第187回国会 予算委員会 第2号
平成二十六年十月八日(水曜日)
   午前九時一分開会
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   委員の異動
 十月七日
    辞任         補欠選任
     鶴保 庸介君     森屋  宏君
     矢倉 克夫君    佐々木さやか君
     横山 信一君     荒木 清寛君
     松沢 成文君     水野 賢一君
     小池  晃君     辰已孝太郎君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         岸  宏一君
    理 事
                石井 準一君
                岡田  広君
                馬場 成志君
                堀井  巌君
                那谷屋正義君
                蓮   舫君
                若松 謙維君
                行田 邦子君
                小野 次郎君
    委 員
                石田 昌宏君
                猪口 邦子君
                大野 泰正君
                太田 房江君
                北村 経夫君
                古賀友一郎君
                佐藤 正久君
                島田 三郎君
                島村  大君
                高野光二郎君
                堂故  茂君
                二之湯武史君
                三木  亨君
               三原じゅん子君
                三宅 伸吾君
                森屋  宏君
                山下 雄平君
                小川 敏夫君
                大久保 勉君
                大塚 耕平君
                小西 洋之君
                田城  郁君
                田中 直紀君
                藤田 幸久君
                水岡 俊一君
                荒木 清寛君
                河野 義博君
               佐々木さやか君
                水野 賢一君
               渡辺美知太郎君
                片山虎之助君
                大門実紀史君
                辰已孝太郎君
                福島みずほ君
                浜田 和幸君
   国務大臣
       内閣総理大臣   安倍 晋三君
       財務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        麻生 太郎君
       総務大臣     高市 早苗君
       法務大臣     松島みどり君
       外務大臣     岸田 文雄君
       文部科学大臣
       国務大臣     下村 博文君
       厚生労働大臣   塩崎 恭久君
       農林水産大臣   西川 公也君
       経済産業大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(原子力
       損害賠償・廃炉
       等支援機構))  小渕 優子君
       国土交通大臣
       国務大臣     太田 昭宏君
       環境大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(原子力
       防災))     望月 義夫君
       防衛大臣
       国務大臣     江渡 聡徳君
       国務大臣
       (内閣官房長官) 菅  義偉君
       国務大臣
       (復興大臣)   竹下  亘君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)
       (内閣府特命担
       当大臣(防災)
       )        山谷えり子君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(経済財
       政政策))    甘利  明君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(沖縄及
       び北方対策、科
       学技術政策、宇
       宙政策))    山口 俊一君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(消費者
       及び食品安全、
       規制改革、少子
       化対策、男女共
       同参画))    有村 治子君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(国家戦
       略特別区域))  石破  茂君
   副大臣
       財務副大臣    御法川信英君
       環境副大臣    小里 泰弘君
   政府特別補佐人
       内閣法制局長官  横畠 裕介君
       原子力規制委員
       会委員長     田中 俊一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小野 亮治君
   政府参考人
       中小企業庁長官  北川 慎介君
       海上保安庁長官  佐藤 雄二君
       環境大臣官房廃
       棄物・リサイク
       ル対策部長    鎌形 浩史君
       原子力規制委員
       会原子力規制庁
       原子力規制部長  櫻田 道夫君
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  本日の会議に付した案件
○予算の執行状況に関する調査
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○委員長(岸宏一君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 予算の執行状況に関する調査を議題とし、昨日に引き続き質疑を行います。堀井巌君。
○堀井巌君 おはようございます。自由民主党の堀井巌でございます。
 本日、予算委員会での御質問、機会をいただきまして、諸先輩、そして同僚の方々に感謝を申し上げます。
 まず冒頭、先日発生いたしました御嶽山の噴火によりまして尊い命を失われた方々に心から哀悼の意を表しますとともに、被害に遭われた方々に心からお見舞いを申し上げます。また、救助活動、そして捜索活動に厳しい環境の下で日夜尽力しておられます消防、警察、自衛隊の方々に心から敬意を表したいと存じます。
 それでは、早速質問に入らせていただきます。
 まず、昨晩、大変うれしいニュースが飛び込んでまいりました。日本人三名の方がノーベル物理学賞を受賞されたと、本当に朗報が飛び込んでまいりました。日本の科学技術の底力を示したんじゃないかというふうに大変うれしい思いでいっぱいでありますが、まず総理の御感想をお聞かせください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 久々にうれしいニュースが舞い込んできました。
 赤崎勇さん、そして天野浩さん、中村修二さんの三人の先生が、昨日、ノーベル物理学賞を受賞することが決定をしました。日本人みんなにとっての誇りであり、日本人みんなが今喜んでいると思います。
 昨晩、赤崎先生には電話で直接お祝いを申し上げました。先生は、まだやることはいっぱいあるとおっしゃっておられました。八十五歳を迎えてまだやることがいっぱいある、すばらしいなと思いますが、これからもお元気で、様々な研究に挑戦していただきたいなと思います。誰もが困難だと思っていた開発に幾度の失敗にも諦めずに挑戦をし続けた、その成果なんだろうと、このように思います。
 また、基礎的な研究開発から大量生産に至るまで日本人が関わったという点においても本当にすばらしいと思います。日本の学術、技術、技術開発のレベルの高さが世界に示されたものだと思います。
 また、このLEDは、私たちにとって大変身近な技術、世界の省エネに資するものでありまして、今回の受賞は本当にうれしいなと、このように思います。
○堀井巌君 ありがとうございます。
 もう是非この受賞を契機に、また総理におかれては更にこの科学技術の振興にリーダーシップを発揮いただければというふうに思います。
 次に、地方創生についてお伺いをしたいと思います。
 私は、昨年七月に初めて国政に挑戦をいたしました。そんな中で、奈良県の出身でありますが、三十九の市町村、それぞれの集落、そして町、村、様々な市に訪れるたびにそれぞれの地域から切実な声として伺ったのは、地域が衰退をしていく、人口が減っていく、そのことへの不安でありました。人口減少に歯止めが掛からないことへの不安でありました。同時に、地域に住んでおられる皆さん、何とか、いい政策があれば、そしてみんなで一丸となって、この流れを変えていけるような方策があれば一緒になって協力するから、是非そのことを東京に行って考えてしっかり頑張ってもらいたい、このような声を受け止めてきたわけでございます。
 日本創成会議の予測では、二十六年後の二〇四〇年に八百九十六の市町村が消滅可能性があると言われております。奈良県でも三十九のうち二十六の市町村が消滅可能性があると、このように言われております。
 こういった中で、今般、地方創生大臣、御就任されて、この地方創生に内閣挙げて一丸となって取り組んでいかれる、これは本当にこれから是非実現、大きくこの流れを変える契機になってもらいたい、そのような期待で皆さんいっぱいなんだろうというふうに思います。総力戦だとか、あるいは異次元の取組をやるんだというふうなお言葉、大変力強い言葉もこれまでも述べていただいておりますが、改めてこの地方創生に向けた取組について、石破大臣にお伺いをしたいと存じます。
○国務大臣(石破茂君) 結局、何でこんなことになったんだという。いろんな対策はあります。対策はありますが、要は、地方で投資がなされる、それが利益を生み、また再投資がされるというメカニズムがどこか壊れてしまったのではないかということでございます。
 地方において安心して子供さんを産み育てられる環境をつくるためには、仕事をつくらなければなりません。そして、高齢者の方々も安心して暮らせる仕組みをつくらなきゃいかぬのですが、どうしてそういう循環が起こらなくなったのかということを突き止めていかなければならないのであって、総理がおっしゃいますところの異次元ということは、世の中が変わったわけですから、仕組みそのものも変えていかねばならないということだと思っております。対症療法ということではなくて、今までの補助金あるいは交付金、交付税も含めまして、今まで機能していたシステムをもう一度検証してみるということもしていかなければなりません。
 要は、地方においてそういう投資の循環が起こるような仕組みをつくっていかねばならないということだと承知をいたしております。
○堀井巌君 ありがとうございます。
 仕組みを変える、全く私もそのとおりであろうと思います。今までの延長線上で幾ら少しずつ予算を増やしたところで、恐らくこの大きな流れを変えられないんだろうと、やっぱり世の中の仕組みそのものを変えていく、その本気さが社会を変えていくかもしれない、私もそのように思います。
 そこで、幾つか具体的なちょっと提案をさせていただきたいと思います。
 一つ目は、昨日も出ておりました建設機械大手のコマツという企業が本社を東京から石川県の小松市に移転する。大変、地方の在住者にとっては非常に有り難い取組だろうと思います。地方に雇用を確保していく、東京一極の集中のこの流れを変えていくというその一つの希望の光ではないかというふうに思うわけです。
 そのことについてはやはり国全体が、特に政府が本気になってそのベクトルで仕事をするんだ、その方向でやっていくんだということが必要だと思います。そのためには、例えば中央省庁で、全ての役所と言いませんけれども、例えば外局等で、あるいは何かの部門等で本当に地方に移転できるものがあれば、例えば何とか庁は北海道、何とか庁は九州、我田引水は申し上げませんが、国宝の多い関西には文化庁、そういう声もあるわけですけれども、そういった中央省庁の移転ということを政府からもし発信すれば、社会全体に、ああ、本当に本気でやっているんだなというふうに皆さんに受け止めができるんじゃないかと思いますが、その点についての総理の御見解、お願いしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 地方創生を考える上で、東京の一極集中の是正は重要な課題であると思います。このため、先般、まち・ひと・しごと創生本部において決定をした基本方針においても、東京一極集中の歯止めを基本的視点の一つとして盛り込んでおります。
 その中で、首都機能の移転については一貫して国会主導で討論が行われてきました。なぜかといえば、この首都機能の移転というのは国会の移転も伴いますから、これはまさに国会で議論しようということだったわけでありますが、国会等の移転に関する政党間両院協議会において座長の取りまとめが行われました。この中で、中央省庁を含む首都機能の分散移転や防災、とりわけ危機管理機能について優先的に調査検討を行うと。言わば、東京の直下型大地震があったときにも対応できるようにしておこうということだったんだろうと思いますが、そうした方針が示されましたが、その後、国会での議論が止まってしまったわけでございます。政府としては、今委員が御指摘になった点も私は十分に傾聴に値すると思います。
 公務員の手当、それぞれの任地において少し違いますよね。かつて私の地元にあったある部局が九州に、博多に変わったときに大分反対をしたんですが、むしろ彼らの給与は手当が博多に行くことによって上がるわけですから、これはむしろ国にとっては給与が増えてしまうと、私の地元下関にした方がいいんじゃないかということを主張したわけでありますが、そこで働いている人は博多に行きたいという人たちが残念ながらいたんですね、その給付もありまして。
 だから、しかし、これはそうしたことも考える、考慮する点だろうと、こう思うわけでありますが、政府としては国会での議論が進むことがまず大事であろうと思います。国会から協力の要請があれば、国民への情報提供や必要な調査を行うなど適切に対応していきたいと考えております。
 なお、これとは別に、国の地方支分部局や特別の機関等については、昭和六十三年の閣議決定に基づき、東京都区部における人口等の過度の集中の是正に資するため、これまで六十を超える機関等について東京二十三区外への移転を進めてきたところであります。残りの六機関についても引き続き移転を促進していきたいと考えております。
○堀井巌君 ありがとうございました。是非よろしくお願いいたしたいと思います。
 次に、地方大学の点について、強化についてお伺いしたいと思います。
 配付資料の一枚目を御覧いただきたいと思います。(資料提示)これは、東京圏に流入をしてくる人が大体何歳ぐらいのときに流入をしてくるのかというものを表したグラフでございます。
 実は、地方から東京に来る方々のほとんどが十五歳から二十四歳、すなわち大学の入学時あるいは就職時に来られているわけであります。したがって、この流れを変えていくことが、東京に若い人たちが一極集中してくる、そのことの流れを変えることにもつながるわけであります。
 また、やっぱり地方で質の高い大学教育をずっと受けられるということになれば、親の所得にかかわらず、それぞれの子供たちが自分の将来の夢をかなえることもよりやりやすくなってくるわけであります。
 また、今回のノーベル物理学賞の受賞者の方の御経歴を見ても、地方大学で頑張った方々が実績を上げておられるということもあるわけであります。
 就職する企業がなければなかなか地方の大学に行ってもという声があるかもしれません。これは鶏か卵かであります。しっかりと地方で優秀な人材が出てくるということが分かれば、企業も地方の方に行こうというインセンティブも働いてくるんじゃないかというふうに思います。
 もちろん、今財政状況が大変厳しい折だと思いますけれども、是非とも文部科学省の方でリーダーシップを取って予算をしっかりと重点化していく、めり張りを付けていく、あるいはしっかりと地方大学に予算を増やしていくというような取組が必要ではないかと思いますが、文科大臣、いかがでございましょうか。
○国務大臣(下村博文君) おっしゃるとおりだと思います。これから地方創生を実現する上で地方大学の役割は極めて重要になってくると思います。近年、地方大学は知の拠点として地域課題の解決や新産業創出等に重要な役割を果たしておりまして、現在、この地域という名前の付く学部、学科はもう三十大学以上あります。
 文部科学省では、平成二十五年度からこの地(知)の拠点整備事業に着手いたしまして、学生が地域に関する知識、理解を深めるため、地域をフィールドとした教育、地域の人材が地域の魅力や課題を教授する科目の設定、また大学教員への地域に関する授業の方法等に関する研修等、取組についての支援を行い始めたところでございます。
 また、国立大学や私立大学に対して、地域の強みを生かした教育研究の機能強化、地域発展に係る積極的な取組についての支援を行っているところでもございます。
 さらに、本年九月からは、地域への公立大学の関わり方について、文部科学省、総務省及び公立大学関係者による研究会を設け、先月からでありますが着手いたしました。
 今後、文科省として、これらの取組を一体的に進展をさせることによりまして、地方創生を担う地方大学の一層の機能強化、しっかり努めてまいりたいと思います。
○堀井巌君 ありがとうございました。
 是非、頑張っている地方大学、応援していただければ、恐らくまた地方大学の中でも競争というか、よし頑張ってみようと、より一層、自分たちもノーベル賞を輩出するような人を出そうという、そんな力強い取組が生まれるものと期待をいたしております。
 次に、配付資料の二枚目を御覧いただきたいと思います。
 地方税についてお伺いをいたします。
 この図は、地方税の人口一人当たりの税収格差でございます。真ん中の地方法人二税というのを見ていただきたいと思いますが、これは、法人税、企業が都道府県や市町村にお金を納めたその金額の人口一人当たりで見た格差でございます。一番たくさん多いのが東京都、四十七番目が奈良県でございます。その差が五・七倍ございます。こういった仕組みを変えることによって、言わばこの税源の偏在を是正することによって、地方の自治体の財政基盤がしっかりと安定して様々な行政サービスもしっかりとやれるようになる、そして地域に住む人々が安心して暮らせるようになるというふうにも思うわけでございます。
 私もこれまで様々な地方に暮らしてまいりましたが、例えば裕福な東京の二十三区内に住むと、子供の医療費助成、中学まで無料だったけれども、地方に住んでいるときはそうでなかったとか、恐らく皆さん、国民の方も含めてみんなが何か実感しているようなそういった差も、格差もこれまでも経験をいたしました。
 是非ともこのような偏在是正を図っていただきたいというふうに思いますが、高市総務大臣、いかがでございましょうか。
○国務大臣(高市早苗君) 堀井委員も私も四十七位の奈良県でございますが、九月三日に安倍総理からいただきました総務大臣への指示書には、税源の偏在性が小さく、そして税収が安定した地方税体系を構築するようにということが書かれておりました。
 地方法人課税の偏在是正につきましては、消費税率八%段階の対応といたしましては、偏在性が大きい法人住民税法人税割を、この一部を国税化しまして、そしてその税収全額を地方交付税原資としたところであります。それからまた、地方法人特別税につきましては規模を三分の一に縮小して、法人事業税に復元をしたわけであります。
 今度、平成二十六年度の与党税制改正大綱におきまして、消費税率が一〇%になった段階においてのことでございますが、法人住民税の法人税割の地方交付税原資化を更に進めるということ、それから、地方法人特別税・譲与税を廃止するとともに、現行制度の意義や効果を踏まえて他の偏在是正措置を講ずるなど、関係する制度について幅広く検討を行うとされております。
 今後、この方針に従いまして、地方団体などとも幅広く意見交換をしながら検討していくべきだと考えております。
 法人実効税率の引下げなどの法人税改革や、それから外形標準課税、この拡充などの地方法人課税改革とも整合性を図りながら検討してまいりたいと考えております。
○堀井巌君 ありがとうございます。
 是非、偏在是正を進めていただきたいと思いますが、高市大臣、もう一つだけ、一点確認をさせていただきたいと思います。
 今の外形標準課税の拡大を始めとして偏在是正に取り組むと御答弁をいただきましたが、この税制を考えるに当たっては、地方経済を支えている小規模な事業者の方々、この方々に対する配慮ということを是非お願いしたいと思いますが、一言お願いいたします。
○国務大臣(高市早苗君) ちょっと、先ほど三分の一にと。三分の一をということで訂正させていただきます。申し訳ございません。
 外形標準課税の拡大に当たりまして、六月の政府税制調査会の取りまとめにおいて、まず、応益課税の観点から企業間で広く薄く負担を担う構造にすることが必要である、法人事業税における外形標準課税について拡大を行うべきである、その際には創業会社や中小法人への配慮などを検討すべきところであると、こうされたところでありますので、やはり地方経済を支えてこられた中小企業・小規模事業者への配慮、この観点も含めて検討してまいります。
○堀井巌君 ありがとうございました。
 次に、災害への備えについてお伺いをいたします。
 先刻の御嶽山の噴火災害、それから広島の豪雨災害等々を見ておりますと、本当に我が国が災害大国であることを痛感をさせられます。また、大規模地震も今後起こり得るということが言われておりまして、災害に強い国をつくっていく、国土をつくっていくということが大変重要だというふうに考えております。
 奈良県に十津川村というところがございます。日本一面積の広い村でございます。紀伊半島の真ん中にあります。二十三区よりも広いところでございます。この十津川村も、平成二十三年、三年前の九月の台風災害で大変な打撃を受けました。尊い人命も失われました。村外に通じる幹線道路は一本しかありません。それがずたずたに寸断をされたわけであります。幸いにも、今国土交通省の方で率先してその復旧事業に取り組んでいただいているところでございます。
 その地域の方々と話をしますと、もちろん、地方創生だとか観光振興だとか、こういうことももちろん取り組みますと。ただ、その前に、まず命を守る、一番最低限の、政府、国あるいは自治体の仕事である国民の生命、身体、財産を守る、このことについてははっきりと、必ずやっていくんだというそのメッセージが欲しい。その取組がまず前提にあって、初めてその上で観光振興もある、あるいは地方創生もある、そういうことだというふうによく言われます。私も現地に入るたびに、全くそのとおりだというふうに思っているわけでございます。
 とかく公共事業というと、ハード事業というとすぐに、昨日の質疑の中でも若干そのようなことも出ました、公共事業に関することも出ましたですけれども、やっぱりこれまでずっと長い間、どうもばらまきだとかという、そういう印象をすぐに与えるような報道等も含めてございました。
 私は、もちろん限られた予算ですから、選択と集中、これは非常に重要だと思います。しかしながら、命を守るということに関してしっかりと政府が、国がやっていくんだという、このメッセージは極めて重要であるというふうに思うわけであります。この命を守る道路整備等についてはきちんとやっていくんだということについて、是非とも国土交通大臣の御見解、決意をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(太田昭宏君) 災害が起きるたびに大変だということが言われます。ステージが変わっているということがありまして、雨の降り方自体が変わっています。
 そして、三年前の十津川周辺、新しい深層崩壊という、山がざっくりと切られるというような状況が起きています。昨年の大島では、河川争奪といいますけれども、山の上からどちらに土砂が流れるか沢がなくて分からないというような状況があったり、様々新しい、今年の広島でもバックビルディング現象あるいは線状降雨帯というような新しい事態が明らかに起きている。
 この中で、道路の果たす役割は、孤立しますから、命を守るという上に極めて重要です。人はそれぞれの地域に文化を呼吸しながら生きている存在であると私は思っています。住んでいらっしゃる方を大事にしなければいけないという哲学の下で、私たちはこの国土をどうするか、財政制約の中でもどうするか。
 道路の造り方でリダンダンシーということが新しく、東日本大震災の中で日本で大事なことだということが言われるようにやっとなりました。こちらが遮断された場合にはこちらのルートがあるという選択肢の多い道路というものの形成というものは極めて重要で、そこは財政制約の中で本当に吟味しながらやらなくてはいけないんですけれども、私は、道路は人が利便性を獲得するというだけでなくて、リダンダンシーという角度で造っていかなくてはいけない、このように思っているところです。
 道路自体におきましても、トンネルやあるいは橋梁、老朽化もしていたり様々な状況に対応するように、また高速道路を造る場合でも、山に上がる、道路に上がって助かる、津波からということで、今高速道路も、三重県や徳島県、高知県を始めとして、山の上に上がる前に道路に駆け上がるというような、階段を造って広場を造るという道路、高速道路を今建設中でございます。
 人の命を守る公共事業ということは極めて大事だと私は思っております。
○堀井巌君 力強いお言葉、ありがとうございました。
 これは、本当にばらまきではなくて、まさにそれぞれの地域、これは奈良県の十津川村だけじゃなくて、日本全国それぞれの津々浦々で同じような、命を守るために何とかお願いしたい、そのような声があるんだと思います。財政状況厳しい折だと思いますけれども、財務大臣には是非とも御高配をいただきますように、御要望だけさせていただきたいと思います。一言だけもしおっしゃっていただけるんであれば、大変有り難く存じます。
○国務大臣(麻生太郎君) 十津川村行ったことのある人、あなたを含めてほとんどの方が行かれたことないと思いますが、日照時間が一番日本で短い村ですよ。でかい村ですよね。和歌山県から行った方が早いぐらいのところなんですが、行きました。全国六百六十何か所の崩落する箇所があるところの三百か所は十津川村ですから、だから、もうえらいところですよ。私もそこに、野党のときにずうっと全国遊説の中の一環としてそこに行かされたことがあるので、今の話はよく分かるところなんですが。
 日本というのはもう間違いなく、災害はもう百貨店と海外の国から言われるほど全て、竜巻だけがないと言われたのがその竜巻も出てくるような騒ぎになりましたので、こういうのをやっていかないかぬことははっきりしているんですが。財政の方は、今おっしゃるように、これは歴史的に見ても、諸外国に比べても圧倒的に厳しい状況になっておりますので、この内容をうまくやっていかないと、重点的に効率化していかないかぬということで、今年度もいろんな形で、いろいろ言われておりますけれども、今年もいわゆる増やした形で、五兆三千億から六兆円に増やした形で約七千億増えた形になっておりますが、これは基本的には社会資本整備の特別会計をこっちに、一般会計に移し替えておりますので、そういったように実質は増えておらぬというような形で、内容というのを整備しながら、増えているような形になりながらもかなり重点的にやらせていただくなどいろいろ苦労しておりますけれども、基本的にそういった点を考えてやっていかねばならぬところだと思っておりますんで、いずれにしても、コンクリートから人へという話もしておられた方もおられたそうですが、コンクリートが人を守るということも確かだと、私はそう思っています。
○堀井巌君 ありがとうございます。
 財務大臣におかれても、命を守るコンクリートというのはあるんだという御認識で、是非今後ともよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 次に、中山間地域についての雇用創出についてお伺いをいたします。林業振興の関係でございます。
 特に人口減少が、これ町でも、そして都市部でも、それから中山間地域でも同時に進行しておりますけれども、特に厳しいのが中山間地域と言われるところでございます。奈良県の場合は県土の七七%が森林地域でございます。また、全国で見ても六七%が森林地域であります。
 しかしながら、今この森林の利用可能資源がどんどん増加をしております。例えば、奈良県の例でいきますと、毎年六十万立方メートル、六十万立米ぐらいは増えてきていると言われております。今、奈良県で丸太を出しているのは大体十五万立米ぐらいなんですけれども、今は大体一立米の価格が一万円ですから、十五万立米というと単純計算ですが十五億円ということになろうと思います。これを例えば一万立米増やせば、新たに山に一億円の経済が、大きくお金が入ってくることになるわけであります。そこには若者の雇用も生まれてくるわけでございます。ただ、木というのは切るだけでは駄目で、やっぱり川下の方でしっかりと活用していく、そして需要を生み出していくという一体的な取組も必要なんだろうというふうに思うわけであります。
 したがって、川上から川下まで林業を一つの地域の起爆剤の核として是非振興していくんだということについて、もう時間もだんだんなくなってまいりましたので、一言で結構でございますので、これ是非安倍総理の、済みません、御決意を、一言で結構でございますので、お伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 農水大臣も手を挙げておりますが。
 中山間地域を守っていく上においても、山を守っていく。山というのは水を涵養し、美しい自然を守り、そしてCO2を吸収するわけでもあります。しかし、守るためには、そこから取れる木材を活用できると、この一体化があって初めてしっかりと山を守っていくことができるんだろうと思います。そのためには、地域の豊富な森林資源を活用して林業の成長産業化を実現していくことが重要であります。このため、新たな木材製品の普及の加速化、公共建築物の木造化、ニーズに対応した国産材の安定供給体制の構築などに積極的に取り組んでいくことが大切であろうと、このように考えております。
○堀井巌君 ありがとうございます。
 今、林業あるいは森林活用、例えば地域材を使って住宅を造るとか、いろんな関連産業の方々も含めて皆さん一生懸命取り組みたいと。その中でも、本当に今取り組んで、その需要がどんどん拡大していくんだろうか、いろいろ不安に思いながら、皆さん、しかし山には、やっぱり一番の資源はこれ森林なんだから、これを何とか活用したいと思っていらっしゃる方がまだまだ多数おられます。同時に、今、施業ノウハウを持った方々が高齢化しているというのも実態でございます。
 やはりこの時間軸も是非念頭に置きながら、これまで以上のお取組を是非していただきたいというふうに思っております。また、そのことが国土保全にもつながって、将来の大規模災害を未然に防止することにもつながっていくものだというふうに期待をいたしております。是非ともよろしくお願い申し上げます。
 最後に、外交関係についてお伺いをいたしたいと思います。
 安倍総理におかれましては、一昨年十二月の就任以来、四十九か国を訪問され、また二百回以上の首脳会談をこなしてこられたということで、まさに地球儀俯瞰外交、世界中を飛び回っておられて、国益の増進に努力しておられるお姿に心から敬意を表したいと存じます。
 やはり外交というのは人の力が全てであります。そして、この安倍総理のトップ外交を支えるのが私は在外公館であろうというふうに思っております。
 パネルを御覧いただきたいと思います。配付資料の三枚目でございます。
 今、外交を支える日本の在外公館の数がどうなっているかというのをお示ししたものでございます。日本は、大使館、これは総領事館等々を抜きました大使館だけの比較でいきますと、日本が百三十六、ちなみにお隣の中国が百六十四ということでございます。右側が職員数であります。日本が五千七百八十七名、お隣の中国は九千名、アメリカは日本の四倍、二万八千五百五名ということでございます。例えば、この資料にはございませんが、アフリカにある公館の数でいきますと、日本は三十三、例えばお隣の中国は四十九、中国は総領事館もありますので、それを入れると五十七という、こんな状況になっているわけでございます。
 これまでそれぞれの省庁の定員については、省庁ごとのスクラップ・アンド・ビルド、行革の観点からやってきたと思います。しかしながら、今回、内閣人事局もできました。国全体を見据えて重要なところにしっかりと重点投資をしていく、五名、十名単位のことは事務的にはできるかもしれませんけれども、千名単位でしっかりと大きなめり張りを付けていく、例えばそういうことになってきますと、やはり政治のリーダーシップが極めて重要ではないかというふうに思うわけであります。
 もちろん、行政改革は大事であります。しかし、私、これを見ておられる国民の方々にも是非御理解いただきたいと思っているのは、例えば国、地方で見た、トータルで見た場合の日本の公務員数、地方の場合はそれぞれの地方団体の努力もあって、今、毎年一万六千名以上減っているわけであります。
 そういった中で、この外交という分野で、これは人の力だけが全てでありますので、こういったところで、日本の在外公館あるいは職員の数、こういったことについてしっかりと戦略的に増強していくことが私は重要ではないかというふうに考えておりますが、総理の御見解を聞かせていただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 経済においては、特にグローバル化が進んでいると思います。グローバル化が進んでいるということは、まさに国力が問われる、より問われる時代になっていると、このように思います。我が国の企業も海外で様々な受注をしているわけであります。私も出張をする際にはトップ外交を展開いたしまして、インフラ受注三兆円から九兆円と三倍に増やしたところでございますが、そのためにも日頃の地味な在外公館の人々の情報収集や働きかけが必要であろうと、このように思います。
 そして、日本の主張をしっかりと世界各国においてちゃんと主張していく、その国の言葉で、その国の地元のマスコミ、メディアを通じてその国民の皆さんに日本の正しい姿を発信をしていくということも大切でしょうし、また、時にはいわれのない批判を受けるときがあります。そのときには即座に的確な反論をしていくということも大切であります。私はそのことをよく外務省の大使会議では申し上げているわけでありますが、今こそ各国の大使館、大使、職員の力が問われている時代だと、このように申し上げているわけでありますが、山積する外交課題に適切に対応するために外交実施体制を強化することは国を挙げて進めていくべき課題であろうと、このように思います。
 そして、今御指摘になったように、日本の在外公館の数も職員の数も少ないのも事実でございますし、私もトリニダード・トバゴのような小さな国に参りましても、本当に少人数でみんな頑張っています。パプアニューギニアでもそうです。しかし、他の国々がそういう国目掛けて結構力を入れているところもあります。新たに資源が出てきたところ、そういうところも含めてしっかりと外交を展開をしていくためには、主要国並みの外交実施体制の実現を念頭に置くとともに、極めて厳しい財政状況も踏まえつつ、経済財政運営と改革の基本方針二〇一四において定めたとおり、人的体制及び在外公館等の物的基盤の整備を含めて総合的外交力の強化に取り組んでいきたいと考えています。
