第187回国会 財政金融委員会 第6号
平成二十六年十一月十三日(木曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 十一月十一日
    辞任         補欠選任
     馬場 成志君     石田 昌宏君
     堀井  巌君     宮沢 洋一君
 十一月十二日
    辞任         補欠選任
     尾立 源幸君     金子 洋一君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         古川 俊治君
    理 事
                愛知 治郎君
                若林 健太君
                大久保 勉君
                西田 実仁君
                藤巻 健史君
    委 員
                石田 昌宏君
                大家 敏志君
                伊達 忠一君
                塚田 一郎君
                長峯  誠君
                西田 昌司君
                森 まさこ君
                山本 一太君
                礒崎 哲史君
                大塚 耕平君
                風間 直樹君
                金子 洋一君
                前川 清成君
                竹谷とし子君
                中西 健治君
                大門実紀史君
                中山 恭子君
                平野 達男君
   国務大臣
       財務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        麻生 太郎君
   副大臣
       財務副大臣    御法川信英君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小野 伸一君
   政府参考人
       警察庁刑事局組
       織犯罪対策部長  樹下  尚君
       金融庁総務企画
       局長       池田 唯一君
       金融庁総務企画
       局総括審議官   三井 秀範君
       金融庁検査局長  遠藤 俊英君
       金融庁監督局長  森  信親君
       金融庁証券取引
       等監視委員会事
       務局長      大森 泰人君
       法務省民事局長  深山 卓也君
       国税庁次長    佐川 宣寿君
       文化庁次長    有松 育子君
       国土交通大臣官
       房総括審議官   由木 文彦君
       国土交通省道路
       局次長      黒田 憲司君
   参考人
       日本銀行総裁   黒田 東彦君
       日本銀行理事   雨宮 正佳君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○財政及び金融等に関する調査
 (金融機能の再生のための緊急措置に関する法
 律第五条の規定に基づく破綻金融機関の処理の
 ために講じた措置の内容等に関する報告に関す
 る件)
 (年金基金の資産運用の委託に関する件)
 (量的・質的金融緩和の拡大に関する件)
 (消費税率引上げの判断に関する件)
 (生命保険会社の保険金不払に関する件)
 (地方銀行の再編に関する件)
 (マネー・ローンダリング対策に関する件)
 (機動的な財政政策に関する件)
 (今年度の消費税収の動向に関する件)
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○委員長(古川俊治君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、馬場成志君、堀井巌君及び尾立源幸君が委員を辞任され、その補欠として石田昌宏君、宮沢洋一君及び金子洋一君が選任されました。
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○委員長(古川俊治君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として警察庁刑事局組織犯罪対策部長樹下尚君外十名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(古川俊治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(古川俊治君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に参考人として日本銀行総裁黒田東彦君及び同理事雨宮正佳君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(古川俊治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
○委員長(古川俊治君) 財政及び金融等に関する調査を議題といたします。
 まず、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条の規定に基づく破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告に関する件について、政府から説明を聴取いたします。麻生内閣府特命担当大臣。
○国務大臣(麻生太郎君) 昨年十二月の十三日に、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条に基づき、破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告書を国会に提出いたしております。
 報告の対象期間は、平成二十五年四月一日以降平成二十五年九月三十日までであります。
 本報告に対する御審議をいただくに先立ちまして、その概要を御説明させていただきます。
 初めに、管理を命ずる処分の状況につきまして申し上げます。
 今回の報告対象期間中に、金融整理管財人による業務及び財産の管理を命ずる処分は行われておりません。
 次に、預金保険機構による主な資金援助等の実施状況及び政府保証付借入れ等の残高につきまして申し上げます。
 破綻金融機関からの救済金融機関への事業譲渡等に際し、預金保険機構から救済金融機関に交付される金銭の贈与に係る資金援助は、今回の報告対象期間中に日本承継銀行に対する増額等が生じたことにより四十九億円の増額となり、これまでの累計で十八兆九千九百二十一億円となっております。
 預金保険機構による破綻金融機関からの資産の買取りは、今回の報告対象期間中にはなく、これまでの累計で六兆五千百九十二億円となっております。
 また、預金保険機構の政府保証付借入れ等の残高は、平成二十五年九月三十日現在、各勘定合計で二兆六千六百十一億円となっております。
 ただいま概要を御説明申し上げましたとおり、破綻金融機関の処理等に関しては、これまでも適時適切に所要の措置を講ずることに努めてきたところであります。
 金融庁といたしましては、今後とも、日本の金融システムの一層の安定確保に向けて、万全を期してまいる所存であります。
 御審議のほど、よろしくお願い申し上げます。
 以上です。
○委員長(古川俊治君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○大久保勉君 民主党の大久保勉です。
 まずは、今年の一月半ば、畑中前長官が地方銀行の再編を促す発言を行いました。また、監督指針におきましても、地域ごとの地方銀行の水平レビューを行い、地銀経営陣に五年後、十年後を見据えた経営戦略を検討するようにということになっています。
 これを受けて、最近、横浜銀行と東日本銀行、さらには肥後銀行と鹿児島銀行の経営統合の話が表面化しております。このことに対する麻生金融大臣の御所見を聞きたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 金融機関の経営統合、再編は、これはあくまでも各金融機関によります自主的な経営判断に基づいて決定されるべきものであると考えております。
 その上で、一般論として、人口減少等々、経営環境が変化をいたしております中で、銀行自身が将来にわたってその地域において金融仲介機能を円滑に発揮していくために、いわゆる経営戦略を真剣に検討するということは極めて重要なことであろうと存じます。
 なお、経営統合や再編というものは、それ自体が目的というわけではありませんで、各地域銀行が自らの経営戦略を真剣に考えて、検討する際に考え得る様々な方策のうちの一つと考えるべきものだと考えております。
○大久保勉君 ありがとうございます。
 今日はFRC報告に対する質問ですから、まず大臣に質問したいんですが、今日はりそな銀行に関して質問しようと思っています。
 りそな銀行は、このFRC報告の対象でしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) りそな銀行もFRBからの資金が入っておると思いますので、当然のこととして、その対象だと考えます。
○大久保勉君 そうですね。そういうことで、しっかりと審議していきたいと思います。
 まず、畑中前長官と森監督局長が、実質国有化が終了しましたりそな銀行グループに対して地銀再編の旗頭の役割を担わせようという報道があります。このことは事実でしょうか、森監督局長。
○政府参考人(森信親君) そういうような報道に覚えはございません。全くそういうことを担わせようという思いで何か行動しているということはございません。
○大久保勉君 いろんな記事が出ていますから、一切そういった発言はないと。ですから、記事自身は事実誤認ということでよろしいですか。どこでもそういったことは一切発言していないということでよろしいでしょうか。
○政府参考人(森信親君) 私の記憶の限りにおいては発言していないと思います。
○大久保勉君 続きまして、こちらは麻生大臣に対して質問しますが、来週辺り国会が解散されるんじゃないかという話もありますから、若干地元に関する質問をしたいと思いますが、大臣は全国石油商業組合連合会というところは知っていますか。特に、福岡八区、地元におきまして会員企業との付き合いはあるかに関して質問したいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) これは石油の小売販売の組合のことだと思いますので、地元にも幾つもありますから、知っているやつはいると思います。
○大久保勉君 こういった質問をしますから、大臣におかれましては、政治家として是非適時適切な判断をしてもらいたいと思っております。しばらくは非常に技術的な話をしますから、役人の答弁を聞きまして、最後はいわゆる政治家として、国民の代表として是非発言若しくは判断をしてもらいたいと思います。
 それでは、まず申し上げますが、実は四百二十六社の九州のガソリンスタンドでつくります九州石油業厚生年金基金が二百六十三億円の損失を発生し、幹事信託のりそな銀行に損害賠償の訴えを大阪地方裁判所に起こしました。これに関しまして、平成二十三年四月二十一日、財政金融委員会で金融庁の銀行監督、金融検査の観点から質問しました。あくまでもこれは銀行監督であります。
 ここに関しまして、議事録を見直すと、金融庁からは、年金資金の運用を受託する信託銀行の側でございますが、この信託銀行は、厚生年金基金が示す運用ガイドラインに沿って、受益者のため、忠実かつ善良な管理者の注意をもって信託業務を行うことが求められると答弁されております。また、自見金融大臣も同様な趣旨の発言をされています。
 この件に関しまして簡単に御説明しますが、資料一というのがございます。どういう問題かといいましたら、ガソリンスタンドの業界でつくっています厚生年金基金、それに対してりそな銀行、こちらは代表信託銀行です。まず、りそな銀行の担当者がダヴィンチ・ファンドを紹介しています。ここでダヴィンチ・ファンドを紹介し、九州石油販売厚生年金基金は合計で二百八十億円の資金をりそな銀行に委託しています。で、りそな銀行はダヴィンチ・ファンドにこの資金を投資をしたということです。
 今回議論していきたいのは、そのときに年金コンサルがいました。この年金コンサルタントに関しましては、九州石油販売業厚生年金基金のための年金コンサルでありましたが、その年金コンサルの意向を受けて、アドバイスで九州石油販売は様々な投資判断を行っていたと。こういったことに関してどういった問題があるかを議論してまいりたいと思います。
 そこでまず、平成二十三年四月の段階で、信託銀行は善管注意義務、若しくは利益相反に関してはしっかりと禁止されるということが言われました。そこで質問は、それ以降、大手信託銀行に対していわゆる検査をし又は処分を課した事例はございますか。
○政府参考人(森信親君) 委員御指摘の期間におきまして、信託協会加盟の大手四社に限って申しますと、当局から行政処分を発出した事例はございません。
○大久保勉君 次に質問したいと思いますが、実は、この図を見てもらいましたら、この厚生年金基金、全体の投資金額といいますのは、運用金額といいますのは五百億近い金額でありますが、その六割がダヴィンチ・ファンドに投資したと、二百八十億円投資しております。そこに関して信託銀行はどういった善管注意義務を果たしたかということで質問したいと思います。
 ピーク時には顧客の総資産の六〇%以上をダヴィンチ不動産ファンドのエクイティー商品に集中投資したりそな銀行は、信託銀行の善管注意義務違反として銀行検査が行われなかったのか。さらには、厚生年金基金には資産分散の義務が課せられておりますが、実際、資金を受託し、さらには代表受託者兼総幹事信託としてこの年金基金の全体の運用を知り得るりそな銀行は極めてリスクが高い商品に集中的に投資していた、このことに関して問題じゃないかと。つまり、お客さんにダヴィンチを紹介し、実質的に投資をしていたと。このことに対して、信託銀行の善管注意義務が果たされているか、森監督局長に質問します。
○政府参考人(森信親君) りそな銀行に対する検査でございますが、過去五年間で三回検査を実施しております。ただ、その検査の内容についてはコメントを差し控えさせていただきます。
 それから、りそな銀行の善管注意義務につきましても、個別のことについてはコメントを差し控えさせていただきますが、一般論として申し上げますと、厚生年金基金による年金資産の運用に当たっては、委託者である厚生年金基金に対し、厚生年金保険法等において加入者保護の観点から分散投資義務が規定されていたと承知しております。
 また、年金資金の運用を受託する信託銀行は、受益者のため忠実に、かつ善良な管理者の注意をもって信託業務を行うことが求められているところでございます。これを踏まえまして、金融庁としましては、平成二十四年の監督指針等の改正におきまして、基金が分散投資義務を果たしていないおそれがあることを認識した場合、信託銀行がその旨を当該基金に通知するための体制を整備すること、その通知を受けてもなお改善が見られない場合、基金と協議の上、必要に応じ受託者の辞任を含めた検討を行う等、基金による分散投資義務の履行を確保するため必要な方策を講じること等を求めたところでございます。
 金融庁としましては、引き続き信託銀行の業務の適切性に努めてまいりたいと思います。
○委員長(古川俊治君) 答弁は簡潔にお願いします。
○大久保勉君 平成二十四年に改正したということでしょう。この事件は平成二十三年ですから、それまでは何もやっていなかったのか。
 森監督局長、これは投資一任契約ですよね。お願いします。
○政府参考人(森信親君) これは投資一任契約でございます。
 それで、この監督指針の改正前におきましても、やはり信託業法に定められておりますような、信託銀行が受益者のために忠実に、かつ善良な管理者の注意をもって信託業務を行うことが求められておりまして、それに沿った監督をしてきております。
○大久保勉君 投資一任契約というのは、りそな銀行がりそな銀行の判断でダヴィンチに六〇%投資した、それが九五%損をしたということでしょう。そういうことで善管注意義務が達成されているかということです。
 監督局長、それは監督上も検査上も全く問題ないんですか。
○政府参考人(森信親君) 個別の取引につきましては、どういう経緯があったか、そういったことも踏まえまして慎重に判断する必要があると考えておりますけれども、我々は、やはり分散投資ということは重要だと思いますし、それを確実にするための信託銀行の責務というものも重大だと考えております。
○大久保勉君 分散投資はしないといけない、検査は三回やった、処分はなかった。ということは、いわゆる公的管理の銀行に対して何かやましいことがあるんですか。
 といいますのは、公的管理というのは金融庁が管理しています。そこで不祥事が生じた場合には、それは場合によっては金融庁が批判される可能性がある、なかなかそこはチェックできないという、こういった利益相反がないかということです。監督局長、いかがでしょう。
○政府参考人(森信親君) 御指摘のように、りそな銀行は公的資金の注入行でございますが、これは、公的資金の注入の有無にかかわらず、我々として金融機関に対し適切な検査監督を実施してきているところでございまして、そうした有無によって特別待遇するようなことは断じてございません。
○大久保勉君 じゃ、済みません、監督局長、個別指図というのはどういうものですか。一任勘定に関して個別指図、つまりダヴィンチ・ファンドを九州石油販売業が買いたいと、若しくは投資しろと言うことはできますか。
○政府参考人(森信親君) 個別の指図は禁止されております。
○大久保勉君 ということは、九州石油販売業はダヴィンチ・ファンドに投資しようとしているんじゃなくて、りそな銀行が自分たちの判断で投資したということですね。
○政府参考人(森信親君) この場合は、不動産ファンドに投資するというガイドラインに沿ってりそな銀行が投資しているものと認識しております。
○大久保勉君 一般の不動産ファンドに投資するのは分かります。ただ、今回は一銘柄の、それもエクイティーというのは元本がゼロになる、つまり年金受給者が年金をもらえなくなる、極めてリスクが高いものです。そういったことに投資したんです。
 是非、監督局長、監督部門の責任者ですから、全部分かって検査若しくは監督しない、事実上は何もやっていないということがよく分かると思います。つまり、検査に入った、で、そういった意識は全くなかったと。つまり、信託銀行がどういう業務を行っているか、そこに関して十分な知識がないように見えますが、いかがでしょう。
○政府参考人(森信親君) 個別金融機関の個別の取引や行為について、それが法令等に抵触するかどうかの判断については、これは個別の事案に応じて慎重に検討する必要があると思います。仮に信託銀行がいろいろな法令に違反した場合は適切に対処していくことになります。
○大久保勉君 次に行きます。
 次に、図を見てください。実は、まず、りそな銀行の担当者がダヴィンチ・ファンドを紹介したこと、一点目。で、そのダヴィンチ・ファンドが年金コンサルタント、これは九州石油販売業の年金コンサルです、そこを買収したおそれがあるということです。買収する。
 どういうことかといいましたら、次のページを御覧ください。資料の二、コンサルティング契約書。ダヴィンチ・ファンドと受託者杉山年金運用研究所、事実上一人、少数の人しかいません、まあ一人コンサルみたいなところです。そこに対して何をするかといいましたら、お客さんとかいろんなものを紹介した場合、第二条、コンサルティング業務の対価として一億円の金額を乙の口座に振り込まなければならないと、一億円で買収したということです。このことに関してどう思うか。
 さらには、次のページを御覧ください。これもダヴィンチ・ファンドと杉山年金研究所の契約書なんですが、第二条、甲の商品成約額、これはダヴィンチの成約額の一%を要は年金コンサルに振り込むということです。
 じゃ、どのくらい振り込まれたかということで、資料四を御覧ください。
 まず、真ん中に対応する取引というのがありまして、オフィスファンド二十五億円とか、三号ファンド五十億円、オフィスファンド四、四十五億円、るるあります。これは、実際にダヴィンチ・ファンドがりそな銀行が運用する信託に売却したものです。税抜き売上高というのがありますが、二十五億の投資に対して二千五百万円が振り込まれています。五十億に対しては五千万、ちょうど一%です。一番最後の一億円というのは先ほどの手数料です。それを合計したら何と六億六千三百万。ダヴィンチ・ファンドがいわゆる九州石油販売のために動いていた年金コンサルにひそかに、重要なことはひそかに、ひそかにこういった裏金を渡したということです。
 このことに対して金融庁の参考人、どういうふうに思いますか。特にAIJ事件前とAIJ事件後に分けて、いわゆる秘密裏に利益相反する相手から手数料をもらう年金コンサルタントの行為に対してどういうふうに考えますか。
○政府参考人(森信親君) 個別の業者の個別の取引等につきましてはコメントを差し控えさせていただきますが、一般論として申し上げれば、金融商品取引業者において金融商品取引法令の違反や投資者保護上の問題が認められた場合には、必要に応じ行政処分等の厳正な対応を行うこととなります。
○大久保勉君 この法律は、実は私どもが関与しましたAIJ事件以降に初めて金商法を直したんです。ですから、この事件というのはAIJ事件の前です。国会で質問したんですが、何ら手当てしなかったということです。
 さらに、金商法の問題点は、これを双方代理といいますが、この年金コンサルが仮に、今回のケースはあり得ませんが、九州石油販売の方から承諾をもらっていたら問題なしとしています。それでよろしいでしょうか、法律解釈。
○政府参考人(池田唯一君) お答え申し上げます。
 個別の事案についてお答えは差し控えさせていただきたいと思いますけれども、金商法上の規定について一般論として申し上げますと、金商法では、有価証券の価値等に関し助言を行うことを約し報酬を受ける行為ということについては投資助言業の登録が必要になると。投資助言業者は、金商法上、顧客のために忠実に、かつ善良な管理者の注意をもって投資助言業務を行わなければならないとされている。さらに、自己又は第三者の利益を図るため、顧客の利益を害することとなり得る取引を行うことを内容とした助言が禁止されていると。
 これらに反する助言がなされた場合には、投資者保護の観点から監督上の措置の対象になり得るものだというふうに規定上はなっていると理解をしております。
○大久保勉君 昨日、この法律に詳しい課長と話をしたら、僕の理解でしたら双方代理であっても承諾があったらいいということなんですが、是非、法律を見直してください。
 といいますのは、年金基金、準公務員です。このケースでもし承諾をもらっていたら法律上問題ないということでしたら、いわゆるダヴィンチ・ファンドが年金基金の理事に対して手数料を渡したら、これは贈収賄です。ところが、投資に影響力のある年金コンサルにお金を渡しても、これは贈収賄は成立しません。尻抜けになってしまうおそれがあります。池田さん、いかがでしょう。
○政府参考人(池田唯一君) 個々の事案についての今申し上げたような規定の適用については、個々の事情等を勘案して判断すべきものと考えますけれども、先ほど申し上げましたように、一定の行為をする者については投資助言業者としての登録を求め、その投資助言業者については、従来より、忠実義務あるいは善管注意義務あるいは利益相反防止等の規定を整備させていただいているところでございます。
○大久保勉君 今回の質問に関して、個別の事例を使って政策議論をしましょうということだから政策議論をしようとしていて、でも、実際、政策に関してしっかりと返ってこないということは非常に疑問に思います。また、こういった個別の事例を抜きにして政策を議論したとしても、恐らくその法律は使えないと思います。ですから、しっかりとこの委員会では、個別の事例にのっとって何が問題かということをしっかりと議論、そして必要があれば法律改正が必要だと、こういった趣旨で今議論をしています。
 次に申し上げますが、この資料を使ってもう一度説明しますが、先ほどは年金コンサル側に対して議論しました。でしたら、六億六千万、自分たちの商品を売るためにいわゆる手数料を渡したダヴィンチ・ファンド、ここはどういうふうな問題がありますか。つまり買収したということです。これに対して金商法上若しくは検査上の問題があります。
 そこで質問したいのは、エクイティー商品を販売するために手数料を支払ったダヴィンチ・ファンドはどのような法律上の罰則並びに金融検査上の処分がありますか。遠藤局長、お願いします。
○政府参考人(遠藤俊英君) ダヴィンチ・ファンドに対する検査は、これは私ども検査局による検査の対象ではございません。あくまで証券監視委員会に係る検査の対象になるものでございます。
