第187回国会 財政金融委員会 第2号
平成二十六年十月十六日(木曜日)
   午前十時開会
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  出席者は左のとおり。
    委員長         古川 俊治君
    理 事
                愛知 治郎君
                若林 健太君
                大久保 勉君
                西田 実仁君
                藤巻 健史君
    委 員
                石田 昌宏君
                大家 敏志君
                伊達 忠一君
                塚田 一郎君
                鶴保 庸介君
                長峯  誠君
                西田 昌司君
                森 まさこ君
                山本 一太君
                礒崎 哲史君
                尾立 源幸君
                大塚 耕平君
                風間 直樹君
                前川 清成君
                竹谷とし子君
                中西 健治君
                大門実紀史君
                中山 恭子君
                平野 達男君
   国務大臣
       財務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        麻生 太郎君
   副大臣
       総務副大臣    二之湯 智君
       財務副大臣    御法川信英君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        小泉進次郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小野 伸一君
   政府参考人
       内閣府政策統括
       官        前川  守君
       金融庁監督局長  森  信親君
       総務大臣官房審
       議官       青木 信之君
       財務省主税局長  佐藤 慎一君
       国税庁次長    佐川 宣寿君
       経済産業大臣官
       房審議官     高田 修三君
   参考人
       日本銀行総裁   黒田 東彦君
       日本銀行副総裁  岩田規久男君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○財政及び金融等に関する調査
 (法人実効税率の引下げに関する件)
 (自動車関連税制の在り方に関する件)
 (消費税率引上げの判断に関する件)
 (量的・質的金融緩和に関する件)
 (インフラ整備の充実に関する件)
 (今後の経済財政政策の在り方に関する件)
 (世界経済の現状認識に関する件)
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○委員長(古川俊治君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣府政策統括官前川守君外五名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(古川俊治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(古川俊治君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に参考人として日本銀行総裁黒田東彦君及び同副総裁岩田規久男君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(古川俊治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(古川俊治君) 財政及び金融等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○大塚耕平君 おはようございます。民主党・新緑風会の大塚耕平でございます。
 今日は去年の伊豆大島の災害からちょうど一年ということらしいですが、今年は災害も大変多うございますので、被災者の皆さんには本当にお見舞いを申し上げたいと思います。
 冒頭、副総理のお立場でちょっとお願いをしておきたいんですが、あるいは質問になるかもしれませんが、この間の台風もそうですし、最近、避難勧告というのを前広に出してくださっているのはこれはいいんですけれども、台風のニュースを見ていてちょっと解せなかったのは、例えば全市何十万人何万世帯に避難勧告とかと、もうどんどん出るんですけれども、あれほど大勢に避難勧告を出していただいても、避難する場所が多分ないんですね。
 だから、是非、副総理のお立場で防災担当の皆さんに、あの避難勧告は本当に意味がある形でその後運用するという意思があって勧告を出しておられるのかどうかということは、是非、副総理の立場で御指導、御確認をいただきたいんですが、もしコメントがあれば一言聞かせていただけますか。
○国務大臣(麻生太郎君) 誰でも同じような疑問を持っているんだと思うんですけれども、ふざけていやしませんかというのはもう既に言ったことがあるんですが、これ、出さなきゃ出さないで出し方が足りないじゃないかといってまた文句を言うんですよ。どっちへ行っても言われるんですから、これは。そういった意味では、これは出さないより出した方がまだいいんじゃないかというところが今のところになっているんだそうです。
 ただ、桁がでかいですよね。ちょっとこの間の、今回の台風のときなんというのは数がちょっとでか過ぎて、昔だったら、これは景気にも影響を与えますからいかがなものかと、私もそう思います。
 考えます。
○大塚耕平君 ありがとうございます。
 ずっとあのニュースを拝見していて、途中で、どこかの市のある集落、十六戸数十人に避難勧告が出たとか、これは、拝見していて、ああなるほどなと思ったんですが、大臣もおっしゃるとおり、何十万人何万世帯に避難勧告といっても、これはどういうことを行政が住民に伝えようとしているのかがなかなか難しい側面があると思いますので、是非適切に運用していただきたいと思います。
 本題に入らせていただきますが、せんだっての大臣の所信を聞かせていただきましたが、所信の中に、法人実効税率引下げ検討するとか外形標準課税については一言もお触れになっていなかったような気がしたんですけれども、なぜ所信の中に入っていなかったのかということも含めて、法人実効税率引下げの問題に対してどういう御方針で臨まれるのか、聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) この法人実効税率につきましては、平成二十六年度の六月の閣議決定におきまして、これは二〇%台まで引き下げることを目指すとか、この引下げは来年度から開始するとか、それから課税ベースの拡大などにより恒久財源をしっかりと確保するという方針は既に決定をいたしております。
 したがいまして、今回の法人税改革においては、日本の企業が稼ぐ力を高める取組を後押しするということが重要であると考えております。
 そのため、単なる税率引下げだけではなくて、課税ベースの拡大とセットで行うということによって法人課税を成長志向型のものに変えていきたいというように思っておりまして、黒字を出した方がいいと、なるべく赤字でこのまま置いておいた方がいいという感じではなくて発想自体を変えていっていただければと思っております。
 改革の具体的な内容というのは、これは現在検討を進めておりますが、六月の政府税制調査会の提言においては、法人事業税の外形標準課税の拡充とか、それから欠損金の繰越控除の制度、これは今九年になったんですかね、民主党のときに九年にされたと思いますが、見直しなどの項目が挙げられておりますので、こうした点について検討してまいりたいと思っておりますが、他方、法人税改革の議論を進めるに当たっては、これは地方というものを今考えた場合に、地方の経済を支えております中小企業への配慮という観点をこれは考えておかぬといかぬところだと思っております。
 したがって、この後、税制改正のプロセスの中でこれはよく検討させていただかねばならぬところがいろいろあろうと思っております。
○大塚耕平君 今おっしゃるような趣旨も含めて、所信では一言も触れなかったということに関しては何か意味があるんでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 長い長いといつも言われるから短くしたというような、その程度に考えておいていただけたらと。
○大塚耕平君 そういう理由だったのか、あるいは大臣としては余り法人実効税率引下げの議論に賛成であられないのか、余りクローズアップしたくなかったのか、そういう御意思もおありだったんではないかなと思いながら実は拝聴していました。
 さて、総理が今麻生大臣がおっしゃったような方向を目指して指示を出しておられるわけですから、それに反する御答弁はできないというのはよく分かるんですが、総理の御認識がもし十分でない部分がおありであるなら、それはやはり是非御指導いただきたいと思うんですね。
 今お手元に配ってあります資料でありますけれども、これは財務省の資料であります。法人税の負担率ということで、御承知のとおり、議論になっております法人実効税率は、法人税と法人住民税、法人事業税の税率を足し上げて計算をしているわけでありますが、この法人税の負担率、通常二五・五%というふうに言われているんですが、この財務省の資料を見ると、全産業ベースで一七・八%であります。
 まず、実際は二五・五で議論しているのに、現実のこの数字は一七・八だということに関して、大臣のもし御所見があれば聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 内容は結構よく分かっている、いわゆる小売が一番少ないと思いましたけれども。その他に関しましては、機械等々非常に比率が高いことになっているんだと思っておりますので、この内容を知らないわけではありませんし、私自身として、日本のいわゆる実効税率というのは他国に比べて、その他の税制も社会保障やら何やらいろいろありますので、全体を比べてみると、日本の法人実効税率というのは、アメリカに比べて安いかもしれませんけれどもヨーロッパに比べては高いという認識というのは、正直なところないわけではありません。よく結構分かっておるつもりであります。
○大塚耕平君 つまり、そこの諸外国と比べて高いか低いかというところが、まずこれが本当に正確な議論なのかということですね。
 我々も、政権担当させていただいたおかげで総理がいかに忙しいかというのはもう重々承知しておりますので、本当に短い時間で事実だけあるいはもうポイントだけといってレクチャーされて、総理御自身が深い問題意識を元々持っておられるならばそういう短いレクの中でもいろんな疑問をお持ちになると思うんですが、ちょっとその部分がこの問題に関してはやや心もとないなという印象を受けております。つまり、実際に欧米に比べてどれほど高いのかということについてはもうちょっと冷静に数字を見てみる必要があると思っております。
 とりわけ、いろんな控除やら配慮で実際は一七・八%に下がっているわけですが、この中で今日はとりわけお聞きしたいのは租特ですね。我々のときに租特透明化法というのを通させていただいて、今も、毎年これは報告が出されております。これは是非続けていっていただきたいと思うんですけれども。
 法人実効税率を算出する際に、このグラフにも出ています一・四%分の租特の軽減分は、これを控除した結果の数字で議論をしているのか控除前の数字で法人実効税率の議論がされているのか、これはどちらでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) これは、減税は勘案しておりません。
○大塚耕平君 今のは大変意味のある御答弁で、勘案をしていないベースで議論をしているわけですよ。だから、この資料でいうと、租特であったりその他の益金不算入であったり控除の話は全然考慮しないで議論しているという、まずこの部分で不正確さがあるということを是非総理にお伝えをいただきたいと思います。
 そういう中で、大臣は実は、たしか九月の七日か何かの記者会見だったと思いますけれども、法人実効税率引下げの要望をするんだったら経団連も財源は自分で探す努力をしてほしいと言って突き放しておられて、これはよくおっしゃったなと思って私も納得をしたんですけれども。
 経団連は、自らのこの税制改正に関する提言の中で、これは九月十日に出しておりますけれども、租特については、役割を終えたものは廃止すべきと自ら言っているわけでありますので、今回、法人実効税率を下げるための条件でないとしても、大変財政状況が厳しい折から、租特は、まさしく当事者が役割を終えたものは廃止すべきと言っているわけですから幾つか廃止すべきものがあると思うんですが、大臣はどうお考えになりますでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 今言われましたのは、間違いなく、経団連が今度の榊原さんになられてから言われたんだと思いますが、課税ベースの拡大にしっかり取り組むということにしておりますので、租税特別措置の見直しもその中の重要な課題の一つだと、私どももそう思っております。
 六月の政府税制調査会の提言におきましても、租税特別措置につきましては真に必要なものに限定する必要があると指摘をされております。各制度の趣旨やら適用実績やら政策効果はいろいろ検証しなきゃいかぬところだと思っておりますが、いずれにしても、見直しを行っていく必要があると考えております。
 去る七月に、これは税制改正要望に先立ちまして、私の方からも各大臣に対して、租税特別措置の見直しに向けた協力をしてもらいたいという話を閣議で発言をしておりまして、各関係省庁や経済界などに主体的に協力をしてほしいと思っております。
 いずれにしても、今後の税制改正プロセスにおいて、適用期限が到来するものもありますので、その取扱い等については適切に検討してまいりたいと考えております。
○大塚耕平君 ここは本当に大いに期待をしておりますので、是非、廃止すべきものは廃止してほしいんですが、経団連の提言書を見ると、もう霞が関の皆さんも真っ青になるぐらい上手に書けていまして、そのくだりは五行あるんですけれども、最初の一行で今日の政策に照らしてその効果や役割を見直すのは当然と書いて、一番最後に役割を終えたものは廃止すべきと、こう書いてあるんですが、真ん中の三行は、国際的な動向も十分に把握した上で、我が国の将来を支えるために必要なもの、国際的イコールフッティングを実現するために不可欠なものは維持、拡充や本則化、恒久化すべきと書いてあるんですね。
 だから、残せというところは上手に真ん中に三行書いて、廃止すべきという原則論は一番最初と最後に、まあこれをバランスよくと言うかどうかなんですけど、本音は真ん中の三行にあって、是非この辺、財界にも厳しく言うときは言っていただきたいなと思います。
 私は、この法人実効税率が今の水準であっても、日本の国内でも、それでも利益を上げる企業は上げていますし、上げられない企業は上げられないし、逆に日本より法人実効税率が低い国であっても、そういう国でも利益を上げられない企業は上げられないし、上げる企業は上げるわけで、法人実効税率が高いから日本の成長力がない、企業の競争力がないかのごとくのことを公然と発言する経営者の皆さん、財界幹部の皆さんの見識はややいかがなものかなと、率直にそう思っておりますので、是非、この租特の見直しあるいは法人実効税率の適正な調整を行った上での正確な議論にお努めをいただきたいということをお願いをしておきたいと思います。
 その上で、今日は総務省にも来ていただいておりますけれども、この法人実効税率引下げの代替財源という切り口から外形標準課税の拡大の話が俎上に上っております。
 外形標準課税の割合を二分の一ないしは八分の五に引き上げた場合、法人実効税率への影響はどの程度かということで、新聞記事には何回か出て、私も拝見しているんですが、正式に国会の場でちょっと聞いておきたいんですが、巷間言われております外形標準課税の割合を二分の一又は八分の五に引き上げた場合の法人実効税率への影響はどの程度というふうに総務省としては考えていますか。
○政府参考人(青木信之君) お答え申し上げます。
 外形標準課税の拡大の具体的な方策については、今後、税制改正プロセスにおいて議論されるということでございますので、現段階で確たる詰めた案があるというわけではございませんが、お尋ねのケースについて税収中立で機械的に計算いたしますと、法人事業税における外形標準課税の比率を現行の四分の一から二分の一に拡充した場合、その場合の法人実効税率、これは法人の所得に係る形式的な法人実効税率でございますが、この法人実効税率は一・五%程度下がります。また、八分の五に拡充した場合、現在の所得割の二分の一を外形標準化した場合に相当するということだろうと思いますが、その場合には約二・三%下がることになると見込まれます。
○大塚耕平君 今御答弁いただいた数字をベースに、今後、この国会やあるいは次の通常国会も様々議論になると思いますので、その数字をベースに議論をさせていただきたいと思います。
 皆さんのお手元には資料を三枚お配りしているんですが、一枚目はさっき御覧いただいた法人税の負担率ですが、二枚目は租特の古いものから順番に並べたものであります。五十年以上というものがあるのは驚きでありますけれども、その当時は意味があったものでもやはり意味がなくなっているものは多々あるということを是非一緒にお考えいただきたいと思います。
 さて、三枚目でありますけれども、今、外形標準課税の話をさせていただいたんですが、その割合を上げた場合にどうなるかという数字は、法人実効税率への影響がどうなるかという数字についてはお答えをいただきました。同時に、この外形標準課税の中身について、もうこの際しっかり議論をして、スタートして十年ぐらいたっていますので、見直すべきは、僕、見直した方がいいと思うんですね。
 三枚目は、これ資本割の資本圧縮措置による減収額という、ちょっと一見すると分かりにくいものなんですが、御承知のとおり、外形標準課税は所得割と資本割と付加価値割とありますけれども、この資本割の資本圧縮措置について、これを簡単にちょっと説明してもらえますか。
○政府参考人(青木信之君) 外形課税の三分の一部分が資本割でございます。その資本割の課税標準は資本金等の額でございますが、この資本金等の額は法人の事業活動の規模をある程度表す指標ではございますが、資本等の金額が特に大きな法人については、これに比例して税負担を求めることが事業活動の規模との関係で必ずしも適当でないと考えられることから、資本金等の額が一千億円を超える場合には課税標準を圧縮するということとしております。
 具体的には、一千億円を超え五千億円以下の部分は五〇%、五千億円を超え一兆円以下の部分は二五%の率を乗じて課税標準を圧縮すると、そういう仕組みでございます。
○大塚耕平君 これは今の御説明のとおりなんですが、総務省の中では、あるいは税制の世界の中では割り落としというふうに言われているんだそうですね。つまり、資本金一千億円以下の企業には資本割の部分を一〇〇%掛けるけれども、それより資本金が大きくなると課税率を下げて、割り落としていくという意味で割り落としと言うんだそうでありますが、これ、ちょっと初めて僕も勉強させていただいて、なるほどなと思いつつ、じゃ、一体その割り落としによって減収になっている部分がどのくらいあるのかというのを調べて教えてくださいといって御提出いただいたのがこの資料なんですよ。そうすると、ざっと一千億円減収になっているんですね。
 つまり、資本金の大きい企業ほど割り落としで、その分国への収入が減っていると。しかも、これ、今の総務省の御説明でも資本金一千億円以上と言いましたけれども、この表を見ていただくと百億円という単位で、これ、丸が一つ少ないのかと思うと、ちょっと違うんですね。さっき御説明いただいたのは資本金等ということでありまして、剰余金とかが入っているんだそうですね。
 とすると、資本金は百億程度なんだけれども、その他の剰余金等が九百億円あって、結局一千億円を超えているところはどんどん割り落としていくということで、これ、例えば資本金が百億円とか五十億円程度で、更に剰余金が九百億円とか一千億円とかあるという企業があるということなんですよね、これ、こういう分類になっているということは。
 だから、一体どういう企業がそういう企業なのか分かりますかと聞いたところ、分からないというお答えだったんですが、なぜ分からないかというのは分かりますか。
○政府参考人(青木信之君) 私ども、こうした課税情報について、法人事業税の場合は課税主体が都道府県でございますけれども、都道府県からデータをいただく場合に、区分ごとの全体のデータをいただいて個社のデータはいただいていないことから、個別の個社の状況については把握をしていないということでございます。
○大塚耕平君 そうなんですよ。だから、都道府県から課税行為をした結果の報告を受けてこういう数字ができ上がっているので、個々の企業がどうなっているかというのは分からないというお答えだったので、現状は、それはそれで、是とはしませんけれども理解はしました。
 ただし、今日ちょっと皆さんのお手元にはなくて恐縮なんですが、今の割り落としのほかにも、一定の持ち株会社については総資産に占める子会社株式の割合分を課税標準から控除すると、こういうルールもあるんだそうですね。これはちょっと数字まだ伺っていないんですけれども。
 そうすると、大臣、ここから先、是非ちょっと一緒にお考えいただきたいんですが、外形標準課税、大企業、特に大企業といっても、資本金一千億円以上というとすごい大企業ですけれども、資本金じゃないんですよ、資本金等で一千億円以上ある先はこうやって割り落として減収されていると。しかもさらに、今申し上げた持ち株会社については一定の控除、子会社についての控除も行われていると。更に言えば、さっき申し上げました租特とかいろんなものを使っていると個社別には一体幾らの実効税率になっているかというのが分からないんですね、分からないんです。
 だから、私は何を申し上げたいかというと、これ、やはり片方でこういう割り落としなどというルールがあるということは、私はこの割り落とし自体が不合理だなと思いますので、一千億円の税収減は、これは国にとって重いことですからね。これ、今回、外形標準課税の課税対象を万が一拡大するということであれば、この割り落としはまずやめるべきだと思います。
 おまけに、こういう割り落としをしたり租特で一定の配慮を受けて、先ほどの一枚目のグラフじゃないですけれども、実際の税率が下がった結果、その企業がもろもろの税制の諸制度を利用した結果の最終的な現実の実効税率が余り低くなり過ぎたところには、まさしくルールどおりに掛けたときの税率を一〇〇としたときに、様々な諸制度を使った結果が例えば五〇になっちゃったというところは、割り落としの反対語を作っていただいて、落とすのの反対ですから、例えば割り上げと言っても割増しと言ってもいいかもしれませんが、余りいろんな税制の優遇を使い過ぎた結果、外形上の数字より物すごく下がり過ぎたところは今度は割増しをしていかないと、個社別には物すごく実効税率の低い大企業がいるわけですよ。あるいは中堅企業でもそういうところがいるかもしれません。
 こういうところにメスを入れないままこの外形標準課税の拡大の議論や法人実効税率の引下げの議論を進めていくのは、私はますます課税の現実を見えなくしていくことになると思いますが、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) これはもう言うまでもなく、これは総務省の所管の話なんですけれども、この外形標準課税におけます御指摘の制度というのは、これは平成十五年度の税制改正において外形標準課税を導入しておりますが、その際に、資本金が特に大きな法人の税負担が過大になり過ぎないよう調整を行うという趣旨でこれが設けられたものだと、そういう具合に聞いております。
 いずれにしても、この資本の割合、資本割の在り方については、これは政府税調においても今議論されておるところでもありますので、これも踏まえて総務省において検討されるものだと思いますけれども。
 御指摘の点というのは、これは結構前から分かっておられる方は分かっておられましたので、この話は、今こういった話になってきますと、法人税を更に下げろということになるとこの種の話に踏み込まざるを得なくなるから、法人税しゃべって大丈夫ですかと大企業の方に申し上げたことがありますけど、分かっていない人が結構おられましたので、余り分かっておらぬなと思って、そのときそう話した記憶はあります。
○大塚耕平君 その分かっていない人の中に総理も入っていないことを祈りますけれども、よくお伝えください。
 それで、今回質問に当たって、財務省と総務省の担当の補佐の方、一生懸命御対応いただいて、勉強させていただきました、今日も来ていらっしゃると思いますが。これ、今申し上げた個社別の情報を全部調べてくれというのは、これはちょっと作業も大変だと思いますのでそこまでは申し上げませんが、さりながら、主に総務省になると思いますが、一千億円以上の資本金等を持っている企業というのが一体何社ぐらいあるのか。個社の情報を整理してしっかり報告してくれとは言いませんよ、何社ぐらいあるのか。それから、さっき申し上げました、一定の持ち株会社については総資産に占める子会社株式の割合分を課税標準から控除している企業が一体何社ぐらいあるのか。
 この何社ぐらいあるのかというのは、まずは議論をするために情報提供していただきたいんですが、総務省、それいつ頃までに情報提供していただけますでしょうか。
○政府参考人(青木信之君) 全体の概要として、資本金等の額が一千億円以上の会社の数等については情報を把握できると思いますので、精査した上で情報提供させていただきたいと思います。
○大塚耕平君 じゃ、一千億円と、それ分かるんでしたら、これ、割り落としが五千億でまた更に割り落とされて、一兆円を超える部分は課税標準に算入しないとなっていますので、だから、やっぱり一千億円以上で何社、五千億以上で何社、一兆円以上で何社というのを是非教えていただきたいと思います。
 おまけに、さっきの三枚目の表を見ていただいて分かるように、資本金が百億円未満でも資本金等が一千億円以上になっている先がいっぱいあるわけですから、これはやっぱり実態を把握しないと、政府が幾ら企業は内部留保をため過ぎないで設備投資してくださいと言っても変わっていきませんので、是非、その数字を早めに教えていただきたいと思います。
 最後、財務省に、これは大臣、お願いでもありますし提案でもあるんですけど、やっぱり個社別にどうなっているかということをしっかり把握するというのを財政当局としてそろそろやる時期が来ていると思いますね。さっきの報告でも、この資本割の減免をした先の情報は都道府県から上がってきている報告だけで個社には分からない、でも、名寄せすれば分かるし、その企業自身は分かっているわけですよ。だから、ある一定の基準、例えば資本金百億以上とか資本金等一千億円以上の企業は、こういう優遇をする以上は個社ごとの情報も財務省としては把握をするべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 総務省とこれは一回検討せないかぬところだと思いますので、財務省だけでやれる話ではありませんので、総務省と一回相談をさせていただいた上で御返事申し上げます。
○大塚耕平君 是非よろしくお願いいたします。
 名寄せをすればできる話だと思いますので、先国会でも麻生大臣は、野党の質問であっても前向きに取り組むべきところは取り組んでくださったことをよく記憶しておりますので、この臨時国会と次の通常国会はこの問題が実際に一歩前に進むように大臣には御努力いただくことをお願い申し上げて終わりにさせていただきます。
 以上です。
○礒崎哲史君 民主党・新緑風会の礒崎哲史でございます。今国会におきましてもこの財政金融委員会メンバーに加えさせていただきますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 私の方も今日は何点か質問を用意しておりますが、まず一点目、現在の景気といいますか経済状況の現状認識ということで、一点まずは確認をさせていただければと思います。
 麻生大臣の所信演説の挨拶の中でも、消費税の引上げについては経済状況等を総合的に勘案をしながら適切に判断すると、そういう旨の御発言があったかというふうに思います。様々な判断指標があるかと思いますけれども、個々人の消費行動、それから企業の事業活動、こうした様々な切り口があろうかと思います。その中で、企業の活動、特に投資という観点でまず一点お伺いをしたいと思います。
 今月の、十月の七日の参議院の予算委員会の中で安倍総理が御発言をされたんですけれども、自公が政権を取って以降、海外投資比率の増加が止まったということで答弁をされました。
 これはどういう数字なのかという、まずその数字の説明を確認したいということと、そこの御発言から、いわゆる企業の海外進出のトレンドが止まったというふうにも私ちょっと受け止めたんですけれども、そういった趣旨で御発言をされたのか、政府としてそういう御認識を今持っているのか、その点についてまずお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 総理答弁におきます海外投資比率というのは、定義としては、海外と日本国内での設備投資を合わせた合計額の中に占めるいわゆる海外現地法人における設備投資の割合と承知をしております。具体的には、二〇〇九年から二〇一二年にかけて、この時期を見ますと一〇%程度から二五%まで上昇いたしておりますが、二〇一三年からは二五%で横ばいになっているという数字がありますので、このことを主に言っておられるのだと思っております。
 トレンドとして、今言われましたけれども、これは業種によってもちょっと異なるところもありますので、少なくとも、企業がこれまで控えてきた国内設備投資というものだけを見させていただければ、これは明らかに設備投資は前向きに数字が上がってきておりますので、そういった意味では上がってきておると評価をしておるところであります。
○礒崎哲史君 ありがとうございます。
 私の方でも実はこの数字を調べさせていただきまして、恐らく日本政策投資銀行が出しているデータ、私はこれを確認して、今大臣の言われた数字を確認したんですけれども、実はこのレポート、投資銀行が出していますレポートはほかにも興味深いデータがいろいろ載っていまして、例えば、今言われた国内の設備投資動向、これは、言われたとおり、まさに増加をしてきているという傾向がそこにもありました。ただ、その目的としては、例えば能力増強のための目的から維持補修という考え方で企業サイドが変わってきている、そんな考え方の変化がここ数年見られるということもありました。
 あわせて、海外投資動向も、実は中長期的なアンケートということで記載がされていたんですが、実は七割の企業がまだ海外の生産能力増強を検討していると、こんなアンケート結果もその中には載っておりましたので、私の認識としては、大臣はそこまで言われなかったので、恐らく歯止めが掛かったという認識ではないんだと思いますが、増加が鈍ってきたという御認識なんだと思いますけれども、私もそういう認識でおりますので、くれぐれもまだこの点については、海外投資についてはまだまだ意欲的な企業が多いという前提でこの後様々な検討をされる必要があろうかというふうに思っております。
 私自身も、国内投資はこれは是非戻ってきてもらいたいと思っておりますし、今後、この点については様々な指標で注視をしていただきたい、そうした検討を進めていただきたいと思います。
 グローバル企業においては、やはり新興国市場を開拓していくという意味では、もうコスト競争力、これを重視して、やはり海外進出というのは、なかなか歯止めを掛けるのは難しいのではないかというふうに思いますし、また、そこから更に国内に回帰するというのは、これもまた時間が掛かろうかというふうに思っておりますので、国内の投資を増加させるためにも、政策として、やはりまずはしっかりと国内の内需を高めていくという政策が一つ。
 それと加えて、輸出も併せて増加させようということであれば、日本が得意とする分野、例えば高付加価値の商品であったりサービス、そうしたものをしっかりと国内の中で育てて、育んで伸ばしていくということが二つ必要な点ではないかなと。こうした二つの点で、今後、税制、様々検討していく必要があるのではないかなというふうに考えております。
 そこで、そうした二つの観点で、今度はちょっと具体的に中身に入っていきますが、自動車の税金について少し確認をさせていただきたいというふうに思います。
