第187回国会 政府開発援助等に関する特別委員会 第2号
平成二十六年十一月五日(水曜日)
   午後一時開会
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   委員の異動
 十一月四日
    辞任         補欠選任
     島村  大君     江島  潔君
     長浜 博行君     大野 元裕君
     石川 博崇君     平木 大作君
     小野 次郎君     儀間 光男君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         山本 順三君
    理 事
                高橋 克法君
                中西 祐介君
                松山 政司君
                西村まさみ君
                安井美沙子君
                杉  久武君
    委 員
                赤石 清美君
                石井 準一君
                江島  潔君
                大家 敏志君
                大沼みずほ君
                木村 義雄君
                伊達 忠一君
                藤川 政人君
                丸川 珠代君
                水落 敏栄君
                石橋 通宏君
                小川 敏夫君
                大野 元裕君
                津田弥太郎君
                藤末 健三君
                平木 大作君
                田中  茂君
                山田 太郎君
                儀間 光男君
                柴田  巧君
                辰已孝太郎君
              アントニオ猪木君
                又市 征治君
   副大臣
       外務副大臣    中山 泰秀君
   事務局側
       第一特別調査室
       長        岡留 康文君
   政府参考人
       外務省国際協力
       局長       石兼 公博君
   参考人
       独立行政法人国
       際協力機構理事
       長        田中 明彦君
       独立行政法人国
       際協力機構理事  植澤 利次君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○政府開発援助等に関する調査
 (参議院政府開発援助調査に関する件)
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○委員長(山本順三君) ただいまから政府開発援助等に関する特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、石川博崇君、島村大君、小野次郎君及び長浜博行君が委員を辞任され、その補欠として平木大作君、江島潔君、儀間光男君及び大野元裕君が選任されました。
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○委員長(山本順三君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 政府開発援助等に関する調査のため、本日の委員会に外務省国際協力局長石兼公博君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山本順三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(山本順三君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 政府開発援助等に関する調査のため、本日の委員会に独立行政法人国際協力機構理事長田中明彦君及び同理事植澤利次君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山本順三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(山本順三君) 政府開発援助等に関する調査のうち、参議院政府開発援助調査に関する件を議題といたします。
 本日は、平成二十六年度参議院政府開発援助調査派遣団参加議員の方々から各十分程度御意見を伺った後、六十分程度委員間の意見交換を行いたいと存じます。
 御意見を表明していただくのは、第一班のヨルダン・ハシェミット王国、イラク共和国、モロッコ王国、英国については大野元裕君、第二班のドミニカ共和国、パナマ共和国、ニカラグア共和国、コスタリカ共和国については中西祐介君、第三班のフィリピン共和国、ベトナム社会主義共和国、モルディブ共和国、カンボジア王国については平木大作君、第四班のタジキスタン共和国、キルギス共和国、大韓民国については江島潔君です。
 なお、御意見を表明される際は着席のままで結構です。
 それでは、まず、第一班の大野元裕君からお願いいたします。大野元裕君。
○大野元裕君 ODA調査第一班について御報告いたします。
 当班は、本年七月三十一日から八月十日までの十一日間、ヨルダン・ハーシマイト王国、イラク共和国、モロッコ王国及び英国に派遣されました。派遣議員は、松山政司議員を団長とし、大沼みずほ議員、そして、お二人に大変お世話になりました私、大野元裕の三名でございます。
 各訪問国におきましては、ODA案件の視察のほか、相手国政府・議会、国際機関、JICA専門家や青年海外協力隊員、NGOなど、関係者の皆様と率直な意見交換を行うことにより、我が国ODAの実情と課題について調査をいたしました。視察先等の概要はお手元配付の資料に譲ることとし、以下、調査から得られました所見を中心に報告いたします。
 まず、最初の所見といたしましては、ODA大綱の見直し作業が進んでいる今、スマートなODA戦略を構築する必要性を指摘したいと思います。
 この点において、英国の開発協力政策は示唆に富んでいると思います。英国は開発協力の目的を貧困削減と定め、その明確な理念との関連の下に具体的な取組を説明いたしております。英国が国際開発潮流をリードしてきた背景には、この一貫性が生み出す説得力があるのではないかと思います。
 また、理念だけではなく、実際の行動も英国の影響力を裏付けていると思います。昨年、英国はG8諸国として初めて、ODA実績を対GNI比〇・七%以上とする国際目標を達成しました。さらに、二国間協力の対象は、最貧国を中心に二十八か国に重点化しており、国際社会の中でも飛び抜けて拠出先の多い我が国のODAを見直すときが来ているということを示唆しているように感じました。
 一方、我が国の現行ODA大綱を見ると、個々に見るとすばらしい理念が数多く盛り込まれていますが、一つの体系としてうまく整理されていないとの指摘があります。その上で、新大綱にはODAの役割の多様化に対応することが求められており、理念の体系を精緻化する必要性は以前にも増して高まっていると言えます。人間の安全保障などを中核に据え、対外的にも共感を呼ぶようなスマートなODA戦略を構築し、その下で国益と開発協力との調和を図っていくべきと考えます。
 また、ODAを経済成長や安全保障に戦略的に活用するなど、ODAに対する期待が高まる一方で、ODA予算は一般会計当初ベースで十五年連続対前年比マイナスとなっている現実があります。新大綱が画餅に帰すこととならないよう、リソースの確保や選択と集中について政治がしっかりと議論しなければならないと思います。
 次に、最初の所見とも関連しますが、人間の安全保障を推進する具体的な取組とも言える、紛争に伴う難民や受入れ国に対する支援を強化すべきと考えます。当班が調査を行った中東は、我が国のエネルギー安全保障にも直結する最重要地域の一つでありますが、紛争により人道危機が頻発し、難民の接受国では国家の安定が脅かされています。そこで、難民や受入れ国を支援することは、人間の安全保障の推進と中東地域の安定に資するものであり、理念と国益との調和の観点からも望ましい協力であると言えます。
 難民支援は、当初、人道危機に対する緊急支援として行われますが、事態が長期化し、先行きが見通せない状況においては、持続的な支援を可能にするための体制構築が必要になってまいります。シリア危機に伴いヨルダンやイラクなどに流入する難民への支援はそのような段階に至っており、生活インフラの整備など必要なニーズを把握し、支援を継続していく必要があります。
 なお、イラクでは、シリア難民に加え、イスラム国を名のるテロ組織との戦闘に伴う国内避難民も日々増加しております。これらの難民に対する支援は主にクルディスタン地域政府が行っておりますが、イラクの国内政治プロセスにおいて中央政府と地域政府とは緊張関係にあり、中央政府が予算執行での締め付けを行う中で地域政府は財政面で困難な状況となっておりました。我が国のイラク支援は基本的に中央政府や国際機関経由で行われていますが、イスラム国との戦いが深刻化する中で、クルディスタン地域政府の重要性が高まっているところ、資金や武器の供与などで同地域政府を支援している多くの国に鑑み、我が国もイラクの安定化において同地域政府が果たし得る役割や今後の関係構築なども視野に柔軟な支援を強化していくべきと考えます。
 イスラム国との戦いは国際社会の深刻な課題となっており、政府が関連する難民支援として二千五百五十万ドルの追加支出を決定したことは評価したいと思います。事態を注視しつつ、必要な支援が行われることを期待するとともに、イラクに対するポスト三十五億ドル支援の日本の支援というものを検討しなければならない時期に差しかかっていると思っています。
 次に、女性や子供など、社会的弱者に焦点を当てた支援は、人間の安全保障を推進する上でも重要であり、強化していく必要があります。特に、今回の調査地域であるアフリカ、中東は、経済、文化、宗教など様々な理由により、他の地域以上に女性や子供が持てる力を発揮し自らの生き方を切り開いていくことが困難な地域であり、重点的に取り組むべき課題であります。
 難民キャンプのような特に劣悪な環境においては、女性の立場は非常に脆弱であり、常に性暴力やDVなどの脅威にさらされています。女性の尊厳を守るためにも、我が国は、UNHCRやNGOなどが行っている女性の権利の啓発や保護活動を積極的に支援していくべきと考えます。
 また、モロッコにおいては、産科病棟に対する施設整備及び機材の供与、女性の職業訓練センターの建設などの支援を行っていますが、これは地域における女性の出産環境の改善や就労支援として適切なものであり、相手国側からも高く評価されていました。このような地道な取組により、我が国は途上国においても女性の輝く社会が築かれるように支援を続けていく必要があります。
 なお、産科病棟への支援に関連し、我が国が供与した機材の一部が医師不足のために有効活用できていない事実や小児科医療との連携において課題があることも確認されました。今後の支援では教訓にしていただきたいと思っています。
 次に、援助に依存しない自立的な発展を可能にするために、相手国の強みを生かした産業の振興を支援することの重要性を指摘したいと思います。
 ペトラ遺跡などの文化遺産や死海のような特色ある自然など、豊富な観光資源を有するヨルダンでは、観光業に大きな可能性があります。調査では、ヨルダンの古都サルト市の観光開発への協力を視察し、特有の都市景観やイスラム教とキリスト教が共存する文化など、埋もれた観光資源を活用する意義を確認しました。
 しかし、その一方で、市内の街路にはごみが散乱し、悪臭が立ち込める区画があるなど、観光開発は道半ばであると感じました。これまでの支援を結実させるためには、地域住民を巻き込み、意識を高めていく取組を一層強化していく必要があると思います。
 また、モロッコでは、水産物が重要な輸出品であり、漁業が雇用の確保や外貨の獲得に大きな役割を果たしております。我が国はモロッコに対し、今回の視察先である国立漁業研究所中央研究所の建設を始め、漁業調査船の供与、資源調査に関する技術協力など、長期にわたり水産協力を続けており、モロッコが強みを生かすための貢献を行っています。この水産協力は、モロッコからも高く評価されており、日本漁船の入漁料への配慮や、円借款による調達が予定されている新規漁業調査船にSTEP適用を要請する方針が示されるなど、我が国の国益にもつながっていることが確認されました。これは、今後のODAの戦略的活用の在り方を考える上で示唆を与えるものではないかと思います。
