第187回国会 地方創生に関する特別委員会 第2号
平成二十六年十一月十二日(水曜日)
   午後一時開会
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   委員の異動
 十一月十一日
    辞任         補欠選任
     愛知 治郎君     島村  大君
     石田 昌宏君     森屋  宏君
     高野光二郎君     宮本 周司君
     滝沢  求君     三木  亨君
     堂故  茂君     三宅 伸吾君
     松下 新平君     渡邉 美樹君
     安井美沙子君     林 久美子君
     横山 信一君     河野 義博君
     室井 邦彦君     儀間 光男君
     吉良よし子君     紙  智子君
 十一月十二日
    辞任         補欠選任
     三宅 伸吾君     堂故  茂君
     野田 国義君     安井美沙子君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         関口 昌一君
    理 事
                岡田 直樹君
                古賀友一郎君
                藤川 政人君
                藤末 健三君
                藤本 祐司君
                荒木 清寛君
    委 員
                石井 正弘君
                江島  潔君
                太田 房江君
                島村  大君
                堂故  茂君
                三木  亨君
                三宅 伸吾君
                宮本 周司君
                森屋  宏君
                渡邉 美樹君
                相原久美子君
                田城  郁君
                林 久美子君
                安井美沙子君
                蓮   舫君
                河野 義博君
                平木 大作君
                山口 和之君
                山田 太郎君
                儀間 光男君
                寺田 典城君
                紙  智子君
                大門実紀史君
                江口 克彦君
   国務大臣
       総務大臣     高市 早苗君
       厚生労働大臣   塩崎 恭久君
       農林水産大臣   西川 公也君
       国土交通大臣   太田 昭宏君
       国務大臣     石破  茂君
   副大臣
       内閣府副大臣   平  将明君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        小泉進次郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        藤田 昌三君
   政府参考人
       内閣官房地域活
       性化統合事務局
       長        内田  要君
       内閣官房地域活
       性化統合事務局
       次長       麦島 健志君
       内閣官房まち・
       ひと・しごと創
       生本部事務局長
       代理       山崎 史郎君
       内閣府地方分権
       改革推進室次長  三宅 俊光君
       内閣府地方分権
       改革推進室次長  満田  誉君
       国土交通省政策
       統括官      松脇 達朗君
       海上保安庁長官  佐藤 雄二君
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  本日の会議に付した案件
○まち・ひと・しごと創生法案(内閣提出、衆議
 院送付)
○地域再生法の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
○委員派遣承認要求に関する件
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○委員長(関口昌一君) ただいまから地方創生に関する特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、室井邦彦君、安井美沙子君、横山信一君、石田昌宏君、高野光二郎君、愛知治郎君、滝沢求君、松下新平君、堂故茂君及び吉良よし子君が委員を辞任され、その補欠として儀間光男君、林久美子君、河野義博君、森屋宏君、宮本周司君、島村大君、三木亨君、渡邉美樹君、三宅伸吾君及び紙智子君が選任されました。
 また、本日、野田国義君が委員を辞任され、その補欠として安井美沙子君が選任されました。
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○委員長(関口昌一君) まち・ひと・しごと創生法案及び地域再生法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言をお願いいたします。
○安井美沙子君 民主党・新緑風会の安井美沙子でございます。
 今、ちまたでは解散風が大いに吹いておりますけれども、この国会の優先課題がこの地方創生だったと思います。もしこの解散・総選挙が年内にありましてこの法案が廃案になるようなことがあったら、一体これは何だったのかと、そしてこの特別委員会は何のためにつくったのかということは私たちは大いに物申したいと思いますし、石破大臣も同じお気持ちなんではないかと思います。私は、これはしっかり地域再生ということは与党野党なくやっていかなければいけないことだと思っておりますので、今日はせっかくの機会ですので、しっかり中身について議論をしたいと思います。
 石破大臣におかれましては、農水大臣当時に私が東京財団で企画した農政シンポジウムで御講演をいただきました。今日は場を変えて、こうしてまた今度は地域再生について議論ができること、大変光栄に思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
 私もその東京財団で地方、地域再生に関して研究を行っておりましたし、また、その前にいろいろな地方自治体で実際に地域再生の取組の支援をしてまいりました。ところが、個別のケースにおいては多少の御支援をすることができたのではないかなという自負をしているんですが、局所的にそういうことをやっていては間に合わない、全体を底上げするようなスキームがなくてはいけないという問題意識の中で、東京財団でそういう政策を行ってきた者です。
 衆議院でのこの特別委員会の議事録なども拝見しましたけれども、どうもこの地域活性化について言われることが目新しいものが何もないなというのを、これまでそういう研究に携わったことがある人間としてはそう思わざるを得ないところがあります。そして、総理の所信表明なんかでも名産品カタログのようにいろいろ出てまいりましたけれども、例えば馬路村のあのユズの話などは、私、二〇〇五年のシンポジウムでもうお話をさせていただいているという具合で、何か出てくる事例やスキームが周回遅れのような感が否めないというのが正直なところでございます。
 ただ、その批判をするばかりではなくて、今日は建設的な提案もしたいと思っております。
 それで、まず私は、一番今日の質問のテーマですけれども、既存の各省でやっていたこと、それから各省庁にまたがっている地域活性化関連施策を総括整理して、今までも数兆円単位の血税を使って何十年にもわたってやってきたこの知見をきちっと生かして、蓄積を無駄にしては申し訳ないと思っているものですから、その辺について質問させていただきたいと思っております。
 これまでの審議でも、地域活性化統合本部と、それからまち・ひと・しごと創生本部の違いについて何度も質問があったと思います。御答弁何度も読みましたけれども、長くなりますので端的に言えば、地域活性化統合本部の方は事務的作業のインプリで、そしてまち・ひと・しごとの方は戦略策定であると、特に人口減少の問題を加味した戦略策定であるというふうに理解したんですけれども、法的な部分をきちっと確認しますと、平成十七年に内閣官房に地域再生本部がつくられたわけですけれども、その根拠となる地域再生法には、地域の自主的な取組を推進する目的で制定されたとか、その後、二年後に五つの本部を統合して地域活性化統合本部が設置されたときには、地域活性化のために省庁縦割りを排して横串を刺し、ワンストップサービスを目指すと。これ、まさに今、まち・ひと・しごとの方で言われているようなことが地域活性化統合本部の根拠条文には書かれているんですね。
 ですから、今これを両方走らせようとしますと、地域活性化統合本部で既に戦略的なこと、戦術的なこと、インプリ的なこと、みんなやってきたわけですから、何か両方並立しますとすごく仕事がしにくそうだなという印象を得ております。
 これは、もし大臣の頭の中で戦略策定とインプリというふうにデマケをしたいということであれば、私だったら創生本部が地域活性化統合本部を吸収合併して指揮系統をすっきりされてはどうかと思うんですが、いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) もう衆議院における答弁をお読みいただいたと思いますので、それを繰り返すようなことはいたしません。
 この度、組織を、まち・ひと・しごと創生本部なるものをつくりましたのは、一つは全閣僚がその本部員であるということでございます。それによって、全閣僚が参加をする形でやっていかなければいけないものだということだと思っております。
 これは、法律的にそういうような仕分をしておりますが、今回の本部というのは、要は縦割りを排していかねばならない。それに全ての省庁が参画をする形でやっていかなければならない。あわせて、少子化の問題と地方の活性化というものを併せて考えていかねばならない。
 ですから、その司令塔という言い方が、これが必ずしもぴたっとこないのかもしれませんけれど、全体を俯瞰をして、そこを指揮統制をしていくというような意味合いなものだというふうに思っておるところでございます。
 ですから、特別に、それぞれ地域活性化統合本部、また地域再生本部、都市再生本部等々、それぞれ法律に基づいて具体の事務を実施しておるのでありまして、具体の事務ということもそういうものは行いますが、司令塔的な役割を持つというのが一番の意味合いかと思っております。
○安井美沙子君 地域活性化統合本部の根拠条文にも、同じように横串、それから地域の自主的な取組を推進するという今回の主眼である内容が書いてあるものですから、私は、そちらで今まで仕事をしてきた方には、なかなか仕事の仕方をきちっとデマケをしてやっていくというのは難しいんではないかなと思っておりまして、実際、この質問に当たって数度にわたりいろいろな関連部局の方からレクを受けたんですけれども、隣がやっていることをよく理解していない、それからこれまでやってきたことを知らないというケースが多くて、これは大変だなというふうに正直思っております。
 そして、今まさに、全ての省庁の大臣を本部員にというお話で、他省庁にもこの司令塔に入ってもらって全体を俯瞰して仕事をしてほしいという、そういうものなんだという御答弁がありましたけれども、これ本当に徹底してほしいと思うんですね。
 中企庁、中小企業庁がこれまで十年やっているJAPANブランド育成支援プロジェクトがあるんですけれども、私もこれも随分追っかけてきたんですけど、これを創生本部の方に聞いたら、知らないと、中企庁に聞いてくださいというふうに言われました。これが今のところ残念ながら現実でございます。
 これも、海外販路の開拓を目指す中小企業に対して外部専門人材を採用する等の支援を行うものですから、地域創生の要は、私、中小企業だと思っています。この支援をするということで大事な地方創生の要素であるという自覚で、必ず、特に経済産業省の中企庁については、これは目を凝らして一緒にやっていただきたいなというふうに思っております。
 今までお話ししたように、今までやってきたことの総括、検証というのがとても大事だと思っているんですが、これを今後どのようなスケジュールで、どんな方法で行っていこうとされているのか、済みません、通告の順番が違ったかと思います、申し訳ありません、このことについてお知らせください。
○政府参考人(山崎史郎君) お答え申し上げます。
 まず、この検証でございますが、先月、私ども、有識者から成りますまち・ひと・しごと創生会議におきまして基本政策検討チームというものを設置いたしました。その基本政策検討チームにおきまして、各府省からのヒアリング、さらには地方公共団体の首長からの意見交換を行いまして、現在、これについて様々な検証を進めているところでございます。
