第187回国会 厚生労働委員会 第3号
平成二十六年十月二十一日(火曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 十月十六日
    辞任         補欠選任
     小見山幸治君     榛葉賀津也君
 十月二十日
    辞任         補欠選任
     木村 義雄君     長峯  誠君
     武見 敬三君     馬場 成志君
    三原じゅん子君     石田 昌宏君
     榛葉賀津也君     西村まさみ君
 十月二十一日
    辞任         補欠選任
     長峯  誠君     木村 義雄君
     馬場 成志君     高野光二郎君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         丸川 珠代君
    理 事
                大沼みずほ君
                羽生田 俊君
                福岡 資麿君
                津田弥太郎君
                長沢 広明君
    委 員
                赤石 清美君
                石井みどり君
                石田 昌宏君
                木村 義雄君
                島村  大君
                高階恵美子君
                高野光二郎君
                滝沢  求君
                長峯  誠君
                馬場 成志君
                足立 信也君
                石橋 通宏君
                西村まさみ君
                白  眞勲君
                藤田 幸久君
                山本 香苗君
               薬師寺みちよ君
                山口 和之君
                東   徹君
                小池  晃君
                福島みずほ君
   国務大臣
       厚生労働大臣   塩崎 恭久君
   副大臣
       厚生労働副大臣  山本 香苗君
   大臣政務官
       厚生労働大臣政
       務官       高階恵美子君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小林  仁君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       北村 博文君
       内閣府地域活性
       化推進室長代理  富屋誠一郎君
       法務大臣官房審
       議官       金子  修君
       外務大臣官房審
       議官       中村 吉利君
       厚生労働省健康
       局長       新村 和哉君
       厚生労働省労働
       基準局長     岡崎 淳一君
       厚生労働省職業
       安定局長     生田 正之君
       厚生労働省職業
       安定局雇用開発
       部長       広畑 義久君
       厚生労働省雇用
       均等・児童家庭
       局長       安藤よし子君
       厚生労働省社会
       ・援護局障害保
       健福祉部長    藤井 康弘君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関す
 る特別措置法案(第百八十六回国会内閣提出、
 衆議院送付)(継続案件)
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○委員長(丸川珠代君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告をいたします。
 昨日までに、小見山幸治君、木村義雄君、武見敬三君及び三原じゅん子君が委員を辞任され、その補欠として西村まさみ君、長峯誠君、馬場成志君及び石田昌宏君が選任されました。
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○委員長(丸川珠代君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
 専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省労働基準局長岡崎淳一君外九名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(丸川珠代君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(丸川珠代君) 専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取をしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
○津田弥太郎君 民主党の津田弥太郎です。
 本日から、専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法案に対する審議が始まりました。
 先週木曜日に行われました大臣所信に対する質疑の際に指摘をいたしましたが、この法案は民主党政権下の平成二十四年、第百八十回通常国会において成立をしました労働契約法改正に穴を空けるものであります。
 当時、私は担当政務官でありまして、いわゆる非正規労働者の多くに共通する特徴として、労働契約に期間の定めがある、すなわち有期雇用であるという実態がございました。今でもそうであります。しかも、この一回の労働契約期間というものが大変短い細切れになっている。したがって、正社員と比べて雇用の不安定さ、それから待遇の格差、それから職業能力形成の不十分さ、これらが課題となっておったわけであります。何とかして有期労働者が安心して働き続けられる社会の実現を図らなければなりません。そういう思いで労政審で議論を行い、公労使三者の一致によって有期労働契約が五年を超えて反復更新された場合、労働者の申込みにより無期労働契約に転換させる仕組み、いわゆる無期転換ルールを創設することになったわけであります。
 今回、こうした無期転換ルールに二つの例外を設けようとするわけでありますが、冒頭に、この無期転換ルールそのものの意義はいささかも変わっていないのかどうか、大臣にお伺いします。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、津田委員からお話ございましたように、平成二十四年の労働契約法の改正で今御指摘の無期転換ルールというものを導入をしたわけでありますが、これは有期労働契約の濫用的な利用を抑制して雇用の安定を図るということを目的に導入をされたものでございます。
 今回の法律は、今お話がありましたように、二つの例外に限ってのみの話でありまして、労使の代表が入った労政審で検討結果を得て、それに基づいて無期転換ルールの趣旨に反しない範囲で、一つは高度の専門的な知識等を有する有期雇用労働者、そして二つ目は定年後に継続雇用される有期契約の高齢者、この二つのジャンルに対象を限定をいたしまして特例を設けるものでございまして、無期転換ルール自体の趣旨を変更するものではございません。
 また、事業主が特例の対象となる労働者の特性に応じた雇用管理に関する措置についての計画、この計画を作成して、厚生労働大臣の認定を受けなければ特例の対象としてはならないという仕組みでもあり、無期転換ルールの意義や位置付けは、今先生おっしゃったように、何も変わらないということでございます。
○津田弥太郎君 それでは、そのような状況において、なぜ今回の法改正が政府から提案されるに至ったか。
 これ、御案内のとおり、この法案は昨年の臨時国会において、本委員会ではなくて内閣委員会で成立をしました国家戦略特区法の附則第二条に基づく対応ということになるわけですが、当然ながら、突然に特区法の附則が定められたわけではありません。そこには背景がある。そもそも、そのきっかけは、産業競争力会議のワーキンググループが特区内の一定の企業に対し三つの特例措置を認めることを検討したことだというふうに承知をいたしております。
 この三つの特例措置というのは、今出ている有期雇用、それから解雇のルール、それから労働時間、この三つなんですね。この有期雇用については、有期の労働契約締結時に、労働者側から五年を超えた際の無期転換の権利放棄を認めるということで最初提案があったわけであります。
 まあ産業競争力会議のメンバー、ああいうメンバーでありますから、労働者側から事前に権利放棄することのどこが悪いんだということを言いそうな人ばっかりであります。ところが、これに対し厚生労働省は、労働者側からの権利放棄であっても認められないとの見解を産業競争力会議の特区ワーキンググループに示したんです。
 どのような論拠によってそのことを示したのか、山本副大臣、御説明ください。
○副大臣(山本香苗君) 御説明させていただきます。
 個々の企業と有期契約労働者の交渉力に格差がある中で、有期契約労働者にあらかじめ無期転換申込権を放棄させるルールを認めるということは、雇い止めによって雇用を失うことを恐れる労働者に対して使用者が無期転換申込権の放棄を強要する状況を招きかねず、労働契約法第十八条で定められた無期転換ルールの趣旨を没却してしまうものと考えております。
 このため、厚生労働省といたしましては、有期契約の締約時に労働者からの無期転換申込権の事前放棄を認めることは適切ではないのではないかという説明を行わせていただいたところであります。
○津田弥太郎君 そのとおりです。
 厚生労働省は、先ほどの三つの特例措置全体に関し、そもそも雇用分野は特区にはなじまないんだという見解を産業競争力会議のワーキンググループに示したわけです。その理由についても、山本副大臣、分かりやすく説明してください。
○副大臣(山本香苗君) 続けて答弁させていただきますが。
 おっしゃったとおり、雇用分野の基本的なルールである労働基準法や労働契約法等におきましては、一部の地域や企業を対象として試行的にルールを適用除外したり、また特例措置を講ずるということにつきましては、国民の勤労権を法の下で平等に保障する必要性や企業間の公正な競争条件を確保する観点から慎重に検討すべきものであると考えておりまして、そうした趣旨につきまして種々説明をしてきたところでございます。
 一方で、国家戦略特区は成長戦略の重要な柱でもございまして、雇用分野において産業の国際競争力等を支える労働者が意欲や能力を発揮できるようにしていく観点から、政府としてどのような対応が可能かどうかということで関係省庁と検討を重ねてまいりまして、今般の検討になった、今回の結果になった、対応策になったということでございます。
○津田弥太郎君 つまり、労働側からの無期転換権の事前放棄は認められないということ、そして、そもそも雇用分野は特区になじまないということ、どちらも当時の厚生労働省の主張はもっともなんです。
 大臣にお伺いします。先週木曜日の私の質問に対し、大臣はこのような答弁をされました。大臣の答弁の、私じゃないですよ、大臣が言ったこと。私も今、厚生労働大臣という立場を頂戴した以上は、この目的も使命も責任もやはり厚生労働行政の実現のためにやるということですから、産業競争力会議に対しても是々非々でやっていく。是々非々ということをおっしゃいました。
 この大臣の答弁を踏まえるならば、先ほどの厚生労働省の二つの主張、すなわち、労働者側からの無期転換権の事前放棄は認められないということ、そして、そもそも雇用分野は特区になじまない、この二つ、塩崎大臣の下でも変わることはないということでよろしいですね。
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど引用していただきました前回の質疑の際の私からの答弁は、そのとおりでございます。そして、今、この無期転換ルールの趣旨を没却する危険性については、認識は今、山本副大臣からお示しをしたとおりで、国家戦略特区をめぐります議論の際に厚生労働省として申し上げたことは先ほどの副大臣の御答弁したとおりで、現在でも変わらないものだというふうに思っております。
 一方で、本法案は、こうした中で、国家戦略特区が成長戦略の重要な柱だということは先ほど山本副大臣から申し上げましたけれども、政府としてどのような対応が可能かという観点から関係大臣間で真摯に協議を重ねた結果を踏まえたものだと思っております。
 基本的には、労働基準法とか労働契約法とか、言ってみれば労働政策の基本的な法律については、やはりこれは全国一律に国民の権利として与えられるものが基本でありまして、また、企業間の公正な競争条件を確保するという観点も先ほどの答弁のとおりでありますので、今後とも厚生労働大臣として、国民が安心して働き、そして意欲や能力を十分に発揮して、それで経済社会の発展に貢献できるように、私としても厚生労働行政に励んでまいりたいというふうに思っております。
○津田弥太郎君 そういう答弁で結構であります。
 そこで、その厚生労働省がそういうふうに言ったものだから、産業競争力会議はどうしたか。事前放棄ではなくて、一定の労働者について無期転換権行使の例外とする、そして、そのような対応を一部の地域ではなくて全国に行うと。こういう戦術の方向転換をしたわけでありますが、これ冒頭に指摘したとおり、昨年の臨時国会で成立した特区法の附則第二条にそのことが明記をされてしまいました。本当にしつこいと思います。
 具体的には、三つの内容が附則には書かれているわけです。その中の一つが、検討に当たって「労働政策審議会の意見を聴かなければならない。」というものであります。この「聴かなければならない。」という文言、これは労働基準法第九十条、就業規則の作成、変更の際の労働者の意見聴取義務と同じ書きぶりであります。つまり、単に形式的に聞きおくこともあり得ると誤解されかねません。
 一方で、厚労省のホームページ、労働分野の法律改正等については、労働政策審議会における諮問、答申の手続が必要というふうに書かれているわけであります。そして、先週の木曜日、塩崎大臣もこのように発言されました。厚生労働省は労働政策審議会を基本にしてここで審議をして政策をつくっていく、労働法制の見直しについては労働政策審議会で議論を尽くすというふうに塩崎大臣はおっしゃったわけであります。この答弁は、ILOの精神を踏まえた大変大事な内容であります。
 そこで、お尋ねをします。「労働政策審議会の意見を聴かなければならない。」という文言の持つ意味、これは単に形式的に聞きおくということでは認められず、ただいま御紹介した大臣の答弁や、厚労省のホームページに記載されたとおりの役割を労政審が果たすことになる、今回の法改正についても労政審はそのような役割を果たした、そういう認識で、大臣、よろしいですね。
○国務大臣(塩崎恭久君) 国家戦略特別区域法の附則第二条で今先生御指摘の検討規定があるわけでありますが、その対象となっております無期転換ルールの通算契約期間の在り方等が労働法制における重要な事項であるということから、具体的な制度設計につきましては労政審でこの意見をしっかりと聴くということを併せて規定したものだと思っております。
 こうした経緯を踏まえて、今回の法案の検討に当たりましては、昨年末から労政審で六回、特別部会を設けて御議論をいただきました。労政審の労働条件分科会有期雇用特別部会という特別部会をつくりまして、そこで六回にわたって御議論いただいて建議をいただいたということで、具体的な法案の内容を決定をいたしまして、今回提出をさせていただいたということでございます。
 このように、今回の法案の内容は、公労使が参加しております労政審で十分な議論を経て、労使の実態に即した内容になっているものというふうに認識をしております。
○津田弥太郎君 そうしますと、この特区法の附則第二条第三項との関係、ここが問題になってくるわけです。この附則第二条第三項には、「政府は、特定措置を講ずるために必要な法律案を平成二十六年に開会される国会の常会に提出することを目指すものとする。」と書かれておりました。仮に、この「目指すものとする。」という言葉が限りなく法案の提出という結果を意味することになると、労政審の役割というのは極めて小さなものになるわけです。
 つまり、今回の法案については、結果的に公労使三者の意見がまとまったからよかったんです。労政審の諮問を行った場合に、完全に意見が対立したとか、あるいは公労使が一致してそんな法律は要らないというようなケースが出てくる可能性も可能性としてはあるわけです。その際に、既に立法府において法案の提出が決まっているのだから労政審が何を言おうと関係ないというふうになりますと、これは労政審の意見は聞きおくだけになるわけであります。
 その意味で、今後のこともあるので、特に来年が危ない、確認をさせていただきたいと思います。
 この「目指すものとする。」という意味。厚生労働省として、状況を丁寧に労政審に説明し、法案提出に向けたプロセスとして労政審における審議を行い、可能な限りその取りまとめを目指す、取りまとめを目指すということで、言い換えれば法案提出という結果を確約したものではなかったということ、そういう理解で、大臣、よろしいでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほどの特区の法律の附則の二条の検討規定は、昨年の十月に日本経済再生本部、政府のですね、ここで決定をいたしました国家戦略特区における規制改革事項等の検討方針の内容を法案化したものでございます。
 検討方針におきましては、所要の法案を提出する、提出するというふうになっておりましたが、国家戦略特別区域法の規定においては、同様の規定の先例も踏まえまして、例えば、これ平成二十五年のプログラム法ですか、持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律の第四条の六項にも、「政府は、第四項の措置を平成二十九年度までを目途に順次講ずるものとし、このために必要な法律案を平成二十六年に開会される国会の常会に提出することを目指すものとする。」と、こんなふうな書きぶりをしているわけでありますけれども、御指摘のとおり、法案の提出を目指すものとするというふうに今回の法律にはなっているところでございます。
 いずれにしても、特別措置等の具体的な内容については、今もお話し申し上げたように六回の労政審での議論を重ねて、そして、それに結論を得て対応するということに関しては検討方針と同様であって、厚生労働省としてはこれらを踏まえて労政審での議論をお願いし、本法案の提出に至ったということでございます。
○津田弥太郎君 ちょっと分かりにくい。
 これ、目指すものとするというのは、それはそれで私はやむを得ないと思います。ただ、この労政審の議論は、言ってみれば縛られて結論ありきで議論しろということでは、これは困るわけです。そこは、それは目指すんだけれども、そのことを前提にして議論をしていただきたい、しかしその結論については労政審の議論に任せるということでなければ労政審の意味がなくなっちゃうわけですね。そこはきちっともう一回答弁してください。
○国務大臣(塩崎恭久君) 先生おっしゃるとおり、目指すものとするということになると、目指さないといけないわけですね。目指すためにはいろいろやらなきゃいけないと。その大事なステップがこの労政審での議論ということで六回やらさせていただいたわけでありまして、民主主義の国で、私ども自公政権はステップを大事にするということでもございますので、こういった基本的なルールの例外規定を設けるというようなことは大変重要なことでありますから、労政審の中で議論を尽くして、その上で法律を作るということで、今回もそうさせていただいているということでございます。
○津田弥太郎君 私の理解は、労政審で自由に討議をしていただいた結果、今回は法案提出になったけれども、その結果として労政審ではこれは難しいよという場合になったら、それも尊重されるというふうにおっしゃったというふうに理解をいたしました。
 それでは、そうした法案提出の背景を踏まえて、具体的な質問になるわけですが、高階政務官にお聞きしたいんですが、この有期労働者の無期転換権を定めた労働契約法の改正は、昨年の四月一日に施行されて一年七か月。ということは、一年の契約してその後五年とか、半年やって半年やってその後また五年とかと、そういう人はもう、つまり五年を超える契約を結んだことになるわけですが、この無期転換を果たした労働者が存在をしても、非常に少ないかもしれませんが、おかしくはないわけであります。実際に申込みを行って労働契約が無期に転換した労働者は何人いますか。
○大臣政務官(高階恵美子君) 委員御指摘のとおり、昨年四月に施行されました無期転換ルールにつきましては、通算契約期間のカウントが始まったところでございまして、これまでのところ無期転換した労働者数については把握をされてございません。
 しかしながら、無期転換ルールによる期間の算定の対象となる有期労働契約は昨年四月以降に締結したものに限られておりますとともに、有期労働契約の多くが、これ、サンプル調査では八五・一%の方が一年以内ということに設定されている。この現状に鑑みれば、無期転換ルールによりまして無期転換した労働者が多数になるとは想定されていないところでございます。
○津田弥太郎君 いろいろおっしゃいましたけれども、把握をされておらない。
 これ、厚生労働省として、前回の労働契約法の改正により何人の労働者が無期転換権を手に入れたかということは把握をしていないわけですね。現時点では一人の労働者も無期転換をしていない可能性が高い。おっしゃるように、せいぜい一年ぐらいの期間の契約ですから、まだ一年七か月ですから、そういうことになるわけです。
 そういう状況の中で、早くも無期転換に例外を設ける、つまり、この法改正による、言ってみれば結論がどんな状況が出ているのかも検証ができない中で例外をつくるということが今提案されているわけであります。
 実は、この労働契約法の無期転換権について、今回の法案とは別に、皆さん御案内のとおり、研究開発力強化法及び大学の教員等の任期に関する法律の二つの法改正が議員立法で行われて、もう今年の四月から例外が設けられているわけです。加えて、今回、高度専門労働者と定年後引き続いて雇用される者についても例外とされようとしている。私は、これ本当に危機感を持っているわけであります。
 労働契約法は、我が国における労働分野の制定法の中で基本法の一つを成すものであります。そうした重要な法律に例外がどんどん設けられている。これ、気が付いたときは無期転換ルールの対象となる労働者がむしろ限定的になっていくんじゃないか。派遣のときもそうでした。極めて限定的な業種に限っていたのが、もうすぐ衆議院で議論が始まるようでありますけれども、どんどん広がっていく。これは本当にそういう形でいいんだろうか。私は本当に疑問に思うわけです。