 次に、同じくODAの戦略的活用として、近年取組が進められている日本企業の海外展開支援の強化についてであります。
 今回訪問しましたイラクのクルディスタン地域政府やモロッコ政府要人との意見交換では、ODAに対する感謝と並び、日本企業の直接投資に対する強い期待が表明されました。さらに、イラクでは、七〇年代、八〇年代の実績から日本企業に対する信頼感が高く、また、モロッコも欧州諸国などと積極的なFTA戦略を展開しているなど、日本企業の海外展開先として魅力的と思われます。ODAを活用して日本企業の海外展開支援をする場合、このような優位性の有無を考慮しつつ、対象を精査していくことが重要です。その際、既に現地で活動している商社など日本企業は貴重な情報源であり、彼らと意思疎通を深め、CSR活動なども連携し、進出先の国の開発に資する効果的な支援とすることが重要だと思います。
 途上国、特にアフリカ、中東は、政変や地域情勢の急変など、企業の力だけでは解決困難な問題が生じるリスクの高い地域です。こうした地域に企業の進出を促し、開発協力との連携を図っていくためには、ODAの活用のほか、相手国政府との緊密な連携、ソフトパワーも活用した日本ブランドの浸透、治安等の情報収集と提供など、包括的な支援が必要であることも忘れてはいけないと思います。
 次に、我が国ODAの強みである人を通じた協力についてであります。
 調査では、相手国から例外なく、青年海外協力隊など、我が国援助関係者の真摯な取組を称賛する声が聞かれました。我が国のソフトパワーとも言えるこのような人材を今後も確保していくために、協力隊OB・OGなどが国際協力の意義ややりがいを発信する取組を強化する必要があります。同時に、協力隊員等が安心して活動できるように、相手国との緻密な事前調査、安全の確保、帰国後の再就職支援など、サポート体制をしっかりと構築することも肝要です。
 また、近年、我が国はバイの援助への重点化を進めておりますが、国際機関を通じたマルチの援助には、高い専門性や組織力、長年培ったノウハウなど、バイの援助を補うメリットもあり、適切に連携することが重要です。しかし、マルチの援助には我が国の顔が見えないとの批判があるため、国際機関の意思決定に関与できる日本人職員を増やしていく必要があります。
 外務省もJPO派遣制度などにより底上げを図っておりますが、意見交換を行った国連パレスチナ難民救済事業機関の清田保健局長から、職員採用の観点でも幹部職員ポストの確保が重要であることや、限られた予算で日本のプレゼンスを示すにはイヤーマークを付した資金拠出も有効であるとの示唆があり、これらの取組も併せて強化していく必要があると思います。
 最後に、二〇一五年以降の国際開発アジェンダの決定を始め、今後の開発協力の国際潮流形成において、我が国は積極的に関与し、議論を主導していく必要があります。経済開発を重視した我が国の協力は、アジアの発展に大きく貢献したと思います。現在、包摂的な経済成長を通じた貧困削減、民間資金との連携などが国際開発の新たな潮流となっておりますが、そこでは我が国のアジアにおける経験は大きなアドバンテージであり、新たなアジェンダ設定の議論に貢献し得るものと考えます。
 大きな成果を上げながら、我が国が国際開発潮流を十分にリードできなかったのは、最初にも述べました開発協力の理念の整理に加え、理念と成果をつなぐ説得力ある分析と発信が十分でなかったためではないかと思います。英国の開発政策の立案では、シンクタンクであるODIが大きな役割を果たしていると聞きます。我が国も政策立案において、JICA研究所や国際開発に関する研究者との連携を強化し、しっかりと理論武装をする必要があります。
 また、その英国も、経済開発を通じた貧困削減を重視するようになり、我が国の立場と接近しているように思います。アジェンダセッティングに強みを持つ英国との連携を深めることは、我が国の開発理念を浸透する上でも有意義であると考えます。
 以上が第一班の調査から得られました所見の概要であります。これらの成果が今後のODAに関する国会論議やODA大綱の見直し、それらを踏まえた開発協力の実施に生かされることを強く願うものであります。
 最後になりましたが、今回の調査に御協力いただきました訪問先、そして事務局を始めとする内外の関係者の皆様に心から感謝を申し上げ、報告といたします。
 ありがとうございました。
○委員長(山本順三君) ありがとうございました。
 次に、第二班の中西祐介君にお願いいたします。中西祐介君。
○中西祐介君 ODA調査派遣第二班について御報告をいたします。
 当班は、去る八月二十三日から九月一日までの十日間、ドミニカ共和国、パナマ共和国、ニカラグア共和国及びコスタリカ共和国に派遣をされました。派遣議員につきましては、本ODA特別委員会理事である高橋克法議員、そして石橋通宏議員、そしてお二人にサポートをいただきながら団長を務めさせていただきました私、中西祐介の三名でございます。
 我々は、四か国を訪問いたしまして、十七か所のODAサイトを視察をいたしました。また、現地の方はもちろんのこと、JOCV、シニアボランティアを中心にJICA関係者二十三人からも現地の実情等について聴取をしてまいりました。
 本日は調査を通じて得られました所見につきまして、その概要を御報告をいたします。
 まず、今回訪問した中米諸国についての所見を申し上げます。
 今回訪問した四か国に限らず、中米は親日的な国が多く、また、一部最貧国はあるものの、全体的に経済水準は向上しており、今回訪問した中では、ニカラグアを除く三か国はODAからの卒業に向かいつつある国であります。
 訪問した四か国と日本との共通点といたしましては、エネルギーの対外依存度が高いこと、火山あるいは台風といった自然災害の影響を受けやすいといった点がありまして、特にエネルギー・環境問題につきましては協力、協働していく余地が大変に大きいというふうに感じられ、これらの問題についてはODA以外の形でも大いに協力をする必要があると考えます。
 また、技術協力などのよりソフト面での協力が求められている場面が多く、後ほど個別の国についての報告の中でも触れますが、算数プロジェクトやあるいは環境教育に見られる教育分野への支援は特に重要であります。こうした協力は、格差是正や社会の安定的な発展にも資するものでありまして、国民の所得レベルにかかわらず支援をしていくことが大切であります。
 その意味では、JOCVやシニアボランティアが広く現地で受け入れられ、コミュニティーの一員として活躍していることには大変心強いものがございました。日本と各国とのより良い関係を築く上では、交流の第一線を担う人が全てと言っても過言ではなく、より多くの有為な人材が海外で活躍できるよう、各国への派遣制度の多様性、弾力性を増すべきだと考えます。
 七月から八月にかけまして安倍総理が中南米を歴訪していただいたこともございまして、中米地域での我が国への期待は大変に高まっております。また、来年は中米との交流八十周年という節目の年でありまして、中米交流年であることも踏まえて、日本と中米との一層の親密な交流に向けてのODAを含めた協力体制を模索すべきであると考えます。
 以下、訪問国ごとに説明を申し上げます。
 まず、ドミニカ共和国につきまして申し上げます。
 八月に示された国別援助方針(案)では、重点分野として持続的な経済開発と格差是正を挙げています。
 持続的な経済開発につきましては、ドミニカの経済発展の上で重要な観光分野に関しまして、豊かな観光地域づくりプロジェクトを視察をいたしました。お手元の資料、参考資料の二十六ページに写真も掲載をさせていただいております。ここでは、観光活動への参加による地域づくりを進めるものとして、特定の観光産業だけではなく、広く地域に裨益する事業を行っており、今後の発展を感じることができました。また、JICAボランティアが現地に溶け込んで信頼関係を構築して行う活動を目の当たりにし、ドミニカのようなODAからの卒業に向かいつつある国においては、人材の提供が今後も鍵を握るものであるということを改めて痛感をいたしました。
 また、ドミニカも日本同様、輸入化石燃料に多くを依存をしている状況でありまして、メディーナ大統領表敬訪問の際には、カーボンオフセットの二国間クレジットの実現について当方から問題提起をしてまいりました。世界共通の環境問題に取り組んでいくということにおきましても、ドミニカへの支援は大変重要であると感じた次第であります。
 格差是正につきましては、首都サントドミンゴ市内のサン・ホセ学校を訪問いたしました。同校での意見聴取におきましても、依然貧困家庭が存在するほか、教師の不足といった教育インフラの不備を指摘をされました。社会的インフラの整備は依然必要であると認識をした次第であります。
 次に、パナマ共和国について申し上げます。
 国別支援方針では、重点分野として持続可能な経済成長及び格差是正が挙げられておる状況であります。
 この持続可能な経済成長につきましては、パナマ湾浄化計画に係る下水処理施設を視察をいたしました。同計画は、第六回派遣で視察をできなかった案件でもありますが、一日約三十三万立方メートルの未処理下水がパナマ湾に垂れ流されているという状況の改善のために、二〇〇七年から二〇一五年までにかけて百九十四億円の円借款により行うという大事業であります。既に下水処理場も稼働しており、二〇一五年までにはパナマ首都圏の汚水処理率を七六%にまで改善するとされております。将来的には、パナマ湾で遊泳を可能とすることを目指しております。パナマの環境問題改善には、こうした施設整備のほか、河川にごみを投棄しないなどといった環境教育、啓発の必要性も同時に認識をさせられました。
 格差是正につきましては、パナマ市内にある生活困窮家庭を対象にしたエルチョリージョ託児所を視察をいたしました。パナマでは、首都圏と地方農村部との経済格差の拡大傾向のほか、都市部における貧富の差も依然として大きいと指摘されておりまして、貧困者層に対する教育支援は大変重要であります。
 また、パナマでは、ODA卒業に向けて事業規模を縮小しておりますが、JOCV隊員による農村などでの活動には依然ニーズがあると感じられ、地元の方々への活動の円滑な引継ぎが必要であります。
 次に、ニカラグアについて申し上げます。
 八月時点での国別援助方針では、重点分野としては経済の活性化に向けた基盤づくり、貧困層・地域における社会開発、環境保全と防災が挙げられておりました。
 まず、経済の活性化に向けた基盤づくりにつきましては、日本の支援で建設されたラス・バンデラス橋を視察をいたしまして、往復、車両で通行いたしました。ニカラグアでは、日本の技術、特に橋梁建設技術に対する信頼の高さが随所で感じられました。また、会談したマルティネス運輸インフラ担当大臣も、日本の橋梁建設技術を高く評価をしていただいており、インフラ整備での協力が日本の存在感を際立たせることを改めて銘記する必要があります。
 貧困層・地域における社会開発のうち、貧困対策としては長期的に見れば教育が最重要でありますが、初等教育算数指導力向上プロジェクト(フェーズ2)関係施設の視察及びJOCVとの意見交換を通じて、ニカラグアでの算数教育の着実な改善が理解をされました。このプロジェクトでは、ホンジュラスで実施した先行プロジェクトに発展、改良を加えたものとされまして、同じスペイン語圏の場合、一国で成功した事例を他国に移入するということは、安定的で有効性が高い結果を得られると理解をいたしました。このほか、健康医療施設としてのボアコ病院、農村開発のためのコミュニティー強化計画プロジェクトもそれぞれ効果を上げております。
 環境保全につきましては、ディリアンバ市において太陽光発電所を視察をいたしました。ニカラグアも化石燃料への依存度が高く、再生資源エネルギーの利活用は重要であります。同発電所はまだ利益は出ておりませんが、環境教育の場としても役立っておりまして、教育への貢献も無視できない要素であると実感をいたしました。
 最後に、コスタリカ共和国について申し上げます。
 国別援助方針では、重点分野として環境問題と産業振興が挙げられております。
 まず、環境問題につきましては、ピリス発電所のダム部分を視察をいたしました。コスタリカでは、再生可能エネルギーへの依存度が四分の三程度とされておりますが、ピリス発電所は首都圏に近い施設として戦略的にも重要視され、事後評価も良好であります。同ダム建設においては、コスタリカ初の環境影響評価を行っているなど、環境対策においても一定のインパクトを与えたことは重視されるべきであります。
