第187回国会 内閣委員会 第3号
平成二十六年十月二十一日(火曜日)
   午前十時一分開会
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   委員の異動
 十月二十日
    辞任         補欠選任
     世耕 弘成君     大野 泰正君
     蓮   舫君     尾立 源幸君
 十月二十一日
    辞任         補欠選任
     岡田 直樹君     森屋  宏君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         大島九州男君
    理 事
                石井 準一君
                上月 良祐君
                藤本 祐司君
                山下 芳生君
    委 員
                上野 通子君
                大野 泰正君
                岡田 直樹君
                岡田  広君
                鴻池 祥肇君
                山東 昭子君
                松下 新平君
                森屋  宏君
                山崎  力君
                相原久美子君
                尾立 源幸君
                芝  博一君
                若松 謙維君
                井上 義行君
                浜田 和幸君
                山本 太郎君
   衆議院議員
       内閣委員長    井上 信治君
   国務大臣
       国務大臣
       (内閣官房長官) 菅  義偉君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)    山谷えり子君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(経済財
       政政策))    甘利  明君
       国務大臣     山口 俊一君
       国務大臣     有村 治子君
       国務大臣     石破  茂君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  世耕 弘成君
   副大臣
       総務副大臣    西銘恒三郎君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        松本 洋平君
       国土交通大臣政
       務官       大塚 高司君
   政府特別補佐人
       原子力規制委員
       会委員長     田中 俊一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        藤田 昌三君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       谷脇 康彦君
       内閣官房内閣参
       事官       佐々木裕介君
       内閣府大臣官房
       政府広報室長   別府 充彦君
       内閣府政策統括
       官        武川 光夫君
       総務省情報流通
       行政局長     安藤 友裕君
       外務大臣官房審
       議官       山上 信吾君
       外務大臣官房参
       事官       滝崎 成樹君
       外務大臣官房参
       事官       水嶋 光一君
       文部科学大臣官
       房審議官     佐野  太君
       厚生労働大臣官
       房審議官     福島 靖正君
       厚生労働大臣官
       房審議官     木下 賢志君
       国土交通大臣官
       房審議官     舘  逸志君
       原子力規制委員
       会原子力規制庁
       長官官房核物質
       ・放射線総括審
       議官       片山  啓君
       原子力規制委員
       会原子力規制庁
       長官官房原子力
       安全技術総括官  竹内 大二君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○内閣の重要政策及び警察等に関する調査
 (女性管理職に係る現状調査の必要性に関する
 件)
 (国内観光市場の活性化に関する件)
 (内閣官房情報セキュリティセンターに関する
 件)
 (マタニティ・ハラスメントの撲滅に関する件
 )
 (「クマラスワミ報告」に係る政府の修正要請
 に関する件)
 (青少年の健全育成に関する件)
 (原子力発電所の新しい安全基準に関する件)
 (地域における経済循環の創造に関する件)
 (日本版シティ・マネージャー構想に関する件
 )
○サイバーセキュリティ基本法案(第百八十六回
 国会衆議院提出)(継続案件)
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○委員長(大島九州男君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、蓮舫君及び世耕弘成君が委員を辞任され、その補欠として尾立源幸君及び大野泰正君が選任されました。
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○委員長(大島九州男君) この際、松本内閣府大臣政務官から発言を求められておりますので、これを許します。松本内閣府大臣政務官。
○大臣政務官(松本洋平君) ただいま御紹介をいただきました内閣府大臣政務官の松本洋平でございます。どうぞよろしくお願いをいたします。
 沖縄基地負担軽減、海洋政策・領土問題、情報通信技術政策、再チャレンジ、クールジャパン戦略、科学技術政策、宇宙政策等を担当しております。
 大島委員長を始めといたしまして、理事、委員各位の皆様方の御指導、御鞭撻をいただきますよう、どうぞよろしくお願いします。
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○委員長(大島九州男君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 内閣の重要政策及び警察等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣官房内閣審議官谷脇康彦君外十三名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大島九州男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(大島九州男君) 内閣の重要政策及び警察等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○藤本祐司君 おはようございます。先週に引き続き、しつこく質問させていただきたいと思うんですが。
 この間、有村大臣に御出席いただきましたが、質問ができなかったものですから、その分からまず質問させていただきたいと思うんですが、女性活躍社会の実現ということで取り組まれるんだろうと思いますが、この具体的な法案についてはまた法案審査のときに提出されてきた段階で質問したいんですが、その前提でちょっとよく分からないなと思うことが幾つかというか、一点あるので、それについて確認をしたいんですが。
 これ、地方の創生と非常に絡んでいるところがありまして、地方は生産年齢人口が減ってくるとか、あるいは、女性が東京へ出てきてしまって、地方から、地方の女性の割合がどんどん減ってしまうとか、そういう問題意識の中で地方の創生というのが一つの問題意識としてあったんだろうと思うんですが、となると、地方から女性が東京へ流出することを止めるということになっていくんだろうと思いますが、それで本当にいいのかなという、これは私がいいとか悪いとかという、決めるんじゃなくて、客観的にこれでどうなのかなというふうに思ったのでお聞きしたいんですが。
 というのは、大手企業でいわゆる管理的地位にある労働者に占める女性の割合をどうするかというのが一つの議論になっていて、新聞報道なんかでは三割だとか二割だとか、あるいは厚労省がその辺が現実性があるかないかとかいろいろおっしゃっているんだろうと思いますが、実際問題として、現実に大手企業で管理的地位の女性を三割ということになったときに、まずその絶対数が、候補者といいますか、役員になるのか、管理的地位の方というのに就かれるような、いわゆるパイが現実的に存在しているのかどうなのかという、能力があるなしとか関係なくですよ、ということが若干私もよく分からなくて、数字がよく分からないんですね。
 その前提として、まず管理的地位というのはどういうような地位、ポジションというか、その辺りをイメージされているんでしょうか。
○国務大臣(有村治子君) お答え申し上げます。
 まずもって、前回積み残しがあったわけですけれども、藤本委員の御指摘の、一々の大臣答弁などにも言葉が浮かないように、浮き足立つことのないようにというのは全くもって共感をいたしまして、いい学びにさせていただきました。大臣室でもそれを共有させていただいたことを御報告させていただきます。
 その上で、指導的地位の定義、あるいはどういうことを意識しているのかというお問合せをいただきました。
 まずは、議会議員ということを挙げさせていただきたいと思います。これは各級の議会ということで、当然、町村の議会議員の方々も入ります。また、法人や団体などにおける課長相当職以上の方々ということを意識しています。また、専門的、技術的な職業のうち特に専門性の高い職業に従事する方、例えば弁護士の方々だったり医師の方々だったり、そういう方々を指導的地位というふうに考えております。
○藤本祐司君 指導的地位と、法案の中ではこれ管理的地位というふうに書かれているんで、多分その一部には入ってくるんだろうと思うんですけれども、現実問題として、今後、役職者になっていく、二〇二〇年、五年後、六年後を目指してということであるならば、普通、一般的に考えれば、いろんな会社があるのでそこは絶対そうだとは言い切れませんが、一般的に考えると、五年後にそういう数値目標を立てていくとなれば、普通に考えれば四十代、五十代の、男性なんかの場合は多分そうだと思いますけれども、四十代、五十代のそういう立場の今ある方々が五年間で動くわけですよね。そういう方々が現実に、大手企業、新聞報道では三百一名以上というふうになっていますけれども、そういうところに実際に今就業されているのかどうか、その辺りというのはちゃんと数字をお持ちになっているんでしょうか。
○国務大臣(有村治子君) 御指摘の観点は極めて大事なことだと思います。それゆえに、今回の法案でも、まずは現状把握をしてくださいませということを法案で書き込んでおります。
 やはり私は、担当大臣として痛感をいたしますことは、男女共に、男女を問わず、まずは適正な能力や意欲を持った、あるいは相応の人生経験を持った方がポジションに就かれるという適材適所ということが大前提だということを申し上げています。そして、なぜ二〇二〇年の目標、平成三十二年の目標なのかということは、まさに現状は、かなり業界によっても違うのですが、女性の登用というのが進んでいない分野もある。けれども、そのことに対して批判するのではなくて、現状をまず把握していただいて、今後二〇二〇年までにしっかりと育成をして、そのポジションに就けるような形の能力開発に思いを致してくださいということに重みを持たせております。
○藤本祐司君 これからその辺りを、数字を把握していくというお話なんだろうと思いますけれども、大手企業、ちょっと大手企業を三百一人で切るというのは、実は統計上、私もよく分からなくて、百人とか五百人とかというのはあるんだけど、三百人で統計が出ているのかどうか、済みません、不勉強で分からないんですが。
 ざっくり言うと、いわゆる大手企業と言われているのは東京に四割ぐらい、大阪に一割程度、その他が残りの半分ということになるんだろうというふうに思うんですが、これ三百一でやるとどうなるか、ちょっと正確な数字は分かりませんけど、そういうところの配置の問題とかが出てきて、あるいは、地方から女性の進出、東京に来るのを抑制しましょうという話になってきたときに、だから東京の女性の方々も減っていくという、増えていかないと言った方がいいのかな、ということになったときに、何か最終的に数合わせをやったりとか、ポジションを取りあえずつくっておこうとか、部下のいない管理的地位のポジションができるとか、いろんなことが起きてくるんだと思うんですよね。そういうのがまだ多分分からないままの段階なんだろうと思うんですが、分からないままの段階で目標をこういうふうに立てますよということの仕組みが私は全くよく分からないんですよ。
 今現状こうですよ、だから二割にしましょうとか三割にしましょうとか、それは達成可能ですよというんだったら分かるんだけど、現状分かりません、これから調べます、でも何割ですよみたいな報道とかが出てきているということ自体が、全く、要するに、えいやの数字にならざるを得なくて、目標値というか、総理お得意の、やればできると言って、ぼおんとつくっている数字になってしまうと、その数字が結果として独り歩きしてしまうんじゃないかなと思うので、私は、この現状を把握してきちっとしてから初めて、目標をどうしますかとか、どういうシナリオでやっていきますかというのが出てくるべきなんだと思って、ちょっと順番が逆なんじゃないかなというふうに思うんですけど、いかがでしょうか。
○国務大臣(有村治子君) 問題意識はお伺いをさせていただきます。
 三百一人というくくりがどうかというのを冒頭にいただきましたけれども、大企業、いわゆる三百一人以上の企業に行動計画の策定を義務付けるということによって、全労働者の約四〇%、約二千人がカバーされるという統計、総務省の経済センサスから理解をしております。
 現状把握が大事だという御指摘でございますが、そのとおりだというふうに思います。日本の女性は、就業者に占める割合は四二・八%でございますけれども、実は、管理的職業従事者に占める女性割合は国際比較をしても極めて低い一一・二%でございます。それより低い棒グラフは韓国の一一%のみということでございますから、ここを鑑みて、委員はえいやあというふうにおっしゃいましたけれども、数々の難関、それから実施していく上での現実的なハードルということもございますけれども、それでもやっていかなきゃいけない大きな課題だという認識で取り組んでいきたいと思っております。
○藤本祐司君 ありがとうございます。
 より細かな具体的な話は法案のときにやらせていただきますので、今日のところは、ちょっとその前提がどうなのかなと。これ、地方創生とか経済再生とやっぱりそこの活躍というのは関係してくるので、それでお聞きしたわけです。ありがとうございます。──はい、じゃ、どうぞ。
○国務大臣(有村治子君) 真面目に御報告したつもりだったんですが、訂正をさせていただきます。
 三百一人以上というのが、全労働者の約四〇%で二千万人と言うべきところを、私、二千人と申し上げたようでございまして、二千万人でございます。当然言ったつもりでいたんですけれども、申し訳ございませんが、二千万人と訂正させていただきます。
○藤本祐司君 それは理解できるところですから大丈夫ですけれども。
 それでは、次の質問に移りたいと思うんですが、この日本再興戦略改訂二〇一四、これの中の特に観光の部分について少し質問をさせていただきたいんですが、この観光政策、これがいけないとか、そういう話ではなくて、観光、いわゆる訪日外国人客、日本を訪問する外国の方々を増やしていきましょう、誘致していきましょうというのは全く問題ないし、どんどんやるべきだろうと思っているんですが、気になるのは、この部分が出ているだけなんですね。
 要するに、訪日外客の誘致をすれば日本の観光の成長はできるという認識になっているのか、いや、そうじゃなくて、取りあえず柱としてこれだけを置いたのか、ちょっとそこについて、甘利大臣になるんでしょうか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(甘利明君) もちろん、訪日外国人数を増やすということは非常に大事なことですが、キャパとしては日本人が国内を旅行して移動する方がはるかに多いわけで、多分、恐らくそれを指摘されているんだと思います。
 アクションプランの中では、国内移動、国内を旅行する機会を増やしていくと、そういう環境を整えていくということも取り組んでおります。それから、骨太方針では日本人が日本国内を旅行するということについても取り上げておりまして、内外双方で観光客を増やしていこうと、それが石破大臣のやっておられる地域再生にもつながっていく、地域創生にもつながっていくというふうに承知をいたしております。
○藤本祐司君 甘利大臣の御指摘のとおり、全体のキャパとしては、要するに日本人が日本国内を観光旅行する、あるいは日本の方が海外に行くときも、日本の航空会社であるとか旅行会社だとかそういったところを活用するという方が圧倒的に大きいだろうと認識しているんですが。
 今日、大塚政務官にも来ていただいておりますが、その全体の観光消費額ですよね、昨年やっとこさというか、一千万を超えて一千三十四万ぐらいになったんでしょうか、ということだと、その全体のバランスもまた若干その前までとは違ってきていると思います。最新のデータとして、その全体のパイは、観光消費額というのはどのぐらいあって、海外から来ている方々の消費額はそのうちの何兆円、何%ぐらいになっているのか、ちょっと分かったらお聞かせください。
○大臣政務官(大塚高司君) お答えをいたします。
 最新のといいますと、二〇一二年のが最新でございまして、海外から来られた方、それで日本に消費をしていただいた方、一・三兆円、約五・七%でございます。また、日本人の国内の旅行者でございますけれども、これは十五・三兆円、全体の六八・二%、日帰り旅行の方もいらっしゃいますけれども、その方は四・四兆円、全体の一九・八%。そして、先ほどお話しございました日本人が海外に行かれたという方々は一・四兆円で全体の六・三%というふうになっております。
○藤本祐司君 ありがとうございました。
 二〇一二年の数字、実は私も持っているんですけれども、せっかく一千三十四万人になったので、去年の数字はいつぐらいに出るのかなと、ちょっとそれをお答えいただけるかなと思っていたんですが、二〇一二年ですから、まだあのときは一千万超えていませんので、八百万台だったかな、だと思いますから、少しその割合は変わってきているんだろうと思いますが。いずれにしても、五・七%が訪日外客の消費額、日本に落とす消費額ということになってくると、これが一千万あるいは二千万になってくればその額は当然増えていくんだろうというふうに思っています。
 UNWTOなんかの調査によれば、全世界のいわゆる移動の海外渡航者数は一九五〇年で二千五百万ぐらいしかなかったんですね。これが一九八〇年になって二億八千万、二〇〇〇年で六億八千万。二〇二〇年、まさに二千万人を目指そうと言っているときには、全世界を移動するのがもう十五億を超えるという。そういうことを考えると、ある意味、そのまま放置しておいてもと言ってはおかしいですけれども、一千万が一千五百万、二千万になっていくというのは、ある意味必然なんだと思うんですね。あとはこの受皿をどうするのかという問題があったり、パイロットの数が減ってきているとか、東京上空の空域が制限があるとか、そういうことがあるので、むしろ東京だけでは賄えないので地方空港もうまく活用できないかとかいろんな多分方策が出てくるんだろうと思いますが。
 翻ってみると、一九七一年になって初めて日本人が海外へ行く方が外国人訪問客よりも超えた、逆転をした。それまでは海外から来る人の方が実は多かった。なぜならば、一九六四年までは日本人の海外渡航は自由化されていなかったからというのもあるんだと思いますが、日本から海外へ行く方が一千万を超えたのはもう一九九〇年になってからなので、それ以降、しばらくの間ずうっと開きがあったのがだんだん今縮まってきたという、そういう現状なんだと思います。
 ただ、国際観光のことを考えると、いわゆる海外の移動を考えると、かなり外部要因に影響されるんですね。これ、過去の例でいくと、例えば一九九七年、これはアジア経済危機、このときもやっぱり世界の動きというのは多少鈍ってきたと。あるいは、SARS、二〇〇二年から二〇〇三年ぐらいだったと思いますが、このときもやはりアジアの動きというのは大分鈍った。あるいは、リーマン・ショック、最近ではリーマン・ショック、二〇〇八年、このときも日本に来る方はやはり大分落ち込んだりしたし、日本から出るのも落ち込んだ。東日本大震災があって、やはり日本に来る方が特に韓国、中国なんかは落ち込んだと。このかなり外部要因で影響を受けるんです。
 最近でいえば、エボラ出血熱の問題がやっぱり出て、アメリカなりスペインなりフランスなりに感染者が出てきましたよということになると、現実にそれがぱんと広がっていくかどうかというのはともかくとしても、やっぱり人間の心理的な状態で不安になるので、ちょっと控えておこうかというような動きになるんですね。
 ですから、そういう外部要因というのが、グローバルな経済になってくる、あるいはグローバルで人が動くようになると、かなり影響を受けるんだろうと思いますが、ちょっと、そのエボラ出血熱の影響というのが世界経済あるいは日本のいわゆる国際観光にどういう影響があり得るかなというのは、何かシミュレーションされているんでしょうか。
 これは、全体の経済という意味で甘利大臣になるのか。されていないんだったらされていないでも、いいと言ったらおかしいですけど、した方がいいなと思いますけど、いかがでしょうか。
○国務大臣(甘利明君) エボラ出血熱が与える影響については、まだどこも、どの省も試算等はしていないと思います。
○藤本祐司君 最近のことですから、まだこれからどうなっていくかというのは、広がりがどうなるかというのも分からないでしょうから、そういうところもやっぱりシミュレーションしておいた方がいいかなという気はするんですが。
 このように、国際観光というのは外部要因にかなり影響される。特に、日本に来る方をどうするかというのは影響されるので、先ほど甘利大臣がおっしゃっていたように、日本の国内のマーケット、日本人が国内を宿泊なり日帰りで旅行できる、それをどう増やしていくかというのが非常にやっぱり重要な柱なんだろうと思うんです。
 でも、どうしても派手なところに目が行くのか、日本再興戦略も海外から呼び込むというのがどおんと出てきちゃっていて、本来のマーケットとして大きいものがちょっと隠れてしまうというのがちょっととても私としては残念で、何でもかんでも海外から来ればいいのかという話ではないんだろうと思っていますので、その辺りの、要するに国内市場をどう増やしていくかということもやっぱり柱の中に入れながら丁寧に観光戦略は考えていかないといけないというふうに思いますが、大臣、どうでしょう。
○国務大臣(甘利明君) 御指摘のとおりだと思います。
 委員は、国交政務官として、その点に大変御尽力をされてきたということもよく聞き及んでおります。
 そこで、諮問会議の高橋議員を中心に休み方改革というのを取り組んでおりまして、春に大型連休がある、秋には、例えば有給休暇を二日とか三日当てはめることによって一週間とか十日近くが休みになるというのが、毎年毎年、九月とか十月とか十一月、月によってずれますけれども、そういう大型連休ウイークが可能なんです。
 そこで、これはワーク・ライフ・バランスとも関わってくるんですけれども、働き方・休み方改革の中できちんと有給休暇を消化している模範事例企業を挙げて、それぞれの企業で工夫をしていただいて、とにかく有給休暇というのは労働者の権利ですから、それをきちんと消化をすると。それを、例えば秋に奨励をしてまとめて休める機会をつくって、それと国内地域観光とを結び付けられないかというような切り口でもいろいろなトライをしているところであります。
○藤本祐司君 地方創生で、一つの重要な政策としては観光政策があるんだろうというふうに思います。観光資源というのは日本全国にもう至る所に散らばっていて、宝石箱のような日本だというような認識を持っていますので、そこのところへいかに皆さんに旅行してもらうかということが重要なんだと思いますが、やはり人口が減っていくということになると、旅行する、しようとしているパイが減るということになるんだと思うんです。
