第187回国会 災害対策特別委員会 第3号
平成二十六年十月十七日(金曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 十月十日
    辞任         補欠選任
     斎藤 嘉隆君     大島九州男君
 十月十六日
    辞任         補欠選任
     羽生田 俊君     若林 健太君
     吉川ゆうみ君     大野 泰正君
     大野 元裕君     森本 真治君
 十月十七日
    辞任         補欠選任
     森本 真治君     大野 元裕君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         秋野 公造君
    理 事
                古賀友一郎君
                松下 新平君
                野田 国義君
                山本 博司君
    委 員
                磯崎 仁彦君
                大野 泰正君
                高野光二郎君
                柘植 芳文君
                長峯  誠君
                馬場 成志君
                舞立 昇治君
                若林 健太君
                大島九州男君
                大野 元裕君
                那谷屋正義君
                水岡 俊一君
                森本 真治君
               薬師寺みちよ君
                東   徹君
                仁比 聡平君
   国務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(防災)
       )        山谷えり子君
   副大臣
       内閣府副大臣   西村 康稔君
       文部科学副大臣  丹羽 秀樹君
   大臣政務官
       国土交通大臣政
       務官      うえの賢一郎君
       国土交通大臣政
       務官       大塚 高司君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        田中 利幸君
   政府参考人
       内閣府政策統括
       官        日原 洋文君
       金融庁総務企画
       局参事官     坪内  浩君
       総務大臣官房審
       議官       橋本 嘉一君
       総務大臣官房審
       議官       青木 信之君
       消防庁国民保護
       ・防災部長    室田 哲男君
       財務大臣官房総
       括審議官     迫田 英典君
       文部科学大臣官
       房審議官     磯谷 桂介君
       文部科学大臣官
       房審議官     芦立  訓君
       厚生労働省医政
       局長       二川 一男君
       厚生労働省社会
       ・援護局長    鈴木 俊彦君
       厚生労働省社会
       ・援護局障害保
       健福祉部長    藤井 康弘君
       農林水産大臣官
       房生産振興審議
       官        西郷 正道君
       国土交通省都市
       局長       小関 正彦君
       国土交通省水管
       理・国土保全局
       長        池内 幸司君
       国土交通省住宅
       局長       橋本 公博君
       観光庁観光地域
       振興部長     吉田 雅彦君
       気象庁長官    西出 則武君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○災害対策樹立に関する調査
 (火山情報の伝達の在り方に関する件)
 (御嶽山噴火による風評被害対策に関する件)
 (防災教育の推進に関する件)
 (広島土砂災害被災者への住宅支援に関する件
 )
 (災害の観測・予測体制の強化に関する件)
 (土砂災害防止法に基づく区域指定の促進に関
 する件)
 (災害対策における医療の位置付けに関する件
 )
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○委員長(秋野公造君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、斎藤嘉隆君、羽生田俊君、吉川ゆうみ君及び大野元裕君が委員を辞任され、その補欠として大島九州男君、若林健太君、大野泰正君及び森本真治君が選任されました。
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○委員長(秋野公造君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 災害対策樹立に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府政策統括官日原洋文君外十六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(秋野公造君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(秋野公造君) 災害対策樹立に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○若林健太君 自由民主党の若林健太です。
 今日はこうした質疑の場をいただきまして、理事の先生方に感謝を申し上げたいというふうに思います。
 山谷大臣には、御就任早々、広島の土砂災害への視察、そしてまたこの度の御嶽山の噴火と、大変御苦労の多いことだというふうに思いますけれども、是非、我が参議院から代表して内閣に入られた大臣でございますので、引き続きの御活躍をお願い申し上げたいというふうに思います。
 今回の御嶽山の噴火に当たりましては、政府は本当に迅速な対応をしていただいたというふうに思います。噴火翌日には、今日お見えの西村副大臣が現地視察と知事との会談を行っていただき、早速、長野県庁内に政府の災害対策本部を設置をいただきまして、松本洋平大臣政務官が常駐をいただくというような対応をしていただきました。山谷大臣の指揮の下、自衛隊派遣など、こうした対応が、地元木曽町や王滝村役場の町長さん、村長さん始め現場の皆さん方が大変感謝をしておりました。そのことを冒頭まず地元選出国会議員として感謝を申し上げたいというふうに思います。
 突然の御嶽の噴火によって五十六名の尊い命が失われ、今なお七名の不明者の方がいらっしゃいます。亡くなられた皆様方に対して心から御冥福をお祈り申し上げたいというふうに思います。
 昨夜、長野県知事を先頭に県の災害対策本部は、最後の一人まで不明者の捜索を行うと取り組んでおりましたけれども、雪が降り始める季節となり、二次災害の危険など総合的な判断によって今年の捜索活動について中止を決定いたしました。苦渋の決断だったというふうに思いますけれども、全体の判断を思えば、私はこの知事、災害対策本部の決定について支持をしたいと、このように思います。
 その上で、今回の御嶽山の噴火について幾つか御質問を申し上げたいというふうに思います。
 まず、今回の御嶽山の噴火については、多くの犠牲者が出た原因として、予知業務、そして登山関係者への伝達に問題はなかったのかということが指摘をされています。
 御嶽山、実は九月の十日から十一日にかけて山頂付近で火山活動が増加しており、気象庁はこの事実を把握をしておりました。この時点で警戒レベルを上げて、少なくとも火口周辺の立入りが規制される二に引き上げておればこうしたことが起こらなかったんではないかという指摘もあります。
 この時点で警戒レベルを引き上げる判断ができなかったのかどうか、専門的な立場からまずコメントをいただきたいと思います。
○政府参考人(西出則武君) 火山の噴火の予知は、地震計、傾斜計、GNSS、GPSのようなものですけれども、遠望カメラというものを使いまして観測を行っており、これらの観測データと過去の噴火の際の観測データを考慮して総合的に判断することとしております。
 今回の御嶽山の噴火につきましては、今御指摘のように、九月十日から十一日にかけて火山性地震が増加しておりましたが、地殻変動や噴気に変化は見られませんでした。また、火山性微動も発生しておりませんでした。二〇〇七年にごく小規模な噴火はあったわけですけれども、そのときと比較しても地震回数が少なかったこと、また、当時は、その噴火のときは、地殻変動でありますとか火山性微動が事前に発生していたわけですけれども、それが見られなかったということで、今回は警戒レベルを引き上げるという判断には至りませんでした。
 また、御紹介いただきましたように、その増加していることにつきましては、火山の状況に関する解説情報という形でお伝えしておりました。
○若林健太君 専門的な知見に基づけば、この火山活動、噴火についての予知はやりにくかったと。したがって、警戒レベルを上げられなかった。このことは専門性の中で判断されることですから、私ども今とやかく言えることではありません。しかし、火山活動が実際に行われていたと、この情報が登山をされる方々に伝わっていなかったという事実は、やっぱり私ども重く受け止めなければいけないというふうに思うんです。
 確かに、気象庁とすれば、その火山活動については関係市町村に伝達をしていたというわけですけれども、結果とすると登山者の皆さん方には通じていなかった。行政は結果責任ですから、そういう意味で、登山者の皆さんに伝わっていなかったということについて、今後、この伝達方法について整備する必要があるんじゃないかと、こんなふうに思いますが、その点について御意見をいただければと思います。
○政府参考人(西出則武君) 気象庁では、情報でありますとか警報について、報道機関、地元自治体、気象庁のホームページ等を通じて提供しておるわけでございますけれども、今回聞き取り調査を行ったところによりますと、王滝村では山小屋まで伝達し、その他問合せに答えていた、下呂市では温泉組合の方に出向いて説明していただいたというところを伺っておりますが、木曽町、高山市では、受け取った後、一般への周知を行っていかなかったというふうに聞いております。
 気象庁が発表する火山情報は、国民の皆様が容易に入手できて、その情報もできるだけ分かりやすいものであることが重要であると、必要であると考えております。このため、気象庁では、取りあえず早急にできる改善策として、気象庁のホームページに火山登山者向けの情報提供ページというものを開設いたしました。この中で、各火山ごとに、火山ごとの情報をよりアクセスしやすいようにワンストップ化いたしまして、内容も最新の火山情報等安全に関する情報をまず御覧いただけるように改善したところでございます。これにつきましては、先週の十月十日から御覧いただけるようにしております。
 また、火山噴火予知連絡会の下に学識経験者、自治体、登山者団体等から成る検討会を設置して、登山者等に対して分かりやすく効果的に火山情報を提供するための具体的な対策を早急に取りまとめたいと考えております。
○若林健太君 今回の噴火、この事故を受けて様々な改善を行っているというお話でありました。非常にこの改善の取組というのは必要なことだと思います。しかし、そのことによってきちっと登山者の方に通ずるのかどうか、ここがとても大切なことで、そういう意味では、気象庁の開示の範囲を広げただけではその責任が全うできるかどうか、総合的に考えていく必要があるというふうに思います。
 例えば、今回の、少なくとも火山活動があったということが登山者に伝わっていれば、ヘルメットの着用など備えを持って登山をしていけば救えた命もあったかもしれない。警戒レベルが火口周辺の立入りが規制される二になる前の平常時の一の段階で火山活動の情報を登山者に適切に開示し、そのことで行政の責任が果たされるという領域があるとしなくてはならないのではないかと、こんなふうに思うんです。それには、登山者にも自らの自己責任として、火山活動情報を把握してリスクを了解した上で、ヘルメットなど一定の備えを要するという啓蒙を促すようにしていかなければならないというふうに思います。
 全て行政が責任を負えるものではありません。こうした認識を共有することで、今後の事故を未然に防ぐことができるのではないかというふうに思うんです。開示をすることが必要ですと。開示をすることが必要です、しかし、その開示をした情報がきちっと利用される、そういう環境をつくっていく、全体のそのシステムづくりが必要なのではないかと、こんなふうに思いますが、この点について防災担当大臣のもし御意見があればお願いします。
○国務大臣(山谷えり子君) 今回の御嶽山の噴火のように突発的なものを、登山者、観光客等の身を守るためには、いざというときに一人一人が噴石等から防護したり避難したりするようにできることが大事だと思います。
 今回顕在化した課題というのはいろいろあると思っております。委員が御指摘のように、ヘルメットなどの備えや、緊急時にリュック等の身の回りのもので頭の部分、頭部を保護するなどの知識があれば助かった命もあったのではないかというふうに思っております。このため、特に登山者、観光客を対象に、火山噴火に対する留意点やヘルメットなどの身を守るための装備など、身を守るための知識の普及啓発、山岳関係団体などとも連携しながら進めてまいりたいと思います。
○若林健太君 同じようなことですが、火山噴火予知連絡会によって選定された四十七の活火山については、火山防災対策、これは火山の防災協議会の設置だとかハザードマップ、警戒レベルの運用や避難計画の作成など、こういったことが進められております。御嶽山においても周辺住民の防災対策は作られていたわけですが、周辺住民だけではなくて登山者あるいは行楽客の避難についても有効なものになっていたかどうか、この防災計画についての見直し必要なのではないかというふうに思いますが、その点について大臣の御意見を。
○国務大臣(山谷えり子君) 平成二十年三月に取りまとめられた噴火時等の避難に係る火山防災体制の指針においては、登山・入山規制の確実な実施など、登山者や観光客等を対象とした対応策の必要性が述べられておりますけれども、今回のケースのような場合、十分であったかというと、そうとは言えない面があるというふうに考えております。そのために、適切な記載を含め、対応策についていま一度見直してまいりたいと思います。
 それから、委員今おっしゃられたような四十七火山のうち、しかしながら、常時観測対象の四十七火山のうち、火山防災協議会が設置されているのは三十三火山、火山ハザードマップが作成されているのは三十七火山、具体的な避難計画が関係市町村全てで策定されているのは七火山という状態でもあります。ですから、今後、全ての常時観測火山において取組が行われていくよう、積極的に火山防災協議会に参画するなどして取組の加速化が必要だと思います。
 また、中央防災会議防災対策実行会議の下に設置する火山防災対策推進ワーキンググループにおいて、学識経験者など専門家の御意見を聞きながら、火山活動の監視の強化のほか、噴火の予兆があった場合の火山防災情報の提供、登山届の活用など、登山者等の安全を図るための対応策について総合的に検討して速やかに取組を進めてまいりたいと思います。
○若林健太君 御嶽山も、私も大好きな山の一つで、まさか今回のような噴火が起こるとは思いも寄りませんでした。防災はまさにこのまさかに対する対応ということですので、今大臣の御答弁いただいた内容、是非しっかりと取り組んでいただきたいと、こんなふうに思います。
 ちょっと話題を変えまして、現在、警戒区域は四キロ範囲に設定されております、火口から四キロですね。非常に広い範囲、警戒区域が設定されていますが、その根拠について気象庁長官にお伺いしたいと思います。
○政府参考人(西出則武君) 御嶽山では、九月二十七日に水蒸気噴火が発生したとき、その後に火砕流と確認される噴煙が斜面を下る現象が発生いたしました。この火砕流の到達範囲を遠望カメラにより推定したところ、三キロ以上四キロ以下であることが確認されました。このため、火口から四キロ程度の範囲に噴火の影響が及ぶおそれがある旨の噴火警報、噴火警戒レベル三、入山規制というものを発表いたしたところでございます。
 現時点での火山活動の状況を踏まえ、引き続きこの発表した噴火警報を継続しているところであります。
○若林健太君 三キロ前後までこの範囲があったということで、三キロから四キロという設定がされております。この警戒区域については、火山活動の状況に応じて順次終息をするとともに縮小していくと、こういうふうになると伺っておりますが、今後のこの見通し、まあ現時点ではまだまだ噴火直後ですから難しかろうと思いますけれども、今後の見通し、もしコメントできればお願いします。
○政府参考人(西出則武君) 御嶽山では、現在においても火山性地震が引き続き発生しております。また、山頂から噴煙が継続して出ております。火山の周辺では多量の火山ガスが観測されております。以上のことから、火山活動の高まった状態が継続しているという認識でございます。このことから、今後も九月二十七日の噴火と同程度の噴火が発生する可能性があると考えております。現在、噴火警戒レベルを引き下げたり、噴火の影響が及ぶ範囲を見直す状況ではないというふうに考えております。
 現段階では今後の見通しについて申し上げるのはできませんけれども、気象庁といたしましては、火山活動の変化をしっかりと監視してまいりたいと思います。
○若林健太君 現時点では火山活動がまだ終息をするような状況ではありませんので、警戒区域についてその縮小を議論する段階ではないと、まさにそのとおりではあると思います。
 しかし一方、実は地元の状況からしますと、この四キロ警戒区域内には御嶽山のスキー場も入っておりますし、ロープウエーも入っておりますし、冬になると木曽谷はまさにこのスキー場がなければほかに生きるすべがないと、こういう状況でもございます。危険を軽んじろと言っているわけではございませんが、しかし、状況に応じて、地元の意見もしっかり吸い上げながら適切な対応をお願いをしていきたいと、こんなふうに思います。その点についてはありますか。
○政府参考人(西出則武君) 気象庁では、御嶽山の噴火の直後から機動観測班を派遣して火山ガスの観測を行うなど、監視を強化しております。これらの観測データを科学的な観点から評価し、また、火山噴火予知連絡会の専門家等の御意見を伺いつつ、噴火の影響が及ぶ範囲や噴火警戒レベルの見直しが可能な火山活動の状況と判断されれば、速やかに見直してまいります。対応に当たっては、地元自治体等と連携して進めてまいります。
○若林健太君 地元との協議会があるんですね。その協議会の中で地元の意見を吸い上げるシステムにはなっているというふうに伺っています。是非、そこは地元の意見もしっかり聞いていただきたいと。それから、やっぱり将来にわたって、これ非常に難しいですけど、この冬は駄目だというのであれば早めにそういったアナウンスもして、そのための対応というのが地元でできるように配慮をいただきたいと、こんなふうに思います。
 御嶽の噴火によって木曽全体に降灰があって危険だといったような誤った情報が非常に広がってしまって、木曽というのは非常に広いんですけど、木曽谷全体は、御嶽山だけではなくて木曽地域全体に宿泊のキャンセルなどが相次いでいるところでございます。今後、警戒区域以外の危険でない地域について、是非しっかりとした正しい情報を発信をしていただきたいと、このように思いますが、この点について観光庁の方からお話をいただきたいと思います。