 また、生物多様性研究所公園における地熱発電関連の展示への協力は、我が国がコスタリカの三か所で行っている地熱発電所建設支援ともつながりのある環境教育活動として有意義なものとして認識をいたしました。
 参加型生物多様性保全推進プロジェクトも、コスタリカで行われている先駆的な生物多様性保全に係る活動を他国に広めていくといった先進的なプロジェクトでありまして、援助国である我が国にとっても学ぶべき点が多いと認識をいたしました。
 サンホセ首都圏環境改善計画につきましては、環境立国を図るコスタリカのインフラ整備の重要性を改めて感じた次第であります。
 コスタリカにおいては、環境分野以外でも、国立通信教育大学の印刷所に対する文化無償支援、あるいは野球についてJOCVの派遣といった取組がございました。目立たない分野でもございますけれども、コスタリカにおける日本の信頼醸成に大きく寄与をしておりまして、中米における日本のプレゼンスを維持する上で重要な支援でございます。
 以上が第二班の所見の概要であります。
 最後になりましたが、調査に御協力をいただいた訪問先の方々、内外の関係機関の方々に対し心から感謝を申し上げ、報告を終わります。
○委員長(山本順三君) ありがとうございました。
 次に、第三班の平木大作君にお願いいたします。平木大作君。
○平木大作君 ODA調査派遣第三班について御報告をいたします。
 当班は、去る八月十九日から二十九日までの十一日間、フィリピン共和国、ベトナム社会主義共和国、モルディブ共和国及びカンボジア王国に派遣されました。このうち、モルディブ共和国は海外派遣調査の初訪問国であります。
 派遣議員は、団長の榛葉賀津也議員、猪口邦子議員、島村大議員、儀間光男議員、そして私、平木大作の五名であります。
 本日は、調査を通じて得られました所見につきまして、その概要を御報告いたします。
 最初に、まずフィリピン共和国について申し上げます。
 フィリピンへの援助では、投資促進を通じた持続的経済成長、脆弱性の克服と生活・生産基盤の安定、ミンダナオにおける平和と開発が重点分野とされております。
 まず、投資促進を通じた持続的経済成長及びミンダナオにおける平和と開発についてでありますが、バリサカン国家経済開発庁長官から、マニラ首都圏における交通インフラの整備に対する支援やミンダナオ島におけるロジスティック整備への支援に対する期待が示されました。引き続き、両国間の十分な対話の下、ニーズに即した支援の検討が必要と考えます。
 次に、脆弱性の克服と生活・生産基盤の安定の関係として、フィリピン気象天文庁を訪問しました。同庁に関しては、二〇一三年十一月の台風ヨランダ災害の教訓を踏まえ、適切な防災情報を迅速、的確に住民に伝達し、その生命、身体、財産を守るための支援を図ることが課題になると考えます。
 また、台風ヨランダにより甚大な被害を受けたレイテ州を訪問し、我が国が復旧復興に関する支援を行っているタクロバン空港、東ビサヤ地域医療センター、パロ・アラド小学校を視察しました。これらの施設の復旧復興については、現在は計画段階であり、復興の進捗を実感できる段階には至っていないように感じられました。被災地の迅速な復旧に向け、支援の一層の加速化に留意すべきであります。
 フィリピンの持続的発展のためには、交通インフラの整備や災害リスクの脆弱性の克服が鍵と考えられます。我が国のODAで建設した小学校は台風ヨランダの強風でも屋根が飛ばされず、フィリピンでは我が国のODAの質に対する評価も高まっているとのことであります。引き続き、発展の鍵となる事項に軸を置いた援助を進めるべきと考えます。
 次に、ベトナム社会主義共和国について申し上げます。
 ベトナムへの援助では、成長と競争力強化、脆弱性への対応、ガバナンス強化が重点分野とされています。
 このうち、成長と競争力強化に関連し、我が国が建設等の支援を行っているハノイ市環状三号線及びノイバイ国際空港を視察しました。道路交通量、航空旅客輸送量とも限界に達しつつあり、これらの建設、整備は重要であります。本事案を含め、時宜にかなった支援の実施が求められます。
 次に、JICAの中小企業海外展開事業により、ベトナムにおいてガソリンスタンドの二重殻タンクの普及を目指す玉田工業の事業実施サイトを視察しました。普及のためには法制度の整備まで視野に入れた取組が必要とのことであり、我が国の中小企業が途上国に進出する上で公的セクターが力を発揮すべき分野は多岐にわたっていることを改めて認識しました。こういった観点を含めて、中小企業への支援を引き続き積極的に進めるべきであります。
 脆弱性への対応に関連して視察したワクチン・生物製剤研究・製造センターでは、我が国の麻疹風疹混合ワクチンの製造技術移転により、我が国と同水準のワクチン製造体制の整備を図っています。しかしながら、接種するまでの間、ワクチンを低温で輸送するコールドチェーンが確立していなければ、ワクチンの有効性が損なわれる懸念もあります。物流全般の改善が課題となりますが、ODAの実施に当たっては、一過程に対する援助にとどまらない、より広がりを持った支援を検討することが求められると考えます。
 ところで、我が国のODAに関し、ベトナムでは二度にわたり不正事件が発生し、ガバナンス強化が強く求められております。これに関連し、ブイ・クアン・ヴィン計画投資大臣から、隙間のない法的体制を構築するため、既に公共投資法、入札法、投資家選定法の改正に取り組んできたこと、モニタリング体制を強化するため、案件ごとに会計検査を実施すること、加えて、不正に対して厳しい処罰を科すようにする旨の発言を得ました。ベトナム側の今後の対応を注視していく必要があります。
 また、ホー・スアン・ソン外務次官から、南シナ海をめぐるベトナムの中国への対応等について発言がありましたが、我が国とベトナムは、経済面のみならず政治面でも利害を共有することが多く、ガバナンス強化に向けた支援を検討しながら、ODAによる支援を進めることが重要であります。
 次に、モルディブ共和国について申し上げます。
 モルディブへの援助では、地球温暖化、気候変動による海面上昇の影響を直接受ける小島嶼国という特殊事情を踏まえた気候変動対策分野、教育・保健を始めとする社会開発分野が重点分野とされています。
 まず、気候変動対策分野に関し、ヤーミン大統領や政府関係者からは、海面水位の上昇により多くの島で海岸浸食が深刻な問題となっているとの発言がありました。我が国とモルディブとの間で緊密な対話を続けながら、より効果的な援助の在り方を検討していくことが肝要であります。
 次に、教育・保健を始めとする社会開発分野に関し、我が国が建設の支援を行ったヒリア小・中学校を視察しました。なお、同校の屋上には、気候変動対策分野に関連するODAとして、我が国が支援を行ったクリーンエネルギー促進計画による太陽光パネルが設置されています。クリーンエネルギー促進計画では、つくった電気を自ら学校で使用することはできませんが、これを使用できるようにした方が、子供の環境学習に寄与し、国民の関心を高めていく上でより有効とも考えられます。我が国の支援により設けられた複数の施設に関し、援助先の政府と十分に調整しながら、より有機的、効果的な活用が図られるよう留意していくことが重要であります。
 また、二〇〇四年のスマトラ沖大地震・インド洋大津波に際し、我が国のODAにより建設され、首都マレ島を甚大な被害から守った護岸を視察しました。これは、我が国のODAが大災害から人命を救い、その品質の高さを世界に示した格好の事例であり、このことを風化させないことが、品質の高さという我が国のODAの特性を被援助国に強調していく上でも重要であります。護岸に設置されたODA銘板に細かい穴が空き、傷みが生じていましたが、これらの点にも配意していくことがODAの実績を風化させないためにも効果的であると考えます。
 さらに、ヤーミン大統領からは、過密な首都から若者を移住させ、そこで若者の健全な育成を図るユースシティを建設すること等への協力要請を受けましたが、会談の中で、中国にも同様の要請をしている旨の示唆がなされました。事業の有用性や将来性を慎重に精査し、いたずらに中国や韓国などの国々と援助を競い合うことは慎まなければなりませんが、今後とも、我が国ODAのこれまでの援助の経緯や、その高い品質などの特性を粘り強く浸透させていくことが必要であります。
 なお、モルディブはシーレーンの観点からも極めて重要な国と位置付けられています。このことも含め、効果的なODAの実施に向けた検討が求められております。
 最後に、カンボジア王国について申し上げます。
 カンボジアへの援助では、経済基盤の強化、社会開発の促進、ガバナンス強化が重点分野とされています。
 このうち、経済基盤の強化に関して、国道一号線のメコン川渡河地点に我が国の支援により架橋を行っているネアックルン橋梁建設現場を視察しました。その開通は、アジアハイウエーの一部としてメコン地域全体の物流、交通、交流の円滑化や経済発展に寄与するものであります。今後は、ネアックルン橋梁部分以外の国道一号線の未整備区間の整備への支援を進め、その効果が一層発揮されるよう図るべきであると考えます。
 また、社会開発の促進に関して、カンボジア地雷除去センターシェムリアップ事務所において、地雷の除去訓練を視察しました。カンボジアでは、二〇一九年までに対人地雷の完全除去を目指していますが、カンボジア政府が対人地雷除去活動をより効果的、効率的に行えるよう、地雷除去活動の更なる支援についても検討すべきであると考えます。
 さらに、カンボジアの母子保健の臨床、研修、行政機能の拠点である国立母子保健センターを視察しました。カンボジアは、周辺諸国と比べて高い乳児死亡率、五歳未満児死亡率及び妊産婦死亡率の低減を目指しています。そのためには、カンボジア全土で質の高い助産ケアが行われるようにすることが必要であり、地方における助産師の研修システム整備のため一層の支援を図ることが重要であります。
 また、修復に関する支援を行っているアンコール遺跡を視察しました。アンコール遺跡については多くの国が修復に参加していますが、修復に関する諸外国間の調整が十分に図られていないとの意見も聞かれました。我が国は、カンボジア人技術者の育成を重視する支援を実施していますが、我が国の支援方法とその意義をより広く周知するとともに、カンボジア政府が各国間の調整を一層主体的に行うことができるよう、所要の支援を検討すべきであると考えます。
 カンボジアの産業は零細な農業が主体であり、米が主要産品でありますが、食品加工を含めた製造業が発展していないため、逆に米加工品を含めた多くの食料品、生活用品を輸入に頼っています。現地日本企業の関係者からは、ODAによる製造業の育成支援の必要性について多く意見が寄せられました。
 今後とも、ODAを有効に活用し、カンボジアがこれまで以上に主体性を持って諸政策に取り組めるよう促していくことが重要と考えます。
 今回、東南アジア、南アジア諸国のうち四か国を訪問いたしましたが、同じ東南アジア、南アジアの地域といっても、その国情はまちまちであります。
 我が国のODAを含む支援は、関係者の尽力により高い評価を得て効果を上げているところでありますが、一層の効率的、効果的な支援を進めていくためには、被援助国との積極的な対話等を通じ、その国の特性に応じたニーズの一層の深掘り、掘り起こしを図っていくことが重要であることを強く認識いたしました。
 今回の調査に当たり、外務省、JICA、在外公館、JICA現地事務所、訪問先の皆様には多大な御協力をいただきました。改めて感謝の意を表しまして、報告を終わります。
○委員長(山本順三君) ありがとうございました。
 次に、第四班の江島潔君にお願いいたします。江島潔君。
○江島潔君 それでは、ODA調査派遣第四班について御報告をいたします。
 第四班は、本年七月二十九日から八月七日までの十日間、タジキスタン共和国、キルギス共和国及び大韓民国の三か国に派遣されました。
 派遣議員は、団長の佐藤正久議員、礒崎哲史議員、山田太郎議員、小池晃議員、そして私、江島潔の五名でございます。
 タジキスタン、キルギス共和国及び韓国は、ODA調査派遣団としては初めての訪問国となります。
 当班は、ODA案件を視察し、また政府、議会等の要人、現地のJICA関係者、国際機関等の方々と率直な意見交換を行い、タジキスタン、キルギス両国における我が国ODAの課題、並びに韓国ODAの動向等を調査いたしました。
 本調査の詳細につきましては、後日配付されます派遣報告書に譲ることとし、以下、調査を通じて得ました所見を中心に御報告いたします。
 なお、各訪問国において、東日本大震災への温かい御支援に対する感謝を申し上げ、またタジキスタンのUNDP事務所では、一九九八年に殉職された故秋野豊氏を慰霊するために献花を行い、また韓国においては、セウォル号の沈没事故についてお見舞いとお悔やみを申し上げたことを付言いたします。