 大臣に確認します。この無期転換ルールの例外、これ以上は絶対に増やさない、そういう確約していただけますか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほどお話し申し上げたように、この労働契約法の無期転換ルールというのは雇用に関わる本当に基本的なルールでございます。
 こういったものについては、労政審で、現場の実態を熟知しておられる労使の両サイドの御意見をしっかりと踏まえた上でやるということで、先ほど申し上げたように、六回の特別部会での議論を経て今回の法律になったわけでありますが。
 今回、二つのジャンルが対象になるわけでありますけれども、この二つ目の高齢者の方につきましては、むしろこの労政審の中から意見が出てきて加わったもので、むしろ特区の方で議論が行われたのは第一番目のジャンル、特別にエクスパティーズを持っていらっしゃる方々の話だったわけですね。ところが、労政審で議論を委ねたところ、実は高齢者についても、本当はこういうふうに、今回のような御提案申し上げているようなことをやった方がいいということが出てきた上でこのような法律になっているということであります。
 そういうことで、本法案の内容のベースとなった労政審の建議は、現時点での労使双方の意見を幅広く提示をしていただいた上で議論を重ねて取りまとめたものでありまして、本法案に盛り込んだ内容のほかには新たな特例の対象を検討はしておりません。
○津田弥太郎君 分かりました。これ以上は増やさないということを確約していただきました。
 それでは、今回新たな例外として提案された二つの類型のうち、高度専門労働者についてお尋ねをします。
 この類型の労働者に関して、法案の第二条で年収に関する縛りを設けているわけでありますが、岡崎局長、該当する部分を読み上げてください。
○政府参考人(岡崎淳一君) この法案におきまして、専門的知識等を有する有期雇用労働者の賃金につきまして、第二条第三項第一号で規定されております。具体的には、「事業主との間で締結された有期労働契約の契約期間に当該事業主から支払われると見込まれる賃金の額を一年間当たりの賃金の額に換算した額が厚生労働省令で定める額以上である者に限る。」という規定でございます。具体的には、これに基づいて厚生労働省令を定めることになっております。
○津田弥太郎君 お答えいただいたとおり、条文上は、この年収要件は厚生労働省令で定める額以上というふうになっているだけなんです。定量的にも定性的にも何らの手掛かりがない。ところが、労政審の議論あるいは通常国会で行われた衆議院の議論によれば、年収が一千七十五万円以上である者を想定しているということが明らかになっているわけであります。恐らく、この法案が成立した場合、実際にもそのようになるんだと思います。
 であるならば、やはり条文においても少なくとも定性的な記述をすべきであったと私は思うんです。ここ大変重要なところなんです。この点は、衆議院において維新の党の重徳議員も主張されていたとおりであります。私は、この年収要件について国家戦略特区法の附則第二条や労政審の議論を踏まえるならば、本来はこのように記載すべきであったと考えるんです。読み上げます。常時雇用される一般の労働者の一年間当たりの賃金の額の一般的な水準を相当程度超える額であって、厚生労働省令で定める額以上の額、これが正しい記述の仕方ではないかというふうに思うんです。
 山本副大臣、これ法案を提出した厚生労働省としても、条文には書いていないだけで、気持ちは今私が言ったとおりであるというふうに言っていただけますか。
○副大臣(山本香苗君) 基本的な認識は同様であると思っておりますが、おっしゃったとおり、二条三項の第一号におきましては、高度専門職の年収要件について厚生労働省令で定める額とされております。
 国家戦略特別区域法では、年収が常時使用される一般の労働者と比較して高い水準になることが見込まれる者に限ると規定されています。また、労政審、この二月に取りまとめた労政審の建議でも、国家戦略特別区域法において、対象者はその年収が常時使用される一般の労働者と比較して高い水準となることが見込まれる者に限ることとされていることに留意するものとするとなっております。
 また、労政審の建議の中では、労働基準法十四条に基づく一回の労働契約の期間の特例に係る一定の対象者の年収要件とされている一千七十五万円を参考に、法案成立後改めて労政審において検討することとされておりまして、こうしたことを踏まえて、年収要件につきましては法案成立後、労政審においてしかるべき水準をきちんと念頭に置いて検討されるものだと認識しております。
○津田弥太郎君 気持ちは同じであると素直に言っていただいていいんですよ、全然構わないですよ、厚生労働省はそういうふうに考えているんですから。
 さて、この年収要件について更にお尋ねをしたいと思います。
 厚生労働省令によって年収換算で一千七十五万円以上ということになったといたします。そうしますと、先ほど高階政務官からも答弁ありましたが、この年収要件について条文上は「見込まれる」となっているわけであり、締結された労働契約上どのように規定されたかということだと思いますが、この確認が第一点。それから、関連して、海外プロジェクトにおいて外貨建てで賃金が支払われる場合の換算レート、これがどうなるかが第二点。そして、あくまでも契約時に見込まれたとしても、実際にその額が支払われなかった場合にどうなるか、これが第三点。最後に、成果給的な賃金になっていた場合は、あくまでも一千七十五万円プラスアルファという契約内容になっていないといけないということなのかどうか、これが第四点。
 まとめて岡崎局長。
○政府参考人(岡崎淳一君) 労働契約法につきましては、民事法規でございますので、最終的に紛争が生じましたら司法判断ということになりますが、私どもの考え方としましては、今労働基準法第十四条におきまして同じような形で年収要件を定めております。それの際の解釈、運用が参考になるというふうに考えているわけでございます。
 その際に、見込まれるということでございますが、これにつきましては、個別の労働契約でありますとか、あるいは就業規則等におきまして具体的な額をもって支払われることが約束されているということでございます。そして、それが支払われることが確実に見込まれるということで、解釈例規を出しているところでございます。こういう考え方の下に、これを参考に運用されるべきだというふうに考えています。
 一切減額されてはならないかということにつきましては、この解釈の中で、労働者の側の事由におきまして休業、欠勤等があったような場合につきましては減額されても見込まれるの範囲内だろうというふうにはなっておりますが、それ以外の使用者側の理由でということについては、ちゃんとやっていただかなければいけないということになるというふうに思っています。
 外貨建て等の場合につきましては、今後の対応ということにもなりますが、私ども今考えておりますのは、やはり日本円の換算でしっかりやっていただくということが基本であろうというふうに思っていますし、成果給の場合につきましても、最低でもその決められた年収額を上回るということが何らかの形で確保されているということが基本になるだろうというふうに考えております。
○津田弥太郎君 第三点、答弁なかったんですけど。
○政府参考人(岡崎淳一君) 三点目は、要するに労働者側の事由等で、欠勤等で支払われなかった場合につきましては見込まれるの範囲に入りますが、それ以外の場合にはというふうにお答えいたしました。
○津田弥太郎君 分かりました。
 この高度専門労働者には、年収要件以外に、そもそも高度の専門的知識等を有するかどうかということが要件になるわけであります。この点について、高度専門労働者が関わるプロジェクトが厚労大臣の認定を受けているということと、当該労働者自身が高度専門的知識を有しているということの二つが必要になるわけです。先ほどの年収要件以上に抽象的な判断基準になり、労使間でトラブルが生じることも考えられるわけであります。
 一般的なケースで法務省にお尋ねします。
 ある有期労働者が、最初に雇入れされたときには特措法に基づく特例の適用はなく、契約を反復更新して五年超となれば無期契約に転換できると期待をしておりました。ところが、特措法が成立をして、採用二年目に事業主が厚労大臣から認定を受けて、当該労働者も特例の対象となってしまった。当該労働者は、自分の業務が特例の適用対象となることについて納得できず、契約期間が五年超となった時点で事業主に無期転換を申し込み、事業主がこれを認めないので民事訴訟を提起をし、期間の定めのない労働契約上の地位を有することの確認を求めたとします。
 この訴訟において、労働者が自分の従事する業務が特例適用対象とされたことに関して憲法違反や公序良俗その他の強行法規違反という主張をすることが考えられるわけですが、その場合、裁判所は判断を回避することになるのか、それとも、これらの主張について判断する判決を下さなければならないかどうか、お答えください。
○政府参考人(金子修君) 委員の御質問は、有期雇用契約を締結している労働者が、労働契約法第十八条の適用を前提とした雇用契約上の地位の確認の訴えを提起したような事案、これを念頭に置かれていると思います。
 このような事案におきまして、当該労働者が、この法案の成立、施行によりまして労働契約法第十八条に基づく期間の定めのない労働契約への転換が認められなくなったとして、憲法違反あるいは公序良俗その他の強行法規違反を理由に無効の主張をする、これ自体は可能なことかと思います。
 次のお尋ねの憲法判断を行うか否かという点ですが、最終的には個別具体的な事案において裁判官が判断されることでありますけれども、一般論として申し上げれば、裁判の結論を出す上で憲法判断をする必要があるという場合には、しかるべく憲法判断がされることになるというふうに思います。
 また、民法九十条の公序良俗違反のような強行法規違反の主張がされた場合につきましても、これにつきましても最終的には個別具体的な事案において裁判官が判断されることではありますけれども、実質的に憲法違反の主張となっている場合はともかく、ある法律そのものが民法九十条の公序良俗違反等として無効になるということは通常考えられないと考えております。
○津田弥太郎君 それでは、労働者が憲法違反や強行法規違反の主張をすることには無理があると考えて、ほかの対応を目指したといたします。その際、前提としてお尋ねをするんですが、厚労大臣のこの認定というのは行政処分性を有するかどうか、高階政務官、端的にイエス、ノーでお答えください。
○大臣政務官(高階恵美子君) 厚生労働大臣が認定することによって一定の法律の特例効果が生じることから、本法案による厚生労働大臣による計画の認定についても行政処分性を有するものと考えてございます。
○津田弥太郎君 そうすると、自分の従事する業務を特例適用対象とされたことについては合理性がないと考える有期労働者にとっては、二つの選択肢が考えられることになるわけです。一つは、プロジェクトの認定そのものを行政訴訟で争う、もう一つは、プロジェクトの認定そのものは争わないものの、プロジェクトに携わる労働者の中には単なる事務員といった存在もあるわけですから、自らが特例対象かどうかを民事訴訟で争う。
 法務省、こういう理解でよろしいでしょうか。
○政府参考人(金子修君) ある労働者と事業主との間の労働契約につきまして本法案第八条第一項が適用されるための要件が、今先生御指摘のとおり、当該事業主が第一種計画の認定を受けていること、それから、当該労働者が第一種特定有期雇用労働者に該当すること、この二点であろうと思いますので、そのことを前提にお答えします。
 労働者がこの第八条第一項の適用がないと主張する方法としましては、今二つの要件、このいずれかがないということを主張することとなると思われます。そうしますと、それぞれの要件に対応して、委員御指摘のとおり二つの方法があるというふうに思っております。若干敷衍しますと、まず、特定有期業務が専門的知識を必要とするものではないなどと主張しまして、厚生労働大臣のした第一種計画の認定の違法、これ行政処分と今お話がありました、これを争う方法が考えられます。具体的には、労働者が行政事件訴訟として当該認定の取消し訴訟を提起し、行政処分である厚生労働大臣の認定の違法性を争うというようなことが考えられます。
 次に、労働者が、自らが専門性のない事務的な業務に従事しているにすぎない、したがって自分は第一種特定有期雇用労働者ではないので、この法案の八条一項に規定する特例は適用されないなどと主張する方法が考えられます。これは、具体的には、労働者が例えば事業主に対する期間の定めのない労働契約上の地位の確認を求める民事訴訟におきましてそのような主張をするということが考えられると思います。
○津田弥太郎君 そのとおりだという答弁でございます。
 そうすると、今回の法案は、労働者にしてみると選択肢が狭められ、一方で使用者側にしますと選択肢が増える、そういう法案なんですね。現行法の下で、労働者は有期雇用を五年超更新しても、その会社に縛られたくない、自由に転職してキャリアアップをしたいと考えれば、無期転換権を行使しなければいいんです。必ず無期にならなければならないというわけではない。しかし、今回の法改正により、高度専門労働者についてはそうした選択肢が閉ざされることになるわけです。
 私は、その意味で、計画中に定められる雇用管理に関する措置、これが極めて重要であると考えるわけです。この法案の第四条の文言は極めて抽象的ではありますが、法案が成立したならば、厚労大臣が定める基本方針の内容についても労政審でしっかりと議論が行われるものだと思っております。
 その際、大臣として意識をしていただきたいのは、この高度専門労働者にとって今回の法改正が一方的に権利を失うだけの内容になってはならない。やっぱり何かないとね。これ、そこを踏まえた基本方針にしなきゃいけないですよね。大臣、そう思いませんか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 先生御指摘の、厚労大臣がこの法律成立後に基本方針を定めるということになっていて、この中での事業主が計画に定める雇用管理に関する措置というものの中身が大変大事だということを今御指摘をされました。特例の対象となる労働者がその能力を有効に発揮するためには、事業主による当然適切な雇用管理の実施が求められるわけであります。
 このため、今回の法律では、高度専門労働者と定年後に引き続き雇用される労働者、それぞれの特性に応じて事業主が実施する雇用管理に関する措置について、厚生労働大臣は基本方針を策定するということになっているわけであります。
 この基本方針は、個々の事業主が作成する雇用管理に関する措置についての計画が適切なものであるか否かを判断する上での基準となる重要なものであり、その具体的な内容については法案成立後に当然労政審でしっかりと議論をして、それを踏まえて策定をしていくということにならないといけないと思います。
○津田弥太郎君 ですから、大臣として、この高度専門労働者が権利を失うわけですから、やっぱりそこに対する配慮というのをやってくださいということを私はお願いしているわけで、そこはちゃんと意識してください。うんうんとうなずいていただきました。
 高階政務官にお聞きしたいんですが、このもう一つの類型、定年後引き続いて雇用される者について、法案の第二条に定義規定があります。個別事例において恐らく問題となるのは、この「定年に達した後引き続いて」という、この「引き続いて」という意味。これ、六十歳で定年となった場合、再雇用までの間に若干の空白期間が生じることもあるわけですよね。そうした期間の問題をどう取り扱うか。期間は短くても、この間に当該事業主や当該特殊関係事業主以外との雇用があった場合、さらには一旦雇用保険の失業等給付などが行われた場合どうなるか。これらの点に関して現時点で厚労省はどのような見解を有しているか、お答えください。
○大臣政務官(高階恵美子君) 本法案の特例となる定年後に有期契約で継続雇用される高齢者につきましては、定年に達した後に同一の事業主、又は親子法人等の高年齢者雇用安定法に基づきます特殊関係事業主に引き続いて雇用されていることが必要でございます。定年後に特殊関係事業主に雇用され、再度定年前の企業に戻ったような場合につきましても、定年前の企業において引き続き雇用されているものとして特例の対象となり得るものでございます。
 なお、定年後に有期雇用に至るまでの期間については、個別の事情に応じて総合的に判断されるものと考えておりますが、例えば、雇用管理の事務手続上の必要性や、労働者との間で一定期間後から有期雇用契約を開始する旨の約束をしていること等により、定年退職の日から有期労働開始まで一定の期間があるような場合につきましても特例の対象として認められるものと考えてございます。
○津田弥太郎君 ありがとうございました。
 恐らくいろんな事例が今後出てくるだろうと思います。やはり的確に判断をしていただいて、ある面では労働者の立場を尊重していただくような形で方針を出していただければいいのではないのかなと。権利を奪うわけですから、そういう配慮を是非していただきたいというふうにお願いしておきたいと思います。
 様々な課題があるわけですが、冒頭に指摘をしましたとおり、今回の法改正、この産業競争力会議のワーキンググループ、そして特区法の附則第二条、こういう経過を踏まえたものであります。ただし、特区法の附則では、そもそも今回例外となる二つの類型のうち念頭に置かれていたのは高度専門労働者のみ。先ほど塩崎大臣がおっしゃったように、定年後引き続いて雇用されるという方については、労政審で使用者側から提案をされたというふうに承知をいたしております。ですから、産業競争力会議は定年後の人は言っていなかったんですね。言っていなかったことをあえてまた加える必要も私はないと思うんですが、その辺はまあ様々な経過があったんだろうと思います。
 それで、こういう経過を踏まえるとすると、二月十四日の労政審の建議、建議が出されておるわけです、二月十四日に。公労使三者が一致して求めた内容、これ、大臣として極めて重く受け止めていただきたいというふうに思うんです。この公労使三者が一致して求めた建議の内容は、読み上げます。
 なお、特に高年齢者については、事業主が継続雇用制度を導入し、定年後に有期労働契約によって引き続き雇用する際は、能力など年齢以外を理由として契約を更新しないことは認められているが、原則六十五歳までは契約更新がされるものであるとの高年齢者雇用安定法の趣旨を没却することとならないよう適切な雇用管理がなされる必要がある、これが建議でございます。
 これ、大臣、この件に関して、現行の施策以上に実効性を有する新たな施策をこれ本当に早急に検討していただく必要があると思いますが、いかがでしょう。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今先生読み上げていただきましたこの建議、二月十四日の建議でございますが、高齢者については、建議に書かれているとおり、高年齢者の雇用安定法の趣旨を没却することとならないような適切な雇用管理がなされることが重要であるということを我々も考えているところでございます。
 適切な雇用管理を確保するためには、今回御審議をいただいております法案では、事業主が対象労働者の雇用管理に関する措置についての計画、この計画を作成してこれを認定する仕組みとしているわけでありまして、この計画に沿った措置が講じられるということが大事で、講じられていない場合にはハローワークにおいて是正に向けた助言や指導などを徹底し、高年齢者雇用安定法の趣旨を踏まえた適切な雇用管理の実施をこのことによって確保していきたいというふうに考えておるところでございます。
○津田弥太郎君 難しくおっしゃらなくていいんですよ。要は、高度の方もそれから定年後の方も権利を奪われるわけですから、やはり定年後の方については六十五歳までの継続雇用ということはより力を入れて取り組んでいかなきゃいけないわけであります。そこはやはりしっかり施策の中で具体的にそのことを推進していただきたいということで、これは現場でしっかり対応していただくということになるだろうと思いますが、そのことを意識してやっていただきたいということをお願い申し上げておきたいと思います。
 ちょっと時間がありますので、山本副大臣にお尋ねをしたいというふうに思います。法案以外のことであります。
 十月十五日の読売新聞の朝刊にこれ出ているんですが、厚労省では、外国人技能実習制度を介護分野にも広げるということについて、広く有識者による検討会を設け、議論するという記事が掲載をされました。私、この件については、通常国会の中でも何回もこれはおかしいということをずっと申し上げてきたんですが、これ、山本副大臣、事実でしょうか。
○副大臣(山本香苗君) お答えさせていただきます。
 技能実習制度につきまして、介護分野を追加するかどうかということにつきましては、日本再興戦略において、日本語要件等の質の担保等のサービス業特有の観点を踏まえつつ、年内をめどに検討し、結論を得ることとされております。この内容を踏まえまして、今後、関係省庁と連携しつつ検討を進めるとともに、様々な御意見、今も御意見ございましたけれども、十分に伺う必要があると考えておりまして、厚生労働省といたしましては、関係者による検討の場を設けて丁寧に検討してまいりたいと考えております。
○津田弥太郎君 そんな答弁では納得できないんですよ。介護分野というのは高齢者の生きがい、あるいは健康、命にも関わる分野です。
 これまで厚生労働省は、EPAに基づく介護福祉士の受入れ、これは今もう現在進めているわけです。私はそのことは理解をいたしております。これ、言葉の問題も含めて様々な問題が山積をしているこの技能実習制度、本当にもう問題山積なんですよ、この技能実習制度というのは。これはもう山本副大臣よく御存じのとおりです。公的保険制度の根幹を揺るがす、私はそのように考えているわけであります。
 特に、山本副大臣は公明党の所属でございます。山本副大臣は、以前から人身取引とか人身売買といった問題に極めて強い関心を持たれて取り組んでこられたわけですね、本人、首を振っておられますが。平成十七年の三月には予算委員会でも質問されております。
 公明党としてもこうした問題を重要視しており、例えば人身売買罪が刑法改正により取り入れられた際には、公明新聞においても、公明党の強い推進で対策が大きく動き始めたということで、党内のプロジェクトチームで松あきら座長そして山本香苗事務局長、頑張っていますね、このお二人を中心に協議を重ねて法改正に結び付けたという記事が掲載をされておったわけであります。本当に頑張っていらっしゃる。人身取引とか人身売買とか、こういう問題はいかぬということで一生懸命やっていらっしゃる。