 高齢者に関して言えば、しばらくは人数でいうと増えていくわけです。二〇四〇年、四二年ぐらいまで高齢者数というのは全国的に増えていって、そこから若干減少には陥りますが、二〇五〇年の高齢者数と今の高齢者数と比べると、実はまだ二〇五〇年の方が多い。ですから、高齢者の方々にいかに旅行してもらうかというのも一つの課題なんだと思いますね。
 最近、健康寿命という話がよく出てきていますけれども、大体、健康なときは旅行なりに消費をする。大体、物を買うということよりも、むしろそちらの方に高齢者の方は行かれるんだろうと思いますが、ただ、その後、介護とか医療に不安を持つと、今度、旅行ではなくてそちらの方にお金を取っておかないといけないとか、そういうことになってくるんだろうと思いますが。
 何よりやっぱり問題なのは、生産年齢人口が減ってきて、今、甘利大臣は有給休暇というふうにおっしゃいましたけど、現役で働いている方々が数が減っていくのでパイが減りますから、そこのところでいかに旅行をしてもらうか、観光してもらうかという、そういう環境をどうやってつくっていくかというのが、今後の観光であり地方の振興でありに大きな課題なんだろうと思うんですね。
 ですから、今一人当たりの宿泊日数というのは、もし大塚大臣政務官、分かれば教えていただきたいんですが、現在、一人当たりの宿泊日数であるとか、あるいは年間の実施回数であるとか、これをいかに増やしていくか、パイを広げていくか。だから、三割、もし生産年齢人口、子供を含めて六十四歳以下、あるいは健康年齢よりも下の方が減るんであれば、もし三割減るんだったら三割そこを上げていかないと今と同レベルにならないという、計算上ですけど、になってしまうと思うんですが、今、年間の宿泊の日数あるいは実施回数というのは、何泊、何回ぐらいなんでしょうか。
○大臣政務官(大塚高司君) 平成二十五年度までの回数でございますけれども、宿泊数は平成二十五年度で二・二五回ということでございます。また、観光の旅行の回数でございますけれども、平成二十五年で一・三九でございます。平成十七年からしますと大分数字は減っておるわけでございますが、平成十七年といいますと、平成十七年に宿泊数は二・九二、そして旅行の回数というのは一・七八でございまして、十七年からすれば、二十五年度にすれば少し減ってきたと。最近の傾向からいいますと、また持ち直して横ばいになってきているというのが現状であります。
○藤本祐司君 大体一人当たりの宿泊日数って一泊とか二泊とかと、旅行業界の方々とお話しすると一泊か二泊がせいぜいだからみたいな話になるんですけど、実施回数も一回か二回しかしないと。これ平均ですから、ゼロの人がいるので、もう三回も四回もしている方はいるし、四泊、五泊されている方もいるんですが、平均するとそんなふうになってしまうので、そこをどうパイを増やしていくかという、そういうやっぱり政策、戦略が必要になってくるんだろうというふうに思います。
 旅行なり観光するためには幾つかの要素が、つまり、人が旅行という目的を達成しようとするときに活用できる資源というのは幾つかあるんだろうというふうに思います。関心を持たないとなかなか行かないとか、地域に魅力がないと行かないとか、あるいはいろいろ法の縛りがあるとなかなか行けないとか、いろいろあるんだろうと思いますけれども、その中で、お金と時間というのをどういうふうに広げていくか、お金がなかったらさすがに簡単には行かないとか、そういうことがあると思いますので、あとは旅行コストをどう下げていくかとか、そういうことになるんだと思います。
 その中で、先ほど甘利大臣からも御提案がありまして、有給休暇をつくる、行けるようにすると、有給休暇を取れるようにしていきながら、そこのところで何とか奨励週間のような形を持ってくるというふうに言っているんですが、実はこの有給休暇については、やっぱり日本の休暇って問題点が幾つかありまして、これは観光産業あるいは地方の産業、地方振興というところにも実は幾つかの問題点があって、これは集中しているということなんです、休暇の時期が。今の時期は、要するに年末年始とゴールデンウイークとお盆とにほとんど集中をしているということと、あと国土交通省なんかに言わせると、いわゆる渋滞なんかも、一番一年間で渋滞の回数が多いのはゴールデンウイークです。二番目がお盆かなと思ったら、お盆は意外と、夏休みが最近ばらけてきたりとかしているので、お盆のときよりも実は渋滞が多いのは敬老の日の三連休、ハッピーマンデーの土曜日、これが意外とやっぱり高いんですね。その次はどこかなと思ったら、十月の体育の日の前の土曜日、ここのところにやっぱり集中するんですよ。
 集中するとやっぱりどういうことが起きるかというと、集中するところは旅館もホテルもどうしても高くなります。混みます。だから、料金が物すごい高くなるわけで、これ、イールドマネジメントといういわゆるマネジメントの方法を取って、お客さんがいっぱい来るときは高い料金で、そうじゃないときは低い、安い料金でというふうにして、それが全部今は集中しているんですね。
 ですから、そこのところをいかに平準化していくかということが恐らく今後の課題で、休みをただ取るというんじゃなくて、それをどう平準化していくかということが重要なんだろうというふうには思うんです。要するに、価格が安ければ年間に二回、三回行けたものが、価格が高いので年間に一回しか行けないということもあるし、ふだん二時間、三時間で行けるところが六時間、七時間掛かってしまうので行けないということ、もう疲れちゃって、休んだおかげで疲れちゃうみたいなところがありますから、そこのところをやっぱり変えていかないといけないんだろうなというのと。
 もう一つ、ピークが三回しかないので、地方のいわゆる雇用という点では、そこでやっぱりパート、アルバイトで取りあえず乗り切っちゃうということをやっているんです。ですから、宿泊業とかは多分、見ていただくと分かりますが、非正規雇用の割合が非常に高い。だから、これをやっぱり地方で仕事を創出するというのは、ゼロから何かを生み出すということもそうですけれども、地方で今非正規である雇用を正規雇用に転換できるような仕組みというのをやっぱり考えていくということが必要なんだろうというふうに思っておりまして、そのためにも休暇というのは集中しているというよりはやっぱり分散、平準化していく、そういう方策を考えてみないといけないんではないかなと思ってはおりますが。
 これ、地方創生と、あとは、そのパート、アルバイトさんは女性で今は賄っているところがありますから、それを正規に変えていくと、またいろんな雇用が変わってくるということでありますから、産業振興面でも雇用の面でもそういう平準化というのが必要だというふうに思いますけれども、甘利大臣、先ほど休暇改革というお話がありましたが、もう一歩進めて、ただみんな一斉に取りましょうというのではなくて、何らかの形で平準化できるような方策というのを考えてみたらいかがかなと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(甘利明君) 確かに、特定のシーズンだけ旅館が満杯、一〇〇%以上で、あとはがらがらというんじゃ業として成り立たないということも事実だと思いますし、そこのピークに合わせて常用雇用はなかなか取れないということになると、非正規ということになると。御指摘はよく分かります。
 それで、休暇の、つまり、例えばゴールデンウイークが地域ごとに違う、ずれているみたいな提案も過去にありました。そのときに、自分は休めるけど取引先が動いているから休めないとか、何かいろんなたしか問題提起があったんだと思います。
 それで、少なくとも一斉に休んで地方の良さの発見をする機会を設けて、それ以降自分で有休をうまく活用しながらリピーターになるみたいな、そういう機会にもなるのかなということで、働き方・休み方改革の中で今ワーキンググループをつくっているわけであります。
 ただ、委員御指摘の点も、ある程度忙しさが平準化していって、雇用の面でも正規雇用、常用雇用につながっていくような視点というのは大事だと思います。どう集中的に休むあるいは平均的に休むことの指摘された問題点をすり合わせていくか、これからも課題としていきたいと思っています。
○藤本祐司君 地方の産業、中小企業が多いホテルであるとか旅館であるとか飲食業であるとかお土産屋さんとかというのも、やっぱりピークがもうちょっと下がって全体に流れてくれると健全な競争ができるようになるんだろうと思うんですね。
 今よく指摘されているのは、ピークが年に三回ぐらいしかなくて集中しているために、仮に例えば五段階のホテル、旅館があって、Aランク、Bランク、Cランク、Dランク、Eランクとあったとしましょう。そうすると、Aランク、Bランクは、いつも、どんなときも割と満室になるけど、お客様側からの立場でいくと、Aランク行きたいけど取れないからBランク、Bランク取れないからCランク、Cランク取れないからDランクと、だんだん選択肢がもう限られちゃうんです、混んでいるから。需要と供給でいうと、需要が大きくて供給がちっちゃいわけですから、ピークのときは。
 そうなってくると、言い方は悪いんですけど、Eランク、余り人気のないところでも、集中してくれれば、いわゆるおこぼれで商売ができてしまうという世界にもなりかねないし、現実になっているところもあるんです。これがもっと健全な競争で質を高めるためには、実はこれ平準化して、Aランク、Bランク、Cランクぐらいが残ってくるということになれば、逆にD、Eもいろいろ工夫をしてくるんだろうと思うんです。これが健全な競争につながっていくと、観光産業という点でもやはり全体の質が上がってくるんですね。
 今はだから営業努力をしてもしなくても集中時期にはみんないっぱいですと、それが終わった途端に営業努力をしてもしなくてもみんな閑散としていますという、そういう状況になると本当にやっぱり健全な競争というのが成り立たなくなってしまうので、そういう意味でも、甘利大臣も先ほど取引業者が云々と言っていましたけれども、休暇を、企業を完全に休むというのではなくても、それこそ有給休暇、今取得率、消化率四七%というお粗末な状況ですから、そういったところをもっと広げていくことによって、それを奨励する期間を幾つか分けるとか地域によって分けるとかしていくことによって、だんだんだんだんこれは平準化していくんではないかと。
 学校の休みも、私なんかよく言うのは、夏休みと春休みと冬休みを一日ずつ減らして、それをどこかにくっつけて学校を休みにしましょうと。そうしたら、授業日数減らないし、学校の休みの数も減らないので、そこのところに有給休暇をどう付けていく、奨励していくかというようなやり方もあるんではないかなと思っていまして、ちょっとテクニカルな話になって恐縮なんですが、いろいろここの辺りは工夫ができる。
 有給休暇を完全取得すると経済効果が十五兆円だというような結果がもう十年ぐらい前には出されて、ちょっと若干大きいかなという気は私はしていますけれども、そういうようなこともありますので、そういうことをやりながら観光と地方の創生というところに結び付いていけるんではないかなというふうには思っております。
 テクニカルな話はまた次回、機会があったらやりますが、石破大臣にちょっと一つお聞きしたかったのは、所信の中でこういう発言がありました。これまで必ずしも受け入れてこなかった地域の外の人、若者、変わったアイデアを持つ人などと協力していくことが必要であると。まさにそのとおりなんだろうと私は思ってはおります。これは私も、ずっとシンクタンクで観光振興とか地域振興をやっていた我々からすると、これもう二十年ぐらい前からみんなが口をそろえて言っていて、それを、地域活性化を進めていく上では、もちろん地元の情熱と地元の知恵が必要であると、それが前提だけれども、ちょっと言い方は若干良くないかもしれません、よそ者、ばか者、若者、よそ者、ばか者、若者が必要なんだというふうによく言っています。
 ただ、要するに、地方の人口が減少するのを補うには、やっぱり交流人口ということを増やしていかなきゃならないという意味では観光振興というものは重要なんですが、よそ者というのは、石破大臣は、地元の人は、地元のことは地元の人が一番よく知っていると言うんですが、実は意外とそうでもなくて、地元の人って気が付かないということがよくある。当たり前なので、目の前にあるので。自分たち、何の魅力もないやと思うことを外から見ると物すごい魅力的なものがあったり、最近、「日本人だけが知らない「ニッポン」の観光地」という本が出ているぐらいで、結構、路地裏のとか、我々がこんなものと思うようなことを評価している外国人あるいは地域の外の人たちがいるという。そういう意味で、よそ者の発想であるとかよそ者の意見というのは非常に重要であると。ばか者は余り普通じゃないような発想をしてくれる人というのがあるんですが、もう一点、実は、よそ者、ばか者、若者に匹敵する、あるいはそれ以上に重要だなという人というのがいらっしゃるんですよ。
 これ、有村大臣、有村大臣にお聞きすればきっと分かるかなと思ったので有村大臣に、クイズではありませんが、よそ者、ばか者、若者のほかに、地方を活性化するような発想、アイデア、現実的に行動する人たちってどういう人がいると思いますか。
○国務大臣(有村治子君) 御通告がなかったのでびっくりいたしておりますが、基本的には、新しい分野に取り組んでいくというときに私は正統派のやんちゃを目指そうと、やんちゃじゃなければ突破力は生まれないと。だけど、正統派の手続や根回しや、共感をいただけるようなラインを狙わなければ応援団は増えないという意味では、先ほど、よそ者、若者、ばか者というふうにおっしゃいましたけれども、正統派のやんちゃということを私自身は自分の言葉で、そういう、ちょっとやんちゃで、かつラインは外していないという、そのラインが一番共感が得やすいのかなということは十三年の政治活動の中で思ってきました。
 以上です。
○藤本祐司君 いや、私が有村大臣にお聞きしたのは、勘が良ければ答えていただけるかなと思ったんですが、女性なんです。女性の視点というのがやっぱり地方創生にとても私は重要だなというふうに思っていて、これを有村大臣にお聞きした意図というのはそこにあったんですけれども。
 例えば、幾つか例があるんですが、私は静岡県なんですけど、静岡県の東伊豆町に稲取という場所があって、これはキンメダイで有名なところなんですが、もう一つ、ひなのつるし飾りというのが有名なんですね。ここでひなのつるし飾りをやったところ、平成五年からスタートしているんですが、これが全国に広がって、ひな祭り、三月三日の前後というのはいろんなところでそういうことを、イベントなりをやるようになって、面白いんですよ、二月の下旬から三月に稲取に行くと、かばんを持った年配の女性がもうあっちこっち動き回っているんですね。
 こういうのはどこから生まれたかというと、実は、旅館組合なんかが、何かやっぱり活性化しなきゃいけないよねといったときに、おかみさんのグループが、自分たちの家にしまってあるひなのつるし飾りを飾ったらいいじゃないか。そのときの議論を私、ちょっと取材に行って聞いたんですが、男の人たちは、そんなものやったってお客さん来ませんよという話だった。ところが、おかみさんたちは、いや、どうせ家にあるものなんだから、それを前面に出せばいいだけだから、お金掛からないから、それで家をオープンにして、ここでありますよとやって見てもらえばいいじゃないですかというところからこれスタートしているんですよ。
 だから、男性の発想では恐らくそんなの思い付かないし、そんなもの駄目だよで終わってしまったんだけれども、まあお金掛からないからやろうよといって、今、ひなのつるし飾りの何か展示会場みたいなのができたりとかで結構にぎわっている。
 そういう例って幾つかありまして、高知県なんかでも、イチゴ農家があって、嫁いできて、イチゴだけピックアップして販売しているだけだともう飽きちゃうと、つまらないということで、イチゴ農家の女性の方々が二十人ぐらい集まって、じゃイチゴのお菓子を作ろうということから、結構、喫茶店みたいなのをやっていろんなバリエーションを作ってやったりとか、あるいは、古い農家を移築して、地産地消で料理出しましょうといって、女性が交代でお昼とか夜とか予約制でやっているようなところもあって、これって多分男の人の発想だと余りぴんとこないのかなという気がするんですよ。
 そういう意味では、女性の発想で行動をしていくことで地方を元気にするということがあります。それについて、別に質問のつもりはなかったんですけど、今手を挙げられましたから、どうぞ。
○国務大臣(有村治子君) アップフロントに藤本議員の御期待に応えられずに済みませんでした。
 私には当たり前過ぎてですけれども、女性の視点が入るのは当たり前だと思っておりましたけれども、限られた経験でも、選挙に強い人の後援会はやはり女性が強いというふうに思っております。女性の後援会が強いところは選挙事務所がどうなっているかというと、女性のトイレがきれい。あるいは、安心して女性がトイレに行けるというような体制を整えていらっしゃるところは総じて選挙に強いと。逆に、そこぐらいまで思いをはせられる人が、やっぱり市場の感度、国民、都道府県民の感度ということを反映しているという一つの指標になっていると、私は全国区で回ってみて思います。
 そういう意味では、あらゆる生活のシナリオにおいて女性の視点を入れるということは、当然、活性化にも、競争力にも、またその組織の健全化にもつながると確信をしております。
 ありがとうございます。
○藤本祐司君 前回の質問の最後に、経済再生と地方創生と女性の活躍は、多分これは切り離せない話だということを私申し上げたと思うんですが、例えばこんなような身近な事例でも多分そうなんだろうと思います。
 十年ほど前、もしかしたら皆さんがお読みになった本かもしれませんが、地図が読めない女、話を聞かない男という、男の脳と女の脳は構造的に全然違うんだよというような本がありまして、あれを買って、うち夫婦で、男の脳度、脳の度合いと女の脳の度合いだったら、私の方が女の脳の度合いが高くて妻の方が男の脳の度合いが高かったものですから、ううん、やっぱり役割を逆転させた方がいいのかなと思ったりもしたんですが。
 個別にはそういうのがあるんですが、一般的に、やっぱり若干の構造とか能力の違いというのはあるんですが、やっぱりそれは、同じであれば、そこは同じように能力を発揮してもらうという、そういうことを考えていく。さっきの地方の観光なんかの場合は、女性の方がむしろいい発想をするような、面白い発想をするということはいっぱいあるし、観光というのは、多分、家族、御夫婦で考えたときに、どこに行って何をしようかとイニシアティブを持っているのは大体女性だと言われています。
 これはちょっと統計上の数字を忘れましたが、昔アンケートを取ったら、やっぱり女性の方が圧倒的にそのヘゲモニーを握っているんですね。男の人はそれにくっついていくだけという、そういうパターンが結構多いので、だから、女性のことが分かる女性が観光を全面的にフォローしていかないと、男の発想だけではなかなかマーケットを開拓できないというのもあると思うんですね。
 だから、その辺りも含めて、地方でも、そういういろんな観光振興ということであると地方に結構資源がありますから、そこのところはまさに、大企業でどうのこうのというのも分かるんですが、それはそれとして、一つの基本戦略で、大企業で管理的地位というのも分かるんですが、むしろ、地方なんかでも、そういう形で女性を取り入れていくようなことが地方創生であり、経済再生につながっていくんではないかなというふうに思っておりますので、地方創生、女性活躍、経済再生、全部一体的にそういうことで考えていただければというふうに思っております。
 残り十分程度なんですが、あとは石破大臣にちょっとお聞きしたいことがあって、地方の創生といっても、どうもやっぱりイメージが湧かないところがありまして、イメージが湧かないというのか、よく分からないと言った方が正しいのかもしれないんですが、日本創成会議の意見なんかでは、二〇四〇年まで、二十代から三十九、いわゆるお子さんを、子供を産むことがかなう女性というんですかね、が五割を切ってしまって、八百九十六の地方自治体が消滅していってしまうというようなシナリオがあるというふうに言っていて、これ地方の問題ですよと。
 ただ、その一方で、この問題は東京圏の課題でもあるというふうにおっしゃっているんですが、地方創生の将来的な、まあ二〇四〇年なのか五〇年なのか五十年後なのか分かりませんが、その絵姿が思い描けないのは、やっぱり東京圏をどうしようとしているかが分からないんですよ、実際のところ。
 まず、それに対しては検証をしていきますよという石破大臣のお話だと思いますが、東京一極集中は近年に発生したものではないということで言われていますが、いつぐらいからそれ、動向が発生し始めてきたのか、それが分からないと何を検証するのかがまず分からないので、どの程度まで遡ってその施策なりを検証していこうとされているんでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) これは、この間衆議院で議論をしておったときに、非常に造詣の高い方がおられて、江戸時代からだという話がありまして、天保の改革とか寛政の改革とか、要は江戸に集まってきた人間はもう一度そのそれぞれの地方に帰れみたいな、私も確認したわけではないので恐縮ですが、そこまで遡ろうとは思っておりませんが、やはり戦後の高度経済成長期からそういうことはあったんだと思うんです。
 ただ、それが余り顕在化しなかったのは、それぞれの地域に自動車であるとか家電であるとか、そういう工場がたくさんありましたねということと、あとは、先ほど委員が御指摘になりましたが、そんなに海外に出なかったですね。委員も私も同じ昭和三十二年の二月の生まれですが、多分同じ時代を生きてきているので実感が重なるところはあるだろうと思いますが、私が小学校、中学校の頃、私どもの鳥取県というのは、鳥取市で私は育っているんですが、連休といったらもう車がずらっと並んで、観光バスがいっぱい来てというのがあった。だから、潜在的には東京集中というのはずっと進んでいたんだろうけれども、それを余り今日のように危機的な状況にしなかったのは、地方に工場の立地がありましたということ、そこで何千人という人が雇用され、そして観光というのもそれなりに回っていたと思います。
 また、高速道路ができる、新幹線が通る、飛行機がいっぱい飛ぶということになると、何も地元の商店街で買物しなくたって、我々の地域でいえば、車二時間で神戸に行けるよねと、飛行機に乗れば一時間で東京だよねということになって、町中のお店屋さんでしか買えなかったものが簡単に東京や神戸や大阪や広島で買えるようになったというようなことがあって、基本的な流れは昔からずっと変わらないんですが、最近になって変わった事象とは何なんだということを考えて、昭和三十年代は良かったね、四十年代は良かったねみたいなことを言っても仕方がないので、そこをどうやって構造的に変えていくかということと、東京一極集中ということが集中の利益を超えたということと、もう一つは、首都直下型地震を始めとして災害発生の蓋然性が非常に高いですねと。そして、木密住宅というのがいっぱいあって、災害に対する脆弱性も高いですよね。そして、そこに富と人が集中するというのはどういうことでしょうねということがあります。地方から人が東京に来る。特に女性が高学歴化して、東京の学校に行ったら帰る人が物すごく少ない。晩婚化が進んでいますから、お子様の出生は大体一人であるということになる。
 東京が地方に比べて十年か二十年遅れで、地域によって違いますが、高齢化が進みますので、地方の若い介護とか医療とかいう人材が東京に来るようになると、本当に地方はどうなるのと、東京も高齢化がもうピークまで行ったらばその後どうなるのという。東京も衰退し、地方も衰退する。以前のように、東京は栄えて地方がそこそこという時代じゃなくて、時間差を置いて東京も地方も衰退するというニアリーイコール日本の衰退というのをどうやって止めるかという問題意識でございます。
○藤本祐司君 確かに江戸時代まで行っちゃうと遡り過ぎで、なかなか政策の検証は難しいと思うんですが、やっぱり戦後、まあ大臣と私は同じとり年、みずがめ座なんですけれども、同い年なんですけれども、大体あの頃、あるいは一九六二年に全総計画が作られて、そのときに既に基本目標で地域間の均衡ある発展というのをうたわれていた。これはある意味、東京の一極集中が進み始めているねというのは、認識をしていたのはもう一九五〇年代の後半から六〇年代の前半なんだろうというふうに思うんですね。だから、最低やっぱりそのぐらいまでは見てみる必要があるのかなというふうには思ってはいます。
 最近、東京オリンピック五十年というふうに言っていますし、東海道新幹線五十年と、これ全部一九六四年。一九六四年は、今言いましたとおり、東海道新幹線が開通した年、東京オリンピックが開催された年。一九五〇年代に入って集団就職があって、金の卵という言葉が実は流行語になったのが一九六四年、また同じ年ですね。先ほどの日本人の海外渡航の自由化が一九六四年。だから、割とこの一九六四年前後というのが今の日本の近代社会をつくっていく一つの分岐点になっていたということを考えると、そのぐらいからちょっと遡ってみる必要性はあるのかなというふうには私も思っています。
