第187回国会 財政金融委員会 第7号
平成二十六年十一月十八日(火曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 十一月十三日
    辞任         補欠選任
     金子 洋一君     尾立 源幸君
 十一月十七日
    辞任         補欠選任
     尾立 源幸君     蓮   舫君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         古川 俊治君
    理 事
                愛知 治郎君
                若林 健太君
                大久保 勉君
                西田 実仁君
                藤巻 健史君
    委 員
                石田 昌宏君
                大家 敏志君
                伊達 忠一君
                塚田 一郎君
                長峯  誠君
                西田 昌司君
                森 まさこ君
                山本 一太君
                礒崎 哲史君
                大塚 耕平君
                風間 直樹君
                前川 清成君
                蓮   舫君
                竹谷とし子君
                中西 健治君
                大門実紀史君
                中山 恭子君
                平野 達男君
       発議者      大久保 勉君
       発議者      藤巻 健史君
   委員以外の議員
       発議者      山田 太郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小野 伸一君
   参考人
       株式会社紀伊國
       屋書店代表取締
       役社長      高井 昌史君
       ヤフー株式会社
       社長室コーポレ
       ート政策企画本
       部長       古閑 由佳君
       アマゾンジャパ
       ン株式会社渉外
       本部本部長    渡辺 弘美君
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  本日の会議に付した案件
○インターネット等を通じて国外から行われる役
 務の提供に対する消費税課税の適正化のための
 措置に関する法律案(大久保勉君外九名発議)
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○委員長(古川俊治君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、金子洋一君が委員を辞任され、その補欠として蓮舫君が選任されました。
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○委員長(古川俊治君) インターネット等を通じて国外から行われる役務の提供に対する消費税課税の適正化のための措置に関する法律案を議題といたします。
 本日は、本案審査のため、株式会社紀伊國屋書店代表取締役社長高井昌史君、ヤフー株式会社社長室コーポレート政策企画本部長古閑由佳君及びアマゾンジャパン株式会社渉外本部本部長渡辺弘美君、以上三名の方々に参考人として御出席をいただいております。
 この際、参考人の方々に一言御挨拶申し上げます。
 本日は、御多忙のところ本委員会に御出席いただき、誠にありがとうございます。
 皆様から忌憚のない御意見をお述べいただき、今後の審査の参考にしたいと存じますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 議事の進め方でございますが、まず、高井参考人、古閑参考人、渡辺参考人の順序でお一人十分以内で御意見をお述べいただき、その後、各委員の質疑にお答え願いたいと存じます。
 また、御発言の際は、その都度、委員長の許可を得ることとなっております。
 なお、参考人及び質疑者ともに御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、まず高井参考人にお願いいたします。高井参考人。
○参考人(高井昌史君) おはようございます。高井でございます。意見を述べさせていただく機会をいただき、ありがとうございます。
 このインターネット上での越境取引に対する消費税課税の問題につきましては、長年、その是正を訴えてまいりました。出版関係団体が集まりました海外事業者に公平な課税適用を求める協議会の副会長も務めさせていただいている立場の人間として、こうして国会の場で議論をしていただけることに出版界を代表してまず感謝いたします。
 早速、本法案につきまして意見を述べさせていただきます。
 まず、第一項で述べられております「消費税制度における役務の提供が国内において行われたかどうかの判定に係る基準について、必要な見直しを行うものとする。」という点は、全く賛成でございます。
 お手元の資料の二ページ目を御覧ください。
 現在、電子書籍を購入するためのウエブサイトを御覧いただきますと、このように表示されております。同じタイトルなのですが、海外から配信されているストアでは千二百円で購入することができます。一方、国内のサーバーで配信しているストア、実は弊社のストアでございますが、千二百九十六円となっております。この九十六円の差は、本体価千二百円とありますように、消費税額に相当します。さらに、この海外事業者のサイトを拝見しますと、電子書籍や音楽ファイル、ダウンロード版パソコンソフトなどには消費税が課税されませんとうたわれております。同じ商品が、なぜ一方は消費税が課税され、一方は課税されないのでしょうか。その理由が内外判定なのです。
 消費税の課税四原則の第一は国内取引であることとなっております。そこで、国内取引であるかどうかの基準が問題となります。形のある物品の売買や実際に人間が関与する役務の提供などは分かりやすいのですが、インターネット上で行われるコンテンツの提供などは、そのサービスが行われた場所が明らかでないものとされております。その場合は、役務を提供する側の事務所などの所在地が内外判定の基準とされております。このため、海外から配信されているストアでは消費税が課税されないのです。
 今年四月に開催されましたOECD消費税グローバルフォーラムでも消費地課税の原則が提唱されており、本法案においても、そうした原則に従って内外判定基準の見直しが行われることに賛成する次第でございます。
 さらに、電子書籍は紙の書籍と異なり非再販商品とされております。先ほどのストアの表示でも、定価という表示はなく、販売価格のみ表示されています。消費者にとって二つのストアの価格の差が消費税の課税によるものであることすら分からない状態です。価格に敏感な消費者にとって、この価格差がストアの選択に大きな影響を与えることは否定できません。このことは経済活動に対する税の公平性が損なわれていると言ってよろしいかと存じます。
 資料の四ページを御覧ください。
 これは、さきの政府税調で示されました越境取引の市場規模を示したものです。一昨年の数字ですが、電子書籍市場では市場のおよそ半分を海外事業者による越境取引が占めていると推計されております。この電子書籍ですが、不況と言われる出版業界にあって数少ない拡大基調にある市場です。昨年はほぼ一千億円に達し、本年も順調に増えていると予測されます。
 しかしながら、国内事業者は苦戦しております。全てが消費税の所為とは申しませんが、大きな要因の一つであると考えます。限られた利益の中で、消費税額の八%、さらに一〇%という数字は決して小さな数字ではありません。このままの状態が放置された場合、早晩、国内事業者は電子書籍事業から撤退するか海外に事業拠点を移転するしかありません。海外に拠点を移すといっても、単に配信サーバーを移転するだけでは認められないのではないかと言われており、事業全体を海外法人化して移転するしかありません。こうした事態は他の産業でも想定されますから、国内産業の空洞化を招き、結果として税収減や雇用減といった結果を招くおそれがあります。
 さらに、電子書籍が市場に占める割合が大きくなれば、出版産業全体に及ぼす影響も増大します。海外プラットフォーマーが市場を独占することには大きな懸念を持っております。資本の論理が市場を支配し、利益を生み出さなくなったら切り捨てられるかもしれないといった状況に、日本の出版文化を委ねることはできません。出版というのは、日本語の言語、表現を含め、日本文化の育成と大きく関わっています。一旦失ってしまった文化を復活させることはほぼ不可能です。そのことに気付いてからでは遅いのです。
 次に、第二項について意見を述べさせていただきます。
 ここでは実際の課税方式について述べられ、課税方式として二種類が想定されております。一つ目として、主に個人消費者向けの取引について、国外事業者に申告させ納税の義務を課す申告納税方式が想定されています。次に、二つ目として、国内の事業者向けの取引について、そのサービスの提供を受ける国内事業者に納税義務を課すリバースチャージ方式が想定されております。これは既に公開されております政府税制調査会のディスカッショングループの制度案としても提示されており、基本的な方向性に異論はございません。ただし、せっかくの機会でございますので、一言お願いをさせていただきたいと存じます。
 それは、一つ目の消費者向け取引と二つ目の事業者向け取引の区分について混乱が起きないように措置していただきたいという点です。政府税調案では、消費者向けか事業者向けかが明らかでない場合は消費者向けとして扱うこととされており、また電子書籍などコンテンツ配信については、通常、消費者向けとみなされております。しかし、電子コンテンツの配信でも、大学などの法人が電子コンテンツを利用する事業者向けサービスが存在します。
 資料の七ページにございますように、これは大学市場のみの数字ですが、これ以外の企業向けも加えますと一定の市場規模がございます。ここで、従来、消費税の納税を行った経験が少ない大学など教育関係事業者ではリバースチャージ方式への負担増が懸念されます。一方、海外出版社など国外事業者は明確に事業者向けサービスと認識しております。ここで安易に、電子コンテンツだからといって国外事業者による申告納税方式を適用することは、混乱を招くおそれがあります。消費者向けか事業者向けかの区分を明確にしていただくとともに、事業者向けの場合に、例えば、直接役務提供者でも利用者でもあり得ませんが、当該役務の受発注や支払の代行を行っている国内代理店が納税代行できるといった措置を検討いただきたいと存じます。
