第186回国会 国土交通委員会 第11号
平成二十六年四月二十二日(火曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 四月十五日
    辞任         補欠選任
     大野 泰正君     岡田 直樹君
 四月十六日
    辞任         補欠選任
     岡田 直樹君     大野 泰正君
     北村 経夫君     島尻安伊子君
     酒井 庸行君     宮沢 洋一君
     豊田 俊郎君     吉田 博美君
 四月十七日
    辞任         補欠選任
     島尻安伊子君     北村 経夫君
     宮沢 洋一君     酒井 庸行君
     吉田 博美君     豊田 俊郎君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         藤本 祐司君
    理 事
                赤池 誠章君
                渡辺 猛之君
                田城  郁君
                広田  一君
                魚住裕一郎君
    委 員
                青木 一彦君
                江島  潔君
                大野 泰正君
                太田 房江君
                北村 経夫君
                酒井 庸行君
                豊田 俊郎君
                中原 八一君
                野上浩太郎君
                森屋  宏君
                田中 直紀君
                野田 国義君
                前田 武志君
                河野 義博君
                田中  茂君
                和田 政宗君
                辰已孝太郎君
                室井 邦彦君
                吉田 忠智君
   国務大臣
       国土交通大臣   太田 昭宏君
   副大臣
       国土交通副大臣  野上浩太郎君
   大臣政務官
       国土交通大臣政
       務官       中原 八一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        田中 利幸君
   政府参考人
       国土交通省港湾
       局長       山縣 宣彦君
       海上保安庁長官  佐藤 雄二君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○港湾法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆
 議院送付)
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○委員長(藤本祐司君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 港湾法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、国土交通省港湾局長山縣宣彦君外一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤本祐司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(藤本祐司君) 港湾法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○酒井庸行君 皆さん、おはようございます。自由民主党の酒井庸行です。
 今回、質問の機会をいただきましてありがとうございます。早速でございますけれども、質問に入りたいと思います。
 初めに、先日、韓国の珍島沖での旅客船のセウォル号が沈没をして大変な事故になっておりますけれども、多くの尊い命が失われております。まず哀悼の意を表したいと存じます。
 そして、まだまだ多くの行方不明の方がいらっしゃいます。一刻も早く捜索をしていただいて、何とか少しでもというふうに思っております。そのことを心から御祈念を申し上げたいというふうに思っております。
 まず、その事故に関しまして海上保安庁、国土交通委員会でございますので、海上保安庁としてどのような対応をされたかをお伺いしたいと存じます。
○政府参考人(佐藤雄二君) 海上保安庁と韓国海洋警察庁の間におきましては、これまでも様々な海難救助に関しまして連携協力を行ってきているところであります。
 本件事故発生後、海上保安庁におきましては、情報収集を行うとともに、第七管区海上保安本部から南海地方海洋警察庁に対し、また本庁から韓国海洋警察庁に対して、それぞれ捜索、救助に関する協力について申出を行いました。これに対し、韓国側から当庁の申出に対して謝意が示されましたが、今のところ韓国側から正式な協力要請はありません。
 当庁といたしましては、今後も緊密に連絡を取り合い、捜索、救助の協力要請があればいつでも対応できる体制を取っているところであります。
○酒井庸行君 お隣の国でありますので、今謝意があったというふうにお聞きしました、是非とも御要請があったときにはすぐ出られるような対応をしておいていただきたいというふうに思っております。
 まず、次の質問に参りますけれども、今回、この港湾法の一部を改正する質問に当たって、私なりに、海といいますか、思い、その海の価値といいますか、そんなことを実は考えてみました。海というのは、まさしく地球にとってはとても必要不可欠な存在だというふうに思います。同時に、もし海がなかったら、地球上における生き物の命というのは存続できないんだろうというふうに実は考えます。また、私たち人類の交流の部分でも、その一端といいますか、考えてみますと、海という中での港という場所を通じて人類というのは言わば今の現状というのが始まって現在に至っているんだろうというふうに実は思います。つまり、人類の現在の姿というのは港から始まって、その命というのはこの海や港によって守られてきているのではないかと言っても過言ではない、かというふうに実は思います。また、海の存在は、その歴史や文化やそしてスポーツ、あらゆる面で進展に大きな影響を及ぼしているというふうに考えますし、大変価値ある役割を担ってきたというふうに思います。
 大臣には、最後に港、海についての御質問をさせていただきますので、そのときによろしくお願いをしたいというふうに思います。
 今回、その港に関する港湾法の一部を改正する法律案ということでありまして、将来の港湾の姿をしっかり議論しなければならないと思って質問に立たさせていただいたわけであります。
 まず、我が国は、エネルギー、食料など産業や暮らしに必要な物資の大部分を港を経由して輸入をしております。製品輸出の面もそうでありまして、大変重要な役割を担っております。
 そこで、この機会に名古屋港を中心とした伊勢湾の港についてお伺いをしたいというふうに思っております。
 愛知県の伊良湖岬と三重県の答志島とを結ぶ伊勢湾というのは、御承知のとおり、日本の中心に位置をしておりまして、大変良好な港にも恵まれて、地域とともにその発展に大変寄与してきたところであります。伊勢湾には、国際産業ハブ港を目指す名古屋港、そして我が国有数の石油コンビナートを有する四日市港、そしてさらに、石炭や穀物などのバルク貨物を主に扱います衣浦港、そして完成自動車の国際海上輸送のハブ港であります三河港というのがあります。
 お配りいたしました資料の一を御参照いただきたいと存じますけれども、伊勢湾の港湾の貿易額は平成二十五年には二十二兆円を超えております。日本全体の二割を占めておりまして、まさに日本全体の経済活動を支える物流拠点としての役割を実は担っております。これらの港湾の臨海部に立地する工場群というのは、内陸部の生産拠点と一体となって日本経済を支えております。
 資料二をまた御覧ください。
 平成二十四年の工業統計によりますと、愛知県の製造品出荷額というのは四十兆円あります。三十六年間連続日本一であります。伊勢湾背後の愛知県、三重県、岐阜県、静岡県、四県の製造品出荷額を足しますと七十兆円を超えます。我が国全体の四分の一が当地域に集積をしていることになります。
 資料三でもお分かりだと思いますけど、雇用の面を見ていただきますと、今の四県で百五十万人以上の従業員が働いて、全国の二割に達しております。
 次に、資料四です。昨日でありますけれども、財務省が発表した貿易統計速報によりますと、輸出額から輸入額を差し引いた二〇一三年度の貿易収支は十三兆七千四百八十八億円の赤字というふうになりました。一般には、円安で輸入品価格が上昇をして輸入額が大きく膨らんだためというふうに言われております。実は、それだけではなく、我が国の製造業を中心とした構造的な国際競争力の低下、また原油の輸入増、そしてアジア主要国の躍進などによって、日本国内の港湾の国際競争力の低下がこの大きな懸念材料となっているように私には思われます。
 こうした中、コンテナ貨物の増大は船舶の大型化をもたらし、そして、効率化、低コスト化、複合一貫輸送化などと更なる構造的な変化をもたらしてきているのが現実であります。
 そこで、また資料の五、六、七等で御説明をいたしますけれども、そのような現状下の中で実は六兆円を超える貿易黒字を出す伊勢湾港湾でありまして、全体の発展というのは我が国にとっても大変重要であり、国が進めておられます国際戦略港湾政策による現状の支援だけではまだまだ不十分だというふうに実は考えております。
 そこで、特定港湾運営会社に対する政府の出資等において、第四十三条の二十五では、国際戦略港湾運営会社に対し出資することができるとあります。また、第五十五条の七第二項第二号の中においても、荷さばき施設の下に、又は保管施設、保管施設にあっては国際戦略港湾におけるものに限るというふうに書かれております。これらの港湾運営会社への出資制度や保管施設に関わる無利子貸付制度の適用が国際戦略港湾に限定されているというのはどのような理由からかをお尋ねをしたいというふうに思います。お願いいたします。
○政府参考人(山縣宣彦君) お答えいたします。
 国土交通省では、平成二十二年の八月に、国際基幹航路の維持拡大の拠点として京浜港及び阪神港を国際コンテナ戦略港湾として選定をいたしまして、国際競争力強化のための施策を実施してきたところでございます。
 近年、先生も御指摘ございましたが、コンテナ船の急速な大型化あるいは船会社間の連携の進展等によりまして、北米、欧州に直行する国際基幹航路の寄港地の絞り込みが進んでおりまして、また、近隣諸国にコンテナ船寄港コストの面で劣るといった面もございまして、我が国港湾への国際基幹航路の寄港の減少に歯止めが掛からないという、そんな状況となってございます。これを放置いたしますと、我が国産業全体の立地競争力が低下するというおそれもございます。
 このため、国際戦略港湾におきまして、国際基幹航路の維持拡大を図るために、港湾運営会社に対する国の出資、保管施設に対する無利子貸付けを含みます集貨、創貨、競争力強化の三本柱の施策を集中的に実施することとしたものでございます。
 以上です。
○酒井庸行君 港というのは、今も申し上げましたけれども、大変重要だということはもちろんでありますし、今の国際情勢を見てみても、大変日本の産業を含めて非常に厳しい状況にあります。そういう中で、今の御答弁でありますけれども、その支援措置という意味での拡充というのは理解をいたしました。まだまだやることはたくさんあるというふうに思いますけれども、またお願いをしておきたいというふうに思っております。
 そこで、現在、伊勢湾においても港湾運営会社の設立に向けて準備を進めておるところでありますけれども、その指定、そして運営計画の変更、認可などの監督権というのはどちらが有するのかをお答え願います。
○政府参考人(山縣宣彦君) お答えいたします。
 平成二十三年に港湾法を改正した際に、附則第三十一項及び施行令の附則第十一項に基づきまして、伊勢湾の名古屋港及び四日市港につきましては国際戦略港湾とみなしまして、国際戦略港湾におけます港湾運営会社及び特例運営会社に関する規定が適用される国際拠点港湾として指定をされてございます。このため、名古屋港及び四日市港の港湾運営会社に関しましては、国際戦略港湾と同様に国土交通大臣が港湾運営会社の指定及び監督を行うこととなっております。
 以上です。
○酒井庸行君 大臣がということでありましたので、また大臣にはいろいろとお願いをしたいというふうに思っておりますけれども。
 今、港湾法附則の三十一項というお話が出ました。名古屋港は国際拠点港湾でありまして、国際戦略港湾ではありません。名古屋港は国際拠点港湾なんですけれども、その今お話がありました港湾法附則第三十一項に、政令で定めるものについては、当分の間、国際戦略港湾とみなし云々というふうにあります。この規定はどのような趣旨で設けられているのかをお聞かせ願いたいと思います。
○政府参考人(山縣宣彦君) お答えいたします。
 港湾法附則第三十一項でございますけれども、国際基幹航路が就航しており、その運営の効率化を図ることが国際競争力の強化を図るために特に重要な国際拠点港湾につきまして、国際戦略港湾とみなして港湾運営会社制度を導入することを規定したものでございます。
 具体的には、平成二十三年の港湾法改正以前にスーパー中枢港湾として指定をされておりました名古屋港及び四日市港における港湾の運営の効率化等の取組を継続させる必要があることから整備された規定でございます。この規定に基づきまして、名古屋港及び四日市港につきましては港湾運営会社の指定及び監督を国土交通大臣が行うほか、国の行政財産でございます港湾施設の直接貸付制度や、あるいは港湾運営会社に対します無利子貸付けの比率を最大八割まで可能とするなどの支援制度を導入しているところでございます。
 以上です。
○酒井庸行君 ありがとうございます。
 今、最後におっしゃいました、最大八割までというお話がありました。これが実は本当は不満なんですけれども、このことをお話をして質問していきますと長くなってしまいますので今回はしませんけれども、その点に関しましても十分に御留意をしていただいて、趣旨はよく分かりましたので、またいろいろと御協力をしていただきたいというふうに思っております。
 伊勢湾というところには、名古屋港や四日市港に加えまして、重要港湾というのが実はあります。衣浦港、三河港、津の松阪港などの港湾があるわけでありますけれども、日本の物づくりを支えるという意味で極めて重要な役割を担っておりますこれらの港湾に対する支援というのもしっかりと行っていただきたいんでありますけれども、国としてはどんなようにお考えでありましょうか。
○政府参考人(山縣宣彦君) お答えいたします。
 愛知県は都道府県別の製造品出荷額が第一位ということでございます。三重県は第九位ということで、我が国を代表する物づくり産業の集積地でございます。これらの企業活動を支える効率的で安定した物流システムの整備が重要な課題だというふうに認識してございます。
 特に港湾は原材料や部品、半製品の輸入、そして完成車あるいは製品の輸出を支える基盤でございまして、その機能強化を図るために名古屋港、それから伊勢湾、三河湾の各港湾の整備に取り組んでいるところでございます。
 具体的には、名古屋港でございますが、飛島埠頭南地区におきまして水深十六メーターの国際海上コンテナターミナルの整備を行ってございます。四日市港では、霞ケ浦北埠頭地区におきまして水深十四メーターの国際海上コンテナターミナルの整備を行ってございます。それから、衣浦港でございますが、武豊北埠頭地区におきまして水深十二メーターの国際物流ターミナルの整備を行ってございますし、また三河港でございますけれども、今年度から新規ということで、神野地区におきまして水深十二メーターの国際物流ターミナルの整備に着手したところでございます。また、津松阪でも大口地区におきまして老朽化対策の事業を進めてございます。
 先生御指摘のような、伊勢湾及び三河湾の港湾でございますが、我が国の物づくり産業を支える重要な港湾だというふうに認識してございますので、着実に整備を推進してまいりたいと考えてございます。
 以上です。
○酒井庸行君 御答弁ありがとうございます。
 今、各重要港湾に対してのお考えもいただきました。非常にそれぞれの重要港湾も戦略港湾あるいは拠点港、名古屋港等を始めとして非常に関連が強うございますので、その意味でもしっかりとまた整備をしていただくということをお願いをしたいというふうに思います。
 次に、御承知のとおり、伊勢湾の付近というのは南海トラフ大地震が想定を実はされております。また、名古屋港のいわゆる背後には海抜ゼロメートル地帯がずっと広がって実はいます。この地元でも大変な危機感を覚えておりまして、港の整備というのは災害対策という意味でしっかりやっていただきたいというものが、非常に強い希望があるのでありまして、それと同時に災害発生後の経済活動の早期的な回復ということも大変重要になってきますので、国としてはこの点についてどのようにお考えかをお尋ねいたします。