○堀井巌君 ありがとうございました。終わります。
○委員長(岸宏一君) 以上で堀井巌君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、荒木清寛君の質疑を行います。荒木清寛君。
○荒木清寛君 公明党の荒木清寛です。
 まず、この夏の土砂災害、また御嶽山の噴火、そして台風災害での犠牲者の方にお悔やみを申し上げます。また、被害者の方にお見舞いを申し上げるとともに、災害大国というこの宿命の中で、これを乗り越えていけるソフト、ハードの対策をしっかりと国会として、また党として推進をしていくことをお誓いを申し上げます。
 さて、昨日、赤崎勇名城大教授、天野浩名古屋大教授、中村修二米カリフォルニア大サンタバーバラ校教授のノーベル物理学賞受賞の決定は大変喜んでおります。そうした中で、今日の報道でも、中村教授は我が国についてのいろいろな課題も指摘をされております。
 そこで、総理には、この受賞を機に、日本再興戦略に掲げております科学技術イノベーションの推進に向けてどう取り組んでいくのか、その一層の決意についてお尋ねをいたします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今回の物理学賞受賞は、LEDの開発から、言わばこれをたくさん作っていく、量産していくということまで含めた受賞だったわけでございます。今まで物理学賞というと、大変難解な成果の受賞でありますから、なかなか私ども凡人には分かりにくかったのでありますが、今回は大変分かりやすかったですし、あるいは省エネにも資するという、理解がすぐできる、国民にとっても理解しやすいものだったんだろうと思います。
 今後、世界で最もイノベーションに適した国の実現を目指して、人材の育成や魅力あふれる研究環境整備とともに、産学官の壁を越えた取組を推進し、青色発光ダイオードのような革新的な科学技術イノベーションの創出につなげていきたい。
 なぜ分かりやすいかといったら、これはもう製品化されて世界中に出ていっているわけでありまして、日本にも大きな富をもたらしているわけでありますし、人間生活をより豊かにするということも大変分かりやすいんだろうと、このように思うわけであります。もちろん、基礎研究、他の、先ほど難解だと申し上げましたが、基礎研究等も大変大切ではありますが、今回、より身近に感じていただけたんではないかなと思います。そういう意味においては、お三方が受賞されたことを契機にこうした施策を更に進めていきたいと、このように思う次第でございます。
○荒木清寛君 さきの参議院の代表質問で山口党代表は、経済再生に関しまして、中小企業と地域金融機関など多様な機関が連携して物づくりの技術基盤の強化を図るべしと問題提起をしております。
 そこで、小渕経産大臣に一つお尋ねします。
 私は、先日、岐阜県東濃地域の窯業のいわゆる窯元でお話を聞きました。ある窯元は、陶器と漆塗りの質感を両立できる器の開発に初めて成功しました。要するに、陶器に漆を塗って更に焼くというですね。こうした製品にはイタリアのデザイナーも窯元に来まして大変興味を示したということですけど、いかんせん、そうした小規模企業では独自に海外に販路を開くということはできません。また、ほかの窯元では今のネット通販に乗って販路を広げている。今はネット通販も淘汰されましていいものしか扱っていないものですから、そういう中で販路を広げたという話を聞きました。
 私は、またこれは経済団体も指摘をしておりますけれども、中小企業にとって大きな課題が販路の拡大であると思います。技術を磨くとともに、マーケットの動向を見据えた製品、サービスの開発が売上げ増とまた生産性の向上になると思います。そのためには、技術的に精通した人材からの支援に加えまして、マーケットのニーズや海外を含めた販売ルート等を把握した人材による専門的なアドバイスを受けられる仕組みを整備していただきたいと思いますが、大臣としてどう取り組みますか。
○国務大臣(小渕優子君) お答え申し上げます。
 委員が御指摘のように、中小企業や小規模事業者にとりまして、そうした販路の開拓ですとか、またマーケットニーズの把握というものは大変大きな課題になっています。
 私も先日、山形にあります繊維の企業に行ってまいりました。そこでは世界でオンリーワンの糸を作るということで、今ではやはり世界の有名ブランドが注目をして採用しているというようなお話もありました。
 こうした企業をやはり一社でも増やしていきたいと考えておりまして、そのために、新たな顧客の獲得を模索しているこの中小企業・小規模事業者等に対しまして、年間三回までの無料で中小企業診断士、経営コンサルタント等の専門家による支援を実施をしているところであります。
 また、最近は、個々の企業の取組だけではやはり限界があるということで、地域を挙げたブランドづくりの取組も進んでいます。例えば、愛媛にあります今治市において今治タオル、これ、ブランド化に成功しているのは皆様もよく御承知のとおりではないかと思います。
 このように、やはり地域資源を生かして事業を行う企業の皆様を強力に支援するために、今国会に地域資源活用促進法の改正案を提出をいたしました。これによりまして、消費者ニーズに合った商品、サービスの開発を行うことや、販路の開拓の取組をしっかり支援していきたいと考えています。
○荒木清寛君 私も、そうしたことに加えまして、金融機関あるいは大学、研究機関等、いろいろな機関が連携して更にそうした販路拡大の取組を進めていただきたいと思います。
 次に、総理に日中関係改善についてお尋ねをいたします。
 国交正常化以来最悪であった日中関係ですが、改善への兆しも出てきております。総理は十一月の北京でのAPECでの日中首脳会談に強い意欲を示しておられます。ニューヨークでは、先月、岸田外務大臣と王毅中国外相が会談をいたしました。また、昨日は、総理も舞劇「朱鷺」の鑑賞で中国側の要人と話をされた、このようにもお聞きをしております。
 そこで、総理には、こうした中で日中関係改善に向けて中国側の姿勢の変化をどう認識をしておられるか、また、所信で述べられた安定的な友好関係を築くということはどういうことなんでしょうか。
 私は、日中は国交正常化の精神に、もう一回原点に戻りまして、政治、経済、文化など、あらゆる分野での官民挙げてのそうした対話、交流を深めていかなければいけないと思いますし、なかんずく、首脳会談というのはもう是非実現をしていただきたい、このように思っております。総理の決意を伺います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私は、日中関係を改善していきたいと考えております。
 今御紹介をいただきましたように、昨日も中国のバレエ劇「朱鷺」を太田大臣とともに鑑賞させていただいたところでありますが、中国要人ともお話しする機会がございました。今年九月に、習近平主席も、長期にわたり安定した日中関係の健全な発展を推し進めたいと述べており、中国側も日中関係改善に以前よりも積極的になってきていると受け止めています。
 私が所信表明演説で述べた安定的な友好関係とは、個別の課題があってもそれに影響されない安定的で良好な関係のことであります。まさに私が第一次内閣の際に提唱した戦略的互恵関係により築かれるものであります。日中間で戦略的互恵関係の実質を深めていくためには、幅広い分野における協力、対話を積極的に進めていくことが重要であります。この観点から、今般、約二年ぶりに日中高級事務レベル海洋協議が開催されたことは有意義なことだと思います。
 防衛当局間の海上連絡メカニズムの早期運用開始に向けた協議再開に向けて、中国側と必要な調整を早期に進めていきたいと考えております。
○荒木清寛君 日韓関係についても総理にお尋ねいたします。
 来年は日韓国交正常化五十周年でありますけれども、日韓関係もこの五十年間で最も悪いと言われております。しかし、本年の三月、日米韓という三国間でありますけれども、首脳会談は開かれましたし、また韓国の朴槿恵大統領も、八月十五日の演説におきましては、日韓国交正常化五十周年を機に未来志向の友好協力関係をつくらなければいけない、このように言われております。また、九月十九日には森元総理と朴槿恵大統領の会談の際に安倍総理からの親書を手交した、このようにもなっておりまして、徐々に環境は整ってきている、このように思っております。
 そこで、総理には、APECでの日韓首脳会談実現に向けての決意をお尋ねいたします。特に、慰安婦問題を始めとした歴史認識をめぐる問題について今後どのように取り組まれるのか。私は、歴史問題については、これまでの政府の談話を守るということを明確にした上で、また韓国側にもこの反日キャンペーンを政府が何か進めるというようなことはやめてもらう、こうしたことを求めるべきでありますし、このように考えております。総理にお尋ねいたします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私は、この日韓関係についても改善したいと考えています。
 韓国は基本的利益と価値を共有する隣国、重要な隣国であります。日韓関係には確かに難しい問題があります。隣国であるがゆえに様々な課題もあります。だからこそ、前提条件を付けずに、首脳間も含め率直に話合いをするべきだと、このように考えています。
 先般、ニューヨークで行われた外相会談を始め、日韓間ではこれまで様々なレベルで緊密に意思疎通を重ねてまいりました。今後、様々な国際会議の機会に首脳会談ができればよいと思います。一歩一歩お互い努力を積み重ねていくことが大切であります。
 慰安婦問題や歴史認識を始めとする過去の問題については、韓国側に対し、我が国のこれまでの取組や立場をしっかり受け止めてもらうべく、引き続き説明を重ねていく考えであります。こうした粘り強い取組を通じて関係改善を図っていく考えでございます。
○荒木清寛君 次に、山口代表がさきの代表質問で取り上げました共生型福祉施設の推進と、また現場での課題について指摘をさせていただきます。
 共生型福祉施設といいますのは、一つの場所で高齢者、障害者、子供が共に利用でき、身近な地域で必要な福祉やまたコミュニティーのための機能をコンパクトに担うという、そういう優れた取組であります。
 富山県がその先駆的な取組をしていることで有名であります。私も、NPO法人デイサービスこのゆびとーまれが運営する施設で、その家庭的な雰囲気に非常に新鮮な感動を覚えました。富山型デイサービスということで有名になっております。
 ところで、我が党の提案を受けまして、現在では被災三県において共生型福祉施設の整備が進んでおります。その既に稼働している三施設のうちの宮城県石巻市の共生型福祉施設はぴねすプラザを公明党として訪問して課題を伺いました。
 このはぴねすプラザでは、高齢者のサービス、障害者の生活介護に加えまして、放課後児童クラブの運営も試みたわけでありますけれども、行政当局との折衝の中で、それぞれ独立した部屋を設けることが必要である、このように言われて、放課後児童クラブは設置を断念したわけであります。全体としては一人三平米というスペースは十分にあるんですけれども、一つ一つ独立して部屋を設けよということで、できなかったということでございます。
 あるいは、富山市の現場からは、介護保険の指定業者が、基準該当というふうに言うんですけれども、介護の指定業者が障害者、障害児の生活介護を行う場合には給付費、いわゆる報酬が本来の五割から七割程度に低減をされる。同じサービスをしているんですけれども、基準該当ですと低減されるということで、こうしたことが共生型施設の普及のネックになっているというお話もお聞きをいたしました。
 そこで、塩崎大臣に、こうしたことも踏まえまして、共生型福祉施設につきましては政府も進めているんですけれども、余りにもそうしたしゃくし定規な基準、要件の運用を改めて、柔軟に解釈をして施設がこの真価をしっかりと発揮できるように対応していくべきだと考えますが、塩崎大臣の決意を伺います。
○国務大臣(塩崎恭久君) お答え申し上げます。
 今お話ございましたように、一部地域で高齢者、障害者、あるいは子供、対象者を問わずにサービスを提供する、今御指摘の共生型福祉施設が運営されております。
 今後の人口減少や高齢化などを考えてみれば、制度の縦割りというものをやっぱり乗り越えてこのような柔軟なサービスを提供するということが極めて大事であり、また地域の支え合いとか住民相互の交流の場を提供する居場所機能、こういったものと併せて多世代交流・多機能型の福祉拠点としての推進をしていくことが重要だと考えております。
 今お話しのように、富山、それから高知県でもあるわけでございますが、今お話しのように、先生、石巻の方に行かれて、しゃくし定規な扱いということがあったというふうに御指摘をいただきました。
 こうしたサービスの推進に当たっては、現在の自治体や現場の運用に支障が生じる点がないかどうか、やっぱりこの辺もしっかり確認をし、そして必要がある場合には自治体等に対して適切な運営方法を周知するなど、適切に制度を運営してまいりたいと考えております。
 先ほどの共生型施設の設備基準の取扱いですが、原則は、それぞれ専用の設備を備えることが原則と、こうなっているんですけれども、一方で、利用者の支援に支障がない場合には設備の共用も可能というふうになっています。ですから、先ほどの放課後児童クラブを断念せざるを得なかったということについても、考えようによってはできないこともないはずだったわけですけれども、それができなかったということであれば、今後それをきちっと運営の方法も周知徹底するということで、先生のおっしゃるように、臨機応変にいけるようにいたしたいというふうに思います。
○荒木清寛君 共生型福祉施設といいますのは、住み慣れた地域で高齢者も障害者もお子たちも一緒に集って運営していく施設でありますし、少ない資源をしっかりと生かして福祉サービスを提供できるという非常に優れた取組でございます。
 そこで、被災地のみならず、全国での普及に向けて総理もしっかりと後押しをしていただきたいと考えます。総理の見解をお尋ねいたします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 確かに、今委員が御指摘になったように、制度の縦割りを超えて柔軟な対応が重要ではないかと、私もそのように思います。
 このため、高齢者、障害者、子供などに対し広く支援サービスを提供し、地域住民相互の支え合いの基盤ともなる多世代交流・多機能型支援の拠点づくりについて先進的な事例の提供やノウハウの普及などにより推進を図っていく考えでございます。
○荒木清寛君 是非よろしくお願いいたします。
 次に、小児がん対策につきまして、引き続き塩崎大臣にお尋ねをいたします。
 小児がんは、小児の病死原因の第一位でありますけれども、従来のがん対策では成人のがんを中心に進められてきまして、小児がん対策は遅れておりました。平成二十四年六月に決定されました政府のがん対策推進基本計画におきまして小児へのがん対策が重点的課題として位置付けられまして大きく進みました。昨年二月には小児がん拠点病院として十五の医療機関が指定され、さらに今年の二月には小児がん中央機関も指定されましたことは大きな前進でございます。
 小児がん対策の課題として、これは病気の種類が多く、しかも希少であるために十分な経験を持った医療機関が少ないということがあります。さらに、今は七割のお子たちが生存することができるんでありますけれども、成長発達期での治療の影響による長期の合併症、晩期合併症とも言いますけれども、これに対して十分なフォローがまだできていないということが挙げられます。
 こうした中、小児がん拠点病院というのは、患者にとりましては医療機関選びの指標となります。また、指定されました医療機関におきましても医療連携や治療体制の見直しなどが、そうした動きが進んでおります。
 また、この拠点病院での小児がんに関する相談は、療養上の相談はもとより、教育や就労、あるいは兄弟支援、そして治療後の長期支援と幅広い分野にわたっておりまして、ここ一、二年でこの小児がんに関する拠点病院への相談が急増しております。そうした意味では、患者や家族にとりまして大きな精神的な支えとなっておりますけれども、しかし、そうした増加している相談支援に拠点病院では十分に人を割くことができないという、こういう状況がございます。
 このように、小児がん対策の課題は山積みをしておりますので、そこで、大臣にお尋ねをいたします。
 小児がん対策におきましては、患者や家族への治療後の療養上などの相談支援、長期支援体制の整備拡充を喫緊の課題として進めるとともに、小児がん経験者への自立支援、就労支援対策について積極的に進めるべきと考えます。厚労大臣の格別の取組を求めます。
○国務大臣(塩崎恭久君) お答え申し上げます。
 小児がんの発症は年間大体二千から二千五百人と言われていて、そして、拠点病院、今先生御指摘の拠点病院は十五か所、それとあと二つ中央の病院がございますが、それを含めて全体として二百ぐらいの病院が対応できるということになっていて、そのバランスからいくと十分ではないかも分からないということもございます。
 まずは、こういった、数は少ないといえども、小児がんの患者さん、そしてまた家族の皆様方の日々の大変な思いをされながらの治療、そしてまた療養生活ということについては、私たちも大いに思いを致さなければいけないというふうに思います。
 このような小児がん患者の療養生活を支えるための対策はもちろん大変重要であるという認識の下で、平成二十四年六月のがん対策推進基本計画、閣議決定されましたが、においても小児がん対策を重点的に取り組むべき課題として位置付けてございます。
 その具体的な対策としては、今もお話がありましたが、晩期合併症、小児がん拠点病院における晩期合併症への長期的な支援を含めた医療供給体制の整備、それから小児がんなどの小児慢性特定疾病の患者に対する医療費の助成、これは通常国会で法律が通ったところでありますが、小児がん患者等の心理的な負担を軽減するための相談支援の体制の整備、それからハローワーク等における小児がん経験者へのきめ細やかな就労支援といったことなどを考えて取組を行っているところでございます。
 それに加えて、就学、学校への通学についても配慮が必要かと思いますが、また、今年の八月に、厚労省にがん患者・経験者の就労支援のあり方に関する検討会というものを設けまして、特に小児がん患者・経験者についても、晩期合併症等の課題やニーズ及び今後必要となる施策を取りまとめて、都道府県あるいは医師会に周知徹底をしたところでございます。
 厚労省としては、今後も、これらの取組を始め、小児がん患者を支えるための施策に積極的に推進してまいりたいというふうに思います。
○荒木清寛君 安倍総理には昨年の予算委員会でもただしたところでございますが、まだまだこの小児がん対策は緒に就いたばかりでございますので、政府全体としてより一層積極的に取り組んでいただくことを要請をいたします。総理の決意をお尋ねいたします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 小児がんの患者、そしてまた御家族の方々は日々大変な思いをしつつ治療、そしてまた、まあ治療も大変つらい治療でありますから、治療そしてまた治療後の療養生活を送っておられると思います。国としてもできる限りの支援を行いたいと考えています。このため、公明党の御意見も伺いながら、がん対策推進基本計画に沿って施策を進めてきています。
 具体的には、昨年指定した小児がん拠点病院を中心に長期的支援を含め医療提供体制を整備するとともに、公平かつ安定的な医療費の助成、そして新たな治療法に関する研究の推進など総合的な取組を進めています。また、患者、家族の心理的な負担を軽減するための相談体制の整備、小児がん経験者への就労支援など生活全般に着目した支援にも、関係者と連携し引き続き取り組んでまいりたいと思います。
 これらの施策を着実に進め、小児がんの克服に向けて前進できるよう全力を傾けてまいる決意でございます。
○荒木清寛君 是非よろしくお願いいたします。
 次に、教育問題についてお尋ねします。
 安倍内閣は教育を重視をしております。持続可能な地球社会の建設を目指す上での最大の鍵もまた教育であります。
 そこで、持続可能な開発のための教育、ESDについて伺います。
 ESDというのは、世界で解決すべき課題と私たちの暮らしを結び付ける教育、つながり教育として特徴付けられます。子供の生きる力を引き出すことができる重要な教育理念でございます。日本が提唱して二〇〇二年に国連総会で採択された国連ESDの十年が本年最終年を迎えます。この十一月には愛知県・名古屋市と岡山市でESDに関するユネスコ会議が開催され、この十年間の取組の総括と今後の後継のプログラムについても公式発表が行われると承知をしております。
 そこで、下村文科大臣にお尋ねをいたします。
 現在の日本の教育現場ではユネスコ・スクールの加盟校がESDの推進拠点となっておりまして、意欲のある加盟校が地域と連携して目覚ましい成果を上げております。二〇〇六年に二十校であったユネスコ・スクール加盟校は、二〇一四年八月現在、世界最多となります七百五校まで増加をして全国に浸透しつつあります。
 そこで、今後、そうしたユネスコ・スクールだけではなくて、ESDの理念を学校教育全体に取り入れて広めていく必要があると考えます。文部科学省におかれては、一般の学校におけるESDの取組のために、ESDの意義や具体的な指導方法等の一層の周知を図るとともに、実施促進のための支援の充実等を行っていくべきであると考えます。大臣の決意をお尋ねをいたします。
○国務大臣(下村博文君) 荒木委員おっしゃっていただきましたが、いよいよこれからESD世界ユネスコ会議十年目の総決算、日本、岡山そして愛知県・名古屋で行われるわけでございます。
 御指摘のように、今ユネスコ・スクール、ESD、この持続可能な開発のための教育の拠点推進校ですが、七百五校まで、世界では最も多いわけでありますが、これが七百五校だけでなく全ての小中学校で、何らかの形で持続可能な、人類が生き続けることができるような取組を教育の中でしっかり実践教育をしていくということが喫緊の課題に、今、地球温暖化等の中で問われているのではないかというふうに思います。
 そのため、今年度からはESD活動を支援する教育委員会、それから大学、NGO等でコンソーシアムを形成いたしまして、国内外のユネスコ・スクール間の交流を促進するとともに、ユネスコ・スクール以外の学校におきましてもESDの取組を普及する、グローバル人材の育成に向けたESDの推進事業を実施をしております。
 文科省としては、このような事業を一層推進するとともに、日本ユネスコ国内委員会から平成二十六年三月にいただいた提言、これは多様化の時代におけるユネスコ活動の活性化についての提言、持続可能な社会の構築を目指してというテーマでありますが、これを踏まえまして、引き続きESDの促進のための施策充実、このESDということだけで何か難しいことではないかと、ユネスコがやるということで、私も個別具体的に教育委員会や学校に話しても総論賛成でなかなか着手してくれないというところが多いものですから、是非子供たちのためにももっと広がっていくようにしっかり取り組んでまいりたいと思います。
○荒木清寛君 そこで、大臣には、このESD教育の普及のツールとしてESDカレンダーの活用について提案をしたいと思います。(資料提示)
 先般、第三回ESD大賞を受賞しました東京都江東区立八名川小学校の取組を公明党の国連ESDの十年推進PTで調査をしました。同校では総合的な学習の時間を使ってESDを推進をしており、我々は、五年生のカーボンマイナスこどもアクション、僕たちの手で地球を守ろうという学習を参観をいたしました。
 授業では、まずゼロ年から二〇〇五年までの温室効果ガスの変化のグラフ、あるいは熱帯夜の年間日数がこの八十年間でどう変化しているかというグラフを見せまして、全員の子にこれから何が分かるかということを書かせるところから始めておりました。全員の子が書くまで先生も待っておりました。最後はグループディスカッションといいますか、四人が机を囲んで話し合って、このまま温暖化が進むとどういうことになると想像できますかという、こういう発表で終わりました。この単元は学びに火を付けるということが狙いであると、このように聞いております。その後、この総合学習の時間は調べる、まとめる、伝え合うという段階に進んでいくわけであります。
 その教育について、同校ではこの示しましたESDカレンダーを活用しております。これは、各教科領域に広がる単元の学習内容を環境、多文化の理解、人権・命の教育などの視点ごとに色分けをして、教科の枠をつなぎ合わせて作った教科横断的な年間指導計画であります。我々が見ましたカーボンマイナスこどもアクションにつきましても、理科、社会、英語、道徳、家庭科、こういう授業と関連付けられているわけでありまして、またこのカレンダーには解説書もありまして、それを見れば、先生が替わってもこの総合学習、いわゆるESD教育を進められるということになっておりましたし、また、授業後は先生方が集まって反省会、検討会もやっておられました。こうしたESDカレンダーは多数のユネスコ・スクールで活用されており、日本語だけではなく、英語版、中国語版、韓国語版も作成されて活用されております。
 そこで、ESDが多くの学校で取り組みやすくするために、ESDカレンダーをユネスコ・スクールにとどまらず多くの学校で活用してもらうように文科大臣として取組をいただきたいと思いますが、いかがでございますか。
○国務大臣(下村博文君) 御指摘されました江東区の八名川小学校のこのESDカレンダー、これは本当にすばらしいことだと思います。ここまで取り組んでいる学校というのはまれではないかというふうに思います。ちなみに、この八名川小学校は、先日、ESDに関するユネスコ世界会議の準備のためのイベントがありまして、そのときも子供たちに来ていただいて一緒にパフォーマンスをしていただいたという学校でもありました。
 このESDに関するこうした優れた取組を積極的に発信をし、多くの学校で広く共有することは、御指摘のように、ESDの更なる普及や取組の深化につながるということで大変重要だと我々も感じます。文科省では、既に各種パンフレット、事例集、ユネスコ公式ウエブサイトなどにおきましてこのESDの優れた取組事例を発信をしておりまして、平成二十一年度から毎年開催しているユネスコスクール全国大会等を通じ事例の共有を図っているところでございますが、御指摘のこのESDカレンダー等、積極的に文部科学省もバックアップをしPRすることによって、各学校で取り組んでもらうような是非広報活動をしてまいりたいと思います。
○荒木清寛君 十一月に開催されますESDに関するユネスコ世界会議に向けまして、地元の愛知県・名古屋市、また岡山市では大変機運が盛り上がっております。
 そこで、総理には、この世界会議につきまして、文科大臣が名古屋、岡山市両市での会合に出席を是非お願いしたいと思いますし、調整が付けば総理自らも出席をすることを含めて、この世界大会の、世界会議の成功に向けての決意をお伺いしまして、私の質疑を終わります。
   〔委員長退席、理事岡田広君着席〕
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 本年十一月に開催されますESDに関するユネスコ世界会議は、この十年間の各国の取組を総括をし、そして今後の進め方について議論をする重要な機会であると認識をしています。
 この会議への出席については、私自身の出席については、APEC首脳会合との関係もあり、現時点で出席できるかどうかは申し上げることができませんが、会議のホスト国として主導的な役割を果たせるよう、関係大臣の出席も含め会議の成功に向けてしっかりと対応してまいりたいと思います。
○荒木清寛君 終わります。
○理事(岡田広君) 以上で荒木清寛君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○理事(岡田広君) 次に、佐々木さやかさんの質疑を行います。佐々木さやかさん。
○佐々木さやか君 公明党の佐々木さやかです。
 先日の台風十八号は、神奈川県内を始め各地に大きな被害をもたらしました。まず冒頭、亡くなられた方々に哀悼の意を表し、被害を受けた皆様に心よりお見舞いを申し上げます。
 では、質問に入らせていただきます。
 女性の活躍は社会の閉塞感を打ち破る大きな原動力となると、総理は所信表明演説でおっしゃいました。私もそう思います。
 横浜市にある医療機器の製造販売を行うある会社では、女性社員のアイデアを取り入れて商品開発をいたしました。カテーテル、自分で排尿をすることが困難な患者さんが使う自己導尿用カテーテルに女性社員のアイデアでファッション性を取り入れました。普通のカテーテルというのはいかにも医療器具といった見た目でサイズも大きいんですけれども、この開発された商品はコンパクトでリップケースのようなかわいらしいデザインです。最初は医療機器にデザイン性など必要なのかという声もあったそうでありますけれども、これなら学校にも持っていきやすくてうれしいと、そういう小学生の患者さんの喜びの声もあるそうです。
 女性社員のアイデアを生かして、女性だけでなく広く消費者の心をつかむ商品を作った、こういう例は多くございます。女性の新しい視点は、日本の社会、経済の活性化につながると思います。しかしながら、女性が職場で活躍するために乗り越えなければならないハードルは依然として高いです。
 総理は、マタハラという言葉を御存じでしょうか。マタニティーハラスメントの略です。働く女性が妊娠、出産を理由に解雇をされたり退職を勧められたり心ない言葉を受けたりする、こうしたハラスメント、嫌がらせのことです。今年行われました連合による第二回目の意識調査では、実に二六・三%、四人に一人がマタハラの被害を受けたと言われています。周囲に被害者がいると答えた人も二七・三%となっています。
 一枚目のフリップを御覧ください。(資料提示)
 都道府県の労働局雇用均等室での昨年度の相談件数を見ましても、婚姻、妊娠、出産などを理由とする不利益取扱いについての相談件数が二千九十件、過去五年間を見ましても減っておりません。昨年度は、前年度に比べて二百六十九件の増加であります。ここにはございませんが、母性健康管理の是正指導件数、これも前年度の千九百五十七件に比べまして四千百一件と倍増をしております。
 妊娠、出産を理由とする不利益取扱いというのは、正規、非正規雇用を問わず法律で禁止をされております。しかしながら、こうしたマタハラが横行しているというのが現状です。こういった現状を放置をしていては女性の活躍といっても言葉だけとなってしまいます。
 連合の意識調査によりますと、マタハラの原因としては、男性社員の妊娠、出産への理解不足、協力不足、これが一位で六六・一%、妊娠、出産でそれまでどおり働けない社員をフォローするための人員の増員ですとか、そういった体制の不備が二位で三九・三%となっています。
 マタハラは許されないという意識を広めていく必要があります。総理は所信表明演説で、真に変革すべきは社会の意識そのものですとおっしゃいました。そのとおりだと思います。女性の活躍推進は男性の意識改革の推進でもあります。そして、男性中心の長時間労働を前提とした働き方、評価の仕方、こういったことを変えて、子育てに頑張る社員もその周りの社員も働きやすい環境をつくっていくことが重要だと思います。
 是非、総理にリーダーシップを取っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 妊娠、出産、そして育児休業取得等を理由とする不利益な取扱いは女性が希望を持って働くことを阻害するこれは違法なものであり、決して許すことはできません。男女が共に育児等の家庭での責任を果たしながら職場においても貢献していくことができるようにしなければなりません。
 確かに、今委員が御指摘のように、意識を変えていくことが重要であります。この問題についても、政労使の協力によって賃上げが実現できたのでありますが、この問題についても、政労使の協力の下、職場風土改革に向けた取組を進めていきます。また、育児休業を取得した者の代替要員を確保する、これがなかなか大変だという企業は確かに多いのでございますが、そうした企業に対する助成等の支援も講じています。
 こうした取組も活用しながら、女性が子供を産み育てながら仕事を続けていくことが可能となる職場環境の整備に努めていく考えでございます。
○佐々木さやか君 是非よろしくお願いをいたします。
 マタハラの防止には、周囲の理解、特に上司の理解が不可欠です。今国会で政府から提出が予定されています女性の活躍推進法案、これでは是非、社員のワーク・ライフ・バランスに理解を示す管理職の育成ですとかマタハラ防止に取り組む企業の行動計画を作るように義務付けてほしいと思いますが、厚労大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今総理から申し上げましたように、このマタハラは男女雇用機会均等法、そして育児・介護休業法に明確に違反するものでございますので許されることはないし、また、法に違反する企業に対しては、厚労省としても迅速かつ厳正な是正指導を引き続き行っていきたいというふうに思っております。
 今先生御指摘のこの女性の活躍推進法案、これにつきましては、労政審でまとめられました報告書、これを踏まえて、各企業が行動計画策定に当たって参考となる効果的な取組等をまとめた行動計画策定指針というものを定めることを検討しております。
 さらに、その報告書では、職場における性別役割分担意識は妊娠、出産等を理由とする不利益取扱いの背景にもなりやすい、それから行動計画策定指針においては性別役割分担意識の見直しなど、今総理からお話がありましたように、職場風土改革に関する取組についても盛り込む方向で更に議論を深めていきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
○佐々木さやか君 女性の活躍を推進する総理には女性の安全、安心も推進をしていただきたいと思います。
 女性が被害者になることが多いストーカー、昨年の認知件数は二万一千八十九件、過去最多を更新をしています。ストーカー対策については、我が党の山口代表の質問に対しても答弁をいただきましたが、女性警察官を中心とした体制の増員、相談窓口の充実などを、国民の命を守るために国の責任でしっかりと進めていただきたいと思います。
 また、性犯罪被害、これは女性の心身を最大に害するものであります。昨年、警察庁が認知した強姦件数は千四百十件、前年度より増えています。しかし、これは被害のごく一部です。平成二十三年に内閣府が行った調査によりますと、被害を受けても誰にも相談できなかったという方が六七・九%もいます。多くの方は被害のショックで生きる力自体失ってしまう、女性の活躍どころではありません。被害者が病院ですとか支援団体、警察、またカウンセリング、こういった支援をワンストップで受けられるようなセンターをしっかりと整備をしていくなど被害者支援に力を入れることが重要だと思います。
 総理、女性が活躍する社会の実現のために、女性が暮らしやすい安全な社会をつくっていただきたいと思います。国の責任として性犯罪被害者支援、ストーカー対策に取り組んでいただきたいと思いますが、総理、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 佐々木委員がおっしゃったように、全ての女性が活躍する社会を実現していくためには女性の安全、安心の確保が不可欠であると思います。
 特に、ストーカー事案への対策、今までいろんな課題や問題がありました。性犯罪被害者支援のための取組、一層強化する必要があると認識をしています。女性警察官を含めた警察の人員や体制の整備、法テラス等各種相談機関の効果的活用、そして性犯罪被害者の負担を軽減するためのワンストップ支援センターの開設、運営支援等に政府を挙げて取り組んでいく考えであります。
○佐々木さやか君 よろしくお願いをいたします。