 最後に、第三項につきまして意見を述べさせていただきます。
 電子書籍事業を始め、インターネット上でのビジネスの展開は、その変化のスピードも非常に速いものです。そこに生じている問題点の是正も、またそれに見合ったスピードで行われる必要があります。本法案に規定されているように、期限を定め、早急に是正措置がとられることに賛成いたします。
 法律が改正されても、その実効性に多くの課題があることは認識しております。そうした課題は時間を掛けて解決していかなければならないかと思いますが、納税することが法律で定められれば、良識ある国外企業はそれに従っていただけるのではないでしょうか。まずは法律改正を時間を掛けずに実施いただきたいと存じます。
 以上をもちまして、私の意見陳述を終わらせていただきました。
 ありがとうございました。
○委員長(古川俊治君) ありがとうございました。
 次に、古閑参考人にお願いいたします。古閑参考人。
○参考人(古閑由佳君) ヤフー株式会社の古閑と申します。
 本日は、このような実態を御説明させていただく時間をいただきまして、誠にありがとうございます。
 それでは、本日、意見を四つお持ちしておりますので、まずは二ページ目を御覧ください。これが本日の意見の要点となっておりますが、次のページ以降で詳しく御説明させていただきたいと思います。
 三ページ目を御覧ください。まず、前提としまして、ヤフー株式会社という会社が日本の企業なのかというところについて、まさに日本の企業なんですけれども、海外の企業なんじゃないかというふうに思っていらっしゃる方もいらっしゃると思いますので、その御説明をさせていただいております。詳しくは三ページを御覧ください。
 それでは、意見の内容に入ります。
 四ページを御覧ください。今回の法律案につきまして、まず一項、これにつきまして賛成いたします。消費税が掛かるかどうかということは国内取引に当たるかどうかということで判定されますが、この国内取引に当たるかどうかの内外判定基準について是非見直しを行っていただきたいと思っております。
 五ページ目を御覧ください。現状ですと、今、高井参考人からも御説明がありましたとおり、国外事業者がインターネットを通じてサービス提供を行う場合にはこれは国内取引には当たらないというふうに判定がされておりますので、国外事業者からは消費税が〇%、これに対して、国内事業者からは消費税を八%いただいた上でしかユーザーに対してサービス提供ができない状況になっております。そこで、ユーザーとしては、それであれば国外事業者から提供を受けた方が得だわというふうになってしまうというような状況が考えられます。
 六ページ目を御覧ください。これは、今非常に売れている「ハウ・グーグル・ワークス」という例えば書籍の例でございますけれども、出版元は日経新聞社さんで、日経新聞社さんは、自分のところで電子書籍を売ろうとする場合、これは右の画面でございますけれども、千九百四十四円になっておりますが、これが海外事業者になりますと、左のとおり、電子書籍は千八百円で購入できるという状況です。ただし、これが紙の本になりますと、その上の千九百四十四円という値段が付いておりまして、まさにこのインターネットを通じた電子書籍において格差が生じているという状況です。
 七ページ目を御覧ください。これは、先ほども御説明がありましたけれども、経済産業省さんが試算している資料でございまして、今、三分の一は国外からの配信になっているという試算がございます。
 八ページ目を御覧ください。インターネットの特性でございますけれども、ユーザーからすると、例えばヤフージャパンというサイトを見た場合に、それが日本語でサービス提供されている以上、海外から配信されているのか国内から配信されているのかということは恐らくほとんど意識されておりません。それであれば、日本企業が海外に拠点を置くという事例も当然に今後出てくるであろうということが考えられます。
 九ページ目を御覧ください。このまま現行の内外判定基準を見直さなければ不公平は解消されないことになりますので、日本の事業者であっても、仕方なく国外から配信しようと考えるところが出てきても不思議ではありません。その場合、産業の空洞化ということで、海外に行ってしまったことによって法人税収が減ってしまったり、雇用の減につながったりというおそれもあると思います。
 国際的な動向としましても、十ページのとおり、OECDでは今年四月、消費税グローバルフォーラムを開催し消費地課税の原則を提唱して、これが支持されているという状況にございます。
 十一ページ目を御覧ください。次に、法案の二についての意見となります。意見は二つあります。
 一つ、国内において役務の提供を受ける事業者に納税義務を転換する方式というのが、この四角で囲ってある下の方の赤い部分ですけれども、提唱されておりますけれども、この点について、もう一つが、その上の、役務の提供を受ける者が消費者か事業者かの別について、この二つについて意見を申し述べます。
 十二ページを御覧ください。
 まず意見の@についてですが、事業者向け取引については納税義務を転換するということでございますので、国外から国外事業者がサービス提供する場合には百万円で提供できて、ただし、国内のそのサービスを受けた方の事業者が八万円を自分で納税しなさいということです。これに対して、国内事業者は、百八万円で提供して、提供した側が納税するということになっておりまして、そうすると、見た目の価格差、百万円と百八万円というのはいずれにしてもやはり格差が残ってしまうというのが今の案になっております。
 これについて、少しでもこの格差をなくすために、十三ページ目にございますように、やはりこの制度を使うということであれば、百万円で提供できるんだけれども八万円は自分で納付しなければならないということを、しっかりと価格を表示する際に通知するという義務を国外事業者の方に徹底していただくということが必要になると思います。
 例としましては、この十三ページ目の例にありますとおり、例えば、この取引はお客様御自身にて消費税額を納税いただく必要があります、この取引の対価は金百万円であるため納税額は八万円となりますというようにはっきり書いていただかないと、百万円の方がやはり選ばれてしまうということが引き続き生じるのではないかと思います。
 十四ページ目を御覧ください。法案の二項についての二つ目の意見です。
 事業者か消費者かを区別して勘案するというふうにありますけれども、なかなか事業者と消費者の区別というのは難しいのではないかと思っております。例えば、税制調査会の資料において広告配信は通常事業者向けのものというふうにされておりますが、この十四ページの例にございますとおり、フェイスブックというサービス、今大分はやっておりますけれども、ここで個人で何か書き込みをしたときに、宣伝するというボタンを押すことによってこのページを拡散させることができます。これは、事業を広告する場合でなくても、例えば個人の方がイベントをやるという場合にこのイベントを告知したい場合であるとか、あるいは、趣味のプラモデルを完成させたんだというときに、これがうれしくてなるべく多くの人に見ていただきたいというような場合にこの宣伝ボタンを押すということも考えられます。このように、広告であっても個人の方が必ずしも事業とは関係なく押すというようなこともあります。
 それから、十五ページ目を御覧ください。
 政治活動について広告をするということも考えられると思います。今ここには自民党さんのグーグルのアドワーズとヤフーのディスプレー広告を表示しておりますけれども、政党が広告をする場合というのは、政党は法人である場合には事業者に該当するというのがこれ消費税法上定まっておりますので、もし政党交付金を受けているような政党であれば法人に当たると思いますので、ここは法人扱いということで、先ほどの十二ページの図でいうと、例えば海外事業者から提供を受ける場合には上のパターンに当たりまして、政党が自分で税務署に対して納付をしなければならないことになります。これに対して、もしこの政党が、例えば地方の支部なんかでは必ずしも法人でないパターンもあるかと思いますが、この場合にはサービス提供する事業者側が消費税分を徴収するということになりまして、非常にやはり区別が分かりづらいということもあり得ます。
 そこで、十六ページを御覧いただきたいのですが、もしそこの区別がよく分からないということで、国外事業者が相手は事業者であろうということで税抜き価格で提供した場合に実は消費者であったという場合には、これは税の徴収漏れが発生することになります。そのことを考えると、区別が難しい場合には消費者向けで扱うべきではないか。これが第二の意見でございます。
 最後になりますが、十七ページ目を御覧ください。法案の三についてです。
 インターネット産業の成長や競争のスピードは非常に速いものとなっています。そのため、日本の企業が海外に移転するということも急速に起きる可能性があります。新しい制度の法改正やシステムの構築を数年掛けて検討するのでは手遅れとなる可能性もありますので、なるべく早い見直しを進めていただきたいと思います。
 以上です。ありがとうございました。
○委員長(古川俊治君) ありがとうございました。
 次に、渡辺参考人にお願いいたします。渡辺参考人。
○参考人(渡辺弘美君) アマゾンジャパン株式会社の渉外本部長をしております渡辺弘美と申します。
 本日は、貴重な機会をいただき、心より感謝申し上げます。
 私からは二点申し上げます。配付資料はございません。一点目は、課税事業者番号がない中で、提供される役務の性質や取引条件等により消費者向け取引と事業者向け取引とを区別せざるを得ない場合に生じ得る問題点。二点目は、法律の施行時期についてでございます。
 まず一点目です。
 本法案では、国内において役務の提供を受ける者が消費者か事業者かを区別する方法については明らかにされておりませんが、平成二十六年六月二十六日の政府税制調査会において財務省から提出された資料では、事業者向け取引とは次のように定義されています。
 事業者向け取引とは、電気通信回線、インターネット、電話等を通じてクロスボーダーで行う役務の提供など国内外にわたる役務の提供等のうち、提供される役務の性質や取引条件等から、役務の提供を受ける者が事業者であることが明らかなものをいう。これを受けまして、消費者向け取引については、提供される役務の性質や取引条件等から、事業者向け取引に該当しないものをいうと定義されております。
 課税事業者番号の代替策としてこのような考え方を取らざるを得ない面があるのかもしれませんが、役務の性質や取引条件によって判断する方法では役務の提供を受ける国内の事業者が経済的に不利益を被るおそれがありますので、そうならないように、より丁寧なきめの細かい対応をすることを国会において御審議いただきたく存じます。
 どのような不利益が生じるのか、二つの事例を取り上げて御説明いたしますが、これはアマゾンのサービス固有の問題ではなく、同様の役務を提供されている国外事業者にとっても共通の問題であると推察いたします。