○政府参考人(山縣宣彦君) お答えいたします。
 中央防災会議によりますと、南海トラフ巨大地震によりまして、伊勢湾全域で最大震度が六強から七、これに伴う津波につきましても、例えば名古屋港あるいは四日市港では最大五メーターと想定されてございまして、南海トラフ大地震等への備えは必要不可欠だという認識をしてございます。
 そのため、ハード対策といたしましては、例えば名古屋港の第一線防波堤、これは一番外側の、沖側の防波堤ですけれども、この粘り強い構造への補強ということを進めてございますし、また岸壁の耐震化、それから免震ガントリークレーンの整備、護岸の整備等の地震、津波、高潮対策等を引き続き着実に進めてまいりたいと考えてございます。
 また、ソフト対策でございますけれども、本年一月に伊勢湾において緊急確保航路を指定してございます。発災後の航路の確保体制を整備するということでございます。また、国及び関係機関が共同して伊勢湾港湾のBCP、いわゆる事業継続計画でございますけれども、この作成を現在進めているところでございます。
 また、本年三月ですけれども、一昨年の改正港湾法に基づきまして伊勢湾港湾広域防災協議会というものを設置いたしまして、平時から災害時の関係行政機関の連携体制を強化することによりまして、非常災害時にも迅速な対応が取れるように取り組んでいるところでございます。
 以上でございます。
○酒井庸行君 やはりその海抜ゼロメートル地帯に住んでいらっしゃる人たちというのは大変いつもどうなるんだろう、どうなるんだろうということがありますので、特にその思いを分かっていらっしゃると思いますけれども、しっかりとした整備をお願いをしていきたいというふうに思っております。
 まだちょっと時間ありますので、次の質問に入ります。
 平成二十五年の六月に閣議決定をされました総合物流施策大綱というのがあります。この中に、グローバル・サプライチェーンの深化と物流の構造変化を踏まえて、我が国の産業活動と国民生活を支える効率的な物流の実現を推進することが必要とされておるというふうにあります。あわせて、物流のトータルコストの低減やビジネス機会の拡大につなげる3PL、サードパーティーロジスティクスの推進等を図るという必要性も挙げられております。
 一例を挙げます。日本通運では、トヨタ自動車が田原工場で製造した部品を三河港からコンテナでウラジオストクの組立て工場へ運びます。そして、自動車を組み立てたものを今度は鉄道輸送でロシア内部の方へ輸送するという、そういう複合一貫輸送を実は行っております。
 そういう中で、現在、いわゆる伊勢湾港湾の周りのインフラ道路関係でありますけれども、現在進めている新東名あるいは新名神高速道路、また、先日私どもの渡辺理事が質問しました東海環状自動車道なども伊勢湾港湾に直結をする、港でありますけれども、資料七に、見ていただくと分かりますけれども、愛知県の伊勢湾の背後にはこれだけの多くの産業があります。一体的に機能していくことが必要であるということは明白でありますし、これらの産業活動を支えるためにも、グローバルサプライチェーンの深化に対応した生産拠点と港湾を結ぶ道路アクセスの確保、そして整備の観点から道路ネットワークの強化が重要になってくるというふうに思います。その整備いかんでは実は港の発展が左右されると言っても過言ではないというふうに私は思っています。
 そこで、国としてどのような対応を考えておられるか、お聞かせください。
○副大臣(野上浩太郎君) 先生御指摘のとおり、グローバルサプライチェーンの深化に伴って国際競争力を強化するという観点から、海外からの玄関口となる主要な港湾と国内の生産拠点との連絡を円滑にすることは極めて重要であるというふうに思っております。このため、生産拠点と主要な港湾とを連絡する道路ネットワークの強化が必要でありまして、とりわけその中核となります高速道路ネットワークの重要性について認識をしているところであります。
 例えば今お話のありました中京圏におきましては、伊勢湾の各港と背後にある生産拠点との連絡強化を図る上で、現在整備を進めております新東名高速道路、それから新名神高速道路、東海環状自動車道などの高速道路ネットワークの役割は大変大きいと考えております。
 今後とも、地元自治体と連携をしまして、主要な港湾と生産拠点を連絡する道路ネットワークの強化にしっかり取り組んでまいりたいというふうに思っております。
○酒井庸行君 ありがとうございました。
 時間が迫ってきておりますので、最後は大臣にお答えをしていただきたいというふうに思っています。
 先ほど、最初に海そして港の価値といいますか、価値観ということについてお話を少ししました。今、人口の減少や主要エネルギーの転換など、いわゆる目まぐるしい変化を続けている我が国において、大臣は危機感を持って二〇五〇年の国土グランドデザインを考えられているというふうに思います。海、そしてこれまでの海の価値観、そしてこれからの日本の港湾の在り方について、時間は少しありますのでしっかりと御答弁をお願いしたいというふうに思います。
○国務大臣(太田昭宏君) 二〇五〇年の日本、この貴重な三十八万平方キロの国土、そしてまた四百四十七万平方キロ、十二倍の排他的経済水域を擁する日本、そして先生のいらっしゃる特に愛知、そして岐阜、三重、また静岡を含めますと、相当これは物づくりという、そして東名、新東名、名神、新名神、いろんな、また環状道路、もう物づくりとしては一番大事な拠点になる地域だというふうに思っています。
 これからそこをどういうふうにまちづくりを展開するかというのは、人口減少の中で我が集落は、我が町は、我が市はどうするかという各地方、地域が多い中で、この三県は未来に向けて、また高速道路網やあるいは港湾の強化も含めてどういうふうに造っていくかという重大な日本を担っての課題があるというふうに思っています。
 伊勢湾台風、私、中学生でありましたが、我がクラスでも三軒ぐらいが倒れたりして、この間も三河港にも行ってまいりましたが、今御指摘のありますように、海外からの自動車というのは一手にここが引き受けて、そしてまた輸出ということにおいても三河港あるいは衣浦港、そして今度の伊勢湾港というこの地域は極めて重要なところだというふうに認識をしています。
 津波がある、そして三重の方ではその到達時間が短い、そして輪中を始めとする非常に液状化や洪水に、岐阜もそうでありますけれども、これまで見舞われてきたというようなところもありますが、ここをしっかりした、安全で、安心で、若い人の雇用もあるという、その地域をますます拡大して、世界に劣後している日本の港湾の中で、何とか今言われている釜山やあるいは上海や香港やシンガポールに負けない強い港湾を造ると、コンテナ戦略港湾ということではありませんが、それに準ずるということを十分私たちは意識しておりますので、しっかり強い港湾を担っていただくように支援をしたいというふうに思っているところです。
○酒井庸行君 ありがとうございました。大変力強いお言葉をいただきました。これからもよろしくお願いします。
 ありがとうございました。終わります。
○広田一君 民主党・新緑風会の広田一でございます。どうかよろしくお願いをいたします。
 まず、私の方からも、この度の韓国旅客船沈没事故で亡くなられた皆様方に対して衷心より哀悼の意を表しますとともに、御遺族の方々に対して心からお悔やみを申し上げます。いまだ多くの方々が船内に取り残されております。一日も早い発見を御祈念を申し上げます。
 先ほど、酒井委員の方から、この事件に対しまして海上保安庁の現状での取組について御質問がございました。私からは大臣に対しまして、この海上保安庁の取組等々も含めて、今後この事故、ひょっとしたら事件かもしれませんけれども、この案件について原因究明等々されるだろうというふうに思いますが、現時点での大臣のこの案件についての御所見をまずもってお伺いをいたします。
○国務大臣(太田昭宏君) この度、韓国で発生しました大型旅客船沈没事故でお亡くなりになられた方々に心からお悔やみ申し上げたいと思います。また、被害に遭われた方にお見舞いを申し上げたいと思いますが、何よりも行方不明となっている方たち、何としてでも救助というものを願っているところでございます。
 今回の事故、これ、原因まだいろいろ調査中であり、いろんな報道がされておりますけれども、軽々にこうだということを判断すべきではないというふうに思っております。ただ、今回の事件というものはいろんな意味の教訓があろうというふうに思います。そういう点では、今回の事故の重大性に鑑みまして、事故が発生した翌日でありますけれども、我が国の旅客船事業者に対しまして、全てについてでありますけれども、改めて事故防止及び非常時対応の措置を徹底するよう指示したところでございます。
 積荷の問題、お客さんと混載するという場合の在り方、また、災害が、事故が発生したという瞬間における乗組員等の指示系統の問題、いろんなものについては既に各事業者はそうした緊急対応ということを決めておりますので、それが実質的に実行されるようにということを強く十七日の日に私の方から各船会社に対しまして指示をしたという状況にございます。
○広田一君 御答弁を頂戴しました。今回の事故を受けて、現状、国交省ができる適切な対応をされているということがよく理解できました。これからも、事故の推移を見ながら適切な対応をされますことをよろしくお願いを申し上げます。
 それでは、港湾法の一部改正案についての質疑に入らさせていただきます。
 まず、民主党はこの本法案につきましては賛成であります。ただ、その一方で、何点か心配な点、疑問な点、懸念する点がありますので、以下、質問をさせていただきたいと思います。
 こういったような本法案の改正案に当たりましては、これはもう御承知のとおり、それぞれの港、港には、個性あり、歴史あり、風土あり、しきたりあり、つまり強い個性があろうかというふうに思います。よって、特に港湾政策を変更する場合、私は、丁寧な対応がより一層求められるのではないかな、このように思うところでございます。そういった観点に立って質問に入らさせていただきます。
 まず、この本法案の主な改正点でございますけれども、一つには国際戦略港湾の港湾運営会社に対して政府の出資を可能とするということ、二つ目は無利子貸付制度の対象施設に国際戦略港湾の埠頭近傍の流通加工機能を伴う倉庫を追加をすること、三つ目は航路沿いの民有護岸等の改良に対する無利子貸付制度を創設すること、これが主な改正点になっております。
 その上で、まず、第四十三条二十五の関係の政府出資に対してお伺いをいたします。
 この条文は、政府は、国際戦略港湾の国際競争力を強化するため、国際戦略港湾の港湾運営会社が行う埠頭群の運営の事業の効率化、高度化を図ることが特に必要であると認めるときは、当該港湾運営会社に対し出資をすることができる、こういった規定であります。
 このことを踏まえて、まず大臣にお伺いをしたいんですけれども、なぜ今、政府出資という規定を設けるのか、その意義、目的、理由についてお伺いをいたします。
○国務大臣(太田昭宏君) 一九七三年には、コンテナを取り扱うという、神戸は世界第一位であり、横浜は十一位であり、東京は十六位でありました。それがずっと劣後してきまして、今はもう東京も本当に二十数位というようなところになり、神戸に至っては五十二位というような状況にもなっています。何としても強い港湾にしなくてはならないという思いの中での今回の港湾法改正でございます。
 近年、このコンテナ船の急速な大型化がございます。船会社間の連携の発展という状況があります。また、北米、欧州に直行する基幹航路の寄港地の絞り込みというのが行われて、この日本の港湾が劣後してきたという状況があります。また、近隣諸港にコンテナ船寄港コストの面で劣ること等から、我が国港湾への基幹航路の寄港の減少に歯止めが掛からない、そしてこれを放置すると我が国の産業立地競争力が低下をすると、もういろんな影響がございます。そのために、国が全面的に出る必要がある、そして国際コンテナ戦略港湾の競争力を強化するための施策を深化する、加速させるということが必要であると。港湾運営会社に対する国の出資というのは、このような取組を行っていくために不可欠なものだと考えての法案を提出させていただいたところです。
 この国による出資の意義と効果につきましては、まず、国際コンテナ戦略港湾の港湾運営会社の財務基盤が強化される、コンテナ船の寄港コストの低減に資する設備投資の促進が図られていく、さらにはまた、その背後地であるところの集貨ということに、相当、道路等々についても、これはこの法案の国の出資ということとの関連の部門ではありますけれども、国が全面的にそうしたことも強化してバックアップする必要があるというふうに思っているところでございます。
 そうしたことを構築する国と港湾管理者と民間事業者の一体の体制をつくっていくために、今回、港湾運営会社への出資ということをさせていただいて、強い港湾に向けてのスタートをしっかり切っていこうということが趣旨でございます。
○広田一君 今大臣の方から、我が国の港湾を取り巻く厳しい現状、その強い問題意識の下に国が全面的に出て強い港湾をつくっていくんだ、その決意が示されたわけであります。
 そして、その上で、今回の政府出資の意義といたしまして、財政基盤強化によるターミナル運営のための設備投資の促進と、国、港湾管理者、さらには民間による協働体制の構築等々の必要性といったものを意義として掲げられたわけであります。それに加えて、一行政区域を超えた広域集貨能力の向上、こういったことが政府出資の意義であるというふうに私も理解をするところでございます。
 このことを受けて、まずお伺いをしたいのが、そもそも政府が出資をすると、なぜこれまで以上に阪神とか京浜に貨物が集まってくるのか、ひいては、いわゆる国際競争力といったものが向上をしていくのか、政府出資と国際競争力向上との因果関係についてお伺いをいたします。
○副大臣(野上浩太郎君) 我が国に寄港します国際基幹航路を維持拡大するためには、国際基幹航路のまずは寄港に必要な貨物量を集めるということが大事であります。それから、寄港コストをそのために低減をするということが必要であります。さらには、航路誘致のために船会社に直接セールス活動を行うといったことも必要になってくるかというふうに思います。
 そういうことを展開するために、今お話にもありましたが、政府出資によって財務基盤を強化をして、そしてコンテナ船の寄港コストの低減に資する設備投資の促進が図られるようになるということですとか、あるいは、国、港湾管理者、また民間事業者の協働体制を構築することによって、全国からの貨物集約ですとか国際的なセールス活動に重点的に取り組むことが可能になるということだというふうに思っております。
○広田一君 今、野上副大臣の方から御説明がございました。確かに、船会社誘致のための国際的なセールス、これはかつて室井邦彦先生も政務官当時非常に取り組まれたということも承知をいたしております。また、全国から荷物を集めていくということの必要性も十分理解をできるわけでございます。
 そういった中で、ただ、因果関係といいますのは、原因と結果といったものが重なり合うことだと私は思っております。例えば台風が上陸をしたら、その結果、洪水が発生するというふうなことのように、この原因があってこの結果が導き出されるわけでありますけれども、今のお話を聞いて、なぜ政府出資をしたら、副大臣、今先ほど言ったような国、港湾、民間の協働体制といったものが構築されるのか、全国から荷物が集まってくるのか、この辺の関係がまだ私は明確ではないのではないかなというふうに思いますので、どうしてこの政府出資といったものが今御答弁になった結果をもたらすというふうに考えているんでしょうか。
○副大臣(野上浩太郎君) 例えば政府出資によっていわゆる寄港コストを低減するための設備投資が図られる、例えば高効率のコンテナクレーンなどが設置をされるということによりましてそれの効率性が高まるということがあります。それから、国際的なセールスを展開するというときには、やはり国の持っています全国的あるいは国際的なネットワークというものがございますので、そういうものが活用できるということもあろうかというふうに思います。
○広田一君 私も、先ほど来言っていますように、国が出資をしてそれぞれの会社に対して経営に関与していく、その際に船会社の誘致のための国際的なセールス、この国の信用をバックにして取り組むということ、これは私は非常に一つの効果があるのではないかなというふうに思いますが、ただ、この後ちょっと議論をいたしますけれども、政府出資の意義として、港湾運営会社の財政基盤の強化を通じて設備投資等を促進するというふうに述べられておりますけれども、これが果たしてそうなのかどうかといったことについて若干お伺いをしたいというふうに思います。
 具体的に、二十六年度の予算においてこの出資枠として十億円計上しているわけでありますけれども、この十億円の積算根拠は一体何なんでしょうか。
