第186回国会 経済産業委員会 第14号
平成二十六年六月五日(木曜日)
   午前十時一分開会
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   委員の異動
 六月四日
    辞任         補欠選任
     白  眞勲君     増子 輝彦君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         大久保 勉君
    理 事
                有村 治子君
                岩井 茂樹君
                松村 祥史君
                加藤 敏幸君
                倉林 明子君
    委 員
                磯崎 仁彦君
               北川イッセイ君
                高野光二郎君
                滝波 宏文君
                宮本 周司君
                渡邉 美樹君
                小林 正夫君
                直嶋 正行君
                増子 輝彦君
                杉  久武君
                谷合 正明君
                中野 正志君
                真山 勇一君
                松田 公太君
                荒井 広幸君
   国務大臣
       経済産業大臣   茂木 敏充君
   副大臣
       厚生労働副大臣  土屋 品子君
       経済産業副大臣  赤羽 一嘉君
   大臣政務官
       経済産業大臣政
       務官       磯崎 仁彦君
   政府特別補佐人
       原子力規制委員
       会委員長     田中 俊一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        奥井 俊二君
   政府参考人
       厚生労働省労働
       基準局安全衛生
       部長       半田 有通君
       厚生労働省政策
       統括官      熊谷  毅君
       林野庁森林整備
       部長       本郷 浩二君
       資源エネルギー
       庁長官      上田 隆之君
       資源エネルギー
       庁廃炉・汚染水
       特別対策監    糟谷 敏秀君
       資源エネルギー
       庁省エネルギー
       ・新エネルギー
       部長       木村 陽一君
       資源エネルギー
       庁電力・ガス事
       業部長      高橋 泰三君
   参考人
       電気事業連合会
       会長       八木  誠君
       東京大学社会科
       学研究所教授   松村 敏弘君
       全国電力関連産
       業労働組合総連
       合会長      岸本  薫君
       東京電力株式会
       社代表執行役社
       長        廣瀬 直己君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○電気事業法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
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○委員長(大久保勉君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、白眞勲君が委員を辞任され、その補欠として増子輝彦君が選任されました。
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○委員長(大久保勉君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 電気事業法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省労働基準局安全衛生部長半田有通君外六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大久保勉君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(大久保勉君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 電気事業法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に東京電力株式会社代表執行役社長廣瀬直己君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大久保勉君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(大久保勉君) 電気事業法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○小林正夫君 おはようございます。民主党・新緑風会の小林正夫です。
 五月三十日の本会議で茂木大臣並びに田村厚労大臣から答弁をいただきました。今日は、その答弁内容を受けて質問をいたします。
 まず、今日、厚労省に来ていただきました。スト規制法の関係で何点か確認と質問をいたします。
 現在のスト規制法は、対象になっているのは実質的には電力に働く人たち、ここにのみになっているということでありますけれども、電力の労働者は紛れもなく民間の労働者であります。公務員における人事院勧告制度のような代償措置も講じられていない中で、憲法二十八条で保障されている労働基本権が著しく制約をされていると、こういう状態、私は疑義があると思っているんですが、厚労省はどのように考えていますか。
○政府参考人(熊谷毅君) 憲法第二十八条におきましては、争議権を含む労働基本権が保障されておるところでございますけれども、労働基本権も無制限に行使し得るものではなく、公共の福祉との調和が求められているところでございます。
 御指摘のいわゆるスト規制法は、少数の人員による争議行為により電気の正常な供給に障害が生ずることのないようにし、もって国民経済や国民の日常生活に支障が生じないようにするという公共の福祉の観点から規制するものであること等を考慮すれば、憲法第二十八条に違反するものではないと考えておるところでございます。
○小林正夫君 違反はしないけれども、やはり憲法で保障されているものがこのように制約されているということは私は疑義を持つんですが、そういうことはありませんか。
○政府参考人(熊谷毅君) 基本的に、憲法に保障された権利が尊重されるべきということは私もそのとおりだというふうに考えておりますけれども、先ほど申し上げたような公共の福祉の観点からの必要性というものがございますので、そういった観点からやむを得ないものというふうに考えております。
○小林正夫君 次に、今回の法案では、争議行為によって電力の安定供給保障に支障が生じ、又は生じるおそれがある発電事業者を厚生労働大臣が指定することとすると、このように法案でなっております。
 そこで、二点確認をしたいんですけれども、一つは、この第二弾の法案においては、送配電分離がなされていない中において、発電、送配電事業を受け持つ現行の電気事業者が対象になる、こういうことでしょうか、確認いたします。
○政府参考人(熊谷毅君) 現在御審議いただいているこの法律が施行されている時点における電気事業者が対象になるということでございます。
○小林正夫君 もう一点確認します。
 第三弾、来年の通常国会に送配電分離を、そういう法案の提出を目指すと、このようにされているわけですけれども、この第三弾において分離がなされた後は、届出制となる新電力を含めた発電事業者の中から厚生労働大臣が指定をする、こういうことで受け止めておいていいですか。
○政府参考人(熊谷毅君) 基本的には第三弾の法案の内容が確定した時点でということかと思いますけれども、現在想定し得るところでは先生がおっしゃるようなことだというふうに認識しております。
○小林正夫君 そうしますと、発電事業者の中に、憲法二十八条で保障されている労働基本権を制約をされる発電事業者とされない発電事業者が出てくる、こういうことですか。
○政府参考人(熊谷毅君) その第三弾の法律内容が確定する時点でそういった事柄については最終的に判断すべきものだというふうに考えております。
○小林正夫君 法案あるいは政府の考え方を聞いていると、私、今言ったような受け止めをせざるを得ないです。ですから、同じ発電事業者でありながら、労働基本権を制約される発電事業者とされない事業者が出てくるんじゃないか、こういうふうに私は皆さんからお聞きをした話を受け止めております。
 そこで、第三弾の法案が仮に成立をしてあのとおり施行されるということになれば、指定される発電事業者の範囲、これはどういうような今考え方でいるんでしょうか。
○政府参考人(熊谷毅君) スト規制の対象となります発電事業につきましては、法案では、一定の争議行為を行うことにより、電気の安定供給の確保に支障が生じ、又は生ずるおそれのあるものとして厚生労働大臣が指定する発電事業者が営むものに限るということとされておりますので、こういったものについて適切に指定していくということになろうかと思います。
○小林正夫君 繰り返しになりますけれども、やはり発電事業者の中で規制を受ける事業者と規制を受けない事業者が出てくるということ、これでいいのかなと、私はこのスト規制法に関しては大変ここ疑義を持っております。
 何か答弁があれば。
○政府参考人(熊谷毅君) 先生の御懸念というのも理解はできるわけでございますけれども、先ほども申し上げましたように、結局この法律、電気の正常な供給を確保していくという観点から定められているというものでございますので、そういう観点から判断していった場合に、先生がおっしゃるようなことが生じ得ることはあり得るし、小さい発電事業者全てを対象にまで広げていくということはかえっていかがなものかというふうに考えておるところでございます。
○小林正夫君 今日は土屋副大臣にお越しをいただきました。
 五月三十日の本会議で電力労働者の労働基本権に対する質問を私しましたら、厚生労働大臣は、衆議院経済産業委員会における本法案の附帯決議の趣旨を尊重し、電力システム改革に関する法体系の整備に併せ、有識者や関係者等から成る意見聴取の場を設けその意思を確認し、スト規制法の今後の在り方について検討を行ってまいりたいと、このように厚労大臣は答弁をいたしました。
 衆議院の附帯決議がどうだったかというと、これは、電力システム改革の遂行に際しては、今日まで電力の安定供給を支えてきた電力関連産業の労働者の雇用の安定や人材の確保・育成、関連技術・技能の継承に努めるとともに、改革の過程において憲法並びに労働基準法に基づく労使自治を尊重するものとすること。また、当該労働者について一定の形態の争議行為の禁止を定める電気事業及び石炭鉱業における争議行為の方法の規制に関する法律については、自由な競争の促進を第一義とする電力システム改革の趣旨と整合性を図る観点から、電力システム改革に関する法体系の整備に併せ、所管省庁において有識者や関係者等からなる意見聴取の場を設けその意思を確認し、同法の今後の在り方について検討を行うものとすること、これが衆議院の経済産業委員会で付けられた附帯決議であります。
 厚労大臣はこの附帯決議を尊重しと、このように答弁をされておりますので、副大臣にお聞きしますけれども、いつから、どのような方から意見聴取をするのか、まずこの点についてお聞きします。
○副大臣(土屋品子君) 今先生から御丁寧に附帯決議について御説明いただきましたが、スト規制法の今後の在り方に関する検討の具体的な進め方については今後検討することとしていますが、今おっしゃったその附帯決議については、その決議の趣旨を尊重いたしましてしっかりと進めていきたいと考えております。
○小林正夫君 はっきりしない答弁です。
 それでは、スト規制法の今後の在り方について検討を行うというふうに大臣はおっしゃったんですが、どういう場で検討をするということを考えているんでしょうか。
○副大臣(土屋品子君) 具体的には、どのような場で検討するかについては、この法案が成立した暁には早急に検討することとしております。
○小林正夫君 この第二弾の法案の中にこのスト規制法についてもうたわれているんですよ。それで、先ほど厚労省からあったように、憲法二十八条との関係で、違反ではないけれどもどうかなと疑義を持っているというような感じの答弁もあったわけです。
 私は、これは働く者にとっては大変大事な点なんです。電力労働者のみに実質的に課せられている、それも民間労働者である電力労働者にスト規制法が掛けられている。やっぱりこれは、自由化に合わせてこういう規制については撤廃をしていくという姿が正しい姿じゃないか、私はこのように受け止めております。
 田村大臣が本会議であのように言い切ってくれた答弁をしたものですから、今日の委員会で具体的にいつ、どういうメンバーでやっていくのかというぐらい、質問通告してあるわけですから、そういう回答がないというのは非常に残念に思います。
○副大臣(土屋品子君) 言葉が足りなくて申し訳ございません。
 電力システム改革に関する法体系の整備に合わせまして、有識者や労使を含めた関係者等から意見をしっかりと聴取しまして、その意見を踏まえて検討していきたいと考えております。
○小林正夫君 委員長、今質疑を交わしたとおりです。
 私は、この憲法二十八条で保障されている労働基本権が、民間労働者である電力労働者に著しくそういうものが課せられていると。このことについては政府も検討していきたいと、こういうふうに本会議で答弁されたわけなんですが、その具体的な進め方について、今お聞きをしても明確な答えがありません。
 委員長にお願いしたいのは、今後の在り方を検討すると言っているんだけれども、どういうスケジュールでどういう検討をしていくのか、そういう企画書なり計画案を経済産業委員会に出していただいて、そういうものを資料を求めたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○委員長(大久保勉君) ただいまの件につきましては、後刻理事会にて協議いたします。
○小林正夫君 次の質問に移ります。
 原子力政策についてお聞きをいたします。
 五月三十日の本会議で、茂木大臣は、原子力事業環境の在り方について、総合資源エネルギー調査会の下に原子力政策の再構築に向けた議論の場を設置をすると、このように答弁をいただきました。平成二十八年をめどに電力の自由化が予定されていることを踏まえて、必要な措置について速やかに検討し、遅滞なく実施してまいりますと、このようにも答弁をいただきました。私は、是非早く議論の場をつくって実行されることを強く望んでいるものであります。
 そこで、どのような立場の人で、何人ぐらいの規模で構成していくのか、この辺のお考えがあればお聞きをいたします。
○国務大臣(茂木敏充君) 議論の場につきましては、早急に設置をしたいと思っております。それほど時間を置かずに設置をするよう準備を進めているところでありまして、当然、原子力政策、これはその分野の専門家だけではなくて、様々な有識者であったり、また地域の関係者であったり、多様な意見が反映されるような議論でなければいけない、そういった立場から人選を進めたい、このように考えておりますけれど、余りにも少ない人数でもそういった意見の反映ができません。かといいまして、人数が多過ぎたら、なかなか意見を集約するというか、会議自体も成り立たない。そこの中で適切な人数については考えてまいりたいと思っております。
○小林正夫君 私は、原子力を取り巻く事業環境をしっかり整備していかないと、政府のエネルギー基本計画の中でも、原子力に対する依存度は下げていくけれども、やはり原子力は重要な電源であると、このように認識をされて、そういうお話を聞いているわけですから、早くこの辺の環境整備をしていかないとなかなか原子力事業者にとってはつらいものがあるんじゃないかなと、こう思います。今大臣お話しのとおり、特に専門知識をしっかり持っていて、幅広いそういう人たちから是非そういう委員会構成をしていただきたいなと、こう思いますので、これは要望としてお願いをしておきます。
 そこで、次に、原子力の人材育成と要員確保の点について質問をいたします。
 四月の二十四日の日に、この委員会で、原子力損害賠償機構法の審議の中で参考人質疑を行いました。その参考人として国際廃炉研究開発機構の山名元参考人に来ていただきまして、いろいろお聞きをいたしました。そこで、私は山名参考人に、原子力の人材育成をどうやっていくのかと、こういう質問をいたしました。そのときに参考人から、原子力の安全や廃炉等の技術に関わる科学的研究をもう少し大学に残していくような根本的な施策を文部科学省や経済産業省にお願いをしていきたい、こういう旨の話がされました。
 それと、六月三日、おとといのこの委員会で、滝波先生の方から福井県の国家戦略特区の提案内容が資料として配付をされましたけれども、その中で、世界レベルの原子力の技術、人材力を育成する、そういう項目の中で、国内に分散する研究機関を嶺南地域に集約し、研究開発を強化、こういうことが滝波先生から出された資料でうたわれておりました。
 福井県は、三・一一の福一の原子力事故前、平成二十二年度では日本全体の原子力発電のうち二六・六%を福井県で発電しているという実態、実に日本全体の四分の一は福井県の原子力が電気をつくっていると、こういう状態にあったということで、私は、この国家戦略への提案は、原子力の立地県だからこそこういう提案だな、このように私は受け止めました。そして、茂木大臣も、以前この委員会で質疑をやったときに、人材育成は大変大事なんだと、こういうふうにお話もいただきました。
 そこで、大臣にお聞きしたいのは、山名参考人がおっしゃった経済産業省にも人材育成、大学との関わりで求めていきたいという話と、滝波先生の方から、福井県にこういうものをつくって、人材育成あるいは研究開発をしていくべきだと、こういう提言があった。このことに対してどういうふうに受け止められているのか、お話を聞きます。
○国務大臣(茂木敏充君) 小林先生も御案内のとおり、今回のエネルギー基本計画におきましても、原発依存度そのものにつきましては可能な限り低減をさせていくと、こういう方針の下で、我が国の今後のエネルギー制約を踏まえて、安定供給、コスト低減、温暖化対策、安全確保のために必要な技術、人材の維持の観点から、確保していく規模を見極めると、こういう表現を明確に盛り込んでおりまして、高度な技術と高いスキルと安全意識を持った人材、しっかり確保していきたいと思っております。
 特に、福島第一の廃炉ということになりますと、三十年、四十年、こういう長い期間が掛かるわけでありまして、長期的な視点から人材の育成に取り組むということは極めて重要だと考えております。国としても、原子力を支える高度な技術を維持して、安全対策高度化に向けた技術開発に取り組むために廃炉や原子力安全に係る研究開発、人材育成を支援していきたい、これは大学との関係も出てくると思っております。
 同時に、できるだけ早く今後のエネルギー政策全体についてベストミックスもお示しをするという方向の中で、若い方々も自分がどういう方向に進んだらいいのか、こういう見極めも付いてくるんではないかなと考えております。
 さらには、研究開発等々の拠点でありますけれど、こういった人材育成の観点からも拠点づくりということは極めて重要だと考えております。同時に、それぞれの事業者において、今後、安全に原子力を使っていく、若しくは安全に廃炉を進めていくという観点から、どこか一か所にだけ全てを集めてしまうというよりは、それぞれがきちんとした機能を持つということも同時に必要であると考えております。
○小林正夫君 人材育成についてはもう共通認識だと思います。是非、政府としての取組を行っていっていただきたいと、このことも要望しておきたいと思います。
 次に、福一の原子力の現場の労働環境を含めて質問をさせていただきます。
 まず、報告とお礼です。四月の二十二日のこの委員会で、福一の作業に当たっている人がいわきの方から毎朝通勤していると。それで、高速道路の出口で大分渋滞して、朝二十分、三十分待たされる時間があるんだと、この辺についても労働環境の一つとして整備をいただけないかということを茂木大臣並びに国交省の方にお願いをいたしました。
 その結果、国交省の方で、ゴールデンウイークの期間がちょうど入りましたので、料金所における証明書類の確認を簡素化する、こういうことをしていただき、さらに、広野インターチェンジは二人体制にしてチェックの強化を図ると。さらに、ファイルを配付して証明書類をワンタッチで確認できると、こういうことをした。さらに、混雑の分散に向けた広報を強化すると、こういうことをやっていただきました。それで、おおむね一か月以上経過するんですけれども、現場の方から、これまでに比べ間違いなく効果が出ており、通過が早くなったと。全く待たないことはないんですけれども、今まで二十分、三十分待っていたものが十分程度ぐらいには縮まってきたかなと、そういう感じで、現場で働く人たちから是非そういう取組に感謝をしてもらいたいと、こういう報告がありましたので、この機会を借りてその報告と、私の方からもお礼を申し上げたいと思います。
 さらに、過酷な現場ですから、いろんな労働環境、これからも課題が出てくると思いますけど、是非そういう意味では、政府を挙げて労働環境の整備にも今後も取り組んでいただきたい、このことをお願いをいたします。
 それでは、質問に入ります。
 資料一を用意をいたしました。少し複雑になる質問ですので、国際放射線防護委員会と厚生労働委員会、今まで出されてきた資料を基にして私の方でこの資料を作ってみました。
 福一の原子力事故の対応で、電離則第七条第二項の緊急作業線量を二〇一一年三月十四日に上限を百ミリシーベルトから二百五十ミリシーベルトにしました。それがこの表の上の方に書いてございます。それで、私の記憶ですと、その年の十二月に冷温停止状態ということになり、この二百五十ミリシーベルトに上げたものを元の百ミリシーベルトに戻して今日に至っていると、このように私は受け止め、理解をしております。
 それで、これにより、現在では百ミリシーベルトを超えた者は全員放射線業務従事者を解除されて放射線業務に就くことができないと、こういう状態に今ある。そして、平成二十三年四月からのブロック五年間管理に福島第一の平成二十三年三月十一日から三月末までの線量を含む、こういう状態に今なっていると、このように私は整理をいたしましたけど、この内容はこれで合っていますか。
○政府参考人(半田有通君) 先生の御指摘のとおりでございます。
○小林正夫君 それでは、確認の意味で何点か質問をいたします。
 現在、百ミリシーベルトを超えた人は何人いるんでしょうか。余り細かくなくても結構なんですが、線量ごとに何人いるかということをお答えいただければ。
○政府参考人(半田有通君) 緊急作業に従事された労働者のうちの、事故以来、今年の四月末まででございますが、通常被曝限度の百ミリシーベルトを超えた方は百七十四名となってございます。さらに、この百七十四名のうち、先ほど先生御指摘のございました緊急作業時として特例的に設けました二百五十ミリシーベルトでございますが、これを超えた方が六名いらっしゃいます。
○小林正夫君 改めての確認ですけれども、その人たちは現在全員が放射線業務従事者を解除されて放射線業務に就けない状態に今あると、こういうことでよろしいですか。
○政府参考人(半田有通君) 法令上就けないと明確に言えるかどうかというところは若干疑問はございますが、私どもとしましてはそういう業務に就かないようにということを強く求めております。
○小林正夫君 そこで、この資料の一の中ほどに五年間ごとに細かく分けた図を作りました。これは厚労省に聞くのか規制委員長の田中委員長にお聞きをするのか、回答については御判断いただきたいんですが、国際放射線防護委員会では職業被曝を生涯千ミリシーベルト以内として、その管理方法として、五年単位で二十回に分け、一単位の五年間で百ミリシーベルトとしていると。放射線に働く期間がこれおおむね五十年間だと、こういう認識の下にこの千ミリシーベルトを五年ごとに分けてこういう管理をしている、こういう認識でよろしいでしょうか。
○政府参考人(半田有通君) おおむね先生の御指摘のとおりでよろしいのでございますが、一点、生涯千ミリシーベルトを五年単位で二十回ではございませんで十回、大体五十年ぐらいの間にこの千ミリシーベルトを超えないようにということでやってございます。
 ただいま先生御指摘ございましたように、ICRPの一九九〇年勧告で、ただいま申し上げましたように、生涯一シーベルトを超えないということで大体五年間の平均値が二十ミリシーベルトという実効線量を勧告してございまして、これが五年間で百ミリシーベルトということになります。この勧告を踏まえましての放射線審議会の意見具申では、五年間に百ミリシーベルト、ただし、いかなる年度の一年間にも五十ミリシーベルトを超えないことが適当というふうにされてございます。
 私どもは、これを受けまして、電離放射線障害防止規則を含む放射線関係法令ではこの意見具申に基づきまして線量限度を定めておりますし、また、各法令でもそのようになっているものと承知してございます。
○小林正夫君 御指摘ありがとうございました。私、二十回というのは訂正いたします。十回ということで、改めてその十回ということで発言をさせていただきます。
 そこで、次なんですけれども、現在は平成二十三年四月から、福一は三月十一日からということになっておりますけれども、平成二十八年三月の五年間の今管理の中にあって、百ミリシーベルト以下だった人は平成二十八年四月から放射線業務に就ける、こういう判断でよろしいでしょうか。
○政府参考人(半田有通君) 先生御指摘のとおりでございます。
○小林正夫君 そこで、この資料の中ほどの右の方に赤の破線で囲ったところがあります。これは平成二十八年四月からどのように管理するか決まっていない、このように書きましたけれども、これは百ミリシーベルトを超えた人、この人の扱いを平成二十八年度以降どうしていくのかということが、扱いが決まっていないと、私そういう認識をしております。
 ここの課題について結論を出していかないと、この人たちが放射線業務に従事できない、ずっとできないということになってしまう可能性もある。片方では健康の管理の関係もある。この問題を政府として取り組んでやはり何らかの判断を示すべきだ、私はこのように思いますけど、このことについて厚生労働省と原子力規制委員長の田中委員長の方に質問をいたします。
○副大臣(土屋品子君) 国際放射線防護委員会、ICRPの一九九〇年勧告の取り入れに関わる放射線審議会の意見具申では、ICRPの全就労期間に受ける総実効線量が約一シーベルト、千ミリシーベルトを超えないようなレベルに線量限度を定めるべきであるとの考え方を踏まえると、同勧告における約五百ミリシーベルトという緊急時の限度は一度にその半分を占めることから、緊急時以外の、その後の通常の被曝の制限にも影響を与えることが考えられるとされております。