 最初の事例は、ソフトウエアのダウンロードやデジタルコンテンツの配信を国内事業者が利用する場合です。これらの役務提供は一般の消費者も利用されますので、役務の提供を受ける者が事業者であることが明らかなものとは言い切れず、提供される役務全体が消費者向け取引であるとみなされ、消費税が課されます。
 本来であれば、役務の提供を受ける者が国内事業者であれば仕入れ税額控除の適用を受けることができますので、国内事業者に実質的な負担は生じません。しかしながら、先ほどの財務省の説明資料にはこのように記されています。
 国外事業者が執行管轄の及ばない国外に所在することから、税務執行を通じて適正な申告納税の履行を促すことにはおのずと限界があり、結果として、納税なき仕入れ税額控除という問題を生じる可能性がある。こうした課税の公平を阻害する新たな事態を制度的に防止する観点から、国内事業者が国外事業者から受ける消費者向けの役務提供については、仕入れ税額控除を認めないこととする。
 要すれば、国内事業者が国外事業者からワープロや表計算のソフトウエアのダウンロードをする場合には、消費税は課されるが、仕入れ税額控除は認められないというわけです。
 一方で、現行法下では、国内事業者が国内の事業者からソフトウエアのダウンロードをした場合には、消費税は課されますが、仕入れ税額控除が適用されます。また、国内事業者が国外事業者からパッケージに入ったソフトウエアを購入する場合には、消費税は課税されますが、仕入れ税額控除の適用を受けることができます。
 このように、国内事業者から見れば仕入れ税額控除の適用にそごが生じ、課税の中立性、公正性が担保されないような現象が起こり得ます。
 このような仕入れ税額控除の適用の有無に係る問題を解決するために、例えば国内事業者が国外事業者からソフトウエアのダウンロードやデジタルコンテンツの配信を受けた場合には、消費税について記載のある国外事業者が発行する領収書を保管すれば仕入れ税額控除の利用が認められる仕組みにすることはできないものでしょうか。是非、国内事業者が消費者向けの役務提供を受ける場合の救済策について御審議をお願いしたいと存じます。
 次の事例は、企業等の情報システムとして利用されるクラウドサービスに関するものであり、国内事業者にとってはより深刻な問題が起こり得ます。
 ここではクラウドサービスの厳密な定義は避けますが、簡単に申し上げれば、コンピューターのリソースを、利用者の要求に応じてネットワークを通じて提供する情報サービスのことでございます。例えば、通常、個人がよく利用されるクラウドサービスの中には、趣味で撮影した写真を保存したり、記憶に残したい情報をスクラップブックのように保管したりするサービスがありますが、一方で、クラウドサービスの中には、民間企業、政府機関や教育機関などが、従来であれば自社でサーバーを調達しソフトウエアを導入して情報システムを構築していたものを置き換えるような、言わばプロ向けのクラウドサービスがあります。
 このようなクラウドサービスは、その利用には一定の技術的知識が必要であるために、一般の消費者が利用することは通常想定されていません。しかしながら、これから起業を検討している情報科学を専攻している学生がこのようなクラウドサービスを利用する事例があるかもしれません。したがいまして、プロ向けのクラウドサービスであっても、その取引条件において、事業者しか利用できないような契約や約款にはなっていないのが通例です。
 取引条件で事業者向けであることが明示されていない場合には、役務の性質から見て事業者向けかどうか判別することになると思われますが、これまで財務省からは、性質から見て事業者向け取引であると言えるための判断基準は示されておりません。かかる判断基準が不明確なままですと、各地の税務署による判断に違いが出るおそれがあります。
 税務署の判断により、明らかに事業者向けであるとは言えないので消費者向け取引であると事実認定された場合、日本の中堅、中小から大手に至るまでの国内事業者が仕入れ税額控除を使えず、深刻な経済的損失を被るおそれがあります。さきの事例で取り上げましたソフトウエアのダウンロードやデジタルコンテンツの配信は数百円から十数万円程度の価格でしょうが、プロ向けのクラウドサービスの場合には数十億円レベルの情報システム投資になる場合もありますので、その消費税分が仕入れ税額控除できないとなりますと、国内の事業者の負担は決して無視できる規模ではありません。各税務署により判断の違いが出ないように、事業者向け取引と消費者向け取引の区別を公平、中立にし得る判断基準の整備の必要性について御審議をいただきたいと思います。
 大変僣越ながら、具体的な判断基準として考えられるものを御提案させていただきますと、例えば、役務提供の広告等において事業者向けの表示がされている場合、役務提供に付随して事業を行うに当たり有益となる機能が付加されている場合、役務提供の利用に一定程度の専門技術的な知識を必要とする場合など、いずれかを満たせば事業者向け取引とみなすような運用が可能ではないかと考えます。
 第二点目として、法律の施行時期について申し上げます。
 本件、越境役務提供に係る消費税問題に係るこれまでの背景としては、来年十月に消費税率の引上げがなされる可能性もあるがゆえに、課税事業者番号が存在しない中での対応策を中心に早々に検討なされてきた面があると思います。報道によれば、二期連続のマイナスGDPの中で、来年十月の消費税率引上げを一年半延ばすことも検討されているようですが、御案内のように、法人番号が二〇一五年十月から各法人等に通知され、二〇一六年一月から利用されることが予定されております。法人番号の付番の対象ではない個人事業主についても何らかの手当てが必要ではないのかという議論もなされております。
 仮に消費税率の引上げが延期されるのであれば、拙速に提供される役務の性質や取引条件等による対応策を採用することなく、国内外の事業者の負担軽減に配慮した上で、法人番号の利用の可能性も念頭に置いた越境役務提供に係る消費税問題の解決方法について丁寧な審議をされることが必要であるように思います。
 なお、仮に提供される役務の性質や取引条件等による対応を前提とした法改正をされるのであれば、改正法の施行時期については、先ほど申し述べました消費者向け取引と事業者向け取引の区別に係る判断基準の提示など、所要の法令、通達が出された後、十分な期間を経てからの施行となるようにお願いいたします。
 法令、通達の内容によっては、現在提供している役務取引を消費者向け取引と事業者向け取引に区分することが必要なものも出てまいるかもしれません。その場合、システム開発に掛かる期間や多数のお客様への周知期間を十分に取る必要がございます。現場での混乱が起きないように、施行時期についての御高配を賜れれば幸いです。
 私からの意見陳述は以上でございます。
○委員長(古川俊治君) ありがとうございました。
 以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○大久保勉君 民主党の大久保勉です。今議員立法の発議者の一人であります。
 今日は、お忙しい中、この陳述に御出席いただきまして、ありがとうございます。
 本日、三名の方から陳述をいただきましたが、大きな特徴として、基本的に私の理解としてはこの議員立法に対しては皆さん反対の方はいないのかなと思っていますが、実際に、BツーCであるかBツーB、こういった事業者の区分に関して若干の違いがある、また、実際の施行の時期に関してニュアンスの違いがあるかなというふうに感じました。
 そこで、まず一点目に関しましては、今回の議員立法がプログラム立法として提出したことにも関連しますが、非常に技術的に難しいものがあります。海外におきまして、OECD、特にEUにおきましては、バリュー・アデッド・タックス・ナンバー、いわゆる課税事業者番号というのがありますから、はっきりBツーCであるのかBツーBであるか峻別できます。ところが、日本にはそういった番号がないということで、非常に技術的な問題がありますから、相当政府税調を中心に議論すべきだと思ってこういったプログラム法案にしました。来年の三月までに法律を作ると。
 そこで、どういう技術的な問題があるかといいましたら、ヤフーの陳述人に関しましては、いわゆる区分が難しいものに関しては原則消費者向け、BツーCにすべきだと。BツーCの場合でしたら申告納税方式にするということだと思います。アマゾンの陳述人に関しましては、原則は事業者でしたらもう事業者と分かるようにBツーBにすべきだと。その根拠としましては、事業者向けでしたらリバースチャージという形で、いわゆる購入者が消費税を払うと。それと同時に仕入れ税額控除を取ることができると。
 こういった理解なんですが、この点に関して、私の認識に対して、ヤフーそしてアマゾン、それぞれ御意見を聞きたいと思います。内容の確認も含めてお願いします。まず、古閑さん、お願いします。
○参考人(古閑由佳君) ただいま御説明いただいた理解のとおりでございます。やはり消費税の徴収漏れの観点を考えますと、消費者向けで扱うのがよいのではないかというのが私の意見でございました。
○参考人(渡辺弘美君) ただいま大久保先生の理解に加えまして、申し上げましたのは、いわゆるBツーCとみなさざるを得ないような、いわゆる役務の提供を受ける者が必ずしも消費者だけではなく事業者も交じっているような場合、この場合につきましては、その事業者を救済するために仕入れ税額控除が何とか適用できるように、例えば領収書の保管等において救済できるような方策について先ほど御提案を申し上げましたことを補足させていただきます。
○大久保勉君 渡辺さんに質問したいんですが、原則、事業者の場合、BツーBとみなした場合に、いわゆる悪意のある事業者が仕入れ税額控除を取るために、本来でしたら個人的な消費のものに関しても全て税額控除を適用するというケースもある可能性がありますが、その点に関してはいかがでしょう。
○参考人(渡辺弘美君) 先生御指摘の内容というのは、いわゆる納税なき仕入れ税額控除のことかと存じ上げますけれども、基本的には、例えば税務調査におきまして、その国内事業者が受けた役務の提供に対する明細に関しまして、例えば消費税、どこの事業者から受けたのかという名前が記載されているかと思います。通常、国外の事業者につきましては、国税通則法に基づきまして納税管理人の指名等も行われておりますので、税務調査におきまして、その事業者が本来納税すべき立場にあるのかどうなのかということは調査をすることが可能かと思いますので、仮に悪意のある者がいたとしても、納税なき仕入れ税額控除という事態は起きないのではないのかなというふうに思っております。
○大久保勉君 現実問題としましては、ITに関して国税庁、税務調査のときにどの程度知識があるかと。また、制度としまして、いろんな税務データをIT企業が出すと、それも国内のみならず海外の事業者も出す必要がありますから、実務的な問題が相当バーが高いのかなと思っておりますが、その点に関して渡辺参考人の御意見はございますか。国税に対してどういうことを期待するか。