 しかも、四全総で、これ一九八七年だと思いますが、多極分散型国土の構築ということで、その前に新産・工特とかいろいろありましたけれども、東京一極集中を是正しようという動きが強まったのは、もう多分、三全総あるいは四全総ぐらいからなんだろうと思うんですが、東京一極集中というと、要するに、ただ、そのときの東京一極集中と今の東京一極集中って全く同じ状況ではないようにも思えるんですね。その人口の集中の度合い、機能の集中の度合い、あるいは交通インフラがいろいろ変わってきていますので、変わってきているという。
 ちょっと、その当時の、八七年、八八年、バブルの始まりぐらいのときと今の一極集中の状況というのは何か違うはずなんですが、その辺りというのはまだ検証されていないんでしょうか。もしいたら、ちょっとその辺り説明していただきたい。
○国務大臣(石破茂君) もう私、三十年ぐらい前から、集中の利益を超えるというのはどういうことなんだろうかと。やはり集中には集中の利益があるわけであって、その当時、まだ昭和なぞと言っておった頃です、昭和五十七、八年ぐらいの頃ですが、もうこれ以上、都市は地方を養えないという議論がありました。地方はいいなあと、こんなにいっぱいいろんな道路はできるわ、コミュニティーセンターはできるわ、どうだらこうだら、その割には地方に人が行かないのはどういうことなのという自問自答をずっとしておったわけでございます。ですけれども、地方が衰退をして東京が栄えるということであれば、国家全体から見ればイーブンみたいなところがございますが、どちらも時間差を置いて衰退に向かうということは、やはり今回初めて認識をされたことではないかと思っております。
 高速道路ができる、新幹線ができる。それは、ミッシングリンクの解消というのはすごく大事なことですが、高速道路ができ、新幹線ができ、航空路が充実するということによって地方が衰退したということはあるんじゃないんですかと。だから、造らなくていいというお話をしているんじゃなくて、それを使ってどうしますかということを、先ほどの観光もそうですけれども、地方が本当にぎりぎり考えてきましたかということは問われてしかるべきなんだろうと思っております。
 委員が御指摘になりましたように、例えば、東京の人で東京タワーに上ったことのない人っていっぱいいるんだと思います。観光地で、自分の観光地に行ったことがない人って結構いっぱいいるのではないか。いろんな観光地がシーズンだけ栄えますけれども、そこは、人も物も全部よそから来て、そのシーズンが終わったら人も物もお金もみんな東京に戻ってきちゃうということがあちらこちらにありはせぬだろうかということであって、今までのやってきたことをちょっとよく検証してみなければいけない。私自身、高速道路や新幹線が通ったことによって、そこがどうなるのか、これからそういうものが更に発達していくとすればどうなるのかであって、昭和三十九年に、委員が御指摘のように、オリンピックがありました、新幹線がありました。やっぱり一九六五年以前と以後と随分違うんだという認識を持っております。
 ちょっと時代はずれるんですが、その頃は、東京タワーができて新幹線が走ってオリンピック、今は、スカイツリーにリニアに二回目のオリンピック、何か似ているんじゃないって言われるんですけれども、そうではないと。時代がどう変わって、何をしなければいけないのかということは、過去の検証の上にやっていかねばならない。過去の政策は否定しません。だけれども、過去の政策が時代に合わなくなっている部分はたくさんあるんだと思っております。第一次産業もそうです、観光もそうです。今まで取ってきた政策が、今までは正しかったんだけれども、どこが時代に合わなくなったのかということは一つ一つ検証しないと地方の創生はできないという認識でございます。
○藤本祐司君 細かな話はまた地方創生のまち・ひと・しごと法案が出たときにしたいと思いますが、まさに検証と言ったときに、過去を、ああだ、あれは良くなかったとかという話ではなくて、その当時はベストの選択を恐らくしていたんだろうと。ただ、それが時代が移ることによって、産業構造、人口構造、経済のグローバル化、様々なところで時代に合わなくなったので、それをどう修正していきますかという話なんだろうと思うんですが。
 やっぱり、冒頭申し上げたように、まだちょっと私も明確にイメージできないのは、東京もやがて生産年齢人口が減るということも東京の統計で出ているわけですよね。二〇三五年は、生産年齢人口が二〇一二年の八百九十八万から八百三万に減っていくということになってくると、東京も活力がなくなってくる。その上に、地方から東京に行く方を抑制しましょうというと、更にそれが拍車が掛かるかもしれない。でも、今度は、地方は地方でいろいろな議論があって、拠点となるような二十万人都市にいろいろな機能を集中させようということになると、ミニ東京一極集中が地方で起こるかもしれない。だから、この二万人、三万人の人口のところをどうするのか、そこのところとのインフラ整備をどうするのか、それと拠点になる二十万人をどうするのか、東京をどうするのか、あるいはその途中の大阪なり名古屋をどうするのかと。この全部がいいような解がなかなかイメージできないんですよ、正直。
 だから、この地方創生というのは、最終的にはどういう形を、東京対地方ではないにせよ、東京圏、地方圏、地方、地方の中でも拠点都市となるところ、人口が少ないところ、これをどうするのか。ここで道路はもう諦めてくださいと言うのか、いやいや、そこは道路を逆に、命の道ですから造りますよと言ってやっていくのか。そうすると、またストロー現象が起きるじゃないかとか、もういろいろ、考えると夜も眠れなくなってしまうんですけれども、本当にそういう難しい問題なので、これは相当な議論をしていかないとちょっと多分恐らく共有化ができないのかなという、ちょっとそういう問題意識があったので、その前提だけちょっと今日はお聞きしました。
 時間が参りましたので、これで私の質問を終わりにします。ありがとうございました。
○井上義行君 みんなの党の井上義行でございます。
 今日は、サイバーセキュリティーについて議論を深めていきたいというふうに思っております。
 今のこのIT社会の中で、様々ないろんな経済犯罪あるいは軍を標的に狙ったサイバーテロ的なことが起きております。やはり、これを防止するためには、きちんとした体制、そして人員、そして技術、様々なことが必要だというふうに思っております。
 そこで、まず、この基本法が成立した場合に、サイバーセキュリティ戦略本部というのが組織化されますけれども、こうした日本と同じようなことを考えている海外の事例を、審議官、いかがでしょうか。
○政府参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 昨今のサイバー空間をめぐる攻撃の深刻化あるいは巧妙化の状況を踏まえまして、政府におけるサイバーセキュリティーに関する司令塔機能を強化する必要が生じていることから、内閣官房長官を議長といたします情報セキュリティ政策会議におきまして昨年六月に決定をいたしましたサイバーセキュリティ戦略におきまして、我が国におけるサイバーセキュリティーの推進体制の強化の必要性がうたわれているところでございます。
 諸外国におきましても、同様の問題意識から、例えば、アメリカにおきまして、二〇〇九年でございますが、関連政策の統括・調整機能の強化のため、ホワイトハウスにサイバーセキュリティ調整官を設置したほか、官民連携による対策強化のため、国土安全保障省に国家サイバーセキュリティ・通信統合センターを設置をしております。
 また、イギリスにおきまして、二〇一〇年、政府横断的な対応強化のため、内閣府にサイバーセキュリティ・情報保証部を新設したほか、二〇一二年のロンドン・オリンピックを契機といたしまして、二〇一四年三月にコンピュータ緊急対処チーム、CERT―UKを内閣府に設立しております。
 さらに、フランスにおきまして、首相府の下に置かれる国家情報システムセキュリティ庁の体制を二〇一五年までに現行の三百五十名から五百名に拡充する旨、公表しているところでございます。
○井上義行君 今、フランスの例で三百五十名という話がありましたが、日本ではまだ職員が八十名程度というふうに聞いております。
 やはりきちんと定員を確保して、そして、その定員の確保の中で私は非常に問題意識を持っているのは二つでございます。一つはやはりきちんとした定員の確保と、そして人員の回しですね。これ、イタチごっこですから、新しいソフトがどんどんどんどんできてくる、それに合わせて新しい人をどんどんどんどん入れなきゃいけない。しかし一方で、教育もしていかなきゃいけない。そうすると、各省庁から集めて二、三年で交代するというのは、私はどうなのかなという疑問を持っております。
 やはり、五年ぐらいきちんと専門的な知識を得て、そして各情報を集めて対策をつくっていく、こういう体制を私は必要だと思いますが、いかがでしょうか、山口大臣。
○国務大臣(山口俊一君) 私も井上委員さんと問題意識を全く同じくするものでございます。
 やはり、体制強化あるいは予算の獲得等、これ大事なんですが、今御指摘ございましたいわゆるNISCは、これは官民からの出向職員約八十名から成っておりまして、国家公務員のみならず情報セキュリティーに精通をした学識経験者とか、あるいは民間の特に詳しい事業者等々からも職員を登用するというふうなことによって、優秀な人材の確保に実は努めてきておるところでございます。
 同時に、御指摘いただきましたが、その任期につきましては、これ各省庁から、あるいは民間からの出向者というのは二、三年の勤務の後、出向元に帰ってしまう、戻っていくというふうな状況にございます。やはり、NISCとしても、より長期の勤務を可能とする採用ができないかどうか、これしっかり検討してまいりたいと思っております。
○井上義行君 ありがとうございます。非常に前向きな答弁をいただきました。
 こうした職員を配置するとともに、やはり機密の保持というのが非常に大事になってきます。やはり、この機密の保持、その人が、一人に任せて仮に変なことをしてしまったらもっと大惨事になる。やはり、こうした監視とか機密の保持、これをしっかりつくる必要があると思いますが、大臣の見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(山口俊一君) ただいま御指摘いただいたとおりでございまして、情報の性格に応じてしっかりと機密保持を行っていくということはもう極めて大事な話で、先ほどお話をいただきました、やっぱり二、三年というんじゃなくてもう少し長期で、同時に、内閣官房情報セキュリティセンター、NISCにおきましても、機微な情報につきましては、関係法令いろいろありますが、それに従って適切に取り扱われるように、よりその徹底を図っていきたいと考えております。
○井上義行君 そのためには、機密の保持、そして各連携が必要だというふうに思っております。昨年、NSCができました。また、情報通信技術総合戦略本部もあります。あるいは、今回のこの情報セキュリティセンター、危機管理担当あるいは内調、様々ないろんな情報を扱う。こういうときに、技術との関連性が非常に一体化していかなければならないというふうに思っております。
 今回の形で、連携を非常に密にするということをうたっております。私も同様な考えでございますが、やはりこの一体化をするためには、日頃から常に連携をする。時には、この情報というのは、私は例えば官邸に長くいたものですから、総理の動静で大体どんな話がしているかというのは大体予想が付いちゃうんですね。
 やっぱり、情報というのは、誰と誰が会う、そのことによって非常に何を話しているかということがよく分かってしまう。やはり、こうしたこともしっかりと取り組むために、政府として今後、一体化、組織の一体化をどのように運用していくのか、官房長官の見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(菅義偉君) 委員の御指摘のとおり、大規模なサイバー攻撃があった場合、それは関係機関の連携を強化をし、政府一丸として対応しなきゃならないということは当然のことであるというふうに思っています。
 現在はどうなっているかといえば、先ほど来の議論にありますように、サイバーセキュリティーについては、このNISCを、中心となって、国家安全保障局あるいは内閣情報調査室を始めとする関係省庁との情報を共有しながらまた対処方針というのを決定をしていくと。現在としてはそういう中で総合的な対応をしているところであります。
 また、委員の御指摘があった中で、それぞれの、今のNISC以外の機関でありますけれども、設置目的の下で、サイバーセキュリティーのみならず様々な事象を取り扱っているということもこれ事実であります。そうしたことを考えたときに、一体的な運用に対処するために政府内組織において将来的にその在り方を研究していく、このことは必要なことだというふうに認識をいたしております。
○井上義行君 そして、何よりもやはり、サイバー攻撃、あるいはサイバーテロというふうに言っていいかもしれません、外部からのこうした攻撃に対してどのように日本が抑止力をしっかりつくっていくかということが私はすごく必要だというふうに思っております。
 例えば、アメリカは、今回、サイバー攻撃で米企業にスパイ行為を行ったとして、中国人民解放軍のサイバー攻撃部隊、六一三九八部隊、将校五人を起訴したわけですね。やはり、こういうことによって、海外から攻撃した場合、国としてはこういうふうにやりますよということの断固とした意思というものがあるというふうに思っています。
 そこで、日本の場合、例えば海外でもいいですけれども、こうした追跡が、例えば技術的に日本の技術としてこれ可能かどうか、これを審議官、いかがでございましょうか。
○政府参考人(谷脇康彦君) 御指摘のとおり、サイバー空間におきましては、国境を越えて攻撃を実行することが可能でございます。他国に所在するサーバーを経由したり、あるいはソフトウエアを用いて攻撃元を秘匿したりするなど巧妙な手段が用いられることもございまして、技術的に申し上げまして、一般的に攻撃者を追跡をするということは必ずしも容易ではないところでございます。
 他方、サイバー攻撃に係る犯罪捜査を通じまして攻撃手法等を解明し、迅速で的確に対策を講じるということが将来のサイバー攻撃による被害を防止する上でも重要であるというふうに考えているところでございます。
 今後とも、政府といたしましては、先ほども申し上げました、昨年六月に情報セキュリティ政策会議で決定をされましたサイバーセキュリティ戦略に基づく各種の施策の推進、あるいは今委員からも御指摘がございました諸外国の事例の研究、あるいは民間の知見の活用など、必要な体制の整備なども踏まえましてサイバー攻撃への対処体制の強化に努めてまいりたいと、かように考えております。
○井上義行君 私が言ったのは、例えばアメリカは、こういう中国将校が、この五人が、起訴したわけですね。なぜ起訴したかといえば、そこの技術を使ってそこを突き止めたという多分事実があるんだろうと。そこで、いわゆる運用としてできるかできないかは別にして、日本の技術はそういうことが、運用することができたならば、できるのかどうかを、審議官、いかがでしょうか。
○政府参考人(谷脇康彦君) 政府としてサイバー攻撃の攻撃元をいかに特定していくのかという点について、制度的あるいは技術的に様々な課題があろうかというふうに考えております。
 技術的に可能か否かという点につきましては、我が国の対処能力を明らかにするという点もございますので、お答えはこの場では差し控えさせていただきたいと思います。
○井上義行君 まさにそうなんですね。いわゆる、相手にここまでの技術が分かってしまう、これは相手がどのぐらいのレベルかということをまた更に上げてしまう、こういうことが一つ。それからもう一つ、私はむしろ、審議官の方からは多分答えられないというふうに思っておりますが、私は憲法との関わり合いが実はあるんじゃないかと。
 これはむしろ大臣に聞いた方がいいと思いますが、これは通告しておりませんけれども、山口大臣、憲法二十一条に通信の関係がありますけれども、そこは御存じでしょうか。
○国務大臣(山口俊一君) これは、私も総務関係、結構やっておりましたので、いわゆる通信の秘密等々に関連する規定だということは存じ上げております。
○井上義行君 私は、憲法二十一条で、通信の秘密は、これを侵してはならないということがあります。確かに、プライバシーの話、いろんなことがあると思いますが、やはり国家そのものを存亡してしまうような危機、こういうときに日本が何にもできない、果たしてそれが国家としてあるべき姿なのかなというふうに思っております。やはりこのサイバー攻撃というのは、ただ単に相手がどんどんどんどん仕掛けてくる、それに対して私たちは無防備にただただ防止するだけ。やはりアメリカのようにきちんと、相手の国、そしてそれを侵した者、これをしっかりと公表できる国でなければならないというふうに思っております。
 そこで、やはりこうした、その憲法二十一条、この二項に、通信の秘密は、これを侵してはならない、こういうことで追跡ができないということであれば、国の情報、あるいは様々な経済的な損失、これをただ単に眺めている政府でいいのかな、ただ防止だけすればいいのかな、やはり私はしっかりとした抑止力が必要だというふうに思っています。
 そこで、これは政府全体的な話、特に危機管理全般を、職員を管轄をして、あるいはこの内閣そのものの憲法観の話にもなると思いますので、やはりこうした視点をしっかり持った上で研究なり検討をしていくべきだというふうに考えておりますが、官房長官の意見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(菅義偉君) サイバー攻撃への対応については、国家の安全保障、また危機管理上、極めて重要なことだという認識は当然持っております。
 そういう中で、国家安全保障戦略、さらにはサイバーセキュリティ戦略、そうしたものを策定をしながらその対策を練っているところでありますけれども、まさに今御指摘をいただいた原因究明でありますけれども、サイバー攻撃においては、その発信元というのはある意味では容易に偽装されることから、これを特定をすることは必ずしも容易ではないということも事実であります。また、通信の秘密、その観点から制度面の検討というのは慎重に行わなければならないのかなという思いもしないわけではありません。
 ただ、こうしたことの中で、昨年の十二月に閣議決定をいたしておりますけれども、「世界一安全な日本」創造戦略、ここでは、政府としては、関連事業者における通信履歴等の保存の在り方について所要の措置を講じることができるよう検討する、このように実はなっておりますので、引き続いて原因究明の高度化、ここについては精力的に取り組んでいきたい、こう思います。
○井上義行君 内閣では憲法に踏み込む話はなかなかできないというふうに思いますが、やはり一人の政治家として、こうした憲法を、もしそれが阻害しているのであれば、それをやはり阻害していないものにしなきゃいけない、こういう政治の役割があるというふうに思っておりますので、山口大臣、もし踏み込んでいただければと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(山口俊一君) ただいま官房長官の方からもお話がございましたように、通信の秘密は通信の秘密として、そのほかどういう手があるだろうか。例えばログの保存等々いろいろあるんだろうと思います。そこら辺は総合的に考えながら、やはり委員のおっしゃるとおりでありますので、しっかり対応していきたい。
 先ほどお話がございましたあのアメリカの例にしても、これはどこまでどういう技術で突き止めていったかということは明確でないわけでありまして、私どもとしても、先ほど来御答弁を申し上げておりますように、やはりステルスとか、いろんなサーバーを経由したりあるいは他人のパソコンを経由したりして、様々なやり方をしております。しっかりとそこら辺はトレースできるようにということでやっておりますが、同時に、それ以外ですね、例えば様々なネット上の情報とかあるいは犯罪情報とかあります。そこら辺を駆使しながら、しっかりとそこら辺は究明できるようにということで頑張ってまいりたいと思います。
○井上義行君 是非、こうしたサイバー攻撃、サイバーテロに対してしっかりと取り組んでいただきたいというふうに思っております。
 そして最後に、日本、とかく今、山口大臣がおっしゃったように、なかなかそこが特定できない、いろんな技術的な問題もあるでしょう、だけど、私は、突き止めたらやはり政府としてきちんと公表するべきだというのが私の考え方であります。
 やはりこうした攻撃、私は、サイバーテロというふうに言いますけれども、他の国が日本の国に対して要はサイバー攻撃を仕掛けてきた、大体いろんな幾つかの段階があると思いますが、やはり常に、サイバー攻撃を国が仕掛けてきたら次に何があるんだろうということを考えていくのが危機管理だというふうに思っております。
 やはりその場合には、しっかりと原因を突き止めて、その者を突き止めて、それを世界に発信をする、これは重要な抑止力だというふうに思っておりますので、そういうようなことが起きた場合には、官房長官の記者会見でその国と者を発表するというふうに是非断言をしていただきたいと思いますが、官房長官、いかがでしょうか。
○国務大臣(菅義偉君) 委員から御指摘のとおり、サイバー攻撃があった場合、そしてその実態が判明した状況の中では、適切な形で公表するということはこれは大事だというふうに思います。そのことが結果的には抑止力にもつながることだというふうに思っています。また、捜査等で実態が解明されて事件が起訴されれば、その段階において立証に必要な証拠というのはそこで明らかになるわけであります。
 それと同時に、判明した内容を明らかにすることによって、先ほども審議官が答弁されましたけれども、我が方の手のうちが明らかになる部分がありますので、そうしたことも十分に考慮しながら、公表をすべき点は私の会見で明快に公表していきたいと思います。
○井上義行君 是非、こうしたサイバーセキュリティー、一日も早く法案を成立させて、そして体制をつくることが必要だということを申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。
 初めに、日本軍慰安婦の問題について質問をします。
 菅官房長官は十月十六日の記者会見で、一九九六年の国連人権委員会におけるクマラスワミ報告について、朝日が以前の慰安婦問題に関する報道が誤報であったとし、取り消したという進展があった、このことをしっかりと本人に説明し、報告書にある同氏の見解を修正するよう求めたと述べられました。
 官房長官、クマラスワミ氏の見解をどう修正するよう求めたんですか。
○国務大臣(菅義偉君) まず、この朝日新聞が、過去の慰安婦問題に関する報道が誤報であったと、そういうことで取り消したという進展があったということです。
 それに基づいて、クマラスワミ氏本人に対し、これらをしっかりと説明し、報告書に示されております同氏の見解を修正するように求めました。そしてまた、我が国の基本的立場や、一九九六年二月の同報告書の提出後に実施されたアジア女性基金事業及び女性の人権の促進に向けた日本の取組を説明すると同時に、同報告書の事実関係及び法的議論に関し日本が同意できずに留保している、このことを改めて指摘をいたしました。そして、これに対してクマラスワミ氏からは、特別報告書の任を離れて長く、報告書を修正する立場にはないと。吉田証言、これ朝日新聞でありますけれども、これは証拠の一つにすぎず、引き続き報告書の立場を維持する、そういう反応がありました。
 いずれにしろ、このクマラスワミ報告書が我が国の基本的立場やこれまでの取組を踏まえていないことは遺憾でありまして、政府としては、国連人権理事会を始めとする国際社会に対して、適切な機会を捉えて、我が国の基本的立場やこれまでの取組を説明をし、理解を得るべき努力をしているということです。
○山下芳生君 確認ですけれども、朝日新聞は八月五日、六日で掲載した「慰安婦問題を考える」と題した報道検証特集で、吉田清治氏が韓国済州島で慰安婦を強制連行したとする証言は虚偽だと判断し、記事を取り消しますと訂正をいたしました。
 クマラスワミ報告には、確かにこの吉田清治氏とその著書について述べている部分が三ないし四行ほどあります。その部分を修正するよう求めたということですか。
○国務大臣(菅義偉君) 我が国の基本的立場は、強制連行を示す資料はなかったということが我が国の基本的な立場であります。
 クマラスワミのこの文の中に、今委員から御指摘がありましたけれども、朝日新聞のそうした誤報に基づいた部分がありましたので、そうしたことも含めて我が国の基本的な立場を申し上げたということです。
○山下芳生君 吉田清治氏とその著作についても含めてということでした。
