第186回国会 消費者問題に関する特別委員会 第6号
平成二十六年五月二十三日(金曜日)
   午後一時開会
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   委員の異動
 五月二十一日
    辞任         補欠選任
     安井美沙子君     江崎  孝君
 五月二十二日
    辞任         補欠選任
     山田 太郎君    渡辺美知太郎君
 五月二十三日
    辞任         補欠選任
     森本 真治君     難波 奨二君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         行田 邦子君
    理 事
                青木 一彦君
                猪口 邦子君
                太田 房江君
                金子 洋一君
                魚住裕一郎君
    委 員
                石井みどり君
                尾辻 秀久君
                金子原二郎君
                島田 三郎君
                鶴保 庸介君
                三木  亨君
                山田 修路君
                江崎  孝君
                加藤 敏幸君
                斎藤 嘉隆君
                難波 奨二君
                森本 真治君
               佐々木さやか君
                清水 貴之君
               渡辺美知太郎君
                大門実紀史君
                福島みずほ君
                主濱  了君
                谷  亮子君
   国務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(消費者
       及び食品安全)
       )        森 まさこ君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        福岡 資麿君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        藤田 昌三君
   政府参考人
       内閣法制局第二
       部長       林   徹君
       警察庁長官官房
       審議官      荻野  徹君
       消費者庁次長   山崎 史郎君
       消費者庁審議官  川口 康裕君
       消費者庁審議官  菅久 修一君
       総務大臣官房審
       議官       青木 信之君
       総務省自治行政
       局公務員部長   三輪 和夫君
       農林水産大臣官
       房政策評価審議
       官        石田  寿君
       農林水産大臣官
       房審議官     福島 靖正君
       経済産業大臣官
       房商務流通保安
       審議官      寺澤 達也君
   参考人
       特定非営利活動
       法人消費者機構
       日本専務理事   磯辺 浩一君
       一般社団法人日
       本惣菜協会特別
       研究員      二瓶  勉君
       神戸大学大学院
       法学研究科教授  中川 丈久君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○不当景品類及び不当表示防止法等の一部を改正
 する等の法律案(内閣提出、衆議院送付)
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○委員長(行田邦子君) ただいまから消費者問題に関する特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、安井美沙子君及び山田太郎君が委員を辞任され、その補欠として江崎孝君及び渡辺美知太郎君が選任されました。
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○委員長(行田邦子君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 不当景品類及び不当表示防止法等の一部を改正する等の法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣法制局第二部長林徹君外九名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(行田邦子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(行田邦子君) 不当景品類及び不当表示防止法等の一部を改正する等の法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○清水貴之君 日本維新の会・結いの党の清水貴之です。よろしくお願いいたします。
 まず初めに森大臣にお聞きしたいと思っておりますが、食の偽装問題、そして消費者被害、特に高齢者を狙った被害などは、本当に起きてはいけないんですが、繰り返し繰り返し起きてしまっているというのが現状です。一旦大きな問題となって対策が取られて、落ち着いたと思ったらまた起きてしまうというのがここ何年か繰り返されております。消費者庁としましても、もちろん全力でその対策、対応に当たっているとは思うんですが、消費者庁ができて五年ぐらいでしょうか、その間にも繰り返されているということは、やはりその対応であったり対策であったりというところに何か問題があったのではないか、課題というのも見えてきたのではないかというふうにも感じます。
 そういった思いを込めての今回の法改正ではあると思うんですけれども、森大臣、いかがでしょうか、その辺りの課題、そして今回の法改正に懸ける思い、今後起こさないぞという思いだと思うんですけれども、そういった考えをまず最初にお聞かせいただけますでしょうか。
○国務大臣(森まさこ君) 昨年の食品表示等の不正事案を始め、商品、サービスに起因する身体への危害、高齢者等を狙い撃ちにした悪質商法、実物とは懸け離れた表示、広告など、消費者の安全、安心を揺るがす事案は残念ながら後を絶ちません。消費者問題は、こういった被害が繰り返し起こされるというところに特徴がございまして、行政と常に、ここ数年どころか何十年もずっと追いかけっこをしてきたような状況だと思います。
 しかし、そのような中で、諸外国においては、消費者のための法整備がなされ、そして消費者庁に類似するような行政機関もできてきました。日本は、遅ればせながら消費者庁もでき、そして消費者の法体系も、前国会で成立させていただきました特例裁判法も含め、ほぼ体系としては整ってきたのかなという感じがいたします。そういったものを今後は、また新たな類型の被害に合わせて常に見直しながらしっかりと執行していくというところに力点を移していく時期に来たと思います。
 そういう意味で、消費者庁、消費者委員会、設置五年目を迎えまして、私からは、今までの消費者行政のレビューを指示したところでございます。また、総務省の方で、消費者庁設置から約三年間を調査をした結果の勧告も出ましたので、そういったものも参考にしながら、今後の消費者庁の行政をどのようにするかということをしっかりレビューをして決定をしていきたいというふうに思います。
 特に、食品表示の不正事案に対しては、今般、景品表示法に基づく措置命令を迅速に実施をいたしました。今までの中で最も早い行政命令を出させていただきましたが、今までの執行方法というのを見直しまして、なるべく早い行政処分をすることでその後の新たな被害を防ぐ又は遵法意識を喚起するといったこともあろうかと思いますので、今後はそういった迅速な執行、そして基本的な考え方の周知徹底というのも事業者の皆様にしていただくために、今までの執行事例集を作ってお配りをするなど工夫をしたところでございます。
 そして、本法案により今後一層の国及び都道府県の監視体制の強化の措置を講じようとしているところでございます。さらに、消費者被害の防止、救済のための対策や、消費市場、物価関連の対策から成る消費者安心戦略を推進するなど様々な取組を行ってまいりたいと思います。
○清水貴之君 今御答弁いただきましたように、過去の事例からもしっかり学びつつ、そして将来に向けてということで、この法案も充実した中身の審議を行わせていただきたいと思うんですけれども、私からは、消費者安全法部分の改正、こちらについてお聞きしたいと思います。地域ネットワークの構築、消費者安全確保地域協議会についてお聞きしたいと思っております。
 高齢者の被害で、高齢者の方というのは単身で住まわれている方も多いですし、どこに相談していいのか、被害に遭っているかどうかも認識されていない方もいらっしゃるということですから、こうやって地域でネットワークをつくって対策を取っていくというのは非常に重要だと思っております。
 今回、この協議会を設置していく、組織できるようにするということなんですが、まず初めにこの地域協議会なんですが、その地域としましてはどの程度の範囲というのを想定されているのでしょうか。市町村、町なのか、若しくはもっと広いのか、もっと小さい単位でも可能なのか、まずはその広さについてからお聞かせください。
○政府参考人(川口康裕君) お答え申し上げます。
 消費者安全確保地域協議会でございますが、これにつきましては、個々の地方公共団体の範囲を基本といたしまして、地域の実情に応じまして更にそれよりも小さくするということもできるというふうに考えております。高齢者等の消費者被害を効果的に防止するため、きめ細やかな見守り体制を地域全体において構築できるような観点から、個々に御検討いただければ、運用していただければと考えております。
○清水貴之君 その参加者なんですけれども、想定では、医療機関、病院であったりとか、教育機関、警察であったり、あとは地域の消費者団体であったり、こういったところが想定されていると聞いているんですが、でも、地域ごとに様々な団体が、組織があると思います。どのようにしてこの協議会というのは構成されていくのでしょうか。その参加する団体、組織というのはどうやって決まっていくのでしょうか。
○政府参考人(川口康裕君) 消費者安全確保地域協議会でございますけれども、国及び地方公共団体の機関が、病院、教育機関、地方公共団体の長が委嘱する消費生活協力団体、消費生活協力員を構成員として組織するものというふうに法律で定めておりますので、この構成員につきましては、地域の実情に応じてそれぞれの協議会で決定できると。実際には個々の協議会を組織する国及び地方公共団体の機関が決定できるという仕組みにしているところでございます。
○清水貴之君 そのように地域ごとに決めていくとなりますと、その地域には例えば既存のネットワークがもう既にあったりする可能性もあると思うんですね。もうこの二年ぐらいですか、消費者教育の推進を目的としました消費者教育推進地域協議会、こういったものもできておりますので、その同じ地域で組織を、また今度協議会をつくるとなりますと、同じような人たち、同じようなメンバーが集まってくるのじゃないかなというふうにも思うわけです。
 それぞれ、これ、組織が、目的が違うのかもしれませんが、同じような協議会が二つ、三つあったりしたら、またこれはこれで効率が悪かったりするのかなとも思うんですけれども、その辺りの例えば連携であったり協力体制であったりはどうなっているのでしょうか。
○政府参考人(川口康裕君) 地域の実情に応じまして様々なネットワークがあろうかと思います。地域の実情に応じて効率的、効果的に運用するということで、実情を踏まえた柔軟な運用というのがよろしいのではないかというふうに考えております。
 それぞれのネットワークは趣旨が違いますので、趣旨は十分踏まえていただく必要がありますが、例えば御指摘の消費者教育推進地域協議会のほか、防災関係のネットワークですとか、福祉のネットワーク、相談支援ネットワーク等があろうかと思います。
 これらのネットワークとして、ネットワークと一体として取り組むことも可能であり、またそれが現実的だというふうに考えております。
○清水貴之君 その協議会なんですけれども、国若しくは地方公共団体が主体となって組織がされました。じゃ、今度は、様々な組織、団体から多くの人が入ってくるわけですから、それをうまくコーディネートして組織として動くようにしていかなければいけないと思うんです。その組織する主体は国及び地方公共団体ですから、普通に考えますと国、地方公共団体がそのリーダー役を担うのかなとも思うんですけれども、ただ、公共団体によってはそこまでのマンパワーがなかったり、若しくは人材が足りていなかったりすることもあるかと思います。
 それよりは、むしろずっとその地元に根付いて消費者問題に取り組んでいる方の方が例えばもう地域の現状が分かっていたりと、若しくは組織をよく知っていて、組織をコーディネートする力を持っていらっしゃる場合もあるかと思うんですね。そういった意味で、その地域協議会をまとめていく、若しくはコーディネートしていく主体、リーダー役というのは誰を、どこを想定しているんでしょうか。
○政府参考人(川口康裕君) 法律におきましては協議会の庶務というものを定めておりまして、これにつきましては、法律において協議会を組織する地方公共団体が担うというふうにしておりますので、地方公共団体において、協議会の各構成員がそれぞれの役割を発揮できるよう、コーディネーター役を担っていただくことを想定しておりますが、具体のコーディネーターという先生の御指摘を踏まえますと、更にコーディネーターとしてふさわしい方を地方公共団体が委嘱をしていくということも十分考えられるわけでございますので、その辺は今度は人材育成の問題も出てこようかと考えております。
○清水貴之君 その育成には是非消費者庁も積極的に関わっていただければなというふうに思うわけなんですけど。
 もう一つなんですが、地域ネットワークの構築のため、地方自治体における地域ネットワークの先進的な事例を活用し、全国的な普及を図るというふうなことであると聞いております。
 先進的な事例というのがありまして、この先進事例なんですが、もう既に持っていて、それを活用しながらこれから進めていくのか、それとも、これからその先進事例を、若しくは協議会ができてから先進事例を集めていくという意味なのか。もし既に先進事例があれば、もうそれはどんどん使っていけるわけですから、活用していけばいいと思うんですけれども、どういった考えなんでしょうか。若しくは、もしその先進事例で、今いい例、具体例などありましたら教えていただければと思います。
○政府参考人(川口康裕君) 既に消費者庁といたしまして、全都道府県それから政令市それから市区を対象にヒアリングを行っております。その結果、三百五十六の地方公共団体で何らかの高齢者に対する見守りの活動を行っていると承知しております。
 その中で、必ずしも消費者問題かどうかという問題、濃淡はあろうかと思いますけれども、一応数としてはそのように把握しておりますので、一定のものについては先進的な事例を既に把握しておりまして、例えば新宿区でございますけれども、高齢者の生活に密着したサービスを行う業者や関係機関が協力することで高齢者の被害を早期に発見し、消費生活センターに通報してもらい、被害の回復を図るという趣旨で、悪質商法被害ネットワークを立ち上げ、成果を上げていると聞いております。ネットワークの協力者に対しまして、悪質商法の手口、早期発見のポイント研修を実施することで活動のコアとなる人材を育成いたしまして、また、地域のボランティアである見守り協力員が月に二回程度、七十五歳以上の独り暮らしの高齢者等を訪問しまして、見守りと声掛けを行っていると聞いております。さらに、ここに警察や金融機関が連携することで、悪質事業者からの電話がなくなるなどの成果を上げているということでございます。
 法案が成立いたしましたら、更に適切な事案ということで先進事例を積極的に収集いたしまして、それを地域に提供してまいりたいと考えております。
○清水貴之君 今御紹介いただきました事例、それを地域地域で頑張っていらっしゃって、効果も上げている。でも、その地域地域では、周りはもちろん、なかなかほかの地域の情報というのは取ることができないと思います。それができるのは、やはり消費者庁、国が主体となってやっていただくべきだなというふうに考えておりますので、是非そういった先進事例の収集である、その広報である、この辺りもお願いしたいと思います。
 そして、個人情報の扱いについてもお聞きしたいと思います。
 この本法案の成立によりまして、消費者庁の長官、国民生活センター及び地方公共団体の長が被害者リストを協議会に提出することが可能になるというふうに聞いております。これは、言ってみれば縦の情報提供、これが可能になるということなんですが、ただ、やはりリストを渡すということは、もしかしたら悪徳事業者に渡ってしまうんじゃないかなど様々な懸念もあると思うんですけれども、その情報の扱い方について考えをお聞かせください。
○国務大臣(森まさこ君) 個人情報の適切な取扱いを図る上で、必要な情報の利用と保全を両立することが不可欠です。情報漏えいを確実に防止するとともに、個人情報の取扱いへの過剰反応から必要な情報が提供されないといったことが起こらないように留意する必要もございます。
 このため、本法案により、相談、あっせんなどに従事する職員や消費者安全確保地域協議会の構成員に対して守秘義務を課すとともに、消費生活センターにおける消費生活相談等により得られた情報が適切に取り扱われるように、地方自治体が情報の安全管理に関する事項等について条例で定めることとしております。
 また、見守り活動の従事者が個人情報の意義やその管理の在り方をしっかりと御理解いただけるよう、消費者庁においてガイドラインを作成するとともに、地方自治体への説明を徹底してまいりたいと思います。
○清水貴之君 今回の改正はまた、今私申し上げたのは縦の情報提供、国であったりとか国民生活センターが持っている情報を協議会に渡すことができるという話なんですが、今度横の情報提供もこれはできるようになるというふうに聞いておりまして、協議会の構成員がほかの構成員に対しても必要な情報を提供できるというふうに聞いています。これは非常に有効だと考えています。それぞればらばらに情報を持っているよりは、一人が御老人が何かおかしなことになっているんじゃないかというように思ったところを、それをほかのまた協議会のメンバーと共有するというのは、様々な視点からウオッチができるわけですから大変有意義じゃないかなと思っているんですが、これもやはり個人情報ということもありますので、様々な問題があると思っております。
 今説明いただきましたように、個人情報の漏えいに対しては厳しくという話でしたが、横のつながりについても、これも大変メリットも大きいと思いますので、この辺り、メリットも、またそういった懸案事項というのも、この辺りも説明いただければというふうに思います。
○政府参考人(川口康裕君) 地域協議会の構成員による情報共有の意義でございますが、先ほど委員からも御指摘がございましたが、元々、高齢者の消費者トラブルというのはだまされたことに気付きにくく、被害に遭っても誰にも相談しないという傾向を背景に深刻化しているというところがあります。このような高齢者を狙った悪質事業者により、二次被害あるいは次々販売といった繰り返し被害が後を絶たないということでございます。
 相談が来るのを待っているということでは被害が深刻化するということでありますので、こうした被害を早期に発見し拡大を防ぐためには、高齢者と日常的に接している身近な方々がまずこうした方々の変化に気付くと、この気付きを相談機関などにつなぐということが重要だというふうに考えておりまして、基本的には、こうした考え方から、協議会の構成員が見守り活動を通じて消費者被害に遭った消費者を発見した場合に、消費生活センター等を始め、その消費者が必要とする支援を行い得る他の協議会の構成員に被害情報を連絡し、迅速かつ適切に被害回復を図ると、そうした趣旨でこの共有を意義付けているところでございます。
○清水貴之君 最後にもう一点、民間委託についてもお聞きしたいと思っています。
 現在、相談業務、これ民間委託ができるということで各地方自治体、公共団体の責任で実施されておりまして、全国で七十八の地方公共団体が相談事業の民間委託を行っているということなんです。民間委託を行うことによる、これも利点若しくは懸案事項というのもあると思います。まず、この辺り御説明いただければと思うのと、やはり民間委託で、その利点がある、相談業務の質が向上するかもしれません、非常に便利なこともあるかもしれませんが、一方、様々な民間団体・組織というのがありますから、きちっとした組織なのか、ちゃんと運営されているのか、そういった相談業務に乗るだけの能力があるのか、この辺も見ていかなければいけないと思っております。この辺についての、例えばガイドラインであったり、この辺りの考え方も教えていただけますでしょうか。
○国務大臣(森まさこ君) 消費者庁が実施する地方消費者行政の現況調査によりますと、消費生活センターを設置している地方公共団体のうち約一割、八十二団体が民間委託をしているようでございます。
 消費者庁が昨年六月に行った、消費生活相談業務を民間団体に委託している地方公共団体を対象とする実態調査によりますと、民間委託の利点として、消費生活相談の質の向上や、土日祝日開所の実現などの体制の充実、労務管理の事務負担の軽減といったことが挙げられております。
 消費生活相談等の事務を委託しても支障が生じないように、本改正において、内閣府令において最低限満たすべき全国一律の制度的な基準を設けることとしておりますので、しっかり周知をしてまいりたいと思います。
○清水貴之君 ありがとうございました。以上で質問を終わります。
○渡辺美知太郎君 みんなの党の渡辺美知太郎です。
 今回初めて消費者特での質問をさせていただきます。最初ちょっと議論がかみ合わない点があるかもしれないですけれども、御容赦いただければなと思います。
 今日は景表法の改正ということで、私は昔、学習塾業界で働いていたことがありまして、景表法といいますと食品偽装が大きく報じられますが、非常に学習塾というのも景表法の対象になることが多くて、先日も、国立大の講師がほとんどだと言っていたところが実は三割ぐらいしかいなかったとか、あるいは重複合格といいまして、出来のいい生徒にいろんな学校を受けさせるんですね。そうやって合格者を水増しさせるとか、なかなか民間はすごいことを考えるなと思いました、当時は。
 そういった点からも、やっぱり適正な競争と消費者保護の観点からしっかりと議論をしていきたいなと思います。
 ちょっと最初に分かりやすい例を使ってお尋ねしたいんですけれども、例えば回転ずしがあります。よくあるのがマダイの代用品としてティラピアという、これ淡水魚なんですけれども、このティラピアを使って、安価な回転ずしなどへ行くと、タイの握りと称してティラピアの握りが出てくるということがあるんですが、この法律では、安価な回転ずしの場合、ティラピアの握りがマダイと出てきても問題はないという理解でよろしいでしょうか。
○政府参考人(菅久修一君) お答え申し上げます。
 三月に公表しましたガイドラインの中で、そのような料理の名称のものについても考え方をお示ししております。
 ここでは、一般的な料理の名称として確立しているものであって、かつ、その食材がその料理に現に広く使われていることが社会的に定着している場合など、一般消費者がその料理等の選択においてそれらの食材の違いに通常影響されないと認められる場合には、その料理の名称を単に表示するだけで直ちに景品表示法上問題になるものではないということでございます。
 一般消費者の選択において影響を与えるかどうかということでございますので、通常の場合であれば、委員御指摘のようないわゆる料理の名称を単に表示しているだけでは直ちには問題になるものではないというふうに考えております。
○渡辺美知太郎君 それは有用性がないとか、明らかに百円のおすしだからマダイのはずがないだろうということだと思います。
 実は私の秘書は釣りが大変趣味でして、本当に百円の回転ずしだと全部ティラピアなのかと聞いたら、実は隠れた名店みたいなところは百円でマダイのすしを出すところがあるみたいなんですね。そういった場合に、一生懸命やっているお店の人が損をするんじゃないかと思うんですけれども、そういったことについてはどのような対策を考えられていますかね。
○政府参考人(菅久修一君) お答え申し上げます。