○参考人(渡辺弘美君) 確かに、先ほど私、クラウドサービスということを例に取り上げまして御説明申し上げましたけれども、税務署の現場の調査官の方々が、そのクラウドサービスが本来事業者向け取引なのか消費者向け取引なのかという非常に判別に困られるケースがあるのではないのかなと思います。政府税制調査会の資料では、広告サービスは明らかに事業者向けの方に整理をされているんですけれども、クラウドサービスについては両方に出てまいります。
 ですので、現場での混乱が起きないように、例えばクラウドサービスのようなものの中でも、ある一定のこういう判断基準を満たしたものは事業者向けであるということを、現場の税務調査官が判断に迷いがないような細かいルールを、例えば国税庁から、将来、法律改正の後、出されることがよろしいのではないのかなと考えております。
○大久保勉君 次に質問したいのは、今回の法律の肝は内外判定基準を変えるということで、要は事業者の内外の差別を撤廃しようということだと思います。
 そこで、いつから判定基準を変えるのかという問題があります。この法律に関しましては、いわゆる政府の、消費税法において三月末までにそのことを決めると、実際の実施は、政府税調等、若しくは主税局等と話をしたら、可能性としては二〇一五年の十月、消費税が一〇%に上がるときと、こういったことでほぼ合意ができておりますが、もし消費税の引上げが二〇一七年の四月になると、こういったことになった場合に、質問は、事業者として二〇一五年十月に内外判定基準を変えるべきであると考えるのか、それとも二〇一七年四月の方が望ましいと考えるのかと。この一年半のギャップがあります。その間、国内事業者にとりましては消費税八%を払わないといけない、海外事業者は払う必要がないと、こういった不安定、不公平な状況が継続すると思います。
 この質問に関しましては、高井参考人、古閑参考人、そして渡辺参考人、順番でお願いします。
○参考人(高井昌史君) これは不公平税制なんですから、一刻も早く是正すること、法律を上げていただきたいというように思っております。
○参考人(古閑由佳君) 私どものアンケートで、発注時に税が入っているかどうかということをどこまで意識しているかということをクライアントにしたことがありますけれども、実際に意識している人は四割程度ということがございまして、やはり見た目の価格で決めていらっしゃる方がもう大半でございますので、早く、二〇一五年十月にお願いしたいと思っております。
 確かに、整理しなければならないことはたくさんございますけれども、実際、例えば先ほど御説明した紙の書籍なんかでも事業者が買うこともあるわけですけれども、消費者、事業者かかわらず消費税が乗った価格で提供されておりますので、そこはそんなに大きな混乱はないのではないかと考えております。
○参考人(渡辺弘美君) まず、本件、OECD等で十年以上前に原則が出された問題だと認識しておりますけれども、立法される以上、立法事実が一体何なのかということを、共通認識が必要なのではないかなというふうに考えております。
 と申しますのは、今日あえて私は電子書籍の話をしておりませんけれども、よく卑近な例で電子書籍が例に取り上げられますが、実際には、大手の出版社さんが取り扱われる書籍に関しましては、いわゆる国内の事業者である大手の出版社さんが販売者になっているケースがほとんどでございまして、既に消費税が課された状態で海外から配信をされております。
 ですので、先ほど政府税制調査会の資料で経済産業省の統計がありましたけれども、この統計についてもそういった事実はかなり無視して作られたものでございまして、実際どういう業界に影響があるのかというのをよく精査した上で立法されることが必要ではないのかなと思います。その上で、法改正をされるのであれば、先ほど申し上げましたように、仕入れ税額控除等の問題について、より丁寧な救済策が必要かと存じます。
○大久保勉君 確認しますけど、その場合……
○委員長(古川俊治君) 時間ですので、おまとめください。
○大久保勉君 はい。
 二〇一七年四月ということでよろしいですね。
○参考人(渡辺弘美君) 特に私の方から時期をこういう時期にしてくれというのを申し上げる立場ではございません。
○大久保勉君 終わります。
○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。
 この問題につきましては、昨年の与党の税制大綱の中にも検討課題として入っておりまして、先ほど来から話がございますように、政府税調でも、また与党税調においても議論をされております。私も税調のメンバーの一人でございまして、今様々御質問、またやり取りもございました。若干それをお聞きしたいと思っております。
 冒頭、まずお三方、参考人の皆様には、大変お忙しい中、こうして来ていただきまして、また貴重な御意見もいただきました。誠にありがとうございます。
 まず、高井参考人にお聞きしたいと思いますが、先ほどの御説明の中で、特に実効性を担保するための課題をきちんとクリアしてもらいたいという趣旨のお話があったかと思います。先ほどの中でも若干触れられておりますけれども、改めて、特にこういう課題について一番実務上、法律改正はもちろんですが、その後の運用も含めて課題として認識されていることをもう少し突っ込んでお話しいただければと思います。
○参考人(高井昌史君) 先ほど述べましたけれども、更に詳しく言いますと、電子書籍の税の不公平の問題は言いましたけれども、これ紙の本でも海外からやはり輸入する場合の輸徴法という法律がありまして、学術書について輸入するとき関税が不課税、関税が掛からないものについては消費税が不課税ということで、海外から学術書を輸入するとき、海外業者が直接売るときには、消費税、これは掛かっていないんですよね、輸徴法で。これはもう二十年も前から、消費税が付いたときからもう三%のハンディキャップを背負ってやっているんですよ。で、五%と。これ、もう海外事業者とのハンディキャップの差をずっと続けておるんです。
 それで、電子書籍というのがここ三、四年出てきました。これについて相当インターネット上での、書籍だけだと本当に売上げが少ないから余りこういう機会で取り上げられていなかったかもしれない。しかし、私はずっと言い続けた。やっと、ヤフーさんその他、広告その他いろいろな味方がインターネットに出てきてこういう問題になっています。
 ですから、ずっと、本屋で利益を出すのは、最終利益一%出るか出ないかの話をやっているんですよ。それで、このようにハンディキャップを背負ってずっとやり続けていたということについては深く訴えたいということですから、私は早く、一日も早く変えてほしいと。
 その他のBツーB、BツーC、これについては、やはり財務省その他、政治家の皆さん勉強なさって、一番いい方法を早く、しかしこれ、脱法行為、脱税行為は必ず起きるかもしれません。しかし、それには厳しく対処する法律を作って対応していただきたいということでございます。
○西田実仁君 ありがとうございます。
 古閑参考人にも同様に、この実効性を担保する上での、先ほど御説明をかなり詳しくいただきましたけれども、更にもし付け加えることがあればお願いしたいと思います。
○参考人(古閑由佳君) この格差がなくならない限り、先ほどの八ページの資料でも御説明しましたとおり、日本の企業が海外に拠点を置くということも考えられると思います。それは別に公正なことですので。そういうことが起こりますと、やはり空洞化につながると。実際に私どもも海外に拠点はつくりまして、何かのときに準備は始めたいということは思っている状況にございます。
 したがって、それが公正な状態だということで継続することがいいのかどうかという問題だと考えております。
○西田実仁君 最後に、渡辺参考人にお聞きしたいと思います。
 一つは、先ほど御指摘された国内外の事業者の区別による仕入れ税額控除のそごの問題を解決するために、例えば課税事業者番号等を付した登録制のいわゆるインボイス的なものを発行することによってそれが防げるとお考えになっているのかどうかということが一つと、もう一つは、施行に関しまして十分な期間が必要という御指摘もございましたが、これは私自身は消費税の引上げの有無ということとは関係なく不公平の是正をいち早くすべきだというふうには思っておるんですけれども、十分な期間が必要だという御指摘もありましたので、どのぐらい必要なのかというようなことを、もし御意見があればお聞きしたいと思います。
○参考人(渡辺弘美君) 一点目でございますけれども、私は、現状、我が国では課税事業者番号はございませんので、課税事業者番号を付したようなインボイスの発行というのは難しいというふうに考えておりますので、代わりに、いわゆる消費者向け取引を受けた事業者の方が仕入れ税額控除を受けるためには、通常の領収書にその消費税の課税の分がきちっと書いてあるものを保管していればそれで仕入れ税額控除ができると。発行者の名前が残りますので、発行者が実際に国外の事業者で納税管理人を指定しているかどうかは追跡すれば分かるかと思いますので、通常の領収書の保管において仕入れ税額控除の適用をできるのではないのかなというふうに考えております。
 二点目の十分な期間でございますけれども、仮にその役務の性質や取引条件等によって番号がない中でどうしても対応せざるを得ないということであれば、先ほど申し上げましたように、事業者の中には、現状その提供しているサービスを明らかに事業者向けであるものとそうでないものとに区別するような対応が必要になってまいります。これは、通常の税率が上がるということだけではなくて、そのサービスの内容自体を変えていく可能性もございます。そういった事業者のことを考えれば、当然にそれに要するシステム開発に関する改修の期間等が必要になりますので、そういう具体的に消費者向け、事業者向けのルールがはっきりした上で相当程度の期間を確保していただければというふうに考えております。
○西田実仁君 終わります。
○中西健治君 みんなの党の中西健治です。
 本日は、参考人の皆さん、本当に貴重な御意見、どうもありがとうございます。特に消費者向け、事業者向けの区別について大きな問題を抱えているなということを再認識させていただきました。
 今日は、せっかくビジネスに携わっていらっしゃる方々に全てお越しいただいていますので、実際どうなっているのかということについてお伺いしていきたいなというふうに思いますが、まず、消費税が五%から八%に上がった影響、これをまず高井参考人の方にお伺いできればなと思うんですが、肌で感じるものとして、やはり内外の価格が消費税分差が付いていることでビジネスはまたやりにくくなったなという感触を持っていらっしゃるか、お伺いしてもいいでしょうか。
○参考人(高井昌史君) 一般論で言えば、消費税の導入の四月というのは大変厳しかったです。三月は駆け込みで、本を駆け込みで買うというようなことは余りないんですけれども、確かに駆け込みで数%上がりました。しかし、四月は、四月一か月でその数%の上がり、まあ五%以内ですけれども、それはすぐ帳消しになり、その後はずっとマイナス、今、出版業界は六から七、こういった状況が続いています。