 今の二つの観点でいきますと、まずは国内の動向ということで、まずこのデータの確認からさせていただければと思いますが、自動車の売上げの動向ということで共有をさせていただきたいというふうに思います。お手元の方に二部、資料一、資料二ということでグラフを用意をいたしました。
 一つは、まず一九九四年から昨年度までの実績になります。あわせて、本年、それから来年、再来年の見込みというところも付け加えておりますけれども、これが国内の自動車販売の状況という形になります。九七年、これが消費税が三%から五%に増税をされたタイミング。それ以降、国内の内需としては、若干下がったところ、六百万台弱のところで推移をし、リーマン・ショックのタイミングで一回落ちましたけれども、その後、エコカー減税ですとかエコカー補助金、そういった政府の政策によって少し盛り返して今現状に至るというのが大きな流れの中でのトレンドになっております。
 もう一枚、資料二の方になりますが、国内の乗用車の受注台数及び販売台数の月別推移ということで、直近のこの四月、消費税が八%に上がりましたそのタイミングでの月ごとのデータをおまとめをしました、緑色が販売台数という形になるんですが。
 これを見ても、恐らく駆け込み需要とその反動減があったんだな、ふんふんぐらいでちょっと終わるのかもしれませんが、一点御注目をいただきたいのが赤い折れ線グラフになります。これ、受注の台数の前年比という形になっております。これを見ますと、三月に前年比で約マイナス二〇%というところに落ち込んで以降、なかなかこれ、実は受注が戻ってきていないということが見て取れるかというふうに思います。
 本来であれば、緩やかな景気回復ということも踏まえれば、これは徐々に徐々にトレンドとしてはプラスの方に近づいていく、プラスまで行かなくてもゼロに近づいていくトレンドかと思いますが、実は、六、七、八と増加の傾向が見られないということで、正直、私これを見たときには、消費税の反動減、これが予定よりも相当大幅に長引いている、重く販売の現場にはのしかかっているのかなというようなことで見ておりますけれども、これまで、政府の方で足下の経済状況、これは緩やかな回復基調ということで見解を示されていますけれども、今回の自動車販売状況について、どのようにこのデータから考察をされ、受け止めておられるのか。
 自身としてはなかなか戻らないことを大変心配しているんですが、まずは経産省について、このデータについて御見識、確認させていただきたいと思います。
○政府参考人(高田修三君) お答えします。
 乗用車の新車販売は、昨年度末までに駆け込み需要が生じまして、その受注の持ち越しもあり、本年四月の消費税率引上げ後六月までは大きな落ち込みは見られませんでした。一方、受注の持ち越しがおおむね解消された七月以降では、対前年度比で八月は九・五%減と落ち込み、上期末の九月は、販売促進などの効果もあり、三・二%減とマイナス幅がやや減少しております。他方、受注の動向は、対前年同月比で、三月以降約一、二割減で推移するなど、弱い動きが見られております。
 こうした状況の中で、今後の見通しにつきましては、一部好調な新型車もあるものの、総じて販売の現場からは先行きを不安視する声も聞こえてくるなど、不透明感がある状況でございます。
 経済産業省としましては、自動車産業が地域経済で果たす役割の重要性を踏まえ、引き続き、自動車の販売、受注動向を注視してまいりたいと考えております。
○礒崎哲史君 当然、季節変動ですとか、販売については様々な影響を受けて変わってまいりますので、一概にという分析はなかなか難しいのかもしれませんが、やはりトレンドとしてなかなか戻ってきていない。これがこのまま続くと、先ほどの長期で見たときの、この十年、二十年で見たときのトレンド、ここの落ち込みのやはり再来ということもこれは頭をよぎってまいりますので、是非この点については大変注視をしていかなければならない点ではないかなというふうに考えます。
 今、消費税ですとか消費税を絡めてその関連データでお話をさせていただきましたけれども、これ以外にも自動車には様々な税金が課せられているということは御存じのとおりだと思います。その時々の時代背景で暫定税率ができたりですとか特例が設けられるということもあって、極めて複雑な制度になっているというふうに認識をしております。こうした中、ユーザーの負担軽減という観点、また制度の簡素化あるいは産業への影響などという観点から、国会でもいろいろな論議がされてきたというふうに承知をしております。
 昨年の税制の論議におきましては、自動車取得税の廃止、これが明言をされて明記をされました。ようやくユーザーの負担軽減、それと制度の簡素化という方向に向かい始めた、そういう認識を持ち、期待をしたんですけれども、その一方で、軽自動車あるいは二輪車については大幅な増税が打ち出される、さらには、付け替えとも受け止められかねない環境性能課税なるものの検討もされるという形になりまして、正直、私の考えとしては、望ましい方向からは逆行しているのではないかなというふうにもこれは受け止めております。
 消費税八%への引上げの影響、これが先ほどのデータからは長引いているのではないかというふうにも思われますが、やがて一〇%への引上げを控えたときに、ユーザー負担が大きくなりますと、さらに個人消費への影響、さらには景気への悪影響、特に地方ではやはり生活の足となっている必需品ですから、その分生活が苦しくなるということもこれは懸念されるというふうに思います。
 さきの税制大綱で決定された自動車の税金に関する方向性、民主党としてはこれに反対をしたわけですけれども、本当にこの税制大綱の方向性でこのまま論議を進めていっていいのだろうかということを、今改めて景気への悪影響を含めて大変心配をしているところであります。
 今更言わずもがなではありますが、税制は政策そのものだというふうにも考えておりますので、そこで大臣にひとつお伺いをしたいんですけれども、税制を設計する上において、やはり国内の市場、これが活性化するということはこれは喜ばしいことですので、こういうところはあってほしいと思いますけれども、逆に縮小するような、そうした税制というのはやはりこれは極力避けるべきだというふうに考えます。自動車の税制体系においては、やはり同じように縮小するようなものであってはならないと考えますが、大臣の御所見ありましたらお伺いしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) これはもう先生御存じのとおりに、これは平成二十六年度の税制改正において、消費税率引上げの前後における駆け込み需要反動減の緩和ということを視野に入れて、地方税にまずおいては自動車取得税の税率の引下げというのをやっております。五%から三%へ引下げ。それから、自動車税のグリーン化特例拡充などを行うとともに、国税であります自動車重量税におきましてもエコカー減税の拡充を実施する措置を講じておりまして、消費税率引上げの影響緩和にも配慮を行ってきたというのはもう御存じのとおりだと思います。
 今、今後についての御質問でしたので、平成二十六年度の与党の税制改正大綱においては、地方税においては消費税率一〇%に引き上げられたときの自動車取得税の廃止、また新たな環境性能課税の導入等々が議論をされておりまして、いろんな意味で、この問題について幅広く今いろいろな意見が交わされているところだと存じております。地方財政への影響を及ぼさない規模を確保するべきだとか、いろいろな意見が出されております。
 国税におきますエコカー減税の基準の見直しなどについても、年末に向けて議論が今から進んでいくという、まだ経過でありますので、今の段階で確たることを申し上げる段階にはございません。
○礒崎哲史君 当然、確たるものというよりも、今の、これから論議に入っていこうとするときのその方向性についての考えを確認させていただいたわけですが。
 今お話がありましたとおり、消費税、これから更に増税をしていくという段階でのタイミングでの様々な変更になりますが、これは、消費税が一〇%に上がったときに自動車取得税が廃止という形になっても、上がった分下がったということで税負担としては変わらない、その上に環境性能課税が加わるということになれば、これは、一般のユーザー、消費者という観点で見れば、やはり負担が増えていくという方向にもなりますので、まさに先ほどお話をさせていただいた消費が冷え込む可能性、これが大いに考えられるというふうにも思いますので、是非、今、地方の財源ということもおっしゃいました、もちろんそれも大変重要なことだというふうに認識をしておりますが、あわせて、国内の景気に対する影響、それも十分に検討の中に付け加えていただければというふうに思います。是非よろしくお願いをいたします。
 それと、今、消費、それからユーザーの税負担という観点でお話をさせていただきましたが、もう一つ違う切り口でお話をさせていただきたいというふうに思います。
 まず、これまで自動車の税制を考える上、論議をする上では、ユーザー負担、国民生活への影響、それから財政、あとは雇用ですとか景気、環境といった観点で論議がされてまいりましたが、そこに加えて、私自身が自動車の技術に関わる仕事に実は携わってきたものですから、そういう観点でいきますと技術力、こうした視点から税制を検討するのも重要ではないかというふうに考えております。
 実際、例えば排ガスの規制が変わったり燃費基準が上がったり、あとは安全性などの制度が変われば、これは商品の目標性能が変わるだけではなくて、これは仕事のやり方も変える、そうしたことも発生をしまして、働き方、仕事、そういうことにも大きな影響があるというのが、これが現場の実態だというふうに私自身は感じてまいりました。
 現在、日本の自動車産業、これはグローバルに見ても強い競争力、これを有しているというふうに思いますし、その源泉、技術力、これは商品力、生産力含めてですが、やはりこの技術力がその源泉だと、強みだというふうにも思っております。
 今、直近では自動運転ですとか電気自動車、燃料電池車、それからハイブリッド車、こういう技術は当然しかりでありますが、従来からありますガソリンやディーゼルといった内燃機関における技術も同様だというふうに考えております。こうした幅広い分野において高い技術力を有していること、これがグローバルな様々なニーズに対応する強み、ここにつながっているというふうにも思います。
 安倍政権が先般出されました、また更に中身を見直されております日本再興戦略の中で、日本の稼ぐ力を取り戻すというお話がございました。強みを更に強くしていくためにも、自動車でいけば世界の様々なニーズに対応していく、業界をリードする高い技術力、これを更に強くしていくことがまさに稼ぐ力、ここにつながっていくんじゃないかと思います。
 そこで、一つ参考資料を、最後になりますが、三のグラフ、円グラフになりますけれども、御覧をいただきたいというふうに思います。
 円グラフがありまして、四つほどあります。これは、世界の主要地域の駆動タイプといいますか、車のタイプ別の販売台数ということで見ていただければと思いますが、日本は、ハイブリッド含めて、EV含めて二〇%を超えるシェアを今有しております。それ以外は内燃機関ですとか軽、軽も普通の内燃機関ですから、一まとめにしてハイブリッドとそれ以外というふうに見ていいかと思いますが、実は、それ以外の地域でいきますと、北米、一番次世代車と言われるエコカー、そうしたものが進んでいる北米でも三%をちょっと超えたぐらい。アジア、欧州、ロシアということでいくと、ほとんどまだ従来の内燃機関が主力商品だということがここから分かるかというふうに思います。
 現在、様々な技術、車、こうしたものが開発をされておりますけれども、これは今後どんな技術、どんな車が主軸になっていくかというのは、これはまだ予想が付いておりません。EVですとか燃料電池車の普及についても、これはいろんな研究機関が予測をしているんですけれども、ばらつきが大きくて、いつどの時点でどんなものがというのが、これは予測についてはなかなか付かない状況にあります。こうしたグローバルな市場を見たときに、政権が言われております稼ぐ力、これを高めるためには、やはり私は幅広い技術力を引き続き有していくこと、これが大変重要なのではないかというふうに考えております。
 そこで一点質問なんですけれども、その意味でも、このEV、燃料電池、ハイブリッド、こうした車はもちろんですが、これまでありました内燃機関の技術、こうしたものに更に磨きを掛けていく、そうしたものを育てるための国内市場、技術力を育てるための税体系、こういうものも考え方としてあるべきではないかというふうに考えますけれども、この点についてどのようにお考えか、総務省それから大臣にそれぞれお伺いをさせていただきたいというふうに思います。
○政府参考人(青木信之君) 昨年の税制改正、車体課税の議論におきましては、環境への負荷や燃費の改善等グリーン化を促進する税制の在り方、あるいは軽、小型車、中型車等をバランスよく育てる税制の在り方、いろんな観点から議論が行われたところでございます。二十六年度与党税制改正大綱において方針も決めていただきまして、二十七年度税制改正に向け、お話にもありました環境性能割の具体的な設計、あるいは自動車税のグリーン化特例の見直し、軽自動車については、経年車の重課は決めておりますが、軽課に係る具体的な制度設計、そうした課題が残されております。
 それらの検討に際しまして、総務省といたしましては、地方財政審議会に設けられました検討会におきまして、自動車の製造や販売に関連する関係団体等から技術開発の動向等を含む専門的な見地に基づく御意見をお伺いをしてまいりました。平成二十七年度税制改正プロセスの中で、こうした意見も踏まえた議論をいただけるよう努めてまいりたいというふうに考えております。
○国務大臣(麻生太郎君) 今先生言われましたように、日本の自動車産業の技術力というのは、これはちょっと他国で、この円グラフを見るまでもなく、物すごくレベルが高い。我々の世代だと、軽自動車というのは何となく自動車としてはかなりレベルが低いんじゃないかとみんな思っていますけれども、軽自動車なんというのは立派なものですよ、これは。
 正直言って、六百六十tまでにしちゃっているところもありますけれども、昔は五百以下でしたけれども、今は六百六十tまで軽自動車にした、これはいろいろ政治力だったと思いますよ、その当時の。だけど、とにかく六百六十tまでにして、レボリューションを上げてめちゃくちゃなスピードが出るようにして、少なくとも高速道路で百キロで走って普通に走れるようになりましたから。昔の軽自動なんというのは、とてもじゃないけど百キロで走ったら壊れちゃうんじゃないかというような感じでしたけれども、今はそんなこと全くありませんから。物すごく技術が進歩したからこの赤丸の比率がこんなに増えているというのはこの国だけだと言えるぐらいだと思いますし、ハンガリーやらあの辺へ行ったら、スズキといったら、ハンガリー語と似ていますから国産車と思っている人も多いぐらいですけれども。物すごい勢いで広まっておるのは日本において特にこれは言えることだと思っておりますので、この技術力を向上させるという考え方というのは、これは極めて重要な考え方なんだと思っております。
 したがいまして、車体課税につきましても、こうした観点を踏まえてエコカーの減税というのをやらせていただいて、環境性能に優れた自動車については自動車重量税を減免することで環境技術の向上のインセンティブというのを付与してきたところなんだと思っております。
 今後、平成二十七年度の税制改正に向けては、このエコカー減税の基準の見直しというようなことを行うことになっておりまして、より環境性能の優れた自動車の普及促進につなげるように見直しを行っていきたいものと考えております。
○礒崎哲史君 軽自動車について今お話を伺いました。私も、まさにそのとおりだと思っています。
 やはり政府の方で決めたある基準、規格、そうしたものの中でいかに優れたものを作っていくかと、これが逆に技術を育てていくということにもつながろうかと思いますので、その点については今までプラスの方向でやってこれたのではないかなと思いますから、是非この後、様々な税制を考えていく中では、技術が何か固まってしまうということではなくて、さっき言った幅広いニーズをやはり受け止められる、そうしたものであるように決めていくべきではないかなというふうに思います。
 今後の技術トレンドは分からないというお話を先ほどさせていただきましたが、分からないからこそ、今、各社が全包囲網で開発しているというのが実態だと思います。そうすると、開発費が膨大に掛かるので、一社ではやり切れないのでいろいろな技術提携がグローバルで進んでいるというのが、これが業界の状況だというふうに思います。その意味でも、この幅広いニーズに対応すること、強み、これを税体系としては、幅広く技術の向上を促す、こうしたものの性格であるべきだと思います。どこでどんなイノベーションが起きるかというのは、これは予想できないわけですから、そうしたものを受け止められるべきものだというふうに思っております。
 あわせて、その観点で、先ほどの国内のマーケットとちょっとセットでお話をさせていただきますが、国内のマーケットの規模を維持するということ、これはすなわち国内の開発規模、それから生産規模、これを維持することに私はつながっているというふうに思います。更に言えば、そういう規模を国内に維持するということが優れた技術者、これは人材、まさにこれこそが企業の強みだと、日本の強みだと私は思いますが、これをしっかりと確保して維持することにつながっていく。まさにこれが競争力の源泉だというふうに思っておりますので、今言いました技術力と併せて、先ほどの国内のしっかりとマーケットを維持していく、この二点についての税制に対する観点への考え方、これにしっかりと盛り込んでいただければというふうに思います。
 今後の自動車の税体系の検討においては、ユーザーの視点、それから消費者の視点に立った負担軽減、それから体系の簡素化、そうしたものを引き続き我々としては求めていきたいと思いますし、あわせて、マーケットへの影響、技術競争力への影響、そうした中長期的な視点、これを持って検討されることを強く望みますので、よろしくお願いを申し上げます。
 最後の質問とこれでさせていただきたいと思いますが、消費税、二〇一五年十月、ここに向けて引上げの判断、これを十二月に行っていくということでこれまで発表がされておりますけれども、この判断のプロセス、この過程において、十二月というと、今、国会の会期末が十一月の末になりますので、閉じてからの最終的な判断になろうかと思いますが、ただ、その過程においても、先ほど言った様々な切り口での観点、分析、そうしたものがあろうかと思います。
 是非、こうした判断に至るまでのプロセスの過程で国会に対しての説明を是非していただきたいというふうに思いますけれども、大臣のお考え、確認をさせていただきたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) これ、先生、なかなか簡単な話じゃないので、これは法律の話ですから。
 これは、税制抜本改革法の下で、消費税率一〇%の引上げについては、政府が責任を持って経済状況を総合的に勘案しながらということになっておりまして、適切に判断することになる、今年度に判断されることになるんだと思うんですが。
 今申し上げたのは、平成二十四年度、六月の十五日、時の民主党内閣で、民主党、藤井裕久、自民党、町村信孝、公明党、斉藤鉄夫でそのときサインをしておられます。そのときの附則十八条について、その時の政権が判断することと書いておりますので、この点をちょっとまず頭に入れておいていただかないと、やらなきゃ駄目ですよと言われても、これは法律で皆決められておるという点ですので、これを引き上げないということになりますと、これは法改正になります。一〇%にしないということになると法改正になりますから、そのときには、これは国会審議が必要になるのは当然のことだと思いますけれども。
 引上げ時も含め、税制抜本改革法において明記されている事項というのは今申し上げたとおりなのであって、そういった意味におきましては、経済状況を総合的に判断をしながら本年度中に適切に判断されることになるんだというように理解をしていただければと存じます。
○礒崎哲史君 最終的な判断として、今大臣おっしゃられた政権、政府がというところ、責任を持ってという趣旨については承知をしております。
 あくまでも最終的に判断されるのは政府ですが、その過程、総合的な判断をされるときの様々な分析の中身について情報をお出しいただき、我々としても、どういう状況になっているのかというのは、これはもうしっかりやはり把握をし、国民の皆さんに説明する責任がこれは全国会議員にもあろうかというふうにも思いますので、情報を共有する、そういった観点でも、是非、プロセスについては、出せるところについてはお出しをいただきたいということを最後にお願いを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
○風間直樹君 風間です。よろしくお願いします。
 通常国会が六月末に終わりまして、臨時国会が九月末から始まりましたが、この間に景気動向に関する世の中の論評が随分大きく変わったなという印象を受けています。消費増税による影響が七月以降、指標にもかなり強く出始めてきて、それまでは、この消費増税の影響というのは、反動は出るけれどもいずれやがて回復はしていくと、こういう論評が多かったと思うんですが、ここに来て、そういった論評がかなり影を潜めてきて、危機感が増してきたように受け止めております。
 そこで、今日は、この消費増税をめぐる議論の中で、まず、足下の経済状況について大臣の御認識を改めて伺いたいと思います。
 先日の所信挨拶で大臣は、経済状況について、このところ一部に弱さが見られるものの、緩やかな回復基調が続いており、また、近年にない賃上げの動きも広がっておりますと、こう述べられております。ただ、この御認識はいささか現状を正確に反映していないのではないかなというふうに感じています。
 九月の三十日の大臣の記者会見では、大臣は、雇用環境の改善、それから消費増税反動減は予想の範疇と、こういう趣旨の御発言をされているわけですけれども、まず、この御発言、記者会見での発言について子細をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 雇用及び所得環境、賃上げについての私の発言というのは、例えば有効求人倍率が一・一〇、これは二十二年ぶりの高水準になっております。それから、今年の春闘というのを見ますと、賃上げ率が二・〇七%、これは連合の調査です。これは過去十五年間で最高ということになっておりますなど、雇用及び所得環境というのは、これは着実に改善をしているということを申し上げたものであります。
 それから、消費税率の引上げによります反動減については、確かに、駆け込み需要の反動減が生じるというのはもう当然のこととしてみんな予想しておりましたので、四月―六月の実質GDPの成長率というのは前年同期比でマイナス七・一%になっておりますけれども、一月から六月まで半期でならしますと前年同期に比べてプラスの一・三%ということになっておりますので。そういったことになりますので、全体的に経済成長は続いているというのは数字の上ではっきりしておるなと思いますので、その事実を踏まえて申し上げたと記憶をいたします。
○風間直樹君 今日は配付資料を一枚お配りしましたけれども、一番上の厚生労働省のホームページから取った資料、ちょっと小さなグラフで恐縮ですが、御覧いただければと思います。
 これは、求人、求職及び求人倍率の推移という資料ですが、このグラフの右側の方ですね、こちらが月別のグラフになります。黒い棒グラフが求人数、薄い色の棒グラフが求職者数と。
 これを見ますと、大臣おっしゃるように、確かにこの線グラフでは求人倍率が上がってきているんですが、詳細に見てみると、求人数は、実は昨年十二月、二十五年の十二月から横ばいになってきていて、一方で求職者数は同じく昨年十二月から減少してきていることが読めるんだろうというふうに思います。その結果、大臣おっしゃるように有効求人倍率が上がっていると、こういう状況だと思うんですね。ですから、この職に関する指標を見る限り、財務省が考えておられるように状況が改善してきているということは言えないのかなというふうに思います。
 大臣が記者会見で発言された完全失業率につきましても、これは釈迦に説法ですが、これは遅行指標でありますので、現下の経済状況を即反映している指標ではございません。よって、この職に関する指標を見ると、必ずしも楽観できないと。
 一方で、同じ配付資料の下に四つグラフを並べました。いずれも、過去の消費増税と今回の消費増税、その前後一年間の推移をまとめたグラフであります。左上から、消費水準指数、それからその右が着工新設住宅戸数、さらに左下が機械受注民需、そしてその右が鉱工業生産指数、いずれも増税前後一年の推移ですが、ちょっと色が付いていないので見にくくて恐縮なんですが、八九年の増税時、それから九七年の増税時、そして今回、この三つをまとめてグラフにしてありますけれども、いずれも今回の増税に伴う指数の推移というものが極めて悪化していることが見て取れるのではないかと思います。特に鉱工業生産指数の推移、右下ですが、急速にこの増税後、悪化してきている実態が見て取れると思います。
 こうした指標を見ていると、やはりちょっと今回の四月の増税に伴ってかなり冷え込んできているなという感じがすると思うんですが、大臣、御感想いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) これ、指標の取り方、これは風間先生、いろいろあろうとは思いますけれども、私どもの話で今名目だけではないかと多分言われるところなんだと思いますけど、これは基本的には、デフレと違ってインフレになって、デフレからインフレになっているときにはどうしても実質より名目の方がという形になりますので、それはある程度避けて通れぬところだと思いますし、私どもも最初から、こういったデフレからインフレに切り替えていく段階においては物価の値上がりに多分実質賃金が追い付いていかない時期が必ず出ますので、それがずっと並んでいくまでに少し時間が掛かるということはもう最初から、これはどこの国でやっても同じことになろうと思いますので、それは申し上げてきたところでもあります。
 したがいまして、今おっしゃっていることを私知らないわけではありませんけれども、全体の傾向としてはそういうことが言えるんだと思っております。
 それから、この七月、八月の話を申し上げさせていただければ、これは、今年の一月、二月、アメリカが大雪のおかげでアメリカの鉱工業生産指数がどすんと下がったのと同じように、日本の場合も、七、八月の場合は、これはビール会社なんというのは極端な例かもしれませんけれども、ビール会社はもう、壊滅的とは言いませんけれども物すごい売上げが激減をしております。これ、九月になったら倍飲むかといったら、そんなことはありませんから、やっぱり七、八月の落ち込みはそのままだということになろうと思いますし、例えばゴルフ場なんかでも、八月のキャンセル三百組とか七月で二百五十組とかいうのはざらに起きている話だそうですから。
 そういった意味では、こういった形で天候の影響はかなり大きかったと思いますし、今日は秋晴れですけれども、ここのところ、もう十月に入っても秋晴れなんてほとんどないような、天候はかなり大きな影響を与えているというようなマイナスで、最初は天候なんてと思いましたけれども、この間アメリカへ行ったときに、おまえ、天候だけはばかにしない方がいいぞと、一月、二月のアメリカの数字を思い出せと言われて、なるほどなと、あのときはそう思ったんですが。
 是非、そういった意味では、これは今後とも注意深く見守っていかねばならぬところだとは思っておりますけど、全体の基調として、間違いなく指数が、何というのか、上向きに上昇している、期待しているほど急激じゃなかったにしても緩やかに上昇しているということに関しては間違いないと、私どもはそう判断をいたしております。
○風間直樹君 ちょっと指標の話は離れまして、実体経済の話をしたいと思いますが。
 大臣は御地元福岡でいらっしゃいます。御公務御多忙だと思いますが、時には御地元に戻られることもあろうかと思います。私は新潟ですが、週末など地元に帰りますと、地元の飲食店で食事をしながら、景況感がどうか、その店主さんに聞いてみることもあります。先生方皆さんそうだと思うんですが、例えばそういう飲食店に足を運んでいろいろ状況を見ているときに、やはり飲食店の経営者の皆さん、非常にこの消費税の今後の増税については神経をやはり張り巡らしていらっしゃる。また、飲食店組合の総会などに呼ばれまして挨拶をしますと、皆さんの関心が非常に高いな、食い付きがいいなと思うのはやはりこの消費税の今後の見通しですね。
 私も、先週、地元のあるそば屋さんに行ったんですけれども、店主の方と話をしておりましたら、そこでは全部消費税は自分のところでかぶっていると、こう言っていました。八%ですから売上高の八%分の金額を自分で全てかぶっている、それでそれを納めていると。これは相当大変なんだろうなというふうに思います。
 大臣も御地元にお帰りになったときに、時に御地元の飲食店で食事をされることもあると思いますが、ありますでしょうか、その辺のちょっと感想をもしありましたらお聞かせください。
○国務大臣(麻生太郎君) ありますでしょうかって、腹が減ったら飯食いますので、当然です。
○風間直樹君 そういったときに、いかがですか、地元のそういった店主の方とお話をされたときの何か印象などはございますか。
○国務大臣(麻生太郎君) 今、例を引かれましたので、飲食店に限らず、基本的に、今回の消費税を上乗せできなかったというのはカザマスキーの下請ですよ、簡単に言えば。大企業の下請が上に乗っけられなかったというのは圧倒的に多いと思いますね。中小企業を例に引くときには、下請企業とその他の中小企業とは分けて考えないと、経営をやったことのない人というのはそこらが全然区別が付いていないんだと、僕はいつもそう思うんです。だから、下請をやっている中小企業と全く独立でやっている中小企業とではかなり経営意識が違います。
 下請をやっているところは、今回はほとんどのところは上乗せできていない。それは、いずれ五%になるからそのときにまとめて一緒にやろうや、半端じゃないか三%はと言われて、多くの企業はそれで納得させられている。これは調べてみられたら分かります。そういうことになっています。したがって、五%は必ず上げてくれるんでしょうね、もらえないと俺たちは大企業から、話というか約束が違っちゃいますからということを言われることもあります。
 また、逆に中小の独立系のところでは、これはもう間違いなく、五%というのに関しましては、これはいつなられるんですかというような質問で、こういったことに関してはしかるべき対策は出るんでしょうかとか、そういった話をされてこられる経営者もいらっしゃる。これは、企業又はその系列、それ以外か、またその規模の大きさ、加えて業種です、業種なんというものは、もうこれ全然違いますので。例えば造船なんというのでいけば、内航汽船の造船なんというのは、多分向こう三年間は仕事なんかもういっぱいでとてもじゃないけれども請けられるほどのところはないと思いますよ、それぐらい今は猛烈に良くなっていますから。
 そういった意味では、業種によっても違いますし場所によっても違うと思いますので、是非こういった点は注意深く見ておかなければならぬところだと、私どももそう思います。
○風間直樹君 大臣のおっしゃるとおりだと思うんですね。
 私も、そういった意味で株価に注目をしているんですが、今大臣がお話しになったように、消費税をしっかり自分で負担、負担というか納めることのできる企業とそうじゃない下請との間に、やはり株価という面でも大きな違いが出てきているように感じています。
 先ほども自動車に関する質疑が礒崎委員からありましたけれども、今、東京のマーケットを見ていまして、軒並みいいのはもう自動車関連産業なんですよね、株価がいいのは。自動車関連産業、非常にいいです。自動車の製造、それから販売の企業もそうですが、その関連企業が非常にいいです。ただ、これは今大臣が御答弁されたように、じゃ下請、自動車関連の下請になるとどうかなというと、やはりいい景況感というのは当然影響を受けているけれども、消費増税になったときに、それをじゃきちんと自分で吸収せずに納めることができる企業がどこまであるかと、ここが重要だと思うんです。そのことが恐らくそこで働く社員の皆さんの給料のアップにつながるのかつながらないのかという分かれ目になると思うんですね。その点について、大臣、御所見もしございましたら。
○国務大臣(麻生太郎君) それはもう風間先生、全くおっしゃるとおりであって、企業にとっては、生産性が上がって、上乗せした売上額の増を含めまして、生産性の向上とか純利益とかいろんな表現がありますけれども、経常利益がある程度増えるという条件がなしに賃上げするなんというのは普通は考えられぬと思います、それは経営者としておかしいのであって。