 いわゆる料理に使われている食材を表示するかどうかというのは事業者の方々のある意味自由でございますので、そういう良い食材を使っているということは、それが事実であれば積極的にアピールをしていただくということは問題ないというか、むしろ消費者にとっても望ましいことかと思っております。
○渡辺美知太郎君 いやいや、私が申し上げたのは、一生懸命頑張っているお店の方は損をするんじゃないのかなとちょっと思ったんですけれども、そういった適正な、正しいことをしている業者の立場に立ってのちょっと御答弁いただけないですかね。
○政府参考人(菅久修一君) お答え申し上げます。
 そういう安い値段でいい食材を使われているという、今の例ですとマダイというのを使われているということでございますれば、多分事業者の方としては、それを積極的にアピールしてお客様を自分のお店に誘引しようとされると思います。それはまさに事実であれば、そのように積極的にしていただくことで、その事業者の方にとっても利益になるのじゃないかというふうに考えております。
○渡辺美知太郎君 例えば、じゃ、適正なお店が損をするとかしないとか、そういった判断というか、例えば、今は我々の常識としては百円でマダイのすしは出ないというのが理解だと思うんですけど、今後、すごい努力をして結構百円でもマダイのすしが出るようになってきた場合に、やっぱりその判断基準を変えなきゃいけないと思うんですね。そういった消費者庁さんの判断基準はどのように決めるんですかね。さっき、社会的に定着をしているとか、そういったことをおっしゃったんですけど、どういった事実に基づいてそのような決定を下したんですかね。
○政府参考人(菅久修一君) 景品表示法では、いわゆる優良誤認表示というのを禁止しているわけでございますけれども、これは、ある商品でいえば、その商品の実際の内容、それと、その商品に関する広告や表示を行いますが、その広告や表示から受ける一般消費者の方の認識、印象が差があるかどうかということでございます。
 したがいまして、実際どおりに表示していれば差がございませんので問題ありませんし、実際よりも実はいいように、つまり、誇大に表示をすれば問題になると。そうした実際と一般消費者が広告から受ける一般消費者の認識に差があるかどうかということで判断をしているということでございます。
○渡辺美知太郎君 ちょっと視点を変えてみます。
 さっき御答弁いただいたときに、社会的に定着をしているとおっしゃいまして、ちょっとすしネタはこれで終わりにしますけど、三月二十九日に、二十八かに決定されたガイドラインで、飲食店のメニューに鴨南蛮とある場合に、カモ肉ではなくてアイガモを使っても問題ないということで出されていまして、その問題はないといった理由は、鴨南蛮にはアイガモを使うことがやはり社会的に定着しているからだということでありますが、このやはり社会的に定着しているという判断、どのようなお声を聞いたり、あるいは独自に調査をしているのか、その根拠となる部分をちょっと教えていただけないですかね。
○政府参考人(菅久修一君) お答え申し上げます。
 御指摘の鴨南蛮の表示につきましては、このガイドラインの原案を公表したときには、鴨南蛮、また当時、サケ弁当などがいろいろその後話題になりましたが、これは原案では特に書いていなかったものでございます。その後、パブリックコメント、またその意見交換会や直接事業者団体の方から、お話しした場合に、こういう報道もあり、御意見もあったことでございまして、そういう実情などを聞いた上で、混乱が起きないように、先ほど申しました基本的な考え方というのを示しつつ、最終案で、鴨南蛮というのは、先ほど申しましたような考え方に基づきまして、単にそれを名称を表示しているだけでは問題になるものではないということを明示したということでございます。
○渡辺美知太郎君 鴨南蛮は確かにアイガモでもいいと言えばいいと思うんですけど、さっきパブコメや団体からの意見を聞くということですが、どうですか、感触として業界のどのぐらいのお声を反映させていると思われますか。団体とかそういった、大体どのぐらい、ほとんどの業者の方の声を聞けているという判断しますかね。
○政府参考人(菅久修一君) お答え申し上げます。
 数量的にちょっと我々も判断しているわけではございませんが、パブリックコメントでは何百という単位の御意見もいただきまして、十二月の十九日から翌一月二十七日までの期間で相当な数の御意見もいただきましたし、また意見交換会ということで、事業者団体、また事業者の方々が集まって御意見もいただきました。また、報道もあったこともあり、様々な直接お話を聞いた団体の方もいらっしゃいますので、こういうメニュー、料理、このガイドライン、メニュー、料理のガイドラインでございましたので、そういうことにつきましては我々としては相当意見を聞かせていただいたんじゃないかなというふうに思っているところでございます。
○渡辺美知太郎君 ただ、例えば百円でマダイのおすしを出すようなお店って、そういった隠れた名店とかって多分団体とかに入っていないと思うんですよ。そういった小さくてもすごい優秀なお店のお声をどういう機会で拾うことができますかね。
○政府参考人(菅久修一君) 我々も網羅的にさすがに聞いているわけではございませんが、委員御指摘のようなお店であれば、むしろいい表示をしているところであると思いますので、そういう意味では、それはむしろ問題がないお店じゃないかなというふうに考えております。
○渡辺美知太郎君 じゃ、独自に例えば消費者庁で調査をするとか、そういったことは今のところ念頭には置いていないという理解でよろしいですか。
○政府参考人(菅久修一君) もちろん、ガイドラインを出しましたけれども、ガイドライン出ししたか出さないかにかかわらず、そういう不当な表示をしているというそういう情報が、我々、それを得ましたらその情報の内容に応じて調査をするということでございますが、このガイドラインのパブリックコメントの過程では、むしろ、事件の端緒というよりは、そのガイドラインの完成版を作るためのヒアリングということでお話を聞かせていただきました。
○渡辺美知太郎君 一応消費者の保護ですから、確かに適正なお店を守るというわけではないので、それも致し方ないかなと思うところもありますけれども、できれば今後なるべく幅広いところからお声をすくい上げていただければなと思います。
 そこで、アイガモの件でちょっと続くんですけれども、例えばJAS法だとカモ肉とアイガモ肉は分けなきゃいけないんですけれども、今回のガイドラインで、JAS法との整合性の観点、もちろん法律が違うと、法律の趣旨が違うから別にいいんだという多分お答えいただけると思うんですけれども、例えば消費者の方が混同されてしまったりとかそういった懸念はないのかなというのがちょっと気になりまして、そういった整合性の観点からちょっとお答えいただけないですか。
○政府参考人(菅久修一君) お答え申し上げます。
 景品表示法はいわゆる不当な表示を禁止している法律でございまして、これは表示そのものを義務付けている法律ではないというものでございます。事業者の方々が積極的にお客様を誘引するために自由に行っている表示、これについて、先ほど料理の名称につきましては基本的な考え方ということで御紹介させていただきましたが、そういうものに当たるかどうか、当たる場合には、当たるかどうかということで、不当な表示になれば問題になるというものでございます。
 一方、JAS法につきましては、食品について事業者の自主性に任せていては十分に情報提供はなされないというものにつきまして品質表示基準というのを定めまして、そこで消費者が食品を選択する際に最低限必要な情報を提供するということを目的にしているということでございます。
 鴨南蛮ということですと、加工食品ということになる、もしこれが店で売られていれば加工食品ということになろうかと思いますが、小売店などで一般に販売される加工食品では、名称やその原材料名などの表示を義務付けております。名称や原材料ではその内容を表す一般的な名称をもって記載するということになっております。
 鴨南蛮の場合のJAS法の考え方を御説明させていただきますと、この鴨南蛮というもの自体は一般的な名称でありますので、名称の表示としては問題にはならないということでございます。ただ、あわせて、JAS法ですと、加工食品は原材料名を表示することになります。原材料名の表示としましては、カモとアイガモは別の種ということでございますので、そこでアイガモ肉を使っているのであれば、原材料名としてはアイガモ肉と表示するということになるということでございます。
○渡辺美知太郎君 確かに法律が違うのでどうしようもないといえばどうしようもないんですけれども、余り、うまく説明をして消費者の方に誤解を与えないようにしていただきたいなと思います。
 それで、ちょっと今JAS法が出てきたので、例えば公正競争規約との関係についても伺いたいと思います。
 今、事業者の自主的な取組で、業界によっては既にもう公正競争規約が決められていると思うんですが、これはもう既に消費者のお声を聞いて独自ルールを作っていると思うんですが、今回の、今後もガイドラインなどを作る際に、こういった既にある民間同士の公正競争規約などを参考にしたりとか、あるいはそれに合わせるといったことはお考えになっていますか。
○政府参考人(菅久修一君) お答え申し上げます。
 御指摘の、今回の法案ですと指針ということになろうかと思いますが、事業者の講ずべき必要な措置に関する指針でございます。これは、不当な表示を防止する観点から、事業者の内部における管理体制を強化するために事業者に対しまして必要な措置を講ずることを求めるものということでございます。
 御指摘いただきました公正競争規約でございますが、これは現在様々な既に商品、役務について設定されております。基本的な内容といたしましては、必要な表示事項でありますとか禁止される表示事項、それから、特定の用語を用いて表示を行う場合の要件、そうした表示等の内容に関するルールを定めたものということでございます。
 したがいまして、事業者の方がそれぞれの業界での一種のガイドラインとしてこの公正競争規約を参照して表示を検証していく、チェックをしていく、これは違反行為の未然防止につながるものでございますので、御指摘のように、指針の作成に当たりましてはこうした事業者の取組というのは必要な措置の一つと位置付けられ得るものというふうに考えております。そうした観点も踏まえまして、関係各方面、御意見を聞きながら指針の策定を進めていきたいというふうに考えております。
○渡辺美知太郎君 是非、より良いガイドラインを作っていただければなと思います。
 さっきちょっと、小さくていいお店があるみたいな話をしたんですけど、それにちょっと関連して業者に義務付けられている適正管理体制の話をしたいなと思っていまして、今回の本法律案では事業者に対して表示等の適正管理体制の整備を義務付けております。この指針は、今後、例えば事業者の規模や業種において結構多種多様なバリエーションになっていくのかなと思うんですが、そういった事業者の規模、業種、特に規模ですね、規模に応じて何かガイドラインを明細に決めていくとか、そういったことは考えられていますか。
○政府参考人(菅久修一君) お答え申し上げます。
 景品表示法というのは商品、役務を消費者に提供する全ての事業者に適用される一般法でございますので、特定の業種また特定の規模の事業者に対して特別な措置を求めるというよりは、まずは一般的に違反行為を未然に防止するための措置を求めるということになろうかというふうに考えております。
 ただ、御指摘いただきました規模、いわゆる中小規模の事業者への配慮というものは必要というふうに認識しております。実際にその指針の策定を行う場合には、事業を所管する大臣とも協議をいたしますし、また事業者を始め関係各方面の御意見を聞きながら具体的内容を検討していくということになりますが、その中で、特に中小企業、個人事業者に対しましては過度の負担とならないように、例えば多くの場合、代表者の方がほとんどのことをやっているということも多かろうと思います。そういう場合であれば、代表者自らが表示を管理する担当者となるということで足りるということをきちんと明示するとか、また中小企業において取り組まれております優良事例、こうしたものを指針の中に入れるということで明確にしていきたいというふうに考えております。
○渡辺美知太郎君 そうですね。なかなかちょっと二律背反的なところもあるので難しいなというふうに思います。
 それで、ちょっと話を変えまして、今現行法で行うことができる都道府県による指示、都道府県に対しての指示は結構都道府県によってその件数にばらつきがあると報告があります。大体、都道府県知事による事業者に対する指示、全体で二百六十七件ぐらいあるということですが、実際に行っている自治体は六都道府県ぐらいしかないということで、一度もこういった知事による指示が行われたことがないという実績なんですけど、このようにばらつきが見られる理由についてはちょっと見解を教えていただけますか。
○政府参考人(菅久修一君) お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、景品表示法に基づきます法的措置の件数、都道府県で申しますと指示ということでございますが、これが地方公共団体によって異なるということにつきましては、法執行を担います人員の配置、こうしたことが地方自治体ごとに異なることによるものではないかというふうに考えております。
 これまでも地方公共団体に対しましては研修などいろいろ行ってまいりましたが、今後、都道府県に措置命令の権限が今度委任されるということになりますれば、より執行水準を全体的に向上するよう、人材育成や情報提供、そうした支援を強化していきたいというふうに考えております。
○渡辺美知太郎君 ちょっとこれはもう自治体の仕事ですから余り国が言うのもあれなんですけど、例えば適切に自治体、知事が指示を行っているかとか、そういったチェックみたいなのはされますか。
○政府参考人(菅久修一君) お答え申し上げます。
 現在の執行で申しますと、消費者庁と公正取引委員会、そして都道府県が景品表示法を執行しているわけでございますが、この間ではそういう執行に関する情報を共有する仕組みというものを設けて、基本的に情報の共有をしながら執行を行っております。景品表示法執行NETシステムというシステムを設けまして、ここで情報の共有を図りつつ行っております。都道府県からもその調査、執行する場合には適宜必要に応じ消費者庁にも相談がある、そしてお互いにそういう情報交換しながら重複なく執行するように心掛けているというところでございます。
○渡辺美知太郎君 じゃ、自治体の私は一定の水準は設けた方がいいのかなという気はしたんですけれども、そういった一定の水準は大体研修で担保できているという理解でよろしいですか。
○政府参考人(菅久修一君) お答え申し上げます。
 いわゆる景品表示法に関する研修というのは定期的に行っているところで、都道府県の担当職員に対する研修というのは行っているところでございます。したがいまして、景品表示法の基本的な考え方ということにつきましては、都道府県の担当の職員の間でも基本的には理解いただいているものと思っております。
 ただ、委員御指摘のように、執行経験の少ない都道府県ということになりますと、実際に調査をするときに慣れていないという、そういうことがあろうかと思います。今後、特に措置命令という、委任になりますれば、そうした審査実務という、調査実務ということが重要になってまいりますので、今後はそういう点にも力点を入れて研修を行っていきたいというふうに考えております。
○渡辺美知太郎君 さっき景品表示執行NETシステムの話がありました。平成二十四年四月からこのNETシステムの運用が開始されていますけれども、今実際やってみて、都道府県における景品表示法の統一的な執行という観点から、今やってみて、どのような効果が上がっていますか。ちょっとそういった、今実績についてお尋ねしたいと思います。
○政府参考人(菅久修一君) お答え申し上げます。
 日常的に情報を共有しながら行っている仕組みでございますので、いわゆる数量的な評価というのはなかなか難しいのでございますが、この景品表示法執行NETシステムというものを用いることによりまして、景品表示法の違反被疑調査に関するそれぞれの情報、こうしたものを消費者庁、都道府県、公正取引委員会の地方事務所などの間で共有しながら、まさに重複なく、又は必要に応じてお互いに協力してということで、調査をする上で非常に有効な仕組みになっているというふうに我々は考えております。
○渡辺美知太郎君 これは、例えば範囲を、今度関係省庁にもいろいろ委任されるわけですから、関係省庁にも共有させるとか、そういった拡充についてはいかがお考えですか。
○政府参考人(菅久修一君) お答え申し上げます。
 改正法によりまして、いわゆる事業所管大臣には必要な場合には権限を委任するということになるわけでございます。この必要な場合ということでございますが、常時ではございませんので、そうした事業所管大臣との間の情報共有をどういうふうにしていくかというのは、この景品表示法執行NETシステム、この活用ということも含めてちょっと今後更に検討していきたいというふうに考えておりますけれども。
 しかしながら、いずれにしても、景品表示法をきちんと運用していくためには統一的に運用するということが必要でございまして、そのためには情報の共有というのは不可欠でございますので、しっかりと情報共有できるような仕組み、それを作りまして統一的な執行を行っていきたいというふうに考えております。
○渡辺美知太郎君 そうですね。できたら、最初はまだこれから委任するというわけなので様子を見ていただきたいと思うんですが、さっき最初に学習塾の話も出したので、今後いろんな省庁も絡んでくると思うので、是非情報はやっぱり共有化していただきたいなと思います。
 さっき、話は戻るんですが、自治体による一定の水準確保みたいなちょっと話をさせていただきました。それで、この景品表示法を専任で担当する職員というのが自治体で限られていまして、東京都とかは限定されていまして、一応景品表示法も担当する職員というのはいると思うんですが、多分一部の自治体では消費者行政担当の職員の不足も指摘されていると思うんですが、そういったことについて何か研修以外にフォローなどはなされていますか。
○政府参考人(菅久修一君) お答え申し上げます。
 いわゆる都道府県の担当職員になった方に一定の時期にきちんと研修をするということをやっているわけでございますが、それに加えまして、実際に調査を進めるに当たりまして、その都度相談が消費者庁に来るということがございます。そのときにこちらから適切にアドバイスする、そうした協力を行っているということでございます。
○渡辺美知太郎君 是非、水準の確保については御尽力いただきたいなと思います。
 それで、ちょっと話は変わるんですが、今回の法律案では、消費者庁長官は事業所管大臣に立入検査等の調査権限を委任できるとしています。この委任ができるのは緊急かつ重点的に対処する必要があるという臨時的な場合に限られていまして、そのため、委任先の省庁や出先機関の担当職員が必要となったときに適切かつ円滑に調査を行えるように、消費者庁としては、あらかじめその委任先の担当職員に関して、さっきの自治体職員と同じなんですけど、景品表示法の考え方や個別事案の処理手続について周知していく必要があると思うんですが、今後のその範囲が拡大された景品表示法の運用に対してどのように考えておられるか、ちょっと伺います。
○政府参考人(菅久修一君) お答え申し上げます。
 今後、この改正法案成立いたしますれば、その事業所管大臣に必要な場合には調査権限を委任するということになります。実際に必要で調査権限を委任するということになりましたら、その事業所管省庁の担当職員に対して、その調査などを行う前にきちんと研修する必要がございます。
 今回、今臨時的な措置として農水省との間でいわゆる併任ということを掛けて調査を行ってもらっておりますが、このときも、農水省の職員に対しまして消費者庁の方から講師として行きまして、研修を行いました。
 実際にその調査権限を委任する場合には、そういう事業所管省庁の担当職員に対する研修をしっかりと行った上で、また、実際に調査を行っていく過程でも、その都度アドバイスをしていくということを考えております。
○渡辺美知太郎君 ちょっと重箱の隅をつつくような質問が多くなってしまって、恐縮でしたが。
 最後、ちょっと広い質問をしたいなと思って、最初私は、おすしの質問をさせていただいて、おすしは和食の中心とも言える存在で、今、和食はユネスコの無形文化遺産にもなりまして、こういった和食の偽装がやっぱりこれから増えていくんじゃないのかなと思うんですが、それで、特に文化財を守るという意味でも、是非この食品偽装について最後に大臣の意見をお聞きして、私の質問を終えたいと思います。
○国務大臣(森まさこ君) そうですね。偽装表示、様々な商品ございますけれども、特に食品偽装については、やはり食品という特性上、人の口に入るもの、そして健康に影響があるもの、さらに、今委員が御指摘になったように日本の食をこれから、世界遺産にもなったということで海外にもアピールをしていくという、そういう側面もあろうかと思います。各国とも、食の表示についてはきちっとした規制を持っております。我が国も、この景品表示法の改正案によって、よりしっかりとした表示を守っていくんだという姿勢を打ち出してまいりたいと思います。
○渡辺美知太郎君 是非、日本の文化が間違って世界に広まらないようにしていただきたいなと思います。
 ちょっといろいろと細かい質問が多くて恐縮でしたが、時間がちょっと早いんですけど、私の質問は以上で終わります。ありがとうございました。
○大門実紀史君 大門でございます。
 今回の景品表示法改正案提出の直接のきっかけになったのが食材偽装問題でございます。ただ、いろいろ議論ありましたけれど、その本質というのは、法律の知識が不足していたとか、うっかりやっちゃったとか、そういうことではなくって、人をだますつもりで分かってやっていたということが、確信犯的にやってきたというのが事実の経過でありますので、私は、あれこれいじくり回して、ましてやあの鴨南蛮の定義がどうのこうのとかそんな話ではないんじゃないかと、事を逆に複雑化しているんじゃないかと思うんですよね。
 実際問題、阪急阪神ホテルズの食品偽装問題ですけれど、あれはビーフステーキに牛脂を注入したとか、冷凍魚なのに鮮魚といったとかですね。最初、担当者が知識が不足していましたと、偽装ではなく表示の誤りでしたと、最初そんなことを言ったら、うそつけということになって再調査したら、偽装の表示と認識してやっていたということが分かって、厳しい処分になって、社長も責任を取るとなったわけですね。分かってやったわけですね。
 その前に、二〇〇八年にヒルトン東京が山形牛を前沢牛といっていたとか、北海道産ボタンエビをカナダ産だったのに、ボタンエビといっていたとか、二〇一三年六月には東京ディズニーリゾート内のホテルでブラックタイガーのことをクルマエビといったとかですね。これ、みんな一流レストランのシェフがやってきたことですよね。つまり、こんなものうっかりやるわけなくて、分かっていてやってきたことばかりだと思うんですよね。したがって、大事なことは、うっかり、理解不足を正してもらうんじゃなくて、こういう、要するに人をだますなと、お客さんをだますなということに踏み込んだ対策をやらないといけないんじゃないかなと思うんですけれど。
 それで、今、渡辺先生も取り上げられましたけど、三月二十八日に発表されたQアンドAというのがありますけれど、これやっぱり変なんですよね。事業者の景品表示法の理解不足を前提に、事業者が間違わないように手取り足取り解説をしてあげると。私は今まで、消費者庁のQアンドAというのは、法律をかみ砕いて、かなりいい出来のQアンドAが多かったと、よくできたものが多いなと思ったんですけれど、今回のQアンドA、ちょっと変なんですよね。
 例えばクエスチョンファイブ、五問目ですけれども、質問が、うちのメニューにオーストラリア産牛肉を国産牛と表示していますけれど、問題となりますかと。答え、問題となりますと。これ、当たり前じゃないかと、人に聞くような話かと思うんですよね。こんなのばかり続いているわけですよ。
 クエスチョン九なんかは、うちはアメリカンロブスターをイセエビと表示しています、問題ですかと。答え、問題ですと。こんなQアンドAって何なんですか、これ。こんなの要らないんじゃないかと思うんですよね。こんなことばかりがずっと書いてあって、中国産のクリをフランス産と言って駄目ですかって、駄目に決まっているよね。
 先ほど渡辺さん言われましたけれど、一番笑っちゃうのが鴨南蛮ですよね、鴨南蛮ですよ、これ。おそば屋さんが、うちは鴨南蛮にアイガモを使っていますが、問題ですかと。問題ありませんと。当たり前なんですよ、こんなの。マガモを使った鴨南蛮なんて食べたことありませんよ。
 だから、何でこんなことを、こんなことをやったら、そのうち、たぬきうどんにタヌキが入っていないのはなぜかと、そんな解説までこの延長だとやるようになっちゃいますよ、本当に。ばかばかしいね。本当にそう思うんですね。