 もうちょっと詳しく言うと、出版、十六年前、二兆六千五百億ぐらいあったんです。今、約一兆円がなくなって、一兆六千五百億円ぐらいになっているんです。これは、活字離れ、読書離れ、少子化、いろんな理由、これを言い出すと切りないんですけれども、公共図書館の貸出しが、どんどん新刊もみんな借りていく、あと新古書店、古書店で安く買う、いろんなことで出版が今大変苦境に立っております。
 そういう中で、電子書籍というのはやはり新しいツールですから、ゼロから一千億円ぐらいになって、これがもう少し増えていくからここにちょっと我々は明るさを見出そうかなというところであるんですけれども、もう全く消費税の問題も含め海外事業者に完敗です、我々は。
 こういった状況をやはり何とか打破するためにも、本当にこれは消費税上げる上げないということとは全く関係ない話だと思うんです。八パーから一〇パーにするからそのときにするとか、そういうことを言っている場合じゃないんです、今やるんです、これ。それは、政治も行政もやはり怠慢であったと私は強く訴えます。
○中西健治君 強い御意見、どうもありがとうございます。
 ヤフーの古閑参考人にお伺いします。
 ヤフーという会社は、ヤフージャパンだから日本の会社だということでありました。ですので、国内で事業を行っているということでしたけれども、先ほどの質疑の中では、ただ、いざというときに備えて海外から配信することも考えていますと、こういうようなことをおっしゃられていましたけれども、どういう状況になったら海外で配信しなきゃいけないということを考えていらっしゃるんでしょうか。
○参考人(古閑由佳君) 今年の四月に私どものクライアント二百社弱に対してアンケートを行っておりまして、その中の一つに、予算配分における消費税課税の影響度というのをお聞きしております。この中で、全く影響していないというふうに回答された会社は一八%にすぎず、残りの八二%は、少し影響している、影響している、非常に影響しているというふうに御回答をされております。
 このように、やはり消費税の影響というのも大きいというふうに考えますし、この消費税の問題だけではなく、日本にはまだ国外事業者と国内事業者で法律上の取扱いが違うものがございますので、そういったものを総合的に判断することになると思います。
○中西健治君 アマゾンの渡辺参考人にお伺いしたいと思いますが、今、高井参考人、古閑参考人からは、やはり消費税の引上げでちょっと厳しくなる部分があったというようなことだったと思いますが、逆に海外からこうして配信していることによって、結果として競争力が出てしまっているかもしれないという点について、消費税が八%に上がった後、そこを競争力が更に付いたなというふうに感じていらっしゃるか、ほとんど関係ないと考えていらっしゃるか、いかがですか。
○参考人(渡辺弘美君) 日本のお客様の商品の志向というのは、例えば価格だけではなくて、品ぞろえがどれぐらいあるのかとか、あるいは商品がすぐ届くかどうかという利便性ですとか、そういったことを総合的に判断して選択されているのかなというふうに考えておりますので、価格について直接的なコメントは差し控えたいと思います。
○中西健治君 引き続き渡辺参考人にお伺いしたいんですが、この法改正が来年にも行われた場合、ですので二〇一七年とかよりは随分前に行われるということになった場合に、いろんな問題点があるだろうということで、今海外から配信しているものを国内の方が明瞭になると、明確になるということで、国内から配信を行うというようなこともあり得るようなことかどうか、そこについてお伺いしたいと思います。
○参考人(渡辺弘美君) 将来のことを言及するのはなかなか難しい問題でございますけれども、例えばサーバーを日本から配信すべきかどうかというのは、この消費税の問題ということだけではなくて、例えばどういうコンテンツを、例えばコンテンツのファイルの大きさですとか、そういった技術的な問題なんかにも絡んでまいりますので、必ずしも本件の問題に関して国内配信に切り替わるということではないのかなというふうに考えております。
○中西健治君 私からは以上です。どうもありがとうございました。
○藤巻健史君 維新の党の藤巻です。よろしくお願いします。
 今日の参考人の方々のお話を聞いていて、根本的によく分からなくなってきたことがありまして、その根本的な話をお聞きしたいんですけど、ちょっと笑われるかも、もしくだらない質問であればお許しいただきたいんですが、アマゾンジャパンは日本の企業だと思いますけれども、アマゾンジャパンを国内業者として認定すればこの問題は全て解決するのかなと思うんですが。
 これ、なぜそういう質問をするかというと、私は金融界にいましたが、ヘッジファンドが国内事業者か国外事業者か、その判断をするときに、かなりみんないろんなことを考えたわけですよ。ヘッジファンドが国内事業者だというふうに考えられると、収益に対して源泉税を払わなくちゃいけない。ですから、なるべく国外事業者であるようにみんな考えていたわけですね。
 国外事業者と国内事業者の差って何かというと、事務所が実質的に日本国内で活動しているかどうかだったわけです。ということは、確かに、アマゾンジャパンとアマゾンとは別会社、親子の関係にあるんだろうと思いますけれども、アマゾンジャパンが実質的に日本で活動をしているならば、それはアマゾン自身も、親会社自身も国内事業者として考えても、要するに国内取引だというふうに考えて課税してもいいんじゃないかなとちょっとお聞きしながら思ったんですが、アマゾンジャパンのまず例えば人員、人数、それから日本で何をしているのかということをお聞きしたいなと思います。
○参考人(渡辺弘美君) ただいま先生からアマゾンジャパンについての御質問でございますけれども、私ども従業員の数は今公表しておりませんので差し控えさせていただきますけれども、アマゾンジャパンという会社自身が今回問題になっておりますような例えばデジタルコンテンツの配信をしている主体ではございませんで、私どもの海外の関連の法人が配信をしております。
 そういう関係でございまして、アマゾンジャパンという株式会社は米国のアマゾングループに対していろんなサービスを提供する会社という位置付けでございます。
○藤巻健史君 確かに、子会社が親会社にサービスを提供しているのかもしれませんけれども、アマゾンの画面にある、例えば日本語で書いてあるわけですけれども、日本語訳とかそういうことをする、若しくはお金を集めるのはどこがやっていらっしゃるんですか。アマゾンジャパンですか、それともアマゾンですか。
○参考人(渡辺弘美君) 本委員会の御趣旨はあくまでも法案審議だと思いますので、アマゾンの個別の会社の細部についてのコメントはちょっと差し控えさせていただきたいと思います。
○藤巻健史君 そうすると、やっぱり最初の私は参考人の皆さんの話を聞いていて感じた感想に行き着くんですけれども、やはりヘッジファンドが、これが海外事業者か国内事業者かということを考えたときに、実質的に国内で、事務所があるかないかだけじゃなくて実質的にヘッジファンドをやっているかどうかだったんで、国内事業者として認定されないため、要するに国外事業者として認定するためには、みんながシンガポールへ行ったり、全て活動を海外に持っていったんですよね。今ちょっとどうなっているか分かりません、私もそういう世界から離れてしばらく時間がたっていますので。
 ですから、そういうことを考えると、実質的に、形式的にじゃなくて実質的にそういうサービスをやっている、PEというんですかね、それがある、PEがあるならば、要するに拠点が日本国内にあるのであれば、それは国内事業者、親会社、子会社の関係はあっても国内事業者としてみなすべきじゃないかなと思うんですが、高井参考人、古閑参考人、もう一度最後に渡辺参考人にもちょっとお聞きしたいと思います。順番にお願いします。
○参考人(高井昌史君) 恒久的施設を設けてないということで国内業者じゃないというようなことになっているようなんですけれども、果たしてそうなのかと。これ、数年前に、国税だか財務省だか忘れましたけど、新聞に大きく、アマゾンジャパンに百四十億、金額はこれ不確かなところありますけど、法人税だか税を課すというようなことが新聞に載ったこともあるんです。しかし、それは多分それで終わってしまったと思うんですけれども。これは、別にアマゾンだけじゃなく、ほかの企業においても、恒久的施設ではないといいながら日本国内で経済活動をして、そして法を逃れている、税を逃れているという例は、これは私なんかよりかはここにいる皆さんの方が御存じだと思うんですよ。
 ですから、そういうところの、やはり必ず脱法行為みたいなところはあるわけですから、結局取り締まってほしいんですよ。そういったところからやはり正しい税の徴収を進めていただきたいと。
 ですから、私は恒久的施設だと思っております。それから、社員もたくさんいます、アマゾンの場合は。さて、じゃ、これで税を免れていいんでしょうかと、これは消費税以外の話ですけど、これは私の方からお聞きしたいと思っております。
○参考人(古閑由佳君) 本日参考人でいらしているアマゾンさんはたまたま日本に子会社がありますけれども、インターネットの世界には、必ずしも日本に拠点を置かずして海外から日本語のサービスを実施している会社さんもたくさんあります。広告にしてもクラウドにしてもそういった会社はあるので、やはり拠点をどこで見るかというよりは、この内外の判定基準を見直すということで考えていただいた方がいいのではないかというふうに考えております。
○参考人(渡辺弘美君) 先生御指摘の問題につきましては、いわゆる政府税制調査会の国際課税ディスカッショングループにおきましても、OECDの別の議論なども踏まえて別途議論がされているというふうに承知しております。ですので、そこでの専門的な議論を踏まえた別の整理した議論が必要なのではないのかなというふうに考えております。
 アマゾンに関して、アマゾンの私どもの外国法人が日本に対して法人税を払っているのかというようなことがあえて議論になる場合がよくありますけれども、さきの通常国会におきましても、参議院の予算委員会におきまして法人税を払っていないのではないのかなという御質疑がございましたけれども、日本の法令に基づいて適切に納税をしておるということはここで申し述べたいと思います。
○藤巻健史君 徴税事務とか、消費税をもし払うことになっても、それだけきっと大きい規模でやっているので、その事務能力はあるのかなというふうに思っております。
 ちょっと想定していた質問と変えましてお聞きしたんですけれども、一応これで終わりにします。
 ありがとうございました。
○大門実紀史君 お忙しい中、ありがとうございます。
 税制上の格差是正の必要性はお話を聞いてよく分かりました。
 私、今日は、本当は楽天の方も来るべきではなかったのかなとちょっと思っていることがありますけれど、古閑参考人の資料の八ページの下の方に、このまま行くとといいますか、今既に、こういうことが放置されると日本企業が海外に拠点を置く事例も出てきていると。海外に拠点を置くという言い方ならまだいいんですけれども、楽天の場合は、カナダの電子書籍会社コボを買収して、電子書籍の注文があればコボにつなぐという形で消費税を逃れております。