 それでは、まず最初の訪問国であるタジキスタンへのODAについて、四点の課題を申し述べます。
 第一には、アフガニスタンの安定とタジキスタン支援における国際機関との連携であります。
 タジキスタン要人との意見交換では、隣国アフガニスタンの社会的不安によるタジキスタンの社会的安定の阻害について不安などが述べられました。一方、下村UNDP事務所長との意見交換からは、我が国ODAの裨益効果の向上のため、タジキスタンの国際関係を考慮した、いわゆるバイとマルチの一層上手な使い分けの必要性を認識いたしました。このため、タジキスタンへの支援には、我が国と国際機関との緊密な連携の必要があります。
 第二には、供与限度額の制約に対する制度の改善等であります。
 視察したハトロン州の校舎改修計画では、いわゆる草の根無償の供与額の上限が原則一千万円という制度上の制約から、校庭の整備やトイレの改修などがなされず、その予算獲得も非常に困難なため、仮に他国の援助で整備等がなされれば、我が国の取組は色あせて見えるでしょう。このため、予算の重点配分にも資する制度改善や国際機関と連携した支援制度の構築に向けた検討の必要があるでしょう。
 第三には、経済社会インフラ整備の支援継続の必要性であります。
 サイード第一副首相とアソーゾーダ運輸大臣から、交通、運輸など経済インフラの整備が強く要望されました。また、ボボホジエヴァ保健社会保護第一次官からは、医療機材の不足等の問題点が指摘されました。そこで、タジキスタンにおける我が国ODAのプレゼンスを高めるためにも、経済社会インフラ整備の支援継続の必要があります。
 第四には、特命全権大使設置の必要性であります。
 タジキスタンには現在、我が国の特命全権大使は置かれていません。現下の情勢では、特命全権大使が置かれていないことは様々な判断が迅速になされるのかといった疑問が生じます。サイード第一副首相などの要望も強く、日本とタジキスタンの関係を一層強化するためにも、特命全権大使設置の必要があります。
 次の訪問国キルギスへのODAについて、三点の課題を申し述べます。
 第一には、関税同盟への加盟の影響と我が国からの投資の誘致であります。
 キルギスは、ロシア等との関税同盟加盟により、中継貿易のメリットを失うため、国内産業の振興が必要とされています。このため、オトルバエフ首相など、我が国からの直接投資を強く要望されています。我が国は、キルギスの産業振興のため、国民所得の押し上げによる需要の喚起を図りつつ、投資の誘致に向けた取組等を行う必要があると考えます。
 第二には、一村一品プロジェクトの自立的経営に向けた取組の必要性であります。
 このプロジェクトは来年一月に終了する予定ですが、住民生活の中ではその存在感を増しており、視察先であるイシククリ州のカプタガエフ知事も高く評価され、その支援継続を求めています。このため、JICAの支援なしには継続できない現状から脱却すべく、自立的経営に向けた取組の必要があるでしょう。
 第三には、キルギスの議会制民主主義の発展に向けた支援の必要性であります。
 キルギスは、中央アジアで唯一、議会制民主主義を確立した国家です。ジェエンベコフ共和国議会議長は、議会制民主主義がキルギスの持続的発展に寄与していると指摘され、また、その議会制民主主義の維持は中央アジアの安定にも寄与することを強く認識すべきです。このキルギスの議会制民主主義の更なる発展のため、可能な限りの支援の必要があるでしょう。
 三番目の訪問国韓国のODAの動向については、その意見交換を踏まえ、三点の所見を申し述べます。
 第一には、効率的なODAの実施であります。
 韓国の援助実施機関であるKOICAのキム理事長は、現在のJICAは理想的と評価され、KOICAともう一つの援助実施機関であるEDCFが持つそれぞれの機能の将来的な統合について、必要があると述べています。我が国の援助実施機関は既にJICAに統合されていますが、ODA予算は外務省以外にも多額が計上され、事業予算で見ますと、財務省の事業予算が外務省のそれを上回っています。
 そこで、効率的なODAの実施のために、省庁間でより一層緊密な連携を図り、各省庁の取組が相乗効果を生むようにすべきと考えます。
 第二には、日韓の援助協力であります。
 日韓がODAで一層協力すれば、必要な国に良いものを安く供与でき、また、日韓共にODA予算が限られる中、その推進は、不足する財源を補完し合うことも可能と考えられます。
 今後、ODAで日韓協力を推進するため、その課題を克服しつつ、日韓の得意分野でお互いに補完しながら進める必要があるでしょう。
 第三には、日韓ODAにおけるタイイング・ステータスであります。
 韓国のタイイング・ステータスは、アンタイドの比率が低いものの、二〇一五年までに七五%に引き上げる目標を持っています。一方、我が国ODAはアンタイドの比率が高いと言えるでしょう。
 我が国は、二〇二〇年までにインフラ輸出を三十兆円に拡大する方針を掲げ、ODAの戦略的な展開によりインフラ輸出も促進していますが、今後とも、アンタイド化の世界的潮流から逸脱せず、インフラ輸出に貢献するようなODAの制度構築に向けた検討の必要があるでしょう。
 最後に、その他の課題として四点を申し述べます。
 第一には、青年海外協力隊員の再就職のケアと情報の活用であります。
 隊員との意見交換の中で、任期終了後の再就職の不安が述べられました。これを受け、韓国の日本企業関係者に隊員の採用について質問しましたが、採用はあるが少ないとのことでした。再就職のケアは優秀な人材の確保にもつながるため、隊員の優秀さをインターネット等により一層の周知を行い、再就職支援の仕組みを検討すべきです。
 なお、今回の調査では、現場で活躍する隊員が発信する情報の多様性が認識できました。外交官が日常的に情報収集できない地域で活動する隊員は、インターネット等の活用により貴重な情報を発信しています。この貴重な情報を集約し、活用する仕組みの検討は有益であると考えられます。
 第二には、被援助国における人材育成の支援と人材開発センターの存在意義の見直しであります。
 タジキスタン、キルギス両国の要人はJICAの人材育成プロジェクトを高く評価していますが、この両国から留学生の数は国費留学その他を合わせても百名に及びません。
 人材育成・開発の支援には二つの大事な点があると考えます。一つは、被援助国の自立のため、その国の技術者を育成し、優秀な我が国の技術をその国に定着させることです。そのため、日本人の派遣に加え、我が国への留学等の機会を増やし、より高度な技術を習得させる更なる支援の必要性があります。二つ目は、人材開発センターの存在意義の見直しの検討です。キルギス日本人材開発センターで孔子学院の質問をした際、キルギス中国学術院で年間二千人が中国語を学び、その習得が就職にも直結している一方、日本語の習得は就職に直結していないとのことでした。
 人材開発センターの存在は重要です。その事業継続のため、その存在意義を見直して、同センターの役割として情報発信を位置付け、日本企業の進出支援をするなど新たな工夫を検討する必要があると考えられます。
 第三には、我が国の顔が見える援助と中国のプレゼンスであります。
 中国の進出をタジキスタンは歓迎する向きもあると言われます。キルギス要人も、中国が巨額の投資資金を有し、プレゼンスを十分に発揮していると述べています。我が国の援助は技術が優れ品質が高いと評価されますが、中国の援助は規模が大きく対応が早いなど、それらが中央アジアでのプレゼンスに直結していると思われます。
 我が国には遠い親戚より近くの他人ということわざがあります。顔の見えない遠い親戚にならないよう、タジキスタン、キルギス両国だけでなく、中央アジア諸国が我が国を強く信頼するべく、我が国ならではの援助を考える必要があるでしょう。
 第四には、信頼関係維持に向けた議会間交流を通じた支援の検討であります。
 タジキスタン及びキルギスへのODA調査により、両国は日本との信頼関係の強さを認識したと思われます。被援助国との信頼関係発展のため、今後、政府のODAによる支援に加え、議会間交流を通じた支援の取組も検討すべきと考えます。
 最後となりましたが、この場をお借りして、今回の派遣において御協力をいただきました外務省、JICAを始めとして、在外公館、JICA現地事務所、青年海外協力隊、NGO、国際機関現地事務所及び現地日本企業等のそれぞれの関係者に感謝を申し上げます。
 以上で報告を終わります。
 御清聴ありがとうございました。
○委員長(山本順三君) ありがとうございました。
 以上で意見の聴取は終わりました。
 これより意見交換に入ります。
 本日は、外務省から中山外務副大臣及び石兼国際協力局長に、独立行政法人国際協力機構から田中理事長及び植澤理事に、それぞれ御同席をいただいております。発言に対して回答をお求めになる場合には、派遣に参加された委員に対してだけでなく、御同席をいただいている方々に対してお求めいただいても結構です。
 発言を希望される方は、挙手の上、委員長の指名を待って御発言ください。
 また、回答をされる方も挙手をお願いいたします。
 なお、発言は全て起立してお願いいたします。
 それでは、発言を希望される方は挙手をお願いします。
 じゃ、順番に参りましょうか。まずは、藤末健三君。
○藤末健三君 どうもありがとうございます、委員長。
 私、民主党の藤末健三でございます。
 私は、外務省とJICAの方にお聞きしたいんですが、今回のこの一班の大野さんの報告にありますように、私も、やっぱり海外を伺う中で、日本のこのODAの大きな旗印、何かまだ明確じゃないなと思っております。そういう中で、ここにございますように、人間の安全保障ということを我が国は小渕内閣時代に唱え、ずっと続けてきたわけでございますが、この人間の安全保障というものをより一層高めていく必要、そしてまた出していく必要があるんではないかなということを考えております。
 特に、この人間の安全保障という概念は、日本国憲法前文にありますように、全世界の国民がひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和に生存する権利を有することを確認すると。そしてまた、憲法前文の最後に、日本国民はこの崇高な理想を実現することをということを書いていますので、その憲法に基づくこの理念、それを実現するのが人間の安全保障ということで、もっと強く打ち出していくべきじゃないかと思いますが、まずその点、またいかがでございましょうか。
 そして同時に、まさしくこの第一班のレポート、非常に共感するところ多いわけでございますけれど、女性と子供に焦点を当てるというのは一つの我々日本の道ではないかなと思っております。
 私も、このODA調査会にずっと所属させていただく中で、例えばカンボジアに建てられた学校とか、あとタンザニアに建てられた学校、先日、アフガニスタンに学校を造られている方々とお会いしてきました。やはり聞いていますと、例えばアフガニスタンですと、十一の学校を日本人の力で造り、そして驚きましたのは、イギリスやアメリカが造った学校は、小学校はやはりテロの対象になるけれど、日本の学校だけはならないというんですね。それはなぜかというと、日本がやはり武力に基づかない平和貢献をずっと続けたということを現地の方が知っているというふうにおっしゃっていました。
 ですから、やはり子供たちを中心とするような活動などを我々は旗印としてやるべきではないかと思うんですが、その点につきまして御回答いただければと思います。
 よろしくお願いします。
○副大臣(中山泰秀君) まずは、参議院の当委員会の第一班から第四班の各派遣の調査団の先生方に心から敬意と感謝を申し上げたいと思います。特にODAというのは、先生方御覧いただき、そしてまた詳細な御報告賜ったとおり、我が国の外交にとりまして非常に重要な意味のある活動であるというふうに私どもも考えてございます。
 その中で、今、藤末先生の方からも御指摘がございましたことに対して思うところを申し述べさせていただきたいと思います。
 まず、新たな今回の大綱案含めまして、我が国の開発協力の目的を国際社会の平和と安定及び繁栄の確保により一層積極的に貢献することとする一方、こうした協力を通じて、我が国の国益に貢献するという形で考えております。
 また同時に、今後の我が国の開発協力の基本方針として、非軍事的協力による平和と繁栄への貢献、また、先生御指摘の人間の安全保障の推進、そして、自助努力支援と日本の経験と知見を踏まえた対話、協働による自立的発展に向けた協力、この三つを掲げております。これは、我が国がODAを開始してからこの六十年間にわたって培ってまいりました哲学及びそれを通じて勝ち取ってきた国際社会からの信頼と尊敬を踏まえ、更にそれを発展させていこうとするものであります。