○大臣政務官(中原八一君) お話しいただきましたように、国際戦略港湾の港湾運営会社への政府出資に係る予算といたしまして、平成二十六年度予算におきまして十億円の予算措置を講じております。この予算につきましては、京浜及び阪神の両港に出資した場合に必要と見込まれる総額として計上いたしております。
 京浜及び阪神各港それぞれにおきまして現在経営統合の検討が進められておりますけれども、それぞれの港の出資額につきましては今後関係者と調整しながら決定をしていくことといたしております。
○広田一君 現在、京浜、阪神と協議をしているということでございますけれども、それではそれに関連してお伺いをしたいんですが、これは、この京浜、阪神、それぞれ経営統合して会社を設立していかなければなりません。でなければ政府出資はできないわけでございますけれども、阪神につきましては、本来であれば二十七年度の港湾運営会社の設立を目指していたということですが、政府出資がなされるということで、これを一年前倒しをして協議をしているというふうに理解をいたしております。一方で、京浜の方につきましては、この政府出資については寝耳に水であるといったような観点から、本当に二十六年度、この港湾運営会社が設立されるのかどうか疑問な点も出てあります。
 つまり、まずお伺いをしたいことは、このそれぞれの阪神、京浜における港湾運営会社の設立の見通し、スケジュールについてどのように認識をされているんでしょうか。
○大臣政務官(中原八一君) 京浜港及び阪神港における特例港湾運営会社の経営統合のスケジュールについてお尋ねがございました。各会社及び各港湾管理者において検討されるものと承知いたしております。なお、港湾運営会社の経営統合につきましては、委員お話しのとおり、京浜港につきましては平成二十六年度を予定しておりまして、また阪神港は平成二十七年度中の経営統合を国際コンテナ戦略港湾選定時に表明をいたしておりましたけれども、阪神港につきましてはこれを一年前倒しで統合する意向であると聞いております。
○広田一君 政務官、聞いているということでありますけれども、私がお聞きをしているのは、十億円の予算を計上をし、これをこの二十六年度、京浜、阪神に出資をするというふうに述べられているわけであります。その大前提が、先ほど何度も言うように、港湾運営会社の設立、これがなければ出資はできないわけでありまして、このまず見通しが立っているのかどうか、これは明確にする私は責任があるのではないかというふうに思います。
 現状、私自身が聞くにつけ、確かに阪神については、これは運営会社が設立される蓋然性が高いというふうに認識をしておりますが、京浜について私は必ずしもそうでないというふうに、まあこの後質問をいたしますけれども、認識をしております。
 どういった協議をされ、そしてこの会社設立に向けてどのような見通しを持っていらっしゃるのか、この点についてまず明確にした上で、じゃ、この十億円の出資といったものが一体何に使われるのかというふうな議論をしていかなければならないというふうに思います。これは大前提でありますので、これについて明確な答弁を求めます。
○大臣政務官(中原八一君) 京浜港につきましては、国際コンテナ戦略港湾選定時及び国際コンテナ戦略港湾政策推進委員会の場におきまして、平成二十六年度に経営統合する旨を表明いたしております。国土交通省といたしましては、経営統合が遅れるとの説明等は現在受けておりません。統合時期に変更はないものと認識をいたしております。
○広田一君 それでは、京浜については二十六年度に経営統合され、港湾運営会社が設立をされるというふうな見通しを持っているというふうに御答弁をしたわけであります。
 確かに、政務官が御答弁されたように、当時は、二十六年度の経営統合、また港湾運営会社の設立といったものを目指しているというふうに私も理解をしておりますが、その際には政府出資というふうな話はなかったことが前提だというふうに理解をいたしております。今回、この政府出資が出てきたことによって、京浜における経営統合と港湾運営会社設立についてのスケジュールについては、私は見直しを余儀なくされているのではないかというふうに思っておりますけれども、そうではなくて、今の御答弁だと二十六年度には設立されるということでありますので、その結果についてはこれは出てまいりますから、このことを踏まえてまた議論をしていきたいというふうに思っております。
 その上で、であるとすれば、この阪神、京浜それぞれ十億円の原資を使うということでありますけれども、この十億円、それぞれ分散をしてどういったことに使われる予定なんでしょうか。
○大臣政務官(中原八一君) 政府の出資金の直接的な使い道につきましては、例えば二個づりのガントリークレーンですとか無人のヤードの自動化など、革新的な荷役機械の導入に向けた技術的な検証を想定いたしておりまして、それに必要な額を計上しているところでございます。
 なお、具体的な出資額につきましては、経営統合後の港湾運営会社の資本構成等も踏まえて検討していくこととなっております。
○広田一君 そうすると、確認なんですけれども、本来この政府出資が行われる場合に、お話のございました二個づりのガントリークレーンの設置、私は、本体そのものに対して国が全面的に出ていくということであれば非常に理解ができます。しかしながら、お話だと技術支援、何かつまり研究開発も含めた技術支援というふうなことであれば、これのために政府出資をしていくということは説得力に欠けるのではないか、むしろそれをやるのであれば補助金でやった方が私は効果的ではないかなというふうに思うわけであります。
 これについての御見解と、あわせて、この技術支援といったところ、具体的に幾ら充てる予定なんでしょうか。
○大臣政務官(中原八一君) 先ほど申し上げました二個づりのガントリークレーンですとか無人のヤードの自動化ですとか、大変金額的に高価なものになりまして、そういう率的に高く出資の中から使うものについて技術的な検証をやっていくと、こういうことでございます。
○広田一君 具体的な金額が出ていませんけれども、数字は持ち合わせていないという理解でよろしいんでしょうか。
○大臣政務官(中原八一君) 現在、具体的な数字は持ち合わせておりません。
○広田一君 そうすると、確たる積算根拠もなくこの十億円というものを予算計上しているという理解でよろしいんでしょうか。
○大臣政務官(中原八一君) 先ほどから答弁させていただいておりますように、まずはこの機械の導入に向けた、かなり高額なものになりますので、まずはその技術的な検証をしっかりやっていくということに必要な額を計上させていただいているということでございます。
○広田一君 繰り返しになりますけれども、それに一体幾ら掛かるのかということの積算の数字はないという理解でよろしいんですね。
○委員長(藤本祐司君) どうですか、積算根拠。
○大臣政務官(中原八一君) 十億円というのは、そうした技術的な検証に要する具体的な金額が十億円ということでございます。
○広田一君 そうしたら、その内訳を示してください。
○委員長(藤本祐司君) 一旦ちょっと速記止めていただけますか。
   〔速記中止〕
○委員長(藤本祐司君) 速記を起こしてください。
○大臣政務官(中原八一君) 現在、具体的な資料が手元にございませんので、後ほど委員の方にお届けさせていただきたいと思います。
○広田一君 それでは、積算根拠については後ほど示していただくということで理解をいたしました。
 次に、今回、政府出資の十億円によって財政基盤の強化に資するというふうなお話でございますけれども、各埠頭会社の資本金を見ますと、阪神そして京浜、これをそれぞれ足し合わせたら三百億円を優に超える金額になります。これ専門家の方に聞いたんですけれども、資本関係でいえば、十億円の出資というものは資本規模と比較して財政強化には十分資するとまでは言えない、余り意味がないというふうに言っておりますけれども、資本面においてこの十億円の出資、しかもこれを先ほど中原政務官の御答弁ですと二つに分けるということでありますから、まさしく資本強化に資するというふうに言えるんでしょうか。
○大臣政務官(中原八一君) 具体的な出資額につきましては、経営統合後の港湾運営会社の資本構成等も踏まえて決定をさせていただくということでございます。
○広田一君 ただ、単純に申し上げて、もし阪神に十億円を出資するとしても、全体のボリュームからいうと三%にも満たないんです。この資本関係において、本当に財政基盤の強化に資するというふうに言えるんでしょうか。私は言えないというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
○大臣政務官(中原八一君) 再三あれですけれども、経営統合後の港湾運営会社の資本構成というものがどのようになるかというものが今現在はっきりいたしておりません。そういうものをしっかり見極めた上で国としての出資額については今後決定していくことになろうかと思います。
○広田一君 資本構成ということになると、今の、じゃ、それぞれの埠頭会社が持っている資本金といったものは前提にしないということなんでしょうか。
○委員長(藤本祐司君) 速記を止めていただけますか。
   〔速記中止〕
○委員長(藤本祐司君) 速記を起こしてください。
○大臣政務官(中原八一君) 済みませんでした。
 経営統合後の港湾運営会社の資本の規模、それから経営の、上下分離方式にするかとか、そういうものについては今後検討していくことになると思います。
○広田一君 済みません、上下分離方式というふうにおっしゃいましたけれども、それはどこを対象に考えていらっしゃるんでしょうか。阪神、京浜両方なんでしょうか、それとも阪神なのか。あと、上下分離方式というのは一体どういうふうな組織形態なんでしょうか。
○大臣政務官(中原八一君) 今、断定的に両港ともということは申し上げられませんけれども、今後の検討の中で可能性というものは排除できないと思います。
○広田一君 今後の可能性として協議をされるというふうなことでございますけれども、これ、皆さん、本当に聞いてみて、十億円出資するこの積算根拠は一体何なのかという質問について、その内訳もよく分からない。さらには、この資本関係において、各会社に対してどういったような出資の形態を取ってやっていくのかということについてもまだよく分からない。非常に不透明なところが非常に多いというふうに言わざるを得ません。そういったことを指摘をさせていただきたいというふうに思います。
 今後、それぞれ阪神、京浜に対しまして、まあ私は京浜は現状では非常に難しいのではないかなというふうに思いますけれども、阪神を中心にして政府が出資をするということ、これは私は賛成であります。だからこそ、今の例えば神戸の埠頭会社の財務内容等々もしっかりと分析をして対応をしていただきたいと思います。一緒に合併する大阪の方も、様々な今の神戸の経営状況等々も踏まえながら対応していかなければならないというふうに思います。そういったことを踏まえて恐らく上下分離の話も今検討されているんだろうというふうに思いますので、今の神戸と阪神のそれぞれ埠頭会社の経営状況について、どういった基本的な認識を持っているんでしょうか。
○大臣政務官(中原八一君) 神戸港につきましても大阪港につきましても、健全な運営が現在なされております。
○広田一君 特に神戸については、その根拠を示してください。
○委員長(藤本祐司君) 速記止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(藤本祐司君) 速記を起こしてください。
○大臣政務官(中原八一君) 後ほどまた委員の方に説明させていただきたいと思います。
○広田一君 神戸は、当期の純損失かなり出しているというふうに思います。私は、健全な経営がされているかということについては分析がより一層必要だということは指摘をさせていただきたいと思いますし、皆さん、非常に申し上げにくいんですけれども、政府出資をして、これから国が主導してそれぞれ阪神、京浜の港湾運営に携わっていくというのが皆様方の方針なはずであります。その対象となる会社の財務内容もよく分からない、経営状況についても分からない、十億円の出資をする積算根拠についても十分な答弁ができない。本当にこれで国が、大臣が冒頭申し上げたように、前面に立って取り組んでいくということが言えるんでしょうか。私は甚だ疑問に思ってしまいます。
 それでは、引き続き、これらに関連をして御質問をさせていただきたいというふうに思いますけれども、また、今回の政府出資の意義といたしまして、国、港湾管理者そして民間の協働体制といったものを構築をする、このことが国際競争力に資するんだと、こういったことでありますけれども、これに関連してお伺いをいたします。特にこの三者の協働体制といったものを構築をするためには、それぞれのまず連携といったものが非常に重要になってくるというふうに思っております。これについてまず大前提としてお伺いしたいのは、今回のこの政府出資について、それぞれの港湾管理者についてはどのような要請がなされたんでしょうか。
○大臣政務官(中原八一君) 国際コンテナ戦略港湾政策推進委員会におきましては、国の出資制度に関し、関係する港湾管理者から広く意見を聴取してまいりました。具体的には、国際コンテナ戦略港湾政策を国と一体となって早急かつ強力に進めるためには国による相当の支援が不可欠でありまして、港湾運営会社に対する国の出資を強く要望する、また、国際コンテナ戦略港湾政策について国が前面に出るべきものである、また、国が出資することにつきましては港湾管理者等に十分に説明を行っていただきたいといった要請が出されたところでございます。
○広田一君 じゃ、それぞれ踏まえて、東京都以外は政府出資については積極的という、こういう理解でよろしいんでしょうか。
○大臣政務官(中原八一君) 済みませんでした、今、ちょっと御質問が聞こえなくて。
 国際コンテナ戦略港湾政策推進委員会におきまして、議論の内容につきましては個々の発言者は非公開とする取扱いとさせていただきました。
○広田一君 そこの、どういった議論がなされていて、個々それぞれがどういった発言をされていること、これは非公開ということも私は一定理解をいたします。
 しかしながら、先ほど言いましたように、国、港湾管理者、民間の協働体制を構築するということが政府出資の意義であるというふうに申されているわけでありますので、その大前提として、港湾管理者等々が今回の国の出資についてどのような評価をしているのか。私の理解は、東京都以外はそれぞれの港湾管理者は政府の出資については前向き、積極的に捉えられているというふうに理解をしておりますけれども、そういった私の理解でいいのかどうかということの確認の意味での質問であります。
○国務大臣(太田昭宏君) 東京以外はそうだと言いますが、東京都も、今回のこの法案で示している港湾を強くする、そして創貨、集貨、競争力強化という三本の柱ということについては全く同じ、同意の中で話合いが進んでいるということでありますものですから、東京都だけが別の考えではございません。同じ考え方で今回の港湾法改正ということに対して注視をしているところだと思います。
○広田一君 このように大臣答弁されているわけでありますが、例えば昨年の十二月十日の東京都議会の経済・港湾委員会の議事録を見ますと、質問に対しまして都側の答弁は、中間取りまとめでは、民の視点とは逆行するとも考えられる港湾運営会社に対する出資を検討することが突如公表されたとか、国は経営統合する港湾運営会社に対し三分の一超を出資し、筆頭株主になることを突如表明したと御答弁をされております。結論はどうかは分かりませんが、つまり東京都はこれは寝耳に水だというふうに言っているわけでありまして、私は、この政府出資というのは国の港湾政策の大転換だというふうに思っております。
 私は、対東京都に限っては、この問題、確かに大前提は大臣おっしゃるように問題意識共有しているというふうに思いますけれども、しかしながら、事政府出資については、私は、意思疎通不足、連携不足というふうなことが、この都議会でのやり取りを見たときにそのように思わざるを得ないんですけれども、この点についてはいかがでしょうか。
○大臣政務官(中原八一君) 国土交通省では、国際コンテナ戦略港湾政策推進委員会等の場におきまして、国際コンテナ戦略港湾の港湾管理者や港湾運営会社を含む関係者に対しまして、国際コンテナ戦略港湾の港湾運営会社への国出資の意義や効果について説明をさせてきていただいております。東京都につきましても、国際コンテナ戦略港湾の国際競争力の強化を図る必要性については共有をいたしており、また、今回の法改正の趣旨及び改正内容については反対しているものではないと認識をいたしております。
 国土交通省といたしましては、港湾運営会社に対する国出資は、国、港湾管理者、民間それぞれの強みを生かしたオールジャパンの体制を構築するために必要なことと考えており、引き続き関係者との調整をしっかりと進めてまいりたいと考えております。
○広田一君 政務官の御答弁の最後のところは、私はもうそのとおりだと思っております。