 こんなQアンドAを作れば作るほど、書いていなかったからやっちゃったみたいな、いざというとき、裁判とかになったら悪用される可能性もありますし、こういうことじゃなくて、しかも、これよく三十五まで作ったなと思いますけれど、菅久さんね、もうやめたらどうですか、これ。もっと違う指導をしなきゃいけないと思うんですよね。本質はこういうところじゃないと思うんですよね。ちょっとどうですか、この問題。
○政府参考人(菅久修一君) お答え申し上げます。
 このガイドラインは、前半の部分で景品表示法の基本的な考え方を書かせていただいております。第二ということで説明するとともに、第三で不当な表示の禁止に関する基本的な考え方、特に義務表示と不当な表示の違いということを説明し、特にQの一で基本的な考え方について整理させていただいております。研修などで、研修といいますか説明会などでも、実はQの一までを皆さんしっかりまず読んでくださいということを申し上げております。
 委員御指摘のように、基本的な考え方ということをまずきちんと説明していきたいというふうに考えております。
○大門実紀史君 こういうところにエネルギーを割くよりも、本来のところに力を注いでほしいんですね、人手も足りないんですから。
 やっぱりちょっと方向がこういうふうになってくると、本来起きた事件との関係でいくと違うかなと思っております。事の本質はお客さんをだますなということに尽きるわけですね。
 今回の改正案の、もちろん事業者のコンプライアンス体制とか、事業者に法律を徹底する、啓発するというのは何も必要性は否定しませんけれど、問題の核心は、これからも起きるかも分からない、今も起きているかも分からない、この黙っていれば誰にも分からない世界ですね、やっちゃえと、だからという、そういう確信的な偽装表示をどう防ぐかというふうに考えますと、今までいろんな事件がありまして、私もいろいろ取り上げてきましたけれど、やっぱりこの問題も内部告発を保障していくということと立入検査を強化するということが、リアリティーでいきますと、具体的に一番実効性のある対策ではないかと思っておりますけれど、何も今回のことを全部否定しているわけではありませんが、そういうことは非常に核心的に重要なことではないかと思うんですけれども、まずちょっと大臣の御認識を伺いたいと思います。
○国務大臣(森まさこ君) 委員御指摘のとおりであろうかというふうに思います。
 まず、このメニュー偽装問題、今般起きたメニュー偽装問題というのは、大手の有名ホテル又は有名デパートなどで起きていまして、そのとき、私、業界の長、有名ホテルの皆さんと有名デパートの皆さんを呼んで言ったことは、ホテルマンとしての、またデパート、有名デパート経営者としてのプライドはないんですかというふうに申し上げました。お客様に、食品また製品、商品を出すときにうそをついてはいけませんということ、うそをついて優良に見せて高く売るということが行われていたわけですが、やはりそこの根本的なところの遵法意識の徹底というものが大事であろうかと思います。その方策として今般の法案も出しております。
 さらに、今委員の方からおっしゃいました内部通報制度の充実も対策の一つとして重要であるというふうに認識をしております。これまでも公益通報に係る実態の把握に努めてまいりましたが、さらに今年度実施する公益通報者保護制度に関する意見聴取の場において、有識者や関係者の方々からも幅広く話を聞くなどして検証、分析等を行い、課題を詳細に把握して、課題解決の方策について検討してまいりたいというふうに思っております。
 もう一つ、立入検査についての御質問がございましたけれども、本法案では、必要な場合に、所管する事業について日頃から監視、監督等を行い、当該事業に関する知見を有する事業所管大臣等に権限を委任することができることになります。これにより、迅速かつ的確に不当表示の端緒情報を認知し調査することが可能となると考えております。また、都道府県知事の権限として、指示に加えて、措置命令の権限とともに合理的根拠提出要求の権限も付与することができることになります。
 このように、今回の体制は国及び都道府県の不当表示に対する監視指導体制を強化するものでありますので、不当表示等に対してより一層有効に対処できることになると考えております。今後とも、引き続き積極的に景品表示法違反に関する情報を入手して、立入検査の実施も含め必要な調査を行い、事実関係を的確に把握して厳正に対処してまいりたいと思います。
○大門実紀史君 ちょっと具体的に、内部告発の話はなぜそういうふうに思うかといいますと、阪急阪神ホテルズの偽装問題ですけど、自分たちで一応記者会見して公表したんですよね。この背景に何があったかなんですけれども、その前に一連のホテルの偽装が、その半年ぐらい前ですかね、いろいろあって報道されたというのがあって、阪急阪神ホテルズも調べて公表したのかも分かりませんが。
 いずれにせよ、一番最初は何から始まるかというと、どこかのレストラン、どこかのホテルのレストランとか料理店ですね。そこの中の、これは中の人しか最初分かりませんから、内部告発といいますか、あるいは中での議論といいますか異論がある、従業員がこのままでいいんですかとかいう、それで言うこと聞かなければ外に通報するということも含めて、まず内部での何らかの異論なり告発があって、それで立入りが入るとか、あるいはもう隠せなくなって自ら公表するとかいうことで最初は始まって、どこかのお店がそういうことをやると、実はそういう同じことをやっていたお店は、うちにもそういうことがあるのを自覚していますから、これほっておくと、後でもしも追及されてばれると、隠して後で発覚すると、この間の問題できっと致命傷になりかねないと。もうそのお店の存続に関わるような痛手を被るので早めに自ら公表しちゃおうということで、一つが公表するとばたばたっと自分たちで公表するというのがこの間のこういうパターンなんですよね。
 したがって、最初はやっぱり内部告発の、その出し方はいろいろありますが、内部告発からでありますので、やっぱりこういう問題をこれからなくすには、その内部告発をきちっと保障していくという点でいきますと公益通報制度、前回も秋田書店のときに取り上げましたが、改善していただくことが重要かというふうに思います。
 今回、もう一つの立入検査ですけれど、この食品偽装でいきますと、立入調査についていえば今回の法改正で強化される、各省庁にも権限を持ってもらうと、景品表示法のですね。その場合、レストランなどの食品偽装表示の立入検査というのは農水省がやると、今後やる方向だという理解でよろしいんでしょうか。農水省に。
○政府参考人(福島靖正君) お答えいたします。
 景表法改正案で第十二条での政令で定めるところによりまして、消費者庁長官から調査権限が事業所管大臣に委任されるということでございますので、改正法の下で、消費者庁長官から外食産業、外食事業を含む食品に関する事業を所管する農林水産大臣に対しまして調査権限が委任された場合には、これに基づきまして、農林水産省としてレストラン等の食材偽装を含め対応することになると考えております。
○大門実紀史君 私は本当に農水省にやってもらいたいなと思うんです。
 資料をお配りいたしましたけれど、今農水省のところは大変体制も、もちろんこれから体制をちょっと充実しないと大変だと思うんですけれど、食品Gメンの体制があって、かなり巡回調査、立入りも含めて頑張っておられますので、ここのところで、景表法も含めて、外食のところも含めて、巡回とそして立入りやっていただければ、それが大変プレッシャーに、偽装をやっちゃいけないと、いつ立入りされるか分からないというプレッシャーになりますので大変重要だと思っておりますので、具体的にそういう権限が農水省に移行ということが確定したら是非頑張ってもらいたいと思います。
 もう一つは、この三枚目の資料に載っけておきますけど、農水省は今、食品表示一一〇番というのをやっていらっしゃいます。これも大変頑張っている数字が出ておりますけれども、個々に寄せられた情報は今現在どういうふうに対応されていますか。
○政府参考人(福島靖正君) 食品表示一一〇番でございますけれども、これは食品表示の適正化を図る観点から、国民の皆様から食品の偽装表示に関する情報の御提供、あるいは食品表示に関する問合せを受けるためのホットラインとして地方農政局等に設置しておるものでございまして、ここにもございますように、資料にもございますように年間約二万件の情報を受けております。
 このうち、JAS法違反となる可能性のある食品の偽装表示、あるいは不審な表示に関する情報を受け付けた場合には、地方農政局等に配置しております食品表示Gメンが速やかに事業者に対しまして立入検査を実施するなど適切に対応しております。また、この受け付けた情報のうち、景表法等他法令に抵触するおそれがあるものにつきましては、速やかに当該法令を所管する関係機関に回付をするなどの対応を取っておるところでございます。
○大門実紀史君 最後に大臣にお聞きいたしますが、この食品一一〇番というのは、実は食材の偽装のこれからの防止する上で大変重要な、何といいますか、役割を果たすと思っておりまして、といいますのは、この食品表示一一〇番のところで今度は外食レストランの食材の偽装表示も個々に情報が寄せられていくと、権限が移って農水省もやれるということになった場合。
 そうしますと、先ほど言いましたけど、内部告発は公益通報制度だと大変ないろいろ手続必要ですけれど、個々に情報提供して、それは内部にいて匿名でも場合によっては確たるものであれば動いてくれると、今あったように動いてくれるわけですから内部告発を保障するものでもありますし、すぐ、すぐといいますか、一定の検証の上に立入検査にもつながるものでありますので、今後、今回起きたメニューとか料理などの食材偽装を防ぐ上では、実はこの農水省の食品表示一一〇番がこれから一番大きな役割を実は果たすんではないかと私は思っておりますので、体制上も大変だと思いますので、消費者庁としても、個々の体制強化にやっぱり財務省も含めて要望していってほしい、協力していってほしいと思いますけれど、いかがでしょうか。
○国務大臣(森まさこ君) しっかりと農水省を始めとした関係省庁と密接に連絡を取って、この食品表示一一〇番を始め、有効な施策については消費者庁が先頭に立って積極的な役割を果たしてまいりたいと思います。
○大門実紀史君 じゃ、終わります。いずれにせよ、今回の改正で終わりと、とどまるということではなくて、引き続き対策を強化していただくことを申し上げて、質問を終わります。
 ありがとうございました。
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 課徴金制度についてお聞きをいたします。
 本法律案においては、政府が課徴金制度導入の検討に取り組むことを明確に示すための規定が置かれました。課徴金制度の中身なんですが、この課徴金率は、景表法四条一項の不当表示を事前抑止するために十分な水準に設定すべきではないか。あるいは一定の客観的要件の下、例外として課徴金を課さないという制度も必要なのではないか。とりわけ中小企業とか極めて零細のような場合、あるいは一定の客観的要件の下で課徴金率の加算を行うことの検討などもすべきではないか。いかがでしょうか。
○国務大臣(森まさこ君) 今、一定の加算措置又は原則課すとしたことによって例外的に除いていくというような措置等、様々な御提案がございました。今消費者委員会の中で論点として出ているものというふうに承知をしております。
 やはり主目的は、偽装表示が行われないようにする抑止効果、そして行われた場合の不当な利益を剥奪して、そしてできれば消費者に被害回復をしていくということでございますので、委員の御指摘を踏まえて、しっかり有効な機能を果たすように制度設計してまいりたいと思います。
○福島みずほ君 この課徴金財源の使途についてなんですが、一般財源化ということもあり得るけれども、是非消費者のために何とかこれを使うことはできないか。消費者被害の回復に役立つ使途に利用できる制度、枠組みの検討が必要ではないか。例えば、申請により拠出又は貸与するような制度として、適格消費者団体による差止め請求や集団的消費者被害回復のための訴訟制度を遂行するための実費や様々な被害回復に役立つ使途に用いることは考えられると思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(森まさこ君) 不当表示事案は、委員も御存じのとおり、その特性上民事訴訟になじまない場合も多いので、消費者裁判手続特例法も含めた民事訴訟手続による対応だけでは、被害回復の観点から十分とは言えないと考えられます。
 課徴金制度に、違反行為者が手にした不当な利益を剥奪しつつ、国庫に納付される前に消費者に還元する手法を何とか導入できないか検討しているところでございます。すなわち、自主的返金等により直接被害者に還元することを原則としつつ、それが困難な場合には、今様々な御提案もございましたけれども、寄附等を通じて広く一般消費者に還元することで被害の回復につながるような、言わば擬制する仕組みを創設できないか、消費者委員会で御議論をいただいておりますので、その御議論をにらみながら、消費者庁としては適切な制度設計をしてまいりたいと思います。
○福島みずほ君 是非、消費者問題の回復やその団体などへの支援や、そういうことにも使えるように是非検討をよろしくお願いします。
 消費生活相談業務の民間委託における守秘義務と目的外利用防止についてお聞きをいたします。
 衆議院のこの委員会におきまして、池本誠司参考人が消費生活相談業務の民間委託について発言をされています。
 本日は、お手元に福岡県弁護士会が福岡市長に宛てた消費生活相談業務についての意見書をお配りをしております。これは、福岡弁護士会は今年三月十二日、福岡市長に対して消費生活相談業務についての意見書を出しました。福岡県弁護士会はその中で、消費生活相談業務を民間企業など営利団体に委託することは、業務の公平中立性、目的外利用の危険性などの観点から、委託自体を見直すべきであるとしています。
 確かに、民間企業であればいろんな会社の顧問にもなっていると、PIO―NETの直接原資料を当たることになれば、どういうリアルな相談がリアルに現時点で起きているかも把握できるし、要するに、やっぱり相談業務って中立的、客観的であるべきであって、営利企業との関係があれば客観的な相談業務などできにくいんじゃないか、あるいはその情報がどう使われるかという問題などがあります。この点についていかがでしょうか。
○国務大臣(森まさこ君) 福岡県弁護士会が三月に福岡市に対して出した意見書であると承知しておりますけれども、この内容は、消費生活相談業務はできる限り委託によるべきではなく、市の本来業務としてやること、やむなく委託する場合であっても、消費生活相談業務の趣旨を理解するとともに、十分な専門知識を有し、公正かつ信頼性のあるものに限定すべきであり、少なくとも営利団体への業務委託は不適切であり、改善すべきという趣旨のものというふうに理解をしております。
 消費生活相談業務の民間委託は、従来、専門性を有する民間団体のノウハウを活用するという観点から行われてきましたけれども、最近では、行政改革の一環として、消費生活相談の事務の特性が十分に考慮されず、価格を重視して受託者が決定される例があるというふうに聞いております。
 民間委託は、民間団体の専門性を活用し、消費生活相談等の事務の質の向上に資するような趣旨で行われるべきであることから、本法案では、消費生活相談等の事務の委託先について、内閣府令で規定する全国一律の制度的要件を課すとともに、消費生活相談等の事務により得られた情報が適切に取り扱われるよう、受託者に対する秘密保持義務を課したものでございます。
 また、業務実施及び消費生活相談員の処遇等に係る留意点、委託業務により得られた情報の取扱い等についてガイドラインを策定し、民間委託を行う場合にも、適切に消費生活相談、あっせん等の事務が実施されるようにしてまいりたいと思います。
○福島みずほ君 PIO―NETに直接アクセスできるわけですから、これはやはり民間委託は根本的に見直すべきだということを申し上げたいと思います。
 次に、消費生活相談員の労働条件、雇い止めについてお聞きをいたします。
 社団法人全国消費生活相談員協会、全相協が会員千百十二名からの回答をまとめました。会員実態調査報告書、二〇一一年十二月によると、四五・一%が月間勤務日数十六日から二十日未満で、四八%が一日の勤務時間が七、八時間未満と答えています。ほぼフルタイムの働き方です。賃金水準は、月給制で二十万円未満が六七・六%で、日給制で一万円未満が四九・〇%、時給制で千七百円未満が六〇・五%となっております。極めてベテランの方が業務に当たっているわけですが、待遇はやはり問題があります。また、雇い止めがあると答えた相談員は二二・四%おり、かなり不安定な待遇、賃金と言わざるを得ません。
 このような消費生活相談員の処遇安定化のため、労働条件向上や雇い止め防止について、消費者庁はどのような施策を講じてきたのでしょうか。
○国務大臣(森まさこ君) この相談員の処遇問題というのは本当にずっと指摘されてきた問題でございまして、これを解消していくこと、また処遇を改善していくこと、雇い止めを解消していくことと処遇の改善が大切であるというふうに思っております。
 処遇改善につきましては、地方消費者行政活性化基金について、平成二十二年八月に相談員の配置、増員に加え、処遇改善にも活用可能となる見直しをし、これまで補正予算を中心に措置してきた地方消費者行政活性化交付金の当初予算における大幅増額など財政的な支援を行ってきたところです。
 いわゆる雇い止めにつきましては、制度を所管する総務省と認識を共有した上で、通知を発出するなど、各地方公共団体に専門性に配慮した任用を行うよう積極的な働きかけを行ってまいりましたが、さらに、昨年二月に発出した基金等の活用期間に関する一般準則の中で、地方公共団体が相談員の雇い止めをしている場合には基金の活用期間を短縮するというペナルティーを科すことにいたしまして、雇い止め抑止に向けた思い切った取組を始めました。これは、この期間がこれから満了していくので、その効果をしっかりと見てまいりたいと思いますが、既に千葉県や長野県、その他実際に雇い止めの解消を実現した例も出てきております。
 消費生活相談員の職務と能力について適切な評価が得られていないために、このような処遇や雇い止めが起こっているというふうに考えられます。それには現行の消費生活相談員の法的位置付けが十分でないことも一因であると考えられますので、本法案では消費生活相談員の職及び任用要件等を法律に位置付けたところでございまして、これにより地方公共団体の中でその職務と能力にふさわしい専門職としての適切な評価が得られ、それが処遇改善にも資するものと期待をしているところでございます。
 今後も、地方公共団体との連携協力を更に深めるとともに、改正法の趣旨を十分に周知し、相談員の処遇改善と雇い止めの解消に努めてまいりたいと思います。
○福島みずほ君 しかし、今年、二〇一四年度、地方消費者行政のための地方財政措置二百七十三億円が計上されているにもかかわらず、実際に使われているのは百三十億円にとどまっております。
 通達は掛け声倒れではないですか。
○国務大臣(森まさこ君) 通達というのがどの通達を示しているか、ちょっと分かりませんけれども、今回、雇い止めの措置をしてこれから期間が満了するということで、この法案で法的位置付けもさせていただくことになりましたら、法案成立後、私の方で通知を発出する予定ではございますけれども、今後、こういった基金の活用をしっかりと周知をしてまいりたいと思います。
○福島みずほ君 通達と申し上げましたのは、平成二十五年二月二十七日付け「消費生活相談員に対するいわゆる「雇止め」の見直しについて」という消費者庁長官名での通達なんですが、そういう通達がせっかく出ているにもかかわらず、地方財政措置二百七十三億円中、実際に百三十億円しか使われていないのは極めて残念であるというふうに思っているんですね。もっとこれをきちっと使うべきだと、うんうんと言っていただいていますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(森まさこ君) 先ほどの御答弁の中でも申し上げましたとおり、このペナルティーが生きてくるのは、今動いている基金の期間が雇い止めにより満了するという時期が来て、その次の予算措置をする時期だと思います。それによる統計が上がってくることを注視してまいりたいということを先ほども申し上げたんですけれども、それを待たずにまた再度、この法案が成立をさせていただきましたら、法的資格等を位置付けたということも併せて、さらに、私の名前で、長官名ではなく大臣名で通知も出そうというふうに思っているところでございますので、更に地方公共団体に周知徹底をし、基金も活用していただいて、相談員の処遇改善に努めてまいりたいと思います。
○福島みずほ君 消費生活相談員の資格の法定化ということをお聞きいたします。
 現行の三資格、消費生活専門相談員、消費生活アドバイザー、消費生活コンサルタント保有者や消費生活相談等に従事してきた者に対して、経過措置として、一定の実務経験がある者は新しい消費生活相談員資格試験の合格者とみなすことになっております。一定の実務経験とはどのような内容なんでしょうか。
○国務大臣(森まさこ君) 本法案第三条第一項の実務経験の具体的内容についてのお尋ねですが、これとしては、地方公共団体における消費生活相談の事務、消費者団体の実施する消費生活相談の事務、企業のお客様相談室等における顧客対応の事務、国の行政機関や独立行政法人における消費生活相談の事務などに関する一定期間以上の経験を想定しておりますけれども、今後、関係者の意見も聞きながら検討してまいりたいと思います。
○福島みずほ君 本法律施行後五年以内に限り指定された講習を修了した人も合格者とみなすことになっておりますが、五年の根拠は何でしょうか。
○国務大臣(森まさこ君) 五年といたしましたのは、現行三資格のうち二つの資格について、資格取得時に確認された知識及び技術が消費生活を取り巻く環境や業務内容の変化に適応可能である期間としてその更新が五年とされていることを参考としつつ設定したものであります。
○福島みずほ君 都市部と地方における有資格者の格差やいろんなことがこれから生ずるんじゃないか。消費生活相談員の国家資格化を導入するに当たっては、例えば地方における資格取得のための研修機会の拡充を重点的に行うなど、全国の消費生活相談窓口に資格を有する消費生活相談員がくまなく配置されるような格別の配慮など必要だと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(森まさこ君) 本年一月、どこに住んでいても質の高い相談、救済を受けられる地域体制を全国的に整備をするために、地方消費者行政活性化基金を通じた当面の政策目標として地方消費者行政強化作戦を定めて、都道府県ごとに消費生活相談員の資格保有率を七五%以上に引き上げることを働きかけるなど、消費生活相談員の資格保有者の地域偏在の解消に向けて努めているところでございます。
 地方における試験の受験や講習の受講機会なども委員の御指摘を踏まえて十分に確保するなど、地方においても円滑に資格を取得できるようにすることが必要であると思いますので、今後全国各地で資格取得を促進するための措置について検討してまいりたいと思います。
○福島みずほ君 消費者庁は、今年二月二十六日、農水省職員二百九十名に対して食品Gメンとして消費者庁の併任発令を行っております。六か月がめどとなっており、今年八月に併任終了となる見込みですが、外食への監視業務の重要性などの観点から併任を延長するお考えはあるでしょうか。
○国務大臣(森まさこ君) 食品表示Gメン等の消費者庁への併任発令に基づく巡回、監視業務については御指摘のとおり現状半年間を目途に実施しているところでございますが、表示の適正化のためには事業者に対する監視が継続的に行われることが重要でありますので、食品表示Gメン等の併任発令に基づく巡回、監視や本法案による権限委任に基づく調査については、今後農林水産省の御協力を得ながら切れ目なく監視が行われるように適切に対応してまいりたいと思います。
○福島みずほ君 食品表示法違反行為に対する都道府県知事の対応はばらつきがあります。現行法で行うことのできる都道府県知事による指示は都道府県ごとに件数が大きく違っております。二〇〇三年度から二〇一三年度まで十一年間で都道府県知事による指示は全国で計二百六十七件です。上位六県、都道府県は北海道、栃木、埼玉、東京、静岡、兵庫で全体の六割を占めている一方、九県、青森、富山、石川、福井、山梨、三重、岡山、広島、鹿児島では一度も行われておりません。このような著しいばらつきの原因は一体何なんでしょうか。また、その対処法についてはどうお考えでしょうか。
○国務大臣(森まさこ君) 景品表示法に基づく法的措置件数が地方公共団体により異なる理由は、法執行を担う人員の配置等が地方公共団体に異なるものなどと考えております。
 消費者庁としては、これまでも地方公共団体における景品表示法の執行の水準が全体的に向上するように人材育成や情報提供等の支援を行ってきたところでございますが、本法案により都道府県知事の権限強化をいたしましたので、都道府県の景品表示法違反に対する取組への意識の変化が期待できるというふうに考えておりますので、より一層の支援を実施してまいりたいと思っております。