 この意見具申を踏まえますと、東電福島第一原発では最大約六百八十ミリシーベルト被曝するなど、通常被曝限度である五年当たり百ミリシーベルトを超えた者に対しましては、その後の被曝線量に一定の配慮が必要であることは先生のおっしゃるとおりだと思います。
 厚生労働省といたしましても、厚生労働省だけではなく各関係省庁としっかりと連携をしまして、どのような配慮が必要であるかというような検討が必要であり、行ってまいりたいと考えております。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 原子力規制委員会におきましても、原子炉等規制法に基づいて、原子炉設置者に対しては、保安のために講ずべき措置として放射線業務従事者の線量は、先ほどもお答えがありましたけれども、五年間で百ミリシーベルトを超えないようにすることを求めています。したがって、基本的には五年を過ぎて、それが過ぎれば働くことはできるということでございますけれども、この件に関しましてはもう少し関係省庁間でも議論を深めていく必要があるのかなというふうに思っております。
○小林正夫君 百ミリシーベルトを超えたということは本当に、あの現場を考えればしようがなかったかもしれませんが、大変心配な出来事だったなと、私もこのように思います。
 ただ、百ミリシーベルトを超えた人の中に、極端に数値が多い人と、百ミリシーベルトを少し超えた人と、いろいろここに段階があると認識をしております。田中委員長おっしゃるように、現段階ではまだこの人たちの扱いが決まっていないということ、それを受けて政府としても検討していきたいと、このようにおっしゃっていただきましたので、是非検討していただきたいと思います。
 それで、委員長、これも政府に検討していただき、また検討するというふうにおっしゃってくれたんですが、その検討状況を適宜、経済産業委員会の方に報告をいただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○委員長(大久保勉君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議いたします。
○小林正夫君 原子力に関わる質問、まだ幾つかあるんですが、来週もこの委員会が予定されていると聞いておりますので、原子力の関係については取りあえずこれで打ち切ります。
 それで、田中規制委員長、厚生労働省への質問は終わりました。委員長の御判断してください。
○委員長(大久保勉君) 田中委員長及び厚生労働省の方におかれましては退席されて結構です。
○小林正夫君 原子力に関わる話は厚労省終わりましたけど、労働安全の関係については質問が残っておりますので、ごめんなさい、よろしくお願いいたします。
 今日は、資料三と二を用意をさせていただきました。特に、資料三の電気の三つの特徴ということを、資料配付をさせていただきました。(資料提示)
 私は、今まで電力の職場で働き、あるいは多くの仲間と一緒に作業をやってきましたけれども、やっぱり人生の中で一番悲しかったなと思うのは労働災害で仲間が亡くなったことでした。お通夜に行き、葬儀に行き、残された御家族に掛ける言葉を失いました。
 改めて言うまでもないんですが、今日資料でお渡しをしましたけれども、電気の特徴、普通の商品とは違うということなんです。一つは、電線が全てつながっていないと電気は送れない、こういうことです。それで、二つ目には、電気は目に見えない、こういう商品です。この絵をどういうふうに描くかなと思って思い悩んだんですが、この絵は、電気は見えませんと、こういうふうに受け止めていただければと思います。それで、三番目は、同時同量と書きました。これは、今日この委員会の部屋でも電気を使っていますけど、今使っている電気は今発電しなきゃいけない、こういうものが電気の特徴だということです。
 私も、小さいときなかなか家で自転車は買ってもらえませんでしたけれども、自転車買ってもらったときに、前のタイヤのところに発電機を倒して、それで自転車を動かすと発電できたと、こういう経験をしました。だから、簡単に言うと、電気というのは今使うときに今自転車をこがないと発電ができない、簡単に言えばそういう代物だということであります。したがって、こういう中で日々電力の安定供給について現場あるいは電力関係者の人は頑張ってくれていると、このように思います。
 そこで、資料二なんですけれども、これが実は労働災害の発生状況を示したものでございます。特に、上段に書いてあるやつは、電力労働者の労働災害被災者数ということで、平成二十一年度から平成二十五年度までこのような数字になっています。さらに、下のところに、死亡災害発生推移ということで一覧にまとめました。
 見てください、平成二十一年度から平成二十五年度まで、この五年間で八十名が労働災害で亡くなってしまっているという実態なんです。何としてもやはりこういう労働災害を減らしていかなきゃいけない、私はこのようにもう強く強く思います。
 そこで、大臣も本会議の答弁の中で、送配電分離した後も関係者と十分調整をして連携ミスがないように取り組んでいくと、このようにもおっしゃっていただきましたけれども、具体的にどういうふうな連携を取るのか。
 私は、この議員という仕事に就く前に、電力の供給で特に送電部門を担当しておりました。私は地中送電屋です。したがって、この辺の国会周辺の大きなビルに電力の供給などをやってきた人間です。
 それで、例えばこの表でいくと、この鉄塔からこの変電所の間の電気を止めて、ここで工事やろうということになると、発電元と連絡をして電気が止まったことを確認をする。さらに、お客さんに送っている電気を違うところから電気を送らなきゃいけないということで、全てそういう調整をしながら、現場でも一部電話連絡をしながら、要は信頼感を持って、ここの間が電気止まったから、じゃこのケーブルを切りましょう、あるいは切断しましょうということで新しいところにつなぎ換えをするという、こういう工事を私、実際としてやってまいりました。
 だから、そういう意味で、発送配電一貫体制の、一つの企業の中で発電から小売まで今そういう状態でやっている中でも、このようにこの五年間で八十名の方が亡くなっているという、残念ながらこの実態があるということです。
 そういう意味で、大臣の方には期待をしたいんですけれども、送配電分離がされたとしても、ここの連携とお互いの信頼関係をしっかり持てるようにしていかないと、現場で作業をやる人たちは本当に不安を持つんですね。何でもそうですけれども、不安持ってやる仕事はいい仕事はできません。是非そういう意味で、大臣、改めてこの労働災害防止に向けた決意と取組についてお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(茂木敏充君) 小林委員お示しをいただきましたように、電気というのはなかなか難しい特徴を持っているといいますか、ためられませんから、つながっていなければいけない、しかも見えないものでありますから、その取扱い、なかなか難しい。
 かつての松下電器産業、パナソニックの本社にエジソンの銅像がございます。電球を持っておりますけれども、エジソンの視線は松下幸之助翁の使っていた執務室、こちらの方を見ていると、こういう銅像でありまして、二股電球を発明した松下幸之助翁も、電気については本当に慎重な取扱いが必要だと、こういう思いが私は込められているんではないかなと、こんなふうに考えておりますけれども。
 電気の安定供給、電気事業に関わります方々の現場力、技術力、そして人材に支えられてこそ実現するものでありまして、こうした方々の労働の安全の確保というものは、改革後においても、そして発送電を分離した後においても我が国の電力の安定供給の大前提だと考えております。
 このため、第三段階の法的分離の実施によりまして労働災害が増えることがないように、給電指令等を行います送配電事業者が多様な発電事業者と協調して災害時の対応であったりとか需給調整を行えるよう必要なルールの整備を進めていくところでありますが、具体的に申し上げますと、今後の第二段階、第三段階見詰めまして幾つかのルールを整備していきたいと思っておりまして、その一つは災害発生時の緊急時対応のルールであります。
 具体的には、関係事業者の緊急参集に関するルールであったり、発電所や送電線の被害の状況や復旧の見込みについての情報の共有のルール、そして、発電所、そして送電線の復旧の手順であったり指揮命令系統に関するルール。特に、労働災害につきましては、発電所や送電所の点検や補修作業中の感電と、これを委員言ったように防ぐために、発電事業者と送配電事業者が従うべき関係事業者間の連絡調整のルールも定めていかなきゃなりません。
 さらに、需給調整のルールとして、具体的には、送配電事業者が需給バランスの調整を円滑に行うことができるよう、発電事業者が送配電事業者の指示に従って発電所の起動であったり出力調整を行うためのルールであります。これらは、広域的運営推進機関のルールとして定めて国が認可をしていくということにいたしております。
○小林正夫君 厚生労働省に残っていただきました。
 安全は企業の礎、そして家族の願い、私、このように思っております。電力労働者に限らず、やはり労働災害を減らしていくという取組は大変大事だと思いますけれども、厚労省の今の取組と、こういう課題に挑戦をしているこの決意をお聞かせ願いたいと思います。
○政府参考人(半田有通君) 先生御指摘のとおり、どんな事業環境の変化がございましても、働くことで命が脅かされたり健康が損なわれたりするということはあってはならないものと考えてございます。
 私ども、現行法令におきましても、既に先生御承知のように、企業単位ではなくて基本的に事業者に対して、事業場ごとに種々の措置を義務付けるような体系になってございますので、大概の部分は現行法令の中でカバーできるのではないかとは考えておるところではございますが、それでもなお、やっぱりこの発送電分離という新しい試みが行われるわけでございますから、ただいまの経産大臣から御説明ございましたようなルールづくりをよく拝見させていただきまして、必要に応じて私どものルールも整備をしていくというようなことで適切に対応していきたいと考えております。
○小林正夫君 持ち時間の時間が少なくなりました。最後に一つ質問します。
 第三段階の法案が予定されていますけれども、それを聞くと、法的分離による送配電部門の中立性の一層の確保、こういう目的で送配電を分離するんだと、このようにうたわれているんですが、現行における制度の中で送電線の使用が中立性がなく行われている、こんなような実態があるんでしょうか。
○政府参考人(高橋泰三君) お答え申し上げます。
 現行法でも送電部門の中立性について一定の法的なルールがございますけれども、この中立性につきましては、私どもとしてはまだ様々な課題があると認識してございます。これにつきましては、電力系統利用協議会において様々な相談あるいはあっせん、調停、指導、勧告などが行われております。
 幾つか例を申し上げますと、例えば発電所の建設に伴い、新規事業者が発電所の建設をするに当たりまして電力会社に接続検討を依頼したところ、経年劣化による電線の張り替えのための費用を要求されたと。これは本来、送電事業者が自ら負担すべきものを発電会社に求めたという事例でございまして、不適切な行為であると考えてございます。また、地域間の連系線の作業を停止する計画を策定する際に、これは系統利用者に対して連絡調整を行うということを約束したにもかかわらず、調整も情報提供も行われなかったという事例がございます。これにつきましては、電力系統利用協議会より電力会社に対して勧告、指導という措置がとられているところでございます。
 このほかにも様々な相談がございまして、やはり新規参入者におきましては、現在の送電部門の中立性について様々な課題があるのではないかという指摘もされているところでございます。
○小林正夫君 時間が来ましたので今日の質問はこれで終わりますけれども、来週の火曜日の委員会でこの問題について引き続き質疑をさせていただきたいと思います。
 それで、今、政府参考人から、そういう事例があったんだと、こういうようなお話ですので、できれば次回の委員会で正しく私受け止めた上でまた質問をしたいと思いますので、先ほど述べた、どういう事例があったのかということを早急に私の方に提出をしてもらいたいと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(高橋泰三君) 御指示に従いまして、御連絡差し上げます。
○小林正夫君 今日はこれで終わります。ありがとうございました。
○真山勇一君 日本維新の会・結いの党、真山勇一です。
 今日も、電力システム改革について引き続き質問をさせていただきたいというふうに思います。
 電力の自由化ということを目指すことになりますと、やはり電気を使っている生産者、消費者、いろいろ考える。そして、特に消費者では、電力自由化になると電気料金って安くなるのか、そういうことが大変大きな課題になってくるというふうに思っておりますけれども、その料金の基になります、その基準になるのが、やはり電力コスト、コスト等検証委員会、政府のその委員会で示された数字というのが大きな基準になるというふうに思うわけですけれども。
 先日の委員会でも私、このコスト等検証委員会が今の政権になってから開かれていないのはなぜでしょうかということをお伺いしたんですが、ちょっとよく分からない感じの答弁で、もう一回ここのところから今日始めさせていただきたいというふうに思うんですけれども、電力コストにまだ変化がないからというような感じも受けたんですが、そういうことなんでしょうか。
 それにしても、やはり電力を取り巻く状況というのは三・一一のあの原発事故を契機にして大きく変わってきていると思うので、大きなやはり変化はあるというふうに私は感じておりますし、やはり国民もそういう認識というのは持っていると思うんですね。ですから、やはり国民が、今電気というのは大体どのぐらいコストが掛かるんだろうか、いろいろあの原発から、原発が動いていないことによって火力のLNGあるいは石炭などを輸入して、そういうもので電気料金が上がっているようだというような話もあるわけですから、その辺でやはり電力コストというものの新しい数字というのは必要ではないかというふうに私は思うんですけれども、茂木大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(茂木敏充君) コスト等検証委員会におきまして、震災以降一つの試算を出させていただきました。もちろん、再生可能エネルギーを見ましても、毎年の見直しを行うことによりまして発電コスト下がった分についてはFITにもきちんと反映をさせていただく、こういったことも行っております。同時に、例えば化石燃料等々につきましても、国際的な価格動向、さらには為替の動向等々を反映して一定の試算というのはできると考えております。
 その上で、いずれかのタイミングでそこら辺をまとめるということになってくると思いますけれど、日々これ例えばコストがどうなっているという計算をするという種類のものではないんだろうと思っておりまして、将来に向けてどうなっていくかということについてはどこかの段階できちんとした試算なりを出したいと、このように思っております。
○真山勇一君 確かに日々では大変でしょうけれども、一つの試算ということは可能ではないかなというふうに思うんですけれども、そういう試算、ある時点で区切った何か目安となるような、そういうものもまだ今のところはないということですか、それとも何か示していただけるような数字というのはあるんでしょうか。
○政府参考人(上田隆之君) 現時点でこのコストというのを、その状況の変化を踏まえたコストの見直しの数字というのはございません。
 ただ、一般的に申し上げまして、試算当時の状況と比べると、例えば原子力につきましては、事故対応の追加費用、あるいは新規制基準の適用による事故の発生確率の低減への対策といった変化がございます。それから、火力発電につきましても、化石燃料の価格が上昇し為替も円安になっているということから、発電コストが増加の傾向にあるのではなかろうかと考えております。さらに、例えば太陽光発電につきましては、普及の拡大により発電コストが低減する方向にあると考えております。
 今大臣から申し上げましたとおりでございますけれども、いつかの適当な時点におきまして、私ども今後エネルギーミックスということを策定していくわけになるわけでございますが、その中で、必要に応じましてそういった点も踏まえて検証するということもあり得るのではないかと考えております。
○真山勇一君 是非、そうした基準になるというか、電気の料金が安いのか高いのか、そういういろんな判断をする基になるやはり数字というのは是非国民に示していただきたいし、そういう情報開示というのはやはりやっていかなければならないことだというふうに思っているわけですね。
 それはつまり、コスト等検証委員会を近々開いてそういうことを決めていただけるというふうに理解してよろしいんでしょうか。
○政府参考人(上田隆之君) 私ども、原子力発電所の再稼働の状況等々の様々な状況を勘案しながらエネルギーミックスを策定していきたいと考えております。この時期につきましては、それほど時間を掛けないタイミングで、二年、三年掛かるものではないと考えておりますが、こういった検証の中におきまして、必要に応じまして今のエネルギーコストというものにつきましても検証していくことになると考えております。
○真山勇一君 今のお答えの中にもありましたように、やはり状況は変わってきていて、コストに算入するべき数字というのはいろいろ変わってきているというふうに思うんですね。
 例えば原発の、特に原発の場合だと、事故のいわゆる賠償費用というのもありますし、それから廃炉、これは廃炉は五百億円ぐらい一つ掛かるというようなお話も以前の委員会で伺いましたけれども、こうしたものがあるわけで、こうした数字をやはり入れていかなければならないし、それから、あとは、将来の例えば発生し得る事故などに備えてといういわゆる予備費のこともありますけれども、そうしたことで、現在の例えば原発の状況でいいますと、活断層の問題あるいは火山の問題、これはもう日本という立地でいえば避けられない問題なんですけれども、こうしたものがある。
 こうしたものを全てやはり国民に分かりやすい形で電力料金の電力コストを算出する根拠としていろいろなことを加えていくということなのかどうかということと、そういう見積りを出せるというふうにお考えかどうか、伺いたいと思います。
○国務大臣(茂木敏充君) まず、二段階でちょっと答弁を申し上げたいと思うんですが、先日、エネルギーの基本計画、これを策定をさせていただきました。策定に当たっては、ベースロード電源、ミドル電源、そしてピーク電源という電源の区分をいたしたわけでありますが、二〇一一年、事故後の十月に行った試算と比べて、確かに変動要因というのは出ておりますけれども、このベースロード電源、ミドル電源、ピーク電源の区分を変えるほど大きな変更ではない、このような認識は持っております。
 その上で、今後、ベストミックスを決めていく、こういう段階になりました場合には、当然コストについての変更、これ原子力につきましても、例えば事故対応費用増えていく要因もありますけれども、例えば当時は五十基に対して四十年で一度の事故ということでありますから、二千炉年に一度の事故と。しかし、原子力規制委員会が示しました今回の新規制基準、これは百万炉年に一回以下ということでありますから、その確率も違うわけであります。そういったものも盛り込んでいかなきゃなりません。
 同時に、ベストミックスは、単純にコストだけではなくて、安定供給の問題、環境負荷の問題、こういったものもバランスを取りながら、どういったエネルギーの組合せが必要かということを検討してまいりますので、そういった総合的な検討の中でコストという側面もきちんと検証してまいりたいと考えております。
○真山勇一君 やはり電力を取り巻く状況というのは大きく変わっていますし、その電力コストというのに対しても、この電気事業法改正という、こういうときに、やはり国民はかなりこの辺りを注目して見ていると思いますので、電気が新しい形になってどのぐらい掛かるのかということを、政府の立場としても公式のそのコストというのを是非示していく、そういう責任もあるし、是非やっていただきたいと。近々というお話もありましたので、是非これはお願いしたいというふうに思っております。
 電力コストについてはそういうことなんですけれども、今もお話がありましたように、電気というのはやっぱり安定供給というのが大事だということも今お話でありましたし、茂木大臣からも、基本計画でベース電源、ミドル電源、ピーク電源、それについては余り変化も、大きな変化を考えるほどではないということがありましたが、ちょっとその辺りで興味あるデータを私見付けたので、資料としてお配りをさせていただいたので見ていただきたいというように思います。二枚、A4で配らせていただきました。
 まず、一枚目の方を御覧ください。一枚目はブルーの棒グラフの資料でございます。これは、電気事業連合会からいただいたデータをまとめたものです。これは一年間、これ年度別ですけれども、一年間の電力の総使用量、需要実績という数字を、全国の十の電力会社、これを全部足して、一年間でどのぐらい日本全国で電気を使ったのかという、これ数字の確定ということで電気事業連合会の資料をいただきました。
 これ見ていただきたいんですが、二〇〇〇年度から取りあえず去年、二〇一三年度まで出ておりますので、確定という数字を出しました。これ見ますと、二〇〇〇年度からずっと、ちょっと景気の低迷、経済の低迷があったけれども、少しずつ回復してきて、二〇〇七年度で九千億キロワットを超えるくらい。ここが一応ピークになって、その後、これはがたんがたんと落ちているんですが、通貨不安ですとかリーマン・ショックということなのかなというふうに思っているんですが、そういうことがあって、そして二〇一〇年度、また一旦九千億キロワットぐらいになりまして、二〇一一年、御存じのように東日本大震災が起きたと。それ以降、三年間、こうやって見ていますと、全国的な電気の全部の総使用量というのは少しずつやはり少なくなってきているんですね。今年の予測というのももちろん出ているんですが、これも大体去年度並みの八千四百億キロワットというような数字を、出ているのを確認しておるんです。
 この大きな日本全国の、これは全ての結局日本の世帯で使っている電気の総量なわけですけれども、こうしたグラフの動きを見られて茂木大臣、どんな感想を持たれるのか、特に二〇一一年度以降のこの辺り、どういうふうに分析されるのか、伺いたいと思います。
○国務大臣(茂木敏充君) 電力需要の実績について、初めて拝見した資料でありますけれども、恐らく、委員御指摘のように、リーマン・ショックであったりとか大きな経済の変動によって電力の需要というものも変わってくると思っております。同時に、その年が冷夏であるか、それとも非常に暑い夏であるかとか、そういった気候条件による変化というものもあるのではないかなと思っておりますが。
 二〇一一年、三・一一を経験した後、特に政府としても国民の皆さんにお願いをして節電要請ということを行っているところでありますけれども、そういった節電に対する国民の皆さんの御理解そして御協力というのが着実に進む中で省エネというものが図られている、このように考えております。
○真山勇一君 私はやっぱりこれを見ていて感じるのは、二〇〇七年度、これは九千億キロワットを超えるというピークになっているわけですけれども、一年間の使用量が。やはり景気とともに、それから大臣もおっしゃったように天候などもあると思いますけれども、やはり大きく見ると、景気回復ということを目指すという一つの目的もあるんでしょうけれども、電気をどんどんつくって、つくった以上、先ほどのお話にもありましたように、電気というのはつくったときに使うわけですから、やはりつくった量を、どんどんどんどん必要な分つくっていくということで、やはり経済状況などと一致してこうやって伸びていくわけですね。
 しかし、やはり省エネとか節電というのをやろうと思えばできるんだということを、ちょっと別な見方になるかもしれませんけれども、あの三・一一の事故を契機にしてやはり電力を、どうやったら少ない電力で最大の効果を上げられるようなそういう生活ができるのかということを考え直す大きな機会になったと思って、それで私は、やはり二〇一一年度以降の電力の消費見ていますと、必ずしも電力の必要がこれだけだからピークをどんどんどんどん増やさなくちゃいけないんだという考え方とは違う、やはり一つの大きな私たちの生活に対する意識の問題をひとつこれからうかがえるんじゃないかというふうに思うんですけれども、改めていかがですか。
○国務大臣(茂木敏充君) エネルギーに対する課題ということでいいますと、まず日本は一九七〇年代、二回のオイルショックを経験いたしました。そこの中で省エネを進めなければいけない。ただ、それは総量として省エネを進めるという形でありましたが、企業を中心とします様々な技術開発であったりとか努力によりまして世界に冠たる省エネ技術、製品を確立して、社会全体も省エネ社会ということになったんだと思っております。
 ただ、一方で、三・一一、東日本大震災と原発事故を契機にいたしまして我が国が新たなエネルギー制約に直面をするという中で、七〇年代の総量を落とすという発想から、ピークを委員おっしゃるようにコントロールをしていかなければいけない。言ってみると、我慢の省エネというよりもスマートに省エネをしてピーク時の需要をいかに落とすか、こういう発想が必要になってまいりまして、こういった点に関しまして、経済産業省としても、実証実験等を行いながら、料金メニューを変えることによっていかに省エネが図られるかということも実証してまいりました。
 北九州等々におきましても、ピーク時の値段を料金設定を高くしましてオフピークは非常に安くする、こういう料金メニューによりましてピーク時の需要が二割減りまして、家計にとっても電気料が三割安くなる、こういう実証結果も出ております。
 当然、今後、スマートメーターであったり、様々な環境整備も必要だと考えておりますけれども、ピークをスマートにコントロールをする、言ってみると、今まで需要に応じて供給を積み上げる、こういう発想から、需要そのものも変えていくような電力システムをつくっていく、こういう観点から今回の改革も極めて重要だと考えております。
○真山勇一君 今の大臣のそのスマートな省エネ、節電、まさに私もそういうふうに思っております。
 無理やり例えば節電などをやれば、大震災の直後にそういう危機感もありましたけれども、例えば本当に生活にとって大事なもの、生命に関わるもの、例えば病院ですとかそれから犯罪のこととかと、そういうところでもし電気が、やはり省エネ省エネということで節電だけでやってしまうと大きな被害も出るし、それから、あの頃は一般の家庭ではエアコンを暑くても付けなくてお年寄りの方が脱水症状で亡くなられたと、そういうようなこともあったわけですね。
 そうじゃなくて、これからの節電というのはやっぱりスマートにやっていかなければならない。その裏付けとしては、科学技術の進歩とかいろんなものでやっていく、これこそ目指す電力の自由化であると、私はそういうふうに思っているわけです。
 もう一枚、このデータを見ていただきたいんですが、ピーク時の予備電源の予備率ということなんです。こちらは、出典は資源エネルギー庁の資源エネルギー調査会基本政策分科会というところの小委員会が出した資料のところからいただいたものなんです。