 少なくとも、先行き景況感が間違いなくこうなる、こうやって経常利益がこれだけ増えている等々、いろんなしかるべき生産性が上がった等々の理屈がないと、少なくとも、ボーナスで何となくということはあり得ても、ベア、ベースをアップさせるということはなかなか難しいというのが当然のことなんであって、今言われたような形で、なかなか企業によって、その経営者の判断にもよるでしょうけれども、やはりいま一つ先行きが見えていない。
 加えて、円安になって九十五円からもっと安くなった、良かったじゃないかと言ったけれども、さあ、これがいつまで続くのやら、また円高になったらどうしようかと考える方が普通なんであって、そういった意味では、たかだかこの一年半ぐらいの傾向値だけ見てもう円安確定というような判断はなかなか経営者としてはされにくいところなんだと思って、その分はじっとためておかれて内部留保に回っておるという形になっていなきゃ、三百四兆円が三百二十八兆円まで二十四兆円も一年間で内部留保が増えるなんということは考えられぬと、私にはそう見えます。
○風間直樹君 株価の話ですと、やはり都市部を中心に、大臣おっしゃるように収益改善している企業は非常に今多いですから、軒並みそういった会社の株価というのは上がっていますね。具体的な業種では、製造業、サービス業、運輸、機械、自動車。ただ、地方に多い下請、ここはそうではないと。収益を上げている企業は、円安、為替の見通し、今後確かではまだないので、もうかった分は利益剰余金等の形で内部留保にためていると、これもそのとおりだと思います。
 そうすると、今後、じゃ、為替の見通しを政府の努力にもよって安定させて、いかに企業経営者の皆さんに収益が将来にわたって拡大していくか、改善していくか、こういう見通しを持っていただくことが政府の目指す賃上げ、給与の上昇と消費の増加と、このサイクルにつながるという、非常に大事な話になってくるんだろうと思います。
 ちょっとこの後、その為替の話をさせていただきますが、もう一点、私が大臣にちょっとお考えを伺いたいのは、収益が改善しました、それを利益剰余金という形で内部留保で今ためていますと、ここまではいいんですね。じゃ、これが賃金アップにつながるためには、やはり見ていますと、どうももう数年は必要かなという気が私は正直にします。
 例えば、東証一部上場企業で、都内の会社ですけれども、収益の改善を賃金上昇という形に反映し始めているのは非常に景気がいい業種でありますね。何で賃上げにそれを転嫁しているのかなと思っていろいろ読み込んでみると、やはり社員の皆さんのモチベーション、やる気を上げることによってそれをサービスの向上につなげたい、サービスの向上をさせることによってより集客を図りたいと、こういう意図のようです。ただ、これがより多くの企業あるいは産業に広がっていくのはもう数年掛かるんだろうと。このもう数年という時間をやはり稼ぐ上では政府の政策が極めて重要になってくる、そこには為替の政策も含まれるというのが私の考えであります。
 そこで、昨今の円安の状況についてなんですが、大臣は、今日はちょっと円高に振れましたけれども、この一ドル百五円を超えて百十円に進んでいく今の円安の趨勢についてはどんな見通し、見方をされていらっしゃいますでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) これはもう風間先生御存じのように、為替の話については私の立場上全く発言をすることができませんので、ちょっとその点に関しての答弁は差し控えさせていただきますけれども。
 少なくとも、こういうように円安に振れる、円高に振れる、いずれにしても急激に上がったり下がったりするのが経営上また経済上最も影響を受けますので、上がるにしても緩やかに確実に、下がるにしてもゆっくりというような形にしていくような形にしないと影響が大きいというのが正直な実感です。
○風間直樹君 円安に進むことによってプラスの面とマイナスの面、両方あると思います。自動車産業などにとってはプラスの面が大きいんだろうと。一方、当然輸入物価というものも上がっていきますので、仕入価格が上がる皆さんも小売を中心に多い。そこには明らかにマイナスだろうと。先ほどの飲食店の話などはそうだろうと思います。
 今日、黒田日銀総裁にもお越しをいただきましたが、先日、ワシントンで十月十日、為替について発言をされていらっしゃいます。報道を見ますと、全体としてこの発言の中では、円安は日本経済にとってプラスというこれまでの表現を踏襲されていますが、非製造業の収益など負の側面について言及されたのは初めてと、こういう趣旨の報道がされています。
 この報道を読みますと、総裁は円安の趨勢について、この十月十日の会見では初めて懸念を表明されたのかなというふうに私は認識するんですが、そういった認識で正しいでしょうか。
○参考人(黒田東彦君) 為替相場の水準とか日々の動きについては、具体的にコメントすることは従来からも差し控えさせていただいておりますけれども、その上で一般論として申し上げれば、従来から申し上げているとおり、またワシントンでも申し上げたわけですけれども、円安が輸出の増加あるいはグローバルに展開している企業の収益の改善、さらには株価の上昇といったプラスの効果を持つ一方で、輸入コストの上昇やその価格転嫁を通じて非製造業の収益あるいは家計の実質所得に対して押し下げ圧力として働くということは一般論として言えると思います。
 すなわち、影響は経済主体によって異なり得るものだと思いますけれども、経済やあるいは金融のファンダメンタルズを反映した形で円安になっているということであれば、全体として見れば恐らく景気に対してプラスの方向で働くだろうというふうには思っております。
 なお、いずれにいたしましても、為替市場の動きというのは金融資本市場全体に影響いたしますし、それが実体経済に及ぼす影響もございますので、引き続き私どもとして注意深く見ていきたいというふうに思っております。
 なお、最近時点で申し上げますと、国際商品市況がかなり急激に下がっておりまして、石油あるいは鉱物資源、穀物価格等がかなり急速に下がっておりますので、円安による輸入物価の上昇の要素と、他方でそういう原材料の国際市況で下がっているものとが、言わば今のところ、最近時点では、完全にではありませんけれども、ある程度相殺しているという状況にあると思います。
○風間直樹君 十月十日の御発言をほぼ踏襲された今の御答弁だったというふうに思います。
 私自身は、ちょっと円安が随分、趨勢としてはかなり行き過ぎていて、地方から見ていると、それが輸入物価の上昇になってかなり地方経済に対する負担を大きくしているかなと、こういう印象を持っておりますので、日銀としても今後注意をお願いしたいと思います。
 麻生大臣が戻られましたので、ちょっと話を変えますが、今日の東京マーケット、御案内のように、朝方から株価、日経平均で三百八十円ほど大きく下げました。全面安の展開であります。政府として株価にコメントはされないというのは承知しておりますけれども、アベノミクスというのは、安倍政権が株価連動政権とマスコミで言われていますように、やはりこの株価の趨勢にもアベノミクスの成否というのは大きな影響を受けるんだろうというふうに思っています。
 特に、先日の所信挨拶の中で、企業収益の改善を賃上げ、配当を通じた所得の拡大と雇用の拡大につなげていかなければなりませんと、このように述べられております。当然、株価と配当、密接な関係もありますので、アベノミクスの成否への影響というのが出てくるんだろうなと思うんですが、世界的にこれほどマーケットが弱含んでくると、なかなかこのアベノミクスの成功と経済の好循環にも陰りが出てくる可能性が大きいと私は思っています。この点、大臣、どんなふうにお考えでしょうか。
○副大臣(御法川信英君) お答えいたします。
 賃上げあるいは雇用の拡大については、基本的には企業の主体的な判断に基づいて行われる、これが大原則だというふうに考えております。一方で、先ほどから御指摘がありますように、二十年近く続いたデフレ不況の下で企業の投資意欲が減退し、三百兆を超える、昨年末で三百二十八兆という内部留保があるということも、これも現状でございます。
 そういう中で、政府として、コーポレートガバナンスの強化などにより企業の意識や行動を変革し、内部留保等が新規の設備投資あるいは労働者の賃金、雇用の拡大等に積極的に生かされるような環境整備に努めていくと、こういうことだというふうに思います。
 さらに、先般、九月の二十九日からでございますが、政労使会議を再開いたしましたけれども、こういう議論を通じて企業の生産性の向上あるいは賃金上昇、この好循環が形成するよう促していきたいと、こういうふうに考えております。
○国務大臣(麻生太郎君) 先ほどの質問のところで一つ飛ばしておると思いますが、こういう状況がもう二、三年というお話をさっきしておられたと思うんですが、今、副大臣から御答弁の中にありましたように、政労使の会議、これは経営者やっていたらお分かりと思いますけれども、大体、給与を決める話に政府が介入してくるなんというのはふざけておるというのが経営者の立場だと思いますね、普通は。私はそれが通常なんだと思うんですが。
 今回は、政以外は、労と使は是非これは政府がというお話がありましたので、労の方には、賃上げのときは自民党に頼み選挙のときは民主党というのはおかしくありませんかと、俺たちそんなに人が良く見えますかということまで申し上げた上で、私ども、この話をやらせていただいております。
 それはひとえに、先ほど言われましたように、環境が明らかに今はおかしいと、異常だと、平常じゃないと、非常時だという、二十年続いたデフレから脱却をやるときにはかなり激しいことを、あの高橋是清蔵相も一九三〇年代前半にかなり激しいことをしておられますので、そういった意味では、私どもとしてはこの政労使もその一端かなと思って、私どもとしては、今回、それではもう一回ということでこの話をさせていただくことにしておりますけれども。
 いずれにしても、企業家の意識が、少なくともこれだけ金利が安くなっているにもかかわらず、日銀がこれだけ金を緩めているにもかかわらず、銀行から先の市中、いわゆるマネーサプライが増えないということは明らかに、設備投資が増えているにもかかわらずマネーサプライが全然増えていかないということは、中の金を使って、内部留保の金を使って設備投資に回しておられる分だけ、それだけ余裕があるということを意味しておると思います、それにもかかわらずまだ預金額の方が増えていますから。ということは、まだ意識が、何というか、変わっていないんだと思いますので、そういった意味では、もうしばらく、やっぱり二十年続いたものをそう一年やそこらでぽいと変わるものではないという御意見は、私どももそれはそうだろうなと思って私どもはこの話をやらせていただくことを決めておりますけれども。
 いずれにしても、設備投資に回るか配当に回るかしないと株は上がりませんし、そしてもう一個は賃金に回るかというこの三つのうちに内部留保が散って、散っていくというか、そっちの方に金が回っていくという方向になって初めて景気が良くなり、初めて銀行から金を借りて設備投資をしようという意識まで変わってくるんだと思っておりますので、そこが景気が良くなってきたというのの水準になろうかなと、私どもの認識としてはそういうような感じを持っております。
○風間直樹君 利益剰余金で内部留保をためても、私は株価は上がると思うんです、好業績の企業の場合。例えば、アメリカのウォーレン・バフェットなどはそういう手法で資産を増やしておるわけですけれども、そういう状況があると思います。
 一方で、今大臣おっしゃった御発言を伺っておりますと、なかなか政府としても難しい局面に来たなと正直思います。賃上げを促しても、これは民間企業の話ですから政府として強制力はないと。じゃ、どのようにして好循環を今後も維持していくか。具体的な施策という意味ではちょっと今は打つ手がないという状況だと思うんですが、この点、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 例えば所得拡大税制でいろんな形で対応をさせていただいたり、また設備投資をすれば一括償却を認めるとか、いろんな形でそういったものの促進になるようなものはいろいろやっているのは事実で、これは何回かこのところ、これ詳しく教えてもらいたいという話が来るようになっているようなことにはなりつつあるとは思っておりますけれども、まだまだそれが一般的に普及して理解されているというような感じではないと、私どももそう思います。
○風間直樹君 時間になりましたので終わります。
○藤巻健史君 維新の党、藤巻です。よろしくお願いいたします。
 質問通告にはないんですが、今、風間委員の後ろから二番目の質問、今日の東京マーケットについて、それから株価についての回答がちょっと不十分だったと思いますので、先にちょっと伺わせていただきたいと思います。
 私、昔からの癖で、夜トイレに入ると必ずニューヨーク市場を見るんですけれども、ニューヨーク市場、昨日かなり大変でしたよね。ニューヨーク・ダウで一時四百六十ドルまで下がりましたし、ドル・円で、私が起きている限りでは百五円の三十銭ぐらいまで下がっていて、そのとき日経、ニューヨークで四百五十円ぐらい下がっていたのかな。ということで、私は、このままニューヨーク市場がクローズすると今日の東京市場は大変なことになるかと思って、かなり危機感を持って見ていまして、おかげで寝不足になっておりますけれども。
 まず、大臣は昨日の、まあ戻したからよかったんですけれども、昨日のニューヨークについてどういう感想を持っていたか。特に、先ほど為替の影響についてお話しにならないというふうにおっしゃっていましたけれども、ニューヨークで戻らないで東京に来たら、きっとかなりの円高になってしまって株価が急落する、そうするとアベノミクスに、やはり株価の資産効果によってアベノミクスというのはかなり影響、好影響があったと思うんですけれども、その影響が全て剥がれちゃって、アベノミクスに暗雲が立ち込めるんじゃないかなと私は思ったんですが、その辺についてはいかが感想を持たれたか、お教えください。
○国務大臣(麻生太郎君) 株価をどうのこうのと、またこれ財務大臣が話をすることはまずあり得ませんので、それを、その上で御質問されているとすれば、全く答弁のしようがありませんと、それで終わりということになるんだと思いますが。
 当たり障りのないことしかお答えできませんけれども、少なくとも、四百六十ドルだったかな、下がって、今日また百幾らか下がっていますかね、ドルですよ、下がっているんだと記憶していますけれども。ちょっとここに入ってくるまでだったので、この間またずれているかもしれませんけれども、そういった形で日本の方も影響を受けて、マイナス三百円というような形になっているんだと思いますが。
 いずれにしても、株価が上がることによって、これはやっぱり先行指標ですから、株価というのは。そういった意味では、株価が上がるということは、これは間違いなく景気判断をするときには株価はやっぱり先行指標としては大事な指標、経済指標が数ある中で大事な指標の一つでありますから、こういったものは大事に見ておかねばならぬところだと思っております。
 したがいまして、安倍内閣になるまでの株価が幾らだったかと思い出していただければ、一万円していなかったわけですから。全部剥がれ落ちたと言って、そんな、全部ということなら一万円切っていなきゃ全部とは言えませんから、そこまで、全部という言葉はいかがなものかと存じます。
○藤巻健史君 アメリカは、昨日は四百六十ドル下げた後、百七十三ドル下げにまで戻ったので、今日は日本の株式市場、三百何十円安でとどまっているというふうに思っております。
 株価が、やはりこの十月一日に百十円を付けましてから、それは全部じゃないですけれども、約一〇%下がっているんですよね、これ。それはやっぱり、百十円から昨日の百五円三十銭とか、今の百六円ぐらいまで円高が戻ってしまったからかなり株価が落ちていると思うんですけれども、やはり為替というのは株価にすごい影響を与えるという意味で非常に重要だと思っておりますけれども、その辺はいかがですか。一般論で結構なんですけれども。
○国務大臣(麻生太郎君) 一般論ね。この種の話で一般論と言われて後で引っかけられたりしてえらい話になりますのは数々ありますので、危なくて話には乗れないんですけれども、少なくとも、株価と為替というのはある程度影響があるということははっきりしていると思います。
○藤巻健史君 なかなかお答えいただけないようなのでちょっと次に行きますけれども。
 先ほどちょっと黒田総裁が円安のデメリット、メリットをおっしゃいましたけど、先ほどのを聞いておりまして、人件費に関してのコメントがなかったかなと思ったんですね。
 確かに、七十六円から百十円ですと工場というのはまだ戻ってこないと思うんですけれども、これが百三十円、百五十円、百七十円という円安が進むということになるならば、これは、日本の企業は外国人を雇えませんから、必ず工場は戻ってきて、日本の需給がタイトになって労賃も上がるというふうに思うんですけれども、その円安に関しての労働力に対する、若しくは労賃に対するメリットというのは極めて大きいと思うんですが、その辺、日銀総裁、先ほどコメントにはありませんでしたが、どういうふうにお考えでしょうか。
○参考人(黒田東彦君) 確かに、為替レートが企業の海外展開に対して影響を与えるということは事実でありまして、現に、昨年からの行き過ぎた円高の是正の前までは非常に行き過ぎた円高でありまして、その下で企業の海外展開が相当促進されたということは事実でありますし、今年の上場企業の設備投資計画などを見ますと、過去においては、言わば海外での投資の方が国内投資よりも大きいという企業が多かったわけですけれども、今年は逆転して、海外投資よりも国内投資の方を大きくするというようなアンケート調査結果も出ておりますので、為替レートが海外展開のスピードを落とすと。そういう意味で、逆に言うと、国内生産をして輸出をするというものに回ってくるという可能性はある、あるいはそういう蓋然性は高いとは思いますけれども。
 一方で、グローバルに展開している企業としては、需要地の近くで生産するという要素もありますので、為替レートがダイレクトに国内と国外とでの労働コストの違いだけで急速に変わるということにはなかなかなりにくいと思いますし、為替レートが今後どのように動くかということについては、様々な要因がございますので、一概に委員が言われたようなレベルまで円安が進むというふうに言うこともできないのではないかというふうに思っております。
○藤巻健史君 大臣にお聞きしてもなかなか答えていただけないので、次に黒田総裁にちょっとお聞きいたしますけれども。
 今、一時十月一日に百十円を付けた段階で、識者とかマスコミの方から円安有害論というのがかなり聞こえてくるんですが、一九七三年に三百六十円の固定相場制を放棄してから、二〇一一年ですか、七十六円までずっと円高が進んでいたわけで、その過程で百十円なんというのは何度も経験しているわけです。最近でいえば二〇〇七年とか二〇〇八年に百十円を経験していますし、そのときに誰も円安で大変なんて、輸入者が大変なんて言ったことないんですよね。それで、何で今回だけ円安が大変だと。
 例えば、私が外資系の銀行に入った一九八五年、これは二百四十円なんですけれども、当然、今の百十円よりもよっぽど円安なんですけれども、あのときでさえ円高で問題だと言っていたのに、何で百十円で円安だと騒ぐのかお聞きしたいんですが、いかがでしょうか。
○参考人(黒田東彦君) 私も、委員のお考えというか、そういったものに似た感想を持ったこともございますが、いずれにいたしましても、為替レートの動きにつきましては、レベルあるいはそのスピード、先ほど麻生副総理も答弁で言われておりましたように、変化のスピードというものも企業にとっては関心事項でありましょうし、それから不確実性というか、どういう方向に、あるいはどういうレベルに向かっていくのかといったことも関心事項でありましょうから、一概にレベルだけで云々することはできないと思いますが、先ほど申し上げたように、私どもとしては、経済、金融のファンダメンタルズを反映して行き過ぎた円高が是正されて円安になってきたということは、全体として経済にとってはプラスであるという考え方は持っております。
○藤巻健史君 為替については二時間か三時間ぐらい議論したいんですけれども、時間がなくなっちゃいますので、質問通告の内容に行きたいと思うんですけれども。
 黒田日銀総裁にお聞きいたしますけれども、来年一月以降、長期国債の購入を続けるのかどうか、お聞きしたいと思います。
 去年の四月、異次元の量的緩和を始められたときに総裁は、戦力の逐次投入はしない、今できることは全てやるというふうにおっしゃったと思いますが、実際、長期国債九十一兆円から百九十兆円まで増やすというふうにおっしゃって、今、九月末で百八十兆円ぐらいだと思いますけれども、その百九十兆が到着してもまたやるんですか。もう全て投入したとおっしゃっている戦力がまだ途中で見付かったというふうに理解するのか、お教えいただければと思います。
○参考人(黒田東彦君) 昨年の四月に、二%の物価安定目標を二年程度の期間を念頭に置いてできるだけ早期に実現するという目的の下に、それを裏打ちするために巨額の国債買入れ等を行って大量のマネタリーベースを供給するということを始め、今も続けているわけであります。
 その上で、この量的・質的金融緩和については、これも昨年四月の導入時から申し上げていますけれども、二%の物価安定の目標の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで継続するということとしておりますので、量的・質的金融緩和についてはあらかじめ期限を設けているわけではございません。あくまでも二%の物価安定の目標を実現し、そして安定的に持続できるようになるまで継続するというのがこの量的・質的金融緩和の目的でございます。
○藤巻健史君 じゃ、まず確認しておきたいんですが、それでは、消費者物価指数が安定的になった、例えば三%で安定するとみなせれば日銀は長期国債の購入をそこで中止するというふうに私はまず理解いたしました。
 次に、財務副大臣で結構ですのでお聞きしたいんですが、異次元の量的緩和を始めた去年の四月から最近まで、メガバンク、それから銀行、それからゆうちょ銀行、それとGPIF、生保が国債を買い増していたのか、それとも売り越していたのか。その数字だけで結構です、ちょっと時間がないので、数字だけで結構ですからお教えください。
○副大臣(御法川信英君) お答えいたします。
 国債等保有残高の状態について、日銀の資金循環統計に基づけば、銀行等については、二十五年三月末で約四百十一兆円、これが二十六年の六月末で約三百六十兆円。次に公的年金について、二十五年三月末で約六十九兆円、二十六年六月末で六十五兆円。次に生命保険について、二十五年三月末で約百五十四兆円、これが二十六年の六月末で百五十三兆円になっていると承知しております。
 また、決算資料に基づけば、メガバンク三行の国債等保有残高については、三行合計で、二十五年三月末で約百一兆円、これが二十六年の三月末で約七十三兆円。ゆうちょ銀行の国債保有残高については、二十五年三月末で約百三十八兆円が二十六年の三月末で百二十六兆円になっているというふうに承知をしております。
○藤巻健史君 つまるところ、民間、公的年金、全て国債を売り越していたという理解だと思います。
 そこで財務大臣にお聞きしたいんですけれども、国が資金繰り倒産をしなかったのは日銀様々だったのではないかというふうにお聞きしたいのですが、平成二十六年度予算でも、当初予算で四十一兆円の赤です。ということは、誰かがファイナンスしなくちゃいけない。ということは、民間金融機関、公的金融機関は売り越しているわけですから、民間がいなくなったら国は資金繰り倒産していたわけです。それが資金繰り倒産しなかったのは、まさに日銀が紙幣を刷って国債を買ってくれたと私は理解いたします。
 それともう一つ、三月五日ですね、予算委員会で私が質問したときに麻生大臣が、これだけ大量に国債が発行されているのに金利が上がっていない、どうして金利が下がるのか、これに対するお答えを答えられる経済学者はまだ一人もいない、正直言って我々も、日本の国債というものに関してはかなりの信用があるから買われているんだというふうにお答えになったんですが、これは、先ほど言いましたように、日銀が買っているから低位安定だったわけで、民間は売っていますから。すなわち、国が資金繰り倒産をしなかったのも、そして長期国債が低位安定したのも全て日銀のおかげというふうに考えておりますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 現在、日本銀行が量的、質的な金融緩和というものの下で行っているいわゆる国債の買入れというものにつきましては、これは二%の物価安定目標の実現といういわゆる金融政策の目的で、日銀自らの判断で行っておられるものであります。ここをちょっと、何か都合のいいように話をされますが、これは日銀が政策を決められたんですから。これは、日銀の独立性に介入しているような、取られるような話はちょっとやめておいていただかぬと話が込み入りますので、よろしくお願いを申し上げます。日銀が政府の借金をファイナンスするというような感じでコミットしているとの指摘は、これは全く当たらないと思っております。
 政府としては、今後とも国債の安定的な消化というものが確保されるという国債管理政策にこれは努めていくのは当然ですが、市場に財政ファイナンスというような疑念を抱かれることがないよう、昨年一月二十二日の共同声明に沿って財政健全化の取組を着実に今後とも推進してまいりたいと、そのように考えております。
○藤巻健史君 結果として、私は財政ファイナンスをしているというふうに理解いたしております。
 次の質問に入る前に一応財務大臣に確認をしておきたいんですが、識者の中には、日本人、かなりの人間が国債を持っているので、誰も国債を売らなければ国債市場は安定する、崩れないとおっしゃる方がいるんですが、それはどういうふうにお考えになりますでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) これは、流通市場というものにおけますいわゆる個別の投資家の判断とか行動とかいうものについてコメントするということは、これはちょっと差し控えさせていただきますが、これは、どんな場合でも国債には買手が付くなどということを想定するというのは、これは極めて無責任なことであって、どんな場合でも国債が買われるなんということはありませんよ、それは。間違いなく、ある程度いいものという、値打ちがあるものと考えてみんなそうされるわけですから。
 したがって、政府としては今後とも、国債市場の動向というものはこれを注視しながら、いわゆる市場のニーズとか、また動向を踏まえた国債管理政策を進めてまいりたいと。同時に、中長期的に持続可能というような財政構造を確立して市場の信認というものを得る必要がありますので、財政健全化の取組というものをきちんとしていかねばならぬということだと存じます。
○藤巻健史君 私の質問に対する余り回答になっていないんじゃないかと思ったんですけれども、私が何を言いたかったかというと、日本人が国債を売らなくても、誰かが毎年毎年国債を買い増さないと国債市場は大暴落するということを申し上げたかったんです。
 要は、平成二十六年度予算ですと四十一兆円赤字でした。これ、既にもう千兆円近い借金があったわけですけれども、今年も誰かが四十一兆円国債を買い増してくれなくちゃお金が入ってこない、政府は空になるということで。ですから、よく識者がおっしゃる国債を売る人が誰もいないから駄目なんだよということじゃなくて、誰かが毎年毎年四十数兆円の国債を買い増してくれなくちゃいけないという点をちょっと私は確認したかったわけです。
 お聞きしたいんですが、先ほど例えば、私は、三%消費者物価指数が上がると日銀は買いをやめると確認しました。日銀が買いをやめた後に誰が日本の国債を買ってくれるか、誰が日本の国のお金が足りない分をファイナンスしているのか、財務大臣にお聞きしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) これは基本的には、誰が買うかという話ですけれども、これは、総裁も金融緩和の出口について述べるのは、これは時期尚早だともう前から言っておられますので、また言うのも面倒くさいので、もう出口論についての質問はお答えを差し控えさせていただきます。もう何回も聞かれていると思いますので。
 いずれにしても、政府としては、これは財政健全化の取組というものを着実に進めて、これは日本国債に対する信認確保ということが第一でありますので、市場との対話とか保有者の多様化とか、投資家のニーズに応じていろいろ国債の種類も随分変わっておるのは御存じのとおりなので、個人向けとかいろいろ随分変わってきておりますので、こういったものの安定的な消化に努めてまいりたいと思っておりますが。
 藤巻さん、もう銀行は国債が最も安全な、銀行にとっては御存じのように預金は借入金ですから、銀行にとっての借入金は誰かに貸さないかぬわけですよ、当然のこととして。その相手として一番確実なところが、民間が金を借りない、個人が金を借りない、残ったところで借りてくれるのはこの国債ということになりますから売れておるというのが実態の今のこれまでの流れなんじゃないでしょうか。
○藤巻健史君 私の理解ですと、日銀が買ってくれているからこれ幸いということで民間は日銀に売っているというふうに理解しています。
 これ、出口戦略の話をしているわけではないんですけれども、日銀がもし何かの理由で買わなくなったら大変ですよ、これ。誰が買うかとお聞きしたのは、この超大口購入者が売ったときに、もう明らかに国債の値段というのは暴落しますよ、これだけ日銀、今大量に持っているんですから。誰がそんなときに国債買うんですか。買ったら損ですよ。
 特に、ちょっと今急に思い出したのであれですけれども、一九九八年十二月に資金運用部ショックというのがありました。あれは、資金運用部が国債の購入を、数字ちょっと覚えていない、十兆円ぐらいだったかな、それをやめるというだけで、あのときは〇・六から二・四ぐらいに跳ね上がったんですよ。
 ということで、たったそれだけというか、日銀さんに比べるとたったそれだけの資金運用部が国債を買うのをやめたというだけで長期金利暴騰、価格暴落したんです。そういう事態を分かっていながら誰が買いますか。それは、確かに六%、八%になれば外国人買うかもしれませんけれども、このレベルで日銀が購入をやめたときに誰が買うか。私は誰もいないと思うんですが、いかがでしょう。
○国務大臣(麻生太郎君) これはいろいろ、たらればとか、もしもとか、仮にとかいう話で答えるようなレベルの話じゃありませんので。これは、うかつな質問をこういった参議院の委員会でこういったされる見識もいかがなものかと思いますが、これ、ちょっとうかつに答えたら話が非常に込み入りますので、質問はちょっと、これ考えていただかぬといかぬと思いますがね。
○委員長(古川俊治君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(古川俊治君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(麻生太郎君) 見識を疑うという表現がいかがなものかという御指摘のようですので、撤回します。
○藤巻健史君 自民党も、過去、Xデープロジェクトというのを発表しておりまして、何かがあったときにいろんなことを考えるのは私は当然だというふうに思っております。
 私は、やっぱり日銀が買わなくなったときに誰も買わなくなると思うので、日銀はきっと未来永劫に国債を買い続けなくちゃいけないと思うんですよね。お配りしました図表一を見ていただくと分かるんですけれども、一九九八年十二月に国債保有残高五十二兆円なんですが、今は二百二十九兆円。これはもうすごいですね、四倍ですよ。さっきちょっと資金運用部のことを言って、それで思い出したんですが、このとき、一九九八年十二月の五十二兆円、速水日銀総裁がたしか五十兆日銀が持つのはいかがなものかというふうに、五十兆でさえ当時の日銀総裁はおっしゃったと思います。これはちょっと私、記憶が定かでないのでこの辺はいいんですけれども、それが四倍に今なっているわけですね。
 ということは、もしこのまま日銀が国債を買い続けるということは、どんどん資産が増えていく。ということは、バランスシートはバランスするからバランスシートと言うわけで、負債もどんどんどんどん増えていく。要するに、お金をずっとばらまき続けるわけですよ。クルーグマンが昔、インフレにするためにはヘリコプターで紙幣を日銀がまけばいいというふうにおっしゃった有名な言葉がありますけれども、日銀は未来永劫に紙幣をばらまき続けるわけです。そうなると明らかにハイパーインフレに進んでしまうと思うんですが、いかがでしょうか。
○参考人(黒田東彦君) ハイパーインフレになるとは思いませんし、日本銀行の物価安定目標というのは、二%の消費者物価上昇率というものを実現し、それを安定的に維持するということを目的としておりますので、ハイパーインフレになるということはございません。