 特に、このチームの方では、各府省に対しまして考え方を示しまして、この検証結果を踏まえた政策検討を今進めているところでございまして、最終的にはこれを踏まえて私ども今後検討してまいります長期ビジョン、さらには五か年の総合戦略の方に盛り込んでいくと、こういう考えでございます。
○安井美沙子君 本当はこれ、もっと先にやっていただきたかったと思います。この検証が終わる前に新事業を始めるということがやっぱり非常にいろんな矛盾をはらんでくると思います。
 ですので、今回はそれを踏まえた上で個別の政策について少し伺ってみたいと思うんですけれども、今回の地方創生に当たって現在考えられているスキームの中には圧倒的に人の派遣とかコンサルとか、こういった内容が多いですよね。私、後でもし時間があればお話ししたいと思っていますけれども、今、地方創生に本気で取り組もうと思ったら、米価対策であるとかガソリン対策であるとか個別具体的な政策、こういったものに地方創生の視点を加えて後押しすると、これが一番大事な地方創生だというふうに思っています。
 特に、今、再生エネルギーの接続回答保留の事件もあります。こういったことで、その地方創生の大事な目である新しい事業が意欲をそがれてしまっていると。こういうことをしっかり支えることこそが地方創生だと思っておりますけれども、今出ている内容は人の派遣とかそういったことが主ですので、ここをきちっと整理していただきたいという意味で質問をさせていただきます。
 まず、資料一というのを付けさせていただきましたが、これ地域産業おこしに燃える人というのがありまして、これは二〇〇三年に内閣官房で三十三人を認定して、後でこれを倍増してNPO法人に今ではなっていますけれども、地元地域において地域産業振興や活性化に取り組んでいる人を認定して、地域イベントを開催したり交流をしてノウハウを交換したりすると、こういうふうになっています。
 それから、資料二になりますと、今度は地域活性化伝道師というのがありまして、三百二十三名認定されています。これは、地域活性化に向け意欲的な取組を行おうとする地域に対して、地域おこしのスペシャリストを紹介し指導、助言などを行うと、こういうものです。でも、これ平成二十五年では十九名を二十四地域に派遣しただけなんですね。
 これらの二つの事業について、どういうふうに評価されているでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) 燃える人は、まあ略称燃える人と申しますが、小泉内閣でございましたか、平成十五年度にそういうものをつくりました。三十三人を選定したものでございます。
 この後新たな選定は行っておりませんが、この燃える人たちは、平成十八年に自主的に会を結成をして、京都、秋田などで意見交換会、事例発表会を開催し、自治体職員へのアドバイスを行う、海士町の産業振興を支援するなど、精力的に活動していただいておるわけで、本年度も福島県で産業おこし支援などに取り組んでいただいておるわけで、これは大きな意義があったんだろうなというふうに思っております。
 伝道師登録者数は三百二十三名、今年の五月一日現在でございますが、二十五年度、二十四地域に派遣をいたしたわけで、岩手県等々で行っております道の駅の活性化、あるいは根室市等で行っております特産品やメニューの開発等々、伝道師は国の職員とともに現地に出向きまして相談会を開催するというようなことで、数としては、伝道師が三百二十三人、燃える人が三十三人ということですから、かなりの数だと思っております。
 そういう方々がそれぞれ地域において相談会をやったりアドバイスをしたりしたことでいろんな事業が活性化をしたという認識を私自身持っておるところでございます。
○安井美沙子君 こういった専門家人材の派遣というのが、派遣と一言で言えるかどうか分かりませんが、こういった制度をいろいろ経て、今回新たにシティーマネジャー派遣制度が設立されました。
 この制度においては公務員と民間人と両方が派遣されるようになっていますけれども、民間人としてこういった燃える人とか地域活性化伝道師というのが派遣されるということはあり得るんでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) それは可能性としてはあり得ることでございます。そういう方々がもし御希望をなさって、そういう方面に非常に通暁された、また実践を積んでこられた方々でありますので。ただ、このシティーマネジャーという言い方が正しいかどうかは別といたしまして、それは、それぞれの自治体がこういう人が欲しいねというふうに言っていただく。何でもいいから何でもできる中央にコネのある人みたいな話では困るので、我が町はこれをやりたいのである、ついてはこういう人材を希望するのであるというふうに具体的におっしゃっていただき、行く側も、俺が霞が関から行って指導してやるぜみたいな人は行っていただかなくて結構なので、私はそこの町に行ってこれをやりたいんだという熱意があって、そして知見のある人、それがマッチングしなければ、行っても妙なことになるだろうと思っております。
 そういう燃える人とか伝道師とか、そういう方々がそういうものにきちんと合うということがあれば、それは派遣をするにやぶさかではございません。
○安井美沙子君 同じシティーマネジャー制度で今度は公務員側なんですけれども、資料三にあります内閣官房地域活性化統合事務局の地域活性化プラットフォームという枠組みにおいて、本年五月に地域活性化モデルケース三十三件を選定され、個々に対し各省からの課長級レベルの職員を派遣してアドバイスを行うというふうに聞いています。ここにはシティーマネジャーは派遣しないのでしょうか。あるいは、モデルケースに派遣される人がシティーマネジャーであることもあるんでしょうか。この辺の整理を教えてください。
○政府参考人(内田要君) お答え申し上げます。
 プラットフォームにつきましては今委員御指摘のとおりでございます。それで、これは、関係各府省の原則課長級で構成される政策対応チームというのをつくりまして、例えば首長さんとかと膝詰めで取組の具体化に向けたアドバイス等を行う、これは、委員、出張で、原則一日とか、その自治体のテーマに即した、具体のテーマに即して編成いたしまして出張で赴いているものでございます。
 一方、シティーマネジャーでございますが、先刻大臣からもお答えいたしましたように、もちろん公務員以外、研究者、民間シンクタンクもございます。それを……
○安井美沙子君 違いを聞いているんじゃありません。
○政府参考人(内田要君) はい。あり得るということでございますね。それは、もちろんプラットフォームで行っている関係各府省の方々がシティーマネジャーとしての手続を経て選任されるということはあり得るというように考えております。
 以上でございます。
○安井美沙子君 随分いろんな制度が入り組んでいるようですよね。皆さん、省庁の方もなかなか、若手の方々はまだ理解していないようですし、私も自治体側にいたら大変だなというふうにちょっと正直思います。
 これから、後でまたコンシェルジュ制度とか、その辺にもお聞きするんですけれども、国家公務員を短期間地方に派遣するというシティーマネジャー制度ですね、これ私、非常に懐疑的です。
 昔、小樽市役所職員から内閣官房、内閣府企画官として地域活性化に取り組んだ、スーパー公務員として有名になった木村俊昭さんという方がいましたけれども、彼の存在というのはすごく珍しかったから取り上げられ、「情熱大陸」とかああいうのに出ていましたけれども、公務員の方というのは、一般的に優秀であることは優秀だけれども、私は地域活性化に貢献できる保証はないと思っています。なぜならば、基本的には既存の補助金とか融資の仕組みには精通しているでしょう。制度、法律は分かっているでしょう。だから、国との窓口としてはもちろん期待できるんだけれども、活性化というのは、データを収集、分析して理論的に導き出されるようなプロセスを着々とやるような正攻法ではなかなか生まれてこないんですよね。
 要は、頭でっかち、理論派では駄目なところが残念ながらありまして、その要素も必要なんですけれども、一方で、マーケティング能力とか人脈、それから、くまモンをヒットさせるようなああいう感覚、センス、こういうものは常識的に公務員より民間人に優れた方が多いのではないかと思っています。法律や前例に縛られて、あるいは省益に縛られて仕事をせざるを得ない公務員の方に、消費者マインド、売れるものをつくるとか、業態をつくるとか、こういったことを期待するのには無理があるんじゃないかなというふうに思っています。
 地方が給与を負担するということですが、これ、うまくいく保証はあるんでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) それは絶対うまくいくという断言はできません。それはやってみなければ分からないというのが本当のところでございます。ですが、これも、役人もいろんな役人がおりまして、良い子、悪い子、普通の子というか、いろんな者がおるわけでありまして、官僚の中にも、特に若い官僚は従来の枠にとらわれない発想をする、そういうような官僚たちがたくさんいると思っております。
 先ほど申しましたように、俺が霞が関から行って指導してやるぜみたいな人は行かなくてよいのでありまして、そういうのは大体見ていれば分かりますので、そういう者は出さないと。国の制度はこうなっているということもそうですが、これから先、国と地方との在り方を変えていかなければいけないと思っているんですね。どの補助金が一番補助率が高く、そしてどれが、後で裏負担といいますか、その分は交付税で見てもらえるかということが腕だみたいなところがありましたが、それを変えていかなければいかぬ。それを変えていくためには、霞が関の仕組みをよく知っている者が地方の立場に立ってこう変えるべきだという発想をすることは当然あり得べしだと私は思っております。
 と同時に、これから仮にこの法律が成立をさせていただきますと、総合戦略というものを書くわけでございます。努力義務としてお願いをいたしております。その総合戦略を書くに当たって、中央公務員の知見というものが生かされることがあるのではないか。まさしく委員御懸念のように、前例あるいは法律、そのことに通暁しているのなら便利だねという人を出すことは私は余り正しいことだと思っておりません。要は、偉い人として行くのではなくて、一緒になって汗をかき、一緒になって知恵を出すと。そして、中央と地方の仕組みを、中央のことをある程度知っているからこそ変えることができるということを企図しているものでございます。
○安井美沙子君 非常に分かりやすい説明でありました。
 先ほどお伺いした地域活性化プラットフォームの方は、課長級レベルの職員を短期出張で送ると。シティーマネジャーの方は、五年以上十五年未満の公務員の経験の方ということですからもうちょっと若手になりますが、どうかこれが地方自治体の負担で研修のようなものにならないようにお願いしたいと思います。
 それから、今度はコンシェルジュ制度ですけれども、資料五になります。五ですけれども、地域活性化統合事務局内にある地域への総合コンサルティングという既存の仕組みでも、これ、ブロックごとに担当者が決まっていてホームページにお名前まで全部出ていますけれども、必要に応じて職員や専門家を派遣したり、特産品を活用した町づくりを応援したりということができるふうになっています。
 これと地方創生コンシェルジュ制度というのはどう違うのかというところと、コンシェルジュとどういう関係になるのか、特に後半の質問をお願いします。
○政府参考人(内田要君) お答え申し上げます。
 まず、地域活性化統合事務局のコンサルティングにつきましては、まさに委員御指摘の資料のように、地域活性化事務局組織体制で八ブロックに分けて対応しております。
 一方、今回創設しようとしております地方創生コンシェルジュでございますが、先ほど大臣御答弁申し上げましたように、例えば地域版の総合戦略とかそういう地方創生の取組を親身になってお答えするような、各省庁の言わば窓口を選任するという違いがございます。
 ただ、後段の御質問でございますけれども、これまでの地域活性化統合事務局の相談体制でございますが、今後、地域創生コンシェルジュというものを選任いたしますので、その枠組みの中で一体的に運用し、屋上屋を重ねることなく、親身に機動的に対応できるようにしてまいりたいと考えております。
○安井美沙子君 まあちょっと分かりにくいし、余り親身親身と言うと、今まで親身じゃなかったんですかということになりますと思います。
 それからもう一つ、資料は用意していませんけれども、今回提出されている地域再生法改正案の第三十四条に、内閣府職員の派遣あるいは関係行政機関の職員の派遣について地方があっせんを求めることができるというのがあります。
 これ、また別の職員の派遣のあっせんができるわけですけれども、これはまたどう違うんでしょうか。
○政府参考人(内田要君) お答え申し上げます。
 地域再生法改正案における職員派遣でございますが、これは地域再生計画の作成から事業実施に至るまでの各ステップでタイムリーに活用していただくことを想定いたしまして、国が派遣等、出張になろうかと思いますが、で御支援するということを法文上明確化させていただいたわけでございます。
