共同調達等の取組など、電力市場における競争力を高めるための創意工夫を凝らしたことが出てくるんではないかという期待もございます。
 そして、政府としても、具体的には、一つ目には、シェールガスの生産拡大で価格が低下をしておりますアメリカからのシェールガス、LNGの供給の実現、これは既に四つのプロジェクトで契約を締結済みでございますが、こうしたことも進めていると同時に、カナダ、ロシア、モザンビーク等で日本企業が資源開発をしておりますが、その供給源の多角化と権益の確保についてもサポートしているところでございます。
 そして、LNGの産出国と消費国を合わせた合同会議、LNG産消会議の開催を開始しておりまして、LNG消費国間の連携強化や新しい共同調達の戦略的な活用の促進など、買主側のバーゲニングパワーの強化を図ることによりまして供給源の多元化を政府としてもしっかりと取り組んでいきたいと、こう考えておるところでございます。
○杉久武君 ありがとうございます。
 燃料の安価な調達というのは、我が国の生命線、またエネルギーセキュリティーの根幹でもございますので、オールジャパンでの対応をお願いしたいと思います。
 さて、ネガティブな議論が続きましたが、やはり自由化にはメリットがあるはずでありまして、競争が導入されることによりまして企業間による売り方の競争や工夫といったものはいや応なしに生まれてまいります。よく成功事例としても挙げられるのが、通信の自由化の例を挙げれば明らかであると思います。ただ、電気事業というのはある意味成熟産業でございますし、電気もそれ自体が均質な商品でありますので、そこに付加価値を付けるとなりますと、多分、多様な価格メニューによる競争というものが大宗を占めるのではないかというように考えております。
 多様な価格メニューというものは大変望ましいことではありますが、一方で、メニューが複雑になり過ぎますと消費者の側からすれば分かりづらい、面倒くさいといったことで電力会社を選択するインセンティブが働かないというようなことも考えられると思います。
 これらについて、電力自由化を行った諸外国の事例などを参考に、どのような可能性を考えているのか、伺いたいと思います。
○政府参考人(高橋泰三君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、今回の電力システム改革の目的の一つには、電力会社やあるいは料金、メニューを選びたいという需要家のニーズに多様な選択肢で応えることができるようにしたいということでございます。今回の小売の全面自由化の実施によりまして様々な小売電気事業者が参入する、また多種多様な料金メニューが提供されるということが期待されるわけでございます。
 諸外国の例で申しますと、イギリスなどでは競争が激化をいたしまして、電力会社が設定する料金メニューあるいは割引プランが乱立をいたしまして非常に複雑になってしまったということから、一定の数に料金メニューを制限するというようなことも導入されてございます。
 ただ、我が国ではこれから全面自由化を進めるということでございますので、現時点におきましてメニューの数を制限するということは考えてございませんけれども、需要家が料金の情報等を的確に得ることがまず選択の大前提となりますので、そういったことができますように、今回の法案におきましては小売電気事業者に対しまして消費者への契約条件の説明義務、それから契約締結後の書面交付義務、それから需要家からの苦情や問合せに対応する義務などを課してございまして、需要家が電力会社や料金メニューを選択しやすいような仕組みとしているところでございます。
○杉久武君 では次に、電力料金の問題に加えて、もう一つの課題であります電力の安定供給の観点から質問したいと思います。
 戦後、我が国は電力の安定供給の観点から、地域独占を前提として整備を行ってまいりました。良くも悪くも、この地域独占の制度こそが電力の安定供給による我が国の戦後の高度経済成長、また我が国の世界的地位を確立した要因の一つであることは否定し難い事実なのだろうと個人的には思っております。
 そこで議論になってきますのが、では自由化によって電力の安定供給は果たして確保されるのかという問題であります。自由化によって安定供給どころか供給に支障を来し、大規模停電の可能性が増すといった指摘もございます。
 そこで、諸外国の事例で伺いたいのですが、午前中の質疑でも滝波委員も触れられましたが、二〇〇〇年に発生したカリフォルニアの電力危機の件であります。諸外国で行われた自由化においては、一般的には比較的電力の需給に余裕がある状況で自由化が行われておりますが、一方、日本とよく似た背景、すなわち電力需給が逼迫している状況の中で自由化を行ったカリフォルニアでは、余剰電力が少ない中で電力自由化を行った結果、大規模な電力危機と電力料金の高騰をもたらしたと、そういう指摘もございます。
 そこで、質問いたしますが、カリフォルニアの事例について経済産業省はどのように分析をされ、我が国との類似性についてどのように考えているのか、伺いたいと思います。
○副大臣(赤羽一嘉君) カリフォルニアの場合は、今御指摘のように、供給力が不足する状況の中で小売料金を凍結してしまったと、その結果、資金が回収できずに発電投資が進まず、結局、停電を引き起こしたものと、そう分析をしております。
 今回、そうした教訓を踏まえまして、自由化を進めるに際しまして、発電事業への投資が行えることができる仕組みをつくることが重要だと考えております。
 具体的には、まず一つ目は、小売料金の凍結は行わないということ、二つ目には、小売電気事業者に対して空売り規制を課して、小売電気事業者の要請に応じて発電事業者により発電所が建設される仕組みをつくること、三つ目には、広域的運営推進機関にセーフティーネットとしての発電所の建設の募集を行わせるといったことが仕組みとして講じているところでございます。
○杉久武君 今、様々挙げていただきましたが、カリフォルニアの事例を反面教師としながら、今述べられました対策をしっかり行っていただきたいと思います。
 続いて、諸外国の実例におきましては、自由化によって競争が激しくなるとどの電力会社も発電設備に投資をしなくなると。すなわち、余分な発電設備を持たなくなる。よく自由化の成功例として挙げられていますテキサスにおいても、事業者間の競争によって予想利益率が低下してしまったことから現実に設備投資が進んでいない、こういったことも言われております。このような企業間競争が結果的に計画停電の発生や需給の逼迫時には電気料金の高騰を起こしているといった指摘もあります。
 また、本年四月の二十九日には、テキサス州の電力大手エナジー・フューチャー・ホールディングスがアメリカの連邦破産法十一条、日本でいいますと民事再生法に相当する法律の適用を申請して、負債総額で約四百億ドルという、日本円にすると約四兆円という規模での経営破綻をしたと、一九八〇年以降では八番目の負債規模の経営破綻であったという報道もございました。
 そもそも、インフラ的な財やサービスというものは公的機関が最終的な供給責任について何らかの形で関与していることが多いわけでありますが、発電設備への投資が鈍化するような事態になりますと、万が一どこかの発電所でトラブルが発生した場合、またあるいは自然災害等によって電力の供給能力が大きく損なわれた場合、さらには夏場などの気温の上昇によって電力需要が急増した場合、こういった場合には最後のバックアップ役を誰も引き受けられない状態になり、広域停電の可能性が出てくるわけでございます。
 電気は言うまでもなく生活必需品であります。供給停止時の社会的影響は誠に甚大でありまして、電気は石油などと異なり、ためておくことが難しいという特徴がございます。安定供給を達成するためには、需給逼迫時以外は一定の余剰となる設備がやはり必要と考えますが、電力の供給責任の在り方や電力の安定供給確保のためにどのような対策を講じていくのか、伺いたいと思います。
○政府参考人(上田隆之君) まず、発電所の建設がしっかり進むようにすべきであるという御指摘と、それから電力の安定供給をどのように図っていくのか、この二つの御質問かと存じます。
 この発電所の建設につきましては、今回の法律におきまして、小売電気事業者にいわゆる供給力の確保義務、空売り規制と言っておりますけれども、それを課すことになっておりますので、小売電気事業者が供給力を確保する上で必要な要請ということに応じまして、発電事業者により発電所が建設される仕組みということになっております。
 それに加えまして、先ほど、料金規制、凍結等を行わないといったこともありますし、また、広域的運営推進機関にセーフティーネットとしての発電所の建設者の募集を行わせるということで、将来的に発電所が不足すると見込める事態においても最終的には必ず発電所は建設される仕組みというものを準備をしておるところでございます。
 また、安定供給そのものにつきましては、これまで安定供給を担ってきた一般電気事業者の送配電部門であります送配電事業者に対しまして、現行制度と同様の料金制度による投資回収を保証をするとともに、引き続き電気の安定供給の義務を課しております。
 具体的には、送配電事業者が日々の電力需給の状況を監視し、電圧、周波数の値を一定の値に維持することの義務付け、あるいは送配電事業者に送配電網の建設、保守を確実に行うことを義務付ける、あるいは最終保障サービスや離島への安定供給を義務付ける等々の措置によりまして安定供給を図っていくことにしております。
○杉久武君 ありがとうございます。
 もう一問通告をさせていただいておりましたが、時間になりましたので、これで質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
    ─────────────
○委員長(大久保勉君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、増子輝彦君が委員を辞任され、その補欠として白眞勲君が選任されました。
    ─────────────
○真山勇一君 日本維新の会・結いの党の真山勇一です。
 茂木大臣は発電所というところを見学したことがございますでしょうか。もちろんあるというふうに私は思うんですけれども、実は、私たち、この経産委のメンバー、先月の二十日に発電所の見学をいたしました。横浜のLNG基地、それからガス火力発電所、そして石炭火力発電所を視察したわけなんですけれども、私、この視察を通してちょっと非常に印象に残ったことがございます。それを皆さんはどんなふうに感じられたかなという思いも込めてちょっと茂木大臣にお伺いしたいんですけれども。
 LNG基地、まず最初に行ったところで、電気を起こす燃料、当然LNG、液化天然ガスなんですが、それを目の前で燃やす実験、見学者に対してそういう実験をやるわけですね。まず、ろうそくとLNGを燃やして、ろうそくはすすが出るけれどもLNGは出ませんよという。ガラスを見ると、ろうそくの方は真っ黒になるけれども、ならない、きれいな燃料ですねということですね。それから、LNGはマイナス百六十二度、大変な低温です。これの中に軟らかいプラスチック製のボールをぽんと入れた途端に、当然こちんこちんに凍るわけですね。そして、そのこちんこちんに凍ったボールをすぐ割ってみんなに見せてくれると。その硬くなったプラスチックの破片をみんなで手に乗せて、まあこんなもんですよという話を見るんですけれども、こうやって見ていますと、非常に、環境負荷もないし、クリーンだし、そして安全ということが、目の前でやっぱり実験ができるという、目の前で電気の材料が、実験が見えるということですね。それが一つ。
 そして、その後、当然、発電所の施設の中を見学したわけなんですけれども、ヘルメット一つかぶればほとんど施設の中どこでも見学できるわけですね、今回行きましたガス火力発電、それから石炭火力発電所では。
 発電所の心臓部といえば、発電機、タービンですね。そのタービンのすぐ脇まで私たちは行って、触ってみてくださいと言って、触って、あっ、熱いですね、当然です、中で燃えているわけですから熱い。そんなことまで感覚として分かるような、そういう見学だったんですけれども。
 翻ってみて、やっぱり原発の見学となると、そうはいくかなというような思いがするわけなんです。施設内というものは基本的には余り直接入るということになっていなくて、大抵原発の場合は、多分行かれた方は御存じかもしれませんが、展示館というのがあって、原発というのはこうやって電気を起こしているんですというのをガラスを通した向こう側でいろいろありまして、それを実際に見ていくということで、なかなか施設の中までというのは難しいんではないかというふうに思っているんです。しかも、今テロの危険があるということで、その原発の見学自体がどうも中止しているところが多いというふうにも伺っています。
 やっぱりこうやって、電気はどうやってできるのか、その現場を見たときに、何の不安も心配も感じないで見学できるということは、まあ逆に言うと、電気のエネルギーというものは安全ということがどれだけ大事なのか、コントロールできているということがどれだけ大事なのかなということを私、ちょっと感じたんですけれども。
 大臣も当然、原発それからそのほかの発電所も御覧になっていると思うんですが、御覧になってどんなことを感じられたかということをちょっとお伺いしたいと思います。
○国務大臣(茂木敏充君) 私は、大臣に就任する前にも原発の施設の中も視察させていただいたこともございます。それから、最近注目をされております磯子の石炭火力、これも大臣に就任してから行ってまいりましたけど、ここもやはり途中のプロセスで、石炭が燃えるときに非常にかすが少ないという部分をちゃんと視覚で見られるようなスペースがあったりして、かなり海外からも視察の方は多いと、こんなふうに伺っております。それから、どうしても発電施設に注目が行きがちですけれども、例えば冬の送配電網の整備、これは大変な作業でありまして、相当高いところで、雪の中そういった危険な作業に取り組んでいる、多くのやっぱり電力マンの方の日々の営みといったのも拝見をしたことがございます。
 やはり、磯子に行ってみますと、これは御案内のとおり、今世界で最高効率の発電能力を持つということでありまして、実際大きな煙突はあるわけですけれども全く煙が出ないという状況で、恐らく海外からいらっしゃる方はこれに非常に驚くというところもあるわけでありますけれども、やはり日本のこの高効率の石炭火力の技術、これは極めて進んでいるなと、そう感じました。