 そしてまた、歴史からも学ぶところは実は多いと思います。特に、日本の平和理念というのは、平和憲法に基づいてというイメージが昭和期以降は強いような感じがしますけれども、それこそ太古の昔、我が国では十七条の憲法という聖徳太子のお作りになられた憲法がございます。これは、日本の憲法の中で、私、一番重要な理念、平和理念の本当に一番のオリジンだと思っています。
 第一条、和をもって貴しを宗となせ、人皆党ありと、党というのは、政党の党と書いてタムロと読みますけれども、人は三人寄ったら必ず派閥ができると。ですから二対一に分かれてもいい、しっかり胸襟を開いて話し合いなさいという平和理念。それから第六条、これは悪いものには悪いと言いなさいと、いいものは褒めろと書いてございますので、こういった意味で超党派でODAのこの活動を、時には問題を指摘していただき、そして時にはお褒めをいただくという形は非常に好意的な委員会であるなというふうに考えてございますので、これからも御示唆に富んだ御意見賜りたい、その指導に基づいて活動してまいりたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
 ありがとうございます。
○参考人(田中明彦君) 今委員御指摘のとおり、人間の安全保障は日本の開発協力の一つの大きな柱であり、私どもJICAとしても、このコンセプトを重視して様々な活動をやっておるところであります。
 御案内のように、人間の安全保障という言葉自体は一九九四年のUNDPの人間開発報告で初めて使われたわけですけれども、今委員御指摘のとおり、その根幹を成す恐怖、欠乏からの自由を世界からなくしたいというのは日本国憲法前文に書いてあることであります。したがって、私どもとしてこれを重視していくというのは極めて自然であるというふうに思っておりますし、現行のODA大綱にも掲げられてありますし、今副大臣おっしゃられたように、今度の開発協力大綱でも重視されている概念であると思います。
 また、日本政府は国連で人間の安全保障信託基金というものをつくることにイニシアティブを小渕内閣のときに取られまして、たまたまでございますけれども、今年からその人間の安全保障信託基金のアドバイザリーコミッティーのメンバーを仰せ付かっておりまして、先週もニューヨークでこの人間の安全保障を開発協力のメーンストリームにする、国連におけるメーンストリームにするにはどうしたらいいかというような議論を行ってきたところでございまして、その意味でも人間の安全保障を中心とした実務、実施をJICAとしても進めてまいりたいと思っております。
○委員長(山本順三君) 続いて質問を受けます。大沼みずほ君。
○大沼みずほ君 自由民主党の大沼みずほでございます。
 この度、私も第一班に参加させていただきました。調査に御協力いただきました外務省、JICA関係者に心から感謝を申し上げたいと思います。さらに、様々にお気遣いをいただきました松山団長、大野委員、そして同行いただいた職員各位にも心からの感謝を申し上げたいと思います。
 さて、最初に外務省に三点ほどお伺いいたします。我々が行った際にも、大変イラクは緊迫した状況でございました。厚い防弾ガラスの車で警察車両に先導いただいて、イラク内の難民キャンプにおいては余りに治安が悪いということで我々は中に入ることができなかったという中で、大変緊迫した状況でありました。その我々がイラクにいる間にアメリカの空爆も始まったわけでございますが、現在でもイスラム国の力は衰えることを知らず、引き続き大きな脅威となっております。
 ODAの大綱の見直しが進む中で、まさに日本が今後の国際社会の平和と安定及び繁栄の確保に一層積極的に貢献する国家として国際社会を力強くリードしていかなければならないと、まさに私はそう思っております。そのためには、ODAの従来のやり方だけではなく、柔軟に対応していく課題も多くあると感じました。特に、民間、地方自治体、NGOを始めとする多様な主体が課題の解決に当たっていると。特に、テロ組織のような目に見えない、ちょっとアメーバ的な形での脅威というものに対して様々な協力が必要なわけでございます。
 大野委員の報告にもありましたけれども、クルドの地方政府への直接支援、これは諸外国、ヨーロッパ等では武器供与なども始まっております。さらには、国連がまだ十分に機能していない地域におけるNGOや、イラクにおいては財団が難民キャンプの運営に当たっていたわけですけれども、そういったところへの直接支援等、地方政府や国連を通じてではない直接的なNGO、またそういった財団等への直接支援につき、外務省としての今後のお考えをお聞かせいただきたいのが一点。
 もう一つ、ヨルダンでございます。ヨルダンは中東の中でも比較的安定した地域でありますがゆえに、多くの難民、六十万人の難民がシリアから入っておりました。しかし、そのうちキャンプに入れるのは十万人程度と伺いました。引き続きヨルダンへの緊急支援が不可欠であると考えますが、今後の外務省のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
 最後に、三点目でございます。
 こちらのヨルダンに限らずでありますが、先ほどもありました人間の安全保障の理念、特に女性と子供というのがこの難民キャンプで非常に危険にさらされている。特に、児童婚、また望まない妊娠、DVといった問題、性犯罪に関する問題も多々見聞きしてまいりました。国連の取組も拝見してまいりましたけれども、キャンプ自体が若いお母さんと子供たちだけで住んでいるテントとそれ以外のテントというのは別に分かれておりません。また、女性の職員が出向かないとそういった被害の声が届かないといったこともございます。
 この日本とヨルダンの二国間ODAの枠組みにおいても、是非とも子供、女性の権利を守るための活動の直接支援というものをお願いしたいと思います。UNHCRやユニセフといった国際機関を通じてこういったことをされておりますが、まだまだパトロールを含め、また、そういった住まい、テントにおいても、夜になると本当に怖いという話も聞きました。こういったことに女性、子供の視点での直接支援というものについてどのようにお考えか、お聞きしたいと思います。
 最後に、JICAに一点お尋ねいたします。
 我々、モロッコでは、産科病棟、また女性の就労支援センターというものを見てまいりました。産科病棟ができたおかげで死産率が三分の一に減って大変感謝されました。
 一方で、小児科との連携はまだまだ不十分で、私の娘も低血糖で生まれ、すぐに保育器に入ってブドウ糖を注入して、今はもう元気にすくすく育っておりますけれども、国連ミレニアム開発目標報告二〇一三におきましても、過去二十年にわたり五歳未満の子供の死亡率は年率二・五%減少してきたのに対し、生後一か月の新生児の死亡率は一・八%の減少で、その速度はかなり遅いものであります。その結果、世界全体の五歳児未満の死亡者に占める新生児の割合は、一九九〇年の約三六%から二〇一一年には四三%へと上昇しております。
 母子手帳など、妊娠初期からの活動というのは大変諸外国で感謝されている一方、出産時に係る支援、また生後一か月、家庭訪問等も含めてでございますけれども、その産まれたところの支援と、そして生後一か月、二か月のこの支援というのが全世界的に見てもまだまだ不十分であると。こういったところに、まさに人間の安全保障という理念の下、また女性、子供を救うという視点の下で、なお一層の支援、訪問、お母さん方の、産まれたときのケアというのは助産師さん、大変良くしてくださっているんですが、その後の訪問ケアでありますとか小児科との連携といった問題について、JICAのお考えをお聞かせいただければと思います。
○副大臣(中山泰秀君) 御指摘ありがとうございます。
 まずは、もう少しフレキシビリティーがあってもいいんじゃないかと、また多様なスキームというもの、そういったものをしっかりと勘案せよというふうに取らせていただきました。
 ODAは、先ほども申し上げましたとおり、我が国の最も重要な外交手段の一つでありますことは委員にもよく御理解を賜っていることというふうに思います。その中で、国際協調主義に基づく積極的平和主義の立場から、国際社会の平和と安定及び繁栄の確保にこれまで以上に積極的に寄与していく上で、ODAをより積極的、戦略的に推進していく必要性というのは非常に高まっていると考えています。
 外務省としても、国際社会の抱える様々な課題に主要国と足並みをそろえて取り組むためにも、必要な予算が確保されるよう最大限努力をしていく考えでありますが、特に院においては是非明確な政治のリーダーシップ、そして意思の表れでもあるということが、このODA、各国から、世界から見ると皆さんはそのようにお考えじゃないかというふうに政治家としても思うところもございます。
 是非、こういったことを勘案しながら、特に対象国の重点化を含む戦略的なODAの実施についても、政府でも官房長官の下に設置されております経協インフラ戦略会議におきまして関係各省の閣僚レベルで議論を行っていることを始め、政治の主導の下、単に開発途上国の開発ニーズに応えるというだけではなくて、我が国にとっての戦略的重要性を踏まえたODAを展開してまいりたい、かように思います。
 残りの御質問に関しては、事務方から答弁させます。
○政府参考人(石兼公博君) まず、クルドへの直接支援の件でございます。
 これにつきましては、先生がまさに御指摘になりましたように、通常の二国間支援、これは中央政府を介する必要がございます。その点につきまして、もっと柔軟にクルド地域に直接の支援はできないかという御指摘でございました。もちろんいろいろなことを今後とも私ども考えていきたいと考えておりますけれども、実際にその現場でいろいろな形、医療サービス、貧困、あるいは水、様々な生活物資の面で困難に直面している方々を特定し、どうやって効率的に届けることができるか、そういう組織、受け手がちゃんと向こうにあるかどうか、そういうものをどういうふうにして特定していくか、こういう問題も多々あると存じます。
 現時点では制度面の制約もございますが、実質的に、かつなるべく早く迅速に物を必要としている人に届けるという観点から、私どもといたしましては、国際機関及びNGOを通じた支援を行っておりまして、先生御案内のとおり、これに千九百二十万ドル近くの支援を行ってきている、このようなことでございますが、引き続き提起いただきました問題につきましてはしっかりと検討させていただきたいと思います。
 ヨルダンにつきましては、御指摘がございましたように、既にシリア情勢を受けまして、ヨルダンを含めてもう三百二十万人以上のシリア難民がいろんなところに流出しております。現在、私どもの国際機関あるいは日本のNGOなどを通じまして、約七千万ドル以上のヨルダンにおけるシリア難民支援を実施しているところでございます。これは、食料、水・衛生、保健等々、こういうものを提供するための支援として、様々な国際機関を通じて提供されているところでございます。さらに、これに加えまして、シリアの人道危機を受けて財政負担が増加しておりますヨルダン、これに対して百二十億円の円借款、これを実施いたしました。
 引き続き、ヨルダンにつきましてはこの地域の安定勢力でございますので、これをどうやって支えていくかということを十分に考えて、今後の支援についてもしっかりと取り組んでいきたい、このように考えているところでございます。
 それから最後に、人間の安全保障との関係で、女性と子供、特に難民キャンプにおける女性の保護についての御指摘がございました。これは本当に重要な問題でございまして、特に難民キャンプのような劣悪な環境におきまして女性がどのように保護されるかという視点は非常に重要であると、このように考えております。
 私どもも、今の先生の御指摘を受けまして一層この点考えていきたいと思いますが、例えば私ども、クルディスタンにあるカワルゴスク・キャンプにおきまして、UNHCR等を通じまして難民キャンプ内での性的暴力の防止に関わる啓発活動等々、こうしたプロジェクトも実施しておりますが、非常に重要な視点でございますので引き続きしっかりと検討し、実施していきたいと存じます。
 失礼いたします。
○参考人(田中明彦君) モロッコでの産科病棟での御視察の結果で、病院はできたんだけれども、お医者さんの数等いろいろな問題があって新生児の死亡率がなかなか下がらない。あるいは、そこから、世界的に見ても、いわゆるMDGにおける新生児の死亡率が委員御指摘のとおり五歳未満児以下の中で比率が増えているということ。私どもで見ますと、これと並んで妊産婦死亡率も、改善している国は改善していますけれども、改善していない国は改善していないんですね。
