第186回国会 経済産業委員会 第15号
平成二十六年六月十日(火曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 六月六日
    辞任         補欠選任
     真山 勇一君     小野 次郎君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         大久保 勉君
    理 事
                有村 治子君
                岩井 茂樹君
                松村 祥史君
                加藤 敏幸君
                倉林 明子君
    委 員
                磯崎 仁彦君
               北川イッセイ君
                高野光二郎君
                滝波 宏文君
                宮本 周司君
                渡邉 美樹君
                小林 正夫君
                直嶋 正行君
                増子 輝彦君
                杉  久武君
                谷合 正明君
                小野 次郎君
                中野 正志君
                松田 公太君
                荒井 広幸君
   国務大臣
       経済産業大臣   茂木 敏充君
   副大臣
       厚生労働副大臣  佐藤 茂樹君
       経済産業副大臣  赤羽 一嘉君
   大臣政務官
       経済産業大臣政
       務官       磯崎 仁彦君
   政府特別補佐人
       公正取引委員会
       委員長      杉本 和行君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        奥井 俊二君
   政府参考人
       内閣府大臣官房
       審議官      豊田 欣吾君
       内閣府大臣官房
       審議官      佐々木克樹君
       内閣府消費者委
       員会事務局長   黒木 理恵君
       消費者庁審議官  河津  司君
       財務省主計局次
       長        福田 淳一君
       資源エネルギー
       庁長官      上田 隆之君
       資源エネルギー
       庁省エネルギー
       ・新エネルギー
       部長       木村 陽一君
       資源エネルギー
       庁電力・ガス事
       業部長      高橋 泰三君
       国土交通大臣官
       房審議官     橋本 公博君
       原子力規制委員
       会原子力規制庁
       原子力規制部長  櫻田 道夫君
   参考人
       東京電力株式会
       社代表執行役社
       長        廣瀬 直己君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○電気事業法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
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○委員長(大久保勉君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る六日、真山勇一君が委員を辞任され、その補欠として小野次郎君が選任されました。
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○委員長(大久保勉君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 電気事業法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府大臣官房審議官豊田欣吾君外九名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大久保勉君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(大久保勉君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 電気事業法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に東京電力株式会社代表執行役社長廣瀬直己君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大久保勉君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(大久保勉君) 電気事業法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○小林正夫君 おはようございます。民主党・新緑風会の小林正夫です。
 早速質問いたします。
 今日は厚労省と規制庁にお越しいただきました。六月五日、前回の委員会でスト規制法の在り方の検討と福島第一原子力事故緊急作業時における百ミリシーベルトを超えた方の放射線従事者の今後の取扱いについて質問をいたしました。具体的にどのように進めていくのかという質問をしたんですが、具体的な答弁は得られませんでした。改めて今日この質問をいたします。
 まず、スト規制法の在り方の検討なんですけれども、その後、委員会質疑が終わった後、厚労省の方でもいろいろ検討がされた、このように聞いておりますけれども、検討状況について、検討の場をどうするのか、あるいは検討内容、それと検討スケジュール、この辺についてお答えいただければ有り難いと思います。
○副大臣(佐藤茂樹君) 小林委員の御質問にお答えいたします。
 いわゆるスト規制法の在り方に関する検討につきまして、今お尋ねのありました検討の場、また検討の内容、さらには検討スケジュールについて、現段階のものをお答えさせていただきたいと思います。
 まず、厚生労働省に公労使三者構成による検討の場を設けまして、電力システム改革第三弾の法体系の整備に関する検討内容を踏まえつつ、様々な観点から総合的な検討を行うことを考えております。また、その検討スケジュールとしては、今年の夏以降に予定されている電力システム改革第三弾の検討に合わせて検討を行いまして、その結論時期と近接した時期にスト規制法の在り方についても結論を得ることを考えておる次第でございます。
○小林正夫君 ありがとうございました。
 今、副大臣の答弁の中で公労使という表現がありました。この公、公というのは有識者の人を指しているというふうに受け止めてよろしいですか。
○副大臣(佐藤茂樹君) もう委員御存じのとおり、厚労省としては、労働政策に関しては従来からILOの精神に基づきまして公労使の三者で検討する場を設けておりまして、今御指摘のこの公ということについては、公益代表を指すことでございまして、具体的には有識者と同様の概念であると御理解いただければ有り難いと思います。
○小林正夫君 是非、実効ある検討を私の立場からもお願いをしておきます。
 次に、百ミリシーベルトを超えた人の扱いなんですけれども、これも先週末、厚労省の方で検討が少し進んだと、このように話を聞いております。この関係についても、検討内容あるいは検討方法、スケジュールなど、一定の考え方がまとまっていればお聞かせ願いたいと思います。
○副大臣(佐藤茂樹君) この点も同様、先週末の厚労省の答弁ではなかなか不十分な点があったかと思いますけれども、明確にお答えさせていただきたいと思います。
 御指摘の緊急作業期間中に通常の被曝限度である五年当たり百ミリシーベルトを超える被曝を受けた労働者につきましては、これまでの国際放射線防護委員会、いわゆるICRPの勧告や放射線審議会での意見具申等を踏まえまして、平成二十八年四月より始まる次の五年間の線量管理期間以降における線量管理の方法について必要な措置を検討することといたします。
 具体的には、原子力規制委員会等関係省庁と連携の上、専門家による検討を行ってまいります。その結果を踏まえ、遅くとも平成二十七年秋までにこれらの者に対する特別な線量管理のための基準の設定等必要な措置を決定することにいたしたいと思います。
○小林正夫君 ありがとうございました。
 今日は規制庁にも来ていただきました。今、厚労省から今のような答弁があったんですが、規制庁も同じ考え方であると、こういうふうに確認してよろしいでしょうか。
○政府参考人(櫻田道夫君) お答えいたします。
 本件は関係省庁が連携して対応すべき課題と認識してございます。原子力規制委員会といたしましても、厚生労働省と協力しつつ対応策を検討していく所存でございます。
○小林正夫君 明確な答弁、ありがとうございました。
 百ミリシーベルトの関係は平成二十八年からの五年間ということの要員計画にも影響してきますので、平成二十七年秋頃までには遅くともと、こういうお話がありましたけれども、できるだけ早く結論が出れば結論を出していただきたいなと、このことをお願いをしておきたいと思います。
 委員長、私、厚生労働省と規制庁への質問は終わりました。御判断ください。
○委員長(大久保勉君) 佐藤厚生労働副大臣並びに櫻田原子力規制部長におかれましては、退席されて結構です。
○小林正夫君 次に、電力の小売全面自由化について質問をいたします。
 今日、お手元に資料一を用意をいたしました。これが第一弾で審議したときに政府が明らかにした電力システム改革の工程表であります。そして、今回審議しているのはこのAの小売全面自由化、このことについて今審議をしているわけですけれども、料金規制について大臣の方に何点かお聞きをいたします。
 私は、全面自由化ということになれば、料金規制というのは小売全面自由化がスタートするときに外すべきじゃないか、これが本来の自由化の姿じゃないかなと、私はこのように思っております。
 ただ、今回の法案の附則第十六条及び十八条には料金規制を掛ける規定が盛り込まれていて、法文には、当分の間、現在の一般電気事業者に対し規制料金を継続すると書かれています。
 まず、茂木大臣にこの趣旨を確認したいと思います。
○国務大臣(茂木敏充君) 本来の在り方であれば、小売が全面自由化されるわけでありますから、料金規制、これも速やかに撤廃をされるべきだと思っておりますが、委員御指摘のように、今回の法案におきましては、小売電気事業への参入を全面自由化した後も、当分の間、現在の一般電気事業者に対して供給義務や料金規制を課すことといたしております。
 これは、電力は他の財による代替が極めて困難でありまして、また、これまで全ての地域が一般電気事業者の供給区域となって一定の料金水準で電力が供給されていたこと、こういったことを前提に国民生活が成り立っていることが一つ、そして二つ目には、既に自由化された大口需要の部分においても競争が十分に生じているとは残念ながら言い難く、競争環境の整備、推進がなければ、これまでの地域独占の下で供給を行ってきた既存事業者が価格決定権を握ることになるおそれがあること、さらに、海外の事例を見ましても、自由化と同時に料金撤廃を行ったと、ところが結果として料金値上げになってしまったと、こういった事例等も参考にしたものであります。
 この点に関して、この料金規制の経過措置が既存事業者のみを対象にした言わば非対称な規制であるとの御指摘があることも承知をいたしておりますけれど、既存事業者による言わば規制なき独占からの需要家の保護、これを行うことが必要と考え、このような経過措置をとることとしたものであります。
○小林正夫君 料金規制の撤廃の時期について質問をいたします。
 料金規制の撤廃の時期は二〇一八年から二〇二〇年とかなり幅があります。しかも、撤廃は競争環境が整うまで、こういうことになっており、定まった期限はありません。第一弾の法律の附則では、二〇一八年から二〇二〇年の間に適正な競争環境が整わなかった場合には、電力会社の規制料金を継続して小売料金の全面自由化を延期すると規定されております。
 そこで、法律の附則で言う適正な競争環境が確保されるというのはどういう状況なのか、さらに、それを判断するのは誰が判断をするのか、そしてまた、いつから検討を始めるつもりなのか、早ければ二〇一五年からもう検討を始める、このように考えていいかどうか、質問いたします。
○国務大臣(茂木敏充君) 適正な競争環境、市場においてどう整うかと。幾つかの観点がありますけれど、一つは新規参入がどこまで進むかと、この新規参入の状況。それから二つ目には、既存事業者間が地域を越えた競争、既にそういったものの兆しもあるわけでありますが、それがどこまで進むかと。それから規制料金、これは経過措置として残りますけれど、自由料金を選択している需要者がどれくらいの割合になっていくか。さらにはスマートメーターの普及状況であったり卸電力市場の活用状況、こういったことを総合的に判断して、国としてその撤廃時期を決定すべきものだと考えております。
 いたずらに引き延ばしたいとは思っておりません。できる限り早く競争条件というのを整えてこの料金規制というものを撤廃したいと考えておりますが、海外の事例を見ましても、自由化が完全にできていないのに規制料金を撤廃してかえって料金が上がってしまったと、こういう状態をつくらないようにはしたいと思っております。
○小林正夫君 もう一問大臣に質問をいたします。
 料金規制を撤廃する時期に私がこだわるのは、お客様の利益を図ってエネルギー事業者の体力を強化する、その上で自由競争を整えることが重要だと考えている、こういう趣旨から質問をさせていただいています。
 昨年四月に閣議決定した電力システムに関する改革方針では、電気料金の最大限抑制、需要家の選択肢や事業者の事業機会の拡大が明記をされていました。また、第一弾の法案改正したときの審議の中でも、第三弾法改正の実施と同時に電気料金の全面自由化を実施することを原則とするとの附帯決議を付けました。そして、茂木大臣は、その附帯決議を尊重すると、このように発言をされました。
 第三段階と同時に料金規制の規制を撤廃するというのが原則というこの附帯決議の意味を大臣はどのように認識していらっしゃるか、お聞きをいたします。
○国務大臣(茂木敏充君) 昨年成立をいたしました第一弾の改正法の附則プログラムの規定におきまして、一般電気事業者の小売料金撤廃については、事業者間の競争関係が確保されていることを見極めた上で、法的分離の実施と同時かそれ以降行うということにされております。したがいまして、附帯決議でお示しをいただきました料金規制の撤廃時期についての原則と、これはこの改革プログラムの考え方と一致するものと理解をいたしておりまして、料金規制の撤廃に向け、できるだけ早期に競争環境が整うよう、全力で取り組んでまいりたいと考えております。
○小林正夫君 視点を変えまして、今日は公正取引委員会委員長にお越しいただきました。何点か公取委に質問をいたします。
 今年の三月十一日の参議院経済産業委員会の所信表明で稲田大臣は、公正かつ自由な競争を確保し、市場が適切に機能するための基盤の整備は、我が国経済の再生に向けて取り組むべき課題であり、政府の重要な役割であると、このように大臣が述べました。公正で自由な競争は我が国の再生に不可欠であるとの認識を示された、このように私受け止めております。さらに、杉本公正取引委員長からは、平成二十五年の業務の概要に関連して、独占禁止法の厳正な執行と競争政策の積極的な推進に取り組んできたとの報告を受けました。
 そこで、委員長にお聞きをしますけれども、独占禁止法の目的、これは何でしょうか。
○政府特別補佐人(杉本和行君) お答えさせていただきます。
 独占禁止法の目的は独占禁止法第一条に規定されておりまして、私的独占、不当な取引制限及び不公正な取引方法を禁止し、事業支配力の過度の集中を防止して、結合、協定等の方法による生産、販売、価格、技術等の不当な制限その他一切の事業活動の不当な拘束を排除することにより、公正かつ自由な競争を促進し、事業者の創意を発揮させ、事業活動を盛んにし、雇用及び国民実所得の水準を高め、もって、一般消費者の利益を確保するとともに、国民経済の民主的で健全な発展を促進することとされてございます。
○小林正夫君 引き続き委員長にお聞きをいたします。
 公正取引委員会は平成二十四年九月に電力市場における競争の在り方についてという報告書をまとめております。その報告書の第一の五では、競争政策の観点からは、市場メカニズムの中で、需要家がそのメリットを享受できることが望ましい、一方で、他の様々な政策的要請から規制が制定、運用されているところ、そして、規制の目的は合理的であるか、また規制の内容はその目的に照らして必要最小限のものかという問題意識を持って電力市場の自由化を検討すると書かれています。この内容に間違いないでしょうか。
○政府特別補佐人(杉本和行君) 御指摘のとおりでございます。
○小林正夫君 その問題意識を持って検討した結果が基本的な考えとして次のように書かれていました。全面自由化は競争政策上好ましい方向性と考えられる。つまり、競争政策の観点からは規制を撤廃する方が好ましいと、このように公正取引委員会は結論付けた、私はこのように受け止めました。
 この考え方に立てば、期限を曖昧にしたままで料金規制を継続することは決して望ましいことではないと私考えますけれども、この点について、委員長、どうお考えですか。
○政府特別補佐人(杉本和行君) 委員御指摘のように、公正取引委員会は、電力市場の現状について、競争政策の観点から調査、検討を行いまして、平成二十四年九月に電力市場における競争の在り方についてと題する報告書を取りまとめております。
 この報告書におきましては、やはり委員御指摘のように、小売の全面自由化は好ましい方向と考えられると述べております。その上で、小売の全面自由化に伴う規制料金の在り方につきまして、需要家保護の観点から、最終的に供給に応ずべき者についてのルールを設定し、当該電気事業者に対して最低限の取引条件を定めた約款、これを策定し公表することを義務付けし、それよりも需要家にとって不利な条件での契約を禁止することが考えられるとの考え方を示しております。
 これは、電力市場の財の性格、非常に国民生活に不可欠なものであり、かつ代替がなかなか利かないものであるといった財の性格、さらには需要家と供給者の間の交渉力の差というものも考慮しながら、需要家の保護の観点も考えることが必要だという考え方を示しているものと考えております。
○小林正夫君 もう一問質問をいたします。
 問題は一部の事業者に料金の規制を掛けたままにしておくこと、私ここに問題があると考えています。しかもその規制の撤廃は、新規参入の状況や既存事業者間の競争の状況などを総合的に勘案するという曖昧な基準で判断されています。場合によっては全面自由化が延期されるおそれもあります。これは公正公平な競争が本当に実現できるのか、その担保がありません。独占禁止法の趣旨からいっておかしくはないか、委員長にお尋ねします。
○政府特別補佐人(杉本和行君) 御指摘の経過措置期間中の料金規制につきましては、需要家の保護に万全を期した上で小売の全面自由化を行うという趣旨から、一般電気事業者につきまして、引き続き供給約款に料金を定めて経済産業大臣の認可を受けなければならないとする一方、個別の交渉により合意した場合には約款と異なる料金による電気の供給も認めるものと承知しております。
 小売を自由化した場合にも料金規制を残すことの必要性については、一義的には電力市場を所管する経済産業省の方において様々な政策的要請を踏まえて判断されるべきものと考えておりますが、需要家保護の観点から料金に一定の規制を課すること自体が不合理なものとは言えないと競争当局としても考えております。
 また、経過期間中の料金規制の下でも、個別の交渉により合意した場合には約款と異なる料金により電気の供給が認められることでございますので、一般電気事業者が自由に価格を設定して他の電力の小売事業者の間で競争することは可能であると考えているところでございます。
○小林正夫君 資料、今日、一を用意いたしましたけど、私が冒頭言ったのは、小売全面自由化をやるならば、やるスタートの段階から料金規制をなくして自由に競争させる、そのことが私は本来正しい姿じゃないかなと、このように思って質問をしてまいりました。
 今後もこの問題については注視をしていきたいと思います。また、感じるところ、あるいは課題があればこの委員会でいろいろ質問していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 公正取引委員会への質問は終わりました。
○委員長(大久保勉君) 杉本公正取引委員会委員長におかれまして、退席されて結構でございます。
○小林正夫君 料金の仕組みについてお尋ねします。
 現在の家庭用の電灯の料金は、使用料が少ないほど割安となっている。三段階料金になっていて、これは弱い人、弱者を支えるという意味合いもあって政策的な料金になっていると、このように思います。
 それで、自由化した後、この政策的な料金というのはどういうふうになっていくんでしょうか、お聞きをいたします。
○政府参考人(高橋泰三君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のように、今家庭向けの電気料金を三段階に設定しておりまして、第一段階がいわゆる生活必需品的な必要量につきまして低廉な水準、それから第二段階として、これは平均的な電気使用の観点から平均的な料金水準、それから三段階目につきましては、省エネの観点も込めまして割高な料金設定という形になってございます。
 この料金規制、この現行の料金は、今後、全面自由化後も経過措置料金が残りますので、それの限りにおいてはこの料金は残るのだろうと受け止めております。その後、完全に料金規制が撤廃されることになった段階におきましては、そもそも消費者に支持される様々な料金メニューが提供される環境整備というのが自由化の本来の趣旨でございますので、現行のこの三段階料金が需要家にどれだけ定着しているのかと、そういったことも踏まえまして各事業者が判断していくことになると考えております。
○小林正夫君 今の三段階料金については、いろいろ論議をし経験した上で今日の電気料金体系に私はなっていると思います。そういう意味で、弱者対策も含めた電気料金制度になっている、このように思っております。そういうきめ細かな考え方もしっかり持ちながら改正をしていかなきゃいけないと私は思いますので、是非そのことも十分検討していただきたい、このことをお願いをしておきます。
 次の質問の項目に移ります。
 再生可能エネルギーについて質問をいたします。