 この磯子の効率をアメリカ、そして中国、インドに応用しますと、既存のもの、アメリカ、中国、インドのものをリプレースした場合に、年間で十五億トンのCO2の削減効果があると。日本が年間で排出しておりますCO2が十三億トンですから、それ以上の効果が生まれるということでありまして、極めて効果としては大きいと思っております。
 今、ウクライナ、ロシアからのガスの供給、これに依存する部分もあるんですけれども、石炭が出る国でありまして、石炭火力にかなり依存しているんですが、設備が老朽化している、そして効率が悪いという問題もありまして、日本の技術を使えば、このウクライナのエネルギー事情、電力事情も相当改善をするんではないかなと、こういうことについて日本として何らか支援できないかと、こういったことも検討しているところであります。
 もちろん、事故を起こしました東京電力の第一原発、これも、昨年の一月、そして昨年の八月と視察に行っております。一月に視察に行ったときには、現職の閣僚として初めて建屋内に入ったんではないかなと思いますけれども、一号機から四号機までそれぞれ状況が違っております。それまでのロードマップというのは、全て同じ一号機から四号機まで手順で廃炉を進めるということでありましたけれども、号機ごとに違う状況を踏まえてロードマップを見直すことができないかという指示を出しまして、実際に、昨年の六月に、それに沿ったロードマップの見直し、そして前倒しというのが進んでおりますし、昨年の十一月からは、四号機におけます燃料棒の取り出し、こういったものもスタートしているところであります。
 同時に、あの現場も非常に過酷な現場でありまして、タイベックスーツを着て全面マスクをして作業をしなければならない。夏に行きますと、保冷剤を入れていても本当に一時間外にいるだけで大変な状況で、やっぱり労働環境の改善には努めなきゃならないと思います。
 同時に、やはり汚染水対策、地下水対策、これが廃炉を進める上でも極めて重要な課題であるということで、八月に視察をしました後、九月に政府としての汚染水対策の基本方針、決めさせていただきまして、同時にアクションプランという形で、今回始まります陸側の凍土方式によります遮水壁の設置であったりとか、地元の漁業関係者の皆さんに苦渋の決断をしていただいた地下水のバイパスであったり、一つ一つのことをしっかり進めているわけであります。
 東京電力の福島第一原発、廃炉に至る道のり、かなり長いものがあるわけでありまして、作業員の方が安全に、そして的確に作業できるような環境をつくっていく、このことは極めて重要だと、そんなことを感じました。
○真山勇一君 ちょっと私の聞き方も悪かったかなという感じもするんですけど、茂木大臣、それから私たち経産委のメンバーが見学するときは割合と普通の一般見学よりもいろんなところが見る自由があるんじゃないかなというふうに思うんですが、なかなか一般の見学者になると、特に、今は動いていませんが原発の施設なんというのは、見るのはかなり制限が私はあるんじゃないかというふうに思っているんですね。
 そういう意味でいって、例えば子供たちがエネルギーの問題、エネルギー大切です、勉強しましょうということで発電所なんかを見学に行ったとき、やっぱり近くでどれだけ見ることができるかという辺りは大事なことじゃないかなというふうに思うんですね。そういう意味で、電気エネルギーを起こすエネルギー源というものを間近に見て、そしてメリットもデメリットもきちっと勉強してくる、子供たちが、そういうことも非常に大切で、やはり発電所を見るというのは、見学するというのはそういう大事なチャンスだと私は思っております。
 それで、発電所によってはそういうのを、積極的に見学者を受け入れているところもあるわけですね。ですから、私はやっぱりそういうふうに現場を、発電所という現地を見たときに、やはりそこから出るエネルギーのつくり方がどうであるかということを見て、ああ、こういうつくり方がいいのか、あるいは、こういうつくり方はやっぱりコントロールするには難しいからまだちょっとやめた方がいいのかとか、子供たちにもやはりそういうことを勉強させるすごく逆に言えばいい機会になるんじゃないかなという、そんな思いでちょっとお伺いをいたしました。
 申し上げたように、私はエネルギーがいかに大切かということをお話ししたいというふうに思っているんですけれども、やはり今回の電力システム改革というのは大変大きな取組だと、挑戦だというふうに私は認識しています。やっぱり戦後ありました一つの戦後のシステムの大改革のうちの一つではないかというふうに思っています。
 もちろん電気エネルギーというものが戦後の経済成長を支えてきたし、それによって日本は大きく経済成長して大量生産、大量消費ということもありましたけれども、右肩上がりの経済ということがあったわけですが、やはり今の時代になりますと右肩上がりではないし、省エネもあるし、それからエネルギーをどうやって効率的に使っていったらいいのかとか、それから情報通信技術などの発達でスマートグリッドなども出てきています。
 これきっかけにしまして、原発事故があって、原発依存で来た日本のエネルギー事情、エネルギーシステム、そうしたものに一つ変化が必要になった、これも今回の改革の大きな一つのきっかけになっているというふうに思うんですけれども、これからの形というのは、原発依存でも分かるような、一つの電源に頼らない分散型の電源、ベストミックスということも言われていますけれども、そういうふうなことにもこれから変わっていくのではないかというふうに思いますけれども、エネルギーをめぐる環境のこうした変化、それから今後のこれを踏まえたエネルギー政策というのはどうあるべきかということを改めてもう一回大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(茂木敏充君) 先ほど委員の御質問の趣旨がよくつかめなかったようでありまして、失礼いたしました。
 最近、小学校なり中学校でも理科で実験の時間が少なくなっていると。ちょっと実験して何かの小さな爆発があったりとかそういうことで危険があるということで少なくなっていると、こういう話も聞くんですけれど、理科の授業でどこまで実験を取り入れるか、これもまさにそれぞれの学校の判断という部分もあるかもしれませんけれど、特に社会というものは、教室で勉強することも重要ですけれど、実際に現場に行ってその仕組みがどうなっているのか。
 私は小学校六年のときの修学旅行で横田基地とそれから京浜工業地帯に行ったのを今でも鮮明に覚えておりまして、あっ、こういう大きな基地が日本の国内にあるのかという思いと、これが公害というものなんだなと、これをまざまざと見たと、こんな経験も持っているところでありまして、子供たちがどういった環境下によるかは別にしまして、そういうエネルギーがどう生み出されているか間近で見るということは極めて重要だと、このように考えているところであります。
 その上で、今後は、エネルギー源について多様化を図っていく、多角化を図っていく、こういったことが極めて重要でありまして、中でも、御指摘をいただきましたような再生可能エネルギーであったりとか、コジェネ、これが分散型電源でありまして、これによりましてエネルギーシステムの強靱化が図られると。さらには、エネルギーの地産地消という形で地域の活力の増強にもつながる。そして、電気に加えて、熱を有効活用することによるエネルギーの効率的な利用にもつながるということでありまして、エネルギー基本計画の中でもこういった取組を強化していくということを書かさせていただいているところであります。
○真山勇一君 改めて、ありがとうございました。
 今回の電気事業法の改正ということなんですけれども、やはり一番焦点というか大事なところは、国民、消費者の人たちがこれでどれだけ電気というものを使うに当たって便利になるのかという観点も非常に大事ではないかというふうに思っているんですね。その一方で、電気の生産の安定というものがあると思うんです。
 ちょっと気になっている消費者側からの問題を少し伺っていきたいなというふうに思っているんですが、電力の小売自由化というのは既に二〇〇〇年に一部始めているわけですけれども、言われているように市場の中で三・五%しか普及していないということなんですけれども、この辺り、これからの電力の自由化というのを進める上でこれが一つの、何というんですか、目安というか、どうだったのかというこれまでのことを振り返ってみる必要があるんですけれども、やはり電気を自由に選べるようになっても余り一気に普及していくということがこれまでなかった、この辺りをどんなふうに分析されていらっしゃるか。そして、どうやれば自由に選べるような、そういうシステム実現のためにはこの現実を踏まえてどんなことが必要なのかということをお伺いしたいと思います。
○政府参考人(高橋泰三君) お答え申し上げます。
 今、大口につきましては既に自由化を進めてございますけれども、委員御指摘のとおり、自由化された需要の三・五%ほどしか新規参入が進んでおりません。この原因といたしましては、まず、電源の大半を所有している一般電気事業者が、区域を超えた競争とか、あるいは卸市場の活用について取組が不十分であったということ、それから発電分野にも参入規制、料金規制があったこと、それから送配電網へのアクセスの中立性について課題があったというようなこと、それから、今回は小売参入を全面自由化いたしますけれども、規制部門があることによりまして一般電気事業者は自由化部門で競争しなくても今の規制部門でそれなりの独占と利益が上げられると、こういったことが背景にあったと考えてございます。
 今回、そういったことも踏まえまして、第二弾、今回の法律では小売参入の全面自由化ということを進めているわけでございますけれども、制度のみならず実質的な競争が拡大していくことが大変重要だと考えておりまして、そのためには、例えば卸電力市場の活性化、そのためのモニタリング、それからスマートメーターの導入などによりまして需要家の選択ができやすいような環境をつくっていくこと、それから電力会社を切り替えるときの仕組みづくり、こういったものを具体的な制度をつくっていきまして、実質的な競争が進み、需要家のメリットが感じられるような制度にしていきたいと考えてございます。
○真山勇一君 自由化で更に一層その辺の拍車を掛けたいということなんですけれども、まさにどう変わるかということが、これからですのでなかなか想像するのも難しい点もあると思うんですね。その変わり方に、消費者自体も一体どうなるんだろうというような、電力が自由化するということに対する期待、消費者の方からそんな声を伺っています。期待が非常に掛かっているということも分かる一方で、どういうふうになるのかということで、分からないという不安もいろいろ聞こえるわけですね。
 先ほど杉委員の方からも同じようなことをお伺いしたんですけれども、やはり何といっても、せっかく今回の電力システム改革というのは、生産者はもちろんですけれども、消費者にとって使いやすい、何よりも使いやすい制度というのをつくるということが一つの大きなテーマだというふうに思いますので、その使いやすい制度、システムというのはどんなものなんだろうかというのを消費者の立場から声を幾つか拾ってみたら、こんな声も出てきたわけなんです。
 先ほども御指摘があったように、やはり、今使っている一般電気事業者から切り替えるわけですけれども、その切替えというのはスムーズに切り替えられるのか、あるいは切り替えさせてもらえるのかという、そんな心配ですね。それから、地産地消というようなことが出ましたけれども、例えば自由化したならば、電気を、例えば、これは地産地消と逆なことなんですけれども、自分の出身のふるさと、東京でしたら、遠い北海道とかあるいは九州の方もいらっしゃると思うんですが、そういう自分のふるさとのところの電力を使いたいと。そこの場所にある、地域にある、小さいけれどもそこの電力会社の、しかも自然エネルギーを使ったものがいいという、そういう消費者がいらっしゃって、そういうのを買いたいといった場合、スムーズにそういう切替えができるのかとか、それから料金のメニューですね。やはり自由化すると、料金の自由化はこの次の段階ですが、料金というのはどんなふうになるのか、今とどのように変わってくるのかという心配。特に、現在、小口の電力消費者にとって便利な制度で三段階料金というのがありますね、こういうものがそのまま第二段階では生かしていってもらえるのかどうかとか。
 割と消費者からはそうした具体的な声が出ているんですけれども、その辺り、具体的にどんなふうな整備というものを考えていらっしゃるか。今の段階で、いろいろまだ実際にやってみないと分からないところもあると思うんですが、この辺り、今の段階で言えることをおっしゃっていただきたいと思います。
○政府参考人(高橋泰三君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、需要家の選択肢が拡大し、かつ実際にそれが選べるという環境と仕組みづくりが重要だと考えてございます。
 まず、制度面におきましては、需要家が安心して自分の選びたい電力会社あるいは料金メニューあるいは電源というものも、今委員御指摘ございましたけれども、こういったことが選択できるように、まず需要家に対して小売電気事業者がきちっとした情報提供をするということが重要だと考えてございます。
 このため、今回の法案におきましては、小売電気事業者に対しまして需要家に対する契約条件の説明義務、それから契約締結後の書面交付義務、それから需要家から苦情や問合せがあった場合の対応の義務付けということを課しておりまして、これによりまして需要家が電力会社や料金メニューを選択しやすい仕組みということでしております。また、こうした業務が適切に果たされない場合につきましては、小売電気事業者に対しまして国が業務改善命令を発することができる仕組みとなっております。