 私の、検査局の立場からいたしますと、りそな銀行がダヴィンチ・ファンドに係るこういった一体の取引について投資勧誘をさせている事実を知った場合にどのような検査上の対応を行うのかということについてお答えさせていただくことになりますけれども、そういった対応で、そういった認識でよろしいでしょうか。
 信託業法の二十八条によりまして、忠実義務あるいは善管注意義務が課せられている信託銀行でございます。個別金融機関の個別の取引や行為については、この忠実義務、善管注意義務といった法令に抵触するかどうかということに関しては、個別の事案に応じて慎重に検討する必要があることから一概には申し上げられませんけれども、年金資産の運用を受託する信託銀行でございますので、受益者のために忠実に、善良な管理者の注意をもって信託業務を行うことが求められております。そういった観点から我々はりそな銀行の検査に当たっております。投資先の選定、運用に当たって、こうした観点からしっかりデューデリジェンスを行うことが求められるというふうに理解しております。
○大久保勉君 だから、今回に関しては忠実義務が必要だということなんですが、りそな銀行の担当者がダヴィンチ・ファンドを紹介した、ダヴィンチ・ファンドが年金コンサルタントを買収していたか、このことを知っていたか知っていなかったかというのは極めて重要なことでありますし、また知り得る、若しくは予防、防止できるような立場にあったか、この辺りもしっかりと検査で行うべきであります。
 遠藤局長の方が自分たちは関係ないということで、ダヴィンチ・ファンドは証券等監視委員会ですか。大森さん、お願いします。
○政府参考人(大森泰人君) 金融商品取引業者でございますので、業者検査を行うのは証券取引等監視委員会が所掌している業務でございます。
○大久保勉君 質問したいのは、いわゆるダヴィンチ・ファンドが双方代理をしているということで、これは、じゃ、両方とも統括されています麻生大臣に質問します。これは質問通告しています。
 金融商品業であるダヴィンチ・ファンドに対し金融検査を実施したことがあるのか。もし、ない場合は何か特別な理由がありますか。多くのファンドで投資家に多大な損失を発生させ、双方代理が分かっているコンサルを使って勧誘行為をやらせていることが新聞等でも既に報道されています。こういったことに鑑みまして実際に検査をしたことがあるのか、質問します。
○国務大臣(麻生太郎君) 今説明がありましたとおり、金融商品取引業者等に対する検査というものに関しましては、証券取引等監視委員会が参加しております。御存じのように、この証券取引等監視委員会は八条委員会であります。御指摘の金融商品取引業者に対して、今、ダヴィンチ・アドバイザーズというのに対して検査を実施した実績はないと聞いております。
 なお、検査先の選定というものもこれは監視委員会の判断により行っているところでありまして、監視委員会から、検査対象業者約八千あります中で、業態、規模、検査対象業者に対する様々な情報などを総合的に勘案して検査対象先を選定をしているというように聞いております。
○大久保勉君 検査をしたことがないということは分かりました。
 では、次に行きたいと思います。
 実は、この担当者というのはどういう人かといいますと、インターネットを調べましたら、あえて名前は言いませんが、A氏ということで申し上げます。信託財産運用次長であったA氏は、その後、銀行を辞め、ダヴィンチ・ファンドに転職し、ダヴィンチ・ファンドの幹部として今も活躍しているということであります。A氏の公開された経歴書によりますと、二〇〇一年十一月より信託運用部にてオルタナティブ投資、不動産ファンド等を担当している。りそな信託銀行は、年金、法人信託に特化した信託銀行で、大和銀行時代から企業年金のリーディングバンクとして約三千の年金プランをオーダーメードで作り出した実績があるということです。
 ダヴィンチ・ファンドと共同で九州石油販売のためオーダーメードで年金運用商品を作り出していた場合、ダヴィンチ・ファンドの違法行為に対して善管注意義務や忠実義務違反として検査で指摘されるべきだと思いますが、このことに関して、金融庁、いかがでしょう。
○政府参考人(森信親君) 繰り返しになり恐縮なんでございますが、個別のことにつきましては、ちょっとその事情を慎重に検討する必要があることから、一概には申し上げられません。
○大久保勉君 重要なことは、でしたら、法人として質問します。つまり、A氏ということよりも信託財産運用部、どういうような仕事をしているところですか。ダヴィンチ・ファンド等不動産ファンド、ヘッジファンドと交渉して商品組成等を行っているところでしょうか。
○政府参考人(森信親君) りそな銀行によりますと、当時の信託財産運用部というのは、信託財産の運用業務全体に関する企画立案、推進管理、それから投資顧問業務並びに投資一任契約に係る事務の統治、そして受託する信託財産の運用業務等を行っていたとのことでございます。
 また、信託財産運用部が自ら不動産ファンド等と交渉して当該ファンドの商品を組成したり当該商品を投資家に販売することは、基本的にはないと聞いております。
○大久保勉君 こちらは全体を統括しているわけでしょう。ダヴィンチ・ファンドと常時話をしていたと。ダヴィンチ・ファンドがどういうことをしていたかというのは当然知り得る立場です。その人がいわゆるダヴィンチ・ファンドに行ったと。明らかにおかしいんですよね。
 是非この辺りはしっかりと検査してもらいたいと思いますし、ここで、麻生大臣、何を聞いてもよく分からないんですよね。ですから、場合によってはしっかりと、当事者に来てもらいまして、どういうことを行っていたかというのは聞いていくべきだと思います。この辺りはもう少し議論を深めながら申し上げたいと思います。
 そこで、大臣に対して申し上げます。
 九州石油販売に加盟しているガソリンスタンドは、特に大臣の選挙区にも多いと思いますが、実は二百六十三億円の損失ということは、年金加盟者一人当たりに対しては百五十万円です。従業員一万八千人いますから、百五十万円の損失です。
 こういった状況に関して今行われているのが、石油販売業の年金基金が勝手に投資した自己責任だろうというようになっていますが、実は、りそな銀行の担当者が商品を組成したファンドをりそな銀行が一任勘定とし、りそな銀行の判断で投資をした。そして、実際に九州石油販売を説得するために年金コンサルタントを六億六千万円で買収して、それでこういった経緯になっています。
 何が起こっているかといったら、二百六十三億円がパアです。一人百五十万円の損失。場合によっては、その損失を賄うために恐らくガソリンスタンドが資金を払わないといけないと。年金倒産というのも実際に行われています。
 ですから、これは裁判が行われていますから裁判は裁判で考えるべきですが、一政治家として、選挙を前にした政治家として国民の声が非常に重要でしょう。つまり国民目線で、こういった制度が残っているということです。誰に責任があるのか。一つはこういったことを行った銀行ですが、金融行政にも問題ないのか。場合によっては裁判に関してもいろいろ考えていかないといけないねと私は思います。大臣、いかがでしょう。
○国務大臣(麻生太郎君) 今、御自分でおっしゃっておられましたように、年金基金のこの事案については、まず第一に、個別金融機関の取引に関する事柄でもあります上に、今裁判で係争中ということになっておりますので、この係争中のものに関して大臣の立場としてコメントをするということは差し控えさせていただかねばならぬところだと存じます。
○大久保勉君 じゃ、一政治家の立場としてはいかがでしょう。
○国務大臣(麻生太郎君) 私はここに政治家で呼ばれているわけではございませんので。
○大久保勉君 明解です。
 じゃ、次に質問します。
 ここで、是非委員長にお願いしたい件があります。
 今回はFRC報告です。今回、りそな銀行は公的資金をいただいたということです。今、非常に意欲的に返済しています。二点目、地銀の再編の核として期待もされています。実際にそういった発言も出ています、もちろん森監督局長は否定されましたが。さらには、信託業務の実務に関して森監督局長も余り詳しくなかったということです。ですから、当事者に聞かないと分からないと思います。
 そういったことで、りそなホールディング東和浩取締役兼執行役社長を是非次回のFRC、委員会に呼びまして、いわゆる公的管理になった金融機関がどうやったら公的資金を返したか、ある意味では成功例でもあります。一方で、これから地銀等の再編がありますからいろんなことが、ビジネスモデルを聞きたいと思います。また、信託業に関してもいろいろ聞きたい件があります。
 場合によっては、公的資金を返さないといけないと、そのために過剰な利益至上主義になって顧客層に対して間違ったことを行った可能性もあります。その辺りを是非聞きたいと思います。
 是非、委員長、判断をお願いします。
○委員長(古川俊治君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議いたします。
○大久保勉君 続きまして、今日は民事局長に来てもらっています。
 やはり、こういった金融裁判がかなり増えています。一般論として申し上げますが、年金運用や為替デリバティブなど金融機関がその顧客に訴えられる例が相当増えております。高度な金融取引、金融商品に関して、やはり裁判官が十分に知識を持つべきだと思います。また、中立公正な情報が必要であると思います。是非、こういったところに関してそういった認識があるのか、さらには研修等を行われているのか、このことに関して質問したいと思います。
○政府参考人(深山卓也君) 今御指摘ありましたとおり、一般的な傾向といたしまして、近年、金融機関とその顧客との間の金融商品の取引に関しまして、顧客が金融機関に対して損害賠償を請求する、そういう民事訴訟事件が増加していると思っております。
 そういった事件を裁判官が適正かつ迅速に解決するためには、まずは個々の事件において当事者双方から専門的知見に関する資料の提出を受けたり、あるいは審理に専門的知見を補充するために設けられている専門委員という民事訴訟法上の制度を活用するといった運用上の工夫を行うことはもちろんですけれども、今御指摘があったように、個々の裁判官が金融商品や金融取引について専門的知識を蓄えることが重要であるのもそのとおりであると思っております。
 そこで、裁判官の専門的知識の習得の取組につきまして最高裁判所事務総局にその状況を伺いましたけれども、その結果、伺ったところでは、裁判官の研修を担当する司法研修所において、全国の裁判官を対象として金融取引や消費者紛争に関する研究会が定期的に開催されておりまして、金融アナリスト、大学教授といった幅広い立場の専門家の方が講師として招かれているということでございます。そして、裁判所においては、金融商品や金融取引に関する専門知識を裁判官が蓄えることができるように、今後も引き続きこのような取組を行っていくというふうに聞いております。
○大久保勉君 では、是非頑張ってください。
 最後の質問になりますが、金融庁は、金融モニタリングの基本方針によりまして、監督局と検査局共通の方針で、緊密に連携しながらオンサイトとオフサイトモニタリングを一体化して行うということでありますが、どういった背景がありますか。理由を教えてください。
○政府参考人(森信親君) 監督局も検査局も、金融機能の安定の確保、預金者、投資家等の保護、金融の円滑化という共通の任務を有しております。
 これまで両局は別々に方針を定めてきたわけでございますが、共通の任務を有する両局が同一の方針の下で業務を遂行することにより、より効率的、効果的な行政が可能になると判断し、その方針を統合するとともに、金融機関に対するモニタリングのプロセスを一体化し、相互に緊密に連携、役割分担しながら業務を進めることとしたものでございます。
○大久保勉君 一つ提案したいんです。
 実は、金融コンサルに力を入れていくということですから、非常に金融機関にとっても価値があることです。これを民間のコンサルに頼みましたら相当膨大な費用が要求されます。是非、金融庁も金融機関から手数料をもらってはどうでしょう。
○国務大臣(麻生太郎君) 今、御提案でしたけれども、金融庁としては、金融機能の安定というものを確保して預金者の保護を図りますのは当然ですが、金融の円滑化を図ることを目的として金融機関に対して検査、監督、指導等々を行ってきております。
 御指摘のこの金融モニタリングの基本方針というものは、こうした検査監督の重点施策や手法を規定したものというように受け取りましたが、このような検査監督はあくまで金融行政上の目的を達成するためでありまして、個々の金融機関のために行われております経営コンサルティングとは異なるという性格を持っているものだと存じますので、御指摘は当たらないのではないかと思っております。
 このように、金融庁の検査監督というのは公的な目的というものを実現するために行っているものでありまして、その対価として個々の金融機関から手数料を取るとかいうような性質のものではないんじゃないかと思いますが。
○大久保勉君 終わります。
○中西健治君 みんなの党の中西健治です。
 まず、大臣に、十月三十一日の日銀政策決定会合が金融市場に大きな影響を与えたというか与えているということでございますので、大臣の受け止めについてお伺いしたいと思いますが、追加金融緩和直後は再増税への環境整備なのではないかというような意見もありましたが、どうやらちょっとそういった方向にもなっていないようなことでありますが、また、市場では日銀の各商品における占有率が高くなるといったことについても懸念が表されるというようなこともあったかと思いますが、大臣のこの日銀政策決定会合の追加緩和についての受け止めについてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 日本銀行によります十月三十一日の量的、質的な金融緩和の拡大決定方針というものは、これは経済の好循環というものを後押しするという意味におきましても、持続的な経済成長を続けていくための取組としても率直に歓迎をいたしております。
 政府としても、今後とも、民需主導の経済成長というものを財政健全化等々に結び付けていくためにも、双方の達成というものに対した取組等を進めてまいりたいと思っておりますので、その意味からもこの政策は我々としては歓迎すべきものだと、そのように思っております。
○中西健治君 歓迎すべきものということでありましたけれども、大臣と黒田総裁はかなり親しい間柄なんじゃないかなというふうに、ここの委員会でもよくお見受けをするわけでありますけれども、今回の政策決定会合の追加緩和、大臣は、消費再増税に向けて黒田総裁もいろいろ配慮してくれているなと、こんなふうに思ったりはしなかったでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 今回の日本銀行の決定というものは、これはあくまでも日本銀行が公表されて、これ文書がありますけれども、その公表された文書以外に、これ、政府として別に特に申し上げることはないというように存じます。
○中西健治君 特に申し上げることはないということでありますが、決定会合の議案について、事前に大臣はお知りになっていたでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) ございません。
○中西健治君 そうしましたら、次に、今回の政策決定会合の政策変更の理由として二つ挙げられています。一つが原油価格の下落ということ、それからもう一つが消費増税の影響、これが明示的に二つの理由として挙げられているわけでありますけれども、大臣、現在の経済状況を総合的に勘案すると、増税先送りというのは適当であるかどうか、どうお考えになるか教えていただきたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 経済状況につきましての総合的な話だとは思いますけれども、四―六で良かった分が七―九で悪くなってということですが、トータルで、一―六でならしますと大体一・三ぐらいのプラスになっておると存じます。それがさらに、七―九というのは雨等々の影響もありましたので、七月、八月、ゴルフ場でもキャンセルがやたら相次いでおりますし、ビールの売上げが激減していますし、いろんな意味で天気の影響は、雨の影響がこれだけ大きく出たというのは余り例がないんだそうですけれども。いずれにいたしましても、一―九でならしてみましても、今から数字が出てくるんだと思いますが、一―九で見てもマイナスにはなっていないんではないかなと思っておりますので、緩やかな回復基調は進んでいると思っております。
 加えて、足下の九月だけを見ましても、これ、小売の販売額とか新車の販売額とか鉱工業生産指数とかいうのは持ち直しておりますし、有効求人倍率は一・〇九でしたか、そういったことになっておりますので引き続き高水準ですし、基本給も四か月連続ぐらいプラスだと思いますので、そういった意味では、雇用及び所得環境というのは改善をしつつあると思っておりますので、一〇%への引上げにつきましては、さらに経済見通しがどうか等々いろいろ総合的な数字を勘案しながら本年中に判断をさせていただきたいと思っております。
○中西健治君 今の大臣の発言をお聞きしていますと、一から九月はマイナスではないし、九月も高めの数字が、強めの数字が出ている、緩やかな回復が続いているということでありますから、大臣の言葉をそのまま受け止めますと、増税先送りは適当ではないというふうに聞こえますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) あくまでも本年中に判断をさせていただくということで、QEをとかいろんな発言があっておりますけれども。
 これ、中西先生、この法案が、この法案というのは三%プラス二%、合計五%の法案が三党合意でなされたときの株価はたしか八千五百六十円ぐらいだったと思うんですね。あれが法案が通ったのが、十月か九月で通ったと思いますが、そのときで八千九百円で、九千円に行く前。今日が一万七千幾らですから、そういった意味では、あの頃の状況と今とではかなり大きくこの三年間で変わったということははっきりしているんだと存じますが。
 いずれにしても、こういったもの等々を含めましても、本年中にさらにまた指標が出てまいりますので、その指標を見た上で判断をさせていただきたいと考えております。
○中西健治君 そうしますと、増税先送りが適当かどうかということについてはまだ言えないということなんだろうというふうに思いますが。
 そうしましたら、この再増税の先送りをするかどうかの判断を今ではなくて十二月の、まあ本年中とおっしゃっていましたけれども、しばらく先送りをする、数週間先送りをするべきだというふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 今の話ですけれども、数週間先送りするというのは、十二月の八日のQEの話、二次で決めろと言っておられるんでしょうか。
○中西健治君 もう一度質問させていただきますけれども、来週にも判断が行われるかもしれないということも言われているわけであります。そうではなくて、もっと指標が出そろうまで、十二月の半ばなのか終わりなのか分かりませんけれども、そうした頃まで判断は控えるべきなんじゃないかというのが私の質問です。どう考えられますか。
○国務大臣(麻生太郎君) 基本的にこういうものは、前回もそうでしたが、約半年前というのが大体、常識的に半年前までに決定されることになるんですが、今回、いわゆる十二月にこだわっておりますのは、これは予算編成をいたします技術上の話で、来年の四月に決定をしても、それは基本的には四月までに決定すれば間に合うことになりますが、それはもう予算編成が終わって、予算の審議が終わったぐらいのときにいきなり決めるというのは、これはちょっとどう考えてもその段階ではいかがなものかと、それで全部組み替えますとかいう話になりますので。当然のことながら、前の年に判断をしておかぬと間に合わないという物理的な判断から十二月という、十二月というか本年中ということを申し上げてきておりますので。
 来週というのは、それは一次QE、クオンタテーティブイージングが出ますのが来週、十一月の十七日か十八日か何かに出るという話ですのでその話をしておられるんだと思いますが、基本的には、私どもとしては、二次QE等々なるべく多くの指標をきちんと見定めた上で判断をされてしかるべきものだと思っております。
○中西健治君 私がこうしつこく質問している趣旨はお分かりかと思いますけれども、来週に増税そのものをするかどうかということに判断を行うのか、それとも増税するかどうかの判断を選挙の後まで先送りするのかと、こういう二つの選択肢があるやに伺っていますので、そこら辺についてどう思われるかということをお伺いしているんです。
○国務大臣(麻生太郎君) 増税するかしないかと、これは法律がもう決まっておりますのは御存じのとおりでありますので、これは三党合意で法律上きちんと数字が出ておりますので、法律を変更するという手続を踏まないと簡単に先送りなんという話は、よくみんな簡単に言っている人いますけれども、三党合意をもう一回やれるとお思いでしょうかと、よく反論としては出てきているところだと思いますが。
 いずれにしても、こういったものは極めて重たい決断があのとき野田内閣の下でなされておりますので、そういったところでは、私どもとしては、ちょいと変えて先延ばししておけばいいやとかいう安易な話だとはちょっと考えたことがありませんので、丁寧に今年中ということをずっと申し上げてきているのはそういう理由でございます。
○中西健治君 では、最後にこれについて確認ですけれども、麻生大臣としてはなるべく多くの指標を見ながら慎重に判断はすべきであると考えていらっしゃるということで、それは確認だけ、よろしいでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) はい。
 なるべく、QEの話ばかり皆出ていますけれども、もう先生よく御存じのように、QE以外にも家計調査等々いろいろ、小売だ何だ、月次で出てきている数字はほかにもいっぱいありますので、そういったものをよく見て判断をさせていただきたいと思っております。
○中西健治君 どうもありがとうございます。
 それでは、ちょっと金融庁に絡むところで質問させていただきたいと思いますけれども、NISAについてです。
 金融庁の平成二十七年度の税制改正要望では、NISAの年間投資上限金額を百万円から百二十万円に引き上げるということが要望されているわけですけれども、私の理解では、麻生大臣は月二十万円、月額二十万円、年間で二百四十万円まで引き上げるべきだという御意見を表明されていたんじゃないかと思いますが、それが半分の百二十万円に要望段階でもうとどまってしまっているということについて、どうしてこうしたことになったのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 御指摘のとおり、地方においてこのNISAの話を、普通、投資をされたことのない方にこの種の話をしますと、私はそれの勧誘をやっているわけではないんですが、話をすると、大体、月ぎめ貯金とほとんど感覚が変わらないような受け止めなんですよね。そうすると、百万円と言われると、それで十二で割りますと端数が出ますので、ちょっと面倒だから、じゃ五万円というので、だから、六十万円口が一番増えるというのは、これ現実問題として、地方を回られたら必ずそうなりますので。そこで、十万円でしたらという話を申し上げたので百二十万円ということにはなったんですが。
 ただ、私どもといたしましては、いわゆるジュニアNISAというのを始めさせていただくことにしておりますので、ジュニアNISAを八十万円ということになりますと、例えば、仮に夫婦子供二人という前提で現状の二倍ということになりますので、五年間累積でいきますと約二千万まで増えることになろうと存じますので、一般的な世帯というものに向けた水準枠としては妥当な水準ではなかろうかというように思っております。
○中西健治君 ジュニアNISAを含めれば二百万ということのようですが、もう一つ、このジュニアNISAを制度として入れていくということもやはり長期の投資を促していこうと、こういうことが主眼だというふうに思いますけれども、この制度は、五年の非課税期間と十年投資可能期間という縦と横の期間制限が付いています。
 お手本となっているイギリスのISAはそうしたものがなくて恒久的な措置ということになっていますが、長期的な投資を促すのであればこの縦横の期間制限というのは大きな制約になっているということを私は予算委員会でも申し上げて、大臣には、じゃ財金で議論しようとおっしゃっていただきましたが、そのとき違う委員会だったものですから議論できなかったので、このことについて大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) NISAが始まったのは、もう中西先生御記憶もあろうかと存じますが、日本の場合は、投資という発想が、いわゆる投機と投資の区別も付いていないような方が圧倒的に多いものですから、どうしても貯蓄が多い。
 ちなみに、個人金融資産が一千六百二十兆あると言われておりますけれども、そのうちの八百六十兆円ぐらいが現預金というのは、これは世界中を見ても異常に現預金に偏り過ぎていると思っておりますので、こういったものの少しが投資に回るということは、いわゆる景気という意味におきましても非常に大きなものを意味しますし、いろんな意味での資産形成の意味におきまして、現預金だけというのはいかがなものかというのでこれを始めさせていただいて、今年一月に始めさせていただいておりますので。