 資料二を用意をいたしました。これは、三月十一日のこの経済産業委員会で、事業認定を取り消す可能性があると、こういう報告を受けて、三月十三日に確認した内容であります。そのときに、今年の三月中には取消しがされる可能性がある、もう一つのグループは八月には取り消す可能性があると、こういうことをお聞きをいたしました。
 三月、もう経過いたしましたけれども、現在の取消し状況というのはどういう状況になっているか、お聞きをいたします。
○政府参考人(木村陽一君) 経済産業省におきましては、再エネ特措法の認定に関しまして、特段の理由なく、いまだに発電に係る土地及び設備が共に決定していなかった六百七十二件でございますけれども、本年三月から聴聞を行い、要件の充足が確認できない場合、順次認定の取消しを行っております。
 これまで聴聞を実施した結果、本年五月末の時点でございますけれども、聴聞の結果取消しに至った、あるいは聴聞に当たりまして自主的に廃止届出がなされたものが百四十四件、それから、聴聞に当たりましてその土地又は設備のいずれかが決定するなど本年八月末までの猶予期間が得られた案件が二百八十八、それから、聴聞に当たりまして土地及び設備が共に決定し聴聞の対象から外れた案件というのが百三十三ございます。
 これから聴聞を行う事案というのが百七残っておるということでございまして、経済産業省といたしましては、引き続き速やかに聴聞手続を進めてまいりますとともに、さらに、八月末の時点での土地及び設備の決定状況等も確認いたしまして、必要な要件が充足できていないと認められる場合には順次認定の取消し手続を進めたいと考えてございます。
○小林正夫君 そこで、三月十三日の経済産業委員会で、認定取消しなんということが起きないように制度を見直していくべきだと、こういう指摘をいたしました。そのときに、あわせて、意図的な敷地を分割して低圧分割、こういうような現場が見られると、このこともやはり好ましくないことだと、こういう指摘もいたしました。さらに、設置場所の重複認定がされているという問題も指摘しました。
 この事業認定取消し、意図的な敷地分割、設置場所の重複認定防止、既にこの四月から新しい運用に入っているとは聞きますけれども、この委員会として改めて、この対策あるいはとられた措置についてお聞きをいたします。
○政府参考人(木村陽一君) ただいま御指摘いただきました点でございますが、平成二十六年二月に総合資源エネルギー調査会の下に専門家によるワーキンググループを設置いたしまして、検討結果を踏まえまして、本年四月から新たな運用を開始してございます。
 まず第一に、認定を受けても稼働しない事業者への対応でございますが、五十キロワット以上の太陽光発電の新規認定申請につきましては、認定から百八十日を経てもなお土地、設備の確保ができていないものにつきましては原則として認定を失効させるということにしてございます。
 それから第二に、意図的な低圧分割、敷地分割でございますが、特段の理由なく一つの場所に複数の発電設備を設置しようとする申請につきましては認定をそもそも行わないということにしてございます。
 それから第三に、重複認定への対策でございますが、これは、地権者が複数の事業者に土地使用の同意書を与えることによって発生することが多いわけでございますけれども、そういった事態が確認された場合には、その最終的な意思に基づく同意というのが一に決定したということを証する文書の提出があって、同意書が事実上一つに決まったということを確認した上で認定の作業に入るということにしてございます。
 引き続きまして、安定的かつ適切な運用に努めてまいりたいと考えてございます。
○小林正夫君 ありがとうございました。
 私も幾つかの現場を見てきましたけれども、やはり太陽光発電というのは確実に拡大をしていくと、このように私認識をしています。そういう中で、新たな事業ということでやっていく中で幾つか課題もこれからも出てくると思いますので、またそういう課題について是非、あればまた指摘をさせていただき、対策を講じていただきたいと、このようにお願いします。
 次に、再エネの賦課金についてお聞きをいたします。
 この固定価格買取り制度、二〇一二年の七月からスタートしておおむね二年経過をいたします。この固定価格買取り制度導入以来、賦課金がどうなっているのか、年度ごとの総額と今日段階の一般標準家庭における月当たりの賦課金は幾らになっているか、教えてください。
○政府参考人(木村陽一君) 固定価格買取り制度の賦課金総額でございますけれども、平成二十四年度、制度開始の初年度でございますが、約千九百億円、それから平成二十五年度は約三千五百億円、平成二十六年度、今年度は約六千五百億円となってございます。
 今年度におきましては、賦課金の単価、一キロワット時当たり〇・七五円ということで、一般標準家庭に引き直しますと、月三百キロワットぐらいの消費ということで仮定いたしますと、月額二百二十五円ということを御負担いただいていることになってございます。
○小林正夫君 大臣にお聞きをいたします。
 固定価格買取り制度の単価、これは税抜きで二〇一二年度は四十円、二〇一三年度は三十六円、そして二〇一四年度は三十二円と、こう下がっています。下がったから一般家庭の賦課金による料金負担が少なくなったのかなというふうに感じている方はいらっしゃると思いますが、実はそうじゃないんですね。これは、初めの四十円ならば二十年間ずっとそれで買い取るということになってきますので、この買取り単価と再エネによる発電量の積で積み重なっていきますので、どんどん一般家庭による負担金が増えてくるという状況になっています。したがって、需要家負担はおのずと増えていく、こういう状況です。
 そして、ドイツの例を少し調べてみました。ドイツの再エネの比率は、二〇〇〇年は六・六%だったものが二〇一二年は二一・九%と十年間で三倍強ぐらいの普及になっている。そして賦課金の負担が非常に大きくなっていて、ドイツ連邦消費者センター連盟が我慢の限界を超えていると、最近こういうコメントなどをして政治問題化している、このように聞いております。私は十年後の日本をドイツに見ているような感じがいたします。
 そこで、大臣、もし分かれば教えていただきたいんですが、太陽光及び風力の発電量、これから先の発電量は政府としてどのぐらいを見込んでいるのかということと、そのことによって賦課金がどういうふうになっていくのか、この辺の数字があれば教えていただくと同時に、総合的にこの再エネについて大臣はどう考えているのか、御所見をお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(茂木敏充君) 先日、五月の初めにローマでG7のエネルギー大臣会合へ出席をいたしまして、その席でドイツの大臣それからエネルギー関係の幹部と話をしました。確かにドイツにおいて再生可能エネルギーの導入、順調過ぎるぐらいに進んでいますけれども、その分賦課金の負担が極めて大きくなっており、これがドイツにおいては非常に大きな課題だと、こういう話も聞いたところでありまして、委員御指摘のように、確かにこの固定価格買取り制度、毎年コストに合わせて賦課金を下げていきますけれども、決まったものは、投資の見通しを付けるために長期にわたって同じ値段ですから、言ってみると毎年階段が少しずつ大きくなっていくというか、こういう構造が生まれるわけでありまして、その点は注視をしなければいけないと。
 一方で、再生可能エネルギーそのものを導入していく、拡大していくということに対しては国民的にもある意味私はコンセンサスがあるのではないかなと思っておりまして、エネルギー基本計画におきましては、昨年来、我々として三年間最大限の導入拡大を図ると、こういう方針で臨んできましたが、再生可能エネルギーについてその後も積極的に推進していく、こういたしまして、これまでのエネルギー基本計画を踏まえて示した水準を更に上回る水準の導入、二一%ということになると思いますが、を目指し、エネルギーミックスの検討に当たってこれを踏まえることとしたところであります。
 そこの中で、最終的に、じゃ、再生可能エネルギー、どれくらいの割合になっていくか。これは、ほかの例えば省エネがどこまで進むかとか、原発の再稼働がどこまで進められるか、さらには、高効率の石炭火力発電、この技術がどこまで進むか、海外からの燃料の調達の価格がどうなっていくか、様々な要素を見ながらベストミックスを決めて、このベストミックスの目標の中で最終的には再生可能エネルギーの目標も決まっていくものであって、再生可能エネルギーだけを取り出して今具体的な数字を申し上げることは難しいのではないかなと思っております。
 ただ、御指摘のように、この賦課金、これが企業にとっても家庭にとっても拡大すれば大きな負担になってくると、そういったことも十分勘案しながら今後の検討を進めていきたいと思っております。
○小林正夫君 分かりました。
 次に、再生可能エネルギーの特に風力、太陽光の特徴ですけれども、五月三十日の本会議の代表質問でも私発言させてもらいましたけれども、やっぱり発電が目まぐるしく変わったり、あるいは発電できない時間帯がある、そういうことで不安定な私は電源だと思っています。そういうことによって、再生可能エネルギー、太陽光なり風力発電がこれから拡大をしていくと、そこに一〇〇%電気が供給されるということで考えていると、発電できない、そういう状況も再生可能エネルギーはあるものですから、動かないときに、再生可能エネルギーが発電できないときに誰かがそこの部分の発電を賄う、要は発電設備を持っていないといけない、要はバックアップ電源、これが必要だと、このように思います。
 そういう意味で、自由化になった後、バックアップ電源というのは誰が負担して誰がそういう設備を持つことになるんでしょうか、お聞きをします。
○大臣政務官(磯崎仁彦君) 今委員がおっしゃりましたように、太陽光につきましてはまさに日照、それから風力につきましては風況といいますか、それの自然状況に非常に左右されるということで、それに対しての御質問というふうに理解をしております。
 ここにつきましては、今回の法案の中でも電力の安定供給を確保するための措置というのが幾つか想定をされておりますので、その中で責任というものが明確になってくるのではないかなというふうに思っております。
 まず、小売電気事業者につきましては、これまでも委員会の中で御説明させていただいておりますように、供給力の確保義務というものが想定をされておりまして、正当な理由がある場合を除いて、その小売供給の相手方の電力の需要に応ずるために必要な供給能力を確保するという義務付けがされております。
 したがいまして、小売電力事業者につきましては、自ら電源を持つ、あるいは他の発電事業者と協力をする、あるいは卸電気市場から購入する、いろんな方策があろうかと思いますけれども、その場合に、ベース電源あるいはミドル電源を中心に供給する場合もあれば、今言われましたように、太陽光あるいは風力発電、そういったものを一部加味しながら供給するということもあろうかと思いますけれども、その場合におきましても、小売供給の相手方の電気の需要を上回る供給能力を確保しなければいけないというのがこの法律の趣旨でございます。
 したがいまして、例えば変動を吸収するでありますとか、あるいは需要変動に対して出力調整可能なほかの電源を組み合わせる、そういうことで電力を確保するというものが小売電力事業者にそもそも義務として出てくるということでございます。
 もう一つ、送配電事業者につきましては、消費者と相対ということではなくてエリア全体でいわゆる電圧、周波数の維持義務というものが発生をいたしますので、その全体の中でエリア全体の需給バランスを調整するという最終的な需給義務が出てまいりますので、その中で責任を負うということになろうかと思います。
○小林正夫君 今政務官おっしゃったように、送配電事業者あるいは小売事業者にいろんなことを課すわけですね。そして、電気が供給できないようなことは避けなさいと、こういうことになっているんだけれども、実際にはいざというときしか使わない発電設備を誰かが持っていなきゃいけないと私は思うんですよ。自由競争の中でそういうようにいざというときしか使わない発電所、発電設備を持つということに私はなっていくと思うんですね。そのことが、再エネが普及していくと同時にその対策もしっかり考えていかないとやはり安定供給につながらないと、私はこのように思いますので、今日はそういう問題があるんじゃないかということだけ指摘をしておきます。
 次の質問なんですけれども、太陽光設備、先ほど言ったように大分拡大をするという現場を見てきました。最近少し課題になってきているのが、電力会社が送っている電線を止めて工事をやる、こういうことは間々あるんですけれども、その線路を停止をするときに、太陽光の発電の電気が乗っかっている電線を止めようとすると、昼間は止めちゃ困る、夜間止めて仕事をやってくれと、こういうことが大分多くなってきたというふうに聞いております。
 前回の委員会でもお話ししたとおり、電力の現場というのは過酷な現場が多くて、この五年間で八十名が労働災害で亡くなっているという実態などを考えていくと、できる限り昼間にシフトできる仕事はしていく必要が私はあると思います。
 だから、そういう意味で、この辺の課題について私は取り組む必要があると思いますけれども、政府の考え方はいかがでしょうか。
○政府参考人(木村陽一君) 固定価格買取り制度におきましては、法令上、電力会社が設備の必要な点検や修理を行う場合、他の需要家や発電事業者と電力会社の設備を接続するための工事を行う場合、必要最小限度の範囲で無補償での出力抑制を行うということを認めてございます。
 ここで必要最小限度の範囲と規定しておりますが、この趣旨でございますが、再生可能エネルギーの導入促進の観点からはできる限り出力抑制というのはやはり少なくなることが望ましいだろうということ、他方、実際の点検や接続工事に当たりましては、夜間の工事等にも安全面の問題があるとか、あるいは接続のための工事のように日中でなければ行えない場合があるといったことも、そういうことを踏まえまして、これらについてはその出力抑制を行い得るということを想定した規定になっておるわけでございます。この規定を前提といたしまして、出力抑制が最小限度になるように、電力会社と発電事業者が協議して実施日時というのは合意されていると承知してございます。
 この点に関しましては、点検とかあるいは工事の実施日時の決定、太陽光発電以外の発電事業者、あるいは家庭ですとかあるいはコンビニエンスストアといったそういう需要家との関係も考えなくてはなりません。必ずしも太陽光発電事業者からの要望のみに対応する形で夜間の工事を一般的に回避するというのはできるものでもないかなというふうに思ってございます。
 他方、いずれにせよ、いただいた御懸念、しっかりそこは踏まえつつ、状況をまずは注視してまいりたいと考えてございます。
○小林正夫君 是非、作業安全ということにつながっていく課題ですので、これからなおかつ太陽光は拡大していくと思いますので、是非この辺の対策もしっかり講じることをお願いをしておきます。
 もう一点、買取り単価決定要件の見直しについて質問をいたします。
 現在の買取り単価決定は、経済産業省の設備認定と電力会社へ接続契約を申込み、この二つがなされています。このことは、これまで認定後も事業が行われない可能性があることから、国としても電力会社への申込みがされ、確実に事業を開始されることを確認しないことには単価決定することができなかったものと、このように私は受け止めています。
 しかし、先ほど、対策の中で、六か月たって設備もあるいは仕様も決定していなければ認定取り消すんだ、こういうことが明らかになったわけですけれども、今年度から国の設備認定基準がより厳しくなったことで、事業開始の確実性が以前より高まったと、このように思います。したがって、単価決定の要件を経産省が設備認定を行った時点に変更したらいかがでしょうか。変更することで発電事業者は電力会社への申込みの手間が省ける、事業計画が立てやすくなり太陽光発電の普及につながる、こういうことが言えるんじゃないか。さらに、適用単価に関する問合せだとか、あるいはトラブルの回避、電力会社への駆け込み申込みの減少につながる、こういうことが改善できるんじゃないかと思いますけれども、是非実行していただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(木村陽一君) 御指摘のとおり、現行のルールでは接続に係る契約の申込みの内容を記載した書面の電気事業者への到達、それから経済産業大臣の認定を受けること、いずれか遅い方の行為が行われた時点における調達価格というのが適用されることになってございます。
 この点につきまして、本年度から、御指摘のとおり、五十キロワット以上の太陽光発電については、認定後百八十日を経てなお土地、設備の確保ができていない事案の認定というのは原則として失効させるというルールを導入しております。したがいまして、認定のみを取って実際に事業を開始しない事案というものへの対応というのは相当程度できることにはなったというふうに理解はしてございます。
 他方、少し考えなくてはならないと思っておりますのが、やはりこの場合でもこのルールの対象とならないような電源というのも一部ございますし、このルールの導入のみをもちましてその調達価格の決定に当たり接続契約の申込みを一切不要とすることは、やはり慎重な検討はさせていただきたいというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、現場の声も踏まえまして、公平かつ公正な運用が行われるようにしっかりと議論を続けてまいりたいと考えてございます。
○小林正夫君 太陽光が普及拡大していくに伴って今のような幾つかの課題が散見できる、このように思います。是非これからも太陽光拡大に向けて、整備すべき課題については取り組んでいただくこと、このことをお願いをいたします。
 次の質問に移ります。送配電分離の課題についてお聞きをいたします。
 六月五日、前回のこの委員会で、電力システム改革のプログラムの第三段階で、法的分離による送配電部門の中立性の一層の確保、こういうことがうたわれていて、現制度の中で中立性を欠いた事例はあるのかと、こういう質問をさせていただきました。政府参考人から答弁がありましたけれども、ペーパーでできれば出してほしいとお願いをしたところ、早速このペーパーをいただきました。
 このペーパーを見る限り、平成二十五年度で八件そういう事例があったという報告でありました。ただ、その内容は、相談を含めて八件というのがこの提出された一覧表でありました。そのうち一件は、電力系統利用協議会から当事者に対して勧告、指導がされておりました。
 国において一般電気事業者の送配電部門の中立性を確保するための行為規制がされておりますけれども、国として勧告だとか指導した事例はあるんでしょうか。私は、提出されたこの資料を見る限り、ほぼ中立性は確保されていたと、このように受け止めますけれども、この辺の政府の見解はいかがでしょうか。
○政府参考人(高橋泰三君) お答え申し上げます。
 中立性に関しまして、国が法律に基づいて停止とか変更命令を課した事例はございません。一般的にはいろいろな指導というベースではございますけれども、そういう法令上の行為は、これまで、基づいて実施をしておりません。
 中立性についての現状の認識でございますけれども、この現行制度におきましても、一般電気事業者の送配電部門の中立性を確保するために、情報の目的外利用の禁止、それから差別的取扱いの禁止、それから会計の分離といった行為規制を措置をしております。また、委員今お話がございました電力系統利用協議会を設立をしておりまして、一般電気事業者の中立性確保のためのルール整備あるいは紛争処理などの措置を講じてきたところでございまして、こうした措置によりまして送電部門の中立性は一定程度確保できているというふうに考えております。
 ただ、今回の電力システム改革で発電部門あるいは小売部門の全面自由化をするということでございますので、一部その中立性に対して課題、疑義が指摘されている中で、更なる中立性を高めていく措置が重要だろうと考えてございます。
○小林正夫君 大臣にお聞きをいたします。
 国は、二〇〇三年の二月の総合資源エネルギー調査会電気事業分科会報告の中で、効率化と安定供給を両立させる仕組みとして発電部門と送配電部門を一体的に運用する現在の電力会社の在り方が適切と、このように結論を出しておりました。今回、送配電を分離させるという大転換を図ろうとしているわけなんですが、どういう論議経過があったのかということ、そして、私は、停電時間だとか送配電の損失率、こういうものを見ても、我が国の電力体制は世界に誇れる、こういうものだと思います。また、自然災害時にもいち早く復旧して需要家の皆さんに喜ばれていると。これも私は一貫体制がゆえ、そういうことが速やかに対応できる、こういうことになっているというふうに思っております。
 大臣は、今日までの発送配電一貫体制についてどのような認識をお持ちでしょうか、お聞きをいたします。
○国務大臣(茂木敏充君) 戦後、我が国において高度成長時代を迎えると、そういった中で電力需要が大きく拡大をするわけでありますが、そこの中で、垂直一貫体制によります地域独占と総括原価方式によります投資回収を保証するこれまでの電気事業制度の下で、大規模電源の確保と地域への供給保証を実現し、これまで国民生活の発展、経済の成長を支えてきたことは間違いないと思っております。
 そして、委員御指摘のように、日本の電力は極めて質が高く、停電時間もどの国と比べても短いということでありまして、世界に誇れるものだと思っております。また、三・一一、これの復旧、原発事故を別にいたしますと、この復旧も全体的には非常に早かったと、このように評価をされていると認識をいたしております。
 ただ、東日本大震災、そして福島第一の原発事故、これを契機といたしまして従来の電力システムの抱える様々な課題が明らかになってきたと考えておりまして、一つは、原子力への依存度が低下する中で、分散型電源であったり再生可能エネルギーを始め多様な電源を更に活用していくことが不可欠になっている。また、電気料金の上昇圧力、こういったものが生まれる中で、競争の促進などにより電気料金を最大限抑制することが今まで以上に必要になってきた。また、需給逼迫に対応するために、地域ごとの供給力を確保する仕組みだけではなくて、広域的な系統運用を拡大して電力を全国レベルで活用することが必要になった。さらには、やはり供給を積み上げると、こういった基本的な考え方から、需要そのものについてもピーク時を落とすことによってスマートにコントロールをしていくと、こういったことも必要になってまいりました。
 今回の電力システム改革、三段階で進めさせていただきたいと思っておりますが、まさにこういった新たなエネルギー戦略を克服するために必要不可欠な改革だと考えております。
○小林正夫君 今回の第二弾の法案審議、五月三十日の、私、本会議代表質問とこの経産委員会、今日を含めて、本会議を含めて三回質疑を交わさせていただきました。