 あと、実際、需要家が小売電気事業者を切り替えるという際に、これが円滑に進むためには、その需要家に新たに電気を供給しようとする小売電気事業者がその需要家の情報を一般送配電事業者からスムーズに取得することができるという仕組みが重要でございます。当然のことながら、この場合におきましては、需要家本人の承諾というような情報保護にも配慮しながらこのスキームをつくっていくことが重要となっておりまして、既に一般電気事業者あるいは新電力などが入りました関係事業者間で実務的な検討が進められております。具体的には、広域的運営推進機関がシステムを運営いたしまして、そのシステムを通じまして新しい小売電気事業者が切替えに必要な情報を一般送配電事業者から速やかに取得できると、こういった仕組みを今構築するべく準備を進めているところでございます。
 委員御指摘のように、需要家がどういうメニューがあるかをきちっと理解し、それが実務的にスムーズに切り替えると、こういった仕組みをつくることが重要と考えてございまして、更に具体的な制度設計を進めてまいりたいと考えております。
○真山勇一君 今回の電力システム改革の中に、消費者、私もそうですけれども、頭の中にあるのは、やはり通信の自由化というのがあって、これも、これまでの電話が自由になってきたその過程で、いろいろな料金設定があってどうもよく分からないとか、それから、ある電話会社から違う電話会社に切り替えようというとなかなかうまく切り替えてもらえないとか、そういうような同じようなやっぱり自由化したときに消費者自体が肌で感じるいろいろな不安とか心配というのがあると思うんですね。
 特に電気は生活と密着しているライフラインの一つですから、やはりそれがうまくいかなかったり何かトラブルがあったら本当にやっぱり消費者にとっては心配なことだと思いますので、是非この辺りは、生産側、電気を作る側、送る側と同時に、やはり消費する消費者側の保護というか、きちっとした対応というのを是非これも確立するのが大事なことだと思いますので、是非取り組んでいっていただきたいと。やってみないと分からない部分がたくさんあると思うんですが、それだけにいろいろなことが出てくるんじゃないかというふうに思いますので、なるべく細かにそういう辺りのケーススタディーというのは必要じゃないかなという、私はそんな思いをその通信の自由化を例に取って感じておりますので、是非よろしくお願いしたいと思います。
 そして、もちろん、当然、消費者保護の一つとしては、安定供給、つまり、選んだらそこから電気が来なくなっちゃったとか倒産しちゃったとかということじゃ困るわけで、やはり安定供給ということが大事だと思いますが、これについては、先ほど確保していくというお話がありましたので、これは是非空売り規制なども含めてやっていっていただきたいというふうに思うんですが。
 ただ、一つ心配なのは、やはりそうなってくると、一般的な、何というんですかね、商習慣とか経済の基本的な考え方として、どうしても元へ元へとしわ寄せが行ってしまう。つまり、どういうことかというと、物を作る場合は、その値段とか流通とかというのは必ず最後には生産者のところへしわ寄せが行ってしまって、何とか生産者のところで例えば料金を安くさせようとか都合良く運用させようとかということが起きるわけですけれども、そうしたことがやっぱり例えばあってはならないというふうに思うんですけれども。
 電気料金の完全自由化というのは第三弾ということになると思うんですが、やはり発電事業者、いわゆる生産者、ここら辺にしわ寄せが行く心配はないかということもやはり消費者の心配の一つにあるんですけれども、この辺りについてはどんなふうに考えていらっしゃるでしょうか。
○政府参考人(高橋泰三君) お答え申し上げます。
 今回の制度では、小売が全面自由化される際に、小売電気事業者に供給力の確保義務というのが課されておりまして、事業を開始するに当たって電源を確保するということが義務付けられてございます。そういった制度におきますと、新規小売の参入がありますと、当然のことながら、電源を小売事業者の求めに応じまして建設をするということになりますけれども、当然、建設する方におきましては、発電所の事業採算性を考えながら小売電気事業者と契約をするという形になりますので、制度上は、小売電気事業者に対します供給力確保義務によりまして発電所の事業の投資インセンティブが湧くような仕組みにしているところでございます。
○真山勇一君 安定供給の確保ということでもう一つ確認というかお尋ねしたいのは、特に郵便事業なんかでも問題になりましたけれども、大都市から離れた山間部ですとか、それから島ですね、そういうところも、やはり電気といえばライフラインだし、都会もそうじゃないところも同じように恩恵に浴しなくちゃいけないというふうに、サービスはやはりユニバーサルでということですね。そういうことでなくてはならないと思うんですけれども、その辺りのサービスについて、現状ではどうなっているのか、つまりその辺りがきちっとなされているのかどうかということと、新しい制度になったときどうかという辺りをもう一回改めて確認、お伺いさせていただきたいと思います。
○政府参考人(高橋泰三君) お答え申し上げます。
 離島のユニバーサルサービスでございますけれども、現状は一般電気事業者が、供給義務が課しておりまして、その義務の下、規制部門におきましては規制料金で供給するという、そういう義務が掛かっている状況でございます。
 今回の制度改正後でございますけれども、離島の需要家に対しましては、離島以外の地域と同程度の料金水準で電気の供給が行われる環境を整備することが必要だと考えてございまして、具体的には、一般送配電事業者に対しまして、主要な系統に接続をしていない離島、これ構造的には高コストにならざるを得ないわけですけれども、こういった需要家に対しまして、離島以外の地域と同程度の料金水準で電力供給を行う義務を課しております。これ、いわゆる離島ユニバーサルサービスの義務ということでございますけれども、こういった義務を一般送配電事業者に課すことによりまして、その離島以外のものと同程度の水準で供給を確保するという仕組みにしております。
 ただ、山間部は系統つながっておりますので、特段、山間部に対しての制度というのは、制度的には設けてございません。
○真山勇一君 やっぱり採算取れないからという、一時ちょっと心配されていたあの郵便事業でもありましたね。なかなか遠いところはとてもじゃないけど採算合わないからというようなことがありましたけれども。電力、やはり大事なエネルギーということで、そういうことがないように、きめの細かいそういう対応というのは是非お願いしていきたいというふうに思っております。
 そして、電力自由化の中でまたもう一つ大事なのは、電気を送らないと使えないという、つくったところがあって使いたいところがあっても、その間をつなぐ送るものがないと使えないということなんですが、その重要な設備の一つがやはり送電線、送配電事業者だというふうに思うんですね。ただ、送配電事業者は、第二弾ではまだまだ、つまり限られた一般電気事業者がほとんど独占していると、そういう状態が続くわけですけれども、ですから、送電線を使う送配電の料金、つまりそれも電気料金への影響というのは大きいんじゃないかというふうに思うんです。
 そういう独占が続く状態の中で、その辺りの、いわゆる託送料というふうに呼ばれるそうですが、この電気を送る料金というものの算定ですね。これ、それぞれの一般電気事業者が決めるものではなくて、特定の機関が何か基準を持って決めるというようなことになるんでしょうか。
○政府参考人(高橋泰三君) お答え申し上げます。
 今回の法案におきましては、この一般送配電事業者は、その供給区域における託送供給に係る料金につきまして、経済産業省令で定めるところによりまして、約款を定めまして、経済産業大臣の認可を受けなければならないという仕組みにしてございます。したがいまして、国が省令によって算定方法を定めるわけでございますけれども、その方法に従いまして、一般送配電事業者が料金を定め、約款を定め、それの大臣の認可をそれで受けてくるという仕組みになってございます。
 今回の法案におきましては、この託送料金の値上げにつきましては経済産業大臣の認可、それから一方、値下げについては届出制という仕組みにしてございまして、一般送配電事業者に対しまして、経営効率化により料金の値下げというインセンティブを付与する仕組みにしているところでございます。
○真山勇一君 やっぱり消費者にとっては、小売事業者はある程度、料金、どういうことで算定していますかということになれば、情報公開もあるでしょうけれども、こういう託送料金ぐらいになると、実際にはどうなのか。本当にきちっと明示されるような形になるのかどうか。ブラックボックスになってはやっぱりいけないと思うんですね。
 ですから、そうしたシステムをつくるべきでありますし、経産省と、託送料を客観的なものにするため、あるいは安定的なものでなくてはいけないし、それから、いわゆる公定料金的なところもあるわけですね。例えば一般電気事業者によってそれぞれ違ってしまうというのはやっぱりおかしいことですので、公定的な意味もあると思うんですよ。公定というのは、比較的全部同じという、そういう公定価格の公定ですけれども。
 その場合、例えば、審議会ですとかあるいは一般電気事業者、送配電事業者、こういう間で透明性ですとか公平性ですとか客観性というのはどうやって担保していくんでしょうか。担保できますでしょうか。
○政府参考人(高橋泰三君) お答え申し上げます。
 先ほど御説明申し上げましたとおり、託送料金については、値上げについては経済産業大臣の認可、値下げについては届出ということの制度になっておりますけれども、この託送料金の算定方法につきましてはあらかじめその認可基準も含めまして明示をしたいと考えてございますし、その認可に当たりましては、現在、規制部門の小売料金の審査におきましては、電気料金審査専門小委員会というのを開いて、情報公開をしながら、透明性、公平性、客観性を担保しつつ審査を進めておりますけれども、こういった審議会の活用も含めまして、委員御指摘の託送料金の審査に当たりましての透明性、公平性、客観性の担保を図っていきたいと考えてございます。
○真山勇一君 やはり電気料金というのは消費者にとりましてはブラックボックスになっちゃいけない、電気料金というものを納得できる形で払いたいという、そういう思いがあると思うんですけれども、例えば、託送料の算定するときに、公聴会を開いたり、あるいは消費者の意見を代表する消費者庁などとの協議をする制度、そうした制度を盛り込むという、そういう予定はないんでしょうか。ちょっと伺うところによりますと、元々の案にはあったんですけれども何か削除されたというふうに伺っているんですけれども、この辺りの制度、どういうふうに考えていらっしゃるでしょうか。
○政府参考人(高橋泰三君) 現在の現行法に基づきます規制部門の料金の値上げ認可の場合につきましては公聴会及び消費者庁との協議ということを経ております。
 委員御指摘の託送料金につきましては、これは料金の性格上、事業者間の取引ということでございまして、一般送配電事業者が消費者と契約をするというものではないということから、広く一般の意見を聴くことを目的とした公聴会の開催あるいは消費者庁との協議を行う必要はないというふうに考えてございます。
 なお、今回の自由化を経ましても一般電気事業者に対しましては経過措置として規制料金が残りますけれども、これについては引き続き公聴会、消費者庁の協議というのは必要なものと考えてございます。
○真山勇一君 ありがとうございました。
 その電気料金、やはり料金の情報公開というか、やはり消費者が納得できる料金というのは大事だというふうに思っているわけですね。
 電気料金についてもう少しお伺いしたいと思うんですけれども、電気の料金を決めるシステムとしてコスト等検証委員会というのがあります。ところが、このコスト等検証委員会というのが、原発事故があった後、開かれてはおるというふうに記憶しておりますけれども、その後、今の政権になってから開かれていないというふうに私は理解しておるんですけれども、このコスト等検証委員会、やはりこれから新しい電力システム改革進める上で、電気の料金をある程度客観性、そして公の場で決めるという意味でいえば大事なこれは組織だと思うんですが、これ開かれていない、この理由は何でなんでしょうか。
○政府参考人(上田隆之君) エネルギー源ごとのコストをどう試算するかということにつきましては、福島第一原発事故後の二〇一一年十二月にコスト等検証委員会というものが開催されまして、その場で試算が行われているわけでございます。この試算そのものはOECD等での電源別の発電コスト分析でも広く採用をされていますある種国際標準とも言えるものでございまして、私どもも現時点ではこれを参考にしながら考えているところでございます。
 そういう意味では、現在のところ、それ以来、二〇一一年十二月以降は開かれていないわけでございますが、確かに試算当時の状況と比べますと、原子力につきましては事故対応の追加の費用、あるいは新規制基準の適用による事故の発生確率の低減、様々なことが起こっておりますし、火力発電につきましても化石燃料価格の上昇等々の事情があるわけでございまして、こういったエネルギー源ごとのコストにつきましては、エネルギーミックスの策定プロセスの中で必要があれば検討をしてまいりたいと考えております。
○真山勇一君 時間になりましたのでまとめさせていただきますけれども、やはりこの電力システム改革というのは、先ほども申し上げたように、とてもこれは画期的な改革というふうに私は理解しております。これは是非進めるべきだというふうに思っています。ただ、やはり試行錯誤はある。ですから、第一段階がやっと来年からスタートするという、これからスタートしていくわけですから、想定外ということは言っちゃいけないかもしれませんけど、そういう問題もいろいろありますので、やはりそれだけにこうした事前の審議の場が大事だと思いますので、是非丁寧に審議をしてやっていきたいというふうな思いをお伝えして、今日の私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○荒井広幸君 荒井でございます。
 今日は、環境副大臣にもお忙しいところありがとうございます。また、福島のためにも日々入っていただきましてありがとうございます。
 本日は、理事の皆様のお許しをいただきまして、また松田先生、倉林先生の御理解をいただきまして順番を早めていただきました。厚くお礼を申し上げます。
 それではまず、原発事故のADRと規制委員会の人事について質問させていただきたいと思います。