 ただ、であるならば、なぜこのような答弁を都議会の経済・港湾委員会でそれぞれ突如公表されたというふうな言い方をしてしまうのか。確かに、双方の言い分、これはあろうかというふうに思いますけれども、我々は、やはり議会においてどういった議論をされているのかということを踏まえて、本当に政府と東京都の方がしっかりとした意思疎通ができているのか、連携をしているのか、こういったところについても認識をしなければなりませんし、都議会各党の議員さんの発言を読んでも、非常に私は、東京都というのはこの国の出資については慎重な立場を取られているのではないか、こういうふうに理解をするわけであります。
 極め付けは東京都の舛添知事なんですけれども、三月四日の都議会本会議で、自民党の都議会幹事長への代表質問の答弁で、港湾運営を主導するような国の出資は到底容認できないと、こういうふうに答弁をされているわけであります。確かに、出資というふうなことについては一定容認するものの、国が主導するような出資というものは認められないというふうなことであります。
 こういった事柄を含めて、確かに、繰り返しになりますが、後段の部分の、政務官のより一層協調して連携していかなければならないという趣旨の御答弁、そのとおりだというふうに思いますけれども、しかしながら、必ずしも、逆に言えばそれができてない状況について私は強く懸念をするところでありますので、より一層連携を密に取っていただくように取組をしてもらいたいというふうに思いますけれども、改めてこの点に関しましての御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(太田昭宏君) 東京都の選出の都議会議員の中にもいろんな意見がございます。それが議会の場で出されたり、あるいはまた国会の中でも懸念が出されたりという、それは現実にはあります。ありますが、基本的にはこの法案で志向する強い京浜港にすると、そして集貨、創貨、競争力強化という三点については、その方向でやるということについては、私も直接、舛添知事にも、また当時の猪瀬知事にも確認をしていることであり、また、いろいろ意見を申される議員との間でもそういう話合いはされております。
 その上で、この主導という言葉がこの間の議会で使われているわけでありますけれども、これについてもよく話合いをさせていただきたいと。強引に国が全部仕切っていくということのそのニュアンスの話については、知事からも私と話合いの中で確認をされているところであり、これから、広田先生むしろ心配をされているというふうに思いますけれども、そうしたことの払拭ということが大事でありますので、更に東京都とはよく議論を詰めていきたいというふうに思っているところです。
○広田一君 今大臣が御答弁をされましたように、強い港湾を京浜、阪神で造っていく、これは論をまたないわけであります。そのためには、やはり国、港湾管理者、民間、この三者が三位一体なのか三本の矢かどうか分かりませんけれども、これはしっかり連携、協調していかなければならないと思います。
 いみじくも、東京オリンピック誘致が実現をいたしました。このように、やっぱりチーム・ジャパンで世界と戦っていかなければならないというふうに思いますし、その際、東京とやはり国というものは、これは一つの大きな車の両輪になるわけでございますので、この点に対しての協調ができるように是非とも取組を進めていただきたい、このように思うところでございます。
 それでは、時間も限られてまいりましたので、集貨についてお伺いをしたいところでございますけれども、これは飛ばしまして……(発言する者あり)今、赤池理事の方からもアドバイスがございましたけれども、今回の東日本大震災、これを教訓にした港湾における防災・減災の取組についてお伺いをしたいと思います。これは先ほど酒井委員の方からも御指摘があったところでございます。
 これについては資料も付けさせていただいております。これは高知県が出している資料でございますけれども、今回、南海トラフ巨大地震でありますが、今後三十年以内での発生確率といったものが七〇%と言われております。よって、この関係の住民の皆さん、いつ地震が来るのか戦々恐々、津波の脅威等も含めて刻々と増しているというふうに思います。この地震が発生をすれば、太平洋側においては、大規模津波による被害に加え、液状化や地殻変動に伴う海岸堤防などの沈下、倒壊によって浸水被害が発生することが想定をされております。
 付けさせていただいた資料を御覧をいただきたいと思います。南海地震直後の高知市ということでございます。この下の写真が現在の高知市でありますけれども、昭和の南海地震でさえ、このように浸水地域が発生をして甚大な被害が起きました。自分の今住んでいるのも高知市でございますけれども、恐らく県庁所在地でこのように長期浸水に見舞われるのは高知市だけではないかなというふうに思います。現状、津波が来ますと、二千八百ヘクタール、一か月半の長期浸水、十三万人の長期避難を余儀なくされることが想定をされているわけであります。よって、浸水被害の最小化であるとか長期浸水の防止のためには、防潮堤や防波堤等の整備とか強化が必要不可欠であります。
 避難対策と併せてソフト、ハードの取組も推進をしていかなければなりません。これについては与党、野党関係ない問題であり、実際、民主党政権時代にも、私自身、当時の室井政務官のけつをたたきながらこの問題、あっ、けつをたたいたわけじゃなくて、室井政務官の御協力をいただきながらこの問題にも取り組んできたところでございます。よって、この対策を進めるためには非常に莫大な予算が必要でありまして、国の積極的な支援が求められること、これも酒井委員の方からも御指摘があったとおりでございます。
 ただ、一方で、国自身も非常に危機的な財政状況でありまして、防災・減災もしなければならない一方で、インフラの老朽化等々の取組もしていかなければなりません。非常にまさしく難しいかじ取りが求められているというふうに思いますけれども、こういったことを踏まえまして、この東日本大震災を教訓にした港湾、海岸、河川における防災・減災の現状と課題、今後の取組について御所見をお伺いをいたします。
○副大臣(野上浩太郎君) 今御指摘ございましたとおり、東日本大震災からの復旧復興とともに、やはり震災の教訓を生かして、首都圏直下地震ですとか南海トラフ地震等に対する防災・減災対策を講じることは極めて重要な課題だと認識をいたしております。
 このため、港湾におきましては、地震・津波被害から後背地を防護することに加えまして、海上物流ネットワークの維持の観点から防波堤や防潮堤における粘り強い構造の導入、それから港湾における避難対策の検討等、ハード・ソフト対策を総合して取り組むことといたしております。
 今、先生からお話のありました高知港海岸等におきましては、南海トラフ地震津波対策として、高知市街地への被害を最小化するために、平成二十五年六月でありますが、四国地方整備局と高知県が連携をいたしまして、まずは第一線防波堤、それから浦戸湾の外縁部、それから港湾内の堤防による三重防護の方針を取りまとめたというところであります。このため、第一線防波堤につきましては昨年度から港湾機能の維持にも資する粘り強い構造への補強に着手をしておりまして、今年度も引き続き事業を推進してまいりたいと思います。
 また、浦戸湾の対策につきましては、今年度より国費で四国地方整備局において調査検討を実施する予定でございますが、このような教訓を捉えたものにつきましてしっかりと進めてまいりたいというふうに思います。
○広田一君 今、野上副大臣の方からるる御説明がございました。こういった基本的な、御答弁されたような方針に基づいて、是非とも整備、推進に取り組んでいただきたいというふうに思います。
 そういった中で、繰り返しになりますけど、国も厳しい財政状況でございます。このことを踏まえると、やはり国交省全体の予算配分の在り方、これをまず大胆に見直すことによって、今まさしく何に重点的に取り組んでいかなければならないのか、こういった事柄についても議論を進めていただくように強く要請をいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
 どうも失礼しました。どうもありがとうございます。
○河野義博君 公明党の河野義博でございます。
 まずは冒頭、韓国での客船事故に関しまして、心よりお悔やみを申し上げます。
 本件に関しましては、酒井委員、また広田委員から御質問をいただきましたので、私の方からは割愛をさせていただきまして、今後しっかり韓国政府とも連携を取っていただきまして、支援の依頼があった場合には機動的に対応ができる、そういった体制を整えていただきますことをお願いを申し上げまして、私は質問に移らせていただきたいと思っております。
 まず、太田大臣に、港湾政策の経過と現状に関して伺います。
 我が国の産業競争力強化のために港湾政策は大変重要な課題でございます。公民一体となって国際戦略港湾の競争力を強化していく、選択と集中を行っていく、そういった趣旨での本改正案については、私は賛成の立場でございます。
 平成十六年から開始されたスーパー中枢港湾政策や平成二十二年度からの国際コンテナ戦略港湾政策へと様々な施策を打ち出してまいりまして、港湾コスト二割削減、また、リードタイムを短縮するなど、一定の成果を上げてまいりました。一方で、お隣の韓国が国策で釜山港を大規模に整備をいたしまして低価格でのサービス提供を実現した結果、日本の荷物が大量に韓国に奪われているといったことも事実でございます。
 これまでの政策に足りなかったところは何なのか、十分に分析をした上で次の手を打っていくべきだと考えておりますけれども、まずは大臣の認識をお聞かせください。
○国務大臣(太田昭宏君) 今御指摘のとおりで、ハード整備を十分めり張りを付けてこなかった結果、大水深岸壁の整備など、非常に中国、韓国に大きく後れを取ったということがあります。十八メートルという水深のところは、今横浜に造っているというのが最初、ほかはないんですね。神戸が十六メーターが四バースあるということなんですが、ほかの国に比べまして、本当にこれ自体が後れているということがあります。
 また、我が国では、この港湾管理者が地方自治体ということに任せられている歴史的経過というものがございまして、これらの他の国が、国が前面に立ってそういう整備をする中で非常に安く受け入れるという体制ができたんですが、国が前面に立っていないということもありまして、港湾の競争力を劣化させたということがあろうと思います。
 それから、集貨と創貨ということを言ってきましたが、この辺の集貨の体制自体が国内での、これはリーダーシップといいますか、あるいはバックアップといいますか、そういうものが足りなかった、貨物需要の創出等の創貨への取組も不足していた、これらのことが後れを取ってきた原因等であったと思います。
 神戸等は地震自体がもう大変なことになって、一度そこを離れるとなかなか戻ってこないということもあるわけで、そういう面では日本は特に耐震ということ、地震対策ということについては強化していかなくては安心して体制ができないということもあろうというふうに思います。これらの原因というものはそのまま結果として現れていることでありますものですから、それらを一つ一つ克服していって、そして国際競争力のある港湾にしていくということが今喫緊の課題だろうと思います。
 また、阪神と京浜だけにということで、どうしても力が行くということを逆に心配をされている全国の各都道府県の港湾というのがあろうと思いますが、そこもそれぞれの個性というものをどう発揮するかという、バルク港湾にしましても、小名浜に今度そこをスタートを切らせていただきますと、この水深を深くすることによって三分の二ぐらいの石炭を揚げる場合でもコストになるという劇的な変化を見せるというようなこともありますものですから、それぞれの港湾の特徴というものをより一層バックアップしていくということが私は大事だというように思っているところです。
○河野義博君 国が前面に出ていただく、そしてまずは京浜と阪神で成功事例をつくっていくんだ、そういったお考えと伺っておりますので、引き続き大臣のリーダーシップを地元の声を聞いていただきながら、また民間の手法を取り入れながら推し進めていただきたいと考えております。
 続きまして、港湾コストの現状認識等、コストの低減に向けた取組に関しまして伺います。
 最大の課題は、言うまでもなくアジア近隣諸港に比べて我が国のコンテナ船の寄港コストが劣っているということでございます。国交省のヒアリング結果を伺いますと、京浜港が一〇〇とした場合、釜山港は六〇で揚がってしまう、このコストが一〇〇対六〇であると。我が国のコストが相対的に高止まりしているという理由をどのように分析しておられるのか。
 また、スーパー中枢港湾政策によって港湾コストが二割削減できたという数字がございますけれども、この二割削減というのは、取扱いの一個一個の手数料が下がったということではなくて、集貨の結果、取扱量が増えた結果、相対的にコストが二割下がったといったコスト、コンテナ一個当たりの単価が下がったというわけでございます。
 今後、抜本的に対策を考えなければ、近隣港、特に釜山港への流出にこれは歯止めが掛からなくなってしまうと、私、危惧をいたしているところでございますけれども、今後、どのように港湾コストを低減を図っていくのか、また、釜山港に比べて、一〇〇対六〇と言われている釜山港に比べて、どこまで我が国はコストダウンを目指していくのか、具体的な目標に関してお聞かせください。
○政府参考人(山縣宣彦君) お答えいたします。
 釜山港と我が国の港湾コストの差が生じている要因でございますけれども、コンテナを一度に二個取り扱うなどの高能率な荷役機械の導入とか、あるいは大量のコンテナを一度に扱うことによりますスケールメリットといったこともございまして、釜山港におけますコスト低減に向けた施策によるものというふうに考えてございます。こういった取組を釜山の方でやっているということでございます。
 また、釜山港の取扱貨物の約半分が中国あるいは日本の貨物の積替えで占められてございまして、特に中国北部などの港の港勢に対抗するために、釜山港自身が港湾コストの低減にひときわ力を入れているといった事情もございます。
 今後の国際コンテナ戦略港湾におけます港湾コストの低減の方法ということでございますけれども、まずは港湾運営会社が行う集貨事業への支援をしっかりとさせていただきたいと思いますし、また港湾運営会社に対する岸壁、荷さばき地等の国有港湾施設の低廉な価格による直接的な貸付け、直接貸付けを行う、それから、国出資によりまして財務基盤を強化し、港湾運営会社によります高能率荷役機械の導入を図っていくと、こういったことによりまして更なるコスト低減を図ってまいりたいと考えております。
 こうした取組を総合的に進めますと、釜山港並みの、先ほど先生の方から一〇〇対六〇といった話もございましたが、釜山並みの港湾コストの達成というものを目指してまいりたいと、このように考えてございます。
 以上です。
○河野義博君 釜山並みのコスト軽減達成という力強いお言葉でございましたので、是非実現をしていただくようにお願いしたいと思っております。
 続きまして、港湾における民の活用、その効果と検証に関して伺います。
 港湾の民営化については、平成二十三年の港湾法改正によりまして港湾運営会社制度が創設され、京浜、阪神地区の五つの特例港湾運営会社で、平成二十三年から二十五年にわたって民間企業から代表取締役を招聘いたしました。
 この一連の民営化、民の経営手法を導入したことによって、国際競争力向上に向けて現在までどのような成果が出されたのか、政府の認識を定量的、定性的、併せて具体的にお示しいただきたいと思っております。
○政府参考人(山縣宣彦君) お答えいたします。
 国土交通省では、平成二十三年度の法改正以降、二十五年度までに全ての国際コンテナ戦略港湾におきまして特例港湾運営会社の指定というものを行ってございます。この特例港湾運営会社では、民間人社長の登用によります迅速な意思決定、あるいは民間資本の導入による経営のチェック、そして民間の機動的な経営方式の導入など、民の視点を生かした効率的な港湾運営がなされてございます。
 具体的に申しますと、神戸港埠頭株式会社のポートセールスの訪問件数につきましては、平成二十三年度で二百七十七社ありましたけれども、二十五年度には六百四十一社に倍増しております。加えまして、国からの岸壁等の行政財産の直接貸付けあるいは荷役機械への整備に対する無利子貸付け等によりまして、例えば神戸港におきまして、コンテナターミナルのリース料でございますけれども、これが平成二十二年度に比べて現時点で約一五%低減するといったような定量的な成果も上がっているところでございます。
 以上です。
○河野義博君 現時点で国が出資をしておりませんので、なかなかつまびらかに状況を把握する、定性的にも定量的にも把握するというのは困難なのかもしれませんけれども、今後、国が出資を検討しているわけでございます。招聘しております代表取締役、拝見しますと、この五人の方々、いずれも民間企業の中で恐らくは半期、四半期で結果を出していくことが求められている立場におられて、もう二年もたっていれば恐らく相当な実績が上がっておられるのではないかなと推測をする次第でございます。今後、しっかりと実態把握をしていただいて、協力をしていただきたいと心からお願いをいたしまして、次の質問に関連して移ります。