 ここから、何というんでしょうか、私ども大変大きな課題だと思っておりますのは、要はこの新生児死亡率とか子供それからお母さんの問題というのは、何といったらいいんでしょうか、対症療法的にこれをやると劇的に効果が出るというようなことではなくて、やはり病院も造らなければいけないけれども、お医者さんもちゃんとさせなければいけないし、看護師さんもちゃんとさせなければいけない。それから、病院の間も各科との連携をしていかなきゃいけない。それから、そもそもその病院にたどり着くための道がしっかりしていなければ何かあったときに病院まで行けない。それから、お母さんが住んでいる場所に水がそもそもなければ、日常的な健康状態すら危ないということで、何というんでしょうか、とりわけこの母子保健に関する国際社会の目標というのは、総合的な対策をしていかなければいけない。
 その意味で、私ども、ポスト二〇一五、今後の、来年以降の国際社会での目標を作る際に当たって、こういう、何というんでしょうか、総合的にいろんなものをやらなきゃいけないものに我々はもっと目を向けていかなければいけないということを訴えているつもりです。まあこれは、国際連合システムへの批判ではありませんけれども、ややもすると、いろいろな目標を作ろうとすると、保健専門の人は保健の目標を立てて、インフラ専門の人はインフラの目的を立てて、それから気候変動の人はそれだけ立てるんですけれども、今言ったような新生児死亡率とか妊産婦死亡率というのは、一つの分野だけの縦割りでやっていくと、なかなか根本的な改善に至らないところだと思っております。
 私どもも、JICAで事業を進めるに当たっても、常々そのような、何というんでしょうか、縦割りにならないような仕組みを何とか考えていかなければいけないというふうに思っております。
○委員長(山本順三君) 続いて、山田太郎君。
○山田太郎君 みんなの党の山田太郎でございます。
 今回、私も第四班、江島先生と一緒にタジキスタン、キルギスタンの方、参加させていただきました。本当に外務省、JICAさん始めとして現場の方々大変よくしていただいて、しっかりODAの意味分かった感じであります。
 ただ、四班の方、課題の方指摘させていただいたんですが、これ、一つ一つやっぱり解決する必要があるだろうという思いで戻ってきましたので、ここを中心に質問をさせていただいて、外務省さん、JICAさん、是非実現していただきたいなと思って、三点から四点ほど質問させていただきたいと思っております。
 まず一つなんですが、このレポート、我々の四班の二ページにもあるんですけれども、ハトロン州の校舎改修、いわゆる草の根無償供与というものが一千万円だと。現場行きますと、あと五百万あれば校庭それから教科書、ソフト部分に関しても支援ができたと。ただ、実際はこの上限額があるために広く浅くというような状態になっていると。
 我々メンバーの方で見ながら話をしたんですが、むしろ徹底的に一つの学校を仕上げて、そこにいろんな関係者を呼んで、ほかは自立してやってくださいということの方が、いわゆる、どういう学校を支援していくかということで分かりやすいんではないかなという議論もしておりまして、その辺りのもうちょっと柔軟性というのか、もちろん、無条件にどんどんつぎ込めばいいということではないので、何らかの基準というのは必要だと思いますが、要は、基準以上にやっぱり実際には人の安全保障という観点からいけば効果がある。
 むしろ、これ放っておくと、後から例えば韓国勢なんかが入ってきて教科書支援すれば、これは実は韓国がやった援助だということにもなりかねないというところはいろんなところで見ているわけでありまして、こういったところが非常に論点なのかなと思いましたので、是非その辺り今後見直していただけないかなということで一点。
 二点目なんですが、日本人材開発センターの話であります。
 これ、期限付のプロジェクトでありますので三年から四年で終わってしまうということなんですが、実はもう日本語とか日本のビジネスを教える数少ない機関なんですね。ミャンマーの方は比較的、いわゆる商工会議所の中に入っているので、その後、現場の経済界が引き継いでくれるということでうまくいっているようですが。
 実は私、カンボジアと実はモンゴルにも行ったことがありまして、同じいわゆる日本センターに行きました。そうすると、大学の中に入っているので、プロジェクトが終わるとそれで終了ということになってしまいます。ただ、せっかく日本型の経営だったり、日本語を覚えた親日の現地の方々がたくさんいるわけでありまして、例えばこれをジェトロの方にうまく移管するなりして、今後進出してこようとする経済界の人たちと一緒に連携をするような、何らかの継続性というんですかね、もう海外の大学、今まではアジアは日本語を学ぶ学生が多かったんですが、もはやそれが厳しいという状況であれば、非常に、日本がイニシアチブを取る意味では、この日本人材開発センター、大切な機関だと思っております。これ、プロジェクト終了とともに終わらせないために、何らかの手を打っていただきたいなと。
 三点目なんですが、指摘のところにありましたが、タジキスタンの全権大使の問題であります。
 実は、南の方にはアフガニスタンが控えておりまして、いわゆるISAFの撤退又は縮小によってその勢力が上ってくるかもしれないという極めて軍事緊張したところでもあります。そういったフロント、前線にこそ現場判断をしなければいけませんので、全権特命大使を置くべきではないかなと。
 実は、兼務している大使はキルギスでございますが、キルギスとタジキスタンの間には直行便もないという状況でありまして、そういう現実を考えた場合に、もちろん予算とか人事の問題で優先順位あるんだとは思いますが、今、いろんな問題がイスラム国を含めて議論されている以上、こういったところを中心に少し人員配置等、予算の振り分けというのを考えていただいてもいいんではないかな、こういったところであります。
 あと最後に一点、指摘させていただきたいと思うんですが、一品一村プロジェクトをキルギスの方でやっておりました。これ、大変すばらしいプロジェクトだと思っておりまして、どこがいいかというと、良品計画さんが入ってきて最後売るところまで実際につながっているというところで、まさにこうなってくるとプロジェクトはきちっと自立、自活というところに持っていけると。
 ただ、残念ながら、幾つかの他のODAのプロジェクトの中では、入口のところとしては支援するんだけれども、出口のところとしてはその支援した内容がなかなか商品だとかを作っても次につながっていかないと。お金をいわゆる供与するだけで現場の自立、自活につながらない、プロジェクトが終わるとそのまま廃れていって元に戻ってしまうと、こんなものもあるのも事実だと思っております。
 ゆえに、こういった成功するパターン、一つは、民間をうまく連れてきて出口のところから遡って意識するようなプロジェクト、これを是非ほかにも展開していただきたいのと、横展開という意味では、こういうものをどんどん要は広報していくというんですかね、多分、JICAのプロジェクトとして成功パターンだということで横展開していく必要もあるんではないかなと。
 この辺り四点、せっかく見てきまして重要だと思いましたので、それぞれ、いわゆる今後それやっていただけるかどうかも含めて、是非御回答いただければと思います。
 以上です。
○副大臣(中山泰秀君) ちょっと御質問の順序とたがえさせていただきますけれども、お許しをいただけたらと思います。
 まず、二番目に先生から御指摘をいただいた日本人材開発センターに関して御答弁申し上げたいと思います。
 日本人材開発センターに関しましては、事業開始当初、市場経済移行国の支援を目的といたしておりました。当該支援は既に一定の成果を達成したというふうに考えてございますけれども、他方で、相手国の発展状況や我が国の中小企業の海外展開支援等の政策を踏まえまして、日本人材開発センターの役割は、先生御指摘のとおり、ますます高くなっているものという認識でおります。
 現在、二〇一六年三月まで現行プロジェクトを実施中ではございますけれども、今後、終了時の評価を行う予定であり、この結果を踏まえまして、支援延長の可否をキルギス政府と相談をする予定であります。その際におきましては、先生から今いただいた御意見もしっかりと含めた上で検討していきたいと思います。
 これまでの協力で同時に培った現地人材、また企業とのネットワーク、これはもう情報も含めてアセットでありますので、この我が国のアセットをしっかりと活用するということ、それから、相手国、我が国の経済関係強化のための拠点としての活用について、ジェトロ、国際交流基金等、他機関とともに検討してまいりたいというふうに思います。
 なお、同センターの事業のうち、日本語事業につきましては、平成二十五年度より国際交流基金の運営する日本語講座に移行をしているということでございます。
 それから、もう一点御質問いただきましたタジキスタン、またアフガニスタン、国境を接するなど地政学的に特に重要な国であるということ、この問題に関しまして、この辺りのいわゆる中央アジア、またアジアと欧州、ロシアと中東、こういった各地域を結ぶ地政学的な要衝であり、非常に重要な地域だという認識でおります。
 特に、タジキスタンは、アフガニスタンと長く国境を接していることはまがいもない事実であって、同国の安定は中央アジア、ひいてはユーラシア地域全体の安定にとって非常に重要だという認識でおります。隣国のアフガニスタンの自立と安定に向けて国際社会が取り組んでいくということも必要であります。不可欠であります。
 外務省といたしましても、タジキスタンにおけるまた特命全権大使の常駐の必要性というのは特に強く認識しておりますし、先ほどの調査の報告もお伺いしておりまして、今在外公館の問題、予算等、いろいろ国民の納得ということも含めて私ども外務省としては努力をしながら、先生方から御指導を賜り、しっかり在外公館も含めて、予算含めてお願いを申し上げたいと。しっかり増やしていって、日本の外交のチャネルを増やしていきたいというふうに考えています。
 特にタジキスタンに関しては、かかる経費、来年度予算で要求をしておりますので、本件に関し先生方のより一層の御理解と御支援を賜れれば非常に有り難いというふうに考えます。
 ありがとうございます。
○政府参考人(石兼公博君) 先生から御質問のありました最初の小規模無償、草の根無償でございますが、確かにこれは小規模な事業ということで対象としておりますので、原則として一千万以下ということになっております。ただ、まさに御報告の中でも御指摘いただきましたように、もうちょっとあればもっとすばらしいものができる、あるいは、このまま放っておくとほかの国が出てきて日本の支援がかすんでしまうんではないか、こういうことも我々よくよく考えてやらなくてはいけないということを今回報告書を拝見いたしまして感じた次第でございます。
 もちろん、制度的には、例えば一千万を超える支援についても検討可能な事例もございます。特別な事情がありまして、またあるいは人間の安全保障の観点からこれはどうしても必要だということであれば、一千万を超える支援をしたこともございます。ただ、今の御指摘も踏まえまして、いろいろな国際機関との連携、あるいは制度の柔軟な運用も含め検討をしていきたいと、このように考えております。
 それから、キルギスにおける一村一品運動でございますが、まさに御指摘いただきましたように、これはかなり大きな成果を上げておるというふうに私どもも自負をしておるところでございます。また、これは当然のことながら、今後、これでおしまいということにならないように継続性も重要だと考えておりますし、プロジェクトに従事するJICA専門家の派遣については延長の方向で検討しているところでございます。
 また、まさに御指摘いただきました横展開、これをどういうふうにして確保していくかということも非常に重要な課題だと受け止めております。実際には、キルギスで協力を得ております良品計画とケニアほかの他国の類似案件でも連携を進めようと、こういうことで考えておるところでございますので、引き続き御支援を賜りましてしっかりとやっていきたいと、このように思います。
 以上です。
○委員長(山本順三君) 続いて、どうぞ。儀間光男君。
○儀間光男君 維新の党の儀間でございます。
 三班として派遣させていただきました。派遣先は、フィリピン、ベトナム、モルディブ、カンボジア、四か国でしたが、私は日程の都合で後半のモルディブとカンボジアを訪問させていただきました。
 報告は平木委員があったとおりでございますが、数多くある中からカンボジア問題に特化をして二、三お伺いしたいと思います。
 まず、行って驚き、予想はしたんですが、現場に行って驚いたのは不発弾の多さです。