 ストーカー対策につきましては、我が党のプロジェクトチームは現在ストーカー規制法の改正を検討をしております。LINEなどSNSを使った嫌がらせも問題になっています。リベンジポルノがストーカー行為に当たるということも明確にしていきたいと思っております。禁止命令、罰則の見直しなど、命を守るために必要な措置がとれるよう改正を行っていきたいと考えております。
 女性の活躍とともに、総理には若者の活躍も推進をしていただきたいと思います。
 公明党青年委員会では、今年、青年市民相談会を五十回以上全国で開催をいたしまして、八百人を超える方々から声をいただきました。若い世代の皆さんは、夢をかなえたい、また社会の役に立ちたいと、こういう意欲を持っています。しかし、正規、非正規といった働き方の二極化や地域での孤立など、不安定な環境に置かれる中でなかなか力を発揮しにくい、こういう状態にあります。
 青年委員会では、いただいた現場の声を基にいたしまして青年政策アクションプランを作りました。働く若者、子育てに頑張る若者、また地域で活躍する若者という三つの視点から政策を提案をいたしております。総理にも是非応援をいただきたいと思っております。
   〔理事岡田広君退席、委員長着席〕
 できることなら地元で、また地方で働きたいと思っている若い人も多いというのが私の実感であります。若者の活躍と魅力ある地域づくりにつきましては、我が党の井上幹事長の質問に対しても御答弁をいただきました。
 石川県の金沢市では、学生のまち・金沢を推進をしております。市内の大学に全国から集った新入生が町を好きになってもらえるように、町のスタディーツアーを開催をしたりとか、町づくりの活動に参加をしてもらったり、いろいろな工夫をしています。学生が町中に出てきてくれることで商店街も活性化をいたしますし、町が好きになって卒業後も残ってくれると、こういう成果が出ているそうであります。私も学生のイベントに参加を少ししたんですけれども、大変な熱気でありました。
 しかし、問題は就職です。せっかくそこに残りたいと思っても就職先が少ない、また情報も十分にない、これが多くの学生の皆さんの悩みであります。学生のまち・金沢でも、学生たちをどう地元の中小企業の就職につなげるかと、これが次の課題であると考えているそうであります。東京などにいる学生さんに対してももっと情報をきちんと提供できれば、地元に戻りたいという人ももっと増えていくんではないでしょうか。
 総理は所信表明演説で、若者にとって魅力ある町づくり、人づくり、仕事づくりを進めますとおっしゃっております。若者が地方で活躍するために、就職また雇用の面でどのように取り組んでいかれますでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 少子化に伴って若年労働力が減少する中、地域において若者が円滑に就職するとともに、希望や意欲に応じて活躍できる環境を整備していくことが重要であります。
 このため、若者の採用、育成に積極的な企業が若者応援企業を宣言をし、そして地域の中小企業の魅力を発信することにしたいと、このように思います。また、新卒応援ハローワーク等を通じて、若者に対して担当者制によりきめ細かな就職支援を行うなどにより、意欲のある若者と企業の適切なマッチングが進むように取組を進めていきたいと思います。
 今、佐々木委員が御指摘になったように、確かになかなかそういう情報が不足していると、そう感じる若者が多い。一方、この首都圏に住んでいる人たち、東京に住んでいる人たち、四割は地方でできれば働きたい。それを、年齢的分布を見てみますと、若い人たちは特にそういう希望が多いんですね。そういう皆さんの希望に応えていく、また働きかけをしていくことが大切だろうと思います。
 そしてまた、総合的な若者雇用対策について、法的整備を含め検討し、次期通常国会への法案提出を目指しております。
 これらの取組により、若者が将来に夢や希望を抱き、それぞれの地域においてチャレンジできるような社会をつくっていきたいと思います。幸い、近年は、若年層においては非正規から正規への移っていく数が増加をしているわけであります。こうした流れもしっかりとしたものにしていく必要があるんだろうと、このように考えております。
○佐々木さやか君 若者の意欲が生かされるようにしっかりと応援をお願いをいたします。
 我が党の青年政策アクションプランでは、地域おこし協力隊の拡充についても取り上げております。総理も、衆議院の予算委員会で、我が党の赤羽議員の質問に対して、島根県の地域おこし協力隊の活躍を紹介をされていらっしゃいました。
 平成二十五年度、地域おこし協力隊を受け入れている自治体は三百十八団体あります。私たちの青年政策アクションプランの中では、これを千自治体に拡大することを提案をしております。
 どのようにこの地域おこし協力隊の拡充、実績もございます、取り組んでいかれるのか、この点は総務大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(高市早苗君) 今、佐々木委員からお話がございました地域おこし協力隊でございますけれども、都市から地方に移住をしておおむね一年以上三年以下の期間、地域ブランドですとか、あと地場産品の開発、あと農林水産業への従事など地域協力活動を行うもので、本当に確実に地域の活性化につながっている状況だと思います。
 平成二十四年度には六百十七名だった隊員数が平成二十五年度には九百七十八名になる、こういうことで飛躍的に増加をいたしております。また、隊員の四割は女性でありまして、女性の隊員の活躍も目覚ましいものがございます。また、隊員の六割が任期終了後も引き続きその同じ地域に住み続けてくださっていることから、地方への定住にも寄与する重要な制度だと思います。
 今、この自治体数の拡大について委員から御提案がございました。今年六月には安倍総理からも、この地域おこし協力隊の隊員数、まず大幅に増強するようにという御指示がありましたので、総務省といたしましては、平成二十七年度の概算要求におきまして、まず広く制度を周知する、ニーズや人材の掘り起こしを行う、全国サミットを開催したり隊員への研修を充実したり、あと任期終了後の起業支援などのモデル事業の実施に必要な経費を要求しております。この隊員数を増やすということですから、また派遣する自治体数も当然に増えることだと思います。
 ありがとうございます。
○佐々木さやか君 ありがとうございます。どうぞよろしくお願いをいたします。
 若い人たちに外から新しく来てもらうということもいいことではありますけれども、人材は地域にいると、こういう視点で、埋もれている力を育てていくということも大切ではないでしょうか。例えば、ニートや引きこもりの問題、これは依然として深刻でございます。現在、ニートの数は約六十万人、若者の数が減っていると言われておりますけれども、高止まりの状態です。こうした若者を支援することはその可能性を伸ばすことにもなりますし、また社会の重要な担い手を増やすことにもなります。
 こういった若者を支援する機関として、地域若者サポートステーション、通称サポステがあります。平成二十五年には全国百十六か所から百六十か所に拡大がされました。サポステでは専門的なスタッフによって一人一人に合わせたきめ細かな支援が行われています。
 ところが、このサポステ、現在、安定的な財源が確保されていない状況にあります。その法的位置付けを明確にしていただいて、またしっかりと予算も確保していただいて、専門的な相談支援、続けていくことが重要ではないかと思いますが、厚労大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 地域若者サポートステーション、サポステ、今先生からお話がございました。ニートなどの若者の職業的自立を支援するために専門的な相談やコミュニケーション訓練を行う事業として行われているわけであります。平成二十五年度、利用者約四万三千人のうち、就職などの進路決定者が約二万人となるなど、実績を上げてございます。
 このように、本事業は若者の職業的な自立を図る重要な事業であり、また安定的な運営が必要ということで我々も認識しておるわけでございますが、今御指摘ありましたように、昨年秋に行政事業レビューでの指摘を頂戴をいたしました。そういうことで、今お話しのように、しっかりと予算をと、それから法的な安定性ということでございましたが、事業内容をより効率的、効果的に実施できるよう見直しを今このレビューを受けて行っているところでございまして、その上で、先生御指摘の点も踏まえながら、ニート等の若者に対する就労支援の充実に取り組んでまいりたいというふうに思っております。
○佐々木さやか君 障害を持ちながらも働きたいと、こう頑張る若者もいます。先日、障害を持つ方々の社会参加や就労を支援する社会福祉法人のプロップ・ステーション東京オフィスに行ってまいりました。ここでは、パソコンやインターネットを使って在宅で障害者の方が仕事をすることの支援に力を入れております。
 先天性の難病で筆を持つことはできないけれども、パソコンを動かして絵を描くことができる、それで絵本作家になる夢を実現をした女子大生もいます。また、重い障害を持ちながら、しかし結婚した奥さんを働いて食べさせたい、こういう思いで必死に技術を身に付けた若者もいます。
 私がお会いした三十代の男性は、二十四時間介護が必要な状態ですが、ベッドの上でパソコンを動かせば、電子地図を作成したり、ホームページを作成したり、企業からの仕事を十分にこなすことができると。こうした才能、また意欲を埋もれさせるのはもったいないと思います。
 何が一番困っていますかと尋ねたところ、やる気はあるんだけれども仕事がない、もっと仕事を出してもらえる仕組みがあればと、こういうことでありました。今の障害者雇用促進法では一定程度障害者の方を雇用する義務付けが企業になされておりますけれども、こういうおうちで自分で仕事をすると、こういう障害者の方々にももっと安定的に仕事が供給されるような仕組みにすべきではないかと思います。
 この点は麻生財務大臣もお詳しいと伺っておりますけれども、通告しておりませんが、いかがでしょうか。
 プロップ・ステーション東京オフィスの、障害者の方が自宅でお仕事をするために……(発言する者あり)
 通告は厚労大臣にしておりましたので、厚労大臣、お願いします。
○国務大臣(塩崎恭久君) それでは先に、よろしいですか、委員長。
 今御指摘のように、障害者の中には、職場で働くことが難しくて在宅就業という形でしか働けない方々がおられるわけで、そういった方々の就業機会の確保を図ることは極めて重要であることは御指摘のとおりでございます。
 厚生労働省においては、在宅就業をする障害者の就労機会の確保に向けて、企業から在宅の障害者に対して在宅就業支援団体を介して仕事を発注した場合に、企業に対する特例調整金等を支給を行っているところでございます。
 しかしながら、必ずしも制度の活用が進んでいないということもあって、今後は、民間団体が取り組んでおりますIT分野における在宅就業者の事例も参考にし、対象となる障害者像を明確にしつつ、効果的な在宅就業の支援策についても検討してまいりたいというふうに考えております。
 また、平成二十四年に議員立法で通りました、我々ハート購入法と言っている法律がございます。これは国、地方公共団体などが優先的に障害者に対して、これは在宅の就業についても含めて優先的な発注をするべきだという法律でございますから、まず隗より始めよということで、国や地方公共団体、独法などが、今お話しのように、家庭でしかお仕事ができない人たちに対して優先的に仕事を発注するということも私は大事かなというふうに考えております。
○国務大臣(麻生太郎君) ナミねえ、通称ナミねえっていうんですが、この人が一番印象的だったのは、やっぱり二〇〇一年にIT戦略という、まあ当時はイットとしか分からなかった方も随分おられた時代だったんですけれども、ITというものが始まって、今はICTと分かれていろいろ言い方に、なるほど随分言い方も変わってきておりますけれども、このときにこの人が、私どもは五万二千百本の法律をたった一本の通則法で変えてもらうと、書類を提出しなければならないと全て法律が書いてあるのを、それはなしでいいという法律に作り替えたときの話にその本人が登場してきて、厚生省推薦、いや、どこかの推薦でその意見聴取をさせたときに出てこられたんですが、心身障害者を抱えた母なんですけれども、この人が出てきて、並みいる厚生省のお役人やら各省の官房長ずらっと、とにかくITの分からぬ人は出てこなくて結構ですという条件でスタートしたものですから、当時としてはちょっと破格のスタートだったんですが、この人がたった一言、補助金は要りまへんと言ったときにはみんなしいんとなって、その代わり仕事下さいと言って座ったんです。みんなで、おお、身体障害者に仕事を出すという話らしいといって、それでやっぱりちゃんとみんなはあれをつかんで、それで説明を開始して、結果的に身体障害者がいかに仕事ができるか、ITを使ってやればできるかというのを実証してくれた最初の例を、やっぱり中央官庁にあれだけ鮮烈なデビューをしたという意味においては、あの人はかなりな貢献があったと、私はそう思います。
 神戸にも行ったことありますし、そのプロップ・ステーションに何回か、いろいろ御飯を作ったりするところも全部行きましたけれども、そういった意味ではこの人の貢献は極めて大きかったと思いますが、このおかげで、今ずっと仕事を、心身障害者また身体障害者が健常者と一緒に仕事をきちんとしているというものを実証しているところがすごいのであって、したがって、この人たちは補助金をもらわないで納税していますから、行って来いで全然違ってくる形になっているというのを実証しているところがすごいと、私はそう思います。
○佐々木さやか君 ありがとうございます。政府を挙げて是非応援をいただきたいと思います。
 最後に、総理に一言、障害者の方の就労支援について御決意をいただければと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど副総理が答弁をしたように、多くの障害者の方々は仕事をして納税したいと思っておられるんですね。私はいつも地元に帰ると岡さんという方にマッサージをしてもらうんですが、その方は全盲、視覚障害者なんですが、同時に大変ITに詳しくて、やはり同じ全盲の視覚障害者の方と一緒に会社をやっているんですね。三十人ぐらい雇用しているんですが、言わば全く健常者も雇用しているんですね。視覚障害者の方たちが役員、社長になってという会社を起こしているわけであります。
 まさに日本を、障害のある方もない方も、あるいは一回失敗した人も、全ての方々にチャンスのある社会にしていきたいと、こう考えています。全員参加型の社会の実現に向けて障害者の就労支援に取り組んでいくことは極めて重要でありまして、特に一人一人の障害の状況や職場環境が多様化している中、障害の特性に応じたきめ細かな就労支援や職場での定着支援が重要と考えています。ハローワークの専門性向上、地域の就労支援機関との連携強化などに取り組んでいます。
 また、昨年改正された障害者雇用促進法によって、平成三十年度から精神障害者を法定雇用率の算定基礎に加えることとしています。このことをもっと広報していかなければいけないと思っておりますが、その円滑な施行に向け、企業側の理解促進も含め、環境整備に取り組んでまいりたいと思います。
○佐々木さやか君 終わります。ありがとうございました。
○委員長(岸宏一君) 以上で佐々木さやかさんの質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、水野賢一君の質疑を行います。水野賢一君。
○水野賢一君 みんなの党の水野賢一です。
 まず、外交問題について伺います。
 拉致問題に関して北朝鮮側の第一回目の調査報告が、夏の終わりから秋の初めと言っていたのが先送りされましたよね。これは、総理、北朝鮮側が約束をほごにしたという御認識ですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 北朝鮮側と交渉を行い、そしてその際、夏の終わりから秋の初めにおいて報告がなされたらよいということで一致をしたわけでございます。
 その際、私どもは、言わば拉致被害者の方々の明確な生存情報も含めた報告等があるものと期待をしていたところでございますが、北朝鮮側の認識としては、言わば調査を行っている現状についての報告をしようと、こう考えていたということ、彼らの認識はそうであったということであり、大変に残念な状況になっております。
 今後も、拉致問題の全面解決に向けて全力で取り組んでいきたいと考えているところでございます。
○水野賢一君 この調査報告の先送り、残念という話でしたけれども、日朝交渉において相手側には抗議をしていらっしゃるのでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) ただいま総理から答弁させていただきましたように、この北朝鮮による調査に関する最初の通報については、本年夏の終わりから秋の初め頃に行うのが望ましいという点において北朝鮮側と認識を共有していた次第ですが、この通報につきましては、具体的な通報のタイミング、これにつきましてははっきり決まっていたわけではありませんでした。
 しかしながら、今回、先般の会合で北朝鮮側から十分な説明が得られなかったこと、このことについては残念であると強く思っております。そして何よりも、我が国としては、迅速に調査を行い、速やかにかつ正直に結果を日本に通報するよう今回の会合において強く求めた、こういった次第であります。
○水野賢一君 北朝鮮が調査委員会を立ち上げると言ったときに、政府は経済制裁の一部を解除しましたよね。このままいつまでも先送りが続くようだと、この一旦解除した制裁を復活させるということはあり得るのか。また、いつまでに北朝鮮側が調査報告をすべきだという、そういう期限は何か考えていらっしゃるのでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、政府としましては、現時点で北朝鮮に対して、迅速に調査を行い、速やかにかつ正直に結果を日本に通報するよう強く求めています。何よりも、この調査自体を前に進めるために具体的に何をするべきなのか、これを政府全体として今検討しているところであります。したがって、現時点でこの対北朝鮮措置を元に戻すなどということについては考えてはおりません。
 引き続き、対話と圧力、さらには行動対行動、こうした原則を貫いて全力を尽くしていきたいと考えております。
○水野賢一君 先ほど総理からも拉致問題の全面解決という言葉がありますけれども、具体的にはどうなったら全面解決なんだというふうに考えていらっしゃいますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、第一次安倍政権の際に、拉致問題の解決ということについて、全ての拉致被害者の安全確保及び即時帰国、そして拉致に関する真相究明、そして三番目に拉致実行犯の引渡しを求めるとの日本政府の立場を確立したところでございますが、自公連立政権においてはこの立場は一貫しているところでございます。
○水野賢一君 今、実行犯の引渡しの話もございましたけれども、今の時点で、既に北朝鮮に対しては、例えば実行犯、例えば辛光洙とかですね、引き渡せというような具体名を言って交渉しているわけでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 我が国は、二〇〇六年二月二十四日に地村夫妻拉致容疑事案に関しまして、同年四月二十六日に原敕晁さん拉致容疑事案に関して、この二つの事案に関しまして、北京の大使館ルートを通じて北朝鮮側に対し辛光洙の引渡しを請求するなど、拉致実行犯の引渡し、具体的に北朝鮮に求めてきております。
○水野賢一君 制裁に関していえば、一部解除したとはいっても、経済制裁というのは今も独自の制裁が続いているのがあるわけですよね、例えば輸出入の全面禁止なんかがそうですけれども。こうした制裁を全面解除するには、被害者の帰国ということはこれはもちろんのことですけれども、それに加えて、今話のあったような実行犯の引渡しなんかも全面解除のための条件になるわけでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今まさに交渉をしているところでございまして、先ほど申し上げました三つの要素の中においても、特にもちろん重視をしているのは拉致被害者の帰国でございます。これを果たしていくために北朝鮮と交渉していく、もちろん全面解決を行わなければならないという中において、この制裁については、水野委員と一緒に二〇〇四年に、まさに現在行っている制裁のための法律を作ったわけでありますが、あのとき法律を作っていなければ今全く制裁もできておりませんし、制裁解除というその手段すらなかったわけであります。
 当時は、ああいう制裁をするための法律を作るということは交渉できなくなるのではないかという批判に私たちはさらされたわけでありますが、しかし、制裁というのは、制裁を掛けるときとそして解除をするときと二回効用があるということを私は説明をしてきたところでありますが、今回はまさにミサイルや核に対する制裁とは別の我が国独自の制裁の一部を解除しているところでありまして、引き続き、全ての拉致被害者の帰国に向けて、対話と圧力、行動対行動の原則を貫き全力を尽くしていく考えであります。
 対北朝鮮措置については、北朝鮮側から諸懸案解決に向けた前向きな具体的行動を引き出す上で何が最も効果的かという観点から不断に検討を行っているところでありまして、この全面解除、あるいは今解除をしているものを再び元に戻すかということについてもこれから様々な要素を考えていかなければならないと。制裁をしているものの中には、これは国連決議に基づくものもあると、こういうことではないかと思います。
○水野賢一君 今、制裁には国連決議に基づくものもあれば独自の制裁もあるという話ですけれども、これは、拉致問題が全面解決した場合は、その独自の制裁の部分はこれは全部解除すると理解していいのか、それとも、やっぱり独自の制裁であっても、核、ミサイルなんかも考慮した上で判断していくのか、どうでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 今回、五月に行われました日朝政府間の協議の合意におきましては、北朝鮮側は、全ての日本人に関する調査を包括的かつ全面的に実施し、最終的に拉致問題を始めとする日本人に関する全ての問題を解決する意思を示し、そして、これに対しまして我が国の方は、国連安保理決議に関連してとっている措置を除く我が国独自の措置を最終的には解除する意思を表明したというのが合意の内容であります。
 ただ、北朝鮮側に対しましては、長距離ミサイルの発射ですとか、あるいは核実験、こういった事態が発生したならば、日朝関係、さらには今回の合意に重大な影響を及ぼす、こういった点については再三伝えてきております。
 北朝鮮に対する措置については、今後の北朝鮮の対応、あるいは国際社会の動向、こういったものを考慮しつつ、拉致、核、ミサイルといった諸懸案、この包括的な解決のために我が国の取るべき最も有効な手段は何なのか、こういった観点から引き続き適切に判断していかなければならないと考えます。
○水野賢一君 集団的自衛権についてお伺いをします。
 五月に安保法制懇の報告書が出た後の総理の記者会見で、総理は憲法について、いわゆる芦田修正論は取らないというふうに明言されたんですが、どうもその論拠がよく分からないんですが。総理のおっしゃる説明というのは、従来その考え、つまり芦田修正論を採用していないからとおっしゃっている。そこは分かるんですが、どうもそれだけじゃ余り論理的じゃないように思うんですけれども、なぜ芦田修正論は採用できないのか、若しくはなぜ間違っていると考えているのか、総理のお考えをお聞かせください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) いわゆる芦田修正論については、一般に、憲法第九条第一項は侵略戦争を放棄していると解した上で、第二項、前項の目的を達するため、すなわち侵略戦争を放棄するために戦力の不保持を定めているとして、侵略戦争ではない自衛のための、あるいは集団安全保障のための実力の保持や武力の行使には制限はないとする考え方であります。
 安保法制懇の報告書においては二つの異なる考え方を示していました。そのうちの一つはこの芦田修正論に着目をして、個別的か集団的かを問わず自衛のための武力の行使は禁じられていない、また、国連の集団安全保障措置への参加といった国際法上合法な活動には憲法上の制約はないとする考え方であります。
 しかし、政府の解釈、憲法解釈には論理的整合性や法的安定性の確保が必要であります。我々はこの立場を取ったわけでありまして、政府としてはこれまで芦田修正論の立場を取ったことはないわけでありますし、言わば自衛隊の存在というものについては、前文と憲法十三条に論拠を置くのはもう御承知のとおりであります。その中において、四十七年の見解が出されて、政府見解が出されて、閣議決定が出されているわけで、あれは政府見解ですね、閣議決定はしていないわけでありますが、参考資料として出された、政府見解が出されているわけであります。
 安保法制懇の報告書で示されたこの考え方は、これまでの政府の憲法解釈、すなわち武力の行使や実力の保持が認められるのは自衛のための必要最小限度に限られるとするこれまでの憲法解釈とは論理的に整合しないため、政府として採用できないと判断したところであります。
○水野賢一君 集団的自衛権のいわゆる歯止めに関してですけれども、安保法制懇の報告書では、発動要件の一つとして相手国の明示的な要請とか同意が必要というふうにしていたんですけれども、七月一日の閣議決定ではこの要請や同意の話はなくなっていますが、なぜでしょうか。
○国務大臣(江渡聡徳君) 済みません、私の方からお答えさせていただきたいと思いますけれども、この集団的自衛権を行使するに当たりまして、武力攻撃を受けた国の要請又は同意が必要なのは、これはもう国際法上当然の前提でございます。
 このため、閣議決定においては、あくまでも憲法解釈についての考え方というものを整理したものでございまして、改めて特段記述しなかったものでありますけれども、閣議決定においても我が国による武力の行使が国際法を遵守して行われることは当然であるというふうに明記し、その旨を明らかにしているところでございます。
○水野賢一君 じゃ、総理にお伺いしますけれども、今の、当然の前提だから書かなかったということは分かりましたけれども、そうすると、相手国から要請も同意もないのに、日本が一方的にというか勝手にというか、これは自衛の措置なんだからといって武力行使をしに行くということは、これはないと明言できますよね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それは国際法に反するわけでございますから、日本が国際法に反することはいたしません。ですから、当然の前提と、このように申し上げたわけでございます。
○水野賢一君 香港のデモについてお伺いしますが、香港でデモが繰り広げられていますけれども、総理は外交においては自由とか民主主義という価値観を大切にするという立場のようですが、その観点からすると、真の普通選挙を求めるというデモ隊の要求というのは至極真っ当だと思われるのかもしれませんけれども、御見解をお聞かせください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 香港は従来より、一国二制度に基づく自由で開かれた体制の下、民主制度の発展が期待される中でアジアの一大金融センターとして繁栄を享受してきており、我が国も香港と極めて密接な関係を築いています。香港の民主的な安定と繁栄はアジア太平洋地域が今後も豊かに発展していく上で極めて重要であり、政府としては香港における情勢の推移を注視しています。
 現在、香港政庁と学生側との対話に向けた調整が進んでいると承知をしておりますが、対話が実現し、それを通じて事態が平和裏に収束することを望んでいるところでございます。
○水野賢一君 原発問題についてお伺いをします。
 野田総理のときに福島第一原発の、福島原発の事故収束宣言が出されましたけれども、安倍総理は去年三月の国会答弁で事実上これを撤回したんですが、それから一年半たった今、事故は収束しているのかどうか、どういう御見解かお聞かせください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 福島第一原発については、平成二十三年十二月に原子炉の状態を評価した結果、安定的に原子炉が冷却されている状態、いわゆる冷温停止状態になったことが確認されており、現在でも原子炉が安定をしています。
 他方、今なお厳しい避難生活を強いられている被災者の方々のことを思うと、収束という言葉を使う状況にないことに変わりはございません。
○水野賢一君 収束という言葉を使う状況にないと総理御自身言っている中で、一方で再稼働を進めていくということには私は強い違和感を覚えるわけですが、総理は構わないとお考えですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、収束という言葉は今使う状況にはないと、このように申し上げたのは、まだ多くの方々が避難をして、仮設住宅の中において、あるいは避難先で生活を強いられているわけでありまして、そういう状況に鑑みて収束という言葉を使える状況にはないと、こう申し上げたわけであります。
 他方、原子力発電の再稼働につきましては、昨日も答弁したところでございますが、原子力規制委員会が基準をクリアしたと認めた発電所については、地元の御理解を得つつ再稼働を進めていくという考え方でございます。
○水野賢一君 その再稼働される原発の一番手と目されているのが鹿児島県の川内原発ですよね。現在、原子力規制委員会は規制基準は満たしたと言っている段階なわけですけれども、これは何も一〇〇%安全だと言っている意味じゃないということを、規制委員会側も再三再四そういう趣旨のことを言っておりますが、小渕大臣に伺いますが、政府としても絶対安全なんだと考えているわけじゃないですよね。つまり、過酷事故の可能性は、大きいか小さいかは別ですよ、だけれども、可能性はあり得ることはあり得ると思っていらっしゃるわけですよね。
○国務大臣(小渕優子君) お答え申し上げます。
 川内原発に関しましては、原子力の規制委員会で再稼働に必要な安全性が確保されたと確認された、その原発に関しては再稼働を進めていきたいというふうに考えています。
 一方で、原発に関しましては、一〇〇%安全である、ゼロリスクであるということはないと思っています。むしろ、そうすることによって安全神話につながってしまう、そうしたことは避けていかなければならないと思っています。
 その上で、原子力につきましては、不断に安全性の向上を図っていくということが大事であり、規制当局と、そして事業者との間で継続的に安全性向上に向けて努力を続けていくことが大事ではないかと考えています。
○水野賢一君 今大臣もゼロリスクじゃないというふうにおっしゃって、だからこそ防災計画とか避難計画が必要なわけでしょうけれども、避難計画というのはどこが策定しますか。
○国務大臣(望月義夫君) お答えいたします。
 災害対策基本法上、地域防災計画、避難計画は地域の実情に応じた地方自治体が作成することになっております。
 また、原子力災害時の緊急対応時は、自治体の地域防災計画、避難計画だけではなくて、国の関係省庁、この場合には防衛省、警察庁、海上保安庁、様々ございますけれども、あるいはまた公共機関、NTT、JRとか様々ございます。住民や地域がそれぞれの役目を担うことで成り立っており、国も対策の当事者であると、このように思っております。原子力防災に関する関係自治体からの要望も、国が積極的に計画作りに関与してほしいと、こういうものでありまして、第三者として計画を審査することを求めるものではありません。
 このため、昨年九月の原子力防災会議で決定した指針に基づき、関係省庁が関係自治体と一体となって各地域の防災体制の充実強化を図ることとしてあるものでございます。計画の具体化、充実化が全体として図られた地域については、地域ごとに設置したワーキングチームや原子力防災会議において順次緊急時の対応を確認していくこととしております。
 以上です。
○水野賢一君 随分長く御答弁いただきましたけれども、地域が作る、自治体が作る避難計画にも不備が指摘されているわけですよね。例えば介護が必要な高齢者の避難については曖昧だとか、まだ細部が煮詰まっていないという批判が強くあるんですが、それだけにこの避難計画で大丈夫なのかということを原子力規制委員会にチェックしてもらうべきじゃないかと思いますけれども、避難計画というのは原子力規制委員会の審査受けていますか。
○国務大臣(望月義夫君) この避難計画でありますけれども、これは、例えば米国では原発の稼働に際し避難計画を国が許可しているわけでありますけれども、そういうようなことに関しまして、地域の防災・避難計画は、原発が稼働しているか否かにもかかわらずこれは作成していかなくてはならないものでありまして、これは継続的に改善充実を図っていくものであると、私、このように思っております。
 我が国では、災害対策基本法上、避難計画を含む地域防災計画を自治体が先ほど申しましたように作成することになっておりますが、原子力防災会議で決定した方針に基づき、関係各省が関係自治体と一体となって各地域の防災体制の充実強化を取り組んでまいっているところでございます。また、計画の具体化、充実化が全体と図られた地域につきましては、地域ごとに設置したワーキングチームや原子力防災会議において順次緊急時の対応を確認していくことになっております。
○水野賢一君 いや、質問は、避難計画は原子力規制委員会の審査を受けていますかという質問です。
○国務大臣(望月義夫君) 規制庁は原発の専門性の組織なので、これは、この審査は難しいと、このように思っております。
 以上です。
○水野賢一君 審査は難しいということは、審査を受けていないということですよね。
○国務大臣(望月義夫君) これは、規制委員会では審査をしておりません。内閣府が審査をしているということでございます。
○水野賢一君 内閣府、審査しているんですか。
○国務大臣(望月義夫君) 審査とか評価、手段は、目的は、これは避難計画の実効性を高めていくことであるということでありまして、我々は米国とやり方は違いますけれども、国の関係省庁、関係自治体との地域密着のワーキングチームで考える課題を潰していき、そうやって充実させた避難計画がIAEAの基準や国の指針に則しているかどうかを確認をしているところでございます。(発言する者あり)
○委員長(岸宏一君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(岸宏一君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(望月義夫君) 大変申し訳ございません。
 確認をしているということでございまして、審査はしておりません。
 以上です。
○水野賢一君 多分、大臣がおっしゃっているのは、内閣府の原子力防災会議が九月十二日に川内原発の避難計画を確認、了承したと言いたいんでしょう。でも、原子力防災会議というのは、これ全ての大臣が出席して、言わばしゃんしゃんと進めて、まあ私に言わせればかなり形式的な会議という印象がありますが、望月大臣も副議長のお一人ですけれども、ちゃんとした議論をした上でこれ確認したんですか。
○国務大臣(望月義夫君) お答えさせていただきたいと思います。
 ワーキングチームでしっかりとした議論をしております。それから、これは大変重要な問題なので、今のお言葉を返すようで大変申し訳ないんですが、しゃんしゃんというわけにはいかない。しっかりとこれは論議をさせていただいて確認をさせていただいているということでございます。
○委員長(岸宏一君) ちょっと水野さん、田中委員長が手を挙げている。
○水野賢一君 いやいや、防災会議ですから。
 いや、今ちゃんと論議したと言っていましたけど、議事録を見たんですけど、僅か二十分ですよ。しかも、この避難計画の確認だけじゃなくて、ほかに、合わせて四つの議題を処理したんですけれども、確認といっても私は形だけじゃないかという疑念が拭えないんですが。