 ただ、このクマラスワミ報告には、千葉大学の歴史学者秦郁彦博士は、慰安婦問題に関するある種の歴史研究、とりわけ韓国の済州島の慰安婦がいかに苦境に置かれたかを書いた吉田清治氏の著書に異議を唱えるとして、秦氏の主張を十行余りにわたって紹介している部分があります。これ、官房長官、御存じですか。
○国務大臣(菅義偉君) 承知しています。
○山下芳生君 クマラスワミ報告には、ほかにも中央大学の吉見義明教授など、当時既に吉田清治氏の証言は信憑性に疑義があるという立場に立っていた研究者の主張も紹介されております。したがって、クマラスワミ報告というのは、こうした複数の研究者、そして日本軍慰安婦とされた女性たちへのインタビュー、豊富な資料に基づいて作られた報告であります。
 朝日新聞が吉田証言を虚偽だとして取り消したことをもって、クマラスワミ報告全体が信頼できないものであるかのような誤解を招くメッセージを私は日本政府が発信すべきではないと、こう思っております。
 何かあれば、どうぞ。
○国務大臣(菅義偉君) まず、日本政府としては、その朝日新聞の吉田証言、そのことがクマラスワミの報告書の中に明らかに明示をされている、そこは当然取り消すべきであるということ、そしてまた、日本が、クマラスワミの中にあった証言の中で、日本の慰安婦の証言という今指摘がありましたけれども、そうした事実関係としては確認していないということ、そうした中で、日本の立場として、結論として、日本政府に勧告をこれ出しておりますので、日本としてはここについては違うということを申し上げているところであります。
○山下芳生君 じゃ、角度を変えて聞きたいと思いますが、安倍内閣は日本軍慰安婦の問題についての一九九三年の河野洋平官房長官談話を継承するとされております。菅官房長官も繰り返し、河野談話の見直しはせず、これを継承するという政府の立場は変わらないと述べておられます。この立場は今も変わっていませんね。
○国務大臣(菅義偉君) そこは変わっておりません。
○山下芳生君 そこで確認しますが、河野談話は次の五つの内容を述べております。
 一つ、長期に、かつ広範な地域にわたって慰安所が設置され、数多くの慰安婦が存在したことが認められた。二つ、慰安所は、当時の軍当局の要請により設営されたものであり、慰安所の設置、管理及び慰安婦の移送については、旧日本軍が直接あるいは間接にこれに関与した。三つ、慰安婦の募集については、軍の要請を受けた業者が主としてこれに当たったが、その場合も、甘言、強圧による等、本人たちの意思に反して集められた事例が数多くあり、さらに、官憲等が直接これに加担したこともあったことが明らかになった。四つ、慰安所における生活は、強制的な状況の下での痛ましいものであった。五つ、戦地に移送された慰安婦の出身地については、日本を別とすれば、朝鮮半島が大きな比重を占めていたが、当時の朝鮮半島は我が国の統治下にあり、その募集、移送、管理等も、甘言、強圧による等、総じて本人たちの意思に反して行われたと。
 官房長官、河野談話、今述べた五つの内容を述べていることについてはお認めになりますね。
○国務大臣(菅義偉君) 河野談話の中にそうしたことが述べられたということは承知をしています。
 ただ、さきの国会で要求がありまして、この河野談話について検証すべきだということがありました。そして、検証の報告書を出していただいております。その検証結果の主なことというのは、当時、日韓両政府が慰安婦問題に一応の区切りを付けて、未来志向の関係を築くということを意図する中で両国間で調整をされたものであると。さらには、この両国間の文言の調整においては、日本政府がいわゆる強制連行を確認できないとの認識に立って、事実関係をゆがめることのないまさに範囲でぎりぎりのすり合わせが行われた文書である。そうしたことがこれ明らかになっているわけであります。
 ですから、政府としては、河野談話を継承し、見直すことはないということを申し上げているところであります。
○山下芳生君 大事な御答弁だったと思います。したがって、今述べた五つの内容を河野談話は述べていることを認め、その作成過程も検証した上で継承するという立場なんだということでありました。
 ということは、河野談話を継承するということは、この五つの内容、事実認定も継承するという理解でよろしいですね。
○国務大臣(菅義偉君) 河野談話については継承し、見直しはしないということは私どもは明確に申し上げています。
 ただ、河野談話発表の際の問題があったのはここだというふうに私どもは思っています。記者会見において河野官房長官は、強制連行の事実があったのかという認識を問われて、そういう事実があったと、結構ですということを会見で述べているんですよね。
 報告書の中には強制連行を示す資料はないということが書かれていて、また、会見で河野当時の官房長官が、強制連行の事実があったという認識なのかと問われ、そういう事実があったと、結構です。ここがまず大きな問題だというふうに思いますし、また、当時、朝日新聞が報じた吉田清治氏の証言、あたかも強制連行があったような、事実に反する認識が韓国を始め国際社会に広まっていった、そういうこともこれ事実であるというふうに思います。
 ですから、政府としては、客観的事実に基づいて正しい歴史認識を形成されて、日本の名誉や信頼の回復を図るべく、日本の基本的な立場、取組というものを今海外で徹底して広報しているところであります。
○山下芳生君 河野談話には強制連行という文言は出てまいりません。ありません。それは先ほど官房長官がお認めになったとおりです。それから、吉田証言はそもそも河野談話の根拠にはされておりません。これは河野談話作成当時の石原信雄官房副長官も証言しております。
 今年の九月十一日に放映されたテレビ朝日系の報道ステーションで、直接河野談話作成に関わった石原信雄氏はこう言っております。吉田証言についてですね。あれは何というか、眉唾物だというふうな議論はしていましたね、当時から。吉田証言をベースにして韓国側と議論したということは私はありません。繰り返し申しますが、河野談話の作成の過程で、吉田証言を直接根拠にして強制性を認定したものではないと。こう言明されております。
 このことについては、国会で菅官房長官自身も、吉田証言と河野談話の関係性については、根拠にしていないということをお認めになりました。それは間違いないですね。
○国務大臣(菅義偉君) ええ、そこは認めております。
○山下芳生君 したがって、私は、この吉田証言の根拠がなくなった、虚偽だったということをもって河野談話の根拠がなくなったとする議論は成り立つ余地がないと思います。河野談話の真実性は、こういうことをもっていささかも変わるわけではありません。だから継承するんだということだと思うんですね。
 私は、問題にしたいのは、このクマラスワミ報告の、先ほど結論部分ともおっしゃいました。それから、河野談話でも、表現は違いますが、こうあるんですよ。慰安所における生活は、強制的な状況の下での痛ましいものであったと、こう述べているんですね。こう書かれていることはさっきお認めになりましたし、それを継承するんだということも官房長官お認めになりました。これはどういうことかというと、一たび日本軍慰安所に入れば自由な生活ができなかった、自由のない生活を強いられて、強制的に多数の兵士の性の相手をさせられた。これを世界は性奴隷状態と言っているんですね。その事実は、多数の被害者の証言、それから旧日本軍の公文書などに照らしても動かすことのできない事実であります。
 ですから、河野談話を継承すると言いながら、日本軍慰安婦制度が性奴隷制だったとの指摘をいわれなき中傷だとか不適切な表現などと言うのは、私は、二枚舌であって国際社会の信頼を失うことになると言わざるを得ません。
 河野談話は最後にこう言っております。我々はこのような歴史の真実を回避することなく、むしろこれを歴史の教訓として直視していきたい。我々は、歴史研究、歴史教育を通じて、このような問題を長く記憶にとどめ、同じ過ちを決して繰り返さないという固い決意を改めて表明すると。私は、この決意こそ継承すべきだということを指摘しておきたいと思います。
 官房長官、何かコメントあれば。
○国務大臣(菅義偉君) まず、是非事実関係で御理解をいただきたいんですけれども、この河野談話というのは、当時の日韓両国が慰安婦問題に一区切りを付けて、未来志向の関係を築くこと、そのために両国で調整をされて作成をされたと。さらに、韓国政府が、文言調整において、日本政府がこの強制連行は確認できないとの認識の上に立って、まさに事実関係をゆがめることがない範囲でぎりぎりのすり合わせを行ってできたものであって、また韓国の当時の大統領も、この河野談話の案文を評価して、結構であるという連絡もしたという事実もこれ明らかになってきているところです。
 ですから、まさに強制連行を確認できない、示す資料がなかったという中で、私、先ほど申し上げましたけれども、問題なのは、その記者会見で河野当時官房長官が記者の方から聞かれて、強制連行の事実があったという認識なのかどうかと問われたときに、そういう事実があった、結構ですと述べた、ここがやはり私は大きな問題だというふうに考えております。
○山下芳生君 問題を強制連行の有無に矮小化しては駄目ですよ。いろんな、日本の公文書にはないけれども、他の国の公文書等にはそういう事実が記載されたものもあります。また、証言ではそういうものがあると。裁判でも、日本のその後の、河野談話以降の裁判でも事実認定されております。
 問題は、強制連行の有無に矮小化してはならない。強制的な生活を強いられた、自由のない慰安所で多数の兵士の性の相手をさせられた、この事実は否定できないんですよ。そして、それを性奴隷制だというふうに国際社会は指摘しているわけですね。そのこと自体を全部違うかのような言い方したら、これはもう日本の国際社会での信頼はなくなると思いますよ。その点、どうかということをただしているんです。
○国務大臣(菅義偉君) 先ほど来申し上げていますように、河野談話は継承して、見直す思いはないということを私どもは言っているわけでありますから、ただ、今申し上げましたように、当時のこの河野談話の発表の際の記者会見で、強制連行を示す資料がないということを、文書の中にあるにもかかわらず、官房長官が、事実があった、それでいいですかと聞かれて結構ですと言っているから、私どもはそこは否定をして、また、政府として、日本の名誉、信頼を回復すべき、そこはしっかり訴えていくと言っているというところであります。
○山下芳生君 これ以上やりませんけれども、元々、強制連行を示す日本側の公的文書はなかったんですよ、河野談話を作成するのに。それはあるわけないんですよ。当時だって、そんな強制連行というのは法違反ですからね、犯罪ですから。だから、そんなものはなかったんです。しかし、韓国側からの訴えがあって、証言を十六人の方から聞いて、これは本人が体験しなかったら言える証言ではないという総合的な判断をして先ほどの河野談話になったんですね。しかし、その中では強制連行という言葉は慎重に使っておりません。
 だから、そのことにこだわって河野談話全体を否定するかのような議論は、私は世界ではこれは信頼を失うことになるということを改めて申し上げて、次の質問に移りたいと思います。
 有村大臣に来ていただいておりますが、もうちょっと時間がなくなってまいりましたので簡潔にお答えいただければと思います。
 男女共同参画社会の担当ですが、その問題について、新しい法案は、職業生活を営む女性が結婚、妊娠、出産、育児、介護その他の家庭生活に関する事由によりやむを得ず退職することが多いという表現があるんですよね。これ、どこに原因があるとお考えでしょうか。
○国務大臣(有村治子君) 限られた時間でございますので、端的に答えます。
 様々な要因があるとは思いますが、例えば、平成二十一年の内閣府委託の調査においても、結婚、妊娠、出産、子育て等による退職の理由として、残業などで長時間労働が長く、時間的に厳しかったというのがトップ。そして、二番のお答えとして、仕事と家庭を両立して働き続けられる制度や雰囲気がなかった。同じような状況で仕事を続ける人が周りにいなかったというのが三番目。同じ境遇の仲間を見出せなかったということも大きな原因かというふうに思っております。
○山下芳生君 もう一点、私は、日本の男性の平均的な家事、育児時間がアメリカやヨーロッパの男性の三時間以上に比べて三分の一しかないと。しかも、これ平日はもっと極端に少ないんですね、休みの日にまとめてやっちゃうということですから。男性の労働時間が長いほど女性はパートなど短時間勤務となるという相関関係もはっきり出ております。
 そこで、大臣、男女とも長時間労働が労働者の仕事と家事、育児の両立を阻んでいる、そして男性の長時間労働が男性の育児、家事時間を極端に短くして、それによって女性が働き続けることを阻んでいる、そういう認識ありますでしょうか。
○国務大臣(有村治子君) 認識はございます。
 官邸における会議においても、女性の活躍を言うなら、まずは男性の働き方を変えてくれという民間の委員からの御指摘もあるくらいですから、やはり男女共に働き方を見直すということは極めて重要な国家的な課題でもあるというふうに認識しております。
○山下芳生君 そこも視野に入れなければならないと思います。
 それからもう一点、厚労省に聞きます。
 第一子の出産を機に六割の女性が退職をしております。政府委託の調査では、その理由、上位三つ、どうなっていますか。
○政府参考人(木下賢志君) 平成二十年に厚生労働省の委託調査で行った調査によりますと、妊娠、出産前後に退職した理由としましては、一つ目に、家事、育児に専念するため自発的に辞めたというのは三九%、それから、仕事を続けたかったけれども仕事と育児の両立の難しさで辞めたといいますのは二六%、解雇された、退職勧奨されたというのは九%などが挙げられてございます。
○山下芳生君 その最後の解雇、退職勧奨が九%、約一割あるということは深刻だと思うんですよね。
 労働組合連合の調査でも、妊娠、出産がきっかけで解雇や契約打切り、自主退職への誘導などをされたという人が二九・七%、約三割あったというふうに報告されております。
 マタニティーハラスメントネットというグループなどが生々しい声を集めて紹介しております。ちょっと報告しますので、ちょっと大臣の感想を聞きたいと思うんですが。例えば、妊娠中に無理な勤務を続けて二度流産、会社に勤務の改善を訴えたら退職を促された。やっとの思いで子供を保育所に預け復帰しようとしたら、社長の気が変わったと解雇された。妊娠中に呼び出され、いつ辞めますかと呼出しされた。うちには産休も育休もないと言われ、泣き寝入りした。こういう深刻な実態が広がっております。
 大臣、感想いかがですか。
○国務大臣(有村治子君) 極めて深刻な状況だと思います。
 妊娠、出産等による解雇等の不利益取扱いは違法であるということを認識しておりまして、こうした違法行為が起こらない職場づくりの推進が重要なことは当然なことだと思っております。
 先ほど委員が御指摘いただいたハラスメント、いわゆるマタニティーハラスメントの報道を私も目にしておりますけれども、ここはやっぱり立ち上がっていかなきゃいけない重要施策の分野にあるというふうに認識をしております。
○山下芳生君 これ違法行為ですからね。ゼロにしなければならない、これは。一割って、もうとんでもないんですよね。どうしますか。
○国務大臣(有村治子君) 先般取りまとめしましたすべての女性が輝く政策パッケージにおいても、妊娠、出産等による解雇等の不利益取扱いが起こらない職場づくりの推進を明確に盛り込んでおります。厚生労働省と連携をしながら、内閣府としても取り組んでいきたいと考えております。
○山下芳生君 取組の一つにポスター作って貼り出したというのがあるんですが、まあ六千枚程度ですから、これは焼け石に水だと言わなければなりません。
 今、頑張りどきだと思うんですよ、女性の活躍と言うのであれば、この問題で本当に職場で両立ができるようにするというのは。その点で私は、女性たちに、あなたにはこういう権利がありますよ、頑張りなさいと言うだけではやっぱり駄目だと思うんですよね。
 例えば、母子手帳に挟むビラを厚労省が作っておられます。これ見ました。例えば、非常に分かりやすい、働きながら妊娠、出産、育児をされる方へ、職場でつらい思いしていませんかと。で、女性がつぶやいているんです。一年契約で更新されてきたが、妊娠を伝えたところ、次の契約更新はしないと言われたとか、上司から産休、育休は取れないと言われたとか、妊娠を伝えたところ、遠隔地への異動を命じられた。その下に大きな字で、妊娠、出産、産休、育休などを理由とする、解雇、不利益な異動、減給、降格などの不利益な取扱いは法律で禁止しています。ばあんとこの禁止マークが付いているんですね。そして、ここに相談できる人がいますとして、都道府県労働局雇用均等室への御相談を、匿名でも大丈夫、無料ですと。こうありまして、これなかなか、これは悩んでいる女性に、心に寄り添うものだと思いました。
 こういうものをちゃんともっと大きなポスターにして周知徹底するなど、事業者にも国民全体にもこれが徹底されるようにすべきだ。それと同時に、違法行為には罰則が必要なんですね。こんなことをやるところは、企業名の公表など罰則を強化すること。この二点、いかがでしょうか。
○委員長(大島九州男君) 有村国務大臣、もう時間ですから簡潔に。
○国務大臣(有村治子君) はい。
 私自身も妊娠をして、女性の先輩に、勤務中につわりが出るとはどういうことだというふうなお叱りをいただきまして戸惑ったことがございます。深夜国会では、野党の方から、何人入っているんだと、でっかいおなかに対してやじが飛んだこともございます。
 やはり、そういうハラスメントも含めて、嫌がらせはいけない、また、妊婦さんに対して足を引っかけたりとか、そういう報道もありますけれども、日本全体として命を守っていくということが大事だというメッセージを出していきたいと思っております。犯罪に対してはしっかりと向き合っていくという立場を堅持いたします。
○山下芳生君 終わります。
○浜田和幸君 新党改革・無所属の会を代表して、菅官房長官に幾つか質問をさせていただきたいと思います。
 先ほども話題になったんですけれども、朝日新聞、吉田証言ですね、これに関連して、今月の十四日ですか、ニューヨークで我が国の人道担当の大使が国連のクマラスワミ氏に対して、吉田証言、これは過ちだった、その部分に関しての削除、修正を申し入れたんですけれども、官房長官も回答されているように、それは拒絶されました。
 まず、なぜ拒絶されたのか、その経緯について御説明いただけませんでしょうか。
   〔委員長退席、理事藤本祐司君着席〕
○政府参考人(山上信吾君) 経緯ということでございますので、事実関係、事務方から御説明いたします。
 まず、委員御指摘のとおり、先週十四日に、佐藤女性人権人道大使がクマラスワミ氏に対して申入れを行ったということでございます。
 この働きかけの経緯でございますけれども、朝日新聞が過去の慰安婦問題に関する報道が誤報であったとして取り消したと、こういう進展があったものでございますから、クマラスワミ氏本人に対し、これらをしっかりと説明し、報告書に示されたクマラスワミ氏の見解を修正するよう促したところでございます。また、先ほど官房長官から御答弁ございましたように、その際には、我が国の基本的立場等々、それからアジア女性基金事業、今までの取組等も説明いたしました。
 これに対して、先方の説明は先ほど官房長官からあったとおりでございまして、引き続き報告書の立場を維持するという残念なものでございました。
○浜田和幸君 その拒絶されたということの先方の理由、その中には、吉田証言というのは数ある証拠、証言の一つにすぎないんだと、全体的に、特に慰安婦と言われる人たちの証言等を鑑みると、やはりこの日本側の修正要求を受け入れることはできないというような理由だったという具合に理解しておるんですけれども、それでよろしいんでしょうか。
○政府参考人(山上信吾君) はい。クマラスワミ氏本人からは、特別報告者の任を離れて長く、報告書を修正する立場にはないということ、それから、吉田証言は証拠の一つにすぎないということ、引き続き報告書の立場を維持すると、こういう趣旨の反応がございました。
○浜田和幸君 ということであれば、今現在の国連の人権理事会等に対する働きかけ、今後、官房長官は引き続き国際社会に対して粘り強く説明、理解を求めるということを発言されていますよね。その具体的な中身、国際社会ということはどこを想定されているのか。
   〔理事藤本祐司君退席、委員長着席〕
 問題になっている、慰安婦の方々が多いのは、中国、韓国、フィリピン、インドネシア、オランダ等ですよね。国際社会で、アメリカやヨーロッパ、国際機関に訴えるということも大事だと思うんですけれども、まずは、この国際社会でイメージされている、中国や韓国からの一番要請、批判が多いわけですから、そういうところに対するお考え、どういう形で今後国際社会の理解を得ようとされているのか、そのことについて官房長官のお考えをお聞かせください。
○国務大臣(菅義偉君) そこはまさに、特に韓国ですよね、韓国に対しては、まさに日韓基本条約締結の際にこうした問題も含めて全て解決をしているということが我が国の基本的な考え方であって、当然、国と国との条約締結をしたわけでありますから、そこの上に立って私どもは対応をさせていただいておるところなんであります。
 そして、この河野談話というのを検証をしたときに、先ほども申し上げましたけれども、この談話は、両国の中ですり合わせも行われて、そして未来志向のために作った談話であるということを、これは韓国にも明らかに私どもは今回検証の結果したわけでありますし、そしてまた強制連行を示す資料もなかったということもこれ明らかなことでありますので、そうしたことをやはり韓国側には粘り強く説明していくというのはこれ必要だというふうに思います。
 それと同時に、やはりアメリカを中心とする国連、ここを中心に我が国の立場をこれはしっかり説明していくと、ここに全力で取り組んでいきたいと思いますし、また、世界で日本というのはこういうひどい国だということを流布する、そうしたことがあった場合、そこの大使館等を通じて事実関係を客観的に説明をしていく、こういうことが大事だと思っています。
○浜田和幸君 そういう流れの中で、例えば韓国の日本大使館ですね、ソウル、その前に、またアメリカ、オーストラリアといった国々でもいわゆる従軍慰安婦の像が今六体設置されていますし、また今後それが増えるという動きもある。その碑文を見ると、その碑文には明らかに、二十万人以上の慰安婦を強制連行した、慰安婦は性奴隷扱いを受けたということが明確に国際社会に向けて、日本のそういう非人道的な行為として明らかにPRされているわけですよね。
 そういう問題に対して、広報費、来年度、現在十八億円を五十二・二億円に倍増するということを官房長官も概算要求の中で述べておられますけれども、具体的に、この増額する広報費、どういう形で活用されようとしているのか、また、今現存するこういう従軍慰安婦像、そういったものの撤去、あるいは新たな動きを封じ込める、そういうような考えがおありなのかどうか、考えをお聞かせください。
○国務大臣(菅義偉君) ここは、新たな像というのは当然これは作らせない、そのために、これは外交関係を中心にそこは全力で取り組んでやる、このことは明言をしたいというふうに思います。
 そしてまた、国際広報でありますけれども、まさに韓国は、駐米韓国人を中心にそういう社会ができていて、そこの人たちが選挙区の議員等々を利用しながらこうした慰安婦像ができてきているわけでありますから、それに対抗するように、日本政府としてもそこはしっかりと現地と調整しながら行っているところであります。
 さらに、国際広報については、まさに日本の理解と促進、親日感の醸成、こういうものを踏まえながら戦略的に行っていきたいというふうに思っています。具体的には、今年度においては、海外テレビ等の活用、あるいは海外での日本関連セミナーの開催等の支援、あるいは日本の魅力や対日理解促進のための資料作成、配布、こうした広報を行っております。
 特に、来年は戦後七十年にこれなるものでありますから、戦後の民主主義、平和としての日本の歩み、ここは世界の皆さんが認めてくれているわけでありますから、さらに国際社会への貢献、こうしたことも日本は先輩の皆さんの努力によって世界で認めていただいていますので、こうしたこともしっかりと主張していきたいというふうに思いますし、安倍総理の国際協調主義の下の外交、こうしたこともしっかり広報活動を行っていきたいというふうに思っています。
 ただ、残念ながら、今までそうした広報活動費が余りにも少ない、あるいは広報が少なかったということも事実であります。そうしたことの反省の上に立ってしっかりと、この日本の真の姿というんですかね、こうしたものを理解をしていただくように努力をしていきたいというふうに思います。