 今、年数をと言われておりますので、その点に関しましても、これは今、今年始まったばかりなのでちょっとしばらく様子を見させていただいて、その上で数年後に改めて判断をさせていただくことになろうかと存じます。
○中西健治君 是非、同じ視点に立っているというふうに思いますので、長期的な資産形成を促すために、この期間制限というのは撤廃すべく動いていただきたいというふうに要望申し上げて、終わらさせていただきます。
 ありがとうございました。
○藤巻健史君 維新の党の藤巻です。よろしくお願いいたします。
 まず、質問通告している前に一言二言ちょっとコメントを申し上げたいんですが、先ほど、中西委員の質問に対して麻生大臣、投資と投機の区別がよく分かっていない方が多いというふうにおっしゃっていましたけれど、私もよく分かっていないんです。私の定義では、成功すると投資で失敗すると投機だというふうに思っております。成功すると投資、失敗すると投機と言われるということにすぎないんだろうと思っております。
 それからもう一つ、先に、質問通告の前にコメントをしたいんですが、実は今日、日経新聞の一面に「自民、円安対策公約へ」という記事がありまして、別に、大臣は党というよりは大臣としていらっしゃっているのであれなんですけれども。
 いつも言うんですけれども、今の百十五円というのは二〇〇五年にもあったわけですね。二〇〇七年には百二十円だし二〇〇二年は百三十円なんですけど、そのときに円安対策をなんという声は全くなかったと思うんですね、今より円安ですけれども、そのときというのは。そのときというのは、やっぱり円高対策を何とかしてくれと言ったんです、百三十円のときも。それなのに百十円のときに円安対策をしろというのは、何か文句を言った人には全部金を与えるということで、ばらまきに思えてしようがないので、是非大臣としては、円安対策というところはきちんと、ばらまきをしないようにしていただきたいというのが、これは私の要望でございます。
 質問通告をしたことについてお聞きしたいんですが、まず金融大臣にお聞きしたいんですが、日経新聞七月十一日に「地銀の「国債依存」点検」という記事がありました。記事には、財政の健全化をチェックし、金融危機の芽を摘むこともその延長線上にあると、二〇一三事業年度は国債保有リスクを集中点検したとあります。その後、そこの記事の中に金融庁幹部のコメントと載っていたんですけれども、日銀が買っている今が国債の売りどきだと、将来金利が跳ね上がったときに地銀が致命傷を負いかねないという金融庁幹部のコメントが載っていたのですが、このコメントについて、大臣、どう思われるか。簡単にイエスかノーだけでも結構ですので、お答えいただければと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 御指摘のコメントが実際行われたかどうかというのを私どもは承知をいたしておりませんが、その上で、御指摘のコメントが、金融機関というものが様々な金利というシナリオを踏まえて国債保有に伴うリスクというものも当然考えないかぬということになればリスクを適切に管理すべきだという趣旨で述べたというのであれば、別に特段問題はないと思っております。
○藤巻健史君 日銀が十月三十一日に更なる量的緩和をやりました。年間八十兆円という大量の国債を買っていくわけですけど、その中には当然長期国債も含まれています。で、長期国債を日銀が買うと、普通は値段が上がる、金利が下がることになるわけで、そうなると、長期金利がもう今でも〇・五%ぐらいだと思いますけれども、短期金利との差がほとんどないわけですね、〇・一ぐらいの短期金利と〇・五%の長期金利。
 普通、銀行の収益の主力の部分というのは、普通預金とか当座預金とかほとんど金利のない短期のお金を集めて長期のお金で運用するということで、ミスマッチでもうけているわけです、資金調達と運用の期間のミスマッチでもうけている。ということは、短期金利と長期金利が離れていれば離れているほど金融機関というのはもうかるわけです。
 私の記憶だと、一九七〇年代後半のアメリカですけれども、SアンドL危機というのがありまして、あのときのFRB等は、イールドカーブを立てる、すなわち短期金利をそのままにして長期金利をなるべく上げるということによって金融機関がもうけられる、それによって金融危機を脱したと、これが私の記憶というか理解なんですけれども。
 まさに、日銀が長期国債をどんどん買って長期金利を下げていっちゃう。要するに、ファンダメンタルズとして銀行がもうからないような体質をつくっちゃっているわけですね。となると、それは昔、地銀も、一単位の国債を買えば長短の差がありますから十分もうかったのに、こんなに長短の金利差がなくなっちゃうと、一単位じゃもうけが十分出なくて三単位買わざるを得なくなるわけですよ。
 ということで、日銀の政策によって地銀はむちゃくちゃに国債を買わざるを得ない、そうしないと倒産しちゃうから。ということで国債を買っていたら、金融庁から危ないぞと言われたのなら地銀の立場がないと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 今のお話ですけれども、確かに、金利差がなくなると今言われたようなことになる、もうこれははっきりしておると思っておりますが。
 私どもとして、今の御質問ですけれども、日本の銀行の場合は、投資銀行とは基本的にその体質が違いますので、その金利差だけでやろうとしている銀行の数、絶対量、またその比率がかなり少ないのはもう御存じのとおりでありますので、金利の動向などが金融システムとか個別の金融機関のいわゆる財務の健全性というものに与えます影響というのは様々でありまして、一概に申し上げるのはちょっと困難であります上に、金融担当大臣としてコメントすることはちょっと差し控えたいと思いますが。
 いずれにしても、金融庁としては、常日頃から金融機関の動向、投資動向とかいろんなものをしっかりモニタリングしていく必要があろうということは率直に思っております。
○藤巻健史君 一つ、投資銀行は、私は昔、投資銀行におりましたけれども、米国の投資銀行におりましたが、投資銀行は別に資金尻では収益の主力になっておりませんで、資金尻、要するに長短の資金でのもうけというのは商業銀行の主力ビジネスだと思っております。
 これは、今ちょっと思い出したんで余りはっきり記憶がないんですけれども、つい先日、記者会見で東京三菱UFJ銀行の平野頭取が、一部の銀行は総資金尻でマイナスになっている、大変危険な状況だというコメントをしていたと思うんですが、それはやっぱり長短金利差がなくなったということで銀行は苦しくなっているということをおっしゃっているんじゃないかなと私は思いました。これは単なるコメントですけれども。
 それで、次の質問に入りますが、日銀理事雨宮さんにお聞きしたいんですが、十月三十一日の量的緩和で、今後、日銀は大量に国債を買っていくということになりますが、今でさえ資産に占める国債の量ってすごく多いと思うんですね。私が現役、というか二〇〇〇年までモルガン銀行にいましたけれども、そのときの資産に占める国債というのは五〇%以下だったと思うんですね。今は大量に増えてきているわけですが、このまま年間八十兆のレベルで、ペースで国債を買っていった場合、来年の末にどのくらいの割合、すなわち資産に占める国債の割合がどのくらいになるか。それはいろんな条件がありますから難しいとは思うんですが、ベストゲスで結構ですから、どのくらいの割合になるというふうにお考えか、お教えいただきたいと思います。
○参考人(雨宮正佳君) お答え申し上げます。
 御指摘のありました私どもの新しい長期国債買入れ方針の下で、今、実は、公表しておりますのは二〇一四年末の見通しでございますので、まずこれを申し上げますと、私どもの資産規模が二百九十七兆円、このうち長期国債は二百兆円となる見通しでございますので、資産規模に占める長期国債の割合は六七%という数字になります。
 その先でございますけれども、もう先生御案内のとおり、日本銀行は、この量的・質的金融緩和、期限を設けずオープンエンドで実施しております。このため、目算あるいは仮定計算であれ、ある期限を区切って数字をお示しするということは市場に無用の臆測や誤解をもたらしかねず、そうした試算とはいえ数字を示すことは控えさせていただきたいというふうに、御理解いただきたいというふうに思います。
○藤巻健史君 控えさせていただいても、普通に考えれば、物すごい高い割合で国債を持つということになると思います。
 先ほどの長期国債二百兆という話、二〇一四年末、これ、短期国債を含めるともっと高い、六七%以上の数字になると思われますけれども、そういう数字を聞くと、まさに金本位制ならぬ国債本位制になってしまったなというふうな感想を得るわけですけれども、これが何を意味するかというと、国債の価格が下落すると日銀もやばいかなと、倒産のリスクもあるんじゃないかなと私は思ってしまうんですけれども、いかがかなと思っています。
 先ほど申しましたように、地銀も、金融庁さんさえも、今、日銀が買ってくれるときに売りどきだとおっしゃっているわけです。それから、伊藤隆敏先生、GPIFの資産構成を見直している政府の有識者会議の座長でありましたり、政策研究大学院の教授でもある伊藤隆敏先生ですけれども、六月十九日のブルームバーグとのインタビューで、国内債七十一兆円を抱えるGPIFは国債をとにかく早く売ることが重要だ、日本銀行が巨額の国債を買い入れている今なら、日銀と以心伝心で市場で安心して売ることができるとおっしゃっているわけですけれども。
 皆さんが国債を売って売って売りまくっているときにその危ないかもしれない国債を買うということは、日銀がひとえに全日本のマーケットリスクを抱え込む、長期金利が上がるリスクを抱え込んじゃう。万が一、国債の価格が下がっちゃった場合、それこそ日銀は倒産リスクを抱え込んじゃうんじゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。金融大臣にお願いします。
○国務大臣(麻生太郎君) 日本銀行の金融政策につきましては、これは日本銀行の財務の健全性の確保という点も含めまして、これは今後とも適切に実施されていくものだと私どもは考えております。
 他方、日本銀行に限らず、個別の金融機関の倒産リスクについてお答えするということは、これは金融検査を所掌する立場にあります金融担当大臣としてコメントは申し上げることはありません。
○藤巻健史君 確かに、日銀というのは銀行法の銀行じゃありませんから金融庁は検査できないんですけれども、これ、やっぱり日銀は誰かが、事務的能力のある方が検査しないと極めて危険だと思うんですよね。
 それは確かに、保有している国債が物すごい割合、その資産のうちのかなり高い割合が国債で、その値段が下がっちゃった場合、確かに、倒産しないとおっしゃるのかもしれませんけれども、負債サイドが別にあれなんで、ないとおっしゃるかもしれませんが、少なくとも、資産の保有価値ががたっと下がるということは、当然のことながら負債サイドの価値もがたっと下がるわけですね。
 要するに、日銀の負債というのは当座預金とあと発行銀行券が主ですから、その価値がなくなっちゃうということで、まさに国債が下がると日本円の価値が暴落しちゃう。要するに、円は暴落するし、日本の通貨の価値、お金の価値がなくなっちゃう、すなわち物すごいハイパーインフレが来ちゃうと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○参考人(雨宮正佳君) まず、私どものバランスシートの件で申し上げますと、もちろん、中央銀行として財務の健全性を維持するということは政策・業務運営や通貨に対する信認を確保する上で大変重要と認識しております。
 ただ一方で、したがって、この間も私ども準備金や引当金の積立てなど自己資本の充実に努めてきているところでありますが、私ども、もちろんバランスシートの健全性には、十分その確保のために努力をしつつ、物価の安定の実現というマンデートを負っているわけでございますので、少なくとも、日本銀行のバランスシートのリスクということを理由に物価安定のために必要な施策を行わないということは取り得ない選択でございます。
 その上で、ハイパーインフレのリスクという点でありますれば、私どもは、この二%の物価安定ということを達成し、それを安定的に維持するために金融政策を運営しておりますので、そうした心配は御無用かというふうに申し上げさせていただきたいと存じます。
○藤巻健史君 安定的に二%でいくならば私も全く賛成なんですが、午後にまた議論させていただきたいと思いますけれども、それにブレーキがないと私は思っています。まさにアクセルを踏み込んでインフレに向かっていますので、大丈夫かなと思います。それは午後の質問のときにさせていただきたいと思っております。
 以上です。
○大門実紀史君 大門です。
 今日は第一生命の問題を取り上げたいと思います。資料を配付していただいておりますけれども、時系列的な流れが書いてございますが、私、この委員会で何回第一生命のことを取り上げたか分からないぐらいでございますが、まだいろんなことを起こしております。
 若干触れますと、二〇〇五年に明治安田を始め生保の不払事件が発覚をして、二〇〇七年の二月に金融庁が生命保険会社に、大手生保に調査、報告をしなさいというのを出して、二〇〇八年の七月に、その前に報告が出てきて処分が行われたわけであります。大手十社、第一生命も含みますけれども、業務改善命令が出されて、不払件数は約百三十五万件、九百七十億円と。そういう処分が行われたわけですけれども、ところが、この前の東京海上と同じなんですけれども、このときの第一生命の報告に不払を隠していると、隠した報告であったということが翌年の三月に公益通報でされました。
 金融庁は、その年の九月、遅いんですけれども一応立入検査をやって、二〇一〇年の二月に検査を終えて、大変甘い検査だったと思いますけれども、後から考えると。この頃第一生命は株式上場を考えておりましたので、甘い検査で上場させてあげるというようなことがあったのかも分かりませんが、いずれにせよ、このときの検査結果も、さらに第一生命は不払を隠し続けておりました。
 それで、私が二〇一〇年の三月三十日に、推計七万件に及ぶ請求案内をしていないと。つまり、請求案内というのは、保険の支払が可能な方々に、ただ御本人は気が付いていなくて、これは請求できますよという案内をしてあげるべきだというのが当時金融庁の方針だったんですけれども、その請求案内さえしていないのが七万件あるということを指摘をいたしました。
 その翌日、第一生命は株式上場するわけですけれども、当時は畑中監督局長でしたけれども、一応きちっとした指示を出されて、ちゃんと第一生命に請求案内をしなさいと、請求できますよということをお知らせしなさいということを指示をされました。それと、責任を明らかにしろということも金融庁が指示されたんだと思いますが、しかし実際には、保険部長一人だけが更迭されて、この一連のことを指揮した現社長の渡邉光一郎氏は、何の責任も取らずにずっとそのままいろいろ展開しているという状況です。私が指摘した七万件のことについて、金融庁から請求案内をしなさいと言われた結果、十一月の二十九日に第一生命が追加支払をしたのがたった三千件ということでございます。
 この翌年の委員会、国会というのは、東日本大震災が起きましたので、もうその問題でみんな集中しましたので、この第一生命のその後のことは今日が久しぶりの質問ですけれども、その後、第一生命はアメリカの生保のプロテクティブライフを約五十七億ドル、六千億円以上ですかね、で買収することで合意をして、今アメリカに乗り出そうとしております。しかし、この不払問題を、いろいろなことを隠したままアメリカで株の公募とかをやるということはおかしいということで、アメリカの証券取引委員会に告発が出ております。金融庁にも改めて、こういう不払とかいろんなことを隠蔽して株を募集していることについての公益通報が出ているというのが今の経過でございます。
 私の質問の関連でいきますと、先ほど申し上げましたけれども、二〇一〇年の三月三十日に、七万件の請求案内をしていない、ほったらかしにしていると、金融庁はちゃんと案内しなさいと四月に言われて、十一月二十九日にたった三千件だけ払いましたと。これ以降の発表はないわけでございます。
 通常、請求してもらえればお金を払いますよという通知が来て、ほとんどの人は応えます。ですから、こういう場合は大体生保の統計上約八割の人が、行方が分からないとかいろんな人もありますからあれですが、八割の人は大体払ってほしいということで払うというのが通常ですけれども、七万件に案内してたった三千件しか請求がなくて払っていないと。これは、森監督局長、どうですか、統計的には余りにも少な過ぎるんじゃないですか。
○政府参考人(森信親君) 第一生命が十一月二十九日に発表した後も、毎年、その毎年度の支払を行った支払漏れの件数というものを公表しておりまして、これは、二〇一一年度六千七百九十三件、一二年度四千三十五件、一三年度千五百三十一件と承知しております。
 これは先生御指摘の七万件と必ずしも対応するものではございませんが、そういう公表はしております。
○大門実紀史君 対応していないんですよ。この七万件に対応した数字ではないんですね。
 なぜこんなに少ないかなんですけれども、二枚目に資料を用意いたしましたが、今日は時間の関係で全部触れられませんけど、払えるのに御本人が気が付かないというのはいろんな類型がありまして、別病院、つまり、かかっている病院で請求した以外に前にかかった病院がほかにあるとか、こういう別病院とか入院途中で請求したとか病院で死亡した場合、そういうこととか、こう漏れている部分があるわけですが、膨大な数の支払漏れがあったわけです。
 例えば、この中の別病院とありますけれども、これはさっき申し上げたように、保険請求をした病院以外の病院にかかったもの、それに対する給付が漏れているという場合ですけれども、これは資料の三枚目にもう結果の数字だけ載せておりますけれども、さっき言った七万件のうち二万七千、ただ、問題なしとありますから、約二万五千件が案内をしていなかった数字であります。払ったのは、別病院でいえばたった二千件でございます。ですから、もし二万五千に全部案内していたら、さっきの統計上、やっぱり八割ぐらいは欲しい、払ってくれということになりますから、二千件というのは余りにも少ないわけですよね。
 なぜそんなに少なくなるのかというのが四枚目の資料でございまして、実は第一生命は、支払漏れがある、金融庁から全部に案内しなさいと言われたけれども、全部に案内していないんですね。金融庁の指示どおりやっていないんです。それが四枚目の資料でございまして、このマトリックスは要するに社内の指示文書なんですけれども、これは別病院だけですけれども、簡単に言いますと、ペケになっていますが、ペケのところも含めて全部に案内しなさいというのが金融庁の指示だったわけですが、丸のところしか案内しなかったと。
 ですから、実際には別病院でいきますと二万五千件ぐらい請求してくださいという案内を出さなきゃいけなかったのを、恐らく、結果の数字から割り出しますと、ほんの二千五百件とかそれぐらいしか案内を出さなかったから結果的に二千件しか払っていないんじゃないかと、そういうことになるわけですね、この指示文書はこうなっておりますから。したがって、このときの金融庁が指示された、全員にちゃんと案内を出しなさいということに第一生命は従わなかったと、この四枚目の資料がそうですが、従わなかった証拠でありますけれども、こういうことになっているわけですね。
 この金融庁の指示に従わなかった報告を、このとおり金融庁は何の確認もしないで受け取られたんでしょうか。
○政府参考人(森信親君) その当時の経緯について十分に承知しているわけではございませんが、この四枚目の資料は、平成二十二年三月三十一日に大門先生から国会に提出されたものと認識しております。
 こういった資料も含めまして、我々としましてはいろんな、御指摘のあった公益通報も含めまして、それに基づいて、第一生命が適切に支払しているかどうかというものに対してのモニタリングというのは継続的に行ってはきております。
○大門実紀史君 今日、この資料をお持ちかどうかは分かりませんけど、多分金融庁は持っていないと思いますが、改めて、このとき全部に案内したかどうか確認をしていただきたいというふうに思います。当たり前のことだと思います。金融庁の指示に従っていないという指摘が国会で資料を基にされているわけですからね。ちゃんと確認をしてほしいと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(森信親君) 先生からいただいた御指摘につきましては、確認すべき点は確認するなど、必要な対応をしてまいりたいと考えております。
○大門実紀史君 もう一点、第一生命では二〇一〇年の三月に、もう細かい話はいたしませんが、一部報道にも出始めていますが、第一生命の社員が横領事件を起こしております、約八千万円の。
 この横領事件というのは、本来、社会的にも、当たり前のことですけれども、明らかにして、金融庁にも報告しなければいけない事項だというふうに思うんですけれども、当時、第一生命は株式上場の直前と、三月ですから、そういうこともあって、渡邉社長になられる寸前だったかなったかぐらいだと思いますが、指示があって隠蔽したのかどうかちょっと分かりませんが、いずれにせよ、何も公表されてこなかったわけですね。
 先日、ある雑誌に一部報道されましたけれども、私、中は全部分かっておりますけれども、この横領事件の隠蔽というのは、金商法と刑法にも、あるいはアメリカでいえばこれは証券詐欺にも、そういうことを報告しないで株を募集したらそういうことにも関わってくる重要な案件なんですけれども、この横領事件について金融庁は、まず把握されていたんでしょうか。
○政府参考人(森信親君) 我々は、監督する金融機関とはいろいろな形で絶えずやり取りをやっております。それで我々は、金融機関からは何か事が起こったらできるだけ我々に報告していただきたいというのが我々の方針でございますが、個別のことについて報告があったかどうかというのは答弁を差し控えさせていただきます。
○大門実紀史君 金融庁は多分御存じなかったと思いますよ、この件は。
 これは、今日はもう時間ないのであれですけど、非常に一部の人たちしか知らなくて、私が知ったのも最近でございますので、金融庁は本当にこの前の雑誌の報道で恐らく初めて知られたんではないかと。逆に言えば、長い期間、第一生命は隠蔽してきたということにもなりますので、これは当然、金商法違反の疑いもあるわけですね、こういうのはちゃんと報告しなきゃいけないとなっているわけですから。これはきちんと、個別のことはお聞きしませんけれども、きちんと対応してもらいたいと、当たり前のことですけど、対応されたいというふうにお願いをしておきます。
 あとはもう午後に伺いたいし、麻生大臣の見解も午後で結構なんですけれども、第一生命が今アメリカで子会社を買収しようとしているというときでありますから、なおかつ、アメリカの先ほどSECにも告発が行っている。実は、検察審査会、東京地検特捜部が一時動こうといたしましたけれども、一旦取りやめになりましたので、捜査すべきだと審査会に今出て、受理される方向になっております。
 そういう状況でありますので、金融庁として、さっきの不払がまだ隠蔽されているということと横領事件が隠されていることについては、きちんと確認、対応されるように求めて、あとは午後質問したいというふうに思います。
 ありがとうございました。
○中山恭子君 次世代の党の中山恭子でございます。
 今日、金融庁が公表しています金融モニタリングレポートを中心に質問したいと考えております。
 まずは、二〇〇〇年代に入って以降、複数の地銀が地域統合等を行ってきておりますが、このところ、地銀再編に向けた動きが加速化しているように見えます。今月に入りまして、横浜銀行と東日本銀行が経営統合するという方針を固めたと報道されております。またさらに、九州を地盤とする肥後銀行と鹿児島銀行が経営統合に向けた交渉に入ったとの報道が各報道機関からなされております。横浜、東日本は総資産で地銀第一位に、肥後、鹿児島は地銀第九位になると予想されます。
 こうした動きについて金融庁はどのように見ていらっしゃるのか。再編後にあっても利用者の利便を損ねることのないような取組が必要であると考えておりますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 地方金融機関の経営統合という話は、再編とかいろんな表現ありますけれども、これはあくまでも地方の各金融機関の自主判断に基づいて決定されるべきものであろうと、まずそう認識をした上で、その上で一般論として申し上げれば、今、人口減少ということで、岩手の増田さんの話やら何やら出て華々しく随分騒ぎになっておりますけれども。銀行自身も、地域において人口がどんどん減っていくという前提に立てば、地銀としての経営ということも真剣に考えないかぬところだと思いますし、また、金融機関としての仲介業務というものがこれからかなり期待を、今まで以上に期待をされるところになってくると思っておりますので、経営戦略というものを真剣に考えておられる銀行であれば、これはいろいろな意味で、合併というような規模の拡大に限らずいろいろな、地域との連携を密にするという方法を考えていかなければならぬと思いますので、合併自体は、これは単なる手段でありまして目的ではあり得ないと、そう思っておりますので。