 問題はここからなんです。技能実習制度、この制度について、アメリカの国務省が発表する毎年の人身売買レポートにおいて、極めて問題のある制度として指摘が行われているわけであります。国務省のレポートを読み上げます。
 日本は、強制労働及び性的搾取の人身取引の被害者である男女、及び性的搾取の人身取引の被害者である児童が送られる国であり、時として政府の技能実習制度を通じて被害者となる。さらに、日本政府は、実務と政策のいずれを通じても、政府が運営する技能実習制度における強制労働の利用を終わらせることはなかった。こういうレポートが出ているんです。日本にとって恥ずかしい。アメリカ大使館のホームページ上に堂々と載っているんですよ、堂々と。
 ですから、山本副大臣はこの人身売買問題の専門家であるわけですから、当然私は御存じだと思うんです。もう読まれていますよね、御存じですよね。ということになると、山本香苗さんが副大臣を務める厚労省が技能実習制度の介護分野への拡大を検討しているなんというのは信じられない話。あり得ないでしょう、こんなことは。私はあなたを信じていますから、とてもそんなことになるとは思えない。
 是非、間違ってもそのようなことはないという答弁をしていただけませんか。
○副大臣(山本香苗君) いろいろとお調べいただきまして、また御評価いただきまして、ありがとうございます。
 今お話がありました検討会を立ち上げるとは申し上げましたけど、結論を何か言っているわけではございません。また、私も技能実習制度自体のいろいろな問題も認識しております。管理監督体制の強化ということは必要なことであると思っておりますし、十分いただきました御意見踏まえて検討してまいりたいと思っております。
○津田弥太郎君 いや、副大臣になられたから縛りを受けることは分かりますけど、でも、やっぱり、あなた、ある面ではライフワークとして取り組まれてきているわけでしょう。アメリカの国務省にここまで言われていることに対して、やっぱり私としては何としてもこの技能実習制度に介護を入れることはできないということを主張していただきたいと思うんですが、その場で。いかがですか。もう一回。
○副大臣(山本香苗君) アメリカの国務省に言われたからどうのこうのという問題ではなくて、しっかりと私としましては現状を踏まえて検討させていただきたいと思っております。縛りを受ける受けないということではなくて、検討すること自体はやぶさかではないと思っております。
○津田弥太郎君 まだ不満。
 副大臣としての立場は分かりますよ。だけど、やっぱりこれはそぐわないでしょう。技能実習制度に介護を入れるというのは、これはそぐわない。これは与党の皆さんも大概そういう主張をされておりますよね、なんですよ。
 だから、ここはやっぱり、日本再興戦略で出ているかもしれないけれども、厚生労働省としては駄目ですよと。さっき産業競争力会議からいろいろ言ってきても駄目だといって返したじゃないですか。そんな、特区で特別なことをやるなんというのは駄目だと返したじゃないですか、なじまないと。今度のこの問題もなじまない、こうはっきり言ってくださいよ、私としてはそういうふうに考えているということを。
○副大臣(山本香苗君) 決してありきで話をしているわけではありません。しっかり厚生労働省といたしましても、介護特有の観点というのがあります。これまでの技能実習生の制度とは違いまして、サービスというところになりますので、また異なった観点が必要だということや、介護現場に混乱を生じさせない、そういった観点も必要であると思っておりますし、しっかりそうした介護分野特有の観点ということを重々厚生労働省としても主張して、関係省庁と検討してまいりたいと思います。
○津田弥太郎君 不満です。不満なんだけど、まあまだ検討会という段階ですから、今後しっかりその議論を見守りたいと思いますが、さっきも言いましたように、厚生労働省のスタンスというのは、さっき塩崎大臣も冒頭おっしゃいましたように、是々非々だと。幾ら官邸からいろいろ無理難題来たとしても、おかしいことはおかしいと言い返す、これ大変大事なことであります。
 やはり、国民の生命を守るという大変重要な役割を果たしている厚生労働省として、例えばここに今回出てくるような外国人の介護労働者を技能実習で入れるなんということをやったら、これ大混乱になりますよ。もう目に見えるんですよ。EPAですら様々な課題がある、でも一生懸命やっているから、御本人も含めて一生懸命やっている、施設も一生懸命やっている、だから、私はその取組はいいことだと思っています。それはそれなりの努力があるからです。しかも、資格を持たれている、あるいは日本でも資格を持とうということで取り組まれている。技能実習は資格もへったくれもないんですよ。
 ですから、これ、人が足りないからといってそういう安易な方法に頼るというのは非常によくない、そのことを申し上げて、今後、山本副大臣がこのことにしっかり取り組んでいただくことをお願い申し上げまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
○薬師寺みちよ君 みんなの党の薬師寺みちよでございます。
 津田先生の本当に強いお言葉を受けまして、私も質問を作ってまいりましたけれども、ちょっと一瞬恐怖も覚えました。実は、みんなの党は、今回の専門的知識を有する有期雇用労働者がその有する能力を維持向上することができるようにというこの制度自体に反対ではございません。この最終目的としては大変いいものだというものに仕上がっているということを言わせていただきます。
 しかし、この法案というものは、私自身が実は二つ大きな懸念を抱いております。
 まず第一点目。雇用というものは、一国二制度を認めないというスタンスを今まで日本、政府の皆様方は取り続けていたということを、私は実は構造改革特区調査評価委員を七年間やらせていただきまして、そこがいつもいつも大きな壁であったということを経験してまいりました。その結果、雇用特区というものが生まれずに、今回のように弊害が様々懸念されているにもかかわらず、検証も行われず全国展開に至ったというこの経緯、私としては納得がまいりません。ここは尊敬する津田先生とは主張が真っ向から反対をするんですけれども、私も、構造改革特区の中で大変いい事例というものも、ケースも生んでまいりましたので、ここはしっかり主張をさせていただきたいと思っています。
 二点目でございます。二点目は、今回、労働政策にもかかわらず、事前に労政審の議論を経ず法制化を決定したというこの抜け道が、今後、産業競争力会議や国家戦略特区の議論によって生まれてしまうこと、この二点を大変懸念をいたしておりますので、まず国家戦略特区の特別法の方にもう立ち戻って質問させていただきたいと思います。
 資料一を御覧ください。これは、先ほどから津田先生からの議論にもございましたけれども、国家戦略特別区域法の中の附則第二条を抜き出したものでございます。
 国家戦略特区制度におきまして現場の声を充実させたいということで、多くの自治体若しくは団体からヒアリングを受けたということは、私、ホームページの方でも確認をさせていただきました。今回の提案というものは、国家戦略特区第一次提案、二十五年の八月十二日から九月十一日の期間で募集をした中に入っていたものだと。そして、応募団体数が二百四十二団体、提案数は百九十七件あったというふうに私承知をいたしております。
 では、今回のこの法案に至るまでの提案内容、そして提案者について教えていただけますでしょうか、お願いいたします。
○政府参考人(富屋誠一郎君) お答え申し上げます。
 今御指摘がありましたように、昨年八月から九月にかけて国家戦略特区について募集をいたしました提案、この中で有期雇用に係る規制緩和につきましては十八の提案者から八件の提案がございました。その中で具体的な例を挙げますと、福岡県等からは雇用期間が五年を超える研究者の無期労働契約への転換義務の適用除外、あるいは京都府、京都大学等からは研究者、高度技術者等の有期雇用期間の制限緩和についての提案がなされております。それ以外にも、民間団体等からも提案がなされたところでございます。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 民間の皆様方、若しくは都道府県の皆様方のニーズがあったということを今ここで説明していただけたかと思います。
 では、第二点目といたしまして、この附則第二条が付された理由というものについて教えていただけますでしょうか。
○政府参考人(富屋誠一郎君) この附則の内容につきましては、先ほど申し上げました提案に基づきまして、国家戦略特区ワーキンググループあるいは産業競争力会議におきまして規制改革事項等の検討を行いまして、その検討の結果が平成二十五年の十月十八日の日本経済再生本部決定ということで結実をしております。その同本部決定の中には、この決定内容とともに、今回のこの附則に書かれているような内容について法案に盛り込むというようなことも併せて決定しているところでございます。
 このような検討の経緯ですとか、またこの規定は、国家戦略特区の目的であります産業の国際競争力の強化、あるいは国際的な活動拠点の形成というものに資するものでもあるということも踏まえまして、特区法の附則二条として規定したものでございます。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。
 では、雇用、労働に関わるこの附則第二条が付されるに当たりまして、先ほど津田先生も何回もおっしゃいました、労政審の意見を聴取なさいましたか。
○政府参考人(岡崎淳一君) 国家戦略特別区域法につきまして、その前に日本経済再生本部におきまして国家戦略特区における規制改革事項等の検討方針というのが定められております。それに基づいて閣議決定、国会に提出されたわけでございますが、検討方針が十月十八日、それから閣議決定が十一月五日でございますが、その間であります十月三十日にこの検討方針につきまして審議会におきまして御報告をいたしまして、労使の意見を聴取したところでございます。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 では、この附則第二条において労政審の意見を聴かなければならないということにもなっているかと思いますが、その労政審の議論、まずこの法案提出の是非というものを議論したのか、それとも法案提出ありきで内容の審議を行ったのか、どちらなのか教えてください。
○副大臣(山本香苗君) お尋ねの件でございますけれども、先ほどもございました議論の中で、特別区域法の附則第二条におきまして労政審の意見を聴かなくてはならないことということが明記されたわけでございます。
 こうした経緯を踏まえまして、今回の法案の検討に当たりましては、昨年末から労政審に設置した特別部会で六回議論していただいて、今年の二月にその建議をまとめていただいて、それを踏まえて法案要綱というものが策定され、審議会の諮問、答申を経て本法案を国会に提出したところでございます。
 このように今回の法案の内容というのは、公労使が参画するこの労政審で十分議論されて、労使の実態を踏まえた内容となっていると認識しております。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 では、これまで雇用法制に関して、閣法において労政審の議論を経ずに提出されたものというものはございますでしょうか、教えてください。
○国務大臣(塩崎恭久君) これまで労働政策審議会の建議やあるいは答申を経ずに立法された例も皆無ではございません。最近の例では、内閣提出法案で労政審に対して報告するにとどまったものとして、次世代育成支援対策推進法、前通常国会において成立をした改正法については労政審での審議を経ていますが、その最初の制定時及び平成二十一年の改正時ですね、この間のときは経ていぬわけであります。
 しかし、基本的には、やはり労働関係の法律案というのは、先ほど来申し上げているように、基本的に労政審の議論をいただいて、その上で決めていく、立案するということが今後ともの姿勢であるというふうに申し上げたいと思います。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 私も、労政審の議論、議事録を読ませていただきました。しかし、今回は法案提出ありきであって、本当にこれは、私としては、今後、皆様方、今御答弁いただきましたように、聴取をしながら、いつも津田先生がおっしゃいますような公労使三者のしっかりとした議論の中、いい政策としていかなければならないものが、今回、大きな力がお上の方から降ってきて、何だかそれによって法案が既に、もう成立するから仕方なくその内容を詰めてくれというような形の議論だというふうに私は受け止めております。
 ですから、こういうことが、先ほども言ったように抜け道となって、いろんなことが、本当の慎重な議論を尽くさなければならない、しかし、我々のようなこの委員会の中でもなかなか議論されないまま多くのことが出ていってしまうような、こんなことがあっていいものかと、私は大変これに関しては憤って読ませていただいた内容でございます。
 特に、津田先生などが先ほども申されましたけれども、この雇用という問題は、全国皆様方、本当に確保して安全を担保していかなければならない。私も医療分野でございますけれども、多くの医療分野の中でも雇用を確保するのは大変でございます。そういう雇用の確保の中でも、安全で安心に働いていただくためにも、とても国としてももうこれは危機管理、安全保障の一環だとして考えてもよろしいかと思います。
 そういうものがやはり我々の目の触れないところでいきなり特区法の中で出てきて附則に付された、そのことによって法案ありきで安易にこのような法律に落とし込まれたということは今後あってはならない。だから、ここで重々私としては、今回の法案提出に至った経緯というものは私としては抗議をしたいというふうに考えております。
 では、私は次の問題に移らせていただきます。
 今回、附則ならば特区に関するというものであったはずなんですけれども、全国でまず実施することが適当という内容がこの附則に入ったということ自体がちょっと理解できないんですけれども、済みません、御説明いただけますでしょうか。
○政府参考人(富屋誠一郎君) 御指摘の有期雇用の特例につきましては、先ほど申し上げましたが、国家戦略特区における規制改革事項等を検討した結果、日本経済再生本部におきまして次のように書かれております。全国規模の規制改革として労働政策審議会において早急に検討を行い、その結果を踏まえ、平成二十六年通常国会に所要の法案を提出すると、こういう方針が経済再生本部で決定されておりまして、あわせて、この趣旨を特区関連法案に盛り込むということも併せて決定されております。
 こういった検討の経緯を踏まえまして、附則第二条一項にその旨を規定させていただいたものでございます。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 余りちょっとここに時間を取られますと次の特区のことが聞けなくなってしまいますので、次に移らせていただきたいと思いますけれども。
 今まで総合特区、そして構造改革特区というものが、政府の皆様方から生み出していただいたものなんですけれども、特にこの雇用特区というものが生まれることはございませんでした。雇用法制に関しまして全国一律でならなければならないという根拠、大臣の方からお聞かせいただきたいんですけれども、お願いいたします。
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど来繰り返し申し上げているように、雇用分野の基本的なルールである労働基準法とか労働契約法とか、こういうものにつきましては、一部の地域や企業を対象として試行的にルールを適用除外したり特例措置を講ずることについては、国民の勤労権を法の下で平等に保障するという必要性とか、あるいは企業間の公正な競争条件を確保する観点から、慎重に検討すべきものだということを先ほど津田先生の御質問にもお答えを申し上げたところでございます。
 厚労省としては、国家戦略特区に関する議論の中でもそうした旨を説明してまいったところでございます。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 では、雇用法制に関し、全国一律で実施されていない事例というもの、もしございましたら、政務官、教えてください。
○大臣政務官(高階恵美子君) 法定労働時間や労働安全衛生といった労働条件に関する基本的なルールについて、地域によりその適用に差を設けているという事例は承知してございません。
 なお、地域別最低賃金につきましては、最低賃金法第九条第二項によりまして、地域における労働者の生計費及び賃金等を考慮して定めることとされておりまして、同一のルールに基づき全国各地域において設定されているところでございます。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。私も最低賃金についても調べておりましたんですけれども、地域によって違う。
 さらに、もう一点、資料の二に付させていただいておりますけれども、農業等に従事する高齢者の就業時間、これは今回の国家戦略特区において規制緩和がなされたというふうに理解いたしておりますけれども、これは全国一律というような就労体系ではないと理解してよろしいですか。政務官、ちょっと。じゃ、大臣の方から、済みません、お願いいたします。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今御指摘がございましたが、今般の国家戦略特区において検討しております農業等に従事する高齢者の就業時間の柔軟化については、具体的にはシルバー人材センターの事業の業務範囲を定める規定についての特例ということの理解でございます。シルバー人材センター事業につきましては、高年齢退職者の生きがいの充実とか福祉の増進に資するものということで、それに加えて、民業圧迫あるいは一般の労働者の雇用の場を妨げることのないよう、高年齢者の雇用安定法においてその業務範囲を定めております。
 しかし、今般の特例においては、民業圧迫等が生じにくい地域についてのシルバー人材センターの業務の範囲を拡張することとしたものでございまして、したがって、本件は、一部の地域におけるシルバー人材センターの事業の業務範囲の拡張であって、労働条件などのような雇用分野の基本的なルールに影響を与えるというようなものではないという理解でございます。
○薬師寺みちよ君 私とちょっと少し見解が違いますけれども、これは地域によって少し格差を付けてしまうようなものでもある。この地域では働く時間が、こちらの地域ではまた働く時間が違うものが設定されるということですよね、大臣、いかがでしょう。
○政府参考人(広畑義久君) 働き方でございますけれども、高齢者でございましても登録型派遣で四十時間の雇用を、働くことができるわけでございますので、雇用者として見ますと日本全国どこでもできるんですが、先ほど大臣から御答弁申し上げましたようにシルバー人材センターの業務、シルバー人材センターの業務としては特例ということでございます。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。
 最低賃金も地域によって違って、結局、業務として、今回業務時間というものも地域によって違うということの特例を認めたということですよね。ですので、その地域によって違うものも様々生まれてきている。
 その中で、特区で規制緩和を行っていく意義というものはどういうものなのか。そして、全ての規制緩和というものをいきなり全国展開しないという理由を、済みません、教えていただけますでしょうか。
○政府参考人(富屋誠一郎君) 私ども、平成二十六年の二月二十五日に国家戦略特区の基本方針というのを閣議決定しておりますけれども、その中のちょっと記述を紹介させていただきますと、特区制度というのは、全国的には実現が困難な規制改革であっても、特定の要件を満たす区域を限定することにより、規制改革を実現してきた制度でありますが、従来の特区制度によっても十分に実現できなかった規制改革、いわゆる岩盤規制について、その規制改革を実行するための突破口として、国家戦略特区を創設したものであるというようなことが記述されております。このような特区制度を御理解いただければと思います。
 なお、国家戦略特区において措置された規制改革事項につきましては、その効果を定期的に評価することによりまして将来的に全国展開することも想定しておる仕組みでございます。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 先ほど岩盤規制という言葉が出てきましたけれども、我々特区で関わっていた者の岩盤省庁というのは厚労省であったということなんですね。なかなか、どんなに交渉しても医療や介護の分野というものは特区を認めていただけなくて大変苦労してまいりましたけれども、今回も、国家戦略特区、まずは地域でトライアルをし、そしてそれを、良ければ全国展開をすると。そのスキームは以前と変わらないかと思いますけれども、全国展開の道筋というものはもう既に描けているのかどうか、教えてください。
○政府参考人(富屋誠一郎君) 国家戦略特区の進め方について申し上げます。
 先ほど御紹介しました基本方針におきまして、国家戦略特区において措置された規制の特例措置につきましては、その実施状況について適切な評価を行って、その評価に基づきその成果を全国に広げていくことが必要であるというような考え方をそもそも示しております。
 その上で、国家戦略特区の進捗状況につきましては国家戦略特区会議において定期的に評価を行って、その結果について内閣総理大臣に報告をすることとしておりまして、その評価結果につきましては国家戦略特区諮問会議において検討していただくことになっております。特区で具体化された規制改革等につきましてもこの中で評価することを考えておりまして、国家戦略特区諮問会議において、総理主導の下で関係大臣とともにオープンな議論やその効果、問題点の検証を行った上で、将来的に全国展開することも想定をしておるということでございます。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 今お答えいただきましたように、特区の制度の中には、定期的に評価を行い、様々な進捗状況そして効果、それから、もし弊害が起こっていないかというチェックも、そういう機構が働いております。
 じゃ、今回のこの制度の中で、入口では厳しく事業主の計画をチェックをいたしますけれども、事後のチェックは行わないんでしょうか、教えてください。
○政府参考人(岡崎淳一君) この制度に関して、最初の段階で厚生労働大臣の認定というのがございます。ただ、それ以外に、認定された後につきまして、厚生労働大臣が当該事業主に対して必要な指導、助言を行うという法律案の第十条の規定、あるいは計画認定を受けた事業主から必要な報告を受けることができるという法案の第十一条の規定がございます。