○浜田和幸君 是非、対外的な広報活動予算が倍増するわけですけれども、その中に、ただ単に、いろんなテレビに対してそういう情報を提供する、あるいは国内で、あるいは海外で日本の立場をPRするセミナーを開く、そういうことも大事だとは思うんですけれども、来年が戦後七十年ということを考えますと、今現在、この元慰安婦と称する人たちがもう五十年、七十年たっても悪夢にうなされているという現実も一方にあるわけですね。そういう状況に対して、例えばアメリカの場合ですと、フィリピンですとかインドネシア等の元慰安婦の人たちに対するセラピー、要するに、五十年、六十年たってもうなされている人たちがいるわけですから、そういう人たちに直接向き合って、その人たちの気持ちを和ませる。言ってみれば、過去をどう決別を付けるか、一対一のそういうセラピーがかなり広範に行われているというように聞いています。
 我が国としても、中国や韓国、その他フィリピン、インドネシアに対しても、そういうような人と人との接点、交流というような面で、精神的な言ってみれば支援活動といったことも必要ではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(菅義偉君) 委員御承知のとおり、我が国は道義的責任から、慰安婦の皆さんに対して、現実的な救済のために日本の国民の皆さんの協力によってアジア女性基金というものをつくらさせていただきました。そして、医療費も含めて、お一人たしか五百万という形で援助させていただくと同時に、総理大臣からおわびの手紙というのも出させていただいたところであります。
 まさに、この医療・福祉事業というものを通じて、ある意味では償い金のような形で今日まで行ってきておるところでありますし、特定の国以外はこのことに対して大変御理解をいただいているというふうに考えております。
○浜田和幸君 アジア女性基金もそうですけれども、一人五百万円、そういう、何というんですかね、救済、それで癒やされる人もいるでしょうけれども、国際的に見ると、やっぱりそういうお金でもって過去を拭い去らせるというか、何でもかんでも日本はお金で済まそうとしているんじゃないかというような一部の批判もあるわけですね。また、そういうお金を受け取ろうと思っても、周りの目があって、本当は受け取りたいけど受け取れないというような人たちもいるということもいろいろと報道に出ていますよね。
 ですから、もちろん、金銭的な面で支援する、救済するという、とても大事だと思うんですけれども、今、日本が問われているのは、そうじゃなくて、気持ち、心の分野でもっともっとアジアの近場の国々の人に対して寄り添っていく、平和的な、積極的な平和主義と言うのであれば、総理も含めてそういう人たちと面と向かって対話をしていくということでこの厳しい状況を乗り越えていくということも必要ではないかと思うんですね。
 実は、先週、私、中国で浜海国際会議というところに出てきました。北東アジアの安全保障、経済発展ですけれども、そこでやっぱり韓国や中国の大学の先生たちというのは、いまだに日本のこういう戦争責任、慰安婦問題、日本が全くもって反省していないんじゃないかということを、アメリカやモンゴルやアジアのほかの国々の代表のいる前で堂々とそういうことを主張するんですね。私もそれに対して誤解を解くように努力はしてきましたけれども。やっぱりそういう会議に出て痛感するのは、日本人一人一人がそういう過去に向き合って、どうやって日本人が本当に過去を反省して、乗り越えて次の建設的な関係を取り結んでいくのかということに一人一人が直面するというか、それがとても大事だと思うんですね。
 特に政治、政府の役割は大きいと思うんですけれども、官房長官、お金を払っているからいいんじゃないかというのではなくて、やっぱりもっともっと心の分野で平和を求めるということをPRする必要があると思うんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(菅義偉君) お金を払っているからいいんだということは私は言っておりません。
 ここは、この慰安婦の皆さんとの、それぞれの国との間の折衝の中で、こういう形にしてほしいという、こういう形の解決策ということを、それは外交間でお互いに話し合った結果、医療だとか福祉事業に償い金という形で国民の皆さんから広く寄附を集める中でさせていただいて、総理大臣からおわびの手紙も実はさせていただいているというところであります。そこについては是非御理解をいただきたいというふうに思います。
 また、この基金解散後も、関係する国では、元慰安婦を訪問して集団ケア等を実施をしてきているということも、これ事実でありますので、そのこともお披瀝させていただきたいと思います。
○浜田和幸君 これは別に中国、韓国に限ったことではなくて、フィリピンでもインドネシアでもオランダでも、やっぱりそういう元慰安婦だったという人たちが様々な形で厳しい状況に直面している。また、そういうことをヒアリングをして、国際社会、国連等も、やはり日本の過去についての問題を指摘しているわけですね。
 しかし、今、我々の立場とすれば、二十世紀前半に日本が行ったそういう負の遺産を乗り越えて、二十世紀後半に日本がアジアの周辺の国々にいかにODAや技術移転等を通じて奇跡の経済発展というものを成し遂げた。そのことに対するプラスの面の日本の貢献というのもあるわけですから、プラスマイナス両面をフェアに考えれば、やっぱりプラスの方が大きかったということも積極的平和外交として訴えていただきたいと思うし、そういう動きをやっぱり大きなうねりとして、アジアだけではなくて世界の国々とともに、二十一世紀、どうやって日本がアジアの国々と関係を取り結んでいくのか、これはアメリカも大変な関心を持って受け止めている分野だと思うんですね。ですから、アメリカを始め欧米の国々とも協力して、やっぱり次の、二十一世紀のアジアとの関係を考えた場合に、この慰安婦問題や戦後の歴史問題を乗り越えていかないと日本の発展もないと思うんですね。
 ですから、そういう意味では、是非これからの、言ってみれば国際社会に今のような事実誤認がそのまま残って、日本に対する不信感や日本に対するマイナスイメージが拡散し続けるということは大変マイナスだと思いますよね。せっかく広報予算を増やすということをおっしゃっているわけですから、将来的にもこういう同じような問題が噴出してくる可能性はやっぱりあるわけですね。そういう場合に、どのような形で日本の国益を守りつつ原状を回復していくのか、総合的な国家としての政策あるいはその戦略といったものが必要だと思います。
 また、さっきの、国連の佐藤大使がお会いになったということもいいんですけれども、やっぱり日常的にそういう国際社会の、言ってみればオピニオンリーダーの人たちと外交的な接点というものがなければ、こういう証言、誤っていた、だから直してくださいと急に言っても、ふだんの信頼関係がなければなかなか取り合ってもらえない、通り一遍の、それは一つだけの証拠だから受け取るわけにいきませんというようなこともあり得るわけですから。
 日常的な対外的な外交活動の深化を含めて、これからますます日本の役割は大きいと思いますので、是非、官房長官や担当の外務省、外交活動の一層の進展について取り組んでいただきたいと思うんですけれども、官房長官の決意、お考えをお聞かせください。
○国務大臣(菅義偉君) 先ほど来申し上げていますけど、やはりこの戦後七十年の日本の平和の歩み、そして自由民主主義、まさに、さらに、世界への平和への貢献、そうしたことをしっかり海外に発信するということが大事だというふうに思いますし、特にこの慰安婦問題については、アメリカ国内を中心に慰安婦像の建設とかそういうものが今動きがあるわけですから、そうしたものに対しては一つ一つ、そこを確実に、そうしたことを建設させないように、地域社会に対して、これは外務省を中心に、アメリカ在住の日本国民の皆さんからも様々な意見も私どもは伺っています。そうした中で、日本のそうした歩みというものをしっかり訴えていきたいというふうに思います。
 そういう意味で、海外で日本関連のセミナーの開催、あるいは国際社会への様々な貢献、そうしたものを広報でしっかり進めていくことが大事だというふうに思います。また、女性の輝く社会の実現、女性のための世界のセミナー、日本で過日行いました。こうしたことを通じて世界にアピールをしていくことが極めて大事だというふうに考えております。
○浜田和幸君 クマラスワミ氏の報告書だけではなくて、アメリカの議会の調査局でもこの日本の慰安婦の問題については様々調査をし、報告書を発表していますよね。その中には、やっぱり当時の日本陸軍の責任者がこの慰安婦、慰安所に関わっていたというような証言も含まれているんですね。ですから、国連の報告書だけではなくて、アメリカの議会の調査局が公表しているそういう報告書の中にも日本軍の関与というものが述べられている。
 やはり対外的な広報活動を強化するということであれば、最大の同盟国であるアメリカにおいてすら、そういう誤ったというか、誤解、偏見に基づく報告がまかり通っている、こういうことに対しても積極的な修正、これを求めていく必要があるんではないかと思うんですけれども、今後の広報活動の中にそういうことも含まれていると理解してよろしいでしょうか。
○国務大臣(菅義偉君) 調査局でそうした事実に基づかない報告があったら、今日までも、すぐそこは否定をするように、事実誤認というものを強く訴えるシステムは構築できているというふうに思っています。まさに外務省を挙げてそこはしっかりと対応していきたいというふうに思いますし、日本政府としてそこは総合的な戦略を持ってこの慰安婦問題を始めとする問題については対応していきたいと思います。
○浜田和幸君 今、外務省等を通じて、アメリカの議会調査局の報告書の中に言及されている日本陸軍幹部の言及が誤っていたということが判明した場合には、それはもう既に訂正するということを行っているとおっしゃいましたけれども、現状、ネット等で調査局の報告書を見ていただくと訂正されていません。ですから、その点はやはりもう少し地道な情報収集と、それはたくさん報告書がありますから全部をカバーすることは難しいかも分かりませんが、事日本の国際的な信用に関わる問題ですから、是非そこのところは丁寧に情報収集と対応をお願いしたいと思います。
 本来、そういう慰安所や慰安婦の資料がなかった、強制連行がなかったというのであれば、それをきっちり証明するような証拠やデータを我が国が保管していれば、吉田証言のようなそういういいかげんなものが付け入る余地はなかったと思うんですね。ですから、今後のことを考えますと、やはりこれから我が国の、今、特定機密保護等いろいろ議論になっていますけれども、やはりしっかりと、日本がこういうことをきちんと議論して、外に向けてもきちんと公開できるような、そういう情報公開の仕組みというものをしっかり担保しておかないと同じような問題が将来にも起こりかねないと思うんですけれども、この点について最後、お考えをお聞かせいただければと思います。
○国務大臣(菅義偉君) まさに日本は民主国家、法治国家でありますから、そうしたものに基づいて客観的なことはしっかり行っていくというのは当然だと思います。
○浜田和幸君 以上で質問を終わります。
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○委員長(大島九州男君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、岡田直樹君が委員を辞任され、その補欠として森屋宏君が選任されました。
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○上野通子君 自由民主党の上野通子でございます。
 本日は、発言の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 次世代を担う青少年を健全に育成するためには、やはり私たち全ての大人が責任を持つということが必要であると思いますが、子供は社会を反映する鏡とも言われるように、成長の過程にある青少年は周囲の大人や社会環境などの影響を受けやすいものです。逆に言えば、大人のこのつくり上げた社会の中で、大人が生活する上で大変便利で豊かで二十四時間眠らないような社会環境は、果たして青少年にとって本当に安心で安全で居場所が良い環境となっているのだろうかという疑問が湧いてくるところです。
 実際、深夜まで放映されるテレビを見ている子供たちが家庭にはいます。また、いつでもどこでも便利で安心して商品が買えるというコンビニに夜遅くまでたむろする塾帰りの中高生もいるのは事実です。さらには、誰にでも利用でき、中高生が学校帰りにも入ることも可能な漫画喫茶やカラオケもあって、そして、家庭の中にいてもインターネットやスマートフォンで誰でも利用可能な大量のアプリがあるなど、子供たちがいつでも簡単に利活用できる情報や居場所、こういうものがそこらじゅうに蔓延しています。
 しかしながら、実はこの中には大変悪質であったり、また危険でもあるというものがあるにもかかわらず、子供たち自身ではそれをしっかりと見極めて判断するのは、いかがでしょうか、私は十分に判断はできないと思います。
 では、子供たちを守るというその責任と義務は、先ほども言ったように、一体誰にあるかというと、私は全ての大人にその責任はあると思います。しかし、大人といっても漠然とします。それは、国や地方公共団体や、そしてまた子供たちの通う学校や様々な施設や、そしてもちろん家庭と保護者にも十分な責任はあるはずです。
 そこで、今日はお二人の女性の大臣に来ていただきまして、御自分自身も母親であるということで、大変、青少年を守るという環境には常日頃から興味があると思いますので、是非とも、青少年をめぐる社会状況の変化に即応してどのように健全な育成に施策を的確に講ずるためにやっていくかということをお伺いしたいと思いますが、まずは山谷えり子国家公安委員会委員長にお伺いします。
 青少年犯罪ですが、ここ十年近く減少傾向が続いているということですが、個別の状況を見ますと、例えば、皆様方も記憶に新しいと思うんですが、七月に佐世保で起きました女子高生による女子高生殺人事件など、青少年が加害者になる、しかも私たちの想像を絶するような残虐な事件というものがこのところ多く発生しているのも事実ですし、また、振り込み詐欺関連の少年の検挙人員は増加傾向であるといいます。さらに、性犯罪での青少年の検挙人員についても平成十九年以降増加傾向が続いているようです。
 また、初めて罪を犯して検挙された少年の年齢別人数については、平成十八年までは十六歳が最多であったものの、その後、平成十九年には十五歳に下がり、そして平成二十年には十四歳、年々その年齢が下がっている。つまり、十四歳というのは刑事責任を問われる最年少の年齢であって、かなり少年犯罪の年齢が低下しているとも言えるのが状況だと思います。
 そしてまた、再犯率ですが、これも統計上過去最大の三四・三%となっているのが今年度の状況だそうです。
 このようなデータを見まして、警察におかれましては、単純に少年の検挙人数の減少だけに注目するのではなくて、どのようにこの少年犯罪を減らしていくかということに対して様々な取組をされているところだと思いますが、是非とも今日は山谷大臣にその辺の今の状況をお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○国務大臣(山谷えり子君) 上野委員が日頃から、子供たちを守る、そして青少年の健全育成に熱心に取り組んでいらっしゃることに敬意を表します。
 ただいまの御質問でございますけれども、刑法犯少年の検挙人員は十年連続で減少しましたが、再犯者の率の上昇や非行の低年齢化傾向が続いております。また、振り込め詐欺で検挙された少年が急増しており、高校生等が遊ぶお金欲しさに先輩や知人等からの誘いに安易に乗って振り込め詐欺に加担している状況が見受けられます。このほか、少年による性犯罪の検挙人員も増加傾向でございます。このように新たな問題が生じておりまして、的確に対処していくことが大事だと思っております。
 こうした情勢を踏まえまして、警察では少年の健全育成を旨として、非行を犯した少年に手を差し伸べる立ち直り支援活動や、低年齢少年を対象にした非行防止教室を開催するなどしているところでございます。立ち直り支援活動というのは、農作業体験等を通じた居場所づくりの活動等によって非行少年の立ち直りを図るものであり、効果を上げた事例についての報告を受けているところでございます。
 今後とも、次代を担う少年の規範意識の向上と、社会とのきずなの強化を図るための非行少年を生まない社会づくり等の諸対策を一層推進してまいりたいと思います。
○上野通子君 ありがとうございます。
 警察として様々な問題に関わっていただいて、施策も考えていただいていることを大変感謝申し上げますが、文科省の発表によると、十月十六日に出たんですが、犯罪まではいかなくても小学生が暴力行動に走るという、この件数が大変増えているようです。どうも感情のコントロールがうまくできずに、ささいなことで暴力を繰り返す子が増えているという、そういう状況が起きているというのは事実だということでございます。
 さらに、大臣、詳しく今度は特化してお聞きしたいと思うんですが、特に青少年を巻き込む性犯罪の状況についてお伺いしたいと思います。
 性犯罪についての少年の検挙人数は、先ほどもちょっと触れましたが、増加傾向にあります。しかし一方で、加害者となるばかりでなく、子供自身がその性犯罪の被害者となる件数についてもここ二年では増加しているようです。子供が性犯罪に巻き込まれるようなケースとしましては、御存じだと思いますが、児童ポルノの問題、そして援助交際の問題、あるいは下着の売買などが挙げられますが、その手段も最近ますます多様化しているようでして、例えばこれもお聞きになったことあると思うんですが、制服姿の女子高生らに男性客を接待させるJKビジネス。それは占いや散歩をしますよという表看板になっているんですが、裏のオプションとして、数千円の値段で手をつなぐとか体を触らせるなどの性的サービスをさせるというものもあったり、最近はJKコミュ、JKコミュニティーといって、それからまたさらに個室で女子高生の体臭を嗅がせるという、まるで本当にあきれた店も出現するなど、次々とあの手この手を使い少女たちを性的なサービスに誘い込むというような悪質な商業ビジネスが出現しているのは事実でございます。
 それに対して、反対に、大人の中には、子供たちが小遣い稼ぎをしたいから自ら手も染めているんだから仕方がないじゃないかというように、全く子供を守る気のない大人がいるというのも事実だと聞いております。青少年の中には、実は最近よく貧困家庭とか言われますが、家庭の環境の劣悪さや、それこそ貧困問題を抱えてやむなく、やむなくJKコミュニティーに関わってしまうという、そういうケースもあるとも言われています。
 しかしながら、子供たちの性を金もうけの手段として利用して、かつそのサービスを受けているのは大人自身であるというのは現状ですから、この青少年の良好な、健全育成な環境を整えるというのは、繰り返しお願いしたいのですが、私たち大人の責任であるということをもうちょっと理解してほしいと思っているのが現状です。
 そして、性行動について、個人の自由だからと先ほど言いましたが、個人の自由だからと青少年を放任するのではなく、青少年の健全育成は大人たちの責任であることをきちんと一人一人の大人が自覚し、対応していくということが本当に今求められているのではないでしょうか。
 この状況について、警察、特に警察として青少年と性犯罪の関係にどのようにこれからも関わっていくかということを山谷国家公安委員会委員長にお聞きしたいと思います。
○国務大臣(山谷えり子君) 少年が主たる被害者となる性犯罪の認知件数は、ここ数年増加傾向にあり、誠に憂慮すべき状況にございます。
 特に、平成二十五年度に内閣府が実施した調査では、高校生が所有する携帯電話のうち八割以上がスマートフォンであるなど、スマートフォンを所有する青少年が増加する一方、スマートフォンのフィルタリング利用率は四割台後半にとどまっております。
 こうした背景もありまして、インターネットに起因する福祉犯被害、福祉犯というのは、少年の心身に有害な影響を与え、少年の福祉を害する犯罪をいいまして、例えば児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律違反、児童福祉法違反、労働基準法違反などが挙げられますけれども、その福祉犯被害が増加しているほか、平成二十六年上半期における児童ポルノ事件の送致件数、被害児童数が過去最多を記録するなど、インターネットの利用に関連した被害が増えているということが近年の特徴でございます。
 警察としては、時代とともに変化する社会環境に的確に対処するため、福祉犯の重点的な取締りや被害少年の保護対策に加え、現在、フィルタリングの普及やサイバー補導等の取組を推進しているところです。
 そのサイバー補導というものなんですが、インターネット上に援助交際を求める等の不適切な書き込みをした児童に対し、警察職員が身分を告げずやり取りを行い、児童と実際に会って、警察の身分を明らかにした上で、直接注意、指導を実施するものであり、昨年十月から全国で実施しております。平成二十六年上半期は、援助交際を求める書き込みを行った児童二百二十人を補導、保護者から感謝をされているという事例なども報告を受けております。
 引き続き関係機関等と連携しながら、諸対策を推進していくように努めてまいりたいと思います。
○上野通子君 ありがとうございます。
 今の大臣の答弁の中にもございましたが、やはりインターネットとか携帯、スマートフォンを利用して、それがもとで犯罪に巻き込まれるということがかなり増えているということですが、お話の中にもありましたが、高校生の八割がスマートフォンを携帯している。高校一年生は既に九割がスマートフォンを使用しているというデータも出ていまして、そのうちの半数が休日に三時間以上も続けて利用するという結果も出ているそうです。
 まさに今、子供たちにとって携帯がなくなってしまうと体も落ち着かなくなるというスマホ依存症が増えているというのも現状だと思いますが、青少年が性的な被害や犯罪に巻き込まれることを防ぐには、まだ判断能力が未熟な子供たちのインターネットの利用、先ほどもサイバー補導をされているということなんですが、これを、警察だけじゃなくて、全ての大人が一定の何らかの関与ができたり、また見守りを行っていくという、そういうことが必要であると考えております。
 そこで、内閣としては、青少年のインターネット利用環境の整備に関して、このような状況をどのように認識されているか、お聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(武川光夫君) お答えいたします。
 政府といたしましては、平成二十年に制定されました青少年インターネット環境整備法を受けて、基本計画を策定し、関係府省庁が一体となって青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備に努めております。
 スマートフォンを始めとするモバイル端末はいつでもどこでもインターネットが利用できますため、節度ある適切な使い方ができるよう、利用する場所や時間帯について保護者が青少年と一緒に家庭のルールを作るなど、保護者の見守りが重要と認識しております。
 また、先ほど御議論ございましたインターネット上での青少年が性的な犯罪被害者あるいはトラブルに遭わないようにするためにはフィルタリングの利用が有効でありますことから、青少年やその保護者等にその必要性を分かりやすく周知することが重要と認識しております。
 内閣府といたしましては、毎年十一月の子ども・若者育成支援強調月間や、あるいは全国で開催いたします青少年のインターネット利用環境づくりフォーラム等の機会を通じまして、教育、啓発等に地方公共団体、民間団体と連携して取り組んでいるところでございます。また、保護者向けのリーフレット等を作成し、配布しております。
 今後とも、青少年が安全に安心してインターネットを利用できるよう、その適切な利用に注意喚起を努めてまいりたいと考えております。
○上野通子君 どうもありがとうございます。
 様々な取組、特に家庭に対して、保護者に対しての意識啓発をしていただいているということは、ありがとうございます。
 ただ、無料アプリの話がありましたが、これ膨大な数で、安心だと思って開いてしまったら実は裏があったということがかなりあるようですし、また、子供たちが大好きなゲームですね、この中には本当に危険なゲームもあって、最近は失神ゲームといって、子供たちがこれを普通に、ゲームの中じゃなくて、外で、学校に行って友達に対して気絶するまで胸をはたくとかですね、そういうことをやってしまって相手が失神してしまうとか、そういう危険なものもあるということで、これは本当に何とかしなければならない状況だと思います。
 そこで、出会い系サイトについては、出会い系サイト規制法ができまして、大分、十八歳以下の利用を禁じるという取締りが浸透しているようですが、この今言いましたいわゆるコミュニティーサイトについては残念ながら法による規制はございません、今のところ。そこで、法のはざまに入り込むこの悪徳なコミュサイトを取り締まる規制がないというところにこの悪徳商法は入ってきてしまうというのが現状だと思いますが、目に見えないところにたくさん子供にとっての危険な箇所はあるということを私たちはもっと実感して何とかしなければならないと思いますが。