○政府参考人(吉田雅彦君) 委員御指摘のとおり、今般の御嶽山噴火により、御嶽山の周辺地域のみならず、それ以外の地域におきましても宿泊やツアーのキャンセルが発生していると長野県、岐阜県から聞いているところでございます。また、キャンセルだけではなく、今後、被害が及んでいない地域への旅行が敬遠されるのではないかとの業界や地元の声もございまして、このような風評被害を防止するためには、内外の旅行者や旅行予定者に対しまして正確な情報の提供に万全を期すことが重要と考えております。
 このため、観光庁におきましては、第一に、被害発生直後から観光団体などから頻繁に情報収集をしてございます。第二に、被災した地域の意向を踏まえた上で現地に関する正確な情報を発信させていただいております。第三に、旅行業者などが正確な情報提供を図るように指導文書などでお願いをしてございます。第四に、訪日外国人に向けましても、JNTO、日本政府観光局のウエブサイトなどを通じまして御嶽山噴火に関する正確な情報を発してございます。
 このような取組を通じまして、観光に関する風評被害の防止に努めているところでございます。
○若林健太君 頑張っていますと、事前のレクのときも観光庁の方からは、風評被害出ないように頑張っていますという話だったんです。もちろん頑張っていただくことをお願いをするんですけれども、しかし結果は、全くその頑張っているに値する結果が出ていなくて、木曽だけではなくて山岳観光全体にある意味影響が出てきているということでございます。
 正直言って、木曽の観光協会の皆さんとお話ししていても、現状、今こういう状況の中では、正しい情報の発信、あるいは観光について、御嶽以外の地域については大丈夫ですよと、温泉に来てくださいよといった発信はなかなかしづらいというのも正直なところだったということでございます。場面それぞれ変わっていきますから、変わってくる場面の中で、是非地元の観光協会とも連携しながら、政府のインフラをフル回転してこの風評被害に向かって対処していただきたいと、このように思いますが、その点についてお願いします。
○政府参考人(吉田雅彦君) 委員御指摘のとおり、今後とも引き続き関係自治体や地元の観光協会などと連携をしながら、先ほど申し上げましたような、現地に関する正確な情報の収集に努めますとともに、その発信を適切に行いまして、観光に関する風評被害の防止に努めてまいりたいと考えております。
○若林健太君 是非お願い申し上げます。ちょうど山の日もできて、山岳観光にこれから力を入れていこうと言っているやさきのことでもございます。どうか正確な情報をお願い申し上げたいと思います。
 木曽はこの夏の前に、夏には南木曽での土石流がございました。中央線が一時不通となって、多くの観光客、夏の観光客が来なかった。そして、それを何とか取り返そうと思って秋に懸けていたわけですけれども、今回のこの御嶽の噴火によってなかなかそこも立ち上がれない。旅行業含めて本当に大変な今状況にありますが、これら風評対策について政府として宿泊業者などに対する支援策、どんなものがあるのか、教えていただきたいと思います。
○政府参考人(迫田英典君) まず、御嶽山噴火に係る災害への政策金融面での支援ということで申し上げますと、財務省として九月二十九日付けで日本政策金融公庫及び商工中金に対しまして、中小企業・小規模事業者の資金繰りに支障が生じないよう、返済条件の緩和等要請をしたところでございます。
 公庫等では、これを受けまして、御嶽山噴火に係る災害に関する特別相談窓口を同日付けで長野県内全支店に設置しておりまして、直接、間接被害、あるいは御指摘のあった風評被害を含めまして、被害を受けた中小・小規模事業者の方に対してきめ細やかな対応を行っているところでございます。
 もう少し言いますと、旅館業、ホテル業を営む方につきましてはいわゆる生活衛生貸付けというのがございまして、災害復旧貸付けなりセーフティーネット貸付けなりということを御利用いただけるということでございます。
○若林健太君 残念ながら、旅行業、例えば宿泊業について風評被害による損失を直接補填するという制度は、これはなかなか国としては取れないと、これはしようがないことだというふうに思うんです。融資制度によってつなぎ融資をしながら支援をしていくということですが、今回、本当に地域全体に大変大きな影響を与えておりますので、是非地元のそれぞれの事情をきめ細かく対応していただけるようにとお願いを申し上げたいというふうに思います。
 私の質問は以上で終わらさせていただきます。ありがとうございました。
○大野泰正君 自由民主党の大野泰正であります。
 今日はこの委員会におきまして質問の時間をいただいたこと、まずは委員長さん、理事さん、本当に皆さん、ありがとうございます。被災県として本当に有り難いことだと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 まず初めに、本当に、亡くなられた皆様にまずは御冥福をお祈りするとともに、御家族の皆様にお悔やみを申し上げ、そして被災された皆様にお見舞いを申し上げたいと思います。
 そういう中で、地元自治体を始め、自衛隊、警察、消防、本当に多くの皆さんがこの捜索に関わっていただき、昨日、知事が苦渋の決断をされましたけれども、本当に厳しい中で皆さんが大変やっていただいたことに、まずは岐阜県からも代表して御挨拶というか感謝を申し上げたいと思います。本当にありがとうございます。
 そういう中で質問に移らせていただきたいと思っておりますが、またそれと、地元を回っているときに大変よく言われることは、今回の政府の対応ですね。まず、総理が国連総会からの帰り、飛行機の中から指示を出された。こういうことが非常に国民にとって安心感を与え、危機管理のできた内閣であるという評価をいただいて、多くの言葉をいただいています。また、内閣府において、西村副大臣が次の日すぐに行っていただいたり、今も松本政務官が張り付いていただいている、このようなことは非常に国民に安心感を与えています。これについても感謝申し上げたいと思います。
 私の岐阜県の方は、実際の災害という中では若林先生の長野県に比べるとまだまだ軽微な面はありますけれども、それでも今後いろんな面で被害が出てくる可能性もあります。先ほどの風評のこともそうでありますが、どうか、これからも注意深く見守っていかなきゃいけないことがたくさんありますので、よろしくお願いをしたいと思います。
 まずは初めに、今回の報道、またレクを受けている中で、私は気象庁が発信する情報の意味がよく分からないことが多々ありました。それは、噴火予報のレベル一という意味が平常という意味であるということであります。一般社会で平常という言葉は、私を含め、多分、特段問題がないと考えると思います。しかしながら、よくよくお話を伺うと、レベル一は火山活動が穏やかであるという意味の平常であり、その平常という意味は決して危険がないという意味ではないということを初めて知りました。このことをどれだけの人が理解していたのでしょうか。そして、当日登山されていた方々が私はこのことをほとんど知らなかったのが現実だと思います。
 いずれにしても、平常と言われるレベル一の段階でこれだけの噴火が起きました。そして、噴火が起きてからレベル三の入山規制に引き上げられているわけですが、一般に伝えるには実際に伝えるべき状況が理解できる的確で分かりやすい言葉にするべきではないでしょうか。
 そして、一番大切なことは、学術的な区分ではなく、一般の人々が常識的に理解できるようにしなくてはならないと思います。確かに、気象庁のホームページには噴火警戒レベルの説明はあります。しかし、実際に情報を受け取る人が正確に理解ができ、的確な行動につながる情報の伝達方法や情報の出し方をしなければ、命を守ることはできません。
 このように、現在、一般の方の認識と行政の認識が乖離している状況を、今後いかに実社会にアジャストさせていくのかということが一番重要なことだと私は思います。この点について、お考えと情報発信についての御所見をお伺いいたします。
○国務大臣(山谷えり子君) 分かりやすい言葉で伝えていくということを本当に追求していかなければならないと思います。また、火山のリスクに関する正しい知識を持つということも大切だろうというふうに思います。このためには、平素からの火山に関する知識の普及等に加え、情報の出し方において、出し手においても現実のリスクについてきちんと分かるような表現ということが大事だと思います。また、九月十日から始まった火山性地震の増加のように、これまでの状態とは違っている、異なっているということを伝えることは、その時点で噴火につながるとは言い切れない場合でも重要だというふうに考えております。
 既に気象庁において分かりやすい火山情報の提供に関する検討に着手していると承知しております。内閣府としても、これらの取組が政府一体となって進むようにしっかりと対応してまいります。いろいろ報道関係の方などの意見も聞きながら、分かりやすい言葉で発信するということを心掛けていきたいと思います。
○大臣政務官(大塚高司君) 噴火警戒レベルでは、内閣府と関係機関と共同で開催した火山情報等に対応した火山防災対策検討会提言を踏まえ、二〇〇七年より運用をされております。
 また、警戒レベル一、先ほど御指摘ございました、における火山活動の状況は、火山活動は静穏、火山活動の状態によっては火口内で火山灰の噴出等が見られるとされております。このように、平常であっても火口内は必ずしも安全でないことを示しておるわけでございますが、委員御指摘のとおり、今般の事案以降、平常の火山は安全上特段問題がないと理解されているということも御指摘をいただいております。適切な防災行動を取っていただく観点からは、委員御指摘のとおり、情報を受け取る人が正しく理解できる情報として提供していくことが重要であるというふうに考えております。
 今後、噴火警戒レベルの表現に関しましては内閣府と連携して対応を検討してまいりたいと、かように思っておるところでございます。
○大野泰正君 どうもありがとうございます。
 今、半分お答えもいただいたような感じがいたしますが、次の問題、もう一つお願いをしたいと思います。
 九月の初めに、今、火山性地震の情報を出しているというお話がありました。それを受けた自治体が、どれだけのことが実際起こっているのかということは、この時点でははっきり言って正確な判断はできなかったのではないかなというのが私の認識であります。特に今回、噴火レベルはそのまま一でした。受け取る自治体にしてみれば、先ほども申されましたが、火山性地震はあるけれど、平常のまま特段変化はないということになり、危機感を抱かなくても当然であると私は思います。特段の行動を起こす意識は自治体職員に生まれなくても当然のことではないかなと思います。
 今日までの情報と知識だけで正確な状況判断ができないことは皆様にも容易に判断が付くと思いますし、今後はやはり、情報を流してあとは自治体任せというのではなく、国としてしっかりとした対応が求められると思いますが、いかにお考えでしょうか。
 今回、もしかしたら情報の出し方で守れる命があったかもしれません。今後は、守れる命を確実に守れる国にしなくてはならない中、責任ある情報の出し方はもちろんですが、生かし方ということを大切に構築していかなくてはならないと思います。国と自治体との今後の関係と責任の在り方について、御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(山谷えり子君) 委員おっしゃられますように、評価、分析、あるいは解説のない生データをもらっても、自治体の関係者というのはどう判断していいか分からないという状況にあるというふうに思います。ですから、これは何に注意すべきなのかということ、そしてまた、どのように人々に伝達することが適切かということも含めて総合的に、気象庁そしてまた内閣府一体となって検討を進めてまいりたいと思います。
 一方で、火山噴火は頻繁に発生するものでないことから、専門的な知見やこれまでの対応経験を対策に生かすことが重要でありますので、関係地方自治体や火山専門家等で構成される火山防災協議会に専門的知見や過去の災害の経験を有する内閣府等の国の機関も参加することで、各火山における、火山によってそれぞれ性格が違いますので、各火山における火山防災対策の取組を推進しているところでございます。
 自治体等に対しましては、火山現象や火山防災に関する知見を深めていただくため、内閣府では、火山防災の専門家である火山防災エキスパートの派遣や各協議会の構成機関等が参加する火山防災協議会等連絡・連携会議の定期的な開催を行っておりまして、各自治体の取組を支援しているところでございますが、今回顕在した課題も含めて、更に一層その方向を進めてまいりたいと思います。
○大臣政務官(大塚高司君) 地元自治体では、住民はもとより、登山者、観光客に近い位置にあり、火山情報の提供につきましては大変重要な役割を担っているというふうに認識をしております。
 これまでも気象庁では、地元自治体に対して、火山の状況に関する解説情報や噴火警報等を専用回線、インターネットを通じて提供しておるところでございます。また、火山活動に異常が見られる場合には、気象台から直接、地元自治体に対して火山活動の状況を説明するとともに、今後の火山活動の推移等に関する注意喚起を行ってきたところでございます。
 しかしながら、今回の事例では、気象庁の解説情報を受けて具体的な行動を行っていただけなかった自治体もございました。地元自治体に危機意識が伝わっていないという委員の御指摘はしっかりと受け止めてまいりたいと、かように思っておるところでございます。
 このような認識の下、今般、学識経験者や自治体、登山者団体で構成される火山情報の提供に関する検討会を設置をいたしました。この委員の御指摘も含めながら、この検討会において、地元自治体、住民、登山者等に対し、分かりやすく効果的に火山情報を提供するための具体的な対策を早急にまとめてまいりたいと、かように思っておるところでございます。
○大野泰正君 どうもありがとうございました。
 次に、緊急時の対応をお聞きしようと思いましたが、いずれにしても、今、メールですとかいろんなものがあります。全てのものを使ってでも、何としても危険を避けていただけるように、届けていただけるように要請して、この問題については割愛させていただきたいと思います。
 次に、地元からいろんなお話をいただく中で、非常につらいんですが、まだまだ行方不明者がいらっしゃる中で大変失礼だとは思いますが、風評被害について伺わせていただきたいと思います。
 私ども岐阜県側では、今回の噴火に関わる基礎自治体は二つあります。高山市と下呂市であります。そこに地図を持ってまいりましたが、御覧いただけますでしょうか。高山市も下呂市も平成の大合併によって大変大きな市になりました。高山市に至っては、本当に東京都より大きいというような状況であります。島嶼部を抜いた東京都よりは大分大きいというような状況であり、東西にも非常に長い、各県境に接しているようなところでありますので、ここに、高山市に降灰があったというような、先ほど先生の木曽のお話もありましたけれども、やはり報道の仕方によって随分この風評被害というものが防げるはずなのになという気持ちがあります。また、御地元でもなかなか言いにくいんだけどということで、はっきりそういうお話もいただいております。是非、こういう報道に関して、皆様の方でお気遣いをいただきたいなと思います。
 とにかく、今日ですと、高山市、下呂市という報道になってしまいますし、行政から出てくるブリーフも同様の書き方がしてあります。そのような報道をされてしまいますと、このような形になってしまいますし、いかにも高山市、また下呂市に全て降灰があると、非常に厳しい状況があります。
 私ども岐阜県にとってこの二つの市というのは、特に外国人の旅行客も多く、本当に観光の一番大切なところだと言っても過言ではありません。その点、御理解をいただきたいと思いますし、何とか、まずは今すぐにでも省庁のブリーフを出し方を改善していただきたい。それとともに、報道機関に対しても、やはり政府として御要請をいただくことが一番大切だと思います。なかなか私どもから言いにくい面もございます。その辺を御理解いただいて対応をお願いしたいと思います。御見解を伺います。
○国務大臣(山谷えり子君) 御嶽山では、現在も噴火活動が継続していることから、火口から四キロメートル以内については引き続き入山規制を継続する必要がありますが、一方で、規制区域外の地域については、観光や農業が盛んな地域でもあり、火山灰の影響による土石流防止対策を図りつつも、風評被害が生じることがないよう対策を強化する必要があると思います。
 本当にこの地図を見ましても、市町村合併で面積が広くなっておりまして、十月の十一日に私も現地に参りまして長野県知事と意見交換を行った際に、御嶽山に近い木曽地域以外においても宿泊のキャンセルが発生するなど、地域産業への影響が生じていると伺いました。岐阜県副知事からも伺いました。
 観光庁におきましては、現在、旅行業者等への指導、ウエブサイト等を通じた正確な情報発信といった取組により風評被害の防止に努めております。また、海外への発信についても丁寧にやっていきたいと思います。
 昨日、十六日も、非常災害対策本部会議の中では、改めて風評被害対策や正確な情報発信などについてしっかり工夫して対応するよう、観光庁、気象庁など関係省庁に対して要請したところであります。現地対策本部を廃止しても中央の非常災害対策本部は設置し続けて、この風評被害対策についてきちんと対応するように図ってまいりたいと思います。正確かつ国民にとって分かりやすい情報発信ができますように、政府として努めてまいりたいと思います。
○大野泰正君 済みません、ありがとうございます。
 宿泊の方も、予約キャンセルというだけでなくて予約の入りが非常に鈍くなってきている、それも事実でありますし、また最近、先週帰ったときには、木曽川にちょっと濁りが見られるというようなこともありました。今は田んぼに水が必要のない時期でありますが、今後、雪解けしてきたときにどういうふうになるのか、こういうことについても事前に調べていただいて、影響がないなら影響がないということを早めに出していただければ有り難いなと思いますので、その点も御留意いただけると有り難いと思います。
 時間がありませんので、これで最後の質問にさせていただきます。ちょっと、一つ二つ飛ばさせていただいたことは大変恐縮ですが、お許しいただきたいと思います。
 最後に、これからのことでありますが、今回の噴火においても、登山者各自が、先ほども若林先生からもお話がありましたが、ヘルメットを持参していれば状況は随分違ったのではないかなということもあります。自然の中で生き抜く知恵を私たちはもっとしっかりと身に付けなくてはならないと思います。
 そこで、何より大切なのは、私は学校教育の中で、自然の恵みの中で生きて自然と共生していく私たちの大切な知恵として、自然の厳しさと優しさを教える自然防災教育が必要なのではないかなと思っております。このことは子供たちのみならず、子供たちが家でそういう話をすることによって国民全体の意識が変わることにつながっていきます。あの津波のときの釜石の奇跡を起こした子供たちのことを私は忘れることができません。どうか学校教育においての、自然との共生と、避けられない災害から自分自身を守る防災教育に対して今後お取り組みいただきたいと思いますが、いかにお考えか、教えていただきたいと思います。
○副大臣(丹羽秀樹君) まず、今年起きました八月の豪雨、そして御嶽山の噴火につきまして、亡くなられた方々に対してお悔やみ申し上げますとともに、被災された方々に対して改めてお見舞いを申し上げたいと思います。
 防災教育の観点につきましては、児童生徒等が自分自身を守る教育と同時に、やはり自然との共生についても教えることは重要なことでございます。現行の学習指導要領におきましても、避難訓練など自分の身を守る指導を行うとともに、また社会科や理科、道徳の中では、自然がもたらす恵みと災害について学習することといたしております。