 これ、真夏の電源が最大限使われているピーク時ということではないんですが、予備率というところに合わせました。つまり、去年の夏、予備率が一番少なくなった、あっ、これ以上超えると大変だという、その予備率の数字の一番小さくなったところを十の電力会社ごとに分けて出されている資料なんですね。
 ですから、最小予備率という、この日を見ていただくとお分かりのように、必ずしも気温の一番高い日ではなかったわけなんですが、電力を起こしている量と、それに対して、そのピークの電源が使われた電源で見ると予備率がこれだけになっているんだよということなんですけれども。
 これで見ると、上の北海道電力の九・二%からずっと出ていまして、一番予備率が低いのが関西電力の四%、そして九州電力の三・二%でありますけれども、あとは比較的まだ予備率にも余裕があるということで、こうやって見ていると、電力、本当にスマートに省エネ、節電ができればなんですけれども、そういうことが今少しずつできてきているんじゃないか、それの証明がまさにこういうことで、電力危機、危機と言われている一方で、やはり実態としては、何とか省エネとか節電をやっていけば今の状態でも電力というのは続けられるんではないかというような印象もこの数字からでは受けるんですけれども、それについてはいかがでしょうか。
○政府参考人(上田隆之君) 委員御指摘のこの資料、二〇一三年度ということで、去年の夏の電力に関する需給状況であったわけでございます。
 この予備率の計算は、需要とそれに対応する供給を勘案いたしまして、どの程度の予備があるかということを見るものでございますが、去年の夏につきましては、ここにあるような数字で、それなりの余力があったわけでございます。しかしながら、今年、二〇一四年度のこの夏の電力需給に関して言いますと、もう少しこれより厳しい状況であると考えております。
 私ども、この予備率という意味では最低限三%程度欲しいと勘案しているわけでございますが、例えば去年、この予備率、例えば関西電力は四%とここに書いてあります、三%は超えているわけでございますが、今年の夏の見通しによりますと、特段のことを行わなければ、例えばこの関西電力の予備率というのは、私どもの試算では一・八%程度ということで、三%を切る状況になるわけでございます。特に、今年の夏に関して言いますと、去年の夏と比べまして、確かに委員御指摘のような節電の定着という行動は見られていると思います。
 私ども、まず、需要につきましては、気温、景気、節電の定着というのを勘案した上で想定を作ります。供給につきましては、去年は大飯の原子力発電所が稼働をしていたというような状況もございまして、今年は少し供給力というものは十分な確保ができないわけでございまして、特に中部と西日本におきましては、何もしない状況におきましてはこの予備率が二・七%ということで、電気の安定供給に最低限必要とされる三%を下回るという見込みでありまして、非常に厳しい状況にあるわけでございます。
 私ども、今年につきましては、東西の周波数変換装置を通じて約六十万キロワットの電力融通を行う、その他予備力の積み増し、火力発電所の総点検、あるいは大規模な節電・省エネキャンペーン等々を行うことによりまして何とかこの夏は乗り切るという見通しの下に様々な対策を講じているところでございますが、現実問題としてはかなり予断を許さない状況にあるのは御指摘のとおりかと思います。
○真山勇一君 そうですね、やっぱり省エネ、節電、これは無理にやるんじゃなくて、何というんですかね、喉元過ぎれば熱さを忘れず、喉元過ぎても熱さを忘れずじゃないですけれども、やはりそういう節電、省エネというのはひたすらやっていかなくてはいけないというふうに思うんですけれども。
 例えば数字ですね、私は、これで見ると、実は私、友人にちょっと話を聞いたんですけれども、最近、エアコンと冷蔵庫と洗濯機を一挙に買い換えた、そうしたら、電気の料金、東京電力に払う料金が二割から三割減ったというふうに言っているんですね。やはり電気器具も物すごく節電仕様になってきている、省エネ仕様になってきている。これに例えば今次第に普及してきているLEDなんかも入れていきますと、かなりやはり一般的に使う電気の省エネとか節電できるんじゃないか。
 そうすると、このぐらいの予備率を確保できていけば、そういう省エネ、節電を一般家庭でやることと、それから、それをやることによって原発に依存しなくても、例えば再生可能エネルギーとか自然エネルギーを少し時間は掛かるけれども開発していくという、そういう一つの時間的な余裕も出てくるんじゃないというふうに考えるんですけれども、その辺りは……
○委員長(大久保勉君) 時間が過ぎておりますので、質疑をおまとめください。
○真山勇一君 はい。
 いかがでしょうか。
○国務大臣(茂木敏充君) まず、先ほども答弁させていただいたように、今年の予備率につきましては、お示しいただいた昨年よりは厳しい状況にあると思っております。
 もちろん、省エネ家電であったりとか、外壁、窓等を新しくすることによりまして、省エネの余地はまだまだあると思っておりますけれども、その一方で、今かなり老朽化している火力のたき増し等々によりましてしのいでいるという側面もあるわけでありまして、決して今、日本の電力の需給が全く余裕があるという状況ではないと、このように考えております。
○真山勇一君 ありがとうございました。
 コスト等検証委員会でまた電力コスト、是非出していただきたいということをお願いして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○松田公太君 おはようございます。みんなの党の松田公太です。
   〔委員長退席、理事加藤敏幸君着席〕
 本日、午後の参考人質疑でお越しいただける参考人のお一人である電事連の八木会長、八木会長は衆院の参考人質疑や電事連の定例記者会見で、今回の電気事業法、第二段階の改正に当たってという話をされているわけですけれども、その中に、原発については新たな国策民営の在り方を国に検討してもらう必要性があるのではないかというような話を主張されているわけです。
 その理由として、新しいエネルギー基本計画、これによって原発の依存度が下げられてしまうのではないかとか、また電力システム改革の一環として総括原価方式がなくなることで原発設置の投資コストが回収できなくなる、また、バックエンドの費用がなかなか高額ですから払えなくなるというようなことを挙げられているわけです。
 例えば、原発の解体費用ですけれども、本来、廃炉コストというのは各電力事業者が全額を積み立てることになっているわけですが、確かに四十年経過する前にある意味その廃炉を言い渡されてしまったら、その費用が足りないということになってしまうのは事実だと思います。
 廃炉に当たって、このような積立過不足分、これは八木会長の要望どおり、国で一部負担するという可能性はあるのでしょうか。茂木大臣、お答えいただければと思います。
○政府参考人(上田隆之君) この廃炉費用でございますが、御案内のとおり、現在の仕組みでは、電気事業法に基づきまして事業者は毎年度解体引当金を積み立てるということになっているわけでございますが、加えまして、昨年十月に廃炉に係る会計制度というものを見直しをいたしました。この中で、解体引当金の未引き当て額につきましては、運転終了後に一括費用処理するということではなく、運転終了後十年間で積立てを行うということができるということになったところでございまして、廃炉費用につきましては、こうした制度も活用しながら基本的には電力事業者において措置すべき費用であると考えております。
○松田公太君 その会計制度の変更につきましてはまた後ほどお話をさせていただければと思いますが、現状、経産省の試算によりますと、国内の全原発を廃炉にした場合のコストというのは約二兆八千億円、それに対する全電力会社が積み立てている金額というのは原発が停止する一一年までで約一・五兆円ということでございます。
 例えば、このまま多くの原発が再稼働できないということになったら相当な金額が不足してしまうということになるわけです。廃炉のお金が払えないということになるわけですね。
   〔理事加藤敏幸君退席、委員長着席〕
 もう一度お聞きしますけれども、八木会長、端的に言うと、そういった会計基準の制度だけではなくてお金も出してくれという話に私には聞こえてしまうわけですが、そのようなことを国でやはり補助する、補填するということは、聞き方変えますが、じゃ考えていないということでよろしいんでしょうか。
○政府参考人(上田隆之君) この廃炉費用の見積り、先生の御指摘のとおりでございまして、私どもの総見積額は平成二十五年度末時点で約二兆七千七百億円でございます。そのうち、現在積み立ててあるものが一兆六千億円で、これは総見積額の約五八%、約六割弱という状況でございますが、先ほども申し上げましたように、廃炉費用につきましては、その時点で一括処理をするということではなくて、その後十年間にわたって廃炉費用を徴収をしていくということが可能になると考えておりますので、その中で賄っていただくということが基本であると考えております。
 いずれにいたしましても、私ども、このエネルギー基本計画にも書いてございますけれども、自由化と原子力の話につきましては、国は、電力システム改革によって競争が進展した環境下においても、原子力事業者が様々な課題に対応できるよう、海外の事例も参考にしつつ、事業環境の在り方について検討を行うということになっておりまして、様々な課題があるとすれば、そういった場において検討をしておきたいと考えております。
○松田公太君 今のお答えですと、資金的な、実際、現ナマでといいますか、そういった援助はしないというふうに捉えさせていただきましたが、茂木大臣、それでよろしいでしょうか。
○国務大臣(茂木敏充君) まず、原発の安全性については、経済産業省ではなくて新たに設置しました規制委員会が世界で最も厳しい新規制基準に基づいて判断をすることでありますから、前提として全ての原発が動かないということを断定的に私から申し上げる立場にはない、その仮定での質問についてお答えするのは極めて厳しいと思っております。
 同時に、電気事業者におきましても、恐らく再稼働を全くしないということであれば適合審査をしていないんだと思います。関西電力においても実際に適合審査の申請を行っているわけでありますから、恐らく委員のおっしゃる前提とは違ったことを想定しながら各電気事業者も今後の在り方について検討していると、このように理解をいたしております。
○松田公太君 私の質問も、全ての原発が一つも再稼働しないという話では、前提ではなくて、多くの原発が再稼働できなかった場合ということですね。
 大体、原発の廃炉費用というのは数百億、高い場合では七百億ぐらいだというふうに見積もられているわけですけれども、これが一基、二基、三基と再稼働できないということになれば、それだけでも場合によっては千億円以上の費用が将来的にはその廃炉を進めるに当たって必要となってくると、積立てがまだ十分ではないということになるわけですから、という状況が考えられるということでの御質問だったわけですけれども。
 そういう原発が止まる仮定では考えられないということでしたが、現状、先ほど関西電力のお話も出ましたが、大飯原発の差止めがまだされているという状況でもあるわけですから、そういう事態も含めて、私は政府としてそろそろ考えるべきではないかなというふうに思っている次第でございます。
 八木会長は、原子力の損害賠償についても、現在の無過失無限責任、これを改めるべきじゃないかというふうに主張されているわけですね。つまり、有限責任にして一定額以上はやはり国が全額責任を持つべきだという考えのようです。
 これについては、大臣はどのように思われますでしょうか。
○国務大臣(茂木敏充君) 本来、文部科学省をお呼びいただいてお答えいただくのが適切かと思いますが、原発について、仮に事故が発生した場合に、原子力損害賠償法に基づきまして原子力事業者が原子力損害の賠償責任を負うこととなっておりまして、大型の原子炉につきましては千二百億円の損害賠償保険への加入を原子力事業者に義務付けております。
 これに加えまして、原子力損害賠償支援機構法を制定いたしまして、事故を起こした事業者からの申請に応じて賠償に充てる資金を交付すること等を通じて賠償が円滑に行われるよう支援をすることとしたところであります。
 さらに、政府においては、福島第一原発事故のような深刻な事故における廃炉・汚染水対策、これは世界にも例を見ない困難な事業でありますから、中長期のロードマップ、この政府の方針も踏まえて、廃炉に関する研究開発であったりとか汚染水対策での技術的難易度が高い取組等々につきましては、国が財政措置を行う等々によりまして、全て東電任せにするのではなくて、国も前面に立って取り組むことといたしております。
 その上で、原子力賠償制度の見直しにつきましては、本年の四月に決定をいたしましたエネルギー基本計画において、「原子力の位置付け等を含めたエネルギー政策を勘案しつつ、現在進行中の福島の賠償の実情等を踏まえ、総合的に検討を進める。」としたところでありまして、「総合的に検討を進める。」と書いております。これを踏まえ、今般、内閣官房副長官が主宰をして、関係副大臣から成ります原子力賠償制度の見直しに関する副大臣等会議を設置する予定であります。この副大臣等会議におきまして、原賠機構法の附則に掲げられました検討事項等も踏まえ、当面の課題と今後の検討の進め方を整理すると、このように理解をいたしております。
○松田公太君 今後のことはそういう形で整備するということですが、また、いろいろなサポートですね、現実問題として、今、地下水であったり、また凍土壁が先日スタートしましたけれども、建設が、そのようなサポートをしていると。ただ、その中心的なサポートの役割をしているのはやはり損害賠償支援機構だと思います。このような損害賠償支援機構ができて、原発事故を起こした電力会社を完全にサポートして、決して潰さないんだというスキームがある限りは、私はもう既にある意味有限責任になっているんだろうなというふうに思っております。
 そうなりますと、電力自由化、今まさしく第二弾の話をしているわけですけれども、この進展というのはもう名ばかりになってしまって、結局、原発を再稼働させてしまったら、見かけ上は安いコスト、見かけ上ですよ、見かけ上は安いコストで電力をつくれる今の一般電気事業者だけが優遇されるような仕組みが残って、本当の意味での公平な電力自由化とこれは言えなくなってしまうのではないかと思いますが、大臣はいかが思われるでしょうか。
○国務大臣(茂木敏充君) 質問の御趣旨が完全に分かっていない部分はあるのかもしれませんけれど、この電力システム改革を進めた上で、最終的に発電事業者と送配電事業者、分離をされることになるわけでありますけれど、その発電事業者間の競争につきましては、イコールフッティングの原則、この下で進めたいと考えております。
○松田公太君 発電事業者とまた送電事業者、また小売事業者が分離するということですが、これは何度も大臣と御議論させていただいておりますが、所有権分離に至らない法的分離という名の下では、私は真の分離ではないというふうに考えているわけですね。どうしても、そこのコーポレーション関係というんでしょうか、そういったものは残ってしまうだろうというふうに考えているわけです。やはり一般電気事業者、しかも送電網、ここを持っている会社が限りなく私は優遇されてしまうという状況が続いてしまうんだろうなというふうに思っているわけです。
 そこで、かねてから御提案をさせていただいております原発国有化法、これは準備が整いまして近日中に提出をさせていただく予定ですけれども、この法案は、まずは原発事故を起こした会社という形で争点を私は絞らせていただいておりますけれども、これを実はベースに、原発はやっぱり国有化してもらいたいんだと思っている電気事業者の原発をも引き取ることも可能なスキームに広げるということを将来想定しているわけですね。
 八木会長からの要望というのは、一見電力会社の私には御都合主義にも聞こえてしまうんですけれども、本来はやはり国策公営としてやるべきだった部分を、国策民営の名の下に、例えば民間企業に対して総括原価方式のようなちょっと不自然なやり方を活用して、またそれを継続して非常に分かりづらくしてしまっているという、それが原因ではないかなと。これも何度もお話しさせていただいていますが、そういう形で責任の所在が曖昧になってきてしまっていると。それが続いているので今回の問題の根本的原因になっているんじゃないかなというふうに思うんですね。私は、それを見直す時期に来ているんではないかなというふうに思っております。
 八木会長の意をある意味酌んで、少なくとも希望する電気事業者からは原発を国有化する方向で私は検討を開始するべきではないかなというふうに思っておりますが、いかがでしょうか。是非とも、その可能性を政府で御検討いただければと思うんですが。
○国務大臣(茂木敏充君) 日本におきましては、原発に関しては、国は安全性であったりとか適切な事業運営を確保すべく制度の整備、そして規制の実施、さらには方向性の決定、そういった役割を担い、原発の運営自体は民間事業者が責任を持って行う、こういう方針で進めてまいりました。
 また、費用負担につきましても、先ほど上田長官の方から話をさせていただいたように、廃炉に掛かります費用、どのように民間として捻出できるか、このことについてのスキームも作っているつもりであります。
 単に原発を国営化すれば課題が解決できるかといいますと、私はそうは思っておりません。みんなの党の皆さん、行政をいかにスリム化するかということについて極めて熱心に取り組んでいらっしゃる、このように評価をするところでありますけれども、原発の国有化、一面では行政の肥大化であったりとか事業の非効率化と、新たな懸念も生じるんではないかなと、このようにも考えております。
○松田公太君 原発の国有化に関しては、これも先日何度かお話をさせていただいておりますが、私は非常事態だと思っていますので一旦、一旦国有化するという方策も私はありではないかなというふうに思っております。
 そして、上田長官と本当はお話ししたかったんですが、時間がなくなりましたのでこれで終わりにさせていただきますけれども、先ほど上田長官がおっしゃったような会計基準のルール変更、それこそがまさしく、原発を所有している電気事業者が自分たちでも責任が取れなくなって、それを経産省の省令で恣意的に変えてしまう。会計基準を変えるというのは、私はそんなに簡単なものではないというふうに思うんですよね。しかも民営会社ですから、民間会社ですから、上場しているわけですから、国際的な信用というものもあると思いますよ、それは。ですから、そういった部分が多々問題がやはり出てきているので、私はやはり引き続き国有化をするべきだと思っておりますと申し上げて、私の質問とさせていただきます。
 どうもありがとうございました。
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
 電力システム改革の先取りということで、福島第一廃炉推進カンパニーが設置されたわけです。そこで、東電社長にまず伺っておきたいんですが、責任体制も明確にしたということで、汚染水対策にも取り組むということになっているわけです。改めて、これ以上海を放射能で汚さないと、この覚悟と決意を求めておきたいと思います。
○参考人(廣瀬直己君) お答え申し上げます。
 汚染水の問題につきましては、本当に皆さんに大変な御心配をお掛けして、大変申し訳なく思っております。
 現在、御存じのとおり、汚染源を取り除く、あるいは汚染源に水を近づけない、それから汚染水を漏らさないという三つの大原則で、まずはその取り除くという部分につきましては、いわゆるALPS、多核種除去装置によって水を少しでもきれいにしておくということで、なかなかちょっとトラブルが続いておりますけれども、新しいフィルターを今交換いたしまして運転を再開しておりますので、これをしっかりやっていくこと、さらに、それを増設をして、高性能のALPSも順次設置をいたしまして、処理能力を高めて早くきれいな水にしておくということをやっております。
 また、近づけないということについては、これも御案内と思いますけれども、地下水バイパスをやらせていただいて水を建屋の中に入れないということをやらせておりますし、例の陸側の凍土壁ですね、これも実験をうまく終えて六月の二日に工事着手をしたところでございますので、こうしたことでしっかり近づけないという対策もしてまいりたいと思っております。
 また、漏らさないということにつきましては、水ガラスで海に行かないようにまず一つ目の防御をしておりますし、海側の遮水壁、ずっと工事をしてきておりまして、秋口にはもう完成いたしますので、そうしたことでしっかり海に出さないようにすること、それからまた、タンクについても溶接型に替えるというようなことをやっております。
 先生御指摘のように、四月から廃炉推進カンパニーというカンパニーを設立いたしまして、組織もしっかりさせて、今申し上げましたような様々な対策を講じて、汚染水の海洋への流出を防止するということに全力を挙げてまいりたいというふうに思っております。
○倉林明子君 過去に例のない事故を経験したと、そして過去に例のない地下水の汚染ということに対応しているという中で、本当になかなか先も見えないという状況も、いろいろトラブルも起こっているという状況もあると思うんですね。
 そこで、汚染水を減らすということで始まっているくみ上げ地下水の問題ですけれども、地元漁協の苦渋の決断ということも踏まえて始めることができたわけです。ところが、このくみ上げ井戸の十二番から基準を超える放射能が検出されるという事態が続いております。状況と原因、今後の対策ということではどうでしょうか。
○参考人(廣瀬直己君) 御存じと思いますけれども、トリチウムに関する基準というのは、御存じのとおりと思いますが、そもそもトリチウム水、トリチウムの混ざった水を施設から海に出すということの基準という意味では六万ベクレル、リッター当たりですね、ございますし、それからWHOの飲料水のガイドラインは一リットル当たり一万ベクレルというのがございます。それよりもずっと低い地下水バイパスの放水のための基準というのが千五百ベクレルであります。これは、御存じと思いますけれども、井戸からくみ上げた水を一時貯留タンクにためて、そのタンクから水を外に出すときのための基準でございます。一つ一つの井戸からのくみ上げの水のものではございません。
 おっしゃるとおり、十二番の井戸から、ほかの十一個に比べますと高いトリチウムのレベルが出ております。これについては今原因を特定することがなかなか難しくて、ずっと経緯を見ているところでございますが、この度、先生御指摘のように、漁業関係者の方々から本当に苦渋の御決断でスタートさせていただいたということですので、もうこれ以上御心配を掛けてはいけないということで、非常に当面慎重にやらせていただきたいということから、本来出すときの基準でありますけれども、一つ一つの井戸をくみ上げたときにリッター当たり千五百というのを超えた場合には、一旦ちょっと止まって、よくその頻度を上げるとか、それから傾向を見るとかということをさせていただいていきたいというふうに考えておりまして、まさに今それを運用しているところでございます。
 なお、それぞれの分析結果につきましては第三者機関にしっかりチェックをしていただいて、クロスチェックをしていただくということをさせていただいておるところでございます。
○倉林明子君 今確かに御説明あったとおり、低い独自の基準で濃度をきちっと測りながらやっているんだということだけれども、やっぱりこの十二番の井戸についてはくみ上げ中止という判断をしているんだということです。私は、地元との信頼関係を踏まえるなら、当然くみ上げ中止という判断は妥当であろうと思うんです。
 さらに、こうした十二番の井戸、一旦下がったり上がったりという経過をたどったということは知っているわけですけれども、一定続いて高い濃度が検出されるということになっているわけですから、地元からは閉鎖を決断すべきという声も上がっていると聞いております。経産省に、その決断はいかがかと、すべきじゃないかと思いますが、どうでしょう。
○政府参考人(糟谷敏秀君) 地下水バイパスでございますけれども、地下水が建屋に流入して汚染する前にくみ上げることによって、それを安全であることを確認して排出することで汚染水の増加を抑制する対策であります。
 地元からは、福島第一原発の廃炉・汚染水対策をしっかりと進めてほしいと、こういう非常に強い要望をいただいております。漁業者の皆様も、福島全体の復興を進めるために苦渋の決断をするということをおっしゃったというふうに理解をしております。その意味で、地下水バイパスなどによって汚染水がなるべく増えないようにしていく、汚染水問題を抜本的に解決していくということは非常に大事であるというふうに考えております。
 先ほど廣瀬社長からお話がありましたように、非常に告示濃度限度とか飲料水のWHOのガイドラインに比べても低い目標値を定めて運用をしておりまして、また、くみ上げた貯水タンクの水が運用目標以上とならないように、十二本の井戸も予防的に水質分析を毎週行って水質の傾向を監視しているというものでございます。
 こういう予防的な対応を通じて、くみ上げた貯水タンクの水が運用目標以上とならないようにすることで、地元それから漁業者の方々にお約束をした運用方法を厳格に遵守をしていきたいというふうに考えておりまして、あくまでその汚染水対策はしっかりやりながら、なおかつ御地元にお約束をした運用目標をしっかりと守っていくと、こういう考え方でしっかりと信頼関係を継続、続けさせていただきたいというふうに考えております。
○倉林明子君 これ以上放射能で海を汚してはならないという本当に固い決意を求められると思うんですね。薄めて流したらいいという、このことは認められないということを改めて申し上げておきたいと思います。
 そこで、汚染水処理の切り札ということでALPSの紹介もありました。現状は、高濃度汚染水が増え続けているという現状にあります。これ、資料として東電の数字を入れ込んだものをグラフにさせていただいております。一番新しいところで見ましても、濃縮塩水がどれだけの量になっているかと。今一番たくさん、三十六万ということでタンク群を占めているという状況があるわけですね。
 高濃度の汚染水であるRO濃縮塩水、これは二〇一四年度中の本来浄化完了という計画だったと思うんですけれども、現状の進捗状況と処理の見通しと、さっき最新の機械も入れていくんだということでしたけれども、具体的な見通しをお示しいただきたいと思います、経産省。
○政府参考人(糟谷敏秀君) ALPSでございますけれども、先ほど廣瀬社長からもお話がありましたように、三系統止まっておりますのは共通の原因と考えております。フィルターの一部部品が放射線で劣化をしたことで漏えいが生じたということであります。それで、部品の材質を変更することでこれは解決できることから、フィルターを順次交換をいたしまして、B系については五月二十三日に運転を再開したところでありまして、A系、C系についてもそれぞれ六月上旬、六月中旬に運転を再開をする見込みでございます。