 私の受け止めは、現在においても、現行においても送配電線の中立性はおおむね保たれているということ、そして、発送配電一貫体制はやはり大臣も一定の評価をされている、このように私は受け止めました。さらに、この間の委員会でも言いましたけれども、電気は、全て電線がつながっていないと電気が送れない、こういう代物です。したがって、発電事業者と送配電事業者を分けたとしても、送配電事業者は、電気の供給が怠らないように、発電事業者に常にきちんとした電気を発電してくれよという、こういう連携を取っていなきゃいけないということになるんですが、まさに一体感がなければ私はできないんだというふうに思います。
 だから、そういう意味で、送配電分離というのは、私は、電力の安定供給が大丈夫だろうか、さらに、作業の安全確保は大丈夫だろうか、そして自然災害時の迅速な復旧は本当に大丈夫なんだろうか、こういう不安が正直言って払拭できません。エネルギー資源が乏しくて外国から電気を輸入できない、こういう我が国において本当に発送電の分離が日本にとってふさわしいのかどうか、やはり私は疑問が残っております。
 電力の安定供給は国力の源だ、私、このように思いますし、電力は日常生活や企業活動の血液で、さらに、この電力システム改革は失敗が許されません。二〇二〇年ということが一つの目標になっていますけれども、二〇二〇年には東京でオリンピックだとかパラリンピックだとかそういう国際的な大きな行事も仕組まれている。そういう中で失敗が許されないということだと思います。是非、第三弾の法案提出は私は慎重に検討していただきたいと、そのことを強く要望して、質問を終わります。
 ありがとうございました。
○加藤敏幸君 おはようございます。民主党・新緑風会の加藤敏幸でございます。
 小林委員の質問に引き続き、今日が事実上最後の質疑の時間ということでございますので、いろいろと質問をしていきたいというふうに思っております。よろしくお願いをいたします。
 まず冒頭ですけれども、小林委員の質問の中にございまして、やはり現場で電力供給の任に当たってこられて、現場の皆さん方の気持ちもまとめてこられた経験からやはり危惧をされることもこれありということであり、私はそのことも真剣に受け止めていくと、その必要があるし、明らかにしていくということも私たちの責任ではないかというふうに思っております。
 そういうふうな上で、例えば、夕べもいろいろ考えたんですけれども、茂木大臣は閣僚の中でも敏腕家だと、まず質問に対して、私は一、一できちっと対応できる、別に原稿を頼りにしないという意味で。私どもも質問のしがいがあるというふうに思っております。だからといって変な質問をするということではございませんけれども。
 それで、私は、絵に描いた餅なのか、このシステム改革は絵に描いた餅ではないのか、いや、そうではない、これは本物の餅なんだと、これは非常に大事なことだと思うんですよね。一つは、これは絵に描いた餅ではないということを、私はまず大臣御自身が、表現方法いろいろありますけれど、これが一つあるなと。それからもう一つは、じゃ、食べれるこの餅を食して腹を壊さないのか、いやいや、腹を壊さないにしても消化不良を起こさないのかというこの問題もあるわけです。この二つをやっぱりしっかり私は解明をしていくということが必要だというふうに思います。
 今まで議論があったことを私はいろいろ顧みて、やはり福島第一原発事故以降の電力供給体制の問題でありますとか、電力会社の経営上の問題であるとか、あるいは再生エネルギーの普及状況、消費者にとっての料金問題など、やはりそういう複雑にいろいろな課題が絡み合っていると、こういうふうな状況の中でこの自由化という大方針が見事に前に進んでいくのかということで。そこのときに私は二つの問題がまだ残されていると思うんです。
 そこはひとつ大臣に明快に私はお話をいただきたい一つは、事業者なんです。これは、プレーヤーの中で、今まで一般電気事業者ということで巨大な、九電力体制とか沖縄を入れて十電力体制とか、こういうふうなことで、このプレーヤー以外に新たにチャレンジをしていくんだと。したがって、この自由化を支える大きなプレーヤーというのは、これからチャレンジをする事業者がどういう経営マインドを持って、まさに挑戦をしていく、それがないと、先ほど言った自由化というのは結局、参考人、松村教授ですかね、規制なき独占ということになってしまうんではないかという、こういう危惧になると思うんです。これが一つです。このことについては大臣自身もお考えがあると思いますので。
 それからもう一つは、先ほど来、現場で働く皆さん方ということが非常に大きな要素だと思うんですよ。それで、余りこのことについてはこのシステム改革の方針の中でも丁寧には触れられていないですよね。それは事業者とそれから労使がしっかり話し合えばいいではないか、逆に言えば、しっかり話し合ってきて、そして、これ世界でも相当にレベルの高い供給安定力だとか品質を確保してきたこの人たちの言わば良き労使関係、現場の関係の上に立脚をして、更にこのシステム改革をより効果のある方向に進めていこうという暗黙の私は前提があると思うんです。
 しかし、そのことが、本当にそのまま良き関係が続いていくのか、働く人たちのモラルとモラールを支えることができるのかという問題については、やっぱりこれからも私は丁寧に議論をしていく必要があるのではないかということで、この二つのうち、最初のこのチャレンジをしていく事業者、ここのところの、私はやっぱり、こぞって参入せよと、そういうことなのかどうか、その辺のところはいかがですか。
○国務大臣(茂木敏充君) 電気、先日、小林委員の方からもお話ありましたように、ためておけない、そして実際に見ることができない、なかなか取扱いが難しい品物であると、こんなふうに思っております。
 そういった中で、その現場の作業環境を含め、送配電部門を発電部門と分離した後も連携のルール等をしっかりと定めていって、事故が起きない、そしてまた安定供給に支障を来さない、こういった状況をつくっていくということは大前提になってくると考えております。
 今回、三段階で改革を進めさせていただく、これは、私としては、改革は大胆に進めなければならない、しかしスケジュールは現実的にということで、三つのステップを踏み、それぞれのステップの進捗状況を見ながら、また海外の様々な事例も参考にしながら日本において改革を進めていきたい、こういう思いでやっておりまして、私は、日本の企業は、そして日本人はできると思っています。
 一九七〇年代、二度のオイルショックに直面をしました。恐らく日本経済は相当ダメージを受けるだろうということでありましたけれども、結果的には、企業や国民の努力によりまして、省エネが進み、そして世界に冠たる省エネ技術、省エネ製品、さらには省エネ社会を確立することができた。
 同じようなことが今回の電力システム改革を通じてでも起こってくる。様々な参入、実際に今、エネルギーであったりとかエネルギー以外の分野からも、小売部門そして発電部門への参入が起こっております。そして、これまで地域にやはり閉じこもりがちだったもっとポテンシャルを持っている既存の一般電気事業者も地域の枠を超えて競争する、こういった中から様々な新しいビジネスが生まれ、成長の機会が生まれ、そしてまたそれが需要家にとっても選択肢の拡大につながるといったことで大きなやっぱりメリットをもたらす。安定供給をしっかりと図っていく、同時にそこの中でコストを抑制する、さらには自分にとって一番いいような料金メニューというものが生まれてくるんではないかなと思っておりまして、恐らく、一般のビジネスでいってみますと、一つはやっぱりマーケットが大きくなるということは重要です。それから、商品の品ぞろえが増えるということが重要であります。さらに、三つ目としては、その商品に対して消費者が情報をきちんと持てるということが重要であります。
 最終的には、例えば会社をスイッチをする、新しい契約を結ぶ、これが簡易にできるということが重要なんだと思っておりまして、今回、家計部門そして小売部門、大きな市場が開放されるわけであります。そして卸電力市場、こういったものを育てることによりまして商品の品ぞろえというものも増えてまいります。同時に、スマートメーターの普及等々によりまして消費者もかなりな情報を持つことになることになる。そして最終的には、今後制度設計をしてまいりますけれども、契約をほかに変えるということも簡易に消費者の側から、需要者の側からできるような状況をつくっていきたいと考えております。
 電力、まさに国にとってナショナルセキュリティー、これに関わる極めて重要な問題であります。慎重に改革は進めます。同時に、高みを目指して大胆な改革を一つ一つ着実に歩んでいきたい、こんなふうに考えております。
○加藤敏幸君 松永安左エ門さんという方が、電力の鬼と。日本発送電、これを解体をして今の電力会社の体制をつくったんですけれども、まあ大変な活躍をされて、これはこれでまた皆さん御存じのことかと思いますけれども。私はやっぱり鬼が要ると思うんですよ、こういう大改革をやっていくときには。それで、国鉄それから電電公社、郵政、三公社五現業、この三公社を皆民営化をしていったというプロセスも同じような、いろいろな思惑はありましたけれども、やっぱり大変なエネルギーが要るし、と同時に、国民自身がそのことはやっぱりいいことなんだという大きな支持も要ると。
 この辺のところは、先ほど言われたことはやっぱり設計図だと思うんですよ。設計図については私は文句は付けて言わないです。でも、私は現場のエンジニアとして、設計図から物を作る、実際にそれを動かして所与の性能を出していくという、ここがまさに現場で結構気を遣うし、大変なんだよということを含めて、これからの御活躍ということと、やはり鬼が要ると、茂木が鬼なのかと。私はそういうふうなやっぱり決意も必要ではないかというふうに思います。これ以上のことは申し上げません。
 さて、このシステムの方針書の中で、以上の考え方に基づき電力システム改革を実行する際には、世界で最も高い信頼性を有する我が国の技術と人材の蓄積、安定供給マインドを尊重するという視点を欠かすことはできない、今日まで形成されてきた技術、インフラ、人材を破壊することは決してあってはならないと高らかに宣言をされているし、また、過日の参考人質疑のときに、こういう委員会の中の言わばブレーンとして活躍をされている松村教授自身も、示された資料の中で、日本の電力安定供給は一般電気事業者の、とりわけ現場の職員の高い職業意識、安定供給への責任感と矜持に支えられてきた、先進的で安定的な送配電技術、現場の高い職業意識は日本の宝だと、日本の宝を破壊しないシステム改革をと、こう言われているわけでありまして、このことについては今日までの委員会の議論の中でも私は共通の認識ではないかと、このように思います。
 そこで、日本発送電がストライキをして、これはGHQが最後に止めたということですけれども、極めて国民生活に致命的な影響を与えたと。電力ストというのは一般的にその他の公共機関のやるストライキよりもはるかに破壊的なんですよね。そういうふうな意味で、やっぱりスト行為を規制をしているということの法律の意味というのは、私はまさにその時代の要請であったというふうに思うわけであります。
 過日、参考人、電力総連の労働側の代表者も、私どもは既に組織として停電ストはやらないということを明確にやはり決めていますと。じゃ、ストライキやらないんだったら、スト規制法を見直すことも必要ないねということではないと。私はそこのところで、今から厚労副大臣の場面ですから、ちょっと早めに質問を順番を変えていたしますけれども。
 やはり日本国憲法が保障する基本権の問題と、現実に争議行為自身がもたらす社会的なやっぱり影響等、このことを勘案するということの中でスト規制をしているということだと思うんです。
 同様のことは公務員につきましても、公務員については協約締結権、争議行為、これは禁止をしている。しかし、代わりに、労働条件の問題については人事院勧告という制度をもってこれは保障をしているんだと。したがって、最高裁は、この基本権問題については、基本権を止めているということには問題はあるけれども、しかし、代わりに人事院勧告という壮大なシステムをつくってそれは補填をしているんだから、一概に違反ということはないんではないかということで、大体これは収まっていることなんです。
 私が申し上げたいのは、この電力の労働者というのが、言わば争議行為はできないけれども、総括原価方式という大きな仕組みの中で、労働条件というのはある種相場性を追随しながら比較的高い条件を確保することによって、人材確保の安定性、それで職場におけるモラル、モラールをやっぱり僕は支えてきたと。
 これ、地域でもそうなんですよね。現場作業員を供給している工業高校から大体トップクラスが電力会社に入っていくという、そういう労働者の銘柄ということは確立をしているわけですから。そういうふうな大きな仕組みの中で、先ほど、社会でも大事な宝だという状況は、やっぱり現場力というのは支えられてきたということなんです。
 私は、先ほど小林委員が大臣に質問されて、副大臣の方からお答えになったことのとおりで議論は進めていかれると、公労使でされることについて、全くそのとおりやられることだというふうに思っています。
 しかし、ただ、問題の考え方として、これから先、じゃ自由化をしていくということは、やっぱり人件費も触るということですよね。九州電力は、今、年金下げます、退職金を三割下げますということを決めましたけれども。そういうふうなことの中で、やっぱり劣化をしていく労働条件をどうやって支える、そして、それを支えることが、安定供給だとか日本国のライフラインの第一の電力の供給という、このことを支えていくということとこれはもう大きなシステムとしてなっている中で、私はやはりこれから先、私どもも考えていかなければならない。
 それは、決してこの電力労働者だけを特別扱いということじゃないんですよ。だけど、今、申し上げれば、社会的に現場力現場力といって持ち上げることは持ち上げるんだけれども、持ち上げつつ足を引っ張るという状況もやっぱりあるわけですから、だから、そこのところを厚生労働省というお立場からいってお考えを少しいただきたい。特に基本権とかについて、公労使の議論の展開はそれはそれとして、それに影響を与えないという議論として私は考え方があれば表明していただきたいと思います。
○副大臣(佐藤茂樹君) 先ほど小林委員のところで検討の場のことについては御答弁申し上げまして、まさにこれから公労使の検討の場で内容については御検討いただくことになりますので、私ども政の方から余り予断を与えるような発言というのはなるべくしない方がいいんだと思うんですが、ただ、今現段階で我々厚労省として言えますことは、いわゆるスト規制法の在り方を考えるに当たっては、今、加藤委員御指摘のとおり、労使間での対等な交渉の促進あるいは労働基本権の保障という観点は重要と考えております。
 一方で、国民経済や国民の日常生活に支障を来すことのないよう電気の安定供給の確保という観点も重要だと、そのように認識をしておりまして、ですから、私どもこの問題について検討をこれからするに当たっては、今年の夏以降に、先ほどから御答弁しておりますように、公労使三者構成の検討の場を設けまして、電力システム改革第三弾の法体系の整備に関する検討内容を踏まえつつ、今までのスト規制の歴史的経緯も踏まえながら、様々な観点から総合的な検討を行って結論を得ることにしたいと、そのように考えております。
○加藤敏幸君 ありがとうございました。
 副大臣におかれましては、これで私の質問は終わります。
○委員長(大久保勉君) 佐藤厚生労働副大臣におかれまして、退席されて結構です。
○加藤敏幸君 それでは、次の質問でありますけれども、これはそんなに私が大きい声で言うことではないんですけれども、電電公社の分割・民営化という場面では、新規参入を促すために、クリームスキミングといいましょうか、非対称規制ということで、より新規参入にプラスのハンディキャップを与えると、こういう手法が取られたんです。これはもう既に、御記憶にあると思いますけれども、真藤総裁という方が非常に御苦労されながらやってきたということでありました。
 今回のこの自由化におかれまして、そのような電電公社時代のそういう手法を取られる必要性があるのか、あるいはどのようなことを考えておられるのか、この辺りについての御見解をいただきたいと思います。
○政府参考人(上田隆之君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、電電公社の分割・民営化に当たりましては、元々電電公社一社であったものを民営化し、更に分割していったと。その中では、長距離電話への新規参入に対する措置等々、クリームスキミングとおっしゃるような様々な措置、新規参入を促す措置がとられたわけでございます。
 ただ、今回の電力事業のシステム改革というものにつきましては、やや、元々、現在既に十社ある電力事業者間の競争を促進していくという必要もありますし、既に、御案内のとおり一部ではありますけれども電力の自由化というものは既に一部行われておりまして、それに関して新規参入等々も行われているということでございますので、やや電電公社の場合の分割・民営化とは状況が異なっているところがあるのではないかと考えております。
 今回の法案につきましては、そういった状況の違いも含めまして、現在の一般電気事業者への料金規制の経過措置、これは先ほどから御議論もございましたけれども、これにつきましては当分の間残すということにしているわけでございますが、また、小売電気事業者の破綻あるいは撤退といった事情に備えた最終保障サービスや、あるいは離島への安定供給義務につきましては、これは送配電事業者が責任を負うことといたしております。その結果、発電と小売、これらの部門につきましては、既存の事業者と新規参入者の間でできるだけイコールフッティングを図っていくという仕組みにしているわけでございます。加えまして、今回の法案では、一般電気事業者もメリットのある自由な料金メニューを作れるようになるということでございます。
 先ほど大臣から申し上げましたけれども、そうしたイコールフッティングの下で、卸電力市場の活性化、あるいはスマートメーターの導入促進、あるいは電力会社を切り替える具体的な仕組みづくり、こういった新規参入を容易化する措置というものを講ずることによりまして新規参入を図っていくのが適当であると考えております。
○加藤敏幸君 議論は、自由化を促進をするということと、むやみやたらとやるということからくるマイナス面というようなことを含めて、私はやっぱりある程度バランスを考えたいろいろな対応が必要だと、このように思っております。
 松村参考人が答えていましたけれども、自分はグリーンエネルギーが大好きだから、だから高くてもグリーンエネルギーを買うんだということも発生して、つまり、電力の利用者の方から、いわゆる選択肢が増えるんだと。その選択肢は、どういうこれはものが提供されるか今はっきり分かりませんけれども、長官、これ高くても買うんだと、そういう非常に理念先行型のユーザー、そういう人が本当におられるんだろうかという疑問も投げかけたんですけれども、長官、どう思われますか。
○政府参考人(上田隆之君) 今回のシステム改革におきましては、需要家の選択の自由が広がるわけでございまして、小売事業者も自由な様々な料金メニューを設定すること、料金だけでなくてエネルギーの構成のメニューを設定することができるわけでございます。
 したがいまして、例えば再生可能エネルギー、再生可能エネルギーだけだとバックアップの問題がありますので、再生可能エネルギーだけというのは余り現実的ではないかもしれませんが、再生可能エネルギーというものを中心として電気を自分は売りたいんだと、その代わりややコストの面では高い料金設定になると。そういう料金メニューというのは設定することは可能になるわけでございますし、また、ユーザーのサイドから見ても、それでは、やや高いかもしれないけれども、そういう小売事業者から自分は電気を買いたいと、そういうことも可能になるわけでございます。
 こういった事業がどの程度進展するかということにつきましては、やはりその料金水準がどうなるかと、それからユーザーのそういった環境問題に関する意識がどの程度であるかということによりまして様々であるとは思いますけれども、現状、世上に環境問題に対する意識が高まってくることの下では、そういった需要家というものもある程度存在してくるのではないかと期待をしておりますし、また、少なくとも政府としてはそういうことができるような仕組みを用意をしていくことが重要であると考えております。
○加藤敏幸君 次に、スイッチングということについてお伺いをしたいと思います。
 電力の需要家、消費者が小売事業者を変更する場合には、つまりスイッチングにおける顧客データの共有という、これは新電力等の新たに参入するという立場の方からも随分要請があるわけでございまして、この辺の、例えば共同検索システムなどというアイデアもあるようですけれども、顧客に自由にアクセスできるということが本当にどうなのかという疑問も多くあられますけれども、このような需要家情報ということについての扱いについて、今どのようにお考えですか。
○政府参考人(高橋泰三君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、需要家が小売電気事業者を切り替える際に、これを円滑に行うために、その需要家に新たに電気を供給しようとするいわゆる新電力あるいは新規参入者等がその情報を的確にスムーズに入手できるということが大変重要になります。もちろん情報保護の観点から需要家本人の承諾を得た上でということになりますけれども、これをスムーズにできる仕組み、システムということが大変重要になっております。
 このため、既に一般電気事業者あるいは新電力を始めとする関係事業者が実務的な検討を進めてございまして、具体的に申し上げますと、総合資源エネルギー調査会のワーキンググループで大きな方針を示した上で、その方針に基づきまして、広域的運営推進機関が運営する情報システムを通じまして、新しい小売電気事業者が必要な情報を一般送配電事業者から速やかに取得できる仕組みを小売全面自由化の実施までに構築するということで、今実務的な作業、検討が行われているところでございます。
 こういった取組によりまして、先生御指摘のございましたように、新規参入者が必要な顧客情報を適時にアクセスするということを可能といたしまして、小売電気事業者の変更が容易にできるようなそういった環境整備に努めてまいりたいと考えております。
○加藤敏幸君 少し関連しますけれども、次の質問をまずやっておきたいというふうに思います。
 電力自由化に伴う外国資本の参入についてどのようにお考えになるのか。これは昨年の電気事業法改正案の国会審議でも取り上げられました。政府の答弁は、外国為替及び外国貿易法に基づく対内投資の規制以外は自由であるんだと、このように御回答されていて、それはそういうことかなというふうに思います。