 民主党政権は、規制委員会、これは民自公で作った法律でございますが、この規制委員会を、独立、中立、公正という立場から、原子力村からは遠い存在、関係のない存在にしようと、こういうことにいたします、これを我々も賛成をいたしました。人選の基準をそのときに定めたわけです。いわゆる欠格要件という言葉がいいんでしょうか、二つ定めました。この二つともに当たる方が、今回、田中さん、政府からの同意人事で国会にかけられると、こういうことでございます。
 二十八日、井上環境副大臣は、この基準はなかったことで人選をしたという旨のことを認めていらっしゃいますけれども、これは許されないことだと思うんですね。どうぞこの人事の撤回をお願いしたいと思いますが、副大臣、どういう御見解ですか。
○副大臣(井上信治君) お答え申し上げます。
 このいわゆるガイドラインですけれども、これ、委員がおっしゃったとおり、前政権が、当時の内閣として最初の委員長及び委員候補者を選定する際の考え方として作成され、活用されたものであります。ですから今回の人選に直接適用はしておりません。今回の人選に当たっては、法律に定められた要件に照らして選定を行いました。ただし、その際には、いわゆるガイドラインの趣旨も念頭に幅広く情報収集を行って候補者としての適切性について確認をしたと、こういった経緯、判断であります。
○荒井広幸君 だんだん、そうなると、いわゆる特定秘密の在り方、運用もそういう話になってくるのかな、自衛権の問題もそういうことになるのかなというような気がしてならないのですが。
 少なくとも、いいですか、このときは民自公で原子力規制委員会の修正案を掛けて、そしてこの法律でき上がったんですね。そういう背景の下で、ガイドラインというお言葉を使いましたけれども、少なくともあの状況、それを踏まえればこういう方々がいいんだろうという大枠の、例えば原子力事業者等その他の団体、従業員、役員でなかったこと、直近三年ですね、それから一定以上の報酬を受けなかったこと、こういうようなこともこれはいまだに生きてしかるべきだと思うんですね。だんだんだんだんあのときの切迫さというか緊張感というか、本当に喉元過ぎているということを私は言わざるを得ないんです。どうぞそこは深く反省をしていただきたいと思います。私どもは人事の撤回を求めたいと思います。
 環境副大臣には是非お座りいただきながら次も聞いていただきたいんです。やはり、役所は違っても福島は一つですから、状況はその一人の人から派生していきますので、櫻田副大臣にも来ていただいてありがとうございます。どうぞ少し聞いていただきたいんですね。
 浪江町のADRの件なんです。これは、今日は廣瀬社長も来ていただいていますが、廣瀬社長、あれですか、そこで結構ですけれども、私が間違っていなければ、株主総会は六月下旬ですか。
○参考人(廣瀬直己君) はい。
○荒井広幸君 私は、浪江町のADRなんですが、原子力損害賠償紛争解決センター、これは原賠審にあるわけですが、裁判外紛争解決手続、いわゆるADR、裁判ではないが原賠審の中間指針等々を受けて東電が基準を作りました。こういったものについてやっぱり不服があるとか、あるいはそういった問題以外でも、基準にあるもの以外でもやっぱりいろいろ持ってきたいものもある。そういうものを解決するという意味でこのADRというのをつくっているわけですね。
 このADRというものをいろいろと使われているんですが、最大のものは一万五千人の町民、もうこれは八割以上になっていますが、浪江町が代理人となりまして、そして申立てをしたんです、一万五千人。この一万五千人の申立てをしたところ、分かりましたということで慰謝料増額の和解案を提示されました。東電は五月三十日の回答を延期しているんです。
 この申立人代理人は、日置弁護士、浜野弁護士、そして早稲田大学の東日本震災復興支援法務プロジェクト須網教授始め一体となってこういうことをやってきたんですね。福島の場合には各大学なんかもいろんな意味で入っていただいて支援をしていただいている。その中の一つで、私は大変ADRの結果も見ると有意義なことをしてもらったなと、こういうことを思って、浪江町にもその勇気ある行動を私は称賛いたします。
 どういう和解案であったか、簡潔に御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(田中正朗君) お答え申し上げます。
 東京電力福島第一原発事故におきます原子力損害賠償につきましては、委員御指摘のとおり、原子力損害賠償紛争審査会が策定した指針を踏まえまして、東京電力が被災者の方々の個別具体的な事情に応じた賠償を実施しております。しかしながら、被災者の方と東京電力の間では解決できない事案が発生した場合に、被災者の方の申立てに応じて、原子力損害賠償紛争解決センター、我々いわゆるADRセンターと申しておりますが、が個別に和解仲介を行っているところでございます。
 その際、ADRセンターの仲介には、中立公正な立場から必要に応じて書面、面談等により事情を伺いながら解決を目指して和解仲介を進めているところでございますけれども、ADRセンターにおきまして現在和解仲介手続を進められている個別の案件につきましては、コメントすることは差し控えさせていただきたいと考えてございます。
○荒井広幸君 自動車事故などをもって十二万円ぐらいというのが社会的な一つの基準としてあるとすれば、それを大体横並びにつくって十万円というのを出したんです。ところが、とんでもないと。中間指針や、それをもって東電が基準を作っていたところよりもはるかに重いものであると。よって、五万円、七十五歳以上は三万円を月追加をするというような和解案のはずなんですね。というものだと言われております。
 こういうものは、一万五千人ですから、皆さん、五人、十人、百人、このエリアだけという話じゃないんです。非常に重いものでありますから、普遍的なものと言ってもいいです。よって、ほかの自治体から、いわゆる避難指示区域の元住民の町村からひとしく賠償してほしいと、賠償の原賠審そのものの中間報告等々の指針を見直してほしいということにならざるを得ないんです、要望として。それはもう要望しているんですね、自治体が。ひとしく賠償してほしいという表現で言っております。
 しかし、これは原賠審の指針そのものを見直すということ、それも同時に示しているわけでして、櫻田副大臣にお尋ねしますが、この浪江町だけの話でなくて、一万五千人もいるということはもう普遍的なものであるから、避難指示地域の皆さんに対して全員に適用するというふうに見直しをするべきだろうと、あるいは浪江町は浪江町で受け入れるべきだろうと。こういうふうに二つあるわけですが、私はどっちも認めるべきだと、そして改正するべきだと、原賠審の見直しをするべきだと考えていますが、櫻田副大臣、御担当としていかがでしょうか。
○副大臣(櫻田義孝君) お答えさせていただきます。
 原子力損害賠償紛争審査会が策定する指針は、類型化が可能で一律に賠償すべき損害の範囲や損害項目の目安を示したものであり、指針に明記されていない損害についても個別具体的な事情に応じて事故との相当因果関係があれば賠償の対象としていることが明記されているところでございます。
 ADRセンターにおける和解の仲介におきましては、指針の趣旨を踏まえ、申立人の個別具体的な事情に応じて和解の仲介を行っているものであり、御指摘の件は現状においてADRセンターで和解、仲介の手続を進めている段階であり、個別の申立てについてはコメントすることは適当ではなくて、直ちに指針の見直しを行う状況にあるとは認識していないところでございます。
 文部科学省としては、引き続き関係省庁と連携して、被災者に寄り添い、公平かつ適切な賠償が迅速に行われるよう取り組んでまいりたいと考えております。
○荒井広幸君 今のお立場でそうなんでしょうが、皆さん、八万人のうちの一万五千人にADRとして和解案が出たんですよ。その和解案はどういう趣旨を言っているかというと、大筋を言いますと、申立人らが避難生活において抱える精神的苦痛は中間指針や総括基準が策定した時点よりも軽減されるどころか増加しており、より現実化、顕在化し、深刻になっているのではないかというような趣旨が言われていると聞いています。そういうことになるから、普遍的な底上げで一万五千人全員に認めるという共通性なんです。これは八万人にとっても一緒なんです。ここを目をつぶるようでは何のための、賠償審査会をつくり、その下にセンターをつくり、法定外のこの和解を進めているのか。法律要綱ですよ、全部。実態に合わないようなことをやっているから歴代の公害裁判と同じように被害者が泣き寝入りしていくんです。
 こういったところをしっかり私は、皆さんに今日は問題意識として、これは大臣にもきちんと押さえていただきたいというところなんですね。
 じゃ、少なくとも賠償審査会、このADRの結果を受けて賠償審査会を開きましたか。今年いつ賠償審査会やっていますか。今、六月ですよ。今年何回開きましたか。
○政府参考人(田中正朗君) お答え申し上げます。
 原子力賠償紛争審査会は昨年の十二月に中間指針の第四次追補を策定いたしまして、それ以来、今年は賠償審査会自身は開催してはございません。
 ADRセンターの今和解案のお話につきましては、個別具体的な事情に応じて提示されるものでございますから、これを受けて直ちに審査会において議論を行う状況にあるとは認識していないということは先ほど副大臣が御答弁させていただいたとおりでございまして、文部科学省としては、和解の状況などをしっかりと見守ってまいりたいと考えてございます。
○荒井広幸君 それは駄目でしょう。
 去年も指摘しましたが、賠償審査会の委員が福島に視察に行ったということを私が指摘するまで一回もなかったじゃないですか。言われて行ったんですよ、賠償審査会のメンバー含めて。今年は一回も開いていない。一万五千人に関わるものが個別事案だと言う。しかも開くつもりはないと。東電は保留に保留、三回目の保留ですよ、皆さん、五月三十日というのは。三回目保留しているんですよ、ずっと回答延期。
 櫻田副大臣、いかがでしょうか。審査会を開いていただけませんか。
○副大臣(櫻田義孝君) 原子力損害の審査会におきましては、平成二十五年の第四次の追補を策定したところでありまして、現状としては、審査会が策定した第四次追補を踏まえ、東京電力による賠償の実施準備が進められている状況でありまして、文部科学省としては、中間指針の第四次追補に基づく東京電力による賠償の状況の確認等を適切な時期に審査会で行っていく予定でございます。
○荒井広幸君 問題意識を提起しておきます。
 では、廣瀬社長、度々お越しいただいて済みませんが、六月に株主総会だそうですね。今度の浪江町に対するADR和解案、これを受け入れるつもりはありますか、ありませんか。
○参考人(廣瀬直己君) お答え申し上げます。
 先生も御存じのように、本件は一万五千人という大変多くの方、浪江町民の方の精神的損害について一律増額をという申入れでございまして、当初、三月の二十日だったと思いますけれども、ADRセンターからの和解案が示されましたが、その後、浪江町側の御要望もございまして、五月の三十日まで諾否の回答期限が延ばされております。そうした中で、五月の二十六日、ちょうど一週間前でございますけれども、浪江町の方から、申立てされた側の方々から今回のその和解案を受諾するという回答がされたという状況でございます。
 まさにそれを踏まえて、私ども、とにかく人数も多うございますし、その影響も多うございますので、浪江町のその受諾されたということを踏まえて今しっかりと中身を決めさせていただいているということで、大変申し訳ございませんけれども回答期限を延期していただいているという状況にございますので、しっかりこの後中身を詰めて判断していきたいというふうに考えているところでございます。
○荒井広幸君 各委員、大臣、皆さんのお手元にお配りしたのは、これは東電のホームページなんですね。ホームページそのものでございます。和解仲介案の尊重、原子力損害賠償紛争解決センターから提示された、ADR、和解仲介案を尊重するとともに、手続の迅速化に引き続き取り組む。言っているんじゃないですか、尊重するって。何でこれをまたためらわなくちゃいけないんでしょうか。
 廣瀬社長、株主総会で騒がれたくないから、静かに素通りするようにできるだけ延ばしておいて回答を保留して、払いたくないから。この三つの誓い、どうなっているんですか、廣瀬社長。
○参考人(廣瀬直己君) お答え申し上げます。
 今先生のお配りいただいたこの三つの誓いというのは、この一月十五日に認定いただきました新しい総合特別事業計画の中における賠償の迅速かつ適切な実施のための方策にうたわれているところでございます。そこの三つ目にございますように、私ども、当然その和解仲介案を尊重していくという考え方に変わりはございません。紛争審査会の指針の考え方を踏まえ、紛争審査会の下で和解仲介手続を実施する機関であるADRセンターから提示された和解仲介案を尊重して、これからしっかりその対応について今検討させていただきたいということで、いましばらく時間をいただいているというところでございます。
○荒井広幸君 経産大臣、今、廣瀬社長からもありましたように、一月十五日に政府が認定したんです。東電の新・総合特別事業計画を政府がこれを認定しているその中の約束事項ですよ、これは。
 経産大臣にお尋ねしたいと思います。
 回答を保留しております。一万五千人って大変多いけれども、ずっと今の役所の話も私はちょっとおかしいなと思って聞いていますが、ほかにはこれは共通する事項じゃないというような割り切りがあるようですね。一万五千人ということは、もうほとんど八万人に全部等しいものですよ、これは。こういうことを、しかもその理由は先ほど読み上げたような趣旨であろうということですから、当時判断したより精神的苦痛はもっと重くなっている、だから五万円プラスすること、これが相当であると、こう言っているんだから、そもそも指針全体を見直す話なんですよ、これは。
 だから、廣瀬さんには是非、社長、全部に見直しする、審査会に言われなくてもやる、賠償、指針の見直しがなくてもやるという気持ちでいてください。