 それから、この既存ALPSに加えましてALPSの増設、三系統の増設も進めております。また、国費を投じて高性能の多核種除去設備の建設も進めております。さらに、RO濃縮水のリスクを下げるということを加速をするために、東京電力においてモバイル型のストロンチウム除去装置の製作にもう既に着手をしております。これに加えまして、セシウムを除去するサリーという装置がありますが、これに改造いたしまして、セシウムだけではなくてストロンチウムも除去できるようにするということを五月に決定をして取組を進めているところでございます。
 東京電力からは、本年度中に貯水タンク内のRO濃縮水を処理するという方針に変更がないということを聞いておりまして、政府としても現在建設中の設備の早期の運転開始に向けた工程管理等をしっかりと行ってまいりたいというふうに考えております。
○倉林明子君 本当にトラブルがあれだけ続いていて順調にいくのかということ、にわかに信じ難いわけですね。今、毎日今の機械がフル稼働しても、今ある現存している汚染水の処理には四百八十日掛かるんですね、ざっくり計算しても。本当にそういう意味でいうと、安全に、タンクそのものが今汚染源になる状況あるわけですから、いかにこの汚染を下げていくかということが、しっかり取り組まれる必要があるというのはもう言うまでもないと思うんです。
 この高濃度の汚染水を入れているタンクが新たな汚染源を広げているんじゃないかということで、これ二ページ目の資料で、タンクエリアの放射能汚染度合いというものを、これも経産省から東電の資料としていただいたものです。このグラフ、赤いところが建屋になっておりまして、左が北です。タンク群のところも汚染度が広がっているということは示されているとおりかと思います。
 そこで、二日にまたタンクの漏れが、タンクから漏れていたと。これよくよく詳細に報告聞いていますと、何と、汚染度が低いと思い込んでいて天井に穴が空いていると思わなかったと、そういうやっぱりまた同じようなずさんな管理状況というのが発覚した事案でもあったかと思うんです。原子力規制庁の保安検査官がこれを発見したということなんですね。私は応急手当てみたいなずさんなタンクの管理ということを早急に改善していく必要があると思っているわけです。国が前面に出てこれ解決に当たらなければならないと思うんですが、タンクの安全性について、私、漏らさない丈夫な安全性の高いタンクを最優先に課題解決していくということが求められると思うんだけれども、そもそも、タンク設置の敷地の地盤、これが一体どうなっているのかということなんですね。どんなに丈夫なタンクでも、支える地盤が不安定ならば揺らいでしまうということになるわけです。
 現状、今、敷地の傾斜の許容範囲、基準、実測値、敷地改良、厚さ、具体的にこれ数字でお答えください、東電。
○参考人(廣瀬直己君) タンクを設置する地盤全体若しくはまたタンク一個一個当たりの設置箇所の傾きについての基準を定めた法令というのはございません。したがいまして、私どもの、独自に一%というものを使ってこれまで運用してきております。
 ただ、先生御指摘の件は、昨年の十月に少し傾斜地に建っていたタンクから一番上からあふれ出してしまったという件がございましたが、そうしたこともございましたので、まずはもちろんしっかりとした地盤を、タンクの基礎については、元々その地盤調査をしまして、それから地盤にセメントを混ぜて地盤の強化を図って地盤改良をやっておりますし、これは全部のタンクにやっておりますし、基礎コンクリートを打設する際は水平になるように施工管理をしていくということでございますが、さらに加えて、御存じのように、フランジタンクというタンクはやはり継ぎ目がどうしてもございますので、より安全な溶接タンクに、今どんどん建設をして、そちらの方に順次汚い水を移していく、そういう対策を取らせていただいているというところでございます。
○倉林明子君 基準がないということでおっしゃいましたけど、普通の住宅でも家屋でも千分の三、つまり〇・三%の斜度ということはこれはっきりしているんじゃないですか。私、危険な、危険物質の保管施設なんですよね、タンク。これが一%というのはとんでもないことだと思います。危険物質の場合は……
○委員長(大久保勉君) 時間が過ぎておりますので、質疑をおまとめください。
○倉林明子君 はい。
 〇・一と、以内にすべきじゃないかという専門家の意見も出ているわけですから、土台が揺らいでまた漏れるというようなことは最低限あってはならないことだと思います。
 こういう高度な技術ということで国と東電の分担ということになっていますけれども、基本的な土木管理、基本的な安全なタンクの管理ということでは、国が立て替えてでも前面に立って早急な解決が求められると、これは求めておきたいと思います。大臣、最後。
○委員長(大久保勉君) 時間が過ぎておりますので、答弁は結構でございます。時間は過ぎました。
○国務大臣(茂木敏充君) 敷地内でできるだけ安全に管理をしていきたい、幾ら地盤が安定しても、住宅地のすぐ横にタンクを置くべきではないと考えております。
○倉林明子君 違う違う。すり替えです。
○委員長(大久保勉君) 倉林理事に申し上げます。時間が過ぎておりますので、質疑をしないでください。
○倉林明子君 はい。終わります。
○荒井広幸君 改革の荒井です。
 発電所の約八〇%を電力会社及び卸電気事業者が持っております。新電力会社参入のため全面自由化するという場合には、期限を切ってでも競争基盤整備の一環として制度的担保が必要ではないかと考えております。
 そこで、二点お尋ねをいたします。
 電力会社のベース供給力を新電力が利用できる枠組みづくりが必要ではないかと考えますが、いかがですか。
○政府参考人(高橋泰三君) お答え申し上げます。
 事業化を進めていく中で、既存の電力会社が卸市場の活性化、活用、それから、そういうことによりまして新規参入者に電気の販売をしていくということは大変重要だと考えてございます。
 これは市場任せにするということではなくて、現在でも、公正取引委員会と経済産業省が定めました指針に基づきまして、既存の電力会社が新規参入者の求めに応じまして一定量の電力の卸販売を行う取組、これはいわゆる常時バックアップと呼んでおりますけれども、こういった取組が既に行われているところでございます。この取組につきましては、昨年、新規参入者がベースロード電源の代替として活用しやすくなるように、料金体系の見直しを行ったところでございます。
 最終的には、卸市場の活性化ということを通じまして新規参入者がベース電源を調達できることが重要だと考えてございます。このため、既存の電力会社が余剰電力を卸電力市場に売電するよう国としても促していることのほか、卸電気事業者と一般電気事業者の間の既存契約の見直しということも同時に促しているところでございます。
 また、こういった取組につきましても国としてモニタリングを実施をしておりまして、こういった取組を通じまして卸電力市場の活性化、新規参入の促進ということに努めてまいりたいと考えております。
○荒井広幸君 指針等を含めてそれが生きるように、常に枠組み、そういうものが、生き物ですから、効力を発揮するようにお願いします。
 卸電気事業者、この電源を新電力に切り出していく義務化、こういったことが必要ではないかと思われますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(高橋泰三君) お答え申し上げます。
 一般電気事業者に対しまして、現在、長期相対契約で売電されております卸電源、これは基本的には電源開発のものとなりますけれども、これにつきましては、市場の活性化という観点から、卸市場の活性化のためにも、一般電気事業者がこれは今、自主的に取り組むという形で今取組を進めているところでございます。
 ただ、昨年十二月に経済産業省といたしまして事業者の取組についてモニタリングをいたしましたところ、実際切り出された電源につきましては中部電力の一・八万キロワットのみということでございまして、その他の電気事業者につきましては、切り出しの検討はしておりますけれども、具体的にはまだ未定という状況でございました。
 電源の切り出しが進んでいない理由につきましては、需給環境が非常に厳しい、供給力に余裕がないということ、それから収支も悪化しているということが挙げられてございますけれども、足下、夏の厳しい電力需給の状況あるいは各社の決算の状況等を見ますと、理由はある程度の一定の合理性はあると考えておりますけれども、私どもとしては、卸市場の活性化のために競争環境の整備は重要だと考えてございますので、引き続き事業者間の取組を促していくということを考えていきたいと思います。
○荒井広幸君 先ほどありましたが、電源開発というのは東北電力と同じぐらい持っているんですよね。非常に大きいです。ですから、ここは一つの大きな鍵ですし、相互関係を促すということがうまくいかない場合は、これは一つのある程度の義務化、強制的なものも検討を視野にお願いしたいというふうに思っております。
 経産大臣には、十日、たっぷりいろいろと御回答いただきたいと思っております。
 林野庁に来ていただきました。
 今、福島県で少し混乱が起きているのと、それから、予算的に使い勝手が悪いということで様々な活動が役所の方にも行っているかと思います。予算付けは有り難いんですけれども、どうしても有事の中にあるという意味での予算の使い方、使われ方という発想が弱いんじゃないかと、こういうふうに思います。
 まず、御質問いたしますが、森林除染は枝落とし、落ち葉かきのみで伐採はできないと、こういうことでしたが、今度の予算では、九十年、十八齢級というんだそうですが、ここまで可能、切ってもいいけれども、半数しか切れなくなったと、半数しかまだ切れないと、こういうようなことがあると。しかし、これは我々の周辺で一番高い木、そういう木などが切れないと除染が進まないと、そういうふうに思っているものですから、伐採ができるようにしていただきたいと、こういう声があるんですが、どんな状況なんでしょうか。
○政府参考人(本郷浩二君) お答え申し上げます。
 森林除染につきましては、現在、民有林においては環境省や市町村が、また国有林におきましては所管している国が、人の健康の保護の観点から、住居等に近い森林を最優先に林縁から二十メートル程度の範囲を目安に除染実施計画に沿って取り組んでいるところでございます。さらに、林野庁におきましては、森林の効果的、効率的な除染に向け、飯舘村の国有林等において、皆伐等を含めた森林施業や森林土木技術を活用した技術開発に取り組んでおり、得られた成果を環境省に提供しているところでございます。
 御質問にありました事業、ふくしま森林再生事業でございますが、これにおける森林整備については、県、市町村等の公的主体が間伐等の実施に取り組んできたところでございます。これまでも、間伐のみならず小面積皆伐を含むモザイク状の伐採、更新もできることとしてきたところでございます。
 林野庁としましては、福島県に対してこうした柔軟な対応を行うことについて指導してきたところでございますけれども、改めて地域の要望を踏まえ、適切に対応するよう指導、助言してまいりたいと考えております。
○荒井広幸君 この間も、福島県の対応がいかがなものかというところを私は指摘したことがございます。それは例えば、大臣も聞いていただきましたけれども、浪江の皆さんの、町が代理人となっての一万五千人のADR、そういう動きがありながら、県って見ているんですよね。ADRで和解案が出たということになったら、急いで今度はみんな横並びにしてくださいというような動きになっていくんですね。ですから、ちょっと私、確認していきたいんですね。
 森林除染について今お話がありましたけれども、二十メーターですね、大体。こういう森林も、国が二十六年度からは森林整備費の対象に加えたので、福島県の判断で事業を選択すればできるんですよということでいいでしょうか。
 二つ目は、国が、市場までの今度は運搬なんですね。福島の木はなかなか売れませんから、遠くのところで買ってくれるなんという場合がありますが、輸送費が高く付くと競争力なくなります。ですから、その運送費、木材運送費を含む事業メニューも、今までもやってもらっているんですが、延長を求めたり、そういうお金に使わせてくれというようなことを、要望があるんですが、福島県が選べば今回の予算でも引き続き運送費に使える、こういう理解でいいか。
 解説よりも、今の二つ、福島県が判断すればできるのかできないのかという形で説明ができるなら、そのできる、できないで言ってみてください。
○政府参考人(本郷浩二君) お答え申し上げます。
 福島県に確認しておりましたが、市町村等が森林除染の対象としている森林についてはこれまで本事業の対象としていなかったということでございます。現在、事業の対象とする方向で対応すると聞いておりますので、福島県が選べばできるということでございます。
 また、木材の運搬につきましては、放射性物質を含んでいる可能性があるということで、その減容化ですとか保管等とか、放射性物質の対処に必要な実証として行うものであれば可能であるというふうに考えております。
○荒井広幸君 地元の皆さん、林家の皆さんが、もう本当に使い勝手悪い、使い勝手悪い、陳情に来られたりしていろいろと混乱もしているんですね。しかし、今のように、福島県が対応すれば実はできていた、足下のところに問題もあったと、こういうこともやっぱり私は林家の皆さんも理解していただきつつ、同時に、国も県ともう一回よく相談していただいて、そして、まだまだ今の答弁だけじゃなくて、答弁の中にもいろいろ問題があるんです、実は。まだまだ手が届かないんですね。形としてはできるようになっているんだけれども、その中身まで行かない、こういうこともありますので。
 我々福島県も、国民の皆さんからの税金をいただいて措置をしていただいているわけですよ、実際上は。ですから、やっぱり無駄な予算というものは使うべきじゃないし、また、福島再生、心の復興にも産業振興にもならないんです。ですから、無駄な予算にならないために、もう一回福島県とともによく意思疎通をして、林家の実態、除染なくして林業、林家のいわゆる産業政策としての振興策というのはないんです。ですから、余り産業政策的なものの予算で従来型の予算を持ち込まれても困るんです、国も。それで、これをやれ、あれをやれと言われても非常に困るんですよ。
 ですから、もう一回ヒアリングをし直して、福島県にもよく意思疎通をして、地元の声を反映していただくようにヒアリング等のやり直しをしていただきたいと思います。大変多くの項目で使い勝手が悪い、あるいは今のような話でいうと混乱が、できないという混乱があるんです。ヒアリングをし直していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(本郷浩二君) お答え申し上げます。
 本事業の円滑な推進に向けて、これまで林野庁では福島県や関係市町村に職員を派遣するなど事業の打合せ等を随時実施しておりますし、福島県では事業主体となる市町村や森林組合など林業関係者への説明会や現地研修会を十八回開催するなど、事業内容について福島県内の関係者への理解の浸透、要望の聴取等に取り組んできたところでございます。この結果、平成二十五年度においては福島県内の十九市町村で着手、二十六年度においては現時点で新たに七市町村が取組を開始すると福島県から伺っているところでございます。
 引き続き、地域住民や林業関係者の要望を十分に踏まえながら、福島県や関係市町村と連携して丁寧に本事業を推進してまいりたいと考えておりますので、この事業を丁寧にやっていきたいというふうに思っております。
○荒井広幸君 しっかりお願いしまして、終わります。
○委員長(大久保勉君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時五十八分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
○委員長(大久保勉君) ただいまから経済産業委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、電気事業法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本日は、本案の審査のため、三名の参考人から御意見を伺います。
 本日御出席いただいております参考人の方々を御紹介申し上げます。
 まず、電気事業連合会会長八木誠参考人でございます。
 次に、東京大学社会科学研究所教授松村敏弘参考人でございます。
 次に、全国電力関連産業労働組合総連合会長岸本薫参考人でございます。
 この際、参考人の方々に委員会を代表して一言挨拶を申し上げます。
 本日は、御多忙のところ本委員会に御出席をいただき、誠にありがとうございます。
 参考人の皆様から忌憚のない御意見を拝聴し、今後の審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。
 次に、議事の進め方について申し上げます。
 まず、お一人二十分程度で、八木参考人、松村参考人、岸本参考人の順に御意見を述べていただき、その後、委員からの質疑にお答えをいただきたいと存じます。
 また、御発言の際は、挙手していただき、その都度、委員長の許可を得ることになっておりますので、承知おきください。
 なお、参考人、質疑者とも御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、まず八木参考人にお願いいたします。八木参考人。
○参考人(八木誠君) 電気事業連合会の八木でございます。
 本日は、このような機会を賜りまして、誠にありがとうございます。先生方におかれましては、平素、私ども電力会社の事業運営に関しまして多大な御理解、また御協力を賜っておりますことに、この場をお借りいたしまして厚く御礼を申し上げます。
 まず初めに、東京電力福島第一原子力発電所の事故に関しまして、今なお多くの皆様に多大なる御迷惑と御心配、御負担をお掛けしておりますことを、同じ電気事業に携わる者といたしまして、改めておわびを申し上げます。
 私ども事業者は、こうした事故を二度と起こさないという強い決意の下、震災直後から、徹底した安全対策に努めるとともに、新規制基準の内容を踏まえながら、安全性向上のために必要な対策を講じてまいりました。今後とも、原子力発電所の更なる安全性、信頼性の確保に向け、たゆまぬ努力を続けることにより、社会の皆様からの信頼回復に努めてまいります。
 折しも、先般、震災後初となるエネルギー基本計画が策定されたところでございます。その中で、原子力発電については、エネルギー需給構造の安定性に寄与する重要なベースロード電源と位置付けられ、原子燃料サイクルについても引き続き推進することが明確化されました。私ども事業者としましては、こうした方針が示されたことは大変意義があるものと受け止めております。
 しかし、その一方で、原子力発電への依存度については可能な限り低減させるとの方向性も示されており、将来の見通しが不透明な部分もございます。今後、各事業者が将来に対する予見性を持って電気事業に取り組んでいけるよう、長期的な視点でのエネルギーミックスの姿についても早急に明確化していただくことをお願いしたいと思います。
 それでは、今回御審議されています電気事業法の改正法案につきまして、私どもの基本的な考え方を申し上げたいと思います。
 昨年十一月に成立しました改正電気事業法の附則では、三段階のスケジュールで改革が進められることとなっております。現在、その第一段階である広域的運営推進機関の設立に向けまして、新電力や発電事業者も含めた関係者間で検討が進められているところであり、私どもといたしましても、これまで実務を担う中で培ってきました知見を生かし、最大限協力しているところでございます。
 今回の法改正は、この改革プログラムの第二段階に当たるものであり、電力システム改革の目的の一つであります需要家の選択肢や事業者の事業機会の拡大を図るため、電気の小売業への参入を全面的に自由化すること、いわゆる小売全面自由化を主たる内容とするものであると理解いたしております。
 この小売全面自由化は、御家庭のお客様を含む全てのお客様が自ら契約する電気事業者を選ぶことができるという点で、自由な選択を御希望されるお客様の期待に応える制度であると考えております。私どもといたしましても、電気料金メニューの多様化や選択肢の拡大を通じまして、お客様に選択していただけるよう積極的に取り組んでまいる所存であります。
 ただし、今般の改正案につきましては、私ども一般電気事業者にのみ引き続き小売の料金規制及び供給義務が経過措置として課せられることとなっております。制度変更に伴う需要家保護策の一環としての暫定的な措置と理解しておりますが、電力市場を全面自由化し公正な競争を実施していくという環境の下では、これらの措置は言わば非対称とも言える規制であると思います。諸情勢を総合勘案した上で早期にこれらの措置を撤廃していただくようお願いしたいと思います。
 また、電力の安定供給の実務を担う立場として、全面自由化の下での安定供給確保策について、引き続き慎重かつ丁寧な検討が必要であると考えております。
 これまで、私ども一般電気事業者は、発送電一貫体制により供給責任を果たしてまいりました。今回の全面自由化によりまして、発電や小売の分野へ新たな事業者の参入が見込まれており、各事業に参画する事業者それぞれが連携して安定供給を実現していくこととなります。
 各事業者は事業の採算性を最優先に経営判断を行うこととなりますため、例えば発電事業者にとっては稼働率の低い電源設備の保有や将来の需要を見据えた電源投資は難しくなることなどが考えられます。このため、こうした環境下でも将来の需要に応じた供給力が確実に確保される仕組み等を構築していく必要があると考えております。実際に、海外における自由化の先行事例を見てみますと、英国や米国テキサス州等においても、供給予備率の低下による将来の電力需給に対する懸念が生じていることから、対策の必要性が指摘されているところでもございます。
 改革の第二段階となる小売全面自由化は、契約件数にいたしますと、全国で八千万件を超えるお客様が対象となっておりまして、国民生活にとって極めて影響の大きい制度改革であります。改革に当たりましては、新たな事業環境に適合した安定供給の仕組みがしっかりと構築されるよう私ども事業者も引き続き協力してまいりますので、詳細制度設計を着実に進めていただきますようお願いいたします。
 さて、こうした小売全面自由化を進めるに当たりまして、この改革をお客様の利益につながるものとするためには、新たな制度と整合性のある環境が整っていることが不可欠であると考えております。したがいまして、この観点から、小売の全面自由化を実施するまでに解決すべき二つの課題について申し上げたいと思います。
 まず一点目は、電力需給状況の改善についてであります。
 震災以降現在まで、震災前の電力供給の約三割を占めていた原子力プラントの再稼働が進まず、電力の需給は大変厳しい状況が続いております。これまで、各社における最大限の供給力の積み増し努力と皆様の節電の御協力によりまして何とか安定供給を維持してまいりましたが、この冬も北海道電力管内を始めとして極めて厳しい状況が続きました。今夏につきましても、このまま原子力プラントが再稼働できない場合、本来、高稼働を予定していなかった老朽火力プラントをフル活用する緊急避難的な対応が続くこととなります。安定供給に最低限必要となる供給力は辛うじて確保できる見通しであるものの、設備の疲労が蓄積し、トラブルリスクが高まっている現状を勘案いたしますと、極めて予断を許さない需給運用になると考えております。
 現在、原子力プラントについて新規制基準に対する適合性審査が進められていますが、いまだに再稼働の見通しが立っておらず、今後も供給力不足が継続することが懸念されます。全面自由化を実効的なものとするためには、供給力が十分に確保され、需給状況が安定していることが大前提であり、現在のように需給が逼迫する中では、たとえ全面自由化を進めたとしても、発電余力がないため競争が活性化せず、お客様の利益につながりにくいものと考えられます。
 私どもといたしましては、できる限り早く原子力プラントを再稼働できるよう最大限の努力を続けてまいりますが、今回の改正法の施行に当たりましては、全面自由化を実施できる需給状況かどうか見極めた上で、改めて実施の時期を御判断いただきたいと考えております。
 二点目は、競争下において原子力事業を進めるための環境整備についてでございます。
 原子力発電は、他の電源に比べまして三つのEの観点からベースロード電源としての強みを有する一方、建設から運転期間中はもとより、運転終了後も、廃炉や使用済燃料の処理、処分に至るまで安全性を確保しつつ、長期にわたる事業を確実に遂行しなければならず、そのための巨額の投資が必要であるという特徴を有しております。
 私ども事業者は、これまで、こうした他の電源にはない特徴を有する原子力発電について、国策民営の原子力推進政策の下で長期的な見通しを立てることができました。加えて、総括原価方式等の諸制度により、費用回収についても一定の予見性を持って原子力発電の維持、活用に必要な投資を着実に行うことができ、またそのための資金を市場から調達することも可能であったと考えております。
 しかしながら、現在、新たなエネルギー基本計画において原子力依存度を可能な限り低減するという方向性が示されたことで、長期的な見通しが不透明となってきております。さらに、今回の法改正によって、事業者は、発電から廃炉、使用済燃料の処理、処分に至るまで長期にわたり、かつ見積額の変動リスクを抱える費用の回収を全面自由化による競争環境の中で行っていく必要があり、長期の事業継続に関する予見性が従来よりも低下することとなります。これは、原子力発電の維持、運営に必要な資金の調達にも影響を及ぼしかねないと考えております。
 私どもといたしましては、エネルギー基本計画に記載されているとおり、安全を大前提に原子力発電を重要なベースロード電源として活用していくためには、民間事業者が予見性を持って長期の事業を計画し、実行できる環境の整備が何よりも重要だと考えております。
 こうした観点から、是非とも、全面自由化の実施に先駆けて、民間事業者が長期にわたる原子力事業を担える新たな国策民営の在り方を検討していただきたいと思います。例えば、これまで原子力事業者が一体となって支えてきたバックエンド事業等の原子燃料サイクルの推進に当たっては、競争が進展していく中でも長期にわたる処理、処分のプロセスに支障を来さないよう、海外の事例を踏まえまして、国の役割を明確にした上で、事業者が果たすべき役割、責任を整理していただきたいと思っております。
 また、原子力損害賠償制度につきましても、海外の事例を踏まえつつ、事業者負担の在り方について適切な見直しを行っていただきたいと考えております。
 政府におかれましては、こうした原子力事業環境の整備に向け早急に検討の場を立ち上げていただき、検討に着手していただきますようお願いをしたいと思います。
 以上、二つの点につきまして、小売全面自由化が実施されるまでの間に必要な対応をしっかりと行っていただきたいと考えております。
 最後になりますが、低廉で安定した電力供給は、我が国の国民生活、産業活動の基盤となるものであり、電力システム改革は決して失敗が許されるものではありません。
 この点で、真に国民の皆様の利益につながる改革とするためには、改革の各段階において安定供給確保に向けた検討、検証をしっかりと行うとともに、内容、スケジュールの両面で、原子力政策を始めとするエネルギー政策と整合を図っていくことが極めて重要であると考えております。