 法律成立後、施行の段階におきましては、これらの規定も使いながらフォローアップについても対応をしていきたいというふうに考えております。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 もしも今回いただいた提案というのを国家戦略特区で実施したのであればと、たらればで考えてみましても、一定の期間特区内で実施した後に、経済波及効果や活用状況その他の効果、弊害などについても調査、評価され、弊害がないのであれば全国展開、弊害がある、若しくは利用されないのであれば廃止という道も考えられるということですよね。
 やはり、今回の規制緩和において様々な御提案をいただいている、その御提案を、やっぱり大事な宝でございますので、今回でも、できたら私は雇用特区というものをつくり、懸念材料を払拭した後に全国展開をするという、本来の特区制度にのっとった丁寧なプロセスを踏んでいただきまして、国民の理解も進めていただきたいなというふうなことを今回の法案を見てまず真っ先に考えました。
 今日は、ちょっと中身ではなくその入口の部分について議論をさせていただきましたので。
 ありがとうございました。
○山口和之君 みんなの党の山口和之でございます。
 今回の有期雇用特措法案の中で、無期転換ルールの特例、その中でも、定年後も引き続いて雇用される者というものがありますけれども、そのことによって雇い止めが減るという前提の下に質問させていただきます。
 資料一を見ていただきたいんですけれども、資料一、「高年齢者の高い就業意欲」という資料ですが、これを見ますと、六十五歳以上まで働きたいと回答した人が約九割、これは二〇〇八年ですね、六十五歳以上まで働きたい人が九割です。要介護者、元気高齢者の比率を見ますと、要介護高齢者は大体二割ぐらい、あとの八割は元気高齢者ということになっておりますので、そういった意味から、この九割の方が、働けるうちは働きたいという方が一番多いんですけれども、そういった方がいることは当たり前のような気がします。
 また、資料の二を見ていただきたいんですが、資料の二を見ていただきますと、就業したいという理由なんですが、どちらかというと、生きがい、社会参加のためというよりは、生活の糧を得るためということなので、その辺についてはちょっといろいろあるかもしれませんけれども、いずれにしても、生活の糧を得て、それで生きがい、社会参加があって、あと、健康でいたいから、健康にいいからというような回答が複数回答で得られております。
 そういうふうに考えていきますと、経済的に働きたいという人も多いんですけれども、そうした状況に対する意味でも、今回の特措法において高齢者が継続して働きやすい環境を整備するということは、とても自分としてはよい方向なのではないかと考えております。そのことについて大臣の見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 先生御指摘のように、高齢者が引き続いて働くというのは大変すばらしいことだと思います。
 高齢者の六十五歳までの雇用機会の確保については、高年齢者雇用安定法で制度が整備をされているわけでありまして、今回の特措法におきましては定年後引き続いて雇用される高齢者を特例の対象とするということで、六十五歳時点で雇い止めされることなく、六十五歳以降も継続して雇用が図られる環境整備に資するものであると考えておりまして、高齢者の労働参加の拡大やそれから企業における継続的な雇用を通じて、活力ある社会を実現することにつながるのではないかというふうに考えております。
○山口和之君 ありがとうございます。
 元々、六十歳や六十五歳で切っていくんですけれども、昔と違って今の高齢者の方々は非常に元気で体力もあって、そういう意味では、生産力として考え、生産人口としてしっかりと高齢者の方、高齢者と言うからちょっと何となく働き手に見えないんですけれども、働きたい方がちゃんと働けると思うんですね。しっかりとメンテナンスと言ったら失礼かもしれませんけれども、(発言する者あり)それはそうですよ、車でもしっかりと走って、クラシックカーが走るためにはしっかりとしたメンテナンスが必要になってくるんですけれども、昔の考えと違って、少しシフトさせて、労働人口というものを七十歳あるいは七十五歳というふうに考えるのも一つの大きなメリットというか、国としての使命なのではないかなというふうにも考えます。
 八割が元気な高齢者です。前期高齢者の方々に支える側に回っていただくということは、この日本の状況から見ても、生産力の向上、余り話したくはありませんけれども税収のアップということが行われるのではないかなというふうに思っています。あと、定年制というのがあるんですけれども、定年制、年齢による一方で強制的な退職勧告みたいな感じもありますし、働けるうちは働いて、雇用者も必要だと思って、労働者も働きたいという、これが一致すれば一番いいわけですから、これがかなう国であったらいいなというふうに自分は思います。
 そこで、就業の理由の中、資料の二を見ていただくと、先ほども申し上げましたけれども、健康のためという方も非常に多いんですね。健康のために働きたいという方もいらっしゃいます。高齢者の有業率と健康寿命の関係について厚生労働省としてはどのような見解を持っているか、お聞かせ願いたいと思います。
○政府参考人(広畑義久君) お答え申し上げます。
 高齢者の有業率と健康寿命の関係について明確な因果関係を認めた調査研究は残念ながら承知をしておりませんけれども、御指摘のように、高齢者の就業理由の調査結果では、健康のために働きたいとする方も多いと思っております。特に、この先生御指摘の資料二でございますと、多分団塊の世代は今六十から六十四のブラケットに入っていると思いますが、これがどんどん六十五から六十九の方に移ってまいります。御指摘のように、六十歳から六十四歳においては経済的な理由から就業を希望する者が多かったのが、六十五歳から六十九歳になりますと経済的な理由よりもむしろ健康のためにという就業を希望する者が増えるという、そういう結果になっておるのかなと思ってございます。
 厚生労働省といたしましては、希望に応じて高齢期になっても働き続けることができるような環境の整備が重要であると考えております。今回の特措法もそうでございますし、シルバー人材センターの活用なども含めて、高齢者の就業機会の確保に積極的に取り組んでまいりたいと思っております。
○山口和之君 我が国は、超高齢化社会を迎えて、課題先進国として世界に見本を見せていかなければいけないというふうなところであります。
 そこで、健康寿命を考えてみますと、健康寿命は男性では七十一歳、女性では七十四歳と。男性の場合、平均寿命まであと九年、あるいは女性は十二年とあります。そこの健康寿命を延ばすことは、厚生労働省としては課題として非常に重要な課題なわけで、この労働と健康あるいは健康寿命というのを切り離して考えてはやはりいけないものだと思います。
 そういうことから考えていくと、どのような環境を整備していくことがこの健康寿命の延伸に寄与するか、そういうことも含めて、課題先進国としてのその課題を解決するための手法としてこれをしっかり確立していかなければいけないのだと思います。
 平成十六年に老人保健事業の見直しに関する検討会、そちらにいらっしゃる石井みどり先生も委員でございましたけれども、その中で、生活習慣病予防と介護予防の新たな展開についてこの中で提言されていることは、六十五歳まで健康でいましょうじゃなくて、活動的な八十五歳を目指しましょうということであります。働くことがイコールではありませんけれども、いろんな、多様な生きがいであったり、活躍する場所であったり、活動する場所であったり、労働以外のことも含めて総合的に厚生労働省としては検討していくことが日本にとっても世界にとっても大切なことだと思いますので、是非この分野も検討していただければと思います。
 以上です。ありがとうございました。
○東徹君 維新の党の東徹でございます。
 今回、有期の業務に就く高度専門知識を有する有期雇用労働者等について、労働契約法に基づく無期転換申込権発生までの期間に関する特例を設けるということですけれども、この労働契約法十八条には、同一労働者との間で有期労働契約が繰り返し更新されて通算五年を超えた場合は、労働者の申込みにより無期労働契約に転換できるということになっております。
 その特例の対象者でありますが、一つは、五年を超える一定の期間内に完了することが予定されている業務に就く高度専門的知識等を有する有期雇用労働者、二つ目は、定年後に有期契約で継続雇用される高齢者ということで二つあるわけですけれども、先ほどから山口委員の方からも話がありましたが、定年後に有期契約で継続雇用される高齢者、これは非常に分かるのかなというふうに思っておりまして、これからの少子高齢社会をやっぱり乗り切っていくためには、やっぱり年齢に関係なく高齢であっても働くことのできるやっぱり環境をつくっていくということが非常に大事だというふうに思っております。
 そんなところで、高齢者については非常に大事なのかなと。定年を超えても、それは五年を超えて無期となったら、それはなかなか雇用者側としてもなかなか厳しく判断するんじゃないのかなというふうなところで分かるのは分かるんですが、その高度専門職についてなんですけれども、今回なぜその高度専門職を特例の対象とするのか、この点について、特措法の提出理由と併せて、まずお伺いしたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今先生御指摘のように、今回の特措法として特別な扱いをするのは二種類、二分野あって、高齢者については先生も御納得ということでございますが、この高度の専門的知識等を有する労働者につきましては、一定の期間内に完了するプロジェクトに繰り返し従事しながらキャリアアップを重ねるケースといったことも考えられるというふうに思います。
 こうした労働者が自ら能力の維持向上に取り組むことを支援をする、そして、その能力をプロジェクトの中で有効に発揮できるようにするため本法案におきまして無期転換ルールの特例等の対象としたところでございまして、こうした特例を通じて高度専門職の新たな働き方の下で活躍が進んでまいりますと企業活動の更なる活性化が図られるんじゃないか、そして産業の更なる発展と活力ある社会経済の実現に資するのではないかというようなことで、今回、この高度専門職につきましては無期転換ルールの特例を与えようというふうになったというふうに理解をしております。
○東徹君 この高度専門職についてなんですけれども、これも先ほどから言われておりますが、国家戦略特区法附則二条に基づいて定められているもので、その具体的な範囲については、労働政策審議会で議論を経て厚生労働省令で定めるとのことというふうになっております。この点、衆議院厚労委員会でも、議論の中でも、労働基準法第十四条の労働契約期間の特例の対象者を参考に、法案成立後、労働政策審議会で議論すると、当時、前大臣もこう答弁されております。
 この高度専門職としての特例の対象となる人、先ほど大臣の方からも一定の期間のプロジェクトというふうな話がありました。国会の審議の中でも何かオリンピックの話もよく出ておりまして、でも、オリンピックもそんなに五年を超えて、今はもう二〇一四年ですからあと六年ぐらいしかないわけですけれども、どれだけいるのかな、そんなにいるのかなというふうに考えるわけでありまして、この高度専門職としての特例となる、対象となる人、どのような人が想定され、どの程度いるというふうに想定しているのか、この点についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど高度専門職の具体的な事例ということでございましたが、企業に対するヒアリング結果を見ますと、例えば新規事業化の試行、検証のためのプロジェクト、受注案件や事業展開に応じたプロジェクトにおいて、例えば法務あるいは財務、こういったところのスペシャリスト等の高い専門性を持つ働く方へのニーズが見られておりまして、本法案が施行されればこうしたニーズに応えることができるのではないかというふうに考えているところでございます。
 また、高度専門職の専門的知識や年収等の具体的な要件というのは、先ほど来お話が出ておりますように、法案成立後に労政審の検討を経て省令等で定めることになっておりまして、現時点でその人数を正確に見通すということはなかなか困難だというふうに思いますが、平成二十三年度の有期労働契約に関する実態調査、個人調査でありますが、によりますと、有期契約労働者全体のうち高度技能活用型と呼ばれている方々は三・六%でございまして、そのうちさらに年収一千万円以上の者というのは、そのまた二・一%ということになっております。
 平成二十五年現在の有期契約労働者が一千四百四十二万人ということをベースに考えますと、高度技能活用型で、なおかつ年収一千万円以上の者を推計いたしますと約一万一千人弱となりまして、このうち今申し上げた五年超のプロジェクトに従事する者が今回の特例の対象になり得るというふうに考えるところでございます。
○東徹君 ある程度、それぐらいの人数はいるじゃないかというふうなことだと思うんですが。
 それで、今度は高度専門職に該当する人の範囲のことについてお伺いしたいと思うんですが。
 この高度専門職に該当する人の範囲については厚生労働省令で定めるということは、その時々の経済情勢にも合わせて、理由などを付けて厚生労働省の一存でその範囲を変更することもできるのではないのかというふうに思います。なぜこの高度専門職の範囲を本特措法に書き込むのではなくて厚生労働省令で定めることとするのか、まずその見解をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(岡崎淳一君) 高度専門職の対象の基本的な考え方につきましては、法案の二条一項におきまして、「専門的な知識、技術又は経験であって、高度のものとして」ということで考え方は示したところでございます。しかしながら、これにどういうものが当たるかということにつきましては、技術の進歩とか、あるいはそういうことに関わっての資格制度の状況とか、いろんなことによって変わってくる部分もあるのではないかというふうに思っています。
 現に、今回、審議会で参考にするということになっております労働基準法第十四条の方におきましても、基本的な考え方は法律で書いてありますが、具体的には省令で定めるという形になっている。やはり、こういうものを定めるということにつきましては、法律で全部書き切るというのはなかなか難しいんではないかというふうに考えております。
 それから、厚生労働省の一存というお話がありましたが、これにつきましてはきちんと労働政策審議会におきまして労使の議論を経てということにしておりますので、決して厚労省が勝手にということではなくて、現場の実態をよく知っております労使にしっかりと御議論いただいた上で決めていきたいというふうに考えております。
○東徹君 それでは、厚生労働省として、具体的にどういった場合に高度専門職の範囲を変更するということを想定しているのか、また、その対象者の変更に対する内規なんかを定めるのか。その点について、ちょっと具体的にお聞かせいただければと思います。
○政府参考人(岡崎淳一君) まず、これから具体的に定める段階でございますので、まず労政審での建議の中にありますように、基準法十四条の例を参考にしながら、労使にしっかりと議論していただくと。その後、いろんな状況が変化して、見直しをどうするかということにつきましては、これはむしろ労使の方からいろんな御意見があったり、その他状況の変化ということで御提案等があれば見直すということになるかと思いますが、現時点におきまして厚生労働省で、じゃ、こういう場合ということを具体的に定めるということは予定していないところでございます。
○東徹君 分かりました。
 では、続いて、本法案の特例で対象者とされている高度専門職ですけれども、高い年収で事業者と対等な立場で交渉ができることということを想定できるというふうなこともこれまでの議論の中であったと思うんですが、無期転換ルールという規制を緩和することができるということも考えられます。
 そのような高度専門職の方に、この特措法上、教育訓練を受けるための有給休暇の付与ということが盛り込まれているわけですけれども、そもそもこういう高度専門職の方というのはそういう能力向上の機会というものが要るのかなというふうに思うわけですが、無期転換ルールの特例の対象とするのではないのか、特措法上の能力向上の機会の付与を義務付けている理由について伺いたいと思います。
○政府参考人(岡崎淳一君) 今回の対象につきましては、高度の専門性とそれから年収要件ということで、使用者との交渉能力等についても一定の水準の方ということでは考えているところではございます。
 しかしながら、一方で、一定の期間内に完了するプロジェクトで経験を積みながら次のステップアップをしていくということを想定しているわけでありますので、それらの方々につきましても、その時点ではそれなりの能力を持っているということであったとしても、やはりステップアップをしていくためには、次を目指した能力開発の機会というのは、ある意味、こういう方々にとっては重要ではないかと。これは、労政審の中でどういう方を認めていくかという要件の中で議論された結果でございますので、私どももそういう考え方に基づきまして、今回、その計画の認定の際の考え方としてそういうことを要件に法案に入れてきていると、こういうことでございます。
○東徹君 なかなかその辺のところがよく分かりにくいところでありまして、先ほど塩崎大臣の方からも、例えば法務とか財務とかのそういった専門職の方というふうな話がありました。そういった方々というのは、今更能力向上のための教育訓練を受けるということは余り考えられないんじゃないのかなと、こういうふうに思うわけですね。
 この能力向上の機会の付与については、キャリア形成助成金という既存の制度を拡充することで対応するということでありますけれども、どの程度の予算を掛けて、どのような効果をこれによって出そうとしていくのか。余計ますますちょっと分かりにくいなというふうに思っておりまして、元々高度専門職の方々がキャリア形成助成金という既存の制度を使って能力を向上していく、ちょっとこの辺、非常に分かりにくいんですが、これはどういうことですか。
○政府参考人(岡崎淳一君) 例えば、弁護士資格を有している方であっても、様々に法務の世界も変わっていくというふうなことがあると思っておりまして、そういう中で最新の状況をきちんと研修を受けていくということはあり得るんではないかと。それがどういうものかということについては、専門職でありますので、それぞれの方々が選んでやっていくということが中心だろうというふうには思っております。
 そういう中で、キャリア形成助成金の話もあります。これにつきましては、どちらかというと会社の方で提供するということでありますので、これを使われるようなことも想定しながら、あるいは、より自己研さんということにつきましては、別のやり方を含めて、むしろ休暇を与えるということで対応できるという方もいると思います。そこのところは、全員がキャリア形成助成金ということではなくて、それぞれの方々の状況に応じて事業主がしっかりとした支援をしていくということを考えております。
 その中で、キャリア形成助成金が適切な方につきましては、これはどういう方々か、これから審議会で決めていくわけでございますので、そういった状況を見ながら支援の在り方は具体的には検討していきたいというふうに考えております。
○東徹君 ちょっと質問の中で、そのキャリア形成助成金という制度、拡充するということで、どの程度予算を掛けていくんですかというふうなこともちょっと聞かせていただいたんですが、その点について、ちょっと抜けていると思うんですが。
○政府参考人(岡崎淳一君) キャリア形成助成金自体は、一般の労働者の方を含めて全体の制度としてはできているものでございます。このうち、今回の対象になる方々がどのくらいで、どのくらいの方が利用するかどうか等につきましては、具体的に審議会の中で対象を決めていく中で支援の在り方を考えていく、その中で必要な予算等についても考えていきたいと。要するに、現時点で想定しているということではないということでございます。
○東徹君 非常に分かりにくいのは、一方では、一定期間のプロジェクトをやるために法務とか財務とかのもう本当にスペシャリストの人たちが対象だというようなことである一方、もう一つは、やっぱり教育向上のための有給休暇の期間があるとか、その中でキャリア形成助成金を使って勉強していくというふうなことなんですよね。何か非常にこれは矛盾しているような感じがするんですが、ここは非常に納得しないんですが、何かちょっと、どうなんでしょう、そこは。
○政府参考人(岡崎淳一君) ここは、いろんな方々が、あるいはいろんな専門職種があると思います。弁護士の世界は弁護士の世界で、最新の法令あるいは裁判例等々の中でどういう考え方が適切かどうか、財務の世界でも、いろいろ会計基準の話もあると思います。
 そういったものを、キャリア形成助成金という形にならない場合も多いと思いますが、そういう学会とか研究会とか、そういった中でそういったものにキャッチアップするようなことを、そのためには、やっぱり休みを取れるということはある程度必要ではないかというふうに思っていますので、したがいまして、キャリア形成助成金だけということではなくて、休暇の取得とか、始業時間、終業時間の配慮とか、そういったことを含めて、その専門職に適した能力開発の支援を事業主の方にしていただく、こういう考え方になっているということでございます。
○東徹君 今回、この特措法案が成立した場合でありますけれども、来年の四月一日にこれは施行されるということになっております。非常にこれ、余り時間がないんじゃないのかなというふうに思っておりまして、法案成立後、無期転換ルールの特例の対象者のこれは範囲を、これを労働政策審議会で審議していくわけですから、ある一定の時間も必要になってくるというふうに思っておりますし、この労働政策審議会では十分その対象者を範囲を詰めていくわけですけれども、どのような形でこれが審議されていくのか、スケジュール感、そしてまた、審議会で決定された内容をどのように周知するのか、二点併せてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(岡崎淳一君) 対象者につきましては、法案成立後、もう一回しっかりと審議会では議論をしていただく必要があるというふうには認識しております。
 ただ、一方では、建議の段階である程度労使の委員の中で共通の理解もあるところでございます。
 そういった中で、できるだけスムーズに審議会の中で結論を得るように努力したいということと、やはり周知は重要だというふうに思っていますので、これは決まり次第、全国的に説明会を開催する等の中でしっかりとした周知に努めてまいりたいというふうに考えております。
○東徹君 その全国的に説明会というのは、どういったところで、どういうふうに説明会を行っていくのか、もう少しちょっと伺いたいと思います。
○委員長(丸川珠代君) 時間ですので、簡潔にお願いします。