 ただ、電力発送電事業というのは基盤であると。先ほど来いろいろ言われています。これはやっぱりある種、国のセキュリティーにも関わることであり、水資源を外国の方々がどういう目的で買われるのかということについても、国民感情からすればいろいろな疑問が出てくるということを含めて、少し注意をせにゃいかぬな、よく見張っておけよというのは言い過ぎかも分かりませんけれども、そういう感情があることは事実だと思うんです。だから、そこのところは、だからといって排外、外国から来るものを排除するということはあり得ない、日本国として。海外資本を投入したいという立場もありますから。
 この辺のところでいろいろな御意見が各サイドからあるということを含めまして、再度、経産省の御見解をお伺いしたいと思います。
○大臣政務官(磯崎仁彦君) お答えいたします。
 今外為法のお話が委員の方から出ましたけれども、電気事業、まさに先ほど大臣も電力はナショナルセキュリティーというお話が出ましたけれども、やはり非常な重要なところでございますので、現行におきましては、従来から外為法に基づきまして規制が行われているということでございまして、外資の参入につきましては事前の届出をということで届出をしていただいて、それが公の秩序の維持、これを妨げることがないのかどうなのかという観点から、例えば電力の場合には我が国の電気の安定供給の確保等に支障を生ずるおそれがないのかどうなのかという観点から個別に審査を行うということになっております。
 今回の電力システム改革ということになりますと、当然、原子力事業者でありますとか一般の送配電事業者、こういったところを買収しようとしたり、あるいは資本参加をするといったような場合にも、同様にこの外為法の事前届出ということによりまして、公の秩序を維持するということに反しないのかどうなのかということで個別の審査を行うということになろうかと思います。
 ただ、他方で、今回の電力の自由化ということになりますと、やはり多様な事業者の参入というものをこれを受け入れるという観点が当然ございますので、そういったことも含めながら、やはりナショナルセキュリティーの観点から外為法の規制があるということでございます。
 もう一つは、今回の法案につきまして、小売電気事業者につきましては登録制、それから一般送配電事業者については許可制、それから発電事業者につきましては届出制ということでございますので、小売電気事業者につきましては登録制の中で当然のことながらその供給能力等を審査をするということがございますし、一般送配電事業者につきましてはまさに事業者適格ということをやはり審査をするということになりますので、こういった許可あるいは登録の観点と外為法に基づく外資規制、この両面からの審査ということになろうかと思います。
○加藤敏幸君 これもやっぱりある程度試行錯誤しながらやっぱり私は対応する側面があるのではないかと、このように思います。
 さて、もう時間がなくなって、そろそろクロージングということなんですけれども。やはり日本の電力網というのはヨーロッパのように完全なネットワークではないですよね。これはもう御存じのように、北から南までずっと列島に沿って、それからそれぞれの人口稠密地に沿って形成されていると。
 今回の自由化の考え方の一つに、理想的に言うと、完全ネットワークだとして、それで、例えば北海道で発電をする業者がいて、それを鹿児島で使いたいという需要者がいて、それはそれで託送費を払えばなると。ただ、北で発電しておけば、こちらで使って、完全理想状態なら瞬時に埋まる、供給できるということでありますけれども、残念ながら送電網は完全な送電ということではなくて、理想状況じゃなくて、インピーダンスもあるし、それから容量もあるし、したがって、たくさん急に使うとその周辺が電圧降下を起こすだとか、あるいは周波数に影響を与えるとかいうことを含めて、潮流管理ということは非常に大事な仕事になってくるし、当然、この中にも書かれています連系線をどのように、つまり、より完全なネットワークを形成をしていくということを言わば基盤としてしっかり支えていくと。
 そういうような意味で、送電とは何なんだという部分が改めて、列島でいうと、地域独占で対応していって、地域はここで発電してここで使うんだという構想の下に戦後やってきたことを一括のマーケットとして、そしてネットワークとして対応していくということに結局なっていくという意味で、そこのところのベースを、やっぱり設備投資も含めて、誰がどのお金でしっかりと埋めていき、問題が起こらないようにやっていくかという辺りがこれから現実的に大きな作業になるし、電気事業者、一般事業者も含めて知恵の出しどころだし、ここは大きな課題だと思います。
 もう時間になりましたので答弁は求めませんけれども、このことが次の第三ステップにおいて私は一つの論点になっていくのではないかと、このことを、別に予告編ではないですけれども、申し上げて、質問を終わりたいと思います。
 どうもありがとうございました。
○中野正志君 日本維新の会・結いの党の中野正志でございます。
 先日、参考人としておいでいただいた電事連の八木会長、電力の需給は大変厳しい状況が続いていると発言をされました。五月末にも新聞記事で見たんでありますが、気温上昇による急激な需要変動などを考慮すると実質的な余力はないという発言をされております。確かに、六月一日、先日の日曜日、全国各所で既にすごい暑さを記録いたしました。今年の夏が記録的な猛暑となることがほぼ確実かなというような状況であります。
 そんな中で、一体どのぐらいの気温になると電力の供給が間に合わなくなってしまうものなのでしょうか。つまり、朝の気温から日中の気温への上昇具合、日本の東西の気温など、どういう気象条件のときに電力会社が確保したという三%の予備率では対応できなくなってしまうもので、そのときには実際どうなってしまうのでしょうか。突然あるいは停電してしまうということになるのでしょうか。我々国民は事前にどのような準備をしたらいいのかなとも思います。気象条件以外にはどのような事態が生じると電気の供給がストップするのか。もちろん、停電が起こってしまっては困るわけでありますけれども、政府として今の厳しいこの需給状況をどのように打開していく計画なのか、お伺いをしたいと思います。
 ちなみに、電力需給見通しについては四月二十二日のこの経産委員会でも質問させていただきまして、経産省としても大変厳しい状況であることは認識されている中で、計画外停止などのリスクも踏まえた上で需給見通しを取りまとめていくという答弁がありました。
 ここで改めてお伺いしたいのは、経産省として、この夏季の必要な需給対策の検討状況が今現時点でどのようになっているのかをお伺いしたいと思うんであります。その上で、具体的にどういう条件の下で停電などの非常事態が予想されるのか、国民として万が一の事態に備えるため、事前にどういう準備が必要なのか。例えば、昼の気温が三十五度を超えたら部屋の電気全てストップだなどという対処法が求められるのか、ほかに何かすべきことはないのかという点などについてもお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(茂木敏充君) この夏の電力需給、これは昨年と比べても大変厳しい状況になってまいります。
 電気はためることができずに需要に応じて供給力を瞬時に調整しているわけでありまして、仮に猛暑によります需要の急増や発電所のトラブル等の要因によりまして需要が供給力を上回った場合には停電になるということでありますけれど、仮に大規模な停電が発生しますと、国民生活や経済活動に甚大な影響が生ずることが避けられず、想定外であると、こういったことは基本的にそれでは済まされないんだろうと、そのように思っております。
 それで、電力需給の見通し立てるに当たりまして、まず需要面では、今年は冷夏なんじゃないかなということではなくて、過去十年間で最大の猛暑日の需要、こういったものを想定する一方で、供給面では、確実に供給力と見込める電源のみを計上すると。言ってみると、堅め、保守的に安全サイドに立って需給バランスの評価を行っている。需要面は最も高くなる、そして供給面は一番堅めな供給力を予測すると、こういった形でありまして、こういった需給見通し行いますと、今年、特に中部から西の方が厳しくて、予備率が二・七%ということでありまして、電力の安定供給に最低限必要となります予備率三%を下回る見込みであります。
 これで、余力のあります東日本から東西を結ぶ周波数の変換装置を通じて六十万キロワット電力融通を行いますと、中部及び西日本全体の予備率が三・四%になるわけでありますけれど、FCの容量、これは全体でも百二十万キロワットでありますから、仮に中部そして西日本で更に大規模な電源脱落が発生をしますと、安定的な電力供給に予断を許さない状況が生まれてくるわけであります。
 五月の十六日に関係閣僚から成ります電力需給に関する検討会合を開催いたしまして、予備力の積み増しの要請、これを関西電力そして九州電力に対して行うと同時に、今相当の部分が火力に頼っております。さらには、その火力も、老朽化した火力のたき増しという部分があるわけでありますから、この火力発電所の総点検、そして、西日本中心にして大規模な節電、省エネキャンペーンなど、この夏の電力需給対策を決定したところであります。
   〔委員長退席、理事加藤敏幸君着席〕
 その上で、今後についても、政府として需給状況、不断に監視をいたしまして、仮に需給状況が逼迫するおそれが生じた場合には、FCを含みます地域間連系線を通じた電力の融通を実施をすると、まずそれを行う。そして、より状況が厳しくなりましたら、火力発電の増出力であったりとか、需給調整契約の発動によって大口需要家の需要抑制、これを図る。さらには、国民に対して、今は数値目標が付いておりませんけれど、数値目標付きの節電要請等も電力会社と連携して行い、最大限の回避措置をとっていきたいということでありまして、現状におきましては、今取ろうとしている対策によりまして予備率三%はぎりぎり確保できるのではないかなと。
 ただ、今後の状況を見ながら、より厳しくなった場合には今申し上げたような措置を順次とるということでありまして、そういった措置でも、仮に、万が一こういった今申し上げたような措置をとってもどうにもならない場合には、ブラックアウトしないように、計画停電であったり、そういったことも行っていかざるを得ないことになりますけれど、そこまで行く前にいかに食い止めるかということに最大限努めてまいりたいと考えております。
○中野正志君 茂木大臣始め経産省、資源エネ庁の危機管理認識、心強い限りだと改めて思います。頑張っていただきたいと思います。
 今更申し上げるまでもなく、電気と水というライフライン、我々の日常生活に欠かせません。そのライフラインの一つである電気というサービスに対する国民のニーズ、どのようなものであるのかということを今改めて問うてみたいと思います。
   〔理事加藤敏幸君退席、委員長着席〕
 つまり、国民は安価で安定した電気の供給を望んでいることはほぼ間違いないと思いますけれども、一体どれだけの国民が供給事業者を選択したい、あるいは選択のできる多様なメニューが欲しいと思っているのかという点であります。
 今回の電力システム改革の目的が、料金メニューの多様化の実現を目指すと、大臣はこの間の本会議の私の質問で答弁をされましたけれども、実際のところどれほどの国民が料金メニューの多様化を求めているのでありましょうか。確かに事業所あるいは工場といった需要家は料金メニューに敏感かもしれませんが、一般家庭では多様なメニューや複数の事業者から一社を選択するなどということはむしろ面倒な作業で関わりたくないと思っているケースもあるかもしれません。
 この点、経産、資源エネ庁として、一般企業がよく実施しますアンケート調査のようなものはやっておられるのでしょうか。電気に対する国民の実際のニーズがどこにあるかということを詳細に捉えられていらっしゃるのでしょうか。この制度改革がそういった国民の実際のニーズに沿ったものであると確信を持って言えるのでありましょうか。この改革が誰のための改革かという視点から、改めてお伺いしておきたいと思います。
○副大臣(赤羽一嘉君) 中野委員おっしゃられたように、電気はライフラインそのものでございますので、このライフラインの電力システム改革が国民のニーズから乖離したものであってはならないと、これは全くおっしゃるとおりだと、こう考えております。
 私たちも、省内に設置をいたしました複数の審議会、また電気料金の値上げ認可の際の公聴会、また消費者団体の皆さんが、そのものが開催する説明会、加えまして、当然アンケートの調査もしておりますが、そこで特に私も印象的だったのは、三・一一の東日本大震災、また福島第一原発の事故を契機に、国民の立場から電力会社や料金メニューを選択できないことに対する問題意識が大変高いということが改めて認識をされました。
 これまでその選択のしようがなかった、また料金の変動の実態もなかったという中で、選びようがなかったことに対して国民の皆さんのこの電気料金に対する感覚というのが、ややもすると、まあ鈍いと言うと変ですけど、しようがないものだというふうに捉えられたところもあったかもしれませんが、二〇一一年から北九州や豊田市でディマンドリスポンスの実証実験もさせていただいております。例えば、北九州では、通常時にはキロワットアワー当たり十五円という割安な料金にしていて、夏場のピーク時の時間帯にはその十倍、百五十円まですると、極端な料金の変動を試してみたんですが、これで結局は電力の消費量につきましてはピーク時の約二割削減されたり、電気料金も約三割程度安くなるという、こういう選択肢があることによっての省エネの進み方というのが明らかになったというふうに私たちも認識をしております。
 そういう意味で、電力システムの今回の改革の目的は、御質問にもありましたように、電力会社や料金メニューを選びたいという需要家のニーズに多様な選択肢で応えるというもので、それを可能にするための小売参入の全面自由化の措置をしているところでございます。誰のためというのは本当に大事でして、本当に国民生活に資するための電力システム改革にしていきたいと考えて、実行していきたいと思っております。
○中野正志君 先日の本会議の質問に対して、大臣答弁、自由化による新規参入が進まなかった一つの理由として、一般電気事業者による区域を越えた競争への取組が不十分であったと答弁がありました。
 しかし、現実的には、電力事業の経験が最も長く、発電から小売に至るまでのノウハウを蓄積してきたのは、これまでそういう意味では独占の地位を維持してきた電力会社にほかなりません。結局のところ、小売の全面自由化の中で一般電気事業者による区域を越えた競争への取組を進めるということになると、一番力を発揮するのは既存の電力会社あるいは今の電力会社が分社化や子会社化されて誕生する言わばミニ電力小売事業者なのではないかという声が強い。結局、将来的には、そういったミニ電力会社が小売を独占していくことになって、新規の小売事業者が太刀打ちできなくなるような市場ができ上がってしまうかもしれません。
 結局のところ、電力会社の区域を越えた本格的な競争の促進は新規事業者の参入を進めることにはならないのではないかという懸念も指摘されておりますけれども、この点、経産省はどのような将来図を描いておられるのか、改めてお伺いをいたします。
○副大臣(赤羽一嘉君) 今の御指摘の独占への懸念につきましては、今回の法案の中では、まず競争環境が整うまで従来の一般電気事業者に対する料金規制を継続するということにしております。そしてまた、この料金規制、将来の撤廃後につきましても、例えば寡占化が進んで小売料金の不当な引上げが行われて電気事業の健全な発展等に支障が生ずるおそれがあると認められる場合には業務改善命令の発動ができる仕組みとしております。加えて、多様な事業者が電力市場に参加し活発な競争が行われるよう、特に問題として指摘されてまいりました卸電力市場の活性化など、必要な環境整備も併せて進めていくこととしております。
 ただ、暗い見通しばかりじゃなくて、現時点では、例えば小売の全面自由化の実現を見据えまして、具体的には東京ガスですとかJXの日鉱日石エネルギーが家庭向けの電力小売への参入の検討をもう既に表明されておりまして、今後更なる参入が進むものと期待をしているところでございます。加えて、新規参入者による発電所の建設につきましても、具体的にはもう大型、例えば百万キロワットを超えるような大規模な発電所の計画も含め様々な動きが近年出ておりまして、これにつきましても新規参入、相当程度見込まれるのではないかと、こう考えております。
 こうした新規事業者の参入に加えまして、既存の電力会社同士の競争も私たちは重要と考えておりますが、既に中部電力とか関西電力はそれぞれの子会社を通じまして首都圏での小売供給を行っておりますし、また東京電力そのものも、いわゆる新総特においてエリア外への営業拡大を表明しているところでございます。
 まさに、今回の電力システム改革は、法律は変えたけれども実際競争が起こらなくて逆の方向に行ってしまったということにならないように万全の体制をしいていきたいと、こう考えております。
○中野正志君 次に、エネルギーミックスと自由化との関連についてでありますけれども、まずは今直面している問題についてお尋ねをいたします。
 現在、原発は政策的に停止状態にあるわけですけれども、我々が毎日消費する電力、文字どおり毎日供給されませんと社会生活そのものが止まってしまいます。そのためには原発ではない発電設備によって電力をつくっていかなければならないわけでありますけれども、そのためには毎日石炭あるいはLNGなどの化石燃料を海外から買い続けなければならない状況になっております。
 化石燃料の最大の懸念は、言うまでもなくCO2発生量が圧倒的に多いということでありますけれども、化石燃料であるがゆえにいつかは枯渇してしまうという限界が現実にあります。私たちの国には化石燃料が豊富に埋蔵されているわけではありませんので、どうしても輸入に頼らざるを得ません。このような現実は福島原発の事故が余りにも大きかったことから忘れられそうになっておりますけれども、私たちはやはり、この化石燃料の現実をしっかりと把握した上で、まずは現在の社会生活を健全に維持していくための電力を確保するということでなければなりません。
 この点、日本の各電力会社で比較的原発比率の高い関西電力や九州電力において、現実的に原発以外の発電能力、供給能力あるいは燃料調達状況などはどうなっているのか、お伺いしたいと思います。特に問題点として、やはり現状は化石燃料に頼らざるを得ない状況なのか、化石燃料をすぐに使える安全な火力設備はあるのか、現実的に燃料の手当てはできているのか、その割高な燃料コストは電気料金や経営基盤にどの程度影響するのか、原発を動かしたらこれらの問題はどの程度改善するのかなどという問題について、政府としてはどの程度把握していてどのように対処していく方向なのか、そういった個別の電力会社の事情も把握した上で私は日本全体のエネルギーミックスをつくっていくべきだと考えておりますけれども、政府としての考え方をお伺いしておきたいと思います。
○副大臣(赤羽一嘉君) エネルギー政策につきまして、私はかねてより申し上げておりますが、当然安全第一は大前提として、安定的な供給をすると、極めて現実的な問題だというふうに認識をしております。
 今、現状、原発が停止している現在、今、中野委員御指摘のあったように、我が国は、その大宗を、化石燃料への依存を高めております。平成二十五年度には発電電力量の八八%を火力発電に頼っているところでございまして、委員御指摘の関電につきましては八二%、九州電力につきましては八九%を火力電力に頼っていると。震災前に比べると、輸入した燃料費につきましても三・六兆円のコスト高にもなっているというのも現実でございます。加えて、こうした燃料費の増加を背景として各電力会社の収支も悪化しておりまして、これまで一般電気事業者七社から規制部門の値上げ申請が行われ、認可をしておるところでございまして、電気料金の値上げについても、家庭にも影響が及んでいるというのが現実でございます。
 このエネルギー構成につきまして、それぞれの各エネルギー、それぞれ特性がございます。ただ、安定供給、コスト、また環境負荷、安全性と、この四つのポイントを全てクリアするという優れたエネルギー源というのはなかなかなくて、現実的かつバランスの取れたエネルギー需給構造をその特性に合わせてつくっていく必要があると考えておりますし、その上で、中野委員御指摘のように、個別の電力会社の事情についても把握した上で、しっかりとしたエネルギー政策を検討しているところでございます。
 エネルギーミックスにつきましては、今回閣議決定をされました新しいエネルギー基本計画の考え方を踏まえまして、まず省エネルギーの取組の進展、そして再生可能エネルギーの導入の状況、また原発の再稼働の状況、また海外からの資源調達コストの状況、加えて高効率の火力の技術開発の見通しなど、あらゆることを総合的に勘案しながら、できるだけ早くベストミックスの目標を設定していきたいと、こう考えているところでございます。
 以上でございます。
○中野正志君 今回の全面自由化の問題で、個人的な意見でありますけれども、最大の問題はやっぱりそもそも自由に競争できるマーケットがあるのかという点、どうしても考えてしまいます。これまで議論させていただいておりますように、今日の電力の予備率は三%を何とか確保した程度で、決して発電余力があるものではない。さっきの冒頭の発言のとおりでありますけれども、つまり、原発が止まっていて各電力会社が、大臣おっしゃるように、老朽の火力を何とか動かして辛うじてしのいでいるというのが今日の電力の需給状況ではないのかな。本当に余力のないもので、とても自由競争に開放できるようなマーケットではないように見受けられるのであります。
 この点、今日のような需給状況の中でも、政府は、電力の全面自由化は必ず国民の皆さんに恩恵をもたらすものであるという確信の下に進められているとさっきお伺いをいたしておるわけでありますけれども、あるべき自由市場として、いつの時点で全面自由化をするのが国民にとって一番メリットがあるのでありましょうか。それは今なのかということを確認をしておきたいと思います。
○大臣政務官(磯崎仁彦君) 今、中野委員の方からお話ありましたが、今の我が国の電力事情がどうなのかということを考えますと、やはり東日本大震災があり、やはり新興国を中心にして世界中で電力需要が増加をしているという状況でございますので、まさに我が国、新たなエネルギーの制約に直面をしている、これがまさに現実だろうというふうに思っております。
 そういった中で、新たなエネルギー制約、これを克服していくためにはこの電力のシステムの自由化というのはまさに待ったなしの状況で、新規参入の促進、それからその競争環境の整備をすることによって、電力の低廉かつ安定的な供給、これを進めていかなければいけないというのがまさに今置かれている状況だろうというふうに思っております。