 じゃ、ちゃんと論議したというなら、望月大臣、これ、川内原発は例えば三十キロ圏内から、若しくは五キロ圏内から何人を避難させるとかということをちゃんと覚えていますか。
○国務大臣(望月義夫君) お答えさせていただきたいと思います。
 対応について、先月の九月五日に、関係省庁、鹿児島県、関係市町村が参加したワーキングチームでこのことについて十分な議論をさせていただきました。そういう意味では、この場で、時間的に長い短いの関係はあるかと思いますけれども、我々はそういったことを十分に踏まえて確認をさせていただきましたので、そういう意味では十分な会議であったと、このように思っております。
○水野賢一君 いや、だから、ちゃんと論議したというんだったら、五キロからどのぐらいの人を避難させるとか、三十キロからどのぐらいの人を避難させるとかということをちゃんと覚えていますかということです。
○国務大臣(望月義夫君) そのときに出た話でありますけれども、少なくともPAZでは五千人ですね、それからUPZでは二十一万人、そういうような形の中でいろんな論議があったと思います。
 それから、この避難あるいは防災計画につきましては、各身障者あるいはまた病人、そういったものについても様々、やはり一つ一つ事案を文書として出てまいりましたし、我々もそういうことは認識してお話をしたつもりでございますけれども、そもそもワーキンググループでしっかりと国や県や各市町村がその地域のことを考えて出してきたことでございまして、我々もそれに沿って確認をしたと、こういうことでございます。
○水野賢一君 しっかりと審査した上でお墨付きを与えているわけじゃないというような疑念は拭えませんし、そもそもこれ、原子力規制委員会の役割というのは被曝から国民を守るための独立機関なんですから、せめてその審査はしっかりと受けるべきじゃないかというふうに思いますが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(望月義夫君) お答えさせていただきたいと思います。
 我々は確認をするということで、その審査を受けるというのはまたちょっと別なことでございますので、我々は確認をさせていただくということで認識をして進めてまいりたいと、このように思います。
○水野賢一君 原子力規制委員会の問題についてお伺いしますが、この設置法の附則六条で、原子力規制庁の職員というのは原子力事業の推進部門に戻しちゃいけないことになっていますね。いわゆるノーリターンルールですが、なぜこうした規定があるんでしょうか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) ノーリターンルールは、推進と規制を明確に分離して、科学的、技術的観点から原子力規制を厳格に行うという趣旨で定められたものと理解しております。
○水野賢一君 まあそれはそうでしょうね。つまり、あした原子力推進で旗を振る可能性のある人が今日は規制だと言っても誰も信じないわけですから、当然そのルールは必要なわけですが。
 じゃ、戻ることが禁じられている部署というのは具体的にどこなんでしょうか。常識で考えて、例えば資源エネルギー庁とか文部科学省で「もんじゅ」を担当するところなんかは駄目だというふうに思いますけど、具体的にどの省庁や部署が駄目なのか、お答えください。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 一般的には、原子力利用の推進に係る事務を所掌する行政組織については禁じられているというふうに理解しております。具体的には、電力事業あるいはエネルギーに関する原子力政策を所管する、今先生が御指摘になりました資源エネルギー庁電力・ガス事業部、あるいは原子力に係る科学技術などを所管する文部科学省原子力課が該当すると考えています。
 また、これ以外に該当する組織があるかどうかについては、原子力を推進する行政組織に当たるかどうかということについては個別に判断が必要でありますので、原子力委員会設置法案の審議においても、任命権者の違い、あるいは様々な観点、考慮すべき事項等も踏まえて原子力委員会が個別に判断するというふうに理解しております。
○水野賢一君 今の答弁伺うと、例えば文部科学省なんかは文部科学省全部が駄目というわけじゃなくて、「もんじゅ」担当のところは駄目だけれども初等中等教育局なんかだったら構わないと、そういうようなことですか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) はい、そのとおりでございます。
○水野賢一君 これは、法律を見ると、原子力規制庁の職員がダイレクトに、例えば「もんじゅ」だとか核燃料サイクル担当になることは禁じられているのは分かるんですが、問題は、ワンクッション置いて、例えば別の部署を経験した上で、その後で例えば「もんじゅ」担当とか核燃料サイクル担当になることは法律上可能なんでしょうか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) ノーリターンルールの精神からいいますと、今先生が御指摘のように、ワンクッション置いてすぐにまた推進の方に行くということについては、余り、余りというか望ましいことではないというふうに認識しております。
 いずれにしても、そういった疑義が生じないようにするということが最も大事なことでございまして、ただし、この法律ができるときに、国会の中で議論されたことかと想像いたしますけれども、この新しい組織をきちっとつくっていく上で五年間の経過措置ということが設けられております。その間においては少し例外的なことがあるかもしれませんけれども、今のところ私はそういった例外は生じていないというふうに理解しております。
○水野賢一君 これは法の精神からすると望ましくないけれども、じゃ、現行法は、少なくとも法律上明示的には禁じられていないということですか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 法律上は禁じられていないと思います。
 法律を作るときの附帯決議の中でそういったことが述べられているというふうに理解しております。
○水野賢一君 じゃ、これはもう政治レベルに聞いた方がいいと思うので望月大臣かと思いますけれども、これ、法の精神からすると、明らかにワンクッション置いて原子力部門に戻るというのはおかしいと委員長も言っている中で、だけど、法律で明示的に禁じられていないというのであれば、大臣、これはやっぱり法律を改正して、そういう抜け道を塞ぐべきじゃないですか。
○国務大臣(望月義夫君) このノーリターンルールは、こうした趣旨がやはりしっかりと徹底されるように設けられたものと認識をしておりまして……(発言する者あり)ええ、ですから、そのことにつきましては、立法趣旨であります五年間の経過措置を除けば御指摘の異動は認められないと、こんなふうに思っております。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この法律の精神、また附帯決議からいって、当然これまでもそんなことは起こっておりませんし、これからもそういうことはあり得ません。総理大臣として明確に申し上げておきます。
○水野賢一君 いや、総理のその言葉は非常にいいと思いますけれども、私が望月大臣に聞いているのは、それは運用によってそういう変なことはしないと総理がおっしゃっているのは分かりましたよ。しかし、そういう可能性が、法律上抜け穴がある以上、抜け穴は塞ぐべきじゃないですかと大臣に聞いているんです。
○国務大臣(望月義夫君) 抜け穴ということがないよう、法の趣旨をしっかりと認識して、我々は様々な皆さんから批判を浴びないような形で運用させていただきたいと、このように思っております。
○委員長(岸宏一君) いや、ちょっと、立法する、検討するとか。
○国務大臣(望月義夫君) お答えさせていただきたいと思います。
 法律の趣旨に基づいてしっかりと対応していきたいと思っております。
○水野賢一君 いや、だから、法律の趣旨にのっとって運用するのは、それは総理も答弁されていらっしゃるし、大臣も答弁しているんでしょうけど、しかし、そういう疑義がある以上、法律だって見直していいんじゃないですかというのが私の質問です。
○国務大臣(望月義夫君) まず、法律の趣旨に基づいて現在もそういうことは、そういう事例があれば問題ありますけれども、今のところはそういう事例はないと。ですから、その趣旨に基づいてしっかりと五年までは我々はやっていきたいと、このように思っております。(発言する者あり)
○委員長(岸宏一君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(岸宏一君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(望月義夫君) もちろん、総理がやらないということでございますので、我々はやりませんということをはっきりと言わせていただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど申し上げましたように、法律の趣旨としてそういうことはあってはならないと我々は考えておりますので、ですから、そもそも今までも起こっておりませんし、これからもそういうことが起こらない。よって、我々、法改正は必要ないと考えているところでございます。
○水野賢一君 法改正が必要ないとまでおっしゃられるのはちょっと行き過ぎじゃないかというふうに思いますけれども。
 次の質問に移りますけど、原発依存度のことについて伺いますが、四月に閣議決定したエネルギー基本計画では、原発依存度を可能な限り低減させるというふうに言っていますね。
 電力のうち何%を原発に依存するという目標はこれ全く出していないわけですが、いつ頃出すんですか。
○国務大臣(小渕優子君) お答えいたします。
 原発の依存度につきましては、できる限りの省エネと最大限再エネを導入するということで、できる限り低減をさせていくという方針であります。
 原発を含めたエネルギーごとの構成割合でありますけれども、これは、エネルギーについては全てにおいて優れたエネルギーというのはありません。安全の面、安定供給の面、コストの面、環境負荷の面、それらの優れたエネルギーを集めることによって、現実的かつバランスのいいエネルギー構成をつくっていくことが大事であると考えています。
 今はまだ原発については再稼働をしていないという状況でもあり、また再生可能エネルギーもどのくらい導入をしていけるのか、またCO2の排出面についても国際的な状況というものを見ながら、エネルギーミックスについてはできる限り早急に策定していく方向であります。
○水野賢一君 今、早急にという話がありましたけど、エネルギー基本計画、四月の閣議決定した基本計画でも、このエネルギーミックスについて速やかに示すこととするとあるんですが、速やかというのはいつ頃を想定しているんですか、今年中ですか。
○国務大臣(小渕優子君) 現在、三つの小委員会、原子力小委員会、新エネ小委員会、省エネ小委員会が開催をしておりまして、このミックスの要素となる各政策を検討しているところであります。
 年内をめどにこの成果を整理する予定でありますので、来年末のCOPまでにはミックスを出していきたいと考えています。
○水野賢一君 これは、示すのはどこで示すんですか。長期エネルギー需給見通しか何かで示すんでしょうか。
○国務大臣(小渕優子君) どのような形でお示しするかについては、現時点では具体的に決めておりません。
○水野賢一君 最近のデータ、例えば一昨年とか昨年とかの場合は、日本の発電量のうち原子力発電の占める割合は何%ぐらいでしょうか。
○国務大臣(小渕優子君) お答えいたします。
 二〇一二年度の総発電電力量に占める原発の割合は一・七%であり、二〇一三年度の総発電電力量に占める原発の割合は一・〇%であります。
○水野賢一君 最近はそんなものでしょうね。今でも、今日の時点でも稼働ゼロなわけですから。
 基本計画で言う可能な限り原発依存度を低減させるというのは、一体いつの時点に比べて低減させるんですか。今のその一・何%に比べて低減なんですか。どこに比べてなんですか。
○国務大臣(小渕優子君) 先ほど申し上げましたように、エネルギーのベストミックスというものをつくっていかなければなりません。それを検討する段階の中で検討が進められるものと考えています。
○水野賢一君 私が聞いたのは、どの時点に比べて低減なのかということを聞いたんですが、ちょっと先へ進みますけどね。
 そもそも、どの程度原発に依存するのかが全く示されていないまま再稼働というのは、これは順序が逆なんじゃないですか、大臣。
○国務大臣(小渕優子君) 原発につきましては、規制委員会の方でその安全性というものが確認された場合には再稼働を進めていきたいというふうに考えています。
 原発につきましては、環境面、またコスト面、そして安全保障の面で優れているエネルギーであると認められています。重要なベースロード電源であるというふうに位置付けられています。
○水野賢一君 大臣は、可能な限り原発依存度を低減させるとおっしゃっていますよね。じゃ、どうやって低減させるのか、その具体策、何かありますか。
○国務大臣(小渕優子君) 原発をできる限り低減させていくためには、最大限再エネを導入するということ、そしてできる限りの省エネをしていくことではないかと考えています。
○水野賢一君 例えば、化石燃料を使わないようにするためには、具体策として炭素に課税するような環境税とか、そういうような方策ってあり得ますよね。そういうような形で、例えば原子力を低減化するならばウランに課税するようなウラン課税とか、まあ自治体でやっているところはありますけど、そういうようなことというのを考えたりとかしていますか。
○国務大臣(小渕優子君) 特に考えておりません。
○水野賢一君 自治体でやっているものは、これは容認するわけですね。
○国務大臣(小渕優子君) 容認いたします。
○水野賢一君 原発立地を促進するために電源三法交付金という制度がありますよね。例えば、依存度を減らすためにだったらこういう優遇策はやめるとかという具体策があるならばこれは分かりますよ。だけれども、依存度を下げていく具体策というのは、私は非常に欠けているんじゃないかというふうに思いますけど。
 これは通告していないから悪いですけど、原発事故の後、この電源三法交付金の制度とかというのは何かいじったりとか制度変更したりしましたか。
○国務大臣(小渕優子君) 電源三法につきましては、これは原子力に限らず、水力、地熱等、電源立地地域の自治体に対して交付金が支払われている制度であります。特に原発の事故以後、これをいじったことはありません。
○水野賢一君 じゃ、いじっていないのは分かりましたけど、今後、制度を変更したりとかというお考えはありますか。
○国務大臣(小渕優子君) 現時点では考えておりません。
○水野賢一君 今年四月に閣議決定したエネルギー基本計画を読むと、原子力発電は発電コストが低廉、安いことですよね、安いと書いてあるんですが、原発はコスト面で安いとお考えですか。
○国務大臣(小渕優子君) 原発のコストに関しましては、政府としては、福島事故後の二〇一一年十二月に各電源の発電コストについて試算を行っております。その中では、原発のコストについてはキロワットアワー当たり八・九円以上となっておりまして、その他の電源に比べて低廉なものと認識をしています。
○水野賢一君 今の八・九円というのは最低の場合であって、それよりも高い可能性は十分あるというふうに言っているんですが、今おっしゃったのは民主党政権のときのコスト等検証委員会の報告書だと思いますけど、この結果というのは現政権も踏襲すると考えてよろしいですか。
○国務大臣(小渕優子君) この試算につきましては、OECD等でも採用されている国際標準と言える手法に基づき計算されたものでありますので、妥当な試算であると考えています。
○水野賢一君 しかし、私、矛盾があると思うんですよね。安いならば自由競争で勝ち抜いていくはずなんだけれども、エネルギー基本計画にはこう書いてあるんですね。要するに、電力自由化の中で競争が激化すると原発が厳しくなるから、その場合でも安定的に運営できるような優遇措置を講じなきゃいかぬと、まあそこまで露骨ではないんだけど、そういうニュアンスを書いてあるわけですよね。
 これ、自由化の中で原発が苦しくなるから原発を優遇する措置を講じるということは、何かそういうことを考えているんですか。
○国務大臣(小渕優子君) 原発につきましては、先ほど申し上げましたように、平均したコストは安かったといたしましても、個々の事業者から見れば、例えば想定外の廃炉が迫られた場合など、これ財政的に多大な影響が生じますので、事業の実施が困難になるケースもあるものと考えています。
 こうしたことから、競争が進展した中での原子力事業の課題やその対応策について現在検討を行っているところであります。
○水野賢一君 ということは、自由化をしていくと原発事業者が苦しくなることがあるかもしれないから優遇する措置はあり得るということですか、原発を特別に。
○国務大臣(小渕優子君) その辺りのことも含めまして今検討が進んでいるところであります。
○水野賢一君 ということは、選択肢としては、そういう優遇策を導入するということは選択肢としてはあり得るということですか。
○国務大臣(小渕優子君) エネルギーミックスを今後どのような検討を行っていくかによりますけれども、そうしたことは可能性としてはあり得ると思います。
○水野賢一君 そうすると聞きたくなるんですが、再生可能エネルギーの電気を普及させるためにフィードインタリフという固定価格買取り制度が始まりましたよね。イギリスでは原発の電気にも似たようなことをしているというので経産省で研究を始めたそうですが、これも選択肢としてはあり得るということですか、日本で導入する可能性が。
○国務大臣(小渕優子君) イギリスで行われていますCfD制度についてのお話かと思いますが、それにつきましては、現在、そのような制度を導入を検討したこと、提案したこともありません。現時点で何らかの措置を決めたことではありません。
○水野賢一君 いや、だから、現時点で導入することを決めたわけじゃなくても、選択肢の一つとしてはこういう措置もあり得るということですか。
○国務大臣(小渕優子君) 先ほど申し上げましたように、エネルギーミックスをどのように決めていくかということにもよりますけれども、今、原子力小委員会の方でそうしたことも含めて様々な事例を検証しながらいろいろな議論が進められています。何もこのCfD制度に限ることではなく、アメリカの制度なども検証をさせていただいているところであります。
○水野賢一君 いや、こんな原発の電気を固定価格で買い取るような制度というのは、原発の利益はですよ、原発の利益は事業者に、リスクとコストは国民と消費者にというような制度ですから、こんなのは倫理的にも許されないと思いますけれども、大臣、そう思いませんか。
○国務大臣(小渕優子君) 何もまだ決まっておりません。
○水野賢一君 いや、決まっていないといったって、経産省の中で研究をしているわけでしょう、やると決めているわけじゃないかもしれないけど。
 原発だけですよ、自由化していく中で競争の外に置くなんという制度が、そのことがあっていいんですか。どう思います。自由化の意味がないじゃないか。
○国務大臣(小渕優子君) エネルギーミックスをどのような形で決めていくかということにもよるかと思いますが、今、原子力小委員会の方では様々な事例を検証しているところであります。何もこのような制度は原子力に限ることではないと思っております。再生可能エネルギーを最大限導入するためにFIT制度を導入したり、また火力発電について様々な研究についての支援をしていったり、そういうことも含めていいベストミックスをつくらなければならないと考えています。
○水野賢一君 いや、だから、再生可能エネルギーを普及させるための優遇策というのは、これは別に異論の余りないところでしょう。だけれども、原発を優遇する理由はどこにあるんですか。その競争の枠の外に置く理由はどこにあるんですか。
○国務大臣(小渕優子君) 現時点では何も決まっておりません。ベストミックス次第だと考えています。
○水野賢一君 じゃ、現時点で考えていないのかもしれませんけれども、まさかこれ突然、政省令を変えたりするだけで導入できるなんということはないですよね。少なくとも導入するとなったら、これは法改正が絶対必要ですよね。
○国務大臣(小渕優子君) それも含めてまだ何も決まっておりません。
○水野賢一君 こんな制度を導入するのを法改正なく政省令で変えることは、政省令変えるだけで導入するなんという可能性はあり得るんですか。
○国務大臣(小渕優子君) こんな制度を導入するかどうかもまだ決まっておりません。(発言する者あり)
○委員長(岸宏一君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(岸宏一君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(小渕優子君) 原子力小委員会においては、このCfD制度を含め、原子力について自由化の中でどう維持していくかという議論だけでなく、人材育成ですとか廃炉対策ですとか、そうしたことも様々議論をしているわけでありまして、何もこのCfD制度の方向に議論が行っているということではないものと承知をしております。
 いずれにしても、いいエネルギーミックスをつくるために議論が進んでいるものと考えております。
○水野賢一君 じゃ、大臣御自身は、このCfDという原発優遇策はオプションの一つとしては面白いなというふうにお考えですか。私は、こんなものはそもそも認められるべきじゃないと思っていますけれども、そこら辺はどういうふうにお考えですか。
○国務大臣(小渕優子君) 現在、原子力小委員会の方でその議論が進んでいるものと考えております。様々な事例も含めて、いいエネルギーミックスをつくっていけばいいことだと思います。
○水野賢一君 原発の新増設についてはどういうふうにお考えですか。島根三号とか大間とか完成が近づいているものは別として、一般的な原発の新増設についてどうお考えですか。
○国務大臣(小渕優子君) 原発の新増設につきましては、現時点において想定はしておりません。
○水野賢一君 いわゆるリプレースはどうですか。
○国務大臣(小渕優子君) リプレースにつきましても、先ほどの新増設と同様、現時点では想定をしておりません。
○水野賢一君 この想定していないという意味がどういう意味なのかよく分からないのですが、要は、想定していないと幾ら大臣が言ったって、例えば事業者が新増設の申請を出してきたら、これはどうなんですか。
 原子力規制委員会にお伺いしますけれども、新増設は想定していないから申請があっても審査に入らないとかということを何かもう決めたりとかしているんですか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 若干、建前論的なお答えになるかと思いますけれども、法的には、申請があれば法律に基づいてきちっと審査をしていくというのが私どもの役割でございます。
 ただ、今経産大臣からもお答えがありましたように、新増設はないということですので、今そういったことは私どもとしては考えたことはありません。
○水野賢一君 いや、今おっしゃったように、これ申請が出たら少なくとも審査のプロセスには入るという中で、大臣、想定していないって、これどういう意味なんでしょうか。仮に規制委員会が許認可のプロセスを進めても、大臣としてはこれは稼働は認めないと、そういう意味なんですか。
○国務大臣(小渕優子君) 原発の新増設、リプレースに関しましては、現段階では想定をしておりません。今、国が現段階において新増設を想定していない中で事業者が申請するということは考えられないと考えております。
○水野賢一君 それでは、午前の質疑はこのぐらいにいたしまして、午後は松島みどり法務大臣にお伺いをしたいというふうに思います。
 午前の質疑はここで終了をさせていただきたいと思います。
○委員長(岸宏一君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。
 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十五分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
○委員長(岸宏一君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 予算の執行状況に関する調査を議題とし、休憩前に引き続き質疑を行います。水野賢一君。
○水野賢一君 みんなの党の水野賢一でございます。
 松島法務大臣にお伺いをします。
 昨日来問題になっているうちわの配布ですけれども、祭りの会場などで大臣御自身がお配りになったことはあるわけですか。
○国務大臣(松島みどり君) 私自身といたしましては、この一年間に成立いたしました法律を書きました討議資料、確かにうちわというふうに解釈されても仕方がないかもしれませんが、その討議資料をいろいろな場でお配り、私自身もしたことがございます。
○水野賢一君 そうすると、大臣御自身も配布をしたということですけれども、うちわなのか討議資料なのかは別として、この作成を指示したのも大臣が指示したという理解でよろしいですか。
○国務大臣(松島みどり君) はい、法律をコンパクトにまとめて書くことも含め、私が作成しました。
○水野賢一君 松島大臣の事務所は、うちわなのかうちわ型討議資料なのか別として、この配布物は今年の夏初めてこういうような形のものを作られたのか、それとも例年夏は夏祭りとかの時期になるとこういうものをお作りになっていらっしゃるのか、教えていただければと思います。
○国務大臣(松島みどり君) ここ何年か作ったり作らなかったり、年によって違いますが、初めてではありません。
○水野賢一君 昨日問題になった資料は経済産業副大臣という肩書が入っていたわけですけれども、法務大臣に就任されてから同じような配布物、つまり、このうちわ的な配布物を作ったりはしていますか。
○国務大臣(松島みどり君) 九月の上旬に作ったかと思います。
○水野賢一君 九月の上旬に作ったというのは、この昨日話題になった経済産業副大臣としてのバージョンじゃなくて、法務大臣バージョンの新しいうちわ型討議資料を作ったということですか。
○国務大臣(松島みどり君) はい、そういうことになります。
○水野賢一君 それは当然、肩書も法務大臣と入っているわけですよね。
○国務大臣(松島みどり君) 経済産業副大臣と書かれたものの上にシールを貼ったのもあれば、法務大臣というものもあったかと思います。
○水野賢一君 このチラシを、チラシというのか、うちわというべきなんでしょうけれども、何部というのか何本というのか分かりませんけれども、何本作ったかというのは、今はこれ通告していないので今ここで答えられなくてもいいんですけど、後ほど何らかの形で公表されたりとかするということは、お考えはありますか。
○国務大臣(松島みどり君) 理事会その他で求められれば振り返って調べてみたいと思っております。
 なお、これから、今後、このような疑念を持たれた案件でございますので、今後は配布は取りやめようと思って、同じような形のものは取りやめようと思っております。
○水野賢一君 これ、理事会の話が今大臣自身からも出ましたけれども、理事会協議されるということを求めて、理事会協議で結構でしょうか。
○委員長(岸宏一君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議をいたします。
○水野賢一君 大臣には釈迦に説法でしょうけれども、刑事訴訟法の二百三十九条一項で何人でも刑事告発はできるわけですから、これは松島大臣が刑事告発を受ける可能性というのは十分あり得ると思いますけれども、理論的には、法務大臣というのは個別案件に対してでも指揮権発動ということは理論上できますよね。まさか自分が告発された場合、そうしたことをすることはなく、粛々と捜査を受け入れる覚悟と理解してよろしいですか。
○国務大臣(松島みどり君) もちろん、おっしゃったように理論上告発は受けることはあり得るかと思いますが、全くそれに対して法務大臣としてどうこう、指揮はもちろんのこと、コメントとか感想も言う立場ではございません。言う気はありません。
○水野賢一君 これ、もし現職の大臣が、法務大臣が、任意であれ何であれ捜査機関の聴取を受けたりとかすることになればかなり異例なことであることは間違いないと思いますけれども、そういう場合は、あれですか、記者会見だとか国会とかで聞かれたら、こういう聴取を受けましたとかということは公表されるわけですか。
○国務大臣(松島みどり君) そもそも仮定のことでございますし、そして、コメントできません。法務大臣は、どういった案件が上がっているとか、それについてというのは誰のどんな案件でも述べないことになっております。
○水野賢一君 松島大臣は今回のことなんかで内閣の足をかなり引っ張っているという見方が普通だと思いますけれども、大臣としての自らの進退とかについてはどうお考えですか。
○国務大臣(松島みどり君) 安倍政権の法務大臣としてしっかりと務めてまいりたいと思っております。
○水野賢一君 それでは、私の持ち時間もそろそろ、関連質疑の渡辺議員の方に替わりたいというふうに思いますけれども。
 最後に、菅官房長官にお伺いをしたいと思いますが、ちょっと話は飛んで、公務員制度改革の一環として大臣補佐官というのが制度化されましたよね。これ、冷ややかに見る人の中には副大臣とか政務官になり損なった議員の処遇ポストになっちゃうんじゃないかというような、そういう面もありますよね。別に本来の趣旨がそういうふうなものだったと言うつもりは全くありませんけれども。
 菅長官も基本的には民間人の起用をということを呼びかけられたというふうに報道で伺っていますけれども、その趣旨についてお答えをいただければというふうに思います。
○国務大臣(菅義偉君) 大臣補佐官につきましては、副大臣だとかあるいは大臣政務官、それの処遇するようなポストではありません。そこは明確に申し上げておきたいというふうに思います。
○水野賢一君 以上をもちまして私の質疑を終了して、渡辺美知太郎議員に関連質疑をしていただきたいというふうに思っております。
○委員長(岸宏一君) 関連質疑を許します。渡辺美知太郎君。
○渡辺美知太郎君 みんなの党の渡辺美知太郎です。
 私は、宮城、栃木、茨城、群馬、千葉、この五県で各県処分が決められている、福島第一原発事故により生じた放射性指定廃棄物最終処分場の問題について質問をいたします。
 福島県の中間貯蔵施設と比べると注目はされていませんが、私は、安易な各県処分は放射性指定廃棄物の拡散につながるおそれがある、そして今回の選定手順には不備があるということから、度々国会で質問をしてまいりました。
 前の通常国会では、宮城県の大和町にあります詳細調査候補地となった吉田下原について質問をいたしました。下原は六百メートル先に自衛隊の王城寺原演習場という演習場がありますが、環境省は詳細調査候補地選定の際にこの演習場を考慮していなかったということが、質問によって答弁いただきました。
 この下原という地区は、米軍の演習を引き受けるために緩衝地帯として住民の方に立ち退いていただいた地区であります。そして、私、七月には、宮城県選出の和田政宗参議院議員とともに宮城県栗原市にも参りました。
 パネルの写真、こちら、右上の写真を御覧ください。(資料提示)こちらは詳細調査候補地に選ばれた深山嶽になります。深山嶽は、二〇〇八年の岩手・宮城内陸地震の際に大規模な崩落事故が発生しております。写真の崩落現場も、幅三十メートル、高さにして十メートルほどの大きな爪痕であります。
 そこで、これは大臣が就任する前の話なんですが、環境省として、この岩手・宮城内陸地震の崩落事故については詳細調査候補地の選定手順の中に考慮していましたでしょうか。環境大臣に伺います。
○政府参考人(鎌形浩史君) 御指摘の詳細調査候補地の選定に当たりましては、県知事及び全市町村長に御参加いただいた市町村会長会議で確定した選定手法に基づきまして、全国的に整備されて県内全地域を一律公平に評価できるデータを採用する、こういうことを基本としてございます。
 この考え方の下で、国土交通省の国土数値情報や防災科学技術研究所の地すべり地形分布図データベースなどを用いて、地すべり地形箇所といった土砂災害の危険性の高い場所を除外したというところでございます。今回御指摘の詳細調査候補地になっております深山嶽は、そうした除外されるべき場所に該当しないということでございました。
 これらのことから、今後、詳細調査では、既存の知見に加えまして、二〇〇八年の岩手・宮城内陸地震も踏まえた新しい情報を集め、あわせて、候補地におけるボーリング調査などにより、御指摘の崩落に関する情報も含め、地質・地盤性状に関する詳細なデータ等を追加的に得まして安全性を評価したい、こういうふうに考えているところでございます。
○渡辺美知太郎君 環境省がホームページに出している詳細調査候補地の選定結果に関する質問では、安全等に関する情報について、現地にて既存情報では把握できなかった除外されるべき崩落等の地形がないかを平成二十五年十一月二十一日から十二月十八日に確認したとあるんですけど、この期間に深山嶽には行っていないんですか。一体何を見てきたんですか。
○政府参考人(鎌形浩史君) 詳細調査候補地を提示するに当たりましては、先ほど申しましたような既存データを基に調査したわけでございますけれども、実際にその現地に施設を造りますので、具体的な平たんな面積のある土地が確保できるか、こういうことを確認したということでございます。
○渡辺美知太郎君 深山嶽には行っていないんですか。
○政府参考人(鎌形浩史君) 深山嶽も調査しております。
○渡辺美知太郎君 現場を見れば明らかにこれ考慮すべき事項だと思うんですけど、一体何を見てきたのか、ちょっと理解に苦しみます。
 時間の関係上、今回ちょっと割愛するんですけど、加美町、同じく詳細調査候補地に選ばれた宮城県の加美町も、そもそも必要面積が足りていないという指摘がなされています。
 そして、宮城県に引き続きまして、七月三十日に栃木県塩谷町の上寺島が詳細調査候補地に選ばれました。この上寺島の地区は、環境省が自らかつて名水百選に選んだ尚仁沢湧水から四キロしか離れていない地域です。
 環境大臣に伺いますが、今回のこの詳細調査候補地選定のプロセスの中にこの尚仁沢湧水の価値は何か考慮したのでしょうか。
○副大臣(小里泰弘君) お答え申し上げます。
 市町村会議で議論を重ねまして確定をした詳細調査を行う候補地の選定手法におきましては、御案内のとおり、自然災害を考慮して避けるべき地域、自然環境を特に保全すべき地域などは選定の対象から除外をしております。特に国立公園とか鳥獣保護区といったようなところは除外をしておるということでございますが、名水百選はそういった対象に入っておりませんでした。
 一方で、地元の皆様が町のシンボルとして尚仁沢湧水を大切に思われていることは承知をしておりました。また、委員が御指摘のとおり、環境省でも名水百選として認定するなど、重要な湧水であるという認識をしているところでございます。
 皆様が御心配をなさるそのお気持ちに配慮しながら、処理施設は水を一切排出しない遮断型のコンクリート構造とするなど、幾重もの安全対策を備えてまいります。また、モニタリング調査等も徹底して実施をしてまいります。特にまた、今後、詳細調査を実施をしていく中で、そういった皆様の御心配、御懸念等を特に念頭に置きながら、安全性の確保、安全性の評価を行ってまいります。
○渡辺美知太郎君 今の答弁を聞きますと、建設、絶対大丈夫だから心配するなと言っていて、尚仁沢の価値を余り考えていないのかなと思います。
 環境省の名水百選のホームページを見ると、優れた水環境は次の世代にわたっても継承、保全していきましょうとあります。環境省は、自ら尚仁沢を名水百選に選定して、自ら優れた水環境の保全と言っておきながら、すぐ近くに最終処分場の詳細候補地を選定してしまったわけで、正直ちょっと支離滅裂ではないのかなと思っています。