 今後も、子供たちが自然には恩恵と災害の二面性があることを理解できるような防災教育をしっかりと推進していきたいと思います。
○大野泰正君 ありがとうございました。
 ちょっと時間がありますので、最後に御要請だけにさせていただきますが、まずは入山届の問題であります。これにつきましては是非、岐阜県、十二月にというお話もありますが、今回の御嶽山でもそうです、大きくて人気のある山というのはやはり大体県境にある場合が非常に多いわけであります。岐阜県だけがやったとしても、これはなかなか実効性がないというのが事実だと思いますので、国としてしっかりと義務化なりお取り組みをいただいて、やっていただければと思います。
 今お聞きしている話では、先ほど言いましたように、携帯や何かからでも入山届が出せる、これは何といっても二次災害を防いでいくためにも大切なことであります。岐阜県においては、以前に大変厳しい、防災ヘリを落とすというような二次災害の大きな事故を起こしてしまいました。あの悔しさを本当に全国民の皆様には決して遭わせたくない、そういう思いもございますので、御理解をいただきたいと思います。
 また、シェルターの問題も補助金の問題とかいろいろありますけれども、どうかその一つ一つ丁寧にしていただいて、これはどこの省庁とかいうお話ではないと思います、縦割りで解決できる問題ではございませんので、どうか山谷大臣、しっかりと統制していただいて、政府としてしっかりとした今後の対応が、守れる命を守れる国になれるようにお願いしたいと思いますので、よろしくお願いし、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○大島九州男君 民主党の大島九州男でございます。
 今日は、質問の機会をいただきました。野田筆頭、諸先輩方に感謝を申し上げて、質問をさせていただきたいと思います。
 まず冒頭、本年八月二十日、広島市安佐南区や同市安佐北区を襲った土砂災害、また、さきの九月二十七日に噴火し、戦後最悪の犠牲者をもたらした御嶽山噴火災害によりお亡くなりになられた方々に深く哀悼の意を表しますとともに、被災された方々に心よりお見舞いを申し上げたいと思います。
 まず最初に、多くの災害がございます。水害、土砂災害、地震、雪害、火山、それぞれの災害ごとにいろんな情報が伝達をされ、そして避難勧告、避難指示につながっていくと思うんですけれども、確認でありますが、どういうような流れでそういう形のものに進んでいくのかというのを教えていただければと思います。
○政府参考人(日原洋文君) お答えいたします。
 私どもが四月に公表いたしました避難勧告等の判断・伝達マニュアル作成ガイドラインでございますけれども、それにつきましては、災害ごとにどういうような流れでいくかというようなことを示しております。
 例えば水害であれば、やはり河川の水位というものが大変重要になってまいりますので、河川管理者である国の国土交通省の事務所あるいは県の県土整備事務所から、それぞれ水位に応じた洪水予報、水位到達情報等を気象台と連携しながら市町村に伝えるということを行っております。
 また、土砂災害であれば、雨量などを基にいたしました大雨警報でありますとか土砂災害警戒情報、これ県と気象台が連携して、また地震、津波でありますれば、これは津波情報とか地震に関する情報、これは気象庁から、それから火山につきましても、気象庁から噴火警戒レベル等の情報をそれぞれ出しているという状況でございます。
 また、これらに加えまして、河川管理者なり気象庁、気象台などから、危険の切迫感というんでしょうか、これはやばいぞということを察知した場合には、それを直接伝えるようなことも行っております。また、逆に市町村の側から情報を聞きたければ、それについてきちんと答えるということ、これ災害対策基本法を改正いたしまして義務化したところでございます。
 こういったものを踏まえまして、市町村において避難勧告等の発令基準に照らしまして勧告等は行っていると、こういうような流れになってございます。
○大島九州男君 今の流れは大体下りていくという、下に流れていくという、そういう流れですよね。
 先日、山梨で大変な雪が降って交通が遮断されて、それで結果的に輸送が途絶えたと。あのときに、山梨には空港がない、これはどうしようかということで、どうしようもないという話になったときに、実はどういうことがあったかというと、山梨に日本航空学園という滑走路を持った学校があったんですね。そこの生徒さん、卒業生が自衛隊等にいる人がいて、いや、うちの空港使えるんじゃないかと。それで、学校側に連絡して、理事長なんかは、それは、おまえ、どうぞどんどん使えという話で、そして、その情報を基に自衛隊、また民間のいろんな物資をその飛行場を使って対応したと。先日、自衛隊から感謝状をいただいたというようなことがあったんですね。
 先ほどもちょっとレクで内閣府の防災が来られたときに、そういう話知っていますかと言うと、知らないんですよね。いや、何かというと、現場で起こっている情報というものが上に上がっていく仕組みも大事だよなというのを今日改めて感じたところなんですが。
 実は私、直方市というところの市会議員を十二年やったんですが、一級河川があるんです、遠賀川という。そこの遠賀川のその河川事務所も当然あるわけですけれども、一級河川ですから、結構氾濫したりとかあれすると大変だと。地元の消防長さんと、それとまた警察署長さんと、そして実はマスコミの方と、その遠賀川の河川事務所の所長と、ふだん昼間は集まれないので、夜いろんな情報交換をしようということで、夜ですから飲みながら食べながらいろんな情報交換を実はしていたんですね。それ何が良かったかというと、結果として、災害があったときにぱぱぱっと横の面でつながるんですね。これは非常に私は結果として良かったなと。いや、実はそのときの遠賀川河川事務所の所長さんがあそこの後ろに座っていらっしゃるのを見て御縁だなと、石橋課長なんですよ。いやまさに、まさにそういう御縁をいただいて、私が今日ここでこういう質問をさせていただくというのももう御縁だなと、有り難いなと。
 まさに、そういう現場レベルでまあ偶然やっていたシステム、このシステムというのは、これは多分、いろんな建前のそういうことは、連絡協議会みたいなことはやっていると思うんですけれども、本当にそういう連携ができていれば非常にスムースに進むと思うんですね。先ほども言いました山梨の関係でも、自衛隊にいた生徒がやはりその学校のこと、地元のことをよく分かっている。だから、そういう状況を提供して、そういうものが動いたということですね。
 だから、今の避難勧告だとかなんとかいういろんな情報は、何か上から全部下に下りていって、流した人は、ああ、これで大丈夫だみたいな、一応自分の仕事は済んでいるみたいなそんな感じで、キャッチボールもなければ、だから確認がないと思うんです、多分。だから、どういうふうな状況になっているかというのも、下から吸い上げるような状況も必要だと。
 今回の台風でいきますと、十九号においても大勢の住民に避難勧告等が発令されているわけですけれども、じゃ実際に避難所に避難している住民というのはどうなのというと、何万世帯とか何十万人に避難勧告なんて言われて実際どうなっているのかなというのは非常に疑問なんですが、そこら辺はちょっとどういうふうに把握されているのかというのを教えていただければと思います。
○政府参考人(日原洋文君) 最初に、河川管理者等と地元の方々と密接な連携を取るというのは大変重要だと思っています。私どものガイドラインの中でも、そういったふだんからの付き合いというものがいざというときの情報交換に役に立つということで、日頃からそういう連携を取るようにということをお勧めしている状況にございます。
 それと、今御指摘の避難勧告についてでございますけれども、例えば台風十九号であれば、静岡市では五十万人に勧告が発令されたとか、都城市では十七万人とか、そういった事例がございます。ただ、私どもの考え方としては、避難勧告を出されたら直ちにそれを皆さんが、全員が避難場所の方に行っていただくということを想定しているわけではございません。元々、例えば水害の場合ですと、高いところに住んでおられる方は関係ございませんし、それから二階に行けば済むという方も大勢おられます。
 そういった、それぞれ、災害対策基本法の中でも、従来の避難のための立ち退き、私どもは立ち退きなんて呼んでおりますけれども、それに加えまして屋内での待避等の安全確保措置ということで、これは垂直避難と我々は略称して呼んでおりますけれども、そういったものも含めまして対応等しております。
 したがいまして、そういったものを含めまして、ただ危ない状況であるということを警告するという意味での避難勧告という部分がございますので、実際にどれだけ避難しているかというとちょっと私ども把握しておりませんが、そういった趣旨であるということを御理解いただきたいと思いますし、そういった状況に応じた的確な避難行動を取るということは大変重要になってまいりますので、そういったことの周知をしっかり努めてまいりたいというふうに思っております。
○大島九州男君 現実、私も避難勧告で二階に上がるのを垂直避難というというのを聞かせていただいて、ああ、そういう考え方なんだなと。
 おっしゃるように、自分がどの災害に対してどういうふうに行動したらいいのかということが分かっていらっしゃる方がどれぐらいいるのかと。例えば、何か避難勧告が出たと、だからとにかく何か避難しなきゃいけないと。で、今言うように二階に上がればいいのに、それを何か避難所に行かなきゃいけないと思って行っていたら途中で流されたとか。そういう判断が付く人もいれば、本当に、おばあちゃんのように、言われたらそれだけでもう何かおろおろしてしまって、どうしていいか分からないというような方もいらっしゃるということについては、そういういろんな仕組み、まあ教育も当然そうなんですけど、自分で判断できる状況をしっかりつくっておくということは大事だなと思うんですね。
 だから、こういうことを想定をして、多分、さっきも言うように、国の方では、県の方ではというふうにして情報としてガイドラインを作って下ろしていると言うんだろうけれども、じゃ、それが現場で本当にどのようになっているのかと。
 自助、共助というふうな要素が不可欠だと、災害時に個人が適切に避難行動を行うためには、個人、地域の取組が不可欠だと、地域住民に対する普及啓発、訓練も大事だと、そういうことはもうみんな言い尽くされていて分かっているんですが、現実にそういうことをどういうふうに現場が周知し、個人個人がちゃんと理解をしてそういう行動ができるようになっているのかということについてはどのようにお考えでしょうか。
○政府参考人(日原洋文君) まさに委員御指摘のとおり、やはり災害発生時あるいは危険の段階になったときに、住民の方がきちんとそれを理解して行動していただくということが大変重要でございます。
 そのために、あらかじめ地域や災害の種類に応じて、どこに危険があるかとか避難経路はどうなっているかなどを、これはハザードマップのような形になりますけれども、そういったものを住民の方と一緒になって作っていただくということが重要だと思いますし、また防災訓練も大変重要だと思っています。そういった取組について大変御熱心にやっておられるような団体につきまして、表彰制度等を活用しながらその推進を図っておるところでございます。また、そのためのマニュアルのようなものも、これ、またマニュアルかというのはございますけれども、作っているということでございます。
 それから、先ほどの個別に個々の住民の方がどういう避難行動を取ったらいいかということが大変重要になってまいりますので、これは、災害・避難カードというようなものを今提案させていただいていまして、例えば、それ、まさに家ごとにと言ってもいいんでしょうけれども、どこの川があなたのところは危ないからどういう行動を取りなさいとか、土砂についてはどこへ行きなさいとか、そういったものを作ろうという取組を始めております。これを推進するために、できればモデル事業のようなものも推進してまいりたいというふうに考えているところでございます。
 いずれにいたしましても、関係省庁、自治体と連携しながらそういった取組を推進してまいりたいというふうに思っております。
○大島九州男君 当然、そういうマニュアルと、そしてそういう取組というのをやるのは大事なんですよ。だから当然やらなきゃいけない。それを、じゃ、いかに普及啓発し、実際実践していただけるかどうかということが大きな問題なんですよね。
 だから、私もその避難カードというのをちょっと見せてもらって、何番地何号と住所まであって、それでその住所でA川、B川とか書いてあるんですよ。A川が氾濫をして避難勧告が出たときにはこういう行動をするということ。それで、津波災害とかそういうのはここはありませんから関係ないとか、土砂、これも、土砂災害もここは関係ないとかというふうに書いてあるわけですね。ああ、それはなるほどなと。現実的にそれを例えば冷蔵庫のところに貼っておくとか玄関のところに貼っておくとかいうような形で使うように考えているというふうにおっしゃったので、ああ、それも、それはそれでも大事なことよねと。じゃ、実際それを基に避難訓練するというのも、それも大事だよねと。当然そういうことが地域の人というのは体で染み付いているというのが一番大事だよねという感じなんですね。
 東日本大震災のときに現地に行きますと、昔からの言い伝えでてんこばらばらと言うんですね。もうとにかく地震が来たら津波が来るぞと。だから、もうとにかくてんでばらばらに逃げなさいと。誰々さんと一緒にとか、家族と一緒にとかいうことはもう考えるなと。とにかくそうやっててんこばらばらというのを言われてきた。それで、私たちはそのとおりにしたという人は大体助かっているんですよね。本当、でもやっぱり家族が心配だとか、あれが心配だとかいって戻ってみて第二波で亡くなったとか、そういうこともあるんですね。
 だから、昔からそういうふうに言い伝えられていたこととか、そういうことが身に付いている、身に染みている人はやっぱり自ら身を守ることができたという検証があるわけですね。そうすると、じゃ、子供たち、やっぱりちっちゃいときにそういうことを教育をされているから身に染みているわけですよね。経験、体験するということが一番大事なんです。
 だから、カードを作ることを目的にするんではなくて、そのカードを使って何を実践するかなんです。だから、私も一応塾の先生で、教育者の端くれでございますから、その災害カードを見ればここにその地域の地図があると。そうすると、津波はないねと、ああ、それは当然海側じゃないねと。そして、土砂はないねということは、ああ、山のところじゃないねと。川が氾濫すると浸水するよというと、ああ、じゃ、川の近くのここだねとかいうふうに、そういう防災カードを使って地理的なところに当てはめていくような、そういう具体的な授業をやるとか、そういうのに活用すると。そうすると、地域の子供たちは、そのカードを見ると、これは何丁目何番地、これは何丁目何番地みたいに、そういうふうにもう体に染み付いちゃうと。そうすると、あっ、地震だ、津波だとか、大雨だとかいうときには、もう自然と、それはこっちに行くんだとか、あっちに行くんだというのはもう自動的に行われるという、そういうふうになるんだと思うんですよ。だから、作って終わりじゃない、情報を提供して終わりじゃないという、そういう視点がやっぱり災害を未然に防いでいく防災には必要だということなんですね。
 そこで、今日はちょっと文科省さんにおいでいただいているわけでありますけれども、文科省さんはそういう視点でどのような学校教育をされているのかということで、よろしくどうぞ。
○政府参考人(芦立訓君) お答え申し上げます。
 防災教育につきましては、それぞれの学校が地域の実情に応じて、例えば地震・津波災害、土砂災害、火山災害等と、それぞれの自然的状況を踏まえて対応してきていただいているというふうに考えております。
 ただ、ここへ来て、やはり防災教育を更に充実していくという観点から、私ども文部科学省といたしましても、実践的な取組をしていただくための支援事業というのを平成二十四年度から始めているところでございます。これはまさにその地域の特色に応じて様々な展開をすることを応援しようというものでございまして、例えば、南海トラフの巨大地震が想定されている岡山県などにおきましては、今まではそれぞれの学校ごとに避難訓練をしていたのを、小学校、中学校、幼稚園、一体となって訓練してみると。そういたしますと、子供たち、本来擁護をしなければならない児童と一緒に逃げていくということになりますと、高学年の子供たちはリーダー、あるいは自分たちがしっかりしないといけないという意識が芽生えてきたというふうな御報告受けておりますし、あるいは、これも南海トラフ地震が想定されている和歌山県などにおきましては、これはもう津波をどうしていくかということだということになりますと、今先生お話しになられましたように、緊急地震速報を受けたら子供一人一人が即座に行動しなければならないという意識の下に、訓練を抜き打ちで行ったり、あるいは防災マップを子供たちが自発的に作るなどという取組が行われるようになってきているところでございます。
 私どもといたしましては、こうした取組を全国に展開できるようにしっかり情報提供していきたいと、かように考えているところでございます。
○大島九州男君 ありがとうございました。
 まさにそういう取組が本当に大切であって、先ほど言いましたように、政府として、上から情報を提供するだけじゃなくて、吸い上げていくという、そこにこれからの力点を置いていくということはすごく大事だなと思って、今日ちょうど私のところにレクに来た内閣府の防災の人に言ったのは、先ほどの山梨の航空学園の例を出して、地域にそういう空港があるとするなら、それを災害時指定何とか空港とかいって全部調べておきなさいと、そして、それをちゃんと情報として持っておけば、この間みたいに、いや、使える空港はないから駄目だみたいな、そういう話にはならないよねということも含めて、地域から上がってくる。例えば、あの御嶽山の火山の関係も、地元の人は何か予兆を感じている人はいたんじゃないかという、そういう話もちらっと聞くんですね。
 そうすると、そういう情報を吸い上げる仕組みがあったら、当然今回とはまた違った結果が生まれている可能性もあると。だから、そういった意味も含めて、現場が大事なんだということですね。
 私は、民主党政権のときに松本龍先生が防災大臣だったので、もう奄美の大雨とかいったときにCOP10だったものですから、COP10が終わってもうすぐ飛んでいかれたり、新燃岳ですかね、あれも三日後には行って、また二回行ってといって、とにかく現場を大事にしていたんですね。
 やはりその現場に我々が行くということも当然必要なんだけれども、それよりも前に現場の声を吸い上げると、まさにそういうことをミックスしていきながらそういう対策を練っていくという仕組みをつくることが必要だし、また、さっきも言いましたように、子供たちが現実的に地域のことは自分たちが一番分かっているぐらいの教育もすることも必要だと。
 そういうことも含めて、防災大臣である山谷大臣に、今後のいろんな考え方とか、その意気込みをちょっとお聞かせいただければと思います。どうぞ。
○国務大臣(山谷えり子君) 現場のいろいろな良い例、今、山梨の例、遠賀川のヒューマンでそして力強い良い例を御紹介をいただきました。全国各地でそうしたいろいろな事前防災あるいは被害の最小化につながる人間関係とか取組というのはあるんだろうというふうに思います。また、大島委員の教育者としての立場から、ただ避難カードをぽんと渡すだけではなくて、それが皮膚感覚、体に染み込むまでやっぱり伝えていかなければならないんだということも重要なことだと思っております。
 今回、いろいろな問題が顕在化してまいりました。そうしたことも含めて、ハード、ソフト、徹底的にもう一回検証し直して、被害の最小化に努めていきたいというふうに思っております。
○大島九州男君 消防も予防が大事だと。火災も、起きなければ出動しなくていいと。だから、そこのところにしっかり人間的な尽力をしていく。でも、この自然災害だけは、ないことを前提にするのではなくて、あることを前提にして当然取り組まれていると思うんですね。