 その上で、経済産業大臣、東電の議決権を国が持っています。かつ、今の政府認定をしたように、電力会社を指揮監督する、その立場にある経済産業大臣として、今のお話を聞いていたと思いますが、和解案を受け入れ、そしてその他の地区も同じように、この理由からいえば共通します、避難指示区域、元の住民、この方々にも適用するように、文科大臣と相談して、指針の見直し、働きかけていただけませんでしょうか。経産大臣にお尋ねします。
○国務大臣(茂木敏充君) 東電の総合特別事業計画、認定をさせていただきました。そこの中で和解案の尊重ということを記載をしてございまして、先ほど東電の廣瀬社長の方からも、和解案尊重の趣旨を踏まえつつ、本和解案について真摯に検討中と答弁があったと承知をいたしております。
 経済産業省としては、東京電力に対して、被災者に寄り添った様々な対応を行っていくようにと日頃から指導いたしております。引き続き、丁寧に被災者に対応するように、被害者に対応するように求めてまいりたいと考えております。
○荒井広幸君 これはお金のことになるから、私たちもどうしてもよこしまな気持ちがあったり、しかし、我々福島県民は、国民の税金と電気料金でみんな支援していただいているんですよ。無駄なことはやってはいけませんけれども、それにふさわしいことであるならば、是非、大臣からお話があったように、今日は両関係の副大臣にも来ていただいていますが、やっぱり今までやってきたことがおかしいなといったら改めてもらいたいんですよ。自分たちがやってきたことをもう既成事実としてそれは正しいんだと思い込むんではなくて、やっぱり、やってきたけれども、変わったものもあるし、足りなかったものもあるし、あるいは大変申し訳ないけれども間違っていたものもあるかもしれない、そういうものをもう一回見直してもらって実態に合わせていくという作業をしていただかないと、国民の皆さんの税金もいただきながらのこの心を含めた立ち直りをやっているんですから、どうぞそういう観点で、原賠審の審議を早くしていただくし、廣瀬社長の回答も、明快な回答ももらって、そして、株主総会で満場の拍手をいただけますから、そういう英断をしていただきたいと。英断というよりも、当然の判断をしていただきたいと要望しておきます。
 同時に、福島県も、個別の案件だからといって知らないと言うんではなくて、共通するところをもう一回洗い出してやっていかなくてはならないんで、三省には、そういう意味では恐らく福島県ももう一回見直していろいろな御相談をすると思いますので、大臣を始め、どうぞ今までやってきたことが全て正しいんだと思い込むのではなくて、見直しややり直しや新しく追加する、あるいは要らなくなるのもある、そういう意味での、福島県もきちんとこういう声を、それぞれのADRに任せるなんというようなばかなことを福島県がしているんじゃなくて、福島県もしっかり考えを直して大臣以下皆さんのところに御相談に行くときがあろうと思いますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
 では、本題に移らさせていただきたいと思います。
 それでは、お引き取りいただきたいと思います。
 では、電気事業法に入らせていただきたいと思います。
 両副大臣、大丈夫でございます。
○委員長(大久保勉君) 櫻田副大臣、井上副大臣、退席されて結構でございます。
○荒井広幸君 電気事業法でございますが、私も、当時、麻生太郎政調会長のときでございましたけれども、カリフォルニアの当時の電力危機のときに行ってまいりました。あのときの背景は、日本の方の背景でいうと、行政改革と規制緩和という中での議論の中で起きたことでございました。当時と今回は随分違う。それは、福島原発事故という背景があったということですね。ですから、これは是非、廣瀬社長にも聞いていただきたいんですが、そういう背景の中でこの改革というものが進めてきているということで、私も一定の評価を、大臣、している次第です。これはいつも申し上げているとおりです。しかし、その中で、二つ状況が違ったなと、当時と、カリフォルニアのときと違っていたなと。
 これは、一つは、EアンドC、電力と通信の融合という段階に技術的にも入ってきている。それから二つ目は、ヨーロッパで主流になっておりまして、大臣からも解説をいただきましたが、プロシューマーという概念、つくる人と使う人が一体となっているそういう社会。ですから、電気をつくった人が売るという感覚を前提に、あるいは仕組みをつくっていく。つくった人から買うという、それが大前提に置かれたこの電気事業の仕組みなんですよ。もちろん、ある程度太陽光パネルで自分が発電しているというところのそういうイメージは入っていますけれども。
 実際には、通信との融合という部分が出てきているということと、自分がつくって使う、節約する、こういうことも含めて、そういう制度設計も併せてもっともっと大胆に入れていかないと、単なるつくり手と買手、そこに競争市場があって価格などが安くなって、サービスが多様化して選択肢が生まれていって、私は原発以外の電気が欲しいわというぐらいの話で終わっちゃうんです。そうではない。やっぱり自分が参加していくんだということです。つくれるんだということ、使うんだ、こういう意味での参加です。こういう点で違うなというふうに思うわけでございます。
 そこで、まず大臣にお尋ねしたいと思うんですが、そのときに、今でもそうなんですが、情報データは今の既存電力会社と新電力の間でやり取りする場合があると聞いているんですが、この既存電力会社と新電力の間の情報データの扱いというのはイコールフッティングにしてもらいたいという声もあるようです。
 例えば、現在は家庭のスマートメーターから情報を電力会社が持っていまして、五、六時間遅れて新電力会社に提供するというケースがあるのが普通なんだそうです。そうしますと、六時間遅れているということはどういうことになるかというと、同時同量制御という形で電力を非常に、小売業者の小さい人たちというのはもう少ない電気量の中で三%の幅を含めてとにかくうまく提供しなくちゃいけないというんで、ぎりぎりでやっています。そのときにうまく同時同量調整というのがしていけないと、いろんな意味で難しいわけなんですが。そのときに、例えば時間帯別の料金、それから先ほど来出ているディマンドレスポンスというもの、そういうものもこのデータをもらうことによっていっぱいできるわけです。
 こういうことをするためには、その情報データの収集、集め方みたいなルール化、それからインフラを必要とすればそのインフラの構築の費用の支援、こういうことも検討してみる必要があるという議論があったわけですが、具体的に今検討はどうなっているのか、大臣にお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(茂木敏充君) 消費者からの情報をいち早く入手して、それを製品開発に生かすということは極めて企業戦略上重要でありまして、例えばかつておもちゃの業界はアメリカのマテルとかハズブロが中心でありましたけれど、今は小売であるトイザらスが中心になっています。これは消費者に近いところで情報をいち早く入手しているからと。恐らく家電の量販店も同じようなことが進んでいる。こういった事例を見ましても、スマートメーター等によって得られる情報につきまして、既存の電気事業者も、そしてまた新規の参入者もイコールフッティングで情報を得るということは極めて競争環境を整える上で重要なことである、そのように考えております。
 今回の法案におきましては、一般送配電事業者が特定の小売電気事業者を差別的に取り扱うことを禁止しておりまして、これに違反した場合、国が罰則付きの是正命令、これを発することになります。経済産業省では、御指摘の送配電事業者が保有する情報へのアクセスの平等性確保について、今後、一般電気事業者や新電力、さらに新規参入を検討している事業者からの意見を整理して、送配電事業者から提供される情報の内容やタイミング等について事業者間のイコールフッティングが確実に確保されるよう制度設計してまいりたいと考えております。
○荒井広幸君 歓迎を持って聞いておりました。
 最後になります。事務方にお願いします。
 電力会社による日本卸電力取引所、ここに一定量の電力を出してもらって市場をつくらないとどうしても新規参入組は弱い、こういうことを言っております。そういう意味での一定規模の差し出しを義務化する必要があるのではないかと思いますが、どういう検討でしょうか。
○委員長(大久保勉君) 時間が迫っておりますので、答弁は簡潔にお願いします。
○政府参考人(上田隆之君) この実質的な競争が現実に起こるということは非常に重要であるというのは御指摘のとおりであると考えております。
 私ども、卸電力市場が活性化する方策といたしまして、既存の電力会社が余剰電力を卸電力市場に売電する取組を開始し、それをモニタリングしているところでございます。仮に、今後こういったモニタリングをした上で、なお卸電力市場が十分、市場が活性化しないと、そういった場合につきましては、今先生御指摘のような制度的措置を伴う卸市場活性化策についても検討してまいりたいと考えております。
○荒井広幸君 終わります。
○松田公太君 みんなの党の松田公太です。
 今回の電事法の改正は、電力システム改革のプログラム規定にのっとった第二弾ということです。今日は公平中立性などを中心に質問をいろいろとさせていただきたいと思っておりますが、まず廣瀬社長にお伺いしたいと思っております。
 電事法の改正とは直接的にちょっとつながらない話なんですが、中立公正という観点からお聞きしたいなというふうに思っておりますけれども、今、東電が首都圏に進めている大規模な発電所、トータルで約六百万キロワットというふうに聞いておりますけれども、この工事入札がたしか今月から始まろうかと思います。
 これには実は鉄鋼大手のJFEがジョイベンで中国電力若しくは東京ガスと連携をして応札するというふうに聞いております。御案内のとおり、この会社は東電の現会長であります數土文夫さんがかつて社長を務めていて、そして現在も相談役となっている会社ですよね。
 こういう言い方もあれですけれども、事実上もう東電は国営企業だと私は考えておりまして、東京電力、そういう会社においては、特に入札手続については国に準ずる形で非常に公平にやっていただかなくてはいけないなというふうに思っているんです。それを担保するためにどのようなルールが今あるのか、例えばどのような資格の要件などがあるのかということをお聞かせいただければと思います。
○参考人(廣瀬直己君) お答え申し上げます。
 御承知のように、私ども、今年度の電力入札を行いたいというふうに思っております。
 この過程につきまして、まず、そもそも資源エネルギー庁のお作りになっている新しい火力電源入札の運用に係る指針、いわゆるガイドラインというのがございますので、基本的にはこれにのっとってやるというのが基本でございます。
 具体的には、この指針に基づきまして、私どもはまずその募集の条件、評価の方法等々について、いわゆる募集要綱というのを考えて作ります。それをいわゆるパブリックコメントにかけるということで、今ホームページに載せさせていただいて、四月の二十一日から五月の二十日までのちょうど一か月、コメントの募集をちょうど今終わったところでございます。
 したがいまして、今いただいたコメント、これは百五十以上ございますので、たくさんのコメントをいただいておりますので、それらを今精査させていただいて、それらを最大限踏まえた形で、その募集要綱を我々としてまた見直しをすることになります。
 その上で、今度、総合資源エネルギー調査会電力・ガス事業分科会電気料金審査専門小委員会、その下に火力電源入札ワーキンググループというのがございまして、これは先生方入っていただいて、私どもの作ったその募集要綱が透明性、公平性という観点からちゃんとしているかということを審査、検証していただくというプロセスがございます。そこで晴れてその募集要綱が決まります。それに基づいて入札をしていただいて、当然、入札した後に、その募集要綱にのっとって評価をして、最終的に落札者を決めていくわけですが、その段階でもう一度、こういう過程でこういう審査をした結果、こういう人たちに落札をしたいという段階で、もう一度このワーキンググループの先生方に見ていただくということをやらせていただきます。
 その上で、その落札者を決めていくということですので、御指摘のように、公平性、透明性を確実に担保しながらやらせていただくという仕組みでやってまいる、そういうふうに考えております。
○松田公太君 私も募集要綱等はホームページでも見させていただきましたが、今会長をやられている數土さんがどうしてもJFEの現状も相談役だということで、私これはちょっとまずいんじゃないかなというふうに正直思うんですね。
 もう相談役も全部辞められた後で、しっかりそこら辺のファイアウオールをつくっていただいて情報漏えいがないと、これ情報漏えいされると言っているわけじゃないんですが、ただどうしても、例えば何かあった場合に、仮にじゃJFEが落札したと、しかもいい数字で落札できたんだということになったときに、そういう疑惑も上がってしまう可能性があるわけですよね。ですから、そのような疑惑が上がらないためにも、国民のお金が入って今東電という会社が成り立っているんだということをしっかり認識していただいてやっていただきたいなと、このように思う次第でございます。
 あと、つい先ほど、これは真山委員の大臣に対する質問を聞いていてふと疑問に思ったことなんですけれども、廣瀬社長は何回福島原発、事故以降、まあ数は覚えていらっしゃらなかったらあれですけれども、ざっくりで結構ですが、入られていますでしょうか。
○参考人(廣瀬直己君) 正確にはちょっと全く分かりませんけれども、もう、そうですね、ちょっと分かりませんが、月一回は間違いなく行っていると思いますが、ちょっと正直申し上げて、もう三年ですので。私は社長になる前は賠償担当の常務でしたので、むしろ福島市や郡山市には行きましたけれども、発電所には社長になってからというふうに思っております。ちょっと正確には分かりません。
○松田公太君 それでは、これちょっとどこかの雑誌の記事で読んだんですけれども、數土会長は今まで何回福島原発、事故以降行かれているか御存じでしょうか。
○参考人(廣瀬直己君) 私、これもまた当然正確には存じ上げませんが、數土会長はちょうど二年前に私どもの社外取締役に就任いただいて、この四月からは取締役という立場の中で取締役会の会長に就任されたということですが、当然、社外取締役の段階で福島第一を御視察いただいておりますし、会長になられてからも、私の知る限りでは、とにかく行っていただいていると思っています。