 なお、ヘリコプターマネー云々ということがよく言われますが、これをそもそも言われた方は、中央銀行の紙幣をいっぱい刷って、それをそのまま個人にあげるという話なんですね。これは、それを中央銀行の紙幣でファイナンスするという話であって、現在、日本銀行がやっております金融政策は、あくまでも二%の物価安定目標の実現を目指し、これを安定的に持続できるようになるまで量的・質的金融緩和を続けるというものでありまして、あくまでも金融政策であり、金融政策の目的に沿って行われているということでありまして、当然、二%を実現した後、どんどん物価が上がっていくということを認めるつもりもありませんし、適切な金融政策を行ってそういったことは排除するということになろうと思います。
○藤巻健史君 二%まで行ったら適切なる金融政策を行って制御するとおっしゃっていましたけれども、私、三十年間金融の世界にいて、一橋でも十三年間、それから早稲田の大学院でも六年間、金融の授業を、半年間の授業を、まあ非常勤講師でしたけどやっておりましたけれども、私は、これだけお金をじゃぶじゃぶにやったらば制御する方法というのは私の頭では考え付かないわけですよ。
 例えば、量的緩和をしたときに金利を引き上げられるかといったら、まず絶対できないと思います。それは、例えば江戸時代に幕府が米の値段を制御するときに、それは例えば幕府が武士に米を渡す量を少し減らせば、それは確かに米の値段というのは上がりますよ。ですが、例えば豊作が続いて武家の倉にも、そして町人の倉にもお米がむちゃくちゃにあった場合、幾ら政府が米の供給量をちょっとぐらい減らしたって、びた一文動かないですよ。
 金利も同じで、お金がじゃぶじゃぶにあったときに金利を引き上げるというのは、これは至難の業です、私の頭の中ではね。それは、だからこそ、かつてドイツでも日本でも、お金をじゃぶじゃぶにした結果としてハイパーインフレになったと思うんですが、どうやって金利を上げることができるのかというのをひとつ教えていただきたい。
 もう一つ言うと、バランスシート、先ほどどんどん膨れ上がっていると言いましたけど、バランスシートを引き下げるというのはどういう方法で引き下げるのか。出口戦略、先ほど来、まだしゃべらない、時期尚早だとおっしゃっていましたけれども、九月の十七日、FOMCでは出口戦略を発表しています。どうして向こうで発表できて日本では発表できないのか。
 そしてもう一つ、今日は時間がないので次回に回しますけれども、私は、FOMCで発表されたアメリカの出口戦略は日本では実行不可能だと思っています、それは次回に討論させていただきたいと思いますけれども。そういう状況にありながら、要するに、ブレーキがないにもかかわらず二%のインフレをどうやって抑えるのか。ブレーキがない車で突っ走っていれば、間違いなく暴走、若しくは金融でいえばハイパーインフレになると思うんですが、その辺についてはいかがでしょうか。
○参考人(黒田東彦君) 何度も申し上げているとおり、ハイパーインフレになるとも思いませんし、そういったことは金融政策で十分防止できると思っております。
 なお、量的な、あるいは量的・質的金融緩和、日本銀行がやっておりますけれども、FRBもやっておりますしイングランド銀行もやっておりまして、バランスシートは非常に大きなものになっておりますけれども、それぞれが金融政策の目的を達するということになれば、当然、出口を模索するというのは当たり前でありまして、そういった面では、米国が一番先というか、日本やユーロ圏よりも先に走っておりまして、経済の回復は非常に著しいし、物価の上昇率もたしか一・五%ぐらいで維持されていると思いますし、労働市場も極めてタイトになってきているということの中で出口戦略を議論をしていると。日本の場合はまだ、二%の物価安定目標へ向けて着実にたどっているとはいえ道半ばでありますので、具体的に出口のことを申し上げるのはやはり時期尚早であろうというふうに思っております。
○藤巻健史君 先ほど申しましたように、九月十七日発表のFOMC、アメリカの出口は私は理解できます。でも、それが日本銀行に適用できるとは決して思っておりませんので、その辺は次回に討論させていただきたいと思います。
○委員長(古川俊治君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時三分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
○委員長(古川俊治君) ただいまから財政金融委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、財政及び金融等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○中山恭子君 次世代の党の中山恭子でございます。
 まず、麻生大臣に、次の世代、次世代、そしてその次の世代の日本のありようについて、麻生大臣の夢といいましょうか、どのようなことをお考えになっているか。突然の質問でございますけれども、恐縮でございますが、どのような日本を思い描いていらっしゃるか。軍事大国か、経済大国か、医療大国か。
 三月の予算委員会でも大臣に、文化芸術立国を目指すことについてお伺いしております。日本の文化力を基礎に置いた日本の未来を構想することについてどのようにお考えか、改めて御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) ちょっと、こういう国会というところは長期的、大局的な話は余りせぬところなものですから、今のような極めて大きい前提で余り物を考える習慣が、三十年もやっておりますと大分減ってきているんだとは思いますが、考えていることの一端を申し述べてお答えに代えさせていただきたいと存じます。
 財政委員会におりますと、やっぱり金融というようなものが非常に大きなものになってきておりまして、例えば個人金融資産が一千六百兆を超えるとか、対外純資産が三百二十兆を超えて世界一の資産大国とか、また、企業も、先ほどお話があっておりましたように三百二十八兆円の内部留保だとか、薄気味悪いほどの金というのを持って、しかも金利は〇・四七ぐらいですかね、今日。四六とか四七、そういったようなことになりますと、これはかつてのイギリス、その前のオランダ、二十世紀のアメリカのように、産業大国だった国がそれぞれシティーに、アメリカはウォールストリートにというような感じで、金融に走っていっていくような形になったんだと思いますが、私はその結果は余りいい結果を招いていない。
 したがって、日本はやっぱり今後ともそういった意味では、仮に金利が安く、金があって世界中から金をと言われる時代になったとしても、金融だけで飯を食うというのは、私としては、一億二千万の人口を抱えて、それが少々減っていくとしても、一億二千万を金融だけでというのはなかなか無理があると、私は基本的にそう思いますので、今後とも、物づくりとかいうものを大切にしていかなきゃいかぬというのが一点です。
 やっぱり百九十三か国で競争をしてまいりますので、その中にあって、少なくとも日本は得意なところで、人がやっているからというんじゃなくて、日本の得意なところで勝負をするというのが正しいのであって、やっぱり日本の物づくりというのは、物をつくって、例えばよく例に引きますけれども、新幹線のレール、一メーター六十キロの重さが世界中の標準だと思いますけれども、日本だけは一メーター、あれ八十キロで造れる技術がある。その八十キロで造れる技術がどこでできるかといえば、日本でも新日鉄の君津とJFEの扇島とその二つだけだと思いますけれども、その二つしかというようなものを、それだけ見るとすごい。レールもすごい、車輪もすごい、エンジンもすごい。
 だけど、問題はやっぱり、今年の十月一日で丸々五十年になります新幹線というシステム、あれ全体が僕はすごいのであって、電車だけがすごいんじゃなくて、それを動かすシステムごとすごい。というのは、それはみんなで動かしているのであって、車掌が偉いわけでも運転手が偉いわけでも何でもないので、みんなでそれを支えていて、アロハ着たおばさんがぶわっと掃除していく、まあ似合う似合わないは別にして、あれをわっとやっていくというあのシステムがすごい。たった二人で百席のものを六分間とか七分間で全部やっていくという。あれができる国って、やってみろと言ってできる国はありませんから。そういったようなものをずっとやって、五十年間、それで人身事故ゼロ。やっぱりこれは、最も得意とすることをやっているからなんだと思うんですね。
 だから、そういった意味では、今いろんな意味で、新しい意味で、漫画なんて私たちが言っている頃は、民主党から国立漫画喫茶を造るのかとか言われて潰されましたけれども、今頃になったら、あれは良かったとか言っている人もおられるようですけれども。
 間違いなく、そういったようなものを含めて、日本でできているアニメーションというようなものとか、JポップにしてもJファッションにしても何にしても、すごく世界から評価の高いそういったものというのは、文化というと何となく、昔の話ばかりじゃなくて、今受けている文化、今受けている製品、そういったようなものに関するもので勝負をしていく。そういった日本というのは、やっぱり従来の日本の良さをちゃんと維持しながら新しいものも取り入れていっているというところが、やっぱり変化に対応し切れていないと、この国はなかなか資源もなく、人材が我々の持っている最大の資産ですから、そういった意味では、こういったものを、少なくとも一千五百年の長きにわたって皇室を維持しているなんという国は世界中二つとありませんし、そういった意味では、なかなか私どもとしては、世界から見ておおっと言われるものを、我々は気が付いていないけど世界から気が付かれているものをもう少し大事にして、きちんと育てていくべきではないかなと。
 ちょっと突然の御質問でしたので取りまとめができておりませんけど、感じているところだけ。
○中山恭子君 麻生大臣であれば、いろいろな夢をお持ちで、文化についてもしっかりと日本を見てくださっていることだろうと思って、済みません、突然このような質問をいたしました。
 まさに大臣がおっしゃるとおり、日本は世界の中でも、非常に組織力ですとか、普通の日常の生活そのものに芸術的な感覚というものが、物つくりでもですね、あるというような、世界の中でも特色のある国であると考えております。
 いろんな可能性を秘めておりますが、戦後七十年を迎えようとしている今、私たちはこの次の三十年、五十年、七十年の日本のありようというものの礎を今つくるときにあると思っておりまして、私たちは大変大事なときを今みんなで生きている。いろんな知恵を出し合い、意見を出し合って次の世代の日本の礎を、今いろんな形の礎をつくっておかないといけないだろうと。やらなければいけないことはまさに数え切れないほど日本の体制というのはまだまだ整っていないと考えておりますので、御皇室の話から始まって、外国人の土地の問題ですとか、家族の問題とか、たくさん今検討しなければいけないことがあると考えておりますが。
 いずれにしても、二十世紀といえば、やはり西洋文明が世界を支配した世紀と言って過言ではないと思いますが、二十一世紀には、西洋文明だけが世界を支配する文明ではなくて、まさに真反対と言えるようなこの日本が持っている文化というものも世界の中で大きな役割を果たすことができる、またそれを世界からも期待されていると考えております。そういった中で、日本の文化の底力というものをもう一度しっかり見直して、世界のいろんな文化、各地に育まれているそれぞれ幾つもの文化が日本に集まって、日本の中で競演又は競技をするというような場を日本で持つことができるであろうと考えております。
 どう説明したらいいでしょうか。西洋では、例えば一八九五年にベニス・ビエンナーレ、現代アートの二年ごとに開かれるアートの競技会が開かれております。ほかにも、アビニョンで演劇祭、それからエジンバラでは音楽祭といったものが開かれております。
 ほかの東洋の国でも少しずつはありますけれども、日本の文化の底力といいましょうか、特徴を考えますと、日本ですと、いろんな国の文化を持った人々が自由に伸び伸びとそれぞれの文化を発揮できる国であると考えています。どちらかというと、ヨーロッパで開かれている場合には、やはりその評価がヨーロッパ文明の目で評価されるという傾向がございますが、日本で開かれる場合には、それぞれの文化について非常に素直な評価ができるであろうというような面。
 それから、日本は非常に安全な国であるというようなところから、今後、この二十一世紀には日本がそういった場を世界に提供する、又は世界のそういった文化の人々が集まってきて日本で文化の交流をし、そこにまた新しい文化が生まれてくる、そういった事柄ができ得る国である、日本はそういう国だと考えておりまして、是非、そういった事柄について、二〇二〇年、オリンピックですが、その辺りをきっかけにした形でそういう文化の交流、日本で文化が輝きあふれる、そういう場をつくることを大臣はどのようにお考えか、お伺いできたらと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 確かに、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックというものは、これは五十年ぶりにこれに行くんだという、この間、アメリカ人の人が、私より三つぐらい年上の人なんですが、それが電話掛けてきて、おまえ、そんなときまで生きているのかなんと言って電話でからかっていたんですけれども、絶対行くと。是非見たいというのは、自分の息子が今日本にいるから、猛烈な勢いで、俺の知っている東京とこんなにも息子の言ってきていることが違うので、本当かというのが見たいのでどうしても行くんだと言うので、おまえ、来ればいいじゃないかという話をしていたんですけれども。
 いずれにしても、日本に来る人の数というのは、今千万人になったといってえらい騒ぎになっているようですけれども、自国の人口より多い観光客が来ているフランスとかトルコとか、そういった国々はほかにもいっぱいありますので、一千万が五千万になっても別に驚くことは全くないと思うんですが。
 そういったような人たちが何を見てリピーターになるか、何を見てもう一回といえば、多分、呼んでいる、今、外国で招聘して日本に来た若い学生、若しくは地方、例えば東北に行ったとか四国に行ったとか、いろんな人たちの話とか、今度はバングラデシュからの学生が十何人、感想を聞いたら言うことは一つですよ。みんなばらばらなところに行っているんですけれども、言っていることは一つ、この国の人たちの心の温かさに打たれた、これはもうほとんど全員、例外ありませんね。特に若い人がそういう話なので、そういったところが物すごく受ける。ほかの国じゃ考えられないと、みんなほかの国に住んできていますから。
 そういったようなことは受けるので、やっぱり何がこの国の持っている良さなのかというのはちょっと余り真剣に日本人自身で考えたことはありませんから、何となく物まねからスタートして、維新のときは物まねでスタートしていますので、それを完全に消化して、ア・ラ・日本、ア・ラ・ジャポネーズというか、日本製に変えて、間違いなく変わったんですよ。
 とにかく、今、昨日も中近東に十何年いる女性と一緒でしたけれども、日本に来て大きな財団に勤めているんですけれども、中近東の財団に勤めて日本に来て、それで、中近東の人がわんわん日本に来るのが、日本に住みたくなると言っているというか、なぜ住みたくなるんだというと、飯がうまいとか治安がいいとか、そういったような話は皆誰でもするんですけれども、そういったのに比べて、全く普通に歩いていると、とにかく温かいというのを、じゃ、我々は外国人に対してそんな温かく接しようと思っているかといえば、まずないですな、そんなことは。普通に歩いているだけなんであって、だけど、そう感じる何かが向こうには、みんなが言うから多分そうなんですよ。それで、へえと思って、昨日帰ってきた十何年ぶりの人も十何年いる人も同じことを自分のボスから言われてここに来ているんだけど、とにかく投資は日本にすると。一、二を争うでかい財団ですから、そこで日本にしたいという話をしてくる。
 そういったような話を聞いていると、やっぱり、ちょっと我々がマスコミやら何やら普通の話で聞いている、漫画とかそういったちまちました話じゃなくて、全体的な大きなもので、ちょっと我々、もう一回改めて考え直さないかぬところなんであって、ちょっと私一人でどうのこうのと申し上げるほどの見識もありませんけれども、是非そういった意味で、私どもとしては、こういったようなものを見詰め直しておかないと、日本という国自体のいいところを失って、つまらないところをまねしてもしようがありませんので、これが大事だというところだけは、変えねばならぬもの、また変えちゃいけないもの、その二つをきちっと見極めてやっていくというところが大事かなとつくづく思います。
○中山恭子君 ありがとうございます。
 まさにおっしゃるところが今の日本に欠けている面で、しかも、もう一度日本の人々がしっかり見直さなければならないポイントであろうと考えております。
 この問題は、例えば政府がやりますと、こういった、日本が文化交流、オリンピックは世界のスポーツの一流の人々が来て競い合いますが、文化に関しても、やはり世界の一流の人々が日本であれば安心してやってきてそこで競い合うということが可能だろうと考えています。また、それを取り囲んでいろんな方々が、舞台芸術であったり、民謡であったり、漫画であったり、いろんな形の世界の文化交流というものが、一流じゃないものであっても、日本であればいろんな文化の交流ができるであろうと考えておりまして、この文化に関しては、日本の方々は、大臣おっしゃるように、自分で余り意識していないというところがあって、フランスでもそうだったと言われておりますが、フランスが文化の国とイメージされるには、意図的に政府が文化予算を組み、文化の国だという政策を取って動いて初めてああいう形が取れたということでございます。
 日本でもやはり、ほっておいても日本は文化的なことがたくさんありますので、何も不都合はないんですけれども、将来の日本の国のありようを考えたとき、世界の人々が、ああ、日本は文化の国なんだね、あそこに行けばいろんな国の文化の交流が行われている、そこに出会うことができるねというような国をイメージして意図的につくっていく必要があるだろうと思っております。
 ロンドン・オリンピックのときには、イギリスは国の政策としても非常に多額の資金を投入して文化のいろんなイベントをやったと聞いておりますが、日本の場合には一過性ではなくて、オリンピックが去った後も、この後ずっと五十年、七十年、日本が世界の文化の交流の拠点になるということを考えて政策を取っていくということが必要だろうと。せっかくこれだけすばらしい人々の温かさですとか、ふだんの文化ですとかある国ですので、それを生かした形で日本のイメージをつくっていく必要があると考えております。
 オリンピックの二〇二〇年前後を考えて、少しでも、一歩でも二歩でも進もうとしますと、来年度予算辺りで、もうそれ用の何らかの、私たちよく言う調査費くらいからかとは思うんですけれども、何らかの措置をとっていかないととても間に合わないというような状況だろうと考えておりまして、そういったことについても大臣も意を使っていただけたら大変有り難いことだと思っておりますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 文化というのが国際的に通用するとかしないとかいう話は、これは文明とは違って文化の話ですので、お箸がいいかナイフとフォークがいいかなんて、それは誰が決められるんだって、それは使う人が決めるんですから、そういった意味では、外国人でも今みんな、ベーコンを焼くのに今全部みんなお箸使いますからね。我々が学生のときはもうナイフとフォークしか使いませんでしたけど、今、普通の家へ行って、みんなお箸でベーコンを焼いていますから、やっぱりそういった意味では、間違いなく日本の文化というのはこの五十数年間の間にこうなったんだと、私は箸を見てつくづくそう思ったんですけれども。
 いずれにいたしましても、今の日本の政府として、国として、今、中山先生が言われたような発想でオリンピックとか文化とかいうものを考えている人はいません。政府の中に僕はいないと思います。予算が付くから、財務省が出すかとか、あいつらが出すわけないじゃないかとか、この財政厳しい折にとか、もう大体そういう話ですよ、私ら聞かされる話は。
 だから、そういった意味では、これは単に予算の手当てというのももちろん必要なんですけれども、やっぱり、芸術団体に限りませんけれども、いろんな団体たくさんあろうと思いますけれども、そういったのがいろいろ組み合わさってできていくようにしていかないとなかなか効果的なあれにはなりませんので、誰かこういうのはオーガナイザーがいないと、これ、ちょっと役人的発想でこれはとてもできる話ではありませんし、ちょっとなかなか、誰がコンダクターというか、誰が最初に指揮棒を執ってこういったものをまとめていくかというところが難しいので、何となく文化というのは余り政治家からかなり懸け離れたイメージですから、もうちょっと文化的で影響力のある、そういったもののあれを説いて語れるという人が出てこないとなかなか難しいなという感じは、大分前からこの話をしておりましたので、ちょっと思わないわけではありませんけれども。
 いずれにしても、いい機会だと思いますので、何万人来られるのか知りませんけれども、そういった人たちが、競技者以外に付いてくる人の数の方が多いわけですから、その人たちの持っているイメージ、それについて観光客が持って帰るイメージ、そういったものを全部足して、日本という国はというイメージが持って帰って自国でまたその話が広まり、文化的なところが広まっていく。
 そういったところで、単に見える、昔トランジスタの商人と言われた時代もありましたけれども、そういった物づくりの話だけじゃなくて、いろんなものが複合的に生み出すというものの中で、ジャパンとかジャポンとか、いろんなそういったイメージというものが今世界遺産になってみたり、日本食が認められたり、いろいろ随分我々が学生時代に住んでおりましたときとは全く違ったイメージに今日本はなっているとは思いますけれども、さらに、そういったものを組織的にやっていくというのは、アリアンス・フランセーズはあれだけフランス語を普及させていまして、今中国は孔子院を使ってそれをやろうとしたり、いろんなことを各国は意図的に国策としてあれをやっておられるのは、もうフランスしかり、中国しかりなんですけれども、日本はその種の発想まではまだそこまで至っていないかなという感じが率直な実感です。
○中山恭子君 確かに、日本の縦割りの中ではどこが担当するのか。まずは文化庁になるとは思いますけれども、海外との交流ですと、やはり国際交流基金、外務省、それからこの問題は、地方、今話題になっております地方創生について、これは建物を建てるとかではなくて、それぞれの地域にソフトの面を組み込んでいくという意味で、地方創生にも大いに関わってくるテーマであると考えております。
 それから、おっしゃられた料理の世界、競技会なんていうとやはり農水省ですとかいろんなところが絡んでくるものですから、今の政府でどこが担当してもらえるのか。取りあえずは文化庁なのか、文化庁や関係者を集めて文化省というものをつくっていただくのか、どうしたらいいのかというのははっきり自分でも分かってはおりませんけれども、いずれにしても、この新しい形の文化的な動きを日本として何らかの形で、取りあえずは文化庁の調査費か何かから始めるか、そういう形ででも進め始めていく必要があると考えておりますので、またいろいろ御指導いただけたら大変有り難いことだと思っております。
 時間がこの問題だけでほとんど過ぎてしまいましたが、このことをやろうとしますと、日本の災害がやはり一番、海外の人から見て日本に行くというときに大丈夫だろうかというような思いを持つ方々が多うございますので、やはり日本の中でしっかりした防災対策、それからインフラの更新も必要になってくると考えております。
 G20でも、インフラについては短期的にも又は中期的にも有効であると専務理事がおっしゃったというお話もありますし、日本にとって新興国と同じようにやはり今インフラの整備というのも極めて重要な大事な作業だと思っておりますので、日本が安全で安心な国、安心な国というのはみんな世界の方々が大臣おっしゃられたように感じ取ってくださっていると思いますが、物理的にも安全な国だという、そのインフラ整備を始め災害対策、防災設備のしっかりした形をつくっていく必要があると考えておりますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 一番最近印象的に大きかった事件といえば、やっぱり一昨年の笹子のトンネルの崩落事故というのがありましたけれども、基本的には公共事業というのは悪である、まあコンクリートから人へとかいろんな表現ありましたけれども、ああいうきちんとした、コンコンコンコンと、あれ、えらい手間暇が掛かるんですけれども、コンクリートを金づちでたたいていって、音を聞きながら、ああここは老朽化しているとか、中がすになっているとか、中が空になっているとかいうことを当てる地味な作業なんですけれども、こういったのを地方の建設局で持って回ってずっとやっているんですが、結果的に、公共事業が減らされて、その頻度をみんな、一年に一遍のやつを何年に一遍に減らしていって、どんどん減らしていった結果、あちこちでという話になっておりますけれども。
 やっぱり、荒れるアメリカと言われた一九八〇年代のアメリカであちこち橋がおっこったりした事件がありましたけれども、あれは一九三〇年代のいわゆるニューディールのときに造ったものが、全部五十年たってああいうことになっていったという歴史ですけれども、日本の場合、昭和三十年代にやりましたものがやっぱり昭和八十年代になってだんだんだんだんだんとなってきているんですが、日本の場合、メンテナンスが結構いいところがあるんですが、傍ら、アメリカと違ってこっちは地震も多いし台風も多いし、いろんな意味で自然災害によって腐食したりする部分が極めて大きいものですから、そういったようなことをきちんとやらぬといかぬなと思って、今、津波がえらくスポットを浴びておりますけど、津波以外に、やっぱりいろんな意味で、地震とか、我々のこの国はもう何百年、何千年にわたって間違いなく、全ての災害は、最近竜巻まで増えてきましたので、ありますので、そういったところにきちんと目を配ってやっているという国ですから、やっぱり二〇二〇年までに福島の原発の後の話から何から含めて全部きちんと日本は対応し切っているというようなものが見えるようにしておかないと今言ったようなことにはならぬと思いますので、防災とか含めまして、災害復旧、そういったものは早急にきちんとやらねばならぬというような意識は私どももございますので、今回の予算、いろいろやらせていただいておりますけれども、河川の復旧やら何やら、いろんな意味で、直轄河川なんかの場合でも、今まで減らされておりますけれども、四千百五十億円を少なくとも五%プラスになっておりますので、ほとんど皆、マイナスかゼロ以下のところはこういったものはプラスにしておりますので、公共事業関係でも大体全体の中の一%あるかないかなんですけれども、河川なんかに関しましてはきちんとやらせていただいたりしておりますので、そういったものは今後ともやっていかないかぬのだろうなと思っております。
 特に、老朽化しているというのは余り御理解をいただけない、見てなかなか見えないところなものですから、羽田に行く首都高一号線なんというのはでき上がってかなりの時間がたちますので、結構あれは具合悪くなっているところはいっぱいあるんだろうなと。私は元セメント屋として、あれ通るたびに余り通りたくないなと思う道路の一つなんですけれども、あれを通らざるを得ませんので、よく乗りますけれども、何となく、正直なことを申し上げて、私どもとしては、きちんと補修はしてあるかな、メンテナンスしてあるかなということを気にしながらトンネルの中を走っているとか、気にしながら橋の上を通っているというのはちょっといただけませんので、きちんとしたいと思います。
○委員長(古川俊治君) 大臣、時間ですので答弁はまとめてください。
○中山恭子君 ありがとうございました。
 インフラの整備、そして文化の国になるように御尽力いただきたいと思います。
 ありがとうございました。
○西田昌司君 自民党の西田昌司でございます。
 私は、今日は麻生大臣、それから日銀の岩田副総裁にもお越しいただいておりますけれども、アベノミクスのちょっと検証をさせていただきたいと。原点がずれてきてはしないかと思うわけなんです。民主党が言われるような視点とはちょっと違うんでありますけれども、そこを言いたいんですね。
 そこで、大臣はこの委員会の所信表明のところでもおっしゃっているんですけれども、民需主導で持続的な経済成長を実現していくと、そのために財政健全化が必要だと、長期リスクを上昇しないように対応することが大事だという話で言われているんですね。
 もちろん、民需主導でやっていくのがいいんですけれども、実際に私が一番気になっているのは、実はこのデフレのときにはなかなか、民需といいましょうか、要するに信用創造、マネーサプライができないわけなんですよね。その辺のことも含め、麻生大臣が一番思っておられたのは、実は、民需もあるけれども公需もあるじゃないかと、デフレのときには公の方の需要をどんどん伸ばしてやっていくべきだと、積極財政やっていくべきだと。まさにこの第二本目の矢ですよね、これが的確に的を射て成果を上げてきたと思うんです。
 ところが、ここへ来て、どうも何か方向転換されてきたんじゃないかなと思うんですね。確かに、そのおかげで経済はかつてよりも良くなってきましたよ。これは間違いない事実です。今、消費税上げた後の反動があることも事実ですが、しかし相対的に過去よりも良くなってきている、これは事実なんですね。ところが、それが良くなってきたからといって、じゃ、健全な状況で経済成長しているのかというと、そこまで行っていない。つまり、まだデフレなんですよね、デフレなんですよ。
 その状況の中であるにもかかわらず、この民需主導で持続的な経済成長をさせていくために、長期リスクをどんどん伸びないように抑えるためにも財政健全化が大事だという話が先に立っちゃって、結局、財政出動を弱めて民間にお金を出す仕組みの方になっていく方が大事だという路線に行っちゃっている。
 ところが、経済が本当にインフレ基調になって民需が伸びてきたらそれは正しいんですよ。ところが、そうなっていないときに、財務大臣というか財務省の役人が書くわけなんですけれども、彼らはいつもそのことを心配するわけですよ。いや、要するに金利が上昇して、いわゆるクラウディングアウトですよね、そうなったらどうするんだということで、民間需要があるからこそのクラウディングアウトなんですよね。ところが、民間需要がないときに余りそのことを強調して心配し過ぎると、実は角を矯めて牛を殺すことになってしまうんじゃないかなと思うんですね。そこら辺のところを、まず大臣の御認識をお聞かせいただきたい。
○国務大臣(麻生太郎君) デフレからの脱却ではなくて、デフレ不況からの脱却というところが一番肝腎なんだと、まずは最初にそう思っております。
 その上で、これをするに当たっては、やっぱり経済が成長するということは、GDPが大きければ同じことですけれども、そのためには基本的に三つです。消費が増えるか、民間の設備投資が増えるか、政府支出が増えるか。この三つがいわゆるGDPのもと、三元素ですから、ほかにも純輸出とかいろいろありますけど、それは小さなもので、大きなものではこの三つです。その意味で、間違いなく、民需というものが止まり、個人の消費が止まっておるとなれば、政府支出しかありませんから、そのためにはまずはということで、第一の矢で日銀の金融緩和ということで、去年の一月何日かに白川総裁との間で話を付けさせていただいて、まずは二%というのがスタートをさせていただきました。
 しかし、日本銀行が金融を緩めれば景気は良くなると言ったクルーグマンとか、いろいろ訳の分からない、実体経済を余り分かっていない学者もおられましたし、日本にも竹中平蔵先生みたいな方もいらっしゃいましたから、いろいろおられましたよ、間違いなく、そういった方々、今でもいらっしゃいますけど。私はそのときからもう反対していましたから、ちょっと待ってください、それは違いますということをずっと申し上げてきていましたので、別に悪口言っているわけでも、何回も言い合っていますから、間違いなくそう思っていますが。
 したがって、日本のお金が出ても、それはマネタリーベースが増えるまでであって、マネーサプライは増えないんですと。マネーサプライが増えるためには、間違いなく需要が出てこない限りは銀行から外に金が出ませんから、そのためには、最初に先頭を切るとなれば、その三つのうちでは政府支出が最初に先頭を切る以外に手がありませんから、それでやらせていただくということを申し上げて、第二の矢。
 これがうまく回り始めて初めて第三の矢が動き始めるんですが、まだ第三の矢がその一つになっていないと私らも思っております最大の理由は、やっぱり何だかんだ言ったって、マネーサプライが全然増えていません。全然じゃない、極めて増えていませんし、その割に設備投資は伸びていますから、となれば、それは間違いなく自分の金を使ってやっておるんであって、借金までしてやっとらぬわけですから、それは間違いなく景気が良くなっているとは言い難いと、私はそう思っています。
○西田昌司君 まさに私が申し上げたいことを大臣が同じ認識でおっしゃっていただいて、大変ありがとうございます。