 また、現在、国の審議会において、電力のシステム改革の進展に合わせてガス事業のシステム改革、全面自由化についても検討が進められておりますが、需要家の選択肢や事業者の事業機会の拡大という観点からは、この点でも平仄を合わせていただくことが大変重要と考えております。
 私ども事業者といたしましては、電力、ガスといったエネルギー種別の垣根を越えた総合エネルギー事業へと進化し、我が国エネルギー事業全体の競争力強化と発展をリードするという強い気概を持って事業に取り組んでまいりますので、その鍵を握りますエネルギー市場全体の改革につきましては、是非整合性の取れた形で進めていただくようお願いしたいと思います。
 こうした私どもの考えを含めまして、十分な御審議を賜りますようよろしくお願いを申し上げまして、私の意見陳述とさせていただきます。
 ありがとうございました。
○委員長(大久保勉君) ありがとうございました。
 次に、松村参考人にお願いいたします。松村参考人。
○参考人(松村敏弘君) お配りしておりますパワーポイントの資料に関して、二十二ページのところまでのことをお話しさせていただきます。その後、資料が少し付いておりますが、これは、ひょっとしてその後質問が来たときに役に立つかなと思って付けているだけですので、基本的には二十二ページまでで。それから、最初の二ページ目と三ページ目のところにまとめとして要旨が書いてありますので、ここだけ読んでいただければ言いたいこと全て分かるように書いておるつもりです。
 それでは、お開きいただいて、四ページのところを御覧ください。
 御案内のとおり、電力システム改革に関しては三段階で改革をしていくということになっておりまして、最初に広域機関をつくり、その後、今回の改正で家庭用も含めた小売の全面自由化というのを行い、最後の段階で発送電の法的な分離によってネットワークの中立性というのを確保するというスケジュールになっております。
 今日は、第二段階の法改正の話ですので、ここを中心にお話しさせていただきます。
 それぞれの三つの段階で、安定供給をいかに確保するのか、それから競争基盤をいかに整備するのか、それから中立性をいかに確保していくのかということが議論されていくことになりまして、結果として、今回にもそういう議論というのは多く入っております。
 イコールフッティングというのは非常に重要だと、非対称規制というのに関して懸念というのをいろんな場面で聞くわけですが、イコールフッティングを口実として、総括原価と地域独占と公益事業特権で守られてきたときに築き上げた競争優位というのを安直に引き継いで実質的な公平性が保たれないという事態にならないように、詳細のところをきちんと見ていく必要があると思います。具体的には、直近ではインバランス料金というので、形式的には公平だが、実質的には今の一般電気事業者だけに極めて有利だという制度というのにしないようにということをこれから奮闘していかなければいけないと思っております。
 さて、おめくりください。
 自由化の意義というのはいろいろあると思いますが、基本的には消費者に選択肢を与え、事業者にも選択肢を与え、その結果としていろんなアイデアの人が市場に入ってくることによって市場を活性化し、電力価格を下げるというだけでなく、安定性にも資するということがあり、最終的には電力システム改革とガスシステム改革を合わせて総合エネルギー企業あるいは総合公益企業同士の競争というのによって効率的な市場をつくっていくという道を開いていくことになるんだと思います。
 そもそも、私自身は、望ましい政策というのに関しては、まず、国の基本的な価値、環境価値だとか安全保障の価値だとかという、こういう類いの価値を固定価格買取り制度や税、補助金、そのほかの様々な政策手段を使って補正するということを前提とした上で、これらの制度設計を前提とした上で、あとは消費者が選択されたものが生き残るという形によってエネルギーのベストミックスが形作られるというのが理想だと思っております。
 おめくりください。
 電力システム改革においては、国の基本的な政策というのが非常に重要だというのは間違いないことですが、これらに関しては、地球環境の問題、安全保障の問題、資源外交の問題、技術革新、こういうようなことが明らかになり、これに対して柔軟に国策というのが変わっていったとしても、どのように国策が変わっていったとしても柔軟に効率的に対応できるようなそういうシステムをつくるというのが電力システム改革だと思っていますので、国の様々な基本的な政策が決まらないうちは自由化すべきでないというような議論は建設的な議論ではないと思っております。
 基本的には消費者が支持するベストミックスというのが実現すればいいと思っており、消費者は多様な考え方を持っているということですから、どの考え方というのが一番主流なのかというのは、自由化をすることによってかなり明らかになるのではないかと思っております。
 おめくりください。
 仮に、アンケート調査で、あるいは世論調査で再生可能エネルギー、支持しますかと言われれば、国民の大半が仮に支持すると言ったとしても、そのために掛かるコストというのがあったときに、そのコストを負担してでもちゃんと普及させたいと思っているのか、あるいはコストは誰かが負担してくれるんだったらまあ進んでほしいと思っているのかというのは、それだけではよく分からない。よく分からないけれども、自由化した上で、再生可能エネルギーというのを主力とした事業者から電気を購入するというのは、自らその電気代を払って支えるという言わば責任ある意思表明というのになるはずだと思います。
 あるいは事業者にとっても、再生可能エネルギーはもう化石燃料よりもコストが低いんだ、言うだけはただだから幾らでも言えるかもしれませんが、自由化をするということによってちゃんと参入する、あるいはそれを支持する人が出資するという形でサポートするということは、まさにこの再生可能エネルギーというのが十分競争力があるということの責任ある意思表示ということになると思います。このような機会というのを自由化によって是非与えていただきたいと考えております。
 おめくりください。
 十一ページですが、しかし、現状ではそもそも家庭用の市場は自由化されていないし、それから自由化された大口の市場でも競争メカニズムはほとんど働いていないという、こういう状況で、しかもネットワークを中心として、公正で透明な競争環境というのが必ずしも整備されていないという状況下では、自分がこの電源が国民のために一番役に立つんだと信じていたとしても、それを表明する手段というのが与えられていないという状況になっています。このような手段というのを是非自由化によって与えていただきたいと考えております。
 ただし、これは自由化するだけでは駄目だというふうにも考えていまして、現実の大口市場でもこの貧弱な競争基盤の下で競争がほとんど起こっていないということを前提とすると、もし家庭用まで自由化して実質的な競争が行われなければ、一般電気事業者に値上げをする自由だけを与えて、消費者に実質的な選択の自由を与えないという最悪の結果にもなりかねないということになります。
 もちろん、このような最悪の結果というのを起こさないために最大限の努力をして制度設計をしていくわけで、そのためには、まずシステムの抜本的な改革と競争基盤の整備ということをして、ちゃんと競争が起きるようにするということが最も重要な点ですが、それだけではなくて、競争メカニズムが働くことが確認されるまで、一定の期間、消費者保護のために一定の規制が必要だと考えています。これは非対称規制というよりは、規制なき独占になる可能性は極めて高いは言い過ぎかもしれませんが、一定の可能性があるという事業者に対してやる規制ということですから、ある意味で非対称にならざるを得ないというわけで、非対称規制だから駄目だということを言えばこの手の消費者保護は駄目だということになってしまうということで、私はそれは建設的な議論だとは到底思えません。
 おめくりください。
 規制なき独占を回避するためにはネットワークの中立化や競争基盤の整備ということが最も重要な点で、この点については最大限努力してまいりますが、一方で、暫定的に規制料金を残すということが議論されています。この規制料金というのは、一般電気事業者にこの約款で売らなければいけないという形で規制するのではなく、少なくともこの約款で供給してくださいと言われたら消費者にはこれで供給するという、選択肢の一つとして規制料金を残すということを言っているのにすぎません。したがって、一般電気事業者がこの規制された約款以外の形で供給するということは自由だということになります。
 消費者の方としては、最低限それが選べるという状況にありますから、ほかの選択肢が与えられてほかのものを選ぶということは、その最低限のものよりはいいから選ぶということになるので、最低限の消費者保護というのはこれで保たれる。自由化したことによって、結果的に規制なき独占になって踏んだり蹴ったりになるなどという事態はこれで防ぐ。
 しかし、本当に理想的な状況というのは、このような規制が無意味になって、競争が十分働いて、このような規制料金でないものをみんなが選ぶという状況になり無用の長物になるということが最も理想的な状況。それは競争が働いているということなので、こういう状況を目指してはいくけれど、しかし、必ずそうなるとは言えないので、備えとして規制を残すということが計画されているということになります。
 おめくりください。
 それから、競争環境に関しては震災後大きく変わった点がありまして、電力間の競争というのがほとんど起こっていなかった。元々の部分自由化のときには、この電力間の競争というのが期待されていたわけですが、ほとんど起こっていなかったこの電力間競争がようやく起こる兆しが出てきました。
 東京電力が全国に電気を売るという、こういう展開の表明をしたということと、それから中部電力、関西電力あるいはほかの電力会社も東京電力の管内で小売に参入するという動きが出てきています。これらは非常に歓迎すべきことなのですが、一方で、東京電力は明らかに震災後、ガバナンスの構造が変わりました。
 ここは、もうかなり本気で入るつもりなんだろうと思うんですが、中部電力、関西電力等が東京電力管内に入るというのは、もはやガバナンスの構造が変わって、自分たちの仲間でなくなったような人たちのところは荒らしても構わないから入っていくけれど、残りのところはまだ仲間同士だから市場分割しましょうと。もちろん市場分割なんて決してしていないと思いますが、そういうことが疑われるような形で競争はほとんど起きないというようなことだったとすると、仮に東京に入ってくるという動きが少しあったからといって、これでもう競争基盤が十分整備されたと、競争は十分だと考えるのは少し楽観的過ぎると思います。
 本来、連系線の制約からすれば、中西地域、中部電力以西のところで激しい競争というのが起こっても全く不思議ではないという状況なのにもかかわらず、ここがもし起こっていないとすれば、やはり不十分だと考えざるを得ないと思います。
 私たちは、この点をこれから十分に注視して、それこそ、トヨタ自動車の需要をめぐって関西電力と中部電力が激しく競争しているというような状況まで来れば競争は十分進んでいたというふうに一定程度考えられるのかもしれませんが、そこについてはまだ注視していく必要があると思います。
 それから、一般電気事業者だけが競争するというのでは、やはり競争としては不十分だと思っています。
 一般電気事業者の方、申し訳ないですが、基本的には旧来の知恵で生きてきた人たちということで、震災前であれば、太陽光の電気が余っちゃうということになったら、じゃ、カレンダー機能を付けて止めましょうかなんという、こんなことしか思い付かないような人たちというのだけが当システム、電力市場というのを牛耳っているという状況ではなく、いろんなアイデアの人がどんどん入ってこれるという、こういう状況というのが必要になってくると思います。そのためにも、電力間の競争だけではなく、新規参入者が公正な環境で入ってこれる状況というのをつくっていかなければいけないと考えております。
 さて、安定供給というのが最も大きな関心の一つだと思いますが、十六ページ御覧ください。
 現在の安定供給体制、垂直一貫の下で極めて安定的な電力供給がなされてきたという先入観は捨てるべきだと思っています。
 日本の電力系統は、今までは極めて安定的だった。世界に冠たる安定的な電力供給という側面はもちろんあります。だから、世界に誇れる点はありますが、世界に比べても極めて脆弱だったという面も否定できません。
 例えば、欧米諸国に比べて恥ずかしいほど僅かの風力しか入っていないのにもかかわらず、もうこれ以上入れられないと抽せん制を入れざるを得ないとかという、それぐらい脆弱な系統だったということも言えるし、大規模電源を集中的に立地させて災害に弱いという、こういう系統をつくり上げてきたという面もありますし、それから、連系線の容量が極めて小さかった、特にFC、東日本と西日本をつなぐ周波数変換所ですが、震災前には、僅か三十万キロ増強するというささやかな計画に対しても見苦しいほど抵抗して潰してしまうというようなことが起こるぐらい、安定供給に対する意識というのはもう必ずしも十分でなかったというようなことも言えるのではないかと思います。
 こういうような点に関しては、ここばっかり言うというのはアンフェアで、安定供給のために現場の方々がどんなに苦労して支えてきてくださったかということに関してはもうどんなに感謝してもし切れないぐらいのところであり、それから技術に関しても非常に優れたところというのはいっぱいあるわけですから、世界に冠たるという側面と弱いという側面の両方があります。電力システム改革は、この世界に冠たるところを残しながら、弱かったところを何とか改革によって更に高めるということを目指す改革だというふうに理解しております。
 次、おめくりください。
 電力システム改革によって安定性が更に高まるという側面に関しては、価格メカニズムを使って需給逼迫というのに対応するということが更に発展することになると思います。
 それから、今までだったら競争が激しくなることを恐れて連系線の投資を怠ったというようなことが仮にあったとしても、これからは広域機関を中心にして全体最適を考えながら送電網を計画するというシステムに変わっていけば、安定供給は更に高まると思います。それから、さらに、新電力を含めた発電の情報を全て送電部門に集めて、一般電気事業者の電源だけではなく、日本中全ての電源を使って安定供給を確保するという、こういう体制にしていくことによって安定性が更に高まるということになると思います。それから、価格メカニズムが全面的に入ってくることになるので、価格メカニズムをシグナルとして安定性が高まるということはあり得ると思います。
 投資が行われなくて需給が逼迫するという懸念を表明する人は多くいますが、もしそうなるとすると、卸市場で電気の価格は上がります。卸市場で電気の価格が上がれば、当然発電のインセンティブが増えます。発電のインセンティブが増えるということになり、電力不足というのを回避するという、こういうメカニズムが働きます。経済学者としては、本来であればこの価格メカニズムが十分働くので余計な安定供給策なんというのは不要ですというふうに言うべきなのかもしれませんが、しかし今回のシステム改革ではそう言っていません。
 どうしてかというと、今の価格メカニズムが働くことは十分期待しているし、一定程度働くとは思っていますが、必ず働くとは限らないということで、価格メカニズムがもし万が一うまく働かなくて投資が足りなくて大停電などというような事態になったらどうするんだというのに対しては、広域機関に電源入札という制度、世界的にも珍しいような強力な安定化策というのを取り、発電所が足りないなどというようなときには、こういう公的な機関というのが電源を入札して十年後の不足に備える、五年後の不足に備えるというような強力な施策というのを取っているということで、安定供給に関しても十分に考慮された制度設計になっております。
 おめくりください。
 安定供給に関しては、いろんな人がいろんな形で担うわけですが、抽象的にみんなが担うというだけじゃなくて、役割をきちんと明確にしています。その中で最も重要な点が広域機関が果たす役割だと思いますが、広域機関が、それぞれの地域の部分最適ではなく全体最適をにらみながらきちんと計画し、きちんと送電投資を行い、電源の投資の不足があれば入札で補うという強力なことまでやるということで安定供給というのを支えようとしております。
 これに関しては、むしろ一般電気事業者の御出身の専門委員の方が、システム改革の席で、三のようなことをやると市場メカニズムを乱すのではないかと、こういう懸念をし、経済学者が、市場メカニズムを多少乱すことがあったとしても安定供給には代えられないからこういう制度が重要だと、こういうふうに発言しているという極めてねじれた状況というのが起こっている。決して安定供給を軽視した制度ではないと、制度改革ではないということは是非是非御理解ください。
 さて、電力システム改革ですが、基本的にはいろんな人が参入できるという状況が最も望ましい状況だと。これに関しては、震災前、例えば太陽光発電に関しては今よりもはるかになだらかなペースで太陽光発電が入ってくるという予測だったのにもかかわらず、もう二〇二〇年を待たずに電気が余ってしまうから太陽光発電、止めざるを得ないです、太陽光発電の電気、捨てざるを得ない、捨てるためにどうするかという議論を大真面目で議論していたわけなんですけど、そんなことをやるぐらいだったら、ゴールデンウイーク中は電気が余ると分かっているなら、ゴールデンウイーク中だけ電気の価格を少し下げたらどうですかと、それによって需要を促したらどうですかと、こういう当たり前のことを思い付かないような人たちだけが制度を設計していた。
 こういう状況にしないために、あらゆる人があらゆる知恵を持って入ってこれるシステムにしたいということで、もしこれを怠ってしまえば、今までのように太陽光の電気を捨てないためには十五兆円も四十兆円も投資しないと駄目ですなんというような、こんな知恵しかない人たちだけに任せることになってしまう。こういうことにしないためにも、何とか電力システム改革を完遂させたいと思っています。
 二十一、二十二が最後のまとめのところです。
 ここの法案のところが一番重要なところで、ここはもう基本方針を決めるわけですから、この基本方針というのがちゃんとしていなければ、もちろん立派なシステムはつくれません。しかし、基本方針だけでなく、その後の詳細な制度設計も非常に重要です。詳細な制度設計についても、私たちはずっと見ていって、本当にゆがんだ方向に行っていないかどうかということをずっと見続けていかなければいけないと思っています。
 それから、世界中でいろんな改革がなされていて、世界中で大きな失敗というのをしている。私たちはそれを真摯に学んでちゃんとやっていかなければいけない。一番安直な回答というのは、あれは制度がひどい制度だったから、私たちはそんな制度にしないから大丈夫ですということを安易に言っちゃうんですけど、でも、欧米でもつくったときにはそれがベストだと思ってつくっているわけですから、そのことをちゃんと私たちは認識して、自分たちがベストだと思っているものでも、ひょっとしたらうまくいかないかもしれないということを考えながら、先ほども言ったとおり、広域機関の入札のような強力な制度を設けてでも、うまくいかないことの防御というのを二重、三重に考えながら慎重な制度設計というのをしていかなければいけないし、現在までそのように議論がされていると認識しております。
 それから最後に、この電力改革を成長戦略だとか技術革新というのにつなげる視点というのを是非持ちながら、これからの詳細制度設計も含めて当たっていかなければいけないと考えております。
 以上です。ありがとうございました。
○委員長(大久保勉君) ありがとうございました。
 次に、岸本参考人にお願いいたします。岸本参考人。
○参考人(岸本薫君) 改めまして、皆さん、こんにちは。ただいま大久保委員長より発言の許可をいただきました電力総連の岸本でございます。
 本日は、電気事業法改正のこの度の審議に際しまして、働く者の立場から意見を述べさせていただく機会を賜りました。心より感謝を申し上げます。
○委員長(大久保勉君) どうぞ着席されて結構です。
○参考人(岸本薫君) はい。着座で失礼いたします。
 私ども電力関連産業で働く仲間は、これまで長年、経済産業に不可欠な電力の安定供給を通じて国民の皆様に貢献できる、こうしたことに誇りと働く喜びを感じながら、全職場、全部門が一丸となり取り組んでまいったところでございます。
 そして現在、現場第一線におきましては、一つには、東日本の大震災あるいは近年相次いでおります竜巻、雪害、昨日来からも豪雨でございますが、こうした水害など、大規模自然災害による被災地の復旧と復興。二つには、今なお多くの皆様に御迷惑をお掛けをいたしてございます福島第一原子力発電所をめぐる課題への対応。三つには、新規制基準への対応など、事故を教訓とした原子力安全の向上に向けました不断の取組。四つには、原子力発電所の長期停止が続く中での安定供給の確保、そして節電や電気料金改定のお願い、徹底した経営効率化への対応など、数多くの喫緊する課題に、高い緊張感の下、昼夜を分かたぬ努力が重ねられてまいったところでございます。
 本日、お手元にお配りをいたしました冊子の四ページから十七ページにはそうした労働現場の取組や働く者の思いの一部を御紹介をいたしてございますので、御覧いただければ幸いでございます。
 私自身、全国各地の現場を回っておりますと、そこで働く組合員からは、長年、現場第一線では安定供給に懸命に取り組んできたが、大震災以降、現在の電力システムの問題が露呈したというふうに言われている、我々が長年やってきたことは間違っていたのか、また、各種の委員会等々で専門家の方などが議論をなされている現状を見るにつけ、電気は会議室でつくっているのではない、電気は現場でつくっているということを現場の仲間はいろいろと申しているところであります。
 また、原子力の再稼働が見通せない中で、火力発電所では、何としても供給責任を全うするために、年末年始やゴールデンウイークも全て返上し、家族との団らんもなげうって細心のメンテナンスを行っているが、設備が悲鳴を上げている発電所をいつまで酷使させ続けられるのか、いつになったら正常な定期点検を行って安全確認ができるのか。ちなみに、火力プラントの蒸気圧力は、原子力が約七十気圧に対しまして火力は約二百五十気圧から三百気圧、蒸気温度では、原子力が約三百度に対しまして火力は約六百度という、まさに高温と高圧の設備と隣り合わせでその健全性を維持をしている実情にございます。
 また、系統運用現場におきましてはまさに綱渡りの状況が続いてございますが、一たび停電を起こせば社会が大混乱を起こすことはもちろんのこと、需給の逼迫に伴う節電をお願いをし、昼夜を分かたぬ努力で何とか乗り切ったときには、本当に電気が足らなかったのかというお叱りを受けてしまう、原子力代替のための燃料費をコストダウンだけで吸収するにも限界がある、何よりも、大震災以降、節電に多大なる御協力をいただいてきたお客様に対して電気料金の値上げのお願いをせざるを得ないことがつらい、こういった声をぶつけられる機会も多々あるわけでございます。
 また、職場の将来見通しに対する不安、あるいは閉塞感も高まる中で、若年層を中心に依願退職が増加をするなど、誰が将来のこの国の電力の安定供給や原子力の安全を支えていくのか、今後の人材の確保、育成を心配をする声も日増しに大きくなっているところでございます。
 本日は、こうした現場実態も踏まえた上で、今般の第二弾法案、さらには来年提出が目指されてございます第三弾の法案など、今後の電力システム改革に関する御検討に当たりまして、働く者の立場から大きく四点について御意見を申し上げます。
 まず一点目は、小売全面自由化の実施までの間に直面する課題にしっかりと対応いただきたいということであります。
 何よりも、常態化している電力需給の逼迫と電気料金上昇の二つのリスクを早急かつ根本的に解消いただくことが今般の小売全面自由化実施の前提条件でなければならないというふうに考えます。先般閣議決定をされましたエネルギー基本計画におきましても、こうした状況は、エネルギーコストの上昇と温室効果ガス排出量の増大の原因となり、我が国の経済、産業活動や温暖化対策に深刻な影響を与えているとした上で、この現実を一刻も早く打破する必要があると明記されているところであります。まさに異常事態とも言える現状には持続可能性があるとは思えませんし、大震災からの復興並びに日本経済のこれからの再生の加速化の足かせともなりかねません。また、電力市場に十分な電力が供給をされ、事業間の競争促進やお客様選択肢が拡大されることによって初めて今次改革の成果を国民の皆様に御享受いただくことができるものであるというふうに考えるところでございます。
 私ども原子力職場では、新規制基準が施行される前のまさに大震災の直後から今日まで、福島第一原子力発電所事故を教訓に、まさに寝食を忘れ、血眼になりながら様々な安全対策を講じてきているところでございます。そうした原子力職場における取組の一端、そこで働く労働者の思いにつきましては、お配りいたしてございますパンフレットの十四ページから十七ページに御紹介をしてございますので、後ほどまたお読み取りをいただければというふうに思います。
 原子力規制委員会には、原子力職場の現場第一線のこれから取組内容につきまして、是非とも科学的な見地、技術的な実効性から公正に審査をいただくよう、この場を借りまして強く求めたいというふうに思いますし、審査の結果、安全性の確保がなされた原子力発電所につきましては、国民並びに関係自治体の皆様の御理解と信頼をいただきながら、円滑に再稼働が果たされますよう、国におかれましては、エネルギー政策上の必要性も含めて、前面に立った責任のある御対応をお願いをしたいというふうに思います。
 また、今後の原子力発電につきましては、先般閣議決定をされました新たなエネルギー基本計画では、可能な限り依存度を低減をしていくという大きな方向感の中で、今後増えていくであろう廃炉の円滑な実施、バックフィット制度など新たな安全規制への対応の双方にしっかりと取り組みながら、ベースロード電源として安定供給、あるいは温暖化対策に貢献していくことが求められているところであります。そして、私どもにとりましては、そうした課題への対応を支える人材を確保、育成をし、技術、技能を維持、継承していくのかが問われてまいります。
 その意味におきまして、これまで国策民営で取り組んでまいりました原子力事業につきまして、電力システム改革の自由競争の中で、その事業運営を誰が何に基づく責任において担っていけるのか、今次改革と同時並行でしっかり御議論をいただくことが不可欠であるというふうに考えます。
 次に、公正で中立的な競争環境についてであります。
 たとえ電力市場が全面的に自由化され発送配電分離がなされたといたしましても、お客様にとりましては、あるいはこの国にとりましては電気事業に求められる公益性は変わるものではないというふうに思います。
 その意味では、改革後の競争環境におきましては、安定供給の確保や災害発生時の早期復旧などの電気事業に携わる者に求められる公益的な責任につきましては、これまでのように一般電気事業者だけが負うというのではなくて、発電、送配電、小売の全ての事業者がそれぞれの果たすべき責任や義務を負うというのが基本でなければならないというふうに考えるところであります。
 また、エネルギーをめぐる今後の内外諸情勢を踏まえますと、電力システム改革とともにガスシステム改革などもしっかりと求めていただく中で、こうしたエネルギー市場改革を通じまして、各エネルギー事業者がお互い切磋琢磨しながらお客様サービスを競い合い、ひいては強靱な経営体質を備えた総合エネルギー事業者へと発展をし、今後の我が国の成長に貢献していくことも期待をされているところであります。