 だから、そこで、あるのはどこかと。その現場なんです。山であったり川であったり海であったりという、そこから起こってくるその災害について、それぞれの地域に合った防災の取組と、それをやるのは誰かというと、そこに住んでいる人なんですよ。その人たちがそのことを理解してその対応を学ばなければ、幾ら国がすばらしいマニュアルを作ろうが情報を提供しようが、全然それは役に立たない。というならば、その地域、地の利、特性ですよね、そしてそこに住んでいる人たちの性格、いろんな文化も考慮した中で作っていく独特のマニュアルじゃないと駄目なんだと。
 だから、そういう意味からすると、下から上がってきたマニュアルを国が整理することはあっても、国が作ったマニュアルで地域が動くことはないんだということです。そのことをしっかり頭に置いてこれからの防災対策をやっていただくことを要望して、終わります。
○森本真治君 大変お疲れさまでございます。民主党・新緑風会の森本真治でございます。
 私からは、広島災害を中心に質問をさせていただきたいと思います。
 もう間もなく、あの悪夢から二か月がたとうとしております。この災害対策特別委員会もちょっと委員のメンバーも替わりまして、広島の方に入っていただいた先生方も、薬師寺先生、仁比先生にも入っていただきまして、直接実情を見ていただきました。また、大臣も、着任早々、広島の方にも入っていただきました。ただ、その後、もう今日も議論があるように、御嶽山の噴火でありますとか台風十八号、十九号というようなことが立て続けに続いている中、大臣も本当に緊張感の中で連日過ごされているというふうにも思われますけれども、今、それこそ国政の様々な課題の中で、やはりこの防災の問題というのは特に国民にとっても重要な課題だというふうにも思います。大臣におかれましては、是非ともリーダーシップを取っていただいて、しっかり取り組んでいただきますことを冒頭お願いをさせていただきたいと思います。
 前古屋大臣ともいろいろお話をさせていただいて、前大臣もどのような思いでこの防災行政、進めていかれようとしているのかという話も伺いました。後ほどまた大臣のいろんなお考えも聞かせていただきたいと思いますが、その前に、まず西村副大臣、引き続き副大臣ということで御担当いただけることを大変心強くも思っておりますし、本当に広島にもずっと入っていただいたこと、私も広島安佐北区の住民の一人として、改めて敬意と感謝を申し上げる次第でございます。
 そういう中で、八月二十八日、前回のこの特別委員会でもいろいろと取り上げさせていただきましたけれども、ちょっとその後の今の状況などについても、今政府の認識なども是非ここで確認をさせていただきたいと思います。
 それで、前回のときに、喫緊の課題ということで、土砂の撤去でありますとか緊急の住まいの確保というようなことが多くのやはり重要な課題ということで取り上げさせていただきましたけれども、あれから二か月たちました。これまでの二か月を振り返って、まず副大臣の方に、特に責任者として取り組んでいただきましたので、この今の広島の状況、復旧がどのようにこれまで進んでいるのか。さらには、今後、これから更にまだ生活再建などに向けて取り組まなければならないこともございます。国としての今の立場というかお考えをまず冒頭お聞かせいただきたいと思います。
○副大臣(西村康稔君) 私の方からお答えを申し上げたいと思います。
 つい二、三日前にも広島県知事、広島市長お見えになりまして、復旧復興の様子を御説明いただきました。お二人とお会いすると、あの当時、連日、毎日毎日、何回も何回もいろんなことを議論して方向性を出していったことを改めて思い出しながら、もう二か月もたつのかということで感慨深いものがございましたけれども、様子を聞いておりまして、復旧については着実にこの二か月間進展してきているというふうに認識を改めて持ちました。
 先般、八月の審議のときも御指摘いただいて、今お話のありました土砂の撤去、道路の啓開、これがある程度進んできております。もちろん八木用水も完全に、もう普通のように水が流れておりますし、道路啓開も着実に進んできている。そんな中で、残った避難勧告、まだ千人ほどの方々、避難勧告の対象になっておりますが、これも年内には解消ができる見込みだということで、土砂の撤去、道路の啓開、いざというときの家に戻った後も避難できる道がしっかり確保されつつあるという状況であると思います。
 それから、実際に避難所に避難されている方も十八世帯までになってきておりまして、その中でも一世帯を除いて、次の住居、当座の新たな住居も決まっておるようであります。その一世帯の方も引き続き相談中で、いろいろ悩みはそれぞれにお持ちでありましょうから丁寧に対応しておるというふうに聞いておりますけれども、そういう状況を見まして、復旧の方は着実に進んできているのかなということを改めて感じました。
 一方で、八木三丁目、八木八丁目を中心として、これは面的にやはり大きな被害を受けておりますので、ここをどういうふうにして復興していくのかという大きな課題が残されております。
 市の方で十月七日に復興のまちづくり本部を設置して、十月十日には第一回の会議を開かれたというように聞いております。年内にビジョンをまとめるべく議論を加速するというふうに伺っておりますので、この大きな復興の絵姿を、単に元に戻すだけではなくて、これだけの被害が出たわけですから、より安全な、より安心な、地域の住民の人たちが感じるような町づくり、これをこれから市の方でいろいろ考えられるんだと思いますので、国としてはこれをしっかりと応援をしていくということを関係省庁間でも確認をしておりますし、復興をしっかり応援していきたいというふうに思っております。
○森本真治君 ありがとうございます。
 それで、先ほど大島委員の方からもやはり現場というようなお話が、まず足を運ぶということもありました。大臣も早々に現場、広島にも入っていただいた中で、やはり直接肌で感じる中でこの災害についての認識ということも、これまでの国会議員という立場から更に大臣となられて、再認識というか、更にお感じになられたこともあろうかと思います。
 率直に、やはり現場に行かれてどのようにこの防災に対する意識というものというか認識をお持ちになられたのか、そして、そのことを踏まえて、この大臣の任期中にしっかりと御自身として取り組んでいきたいというようなこともいろいろとお考えになられたと思います。そして、もう既に担当の方々に指示も出されているようなこともあろうかと思います。広島のこと、先ほど復興の課題など副大臣もちょっとお話しいただいたので、もちろんそれもあろうかと思うんですが、全般として、大臣としての今後の自分でやらなければいけないようなことについて是非お考えをまず聞かせていただければと思います。
○国務大臣(山谷えり子君) 就任直後の九月六日、広島に参りまして、現地の対応状況や被害状況を確認をいたしました。現地の対応状況、国、県、市の連携、そして関係省庁の連携というのも大変に良かったと思っております。
 しかしながら、改めて土砂災害の恐ろしさを痛感するとともに、危険な地域では住民が早めに避難できるよう警戒態勢を整備しなければならないなどの課題も強く認識したところでございます。
 本当に日本というのはいろいろなタイプの自然災害がある国であります。そしてまた、技術力も大変に高うございますし、住民のいろいろな取組も多様にあるというようなことでございまして、世界は今、防災の主流化という、防災という考え方で様々なことを対応していくことがむしろ経済繁栄の基盤でもあるし人々の幸せな生活の基盤でもあるという考え方になってきておりまして、私、九月にジュネーブに行きまして、国連の防災関係者にも会ってまいりました。来年の三月には仙台で国連防災の世界会議も開かれます。そのときに是非日本がその分野で世界のリーダーとなってほしいというような声を多く聞きまして、今回の広島の土砂災害、そして御嶽山の火山噴火、台風、様々な被害の中から顕在化した課題を検証しながら、きちんと有識者会議、そして現場の声を吸い上げながら対策の強化ということに努めてまいりたいと思います。
○森本真治君 大臣は幾つかの大臣を今兼務をされているというような状況もありますけれども、私は、本当は安倍政権にあえて申し上げさせていただければ、やはり防災専属でやっていただくぐらいの大変な重責だというふうにも思っております。まあ今から、じゃ、ほかのところを辞めなさいということもできないと思いますが、しっかりとお願いをさせていただければというふうに思います。
 今、大臣、副大臣からいろいろと御所見もお伺いした中で、例えば復興、特に住宅再建の観点、それと、やっぱり備えの部分というか、避難行動などについては残りの時間でも取り上げさせていただきたいと思いますが、一点だけ、これ要望といいますか、いろいろ課題が出ている中で、実際の今回の御嶽山でもそうですが、隊員の皆さんの例えばいろんな健康問題というか、御嶽山では高山病というようなこととかがあったと思います。広島でも、いわゆるPTSD、消防の方のストレス障害というようなこともいろいろ課題として出てきております。二次災害ということも含める中で、やはりそういう部分のケアというか、そこもしっかりとやっていかなければいけないなというふうにも思いました。
 それで、それぞれの担当の部署というか、消防とか警察とか自衛隊ありますが、是非大臣の方からもしっかりと、そのような、いろいろとこれ救助なり捜索などしてくださったりというような方々に対する、職員さんというかそういう皆さんのやはりフォローというかケアをしっかりしてもらうように、各関係の皆さんと連携を取っていただくことを今後の取組としてもお願いをさせていただければというふうに思っております。
 それで、復興の観点での住宅再建を少し取り上げさせていただければというふうに思います。
 それで、これ、具体的な今の数字をまずちょっと皆さんにも認識していただきたいと思いまして、今、広島のこの災害を受けて、自宅が全壊になられた方とか、あとは、大きな被害はなかったけれどもやはり今後住み続けていくのが不安だということで避難をされている方とか、仮住まいを、もう実際にほかのところに移られた方というような方もいらっしゃると思うんです。
 ちょっとその辺り、把握している範囲で結構ですので、今のこの仮住まい、自宅を離れざるを得なくなっている方の数について教えてください、人数について。
○政府参考人(日原洋文君) お答えいたします。
 広島県に確認いたしましたところ、十月十五日現在で、仮住まいとして県なり市なりが提供している公営住宅でありますとか民間賃貸住宅等がございます。それらのうち、四百三戸につきまして既に入居されていると、そのうち六十一世帯が自宅が全壊であるというふうに伺っております。そのほか、転居届等をいただいて把握しているものもございますが、こういった方は仮住まいなのか本移転なのかちょっと把握できませんので、少なくともはっきりしているのは今申し上げた数字になってございます。
○森本真治君 今のお示しいただいた人数よりももうちょっと恐らくは多いだろうということで確認をさせていただきました。
 それで、この住宅再建の中でいろいろと課題として挙がってくるのが、今日ちょっとお配りさせていただいております資料一ですね。一つが、やはりこの二重ローンの問題というのは、これはこの広島に限ったことではなくて、東日本の震災や阪神大震災等でもいろいろあったかと思います。実際に、この二重ローン対策で今回の広島災害に対してどのように今政府として、これは金融庁さんになるかと思いますが、現状を認識していらっしゃるのか、そして、それに対してどのような対応、措置をとられたのかということをお伺いしたいと思います。
○政府参考人(坪内浩君) お答えさせていただきます。
 金融庁といたしましては、災害救助法の適用を受けまして、八月二十日に中国財務局を通じて広島県内の各金融機関等に対し、災害の状況等を勘案して、既存融資に係る返済猶予等の貸付条件の変更など、災害の影響を受けている顧客の便宜を考慮した適時的確な措置を講ずるよう要請を行ったところでございます。
 当該要請を受けまして、同県内の金融機関では被災者向けの相談窓口を開設するなどの措置を講じておりまして、住宅ローンの返済方法に係る被災者からの相談を含め、被災者の置かれた状況を踏まえて適切な対応が図られていると承知しております。実際にも返済額の減額等の要請があり、対応しておるというように聞いております。
 金融庁といたしましては、金融機関が被災者のニーズをきめ細かに把握しつつ適切な支援を行うよう、引き続き促してまいりたいと考えております。
○森本真治君 いろいろ、相談窓口を設置していただいたりとか、先ほどあったように金融機関などに要請をしていただいたということで、それも、今の御答弁ではそれなりに対応を金融機関などももうしていただいておるという御答弁でよかったですかね。──はい。しっかりと、ただこの辺りについては引き続き、要請だけではなくてその後のフォローというか、ちゃんとその金融機関などでもやってもらっているのかというようなことなどについては、是非これは自治体の方とも連携をしていただきながら、生活相談窓口みたいな形でなるのか分かりませんけれども、そこで是非お力添えをいただければということと。
 もう一点は、この資料にもありますけれども、これは東日本大震災では被災ローン減免の制度というものを、これを導入がされたというような内容の記事でございます。いろいろと、もちろん民民の問題かもしれませんけれども、特にやはりこういう緊急な状況の中でいえば、できるだけ制度というか、行政の方もしっかりとした対応というかフォローというか、ことは必要だなというふうにも思って、専門家なども、これは恒久的な制度を、これは日弁連さんですけれども、つくるべきだというようなお話も出ております。
 この辺りの御認識、これを制度として構築することができるのかどうか、検討してもらうことができるのかということをちょっと御見解をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(坪内浩君) 東日本大震災に伴う住宅ローン等の借入者の既往債務の負担軽減に向けた対応といたしましては、民間関係者の研究機関におきまして個人債務者の私的整理に関するガイドラインというのが作成されているところでございます。このガイドラインは、東日本大震災によって住宅ローン等の返済が困難となった債務者が債権者との私的な合意により債務免除を享受するための民間関係者間の自主ルールとして定めたものでございまして、一般社団法人個人版私的整理ガイドライン運営委員会がその運用に当たっているというものでございます。
 繰り返しになりますけれども、金融庁といたしましては、今般の広島県における災害については県内の金融機関に対して金融上の措置を適切に講ずるよう要請したところでございまして、今後も適切な支援を行うよう促してまいりたいというように考えております。
○森本真治君 ちょっとかわされたような答弁でございましたけれども、検討ができるのかどうかということですね。研究、まあ私もしっかりしていきたいと思いますが、またいろいろと御指導いただいて、意見交換させていただきながら、今後の課題ということで、今後といっても余り悠長なことも言っていられないかもしれませんが、是非またお力添えをよろしくお願いしたいと思います。
 あっという間にあと五分しかなくなってしまいまして、準備した内容を全部できるかどうか分かりませんが、ちょっと大臣の方に、備えという観点でいったときに、私のこれ私見でございますけれども、そもそも最大の防災、これは危険なところにもう近寄らない、危険なところに住まない、それが最大の防災だと私は思うわけですね。
 今、例えばレッドゾーンの話とかいろんなものがある中で、建物の建築基準なんかを強化するとかいろんなことはやっておりますけれども、じゃ、それで本当に災害を防げるのか、一〇〇%それでもう安心ですよということにならないというふうに思うんですね。そうすると、そもそも私はもうそういうところには住まないということを、今後、例えば命を、国民の命を守るやはり政治の役割として、国民にもっと強く働きかけをしていくということも今後はやっぱり大事になってくるんじゃないかというふうに思うんですね。
 その辺について大臣はどのように思われるかということをちょっとまずお伺いしたいと思います。
○国務大臣(山谷えり子君) 自然災害の危険性の高いところにはなるべく住まないというようなことは、本当に議員御指摘のように大変重要なことだというふうに思っております。
 しかし、我が国は国土の約七割が山、山地で、約一割が沖積平野となっております。しかもこの沖積平野に人口、資産が集中しているという特徴がございます。沖積平野というのは、元々河川が氾濫してできた土地であり、豪雨の際は災害による被害が起きやすいというところでございます。また、高度経済成長により、都市部周辺では人口増加に伴う宅地開発のため崖の近くまで開発が進んでしまったという経緯がございます。
 こうした特性のある我が国において、危険性の高い土地からの移転、強制的な移転については、考え方は分かりますけれども、どのように住民の方々に理解していただくのか、あるいはまたどこに移転するのかといった観点からいろいろな問題点がある、検討課題があると思います。
 したがいまして、まずは浸水想定区域や土砂災害警戒区域のようにその土地の災害リスクを明示することによって、住んでいらっしゃる方々にしっかりと自分がどこに、どういう特性のあるところに住んでいるのかということを認識していただくとともに、避難経路や避難場所の周知、訓練の実施等により災害が発生した場合には避難行動を適切に取っていただけるようにすることが重要だと思っております。
○森本真治君 大臣の御答弁は、多分これまでの考え方とそのまま延長線だというふうに私は思うんです。やはり、特にこの今の状況、本当に想定を大きく超えるようなこういう災害が発生する中で、今までの延長線上の考え方でいいのかどうかということも、この防災行政を根本的に、やはりここで今だからこそ議論をしなければいけないのかなというふうに私は思います。
 いろいろとそういう中でやはり移転の支援なども今後積極的に強めていってもらいたいとか、あと、今回、土砂災害、法改正ありますけれども、ちょっと今日は、準備していただいた皆さん、大変申し訳なくて、もう時間がなくなりましたが、この法改正も私今回担当をすることに多分なると思いますので、国交委員会の方で今日用意した残りの質問をやりますので、そのまま取っておいていただいて、お願いしたいと思います。
 避難行動の考え方の部分だけ、ちょっとあと少しになったんですが、先ほど大野委員からもお話があった、私はそのとおりだというふうに思う中で、情報を出してそれで終わりじゃないんですよね。ちゃんとそれで行動してもらうところまでで完結ですから。そうすると、例えば今、避難勧告、避難指示でも、これちょっと私どこかで記憶があるんですけれども、避難勧告の方が緊迫度が高いという方の方が何かアンケートで、というような数字もありました。今回広島市はその勧告がタイミングが遅れたというような話がありますけれども、避難準備情報については十九日の十時頃にはもう出しているんですよね。そうすると、結局はどう行動を起こしてもらうかという話になってくるんですね。
 その辺り、それぞれの避難準備情報とか勧告とか指示によって住民はどういう行動を起こさなければならないのかというようなことも聞こうと思ったんですが、もうこれ、ちょっと時間がないので、先ほど大臣は噴火のときの避難とかの部分についてはちょっと検討、見直しという話をされましたけれども、この避難勧告とか避難指示とか避難準備情報などもなかなかこれ分かりづらいんじゃないかと、国民の中で理解できていない。やはりそこの出し方についてもちょっと検討してみてはどうかと思うんですよね、言葉について。
 ちょっとそれについて、検討してもらえるかどうか、研究してもらえるかどうかということを、日原さんでも結構ですが、どうぞ。
○政府参考人(日原洋文君) 避難勧告とか避難指示とかは法律用語になっていますので、その法律用語というよりは多分伝え方、緊迫度をどういうふうに伝えていくかという問題だと思います。