 それから、コンシェルジュでございますが、先ほども御議論ございましたように、まず関係省庁の職員が地方創生の窓口として、特に地域への愛着とかこの地域に関心を持っているというような方を選任いたしまして、相談窓口にするということでございます。
 したがって、もちろん地方創生コンシェルジュの方が出張することもあろうかと思いますが、一義的には窓口でございますので、出張を前提とするものではございません。
 以上でございます。
○安井美沙子君 いろいろな地方自治体からしてみるとメニューがあるという、いろいろな形態があるのは結構でございますけれども、いろいろな省庁にある補助金制度と同じく、大変分かりにくいし、本当に効果のあるものを選ぶのが難しいと思います。ですので、これ何か整理して図にしてくれないかと言ったんですが、できませんと言われました。
 なので、この検証の過程で、先ほど有識者の意見を聞くとか、いろいろこれから計画があるというふうに聞きましたけれども、是非、既存の政策の整理と、ポジショニングといいますか、位置関係をはっきりさせていただいて、新しくつくろうとしているものとの整合性をしっかり検証して、そして要らないものはやめる。それから、検証する前に新しいものをつくって予算を付けるのは私はとんでもないことだと思っていますけれども、もし必要ないと思ったら新しいものもやめると。
 それから、先ほど私は、まち・ひと・しごと創生本部の下に地域活性化統合本部を吸収合併するべきではないかと申しましたけれども、そういった本当に仕事がしやすく、かつ地方自治体から見ても分かりやすい組織、そして指揮系統、そして事業、こういったものをした方が今後予算の無駄遣いもしなくて済むし、ユーザーフレンドリーだと思います。こういうことをしっかり整備していただくと地方創生の方も進んでいくんではないかと、このように思っています。
 最後に、ちょっと提案をしたいと思って、この資料四というのを御覧いただきたいんですけれども、この韓国の地方専門契約職公務員制度というのですね、特に通告はしていないし質問でもないわけですけれども、石破大臣、この制度については御存じでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) 詳しくは存じません。こういう制度があるということは、韓国のことについて勉強しましたときに承知はいたしております。
○安井美沙子君 これ、是非研究をしていただきたいと思っておりまして、私、随分いろんな役人の方にも自分が書いた論文を配ったんですけど、どなたも関心を持ってくださらないものですから、なかなか浸透しないんですけれども。
 私、冒頭に申しましたように、いろんな地域のお手伝いをしている中で、成功例というのは類型化できない、それはなぜならば、地域固有の要素とか、それから必ずカリスマ的なキーパーソンに負うところが大きいからなんですね。月曜日の答弁の中で、石破大臣は、キーパーソンというか、そういうすばらしい人というのは必ずいるとおっしゃったんだけれども、それが今、じゃ、どこにでもいるかというと、それはなかなか難しいんですね。そのカリスマ的リーダーの登場を待っている余裕はないわけです。
 だから、私もいろいろなお手伝いをしている中で、そういう人が重要なんだけれども、カリスマ的リーダー、担い手の要素を再現可能、持続可能なものにするためにはどうしたらいいかということをさんざん考えあぐねていたわけです。さらに、秀逸な人材が一人いるだけでは不十分でありまして、それを支える組織運営体制とガバナンス、こういったものがそろって初めてこの地域活性化というのは成功してくるんだということを幾つかの事例研究を通して学びました。
 そのときに、この韓国の地方専門契約職公務員制度というのに出会ったんですね。韓国にまで行って調査してきたんですけれども、韓国では地方分権というのが盧武鉉大統領の頃から熱心に進められて、日本より進んでいるというふうに言われています。ところが、公の文書などは余り情報公開されていないものですから、研究も非常にしにくいんですね。ですから、私も聞き語りベースでいろいろ調べてきたというのが正直なところですけれども、既にもうこれかなり進んでおりまして、一九八七年に韓国で導入された制度なんですけれども、専門人材が期限付で公務員の身分を保障されて、特定の分野における自治体の課題を遂行することを可能にしています。二〇〇八年時点では全国の地方自治体で三千人以上の専門契約職が活躍しているということです。
 ここの資料にちょっと書かせていただきましたけれども、今考えていらっしゃるシティーマネジャー制度と似て非なるというところがありまして、これは韓国でも、非常に学歴社会ですよね、専門性に裏打ちされた見識の高い方が仕事がないと。日本でもポスドクの方とか非常に困っていらっしゃいますけれども、そういう方がたくさんいて、本当に博士課程や修士課程を修了しても大学の講師ぐらいしかできないというような状態がありまして、そこに目を付けたわけですけれども、こういう方が一回公務員の身分を短期でも、二年、三年ですけれども、こういった身分を負って仕事をして実績を上げると次々とそういう仕事が入ってくるという好循環が生まれるんですね。
 ここの専門性に裏打ちされたというところの期待できるメリットというのがあるわけですけれども、地方自治体の地域活性化のプロジェクトにおいても外部の専門家と協働という必要性が出てくるんです。例えば、公共デザイン、町の美観を、景観をざあっと変えて人を呼べるようにしましょうというときに、中にいる一般行政職の公務員がそういった知識が全くないと外の人と話ができない。それから、例えば、ぼったくられると言ったらあれですけれども、提示されている価格が妥当なのかどうかということも判断できないと。そんなことが専門家であればこの外部の人と対等に交渉ができると、こういうメリットがあったり、それからマスコミ、世間に発信する際に説得力を持つとか、こういったメリットがあります。
 そろそろ時間なので切り上げなければいけないんですけれども、その方々が、いろんな割と組織の裏打ちのない、組織のバックアップがない中で個人の実力で戦ってきた人たちというのは、割とプロジェクト遂行能力もあって、資金調達も自分でやったりネットワークを持っていたりということで非常に力を発揮している。一方で、地方自治体は、これの条件として、首長がもう地域再生ビジョンを明確に持っていて、公募の際にどんな人に何をやってほしいという企画案を公募で出させると、こういったことが機能しているというふうに私は行って見てまいりました。
 いろいろなメリットがあるんですけれども、このことも是非検討していただきたいということで最後に一言だけ伺って、質問を終わります。
○国務大臣(石破茂君) 御指摘、誠にありがとうございました。
 今回の、シティーマネジャーと言うかどうかは別にして、それは眼目は、できれば小さな自治体に出したいというのがございました。中央公務員はたくさん地方に出ていますが、それはもう何となく指定席みたいに、この県庁のこの部長は何々省、この県庁のこの課長は何々省みたいなことで、中央の官僚が地方に行って勉強してきなさいみたいな、ある意味、中央の視点でやっていたんだという部分が否めないところがあったと思います。今度は人口五万人以下の本当に必要としている自治体に出したいと思っていますが、それは国家公務員だけではなくて、学者でありますとか、シンクタンクでありますとか、そういう方々も出したいと思っています。
 ただ、これで決まりというわけではなくて、これだけでもう全部事足りるなんというつもりは全くございません。委員御指摘のこの韓国の地方専門契約職ですか、済みません、私、不勉強で委員の論文読んでいないので、是非読ませていただいて、今後こういうものもより良いものを取り入れていく、そういう努力は更にしてまいります。
 ありがとうございました。
○安井美沙子君 ありがとうございました。
○藤末健三君 民主党の藤末健三でございます。
 本日は、石破大臣並びに高市大臣に対しまして、五つのポイントから御質問申し上げたいと思います。
 まずは、全体的な議論として、地方経済をどう考えるか、そして、この法律の枠組み、全体としてどうかと。特にこの法律の裏にある哲学的なものを是非お聞きしたいのが一つ。
 そして、二つ目にございますのは、総合戦略というのがこの法律の目玉という話は聞いておりますけれども、もう既に幾つかの地方自治体は自分たちで長期プランであり戦略を作っていると、それとの関係はどうかということと、もう一つは、国が主導して戦略を作ることの是非はどうかということを是非議論したいと思います。これは前者のやる全体の枠組みとの関係があります。
 そして、三つ目にございますのは、今見ていますと、集中と選択という言葉が徐々に出始めている中で、やはり地方のユニバーサルサービス、中山間地であり過疎地であり、そういうところにお住まいの方々が安心して住める生活のインフラをどう確保するかということについて、この法律の中でどう定義されているか。
 そして、次にあるのは税制の問題。全く税制については触れられていません、この法律は。支援もなく税制もなく、ただ何かつくりましょうねということしか書いていない法律でありますけれど、私は、地方との関係を考えたときには税制が非常に大きなウエートを占めると考えています。その税制についてお聞きしたいと思います。
 そして、最後にございますのは、五つ目にございますのは、大臣の衆議院の議事録を読まさせていただいたり、また講演の議事録を読まさせていただきましたけれど、人口が増えますと、地方を再生することによって人口が増えるということをおっしゃっておりますけど、私は、やはり一番重要なのは雇用ではないかと思っています。質が高く、かつ安定した雇用がなければできない。例えば、後で御質問しますけれど、親と子供が近くに住めば子育てが支援できるからいいんじゃないかというようなこともおっしゃっておられますけれど、そういう問題じゃないと思うんですね。
 ですから、その五つの問題について御質問させていただきたいと思います。
 まず初めにございますのは、先ほど安井さんからも話がございましたけれど、この法律というのは何が法律事項かよく分からないと私は思います。自分自身も昔、経済産業省という役所で働かせてもらって政府で法律を作らさせていただきましたけど、自分の感覚でいくとこれは法律事項じゃないです、はっきり言って。法律は、基本的に何かと申しますと、いろんなルールをつくり、それをある程度従っていただく、それが私は法律の本分だと思います。
 いろんな組織をつくります。組織については、先ほど安井さんからも、まち・ひと・しごと創生本部をつくるという話がございましたけど、私はこれは要らない、はっきり言って。なぜかと申しますと、地域再生法の中の二十九条に地域再生本部というのが定義付けられていて、要件がほぼ一緒です。全大臣が参加しますよ、そして何か計画を作りますよと。ほぼ一緒なんですよ、陣容も。なぜわざわざつくる必要があるかと、そこが分からないです。
 ですから、私が大臣にお聞きしたいのは、この法律の本質的なものは何かということをお聞きしたいんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) 委員の問題意識は前から承っておるところでございます。この法律は、基本法的な、基本法ではございませんが、基本法的なものを、性格を持っております。なぜ、的なかと申しますと、上位法として基本法があって、その下でそれに連なる法体系があるという形を有しておりませんので、基本法的なというふうに申し上げました。ですから、これは理念法であり、組織法であり、プログラム法という意味で基本法的なものだというふうに申し上げておるところでございます。
 この中で法律事項とは何なんだという話ですが、組織法でございますので、そういう創生本部をつくるということを法によって定めるということでございます。御懸念がどこかで指摘されましたが、じゃ、内閣が替わりましたと、仮に。そうすると、こんなものはやめですということになってはいかぬと。内閣が替わろうが何しようが、立法府において定められました法律によってこの本部がその役割をきちんと果たすということを法律に定めることは重要なことだと認識をいたしております。
 これは、委員はもう官僚でいらっしゃいましたので私よりはるかに御存じですが、法制局が作っておりますところの「実務立法演習」なる本がございまして、法律事項とは、人に権利を与え、又は義務を課す規定である、そのとおりでございます。
 と同時に、この教科書にどう書いてあるかといいますと、これら以外でも、例えば内閣法、国家行政組織法、各省設置法等の国の行政機関の組織及び権限に関する規定があると。これらは一見すると権利義務に直接関わる規定でないように見えるが、実はこれも法律事項であると。法律に基づく行政の原理の下ではこれらの行政組織の権限には法律上の根拠が必要で、その意味では権利義務に関わる事項そのものであると、こう書いてあります。済みません、棒読みして申し訳ありませんが。
 そういう意味で、権利義務ということでは直接ないように見えるけれども、それを設置すること自体、法律事項だという理解を私自身いたしておるところでございます。