 国際戦略港湾の事業計画に関しまして、本法案の四十三条にて、政府が出資している国際戦略港湾の港湾運営会社に対して事業計画の提出が義務付けられ、政府が継続的にチェックすることとされております。具体的にこれどのように検証をしていくのか、その方針に関しまして説明をいただきたいと思っております。
○政府参考人(山縣宣彦君) お答えいたします。
 今般の港湾法改正案では、政府が出資しております国際戦略港湾の港湾運営会社につきましては、毎年度、年度開始前にその事業年度の事業計画及び収支予算を作成し、国土交通大臣に提出しなければならないということになってございます。また、毎事業年度経過後三月以内に、当該事業年度の事業報告書のほか、貸借対照表、損益計算書を作成いたしまして、国土交通大臣に提出しなければならないというふうになってございます。これらの規定によりまして、港湾運営会社の港湾運営が政府の出資の目的でございます国際コンテナ戦略港湾の国際競争力の強化に資する適切なものとなっていることを国土交通大臣が確認することとなってございます。
 また、国土交通大臣は、例えば港湾運営会社が当初の事業計画を達成できないような場合には、この法律の第五十六条五第二項の規定に基づきまして、港湾運営会社からの報告を徴収することが可能となってございます。さらに、必要に応じまして、法第四十三条の十七の規定によりまして監督命令を行いまして、その是正を求めることが可能というふうになってございます。
 国土交通省といたしましては、港湾運営会社に対する出資とそれに伴うこれらの規定を活用いたしまして、国の政策意図を港湾運営に反映させ、我が国港湾の国際競争力の強化を図ってまいりたいと考えております。
 以上です。
○河野義博君 私は、前職時代、事業投資をやっておりまして、株式投資や会社合併、吸収を数多くやっておりましたが、民間企業では、投資をしますと四半期ごとにその実績対比の報告が求められまして、その評価は厳しくなされるといった状況でございました。ただ計画をもらってそれを見て評価するのではなくて、その事業計画の段階から是非とも入っていただいて、一緒に計画を立てて、その計画に何が足りなかったのか、実績として上がらなかった理由は何なのか、厳しく責任感を持って、まさに一体となって取り組んでいただきたいと思っております。
 続きまして、九州北部港湾の役割とその位置付けについてお伺いします。
 冒頭申し上げましたとおり、国際コンテナ戦略港湾として、国内の二港のまず成果を上げていくんだ、そこに集中していくんだという方針に関しまして、私は賛成でございます。一方で、戦略港湾に選ばれなかったところ、具体的には私の地元、北部九州の博多港、北九州港含む九州北部港湾を始めとしまして、他の委員の御地元も様々今までもございましたけれども、他の港もどう取り扱っていくのか、ほかの国内港の重要港湾もきめ細かくフォローしていく必要があると考えております。
 博多港では、昨年九月までは実際に欧州航路が就航して博多港に寄港しておりましたけれども、採算ラインと言われております千個のコンテナの取扱い、それに対しまして五百ないし六百まで低下したというため廃路になったという残念な結果もございます。
 私は、九州北部の港には、太平洋側の大地震が発生した場合にはバックアップ機能も有するなど重要な役割も有していると考えております。そういった観点から、今後、九州北部港湾の位置付け、また国としてどのように支援していくべきと考えておられるのか、政府の方針を伺います。
○政府参考人(山縣宣彦君) お答えいたします。
 博多港あるいは北九州港を含みます北部九州の港湾でございますけれども、九州地方におけます自動車産業の集積、あるいは東アジアとの近接性といったような特性を生かした九州地方におけます拠点港湾といたしまして、完成自動車輸送や対岸貿易の拠点などとして重要な役割を果たしてございます。さらに、これらの港は、逼迫する南海トラフを震源とする大規模地震・津波発生後、甚大な被害を受ける太平洋側地域への支援物資等の緊急物資における支援側の拠点港湾としての役割も期待されているところでございます。また、博多港でございますけれども、東アジア地域との海上輸送の準国内化に対応するために、国際ローロー航路、あるいは国際フェリー航路の充実など、独自の取組が進められてございます。
 国といたしましても、港湾管理者等と連携をいたしまして、九州地方の立地産業や港湾の特徴、個性を生かした取組、事業に対しましてしっかりとした必要な支援を行ってまいりたいと考えております。
 以上です。
○河野義博君 ありがとうございます。是非、京浜、阪神以外の港にもきめ細かくフォローをしていただきたいとお願い申し上げます。
 続きまして、先ほどのバックアップという点でもう一点。
 御答弁いただきましたように、大規模災害への対策も大変重要でありまして、そこで、政策の現状と今回の改正案で関連する無利子貸付けについて説明をいただきたいわけですが、平成二十五年の港湾法改正と同時に行った方が防災・減災対策という面において効率的ではなかったのかと正直実感するわけでございますが、前回の港湾法改正では措置をされず、今回の改正で措置をされることになった理由というのは何なんでしょうか。また、無利子貸付けの対象区域は今後省令で規定するということになっておりますけれども、耐震強化岸壁に至る航路沿いの護岸等とする区域は印象として大変広いような印象を受けるんですけれども、この考え方に関しましても併せて御説明をいただきたいと思っております。
○政府参考人(山縣宣彦君) お答えいたします。
 平成二十五年の港湾法の改正では、民有護岸等の維持管理状況につきまして港湾管理者が立入検査等を行う制度を新たに創設いたしまして、適切な維持管理と老朽化対策を促すこととしたところでございます。
 一方、昨年十二月に国土強靱化政策大綱が決定されまして、コンビナートの防災対策等について取組を求められました。また、資源エネルギー庁におきましても製油所の災害対応力を強化する取組が進められていることを踏まえまして、港湾におきましても航路機能の確保に向けた一層の対策が必要と認識したところでございます。このため、今般の港湾法の改正におきまして、民間事業者の所有する護岸等に対します無利子貸付制度を新たに創設したところでございます。
 また、無利子貸付けの対象区域でございますけれども、非常災害時におけます緊急物資等の輸送の確保及びサプライチェーンの強化を推進するという観点から、災害時に特に船舶の交通を確保する必要のある航路沿いの民有護岸等を対象としてございます。
 今後とも、民間保有施設に対する監督制度と支援制度を適切に組み合わせまして、民間事業者に対する護岸等の改良を促してまいりたいと考えております。
 以上です。
○河野義博君 ありがとうございました。
 民間にも広く周知をしていただいて、使い勝手のいい制度にしていただければと思っております。
 続きまして、我が国の港湾政策の抱える課題というのは非常に多岐にわたっておりまして、複雑な面もございます。国際コンテナ戦略港湾政策の推進委員会が最終的な取りまとめを出されたばかりでございますが、より一層関係省庁と連携が大切と感ずる部分も多々ございます。さらに、最終取りまとめにある指摘や改善点といった点に関しましては、ここ一年、二年では結果がすぐ出ないような内容も含まれております。
 既に船舶の大型化は進んでおりまして、大臣の先ほどのお話でもありましたけれども、十六メートルバースでも対応できなくなる、そういった事態はもう目に見える形で迫ってきているわけでございます。
 こういった様々な状況についてどのように対応していくお考えか、当局の御答弁をいただきたいと思っております。
○政府参考人(山縣宣彦君) お答えいたします。
 本年一月に取りまとめられました国際コンテナ戦略港湾推進委員会の最終取りまとめにおきましては、おおむね五年後、あるいは十年後の政策目標を定めておりまして、国としては、まずはこの政策目標を達成すべく必要な施策を総動員してまいりたいというふうに考えております。
 一方で、先生御指摘のように、コンテナ船の大型化など、コンテナ物流を取り巻く情勢は刻々と変化してございますので、国としてもこれに後れることなく必要な対策をしっかりと打っていく必要があるというふうに考えております。
 例えば、御指摘のような船舶の大型化に対応するために、まずは今後の国際基幹航路に就航するコンテナ船の主力となる一万四千TEU、一万四千個積みクラスの船舶に対応した水深十六メーターの岸壁の整備を進めているほか、横浜港では、更なる船舶の大型化に対応すべく、水深十八メーター岸壁の整備を進めているところでございます。
 今後も、世界の海運、港湾を取り巻く状況を的確に把握いたしまして、我が国の港湾の国際競争力強化のための取組を鋭意進めてまいりたいと考えております。
 以上です。
○河野義博君 是非、国土のグランドデザインと同様に長期の港湾政策のビジョンを持っていただき、長期ビジョンを持ちながらも機動的に対応していただきたいと思っております。よろしくお願いします。
 最後に、太田大臣に伺います。
 私は、我が国が強みを生かして国際競争の中で決して負けない総合的な港湾政策を進めていただきたいと考えておりますけれども、最後に御決意を伺って、質問を終わらせていただきます。
○国務大臣(太田昭宏君) 来年、パナマ運河が拡張されます。シェール革命というのはエネルギー需要の世界の状況を激変させるという状況でありますが、ツールとしてパナマ運河の拡張というのは相当大きな衝撃を与えてくると思います。
 一方、北極海航路、これ今、温暖化ということもありますが、四か月ぐらい就航できるということになっておりますが、それが動き始めてロシア・ファクターというものが非常に大きくなってくるということになりますと、物流がかなり変わってきます。
 その上に、これから十年、二十年たっていきますと、インドや中東というところがますます大きな位置を占めるように、人口も含めて、なってくると思います。このエネルギーということがかなりの要素を占めるんですけれども、これがどういうふうに展開してくるか。
 そして、人口ということにかなり比例してくると思いますが、物流という、集貨と、貨物ということについてどういう展開になるかということを考えますと、シンガポールなどに去年行きましたけれども、今でさえシンガポールは日本よりはるかにすごい港になっているんですが、それを全部やめちゃって、違う方に今全く新しい巨大な港を造っているという光景を見まして、ある意味では、これではもうとてもじゃないけれども、今、釜山やシンガポールや上海と言っていますが、その釜山やシンガポール自体が次に向かってもっと大きな要素を占めようとして動いているということを、相手が止まっているならばいいんですけど、相手が動いている中でどう相対的に負けない港を造っていくかということについて、私はこの法案を機にして、まず追い付くというところまでは持っていかなくてはならないし、その上に、二十年後、三十年後の日本を考えますと相当戦略的に持っていかなくてはならないというふうに思っています。
 各地方がまちづくりということで各都市が新しく展開する中に、港をどう位置するか、何をそこに配置をしながら、そこに何を輸出をしたりというようなことをしていくのかということもまた変わってくるというふうに思いますので、このコンテナ戦略港湾というものを集中させると同時に、各個性のある日本の港というものをどう造っていくかという本当にスタートにしていかなくてはならないと強く決意をしているところでございます。
○河野義博君 ありがとうございました。
○委員長(藤本祐司君) 午前の質疑はここまでといたします。
 午後二時十五分に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時四十三分休憩
     ─────・─────
   午後二時十五分開会
○委員長(藤本祐司君) ただいまから国土交通委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、港湾法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○田中茂君 みんなの党、田中茂です。
 まず、昨日ですか、沖ノ鳥島、最後の不明者が発見されたというニュースを聞いたんですが、あれは確かなんですかね。今、身元を何か確認しているという話なんですが、もし仮にその行方不明者であれば、改めてお悔やみを申し上げたいと思います。
 次に、韓国の、先ほどから質問皆さんやっていらっしゃいますが、韓国、大変な海難事故でありますが、多くの高校生犠牲になり、大変な惨事になりつつあると思います。一人でも多くの方が救出されることを強く望んでおります。
 また、日本においても、国交省の方で大型客船会社に対してかなり安全運航についての厳格な指示をされたとも聞いております。ただ、今回、もうそろそろゴールデンウイークにもなりますし、そういう意味では交通機関全般にわたって安全管理、安全運行についての徹底を再度やっていただきたいと、そのように思っております。
 それでは、質問させていただきます。港湾法を一部改正する法案につきまして質問をいたします。
 先ほど来から各委員の皆さんから質問がありましたが、極めて大事な点なので、もう一度私の方からも質問させていただきます。災害時に対応するためのバックアップ体制であります。及びBCP、すなわち事業継続計画についての質問をさせていただきます。
 災害時に対応するための港湾相互及び被災地以外を含めた広域的なバックアップ体制の構築が急務であると考えられます。特に阪神・淡路大震災により神戸港がその国際的地位を失う大きな要因となったところでありますが、首都直下型地震や南海トラフ地震など最悪のシナリオを考慮し、広域的なバックアップ体制の構築やBCP、事業継続計画の作成等が必要と考えますが、国の取組をより詳細にお聞かせいただきたいと思います。
○大臣政務官(中原八一君) 委員ただいま御指摘をいただきましたとおり、国際的な港湾物流戦略を進める上で災害時に備えた対策をあらかじめ講じておくことは非常に重要であると認識をいたしております。
 阪神・淡路大震災によって世界における神戸港の相対的地位が低下をいたしました。そうした教訓も踏まえ、国際コンテナ戦略港湾におきましては、岸壁の耐震化や免震ガントリークレーンの整備を着実に進めているところでございます。
 また、昨年の港湾法改正に基づいて、災害時における港湾相互の広域的な連携を図るために、東京湾、伊勢湾、大阪湾の三大湾におきまして今年の三月に港湾広域防災協議会を設置いたしまして、災害時のシナリオや復旧に向けた役割分担、行動計画を定めた事業継続計画、BCPを策定していくこととしております。
 このように国際コンテナ戦略港湾政策を進める上でも防災対策が重要であるとの認識の下、ハード対策のみならずソフト対策を含め、総合的な対策を進めてまいりたいと考えております。
○田中茂君 ありがとうございます。
 ただ、京浜港、阪神港、共に過去に大きな地震があったところでもあります。そういうところでまた再度こういう戦略港湾を造るということですので、何とぞ、南海トラフ地震があると言われておりますので、その辺を、明確なリスク及びクライシスマネジメントを徹底させるようにお願いしたいと思っております。
 次に、質問させていただきます。
 次の質問は、政府の出資に対する東京都の見解及び国際コンテナ戦略港湾政策への影響についてでありますが、先ほど広田委員の方から質問がありましたので、これは割愛させていただきます。
 ただ、私の方から一言言わせていただければ、国際戦略港湾の競争力を強化するために、国、港湾管理者及び民間が三位一体となって構築を図る、そのようになっております。そういう中で、仮に、現場の実態を熟知した東京都、そして、まさに現場の第一線で働く、活躍していらっしゃる方々の声も聞くと、そういうことは極めて大事だと思いますので、そういう形で、是非とも東京都が参画できるような形で、オールジャパンの体制で臨んでいただきたいと、そう考えております。
 次に、質問は、政府出資と地方分権についてであります。
 政府出資は、民の力の活用を掲げてきた方針や地方分権の視点から考えた場合にどのように整合するのか、港湾運営会社に対する政府出資についての見解をお聞かせください。
○政府参考人(山縣宣彦君) お答えいたします。
 平成二十三年の港湾法の改正で創設いたしました港湾運営会社制度は、港湾の管理と運営を分離いたしまして、株式会社方式による民の視点での港湾運営の効率化を図るものでございます。具体的には、民間人社長の登用によります迅速な意思決定、民間資本の導入によります経営のチェック、民間の機動的な契約方式の導入などを目指したものでございます。
 今回の国の出資制度は、こういった港湾運営会社の民の視点に関する基本的な考え方を変えるものではなくて、国、港湾管理者、そして民間事業者による強固な協働体制を構築することを目指したものでございます。また、今回の国の出資制度は港湾管理者制度を何ら変更するものではございませんで、港湾運営会社についても、その業務の範囲を拡大したり法的に事業の性質を変化させるようなものではございません。加えまして、国際基幹航路を維持拡大するための全国からの貨物の集約など全国的見地から取り組むべき課題につきまして、国の責任を果たす観点から必要なものというふうに考えております。