 津波の警報のときも、津波警報が発令されましたと淡々としゃべるのか、危ないから逃げろと言うのかというような、そういう防災情報の伝え方の工夫もされたというふうに承知しておりますので、そういった面でもよくいろいろな公共団体の取組も把握しながら、いい模範事例を伝えていくようなことを取り組んでまいりたいというふうに思います。
○森本真治君 もう時間になりました。終わります。
 是非、そこら辺は引き続き検討して、私もフォローさせていただきたいと思います。
 残りは国交委員会でということで、終わらせていただきます。
○山本博司君 公明党の山本博司でございます。
 まず、今回の御嶽山での噴火や、また広島の土砂災害、また台風で亡くなられた方々への御冥福をお祈り申し上げますとともに、被害に遭われた皆様に対しまして心からお見舞いを申し上げる次第でございます。
 また、自衛隊を始めとする消防、警察、また地方自治体や地域住民のボランティアの方々、懸命に救援活動に関わってこられました皆様に、心から敬意と感謝を申し上げる次第でございます。
 私も、広島での土砂災害、発生二十日の翌日、現地に地元の公明党議員と一緒に行かせていただきました。未明から、公明党の議員、様々な形で動いていく中で、朝、地元の斉藤幹事長代行や谷合正明参議院議員と合わせまして、安佐南区、北区に入らせていただいた次第でございます。
 まさしく被災現場は、本当に自然の破壊力といいますか、すさまじいそうした場面、大変痛感をした次第でございます。私たち、自然の脅威にやはり謙虚に向き合っていくしかないということを改めて感じた次第でございます。被害に遭われた皆様に報いるためにも、検証と不断の見直し、これは大変重要でございます。
 本日の質問は、そうした観点から、火山対策とそれから土砂災害に関しまして質問をこれから申し上げたいと思います。
 まず、火山災害からお聞きを申し上げたいと思います。
 この戦後最大の火山災害となりました御嶽山の噴火、気象庁が警戒レベル一、平常と判断する中で起きたわけでございます。先ほどからも何度もこの点に関してはお話が指摘されておりますけれども、噴火後、このレベルを引き上げておくべきではなかったかと、こういう声がたくさん出ているわけでございます。
 気象庁は、二週間以上前から火山性地震などの兆候が、注目をして、地方自治体に情報提供をしておったそうでございますし、また専門家とも検討を重ねてこられておりました。レベルを上げる機会を逃したままに噴火に至った経緯からは、なかなかデータの蓄積が乏しい中で判断せざるを得ないこの噴火予知の課題というのが浮き彫りになったんではないかと思う次第でございます。
 そこで、まず気象庁にお聞きをしたいと思いますけれども、この噴火警戒レベル一をなぜ一のままにしておったのか、こういった経緯、理由を説明していただきたいと思います。
○政府参考人(西出則武君) 噴火警戒レベルは、火山活動の状況に応じて警戒が必要な範囲と防災機関や住民等の取るべき防災対応を五段階に区分して発表する指標といたしまして、二〇〇七年の六月の内閣府の火山情報等に対応した火山防災対策検討会から提言され、同十二月から伊豆大島や桜島等十六山に導入されました。現在は地元の火山防災協議会等により噴火警戒レベルが全国三十の活火山において導入されております。
 そのレベルの判断でございますけれども、気象庁では、地震計、傾斜計、GNSSというものを、さらに遠望カメラというものを使いまして、地震や微動の発生状況、地殻変動の観測、噴気等の状況というものを観測を行っておりまして、これらの観測データを過去の噴火の際の観測データをも考慮しながら総合的に判断するということにより火山警戒レベルの判定を行い、噴火警報を付して発表しているところでございます。
 今回の御嶽山の事例につきましては、御指摘のとおり、九月十日から十一日にかけて火山性地震が増加しておりましたが、地殻変動や噴気に変化が見られなかったこと、また火山性微動が発生していなかったこと、これは二〇〇七年にあったごく小規模な噴火のときと比べますと火山性地震の回数が少なかった、さらに十二日以降減少した、火山性微動が二〇〇七年のときにはあったものがなかった、地殻変動も前もって観測されたものが今回はなかったということがありまして、噴火警戒レベルを事前に引き上げるという判断には至りませんでした。
○山本博司君 大変厳しい、そういう難しい状況だったわけかも分かりませんけれども、警戒レベル二を、引き上げました過去の事例を見れば、今回のケースでも警戒レベル二に上げることはできたようにも思えるわけでございます。
 また、今後もし、明らかに平常の一ではないけれども二ではない状況がもし存在するならば、二と一の間に、一・五にこうした当たる段階の状況、これは変化を具体的に表現することが大事ではないかなと思います。やはり注意喚起と安全確保、これが目的でありますから、抑制的な形ではなくて、一・五のような状況であればレベルの二にしていくという方向性が示されてもよかったんではないかという気がいたします。そうすれば、登山道の入口にそうしたことの理由やまた周知が徹底できたんではないかなと思いますし、当然、火山周辺の入口の規制ということにもつながったと思います。
 どちらにしても、地元の自治体には伝えていた情報が結果として地域住民や登山者の方々には伝わっていなかったという、まさしく情報伝達の在り方そのものが抜本的な見直しが必要ではないかと思いますけれども、気象庁と、その後、大臣にお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(西出則武君) 気象庁の発表する火山の状況に関する解説情報や噴火警報等の火山情報は、報道機関、地元自治体、気象庁ホームページを通じて国民の皆様に提供しております。これらの火山情報は、火山の現在の状況や今後の見通しについてお知らせするものであり、国民の皆様が容易に入手でき、かつその情報ができるだけ分かりやすいものであることが必要であると考えております。
 そのため、気象庁では、早急にできる改善策といたしまして、気象庁ホームページに火山登山者向けの情報提供ページというものを開設し、各火山ごとの情報によりアクセスしやすいようワンストップ化を図るとともに、内容も最新の火山情報等安全に関する情報をまず御覧いただけるように改善いたしました。先週の十月十日から御覧いただいております。
 今回の噴火災害を踏まえると、住民はもとより、登山者や旅行者等に対しいかに分かりやすく効果的に火山情報を提供することが課題と考えております。そのためには、地元の自治体や地元の関係諸機関、団体で構成される火山防災協議会の協力が大変重要であります。気象庁としては、自ら行う改善策と併せて、より丁寧に地元の自治体等に火山情報を提供し、住民、登山者、旅行者等への周知について協力を求めてまいりたいと考えております。
 このような基本的な認識の下、今般、火山噴火予知連絡会の下に、学識経験者や自治体、登山者等の団体から構成する火山情報の提供に関する検討会を設置することといたしました。この場において、分かりやすい火山情報の提供と火山活動に変化があった場合の情報伝達の方法について具体的な対策を早急にまとめてまいります。
○国務大臣(山谷えり子君) 火山情報の提供の在り方について見直しが必要ではないかという、委員御指摘のとおりだと私も考えております。
 今回、火山情報の意味や火山情報を受け取った際に何をなすべきかという説明が不十分ではないか等の御指摘もございました。評価、分析していない生の情報を出しても、それをどう受け止めていいか分からないというようなことがございます。これらの情報が何に注意すべき情報なのか、どのように伝達することが適切なのかなどについて、有識者から意見を聞きながらしっかりと検討をしていきたいと思っております。政府一体となって的確な対応を進めてまいりたいと思います。
○山本博司君 是非、これは情報の伝達の在り方という、災害のリスクをいかにしてしっかりした分かりやすい情報を伝えていくかという大変大事な部分でございますので、しっかり検討していただきたいと思います。
 そして、今回、噴火被害では、行方不明者がなかなか把握することが困難だったということが言われております。これは問合せの情報等を基に集計したもので、全ての登山者に関して把握することは困難ということでございます。それですので、氏名とか携帯電話を把握するための義務化をすべきであるということが強く言われております。富山や群馬でも条例で義務化がされていますし、岐阜でもその条例を作る動きがございます。また、一定の基準を設けて入山料を設定して、噴火の可能性があるような活火山に関しては入山規制が掛かるようなことも必要ではないかという、こうした意見もございます。
 この登山届の在り方そのものに関して、大臣、どのように今後進めるつもりでしょうか。
○国務大臣(山谷えり子君) 登山届の在り方でございますが、届出をした登山者の捜索のための今回重要な情報でございました。登山者を対象とした火山噴火対策として有効であると認識しております。しかしながら、現状では多くの登山者は登山届を提出していないという実態がございます。
 登山届につきましては、今、富山や群馬の例をおっしゃられましたけれども、自治体において届出が義務付けられているところもございます。登山者への火山噴火に関する情報伝達の観点からも、その活用方策について今後検討してまいりたいと思います。
○山本博司君 是非ともお願いを申し上げたいと思います。
 そして、今回、一緒に登山をされた方々が家族や仲間をその場で亡くされているということで、大変大きな衝撃だったと思います。もう目の前で助けることができなかったという、そういう自責の念に駆られてしまうという、そういう方もいると聞いております。サバイバーズギルトという形で、やはり、放置しておきますとPTSDになったりとか、大変大きな問題ということが言われております。
 こうした生き残った方々の心のケア、大変大事でございますけれども、今日、厚労省に来ていただいておりますので、しっかり万全の体制でその対応をしていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(藤井康弘君) お答えをいたします。
 今回の噴火災害で生死に関わりますような恐怖体験をしたことなどによりまして、中には時間の経過とともにPTSDでございますとか、あるいはうつ病、不安障害等に至るような場合も考えられるところでございますので、心のケアにつきましては、私ども、長期的な対応も視野に入れながら支援の体制を確保することが重要だというふうに考えております。
 特に、今回の噴火災害のように、災害発生地域以外の自治体の方々が多く被災をしていらっしゃるようなケースにおきましては、被災された方々のお住まいの地域の精神保健福祉センターですとか、あるいは保健所、市町村保健センター等の役割が特に重要であるというふうに考えております。
 厚生労働省といたしましては、それぞれの地域におきまして被災者の方々が円滑に必要な支援を受けられるように、まず長野県と連携をいたしまして各地域の精神保健福祉センター等での対応を依頼いたしますとともに、私ども厚生労働省のみんなのメンタルヘルス総合サイトというのがございますが、こちらにおいて各種相談機関の周知を図っているところでございます。
 また、各都道府県等における心のケア活動に対する支援といたしましては、国立精神・神経医療研究センターに設置をしております災害時こころの情報支援センターがございますが、ここにおきまして災害初期の心理的対応ですとか、あるいは遺族対応などの技術的な支援等も行っているところでございます。
 こうした取組を通じまして、引き続き、被災者の心のケアにつきまして、都道府県と連携をしながら必要な支援を行ってまいりたいと考えております。
○山本博司君 是非とも進めていただきたいと思います。
 災害は、どの災害におきましてもやはり心のケアということで大変大事でございますので、この研究も含めた形での支援ということでお願いをしたいと思います。
 続きまして、今回発生をしました水蒸気噴火の予知、大変にこれは困難かもしれないわけでございますけれども、それでもやはり救える命があれば努力をすべきでございます。今回、警戒レベルの引上げ方の問題とか情報伝達の在り方、これをしっかり検証するとともに、登山者が避難できるようなシェルターなどのような緊急避難施設の整備、これも強化をする必要がございます。
 また、日本は火山大国にもかかわらず監視に必要な予算や人材が大変不足しているということを、もう様々な方々から強い指摘がございます。充実した観測体制が整備されておりますのは、鹿児島の桜島と、また浅間山だけに限られているというふうに言われております。
 長年にわたり、日本におきましては、地学教育、これに重点を置かれていたとはなかなか言い難い面があると思います。火山の監視は、やはり、それぞれの地域の専門家の、大学の専門家の協力も必要でございますけれども、地学教育、この空洞化の流れというのが、やはり国民の火山に対する理解とか専門家の育成にも悪影響を与えて、そして最終的には火山災害の遠因になっているということが、可能性もあると思います。
 今、大学や火山観測の研究の従事者、僅か四十名と言われております。火山学を専攻する学生も減ってきております。やはり、気象庁におきましては、検討会しっかり、見直しの発表がございましたけれども、こうした監督体制の整備強化ということと、文科省には研究の強化という点に関して見解を伺いたいと思います。
○政府参考人(西出則武君) 気象庁では、全国の百十の活火山について監視をしております。特に、監視・観測体制の充実が必要と火山噴火予知連絡会によって選定された四十七の火山については、気象庁が観測機器を整備し、常時監視しています。また、大学等関係機関の観測機器によるデータも気象庁に提供されています。
 四十七活火山以外の火山については、全国の地震活動の監視のために展開している地震計のネットワークによって火山周辺の地震活動を監視しています。また、現地に気象庁職員が出向いて計画的に調査観測を行っております。また、火山活動の活発化が見られる場合であって必要なときは、臨時に地震計の増強や現地調査など監視体制の強化をすることとしております。
 現状ではこのような観測体制で観測を行ってきたところですが、気象庁では、今回の御嶽山の噴火を踏まえ、火山噴火予知連絡会の下に、火山観測体制等に関する検討会において、まず常時監視が必要な火山の見直しが必要ではないか、火口付近への観測施設の増強が必要ではないか、水蒸気噴火をより早期に把握できる手法の開発が必要ではないか、御嶽山の火山活動の推移を把握するための観測強化が必要ではないかというような観点に立ちまして検討を進めることとし、この場において具体的な対策を早急にまとめてまいります。
○政府参考人(磯谷桂介君) お答え申し上げます。
 火山観測研究につきましては、科学技術・学術審議会の建議による研究計画に基づきまして、現在、噴火現象の解明、噴火の事前予測、そして降灰とか溶岩噴出などの即時予測のための研究の三本柱で、研究機関、関係機関や大学等において研究を進めているところでございます。
 さらに、これに加えまして、今回の御嶽山の噴火を踏まえまして十月十日に急遽開催しました科学技術・学術審議会地震火山部会におきまして、今後の火山観測研究の在り方等について検討を行っております。
 十月十日の会議では、特に水蒸気噴火からマグマ噴火への移行過程の解明について早急に研究を促進する必要性と、山頂付近での地殻変動の観測強化等の必要性について指摘されております。
 年内には、この地震火山部会におきまして、今後の火山観測研究の在り方等について基本的な考え方を取りまとめる予定になっておりまして、文部科学省といたしましては、これを踏まえて、関係機関、関係省庁と協力して迅速に対応し、火山研究や人材育成の充実強化に努めてまいりたいと考えております。
○山本博司君 しっかり、文科省、気象庁含めまして、検討の推進を含めて対策を講じていただきたいと思います。
 九月二十九日現在で、全国の三十一の活火山で噴火警戒レベル、これが設定されておりますけれども、このうち、火山活動が顕著で登山規制が施行されているレベル二以上の山は御嶽山を含めて八つでございます。予知の成功例とされております二〇〇〇年の有珠山の噴火でございますけれども、国内で初めて緊急火山情報が出されまして、周辺の住民一万五千人が避難をして人的被害を防ぐことができました。周期的に噴火を繰り返しておりましたので、的確な予知また避難ができたのではないかと言われております。
 先ほど気象庁、文科省から話がございましたように、検討の見直しが進んでいきましたら、具体的な施策が見えてくるはずでございます。やはり予算の大幅な増額というのは、これはもう避けられないと思います。必要になると思います。
 気象庁のこの火山観測体制の予算、平成二十六年で一億九千六百万円です。二十七年の概算要求では僅か一億三百万円、大変少ないこれは金額でございます。平成二十五年の補正予算では、この集中豪雨や火山や竜巻、こうした観測体制の強化予算に十二億三千五百万円がこれは計上されているわけでございます。私は、責任ある与党の一員として、やはり必要であれば今後の補正予算も含めてしっかり視野に入れて増額を図っていくべきであると、このように思っておる次第でございます。
 大臣には、こうしたことも含めて、火山噴火災害対策、やっぱり強化していかないといけない、こういう決意をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(山谷えり子君) 火山防災対策についてでございますが、より強力に推進していかなければならないというふうに思っております。
 委員御指摘のように、今回の災害において明らかになった様々な課題がございます。観測体制の強化、観測機器の増強、あるいはシェルターの整備、あるいは登山者や観光客を対象とした火山噴火対策、防災教育、火山に関する知識の普及等々でございます。こうしたこと、課題に対応するために、中央防災会議防災対策実行会議の下に設置する火山防災対策推進ワーキンググループにおいて、学識経験者など専門家の御意見を聞きながら、火山活動の監視の強化のほか、噴火の予兆があった場合の火山防災情報の提供、登山届の活用など、登山者等の安全を図るための対応策について総合的に検討していきたいと思います。
 この検討の状況の中で必要な予算の確保、また人材育成、当然つながっていくものと考えております。
○山本博司君 しっかり今回の御嶽山を含めた火山災害に対しての対応をお願いをしたいと思います。
 続きまして、最後の残りの時間で土砂災害に関して質問をさせていただきます。
 広島市で多数の死者が出た一九九九年、この土砂災害を機に土砂災害防止法が制定されたにもかかわらず、今回、八月に大変甚大な土砂災害の被害が発生をしました。また、台風の、何回も訪れて、局地的な集中豪雨、全国各地で多発していることを踏まえまして、公明党は九月二十六日に、土砂災害防止法の改正と制度運用に伴っての総合的な対策を太田大臣、また山谷大臣にも提言を手渡した次第でございます。そういう中から何点か質問をしたいと思います。
 広島市のこの被害拡大の原因といいますのは、やはり多くの土砂災害の警戒区域また特別警戒区域が指定されていなかったということがございました。全国五十二万か所近いこの危険箇所に対して約七割の三十四万か所しか指定しなかったということで、提言にも、都道府県ばらつきがございますから、しっかりスムーズに支援ができるような財政的また技術的な支援をすべきだということを言っておりますけれども、この点、いかがでしょうか。
○政府参考人(池内幸司君) お答えいたします。
 御指摘の点につきましては、今御発言がございましたように、公明党さんの方からも御提言をいただいておるところでございまして、様々な支援策を講ずることにしております。