 これは、何といいますか、言ってしまえば、何か本当に拠点を置いて、先ほどありましたけれど、何らかの必要性があってカナダの会社を買収したわけじゃなくて、まさに消費税逃れるためだけに買収したという非常に可能性が高い案件だと思っております。
 そうすると、これは単に、どう言いますか、対抗措置、楽天はアマゾンに対する対抗措置みたいなことを言っておりますけれど、対抗措置を超えて合法的課税逃れといいますか、そういうマターになってくるんじゃないかと思うんですよね。
 したがって、本当にこれは早く是正しなきゃいけませんけれど、ちょっと違う問題があると思うんですね。単に海外に拠点を置くじゃなくて、課税逃れで実体のない会社を買うとかつくるとかいうことになってくると、もう本末転倒の大変な事態になると思うんですけれど、実際にはそういうことが今進みつつあるんじゃないかと思いますが、古閑参考人の御意見を聞きたいと思います。
○参考人(古閑由佳君) 申し訳ありませんが、ちょっと他社事例は私もよく把握ができておりませんで、いずれにしろ、OECDの御紹介もいたしましたが、消費地課税という方向に進んでおりますので、是非そういった事例もないように消費地課税で進めていただくのが公正だと考えております。
○大門実紀史君 高井参考人にもお伺いしたいんですけれど、結局、こういうことが放置されていきますと、日本企業の、紀伊國屋さんはそういうことはやらないと思いますけれど、本当に消費税逃れのいろんなトリック、方策を考えてしまうというようなことになりかねないと思うんですけれど、御意見があればちょっと聞かせてもらいたいと思います。
○参考人(高井昌史君) 楽天さんのことについては私はどうのこうの言える立場じゃないですから控えますけれども、現実的に、海外に行こうが、もう海外に行ってやって商売ができるのかねと。それで、海外に行って、そこでまたサーバーを置いて、サイトを開いて、人を置いて、そんなことをやっているのならやめた方がいいんじゃないのと。
 あとは、負け組がたくさんいるから、負け組を集めて少し強くしようかなと。負け組というのは、国内の業者が幾つもありますから、もうそれも少なくなってきましたけど、こういったところと一緒になって頑張って合理的にやろうかなとか、そういうことは考えるかもしれないです。
○大門実紀史君 先ほどOECDの話もありましたけれど、私もこの委員会で何回か取り上げているんですが、実はOECDの租税委員会で、これもちろん消費税も問題にはなっておりますけれども、主にはやっぱり、先ほども藤巻さんからありましたけれど、本体の法人税、これの課税逃れ、タックスヘイブン、こういうことがいろいろ問題になって議論されてきております。アマゾンの話はもう出ましたので言いませんけれど、ヤフーも実は一番の株主がソフトバンクで、ソフトバンクも余り税金を払っていないということが指摘されていたりするんですけれども。要するに、もう個別のことはお聞きいたしませんが、世界的に、このOECDでも、企業がどんどんいろんなところにいろんな子会社をつくったり、いろんな手法で税を逃れていくということに対しては、今までそれぞれ税の引下げ競争みたいなことがやられていましたけれど、もう違う方向にすべきじゃないかという議論が出てきております。
 そういう点では、ソフトバンク、ヤフーではありませんけれど、本体じゃありませんが、海外展開するグローバル企業の責任として、やっぱりOECDが指摘し始めている、こういうそれぞれの企業が税を逃れて逃れてではなくて、やっぱり一定の社会的責任をきちっと果たしてもらおうという方向に今、全部は変わっていませんけど、そうなりつつあると思うんですけれど、ヤフーとしてはその辺どうお考えか、お聞きしたいと思います。
○参考人(古閑由佳君) ただいま私どもの主要株主のソフトバンクの話が出ましたが、私どもヤフー株式会社としましては、二〇一三年度の法人税等の支払、これは法人税、住民税、事業税等になりますが、これ七百八十四億円をお支払いしておりまして、私どもとしては、やはり日本で活動し、日本のお客様にサービスを提供している以上、きちっと税金を払うべきだと考え、これだけの納税をしております。やはり日本で活動するからには、これがあるべき姿だとは思っております。
○大門実紀史君 終わります。
○中山恭子君 今日は、お忙しい中、いろいろ御説明くださいましてありがとうございます。
 先ほど高井参考人から一兆円落ちているというお話がありましたが、アマゾンジャパンの売上げの、売上げでしょうか、この十年ほどの動きというのはどのようになっているんでしょうか。
○参考人(渡辺弘美君) 先ほどもちょっと触れましたけれども、アマゾンジャパンという会社が例えば本の販売とか電子書籍の販売をしている主体ではございませんで、私ども海外の法人が販売をしておりますので、アマゾンジャパンの売上げについては当然ありますけれども、それについては差し控えさせていただきたいと思います。
○中山恭子君 ということは、法人税も日本の中ではお支払いになっていないということでよろしいでしょうか。
○参考人(渡辺弘美君) いや、先ほど申し上げましたけれども、私ども海外のアマゾンの関連法人が販売主になっておるんですけれども、日本の法令に基づきまして法人税もお支払をしております。
○中山恭子君 おりますか。
○参考人(渡辺弘美君) しています。はい。
○中山恭子君 分かりました。ありがとうございます。
 今日お話を伺いながら、消費税に関しては、公平中立の観点から見てやはり相当問題があるということが見えてきたかと思います。やはり日本としては、国内に入ってくるものについてしっかりした公平中立の形で消費税を支払ってもらう必要があろうかと思っております。
 細かい点でいろいろ厄介な、課税についてはですね、今後更に検討をし調整していく必要があろうかと思いますけれども、その点については公平中立な課税体制を取った後ででも修正可能ではなかろうかと思えますので、取りあえずは中立公平という観点から課税を行うということが必要であると、今日いろいろお話を伺いながら感じたところでございます。
 先ほど、仕入れ税額控除を認められていないというお話でございましたが、この点についてもう少し詳しく渡辺参考人からお話を伺えたらと思いますが。
○参考人(渡辺弘美君) 例えば、日本の企業様が何かデジタルコンテンツ、例えば電子書籍でも構いませんし、あるいは表計算のソフトウエアを海外からダウンロードして購入しましたという場合に、これは、新しい制度では消費者向け取引に該当いたしますので消費税が課税されます。けれども、それについて仕入れ税額控除が適用されないとなりますと、結局、国外の事業者がその消費税分は日本政府に納めるんですけれども、国内の事業者が結局仕入れたにもかかわらず税額控除を使えないということは、その消費税分だけ高くお支払をすると。一方で、例えば国内の事業者からソフトウエアをダウンロードして購入した場合には、これは同じく消費税は掛かりますけれども、仕入れ税額控除ができるということになります。
 ですので、中立公平性という議論が今日もされておりますけれども、あえて申し上げれば、もし仕入れ税額控除が認められないと、海外事業者に関してはとなりますと、国内のいわゆる企業様が、じゃ、どちらから買おうかということについて、逆のその公平性の問題というのが出てきかねない問題ではないのかなというふうに考えております。
○中山恭子君 その点についても今後検討する必要があるのではないかと考えておりますが、ただ、やはり消費税に関する公平中立という点から見て、一旦課税するということがあってもよろしいかと考えております。
 いろいろ難しい問題があると思いますが、この点について高井参考人はいかがお考えでしょうか。
○参考人(高井昌史君) 今ちょっと質問事項が分からなかったんですけれども。もう一度、済みません。
○委員長(古川俊治君) 中山恭子君、質問をもう一度お願いします。
○中山恭子君 失礼しました。
 例えば、海外からの購入について消費税を掛けるというときに、仕入れ税額控除、アマゾンジャパンの会社でしょうか、アマゾンの本体の会社についてでしょうか。ごめんなさい、じゃ、まずそこからちょっと確認をしたいと思いますが、渡辺参考人から。
○参考人(渡辺弘美君) 例えば、アマゾンの海外の法人が日本の企業様に例えばデジタルコンテンツを配信した場合に、これは消費者向け取引ということで消費税が課税になるわけなんですけれども、買われた国内の企業様が仕入れ税額控除が使えないということに関してちょっと問題提起をさせていただいているということです。
○中山恭子君 この点について高井参考人がどのようにお考えなのか、伺っておきたいと思っております。
○参考人(高井昌史君) 渡辺参考人の言っている、海外の企業が国内の事業者に何かをそうやって売るって、うち、そのケースが余りないので分からない。ここに三人いるんですけど、この人たちも意味がよく分からないんで、お二人のやり取りが全然僕分からないんですよ。
○中山恭子君 この点、ちょっと私自身がはっきり渡辺参考人の説明が理解し切らなかったものですから、確認をしておきたいと思って。
○参考人(渡辺弘美君) 電子書籍を例にするとなかなか分かりにくいのかもしれませんけれども、例えば会社さんがよく業務上で使われるワープロとか表計算のソフトウエアってございますね。こういったソフトウエアを海外の事業者から今オンラインでダウンロードして購入するということができます。その場合には役務提供というふうになります。いわゆるCDとかに焼き付けたパッケージの形ではありませんので、オンラインで役務提供でインターネットを使ってソフトウエアがダウンロードできる。それに対してお金を国内の事業者さんが払うわけなんですけれども、当然こういったケースというのはあろうかと思います。当然、業務上、ワープロとか表計算を使われますので。
 そうしますと、海外の事業者から役務提供を受ける形になる場合に、普通の一般家庭でも表計算、ワープロというのは使いますので、そうしますと、これ全体が消費者向け取引ということになりますと、その国内の事業者様が仕入れ税額控除が使えないとなると経済的な不利益が出るのではないのかなということでございます。
○中山恭子君 済みません、この点について再度、どのようにお考えか。問題があるかどうか。
○参考人(高井昌史君) ソフトウエアとか表計算のダウンロードとかの商売していないですから、分かりません。
○中山恭子君 では、いずれどこかで再度検討をしておきたいと思いますが。
 いずれにしましても、確かに文化の問題と非常に大きく絡んでまいります。私自身、特に言葉というものがなくなっていくということは日本にとって大変大きな問題であろうかと考えておりますので、この点について私自身は、取りあえず、まず消費税の公平中立という点から、一旦課税できる手続を、対応をしておく必要があろうかと考えております。
 今日はありがとうございました。
○平野達男君 平野達男でございます。
 結論からいくと、今の状況はもう明らかにおかしいというふうに思います。