 以上です。
○田中茂君 結果として港湾経営への国の関与が更に大きくなる可能性もあるので、その辺は懸念いたしますので、その辺バランスを取ってやっていただきたいと思います。
 次に、国際戦略港湾の集貨と地方港湾等によるインセンティブ制度との整合性についてお尋ねします。
 本法案の骨子は、集貨、創貨、港の競争力強化を三本柱の施策として、ハード、ソフト一体の国際コンテナ戦略港湾政策を加速させ、我が国に寄港する国際基幹航路の維持拡大を図ることとされています。特に集貨は、京浜港や阪神港に広域からの貨物を集約する様々な取組、フィーダー輸送の強化等が行われているとのことですが、しかし、一部の地方港湾では、港湾管理者等による外航コンテナ船に対する港湾使用料の減免、あと当該航路を利用する荷主への財政的支援等のインセンティブ制度が設けられているという実態があったと聞いております。
 この一部の地方港湾による外航航路へのインセンティブ措置は、逆に釜山港に日本海沿岸のフィーダー港としての機能を与え、釜山港が効率よく集貨する体制の確立に寄与したと言われております。さらには、釜山港のハブ化に大きく貢献することにもなり、結果的には我が国全体の港湾の国際競争力の低下を招いた一因になったとも考えられますが、国交省の御見解をお聞かせください。
○政府参考人(山縣宣彦君) お答えいたします。
 近年、我が国の港湾におきましては基幹航路の減少が大きな問題となっておりまして、二〇〇〇年に週十便以上が寄港しておりました欧州向けの基幹航路、これが二〇一二年には週二便、二〇〇〇年に週三十便以上が寄港しておりました北米向けの基幹航路が二〇一二年には週二十一便になるなど、国際基幹航路の減少は大きな問題となっております。
 この国際基幹航路の寄港地の決定におきましては、大型コンテナ船の寄港に必要な貨物量が確保されるかどうかが重要な判断基準になってございます。国際コンテナ戦略港湾への集貨策を強力に推進していく必要がございます。
 このような中、先生御指摘のように、地方の港湾におきまして、港湾管理者である地方自治体等が釜山航路を運航する船社あるいは荷主に向けまして補助金等のインセンティブを講じているということが国際コンテナ戦略港湾への貨物の集約を妨げる一因となっているというふうにも認識してございます。
 このため、昨年の六月ですけれども、私の港湾局長の名前で、各港湾管理者宛てに、外航航路のみならず国際コンテナ戦略港湾向け集貨を担う国際フィーダー航路に対しても同等以上のインセンティブを講じてもらうように要請をしたところでございます。
 さらに、国際コンテナ戦略港湾政策推進委員会、この場でも、釜山港におけるトランシップされる貨物へのインセンティブ措置を廃止するよう、地方の港湾管理者に対して個別要請を行っているところでございます。
 現時点において、要請に応じていただいた港湾も徐々に増加してきておりますけれども、引き続き国際コンテナ戦略港湾政策の意義あるいは必要性について地方の港湾管理者にも丁寧に説明を行いまして、国、港湾管理者が一体となって我が国の港湾の競争力強化を実現すべく取り組んでまいりたいと考えております。
 以上です。
○田中茂君 ありがとうございます。
 是非とも、国際フィーダー航路に対してのインセンティブ措置の強化を是非ともよろしくお願いします。
 次に、国際戦略港湾と地方港湾との役割分担について質問いたします。
 京浜港や阪神港では、港湾運営会社に対する集貨支援制度の創設等を行うことにより広域から貨物を集貨しようとしていますが、一方では地方港湾の貨物を奪う実態も懸念されます。地方においては、地方港湾は地域経済を支える基盤となっており、外航航路の減少から地域経済の雇用にも悪影響を及ぼし、ひいては地域経済の衰退も懸念されます。
 このような状況に陥らないためにも、国際コンテナ戦略港湾政策を推進する一方で、国際戦略港湾と地方港湾との役割分担について国交省はどのように認識し、対応を考えておられるのか、大臣からお聞かせください。
○国務大臣(太田昭宏君) 国際物流が大変劇的に変化する中で、アジアにおける港湾間の競争が非常に激しくなっています。そこで、釜山や上海や香港、シンガポール以上に強い港湾を造ろうと、集中的に京浜、阪神というところで今議論をいただき、集中的に強化をしていこうということでありますけれども、あわせてバルク港湾ということも指定させていただいて、先般、小名浜では石炭を揚げるわけですが、これ水深を十八メーターということにしますと、一気に四割近く実は安く入るということにもなって、かなり違います。
 それから、ついこの間は釧路も採択をして、ここは穀物です。相当船荷というのは、私もそれまで余り知りませんでしたが、大きなものがまとめて入ると物すごく価格が安くなるということがあります。また、それぞれの港湾が抱えている、金沢とか新潟とか日本海側もそうでありますけれども、そこに集積している工場とかそういうものの出荷という、非常に特徴がそれぞれの港湾にも、四海海に囲まれているゆえにそれぞれ特徴があるというふうに思います。
 このコンテナの戦略港湾とともにバルク港湾、さらにはまたそれぞれの港湾が生き抜いていけるようにと。私、三日前も愛知県に行きまして三河港と、ここも非常に特徴があるわけで、そこも岸壁を整理したりいろんなことをやらせていただくと大変喜ばれて、更に力を入れようということに現地が勢い付いているということにもなります。
 それぞれのところに、私もできる限り赴いて、それぞれの役割を更に吟味して徹底的に支援をするということで頑張りたいというふうに思っているところです。
○田中茂君 大変分かりやすい説明ありがとうございます。
 最後に、私の意見として言わさせていただきますが、釜山港がこれほどまでに発展を遂げた要因は、大型コンテナ船寄港のコストが安価なだけではなく、インフラ整備や釜山新港を自由貿易地域とするなど積極的な誘致政策や柔軟な税制措置等を含めた包括的な国家戦略を推進してきた成果でもあると思料いたします。また、我が国のコンテナ取扱量は、京浜港、阪神港を合わせても韓国の釜山一港にも届かないというのが現状であります。
 それを考えると、経営統合を図り、政府の出資をしたとしても、また、先ほど御答弁でもありましたが、釜山港に対抗してできるだけコストダウンを図ったとしても、もちろんそれは大事でありますが、それのみでは機動的な施策に直結し、対抗できるとは思えません。
 港湾政策は五十年の計とも最終取りまとめにも述べられていますが、国家戦略としての位置付けを明確化した上で、将来を見据えて、釜山港の安価なコストにこだわることなく、日本独自の特殊性を考えるべきであると思います。それは、今回の韓国での海難事故でも明らかですが、一つ事故を起こせば風評ダメージは極めて大きいものがあります。だからこそ、日本の技術力を生かした、安心、安全かつ安定した迅速性と日本的なきめ細かいサービス、心配りのあるサービス等の様々な付加価値を提供し、競争力強化のための具体策とロードマップをいま一度明確化していただきたく強く要望し、私の発言を終わりにいたします。
○和田政宗君 引き続き、みんなの党、和田政宗、質問をさせていただきます。
 私は、仙台塩釜港に対する国の考え方についてお聞きします。
 これまでも仙台塩釜港の機能強化について質問をしてまいりました。政府答弁は、仙台港の重要性については認識しているとのことで、首都直下地震や南海トラフ巨大地震の際など、いざというときに仙台港に物資を入れて、そこから各地に運ぶという観点からも重要であるという趣旨の答弁でした。
 しかしながら、私が問いたいのは、仙台は北米に最も近い航路を有していることなどから、その地理的優位性に着目して、国家的戦略として仙台塩釜港に力を入れてはどうかという考え方です。
 以前紹介いたしました、仙台藩祖伊達政宗公がヨーロッパに日本で初めて派遣した外交通商使節、慶長遣欧使節は、石巻の港から出港し、通商交渉が成立していれば、石巻を日本最大の貿易港としようとする計画だったわけです。また、明治新政府が日本における最初の近代港湾として建設に着手したのが石巻湾の野蒜築港でした。すなわち、圧倒的な地の利があるわけです。京浜港、阪神港でできなかったような新たな港造りを仙台塩釜港で試してみてはいかがでしょうか。これは復興にも大いに寄与すると思います。
 また、各委員からの質問にもありますが、何といっても災害時に京浜港、阪神港が使えなくなったときに、貿易に立脚する我が国がどの港から物資を出し入れし、貿易を維持していくのかというのは大きな問題となります。そのとき、京浜港や阪神港とは乗っているプレートが違う仙台塩釜港の強化、整備ができていれば、日本経済にとっても大きく寄与すると思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(太田昭宏君) 京浜そして阪神のほかにも、今朝は第一番目に名古屋、四日市の港についても発言をいただきました。私は、その次のということ、福岡からもお話をいただきましたが、仙台というのは物すごく大事なところだというふうに思います。
 国際拠点港湾と、これは東北では何よりも仙台に頑張ってもらわなくちゃならないと思いますし、自動車とか、あるいはまたその部品、あるいはまた石油精製とか製紙ですね、石巻等を入れましても、そうしたことからいっても、また御指摘のあった震災の代替性ということからいきましても、仙台港の位置付けというのは、私、物すごく大事だというふうに思います。
 また、穀物という点においても、大型化に対応するために、直轄事業として中野地区国際物流ターミナル整備事業を進めているということもありまして、この仙台塩釜港というものを重要視して、さらに現地と練り上げて強い港湾にしていきたいというふうに思っているところでございます。
○和田政宗君 大臣の御答弁にもありましたように、引き続き、この港は国家戦略としても活用すべき、活用できるというふうに思いますので、引き続き諸施策を講じていただければというふうに思います。
 そして、本法律案においては国際コンテナ戦略港湾として京浜港、阪神港を指定するということですけれども、国交省の資料によれば、東北地方からコンテナで輸出される自動車部品の約七割は京浜港を利用することを根拠として、京浜港に力点を置くこととなっています。この話も分かるんですけれども、それであれば、そもそも仙台塩釜港を活用すればよいのではないかというふうに思うわけです。東北からわざわざ京浜港に運ぶのは企業側にとっても効率が悪いのではないかと思いますが、そうした考えについては、国交省どう考えているでしょうか。
○政府参考人(山縣宣彦君) お答えいたします。
 平成二十二年の八月に国際基幹港の維持拡大の拠点として京浜港あるいは阪神港を国際コンテナ戦略港湾として選定をいたしまして、いろんな施策を実施してきたところでございます。
 近年、コンテナ船の大型化とか、あるいは船会社の連携等が進展してございまして、北米、欧州に直行する国際基幹航路の寄港地の絞り込みが進んでございまして、我が国の港湾への国際基幹航路の寄港の減少というものに歯止めが掛からないと、こういう状況でございます。いかに寄港地でどれだけの荷物があるかというのがまさに寄港するポイントになってくるかと思います。そういう意味では、我が国の起終点といたします国際基幹航路向けの貨物を各港で分散した場合には問題があるだろうと。そういうことで我が国への基幹航路そのものが喪失をいたしまして、東北地方を含む我が国全体の産業の立地競争力が低下するんではないかと、そんなおそれを持っているところでございます。
 そういう意味で、国際戦略港湾におきまして国際基幹航路の維持拡大を図るために、港湾運営会社に対する国の出資を含めます集貨、創貨、競争力強化の三本柱ということでしっかりと進めていきたいというふうに考えております。
○和田政宗君 そうしますと、大臣の御答弁でも仙台は非常に重視しているということがあったわけですが、国際拠点港湾の中でも、仙台塩釜港と、以前スーパー中枢港であった名古屋、四日市港との間で支援の差というのが生じております。国や港湾管理者による港湾運営会社に対する無利子貸付けの割合、これは名古屋、四日市港は最大八割、そして仙台塩釜港では最大六割というふうになっています。仙台塩釜港も六割から八割に引き上げるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(山縣宣彦君) お答えいたします。
 伊勢湾の名古屋港、それから四日市港でございますけれども、平成二十三年の港湾法の改正の前に、先生も今御指摘のようにスーパー中枢港湾ということで指定をされてございまして、その運営の効率化等の取組を継続させる必要がございました。このため、平成二十三年の港湾法改正に伴って、附則第三十一項、それから施行令附則第十一項が整備されまして、名古屋それから四日市港につきましては国際戦略港湾とみなしまして、国際戦略港湾における運営会社、あるいは特例運営会社に関する規定というものが適用される国際拠点港湾として指定をさせていただいたところでございます。
 以上です。
○和田政宗君 仙台に力を入れるということであれば、諸施策を講じていただきたいということを申し上げまして、そういったしっかりとした支援もお願いしたいというふうに思います。
 最後の質問ですけれども、田中委員からもありましたが、今回の法律案、国が戦略的に京浜港、阪神港にコンテナ貨物を集約するという取組です。ただ、全国の港を見渡してみますと、先ほど答弁にありましたように、港湾管理者などが釜山港に行く航路などを対象に港湾使用料の減免や荷主に財政的支援を行っている港が見られるわけです。これについて通達等を出して働きかけを行っているということですけれども、これ、そもそも国が戦略的に京浜、阪神港に集約するという本法案の趣旨に反しているわけで、これは速やかにそういったことはやめさせた方がいいんじゃないかというふうに思いますが、この釜山港の航路に対してインセンティブを出しているところに対する是正に対する取組というのは、国としてどういうふうにやっていくんでしょうか。
○政府参考人(山縣宣彦君) 先ほども答弁いたしましたとおり、釜山航路への港湾管理者のインセンティブ措置につきましては、要請文書というものを昨年発出いたしましたし、釜山港においてトランシップされる貨物へのインセンティブを廃止するよう個別に地方の港湾管理者に要請を行っているところでございます。
 地方から出た貨物がどこの港湾を利用するのかということにつきましては、本来市場のメカニズムによって決定されるものではありますけれども、我が国の税金を使って釜山港の利用を助長してこのメカニズムをゆがめるということは問題であると、こういう認識でございまして、現在私ども進めてございます国際コンテナ戦略港湾政策、これにつきまして、地方の港湾管理者にも御理解、御協力をいただけるよう引き続き要請を行ってまいりたいと思っております。
 以上です。
○和田政宗君 終わります。
○辰已孝太郎君 日本共産党の辰已孝太郎です。
 政府はこれまで、大交流時代、スーパー中枢港湾政策、国際コンテナ戦略港湾政策など、国際競争力の名の下に多額の税金を投入してまいりました。今法案においても成長戦略の一環として位置付けて、集貨、創貨、そして国際競争力の強化をするとしております。結局、これは更なる税金の投入を進めるものだと言わなければなりません。私は、これまでの港湾政策の失敗と反省と総括、そして日本の、また世界の産業構造の変化に沿った港湾政策への転換が必要だと考えております。
 国際コンテナ戦略港湾政策の目標の一つとして、釜山港などへのトランシップ率を半分に縮減するとしておりますけれども、現状はどこまで達成したのか、お答えください。
○政府参考人(山縣宣彦君) お答えいたします。
 平成二十二年八月の国際コンテナ戦略港湾の選定時におきましては、具体的な目標といたしまして、二〇一五年、このときには国内ハブの完成、そのときにはトランシップ率を半減と、先生御指摘のとおりです。それから、二〇二〇年には東アジア主要港としての地位の確立というものを目標として設定をしたところでございます。
 直近のトランシップ率につきましては、我が国からのトランシップ貨物の多い釜山港におきまして、現時点で得られるデータとして、釜山港湾公社、BPAの発表によりますと、我が国を発着する釜山港利用コンテナに占めるトランシップ貨物の割合は、二〇〇九年の四七・九%から、二〇一二年には四七・五%ということで、ほぼ横ばいということになってございます。
 引き続き、国際基幹航路の維持拡大に向けまして、全力を挙げてこのトランシップ貨物の回復に取り組んでまいりたいと思っております。
○辰已孝太郎君 ほぼ横ばいということで、結局取り返せていないわけですね。私は、そもそも、この計画そもそもが、日本から発生する貨物を増やすのではないということですから、同じパイを結局取ってくるということですから、移動だというふうに思うんですね。
 私は、このことについて少し掘り下げたいと思うんですが、なぜならば、この政策の裏返しとして、結局、地方からの荷物を、貨物を奪い取ることにつながるというふうに思うからであります。