○松田公太君 その記事によりますと、それが正しいかどうかは分かりませんけれども、一回しか会長になられてから行かれていないというふうに書かれていたんですね。ですから、私は數土会長、以前から雑誌等で存じ上げておりまして、直接お会いしたことはありませんけれども、いろんな意味ですばらしい経営者かなというふうには感じてきた部分があるんですけれども、その後、例えばいろんな発言が東電の会長としてある中で、例えば社員全員キャリアパスとして必ず福島へ行っていただくんだとか、若しくは新卒の子たちにも全員福島に行っていただくんだ、そのような話が出てきているわけですけれども、そのようにおっしゃっている御本人がまだ一度しか福島に入ったことがないというのは私は問題なのではないかなというふうにも思っております。
 是非、これが事実だとしたらこれは改善していただきたいと。しっかり会長として何度も福島にも足を運んでいただきたいと私は思いますが、廣瀬社長はどのように思われますでしょうか。
○参考人(廣瀬直己君) 私どもは委員会設置会社でございます。したがいまして、取締役会は私をトップとする執行側の執行ぶりについて監督指導するということで、そういう立て付けで会社ができ上がっております。そうした考え方に基づいて今後とも是非御指導いただきたいというふうに思っております。
○松田公太君 ちょっと今の話に関連してもう一つ思い出してしまったんですが、新入社員の子たちに、これ全員に福島に行っていただくという発言があったと、これも記事で読んでいるわけですけれども、このことは、たしか三百数十人今年新卒で入られていますけれども、採用の前に、リクルートされているときに全員にこれしっかりお話しされたんですかね。君たちは入ったら全員、社員は福島にある一定の期間は行っていただくよという話はされたんですか。
○参考人(廣瀬直己君) 正確に何と会長がおっしゃったかは知りませんし、私もその記事を拝見しておりませんが、その行っていただくというものの意味がちょっと私は判然といたしません。そういう意味では、新入社員の研修の中で福島第一をしっかり視察して状況を把握して、私どもがどういうことをあそこの地でしてしまったのかということをしっかり目に焼き付けておくということは大変大事なことだと思っておりますので、そういう意味では行っていただいております。
 ただ、今後の配属先等々については、どこに行くかというのは別に、福島も含めてですが、全てのことについて何も決まっておりませんし、本人の適性等々を見て決めるというのが一般的な話ですので、当然、もとより、内定段階というんでしょうか、入社する前の段階で、あなたはどこへ行くんだよというようなことを申しているということはないというふうに想像します。
○松田公太君 分かりました。
 行っていただくという話がどのスパンかはちょっと分かりませんけれども、何となくニュアンス的には一日だけ見学に行くとかそういう話では私はないと思うんですね。何度も私、廣瀬社長と社員とモチベーションについてのお話をさせていただいておりますが、こういったところも事前に話をする、しない、それによってまた決断する、入社する、しないということが出てくるかと思いますので、そういった観点も非常に私は今後の東電にとっても重要じゃないかなと思いますので、引き続き質問提起をさせていただければと、このように思っております。
 それでは、電事法の改正に入りますけれども、廣瀬社長につきましてはこれ以上質問がありませんので、もしお時間があれでしたら御退席いただいて結構でございます。
○委員長(大久保勉君) 廣瀬参考人におかれまして、退席されて結構です。
○松田公太君 さて、電事法の改正、方向性は私、悪いとは思っておりません。見据えている最終ゴールというものが、多分、政府が考えていらっしゃる法的分離の部分と私どもみんなの党が考えております所有権分離というところで、そこが違う、それが起因となって不十分なところを感じてしまっているのかなというふうにも今思っておりますが、この改革が成功するか否かというのは、やはり送配電事業者の中立性が確保されるか否かに懸かっているのかなと思っております。その鍵を握るのはやはり広域的運営推進機関になるわけですね。
 本推進機関はいろいろ業務がありますけれども、現在の準備組合、この世話人や参加企業を見ると幅広い業種の方々が入っておりますが、最終的に推進機関が稼働した後、運用に当たるのはやはりメーンが十電力会社からの出向者というふうに聞いております。その場合、その運用や融通の調整若しくは接続の受付の公平性、こういったものをどのようにして公平性を保つのかということが私の質問です。これは茂木大臣にお願いします。
○国務大臣(茂木敏充君) 広域的運営推進機関においては、ガバナンスも含めて中立性の確保を保っていくということは極めて重要だと考えております。
   〔委員長退席、理事加藤敏幸君着席〕
 この広域的運営推進機関、委員もよく御案内のとおり、既存の電力会社だけではなくて、新規参入者など多様な事業者が会員となる民間の組織とするわけでありますが、それぞれ立場が違うわけでありますけれども、組織運営に当たっては、一般電気事業者、そして新電力のような送配電部門を利用する事業者、立場の違う人たちが実質的な公平性が確保されているということが重要でありまして、特にまず役員の選任、解任等について国の認可を要することとしておりまして、この点をしっかりと確認して認可をしていきたいと思っております。
 同時に、広域的運営推進機関の業務の適正な運営を確保するため、同機関の運営に関する重要事項を審議する機関として評議員会を設置しますが、この評議員についても国の認可を要することといたしております。評議員には、実務に精通した人材に加えまして、消費者の代表であったりとか学識経験者等幅広い方々を任命することによりまして、組織運営の専門性と公平性、さらに中立性を確保してまいりたいと、このように考えております。
○松田公太君 今回の法案で、小売業者が、毎年、推進機関を経由して国に供給計画を示さなくてはいけないんですね。発電事業者も、毎年、同じように、向こう十年間の発電所の建設計画ですね、これをまた提出することとなっております。つまり、推進機関は小売事業者と発電事業者、両方の事業計画が集まってくるわけですね。
 となりますと、私がちょっと心配になったのが、出向者から将来の事業計画、そういったものが特に十電力会社に流れてしまう可能性があるんではないかなと。情報というのは、特に新規参入であったり比較的小さい方の会社にとっては命ですから、これが事前に漏れてしまうということは、これは問題があるんではないかと思っておりますが、このような件はどうやって解決を考えていらっしゃるんでしょうか。
○政府参考人(高橋泰三君) お答え申し上げます。
   〔理事加藤敏幸君退席、委員長着席〕
 広域的運営推進機関は、委員御指摘のように、発電事業者、小売電気事業者から供給計画を受け取ることを始め、また系統アクセスの受付業務などもやりますので、したがいまして、こうした業務の運営に当たりましては中立性を確保するということが重要でございますので、例えば人員の配置におきましても、電力会社以外の人員もきちっと配置するとか、その情報の取扱いについてもきちっと内部のルールを定めるといったことで中立性、公平性が配慮されるように求めていきたいと考えてございます。
○松田公太君 人員の配置などでその公平中立性を保てるのは本当に難しいんじゃないかなと正直思います。法的にもこれ厳しい何かしら規制をつくらないと、情報漏えいされてしまった場合に、そこをしっかりブロックするようなものをつくる必要が私はあるんではないかなというふうに思うんですね。
 これはちょっと私自身の経験で恐縮なんですけれども、例えばコーヒー会社をつくって二号店つくるときに、実は歩行者がほとんどいないところを私はあえて選んで出店をしたんですね。なぜそんなところを選んだかというと、その近くに外資系の企業とかがたくさん集まってくるという情報を入手することができたわけです。それを基に出店をしまして、案の定、オープンした後に多くのお客さんに来ていただいて、お店としては成功したわけですけれども、それを見て約一年後に大手の競合他社がお店の目の前に、私が出したお店の四倍ぐらいの規模の店をぼんと出してきたんですね。何とかそれでもやっていくことができたんですけれども、もしその情報が事前に漏れてしまっていたらと考えると、やっぱりぞっとするわけですよ。
 ここに発電所を造るとか、この小売会社がここの発電会社と一緒にやるんだという情報が先に漏れてしまったら、これはやはりフェアな競争の妨げになってしまうんじゃないかなというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(高橋泰三君) お答え申し上げます。
 先ほど御答弁申し上げましたように、内部ルールをきちっといたしますけれども、法律上も、広域的運営推進機関の役員若しくは職員若しくは評議員又はこれらの職にあった者は、その職務に関して知り得た情報を漏らし、又は盗用してはならないということで、法律上の秘密の保持義務を課しておりまして、こういったことによって制度的には担保される形になっております。
○松田公太君 例えばノーリターンルールという制度もあろうかと思いますが、これについてはいかが思われますでしょうか。
○政府参考人(高橋泰三君) お答え申し上げます。
 具体的な制度設計はこれからでございますけれども、広域的運営推進機関の役員になるような者につきましては、やはり中立性、公平性の観点から、そういったことも検討してまいりたいと考えております。
○松田公太君 実際、いろんな情報を持って流してしまう可能性があるのは役員だけではありませんので、特に幹部クラスなんかもそういった情報を得ることになってしまいますから、私は是非、幹部クラスも含めたノーリターンルールも検討していただけないかなというふうに思います。
 それでは、次の質問に移りたいと思いますが、今回の改正で、供給力不足が見込まれる際に、広域的運営推進機関が発電所の建設業者を競争入札で募集して、発電所の新規建設や維持に必要な資金の一部を補填するというスキームが織り込まれているということになりました。
 先日、これは経産省にお聞きしたんですが、この資金の補填については、具体的にどのような費用について、どのように入れるかということはまだ決まっていないと伺いましたが、これはそれで間違いないでしょうか。
○政府参考人(高橋泰三君) お答え申し上げます。
 広域的運営推進機関の電源入札でございますけれども、これはセーフティーネットといたしまして、将来的、中長期的な電源を確保するということで、市場だけでは発電所が建設が確実ではない場合に広域的運営推進機関が電源を募集するものでございます。
 これは、発電事業者から提出される発電所の建設計画、それから送電配電事業者あるいは小売事業者から出される需要の見通しなどを踏まえまして入札をするかどうかを決定するわけでございますけれども、この費用につきましては入札で決めますので、実際具体的にどれくらいの費用を補填するのかということは、これは入札の結果決まってくるということでございます。その結果必要となる資金の補填につきましては、これは将来的な電源を確保するというセーフティーネットとしての措置でございますので、送電料金として託送料金に上乗せすることによりまして全国の需要家から薄く広く回収するということを想定しているところでございます。
○松田公太君 まだもろもろ決まっていないということですけれども、この組織を一つつくって国民全体から料金として徴収するという仕組みなわけですから、もうちょっとこういった仕組みの内容についても進めていただいて議論の場に出していただかないと、ちょっと私は無責任じゃないかなというふうに感じてしまいます。
 この入札の仕組みは原発の建設にも私は適用されるというふうに聞きましたが、送電料金の形ですね、先ほど言いましたように、国民全体に負担を求めるということであれば、やはり透明性を維持する必要があるなというふうに感じております。そのためには、コストについてやはり明確な指標を示さなくちゃいけないのかなと。
 そこで、先ほどもこれは質問にありましたが、現状でもう開店休業となってしまっておりますコスト等検証委員会、これを再起動して、電源別のコストをもう一度見直して国民に示す必要があるのではないかなと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(茂木敏充君) まず、先ほどの広域的な運営推進機関によります電源の入札ですが、特定の電源を排除するものではありませんが、現在、政府においては、既存の原発における安全審査、これを最優先で進めることとしておりまして、原発の新増設については現時点では想定をいたしておりませんので、このスキームが即適用される、こういう形になってこない、そのように考えております。
 エネルギー源ごとのコストの試算、これは既に行われているもの、あるわけでありますけれども、当然これから、今回策定いたしましたエネルギー基本計画に基づきまして、それぞれのエネルギー源の特徴も踏まえながら最終的なベストミックスの目標を決めていくことになります。その際には、当然、各エネルギーがどれだけ安定供給に寄与するのか、またどれだけコスト的なものになるのか、安全性はどうか、環境負荷はどうかと、こういったそれぞれの特性を検討することになりますので、そのプロセスにおいて検討を進めてまいりたいと考えております。
○松田公太君 ありがとうございます。
 今回の入札のスキームは原発の新増設には考えていないというお話をいただきまして、是非それを守っていただければというふうに思いますけれども。
 発電所の入札の関連でいろいろお話をさせていただきましたけれども、いろいろ建設コスト以外にも、実際、発電コストの算定というものがこれは非常に重要になってくるのかなというふうに私は思っているわけですけれども、ただ、コスト等検証委員会、先ほどお聞きした点ですけれども、私はそれ自体にまだ問題が残されているのかなというふうに思っております。