 それで、三参考人にお伺いしますけれども、三%、五%、八%というふうに消費税来て、いまだにこういう状況があるというのは実は私も不勉強で、これヤフーの方が私のところに何回か来ていただいて、あれ、まだこんなふうになっているのというふうに思ったのが率直な感想でした。まあ裏を返せば、私自身が不勉強だったということなんですが。
 この間、この問題がこの財政金融委員会の中でも余り議論されることはなかったですね。高井参考人、古閑参考人、渡辺参考人にお伺いしますけれども、参考人から見て、なぜこれだけこの問題が、放置ということはなかったと思いますけれども、ここまで先延ばしされてきたのかということについての率直な御感想をちょっとお伺いしたいと思います。
○参考人(高井昌史君) 国外の取引ですから、それで新しいインターネットというサービスですから、法が不整備であったことはこれは事実です。
 ですが、そういったサービスをもうこれ日常茶飯事に皆が使うようになったわけですから、先ほども言いましたけど、消費税を上げる時期ということじゃなく、もうそのときに、気付いたときにやはり、これはメディアの方も全く、報道も新聞も余りされていなかった、国民の皆さんも余り知らなかったという状況が長く続いたのかなと。そういう中で、私はずっと叫び続けてきましたが、声が届かなかったということですかなというように思います。
○参考人(古閑由佳君) ヤフー株式会社は創業が一九九六年でございますが、本格的にインターネットのサービスが普及し始めたのはADSLが普及したことに伴う二〇〇〇年代の前半です。それ以降に、これインターネット特有の問題ですが、海外事業者が次々と参入してきたということで、この問題が非常に大きくなってきたのはここ数年だと考えております。その状況を見て、私どもとしては三年ぐらい前からこの問題を指摘し始めたという経緯になっております。
○参考人(渡辺弘美君) 先ほど申し上げましたけれども、この問題は一九九八年からもうOECDの租税委員会等で議論されておりまして、欧州におきましては、従前よりもうBツーBとBツーCを分けて、課税事業者番号もございますので、対応が図られている問題というふうに認識しておりまして、日本でなぜその対応がまだいまだにされていないのかにつきましては国会と政府の問題かと思いますので、私の方からコメントは差し控えさせていただきます。
○平野達男君 やっぱり、繰り返しになりますけど、明らかにおかしい状況だと思います。これだと課税回避の問題というのも、今日出てきましたけれども、出てくるかと思いますし、事業者向け、消費者向け、あるいは仕入れ額の控除の問題とか様々な問題があろうかと思いますけれども、そういう問題は、まさに高井参考人がおっしゃいましたように、これはもう政府の方で考える話でありまして、この是正の問題についてはやっぱりいち早く変えるということでの意思固めが大事だと思います。
 それと、あわせて、消費税については、今の消費税制度でも、例えば輸出業者についての扱いをどうするかとか様々な問題がありますから、やってみて問題を是正するということについては、これはもう財政金融委員会にとっての役割でありまして、本来であれば、こういう法律は大体野党がいい法律出しても与党は賛成しないという国会の伝統みたいなものがありまして、ただ、今政府の方でも政府税調でこれきちっと議論されているみたいですから、これは是非進めていただくということを御期待申し上げまして、質問は以上で終わらせていただきます。
○委員長(古川俊治君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。
 参考人の方々に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、大変にお忙しいところ貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。(拍手)
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(古川俊治君) 速記を起こしてください。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○礒崎哲史君 民主党の礒崎哲史でございます。
 早速、本法案の内容について質問させていただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
 今、それぞれ業界の方、参考人の方が来られて意見陳述を伺いました。恐らくここにいる全ての委員の方が、個々人の差はあろうとは思いますけれども、このデジタルコンテンツ、利用されたことがあるというふうに想像いたします。その意味では、やはりいろいろ問題があるということは共通認識として今持てたのではないかと思いますので、そういう観点も持って、今からこの法案についてしっかりと論議をしてまいりたいというふうに思いますが、私自身ももちろん、このインターネットを使った商取引、デジタルコンテンツの利用をしております。
 今回、質問をするに当たって少し調べましたが、デジタルコンテンツだけではなくて、インターネットを使った商取引、少し大きい意味でお話をさせていただければ、二〇〇〇年代になって急成長というお話、先ほどありましたけれども、特にこの五年間では市場成長としては約一・八倍の成長をしております。十一兆円という市場規模、これはあくまでもBツーCですから消費者向けの数字、これだけでも十一兆円。事業者向け、BツーBの市場ということでいくと、狭い範囲で考えても百八十六兆円という大変大きな市場に育ってきているというところでございます。
 また、今回、特に案件として出していますデジタルコンテンツ、これについても既に政府の税制調査会のディスカッショングループの中で論議がされておりますが、インターネット、クラウドサービス、電子書籍、この三つの分野に限っても既に二兆円を超える市場規模があると。そのうち、インターネットにおいては既に六〇%が海外からの取引の金額。クラウドサービスにおいても、まだ二〇%ということでありますが、今後セキュリティー、そうしたものが整ってくれば、ますます海外との取引が増えてくるというふうにも予想がされる案件だというふうに見ていいかというふうに思います。
 このように、大きな成長をし、今後も拡大していく取引に対する課題、その是正に向けたものがこの法案だというふうに私、認識しておりますけれども、改めてこの法案の趣旨について確認をさせていただきたいと思います。
○大久保勉君 この法案の趣旨に関して申し上げますが、本日の参考人の質疑でもお分かりになりましたように、経済活動のグローバル化が進展する中で、国内事業者と海外事業者との間に競争のゆがみが生じているということであります。
 具体的に申し上げますと、現行の消費税法では、国内事業者が提供する場合は国内取引として消費税が課税されます、現在でしたら八%。国外事業者が提供する場合には国外取引として消費税は不課税となるように、その取扱いが異なる状況が生じております。
 こうした状況において、経済活動に対する課税の中立性を確保するとともに、我が国の課税権を確保するためには、OECDにおける議論、そしてEUにおける対応の現状も踏まえつつ、早急に電子書籍、音楽、広告の配信、法務サービスなど役務の提供が国境を越えて行われた場合についても、日本に所在する事業者や消費者が役務の提供を受けた場合は広く国内取引として位置付けて、我が国の消費税を課することができるように内外判定基準を見直すことが極めて重要であると考えております。
 他方、本日、アマゾンの渡辺参考人から指摘がありましたように、このような内外判定基準の見直しは経済活動に与える影響が極めて甚大なことでありますから、見直しの必要性の判断に当たっては、現在の基準における経済活動における中立性を阻害している取引と、その阻害による影響の程度を十分に勘案する必要があります。
 また、内外判定基準の見直しによって新たに消費税の課税対象となる役務の提供についての課税の方式を検討するに当たっては、課税化に伴う国内外の事業者の追加的な負担の程度、適正な課税執行を確保する観点等を十分に踏まえることが不可欠であると考えております。
 現在、政府税調においても検討がなされておりますが、しっかりとこの法案を審議してもらいまして、消費税引上げが本年四月に行われましたが、こういった状況に鑑みまして、事業者の負担若しくは不公平性を一刻も早く是正する必要があると考えております。
 以上です。
○礒崎哲史君 今回の法案、中身、三項とあと附則から成っておりますけれども、具体的にこの中身についてこの後確認をしていきたいと思いますので、まず第一項について、趣旨について御説明をお願いいたします。
○大久保勉君 このポイントは、内外判定基準の見直しを行うという趣旨です。具体的には、現行で国外取引として消費税が不課税となっているインターネット等を通じて国外から行われる役務の提供について、必要な範囲で国内取引として位置付け、我が国の消費税を課することができるよう、政府に内外判定基準の見直しを行わせるということです。具体的には、海外で配信している電子書籍等の事業者に対しても、国内の消費者であればいわゆる国内取引とみなすと、こういった趣旨であります。
○礒崎哲史君 同様に、この第二項についてもその趣旨について御説明をお願いいたします。
○大久保勉君 こちらは、一項といいますのが内外判定基準を見直すということでありますが、どのようにして行うかといったことを述べております。具体的には、政府税制調査会での検討の状況を踏まえて例示しております。
 今回の法律自身がいわゆるプログラム立法になっておりますので、いわゆる書き過ぎましたら政府税調との調整も非常に大変ということで非常に技術的な部分がありますから、二つの概念を出しております。一つは国外事業者申告納税方式、そしてリバースチャージ方式、こういったことを例示しまして、今後、政府並びに政府税調での議論を活性化すると、こういったことを考えております。
 以上です。
○礒崎哲史君 今の一項と二項、まずは経済活動に対する課税の中立公平性の確保に向けてその判定基準を見直すということ、次に、課税方式については、諸外国の実施事例も踏まえて、国内外事業者への負担感であったり、税務の執行確保の観点、そういうものも十分に配慮すべきということだということで今理解をいたしました。
 それでは次、三項になりますけれども、第三項の趣旨について確認をさせてください。
○大久保勉君 政府による第一項の規定による内外判定基準の見直し、そして、先ほど申し上げました第二項の規定による課税方式の検討を踏まえ、インターネット等を通じて国外から行われる役務の提供に関する消費税課税の適正化を、これからが重要ですが、平成二十七年度税制改正において実現するため、政府は平成二十六年度までに必要な法律案の国会提出を行うというものであります。この法律は、御存じのとおり通常国会で財政金融委員会で審議されるものであります。
○委員長(古川俊治君) 礒崎哲史君、時間ですので御発言は簡潔に願います。
○礒崎哲史君 はい。