 詳細調査、これが今話に出てきましたが、詳細調査、何やるのかというと、安全面での支障がないこと、あるいは事業実施の観点から施工が可能なことを確認するとあります。つまり、詳細調査でも尚仁沢湧水の価値を考慮することはないということでよろしいんでしょうか。
○政府参考人(鎌形浩史君) 栃木県塩谷町の寺島入の詳細調査候補地におきましては、尚仁沢湧水のことにつきまして御地元の自治体などから御懸念が示されているところでございますので、具体的に例えばボーリング調査などで地下水の流れる方向を調べる、こういったことなどを行いまして、尚仁沢湧水との関係についても調べてまいりたいと、こういうふうに考えてございます。
○渡辺美知太郎君 さっきと同じ趣旨で質問しますと、大和町の王城寺原演習場と六百メートルしか離れていない大和町の吉田下原について、例えばその演習場の砲弾が跳弾するのではないかとか、そういった演習場の方からの安全面については考慮されますか。
○政府参考人(鎌形浩史君) 御指摘、大和町王城寺原演習場の供用についてでございますけれども、御地元からの御懸念もございますので、例えば砲弾の訓練を行っているときの振動などの調査についても詳細調査の中で行っていく方針でございます。
○渡辺美知太郎君 詳細調査を行って不適格だった場合、撤回をする可能性はありますか。環境省は、地元の説明会でたまにこういった質問をすると、いや、撤回はちょっと前提としていないと、絶対漏れない設備を造るから安全だといった旨の答弁をいただくんですが、ちょっと事実関係を明らかにしていただけますか。
○副大臣(小里泰弘君) これまでに宮城県で三か所、栃木県で一か所の詳細調査を実施する候補地を提示させていただきまして、実際に調査を進めてきているところでございます。これらの候補地は、選定過程におきまして、先ほど申し上げましたように、自然災害を考慮して避けるべき地域や自然環境を特に保全すべき地域などをあらかじめ除外した上で残った地域であります。
 したがいまして、市町村会議等の場におきましては、基本的にはこれらの候補地の中から最終的な候補地を提示することと説明をしてまいったところでございます。
 いずれにしましても、安全性確保を大前提にして、詳細調査を進めた上で判断してまいりたいと存じます。
○渡辺美知太郎君 つまり、撤回は余り考えていないということですよね。詳細調査も安全性をと言っていましたが、地域の特性を見るというよりかは、ここに処分場を造っても大丈夫かという話になっていると思います。私、この詳細調査候補地を全部見まして、すぐ近くに演習場があるとか、尚仁沢がある、崖崩れの現場があるといった地域、何でこんな地域が選ばれるのかなと思っているんですが、やっぱり今回の詳細調査候補地選定では極めて限られた項目が抽出されて選定されているように思います。そして、詳細調査候補地選定の際にはじかれてしまった項目は詳細調査でも余り考慮されない。そもそも、今回の選定プロセスでほとんどもう考えたと今環境省がおっしゃっていましたから、やはりこれは不備がある調査結果だと私は思っております。
 ところで、今複数の自治体で住民の方々の不安を払拭できないということで、そもそも詳細調査受入れの拒絶があります。井上環境前副大臣は、基本的には自治体の意向、住民の理解を得ずに国が強制的に調査することはないとおっしゃっていましたが、内閣改造後もこの方針は継続されるという理解でよろしいんでしょうか。環境大臣に伺います。環境大臣です。
○国務大臣(望月義夫君) それでは、お答えさせていただきます。
 詳細調査の実施に当たっては、地元の方々の御理解を得られるよう、その候補地の選定経過や処理施設の必要性、安全性などについて丁寧な説明を行う努力が必要と考えております。
 今後、こうした努力をせず詳細調査を行うつもりもなく、これまでの姿勢と変わらず地元の方々の御理解をいただく、そういう努力をしてまいりたいと思います。
○渡辺美知太郎君 ちょっと話は変わります。
 今、川内原発の話が出ていますが、今原発再稼働の議論がなされています。ただ、ちょっと気になっているのは、原発再稼働に当たって、今回のような原発から比較的遠方に放射性プルーム拡散によって放射性廃棄物ができた場合の処分方法や責任の所在などが明らかになっていません。
 そこで、安倍総理に伺いたいんですが、もし万が一原発事故が再び発生し放射性プルームが拡散をしてしまって、原発から遠く離れた地域でも今回のように放射性廃棄物が発生した場合、やはり今の段階では各県処分の方針が継続される可能性があるんですが、今の時点でやはりこの放射性廃棄物拡散についても議論すべきではないのでしょうか。御見解を伺います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まずは、何よりも東京電力福島第一原発事故のような、ああした事故を再び起こさないことが当然重要であります。
 その上でお答えをいたしますと、万が一事故が起きた場合の放射性物質によって汚染された廃棄物の処理については、災害対策基本法に基づく防災基本計画に国などが必要な措置を講じる旨、明確に定められています。東京電力福島第一原子力発電所の事故対応の経験も踏まえて、防災基本計画に沿って地方自治体や事業者と連携して適切に対応してまいりたいと考えています。
○渡辺美知太郎君 今、この放射性廃棄物の問題なんですけれども、一般法ではなくて、今福島第一原発の事故では放射性物質汚染対処特措法が優先されていると思いますが、やはりこの放射性プルームによる放射性廃棄物の処理についても、一般法ではなくて、これ、普通に原発事故であれば事業者責任が問われるわけですから、やはり今ここで議論をして、安易な各県処分の前例をつくるべきではないと思うんですが、もう一度総理に伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 指定廃棄物が大量に発生し、特に保管状況が逼迫している県においては、最終処分場の早期確保が必要な状況であります。こうした中で、他県、例えば東京電力福島第一原子力発電所の敷地内やその周辺で最終処分すべきという御意見も聞かれます。しかし、原発事故により最も大きな被害を受けている福島県に対してこれ以上の負担を強いることは到底理解は得られないと考えています。
 国としては、各県で発生している指定廃棄物はそれぞれの地域の問題として各県単位で処分することが適当と考えており、各県内処分の考え方を見直す予定はございません。
○渡辺美知太郎君 私は、この各県処分、手続に不備があるという話を度々してまいりました。以前、環境省が栃木県に来た際に、環境省が自ら選んだ名水百選が栃木県には何件ありますかという質問をしたら、手元に資料がないから分かりませんとおっしゃっていました。
 明らかにこれ準備不足であります。こういった準備不足の段階で各県処理をしてしまった場合に、地域の実情を正確に反映していないと。私は、やはりこれは日本中にそれこそ原発事故が発生するたびに最終処分場を造る羽目になってしまうのではないかと大変危惧をしております。
 そして、今特措法のお話がありました。今ちょうど十月です。この詳細調査は数か月掛かると言われています。十一月になりますと宮城県は積雪が始まります。雪が降ると詳細調査ができないわけでありますが、年明けになりますと、ちょうど特措法にある見直し期間に入るわけであります。特措法は平成二十四年の一月一日に本格施行されていますので、三年後の平成二十七年の一月一日から見直し期間になります。見直し期間になっても今のところ見直しはないということなんでしょうか。大臣、環境大臣に伺います。
○国務大臣(望月義夫君) お答えさせていただきたいと思います。
 指定廃棄物が多量に発生して、特に保管状況が逼迫している県においては処理施設を確保すべく早急な処理が必要だと、こういうことでございます。
 環境省としては、地方公共団体とも協力して、各県における指定廃棄物の処理を進めるべく取組を進めているところであります。特措法に基づく基本方針において定めた指定廃棄物の県内処理の考え方を見直す予定は今のところございません。
 それで、引き続き、指定廃棄物の早期の処理に向け国は責任を持ってしっかり取り組んでまいりたいと、このように思っております。
○渡辺美知太郎君 見直しは行わないということですが、私たちみんなの党も反対のための反対は行いません。二〇一一年十二月と二〇一三年六月に、それぞれ除染と原発事故避難地域住民の生活再建に関するスキームと特定原子力被災地域土地利用法案を提出をしています。これは、単に特定の地域に放射性廃棄物だけを押し付けるのではなく、できるだけ前向きな復興を目指しているような内容になっております。私たちも今後とも提言をしていきたいと思っています。
 最後に、ちょっと関係ない質問をするんですが、衆議院の予算委員会で我が党の浅尾代表が、ゆうちょ銀行の減資について、四兆円を減資して復興財源に充てるべきだという提案をされました。ゆうちょ銀行の平成二十七年三月期第一・四半期の財務諸表の利益剰余金には一兆六千八百億円、資本剰余金には四兆三千億円があります。予算委員会では西室社長は、経営判断の問題で、株主は経営者に委任するのみだとおっしゃっていました。
 しかし、資本剰余金は株主の持分であり、その処分は株主の意思が反映されるべきだと考えます。つまり、株主である日本郵政、そしてその株主である財務省、つまり政府がやはりこの処分を決めるべきだと考えます。その考えをやはり突き詰めていきますと、その持分は国民の財産と言えます。ゆうちょ銀行の資本は実質的、究極的にはこれ国民のものであると考えています。
 そうしますと、やはりこの四兆を復興財源に捻出する案は財務省にとっても魅力的なものだと思うんですが、麻生財務大臣にちょっと伺いたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 衆議院のときにも浅尾先生のところにお答えしたと記憶をしますが、このゆうちょ銀行というのは、もう先生よく御存じのように、これは会社法に基づく、いわゆる民法に基づきます株式会社法で設立をされておりますので、これは郵政民営化法に基づいて設立をされた日本郵政株式会社の子会社ということになります。したがって、この銀行というその、我々から見たら孫、ひ孫みたいなところになりますけれども、銀行の減資ということを言っておられるんですけれども、これはゆうちょ銀行及びそのグループの持ち株会社であります日本郵政という会社のこれは経営判断の事項と、これは西室さんもそう答えられておられるんですが。
 したがいまして、株主である政府としては、これは法整備の上からいってこれを尊重するというのは当然でありまして、郵政民営化法の基本理念にも経営の自主性を高めると規定をされておりますので、そういった中で政府がこういうのに介入をするということは、これはゆうちょ銀行も減資して、その分だけ日本郵政を経由して国庫に納付させようという話をしておられるんだと思いますけれども、これは日本郵政グループ全体のことを考えて発言をすることにならなきゃなりませんので、これは健全性の問題からいきますと、一方的に減資という、法律上幾つか問題が起きると思いますし、その企業の価値を、減資されるとそれだけ企業の価値が四兆円下げるわけですから、そういったことはあり得るかねというのが一つと。
 もう一つは、株式の売却をやりますと、これは、それまでに投資をしておられる他の株主から見ますと、これは日本郵政グループに対しましては、これは政府による恣意的な介入、経営介入と受け取られる可能性も考えておかなきゃいけませんので、そういった意味では価値観を下げるということになりかねませんので、そういった点から、これは極めて慎重な判断が必要だろうと考えております。
○渡辺美知太郎君 ありがとうございます。終わります。
○委員長(岸宏一君) 以上で水野賢一君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、片山虎之助君の質疑を行います。片山虎之助君。
○片山虎之助君 維新の党の片山虎之助でございます。
 まず、ノーベル物理学賞受賞のお祝いを申し上げたいと思います。赤崎先生、天野先生、中村先生がノーベル物理学賞を独占されました。誠に快挙だと思います。日本の基礎研究の水準の高さ、技術力、そういうことを世界に示したわけでございまして、大変結構なんです。ちょうど先生方が研究、発明を一生懸命された時代は、日本の電子工業というのは半導体を中心に輝いておったんですよね、二十年ぐらい前ですから。あれから二十年たって、現在の我が国の電子工業は外国にやられていますよね、アップルやサムスン、その他。
 基礎研究が新産業につながるのは、まあ数十年掛かるとか、こう言われておりますが、この慶事を我が国の新産業の発展や国際競争力の強化につないでいくことが政治の役割だと思いますけれども、総理、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) こうした日本の技術力、研究開発力が、これは物理学賞ですから、基礎研究も含め世界に認められたということは本当に誇らしいことだと思います。まさに物づくりの基本といってもいいんだろうと思います。こうしたイノベーションが絶え間なく起こっていく、そういう日本をつくっていきたいと考えております。
○片山虎之助君 それでは、本題に入ります。
 まず、私は安倍内閣の政治姿勢についてお尋ねしたいと思います。
 今の政治の状況は一強多弱だと言いますね。まあうまいことを言う。野党としては大変じくじたる思いがあるんですが、衆議院では自民党を中心に圧倒的な数がある。参議院でもねじれを解消して過半数をかなり超えている。政党支持率を見ますと、本当に残念なんですけれども、野党を全部足して自民党の半分にいくかいかないかなんですよね。これはまあ本当に私は一強多弱で、いずれこの状況は変えていくということがあるんですけれども、やっぱり今の状況の中では、どうしても与党、自民党は、努力はいろいろ考えられていると思いますよ、いろんなことをお考えになっておりますけれども、おごりだとか緩みだとか緊張感を欠くとか、こういうことが政権運営や国会運営の辺りに出てくると思うんですよね。いっぱい今出ているんですよ。
 特に、私が気になっているのは、国会のこの開き方なんですよね。通常国会は六月二十日に終わったんですよ。この臨時国会は九月二十九日なんですよ。間に百日あるんですよ。三か月以上休むというこの時期に災害が起こる、国際状況は大変難しくなっているときに三か月以上休む、問題山積の国会を開かないでいいということが、私はなかなか分からない。
 それで、臨時国会を開いたら、六十三日というんでしょう。十一月中に終わるというのは珍しいですよ、私の経験では。六十三日間、今は割に祭日が多いですからね、土曜、日曜、祭日を入れると四十二日なんですよ。この一年の半分ですね、あとの半分は百八十日あるんですけれどもね、四十二日しか働かない国会というのは国民から見てどう思われるでしょうかね。
 まずそのことを、内閣総理大臣であるとともに自民党総裁でもある、そういう意味では全部のトップに立つ安倍総理として率直な御意見を聞きたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今年は昨年よりも半月ほど早く開催をさせていただきました。そして、会期も十日昨年よりも長くさせていただいたところであります。問題が山積をしているわけでありますから、我々も謙虚に、身を引き締めて御審議していただくように努力を重ねていきたいと思いますし、野党の皆様の御協力もできればいただけるような姿勢で臨んでいきたいと思います。
 もちろん、政府としては政府としての仕事があるわけでありますから、これは日々、連日全力を尽くしているところでございまして、国会が休みの日には休んでいるわけでは決してないわけでありますし、私も東奔西走しているつもりでございます。
 今後とも、私の尊敬しております片山先生におごっているとは絶対に言われないように謙虚に頑張っていきたいと、このように思っております。
○片山虎之助君 総理の言うことは、ちょっと気になるのは、国会をやっていると内閣の仕事が滞るような、ややそういうニュアンスがあるんですが、私はこの臨時国会の持ち方も、総理、あれだけ集団的自衛権の閣議決定を急がれたんですよ、前の国会では。ちょっと臨時国会、はみ出ましたけれどもね。しかし、法案はずっと先でしょう、ずっと先、来年の四月恐らく末以降ぐらいになると、こういうお話なんですよね。
 それから、今回、今の最大の問題は景気の動向と消費税を再び上げるかどうかなんですよ。それは、七―九の数字が出る、何か十二月八日に確定値が出る、改定値が出るようですからね、それが大きな判断要素になる。そのときに国会開いていないんですよね。
 それで、この国会でも、本会議の代表質問に中一日取るというのが、まあいいか悪いかの議論が私はあると思うんだけれども、これが長い間の慣行ですよね、それも吹っ飛ばす。特別委員会はこれからつくるかつくらないか今衆議院でやっておりますけれども、これも場合によっては強行する。こういうやり方がいいんでしょうかね。
 私は自民党時代、幹事長や国対委員長をやりましたけれども、七三の構えというのを教えられましたよ。野党が七で与党が三で、そういう構えが一番いいんだと、議会制民主主義にとって、国会運営にとって。ところが、今は七三どころか三七か二八ですよね、総理。やっぱり、野党をすっ飛ばして、そんなことは私は良くないと思うし、どうせ長期政権の構えで、そういう可能性が強いんですから、何で急がれるんですか、いろんなことを。もっとゆっくりやられたらどうですか。私、いつも総理に急がば回れと言っているんですよ。体が悪くならないように気を付けていただきたいというこの前本会議での自民党の質問もありましたけれども、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 例えば集団的自衛権の閣議決定でございますが、まさにこれは第一次政権でスタートしたことでございますので、七年越しの課題であったと思っております。安全保障の問題はまさに待ったなしの課題でありますので、閣議決定をさせていただき、その後、衆参でそれぞれ御審議もいただいた、集中審議もしていただいたところでございます。
 そしてまた、消費税との絡みでございますが、七―九の速報値が出る前から、政府としては有識者に集まっていただいて、七月、八月、それぞれで数値も出てまいりますので、その段階で議論をスタートしていきたいと、このように思います。求められれば当然国会で議論していただくことになるんだろうと、このように思いますし、決しておごることなく、また、議会で特別委員会をつくる等々は議会でお決めになることであろうと、このように思いますが、片山委員の御忠告については拳々服膺していきたいと、このように思っております。
○片山虎之助君 私は、いろいろこの機会に考え直していただきたい。野党を敵視する、あるいは無視する、そういうことじゃなくて、野党も仲間ですから、ある意味では、だからしっかりとそういう配慮をいただきたいと思います。
 そこで今、同時に、今の安倍内閣は政高党低と言われているんですよ。官邸主導と言われているんですね。これは議院内閣制と大統領制の比較で、議院内閣制というのはリスクを分散する、権限、権力を分散する、合議で意思形成を、意思決定をやる。こういう、ある意味では迫力がなくて時間掛かりますよ。縦割り割拠になる。しかし、その方が安全で、バランスが取れて安定するという意見もある。しかし、それでは今の時代に合わないからというので、やっぱり官邸主導というか総理主導のそういう体制に小泉内閣以来我が国もなってきましたね。私は悪くないと思うんだけど、いずれどこか接点があるんですよね、限度が。
 総理、どうお考えですか。政高党低、官邸主導。言われていますよ、いっぱい。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 最終的には、私は総理大臣であると同時に自民党の総裁でありますから、議院内閣制として、自民党そして公明党、与党とともに責任を私は総理大臣、総裁として負っているわけであります。
 大切なことはしっかりと健全な議論が行われているかどうかということでございますが、我が党においても健全な議論が行われておりまして、当然、党においては、これはもう片山委員が自民党におられた頃とこれは変わりがありません。部会においてけんけんがくがくの議論をし、そして最終的には総務会で通らなければこれは法案として提出することができないわけでございます。もちろん、物事をスピーディーに進めていく、決める政治を我々は心掛けているところでございまして、最終的に決めたことについては一致結束していくことが自民党の伝統ではないかと、このように思っているところでございます。
○片山虎之助君 そうですかね。私は何となく雰囲気が違うような感じがする。
 自民党の中も、総理、一強多弱だと言われているんですよ。政界全体が一強多弱で党内も一強多弱で。で、独走はしないでくださいよ、暴走は。まあ暴走と言うと語弊があるのかもしれませんが。やはり議院内閣制と大統領制の接点で、バランスを取ってということを是非お考えいただきたいと思います。
 そこで、何点か聞きます。
 一つは内閣人事局ですよね。私たちもそういう政治的任用をうまく組み合わせるということに賛成したわけですよ。五月にできましたね。七、八月の国会明けに各省庁一斉に人事をやりましたね。内閣人事局が関与したわけですよ。できる前とできた後でどう変わったか、何が変わったのか、何が変わらなかったのか、官房長官、答えてください。
○国務大臣(菅義偉君) この法律ができて、新たに導入された幹部人事の一元管理、その下に大きく、この適格性審査と任免協議、こうしたものが行われました。
 この適格性審査というのは、客観的な人事評価の資料、そうしたものを大臣から出していただいて、審査対象者が幹部にふさわしいかどうかというものを、これは内閣人事局を中心に客観的に判断をさせていただいたと。そこで、幹部候補名簿というのを作りました。そして、その幹部候補名簿に基づいて各大臣がその任用を行いまして、最終的には総理、官房長官と相談をさせていただいて人事が決定をしたわけでありますけれども、従来、閣議承認の対象であったのが次官、局長級の二百名でありましたけれども、今回から審議官級を含めてプラス四百で、約六百名の人事について個々の適格性審査、さらに任免協議を行ったということであります。
○片山虎之助君 日本の公務員制度は、釈迦に説法ですけれども、メリットシステムなんですよ。能力や実績に応じて採用されて昇進して処遇されると。アメリカはスポイルズシステムですよね。選挙に勝った方が戦利品を分け取りするような人事をやると。それで、ヨーロッパは長い歴史があって、王様の官僚ですから、非常にそこは政治的任用とメリットシステムをうまく組み合わせているんですよ。私は、是非内閣人事局で日本型のそういう仕組みというのを考えてもらいたい。
 ただ、公務員を萎縮させないようにしなきゃいけませんよ。官房長官は顔が怖いから、みんな萎縮しているんですよ。是非そこは、メリットシステムの基本は残しながら、どういう政治的任用を組み合わせるか、是非頼みますよ。いかがですか。
○国務大臣(菅義偉君) 優しい顔じゃないでしょうか。
 まあ、いずれにしろ、片山委員がおっしゃるように、このメリットシステム、その基本というものは安倍政権としてもしっかり守りながら、公務員の中立性、公平性というものをそがれないように、そこは気を付けながらこの人事、行っていきたいというふうに思います。
 ただ、従来と同じように、当初、各大臣が実施する能力・実績主義、それの客観的な人事評価というものから名簿が上がってくるわけですから、そこについては従来と基本的に変わることはないだろうというふうに思いますけれども、全体として、各省庁の縦割りをなくすとか、あるいは安倍政権の方針であります女性の任用だとか、それとまた役所間の交流だとか、時代のニーズに合わせて必要なものについてはしっかりやっていきたいと思います。
○片山虎之助君 それから、官邸主導でどんどんどんどん増えるのが内閣官房と内閣府なんですよ。仕事が増える、人が増える。それで、増え過ぎて今や混乱ですよ。雑居ビルみたいになっている、出来の悪い。
 だから、内閣官房と内閣府は違うんですよ。内閣官房というのは直轄の、言わば内閣そのものの補助をするところなんですよ。内閣府は、それもあるんだけれども、総理大臣が、並びの大臣として、ほかの省がやらないようなことをやるような、例えば賞勲局だとか沖縄だとか、そういう仕事があるんですよ。しかし、これは内閣そのものを助けるんですよ。だから、言ってみれば、内閣官房が旗本で、内閣府は親藩なんですよ。その他が外様か何か知りませんよ、それは譜代か外様か知らないけれども、しかしそれを整理しないと。
 それで、何でもどんどんどんどん押し込むと、済みません、パネルをちょっと見せてください。(資料提示)一番最初のやつ、内閣官房と書いてある。これ、見てくださいよ。十三年に省庁再編のときは、このスリムな分かりやすい組織だった。それが今こうなっているんですよ。それから、本来、内閣人事局や国家安全保障局というのは大切な局ですよ、大変な。だけど、こういうふうな事務をやるような元々あれではないんですよ。
 ところが、内閣府の方はパネルを作っておりませんが、もっと大変なんです。いろんなものがどっと入ってきて、それで人も物すごく増えているんです。スタートは八百人ですけど、定数は増やされませんから、併任が増えて今二千何百人なんですよ。内閣府も二千何百人なんですよ。こういう状況でやれるかやれないかですよね。
 これ、総理、いかがですか。だから、自民党も同じような危機意識を持っているようですけれどもね。
○国務大臣(菅義偉君) 委員の御指摘のとおりのような状況だということで、私どもも今のままでは進めるべきじゃないと、改善したいという問題意識を持ちながら今懸命に取り組んでいます。
 ただ、これ議員立法とかそういう法律の中で、どうしてもそれぞれの省庁横断的なものがありますから内閣府という形に来ていますので、そこは十分に気を付けながらすっきりした形にしたいというふうに思っています。
○片山虎之助君 そうすると、結局これをスリムにするには、各省庁に返すか、あるいは内閣官房の仕事を内閣府に持っていくか、そこで整理するかなんですよ。これがしかしなかなかできないの。元々がいろんな省庁に関係して難しいから、こういう内閣府に持ってくるんですよ。各省はややこしいことは嫌なんですよ、権限は要る、ポストは要るんだけれども。そこで内閣府みたいな曖昧なところが一番いいんですよ、責任あるやないや分からぬから。権限争議はないし、各省庁の。そこに出しておけば、それぞれ関係のあるところから人を送って、物は決まりませんよ、決まらないけれどもそれで済むんですよ。こんなやり方で官邸主導といったら、間違った官邸主導に決まっている。だから、これをきっちりやるということが政治の効率化、行政の効率化、透明化につながるんですよ。
 総理、どうですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど官房長官がお話をさせていただいたように、また片山委員が御指摘をされたように、今各省庁をまたがる課題が多いものでありますから、各省庁にまたがる課題については内閣府あるいは内閣官房に来て特命の大臣あるいは官房長官の、その際、調整権を生かして物事を進めると。しかし、確かに相当多くなってきて、そんなに目が届くかどうかという問題もあるわけでございまして、現在、自民党におきまして内閣官房、内閣府の業務の見直しについて検討中でございます。
 これは省庁全体に関わっていくことかもしれませんが、その検討状況も踏まえて、今の御指摘も踏まえて対応を行ってまいりたいと、このように思います。
○片山虎之助君 各省も困るんですよ、併任で人を出さないけませんからね。ところが、定数は増やせないんですよ。だから、各省がすかすかになっているんです、逆に。そう仕事がきっちりしない内閣府や内閣官房が人があふれて、本来仕事をすべき各省がすかすかになっているんですよ。これを直さないと私は大変な問題があると思うんですが。
 もう一つ、今言われた特命担当大臣です。
 これは、安倍政権になって物すごく増えているんですよ。見てください、これだけ特命担当大臣置いているんですよ。十三人おるんですよ。こっちが内閣府の特命担当大臣です。それから、こっちの方はまだ設置法に書いたり基本法があったりして法律に根拠があるものが多いんですよ、内閣府の方は。ところが、内閣官房の方は、総理が、大臣に任命されるときの指示書というんですか、あれで決まることが多いんですよ。しかし、中は、何をやるかはあの中に書いてますよ、私ももらいましたから。しかし、よく分からない。こんなに特命を乱発してどうなるんですか。有村大臣なんか七つですよ。山口大臣は六つですよ。
 有村大臣、ちょっと宙で言ってみてください、七つの特命事項を。(発言する者あり)
 質問ですから駄目です、それは。
○国務大臣(有村治子君) 内閣府の特命担当大臣として四つをいただいております。そして、内閣官房として三つの仕事、計七つということで、過去最多というふうに伺っております。
 ただ、何でもかんでも内閣府あるいは内閣官房ということではないということは問題意識を共有しておりまして、ちなみに、平成十三年の省庁改編のときには内閣官房と内閣府を合わせて計三千五百名いたものが、十二年後の平成二十五年実績で五千四百名ということで、この問題意識は与党ともちゃんと連携をしながら、スリムにしていくように、機動的に動けるようにやっていきたいと担当大臣として考えております。
○片山虎之助君 七つの担当事務をどういう処理をしているのか。あなたはお子さんも二人おるでしょう。子育てをしながら七つやるんですか。まあ、女性活躍大臣でもあるからいいけどね。
 いや、これは幾ら何でも、山口大臣も六つですよ、有村大臣は消費者及び食品安全、規制改革、少子化対策、男女共同参画、女性活躍、行政改革、国家公務員制度。関係がないことはないけれども、それほど関係があるかどうかでね。大ぐくりに特命をしっかりと整理するということは必要ですよ。特命そのものは完結していない、これでは。
 総理、どう思いますか、特命はあなたが出されたんだから。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この特命については現在の社会的な要請によりまして我々つくっているわけでありまして、では、この中のどれが、今必要ないというものはこれはないわけでございまして、ですから、その中において、内閣府の山口大臣そして有村大臣、それぞれ大変特命は多いわけでありますが、全力でそうした仕事をこなしていただいていると思います。
 しかし、これずっとこれを置いておくというわけではありませんので、その必要がなくなったものについては、これはまさに、直ちにこれはスクラップしていくということが求められていると思います。そのことも含めて、今自民党において議論を行っているものであります。
 山口大臣も有村大臣も、この中が全部関連しているというよりも、それぞれ特命を与えているところでございます。
○片山虎之助君 やっぱりスクラップ・アンド・ビルドだとかサンセット条項だとか、そういうことをきちっとやらないと、どんどんどんどん増えていきますよ。そしたら、本当は、終わりかけた仕事って残るんですよね。それ、人が全部残っているんですよ。組織も残ってポストも残っているんですよ。これは行革から見て私は大変な無駄だと思いますんで、よろしくお願いしたいと思います。
 それから、オリンピック担当大臣を新たにつくるというあれでしょう。大臣が今十八というのは元々決まっているんですよ。内閣総理大臣以外十七。しかも、元は十四なんですよ。三がプラスアルファで内閣法か何かに書いているんです。それで、十七をですよ、復興大臣を年次的に一増やしましたよね。それでまた今度はそのオリンピック担当を増やすんですか。オリンピックの重要性は分かりますよ。スポーツ庁は文科省の外局でしょう。それを、スポーツ庁を担当するオリンピック担当大臣、ねじれるじゃないですか。総理、どういうお考えですか。
○国務大臣(菅義偉君) 是非御理解をいただきたいのでありますけれども、オリンピック・パラリンピック二〇二〇年の東京、やはり日本として何としても成功をさせなきゃならない。そういう中で、東日本大震災からの復興だとか、あるいは日本の安全、安心、クールジャパン、そうした魅力を世界に発信する極めて大事な大事な大会だというふうに思っています。
 現在のオリンピック、例えばサイバーテロへの対応、これ一つ見ても、二〇一二年のロンドン大会では、二億回を超えるサイバー攻撃があったというんですよね。数百人規模でこれ対応の組織をつくっています。あるいは文化プログラム、これも新たにこれ加わったものでありまして、さらにパラリンピックも前回とは全く違うわけであります。
 そして、比較をして私びっくりしたんですけれども、五十六年前のオリンピック当時、訪日外国人の方は三十五万人だったんです。私たちは今度二〇二〇年、二千万人を目標にしております。
 こういう中で、各府省庁、地方公共団体あるいは関係団体との調整が必要、複雑なものでありますから、開催までの限られた期間に事務を迅速に的確に行うために、期限を切って、是非専任で当たる体制を整えることが不可欠であるというふうに考えまして、所要の法案を提出するように総理から今指示がいただいているところでありますので、是非こうした状況を御理解いただきたいと思います。
○片山虎之助君 なし崩しに増員になるんですよ、なし崩しに。まあ、時限だとこういうことなんで。私はオリンピックの重要性やこの成功の意義というのは分からないではない、非常によく分かります。
 分かりますけれども、行革あるいは内閣制度、いろんな組合せ、そういうことの中でどう考えるかということは真剣に考えていただかないと。それなら何であの省庁再編のときに十四にしたんですか。それをプラス三はアローアンスで認めたんです。それがまた、時限的にとはいえ、復興大臣、オリンピック担当大臣、また必要が出ますよ。それをまた時限でこうやる。時限というのは法律を直しゃいいんだから。是非、その行革のあれを、決意というのかね、それを是非お願いしたいと思います。
 そこで、だんだん時間がなくなってあれなんですが、地方創生というのは言葉はいいですよ。しかし、よく分からない。何をどうやるのかというのがみんな分からない。
 評論がある、評論に対する批判がある。それで、こういうことは皆さん御承知ですけど、戦後の歴史の中でずっとやってきたんですよ。全総、新全総、第三次全総、第四次全総、拠点開発、大規模プロジェクト、あるいは広域生活圏何とか、田中角栄さんの日本列島改造論もそうだし、竹下さんのふるさと創生もそうなんですよ。しかし、結果として、いろんなお金を名目でつぎ込みながら、地方はなだらかに衰退してきたんですよ。その反省と総括が要るんじゃないですか。総理、どうですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさに今委員のおっしゃったとおりでありまして、過去にそうした形で様々な取組があったわけでありまして、全国総合開発計画あるいは日本列島改造論はそのとおりでございますし、ふるさと創生事業もそうであります。
 そうした過去の取組の評価もきっちりやらなければいけない、これは担当の石破大臣のお考えでもあるわけでありまして、そうした検証を、効果があったのかなかったのかということも含めて検証した上において、さらには、今までのものは国で、ふるさと創生はちょっとこれタイプとして少し違うものでありますが、国で大きな計画を作っていくという形であったわけでありますが、基本的には、まさに種とネタは地方にあるという考え方の下に地方の特性を生かした地方の発展を考えていかなければいけないと思います。
 そのために、例えば大きなビッグデータがあるわけでありまして、そうしたものを解析しながら、その県においては何が必要かということも分析をしながら、そういうデータも提供し、そしてそれを生かして地方がそれぞれ自分の未来をつくっていくと。こんな形で地域の発意と情熱や知恵、考えを生かしながら、国もそれが生かされる状況をつくっていく、そしてまた地方も排他的にならずに外からどんどん人を受け入れる形の中において地域をつくっていきたいと、こんなように考えております。
○片山虎之助君 地方創生というのは地方から言い出すことなんですよ。国が地方を、おまえ創生してやると笛や太鼓でいって、アイデアも出してやる、金も出してやる、人も送り込んでやる、それで地方創生はできるんでしょうかね。