 そういった中で、従来はともすれば需要というものを所与のものとして、それに対して供給をどう取っていくのかという、そういう考え方であったというふうに思いますけれども、今回の小売の全面自由化におきましては、よく言われます、いわゆるディマンドリスポンスを可能とする、そういう多種多様な料金メニューが提供されることによって需給逼迫の改善に役立つという、そういう効果が今回あるだろうというふうに思っております。まさに安定的な電力需給が予断を許さない、こういう時期だからこそこういう取組によってその逼迫の改善に資するところがあるんではないかというふうに認識をしております。
 更に言えば、先ほど来お話出ておりますように、現実の事業者の動向を見ましても、やはり足下では小売全面自由化の実現を見据えて家庭用向け電力の小売の参入、こういった動きも現実的に出てきておりますので、これが実現に移されれば現在の需給状況であったとしても新規参入や競争による自由化のメリットは得られるものというふうに認識をしております。
 更に言えば、今後、電力需給が緩和をされた場合には既存の電力会社の余剰電力がこれまで以上に卸電力市場に出てくるということになりますので、今後、需給が緩和することになれば、より環境が進んで、ますます自由化の恩恵が得られるようになるというふうに認識をいたしております。
○中野正志君 さて、原子力技術を維持しながら大規模原発に代わる発電の在り方についてお尋ねをいたします。
 原子力発電設備には百万キロワット級の大型のものが大半でありますけれども、IAEAが三十万キロワット程度の出力を小型と定義付けて、小型モジュール原子炉と呼ばれる小型原子炉もあって、これが大型原子力発電の電力量を補完する発電設備の一つとして注目できるという記事、これが福島の原発事故後にアメリカのフォーリン・アフェアーズ誌で紹介されておりました。その記事によりますと、このSMRは、工場で製造され、現場に持ち込まれて組み立てられるなど、使い勝手や建設コストに優れております。ただ、発電コストはどうしても大型原発よりは高くなってしまう、そういうことなどが紹介されておりました。
 今、原発に取って代わる代替エネルギーが議論される際に、太陽光あるいは風力発電などはよく耳にいたしますけれども、このSMR、余り実は聞きません。原子力関連技術を維持することの重要性、これを考えた場合、このSMRを推進することも一つの選択肢であるように思いますけれども、政府としてこのSMR、どのような評価をされておりますか。あるいは、このSMRのほかに具体的な選択肢となり得る発電設備あるいは新エネの利用などが検討されているのでありましょうか。あるいはそのような具体的な提案が経済界などから上がってきているのか、お伺いをしておきたいと思います。
○政府参考人(上田隆之君) 御指摘のSMR、これはスモール・モジュラー・リアクターということでございます。フォーリン・アフェアーズに掲載されたというお話でございましたが、これは実は今のアメリカのエネルギー省の長官であるアーネスト・モニーツ氏が、当時はまだマサチューセッツ工科大学の物理学の教授であったわけですが、このフォーリン・アフェアーズの二〇一一年の十一月号と十二月号に、福島の教訓と新型小型原子炉のポテンシャル、「ホワイ・ウイ・スティル・ニード・ニュークリア・パワー」という論文を掲載され、その中でこの小型モジュール炉が実用化されれば安全性のコストの問題は大きく改善されるというような論文を提示されているところであります。
 このSMR、様々なタイプがあるわけでございまして、一般的に申し上げますと、外部電源がなくなっても自然に動く冷却装置を備えている等、既存の軽水炉にはない安全装置を備えております。また、既存の原子炉よりも小さいSMRであれば個々のプロジェクトの建設コストをより小さく抑えるということが可能でございまして、世界各国におきまして、軽水炉のタイプあるいは軽水炉以外のタイプ、様々なSMRの設計の提案がなされている現状でありまして、我が国でも日立製作所、東芝、三菱重工等が設計を提案をされていますし、また最近、ナトリウムの冷却の高速炉4Sというものが東芝と電力中央研究所が提案をしているところでございます。例えばこの4Sというものは、東芝とウェスチングハウスが共同で開発のナトリウム冷却炉でございますが、原子炉全体をまず工場で建設をして、サイトに輸送後に地下に設置され、燃料交換なしに三十年間運転可能であると、こういうものでございます。
 しかしながら、こういったものにつきましては、なおSMRの実用化までには、長期間の使用に耐え得る材料開発、あるいは新たな要素技術の開発、あるいは各種機器の実証実験などが必要でございまして、実際にこれらが安定した発電を行うまでには世界的に見ても相当長時間な研究開発が必要であると考えております。
 私どもといたしましては、エネルギー技術の開発方としましては、それが直ちに具体的な発電設備として実用化するかどうかという点は別といたしまして、安全性やエネルギー効率の向上の観点から様々な可能性を考えて着実に研究を進めることが重要であると考えております。
 それから、御指摘の再生可能エネルギーにつきましては、例えば太陽光につきましてはまだまだ発電効率が低いわけでございまして、この発電効率、それから発電のコストを二〇三〇年までに現在の半分以下とするための研究開発、あるいは波力、潮力等の海洋エネルギーの実用化に向けた研究開発、あるいは地熱の研究開発等々様々な研究開発を進めておりますし、また我が国では、先生御承知のとおり、蓄電池あるいは燃料電池といったものも世界の最先端の技術を行っているわけでございまして、こういったものが非常に有望な選択肢と将来なり得る可能性がある技術として、その開発に鋭意取り組んでいるところでございます。
○中野正志君 是非、共々で頑張っていきたいと思います。
 最後になりますけれども、私たちの日本、エネルギー資源を特に持っておりません。あの三年数か月前、福島事故を経験いたしました私たち日本として、地球温暖化の阻止、世界レベルの脱化石燃料化、地球レベルの省エネルギー化に向けて、地球レベルで達成すべきエネルギーのベストミックスを議論するリーダー的役割を担っていくべきだと思っております。
 茂木大臣に折々御見解を表明いただいてはおりますけれども、原子力政策に対する国民の信頼を回復する、これは何よりの基本でありますけれども、是非ここで、将来のこの原子力を始めといたしましたエネルギーのベストミックス、力強い決意と信念をお聞かせをいただいておきたいと思います。
○国務大臣(茂木敏充君) 原子力、これは御案内のとおり、委員御指摘のありました環境負荷が少ない、そしてまたコスト面でも優位性を持つということでありますし、安定供給が可能である、こういったことから、エネルギー基本計画でもベースロード電源、こういう位置付けをさせていただいております。
 あの福島の事故を経験をいたしまして、その経験、反省、さらにはその後の事故後対応等々も含めて、我が国として世界の原子力の平和的、安全な利用に貢献をしていく、このことは我が国の責務である、このように考えております。同時に、様々な技術のポテンシャルがほかのエネルギー分野、再生可能エネルギーであったり等々にもあるわけでありまして、できる限り早くエネルギーベストミックスの目標、こういったものを設定いたしまして、そういったバランス感のあるエネルギーの需給構造つくってまいりたいと考えております。
○中野正志君 ありがとうございました。
 以上で質問を終わります。
○委員長(大久保勉君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午後零時二分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
○委員長(大久保勉君) ただいまから経済産業委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、電気事業法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○松田公太君 みんなの党の松田公太です。
 これまでは広域的運営推進機関などの公平な競争環境をつくるための質問等をさせていただきましたが、本日はまた違う角度から、同じように公正中立性などに資する質問をさせていただきたいと、このように思っております。
 まず、単刀直入にお聞きしますが、茂木大臣、なぜ一般担保付社債が電力会社に認められているんでしょうか。
○国務大臣(茂木敏充君) 電力会社は、これまでの問題でいいますと、大規模な設備投資等が必要でありまして、それに対する資金調達、円滑に行うために認められてきたものであります。
○松田公太君 それでは、一般担保付社債を発行するに当たりまして、電力会社が求められている何か特別なことってあるんでしょうか。例えば有報にこういったことを開示しなくてはいけないとか、そういったものがあれば教えていただければと思います。
○政府参考人(上田隆之君) 電力会社が一般担保付社債の発行を認められるに当たっての特別な条件といったものは、それ自身についてあるわけではございませんが、御案内のとおり、電力会社については、その供給区域もあれば供給義務も掛かっているわけでございまして、電力会社は言わば公益的な事業として様々な規制に服しているところでございます。
○松田公太君 では、次にお聞きしますが、一般電気事業者十社のうち現在は赤字会社が六社ということになっております。そのうち二社は債務超過すれすれだという状況にもあるわけですけれども、この六社は赤字決算からの脱却というものは今後見込まれているのでしょうか。そして、見込まれているとしたら、それがいつ頃になるのか、教えていただければと思います。
○政府参考人(高橋泰三君) お答え申し上げます。
 各社、昨年度の決算については速報ベースで出ておりますけれども、来年度以降の見通しについてはまだ出していないというふうに承知しております。
○松田公太君 それが一つ私は非常に驚くことなんですが、上場企業で次期見通しというものを何も書かなくてもいいと、それでも、ゴーイングコンサーンにならないんだということが、先日もお話をさせていただきましたが、これは異常な事態なのかなというふうに考えております。
 ところで、電力会社の六社、その赤字の会社、その格付を調べてみたんですけれども、ムーディーズの二〇一四年五月時点の月次ファイルを見ますと、格付情報のなかったのが一社だけありまして、四国電力だったんですね。それ以外は長期債は全てA3だったんです。
 ちなみに、同じムーディーズの同時点の月次ファイルでは、パナソニックは千二百四億円の黒字を出しているんですけれども、格付がBaa3という状況になっておりまして、ソニーもあくまでも例として出させていただきますが、こちらも赤字だったわけですね、千二百八十億円程度の。こちらはBa1だったわけです。ソニーがBa1というのは分かりますけれども、パナソニックの千二百億円の利益を出しているBaa3よりも高い格付を電力会社が保っていると。これは私ちょっと不思議だなというふうに思ったわけですね。
 電力会社は厳しい決算内容になっていまして、更に言うと、先行きが見えないという状況にもかかわらず非常に高い格付を維持しているということになるわけです。これには茂木大臣、どのような理由があるんでしょうか。
○国務大臣(茂木敏充君) 私が行った格付じゃありませんのでどういう理由か分かりませんけれど、恐らくパナの場合、今主力事業になっておりますのが、家電、住宅、車載、そしてBツーBソリューション、さらにはデバイスといった形で、全体で七・六兆ぐらい、恐らく今後の見通しでいいますと、バランス的には家電二兆、そして住宅、車載、それぞれ二兆、BツーBが二・五兆、デバイスが一・五兆、十兆、こんな形になっていくと。業績の改善は進んできているのは間違いない、このように思っておりますけれど、これまでの様々な家電事業等の経緯等を踏まえてそういった格付になっているのかなと、そんなふうに思っているところであります。
 電力会社につきましても、全体の持っている経営体力等々を判断して、ムーディーズにおいて格付を行ったものだと思っております。
○松田公太君 大臣、今、記憶力すばらしいなと思いました。パナソニックの数字をそこまで頭に入っていらっしゃるのかということなんですが、それに比較してちょっと電力会社の説明の方が少し薄かったのかなというふうに思いますけれども。
 A3という評価はやはり的確だと、十分社債の投資に値するというものだと思うんですが、なぜ、もう一度お聞きしますが、電力会社はこれだけの赤字を出しているのにもかかわらず、例えば九電に関しては千三百億の赤字を出していたり、関電も千億円以上の赤字を出している。そのような状況で、繰り返しますけれども、ゴーイングコンサーンもちょっとまだ見通しが付かないという中でこれだけの高い格付を得られるんでしょうか。
○国務大臣(茂木敏充君) 冒頭申し上げましたが、これ、あくまで民間の格付会社が行っている格付でありますので、私が確たる見通しをというか、どういう経過でA3にされたのか分かりませんけれども、少なくとも事業につきましては一つの事業を健全に営んでいる、そして安定供給等々の義務を果たしているということだと思います。
 収益の状況につきましては、御案内のとおり、安定供給を果たす意味で、現在、原発が全てストップをするという中で火力に九割以上依存するという形でありますから、当然、燃料費の高騰等によりまして収益状態、これは悪化しているのは間違いないところでありますけれども、長期的に見通したときに、ムーディーズの判断としては業績改善の余地が大きいと、こういうことからそういう判断をされたんではないかなと思います。
○松田公太君 上田長官からもそれではお答えいただけますでしょうか、同じ質問で。お願いします。
○政府参考人(上田隆之君) これ、格付会社が行われていることなので、今手元にあります例えばムーディーズの格付であれば、例えば東京電力の場合であれば、震災前にはAa2というのがあったのが現状ではBa2と、更にネガティブな方向ということでありまして、震災前、震災後を比べますと、今の電力会社といえども、その格付が非常にマイナス、ネガティブな方向に向かっている状況にあるわけでございまして、どうして元々そういう状況にあったのかというところにつきましては、確かにその地域独占等々で経営が一般的に言って安定的であるといったような要素もあったのではないかと思われますけれども、今のような状況にあるわけでございます。
○松田公太君 確かにムーディーズもS&Pも当時よりかは下がってきているということがあろうかと思いますが、いまだに名立たるほかの企業と比較しても高いということが、私は大きく分けて幾つかの理由があると思うんですが、一つはこの一般担保付社債なのかなというふうにも思うわけですね。そして、もう一つは、やはり国営企業だというふうに見られているということでもあるんではないかなというふうに考えております。これについては、また後ほど議論を深めさせていただければと思いますが。
 関連する質問で、一般担保付社債の強みについて考えたんですけれども、一般担保付社債の強みというのは、その会社の全ての財産、これを担保の目的とすることができることだと思います。
 ちょっと不思議だなと、先日、またこれもニュースを見ていて思ったのは、東電は経営合理化策の一環として多くの不動産を売却したりしているじゃないですか。病院なんかも売却していますよね。これらは当然、社債権者側からすると一般担保付社債の担保となっていた物件のはずですよね。このような売却というのは、社債権者と東電は話し合った上で売却をしているのでしょうか。
○政府参考人(高橋泰三君) お答え申し上げます。
 東京電力と社債権者及びその担保の関係について、私どもで承知しておりませんので、お答えは控えさせていただきます。
○松田公太君 それでは、廣瀬社長いらっしゃいますので、もしよろしかったら、可能でしたら、これにお答えいただけますでしょうか。
○参考人(廣瀬直己君) 一般論としてですけれども、今、私ども、社債を発行できる状況になくなってきております。当然これはマーケットがお決めになることですので、私どもとしては、しっかりとした、これから引き続き設備投資大変必要でございますので、しっかりマーケットに評価をいただいて資金調達ができるようにしていかなければいけないと思っています。
 一般担保の話につきましては、当然のことながら、我々としては御説明をさせてはいただいておりますけれども、そこにとどまっているということでお答えさせていただきたいと思っております。
○松田公太君 済みません、質問をもう一度繰り返させていただきますが、社債権者に対して、東京電力がお持ちの不動産を売却をする際に、ちゃんと説明をしたり同意を得たりしてされているのかという御質問なんですが、いかがでしょうか。
○参考人(廣瀬直己君) 私どもの社債権者さん大変たくさんいらして、お一人お一人に当然のことながらコンタクトするということはできませんし、一方で、幹事会社等々の会社さんについては説明する機会をいただいておりますので、当然、そうしたところにおいては説明させていただく機会があって、説明させていただいているところでございます。
○松田公太君 昨日いろいろ資料を探していまして、大和総研の資本市場調査部報告書というものが目に留まったんですが、こちらには社債管理者に関するヒアリング結果というものが出ているんですね、これ二〇一二年のものなんですけれども。
 これは、一般担保付社債と社債管理者、今お話がありましたが、この対応について、一般担保が付されているものの、売りやすい資産から換金されている中で、それを抑止する動きがない、一般担保付社債であるにもかかわらず、社債管理者は社債権者のために担保確保に動いてくれなかった、今回の事例を踏まえると現行制度で実効性を確保するのは難しい、そして、社債権者会を開くということもなく一般担保の対象となる資産が売却されているというふうに記されているんですね。
 私はこれを聞いていて、東電さんの立場になったら怖いなと思ったんですけれども、これは社債権者に訴訟されるようなリスクさえ持っているのではないかなと、現状はですね、思いますが、廣瀬社長、いかがでしょうか。
○委員長(大久保勉君) 廣瀬参考人にお願いしたいんですが、しっかりと松田公太君の質問を聞いて、的確な答弁をお願いします。
○参考人(廣瀬直己君) はい。
 現実問題として、そうした事態は起こっておりません。それでお答えさせていただきたいと思っております。
○松田公太君 ただ、そのようなリスクはあるという御認識はおありなんですね。
○参考人(廣瀬直己君) お答えいたします。
 私ども、総合特別事業計画という計画にのっとって今事業を進めさせていただいております。これは、もう当然、国の認定をいただいているということもありますし、当然、広く社会の皆さんには公表させていただいているという状況でございます。したがいまして、それを受けてどういうふうに御判断をされるかということになると思いますが、今のところ、そうした動きは私どもとしては承知しておりません。
○松田公太君 私が大和証券の方で社債権者であれば、これは十分訴訟されるような事態ではないかなというふうに感じてしまうと思うんですが、それが現状はまだないからといって放置しているということであれば、私はそれリスクマネジメントの欠如じゃないかなというふうに思ってしまいます。是非、そういった対策も含めて、社債管理者、これ設置されているわけですよね、当たり前ですけれども。社債管理者の集まり、集会、またそういった方々による発表ということをもうちょっと適宜していただく方が私はいいのではないかなというふうに思っております。今後も資産売却等出てくると思いますが、その際には是非それをするべきじゃないかなと、このように思います。
 ところで、これは政府に対する質問ですけれども、一般担保付社債と似たような制度として、企業担保という制度があるのを御存じでしょうか。これは株式会社の総財産をその会社の発行する社債の担保とする制度なんですけれども、この設定を受けるためには、公証人手数料とか登録免許税を負担して、かつ登記をするという必要があるんですね。
 例えば、二兆円の社債を発行したいとなったら、この会社は手数料、実は十一万円をまず払わなくてはいけないと。登録免許税は実は幾らかといいますと、五十億円払わなくてはいけないということになるんですね。合計五十億十一万円を支払わなければならないということです。ちなみに、東京電力の発行している社債は今約四兆円だと思っております。その二倍ですから、本来であれば同じような形で、企業担保という形を取れば百億円以上の費用が掛かるということになるわけです。
 このような手数料や登録免許税は、電力会社やほかの一般担保付社債の発行会社に何らかの形で負担をしていただいているんでしょうか。
○政府参考人(高橋泰三君) 一般担保につきましては、今言った手続、登記等の手続が必要ないということでございますので、特に誰かがそれを負担するという関係にはなってございません。
○松田公太君 今お聞きしているようなことは全て最後の話にちょっとつながると思うんですが、そこに行く前に次の質問をもう一つさせていただきますが、現在赤字の電力会社、こういった会社が債務超過となった場合は、これは政府にお聞きしますが、茂木大臣にお聞きしますが、破綻処理をさせるということもあるのでしょうか。
○国務大臣(茂木敏充君) 仮定の問題は難しいわけでありますけれども、一般電気事業者、これからの定義も変わってまいりますけれども、特に送配電事業者を中心にして安定供給についてはきちんとした責任を果たしてもらわなきゃならない。破綻しないような環境をつくると、それによって電力の安定供給の義務をしっかり果たしてもらう、これが政府としても求める方向だと、そのように考えております。
○松田公太君 るるお聞きしましたけれども、この一般担保付社債というのはやはり私は問題だなと。やっぱり一般担保付社債を発行できるイコール国営企業に準ずるのかなというふうに思っていますね。ほかの企業でもどういったところが一般担保付社債を発行できるかといいますと、ちょっと今手元にリストがあれなんですが、たしかJTさんとかNTTさんとかそういったところが、メトロさんも一部可能だったのかなというふうに思いますけれども、というところに限られているわけですね。ですから、一般担保付社債を発行できるイコール国営企業だということで、今後電力はやはり自由化していこうと、進めようという中においては、そのような制度が残っていて一部の企業に付与されるというのは、私はやはり競争をゆがめてしまう、アンフェアな状況にしてしまうのではないかなというふうに感じております。
 そして、プログラム規定の方ですけれども、「安定供給に必要となる資金の調達に支障を来さないようにすることに加え、事業者間の適正な競争関係を確保する等の観点から、一般担保付社債の扱いの見直しについて第三段階の電気事業法改正において検討する」というふうに書かれておりますが、これは一般担保付社債をなくすという認識でよろしいんでしょうか。茂木大臣、お願いいたします。