○藤末健三君 大臣の衆議院の答弁も読まさせていただいたので、同じ答弁をいただいたわけですけれど、私は、その設置法としての組織をつくることさえも、今までにもう既にあるものを使えばいいんではないかと申し上げていますので、それは御理解いただきたいと思いますし、あと、先ほどおっしゃったように、僕はプログラム規定さえもないと思うんですよ、何をどうするかという、というふうに思います。
 もっと大事なことは何かというと、私は、これは理念がないと思うんですね。どういうことかというと、今の日本が置かれた地域経済の状況、地域の状況というものを歴史的にどう捉えているかということがすごく大事だと思うんですよ。
 ちなみに、私自身が思うところをちょっと述べさせていただきますと、私はやはり、地域の政策というものは全国総合開発計画というのが一つございまして、これは一九六〇年に所得倍増計画、高度経済成長が始まり、どんどんどんどん都市部に人が集まる。このときに、例えば一九六〇年は地方からの人口減が六十五万人、東京圏が三十七万人増え、関西圏が二十一万人増えているんですよ。どんどん人が都市に集中しましたと。では、地方はどうなるのかということで、全国総合開発計画、全総と言われていますけれども、というのができましたと。それで、地域にどんどん工場を造ることによって人口を地域に戻しましょうねということでやり始めたんですよ。これは実は成功しています。一九九五年まで均衡させたんですね。
 ところが、一九九五年以降どうなったかというと、もう一度都市部への集中が始まっているんですね。例えば二〇〇四年のデータを見ますと、東京には十万人、名古屋に〇・八万人、関西は減っています、二・一万人減っている、そして地方が八万人減っているという状況。これが大きな流れでございます。
 この流れは何かというと、一番大きなのは、高度経済成長期の人口の流れと今の人口の流れは違っていまして、高度経済成長期は地方の労働力が都市部に、工場に勤めるために移動しているというのが一つ。ただ、今の人口移動は何かというと、地域における支店とか工場がなくなり、働くところがなくなったがゆえに、その高付加価値な部分が東京にまた戻っているんですね、どんどんどんどん。ですから、大阪も下がっているんです。大阪の本店も東京に支店をつくって集中させているという流れがございます。
 そういうところから考えますと、大きな流れとして、工業社会が終わり、工場を立地することによる均衡が終わり、新しく、じゃ、どう均衡をつくるかという、そこら辺が大事だと思うんですけど、大臣、いかがですか、その点について。
○国務大臣(石破茂君) 済みません、党は違いますが、意識は全く一緒です。一二〇%同意します。そのとおりです。
 ですから、委員も昭和三十年代のお生まれですが、結局、成功したとおっしゃいました。確かにそうなんです。昭和四十年代から五十年代にかけての地方というのはそれなりに活力がありました。そう思います。それは、自動車メーカーであり、あるいは電機メーカーであり、そういうのは雇用を創出をいたしておりました。そして、まだ高速交通体系がそんなに発達をしていなかったので、そんなに東京に行くのが容易なことではございませんでしたので、それは地方にいろんなものを置いておかなければ地方がきちんと動かないということがございました。ですから、高速交通体系が発達しますと、何も地方に置いておかなくてもいいでしょうという話になるわけでございます。
 また、これだけ賃金が高いの、円が高いの、あるいは需要は、マーケットは東南アジアとか中国にございますので、何も地方に工場を置いておかなくてもいいでしょうという話になって、世の中全くがらっと変わったので、それに合うように地方の創生というのをどう考えるかという認識でございます。委員のおっしゃることには全く同意いたします。
○藤末健三君 役所の人たちにその哲学は何ぞやという話を聞いたとき、答えをもらっていないんですよ、私は実は。ですから、大きな流れで、今大臣がおっしゃったように、工業化が終わりましたよと。同時に、世界中で今都市への集中がどんどん進んでいるんですよ。日本だけじゃないです、あらゆる国で首都圏に集中しています、人口がどんどん。過疎地がどんどんできているというような国際的な状況の中で、そういう世界全体の動き、日本の歴史の動きを踏まえたものをつくらなければ全く意味ないと。少なくとも、現状において私は理解する答えはいただいていません、正直申し上げて。という状況であることは是非御理解ください。
 私、正直申し上げて、これ失敗したら、もう次ないと思いますよ。今転換して、新しい発想の下に新しい現実を見詰め直して新しい政策を打たなければ、恐らく既存の政策だけをこんな継ぎはぎしていたらどんどんどんどんこの流れは加速します、逆に。これから円安が進むかもしれない。円安が進めばどうなるか。もっと疲弊しますよ。その話をお聞きしております。
 大臣にお聞きしたいんですけれども、アベノミクスの地域経済への影響をどういうふうに評価されていますでしょうか。私は非常に悪い情報をいっぱい持っていますので、是非お答えください。
○国務大臣(石破茂君) アベノミクスというものの定義はなかなか難しいのですが、大胆な金融緩和、そして機動的な財政出動というものが行われて、大胆な金融緩和によって、過度な円高、これは脱しつつあると。そしてまた、機動的な財政出動を行うことによって地域の経済というものが一息ついたという部分は間違いなくあろうかと思います。それは効果を発現するまでやらなければいけないことだが、誰でも分かることですけれども、大胆な金融緩和、機動的な財政出動も必要に応じてこれからもやっていかねばなりません。しかし、いつまでもどこまでもできるかといえば、決してそれはそうではないでしょう。それは、おのずと限界がございます。であるからこそ、第三の矢たる経済成長なのだと。
 そして、その経済成長を、まさしく委員が御指摘になったように、全く違う環境の中でどうやって経済成長を実現するかといえば、グローバル経済とローカル経済はきれいに分化しているわけではない。重なる部分もございますが、今までローカル経済の部分がともすれば、第一次産業もそうですし、サービス業もそうなのですが、その潜在力を十分に発揮してきたかといえば、私はそうではないという認識を持っております。農林水産の仕事も長くやりましたが、持てる潜在力を十分に発揮をしたとは思っていない。あるいは、観光業でも着地型というものがきちんと発動というか定着をすれば、もっといろんな人が来るだろうと思っている。地方において、何も生産性を得ることだけが全てとは申しませんが、やはり生産性というものと人口移動というものはかなりの相関関係があるという認識をいたしております。
 これは委員の御見識をまた承りたいのですが、一極集中、首都に集中するというのが特に起こっているのは東京とソウルだという認識を持っております。あるいは、バンコクでありますとかクアラルンプールは必ずしも東京やソウルのように過度の一極集中を起こしていない。イギリスに目を転じますと、イギリスの場合にはロンドンに対する人口集中というのが止まって、地方に対する人口流出というのが起こっております。フランスもそうだと思います。ですから、アジア型のモデルとヨーロッパ型のモデルと少し違うのかもしれないという問題意識を私自身持っておりまして、これはイギリスの例というのを更に深く考察する必要があると思っております。
 この一極集中というのは故なしとしないので、原因があるからこんなことが起こっているのであって、この原因をきちんと分析をしてそれを除去していかないと、委員がおっしゃいますように、今回やり損なうと地方も衰退に向かい、東京が出生率が一番低いですから、東京を更に安全で安心で活力ある町にするということと地方を創生するということを両方、両立させてやるというのがこの難しいところだと思っております。
○藤末健三君 アベノミクスの話を申し上げますと、石破大臣がおっしゃったように、金融緩和、そして予算の割り振り、そして第三の矢という話でございますが、まず、第三の矢について申し上げますと、多分御存じだと思いますけど、外国の新聞、ファイナンシャル・タイムズには第三のニードル、針と書かれたんですよ。こんなに小さいのは矢じゃないですと書かれて、私も同感です。全く新しい発想に基づく新しい政策は私は今まで見たことがないと思います。
 そして、この結果を、今状況を見ますと、恐らくアベノミクスの今現れ方は何かというと、一つが株が上がっている、株価が上がっていると。そして、円安と、もう過度な円安に入りつつあるんじゃないかという状況でございます。
 例えば、株価が上がったという話でいきますと、ここに九月の全国百貨店売上概況というのがあるんですよ。これを見ますと、どうなっているかといいますと、一・八%前年比マイナスと、六か月連続マイナスだそうです。どこがプラスかというと、東京と大阪だけなんですね。〇・一%東京はプラス、大阪は〇・四%プラスと。大都市以外は〇・六%マイナスという状況で、どういうことかというと、大都市の恐らく株を保有された方だけがお金をもうけて、どんどんどんどん高額のものを買われているんではないかということは明確に数字に出ている。
 そして、もう一つございますのは、これは経済産業省のデータですけれど、地域経済産業調査というのがございます。この四月―六月を見ますと、何かというと、上昇しているのは近畿地方だけです、近畿だけ。答えは簡単です、円安で自動車産業が調子いいから。あとのところは全部沈んでいますよ。恐らく近々の同じやつだったら、もっと沈むと思います。それが私はアベノミクスの現状じゃないかなと、地域経済に与える。
 このまま、例えばどういうタイムスパンで大臣がお考えになるか分かりませんけれど、この法律を作って、何かどんがらができるかもしれないけど、中身をいつまでに詰められるかですよ。時間ないですよ、これ、はっきり言って。いや、本当に。
 もう質問はしませんけれど、相当な勢いを持ってやっていただかなきゃいけないし、もう一つ、大臣、本気でやるならば、役所の人間をもっときちんと集めてくださいよ。僕がいろいろ質問した範囲では明確な理念を持ってやっている人はいない、はっきり言うと。それは国のためですから、是非やっていただきたいと思います、私は。
 同時に、経済の話をさせていただきますと、さっき円安の話を申し上げましたけど、帝国データバンクという信用調査の会社が出している資料がございます。これで見ますと、十月の倒産数、負債が一千万円以上で法的整理をしたもの、三十九件なんですね。過去最高です。理由は何か。円安なんですよ。円安で仕入れる原料費、エネルギー費が上がったけれども、売る価格は上げられない。それで、つくればつくるほど赤字になって、とうとう耐え切れずに倒産された方が過去最高に近い数字になっている。
 ちなみに、どういうデータかと申しますと、例えば今年の一月から十月までの累計倒産件数は二百五十九件。これは前年の何と二・八倍。三倍なんですね。だから、アベノミクスで景気良くなったとか言いながらも、実は倒産件数は増えている。そして、何かというと、原因は円安。
 私は、消費税を上げるかどうかはすごく大事だと思いますよ。もし消費税率を上げないという決断をしたときに、私は、円安もっと進むと思います。原因は何か。簡単に言えば、日銀の信頼が落ちるから。財政がおかしくなりますね、日銀が支えますね、日銀のバランスシート、財政状況がおかしくなって日本銀行券を発券する日銀の信頼が落ちる、円は安くなるというふうになるんではないかなと。そうすると、この数字ももっと上がりますよ。
 私、全国区ですからいろんなところに伺いますけれども、中小企業の社長さん、製造業はもうひいひい言っている、本当に。そんな簡単なじゃないですよ。燃料の値上げ、材料も上がってきている。まだ燃料はドルベースで落ちているからいいけど、これがまた反転したときはどうなるかという話。
 そういうことを是非大臣は考えていただきたいと思いますし、また同時に、ちょっと悪いデータを幾つか申し上げますと、やっぱり貿易赤字、二十七か月連続の赤字でございます。株価も一万七千円になりましたけど、株価をいじっているのは誰かというと外国人投資家で、売買している七割が外国人という状況。ですから、日本人が上げているわけじゃないですね、買って、という状況。
 ですから、非常に不安定な状況の経済にある中で、例えば日銀の金融緩和、賛否両論ありますけど、独立していますからもう言いません。日銀がもうまた異次元の中の異次元の緩和を行う。あともう一つございますが、年金積立金管理運用独立法人、GPIFの運用見直しということで株価をまた上げるんではないかという話が流れている中、私は、このままいくとアベノミクスの今の評価は少なくとも地方経済にはマイナスであると。と同時に、このままいくともっと悪くなるんではないかなというふうに思っているということをお伝えさせていただきたいし、あともう一つ申し上げたいのは、時間がないですよ、大臣、時間がない。このふわふわした法律やるより、作るよりも、実行ベースでどんどんどんどん進めた方が僕はよかったと思う、はっきり言って。そうすべきでした、はっきり言って、ということだけはちょっとお伝えさせていただきます。
 ということでございまして、もう一つございますのは、せっかくですからもう大事なことにいきますと、交付税の算定ルールという話をちょっと申し上げますと、交付税の算定ルール、是非、削減努力をしたところに対してもっと手厚くするというようなことをすべきじゃないかと。