 具体的には、執行事例の具体例の周知、具体的な審査手法や事務処理手続等の法執行に関するノウハウを提供したり、都道府県における研修等への地方消費者行政活性化交付金の活用の促進に取り組んでまいりたいと思います。
○福島みずほ君 消費者被害という場合、高齢者がその被害に遭う割合がやはり高いと。消費者庁がやろうとしている見守り施策というのは、私はやっぱり高く評価できると思っております。
 衆議院の委員会で樋口恵子さんが高齢者の問題を取り上げていらっしゃいますが、やはりここは施策を強化すべきであると。北海道消費者被害防止ネットワークや静岡市の高齢者見守りネットワークなど、行政、消費者団体、福祉関係団体、教育団体、町内会などが連携して、消費者被害に遭いやすい高齢者の見守りのためのネットワークをつくって効果を上げております。また、電話勧誘での被害を防ぐため、通話録音装置の設置のモデル事業もあります。
 このような取組に対して更に財政的支援を拡充していくべきと考えますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(森まさこ君) 深刻化する高齢者の消費者被害でございますが、今、被害金額がトップでございます。国や地方公共団体の関係機関と見守りの担い手が、消費生活上特に配慮を要する消費者に関する情報を共有し、効果的な見守りを実施することが有効であるというふうに思っておりますので、委員の御指摘を踏まえてしっかり支援をしてまいりたいと思います。
○福島みずほ君 時間ですので終わります。
○主濱了君 生活の党の主濱了であります。
 早速質問に入ります。
 まず、外食産業における表示についてお伺いをいたします。
 昨年十月から、ホテルのレストラン等の外食産業におけるメニュー表示の問題が相次いで発生していると、こういうことでございます。誤表示であれ、偽装表示であれ、消費者の信頼を裏切った行為にはもう変わりはないと、こういうことでございます。そして、対外的に見て、外国から見ても日本食に対する信頼を失墜させるおそれも生じていると、こういう認識であります。
 まず、三点伺いたいんですが、一つは、外食メニュー表示のルール、これ現行どうなっているのかという点について、加工食品との違いも含めてお伺いをいたします。二つ目、外食あるいは中食にJAS法が適用されない法的な根拠、これについて伺いたいと思います。三つ目、外食表示の問題点と、それに対する対応はどのようになっているか。三点お伺いします。
○大臣政務官(福岡資麿君) 委員御承知のとおり、外食を含む商品、サービスについては、景品表示法において、一般消費者に著しく優良又は有利であると誤認される表示を不当表示として禁止しているところでございます。
 一方、JAS法におきましては、基準を設けての食品の名称等について表示を義務付けるものでございますが、外食については委員御承知のとおり表示の義務付けの対象外とさせていただいているところでございます。
 JAS法においてその表示の義務付けの対象となる食品の範囲というものを同法に基づく品質表示基準において定めさせていただいておりますが、そこには生鮮食品及び容器包装された加工食品としておりまして、外食や中食については、表示によらずとも、消費者が食材に関する情報をお店の店員さん等に直接尋ねることが可能であるということから、原則として表示の対象の外としているものでございます。
 また、その問題点ということでございますが、先ほど来おっしゃっていますような様々な不正事案が生じた背景の一つとしまして、景品表示法の趣旨、内容の不徹底等があるというふうに考えております。
 こういったことから、消費者庁では、景品表示法の考え方を整理したガイドラインを三月二十八日に公表をさせていただいておるほか、これに係る講師派遣要請に対しても積極的に対応させていただいているところでございます。
 また、法執行面でも限界も見られましたことから、今回、本法案を出させていただくことによりまして、国及び都道府県の不当表示に対する監視指導体制や事業者の表示等管理体制を強化する措置を講じようとするとともに、課徴金制度の導入についても検討を進めさせていただいているところでございます。
○主濱了君 若干今の答弁と重なる点もあるかもしれませんが、今回、景表法を改正するわけでありますけれども、事業者のコンプライアンス体制の確立とか、あるいは国、それから地方公共団体等の情報の共有あるいは連携の確保、それから都道府県に不当表示に対する措置命令権限を付与すると、こういったような改正、権限強化を図ることとしているわけですけれども。
 結局、これらによりましてどのように現状の問題点が要するに改善されると期待しているのか、これについて伺いたいと思います。
○大臣政務官(福岡資麿君) 委員御指摘いただきましたように、まず事業者自身によるコンプライアンス体制が確立することによりまして、不当表示等の未然防止がそれによって図られるのではないかということ、また、行政による監視指導体制が強化されますことによって、より迅速かつ適切な法執行につながるのではないかということ、そして、関係者相互の連携を確保することで情報共有などがより一層密に行われることになるのではないかといった改善が図られるものと考えております。
○主濱了君 次、中小零細企業への配慮と、こういうことでお伺いをしたいんですが。
 今回、景表法改正案では、政府は表示等の適正管理のために事業者が講ずべき措置に関して指針を策定することとしていると、こういうことでございます。大企業、一流ホテルの中に入っているレストランなど、それから中小零細企業、駅前の小さな食堂と、こういったようなところを一律に取り扱うのはどうなのかと、こういう問題であります。
 表示の偽装というのは事業者が自らの利益追求をするために行うわけであります。それから、このことは消費者を無視した許されない行為であるというふうに思います。
 一方において、中小零細企業においてはコスト、これを考慮をするとやはり一定の配慮が必要ではないかと。これは比較の問題ですけれども、国民の健康と、一方においては中小零細企業の経営と、この辺のバランスなんですけれども、非常に難しい問題ではありますけれども、この辺の森大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(森まさこ君) 表示管理体制に関する指針の策定に当たっては中小規模の事業者への配慮が必要と認識しております。
 指針の策定に際しては、事業所管大臣と協議するとともに、事業者を始め関係各方面の御意見を幅広く聞きながら指針の具体的内容を検討してまいりたいと思います。
 その中で、特に中小企業、個人事業者に対しては過度の負担とならないよう、例えば、代表者自らが表示を管理する担当者となることで足りることや、中小事業者において取り組まれている優良事例を指針の中に盛り込むなどしてまいりたいと思います。
○主濱了君 ちょっと質問数が多いものですから先を急がせてもらいたいんですが、次は、消費者事故情報の集約等と、こういうことでお伺いをいたしたいと思います。
 まず、消費者事故情報の収集、分析、そして研究の現状についてであります。
 消費者庁は、消費者安全法あるいは消費生活用製品安全法等に基づいて消費者事故情報の集約、公表を行っていると聞いております。実際に発生した消費者事故情報を収集、そして原因の分析等を行って、その結果を消費者に還元することは、新たな事故、これを未然に防ぐために非常に有効な手段であろうというふうに思っているところであります。
 まず二点お伺いしたいんですが、消費者庁が把握している消費者事故情報件数についてどのぐらいあるのかというふうなことを伺いたいと思います。もう一つ、膨大な消費者事故情報が各省あるいは消費者センターなどに寄せられる中、消費者庁は事故情報を一元的に集約をするためにどのような体制を取っているのか。さらに、収集された事故情報の分析とかその内容の研究とか、これはどのように行われているのか、まずお伺いをしたいと思います。
○大臣政務官(福岡資麿君) 委員御承知のとおり、消費者庁におきましては事故情報データバンクというものを平成二十二年四月からスタートさせていただいておりますが、二十二年四月から二十五年度末までに累計十一万件の事故情報が登録をされておるところでございます。また、先ほど関係法令おっしゃっていただきましたが、それ由来に基づく情報提供に加えまして、独立行政法人等から任意の情報提供等をいただくことによりまして、消費者庁としても一元的に事故情報を管理させていただいています。
 消費者庁の中に入手情報点検チームという大体十人ぐらいのチームをつくりまして、その中で、毎日情報を点検しながら、毎日開催して事故情報を分析するというような行為をさせていただいておりますほか、消費者安全調査委員会等におきまして、特に原因究明する必要が高い事故について調査を実施しているところでございます。
○主濱了君 今お話のありました事故情報データバンクシステムにはどのような情報が登録されており、そして実際に、登録はいいんですが、どれだけ見られているか、閲覧されているか、その辺についてお伺いしたいと思います。
○大臣政務官(福岡資麿君) 事故情報データバンクには、例えば化粧品を使用したら皮膚障害が発生したとか、食品を食べたら下痢になったなどの事故情報が寄せられているところでございます。
 参考までに、これまで寄せられた情報多かったものでいうと、化粧品などを含む保健衛生品などに二万一千百二十七件、サプリメント等を含む食料品に一万八千四百三件、またエステ、美容、医療等を含む保健・福祉サービスに一万三千三百二十八件、車両・乗り物八千六百六十二件、住居品八千二百七十三件、そういった内訳となっております。
 また、アクセス数は二十五年度の実績で年間約十四万件ということになっておりますが、制度が発足した二十二年度でいうと七万二千九百四十一件ということでございますから、大体そのアクセス数が二倍に伸びてきているということで浸透が図られてきているのではないかと考えております。
○主濱了君 次は、集めたデータの還元と、こういう観点からお伺いをしたいと思います。
 集約した事故情報は、それを消費者あるいはメーカーあるいは販売者にいかに還元をしているかと、こういう問題であります。要するに、還元という意味は、様々な事故情報が集まっている、これはもう次の事故を防ぐための一つのデータになりますよね。これをどうやって注意情報としてそういうふうな販売店とかメーカーとか消費者に配布をしているかと、こういうふうなことであります。
 先ほどのデータバンクシステムというのは一応ホームページに並べているだけで、もう一歩進めて、こういったような事故がありますよということをこちら側から積極的に提供すれば、これは医療なんかはよくやっていますよね、医療事故、これはもう人間の健康あるいは生命に重大な影響を及ぼす、そういうふうな一歩進めた積極的な対応が実は必要ではないかと思うんですが、この辺はいかがでしょうか。
○大臣政務官(福岡資麿君) 委員御指摘いただきましたように、先ほど申し上げました事故情報データバンクは、例えばキーワードを検索すると類似の事案が全部出てくるという非常に便利なものになっているわけですが、例えば御高齢者でパソコンを使われない方とかに対してどうするのかといった懸念というのは従来から寄せられているところでございます。
 消費者庁としましても、まずはマスコミ等でできる限り大きく取り上げていただけるように働きかけていますほか、消費者庁の発信情報を地域の広報誌等で活用できるよう、消費者団体、事業者団体、地方公共団体に対してメールマガジンの配信やポスター、リーフレット等の作成、配布を行っておるようなところでございますが、今後とも、御指摘を踏まえて、なるべく隅々まで情報を届けていくようにさせていただきたいと考えております。
○主濱了君 次は、地方の消費センターの役割と、こういうことでお伺いをいたします。
 今のは大体中央を中心にお話をしたわけですけれども、地方消費者センターは消費者にとって最も身近な相談場所なわけであります。もう通報するにしても、私で言えば岩手県消費生活センターというのに、すぐ連絡を取りやすいところなわけでありますけれども。その地域で多発しているトラブルとか事故であるとか、そういうふうな情報提供をする、あるいは情報収集をする、消費者に対するきめ細かな対応をするのが、本当にまさに住民のためになるのではないかなというふうに思うんですが、この地方消費者センターが担う役割についてはいかがお考えになっているか、よろしくお願いいたします。
○大臣政務官(福岡資麿君) 大きく三点あるというふうに思っております。
 まず、御相談に来られた消費者の方々に適切な助言や必要な情報の提供を行うということが一点でございます。二点目は、事業者と消費者の間に生じた苦情、紛争について、その専門的知見に基づいてあっせんを行うことによってその解決を図っていくという点が二点目でございます。また、三点目としましては、そういった相談の中で得られた情報を活用することによりまして、住民に機動的な注意喚起や適切な消費者教育などを行うことによって、消費者被害の早期発見、未然防止、拡大防止を図るというような機能を有しているものというふうに考えております。
○主濱了君 地方の消費生活センター、非常に頑張っておりますので、大いに活用をしていただきたいなというふうに思います。
 次は、これは不招請勧誘の禁止についてお伺いをいたしたいと思います。
 まず第一番には、不招請勧誘が禁止された、不招請勧誘というのは、こちらがお願いしないにもかかわらず、どんどんどんどん押しかけていって勧誘をする、そういうふうな商法なわけですけれども、平成二十一年に、要請をしない消費者への電話あるいは訪問による勧誘、不招請の勧誘を禁止をすることを内容とする商品先物取引法の改正が行われております。
 この改正が行われた背景あるいは経緯について、まずお伺いしたいと思います。
○大臣政務官(福岡資麿君) 委員御承知のとおり、これは消費者庁が所管している法律ではございませんが、この背景としましては、商品先物取引について深刻な消費者被害が長年にわたって生じていたということに対応すべく導入されたものであるというふうに承知しております。
○主濱了君 まさにそのとおりですよね。結局、今御答弁のあったとおり、深刻な消費者被害が相次いだからこそ不招請勧誘が禁止されることになったというふうに私も思っております。
 それで、不招請勧誘を禁止する改正法が施行された平成二十三年度以降の商品先物取引の消費生活相談件数、先物取引に関する相談件数ですね、これが禁止される前と比べてどう推移しているのか。これ、概要をお知らせをいただきたいと思います。
○大臣政務官(福岡資麿君) 不招請勧誘禁止規定の導入というのが平成二十三年一月から施行されているということでございますが、二十四年、二十五年における全国の消費生活センターに寄せられた国内商品先物取引に関する消費生活相談件数は、改正商品先物取引法施行前の平成二十二年に比して減っておりまして、その件数はおよそ三分の二程度で推移しているということでございます。
○主濱了君 今御答弁いただいたように、不招請勧誘が禁止されてからこの相談件数自体が三分の二に減っていると。そういう方々、そういう皆さんが三分の二に減ったというふうに考えて、相談件数がイコールそういう案件であるというふうに置き換えて、減ったと、こう言って差し支えないというふうなことであろうと思っております。
 顕著な効果が見られる中、実は経済産業省と農林水産省は、四月五日にこの不招請勧誘の禁止規制を緩和する商品先物取引法施行規則の改正案を公表しております。そして、五月七日までの間にパブリックコメントを募集していると、こういうことであります。
 この改正案の内容、私も見させていただきましたけれども、年金生活者などを除く七十歳未満に限り、年齢の確認や契約から七日間の熟慮期間を設けて、適切に理解されていることを書面かホームページ、記入欄などで確認することを条件に、電話あるいは訪問勧誘を認めると。また元に戻ってしまうと、一部ですね。条件付であれ、また元に戻ってしまう。しかも、七十歳未満、結構な御高齢も含まれている。
 この商品先物取引、私もよく内容については、そういうふうな契約をしたことがないものですから、内容はよく分からない。七十歳未満の方々までずっとやっていいよと、一定の条件の下にやっていいよ、こういうふうなことを認めるものだと私は理解をしているところであります。
 まず、この施行規則の改正の趣旨について、特になぜ法に定めるこの規制を今緩和しなければならないのか、これを経済産業省と農林水産省に伺いたいと思います。まず、経産省、お願いします。
○政府参考人(寺澤達也君) お答えいたします。
 今回の不招請勧誘禁止見直しでございますけれども、出発点は昨年六月に規制改革実施計画がございました。これは、個々の契約の中で、勧誘規制については顧客保護に留意しながら市場活性化の観点から検討を行うということが閣議決定をされております。
 この閣議決定の背景でございますけれども、二〇〇三年度をピークとして、商品先物取引はその後累次にわたる規制強化もあってマーケットの規模は四分の一以下に大幅に縮小しています。したがって、マーケットの活性化が大きな課題となっています。
 他方、商品先物についてのクレーム、苦情相談でございますけれども、これは二〇〇四年のピークに比べて九六%減と激減をしています。ピークから九六%減、だから四%になっているということでございます。このうち、しかも九四%については不招請勧誘規制が入るまでに減ったものでございます。
 こうした状況を背景として昨年六月の閣議決定があったわけでございます。この閣議決定を基に、私ども今回見直しの案をパブリックコメントに掛けて、現在その結果を取りまとめをしているというところでございます。もちろん、パブリックコメントでいろんな意見が来ています。消費者庁からもいろんな意見が来ています。そうした意見をしっかりと踏まえながら、今後具体的な改正の中身について検討してまいりたいと考えている次第でございます。
○政府参考人(石田寿君) 商品先物市場ですけれども、FX、外国為替の証拠金取引など、他の魅力的な金融商品などの登場などに加えまして、取引業者に対する、ただいま経産省からも答弁ございましたような累次の規制強化などもあったことから、苦情相談件数のみならず取引量が大幅に減少しまして、私どもから見ますと、産業インフラとしての機能が維持できなくなるということが懸念されているところでございます。
 このため、市場活性化のための取組の一つとして、昨二十五年の閣議決定、これは規制改革関係の閣議決定でございますけれども、ここで、「勧誘等における禁止事項について、顧客保護に留意しつつ市場活性化の観点から検討を行う。」とされたところでございます。これに基づきまして見直しを行っているということでございます。
○主濱了君 この問題は、先ほど外食産業のところで申し上げましたけれども、要するに、国民の生命とか健康を守るのか、一方においてマーケットを守るのか。安倍政権は少なくともマーケットの方を優先しようと、こういう考え方だというふうに聞き及んだんですが、御担当の皆さんはどのようにお感じになっていますでしょう。
○政府参考人(寺澤達也君) 昨年六月の閣議決定をもう一度申し上げますと、「顧客保護に留意しつつ市場活性化の観点から検討を行う。」ということでございますので、顧客保護の観点、市場活性化の観点、両方を見極めながら適切な道を探るということでございます。
○主濱了君 この不招請勧誘が禁止、これが施行されてから三分の一が苦情が減った、要するにそういう被害に遭われる方が三分の一減ったということであります。一方、マーケットが四分の一に減った、四分の三減ったわけですね、結局。その減った分を、じゃ、高齢者も含めた七十歳未満の方々に、何といいますか、働きかけることによってこの四分の三が復活されると、こういうふうなことを狙っているんですか。
○政府参考人(寺澤達也君) 先ほど申し上げましたように、商品先物取引についての苦情件数はピークから九六%減少しておりますが、そのうち九四%は不招請勧誘の禁止が入るまでに減ったものでございます。だから、その意味では、その苦情が多かったときのピークとマーケットのピークはほぼ二〇〇二年、二〇〇三年頃と一致しているものですから、マーケットをこれによって戻そうとかそういうことではございません。
 既に申し上げているように、累次の規制強化によって、不招請勧誘が入る前に、既に苦情、クレームについては九四%下がったという状況がございます。
○主濱了君 その辺の認識、先ほど消費者庁の方からお伺いしたのでは、不招請勧誘の禁止、これが施行される前と施行されてからでは三分の一減ったと、明らかに減っているんですよ。そこの点、食い違いはありますけれども、いや、いいです。私の言いたいのは、そこのところにまた戻してなぜやるんだと、こういう疑問がもう消えない、こういうことでありまして、これは必要に応じてまた再度質問をさせていただきたいなというふうに思っております。
 話を先に進めますが、この施行規則の改正については、消費者委員会を始め様々な団体から懸念が相次いで表明をされているところであります。消費者委員会は、商品先物取引に関する消費生活相談の相談者のうち過半数が七十歳未満であると、過半数が七十歳未満であって、この施行規則の改正は不招請勧誘規制の事実上の解禁に等しいと、こういうふうな指摘をしているわけであります。これは、四月八日付けの文書でそういうふうな指摘をしていると、こういうことであります。一般的に、法律の趣旨を逸脱しているとすれば、施行規則は私は認められない、認められることはないというふうに考えます。
 内閣法制局にお伺いをしたいわけですけれども、私が言った法の趣旨を逸脱した場合、この施行規則は認められることはないということについてはいかがですか。
○政府参考人(林徹君) お答えいたします。
 一般論といたしましては、法律の委任に基づく省令として規定できる事項が法律の委任の範囲内にとどまるべきことは事柄の性質上明らかでございます。したがって、仮に法律の委任に基づく省令が当該法律の委任の範囲を逸脱しているような場合には、その違背する限りにおいて効力を有しないことになるところでございます。
 以上でございます。
○主濱了君 大変恐縮なんですが、もう一点だけお伺いさせていただきたいんですが、これも一般的でということで。一般的に、その施行規則の改正、施行規則、省令ですよね、その施行規則の改正というのは内閣法制局に相談があるものなんでしょうか、この点についてだけお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(林徹君) 内閣法制局につきましては、その所掌事務につきまして、閣議に付される法律案等を審査し、これに意見を付し、及び所要の修正を加えて内閣に上申すること等を所掌事務としておりますが、一般論として申しますと施行規則の相談はございません。
 以上でございます。
○主濱了君 与党の皆様にもこの辺はよく考えていただきたいんですよ。政令あるいは省令に委任すると、私どもの目の届かないところでどんどんどんどん内容が変えられてしまうと、こういう実例だと私は思います。これはよく考えないといけないと思いますので、ひとつ一緒になって考えていただければ幸いであります。
 最後の質問になりますけれども、経済産業省、農林水産省において、これは消費者保護の観点からと先ほど来おっしゃられておりますので、消費者庁とも協議をしているものというふうに思っております。消費者庁においては、まさに消費者保護の立場で納得のいく結論が出るまで、この二省としっかり協議をしていただければなというふうに思っております。森大臣の御決意をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(森まさこ君) 商品先物取引における不招請勧誘規制は、委員御指摘のとおり、長年にわたる深刻な消費者被害に対応すべく、国会における慎重な審議を経て導入されたという経緯をしっかり踏まえて対応していく必要がございます。
 この見直しに当たっては、経済産業省、農林水産省が消費者庁に一言の断りもないままパブリックコメントを出したという経緯について私から苦言を呈させていただいた上で、三省庁の協議会を創設させていただきました。四月五日のパブリックコメントの発表の三日後には、消費者委員会から、先ほど委員御指摘の、深く憂慮しその再考を求める意見書が出されております。
 現在、関係省庁担当課長会議は二回開催をされましたけれども、パブリックコメントが締め切られた五月七日以降の、そのパブリックコメントの意見の整理、その報告を消費者庁は求めております。また、第二回におきまして、消費者庁の方から提出させていただきました論点についての御回答も求めております。こういったことの協議が進まないまま省令が制定されるといったことはないものというふうに理解をしております。
○主濱了君 しっかりした協議をしていただきたい。いずれ、この委員会は、消費者保護を旨とする委員会でありますので、是非とも頑張っていただきたいなというふうに思っております。
 時間が来ましたので終わります。