 是非いろんな意味で、今御指摘になりましたような点を踏まえて、我々としては、どういうか、経営統合に伴っていわゆる支店がなくなって利用者の利便が極端にというか、郵便局のときみたいな話がございましたけれども、そういったものも含めましていろんなことを考えていってもらわないかぬところだと思っております。
○中山恭子君 これまで地域銀行は、日本の場合、特に日本ではその地域の良識を具現している、そういう存在であったと思われます。地域銀行は、地銀さんとか、さん付けで呼ばれるほど地域の人々に親しまれ信頼される存在であったし、今もそうであると考えております。その地域の企業を支え、安定した地域社会をつくり、地域銀行が全国各地に存在するということがひいては日本経済の基盤の安定をもたらしていると言っても過言ではないかと思っておりまして、その役割は極めて大きなものがあると考えております。
 金融庁が七月四日に初めて公表しました金融モニタリングレポートの中で、今大臣がおっしゃられたように、人口減少とそれに伴う預金減少という状況から、地域銀行が単独の銀行として生き残るためには種々の課題があるということを指摘しています。貸出しに関する収益性が低下しているというようなこと、それから、融資に当たって財務データや担保、保証に依存する傾向があるというようなことが指摘されております。
 今後、地域銀行の再編というのは、大臣今おっしゃられましたように、規模だけ大きくなるということが必ずしも良いわけではない、ほかのことも、環境整備などもしないといけないとおっしゃられましたし、再編、規模を大きくすることが目的ではなくて手段であるというようなお話もありました。ただ、そういった中で、やはり地域銀行の再編という流れが必須であるとも言われております。
 こういった中で、自らの経営状況を改善していく必要があるという中で、金融庁が昨年十二月に、例えば地銀各行の頭取に金融機関の将来にわたる収益構造についてと題するペーパーを配付していらっしゃるというようなことも聞いておりまして、この地銀再編、金融庁自体は地銀再編を志向している、それを望む方向に動いていらっしゃるのではないかという、そういう立場にあるようにも見えるものですから、麻生大臣の御認識を再度確認しておきたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) まず最初に、地銀というものの統廃合は、肥後銀行と鹿児島銀行や、いろいろ今例を引かれましたけれども、こういった銀行を金融庁が指導して、合併せいというような指導をしたとか、そういったような要請したという例はございません。
 それから、地銀というものは、少なくとも、多くの都銀が過日の、過日というか、もう大分前ですけれども、いわゆる金融危機辺り、九七年、九八年、そうですね、銀行でいえば長銀が潰れ、債券信用銀行も倒産し、多くの名立たる都市銀行がほとんど合併をして、昔の名前で出ていますという銀行は、もう今、三井、三菱、三井住友銀行と東京三菱UFJぐらいですかな、あとは本当に、りそなだかパソナだか分からぬような名前にみんな変わったし、今、昔の銀行の名前言える人って、三和銀行とか協和銀行って今何と言うんですといって、すらっと言える人はこういう特殊な方だけであって、普通は知りませんよ。それほどになった。
 しかし、地銀は残ったんですよ。私どもの福岡銀行にしても横浜銀行にしてもみんな残っていますから。それは間違いなく、地場できちんとした対応をしてきたというのが非常に大きかっただろうと思いますし、今、非常に地方ときちっとした関係ができているというのは、やっぱり都銀と違って信用金庫、信用組合を含めまして。これはやっぱり、転勤する範囲が県内とか地域が限られておりましたので、非常に人間関係もしっかりしていた分だけ調査能力も審査能力も高かったという点も私は大きかったと思っておるんですけれども。
 いずれにしても、こういったものは自らが経営判断をしていただくことになるんだと思いますので、先ほど申し上げましたように、このモニタリングの話なんかいろいろ私どもはさせていただいておりますし、いろんな意味で、このモニタリングというものを今後やっていくに当たりましては、これは基本的には、言ってあります検証結果としては、とにかく収益管理の態勢と与信の集中度合いと、それと金利のリスク、この三点を課題として主に公表をいたしておるということになっておりますので。
 そういった意味では、合併したからそれがちゃんと向上するかという保証は全くありませんので、きちんとした銀行の本来の目的というものを間違えないように、私どもとしてはきちんと対応していきたいと思っております。
○中山恭子君 非常に安心するお答えをいただきまして有り難いと思っておりますが、地域経済の牽引力として地域銀行が果たす役割というのは大きいものと考えております。経営統合だけを進めるのではなくて、地域銀行がそれぞれの地域でその役割をしっかり果たしていける、その機能を十分発揮できる環境整備を進めるということの方が大事であろうと考えております。
 そういった中で、今大臣もおっしゃられましたが、地域銀行の収益・リスク管理態勢の問題点として、収益管理態勢、与信集中、それから金利リスクというような三点が問題であるということが指摘されております。金融庁としてはそういった問題を全て把握していらっしゃるということでございますので、そこを改善するための施策と言っていいでしょうか、サポートと言っていいでしょうか、そういった事柄を金融庁としては積極的に進めていただくことが大事であろうかと考えております。
 例えば、目利きがいなくなってしまって担保だけに頼るようなことを行っているというようなことであれば、例えば地域銀行の人材育成のための研修体制を整備するとか、そういったことを金融庁がリードしていくというようなことも考えられるかと思いますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) これは御指摘のとおり、メガバンクも目利きと言われるようなレベルの人、例えば審査能力とかいろんな表現があろうと思いますが、何も審査能力だけじゃなくて、この企業とこの企業の持っているポテンシャルをくっつけたらこういうものができるとかいろんな、目利きとして幅広く多業種を見ているということも必要なんだと思いますが、そういった目利き能力が低下しているということをメガバンクの方も重々感じておられて、銀行のOB等々をいわゆる再雇用して若手教育を行うなどの取組を始めておられるというのは事実だろうと思っております。
 金融庁といたしましても、これはモニタリングの基本方針におきまして、私どもとしては事業性評価の取組というものをやらせていただいておるんですが、そのために目利きの能力の向上というのを考えないけませんので、事業の再生支援等々につきまして先進的な取組などを、今年の十月に出した金融庁の経営改善・事業再生支援における参考事例というのをこうやって作って配付をいたしておりまして、これが平成二十六年の四月、ですから今年の四月にこれの追加の分と、こういったようなものも配らせていただいて、是非こういったようなものに対して、経営者の保証に関するガイドラインをどうするとか、個人保証の話が非常に大きく話題になっておりましたので、こういったものを配付して、いわゆる成功例というように参考にしてもらえればと思って、努力をさせていただいております。
○中山恭子君 十分リードしながら、上から目線ではなくて地域の経済発展のために、活性化のために尽くしていただきたいと思っております。
 ありがとうございました。
○平野達男君 平野達男でございます。また十五分いただきましたので質問させていただきたいと思います。
 冒頭、今、中山委員が地銀の統合についてかなり各論で質問されまして、私が聞きたいと思っていたところが大体、中山委員の方から質問ありまして答弁いただきましたんですが、その関連で、若干これで質問させていただきたいというふうに思います。
 かつて、金融機関の統合といいますと、どこかの金融機関が破綻の危機のような状況になったときに、経営体力のある銀行がそれを吸収するということでの金融合併というのが結構多かったのではないかと思います。メガバンクはまず別として、信金、信組なんかはそういう状況だったと思いますが、ここに来て、経営体質はかなり健全だということなんですが、先行きを見て合併をするという動きが出てきていまして、先ほど中山委員からも、合併の決まったものあるいは合併を検討しているものということについての数行の紹介もありました。
 その背景についても麻生大臣から御答弁がございましたけれども、率直に申し上げまして、麻生大臣、この金融機関の、特に地銀ですね、合併というのはこれからの趨勢として進むというふうに見ておられるか、その辺の感想についてお聞かせいただければというふうに思います。
○国務大臣(麻生太郎君) これは、平野先生、人口推計とか景気とかいろんなものを複合的に勘案しないとなかなか難しいと思っておりますが。
 私どもとしては、合併しろ合併しろということを言うつもりは全くありませんので、是非、そういった意味では、今の状況として、銀行の本来果たすべき役割というのは、地方創生というものを考えたとき、地方の再活性化、地方の活力再生なんということを考えたときに、やっぱり地方銀行、地方金融機関の持っている能力、果たすべき役割というのは大きいと、私どもそう思っておりますので、是非、経営戦略というものを真剣に考えてもらう上では、今言われたように、やっぱり地場の銀行のいわゆる経営姿勢というのは非常に大事なところだと思っておりますので。
 合併というのは単なる結果論なんであって、合併した結果更にサービスがとかいう方向に行くのか、単に合理化だけ進んでいくのかによって全然答えが違いますので、私どもとしては、その点はよく目配りをしておかねばならぬところだと思っております。
○平野達男君 農村地域の金融機関というのは、地銀自体の支店も余り多くなくて、かつてはJAさんと郵便局ということで、今、JAの支店もかなり閉鎖されていまして、もう本当に郵便局だけという地域が岩手県でも随分多くなりました。
 何を申し上げたいかといいますと、やっぱり地域、この今回の地銀の合併もそうなんですけれども、国は成長を二%、三%と言っていますが、地域としてはそう見ていないということなんだろうと思います。将来の人口減少というものを捉えたときに、やっぱり預金の量も減ってくるし、それからあと貸出先も減るかもしれないという状況の中での体質改善ということで、先を読んでいるんだろうと思います。地域は、そういうことについては現場を見ていますから、実感として分かっていますから、そういう動きがもうここ十年ぐらいずっと、さっきのJAさんの話なんかでも出ていましたけれども、そういう趨勢、動きとしてはあるわけですね。
 私、何回か申し上げましたけれども、人口減少と経済成長とは一体どうなるんだろうかということに関して、私は十分な議論がまだできていないと思いますが、少なくとも、現場レベルにおいてはやはりかなり保守的に見ながら、しかし、やっぱり地銀としての役割を果たさなくちゃならないという構図の中で、先を見たやっぱり現実的な見方をしているかなということだと思います。
 私は、これからの地銀というのは、岩手県は今、地銀三行ありますが、三行頑張ってやっていますけれども、ちまたでは、そのうちやっぱり合併の話が出てくるんじゃないだろうかと。金融庁さんは、ここでは合併でどうのこうのというような話は言えないという立場になっていますけれども、いろいろな形でやっぱり行政指導みたいなのはあるのかなという感じはしていますが。いずれ、そういう動きの中で論じられるのは、やっぱり地域全体というのは将来に備えて体質の強い金融機関をつくっておかなくちゃならないですねということだと思います。
 だけど、セットとしてあるのは経済が伸びるということではない。経済全体が縮小の中で金融機関がどういう体質を持って臨まなくちゃならないかという準備だろうと思います。だから、地域の中で考えていることと日本全国で考えているそのマクロという中でのギャップがやっぱり出ているということで、どちらが正しいかというものをあえて論じるつもりはありませんが、やっぱり現場は現場で見ているということだと思いますね。
 そういう中での人口減少と経済成長、私も是非やりたかったテーマだったんですが、できなかったという経過はありますが、やっぱりこれはどこかで、内閣というか政府の中でも真っ正面に捉えた議論をやることが必要ではないかなと思います。
 ただ、これを言っちゃうと、何かどうしてもマイナス成長とか成長率が低くなるということで、今度はいろんなハレーションが起きるという、もしそういう方向で行くとすれば起きかねないので非常に難しい面はありますが。ただ、少なくとも現実は、地方は、繰り返しになりますけど、こういうふうに見ているんだということで、麻生大臣、何か御感想があればお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 岩手県みたいにやたら広くて、四国より面積が広いみたいな大きな地域が岩手県ですから。
 私どもの福岡県の中でも、いろいろ昔のあれでいきますと、筑前、筑後、豊前、三つ合併してああいうところはできておりますので、人口五百万という形の県ではありますよ。ありますけれども、同じ県の中でも、福岡と北九州市と二つ政令都市があります。その政令都市二つで、片っ方は、東洋陶器の本社があり安川電機の本社があり八幡製鉄の発祥の地でありというような北九州の人口と、傍ら産業はゼロ、ほぼそういった製造業はゼロという福岡市と比べて、片っ方の福岡市はこの四年間で人口が百四十七万から百五十一万九千ですから、約五万人増えたということが福岡市。傍ら北九州の方は、それだけのものを持ちながら人口二万四、五千人減っていると思いますし、こっちは税収が政令都市の中で一番伸びた福岡市と一番減った北九州市というのを比べて、同じ県内でもかなりの格差が付くので、岩手のように北から南まで大きなところなど、もっと地域差が出てきてもおかしくないと思いますので。
 私どもとして、よく東京しか知らぬ人は大体地方というとみんな一つと思っている人が多いんですけれども、南部と津軽は違うとか、私が聞いても訳の分からぬ話みんなしていますでしょうが。私らのところも、筑前と筑後で全然人種が違うとか、みんなごちゃごちゃローカルな話でしますけれども。事実、長いことやってきた地域に、現場に足踏み入れましたら、いや、先生、あの人とはちょっと一緒に仕事はできませんからとぼそっと断ってくる。それは、よく聞くと元の藩が違うという、大体その程度の話ですから。これはもう現実ですから。そういった意味では、これはさっさと諦めて別な話をせないかぬとか、いろんなことを私ども幾つもやってきましたので。
 今の話で、今後ともやっぱり人口減少というのは、これは非常に大きな問題で、やっと最近話をしていただけるようになりましたけれども、やっぱり明治の時代の始まる頃は三千数百万、戦争が終わったときで約六千八百万から七千万とか、今一億二千万と。やっぱりこれは、国力が伸びてくるのに従って、人口の伸びているときにやっぱり国力も伸びているんですよ。
 そういった意味からいきますと、今、高止まっている、一億二千万で止まりました。これは、間違いなく人口推計というのは、あれは一番、政府の数多く当たらない推計ありますけど、これは最もよく当たる推計の一つが人口推計ですから、これはかなり真実味があるんだと、私はそう思っておりますので。ここのところは、どれがいいかといっても、今私が答えを持っているわけではありませんけれども。
 これは真剣に、この問題が日本の国力にとりましては大きな問題になる。それを移民でやろうとするのか何でやろうとするのか、私はちょっとまだその答えが見えているわけではございません。
○平野達男君 ありがとうございます。
 特殊出生率が一時一・三ちょっとぐらいのところまで落ちて、今一・四ぐらいまで上がりましたけれども。日本社会には、繰り返しになってあれですけれども、もう少子化対策しっかりやらないかぬですが、一・八まで持っていくにしても何にしても、人口減少はここ何十年間はもう歯止めが掛からないという構図の中で考えていかなくちゃならない。
 それから、今、麻生大臣がおっしゃったように、日本全国で人口減少が、ユニホームというか一様で起こるわけではありません。恐らく、東北だったら仙台はまだ伸び続けます。全体が落ちる中で、どこかでまたそのしわ寄せが来る。それはもう間違いなく農村であって、農村の中でも、本当にある程度残るところと、完全に要するにそこで将来的にはなかなか厳しいところとあります。でも、やっぱり農村は、残るところって、多分そこの地域の中で、いろんなものを生かしながらちゃんとした活力を持ってやっていくと思いますね。
 そういう中でやっぱり、繰り返しになってあれですけれども、地域は地域としてやりますから。やるんだけれども、マクロ政策の中でそこをどうするんだということをやはりきちっと捉まえることが大事なのではないかということは繰り返しちょっと申し上げさせていただきたいというふうに思います。
 あと五分ありますが、ちょっと話は変わりますけれども。
 日銀の量的緩和、再緩和をするということで更に緩和をしました。長期国債については八十兆年間増やすということでありますが、八十兆で毎月八兆から十二兆の買いオペで、ですから、大体平均十兆となりますと百二十兆の国債を買い入れると。要するに、百二十兆買い入れて、四十兆ぐらいが多分短期ですから、償還するので八十兆は残るということなんだろうと思いますが、この百二十兆の国債というのは借換債が約百兆だと思います。今、七百八十兆ですから、残存期間が七・七年ですから、借換債がまず百兆、新発債が四十兆ですね。百四十兆を市場に出して、ワンタッチですけど、全部日銀さんがほとんどそれを吸収をするということは、先ほど様々な国債をめぐっての議論もありましたけれども、かなりやっぱりこれはすごいことだな、すごい状況になっているなということでありまして。
 これは、日銀は日銀の、何というんでしょうかね、政策としてやるというお答えになるんですが、国債管理上の問題として、足下の問題としては、それは引き受けてくれる人がいますから、金利も抑えますし、今、イールドカーブをフラット化させようということで動いていますが、国債管理政策上の問題として、やはりこれは今、今の問題というよりは、長期的にはやはりきちっと考えておかなくちゃならないという課題なんだろうと思います。
 現段階で言えることは限られていると思いますけれども、この今の百二十兆という買いをするという状況、ここについての質問をどういうふうにすればいいかと迷ったんですが、御感想をとなるんでしょうか。それから、国債管理政策上どういうことを考えていかなくちゃならないのか。まあこれ、どういうことを考えていかなくちゃならないかというより、様々なリスクがあることも全て承知の上でやっているということを承知の上で質問しておりますけれども、そういうことでちょっと質問とさせていただきたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) これは、いわゆるマネタリーイージングというものを、テーパリングという言葉になりましたけれども、コモディティーイージングを減らしていくという、QE3とかいろんな表現ありますけれども、そういったような形にアメリカは踏み切った。
 という形は、それはアメリカの景気が、雇用を見ても確実になった、インフレ含めてなったと言うんですが、日銀とのジョイントステートメントを出しましたときの状況に比べて、オープンエンドで二%というインフレーションターゲットというのを決めたんですけれども、まだそこまで到達していない間は、これはやっぱりやらないかぬというのが日銀の立場だと思うんですが。これが到達した段階で、よく御質問が、中西先生から御質問が出た出口戦略という言葉が出てくるんですけれども、その段階をまだ考える段階には来ていない状況で、そのときの話を財務省の方でちょっとする立場にありませんので、これは日銀にお考えになっていただくことになるんだと思いますが。
 いずれにしても、これは世界中、この問題を考えるときに、これは日本一国だけでできる話じゃないんであって、アメリカが止めたときに、ほかの新興国はアメリカから金が入るのなくなっちゃったものですから、新興国がえらい勢いで困っています分は今日本に肩代わっておる。で、日本のお金を借りに来る、日本は金利が安い、日本の安い金利の金を借りて返す。したがって、日本の大きな銀行は、日本にあります自分の持っている国債を日銀に売って、その余った金で貸しておるという形になっていると思いますけれども、そういったようなもので回っているのが今の状況ですけど。
 これが、日本銀行が二%に達しましたという頃から少しずつやっていくときには、こっちの景気が上がっていて、その段階で今度は法人税が入る何が入るのということで、今度は国債を発行しなくていいという、今、四十兆だ、三十兆だとやっているものを発行しなくていいというところまで景気を浮揚させていくというのが今一番大きな課題だろうと思いますので。これは、平野先生、いまだかつて、少なくとも過去七十年間、敗戦後七十年やったことがないことを今やっておりますので、経験者ゼロですから。日本だけじゃない、世界中でゼロですから。
 私どもとしては、これはもうえらい勢いで、これを必死こいて、今いろんな我々の想像していない問題も起きることをある程度考えながら対応していかなならぬところだろうと思っております。
○平野達男君 ありがとうございました。
○委員長(古川俊治君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   正午休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
○委員長(古川俊治君) ただいまから財政金融委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、財政及び金融等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○山本一太君 財政金融委員として初めて質問に立たせていただきます。というか、考えたら私は、随分長い間与党の委員として質問したという記憶がもうなくて、今日、どういうモードで質問したらいいのかよく分かりませんが、同僚の西田委員を見習って、礼儀正しくやらせていただきたいというふうに思います。
 まず、今日は来られていませんけれども、民主党の尾立委員が、前回の委員会で税関の業務について取り上げました。私の最初の質問は、実は尾立委員と同じ趣旨なんですが、この財政金融委員会で税関も視察をされたと尾立委員が質問の中でおっしゃっていましたけれども、大臣、私も、実は十一月五日に一人でふらりと東京税関を視察してまいりました。
 最初に羽田税関に行って、少し遠くから麻薬犬の活躍する様子を見せていただき、あるいは押収した物件、主に覚醒剤ですけれども、それも実際に見せていただいて、どういう手口で密輸されたのかと、こういうお話も聞くことができました。その後、青海のコンテナ検査センターにも行って、大型エックス線施設、このシステムをしっかり拝見をさせていただきました。最後に東京税関の本部に行って、通関のいろんな手続の話とか、あるいは、あそこに非常に高性能なテレビカメラがあって二十四時間の監視をやっていると。怪しい船から怪しい人が降りてきたらすぐ分かるように、二十四時間スタッフが頑張って監視をしているというのも見せていただきました。
 私の率直な感想は、私は東京税関に何の利権もありませんので率直な感想でいうと、なかなかやっぱり税関業務というのは目立たない、日の当たらないところだと思うんですけれども、国家にとっては極めて重要な仕事を担っていると、そういう組織だという気がいたしましたし、当日、青木税関長とか山根総務部長とか、あるいは現場のスタッフの方々も大変丁寧に対応していただいて、非常に中身の濃い視察になったというふうに思っています。
 ここに財務省の出した東京税関のパンフレットがありまして、その最初のページに税関の使命というのが書いてあります。ミッションズ・オブ・カスタムズ。一が安全、安心な社会の確保、二が関税、消費税等の適正、公平な課税、三が円滑な貿易の促進。特に、この安全、安心な社会の確保というところには、不正薬物、鉄砲等を始め、テロ・大量破壊兵器等、社会の安心、安全を脅かす物品等の密輸入を一層効果的に水際で取り締まるため、内外関係機関との連携や情報交換を積極的に行うなど、近年の密輸事犯の大口化や多様化に対応した取締り体制等の整備に取り組んでいますというふうに書いてあります。
 三つとも大事なんですが、特にこの一番ですね、安心、安全な社会の確保という点で税関の果たす役割は大きいと思うんですけれども、まず最初に、財務大臣として、この税関業務の重要性をどのように認識をされているか、伺いたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 今三つ述べられました中で国民の安全、安心につきましては、これは御指摘のように、税関で、今、覚醒剤の例を挙げられましたけれども、これは平成二十五年度では十三年ぶりに八百キロを上回っておりまして、約八百六十キロと過去三番目の押収量となるなど増加をしておるということでありまして、不正薬物の密輸入の問題は極めて深刻だと、私どももそう思っております。これに加えて危険ドラッグなどの新しい問題もいろいろ出てきておりますのは御存じのとおりで、厳正な水際の取締りが必要だと思っております。