 同時に、石破大臣は衆議院の後藤祐一議員の質問に対して一括交付金という話もされましたけれども、この交付税の算定ルールの話及び、あと一括交付金といってきたものの活用について、一括交付金については石破大臣。
 そして、この交付税の算定ルール、地方自治体が支出を減らすとその努力に見合ってもらう分が増えるようなルールをつくるべきじゃないかと思いますが、その点、いかがでしょうか。お願いします。
○国務大臣(高市早苗君) じゃ、交付税の算定ルールについてまず私から申し上げます。
 平成二十六年度の地方財政計画におきまして、地方団体が地域経済の活性化に取り組むための財源として、新たに地域の元気創造事業費三千五百億円を計上しました。これを各団体に配分するために、普通交付税の費目として本年度新たに地域の元気創造事業費を設けて、人口を基本とはしているんですけれども、各団体の行革努力の取組を算定に反映するようになりました。
 これは、各地方団体が行革によって捻出したその財源を活用して地域経済活性化の取組を行っていると、こう考えたところでございますので、このような算定の仕方を一定期間続けることで、できるだけ頑張る地方を息長く支援してまいりたいと思っております。
○国務大臣(石破茂君) 民主党時代に一括交付金という制度がございました。私はその制度自体を否定するつもりはございませんが、地方の方から、これ、使いにくいよねというような御指摘があったこともこれはまた事実でございまして、昨年度に廃止をし、各省庁の交付金に移行したのは御案内のとおりでございます。その際、単に各省庁に戻すのではなく、地方からの御意見を踏まえ、細分化されていた対象事業の大くくり化、事務手続の簡素化といった運用改善を行ったところでございます。
 今回の取組に当たりましては、地方の個性を尊重し、活気あふれる発意に基づく地方の自主的な取組を国が後押しすることといたしておりまして、このような観点から、個別補助金のように使用目的を狭く縛ることは避ける一方で、効果の高い政策を集中的に実施するため、地方が自らが客観的な分析に基づき政策目標を設定する、目標の達成に向けた厳格な効果検証も自ら行うと。やる気のある地方から様々な御提案をいただくことを前提に必要な支援策を検討し、実現をさせたいというふうに考えておるところでございます。
 これは何度も同じことを申し上げておりますが、地方の首長の立場に立つと、どれが一番補助率が高いですか、どれが後で見てもらえますかということにどうも特化するところがあって、それがどういうような効果をもたらすかという検証というものがシステムとして欠けていると思っております。
 ですから、自由に使えるお金を何でもたくさんということは、それは分かります。ただ、ふるさと創生一億円というのを見たときに、やはりそれは一億円というのが降ることが分かっておって、その後何に使いましょうかみたいな話だったわけで、それは竹下先生が言っておられた、自ら考え自ら行うということとは違っていたんだろうと。ですから、あれは一つの本当に壮大な実験だったと思いますが、何に使うのか、そしてきちんと使われたかどうかの効果検証、そういうものを伴った場合に、自由に使えるお金というものは、これはもう総務省ともよく御相談をしながら、それは考えていかねばならぬことだと思っております。
○藤末健三君 是非、自治体がコスト削減努力をしたものについては見合うようなものをやっていただきたいと思いますし、やっぱり私は、ちょっと三千五百億は小さいと思うんですよ。全体で十五兆円ぐらいの枠ですからもっと大きくしていただいた方がいいと思いますし。あと、是非、大臣もお考えは一緒でございます、ただ、役所の縦割りはやっぱり消していかなきゃいけないです、絶対。役所ごとにいろいろ違う、ワンストップサービスとおっしゃったじゃないですか。窓口が一個だけじゃ駄目ですよ、中身まで一緒にしないと。それは絶対やっていただきたいということをお願いしたいと思います。
 次に、私がちょっと問題だと思いますのは総合戦略でございまして、この総合戦略、二つございまして、一つはもう各自治体が既に行っているものを把握されているかどうか、そしてそれにどう調整をするかという、既存のものの把握と調整。そして、もう一つございますのが、例えばこの法案の十二条では、さっきおっしゃったように、現状を把握して検証しますということはあるということと、また同時に、客観的指標を作るということを書かれているわけでございます。客観的な指標というのは恐らく数値化していろんなものを書いていかれると思うんですけれども、その目標を数字で作ることは結構だと思うんですが、結局、できないところは駄目ですねと、駄目なところがどんどんどんどん駄目になっていくような形になるんではないかなということがちょっと懸念されるというふうに思いますが、その点いかがでございましょうか。
○国務大臣(石破茂君) それぞれの自治体がいろんな計画を立てていただいております。それは、この法律によらなくても、それはやっているところはやっているさというお話でございまして、この法律の中で考えております総合戦略なるものは、遅くとも平成二十七年度中に、この遅くともというところがポイントで、もう早く作ったところは早く出していただいて結構ですよということなんでございます。逆に、出さないとか、二十七年度末には間に合わないというところは一体何をお考えなのだろうかということになるわけだと思っております。
 そのようなことで、地域において、地域のことは地域でなきゃ分からぬものでございますから、それはそこでお考えをいただきたいのだというふうに考えておるところでございます。
 客観的な指標というのはこれからまたよく詰めてまいりますが、例えば雇用創出、あるいはUIJターンなど、地方への人材還流といった指標が考えられます。これ、委員の方が御存じだと思いますが、経済産業省で今ビッグデータというのをつくっております。そこにおいて時系列的に過去どうであったか、あるいは隣の町とどうであるのかというような、より自治体がお考えいただきやすい、そういうような数字を出したいと思っております。
 ですから、その地域においていかに金を稼ぐか、あるいはその地域で落ちたお金をいかにして外へ出ないようにするか。あるいは、観光でもそうで、通過型の観光地で落ちるのはごみだけですみたいな話になってもしようもない話でありまして、どうやったらばお金がその地域に落ち、その地域で還流するか。某リゾート地のように、そこに夏だけお店を開きましたと、やってくるのは東京の人、売っておるものも東京のもの、そしてお金も東京へ戻っていきますみたいなことだと、その地域が決して豊かにならないわけでございます。
 どうすればその地域が豊かになり、その地域においてお金が還流し、決して人口が増えるばかりだとは思っておりません。定住人口が減るのであれば、交流人口をいかに増やすかということも私は大事なポイントだと思っております。そういうような客観的な指標というものを作ってまいりまして、そういうものを評価するというそんな偉そうなことを言うつもりはございません。そういうものをきちんと作ったところはそれなりに国としては支援をしていきたいと思います。
 それができなかったところはどうするかという御指摘ですが、私、その御指摘はあちこちでいただくんですが、最初からできないことを想定するのはおかしいのではないかと思っております。それは、先ほど安井委員の御質問にもありましたように、どこにでもそういうカリスマがいるわけじゃない、そのとおりでございます。しかし、カリスマになるべき人が見付けられていない、あるいは何か変なこと言う人だねといって排斥の対象になる、そういうようなところもあったのではないでしょうか。
 やはり、その地域において必ず、ですから国でいろんな支援はいたします。その自治体がいろんな地域の事例を本当に知っているだろうかといえば、決してそうではないと思っておりまして、こんな事例もある、あんな事例もあるということで啓発されるところもたくさんあるだろうと思います。今の時点で駄目だったらどうするかということを私は余り考えたくない。しかしながら、セーフティーネットみたいなものはきちんと用意しなければいけないと思っております。
○藤末健三君 一番初めに申し上げたことの繰り返しになりますけど、私は、国が何か総合戦略で項目をぱらぱら出しましたよと、各自治体がそれに沿って書きますよという話はパッチワークだと思いますよ、それ。大臣、多分御理解いただけるように。国がどういう方向に意思を持って十年後、二十年後、国全体を設計するかですよ。その設計図に沿ってあなたたちの町はどうするんですかということを聞かなければ、各役所に、各自治体に項目だけ出して目標を作ってくださいと。じゃ、人口を、出生率を二・一にしますよとみんな書いちゃいますよ、そんな何も考えずに、本当に。申し訳ないけど、ある国は州とかが強いですよ、地方政府が。全部足し上げたらGDPが二〇%成長したって同じことが起きますよ、これ。いや、大臣、本当に、これは。
 ですから、まさしく大事なことは何かというと、国としての大きな設計が必要ですよ。地域の産業をどうするんですかと。私は地域の産業は恐らくサービスに向かうしかないと思う。サービスで特にニーズが高いのは、やはり介護であり医療であり、子育て、農業、おっしゃるように。また、観光もあるかもしれないけれども、これは小さい、はっきり言って、マスが。
 ですから、そのような大きな枠組みをつくり、その中で、例えば公共事業にお金を流すんではなく、これから介護、医療にお金を流しますと、それによって雇用を生むんですよという大きな道筋をつくった中で、じゃ、地方の皆さんはどうするんですかということを言わなけりゃ、結局、今あるものの焼き写しを何かちょこちょこ直して持ってくるか、若しくは架空の、本当に道筋がない、どうやればいいか分からないようなものが出てくるんではないかということを心配するんです。いかがですか。私は長い大枠の理念が必要だと思います、国家としての。
○国務大臣(石破茂君) おっしゃるとおりです。そのとおりです。
 ですから、今まで、委員が冒頭御指摘になったように、地方の衰退というのは潜在的にあったんだと思うけれど、それを何となく非常に表面化させなかったのは企業が立地をしていたからだと思っております。電機メーカーであり自動車メーカーであり、それが三千人、四千人という雇用があったということがありまして、その間もどんどんと農業や漁業や林業は衰退をしていったのだと思っております。観光も、かつてはそれぞれのお客様を見るというよりは、旅行会社としかお付き合いをしない。いろいろな観光の事業者の皆様方は、旅行会社とだけお付き合いをしていれば人が来たということで、今だけ、ここだけ、あなただけみたいな商品の開発がなかったと思っております。
 今起こっておりますことは、地方において人手不足だということをどのように考えるかということでございます。特にサービス業において顕著でございます。地方において人手不足ということは、まさしく地方の生産性を今上げていかなければ、委員御指摘の安定した雇用あるいは高い収入というものが得られないのではないだろうか。今まで、その生産性が必ずしも高くないことが雇用の吸収ということとマッチングしていた部分がありますが、それが雇用の吸収とマッチングしなくなったという事象をどのように考えるかということだと思っております。
 国の大きなグランドデザインというのは、先ほど医療の御指摘もありました、そのとおりでしょう。ですから、中央からどうやってそういうような方々、できれば、そういう方々も大事ですが、まだ要介護にならない方々がどうやって地域に行って、もう一仕事というのかもう一つの人生というのか、そういうものを実現していただくということも私は国家として支援していくべきものだと思っております。
 ですから、以前であれば、衆議院で御指摘をいただいたことですが、昔は、志を果たしていつの日にか帰らんという話だったんですけど、志を果たしてから帰るのではなくて、志を果たしに今帰らんという、そういうようなことがあってもいい。えらく抽象的なことを申し上げるようですが、地方の経済の構造というものを変えていかないとこの国全体がもたないという強い認識でございます。委員と多分認識はかなり共通するのだと思います。
○藤末健三君 まさしく、雇用というのは非常にキーワードだと思います。大臣は少子化の問題もいろいろ言及なされておられますけれど、私は、少子化の対策で一番大きいものは何かというと、やはり質が高い、給与が高い、そして安定した雇用だと思います。
 一番最後の項目とさせていただきますけれど、議論を。何かと申しますと、これは厚生労働省のデータなんですけれど、所得における既婚者の割合というのがあるんですね。例えば、三十代、三百万円未満の収入の男性は既婚率が九・三%。一方で、六百万円以上の方は三七・六%なんですよ。四倍違うんですね、これ。これは収入の量の問題です。
 もう一つというのは安定性の問題がありまして、三十歳から三十四歳の方々を見まして、これは正規雇用と非正規雇用の比較なんですけれど、正規雇用の方、既婚率が三十歳から三十四歳男性の場合は五九・三%、約六割。一方、非正規の方は二八・五%で、倍違うんです、これは比率が。