 そうおっしゃるならこの所信表明にはならないんじゃないかなと実は思っているんですね。つまり、大臣がそこまで、つまり今民需が伸びていない、日銀の大胆な金融緩和、ゼロ金利含め、次元の違うことをやっているわけですよ。本来なら、ここまでやると、先ほどの藤巻委員の話、心配じゃないですけれども、超インフレになっちゃう、ハイパーインフレになっちゃうと。ところが、ならない理由は何かというと、まさに民需が不足しているわけなんですね。民需不足なんですよ。
 だから、引き続き政府支出を増やしていかなければならないにもかかわらず、ここでおっしゃっているのは、要は、予算の中身を更に大胆に重点化して、社会保障支出も含め聖域を設けず見直したいとおっしゃっているんですね。これちょっと、大臣の意に反したことを財務官僚に書かせておられるんじゃないでしょうか。むしろ、ここは、大胆にもっと支出をしていかなきゃならないと言うべきじゃないんでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 西田先生、財政再建をしながら経済成長するというのは、二律背反することをやるわけですから、書いてあることは、大体二律背反したことを書けばそういうことになるんですよ。私は、やむを得ぬというところだと思いますよ。
 ただ、ただですよ、基本的に今、日本の場合は、世界から見てやっぱり日本の経済がアベノミクスでうわっとなってきたと、これもう去年の二月、五月のIMFとかG20と、もう今年に入ってから全く言うことがみんな違っていますから、日本のあれが正しかったんだと言って、財政再建と財政出動というのは、これは両立し得るんだという話をこれ、みんなIMFでも言うようになりましたから、全部日本の言うとおりに、今、言うようになってきたというのは、これは不思議に新聞は書かないんですよ。だけど、現実問題としてそう言っておりますから、だから、そういったようなことになっているのをやっていこうとすると、一番やっぱり肝腎なことは、日本に対する信頼をきちんと維持するためには、やっぱりこの財政のバランスという、いわゆるPBと称するこのところがきちんとせないかぬ。
 じゃ、きちんとすれば全ていいのかといえば、ドイツはきちんとしましたよ、世界で最初に。だけど、そのドイツは景気がいいかといえばそうじゃありませんから。だから、それは、PBが良くなったからといって景気が良くなるとは、これは全然別問題の話なんで、そこのところは私どもは注意して、今十分にそういった御意見も踏まえながら、私どもとして対応していきたいと思っております。
○西田昌司君 大臣のおっしゃることもよく分かるんですね。
 そこで、私が申し上げたいのは、要するに、ゼロ金利や異次元の金融緩和、これだけやっても、マネーストックがあってもマネーサプライが増えないわけですよね。つまり、民間需要がないと。つまり、金融面ではありとあらゆる次元の違うところまでやられているんです。日銀も頑張っておられた。
 しかし、結局は、その効果はマネーサプライに現れなかったわけですね。マネーサプライを増やすために異次元金融緩和やったわけで、この金融緩和によって円・ドル相場を是正しようなんということは全くないわけなんです。結果的にそうなっちゃっただけでね。つまり、本当思っておられるのはマネーサプライが増えることだと思うんですよね。
 そう思うと、日銀の副総裁おられますが、今やっているこの政策、私、間違っていると言うつもり全くないですよ、ありとあらゆることをしなければならないんですから。しかし、そもそもその異次元金融緩和でマネーサプライが当初の効果どおり出ているのかと、出ていないんじゃないのかと思うんですけど、その辺の認識をお伺いしたい。
○参考人(岩田規久男君) 日本銀行は二%の物価安定を目標に、二年程度の期間を念頭に置いて、できるだけ早期にこれを実現するために量的・質的金融緩和をしているわけですが、その際に、今おっしゃられた、この金融緩和というのはマネーストックを伸ばすことを目的としているんではないかとおっしゃったんですが、実は初期段階ではそうではありません。従来の普通の状況ですと、金融政策をやるとマネーストックが伸びるというのは、銀行の貸出しが伸びてマネーストックが伸びて、それが設備投資、消費に回るという、これがメカニズムなんですが、長い間デフレが続きますと、そういうメカニズムを使った金融政策は効果がないというか、実際できないんですね。
 それはなぜかと申しますと、デフレ期待が定着しますとマネー自体の価値が黙っていても上がるものですから、普通は家計が現預金を持っていて、それを銀行に預けて、預金が企業に回るということなんです。で、企業はそれを使うわけですね、設備投資や在庫投資や生産に。ところが、デフレが長く続くとデフレ期待があるものですから企業が設備投資機会がないと、余りもうからないということで現預金を持ってしまうと。
 私が恐らく就任したときは二百二十兆円ぐらいあったと、今はもうちょっと増えていると思いますが、これ、GDPが五百兆円そこそこの経済で二百二十兆円とかそれ以上の現預金というのは大変なものなんですね。そこで、家計もそうですが、現預金が多い。
 そこで、この政策というのは、まず予想インフレ率といいますか、あるいは期待インフレ率というか、デフレ期待をインフレ期待に持っていくと、穏やかな。それによって、今マネーだけを持っていたんでは損ですよという世界、つまり、ある程度目減りする事態ですね、持っていたんでは。だから、それをほかのことに使ってくださいという、それが狙いなんです。その狙いは私は成功していると思っています。
 どういうことかというと、これによって設備投資も一応増えています。そして、今年はもっと増えそうです、計画として。それは、金融政策というのは実体経済に及ぼすまでに少し時間が掛かるので、設備投資に関してもだんだんだんだん効果が出てきていると思います。
 その設備投資は、じゃ何で使うかというと、先ほど申したように、デフレの中では現預金をたくさん企業まで持っちゃう。普通、企業がこんな現預金を持つということは考えられないんです。それは、普通はもっと少なくていいわけですね。ところが、それだけ持っちゃっているというのは使い道がなかった。でも、それはインフレ予想が出てきて、そして日銀が金利をすごく下げていますので、実質金利は今マイナスなんですね。借り得なんです、今。だから、でも、借り得か、あるいは逆に言うと、現金、預金を持っていると実質金利はマイナスになって目減りしているんです。ですから、それを企業は最初に設備投資、それで使うんですよ。ですから、マネーが増えないんです。それでもいい。
 それで、普通は、デフレ脱却過程は、歴史的に見ると、一九三〇年代とかにありますね。その時代のデフレ脱却は、どこの国でも、結局は、貸出しが増えてマネーストックが増えるのはデフレを脱却してから三年とか四年とか五年後なんですよ。
 ですから、要するに、皆さんが御理解がされていないと思うのは、デフレが続いた後の金融政策のデフレ脱却から景気を良くするメカニズムは、従来の普通のときの不況とは違うということなんです。そこが理解されないために、マネーストックが伸びないから駄目じゃないか、銀行貸出しが伸びないで日銀の当座預金にたまっているだけじゃないかと、こうおっしゃるわけですが、そうではなくて、そういう今言った量的緩和で日銀の当座預金にたまっていても、それが人々の予想インフレ率に働きかけたり、名目金利はずっと低く下げたりという効果があるので、実質金利は下がると。それによって、今まで凍り付いていたお金がまず動き出すということが大事です。
 その次に、この設備投資はどんどんやっていくとだんだんお金足りなくなります。ですから、銀行の貸出しは伸びていきます。ただ、今度のデフレ脱却過程は、実は、従来のデフレ脱却、一九三〇年代に世界が、日本もそうですが、昭和恐慌で経験しましたが、それと同じときとは違って、そのときは三年か四年後に貸出しが伸びるんです。その間、自分の自己資金でやっていたわけですね。あるいは、自己資金と、もう一つちょっと言い忘れましたが、このように、日銀がその長期金利をぐっと下げていて、インフレ期待は出てくるから実質金利はマイナスだというときには、こういう長期金利が非常に低いときには銀行から長期に借りるのは難しいですから、むしろ社債だとか株式といって長期資金を調達するのは有利なんです。ですから、そこへまず資本市場から資金調達するということです。
 中小企業でも、実は現預金持っている企業はたくさんあるんですけれども、それでも足りないところは借りに行くということで、一応貸出しもそれなりに過去のデフレ脱却過程よりは増えています、実は歴史的には。例えば、貸出しがアベノミクスが始まる前は……
○委員長(古川俊治君) 副総裁、答弁は簡潔にお願いします。
○参考人(岩田規久男君) 前月比たった〇・八%しかなかったんですよ、アベノミクスが始まる前は。今二%、二・三%ぐらいですから、着実に伸び率も増えているということであります。
○委員長(古川俊治君) 答弁は簡潔にお願いします。
○西田昌司君 私、ですから、効果がないとか、この批判をしているわけじゃないんですね。しかし、もう片っ方で、おっしゃるように、要するに、銀行というのは、金融というのは何かといえば、結局マネーサプライ、信用創造なんですよね。信用創造があるからこそ、ない人がお金を投資して、お金が回って、資本主義社会、これでGDP大きくなる、こういうことなんですよね。それが後で来るとおっしゃるんですから、それはそう期待したいんですが。
 ということは、まさに副総裁も認められるように、間接金融そのものが機能していないということなんですよ、これは。だから、ここが、デフレだからそうなんですけれども、だから、そこをやっていくにはどうしたらいいかと。それは先ほどから麻生大臣もおっしゃったように、結局は財政出動しかないわけなんですよね。ところが、この財政出動をしてGDPが上がっていくということは、これは常識的にみんながそう思っているんですが、この二十年間、その常識が政府内で通じなくなっている。その一番の原因が麻生大臣がおっしゃった竹中さんで、この人が大臣のときに内閣府のマクロ経済モデルを変えちゃったと。このモデルを使うと、政府支出をすればするほど実は乗数効果が〇・何ぼという考えられない話になっているんですよね。これは数学的にもあり得ないと思うんですけれどもね。一出したものが〇・何ぼに何でなるのかという話なんですが、要するに、そのことによって財政出動ができなくなっているんですね。
 そこで、ちょっと皆さん方に配った資料を見ていただきたいんですけれども、実は参議院には調査室がありまして、そこに彼らが参議院調査室のマクロ経済モデルを持っているんです。彼らに私がこういう前提条件、例えば公共事業投資を十年間十兆円ずつ、百兆円やると。それから、二%の消費税は、今のこの段階では先送りすべきじゃないかというので、二年間先送りさせています。そして、法人税や所得税を、消費税を増税、二年先送りしたその後の二年半後にそれぞれ上げていくと、こういう話なんですね。
 何でこれ上げているかというと、要するに、私が言いたいのは、元々先進国では民需よりも公の需要の方が多いんですよね。ですから、年金も社会保障料も医療の話も含めて、これは政府が支出しなければ、予算計上しなければできないものですから、その分の負担は当然取るべきだと。ですから、いわゆる小さな政府論とか新自由主義とは全然逆さまなことを私言っているわけですね。それでやればどうなのかというのをシミュレーション掛けたら、ここに出ているとおりなんですよ。GDPはどうなるかと、今ほっておくよりも上がるんですよね。それから、一般会計の税収もこのベースラインよりもずっと上がるわけです。それから、GDPに対する基礎的な財政収支も、最初はもちろん国債が出ますから悪くなるようですけれども、最後は改善されてくるということですね。
 そして、次にも、いろいろなこの金利の話も、例えば十年物の金利、これも大して上がらない、〇・五%ぐらい上がるかどうかぐらいだということで、かなりこういうモデルを使うことによって財政出動を機動的にできるし、まさに麻生副総理が思っておられることを裏付けできる仕組みなんですよ。ところが、政府には、このモデルではないわけですよね。
 だから、私は、今内閣が使っているそのマクロ経済モデルを変えなきゃ駄目だと。特に、聞くところによると、これはIMFモデルと言われておりまして、要するに、財政破綻した後進国でインフレが起きて財政出動ばっかりやって破綻してしまっていると、それを直すためには財政出動を小さくして税収を増やしていくと。やらなければならない。財政健全化のためなんですよね。ところが、日本は、財政健全化と言っているけれども、そもそも内国債でやっている国債ですから、初めからそういう心配ないわけですよね。その心配ないところに、その違う、日本に当てはまらないそのモデルを使うことから出てきていることだと思うんです。
 ですから、今私が言いましたことを含め、これはまさに麻生大臣には我が意を得たりだと思うんですけれども、いかがでしょう。
○国務大臣(麻生太郎君) 西田先生御存じのように、これは、計量モデルというのはそれぞれ前提によって全く条件が違ってきちゃいますので、そういった意味では公共投資の乗数効果は結果として違うようになると、これはもうよくある話なので、役所は自分の都合のいいように考えるし、民間は民間で都合のいいことを考えるし、どっかでその答えは出てくる話なんですけれども、なかなかそういったものは両方意見が出てくることはもう確かです。だから、そういった意味で私どもはそれを否定するつもりは全くありませんし、あれですけれども。これ、どうするかというと、やっぱり実際の経済状態を見て判断する以外に手がありませんので、そういった意味ではこの予算のあれとかいうのを見た場合に、私どもとしては十分に頭に入れておかないかぬところだと思っております。
 先ほどハイパーインフレの話をしておられましたけれども、ハイパーインフレというのは、私はそのハイパーインフレというのを実際に、藤巻先生どれくらい経験されたか知りません。私、そのハイパーインフレのときに、ブラジルのデルフィン・ネットのときの時代でしたので、そのときブラジルに住んでいましたので、ハイパーインフレがどんなものか知っていますよ、間違いなく。午前中と午後の値段とは違いますから。そういう時代にあそこで仕事をしていましたので、ハイパーインフレの恐ろしさというのを知らないわけじゃありませんけれども、今の日本がどう考えてもハイパーインフレになんかなるはずがないと、私は基本的にそう思っておりますけれども。
 いずれにしても、この種の話というのは、西田先生、前提条件でもう全く話が違っちゃいますので、なかなかどれが正確な答えかというのは言えるわけではありませんけれども、はっきりしていますことは、日本の場合は、間違いなく国債は自国の通貨でやっている国なんであって、ほかの国のドルでやっているとかユーロでやっている国とは違って円でやって、日本の今国債というのは、売れている国債は、外国人も買っていますけれども、それも全て円建てですから、そういった意味では財政破綻とかいうことは物理的には考えられぬということなんだと理解しております。
○西田昌司君 まさにおっしゃるとおりだと思うんですね。破綻するはずがないんです。破綻するはずがないということは、財政健全化の話をここに書く必要はないんです。むしろ、だからそれを堂々とおっしゃって、日本は、将来的には、先ほど言いましたように、誤解のないように言いますが、将来的には消費税もそうですし、私、法人税も下げるべきではなくてもう少し応能負担さすべきだと思っていますけれども、要するに、政府の税収をこの国民負担率、社会保障料も含めて、これをやっぱり議論しなければならないですね。その取ったやつで、それをまた使いますと。要するに所得再分配、そのことによって公需の給付の分は賄っていくという話ですね。だからそれはやらなきゃならないけれども、もう片っ方で、先ほどのインフラ整備とかはこれは税でやるべきものじゃありません。それを金融の力でやったらいいわけですから、建設国債を出して、その使われないお金を、民間が使わないお金を国債が吸収してやっていくと。その二つをやれば、政府の予算って物すごく大きくなるんですよ。まさに政府支出が増えてGDP一挙に上がっちゃうと。というのが先ほどのこれなんですね。
 このモデルは、文字どおりその前提条件が違うと違うんですが、私が言いたいのは、麻生大臣は思っておられても答えられないでしょうけれども、今使っておられる政府のマクロ計量モデルがおかしいんだと、竹中さんがやっているやつなんだからおかしいに決まっているじゃないですか。そこは言えないだろうけれども、もし言えたらそれは後で言ってもらいたい。
 それともう一つ、私、ちょっと時間なくなっちゃったんで、質問したいのは、実は私、先日、旧東海道・中山道、両方とも歩いて行ったんですね。途中で大塚先生ともお会いしましてあれなんですが。要は何が言いたいかというと、あれなぜあの中山道、東海道できている、やっているかというと、まさに宿駅伝馬制というのをつくって、宿場を造って、そこに問屋場を造って、要はロジスティックできる、供給できる、補給できる仕組みをつくったからこそあの街道筋ができているわけですよね。
 それを見ていまして思ったのは、中山道なんか特にですよ、何であんな山の中行かなきゃいけないと。江戸と京とを結ぶんだったら東海道、もっと言えば、要するに甲州街道を通ってもいいんですよ。ところが、わざわざ奥へ行っているのは、日本列島が山深くて、あの辺は中部山岳地帯、日本列島の幅が一番南北に長いところだからこそ、一番奥の方に回って国土軸をつくっているんですね。まさに日本全体のためのインフラ整備をやるというのは、あの江戸時代から思っているわけですよ。
 そして、そのことをもう一度原点で考えてみると、地方創生というのはまさに地方にお金が回るインフラの整備をしなけりゃならないんですよ。それはもっと言えば、東京に集中している投資をやめなきゃならない。つまり、東京にお金が投資できない、むしろ地方に投資しなけりゃならない。そのためには東京の権限を国が取らなければなりませんよ。国直轄と言ってもいいかもしれません。国土計画の容積率を国が取って、これ以上はビル建てられない。そうすると、東京では人口増えません。そして、その代わりにインフラを整備して、各地の交通ネットワーク整備をすれば、東京に住まなくても、同じような短い時間で各地で東京に来られるし、地域間の交流はできるし、間違いなく消費も投資も増えるんですよ。
 先ほどの自動車の話でも、今減ってきているのは、これはまさに東京に人口が集中するから自動車の販売台数が減るんですよ、これは。反対に、地方に住んでいれば自動車の所有台数は物すごく増えているんですよ。まさに東京に集中させることが経済を弱めているんですよね。
 だから、地方創生といったときには、東京のこの経済力集中をどう排除するかということをやらないと、これは幾ら地方に予算をやっても伸びないんですよ。そこを是非、これ副総理として、麻生副総理にもそういう仕組みを考えていただきたいと思うんですが、先ほどの竹中さんの話も含めて、いかがでしょう。
○国務大臣(麻生太郎君) 地方創生、ちょっと担当も違いますので、うかつには言えぬところなんで、管轄外の話だとは思いますけれども。
 西田先生、やっぱり京都からしばらく東の方へと行って、江戸が東京という名前に変わったのは明治維新の話ですけれども、東京の語源の元はこれです。したがって、そういった意味では京都も東京もやっぱりみやびたところなんですな。京都がそう見えるか見えないかは別にしてですよ、住んでいる人がそうかどうかは全然別の話で、みやびたところが好きなんだと思うんですね、日本人というのは。だから、じゃ、世界中そうかといったらそんなことはありません。アメリカ人だってイギリス人だって、みんな田舎の方が金持ちが住んでいるとかと思っていますからね。ロンドンなんて、あれは貧しい労働者が行くところだとイギリス人はみんな思っていますから。そういった意味では、地方がこうということになるんですが、日本の場合はやっぱり華やいだところ、みやびたところが好きで、ひなびたところには行きたがらないというのが長い歴史なんだと思うんですね。
 したがって、今のさっきの中山道の話にしても、やっぱりそういったところに人工的にみやびたものに誘導できるものを造ろうというんで、今風に言ったらやっぱり夜八時過ぎて人通りのある町ということですよ、簡単に言えば。いや、飲み屋じゃなくて、夜八時過ぎて人通りのある町。そこが一番大事なところなんだと思いますので、やっぱり地方でやるときに、その核になるところといったら、今地方で田舎へ行って、私は地方ですから分かりますけれども、コンビニが一番ですよ。間違いないでしょう、コンビニが一番人が今集まっていますよ。そこへ住んでいる、やっている人も、経営者も地元の人がやっている例が多いから、そこでみんなしゃべって、だべっているというような事態というのは、スーパーが潰れ、代わりにコンビニがということになってきているように、地方に行けば行くほどそう思いますので、発想というものを地方創生というんでやる場合は、これよっぽど大きなことをちゃんと頭に入れて立てないと、目先だけでやるとこれはなかなか地方創生というのは言うはやすし行うはなかなか難しいと、私にはそう見えますので、そこを頭に入れてやっていきたいと思っております。
○西田昌司君 竹中さんの話は答えられないんだろうと思うんですけれどもね。
 私は、実は一番言いたかったのは、東京に一極集中、これは自由経済であればあるほど経済効率が一番いいんですから当然東京に行くんです。ですから、そこを制限しない限り、お金も需要も生まれない、地方で。だから、自由にやって、規制なしにどんどん幾ら地方にお金やっても、それは無駄金になっちゃうんですよ。東京の規制をするからこそ地方が伸びるんだと、そのことを申し上げておきたいわけですね。
 そのためには何かというと、もちろん所管が違うから答えられないところもあるんですけれども、要するに政府の権限をもう少し強くやっていくと。それは、この二十年間やってきたいわゆる新自由主義とか小さな政府じゃ駄目だということなんですよ。まさに今地方でやってほしい政策、たくさんありますよ。もちろん、九州も福岡もそうですし、我々京都だってそうなんですが、ところが、それが今までの新自由主義的な小さな政府路線では、先ほどの経済モデルを含めて、やっても無駄だという話になったり、そして実際にどんどん減らしてきたわけですよ。それがデフレを呼んでいるんだと。それが金融の力だけ、幾ら日銀頑張っても信用創造まではまだ行かないと。ですから、まさに言われるのは財政の力なんですよね。
 そして同時に、それは哲学ですよ。やっぱり経済というのは、結局、経世済民ですから、要するに世の中を治めて国民を助けていくと、まず全体の幸せを見ると、そのことによって個々の幸せもあると。それを個々の利益が上がったらいいというふうに、経済をビジネスというふうに考えてしまうと駄目なわけで、やっぱりエコノミクスというのはこれはやっぱり経世済民ですよね。
 だから、そういう意味で、麻生大臣というか副総理には、今まで、元々そういう発想で財政出動も含めおっしゃっただけに、是非そこをやっていただきたいということを要望させていただきまして、最後に一言いただければ有り難いと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 先ほど申し上げましたように、経済の成長と財政の再建という一見二律背反したことをやっていかざるを得ぬというのが今日本の置かれている立場だと思いますけれども、基本的にやっぱり景気が良くならないと、基本的なことはまずはと、それが最初ですということを申し上げて三本の矢ということになってきましたので、経済の成長、景気の良さというものがやっぱり国民の気持ちを明るくしますし、それが明るくならないとなかなか人を、ロストボールを探しているような顔をして下向いてばっかり歩いていたんじゃ話になりませんので、上向いて歩かせるようにするためには、やっぱり景気がある程度良くなっていくというのが、優先順位からいったらそっちの方が高いということは私もそう思います。
○西田昌司君 ありがとうございました。
○中西健治君 みんなの党の中西健治です。
 財金に出戻りで戻ってまいりました。麻生大臣と議論させていただくのを心待ちにしておりました。今日はよろしくお願いいたします。
 まず、消費税増税についてお伺いしたいと思います。
 税法の附則十八条では、消費税の引上げに当たっては、経済状況を好転することを条件として実施するためといういわゆる景気条項が入っておりますけれども、経済状況の好転、これ、好転というのは動きを表す言葉ということでありますから、今般の増税の判断に関してはいつの時点と比較して好転と言うのか、まずお伺いしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 経済情勢というか、経済状況の好転というのは、経済が悪化している状態から持ち直して改善していく過程にある状況なんだと思っておりますが、その判断に当たっては、ある特定の時点と比較して今がどうかと判断するというような機械的なものじゃないんじゃないかと、いわゆる流れていくというか、移っていきます経済情勢というものの推移というのを踏まえながら総合的に判断をしていくということなんであって、この時点と比較してとか、前年同期比何月何日というようなものではないんじゃないかなという感じがいたしております。
○中西健治君 昨年十月の増税の判断の際には、法律の成立がその前の年の夏でありましたから、それまでの、その夏から翌年の十月までの景気動向ということで判断するのはよく分かるということだったと思うんですが、一回増税が行われて、四月に増税が行われて今回の判断ということですから、やはり増税の影響の大きさということを鑑みると、四月を起点としてどうなるのかというのがやはり判断として大きなポイントになるんじゃないかと思いますが、そこら辺いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 四月というのは、日本の場合は会計年度が四月ということになりますし、まあいろんな意味で、学校が始まるのが四月だったり新入社員が四月だったり、いろんな意味で、気分的な意味で四月というのが大きな起点になるという意識はあるんだと存じますが。
   〔委員長退席、理事愛知治郎君着席〕
 この消費税率五%の引上げの残りの二%につきましては、その当時、民主、自民、公明三党で一年半ずらしの十月ということにしていらっしゃいますものですから、我々としてはそれに合わせざるを得ぬと、これは法律でそう書いてありますので合わせざるを得ぬということで、いつからがいいかと言われれば、それは四月の方が、常識的に言えば大体物事は何でも四月からというのがこの国のルールというか習慣でもありますので、四月というのは非常に大きな判断要素になると、私もそう思います。
○中西健治君 今財務大臣がおっしゃられました一年半で二回と法律に書いてあるということですが、今のどこから判断する起点の議論とは別に、この十八か月に二回の増税を行うとしたことについてそもそも無理があったんじゃないかというふうにも思うわけですが、財務大臣の評価はいかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 消費税率というにもかかわらず、ヨーロッパでVAT、いわゆる付加価値税と同じようなものですけれども、こういったようなものをやるときには、これは直接痛みが伴いますので、所得税とか法人税とか事業税とかいうのと違って度々来ますので、そういった意味ではこういった税を引き上げるのは丁寧にやらねばならぬものだと思いますが。
 イギリスも一年でやっておりますし、いろんな意味で、ほかの国に例がないわけではありませんけれども、期間を置いたから逆に良くなるかというと、それはなかなかちょっと、どういう判断で一年半になったかというその経緯を詳しく、当時、中に、党内に、党内というか執行部におりませんのでよく理解ができておりませんけれども、これまでの経緯でいけば、他国でもイギリスなんかは一年で上げたという例があると思いますので、基本的には景気、あっちの場合はインフレだったんですけど、こっちはデフレになっておりますので状況は少し違うとは思っていますけれども、状況として、我々としてはこれを、景気を確実にいいものにしておいておきませんと十八条の三項ということと触れてくるかなという感じがして、これは我々としては一番注意を払ってこないかぬところだと思っております。
○中西健治君 まさに、この二回というのが直接の痛みを二回味わわせるということなんじゃないかなというふうに思います。
 イギリスのVATの例をお出しになられましたけれども、イギリスの場合には二回上げる前に一回下げているんですね。特例的に一回下げて、それを戻してあと一回上げたということですから、今回のようにネットで二回上げるというのとは違う場合なんだろうというふうに思います。
   〔理事愛知治郎君退席、委員長着席〕
 この消費者の痛税感、痛みということをより高めてしまった、強めてしまったのが、今回、やはり比較的短期間のうちに二回増税するその事務的煩雑さによって、多くの小売が外税表示というものを選択いたしました。一万円の買物をしたら、ああ八百円掛かるんだということを改めて認識した。その上、今度一〇%に上がったら、今度は一万円の買物をしたら千円札余計に払わなきゃいけないと、これは痛いんじゃないかと思うんです。この痛税感を短期間のうちに二回増税を行うとしたことによって強めてしまったのではないかという指摘についてはいかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) その当時、どういった意見があの中で、あの三党間の間で闘わされたかをつまびらかに知っているわけではありませんが、少なくとも一回で五%上がるということになりますので、その場合の痛みの方は、最初の痛みはもっと大きかったということになろうと思いますし、その頃は間違いなくデフレ状況でありましたので、その状況の中で一発で五%というものの方が大きかったんじゃないかなということも言えないこともないと思いますので、二回に分けたのが、何で三で二なんだと、二・五、二・五にすればもっと計算が簡単だったじゃないかとか、よくすし屋で文句を言われましたけれども。是非もうちょっと、役人は頭がいいのかどうか知らぬけど、わしらは勘定がしにくくてかなわぬ、三%じゃなくて二・五、二・五にしてくれればよかったんだといって、もうこれは三か所ぐらいで言われましたので、多分そういう感情もあるんだろうなとは思いますけれども。
 いずれにしても、私どもとしては、今言われたように痛税感というのが出てくるというのは、これはもう間違いなくあろうと思います。
○中西健治君 増税の最終判断ということなんですが、これまで、総理も七月から九月の数字を見て判断するということをおっしゃられていましたし、官房長官も十二月八日に出てくるGDPの第二次速報値、改定値ですね、これを見てからということをおっしゃられていたと思うんですが、甘利大臣はテレビで、十二月一日の法人企業統計を見れば、それを分析すれば可能であるということをおっしゃられました。その上で、十二月八日まで、このGDPの改定値が出る十二月の八日まで待つと予算を組むのが厳しいという発言までされております。
 実際に予算を組まれる財務大臣のお考えをお聞きしたいんですけれども、これ、二つのポイントです。一つが、十二月一日の法人企業統計を見ればGDPの第二次速報値、改定値は分かると言えるかどうかということと、あと、一週間も待てないのか、予算を組むのに、十二月一日、十二月八日ですから、それまでそんなに、十二月八日の大きな数字を見ることもできないほど予算の策定というのは難しいものなのか、その二点をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) まず、消費税の一〇%、引き上げるか否かにつきましての判断は、例の十八条の三項にありますとおり、きちんとした判断を、経済指標はこれ以外にもいろいろございますので、そういった指標をよくきちんと調べた上でやっていかねばならぬことで、役所用語で言えば総合的に判断しながらということになるんでしょうけれども。そういうことで、本年中にと思っておりますのは、先ほど言われましたように、四月に新年度がスタートいたしますので、十月に仮に上がるにしても予算編成をきちんとそこまでにやっておきませんと、十月からはもう後期とはいえ予算編成を実行する予算が始まっておりますので、そういった意味では今年の十二月までにやっておかねばならぬというのが一点であります。
 もう一点は、十二月一日か八日かという、どういうあれで言われたのかよく背景を知りませんけれども、予算というものは、御存じかと思いますが、私らの当選した頃は十二月三十一日までまだやっておりましたし、中山先生なんかはその頃まだ働いておられましたので、十二月三十一日、正月なんか大蔵省におりましたものね、私らも。だから、そういった意味では、ちょっと今のように、陛下の誕生日までに、今上陛下の誕生日までにで二十三日で何となく今終わるようになりましたのは最近、最近って、この二十年ぐらいの話だと思いますけれども。