○国務大臣(茂木敏充君) プログラム規定におきましてはそのような形になっております。今回の法案では、現存しております一般電気事業者は引き続き大規模な発電設備であったりとか送配電設備の多くを保有し続ける、こういう実態も踏まえて、電力の自由化はもちろん進めつつ、引き続き一般担保付社債の発行を認める規定を設けているところであります。
 他方、競争部門たる発電そして小売部門におきます対等な競争条件を確保することは重要でありまして、今回の法案の附則の第四十一条においては、電気の安定供給を確保するために必要な資金の調達に支障を生じないようにすることに加え、事業者間の適正な競争関係を確保する観点も含め、法的分離を規定する第三弾改正に際しては、一般担保の在り方につきゼロベースで検討する旨の規定を設けているところであります。
 今後の検討ということになるわけでありますが、特に法的分離後に発行されます社債、すなわち新発債につきましては、現在の一般電気事業者、その発電部門等と新規参入者の間で差を設けない、イコールフッティングを確保するということが重要であると考えております。
○松田公太君 ストレートにはお答えいただいていないんですけれども、非常に、ちょっと分かりづらいまた表現だったのかなと思いますが、イコールフッティングということであれば、それはどっちのフッティングにするのかということもあろうかと思いますし、その安定供給に資さない場合はその一般担保付社債をなくさないかもしれないということも聞き取れるのかなというふうに思います。
 私は、これは原子力損害賠償支援機構法のときもそうでしたけれども、例えば国民負担を最小化するためにとかいろいろ書かれていましたが、結果的には、私の目から見たら逆方向に来てしまっているなという感じがするわけですけれども、今回のこの一般担保付社債についても、本当に自由化を目指すということであればこれは廃止するべきだなというふうに感じている次第でございます。こんな優遇制度は一部の企業には私は残すべきではないと。そういう形で残してしまったら、ほかの新規参入の企業がどう戦ってもこれ太刀打ちできないと思うんですね。資金調達力もその新規参入者にとっては非常に重要なファクターになるわけですから、そこを例えば非常に高い格付の電力会社と戦うとなると、もうそこだけで非常に厳しい、利益率をもっと上げなくちゃいけないということになるわけですから、厳しい状況になるのかなというふうに思っております。是非一般担保付社債については本当に廃止になる方向で話を進めていただければと、このように思っております。
 続きまして、特別負担金の支払の見通しについて一点だけお聞きしますが、これは廣瀬社長にお聞きします。
 東電は現在までに原子力損害賠償支援機構から約四兆円の賠償資金を受け取っているわけですね。交付国債の枠はトータルで九兆円になっているわけです。東電や電力会社が返済しなくてはいけない特別負担金や一般負担金はまだまだ増えていくのかなというふうに感じておりますが、負担金の返済計画は現状どのようになっているのか、お答えいただければと思います。
○参考人(廣瀬直己君) これ、特別負担金の金額、毎年毎年どうしていくのかということは、各事業年度ごとに原子力損害賠償支援機構によって私どもにその通知をいただいて、それをお支払いするという仕組みに、立て付けがそもそもそうなっておりますので、私どもで全部決めていくというものではございません。まずそれが前提でございます。
 一方で、二十三年、二十四年と二年続けて私どもは赤字でございまして、したがいまして負担金を払えておりません。二十五年度になりまして、前回もこの委員会でお話ありましたが、三年ぶりに黒字になって、五百億という金額を御提示いただきまして、それをこれから払っていくという形になります。したがいまして、これから当然黒字にしていきませんと私どもいけないと思っておりますので、そういう計画の中で機構からお示しいただく金額を払っていくということでございます。
 一方で、私どもの総合特別事業計画というのがありまして、これは十年の収支計画ですので、何らかその特別負担金をどうやって織り込んでいくのかというのもお示ししないといけないということで、仮置きと言ってはなんですけれども、全体の計画の中で置かせていただいておりますが、それは二十六年度以降も黒字を出すという前提で作られておりますので、その中では特別負担金は五百億ということで置かせていただいているということでございます。あくまでも、繰り返しますが、これは機構側のお決めになることですので、私どもとしては仮置きさせていただいたということでございます。
○松田公太君 東京電力の経営方針について、それでは、ちょっと関連するんですけれども、お聞かせいただきたいんですが、東京電力は五月二十二日、一〇〇%子会社のテプコカスタマーサービス株式会社を新電力として登録して、関東周辺エリア以外での電力販売に乗り出したわけですね。この事業にはどのくらいの資金を投資する御予定なのか、今年度と来年度ぐらいで結構ですので、教えていただければと思います。
○参考人(廣瀬直己君) これも先ほどの続きですけれども、しっかりと利益を出していくと。そうしませんと特別負担金もお支払いできませんし、ひいては国民負担が増えてしまうということで、しっかり利益を出していきたいと思っています。その事業の、そうした戦略の一環として他の地域にもこれから、自由化も踏まえてですけれども、やっていこうということでございます。
 まだ、これはまさに競争市場の中でやってまいるところでございますので、余り全部お示しすることはこの状況では正しくないと思いますけれども、計画上は、先ほどの特別事業計画の計画上はこれからもしっかりやっていこうということで、売上げとしましては、十年後に百万キロワット以上の電源を確保して、千七百億円の売上げを上げていこうというのが、特別事業計画上、そこにうたってありますけれども、それを一つ一つどうやっていくのかということはちょっと御勘弁いただきたいと思っております。
○松田公太君 もちろん詳細についてここで御説明いただきたいと思っていませんでしたし、どのくらいの投資額と、売上げ計画ということではなくて投資額という御質問をさせていただいたんですけれども、なぜそんな質問をしたかというと、先ほど御質問させていただいた特別負担金、一般負担金のバランスとこの投資額とのバランスをどのように考えていらっしゃるのかなというのがお聞きしたかったんですね。
 やはりどちらかを優先すれば、例えば新規事業にどんどん投資をしますよということになりましたら経費も掛かるわけですから、どうしても負担金の支払というものが、トータルの利益が減るということですから、そこをベースに考えられるわけですから、負担金として払うというものが減ってしまうわけですね。
 ちょっとこれも質問にしようと思ったんですが、もう時間がありませんので私の考えをお示しさせていただきたいと思いますが、どうも、廣瀬社長とも何度もお話をさせていただいていますが、例えば新規事業に乗り出しますよと、もう既にやっている事業ですから、ほかのエリアに出るだけだから、そんな新規事業、新規事業でもないんだというお話かもしれませんけれども、あくまでも現在の東電のような厳しい状況に置かれている会社、借金を返さなくちゃいけない、社債も償還しなくちゃいけない、そして負担金も払わなくちゃいけないと、本当にぎりぎりの中でやっているような会社が新規事業に乗り出すというのはどういうことかというと、もう起死回生、もう最後の闘い、最後の勝負に打って出るというぐらいの話じゃないかなと私は思っているんですね。
 普通の会社で考えてください。普通の会社がもう赤字が続いていて、今赤字じゃないですけれども、東電は、不思議なことに一千億の利益を出していますが、でも基本的にはそういう債務超過になってしまう可能性がある、国からの負担がなければ、そのような会社が、借金を返さなくちゃいけないという状況の中で、新規事業取り組むぞといったら、もう社長も相当な覚悟を持って、これ失敗したらもう路頭に迷う、そういう気概を持って、気持ちを持って取り組むべきじゃないかなと私は思っているんですね。残念ながら、ちょっとそのような危機感というものがいつお話をしても私には感じられないんですよね。
 是非そういう危機感を持って、新規事業取り組むなと言っているわけじゃありません。もちろん、ほかの文献を読んでも、新規事業をやることによって逆にむしろ負担金を払えるようになりたいんだというお気持ちがあるということですから、ほかの企業でも一緒ですね、赤字になって潰れそうなところは何とか新規事業で成功して銀行に借金返したいんだということで始めるわけですから、是非真剣に本気でこれは取り組んでいただきたい。どこか頭の片隅に、失敗しても、新規事業、どうせ国が負担してくれる、協力してくれるという、そういう気持ちを私は完全に払拭して取り組んでいただきたいなと、このように思っております。
 それでは、時間がもう短いので最後の質問をさせていただきたいと思いますが、東電は、現在、事業計画の中で、平成三十二年度までの七年間でこれまでの機械式電力計を通信機能を持ったスマートメーターに替えるということも発表されていますよね。これによって東電管内の一般家庭の電力使用量は三十分ごとに検針することが可能になると。しかし、東電は、新電力に対する電力使用量データの提供を一日四回、つまり単純計算ですと六時間に一回ということですね、にとどめる方針だというふうにも報じられているわけです。
 東電は、廣瀬社長は、この理由として、データ量が膨大となるので、通信網など追加投資としては六時間が限界なんだというふうに言っていますが、これを私、以前この委員会で、ビッグデータの必要性であったり、情報の共有化、新規参入を促すために必要だというお話をしたことがあるんですが、そのような感じでは、やはり東電だけがその情報を持って、情報というのはやはり新規参入者にとってはとてつもなく重要なものになるわけですから、これでは公正な競争ができないんじゃないかなと私は思っていますが、是非、新電力へのデータ、これを三十分置き、同じように東電と、していただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○参考人(廣瀬直己君) これからその仕組みを今築いていくということで、これは国の委員会等でも御議論いただいているところですので、そうした中でしっかりしていきたいというふうに思っております。当然、応分のコストの御負担をいただくという前提になると思いますけれども、データは誰のものなのかという御議論をしていただければというふうに思っております。
○松田公太君 時間が来ましたので、以上で終わりとさせていただきます。
 どうもありがとうございました。
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
 電気事業は、国民生活と経済社会、産業基盤を支えるインフラ、言うまでもないと思います。その公益性、公共性を考慮すれば、規制組織の果たすべき役割というのは極めて重要になろうかと思います。本会議でも大臣御答弁をいただいたわけですが、規制組織が独立性、中立性を確保した組織である必要性、重要性についての認識を改めて確認をしたいと思います。
○国務大臣(茂木敏充君) さきに成立をさせていただきました第一弾の改正電気事業法の附則の改革プログラムでは、電気事業の規制に関する事務をつかさどる行政組織について、その在り方を見直して、平成二十七年をめどに、独立性及び高度の専門性を有する新たな行政組織に移行させる旨を定めております。この新たな規制組織は、例えば卸電力取引所の活用状況のモニタリングであったり、需要家への料金メニュー等の説明義務が果たされているかなど、改革の第二段階以降の自由化された市場における電力取引の適切な監視、そして送配電事業者の役員の兼職制限や意思決定の小売・発電部門からの独立など、第三段階におけます送配電部門の中立性確保のための厳格な行為規制などを実施するための機関でありまして、独立性と高度な専門性を有する組織が重要であると考えております。
 この意味で、ここで申し上げます独立性については、基本的考え方として、こうした監視や規制の対象から独立していなければいけない、これが基本的な趣旨であると考えております。
○倉林明子君 その規制組織について、二〇一三年四月の閣議決定の際に、二年後の二〇一五年までに発足させるんだという説明をされておりました。今詳細な説明もあったわけですけれども、実際、検討状況ですね、組織そのものが、準備はどこまで進んでいて、発足はいつになるのかと。説明をお願いします。
○政府参考人(上田隆之君) 規制組織の検討状況と発足の時期についての御質問でありますけれども、今大臣からもお話を申し上げましたとおり、今回の規制組織というものは、市場における電力の監視であるとか、第三段階における厳格な行為規制などを実施するための機関ということでございまして、特にこの第三段階での行為規制に関するその具体的内容というものを固めた上で、これを担う組織の在り方について検討していくことが必要であると考えておりまして、そういう意味では、今の第三段階の法案の検討と併せまして、このふさわしい組織形態を今後検討していくという状況でございます。
 しかしながら、このスケジュールという関係では、今回の第二段階の法改正にはこの規制組織についての規定を盛り込んではおりませんけれども、来年、平成二十七年の通常国会への提出を目指す第三段階法案と併せて措置をいたしまして、平成二十七年に規制組織を設立をするということを予定しておりまして、そうであれば平成二十八年を目途にスタートする小売全面自由化には十分間に合うと考えておりますので、改革のプロセス上特段の問題はないと承知しております。
○倉林明子君 規制組織がどんな中身になっていくのかということは、極めて消費者、国民にとっても重要だと思うんですね。規制対象からの独立性の担保が必要だという、大臣、説明もございました。
 制度は第三段階のところまでで十分支障なく間に合っていくんだという今長官の説明でしたけれども、検討状況も含めて公開する、どんなことを準備しているのか、どんな組織にしていこうと思っているのかということを広く検討段階から公開して、国民の意見というのを広く聞くという機会をつくるべきじゃないかと思うんです。独立性がしっかり担保されているか、公益性の高い、公共性の高い電気事業を監視するふさわしい組織になるのかというところではパブコメなどの検討も必要ではないかと思うんですけど、いかがでしょうか。
○政府参考人(上田隆之君) この新しい規制組織の今後の検討でございますけれども、今申し上げましたように、この規制組織につきましては、今後、第三段階の法案において導入する予定の送配電部門の中立性確保、行為規制の具体的内容などを踏まえて検討していくということを考えております。その具体的中身につきましては、様々な、消費者代表も含めまして御参加いただいてやる総合資源エネルギー調査会のワーキンググループにおいて今後検討を進めていくというふうに考えております。
○倉林明子君 ワーキンググループで検討というのは伺っているんですね。その範囲にとどめないで広く国民の意見を聞くと、パブコメも含めて。私はしっかり検討して国民の理解を得るという努力はその点でもしていくべきだと思いますので、求めておきたいと思います。
 そこで、この原価情報の開示、様々な情報の開示ということでいいますと、現在の総括原価方式が電気料金のブラックボックスだという批判を受けてまいりました。原発事故後、こうした状況に一定の改善がされたという受け止めをしております。
 消費者委員会が電気料金について二〇一二年二月に発表した建議があります。公共料金についてということで電気料金も含んだものとなっておりますが、この建議で求めることに至った背景はどういったものでしょうか。消費者委員会、お願いします。
○政府参考人(黒木理恵君) 消費者委員会は、平成二十四年二月二十八日に公共料金問題についての建議を取りまとめ、関係各大臣に対して、公共料金の決定過程の透明性や消費者参画の機会を確保するための各種の取組を行うことを求めたところでございます。
 消費者委員会が本建議を取りまとめた背景といたしましては、以下のような事項があったところでございます。
 まず第一に、公共料金の決定は、家計消費に与える影響などから多くの消費者にとって重大な関心事項の一つであり、生活との密着性、独占性、公共性に鑑み、その決定内容と根拠について説明責任が果たされることが求められていることでございます。
 第二に、公共料金については、以前より、決定までの仕組みが分かりにくい、消費者不在の決定がされているのではないか等の批判があったところでございますが、福島の原発事故以降の電気料金に関する一連の報道等もございまして、消費者の問題意識が高まり、決定過程の透明性や消費者参画の機会を確保するための取組の推進が強く望まれていたことでございます。
 第三に、物価の下落傾向が続いておりました当時の経済社会状況を踏まえて、公共料金の水準が真に時代に見合ったものとなっているかについて、消費者の視点に立った検証等を行う必要性が高まっていると考えられたことでございます。
 消費者委員会は、以上のような問題意識を踏まえて、情報の収集、分析や、学識経験者、関係省庁等からのヒアリングを継続的に行い、本建議を取りまとめるに至ったものでございます。
○倉林明子君 ありがとうございます。
 そういう消費者の声を受けて建議も出してもらって、消費者の意見が、じゃストレートに反映できているかということについては疑問もあるわけですけれども、これまで見えなかった電気料金の原価情報、これが少し見えるようになったという消費者の声があるというのは、やっぱり一定評価されるべきものだろうというふうに思うんですね。
 ここで消費者委員会については質問は終わります。よろしくお願いします。
○委員長(大久保勉君) 黒木事務局長におかれましては、退席されて結構です。
○倉林明子君 そこで、電力十社の規制部門、自由化部門、これまでの電気料金の構図がどうなっているのかということで、損益構造が明らかになりまして、これは資源エネルギー庁に作成していただいた資料をお手元に配っておりますので、是非御覧をいただきたいと思います。
 北海道から沖縄まで、濃いオレンジの部分が規制部門、いわゆる一般家庭、自由化部門、これが競争部門ということになっておるわけですが、注目していただきたいのは、東京電力が上段の真ん中ぐらいにありますけれども、販売電力量に対して電気事業収入がどうなっているかと。電気事業の利益がどうなっているかということで見ますと、結局、販売量に比して電気事業収入、利益のところ注目していただきたいんですけれども、規制部門で黒字を出しているという状況。同じ構図は、お隣の中部電力を見ていただきましても分かりますとおり、電気事業収入は半分より自由化部門の方が多いんだけれども、電気事業の利益で見てみますと、圧倒的な部分を規制部門、いわゆる家庭部門が稼いでいるという状況が見て取れるかと思うんですね。自由化部門の電気料金が規制部門よりぐっと安いということが言えると思うんですね。
 これは二枚目の資料、これもエネ庁に作っていただいた資料ですけれども、規制部門と自由化部門の単価平均を並べてみました。明らかに違いがあるということです。これを更に大口利用者のところで見ますと、もっと安くなっているという実態が明らかになりました。
 大口顧客十社のところで、値上げ認可申請を受けて許可した中部電力の数字は、規制部門が二十四・八二円ですけれども、自由化部門の上位大口顧客十社のところは何円になっているでしょうか。
○政府参考人(高橋泰三君) お答え申し上げます。
 中部電力の値上げ申請の際に示されました大口十社の平均利用の料金単価ですけれども、二十四年度の実績で十二・七六円キロワットアワー当たりになります。
○倉林明子君 つまり、規制部門の約半値というのが自由化部門の大口のお客さんということになるわけです。結局、自由化部門で競争する分を規制部門の方がかなり稼いで担っていると。今現状そうなんですね。
 じゃ、これで自由化で競争する部分がもっと拡大するということになった場合、この規制部門にそのしわ寄せが回るようなことがあってはならないと思うんですけど、いかがでしょうか。
○政府参考人(高橋泰三君) お答え申し上げます。
 委員御指摘の足下の収支状況でございますけれども、これは、規制部門は一般家庭向けが中心でございますので、配電費用等々の固定費が掛かりますので、その分コストが高くなっているということでございます。一方、大口の方は、その分燃料費の占める割合が高うございますので、燃料費高騰、原子力発電所が止まりますと直ちに規制部門の収支は悪化するという傾向になってございます。
 それで、今回、例えば東京電力で申し上げますと、先般の料金値上げ申請がございましたけれども、こういったアンバランスもございますので、規制部門の認可は八・四六%の値上げでございますが、自由化部門の原価計算で見ますと一四・九%の値上げということで、そのバランスはもう一回取り直しているという状況にございます。
 それから、先生御指摘の、自由化を実施することによって自由化部門の料金が規制の方にしわ寄せになるのではないかということでございますけれども、これ、全面小売の参入自由化後も一部経過措置として規制料金残りますけれども、その部門別収支をきちっとチェックをいたしまして、自由化部門の収支と規制部門の収支というものの経理を区分した上で必要な監督をするという形にしてございます。
○倉林明子君 いろいろ理由もあるし、今回値上げに際して差を付けて均衡を保つようにしたんだという御説明なんですけれど、規制部門の料金ってやっぱり高いんですよね。
 料金の値上げに際して、原価に含まれる事業報酬について消費者が疑問を持つという例がこの中部電力の値上げの際も紹介ありました。
 ここで消費者庁にお聞きしたいんですけれども、この事業報酬の中で原発に触れた部分について御紹介をいただきたいと思います。
○政府参考人(河津司君) お答えを申し上げます。
 御指摘いただきました文書、中部電力株式会社の家庭用電気料金値上げ認可申請に関する意見というのを出してございます。その中で、事業報酬につきまして次のように記載をしてございます。読み上げさせていただきます。
 事業報酬について、以下の例を含め、消費者にとってなぜ査定方針案で盛り込まれた事業報酬が適正であるのかについて丁寧で分かりやすく説明を行うべきである、こうしました上で、三つの例を書いてございますが、その中の一つに原子力発電所のものが入っております。読み上げます。「原価算定期間内に稼働を見込まず、電力需要者である消費者への電力供給に直接的に寄与しない原子力発電所をレートベースに算入し、消費者が電力を消費する対価(受益者負担)として、なぜ電気料金で負担しなければならないのか。」と、こういう記載がございます。
○倉林明子君 ここで確認のために、これに対して、意見に対して答えを出していますね。これに対して、これ根拠があるんだという説明しているんですけれども、納得できる、じゃ返答だったかというと、決してそうじゃないと思うんですね。