 今までは全部お上のお仕着せの結果としてばらまきなんですよ。ばらまきはしないというのが、麻生副総理や石破さんが言われているんだから恐らくそうなるでしょうけど、結果としてはばらまきなんですよ。今回の概算要求でも各省張り切っちゃって、みんな何とか枠というんだから、みんなばらまきのためにどうやって予算を取ろうかといって。
 しかし、ある程度ばらまきも必要なんですよ。だから、どうやるかなんですね。石破大臣、どうですか。
○国務大臣(石破茂君) ある程度必要の意味がちょっとよく分からないところもございますが、この概算要求の時期と、このまち・ひと・しごと創生本部というものができました時期が少しずれております。
 まだ概算要求の段階でございますので、これから予算編成作業に本格的に入っていくわけですが、総理から、ばらまきは断固排せと、縦割りも断固排せと、異次元の取組だということを御指示をいただいております。でき上がった予算が、ほら、これはばらまきではないか、縦割りではないかということになれば、それは総理の御指示に反したことに相なります。全閣僚が本部員ということになっておりますので、そのようなことには相ならないと思っておりますし、これから法案を御審議をいただきますが、そういう調整権限もいただくことになります。
 ただ、委員御指摘のように、今まで補助金は補助金のメリットがあり、役所自体が縦割りになっているわけですから、そういうメリットもあったでしょう。それを変えていくというのは日本の在り方を根本的に変えることになるのだと思っております。上から目線というつもりは全くございません。地方においていろんな事業をやるに当たって、これはどのような効果があるのかという立証もやっていただきます。そして、お使いになった結果どうなったかという検証もビルトインをしていかなければなりません。
 上から押し付けて成功するものではないというのは、一番この問題に通暁せられた委員のおっしゃるとおりでございます。新しい仕組みをつくるというのはまさしく大変なことでありまして、岡山県で副知事もお務めになり総務大臣もお務めになった委員の御知見を是非とも賜りたいと存じます。
○片山虎之助君 今大臣がそういうことを言うのが評論なんですよ。上から目線なんですよ。
 私は、少しはばらまき、しようがないというのは、結局、テーマも事業内容も地方に選ばせて地方の責任でやるんですよ。その場合、自由な一時交付金か何かやらにゃしようがないんですよ。それがばらまきなら、そのばらまきは仕方がない。それから、もし一害を除きたいと、害になる規制か何かあれば、特区制度を全部認めたらいいんですよ。お仕着せが駄目なんですよ。メニューが駄目なんですよ。お説教が駄目なんですよ。もっと自由にやらせないと。それが地方創生なんですよ。押さえ付けるような地方創生がうまくいくわけがない。簡潔にひとつ、それじゃ。
○国務大臣(石破茂君) それは、交付金の在り方をどのように見直していくかということだと思っております。それはあるいは交付税制度にも絡むのかもしれません。地域の自主性というのを最大限に尊重していかねばならないと思っておりますが、その地域においていかにして検証が行われるかというシステムまでビルトインをすることが必要だと考えております。
○片山虎之助君 そこで、やっぱり地方創生は農業なんですよ。農業をどうするか。若い人を農業に帰さなきゃいけませんわ。
 私は、民主党政権のときに、青年就農交付金というのを出せと。フランスがやっているんですよね。それは、民主党政権が珍しくぱっと、そういうこと言ってはいけませんけれども、予算化してくれまして、今出ているんですよね。研修に二年、それから事業に入ると五年、百五十万ずつですよ。一万人以上の人が今それを受けている。私は、そういうことを中山間地域を中心にそういうものを増やしていって、モデルをつくるべきなんです、所得モデルを。もっと農業へ帰すということを本気でやらないと。どう思いますか。
 それからもう一つは、今農業委員会というのがあるんですよ。私も若干関係しておりますけれども、これをとにかく変えようということなんで、何でそれを引き込んで味方にして、農業再生への、規模拡大への専業者をつくることに活用しないのか、新しく考えて。農林大臣、どうですか。
○国務大臣(西川公也君) 今の青年就業者の問題、しっかりやってまいります。
 そこで、我々、農業政策考えるとき、必ず二つ考えます。一つは、条件不利があるかどうかですね。条件不利のときは条件不利を助けていくと、これが一つあります。もう一つは、所得が減るか減らないかと。減ったときにはそれを国で支援をしますと。こういうことで安定した農業政策を組んできたつもりではおりますけれども、残念ながら就業者の年齢が六十七歳と、こういうことになってきましたので、今度は所得をいかに増やすか、ここを中心にやっていきたいと、こう思っておりますので、御支援のほどをお願いします。
○片山虎之助君 福井県の知事だったと思いますけれども、法人税減税に差を付けろという意見がある。東京は減税の幅を小さくして、よそは増やせと。まあ一国二制度風ですよね。例えば、六%下げるなら、何年間かで、地方は八%下げると、東京は三パーでいいという、こういうことなんですよね。それは、一国二制度がおかしいという議論はありますよ。しかし、今の日本の現状は二つの国になっているんですよ、繁栄する東京圏、大都市圏と、あとは衰退する地方と。私は、そういうことを研究の対象にしてもいいと思いますよ。
 総理、いかがですか。
○国務大臣(麻生太郎君) これは物すごく意見の分かれるところでしょうな。これ、前からある話ではありますから知らないわけではありませんが、この間、消費税、東京都から約三千億円を剥がして地方に、これは東京では通りましたけれども、それは、潤った地方はみんなサンキュー・ベリー・マッチってなもんでしょうけれども、東京にしてみれば冗談じゃないということになりましたし、やっぱりこれは、あれがちょっと限度かなと正直思わないでもなかったんですが、いろいろ御納得をいただいて、させていただきました。
 しかし、今回、法人税をやりますと、例えば簡単なことを言えば、千葉、浦安とか市川とか、あの辺りは近いですから、あの辺は法人税が安い、千葉県だから、神奈川のこっちの町田の向こう側も安いといって、その辺に法人が、ぶわっと会社がつくろうとするのが、これが民間の知恵というものだと思いますね。だから、そういうことになると、またそれとまた分けにゃいかぬということになると、これはおっしゃる意味は分かりますけれども、現実問題としてはなかなか難しいかなという感じが率直な実感です、今のところの。
○片山虎之助君 この問題は、統治機構そのものをどう変えるかという問題なんですね。課税自主権をどの範囲で与えるか。だから、今のままではかなり私は問題があることはよく分かります。しかし、大きい方向としてはそういうことの検討をする必要が私はあるんじゃないかと、こう思います。
 そこで、もう時間がだんだんなくなってあれなんですが、消費税の再引上げについては何度も総理答弁されておりますけれども、私は今の景気は本当にちょっとおかしくなってきたんじゃないかと。単なる反動減だとかなんとかということじゃなくて、七月も八月も数字悪いですよね。こういう中で、やるのかやらないのかというのは本当に慎重な議論が要ると思いますよ。
 私どもは別に反対じゃないんです。しかし、このタイミングでやることに賛成でもないんですよ。総理の率直な意見を。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この消費税の引上げは、まさに消費税を引き上げることによって税収増を図り、それを伸びていく社会保障費あるいは子育てのための予算に充てることであります。問題は確かに、今委員がおっしゃったように、景気がだんだん怪しくなっているという中においてもしそれを強行した場合は、更に経済が悪化して、名目GDPはこれは縮小していくことになるわけでありまして、税収も伸びていかないということになって、まさに目的にかなわないということになるわけであります。
 ですから、そういう状況かどうかということを我々、専門家の方々にお集まりをいただいて、マクロ的な見地、ミクロ的な見地から検証していきたいと、このように思っています。
○片山虎之助君 特に地方が悪いの大合唱ですよね。その地方のための特別の景気対策、何か御検討ですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 今の状況、これは地方という表現もまたなかなか難しくて、これ地方もかなり、日本長いところですので、大分地方に差がございますので、これ一概に地方というと俺のところは違うじゃねえかといろいろ御意見が出ますので、ちょっと答弁はなかなか難しいところですけれども、格差がある、温度差があるというのは、県によって違うのははっきりしておると、私もそう思います。
 したがいまして、それに対応するためには、その地域の特別な事情に応じてしかるべき手をということは、これは消費税の問題を最終的に決めるに当たって対策というものが更に、今から十月、十一月と、私どもとしては、景気が少しずつ回復してくるとは思っておりますけれども、その段階で、最終的に十二月で決めさせていただくことにしておりますけれども、その段階までにしかるべき方法というものはいろいろ考えておかねばならぬと思っております。
○片山虎之助君 そこで、法人税の実効税率の引下げなんですよ。これはいろんな本当に効果があるのかという議論ありますよ。私どもは賛成なんです。賛成で、もしそれなら地方創生もありますから、地方法人税の改革からやってほしいと、こういうことなんですね。
 それで、私は自分が大臣のときにそれを一部実現したものだから、外形標準課税の導入なんですよ。あれ、平成十五年から始まったんです。大法人だけ、資本金が一億円以上の大法人だけ三分の一ですね、それを入れるという、ちょっとパネルを出してください。(発言する者あり)四分の一ね。これやったんですよね。というのは、一つは、やっぱり地方は応益ということ、行政サービスを受けているんだからそれの見合いはある程度持ってもらうと。
 それはいろんな議論がありますよ。それは、例えばこれは賃金課税だと。付加価値割にすると賃金が一番大きいんですよ。だから仕方がないんだけれども、しかし賃金狙い撃ちじゃないんですよ。他の要素と同じに扱うんですよ。それから、場合によってはそのための控除制度をつくってもいい、特別の控除を。それから、赤字だというところは確かにあるんですよ。ただ、赤字や欠損を繰越しをしてもいいんでしょう、九年間はね、御承知のように。それから、黒字ならこれは、黒字の場合には損金算入がありますよね。
 そういう意味で、いろんな便法があるんで、私は中小企業を一遍にというのはなかなか難しいと思いますよ。だから、なだらかになだらかにこれをやっていくということが将来の安定した税制のためには、地方も望んでいるんですから、必要だと思う。なだらかにやる。
 そこで、次のパネルを出してください。
 これも前からこういうことを言っているんですが、中小企業は十年掛かってやると。大企業はこういうことの認識を変えていただかないと。この前、日商、日本商工会議所の総会に行きまして、私そういう話をしたんですよ。
 そこはよく、やっぱり企業も社会的責任があるし、中小企業でも黒字のところだけ負担するのはかわいそうなんですよね。インセンティブを与えて新しいことをやらせるべきなんですよ。その代わり、今の赤字のところが負担するようになるのをどうやってなだらかに痛みを後に送っていくかということの工夫をすべきだと思いますが、総理、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、片山先生の経験の中から案を御披瀝いただいたところでございますが、法人税の減税については、その具体的な財源については今後検討していくことになりますが、国民の皆様の御理解を得ることも大切であります。
 そして、今御指摘になった外形標準課税の在り方については、法人税改革を具体化していく際に、地方経済を支える中小企業・小規模事業者への配慮、そして、もちろんその中でも赤字でも頑張っている中小企業いますよね。そうすると、まさに赤字で頑張っている中小企業もいれば、しかしそれを黒字にして税で貢献している人たちもいます。そういう方々に対して、もっと、まさに利益を上げて税を払う上においてのインセンティブもあるということも必要だというふうにも思いますが、様々な観点を配慮し、含めて検討をしていく考えでございます。
○片山虎之助君 このところ、我が国は異常気象なのか、大変な災害が起こりますね。
 広島の土砂災害、我が党も視察団を出して広島の市長さんや皆さんから話を聞いて現場を見ました。やっぱり、今のいろんな仕組みは異常災害、異常気象を必ずしも対象にしていないんですよね。私は、ハード、ソフトの基準をもう一遍見直す必要があるんじゃないかという感じがややしている。
 宅造も都市計画も砂防ダムももっと強化していく、充実していくということが必要になると情報伝達なんですよ。広島なんか、夜中ですから、お年寄りが多いから、夜中に出て逃げろと言って、避難しろと言ったってできませんわね。それがまた徹底もしていないんです。私は、火山の場合も同じなんで、情報伝達手段を本気で考える必要があると思いますよ。
 これについて、私は消防に関係してきましたから言いましたけど、消防はよくやっています。もちろん警察も自衛隊もよくやっています。こういうところの力をもう少し強くするということも併せて必要だと思いますよ。
 総務大臣になるんでしょうか。
○国務大臣(高市早苗君) 広島市の土砂災害では、政岡さんが、消防職員でいらっしゃいますけれども、避難誘導活動中にお亡くなりになるなど、それからまた、たくさんの人命が失われました。そんな中で、消防職員、団員の安全を守るという点も一つ大切だと思います。それからまた、住民に対しての情報伝達、これを急いでやるということ、幾つもの課題が出てまいりました。
 まず、情報伝達ですけれども、これも緊急速報メールですね、今整備率が九三・二%ですから早急に一〇〇%を目指していくこと。それから、一部配備率八四・八%の防災行政無線、これの戸別受信機なんですね、この配備をまず促進するということ。それから、整備率まだ四四・七%、Lアラート、これを二十六年度中全都道府県に導入決定するということ。
 それから、消防の体制強化、これはしっかりと行ってまいります。石油コンビナート事故などにも対応できるように様々新たな取組を始めてまいります。
 それから、今回のやはり広島市の土砂災害を受けまして、今年度末までに新たな活動要領をしっかりと策定したいと思います。今、広島市で当時の状況などを調査中ですので、まずこれを受けてしっかりと新しいものを策定すること。
 あと、火山噴火、これも相当今消防の方々、御苦労いただいているんですけれども、やはり探知機、防毒マスク、それから噴石を防ぐための盾などを持っていっていただいておりますけれども、さらに二次災害を起こさないようにという点でも対策の強化が必要かと思います。
 ありがとうございます。
○片山虎之助君 消防団員は、戦後、二十年代は二百万以上おったんですよ、二百十万おったんです。今、どんどんどんどん都市化やサラリーマン化や少子化で減ってきて、八十八万人です。年齢も上がっていますよね。そこで、私は女性消防団員というものをつくれといって、今三万人なんですよ。今度は総務大臣、女性にしていただきましたので、女性消防団員を大いに増やしていただきたいと思います。
 それから、ああいうところの主力は緊急消防隊という常備消防なんですよ。これが全国で四千七百隊ありまして、五万六千人おるんですよ。これが実動部隊で今もやっています。御嶽山の火山でもそうですよ。
 ただ、私は、火山対策は、基本的には国が主導して分担をしないと地方はなかなかできないですよ。これも情報なんですよ。登山する人に、やっぱり情報、何というか、登山届というか登山カードというのか、そういうものを出してもらうというのと、そういう人にどういう情報を伝達するかですよ。広島の土砂災害の場合と同じなので、やっぱり情報がこれからは災害予防に大きなポイントになると思いますので、是非よろしくお願いします。
 まだいっぱいあるんですけど、時間が来ましたので終わります。
 ありがとうございました。
○委員長(岸宏一君) 以上で片山虎之助君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、大門実紀史君の質疑を行います。大門実紀史君。
○大門実紀史君 今日は、前半は経済の問題、そして後半はカジノ、賭博場解禁の問題について質問をいたします。
 まず経済の問題ですけれども、パネルを用意いたしましたが、景気の現状について総理の認識をお伺いしたいというふうに思います。(資料提示)
 この間の賃金と物価の関係をパネルにいたしました。僅かに名目賃金が上昇しておりますけれど、それを超える、上回る物価上昇のために実質賃金が下がってきているということでございます。しかも、物価の中でも生活必需品の上昇率が高い、食料、電気代、ガソリン代などの生活必需品の上昇率が高いわけであります。したがって、賃金の上がっていない家庭には今大変重い負担がのしかかっているというのがこのパネルからも分かるというふうに思います。
 この間の、昨日も議論がありましたけれど、消費の落ち込みというのは、単なる消費税の増税前の駆け込み需要の反動減ではなくて、このグラフにあるように、実質賃金の減少というのが根底にあるのではないかというふうに思いますけれども、まず総理の御認識を伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、我々の政策、いわゆるアベノミクスは、二%の物価安定目標を置き、そしてデフレから脱却をしていくというものでありますが、時差があるものの、物価上昇に賃金が追い付いていくというふうに申し上げてきたところでございます。
 その意味におきましては、消費税分も取り除きますとだんだんプラスにもなってきているわけでございますが、この消費税はワンショットでございますので、これに更に成長戦略をしっかりと進めていくことによって、将来は追い付いていけるような状況をつくっていきたいと、そのように考えておりますが、基本的には消費税は将来の社会保障費の給付のためのもの、これを国民の皆様に負担していただくということでございます。
 そこで、今申し上げましたように、消費税引上げの影響を除いた実質総雇用者所得は、四月、五月はマイナスでございましたが、六月以降は七月、八月とプラスになっております。そしてまた、実質賃金を見ますと、確かにマイナスではございますが、マイナス幅は縮小してきていると思います。
 そこで、反動減がございました。そして、七―九に果たしてまた成長軌道に戻れるかどうか。その際、委員が御指摘になられたように、消費税の影響が、このデフレから脱却していくためにはマインドをこれは払拭していく必要がありますし、消費が今まで引っ張ってきたわけでありますから、消費がしっかりとしているということも重要であります。そうした点もしっかりと見て判断をしていきたいと、このように思っております。
○大門実紀史君 消費税を除いた雇用者報酬云々というのは昨日もありましたけれども、雇用者所得というのは一人当たりの実質賃金掛ける雇用者数でありますので、この間、安倍内閣になって非正規雇用の人たちが増えていて、なおかつ雇用者数全体が増えております。したがって、一人当たりの賃金は低下しているけれども、雇用者数が増えているので、その掛け算ですから、マクロ経済としては増えているかも分かりませんが、今申し上げているのは具体的な生活実感のところの話でございますので、消費税を除いた話はちょっと違うんじゃないかなと思っております。
 それで、パネルの二枚目を用意いたしましたけれども、資料の二枚目ですけれども、総務省の家計調査を分析いたしますと、更に中身を詳しく見ますと、全世帯平均の実収入あるいは消費支出よりも第一分位、つまり五階層に分けて一番所得の低い層ですけれども、このときの調査でいいますと、収入が四百三十三万円以下で平均収入が三百三十万円の世帯ですけれども、この層の落ち込みが実収入も消費支出も大変落ち込んでいるというのが分かるというふうに思います。
 つまり、この世帯は賃金の引上げから置き去りにされた、例えば大企業の非正規労働者とか中小零細企業の労働者とか、そういう方々が多いわけでありますし、安倍内閣になってからの計算をいたしますと、所得、例えば三百万円ぐらいの層ですと、可処分所得にいろいろ負担増でいきますと、七、八万円負担増になっております。
 そういうことも加えて大変苦しい状況になっていて、グラフを見てもらえば分かるんですけれども、支出の方ですけれども、三月にほとんど駆け込み需要と言えるほどの支出がないんです。そもそも買いだめする余裕も余りなかったということは分かると思います。
 こういう方々が、再増税が予定されているということも含めると、もうただただ生活を切り詰めるしかないというところに追い込まれているわけであります。お金持ちが百貨店で高額商品を買っているというのもありますけれども、それだけでは消費全体が底上げできないわけですね。この第一分位世帯が全体の消費を下押ししているというのが分かるというふうに思います。
 したがって、この層の底上げなしに消費全体が上向くということはあり得ないと思いますが、総理、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今般の消費税の引上げは、先ほど申し上げましたように、伸びていく社会保障費、そしてまた子育てのための支出でありまして、これはまさに国民にこれは給付として基本的には返ってくるものでございますが、そして、確かに今、大門委員御指摘のように、消費税の引上げというのは、これは低所得者の方々あるいは年金生活者の方々にとって打撃となるわけでありますが、負担となるわけでありますが、そうした方々への配慮については、国民健康保険料などの保険料について一層の軽減を行うこととしておりますし、また、九七年の消費税率の引上げ時に行った臨時福祉給付金の対象範囲を更に広げた簡素な給付措置を講じるなど万全を期しているところでございますが、そうした消費動向を分析をしながら、例えば今後の消費税の判断、あるいはまた今後の対策についてもよく考えていきたいと、このように思っております。
○大門実紀史君 消費税を中止すべきじゃないかというのは次の質問だったんですけれども、もう答えてもらったので申し上げたいことを申し上げますけれども、今まで消費税の増税が社会保障の充実に使われたとは言えない状況でありますし、今一番大事なのは、これ以上景気を落ち込ませると税収全体が下がってしまってもうそれどころではない事態になるということがありますので、まず、この消費の底上げを、こういう世帯層の所得も含めて底上げが一番大事だということではないかというふうに思います。
 最新の世論調査でも、国民の七二%が消費税増税に反対しております。その理由が、こういう所得の低い方々の負担が重くなり過ぎるからというのが四九%で最も多いと。景気に影響を与えるというのが二割でございますので、今日の私の質問のようなことが国民の皆さんが今思っていらっしゃるということでありますので、再度聞きませんが、消費税増税については、再増税についてはもう中止すべきだと早くアナウンスメントした方が、今は萎縮しておりますのでいいのではないかというふうに、決断をしてもらいたいというふうに思います。
 大事なことは、先ほど申し上げましたとおり、この層の底上げであります。その点では、我が党が一貫して提案を、この委員会で私何度も提案してまいりましたけれども、やっぱり最低賃金の引上げ、しかも大幅な引上げが大変重要なときに、避けて通れない課題になっていると思うんですね。
 この点で厚労大臣、この間の最低賃金引上げの取組について説明をお願いいたします。
○国務大臣(塩崎恭久君) 最低賃金の引上げにつきましては、政府としても重要な課題として認識をしております。
 地域別最低賃金の引上げ額は、全国平均で、平成二十五年度は前年度比十五円、平成二十六年度は対前年度十六円の引上げが行われ、平成二十年の改正最低賃金法施行後初めて全都道府県で最低賃金と生活保護水準の乖離が解消されることとなりました。
 一方、政府としては、最低賃金の引上げによりまして影響を与える中小企業・小規模事業者への支援をしっかりと行っていくことが重要であり、最低賃金引上げに向けて業務改善に取り組む中小企業・小規模事業者に対する助成、そしてまた業種別中小企業団体に対する助成を行っておりまして、これらの事業を的確に実施しつつ、最低賃金引上げに向けた環境整備に努めてまいりたいと思っております。
○大門実紀史君 本当に、この予算委員会で何度も総理と議論をさせてもらって、総理の御指示で厚労大臣が審議会に出て、上げるようにというようないろんな努力をされてきたのはもちろん承知をしております。それは承知の上なんですけれども、それでもやっと二%程度と。これは消費税増税分にも追い付かないわけであります。
 例えば、今回改定したと言いますけれども、週四十時間、月百六十時間働いた計算でいきますと、東京が八百八十八円でございますので、月にすると、百六十時間働いたとしますと十四万二千円ですね。一番低い九州、沖縄などは六百七十七円です。これだと百六十時間働いて十万八千円ですね。これで家賃を払って、光熱費、税金、社会保険料を払って、残ったお金で生活できるのかというふうに思います。
 努力されてきたのは承知の上ですけれども、総理、この金額というのはまだかなり低いんではないかと思いますが、御認識いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それは、できることであれば最低賃金がもっともっと上がっていく状況を私もつくっていきたいと思っておりますが、今回、何とか六都道府県で、政権交代前には六都道府県で生活保護水準との間に乖離が生じておりましたが、今年度には全て解消されることにはなったわけでございまして、言わば第一歩ではないかと、このように思っております。
 言わば最低賃金は、中小・小規模事業者の方々が、こんな賃金を払うんではもう店を閉めなければいけない、あるいはもう外に出ていこうと思ってしまっては今度は根っこから仕事がなくなってしまうわけでございますので、そこのところのあんばいも大切なところであります。中小・小規模事業者の方々の生産性を引き上げていくという支援もしながら、我々、例えばものづくり等の交付金等で、従業員の賃金を上げていたところに対しては優先的にそれを、補助金を出すようにもしているわけであります。そうした補助金を使って生産性を上げて更に賃金を上げていくことができるような、そういう仕組みもつくっていきたいと。
 いずれにいたしましても、今後ともこの最低賃金が上がっていくような、そういう経済状況をつくっていきたいと思っております。
○大門実紀史君 従来型のといいますか、従来型の中で努力しようというお話だと思うんですけれども、これも何度か御紹介いたしましたけれど、アメリカでどういう取組をやっているかということで、アメリカは大きな経済対策として取り組んだわけであります。思い切ってあるときにがばっと支援をして、そのときに一気に上げると。これが大変経済対策としても有効だったということが分かって、その後も、今も次の段階の引上げを進めているということであります。
 最初の八千八百億円の支援をして上げたときは、五百四十万人の方々の賃金が上がったと。これは、経済界は最初心配したんですよね、いろんな影響が出ないかと。結局、経済界も、そして中小企業団体からも歓迎の声が出て、効果がありと分かったので、次の段階、また大幅な引上げを想定しているところでございます。
 これ、比べてみて明らかなとおり、もうアメリカは、二〇〇六年を起点としますと、もう倍近く、九六・一%ですけれども、日本は僅か一五・九%というふうになっております。これは、フランスやイギリス、ドイツでもアジアでも経済対策として有効だということが広がっているので、みんな取り組み始めているんですね、大きな規模で。だから、前もこれ御提案したら、総理はちゃんと御指示されて、各省庁相談しろと。それと、中小企業に関する最低賃金の助成金について使い勝手を良くしろと指示されて、確かに件数は増えてきたのは確かなんですが、それでも直接支援は三十億円前後の枠でとどまっているわけですね。
 私が申し上げているのは、そうではなくて、もう諸外国で成功している経済対策なので、大胆に大きな規模でやるべきではないかというふうに思います。政府を挙げた取組としてやるべきではないかというふうに思います。この点で知恵を貸せと言われたら幾らでも貸しますので、本気で大きな規模で考えてほしいと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(甘利明君) 共産党さんがアメリカを褒められるということですから、よっぽどのことだと思いますが、私、昔の労働大臣の記憶を呼び起こしますと、二円、三円を引き上げるのにもう大変な苦労をしたのを思い起こします。その点から考えると、二桁台を続けているというのはかなり努力を評価していただいていいかと思うんですね。
 賃金体系を、中小というよりも零細を見ますと、最賃にかなり張り付いている部分が多いんです。ですから、そこはうまくおっしゃるように対策を打ちながら、相談をしながらしないと、これがいきなり倒れる危険性があります。だから、かなり余裕があって最賃のところから離れたところに給与体系があればいいんですが、そっちにかなり零細になればなるほど張り付いちゃっていますから、そこはまさに余り強引にできないというところがありますから、効果的な対策と併せながら、しっかり対話を交わしながら進めていくということになろうと思います。
 それにしても、過去の経験からすればこのところの引上げ幅はかなり頑張っている方だなというふうに評価をしたいと思います。
○大門実紀史君 総理。私は総理に聞いたんです。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この御提案でありますけれども、言わばこうした形でがっと最低賃金を上げて、そしてそれで消費を喚起をしていくということも、それは考え方としては一つのお考えなんだろうと、このように思います。
 この日米の比較でありますが、これは多少、為替の、今円安になっておりますので今の為替レートでありますとこういう差が付いてくるんだろうと、このようにも思いますが、これは、この最後のところの十・十ドルのところは、まだこれは国会、国会というか上院にまだ出した段階で、通るか通らないかというのは、状況としては中間選挙もございますので分からないところでもありますが。
 いずれにいたしましても、基本的には、これも共産党の皆様から御提案もございましたことでもございますが、政労使で話し合って我々が賃上げを呼びかけた、この結果、賃上げが実現をし、それはある種、消費についてもいい影響を与える、当然、賃金が上がれば、それは消費が拡大をしていくということは事実であろうと思います。しかし同時に、地方の中小零細の企業の方々の存立ということ、競争力ということも考えながら我々も判断をしていきたいと。
 いずれにいたしましても、繰り返しになりますが、今二桁の伸びを続けているわけでありますが、こうした伸びを是非持続していきたいと、このように思っております。
○大門実紀史君 共産党云々とありましたけれども、自民党こそ、これこそアメリカ追随で、勉強してほしいなというふうに本当思います。いずれにせよ、思い切ったことをやらなければならないという提起だけはさせていただきます。
 法人税の実効税率の引下げの問題に触れたいと思いますけれども、新成長戦略で法人税の実効税率三〇%台半ばなのを今後数年でアジア並みの二〇%台に引き下げるというようなことをおっしゃっておりますけれども、もうこの問題も何度もこういう場で我が党指摘してきましたけれども、実効税率三五%とか言うけれども、実際には六%とか五%しか負担していない、払っていない大企業もいっぱいいるわけでございまして、大事なことは、余りこの表面税率だけ比べてアジアはどうのこうのと言っても正確な議論にはならないんではないかと思うんですね。
 やっぱり、ちょっと麻生大臣にお聞きしたいんですけど、余り表面税率だけアジアとかと比べても、それぞれ課税ベースが違いますから正確な議論にまずならないと思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(麻生太郎君) これは大門先生おっしゃるように、企業にとりまして、法人税率もありましょうけれども、社会保障の負担等々を比較しますと、これは法人によりましては随分違うので、そこに人様の作られた資料をこちらの方が先に拝借してしゃべるのもいかがなものかと存じますけれども、お配りになった資料はそのとおりです。
 したがいまして、これは、日本より法人税というものが高いのはアメリカとか高いところは幾つもありますし、日本としてもというので、これは基本的には今後、各国、これは今後財務大臣レベルの話になっていくと思いますが、少なくともBEPSのときに日本が主導して、この種の税金を払わないで海外でというところのやる競争をやめようと。みんなでやろうというので、G20でこれは日本がリードしてスタートさせましたものが、これは思いのほか早く今年中に原案がほぼまとまるというところまで今来つつありますので、こういったのと同じように、法人税の下げ競争をやって行き着くところは何になるんだというところもちょいと考えにゃいかぬところなんではないのかというところは私どもとして考えておりますが。
 ただ、日本だけがアジアで一番高いとかなんとか言われるとこの問題なかなか話が込み入りますので、こういったところも全体として話し合っていかねばならぬ大事な問題だとは思っております。
○大門実紀史君 ですから、表面税率の比較よりもGDP比というのがよく国際比較されていますので、これを見ますと、日本は欧米の中でも、確かにアメリカ、イギリスよりは高いですけれど、ドイツ、スウェーデン、フランスよりは低いというのは分かりますよね。
 よくこの議論であったのが、アジアよりもと、アジアよりと言っていましたけれど、これGDP比ですから、実際の税負担のGDP比の割合ですけれども、これが、今のところ国際比較ではこれが一番使われているあれですが、見てもらうと分かるとおり、日本は既に韓国やシンガポールよりもGDP比の負担では低くなっているんですよね。中国と変わらない状況なんですよね。これでアジアより低くすると、アジアとの競争だというのは、総理、ちょっと違うんじゃないかと思うんですけど、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほどは財務大臣は財務省としての立場で御答弁されたわけでございますが、確かにこの対GDP比としてはそういうことになっているわけでありますが、言わば絶対値としての法人税率については確かに日本は高いと認識されているのも事実でございまして、それを見て投資家が判断をするのも事実でございます。
 そして、確かにどんどんどんどん法人税率を下げていくという競争の中に入っていくことは避けなければいけないわけでありますし、低いと言われているイギリスも、昨年のロック・アーン・サミットでは、言わば税を回避するために他の国に拠点を置いたりしながらかなり脱法的な行為によって負うべき負担を避けているということは避けなければいけないという発言がイギリスからもあったわけでございますが、しかし、その中で引下げ競争という、言わばこれは相当低いという、言わば全体的な魅力の中で、法人税だけで勝負をするということを我々はするつもりは全くないのでございますが、しかし、国際比較の中において、企業が、投資家が投資をするという環境を整えていくという観点から成長志向の税体系に変えていこうと、このように考えているところでございます。
○大門実紀史君 投資家の判断といいますと、一番はやっぱりその国に需要があるかですね。その国が景気がいいかということですよ。法人税でそんなに動くわけじゃありません。これは、単に企業の負担を減らして内部留保を増やしてしまうだけというのはこの間もそうですから、投資にも回りません、回っておりません、この間、減税したって。前の二五・五にしたときも、投資増えたかって、増えておりませんから、単に負担を減らしてあげて内部留保が増えるだけではないかというふうに思います。