 いずれにしても、こういったのは、膨大な、九十兆になんなんとする予算を積み上げていきますので、あれはかなりな時間を概算のときから掛けてやってきておりますので、それをちょっと直すとかということになると、これは元から直さないかぬということになりますと波及する効果が大きいので、非常に慎重を要する。一円も間違えられないということで、物すごくきちんと詰めていきますので、そういったところを詰めましていくと、今言われたように大変な作業であることはもう間違いないと、私もそう思います。
○中西健治君 直接的なお答えはちょっといただけていません。十二月一日か八日かというのはお答えにくいということかもしれません。けれども、やはり私は、十二月の一日の法人企業統計である程度の部分は推計はできるとしても、やはり八日の数値というのは少なくともしっかり見るということ自体は絶対にしなきゃいけないということなんだろうというふうに思います。
 その上で、きちっとした判断ということを大臣はおっしゃられましたけれども、総理は予算委員会におきまして、去年十月一日に増税を決めたときに一緒に決めた経済対策についての効果の検証を行うということを明言されたわけでありますが、これは内閣府にお伺いした方がいいのかもしれません、効果の検証というのはどのように行うつもりなんでしょうか。
○政府参考人(前川守君) 内閣府といたしましては、経済対策の効果が早期に発現する必要があると考えておりまして、関係省庁に経済対策の早期執行を促すためにも、経済対策の全事業、すなわち各種の補正予算事業、給付金、政策金融等、非予算事業も含めまして三か月ごとに執行状況を調査し、結果を公表しております。前回六月末の調査結果によりますと、国、地方共に民間事業者などとの契約締結は順調に進んできております。
 消費税率の一〇%への引上げの判断に際しましては、本年四月の引上げに伴う反動減からの回復状況などについて七―九月期のGDPを始め各種の経済指標を慎重に精査するなど、経済再生に向けた基調の強さをしっかりと確認し、判断していくものと承知しております。
○中西健治君 財務大臣、今のお答えをお聞きになられたかと思いますけれども、効果の検証といっても、結局やるのは、これまで三か月置きにやっていた執行率、これがどうなっているのかということを調べるということであります。これは総理がおっしゃられた経済効果の検証、執行率だけでは効果は測れるということにはならないと思いますが、これで十分だとお考えになりますか。
○国務大臣(麻生太郎君) 今の検討する内容につきましては、年末に向けてこれから順次いろいろな数値が明らかになってきますけれども、客観的な経済指標というものをこれは総合的に見ていかないかぬことはもう中西先生おっしゃるとおりなんですが、今回、有識者からの経済情勢を聞くというのを私ども改めてやらせていただくことになっておりますが、そういったのを含め、今内閣府が説明しておりますように、執行とか進捗状況等をチェックすること等々、これは幅広い観点からやらねばならぬので、進捗率だけではいかがなものかという御指摘は正しいと思います。
○中西健治君 そうであるならば、やはり新たなこれまで行った経済対策の項目ごとの効果の検証、こうしたものは早急にやるべきではないかなというふうに私は思います。これは是非やっていただきたいという要望ということでお伝え申し上げます。
 続きまして、ちょっと外国為替特別会計についてお伺いしたいと思います。
 円安、ちょっと一段落はしていますけれども、これまで円安になってきていて、そこで、この円安の一番の恩恵を受けた、最大の恩恵を受けたのは実は財務省の外為特会なのではないかというふうに思っております。
 まずお伺いしたいんですが、現時点での外為特会の外国証券保有額、そして外国為替の評価損というのは幾らになっているでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 一番直近の平成二十六年三月末の資料ですけれども、一ドル百四円になっておりますが、外国為替資金特別会計が保有いたしております外貨証券は百十六兆四千億であります。外国為替の評価損につきましては九・九兆円ということになっております。
○中西健治君 百十六兆余りという外国証券を保有されていて、そして平成二十六年三月末の時点では為替が百四円のところで九・九兆円の評価損だったということでありますから、これは、この九・九兆円の部分は当然円安に行けば更に小さくなっていくということだと思います。
 これまで、年度末ごとに発表されているこうした評価損からほぼ直線的に持ち値が幾らなのかというのは、平均的なコストは幾らなのか、評価損がなくなるのはどこのレベルなのかということは計算できるわけですけれども、私が計算したところによると、このドルの持ち値というのは百十二円台、含み損が解消するのは百十二円台だというふうに計算しておりますが、そういう理解でよろしいでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) これは前提条件いろいろありますけれども、一定の前提というのはもう御存じのとおりなんだと思いますが、外国為替評価損が解消いたします為替については百十二円です。
○中西健治君 百十二円台で外国為替の評価損がなくなるということでありますから、私は、今こそ、この外為特会について外貨準備高がどれぐらいが適正なのかということを議論できる環境になってきたんじゃないかなというふうに思います。
 これまで評価損が四十兆円もあった時期もありますから、そのときにはこれを小さくしようとしても適正な規模といっても何もできないということだったんじゃないか、損を実現損にしてしまうということであったわけですから、ですから今こそ将来に向けて議論をすべきなんじゃないかと思います。
 今すぐ売れと言っているわけではありません。しかし、少なくとも議論をタブー視しないでしていくべきなんじゃないかと思います。皆さん御承知のとおり、この外貨準備は中国に次いで日本は二番目に大きいということですし、先進国の中では桁が違うというレベルにも達しているということですので、これは介入の結果なので何とも説明のしようがありませんということではいけないんじゃないかと思うんです。
 財務大臣にお伺いいたします。適正な規模についてのお考えはいかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) これは、本年の九月末の時点で恐縮ですが、日本の外貨準備高は一兆二千六百四十四億ドルとなっております。これは、基本的に過去に為替介入を行ってきた結果なんでありまして、その規模等々につきましては、この規模を念頭に置いて保有額を増減させているというわけではないということは御存じのとおりであります。
 それで、この外貨準備として最低保有しておかなきゃならぬという水準について、例えばその国の輸入額とか、何でしょうね、短期外債の残高かな、そういったようなもの等々は、いろいろ比率で論ずるなどの議論というのはこれまでもいろいろあるんですけれども、適正な規模がどれくらいかということにつきましては、これは国際的にも統一した見解があるわけではないということは承知しておりますので、この件については、ちょっと今御指摘がありました点につきましては、そういう見解がないとしか今ちょっとお答えのしようがないのが今の現状であります。
○中西健治君 見解がないのであれば、見解を是非まとめていくように議論していただきたいというのが私が申し上げていることでございます。
 今財務大臣がおっしゃられた、幾つかの例としてありますよという意見、輸入金額の三か月から四か月以上と、これは民主党政権下の野田財務大臣も、そしてその前の自民党政権のときに、そのときは与謝野大臣だったと思いますけれども、やはり同じようなことをお答えになっています。
 この輸入金額の三、四か月ということを、今、じゃ、実際に調べてみますと、一月の輸入金額というのは少ないときで六兆五千億ぐらい、多いときで八兆円ぐらいですから、一か月当たり七兆円ぐらいなんです。三か月でも四か月でも、三掛けても四掛けても、それは二十兆から三十兆にしかならないということになります。この百二十、百三十とはやはり大きな違いがあるというふうに言わなければならないんだと思います。
 あともう一つおっしゃられました短期対外債務残高以上ということなんですが、この短期対外債務というのも調べてみると、なぜかこの政府の短期対外債務というのが増えています。これが平成十五年末には六兆円だったものが平成二十五年末には五十三兆となっていますが、この短期対外債務残高というのが増えているのは、これは何なんでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) ここ十年で約六・二兆円から五十三兆円に増加しておりますので、四十六兆八千億になっておると思いますが、これは、これまで必要に応じて実施してきた為替介入の結果として、外為資金のいわゆる為券と言われるものですけれども、外国為替資金証券の残高が積み上がってきたということでありまして、国庫の短期証券に対する海外投資家のニーズの高まり等々が主たる原因になっているのではないかなという感じはいたしております。
○中西健治君 ということは、結局、短期国債を外国人が買っている、その保有額が増えたということですので、やはりこれは外貨準備とは関係ないというふうに思わざるを得ない。円建ての債券、国債を持っているということですから、やはりこの外貨準備の金額を云々するには、ちょっと無関係なことなんじゃないかなというふうに思います。ですので、やはりこの外貨準備として百二十、百三十兆円が適正なのかどうかというのは、やはり別に考えていかなきゃいけないと思うんですが。
 ちょっとグラフを一つ用意させていただきました、お配りもさせていただいていますけれども。
 この外貨準備高というのがどんどんどんどん膨れ上がっています。これが青い折れ線ということになりますが、下、棒グラフが、柱状のグラフが、これが介入の金額、これは財務省が発表しているものですが、これ見ていただきますと、実は直接の介入だけでこの外貨準備が増えているわけではないというのがよく分かるんじゃないかと思うんです。
 平成十七年、十八年、十九年、ずっと伸び続けている。これはどういうことなのかというと、これはドル債を、外貨の証券を買って元本返ってきます、満期になったら元本返ってきます、金利も返ってきます。けれども、それをまた再運用している、再投資している。要するに、複利で運用しているからこういうふうに伸びてきているということなんじゃないかと思いますが、その点を確認していただきたいのと、それと、あとは、そうであるならば、元々の為替介入の売り買いとして生じた元本とそれ以外の金額というのは当然分けられるはずですけれども、その内訳を教えてください。
○国務大臣(麻生太郎君) これは毎年度の実績を基に合計をいたしますと、平成三年度以降の介入額七十六兆円、平成三年度以降の運用収入は四十九兆九千億円ということになっております。
○中西健治君 今のが内訳だということだと思いますが、七十六兆が直接の介入の結果、そして四十九兆というのはそれ以外ということだと思いますけれども、やはりこの四十九兆、要するに雪だるま式に膨らんできているということなんじゃないかと思います。
 私が提言申し上げたいのは、やはりこの雪だるまをやめた方がいいんじゃないかということであります。返ってきた元本、返ってきた金利、こうしたものについては徐々に円に戻していくということをするべきなんじゃないかなというふうに思います。
 特に、この外為特会は、皆様御承知のとおり、円建てで政府短期証券を発行して、そしてドルという資産を持っているということですから、この百兆円以上の債務というのが千兆円を超える債務の中に含まれているわけです。ですので、ここはやはり両建てで少しずつ長期間にわたって減らしていくということをしていくのが必要なんじゃないかと。今すぐ売れという話じゃありません。しかし、時間を掛けてやっていくという方針を決めていくべきなんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 借金をしてまで外貨準備を保有する必要があるか、簡単にはそういうことを言っておられるんだと思うんですが、これはよく御存じのように、この外為特会においては円売り外貨買いの介入の場合には政府短期証券、国債の短期証券を発行して調達した円によって外貨を購入する。逆に、円買い外貨売りをやる場合には、これは外貨建ての債券を売却によって調達した外貨を売って円を購入していって、短期証券の償還に還流しているという、こういうことになるんですが。
 このように、外為特会におきまして、外貨資産というものの、及びその政府短期証券の現在高というのは、政府がこれまでもういろいろ必要に応じて実施してきた外為介入の結果として積み上がってきたものなんですが、マクロ経済を安定的に運用していくために必要な政策を実施した結果だと思っておりますけれども、結果としてそれがたまり過ぎておるではないかということを言っておられるんだと思いますので、この点につきましては、ちょっとそういった観点からもう一回これは見直してみないかぬという点は今後の長期的な問題としては考えておかねばならぬ大事な問題だと思います。
○中西健治君 是非お考えいただきたいと思います。これまでは内外金利差で順ざやだったので一般会計にも寄与することができたわけですけれども、今後、インフレターゲットも採用していることですから、短期金利が上がっていく、内外金利差が逆転するなどということが起これば、これはまた逆ざやということにもなってきますから、やはりそこを見据えた上で考えていかなきゃいけないということだろうというふうに思います。是非、含み損が解消するかもしれない今だからこそ、その議論をしていただきたいというふうに思います。
 そして、ちょっと、金融庁さんにも来ていただいているので、日本郵政の上場問題について少しだけお伺いしたいと思います。
 日本郵政は来年の秋の上場を目指しているということで主幹事の選定なども行われていますけれども、その中で、この資料にも出させていただいていますけれども、資本の大宗を占めているのが日本郵政の中ではゆうちょ銀行ということになります。ゆうちょ銀行、十一兆円以上の資本を持っているということですが、我々はこの十一・何兆というのは幾ら何だって過剰だということを主張してきております。
 その中で、四兆円規模の減資を通じて国に配当をすることができるんじゃないかということを申し上げましたけれども、九月の三十日に日本郵政はゆうちょ銀行の資本を一・三兆減資するということは発表しました。しかし、我々が主張しているように国庫に返納するのではなくて、日本郵政の中で使うよということを決められたということでありますが、まず金融庁にお伺いしたいんですが、ゆうちょ銀行、この自己資本比率やアウトライヤー比率、レバレッジ比率などを見た場合に、資本は十二分に足りている銀行であるという確認をさせていただきたいと思います。
○政府参考人(森信親君) 自己資本比率、それからアウトライヤー比率、レバレッジ比率、ゆうちょ銀行、今の時点ではそのリスクに比べまして十分な資本を持っていると認識しております。
 ただ、いろいろな自己資本比率規制などに定める比率というのは、これは銀行が守らなければいけない最低水準でございまして、各銀行が様々な事業のリスク特性を総合的に勘案した上で必要な資本水準を確保する必要があるものと考えております。
 ゆうちょ銀行について申しますと、金利変動に関するリスクだけではなくて、同行の規模に鑑みますと、機動的に大幅な資産の入替えを行うことが困難な面があることなどに留意する必要があると考えております。
 こうした観点から、まずはゆうちょ銀行自身が十分に検証した上で、財務の健全性が将来にわたって確保できるよう経営を行っていく必要があるのではないかと考えております。
○中西健治君 自己資本の算定、自己資本に加えるかどうかということについて一つお伺いしたいんですけれども、有価証券含み益、これは、地方銀行などの国内基準行だと資本には換算しないということには外形的にはなっていますけれども、ただ、いろんなレバレッジ比率などを計算するに当たって、まずは市場が逆に動いたときに初めに吸収してくれるのがこの有価証券含み益ということになりますから、これは実質的には資本としても考えることに合理性があるということについてはいかがでしょうか。
○政府参考人(森信親君) これは、含み損益を自己資本に算入すべきかどうかというのは両論あるかと思います。これを算入することにつきましては、金融機関の損失吸収力をよりタイムリーに把握できるというメリットがある一方、その含みの額が市場動向により左右される点に留意する必要があると考えます。
 現行の自己資本比率規制におきましては、ゆうちょ銀行のような国内においてのみ活動する銀行については、自己資本に含み損益は入れない取扱いとしております。これは、自己資本額が市場動向等に左右されることにより銀行活動が景気循環を増幅させるおそれなどを踏まえたものでございます。
 このように、含み損益の算入については、両方の考え方にそれぞれ一定の合理性があるものと考えております。
○中西健治君 最後に私の意見を財務大臣に申し上げて終わらせていただきたいと思いますけれども、我々、このゆうちょ銀行というのはやはり資本が過多であるというふうに思っています。このまま上場をしてしまうと、この過剰な資本について、新しい株主、外国人の株主もいるかもしれません、ヘッジファンドもいるかもしれません、それらの人たちが、過剰な資本が有効に使われていないわけですから、配当に回せということが必至なんじゃないかと思います。
 ですので、その前に、今株主は財務大臣ただ一人という状況の中で、そうした株主としての要求をしっかりと日本郵政にしていくべきなんじゃないかなということを申し上げて、私の質問は終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○大門実紀史君 大門です。
 今日は税制の問題について取り上げます。
 先週の予算委員会でも申し上げましたが、法人税の実効税率の引下げそのものが本当に必要なのかという議論をさせていただきました。ましてや、その引下げの財源として外形標準課税を中小企業に拡大するというのはとんでもない話だというふうに思います。
 まず、外形標準課税ですけれども、午前中、大塚委員から的確な審議がありましたので、できるだけ重ならないように問題点を指摘したいというふうに思います。
 一応、資料をお配りいたしましたけれども、この図の付加価値割、資本割のこの黒塗りの部分を拡大していこうという話でございます。
 午前中の答弁でもありましたが、今四分の一程度ですけれども、二分の一まで拡大すると所得割の部分が軽くなって実効税率が一・五%下げられると。これはつまり、黒字の企業にとっては負担減になりますが、赤字の企業にとっては負担が増えると、そういう方向が議論されているわけでありますけれども。また、もう一つは、この外形標準課税の対象そのものを、一億円を超えるとなっていますが、一億円以下のところにも拡大しようという議論がずっとあったわけでありますけれど、これは経産省も反発していますし、中小企業団体も猛反発でありますから、既に安倍総理も慎重に判断するということをおっしゃっているわけですけれども、午前中も答弁ありましたけれど、一応、麻生財務大臣のお考えを改めて確認したいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) これは言うまでもなく総務大臣の所管ということでありますけれども、法人事業税の外形標準課税の拡充ということは、これは御指摘のありました法人税の税率の引下げの話と併せて行うことによって、いわゆる黒字の企業には減税のメリットが及ぶことは確かです。また、赤字法人にとりましては、黒字化した場合の負担はもちろん軽くなるんですが、黒字化しないで、とにかくバブルのときでも日本の企業は、法人税を納めている企業は五〇%なかったと記憶していますので、物すごく少ないんだと思うんですね。だから、そういった意味では、企業がやっぱり黒字を出そうというインセンティブを高めるというのは物すごく大事なことなんだと、私はこう思っております。
 いずれにいたしましても、法人事業税の外形標準課税の拡充というのは、企業の稼ぐ力というものを高めるための一端なんで、単に安くするという話ではなくて、大きな論点になるんだと私どもも認識しております。
 ただ、今おっしゃいましたように、日本の法人の場合、その九割を占める、まあ九割、何十%か占めます中小企業、これなかんずく地方に多いんですけれども、この七割方が今赤字でありますので、そういった意味におきましては、今後の議論におきましても、これは総理も先ほど御指摘のとおり本会議で答弁をされておられますように、配慮をしておかなきゃならぬということになるんだと、私どももそう思います。
○大門実紀史君 私も、もうこの議論は終わったのかといいますか、一億円未満の中小企業にはもう広げないということが、報道ベースですけれども、与党の中でも二〇一五年度は中小企業まで広げない方針を固めたという報道がありましたので、もう終わったのかと、広げないのかと、見送られたのかと思ったんですけれども、総務省の事務方と議論していますと、どうもまだこだわっていると、選択肢の一つとして考えているということなんで、実は、二〇〇一年にこの外形標準課税が最初に総務省から提案されたときは全法人だったんですよね。それがいろんな反対があって一億円以上にしたわけですよね。そのときに中小企業団体の皆さんは、総務省はいずれ中小企業にも拡大してくるだろうという警戒といいますか懸念をかなり示されていたのが、今回、本当にそういうことが俎上に上ったということで、総務省としてはなかなか諦め切れないのかなと思ったりもするわけですけれども。
 そこで、今日は私の大変ふだんお世話になっています親愛なる二之湯先生に来ていただきまして、わざわざ私のために来てくれたということであります。二之湯先生は、もちろん中小企業の苦しむ気持ち、よくお分かりだと思いますので、総務省の事務方に、もう中小企業への拡大は諦めろということをきちっと指導してほしいなと思うんですけれど、いかがでしょうか。
○副大臣(二之湯智君) 大門先生、私を御指名いただきましてありがとうございます。
 地方法人課税につきましては、六月の政府税制調査会でいろんな留意点が指摘されたわけでございます。応益課税の観点から、企業間で広く薄く負担を担う構造にすることが必要であるということ、さらに、法人事業税における外形標準課税について拡大を行うべきであるということ、しかし、その際には、会社を立ち上げて非常に期間の短い創業会社や中小法人への配慮などを検討すべきであると、こういうことが言われているわけでございます。
 外形標準課税の中小企業への適用については、政府税制調査会の考え方を踏まえつつ、地方経済を支える中小企業への配慮の観点も含めて検討していくこととしております。
 いずれにいたしましても、拡大の方策については、今後、平成二十七年度税制改正に向けた税制改正プロセスにおいて具体化されていくものと考えております。
 以上でございます。
○大門実紀史君 まだお慣れになっていないからだと思うんです。恐らく、お気持ちは何とかしてやろうというふうに思っていらっしゃると思います。それはよく分かるわけです。
 本当に、なぜこうやって総務省をちょっと牽制するかといいますと、実は、中小企業一億円以上という話がありますけれども、実は、製造業の中小企業というのは三億円以下なんですよね。実は、ですから、一億から三億の製造業の中小企業は今でも外形標準が掛かっているわけですよね、負担しているわけですね。一億円未満には広げないけれども今の範囲でいじるというときに、製造業の中小企業、一億から三億の中小企業はやっぱり配慮されるべきだと私は思っておりまして、この中小企業にこだわって、なおかつちょっと総務省に牽制しておきたいなという意味で質問をさせていただいておりますので、くどくは申し上げません。二之湯副大臣がおられるわけですから、そこのところはきちっとやっていただけると思っております。
 外形標準課税はそもそも問題が多い税金でございまして、応能負担ではなくて応益負担というところも様々問題を生みますし、我が党は一貫して反対なんですが、後で申し上げますが、特別の事例を除いて基本的に反対をしてきたわけですけれども、実は、大塚委員からも指摘があったんですけれども、今の中身についても、中小企業に負担を求める云々の前に正すべきことがあるというふうに思います。
 このお配りしたやつですと、下の方に資本割というのがあります。この資本割の中の、法人の資本金の額によって課税で、さらに、括弧の中に一千億円超部分の割り落とし、これが午前中、大塚委員が触れられた部分であります。これが、そのときの答弁だと、九百四十一億円の減収になっている、資本金百億円以上のところだけで九百三十億円減免になっているというふうなことであります。これは、要するに資本割の課税標準をその資本等の金額に応じて減らしてあげる、課税標準を減らしてあげるという措置で、そういう優遇措置になっているわけですね。
 ちなみに、もう一つの持ち株会社の特例もあると。実はこの方が減収額は大きくて、これは子会社の株式を持っている割合を課税標準から控除してあげるというふうな制度ですけれども、これは全体で一千二百六十六億円、これも資本金百億円以上に固まっていまして、そこで千二百十八億円の減収になっているというわけであります。つまり、資本金百億円以上の企業に特に集中している恩恵だということであります。
 この資本割の割り落とし、つまり圧縮措置ですね、こちらの方について、大塚委員との議論もありましたが、改めてお聞きしますけれども、この圧縮措置を設けた理由というのは一体何なのでしょうか。
○副大臣(二之湯智君) 資本割の課税標準であります資本金等の額は、法人事業活動の規模を一定程度表す指標と考えておられますが、所得や付加価値に比して資本金等の額が特に大きくなる傾向のある法人については、これに比例して税負担を求めることが事業活動の規模との関係で必ずしも適当でなく、過大な税負担となることと考えられることから、資本割の導入に当たって、資本金等の額が一千億を超える場合には課税標準は圧縮することとされたものであります。
 以前、片山虎之助総務大臣のときも、資本金の額によって数十倍その企業が受益を受けているというようなことも考えられないということで、この課税標準額ということが設定されたのだと私は承知しております。
○大門実紀史君 審議官の方に聞きますけれども、これはつまり、資本金一千億以下のところはありのまま資本金等の金額全部が課税標準になって、それを超えてくると、一千億から五千億の場合はその資本金等の金額の半分だけが課税標準、五千億から一兆円のところはその四分の一だけが課税標準というふうに優遇されていくわけですよね。
 この一千億、五千億、一兆円という数字に、青木審議官、何か根拠があるんですか。
○政府参考人(青木信之君) 法人事業税に外形課税が導入されたのは、応益課税としての機能を強化するという観点でございました。その応益課税というのは、企業が事業を実施するに当たり、公共的なサービスを受けているということ等の観点から課税をするという考え方でございまして、したがって、それぞれの事業者の事業規模に即して外形化をしていこうということで、付加価値割というものと、そして資本金等も一定程度事業活動の規模を示しているということから資本割というものが設けられたところでございます。
 ただ、この事業活動の規模が資本金等の額と比例していくということではございませんので、したがって資本金等の額が大きくなればなるほど割り落としの率を高くすると、こういう設計になったわけでございます。その上で、この外形課税が導入する前と導入する後で税収中立を図るという観点を含めて資本割の設計をしたところ、御指摘のような一千億、五千億、一兆のところで区切って割り落としの率を変えると、そういう手法にしたというふうに理解をしております。
○大門実紀史君 今、言われたように、これ余り意味がないんですよね。根拠がないんですよね。後からいろいろ総合的に考えたらこの数字になったということで、いわゆる応益負担、受益者負担ということからいくと、別にこの数字と何の関連性も何もないんですよね。
 それで、この圧縮措置は、外形課税導入の際に、我が党だけではなくて中立的な税法学者からも、これは変だと、単なる巨大企業の優遇措置じゃないかという批判がかなり起きたんです。逆に言うと、一定の規模のところを優遇するために作った刻みではないかと、この刻みはですね、そういうことがかなり指摘されたわけであります。ですから、結果的に、先ほどあったように、資本金一千億を超えるところだけに恩恵が集中するという事態になっているわけですよね。
 先ほど巨大企業に過大な負担にならないように配慮したというのがありますが、それ本当なのかなと思うんですよね。実は逆に、この外形標準課税の導入で、二〇〇四年のときですね、導入で、かえって巨大企業は減税になっているんですよ。これで何かちょっと配慮してもらったんじゃなくて、外形標準課税で減税になっているんですね。
 減税になる仕組みは、先ほどの表を見てもらって分かるとおり、外形標準課税が導入されますと所得に係る部分の税負担が減りますから、当然、実効税率が下がると。当時、東京都の場合は四〇・八七%だったんですけれども、この外形標準課税の導入によって三九・五四に軽減されたわけであります。さらに、先ほど言いました巨額の資本を持つところについては資本割の圧縮措置があると。
 例えば、計算してみたんですけれども、当時のトヨタ自動車、当時ですから二〇〇二年度のデータを用いて計算すると、九百四十九億円の法人事業税を払っていたものが、この外形標準課税の導入によって約百三億円の減税になっております。これは、先ほどのように持ち株会社の控除を入れておりませんので、この圧縮だけで逆に減税になっているんですね、この外形標準課税導入されたときに。これは、何か過大な負担を掛けるからじゃなくて、明確に減税措置だったんではないかというふうに思いますが、青木審議官、どういうふうに認識されていますか。
○政府参考人(青木信之君) 外形課税は、先ほど申し上げましたように、応益課税の機能を高めるために導入し、今回はそれを拡大しようということを検討しているわけでございます。それとともに、地方団体にとっては景気に変動されにくい安定的な財源の確保にもつながるというものでございます。
 それから、先ほど来、財務大臣からお話をいただいておりますように、黒字のみに課税される所得割の税率を下げるということを併せてやることによりまして、しっかりと黒字を出す企業には減税のメリットが及ぶことにして、日本企業全体に稼ぐ力を高めていこうという観点もこの外形課税の拡大には含まれているものでございまして、そういう観点から導入をしたものであり、またこれからも拡大について検討してまいりたいと考えているものでございます。
○大門実紀史君 二〇〇三年に外形標準課税が導入されたとき、総務省は、この外形標準課税の導入前と導入後、法人事業税収に変化はないと推計されているんですよね。そのときの結果が今もう出ているわけですよね。今申し上げたように、トヨタならトヨタで、二〇〇二年が出ているわけですね。
 つまり、このときに法人税収に変化はないと総務省が既に推計されていたのは、赤字企業への課税による増収分がこういう巨大企業の減税分に吸収されるということを承知されていた以外にプラス・マイナス・ゼロなんてことは推計できないわけですよね。こういう巨大企業は減税で、赤字の企業は増税ということを当然想定していたんじゃないですか。それがもう、さっき言ったトヨタのように数字で今ならはっきりと分かるということじゃないんですか。いかがですか。
○政府参考人(青木信之君) 外形課税が平成十六年から導入されておりますけれども、その際には、その前と後で税収中立を基本として検討をされています。ということは、赤字企業にとっては若干の負担が増えるということになりますし、黒字企業でも黒字が少ないところは負担が増える可能性もあるかもしれませんが、いずれにしましても、広く薄く負担をいただくことによって法人事業税の応益性というのを高めていくとともに、先ほど来繰り返しになって恐縮でございますが、日本企業全体にとってしっかり黒字を出していく、効率的な経営をしていただく、稼ぐ力を高めていくということのインセンティブとなる点でも意味あるものというふうに考えております。
○大門実紀史君 申し上げたいことは、今回、導入のときも巨大企業に、結果的にですよ、そこまで悪意だったかどうかちょっと置いておいて、結果的に巨大企業にかなりの減税になって、赤字の企業に増税になったと。
 今回の実効税率の引下げの議論のときに、また同じように、黒字の、特に輸出中心の大きな企業の税金を減らしてあげるために、赤字のところ、今度は中小企業にまでというようなことで、どうもこの外形標準課税そのものが最初からうさんくさいといいますか、最初からどうも変なおかしな税制だというふうに思うわけであります。
 それで、赤字の企業って何でそんな悪いんですか。一生懸命稼いで従業員に給料を払っているわけでしょう。従業員はそれで所得税払っているわけでしょう。社会的貢献していないわけじゃないですよね。何か赤字の企業に掛けなきゃ、何か税金納めてないからけしからぬと、掛けなきゃ掛けなきゃという、そういう発想がまたおかしいなと、中小企業の世界を知らないなというふうに思うところであります。