 このような危険がすぐ目の前にあるという社会環境の中で、では、青少年自身は一体自分自身をどう捉えているんだろうか、また、どのような思いや考え方で成長しているのだろうかということ、大変興味があるところですが、政府が取りまとめてくださった平成二十五年度子ども・若者の状況及び子ども・若者育成支援施策の実施状況を見ますと、日本の若者は諸外国の若者と比べ、自分の将来に明るい希望を持つことができない、自己肯定感が低いといった残念な結果が出ているということでございます。
 私はこれは、青少年を取り巻く今言いましたような社会環境、この在り方にもかなり影響があるんじゃないかと思っています。やはり子供には未来に対してやる気と希望を持って日々の生活をしてほしいと願っておりますが、この調査結果に対して、担当所管であります有村大臣の思いをお伺いさせていただきたいと思います。
○国務大臣(有村治子君) まずもって、上野委員、三人のお子さんを育てておられる母親として、また教育者として、政治家として、一貫して青少年の健全な環境、育成を守り、つくり、固め成していくために活動されていることに心からの共感と、そして敬意を申し上げたいと存じます。
 その上で、委員が御指摘いただきました本年六月に公表させていただきました内閣府の調査、これはちょうど一年前の、去年十一月、十二月を通してインターネットでなされた国際調査でございますが、ここには確かに自己肯定感が極めて他国と比べて低いという状況が出ています。
 同時に、私もちょっと詳細を拝見させていただきましたが、官房長官が以前述べておられますように、ちょっと国民性の問題もあって、日本人は謙虚だから、私、幸せよ、幸せよと、親が子供に対して愛してるよとはそんな明確には言わないので、そういうところもちょっと加味しなきゃいけないなとは思っておりますが、御指摘は事実だというふうに認識をしています。
 特に、詳細の中で、家族といるときに充実している、学校生活に満足をしている、親から愛されている、大切にされている、職場に満足をしているということに肯定感がある方は、おのずから自己肯定感が高く、さらには将来への希望を持っている割合も高いという相関を見出すことができます。そういう意味では、学校、家庭、地域が一体となって青少年の成長を見守った上で、支えることのできる環境づくりを一層進めることが、青少年が社会との関わりを自覚して、自己肯定感を育むことにつながり、ひいては将来に明るい希望を持っていただく、そういうことに寄与すると私も考えております。
 日本の未来の担い手であります青少年一人一人が健やかに成長することができるように、関係省庁と引き続き連携をして、青少年を取り巻く施策を総合的に推進していきたいと考えております。
○上野通子君 大臣、ありがとうございます。
 大臣も子育てしながら大臣をやっていらっしゃる、とても大変だと思いますが、やはり家族の在り方が今問われているところだと思います。
 この間、地元の少年院にちょっと行ってまいりました。そして、教官の方にお話を伺っていましたら、その中で、やはり子供たちに対してアンケートをしたりして、一番うれしかったこと、一番楽しかったことは何かと聞きますと、うれしかったことは、お母さんに手作りのお弁当を作ってもらったこととか、お母さんと朝食を一緒に食べたこと。楽しかったことというのは、学校の行事等にお母さんとかお父さんが来てくれたこととなっているそうで、やはり家族の愛情に飢えてしまって犯罪を起こしてしまうのかなということがうかがえる状況でございました。
 さて、今大臣からお話がありましたが、この子ども・若者育成支援推進法に基づいて平成二十二年七月に出された大綱ですね、これが策定され、それの策定から五年後に当たる、平成二十六年七月、子ども・若者育成推進点検・評価会議というのがございまして、これが資料でございますが、その中の報告書では、青少年施策に関し関係府省からのヒアリングを通じて様々な取組が進められていることは理解できました。でも、それらが全体としてどのように構造化されているかとか、また、関係府省庁の連携はどうかといった視点にまだまだ課題が残るとの指摘がなされているのも事実だということも知りました。
 この指摘は大変重要だと考えます。なぜなら、青少年をめぐる問題は、先ほどから何回も言っていますので、家庭や学校や職場や地域、その他あらゆる、社会のあらゆる分野にわたる広範な問題でもあって、行政が縦割り行政の弊害を排除しない限り、政府が一体となって取り組むこともできませんし、その状態で国全体が良くなるわけでもないと自覚しているからです。
 そこで、大臣にお聞きしたいのは、青少年の健全な育成のための施策に関し、省庁間の連携、協力の重要性についてどうお考えになられるかということと、また、現在、地方自治ごとの青少年施策の実施体制や条例の制定状況については、それぞれに温度差、また大幅なばらつきが見られるのが現状だと思います。
 例えば、各都道府県の青少年健全育成条例、今日は東京都のをちょっと持ってきていますが、こういうのがありますけれども、この中に児童淫行に対する罰則なども入っているんですが、各自治体が県独自の罰則や罰金を定めていたりすると、東京の子供と群馬の子供、群馬県に対して失礼します、群馬の子供じゃ、同じことをしてしまっても罰則規定が違うんじゃないかと、県ごとの連携もなかなか難しいという面も出ているのが現状だと思います。
 そこで、地方のばらつきをなくして青少年の健全な育成を進めるには、国と地方公共団体、そして関係機関等が協力し、一体的な取組を推進していくことが大切だと思いますので、そのことも併せて大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(有村治子君) 委員御指摘のとおり、地域を問わず青少年施策は着実に推進されるべきものであるというのは論をまたないというふうに私も考えます。
 今後とも、青少年が各省庁や自治体がそれぞれ実施している施策のはざまに落ちることがないよう、青少年施策の推進に当たっては、御指摘のように、各省庁間や国と地方の連携協力の下、一体になって取り組むことが重要だと考えております。条例のばらつきがある、温度差があるというのは、私もそのような認識をしております。
○上野通子君 どうもありがとうございます。
 お二人の大臣と意識が私と同じだなということ、とても有り難く思います。
 いろいろこれまで述べてきましたが、スマートフォン等の新たな通信機器の急速な普及や、先ほども、何回も言っていますが、JKビジネスですね、JKリフレとかガールズ居酒屋などといった青少年対象の商売の出現などによって、青少年を取り巻く社会環境は現行の子ども・若者育成支援推進法の下では対応することが困難な程度までに大きく変化しているのが現状だと思われます。また、地方から、青少年の健全育成に関する条例の支えとなる法律を一日も早く制定してほしいという、これ請願書や意見書が毎年何百通と国の方へも届いているのも事実です。
 今年ももちろん来ていますが、これを踏まえて、青少年をしっかりと見守るための、国と地方自治体、そして各事業所、学校、さらにはもちろん保護者、家庭の責務をしっかりと明確化した法整備が必要と私は思うんですが、両大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(山谷えり子君) 近年、少年を取り巻く社会環境は、スマートフォン等の普及や少年の性を売り物とする新たな営業形態の出現に伴う福祉犯被害が増加するなど、憂慮すべき状況にございます。
 お尋ねの件でございますが、さきの通常国会において、議員立法により青少年健全育成基本法が提出された。上野委員、非常に熱心に取り組んでいらっしゃっているということを承知しております。今後、議員立法の動向を踏まえつつ、次代を担う少年の健全育成に向け、家庭や学校、地域社会など社会全体で見守り、育てる機運を高めながら、関係府省、団体や関係事業者と連携協力しつつ諸対策を推進してまいります。
 また、少年の健全育成に関しては、現在四十六都道府県において条例を制定して取り組んでおりますけれども、中身については委員おっしゃられるように様々でございます。今後とも、全都道府県、警察を挙げて少年の健全育成を一層推進するよう努めてまいりたいと思います。
○国務大臣(有村治子君) 今ほど、国家公安委員長が詳細にわたって御発言をいただきました。全く趣旨を同じように思っております。
 先ほど、委員が更生施設、地元で訪問されたというお話がありましたので、別の観点からお答えをさせていただきたいと思いますが、私もかつて女子少年院に行きましたときに、その在籍する十代の女の子が詠んだ俳句は忘れられません。ここにもパパのお誕生日を祝いたい子がいるんだよと。本当にかわいそうで、そういうお子さんのために私たちは立ち上がらなきゃいけないんだと思っております。
○上野通子君 両大臣、ありがとうございます。両大臣の温かい、しっかりと法制化していかなきゃならないという思いを受け止めさせていただきました。
 残念ながら、山谷大臣がおっしゃったように、六月二十二日に、前国会の方に提出しました法案が委員会未付託のまま廃案となってしまいましたので、これからまた新たにもう一回、議員立法を成立させるために頑張っていきたいと思います。
 どうもありがとうございました。
○山本太郎君 よろしくお願いします。
 政党要件を満たすまであと四人、あと四人でございます。現在所属の政党で御不満をお持ちの方いらっしゃらないですか。今なら、今ならポスト全て空いております。新党ひとりひとり、山本太郎と申します。よろしくお願いいたします。
 原発再稼働、安倍総理が言われる世界で最も厳しい基準について質問したいと思います。
 田中規制委員長、今回規制委員会が作った新規制基準、世界で最も厳しい基準と言えますか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 正確に申し上げますと、世界で最も厳しい基準とは言っていなくて、最も厳しいレベルの基準と言っているんです。ですから、そこのところは間違えないようにしていただきたいと思います。
 それで、私が申し上げたのは、福島の事故、それから国際基準、そういったものを十分に踏まえて、二度と福島のような事故を起こさないためにありとあらゆる考えられることを基準に取り入れていると。特に、我が国は自然現象が非常に厳しいですから、そういったものに対する対策は世界でも最も厳しいことになっているということであります。
○山本太郎君 ありがとうございます。自然環境が厳しいというのはもう昔からのことですから、原発始まったときからやられていたことだと思うんですけれども。
 世界の規制基準にはなくて日本の新規制基準にあるもの、世界の基準にはないよ、でも日本の新規制基準にはあるよ、これぞ世界最高だと言える部分、あれば是非自慢していただきたいんですけれども。
○政府参考人(竹内大二君) 世界的に原子力の規制はIAEA等で基準等を作られてございますが、日本の新規制基準におきましては、例えば非常用電源について申し上げますと、一定期間の外部電源喪失や全交流電源喪失に耐えられる備えをしているという点では、米国やフランスの三日程度ということに対しまして、日本では七日間としているなど、具体的な要求が強いものがございます。
○山本太郎君 今お聞きした、世界の基準にはなくて日本の新基準にだけあるもの、これぞ世界ナンバーワンというものを挙げてくださいという話だったんですけれども、その非常用電源が三日、でも日本では七日だぜという部分が最高であるということですか。
○政府参考人(竹内大二君) そのほかにつきましても、例えばバックフィットの基準について、日本ではバックフィットを既設炉に対しても適用するというようなところも同等以上の水準であるというふうに考えております。また、地震や津波に対しましても、想定の方法というものが同等以上であるというふうに考えております。
○山本太郎君 先日の参議院予算委員会でも、安倍総理、世界で最も厳しい水準の規制基準に適合すると、原子力規制委員会によって確認された原発の再稼働を進めるということは閣議決定をした政府の方針だと答弁されていましたよね。
 原子力規制庁にお伺いします。
 再稼働第一号と言われている鹿児島県の川内原発と同じ型なんですよね、これ。でも、最新型だと、ヨーロッパ、EUの最新型、PWR、加圧水型原子炉では、コアキャッチャーというメルトダウンしたときの燃料を受け止めて冷却する装置とか原子炉格納容器の二重の防護壁など、規制の要件を満たすために設けられているということなんですけれども、川内原発にはそのようなものはありませんよね。でも、これでもやっぱり世界で最も厳しいレベルの基準、そういうふうにおっしゃられるものなんですかね。
○政府特別補佐人(田中俊一君) まず初めに申し上げておきますけれども、今御指摘されましたコアキャッチャーというのは、ヨーロッパも含めてまだ世界に一つも現実に動いているものはありません。
 コアキャッチャーというのは、燃料が溶けたときに格納容器の底に落ちて、そこでMCCIといってコンクリートとの相互作用をしてそれで水素等が発生するのを防ぐということであります。我が国は、既存の原子炉に対してコアキャッチャーを付けるのは難しいので、そのMCCIという現象を防ぐためにあらかじめその下に水を張るということで防ぐことにしてあります。
○山本太郎君 ありがとうございました。そうですよね、新設のものにしかこれは付けられないんだぞという話でしたよね。
 要するに、コアキャッチャーも二重の格納容器防護壁についても、ヨーロッパの最新型と言われるものには劣るわけですよね、まだ稼働しているものはないとおっしゃいましたけれども、最新型という部分に関しては劣る部分があると。IAEA基準の多重防護の第五層、避難計画、防災計画、基準になっていませんと。これはアメリカにも劣っていると言えるんじゃないかと。さらに、アメリカでは、避難計画、防災計画が政府機関によって審査され合格しなければ稼働が認められない。日本にそんな仕組み、ありませんものね。
 ということは、世界で最も厳しいという言葉って、これ正解なんですかね。
○政府参考人(竹内大二君) 先ほどのコアキャッチャーがないということについて世界で最高なのかということでございますが、規制基準というものは国際的に見ましても、満足する性能水準を要求して、それを実現する技術は指定しないというのが一般的でございます。これは、技術の進歩に合わせて規制要求の実現方法を柔軟に選択できるという仕組みで安全性の向上に寄与するとの考え方でございます。
 日本の新規制基準におきましても、溶融炉心の冷却機能、格納容器による放射性物質の閉じ込め機能を求めておりまして、具体的な対策の有効性は審査の中で確認しております。こういうことで、性能水準ということにつきましては十分満足していると思っております。
○山本太郎君 ありがとうございます。
 その満足されている中に、新基準で、シビアアクシデント対策としてPWR、加圧水型軽水炉へのフィルター付きベントの設置であるとか、緊急時の制御室、非常用電源、冷却ポンプなどを備えた特定安全施設の建設、義務付けられていますよね。そういうものも含まれていますか、世界最高と言われる中には。
○政府参考人(竹内大二君) フィルターベントということで今御質問ございましたですけれども、フィルターベントに何を期待しているかということにつきましては、シビアアクシデント時の格納容器の損傷防止ということでございます。そういう意味でその機能は要求しております。
○山本太郎君 先ほど私が言いましたものというのはシビアアクシデントのときには活躍してくれるものなんですか。
○政府参考人(竹内大二君) そうしたことを要求しております。
○山本太郎君 活躍してくれるものなんですよね。
○政府参考人(竹内大二君) シビアアクシデントにつきましては、新規制基準で重大事故対処施設というものを要求しておりまして、そういう施設が重大事故のときに機能するということを基準として作っております。
○山本太郎君 世界最高レベルの基準と言いながら、それらの施設は五年間の猶予期間が与えられているって、おかしくないですか、これ。世界最高水準、最高レベルの基準と言いながら、五年間はまるっきりシビアアクシデントにそれ対応しないんでしょう。五年間の猶予って、どういうことなんでしょうかね、これ。
 これ、どこが最高基準なんだというふうに突っ込みたくなるんですけれども、時間掛かる対策、全部先送りですよ、先延ばしですよということですよね。これ、どうして再稼働、これが完了してから再稼働という話に普通なると思うんですけど、そうならずにやり出す、再稼働を認めるということを、これ、見切り発車と呼びませんかねということを言いたかったんです。
 田中原子力規制委員長にお伺いします。
 前回、この内閣委員会で、田中委員長が河北新報のインタビューに応じられました十月七日の記事の件で御質問をいたしました。今日は委員長御自身が来ていただいていますので、お伺いしたいと思います。食品の安全基準についてです。
 委員長は、一般食品は一キログラム当たり百ベクレル以下だが、欧米では千ベクレル超え、千ベクレル超の基準。国際会議などで日本の基準は低過ぎると言われたこともあると。日本の防護基準を国際的なレベルに見直す議論はすぐにはできないが、いずれしなければならないと御発言をされました。
 一方で、安倍総理、去年九月のオリンピック招致のプレゼンテーションの場で、日本の食品安全基準は世界で最も厳しい基準で、食品や水からの被曝量は日本のどの地域においてもこの基準の百分の一でありますと言われております。でも、田中委員長は取材で、一キロ当たり千ベクレル超えでもオーケーだということを言われている。
 これ、どうやって千ベクレル超えの基準にしていかれるんですかね。これ、どういうおつもりでこういうことを言われたのかということを教えていただければと思います。
○政府特別補佐人(田中俊一君) まず、御指摘の千ベクレル、キログラム当たり千ベクレルというのは、コーデックス委員会という国際的な貿易をするときの食品の基準が千です。それからEUも千です。アメリカは千二百です。我が国は百になっております。そういう事実を述べたんです。
 それで、もう一つ、これはICRPとかいろんなところのリコメンデーションなんですけれども、こういった事故が起きたときに、汚染区域に住んでいる、やむを得ざる状況で住んでいる福島県ですね、具体的に言えば、そういう県民の方たちが今後回復していく過程においては、やっぱり国内外のそういった連帯というのが必要だと。そのための基本となるのは、やっぱりこういった基準について、国際的なレベルで国際的なそういった値を採用していくということが非常に大事であるというようなことも述べています。そういったことを踏まえて私はそういうことを申し上げております。
 ただ、一回そういう基準に決まっていますので、低くされて、普通は事故が起きたときには現実的には高くしているんです。チェルノブイリのときはノルウェーとかフィンランドとかというのは高い値でまずしのいで、これぐらいなら下げられるというのでだんだん下げていったんですが、事故がまだ全然収束していない段階でがあんと下げてしまったからこういう状況で今起きていますし、国民の中にはそういう百ベクレルというような、十分の一というレベルで行き渡っておりますので、これを急に私たちだけで一遍に変えるというわけにはなかなか難しいということを申し上げているわけです。
 ただし、先ほど申し上げましたように、福島の人たちの回復のためにはやっぱりこの辺は国際基準にきちっと持っていくということが非常に大事だということを申し上げております。
○山本太郎君 委員長のお考えでは、もう事故から三年半もたったし、事故当時が厳しくされるのは当然だけど、そろそろもう緩めていって世界基準に近づいていけた方がいいんじゃないかというお考えですよね。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 逆です、逆です。
 いわゆるICRPで、事故が起きたときに、現存被曝状況という概念がありまして、参考レベルというのが一から二十ミリシーベルトというのがあります。それをどういうふうに採用するかというのは、そのときの状況を踏まえて最も最適な条件を決めて、だんだん長期的に年間一ミリシーベルトに持っていくというのがそのICRPの勧告です。
 今回のような不幸にしてこういう状況が起きてしまったときには少し高いんです。高いレベルに普通は設定するんです。例えば、ノルウェーのある地方では、トナカイの肉を主食みたいにして食べているところは、最初六千、チェルノブイリのあれで汚染されまして、六千ベクレルだったんです。今は三千まで落としています。そういうふうにして、現実的にその生活とかいろんなことを考えながら、そういうふうに環境の回復とともに下げていくというのがこれが一つの国際的な通常の考え方です。
○山本太郎君 なるほど、それが世界的な考え方、科学的な考え方なんだよということですよね。
 じゃ、一キロ当たり千ベクレル超えで食べ続けて大丈夫だという人、一キロ当たり百ベクレルをずっと食べ続けて大丈夫だったという人たちの、たくさんのグループの長期的な臨床結果というものが存在するからこそ大丈夫だと言われるわけですよね。大丈夫の根拠というのは、その臨床結果があるんだったら教えてください。何のどんなものからそれは引用されているんでしょうか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 年間一ミリシーベルト、まあもっと言えば百ミリシーベルトぐらいなんですけれども、それくらいのロードーズ、いわゆる低線量被曝については、今のところ科学的にその影響を明確にするようなデータがないということで更なる研究が必要とは言われていますが、いわゆるないということと、ないからあるはずだということとはちょっと違う意味で国際的には言っていまして、ゼロとは言い切れないかもしれないからもっと研究をすべきということで、疫学的な調査を幾らやってもこれは明らかにならないんだということも国際的にそういう議論の場でされています。ですから、そういったデータはありません。
○山本太郎君 データはないと。科学的に科学的にとおっしゃっていたけれども、データはないんだと。どっちか分かんないんだということをおっしゃっているんであれば、その百だったり千だったりというベクレル数というか基準というのは一体誰が決めたのと、誰のための基準なのって。流通を止めないため、経済を止めないためという話なんですよね。
 どういうために基準を本当は作らなきゃいけないかといったら、人の健康を守るためでしょう。じゃ、長期的な低線量被曝の影響が分からないというんだったら、どうしてそんな簡単に基準決められるのって。それをもっと世界基準に近づけていこうなんて議論さえおかしいじゃないかって。
 この取材の中で、ほかにも答えられていることがあるんですよね。除染の長期目標としての年間追加被曝量一ミリの水準は、一ミリ以下でないと生活できないという誤解を招いてしまったと。で、避難指示解除の目安となる年間二十ミリ以下であれば問題はないという発言をされていました。
 これ、二十ミリ程度の被曝であれば、年間二十ミリ程度の被曝であれば大丈夫だよということをおっしゃりたいんですか。そうであるかそうでないかということだけお伝えください、時間がないので。
○政府特別補佐人(田中俊一君) これは、もう時間がないということですけれども、まず私どもが安全、安心に関する議論をやりまして、それで、現存被曝状況下で住むということは、これはやむを得ない状況です。できるだけ、速やかに一ミリシーベルト、年間一ミリシーベルト以下にするということと同時に、二十ミリシーベルト、そのいわゆる現存被曝状況にあるときには個々人のモニタリングをして、個人一人一人の被曝線量を下げる努力をしなさいということとか、それから健康の調査、サーベイランスをしなさいということ。それから、地域の人と専門家とのコミュニケーションによって放射線防護に対する理解を得るということが大事だということで、それについては個人被曝線量計を付けてくださいということ。それから、健康サーベイランスは福島県が事故直後からやっていますし、それから、専門家と地域の人とのコミュニケーションについては相談員制度というのを予算化していただいて、今それを徐々に整備を進めているというところでありますので、先生御指摘のように、何の根拠もなくてそういうことを国際機関が決めているわけではなくて、戦後七十年にわたるいろんな放射線による影響を、事故を含めまして調べて、その結果としてこの程度であればいいということで決めているわけです。
○山本太郎君 世界的なコンセンサスだと。科学がずっとやってきたことの先に今の基準があるんだよということをおっしゃっているということですよね。でも、二十ミリで帰って人体に影響がないということを言っているんですか。二十ミリから一ミリに下げるようにということは言われているということですね、ICRPでも。そういうふうに言われているという話ですよね。