 税関業務が増える、かつ複雑化するという中で、税関に課せられた重要な使命を果たすために、これは人数ということもありますが、情報やITの活用、それから検査機器の有効活用、それから他の関係省庁との連携強化、もちろん外国の税関も含めて、また業務の効率化と併せまして中期的な税関の体制の整備などに努めているところでありまして、今後とも、様々な情勢の変化に対応できるように、我々としてはその使命をしっかり果たしてまいりたいと考えております。
○山本一太君 今、麻生大臣の方から、不正薬物、覚醒剤等の密輸入の問題が非常に深刻だという話がありました。
 麻生大臣は、漫画、アニメ、クールジャパンコンテンツ、そういう分野についての幅広い知識をお持ちなんですけれども、二〇〇九年から二〇一三年までアメリカで放映された非常に話題になったドラマで「ブレイキング・バッド」というのがあるんですけれども、お聞きになったことあるでしょうか。
 これが、実は二〇〇九年から始まって、シーズン四が最後に二〇一三年に終わったんですけれども、いわゆるテレビ界のアカデミー賞と言われているエミー賞とかあるいはゴールデングローブ賞とかをもう総なめにしたんです。主人公を演じた俳優が、これがウォルター・ホワイトというんですけれども、これも四年連続ぐらいで主演男優賞を取ったというドラマなんですが。
 中身が、これはソニー・ピクチャーズエンタテインメントが作ったんですけれども、このドラマのストーリーは、高校の化学の教師が最初の第一話目で末期がんを宣告されると。残った遺族にとにかくお金を残さなきゃいけないということで、実は覚醒剤の密造に手を出すと。化学教師としての知識を生かして密造に手を出して、そこからいろんなエピソードを重ねて、非常に温和でバランス感覚があっておとなしい彼が暗黒街のドンになっていくというすごい物語なんですけれども。
 何が言いたいかというと、その「ブレイキング・バッド」、非常に、何というんでしょうか、とてもリアルな作りなんですが、覚醒剤を密造するシーンがあって、それをキャンピングカーの中でやると、しかも砂漠の真ん中でやる。なぜかというと、煙が物すごく出るのと、どうも覚醒剤を密造すると物すごい臭気が発生するということらしくて、どうもいろいろ関係者の方に聞いてみると、日本で覚醒剤を国内で密造するというのはなかなか難しいんじゃないかと、これだけ臭気がすごいとなかなか場所がないんではないかという話もありました。
 にもかかわらず、これだけの量が暴力団関係者を中心に出回っているということは、あれだけ税関、関係者の方々が努力をしながらも、やっぱり水際で止められていないというところがあるんだと思うんですね。
 全国の税関をめぐる状況の資料をいただいたんですけれども、課題として、これも尾立委員の方からありましたけれども、二つ大きなのがあって、これも麻生大臣お答えになっていましたが、CIQの体制、これはもう二〇二〇年に向けて訪日外国人を二千万人にしていこうということですから、これは大変な問題だと思うんですけれども。
 加えて、今日、お昼のNHKのニュースを見ていたら、四月か五月にタイから覚醒剤を密輸をした人が捕まったというニュースをやっていたんですけれども、これも、成田、羽田空港の発着枠は二〇二〇に向けてどんどんどんどん拡大していくと。しかも、地方空港におけるLCCの就航なんかもあって、かなりいろいろと、何というんでしょうか、密輸が増えてくる。
 まさにもうこういう傾向にあるということと、加えて、治安対策強化ということで、今大臣もちょっとおっしゃったんですけど、平成二十五年、税関が押収した不正薬物、これによると、九年ぶりに一トンを上回って、特に覚醒剤の押収量が八百五十九キログラムと、もう過去十年間で最大になっているということでした。
 そこでお聞きをしたいんですけれども、覚醒剤は、例えば飛行機で入ってくる、港から入ってくる、あるいは郵便物で来ると、いろんなルートがあると思うんですけど、今回はちょっと郵便物をチェックするところまでは行けなかったんですが、いろいろ話を聞いてみると、どんな装備を、機械を、システムを入れても、覚醒剤を発見するためにはやっぱりマンパワーが必要であって、更に言うならば経験値が必要であって、物すごい数の郵便を怪しい、怪しくないかというのは結構勘で分けているところがあって、これがかなり正確なようなんですけれども、やはりエックス線の装置を造ったところで、このコンテナのどこが怪しいとか、こういうのはやっぱりマンパワーがあって経験値がないといけないということだと思うんです。
 そこで、これ、尾立委員もおっしゃっていましたが、税関職員、平成二十三年以来、財務省も努力をされているんだと思いますが、少しずつ減少しているということで、麻生大臣の答弁、メモしてあるんですけれども、今後七百人とか七百五十人の増員が必要だという試算を踏まえてやるとおっしゃっていますが、私の方からも今日一言申し上げたいのは、税関、出入国管理、検疫に関して物的、人的体制の整備をやらないといけないと。
 こうしなければ我が国の安全は守れないということで、余りもう細かいことを申し上げませんが、是非、この税関の人事配置、特にやっぱりマンパワーを増やすということについては、私、相当いろんなところへ行って、現場で頑張っている方々にも会ってきましたけれども、やはり、もう一回言いますが、水際でしっかり覚醒剤等の密輸を阻止して日本の安全を守るということからいうと、是非、この人材というか人員を増やすことについては財務大臣の方からも是非一生懸命やっていただければと思うんですが、その件についての大臣の御決意を伺いたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 今、山本先生から御指摘がありましたように、訪日される外国人の数が去年初めて一千万を超えて一千二百万、二〇二〇年までに約二千万までということを目的として、今私どもとしては、今後五年間で五百五十から七百という数字に上げたいと思っております。
 それで、この不正薬物の輸入阻止という話に関しましては、これはもう、練り歯磨きのチューブにまぶしてあったりなんかする話も、あそこに私も行ったことがありますから、結構大きなものがありましたでしょう、ああいうのに混ざるとなかなか分からぬというのがもう実態なんです。
 そういった意味で、私どもとしては、いわゆるエックス線とか麻薬捜査犬とかいろんなものをやっているんですけれども、やっぱりマンパワーというのが極めて大きいというのははっきりしておりますので、この十年間では最も多い、過去十年間で比べて、これまでこの三年間はずっと減ってきておりますので、そういった意味では、一番多い純増百四十人ということでやらせていただこうと思っておりますし、また、治安対策費の重点化をやらないかぬということで、これは検査機器の整備等々に総額で九百六十億円というので、当初予算に対してプラス二%ぐらいの予算要求を行っておるところでもありまして、税関の体制の整備というのは極めて大事で、この国のやっぱり観光客が増えている一番大きな理由の一つは治安ですから、その意味においては非常に大事な財産、目に見えない財産の一つだと思っております。
○山本一太君 ありがとうございました。
 大変微力ではございますが、私も是非税関の体制整備、強化、応援させていただきたいと思いますので、財務大臣としてしっかり取り組んでいただければと思います。
 今日はちょっと限られた時間で、あと十七、八分しかないんですが、タックスヘイブンとマネーロンダリングの問題を取り上げさせていただこうと思っているんです。
 実は、私は財政金融委員会には所属していなかったんですが、タックスヘイブンの問題とそれからマネーロンダリングの問題には以前から高い関心を持っていまして、それには理由があります。
 実は、北朝鮮に対する対話と圧力の路線を維持するために、自民党の議員立法で、自民党中心になって二つの経済制裁法を作りました。実は、勉強会を立ち上げた中心は私でございまして、ここで一応原案を作らせていただいたということがあるんですが。
 大臣、覚えていらっしゃると思いますけど、二〇〇五年にアメリカの財務省は、マカオのバンコ・デルタ・アジア銀行を北朝鮮の不正行為に関与している可能性が高い金融機関というふうに指定をいたしました。この指定を受けて、北朝鮮の資産を、相当な額だったんですけれども、アメリカ当局が凍結をしたと。これはもう北朝鮮がすごく騒いで、金融制裁ではないかというふうに、かなり米朝の間で激しい議論になったんですけれども。
 そのとき自民党の経済制裁シミュレーションチームの座長は私だったんですが、マカオに視察に行ってまいりまして、バンコ・デルタ・アジア銀行はなかなか、何というんでしょうか、マカオ当局とのいろんな連携協定とかもなかったので門前払いだったんですけれども、無理やり中に入って、みんなに嫌がられながらぐるぐるぐるぐる銀行の中を回ってきて、その後、マカオの金融当局といろいろと実は意見交換をいたしました。
 タックスヘイブンとそれからマネーロンダリングは直接関係があるわけじゃありませんが、明らかに関連があると思うんですね。なぜなら、マネロンとかあるいは脱税とか、いわゆる法律に反する行為というのは透明性の低いシステムがあるところで起こりますので、これは本当に関係があるというふうに思っているんですけれども。
 そこで、まずタックスヘイブンについて伺いたいと思いますが、アップル、グーグル、アマゾン等の今グローバル企業がタックスヘイブンを利用して行っている節税策については国際的にいろいろ批判があるところなんですけれども、こういういわゆる課税逃れ、こういう問題は当然我が国でも起こっていて、これに対応していると思うんですが、どういうふうに現状を把握して、そしてどんな取締りをしていくのか。これは国税庁、参考人で結構ですから、簡潔に御説明していただきたいと思います。
○政府参考人(佐川宣寿君) お答えします。
 そうした問題につきまして、国税庁としては、主要な国税局に国際課税の専担部署を設置するなどの調査体制の整備を図って海外取引を重点的に調査しているほか、海外への資金送金につきまして国外送金等調書を活用しております。
 これに加えまして、現在八十八の国、地域との間で可能となっております租税条約に基づく情報交換を積極的に活用して、各国の税務当局と密接な連携を図って国際的な租税回避に適切に対処しているところでございます。
○山本一太君 今おっしゃったその租税条約というのが結構ポイントだと思うんですよね。
 いろいろ記憶をたどってみたら、実は二〇一〇年四月の参議院の外交防衛委員会で私は質問に立っていまして、そのときに、シンガポール、マレーシア、ベルギー、ルクセンブルクとの租税協定、条約の改定議定書がかかって、可決されたんですよ。それはもう、租税に関する情報交換がより実効的に行われれば国際的な脱税あるいは租税回避行為の防止に資すると、こういうことで、これを応援する立場で質問したんですけれども。
 ちょうどこの時期、NHKのドラマ、土曜日のドラマで「チェイス・国税査察官」というのをやっていまして、毎週見ていたんですね。すごく面白かったんですけど。極めてタイムリーな時期だったんですが、実は、香港とマカオの租税情報の透明性の確保について、日本の対応を当時の福山副大臣、外務副大臣かな、聞いているんですよね。
 この一年ぐらい前に、たしかG20の金融サミットがあって、そこでサルコジ大統領が、香港とマカオについては、これはタックスヘイブンのリストに入れるべきだと主張して、中国がこれに対して猛反発をしたという報道がなされたんですよ。正確に言うと、報道がなされたので事実関係はどうか分からないんですけれども。このとき私が福山副大臣に、香港との条約はどうなっているんだと。この二つは極めてタックスヘイブンとして世界から批判されているので、香港とのやっぱり条約がなかったら日本としてなかなかここら辺のところをつかめないだろうと。さらに、マカオは更に香港よりも実は税金が低くて、ここも物すごくマネロンとか、今言ったバンコ・デルタ・アジアもありますが、その租税回避行為に使われているということで、ここはどうなっているのかと聞いたら、今から、一〇年だから四年前ですか、これから香港との条約交渉に入りますと副大臣からの回答をいただきました。
 それから、マカオについてはどうなんだと言ったら、マカオについては、どのくらいのお金がマカオで租税回避行為に使われて、どのくらいのお金が日本から行っているのかよく分からないので今検討中ですという話だったんですが、それはその後どういう感じになっているんでしょうか。
○政府参考人(佐川宣寿君) 今のお話でございますが、我が国と香港との間におきましては、平成二十三年八月でございますが、租税協定が発効しております。それからマカオでございますが、本年、平成二十六年の五月でございますが、租税情報交換協定がそれぞれ発効しておりまして、今、我が国と両地域との税務当局の間では、銀行情報を含めまして情報交換が可能となっているというところでございます。
○山本一太君 今のその銀行情報を含めてというのがとてもポイントなんですけど。
 私たちが、二〇〇六年の一月か二月だったかな、そのシミュレーションチームの座長として何人かの議員と一緒にバンコ・デルタ・アジアへ行ったときは協定がなかったから当然入れなかったんですけれども、今度の協定、マカオとの協定では、金融機関にもきちっと入れるというか金融機関の情報もきちっと出すと、こういう枠組みになっているんでしょうか。
○政府参考人(佐川宣寿君) 金融機関の情報も含めまして、両地域の税務当局との間で、我が国で情報交換が可能となっております。
○山本一太君 非常にいいニュースを今お聞きしました。よかったと思っています。
 先ほど申し上げたとおり、マカオが四年前か、法人税率一二%、所得税率一〇%、香港より低いということで、日本の企業とか国民の中でも、これまで租税回避地として活用してきた香港よりマカオを有望視すると、こういう流れにもなっておりますので、今の租税条約も含めて、もちろん国税庁だけじゃなくて金融庁、それから警察庁、こういうところともしっかりと協力をして、きちっとタックスヘイブンの問題、あるいはこれから聞くマネロンの問題にも、マネロンは国税庁関係ないけど、対応していただければと思います。
 引き続いて、マネロンの対策について警察庁にお伺いしたいと思います。
 日本のマネロン、テロ資金への対策はFATF、これはファトフと言うんでしょうか、読み方がいろいろ変わるのでよく分からないけど、これが、金融活動作業部会と呼ばれるんでしょうか、これ、国際機関というか、国際的な機関じゃないのかな、よく分からないんですけど、国際的な取決め、枠組みですよね、が本年六月に声明を発表して、日本の法整備が不十分だというふうに批判をしました。
 こうやって一国だけ名指しで勧告を出すというのはFATFの歴史でも多分初めてだと思うんですね。それだけつまり、国際的なマネロンを防ぐために、日本の法整備だけ不備だったらそこがループホールになってしまうという危機感から恐らくこういう声明が出たと。これ、ほっておくと、いわゆるグレーリストとかブラックリストとか、まあブラックリストって北朝鮮とかイランだから、そこまで行くかどうか分かりませんけど、このままほっておいて法整備をしなかったら日本もグレーリストとかブラックリストに入ってしまうんじゃないかという危機感があって恐らく今国会、二本の法案を出されているんだと思いますね。
 これが犯罪収益移転防止法と組織的犯罪処罰法及び麻薬特例法なんですけれども、簡単に、物すごく簡単にこの二本の法律のポイントだけ教えていただけますか。
○政府参考人(樹下尚君) まず、犯罪収益移転防止法の改正案についてでありますけれども、これは、疑わしい取引の届出に関する判断の方法を主務省令で定めるということによりまして顧客管理の充実を図るものでございます。
 それから、国際テロリストの資産凍結法案でございますけれども、これは、関係する安保理決議を踏まえまして、外為法で対外取引が規制されている国際テロリストにつきまして、同法で規制されていない国内取引の規制を新たに行うものでございます。
○山本一太君 中身は今おっしゃったとおりで、私もちゃんと勉強してきましたけれども、まあこれは、国会、政治は生きているので、いろんな状況が起こるからやむを得ないことかもしれませんけれども、たしかこの二つの法案は、衆議院の内閣委員会は通っていたと、参議院の内閣委員会でたしか今日ぐらいに趣旨説明か何かの日程だったと思うんですが、これはもう全体の状況を見ないとしようがないんですが。
 私は、個人的にはマネロン問題にずっと関心を持ってきた議員としては心配していまして、これが今国会も通らないと、それこそ次はグレーリストに入っちゃうんじゃないかというように思っていまして、これは別に政府の努力だけでいくわけではないと思うんですけど、なるべく、なるべくといっても誰もどうにもできないのか分からないんですけど、緊急事態なので、できる限りこの国会でこの二つは成立させた方がいいんじゃないかと思っているんですが、当局としてはどんなお考えでしょうか。
○政府参考人(樹下尚君) FATFの第三次の対日審査におきまして、顧客管理措置等が不十分であると、こういう指摘がありまして、先ほど委員御指摘のように、今年の六月には声明が出されたということでございます。
 現在、こういった指摘に応えるため、二つの法案をお出しをしまして審議をいただいているところでございますけれども、こういった法案が成立をしまして関連政省令が整備された場合には、FATFから十分な理解を得られるように丁寧に説明をしてまいりたいと考えております。
○山本一太君 今日は警察庁の方も来られているので、よく御存じだと思うんですけれども、欧米の特に情報機関は、やはりマネーロンダリング問題を非常に、当然ですけど、深刻に捉えていまして、やはりマネロンを通じてテロリストに資金が流れると、これが最も危険な、何というんでしょうか、ルートですから、これを何かもうキャッチしようと思って非常にここに力を注いでいるということもあって、やっぱり日本でちゃんと法整備しないと連携できないと。
 連携できないと、例えばマネロンも、もうこんなにお金とか情報が一瞬でボーダーを越えて飛び交う世界だから、やっぱり日本の法整備がちゃんとできないと連携できない、国境を越えたマネーロンダリングをやっぱり日本の当局としても追いかけられないということがあると思うので、この二つの法案についても関心を持っていますし、今国会で何とか通ればと思うんですが、いずれにせよ、これは絶対に必要だということをここでも申し上げておきたいというふうに思います。
 いろいろあるんですけれども、あと五分になってしまったので、最後にちょっと、アベノミクスについて財務大臣にお聞きしたいというふうに思います。
 もう細かいことを申し上げる時間はないんですが、財政金融委員として何度かこの委員会の議論も聞かせていただいて、与野党の論客の皆さんとそれから財務大臣の議論もよく聞かせていただいて、アベノミクスはもちろん私は効果を上げていると思っていますし、これは最後まで完遂しなければいけないと思っているんですが。
 やはり思ったようにいっていない、もちろん全て予想どおりにいっているわけじゃないので……(発言する者あり)かなりじゃなくて、ほとんどうまくいっていると思うんですけど、まあ課題も幾つかやっぱりあるわけであって、一つは、ここでも議論が出ていましたけれども、やはり名目賃金、実質賃金は上がっていても、総理も予算委員会でおっしゃっていたんですけど、やっぱりデフレから緩やかなインフレに行くと、物価上昇目標とそれから実質賃金の上がるペースというのは追いかけっこであって、デフレからインフレになるときには、しばらくはやはりそちらの物価上昇の方が先に行って、これに追い付いていかなきゃいけないという話ですね。
 これも何度も麻生大臣聞かれているんですけれども、これが追い付いていく見通しというか全体の行程というか、そういうことについてどんなふうにお考えになっているかというのが一つと、もう一つだけ、あと五分あるので。
 やっぱり私がアベノミクスを見ていて一番の課題だと思うのは、大塚さんのようなスペシャリストもいるんですけど、経済金融の。やはり工業生産指数が思ったよりも上がってこない、輸出が思ったよりもやはり円安なのに伸びていかないと。
 これはもう大臣が御答弁されていたので、予算委員会かな、覚えているんですけれども、例えば新興国の景気回復スピードが思ったよりも遅かったとか、あるいは円安になっても現地で余り安く売らない、もう収益優先なので数じゃなくて値段で売るとか、いろんな理由はあると思うんですけれども。やっぱり輸出が伸びていないというのはちょっと計算からいうと少し心配なところだと思うので、特に鉱工業生産指数が伸びなくて在庫が増えているというところは十分注意していかなきゃいけないと思うんですけれども、これについても、どんな形でこれを克服していく流れになるのかということについて財務大臣のお考えをお聞きできればと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) アベノミクスは、基本的にこの二年間、国内の新聞を読んでいると、決してよく書くことのない資料ですから、余り読んでもいいことは書いていないという前提でお読みにならぬと間違えますので。海外からの評価の方がよほど第三者の目で見ていると思いますが、少なくとも、今私どもの財務省にお見えになる各国のいわゆる金融関係の人、また財界、もちろんいわゆる財務大臣というかそういった立場におられる方々というのは、もう少なくとも、この一年間ぐらい急増していると思っております。
 それは、いずれも内容がいいから来るのであって、悪けりゃ来やしませんし、いわゆるジャパン・パッシングという言葉がありましたけれども、みんな通過してみんな中国へというのが、今年四月の連休始まる前で、アメリカの上下両院だけで五十八人、私どもの日本に来ておられると思いますが、今まで、一年間で一番多い年で、二十六人ぐらいがこの七十年間で一番多かった数だと聞いていますので、五十八人が半年以内というのはかなりの人が関心を持たれている。それは、うまくいっているから関心を持っているんだと、私どもそう思ってまずおります。
 それは、数字でいろいろ申し上げても、数字はもう既に出ておる数字なので、基本的に、今そういったようなものから見ていきますと、いつ追い付いていくかというのは、これはちょっと、経済は生き物ですから、これいつ頃までにという話になると、これはもうその言葉だけがまた独り歩きし始めて、野党の方からいついつ言ったじゃないかと、その話ばかりされるというのが大体このパターンですから、そういったような愚かなことは避けて、私どもとしては、こういったようなものはなかなか難しいとしか申し上げようがないんですが。
 少なくとも、二%の物価上昇というのを目指して日本銀行はオープンエンドでいわゆる金融緩和というのをやっておりますので、それに伴いまして間違いなく物価上昇が、マイナスだった物価上昇がプラスに転じたことは間違いありませんし、そういった意味では、私どもとしてはそれがある程度、二%の先に行ったらハイパーインフレーションになるとかなんとかいうような話をしておられる方もいらっしゃるようですけど、そんな話は全くないので、二%の前後できちんとした形で行くのが望ましく、その段階が落ち着いてきた段階でいわゆる賃金上昇というものが追い付いてくるんだと、私どもはそう思っておりますので。
 これは、いつ達成できるかということをちょっと明確に答えられませんし、企業側の方も賃金アップというのを、初めてこの二十年近くでベアという言葉が出て、ベアという言葉を知らない若い人も多いぐらいですから、ベースアップの略だという意味で、初めてのことが起きましたので。来年も同様な形を経済界も努力をされるということだと思いますので、そういったものが両方でやっぱり力を合わせていかぬと、賃金だけやってもとか物価だけやってもということになろうと思いますので、そこのところは両方で力を合わせていかねばならぬというので、いつかと言われるとちょっとそこまで答えられる段階にはございません。
○山本一太君 もう時間がなくなって、そろそろもうあと一分ぐらいなんですけれども、麻生大臣の大変力強いお言葉をいただいてよかったと思うんですが。
 もう私も、安倍内閣になってからの国際社会における日本の存在感の復活、これはもう、ダボス会議にも同行しましたし、五月のアジア安全保障会議、シャングリラ・ダイアログでも総理のやはりスピーチがあれだけ各国のマスコミにキャリーされたということから見てもこれは間違いないと。
 これはもうアベノミクスに対する注目であって、成功するかどうかではなくて、成功させないと本当に日本に二度とチャンスがないかもしれないという危機感を持って第二次安倍政権でもやっておりましたので、もちろん私は麻生大臣を信頼していますし、今おっしゃったようなシナリオで、これからもしっかり力強く日本復活ができると思っていますので、是非、内閣の原動力として頑張っていただきたいと思います。ぴったり三十分で終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
○中山恭子君 次世代の党の中山恭子でございます。