 まず、土砂災害警戒区域等指定を促進するためには、まずは基礎調査の促進を図ることが重要でございます。このため、促進策の一点目といたしまして、基礎調査を推進する都道府県に対する防災・安全交付金による積極的な支援、二点目といたしましては、国が所有しております地形データの提供による調査の負担軽減、三点目といたしましては、全国の先進的な取組事例の提供、こういった様々な基礎調査の促進策を通じまして、早期の土砂災害警戒区域の指定につながるよう、幅広く支援をしていきたいというふうに考えております。
 以上でございます。
○山本博司君 是非とも、これに関しましては基礎調査をするのに大体一か所四十万円ぐらい掛かるということで、二十万か所ありますから約八百億円の財源をしっかり手当てをしていかないといけないということが言われておりますので、しっかりこういうことも含めてお願いをしたいと思う次第でございます。
 時間の関係で、少しちょっと質問を飛ばさせていただきます。
 まず、この広島市の場合でございますけれども、災害の場合は、災害弱者という方は大変大きな被害が広がっている次第でございます。今回の広島市の土砂災害におきましても、首から下がほとんど動かせない車椅子の方の障害者がお亡くなりになられました。また、聴覚障害の方々は、緊急ファクスが遅延があったということもございました。
 そういう意味では、様々な障害者の方々に対するケースが報道されていますけれども、広島での社会福祉施設の被災状況を簡単にお伝えいただきたいと思います。
○政府参考人(鈴木俊彦君) お尋ねございました社会福祉施設等の被害状況でございますが、建物被害が二十五か所、これに伴う人的被害はないということでございます。
 建物被害の内訳でございますけれども、児童の関連施設が十か所、障害児、障害者の関連施設が八か所、高齢者の関連施設が七か所でございます。被害の内容でございますが、主に床上浸水や敷地内への土砂の流入等ということでございます。
○山本博司君 社会福祉施設の中でも、障害者施設八木園というのがございますけれども、やはり土砂によって流されて、太田川に流されました、一棟は。で、一棟は全壊でございます。そこでは、就労者の継続のB型という形で働いていらっしゃいますけれども、こういう形で、様々な災害でいろんな形で受けている方に対する支援というのは大変大事でございます。
 そういう意味で、西村副大臣、ずっと広島に入っていただいておりましたけれども、こうした災害弱者に対する支援というのは大変大事でございます。避難対策に対してもそうですし、地域づくりに対してもそうでございます。そのことに関してお話をしていただきたいと思います。
○副大臣(西村康稔君) 委員御指摘のとおり、大変大事な視点でありまして、私どももふだんから、これ災対法を一部改正しまして、いわゆる要支援者について、避難行動が御自身ではなかなかやりにくい方々、こうした方々の要支援者の名簿をしっかり整備をして、これを各機関で共有をして、いざというときに、どこにそういう要支援者がおられて、それは誰が、例えば消防団がそこに行って避難を支援をするのか、こういったことを事前に対応するようにということで、私どもも市町村にいろいろお願いをしているところでありまして、法律上もそれができるようになっているところであります。
 御指摘の聴覚障害をお持ちの方も、私どもの示している避難行動支援に関する取組指針の中でも、ファクスとか携帯端末を使って情報伝達を行うことと、一人一人に正確に早く情報が的確に伝わることということを促しているところでありますけれども、今回、御指摘のとおり、そのファクスが届かなかったとか、幾つかのそうした事例も見られますので、これは広島市において初動対応に関する課題を検討する検証部会が開かれておりまして、今も審議が行われております。
 私どもとしては、こうした広島での経験、検証結果も踏まえながら、取組指針、もう既に周知をしておりますけれども、一層それを徹底すると同時に、さらに、高齢者あるいは障害者の方々の命を守るためのそうした取組について更に強化、促進をしてまいりたいと、こういうふうに考えております。
○山本博司君 是非とも災害弱者の取組ということでお願いをしたいと思います。
 こうした災害の際には、行政の危機管理能力というのはもう大変一定の限界がございます。今日も様々議論されておりますけれども、やはりコミュニティーとか住民自身の自助というのが大変不可欠でございますし、それぞれの地域で情報発信をする行政や専門家と、それを受け取る住民がしっかりその情報を自身で生かすことが大変大事でございます。そういう意味での災害リスクコミュニケーションというのは大変大事でございます。釜石の奇跡と言われるこの防災教育という点も大変大事でございます。
 その点で、文科省から防災教育の内容ということと併せて、最後に大臣に、この災害リスクコミュニケーション、大変今日も大事な議論でございますので、しっかりこのことに関して推進をすべきだと思いますけれども、この点、お話をいただきたいと思います。
○政府参考人(芦立訓君) お答え申し上げます。
 やはり御指摘のように実践的な教育をしっかりやっていくということが大きな課題だと考えておりまして、例えば過去に大きな土砂災害被害を受けた地域に対しましては土砂災害教育を、それから、火山活動が活発な地域では火山に対する防災教育を十分実施できるような支援策を講じているところでございまして、今後ともそうした貴重な成果を全国に展開するよう私どもとしても努めてまいりたいと、かように考えております。
○国務大臣(山谷えり子君) 国と地方公共団体による的確な災害情報の提供と情報の受け手たる住民の的確な理解を含めた災害リスクコミュニケーションでございますが、しっかりと取り組んで充実を図ってまいりたいと思います。
○山本博司君 やはり災害リスクコミュニケーション、災害に至る前、また災害時、災害が終わってからということも含めて、これをいかに受け手も、また住民も含めて我々国民が意識を持っていくかというのが大変大事でございますので、災害ということに関してこれから被害を出さないということでの体制をしっかりお願いをしたいと思います。
 以上でございます。ありがとうございました。
    ─────────────
○委員長(秋野公造君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、森本真治君が委員を辞任され、その補欠として大野元裕君が選任されました。
    ─────────────
○薬師寺みちよ君 みんなの党の薬師寺みちよでございます。
 本国会も災害特別委員会で国民の命を守る議論をしてまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いをいたします。
 残念なことながら、この閉会中も広島そして御嶽山の噴火によって多くの方々が犠牲となられました。災害というのは、突然にそして一瞬にしてかけがえのない命を奪ってしまうものでございます。そのような緊急事態の対応というものは、平時の備えが良ければその結果が変わってくるということで、今日は御就任いただいて初めての質疑ということもございますので、大臣、副大臣にも、災害医療そして国家の危機管理の体制について、それを中心に伺ってまいりたいと思います。
 まずは、西村副大臣、副大臣が前回の国会におきまして、政府の危機管理組織の在り方に係る関係副大臣会合というものの座長をなさったという資料を私は見ました。これは八月二十七日に第一回目が行われたんですけれども、第二回目、第三回目というものが十一月、三月に予定されておりました。内閣改造がございましたけれども、これが引き続き継続をされることをちょっと確認をしたいんですけれども、お願いいたします。
○副大臣(西村康稔君) 御指摘の政府の危機管理組織の在り方に関する関係副大臣の会合でありますけれども、今御案内のとおり、東日本大震災のときの経験を踏まえて、様々な方面から政府の危機管理体制をしっかり検証し深化させていくようにというような御指摘をいただきまして、それを踏まえてこの八月に第一回会合を開かせていただいたところで、今後、各国、主要国でどういうような対応をしているのか。よく言われるのがアメリカのFEMA、緊急管理庁の仕組みでありますけれども、そういったところも含めて我々研究をしながら、我が国において最も適切な最適な危機管理体制の在り方について検討を行っていこうということでありまして、八月に第一回を開催し、年度内に二回程度開いて、年度内には取りまとめを行いたいというふうに考えております。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。
 私、資料を皆様方にもお配りをさせていただいております。資料の一を御覧いただきたいと思います。
 この資料一には、常設の構成員、そして幹事会の構成というもの、メンバーが書いてあるんですけれども、これを見まして、私ちょっと納得いかない点がございました。再三この委員会でも取り上げさせていただいておりますけれども、災害医療というものは防災の大きな柱でございます。災害の対策は基本は人命救助ということになれば、やはりここになぜ厚労省が入っていないんだろうと、大変これ疑問に思う。これ当たり前、私ども医療界からすればもう当たり前のことだと思うんですね。このように、大規模の自然災害に密接に関連する省庁の副大臣の会議であれば、やはりここに厚生労働省の副大臣も含まれてしかりと、若しくはこの幹事会の構成の中にも含まれてしかりと考えるんですけれども。
 その前に、DMAT、DPATという言葉を何回も私ここでも叫ばせていただいておりますが、災害派遣医療チーム、そして災害派遣精神医療チーム、そしてドクターヘリ、もう様々なツールを使いながら、厚労省も内閣府と連携をしながらこれまで災害の際に人命救助に当たってまいりました。しかし、東日本大震災の反省を踏まえとおっしゃるのであれば、あのとき一番問題になったのが、やっぱりこういう連携ができていなかった、だからこそ助かる命が助からなかったということだということ。様々な報告が上がっております。
 いかがでございましょう。副大臣、この中にしっかりと厚生労働というメンバーも入れていただけますでしょうか。
○副大臣(西村康稔君) 非常にいい御指摘をいただいておりまして、私どもも、これで固定してこのメンバーだけでやっていくということを考えているわけではございませんで、御指摘のとおり、被災者の命を守るという観点から、厚生労働省、非常に大事な役割を果たしていただかなきゃいけませんし、複合災害のときの対応ということも考えておりまして、原子力災害と同時に起こる東日本の例もありますし、あるいはコンビナートのような場合、自然災害とコンビナートの事故が同時に起こるような場合、あるいは交通機関のような場合もありますので、経産省とかほかの省庁も含めて柔軟に対応したいと思っておりますので、御指摘踏まえて厚労省の方にも参加していただきながら、そこはしっかりと議論していきたいというふうに思います。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 災害医療につきまして本当に御理解いただきまして、本当に私も、これからの問題でございます、なかなか、防災というと医療というのを思い付かれる方が少ないものですから、この委員会でも何回も取り上げまして、今日は局地災害のことも伺っていきたいと思っております。
 災害拠点病院を中心に、今、DMAT、先ほども御紹介いたしました災害派遣医療チームというものの配備が全国的にも進んでまいりました。広域災害だけではなく局地の災害もこのDMATの派遣が期待されるという事態になっているんです。
 厚生科研の自然災害による広域災害時における効果的な初動期医療の確保及び改善に関する研究という中で、実は残念なデータを見付けました。これはDMAT事務局の小井土部長が行ったものなんですけれども、DMATが出動するのは大変大きな災害であって国が動くようなものだというふうなどうも発想が地方にはあるのか、アンケート調査の中では、協定書若しくは運営要綱に局地災害に関する記載があるのはほぼ九八%、一〇〇%に近いんですけれども、局地災害の派遣体制となると、都道府県が二十四時間対応できるのは五〇%、消防がDMAT指定病院に直接要請できるところは六〇%、都道府県のうち実際に局地災害にDMATを派遣したのは三割強という数字でございます。派遣体制としては不十分であるということがこれでもうはっきりしたかと思います。
 DMATを有効に活用するために、都道府県における災害医療における位置付け、そしてまた、どのように指導を行っているのか、内閣府そして医政局からも伺っていきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○政府参考人(日原洋文君) DMATの位置付けということであります。
 災害対策に関しましては、まず災害対策基本法に基づく防災基本計画というのが根っこにございます。その防災基本計画の中では、負傷者が多人数に上る場合を想定した医療資機材の備蓄、それから災害拠点病院の選定、被災地域外の搬送拠点の確保などの救急医療体制の整備、それから、災害派遣医療チーム、DMATに参加する医師等の教育研修、活動体制の確立、それから、被災者の心のケアを行うチームの教育研修などということを定めておりまして、さらに、災害応急対策といたしまして、被災地内の医療機関における医療活動の実施及び相互の協力、広域後方医療施設への負傷者等の搬送、それからDMATの派遣、心のケアを行うチームの派遣などということを位置付けております。
 地域防災計画は防災基本計画に基づき作成するものでございますので、例えばDMATにつきまして私どもが確認いたしましたところ、全ての都道府県におきましてDMATに関する記述があるということを確認しているところでございます。
○政府参考人(二川一男君) 厚生労働省におきましては、災害派遣医療チーム、いわゆるDMATでございますけれども、広域災害と同様に、局地災害の発生時にも迅速に出動できることが重要であると考えているところでございます。
 実際、厚生労働省が作成しておりますDMAT活動要領におきましては、局地災害時でも都道府県が迅速にDMATを派遣要請できるよう、派遣要請の基準を盛り込んでいるところでございます。具体的には、死者数が二人以上、傷病者数が二十名以上と、こういうふうに見込まれる場合を基準として定めているところでございます。また、災害救助法が適用されないような事故や小規模な災害につきましても、DMATが実際に活動した場合にはその活動の費用を補助しているところでございます。
 実際、平成二十五年度におきましては、各都道府県内のDMATのみで対応可能な局地災害に出動した事例といたしましては、福知山市の花火大会の爆発事故やあるいは秋田県の由利本荘市の土砂災害等がございます。
 今後とも、DMAT関係者の会議等の場におきまして局地災害時の活動を周知するなど、局地災害を含めてDMATが有効に活用されるよう努めてまいりたいと考えておるところでございます。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 DMATの皆様方にお知らせいただいても、結局はその県若しくはその市町村の皆様方が御存じないと動けないという、これがDMATの仕組みでございます。ですので、このDMATを、若しくはDPATという新しい仕組みというものを都道府県でも活用してもらうためには、災害対策基本法の第十五条、都道府県防災会議の組織の委員に、都道府県の災害拠点となっている基幹災害拠点病院の院長若しくは管理者などを明記していただく必要があるのではないかと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(山谷えり子君) 今委員御指摘のように、DMATの基準とか活動要領が十分に広く理解されているということではまだまだない状況だというふうに思っております。その辺の対応はしっかりしてまいりたいと思います。
 今御質問の件ですが、都道府県防災会議の委員は、指定地方公共機関の役職員や学識経験者などから都道府県知事が任命することとされており、基幹災害拠点病院の院長を都道府県防災会議の委員に任命することについては都道府県知事の判断により行うことができます。現在、都道府県防災会議の委員には、医療関係者として、各都道府県にある日本赤十字社の支部と医師会などが構成員になっていると承知をしております。
 委員御指摘のように、基幹災害拠点病院の院長を都道府県防災会議の委員として災害対策基本法に明記することについては、他の防災関係機関とのバランス等の観点からも考えていく必要があるのではないかと考えています。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 大臣、今お答えいただきましたように、医師会であったり、若しくは日赤の病院という院長は入っているんですね。しかし、一番肝腎のDMATの基幹病院であります災害拠点病院という方々がその会議の中にいないということになれば、やはりDMAT、DPATというものは有効に動いていけないんですね。ですので、なるべく御指導いただくような形でこれからも啓発いただきたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。
 次の質問に移らせていただきます。
 DPAT、DMATとともにドクターヘリというものが最近活用されております。東日本大震災でもドクターヘリの出動は十六機、そして百四十名以上の患者様を搬送したという実績がございます。ドクターヘリというのは、単に搬送するだけではなく、ドクター、ナースを現地に送り、そしていち早く治療しながらまた搬送していくという新しい仕組みでございます。これも議員立法でできた法律でございますけれども、このような法律の中で、私ども、まだまだドクターヘリというものを周知していただいていないような地方もございます。
 実際、防災基本計画というものがございますが、この中にDMATという言葉はあるんですけれども、ドクターヘリの記載がまだまだございません。そういたしますことによって、地方の皆様方、特にその県の皆様方には周知徹底できないような側面もあろうかと思いますけれども、統括官、いかがでしょう。このような位置付けというものはとても大切なものでございます。基本的ツールとして明確に位置付ける必要があると私は考えておりますが、国としての見解を教えてください。
○政府参考人(日原洋文君) 御指摘のとおり、ドクターヘリは大変重要な役割を果たしていると認識しております。ただ、ドクターヘリに限らず、通常のヘリコプター、消防ヘリも含めまして、いろいろな役に立つということから、防災基本計画におきましては、特に機動力のあるヘリコプターの活用を推進することとか、あるいは災害拠点病院においてはヘリポートの整備等に努めることというようなことをうたいまして、まさにそのドクターヘリも含めたヘリコプター全般の活用ということを進めているということであります。
 今後、その中で特にドクターヘリをどのように位置付けていくのかは今後検討していきたいというふうに思います。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 先ほども申しましたけれども、ヘリコプター、単なるヘリコプターではないんですね。ドクターヘリというのは、やっぱりドクターを輸送し、またその中で患者様を治療しながら搬送するという、普通の防災ヘリとは違った位置付けで私ども医療界の中では考えておりますので、今後御検討いただきまして、しっかりとした位置付けをお願いをしたいと思います。
 それと相まちまして、実はDPATというものもこの中に記載がございません。今まだ先遣隊は十五か所にしか整備されていないという、まだまだ皆様方に心のケアができる状況ではない、全国の皆様方にも御利用いただけない状況でございます。DPATについても防災基本計画に明確に位置付けるべきではないかと考えておりますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(日原洋文君) 防災基本計画の中では災害時の心のケアの専門職からなるチームという表現で通っておりまして、ちょっとDPATという言葉を使っておらないんですけれども、考え方としては基本的に同じでございますが、DPATということを、最近新しく組織された名称でございますので、その位置付けにつきましても併せまして今後検討してまいりたいというふうに思います。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 東日本大震災におきまして、自治体、医療機関から精神科医というものを中心とした心のケアチームというものが派遣されました。しかし、この心のケアチームというものは、組織をされたものではなく、その場の寄せ集めであった。だからこそ、訓練をしてしっかり災害に対応できる、心のケアがいち早く提供できるというのがDPATというものでございます。