 二十ミリ、事故があったときに二十ミリという数字はしようがないかもしれないけれども、それを一ミリにするべきだというようなお話をざっくりとされたと思うんですけれども、でも、今二十ミリというところで一年間暮らして、ひょっとしたら下がらないかもしれない、二年暮らすことになるかもしれない、それだけじゃなくて内部被曝もあるかもしれない。その自分たちが住んでいる地域に自分で自家農園造るかもしれない。流通しているもの以外に自分たちが作ったものを食卓に上げるという人たちが多い場合、その人たちの内部被曝まで考えられていますかって。外部被曝として二十ミリしなかったとしても、内部被曝としてもっと多いものを取り入れる可能性ということを考えてリスクを考えていますかということをお聞きしたかったんです。随分と長い時間を使っていただいて、ありがとうございました。
 先に進みたいと思います。PPA対策についてお聞きしたいんですよ。
 六月十二日、原子力規制庁、この内閣委員会で私の質問に対しまして、黒木放射線防護対策部長がお答えになりました。できる限り早く原子力規制委員会で検討し、原子力災害対策指針に記載できるよう取り組んでいくというふうにおっしゃったんですね、PPA対策を。このPPA対策、指針に記載されたのかな。いや、まだなんですね。
 あの質疑から四か月、やっと十月二日に検討チームの会合が始まったようなんですけれども、これいつ指針に記載されますか、お答えください。
○政府参考人(片山啓君) 委員御指摘のとおり、十月二日に事前対策検討チームという専門家を集めた検討会を立ち上げまして検討を始めたところでございます。まだ議論というのが始まったばかりのところでありまして、具体的にいつというのをお示しできる状態にはございません。
○山本太郎君 これ再稼働しちゃうんじゃないですか。ひょっとしてこのPPA対策というものは再稼働には必要がないということなんですかね。でも、原因究明できていないんですよね、原発事故の。なのに、再稼働を急ぎたいということで再稼働を先にさせてしまって、PPA対策、もしも事故があった場合のその後どうするかという対策を一緒に同時スタートという形にはできないということですか。これ、間に合わなくてもいいんですか。
○政府参考人(片山啓君) 現行の原子力災害対策指針におきましても、委員はPPAとおっしゃっていますが、プルームが通過したときの住民の防護措置、これはまず、そういうプルームが通過しているときに外に出るとかえって被曝をいたしますので屋内退避をしてくださいということは現行の指針にも既に規定をされているところでございます。今現在議論をしておりますのは、そういうプルーム対策が必要な範囲でございますとか具体的な住民防護を行う上での判断基準というのを更に整備をしようという議論をしているというところでございます。
 いずれにいたしましても、規制委員会の検討におきましては、川内原発の再稼働とは関係なく、しっかりとした科学的な議論をしていかなければいけないというふうに思っております。
○山本太郎君 関係なくですか。なるほど、よく分かりました。
 お聞きしたいのは、このPPA対策、放射性プルームの防護対策なんですけれども、おおむね五十キロ圏というふうに書かれていたと思うんですけれども、これ、おおむね五十キロということで問題ないですか。
○政府参考人(片山啓君) 原子力規制委員会が発足する前に存在しておりました旧原子力安全委員会での議論におきまして、そういうプルーム対策を講ずべき範囲としておおむね五十キロというものが示されたという経緯は理解をしております。
 今現在、事前対策検討チームの方で審議をしておりますけれども、この十月二日での議論の中では、このプルームといったようなものがどういう態様で発生するのかというのは、実際の事故の態様でございますとか、そのときの気象条件によって非常に大きく変わるものであるということから、あらかじめその範囲を特定をするということはかえって合理的ではないんじゃないかと、放出時の状況に応じて臨機応変な対応を取るべきだといったような考え方が一部の専門家からも示されているところでございます。
 まだ結論は出ておりませんけれども、この事前対策検討チームにおきまして、科学的、技術的にしっかりとした議論をしていきたいというふうに考えております。
○山本太郎君 臨機応変にできるのかなと思っちゃうんですよ。できましたか、臨機応変に前回は。今回は大丈夫なんですか、次の事故のときには。このままじゃ事故は起こっちゃうでしょうけれども。
 だって、考えてみてくださいよ。SPEEDIというものがありながら、一ベクレルという数値を入れながら、どれぐらいの風向きだったらこういうふうにというふうなシミュレーションがありながら、シミュレーションじゃないですよね、まあシミュレーションか、一ベクレルで入れたんだから。そういうものがありながら、人々に対して屋内退避とかそういう指示をできなかった。
 そのことに対して、田中委員長、前回出ていただいたときに、ヨウ素剤というもの、必要なかったですかね、配る必要はということを言ったら、少し慎重なことを言われていましたよね。やはり、副作用とかあるから、そういうことには慎重にと言われていましたけど。
 だけど、マスクだったりとかいろんなものに関して、屋内退避ということに関してはたくさんの人たちに呼びかけられるわけですよね。これ、どこまで広がるか分からないよと、おおむね五十キロどころじゃないんだと。だって、福島にも二本松にも広がったよ、六十キロでも広がったんだ。それだけじゃない、東京にも来ただろうって。十五日、二十日、来ましたよね。ホットスポットをつくったわけじゃないですか。だけど、そのときにも何も知らされなかった、一つも知らされなかった。あの事故でプルームが出るたびに、この国に住んでいる人たちは何も知らされずに被曝させられたんですよ。そのような状況で、臨機応変にやると言われたって信じられるかという話だと思うんです。
 一方、アメリカは八十キロ圏から退避しましたよ。すごいですね、その処置。それが合っているかどうか、やり過ぎだったのかどうかというのは後々にならないと分からないですよね、直ちに影響はないという話なんですから。長期の低線量被曝というものに関しては後々にならないと分からないんですから、そのときの判断が正しかったかどうかは分からない。でも、アメリカに対してはSPEEDI、この情報を渡したわけですよね、三月十四日に、二〇一一年の。どうしてこの国の人たちにはそれが知らされなかったのと。
 せめてこのPPA対策、広い距離で、実際に二〇一一年の事故が起こった後、雲が通ったというその距離を担保していただきたいんですよね。距離は決めないとか、それ曖昧にしているだけじゃないですか。おおむね五十キロでもなく、距離を決めないのでもなく、実際に二〇一一年のものを反映してくださいますか。いかがですか。
○委員長(大島九州男君) 田中委員長、時間ですので簡潔に。
○政府特別補佐人(田中俊一君) はい。
 PPA対策については、あの福島事故のときには十分な対策が取られなかったということは御指摘のとおりです。ですから、それを踏まえまして、いわゆるシミュレーション、SPEEDIのようなシミュレーションではとてもそういうことはできませんので、モニタリング体制をきちっと整えて、そのモニタリングデータに基づいて判断をすることにしております。
 屋内退避が一番被曝量を少なくするということだし、今の状況で遠方までその屋内退避をして基準を上回るような被曝にはならないということは、福島事故でもそうですけれども、そういうことですから、そういう方向で今防護対策は考えています。
○委員長(大島九州男君) 午後二時に再開することとし、休憩いたします。
   午後一時十一分休憩
     ─────・─────
   午後二時開会
○委員長(大島九州男君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、内閣の重要政策及び警察等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○若松謙維君 公明党の若松謙維です。
 前回質問させていただいた項目、まだ半分ぐらい残っておりまして、せっかくの機会でありますので、引き続き質問をさせていただきます。
 最初に石破大臣と思ったんですが、ちょっとお休みいただいて、後の方でじっくりと濃厚な議論をしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 文部科学省でお越しいただいていると思います。特に私、東北、北海道を担当しているわけでありますけれども、やはり医療の過疎化ということが大変重要な課題になっております。そういう中、地方の医師不足、これ深刻な問題だと思うんですけれども、この医師不足ですけれども、お医者さんを地域でどう育てていくかと、非常に重要な課題なんですけど、具体的な対策、どう取られているか、お尋ねいたします。
○政府参考人(佐野太君) お答えさせていただきます。
 地域に定着する医師を育てるための取組といたしまして、大学におきましては、卒業後、地元に残る意欲のある者に対する入試枠を設けたり、地元で一定期間働くことにより返済が免除される奨学金貸与枠を設定しております。こうした枠を一般的に地域枠と呼んでおりまして、平成二十五年度時点におきましては、全医学部七十九校中六十八校、人数にいたしまして千四百二十五人分設定されているところでございます。
 御指摘のように、地域の中で医師を育てるという観点からの取組を進めていくことは大変重要であると我々も認識しておりまして、様々な大学で多様な取組を進めているところでございます。
 例えば、大学における高校生向けの取組といたしまして、地方公共団体や地元の医療機関等と連携いたしまして、地元で医師を志す高校生向けの合宿セミナーの開催というものも行っております。これは、例えば北海道大学、札幌医科大学、旭川医科大学、この三大学と北海道教育委員会が連携いたしまして、合宿形式で、メディカル・キャンプ・セミナーと題して三泊四日で、高校生に対して、地元で医師を目指す人たちへのセミナーを開催しているところでございます。
 このようなセミナーのほかに、高校生向けといたしましては、地元の高校生に医学に興味を持ってもらうための大学からの出前講座の実施というものも行っているところでございます。
 このように、様々な形で高校生向けの取組が行われているわけですが、それ以外にも、入試における工夫といたしまして、AO入試、推薦入試などを活用して、地域医療に対する強い関心を持つ地元の学生を選抜する工夫も行われているところでございます。
 さらには、大学に入学した後、六年間でありますが、医学部における六年間の教育を通じまして、地域医療への意欲、あるいは使命感を涵養することも大変重要であるということを考えておりまして、例えば、医学生が離島やへき地に滞在し、地元医療の医療現場や生活を体験する取組を行っているところもございます。
 これは、例えば、例を一例申し上げれば、福島県立医科大学などでは、県内の医師不足地域の一般家庭にホームステイして、地域の医療を学び、地域を理解する実習等を行っているところでございます。
 また、地元県内で活躍している自分の大学の先輩の医師と現役の医学生が交流の場を設ける、そういうような機会を設けているところもございます。
 様々な地域におきまして特性を踏まえた取組が行われているところでありますが、文科省としては、今後とも、このように地域の医師不足解消のため、地域枠を増やすなど、各大学が多様な取組を進めていくことを一層促進してまいりたいと思っております。
○若松謙維君 今、地域枠というお話がありましたが、特に、東北ですと、四つの国立大学があります。全体的には四分の一ぐらいなんですけれども、結局そういった方々は、もちろん地域枠といっても実は東北の方じゃなくて、いわゆるここに残るという前提で東京の方も応募できるということで、結果的に大変競争率が厳しいし、特に国立の医大というのは私立の十分の一なんですね。ですから、実質的に、地域枠で例えば東北の四つの国立大に入って、それで医師になられたと、だけれども、ちょっとお金を積めばすぐ返せるので、実質的にそういった地域枠の方も首都圏に戻っちゃうと。
 こういうことの悪循環で、実質的には、本当に地域枠で医師になられた方がそれぞれの地域でしっかり地域医療に根付いているかというと、実はそうでもないという現実があると思うんです。そういったところの対策というのはどう考えているでしょうか。
○政府参考人(佐野太君) 地域枠の設定につきましては、地方に医師を定着させるために有効な方策であると考えておりますが、先生御指摘のように、地域枠の奨学金を貸与したとしても、一括して返済し、地域に残らない卒業生が一部あることも事実でございます。
 このような中で、地域枠の奨学金だけで地元への定着を図るということではなくて、大学におきましては、先ほどもお答え申し上げたような、高校生を対象とした取組でありますとか入試の工夫、医学部における六年間の教育を通じまして、地元地域への、地元医療への意欲、使命感を涵養する取組などを総合的に進める必要があると考えております。
 文科省といたしましては、厚生労働省とも連携いたしまして、今後、地域枠を始めとする大学が行う各種地域定着策の検証を今後行い、効果的な事例について多くの大学に波及させていくことによって、一人でも多く地元に残るような各大学の取組を一層促進してまいりたいと思っております。
 以上です。
○若松謙維君 今、検証されて、また今後どうするかということなんですが、具体的に、いつまでに、かつ、どういう、目標ですか、具体的に医師不足解消についての数値目標、それをいつまでとか、そういうやっぱり具体的なものがないと、検証で一部のいい事例を、じゃ、参考にしてくださいで終わっているのが大体のパターンですので、是非見える形での、さらに、必ずやるというイメージが伝わるような答弁をお願いします。
○政府参考人(佐野太君) 今申し上げましたように、今、具体的に厚生労働省とどのようにしてその検証を行うかということを検討しております。特に、文科省の中におきましては、定着策の検証を、いろんなパラメーターを用いて、どうやって検証していくかということを今やろうとしているところでございますので、その検証が終わり次第、どのような形で地元に残るような取組ができるかというのは、また政策として出していきたいと思ってございます。
○若松謙維君 是非早急にお願いしたいということと、また、例えば東北なら東北の、私たちは、高校生、地元の医大に入ってもらいたいんですが、応援するしかないんですね、これも私は弱いと思っております。そういうことも含めて、やはり地域で育った子供が大きくなってお医者さんになってまた地域に戻ってくるということ、共々にちょっと力を合わせながら実現したいと思っております。
 あわせて、実は、十月の四日から六日まで、公明党内に半島振興プロジェクトというのがございまして、初日が渡島半島、いわゆる函館のあるところですね、二日目が下北半島へ行ってきました。三日目が津軽半島と。三半島、トライシティーというか、トライペニンシュラですか、そういうふうに三つ見てみると非常に魅力的なところが見えてきたんですけれども、でも、やっぱり半島というのは結局道路が問題なんですね。特に、下北半島、命の道路というところがありまして、数年前に崩れて、もう実は何か月間か道路が不通になったということもありまして。
 そういったところも含めて、今、半島振興債ですか、まず半島振興債というのは、何ですかね、過疎債に匹敵するようなそういう半島振興債というものを創設できないかと。大変お金の話で恐縮なんですけれども、それが一点と、あと、半島道路事業債ですか、これ今たしか補助率というのは七五%ですかね、過疎債並みにできないかということなんですけれども、それについて国交省はいかがでしょうか。
○政府参考人(舘逸志君) ただいま先生から御指摘いただきましたように、半島地域においては道路が大変重要でございます。その道路については、地方公共団体が単独事業での道路整備をした場合に、その対象として半島振興道路整備事業債というものが措置されているところでございます。
 また、先生から、半島振興債のようなものも、例えば過疎債のようなものもできないのかという御指摘もいただいたところでございます。半島は三方を海に囲まれて大変生活条件等厳しいということは事実でございます。ただ、半島について、その半島の中にも様々ございまして、人口減少、高齢化、それから財政的な状況というのは、確かに過疎地域と同様なところもございます。ただ、それよりも条件がまだ恵まれているというところも混ざっているのが半島の実態でございます。
 その半島地方、半島振興債というような幅広い過疎債並みの債券をつくる、新規に設置するということにつきましては、やはり地方財政措置というのは地方自治体の共通の財源でございまして、より厳しいところから見ると、例えば離島から見ますと、半島にそういうものが、新しいものができて、それはいいのかということもあろうかと思いまして、慎重な検討が必要かと思います。
 一方、御指摘いただきました地方の半島地域で自らの政策判断で行う機動的な道路整備につきましては、これは大変重要だと考えております。災害時に備えた道路交通ネットワークの代替性を確保するためにも、この御指摘の半島振興道路整備事業債について現在よりも地方公共団体にとって更に使いやすくできないか、引き続き関係省庁と調整していきたいと考えております。
 以上でございます。
○若松謙維君 是非検討してください。
 一つ提案なんですけれども、ちょうど先週末、郡山でB―1グランプリやりました。たしか半島振興法は対象二十三半島ですかね、半島オリンピックなんかどうでしょうか。そういったところに知恵を出して、おらが半島こんなすばらしいんだという、そういったところにいろいろな支援とか後押しとかアドバイスをしていただく、それについてはどうですか、前向きに。御協力お願いします。(発言する者あり)
○委員長(大島九州男君) 舘審議官、手を挙げてからお願いします。
○政府参考人(舘逸志君) ありがとうございます。
 半島振興については、先生御指摘のように様々なアイデアを出していくということは大変重要だと思っております。また、半島と離島それぞれあるわけでございますが、例えば離島ですと離島甲子園というようなものも取組もございます。また、半島について、先生御指摘のようなそのような様々なアイデアを出していくということについて我々も精いっぱい努力してまいりたいと思います。
 どうもありがとうございます。
 失礼いたしました。
○若松謙維君 是非よろしくお願いいたします。
 それでは、本命の石破大臣、よろしくお願いいたします。
 実は、この前も地域がどう豊かになるかという観点から質問させていただきましたが、ちょうどおととい、岩手県の葛巻町ということで、いわて沼宮内という新幹線駅から三十分ぐらい行った、大体低くても三、四百メートル、高くて千メートルぐらいの本当に山間地であります。そこが、ちょっと今日まとめて議論と思ったんですが、これは是非、地方創生法案の審議のときにじっくりと議論したいと思っているんですが、やはり私の問題意識は、地方が、地域が豊かになるには、結局、地域資源を積極的に活用すると、あわせて地産地消、そして地域における経済循環をつくる、確立すると、これに尽きると思います。
 そういう意味での地域経済イノベーションサイクルですか、特に総務省でも地産、官、金という新しいコンセプト、当たり前といえば当たり前なんですけれども、こういったことが挙げられているんですけど、では具体的にどんな、やっぱり目標を設定しないと、結局は掛け声だけで、総務省は、これだけ税金使うとこれだけ効果が出たと、何か自分のところでやったところだけ自慢する、で、満足しているという状況なんで、大事なのは、それぞれの自治体が、しっかりこの地域経済イノベーションサイクルが確立されるということがやっぱり目的でありますので、そのための具体的な目標設定というのは非常に大事な作業になると思うんですけど、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) 総務省の今御指摘の事業は、地域経済循環創造事業交付金って何のことだかよく分かりませんが、要は、委員御指摘のように、その地域でつくったものをその地域で雇用された人たちが付加価値を付けて売りという形で、その地域で経済が循環していくということがこの地域経済循環創造事業交付金なるものだというふうに承知をいたしております。
 平成二十四年度補正、平成二十五年度補正、二十六年度当初で百八十事業が実施されましたと。交付金総額は六十二億円でありますと。それによって、想定は七年でございますが、六十二億円を投入して、五百六十億円分の原材料が地元から調達され、地元産業直接効果は九・〇倍と聞くと、すごいですねと、こういう感じになります。
 ですから、例えば福島では、喜多方で二件、それから会津若松で一件、白河で一件ということで、このような交付金が交付をされ、地元の経済に活性化をもたらせているということであります。
 有名なお話では、徳島で、地鶏の鶏ふんを有機肥料化して栽培した飼料用、餌用米を循環餌として輸入トウモロコシの代わりに活用することで、地元原材料の活用と地元雇用の創出を図ると。五千万円の交付金で、地域金融機関、今委員が金とおっしゃいました金融機関のことでございますが、この融資を合わせて初期投資の支援を行ったところ、年間四千四百万の原材料を地元から調達しているということであります。
 要は、夏場のリゾートにありますように、来る人もよその人、売っているものもよそのもの、売上げも東京へ持っていっちゃいますみたいなものでは、全然地域にものが落ちませんで、落ちるのはごみだけみたいな話になるわけで、それは困ると。どうやって地域でそれが連携をしていくかというときに、この事業は金融というのを組み合わせているのが意味のあるところだと思っております。
 そういうような数値目標を設定をするということは、これから先、地方創生のためには極めて重要なことだと思っておりまして、やってはみたけれど効果は生まないというようなお話はなるべく御遠慮いただきたいと思っております。
○若松謙維君 大臣、恐らく補正はしっかりと押さえられていると思うんです。その上で、地域経済イノベーションサイクルの、何というんですか、キーというか、何がそのものなのかというと、私、いろいろと、この前も葛巻へ行ってきまして分かったんですが、やっぱりエネルギーですね。エネルギーの地産地消というのは、かなり重要な私は意味合いがあるし、またこれができないと幾ら地産地消とやってもなかなかいわゆるその地域に根差さないと。
 どういうことかというと、ちょうど人、町、あと仕事づくりと、こういうコンセプトで御存じのように地方創生法案、法律ができるわけですね。この人と町と仕事。例えば、人でいきますと、結局、そのエネルギーという観点からすると、いかに、そのエネルギーがどこから来て、どういうふうに使うかというのは、これは人に関わる問題であります。それを地域の面的に、どう地域の資源を活用して、それでどういうふうにつなげていくかという、これも実は、これは町ですね、さらに、それがいわゆる所得となって仕事をつくっていくということで、この人と町と仕事をあえて三角でこうやりますとかなり重なる部分が高いのが実はエネルギーだと思うんです。このエネルギーを地産地消できるということは、地域の資源がいろいろと、皆さん、気付きが始まるんですね。そうすると、特に葛巻というのはもう高原で何もないところが、実はこの二十数年、三十年近く、国の助成金とかかなり使って、全て無駄にしない、つなげていって、やはり一番のポイントはブドウだったんで、ヤマブドウ、はっきり言ってワインとしておいしくなくはないんですけど、これ二十年前ぐらい、くずまきワインとして売ったんですけど、公社で造ったんですけど売れない。今の現町長ですけども、赤字、たしか債務超過一億円の事業を預かったんですけど、どうやって売れたかというと、彼は例えば盛岡に行って、くずまきワインありますかとマッチポンプしたわけですよ。そうやって営業をしていったんですね。結果的に今は三十万本、年間売上げで四億五千万の売上げということなんですけれども。
 要は、この人と町と仕事という観点から、本当に地域の地産地消を引き出すところをやっぱりやっていかなければいけない。私、まず大臣に是非、いわゆる新エネ、再エネ、これはかなり重要な、いわゆる地域の住民の底上げ、キーだと思いますので、そういうところも含めて、先ほどの九倍とかなんとかって、あくまでもこれは霞が関の目線であって、本当に地域が自己調達、例えば三割なり五割なり、どのくらいになるかということを本当にきめ細やかにやっぱりやるには、もっと、何というんですかね、広がりというのを、どんどん中央の官庁も現場に出ていって一緒になって仕掛けをつくっていくと、そういう形が必要だと思うんですけど、ちょっと大臣、どんなふうに、済みません、いろいろ言いましたけど、おまとめください。
○国務大臣(石破茂君) 済みません。おまとめを御下命いただきまして、誠にありがとうございます。