 二〇一一年、国交省は、日本海側総合的拠点港として幾つか港を選出しております。それぞれ計画を出してもらって、それを点数で評価したと。例えば、伏木富山港は国際海上コンテナ拠点港としても選定をされましたけれども、そのときに伏木富山港が国交省に提出した資料なんですね、これがそうなんですが。これ、見てみますと、関東圏、中京圏、近畿圏から荷物を持ってきて、その荷物をロシア極東、韓国、中国、東南アジアに輸出しようと、また、太平洋側の主要港湾の代替的機能を果たすとか、CO2、これを削減するとか様々な提案をして、そして国交省はそれを認めて選定をしたわけですよ。例えば金沢港を挙げますと、この金沢港も国際海上コンテナ拠点港として選定をされております。
 当然、地方港も荷物、貨物をどう増やすのかということに努力注いできたわけで、例えばこれは北陸財務局が作成したポンチ絵なんですけれども、ここには、太平洋側の港から出荷されていた商社取扱いの貨物を金沢港から初の船出しができたとして、これまでの取組を評価しているわけですよ。地方港というのは、この間やっぱり涙ぐましい、私、努力していると思うんです。大阪で不要になったガントリークレーンを舞鶴港なんかは購入してくれて、それを使っているわけですよ。
 大臣にお聞きしますけれども、私は、国内の貨物量というのがほとんど増えない中で、結局、京浜や阪神港の貨物を増やそうとすれば、これ結局地方から持ってこざるを得ないと思うんですね。私は、このことは地方港の衰退につながるんじゃないかと思いますけれども、どうでしょうか。
○国務大臣(太田昭宏君) 同じものをどこに寄せるかというのでは全く意味がないと。例えば岸壁、その水深をどれだけにするかということをやれば、大きな港になれば、先ほどから申し上げている小名浜のバルク港湾でもそうだし、それから釧路でも、そこが盛んになります。穀物であったりあるいは石炭であったり、それぞれそうしたことを特徴を持つと。金沢も今、例の富山という話もありましたけれども、それぞれが、金沢なんかも、具体的な名前を挙げては何かと思いますが、コマツなんかがもう非常に大きな施設を造って、そこからいわゆる輸出をしようという動きが出ているわけでありまして、そういう、それぞれのところが個性を生かして、この創貨、集貨、国際力の強化ということは、何もこの戦略港の二港だけにとどまらず、それぞれのところが荷物をたくさん生み出して、そして特徴を生かして、それを、海外という場合もあるでしょう、それから国内への阪神そして京浜というところに持ってくるということもあるでしょう。
 日本全体の中の物流というものがいかに盛んになるかということが大事で、そのための、心を一致してのこの選択と集中の中でこういう措置をとっているということがこの数年間行われてきたことだと思いますし、その流れの中から今回は更にそこを強化しようということで、是非とも御理解をいただきたいというふうに思います。
○辰已孝太郎君 いや、結局私の質問に答えていないんですね。同じパイの中でこれを取り合うということですから、パイは同じなんですよ、同じなんですよ。国内の貨物を増やすわけじゃないわけですから、同じなんです。それを地方が取るのか、京浜や阪神が取るのかということですから、地方から取るということになれば地方が衰退するということになります。
 日本海側の荷物も取らないと基幹港が維持できないというのであれば、これ結局、今トランシップというのはほとんど半減できていないという話になっていますけれども、結局それを地方から取ってくると、私は地方港にとっては死活問題だと言わなければならないと思います。私は、この間の整合性の全くない政策を進めてきた国交省の責任は非常に重いと言わなければならないと思います。
 選択と集中というのは、これ今に言ったわけじゃなくて、これはもう昔から言っている話で、スーパー中枢港湾政策始め今回の国際コンテナ戦略港湾政策の中でも、更に深いバースを掘って、造って貨物を呼び込む、そういう港湾政策、続けてきましたし、これからもやろうという話になっております。
 それでは聞きますけれども、九〇年代以降、この港湾整備事業費に幾ら使われたんでしょうか。
○政府参考人(山縣宣彦君) お答えいたします。
 平成九年の十二月に閣議決定されております第九次の港湾整備七か年計画、この中では、平成八年度から十四年度までの七か年で総投資額は七兆四千九百億円となってございまして、これは港湾整備事業のみならず災害関連の事業、地方単独事業、さらには埠頭用地とか荷役機械を起債によって整備をするいわゆる港湾機能施設整備事業、こういったものを含む額でございまして、港湾事業整備に限って言えば四兆三千百億円となってございます。また、これまでにスーパー中枢港湾に投資した事業費は五千百億円というふうになってございます。
○辰已孝太郎君 もう本当に巨額の税金がこの政策に注ぎ込まれております。
 基幹航路の確保維持ということで、北米向けのコンテナ個数のこれ目標がそれぞれ京浜と阪神港で出されておりますけれども、この北米航路向けの二〇一五年の貨物量の目標値と、そして現在の貨物量を示してください。
○政府参考人(山縣宣彦君) お答えいたします。
 二〇一五年の北米向け取扱貨物量の目標値でございますけれども、国際コンテナ戦略港湾の選定時に京浜港、阪神港の方から提出されました計画書におきましては、京浜港が約二百六十五万TEU、二百六十五万個ですね、それから阪神港が約七十万TEUというふうにされてございます。これに対しまして、直近の二〇一二年の実績ですけれども、港湾統計によりますと、京浜港は約百七万TEU、阪神港は約三十七万TEUというふうになってございます。
○辰已孝太郎君 目標を決めた当時、二〇〇八年の実績が、京浜が百五十九万TEUなんですね。阪神が四十七万TEUだったわけですよ。つまり、京浜は、二〇〇八年から見て一・七倍に増やす目標が逆に三割減少しているわけですね。阪神は、一・五倍に増やす計画が逆に二割以上減少して、京浜、阪神共に、目標に近づくどころか遠ざかったのがこれ現状なんです。ですから、先ほどどれぐらいの税金という話がありましたけれども、これだけの巨額の税金を注ぎ込んでもこういう結果になっているわけであります。
 ところが、国は更なる港湾整備を進めようとしているわけです。国際コンテナ戦略港湾政策における大水深コンテナバースターミナルを二〇一六年までに東京港で一つと、横浜港で現在の三つからプラス三つ、阪神港で五つ造るとしております。大水深コンテナバースというのは、岸壁の深さのみならず、当然、航路、主航路、その深さに合わせる必要がありますから、これ莫大な費用が掛かるわけです。費用はどれぐらい掛かるのか、お示しください。
○政府参考人(山縣宣彦君) 国際コンテナ戦略港湾政策に係る事業費でございますけれども、水深十六メーターの大水深コンテナターミナルの整備等に、平成三十二年度までに約五千五百億を見込んでございます。平成二十三年度から平成二十五年度まで、昨年度まで約千九百億円の予算を計上してございまして、今後の事業としては三千六百億を予定してございます。
○辰已孝太郎君 これからも巨額の税金を使うということです。
 大阪にはマイナス十六メートルのバースが一つありますけれども、これ、実はもうほとんど使われておりません。そもそも、北米航路、欧州航路の往来において、大阪に満載で来ることもほとんどありませんし、出ていくこともないと。幾ら深いバースを造っても必要がないということであります。大阪港で五万トン以上のフルコンテナ船というのは大体四千から五千TEUなんですけれども、二〇一二年で百五十五回入港しているんですね。そのうち、マイナス十六メートルの岸壁を使ったのは、たったの三回ですよ、年間で。マイナス十三メートルのところでも楽々入港しているわけです。昨年、二〇一三年は、マイナス十六メートルのこの岸壁というのは、たった二回しか使われなかったということであります。
 大水深コンテナバースがないと船が来ないと、こう言うわけですけれども、じゃ、世界一の売上げを誇るマースク・ラインの役員の一人はどう言っているか。これ、朝日新聞のインタビューでこう答えております。日本市場が大きな市場で、我々にとって重要だとしても、成長は中国にはかなわない、中国の港湾と大きさを競い合う必要性を私は感じないし、むしろ効率性を高めていくことに注力した方がええと、こういう話を世界一番の売上げのマースク・ラインの役員が言っているわけですよ。
 私は、欧米航路、これ基幹航路と言って、これまでもこれからも大水深バースの整備を進めようとしておりますけれども、今や港の主役はアジアになっております。アジアと北米の輸出入のコンテナベースでの割合は直近の数字でどうなっているのか、お示しください。
○政府参考人(山縣宣彦君) お答えいたします。
 平成二十年度の全国輸出入コンテナ貨物流動調査という調査がございます。これは、一か月間の調査結果なんですけれども、これによりますと、我が国の外貿コンテナ取扱貨物の方面別の内訳、重量ベースの割合でございますが、北米向けでは輸出が一六・四%、輸入が一二・〇%、それからアジア向けが輸出が六一・二%、それから輸入が七四・一%となってございます。
○辰已孝太郎君 もう輸出入のシェアが圧倒的にアジアになっているわけですよ。七〇年代であれば、これ北米、欧州が輸出入共に六割から七割を占めていたわけですよね。ちなみに大阪港では、二〇一二年は、北米向け輸出入のコンテナの割合というのは一・九%、香港を含む中国向けは全体で六二%ですから、これはもう天と地の差があると言わなければなりません。ですから、結局、中国との行き来ですから、これ大型船ではないわけですので、大水深のバースは要らないと、こういうことになるわけです。
 私は、結局、本当にハードに投資していけば貨物の量は増えるのかと。これ増えないですよ。つまるところ、コンテナの数というのは国内産業の規模に比例するわけです。問題は国内産業の空洞化なんですね。
 日本銀行の神戸支店が「神戸港の質的変貌」というレポートを昨年の十一月に発表しておりますけれども、ここでは、神戸港の国際競争力の低下はハード面以外の三つを見ることが大事だと。一つは日本の製造業の海外生産シフト、荷主のニーズが中国へシフトした、地方港湾の海外港湾との連携、これを挙げているんですよ。
 私は、自動車業界を見ても、これどんどんどんどん日本じゃなくて海外の生産を進めていますけれども、これが現実だと思います。根源的な問題から目をそらし、幾ら深いバースを造っても荷物は増えません。私は国際コンテナ戦略港湾政策の中止と撤回を求めて、質問を終わります。
 ありがとうございました。
○室井邦彦君 日本維新の会の室井でございます。
 まず最初に、韓国旅客船の沈没事故で多くの方々がお亡くなりになられまして、心から哀悼の意を表したい、このように思います。さらには、まだ二百名近い方々の不明また生死が、安否が気遣われておりますけれども、担当されている救助隊の皆さん方にはどうか最大の努力をしていただきまして救い出していただくように心からお願いを申し上げ、質問に入らせていただきます。
 私は、この国際コンテナ戦略港湾の国内向けについて触れさせていただきたい、このように思っております。各先生方からるる質問がございまして、多少重複するかも分かりませんが、もちろんこの持続可能な経済成長を目指していくために、やはり港湾に対しても国際的競争力をしっかりと付けていくと、こういうことには違いがありません。
 持論でありますけれども、日本の港湾、四方八方に囲まれ、平地が少なく、神戸港なんかは典型的な見本でありまして、この神戸港に港湾整備をするというのはかなり難しい業といいますか、一番大きな問題になるのは背後地、いかに背後地の改革をしていくかという。釜山とか大きな港湾は一つの町がそっくり入るような背後地をつくり上げていると。こういうところを比べて、日本もそのようにということは到底考える必要もないと私は思っております。そういう中で、少しでもガントリークレーンにいたしましてもバースにいたしましても工夫をして、ガントリークレーンが十台しかない、まだ七台は置くことができる、そういうことに対して国が手を差し伸べて効率よくしていくという細かな政策、そういうものが積み重ねて大きな効果を生む、このように私は思っております。
 もちろん、大臣も国交省の皆さん方も中国を追っかけて追い越そうということは、到底そんなことは考えておられないと思いますし、またそういう私は考え方をしておりますし、やはり物流、物量というものはその国の人口にある程度比例をするといいますか、中国は十三億、日本の国は一億少し、それから国内の物流にしてもある程度限られたものがあります。いかに基幹航路を開拓していくかということが大きな重要なポイントになるかな、このように私は思っております。
 そこで、コンテナ船の更なる大型化、そして国際、申し上げました、基幹航路の再編などを、海運、港湾を取り巻く事情は非常に厳しいものがある中で、今それぞれが新しい法案を出し、推し進めていこうということであります。私もこの法案については賛成でございます。そういう中で、やはり地道な活動、計画が必要になってきます。他国ではもう国策として国の経費をどんどんつぎ込んでおりますから、経済的な台頭が顕著になって表れていると。そういう中で、海洋国家として成長、発展を目指していくという我が国、また、その脅かす国々は韓国、そして中国、シンガポールということでありますから、至難の業だなというふうに思うわけでありますけれども。
 そこで、平成二十二年八月、我が国は国際コンテナ戦略港湾政策として京浜港、阪神港を選定をいたしております。ハード、ソフト一体となった施策を強力に推進していこう、こういうことであります。その阪神港、京浜港の、国と港湾管理者と港湾運営会社のこれはやはり連携が一番大切なところである、このように感じております。そういう中で実効性の高い仕組み、体制を整えるべきであると、このように思っております。
 そこで、港湾運営会社に対する政府出資によってこのオールジャパン体制がどのように担保されることになるのか、是非大臣にお聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(太田昭宏君) まず、全体的に言えば、我々が非常に意識し、そしてまた港湾関係者も大変悔しい思いをしているのは、国が、韓国にしても中国にしてもシンガポール、シンガポールはもう国そのものです、が力を入れて、どんどんどんどん弱体化して劣後してきているということについて少しでも国が援助してくれないかと。援助ということは、この水深を、大水深ということもそうなんですけれども、それだけじゃなくて、そこでの使用料を始めそうしたことの、競争力の中の低減を国が援助する中で得られるということが一つ大事であるということ。
 あわせて、その周辺の、日本の場合は安全性ということも大事ですし、あるいは倉庫のことが今回書いてありますけれども、倉庫があるかどうか、あるいはそこの鉄道網やあるいは道路というものがしっかりされているかというのは、単に港湾は港湾でやりなさいと言うだけでは、これはなかなか世界と戦っていけないということだと思います。
 そうした面でいいますと、この港自体を強化するということだけではなくて、我々としては、この集貨、創貨、創貨というのはその港だけでなし得るものではありません。そういう意味では、集貨と創貨とそして競争力強化という三つということは、国が全体的に力を入れて、そして窓口である、ゲートウエーであるこの港湾というものをしっかりしたものにして、強いものにしていこうという意識を持って取り組んでいこうということの一つの表れが国からの、国が前面に出る、あるいは国からの出資であるというふうにお考えいただければと思います。
○室井邦彦君 ありがとうございます。
 私は、韓国の方の、もちろん釜山でありますけれども、訪問したときに、まあ皮肉であるのか本音で釜山港の社長が私に対しても言われたのか、日本のおかげで、教育、御指導のおかげで釜山港がこのように成長させていただきましたと、誠にありがとうございますというようなことを私は、名前忘れまして、社長がそのように丁寧に御挨拶されました。このノウハウは、やはり日本の国の指導の下によって釜山港は世界の港湾になったんだなということでありますけれども、まあまああそこの釜山港も、先生方ももう視察をされておりますけれども、やはりすごい、すばらしいものでありますけれども。
 私も感ずるところ、思うんですけれども、国土の形成は一極集中の、東京に集中しておると。まさに韓国の港湾に例えてみればそうなんだなと。日本の国は、大臣がおっしゃっておられましたように、各県が港湾管理者でありますから、多極分散型の港湾の形成だなと。しかし、それが日本の歴史で、何も国交省の責任でも何でもなく、そういう伝統文化を引き継いで今日こういう形になったということで、これから日本の国が海運王国としてもう一度復権を取り戻すかどうかというよりも、新たな発想の転換をしながら、世界の物流、そして、物流を制する者世界を制するという言葉がありますけれども、まさに中国のコンテナ量を計算するとそういうふうな方向なのかなとは思いますけれども、ここは伝統ある日本の海運国であります、しっかりと対応できるように、物流だけが経済発展の勝負じゃないとは私も思っておりますけれども、やはり物が集まるということは経済産業の発展につながるということは確かなことである、このように思っております。どうか大臣の指導力でしっかりと港湾整備を更に積極的に進めていただきたい、このように願うものであります。