 つきましては、今後の自由競争環境下におきまして、全ての事業者がエネルギー事業者としての自覚と責任の下、各事業者がお客様利益の増進に向けて民間事業者としての自主性や創意工夫を最大限発揮できますよう、公正で中立的な競争環境を是非整備をいただきたいというふうに思います。
 その一環として、小売参入全面自由化実施時に、現行の一般電気事業者のみに課せられる小売料金規制並びに供給義務に関わる経過措置につきましては、第一弾法案改正の附則、これまでの附帯決議の趣旨も踏まえていただきまして、いわゆる第三段階で終了いただくことが重要であるというふうに考えます。
 三点目は、将来にわたる電力の安定供給の確保など、今後の制度設計に当たっては、諸外国の教訓も踏まえ、しっかりと課題を検証、克服をした上で進めていただきたいということであります。
 例えば、発電部門が完全自由競争となる中で、誰がこの十年、二十年先の供給力の確保を保障をするのか。今後拡大をする再生可能エネルギーのバックアップも含めて、時々の電力需給の変動に対応するための待機電源など供給信頼性の根幹である調整力は誰が何の責任において手だてをするのか。また、大規模災害など有事対応を含めまして、これまでの事業体制の下で実施をしてきた各部門の協調連携について、発送配電分離以降いかに図っていけるのか。改革の実施によって電気料金やCO2の排出量などにどのような影響が生じるのかなど、改革の成否を左右をする根幹事項について、まだまだ検討中あるいは今後検討を行うという位置付けになっているのではないかと感じているところであります。
 ちまたでは、自由化をし発送配電を分離をすれば電気料金が下がる、供給力は増大をする、再生可能エネルギーが普及をするといった話もよく耳にいたします。他方、お配りをした冊子の二十ページから二十一ページにも若干御紹介をいたしてございますように、既に様々な制度改革の実施を行いました諸外国におきましては、電気料金水準の高騰、発電所などの建設停滞により予備率の低下など様々な課題も生じていると承知をいたしてございます。
 是非ともこのような海外事例も他山の石としていただきまして、生じるおそれがある負の側面があるとするならば、それを確実に検証、克服をした上で進めていただくことが極めて国民にとっても国全体にとっても重要ではないかというふうに考えるところでございます。
 なお、今般の改革を国の御決断として実施をし、今後は各エネルギー事業者が競争環境に入っていく以上、そうした負の側面に対する手当てにつきましては最終的には国が責任を負うべきであるというふうに考えてございますし、そうした課題の解決を特定の事業者だけに背負わせるということがあってはならないということもこの場であえて申し添えておきたいというふうに思います。
 最後は電力の安定供給を担う現場力についてであります。
 この度の改革は、我が国電気事業の歴史上かつてない大きな事業変革を伴うものでございますが、私ども労働組合といたしましては、国の政策変更によって、今日まで電力の安定供給を支え続けてまいりました関連労働者の雇用の安定、人材、技術の維持、継承、発展など、現場力に支障が生じるようなことは到底受け入れ難いものがございます。他方、私ども働く者といたしましては、国民の皆様の御期待をしっかりと受け止めまして、改革後の競争環境下におけますお客様への貢献あるいは総合エネルギー事業への発展など新たな課題にも積極果敢にチャレンジをしていかなければなりません。
 そのためにも、当該労使間におきまして、事業体制の変更や企業の再編など諸課題につきまして、徹底的な交渉、協議などを通じまして、全ての職場とそこで働く一人一人の働く者の合意形成を図っていくことができますよう、今後数年間の改革プロセスにおきまして、憲法、労働基準法に基づく団体交渉権と労使自治を確実に保障いただくよう改めてお願いをいたします。
 その上で、今般の法案附則第五十条に規定をされてございます電気事業及び石炭鉱業における争議行為の方法の規制に関する法律、いわゆるスト規制法について申し上げます。
 現在、本法の規制対象となってございますのは実質的に私ども電力労働者のみでございますが、私ども電力労働者は紛れもない民間労働者であって、公務員の皆様のような人事院勧告制度のような代償措置もないわけでございます。また、電力供給業は、ガス供給、電気通信、運輸、郵便や水道、医療、公衆衛生などの他の公益事業とともに、既に労働関係調整法における公益事業規制に服しておりますが、例えばガス供給事業者や電気通信事業者にはスト規制法のような規制は存在しません。日常生活に不可欠な公共財を扱うという意味では、同じ公益事業に従事をする民間労働者のうち、なぜ私ども電力労働者だけに、それも新電力の皆様には適用されず、私どもだけに限定をし、労働関係調整法による規制に屋上屋を重ねる形で憲法上の制約がなされなければならないのか、強く問題意識を持っているところであります。
 折しも、このスト規制法につきましては、御承知のように、昨年の第一弾法案の成立時におきまして、この参議院経済産業委員会におきましても、自由な競争の促進を第一義とする電力システム改革の趣旨と整合性を図る観点から再検討を行うとされました。しかしながら、それ以降、例えば所管省であります厚生労働省における公労使の話合いの場や労働組合からの意見聴取はなされておりません。現状を維持しますという、言ってみれば結果の説明のみ、法案の閣議決定直前に非公式に報告をいただいただけであります。憲法上の権利の扱いという極めて重い案件についての政策決定プロセスとして、極めて残念であります。
 私どもといたしますと、今後競争時代に入っていこうという中におきましては、他の公益事業とともに労働関係調整法による規制に服するのみで十分であるというふうに考えてございますので、現行のスト規制法につきましては、憲法第二十八条で保障される労働基本権を回復いただくため廃止をいただくようお願いをしたいというふうに思います。
 最後になりますが、申し上げるまでもなく、いついかなるときも電力の安全、安定供給は、二十四時間三百六十五日、現場第一線で働く人の営みによって成り立っています。本日は、この貴重なお時間を頂戴をいたしまして、今般の法案の御審議、さらには今後の制度設計に関わる御検討に当たりまして、是非とも御対応いただきたい課題につきまして御意見を申し上げました。
 私ども現場第一線で働く仲間といたしましては、これら課題に対するしっかりとした対応がなされないままに今後の改革が進められるようなことは決してあってはならないというふうに考えています。それは中長期的な国民利益にかなうものではないというふうに考えるからであります。
 どうか引き続いての御指導のほどお願いを申し上げまして、私からの意見とさせていただきます。
 ありがとうございました。
○委員長(大久保勉君) ありがとうございました。
 以上で参考人の皆様の意見陳述は終了いたしました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○有村治子君 自由民主党の有村治子でございます。
 今日は、八木電事連会長様、松村教授、岸本電力総連会長様、それぞれのお三方、貴重な御意見をいただきましてありがとうございます。
 お立場、御主張のスタンスの違いはありますけれども、震災後も電力の安定供給やエネルギー政策の実効性、安定性を高めるために、その公益実現のために日夜御尽力いただいていることに、お三方が代表されるそれぞれの組織あるいは学術的な貢献に対して敬意を申し上げます。ありがとうございます。
 その上で、やはり私が懸念いたしますのは、やはりこの電力システム改革が主権者たる国民あるいは国民生活にどのようなインパクトがあるのかという視点からまず二つ、お三方全員に停電についてのお話を伺いたいと思っております。
 やはり、どのような電力システム改革をするにせよ、社会あるいは社会秩序への信頼性や、あるいは安心、安全に対する国民からの信頼性を堅持するというのは極めて大事な国民的価値、財産だと思っています。先ほど松村参考人がおっしゃいましたように、日本の電力システムは世界に冠たる高い安定性、すなわち低い停電率というふうに御指摘がありました。先進国の中でも群を抜いて低い停電の率、また停電の時間が非常に短い、復旧までの回復の時間も早いというところは日本の財産であり、皆様の御貢献をたたえたいと存じますけれども、今般の全面自由化を行うことで、停電が発生する頻度や停電の時間、停電のエリアの縮小、拡大にどのような影響、何らかの影響があるとお考えでしょうか。あるとすれば、どのような影響があるとお考えでしょうか。順次御発言いただければと存じます。
○参考人(八木誠君) 八木でございます。
 ただいまの御質問は、どちらかというと幅広に電力の安定供給上の懸念ということでお答えをさせていただきたいと思います。
 今回の制度改革で、私ども、大きく言いますと三つの点での懸念を考えております。
 第一点目は、これは停電が起こった後でございますけれども、例えば災害とか事故というのが起こったときに、停電の早期復旧というのが我々の仕事でございますが、これはやはり発電と送配電が連携して早期復旧をいたしますが、今回の自由化によりますと、発電側がどちらかというと利益優先の活動、経営活動になるときに、その利益優先よりも電力の早期復旧という方向に、経営優先の行為をしていただけるのか、あるいは、こういう需給逼迫のときに自らの定期検査を繰り延べたりとか過酷な運用をしていただけるのか、そういうことに対してきちっとやっていただけるのか。そういう意味では、そういう事故が起こったとき、あるいは災害が起こったときの早期復旧という点が少し懸念があります。
 それから二点目は、今度は、電気というのは毎日毎日、瞬時瞬時で使われる量と発電する量が合っておりまして、合わせておりまして、ここにずれが生じないようにしております。これが具体的には周波数という形で現れておりまして、実際は、高度な工業製品はここが一定していることが大事でありますが、これも発電側といわゆる送電側が調整をしているわけでありますが、こうした行為がきちっと行われるかどうか。これが行われませんと、電力の品質という面では悪さが出ます。
 それから三つ目は、先ほどの冒頭陳述の中でも申し上げましたが、やはり短期から中長期にわたりまして発電事業者がいわゆる発電設備を造るというインセンティブがちゃんと働かないと、やはりどうしても供給力不足という仕組みが出てまいります。そうしますと、やはり停電ということになります。
 したがいまして、この大きな三つの問題は、やっぱり発電事業者と送配電事業者、ここがしっかりと連携をしていくと、こういうことが大事でありまして、そのためのいわゆる仕組みづくりというのが大きなポイントになろうかと思っています。この点を我々としてもしっかりと協力してまいりたいと思いますが、こうしたことを今後の詳細制度設計の中できっちりとしていくことが、今御指摘の具体的な停電を減らすといいますか、停電を少なくすることにも大きくつながるのではないかというふうに思っております。
 以上でございます。
○参考人(松村敏弘君) 停電の問題、安定供給の問題はまさに最優先の問題だと思っていて、ここが確保できないで少しぐらい料金が下がるということをしても、消費者は少しもうれしくない。それからさらに、停電が実際に起きなくても、起きるかもしれないという不安の下で生きていかなければいけないということも極めて大きな問題ですので、非常に重要な問題だと思います。
 停電に関しては、お配りした資料の二十六枚目のスライドのところで、安定供給、停電というのを抽象的に言うのではなくて、四つぐらいに分類して整理することができるのではないかと考えております。このそれぞれに関して、システム改革では、十分に配慮の上で今の低い停電率というのが維持できるように、いろんな制度の設計というのを考えております。
 一番深刻な問題は、恐らく発電投資、あるいは需給というのがそもそも合わせられないというほどに供給力が不足するという、こういう状況だと思いますが、これに関しては、先ほども御説明したとおり、もう万全の体制を取っている。
 それから、安定供給というのは、恐らくこのシステム改革の後も独占事業になる送配電部門というのが第一義に担うという形になるはずですから、これに関してシステム改革の前と後とでは変わっていないということになりますから、ここで大きく変わるというふうに考えるのは若干ミスリーディングなのではないかと思っています。
 それから、中給の運用が失敗するということによって実際に停電というのが起き得るというわけで、今までであれば全部自分たちの管轄下にあった発電機というののかなりの部分というのが外から調達するという格好になるとすると、そのやり方というのに制約を加え過ぎると確かに大きな問題が起こる可能性がありますので、まさにこういう状況のときには、不透明に見えるかもしれませんが、最後の最後の実需給の段階では中給が、あるいは電力会社の送電部門というのがもう全権を持って自由に意思決定できるという仕組みを整えることが非常に重要だと思います。
 ただ、現状でも深刻な問題はあります。現状でも、自社以外の電源を使って安定供給をするというようなことがあるわけですね。例えばJパワーから買っているなんということがあります。
 今、一般電気事業者では、自分たちの都合のいいように定期点検とかが入れられないので外の電源は非常に不便ですなんということを平気で発言したりなんかするんですが、これ、どういうことなのかというと、一番需給が逼迫していた関電さんの供給区域内で、需給の逼迫を起こさないためにそこの期間に定期点検を入れます。そうすると、別の電力会社にとってはその時期じゃなくて本当は一週間ずらしてくれた方がベストだったというようなときにもこれを不便だと言い、こういうことがあるから安定供給がとかというようなことを言い出す始末なわけで、そうすると、今のままほっておいて外の発電機が増えてくると、それこそ本当に今の水準が維持できなくなっちゃうということになります。
 こういうようなことにさせないようにするために、自社の電源と契約電源以外のところでも、新電力の電源も含めて全ての情報をきちんと送配電部門に集めて、全ての電源を使えるということをすることが安定供給のために一番効くことだと思います。これについてはもう万全を期してやっていくことになると思います。心配のないようにというのは言い過ぎだと思いますが、あらゆる局面で心配のないように制度設計をされていくことになると思います。
○参考人(岸本薫君) 岸本でございます。
 先生御懸念をいただきましたように、振り返りますと、戦後の復興、そうした時代の中で、電気はなくてはならないと、そういう時代から、経済成長を今日遂げまして、ある意味あって当然のような、空気のような存在、そうした中で日々国民の皆さん方が生活をしていただいている。
 その上で、先ほどございました停電の回数であったり時間であったり頻度等であったりということでございますが、私どもといたしましても、この電力システムの改革議論が始まりまして以降、私どものお仲間をヨーロッパ数か国、韓国も含めまして、具体的にそれぞれの国でどういう状況が、事態が起こっているのかを我々の目で見て、そのことを国民の皆さんにお伝えをしなければならないということで調査団を派遣をした経過ございます。
 その上で、先ほどございましたように、例えばヨーロッパなどにおきましては、九六年以降のEUの自由化指令以降、自由化が始まって以降、今日、明日トタで停電が頻発をする時間が、停電時間が延びるとかいうような傾向はないというふうに私自身もその調査結果からは認識をいたしてございます。
 加えまして、先ほどございましたけれども、これからとりわけ発電部門におきましては、競争環境の中での事業運営が始まってまいるわけでございますので、とりわけ予備率といいますか余剰の設備をいかに確保できるか、急な場合にそういう電力をすぐさま提供ができる、そういう設備を確保できるかどうかというのがこれからの課題だというふうに思います。
 余剰設備をたくさん持ち過ぎじゃないかというふうな御指摘もいただいた経過にございますが、例えば消防署の皆さん方を少し思い描いていただきたいんですが、火災が起きるその手前に何をなさっているか。余剰人員では私はないと思っているんです。毎日、日に日に訓練をされて、いわゆる消防車をメンテをされて、いつ火災が起きてもいいように、すぐ出動できるように準備をされている。そういう現場の状況であって、決して余剰人員ではないと思います。ただ、たくさんあると経済性が悪い、あるいは少な過ぎると火事に対応できないという、そういうバランスの中で設備を構成をしていかなければなりませんが、そうした状況の中で、非常にそういう設備の構築、あるいはこれからのネットワークの連携等についても懸念がありますので、そうした点も慎重に検討していく必要があると思います。
 以上でございます。
○有村治子君 ありがとうございます。
 それぞれ熱のこもった御答弁をいただきまして、私の持ち時間あと三分となりましたので、数々用意してきた質問の中で最後の質問になろうかと思います。
 電力がやはり社会の公共財ということで公益性を実現していただいていると思いますけれども、全面の自由化が実施されると、消費者が生産者を選ぶという、あるいは供給側を、事業家を選ぶということも言えますけれども、逆に供給側が、事業家が消費者を選ぶというか、需要家を選ぶというふうなことも考えられます。おいしいとこ取りというか、利益率の高い需要家のみを、お客さんだけをターゲットにしてくる小売事業者が出てくる可能性があります。こういった知恵のある、またおいしいディールをするところ、人たちはお互いにウイン・ウインの取引ができるわけですけれども、そこからはじき飛ばされる一般の大多数の国民の消費者にとってはどのような影響が出てくるとお考えでしょうか。
 我こそはという方があと二分以内に御発言いただければ有り難いです。
○参考人(八木誠君) 八木でございます。
 今、本当に大事な点を御指摘いただきました。これからの自由化の中で各事業者がどういうビヘイビアをするかというのは大変大きなところだと思いますが、私ども一般電気事業者といたしましては、やはりこの改革というのはお客様の真の利益につながるという改革でなければならないと、そういうふうに思っています。そういう意味では、我々自身も、より多くのお客様に選んでいただけるための料金のメニューとかいろんな選択肢の拡大、こういうのを提供させていただきたいと思っておりますし、それよりもやはり、何といいますか、料金の面だけでなく、本当にお客様の例えば省エネルギー活動とか、あるいは効率的なエネルギー活用に貢献するという面で、お客様のお役に立つという観点でいろいろな活動をしていくということが大事だと思っています。
 したがいまして、できるだけ料金をお安くして、これはもうやるんですけれども、そういうお客様のお役に立つという活動と併せて、是非お客様に我々事業者を選んでいただけるような活動をしてまいりたいというふうに思っております。
 以上でございます。
○有村治子君 もう少し踏み込んだ答弁がおありになってもいいのかなというふうに思います。利益率の高い需要家のみをターゲットとする小売事業者がウイン・ウインのディールをした中で、大多数の置かれていく国民はどのような影響を被るのかというところに関しては、頑張りますとおっしゃっていただくのはお気持ちは大変有り難いんですけれども、どういうインパクトがあるのかということをもう少し踏み込んでいただいても有り難いと。
○参考人(八木誠君) 基本的には競争環境に置かれた中で、我々これからいわゆる新しい事業者さんと競争していくんですけど、例えば離島のようなところのサービスがそれによっておろそかにならないかとか、そういうのはきちっとユニバーサルサービスというふうな、あるいは最終的な供給責務が一応制度としてきちっと確立されますので、お客様にそういうそごが生じるようなことにはならないようにする中で、いかに各事業者がそういういわゆるお客様に選んでいただくようなサービス活動をするかというところじゃないかというふうに思っておりますが。
 結果的にはやっぱりこれはお客様に利益になるような活動にしないといけないというのはもう御指摘のとおりでありますので、各事業者がやはり自分の利益最大化だけでなく、きちっと安定供給をするという、お客様のお役に立つという意識を持って活動することが私は大事じゃないかと思いますが。
○有村治子君 最後に松村先生。
 もう私は終わります。お答えだけ。
○委員長(大久保勉君) 済みません、時間が迫っておりますので、簡潔にお願いします。
○参考人(松村敏弘君) 御指摘のとおり、クリームスキミングの問題は非常に重要ですので、これからの制度設計のときには考えていかなければいけないと思います。二%の人だけが利益を得て、九八%の国民が利益を得られないなんというような制度設計は失敗だと思いますので、そのようなことは決して起きないように、そのような表面的な競争だけで、クリームのところだけ取られるような競争で止まらないように、制度基盤の設計と、それから不利益を被らないための一定の規制というのをきちんと考えていく必要があるのだと思います。
 ありがとうございました。
○有村治子君 以上です。ありがとうございます。
○加藤敏幸君 民主党・新緑風会の加藤でございます。
 今日は、三名の参考人の方々にお忙しい中来ていただきまして、大変ありがとうございます。お一人ずつ御質問をさせていただきたいというふうに思います。
 お話を聞きながらいろいろと思うところを質問をしたいと思いますけれども、まず八木参考人にお願いをしたいんですけれども、お使いになった資料のいわゆる見解ですね、何とか当たってということで、解決すべき課題として電力需給状況の改善ということがございました。
 常にいろいろな場面で話が出るんですけれども、供給力が十分に確保され、また需給状況が安定していると、これはまさにいつも枕言葉のように飛び交っていますけれども、言葉が言葉だけになって、じゃ供給力が十分にということはどういう状況を事業者のお立場でお考えになっているのか。例えば予備率とかいう数値があるならそういうようなことを含めて、少しちょっと分かりやすいところをお聞かせいただきたいと思います。
○参考人(八木誠君) 八木でございます。ありがとうございます。
 需給状況の改善ということでいきますと、一般的に私ども、三・一一前の安定的な需給、電力供給を実現していた場合の予備力というのは、大体通常は八%から一〇%という予備力が適正予備率として国にも認めていただいておりました。現状は三%ということでございます。したがいまして、現状の三%というのは、これは実は実質予備力ゼロでありまして、三%というのはもう日常の電気が変動する分を吸収する分だけでございますので、数字的に言えば八から一〇という数字が予備力かと思います。
 そういう意味では、具体的にはそういう数字だと思いますが、今やっぱりこういう状態を、あと例を申し上げますと、例えば現在何が起こっているかというと、本来ならば定期検査をしなければならない火力を定期検査を繰り延べるというような状態になっていますし、本来ならば長期的にこれは計画的に停止しておく火力をまた再び動かしているとか、あるいは緊急的に電源を非常にいわゆる今コストの高い電源を使ったり、あるいは火力自体も常にオーバーロードで動かしていると、こういう状態が日常茶飯事起こっています。
 こういう状態が解消されるということが大事でありまして、そういう中で先ほどのある一定の予備力、これは例えば需要の大きな変動があったりあるいは電源のトラブルがあったときでも安定的に電気を送れると、こういうふうな数字かと思っておりますが、この辺りが一つの目安かというふうに思っております。
○加藤敏幸君 ありがとうございます。
 そこで、本日の午前中の委員の質疑の中で真山委員の方から、電力需要実績ということで二〇〇〇年度から、これは電気事業連合会さんのホームページから取られたということで、これを、お手元にないのは大変申し訳ないんですけれども、二〇〇一年と二〇〇七年とでは約一千億キロワットアワーの差があるわけですね、需要に。結構年次で変動していますし、それから年内も季節に変動しているということで、なかなかこれ需要というのは大変だなという状況の中で今言われた予備力を確保していくと。
 そして、今いろいろ綱渡り状態だという御説明を受けましたけれども、相当に定期診断というんですかね、検査を遅らせているということは、うまくいっている間はいいんですけれども、何かのときに、何かが起こったというときのその事故、責任ということはどのように今受け止められておられるんでしょうか。
○参考人(八木誠君) 基本的には、私ども電力の安定供給と、現状の一般電気事業者がいかなることにおいても電気の安定供給の責任を背負っておりますので、お客様の停電ということについては、もうこれは電気事業者が責任を担うものであります。これは全面自由化になったら、小売の事業者、発電事業者、それから一般の送配電事業者という形でそれぞれが一定の役割を担うことになると思いますが、最終的にやはり送電事業者がしっかりと安定供給の責務を担うということになっておりますので、そういう考え方であると思っております。
○加藤敏幸君 これはまた委員会の中で議論を議会として進めていくべき論点だと思います。
 次に、岸本参考人にお伺いをしたいんですけれども、先ほど非常に強く御主張されましたスト規制のお話でありますけれども、私も労働運動にずっと携わってきまして、この問題についてはまさに長い間議論と考え方をいろいろ巡らせてきたわけであります。
 まず第一には、電力事業に関わる労働組合におかれて、最終的に送電ストップという、そういう事態を引き起こすということについては、基本的に、仮にストライキがオーケーになったとしても、どのように捉えておられますかということなんですけど。
○参考人(岸本薫君) お答えします。岸本でございます。
 今、加藤先生から御指摘がございました電源ストの考え方についてでございますが、過去、このスト規制法が制定をされまして以降、スト規制法の調査会が開催をされまして、もう現在は存在してございませんが、その中におきましても、私ども電力労働者の立場から明確に申し上げました経過といたしましては、電源スト、いわゆる停電ストについては実行しないと、起こさないということを、過去経過からも、そして今日もそう思ってございますが、そういうふうに明確に申し上げてきた経過がございます。
 以上です。
○加藤敏幸君 争議行為というのは、民間全体含めて企業に致命的ダメージを与えるのを目的にしているわけじゃないので、要求に多くの人が結集しているということをどういうふうに表現をしていくかということであり、かつ、それは交渉の一方法、手段として位置付けられているということでございますので、そういう趣旨から申し上げれば、先ほどの参考人の御意見は、結果として、そういうふうなことをすること自体がまさに社会的な信頼を失っていくということで、自らが破滅的になっていくという御理解であり、私はそれはそういうことだと思う。
 したがって、電源ストライキをやらないから規制していてもいいではないかというふうな論理は成り立たないということがこれからの議論であり、今朝、厚生労働省の方の御質問に対する御意見を聞きましたけれども、やや対応が不親切だと、ここまで主張される当該の皆さん方に対してはもう少し丁寧にそのことについてお話をすべきではないかという私は感想がございますけれども、このことについてもまた引き続き委員会の中で議論を続けていきたいというふうに思います。ありがとうございました。