 麻生大臣、いかがですかね、この外形標準課税の仕組みそのもの、歴史そのものは非常に問題ありますし、特にこの資本割というのは大変おかしなところでありますので、こんなものを放置したまま本当に赤字の中小企業に拡大するなんということはあり得ないと思います。この資本割のことも含めて本当によく考えていただくべきだと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(麻生太郎君) これは、基本的には法人税の課税、これは地方法人課税の見直しで、これは総務省の所管ということになるんですが、私どもから見て、経済全体、景気等々、税収等々全体を考えましたときに、やっぱり今地方にその比率の高い中小零細企業にいきなりどんと行くような形の外形標準課税を一挙にというのは、ちょっと今の状況においてはいかがなものかと、率直な実感です。
○大門実紀史君 それで、外形標準課税、日本では大変おかしな使われ方をしているわけであります。先ほどちょっと申し上げましたけれども、特例といいますか、この外形標準課税が必要な業種もあるかというふうに思っております。つまり、電気とかガスの供給事業ですね。通常の収益のカウントでは、その担税能力が測れない、利益がありのまま出てこない、民間と違ってですね、そういう事業があります。そういうものは前から外形標準課税が実施されておりますので、そういうものまで反対と言っているわけではありません。
 もう一つ、銀行ですね。東京都であの銀行税が議論がありましたけれども、我が党はあれは賛成いたしました。なぜなら、銀行という業種は、普通の企業とは違って引当金を積むいろんな仕組みがあって、そのまま利益が普通の企業のように表に出てこないと。したがって、利益が上がっているのに税金の負担が低いという問題がありますので、銀行税については必要だというふうに判断したことがありました。
 資料の二枚目ですけれども、今世界がどうなっているかなんですけれども、若干そのときの東京都の銀行税とは趣旨は違いますけれども、今世界各国で銀行税が導入をされてきております。時間もないので私の方で説明いたしますけれども、どういう経過で導入されてきたかといいますと、書かれているとおりですけれども、例えばやっぱりリーマン・ショックがありまして、銀行がかなり投機的な行動に、マネーゲームに走ったものですから、そういうことを抑えるために、リスクテークをすることを抑制するために、銀行のバランスシートに税金を掛けるというようなことがイギリス、ドイツ、フランス、アメリカでも検討されましたけれども、導入されてまいりました。もう一つは、いざ経済危機、金融危機のときに公的資金を含めて税金が使われると、そういうことのコスト負担という面もあって、こういう銀行税がイギリス、ドイツ、フランスで導入されてきております。仕組みは、バランスシートに掛ける、負債と資産に掛けると。ただし、安全資産は除外すると。リスクのある資産を持っている、投機的な資産を持っている場合にそれに掛けるということで、投機的な行動を抑制しようというふうな効果があるわけであります。
 これが、最近、日本の政府税調において大変注目されてきておりまして、外形標準との関係でも重要な提案がなされております。六月の政府税調での議論で、それまでの議論の取りまとめとして、法人税の改革についてという、まとめた文書が出されております。この中でこういうふうな取りまとめになっておりまして、イギリスで銀行税が導入されて法人課税の一翼を担っている例もあると。それを言及しながら、日本でも要するに法人課税の一翼を担うような新税の、新しい税の導入の可能性も検討すべきであるというふうに税調の取りまとめになっております。
 若干経過を加えますと、イギリスでは、最初こういうリスクテークとか経済危機対応で銀行税を導入すると。しかし、二〇一四年まで徐々に変化があるわけですが、その中で単にリスクテークを抑制する、いざというときのコスト負担だけではなくて、法人税の改革の中で銀行税を引き上げて法人税を引き下げると。一体のものとして、つまり法人税引き下げますと銀行も下がってしまうと、銀行は別だと、いろんな仕組みから別だと。だから銀行税は引き上げるというふうな、何といいますか、法人税減税の財源の一つとして銀行税が議論されるようになってきております。
 そういうことも踏まえて、この税調の取りまとめで銀行税に言及されたのではないかというふうに思っておりますけれども、主税局長、経過をちょっと教えてください。
○政府参考人(佐藤慎一君) 税調におきまして、法人税改革の進め方について様々な御議論がございました。
 その中で、まずは法人税制の中で、例えば欠損金の繰越控除でありますとか、外形標準課税とか、そうした法人税制の中でいろんな御議論をすべきだという御議論がある中で、その外側といいますか、それ以外の方法はないのかという御議論に及びまして、そのときにイギリスの例があるというような御議論もあったものですから、ここについて例示的に述べたという経緯でございます。
 経緯としては、そういう経緯で税調の答申はまとまったということでございます。
○大門実紀史君 私は、もう一つは、政府税調の法人課税ディスカッショングループで、税制第三課長さんが、わざわざですね、わざわざまたイギリスの例を引いて、法人税改革との関連で銀行税の改正も行われていると。政府税調ですし、このディスカッショングループで課長さんがわざわざ発言をされているということで見ますと、私は、つまり財務省は銀行税というものを視野に入れ始めているのかなと、かなりこだわって発言されておりますよね、と思っているわけであります。我が党は、銀行税、大賛成でありますから、財務省と意見が一致するなら支援はしたいなと思うんですけれども。
 ここでは慎重に言われていますけれども、審議会ではかなり財務省が銀行税があります銀行税がありますとおっしゃっているんですけれども、その辺の本音はどうなんですか。
○政府参考人(佐藤慎一君) 政府税調は様々な自由な議論が行われるところだと承知してございます。その中で、まとまりましたレポートそのものの考え方の構造といたしまして、今申し上げましたように、やはり法人税制の中にある今制度をしっかりまず見直すことで課税ベースの拡大を目指していくということが基本だろうというふうに書かれております。
 それから、今委員から御指摘ございました銀行税につきましても、文書もかなり丁寧に書いてございまして、必要に応じ導入の可能性も検討すべきであるということで、かなり差を持って指摘もしておるということでございますので、まずは現行制度の中をしっかり見直すということが先決かということで、その先の段階としてこの件についてどう考えるかという検討課題の位置付けであろうかというふうに承知しております。
○大門実紀史君 では、最後に、方向としてでもちろん今の段階では結構なんですけれども、財務大臣、麻生さんとして銀行税についていかがお考えですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 銀行税の導入というのは、いろんな、骨太の方針の中にも記載された方針に沿って法人税制の中をいろいろ触っていくことになるんですが、いろんな財源を取り組んでいく一つのものとして議論すべき課題であるというようには私ども認識をいたしております。
 新税をこれは導入するということになりますので、そうなるとこれは合理的な、いわゆる課税の根拠があるかとか、また経済的にどんな影響を与えるかとか、また、何でしょうね、公平とか効率的な課税が可能かとか、今ある税制との関係でどうなるかとか、いろんな幅広い検討が必要なんだとは思っておりますけれども、いずれにしても、この税制調査会の取りまとめのところで、これ最後に、もう大門先生御存じのとおり、法人課税の一翼を担うような新税の導入の可能性も検討すべきであると、これは税制調査会としてはそう書いておりますので、そういった意味で可能性を検討すべきと提案をいただいているというように理解をいたしております。
○大門実紀史君 終わります。
○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。
 今日は、まず大臣には、世界経済に対する御認識を承りたいと思っております。
 先週、IMFあるいはG20等の国際会議が開催をされました。来週以降も、この秋に向けて様々な国際会議が経済の関連でも開かれるわけでございまして、今日はそういう世界の経済、そして日本の経済に与える影響、こういうことについてお伺いしたいと思います。
 IMFあるいはG20、いずれも世界経済の下振れリスクというものに警鐘を鳴らしております。G20中央銀行・財務相会議におきましては、G20のGDPを今後五年間で二%かさ上げをする政策が打ち出されている。結論を急ぎますと、そうした政策を打ち出さざるを得ない昨今の世界経済の低迷ということについて、私自身は、世界経済がさきの国際金融危機から脱出の過程にある中で、早過ぎる財政あるいは金融の出口政策によって世界全体の景気が減速をしているのではないかと心配をしているわけでございます。
 先ほどの審議の中でも大臣からも御発言が様々ございましたけれども、今日はお手元に、正念場の世界経済として私の方で作らせていただきました、世界の財政、また金融、そして通貨供給量や実物の生産高等について変化をまとめさせていただきました。
 まず、その財政、金融の早過ぎる出口戦略という点であえて作らせていただきました、世界の財政赤字の対GDP比でございますけれども、これは二〇〇九年にマイナス七・三%であったものが、二〇一四年、直近の数値では三・二%というふうに世界の財政赤字は対GDP比で急減をしている、財政再建が進んでいるとも言えると思います。
 一方、金融の方でありますけれども、日米欧の中央銀行の資産残高、これを二〇一四年五月と本年九月を比較をさせていただいております。日米欧の中央銀行の資産残高というのは、ECBそのものが大変に一兆ユーロほど資産残高を減らしてきていることに加えまして、FRBも年初来の資産買取り縮減を行っておりますので、既にピークアウトしておるわけでございます。
 そうした欧米の中央銀行の資産残高の圧縮ということに日本銀行の資産残高を加えましたものが、この表にございます二〇一四年五月段階で十兆五千百五十一億ドル、対前年同月比で一五・一%であったものが、直近では七・六%ともう半減をしているという、そういう日米欧の中央銀行の資産残高の変化でございまして、財政においては財政赤字が世界で進んできていると。そして、金融においては、日本は別ですけれども、欧米におきまして資産残高は圧縮する中で、全体として金融が引き締まってきているということでございます。
 その結果としての主要四十五か国の通貨供給量というのをその後、M2、前年同月比で並べさせていただいておりますけれども、この世界主要四十五か国の数値というのは世界経済全体の約九割を占めるわけでございまして、このM2の前年同月比は、本年六月で一八・八%であったものが、この八月にはもう六・八%まで減ってきているということでございます。
 こうしたM2の減速ということが世界のGDPの減速を生み、また国際商品価格が低下をしてきている背景にもあるのではないかと私は思っているわけであります。
 そして、それに伴いまして、主要四十五か国の生産高も、ここにございますように、本年一月には前年同月比四・三%だったものが、八月には二・八%というふうに減速をしている、これが世界経済全体の財政、金融、そして、それに伴う実物の生産高の変化であります。
 こうした現状を考慮してだろうとは思いますが、今回のG20、中央銀行・財務相会議では、G20の、先ほど申し上げましたGDP全体を今後五年で二%、約一・八兆ドルでありますが、かさ上げをするという政策を打ち出されたわけでありますが、ドイツの抵抗が大変強かったということが報道されているとおりでございます。
 そこで、大臣はこの会議に出席をされておられますし、積極的な発言もなさっておられますので、世界経済の現状認識についてどう考えておられるのか、お伺いしたいと思います。
 世界経済は、新興国が主導した過去十年の経済から、それを先進国がバトンタッチを受けて世界経済を維持していかなきゃならないんだけれども、それがうまくバトンタッチできないと世界経済全体が長期停滞に陥るリスクがあるんではないかということを懸念をしておりまして、私自身はそう思っているわけですけれども、会議に出席された大臣の御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 世界経済全体としては、これは緩やかではありますけれども確実に景気は回復しつつあるという、まあ国によってばらつきがありますので、今ドイツの例も引かれましたけれども、米国では間違いなく景気は回復しておりますし、ヨーロッパでも景気としては、もうこれはドイツとギリシャとか、ドイツとか、いろいろ比較によって違いますんですが、いずれにしても、全体としては、一時これはEU全体二十何か国全部という感じだったのが少し持ち直してきているというのは確かだと思います。
 中国に関しましても、これは景気の拡大テンポは明らかに緩やかになってきておりますけれども、確実に今までのテンポは落ちたけれども回復しているというんで、経済状況とか政策の余力とかいうのを踏まえました上で財政政策とか金融政策とか構造改革を一体的に推進していくということがこれ一層重要なんであって、これはIMFとか世銀の総裁とかいるところで私の方から申し上げた話の内容ですけれども、これは多分今は間違いなく各国共通認識になっていると思っておりますので、去年と今年ではその点は随分大きく変わってきたかなと思っております。
○西田実仁君 そういう意味で、世界経済全体を緩やかに成長させていくためにどうしていくのかということで、私自身は早過ぎる財政、金融の出口戦略ということは取るべきではないというふうに基本的には考えております。
 そうした世界経済の認識の上で、それが日本にどう影響を与えていくのかということについて次はお伺いしたいと思いますが、まず、最近は若干円高というか、円安が是正というか、向いておりますけれども、この円安効果についてどう見るかということであります。
 よくある批判に、生産拠点はもう既に海外に移転してしまっているので、円安になっても輸出数量が伸びないとか、あるいは企業が利益重視で以前のように輸出価格を引き下げるということがなくなっているために輸出数量が伸びないということで、円安効果は期待外れであるということが指摘されております。
 しかし、果たして本当にそうなのかどうか。日銀統計の契約通貨建ての輸出価格を見ますと、確かに機械とかあるいは輸送用機器などは国際競争力が強い産業ということで、一部にそうした傾向があることは事実でありますが、電気・電子機器を始め多くの産業で輸出価格は実際には低下しているわけでありまして、全体で年間六%ほど下落をしております。その結果、輸出の数量も、例えば三か月の移動平均等で見ますと、傾向としては昨年二月を底にして九%ほど増えてきているという意味での円安効果はやはりあるんだろうというふうに私は見ております。
 二〇一二年度のGDPベースで見ますと、輸出が七十兆ございましたので、九%ほど増えているということを基に計算しますと、約六兆円の拡大効果ということが円安によってもたらされているというふうに言えると思います。
 とはいうものの、確かに従来の為替の変動によって輸出がどれだけ増えるかという率からしますと、大体ざっと言うと六掛けぐらいに収まってしまっているということでございます。これも事実だと思います。それは、先ほどの円安効果が余りないんではないかという指摘とは違いまして、むしろ世界経済の減速によるもの、世界貿易が鈍化している、そのことによって円安が従来のように輸出数量にすぐにつながらなくなってきているという面をやはりしっかりと認識をしなければならないというふうに思います。
 ということであれば、本来、円安効果が、先ほど六掛けと申し上げましたが、十兆円あってもおかしくないということからすると、実際には六兆円ほどというふうに試算されれば、四兆円ぐらい少なくなってきているということでございますので、それがその分、景気が予想よりも下振れしているのではないかというふうにも分析がされるわけであります。
 その補填策ということを考えるのであれば、円安の損、円安によって損を被る、デメリットの大きい輸入の部門、特に中小企業あるいは非製造業及び所得の少ない家計を中心に集中的な対策を講じていかなければならないというふうに思います。
 ところで、来年の十月に消費税一〇%ということが、予定どおり引き上げるために環境整備が必要だという論がございます。しかし、仮に補正予算等を組むということを仮定した場合、来年十月に予定どおり引き上げるのであれば、来年度予算は補正後の歳出以上の歳出が必要になってきてしまいまして、プライマリーバランス自体悪化させることにもつながりかねないと。
 世界経済の下振れリスクが拡大している現状を鑑みれば、今年度は円安効果の下振れ分の補填にとどめて、消費税引上げに伴う経済対策というのは来年度予算に組み込んで、来年度の下期に集中的に効果が現れるようにするという基本的な考え方をした方がいいんではないかというふうに私は思っておりますが、予定どおり消費税を引き上げる経済の環境づくりということと、景気の下支え策につきまして、大臣の基本的な考え方をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) これは、今申し上げましたように、景気は間違いなく緩やかに回復しているとはいえ、一年先の話だとはいえ、いろんな局面を我々は、クリミアがどうなるとかいろんなことを考えておかなきゃならぬと思っております。少なくとも、石油の値段がバレル八十六ドル、ドバイもそれからWTIも同じようなことになりましたので、そんなことを一月前に言っている人はおりませんでしたから、そういった意味では、一挙にこれだけ石油の値段が百ドルからどんと下回って八十五ドル、六ドルというような状況というのはなかなか考えられない状況でもありますので、こういったものを考えますと、ちょっと、簡単にこうなりますからということを言うわけではありませんけれども、少なくとも我々としては、十月に上げたときの反動減やら何やら考えてきちんとした対応を打たねばならぬ。その他、来年の十月は予算の中で。
 それから、その前に、私どもとしては十八条の三項というものを考えて、少なくとも今のうちに、特に低所得者層又は中小零細企業等々に対する対策等々というものにつきましては、景気の下支えというものにつきましては、これは七―九の数字をきちっと見た上で決めていかないかぬところだとは思っておりますけれども、いずれにいたしましても、こういったものは法律にきちんと書いてありますので、そういった意味に合わせてそれにちゃんと適切に適応しているような経済情勢、景気状況というのをつくっていくというのが、これから来年度予算編成、この年末にかけて一番大事なところになってくるだろうと、私どももそう思っております。
○西田実仁君 今大臣から、低所得の家計あるいは下請中小企業に対する対策をきちんと景気の下支え策としても取らなきゃならないというお話をいただきました。まさにそのとおりだろうというふうに思います。
 この国際会議におきましては、新興国のインフラに対するマネーの供給ということも随分話題になったように聞いております。新興国の成長の鍵を握るインフラ整備に世界のお金をどう振り向けていくのかということが議論の焦点になりました。議長国の豪州では、シドニーに拠点を置いて各国のインフラ事業の情報を集めてマッチングをするという、そうした仕組みをつくることを提案されておられたり、あるいはこうしたことが既存の世界銀行やADBの、アジア開発銀行の側面支援をするという趣旨だろうというふうに思います。
 一方、話題に最近なっておりますのは、中国がAIIBということで、それを設立をして、そしてアジア諸国の中にも、私も何人かの方から直接お聞きしましたけれども、こうしたAIIBに出資をするという諸国も出てきているわけでございまして、背景には、今の既存のADBに対する様々な不満というか、もっとこうしてもらえないかという、そういう問題意識もくすぶっているのではないかというふうに思います。
 こうしたアジアのインフラ整備について日本が主導してきたADBが今後どのような役割を果たしていくのか。また、AIIBに関心が向くということは、既存のADBに対する様々な改善ということも促しているんだろうというふうにも思われますので、どう改善していくのか。AIIBとADBの関係はどうなっていくのか。そして、日本はAIIBに出資をするようなお考えもお持ちなのか。こうした諸点につきまして、現状でお答えできる範囲でお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) AIIB、最近、聞かない言葉ですけれども、エイジアン・インフラストラクチャー・インベストメント・バンクというものを新たに中国が主なスポンサーとなって設立をしたいということを打ち上げております。
 アジアの新興国にとりましては、今、インフラストラクチャー、電力とか港湾とか水道とか高速とか鉄道とか、そういった基本的なインフラストラクチャーにかなりな遅れが出ているために経済成長にキャッチアップできていない、経済成長を助長できない等々の悩みがありますので、インフラストラクチャーに対しての希望は非常に大きなものがあります。
 中でも、例えばいろんなやり方をやっておりまして、例えばインドの場合は、ニューデリーからアンコールワットじゃなかった、マハラジャのお城、何と言ったっけ、お寺……(発言する者あり)タージマハル。サンキュー・ベリー・マッチ、タージマハル。タージマハルに行くのに、昔は飛行機でとにかく乗り継いでえらい騒ぎで行ったんですけれども、今は完全に車でぼんと行けるようになった。それは全部PPPでやっております。プライベート、パブリックというあれで全部やっているんです。PPPだけでこれを造り上げてきておりますので、この話も、現実問題として、その高速道路料金のいわゆる料金代でちゃんとペイするというのを向こうの頭取も言っておりますので多分そうなんだと思いますが、そういうのをいろんなことを考えてやっているんですが、基本的にインフラが足りないことはもうはっきりしております。
 したがいまして、そういったものに対して応えるだけの金を誰かが出すということになったときに、それは銀行で、ADBとか世界銀行とかODAとかいろんなことをやっておるんですが、そこになかなか、今各国、そのADBの増資をやるとか、そういったことに関してはなかなか乗りにくい。で、今、別の方法として、そこに増資をするのではなくて金を貸す、増資の金ではなくてADBが貸す金を貸すという融資みたいなものもやるということを認めておりますので、IMFにしてもこれにしても、そういったことをやり始めておりますので、日本としてはそれには応じられますということを私ども言っております。
 傍ら、このAIIBの方は、今、主に融資を募っておるんですが、アジアの国でとにかく中国が巨大なシェアを持ちますものですから、占有率を持ちますものですから、よく中身が見えません、正直なところ。したがって、失礼ですけど、おたくら、そんな融資する審査能力がおたくはありますかと。中国さん、おたくはそんな融資の審査能力がありますかと。シャドーバンキングを見ながら、そんな融資を審査する能力なんかなかったじゃないですかと、これは各国が言うわけです。
 それで問題は、でき上がった後、その金を貸した、ところが取りっぱぐれた、返ってこない、その国からといったときに、これまで貸しているADBの金、貸している世銀の金、これまで貸しているODA等々いろんなものの融資の金が、その国が財政破綻をしたために、今までだったら順調に返ってきたものが、中国がどんと貸したがために返ってこなくなったときには、おたくは返済順位は一番劣後ですよと、これまでうちが貸している分が最初ですよということは約束してくれるんでしょうねとか、いろいろな今交渉をしている最中でありますので、こういったものがはっきりして、その中のトランスペアレント、中の透明性が確保されない場合に、日本とかアメリカとかそういった国でADBとか世界銀行にシェアを持っております国としてはなかなかそういったもの、自分たちのこれまでやっておるのが傷つく可能性がありますので、そういったものはなかなか乗りにくいというのが我々の今置かれている状況だと理解しております。
○西田実仁君 そういう状況の中で、しかしながらADBの役割も、もっとこういうふうにしてもらいたいというのが多分要望としてインフラ需要のある国々からもあろうと思いますので、それに対する対応、対策も必要であろうというふうに思います。
 次に、医療費控除についてお伺いしたいと思います。
 今、女性の活躍に中立的な税制として配偶者控除の議論というものが、今に始まったことではありませんけれども、特に活発化を最近になってしております。配偶者控除に対する様々な意見というのがございますが、とりわけ大きいものとして、まず配偶者控除は就労調整の原因となっている、特に女性の社会進出を妨げているという批判がございます。二つ目に、配偶者控除は専業主婦世帯や妻がパート勤務の世帯への優遇であり、フルタイムの共働き世帯に不公平感があるとの指摘もございます。
 今日は大変多岐にわたる議論でありますので、最初に申し上げたところは議論せず、二つ目のこと、すなわち専業主婦あるいはパート勤務の方々とフルタイムの方との不均衡、不公平ということについて、介護ということを絡めてお話をしたいと思います。
 専業主婦あるいはパート勤務といっても、その実情は様々であろうかと思います。中には、家族の看護あるいは介護によってフルタイムでは働けない、専業主婦として介護や看護に専念しなければならない御家庭が結構あるということは認識しなければならないというふうに思います。
 配偶者控除に関する議論は今後更に活発化していくものと思われますけれども、議論の際には、配偶者控除あるいは特別控除のみならず、基礎控除あるいは医療費控除など、所得控除全般にわたって幅広い議論をする必要があるのではないかと私は思ってございます。とりわけ、昨今の在宅介護への政策誘導をしている今の日本においては、介護に関連いたしました税制の在り方について議論をしなければならないというふうに思います。
 介護サービスに関する医療費につきましては、一定の要件を満たす場合には医療費控除の対象と現在なってございます。ただ、この一定の要件を満たす場合というのは必ずしも明らかではありませんで、これまで医療費控除の趣旨に合致した運用によって社会的実情に適合するよう取り計らってきたというのが現実であります。しかしながら、本来的にはこの医療費控除は、所得税法七十三条あるいはその施行令である二百七条といった法令を解釈、通達によってではなくて、そうした法令を社会的実情に合わせて改正していくということが必要ではないかという問題意識から質問させていただきたいと思います。
 まず、医療費控除の趣旨でありますけれども、この医療費控除はなぜ設けられているのかといえば、一定金額を超える医療費の負担は納税者の担税力を弱めるという考え方に基づいて認められていると理解しております。いわゆる応能負担原則という憲法の要請に応えるための制度であろうというふうに思います。そして、この医療費控除は、申し上げました所得税法七十三条で限定的に定められております。
 所得税法七十三条の第二項には医療費控除の対象が定められておりますけれども、その対象は、申し上げたように大変に限定をされております。そして、政令に委任されておりまして、委任されている政令、所得税法施行令二百七条におきましては更に医療費控除の対象について限定列挙をされているわけでございます。この施行令の二百七条五項には、保健師、看護師又は准看護師による療養上の世話が医療費控除の対象として挙げられております。これについては、所得税基本通達七十三の六におきまして、保健師、看護師又は准看護師が業務として行う療養上の世話をいうけれども、これらの者以外でも療養上の世話を受けるために特に依頼したものから受ける療養上の世話もこれに含まれるというふうに基本通達されております。つまり、保健師又は看護師、准看護師以外の者による役務提供であったとしても、療養上の世話を受けるために特に依頼したものから受ける療養上の世話であれば医療費控除の対象として認められているということでございます。実際、指定介護老人福祉施設、特養、あるいは介護老人保健施設などの施設サービスの対価は医療費控除の対象になってございます。
 この介護保険制度下での指定介護老人福祉施設の施設サービスの対価に係る医療費控除の取扱いについてという法令解釈通達が平成十二年六月八日に出ておりますけれども、これによりますと、指定介護老人福祉施設では日常生活上の世話と療養上の世話とが行われており、後者、すなわち療養上の世話に係る負担のみが医療費控除の対象になると解されてございます。しかし、実際、介護の現場におきましてはこの両者を区別することは大変困難であるということが指摘されております。実際、介護保険法第二条第二項におきましては、介護保険サービスは医療との連携に十分配慮して行わなければならないとされておりまして、こうした医療サービスと療養上の世話、あるいは日常生活というものを峻別することが大変に難しく、日常生活上の世話に関する介護も療養上の世話に関する介護も密接に結び付いているというのが実態だろうというふうに思います。
 医療費控除の趣旨、先ほど申し上げましたけれども、医療費などの異常かつ臨時的な負担による納税者の担税力の減殺への配慮というのがその目的、趣旨でありまして、介護についても、社会的実情を反映すべく、これまでの医療費控除がどこまで介護サービスに適用できるかについては通達により緩和をしてきたというのが歴史だろうと思います。その典型は介護おむつであろうと思います。介護おむつについては、本来、医療行為とは関係ない、あるいは療養上の行為でもない、むしろ日常生活上の世話の範囲内の支出と考えられてきたわけですが、当初、医師の証明があれば医療費控除の対象として取り扱われて、現在では介護サービス費用の中に含まれ、介護保険給付の対象となり、その自己負担額が医療費控除の対象にもなっているということでございます。
 そこで、今日は国税庁の次長にお見えいただいておりますが、現在、医療費控除の対象外となっております介護保険の居宅サービス等として、例えば生活援助中心型の訪問介護、あるいは認知症高齢者グループホーム、福祉用具貸与、介護予防福祉用具貸与などがございますけれども、これらについても、仮に医師による療養上の世話との証明がある場合、医療費控除の対象となるんでしょうか。
○政府参考人(佐川宣寿君) お答え申し上げます。
 今先生御指摘のとおりでございまして、医療費控除につきましては、所得税法上、医師による診療、それから治療に必要な医薬品の購入、医療等に関連する人的役務の提供の対価と、こういうふうになっております。したがいまして、そういう趣旨からしまして、介護保険の居宅サービスの医療費控除のお話でございますけれども、まさに訪問看護などのいわゆる医療系の居宅サービス、それと、この医療系のサービスの計画と併せましたいわゆる一定の福祉系の居宅サービス、これは共に医療費控除の対象となるわけでございます。
 ただ、先生御指摘のとおり、福祉系居宅サービスの中でも洗濯とか調理とか掃除とか、いわゆる生活援助中心型の訪問介護につきましては、これは医療費控除の対象とならないところでございます。
 したがいまして、今御質問の、仮に医師による療養上の世話に該当するとの証明があったとしましても、今のような生活援助中心の居宅系サービスにつきましては医療費控除の対象にはならないというところでございます。
○西田実仁君 そうしたことが幾つかこれまでも医療費控除の対象をめぐって議論をされてきて、少しずつ変わってきたというのがあります。
 これまで介護に関する費用については、先ほど申し上げましたように、医師の診断書あるいは証明書などから施設と医療機関との一体性が認められれば、それを医療費控除の対象と認めるという対応が法令ではなくていわゆる緩和通達によって取られてきたという経緯がございます。法令に限定列挙をされている医療費控除の対象なんですけれども、通達によって税務執行面では柔軟な対応を取ってきたというのがこれまでの経緯だろうというふうに思います。
 医療費控除の趣旨に沿った運用という意味では評価できる面もございますけれども、一方、裁判等も起こされておりまして、通達で拡大解釈を行っても、法令自体が限定的になっているために、最終的に控除の対象になるのかどうかの判断が難しくなってきているというのも実態ではないかというふうに思います。
 そこで、医療費控除について、これから議論をいろいろすべきであろうというふうに私は思っておりますけれども、これまでその趣旨に合致をした、社会的実情に適合した運用がなされてきたわけでありますけれども、本来的には、所得税法七十三条あるいはその施行令である二百七条といった法令を社会的実情に適合するように改正すべきではないか。医療費控除は、もうかなり長期にわたって改正もされることなく、本当に時代に合っているのであろうか。その対象となる医療費の範囲あるいは適用条件などの見直しを総合的に行うべきではないか。