 何を申し上げたいかというと、一方で、結婚された方のお子さんの数というのは大体二・〇なんですよ、結婚された方の。ということは何かというと、結婚されていない方々の数が増えて、そして少子化になっているという現象にあることは是非御理解いただきたいと思うんですよ。ですから、結婚された方が例えば親御さんと一緒に住んでいるから子供がいっぱい増えますよということはあるかもしれないけれど、もっと根本的な問題はやっぱり労働という話だと思います。
 じゃ、その労働をどういうふうにつくっていくかという話をさせていただいたときに、先ほども、何回も繰り返しますけれど、地域の産業構造、経済構造がどうあるべきかということがまず一つありますし、そして大事なことは、恐らくサービス業以外の産業、恐らく農業もそうですけれど、外国との競争に入るわけですよね、輸出できるものは。農業もそうだと思います。その中で、やはり海外とのイコールフッティングというか、環境をどうつくっていくか、政策的な。
 それも是非考えなきゃいけませんし、あとまた私が、ちょっと先ほど安井さんも韓国の事例をおっしゃっていましたけれど、私が忘れられませんのは、韓国の大邱という町がございます、ちょうど真ん中辺りに。そこの市の人が来て、いろいろ活動されるわけですよ。何かというと、日本の中小企業を韓国に呼びたいんだというんですね。じゃ、どういうことをするのというと、もうびっくりするのは、もし工場を造ったら黒字になって五年間税金いただきませんと、土地はただです、工場を造ったら雇用した人に対して一人十万円ぐらいの補助金出しますよと言っているわけですよ、十年近く。どう考えても行ってしまうと思うんですね。いろんな条件が同じでも政策的に完全に負けているという。
 ですから、私自身、これはもう大臣に絶対やっていただかなきゃいけないのは、国際的に動ける、企業は動けますから、企業はやはりどの産業、どういうビジネスかということは、やはり地域に呼べるようにしなきゃいけない、そこに対するいろんな政策を打たなきゃいけないと思っております。その中でやっぱり何が大事かというと税制でございまして、そういう抜本的に大きく税制を変えていく、例えば地域に税制の権限を移して、さっき言った大邱という町が五年間も法人税いただきませんよとかいうことができるぐらいのことをしなければ私は変わらないと思うんですが、その点はいかがですか。
○国務大臣(石破茂君) 前段に御指摘いただきました子供の数はそのとおりです。ですから、若い方々にある程度高い収入がなければ結婚はできない、でなければ子供はつくれない、そのとおりです。いかにして若い方の収入を上げるかということがポイントだというのはそのとおりでございます。
 税制につきましては、異次元と言っているのですから、今までと同じことでは駄目だというのはそのとおりです。それが地方税であります場合に、その分の減収分をどうするかということを考えていかなければなりません。そこは総務大臣の御所管ですので私があれこれ申し上げることではございませんが、法人税であった場合には、それは国税でございますので、一国二制度は何事であるかとか、最初から地方にあるところと差を付けるのかとか、そんな議論が出てまいります。
 ただ、そういう理屈をいろいろ言いましても、どんどんどんどん企業は移転できるわけで、それが海外にみんな行っちゃってから、ああすればよかった、こうすればよかった、制度残って国滅ぶみたいな話でもどうしようもないので、制度は国民の幸せのためにあるはずですから、そこは政府の全体で議論をしていかなければいけないことだと思っております。
 ですから、前例とかそういうものに余りとらわれることなく、本当に国民のためになる制度とは何であるかということを考えたいと思いますが、これは私自身の所管を超えるところがございますので、答弁はこの辺りにさせていただきます。
○藤末健三君 是非、所管を大臣がとやかくおっしゃらないでいただきたいですね、はっきり言って。もうそれは訴えていかないと。内閣官房で本部をせっかくつくったけど所管のところは言えませんと言ったら、つくった意味ないじゃないですか、まさしく。本当に、自分で自分を否定されていますよ、それは。
 是非、これは税の話なので非常に大事だと思うんですね。なぜかと申しますと、例えば、今、企業の内部留保というのはどうなっているかというと、もう御存じのとおりだと思いますけれど、二〇一三年末で三百二十八兆円ございます、三百二十八兆円。これはどういうことかというと、一九九〇年代まではそんなに増えていないんですよ。そんなに増えていないといっても、大体成長率としては三・一%増えていると。それが二〇〇〇年代になって五・八%の勢いでどんどん増えたと。なぜ増えたかというと、これは人件費を抑制しているんですね、実はデータを見ると。
 ですから、どんどんどんどん内部にはたまっていますよという状況で、一つの提案でございますが、例えば韓国は二〇一五年、内部留保に対する税金掛けるんですよ。それぐらいのことをやっている。ですから、お金を使わなければ課税しますよという、優遇じゃないですよ、むちの方をやっているわけですよ。それぐらいのことはやっぱり考えて出していただかないと、それぐらいのことは。韓国がやることぐらいの、もっと先のアイデアを出さなければ全く意味ないです、はっきり言って。新しいものをつくる、組織をつくる意味ないと思います。
 また同時に、税だけではなく、社会保障。税は例えば赤字であれば払わなくていいですよという話じゃないですか。ところが、企業にとって、雇用を維持していると社会保障の負担がどんどんどんどん取られるわけですよ、赤字であっても。この仕組みを、やっぱり、私、経営者と話をします、そうすると何があるかというと、結局は、雇用を一生懸命維持したいんだよねと。ただ、経営は良くない、それでも社会保障をどんどんどんどん取られるのは非常に厳しいということを言うところが多いです、聞いていると。
 国内に投資しない理由の一つにもやっぱり挙げられていますからね、雇用のその制限は。そういうところについては、大臣、いかがですか、この抜本的な税制と社会保障も含んだ見直しということについては。
○国務大臣(石破茂君) 内部留保につきましては、私どもかなり強い問題意識を持っております。
 内部留保というのを子細に点検したときに、大企業と中小企業でどうなのか。何か大企業だけがため込んでいるような印象がありますが、必ずしもそうではないだろうと。中小企業が内部留保を持っているのは故なしといたしませんで、いざというときに金融機関等々から支援が受けられない場合があると、そうであるがゆえに内部留保を持っておかねばならぬという必然的な理由に基づくものもございます。
 また、製造業と非製造業で内部留保の形態が違っておりますので、そこは子細に見ていきながら、課税をするかどうかは別といたしまして、内部留保の活用の仕方というのは考えていかなければならないものだというふうに認識をいたしておるところでございます。
 社会保障の件についてでございますが、委員御指摘の社会保障費関連におきましては、必要な給付との見合いで、報酬を基礎に労使に保険料を御負担いただいているわけでございますから、雇用を増加させるために事業主の負担に限って軽減できる性格のものではないというのは御案内のとおりでございます。
 厚労省におきまして、主に中小零細企業の従業員の皆様方が加入されます協会けんぽに対しましては、その財政基盤が脆弱でございますので、給付費に国庫補助を行い、加入者の保険料負担の軽減を図っているというところでございます。これは、やはり社会保険に入っていただくというのはこれから先の人生設計を考えていただく上において極めて重要なことですが、その事業主の負担というものがございますので、そこはよく見ていきながら事業主の負担を減らしていかねばならないと思います。
 また、例えば技能労働者の方の場合には、なかなか社会保険に入っていただけない。それは、元請というものがきちんとそのお金を乗せているかということは悉皆的にきちんと見ていかなければなりません。社会保障が事業主の負担があるという部分はかなり重要だと認識をいたしておりまして、それがまた、企業のいろんな段層構造の下で、元請、下請、孫請みたいな形できちんと社会保険に入っていただけるような、そういう施策は更に充実をさせる必要があると考えております。
○藤末健三君 是非、大臣におかれましては、これ、我々が政権のときにつくったものですけど、雇用者数が増えたときに法人税を安くするという制度がありまして、大体、平成二十四年で六十五億円、たった六十五億円しか使われていないんですけど、このような枠組みがありますので、こういう制度をもっと使いやすく設計して拡大するということを是非考えていただきたいと思います。
 とにかく、今ある制度の延長では経済は活性化しないですね、絶対、間違いなく。ですから、やはり経済というのは期待で動くところもありますので、期待を持ってもらうこと、そしてやっぱり同じ方向に自治体も進んでもらうこと、それが非常に重要になると思いますので、私はこの法律案も余り意味ないと思いますけれども、魂は込めてほしいです、今ない分だけ逆に、と思いますので、やっていただきたいと思います。
 同時に、税制の話を申し上げますと、ちょっと枝葉末節になるかもしれませんが、例えば自動車の税制については非常に私懸念しておりまして、これは軽自動車の税金でございますけれど、軽自動車の税金というのは大体六十億円値上げになると、平成二十七年度においてなるわけでございます。これは十三年間大体軽自動車は使えますので一千億円の値上げじゃないかという状況でございますけれど、この軽自動車、何を言うかと申しますと、地方に行けば地方に行くほど利用者が増えているという状況でございます。例えば、東京で見ますと大体百世帯当たり十一台ぐらいしか使っていませんけれど、例えば鳥取ですと、百世帯に百一台、何と一世帯当たり一台以上使っているという状況でございまして、その差は比率でいくと十倍になります。
 そのように、地方の交通を支えている軽自動車に対する負担を増そうという議論があるわけでございますが、その点についていかがでございましょうか。御意見、石破大臣にいただきたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) 私の県は軽自動車だらけでありまして、御指摘のように、ちょっと数字の取り方が違いますが、人口千人当たり何台ありますかというと、一位が沖縄で二百七十九・四台、二番が佐賀県で二百五十九・三台、三番が宮崎で二百五十九台、何かみんな二百五十九台みたいな話ですが、沖縄は二百七十九台です。我が県が二百五十四台で、地域において軽自動車というのが物すごく果たしている役割が大きいということはよく承知をいたしております。
 平成二十六年度税制改正におきまして軽自動車税の税率の見直しが行われたものであります。これは、主として地方公共団体の御要望も踏まえまして、軽自動車と小型自動車の税負担の不均衡の是正という観点から行われたものであります。
 軽自動車というのは日本にしかないものでございまして、海外の実績がないのでございますが、与党税調におけます議論は、このような軽自動車の状況や今後の日本の自動車産業の在り方も含めて、様々な観点から議論が行われておるものでございます。
 様々な配慮措置が講ぜられておるものでございまして、自動車取得税につきましては、二十六年四月一日以後に取得される軽自動車から税率を引き下げました。引上げ後の新税率が適用される軽自動車は、平成二十七年の四月一日以降に取得された新車に限られるものでございます。
 自動車税制の全体の中におきまして軽自動車というのをどう考えるのか。今後とも、御指摘のような地方の実情、税制としてあるべき姿は何かという議論がなされるべきと。つまり、今の軽自動車というのは、もう昔の小型自動車とほとんど遜色ない広さであり、性能でございます。そこにおいて軽自動車というものを小型自動車との関係でどのように考えるか等々は、これから先の自動車産業の在り方というものと地方の在り方というものを勘案しながら考えていくべきものですが、委員御指摘のように、地方において軽自動車が非常に重要な役割を果たしているよと、ガソリン代も上がる、軽自動車の税制もきついということであれば地方はどうするんだというお考えは、あることはよく承知をいたしております。
○藤末健三君 私が石破大臣に質問をさせていただいた理由は、こういう地域の関係の税制は、例えば軽自動車の話申し上げましたけれども、やっぱり地域という観点から、地方の創生という観点から見ていただきたいし、また、私はこの間、佐賀県の唐津という漁村に伺いました。そこのやっぱり漁師さんと話させていただくと、今重油が値段が上がって、漁をしたら魚が捕れないと赤字らしいんですよ。そして、やっぱり何をおっしゃったかというと、息子には継げない。息子さんはやっぱり市役所に入ったんですよね。息子には、もう継いでくれるなとおっしゃっているんですよ。
 ですから、私が申し上げたいのは、基本的に今、税制というのは全国一律縦割りでばあっと役所で見ているんですよね。じゃなくて、地方という観点から横割りの観点、軽自動車というのは地域の足であるという観点、例えば漁師さんであれば地域の雇用を生んでいるという観点、そういう新しい観点から税制を議論するということをしていただかなければいけないと思います。財務省の主税ががあっと何かもう役所ごとにやっているというんじゃなくて、横串、地域の再生のためのあるべき税制、できれば私は、やっぱり地方と国の税制のアンバランス、入りと出のアンバランスも含めてやっぱり議論をするべきところに来ているのではないかと思います。