 あと、松村参考人にお話伺いたいのは、お話全体を私もお伺いをして、ややちょっと理解がなかなか行き届かないという側面もあり、かつ、非常に全体として、一気通貫と申し上げるとあれなんですけれども、いわゆる理論としての整合性ということについて非常に工夫をされているというふうに思います。
 その中で、八ページに、言われました消費者の選択とそれから電源構成ということは非常に魅力的な私は御主張だというふうに思います。その中で、例えば、脱原発も脱化石燃料も支持する消費者は再生可能電源を主力とする事業者から電気を買いとか、それぞれ自らの価値観、そういうものに基づいていわゆる発電の種別を買い分けをしていくと、このことがいわゆる消費者の選択の一つだと。
 私はそれが、逆に言うと、価格は言外に、それはやっぱり高いものもあれば安いものもある、そのことは分かった上で、消費者は買うということを通じて、日本の電源構成も消費者が、神の手とは言いませんけれども、最終的にそれを決めていくんだという理屈はそのとおりだと思うんですけど、ただ、やや観念的なところがあると思いまして、現実にそういうふうなことを選択される消費者があり得るのかということについてどうお考えですか。
○参考人(松村敏弘君) 大げさなことを言うようですが、私は、電力システム改革は国家百年の計となるべき大改革だと思っております。したがって、今すぐ仮にここに一足飛びに行けなくても、こういう基盤をつくるということが非常に重要なことだと思っています。
 それから、更に言うと、確かに発電機というのは造るのに相当時間が掛かりますから、今すぐ、じゃ今日自由化して、今日から本当にこれが買いたいと選択できるのかというと、それは極めて難しいということがあります。それから、消費者の意識として、そこまでまず意識が行くのかということも非常に難しいと思います。全くおっしゃるとおりだと思いますが、この道が開かれれば事業者もそういう宣伝を始めるでしょうし、消費者の意識も高まるでしょうし、長期的には私はこういう道に行けるのではないかと思っております。
○加藤敏幸君 百年の計ということでの議論と、それが現実に電力料金が国際競争力なり国内における競争力をある程度規定をしていくという現実の経済行為ということの中で、また消費税の問題も含めて家計の問題もいろいろ出てきていますけれども、そういうふうなレベルの議論と参考人が考えておられる百年の議論の中で、やはり少しギャップのあるところも私は感じられますけれども、そのことをこれから先どういう形でもし埋めていかれるのかということで、例えば、広域機関が電力のいわゆる新設を調達するということについても、先ほどお示しいたしました需要動向と実績のグラフを見ても、結構予測が難しい側面もあって、五年、十年先ということと、一年、二年というレンジの差から発生する問題点については、そこは少し違った意味で私は手当てをする必要があるのではないかと考えますけれども、そこはどうでしょうか。
○参考人(松村敏弘君) 私の質問ではなかったのでちょっと需要のことをお答えしなかったのですが、先ほどのお答えの中でも三%とかというようなことが出てきましたが、それぞれの目的によってまず需要の見方が違います。つまり、猛暑になり、なおかつその猛暑の中の一番厳しいときの需要ってどれだけかという、こういう予想を立てた上で、それでも三%を確保しておかないと心配だという、こういう議論と、平年だったらこれぐらいだと、でも猛暑の分も見込んで一〇%ぐらい予備力を持っておかないと不安だという、こういう予想の仕方と、専門機関でもそれぞれ分かれています。
 そうすると、予想の難しさというのは、猛暑で一番厳しい状況だったらこれだけだと思ったけど、実際にはそれよりも少なかったというのは、予想が外れたというよりは想定した最悪の事態にならなかったという、こういうことなんだと思います。広域機関の電源入札は、恐らく、猛暑に仮になったとして、十年後にかなり高い需要になったとしても耐えられるようにということを考えてやるということになると思いますから、実際の気温だとか需要だとかを正確に予想するというよりは、リスクを予想するということになると思います。それに関してはある程度できると私は思っております。
○加藤敏幸君 時間が迫ってまいりましたので、確かに、システム設計なり、言わばこの設計図面として三段階にわたるシステム改革が提示をされて、それに対して議会として議論をし、かつ結論を出していくというプロセスでありますけれども、なかなか、設計図においてある種の貫徹された理屈ということと、現実に機械を造って、それを運転して所与の性能なり安全性を獲得をしていくという、そういうふうな、やっぱり差があるというふうに、あって当たり前だということであり、かつ、参考人も、引き続き一つのメンバーの一人としてウオッチをしていくとか知恵を出していくということを言われていますけれども、そのことを含めて、我々も余り硬直的にこの設計図を考えずに、やっぱり相当議論を尽くすという必要があるんじゃないかということを申し上げまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。
○谷合正明君 公明党の谷合正明です。
 今日は、どうも三人の参考人の皆様方、本当にありがとうございます。
 今回の電力システム改革につきましては、新規参入の促進や競争環境の整備によりまして電力の低廉かつ安定的な供給を一層進めていくものであると、エネルギー制約の克服に向けた改革の中心を成すものと、そのように政府も説明しておりますし、その意味において我々も賛成であるという基本的立場の下、今後、本当に低廉かつ安定的な供給を実現していくための条件や課題について、改めて参考人の皆様方に御意見を賜りたいと思います。
 まず、電気料金の水準についてなんですが、これはよく言われますが、指摘されてきたことでありますが、需給が逼迫しているという状況下の下であると。その下での改革で、電気料金は本当に下がるというか上昇を抑制できるのかといったような問いに対しては、政府としては、経過措置として競争環境が整うまでは電気事業者に供給義務と料金規制を課すと。また、規制料金は残すものの自由な料金メニューも作れるようにして、経過措置の期間においても電気料金を規制料金以下に引き下げる効果も期待できるというふうに答弁をこれまで委員会質疑でされております。
 そこで、まず八木参考人にお伺いしますけれども、このような政府の説明に対する基本的な見解を改めてお伺いしたいということと、経過措置として競争環境が整うまでとしたということ、この競争環境が整うということの具体的なものがはっきりと十分に示されていないのかもしれませんが、この競争環境が整うまでとしたことに対するその見解、それから自由な料金メニューを設定する可能性について、この三点についてまずお伺いしたいと思います。
○参考人(八木誠君) 今回の電力システム改革の目的というのは、競争環境下に入ることによってお客様の電気料金をできるだけ低減化するということ、それとともに電力の安定供給を維持すると、この目的がきちっと確立されることが本来のシステム改革の目的でありますので、そういうことが、ならないような環境整備、あるいはそういうことに至るようなきちっと制度設計というのが非常に大事だというふうに思っております。
 そういう意味では、電気料金の低減という観点から申し上げますと、今のような需給状況の中におきまして、しかもこういう需給が逼迫した状況におきますとどうしても売手市場ということになりますので、高く売るという姿勢が、どうしても事業者として自分の利益最大化ということになりますと、必ずしも真の競争が起こるというふうには考えられないというように思っております。
 したがいまして、私どもとしては、まずこういう需給状況を改善していくということが、これが競争活性化につながり、電気料金の低減にも貢献していくものだと思っておりまして、是非そういう環境が整っているかどうかを見極めて自由化の判断をしていただきたいのが一点であります。
 それから、もう一つ環境整備ということで今日申し上げましたのは、やはり原子力というのは、私どもとしては、これは非常に、日本にとって三つのEに優れた大変重要な電源であるという、国のエネルギー政策にも記載されておりますし、私ども事業者もそう思っておりますが、原子力というのを今後とも民間がきちっと、国策民営の下でやっていくに当たっての事業環境整備ということについて、先ほど冒頭で申し上げました。
 もう少し具体的に申し上げますと、幾つかありますが、大きく申し上げますと、一つは原子燃料サイクル、これの事業というのが、非常に長期にわたる仕事でございますが、この事業の予見性あるいは費用の確実な回収の予見性が非常にこの自由化によって薄くなっておりますので、こういう中でこうしたことを、日本のエネルギー政策としてきちっと原子燃料サイクル事業をやっていくに当たっては、民間と国との新たな役割分担、官民の役割分担というのをこれから明確にしていく必要があろうかと思います。もう一点は、原子力の損害賠償制度において官民の役割というものを、これも日本の場合は無過失無限責任が事業者に負わされておりますが、こういったことにつきまして、これいずれも諸外国の事例を踏まえて検討していく必要があろうかというふうに思っております。
 以上でございます。
○谷合正明君 規制料金は残すんだけれども自由な料金メニューも作れるということで、実際に自由な料金メニューというのを作るということですか。
○参考人(八木誠君) 失礼しました。
 私どもとしては、今回の全面自由化によってお客様のいわゆる規制料金が一時的に残ると。これは、ある意味では、新たな制度がお客様に本当に浸透するまでの間、御理解が深まるまでの間の暫定的な措置だというふうに思っておりますが、やはり私どもとしては、こうしたものはできるだけ全面自由化の中で、各事業者が自由に競争していく中で自由な料金を作っていくということが大事だというふうに思っています。そういう意味では、規制料金下の下でお客様にまたいろいろなメニュー、いろんな選択肢を提供するということも基本的には可能かというふうに思っております。
 したがいまして、そういう意味では、我々基本的には、いわゆるこの料金の規制はできるだけ早く撤廃していただきたいと思っておりますが、そういう中で我々自身が工夫して、お客様にどういう料金メニューを提供していくかというのは、今後、いろいろと検討課題だというふうに思っております。
○谷合正明君 ありがとうございます。
 松村参考人にお伺いします。
 事前に我々にいただいた資料で、日経エコロジーでの経団連の澤氏との対談の記事を読ませていただきました。その中で松村参考人は、電力自由化で価格が必ず下がるとか必ず上がる、そういうどちらの見方もおかしいんだと。要は、消費者の不利益を避けるために慎重な制度設計が必要であるというふうな見解を述べられておりまして、今日の冒頭の御意見もそうだというふうに拝聴いたしました。
 それで、料金規制についても触れられておったわけでありますが、料金に関するこの制度設計について、今のこの政府案についての評価すべきことであるとか課題であるということについて、改めてここでお伺いしたいと思います。
○参考人(松村敏弘君) 私は、今の政府案の料金規制に関する考え方は高く評価しております。
 やはり、規制なき独占が起こって価格が上がってしまうというおそれは否定できないと思いますので、これに対する備えとしての一定の規制というのは必要であると。それから、競争環境が整い、そのような規制が不要であるということがみんなが納得できるまで料金規制は私は残すべきだと思っております。
○谷合正明君 済みません、それは、みんなが納得するというのはどういうような状況を指すものでしょうか。
○参考人(松村敏弘君) 済みません。
 全く御指摘のとおりで、極めて難しいですね。難しくて、なおかつそこを曖昧にしておくと、いつまでもずるずる引きずるということもあり得るでしょうし、不適切に解除してしまうということもあり得るということがあると思います。
 ただ、これ、極めて難しくて、例えば競争基盤の整備のために自主的に取引所を、圧倒的な発電のシェアを持っている一般電気事業者が取引所を使いましょうということを言っているときに、どれぐらい本当に出してくれるのかというようなことをきちんと監視しなければいけないし、実際に自主的な取組でほとんど進まないということがあるとすると、もっと強い規制を課さなければいけないというようなことも出てくるわけです。
 しかし、そのときに、どれだけ出てくれば十分な競争環境で、どれだけに達しなければ駄目かということは、本当に文字どおりケース・バイ・ケースでして、かなり難しい判断が迫られるということで、こうなったらという明確な指標が私自身今用意できなくて、大変不明確な回答で申し訳ありませんが、そういう状況です。
○谷合正明君 率直なお話、ありがとうございます。
 もう一つ、料金とともに、安定供給の面について最後にお伺いします。
 やはり、この発電、小売の分野に様々な事業者が参入する可能性が生じて、メリットとして、何というんですか、需要家の選択肢や事業者の事業機会の拡大という点で評価するわけでありますが、その安定供給の確保という観点で、これもさんざん指摘されていることでありますが、事業者が増えることで連携がうまくいかないであるとか、ひいては停電が起きる事態が生じる懸念があるとか、様々なことがあるとは思うんです。そうならないために、小売事業者に自社顧客の需要に応じた供給力の確保を義務付けをしていたりとか、広域的運営推進機関が電源公募入札、こういう仕掛け、仕組みをつくっているわけであります。
 改めて八木参考人にお伺いしますが、こうした懸念あるいは政府の対応について、十分な制度設計というふうにお考えになっていらっしゃるのかということをまず確認させてください。
○参考人(八木誠君) 安定供給の仕組みづくりということで、例えば今御指摘のありました小売事業者が基本的にはこれから供給力の確保義務を負うわけでございますけれども、この供給力という概念の中に予備力も含まれるという概念が先般国から示されましたが、じゃ、具体的にそういう事業者がどういうぐらいの予備力を確保するかとかいう、そういう設計はまだこれからでございますし、事業者が仮にできたとしても、系統エリア全体で予備力を確実に確保するためのいわゆる仕組みといいますか、これはいろいろなアイデアが今出されてございます。先ほどの、一つの例としては、将来的には電源の入札というのも一つの大きな選択肢だと思いますが、短期からやっぱり中長期にわたってきちっと系統全体の予備力が確保できる制度設計、これはまだ今緒に就いた段階だと理解しております。
 したがいまして、この点につきましては私ども事業者も積極的に詳細検討に協力してまいりたいと思っておりまして、やはり大事なことは、きちっと制度設計をして、やっぱり自由化になってもきちっと予備力が確保され、電力の安定供給が保たれる仕組みをどうつくるかということだというふうに思っております。引き続き検討に努力してまいりたいと思います。
○谷合正明君 最後になると思いますが、消費者という立場に立ってみると、停電が起きないような仕組みをつくってもらうことが大事なんですけれども、ただ、仮に停電が起きた場合に今後誰に連絡、相談をすればよいのかといった素朴な問いかけに対して、この電力システム改革が完遂した場合に停電のときの対応というのはどういうものになるんでしょうか。これはどなたにお伺いすれば、これは八木参考人ですかね。
○参考人(八木誠君) 全面自由化の節には、小売事業者、発電事業者それぞれが役割分担になりますけれども、最終的には全てネットワークに入っておりまして、ネットワーク事業者、いわゆる送電事業者がお客様に対する最終責務を持つと、こういう理解でございますので、基本的には停電等のお問合せはそちらということになると思います。
 ただ、この停電ということに関しましては、必ずしも設備のトラブルだけではなく、例えば雷等の自然現象、あるいは第三者の要因といったことも、いろんな停電の要素がございます。したがいまして、全て防ぎ切れるかどうかという点ではなかなか難しい点もありますので、ネットワーク事業者という立場からすると、停電が起こらない努力は一生懸命やりますが、万が一停電が起こったときの影響が大きいお客様には、例えば自家発電設備を置いていただくとか、あるいは無停電電源装置を置いていただくとか、こういったことはお互いやっぱり必要じゃないかと思っておりまして、これは今もやっていただいておりますけれども、全面自由化の節にもやっぱりお互い、消費者側もある程度対策をし、ネットワーク事業者ができるだけ事故が起こらぬようにする。しかし、最終的な責任はネットワーク事業者が一義的に負うと、こういう理解でございます。
○谷合正明君 ありがとうございます。
 時間になりましたので、岸本参考人には御質問できなくて申し訳ございませんが、終わらせていただきます。
○中野正志君 日本維新の会・結いの党の中野正志でございます。
 私から言うまでもなく、私たちの日本の原子力政策、国が原子力の導入を積極的に指導して、民間の電力会社に地域独占あるいは総括原価主義を認めて運営させるという、先ほど来、八木参考人からも話がありましたけれども、国策民営の形で推進されてきたことは間違いありません。しかし、これからは原子力依存度の低減を図ると、あるいは全面自由化を図るという国の方針が出されているわけでありますけれども、このような新しい競争環境の中で引き続き民間電力会社が原子力発電所を運営していくというためには、新たな国策民営の仕組みが必要になってくると。先ほど八木参考人から、全面自由化の実施に先駆けて、民間事業者が長期にわたる原子力事業を担える新たな国策民営の在り方を検討していただきたいと思いますという発言がありました。
 八木参考人と岸本参考人にお伺いをいたしますが、新たな国策民営の仕組みが必要になってくるという、検討していただきたいとの問いかけではありますが、逆に参考人それぞれのお立場から、どのような仕組みが望ましいんだろうか、どのような官民の役割分担が必要になると思われるんでしょうか。先ほどちょっとは触れられましたが、もう少しつまびらかにお聞かせをいただけませんでしょうか。
○参考人(八木誠君) 新たな国策民営の在り方ということについての御質問でございますが、今御指摘のように、この全面自由化という競争環境の中で、我々民間事業者としては、やはり原子力発電、これは国の重要なベースロード電源であり、エネルギー政策等貢献してまいりたいという気持ちがございます。
 そういう中で、やっぱり我々事業者が、原子力というのはどうしても発電から運転、それから終わった後の廃炉、それから処理も含めて非常に長期の事業計画で、なおかつ、やはりそこに巨額の投資が必要であると、非常に他の発電設備と違った特殊な事業になっておりますし、一方でいうと、そこにある意味の事業リスクもあるというふうに考えております。
 したがいまして、具体的な新たな国策民営ということになりますと、我々事業者が長期の予見性を持って、なおかつ必要な費用をきちっと回収できるという、大きく言うとこういう考え方になると思います。
 具体的な例として幾つかありますが、一つは、やはりこれから原子燃料サイクル事業といいますか、これバックエンドのところが中心になりますが、この辺のところを、今までは我々は総括原価の中で費用を回収しながらきちっとやるということでございますが、この辺のところが少し不透明になってきますと、このバックエンドのところの責任主体あるいは負担の在り方、これにおいて官民の役割分担をどうするかと、これはひとつ明確化していただければと思っております。
 それから、やはり事業リスクをどうしても原子力は抱えますが、いわゆる原子力損害賠償制度では、いわゆる原子力事業者の無過失無限責任というのがありまして、これは国際的には非常に特殊な制度になっております。なおかつ、また今、一般負担金という形で将来の事故リスクに対するお金を各事業者が負担しておりますが、これも具体的な額が決まっているといいますか、上限値が決まっているわけでもございません。
 そういう意味では、事業者がこういう予見性を高める意味では、こういう事故時の負担の在り方とかこういうのを、やっぱりいろんな海外の事例がございますので、そういう事例を踏まえて高めていただけるということが、大きく言うとその二つがあろうかというふうに思っております。
○参考人(岸本薫君) 御質問ありがとうございます。岸本でございます。
 これから競争、そして体制が変わっていく中での新たな原子力の環境いかにということでございますが、そういう大きく流れが移り変わっていく中で、国としてどのように関与をし、あるいはどのように責任を果たしていかれるのか、国と事業者のいわゆる責任の分界点あるいは役割分担の在り方、そこをこれから議論を詰めていかなければならないのではないかなというふうに私自身も思っているところでございます。
 また、先ほどもお話ございましたように、技術、技能を引き続いてこれから、廃炉の話も出てございますが、通常廃炉であっても二十年から三十年、少し具体的例が良くございませんが、例えば四十年で運転制限を全て日本全国のプラントに掛けました場合のシミュレーションを仮にいたしますと、二〇四九年でありますから、これから三十五年先には原子力がなくなってしまうとしても、先ほど申し上げましたように、それから二十年であったり三十年掛かる、つまり五十年、六十年、これから少なくとも、ミニマムでも掛かってしまう。
 今、傾向的に原子力産業のセミナーなども参加者が四分の一になっているというふうなことも言われてございまして、いわゆる将来性がないところには人が集まらない、人が集まらないところには技術が集積をしないわけでございますので、いわゆる原子力という産業にこれからやっぱり希望と光をいかに当てていくか、そのことが大事であろうというふうに思ってございますし、加えて、立地自治体の皆様あるいは立地地域の皆様、周辺、さらには社会の皆様との関係をどのように構築をしていくかということも含まれるであろうというふうに思います。
 五月の三十日の本会議の中でもそうしたやり取りがございまして、経産大臣の方から、これから原子力の新たな事業環境の整備について、国としてもそういう受皿を持って慎重にこれから検討していくというふうなお話もいただいたというふうに思ってございますので、そうした受皿の中でこれからのありようが検討される、そのことを希望したいと思います。
 以上です。
○中野正志君 ありがとうございます。
 今、廃炉の問題も言われましたけれども、やっぱり日本の原子力技術を維持発展をさせていくという現実的な路線として、廃炉をしっかりとやっていくということがまずは考えられます。そのほかに、原子力発電所建設の海外協力など様々なやり方があるようにも思えますけれども、具体的にどのような活動が原子力技術の維持発展に貢献していくのだと考えられるのか。岸本さんから今ちょっともうお話をいただきましたけれども、原子力技術の維持発展の貢献、そのときの問題点、懸念材料にはどのようなものがあると考えられますか。八木さん、岸本さん、もう一度お二人に、直接的な原子力事業体の関係者でありますから、一言ずつお答えをいただければと思います。
○参考人(八木誠君) 原子力技術というのは本当に、エネルギー分野のみならず、例えば工学、理学、医学、農学を含めた幅広い分野に関わる技術でありまして、これはまさに科学技術立国、言わば日本の技術だというふうに、大変重要だと思っております。
 こういう技術をいかに継承するかという意味で、一つの考え方といたしまして、やはり国の政策がはっきりしているということが大事だと思っています。そういう意味では、エネルギー基本計画で今般、原子力を重要なベースロード電源と位置付けていただいたことは大変有り難いと思っておりますが、もう一つ大事なことは、やはり、こういう人材をきちっと確保していくというためには、やはり海外へのいわゆる原子力輸出も当然あるかと思いますが、国内においてやはり原子力を一定程度活用していくという、つまりこれからのベストミックスの議論の中で原子力を一定程度活用していくという、そういう方向性を示していただくことが非常に大きなポイントだと思っております。
 そういうことに関して我々自身も、加えて、現在ある安全を確認されたプラントをしっかりと運転し、その中で、安全運転を継続する中でこの技術の継承をやっていくということは我々自身頑張ってまいりたいと思いますが、是非国におかれてはそういう方向性を示していただければというふうに思っております。
○参考人(岸本薫君) 岸本でございます。
 今、八木参考人の方からも、国内での一定的な方向性を早期に見出していただくということが大事であるということも触れられました。私もそのとおりであるというふうに思います。
 加えまして、先生よく御承知だと思いますが、原子力、今世界で約四百二十プラントあるわけでございまして、今後、二〇三五年に向けましては約六百基程度になるということも出てございますし、周辺国でありますアジア、韓国、中国を含めましてたくさんの原子力プラントが建設をされる、そういう予定であるということが国際原子力機関のデータで出ているわけでございまして、今国内の中でこの安全性についてきちっとして対応する、このことは大変大事であるし、そのことに基づいて、国民に安全性、信頼性を獲得をしながらそういう稼働をしていただくということだと思いますが。
 海外の隣国についてもたくさんのそういうプラントが建設をされるということについては、日本の我が国民も承知をした上で、この技術が直截的に、対外的に、国、国同士ですから、そのまま受け入れていただけるかどうか、ここはよく分かりませんけれども、日本で最新の今そういう技術がいろいろとチェックされてございますので、そういうものを海外に反映ができるとするならば、それも含めて日本人をきちっと守っていくということにもつながるのではなかろうかというふうに思っています。
 以上です。
○中野正志君 ありがとうございます。
 松村参考人にお伺いをいたしますけれども、先ほど公明さんからも話がありましたが、やっぱりこのシステム改革によって電力料金が下がるということでありませんと、改革は何ぞやということになりかねいたしません。
 例えば、国で今まで国鉄民営化の問題でありますとかその他様々な改革を進めて、結果的に、例えばJRでいいますと、今から三十年近く前はもう国から一兆円以上の財政援助があって、それで国鉄が何とかかんとかやる。民営化されてこの三十年近く、新幹線料金を始めとして、幸いに一切もう切符の値段は上がってこなかった。国民からいたしますと、おお、これが国鉄民営化か、果実がはっきりと分かるという現実もあるわけですね。
 ですから、何のための改革やということになれば、電力システム改革があって、消費者、あるいは事業体であれ、とにかく両方にとっていいという形がはっきり見えることが私は大事なんだろうと思うんでありますけれども、上がるか上がらないか分からない、あるいは下がらないかもしれないという言い方になりますと、ちょっとやっぱり消費者の皆さんにとっては問題だよなということになりかねしませんけれども、もう一度、松村参考人、その辺、御説明をいただければなと思います。
○参考人(松村敏弘君) 電力システム改革の制度設計を間違えれば安定供給に支障を来すということもあり得るし、電力システム改革の設計を間違えれば料金が上がっちゃうということだってあり得るということを言っただけであって、そのようなことが起きないように正しい改革をするということであり、現在提出されている法案に関しても、それからこれからつくられる詳細制度設計に関しても、そういうことが決して起きないように、価格がシステム改革をしなかったときに比べて上がるだとか、あるいは停電率が上がるだとかというようなことに決してならないようにきちんと制度設計をしていくということです。