 ですので、その新しい試みについて、次から次へやはり政府の方も発信をしていただかなければ、なかなか県若しくは市町村の皆様方には御理解いただけないかと思いますので、前向きに御検討をいただきたいと思っております。
 それでは、ちょっと観点が違いますけれども、防災基盤整備のことにつきましてお尋ねをしたいと思います。
 内閣府というものは、独自に採用した職員に加えまして、各省庁からの出向者が大変多い機関であるということは私も認識をいたします。一方で、これを悪い言葉で言えば寄せ集めというような体制にもなっているということも有識者から指摘がされまして、人材育成の筋書というものがおろそかになっているんじゃないですかということも、また私、あるもので読ませていただきました。
 職員の在職期間というのが二年未満で異動してしまって、特にこの防災というものに関しましては専門的な知識というものが問われます。専門性が高い分野を担わなければならないにもかかわらず、知識そして経験の蓄積というものは十分だとはどうもこの状況では言い難いんではないかなと考えております。
 そのことにつきまして、人材育成の仕組み、そして人事の仕組み、西村副大臣の方から御意見いただけますでしょうか。
○副大臣(西村康稔君) 御指摘のとおり、政府における防災担当者の業務は、国民の生命、財産を守るということに直結するものでありますので、迅速な判断、それから的確な業務遂行を求められております。そうした専門性を高めていくこと、常にそういう意識を持ち経験を積んでいくこと、非常に大事なことだと思っております。
 そうした観点から、内閣府防災においてもできるだけ経験を有する職員の蓄積を図っていきたいと考えておりまして、最近では、各省庁から内閣府防災に出向してもらう職員についても、可能な限り各省庁で防災業務経験者を送っていただくというようなこともお願いをしておりますし、内閣府で経験した人が今度はまたその省庁に戻って防災を経験する、また機会を見て内閣府に来るというローテーションのようなこともお願いをしていきたいというふうに考えております。
 また、内閣府のプロパーの職員についても、これまではどちらかというと旧経済企画庁とか経済のことをやりたいとか、旧国土庁の方々もかつてはおられたんだと思いますが、今は国土交通省やあるいは気象庁の方に、災害のこと、防災対策をやりたいという方は行かれる人が多いようでありますけれども、内閣府のプロパーの職員についても、是非こうした意識を高めていく。そうしたことをやりたいという人も是非入っていただきたいということも考えておりますし、そうした説明会でもよくそんなお話もしていきたいと思いますし、それから、緊急災害対策本部のようなものが開かれたときにこういうことをやるんだという研修、訓練も繰り返し行ってきておりますので、そうしたことを通じて、プロパーの職員、それから出向者、出向していただく職員の方々、併せて能力の向上、人材育成に努めてまいりたいというふうに考えております。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 もう一問、副大臣には質問を準備しておりました。これから先、考えてみますと、国で枯渇しているんであったら、地方においては更に枯渇している状況で、専門家はおりません。国に防災計画を立てなさい、医療の中でも、災害時の医療計画を立てなさいという項目がございます。しかし、それを立てるにも、なかなか専門家がいない中で苦しい状況のようでございます。
 ですから、今後、国だけではなく地方の人材育成にも取り組んでいただきたいということを、済みません、質問として代えさせていただきます。
 さらに、最後でございますけれども、資料二を御覧いただきたいと思います。政府の危機管理組織の在り方について、最後にお尋ねをさせていただきます。
 日本の災害対応システムというものは、各組織の独立した権限を前提とする分権的、多元的なシステムでございます。米国のような命令、統制型のシステムとは発想が根本的に異なっております。まあそれなりにメリット、デメリットというものが様々な有識者の皆様方からも現在論じられているところでございますけれども、外国には、危機管理に対する常設の総合的、一元的な行政機関、アメリカであればFEMAのようなものがございます。
 ですけれども、今、西村副大臣が中心となって考えてくださっているその関係省庁の会議の中でもこのようなことが研究されているようでございますので、山谷大臣の方から、今後どのような方針でこの危機管理というものに臨んでいくという、ちょっと決意も含めまして御意見いただければと思います。よろしくお願いいたします。
○国務大臣(山谷えり子君) アメリカのFEMAは七千六百七十二人の常勤職員、フェデラル・エマージェンシー・マネジメント・エージェンシーという、いろんな国によっていろいろな在り方があるんだろうと思います。
 御指摘の、危機管理に関する業務を専門的に行う新たな組織を創設するかどうか、各国の統治システムの違いや平時における組織の在り方、行政改革との関係や消防、警察等の現行組織との関係など、様々な視点から検討していくべきものだと考えております。
 これらの観点も踏まえまして、先ほど西村副大臣の方から答弁がございました政府の危機管理組織の在り方に係る関係副大臣会合において、まずは関係省庁を含めた現在の体制についての検証を行い、主要各国における危機管理体制と比較しつつ、我が国における最適な危機管理体制の在り方について検討を行ってまいりたいと思います。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。
 終わります。
○東徹君 維新の党の東徹でございます。
 時間の関係で、ちょっと質問の順番を入れ替えさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 まず最初に、土砂災害対策について質問をさせていただきたいと思います。
 山谷大臣もよく御存じのように、日本というのは本当に四季があって大変美しい国ではありますけれども、自然豊かで。ただ一方、地震とか台風とかそういった災害の非常に多い国ということでありまして、国土の面積の七〇%がやっぱり山岳地ということであって、先ほどから申されているように、やっぱり沖積地には大変家も多いですし、また、山岳地、斜面にも家がたくさんあるということで、大阪府みたいなところでも結構山がありまして、山の斜面にはやっぱり家が結構あるというような状況もこれたくさんあります。
 この土砂災害防止法に基づく警戒区域や特別警戒区域の指定を適切に行っていくということが大変重要であるというふうに思っておるわけですけれども、大阪府なんかは、知事の主導の下、二十八年度末までにその指定の完了をかなり早めていくというようなことをやっております。
 ただ、どこの都道府県でも同じことが言えるというふうに思うんですが、基礎調査、警戒区域とか特別警戒区域に指定するに当たっての基礎調査をやるわけですけれども、その基礎調査には一件当たり四十万円から五十万円ぐらいの金額が必要になってくるということでありまして、どの都道府県もこれが財政負担となって区域指定が思うように進まないというようなことも聞いております。
 これらの区域指定をやっぱり早急に進めていかなきゃいけないというふうに思っておりまして、区域指定の前提となる基礎調査に対する国の予算措置というものを行うべきというふうに考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(池内幸司君) お答えいたします。
 委員御指摘のように、土砂災害警戒区域等の指定を促進するためには、まずはその前提となります基礎調査の促進を図ることが重要であるというふうに考えております。都道府県の実施されます基礎調査に対しましては防災・安全交付金を措置しているところでございますが、基礎調査を推進する都道府県を積極的に支援してまいりたいというふうに考えております。
 さらに、これに加えまして、促進策といたしましては、一点目としては、国が都道府県ごとの進捗状況を把握し公表すること。それから二点目といたしましては、これはお金の面ではないんですが、国が所有する地形データ、こういったものを提供することによって調査の負担軽減を図っていくということ。それから三点目といたしましては、先進的な取組事例等の情報提供、こういったことを考えておりまして、これらにより都道府県を支援いたしまして、基礎調査の促進を図ってまいりたいというふうに考えております。
 以上でございます。
○東徹君 なかなか財政的な支援はできないというようなところなんでしょうか。
○政府参考人(池内幸司君) 今でも防災・安全交付金で支援しておりまして、そういったものを、特に基礎調査を熱心に進めていただける都道府県に対しましては積極的に資金面で支援しているというところでございます。
○東徹君 是非ともよろしくお願いいたします。
 これに関連してなんですけれども、実際この基礎調査を行うためには民有地に入って調査を行うということが必要であるということで、その所有者から調査するに当たって同意書というものをこれはもらわないといけないということで、同意がもらえなかったらなかなか入れないというふうなケースもあるというふうに聞いておりまして、都道府県が迅速にこの基礎調査を行うためにも、国として何らかのこれは対応を考えるべきではないかというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(池内幸司君) 実は、現行の土砂災害防止法第五条では、基礎調査のための土地の立入りについては規定されております。それで、他人の占有する土地に立ち入り又は一時使用する際には、当該土地の占有者にあらかじめ通知することで立ち入ることができるというふうになっております。
 国交省といたしましては、地方ブロックごとの土砂災害防止に関する会議等を通じまして、この規定を適切に運用するよう助言していきたいと考えております。また、この規定の全国での適用事例も情報提供を行うことなどによりまして、基礎調査の促進を図ってまいりたいというふうに考えております。
 以上でございます。
○東徹君 それでは、同意ではなくて通知でいけるというふうな解釈で、まあこれは通知が、相手が同意しなくてもいけるというふうなところで解釈させてもらってよろしいんでしょうかね。
○政府参考人(池内幸司君) もちろん法律上は通知でいいんですが、さはさりながら、やはり一般的にはきちっと相手にお伝えして、それで御理解を得て入っている場合が多いように伺っております。
○東徹君 なかなかこの同意というのがまだ難しいというふうに言われていますので、是非ここのところは御検討いただきたいというふうに思います。
 さらに、現在の土砂災害防止法では、土砂災害特別警戒区域の中にある家屋について、特に危険だというふうに判断される場合に都道府県はその移転を勧告することができるわけですけれども、家屋の移転を進めるためにも、特別警戒区域内の家屋の移転に対する助成制度を、移転後に住宅を購入した者に限らず、移転後に賃貸で居住する者にも特例的にこれ対象とするべきというふうに考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(橋本公博君) お答え申し上げます。
 特別警戒区域などの家屋の移転に関しましては、がけ地近接等危険住宅移転事業というのがございます。御指摘のとおり、現在のこの制度では、危険住宅の除却等に必要な費用、それから移転に必要な費用を補助するとともに、持家の建設、購入のために金融機関から融資を受けた場合の利息に相当する額を補助をしておるところでございます。
 現在のところ、賃貸住宅に移転される方については、従前の住宅を除却する費用、それから引っ越しをされる費用については補助対象でございますけれども、家賃につきましては他の公的な賃貸住宅制度とのバランス等も考えて補助制度の補助の対象にはしておりません。ただし、お住まいの方が高齢であるとか、あるいは障害をお持ちであるとか、あるいは所得が一定以下であるという場合には、地方公共団体の判断によりまして公営住宅の入居要件に当たってそういう優先的な取扱いをすることも可能でございます。
 現行の様々な公的な賃貸住宅制度も活用しながら、賃貸住宅にお入りになる方の受皿を整備をしていきたいと考えておるところでございます。
○東徹君 そういうところにお住まいの方々は高齢の方、おっしゃるとおりですね、高齢の方々がやっぱりおられると思いますので、なかなか購入では進んでいかないというふうに思っていますので、賃貸に対しても何らかのそういった補助を考えていけばより進むというふうに思いますので、是非とも検討いただきたいと思います。
 続きまして、南海トラフ大地震について御質問をさせていただきます。
 南海トラフ巨大地震ということで、これもう非常に確率の高い割合で来るというふうに予測はされておりますけれども、例えば大阪府では被害予測というのが実はありまして、津波による人的被害が十三万四千人亡くなるということですね。経済的被害は約二十九兆円というふうな試算がされております。この影響は、もう本当に日本経済にも大きく影響するものというふうに思っております。
 この巨大地震による津波災害に対処していくためには避難訓練、もちろんこれ大事でありますけれども、一方では、河川や海岸の堤防の耐震・液状化対策、こういったハード面もやっぱりどうしても最低限必要な部分というのがありまして、大阪府では、南海トラフ地震対策のために防潮堤を整備するためには十年間で約二千三百億円の事業費が掛かるというふうに推定されております。これは大阪府だけではなくて、自治体や経済界、十六団体が共同して国に対して財政措置を求めておるところでありますけれども、まず南海トラフ地震などの巨大地震に対する対策を進めていくため、自治体の取組に対する支援を進めるべきというふうに考えますが、まず内閣府のお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(山谷えり子君) ソフト面、ハード面での対策が重要だというふうに考えております。
 津波に関しましては、まず迅速な避難ということが重要でありますけれども、ソフト面では確実な情報伝達や避難訓練等のソフト対策、素早い避難の確保を後押しする対策を推進していく必要があります。そして、ハード面でございますけれども、ハード面対策、海岸保全施設等のハード対策、津波から家屋や資産等の被害を防ぐだけでなく、大規模な津波からの避難に対して時間を稼ぐという効果が期待される場合もございます。このため、海岸堤防等の耐震化や液状化対策なども極めて重要であります。
 今後とも、関係省庁と緊密に連携しながら対策推進に努めてまいりたいと思います。
○東徹君 大臣、ありがとうございます。是非とも、そのお考えの下に進めていただきたいと思っています。
 まずは避難することがやっぱり一番これ大事でありまして、ただやはり海抜ゼロメートル地帯とか、やっぱりそこに人口がすごく集中しているところとか、そういったところにはやはりハード面も早急に整備していく必要もあるというふうに思っております。
 そこで、特に防潮堤の液状化対策についてなんですけれども、これはやっぱり新たに防潮堤を造るわけじゃない、液状化対策ですから。ただ、これには多額の費用負担が必要になってくるわけでありまして、これに取り組む自治体の財政負担というものをやっぱり軽減していくために、これについては東日本大震災の復興事業に関わる地方債への特別措置と同様の措置を行っていただいて、自治体の取組というものを支援していくべきではないかというふうに考えるんですが、これについての御見解をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(橋本嘉一君) では、総務省の方からお答えをいたします。
 東日本大震災を契機としまして、被災地の復興事業に加え、大規模地震の対策地域において素早い避難の確保を後押しする観点から、全国防災事業が設けられております。国の社会資本整備総合交付金が交付されます。
 議員御質問の南海トラフ地震などの巨大地震に対処するため、河川や海岸堤防等の耐震・液状化対策を実施する際、今申し上げました全国防災事業を活用して実施する場合には、交付金を除く地方負担分は全国防災事業債という地方債の対象となります。充当率は一〇〇%、元利償還金の八〇%を交付税措置いたしております。また、同様の事業を地方単独事業として実施する場合には、緊急防災・減災事業債というまた別の地方債の対象となりまして、この場合には、充当率は一〇〇%、元利償還金の七〇%が交付税措置されます。
 このように、いずれの事業の地方債につきましても手厚い地方財政措置を講じております。地方公共団体の防災面の取組を積極的に支援いたしております。
 以上です。
○東徹君 ありがとうございます。
 是非ともこの東日本大震災と同様の措置を講じていただいて、今後地震があっても被害をやっぱり少なくすることができるというふうなことで是非とも進めていっていただきたいというふうに思います。
 続きまして、密集市街地対策について質問をさせていただきます。
 国土強靱化アクションプラン二〇一四年の中には、五千七百四十五ヘクタールに及ぶ大規模火災のリスクの高い、地震時等に著しく危険な密集市街地の解消を平成三十二年まで進められるというふうにされております。
 特に、大都市におきましては、密集市街地における住宅等の不燃化、延焼遮断帯の整備などを進めていく必要があるというふうに考えておりますが、そのような取組を行う、これも財政負担の軽減の話になるんですが、自治体の財政負担を軽減していくために自治体への補助における国費率の引上げを行っていくべきというふうに考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(橋本公博君) お答え申し上げます。
 密集市街地において安全性を確保するためには、委員御指摘のとおり、延焼を遮断する効果のある道路等の整備、避難経路の確保、老朽建築物の除却、建て替え、さらには事業実施により移転を余儀なくされる従前居住者用賃貸住宅の供給といった対策が必要になるというふうに考えております。
 これらの取組につきましては、国土交通省といたしましても、従来から、防災・安全交付金等により地方公共団体に対して財政的な支援を行うとともに、その制度の拡充に努めてきておるところでございます。
 特に、二十七年度の予算要求におきましては、密集市街地の防災対策の推進と併せて、生活支援機能等を整備するなど、地方公共団体と民間事業者等が連携をして総合的な環境整備を行う取組に対しまして、交付金とは別枠で、追加の形で補助金を更に用意をして重点的に支援をするという新たな制度の創設を盛り込んでおるところでございます。
 これらが実現いたしますと、交付金に加えてまた別の補助金も同時に使えるようになるということで、地域の整備は更に一層進むものと考えておりまして、今後、地方公共団体の負担軽減も含めて密集市街地対策の推進に取り組んでまいる所存でございます。
○東徹君 現行は二分の一なんですが、できれば三分の二にしていただきたいなというふうに思っておったんですけれども、ほかの補助金であるとか、そういったことも使えるということでありますから、それは一度是非検討していって、これも我々としても検討したいというふうに思っております。