 私、また別の視点から原発の問題、原価に算入されている問題、取り上げたいと思うんですが、原発が専業の日本原電ございますね。これは発電量が二年間連続ゼロということになっております。ところが、この日本原電に対して電力五社から基本料金が入って黒字ということになっていようかと思うんですけれども、収入がしっかり担保できているということになっていると思うんですが、この基本料金の総額について、二〇一二年度、二〇一三年度、それぞれ幾らになっているでしょうか。
○政府参考人(高橋泰三君) 御指摘の日本原電に一般電気事業者五社が支払いました料金でございますけれども、二〇一二年度におきまして千五百十億円、それから二〇一三年度におきましては千二百四十二億円となっております。
○倉林明子君 北陸を除く四社、つまり東京、関西、中部、東北、これらの四社については電気料金の値上げの実施をしております。値上げの原価に動いていない原発しか持っていないこの原電の基本料金も含まれる、電気の供給も受けていないのに料金負担させられると、これは消費者にとっては納得できることではないと思いますけれども、何でこんなことができる仕組みになっているのか、御説明をお願いしたいと思います。
○政府参考人(高橋泰三君) お答え申し上げます。
 電力会社が日本原電に支払います購入電力料につきましては、受電量に応じて支払う電力量料金と受電量にかかわらず支払う基本料金の組合せで設定されていると承知しておりまして、その金額は当事者間の契約に定まってございます。
 発電していないにもかかわらず基本料金を支払うことにつきましては、日本原電の発電電力量の全量を受電会社に供給するということとなっている契約、そういうことになっておりますので、言わば、その発電所につきましては日本原電と契約の相手方である電力会社の共同開発であると認められること、また、このため、人件費とか修繕費、減価償却費等、原子力発電所を安全に維持管理する費用、それから将来の稼働に向けた投資に要する費用につきましても、各電力会社が持つ自社電源同様に負担する義務があるということと考えてございます。こうした考え方の下に、料金原価への算入に当たりましては、値上げに当たりまして、電気料金審査専門小委員会での審査を経た上で認可をしてございます。
 これら日本原電への支払の費用につきましても、料金原価に含まれている人件費、修繕費等々、これは盛り込んでおりますけれども、申請を行います電力会社同様の効率化努力というのも求めた上で料金原価に算入しているところでございます。
○倉林明子君 ちょっと努力はしてねと言うたということなんですけれども、この原電の社長というのは元関電の副社長、常勤役員の十三人のうち三人が電力会社からの天下りということになっていようかと思うんです。東電、関電、東北、北陸、中部、五社の会長に加えて、電源開発社長の六人が非常勤の取締役ということになっていて、まさに御説明あったように一体のものになっているなというのがこの人事を見てもよく分かる中身になっているんです。
 要は、こうした役員に対する年額報酬というのも有価証券報告書の中で出てきておりまして、見直しして若干減らすということにしたということなんですけれども、総額何と四億四千二百万円という数字になっているんですね。一般的に消費者にこれで説明が付くんだろうかと思うんですね。高額の基本料金を支払う、こういうやり方についてはやっぱり消費者の理解は得られないんじゃないかということを改めて指摘をしておきたいと思います。
 そこで、この間一定の情報開示も進んだとお話もいたしました、料金の値上げ認可の中での原価情報の開示の問題です。
 現在の家庭等の規制料金の値上げ認可の審査手続のルールというのを改めてエネ庁の資料から抜粋したのがBの三枚目の資料となっております。
 完全自由化までの間、家庭等の料金については、一般電気事業者の小売部門に自由料金でも販売可能となるけれども、一定期間これは残るということになるわけで、この原価情報の開示の仕方、このルールということに後退があってはならない、これは担保されるべき仕組みだというふうに思っているんですけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(高橋泰三君) 御指摘の自由化後の経過措置で残る規制料金でございますけれども、これは現行法の規制部門につきましては料金の値上げ認可の場合には公聴会が必要となっているということでございます。今後の経過措置で残る料金につきましても、基本的に同様の考え方で対応したいと考えてございます。
○倉林明子君 そこで、これも一定の期間を経て、いつになるのかというような議論はありましたけれども、完全自由化という段階に入っていくんだということであります。この完全自由化が進みますと、総括原価方式で料金規制をしていくという考え方の対象になるのは送配電事業者になっていくと。ここの託送料金なんですけれども、今でも託送料金には原発開発も含む電源開発促進税も含まれているということです。
 今でも電力会社の収益の四分の一がこの託送料金で占められていると思うんですけれども、この託送料金の原価情報の開示ルールというのをしっかりこれまでの規制料金と同様に守られるべきだというふうに思うんですが、公聴会はやめていこうという動きがあるというふうに伺っているんですけれども、公聴会の開催も継続して実施すべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(高橋泰三君) お答え申し上げます。
 託送料金につきましては、公平性、透明性が重要だと考えてございますので、料金認可の審査過程を通じまして原価に関する情報が国民に公開されるよう措置したいと考えてございますが、一方で、託送料金自体は事業者間の取引でございますので、現在、一般電気事業者が消費者と締結をするというものと性質が異なるものから、一般に広く意見を聞くということを目的とした公聴会を開催する必要はないと考えてございます。
○倉林明子君 そうなると、完全自由化されたところの原価情報、規制が掛かっているところの託送料金、本当に適正に決められているのか、その情報が本当にますます見えにくくなるんじゃないかということを心配しているんですね。
 消費者庁にそこで確認をしたいと思うんですけれども、東京電力の値上げに続き、現政権になってからも値上げの認可というのは相次いでされてきたわけです。そこで、中部電力の認可申請に対する消費者庁の意見ということで出されております。その中で、今後の課題として、これまでの電気料金値上げ認可申請の調査審議の過程で明らかになった諸課題ということで整理をされております。そして、今後の電力システムの改革についても述べておいでです。そのところを御紹介いただきたい。
○政府参考人(河津司君) 御指摘の文書の中に、今後の課題ということで何項目か記載がございます。そのうち、値上げ認可申請の審議過程で明らかになったことを一項目、それから電力システム改革について記載がございます。それぞれのところを読み上げさせていただきます。
 これまでの電気料金値上げ認可申請の調査審議の過程で明らかになった諸課題、例えば情報公開、開示の在り方、総括原価方式の在り方、事業報酬算定の在り方等について、今後経済産業省資源エネルギー庁において検討を行うべきである。
 それから、続いて、電力システム改革についても述べております。
 電力システム改革について、消費者にとってどのようなメリットがあるかについて分かりやすい情報提供を行うべきである。今後の家庭用までの電力小売の自由化、送発電分離、再生可能エネルギーの利用拡大及びスマートメーターの普及等が消費者に与える影響について明確に説明すべきである。また、経済産業省資源エネルギー庁は、具体的な制度設計や制度の運用を行う際には、規制なき独占に陥り、消費者の利益が損なわれるといったことがないよう、消費者の意見を積極的に聞く場を設けるべきである。さらに、電力システム改革の検討については、消費者の関心も高いため、これら検討の全体を俯瞰できるような情報提供を工夫すべきである。
 以上でございます。
○倉林明子君 私はそのとおりだと思うんですね。やっぱり消費者の意見に対してしっかり経産省は正面から応えていく、システム改革を国民の信頼の下で消費者に支持を得られるようなものにしていくというスタンスが必要だというふうに思うんですね。
 そこで、公共料金である電気料金、これが結局、情報は契約者と事業者との、ところでの説明責任ということで、原価についてまで今分かっているというようなところが見えなくなってくるおそれというのは議論を通じて一層深まったんですが、この電気料金の原価も含めた適正であるということについての説明責任というのは、自由化後も私は説明責任を果たすべきだというふうに思うんです。
 そこで、大臣にお聞きしますが、消費者の参画の下で適正な水準かどうかについて検証ができる、こういう仕組みが私どうしても必要だと思うんですね。その上で、経産省から、規制される対象からという説明ありましたけれども、経産省からも独立した第三者委員会としての規制組織と、あるべきではないかと思うんですけれども、いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(茂木敏充君) まず、料金改定のプロセスにつきまして先ほど消費者庁の方に質問されておりましたけれども、一部の部分だけ聞いているんですね。経産省と消費者庁の協議におきましては、結論は、おおむね妥当であるですから、消費者庁の。結論はおおむね妥当であるんですよ、まずいんじゃないんですよ。おおむね妥当であるという結論の中でこういった検討課題もある、こういう話であると、こんなふうに理解をいたしております。
 それから、恐らく先生と基本的な考え方が違うのは、設備産業に対する考え方です。設備というのは、消費者が求めている量を瞬時に同じ量だけ持つということはできません。先ほどからの議論を聞いていると、ピーク時に合わせてそれに合うだけの設備というのを持っていなければ安定供給はできないんです。ところが、倉林先生は、結局、消費者が使っている量だけの設備を常に持ちなさいと。こんなことでしたら設備産業そのものが成り立たないと、こういうことを申し上げたいと思います。
○倉林明子君 基本的な考えの違いというのは大本からあるというのはよく理解しているというふうに思っております。
 原発を推進するということを進めてきた経産省、これからも進めていこうという、こういう経産省の下に私は規制組織を置いたらあかんと、そういうことでは国民の信頼は得られないということを申し上げまして、終わります。
○荒井広幸君 荒井でございます。
 今日は、超原発社会、今の原発社会を超えていく、超えたところにあるあるべき社会ということで、骨太方針、成長戦略に盛り込んでいただきたいという意味を込めて、今日は三十分いただきましたので、最後の、この二段階目の電事法の改正でございますので、少し提案型で申し上げたいというふうに思います。
 電力供給をめぐっては、原発事故も含めてパラダイムシフトに直面しています。安く安定的な電力供給を達成するために、これまでは料金規制、総括原価方式と地域独占という手法を用いてきたわけです。しかし、国民に開かれた電力システムの下で、事業者や需要家の選択や競争を通じた創意工夫によって実現する方策が電力システム改革であり、それを具体化するのがこの電事法の改正ということでありますので、私は一定の賛意を表する次第でございます。
 若干主眼が供給サイドに置かれ過ぎておりまして、事業者側に置かれ過ぎておりまして、せっかく先ほどのように電力システム改革専門委員会報告書にあるように創意工夫というところが、枠がはまっているような感じがして残念であります。もっと手の届く夢があっていいのではないかと思います。
 そこで、私はまず、プロシューマという、前回も出しましたが、この概念でこれらのことを考えてみたいと思います。
 プロシューマは、プロダクトとコンシューマーがくっついた造語でございまして、大臣からも以前もお話がありました。一人一人が需要と供給、需給者になる、電気を作り消費するという形になるわけなんですね。このプロシューマ型エネルギー経済社会を構築していくべきだと私は考えておりまして、これがポスト原発事故、福島原発事故ポストですね、にあるべき社会の中核的な概念にプロシューマがなって超原発社会というのができるだろうと、このように考えているわけです。
 そこで、今ほども大臣と委員から議論がありましたが、この脱原発等々について考えてみますと、脱原発かあるいは再生可能エネルギーか、はたまた再稼働か脱原発か、こういろんな二極化した議論が行われているんですが、一遍ここから距離を私は置きたいと思っております。距離を置くといろいろ解決策が見えてくるからでございます。
 まず、脱原発、原発を脱ぎ捨てても、それに取って代わる新しい服が必要だと考えています。しかし、その服が再生可能エネルギーであると言えるまでには至っていない現状が当面続くと認識しています。あるエリア、スマートエリアの中で、当面、ベース電源を過渡期としては内陸型のガスコンバインドサイクル発電が担わせたらよいと思っていますし、この過渡期をそうした、化石燃料ではありますが、こうした安定的で低廉な実用化できる技術、最先端のものを使いながら、まだ不安定である風力や太陽光など、これらが、蓄電池の開発も含めて、再生可能エネルギーが大宗を成すまでにこれを使っておくべきだ、このように思うわけです。
 従来からの発電企業、事業者から電気を調達するのでは、というやり方、考え方はもう限界だと思っています。プロシューマの考えは、発電する企業から買うのではないんです。自分が、地産地消でいえば、自産自消なんですね、自ら作り、自らが節約し、自らの判断で選択し、自らが使っていく、これが二十世紀以来のいわゆる産業革命の考え方でいう資産家で提供側とそれを使う側、消費者側というこの二極分解、この問題さえも解決していく、そういう意味で、搾取や格差のない、昔みたいな言葉でいうと搾取がない、現代でいうと格差のない社会を創造することになっていくんだと思うんです。
 こういう価値革命に今回の電気事業法の改正は、その価値まで変えていくという思想、哲学でこの法案を是非発展させたいというふうに思っているわけです。そこに今、逆に言えばチャンスに我々はいるわけです。結果的には、このようにやっていけば早期原発ゼロを達成することになりますし、この社会こそは超原発社会になっていきます。
 例えば、メガソーラー。先ほどの解説をいたしますと、メガソーラーの場合は、結局、太陽光発電の企業が消費者に売るということですから、資本家が労働者に電力を提供し富を得るというような構図と似ているわけですね。そして、お金を持っている人たちは、自らソーラーパネルを付けられない人も含めて消費者からFITで、高いお金で約束されてそれを付けているということですから、全く二十世紀型の政治手法を、ドイツ型を我々は学んでそれを取り入れた。しかし、もうこれと決別する時期だろうというふうにも思います。こういうところに電気事業法の一つの改革の意義を見たいと思っているんですが。
 次に、エネルギー基本計画でも、原子力発電への依存度については可能な限り低減させるとの方針は、方向は示されています。だからといって、原発再稼働もやむなしという論法には私はくみできません。可能な限り低減させるという、その本気度を私は非常に疑うんです。なぜかというと、あらゆる手段を講じるという強い決意がもう一歩感じられないからです。しかし、この法律によってそういうことの可能性が出てきた。ここに私は期待をいたします。自らが電力をつくり、自らが消費し節約する、その余剰分は地域、スマートエリア内で分かち合い、助け合って無駄なく利活用するプロシューマ型エネルギー経済社会をつくっていきたいと、このように思っております。
 では、具体的に申し上げていきたいと思います。
 今、大規模集中型が九六%ですね、キロワットアワーベースで。残りがいわゆる分散型と言われる四%です。四%のうち一%が太陽光と風力で、三パーがコジェネに当たるものです。ということは、九六%、よく見てみますと、ピーク対策で老朽火力発電を持っていました。これがフル活動して今支えているわけですから、不安があるのは当然ですが、一九七九年以降は石油火力ができていませんから、三十五年間経過した老朽化しているものというものがたくさんあるわけです。最近の発電電力量の九割近くを占める火力発電の中で約二割がこの老朽火力ということです。ここを切り替えるんです。ダウンサイジングできるところですから、これをディマンドサイドに変えるというかプロシューマ型に変えるというか、置き換えをしていく、これが非常に現実的だろうというふうに思います。
 そこで、質問に移らせていただきます。
 電力小売全面自由化となると、火力発電事業への参入は増えると予想されます。今後の最新発電機能は、はるかに排出量、CO2排出量を抑制できますが、温室効果ガス排出量は新規分は増えるわけですね、どこかを潰さない限り。それで、今まで大手電力会社の新設を認める場合は自前の老朽火力を稼働させないということで調整をしていたという例があるんです。
 最近、報道によれば、環境省が新規参入事業者、これはガスコンバインドサイクル発電をしたいという九州の事業者だそうですが、新規参入事業者に対して、環境影響評価、いわゆるアセスメントに対する配慮書の意見として、環境省が老朽火力発電所を持つ別の大手の電力会社と協議をしてうまくいったら新設を認める、こういうことになっているわけです。
 こうなりますと、環境負荷を低減させつつエネルギー源を高効率な電気に置き換える仕組みに転換していくというのはすごく難しくなると思います。既存会社にとって新規参入会社はライバルとなります。その新規参入会社はとにかく参入したいという、お互いに相反関係にあります。この調整をうまく付けるルール、枠組みを整備しないと、今、現状起こっているような問題でどうにもならなくなるということが起きると思いますが、経済産業省の担当者の考えを聞かせてください。
○政府参考人(高橋泰三君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のように、エネルギー政策につきましてCO2の排出抑制は大変重要な課題でございますので、再生可能エネルギーの導入、あるいは高効率な火力発電の推進などを進めていく、また、省エネ、ディマンドコントロールも進めていくという考え方でございます。
 御指摘のように、足下は火力発電への依存が避けられないことから、エネルギーセキュリティー、あるいはエネルギーコストの削減、それからCO2対応のために高効率な発電技術を利用していくということが大変重要でございます。それで、その観点から、高効率な火力発電所の導入が円滑に進むよう、火力発電所のリプレースあるいは新増設を行う際の環境アセスメントの期間短縮等の取組につきまして、環境省とも相談しながら取り組んでいるところでございます。
 CO2の削減の枠組みにつきましては、これまでは電力業界におきまして一般電気事業者、それから新電力も含めまして、主要事業者が自主行動計画ということによりまして温暖化対策に取り組んできているところでございます。
 今後、政府といたしましても、エネルギー政策の検討も踏まえまして、国の地球温暖化対策の計画目標の策定と併せまして、こういった電力業界全体の自主的な枠組みの構築を促すこととしたいと考えてございます。
○荒井広幸君 既存電力は排他しようとしますよ、新規参入を。しかし、そこに老朽を切り替えるという意味では、既存の方の電力会社が折れないといけないんです。自主的取組でうまくいきますでしょうか。状況を見ながら、また相談したいと思います。
 経産大臣にお尋ねします。
 このように老朽火力発電所は全国に二百五、六十か所ある、二百五十六か所と聞いておりますが、そのうち四分の一に当たる六十七か所がこういうふうに老朽なんですね。このトラブルによる供給不足が心配されるのは当然なんですが、四十年を超えていますと、やっぱりこれは建て替えた方がコスト上も非常にいいんだと、こういうふうにも聞いておるわけです。
 そこで、新規参入を促して、内陸部も含め、ガスコンバインドサイクルなどに老朽火力を切り替えていくということは有力な方法と考えますが、御見解を聞かせてください。
○国務大臣(茂木敏充君) 先日来、荒井先生の方からプロシューマの概念をお話をいただきまして、コンシューマーとプロデューサー、これをコンバインしているわけでありますけれど、ラテン語でプロは前、先、そしてシューマはシューメですから取るということでありまして、まさにいろんなことを先取りした発想だな、こんなふうに思うところでありますけれど。
 御指摘の最新鋭のガスコンバインドサイクル、火力発電の熱効率、これは旧式の火力発電と比較しておおむね四割程度高いために、老朽火力をこうした最新鋭の設備に更新していくことは、燃料費だけでなくてCO2の削減という観点からも重要であると考えております。そして、今まで火力発電といいますと、どうしてもいわゆる臨海部に立地をされていたと。これは発電設備を冷却する必要があるのと同時に、燃料の輸送コストと、こういう問題があったわけでありますけれど、ガスコンバインドサイクルの場合、廃熱を利用した発電のために発電効率が高くて海水の利用が必要としない方法が開発をされている。さらには、ガスの導管が整備された地域であれば輸送コストは問題にならない、こういうことから、内陸部への立地も選択肢になる。
 まさに御指摘のとおりだと考えておりまして、政府としても、こうした特性を持っておりますガスコンバインドサイクル火力発電については、新規参入、既存事業者を問わず、老朽火力からの更新を含めて事業者の判断により導入が進むことを後押しすべく、グリーン投資税制によって投資初年度に三〇%の特別償却を認めるなどの支援を行っているところであります。
 恐らく、電力システム改革を通じて、新しいビジネスであったりとか新しい技術というのがどんどん出てくると。今想像できないような社会というのが生まれてくると思います。委員御案内のとおり、電電公社、一九八五年に民営化をしました。あのとき一番大きな部門は黒電話、電通本部でありました。そこの中に移動通信課というのがあって、そこで一番売上げが大きかったのは自動車電話です。携帯電話というのは真っ赤っかでした。とてもこれが今のNTTドコモであったり、白い犬を使うような宣伝をやるような強力な会社が生まれてくるということは、少なくとも三十年前には誰も想像できなかった。
 私は、エネルギーの分野でもそういった革命というのがどんどん起こってくる、そういった環境をこの電力システム改革を通じてつくっていきたいと思っております。
○荒井広幸君 大臣のおっしゃる、そういうことなんですね。そこにもう一つ、参加という概念があるともっとこれ変わると思うんですね。家庭や個々人が参加していくんだと。大手発電会社から買うというんじゃないんです。自らが参加するということで価値観と社会構造がもう大きく変わる。その中に、大臣がおっしゃったようなもっとすごい、電気通信以上のことは起きないだろうとは言われていますが、電気にカラーリング、色を付ける、誰の電気かが分かるようになるいわゆる通信と電力の融合という時代に入っているわけです。この技術開発ができますと、通信ほど、今のお話のような世界ほどは広がらないかもしれないけど、私はむしろ莫大に大きな可能性を秘めてくるんじゃないかという期待もしておりますので、是非、大臣にはそういう気持ちで進めていただきたいと思います。