 本当に、ですから引下げが必要なのか甚だ疑問でありますし、そもそも総理から若干言及ありましたけど、いつまでもこんな競争を続けるのかということなんですね。麻生大臣言われた租税回避そのものも重要ですけれど、この全体の税の引下げ競争、これを世界中の国々がやればどうなるかといいますと、法人税は限りなくゼロに近づいていって、でもその国は食べていかなきゃいけませんから、ほかの税を増やすしかないと。消費税とか勤労所得税ですね。そうすると、国民が苦しくなって、世界を動き回るグローバルの大企業だけがどんどんどんどん楽になって、どこでも税金払わないという社会になってしまう、世の中になってしまうわけですね、ワールドになってしまうわけでありますから、その税の引下げ競争そのものをもう考え直す時期に来ていると。
 これはOECDの中でもそういう議論がありますし、実は、この韓国、中国、シンガポールとありますけれど、韓国も、中国でさえ今までは安くして負担を減らして企業来てくれというふうなことをやっていましたけれど、今、増税の方向、社会保障負担は増やす方向にそれぞれ動いているんですね。韓国は、一遍決めた法人税の減税をやめて増税すると。更に増税案が野党から出されていて、今攻防が続いております。中国は、特に社会保障負担のところですね、今まで免除していた外国企業に対してきちんと負担してもらうと。シンガポールも同じようにやっています。それぞれ、やっぱり社会保障がもたないということで企業負担を増やす方向になっているんですね。
 このときに、日本だけがアジアだアジアだと、アジアにけんか仕掛けるように更に引下げだというような引下げ競争をあおることは、少なくともアジアのリーダーだった、リーダーと言われてきた日本がやるべきことなのかと。そうじゃなくて、もっと尊敬される提案をすべきだと。こういうことはお互いの首を絞め合うんだからやめようというようなことこそ日本が取るべきリーダーシップ、アジアでのリーダーシップじゃないかと思いますが、いかがですか、総理。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先般もニューヨークでハーバード大学のポーター教授と議論をしたところでございますが、そこで、自分は税の引下げ競争をせよと言っているわけではないけれども、しかし、要は、しっかりと名目GDPが成長していく中において税収も確保していくということが大切ではないかと。その中において、日本の法人税を見たときに、言わば競争の観点からいえば高いのではないかと。そういう御意見があるのも事実でございます。
 言わば、企業が、日本の中に存在する企業もそうでありますが、果たして次にどこに設備投資をしようというときにいろんな条件を見るわけでございます。安定的な電力を確保できるかどうか、人件費はどうか、政治的に安定しているかどうか、そしてまた、さらにはこの法人税がどうか、ビジネスがしやすいかどうかという観点から判断するのは事実でありまして、グローバルな経済の中においては、そういう現実が動いている中において、日本が総合的に競争力を維持することによって雇用を確保し、賃金を更に増加させ、そして経済を成長させていきたいと考えているわけでありますが、その中では、我々は数年で三〇%を切っていく必要があるだろうと、法人税率について、実効税率についてこのように考えているところでございます。
○大門実紀史君 せっかくいろいろ申し上げたのに、何かもう同じような範囲で、もっと大きな判断をされるべきではないかというふうに申し上げておきたいと思います。
 それで、そんな中に、なぜこんな話が出てくるのかというカジノの話でございます。
 カジノ、すなわち賭博場を解禁しようという法案が自民党、維新、生活の党の議員立法で提出されております。与野党の政治家が集まって賭博場を解禁しよう、何ともおぞましい話だなと、こんなことは今まで国会であったかなというふうに思います。
 法務大臣に聞きますけれど、そもそもなぜ賭博場は、賭博は刑法で禁じられているのか、その重みも含めて説明してくれますか。
○国務大臣(松島みどり君) お尋ねの現行の刑法の趣旨について答弁いたします。
 賭博行為は、勤労その他正当な原因によらず、単なる偶然の事情により財物を獲得しようと他人と相争うものであります。そして、国民の射幸心を助長し勤労の美風を害するばかりでなく、副次的な犯罪を誘発し、さらに国民経済の機能に重大な障害を与えるおそれすらあることから、社会の風俗を害する行為として処罰することとされております。
 このような趣旨は、現段階においても妥当するものであると法務省としては考えます。
○大門実紀史君 もう少し重みを持って答弁してほしかったなと思いますけれど。
 総理、この刑法で禁じられていることの重みというのはいかが捉えておられますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今法務大臣が答弁をされましたように、賭博行為の禁止は社会の秩序を維持する上で必要なものと考えているところでございまして、賭博行為というのは、国民の射幸心や勤労を怠る風潮を助長し副次的な犯罪を誘発するなど、国民の生活に重大な弊害をもたらすおそれがあることから犯罪として禁止されていると、このように承知をしております。
○大門実紀史君 刑法、法律でこういうものを禁じているというのは、今、推進派の方々は、いろいろ対策を取ると、依存症対策なり対策を取ると、だからいいんだと、できるんだと。この論理が間違っていまして、そういう対策が取れないものというのがあるんですね。対策を取ったって防止できないものというのが世の中にあるわけです。そういうものを法律で禁じる、刑法で禁じるという、長い、いろんな事件あるいは歴史的な経過を踏まえて、対策を取っても防止できないから、犯罪が防止できないから、副次的なものが、犯罪が防止できないから法律で禁じたという経過があるんですね。
 法務大臣、そういうことじゃないんですか。対策取れないから禁じているんじゃないですか。
○国務大臣(松島みどり君) 法務省といたしましては、これまでも、刑法を所管する立場から、目的の公益性、運営主体等の性格、収益の扱い、射幸性の程度、運営主体の廉潔性、運営主体の公的管理監督、運営主体の財政的健全性、副次的弊害の防止、こういったような点に着目し、賭博に関する立法について意見を申し上げてきたところでございます。
○大門実紀史君 まだよくお分かりになっていないんだと思います。
 賭博の禁止されたのは、西暦六八〇年ぐらいですか、持統天皇がすごろく禁止令というものを出されて、それから一千三百年ぐらいですか、ずっと続いている、それぐらいのものなんですね、日本では。民営賭博というのはそれぐらいの長い間禁じられていることなんですね。それをこんな軽々しく、金もうけちょっとしたいからといって解禁していいのかということなんですよね。そういうふうにきちっと重く捉えなきゃいけない問題だということであります。
 総理は、成長戦略の中にこの賭博の解禁を入れられたと。成長戦略の柱になると、シンガポールを視察されたんですか、柱とおっしゃったのか目玉とおっしゃったのか分かりませんが、これ、なぜ賭博場の解禁が成長戦略なんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 統合型リゾート、いわゆるIRについては、私も五月にシンガポールを訪れた際に視察をしたところでございます。会場が併設をされておりまして、家族連れで楽しめる水族館があったりと、総合的なリゾート施設となっておりまして、言わば、面積でいえばいわゆるカジノは三%にすぎないわけでありまして、観光振興や雇用創出といった効果は非常に大きいということを実感したところでございます。
 リー・シェンロン首相からもいろんなお話を伺ったわけでありますが、これはまさにシンガポールにおいても大変な議論があったところでございます。そこで、シンガポールにおいても、ギャンブル依存症や治安の問題などについて慎重に検討を重ねた上、厳格な対応が行われているということも印象に残ったわけでございまして、我が国においても、IRが観光振興、地域振興、産業振興等に資することが期待される一方で、カジノについては治安や青少年への悪影響等の観点から制度上の措置の検討も必要であると思います。
 このため、政府としては、現在国会で審議中のIR推進法案の状況やIRに関する国民的な議論を踏まえ、関係省庁で検討を進めてまいりたいと考えております。
○大門実紀史君 IR施設の収益の八割は賭博場ですよ。みんなそういう試算を出しているんですよ。
 それと、ちょっと基本的に何か勘違いされていると思うんですけれど、この賭博場は別に物づくりでもなければ純粋なサービス業でもないんです。新たな付加価値を生み出すんじゃなくて、つまり人の金を巻き上げるだけなんですよ。そうなんですよ。いや、本当にそうなんですよ。賭博というのはそういうものなんですよ。だから禁じられているんですね。
 だから、普通、人々の暮らしを豊かにする、付加価値を生み出して、それなら成長戦略とか経済対策という言い方は分かるんですけれども、なぜ人の金を巻き上げて経済対策なんですか。説明してくれますか。
○委員長(岸宏一君) 甘利大臣。(発言する者あり)
○国務大臣(甘利明君) 成長戦略の担当大臣です。
 賭博場をギャンブル場と言われますけれども、IR、インテグレーテッドリゾートなんです、統合型ということです。つまり、それは求心力の一つにはなりますけれども、その周辺をいろいろ整備をすることによって観光資源として力を持ってくると。これは、ラスベガスでもどこでもカジノだけであれだけ集客はないんですね、家族が楽しめるというコンセプトでつくっているわけでありますから。
 ですから、観光立国を目指す上でも、これをみすみす、シンガポール、シンガポールは相当GDPに貢献をしているはずです、人の金を右から左へ取っているだけであんなことにはなりません。それは、外からたくさん人を引っ張っているということですよ。そういうことを通じてGDPに貢献をしているという、その点から今検討がなされているということであります。
○大門実紀史君 総理に。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさに先ほど申し上げましたように、統合型リゾートでございますから、面積にして三%、九七%はほかの施設でありますが、そういう形で、どちらにしろ投資が起こるわけでありますし、それによって大きな雇用が創出されるのも事実でございます。
 シンガポールにおきましては顕著に観光客は増えているわけでありますし、観光客がやってきて、そこだけではなくて、他の観光地も回り消費をするということが見込まれるわけでありますから、これは当然経済成長にも資するものだと考えております。
○大門実紀史君 だから、人の所得をこちらに奪っただけでどうして経済成長になるんですかと。
 附属でホテルを造ったり、カジノの建設、それは確かに新たないろいろなものを生むかも分かりませんけれども、雇用されるという話も、結局、そこで雇用された人数の何倍もの何倍ものギャンブル依存症を生んでその人たちの人生が奪われるわけですから、雇用だって普通の事業と同じようにカウントしちゃ駄目なんですよね。
 資料を用意いたしましたけれども、何か外国人限定でやるという話がちょっと聞こえてまいりますけれども、外国人ならいいのかという話もあるんですよね。外国人なら巻き上げていいのと。そのどこがおもてなしなんですか。外国人から金を巻き上げて何でおもてなしになるわけ。
 日本の今のカジノの試算は、ほとんど日本人をカウントしております。これは、大阪の賭博場推進に熱心な大阪商業大学というのがあるんですけれども、そこの研究所が試算したものでありまして、大阪のベイエリアにカジノをつくると。周辺六十キロ圏内、大阪、私のふるさとの京都、神戸、和歌山、この辺りに住む日本人の成人一千五百五十万人中、カジノに九十一万人が来る想定であります。
 問題は、この計算が何を意味しているかといいますと、九十一万人が来て平均四万円消費をすると。これは、もちろんカジノですから、一晩で家や会社を失う人もいるわけですから、一回だけスロットをやって帰っちゃう人もいるわけですから、平均ですけれども、一人四万円消費をするという計算になっています。
 要するに、六十キロ圏内の住人から四百十五億所得を吸い取るという話なんですね。この試算は、しかも九十一万人が繰り返し来るということでありますから、つまりリピーターを想定していて、リピーターというのはギャンブル依存症でありますけれども、依存症になる人を想定した計画だということであります。
 日本人ということでいえば、関係者はみんな日本人がターゲットだと言っているわけでありまして、例えばこの大阪商業大学の学長さんの谷岡さんは、毎日新聞で堂々と、高齢者のたんす預金などが世の中に出てくると、カジノを通じてね。高齢者の今持っておられる資産まで狙われているということであります。言わば、もうギャンブル依存症製造計画みたいなものなんですよね。何がこれが経済対策なのかと、恥ずかしくないのかと私思います。
 ですから、カジノというのは経済対策という名に値しないと。しかも、社会的コストが大変掛かると、依存症対策ですね。そして自己破産する、そういう社会保障給付とかですね。これは、韓国ではその費用が依存症対策含めて七兆円以上掛かっているというふうに言われております。そんなことは一切カウントなしに、何かこういうことばっかりでみんな浮き足立っているというのが今の状況ではないかというふうに思います。
 ギャンブル依存症は今でも深刻な事態にありますが、厚労省が調査をされておりますので、ちょっと報告してくれますか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 平成二十五年度の厚生労働科学研究におきまして、成人の飲酒等実態調査という調査の中で、成人男女四千人に面接調査を行った結果として、ギャンブル依存の疑いのある人は成人全体の四・八%、男性の八・七%、女性の一・八%、人数にして五百三十六万人と推計されると報告されています。
 ただ、この数値については調査対象にパチンコやスロットなどの遊技を含んだ調査に基づく結果であり、あくまで研究結果の一つとして承知をしているところでございます。
○大門実紀史君 今でも公営ギャンブル等々、パチンコ等々でそれだけの依存症が発生しているということでありますから、これに賭博場を解禁したらもう倍加してしまうということであります。これが今一番広がっている懸念だというふうに思いますけれども。
 次のパネルで、このカジノを推進してきた議員連盟というのがございます。全体で二百人ぐらいの議員連盟でございますけど、安倍内閣の大臣と副大臣の方と議員連盟の役員の方をお名前を挙げておりますけれども。
 私、麻生大臣に、副総理に以前、金融担当大臣でございますので、多重債務対策をやっていらっしゃる立場からするとやっぱりこれ相反するんじゃないかということで、最高顧問をやっていらしたんですけれども、良識ある判断をされて降りられて、そして議員連盟も退会されたということでございます。
 総理も、最高顧問まだ載っていますけれども、総理は多重債務だけじゃなくて依存症対策、そして青少年の健全育成全ての総責任者だと思うんですけれども、総理大臣とこの賭博場解禁議員連盟の最高顧問というのは相反するんじゃないですか。一議員ならいいですよ、一議員でやっていらっしゃるのは自由ですよ。総理大臣としては合わないんじゃないですか。ふさわしくないんじゃないですか。お辞めになるべきだと思いますが、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 御指摘もごもっともかもしれませんので、私、いろんなところの顧問をやっておりますが、そういう意味におきましては最高顧問は辞めさせていただきたいと思います。
○大門実紀史君 厚労大臣と、じゃ、下村大臣、いかがですか。
○国務大臣(下村博文君) 私、総理とは別の機会にやはり五月にシンガポールに行ってまいりました。今世界百か国以上で実際カジノ解禁されておりますが、それぞれ国の歴史によって中身も相当違う部分があります。
 シンガポールで国際観光、統合産業としてのカジノ解禁された後、教育関係者がどんな意見を持っているかということをそのときもちょっとお聞きしましたが、導入のときには国論を二分するような賛否両論、激しい議論がずっとあったと。しかし、実際に導入された後、世界で最先端の依存症対策や犯罪対策や、あるいはいろんなことの中で、今その問題はクリアされているということを教育関係者の方々は言われておりました。
 ですから、要はどう活用するかという知恵の問題であるというふうに思いますし、私は、そういう意味ではこれから顧問を辞めるというつもりはありません。どう活用するかということだと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 私は最高顧問でも顧問でもありませんので、平のメンバーでございます。
 元々私がこれに入ったのは、カジノもさることながら、やはり国際観光産業振興議員連盟ということで、元々、例えば見本市をやる場も少ない、それからコンベンション、国際会議を開く大きな場所も少ない。そういう中で、なかなか日本に海外の人も来てくれないというような中で、どうやってこのIRを子供でも来れるような、日本でも競馬には子供連れで随分たくさんの人が行っているようでありますけれども、私自身は余りそっち方面は関心が薄い方でありますが、それでもやはり国際の観光産業としては何らかの形でこういうものは、外国の人も来てくれるようなところは必要だということなので、肩書は特にございませんので、現状のままでいきます。
○大門実紀史君 本当にもっと勉強させていただきたいなと思うんですね。
 下村大臣、そこまでおっしゃるんだったら、シンガポールで今どうなっていますか、依存症、どれだけ増えているか言ってください。
○国務大臣(下村博文君) 教育関係者の話ですと、外国人とそれから国内人で対応を別にしていると。国内人、つまりシンガポールの方の話ですと、まず入場料が必要だと。一回、日本円で約一万円ぐらい掛かるそうでありますが、その中で、IDカードを使って、シンガポールでは依存症とかそれから生活保護あるいは犯罪歴のある方、こういう方々は入場できないようになっているというふうに聞いております。
○大門実紀史君 もう時間がないので簡単に紹介しますと、シンガポールでは今、国内の、シンガポールの人ですけれども、低所得者層の自己破産が続出しておりまして、入場制限措置が二十万人を超えております。自己破産申請も一・五倍になっております。
 こういうことも分からないで、知らないで、何でそうやって推進のことばっかり言っているのか。ちゃんと勉強すべきですよ。何考えているんですか、この内閣は。総理がちゃんとちょっと考えるとおっしゃっているのに、引き続き続けるとは何事だと申し上げたいというふうに思います。
 もうこんな経済対策に値しないことをこんなところで議論するよりも、やめて、もっとまともな経済対策を議論したいというふうに思いますし、これは各党の中でも御意見がいろいろあるようでございますから、良識の判断をしてもらって、ここで解禁してしまうと、最初は外国人限定であっても必ず日本人に広がることになりますので、世界の例がみんなそうなっておりますから、断固みんなで阻止したいということを呼びかけて、私の質問を終わります。
○委員長(岸宏一君) 以上で大門実紀史君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、福島みずほさんの質疑を行います。福島みずほさん。
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 夏の土砂被害、そして御嶽山の被害、台風の被害で犠牲となられた皆さんに心から哀悼の意を表します。また、被害に遭われた皆さんに心からお見舞いを申し上げます。また、今頑張っていらっしゃる皆さんに心から敬意を表します。
 また、社民党の元党首土井たか子さんが亡くなりました。土井さんの護憲の思いをしっかり受け継いで、社民党、しっかり頑張ってまいります。
 初めに、集団的自衛権と後方支援と日米ガイドラインについてお聞きをいたします。
 集団的自衛権の行使は違憲です。憲法九十八条は、違憲の国務行為は無効であると規定をしています。よって、閣議決定は無効です。集団的自衛権の行使が問題なんですが、もう一つ、それに当たらなくても後方支援という形で自衛隊が行ける地域が非常に拡大をするという問題があります。まず、それについてお聞きをいたします。(資料提示)
 今までの、従来の、七月一日までの政府の見解、非戦闘地域と戦闘地域について定義を教えてください。
○国務大臣(江渡聡徳君) お答えいたします。
 今回の閣議決定では、いわゆる武力の行使との一体化論、それ自体は従来どおり前提として考えているわけであります。その上で、その議論の積み重ねを踏まえつつ、これまでに自衛隊が実際に行ってきた活動の経験、国連の集団安全保障措置の実態等を勘案すれば、他国が現に戦闘行為を行っている現場ではない場所で実施する補給、輸送などの我が国の支援活動については、当該他国の武力の行使と一体化するものではないというふうに判断するに至ったわけでございます。
○福島みずほ君 総理、これ、戦闘地域と非戦闘地域に関して、今までは、現に戦闘行為が行われていないが、活動期間中に戦闘行為が行われる可能性があるところは戦闘地域として活動できないとされてきました。それが今度は活動できるとなったということでよろしいですね。
○国務大臣(江渡聡徳君) お答えさせていただきたいと思います。
 新たな政府見解に至る過程において、政府としては、具体的に何が武力の行使と一体化する行為なのかを明確にし、どのような後方支援が可能であるか検討を行ってきたところでありまして、その結果、これまでに自衛隊が実際に行ってきた活動の実経験、国連の集団安保の実態等を勘案すれば、他国が現に戦闘行為を行っている現場ではない場所で実施する補給、輸送などの我が国の支援活動については、他国による武力の行使とは一体化するものではないという判断に至ったわけでありまして、そこで先生の方のお話でありますけれども、御指摘の、現に戦闘行為を行っている現場やあるいは活動期間中に戦闘行為が行われる可能性がある場所での後方支援等々については、他国の武力の行使と一体化するおそれがあるため、立法上自衛隊の活動は実施しないとしてきたわけでありますけれども、憲法上明確に実施できないと整理してきたわけではありません。
 従来、憲法上実施不可とされてきたものを憲法上実施可能としたわけではなくて、立法上実施しないとしてきたものについて見直すものであり、憲法違反というわけではございません。
○福島みずほ君 次の図をちょっと見てください。
 ということは、今までは点線のこちら側でしかできなかった、それが、赤線でばっと引きましたけれども、ドンパチと戦場になっているところの後方支援ができる。この理解でよろしいですね、総理。
○国務大臣(江渡聡徳君) お答えしたいと思いますけれども、それは福島先生が急にびっと引いているわけでありますけれども、多分それは事例の四の話ではないのかなというふうに思いますけれども、その示された部分の資料の引かれた矢印というのは、まあ多分、先生独自で引いたものであると思っておりまして、その点については政府の見解ではございませんで、具体的にこれからどのようにするかということは、特にどのような枠組みで支援活動を行うかについては検討中でございますけれども、それはちょっと極論ではないのかなと私は思っておるところでございます。
○福島みずほ君 おかしいですよ。だって、現に戦闘行為でなければ後方支援できるとしたら、あの矢印のところまで自衛隊が行けるということでいいんじゃないですか。
○国務大臣(江渡聡徳君) お答えします。
 先ほども答弁させていただいたとおり、今政府の方として検討中でございます。
○福島みずほ君 さっきこれがそうだとおっしゃったじゃないですか。現に戦闘行為が行われていないが、活動期間中に戦闘行為が行われる可能性があるところは活動できる、これが政府の見解ですね。だとしたら、さっきのドンパチやっている戦闘行為以外のところまで自衛隊は行き得る、可能性として行ける、それはいかがですか。
○国務大臣(江渡聡徳君) お答えしたいと思います。
 先般の閣議決定におきましては、これまで自衛隊が実際に行ってきた活動の経験等を踏まえまして、現に戦闘行為を行っている場所ではない場所で実施する支援活動については武力の行使と一体化するものではないというふうな判断に至っているというところでございます。
○福島みずほ君 それでは、さっきの図はあのとおりでよいのか。それから、こちらの図で示したところで、戦闘行為に行ってはいないが、そのごく近くまで自衛隊は行き得る、これでよろしいですね。
○国務大臣(江渡聡徳君) お答えしたいと思います。
 先ほどもお答えいたしましたけれども、同じように、侵略行為に対抗するための国際協力としての支援の、それじゃない、前の図ですね、先生が御指摘したのは。それの部分におきましては、あくまでも今政府の方におきましてどのような枠組みで支援活動がきちんとできるかということについて検討中だというふうに述べさせていただきたいと思います。
○福島みずほ君 閣議決定して勝手なこと言わないでください。
 では、これは正しいですか。今までできなかったことができるようになる、二段目、ブルーのところです。これはこれでよろしいですか。
○国務大臣(江渡聡徳君) お答えさせていただきたいと思います。
 先ほどもお答えさせていただいたわけでありますけれども、一枚目のその表ですけれども、従来の政府の見解の二段目がバツで活動できないとされておりますけれども、これはある意味正しくはありません。
 従来、活動期間中に戦闘行為が行われる可能性がある場所については武力の行使と一体化するおそれがあったので、後方支援の可否については慎重を期していたと。すなわち、活動できないのではなくて、政府の判断として活動しないこととしてきたわけでありまして、先般の閣議決定におきましては、これまでに自衛隊が実際行ってきた活動の経験等を踏まえまして、現に戦闘行為を行っている場所ではない場所で実施する支援活動については武力の行使と一体化するものではないという判断に至ったものでございます。
○福島みずほ君 政府の解釈によって二段目も活動できないと解釈してきたということなんですね。
○国務大臣(江渡聡徳君) 何度もお答えするような形になるわけでありますけれども、これまで自衛隊が実際に行ってきた活動の実経験あるいは国連の集団安全保障の実態等を勘案すれば、他国が現に戦闘行為を行っている現場ではない場所で実施する補給、輸送などの我が国の支援活動については他国による武力の行使と一体化するものではないという判断に至ったと。
 そして、その後で先生が示された事例集……(発言する者あり)ですから、御指摘にあったこの戦闘行為という部分に対してはですけれども、他国の武力の行使と一体化するおそれがあるために立法上自衛隊の活動は実施しないとしてきましたけれども、憲法上明確に実施できないと整理してきたわけではないわけであります。
 ですからこそ、従来、憲法上実施不可とされてきたものを憲法上実施可能としたわけではなくて、立法上実施しないとしてきたものについて見直すものであるということで、憲法違反等々の先生のお話では当たりませんということであります。
○福島みずほ君 憲法上どうかということを聞いているのではないんです。私たちはこれは違憲だと思いますが、憲法上ではなく、今までの政府見解で、ブルーのところで、今まで活動できないことが今後新たな政府の見解では活動できるとなっている。これは正しいですか。
○国務大臣(江渡聡徳君) お答えさせていただきたいと思いますけれども、先ほどから何度もお答えしているわけですけれども、具体的にはどのような枠組みで支援活動を行うかということについては現在検討中でございます。
○福島みずほ君 いや、閣議決定の結果を聞いているんです。立法ができなければできないのは当然ですが、閣議決定の結果、今までできなかったことができることになったんですねという確認を取ろうとしているんです。
○国務大臣(江渡聡徳君) お答えしたいと思います。
 ですから、先生に何度もお答えさせていただいているわけでありますけれども、あくまでも、この閣議決定という部分においては、これまで自衛隊が実際に行ってきましたこの活動の経験等を踏まえまして、現に戦闘行為を行っている場所ではない場所で実施する支援活動については武力の行使と一体化するものではないと判断するに至ったというところでございます。
○福島みずほ君 イラク特措法二条がありますが、このときの見解はどうだったんですか。今のことを聞いているんじゃない。今できないのは当然ですよ。
○国務大臣(江渡聡徳君) お答えしたいと思います。
 これも先ほどお答えさせていただいたわけでありますけれども、御指摘のこの特措法等々のときにおいては、他国の武力の行使と一体化するおそれがあるため立法上自衛隊の活動は実施しないとしてきたわけでございます。
○福島みずほ君 いや、イラク特措法では、非戦闘地域は、現に戦闘行為が行われていないだけではなく、活動期間中に戦闘行為が行われる可能性があるところはバツ、活動できなかったわけです。ところが、今の政府の閣議決定、七月一日は、現に戦闘行為を行っている地域のみバツと言っているわけです。
 そうすると、今まで活動できなかったところが新たな政府の見解でできるようになりますねという確認を取りたいんです。これが正しいか正しくないかだけ答えてください。
○国務大臣(江渡聡徳君) 先生の方にお答えさせていただきたいと思いますけれども、先ほどから何度も御答弁させていただいているわけでありますけれども、具体的にはどのような枠組みで支援活動がきちんと行うか、形については今検討中でございます。
○福島みずほ君 答弁じゃないです。
 閣議決定で現に戦闘行為を行っている地域以外では後方支援ができるとなっているので、こう変わりましたねという確認答弁をしたいんです。どうしてはぐらかすんですか。
 じゃ、この図は正しいか正しくないか、それだけ答えてください。
○国務大臣(江渡聡徳君) 先ほどその図の方で私も……(発言する者あり)あっ、表ですね。申し訳ございません。表でお答えさせていただいたわけでありますけれども、その従来の政府の見解の二段目がバツで、活動されていないというふうに、そういうふうに書いてありますけれども、それは正しくございません。
 従来、活動期間中に戦闘行為が行われる可能性がある場所については武力の行使と一体化するおそれがあったので、後方支援の可否について慎重を期していた、すなわち、活動できないのではなくて、政府の判断で活動しないという形にしていたのだということでございます。
○福島みずほ君 じゃ、イラク特措法二条との整合性はどうなるんですか。
○国務大臣(江渡聡徳君) お答えさせていただきたいと思います。
 先ほども答弁させていただいたわけでありますけれども、イラク特措法のときには、他国の武力の行使と一体化するおそれがあるため、立法上自衛隊の活動は実施しないとしてきましたけれども、憲法上明確に実施できないと整理してきたわけではないわけであります。御理解いただきたいと思います。
○福島みずほ君 いや、イラク特措法のときの、では解釈と今回変えるということでよろしいんですね。
○国務大臣(江渡聡徳君) お答えしたいと思います。
 先ほどと同じ答弁になるわけでありますけれども、ある意味、今までは一体化のおそれがあったればこそ立法の措置として判断しなかったということで、憲法上の関係で判断しなかったということではございませんということであります。
○福島みずほ君 今までと考えを変えなかったということなんですか。
○国務大臣(江渡聡徳君) お答えさせていただきたいと思います。
 あくまでも武力の一体化というそのおそれがあるために、そのために立法上の形として判断させていただいたということで、憲法上の判断をしていたわけではないということでございます。
○福島みずほ君 憲法上でなく、法律上の判断は変わったんですか、変わらないんですか。
○国務大臣(江渡聡徳君) お答えさせていただきたいと思いますけれども、これも福島先生に何度もお答えさせていただいたわけでありますけれども、具体的にはどのような枠組みで支援活動を行うかについては現在検討中でございます。
○福島みずほ君 閣議決定をやったから、その中身を聞いているんです。
 明らかに今まではあの点線の中しかいれなかった。しかし、閣議決定は現に戦闘行為を行っているところの後方支援ができるとしているので、自衛隊が出かけられるところが格段に広がっているんですよ。それを認めるか認めないかを聞きたいんです。
○国務大臣(江渡聡徳君) お答えしたいと思います。
 今先生、その点線とおっしゃられましたよね。それはあくまでも事例集でございまして、これまでの整理を便宜的に分かりやすく図にしたものでございます。
 御指摘のような多国籍軍の補給拠点への後方支援がこれまで許されなかったというわけではございません。例えば、イラクにおける活動について言えば、そのような場所が非戦闘地域、つまりある一定期間通じて戦闘が行われない地域、非戦闘地域に該当するのであれば、自衛隊の活動は実施可能でございました。例えば、航空自衛隊は多国籍軍の拠点空港であったクウェートのアリ・アルサレム飛行場やイラクのバグダッド飛行場においても活動を行ってきた実績もございます。
○委員長(岸宏一君) そろそろお二人の議論は、この点についてはおまとめ願いたいと思います、お二人とも。
○福島みずほ君 この点は、明らかに今戦場にある地域以外の後方支援ができるのであれば、やっぱり自衛隊の行けるところは拡大するじゃないですか。
○国務大臣(江渡聡徳君) お答えさせていただきたいと思います。
 何度も繰り返しになるかもしれませんけれども、現在そのことについては検討中でございます。これから法律を、出た段階においてこの辺のところも御議論していただければ有り難いなと思っております。
○福島みずほ君 戦闘地域を戦場と変えて閣議決定しながら、この説明はひどいと思います。はっきり答えるべきですよ、地域が拡大するって。この点については今後も追及をしていきます。
 今日、日米新ガイドラインの中間報告が出るんですか。
○国務大臣(江渡聡徳君) 今先生の御質問ですけれども、そのことについてはお答えを控えさせていただきたいと思います。
○福島みずほ君 なぜですか。
○国務大臣(江渡聡徳君) お答えしたいと思います。
 ガイドライン見直しに関する中間報告につきましては米国との協議を精力的に行っているところでございまして、その内容等については調整中でございます。既に日米間で合意済みというような話もございませんので、今日が出る云々の先生のお答えに対しては、お答えができないというところでございます。
○福島みずほ君 事務方は昨日、本日夕方、米国との間でSDC局長級会議を開催し、中間報告発表について最終判断する。場合によっては、これあり得るということじゃないですか。今日やるんですか。いつ発表するんですか。日米ガイドラインの中間報告はどんなスケジュールでしょうか。
○国務大臣(江渡聡徳君) お答えさせていただきたいと思います。
 現在調整中でございますので、今の段階でいついつということをお答えできる状況ではございません。
○福島みずほ君 今日記者会見するという予定はないんですか。
○国務大臣(江渡聡徳君) お答えさせていただきたいと思います。
 先ほどから何度もお答えしているわけでございますけれども、現在調整中でございます。
○福島みずほ君 周辺事態は削除するんですか。
○委員長(岸宏一君) ちょっともう一回質問してください。
○福島みずほ君 日米ガイドラインで周辺事態法に言う周辺事態を削除するんですか。
○国務大臣(江渡聡徳君) お答えさせていただきたいと思います。
 今まだ調整中でございまして、先生が、削除する削除しない、その辺のところもまだ決定もいたしておりません。
○福島みずほ君 そういう議論はしているんですか。
○国務大臣(江渡聡徳君) お答えいたします。
 具体的な中身のことはお答えできませんけれども、日米防衛協力のことについて様々な点で議論はさせていただいております。
○福島みずほ君 この日米ガイドラインは極めて問題だと思います。周辺事態が削除をされるのではないかという報道があったり、あるいは閣議決定に合わせてもし様々な点を変えるのであれば、来年の通常国会で様々な法律が出てくると言われている。だとすると、ここ国会です。法律を改正する前に日米ガイドラインを作る、で、締結するのは問題ではないですか。違法のことを、まだ法律があるのに、その法律に反することを日米ガイドラインで決めるのは国会軽視、法律違反じゃないですか。