 ただ、制度設計に関して、いいかげんな制度をつくってしまえばそういうこともあり得るので、そういうことを起こさないように最大限努力するし、実際に低下させるような制度をつくっていくつもりだということだと思います。
○中野正志君 岸本さん、中小企業の立場の方々からの話でありますけれども、送電事業者なんですね、今、正直、電力さんの孫請なんですよ。送電の仕事は大変に厳しい、しかし、専門性を求められる。ただ、ここ三年間の流れの中で二五%から三〇%のコスト削減を求められている。ですから、中小企業の立場からすると、これ以上はもう無理だと、コスト削減無理だ。なおかつ、もう社員の給料を上げていないし、ボーナスもほとんど出せない現実があると。こういうことを岸本さんは、労働組合の立場の中でありますから、是非御認識をいただいておきたいなと思います。
 なおかつ、電力本体の社員の給料も二百万円ぐらい下げさせられたわけですよね。これ以上給与を下げることももう無理だと。ですけれども、そんな中で、岸本さん、現実厳しいのでありますけれども、労働組合の会長さんの立場で御感想を一言。
○参考人(岸本薫君) 先生、ありがとうございます。
 労働条件、私どもの職場、これグループも含めてでありますが、単価の削減などなど含めまして、先ほどありました送電のお仲間の皆さん方にも結果する影響は及ぼしている、これも、私も元々工務屋でございまして、承知をいたしてございますし、非常につらい思いで現場作業に携わっていただいている。私どもの働く職場の仲間も、先生御指摘のように労働条件も先ほどのような状況になってございますが、その上においても電力の安定供給を今必死になってつないでいるというのがさまでございます。
 これからも、労働組合の立場といたしまして、労働条件のきちっとした確保、これはもう雇用の問題は絶対でございますし、加えて設備がなかなか更新できない。先ほどの御指摘の送電の業者さんもなかなかお仕事が少なくなっていると思います。そういう中での、設備が不安定であろう中での生命の安全、これも私どもとしてきちっと確保していく、経営とも向き合いながら、場合によっては国の皆さん方にも更により一層働きかけながら、生命と雇用、労働条件を維持、確保してまいりたいというふうに思ってございます。
 以上です。
○中野正志君 ありがとうございました。
○松田公太君 みんなの党の松田公太です。
 本日はお三方、どうもありがとうございます。
 つい先ほど中野委員の方からも質問がありましたが、ちょっと同じような質問になりますけれども、まず八木参考人にちょっと違う観点から御質問させていただければというふうに思います。
 八木参考人は、本日も、また先日の電事連の記者会見におかれましても、電気事業法の改正、この第二段階に当たっては、やはり原発の新たな国策民営の在り方を検討する必要があるというふうに話されております。バックエンドのコスト、そういったもののサポートも含まれるというふうに思いますけれども、例えば廃炉コスト、これについてはどのような支援をしてもらいたいと思っていらっしゃるのでしょうか。
○参考人(八木誠君) 私ども事業者は、原子炉につきましては、建設から運転、廃炉まで、少なくともこれは一貫して事業者の責任でもって実施したいと思っておりますので、廃炉につきましても事業者責任というのは基本的な考え方だと思っております。
 ただ、廃炉ということになりますと、これは積立金を、廃炉、解体のための積立金を積み立ててきておりますけれども、これが不足するケースもございますし、こういったことについて今般いろいろと国の方で廃炉の制度、会計を変えていただきました。私どもとして、今般、そういう廃炉の積立金をこれまでの発電量から固定額に変えるとか、四十年を十年延ばすとか、非常に大変有り難く思っております。また、廃炉後も安定的に維持するために必要な設備は減価償却の対象になると、こういうことで廃炉会計をしていただいていることは大変有り難く思っております。
 私どもとして、基本的にポイントとなりますのは、やっぱり廃炉というのは大変な費用が掛かりますので、廃炉ということが起こった途端にその費用を会計上認識するとなると企業経営上大変難しい問題がございますので、廃炉に要する費用をいかに分散化していくか、平準化していただくか、そういう旨の会計制度をいろいろ国に御相談を申し上げたいと思っておりまして、基本的には廃炉自体は我々民間事業者がきちっとやるという覚悟で考えております。
○松田公太君 ありがとうございます。
 八木参考人のお話を伺っていますと、原発の発電コストというものは高いんだということを明言されていることになるわけですけれども、元々原発、コストは、電力のですね、発電コストは安いというのが日本で推進されてきた最大の理由だったわけですね。しかし、あの福島原発事故以降、そうじゃないんだということが国民にも知れ渡ったということだと思いますけれども。現在、政府が出している公式な数字というのは、コスト等検証委員会で原発コストは八・九円以上であるというふうに言われているわけですけれども、それは以前の五円とか六円とか言われていた時代よりかはちょっとはましになったのかなというふうに思いますけれども、まだそれでも不十分なのかなというふうには思っております。バックエンドのコストのことも多々お話をされていますし。
 八木参考人は、実際今、原発の一キロワットアワー当たりのコストというのはどのくらいになるというふうにお考えでいらっしゃいますでしょうか。
○参考人(八木誠君) 具体的なコストの数値についてはお答え今ちょっと申し上げられませんが、まず最初の前提として、原子力コストが優位性がないから私ども環境整備をお願いしているということではございませんので、そこの点改めて申し上げたいと思いますが、原子力の発電コストというのは、いわゆる国におけるコスト検証委員会において、例えば今回のような福島への事故リスク、こういうことも含めて費用を加味した上で他の電源と遜色ないということが改めて確認されているという理解であります。
 ただ、この試算は長期にわたって原子力、ちゃんと事業が安定しているという、つまり運営されるということが前提でありますので、この前提が崩れるとそれは当然コスト高くなりますので、原子力発電事業が安定して運転されるという前提において成り立っていると。
 したがって、原子力がその予見性がないような、原子力の長期にわたる運転ができないようなことになるとこの前提が崩れますので、そういう環境整備をきちっとしていただきたいという趣旨でございます。
 したがって、私どもは、新たな全面自由化の環境下で、やはり民間事業者が予見性を持って長期の事業をきちっと計画し実行できる環境というのが何よりも重要だという意味で環境整備をお願いしておりますので、決して原子力が高いから環境整備をしていただきたいという趣旨で申し上げているつもりではございません。
○松田公太君 八木参考人が国に求められていることの一つに、原子力の損害賠償については無限責任を改めて有限責任にするべきだということがあるわけですね。民間企業である以上、それはちょっと都合がいいのかなというふうに感じてしまう部分もあるんですけれども、なぜそう思うのか、簡潔に教えていただければと思います。
○参考人(八木誠君) 八木でございます。
 原子力を各国で進めるに当たりまして、やはりいろんな諸制度がございまして、今事業者において無限無過失責任が課せられているという日本は特殊な例だと思っています。
 これにつきまして、我が国において原子力をなぜ進めるかということにおきまして、これは基本的にはこれまでも国策民営であるというふうに思っております。つまり、国のエネルギー政策の下に民間事業者がいろいろと柔軟性、創意工夫を発揮し、そしてエネルギー政策に貢献すると、こういうことで日本のエネルギーの安定供給あるいはエネルギーセキュリティーというのが確立されているという理解をしております。
 したがいまして、あくまでも国のエネルギー政策ということで原子力を位置付けるにおいて、原子力を民間事業者が、先ほど申し上げましたように予見性を持って確実に費用回収しながらできるような環境整備という面でいきますと、一つの問題としてこの事故時の補償の問題といいますか、これは、原賠の補償という問題は、他の国の事例に鑑みまして日本がやはり特殊な状況にあるということから見直しを行っていただきたいという考えでございます。
○松田公太君 ほかの国の状況を見ながら若しくは比較しながらということを先ほどもおっしゃっていたわけですけれども、ほかの国というのは、国策、ある意味公営であるところが多いというふうに思うんですね。公社でやっているところが多いじゃないですか。
 そういう意味では、原発をいっそ例えば国有化してしまう、特に福島原発のように事故を起こしてしまったところ、そういったところは国有化するべきじゃないか、そのような考えはおありでしょうか。その可能性についてはどういうふうに思われるでしょうか。
○参考人(八木誠君) そうしたお考えがあることについては私も意見として承知しておりますが、これまで我が国におきまして、先ほど申し上げましたように、国のエネルギー政策の下で、民間事業者である我々一般電気事業者が長年にわたって立地地域との信頼関係を築きながら自主性、創造性を発揮して原子力発電に取り組んできたと、そういうことで国のエネルギー政策あるいは地球環境問題等々にも貢献してきたと、こういうふうに私ども思っております。
 そういう意味では、今後におきましても、私どもとしては国のエネルギー政策の下で我々民間事業者がやっぱり国のエネルギー政策に貢献していきたいという思いを持ってございます。そういう意味では、引き続きそうしたことができる環境整備というのを是非お願いしたいという思いでございます。
○松田公太君 まあ余り突っ込むのもあれなんですけれども、例えばその自主性を重んじてやってきたということに対し、本当は国策民営の在り方を見直してもらいたいという話であったり、ちょっと矛盾しているように私には聞こえてしまうんですね。
 原子力損害賠償支援機構についても、実際はそれについてのちょっと問題点も八木参考人は指摘をされているわけですよね。将来性が見えないと。実際、例えばサポートしている、一般負担金を払っている我々関西電力がなぜ赤字で、その負担をしてもらっている東京電力が黒字になっているのかというような話もあろうかと思いますけれども、ちょっと問題点があるんじゃないかということをおっしゃっているわけです。そこら辺のやはり私は矛盾点が多々あるんじゃないかなというふうに思うわけですね。
 そういう意味においては、個人的には、原発、特に事故を起こした部分については国有化を一回してもいいんではないかなと、このように思っているわけですけれども、いかがでしょうか、もう一度お聞かせいただければと思います。
○参考人(八木誠君) 今回の原子力につきましては、電力システム改革の中で、これまで国のエネルギー政策の下に我々民間事業者が事業を長期にわたってやるに当たって適切な費用を回収できる総括原価方式という方式がございました。それによって我々民間事業者は予見性を持ち費用の回収もできたわけですが、今般のシステム改革によってこの総括原価方式がなくなったわけでございます。
 そういうことでいきますと、国のエネルギー政策は、基本的には先般のエネルギー基本計画が一つこれ確立されました。その上で、私どもとしては更なるエネルギーミックスをきちっとしていただきたいと思いますが、やはり国のエネルギー政策をしっかりしていただいた上で、我々がやはり今までいろいろと立地地域の皆様との長年にわたって信頼関係を築いてきたそういう実績を踏まえながら、引き続き私どもとしては民間で担ってまいりたいという強い思いがございます。
 したがいまして、私どもとしてはそういうことで、エネルギー政策に我々が貢献していきたいという強い思いの下で申し上げていますので、要は、システム改革によって我々の環境が変わったので、その環境が変わったことに対してきちっと新たな環境整備、すなわち新たな国策民営の環境整備をしていただきたいというふうに思っているところでございます。
 以上でございます。
○松田公太君 原発がなくなって、一般電気事業者の皆さんから、例えば発電は残ると、火力発電が残るわけです、それでも。若しくは、新しい自然エネルギーに取り組んでいくと。そういう形でこの電力システム改革に参入をして、新電力の会社と共に競い合っていくという方がより中立公正な形が取れると思いませんでしょうか。
○参考人(八木誠君) 私どもは、これまで原子力発電事業を担ってまいりました。この原子力発電は、先ほど三つのEに優れた発電であるということと、先ほどコストにつきましても、今回の福島の事故を踏まえたコストも含めた形でも他と遜色のない電源であるというふうに思っております。
 したがいまして、私ども事業者としては、やっぱりお客様や社会のお役に立つというのが私どもの使命であります。そういう意味では、できるだけ安い電気料金で、今はなかなか需給逼迫しておりますからそうはいきませんが、できるだけ低廉な電気で、安定した品質の電気を安定的にお送りするという、そういう使命をこれまで果たしてまいりました。私どもとしては、そういう使命を引き続き担ってまいりたいという強い思いでございますので、安全が確認された原子力プラントを確実に運転させていただいて、福島のようなことが二度と起こらないという安全対策を、これからも規制基準も超えて自主的に継続的に安全を高める努力をして、原子力を含めた形でのできるだけ安定的な電気、そして低廉な電気の供給という責務を担ってまいりたいという強い思いでございます。
 以上でございます。
○松田公太君 ありがとうございます。
 それでは、松村参考人にお聞きしたいと思いますが、電力システム改革と安定性の改善のためにやはり重要なのが広域的運営推進機関であることは間違いないですね。その公平中立性というものを保つために、担保するために、どんどん新規参入を促すためにも、この広域的運営推進機関、現在の仕組みといいますか設計では例えば不十分なところがあるというふうに思われるとしたら、例えばどういったところが不十分だと思われるか、どう改善するべきかということを教えていただければと思います。
○参考人(松村敏弘君) 現時点で作られているルールで不十分な点があるとは私は思っておりません。
 ただ、今から詳細な制度設計というのが始まるので、ここは見ていかなければいけない。人事がどうなるのかというようなことも含めて、あるいはルールがどうなるのかということも含めて見ていかなければいけないと思いますが、現時点で明らかになった時点では、不十分だと思う点は私自身はありません。
○松田公太君 今、人事というお話でしたが、例えば一般電気事業者、電力会社十社ですね、いわゆる、から人事が入って、そういった方々が実際に運営をしていくと、若しくは幹部の方々にどんどんなられていると。今の準備組合の段階ではそういった姿はちょっと見えないんですが、比較的ばらけていると思いますけれども、そういう状況にならないために例えば私はノーリターンルールとかそういった制度を授けるべきだというふうに思いますが、時間が来ましたので、簡潔に松村参考人に教えていただければと思います。
○参考人(松村敏弘君) ノーリターンルールも含めて検討していく価値は十分あると思います。短期的には極めて難しいと思うんですが、きちんと考えていくべきだと思います。
○松田公太君 どうもありがとうございました。
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子でございます。最後の質問者となりますので、どうぞよろしくお願いします。
 また、三人の参考人の方には、今日御出席いただきまして、ありがとうございました。
 最初に、松村参考人に伺いたいと思うんですが、私は、原発はやっぱり再稼働はやめてゼロにしていく、直ちにゼロを目指していくべきだという立場を改めて表明したいと思います。それに代わるエネルギーとして自然再生エネルギーの爆発的な普及を本気になって進めていく必要があるというふうに思っているわけで、その点からいいまして、今般のシステム改革、全国的なネットワークを生かしていくという考え方は、自然再生エネルギーを有効に取り込んでいく、爆発的な普及に生かし得る機会になるんじゃないかというふうに思っているわけです。
 その上で、小規模発電、今地域でどんどんそういう取組広がっているわけですが、小規模発電や小規模な小売事業者も導入に当たって参入障壁をつくってはならないというふうに思っているわけですが、その点について、付録のコメントもあったようですので、是非お願いしたいと思います。
○参考人(松村敏弘君) 再生可能エネルギーの普及のためには、全国的に効率的な送電網の構築というのが極めて重要だと思います。これがなければ、将来的にかなり早い段階で頭打ちになってしまうということがあると思います。今はフィードインタリフで支えられているということだと思いますが、再生可能エネルギーを普及させ、日本全体の全体最適のために送電網がどうあるべきかということを広域機関がきちんと議論できるようになれば、これは大きな前進だと思います。
 それから、小規模事業者あるいは小規模発電の参入障壁というようなことに関して、いろいろ問題点あります。いろいろ問題点はありますが、これは本当に細かい点というので問題になりますが、一つ一つの規模が小さいので、ごく僅かな障壁でも本当に入れなくなってしまうということがあります。この点については、大きな法律で書くとかということは極めて難しいと思いますが、詳細の制度設計、それぞれの段階で極めて重要になってくると思いますので、そのような不必要な障壁を設けないようにという視点は最重要のものとして考えていくべきだし、私自身も努力していきたいと思っております。
○倉林明子君 議論もさせていただいていたんですけれども、やっぱり再エネの接続の優先、給電の優先と、こういうところも是非担保される仕組みがあるんじゃないかと、これは意見として表明しておきたいと思うんですが。
 あと、続いて、松村参考人、八木参考人に同じ質問でお願いしたいと思うんですけれども、そういうシステム改革がいよいよ目前と、スケジュールが見えてきたという中で、東電が今でも総販売電力に占める割合というのは三分の一という状況かと思います。巨大市場を握る東電との提携ということで、中部電力、大阪ガス、東京ガスと名のりを上げているという報道がされております。東電は、子会社TCSを新電力として立ち上げると。こうすると、今一番高い電気料金になっている東電が安い電気料金でも、戦略として持って販売ができるというようなことも報道されております。
 圧倒的なシェアを握っている電力会社が更にパワーアップしていくんじゃないかということが見て取れるわけですが、こういう巨大な総合エネルギー事業へと向かっていこうとしているわけですが、こういう事態になれば、一層小規模な新規参入者や再エネ事業者などが吹き飛ばされるんじゃないかと心配しているんですけれど、いかがでしょう。
○参考人(松村敏弘君) まず、日本全体の三分の一を占める巨大企業という認識は、実は私は共有しておりません。どうしてかというと、私が一番問題だと思うのは、それぞれの地域で圧倒的なシェアを取っているということが重要なのであって、全体として三分の一というのはそれほど巨大なのかということは私は思っております。
 それから、二番目ですが、全国展開するというときに、東京電力の電気をそのまま持っていってというのでは、送電網の投資の関係から極めて難しいので、恐らくそれぞれの地域でかなりの程度調達するということになると思います。そうすると、東京電力はそれぞれの地域では小規模事業者になります。そうすると、小規模事業者としてこんなに苦労したのかということが東京電力も十分経験していただいて、今まで自分たちがいかにまずいことを無神経にやっていたかということを分かっていただくということは、むしろ小規模事業者の参入にとってはプラスなのではないかと思っておりまして、私はむしろこの点については大いにやってほしいなと思っているぐらいです。
 以上です。
○参考人(八木誠君) 今般の自由化を控えまして、各電力がいろいろと地域を越えた競争を今始めておりますけれども、御指摘のように、部分自由化以降、いわゆる新電力さんとの競争というのはございますが、電力間の競争は一件しかないということが大変御批判を受けてまいりました。
 それは、我々自身は潜在的な競争はあるということで、それぞれが他電力を意識しながら電気料金を下げてきたという経緯はありますが、今般、全面自由化を控えまして、やはり電力会社としてもそういう電力間競争といいますか、こういうことを強く意識しているところでございます。
 私どもとしては、やはりお客様にいかに低廉なエネルギーをお届けするか、安定的に、そしてまたいろんな選択肢を御提供できる、あるいはお客様のニーズにお応えするかと、こういう観点が大事だと思っていますし、また、そういう中で、必ずしも電気だけではなくガスも含めて、要はお客様のエネルギー全般についてどういうお役立ちができるかと、こういうことにつきましては、これが総合エネルギー事業ということで我々は承知しているんですが、これは管内のお客様に限らず、やはり管外のお客様も含めて実施をしていきたいと思っています。
 当然のことながら、私どもは関東に出てまいりますが、当然、東電が関西に出てくる、もうこれはお互いが切磋琢磨して競争するということでございますが、今、松村先生御指摘のように、私どももKenesという子会社が東電管内でユーティリティーサービス、PPSの事業を始めましたけれども、まだまだこれ小規模事業者でございます。
 なかなか、やはり一番つらいところは、電源をその地域に持たないと本当の競争力強化にはならないということを思っています。そういう意味では、我々としても、小規模事業者ながら、やはり電力間競争といいますか、あるいは逆に言うとお客様の本当のお役に立てるサービスをどうやって提供していくかというのはこれから勉強してまいりたいと思っております。
 以上でございます。
○倉林明子君 八木参考人に質問したいと思うんですが、今も激烈な競争に突入しつつあるんだというようなお話だったと思うんですけれども、先ほど松田委員の方からも指摘があった点で、原賠・廃炉支援機構、今国会で成立ということになりました。そもそも原賠支援機構成立の、原則、相互扶助というものがあって、一般負担金で相互扶助し合うんだという理念だったと思うんですね。
 ところが、今回のシステム改革というのは、支え合う一般電気事業者同士が競争をしていくということになるということで、この相互扶助と競争ということの両立についてどうお考えか。
○参考人(八木誠君) 八木でございます。
 原賠支援機構法の、この元々成立したのは、お互いやはりこの原子力の事業を推進していくに当たり、将来の事業リスクに対してお互いが、いわゆるリスクに対して応分の負担をするということでこの支援機構法が成立し、我々も一般負担金としてお支払いしております。
 このこと自体は相互のメリットがあることでございますので、そのことについて我々として異論はございませんが、私が申し上げていますのは、そこの金額について非常にまだ、何といいますか、定額といいますか、一定の上限みたいのがはっきりしておりませんので、事業者にとってはそういう負担が重荷になる可能性もありますので、この適切な負担の在り方をきちっと見直していただきたいと思っていますが、これはやはりお互いそういうリスクに対して相互に協力するという観点、一方で、この電気事業そのものがお互い競争していくという、これはやはり切磋琢磨しながらお互いが知恵を絞ってお客様のお役に立つということであります。
 したがいまして、競争という意味ではお客様のいかにお役に立つかという観点、それから、原子力は、もう少し申し上げれば、これは民間で原子力をやっておりますが、やはり基本的には国の政策の下に民間がやっていると、つまり国のエネルギー政策に大きく貢献するという立場がありますので、この点についてはいわゆる協調していくということは成立する、その考え方は両方相成立するものと理解しております。
○倉林明子君 最後になろうかと思いますが、岸本参考人にまとめて質問をしたいと思います。
 電気の現場含めてお話ありました。とりわけ事故収束に向けて福島第一原発の現場で働いている労働者の皆さん、心から感謝をしたいと思っております。
 その上で、福一の現場の東電の職員や組合員さん以外も含めて全ての労働者の労働条件改善と、これは大きな課題だろうと思っているんです。労働組合としての課題は何かと今お考えかというのを表明いただきたいのと、もう一点、福島原発の作業員に十時間を超える事故収束作業をさせていたということで、下請企業が労働基準監督署から是正勧告を受けるというようなことが二度ほど起こっております。
 こうした下請のところへの現場でのしわ寄せが起こっているんじゃないかと思うんですけれども、こうした事態、是正勧告を受けるような長時間労働が下請に強制されるというようなことは起こってはならないことだというふうに思っているんですけれども、下請の労働環境の問題と併せて御見解をお聞かせいただきたいと思います。
○参考人(岸本薫君) 先生今御指摘といいますか御質問をいただきました福島は、私も数回現地に入ってまいりました。まだまだ地域の皆さん、社会含めまして御心配をお掛けいたしてございますが、先ほどございましたように、東京電力の仲間はもちろんでございますが、メーカーの方あるいは下請といいますか関連企業、あるいはそういういろんなお立場でお仕事をしていらっしゃっている方々を含めて今懸命に頑張っていただいているということで、私も現地を見てきたところでございますが。
 いわゆる先生のおっしゃる下請さんとの関係で、労働安全、労働環境につきましては、これ三年たちましたが、いわゆる東京電力の労働組合、個別労使の問題の中での取組もあったであろうと思いますけれども、私どももグループを抱えてございますので、グループの仲間のそういう労働環境の整備、さらには、なかなか非常に混乱する中での現場作業がまだまだ続いてございますが、いわゆるそういう下請さんの方々の現場の環境の整備も含めてまだまだ満足に対応し切れていない部分もあろうかと思いますが、今日までもそういう全体の働く仲間の環境整備について、それぞれの個別の労使、労使関係があるところとないところがあると思いますが、ないところはいわゆる親元といいますか、そういうところを通じながら、極力、廃炉であったりそういう作業が円滑に進むように今日まで対応してきているというふうに認識をいたしてございます。
 二つ目の時間外の問題、私は少し具体的な部分の内容については今承知してございませんけれども、労働組合といたしましては、私どもの電力関連職場に働くある意味広い仲間といたしまして、そういう長時間の激務で生命とか労働環境に影響が及ぼすようなそういう環境は望ましくないし、そういうことは、耳に入ってくれば、それぞれ関係先と十分協議を重ねながら環境整備に努めてまいりたいということを申し上げたいと思います。
○倉林明子君 終わります。ありがとうございました。
○委員長(大久保勉君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。
 参考人の方々には、長時間にわたり有益な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。委員会を代表して御礼申し上げます。(拍手)
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時二十九分散会