 質問については以上とさせていただきたいと思いますが、今後も拡大する市場ということでいけば、先ほどから出ておりますが、経済活動の中立公平性、それから、やはり日本の国として税収をきちんと確保していくと、公平に確保していくという観点でもやはりこれは課題が多い問題だというふうに思いますので、今説明がありましたとおり、至急進めていくべき案件だというふうに理解をいたしました。
 以上で終わります。
○中西健治君 みんなの党の中西健治です。
 共同提出者の一人であります我が党の山田太郎議員に質問をさせていただこうかと思います。
 この法案、いわゆるプログラム法ということになっていますけれども、このプログラム法とした理由は何でしょうか。
○委員以外の議員(山田太郎君) みんなの党の山田太郎でございます。中西委員からの御質問、お答えしたいと思っております。
 今回の法律でありますけれども、現在、政府税調の方でも検討が行われているということを承知しております。そういう状況にありまして、具体的な仕組みを示してその実施を政府に是非義務付けたい、それから、対応の基本的な方向性や対応策の検討に当たっては特にポイントとなる部分に関してそれを示しまして、加えて、期間を示すことによりまして、政府にしっかりかつ迅速に検討と必要な措置を実施してもらうことを促すというのが適当であると考えまして、プログラム法という形で今回取らせていただいたものであります。
 以上です。
○中西健治君 先ほど参考人の質疑でもいろいろと意見が出ていたところでありますけれども、やはりこの内外判定というのは単純じゃないということだと思います。資産の譲渡に係る内外判定であれば資産が所在した場所ということで明らかなんだと思いますけれども、インターネット等を通じて国外から行われる役務の提供ということになると、この内外判定というのはかなり微妙になってくるということだと思いますけれども。
 まず、確認をしておきたいと思います。現行の消費税法では内外判定はどのようになっているか、理解を確認しておきたいと思います。
○委員以外の議員(山田太郎君) 今御質問がありました現行の消費税の内外判定ということでありますけれども、現行の法律によれば、役務の提供を行う者の所在地が国内にあるか国外であるかということによって行うことと。したがって、インターネット等を通じて国外から行われる役務の提供につきましては、役務の提供を行う者の所在地が国外にあるということのため、当該役務の提供は国外取引となり、消費税は不課税となっているということであります。
 念のため付け加えて申し上げますと、現行の消費税法第四条の三項の二、それから消費税法施行令の六条二項七にその記載がございます。
○中西健治君 今回の法案では、この役務の提供の内外判定に関して、必要な見直しを行うものとされております。具体的な内容はどのようなものを想定しているのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○委員以外の議員(山田太郎君) 今委員からも指摘がありました、あるいは私が御説明しました現行の消費税法において、特に国外から行われる役務の提供につきましての内外判定は、役務の提供を行う所在地が国内にあるか国外にあるかということによって行うことになっておりますけれども、この内外判定の基準を、現在の基準において経済活動に対する中立性を阻害している取引について、その中立性の阻害の影響の程度を勘案した上で見直しが必要な範囲でということで、役務の提供を受ける者の所在地が国内であるか国外であるかということによって行う変更をしたいと。役務の提供を行う者の所在地というのを、役務の提供を受ける者の所在地というふうにするということであります。
○中西健治君 今、一項についてどういう変更をするのかということ、一項で法案ではどういう改正をしていくのかということについてお伺いいたしました。
 そして、この内外判定の基準の見直しが行われると、その結果として何らかの措置を講じなきゃいけないということになるかと思います。法案でも、必要な措置を講ずるものということにされているわけでありますけれども、じゃ、それは具体的にどういったことを想定しているのかということについてお聞きしたいと思います。
○委員以外の議員(山田太郎君) インターネットを通じて国外から行われる役務の提供に関しては、消費税を課すための新たな課税方式、この新たな課税方式については、先ほど大久保議員の方からもありました、例えば国外事業者申告納税制度、リバースチャージ方式、こんなものが考えられるわけでございますが、それについて法制上の措置を講ずるということのほか、新たな課税方式による消費税の賦課徴収に係る体制の整備、それからシステムも必要ですから、その構築、それからそれに対する必要な予算措置、また外国の税務当局との連携、共助という辺りを想定させていただいております。
○中西健治君 消費者向けと判定するのか事業者向けと判定するのかということについても、微妙な問題をはらんでいるということは先ほどの参考人質疑でも明らかだったかなというふうに思いますが、とはいえ、これはインターネットの世界ですからどんどんどんどん動いているということでありますので、もう速やかに改正を行っていくべきであろうというふうに考えております。そうした思いで法案を共同提出者も出されているということだというふうに理解していますので、速やかに政府にも変更を講じることということを求めていきたいというふうに考えております。
 私の方からの質問は以上です。ありがとうございました。
○大門実紀史君 大門でございます。
 この法案の方向性、必要性は先ほどの参考人の皆さんのお話を聞いてもよく理解できます。
 ただ、なぜ今この時期に、我が党は加わりませんでしたけれども、野党の皆さんでこの法案をこの時期に出される意味なんですけれど、先ほど時期的にもきちっと枠をはめてちゃんとやらせるということをおっしゃいましたが、政府・与党の方も、あるいは事務方の方も、聞いてみたらかなり検討を細かくしておりまして、いずれにしてもやるんじゃないかなと思っていたんですけれど、そこをあえてこの時期に、野党の、うちは入っていませんが、出された意味ですね、もう一度ちょっと教えてください。
○大久保勉君 それは政治の意思です。つまり、先ほど参考人から話がありましたように、この問題は数年前から明らかになっていましたが、要するに政府が動いていないということです。ですから、政治主導でやらないといけないということです。これが一点目です。
 二点目は、予見可能性の話です。今日から実施する、でも実際に実務は対応できません。やはり一年程度は必要です。ですから、早く決めておかないと、急遽政府の方が法律で出してきたとしても間に合わないという部分があります。ですから、しっかりとこの委員会で政治主導で決めてもらいたいと思っております。
 そのために、今回は野党で共同でしっかりと出しました。与党の皆さんも、是非このことは肝に据えて、是非賛成してもらいたいと思います。
○大門実紀史君 与党が信用できないというようなことかと思いますけど。
 具体的にお聞きしますが、この方向はあれなんですけど、例えば中小事業者に対する影響としてはどんなことが考えられるのか。今のところ、どういうふうにお考えですか。
○委員以外の議員(山田太郎君) 大門先生御心配されている、中小企業に対する負荷が過大になるのではないかと。
 確かに、納税の義務、中小企業、現場にございます。それに関しては、適切な措置を早期に講ずるよう政府に要請するというふうにしたいと思っています。特に、納税義務を転換する方式を採用した場合に関しては、免税事業者あるいは簡易課税事業者に対して納税義務を課すかどうかについて、これは政府税調の方でも検討されていると承知をしております。一方、引き続き議論を深めまして、必要な法制上の措置をできるだけ迅速かつ確実にするよう政府に促していきたいと思っております。
 それからもう一つ、中小企業の税制、税務体制の現状に鑑みまして、早期に丁寧にこのことを周知すると。急に変わったら対応もできません。それから十分な時間の確保も必要だろうと、こういうふうに思っておりますので、そのことも併せて要請することにしたいと思っております。
 とにもかくにも、本法案、国内外における競争条件の不公平を是正することというのを目的としておりますので、近年の国際状況の激化の影響を受けまして、特に日本の中小企業におきましても公平性が担保される内容ではないかと、こういうことも付言させていただきたいと思います。
○大門実紀史君 もう一つ、徴税現場の負担の問題ですけれど、いろいろ法案がもっと明らかになってこないとちょっと余りリアリティーがないかも分かりませんが、いずれにせよ、徴税の現場では、負担が減る方向じゃなくてやっぱり増える方向かなと思いますが、その点いかがですか。
○大久保勉君 おっしゃるとおりでありまして、新しい制度といいますのは、事業者にも負担がありますが、徴税側、国税の方にも負担があります。
 特に、今回の改正がこれまで先延ばしになったといいますのは、ITである、つまり新しい技術であると。さらには、国内と国外取引が表裏一体になっていますから、いわゆる国際税務に関しては非常に難しく、専門家がいないという状況があります。こういった状況でありますから、先ほどの大門先生の質問等にも関連しますが、早めに方向を出す、さらにいわゆる国税に対しても専門家を育成する、さらに人員を増やすと、こういったことが是非必要だと思います。
 ですから、国が方向性を出さないと現場は動けないという状況です。こういったことに鑑みまして、この法律を出しています。
○大門実紀史君 あともう一つは、先ほどもちょっと参考人のやり取りの中であったんですが、これを進めていくと、事業者に対する課税番号の付与というようなことも出てくる可能性があるかと思うんですけれど、その辺はいかがですか。
○大久保勉君 事業者番号があれば、非常にこの問題は解決します、BツーCとBツーBの問題。
 実際に、EUにおきましてはVAT、IDナンバーがありますから非常にスムーズにいっていますが、日本でそういった番号があるのか。いわゆるマイナンバーといいますのも、日本の場合は相当時間が掛かってやっと実施されようとしていると。まだ実施できません。マイナンバーにおきましては、個人番号もありますが、事業者番号も今つくろうとしていますが、個人で事業を行うものに関しては番号ができつつありません。
 そういった相当大きい問題がありますから、今回の法案には対象にせずに、この番号がなくてもできるところからやりましょうと。つまり、大きな穴が空いています。それで、取りあえず穴の空いたバケツの水漏れを塞ごうということです。完璧な制度じゃありませんが、政府でよくありますが、実際に動かないと何も動かないと。こういう状況が五年、十年続いてしまいましたら日本の空洞化がどんどん進みますから、是非、まず最初の第一歩が重要であるということを考えています。
○大門実紀史君 実際、本当に議論することは幾つもあるかというふうに思います。
 もうお聞きしたいことはございませんので、終わります。
○委員長(古川俊治君) 本案に対する本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午前十一時四十六分散会