○政府参考人(岡崎淳一君) 少なくとも、各県ではしっかりとやっていきたいというふうに考えております。
○東徹君 時間ですので、終わらせていただきます。ありがとうございました。
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 今回の法案は、有期労働契約が通算して五年を経過した場合に労働者の申込みによって期間の定めのない雇用に転換する、いわゆる無期転換権を十年に延長する特例をつくると。しかし、そもそもこの無期転換権というのは、有期労働契約の反復更新の下で生じる雇い止めに対する不安を解消し、働く方が安心して働き続けることができるようにするためということで制定されているわけで、言わば有期から無期へ、非正規から正社員へ、本当に数少ない仕組みですよ。数少ないルートですよ。それに穴を空けてしまう。
 しかも、この五年後の無期転換ルールというのは去年の四月に始まったばかりで、施行後一年半しかたっていないわけですから、これ改正効果がまだ出てきていない。先ほど高階政務官も、そういった形で無期になった人は把握していないというふうに答弁もされました。労政審でも、無期転換ルールを見直すべき立法事実すらつかめていない中で、一方的に見直し提案があったと批判されているわけです。
 厚労省に聞きますが、これまでの労働法で、成立した法律が実際にその効果を現す前にその法律を改定する、こんなことはありましたか。
○政府参考人(岡崎淳一君) これまでの労働関係法令、成立したものについて見ますと、今回のような形で本格的な効果が出ていない段階で改正しているという例はございませんでした。
 ただ、今回、別途、労働者派遣法改正法案が提出されておりますが、これにつきましては施行の効果が及ぶ前の制度改正事項も含まれているということでございます。
○小池晃君 実施されるのを待たずに例外つくる、規制緩和を進めるというのは、私は本当に拙速過ぎると思うし、はしなくも派遣法ということをおっしゃった。派遣法はそうなっているわけですね。
 結局、最近の厚生労働省の法案の作り方というのは、こんなことを平気でどんどんどんどんやるというふうになってきているんじゃないだろうか。国会の審議をやっぱり軽んじるものだと思いますよ、これは、やり方そのものが。
 しかも、この本法案では、無期転換権を十年まで付与しない対象を年収要件などを大臣告示で変更できるというふうになっているわけです。先ほどから労政審でやる、労政審でやるというふうにおっしゃるわけですが、例えば年収一千万円超のうち高度の専門知識というふうになると三・六%、労働者数で一万一千人程度なのが、五百万円超にすると同じ調査で一〇・四%と約五倍になる。かなり違うわけですね。私、少なくとも、これを国会審議を経ずに変えるようなことをやっていいんだろうかというふうに思うんですよ。
 先ほど局長は、労基法の十四条もそうなっていますというふうにおっしゃった。ただ、その労基法の十四条というのは、これは有期雇用契約の上限を三年から五年等に延長するものですよね。一方で、今回の措置というのは、これは無期転換権という労働者の権利を全国規模で奪うわけですよ。そういう意味では、これは労働者の権利に非常に関わる、一層厳格にすべきものであることは私は間違いないと思うんです。
 大臣、せめてこの要件をやはり国会審議が必要な法律要件にすべきだったんじゃないですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 高度専門職の具体的な要件のうち、この高度の専門的知識、技術又は経験につきましては、労働基準法第十四条に基づく一回の労働契約の期間の特例の対象を参考にして、法案成立後改めて労政審において検討することとしております。こうした本年二月の労政審の建議で示された考え方の枠内で検討を行うことは労使の共通理解であるため、対象が一定の範囲を超えて拡大するおそれはないというふうに考えているところでございます。
 先ほど触れた労働基準法第十四条におきましても、具体的な対象者の要件は下位法令に委任をされておりまして、こうした先例と比べても、省令等に委任することに問題はなく、国会承認を求めることは必要ないものというふうに考えております。
○小池晃君 いや、だから、私さっき言ったみたいに、労基法十四条をそのままこれに当てはめるのはおかしいんじゃないですかと。こういう労働者の権利を奪うようなもの、しかも労政審、労政審とおっしゃる。それはもう当然やらなきゃいけないけれども、それは当然ですよ。
 しかし、これだけやっぱり労働者の権利に関わる、せっかくその権利を拡大する法律を作って、実施もしていないうちにこれをまた例外作るという。だったらば、その要件ぐらいは厳格にする、ただ単に労政審で議論するだけではなくて、やっぱり国会承認事項にする、せめてそのくらいしないと、これはどんどんどんどんこの穴が広がっていくということになるんじゃないかということを大変懸念をしているわけです。それは、先ほどからもそういう指摘、相次いでいると思うんですね。
 私、やっぱり、そもそもこの法案は出発点がおかしいというふうに思います。国家戦略特区法の附則の二条で、これを、必要な措置を講ずるとして、法律の中に、特定措置を講ずるために必要な法律案を平成二十六年通常国会に提出することを目指すと。こんなの異常ですよ、やっぱり。全く関係のない内閣委員会で作る法律で厚生労働委員会で議論すべき法律の提出時期まで示していくと。
 これは、やり方には労政審の労働側委員からも、国家戦略特区ワーキンググループというのは、これは労使の代表入っていないわけですから、政府が示した御都合のいい人だけ集めて仲よしグループでやった結論でしょう、これ、結局。これは非公開の会議ですよね。そこで見直し方針が決定されてこういうふうに進んできていることは極めて遺憾であると、私も本当にそう思います。
 日本はILO条約百四十四号を批准をして、公労使三者構成で労働政策立法をやるという大原則、それは先ほどからも大臣もそれは変えないとおっしゃっているけれども、でも、特区法で個別労働法に対して次期通常国会までに成案を得るようというふうに枠を決めてやるようなやり方したら、幾ら労政審でやりますといったって、これはあらかじめその結論を拘束する、出口は示すということになっちゃっているわけですよ。私は、大臣はきちんと議論した、六回やった、六回やったと言うけれども、これでは労政審は通過儀式になってしまいますよ。これでいいんですかと。
 大臣、こういう労働政策立法のやり方を私は今後、厚生労働省としては絶対に許すべきではないというふうに思いますが、いかがですか、大臣。
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど来御説明申し上げているように、プロセスは先生の御指摘になった点がもちろんあるわけでありますけれども、この国家戦略特別区域法附則第二条において、一定の期間内に完了する業務に就く高度な専門的知識等を有する労働者を対象に、労働契約法第十八条の通算契約期間の在り方等について労働政策審議会で検討を行って、所要の法律案の提出を目指す旨が規定をされているということに対して先生は今御指摘をされているわけですね。
 今回は、戦略特区ということについての問題提起から、それを受けて労政審で議論をしたという格好でありますが、労政審で、先ほど申し上げたように、特別部会をつくって六回やってきた。それは当然、労使が入って集中的に検討を行ってもらって、そしてその結果として法律の形ができてきたという格好でありまして、その間、国家戦略特区法の検討規定の範囲にとどまらずに、使用者側からは定年後の高齢者についても労働契約法の特例を検討すべきという提案が出てきたり、あるいは労働者側からは労働契約法の無期転換ルールの円滑な施行についても検討すべきというふうなことも意見として出されまして、それらの課題への対応の在り方についても併せて検討を行った上で建議を取りまとめていただいて、その上で本法案の提出をその建議を受けて行ったものでありまして、あらかじめ枠がはめられているという御指摘は、今のこういった追加的な提案、それも法律にそれがなるという形でもっているわけでありますから、枠がはめられて事前的に行われているという御指摘は当たらないんじゃないかなというふうに思います。
○小池晃君 いや、当たりますよ、当たります。
 これ、僕は、僕が怒るんじゃなくて厚生労働省が怒らないといけないと思いますよ。こんなやり方というのは、厚生労働省は一体何のためにあるのかと。内閣府、内閣府といったって、結局何か財界代表が内閣府の皮かぶっているような、まあ、そこまで言うとちょっとあれですけれども、そういうところだってあるわけだから、それはやっぱり厚生労働省がこんなやり方したら、けしからぬと蹴飛ばすぐらいじゃなきゃ厚生労働省の存在意義ないですよ。私は、やっぱりこういうやり方をこれからどんどんどんどんやるようなことをやっちゃいけないと。
 この法案についても、やっぱり出どころが本当に大問題だということは申し上げたい。引き続きちょっとまた質問の機会もあるので、法案の中身については引き続きやりたいと思うんですが。
 大臣、前回の委員会で、雇用維持型から労働移動支援型への政策転換というふうにおっしゃった。厚労省に聞きますが、労働移動支援助成金、今年度予算から大幅に増額されて対象を大企業にも広げて、仮に再就職できなくても再就職支援会社に費用を出せる。今年度の予算額と来年度の要求額はどれだけか。それから、助成金の対象となり得る再就職援助計画の対象者数は直近で何人になっていますか。
○政府参考人(生田正之君) お答えいたします。
 労働移動支援助成金の今年度の予算額は三百一億円でございまして、平成二十七年度の予算要求額は三百六十三億円でございます。それから、直近の数字が平成二十五年度でございますけれども、ハローワークで認定した再就職援助計画の対象者数は五万四千四百五十七名でございます。
○小池晃君 これ、急速に拡大しているんですよね。平成二十五年度は一・九億円ですよ。補正では三・八億円だったのが九十倍以上になってきている。私は、これが本当に違法なリストラに使われない保証はないのではないかというふうに大変懸念をしております。
 実態についてちょっとお話をしたいんですが、政府の労働移動支援型への政策転換ということで、違法、無法なリストラが広がっています。多くの女性労働者、介護などの家族責任を負った労働者が退職させられています。
 最初に厚労省に確認しますが、育児・介護休業法の二十六条は、子の養育、家族の介護を行うことが困難となる場合、これは配慮をしなければならないというふうに書いてあります。ここで言う配慮というのは何ですか。労働者や事業主から事情を聞けば、それで配慮したと、そのことのみをもって配慮したということになりますか。
○政府参考人(安藤よし子君) お答え申し上げます。
 育児・介護休業法第二十六条は、就業の場所の変更を伴う労働者の配置変更を行う場合に、それにより子育てや介護をしながら働き続けることが困難となる労働者がいるときは、その労働者の子の養育や介護の状況に配慮することを事業主に求めているものでございます。
 この場合の配慮とは、就業の場所の変更を伴う配置転換を行う場合に、当該労働者について子の養育又は家族の介護を行うことが困難とならないよう意を用いることをいうものでございますが、配置の変更をしないといった配置そのものについての結果や、育児や介護の負担を軽減するための積極的な措置を講ずることまでを事業主に求めるものではないとされているところでございます。
 具体的な配慮の内容といたしましては、指針において、当該労働者の子の養育又は家族の介護の状況を把握すること、労働者本人の意向をしんしゃくすること、配置の変更で就業の場所の変更を伴うものをした場合の子の養育又は家族の介護の代替手段の有無の確認を行うことなどが例示をされておりまして、就業場所の変更を伴う配置転換をする場合には、こうしたことを行うように事業主に対する助言、指導を行っているところでございます。
○小池晃君 いや、だから、事情を聞いただけで、それで配慮したということになりませんねと。
○政府参考人(安藤よし子君) 育児・介護休業法第二十六条は、事業主に配慮することを求めるものであって、配置の変更をしないといった配置そのものについての結果を直接求めるものではないと考えております。具体的な配慮の内容については先ほどお答えしたとおりでございますが、これらを踏まえて、事業主が配置の変更について判断することにより配慮がなされるものと考えております。
○小池晃君 もうちょっと、雇児局長だったらやっぱり女性労働者を守る立場で答弁してくれなきゃ困りますよ。今のは本当に形式的だと思います。
 今、実態何が起こっているかというと、工場閉鎖、ロックアウト解雇、追い出し部屋、退職強要。大手電機のリストラは既に二十四万人と言われています。半導体メーカーのルネサスが、既に二万人辞めさせて、新たに五千四百人のリストラを来年春までに進めるために、今、退職強要、大量の遠隔地配転を強行しています。
 二人の女性のお話聞きました。これ、五十代の正社員の彼女らは、勤務するルネサスの東京小平市の武蔵事業所から繰り返し退職強要面談を受けた。断ったらば、高崎の事業所に十月から遠距離配置転換を指示されています。当事者は中高生の子育て中です。遠距離通勤はとても無理だということで、二十六条に基づく助言、指導を東京労働局に求めました。しかし、労働局は、二十六条に基づく助言、指導はしないと、そう回答をした。企業側は、十月から、一人は新幹線で二時間半掛けて、もう一人は高速道路を使ってやはり二時間以上自動車通勤を迫って、拒否すれば解雇だと、こういうふうになっているんですね。
 問題は、紛争処理制度の中での労働局の対応ですけど、事実経過を言いますと、労働者は九月十八日に東京労働局に申告しています。東京労働局の雇用均等室は、九月二十二日にルネサス側から事情を聞いています。ところが、会社は、翌日祝日だったので、その日を挟んだ翌二十四日に女性労働者二人に解雇予告通知を渡した。解雇か配転かの二者択一を迫っている。会社側は、東京労働局から差し控えるべき指導はなかったと言っています。二十二日に企業側から事情を聞いたばかりだから、聞き取り協議始まったばかりで会社側は一方的に解雇予告通知を出したんですよ。
 雇用均等室、これ認めてしまったとしたら、何のための制度なんですかということになるじゃないですか。局長、これで配慮したということになるんですか、二十六条に基づく。
○政府参考人(安藤よし子君) 個別の企業に関する事案の詳細についてお答えすることは差し控えさせていただきたく存じますが、一般論として、雇用均等室におきましては、労働者から具体的な相談があった場合に、相談内容を伺った上で、また会社からも事情聴取を行うなど双方からの事実確認を行った上で、法令、指針に定める事項に照らし適切な対応がなされているか判断を行い、法違反が認められる場合には助言、指導による是正指導を行っているところでございます。
 また、法違反に必ずしも当たらないと判断されるような場合であっても、相談者の希望があれば、紛争解決援助制度の下で助言、指導、勧告又は調停といった制度を活用して、個別紛争の解決の支援を行っているところでございます。
○小池晃君 だから、会社側から事情を聞いた事実上翌日に解雇予告通知出すことを認めるなんて、これでいいんですかと言っているんですよ。こんなことあり得ないでしょう。
○政府参考人(安藤よし子君) 個別の事案における判断についてお答えすることは控えさせていただきますけれども、一般的には、法違反の有無については、状況把握などの内容や経緯などを事業主から聴取して総合的に判断をさせていただいているところでございます。
○小池晃君 ちょっと駄目ですよ、局長がこんなこと言っているようじゃ、何が女性が輝く社会ですか、女性が活躍できる社会ですか。現場の労働行政でこんなことやっていたら、女性労働者の人権なんて守れないですよ。
 大臣、電車通勤では始業時間に間に合わないからといって、結局、東京青梅市から高速道路で通勤を昨日から始めたそうです。とてもでも続けられないとおっしゃっている。ルネサス側は、高速道路料金の約月十万円までは自己負担だと、こう言っている。均等室は、高速道路料金を会社に一部負担させることはできると言っている。ちょっと、こういう話でいいんですか。
 大臣、この育児・介護休業法の目的というのは、育児休業、介護休業だけじゃなくて、職業生活と家庭生活との両立に寄与をすると、その趣旨に沿って仕事するのが雇用均等室の仕事じゃありませんか。ところが、今言うように、ほとんど雇児局長の役割果たしていないですよ。これでいいんですか。大臣、これ事情をしっかり調査をしていただきたい。やっぱり現場ではこんなことが起こっている。まさに均等室が会社側の代理人のような役割を果たしているじゃないですか。
 大臣は、前回のこの委員会で、全ての女性がそれぞれの希望に応じて働ける、そして個性と能力を発揮できる、子育てや介護と仕事の両立が可能な雇用環境整備が大事だというふうに答弁されました。ところが、今現場ではこういうことが起こっているわけです。大臣、今私、事実経過、これもう明らかですから。要するに、会社側の事情を聞いたその翌々日に解雇予告通知出させちゃったわけですから、これはもう否定できない事実ですからね。
 大臣、こんなことでいいんだろうか。これしっかり調査をしていただきたいのと、やっぱりこんなことで女性の労働者の権利を守ることができるのかどうか。私は、こういう労働行政の在り方を見直すべきだと思いますが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど来局長から申し上げているように、個別の事案でありますから、判断についてお答えを直接するのは差し控えたいと思いますけれども。
 当該事案については援助が終了したとは承知をしておりません。東京労働局に対しては、引き続き公平で中立な立場で援助するように指導してまいりたいというふうに思っております。
○小池晃君 東京労働局側は助言、指導しないと通告しているんですよ。じゃ、これ撤回させてください。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今申し上げたのは、公平中立な立場で引き続いて援助するように指導してまいりたいと、こう申し上げたんですが。
○小池晃君 ちょっと、こんなのでいいんですか。私、これは労働行政について全体の問題で、こういうでたらめなやり方を許しちゃいけないというふうに思いますよ。こんなことがまかり通ったら法律も何もないじゃないですか。これちょっと……(発言する者あり)
○委員長(丸川珠代君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(丸川珠代君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど来申し上げているように、これは法律違反の事案ではございませんで、あくまでも労働局が援助をするということでやっているわけでありますが、今、小池先生のお話でもございますので、もう一回事実関係を調べるということはやってもいいかなというふうに思っておりますので、指示をいたしたいというふうに思います。
○小池晃君 じゃ、調査していただきたいというふうに申し上げます。
 終わります。
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 有期雇用に入る前に、どうしても聞きたいことがあるので質問いたします。
 前回、ビキニ水爆実験の被曝の問題についてお聞きをいたしました。尊敬する塩崎大臣は持ち帰ると言ってくださったので、その後どうなりましたでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 長いお付き合いの福島先生でありますので、しっかり持ち帰ってきました。
 前回の委員会で先生から御指摘を受けまして、また、本件に関して長年調査をされている方々がおられますが、そういう方々の御意見もお聞きをしているところでございまして、一方で、前回の委員会で政務官等が答弁したとおり、第五福竜丸以外の船員の方々に対しましては、その当時、適切な医療的対応が行われていた、あるいは当時把握されていた被曝量は国際基準と比べ低い水準であったと考えておりますが、いずれにしても様々な御指摘について整理をさせていただいているところでございまして、引き続きその作業を今させているところでございます。
○福島みずほ君 昭和二十九年五月二十七日の厚生の書面が、岩手県の衛生部長から出ているものがありますが、この厚生省医務局の総合所見でこうあります。これは神通川丸についての検査なんですが、「これ等は今後長期に亘る観察が必要と思われる。」。前回質問したとおり、長期の観察が必要であるにもかかわらず、福竜丸以外は観察をしておりません。これも大問題だと思います。
 今日お配りいたしましたが、去年十一月に行われた情報公開請求で出された書面が真っ黒なんですね。これは血液や尿について出していただきたい。個人のプライバシーを消すのは全然構わないんです。でも、当時どのような検査結果だったか、こちらも検討したいと思っております。この真っ黒を変えてください。いかがですか。
○政府参考人(新村和哉君) お答え申し上げます。
 御指摘の文書につきましては、昨年、外務省に情報公開請求があり、それに対して開示がなされたものでございます。その過程において、外務省から厚生労働省の二つの部局に開示内容の協議があったと聞いております。
 協議を受けた部局におきましては、文書の内容につき問題はなく、開示して構わないと整理したものでございますが、協議された文書は、一部を除き現在手元に残されておりません。しかし、これらはビキニ水爆実験関係の重要な書類でございまして、より慎重に対応すべきであったと考えております。
 当該文書は、元来、厚生労働省が作成したものでありますので、外務省から改めて入手して、開示することを含め、また、その開示の内容も含めて検討してまいりたいと考えております。
○福島みずほ君 外務省からこの書面を取り戻して、この真っ黒黒の部分を情報公開するということをやっていただきたい。いかがですか。つまり、これは、個人情報の部分は結構です。しかし、尿や血液やいろんな検査が当時どうだったのか、公表すべきだと思います。
 六十年たってここまで隠すというのも問題でしょう。もう六十年たっているから、それは六十年前に公開すべきだと思いますが、これを今更、六十年たってまだ隠すというのはあり得ないので、情報公開して出してください。お願いします。
○政府参考人(新村和哉君) 御指摘を踏まえまして、情報公開請求に対する情報公開のルールに基づきまして、個人情報等には当然留意しつつ、公開できるものはしっかり公開していきたいと考えております。
○福島みずほ君 しっかり公開していきたいということなので、私の事務所に対してもこれ公開してください。よろしいですね。
○政府参考人(新村和哉君) はい、承知いたしました。
○福島みずほ君 今、ごめんなさい、よく聞こえなかったんですが、承知しましたとおっしゃったんですか。済みません。
○政府参考人(新村和哉君) 失礼いたしました。
 御指摘に対しましてはしっかり対応したいと考えております。