○委員長(行田邦子君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(行田邦子君) 速記を起こしてください。
 次に、主に不当景品類及び不当表示防止法の部分について参考人の方々から御意見を伺います。
 本日は、本案の審査のため、参考人として特定非営利活動法人消費者機構日本専務理事磯辺浩一君、一般社団法人日本惣菜協会特別研究員二瓶勉君及び神戸大学大学院法学研究科教授中川丈久君に御出席いただいております。
 この際、参考人の方々に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、御多忙のところ本委員会に御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 参考人の皆様から忌憚のない御意見をお聞かせいただき、本案の審査の参考にさせていただきたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、議事の進め方について申し上げます。
 まず、磯辺参考人、二瓶参考人、中川参考人の順にお一人十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、各委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。
 御発言いただく際は、その都度委員長の指名を受けてからお願いいたします。
 なお、御発言は、意見の陳述、質疑及び答弁のいずれも着席のままで結構でございます。
 それでは、磯辺参考人からお願いいたします。磯辺参考人。
○参考人(磯辺浩一君) 本日は貴重な機会をいただき、ありがとうございます。消費者機構日本の磯辺と申します。
 消費者機構日本は、消費者団体訴訟制度の適格消費者団体として活動しております。組織概況並びに活動概況につきましては、お手元配付資料の二ないし三ページを御参照ください。
 景品表示法の優良誤認表示と有利誤認表示については、適格消費者団体による差止め請求の対象となっております。当機構でも、これまでに景表法違反と考えられる広告表示に関して五件ほど裁判外の是正申入れを行い、そのいずれもが是正をされております。そのような活動も踏まえ、景品表示法等の一部を改正する等の法律案のうち景表法改正案部分につきまして、以下意見を申し上げます。
 資料の四枚目、四ページ目を御参照ください。
 まず第一に、事業者の自主的取組に関する規定を設けられることに賛成をいたします。
 本来、様々な規制を置かずとも、事業者の自主的取組によって消費者の選択に資する情報提供が行われることが望ましい姿であります。事業者は、自らが提供する商品、サービスの特性を最も知っており、どのような点を知らせることが消費者が選択する際に参考になるのか分かり得る存在です。オーバートークを行い無理な売上げをつくるのではなく、過不足ない正確な情報提供により消費者に主体的に選択してもらい堅実に売上げをつくっていく、真面目な企業努力を払う優良事業者こそが消費者取引市場においてしかるべき地位を占め、その結果として消費者も利益を享受できるという、これが消費者と事業者のウイン・ウインの関係であり、これを実現できるのは事業者自身の自主的な取組なのです。
 逆に、消費者にとって魅力のない商品、役務が、悪質事業者あるいは不誠実な事業者の不当な表示広告によって強引に売り付けられるということでは、ほかの真面目であった事業者も追随して不当表示を行う可能性が増大し、そのような市場は沈滞するとともに、消費者も不利益を被ります。単に景表法に違反さえしなければよいという観点ではなく、消費者の選択に資する情報提供をどのように行うかを考え、実行していただけるように事業者には努めていただきたいと思います。そのような自主的取組の入口としても本規定が機能することを期待いたします。
 もちろん、広告表示を点検する際、景表法の基本的考え方を踏まえるとともに、これまでに違法とされた事例、望ましい事例など、具体的に把握していただくことが重要です。中小零細の事業者の方々もこのような対応ができるように、業界団体による支援や行政からの情報提供を大いに進めていただきたいと思います。
 資料の次のページに移ります。
 二つ目には、権限委任に関する改正ですが、この点も大いに賛成するものです。
 景品表示法の措置命令の件数は、公正取引委員会の所管の頃は年間五十件を超えていました。景表法が消費者庁に移管された後は十二件に減り、その後年々措置命令の件数が増え、平成二十五年度は四十五件となりました。このことは、体制整備が図られれば是正することができる不当な表示が潜在的に多数あることを示しているのではないでしょうか。他の省庁や都道府県と連携して、不当な景品、不当な表示の是正を進めていただきたいと思います。
 ただし、都道府県においては権限の委任に併せて景表法の執行体制を拡充することが必要であり、この点、国としても機を逸することなく必要な予算面での支援を進められることが必要と考えます。
 次のページに移ってまいります。
 三つ目には、消費生活協力団体及び消費生活協力員による適格消費者団体への情報提供が規定されている点について、期待を申し述べたいと思います。
 現在の消費者団体訴訟制度で適格消費者団体による差止め請求の対象となっているのは、不当な契約条項、不当な勧誘行為、そして不当な広告表示です。被害者の方から情報提供をいただくのですが、その場合、契約条項や勧誘行為については問題が浮き彫りになるケースは多いのですが、なかなか広告表示の問題発見に結び付くことは相対的に少ないというのが体験的な印象です。そのことが、景表法に基づく差止め請求の件数が消費者契約法に基づく件数よりもかなり少ないといった結果に表れていると思います。
 地域の中で消費者の利益擁護の活動に取り組まれる消費生活協力団体及び消費生活協力員の方々の視点から幅広く広告表示を見ていただき情報提供いただければ、差止め請求につながる事例も多く生まれることが期待できます。このような仕組みがうまく機能するよう、適格消費者団体の側から自身の活動の実績等を消費生活協力団体及び消費生活協力員の方々にお知らせし、連携を強めてまいりたいというふうに思います。
 次のページに移らせていただきます。
 今回の改正案に関する論点ではないのですが、適格消費者団体としてこれまで以上に不当な広告表示等の差止め請求関係業務を円滑に実施するために、情報及び財政面での支援について引き続き御検討いただきますよう要望いたします。
 適格消費者団体の収入は会費、寄附金が主であり、その業務は法律専門家と消費生活の専門家のボランティアによって支えられています。このような中で適格消費者団体十一団体は、平成十九年の消費者団体訴訟制度施行以降、平成二十五年七月五日までの約六年間で、差止め請求の活動により事業者の不当な行為について百十一件の是正を実現しておりますが、そのうち景品表示法に係る是正事案は二十一件となっています。
 景品表示法に基づく差止め請求を消費生活協力団体及び消費生活協力員の方々の協力を得て実施していくとなれば、申入れ等の件数も増加していくことが想定されるわけであり、相応の財政基盤強化が求められます。自主的努力はもちろん必要ですが、差止め請求関係業務では原則として収入は得られませんので、何らかの形での財政支援の検討を引き続きお願いいたします。
 また、優良誤認表示については、行政機関の措置命令に関しては不実証広告に関する規定が置かれ、その効果が現れていることから分かるように、適格消費者団体にとっても立証が困難な事例があります。表示のような性能、品質は有していないと一般的に考えられる場合であっても、差止め請求を行うとなると十分な立証が必要になります。実際のものについての科学的調査に大変な費用が掛かるようなケースもあります。
 優良誤認表示については、そのような特徴を踏まえて、適格消費者団体の立証責任が軽減されるような何らかの対応が検討されてよいのではないかと考えております。これまで、適格消費者団体による景品表示法の優良誤認に関する差止め請求訴訟は係争中の一件にとどまっています。今後の訴訟の進行状況や立証責任の問題で差止め請求に至らなかった事案の分析等を踏まえた上で、立証責任の軽減の問題について検討をお願いしたいというふうに思います。
 また、適格消費者団体から消費者庁や都道府県に対して不当と思われる表示について情報提供を行うケースもあります。適格消費者団体が一定の情報収集を行い、検討した上で消費者庁、都道府県に対して情報提供を行った場合は、その情報に基づいて行政機関が調査した結果についてフィードバックを行っていただきたいと思います。
 このフィードバックは、適格消費者団体にとっては、不当表示の調査を行い行政機関へ申告する動機付けとなります。また、行政機関における不当表示の判断と適格消費者団体における考え方の要素や水準をそろえていく効果も期待できると思います。この点、公正取引委員会が景表法を所管していたときには申告に対する結果通知は行われていましたので、今後御検討をお願いしたいというふうに思います。
 最後に、現在、消費者委員会の下に専門調査会が設置され検討が進められている課徴金制度について、現時点で私どもの意見を述べさせていただきます。
 次のページを参照ください。
 現在は、措置命令を受けたとしてもその時点から将来的に是正すればよく、結果として、消費者庁又は自治体によって摘発されるまでの不当な利得が不当な表示をした事業者に残ってしまいます。このような利得を剥奪する、つまり、やり得を許さないために課徴金制度を導入することが不当な表示を抑止することに効果があると思います。
 次のページですが、不実証広告に係る表示の取扱いについてです。
 不実証広告に係る表示も課徴金納付命令の対象とされるべきであると考えます。合理的根拠を示す資料を確認、保有しないまま一定の品質、性能を保証して消費者に販売することは、事業者として無責任と言わざるを得ません。また、過去の不実証広告の摘発事例を見ても、優良誤認表示そのものである蓋然性が高いと認識しております。
 なお、課徴金納付命令の後、合理的根拠資料が提出された場合には結論が覆るといった不服申立ての手続を規定することについては、消費者委員会等で今後検討が行われるものと思います。
 次のページに参ります。
 課徴金賦課の要件として違反事業者の主観的要素を要件とするかどうかという点ですが、違反行為者の故意、過失の有無を問わず、不当表示による消費者被害は生じ得るわけですし、違反行為者には不当表示による一定の利得が生じることから、主観的要素を要件とする必要はないと考えます。
 一方、不当表示の抑止という課徴金制度の目的に照らして、主観的要素を考慮した要件とすることが効果的であるとの意見もあります。しかし、その場合も、行政機関として認定が困難な故意、重過失を要件として求めることには反対です。
 主観的要素を考慮するとしても、消費者委員会専門調査会の中間報告で紹介された意見のうち、優良誤認表示、有利誤認表示の認定には既に著しいとの限定によって顕著さが前提とされている以上、その事案の多くは故意による事案又は社会通念上尽くすべき注意を著しく欠く事案と考えられ、事業者から合理的な反証がなされた場合を例外的に除外すれば足りるといった内容にとどめるべきと考えます。
 その次のページですが、課徴金の算定率についてです。
 この制度が不当表示の抑止という目的を達するためには、不当表示によって生じた利得相当額以上の額を徴収する必要があることを基本認識として検討をしていただきたいというふうに考えております。
 最後に、その次のページですけれども、課徴金の減算、減免の措置について次のように考えます。
 課徴金に相当する額は、不当な表示を行ったことにより得られた利得であり、本来は不当表示で誤認して契約した消費者に返還すべき金員です。よって、事業者が自主的に返還できるのであればそうするべきです。また、直接返還することが困難な場合であっても、消費者被害の防止や救済に係る費用に充てられるようにすることが望ましいと考えます。
 一旦課徴金として国庫に納入されてしまうと、個々の被害者への返金等の道は閉ざされ、消費者被害の防止や救済に係る費用に充てることも困難と考えられることから、減算・減免制度についての検討が必要と考える次第です。
 違反事業者が、自主的に被害者に返還した場合や、消費者被害の防止や救済に係る費用に充てる趣旨で公的機関等に寄附した場合、課徴金を減算、減免する制度について検討を進めていただきたいというふうに思います。
 なお、公的機関等に消費者被害の防止や救済に係る費用として寄附される場合、その費用の中には、適格消費者団体の差止め請求関係業務に係る費用や特定適格消費者団体による被害回復関係業務に係る費用についての支援も含まれることを要望いたします。
 課徴金の制度設計は、現在、消費者委員会及び消費者庁において鋭意進められておりますが、論点となっている点について現時点での意見を述べさせていただきました。
 どうもありがとうございました。
○委員長(行田邦子君) ありがとうございました。
 次に、二瓶参考人にお願いいたします。二瓶参考人。
○参考人(二瓶勉君) 私は、一般社団法人日本惣菜協会の二瓶でございます。
 本日は、この委員会において景品表示法の改正について意見を述べる機会を賜り、感謝申し上げます。
 私どもの日本惣菜協会と申しますのは、主として中食業界、総菜や弁当等の食品を製造し、あるいは製造したものをその場で販売する業態も含めて、現在正会員が二百六十七社、賛助会員百三十二社で構成されておりまして、会員企業の経営力の強化や豊かな食生活、食文化の向上等を目指して活動しておりまして、さらに、惣菜管理士あるいはデリカアドバイザーというような教育事業にも注力しておりまして、人材育成を図っております。
 では、意見を述べさせていただきます。
 第一に、まず、景品表示法の一部を改正する件についての基本的な考え方、受け止め方ですが、景品表示法の今般の改正は、一連の料理、メニュー名等の不当表示を契機としていると考えられますが、メニュー名等と実際の使用原材料が異なるといった明らかに事実と異なる優良誤認を惹起するような表示は、消費者の信頼を裏切るばかりか、関係業界全体への不信感をも増幅させる極めて残念な行為でありました。このことは決して他人事ではなく、我が事、我が業界としても真摯に受け止めております。
 また、私ども中食業界におきましては、表示については他の法令、JAS法、食衛法等でも規制されておりまして、例えばJAS法の表示基準に違反するケースでは、景品表示法優良誤認に抵触するという場合もあります。多くの食品事業者においては、JAS法、食衛法、健康増進法、加えて現行景品表示法の下で適正表示を実行し、また行政による監視指導、行政処分等の機能も果たされているというふうに、あるいは抑止力が一定あると、かなりあると思いますが、先般のような多くの優良誤認のケースが集中的に発生した、見られたというふうなことから鑑みて、今後は更に商品やサービスがより多チャンネルで展開されていく、いわゆるオムニチャネル化の進展ということも考え合わせますと、景品表示法の改正の意義はあるというふうに考えます。
 御案内のとおり、景品表示法は、全ての商品やサービス等、さらに全ての業種、業態に適用されるものであって、決して特定の分野の問題として捉えるべきものではありません。全ての事業活動の分野で、景品表示法の改正を機に、他の法令による表示と併せて優良誤認や有利誤認等の防止のための自主的な情報提供を実情に即して様々な方法で展開していくことが、実行可能性あるいはその実効性を高めていくことになるというふうに考えております。
 景品表示法は、他法令の表示制度のような具体的な表示方法を定めているものではありませんし、優良誤認等に該当するか否かの具体的な判断基準が十分にあるとも言い難いものがあります。また、さきに策定、公表されましたいわゆるガイドライン、メニュー名等の一連の事件を受けてのガイドラインについて、あのようなガイドラインについて、他の分野にも広く反映させる、あるいは他の分野における活用可能なものを策定していくというふうなことが景品表示法を徹底していく実効性の上で重要なことと考えます。
 ただし、全産業、全業態的にこれを実現するものは非常に困難でありましょうから一定の優先順位による取組が必要ですが、現実的には、業界ごとや業態特性あるいは商品特性、販売特性に見合った自主的な基準、あるいは自社基準というふうな自主的な取組の促進が非常に重要性を増しているというふうに思います。特に、行政におきましては、このような動きを奨励、指導していくことが全体としてのコンプライアンスの確立、適正表示の徹底といったことにつながっていくものと考えております。
 私の表示の実務の経験からも、特にこの優良誤認問題は、商品カテゴリーごとに商品の名称や原材料表示、あるいは商品コピーとかセールストークとか、先ほどお話があったようないわゆるオーバートークにつながるようなことも防ぐという意味での自主ルール策定が非常に大事だと思います。一般論として優良誤認がいけないんだというのは皆さん分かるわけですけれども、現場に、実務に落とし込んでいくということが非常に大事だと思います。
 二点目に、具体的な改正点についてでございますけど、行政の監視指導体制の強化についてです。
 適正表示の徹底、実効あるものにしていくためには、具体的な体制上の困難さもあろうかと思いますが、監視指導体制の強化は重要と考えております。中でも中小零細事業者を含め、景品表示法及びさきに策定されたガイドラインについて、様々なルートを通じての周知徹底が望まれます。
 私どもでもなかなか景品表示法関係の情報については見落としてしまう可能性があったんですが、ましてや管理体制や表示担当者もいないような規模の事業者などでは、積極的に消費者庁のホームページにアクセスして最新の情報を確認するというようなことはなかなかでき得ていない現実があろうかというふうに思います。私どものような事業者団体であれば、会員に新たなルール等の周知徹底をすることは可能なわけですし、また表示に係る問合せや御相談にも対応が可能ですが、こうした組織に加入していない、加盟していない事業者の数の方が多いわけですので、こうした方々に対しての様々なルートを駆使しての周知徹底、指導をしていく必要があるというふうに痛感しております。
 また、監視指導体制の強化の一環として、各行政機関においても事業者による問合せ、相談への対応が充実できるよう、省庁、自治体の体制の強化を望みたいと思います。対応力を向上させていただきたいというふうに思います。特に景品表示法は、先ほど申しましたように、特に表示の方法について定めていないことから、優良誤認防止のためのメニュー名等以外の分野も含めたガイドラインも不可欠であるというふうに思いますし、つまり判断基準も一定にしていく必要があるというふうに考えられます。そのためには、先ほど申し上げたような事業者自身の自主基準や自社基準の策定、普及を関係行政機関と連携して推進することが、監視指導体制の強化にも、また、より良い業界慣習づくりといいますか、それから優良誤認の可否の判断の目安づくりにもつながっていくのではないかと、かように考えている次第です。
 それから、事業者の表示管理体制の強化の点についてであります。
 消費者に提供する商品の品質や表示情報に事業者が責任を持つことは当然の責務であって、そのための体制整備が重要であります。一定に規模が大きく、あるいはチェーン展開しているような企業は、商品の製造、加工、品質管理、表示作成、販売、お客様相談室、法務、広報等の各部署が連携しコンプライアンス体制の強化を図っている状況がありますが、そうした状況がある一方、小規模事業者での管理体制の整備については、今後はより具体的な指針や指導、施策が必要と考えます。
 また、事業者においては、品質管理上も、適正表示を担保するためにも、いわゆる商品規格書、仕様書というものの整備、改善に努めてはいるわけですが、その中心は原材料や食品添加物、アレルギー等の表示情報その他となっておりますが、更に商品名あるいは商品コピー、商品自体の表示以外の表現媒体、表示媒体、例えば、いわゆるPOP広告と言われるような情報の提供の仕方、インターネット、折り込み広告等の表現媒体における必要なチェックや注意事項等も盛り込んだ規格書、運用しやすいチェック表、そういったものも事業者が工夫して作っていく必要があるというふうに考えております。
 最後に、法制度の実効性、実行可能性を実現するためには、先ほども申し上げましたが、事業者の自主的な取組の推進が不可欠だと、要の一つとなるというふうに考えています。表示管理体制や能力には事業者間の格差もあることから、一律的、画一的な方法では困難であるというふうに思われます。
 商品分野や業態特性に応じた自主的な取組や自主基準の策定が有効だというふうに繰り返して申し述べておりますが、私たちも自主的な取組、情報提供ガイドラインというものを策定して運用しております。これは、義務表示を課せられていない業態や販売形態、商品について任意で表示をしていく、あるいは情報提供していくというための自主的な取組としてのガイドライン、情報提供ガイドラインというものを策定しております。
 当協会では、平成二十二年十二月から平成二十三年四月にかけてこのガイドラインを検討し、このような、これはパンフレット、簡易版なんですけれども、情報提供ガイドラインを定めて運用して、現在も普及に努めております。これについては、ガイドライン本文、QアンドA、それから、このパンフレットは当協会のホームページからダウンロードできますし、農水省のホームページからもダウンロードできます。参考になればというふうに思います。
 当協会のこの情報提供ガイドラインの内容は原料原産地名とアレルギー情報でありまして、これを、様々な業態がありますので、対面販売であったり、それからばら売り販売であったり、容器包装に入れてセルフサービスで販売するとか様々な業態がありますので、それぞれ実行可能な方法で、あるいは多様な、あるいは重層的な方法で情報を提供していきましょうというようなことで展開しております。
 実は、この情報提供ガイドラインの第二弾として考えていたのは栄養表示と優良誤認防止ということだったんですが、これを策定する段階、現在のガイドラインを策定する段階で、食品表示の一元化の検討に入る、あるいは栄養表示の義務化の検討に入るというような動きがありましたので、その推移を見て第二弾は取り組んでいこうかということで、現在その第二弾といいますか続編はまだできておりませんが、今後、他団体との連携も視野に置いて、優良誤認防止とかいうものについても、あるいは栄養表示の進め方についてもガイドラインとして検討していってはどうかというようなことで考えております。そんなようなことで、関心のある方がいらっしゃったらホームページを御覧いただきたいというふうに思います。
 そして、昨年は先ほどから申し上げている一連のメニュー問題があって、改めてこの優良誤認防止対策の必要性が浮上してまいりましたので、我々事業者サイドとしても、それぞれの分野で有用性のある自主的な取組あるいは連携を強めていきたいと思います。
 よって、提言となり得るか分かりませんけれども、景品表示法を始め表示に関係する制度やあるいはその表示に関する公正競争規約、そして様々な自主的な取組等についての講習会やセミナー、情報交換会、意見交換会といったものを行政の皆さんや消費者の皆さん、事業者が連携して継続的に行っていくことも、制度の周知徹底や管理体制の強化、今後の制度設計に資するものと考え、是非御留意いただければ幸いです。以上の点について立法府の先生方にも御留意していただければ幸いなことです。
 以上でございます。
 ありがとうございました。
○委員長(行田邦子君) ありがとうございました。
 次に、中川参考人にお願いいたします。中川参考人。
○参考人(中川丈久君) 中川でございます。
 私は大学で行政法という法分野を専門にしております。行政法というのは行政にどのような権限を与え、かつその権限をきちんと行使させるためにどのように統制していくかと、そういう両面から見た法分野であります。
 消費者法に関しましても、消費者行政という観点から研究をしております。研究の傍ら立法にもいろいろ関わってまいりました。消費者法関係では、消費者事故調、その他消費者安全に関する立法、食品表示一元化法、それから集団的消費者被害回復制度等々でございます。それから、本日、課徴金の関係で少し申し上げることがございますが、独占禁止法の改正にも関わっておりまして、特に課徴金との関係では重要な平成十九年の独占禁止法基本問題懇談会の報告書がありますけれども、それにも関わらせていただきました。
 しかし、今回の景表法の改正には私は一切関わっておりませんので、そういう意味では、第三者的な立場から意見を申し上げたいと思います。
 お手元にレジュメがお配りされていると思いますけれども、それに沿ってお話をいたします。
 まず、第一点目でございます。
 今回の改正案、第一点目は、適正表示の管理体制に関する指針と勧告、公表と、今こういう制度を導入しようということでございます。御案内のとおり、外食産業におけるメニュー表示問題、大手で生じたというところが非常にショッキングでございました。問題がかなり根深いということが分かってきたわけでございます。