 今、山本先生から税関についてお話がありました。更に言えば、麻生大臣の下には国税局、そして財務局がございます。財務局は非常に地味でおとなしい組織でございますが、今日午前中議論がありました金融問題、金融庁の仕事を引き受けて進めております。是非、財務局についても御理解、御支援いただけたら有り難いことだと思っております。
 さて、今、アベノミクスについてのお話もありました。私自身は、第一の矢、日銀の仕事というのは十分効果的に実行されていると考えておりますが、現在、景気がちょっとたるんで、中だるみ状態かと言えるかと思うんですが、その要因の一つとして、第二の矢、機動的な財政政策が弱いのではなかろうかと考えております。
 この第二の矢の規模がまだまだ不足しているのではないかと考えておりまして、先日、IMFの世界経済見通し二〇一四・一〇というのが出ていますが、ここでもIMFの方も考え方を相当変えているようでございまして、インフラの必要性がある国ではインフラ推進の適当な時期である、公共投資は生産の要である、そして公共インフラ投資は正しく行われるならば元が取れると、そこまで書き出しております。
 そういう追い風もありますので、例えば復興、防災・安全対策、社会インフラの整備を更に進める、場合によっては異次元の財政政策を取って経済規模そのものを拡大していくということを考える時期ではないかと思っております。まさに正しい公共事業を大胆に進める、これが今でしょうという思いがございますが、財務大臣、その点いかがでございましょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) いわゆるマネタリーベースと言われる日本銀行が金融を緩和するお金は銀行まで届くんですが、それから先の市中に散らないと、こういうことを幾らやっても駄目ですというのはもう竹中平蔵の実験の失敗ではっきりしておりますので、これ以上言う必要はないと。この名前を何回も言っておりますので、もう当然本人にも言っておりますので、陰口たたいているつもりもありませんので、ずっと言い続けてきましたので。
 なぜ駄目かというと、マネタリーベースからマネーサプライに変わっていくためには市中に需要が出なきゃいかぬ。需要が出ない限りは銀行にお金がたまっているだけで、そこから先には散りませんから。
 そういった意味で、需要がないときには、これは明らかに需要は民間の消費と設備投資、この二つが、いわゆるGDPに占めます三つの要素のうちの二つがそれですから。残りの一つは、何といっても政府支出、いわゆる公共事業を含めてのものだと思いますので、それはやらないといかぬということで、ここのところを私どもは申し上げてきたし、私のときになってからもそういったことを十分に意識してやらさせていただいております。
 公共事業というと、もうとにかく悪のイメージが何となく、コンクリートから人へとかなんとか訳の分からぬことを言っていた方もいらっしゃいましたので、笹子のトンネルがおっこってから大分静かになられたとは思いますけれども。こういったような話というのは、私どもにとりましてはこれ極めて大きな話なんであって、高度経済成長期のときにやりました数々の工事というのがちょうど満五十年ということになりますと、大体、メンテナンスをきちんとしていないとだんだんだんだん壊れていくというのは、これはもうアメリカのあの時代、一九八〇年代に起きたあの話と同じ話が日本でも起きるということですので、今ちょうどその時期に来ておりますので、ここはきちんとやらねばならぬ。
 これは何が意味があるかというと、この公共工事は土地代が要るわけじゃありませんから。土地代に消えて、またその土地代が個人の収入に入って預金されるというんじゃなくて、工事としてそこに回っていきますので、それが大きい。
 それから、ここに共同溝の話も出ておりましたけれども、電柱を地下に埋設するということも、これまた土地代の掛かる話ではありませんし、町は美化されますし、きれいになりますし、嵐のときにも倒れないし等々いろんなものがありますので、こういったものも値打ちがある。
 また、そのほか、私どもとして、今役所におりましてお見えになる方がいろいろいらっしゃいますけれども、大体どの党も共通して陳情率の一番高いのは道路。もうこれははっきりしておりまして、道路というのが昔の道路と違って、いろいろ工場ができた結果、車の流れが全く変わっちゃっておりますので、そこの中にそういうように車がたくさん通るという前提で道路ができていないために極めて渋滞、その渋滞が結果として経済成長を阻害しているということにもなっておるのは事実でもありますし、また、田舎において道路がないというために救急が間に合わないとかいうことにもなりますので、いろんな意味でこの交通網の整備とか、港湾も、港を揚げてから高速道路に乗るまでの道路が整備されていないためにそこで渋滞を起こして、結果的に効率が、時間がということになっていると。
 いろんなことを考えまして、私どもとしては、第二の矢のところは今申し上げたようなところに基本的には集中させていくべきであって、少なくとも、今人が足りない等々ありますけれども、それは建築部門はそうかもしれませんけど、土木でそのような話が起きているということを聞いておりませんので、私どもとしてはそちらの方が大事なのだと思っております。
 ただ、御存じのように、私どもとしてはプライマリーバランスというものをある程度考えておかないといけませんので、二〇一五年までに半分にしますということをお約束しておりますので、このこともある程度頭に入れてやっていく、私どもの置かれている立場でございますので、そこらも考えながら対応させていただきたいと思っております。
○中山恭子君 経済規模拡大という観点から見れば、その方が早道でプライマリーバランスを達成できるのではないだろうか、そんな気もいたしております。
 今、大変力強い御答弁いただきましたので大変有り難いんですが、一点だけ。
 今、電柱の地中化を進める法案が検討されております。この共同溝のパンフレットを配付しておりますが、その後ろから二ページに「共同溝とは」という、一番最後の紙の上の方にございます。この図を見ていただけるとすぐ一目瞭然かと思いますが、電柱を、それからほかの情報網と一緒に土管の中に入れて埋めますと、この一番上の図の左側の形になります。
 今、戦後七十年たって、先輩たちが頑張って造ってくれたインフラ、ちょうど更新していく時期でございます。今後百年使えるような共同溝を造る必要があろうかと思っておりまして、費用にしても、先ほどおっしゃられましたように土地代がないわけですから、そのものそのものは最先端の非常にしっかりしたものを造っておかないと二度手間になるであろうと考えております。
 さらに、その点から、国としてこの共同溝を全国に敷設するための、もちろん共同溝をできないところは電線の地中化でよろしいんですけれども、できるところはもうできる限り共同溝を敷設するという国としての長期計画を、十年、二十年、三十年、どのくらい掛かるか分かりませんが、それを立てていただきたいと。そうすると、請ける側も安心して共同溝、土建関係の方が人の手配とかできるはずでございますし、また、これは地方の中小建設業の方々で動けるものでございますので地方創生にも役立つと思いますし、さらに民間企業、民間事業者がこの共同溝を使うということで、そこの協力を得れば更に有効な形で共同溝敷設ができるのではなかろうかと考えておりますので、もう一度この共同溝について御配慮いただけたら有り難いことでございます。
○国務大臣(麻生太郎君) この共同溝は、今あります電柱、ガス、ファイバー、電話線を含めていろいろあるのを埋める部分と、新しくできるところに最初から電柱を立てないで地下に埋設していくという、二つあろうかと存じますけれども。
 今、主に私どもとして、やっぱり電柱があるおかげで道路が甚だ狭いとか、どこでもそうです、上を見ていただくと、汚いと思わない、あれを見てきれいだなと思う人はもう電工の工事屋のおじさんぐらいのもので、あれを見てやっぱりきれいと思う人はいないんだと思いますね。
 だから、そういった意味では、やっぱり地下に埋めるということはきれいになりますので、土地の値段も当然、私有地の地価も上がりますし、それは担保物件の力が増えるということでもありますので、いろんな意味でこの共同溝というのは非常に効果のあるものだと思っておりますし、防災の意味からも極めて大きいという話は非常にもう明確に答えが出ておりますので、今後、計画を立てる段階からということになりますと、これは建設省等々との打合せも要ろうかと存じますけれども、その分だけコストが少々高くなってもトータルで見ると安いということもはっきりしておりますので、私ども、建設省じゃなかった、国土交通省と連絡を取り合いながらやらせていただきたいと存じます。
○中山恭子君 ありがとうございました。
○委員長(古川俊治君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(古川俊治君) 速記を起こしてください。
○風間直樹君 よろしくお願いします。
 今日は最初に、日銀版のQE2についてまず中心的にお尋ねをします。
 黒田総裁は十月二十八日のこの財政金融委員会で答弁をされまして、日本経済はCPI前年比二%の物価安定の目標の実現に向けた道筋を順調にたどっていますと、このように答弁されました。しかし、その三日後、三十一日に日銀版のQE2を発表されたと。
 順調であれば更なる緩和の必要がないわけで、順調でないから緩和をしたというのが当然の見方でありますが、これは黒田総裁の現実認識に誤りがあったのか、あるいは更なる緩和が必要だとお考えになっていたけれども国会にはお考えと異なる答弁をされたのか、どちらでしょうか。
○参考人(黒田東彦君) 私、常に経済あるいは金融情勢について発言いたします際には、当然のことながら、金融政策決定会合において政策委員の方々が意見を述べられ、その上で金融政策について決定をされる、あるいはそうしたことを踏まえた展望レポートといったもので経済見通しを発表しておりまして、そうしたものに基本的に沿って御説明を申し上げているわけでございます。
 今回の金融政策の決定に当たりましては、従来から申し上げておりますとおり、消費税の反動減の影響がやや長引いていると、あるいは天候不順の影響もあったということもあって、やや弱めの需要の動向が続いているということを申し上げておりました。ただ、その中でも、企業部門あるいは家計部門の好循環は基本的に続いておるということも申し上げておりました。
 そうした中で、先ほど申し上げたようなやや消費の弱めの傾向、そしてこのところ急速に進んだ原油安といったことも受けまして、政策委員会におきまして、このまま放置した場合には、やはり物価上昇期待あるいは将来の賃金に対する影響等々、下方リスクが出てきているということで、この際、二%の物価安定目標をできるだけ早期に実現するという日本銀行としての強いコミットメントを示すと同時に、それを裏打ちするような量的・質的金融緩和の拡大を行うべきであるというのが多数意見でございまして、そして、そういったことを踏まえて、さらに、新しい展望レポートにおいて現在のような叙述になっているわけでございます。
○風間直樹君 るる答弁されましたが、到底世間の納得を得られる答弁ではありません。もう言語道断の答弁であります。
 大体、政策決定会合の要旨の発表は、総裁、いつですか。政策決定会合終わってすぐ要旨を発表されますでしょうか。
○参考人(黒田東彦君) 先ほど申し上げたとおり、政策委員会において、決定会合において、今般の決定会合におきましては、金融政策の調整と、そして半年に一回公表しております展望レポートの公表と二つのことが議論をされまして、そして金融政策の決定内容については公表文で明らかにし、展望レポートにおいても直ちに公表をいたしております。
 その上で、議事概要につきましては、常に次回の金融政策決定会合において議事概要についても決定をして公表するという形になっておりまして、これは多くの中央銀行において、議事概要を公表しているところはそういった形になっていると思います。
○風間直樹君 いや、それは事実違うんですよ、総裁。
 多くの欧米の中央銀行では直ちに発表されているんじゃないですか、日銀と違って。日銀の場合は、おっしゃるように次回の会合で、前回の議事概要について、これで公表していいかという確認を取って発表されています。ですから、ブランクが空きますよね、一か月程度の。欧米の中央銀行はそうじゃない。もう直ちに議事概要を発表されているんじゃないですか。
 私が言いたいことは、要するに、日銀の政策委員の皆さんで議論されている内容と、国会や世間が受け止めている日銀の見解との間にギャップがあるんです。ギャップがあるから、今回のように黒田総裁が三十一日のQE2を突然発表されるとサプライズで株価が上がると、これが今の我が国の金融行政の実態だと思いますね。ここに私は問題があるんじゃないかという認識です。
 今日午前中も、国債の日銀の買入れについて様々な委員の皆さんから更なる質問が出ました。答弁は、これまでと同様、一貫して本質的な答弁はありません。つまり、国債の買入れに対しても、今回のQE2に対しても国会のチェックが利いていない状態です。これでいいのかというのが私の問題認識なんですね。
 十月の十日から十二日にかけて、IMFと世銀の総会がワシントンでしょうか、開かれました、総裁も御出席されたわけでありますけれども。報道では、このIMF・世銀総会でIMFから日本の物価上昇率をめぐる試算が示されたというふうにされております。具体的には、円安の影響を除くと日本の物価上昇率はゼロ近辺にとどまっており、円安にもかかわらず日本の輸出量が想定よりも増えていないと、こういうIMFの試算結果が示されたということなんですが、総裁はこの結果を総会の場でお聞きになりましたでしょうか。
○参考人(黒田東彦君) IMFの世界経済見通しは会議の前に公表されておりまして、その中でかなり詳しく世界経済、そして日本経済についても分析がされております。そうした分析を踏まえて、しばしばIMFの調査局長がIMFの会議の議論を行うに際して、世界経済見通しの中の幾つかの点をピックアップして、議論のたたき台というか、そういうものに提供するということをしております。
 その際、当然のことながら、そういった分析の、公表された分析の背景とかそういったこともお話しされることがありますけれども、会議でそういったことが言われていること自体については、IMFの方が公表している部分は公表されていますし、公表されていない部分は公表されていないわけですので、今委員が指摘された点は公表されていたかどうか私もよく記憶していないんですが、特に、円安にもかかわらず輸出数量がほとんどフラットで伸びていないということはかなりIMFの調査局長が指摘しておられましたけれども、今御指摘の点については、私自身余り記憶しておりません。
○風間直樹君 今朝の新聞報道では、今言いましたように、円安の影響を除くと日本の物価上昇率はゼロ近辺にとどまっている、日本の輸出量が想定よりも増えていないと、こういうIMFの見解が内々に示されたという報道であります。当然、アベノミクスにもかかわらず、そして日銀のQEにもかかわらず物価が上がらないということは政策委員の皆さんにも相当強い緊迫感を与えたと予想されるわけでありまして、総裁にも同じだと思います。
 さらに、最近の報道や、昨日ですか、日銀の理事の方の地方での会見などを見ていますと、原油価格の急落がやはり今後の物価見通し、下振れするんじゃないかと。これは日銀の約束である二%の目標達成時期の遅れが懸念されかねないということで、三十一日のQE2につながったというふうに言われているわけであります。
 そうしますと、我々、この委員会で度々金融緩和をめぐる議論をしているわけですが、これは当然ながら、今じゃんじゃん日銀が国債を引き受け、ETFを買うことでマーケットにマネーを供給する、そのことは、ここ一、二年の我が国の金融マーケットにとってはいいことかもしれないけれども、行きはよいよい帰りは怖いじゃありませんが、数年後に大変な事態を招くおそれもなしではないので、その懸念をチェックしなければいけないという、こういう趣旨で皆さん質疑をされているわけですね。
 やはり、状況に変化が起きたときには、総裁、国会の場ではやはり総裁の一番アップデートされた見解を答弁していただきたい。そうでないと我々質疑をする意味がないと思いますので、そのことは今日最初に強くお願いをしておきたいと思います。
 続いて、日銀のこのQE2の内容についてお尋ねをします。
 今回、国債の更なる買入れというのも注目を集めたんですが、もう一つ、ETFの買入れ総額を三倍に増やすという決定がなされました。これは私も非常に注目しております。ETF及びJ―REITについて、保有残高それぞれ、年間約三兆円、三倍増、年間約九百億円、三倍増に相当するペースで増加するよう買入れを行う、新たにJPX日経四〇〇に連動するETFを買入れの対象に加えると、こういう内容であります。この結果を受けて、御案内のように、三十一日QE2発表以降のマーケットは右肩上がりを続けているという状況であります。
 それで、このETFの購入額を三倍に増やすということなんですが、これは私、最初、JPX四〇〇、ETFありますので、このETFそのものを日銀が購入するということなのかなと思っていろいろ調べてみたんですけれども、どうも風説を耳にしておりますとそうでもないように感じます。これ、具体的にはどんな手法を取られるのでしょうか。
○参考人(黒田東彦君) このETFの買入れにつきましては、市場の状況に応じて、日本銀行の定める基準に従って信託銀行に買入れを行わせております。
 買入れ価格は市場価格でありまして、具体的には、取引所での売買加重平均価格を用いて買入れを行っております。買入れ対象は、株式市場における代表的な指数であるTOPIX又は日経二二五に連動するETFとしてきておりまして、今般、新たにJPX日経四〇〇に連動するETFを対象に加えることとしたわけでございます。
○風間直樹君 個人投資家や機関投資家と違いまして、日銀がこういったETFを買うとなると、当然、買った後、評価損を出すわけにはなかなかいかないと思うんですね、バランスシートに毀損を与えますから。そうすると、これは私の推測ですけれども、JPX四〇〇、日経二二五、あるいはTOPIXに連動する銘柄のうち、やはり経営効率が非常に良くて、この数年間の業績も安定していて、さらに流動性の高い銘柄を買うということがこの購入担当者の判断になるんだろうと思うんです。
 加えて、大きなポイントは、ETFの購入額が年三兆円の枠だということは、年間通して営業日が二百五十日あります。この二百五十営業日の毎日、一日平均百二十億円ずつ買わなければ三兆円には到達しません。つまり、仮に平均すれば、三営業日に一回、一月に六回から七回ということになりますけれども、三営業日に一回、三百八十億円分のETFを購入する、こういう計算になりますね。日銀が公表している資料を見ますと、これまでの購入額は百四十七億円です。それを三百八十億円に増やすと。
 実際、直近の日銀の公表資料を見ますと、十一月の最初が五日、三百八十億購入、直近では十一月の十日月曜日にやはり三百八十億購入と、このならしたときの購入額にほぼ一致する金額を購入しています。
 こうなりますと、総裁、今後もマーケットは、日銀が月に六回から七回、三日に一回の平均で三百八十億円の固定額でETFを買っていくんだろうと、こう見ると思うんですが、そういった推測で間違っていないでしょうか。
○参考人(黒田東彦君) このETFの買入れにつきましては、量的・質的金融緩和に入る前のいわゆる包括金融緩和のときからETFの買入れというのは行われていたわけですけれども、これを量的・質的金融緩和の際に拡大し、さらに今回の決定でそれを更に拡大したということであります。
 具体的には、御指摘のとおり、年間約三兆円に相当するペースで保有残高が増加するように行うということでございまして、具体的には、この趣旨は、リスクプレミアムの低下をできるだけ効率的に図ろうということでございますので、そういった観点から、市場の状況に応じて弾力的に買入れを進めるということになっておりまして、毎月何回とか、あるいはその金額が幾らということが事前に決まっていて、それを示すというようなものにはなっておりません。
○風間直樹君 この年三兆円のETFを購入できるという判断の下には、当然、現在の日銀のバランスシートを分析されて、これぐらいの額だったら大丈夫だろうという計算があってのことだと思うんですね。このように分析された理由というのはどんな理由でしょうか。
○参考人(黒田東彦君) ETFの買入れ額の拡大によりまして、日本銀行が抱えるリスクというのは当然その分増大するということになるわけですが、二%の物価安定の目標をできるだけ早期に実現するために必要な政策として行っております。
 すなわち、リスクはもちろん認識しつつ、物価安定の使命のため必要なことは行うということでございます。その上で、日本銀行のバランスシートにおけるリスクに対しましては、財務の健全性を維持する観点から、これまでも準備金や引当金の積立てなどによりまして自己資本の充実に努めてきたところでございます。
○風間直樹君 国会議員が国債の購入ですとかETFの購入について質疑をしても、余り真正面からの答弁というのは返ってこない。これまでも返ってこなかったし、これからも多分そうなんだろうと思います。
 ただ、冒頭から言っていますように、私の今日の質疑の最大のポイントというのは、じゃ、誰が今の日銀のQE2、これまでの緩和の中身をチェックするんですかということなんです。国会は正直今全然チェックできていませんよ、こういう答弁ですから。午前中もそうだった。
 じゃ、誰がチェックしているのか。金融庁、しているんですか。金融庁は現在の日銀のQE及びQE2について、金融業の監督者である立場からチェックをしているのかどうか。その点、ちょっとお尋ねをしたいと思います。
○委員長(古川俊治君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(古川俊治君) 速記を起こしてください。
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(古川俊治君) 速記を起こしてください。
○風間直樹君 財務副大臣の答弁は金融庁ではないので難しいということですので結構ですが、次回これちょっと、次の質問のときに確認させていただきます。金融庁には、ちょっとこれきちんと答弁できるように準備をしていただきたいと、財務省ですね、お願いします。
 次の質問に行きたいと思います。
 来週辺り衆議院が解散されるのかどうかという報道がなされていますけれども、それはともかくとして、今回、消費税の増税実施の時期を先送りする可能性があるんじゃないかと、こう言われているわけです。
 そうした中で、今年の四月でありますけれども、財務省の財政制度分科会に非常に興味深い資料が提出されました。我が国の財政に関する長期推計と。今日は配付資料をお配りしてあります。この長期推計は、簡単に言いますと、今後の我が国財政、特にプライマリーバランスの均衡を図るためにどれぐらいの増税が必要かということを示した資料であります。
 配付資料に示されている、この下の右のグラフを御覧いただきたいんですが、一般政府の債務残高、イメージと書かれています。ベースライン、これは何もしなかった場合ですね。現行の消費税率八%のまま今後も進んだ場合、債務残高がこれだけ膨らんでいきますと。
 一方で、この二〇六〇年度一〇〇%を達成する場合というグラフがありまして、これに従うと残高は低減していくと。ここにS1イコール一四・〇五%という数字があります。このS1というのは、収支の改善幅がこのようにグラフを低減させて残高を減らすには一四・〇五%必要ですよという数字なんですが、この一四・〇五%というのは消費税率に換算すると何%分に相当するのでしょうか。
○副大臣(御法川信英君) 今お尋ねの財政に関する長期推計、御説明もいただきましたが、現行制度、施策等を前提とした中で、今後、少子高齢化の進展に伴い社会保障等の支出が二〇六〇年までにどの程度増加するかということを推計をした上で、二〇六〇年度時点における債務残高対GDP比を一〇〇%にするために、二〇二〇年代前半において必要となる収支改善幅の試算ということだと思います。
 御指摘の対GDP比約一四%程度の収支改善が必要である場合は、このAという資料のケースでございますけれども、実質成長率が一%、名目の成長率が二%に対応するケースであるというふうに考えられます。
 収支改善については、言うまでもなく、歳入歳出両面の努力を続けていくべきものと考えられますが、仮にGDP比約一四%が消費税率何%分に対応するかという御質問でありますと、現在の税率一%当たりの消費税収がおおむね対GDP比〇・五%であるということを基に機械的な計算をすれば、税率約二八%というふうになります。
○風間直樹君 そうすると、今後二八%分の消費税の増税が必要になるかもしれないと。現行八%ですから、八プラス二八イコール三六と、こういう計算で認識してよろしいんでしょうか。
○副大臣(御法川信英君) 今のは、八プラス二八ではなくて、一〇%になるという前提でこの数字を置いているということでございます。
○風間直樹君 そうすると、二八プラス一〇ですか、三八%分が必要になる可能性があるという試算ですね。分かりました。
 そうすると、副大臣、これ試算ですので、いろんな関数を基にこの数字が出てきているわけですが、仮に消費税率として三八%分が今後プライマリーバランス一〇〇%を維持するためには必要になるとした場合、当然、政治日程としては、今後何年にわたるか分からないけれども、今の三八という数字を目指していく必要があるということなんでしょうか。