○福島みずほ君 しっかり対応したいというのは、もう公開する方向で検討、よろしいですね。
○政府参考人(新村和哉君) 繰り返しになりますが、外務省から情報公開されたものですけれども、元々厚生労働省の文書でございますので、それにつきましては再度外務省からも入手いたしまして、内容を精査した上で、情報公開できるものはきちんと公開していきたいと考えております。
○福島みずほ君 これ、血液型や尿やいろんな検査結果、六十年前に公表すべきものでしたが、これを今更厚労省が隠すなんというのはあり得ませんから、今対応するとおっしゃったので、しかも、何か、うんと今うなずいたような気もしますが、公開されるものと確信をしております。よろしくお願いします。
 大臣、この問題で、確かに六十年前のことですが、今福島の低線量被曝の問題もある。これは、今外務省から資料を引き寄せるとおっしゃいましたが、一度資料を全部厚労省に一元化してフォローアップして、きちっとチームつくって検討していただきたい。いかがですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今局長から申し上げたように、この厚生労働省分について、これはもう過去に厚生労働省が作ったわけですから、これは外務省から改めて入手をして、開示をすることを含めてしっかり対応していくということであります。
 今先生から、他の省庁にある、例えば国土交通省とか、そういうようなところにも恐らくあり得るわけでありまして、各省庁がその所管行政を実施するために、その権限に基づいて取得されたというふうに考えるべきものであって、それらの文書はですね、他省庁が作成し保管している文書についてはこれを保管する各省庁において適切に判断をされるべきものと考えておりまして、独り厚生労働省がそれを指示をするとかいうことはなかなかできないんではないかなというふうに思います。
○福島みずほ君 でも、最も資料を持っているのは厚生労働省なんですよ。ですから、せめて厚労省の中でも、このビキニ環礁における大量被曝問題のフォローアップのプロジェクトチームをつくっていただきたい。これはいかがですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今お話しのように、厚生労働省にあるものについては、今まであることを認識していなかった部分があったわけでありますから、これについてはやはり徹底的に調べないといかぬということで、今それをやらせておりまして、先生の今のお話でありますけれども、今実際にそういうことをやっている人たちがたくさんおりますので、気持ちはよく分かったところでございますので、しっかり対応していきます。
○福島みずほ君 ありがとうございます。気持ちも分かった上で対応していきたいという答弁だったので、有り難く思います。
 次に、特定秘密保護法に基づく基準の閣議決定が十月十四日に行われ、運用基準が発表になりました。そのうち、厚生労働委員会に特別に重要だと思われる点が一点あります。精神疾患の部分なんですが、適性評価の中で治療又はカウンセリングを受けたことがあるか等を記載をしなければならない。過去十年以内に、統合失調症、躁うつ病、薬物依存症、アルコール依存症その他の精神疾患に関し、治療又はカウンセリングを受けたことがありますか、あると言うと、受診先とか医師やカウンセラーの氏名も全部書かなくちゃいけない、必要な場合には医療機関等に照会するというふうになっております。
 でも、今本当に統合失調症や躁うつ病でカウンセリングなどを受ける人が多い。こういうことを書かなくちゃいけないとなると、もう受診すら抑制してしまうんではないか。極めて、むしろ病気が悪化すると思っています。日本精神神経学会は反対の見解を、この適性評価の議論の後しておりますが、厚生労働省として、こんなことをやったら医師とカウンセラーと患者さんとの信頼関係すらつくれないということで是非反対をしていただきたい。いかがでしょうか。
○政府参考人(北村博文君) まず、制度について御理解いただきたく、御説明差し上げたいと存じます。
 特定秘密保護法におきましては、行政機関の長が、御指摘いただきました……
○福島みずほ君 ごめん、そんなことはもう分かっているので結構です。
○政府参考人(北村博文君) それでは、調査の結果でございますけれども、何らかの精神疾患があるということだけをもって直ちに適性がないと判断するわけではございません。また、適性の有無につきましては、他の調査事項、全部で七つございますけれども、こちらの調査結果、また評価対象者の個別具体的な事情というものも十分に考慮して総合的に行うこととしているところでございます。
 また、この前提となりますところでございますけれども、適性評価につきましては、評価される対象者本人が明示の同意、要するに適性評価を受けることにつきまして同意がなければ調査は行われないということになってございます。もちろん、その心の不調に悩む職員という者が専門医の診療をためらうことのないようにすべきということは当然でございまして、職員のメンタルヘルスの向上ということにつきましては、各府省におきましても様々な取組というものは積極的にされているというふうには承知いたしております。
○福島みずほ君 同意があっても、結局この書面を国家公務員が書くということを考えれば、まあ民間だって書かされるわけですよね、だったらもう病院へ行かないですよ。カウンセリングも受けないですよ、だって自分の出世に響きますから。そもそも、これだともう行くなということですよ。しかも、ここまでいいんですか。しかも、医療機関は守秘義務があります。医者は秘密を漏えいすれば、刑法の秘密漏えい罪で処罰されるという対象であるにもかかわらず、何で医療機関に照合して、この人の通院歴、病気、聞けるんですか。
 これは、厚生労働省として、実は患者の権利という観点からも、医療機関という観点からも極めて重要な点です。厚生労働省、これ認められない、いかがですか。
○政府参考人(藤井康弘君) お答えいたします。
 先ほどの審議官の答弁とダブる部分がございますが、内閣官房において作成されましたこの精神疾患に関する質問票につきましては、精神疾患に関する治療等を受けたことがあるとの事実だけでもって特定秘密を漏らすおそれがあると直ちに判断されるということではございませんし、また必要な場合には、医療機関等に照会した上で具体的な症状、再発の可能性等を踏まえまして、特定秘密を漏らすおそれがないかどうか判断されるものとなってございますので、特定秘密を漏らすおそれにつきまして、単に治療の事実だけでなくて、個別の状況によって評価されるものというふうに考えております。
 また、これ当然のことではございますが、精神疾患がある方には適切に治療を受けていただくことが重要でございますので、厚生労働省といたしましては、今後とも精神保健医療対策の充実に努めてまいりたいと考えております。
○福島みずほ君 いや、問題ですよ。現に日本精神神経学会が反対の見解を出しているじゃないですか。医療機関に聞いていいんですか、個人の病歴やいろんなことを。こんなことをやっていたら、もう本当に精神疾患を抱えている人たちがより悪化しますし、こういうことを書かせることそのものが極めて問題だと思います。これは厚生労働省として、むしろはっきりノーと言っていただきたい。この委員会でも更に取り上げていきたいと思っています。
 カジノの法案が他委員会で議論されるかどうかという危機的な状況なので、ギャンブル依存症の報告書を厚生労働省が出されたことについて一言お聞きします。
 二〇一三年の調査で男性八・八%、女性一・八%がギャンブル依存症とされていて、外国と比較しても高い数値だというのが厚生労働省の見解です。カジノ解禁がギャンブル依存症患者増大にどう影響するか、厚労省、いかがでしょうか。
○政府参考人(藤井康弘君) お答えをいたします。
 委員御指摘の調査結果につきましては、これは平成二十五年度の厚生労働科学研究におきまして、成人男女約四千人に面接調査を行った結果といたしまして、ギャンブル依存の疑いのある方が成人全体の四・八%、人数にして五百三十六万人と推計されると報告をされております。この数値につきましては、調査対象にパチンコですとかスロットなども含んだ調査に基づく結果でございまして、私ども、あくまで研究結果の一つとして承知をしておるところでございます。
 また、日本におけるカジノ解禁の影響につきましては、カジノに関する制度設計がまだ行われていない現状ではなかなかお答えすることが困難だというふうに考えてございますけれども、厚生労働省といたしましては、このIR推進法案の動向を踏まえまして、所管でございますギャンブル依存症対策につきまして適切に協力をしてまいりたいと考えております。
○福島みずほ君 カジノを解禁すればギャンブル依存症が増えることは火を見るよりも明らかです。外国人のみにするのか、でも日本人にも解禁するとも言われていますし、ギャンブル依存症が増えれば、医療機関の費用も負担しますし、家庭も崩壊しますし、多重債務になり自殺も増えるし、いいことは何もないというふうに思っています。厚生労働省の立場から是非反対というか、ギャンブル依存症増大には反対という論陣を是非張ってください。
 先ほどから、専門的知識を有する有期雇用労働者の件で、そもそもこのやり方そのものが問題だというふうに指摘がされていて、私もそのとおりだと思います。特区でやるべき問題ではありませんし、労働法制は強行法規ですから、特区やあるいは例外規定を設けるということそのものが根本的に間違っているというふうに思います。無期雇用転換忌避を先取りした雇い止めが起きているのではないか。現在の個別労働紛争相談の内訳や雇い止めの比率を言ってください。
○政府参考人(岡崎淳一君) 無期転換ルールの導入後に企業の状況を調査いたしております。まだ効果が生じるのが五年後ということで対応を決めていないという企業もありますが、一部、五年未満での雇い止めも考えているという企業が一五%であったということであります。一方で、今回の法律を契機にしまして、むしろ無期契約にしていくというところが四割ということでございます。
 ただ、一方では、一五%という企業がそういうお答えをしているということでございますが、これにつきましてはいろんな形で企業に対しまして無期雇用の、いろんな形での多様な正社員とか無期雇用の効果につきまして周知をする中で、できるだけそういう方向に持っていくように努力していきたいというふうに考えております。
○福島みずほ君 せっかくこの委員会で無期雇用転換を決めたのに、それが実効性が出る前にもう雇い止めが起きていると。平成二十五年のあっせん申請内容の内訳、雇い止めは五百四十八件、全体の九・〇%。九・〇%は雇い止めの占める比率としては過去最高です。個別労働紛争相談の内訳、平成二十五年で雇い止めは一万二千七百八十件、全体の四・三%。
 つまり、法律がせっかく作ったにもかかわらずというか、作る前に、五年前にもう雇い止めを行うということが今頻発をしています。そういう状況の中で、今度はこれに風穴を開けるというか例外規定を設けることはやっぱり納得がいかないというか、どうしてこういう人たちがこの例外として認められるのか全く分かりません。
 毎年、年収要件の設定を幾らにするのか、厚生労働省令を変えることによって幾らでも引き下げられる仕組みになっているのは問題ではないですか。
○政府参考人(岡崎淳一君) 法律上、年収要件につきましても設けるということになっておりますし、建議の段階で一定の審議会での共通認識もございます。そういう中で、今後、省令、告示等を定めていくことにしておりますし、先ほど来答弁しておりますように、労政審の中で現場の実態を踏まえたしっかりとした議論の中でやっていくということで、これをすぐに引き下げるというようなことは全く考えていないということでございます。
○福島みずほ君 引き下げるじゃなくて、年収要件そのものが法律に書いていないので、幾らでもなるじゃないですか。
 これってホワイトカラーエグゼンプションと一緒で、年収一千万、いや、今一千七十五とか言われていますが、八百万、七百万、六百万、五百万、どんどんダンピングされていくことだってあり得るわけで、じゃ、何で年収要件が高い人はこの有期雇用契約の例外になり得るんですか。
○政府参考人(岡崎淳一君) 今回の、五年を超えるプロジェクトに従事する方で、かつ高度の専門性と年収要件と、そういう方々につきましては、そういうプロジェクトの中で技術、技能を磨く中で次の職場を求めていくと。一方で、企業の方ではそういう人材を確保できる。そういう全体の判断の中で今回の制度ができているわけでございまして、そういう中で濫用に当たらないための要件として年収要件が定められているということでございます。
○福島みずほ君 ホワイトカラーエグゼンプションのときもさっぱり分からないけれども、年収要件が高いと何で例外規定になるのか分からないんですね。しかも、労基法十四条の特例一だと農水業などの技術者、システムエンジニアなど入っていますが、何でこれ、こういう人たちも入るわけですか。
 つまり、何が問題かといえば、法案見る限り専門的知識とか、何も分からないわけですよ。そうすると、何で農水業で何なのとか、どうしてそういう人たちは有期雇用の例外規定になるのか。何でなんですか。
○政府参考人(岡崎淳一君) 具体的には、今回法案が成立した後に審議会で再度議論するということでございますが、法案を出す前の建議の段階で、労使の議論の中では労働基準法の第十四条にある方々をある程度参考にしてと。その中に先生が今おっしゃったような方々も入っているということでございますが、今回は今回で、労働基準法十四条とはまた違う規定でございますので、それを参考にしつつも労政審の中で再度議論していただくと。そういう中で必要な方々を対象にしていくということを考えているところでございます。
○福島みずほ君 こういう例外規定は認められませんし、さらに、年収と専門職についてよく分からないまま法案を成立させることは大問題だと思います。
 以上で質問を終わります。
○委員長(丸川珠代君) 午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時三十五分休憩
     ─────・─────
   午後一時三十分開会
○委員長(丸川珠代君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告をいたします。
 本日、長峯誠君及び馬場成志君が委員を辞任され、その補欠として木村義雄君及び高野光二郎君が選任されました。
    ─────────────
○委員長(丸川珠代君) 休憩前に引き続き、専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
○滝沢求君 自由民主党の滝沢求でございます。
 今回の特措法について、私の地元青森県民の視点を交えながら進めてまいりたいと思うんです。関係者の方々、また一般の方々にこの法案の趣旨が十分理解できるように質問をさせていただきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
 青森県における有効求人倍率は、今、全国平均が〇・九七倍に対しまして青森県の場合は〇・七二倍、非常に厳しい雇用情勢でございます。そういう厳しい中においても、地域活性化、そしてまた雇用創出、少しでも雇用を生み出そうと様々な施策を進めているところでございます。
 そして、今、安倍政権も地方再生に立ち上がりました。まさに今国会は地方創生国会、地方の持つ地域資源を生かしながら、そして地域活性化を図りながら雇用を生み出そうと全庁挙げて今取組が始まったわけでございます。やはり、私は、地方にとって雇用対策というのは最も重要な課題だと、そう受け止めております。大臣の地元もまさに同じではないでしょうか。それらを踏まえながら質疑を進めさせていただきます。
 有期労働契約、例えば一年、二年といった有期契約が反復して更新され五年を超えた場合、労働者は申し込むことにより契約期間の定めのない労働契約、すなわち無期労働契約に転換することができる仕組みとなっております。このいわゆる無期転換ルールは、平成二十四年、労働契約法改正により導入されたものでございます。さらに、平成二十五年に成立した国家戦略特別区域法の規定などにより、産業の国際競争力強化、国際的な経済活動の拠点形成の推進を図る観点から、高度な専門的知識などを有しており、かつ一定の水準より高い年収である有期労働契約者などに対して、労働契約法に基づく無期転換の申込権が発生するまでの期間などについて検討を加えることとなっています。そして、この法案では、有期業務に就く高度に専門的知識を有する有期雇用労働者などについて、労働契約法に基づく無期転換申込権が発生するまでの期間に関して特例を設けるといったことになっているわけであります。
 そこで、まず初めに、この法案の必要性、またその持つ意味、意義について、大臣にお考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 先生から今、青森の現状を踏まえながらこの法案の審議をしていただけるということで、大変有り難く思っておるところでございます。
 確かに今、地方創生が安倍内閣としても大変な大きな柱で、地方の再生なくして日本の再生なしということで、この厚労分野でもやれることは全てやっていかなきゃいかぬのかなというふうに思っておりますので、また先生の御指導よろしくお願いいたしたいと思います。
 昨年の臨時国会で成立いたしました国家戦略特別区域法附則第二条において、五年を超える一定の期間内に完了することが予定されている業務に就く高度な専門的知識等を有する労働者を対象にいたしまして、労働契約法の第十八条の通算契約期間の在り方、それから労働契約が適切に行われるために必要な措置などにつきまして労政審で検討を行って、所要の法律案の平成二十六年度通常国会への提出を目指す旨がこの特区法で定められておったわけでございます。
 これを受けまして、労政審で検討を行って、その結果、有期雇用労働者のうち高収入かつ高度で専門的な知識等を有する者、それから定年後継続雇用される高齢者、この二つのジャンルにつきまして、それぞれを特例の対象とする本法案を前通常国会に提出したものでございます。
 本法案によりますこの無期転換ルール、今先生が御指摘のこのルールの特例を通じて、対象となる有期雇用労働者の能力の維持あるいは向上、そしてまた経済におけるその活用を図るとともに、労働参加を拡大いたしまして活力のある社会の実現を図っていく、経済の再生を図っていくということにつながることを期待をしたものでございます。
○滝沢求君 ありがとうございます。
 やはり労働者側も、そしてまた雇用する側も、両者が納得いった形で多様化に対応する動きが進められることが大切でないかと、重要ではないかと私は思っております。
 ここからは少し法案の具体的な内容についてお伺いをいたします。
 特例の対象となる労働者の要件について伺います。一定の期間内に完了する業務に従事する高収入かつ高度な専門的知識を有する有期契約労働者が対象のようでございますが、具体的にどのような方が対象となるか。資格や職業なども例に挙げてお答えいただければと思います。
 あわせて、この法案で特例の対象となる人数についてもお聞かせ願いたいと思います。試算でも構いませんので、よろしくお願いいたします。
○政府参考人(岡崎淳一君) この高度専門職に当たる方々につきましては、法案の成立後に審議会の議を経まして定めていくということになっております。その際、これ、法律を出す前の審議会の建議におきまして、労働基準法第十四条による特例の対象になっている方々を参考にしながら議論しようということになっておりました。
 具体的にこの労働基準法第十四条の特例の対象を見ていきますと、一つはいわゆる国家資格等を有する方々で、具体的には公認会計士とか弁護士とか一級建築士、こういう方々が入ります。もう一つは一定の実務経験を有する技術者等でありますが、技術者、システムコンサルタント、デザイナー等が含まれております。また、基準法の特例の中では年収が千七十五万円ということで決められているということでございます。したがって、これを参考に今後審議会で更に議論するということでございます。
 対象年収要件につきましては、これにつきましては、今申しましたように、労働基準法の方の特例におきまして千七十五万円という数字がございますので、審議会ではこれをベースに検討していくということになっているということでございます。
 具体的にじゃどのくらいいるかということでございますが、これは推計になるわけでありますが、平成二十三年に有期労働契約に関する実態調査を行いました。個人の調査でございます。これによりますと、有期契約労働者全体の中で高度技能活用型というふうに分類される方が三・六%でございました。また、年収一千万以上の方はそのうちの二・一%ということでございました。
 平成二十五年の有期契約労働者は千四百四十二万人でございますので、この割合を掛け合わせますと、大体一万一千人弱ということでございます。ただ、このうち五年を超えるプロジェクトに従事する方々が対象になりますので、一万一千人のうちそういう方々が対象になるということだというふうに考えております。
○滝沢求君 続けます。
 次に、事業主が無期転換ルールの特例を受けるためにはどのような手続、手順で進めていけばいいのか、伺います。
 また、労政審の建議では、無期転換ルールの円滑な施行について、非正規雇用労働者の正規雇用又は無期転換、人材育成などの取組を行う事業主を支援する助成金の効果的な活用を積極的に進めることとなっておりますが、この助成金について具体的にどのような検討が進められているのか、そしてどのように活用されていくのか、伺います。
○政府参考人(岡崎淳一君) 無期転換ルールの特例を受けるための要件としましては、そういうようなプロジェクトをやっている方々のうちでしっかりとした労働者に対する雇用管理の計画を作っていただくということが求められております。この計画を作る中で、その労働者の方々の雇用管理がしっかりしている、濫用にわたらないようにしていくということを確保しようというものでございます。
 具体的には、厚生労働大臣がこの雇用管理の措置につきまして基本指針を定めることになっておりまして、その指針に基づきまして厚生労働大臣が認定を行うということになっております。したがって、事業者としては、その指針を見ていただいて、しっかりとした計画を作って厚生労働大臣に申請していただくと、こういうことになるということでございます。
 高度専門職の方々につきまして、こういういろんな有期のプロジェクトを幾つか経験する中でキャリアアップをしていくということを想定しておりますので、その期間中におきましても、新たな技術とか新たな状況につきましてのいろんな研修会とか研究会みたいなものがあるというふうに理解しておりますが、そういったところで新たな知識を得ていただくというふうなことも非常に重要じゃないかというふうに思っていますので、事業主はそういう雇用管理の中でしっかりと、休暇を付与するとか、そういう研究会に出られるような支援をするというようなことでありますとか、あるいは教育訓練経費の援助等を含めて、そういったこともしっかりやっていただくということを考えているということでございます。