 対人地雷、対戦車地雷、これは日本のODAでもってたくさんの協力があって、かなりの成果を上げてきております。実績を見ますというと、一九九六年で四千三百名の人命が失われておりますが、これをピークにだんだん減ってきて、二〇一三年に百十一名、今年は六月現在で百一名と出ておりますが。
 カンボジア政府は、一九九七年、オタワ条約を批准しております。これは二〇〇九年に延長されましたが、延長されて、二〇一九年までに対人地雷の完全撤去を目標としておって、これに我が国が多くの支援をして改善されておりますが、行って事情聴取、意見交換する中で、対人地雷と対戦車地雷があって、それがどれがどれなのかよく分からないと。掘ってみないと分からない。反応があって掘ってみると、対戦車地雷であったり対人地雷であったり、それを対人地雷だけ特定してしまうというとなかなか現場の作業としては進まないと。したがって、対戦車地雷を発見して、それを撤去しないで対人だけ取っていくかというと、そういうわけにもいかないんで、それを同時にしないというと不発弾の処理は不可能に近い、完全にできないというような悩みがあって、それを同時にさせていただく方法、許可を得ないで勝手にやっているそうですけれども、それを認めていただく方法でもっと支援の在り方をやっていただきたいと、こういうことが多くありました。
 しかも、一方でこういうことをしながら、まだ他方では、例えばインドとかパキスタン、まだ地雷製造をしているんですね。ここで生まれているのは、中国とソ連製ですが、カンボジアは。今なおインドとパキスタン辺り、地雷製造しているんですよ。しかも、一九九六年でしたか、にやりましたこの条約へ、ソ連、アメリカ、中国の軍事大国は、まだその地雷条約に加盟していないんですよ。
 そういうことで、一方ではそういうことをされながら、地雷処理をしながら、一方ではこういう世界がある、国々があるということは問題ですから、是非、外務省はイニシアチブを取って、そういう国々にも、製造しないように、あるいは加盟するようにというようなことを強力に働きかける必要が我が国にはあると思うんですが、その点について御見解をいただきたいと思います。
 それからもう一つは、カンボジアで特に感じたのは、対日カンボジア商工会の皆さんとも懇談する時間があったんですが、あらゆる分野で統計資料が質が悪くて、当てにならないというんですね。したがって、人材づくりに必要な統計資料が当てにならぬから、なかなかうまくいかないんだというようなこと等があって、これはJICAさんが相当協力したと思うんですが、いま一つその統計作業の質を上げるような、そういうことをやることによってカンボジアがもっともっと発展していくということになるんだろうと、こういうふうに思います。
 さらには、JICAの事業ですが、私は沖縄センターしか分かりませんけれども、JICAは人材育成に相当な貢献をしております。沖縄国際センターなどやっておりますけれども、この研修生のフォローアップをすべきじゃないかと思うんですね。研修を受けて当該国に帰った修了生がどのような立場に今立って国のために働いているか、貢献しているか、そういうものをJICA自身が掌握することによって、もっともっとその研修の質を上げていく、あるいはそれぞれの国との協力関係が強化されていくということになると思うことから、JICAによる人材育成のフォローアップ事業など、もっともっとやるべきではないかと、こう思います。
 各国を回ってみますと、特にアジア各国を回ってみますと、以前は、東洋人、お互いの系統の人が通っていると、まず日本人ですかと聞かれた、私は何度もあるんですが。最近は、まずチャイナですかと聞くんですね。次はコリアですかと聞くんです。ノーと言うと、ジャパンですかと、こう聞くんですよ。何でその地位が逆転されたか。これ、大いに外務省も、あるいはODAの事業のやり方等も含めて、反省を含めて、そういうことにならないように頑張っていただきたいなと、こういうふうに思えてなりませんが、御回答いただければ有り難いと思います。
 以上です。
○副大臣(中山泰秀君) ありがとうございます。
 儀間先生から非常に御示唆に富んだ御指摘いただきましたこと、感謝を申し上げます。
 まず、地雷除去活動分野への今後の支援の方向、方針に関してでございますけれども、我が国は、対人地雷除去を対カンボジア援助方針において支援すべき課題として位置付けております。また、同国の政府機関であるカンボジア地雷対策センターの地雷除去活動に関しまして、一九九八年度から二〇一三年度までの間に約百四十八億円の支援を行ってきた実績がございます。これまでの機材供与や技術力等の支援によりましてカンボジアの対人地雷除去には一定の効果が見られており、今後は支援の選択と集中の観点から、除去活動の加速化、また先生御指摘の効率化に向けた支援を行うことが必要であるというふうに考えてございます。特に、しっかりと支援の方は、先生も御指摘もあるように、柔軟にやっていきたいというふうに思います。
 同時に、昨年の十二月の日・カンボジア首脳会談においても安倍総理から地雷除去への協力を表明をしており、地雷処理事業の経費確保など、カンボジア政府の自主性向上を促しつつ、引き続き協力を実施していくという所存でございます。また、地雷に対する国際的取組に関しても強化を進めてまいるという考えでおります。
 どうぞよろしくお願いいたします。
○参考人(田中明彦君) カンボジアについて、一つは統計資料の件、それからもう一つ、研修のフォローアップのことですが、カンボジアは、御案内のとおり、内戦以降平和になってから、我が国は一貫して法制度支援等、国づくり、国の政府の根幹をつくる作業に協力してまいりました。その過程で統計資料についても技術協力やっておりましたけれども、現在は行っていないというふうに私今聞いております。また事情を調べまして、必要なところがあれば検討してまいりたいと思っております。
 それから、私どもJICAの行っている事業の中でいいますと、沖縄国際センター等で行っているような研修事業というのは大変なインパクトが参加者にあるというふうに私どもは認識しております。したがいまして、国に帰っていただいたその研修に参加していただいた皆さんは、できる限り事務所で現在のポジション等を確認して連絡を密接に取っていきたいというふうに思っております。
 カンボジアではJICA研修プログラムに参加した同窓会というものがございまして、同窓会自身は研修生の皆さんの自発的な活動ですけれども、これを事務所としてもできる限り支えていきたいというふうに思っておるところでございます。
○儀間光男君 委員長、質問じゃございませんが……
○委員長(山本順三君) もう時間が迫っておりますので、どうぞ後ほどにしてください。
 次、行きます。又市征治君。
○又市征治君 社民党の又市です。
 四班の報告、非常に貴重な報告をいただいて、興味深く聞かせていただきまして、また勉強にもなりました。
 多くをお聞きをしたいんですが、時間の関係もありますから、二点だけお伺いをしたいと思います。
 第一班の大野委員から御報告がございました、イラクの中央政府とクルディスタン地域政府、この関係、緊張関係にありということでお話がございまして、どちらかというと、予算の問題を含めても対立関係ということのようなわけですが、さて、今、この難民問題について言うならば、クルディスタン地域政府が主要にはこの難民支援に当たっているというお話でありました。
 そして、日本はこの後、難民支援として二千五百五十万ドル追加支援ということなわけですが、たまたまこれ、文書を見ておりますと、先ほどの報告もそうですが、多くの国が資金や武器の供与など同地域政府を直接支援している、こういう話なので、我が国がまさに非軍事の支援ということに徹してきているということがありますが、この二千五百五十万ドル、そんなふうに転用されるおそれはないのかどうかという問題を含めてどのような支援が必要なのか。大野委員も大変専門家ですから、若干もし補足がありましたらお話しいただいた上で、政府側の考え方もお聞きをしておきたい、このように思います。
 二つ目は、ベトナムの問題、第三班でしたか、ベトナムの問題ですが、今、日本は、ベトナムの経済政策を歓迎をして積極的な援助を行う、最近は大変多くの有償資金援助プログラムを組んでいる、一応社会主義国なわけですが、そういう関係にあるということであります。
 いずれにしましても、だんだん発展をしてくる中で一方的な援助だけということではこれは困るわけでありまして、ちょっと話は余談なんですが、三週間ほど前にベトナムの実はソンラ省の十六人からの者が大挙してお見えになったんですが、お会いをしました。ハノイから少し北西の方でしょうかね、当たるんですが、大量にたくさんの漢方薬の薬草が取れるんだけれども、何か日本でもうちょっとこれを使ってもらおう、もっと言うならば、日本のそうした製薬会社などが現地へ来て何かできないか。つまり、ウイン・ウインの関係をつくりたいということを言っておられるんだと思うんですが。
 我々の側も、日本の政府としてもそのことは目指しておるのだろうと思いますが、今、今日時点においてベトナム政府から日本に対する大きな期待も語られたんだろうと思うんですが、今後の関係として、ベトナム経済と日本の経済の関係、どのような補完的関係を形成していくことが相手側から期待されているのか、日本としてはどうしたいと思うのか、この点についてもお答えいただきたいと思います。
 以上、二点です。
○大野元裕君 御質問ありがとうございます。
 まず、イラクにおける二千五百五十万ドル、これが流用されるかされないかというお話でございますが、緊張関係がまず高まっていることは事実でございまして、クルド政府側は、一七%の政府からの拠出が得られていないこと、あるいはクルド軍に対する武器の支援が行われていないこと等を不満にいたしまして、実は十二月までを期限として最終回答を求めている最中でございます。
 しかしながら、中央政府と北イラク政府との間のいわゆるマルチの支援に関しては、一九九六年の決議九八六以降、円滑に進んでおりまして、お互いの関係は悪いんだけれども、そこだけはしっかりやっているというところだと思っています。
 他方、我が国の支援は、ここに書いてありますが、各国は確かに武器の支援を行っておりますが、我が国としては基本的にマルチ、特に難民に関してはUNHCR、それからOCHA、こういったところを主体とした支援を行っておりまして、これは現に難民のまずもっては緊急支援、それから住宅、ハビタットも入っておりますけれども、そういったものに限られておりますので、私は、現時点の日本のスキームで考えれば、これらの資金が援用されてこれらの国々に行くことはないと思っておりますし、ホスト国も入念に、こういった武器等がキャンプの中で、自治委員会等を通じてコントロールすることを、つまりその中に持ち込まない、そういったことを現に求めておりますので、以前、UNHCR等で問題のあるキャンプがございましたが、現時点では、少なくとも我々が訪れたカワルゴスクとハーゼルではそういったことはないというふうに理解をしております。
○政府参考人(石兼公博君) 今の大野委員の御発言に若干補足を申し上げます。
 イラク、シリアの追加支援、今年の九月、国連総会で二千五百五十万ドルの表明をしたわけでございますが、このうちイラクの国内避難民向けが約二千万ドル、そのうち千九百二十万ドルが緊急無償でございまして、今まさに御説明のございましたように、WFP、UNHCR、ユニセフ等々、国際機関を通じたものでございまして、食料分野、国内避難民保護、水、衛生、医療、保健等々でございまして、実際、軍事的なものに向けられるということではございません。また、残りの一・五億円をジャパン・プラットフォームを通じて国内避難民向けの支援としておりますので、その点に関しては私どももしっかりと目を光らせていきたいと、このように考えておるところでございます。
○副大臣(中山泰秀君) ありがとうございます。
 ベトナムは我が国にとりまして製造拠点、輸出市場、また天然ガス等の資源供給源としての潜在的可能性を非常に有しております。経済面の相互補完関係は今後更に強化されていく方向であるということ、そしてまた、我が国はベトナムの現状をしっかりと踏まえまして、同国の持続的経済成長を達成すべく、成長と競争力強化、また脆弱性への対応及びガバナンスの強化を重点分野としてODAによる支援を行っているところでございます。
 支援規模につきましては、ベトナムにとって我が国は、委員御指摘のとおり、過去二十年間にわたって最大の支援国となっております。特に、過去三年間の支援実績は円借款を中心に年間二千億円を超えており、我が国の支援先としてインドに次ぐ第二位の規模であります。
 また、持続的な経済成長のために、投資、貿易、ビジネス環境の早急な整備が必要とされており、我が国の知見や資金による支援に強い期待が寄せられているということも事実であります。