○副大臣(御法川信英君) 今の三八という、これは資料の推計Aという極めて経済成長が低い場合の、低位の場合の仮定に基づいた数字が出ております。
 いずれにいたしましても、日本の財政が大変厳しい状況にあるということには全く変わりがないという認識は私どもも持っておりますので、まずは足下の、来年度の基礎的財政収支の半減目標、こういうものに向けて一歩一歩やっていくと、これが大事なのではないかなというふうに考えております。
○風間直樹君 今回、総理が解散を判断されるかどうかはまだ分かりませんけれども、私は、実はこれからの我々政治家の仕事というのは非常に大変な難儀なことになるなという感を強くしております。二年前の総選挙のときもそうでしたが、民主党があのとき負けた様々な理由があったその中で、やはり消費税増税を決定したということも世論から相当強い逆風を受けた理由の一つだったと私は感じています。
 今後、三八%が必要になる時代が来るかもしれないと。そのことを国民に対して説明をし、理解を求め、納得を得て政治を進めていかなければいけないということがこの長期推計からうかがえるということなんだろうと思います。
 このまた試算については今後も議論させていただきますが、今日は最後に黒田総裁にお尋ねします。
 八%の税率を当面据え置いて一〇%への増税は延期するかもしれないと、一方で、ここに示された長期推計のように、今後の財政見通しというのはなかなか容易ならざるものがあるという現状でありますが、総裁、何か御感想、コメントあればお伺いしたいと思います。
○参考人(黒田東彦君) 財政の問題、特に財政の持続可能性を維持するということは大変重大な課題だと思いますけれども、これは、基本的には政府、国会のマターでありまして、私から具体的なことを申し上げるのは差し控えたいと思いますけれども。
 やはり財政の持続可能性、特に少子高齢化の下での社会保障費が増加していくという下での財政の持続可能性を確保すると、具体的には、政府において中期財政計画を定めておられますので、それに沿って着実に健全化を進めていくということを期待したいと思います。
○中西健治君 みんなの党の中西健治です。
 十月二十八日のこの委員会で黒田総裁に質問させていただきました。そして、十月三十一日に追加緩和が行われたということでありますが、やはりこの二つの、そのときの答弁と、あと記者会見の発言とはちょっと落差があると言わざるを得ないかなというふうに思っております。
 従来から、公定歩合と衆議院解散についてはうそをついてもいいということが言われたりしているようでありますけれども、実際に金融政策の変更をどのように行うかということについては、当然事前に言うということはできないだろうというふうに思いますけれども、経済の情勢の認識については、やはりそのときの本当のことを言わなきゃいけないということだろうと思いますが、その点について総裁の御意見をお伺いしたいと思います。
○参考人(黒田東彦君) この点につきましては、委員の御指摘のことはよく理解しております。
 その上で申し上げますと、十月二十八日に、消費者物価の先行きにつきまして、しばらくの間、一%台前半で推移した後、本年度後半から再び上昇傾向をたどると申し上げましたが、これは前回の展望レポートに基づく見通しで、しかも、その後、毎月の決定会合で政策委員会の見解として共有されてきたものでございます。その後、十月三十一日の決定会合では半年ごとの展望レポートの再点検ということが行われまして、経済・物価情勢を点検して新しい展望レポートを取りまとめました。
 そこで公表いたしましたとおり、二〇一五年度の消費者物価の見通しは幾分下振れておりまして、これは、主として原油価格の下落が二〇一五年度の年度前半において物価下押し圧力として働くということでございまして、そういった政策委員会のまとめました展望レポートの見通しに沿って記者会見でも御説明したわけでございます。
 もっとも、今回の新しい展望レポートにおきましても、消費者物価の前年比は次第に伸びを高めていって、二〇一五年度を中心とする期間に二%程度に達する可能性が高いという点は以前と変わっておりません。
○中西健治君 その点は理解しているとおっしゃられたのは、経済情勢の認識については本当のことを語らなければならないということを理解されているということかというふうに思います。
 その中で、今回の追加緩和を行った後での二〇一五年度の消費者物価の中心値というのが一・七%と、一・九から一・七に引き下げられたということでありますけれども、この緩和を行わなければ当然一・七よりも低い数値であるということが私の方でも当然推測できるわけでありますが、総裁は、この一・七より低い数値であったということをいつお知りになったんでしょうか。
○参考人(黒田東彦君) これは、展望レポートを取りまとめる決定会合におきまして金融市場調節方針などを決定した後に、それを踏まえた政策委員の見通しを集計してこのように公表しているわけでございます。その際の政策委員の見通しが、御指摘のように、二〇一五年度のCPIの見通しの中央値が一・七%になっているということでございます。
 それから言わば逆算してというか、こういった量的・質的金融緩和の拡大を行わなかった場合には恐らく一・七%にも行かなかったであろうということは言えると思いますが、あくまでも、この展望レポートの見通しは、政策委員会での議論の中で金融政策の調節を図ろうと、調整を図ろうということが決定された後、それを踏まえて半年ごとの展望レポートとして公表したものでございます。
○中西健治君 ということは、一・七以外の数値は知らないということだという理解でよろしいですか。
○参考人(黒田東彦君) 各委員の方々はいろいろな見解をお持ちだと思いますので、今申し上げたように、こういった政策を決定した後に、その一定の効果も勘案してこういった展望レポートをまとめたわけでございますので、当然、こういった量的・質的金融緩和の拡大がなければ政策委員の見通しの中央値は一・七を下回っていたと思います。
○中西健治君 日銀は、これまで成長率、物価の見通しというのを随時変更してきております。今資料をお配りさせていただいていますが、二〇一四年度、今年度の成長率の見通し、インフレ率の見通し一つを取っても何度も変化をしてきているということであります。
 二〇一五年度も、物価見通しについて一・九から一・七に変化したということ、変更したということでありますが、これは、去年の緩和を行ったときには当然二回の消費増税というのを織り込んでの緩和であったというふうに思いますが、こうして見通しを変化しなきゃいけないと、変更させなければいけないというのは、消費増税の影響を軽視し過ぎたのではないでしょうか。
○参考人(黒田東彦君) 消費増税の影響についての御指摘のような点も恐らく入っていると思いますが、そのほかにも、為替レートの調整によって輸出がある程度伸びるというふうに多くの委員は予想しておられたと思いますが、主要な市場でありますところのアジア経済の回復がややもたついたとか、あるいは企業の生産の海外移転が進んでいたといったことその他で輸出がややもたついてきたということ、そして足下では原油価格がかなり大幅に下がってきているということで、成長率については、中長期的には原油価格の下落はむしろプラスになるわけでありますけれども、消費者物価の上昇率につきましては当面下押し圧力として利くということで、そういうことを踏まえましてこういった見通しの変化になっているというふうに思います。
○中西健治君 こうした見通しの変化について、いろんな教訓もあった上で今回追加緩和ということを行ったのではないかというふうに思いますけれども、今回の追加緩和の目的の中に、来年行われるとされている消費増税の再増税の影響を軽減するということが入っているのでしょうか。
○参考人(黒田東彦君) 私どもの発表しております経済見通しは、財政政策につきましてはあくまでも政府が公表しておられる、あるいは税制につきましては消費税の二段階での引上げといったことをもちろん前提にして見通しを作っております。
 また、そういった見通しを踏まえて金融政策も決定しているということは事実でございます。
○中西健治君 そうしましたら、消費再増税が法律で予定されているわけですけど、予定されていないのであればあのタイミングで、十月三十一日のタイミングで追加緩和は行わなかったのではないかというふうに思いますが、いかがでしょう。
○参考人(黒田東彦君) その点は、政策委員会で決めたことでございますので、今御指摘のようなふうに前提が変わったときにどういった決定が行われたであろうかというのは、合議体での議論でございますので何とも申し上げられませんけれども、基本的には、来年の十月の二%の引上げということは、来年度の成長率については駆け込みの分と反動減の分と両方ありますので、昨年度と今年度のように、昨年度は成長率が押し上げられて今年度は反動減で押し下げられるといった、成長率についての二〇一五年度に対する影響はそれほど大きくなかったと思いますが。
 いずれにいたしましても、私どもとしては、足下、物価上昇率がやや下がってきていると、そして物価上昇期待、これまでずっと上がってきたわけですけれども、このところやや停滞して、現実の物価上昇率が下がっていきますと期待物価上昇率も下がっていくかもしれない、そういったことは将来の企業の価格設定とか賃金などにも悪影響を及ぼすかもしれないと、そういったリスクがあるということで今回の金融緩和を決定したということでございます。
○中西健治君 まだまだ聞きたいことはありますけれども、時間ですので終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○藤巻健史君 維新の党、藤巻です。よろしくお願いいたします。
 いつも黒田総裁に出口戦略を聞きますと時期尚早とおっしゃられるばかりなので、今日は出口の前の状態、出口のスタートラインに立てるかということをお聞きしたいと思います。
 十月の二十九日にFRBがテーパリングを終了いたしました。量的緩和縮小の完了ということですね。要は、毎月毎月FRBは資産を買い増していたんだけれども、今後は買い増さないよということで、資産規模最大の状況で突っ走るということですね。マスコミは量的緩和の終了というふうに書いてありますが、決して終了しているわけじゃなくて、最大限の資産規模がしばらく持続するということだと思います。
 そのテーパリングですけれども、FRBはできた。これは、一つの理由としては、私はほかに買手がいたからだと思うんですね。アメリカの場合、ドルは基軸通貨ですから、別にFRBが買わなくても米国債は日本政府も買うし中国政府も買うということで、ほかに買手がいたからFRBが買いを縮小できたということだと思うんです。
 じゃ、日銀の場合に、いつ代わりの買手が現れるというふうに思っていらっしゃるのか、すなわちテーパリング、量的緩和の縮小ができるのかどうかということをまずはお聞きしたいと思います。
 特に、私、一九九八年十二月、よく覚えておりますが、資金運用部ショックというのがありました。当時、七十兆円ぐらいの国債発行に対して大体十兆円ぐらい引き受けていた資金運用部がもう引受けをやめる、少なくとも縮小するということを言った段階で債券が暴落したんですね。たった十兆円弱の資産を買うのをやめたと言うだけで資産は暴落したわけです。
 今、日銀は年間八十兆の国債を買って、百二十兆中八十兆買っていますね。これで日銀がいなくなったら暴落もいいところで、誰も買手はいないと思うんですけれども、日銀は買いをやめるということなんかできるんでしょうか。もし未来永劫にそれができない、テーパリングができないということであるのならば、日銀の資産は増え続け、天からヘリコプターで紙幣をばらまき続け、紙幣の価値はなくなる、インフレになる、若しくは円が暴落するということになりますけれども、ほかに買手は出ると考えていらっしゃるのか、テーパリングができるのかということをまずはお聞きしたいと思います。
○参考人(黒田東彦君) 度々申し上げておりますとおり、現在、日本銀行は二%という物価安定の目標をできるだけ早期に実現するよう最大限の努力を払っている最中でありまして、今、出口戦略について具体的に言いますと、将来、経済・物価情勢、市場の状況によって具体的な金融政策運営が変わってくるわけですので、むしろ、市場との対話という観点から、かえって混乱を招くおそれが高いというふうに思っておりまして、そういう意味で時期尚早と申し上げているわけでございます。
 委員御指摘の金融政策の点につきましては、将来にわたって二%の物価安定の目標を達成、維持するために機動的な金融政策を実施することは十分可能であり、そうした意味で、出口が不可能になるとか極めて困難になるということはないと思っております。
○藤巻健史君 いや、私は出口を聞いているんじゃなくて、出口戦略のスタートに立てるかだけを聞いているわけだと思うんですが、それまでお答えになれないということは、私は出口がないというふうに理解しております。
 ついでに言ってしまえば、質問通告にないので別にお答えいただかなくて結構なんですが、いつも二%のインフレ、インフレとおっしゃいますけれども、確かに景気が良くなればインフレになるのは事実だと思います。でも、二%のインフレに達したから景気が良くなるということでは決してないと思うんですね。もし二%のインフレが金科玉条であるならば、隣の大臣に頼んで公共料金をみんな一〇%ずつ上げていけば、あしたからもう二%のインフレは達成しちゃうんですけど、景気なんか決して良くならないですよ。ということで、別に二%のインフレ達成が金科玉条だとは思っていませんけれども、これ質問通告していませんので、これは別に置いておいて。
 次は財務大臣にお聞きしたいんですけれども、テーパリング、すなわち量的拡大の縮小ができるもう一つの条件というのは、先ほど黒田総裁には代わりの買手がいるかということを聞きましたけど、もう一つの条件は、供給が減れば当然需要がなくていいわけです。すなわち、新規国債が発行されなくなれば日銀は国債を買い増すことが必要なくなってテーパリングが可能になると思うわけですので、その辺についてお聞きしたいんですが。
 毎年、今、当初予算で四十一兆円、今年もきっと四十兆円を超すと思いますが、その国債発行がなくなる、すなわち単年度の予算が黒字化に変わるめどは立っているんでしょうか。お答えいただければと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 御存じのように、今、日銀の量的、質的な金融緩和の下で行っておられます国債の買入れというのは、先ほど言われたように二%の物価安定目標の実現という金融政策の目的だと思っておりますが、日銀自らの判断で行っておられるんだと思って、私どもとしては、それに関してどうこう申し上げるつもりは全くありませんが。
 一方、政府としてのお話でしたので、日本銀行との共同声明におきまして、日本銀行との連携強化に当たり、財政運営に対する信認を確保する観点から、持続可能な財政構造を確立するための取組を着実に推進することとして、これは共同声明の中にコミットをしておりますので、財政健全化を着実に進めていくということだろうと思っております。
 具体的には、政府として、基礎的財政収支の黒字化に向けてということで、二〇一五年までに二〇一〇年度に比べて赤字の対GDP比の半減と、これは来年のことです。そして二〇二〇年度までに黒字化する、その後の債務残高対GDP比の安定的な引下げを目指すということとしておりますので、この目標の達成に向けて、まずは来年度、きちんとして私どもは半減目標というものを達成して、その後、社会保障の支出とかいろいろ、聖域を設けず私どもとしては徹底して見直しを行い、予算の重点化を図っていくのは当然のことなんであって、私どもとしては、いわゆる二〇一五年の予算編成時を踏まえながら、具体的な道筋というのを早期に明らかにできるようにしていかねばならぬと思っております。
○藤巻健史君 黒字化するのはいつかという質問だったんですけれども。
 確かに、二〇二〇年にプライマリーバランスを黒字化するというふうに政府はおっしゃっているわけですが、私いつも申し上げますように、プライマリーバランスには国債費が含まれていません。二〇二〇年に国債費幾らかと、この前どこかで、甘利大臣かと思うんですが、お聞きしたとき、たしか三十一兆円とおっしゃったと思うんですね。
 要するに、二〇二〇年には最低三十一兆の国債が発行されるわけです。ということは、二〇二〇年も日銀は三十一兆円、代わりに買手がいなければですよ、買い続けなくちゃいけない、二〇二〇年でも。いつ黒字化できるのかということが全く示されていない。
 すなわち、私の考えでは、もう未来永劫に日銀は国債を買い続けなくちゃいけないんじゃないかと思うんですが、そうだとすると、ほかに買手はいない、国債がどんどん垂れ流されてくる、買手がいなければ日銀は買わざるを得ない、日銀のバランスシートは膨れ続ける、紙幣はばらまき続けるということになりますが、それに対する反論があれば教えていただきたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) まず、日本銀行以外に買う人がいないという点に関しましては、他の銀行から買われますし、失礼ですけど、日本の国債というものは、海外の方が今円で買っておられますのが一三、四%になっていると思いますので、日銀以外買う人がいないという話はちょっと付いていけないという、私の見解とは全然違いますので。二〇二〇年になったら御理解いただけるんじゃないでしょうか。
○藤巻健史君 たしか、御法川副大臣にこの前お聞きしたときに四・一%という回答を私は得たと思うんです、外国人の保有率がですね。ということで、外国人は買っていませんし、先ほど言いましたように、資金運用部ショックであんなに暴落するような国債、日銀が買わないと言ったら大暴落するような国債を日本の銀行が買うかというと、私は決して買わないと思うんですが、いかがでしょう。
○国務大臣(麻生太郎君) 買うか買わないかという相場の話をしているわけでは私どもありませんので、その点に関しては、私どもはそういうことはないと思っております。
○藤巻健史君 もう時間がないので今日は終わりにしますけれども、私は、テーパリングさえもできない、日銀のバランスシートも低減できない、そしてさらには、今日は質問できなかったんですけど、利上げの方法もないというふうに思っていますので。余り時期尚早とばかりおっしゃっていると、まさに時期がないことを明白にしているようなことになると思うんですが、是非、次回は出口を教えていただきたいと思っております。
 これで質問を終わります。
○大門実紀史君 大門でございます。
 午前中に続きまして第一生命の問題を取り上げさせていただきますけれど。
 皆さん本当に御注意いただきたいんですけれど、第一生命というのは大変政治家工作の熱心な生保でございまして、特に、さっきの資料にあるんですけど、二〇〇七年には、衆議院の財務金融委員会のメンバーをずっと個別に回って参考人質疑を短くしてくれということをやって、その内部資料を全部私持って、衆議院でもやってもらいましたけれど、理事会のメンバーとか特に与党の理事、民主党にもそうですね、うちには来ませんけど、回るわけですね。当時は副大臣、山本さんという副大臣の選挙応援まで第一生命は行ったというような資料を全部暴露しましたけど、大変そういう政治家工作の熱心なところでありますので、こうやって委員会で取り上げられるといろんな働きかけがあるかと思いますけれど、気を付けていただきたいなと思います。
 まず、午前中の続きですけれど、一般論で結構なんですけれども、保険業法では、保険業を行う外国の会社を子会社にしようと買収するときはあらかじめ金融庁の認可を受けなければならないというのが保険業法の百六条四項にあります。その認可の基準は何かというふうにお聞きしましたら、簡単なことです、その認可する審査基準というのは、申請した保険会社の最近における業務、財産、損益の状況が良好であることと。まあ財産とか損益は数字の問題ですけれど、業務が良好であることというのが、外国の子会社を買収していいかどうか金融庁が認可するときの基準だというのが定められております。
 この業務が良好というのは、一般論で結構なんですけれども、当たり前のことですけれど、法令遵守、コンプライアンス体制が整っているというのは当然含まれると思いますが、いかがですか。
○政府参考人(森信親君) 委員御指摘のとおり、これは子会社を取得した場合において、その保険会社の業務が健全かつ適切に運営され、保険契約者等の保護を図る観点から問題ないと認められるということで、コンプライアンスも含む業務上のいろいろなことが含まれると解釈しております。
○大門実紀史君 それで、午前中お示ししたように、今、いろいろ指摘した第一生命がアメリカのプロテクティブライフを買収に入っております。
 これはまだ認可されていないと思いますが、これから認可審査して認可すると。当然、私が今日指摘した不払隠しがまだ続いているということの、まあ調べてもらえばいいですけど、そういう指摘、あるいは横領事件を隠蔽したら、これは金商法の報告義務を怠ったことになりますから、当然、コンプライアンスとかいろんな、実は罰金刑も伴うようなことをやっていることを指摘したわけですね。この事実を確認することなしに買収の認可はあり得ないと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(森信親君) この認可は、委員御指摘のとおり、保険業法の百六条、それを受けました施行規則の五十八条に沿って粛々と行っていきたいと思います。
○大門実紀史君 ちゃんと法にのっとって確認をしてから認可と、当たり前のことですけれども、そうですね。
 そうすると、この公益通報なんですけれども、私が今日指摘したこと以上に、今日私は、不払は別病院しか指摘できませんでしたけれども、ほかの不払、またいろんな有価証券報告書の虚偽記載、弁護士さんが入ったきちっとした公益通報でございますけれども、これが出されております。これが、八月に出されてまだ受理されておりません。
 公益通報というのは、本当は受け取ったということぐらいお知らせすべきだと思うんですけれども、受理しました、あるいは不受理ですというときにまず通知が行くと。で、それから調べるわけですね。まだ受理もされていないと。なぜこれだけの時間、受理が放置されているんでしょうか。
○政府参考人(森信親君) 私、この件の担当ではございませんが、公益通報につきましては、通報者個人の権利利益の保護の観点から、通報の有無も含めて原則としてお答えできない扱いとなっておりまして、コメントは差し控えさせていただきたいと思います。
○大門実紀史君 一個一個個別にはコメントできないのは分かりますけれども、勘ぐられてしまいますよ。
 これ、今、買収の最中ですよね。今、資金調達やっていますよね。この買収が終わるまで受理をしないと。さっき言ったように、受理をしちゃいますと、これは確認しなきゃ、調査しなきゃいけませんよね。不受理ということになりますと、これ、先ほど申し上げましたように、SECにも告発上がっている、検察も動くかもしれない、もしも不受理にしちゃいますと後で金融庁が問われることもあるので、不受理は難しいと思っていらっしゃると思うんですね。
 ところが、受理したらその事実関係を調べなきゃいけない、そうすると何が出てくるか分からないと。そうすると認可できなくなってしまう、買収が止まってしまうということからいくと、勘ぐるわけではありませんけれども、買収が終わってから受理するんじゃないか、受理を延ばしているんじゃないかというふうに、もうここまで来ると思われがちなんですよ。思われても仕方がないような時間がたっているわけですね。
 したがって、私の今日の指摘も含めて、この公益通報も含めて、個別には回答できないと思いますが、今日の指摘を重く受け止めていただいて、速やかに受理をして、事実関係を調べて、違うなら違うでいいんですよ、事実関係と違ったというならそれはそれで一つの結果なんですけれども、受理をしないという状況がおかしいと思いますので、受理を速やかにすべきだという点は指摘をしておきたい、個別には答えられないと思いますけれどもね。
 最後に麻生大臣にお聞きしたいのは、午前中と午後と、この第一生命問題を指摘いたしましたけれども、一遍うそをついてしまうとずっとうそをつかなきゃいけないというのがずっと続いているような気がするんですよね。海外で買収を元気に行うということを何も否定しませんけれども、やっぱり身ぎれいにして、もう人にいろいろ後ろ指さされないようにして海外展開やるならまだいいと思うんですけれども、そういうことを置き去りにしてごまかしてきているところはやっぱり正していくべきではないかと思いますが、最後に大臣のお考えをお願いしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 保険金の支払というものは、これはもう保険会社にとりましては最も重要な責務と思っております。
 おとといでしたか、東京海上の話をしておられましたし、今は第一生命の話が出ておりましたけれども、様々な指摘を頂戴いたしておりますので、金融庁といたしましては、これは確認すべきところはきちんと確認をするなど、必要なことはきちんとやるように事務方に指示をいたしたいと存じます。
○大門実紀史君 終わります。