 あと、これは超党派でもいろいろと考えていただいている話ではないのかなというふうに思っておるんですが、老朽した空き家の除去、これがなかなか進まないというのが現状やっぱりありまして、なぜ進まないのかというと、やはりそれは固定資産税の問題があるわけでありまして、これはよく皆さん御存じのところだというふうに思うんですが、この空き家除去を進めていくためにも、現在の固定資産税の特例の適用をこれ解除するべきではないかというふうに思っておるわけですね。皆さん御存じのように、空き家であっても土地の上に建物があればこれ固定資産税が低くなるわけでございまして、だからなかなかこの除去は進まないという状況があります。
 この現在の固定資産税の特例の適用を解除するべきではないかというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(青木信之君) お答え申し上げます。
 老朽化して放置された空き家の問題でございますけれども、そうした問題が生じている原因でございますが、一つには、解体費用の負担が困難、あるいは相続等で権利関係がなかなか整理が付かないといったことが理由としては大きいかと思いますけれども、御指摘いただきました固定資産税の特例というのもその要因として挙げられております。
 ただ、この空き家の問題、原因が様々でございますので、全体としてどういうような対応方針で臨んでいくのか、その方針の下で具体的な対策を検討していくということが必要なのではないかと思っております。
 現在、議員立法によりまして空き家対策の推進に係る特別措置法案が検討されていると伺っております。そうした場での議論も踏まえながら対応については検討してまいりたいというふうに考えております。
○東徹君 おっしゃるとおりでありまして、議員立法で、超党派で今これを検討していただいていますけれども、是非この点につきましても早く進めるように御検討いただきたいというふうに思います。
 最後に、これも本当に災害対策のために必要だというふうによく言われておりますけれども、やっぱり豪雨災害とかには特にその予測というものが非常に大事だというふうに思っておりまして、これ、気象庁では、ドップラー・レーダーですかね、全国整備など、観測システムの強化を図るというふうに進めているというふうに聞いておりますが、これはなかなかまだまだ十分ではないのかなというふうに思っております。
 今後、どのような各種設備を整えて災害予測の精度をどう高めていくのか、これは国土交通省になるんでしょうか、御見解をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(西出則武君) 気象庁では、集中豪雨などの大雨を監視、予測するために、全国二十か所にドップラー・レーダーを整備しております。本年三月には、このデータ処理を高度化し、二百五十メートル四方のきめ細かさで降雨の状況の把握をできるようになりました。さらに、本年三月までに上空の風を観測するウインドプロファイラーを更新し、全国三十三か所で最大十二キロ上空までの風を連続的に観測できるようになるなど、観測システムの強化を図ってきたところです。
 このような観測データを活用し、本年八月七日から、三十分先までの降雨を二百五十メートル四方で予測する高解像度降水ナウキャストの提供を開始したところです。これには、気象庁、国土交通省、地方自治体が保有する全国約一万か所の雨量計のデータや国土交通省が整備したXRAINのデータも活用することで精度の向上を図っています。
 また、本年十月七日には次期静止気象衛星ひまわり八号を打ち上げ、平成二十七年夏頃の運用開始を予定しています。ひまわり八号は、日本付近を二・五分ごとに観測するなど高い観測能力を有しております。さらに、時間・空間分解能が高いフェーズドアレー・レーダーの活用など、次世代の観測・予測技術の研究開発にも取り組んでおります。
 これらの観測システムの強化により得られたデータを用いて、今後も気象予測の精度の向上に努めてまいります。
○東徹君 時間となりましたので、これで終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。
 御嶽山における捜索を中止せざるを得ないという報に接しまして、沈痛の思いがいたします。噴火や台風、集中豪雨など、相次ぐ災害で犠牲になられた方々へ心から哀悼の意を表しますとともに、全ての被災者の皆さんに心からお見舞いを申し上げます。
 今日は広島の同時多発的な土石流についてお尋ねをしたいと思っていますが、土砂、瓦れきの撤去が一定進む中で、土砂はかき出したけれどもこれからの生活の基盤の再建に途方に暮れるというのが多くの被災者の皆さんの実情ではないかと思うんです。
 写真を六枚、資料としてお配りをいたしました。九月の、安佐北区可部東六丁目に新建団地というところがありますけれども、この様子です。
 発災直後は土石流で完全に埋まって、もちろん入れもしませんでしたし、家の姿は見えなかったところですが、こうやって土砂をかき出してみると、一見新築のおうちのような、そうした建物なんですね。
 二枚目が、土石流が襲ってきた山側の傾斜地です。ここを膨大な土石流が襲いかかってきて、三枚目のように建物の基礎の部分が完全にえぐられてしまっています。仮の柱で建物を支えるような形になってはいますけれども、これが住めるはずがない。
 加えて、四枚目、そうした土石流が擁壁を壊して、その下の部分にある家にのしかかってしまっているわけですね。五枚目はその下の家の方から見た様子ですけれども、壊れた重たい擁壁が下の住家に倒れかかっていて、その住家も極めて深刻な被害を受けている。
 最後の六枚目は、そうした土石流で建物そのものがゆがんでしまって、玄関の扉が閉まらない、そうした様子になっている。
 こうした開発されて建物が建ったこの町内だけで合わせて九戸が、一戸一戸の再建はもちろんなんですけれども、言わば面として町内の再建の見通しを立てないと、これは生活の基盤を取り戻すことはできないという状況にあります。八木や緑井、そして安佐北区始めとして、こうした地域が本当にたくさんあるというのが今の現状なんだと思うんですね。この間、国、県、市一体で地域ごとの意見交換会が行われてきましたけれども、その中で被災者から出されているそうした声に応えて必要な公的支援を具体化する、再建の見通しを立てるということが今本当に大事だと思います。
 そうした観点で、今日、三点お伺いをしたいと思うんですが、まず第一は、焦点となっている、これから安心して住めるのかという被災者の不安の問題です。
 八月二十八日の閉会中審査でも紹介をしましたが、緑井七丁目で被災したある方は、あの場所が安全だという保証がない限り、家の改修とか建て替えの話には気持ちがいかない、個人の判断にはならないと、そうおっしゃっていて、私どももこの間、被災者千数百人の方々の声を伺う取組をしてきたんですけれども、その声がどんどん広がっていると思います。住み続けたいという気持ちと、どうしたらいいか、もう絶望するという思いの間に揺れ動くばっかりで、気持ちが定まらないと。その中で、安全性の判定というのは国、行政の責任だと思うんですね。
 そこで、まず土砂災害防止法に基づく特別警戒区域指定の前提となる基礎調査と基準についてお尋ねしたいと思います。
 今般の広島の土石流被害の流出した土砂が、想定の五倍という衝撃的なニュースが流れました。土木学会、地盤工学会の合同調査の結果を報じたものなんですけれども、その中で広島大学大学院の教授はこんなふうにコメントをされています。危険渓流の谷の姿というのは、これ枝分かれしているわけですよね。その支流から複数同時に土石流が起こるということを県の調査は想定をしていなかった。だから、その県の調査と違って、今回は複数から土石流が起きたことによってその想定との開きが大きくなった。したがって、流出した土砂が事前に想定されていたものと五倍の違いがあるということなんですよ。これ、大臣も現地を御覧になって、どれほど膨大な量の土砂や岩石が流れ出してきたかということでお分かりいただけると思うんです。
 そうした下で、八木、緑井を始め、国の基準による特別警戒区域の指定が仮になされていたとしても、その範囲を超えて大きく被害が広がっているということが明らかになりました。したがって、これまでの基準で安心できるのかと。これまでのままの基準とそれに基づく調査で仮に特別警戒区域が今後指定されていったとしても、安心できないということじゃないかということが大問題になっているわけです。
 目の前でいいますと、広島県は現実に起こった被害の現状を追認する形でこの地域の指定をするということが最も分かりやすいというふうに知事御自身もおっしゃっています。私は当然だと思うんですね。ところが、報道では国が難色を示しているというふうにも言われています。
 そこで、まず水管理・国土保全局長に、どうしてこんなことになっているのか、その基準の説明を簡潔にいただければと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(池内幸司君) まず、この土砂災害警戒区域等の指定の前提になります計算に当たりましては、流出土砂量、それから氾濫が開始すると想定される基準点、土石流の流下方向、こういったものの適切な設定が必要でございますが、これにつきましては現在広島県から御相談を受けておりまして、今回の土砂流出の状況ですとか被害実態を踏まえまして適切に設定するよう、現在助言を行っているところでございます。
○仁比聡平君 私の方で少し説明しますと、今お話のあったような形で物理的に計算するわけですよね。なんですが、そこに入力する現地調査を踏まえた土砂量というのは、最長渓流、つまり谷が一本になるところの、しかも第一波の土石流だけを考えることになっていると、昨日勉強させていただいて伺いました。だから、第二波、第三波と、次々と土石流が発生したら想定を超えることになるのは、これは当たり前なんですね。現実には、第一波どころか同時多発的に土石流は発生をしました。ですから、基準が現実に起こり得る災害の実態に合わないのでは、土砂災害防止法そのものの信頼が根底から崩れてしまうわけです。
 そこで、うえの政務官においでいただいていますけれども、これまで開発の後追いになり警戒区域の指定も遅れてきたと、言わば土砂災害の危険を放置したと言われても仕方がない、そうした国土政策の下で起こった多大な犠牲を本当に正面から受け止めて、これから同様の災害を繰り返さないためには、この広島県の要望にちゃんと応えるということ、そして基準自体を見直すということが必要だと思いますが、いかがでしょうか。
○大臣政務官(うえの賢一郎君) お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、今回の広島における土砂災害につきましては、それをこれからも正面から受け止めてしっかりとした対応をしていくということが非常に大事だというふうに思います。その中で、土砂災害特別警戒区域を適切に指定をしていくということは特に重要なことだと認識をしております。
 現在、その区域の範囲の算出に当たって用いる計算方式、これにつきましては、過去の多くの土石流データの分析などに基づきまして作られたものであり、学術的にも認められたものと思うものでございます。現時点では、これは最適なものだというふうに考えております。
 国土交通省といたしましては、広島県に対して、土砂の流出状況あるいは被害の実態を踏まえ、適切に計算条件、その条件を設定するよう助言をしているところですが、このことにつきましては全国の都道府県についても同様に周知徹底を行い、この範囲の指定が適切に行われるように今後とも努めてまいりたいと思います。
○仁比聡平君 今、条件というふうにおっしゃったのは、つまり現実に災害が起こって五倍と指摘をされているような土砂の量が発生をしたのであるから、だからその現実に発生した土砂量を入力すれば特別警戒区域の指定ということになるじゃないかという御趣旨だと思います。
 そうした方向を助言というふうに国はおっしゃるんだけれども、何だか都道府県の責任であるというようなことで、本当に国の責任が果たせるのかと。私、もっとはっきりさせるべきだと思うんですよね。今国会にかかる土砂災害防止法の改正は、そもそも広島で本来指定されるべき特別警戒区域の指定がされていなかったということが始まりですよね。実態に合った区域指定が行われないのであれば、法の見直し自体が何だったのかということになります。真剣な検討をお願いいたしたいと思うんです。
 二点目は、自力避難者というふうに呼ばれている方々の実情についてなんです。
 県営や市営住宅あるいは民間の借り上げ住宅で避難生活をされている方は、家賃あるいは家電や生活必需品も支援されるようになりました。ところが、自宅のローンが残っていながら住めなくなって、自力で避難してアパートやマンションを借りている方々は、二重に家賃を支払わなければならないという方々がたくさんいらっしゃるんですね。
 例えば、県営住宅に応募をしたけれども落選をしてしまったと、大きな病気をしていて、大勢の、梅林小学校の体育館などの避難生活は無理だということで、やむにやまれず民間住宅を借りましたという方。あるいは、長女の下に次女の世帯と一緒に避難をしたお母さんがいらっしゃいますが、十一人もの大家族になってしまって、もちろん最初は十一人でも励まし合って頑張るわけですけれども、選ぶ時間もなくて、今すぐに入居できるというアパートを借りざるを得なかったと。あるいは、高校生と中学三年生の受験生を抱えていて、公営住宅は遠くばかりなので通学ができないという事情で、もちろん転校もできない、学校の近くのアパートを借りざるを得なかったと。どの方々も、経済的に余裕があるから自力で借りたんじゃないんですよね。
 西村副大臣、現地の対策本部でずっと被災者の皆さんの実情を御覧になってきたと思いますが、こうした実情、自力避難者の実情をどう受け止めているか、どれだけの住民が自力で避難して家を借りているのかということをどう把握しているのか、その二点を伺います。
○副大臣(西村康稔君) もう委員御案内のとおりでありますけれども、発災当日から二十六か所の避難所を開設し、広島市において、そして五日目から公営住宅の空き住戸の募集を開始をして、その後順次、国家公務員の住宅であるとか国の提供するもの、それから民間賃貸住宅等も含めて七千二百戸分は確保してきたというのが現実であります。
 そうした中で、今も常時募集を行っているというようなことでありますけれども、そうした中で、様々な事情で自力でアパートを見付けられたりした方がおられることを私どもも承知をしておりますし、市に対しては早い段階から被災者台帳というものをしっかり整備をして、一人一人きめ細かに対応、一世帯一世帯きめ細かに対応するようにということを求めてきているところでありまして、若干、当初、広島市の方で現場が混乱したこともあってなかなか進まなかったところはありますけれども、今ではそういう台帳が整備されて、一人一人きめ細かに、特に、避難所でまとまって情報提供できる段階から、それぞれがそれぞれの新たなスタートを切られていますので、散らばっておられますので、きめ細かに対応するようにということで国も支援をしながら進めているところでありますけれども。
 現実どれだけの方がおられるのか広島市においていろいろ把握をしているようでありますけれども、一つには住民票の移動、それから義援金の申請が始まっておりますので、そのときにその都度いろんなことを、ヒアリング、カウンセリングのようなことも併せて行いながら進めていると思います。
 ただ、全体としては把握はしていないというのが現状だと思いますので、引き続きそれぞれの事情に応じたきめ細かな対応を是非やっていただきたいと思いますし、国としても応援していきたいというふうに思います。
○仁比聡平君 二か月がたとうとして把握ができていないというのでは、ニーズに応えた救助ができないわけですよね。
 山谷大臣に御認識を伺いたいと思うんですが、こうした二重の住居費負担ということについて、自力でできたんでしょうといって切り捨てるというのは、これは余りに冷たいんじゃないでしょうか。この二重生活がどこまで続くのかというめどさえ立たないという下で、民間の借り上げ住宅と同じように扱ったら、これ問題、住宅費については解決するんですよね。
 これ、大臣、そういう支援をするべきじゃないですか。
○国務大臣(山谷えり子君) 広島市の土砂災害、多くの住宅に被害が発生しておりまして、国、広島県、広島市が連携しながら被災者の住宅確保や生活再建にしっかり取り組んでいくことが重要だと考えております。
 今、西村副大臣からも答弁をいたしましたが、被災者の方々の支援のために、広島市において発災直後から入居可能な住宅として約七千二百戸の提供に努め、現在も応募できるような状態であります。住まいに関することも含めた総合的な相談窓口を設置して、利用可能な融資制度の紹介など、きめ細かな相談体制、対応を行っていると聞いております。
 こうした市からの住宅提供の取組を活用しないで独自に住居を確保した方については、自らの資力では住家を得ることができない者に対して行政が仮住まいを提供するという災害救助法の趣旨に該当しないため、応急借り上げ住宅の対象とすることは難しいと考えています。
 いずれにしても、国、県、市が引き続き連携しながら被災者の方々の住宅確保、生活再建に努めていきたいと思います。
○仁比聡平君 それは冷たいですよ。少なくとも市とよく相談して、だって、これから新たに民間借り上げに応募するんだったらいいよという話でしょう、今のお話は。今住んでいるところ、そこを民間借り上げとして扱うという検討を、私はよく考えていただいて、市とよく協議をしていただきたいと思います。
 時間がありませんから、最後、もう一問は、被災住宅の被害認定に関わってなんですが、御存じのように、救助活動が重機を動員して行われました。八木で、近所で十名が亡くなったという地域で、御自身の敷地や畑に自衛隊や消防が重機で入ってきて救助活動を行った。その中で、大きな岩石の破砕のために重機がどんどん動くわけですよ。その振動で屋根がずれて壁もひび割れたんだけれども、家の柱はしっかりしているんで、支援法上の認定は一部損壊ですと、そういう相談が数十件も寄せられています。年金生活で新たな家賃も出せないと泣く泣く雨漏りする家でシートをかぶせて暮らしているんだけれども、行政に問い合わせても、前の写真がないじゃないかとか、補償のルールがないじゃないかといって取り合ってもらえないと。救助活動で壊れたのに、後は何もしないでいいなんということがあっていいはずがないんですね。
 災害対策基本法では、救助のために緊急の必要があるときに他人の土地や建物の一時使用をするというときにはその規定があって、その際の損失補償も規定をされています。これに準じた対応を行う、あるいは支援法でしっかりと大規模半壊や全壊の認定をする、こうした方向で取り組むべきだと思うんですが、まず統括官、いかがでしょう。
○政府参考人(日原洋文君) ちょっと御指摘の実態をよく承知しておりませんので一般論としてお答えさせていただきますけれども、災害対策基本法の六十四条、応急公用負担につきましては、災害応急対策として必要だということで、他人の土地を使用するとか、そのために障害となるものを言ってみればわざと壊すとか、そういった類いのものでございますので、今回の事例がそれにうまく当たるかどうかということについてはちょっと分かりかねる部分がございます。
 ただ、そうであっても、自衛隊等の機関の活動によりまして、過失によって第三者に損害を与えた、損失を与えた場合には、国家賠償法の規定による通常生ずべき損失の補償という適用もございます。
 いずれにいたしましても、ちょっと事実関係を県や市、関係省庁がよく把握した上で、どのような対応を取れるか検討してまいりたいというふうに思います。
○仁比聡平君 時間が来ていますので終わりますが、今後しっかりと議論をしていただきたいと思いますけれども、被災者に、あなた、国家賠償を請求したらというふうな、そんな固いことを言っていて必要な支援はできませんよ。本当に心が通じる支援を今後ともどうぞよろしくお願いを申し上げまして、今日は質問を終わりたいと思います。
○委員長(秋野公造君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後一時五分散会