 他方、成長による負の側面として顕在化しております環境汚染、また地域格差拡大等の問題への対応や、社会経済の急速な変化に対応した司法行政の改革も急務となっておりますのと同時に、先生から御指摘のあったいわゆる漢方の薬剤、国内の薬価改定及び診療報酬体系を見ていましたら、これ、漢方がどんどん減っていくという状況もありますので、特に中国が輸出制限を行っていたりという過去の例もございます。そういった向きもしっかりと漢方関係者、ベトナムと友好関係を築いて、漢方のそういった安定的な供給源であってほしいなということに期待をいたしております。
 以上であります。
○委員長(山本順三君) 石橋通宏君。
○石橋通宏君 民主党・新緑風会の石橋通宏です。
 まず、私も第二班で、中西理事、そして高橋理事と御一緒させていただきました。貴重な機会をいただきましたこと、また、お世話になりました関係各位に感謝を冒頭申し上げたいと思います。
 その上で、何点か、貴重な機会ですので質問させていただければと思います。
 一点目は、第一班大野委員にお聞きをします。
 私も第一班の報告書、大変共感を覚えるわけでありますけれども、とりわけ最初のイギリスのスマートODA戦略、大変フォーカスした開発支援の在り方ということに興味深くお聞きをいたしました。
 お分かりになる範囲でよろしいんですが、今日の幾つかの報告の中にもありました今後の方向性の中で、やっぱりマルチを重視するのか、バイを重視していくのか。もう一つは、基本的に我々アンタイドでやってきているわけですけれども、アンタイドなのかタイドなのかということが論点としてあろうかと思いますけれども、イギリスのこの戦略の中で、マルチかバイか、タイドかアンタイドかというと、どういう方向を志向されているのか、今回の調査でお分かりになる範囲で教えていただければと思います。
 二点目は、これは外務省にお聞きしたいのですが、第一班の大野委員の御報告の中の難民支援の在り方ということについて御提起がありました。
 私も先般、来日されておりました国連パレスチナ難民救済事業機関のクレヘンビュール事務局長と直接懇談させていただく機会をいただきました。その際に、事務局長もまさに大野委員の御報告にあったことをおっしゃっておられまして、これだけ難民の状況が長期化する中で、最初は緊急人道支援、それから人道支援、しかし、もうもはやそういう段階ではなく、中長期的な生活支援、インフラの構築やら子供たちの教育やら、そういったところに移ってきているというふうにおっしゃっておられました。
 こういう状況の中で、我が国からのこういった難民若しくは難民受入れ国への支援ということで財政的な増額はされているということで、その質的な転換ということについて、既に具体的な取組、方向性というのがあるのかということについて確認させていただきながら、今後の議論の参考にさせていただければと思います。
 三点目は、第三班、平木委員にお聞かせをいただきたい。
 フィリピンの御報告がございました。私自身も三年間フィリピンで仕事をしておりましたので、あのレイテ島の台風被害に大変心を痛めておりますし、今日御報告の中で、残念ながらまだまだ復興、端緒に就いたばかりぐらいだというような御報告もありました。
 大変重要だと思いますのは、レイテは元々大変経済的にも開発が遅れている地域でありまして、だからこそダメージも大きかったわけでありますけれども、そういった基幹インフラの再構築もあるんですが、一方で、やはり生計手段の回復というのが、雇用ですね、ここが大変重要な役割を果たしていると思います。この点は、我が国でも、ILOを通じて資金供与をしながら、ILOと協力をして現地の生計手段、雇用の回復という取組をフィリピンの労働雇用省と連携をして進めているというふうに理解をしておりますが、この辺、もし今回の調査の中で、現地の雇用、生計手段の回復という取組で何か顕著な取組があれば是非教えていただければというのが三点目です。
 もう一点は、JICAの田中理事長に是非お伺いをしたいのは、第二班の中西理事からの御報告の中でもありましたが、我々も今回ニカラグアで算数の指導力向上プロジェクトを見させていただきまして、ここで、算数の教科書、指導書の開発と。これは、元々ホンジュラスの先行プロジェクトを参考にニカラグアでも同様のことをやられているということで、大変この種の、スペイン語圏ということで、ある国で開発した様々な、この場合は教科書、指導書ですけれども、その他にもいろんなツールというものがあるんだと思いますが、こういった共通の言語を持たれている国々に対しての支援ということでいけば、ほかの国で開発したものをその他の同じ言語圏で積極的に活用をしていくと。
 もちろん、微調整なり修正なりは必要なんでしょうけれども、こういったことは世界展開ができるのではないかなと思いますが、こういったことをJICAとして具体的に取り組まれているのかどうか、詳細には結構です、こういったことを念頭に様々な取組を既に積極的にやられているのかどうかということの確認をさせていただければと思っております。
 最後に、これは委員長に御要望ですが、是非、調査団から大変貴重な御報告なり御提言なりをいただいております。これまでにもODA委員会はそうでしたが、各調査団の報告を受けて、それをしっかりフォローしていこうという議論がありましたので、今回の調査団の貴重な報告につきましても、それぞれポイントを整理していただいた上で、今後のODA委員会としてしっかりとフォローをさせていただければと思っておりますので、委員長のお取り計らいを是非よろしくお願いいたします。
 以上です。
○委員長(山本順三君) こちらこそよろしくお願いいたします。
 それでは、大野元裕君。
○大野元裕君 英国に関して、当調査団がお聞きした範囲で、私の理解でお話を申し上げますけれども、マルチかバイかということですけど、戦術的でかつ英国らしい計算高いODAを実施をしております。
 具体的に申し上げると、例えばマルチの場でMDGのようなアジェンダセッティングを行うとき、そこには人も出す、金も出す、口も出す、しかしながら、これがほかの国が入ってくるとイギリスはさっと引いてしまって、ほかの国に預けてしまって、どちらかというとバイで最貧国の方にお金を出すと、こういうやり方をしておりますので、マルチかバイかといえば、マルチの方向に若干力は入っているものの、しかしながら、非常に英国の利益というものを重視したやり方をしていると思っています。
 また、タイドかアンタイドかということですけれども、実はグラントがほとんどでございまして、ローンではなくて、その意味ではタイドが非常に多く、その中には当然、イギリスの企業を出したり、あるいは先ほどGNIの対比で〇・七%という話がございましたが、あの中にはイギリスの連邦・外務省の人件費まで全部入れ込んでしまっているというようなところもあるので、究極のタイドというようなところも目立つところであります。
 以上です。
○政府参考人(石兼公博君) まず、ヨルダン等におけます難民の状況、これが長期化してきていると、まさに委員御指摘のとおりでございまして、取りあえずの短期的な緊急支援だけではもう間に合わない、これから先どうやってこういう人たちの生計を、たつきを立てていくようにするのかというのは非常に重要な課題でございます。
 したがいまして、私ども、緊急支援という形で様々な国際機関を通じて支援を行っておりますが、それに加えまして、例えばヨルダンにつきましては百二十億の円借款を供与いたしまして、ヨルダン自体の経済を支えるということもしておりますし、また無償資金協力を実施いたしまして、この中で、例えば配水網の改善、拡大ですとか、そうした生活インフラ、要するに、そこで困っている人に取りあえず何か物を届けるだけではなくて、そういう人たちを支えるいろいろな形の基礎インフラについても協力を行うということに今一歩を踏み出していると、こういう状況でございます。
 それから、フィリピンにつきまして、もちろん台風被害に対して取りあえずの様々な形での緊急支援が必要であった、またそれを国際社会は行ったということも事実でございますが、御指摘のとおり、今後のことを考えれば、どうやって雇用をつくり出していくのか、そしてそれを次第に成長につなげていくことができるのかというのが一つの大きな課題でございます。
 今、委員から御指摘のございましたいわゆる生計の確立という観点から、ILO等々と協力いたしました対フィリピン援助につきましても平成二十五年度の補正予算六十六億円御承認いただいたわけでございますが、この中でILOとの協力関係を実施していきたいと、このように思っております。
 しかし、さらに、それに加えまして、フィリピンにつきましては、やはり基本的な交通を始めとするインフラ不足というのがございますので、道路、鉄道、港湾、こうした基幹インフラの整備というものをしっかりとフィリピン政府とも相談をしながら進めていきたい、このように考えておる次第でございます。
○平木大作君 フィリピンの方へ行かせていただきましたので、先ほど報告の中にございませんでしたが、レイテ島を訪れましたときに、この州知事でありますペティリヤ知事ともこの問題、お話をさせていただきました。知事は、昨年の五月に知事に就任したばかりで、これからいよいよこのレイテ島、雇用がない、仕事をつくっていかなければやはり問題の根本的な解決にならないというところで、まさに取り組もうとしていたやさきに今回の台風に襲われてしまったということでございまして、まずはこの現状を生活できるレベルにまず復旧するというところにどうしても今手が取られているという、そういった御回答でございました。
 今回の私どもの視察の中では、今御指摘の雇用の部分については時間の関係で伺うことはできなかったんですけれども、一点、これレイテ島関連で、日本の援助で国立航海技術訓練センターというのを、もうこれ八五年からずっとやっているんですが、年間九千人、船員の育成に努めていると。今回のこのヨランダ台風においてこの訓練施設等全て一帯に被災してしまって使い物にならなくなったわけですが、ここについてはやはり大事であろうということで、現時点においてはこの訓練センターについてはまた再稼働できているというお話を伺ってまいりました。
 以上です。
○参考人(田中明彦君) 最初に、今、フィリピンの件なんですけれども、生計向上は大変重要で、私どもJICAのあれは緊急援助からずっと継ぎ目なくやっていくということで、今、私どもやっているのはクイック・インパクト・プロジェクトというので、十四ほど、生計手段を失った人たちへの例で、ココヤシの木炭製造による生計プロジェクトとか、それから小規模農民によって農水産加工をやるようなプロジェクトとか、そういうちっちゃいプロジェクトをやって雇用に役立てようと努力しております。
 それから、算数ですけど、算数教育、小中学校の算数教育というのは、これは日本のブランドなんです。世界中でやっています。ですから、スペイン語圏では御覧いただいたようにホンジュラスでやったものをニカラグアでやったりとやっていますけれども、アフリカではSMASSEというプロジェクトで、いろんな国で理数科教育をやっています。これを、一般的にどこかの国である程度うまくいったものを横展開して、スケールアップするというふうに言っておりますけれども、私どもとしてみると、JICAとしてジャパン・ブランドのそういうものをできる限り数多くつくろうと思っております。
 先ほど、今回、キルギスでありました一村一品、一村一品もこれ日本ブランドでありまして、世界中で何とかこれを成功例を増やしていこう、そういうことで、母子手帳とか、それから交番、それからあと、ラテン、中南米でいうと看護師の教育とかというので天使のプロジェクトというようなものもやっております。
 ですから、御指摘のようなことをできる限り進めてまいりたいと思っています。
○委員長(山本順三君) 予定の時間が参りましたが、先ほど儀間委員から少し手が挙がりましたが、よろしいですか。
○儀間光男君 質問じゃなしに訂正なんですけれども。
○委員長(山本順三君) 儀間委員、端的にお願いします。
○儀間光男君 はい。
 対人地雷の禁止条約を、一九九九年ですが、九六年と言ってしまいましたから、それを訂正させていただきます。
○委員長(山本順三君) それはそれは御丁寧にありがとうございました。
 それでは、予定の時間が参りましたので、これをもちまして意見交換を終了いたします。
 本日は、限られた時間でありましたが、派遣団に参加された方々から大変貴重な御意見をいただくとともに、本委員会として大変有意義な意見交換を行っていただき、誠にありがとうございました。
 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後二時五十二分散会