 例えば、報告書を全部読んでいましたら、この六十六ページにこれあったんですが、原子力の事故リスク対応費用の参照情報である原子力発電所のシビアアクシデントの際の損害については、中略しますけれども、東電福島原発の事故収束も終わっておらず、現時点で得られる情報には限界があり、その下限しか示すことができなかったというふうにあるわけですね。バックエンドのコストも含めて、こういった部分がまだまだ算定し切れていないのかなというふうに思っております。
 また、原発事故の原因究明、そしてまた今、田中委員長来ていただいておりますが、規制委員会で行われています安全基準のコスト、こういったものが全ての重要なコストとして積み重なってくると思うわけですけれども。
 この事故原因の部分についてちょっと今から御質問させていただきたいんですが、先日、これは原子力特別委員会でも質問させていただきましたが、今回の原子力規制委員の候補者として挙がってきています田中知さんは原子力学会のメンバーだったわけですね。その学会の報告書の中で、事故の直接の原因は津波だったというふうに書いてあるわけです。地震の揺れによる損傷は原因としていないということですので、先日の福井地裁のこの差止めの判決に関しても、そういった結論に基づいて事故原因は明らかじゃないかという反論をされているということです。
 しかし、そのような話に対して、国会の事故調は、そもそも地震の揺れによって一部の機械が損傷したんじゃないかという指摘もされていますし、先日ありました原子力特別委員会で田中委員長に実はこれはおっしゃっていただいたんですが、福島第一の事故調査については引き続き私どもの大きな役割の一つだというふうに言われたわけですね。
 事故原因はもう津波だったと断言されている方、また原発のメーカーとか財団から寄附をもらっているという方が入って非常に重要な原子力規制委員会の委員を務められるというのは私はやはり問題じゃないかなというふうに思っておりますが、田中委員長はどのようにお考えでしょうか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) いろんなお考えがあろうかと思いますけれども、私自身は、原子力規制委員会の委員を務めていただくための専門性とか経験という点では適切な方を選んでいただいたと思っています。
 学会の事故調査は、田中知先生が会長という立場でそういうことをおっしゃっていることであって、津波であったということは一つの原因であったことは確かですけれども、私どもとしては、地震であったかどうかということについては引き続き今後検証させていただくということを先日申し上げております。
 したがいまして、これからその人選について私の方からあれこれ今申し上げる立場にはありませんので、これ以上のお答えは控えさせていただきたいと思います。
○松田公太君 それでは、基準地震動について伺いたいんですけれども、例えば高浜原発と川内原発、これにつきましては既に七百ガルと六百二十ガルという値で了承されているということですけれども、大飯原発の基準地震動、これについてはいかがでしょうか。もう既に数値としてある程度めどが付いているのかどうか、お聞かせいただければと思います。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 大飯原発につきましてはまだ最終的に結論は出ておりませんけれども、一応、あそこの三つの活断層の三連動を考慮するということ、それから敷地震源の深さも、当初は四キロということで随分議論がありましたけれども、三キロということになりましたので、現在、そういった条件を基に今いわゆる基準地震動の評価を行っている、事業者がその評価を行っているというふうに承知しております。
○松田公太君 関西電力から何回か基準が出てきて、それに対しては突き返されているという話を聞いております。その最後の数字が八百六十五だったというふうにも聞いておりますが、大飯原発の差止めのあの判決が出た後ですし、その安全基準の審査、これ自体は、先日もお話ししましたが、進めるか進めないかと、進めるということでしたけれども、これ別にしても、できるだけ早く基準地震動については判断を出すべきじゃないかなというふうに思っております。
 そして、またその数値につきましては、仮にこの後変更になって、島崎委員長代理が辞められて田中さんが入られた後であったとしても、現在この大飯原発以外も含めて話し合われているその基準の数字、これよりも私は低くなってしまうことがあってはならないなというふうに思っているんですけれども、委員が替わったことによってそのような数値が下がるということはないということをお約束いただけますでしょうか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 数値がどのような数値になるかどうかということを前もって今申し上げることは適切ではないと思いますけれども、その敷地敷地によって条件が違いますので、そこのいわゆる断層の動き、あるいはその地層、特に敷地、地盤の三次元構造が非常に基準地震動に影響するということも分かっておりますので、そういった点をきちっと踏まえまして評価していただくと。
 さらに、震源を特定しない地震についても、一応基本的に、最近でいいますと留萌地震とか、そういったところまで含めて考慮していただくということになっていますので、結果的には多分、現在の基準値、今までの値よりは大きい値を取らざるを得なくなるんだろうというふうに思っています。
○松田公太君 時間ですので、終わります。
 ありがとうございました。
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子でございます。
 電力システム改革第二弾ということでございますが、このシステム改革はエネルギー政策と極めて一体のものであるというふうに認識をしております。そこで、エネルギー政策の根幹に、地球的規模で要請されている温暖化防止、これをきっちり据える必要があるというふうに考えます。
 そこで、IPCCの第三作業部会の報告書が公表されております。産業革命以降の温度上昇を二度に抑える、この二度目標を達成するための時間がどんどんなくなっているという重要なメッセージが発せられております。
 そこで、環境省に来ていただいておりますが、二〇五〇年までに削減しないといけない温室効果ガスの目安、示されていると思いますが、数字でお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(鎌形浩史君) お答え申し上げます。
 御指摘のIPCC第五次評価報告書に向けての作業の中での第三作業部会の報告書でございますが、その報告書によりますと、二一〇〇年まで大気中の温室効果ガス濃度を産業革命前に比べて二度C未満に抑えられる可能性が高いシナリオでは、二〇一〇年と比べて二〇五〇年の世界の温室効果ガス排出量は四〇から七〇%低い水準であり、二一〇〇年にはほぼゼロ又はマイナスに至るとされてございます。
○倉林明子君 大変厳しい数値が示されたなというふうに思うわけです。
 そこで、昨年十一月に第二次安倍内閣として中期目標、これを〇五年比でマイナス三・八%ということで明示されております。そこで、前政権の九〇年比でマイナス二五%という目標が示されていたわけですが、大幅に後退ということになっております。その理由について御説明をいただきたいと思います、環境省。
○政府参考人(鎌形浩史君) 昨年十一月の目標でございますけれども、それまでの一九九〇年比二五%削減を見直して、二〇〇五年度比三・八%減とする新たな目標を国連気候変動枠組条約事務局に登録したところでございます。
 この目標は、原子力発電の在り方を含めたエネルギー政策及びエネルギーミックスが検討中であることを踏まえ、原子力発電による温室効果ガスの削減効果を含めずに設定した現時点での目標ということでございます。今後、エネルギー政策やエネルギーミックスの検討の進展を踏まえて見直し、確定的な目標を設定することとしているということでございます。
○倉林明子君 そこで、新しいエネルギー基本計画の閣議決定がされたわけですけれども、その当日、環境大臣が再生可能エネルギー等関係閣僚会議の発言内容について記者の取材に答えてコメントされております。全体は長いものですので、要点、分かるように内容の御紹介をお願いしたい。
○政府参考人(鎌形浩史君) 四月十一日、閣議後記者会見におきまして石原環境大臣が発言している内容でございますが、御紹介いたします。
 再生エネルギー導入量の大幅な拡大が必要だが、我が国は水力を含めても電気に占める割合の一〇%、水力を除くと二%以下で、欧米の先進国に比べて低い水準にあると。野心的な再エネ導入目標について関係省庁で議論いただきたい。それから、自立分散型エネルギー社会を担う上で再エネが非常に重要である。エネルギー基本計画を踏まえ、再エネの大幅な導入、省エネの推進の二本柱で低炭素社会の実現のために努力をしていきたい。このような旨を発言してございます。
○倉林明子君 重要な認識だと思うんですね。再エネを本当にどう導入量を増やしていくかということで、遅れているということと、このエネルギー基本計画の中でも、大いに再エネの最大限の導入に向けて頑張ってほしいということを閣僚会議でも述べられているというふうに受け止めました。
 そこで、エネルギー基本計画で、再エネについて、これを政策の方向性としてどのように記載されているのか、経産省に答弁をお願いします。
○政府参考人(上田隆之君) 再生可能エネルギーに関するエネルギー基本計画における政策の方向性の記述ということでございますが、これにつきましては、再生可能エネルギーについては、二〇一三年から三年程度、導入を最大限に加速をしていき、その後も積極的に推進していく旨、記載がございます。また、そのため、系統強化、規制の合理化、低コスト等の研究開発を着実に進める、このため、再生可能エネルギー等関係閣僚会議を創設し、政府の司令塔機能を強化する等々の記載があるところでございます。
○倉林明子君 いろいろ議論があった目標数値の記載ですけれども、結局、欄外に数値については記載されるということになって、このエネルギー基本計画が示されたものだという認識をしております。
 そこで、欄外記載の目標についてなんですけれども、これ、発電電力量のうちの再生可能エネルギーの割合は二割ということで、二千百四十億キロワットアワーとされております。
 環境省にもう一度お聞きしたいと思うんですけれども、環境省が先日公表されました「平成二十五年度二〇五〇年再生可能エネルギー等分散型エネルギー普及可能性検証検討報告書」と、長いんですけれども、この報告書を見せていただきました。これ見ますと、再エネ導入見込みの推計が示されておりまして、このエネルギー基本計画の欄外記載の目標と同様に、二〇三〇年の目標についても記載がされております。そこで、低位ケース、低い位置のケースの場合、二千百七十三億キロワットアワーということで、エネルギー基本計画の欄外記載された数字とほぼ一致しております。
 そこで、確認したいのは、低位、低い位置のケースというのはどういう意味があるのか。高い位置、高位のケースというのも同列で記載がされておりますけれども、それはどういう意味かと。高位の場合、高位のケースの場合の数値はどうなっているか、答弁をお願いします。
○政府参考人(鎌形浩史君) 御指摘の報告書、委託業務の報告書でございます。その報告書では、二〇三〇年の再生可能エネルギーの導入見込み量について、低位ケース、中位ケース、高位ケースで推計を行ってございます。
 低位ケースにつきましては、基本的には東日本大震災以前に二〇二〇年の見通しとして政府が示した再エネの支援施策により増加が見込まれる普及量を設定いたしまして、それ以降は同様のペースで導入が進むという想定で推計をしているものでございます。
 一方、高位のケースにつきましては、基本的には環境省が別途、平成二十四年度にポテンシャル調査、再生可能エネルギーのポテンシャル調査というのを行ってございますが、そこでの導入ポテンシャルというものを最大限顕在化させることを目指して、施策を最大限強化するという場合を想定して推計しているということでございます。その高位ケースによる二〇三〇年の再生可能エネルギー電気の発電電力量は、三千二百二十七億キロワット時との推計になってございます。
 以上が報告書の内容でございます。
○倉林明子君 要は、低位のケースというのは、再エネ導入の取組というのが現状を維持してと、その推移でという範囲のものだということなんですよね。ところが、高位、ポテンシャル最大限生かそうという取組をした場合は、この委託調査の結果でも一・五倍の再エネ導入になるという数字だと思うんですね。
 原発を低炭素のエネルギー源最優先の電源という位置付けがあるからこんな開きが出てくるんじゃないかと。原発の再稼働が前提になっているから低位の目標しかエネルギー基本計画には書けなかったんじゃないかと。大臣、いかがでしょう。
○国務大臣(茂木敏充君) そんなことはございません。
○倉林明子君 数字として、環境省の委託報告を見るとそういうことが言えるんじゃないかということで指摘をしておきたいと思います。
 そこで、果たして原発は温暖化対策について有効な電源と言えるのかと、私はこれ考える必要があると思うんです。そこで、最新のIPCC報告書、先ほども紹介していただきましたが、この中身について確認をしたいと思うんです。
 政策決定者向けの要約のポイントということで、環境省のホームページにも紹介があります。エネルギー供給について、一つは、第四次評価報告書以降の再生可能エネルギーについての評価はどう変化しているか、記載はどうか。二つ目は、原子力エネルギーについての評価はそれぞれどうなっているでしょうか。簡潔に、済みません、お願いします。
○政府参考人(鎌形浩史君) 御指摘の第三作業部会報告書の政策決定者のサマリーの内容でございますけれども、御紹介いたします。
 まず、第四次評価報告書以降、再生可能エネルギー技術は性能向上及びコスト低減の面で大いに進展した。また、大規模な普及が可能な成熟度に達した再生可能エネルギー技術の数も増えているということでございます。
 次に、原子力エネルギーは成熟した温室効果ガス排出の低いベースロード電源だが、世界における発電シェアは一九九三年以降低下している。低炭素エネルギー供給への原子力の貢献は増加し得るが、各種の障壁とリスクが存在する。
 以上が第三作業部会報告書の内容でございます。
○倉林明子君 その中身というのは、確実性も増しているということで、評価の、確実性が高まっているという報告になっていたかと思うんです。