 その際、医療は医療、介護は介護と、なかなかこの区別も難しくなっておりますし、また、医療と介護の連携ということが今地域包括ケアシステムの中でも議論の中核になっているわけでございまして、医療と介護を合わせた総合的な所得控除の在り方を今後検討していくべきではないかと思いますけれども、大臣の御所見をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 今、国税庁の方からも答弁があっておりましたけれども、今御指摘のように、今法令によりまして、医師又は歯科医師の診療、治療の対価とか、治療、診療用の医療品の購入の対価とか、また医療費に関連する人的役務の提供の対価などに定められているのは御存じのとおりであります。ただ、法令に定められた考え方の下で個別事例への当てはめということになるんですが、これは、国税庁において控除の対象となる医療費の範囲に関する通達というものを定めて、取扱いの統一や明確化を図ってきたというのがこれまでなんだと思っております。
 ただ、こうした個別事例への当てはめについて、御指摘のように法令とかいうもので具体的にきちっと定めるということになりますと、今、介護サービスとかまた医療行為の対応がいろいろ多様化しているというか様々な形になってきております昨今のことを考えると、これは非常に柔軟性に欠けることになりはせぬかなという面もあるので、難しい面が出てくるのではないかという面もこれは考慮しておかねばならぬところだとは思っておりますので、ちょっとこれは簡単に今これで定めるというようなところにはなかなか行かないかなという感じがいたしております。
○西田実仁君 確かに、その通達によって柔軟な対応ということができているということは評価していくべきだろうと思いますが、今後、様々な所得控除について議論する際に、この介護についての費用をどう見ていくのかということは十分に考えていかなければならないというふうには思っております。
 最後に、この介護に関連して、よく相談を受けることというか、御注文いただく、まあ無理だというふうにお答えはしておりますけれども、そういう市民相談から一つお聞きしたいと思います。
 この方は、現在、御両親が八十五歳と八十歳で、お二人で生活をされております。お父様が要介護一、お母様が要介護五ということで、このお母様の方が三か月前から入院をしているということです。お子さんが三人いて、三人兄弟なんですが、兄、弟はそれぞれ遠方に住んでいて、長女の女性、御婦人がお近くに住んでいると。しかし、何らかの事情で生計を一にしていないという、そういう御家庭でございます。高齢の御両親の面倒を見るために仕事を辞めて、入院中の母親と父親の生活の面倒を見ているということでございました。今後、母親が退院して介護施設に入居した場合には、その費用は月十七万円ほどは掛かるだろうと。両親の年金合計が二十万円、残り三万円、これでは残された父親の生活は極めて厳しくなるという、そういう実情を訴えておられました。
 この長女の御婦人からしますと、本来、生計を一にしていればいろんな介護に関する費用は医療費控除の対象になりますけれども、家庭の事情が様々あって生計を一にできない中で、介護に掛かる費用は医療費控除の対象には全くならないわけでありまして、しかし、親の介護のために出費した様々な費用の一部でも所得控除の対象になれば非常に助かるという、そういう御意見。
 しかし、これは法律上、生計を一にしていないということでありますので難しいわけでございますけれども、しかし、こういう、一緒に住めば別に問題ないんですけれども、何らかの事情で住めないけれども、実際にはその介護のために様々な費用を捻出をして充てているというケースも今後増えていくんではないかというふうに思っておりまして、今すぐここで何か答えが出るわけじゃもちろんありませんけれども、こういうケースも含めて、介護に関する費用負担というものを医療費控除の本来の趣旨、目的ということからして様々見ていかなければならぬではないかという問題意識を持っておりますけれども、最後、感想なりお聞きできればと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) これは、西田先生御指摘のように、これは物すごくいろいろなケースが考えられるんだと思っております。
 仮に家計が別であるとしても、親族の医療費の話ですから控除の対象とするという仮に前提に今立てば、今度はどういった支出まで認めるのかというこの線引きが物すごいこれは難しいことになるなと、今伺ってそう思ったんですけれども。
 通常の生活の中で家計として一体と扱われているという点で線を引いているのが今なんですけれども、これは一つの線引きの方法としては分かりやすい形になっているんだと思っておりますので、別のところまでというと、どういった形で線引きするかというところが今後、公平だ不公平だ、あれがよくてこれが駄目だとかいうことの一番難しいところになるんじゃないかなという感じが率直な実感です。
○西田実仁君 終わります。
○平野達男君 平野達男でございます。
 今国会も財政金融委員会のクローザーを務めさせていただきたいと思います。守護神とまではなかなかいかないと思いますが、今日も三十分時間をいただきましたので質問させていただきたいと思います。
 まず冒頭、先ほど財政をめぐる何点かの議論がございまして、破綻するしないとかといういろんな話がございましたけれども、私は破綻の定義というのはよく分かりませんが、この財政の問題についてはこれまで何回も取り上げてきましたが、少なくとも普通国債の発行残高が七百八十兆円、金利が一%上がっただけで七・八兆円の利払い費が増えると。もちろん、今、国債発行の平均期間が七・七か月くらいですかね、ですから、一気に七・八兆円上がらなくて、八年ぐらい掛けて毎年一兆ずつ上がるという、そういう構図になるということですね。これから新発債も増えてきますから、そのベースがどんどんどんどん広がってきて、金利に対する要するに反応度といいますか、これが非常に高くなってきているということは、これはこれからの財政を考えていく上での一番のキーワード、キーターム、重要な視点だということについては、これは麻生大臣とも何回も議論をさせていただきましたし、ここは再度認識を共有させていただきたいというふうに思います。
 今日は、そういう意味で、財政運営ということで最初、俯瞰的な話で何点か議論をさせていただきたいと思います。
 その前段で、先ほど西田議員から経常収支のお話がございましたけれども、私もちょっと経常収支の推移についてお話を、議論をさせていただきたいというふうに思います。
 お手元に平成二十六年上半期中の経常収支の推移がございまして、御案内のとおり、先般、二十六年の上半期につきましては五千億円の経常収支の赤字が出たということでありまして、これは近年にないぐらいの赤字の幅であったということであります。まあこれから回復基調にあるようですが。
 ここで言いたいのは、明らかに、黒字が普通であった経常収支の状況がかなりやっぱり変わってきているなということだと思います。その背景については先ほど西田委員からも様々な議論がございましたけれども、この経常収支の推移について、どのような基本的な認識を持って麻生大臣はこれから財政運営、金融の運営に当たっていくべきかということについての基本的な認識を、簡単で結構でございますからお願いしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 平成二十六年の上半期中の経常収支四千六百十五億円の赤字となっておりますので、対前年同期比で三兆七千七百四十六億円悪くなったということになっております。その主たる原因というのは、これはもう間違いなく液化天然ガス等々の、原油等が額が増加していることであります。
 続いて、他方、輸出額につきましては、これは三半期になりますけど、連続でこれは増加をしてはおりますけれども、日本の企業の生産拠点が海外に移ってきたこと、また新興国とか資源国等々の需要が弱含んでいること等々、円安の動きもあるにもかかわりませず日本の企業が現地価格を余り引き下げないということで、引き下げてシェアを増やすということをしないということなどなど、背景に輸出数量自体が横ばいになってきておりますので、輸入額と比べると輸出額が弱めに推移しているというのがこれ、この四期ぐらい見ますと間違いなくそういうことになっていると思っております。
 今後の動きということになりますと、これは内外の経済情勢とか為替とかいろんなものがあろうかとは思いますが、幾つか変わってきているのは、顕著に変わってきているのは、原油価格は一月前百ドルを超えておりましたが、今は、今日、WTI、ドバイいずれも八十何ドルまでになってきておりますので、随分変わってきてはおるとは思いますけれども、今後ともそういった、原発が止まっておりますために一挙に原油は輸入の絶対量が増えておりますので、そういった意味で、確たることを、見通しを申し上げるということではありませんけれども、いろいろ動静を注意しておかねばいかぬとは思っておりますが。
 ここで大事なところは、やっぱりこの黄色いところ、黄色いところというのは所得収支がばっと増えてきておるというところがやっぱり一番肝腎なところかなという感じはしております。
○平野達男君 麻生大臣もおっしゃっていましたけれども、今三百二十五兆ですか、日本は今、世界一の純債権国ということでありますから、その所得収支ということでかなり日本の経常収支はバランスが取れているみたいな面はあると思います。
 ただ、傾向として黒字幅が減ってきているねということでありまして、今日は先ほど言いましたように財政の運営という観点で質問をさせていただいておりますので、副大臣にお伺いしますけれども、こういう状況と国債との関係というのはどういう関係になってくるのかということについての基本的な認識をちょっとお伺いしておきたいと思います。
○副大臣(御法川信英君) お答えいたします。
 日本の財政収支の赤字が継続する中で、経常収支が赤字ということになりますと、いわゆる双子の赤字という状態に陥るわけでございますけれども、この双子の赤字が恒常的に継続する場合には、政府部門の負債を含め国内資金需要の一部を海外からの資金によりファイナンスをするということにならざるを得ないということになると思います。
 このことが直ちに国債の消化に影響を生ぜしめるわけではありませんけれども、家計部門の資金余剰あるいは家計貯蓄率が減少傾向にあるような中で、この双子の赤字が恒常化するという場合には、国債市場や国債保有における海外投資家の割合が高まるということがございまして、この投資動向が金利あるいは国債の需給等、市場に不測の影響を与えるというおそれが考えられるわけでございます。
 この辺を考えると、海外投資家を含めて財政に対する信認を確保していくということが重要だというふうに考えまして、適切な国債管理政策に努めるとともに、財政健全化を着実に進めていくという必要があるというふうに考えております。
○平野達男君 そういう形で国債をファイナンスする、それをめぐる環境というのが従前に比べればやっぱり厳しくなってきていると。その一方で、国債の発行残高というのは今のままでいったとしてもどんどんどんどん増えていきますから、そういう状況にあるという中で、足下の景気というのはもちろん大事でありますけれども、先ほど麻生大臣、財政再建と景気回復という二律背反と言いましたけれども、二律背反を両立させるということをとにかくこれから目指してやっていくという、非常に難しい課題だと思いますけれども、やっていかなくちゃならないんではないかというふうに思います。
 そういう観点で、財政再建というのは歳入増と歳出改革というのがあるわけですけれども、どうもやっぱり歳出改革という姿がなかなか見えてきていないなという感じがいたします。これは、西田委員が言われるように、景気対策としての補正をやるというのは別です。財政構造をどういう形にするかという問題の観点からちょっとお話をさせていただきたいと思いますが、御案内のとおり、国債費と地方交付税とそれから社会保障費で七〇%、七割以上の割合になっています。今から三十年前では、その三つの費用で大体、私がちょうど農水省に入った頃は半分もなかったと思います。まだまだ財政の要するに弾力的な運営する幅というのはあったんですね。かなり硬直化してきているという中で、この財政構造をどうやって変えて、財政の負担というのを、できるだけ支出を抑えていくかということについては様々な議論があるかと思いますが、やっぱりある程度抑制するということは考えていかなきゃいかぬと思います。
 それをどのようにやっていくか。キーターム、やはり社会保障制度ということになってくるかと思いますが、改めて、ちょっと財務大臣に、答弁簡単で結構でございますから、お願いいたしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 二〇一五年までにということで、来年度が一番最初に来るPBの半減化、まずここから最初なんですが、その次が五年後、まだきちんとしためどが立っておりません。その後も引き続きやっていかないかぬというのが我々の基本的な目標なんですが、少なくとも、今言われましたように、きちんとやっていくのはもう当然のこととしても、やっぱり社会保障というものは、これは間違いなく少子高齢化というのが進んでいく段階にあっては、これはやっぱり今度の消費税も、これは基本的には社会保障というところが一番大きな部分で、その目的税に近いぐらいな形でぼそっとそこに絞っているわけですけれども。
 是非そういった形で持続可能なものにしていかない限りは、皆保険とかなんとかいろんなことを我々世界に胸張って言っているわけですけれども、こういったようなものが全部危なくなってくるということには、私どもとしては、これはどうしたって持続可能なものにしていくための歳入と歳出の限度はちゃんとどこかバランスさせたようなものを後世に譲っていくということになろうと思いますので、これはまずは、効率化とか今までやれていなかった部分で薬価や何やら含めていろんなものがありますけれども、これはITが全然使われていないとか、いろんなものをやらなきゃいかぬ部分がいっぱいあろうかと思いますので、そういったものはきちんとやっていかねばならぬ。そこから、やっぱりそんなに一挙にぱっと、これやったらこれができますというものじゃないんであって、一つずつ確実にやっていく以外にないんじゃないかなというのがこの二年間の正直な実感です。
○平野達男君 今日は貯蓄・投資バランスのグラフをちょっと用意できなかったんですが、今から少なくとも、この図を見ますと、二十年、三十年ぐらい前までは家計の金融資産が企業のファイナンスもする、要するに、銀行を通じてですけれども、それから政府のファイナンスもする、それから経常収支黒字でしたから、当然のことながらこれは外国のファイナンスもするという、要するに家計金融資産が大体三つのセクターを全部支えている時代がずっと続いたわけですね。今その状況が随分変わっていまして、家計資産はどんどんどんどん減ってきて、まだ、でも黒字です。貯蓄率もだんだん下がってきていますが、まだ数%維持していると。代わって、企業の内部留保というか、企業の貯金率が増えてきて、かつては金融資産から銀行を通じてきて金をファイナンスしてもらったものが、今内部留保という形で抱えているという構図ですね。
 そういう状況の中で、法人税をどうするかというのは、これも前の財政金融委員会のときにやりましたけれども、お金を抱えているところに何でこんな法人税下げるんですかという議論は今日はしません。しませんが、大事なことは、こういうふうに個人の金融資産がどんどんどんどん率が下がっている中で消費税を上げざるを得ないというこの厳しい状況なんですね。
 私らは、最も金融資産が余って家計が豊かなときに本当はきちっとファイナンスというか、国のファイナンスするときに増税というか負担もお願いするべきだったんですね。その負担の構図をそのときにつくっておけば今こんなに苦労しなくても済んだかもしれません、たらればの話してもしようがありませんけれども。ただ、そういう構図の中にあってきて、だけどこの個人の貯蓄が減っていく中で、私は一〇%の消費税というのは、これは私は待ったなしだと思っていますけれども、それと景気のセットということでやっぱり考えていくということではあると思います。
 私は、地元に帰りますと、私の両親といっても義理の親、お父さんとお母さん、私の両親はもう亡くなりましたから、いつもとにかく文句ばっかり言われるんです。消費税は上がる、物価は上がる、生活苦しくなった。どうしてくれるんだとは言いませんが、そればっかりです。町中歩いても、景気はそんなによくならない、消費税上げるんですかと。いや、でもね、これ上げないとどうしようもありませんということで私は言っているんですけれども。
 この今の財政というのは、先ほど言ったように、底辺の中にものすごいマグマをいっぱい抱えているということについて、マグマだまり、マグマだまりということで私も何回も言いましたけれども、このこともやっぱりしっかり見ていかないと、足下の問題の中でこちらの方で景気の落ち込みも防がないかぬですけれども、今いろんなものが持ち上がっている中で、それを全部ある程度、岩手県の方ではめんこめんこと言うんですけれども、まあまあまあまあとやりながら全体を持ち上げていくということなんだろうと思いますが、まあナローパスではあるかと思います。
 繰り返しになりますけれども、私は消費税は上げるという前提で何をするかというのを議論を是非してもらいたいと思いますし、景気動向が云々ということではなくて、今、日銀の金融緩和もしています。一般会計も百兆近くの歳出をもう出しています。必要だったら補正をやればいいです。これ以上やって、そして景気もそんなにうんと悪いという状況でもないと思っています。
 この状況の中で消費税を上げられないということの方がはるかにマイナスのインパクトが大きいんじゃないかと私は思っておりますが、今、麻生大臣どこまで御発言できるか分かりませんが、麻生大臣の御見解をちょっと伺っておきたいと思います。西田さん、何かあれば後で。
○国務大臣(麻生太郎君) 消費税の引上げに関しましては、今般のこの二%に関しましては、これは国債の信認の維持ということ、国債というか国の信認の維持という点と、それからやっぱり社会保障制度というものをきちんと次の世代に引き継いでいくということなど、子育て支援等々いろいろありますが、まあ待ったなしの課題なんだと、私もその点はそう思っております。
 その上で、これまでも繰り返し述べてきましたけれども、この消費税を上げるに関しましては、これは、先ほど言われましたように、やっぱりデパートの消費というのはこれは間違いなくある程度中の上の人が買いに行っていますから、そういったところの伸びているよりは、もっと底辺のところの地方の部分がどうなっているかと。まあ私のところの田舎も似たようなものですけれども、そういったところの消費を見ると、それは今、平野先生おっしゃるとおりなんであって、そんなに上等ないい形になってはいない。
 大都市部の方がはっきり見える効果が出てきているように思いますけれども、今アベノミクスというものが、地方創生とかいろいろ言葉は使われていますけれども、地方に波及していく作業というものは私どもとしてはこれは当然必要なんですが、収入と同じように、先ほど、インフレになっているときはタイムラグが必ず出ますので、そのタイムラグを考えますと、やっぱり低所得者層に対する対応、例えば田舎に行けば行くほど車に乗らざるを得ない人の比率は高いわけですから、東京都内、鉄道の捕捉率七三%、世界一ですけれども、東京をちょっと例に引けませんけれども、田舎に行けば行くほど公共の鉄道とかそういったものがありませんので、そういった意味では車に乗らざるを得ない、必然的にガソリンが高いということになりますので、ガソリンの値段を見ても、これ全然地域差とか、県にすごく、一リッター百七十円から百五十円幾らまで差がありますので、そういったものを見ますと、やっぱりこういったものに対する対応というようなものをきめ細かくやらないと、地域別、業種別、年齢別、かなり差があると私どもそう思って、きめ細かな対応をやらねばならぬなという感じ、意識でおります。
○平野達男君 いずれ、国の支出というのはある意味では行政サービスの提供でありますから、サービスを受ける以上は応分の負担をするという、これは当たり前の構図が随分やっぱりゆがんでしまいました。その負担の部分をある程度負担をすると、共存をするという社会をやっぱりつくっていかないといけないというごくごく当たり前の、釈迦に説法で申し訳ございませんけれども、そこの部分はしっかりこれからも麻生大臣、訴えていただきたいというふうに思います。
 次に、人口減少社会ということについて、これも何回か議論させていただきましたけれども、議論をさせていただきたいというふうに思います。
 前に手前勝手ながら御紹介させていただいたかもしれませんが、私、今勝手に民主党を離れてしまいましたけれども、民主党内閣の副大臣をやっていたときに、民主党政権の国家戦略は、絶対、人口減少社会に対しての対応をどうあるべきかというのを立てるべきだということで了解も得ておりました。そのためのスタッフも用意して、先生方の議論もヒアリングも開始して、いよいよ官邸でいろんなその会議を立ち上げようかといったときに三・一一が来て、それが中座してしまいました。
 そのときに、何点か私らも頭の体操していたんですが、一つはやっぱりマクロ経済にどういう影響が出てくるんだろうかということ、それから、人口減少社会が、もう既に日本は入っていて、地方はもう、地方に行けば分かりますけれども、もう皮膚感覚で人が減っている、また減りつつあるなというのが分かる状況になっています。
 そこで、そこに対してどういう対応をすべきかという、あと何点かあるんですけれども、そんなことを議論していましたけれども、マクロ経済につきましては、これにつきましても、私は予算委員会でも何回も取り上げて、需要と供給の場合にやっぱり需要の部分をどうするんですかと。これも財政金融委員会でも言いましたけれども、名目成長率三%でやっていくということであれば、仮にGDPの個人消費が六割ということで、人口が減っていくということは、一人の個人消費がもっともっと増えて、どんどんどんどん、三%どころじゃない、五%、六%ぐらいで増えなくちゃならないという構図になるはずなんです。
 そんな世界って一体どうなんだろうかという、どうもそっちの方がネックになってくるんじゃないかというのが頭の中でどうしても抜け切れなくて、この部分に対して私もいろんな学者の先生に聞いたんですが、経済学者というのはマイナス成長とかゼロ成長というのは考えられない頭の構造に、あっ、失礼、いませんね、なっているのではないかと思うぐらい、その話になった途端に話が前に進まないんですね。だけど、やっぱり需要サイドということから考えた場合に、人が減った場合に、我々一人の消費が伸びていたとしてもトータルの消費量というのは減るかもしれないんです。そういう中でのマクロ経済というのはどうなっていくんだろうかという問題がやっぱりありまして、この点はどこかでやはり、重ね重ねお願いしたいんですけれども、やはりきっちり、今の内閣の成長戦略なのかあるいは国家戦略なのか分かりませんが、やはり私はしっかり議論していくべきではないかと思いますけれども、改めて麻生大臣の考え方をちょっとお伺いしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) これは多分、長期的には日本の国家としては最も大きな問題ははっきりしています、これは。これが一番大きな問題なので、エネルギー、短期的にはありますけれども、長期的には人口です。もうこれははっきりしていると思いますので、これを補うために労働人口の流入ですかと。先進国みんなやっています、アメリカもやっています、みんなそうです、日本もやりますかという点等々、いろいろな方法が今後考えられるんだと思っておりますけれども、やっぱり今女性の活力ということが言われ始めて、そういったことを申し上げて、今そういった形になりつつあるのが一点あります。
 それから、高齢者と言われますけど、どう考えてもこの国の高齢者は他国の高齢者に比べて元気、はっきりしていますよ。よく六十五、七十であればみんな働く人はいっぱいいますけど、外国人のあれは、宗教、ちょっと宗教を持ち出すのはいかがとは思いますけれども、やっぱり旧約聖書では労働は神がアダムに与えたもうし罰ですから、あれは。だから、労働というのは罰ですから、退職というと、みんな出所祝いみたいにわあっと喜んでシャンパン抜いて大騒ぎ。みんなそうですよ。外国に住んだ人ならみんな知っていると思うよ。ところが、日本じゃどうです。退職といったら、ハッピーどころか、みんな何か神に見放されたような顔をしてとぼとぼと職場を去るという人になっているという、労働に対する意識が全く違うと、僕はこの国に関しては、もう外国にあっちこっち行って見ましたので、つくづくそう思います。
 したがって、やっぱり高齢者で元気でやりたいという人が働けるような労働環境、コンベヤーベルトを少し遅くしてやるとか、ライトを明るくするとか、階段の代わりにスロープ使うとかいうのをやっている企業というのはみんな、失礼ですけどもうかっていますよ、はっきり申し上げて。
 そこらのところは給料はどうなっているかというと、間違いなくその人たち、給料払っておるわけです。だから、そういう人たちの方が若者よりよっぽど、NC機械というのは、数値制御の機械を使っていますので、ボタンを確実に七桁ぐらい押してくれるのを確実にやってくれさえすれば物ができてきますので、そういったようなものを使えるなら若者よりよっぽどいいという形になって、ちゃんと給料をもらっているから、いきなりその人たちはタックスイーターからペイヤーに変わっているという構造も地方の工場に行ったり見たりするとありますので、そういった意味では、日本はこれは間違いなく先進国の中で最も高齢化が急激に来るんで、先進国としては、課題としては、一番先端を行っているところだと思いますので、これはちょっと全体として、私個人の意見だというんじゃなくて、国として全体的にこの問題は考えねばならぬ最も大きな問題の一つ、私そう思います。
○平野達男君 大変難しい問題だと思いますけれども、いずれ難しい問題なだけにきっちりとした議論をしておくと、で、それに対しての準備もしておくということがやっぱり大事じゃないかと思います。
 そしてさらに、今日は小泉政務官に来ていただきましたけれども、今回の地方創生というのは、増田さんがかなり強烈な数字出しまして、地方の町村、集落が消滅するということを出して、あれから様々な議論になってきまして、私も増田さんとは何回も人口減少社会の問題、二人で議論もさせていただきましたけれども、それを受けた形で地方創生ということだったのかなという、ちょっと狭い捉え方かもしれませんが、ちょっと取っています。
 その中で、地方創生というのは何を軸に今進めていこうとしているのか。これは、実は私は、ちょっと後で言いますけれども、国としてできるか、何ができるかというのは相当なかなかこれは大変な面はあるかと思います。極論を言えば、何も具体的な施策は示さなくてもいいんじゃないかぐらいのところまで私のときは考えたこともありますが、まずそれはそれとして、今どんなことを考えておられるのかということをちょっと御披瀝いただけるでしょうか。
○大臣政務官(小泉進次郎君) 平野委員におかれましては、まず、私は復興政務官も兼ねていますので、元復興大臣として大変な復興に御尽力を賜りましたこと、心から敬意を表したいと思います。そして、平野委員の御地元の岩手県の担当を私も今やっていますので、これからも様々現場に即した御意見を賜ればと思います。
 そして、地方創生ということで今日はお話をいただきましたが、鍵はやはり地方から学ぶという、そういったことも一つは重要だと思います。
 平野委員の御地元の岩手県には、紫波町というモチ米の日本一の町があります。先日私も視察に伺ったときに、オガールプロジェクトという町有地を民間活用するPFI、この事業を拝見をしました。
 その関係の皆さんに御意見を伺ったところ、私は本当にびっくりしたのは、まず、町づくりというのは身銭を切らなければ絶対に成功しないんだと、そういった思いで補助金をもらわないと決めたんです。それで、その結果、株式を発行して関係者の皆さんで持って、この事業がうまくいけばみんなの収益になり、うまくいかなければみんなで負うと、そういう覚悟がなければ成功しないといってやった結果、今黒字にもなって雇用も増えて、そして、中につくった道の駅のようなマルシェも農水省の補助金を使わないという決断をして、その結果、好きなものを置けるようになりました。もしも農水省の補助金を使うと地元のものを置かなければいけなくなるので、そういったことをしなかった結果が今を生んでいると。私は、このオガールのその考え方を、まさにオガール精神というか、紫波町から全てこれは学ばなければいけないと、そういうふうに思っております。
 そして、地域を全国今、回っていますが、先ほどの高齢者の方の話で言えば、例えば兵庫県の養父市は国家戦略特区に指定をされて、その中で上げてきたのは、高齢者はもっと働きたいんだと。そして、シルバー人材センターは、今、週二十時間の上限しか働けないことになっていますが、養父市の高齢者の皆さんから直接上がってきた要望は、二十時間以上働かせてほしいと。その結果、今回の国会でそこら辺の上限も外すと、そういった方向性で今調整をしております。
 このように、地方を見ていれば、様々先進的な発想と意欲でやっているところがありますので、基本方針でもあるとおり、こういった頑張っているところをしっかり支えて、人口減少を克服して、そして地域の若い人たちが希望どおり仕事ができ、結婚ができ、子育てができると、そういった環境をどうやって整えることができるか、まさに今、創生本部の中で、基本政策検討チームを伊藤補佐官の下、毎日、七日間に分けて三時間、今までもやりました。そういったことを基に、ビッグデータを使い、そして地元の意欲も見ながら、これから例えば日本版シティーマネジャーという、若手の国家公務員を小さな自治体に直接送るとか、そういったことも考えていますので、難しい課題ではありますが、成果を生むように頑張っていきたいと思います。
○平野達男君 基本的にはそういうことでよろしいかと思いますが、一点だけ私からの意見ということで言わせていただきたいと思いますが、人口減少ということは首長さんは認めたくないんです。これは小泉政務官も復興でもう本当に御尽力いただいていますからお分かりだと思いますが、被災地は被災地でも、もう既に人口減少が始まっていて、また陸前高田もそうです、町名出して申し訳ありませんが。それで、人が亡くなっています。それでも首長さんは、この町は人が減るというのは絶対口に出して言えないんです。
 何を言いたいかといいますと、人口減少というのはこれはもう事実ですよ。特殊出生率が二・一を割ったらもう人口減少始まるんですから。一時日本は一・三まで下がりました、今一・四一ですね。もう完全にビルトインされている。だから、一億二千万が一億人を多分割ると思います。ということは、地域の中では残るところと残らないところがはっきり出るんです。だから、それを悲観的だということじゃないんです。リアリズムですよ、現実です。その首長さんが、自分の中で、選挙で私のところ人口減っていきますという話をすると、次に出てくるのは、子供を増やします、流入人口を増やしますと言うんです。そんなもの答えに何にもならないです。もちろん流入人口も増やす努力をせないかぬし、子供も、要するに出生率も上げないかぬ。だけど、事実は、集落的に残るところと残らないところがあると。そういう中で、残るところはどこかというのは、多分先ほど政務官が言われたように、俺のところは俺のところでやっていると覚悟を決めたところが残るんです。
 それからもう一つは、もう一つ言いたいのは、地域全体として考えたときに、人が減っていくというのは、ある意味においては、もうここからは当面これは事実だと、その前提で地域づくりをどうするかという雰囲気をつくれるかどうかだと思います。
 私は、復興庁の職員に言っているのは、復興庁の職員に言って、随分、私が復興大臣のとき査定庁なんて言いましたけれども、でかい施設なんか全部切れと言ったんです。それは何でかといったら、人が減っていくというのはもう事実だからと。ただし、首長さんは自分で減っていくなんというのは言えないと。言えないから、復興庁の職員だからあなたが全部行って言えと、行って、幾ら批判されてもいいから言ったらいいというスタンスでやってきました。
 私は、地方創生の中の一つのあれは、いい話をするんじゃなくて、だけど、人口減少が悪いという話でもないんです。事実だとして捉まえて、その前提で地域づくりをやっていくという気持ちと覚悟というのをどうやって広げていくかということではないかというふうに思っていました。
 そこは是非そういうことで、もし私の言っていることに賛同できる面があれば是非創生の方でも反映させていただければ有り難いと思いますし、また引き続き復興の方も、被災地の方に行ってやっていただければ、小泉政務官が来ますと、ほかの人が行ったとしても、全部テレビカメラはみんな小泉政務官しか向けないぐらい地域の方でも注目されていますし、また元気も出ます。その元気を出すパワーを持っていますので、引き続きそのパワーを存分に……
○委員長(古川俊治君) おまとめください。
○平野達男君 発揮してくださることをお願い申し上げまして、二分オーバーしましたけれども、私の質問を終わらせていただきます。
○委員長(古川俊治君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後四時十四分散会