 これは、一つには、調理あるいは仕入れあるいはメニュー印刷といった現場での業界用語と申しますか、ジャーゴンという言葉を使いますけれども、例えば中華の調理師の間だけではエビはこう呼ぶというような感じの慣習ですね、そういったジャーゴンがそのままメニューに載ってしまったというところも一部あったようでありまして、そういうのは経営あるいは管理側が気付かなければいけないんですけれども、全く無関心であったと、これが一つの原因であったというふうに消費者庁の調査では指摘されているようでございます。
 それから、これははっきり分かりませんけれども、会社によっては、経営あるいは管理側が現場に対してかなり無理なコストダウンの要求をしたということからそういうしわ寄せが寄ってしまったということがあるかもしれません。
 いずれにせよ、事業者の組織を挙げて相互に内部で、事業者内部で相互に注意し合う体制をつくらなければ繰り返されるということでありまして、組織のガバナンスをやり直す、そういう対策が何よりも重要であろうというふうに思います。これは、現場というよりも、やはり経営あるいは管理の方にそのような意識を持っていただくということが必要となってまいります。
 そもそも、景表法というのは日本の全事業者を対象とする法律でありますから、一つ一つの問題表示を行政がたたいていくというのはこれはもう不可能であります。したがって、事業者に自発的なコンプライアンスを求めていく、そのための工夫が必要でありまして、今回の改正案は、業態あるいは事業規模によってその管理体制は様々であろうということに応じて指針を作り、それについて勧告、公表を行っていくという、徐々にではありますけれども、ソフトではありますけれども、しかしその意識を変えていくというためには非常に有効な方法であろうと思います。
 勧告、公表というのは命令ではないんですけれども、しかし、やはりそのメニュー表示をするということはお客さんがいるわけでございますので、やはり公表というのは非常に顧客行動に影響いたします。これはもう命令よりも後で申し上げる課徴金よりも、何といっても一番効く方法でございますので、一見したよりはかなり効く方法であろうというふうに期待しております。
 以上が第一点目についてであります。
 次に、改正案の二点目であります。
 これは、法執行体制の強化というふうに言われております。どのような権限を与えているかということでありますけれども、現行法は、措置命令を消費者庁に一元化しております。その上で、公取委には、公正取引委員会には調査のみ委任をすると。それから、都道府県には調査及び行政指導ですね、指示という言葉を使っておりますけれども、行政指導まではできる、命令はできないと、そういうふうなのが現行法の体制でございますけれども、今回の改正法案は、国と自治体で分かれるわけですけれども、国レベルでは、措置命令は消費者庁に一元化、これは維持すると、自治体には、新たに都道府県に命令権限を、これまでは指導だけだったのを命令権限を与えるというふうな拡大をしております。
 それから、調査の方でありますけれども、国レベルでは、消費者庁、それから従来ありました公正取引委員会に加えて、事業所管大臣にも拡大しているという、このような改正でございます。
 この改正案についての私の意見でございますが、まず、やはり不当表示は予防が一番大切であります。そのためには、調査の手が多いということが非常に重要でありまして、今回、考えられる限りほぼ全ての省庁が、市町村を除き、調査権限を持っているということでありまして、これは非常に優れた改正であろうというふうに考えております。調査が入っただけで大抵の不当表示は止まるということがありますので、このように拡大されたことは非常に望ましい方向性であろうというふうに考えております。
 他方で、命令権限でございますが、国レベルでは消費者庁一元ということをこれは維持しております。従来から消費者行政の一元化ということを唱えて消費者庁が設置されたその経緯に照らしまして、私はこれでよいのではないかと考えております。
 他方、今回新たに都道府県知事も命令権限を消費者庁長官と同じように持つということになりました。これについて、一部で御懸念の向きもあろうかと思いますけれども、私が専門としている行政法の世界では、大臣とそれから知事が同時に権限を持つというのは非常に当たり前の法制でありまして、ごく普通にあります。今までそれでそごがあった、都道府県によってきつい、あるいは緩やかという問題が起きたというのは、私が知らないだけかもしれませんが、存じません。多くの場合、大体知事はローカルな事業者を対象とし、それから都道府県を超えた事業をしている者に対して国が対応する、これが普通の今までの対応でございまして、恐らく景表法改正後もそのような対応をされるのではないかというふうに思っております。
 都道府県がちぐはぐに法執行いたしますと平等原則違反になりますので、直ちに訴えられる可能性が出てきます。ですから、逆に都道府県の方はそういうことにならないように非常に気を付けているというのが私の知る限りでの行政の実態でございますので、大臣と知事に分かれておりますが、これは特に意図するところではないというふうに思っております。
 次に、三番目であります。
 改正の第三点目は、適格消費者団体への情報提供の拡大ということでございまして、消費生活協力団体、消費生活協力員から適格消費者団体に情報提供されるということになりました。適格消費者団体は言わばプロの消費者として差止め請求等を行うものでありまして、そこに対する情報が増えるというのはこれは非常に望ましいことである、この点につきましても賛成をいたしております。
 最後でございます。第四点目でありますが、課徴金のお話を少しさせていただきたいと思います。
 今回まだ改正案になっているわけじゃなくて、現在検討中でございますけれども、私自身かつて、今日冒頭に申しましたように、独占禁止法基本問題懇談会というところでアメリカまで行って調査をしていろいろ調べたことがございます。課徴金という言葉が非常にあちこちでいろんな意味で使われているんですけれども、実はこれ、決まった定義がない言葉でございます。
 独占禁止法の基本問題懇談会でいろいろ検討した結果、これが一番課徴金と呼ぶにふさわしい定義ではないかということがありまして、それをレジュメに書いてございます。法令違反によって得た収益、いわゆるやり得でありますね、それを超えて、つまりやり得を取るだけでは当たり前過ぎると、それを超えて、あるいはそれとは別に更に金銭の納付を命じられる、それが課徴金と呼ぶのにふさわしいんではないかと。
 課徴金という言葉は実際法令にありますので、紛らわしいので基本問題懇談会では違反金という言葉で呼び換えていたりをしておりますけれども、違法収益ですね、そのやり得というのは、普通は被害者が訴えればの話でありますが、訴えれば当然これは返ってしまうものです。やり得というのは本来あってはいけないものでありまして、取られて当たり前のものであります。違反が発見されてやり得を返せばいいのであれば、言わばこれは元へ戻っただけの話でありまして、それで違反抑止になるかというと、まあならないと。見付からなかったら返さなくていいわけですから、見付かって当たり前、見付からなかったらもうかったという話であります。
 課徴金ということをわざわざ考える理由があるのは、それを超えて、つまりやり得とは別に更にお金を国庫に納付しなきゃいけない、つまり違反をすると非常に損をする、こういう心理を与えないと違反抑止にならないだろうと、こういう発想でこの基本問題懇談会では検討いたしまして、この発想がそのまんま平成二十一年の独禁法の改正に反映され、現在の課徴金はそのような趣旨であると私は理解をしております。
 例といたしまして分かりやすい例があるんですけれども、そこのレジュメに書いてございますとおり、これは一つは国税通則法の過少申告加算税であります。税金をいろんな理由で十分納めなかったといった場合、更正処分がありまして、やり得という言葉はまあ使いませんが、本来納めるべき税金は、当然これは税務署から処分があって税務署に払います。それに加えて、過少申告加算税、つまりもっと払えということで、税金ではない、単に制裁のためのお金として、本来払うべきお金で払わなかった税金のうち何%を更に払いなさいと、これが過少申告加算税を始めとする様々な加算税であります。
 これが課徴金の発想でありまして、違反が見付かってしまうと、まあやれやれといって本来払うべき税金を払えばいいだけではないと、それ以上のお金を払うので、それでみんな次から非常に気を付けると、これがその違反抑止ということの発想でございます。
 独占禁止法の課徴金もこのような発想でありまして、やり得の部分は、余り訴えられませんけれども、本来、被害者が事業者を訴えれば取れるはずなんですね。課徴金はそれとは別に国庫に納付させるということでありますので、そういう考え方からいたしますと、この課徴金というのは、被害者が被害回復をする、例えば民事訴訟で損害賠償請求をする、不当利得の返還請求をする、あるいは税金であれば国が処分で差額を取り上げるということとは別に掛かってくる、そういう非常に厳しいといえば厳しい、そういう制度でございます。
 ということでありますので、これは非常に厳しい。日本ではこれまで本当に少なかったんですけれども、例えば私が調べたアメリカですと、これはもう二十世紀半ばから普通にある制度でございます。厳しくも運用できますし、優しくも運用できると。額によりますので非常に様々に運用できる、非常に便利であるということで、ほぼ全ての法律に入っているというぐらい一般的な制度でございます。
 これを景表法に導入することにつきまして、私は基本的に賛成をしております。賛成の考えであります。
 措置命令というのは、これは言われたことをやればいいだけであります。言われる前に自ら直すというインセンティブは働きません。先ほども申しましたが、景表法は日本の全事業者を対象にいたしますので、やはり自発的コンプライアンス、自分で守っていくという体制をつくらないことには、いつまでたってもなくならないということになってしまいます。
 措置命令の実効性を高める方法として、課徴金をペアで課すということは非常に、その違反者に対してだけではなくて、今後違反するかもしれない事業者に対してにらみを利かせるという意味で非常に有効な、存在だけでにらみが利くというふうな意味で意味があるのではないかと思います。
 この景表法における課徴金をどう制度設計するか、今、消費者委員会で様々なことが検討されております。この中身は非常に細かくなりますので今日はお話は申し上げませんが、レジュメの最後の方にちょこちょこと書いてございます。
 意見は以上でございます。
 どうもありがとうございました。
○委員長(行田邦子君) ありがとうございました。
 以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。
    ─────────────
○委員長(行田邦子君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、森本真治君が委員を辞任され、その補欠として難波奨二君が選任されました。
    ─────────────
○委員長(行田邦子君) これより参考人に対する質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○青木一彦君 自由民主党の青木一彦でございます。
 本日は、参考人のお三方、本当お忙しい中をありがとうございます。
 時間が限られておりますので、質問に入りたいと思います。
 今回の景表法の改正は、いわゆるマスコミが騒ぎました、社会問題化した商品の不当表示を受けての改正だと思っております。そして、消費者庁、これも速やかに迅速に今回の改正案を提出された。このことは私はすばらしい画期的なことだと思っておりますが、先ほど来各委員の皆さん方からいろんな御提案がありまして、まだまだ細かいところは問題があると思います。共産党のそれこそ大門先生おっしゃいましたように、事業者の本来の意味でのモラルの問題、ここら辺がしっかりしていれば問題ないんじゃないかと、私もそのとおりだと思っておりますが。
 いろんな、今回の改正に伴いまして柱がございます。この柱の中で、地方による監視指導体制の強化、そのために先ほど都道府県知事に措置命令等を付与する、これは中川参考人は、これは当たり前のことだ、自分から考えればということをおっしゃいました。しかし、国と地方、これなかなか連携がうまく取れないと思います。そして、今回、都道府県の現状を鑑みますと、なかなか専任の職員というものを置いている県がありません。置いているところ、置いていないところ、様々な県がございます。
 こういう関係の中で、どういうふうな形で都道府県とそして消費者庁を含めまして国とが連携を取っていけばいいのか、お三方にそれぞれ御質問したいと思います。
○参考人(磯辺浩一君) なかなか私に答えられるだけの知見がございませんで大変恐縮ですが、消費者行政の分野では、例えば特定商取引法なんかでも、都道府県に権限が委任されているということで円滑に運用されているところがありますので、こういった消費者行政分野で景表法についても各都道府県できちんと位置付けを強めていただくという、各県のまずそういう姿勢づくりから始まるというふうな認識でおります。
 簡単で恐縮です。
○参考人(二瓶勉君) 非常に難しい話で、体制とか予算措置とかというものについては私知識も持ち合わせておりませんが、いずれにしても関係省庁及び都道府県双方の監視指導の機能の強化が重要だと、このように考えます。
 かつ、その監視指導について、どうむらなくそして必要な措置を迅速に講じられるかということが大きな問題だと思うんですけれども、例えばJAS法の品質表示基準に基づく表示の立入調査等を見ても、広域事業者、つまり都道府県にまたがるような広域事業者の場合は農水省農政局が担当されておりますし、そうでないところについては都道府県が担当されていて、そういう意味でいうと、その立入調査の頻度等について非常にむらがあるというふうな状況だと思うんですけれども、これらをどうやっていくか、どのような連係プレーでやっていくかについてちょっと知恵がないんですけれども、いずれにしても、そのむらをなくしていく。
 あるいは、そうはいっても、全ての事業者を監視指導に当たるというのも非常に困難ですので、どう効率的にやっていくかという意味でいうと、今般、景表法の関係で、景品表示法についても農政局の皆さんが調査に当たるというようなことにもなりましたし、そういったことで衛生当局の方についてもそういうのをやれるかどうかというような課題があるかと思うんですけれども。
 ちょっと具体的な提言を持ち得ていませんけれども、いずれにしても、いわゆる一般の消費者等からも募集していた食品表示ウオッチャーとか、そういった人たちの活用の在り方も検討してはいかがかなというふうに思いますし、あるいは我々事業者の自主的なやはり取組といいますか、表示のパトロールとかというようなことも検討していいんじゃないかというふうには私は思っています。
 ちょっと不十分で申し訳ございません。
○参考人(中川丈久君) これは推測なんですけれども、現在のところは、都道府県には調査権限と指導しかありません。ところが、これ命令権限が来ますと、命令を打ちますと訴訟の対象になるということで、私はむしろ都道府県が余り動かないんじゃないかという心配をしております。そのためには、今は法律上は特に仕切りが、例えばローカルなものは消費者庁がやってはいけないとは書いてありませんので、むしろ消費者庁が積極的に命令を打つことによって、そうすると県民が、あるいは府民、都民が、なぜうちの自治体は何もしないのかというふうに世論で押していくということで都道府県の執行レベルを上げていくというふうなことが必要ではないかと思います。
○青木一彦君 ありがとうございます。
 そして、今回の改正に伴いまして、先ほどもお話がたくさん出ましたが、課徴金、やはりこの課徴金の是非というものが、今回の改正、一つの私は議論の的になったというふうに思っております。そして、磯辺参考人、中川参考人は、これはやるべきだという御意見でありました。
 そして、中川参考人が面白いことをおっしゃいました。勧告、公表の方が、それこそ課徴金よりも効果があるんだというお話されました。ここについて、もうちょっと詳しくお話をいただけたらと思います。
○参考人(中川丈久君) 課徴金、もちろん額によります。もう倒産寸前の額で課徴金掛かってきたら、もちろんそれはもう大変なことですけれども、まあ払える額でやるということでありますと、払ってしまえば終わりということになります。しかし、公表をされるということになりますと、それはずっと残っていますので、やはり風評被害の逆の意味ですね、本当に悪い意味での被害を受けるわけで、やはり一度落ちたブランドイメージというのは戻ってこないという意味では非常に長期的なダメージがあるということで、公表というのは非常に一般的には実は厳しいんだというふうに我々は理解しております。
○青木一彦君 ありがとうございました。
 二瓶参考人、この課徴金の件についてどのようにお考えか。
○参考人(二瓶勉君) 先ほども申し上げましたけど、多くの分野で、特に食品事業関連の分野ではJAS法、食衛法の表示基準、そして健康保持、増進に関しましては健康増進法の虚偽、誇大広告の禁止というような制度の下で適正表示に努めていますが、そして、現行景品表示法の優良誤認等についても措置命令が出される、あるいは社会的制裁も受けるという意味でいうと、あるいはJAS法においては指示、公表というような処分で大きな言わば制裁効果がありますし、一定にその抑止力もあると思います。
 そういう、一定にその機能は果たされていると思いますけど、先般のような一連の事件が発生したというようなことも考えますと、さらに抑止力ということが理解できないわけでもありませんし、課徴金の導入についても、その導入、制度設計に当たって、例えば透明性、公平性の確保のための主観的要素の在り方というようなことも提起されておりましたし、衆議院での附帯決議等も留意していただいて、事業者の経済活動を萎縮させないというような一定の配慮もしていただいた上で制度設計を是非していただければというふうに思います。
○青木一彦君 最後に、磯辺参考人にお尋ねします。
 参考人、お話の中で、地方消費者行政活性化交付金を活用して地方の方にしっかり仕事をしてほしいというお話をされました。これ、昨年度の予算五億だったのが今年三十億になりました。これ六倍です。これ、画期的なものだと思いますが、ただ単純に都道府県で割るとそんな大した金額じゃないんですよ。この辺のところをどういうふうにお考えなのか。
○参考人(磯辺浩一君) 都道府県で割ると確かに大した金額ではないということかもしれませんけれども、しかし、なかなか消費者行政に予算を確保すること自体が困難な中で、その、何といいますか、起爆剤としてきちんと議論もしていただいて活用していただくと、そのことがきっかけになり、住民の方々、市民の方々からの評価を受け更に行政が発展していくといういい流れに転換していければというふうに思います。
○青木一彦君 ありがとうございました。
 以上で質問を終わります。
○金子洋一君 お疲れさまでございます。民主党の金子洋一です。
 今日は、お三方、わざわざお越しをいただきまして、ありがとうございます。
 時間もございませんので、早速入らせていただきますが、今日は主に景表法の方ということなんですけれども、ちょっとこれ一点、磯辺参考人にお尋ねをしたいんですが、それは相談員さんの件です。
 相談員さんといえば、余り高くない時給で長時間働いておられて、しかも五年で切られてしまうことが非常に多いということで、言わば官製ワーキングプアの一典型例のような感じで非常に厳しい労働環境におられる方々だというふうに私は理解しております。
 そこで、磯辺参考人のこの相談員さんの処遇改善に関しての御意見、あるいはこういうふうに思うよというようなことがありましたら、まずお伺いできればと思います。
○参考人(磯辺浩一君) おっしゃるように、非常勤という位置付けで雇い止め等も取っている自治体もある中で、非常に頑張って皆様、消費者のための活動をされていると思いますし、相談員の方々の中には、御自身の業務だけではなくて、私どものようなNPOに参加をして、積極的にやはり消費者被害の未然防止、拡大防止を行おうということで、ここはまさしくボランティアで活動に参加していただいている方もいらっしゃると、非常に頑張っていらっしゃるというふうに思います。
 ですから、やはりまず雇い止めということをやっぱりどうやって止めていくのかということが一つ大きなポイントとしてあろうかと思います。せっかくの知見を蓄えて、事業者との交渉ができるように実務的になった時点で雇い止めということでは行政の水準も上がらないということだと思いますし、あわせて、やはり賃金、報酬といったことでも、相応の専門性をきちんと評価をして定めていくというふうなことが必要ではないかというふうに思います。
○金子洋一君 ありがとうございます。
 まさにおっしゃるとおりだなと私も思います。それで、今回の消費者安全法の方でも、きちんとした法的地位を持っていただいてばしっとできるようにするということになっておりますので、大変いいこと、いい方向に進んでいるなと思っております。
 さて、この景表法の話に入らせていただきますけれども、先ほど大門先生から、ビーフステーキなのに牛脂を注入していたと、けしからぬというお話がありました。まさにおっしゃるとおりだとは思うんですが、ただ、ビーフステーキだと言って成形肉とか牛脂を注入した肉を売ることがいけないんであって、私は、そういう一概に成形肉だからいけないというような風潮がちょっとある感じがしますけれども、それは間違っているんじゃないかなと思うんです。
 それはそれなりに存在意義があることだと思います。本当においしくて、これ、本当のビーフステーキで食べますとおなかいっぱいになるまでに一万円ぐらい掛かりますけれども、成形肉でしたら、牛脂が入っておりますのでうまい具合に脂身が強いということになりますので、うまくすれば二千円、三千円でおなかいっぱいになるということで、大変エコでもあるというふうに思っております。
 食品の加工の現場のお話を聞きますと、本当に宇宙服のような格好をなさって、髪の毛の一本もあるいはごみの一粒も落ちないようにして生産をしておられると。それだけ頑張っているのに、主にですからそういうことをなさる方というのは大企業でもないあるいは有名企業でもない方が多いわけですけれども、俺たちがこれだけ頑張っているのに、そういう大企業が社会的責任を忘れてこんな変な表示をするから困っちゃうんだよという話を私はよく聞きます。
 ということで、二瓶参考人にお尋ねをしたいと思うんですが、そういったことを踏まえて、特に、大企業はそういう能力が御自身でありますからいいんですが、中小零細企業に対してどういうふうな形で働きかけをしていただければ周知徹底ができるのかということについて、何か政府に対する御希望とか、あるいは、こういうことをやっているんだけれども、これはちょっとピント外れだぞというような御指摘があれば、是非お聞かせいただきたいんですが。
○参考人(二瓶勉君) おっしゃるとおりだと思います。
 成形肉等についても、小売業の場合であれば別な法律で規制もされておりましたので、例えば、ほかの味付けの食肉と同様に、あらかじめ処理してありますので中心部まで十分加熱してお召し上がりくださいというような表示が食衛法上義務付けられていますので、成形肉であるという旨は伝わっているわけですね。ところが、飲食店の場合は、そういうことはなかったし、十分な指導もなかったのかなと思うんです。ゆえに、自主的に情報提供、表示のガイドラインというのはやっぱり事業者自身も整備していく必要があるなというふうに思います。
 それから、事業者の皆様に周知徹底を図っていく、先ほど私も意見を述べさせてもらいましたけれども、なかなか方法がなくて、私どもが策定して運用しているこういう情報提供ガイドラインについても、私ども会員以外にもいろいろ広めていきたいというふうに考えてはいたんですが、なかなかそのルートがなかったりして、いろんな関係団体へ呼びかけてこういう説明会もやらせてもらったりしているんですけれども、いわゆる商店会の肉屋さんでなかなかおいしいコロッケやそういうものを、総菜類をたくさん作っている人気のあるお店も多いんですが、なかなか情報が届かない。
 行政の皆さんとお話しするときも、したがって、例えば私どものような食品関連の事業者団体であれば農水省のルートで日常的につながっていますけれども、会員に対しても情報はすぐ届けられますが、そうでない、会員でないところについてはなかなか伝えられない問題がありますので、例えば中小零細問わずに、何らかの形で加入している、属している組織としては環境衛生の関係とかですね、営業許可は保健所から下りるわけですから、保健所を通じて何らかのルートで食品衛生以外のことについての情報を伝えられるような方法がないかどうかというふうなことは提起したことも度々ありましたけれども、そんなようなことを行政、事業者、あるいは消費者団体含めて意見交換あるいは工夫してみてはどうかなと私は常日頃考えております。
○金子洋一君 ありがとうございます。