 つまり、再エネは大規模普及が可能な技術に進展しているということと、原子力が、低炭素エネルギー供給への貢献度は高いんだけれども、リスクがあるということだと思うんですね。このリスクとして、紹介はありませんでしたが、中身で触れられているのが、運用管理リスク、ウラン採掘リスク、金融規制リスク、未解決な廃棄物処理問題、核兵器の拡散に対する懸念、反対世論の存在ということが挙げられている。私はここに大いに注目する必要があるというふうに思うわけです。
 そこで、再エネの大規模普及、これを実証しているのが欧州の取組になっているかと思うんです。現状、再エネの導入、実績がどうなっているのかというのと目標がどうなっているのか、これはEU全体の実績と高い水準の国、直近の実績と、目標もいろんな年度で切っていますので、直近、二〇二〇年の目標でどうなっているのか、お答えください、環境省。
○政府参考人(鎌形浩史君) 先ほど出ました委託業務報告書の中身でございます。その報告書では、まずEUでございますけれども、ユーロスタット、欧州委員会の統計局でございますが、そのデータとして、EUにおける消費電力に占める再生可能エネルギーの割合は、二〇一一年の時点で二一・七%というふうに報告されてございます。それから、二〇二〇年の導入目標につきましては、この委託業務報告書におきまして、いずれも消費電力に占める再生可能エネルギーの割合としてでございますけれども、ドイツが三八・六%、スペインが四〇%、デンマークが五一・九%と報告されてございます。
○倉林明子君 再エネは不安定な電源やという評価が日本では当たり前のようにされておるんですけれども、EUの実績を見ますと、電力供給の主役になれるということを今示しているんだと思うんですね。原発事故を経験した日本こそ、この温室効果ガス削減というのを再エネ主役で実現すべきだというふうに考えておりますし、目指すべきだと思います。
 先ほども紹介しました環境省の委託調査、二〇五〇年再生可能エネルギーの報告書についてですが、改めて、この報告書の位置付け、目的、委託調査なんだけれども、その目的は何だったのか、御説明ください。
○政府参考人(鎌形浩史君) まず、IPCC報告書などを踏まえますと、我が国も中長期的に大幅な温室効果ガスの排出削減をしていくことが必要でございます。我が国では、平成二十四年四月に第四次環境基本計画を閣議決定してございますけれども、そこでは二〇五〇年に八〇%削減を目指すと、こうしているわけでございます。
 そこで、御指摘の委託業務調査でございますけれども、我が国が掲げる長期目標と整合的な中長期目標を設定する必要があること、その中でも再生可能エネルギーの導入拡大が中心的な課題となることを踏まえ、中長期的な再生可能エネルギーの普及見通しについて定量的な検証と普及を実現させるための方策を取りまとめるということを目的として行ったものでございます。
○倉林明子君 私は、こういう環境省の取組というのも、エネルギーをベストミックスでとおっしゃるんだけれども、こういう導入の可能性、ポテンシャルも含めて示しているというところを、エネルギー基本計画を出す責任、所管でもある経産省はしっかり参考にすべきだというふうに思うんですね。
 そこで、再エネを最大限普及するべきだという立場から、その鍵となるのは、優先接続、優先給電、系統の増強ということになろうかと思います。現在、十電力会社は、再エネ事業者の系統接続を拒否できるということに結論からいえばなっております。優先接続とは言えずに、一般事業者が、電力会社が認めた範囲ということになっているかと思うんです。
 そこで、この資料をお配りしております。一枚目を見ていただきたいんですけれど、その連系可能量を理由にして接続できないということで説明あるんだけれども、実際に連系可能量にはまだ余裕があるという状況なんだけれども接続制限が掛かるという場合がある、これどうしてかと。御説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(木村陽一君) 一般電気事業者が公表しております連系可能量につきましては、確かに、御指摘のとおり、既に連系した風力発電設備の量だけを見ますと、まだ余裕が残されております。
 しかしながら、接続の申込みを受け付けたその設備の量ということで見ますと、特に北海道でございますけれども、これは系統規模が例えば東京に比べて十分の一程度しかございません。そういったところで、既に今申込みがあった分で連系可能量がいっぱいになっている、そういう状況にございまして、東北についても似たような状況というのが数年先に発生することが見込まれておるような状況でございます。
 再生可能エネルギーの最大限導入、額で測る上で風力発電活用を欠かせないということでございまして、政府といたしましては、こういう連系可能量を拡大する観点からも送電網の強化等にしっかりと取り組んでまいりたいと考えてございます。
○倉林明子君 そもそも、この接続拒否の判断ということで、拒否された場合の根拠という点でも情報開示というのは全く不十分だという声が上がっているわけです。事業者が事業の見通しを立てて参入していく上でも、連系可能容量、接続コスト、こうした情報公開は当然されていくべきものだというふうに思います。
 そこで、ESCJ、電力系統利用協議会は現在会員の会費で運営されているということで、十万円請求されたと、見ようと思えばですね、情報を、会員にならなければなりませんので、という例も聞いております。情報開示については、システム改革にふさわしく、データの閲覧などは無料でもできるようにということは当然進められるべきではないかと思いますが、考え方はいかがでしょうか。
○政府参考人(高橋泰三君) お答え申し上げます。
 系統の空き情報等は接続の検討に際して重要な情報でございます。現状のルールで申し上げますと、これは資源エネルギー調査会の下の専門委員会でまとめられました考え方に基づきまして、各一般電気事業者及びESCJによりまして公開をされております。委員御指摘のESCJにおける情報の公開でございますけれども、これは地域間連系線の潮流実績等に関する情報につきまして、これは現在有料のサービスとして公開を行っております。これはシステムの費用の分担ということでございますので、会員組織でありますので、費用の分担をするということで、これ、ただ、会員に限らず、利用の登録をすれば見られるということになっております。
 今回システム改革をこれから進めてまいります上で、系統情報の利用というのは大変重要になりますので、これは本年の三月にこの考え方を改定をいたしまして、広域的運営推進機関が発足した後につきましては、こういった潮流実績等の情報につきましては原則無料化していく方向で考えていきたいと考えております。
○倉林明子君 無料化の方向での検討ということですが、考え方そのものは、確かに出していただいているものを見ました。しかし、現状では電力会社を縛る法的拘束力はないということになろうかと思います。三十分単位の情報開示も含めて、直ちに実施させるという方向で進めるべきものではないかというふうに思います。
 そこで、優先給電の方はどうかということです。再生可能エネルギーが爆発的に普及するような優先給電でも一番の位置付けになっているかというところが問題だと思うんですけれども、そこで、資料の二を御覧いただきたいと思います。
 これは、自然変動電源の出力抑制指令及び優先給電指令ということで、左が現状となっております。つまり出力抑制指令をどこから出していくかということですから、上にあるほど早く切られるということになるわけですが、出力抑制が掛かるということになるわけですが、これ赤いところが自然変動電源ということになりますので、二番目に取引所取引とありますけれども、これは少量ですので、もう大体二番目に出力抑制が掛かるというものになっているんですね。
 先ほど紹介した環境省の報告書の中で示されているのが指令改定案というもので、これで見ると、自然変動電源は長期固定電源の前ということに位置付けられております。報告書のこの出ている資料でも、順番は後ろの方になっているわけですけれども、私は長期固定電源の後ろに回して一番後に出力抑制が掛かるというものが自然再生エネルギーだということになって初めて再エネの優先給電と言えるんじゃないかと思うんですけれど、お考えはいかがでしょう、経産省。
○政府参考人(上田隆之君) この資料の右側の指令改定案と書いてありますものは、この出典にもございます、これは恐らく環境省さんのこの委託調査の内容であろうかと思いまして、私どもこのことについて具体的な提案を直接いただいているわけでもないので、必ずしもよく分からない部分がございますが恐らく再生可能エネルギーへの出力抑制よりも前にその全国融通を活用すべきではないか、あるいは新電力への出力抑制を先に活用すべきではないかとの御指摘であろうかと存じます。
 この全国融通でございますけれども、これは広域相互の協力融通ということで、これは本来電力が余ったときに、余剰時におきまして、電力系統の安定化といったことの目的のために緊急的に行われる、言わば電力の安定化のための最後の手段ということでございまして、必ずしもこの再生可能エネルギーといった観点、導入のみから運用されるものではないという性格がございますので、その安定供給上もこういった制度というのはなお必要であり、言わばラストリゾートとしての性格上の位置付けがあるのではないかと考えております。
 それから、新電力の出力抑制につきましては、各社の電源構成というものはこれ必ずしも事業者ごとに様々でございまして、一般電気事業者が個別の新電力の状況を考慮しながら、出力抑制指令を発出するということはなかなか困難でもありまして、現状では、新電力への出力抑制より先に一般電気事業者が調達した太陽光あるいは風力発電の出力抑制を位置付けているということでございます。
 なお、この新電力等々の問題につきましては、現在、御案内のとおり、今回のシステム改革におきましてはこういった概念はなくなりまして、全て新電力も発電事業者なり小売事業者なりに分類されるわけでございまして、そういった状況下におけるこういったルールにつきましてはなお今後検討していくことが必要になろうかと考えております。
○倉林明子君 再エネ最優先の給電の仕組み、最優先の給電という義務付けをしたことで欧州での爆発的な普及の大きな要因にもなっているんですね。連系可能量の限界がある。これについては連系線の強化を図るということなんだけれども、本当に容量が足りないのかどうか、実データが公開されていないからよく分からないという部分もまだ残っているわけです。その給電データもしっかり広く公開されて、一般市民、市場関係者も詳しいデータを見ることができると、こういう環境、再エネは真っ先に、一番に受け入れるということをしっかり仕組みとしてもつくってこそ爆発的な普及につながっていくんだと思うんです。
 今後、広域的な電力融通の指示を行うということで、先ほど来議論も集中しておりますが、広域的運営推進機関、ここの中立性、公平性、公正性、これどうやって担保していくのかということで、評議員会に消費者代表を入れていくというような検討の状況も示されました。ただ、これ第一段階の審議でこの設置を決めていたもので、第二段階の法の審議に当たって実は形がまだ定まっていないと、これは非常に問題だと思うんですね。どういうふうにやっぱりこの公平性や中立性や公正性を担保していくのかということは、委員構成やその評議員、議決権は誰に、どういう代表に与えられるのかというのが示されてこそしっかりした担保の議論ができるんだと思うんですね。
 私は、当然この法の審議に当たって示されるべきものであったし、考え方だけじゃなくて、どういうルールでやっていくのかということも併せてしっかり示していただくべきものではないかと思うんです。今後の考え方、改めてお聞きしておきたいと思います。
○国務大臣(茂木敏充君) 昨年の法案審議のときにそういう御議論をいただければと思ったんですけれど。
 実際に広域的運営推進機関の立ち上げは恐らく来年になるということでありまして、その中立性を担保するために、この機関の役員の選任、解任については国の認可を要すると。同時に、評議員会も設置するわけでありますが、評議員につきましては、実務に精通した人材だけではなくて、消費者の代表であったり学識経験者等幅広い方々を任命することによりまして組織運営の専門性、効率性、中立性を高めていきたいと思っておりまして、今、それに向けた検討を進めているわけでありまして、当然、この機関の立ち上げ前にはきちんとしたものを決めさせていただきます。
○倉林明子君 本当にここが重要なポイントになるかと思いますので、しっかり国会でも議論ができるように中身についてはお示しをいただくということですので、受け止めていきたいと思います。
 私、この再エネを、自然再生エネルギーを爆発的に普及していく、この取組をしていく上で、原子力の位置付け、要は、エネルギーのベストミックスということを盛んに言われていて、それをどうミックスさせていくのかということが示されないままこれ議論進んでいるんですよね。その上で、やっぱり原子力を再エネと比較して、優先給電ルールに、対象になじまないんだと本会議で大臣、答弁がありました。原発を最優先の電源として位置付けているままでは、私は結局再エネの爆発的な普及にはつながらないというふうに思うんです。
 消費者に説明責任を果たすガラス張りの情報開示、再エネ優先のシステムにこそ転換していくことが重要だということを申し上げて、終わります。
○委員長(大久保勉君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。
    ─────────────
○委員長(大久保勉君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 電気事業法等の一部を改正する法律案の審査のため、来る五日午後一時に参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大久保勉君) 御異議ないと認めます。
 なお、その人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大久保勉君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時五十分散会