 税制につきましては、これは消費税の税率アップの判断という話がもうそろそろ来るのではないかと思っておりまして、私は、地方にとって消費税を上げた方がいいと思っています、実は個人的には。なぜかと申しますと、我々民主党、三党で合意したものでいきますと、消費税を上げた分を社会保障に回すと、大きな部分を。社会保障はやっぱり介護であり、医療であり、そして子育てにも回すということでございますので、地方にお金が循環するのでそういうモデルができるとは思うんですが、この消費税の税率アップにつきまして、石破大臣、そして高市大臣もおられますので高市大臣、そして担当政務官である小泉政務官もお越しだと思いますので、お三方にそれぞれの所見をお聞きしたいと思います。お願いします。
○国務大臣(石破茂君) 今、済みません、委員が御指摘になりました漁業の話は、同時に、あわせて、早く漁場に着いた方が勝ちだということをやっていますと、幾らたっても燃料の消費というのは減らないと思っております。もちろん省エネ型の漁船も導入いたしますが、親の敵と魚は見たとき取れみたいな話をいつまでもしておって本当にいいのかねという水産政策全般の問題で、これは資源をどのようにして管理をするかということと併せて考えさせていただきたいと思っております。
 御指摘の消費税でございますが、一〇%への引上げについての判断を行う際の参考とするために点検会合が行われております。第三回の会合におきましては、地方、地域経済に関する有識者、専門家に御意見を伺うことといたしておりまして、この少子高齢化の中、持続可能な社会保障制度を構築するとともに、子ども・子育て支援を充実させていくことが課題でございます。
 委員御指摘のように、消費税は地方も含めてその安定財源を確保するためにお願いをしているものであって、消費税は社会保障にしか使いませんよということに限定をしておる。それがまた、そういうような負担が相対的に重い地方に対してきちんと配慮がなされるべきものであって、消費税はそういう性格を持っているものだと私自身は認識をしておるところでございます。
 これを一〇%に引き上げるかどうかということにつきましては、もう総理がいつも申し上げておりますように、本年中に適切に判断をするということでございます。
○国務大臣(高市早苗君) 消費税率の引上げにつきましては、やはり国の信認を維持するということ、それから社会保障制度の充実、特に子育て政策の支援を強化すると、こういったことで民主党、また自民党、公明党、協力して法律を作った、こういうものだと考えております。
 仮に消費税率の引上げが延期されるというようなことになりますと、地方のやはり社会保障政策に使うお金、ここに財源に支障が出てくるというのは確かなことでございます。しかしながら、引上げのタイミングにつきましては、法を作りましたときの附則にもありますとおり、総理が経済状況を見て判断をされるということになるかと存じます。
○大臣政務官(小泉進次郎君) 消費税のアップをどう思うかということですけれども、八%から一〇%は最後総理が判断されることであると。そういったことが前提の上で申し上げれば、先ほど大臣からもお話があったとおり、三党で合意をしたことも重要な経緯ですし、その後に景気条項というのがあるのも重要なことですし、近々だと思いますけれども、総理が判断されることも重要なわけで。
 ただ、私としては、八か一〇どちらがいいかと言われれば誰でも八の方がいいというのは当然な中、よくこれだけの借金を抱えている国でまだ一桁の消費税でここまでやってきたなと。これから長い先を考えたときに、いつかは別として、八では済まないというのは誰もが思っていることだと思っております。
○藤末健三君 分かりました。
 この消費税の話は、やはり私は深く議論をする必要があるとは思っております。総理大臣が決められるかもしれませんが、非常に重要なところだと思います。
 そこで、最後の項目でございますが、ユニバーサルサービスのことについてお話しさせていただきたいと思います。
 これは小泉政務官にお聞きしたいんですけれども、地域未来ワーキング・グループの報告書というのがございまして、この十月に出たものがございます。これを読んでいますと、集約、あと活性化という単語がよく出ているんですけれど、これはやはり住む場所をどんどん集約して効率的にそして安定的に住めるようにしようという発想なのかどうかというのを是非教えていただきたいと思います。いかがでしょうか。
○大臣政務官(小泉進次郎君) 御指摘のありました、地域の未来ワーキング・グループというのは、甘利大臣の下で設置された「選択する未来」委員会の下部組織のワーキンググループのものですけれども、一言で言えば、活性化と集約というのは、コンパクトシティーと言うと一番分かりやすい話かもしれませんが、無理やり集落の方に中央の方に移り住んでくださいと、そういったものではなくて、仮にこの集落ずっと守る、行政サービスも維持をしますと、そういったときに一体どれほどの行政サービスコスト、そういったものが掛かるのかとか、様々な客観的な指標を提示した上で、住民の皆さん、地域の皆さんで御議論いただいて地域の未来をつくっていただくと、そういった考えの下ですので、上から強権的に集約だと、そういった発想のものではございません。
○藤末健三君 次に、石破大臣に伺いたいんですけれども、私はこの報告書、ある程度の集約化は必要だと思っております、正直申し上げて。
 実際に、この間、長崎県の五島列島に伺ってきたんですね。そうすると、百二十人ぐらいの島の先端に住んでおられる方がおられて、やっぱり話をお聞きしているといろんな問題が生じている。まずは病院ですね、やはり。病院に行くのに二時間掛かるとおっしゃっているんです。そういう状況をやっぱり見ている中で、この集約という、コンパクトシティーみたいなことは必要なのかなと思うところもございます。例えば電力の自由化が始まった中で本当に送電線を端っこまで張るのかどうかと、私はちょっと疑問があります、自由競争にしたときに。
 そういう中で、この地域創生ということの中でやっぱりユニバーサルサービスをどう維持していくか。例えば地方自治体の公共サービスであり、あと今、ガソリンスタンドがない自治体も生じています。あと電力も自由化される中でどうなるか分からない。そして、金融サービス。上五島という島に伺いましたけど、銀行、一行だけなんですね、港の横に。ですから、島の端っこから銀行に行くのに二時間以上掛かるんですよ、車で。バスだと三時間、四時間掛かると言っていました。
 そういう状況まで生じている中で、あと郵便、通信、放送などのサービスをどうしていくか。これは政府の支援が必要ではないかと思いますけれども、その点いかがでございましょうか。
○国務大臣(石破茂君) ある程度の集約化は財政が極めて厳しい中においてやむを得ないと。ただ、そこにおいて、地域住民の方々の意向をどこまで尊重し、そしてどれだけ御理解、御納得をいただくかということだと思っております。
 強制移住みたいなことはできませんが、かつて役場の支所ぐらいがあったところに住んでいただいて、やっぱり墓参りとか、あるいは田んぼを耕すとか畑を耕すとか、そういうことで通勤型の、集落は守れないかもしれないが地域を守ることはできるという観点をどれだけ取り入れることができるかだと思いますが、あくまで地域の方々のお気持ちというものは尊重しなければいけない。しかし、できることとできないことがあるのであって、そこに御納得いただく努力をどれだけするか。それを自治体にだけ押し付けるというのは、私は正しいやり方だと思っておりません。
 おっしゃいますユニバーサルサービスでございますが、誰がその主体となるかということだと思っております。私の選挙区も町村合併が進みまして、かつてであれば、村長さんがいて村役場があって村会議員があって、どの地域で何が起こっているかというのは瞬時に分かったものです。もう今は、村長もいなければ役場もいなければ議会もないと。市役所の支所があるだけだけれども、かつてと同じような行政サービスが行き渡っているかというと、それはそうでない部分はあるんだろうと思っております。ここにおいて、地域をマネジメントする主体というものを新たに考えなければいけないかもしれない。
 では、それが交付税の対象となるか等々、また難しい議論はございますが、私、麻生内閣で農林水産大臣を務めておりましたときに、地域マネジメント法人というものがつくれないかということで法案を書き始めたことがございます。それは民主党の大臣にも引き継ぎましたが、なかなか困難な点があって実現を見ておりませんけれど。そこにおいて、JAでありますとか、あるいは土地改良区でありますとか、あるいは社福でありますとか郵便局でありますとか、そういうまだ残っている社会的インフラというものが活用できないだろうか。
 ユニバーサルサービスの実現というのはすべからく何がその主体になるかなのでありまして、町村合併を元に戻せみたいな話にはなりませんもので、そういう地域マネジメント法人みたいなものをどういう法的な位置付けにするかということは、これは私、喫緊の課題だと思っておりまして、検討いたしております。ここは、もちろん農水省の御協力あるいは総務省の御協力もいただかなければなりません。
○藤末健三君 私は、政権時代に郵政担当の副大臣をさせていただきまして、かつ郵政民営化法の改正を担当させていただいたので郵政のことをずっと考えているんですけれど、郵便局というのは、郵政というのは、実は金融のユニバーサルサービスの義務を課したんですね、法改正しまして、二〇一二年に。
 そういう中で、私は、例えば一つここで申し上げたいのは、金融のユニバーサルサービス、金融というのは安心な暮らしの基本だと思うんですよ。
 私が訪問させていただきました五島列島の一番北の町、百二十人の方がお住まいなんですけれど、何と、貯金の限度額は一千万円ですが、張り付いている方が何人かおられるんですね。お聞きしていたら、どうしているかというと、たんす預金なんですよ、実は。銀行遠過ぎて行けないから。私は、それを見たときに、やはり利用者の方々に対する相当な不便を掛けていると思いました、本当にこれは。
 ですから、金融のユニバーサルサービスを課しているのに、義務だけ背負い、そして逆に手足を縛られている。それがゆえにやりたいサービス、私はやっぱり、大臣がおっしゃるように、郵便局というのは一つのコミュニティーをつくる核になると私も思います。恐らくそう動くと思うんですよ。しかしながら、逆に今、手足を縛られていて町を支えなさいと言われている。そういう状況については、大臣、どう思われますか。
○国務大臣(石破茂君) 郵便局のネットワーク、あるいは郵便局の持っているノウハウというものを更に生かすことはできないだろうかという問題意識は持っております。
 郵政の西室社長ともこの間お話をしたところでございますが、地域を維持していくために郵便局はもっと活用できるのではないかという強い問題意識をお持ちでした。これは所管の総務省においてお考えをいただくことでございますが、郵便局というものが、ほかの金融機関みたいにしょっちゅう転勤があるわけでもございません。郵便を配達するということで、まさしくしょっちゅうその地域に行っているわけですし、私の地元でも、智頭町というところがありまして、ひまわりサービスみたいなことで高齢者の方々の安心して暮らしていけるために寄与もいたしております。
 郵便局の持っているネットワークあるいはノウハウというものが地域の金融というもの、そのたんす預金一千万という話は初めて聞きましたが、かなり危ないお話でございまして、そういう方々に安心して金融資産というものを保全していただく、保有していただくということのためにも郵便局のいろんな活用というものはこれから考えられるものだと思います。
○藤末健三君 もう最後の質問をさせていただきますけれど、今日の私の議論の根底は何かというと、一つがやはりこの法律の問題、枠組みだけの、骨しかない、肉が付いていないような法律になっているんではないかということが一つと、そして、もう一つございますのは、国家の在り方、国土の在り方、地方の在り方、産業の在り方、人の生活の在り方というものが全く見えないということ。これは是非、十年後、二十年後の日本の全体の在り方というものをきちんと示していただきたいと思います。そして、三つ目にあるのが、やはり今までにない抜本的な政策を打ち出さなきゃいけないと思います、これは本当に。
 ですから、税制はほかの役所の責任ですよ、知りませんよというような話じゃなくて、地方の目から見て、新しい十年後、二十年後の地方、我が国全体がどうなるか、世界がどうなるかということまで見据えた上での税制であり、そして予算の配分を切り替える方法とか、そういうものを是非考えていただきたいと思いますが、最後に大臣の決意を伺わせていただいてよろしいですか。
○国務大臣(石破茂君) 委員の御指摘を非常に共感を持って聞かせていただきました。
 この法律は、冒頭申し上げましたように、理念法、組織法、プログラム法、プログラムの規定が大いに足りないではないかという御指摘、そのとおりでございます。