 引き続き二問目の質問をさせていただきますが、今、先ほど来、集貨、創貨という言葉が出ております。その競争力強化、集貨、創貨についてお尋ねをさせていただきます。
 国際コンテナ戦略港湾の政策のいわゆる戦略上一番大切なのは航路、基幹航路の我が国への寄港が、維持拡大させるということが大きなセールスポイントになるのではないか、このように考えております。我が国の国内産業の国際競争力強化の観点からまさに不可欠の問題であります。
 そこで、私は数年前、デンマークのマースク社、そしてフランスのCMA―CGM社に訪問をさせていただいたことがございます。基幹航路の維持拡大、トップセールスを行ってまいりました。そこで、その当時、東日本大震災発災後、複数の外国船社が京浜港への寄港を取りやめておりました。そんな中、日本向けのサービス維持をしていただいた御礼と、引き続き支援の要請をさせていただきました。
 二〇一三年における我が国の港湾とアジア主要港の香港、シンガポール、上海、釜山との欧米基幹航路寄港便数は、一週間当たり香港は五十七、シンガポールは四十、上海は六十一、釜山は四十九に対して、京浜港は三十二、阪神港は十四と大きく水を空けられております。我が国の基幹航路の寄港状況は、欧州航路が週二便にまで減少しました。欧米航路においては、製造業の輸出を支える東航の減少が著しい状況であります。デイリー寄港の確保がまずは喫緊な課題だと、このように思っております。
 基幹航路の維持拡大のためにコンテナ貨物の確保が重要であり、その具体策として国際コンテナ戦略港湾への集貨、創貨、競争力強化を挙げられるわけでありますが、これまでどのようなことに取り組み、今後、どのようにして貨物の確保をしていくかをお聞きをさせていただきます。
○政府参考人(山縣宣彦君) お答えいたします。
 今まで国際コンテナ戦略港湾でございます阪神港、京浜港では、民の視点によります港湾運営会社によります効率的な運営、あるいはソフト、ハード一体となった施策というものを集中してまいりました。
 具体的には十六メーター以上のコンテナターミナル、これは阪神では五バース、京浜港では三バースが供用中でございますし、神戸港のコンテナターミナルリース料、これは約一五%低減もしてございます。また、平成二十五年には約八万TEUの貨物を奪還するというふうな成果も上げてきているところでございます。
 今後は、これらの取組を更に加速させるために、集貨、創貨、それから競争力の強化と、この三本柱の施策を総動員することとしてございまして、引き続きこの戦略港湾の施策をしっかりと進めていきたいと思ってございます。
 以上です。
○室井邦彦君 終わります。
○吉田忠智君 社会民主党・護憲連合の吉田忠智です。
 韓国における旅客船の事故によって犠牲となられた方々の御冥福をお祈り申し上げます。まだなお行方不明の方がおられますし、時間の経過とともに厳しい状況でございますけれども、最後まで無事に救出されるようにお祈りを申し上げたいと思います。
 原因はまだ明らかではありませんけれども、日本においてもこの間の規制緩和によって様々な問題も生じております。今回の事故も教訓の一つとしながら、あくまでも安全第一、人命優先の国土交通行政をしっかり進めていただきたいと思っております。
 それでは、質問に入ります。
 港湾法は、港湾管理行政は地方行政の一つとして行われるべきという考え方に基づいたものであります。一九五〇年に旧軍港市、軍の港の市を平和産業港湾都市に転換し、平和日本実現の理想達成を目指すことを目的とした旧軍港市転換法と同時に成立したことが示すとおり、戦時中に国家が軍事目的のために港湾を管理統制したことの反省から、戦後の民主化改革の一環として港湾の管理運営を地方自治体に委ねることとしたものであります。
 港湾の基本法というばかりでなく、憲法の平和と民主主義の理念の具体化であったからこそ港湾法は港湾の憲法と呼ばれてきました。例えば神戸市は、一九七五年、港の平和利用を図るため、市議会の全会一致で核艦船入船拒否を決議し、以来、市は、神戸港に入港する外国艦船に非核証明書の提出を求めてきました。この非核神戸方式は、港湾法で定められた港湾管理者としての首長権限に基づくものであります。
 そこで、まず質問をいたしますが、憲法の平和主義、地方自治の理念の具体化として港湾法や戦後港湾行政がこれまで果たしてきた意義について、大臣の御所見を伺います。
○国務大臣(太田昭宏君) 戦後の歴史をたどれば、先生がおっしゃるように、二十五年という年、この六月に旧軍港市転換法ということで、横須賀、呉、佐世保及び舞鶴、こうしたところが平和産業港湾都市に転換をするということの明確な方向性が出され、同年の五月でありますけれども、港湾法ができまして、そして、港湾の管理について地方の熱意と工夫によって港湾の開発、発展を図るということがスタートということは事実でございます。
 その中で、港湾が、地方公共団体が港湾の管理者となって、そして、昭和三十年代の新産業都市、工業整備特別地域における臨海工業地帯という小学校の頃や中学校の頃に勉強したような発展過程があり、そして全国が、ある意味では釣堀港湾なんということを言われたことがありますけれども、あちらにもこちらにも同じように港湾というものを今までの港湾の延長線上でやってきたという経過があったと思います。
 今日、そこのところが、阪神大震災というものがあったということもございます、それからリーマン・ショックを迎えたということもあります、これ、相当物流ということにダメージを受けました。神戸港などはまさにあの神戸の大震災でその後なかなか回復できないということもあり、また東日本大震災もございました。
 しかし、世界の方は、港湾というものが、非常にコンテナは大規模になり、そして港湾は非常に大きいものになり、技術もなかなか、日本は先端でありましたが、同じようなことができるというようなことの中で、国が前面にやったがゆえに日本は劣後しているということがありますから、この昭和二十五年当時の沿革というものを踏まえながらも、これから一層国際競争力を持って当たらなければ日本はこれから立ち行かないということの中で今回の港湾法改正というものが行われたというふうに意識しています。
 国際コンテナ戦略港湾の機能強化や地域経済を支える各地域の港湾整備、両面にわたってしっかり取り組んでいきたいというふうに決意をしているところでございます。
○吉田忠智君 本改正案によりまして、国際戦略港湾としての港湾運営会社に対して国の出資が可能となるわけであります。出資者としての国の関与はどのようになるのでしょうか、地方自治体の港湾管理権を弱めたり、地方分権に逆行することにはならないのでしょうか、伺います。
○政府参考人(山縣宣彦君) お答えいたします。
 国は、国際コンテナ戦略港湾の港湾運営会社に出資することによりまして、株主総会における議決権など会社法の規定に基づく出資者としての権原を有することになります。国は、この権原及び港湾法の諸規定を適切に行使いたしまして、国、港湾管理者、民間それぞれの強みを生かしたオールジャパンの体制を構築してまいりたいと考えてございます。
 今回の国際コンテナ戦略港湾の港湾運営会社への国の出資制度は、港湾運営会社の業務の範囲を拡大したり、あるいは法的に事業の性質を変化させるようなものではなくて、また港湾管理者制度を何ら変更するものではございません。港湾管理者には、港湾施設の維持管理あるいは港湾計画の策定など、これまでどおりの港湾管理の業務を担っていただくことになるというふうに考えております。
 以上です。
○吉田忠智君 港湾管理の在り方は変わらないということを確認をさせていただきたいと思います。
 国による出資あるいは無利子貸付制度の拡充により、今後、国際戦略港湾への予算の重点配分が予想されます。こうした集貨、創貨により、港格、港の格による格差の拡大、特に地方港湾が貨物を奪われるのではないかとの懸念も生じています。
 地方港湾は地域経済のハブとなっておりまして、港湾が衰退をすれば地域経済にも大きな被害をもたらすわけでございます。港湾にはそれぞれの役割があり、地方港湾にも配慮した均衡の取れた港湾政策が必要と考えますが、今後の地方港湾の整備、支援の在り方についてどのようにお考えか、伺います。
○政府参考人(山縣宣彦君) お答えいたします。
 国際物流が劇的に変化していくことが見込まれる中、アジアでは港湾間の競争が激化しております。日本の港湾の競争力は大きく低下していることから、港湾機能の強化は喫緊の課題となってございます。このため、激しい国際競争に勝ち抜いていくためには、港湾の機能強化については国が前面に立って国際コンテナ戦略港湾政策を強力に推進していく必要があるというふうに考えております。
 一方で、アジア地域の発展や国際分業の進展に伴いまして、各地域と対岸諸国とを直接結ぶ輸送ニーズというものも高まってきてございます。また、世界的な資源やエネルギーの獲得競争が激化する中で我が国の産業競争力を維持強化するためには、安定的な資源エネルギーの輸入拠点の形成も求められてございます。
 このように地方の港湾につきましても各地域の立地産業や港湾の特徴、個性を生かした取組を進めていく必要がございまして、このような取組に対し、国としてもしっかりと支援をしていきたいと考えてございます。
 以上です。
○吉田忠智君 二〇一一年三月三十日の本委員会で、当時の林田港湾局長から、三島川之江港は港湾運送事業法の指定港としての基準を満たしている、地元の理解を得られるよう努力するとの答弁をいただきました。本年度中には金子地区国際物流ターミナルの全面供用も予定されているわけですし、港湾労使も今年度中の実現を働きかけることを合意しているようですから、今年度中に三島川之江港の指定港化が実現するよう、港湾局長そして大臣を始め政務三役の皆さんの特段の御努力をお願いを申し上げたいと思います。
 本改正案は、国際コンテナ戦略港湾政策推進委員会最終取りまとめを受けたものであります。しかし、残念ながら、同委員会には労働代表の委員もおらず、ヒアリングも管理者と事業者のみで、労働者の意見を反映しようという方向性が見られません。港湾基本方針には、港湾の効率的な運営を目指す際には、関係者と連携して、港湾における良好な労働環境の整備に配慮することが明記されております。また、二〇一一年改正における当委員会の附帯決議第九項も港湾労働者の意見反映や良好な労働条件の確保を求めております。
 国際戦略港湾政策の推進に当たっては、労働環境の整備に配慮することが必要であります。今後の政策展開に当たって労働者の意見反映に努めるべきと考えます。特に、国の出資により厳しい状況にある港湾の労働環境の整備、改善を図るべきであり、万が一にも港湾労働者の労働環境を損なうことのないよう留意すべきと考えますが、いかがですか。
○政府参考人(山縣宣彦君) お答えいたします。
 港湾運営会社に対する国の出資を含めました国際コンテナ戦略港湾政策を推進いたしまして国際基幹航路の維持拡大を図ることは、我が国全体の産業立地競争力の強化に資するものであることから、結果として我が国全体の貨物量の増大につながり、港湾労働者の雇用確保にも寄与するものというふうに考えております。
 国際コンテナ戦略港湾政策の推進に当たりましては、国際コンテナ戦略港湾政策推進委員会の中間取りまとめのときに、パブコメですね、パブリックコメントを行っているほか、港湾労働組合との間では政策申入れの機会などを通じて意見を伺っているところでございます。
 国土交通省といたしましては、現場を支える港湾労働者の方々による安全で円滑な港湾運送が行えることは、我が国港湾の国際競争力強化のために重要であるというふうに認識してございまして、引き続き、港湾における良好な労働環境の確保に配慮しつつ、国際コンテナ戦略港湾政策を強力に推進してまいる所存でございます。
 以上でございます。
○吉田忠智君 以上で終わります。ありがとうございました。
○委員長(藤本祐司君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○辰已孝太郎君 港湾法の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。
 本改正案は、国際競争力を強化するとして国際コンテナ戦略港湾政策を一層強力に進めることを主な目的としています。この政策は、欧米向け基幹航路の維持強化や東アジア主要港でのトランシップ率の半減を目標に掲げ、港湾運営の民営化や十年間で事業費約五千五百億円を投じる大水深コンテナバース等の整備を進めてきました。
 しかし、基幹航路は維持強化されるどころか著しく減少し、トランシップ率も高止まりしています。今やこの政策の有効性が問われる状況になっているにもかかわらず、政府は反省もなく、この政策を更に加速させ、矛盾を拡大しようとしています。
 基幹航路の取扱量が伸びない主な原因は、日本国内の内需が低迷していることと、大企業が海外生産を推進し、産業空洞化を進行させることにあります。法改正を行い、大水深コンテナバースの整備や集貨事業に巨額の税金をつぎ込んでも基幹航路が維持される保証はありません。国際コンテナ戦略港湾政策は中止、見直しすべきです。これが反対する第一の理由です。
 反対する第二の理由は、国際戦略港湾への一極集中を強め、地方港からの集貨を更に強力に推し進め、地方港と地方経済を衰退させることになるからです。
 今、急激に取扱貨物量を大きく増やしているアジア諸港との関係で必要なのは、国際競争力の名による競争優先ではなく協調できる方向を探ることです。国際戦略港湾への一極集中政策を改め、地方の地域経済の活性化に資する港湾政策への転換こそ必要です。
 反対する理由の第三は、港湾運営会社への国の出資が国際コンテナ戦略港湾政策を更に強力に推進することを目的にしており、港の公共性、安全性を低下させるおそれがあるからです。
 これまでも港湾の規制緩和により港湾で働く労働者に犠牲が押し付けられてきました。国際戦略港湾政策に基づきコスト削減を強力に推し進めれば、港湾労働者の雇用、労働条件の更なる悪化が危惧され、港湾の公共性と安全性が脅かされるおそれがあります。
 以上、反対理由を申し述べ、討論を終わります。
○吉田忠智君 社会民主党・護憲連合を代表して、港湾法の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。
 本法案は、国際戦略港湾の港湾運営会社に対する国の出資、無利子貸付制度の対象施設の拡充等を内容とするものです。
 反対理由の第一は、法案が、これまで自治体に委ねられてきた日本の港湾行政を国主導へと転換する危険性があることです。
 戦時中に国家が軍事目的のために港湾を管理統制したことの反省から、憲法の平和主義、地方自治の理念の具体化として港湾管理行政は地方行政の一つとして行われるべきとする港湾法が制定されました。これに基づき、神戸市は港の平和利用を図るため、神戸港に入港する外国艦船に非核証明書の提出を求める非核神戸方式に取り組んできました。本法案はこうした港湾の民主化に逆行し、国民の福祉のための港湾、港湾の公共性を毀損しかねないものです。
 理由の第二は、国際戦略港湾への国による出資と無利子貸付制度の拡充により、港格による格差の拡大、特に地域経済の中心となる地方港湾を衰退させるおそれがあることです。
 港湾にはそれぞれの役割があり、地方港湾にも配慮した均衡の取れた港湾政策が必要ですが、法案は国際競争力強化ありきで、地方港湾の将来展望と支援策に欠けるものとなっています。
 理由の第三は、法案の作成過程において労働者の意見を反映させる方向性が見られなかったことです。
 国際コンテナ戦略港湾政策推進委員会には労働代表の委員もおらず、労働者のヒアリングも行われませんでした。港湾基本方針は、関係者と連携して、港湾における良好な労働環境の整備に配慮することを明記しており、また、二〇一一年、港湾法改正における当委員会の附帯決議第九項も、港湾労働者の意見反映や良好な労働条件の確保を求めているにもかかわらず、労働者の声が反映されなかったことは重大な欠陥であると言わざるを得ません。
 理由の第四は、法案が経済界の身勝手な要請に応えるものだからです。
 法案は、一方で港湾民営化を標榜しながら国の出資を求めるとともに、国の政策への迅速な対応や、他の出資者との調整役としての国に期待するという経済界のいいとこ取りに応えるものにほかなりません。今行うべきは、民営化政策の検証、反省であり、国際競争力強化ありきの港湾政策の再検討ではないでしょうか。
 以上申し述べ、本法案に反対する討論といたします。
○委員長(藤本祐司君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 港湾法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(藤本祐司君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤本祐司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時二十八分散会