○平野達男君 平野達男でございます。
 黒田日銀総裁には初めて質問をさせていただきます。二十日に予定されていたんですが、ひょっとしたら二十日どうなるか分からないということもありまして、今日あえてちょっと来ていただきました。ありがとうございます。
 先ほどの質問の中で、消費税の増税ということについては、量的金融緩和の中にもう既にファクターとして織り込まれているんだというお話がございました。
 昨年の四月に、マネタリーベースで六十兆から七十兆増加させるといった、そういったことを内容とする量的緩和を初めて打ち出したんですが、あの段階では税と社会保障の一体改革のスケジュール表はもう示されております。ということは、八%、一〇%というのは、その量的緩和をつくった段階では、その段階から入っているという理解でよろしいですね。
○参考人(黒田東彦君) はい、そのとおりでございます。
○平野達男君 そうしますと、今回の追加緩和ということは、今八%へ上げたことによって予定よりも、当初の想定見込みよりも物価に与える物価下落影響が大きかったということだったのか、それとも当初から、八%から一〇%と上げるどこかの時点で追加緩和は必要だという、そういうイメージで捉えていたのか、そこはどういうふうに理解すればよろしいでしょうか。
○参考人(黒田東彦君) 昨年の四月に量的・質的金融緩和を導入いたしました際は、まさに二年程度の期間を念頭に置いて、できるだけ早期に二%の物価安定目標を達成するために、必要にして十分な政策を取ったというふうに考えておりました。
   〔委員長退席、理事若林健太君着席〕
 その後一年半、量的・質的金融緩和をそのとおり着実に実施してきて、マイナスだった消費者物価の上昇率もプラスになったわけでございますが、このところ消費者物価上昇率が、一%台前半と申し上げていたところが、一番最近時点では一%まで下がってきていると。
 その原因につきましてはいろいろな要因があると思いますが、やはり消費税率引上げ後の需要面での弱めの動き、そして原油価格の大幅な下落といったことが物価の下押し要因として働いているのではないかと。それが、今後ともこういった状況が続くとすると、物価上昇期待というものも影響を受けてくる、あるいは将来の賃金上昇率についても影響が出てくるといったことから、やはりこの際、デフレマインドの転換が遅れるリスクに対応して、必要な量的・質的金融緩和の拡大を決定したということでございます。
○平野達男君 予定どおり消費税もし上げるとなりますと、来年の十月からということになるんですけれども、この段階で量的緩和をしたというのは、むしろ一〇%ということをもう織り込み済みということよりは、八%へ上げたことのやはり影響の緩和ということにウエートを置いているというふうに理解すればよろしいんでしょうか。それとも、もうその量的緩和、八%ということも併せて、一〇%へ上げたときのインパクトということも予定した上で今回量的緩和をしているということで理解すればよろしいんでしょうか。
   〔理事若林健太君退席、委員長着席〕
○参考人(黒田東彦君) これは、従来から展望レポートで具体的に申し上げていますとおり、財政政策につきましては政府の決定した、あるいは税制につきましては税法で決まっているところを前提にして見通しを作っておりまして、昨年の四月に量的・質的金融緩和を導入した際も二段階の消費税率引上げということは前提に入っておりましたし、今回の新しい展望レポート、また金融政策の調整につきましても、そういったことを前提として織り込んで見通しも出しております。
○平野達男君 ちょっとまあなかなか答えづらい部分があるかもしれませんけれども。
 要するに、今回量的緩和をやったときの動機として、今回の量的緩和は、国債の年間の買入れ量として、午前中もちょっとありましたけど、百二十兆程度買い入れて、マネタリーベースとしては年八十兆ぐらい増やしていくという、かなりの量の国債を買い入れる、そのほかにETFというものも買い入れるということでありましたから、なぜこれだけの量を買わなければならないのかということについては、やはりある程度明確にされておいた方がいいのではないかと思います。何か、今の消費税との関係では、織り込み済みで最初から入れているはずですから。
 だから、その予定したものよりも、八%へ上げた段階で当初の予定よりも物価に与える影響は大きかったということで、さらにここで今、それに対する影響があるからリスクを下げるために量的緩和をするということなのか。この段階で、それも含めて一〇%に上げるから、それに対してのリスクに備えてやるということなのか。そこのところはどちらのことなんでしょうかということなんですが、なかなかこれはマーケットにいろんな影響を与える話で、答えづらいという話であれば、そこはもう理解いたしますが。
○参考人(黒田東彦君) 先ほど申し上げたとおり、昨年の四月の決定の際も、八%、一〇%というのは前提に入っていたわけですし、今回の量的・質的金融緩和の拡大の決定の際にも、八%、一〇%という消費税の引上げのことは前提に入っております。
 そうした下で、なぜ今回、量的・質的金融緩和の拡大を決定したかといいますと、先ほど申し上げたとおり、やはりこのところ、消費税率引上げ後の需要面での弱めの動きが続いていたと、それから、原油価格の大幅な下落ということがありまして物価の下押し圧力が出てきておりまして、春先には消費者物価上昇率は一・五%まで行ったわけですが、その後やや低下してきて、一%まで伸び率が低下してきているといったことを踏まえて、今後のリスクということを考えますと、やはりこの際、量的・質的金融緩和を拡大することによってそういったリスクに対応して、そういうリスクが顕現化して二%の物価安定目標の早期の達成というのが難しくなるということを回避するためにかなり思い切った緩和をしたということでございます。
○平野達男君 じゃ、もう私なりに理解すれば、日銀さんとして、総裁として見ておられるのは、今の物価の状況、その視点だけを見ていて、それがこれから一〇%に上がるかどうか、そのときのまた物価がどうなるかということで判断する場合も、まあ今の段階であるとかというのは言えないと思いますけれども、物価だけを見ているということで今判断をされているという理解でよろしいわけですね。
○参考人(黒田東彦君) 展望レポートでは、経済、物価の詳細についてかなり詳しく述べております。その際の、展望レポートの前提としての政策委員の経済見通しの中央値というものを示しておりますけれども、それは実質成長率と物価ということを示しております。
 ただ、日本銀行としての政策目標としては、物価の安定ということが最大の目標でありまして、二%の物価安定目標をできるだけ早期に実現するということが最大の目標、目的であるということには変わりございません。
○平野達男君 ちょっと議論を先ほど聞いていて、消費税と金融緩和というのが何か直接関連しているみたいな答弁にも聞こえまして、それはちょっと本意ではないんじゃないかということでちょっと予定外の質問になってしまいまして。本当は、原油価格の下落、ちょっと時間まだありますので、今回の金融拡大の動機として、理由として原油価格の下落ということが言われています。
 原油価格の下落というのは、日銀のペーパーにも書いてございますけれども、中長期的に見ればこれはプラスに働くはずでありますから、短期的な観点でリスクを回避するためにこれだけの量的緩和をするというのは、私の考え方としてはちょっと理解できない面もあるんですけれども、原油価格の下落というのは短期的な問題としてはそんなに大きいんでしょうか。
○参考人(黒田東彦君) 御指摘のとおり、私どもも従来から、原油価格の下落自体は、もちろん需要面で下落しているのか……
○委員長(古川俊治君) 時間ですので、答弁は簡潔にお願いします。
○参考人(黒田東彦君) 供給面で下落しているのかによって違うとは思いますけれども、基本的には日本経済にとってプラスだと思います。
 ただ、足下でそういった状況で消費者物価の上昇率が停滞している、あるいは更に低下するというようなことがありますと期待物価上昇率その他に悪影響が及ぶリスクがあると、それに対応するために今回の拡大を決定したということでございます。
○平野達男君 ありがとうございます。
○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。
 順番を変えていただき、御理解いただきまして、誠にありがとうございます。最後でございますので端的にお聞きしたいと思います。
 今、黒田総裁からも様々お話がありましたけれども、消費税引上げ後の需要面での弱さということについて、今後のリスクを考えてという御発言がございました。そこで、まず数値の確認でありますので事務方に確認をさせていただければと思いますが、消費税収入のこの四月から九月までの半年間の実績、また進捗割合についてお聞きしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 四月―九月までの今年の収納実績の累計は三・四兆円ということになっております。これが決算ベースで幾らになるかにつきましては、現時点におきましては、予算額は十五・三兆円でありますので約二割ぐらいのものが収納したという段階にすぎず、今後の経済見通しなど様々な要素を踏まえる必要があろうとは存じますが、現時点において見通しを申し上げることはちょっと困難でありますが、今の実績として、十五・三兆円に対して約二二・〇%の三・四兆円ということであります。
○西田実仁君 ありがとうございます。
 今年度の消費税収入予算というのは、今おっしゃった十五兆三千三百九十億円。前年度と比べますと、消費税率を上げていますから当然ですが、四兆五千九十七億円増えるという予算を組んでおられます。この四月から九月の実績は前年同期比で二四%増ということがホームページにももう公表されてありますけれども、このペースで今年度の増収が、じゃどうなるのか。もちろん、下半期にどういう経済情勢になるのかに当然よるわけでありますけれども、この半年の二四%増のペースをそのまま維持するというふうに仮定すると、今年度の増収は二兆六千二百八十三億円ほどになるというのが単純計算でございまして、つまり何を言いたいかというと、消費税を引き上げても、当初の予算というか、増収これだけするだろうと思われていたものの、今の数字でいきますと、予算比で五八%ぐらいという、六割に満たないということになってしまうわけでございます。
 これ、消費税を引き上げても消費がなかなか低迷をしていて税収が得られないという大変残念な状況に今の時点ではなっている、これを何とかどう盛り返していくのかということがまさに今政策として問われているんだろうというふうに思っているわけでございます。
 そこで、消費低迷ということで期待した税収が得られないということにならないように、じゃどうするかといろいろ考えなきゃいけないことが多いわけでありますけれども、じゃどう消費が低迷しているのかというのを九月の家計調査で私自身見てまいりました。
 これは二人以上の世帯でありますけれども、この消費支出は、前年同月比で、名目ですけれども、一・九%減少してございます。九月ですね、家計調査です。その内訳が大事でありまして、全体としては消費支出は前年同月比で減っているんですけれども、増えている支出項目があります。それは、食料品二・一%、また交通・通信費が八・八%と。食料とか、電話とかだと思いますけれども通信費、これは、消費支出は九月の家計調査では増えているんですが、一方、極端に減っているものがあるんですね。減っているものが多いから全体として二%弱前年同月比で消費支出が減っているわけですから。じゃ何が減っているのかといいますと、教育費が二八・七%減っています。住居費も一〇・四%減っている。家具・家事用品は八・二%、保健医療費も七・八%と。
 私がここでこの家計調査を見て、いわゆる消費低迷と簡単に言いますけれども、その中身を見ますと、結局、消費税引上げは当然負担になります。その反対側には社会保障があるということなんですけれども、しかし負担であることは間違いない。その負担増から、生活必需品への支出というのは減らすことができませんから、食料とかあるいは交通・通信という今や必需品、これは減らしていない、増やしている。しかし一方で、それを優先した結果かもしれませんが、それ以外の支出を減らさざるを得ない。ですから、全体として九月の家計調査、二人以上世帯では前年比二%減っているということでございます。
 こうした消費税収が見込みよりも少ないかもしれないという、現時点ではですね、これをどう盛り返していくのか。また、消費低迷の中身、今私が御説明させていただいたのが正しいとすれば、今後の方向として、やはり私自身は、今行っている簡素な給付措置というのがございますけれども、これは住民税が非課税の世帯、家計調査の五分位でいくと一分位の一番低いところだと思いますけれども、やはりこの中所得ぐらいまでは、こうした負担増に対する家計支援という意味でも、この給付措置なりを拡充していくというようなことも考えていかないと、消費低迷というものから脱して当初予定していた消費税収というものに上がらなくなってしまうのかなと、そういう家計支援ということが必要ではないかと、こういうことを私なりに、この半年間の消費税収の動きや、あるいは消費低迷の家計調査の中身等を見て考えているわけでありますけれども、大臣はどんな御所見でしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) おっしゃるように、家計調査で見ますと、この九月でいきますと、家計調査で八月マイナス〇・三、七月〇・二だったのが、一応九月になってからは一・五と上がってきておりますし、いろんなもので少しずつ上がっている部分もあるんだと存じますが、いずれにしても、今言われましたように、低所得者層のところにいわゆるダメージというか傷が大きいという点を指摘しておられるんだと思っておりますので、私どもとしては、全体的に経済の回復基調が続いておりますけれども、その部分に関しましては、今後対策として今から、十八日には経済対策等々の指示が出されると思いますので、私どもいろいろ考えていかないかぬところだと思っておりますが、七―九のQEを見た上できちんと対応を立てたいと思っておりますが。
 今言われましたように、例えば中小零細の輸送をやっておりますトラック、ここは間違いなく、ガソリンの値段、値段というか、ガソリンとか軽油なんかいろいろありますけれども、値段についての補填をするとかというようなことが一つの方策だと思っております。
 全体でやると、大きなところは全然違いますし、家計調査の部分、いろいろ七―九のQEなんかを見ながら考えないかぬと思いますが、少なくとも、低所得者層とか中小企業とかいうところに関して的を絞ってやらないと、全体でやるという話は、全体でいくと数字は決して悪くないということになりますので、そういった配慮が必要であろうと思っております。
○西田実仁君 是非お願いしたいと思います。
 賃金の上昇等についても、財務省の法人企業統計を見て一人当たりの人件費というものに着目いたしますと、資本金規模別では相当違いがあるということが分かります。もちろん、いろんなアンケート調査等も経産省でもやって、大企業のみならず中小企業の賃上げも行っているところが多いというのは承知をしてございますけれども、法人企業統計によりますと、この四月から六月の法人企業統計における一人当たりの人件費を見てまいりますと、全体はともかくとして、資本金の大きな、例えば十億以上のところの一人当たりの人件費というのは、この四―六ですけれども、前年同期比でプラスの〇・五なんですね。一億から十億というのは、この法人企業統計によるとプラスの一・四%です。ところが、中小になりますと、五千万から一億未満のところはマイナスの一・〇、一千万から五千万というクラスですとマイナスの二・〇。中小規模になればというか、資本金の規模別ですけれども、やはり中小企業になればなるほどなかなか賃金を上昇させるというのは難しいという実態が分かる。先ほど大臣も言われたようなこともあると思います。
 この二六改正で組み込みました所得拡大促進税制というのがあるんですけれども、これがどの程度利用されているのか。なかなかまだ実態が分かりませんが、是非この周知を、せっかくいい税制をまた変えて、工夫してちょっと使いやすくもしたわけでありますので、その周知を更に徹底をいただきたい、特に中小企業に対してというふうに思っておりますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 御指摘のありましたように、所得拡大促進税制につきましては、これはいわゆる賃上げを行ってくれた企業に対する支援として改正をさせていただいて、さらに二十六年度の改正によって、より多くの企業に使ってもらおうというように適用幅を拡大させていただき、適用の要件を拡大したということをやらせていただいております。
 この制度の利用状況につきましては、平成二十六年度三月末決算のところから使用開始になったところでもありますので、現時点で適用実態は、御指摘のありましたとおり、まだ出てきてはおりません。
 したがいまして、今後、適用状況というのがどうなっているか、よく取りまとめをさせていただきました上で、来年の通常国会におきまして租特の透明化法に基づく報告等々を行う予定にいたしておりますが、制度の周知につきましては、これは説明会をまだいろいろさせていただいているんですが、商工会議所辺りに声を掛けても全然出てこないとか、いろいろ商工会議所に直接聞いても、えっ、そんなのがあるのかとか言って、あれ前に言ったじゃないですかという話はもう幾らでも聞かされましたので、経産省辺りも産業局長を通じていろいろやっているみたいですけれども、なかなかしっかり周知徹底するところまでは行っておらぬというのが正直なところだと思っておりますので、更にこの周知をしていかねばならぬと思っております。
○西田実仁君 是非、我々もいろいろと訴えていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 最後でありますが、今日は文化庁の次長さんにもお見えいただいておりますので、質問したいと思います。
 経済全体の話をしますと、いかに需要不足を解消していくのかという施策が必要になると思いますけれども、特に潜在需要が大きい文化活動を支援する施策ということが必要ではないかというふうに私は常々思っております。特に、日本は文化活動に関する統計が非常に不十分だというふうに思っております。実態がどうなっているのか把握しにくい。食料品であれば消費支出に占める食料品支出という、エンゲル係数というのがあるんですけれども、じゃ、この文化活動に対する支出、これも文化係数のような指標を例えばつくって、それが本当に国際的に見てどうなのかとかいうことも実態を調べていく必要があるんじゃないかというふうに思っております。
 物に対する需要が飽和していく中で、そうした文化芸術活動に対する需要というのがこれからどんどん増えていくことは間違いないわけでありましょうから、それに対する施策ということがもっとなされていいんじゃないか。文化庁の予算、一千三十六億円で、GDP比で〇・〇二%と、もう非常に限られておりますし、オペラのコンサートチケットも高いですし、自治体の財政再建で施設がどんどんどんどん再構築されてしまっている。なかなか休みを増やして需要を増やすというのは難しいわけですから、日常のウイークデーの中で例えば陶芸をやるとかいうときにもそういう支援をもっとしていくとか、何かこの文化活動を活発にするような施策を本気でやっていかないとならないのではないかという思いでおります。
 潜在需要が大きい文化活動を支援する施策、また、エンゲル係数に相当するような文化係数みたいなものをつくってその実態を把握していくようなことも含めて、文化庁の次長にお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(有松育子君) 文化庁といたしましては、委員御指摘のとおり、文化活動に関する統計も含めまして、適切な企画立案に必要な統計を活用していくことが非常に重要だと思っております。
 これまでのところ、文化活動につきましては、様々な世論調査から国民の文化芸術活動の状況や文化に対する意識、あるいは文化芸術振興のために国にどういうことを求めているかといったようなことについてのデータを活用して、企画立案に当たっているところでございます。
 ただいま先生から御指摘のありました消費の観点から、個人の消費の支出についてその活動を把握していく、その傾向を見ていくということの御指摘については、大変貴重で重要な御指摘をいただいたというふうに考えております。
 家計調査の中でも、例えば映画や演劇等の入場料ですとか、美術館、博物館等の文化施設の入場料といったような芸術文化活動に関する項目が既にございます。どの範囲をどのように文化活動についての係数として見ていくかというようなことについては大きな検討課題であるというふうに考えておりますけれども、先生も御指摘いただきましたように、人々が求めるものは、これから心の豊かさを求めると、そして、日常生活の中で芸術を鑑賞したり文化活動を行ったりすることを大切だと思っている人がおよそ国民の九割というような状況でございますので、今後、そうした要望に応え、適正な統計を活用しながら国民の様々な文化活動を支援することができるように、文化芸術立国の実現ということを今文化庁は掲げておりますけれども、その実現に向けて施策の充実を図ってまいりたいというふうに思います。
○西田実仁君 ありがとうございます。
 最後に大臣に、今の文化活動を支援していく施策、これから予算等も、来年度だけじゃなくて今後ずっとだと思いますが、大臣に、この文化予算の充実につきましてお考えをお聞きして、終わりたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) これは、西田先生、文化の範囲が、スポーツは入りますかとか、いろいろ範囲が物すごく難しいところなんで、それをやると、おまえ、それはスポーツだけじゃないかとか、おまえ、それは漫画だけじゃないかとか、おまえ、何とかだけじゃないかと言われますので、物すごくこれは幅が広いので、どの辺までが文化と言うかは、ちょっとなかなかこれは難しいところなんですけれども。
 いずれにしても、分かりやすいので、例えば日本語の普及のために、日本という国は日本語の普及にどれくらい金掛けているんだといって、フランス語に比べて、人口からいけばかれこれ三倍近いんですけれども、どれくらいと言われるとフランスのウン分の一になりますので、それは文化予算かと言われれば、これ、語学を広めるための予算でこれは文化ですかとかいろんな、大分やられたことがありますので、この種の話はなかなか難しいんですけれども。
 私どもとしては、これは質の向上というのは今文化庁の方も話をしておりましたけれども、こういったものをやっていかないかぬということなんだと思っております。
 先ほど十一月の十八日にはと申し上げましたけれども、十七日にQEが出ますので、それを見ながら十八日以降そういったものをやっていく中に、この文化なんというものは、間違いなく今まで、金の余裕のある人はそれを使うものがない。
 よく聞かされる話ですけど、麻生さん、私ら地方にいて、いい着物買うても着ていくところないがなと大阪で言われて、それを着るために東京に行きまんがなと言われて、東京に着に来るわけですよね。それで、どうしてと言ったら、いや、大阪で何とかかんとかとか皆言うんですよ。さすがに京都の人は言わない。大阪の人とか名古屋の人というのは何回も聞かされましたよ、私は。だから、そんなことを俺に言ったって無理よと言うんですけれども。例えば、新しい結婚記念指輪を買うたんやけど、これ着けていくところがないからPTAとか、それはPTAにダイヤモンドの指輪着けてもしゃあないでしょうがと、もうそういう話を普通の会話の中から私よく聞くんですが。
 こういったものを着ていこうとかいう場所というのが、ヨーロッパに行くと、これはもう間違いなく地方に行っても無数にあります。これはもう間違いなく、ダンスパーティーもあれば音楽会もあればいわゆる芝居もあったり、いろんなものが回ってくるんですけれども、そういうものが確かに、私らのところでは、筑豊では少なくとも座長大会ぐらいしかありませんので、なかなかないんですよ、文化と言われても。
 そういったようなものを含めて、全体的にこれ、みんなでそろそろそういったものに関して考えないかぬ時期に来ているので、消費というものが、少なくとも個人金融資産がもう巨大なものに膨れ上がっていますけれども、金がないときは金を稼ぐというのが目的になりますが、ある程度金を持った人はその金使って何するかという目的がこっちに出てこなきゃいかぬのですけれども、そこの対象の中に文化とか、いわゆるお茶とかお花とかいろんなものがもっと広範囲に広まってきて、それを文化なんだと思うんですけれども、そういったものに行くとそれは間違いなく消費ということになりますので、全体のあれが上がっていくということにもなりますので。
 いろんな、我々、どうも経済に偏ってきた戦後七十年ですけれども、少しそういったものの発想を変えないかぬという時期に、そろそろこのデフレ不況が終わった次にはやらないかぬ大事な観点かなと、私自身はそう思っております。
○西田実仁君 ありがとうございました。
○委員長(古川俊治君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後三時十分散会