 一つは、まさしく霞が関の数字で自己満足していてもしようもない話であって、今御紹介しましたところの、百八十事業が実施され、六十二億円の投入により、七年間で五百六十億分の原材料が調達され、地元産業直接効果九倍。いや、もうちょっと私ちゃんと検証したいと思っているんですけど、それが本当に地元でそういう地元のものが使われ、地元でうまく循環をし、そんな効果を生むんであれば、これはもっともっと拡充もしなきゃいかぬでしょう。ただ、どちらかというと初期投資みたいなものに国はお金を出すべきなのであって、それがもう自律的に回り始めるということも私は重要なことだと思っております。
 もう一つ、委員が御指摘のエネルギーの話は、いろんなものが地産地消で回りましても、エネルギーはどこか遠くから来ましたよということでは、それはうまく循環したということにはならないのだと思っております。
 円が高ければ高いで大変ですが、エネルギーは安く買えるねって。円が安ければ安いでそれは結構なことかもしれないが、エネルギーが非常に高くなっちゃったねと。要するに、外部の要因によって日本の経済が余りに左右されるということは余り良いことだと思っておりません。さはさりながら、おじいさんは山にしば刈りに、おばあさんは川に洗濯にという話にもなりませんもので、そうすると、地域の再生エネルギー、ほとんどニアリーイコール分散型エネルギーだと思いますが、それをどのように活用していくかということは、やはり地方創生にとって極めて大きなテーマだと思っております。
 この再生エネルギーをめぐりましては、買取りをめぐっていろんな議論があることもよく承知をいたしておりますが、やはり地域で循環するというときに、委員御指摘のように、エネルギーというものをどう使っていくかというのは極めて重要な視点でありまして、私どもとしてよく経済産業省、資源エネルギー庁とお話をしながら、地域創生におけるエネルギーの位置付けというものをきちんと確立をしてまいりたいと考えております。
○若松謙維君 ということで、もう時間がありませんから今度私がまとめさせていただきますけれども。
 本当に、次回、葛巻を事例にいろいろと議論したいと思いますが、やはり、昭和五十年ですから、三十六年前ですね、酪農基盤整備から始まって、昭和六十年には地域資源の活用ということで、先ほどの風車が始まって、それで、さらに新エネルギーということで、新エネルギーの導入が平成十年ですか、そして今、情報化ということで平成十九年には地域の、全部イントラということで次々とやっておりまして、これだけ三十年ぐらい掛けてやっと、いわゆる人口減少は毎年百人なんですけど、社会人口というのは、流入と流出、これ今ゼロに近くなりました。これだけやっている自治体ってかなり少ないと思うんです。それでやっと社会人口は維持できるということなので、ちょっとまたこれから議論したいと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。
○松下新平君 自由民主党の松下新平です。
 本当に、この内閣委員会、大島委員長の下で新たなメンバーで順調にスタートしていること、敬意を表したいと思います。
 私も、前国会までは自民党の筆頭理事を務めておりました。また、野党時代の総務委員会の筆頭理事も経験がありますが、この内閣委員会は比重が大変重いというふうに考えております。
 大臣所信に対する質疑でもありましたけれども、内閣府、内閣官房の肥大化に加えて、さらにまた大臣が七人もいると、さらに法案がたくさんあるということで、この委員会は二十名の定員で一番少ない数で運営されているということもありますが、参議院は再考の府でもありますし、慎重審議、これは与野党を問わず、参議院ならではの審議という意味では全体の見直しも必要かなというふうに思います。議運のマターであると思いますが、またいろいろ知恵を出していっていただきたいと。また改めて委員長、理事の皆さんに敬意を表したいと思います。
 さて、私、この度、自由民主党の総務部会長の任にございまして、就任以来連日、地方六団体を始めたくさんの要望をいただいております。それぞれ委員の皆様も要望をいただくわけですけれども、今回、地方創生に対する地方の大きな期待をひしひしと感じるわけであります。
 もちろん、これは所管の石破大臣の熱い思い、これが相当期待感につながっているというのもありますし、一方で、地方の危機感、今までいろんな施策があったけれども、なかなかうまくいかなかったと。また、人口減対策、消滅可能性の都市も含めてどうしていくかと、待ったなしの状況に対する地方の危機感の表れでもあると思います。
 そういった意味で、この地方創生、衆議院の方ではもう特別委員会が設置されて動き出しましたけれども、参議院でもしっかり審議して実のあるものにして、皆さんの御協力をいただきたいというふうに思います。
 私は、本日、三つのテーマについて質問を用意してございます。
 一つは、この地方創生の僕は目玉であると思うんですが、日本版のシティーマネジャー構想についてです。
 もう一つは、ローカル局、委員の皆さんも、それぞれ御地元の地方テレビ、ラジオ、ローカル局、お付き合いがあると思うんですけれども、今インターネットの配信サービスによって経営が大変厳しい、これからなかなか先行きが見えないという状況もありまして、この現状と課題について質問させていただきたいと思います。
 残りの時間で、放送法四条、これは最近、目に余る偏向報道があるというふうに私は認識しておりまして、そういった観点から、放送法四条、資料を後ほど見ていただきたいと思いますけれども、問題提起をしたいと思います。
 それでは、まず最初に、日本版シティーマネジャー構想について石破大臣にお伺いしたいと思います。
 この地方創生、様々なメニューが打ち出されると思いますけれども、今回の日本版シティーマネジャー構想、通常は、それぞれの省庁が温めていたものを政策に反映する、あるいは温めていたものを組み合わせてそれを政策に反映するというのがこれまで多かったと思うんですけれども、今回のシティーマネジャー構想というのは全く違って、大臣の発案で、そして政治主導でこれを進めようということに大きな意味があるというふうに考えております。
 就任早々全国を大臣回られて、地方講演の中でこのことを触れられておりまして、私の地元でもこの構想に対する大きな期待が寄せられております。我が町に我が村に是非優秀な、生きの、ぴちぴちした若い官僚の皆様を呼んで是非一緒にやりたいという声がたくさん上がっております。
 そこで、まず石破大臣に、この日本版シティーマネジャー構想に関する、地方創生の中でこれを構想として打ち上げられた経緯について、まずお聞きしたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) この話をしますと、今でもあっちこっちの県庁やら市役所やらに国家公務員が行っているじゃないのと、何で今更そんな話をするのと、こういうことを言われるんですが、委員も県庁御勤務の御経験がおありですからよくお分かりと思いますが、中央官庁の役人が地方に行きますのは、例えば何々県庁の何々部長さんは何々省から、何々市役所の何々部長さんは何々省からということで、もう決まり切ったような形で、地方の役にも物すごく立っていますが、中央官僚が地方に行って勉強して地方の実情を理解してきなさいなというような色彩もかなり強いんだろうと思っております。
 調べてみますと、国のお役人が地方に行っている、地方公共団体に行っているというのは千六百五十三人おります。その中で都道府県に行っているのが千百四十八人、市町村に行っているのは五百五人でございます。市町村に行っているのは五百五人なんですが、人口五万人以下の市町村に行っているのは八十二人しかいないということであります。
 本当に人が欲しいのは、人口五万人以下あるいは一万人とか二万人とかそういうところの市町村が人が欲しいのではないか、それに中央から人を派遣するという今のシステムはうまくマッチングしていないのではないかというのが私の印象でございます。
 市町村におかれましても、何でもいいからスーパーマンみたいな人が来て、あっという間に我が町を何とかしてくれろというようなお話では困るのでありまして、国の長期ビジョン並びに総合戦略を、これは十二月までに出します。自治体に対しましては、平成二十七年度中にそれと対応する形の総合戦略、それから長期ビジョンというのを出していただきますが、我が町はこのようにしたいのであると、産業構造をこのように変え、就業構造をこのように変え、今の前半の若松委員の御指摘にあったようなことも踏まえて、このようにしたいのである、よってこのような人材を求めるのであるということは地方の方から言っていただきたい。
 我々中央の側も、おまえとおまえとおまえ、ちょっと地方に行ってこいという話じゃなくて、国家公務員の中で、自分は、もう何省でもいいんですけど、地方に行って地方を創生したい、もう一度活力のあるところにしたいという意欲のある人でなければ行ったって意味がないことでございます。地方に行って、俺は中央官僚だなんて威張られてもたまらぬのでありまして、その地域において本当に溶け込んで、そこの地域を良くするという熱意と知恵を持った人を出したい。そして、地方の人の方も、こういう人を欲しいというふうに言っていただきたい。そのマッチングが極めて大事だと思っております。
 ただ、中央官僚も、行政改革の影響もございまして、人が余っているということはもちろんございません。かなり人を捻出するのは苦労だと思っておりますが、中央官僚のみならず、例えば民間のシンクタンクの方あるいは地方の大学の方、教授になると難しいかもしれませんが、助教とかそういうクラスの方々が、勤務形態はいろいろあろうかと思いますが、とにかく地方に知恵を貸す、一緒に議論する、そういうような人の派遣は絶対に必要だと思っております。
 できれば、今この作業を急がせておりますが、平成二十七年度当初からスタートできるような、そういうような目算で今作業を進めておるところでございます。
○松下新平君 ありがとうございます。来年の四月からスタートするということでお話をいただきました。
 この地方創生、様々なメニューがありますけれども、この成功いかんに私は多くの影響があるというふうに考えております。霞が関の皆さんも、もちろんやる気のある方もいらっしゃるんですが、冷ややかに、できるか、やるならやってみろと、そういった意見も実は聞かれておりますので、このシティーマネジャー構想の成功によって本気度が問われると思いますので、是非応援してまいりたいというふうに考えております。
 時間が参りましたので、次の質問に行きたいと思います。
 続きまして、ローカル局の現状と課題についてなんですが、これは地方創生にも関係がありますので、是非大臣にもお聞きいただきたいと思うんです。
 今日は、西銘総務副大臣、何か海外出張から駆け付けていただいたということで、済みません。また、私の前任の自民党の総務部会長でもあって、敬意を表したいと思います。これ、事務的なこともありますので、まず総務省の局長に答弁いただいて、それから感想を後でお願いしたいと思います。
 ローカル局、大体、キー局というのが五つあって、全国に百十数社ローカル局があります。それについて、今、インターネットの配信サービス、違法なものが摘発されたりしましたけれども、そういったものがどんどん入っていって、今経営が大変厳しいという状況も伺っております。
 まず、このローカル局、そしてネット配信の現状についてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(安藤友裕君) お答え申し上げます。
 まず、在京キー局を除くローカル局の現状についてでございますけれども、現在、民間テレビジョン放送につきましては百二十二社、それから、民間ラジオ放送につきましては、AM放送、FM放送合わせて九十八社、合計百八十七社が、原則、都道府県を放送の対象地域といたしまして、それぞれの地域に根差し、地域住民や地域社会の要望に応えるべく放送サービスを行っているところでございます。
 これらローカル局における平成二十五年度の売上高は合計で一兆一千六百八十億円となっておりまして、リーマン・ショック、これ平成二十年九月でございますが、その前の平成十九年と比べますと八・七%減少となっておるところでございますけれども、ここ二年間は連続して増加しており、徐々に回復してきている状況にあるということでございます。
 次に、放送事業者のネット配信の現状についてでございますけれども、民放ラジオ放送につきましては、株式会社ラジコが平成二十三年から、サービス提供に参加している各ラジオ放送事業者のラジオ放送につきまして、各放送対象地域に限定してインターネット同時配信を行うサービスを視聴者に対して無料で提供を行うというサービスを始めたところでございます。
 同社では、さらに本年四月から、地域限定を掛けないプレミアムサービスを視聴者に対して、これは有料になります、月額税別で三百五十円でございますけれども、で提供しているという形で、世の中いろいろインターネットサービスが出てくる中で、ラジオ放送事業者としてこういったサービスを自ら取り込みながら展開することによって対抗していくというような取組を進めているところでございます。
 一方、民放テレビジョン放送につきましては、在京キー五社が個別にVOD、いわゆるビデオ・オン・ディマンドと呼んでおりますけれども、による有料ネット配信サービスなどに取り組んでおりますほか、放送メディア価値向上のため、放送済みの番組をネット配信するCM付き見逃し視聴サービスについて五社の間で検討が行われているものと承知しております。
 このほか、民間放送連盟では、ローカル局にとってのネット配信のメリットも含めて、放送のメディア価値向上のための検討を今後行うこととしているというふうに聞いておるところでございます。
○松下新平君 ありがとうございました。
 地方創生におけるローカル局の役割なんですけれども、地方創生は人の流れを地方に移管していくと。そういった意味で、地方の魅力を発信するということが重要になると思います。また、災害が今頻発しておりますけれども、その的確な情報をきちっと伝えるという役割もあります。
 そういった地方ローカル局の役割を十分担っていただくということが大事なんですけれども、今説明がありましたとおり、ネット産業のビジネスによってその経営が逼迫しているという状況もございます。そういった意味で、ローカル局への国の支援、これが必要になってくると思います。もちろん、一義的には経営努力が求められます。放送と通信の融合ということで様々な取組をされていますが、是非地方局も、今度ネット産業の方に参画してくるときの支援とか、そういったことで国のバックアップが必要になるんではないかと思うんですけれども、その点、いかがでしょうか。
○政府参考人(安藤友裕君) お答え申し上げます。
 今委員から御指摘ございましたように、地方創生を実現していく上でのローカル局の役割、様々な面で非常に大変重要なところでございます。総務省では、従来からそういった観点で、放送コンテンツの国際展開でありますとか、ラジオの難聴対策、放送施設の災害対策への支援を進めてきておるところでございます。
 以下、具体的にちょっと述べさせていただきますと、まず、各地のローカル局などが地元の自治体や地場産業などと連携しながら地域振興や地域活性化に資する、あるいはそれを目的とした放送コンテンツを制作し、例えば東南アジア、ASEANですね、といった国々に発信するモデル事業、これへの支援を現在行っているところでございます。
 こういったことの取組を継続的に実現できるようにしていけば、地場産業に対していろんな諸外国からのニーズが、需要が来るとか、あるいはその地域コンテンツを見た外国人の方がその地域を訪問すると、いい循環ができ上がってきて地域の活性化に資するだろうということで、こういったビジット・ジャパンあるいはクールジャパンにも資するような、地域創生に資するようなコンテンツの海外展開を支援しておるところでございます。
 それから、ラジオでございますが、ラジオの難視聴対策や放送施設の災害対策といった課題への対応、これは特にAMなどは都市雑音などでなかなか聞こえにくいというような状況になってきている面もございまして、これは災害時に必要な情報を流す上で大きな課題になっておるところでございます。もちろん、ラジコみたいなインターネットの活用をしたサービスなどもラジオ事業者の経営努力の中でやっておるわけでございますが、さらにやっぱり電波が届かなくちゃいかぬというところもございますので、こういった難聴対策、あるいは放送施設の災害対策、これが重要ということで、ラジオ難視聴解消のための中継局設備、あるいは防災対策としての予備送信所の整備に対する支援、これも継続的に行ってきているところでございます。
 こうした取組を着実に進めまして、災害時に必要な情報発信や地域に根差した様々な情報が引き続き適切に提供されるとともに、地方の創生に資する情報発信が展開されるよう、総務省といたしましても引き続き努力してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○松下新平君 西銘副大臣、お待たせしました。今いろいろ総務省の事業をお述べいただいたんですけれども、大臣の下にもそういった現状の陳情、要望が寄せられていると思うんですけれども、副大臣から一言お願いしたいと思います。
○副大臣(西銘恒三郎君) 石破大臣の下で、地方創生、すなわち、まち・ひと・しごと創生のために地方のローカル局が果たす役割は極めて大きいものと考えております。
 総務省としましては、今局長からもありましたけれども、海外の放送局とローカルの、地元の放送局が共同で番組を制作するとき等の費用等を支援をしたり、さらにはローカル局でラジオの中継局、これは災害のときにラジオの果たす役割が極めて大きいということに気付いておりますので、その辺の支援措置も含めてやっていきたいと思っております。ローカル局による地域情報の発信が今後も適切に行われるように、総務省としても支援をしてまいりたいと考えております。
 以上です。
○松下新平君 ありがとうございました。引き続きよろしくお願いいたします。
 あと、私、六分の時間でありますので、残り、放送法四条について質問させていただきたいと思います。
 皆様のお手元に「放送法逐条解説」、お配りさせていただいております。全てで百九十三条で成り立っておりますけれども、本日は三条から六条を抜粋してございます。
 早速ですけれども、この資料の五十七ページを見ていただきますと、放送法四条がございます。最初の前文がありまして、この放送法は、新聞は誰でも発行しようと思えばできますけれども、憲法二十一条の表現の自由、報道の自由に基づいて、それぞれの者が独自に政治的な主張を掲げることを認められています。これに対して、テレビやラジオは限られた電波を国から割り当てられた事業で、誰でも放送できるわけではありませんから、法律で放送、報道の自由に一定の制約が課せられて、政治的な意図を持った主張は掲げてはいけないということになっているわけです。活字と映像、音声という受け手にとって与える影響の違いも背景にあると思います。
 そこで、この四条の一項一号、公安及び善良な風俗を害しないこととございます。次に、政治的に公平であること、三番目に、報道は事実を曲げないですること、四番目に、意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。二項は、視覚障害者、聴覚障害者に関するものなので今日はちょっと割愛いたしたいと思います。
 私が問題意識として持っておりますのは、最近のテレビ報道で国を二分するような議論をするときに、具体的にはちょっと避けますけれども、特定の考えを持った人がずらっとコメンテーターで並んで、それで誘導していく、偏向していく報道が多く見られるということなんです。この放送法四条で明確にこういう規定があるにもかかわらず、総務省はこのことを見逃しているんじゃないかと。
 事前のいろいろ意見の交換の中でやり取りをしたわけですけれども、これについて総務省の御見解をお願いしたいと思います。
○政府参考人(安藤友裕君) 今委員から御指摘がございました点でございますけれども、基本は、放送法まず第一条の目的規定におきまして、放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによって、放送による表現の自由を確保し、放送が健全な民主主義の発達に資するようにすることなどをその原則として規定しておるところでございます。
 これを受けまして放送法は第三条で、まず、放送番組は、法律に定める権限に基づく場合でなければ、何人からも干渉され、又は規律されることがないと定め、放送番組編集の自由を保障した上で、第四条で、放送番組の編集に当たり、先ほどの目的規定の原則に沿って、まさに委員が御指摘になられたとおり、放送事業者が遵守すべき事項として、例えば、政治的に公平であることや、意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすることなどを規定し、その担保は、先ほどの放送法の目的規定の原則に基づきまして、放送事業者の自主自律によることとしているところでございます。
 具体的に放送法は第五条第一項で、放送番組の編集の基準を放送事業者は定め、これに従って放送番組を編集すること。それから、放送事業者は、放送番組審議機関を設置し、そこで放送番組の適正を図るために必要な事項を審議すること。それから、放送番組に関して申出のあった苦情その他の意見の概要を放送番組審議機関に報告すること、これは六条の第五項でございますけれども、等を規定しており、これらの規定を通じて、放送事業者による自律によってこの四条の規定の実効を確保していくということとされているところでございます。
 私どもといたしましては、放送事業者においては、こうした放送法の枠組みにのっとって、自主自律の下で放送の持つ高い公共性と社会的責任を自覚した放送を行っていただくことを期待しているということでございます。
○松下新平君 今回は問題提起にとどめますけれども、監督官庁としてこのことをまたしっかり受け止めていただきたいと思いますし、何事もバランスが大事だと思います。そういった意味で、西銘副大臣もいらっしゃるので、是非また引き続きこのことは議論してまいりたいと思います。
 以上で終わります。
○委員長(大島九州男君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
    ─────────────
○委員長(大島九州男君) 次に、サイバーセキュリティ基本法案を議題といたします。
 提出者衆議院内閣委員長井上信治君から趣旨説明を聴取いたします。井上衆議院内閣委員長。
○衆議院議員(井上信治君) ただいま議題となりました法律案につきまして、その趣旨及び内容を御説明申し上げます。
 現在、我が国のインターネット等をめぐる状況は、IT基本法が制定された平成十三年当時と比べて大きく変わりました。インターネットが社会経済活動に不可欠の存在となった一方、国境を越えたサイバー攻撃などにより、政府や企業の機微情報等の窃取や、重要インフラ分野への攻撃といった脅威の深刻化はますます進んでおります。
 平成三十二年に開催されるオリンピック・パラリンピック東京大会においても、サイバーセキュリティーの確保は最重要課題の一つとなります。
 こうした課題に対応するためには、我が国のサイバーセキュリティー対策の推進体制を抜本的に強化するなどの必要があります。そこで、我が国のサイバーセキュリティーに関する施策を総合的かつ効果的に推進するため、国として取り組むべき基本的施策を示し、これらの施策を推進するための体制の整備等を行うことが焦眉の急であります。
 次に、本案の主な内容について御説明申し上げます。
 第一に、サイバーセキュリティーについて定義するほか、我が国のサイバーセキュリティーに関する施策について基本理念を規定しております。
 第二に、国、地方公共団体、重要社会基盤事業者、サイバー関連事業者等の責務等を規定しております。
 第三に、サイバーセキュリティーに関する施策の総合的かつ効果的な推進を図るため、戦略を策定しなければならないこととし、その実施に必要な資金等の確保を図るため、政府は必要な措置を講ずるよう努めること等を規定しております。
 第四に、国が講ずるものとする基本的施策として、国の行政機関等や重要社会基盤事業者等における取組について規定しております。
 第五に、サイバーセキュリティーに関する施策を総合的かつ効果的に進めるため、我が国における司令塔となる戦略本部を内閣に設置すること等を規定しております。
 その他、附則において、内閣官房情報セキュリティセンターの法制化を含む必要な法制の整備を行うこと等を規定しております。
 以上が、本案の趣旨及び内容であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願いを申し上げます。
○委員長(大島九州男君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後二時五十三分散会