 また、国の支援としましては、現行でも正規職員になるための助成制度はありますが、更にこの制度を運用するために必要なものがあるのではないかというふうにも考えておりますので、その辺の支援措置につきましては、これも審議会の中で具体的なものを決めるのと同時に御議論いただきまして、審議会での御議論を踏まえまして、より具体的な支援策については更に検討したいというふうに考えているところでございます。
○滝沢求君 先ほど、特例となる対象、高度の専門知識等を有する労働者の範囲について伺いました。
 時代の要請や科学技術の進歩により特例の対象となる範囲が変わり得ることはあり得ることだと私は思います。一方で、この対象者が際限なく拡大していくのではないかといった懸念がなされております。この点についてどのようにお考えになっているか、大臣に伺いたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今先生御指摘の、特例の対象者が拡大するんじゃないかという御指摘でございました。
 高度の専門的知識、技術又は経験の内容とか、あるいは年収の水準といった具体的な要件につきましては、先ほど御説明したように、労政審の建議で示された考え方を踏まえて、法案成立後に労政審で検討を行うことが労使の共通の理解だというふうに思っています。対象者が労使のコンセンサスを超えて拡大することは私どもはないというふうに思っています。
 将来においての話が先ほど御提起がございましたが、こうした対象者の範囲の在り方はすぐれて労政審でやはり議論をするべきであって、雇用の現場の実態を現場で分かっていらっしゃる労働側あるいは使用者側、こういった方々の意見を踏まえて決定をするものであり、この対象者の範囲が必要以上に、つまり労使の想定している以上に拡大をすることはないというふうに考えております。
○滝沢求君 大臣、くれぐれもこの点に関しては十分配慮していただきたいと思います。
 次に進みます。雇い止めについて伺いたいと思います。
 青森労働局の平成二十五年度の個別労働紛争解決制度の運用状況を拝見しますと、民事上の個別労働紛争に係る総件数二千八百十四件のうち雇い止めは百二十六件となっております。遡ってみても、常に一定の割合を占めている状況であります。この法案の場合においても、無期転換申込権が発生する前の雇い止めが生じる可能性があると思いますが、そうならないようにどのような対策を考えているのか、伺いたいと思います。
○政府参考人(岡崎淳一君) 前回の労働契約法の改正の中で、五年を超えた場合の無期転換ルール、無期転換の申込権を認める制度ができました。この法律ができた中で、五年未満の段階で雇い止めをする企業が増えるのではないかというような御議論もありました。
 今回、労働契約法の改正法が施行された中で、企業の実情とアンケート調査を行ったものがございます。それによりますと、まだ方針を決めていないというところが四割弱あったわけでありますが、五年を超えて反復更新する有期契約労働者につきましては、約四割の企業では無期契約に転換していくというような回答がございました。また、無期への転換によりまして長期勤続、定着が期待できるとか、働く意欲を増大できるといったメリットを挙げている企業も多かったという状況ではございます。
 ただ、一方では、この同じ調査の中で、五年を超えない範囲内で有期契約を運用していくというような企業が一五%あったということも事実でありまして、こういう企業は転換権が生じる前に雇い止めを行う可能性があるのではないかという、この懸念は否定できないというふうに考えております。
 私どもは、できる限りやはり無期に転換していただく、無期契約の方が基本になっていくということが重要だろうというふうに考えておりまして、この点につきましては、契約法の周知でありますとか、あるいは無期契約のメリットとかそういったものを、いろんなセミナーでありますとか、あるいは求人企業等への周知でありますとか、監督署、ハローワーク等を含めまして、いろんな形で企業に周知する中で、できるだけ雇い止めの問題が生じないような形になるように努力していきたいと、こういうふうに考えているところでございます。
○滝沢求君 次に、社会における女性の活躍について伺いたいと思います。
 皆さん、直木賞作家中島京子さんが執筆した「かたづの!」という小説、御存じでしょうか。御存じですか。ありがとうございます。実は、この「かたづの!」、この小説でございますが、これは江戸時代の初期の祢々という女性の生涯を描いた小説であります。実は、この祢々という方、私の地元八戸の方でございます。そして、江戸時代の初期、まさに当地を治める女性大名として活躍をされた方でございます。恐らく、江戸時代初期から通じて女性大名というのは唯一なのだと私はそう思います。四百年前にまさにこの祢々さんは人生の困難を強い意志で乗り越えて、そして女性として、大名として活躍をしたわけでございます。
 そこで、女性の活躍に向けた取組を伺いたいと思います。
 私は、この女性の活躍、取組、様々今取組がなされておりますが、何といっても最も重要なのは、女性の雇用の場の確保、雇用環境をしっかりと整えること、整備することが私は重要ではないかと考えております。そのことも含めて厚生労働省のお考えを伺いたいと思います。
○大臣政務官(高階恵美子君) 女性の登用についての取組姿勢についてお尋ねをいただきました。
 我が国の雇用者全体に占める女性の割合、現在四三・三%でございます。数にして二千四百六万人程度ということでございますが、その一方で、実は民間企業の課長級以上の職にある割合を見てまいりますと、これが女性の割合は七・五%でございます。国際的に見ても、特に低い水準にとどまっております。
 厚生労働省といたしましては、仕事と家庭が両立できる環境整備に引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
 また、去る十七日に、内閣府と共同で女性の職業生活における活躍の推進に関する法律案を臨時国会へ提出させていただいたところでございます。その法案においては、女性の活躍推進に向けた民間事業主の取組を加速化させるため、大企業に対し各企業の課題に対応した数値目標や目標達成に向けた取組を内容とする行動計画の策定、公表を義務付けることなどを盛り込んでおります。
 こうした取組等を通じまして、女性管理職の増加を始め女性の活躍の推進を図ってまいりたいと考えております。女性が就業しやすい環境整備についても積極的に取り組んでまいる所存でございます。
○滝沢求君 政務官、ありがとうございます。
 これで私の質疑を終わります。
○島村大君 自民党の島村大でございます。本日はこのような機会をつくっていただき、ありがとうございます。
 今日は、午前中から、今回の専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法案ですか、法案のいろいろな御質問がありました。いろいろと御質問ありましたけど、我々は、午後からは、この法案がいかに、先ほど話がありましたように、国民のため、また労働者のため、使用者のため、国のためになるかということのお話を、是非とも今見ていただいているネットの方々にも大臣の方からお話をしていただければ有り難いと思っております。
 ちょっと質問の順番を変えさせていただきまして、大臣の方からちょっと、済みません、お答えをいただきたいんですけど、今回何回もお話がありましたように、平成二十五年の四月に、日本経済再生本部の下に置かれました産業競争力会議において国家戦略特区の創設が新たに民間議員から提出されたということで、国家戦略特区のワーキンググループが設置され、このワーキンググループは世界で一番ビジネスしやすい環境をつくるというミッションの下に行われたと言われております。
 私は、この世界で一番ビジネスしやすい環境をつくるということは非常によろしいことだと思いますし、私も神奈川県として、神奈川県は国家戦略特区、全県させていただきましたけど、このようなビジネスしやすい環境をつくるということは、私は非常にいいことだと思っています。
 ただ、その中で、有期労働者の契約期間五年の延長を、このワーキンググループでは一度はその特区の中でやるということのお話がなされ、厚労省がしっかりとこれに対応していただき、これを全国一律でやるんだということで差し戻していただき、このような流れになって今回になっているということを聞いております。
 このような中で、やはりいろんな、いわゆる産業競争力会議、それから労政審、それから厚労省、それからいわゆるそういう皆様方の立場からこの法案はしっかりと私は今回できたと思っているんですけど、さて、この法案が、今回のこの特措法が、民間企業等において特定有期雇用という形で無期転換ルールを伴わない、いわゆる専門知識を持っている方は人材活用を無期に転換しないで活用できるようになったということですけど、先ほどお話ししましたように、これが今後この日本の産業にどのように発展するのか、また国民にとって、使用者や労働者にとってどのようなプラスになるのかを大臣の方からお話を聞かせていただければ有り難いです。よろしくお願いします。
○国務大臣(塩崎恭久君) 先生今お話ありましたように、元々、国家戦略特区という中から問題提起が行われて、それを労政審で受け取って、その中で、単に専門的な知識を有する労働者だけではなくて、高齢者についてもむしろ無期転換せずに有期のままでいくということを、特に定年後についてやるということの方が柔軟だというようなことになってきたわけでありますが、大きなフレームワークでいえば、やはりいろいろな働き方をしたいと思っていらっしゃる方々がおられるし、いろいろな言ってみれば働きを期待をする経営者側の方々もいるということであって、日本の経済は本当に複雑多岐にわたって、今まさに再生をすることによってまた世界に冠たる日本の経済ということでいこうとして日本の経済の再生を最優先に今図っているわけでありますが、そういう中で出てきたというのがまず第一の押さえるべきところではないかなというふうに思います。
 この一定の期間内に完了するプロジェクトへの従事を繰り返しながらキャリアアップをしたいというような人もたくさんおられるわけでありまして、こうした働く方々が自ら能力の維持向上に取り組むことを支援し、その能力をプロジェクトの中で有効に発揮できるようにするために、本法案において無期転換ルールの特例等の対象としたところでございます。
 実際、この高度専門職についての企業のニーズをヒアリングをしてみたところ、具体的な事例として、例えば海外の高額な案件を受注契約する場合に、国際法とか現地の慣行などを踏まえて条件を吟味できるような各国の法務、財務の専門家を有期雇用で活用するといったケースが考えられるのではないかといった声が確認をされました。つまり、国際展開をする企業にとっては、様々な特殊なやっぱり技術を持った、知識を持った人たちを駆使して、言ってみればみんなのチームワークで会社の言ってみれば戦略を進めていくというようなためにこういうようなことが求められるということではないかと思っております。
 こういった特例を通じて、こうした高度の専門的知識を有する労働者の活用が進んでいくことによって、今申し上げたような企業の活動の活性化あるいは競争力の強化ということで、また御指摘のように、産業の更なる発展と活力ある社会の実現に資するのではないかというふうに考えているところでございます。
○島村大君 大臣、ありがとうございます。心強い答弁をいただきました。是非ともやはりこれを、日本の産業が更に発展するように、いろいろと細かい点もあるかもしれないですけれども、やはりそれはそれとして大きな視点で進めていただきたいと思っています。
 次に、今回の特措法に関しまして、民間企業においてはいわゆる無期転換ということで今お話聞きましたけど、今回この国家戦略特区の議論の中で、グローバル企業にとって日本の雇用が非常に分かりにくいと、そういう指摘があったと聞いております。
 今回、この分かりにくいことに、一つの方法としては、特区内に設置される雇用労働相談センターですか、これを一応今回つくるということで聞いております。先週ですか、一応いわゆるその話を進めて、今進んでいるということを聞いていますけど、その辺のお話を聞かせていただきたいと思いますけど、よろしくお願いいたします。
○政府参考人(岡崎淳一君) 国家戦略特区の議論の中で、国際的な経済拠点を形成していくために何が必要か、特にグローバル企業、外国企業の拠点を備えていただくために何が必要かと。この議論の中で、今先生から御指摘になりましたように、日本の雇用ルールが分かりにくいのではないかという御議論がありました。
 これにつきましては、一つは、これまでの判例あるいは個別の解決事例、これらをしっかりと分析、類型化して、日本では法律だけではなくて裁判を含めてどういうルールになっているか、これをしっかり整理することが必要だろうと。こういう考え方に基づきまして雇用指針というのを整備してあります。これにつきましては、既に今年の四月に作成済みでございます。
 そして、ただ、これ、雇用指針として作るだけではなかなか具体的に分かりにくいのではないかということで、個々の企業が進出を考えた場合等に具体的に相談できるところが必要ではないかと、こういう議論がございました。そこで、国家戦略特区につきまして雇用労働相談センターというのを配置して、そこで具体的な御相談に応じるということにしたということでございます。
 現在、話が進んでおりますのは福岡市でございますが、福岡市の国家戦略特別区域につきまして、これはグローバル創業・雇用創出特区ということになってございます。ここでは、雇用条件の明確化などの雇用改革等を通じて国内外から人と企業を呼び込むということで、産業の国際競争力を強化を図る、そして更に雇用の拡大を図っていく、こういう目標が定められているところでございます。この中で、今申し上げました雇用労働相談センターを設置したいと福岡市の方から話があったということでございます。
 したがいまして、これにつきましては、現在、福岡市内のスタートアップカフェの中にこのセンターを設置する、そして市のスタートアップカフェと一体的に運用するという基本方針の下に今具体的な受託者を公募しているという段階でございますが、十一月中には設置できるようにということで、内閣官房とともに取り組んでいるところでございます。
○島村大君 詳しくありがとうございます。
 ちょっともう少し深くお聞きしたいんですけど、今お話ありましたように、例えば海外からのグローバル企業がこの特区の中で企業を始めたいと、また日本でも新規にベンチャー企業みたいのを始めたいと話があった場合に、この専門的知識を有する有期雇用労働者に関する特措法案に関しましては、海外からの方に対してはどのように考えているか。要するに外国人ですね、外国人の方がもしこのような資格、今当てはまる資格で、この日本の企業に対してプラスになると、また、日本人の雇用を創出するような専門的知識を持った外国の方が、日本でこの特区の中のグローバル企業なり、いわゆるベンチャー企業で働きたいという場合には、この方々に対してはどういうお考えか。どうでしょうか。
○政府参考人(岡崎淳一君) 日本の労働法制につきましては、基本的には内外人問わずに適用されるということでございますので、日本の企業あるいは日本の国内に設置されました外国企業の拠点でありましても、日本法の適用という、事業所であるということであれば、これは基本的に日本法が適用されると。したがいまして、そこで働く外国人の方につきましても、日本で働く限りにおきましてはその適用があるという前提になります。
 その際に、今回の有期雇用の特例法も同じように適用になりますので、例えば外国企業が日本に拠点を設けるに際しまして五年を超えてプロジェクト方式でまず進出するというような場合、例えば六年、七年といったような場合につきましてはこの特措法の適用の対象になると、こういうことになるということでございます。
○島村大君 ありがとうございます。
 確認ですけど、これは専門的知識を有する有期雇用労働者に対してのお話でいいんですよね。はい、ありがとうございます。
 もし、今お話ありましたように、この専門的知識を有する方々で、海外の方もたくさん優秀な方がいると思います、その方々が日本に来て、今お話ししましたように、日本の企業がより発展する、グローバル企業が発展する、また日本のためにプラスになる、日本の雇用を相当創出するような方の場合には、例えば、今後の考え方です、まだ多分それはそこまで煮詰めていないと思いますけど、そういう方々を、今度は入管ですね、入管させるときに、何か少しスムーズに入管をさせるとか、そういうことを今後考える余地があるか。
 これは、済みません、厚労省じゃないと思いますけど、そういうお考えを少し持っているかどうかというのを、もしありましたら教えていただきたいと思います。
○政府参考人(岡崎淳一君) これについては、直接の担当でないので恐縮でございますが、現在の考え方としましては、外国人の方でも高度技能、高度の外国人の方については積極的に受け入れたいというのが基本方針になっております。その中で、高度人材ポイント制というのが既に法務省の方で運用しておりまして、一定の基準、ポイントを付けておりまして、例えばビジネススクールを出ていたら何点とか、年収が高ければ何点とか、そのポイントが高い方につきましては一定の優遇措置をとって、できるだけそういう方々に日本に入っていただくという政策は既に取っているところでございます。
 厚生労働省としましても、これについては、やはり全体として日本の雇用を広げていくためには必要だろうということで、法務省とも協力しながら、そういう対象の企業に対しまして周知をしながら、この制度の活用についても普及に取り組んでいると、こういう状況でございます。
○島村大君 前向きな答弁ありがとうございます。
 ちょっと今日はお話ししていないんであれですけど、入管に関しまして、やはり今お話ありましたように、高度な技術を持っている方も、いろいろとお話聞きますと、やはりなかなか大変だということなんで、そういう意味では、今後、考え方として、この特区を進める場合には、やはりそういう方々がより一層スムーズに入れるようなことも考えるべきではないかと思っていますので、是非ともそこは検討していただきたいと思います。
 次に行かせていただきまして、ちょっと話が変わるんですけど、今いろんな、今回の特措法に関しましてもそうですし、日本の我々の働き方というのがすごく多様化して、今現状に合わせて法的ないろんな措置も、まあ国民から見るとまだ遅いよとか言われていることもあるかもしれないですけど、少し少し私は今のワーク・ライフ・バランスに合うようにこの法的なものも制度も変えてきていると思っています。
 ただ、これは、私たちから見ますと、私の現場の神奈川県から見ましても、大企業の方、中企業の方までは、確かにそういうワーク・ライフ・バランスに対しての法律の問題、制度の問題は大分変わってきているというふうな実感はあると言っていただくんですけど、いわゆる小企業とか零細企業の方々に関しましては、まだまだどうかなということがやはり言われております。
 その一つが、私も診療所を持っている者としましては、いわゆる企業からいえば零細企業でございます。この零細企業として、私ども使用者側としては、なるべく人材を適材適所で長く勤めていただく、いわゆる我々のスタッフがやはり覚えていただく、いわゆるしっかりと経験していただくのに時間が掛かる。その時間が掛かった方が、やはり何か出産だ子育てだで辞めることになってしまうと、やはり小企業事業者としては、それをまた一から教えることがなかなか大変だと。
 そういう意味では、そういうことは皆さん当たり前のように分かると思うんですけど、ただ一点、これは私の診療室でもあったんですけど、いわゆる出産して子育てして、子育てでなかなか時間が取れない、私どもの診療室に勤めている時間も、週に二十時間以上なかなか勤められない、こういう二十時間という一つの区切りがあるんですよ。何の区切りがあるかというと、これは労働保険の中の労災と雇用保険ありますけど、雇用保険が二十時間以下というのは適用されないんですよ。正社員ですけど適用されない。また、厚生年金に関しましては、正社員ですけど、四分の三以上、正社員の四分の三以上の働ける時間がないと、これもカットされるわけです。
 ですから、私ども使用者側にしてみましても、労働者の方々、スタッフの方々に、正社員であって、そういう労働保険、厚生年金にしっかり入っていていただきたいんですけど、逆にそういう時間が短いために入れないという今現実もありますので、その辺を、大臣、ライフステージに合った働き方というのを今後進めていくということは私も分かっているんですけど、それに対して、そういう小さい企業に対して、五人以上の小さい企業に対してどういうお考えを持っているか、是非とも大臣の方からお話をいただきたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 日本の経済の大宗は中小企業で成り立っているわけでありまして、そういう意味では、先生御指摘の中小企業、零細企業で働く方々が働きやすいか、よく言う両立支援がちゃんとできているかということがとても大事なことになってくるわけでありまして、ライフステージごとに合った形で仕事と家庭とが両立できる、しかしずっと働き続けることができるということが労働環境の整備としては非常にこれ重要だと思うんですね。
 そのために、厚生労働省では、労働環境の整備に取り組む中小零細企業に対しましては、例えば都道府県の労働局の働き方・休み方改善コンサルタントによりますきめ細かな助言とかノウハウの提供というのを労働局でやっております。それから、勤務時間等が限定された、いわゆる多様な正社員と最近よく言いますけれども、こういった、正社員だけれども、何というか、古い意味でのフルタイムではないという働き方、地域限定とかいろんな形が最近導入をされておりますけれども、そういったことの普及促進。それから、労働者の仕事と家庭の両立支援に取り組む中小企業に対する助成、こういったことを支援策として講じておりまして、中小零細企業で働く方々であっても、子育て等により退職しないで済む、あるいは両立しながらどちらも生き生きとできるような、そういう働き方をするためには、やはり柔軟でそして多様な選択のできる働き方というのがたくさんあった方がいいんだろうと思うんです。
 もちろん、権利は守りながらではありますけれども、こういった形の一つが今回御提起させていただいております特別な有期の計らいと、こういうことでございます。
○島村大君 ありがとうございます。
 そういう個々の話も大分ありますので、厚労省としましても、その案件を一つ一つ御理解していただいて、できる限りこれを解決していただかないと、労働者の皆様方は、自分は勤めているのに何で雇用保険の方が外れなくちゃいけないのかとか、やはり疑問点が多々ありますので、そこはしっかりと一つ一つ検討していただきまして解決をしていっていただきたいと思いますので、是非ともよろしくお願いいたします。
 早いですけれども、これで終わらせていただきます。ありがとうございました。