 今この場に消費者庁の方もおいでですので、是非とも新たなルートの一つとして、消費者庁もそういった一つの業界での知見を広める手伝いをしていただければなというふうに要望させていただきます。
 ちょっと時間的な制約がございますが、では、中川参考人にお尋ねをしたいんですが、業態や事業規模により管理体制は様々であることに応じた指針作りが必要だとおっしゃっておられます。まさにおっしゃるとおりだと思うんですが、そこの辺りを、私いつも中小零細企業のことばかり気になるんですけれども、特に中小零細企業に対してどういうことにもっと気を付けた方がいいのか、今の取組でどこが欠けているのかというようなアドバイスがありましたら、是非お願いをしたいと思います。
○参考人(中川丈久君) 私がアドバイスできるようなことはほとんどないと思いますけれども。
 一つは、恐らく今度の指針というやつの中に取り込まれると思うんですが、ベストプラクティスという、こういういい工夫がありますよ、別に義務付けるわけじゃないんだけれども、できる人はやってくださいという形で業界を少しずつ底上げしていくという非常にソフトな方法なんですけれども、そういう方法は一つあり得るかなと思います。
 それから、これは中小企業、どんな業種でもそうなんですけれども、やはり自分とは違う部署がやるべきことをやっているというふうに前提にしない。もう非常に当たり前のことなんですけれども、お互いに注意し合うということがやはり出発点でありまして、視点が違うと気付くことございますので。
 余り大したことではございませんが、申し上げられませんが、そのぐらいがやっぱり出発点かなというふうに思います。
○金子洋一君 どうもありがとうございました。
○佐々木さやか君 公明党の佐々木さやかでございます。
 今日は参考人の皆様、貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございます。
 早速質問させていただきます。まず、磯辺参考人にお伺いをいたします。
 適格消費者団体による差止め請求、これは私は景表法違反についてもより活用されていくべきだと思っております。しかしながら、相対的にほかのケースの場合と比べて少ないというお話でございました。その理由の一つとして、まず、広告表示に関する情報提供というのが相対的に少ない状況にあると、これがまずどうしてなのかというところと、それから、今後は消費生活協力団体、また消費生活協力員の方々からの情報提供に期待したいというお話でしたけれども、私もそう思うんですが、ただ、そうした制度ができたからといって、自動的に情報提供をしていただけるかというとそうではないかもしれませんので、委嘱をする地方公共団体にもしっかりと意識を持ってもらわないといけないなと思いましたし、また、こうした消費生活協力団体、協力員の皆様にも前提知識を持っていただくとともに、そうした違反事例を発見をしたら積極的に通報してもらうようにと、こういう意識を持っていただきたいなと感じたんですけれども、こういった点についてどのようにお考えでしょうか。
○参考人(磯辺浩一君) 広告表示に関わる情報提供が相対的に少ないと申しますのは、やはり私どものところに情報提供をいただく方は御自身がトラブルに遭って御相談をされると。私どもではなかなか個別の救済はできないわけですけれども、消費生活センター等を御紹介することと併せて可能な範囲でアドバイスをさせていただくと。
 差止め請求に資するような情報があればということでヒアリングさせていただくわけですが、既に被害が発生している段階ですので、契約条項の内容ですとか、若しくは勧誘で来られてだまされたみたいなところは浮かび上がってくるわけですけれども、そもそも誘引の最初の過程であった広告表示のところまで遡って情報提供があるという事例が非常に少ないという、そういった趣旨でございます。
 ですから、やはりここのところは意識的にきちんと私どももヒアリングの際に留意しないといけないというふうに思いますし、むしろ一般的に広告表示というのは私どもも入手することができるわけですから、積極的に情報収集をする必要があるかなというふうに思っているところです。
 適格消費者団体の中では、専門家だけの検討チームだけではなくて、地域で活動されている消費者団体の人たちにもメンバーになっていただいて、身近な広告表示を持ち寄って意見交換をして、これはおかしいんじゃないかというふうなものを検討しているといった活動をしているところもございます。そういった取組の延長といいますか、それを更に公的な形でバックアップしていただくものとして先ほどの協力員、協力団体との連携というのを想定させていただいておりまして、日頃から消費者利益の擁護のために地域で活動されている方々ですので、むしろ適格消費者団体の側からこういった広告表示というのはおかしいということで我々は是正申入れをして是正された事例がございますというふうなことを情報提供させていただくような機会をつくる中で、より情報提供をしてみようというふうな問題意識を持っていただけるのではないか、視点というのもそういう意見交換の中でお互いにつくっていけるのではないかというふうに考えている次第です。
○佐々木さやか君 ありがとうございます。
 それから、差止め請求権の行使のためにもう一つ課題としてお話しいただいたのが立証の困難の点でございます。これについては、訴訟になっているのが一件ということでしたけれども、この立証の困難を理由に、最初は裁判外で働きかけて、しかしながらそれで応じなかった場合に訴訟にまで行くのはちょっと難しいということで諦めざるを得ないという事例もあってこういう一件というケースなのかという点が一点と、あと、そうなるとやはり問題だなと思うんですが、この立証の困難については情報また財政面での支援が引き続き必要だというお話でした。この情報面については、先ほどのお話に出た今回の法改正に関連します消費生活協力団体若しくは協力員さんからの情報提供というのは立証の困難の克服について期待できるのか、それとも、やはりそれだけではなかなか難しくて、より行政機関の方で何らかの支援といいますか、そういったものが必要だというふうにお考えか、この辺りについてお伺いしたいと思います。
○参考人(磯辺浩一君) 協力員、協力団体の方々からの情報は端緒情報に関するものが多くなるのではないかというふうに思います。そういう意味では、その立証の中身をつくっていく情報をきちんと獲得していくというのは団体の独自の取組としての努力が必要だというふうに思いますし、そういう中では行政機関、保健所や若しくは検査機関等との連携といったことも必要になってこようかというふうに思います。
 今回の法律ではございませんが、食品表示法にも実は差止め請求権が認められておりまして、表示基準等から反し、かつ著しく実際のものと違うというふうな、ほぼ景表法の定めと同じような規定の表示に対して差止め請求権が認められますが、この辺についても品質基準とどう乖離しているのかというふうなことで商品の検査等が必要になる事例というのも出てくるかというふうに思いますので、そういった行政機関との連携というふうなことは消費者庁とも御相談しながら形作っていく必要があろうかというふうに思っております。
 現在、差止め請求訴訟で提起されている事案というのは健康食品の事案ですが、この健康食品の事案は、明確に症例等を示して、それがいかにもその健康食品で治癒するかのような広告ということで、かなり優良誤認の色合いが強い事案になっておりますので、今回、当該の団体は提訴に踏み切ったものというふうに思いますけれども。
 そのほかにも、なかなかグレーといいますか、本当にこういう成分でそういったうたっているような機能性が確認できるんだろうかというふうになかなか十分認め難いものもあるわけですけれども、そこはやはりきちんとした科学的評価というものを背景に持たないと、その差止め請求の裁判外の申入れを行うに当たってもそういった情報が必要だというふうなことで、そういう検査費用等も鑑みますとなかなか差止め請求に至れなかったという事案もございます。そのことはちょっと御報告しておきたいと思います。
 以上です。
○佐々木さやか君 残り時間が二分ほどですので、最後に一言、中川参考人にお聞きしたいんですけれども、課徴金のことについて、いわゆる規模基準、裾切りの要否についてなんですけれども、どのようにお考えか、簡単で結構ですので、残り時間でお願いいたします。
○参考人(中川丈久君) 今の検討の方向性とは違うんですが、私は不必要というふうに考えております。やっぱり事案の悪質性というのが一番重要でありまして、規模の大小ではないというふうに考えておりますので、そこは私は要らないというふうに考えております。
○佐々木さやか君 以上で終わります。
○清水貴之君 日本維新の会・結いの党の清水貴之と申します。
 本日は、本当にお忙しい中、貴重な御意見お聞かせいただきまして、ありがとうございます。
 まずは、いろいろお聞きしたいんですけれども、二瓶参考人にお伺いしたいと思います。
 お総菜の協会ということで、中食、私も大変、もう本当においしいですし、便利ですし、よく利用させていただいております。家庭でホームパーティーなどする方も増えているということで、お総菜業界に掛ける期待というのも、大変皆さんの利用頻度も増えている、大きくなっているというふうに認識しているんですが。
 ただ、やはり現場で調理をするということも多いということから、その表示のルール作り、規制などはほかのものよりもそれほど厳しさがない、もっと厳しくするべきじゃないかというような意見も実際に出ております。でも一方で、やはり、それこそ本当に町の御夫婦でやっているようなお総菜屋さんにまでそこまで厳しいルール作りは必要なのか、こういった意見もありますので、そのまさに現場にいらっしゃる感覚として、その辺りのことについて意見をお聞かせいただければと思います。
○参考人(二瓶勉君) おっしゃるとおり、この中食関係の事業者、非常に大手から中小零細まで幅広く活動されているわけですが、そういう意味で、表示制度、ルールについても画一的、一律的に適用していくというのはなかなか難しい分野で、JAS法についてもそういうことに配慮して実行可能性を重視した制度になっているというふうに思います。
 例えば、中食、外食についてももっと強化すべきだという御意見、よく分かります。ただ、例えばアレルギーの情報、表示の問題でいえば、業態や商品形態で義務表示の適用が異なるわけですね。例えば、一つは、食衛法の場合、容器包装に入っているものを対象にしていますね。食物アレルギーというのは容器包装に入っていても入っていなくても危害の可能性は同じですので、そういうこともあって、私どもは優先的な取組としてアレルギー表示、情報提供をしようと、義務表示に適用されていませんけれども、やっていくべきだと。
 ただ、義務として一律にやっていくのは非常に困難な事業者もいますので、様々な方法を駆使して実行可能な方法でやっていきましょうと。それは、一つは、例えば、ばら売りの商品であっても容器包装に入って義務付けられているのと同じような情報提供をしていきましょうとか、あるいは対面販売であれば、顧客の皆様と対話ができるような環境であれば聞かれたら答えられるようにするとか、あるいはプライスカードにアレルギー情報を載せるとか、インターネットでそれを情報開示していくとか、様々な方法、手段で、しかもそれはもう重層的に、重なってもいいわけですから、やりましょうということで取り組んでおります。
 ですから、法律で全て一律的にやっていくのが困難な分野については、是非事業者にどんどんやるように行政からも指導して、一緒にその情報提供の在り方について検討して、ガイドライン等の策定につなげていくということが肝要かなというふうに考えておりますし、これからも私どもとしては、自分たちの業界だけじゃなくて他の業界団体等とも連携、提携して情報提供の在り方についてもっと検討して充実させていきたいというふうに思いますし、この一連のメニュー表示問題が起きた後も、私どもやフードサービス業の団体あるいは中食関係、他の団体もありますので幾つも、そういう団体の皆さんとも一緒になって意見交換会をやったり、どうしていったらいいんだというようなことを積み重ねてまいってきているつもりですが、今後はそれは一層取り組んでいきたいと思います。
○清水貴之君 二瓶参考人から本当に前向きな御意見を聞かせていただきました。これからいろんな事例をこう積み上がっていって、またよりいいガイドラインとかルール作りができていくんだと思うんですけれども、この辺り、中川参考人にもお聞きしたいんですけれども、このルール作りというのがやはり難しいところだなというふうに思います。
 今のお話を聞いていても、これまでにもありました、エビの名前が違っていたとか。まあ、がっかりはするけれども、体に影響がない。ただ、アレルギーとかになりますと、今度はやはり体にも影響が出てくるわけですよね。
 ですから、その辺りのルール作りは本当に難しいなと思うんですが、中川参考人、その辺りはいかがでしょうか。
○参考人(中川丈久君) アレルギーのようなものは、これは本当に健康を害するものでありますので表示義務と、もう初めからこれは必ず表示しなさいという方向の問題でありますので、これは食品表示法の話であろうと思います。それに対して今回の景表法の方は、別に表示してもしなくてもいいものを表示したところ、それが優良誤認、本物より良かったというようなものでありますよね。
 こういう問題につきましては、はっきりと、今回のエビのやつは恐らく誰でもおかしいだろうと思うんですね。ちょっと意見が分かれるかもしれないのは先ほどの成形肉でありまして、あれをステーキと言っちゃいけないのかというと、微妙な感じが私は正直するんですけれども、そこら辺はどっち、ましてグレーゾーンなんですね。それをどっちに持っていくかというのはやっぱりみんなで意見決めていかなきゃいけませんので、明らかな優良誤認とやっぱりグレーゾーンというのがありまして、グレーゾーンはいきなり措置命令とか課徴金じゃなくて、まずは指導をして、みんなの様子を見ながら、それでもやっぱりどっちに行くのかなとあるところで決めなきゃいけないと思いますが、猶予期間が必要だと思いますね。
 だから、やっぱり表示の種類によって、いきなり厳しくいくのと、それからちょっと徐々に徐々にというのと、消費者庁も大変かもしれませんが、この二種類の手法を使い分けていかなきゃいけないかなと思います。
○清水貴之君 もう一点、これ、消費者安全法の分野にこれはなってしまうかもしれないんですが、磯辺参考人お越しなので、是非現場の声ということでお聞かせいただきたいなというふうに思うんですけれども、今度、地域協議会というものを国とか地方自治体が主体となってつくっていく。それこそ、地域でそういった消費者の情報とかに接している警察とか医療機関とかが中心になってということで、特に磯辺参考人のいらっしゃるような消費者団体というのもその中に入られる、大変重要な役割を担っていかれるんだと思います。
 これ、ただ、様々な組織から人が集まってこれはつくられていくものですから、誰がどのようにリーダーシップを取って回していくのか。つくる主体は国とか地方自治体なんですけれども、じゃ、国、地方自治体にそこまでの力があるか、情報があるか、マンパワーがあるか。これはまた自治体によっても違うと思いますので、これが、うまく制度が回っていくようにはどうしたらいいか、今の現状も踏まえながら教えていただけたらと思います。
○参考人(磯辺浩一君) 残念ながら、私ども消費者機構日本は、東京都は相対的に消費者行政が非常に充実しているという関係から、地域の消費者行政とのつながりが必ずしも十分今築けていない。もちろん、情報提供、情報交換等の機会はあるわけですけれども、それ以上に、日常的な具体的な事案をめぐっての連携といったことが必ずしもつくり切れていないという立場ですので、なかなか適切にお答えをしかねるなというふうに思いますが、各地においては、都道府県と相談員さんの学習の機会を適格消費者団体がつくっていくみたいな、そんな連携もしているところがあるようですので、そういった連携の実績を踏まえながら各地で具体化がされていくんだろうなという、抽象的な答え方で済みませんけれども、以上です。
○清水貴之君 もう一つ、情報についてもお聞きしたいんですけれども、やはり、今回、消費者生活協力員からの情報提供に期待ということもありまして、またさっきの協議会ですけれども、協議会の中でも、もう協議会のメンバー同士で、相談員同士での情報提供も可能になってくる、若しくは消費者庁とか国民生活センターからの情報も、被害者リストみたいなものも下りてくるようになるという話なんですね。
 大変有効活用ができる、非常に被害に遭っている方々にとっては有効な見守りになるんじゃないかと思う一方で、やはり情報の漏えい、個人情報ですから、そういったことへの不安の声もありますので、その情報に関してどんな考えをお持ちか、お聞かせいただけますでしょうか。
○参考人(磯辺浩一君) 特にその個人情報の管理は非常にやはりきちんとしないといけないというふうに思います。そこで不安感が持たれてしまっては、そこにそもそも必要な情報が集まらなくなる、消費生活相談のところに情報が集まらなくなるという結果を招きかねませんので、そこはやはりきちんと対外的にもルールを示し、どういった運用をしているかということをきちんと御報告するといった、そういった運用というのは必要だと思います。
○清水貴之君 ありがとうございます。
 以上で質問を終わります。ありがとうございます。
○渡辺美知太郎君 みんなの党の渡辺美知太郎です。
 磯辺参考人、二瓶参考人、中川参考人、今日は本当にありがとうございます。
 まずは二瓶参考人に伺いたいと思います。
 今、清水先生もおっしゃっていました、ちょっと私も表示に関する質問がありまして、総菜やお弁当には惣菜・弁当ガイドラインというものがあります。やはり、惣菜・弁当のガイドラインだけではなく、食品衛生法やJAS法といった関係がありまして、先ほど私は、今回の不当表示法と、それとやっぱりJAS法について、それぞれJAS法ではオッケーだけれどもこちらの不当表示法では駄目といったものがあったりして、ちょっとこれ整合性が何とかならないかという質問をしたんですね。
 私も法の趣旨が違うので確かに致し方ない部分はあると思うんですが、現場ではやはりそれぞれJAS法や食品衛生法、それから惣菜・弁当ガイドラインの、こういったいろんな法律があることについてやはりちょっと混乱されることがあるのか。あるいは、もし混乱しないんであればそれで構わないですけれども、混乱する場合はやはり何らかの整合性を保ってほしいとか、そういったお考えがあれば是非伺いたいと思うんですが。
○参考人(二瓶勉君) 食品事業者の場合の表示について、その業務なんですけれども、中心を成すのはやはりJAS法と食衛法に係る表示ですよね。これがほとんどなわけですよ。先ほども申し上げましたけれども、作業の中心はそちらになります。
 ですが、例えばJAS法で表示の基準があって、その中に表示禁止事項もあるわけですよね。それが景品表示法の優良誤認に相当するというのもありますので、かぶっている部分はあると思うんですけれども、おっしゃるように、景品表示法の方は表示基準を定めているわけじゃなくて、こういう表示をしなさいというのはないわけですので、発生した個別の事案で優良誤認であるかどうかというのを判断するし、あるいは過去の事例でこれは駄目だろうとかやっていいだろうとかということになるわけですので、非常にその意味でいうと、例えば自社マニュアルなりそういった表示の手引書みたいなのを作ろうとしても、景品表示法はやっぱり別に置いてやらざるを得ないんですよね。
 だから、それが他の法令とも一緒に景品表示法の場合もこうだというのが表現できればベターでしょうけれども、それは、おっしゃるとおり法の目的が違いますのでちょっと難しいかなと。ただ、今回の一連の問題を受けて、景品表示法、優良誤認あるいは有利誤認について、やっぱりそれはそれで独自の留意すべき表示として、表現として自社基準等でもっと目立つようにしていく必要があるなと。
 私は、やはり自社基準、自主基準といいますか、よく企業の経営者の皆さんが法律は守れとかコンプライアンスだとおっしゃるその掛け声だけでは実際はコンプライアンス体制も確立できないとは思いますので、できるだけマニュアルのようなきちんとしたものを整備していく、それもしょっちゅう更新していかなきゃいけないと思うんですよね。そういうふうにしていかないとコンプライアンス体制ができないだろうし。
 それから、売場、現場ではやはり消費者の皆さん、顧客の皆さんから様々な質問をいただくわけですが、こういったものが非常に大事だと思っています。素朴な質問を含めていろいろあるわけですけれども。そうすると、事業者としては、もっとこういう表示の方で、情報提供で工夫しなきゃいけないなとか、分かりやすくしなきゃいけないなというふうなことも分かってきますし、そういった顧客の皆様との信頼関係の醸成というのは、御質問の趣旨からちょっと外れますけれども、そういった信頼関係の醸成を図っていくことで、事業者側の働いている人、皆さんも、表示に係るコンプライアンスの意識といいますか、モラルとモラールの向上につながるんだろうと思っていますので。
 皆さんも当然お考えだと思うんですけど、例えばお客様相手にビジネスをやっていて、その信頼関係が強ければ強いほど、やはり、何といいますか、心に曇りを感じた仕事はできないと思うんですよ。そんなような消費者の皆さんと事業者の関係で、もっともっと情報交換したり意見を賜ったり、そのことが結局、商品開発につながったり、改善につながったり、コンプライアンスの向上につながるというふうに私思っていますので。
 くどいようですけれども、法令で定められた義務表示は当然のこととして、その上に自主的なあるいは自社の上乗せ基準みたいなものを作ってやっていかないと実務として分かりやすく仕事をしていくことがなかなかできないので、そういった上乗せ基準も含めた自社ルールのようなものを作って、この法律ではこうだ、この法律でこうだという、そういう解説書とは別に、当社としてやるべき表示、それから留意すべきときはどうだというのを運用しやすいようなものを作っていくことが、私はこの適正表示を徹底していくもうキーポイントだと確信、まあ経験上そうなんですけれども、そう思っています。
○渡辺美知太郎君 ありがとうございます。
 続いて磯辺参考人に伺いたいんですが、磯辺参考人は国における体制強化をおっしゃっていまして、私、先ほどもちょっと質問をしたんですが、各自治体の知事による指示がやっぱり都道府県によって偏りがあるということがありまして、もちろんこれは地方自治の仕事なので、地方分権を余り言っちゃうと抵触しちゃうので何とも言えないんですけど、例えば、別に自治体がサボっているわけではないですが、国が何らかのチェックをする必要があるのかなというような質問をしまして、今のところそういったことは考えていないということだったんですが。
 そういった、現状としてばらつきがあると、それはどういった原因によるかは分からないんですけど、ばらつきがあると。やっぱり、国がある程度その体制を強化すべきだとおっしゃっている磯辺参考人の立場としては、その自治体の指示、知事の指示について、国が何らかの関与とまで言わなくてもチェックをするかどうかについて、ちょっと御意見を賜りたいなと思います。
○参考人(磯辺浩一君) 都道府県によって指示の件数が違うという実情は当然あろうかと思いますし、これは景表法の問題だけではなくて、例えば特定商取引法の行政指導等でも差があるわけですね。
 ただ、ここはやはり進んでいる事例をできるだけ普及をしていくという形で、やはり行政に、都道府県に自主的に対応していただくような機運をつくるというのが王道ではないかなというふうに思うわけです。
 ほかの県でこうやっているというふうなことを、都道府県間で交流するとかといったところも含めてやっていただく。それと、そのことをやはり各地域の消費者、消費者団体がきちんとウオッチして、ほかの県ではこうできているんだから、うちでもやってほしいというふうなアプローチをするというふうなことで、先ほどの活性化交付金の御質問もありましたけれども、そのことをきっかけにして体制を、端緒をつくって、そのことが住民に評価されて、だんだんと体制が強化されていくという流れでやはり充実を図っていくということがいいのではないかなというふうに思います。
 首都圏なんかでは東京都がかなり進んだ取組をしていることを受けて、かなり埼玉県、神奈川県も消費者行政がこの間充実をしてきたというふうな経緯もございますので、そういう近県の連携といったことも重要ではないかなというふうに思います。
○渡辺美知太郎君 縦で言うよりはまず横からといったことになりますかね。
 ちょっと余り時間がないんですけど、済みません、中川参考人にも伺いたいんですが、中川参考人は再発防止のための原因究明をする事故調査委員会を新たに設置した方がよろしいのではないかとおっしゃっていまして、事故調査会、再発防止のための原因究明をする新たな事故調査機関を設置することについておっしゃっているんですが、現状について難題などがありましたら、難しい、現時点での障壁などがありましたら、ちょっと教えていただきたいんですが。