○国務大臣(江渡聡徳君) 日米防衛協力のための指針、ガイドラインのこの見直しについては、先般のことについての閣議決定において示された、国民の命と平和な暮らしを守り抜き、国際社会の平和と安定にこれまで以上に貢献するとの方針を踏まえて、自衛隊と米軍の協力の在り方について今現在検討させていただいているところでございます。
○福島みずほ君 質問に答えていません。何答えているんですか。
 総理、現行法と矛盾するんではないかということについてはどうですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) このガイドラインの見直しについては、先般の閣議決定において示された、国民の命と平和な暮らしを守り抜き、国際社会の平和と安定にこれまで以上に貢献するとの方針も踏まえて、自衛隊と米軍の協力の在り方について検討しているところであります。
 前回の見直しは一九九七年、前回一九九七年の見直し以来、一層厳しさを増しているこの安全保障環境のみならず、海賊やテロや宇宙及びサイバー空間といった新たな戦略的領域での課題も適切に対応できるように見直しを進めているところでございます。日米同盟のこの抑止力を向上させていく考えでありまして、これが法律違反というのが、ちょっと私意味がよく分からないわけでございますが、そういう我々も不断の努力をしていかなければならないと、このように考えているところでございます。
○福島みずほ君 閣議決定を基に日米ガイドラインを作り、仮に例えば周辺事態を削るとか様々、今の現行法でできないことを日米ガイドラインで決めるんだったら、それは法律違反でしょう。法律に明確に違反している。法律に違反していなければ、法律を作る、改正する必要は来年ないからです。法律を改正する、国会できちっと議論する前に勝手に日米ガイドラインを政府間で作ってこれを認めろというのは国会軽視であり、民主主義に反します。断固認めることはできません。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 法律に違反することは自衛隊はできないわけでありますから、そもそもそれはあり得ないことであります。
○福島みずほ君 質問を理解していらっしゃらないと思います。
 来年、法律を改正する、日米ガイドラインに従ってだったら、日米ガイドラインは今の法律に反している可能性があるじゃないですか。
○国務大臣(江渡聡徳君) お答えしたいと思います。
 今回のこのガイドラインの見直しにおきましても、日本の全ての行為は、憲法及びその時々において適用のある国内法令に従って行われている基本的な前提というものは維持されるわけでございます。
○福島みずほ君 そうしたら、来年法律改正する必要ないですよね。だって、ガイドラインが法律に合致しているんだったら、法律変える必要ないじゃないですか。論理的にはそうなりますよ。やっぱりおかしいですよ、このやり方は。違憲の閣議決定して、日米ガイドライン作って、違法で、来年法律作る、このやり方に強く抗議をします。
 次に、女性の活躍についてお聞きをします。
 選択的夫婦別姓について、五人の女性閣僚、それぞれ賛成か反対か教えてください。
○委員長(岸宏一君) 全員ですか。
○福島みずほ君 はい。女性閣僚に。
○委員長(岸宏一君) 女性閣僚の皆さん、そういうことです。
 まず、高市総務大臣。
○国務大臣(高市早苗君) 失礼いたします。
 現在の安倍改造内閣におきましては、いわゆる選択的夫婦別姓制度について、それを法律を変えて導入するかしないかということについては決まっておりません。
 今日、テレビを御覧の皆様もおいででございます。福島委員は法律家でいらっしゃいますので、十分御承知の上での御質問かと思いますけれども、基本的に夫婦別姓というものと通称使用というものは別物でございます。
 私の場合は、本籍名が山本早苗と申します。婚姻、今の日本の民法及び戸籍法におきましては、法律婚をしている夫婦というのは夫婦同姓、戸籍上は同じ姓になります。その上で高市という通称を使用して、社会活動、また職場での活動をさせていただいております。
 これを夫婦別姓にしようと思いますと、戸籍法、また民法を改正するか、そのための法律を新たに作らなければいけません。夫婦、親子同姓、ファミリーネームを維持した上で通称使用をしているというのが、私も含めて何人かの女性の活動形態かと思います。
 こういったことについて女性の活躍というお話でございましたので、そういう形での活躍というのもできるんじゃないかなと思うんですが、それでもまだ不十分かどうかということで、法改正の是非につきましては、これはまた第二次改造安倍内閣の中ではまず法務省で一義的に検討されまして、内閣としての結論が出ましたら、閣僚としてそれに従わせていただきます。
 以上です。
○国務大臣(小渕優子君) この議論については、これまでも長くいろんなところで議論が進んできたことと思います。私自身が賛成か反対かということ以上に、国民の中でどのような議論が進んでいくのか、それが大事ではないかと思っております。しっかり見極めてまいりたいと考えております。
○国務大臣(山谷えり子君) 夫婦別姓選択制については国民的議論が様々あると存じております。国務大臣としての答弁は控え、内閣の方針が出れば従いたいと思います。
○国務大臣(有村治子君) お答えいたします。
 現在、国務大臣としての職責をお預かりしておりますので、御質問いただいた件について持論を表明することは自粛いたします。なお、当然のことながら、国務大臣として内閣の方針を尊重し、従う立場にございます。
 国民に広く関わる課題でありまして、今を生きる私たちの世代のみならず後世の社会のありように大きな影響を及ぼす課題でありますので、まずは第一義的に所管を担われている法務省における対応、国民意識の動向の推進をしっかりと見ていきたいと思っております。
○国務大臣(松島みどり君) 最後になりましたが、民法を所管している法務大臣として答弁させていただきます。
 選択的夫婦別氏制度を導入するためには民法を改正する必要が生じまして、このための民法改正につきましては、我が国の家族の在り方の根幹に深く関わるものであり、世論調査の結果などを見ましても国民の意見が大きく分かれているところであります。
 したがって、法務省といたしましては、現在、民法改正による選択的夫婦別氏制度の導入はできないと考えております。
○福島みずほ君 いや、極めてがっかりです。
 松島さんは九月五日の記者会見で、旧姓では銀行口座を開設できないなど、女性が働く中で不便を感ずる人が増えているとおっしゃっているじゃないですか。選択的夫婦別姓に、困るから賛成って国会でも発言していらっしゃるじゃないですか。
 御自身は夫婦別姓選択制、賛成なんじゃないですか。
○国務大臣(松島みどり君) 私が申し上げましたのは、民法改正を伴う選択的夫婦別氏制度の導入のことではなく、一般的に通称使用のことであります。なお、銀行口座につきましては、銀行協会等によりますと各銀行によって差があるようですので、一部訂正させていただきます。
 なお、今女性が職場へ進出するに当たって、進出が進んでいます中で、いろんな場面で通称の使用が認められることが拡大されてまいりました。それは良いこととして、ただ、仕事の範囲によって、仕事の種類によって、通称拡大がまだ不十分で困っている問題があるのかどうか、それはそれぞれの職場なりそれぞれの所管庁でまた調査を進めていただきたいものだと思っております。
○福島みずほ君 有村さんは国際結婚で夫婦別姓ですが、夫婦別姓選択制に反対、高市早苗さんと山谷さんは、御自身は通称使用だけれども、選択的夫婦別姓に反対という理解をしているんですが、それでよろしいですね。
○委員長(岸宏一君) じゃ、高市大臣から。
○国務大臣(高市早苗君) 先ほど申し上げましたが、通称使用と選択的夫婦別姓は別物です。夫婦別姓を実現しようと思いましたら、現在の民法及び戸籍法を改正しなければなりません。
 私は、法律上、夫婦同姓でございます、法律婚をいたしておりますので。その上で社会生活で通称を使っているということでございます。賛否につきましては内閣の方針に従います。
○国務大臣(有村治子君) 委員の御指摘のことは事実には基づいておりません。私は、マレーシア出身の男性と結婚をして、国際結婚はしておりますけれども夫婦同姓でございます。当然日本国籍を取得しておりまして、そのときに有村ということで、両方が有村を合意の上で、両性の合意によって夫婦同姓を貫いております。
○福島みずほ君 山谷さんは民主党のときは選択的夫婦別姓に賛成でいらっしゃいましたが、今、家族解体法だと、選択的夫婦別姓について、かつて国会で発言をされています。
 皆さん、通称使用をされている方が多いのに、夫と違う姓を使っていて家族壊れていないですよね。何で家族解体法なんでしょうか。
○国務大臣(山谷えり子君) 民主党は夫婦別姓賛成の党だったと思います。それが原因で私は離党して新党を結成、参加いたしました。私自身は、現在、通称使用をしております。
 あとは、内閣の方針に従いたいと思いますので、国務大臣としての見解は控えたいと思います。
○福島みずほ君 私は、自分は通称使用をしていながら夫婦別姓選択制が家族を解体するものだというのは理解できないんですね。また、自分は通称使用しながら選択的夫婦別姓に反対というのも実は理解ができません。自分は通称使用をして困っていないからというのかもしれませんが、困っている多くの女性を助けるのが立法機関じゃないですか。法律を、ここは国会なんだから、困っている、働きやすくする、そのことをやるのが国会だと思います。
 総理、なかなか難しいかもしれませんが、女性の活躍と言うのであれば、研究者や働いている人、途中で名前変わるの大変です。選択的夫婦別姓の導入について是非前向きに検討していただきたい。いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) いわゆる選択的夫婦別氏制度の導入の問題は、我が国の家族の在り方に深く関わるものであり、国民の間にも様々な意見があることから、慎重な検討が必要であると、このように考えております。
○福島みずほ君 ちょっと食い下がって済みません。山谷さん、選択的夫婦別姓はなぜ家族解体法なんですか。
○国務大臣(山谷えり子君) 家族観について、国務大臣としてのコメントは控えさせていただきます。
○福島みずほ君 通称使用して、夫と違う姓使っていて、家族壊れていないですよね。私は、やっぱり法律改正を国会はすべきだと思います。また、女性の活躍を言いながら選択的夫婦別姓に反対するのは矛盾であると、まやかしだと思います。
 また、長時間労働の規制をすべきホワイトカラーエグゼンプション、いわゆる男性の働き方も含めて長時間労働の規制をすべきなのに、長時間労働の規制を撤廃することを審議会で議論している、全く真逆だと思います。
 また、労働法制の規制緩和は大問題、派遣法の改悪で、一生派遣のままという人、とりわけ女性が増えるでしょう。正社員の道が閉ざされる。安倍政権の女性の活躍は、女性の格差拡大であり、本当に女性のためになるのかというふうに思っております。
 次に、原発再稼働についてお聞きをいたします。
 川内原発は、周りにたくさんの、百六十キロ圏内にかつて巨大な噴火があったものだけで五つ存在しています。巨大噴火の前兆を捉えた例はありますか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 巨大噴火という定義ですが、噴火もいろんな規模がありますので、様々な噴火があると思います。
 それで、川内原発について申し上げますと、今先生御指摘のように、百六十キロ半径の山、火山島について調べまして、そのうち活動性のある十四の火山の影響について判断しました。それで、最大の噴火が千二百年ほど前に起こりました桜島の噴火で、そのときに川内原発に十二センチほどの降灰があったということで、今回はそういうことを踏まえて、そういう十五センチの降灰に対しても耐えられるように、そういう対策を求めているということでありまして、いわゆる巨大噴火について前兆を捉えたかどうかということについては、まあ前兆をどういうふうに見るかということですけれども、気象庁等においては一定の前兆を捉えた例もあるとは思いますけれども、いわゆるカルデラ噴火のようなことについてはまだそういう研究は進んでいないと思います。
○福島みずほ君 私の質問主意書の答弁で、「巨大噴火については、その前兆を捉えた例を承知していない」というのが答弁です。実際、火山については本当に前兆など捉えられないんですね。
 それで、政府が作った火山ガイドで燃料棒の搬出が政策として打ち出されています。燃料棒の搬出とありますが、これはどのようにやるというふうに規制庁は理解しておりますか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) ちょっとお答えする前に、先ほどの桜島の噴火、千二百年というのは一万二千年の間違いでした。済みません。
 それで、燃料棒の運び出しですけれども、核燃料ですね、使用済燃料をある程度冷却したものについては輸送容器に入れて運び出すというのが通例でございますので、今回もそういう対策を求めていくということになろうかと思います。
○福島みずほ君 事務方に聞きましたら、具体的方針はない、事業者が適切に対応すると判断し設置許可を出したと聞いておりますが、それでよろしいですか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 運び方とかどういう手順でやるかということについてまでは、今決めているわけではございません。今後、少し詰める必要はあろうと思いますけれども、いろんな方法が今後ともあり得ますので。ただ、先ほど申し上げましたように、使用済燃料の輸送というのは通常行われておりまして、それは輸送容器に入れて運び出すということになっております。
○福島みずほ君 だったら、火山ガイドをクリアしてないじゃないですか。何にも決まっていないんですよ。
 田中委員長は、核燃料の搬出については五年ほど冷やさないと運べないとおっしゃっていますが、それでよろしいですね。
○政府特別補佐人(田中俊一君) まず、少し回り道になって恐縮ですけれども、元々この火山の影響については、これから、今、川内原発であれば三十年もう大体たっておりますので、今後延長運転してもあと三十年ぐらいということで、その期間にそういった火山の影響がない、先ほど申し上げました桜島の噴火のような場合にも対応できる、そういう判断であります。
 ですから、念には念を入れて、一応そういう測定、前兆を捉えるようなことはした方がいいだろうということで、そういうことを求めているわけで、最終的に予知に依存して我々がその許可をしたわけではないということを御理解願いたいと思います。
○福島みずほ君 核燃料の搬出について、田中委員長は記者会見で五年ほど冷やさないと搬出できないと言っているじゃないですか。だから、火山ガイドでいえば、それが低かろうが何だろうが、核燃料の搬出についてこういうふうにやりますと事業者が言うことを、規制委員会がきちっと手順やいろんなことをやらなければ決められないんですよ。にもかかわらず、そう言っている。
 結局、五年以上前に噴火を予測し、止めなければできないということじゃないですか。そんなことはできないですよ。また、搬出先も決まっていません。これだけ火山活動のあるところで巨大噴火の予知は前兆を今まで捉えた例はありません。
 川内原発についてはたくさん問題がありますが、この火山活動の観点からも再稼働は絶対にできないということを強く申し上げ、辺野古の点などいっぱい言いたかったのですが、もう時間ですので、あのきれいな海を埋め立ててはならないと、世界に残る数少ないサンゴ礁群を埋め立ててやるのには断固反対、ちゅら海に基地は似合わないということを申し上げ、質問を終わります。
○委員長(岸宏一君) 以上で福島みずほさんの質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、浜田和幸君の質疑を行います。浜田和幸君。
○浜田和幸君 新党改革・無所属の会を代表して、安倍総理に幾つか質問をさせていただきたいと思います。
 御嶽山の噴火、大変な被害が出ましたけれども、実は先週、アメリカのゴア副大統領と参議院で衆議院の方も含めてお会いしました。そのときに、「不都合な真実」のパートツーということで、世界中で自然災害、中でも火山の噴火があちこちで巻き起こりつつあるということで注意を喚起されました。
 その観点で、北朝鮮に白頭山という世界最大級の火山があります。今から千百年前、日本が平安時代の頃に大噴火をいたしました。そのときの記録を見ると、我が国北海道から東北地方を含めて五センチから六センチの火山灰が降り注ぎ、農業が壊滅的な打撃を受けたことがあります。その白頭山が今まさに噴火の予兆があるということで、北朝鮮だけではなくて世界中が注意を注いでいるわけなんですね。万が一、この白頭山の噴火ということになれば、噴火後十二時間で火山灰が日本に降り注ぎます。東京にも十八時間で降り注ぐ。
 そういうことを考えますと、この白頭山の噴火に関する監視等、万が一起こったときの対策、我が国としてもしっかりとした検討をしておく必要があると思うんですけれども、総理のお考え、危機意識を御表明ください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 委員御指摘の白頭山は、過去においても、十世紀に起こった噴火によって東北地方に約五センチの火山灰の堆積があったとされております。同規模の噴火が発生した場合には、我が国においても降灰による大きな影響が発生する可能性があると考えています。
 火山による大規模降灰への対策として、まず交通機関や産業構造等への社会的影響に関する調査研究を進めた上で、被害を最小化するための事前の備えと、そして降灰時の関係機関の連携、国民の健康確保の在り方等についてよく検討してまいりたいと思います。
○浜田和幸君 総理もそういう危機的な可能性について認識されているということを聞いて安心いたしました。
 実は我が国でも、東北大学の谷口名誉教授、地震学の、火山の専門家ですけれども、この方に言わせると、白頭山が近い将来、東日本大震災に関連して噴火する可能性がある、その可能性は二〇一九年までに六八%、二〇三二年までには九九%ということを指摘されています。また、東京大学の地震研究所でも、白頭山噴火の可能性は極めて高いということで論文も公表されております。いわく、世界で最も危険で活動的な火山の一つだということであります。二〇〇二年以降この白頭山周辺では、中国側の観測でも群発地震が頻繁に起こっているということであります。
 そういうことを受けて、韓国におきましても、釜山大学の尹成孝教授が、中国の火山学者の研究に依拠しながら、二〇一四年、今年から二〇一五年、来年までの間に噴火する可能性が非常に高い、正確な噴火時期の予測は難しいが、近い将来噴火する可能性は非常に高いということを指摘しております。そのこともあって、実は北朝鮮と韓国が合同でこの避難訓練を今行っているんですね。
 そういうことを鑑みますと、先ほど総理が検討するということをおっしゃいましたけれども、具体的に我が国としてどのような形でこの北朝鮮の白頭山の噴火予知と実際起こったときの避難、あるいは復興に対してどのようなことが可能であるとお考えでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、白頭山の状況につきましては、政府としましても関連情報の収集に努めてまいりました。最近の動きとしましては、最も最近で一七〇二年に四回噴火しているということですが、その後活動は静穏化してまいりました。しかしながら、二〇〇二年の中頃に山頂直下の五キロメートルの付近で地震活動が活発化した、こうした観測も伝えられております。
 噴火した場合の影響も含め、自然災害や環境問題といった国境をまたぐ問題について、まずは関係国の連携あるいは協力、これが何よりも重要だと考えております。関係国、御指摘の北朝鮮、韓国以外にも中国あるいはロシア、こういった国が考えられます。こういった国々との関係におきましても、我が国の知見が生かせる、こういった分野があるとしたならば我が国としましても協力をしていきたい、このように考えております。
○浜田和幸君 今、外務大臣から協力の要請があればということでしたけれども、実際、北朝鮮側は既にイギリスのケンブリッジ大学とこの白頭山の噴火対策に関して共同研究を進めております。また、中国の地震局は白頭山周辺にたくさんの観測拠点を設けておりまして、日本と北朝鮮に対して是非とも協力をお願いしたいということを提案をしております。
 そういうことを鑑みますと、外務大臣おっしゃったように、ロシアも中国も韓国も、そして我々日本も、この白頭山の噴火ということに関しては共通の危機感を持って共同対処をするということが必要だと思うんですね。更に言えば、この白頭山の北百キロに中国の原子力発電所も建設中であります。万が一この噴火が起これば、東北で起こった地震が東電に引き起こした事故よりはるかに深刻な事態にも及びかねない。
 そういうことを鑑みますと、今から具体的に日本が提案をしてこの白頭山の噴火に対する共同研究ということをやることによって、日本と中国、日本とロシア、そして日本と北朝鮮の関係改善にも役立つのではないかと思いますが、総理のお考えをお聞かせください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この白頭山の噴火のような自然災害、あるいは環境問題もそうでありますが、国境をまたいでいく問題については関係国との連携や協力が有益だと、このように思います。
 中国及びロシアとの関係においても、我が国の知見、まさに今委員が御指摘になったように、我々は東日本大震災の経験、そして福島第一原発での過酷事故の経験がございますから、そうした知見が生かせる分野があれば我々は協力をしていきたいと考えております。
○浜田和幸君 総理は昨日、ロシアのプーチン大統領、六十二歳の誕生日を迎えられたということで、お祝いの電話をされたと承知しております。
 その中で、懸案のプーチン大統領の日本訪問についても意見を交わされたと承知しておるんですけれども、ASEMとかあるいは北京で開かれるAPECの総会という場ではなくて、安倍総理がプーチン大統領を日本に招請されているわけですから、是非一日も早くプーチン大統領が日本に来られるような、そのことによって平和条約の締結、北方領土問題の解決についての道筋を付ける必要があると思うんですけれども、これまでの五回の首脳会談、昨日の誕生日のお祝いコール、もろもろから考えて、今後のロシア、日本との首脳会談、いつどんな形で開かれる予定なのか、どうやって平和条約に結び付くような問題解決に、総理の御自身のお考えはどうなのか、是非お聞かせいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 去る九月二十一日に、私の誕生日の日にプーチン大統領からお祝いの電話をいただきましたので、そのお返しということもございまして、プーチン大統領の誕生日の日に際しまして電話会談を行ったところでございます。
 その際、北京APECに両首脳が参加することになれば、その際に首脳会談を実施すべく調整をしていくことで一致をいたしました。今後、対話を積み重ねながら、我が国の国益に資するよう日ロ関係を進めていきたいと考えております。
 そして、プーチン大統領の訪日についてでございますが、引き続き実現を目指していく考えでございますが、その日程については現在何ら決まっておりません。種々の要素を総合的に考慮をして検討していきたいと考えております。
○浜田和幸君 先般、ロシアで日ロ友好のフォーラムが開かれまして、森元総理が出席されました。そのときに、総理の親書を持って森元総理がプーチン大統領とお会いになったと聞いています。そのときにも、プーチン大統領のサイドからすると、安倍総理からの招待はしっかり今でも生きているということで、予定どおり、できるだけ早く日本に行きたいと、だからそのための環境が整っているかどうかということが大事になるという話だったと聞いております。是非、プーチン大統領が自ら日本に来れるような、そういう環境を整えていただきたいと思いますし、例の柔道の用語を使って、引き分け、始めということをしばしば言っておられます。
 安倍総理は、このプーチン大統領の日本に対する思い、始め、引き分けということの意味をどういう具合に解釈されているんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 日ロ間において平和条約が締結をされていないというのは異常な状況であり、平和条約の締結に向けて両国の対話、そして作業を加速化させていくことでこれは一致をしている、プーチン大統領と一致をしているところでございます。そういう意味におきましては、平和条約締結に向けて日ロの交渉が再開し、そして加速化していくことで一致をしているわけでございます。
 そこで、引き分けについてどう考えるかということでございますが、まさに日本としては、例えば四島の問題については四島の帰属の問題を解決をして平和条約を締結をしていくという方針を決めているところでございまして、森総理の御発言だと思いますが、その解釈について今ここで述べさせていただくことはこれからまさに交渉していく中において控えさせていただきたいと、このように思いますが、いずれにいたしましても、戦後刺さったとげであるこの問題を解決をしていきたい、そのことによって日ロの関係、これは相当の可能性が眠っている関係と言ってもいいんだろうと思うわけでありまして、この可能性をこれを開花させていけば両国の発展に資するものと思います。
○浜田和幸君 来年の一月の一日から、ロシアが中心になってユーラシア経済同盟がスタートします。これは、旧ソ連邦の国々が再び集まって、経済的な一体化、自由貿易構想ですね、そこに中国やベトナムも参加するという動きが今加速しつつあります。
 日本として、一方でAPEC、RCEPという自由貿易圏の構想がありますけれども、このロシアが中心になって進めているユーラシア経済同盟にどういう形で参加するお考えか、是非お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) まず冒頭に、先ほど白頭山の噴火の答弁をさせていただきましたが、その際に、一七〇二年に四度噴火したと申し上げてしまいましたが、実際は、研究の結果、過去四度噴火があり、最新のものが一七〇二年であるというふうに訂正させていただきます。
 その上で、ただいまの質問ですが、ユーラシア経済同盟、ロシア、カザフスタンそしてベラルーシ、この三か国が加盟する旧ソ連圏の経済統合体ですが、我が国としましては、この経済同盟、ユーラシア経済同盟の動きについては関心を持って見ているところであります。
 ロシアとの関係においては、ウクライナの問題等難しい問題が存在するわけでありますが、アジア太平洋地域におけるこの日ロ関係の重要性を考えますときに、引き続きまして政治対話は継続していきたいと考えております。北方領土問題等につきましても、北方四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結する、こうした従来の方針に基づいて粘り強く交渉に取り組んでいきたいと考えています。
○浜田和幸君 是非、エネルギーの分野でも、ロシアと日本は共同開発の可能性もありますし、環境、あるいはプーチン大統領自身が今週頭には日本に対して、製造業とかITの分野で、イノベーションで協力してほしいという提案をしています。是非、そういうロシア、これも巻き込んだ、日本が主体的な、アメリカ、ヨーロッパとロシアそしてアジアとの経済、そういうネットワークを是非進めていただきたいと思いますし、我々もそういう方向で進みたいと思います。
 昨晩、安倍総理は中国の李さん、李小林さんと立ち話をされたということが日本のメディアに出ていました。中国側から日本に対する様々な、今、水面下というか、働きかけがあると思いますけれども、この日中の首脳会談、一番歴史的にも経済的にも文化的にもつながりの深い中国との首脳会談ができていないという状況を打破するために、総理、どういうことを今お考えなのか、是非お聞かせください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私は、日中関係を改善させていきたいと考えています。戦略的互恵関係の基本的な考え方にのっとり、大局的な観点から幅広い分野において関係を発展させていきたいと思います。
 御指摘の中国、この中国との関係をどのように発展させていくかということでございますが、両国は隣国であります。隣国であるがゆえに課題があり、また歴史的に問題もありますが、だからこそ前提条件を付けずに対話を進めていくべきだろうと、このように思うわけであります。例えば、環境面における協力を進めていくことも必要でしょうし、そして海上連絡メカニズムをしっかりと実施していくことも大切なことなんだろうと、このように思います。
 十一月の北京APECの際に首脳会談ができればよいと考えておりまして、そのためには、ニューヨークでの外相同士の協議のように、両国が互いに静かな努力を続けていくことが大切ではないかと、このように思っております。
○浜田和幸君 是非、日中関係も打開に向けて積極的平和主義の外交を進めていただきたいと思います。
 その意味でも、二〇一一年から延期されたままの日中グリーンエキスポ、これは先般、経団連の榊原会長以下が訪中されたときにも、中国側から、是非日本の環境改善の技術というものを中国で広めてほしいという先方から強い要求がありました。
 御承知のように、PM二・五、黄砂、酸性降下物、我が国にとっても大変大きな環境そして健康被害をもたらしています。
 そういう意味で、環境というものが日中関係を改善していく上で大きな日本の切り札になると思うんですけれども、この日中グリーンエキスポ、これについて、総理、お考えはいかがですか。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、日中関係、言うまでもなく、我が国にとって最も大切な二国間関係であり、幅広い分野にわたって協力あるいは対話を積み重ねていかなければなりません。その中にありまして、御指摘のこの環境分野ですが、従来から、日中環境保護合同委員会あるいは日中韓三か国環境大臣会合あるいは日中省エネルギー・環境総合フォーラム、このような日中二国間、さらには多国間の取組を活用して様々な協力を進めてきた、こういった実績があります。
 是非、この分野におきましても、引き続き我が国のこの経験あるいは技術、こういったものを活用し、中国側との環境協力、是非進めていきたいと我が国は考えております。
○浜田和幸君 大変前向きな御答弁をいただきまして、ありがとうございます。
 総理、是非、この環境問題もそうですけれども、水問題、今月末に実は中国では南の長江の水を北の黄河を通じて北京に持っていくという、世界最大規模の運河、二本目が完成します。それだけ今、中国は水問題、苦しんで悩んでいるんですね。地下水の枯渇、そして河川の汚染、大変深刻な状況です。中国のほとんどの河川の半分以上が飲み水には適さないと中国の環境保護省は指摘しているぐらいであります。
 そういう意味で、日本の持っている水の浄化技術ですとか、あるいは省エネの技術ですとか、そういうものが中国の国民の生命そして健康を守るという大きな力になると思うんですね。是非そういった日本の技術を外交、積極的平和主義の武器として活用するということを高らかに打ち上げていただきたい。
 まず、その延長線上に、冒頭申しました白頭山の噴火の問題も、一番大きな影響を受けるのは中国であります。ですから、中国、ロシア、北朝鮮、韓国、日本が環境や自然災害で協力するということを打ち上げれば、それこそまさに積極的平和主義になると思うんですけれども、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 浜田委員の御見識を承りまして、確かにおっしゃるように環境分野については、中国において環境が悪化すればその影響は日本も受けるわけでございますし、そういう意味において、日本の技術や知見を中国にも活用していただきたいと我々は思っているわけでございまして、その意味におきましても、今、経済レベル、文化等、また議員のレベルでは交流が盛んになってきておりますので、首脳間の会談、対話を是非進めていきたい。
 日本は常に対話のドアは開いているわけでございますが、そういう意味におきましては、APECの際に、北京のAPECの際に首脳会談ができればいいと、こう考えております。
○浜田和幸君 是非、あらゆる機会を通じて、総理、日本の平和外交をアピールしていただきたい。
 日本の二万社を超える中小企業は、今、中国でどれくらいの中国人を雇用しているか。二千万人ですよ。ちょっと前まで一千万人でした。これだけ日中関係が厳しいと言われていながら、二千万人を超える中国人が日本企業で働いているんです。その家族や友人や地域の人を含めれば一億人を超える日中関係の橋渡し、日本のサポーターが生まれると、そういう可能性があると思うので、そういう意味で、総理、ドアを開けて、中国の人たちにも世界の人たちにも日本の平和外交というものを是非アピールしていただきたいと思います。いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさに、日本の投資によって日本も利益を得ておりますが、中国側もたくさんの雇用をつくっている、そこがまさに戦略的互恵関係であるということであろうと思います。この認識の下に、課題があるからこそ対話を続けていく。私は、常に対話のドアは開けているわけでございます。中国側もそういう姿勢を取っていただいて、対話が進んでいくことを期待をしております。
○浜田和幸君 最後に、イスラム文化圏、ハラール認証について質問したいと思います。
 二十億人を超えるイスラム教徒の人たちが、今どんどんどんどん日本にも来たり、あるいは日本の安全な食材を輸入したいと言っています。しかし、イスラムの教えに従ったきちんとした承認がないと、イスラムの人たちは日本の食材も安心して食べられない。
 今、日本政府も、内閣府、農水省が中心になって日本版のイスラム教のためのハラール認証制度を検討しているということなんですが、最近、私が政府に対する質問主意書を出しましたら、今日回答が戻ってきまして、日本国憲法第二十条の信教の自由と政教分離ということがあるんで、このイスラムの教えに従ったようなハラール認証の制度を日本でつくるのは難しいという回答でしたけれども、その点について、総理、是非、世界のイスラムの人たちに前向きなメッセージを発していただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(西川公也君) これまで浜田議員が大変熱心にハラール認証について取り組んできたということは十分承知しております。
 しかしながら、今日の答えは、我が国におけるハラール認証のための制度の創設につきましては、政府機関がハラール認証を行うことの必要性、あるいは今お話が出ましたように憲法二十条との関係等、これを整理していく必要があるだろうと、こう考えております。現時点では、ハラール認証のための制度を創設することは考えておりせん。
 なお、農林水産省におきましては、関係省庁、事業者団体等により設立されました輸出戦略実行委員会の下で、本年六月にハラール部会を設置しました。そして、ハラール認証の取得に関する課題等について議論を始めたと、こういうところでありまして、この議論の経過を注視してまいります。ただ、ハラール食品を、輸出をやろうという事業者に対しては、その制度上の支援はこれからも続けてまいります。
 以上です。
○浜田和幸君 ありがとうございました。以上で終わります。
○委員長(岸宏一君) 以上で浜田和幸君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 これにて質疑通告者の発言は全て終了いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時二十八分散会