○長沢広明君 公明党の長沢広明です。
 今日は、もうこの有期雇用の特措法案で質疑がずっと繰り返されてきておりまして、かなり重なる面もありますけれども、あくまでも確認すべきことはきちんと確認していきたいというふうに思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 有期雇用で働く方々については、パート、アルバイト、契約社員、嘱託、あるいは派遣の方とか、今非常にいろいろなタイプが広がっているというふうに言っていいと思います。正社員と比べれば、雇用が不安定で賃金が低い、あるいは自分の能力を開発するチャンスに乏しいと、こういった問題が長年ずっと指摘をされてきました。いわゆる雇い止めというような不安に常に直面をし、なおかつ年次有給休暇とかいわゆる正当な労働者としての権利、これを行使するということがやはりどうしても抑制されているというような課題がある。
 こういう中で、平成二十四年の八月に改正労働契約法が、これができまして、いわゆる、我が党も賛成しましたけれども、契約期間の定めのある有期労働契約について、通算五年を超えた場合に無期転換できるというルールが二十五年の四月から導入されたと。これは雇い止めの不安を少しでも解消するためと、こういうことで使われてきました。有期雇用労働者の雇用の安定のために必要なルールだと、こういうふうに思って私どもも賛成をして、無期転換ルールが行われたわけです。
 今回、有期雇用労働者について無期転換ルールの一部、これを特例を定めるということになります。その理由が、昨年の十二月に成立した国家戦略特区法の附則第二条、産業の国際競争力の強化及び国際的な経済活動の拠点の形成の推進を図る観点から、無期転換ルールの特例を検討すると、こういうことになりました。
 これ、ちょっと流れを一回ずっと確認しましたけれども、やっぱりどうしてももう少し説明が要るんじゃないかと。特に、高度専門的知識を有する有期雇用労働者について、無期転換ルールの特例を定めるということにどういう必要性があるのかということ、この必要性と、それから、先ほど大臣も少し触れられていましたが、じゃ、働いている人にとってはどういうメリットがあるのか、使用者側にとってはどういうメリットがあるのか。労働者にとってのメリット、使用者にとってのメリット、それぞれきちんと説明をする必要があると思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
○政府参考人(岡崎淳一君) 今回、法案を提出するまでの経緯は今もう先生が言っていただいたとおりでございます。その中で、国家戦略特別区域法の附則を受けまして、労政審で具体的な議論を行ったわけであります。
 その中で、議論した中で、この特例をつくる際の具体的な必要性、あるいは企業、あるいは労働者のメリットは何かということでございますが、一つは企業横断的にキャリア形成を図るような労働者、こういう方々がいろんなプロジェクトで活躍する機会を拡大していくと。そういう中で、幾つかのそういうプロジェクトに参加することを通じまして、その方の技術、知識が高まっていく、労働者側にもメリットがある場合があるのではないかということ。そして、一方、プロジェクトを行う企業につきましても、やはりより高度な人材を確保してそのプロジェクトをしっかりやっていくということが必要だろうと。
 国家戦略特区の方はこの二番目の方を中心に必要性が議論された結果でありますが、審議会の議論の中で、労働者側のメリットもあるのではないか。ただ、そのためには仕組みも必要だというようなことで、計画認定等もあるわけでありますが、そういう全体の議論の中で今回御提案させていただいたと、こういうことでございます。
○長沢広明君 いわゆる高度専門知識を有する労働者というこの範囲、非常に狭い範囲の人たちで、しかもプロジェクト、六年とか七年とかというプロジェクトにも参加しやすくするという、しかも、そういう人たちが次のまた仕事に移るときに移りやすいように、その中でキャリアアップできるための準備もその期間に同時にできるようにということを備えているという、ちょっとある程度非常に範囲の狭い話なので、説明が非常に難しいというふうに思います。なかなか理解されない面があると思いますが。
 もう一点、国家戦略特区の附則第二条にある、産業の国際競争力の強化、そして国際的な経済活動の拠点の形成の推進、こういう点で具体的にどういう効果があると思われているのか、説明をお願いしたいと思います。
○政府参考人(岡崎淳一君) 国際的な企業の拠点をつくっていくといった場合、特に外国企業等で、まず日本に進出する場合にプロジェクト方式で拠点を設けるというようなことも考えられるのではないかと。そういった場合に、五年以内であれば現行の労働契約法の中で対応ということもあるわけでありますが、その拠点を設けて具体的なプロジェクトをやる場合に、六年、七年、八年と、プロジェクトによって期間が違うだろう。より長い、より大きなプロジェクトで外国企業が日本に進出していただくというようなことのためには今回の特例が役に立つのではないかというふうに思っているところでございます。
 具体的に企業のニーズ等を聞いた中でも、例えば海外の高額案件を受注、契約するような場合に、五年よりは少し長い契約もある、そういった場合に、現地との、国際法あるいは現地の慣行等、いろんな専門家が必要になる、そういう方々の有期雇用が必要ではないかというようなことでありますとか、あるいは日本に進出する企業の拠点という意味では、ライフサイエンス関係の製品の拠点を設けるといった場合に、やはり長い、五年ではできない、やや長いステージ、期間のものが必要だと。そういった場合に、その専門分野の必要な人材が要るというような場合もあるのではないか。これは企業からの具体的なヒアリングの中の話でありますが、そういったようなメリットがあるのではないかというふうに考えているところであります。
○長沢広明君 次に進みます。
 定年後引き続き雇用される高齢者もこの特例の対象となっていると。私、これは非常に重要だというふうに思っております。今も、定年までは無期雇用であった方が定年後に同じ企業で有期雇用の再雇用として、結構一年一年で契約をされている、非常に多いですね。それまでの経験、能力を生かして継続して働けるという意味では、これは会社の方にとっても働く側にとっても非常にメリットが大きいというふうに思います。
 これで労働者の雇用の安定もある程度確保される、企業は優秀な人材を確保できると、こういうことではいいわけでありまして、それが五年続くと今度は無期転換ルールになってしまう。無期転換になるというと、なかなかこれも企業もそれに対応しにくくなるということがあるので、これまた六年目、七年目と、こうやって働き続けられるというふうになるのは私は非常にいい、選択肢が増えるという意味で非常にいい視点ではないかというふうに思っておりますが、そもそもこの国家戦略特区法の附則第二条が今回の問題になっているわけですけれども、改正のきっかけになっているわけですが、国家戦略特区法の附則の方には定年後の高齢者というのは書いていないわけですね。検討の対象にはなっていないわけです。
 定年後の高齢者についてこの特例の対象にするというようなことは、どういう経緯で議論されてこの話が入っているのか。定年後の高齢者を無期転換ルールの特例の対象とする理由とその効果について、改めて説明をお願いしたいと思います。
○政府参考人(岡崎淳一君) 国家戦略特別区域法につきましては、これは産業の国際競争力の強化でありますとか国際的な経済活動の拠点の形成と、こういう観点からの議論だけがなされて、その中で労働契約法との関係で特例について検討が必要だと、その部分だけ書かれたわけでございます。
 したがいまして、審議会につきましては、それを契機として議論するということになったわけでございますが、やはり労使で議論していく中ではいろんな論点が出てくる。その中で、今回、労働契約法のこの部分の特例の議論をする中で、使用者側の委員からは、高齢者雇用安定法の改正も同時期に施行されてきたわけでございますが、そういう中で定年後の高齢者について継続雇用をしていった流れの中で、むしろ特例を設けた方がより高齢者の雇用の確保になるのではないかと、こういう問題提起がされまして、それ以外、労働側からの問題提起もあったわけでございますが、それらにつきましては公労使の審議会の合意の中で論点に加えたと、こういうことでございます。
 では、どういうメリットがあるかということでございますが、定年までは無期雇用で働いてきた、そして、今高齢者雇用安定法の中で六十歳を超えて六十五歳までは少なくとも継続雇用、定年を延長するか、少なくとも継続雇用してくださいということ。
 それで、一年ごとに五年間やっていくと六十五でそこでぴったりなわけでございますが、一方で、やっぱり企業の側からしても、六十五歳で辞めていただくには、ややもう少し活躍できる方がいるんじゃないかと。労働者の方も、働けるのであれば同じところで働きたいと、こういうことになるわけでございまして、その場合に、そこで無期に転換するとなると労使それぞれいろんな問題が生じる場合もあるということで、そこのところについては特例にした方がいいのではないかと、労使の議論の中でそういうことになって、今回もう一つの特例を提案したと、こういうことでございます。
○長沢広明君 非常に私、この定年後の高齢者に対する特例というのは、そういう使い勝手という意味では非常にいいことだと思いますので。しかし、一律ということではなく、やはり働き方の選択肢、こういうふうにやっぱりしていくことが必要かなというふうに思います。
 今日一日この議論をされてきまして、ずっと続いているのは、やはり無期転換ルールが、いわゆる無期転換するようにせっかくしたのに骨抜きになっていくのではないかという不安、懸念でございます。昨年の臨時国会でも、今日も指摘がありましたが、議員立法でこの研究開発力強化法とかあるいは大学教員等任期法の改正で、ある程度対象を絞った研究開発法人の研究者とか教員とか、そういうことを対象に無期転換申込権が発生するまでの期間を十年にする特例というものが、これは議員立法ですけれども、多くの党の賛成でできたわけです。
 これも、やはりこの有期雇用を効果的に利用する独自のキャリアパスがあるという、こういう特殊な事情があって多くの党で賛成したものでございます。今回また無期転換ルールについてこの特例が設けられると。こういう特例、特例という形で、結果的にルールが骨抜きになっていくのではないかという不安の声、これがあるわけでございます。
 それで、大臣、今日一日のこの審議を通して、質問者としては私が今日最後でございますので、この法案が無期転換ルールを骨抜きにするものではないということをもう一度確認をさせていただきたいというふうに思いますので、ここで皆さんが安心できるように、すぱっとお願いしたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 結論からいえば、あくまでも無期転換ルールというのが雇用契約法の原則であって、基本的にはこのルールが適用されるということが我が国で守らなければいけないルールだということ、法律でありますから、そういうことだと思います。
 ただ、今回の場合には、それを骨抜きにしないような形での特例扱いというのを考えているわけであって、そのために、まず第一に対象となる働く人たちのグループを二つに限って認め、それぞれにまた要件を課していくということでもございますし、それから、事業主がこの特例の対象となる労働者の特性に応じた雇用管理に関する措置について計画を作らなければいけませんし、それに対して厚生労働大臣が認定をしなければいけないと。
 そういう形で特例を限定していくわけでありまして、そういう中で無期転換のルールが決してこのルールの趣旨に反しない今回の扱いだということを皆様方には御理解をいただきたいというふうに思います。
○長沢広明君 適切な事業主による適切な雇用管理、これをしっかりするということと、それを行政がきちんと認定をする、こういう条件付での特例ということになっているということで、野方図に特例を適用するというわけではないということをきちんとはっきりさせていただきたいと思います。
 あと、論点、ちょっと続けて聞きますが、いわゆる労働基準法第十四条の要件として厚労大臣が定めた大臣告示を参考にして、いわゆる高度専門職の範囲について、年収が一千七十五万円を下回らないものと、こういうふうに労基法の大臣告示ではなっている。これは参考になるということで、今日もずっと議論がございます。じゃ、そもそもこの千七十五万円というのはどういう算定根拠ではじき出されたものなのか、お答えいただきたいと思います。
○政府参考人(岡崎淳一君) これにつきましては、労働基準法の改正、平成十五年の改正でございますが、その際の附帯決議におきまして、自ら労働条件を決めるに当たり、交渉上、劣位に立つことのない労働者に限定するという中で、年収要件をどうするかという議論をしたわけでございます。
 審議会の場で、人事院の職種別民間給与実態調査でありますとか、あるいは厚生労働省で行っております賃金構造基本統計調査、これらの調査のデータを参照しながら議論したわけでありますが、どのレベルかということで、やはり課長級相当以上であることが必要ではないかと、係長級というのでは、やややはり低いのではないかということと、それから、その課長級の中でも年収としてある程度高いというところが必要だろうということで、その統計データの中で課長級の年収のデータで上位四分の一に入るという水準を基準にしようと、労使の間で結局そういうことになりまして、その計算で出てきた数字が千七十五万円ということでございます。技術職の課長級の上位四分の一というのが考え方の基本になってございます。
○長沢広明君 ちょっと質問をはしょります。
 特区法の附則第二条では、一般の労働者と比較して高い水準の年収と、こういうふうに要件とすることが明記されておりますけれども、一般の労働者と比較して十分に高い水準であるという必要が私あると思いますが、どう捉えますか。十分にと。
○政府参考人(岡崎淳一君) 十分という言い方かどうかというのはありますが、そういうことも含めて労使の間でどの水準が今回の特例として必要かということで考えていただくと。その場合には、千七十五万円というのが一つの参照基準でありますが、そういったことを含めて御議論していただければというふうに思っているということでございます。
○長沢広明君 一応申し上げておきます。十分に高い水準であることが求められると思います。
 高度の専門的知識等の要件ということについては今日もいろいろ議論になっていますが、もう一度確認させていただきます。このいわゆる労基法十四条に求める大臣告示にある内容よりも高度専門知識等の要件が狭まることはあるのか、対象労働者の範囲が必要以上に拡大することへの一定の歯止めがあるのかということについてお答えいただきたいと思います。
○大臣政務官(高階恵美子君) 高度専門職の具体的な要件のうち高度の専門的知識、技術又は経験につきましては、労働基準法第十四条に基づく一回の労働契約の期間の特例の対象、すなわち一定の国家資格等を有する者、一定期間の実務経験を有する年収一千七十五万円以上の技術者等を参考にいたしまして、法案成立後、改めて労働政策審議会において検討をさせていただくということにしております。
 こうした本年二月の労政審における建議で示された考え方の枠内におきまして検討を行う、このことは労使の共通の理解でございまして、対象者がこうした共通理解の範囲を超えて狭まること、あるいは拡大することはないと考えてございます。また、将来にわたりましても、こうした対象者の具体的な範囲は、労働政策審議会におきまして雇用の現場の実態を熟知した労使の意見を踏まえて決定するものであり、対象者の範囲が必要以上に拡大することはないと考えてございます。
○長沢広明君 高齢者についても具体的な範囲の問題があります。
 この特例の対象となる高齢者の範囲、これ定年後の高齢者については、定年後引き続いて同じ事業主か特殊関係事業主に雇用される場合に対象が限定されています。それはどういう考えによるものなのか。この法案により特例の対象となる高齢者の数はどの程度の数に上るのか、どう見込んでいるか、伺いたいと思います。
○政府参考人(広畑義久君) お答え申し上げます。
 この法案の特例の対象となります高齢者は、先ほど委員御指摘のとおり、定年後、同一の事業主又は特殊な関係にある事業主に引き続いて雇用され、高年齢者雇用安定法で義務付けられました六十五歳までの雇用確保措置の期間を経て、その後も同一の事業主に雇用されている有期契約労働者でございます。こうした労働者の方につきましては、引き続き有期の雇用契約を続けても雇用の安定を大きく損なうことなく、むしろ経験等を生かしましてその能力を有効に発揮することができることから、特例の対象としてございます。
 一方、これ以外の一般の高齢者につきましては、通常の有期契約労働者と同様の雇い止めの不安を抱えておりまして、雇用の安定を図る必要性が高いと思っております。このため、特例の対象にはせず、無期転換ルールを原則どおり適用するものでございます。
 次に、特例の対象となる高齢者の数のお尋ねにつきましては、定年後に継続雇用されている高齢者の働き方が企業の制度あるいは高齢者個々人の選好が様々でございますので、正確な推計は困難でございます。
 ちなみに、高齢法に定める措置を超えて、定年後、引き続き六年以上雇用できる制度を導入しております企業は、従業員三十一人以上で見たところ、昨年の、平成二十五年のいわゆる六・一報告でございますが、全体の八・六%、約一万二千社でございます。少なくとも、これらの企業におきましては対象者が生ずるものと考えております。
○長沢広明君 今御説明あったとおり、高齢者の働き方に合わせて今回対象が限定をしているということでございます。大臣、高齢者が安心して働くことができる環境、この整備を引き続き進めていただくようお願いしたいというふうに思っております。
 この高齢者雇用については、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律によって一定の雇用確保措置がとられているということでございます。平成二十四年には法律を改正して、継続雇用を希望する全ての者について六十五歳までの雇用を確保するという措置もとられてまいりました。ただ、六十五歳以上になっても働いている場合があり、そして元気なうちはもっと働きたいという希望も非常に強いわけでありまして、この法案による特例対象者以外の高齢者の雇用安定についても引き続き重要な課題として取り組んでいただきたいと思います。
 この法案の特例を活用することも重要ですけれども、高齢者が活躍できる雇用の機会をより一層確保していくため、厚生労働省としてどのように取り組むのか、大臣のお考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど来、話が度々出ておりますように、今高齢社会の中で大変有能な、しかし六十五のいわゆる定年を迎えられた方で、会社の方も働いてもらいたいなと思いながら、一方で御自身ももう少し働きたいと。しかし、フルの、無期転換をするというほどではないというようなこともたくさんあるので、今回の新たな特措法によります高齢者の働き方というのも、有力な働き方の一つとして、これからは法律が成立をいたせば広まってくるんではないかなというふうに思うわけであります。
 先生御指摘のように、希望者は今六十五まで雇用が確保できるという高年齢者雇用安定法が成立をいたしまして、一つの言ってみればハードルを越えたんだろうと思います。もちろん、それについてのハローワークによります個別の企業に対する指導というものも、間違いなく希望者が雇っていただけるようにしていくということが一つ。
 それから、高年齢者の新たな雇入れや高年齢者の雇用環境の整備を行う事業主に対しては助成をしております。これは、一人当たり五十万円の助成、中小企業の場合には九十万円の助成ということでやっておりますし、それから、環境整備をした場合については費用の二分の一、中小企業は三分の二を助成するというようなこともやってきているわけであります。
 それから、ハローワークにおけます高齢者の就労支援というものももっと幅広くやっていかなきゃいかぬなというふうに思っているわけでございまして、その他もろもろ考え得る政策はできる限り取り込むということで、引き続いて高齢者の雇用就業機会の確保を進めて元気な高齢社会をつくっていきたいなというふうに私どもとしても思っているところでございます。
○長沢広明君 是非よろしくお願いしたいと思います。
 この法案によって特例が設けられるということでございますが、その特例の対象というものはこの法案の中でも限定されている。細かい部分、これから審議されるということで、具体的なところはこれからという問題はありますけれども、大事なことは、平成二十四年の改正労働契約法で決められた無期転換ルール、大半の労働者にとっては原則どおりこの改正労働契約法の無期転換ルールが適用され続けるということであります。この改正労働契約法でつくった無期転換のルールをきちんと適切に回転させていくこと、動かしていくこと、これが逆に今求められているというふうに思うんですね。
 そういう意味では、この無期転換ルールを始めとする改正労働契約法をしっかり周知していく、その引き続き周知を図っていくことが必要だというふうに考えるので、その点についてのお考えと、それから同時に、有期雇用の労働者について無期転換申込権が発生する直前の雇い止めの問題、これに対する労働者の不安を解消するために厚労省としてどう取り組んでいくか、大臣のお考えを伺って、終わりにしたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 御指摘のように、いわゆる無期転換というのが原則だということでございまして、改正労働契約法の内容については、使用者にその趣旨を十分御理解をいただくように引き続き周知を図っていくことが厚生労働省としても大変重要な役割だというふうに御指摘のとおり思っているところでございます。特に、労政審の建議においても、無期転換申込権の発生前の雇い止めの懸念を踏まえた取組が求められておりまして、無期転換申込権の発生前の雇い止めの抑制等を図る方針もしっかりと履行してまいりたいというふうに思っております。
 このため、改正労働契約法の周知、有期労働契約に関する労働基準法の規定の遵守の徹底、それから無期転換に取り組む企業へのコンサルティングの実施等、個別企業への支援についても来年度概算要求にも必要な経費を計上しておりまして、無期転換ルールの定着のための施策ということで要求額九千二百万を上げているところでございます。こうした予算も活用しながら、例えば監督署やそれからハローワークにおいて、求職者や求人企業も含めた労使への周知等に積極的に取り組んでまいりたいと思っております。
○長沢広明君 終わります。ありがとうございました。
○委員長(丸川珠代君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後二時四十分散会