○参考人(中川丈久君) 現状での問題点、事故調査機関ということで私は言っているわけではないんですけれども、原因解明というのは大体はもうはっきりしておりまして、みんな知らんぷりしていたと、ガバナンスがないということでございます。
 先ほど話題になりました、都道府県によって、今の現状では指導なんですけれども、その指導のばらつきがあるというのは、もちろん産業のばらつきがあるということもあるんですけれども、やはり指導までしかありませんので、その知事の熱心さ、それによってその人員の張り付けが変わってきますので、そういった意味で不熱心なところが出てくるというのは、もうどうしても出てくるところだと思います。
 幸い、今回は消費者庁が、つまり県がどこまでできる、どの命令、誰に対して命令を打つか、それから消費者庁は誰に対して命令を打つかを仕分しておりませんので、そういう意味では消費者庁がどんどん入っていけると。そうしますと、先ほど申しましたように、うちの知事は何しているんだという国民の声が、消費者の声が上がってくれば、それはうまく押していく力になるんではないかというふうに思っておりますので、うまくいくのではないかなと期待をしております。
○渡辺美知太郎君 ちょっと済みません、何か違う質問をしまして申し訳ないです。貴重な御意見ありがとうございます。
 ちょっと時間をオーバーしちゃいましたけれども、終わります。
 ありがとうございます。
○大門実紀史君 本日はありがとうございます。
 今回の改正のきっかけは、もう既にありましたとおり、ホテル、レストラン等の食材偽装ですけれど、朝日新聞の去年の十一月に出ていますけれども、主要ホテルで聞き取り調査をやったら、四割のホテルのレストランでこういう食材偽装をやっていたと、あるいはやっているというショッキングな調査がありましたけれども、それは、もうどうせばれないからということと、背景にはコストダウン競争があって、大体、中身はエビと、先ほどありましたけれどもステーキの加工肉、あとは産地の偽装ですよね。こういうものを、簡単に言えば、安いものを高い値段で食べさせていたと、つまりお客さんは余分にお金を取られていたと、こういう話でございまして、これやめさせなきゃいけないということになるわけでございます。
 それで今回の法改正なんですけれども、先ほど二瓶参考人が大変いいことを言われたと思います。問題は、この景表法に照らしてどうなのかというよりも、まさにお客さんとの信頼関係といいますか、当たり前のことなんですけれども、正しい情報を伝えて適正な値段で買ってもらうということに尽きると思うんですよね。
 惣菜協会の二瓶さんの参考資料を見ましたら、ちょっと私も驚いたんですけれど、サケ弁当、サーモントラウトは実はニジマスのことであって、それをサケ弁当というふうに販売していたところも多いというようなことだと思うんですけれど、こういうものはどうなるのかということが書かれておりますが、これもお客さんにとって考えてみますと、私自身もサケ弁当何回食べたか分かりませんけど、ニジマス弁当ならニジマス弁当と言ってほしかったなと、こう思うわけですよね。
 ただ、業界は、ホテル、レストランのエビもそうなんですけれど、業界特有でエビはこういうものだと勝手にやっていて、ずっと長い習慣でシバエビとクルマエビとの違いが自分たちは当たり前のことになっているように、恐らく惣菜協会でも海と川との違いとかで生物学的には分けようがないところがありますから、ニジマスをサケ弁当として売ったとかあると思うんですけれど、そういうことよりも、もう慣れっこになったところもあると思うんですけれど、お客さんがどう思うか、買う方がどう思うかが一番大事だと思うんですよね。
 もちろん、総菜屋さんは中小零細業者の方々が多いですから、大手以上にコストダウン大変だと思いますし、我が党は中小零細の味方でございますので、何か追及しようということではないんですけれども、でも中小零細であればこそやっぱりお客さんとの信頼関係一番大事だと、こう思うわけですよね。
 それから、私は本当に、この今回の景表法の改正の議論が、何か瑣末なガイドラインとか、さっきも言ったんですけれど、そういうところよりも、やっぱりこれを機に業者の方々に一番大事なお客さんとの信頼をどう取り戻すかというところを自分の頭で考えてもらうのが一番大事だと思うんですけれども、二瓶参考人の御意見をお聞きしたいと思います。
○参考人(二瓶勉君) 私ども、三年前に公表しました情報提供ガイドラインにおいても、魚介類の原材料名称を使う場合には水産庁の魚介類の名称ガイドラインを参照することというふうにしております。ですから、この一連の問題が起きる大分前から、そういう点については注意していたつもりです。
 ただ、サケ弁当の話は、今回具体的な違反事例でどうのこうのじゃないにしても、じゃ生物学的にニジマスとした場合はどうなのかといいますと、ニジマスということを連想すると、あの渓流にいるニジマスとかというふうなことで、いわゆる現在養殖で生産されているトラウトサーモンあるいはサーモントラウトというのは、いわゆる淡水にいるニジマスとは全く、全くというか、かなり大きさとかが違うわけですよね。
 その辺は、最初の意見でも申し述べましたけれど、優良誤認であるかどうかというその判断基準はなかなか、いろんなケースを予知して作るのは難しいとは思うんですけど、そういうのをやはり我々業界側がもっともっと真剣に取り組んで、今問題とされていないことについても先取りするような形で、これはこんなような表現をした方がいいでしょうとか、公的な基準があるものについてはそれに従うだけの話であって、例えば魚介類の名称であれば水産庁のガイドラインをちゃんと守るというようなこととか、それにしても地方によっていろんな呼び名の違いがあったりして、水産庁のガイドラインだけではカバーできないのもあるんですが、別に取引上の、まあ、何といいますか、ガイドラインではないんですけれども、標準品名を定めたような、財団法人でそういうものを作っているところもありますし、いろんなものを参考にしてより誤認を生じさせないような表示にしていくというのは、これは当然、事業者としてはやっていかなきゃいけない問題だと思います。
○大門実紀史君 是非、お客さんとの信頼が一番大事ですので。
 先ほどからありましたけれど、この偽装をどう防ぐかの抑止力という話でいくと、私も実は、課徴金の議論は議論であるんですけれど、事業者名の公表が非常に重要だと思っていまして、実はJAS法違反調べてみますと、ほとんど指導ですね、名前が公表されない指導がほとんどで、いわゆる改善指導という、名前が公表されるのはめったにないと。だから、公表する制度はあるんですけれども、ほとんど公表されないまま来ているというのが今現状だと思うんですよね。
 もちろん、これは中小だけではなくて、大手にとっても公表されるというのが一番実は信用を落とす、あるいはそのお店の存続にも関わる死活問題になる非常にデリケートな問題ですから慎重にはやらなきゃいけないんですけれども、そうはいっても、今の事態はほとんど公表されないというようなふうになっちゃっているわけですね、運用上。そうしますと、抑止力が全く働かないといいますか、消費者も分からない、同じ同業者も分からないということになってしまいますから、いわゆる元々の公表するのは抑止力効果を狙ったんだと思いますけれど、実際には全く公表されない、ほとんど公表されないから抑止力効果もほとんどないという現状だと思うんですね。
 その点でいきますと、これは重要だという御定義は中川参考人から分かったんですけれど、じゃ、どうやって、この運用上、公表させていくかという点で、具体的なところでお考えあれば、中川参考人と磯辺参考人、簡潔に御意見を伺いたいと思います。
○参考人(中川丈久君) 公表を義務付けるというのはなかなか難しいと思いますけれども、大体は恐らく勧告をすると守っているからではないかと思います。ですから、守ってしまったんであれば確かに公表はできないということで、なかなか私妙案はございません。
 ただ、むしろ公表の方法の方が重要でございまして、ホームページに載っけても誰も見ないというのがあります。だから、それをいかにメディアに載せるかという公表の方法を工夫しなければいけませんので、やはり公表はまた影響が非常に大きいですから、絞ってメディアにぽんと出すと、まさに本当に悪質なものですね、そういう工夫をしていくことが重要であると思いますので、何でもかんでも公表すればいいというわけではないと思います。
○参考人(磯辺浩一君) 景品表示法についてはかなり公表されているのが事実で、それは、やはり景品表示法に基づいて誤った情報を消費者に伝えてしまったわけだから、その消費者のきちんと認識を元に戻すという意味合いで自らの公表も義務付けられているわけですし、措置命令であれば公表はされるということですので、景表法については今の運用できちんと公表を続けていくということだと思います。
 JAS法につきましては、済みません、表示の義務付けという法律の性格上、公表の取扱いがどうなっているのか、ちょっとよく分かりませんので、お答えを控えさせていただきたいと思います。
○大門実紀史君 終わります。
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。今日は本当にありがとうございます。
 課徴金の問題に関して対政府質疑をやって、磯辺参考人、それから中川参考人から課徴金の話が出ております。中川参考人に改めてお聞きをしますが、これは被害者の回復に役立つ使途にするための制度の枠組みがやっぱり必要ではないか。ですから、例えば不当表示を事前抑制するために十分な水準に設定をすべきであると、課徴金の率ですよね。あるいは、全部やるんではなくて、中小のところもありますから、例外として課徴金を課さないということもあれば、あるいは加算をするということもあり得るのではないか。あるいは、事前に言えば減免するとかいろんな制度も考えられる。あるいは、もっと消費者被害にやっているところや消費者団体を支援するために課徴金を一般財源化ではなく使うべきではないかということについてお考えを教えてください。
○参考人(中川丈久君) 課徴金というのは、今日申しましたように、決まった概念ではございません。どのようにでも立法できます。今おっしゃったのは全て立法可能でありまして、一部聞くところによると、課徴金というのは裁量性があってはいけないんだという見解があるようには聞いておりますが、それは私は法的にはそんなことはない、あらゆる立法は可能だと思います。
 したがって、今回であれば、措置命令をすれば必ず課徴金を掛けるというふうにしてもいいですし、措置命令は措置命令、悪質性に応じて課徴金を額も含めて様々にする、それから、リーニエンシーのように一部減額をする、被害者に返金をすれば例えば半額を減額するとか、そのようにして課徴金があることによって被害回復の後押しをするというふうな機能をさせることはできると思います。
 ただ、難しいのは、課徴金で取ってしまったものを返すということになりますと、これは国庫のお金になると、お金に色がないとよく言うんですが、これはなかなか手続が面倒、むしろコストが掛かってしまいますので、税金で回復、返すためのお金が掛かってしまいますので、それよりはむしろ事業者が自ら返したならば、じゃそれに応じて、今後違反はしない可能性が高いということで多少減額するということはあり得ると思います。
○福島みずほ君 二瓶参考人にお聞きをしたいんですが、今回の景表法そのものの改正とどんぴしゃ当たってなくても、こういう機会ですので、ちょっとざっくばらんに教えてください。
 私自身は、クルマエビかイセエビかということももちろんとても大事だが、むしろ食べ物の安全とか、そちらにちょっと関心があるんですね。私たちの生活そのものがもう外食やお弁当、お総菜に物すごく頼っている。もう時代が変わってという時代になっていますので、食べ物の安全という観点からの業界の努力や考え方をちょっと教えていただきたいと。
 いろんな雑誌や記事を見ると、例えばサイコロステーキで何か油脂を入れているんじゃないかとか、実はこういうものはこういうものをしているんじゃないかとか、いろんな指摘があって、本当に外食やいろんなものに依存している生活を送っていると食べ物の安全という観点からすごくいろいろ思うことがあるんですね。そういうことについての業界の努力や、こうしたいというものがあれば是非教えてください。
○参考人(二瓶勉君) 食の安全というテーマになりますと非常に幅が広くて、その時々でも関心の度合いが異なりますよね。例えば、放射性物質に対する不安のときとか、今でも風評被害がかなりあるというような状況でもありますし。
 私どもとしては、食の安全、安心という意味でいいますと、最大の問題は、食の安全、健康を害するという意味でいうと食中毒だと思っています。消費者の方によってはいろいろ、食の安全といった場合は残留農薬がメーンの関心事であったり食品添加物であったりするわけですけれども、日常的に実際危害を発生しているということからいえば、微生物等による食中毒じゃないかと。
 そういう意味でいうと、私どもの業界でもHACCP手法の導入であるとかそういった面でどんどん注意をするようにして、私どもの協会でもそういったHACCPの認定制度も持っていますし、やはり衛生対策というようなことは一番主眼ではないかというふうに思っています。
 あるいは、輸入食品に対する不安とかもあって、必ずしも、何といいますか、安全性は確認されても安心していただけないような状況もあるかなということで、例えば店頭においてもそうなんですけど、消費者の皆さんと店の方でいろいろ対話があるわけですけれども、十分説明し切れないという点もありますので、食の安全、安心というテーマでもそういう教育活動の強化とか知識の普及とかいうのはこれから更に努めてまいりたいと思いますし、安全と安心というのも、それは微妙な関係だとは思うんですけれども、多くの場合、やっぱり事業者を信頼することによってかなり安心の度合いが高まるといいますか、先ほど大門先生ですかおっしゃったように、消費者とのコミュニケーションというか、言い換えれば、真面目なビジネス、商売をやっていって消費者の方々の信頼を受けるということが安心の向上につながっていくし、安全の確保は科学の力でどんどん検証していけるというふうに思っていますので、消費者の多くの方々に信頼されるように、そういう取組は私どもも安全、安心の専門委員会も設置して取り組んでおりますが、一層そういう取組の強化を図りたいと思います。
○福島みずほ君 また二瓶参考人にお聞きしたいんですが、原産地表示ってどこまでやるかという問題で、JAS法の改正と原産地表示というのは一つの大きなテーマですよね。
 この消費者特別委員会でもかつて例えば質問したのは加工品の問題で、例えばA国産の煎りゴマとB国産のちりめんじゃこをそれぞれの国から輸入して日本国内で混合すると、原産地の表示は混合を行った国、つまり日本となると。つまり、消費者の皆さんは、私も含めてですが、どこから来たんだろうというのを知りたいというのもあり、ただ、表示をどこまでするかとか、ただ、もしかして、みんなの安心を高めるためには、やはり加工品などもちゃんと書いたらむしろクオリティーが高まるんじゃないかとも思ったりするんですが、このJAS法の改正と原産地の表示の問題についてのお考えを教えてください。
○参考人(二瓶勉君) 加工食品の原料原産地表示の義務の対象の拡大というのは、私も食品表示一元化検討会の委員でしたので議論になりましたけど、それはまた別途検討するということで引き続きされると思うんですけれども、どこまでするかというのは非常に厄介な話でして、現在のJAS法でいえば、加工食品の原料が産地によって異なって最終製品に産地による違いが反映されるというもので、その加工食品中五〇%以上を占める原材料について産地表示を義務付けていますよね。これはこれで非常に分かりやすい要件だというふうに思います。
 更にそれを拡大するという場合ですと、どんなような方法でとか、どんな要件ですね、何のためにどんな要件で増やしていくかというのは非常に難しいと思うんです。ただ、消費者からすれば詳しく情報を知りたいというのは当然の要求であるかと思うんですが、それを食品表示でやるのか自主的な任意の情報提供でやるかというのはあろうかと思うんですね。
 御案内のとおり、食品に表示するとなると、現在の表示媒体、商品のラベルとか、非常に制約があります。今度の、現在進行している食品表示基準、消費者庁消費者委員会で検討されていますが、より分かりやすく、例えば文字のポイントの拡大とか様々なことがあって、もっと情報を増やしたいというのと文字のサイズも大きくしたいとかいろいろあって、非常に実際上制約がいっぱいあるなというふうに思いますので、ちょっとこの場で明快な御回答できないんですけれども、食品表示でやり切れないというのは多々ありますので、別な情報提供の在り方、工夫するべきだと思います。
 例えば、商品そのもの以外の、近接表示と言われるプライスカード方式なりPOP広告なりというのは、あるいはインターネットでとか、様々な方法を駆使して自主的に情報をどんどん開示していくということが大事なんじゃないかなと私は思いますし、義務表示になると、なかなかその範囲、適用範囲をどうするかというのはまた難しい話が出てきますので、やれるところからやっていくというのが一番よろしいんじゃないかと思います。
○委員長(行田邦子君) 時間です。
○福島みずほ君 時間ですので。どうもありがとうございます。
○主濱了君 生活の党の主濱了であります。
 本日は、貴重な意見、どうも本当にありがとうございました。
 早速質問に入ります。
 まず、適格消費者団体への情報提供ということで、これは磯辺参考人に伺いたいと思います。
 本改正案では、消費生活協力団体あるいは消費生活協力員は、適格消費者団体に対して、優良誤認表示及び有利誤認表示に関する情報を得たときは、適格消費者団体の差止め請求の行使に必要な限度に限って情報提供を行うことができると、こういうふうな規定があります。この絞り込んでいる理由というのはちょっとよく分からないんですけれども、こういうふうな規定になっていると。この情報提供によって適格消費者団体が行う差止め請求の増加、これが想定されるのかどうか、効果があるのかどうかというのが第一点です。
 それから、現在、逆に情報が来ないことによってこの差止め請求ができないと、こういったような例があるのかどうかというのが第二点。
 それから三つ目、この情報提供のほかにも必要な支援があれば併せて教えていただきたい。この支援の中に、実は資料の中にありまして、これは課徴金制度のページの前のページに要望というのがありまして、この中には情報及び財政面での支援をというふうな内容が書いておりますけれども、これも含めて、もし必要な支援があればお伺いしたいと思います。
○参考人(磯辺浩一君) 情報がやはり端緒になります。先ほどもちょっとお話ししましたが、どうしても、消費者からの被害情報ということで情報提供がありますと、広告表示にストレートにその情報の内容が結び付いていないというふうなこともありますので、広告表示についての情報は幅広く提供していただいた方が実際の差止めの対象にできるかどうかという検討の端緒に付く情報が多くなるというふうに思いますので、ここは効果があろうかというふうに思っております。
 それと、支援のお話ですけれども、ここは様々な形で、例えば地方消費者行政の活性化交付金の使途として、適格消費者団体が特定適格消費者団体を目指す、そういった諸活動に事業支援をするみたいなことがメニューとして提示をされるなど、少しずつ前進はしてきていまして、そういったことを各地でやっていくということが必要なんですが、あわせて、この景品表示法の差止め請求を更に増やしていくためには、やはり差止め請求関係業務を充実させていかないといけない、そうすると、先ほどもお話ししましたが、差止め請求関係業務で何らかの収入があるということではございませんので、基本的には会費、寄附金の中から賄っていくというふうなこと、そしてボランティアの方々に支えていただくというのが実情でございます。
 そういう意味では、そういった差止め請求関係の業務の費用に、例えば、今回、課徴金納付命令が出されるような場合に、事業者は自主的に何らかの公的機関に、どこかの公的機関に消費者の被害救済、被害の拡大防止のために寄附をすると、そこの公的機関の審査を受けて、私どもも申請をして、きちんとした差止め請求の訴訟の事案についての費用をそこから支弁していただくというふうなことも可能性としてはあるのではないかということで、要望として書かせていただいた次第です。
○主濱了君 ありがとうございました。
 次に、食品ガイドラインの周知についてということで、二瓶参考人に伺いたいと思います。
 先ほど来、多くの委員の皆さんからこの点についてはお話があったわけですけれども、とにかく、この食品の不正が多発した、不正といいますか、間違いもあったかもしれませんですが、その原因とすれば、実は食品表示のガイドラインというのは前からたくさん、いっぱい出されているわけなんですよね。ただ、出されてはいるけれども、周知不足というふうな面があったというふうに思っております。とにかく、消費者の食に対する信頼を揺るがすような事態は、事業者の方からは二度と起こしてはいけないなというふうに思っております。
 このような観点から、この食品ガイドラインを継続して周知をしていくことが必要なんだというふうに思っておりますが、二瓶参考人が再三言われているように、協会とかあるいは組合に加入していない一般の事業者、その方々にどのように、これは消費者庁になりますか、業界全体になりますか、その方々にどのようにしてこの食品ガイドライン、これを示していったらいいのかと、こういったようなことについて伺いたいと思います。
○参考人(二瓶勉君) 先ほどそういうお話したつもりなんですけれども、なかなか難しくて、ただ、消費者庁の方でもこういう周知徹底問題については検討されていると思います。
 私どもの、先ほど御紹介しました情報提供ガイドラインについてもなかなか普及が難しいという話しましたけど、中小の事業者であっても必ずどこかの組織に入っている、例えばそれが環境衛生組合であったり、あるいは商店会組織であったり、そういうところを通じてやっぱり情報を届けるというようなことも大事ですし、それから、業界団体も含めて様々なところが企画して、表示についての講習会、研修会等を開いていくとかいうようなことが必要なんじゃないかと思うんですね。
 私どもでいえば、関連する団体と提携してやってはいるんですけれども、そういう商店街の皆さんとかいうレベルですとなかなか呼びかけることもできなかったという反省もありますけれども、是非そういうのは関係省庁一丸となってやっていく必要があるんじゃないかなと。私どもも協力は惜しまないつもりですので、よろしくお願いします。
○主濱了君 ありがとうございます。大いなるヒントですね。
 それから、課徴金制度について中川参考人に伺います。余り時間ないので、よろしくお願いしたいんですが。
 課徴金制度、これ、平成二十年に同様の法案が出されておりますね。ただ、この法案というのは景品表示法が消費者庁に移管されると決定されたので審議未了と、こういうことになっております。で、今回また出てきたと、こういうことでありますが、この課徴金制度の導入に当たって、この平成二十年の法案を踏まえて、どのような点に着目すべきかと、こういう点なんですよ。
 実はヒントがあるんですよね。これは中川参考人のレジュメのWの(3)、実はこのWの(3)のところを飛ばしてしまったんですよね。ここのところを若干解説していただければいいのかなというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
○参考人(中川丈久君) これ、本当にたくさんの項目に分かれるんですが、このうち一つは、先ほど事業規模のことで、事業規模というのは別に考えなくてもいいんじゃないかということを申し上げました。
 そのほか、いわゆる主観的要件でございますね。過失があるものはいいじゃないかというふうな話がありますけれども、またこれ気を付けなければいけないなと思いますのは、事業者でありますのでそもそも注意義務が高いんですよね。ですから、優良誤認とか有利誤認をプロが見逃すというのはそもそもおかしい話でありまして、恐らく主観的要件入れても、結局みんな課徴金になっちゃうんじゃないかなというふうに思います。
 それよりも、ですから、基本的には掛けるという方向でいいんではないかと思いますけれども、重要なのは、やはり先ほど申しましたが、被害者に対して返金をしたのであれば、やはり消費者法問題はまず被害回復が第一でございますので、それとプラス予防でありますので、被害者に回復を、被害者に返金したのであれば、その課徴金は掛けない方向で考えるというふうな制度づくりが必要かなというふうに思います。
 取りあえず、以上でございます。
○主濱了君 ありがとうございました。終わります。
○委員長(行田邦子君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。
 参考人の方々に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。本委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時散会