 その中で、今度は具体的に入らせていただきますと、私は、発電もできる省エネ高効率給湯器、エネファーム、これはガスということばかり言っていましたが石油からもできるんですが、これ代表例として説明しやすいのでしておりましたが、そのほかにもエコウィルとかエコキュート、こういったものがあるんですね。こういったものに家庭が置き換えていくと参加できるようになるわけです、自分が。プレーヤーになるんですよ。そういう観点で少しお話を聞かせていただきたいと思います。
 そこで、まず国交省にお尋ねするんですが、防災対策のためマンションの建て替えを、耐震上の問題ですね、耐震を強化するためにマンションを建て替えるときにどういうことできるかというと、容積率の緩和なんです。三十世帯いたところが容積率を緩和して四十世帯になったら、十世帯浮く。その分の収入で今まで住んでいた人が建て替える費用を安くしていく、こういうことを考えているわけですね、国交省は。
 そういう方向の中に、この発電もできる高効率給湯器というのに置き換えると、面積が大体四倍ぐらい取るんですよ。そうすると、その場所がないから、どういうことできるかというと、今でも若干しているんですが、容積率に不算入するんです、その面積分は。加えて、加えてですよ、ここ考えてもらいたいんですね、国交省。メンテするときにしゃがんだりこういうふうにしますから、そういうスペースも合わせて容積率不算入にしてやりますと爆発的に広がります、この発電給湯器型の高効率型は。どのように国交省考えていますか。
○政府参考人(橋本公博君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、マンション等でエネファーム等を置くことは、非常に防災対策上も、また省エネルギー上も重要であると認識をしております。このため、平成二十四年に建築基準法施行令を改正をいたしまして、自家発電設備や貯水槽等の設置に必要な部分につきましては、メンテナンスに必要な部分も含めて、一定の割合で、全体の床面積の例えば百分の一まで等の一定の割合まで容積率に不算入するという措置を講じております。
 機器のメンテナンスに必要な部分というのは、これは個別の建築計画によりますので一概には申し上げられませんが、例えば段差等で機器を設けるために必要な部分及びメンテナンスに必要な部分を区画をしていただいたら、その部分は容積率の不算入とすることにしております。この趣旨が徹底されるように、今後周知に努めてまいりたいと考えております。
○荒井広幸君 耐震補強のために建て替える、補強する、その場合に今のをもっと徹底して、そして、今まだ形が大きいんですが、小さくなるまでなんて待っている必要はないんです。今でもできるんです、いつ地震来るか分からないんですから。技術開発で小さくするまで待ちましょうなんて、経済産業省、そんな悠長なことを言っていたんでは話にならないですよ、今電力不足なんだから。そういうものを含めて、これを大いに促進していきたいと思うんですね。
 そこで、大臣は自民党時代、家電のエコポイントの担当者でもありました。私も国会でこれをつくるように何遍もやりまして、実例があるわけです。エコポイント等も含めてやっていただくと、私はこの家庭の高効率給湯器の置き換えというのは一番安倍政権にとって必要なものだと思っているんですよ。家庭が、これが光熱費が安くなり、消費税であっぷあっぷしているんですから、そこの問題を企業にだけ投資するんじゃなくて家庭に投資する、これをやっていくと最高なんですが、家電のエコポイントの事例で少し勉強させてください。
 まず、財務省、どれぐらい税収効果があったか、計算はしたんでしょうか。
○政府参考人(福田淳一君) 御指摘のように、財政支出を行えば一定の経済波及効果が生じまして、その分が恐らく税収増にもつながっているんだろうとは思いますが、税収動向は経済状況や制度改正など様々な要因によって変動するものでありまして、家電のエコポイントといった個別の補助金による影響を取り出して税収に与えた効果を算出することは困難でございますので、計算はいたしておりません。
○荒井広幸君 やるというときにはこれは効果があるとかないとかくちゃくちゃくちゃくちゃ言いながら、終わってみたら計算できないって、これ財務省、どうなんですか。
 そこで、経済産業省に聞きますよ。幾ら政府が持ち出しして、経済効果はどれだけだったんですか。
○政府参考人(木村陽一君) お尋ねの家電エコポイント制度でございますけれども、当時、平成二十一年の五月から平成二十三年の三月に実施をされまして、計六千九百三十億円の予算が投じられたというふうに承知をしてございます。
 家電のエコポイント制度自身は、地球温暖化対策の推進、経済活性化、それから地デジ対応のテレビの普及といったものが主眼でございました。それによりまして約二・六兆円の販売を押し上げ、流通分を含みますけれども、約五兆円の経済波及効果につながったという試算があるというふうに承知してございます。
○荒井広幸君 財務省次長、五千八百億程度で約五兆円です、経済波及効果。ということになれば、私たちはもう一回家庭への投資というものを真剣に考えていくべきだと思うんですね。置き換えをしていくということです、高効率発電もする給湯器にやっていくと。
 そこで、大臣に最後に見解をお聞かせいただきたいと思うんですが、今日は成長戦略担当の役人の皆さんも来ていただきました。よろしいでしょうか。
 あるシンクタンクによれば、五年先の期待成長率は一%程度だと。現金収支、キャッシュフローに対する設備投資比率は五〇パーであり、共に低下し、低水準になるだろうというふうに予測もあるんですね。私はこのアベノミクスに代わる経済手段はないと思っているので、期待外れにならない骨太と成長戦略のまとめを六月中にしてもらいたいと思うんです。
 そのときに、どこにヒントがあるか。攻めあぐんでいるようですね。ヒントは家庭にあるんですよ。家庭の光熱費と消費税が上がっていることで光熱費が全体的に上がっている。これが皆さんに、お手元に渡しましたアップアップの状況なんですね。上がっているからアップアップしているんですよ。これを直すためには、一番、もう四割方ガス代が安くなります、発電もします、そういうものに置き換えたらはるかに楽になるんです。ところが、百五十万円掛かりますから、高過ぎるんですよ。普通の給湯器は三、四十万円です、追いだきも含めて。それから、面積を取る、さっき言ったように。
 だから、そういうものをまず支援して、売れ始めればがががががっと価格が下がります。それで、大臣に英断していただき、総理とも御相談いただいて、二百億付けて五万台という今までにとっては破格の対応をしてもらったんです。ところが、これがまだまだ手ぬるいと私は申し上げたいんですね。
 そこで、その手ぬるいというのはどういうことかというと、家庭への投資、財務省次長、よく聞いてくださいよ。成長への投資なんですよ、これは。必需投資なんです。だから、成長がない限り税収上がらないんだから。これを考えていくと、光熱費の改善に選択集中していくんです、経済産業省は。それで、これに対しては内閣府も賛同してくださいよ。財務省も理解してもらいたいわけです。
 どういうふうにするかというのがこの図面の、Aというのが右側に打ってありますが、一番下を御覧いただきたいんですね。SPCという特別目的会社を仮につくります。そこに内部留保でたまった百兆、百五十兆と言われる一、二%を吐き出させてもらいたいんです。これはリターンがあります。目的がないのに、実需がないのに金出せと言っているんじゃないんです。給料上げろとか、それから雇用を増やせと言っているんじゃないんです。実需がないんじゃないんです。ここに出資を、あるいは証券化して、お金を出してもらいます、内部留保金の。その内部留保金のものをもって家庭にエネファーム、エコウィル、エコキュート、ガスヒートポンプ、いろんなもの、高効率発電までするようなコジェネのものを家庭に置き換えるようにリースかローンでお配りするんです。効率が良くなった分、光熱費は下がってきますから、下がったことも含めて、十年か十二年で返済していくんです、SPCに。だから、その返済金で内部留保をもらった企業は配当なり利益なり、それをもらっていくということになるんですね。リターンがあるんです。
 次に、まだ百五十万で高いですから、その百五十万のものを補助金を入れて、約六十万と考えます、九十万程度が手頃だと思うんです。そうすると、六十万程度の補助金を二年間の一期目にやるんです、一期二年目で。そこの一期二年目に二百万世帯分六十万円の補助、一兆二千億。それから、二期、次の二年間、量産効果で百五十万の機器が百二十万程度にぐっと下がっていくと思います。もっと下がるかもしれません。九十万にするためには三十万の補助をするんです。これで四百万世帯掛ける三十万、これで一兆二千億。足して二兆四千億。
 そのほかに、さっき言ったエコポイント、これは国で出す以外ないです。国が国費で約一台当たり二万から三万出していきます。これで六百万台掛ける三万円で一千八百億。これでかなりの話題性と注目を集めまして、そのお金は半年後に何かに使わなきゃならないわけですから、エコポイントのお金は、それ自体も回っていくんですから。
 こういうやり方でお金を集めていく。そして、個人は節約分や余剰で売電できるようになったりしますから、家で発電までできるんですから、そういうもので十年から十二年でローンやリースで返済していく、SPCに返していく、こういうことなんですね。もう一つの課題は、法人減税は、ここに、いわゆる証券を買った人が投資した、そういう企業だけに法人減税をするという北風までこれは入れちゃう。
 そういうやり方をしていくことによって、先ほど私が申し上げましたが、結果、原発が要らなくなっちゃうんです。百三十三万世帯でエネファームを入れますと、発電量は原発一基分になります、百万キロワット。こういうようなことになっていって、六百万世帯入れていったらば四基要りません。今それぞれの電力会社が、経済産業省から万が一があっちゃいけないといって余剰を持てと言われるから原発を再稼働したいと言っていますが、融通掛けられるように今度はしたわけですから、本当に二、三基ぐらいで全国融通しますから、原発は二、三基ぐらい稼働すれば済むぐらいになるんです。しかし、これを入れちゃうとそれさえも要らなくなるという現実的夢物語なんです。
 この物語を本物にするかどうかで、実は各党が今日の附帯決議で入れていただきましたので、各党の皆様にお礼を申し上げますが、新規参入や技術開発等の促進は経済成長につながるものであり、政府の諸方針においても明確に位置付けられるものとするべしと、これが御賛同いただければ成立するわけでありますが、附帯決議でありますが。
 骨太方針の事務方に聞きます。どうでしょうか、家庭用の発電もしたりなどとする高効率機器の買換え制度、これを大胆に今度の政府の骨太や経済成長、これに入れるというお考えはありませんか。続いて、財務省は、それならばお金を出すということを考えませんか。ここまで言って、最後に大臣の御見解を聞かせてください。
○委員長(大久保勉君) 内閣府大臣官房豊田審議官。なお、時間が迫っておりますので、簡潔な答弁をお願いします。
○政府参考人(豊田欣吾君) お答え申し上げます。
 骨太の方針の内容につきましては、本年一月以降、経済財政諮問会議で積み重ねてきた審議に基づきまして現在政府内で検討中でございます。骨太の方針でございますけれども、基本的には経済財政運営の改革の大きな方向性を示すものでございまして、個別の事業のスキームあるいは枠組みを具体的に記載するのはなじまないと考えておるところでございます。
 議員御提案のスキーム等につきましては、内閣府が直接所管しておらず、また、経済財政諮問会議におきましてもこれまでまとまった形での審議がなされているわけではございません。このため、内閣府といたしましては、事業所管省庁の見解や検討状況等を踏まえた上で対応していくことが重要であると、このように考えているところでございます。
○政府参考人(福田淳一君) 御指摘のエネファームの普及につきましては、生産コストを低減し、技術的に導入が進む環境を実現することが重要だろうと私どもも認識しておりまして、この考え方は四月に閣議決定されましたエネルギー基本計画に明記されてございます。
 予算面では、御指摘ありましたとおり、市場自立化に向けた導入補助金を措置しておりまして、二十五年度補正予算においても二百億円という大きな金額を計上させていただいたというふうに理解をしております。
 一般論で申し上げて、それ以上大きな構想につきましては、まず担当の役所でよく構想していただいて、それを受けて財政当局として議論していただくような事柄になるんだろうと思います。
○国務大臣(茂木敏充君) 荒井委員おっしゃった、成長がなければ税収は上がらない、法人税の改革に当たってはそういった発想極めて重要だと、財務省もおりますので、そういうことを強調させていただきたいと思っておりますけれども。
 現実的夢物語と。何か手作り風ギョーザというのが手作りなのかどうか分からないようなところあるんですけれども。
 分散型エネルギーの促進、地域の活性化の観点からも極めて重要だと考えております。もちろん、骨太の方針でありますからどこまで具体的な施策の内容を書き込むかということはありますが、今後検討してまいりたいと考えております。
○荒井広幸君 よろしくお願いします。
○委員長(大久保勉君) 他に発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○倉林明子君 私は、日本共産党を代表して、電気事業法等の一部を改正する法律案について反対討論を行います。
 反対の第一の理由は、実質破綻している東電の持ち株会社や子会社にも一般担保付社債の発行をできるようにしたことです。
 政府は、柏崎刈羽原発の再稼働と持ち株会社グループの分社、子会社の成長計画を前提にした東電の新・総合特別事業計画を電力システムの先取りとして位置付けております。
 しかし、実質債務超過の東電を存続、延命させることを可能とする一般担保条項は、まさに東電救済条項と言うべきものであり、認めることはできません。東電は破綻処理し、株主、メガバンクなどの貸し手責任を問い、一時的に国有化する道こそ取るべきです。今や、原発などの大規模集中型の電源開発のために必要となる巨額の投資資金調達を保障する一般担保付電力債は公益特権とも呼べる役割を終えています。
 第二の理由は、巨大企業のエネルギー独占状態を新たにつくりかねないものだからです。
 大手電力会社の地域独占を支えてきた発送配電一貫体制をそれぞれ分離することは当然です。
 しかし、原子力や火力など巨大な発電事業者が届出制になることで、原発付加金などの料金コストが今以上に消費者に見えなくなります。さらに、公聴会の廃止により、消費者、国民にとって託送料金などの原価情報のブラックボックス化が進むことは、この間進めてきた情報開示からの大きな後退であり、認められません。
 また、東電始め大手電力会社は、システム改革を前に、鉄鋼、ガス、石油、通信、総合商社や外資企業などとエネルギーをめぐって巨大な独占企業間で再編を進める動きを見せています。電力に加えて、エネルギー市場全体の新たな規制なき独占となる危険があります。
 さらに、再生可能エネルギーの爆発的普及は世界的な要請であるにもかかわらず、原発の再稼働を前提に、原発の優先給電を担保する仕組みのままでは再エネ普及の足かせとなるものです。
 再エネを活用した地域循環型の取組が、原発事故後、福島始め全国で広がっています。地域のエネルギーは地域でつくるとして、地域再生につながる希望が膨らんでいます。再エネを最優先にした接続、給電を義務化し、経産省から独立した規制組織を設立し、徹底した情報開示と消費者、国民が監視できるシステムが必要です。電力独占への民主的規制と再生可能エネルギー、地域循環型への転換を柱とする電力民主化こそが求められています。
 政府は、原子力を重要なベースロード電源と位置付けたエネルギー基本計画を定め、原子力規制委員会の人事まで替えて原発の再稼働に突き進もうとしています。原発ゼロのエネルギー政策への転換こそすべきであると指摘し、反対討論といたします。
○委員長(大久保勉君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 電気事業法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(大久保勉君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、加藤君から発言を求められておりますので、これを許します。加藤敏幸君。
○加藤敏幸君 私は、ただいま可決されました電気事業法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党及び新党改革・無所属の会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    電気事業法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
 一 電力の小売全面自由化に伴い、新規事業者に対する送配電網への公平な接続の保証や需要家情報の共有等を通じて、新規事業者が電力小売市場に参入することが阻害されることなく、現在の一般電気事業者と公平に競争できる環境を整備すること。また、新規事業者の電源調達を容易にするため、引き続き、地方自治体による電源の売り入札の促進に加え、電力会社における余剰電力の供出の促進等を通じ、卸電力市場の活性化に向けて必要な措置を講じるものとすること。さらに、新規参入や技術開発等の促進は、経済成長につながるものであり、政府の諸方針においても明確に位置付けるものとすること。
 二 電力の小売全面自由化に伴って電力の安定供給が損なわれることのないよう、昨年の電気事業法改正によって法定された広域的運営推進機関の機能の適正な行使等を通じて、必要な供給予備力が常時確保されることなど、電力システム改革の目的である「電力の安定供給の確保」が達成されるための万全の措置を講じるものとすること。また、スマートメーターの普及、発電所の環境アセスメントの緩和等の施策を引き続き検討し、可能なものについては可及的速やかに措置を講じること。特に、電力が市場に十分に供給されることが市場における競争環境上重要であることに鑑み、平成二十八年を目途に電力の小売全面自由化の実施が予定されていることを踏まえ、必要となる電力の需給状況の安定が確保されるための有効な措置を講じるべく努めるものとすること。
 三 電力市場における適正な競争を通じて、電力システム改革の目的の一つである「電気料金の最大限の抑制」が確実に達成されるために必要な措置を講じるものとし、規制料金の撤廃は需要家保護の観点からその時期を十分に見極めて行うとともに、新規参入事業者が公平な条件で競争できるような価格形成が図られるようにするなど、適正な電気料金の実現のための措置を講じること。
 四 電力システム改革の詳細な制度設計及び実施については、当該改革に当たっての課題検証とその結果に基づく課題克服のために必要な措置を講じて進めるとともに、今年策定された新たなエネルギー基本計画の内容と整合性をもって第三段階の改革まで着実に進めるものとし、関係方面に十分な説明を行うものとすること。また、再生可能エネルギーによる発電を利用する新規事業者の電力市場参入を促すための送配電網の整備や参入手続における一層の規制緩和等の措置を国民負担に十分配慮した上で講じるとともに、再生可能エネルギーによる発電が健全かつ着実に行われるための制度を整備することにより、我が国においてその効率的な導入が最大限促進されるよう努めること。
 五 原子力政策の抜本的見直しが求められる中、競争環境下における原子力発電の在り方及び我が国における核燃料サイクル政策の位置付けについて早急に検討の上、電力システム改革と同時並行的に適切に措置を講じること。また、原子力事業者において今後国内において増加する原子力発電所の廃炉の円滑な実施や新規制基準への対応、使用済核燃料の処理、地球温暖化対策及び電力安定供給への貢献等の課題への適切な対処が可能となるよう、国と原子力事業者の役割分担を含めた事業環境の整備に向けて、平成二十八年を目途に電力の小売全面自由化の実施が予定されていることを踏まえ、必要な措置について速やかに検討し、遅滞なく実施するものとすること。
 六 電力システム改革の遂行に際しては、今日まで電力の安定供給を支えてきた電力関連産業の労働者の雇用の安定や人材の確保・育成、関連技術・技能の継承に努めるとともに、改革の過程において憲法並びに労働基準法に基づく労使自治を尊重するものとすること。また、当該労働者について一定の形態の争議行為の禁止を定める「電気事業及び石炭鉱業における争議行為の方法の規制に関する法律」については、自由な競争の促進を第一義とする電力システム改革の趣旨と整合性を図る観点から、電力システム改革に関する法体系の整備に併せ、所管省庁において有識者や関係者等からなる意見聴取の場を設けその意思を確認し、同法の今後の在り方について検討を行うものとすること。
 七 電気事業の規制に関する事務をつかさどる独立性及び高度の専門性を有する新たな行政組織は、実効性のある送配電部門の中立性の確保、電気の小売業への参入の全面自由化等の電力システム改革を推進する上で、必要な電気事業の規制に関するモニタリング、電気事業への参入の促進、市場における適切な競争環境を阻害する要因の除去、対等な競争条件の確保等を実施するための必要最小限な組織とし、肥大化は極力避けること。また、この観点から、新たな行政組織への移行が平成二十七年を目途に着実に措置されるよう、引き続き詳細設計に向けて検討を進めるものとすること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(大久保勉君) ただいま加藤君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(大久保勉君) 多数と認めます。よって、加藤君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、茂木経済産業大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。茂木経済産業大臣。
○国務大臣(茂木敏充君) ただいま御決議のありました本法律の附帯決議につきましては、その趣旨を尊重してまいりたいと考えております。
○委員長(大久保勉君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大久保勉君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時四十二分散会