 ですから、これを作って、私は一番肝要なところは、それぞれの地域において総合戦略を立てていただくというところだと思っております。総合戦略というのは本当に今までと違って、豊かで明るく暮らしやすい、安心して暮らせる町づくりみたいな抽象的な話ではなくて、そこにおいて定住人口がどうなっていくか、交流人口がどうなっていくか、あるいはその地域におけるサービスをどのようにしてきちんと提供するか等々、まさしくその地域の方々でなければ分からないことを考えてくださいと。
 あわせて、それを国も、国の在り方そのものを見直さなければいけない時期だと思っています。これだけ世界が変わったのに、日本のシステムというものがそれに見合った形での変化が起きていないということは強く認識をしておるところでございます。
 繰り返しになりますが、地方って一時期元気だったはずです。高速交通もなかったのに元気だったはずです。だけれども、世の中変わっちゃったと。だとすれば、その地域に行かなければないもの、会えない人、そういうことをつくっていかなければ人なんか来やしません。それは、やはり生産性の向上ということであり、そこにおいて就業構造をどう考えるかということにも直結をいたします。
 ですから、今まで中央が国を変えたためしなんてないのであって、国を変えるのは常に地方ですから、国から上から目線で物をやるということではなくて、ユーザーフレンドリーなということを重点に考えていきたいと思いますし、国の在り方の基本について、また委員の御見識を承りたいと存じます。
○藤末健三君 最後、締めくくりでございますが、私は、アベノミクスは地方経済にとってはマイナスだと思います、はっきり言って。かつ、この法律は、中身がそれに対しては全然足りないと思います。
 しかしながらも、是非大臣、頑張っていただいて、きちんと地方経済を再生するようにやっていただきたいということをお願いしまして、質問を終わらさせていただきます。
 ありがとうございました。
○山田太郎君 みんなの党の山田太郎でございます。
 今日は野党の番ということでありまして、安井議員それから特に藤末議員から、哲学的なところが非常に多いということであります。法案の立て付け、中身に関しては衆議院段階から相当やらせていただいておりますので、私もちょっと質問通告を少し変えて、哲学的な話というか、いわゆる地方創生はどうあるべきなのかという議論をせっかくの機会だからやらせていただければなと思っております。
 その二つの柱になりますのが、今回の政府の意識としては、人口減少の問題、それから東京一極集中又は東京と地方のバランスの崩れといった辺りが重点的にされていると思いますが、どうも衆議院の議論、それからレクの段階でいろんな官庁の方と話をしていると若干現実とずれがあるのではないかなと、実はこんなことも考えているわけであります。
 それはどういうことかといいますと、実は私、この仕事に就くまで製造業向けのコンサルティングをずっと会社を起こしてやっておりまして、こんなに日本には津々浦々工場が展開しているんだなと、これが物流倉庫と一緒になっていわゆる雇用を生み出しているということを非常に現場で見てきた人間であります。
 先ほど藤末議員の議論も聞いていながら、なるほどなと思いながら私も思い出したのは、やはり石破大臣もおっしゃっていましたが、地方が元気な時代というのは地域に確かに工場それから農業という雇用があったんです。これが急速に変化をしてきたということは課題として大きいだろうと。決して東京対地方といういわゆる二局面の議論ではなくて、そもそも地方にあった雇用構造が、工場が特に海外に出てしまうということによって変わっていく。
 それから、農業も、やはりもうかる農業、なかなかもうかりにくい穀物を中心とする農業ということに分化をしていく中で、実際、農協さんの役割なんかもなかなかできないという中で、やっぱり農業が地域でもうまくいっていないと。
 実は、逆に言うと、農業は、すごく売れる農作物、これは私、農林水産委員もやっておりますのでそういう観点でも全国区として津々浦々回っておりますが、やっぱりすごく売れるんですよね。例えば沖縄のマンゴーだとか、お肉なんというのはもうどこでも、いいお肉さえ作ればどんどん売れちゃうわけでありまして、やはり生産性とか収益性が高くないと売れない穀物というのが厳しい、米を中心として麦等を含めてという議論になるわけでありまして、こういう構造変革をしっかり政府がどう考えているかということを多分前提に議論をしていかないと、どんな地域創生の法案を作ったとしてもうまくいかないのではないかなと、こういうふうにちょっと問題意識をこの間皆さんの議論も聞いておりまして感じたものですから。もちろん法案の審議でありますからそこのところについても聞いていきますが、そんな問題意識を持って、今日は、是非、大臣複数名来ていただいておりますので、明日の日本のためにということで質疑をさせていただければなというふうに思っております。
 まず、関連ということで、ちょっと重要な問題でサンゴの問題というところを少しやりたいと思っておりますが、小笠原地域における中国船のサンゴ密漁の問題ということで、これは待ったなしということで、ちょっと解散もささやかれているものですから、これは何としてでも我々も議員として取り組まなければならぬ問題かなと思いましたので、ちょっとここを挟ませていただきたいと思っております。
 アカサンゴが中国の密漁によってどんどん我が国の天然資源として侵されているという状況でありますが、この密漁の実態に関して、海上保安庁の今日長官も来ていただいておりますので、簡単に御説明いただけないでしょうか。
○政府参考人(佐藤雄二君) お答えします。
 今年の九月中旬に入りまして、小笠原諸島周辺海域において、二桁を超える隻数の中国サンゴ漁船と見られる漁船を視認して以降、これまで最大二百十二隻を確認しております。
 昨日の海上保安庁の航空機による哨戒の結果、中国サンゴ漁船と見られる外国漁船は五十四隻という形になっております。ただ、昨日は視界が不良のため十分な確認はできておりません。
 これらに対しまして、海上保安庁におきましては、大型巡視船や航空機を集中的に投入した特別体制を整え、違法操業を行う中国漁船の取締りを行っております。その結果、十月五日以降、これまでに五人の中国人船長を逮捕しております。
 一方、小笠原周辺海域の領海面積がおよそ八千平方キロメートルもある中、広大な現場海域において水産庁や東京都とも連携して対応しており、引き続き法令にのっとり厳正に対処する所存でございます。また、漁船の動静や取締り状況などの情報提供を通じて地元の皆様の不安解消にも努めてまいります。
 なお、海上保安庁は、小笠原諸島周辺海域等における中国サンゴ漁船の取締りに限らず、尖閣諸島周辺海域の領海警備など、いかなる事態にも対応できるよう懸命に努力してまいります。
○山田太郎君 長官、ありがとうございます。
 実は、長官は海上保安官から初めて長官になられたということでありまして、国会の答弁をしていただくと現場の士気も上がるという話が昨日事務方の方からありましたので、是非それでは来ていただいて、やっぱり密漁船を始めとして日本の海を守っていらっしゃるトップはどんな方なのかということを国会でも見たかったものですから来ていただきました。本当にありがとうございます。
 さて、中国船のサンゴの密漁に関しては海上保安庁の巡視船又は水産庁の漁業取締り船が頑張っていただいているようですが、実は、多分、取締り上の問題もあるからこそ今議論があるんだと思います。その辺り、どんな問題があるのか、国土交通大臣並びに農林水産大臣、御説明いただけますでしょうか。
○国務大臣(太田昭宏君) ちょっと、どういう、もうちょっと質問、詳しくいただけませんでしょうか。
○委員長(関口昌一君) じゃ、もう一度御質問を。
○山田太郎君 取締りの現場での問題点とか法律上の問題とか、例えば人員又は船も足りない、領域も広い、いろいろあると思うんですね。その辺り、まず国土交通大臣の方からの見解をお願いします。
○国務大臣(太田昭宏君) 我が国は、領土三十八万平方キロをはるかに超え、十二倍の四百四十七万平方キロといういわゆる排他的経済水域を抱えており、そこには大変たくさんの資源もあり、そして領海を守るという上で非常に大事な任務を我々は担っているわけでありますけれども、正直言いまして、海難の事故が多かったり、あるいはまた今回の中国漁船と見られる、密漁だと見られる船が領海の中にまで侵入するというようなことがあったり、様々なことがありまして、巡視船の体制の強化、そして船を増やすだけでなくて、やはり相当訓練をしていかなくてはいけないということもありまして、人員をしっかり訓練できるという、そこからの体制強化が不可欠だと、課題はまずそこだと思っております。
○国務大臣(西川公也君) 水産庁も所管をしておりまして、数少ない監視船でありますが、最大限の努力はしております。ただ、隻数等については相手のこともあってお知らせしないと、こういうことですが、最大限の活用をしながら、海上保安庁と一緒になってこれは頑張っています。
 そういう中で、罰金あるいは担保金、これが低過ぎるだろうと、こういう御意見がありまして、私どもとしては、現在最終的な調整をやっておりまして、これができ上がれば抑止力につながっていくのではないかと、こう考えております。
○山田太郎君 その担保金の引上げ、これは罰金に比例してと、いわゆる担保金は罰金を超すことができない、むしろ担保金を払えば特に経済水域に関しては保釈をせざるを得ない、こういうことが連動しているということをお伺いしております。
 そういう意味で、報道ベースでは、今回、上限の罰金、一千万円から例えば三千万円に引き上げたらどうなのか、そんなような議論がされているということなんですが、具体的にその辺りもう少し、農林水産大臣、大事な問題ですし、急ぐことでありますから、是非どんな議論がされているのか明確にしていただけないでしょうか。
○国務大臣(西川公也君) 担保金、罰金、大幅に引き上げようと、こういうのは関係省庁と今協議中でありますが、今日、現在、与党のプロジェクトチームも今やっているところでありまして、それを受けて私どもは関係省庁と協議をして大幅な引上げを狙っていきたいと、こう考えています。
○山田太郎君 金額イメージはいかがですか。
○国務大臣(西川公也君) 金額についてはお答えを差し控えさせてもらわなきゃなりません。まだ決定でもありませんので、今、大幅に引き上げると、こういう検討をしています。
○山田太郎君 是非、急を要します。政治日程ということでこの問題がないがしろにされては正月も越せない方もいるかと思います。そういった意味で、是非この審議、しっかり国会でやりたいというふうに思っています。
 国土交通大臣、それから海上保安庁長官、ここで質問、関連は終わりですので、もし委員の方がよろしければ、結構でございます。
○委員長(関口昌一君) 太田国土交通大臣は御退席いただいて結構でございます。海上保安庁も結構でございます。
○山田太郎君 では、引き続いて、農協改革という辺りも少し触れていきたいと思います。
 実は、先ほど、地域の再生という意味では工業、工場に並んで農業が重要だと。そのときに、やっぱり農協の存在というのは大きいというふうに思っております。実は、強い農業は、言っちゃ悪いですけど、農協なくたってもう買いたい人が買いに来るわけですから、そういう意味では、どうやって地域のなかなか収益性が上がらない農作物をサポートしていくのかというのは農協の最大のテーマなんだというふうに思っておりますが、残念ながら、その農協が、そういうふうに質的に地域農業が変わったにもかかわらず自らが変われないんじゃないかと、こういう問題提起があって、まさに政府の方でも規制改革委員会含めていろんな議論がこれまでされてきたんだというふうに考えております。
 その中で、農協の組織の存在、特に規制改革実施計画では、全中ですね、全中が現在の制度から新しい自律的な制度に移行するというふうになって、農協法から切り離して新しい組織にすることが想定されていると。
 安倍総理も、十月三日の衆議院の予算委員会で、農協法に基づく中央会制度は存続し得ないと、こんなことを明言されております。
 ところが、先週なんですけれども、十一月六日だと思いますが、農協の全国中央会、いわゆる全中が自己改革というのを発表しておりまして、この改革では、全中が引き続き農協法に基づく団体として実質的に現状を維持するということになっているんではないか。
 政府の規制改革実施計画の内容から随分距離があるんではないかな、こういうふうに思っておりますが、まず、この辺り、農林水産大臣にこの全中の自己改革案の受け止め方について御答弁いただけないでしょうか。
○国務大臣(西川公也君) 全中も、私どもの要請を受けまして、あるいは自己自らと併せまして改革案を作って持ってきました。
 農協法というのは昭和二十二年にできまして、二十九年に全国に中央会制度を置く、あとは都道府県に一つ置くと。二十九年からちょうど六十年がたったわけですね。その間、最初は一万を超える農協がありましたが、昭和二十年代の日本の経済が非常に成長ができない時代に、一万の農協が、経営が行き詰まったのがたくさん出ました。それで、二十九年に強制監査制度を入れたわけですけれど、その後、今、七百農協に減ったと。大変いい経営をされていると思います。
 そこで、農協が自己改革案を持ってきてくれましたが、農協法に基づく強制監査の権限を残しておきたいと、こういう報告書でございました。
 私どもとしましては、農協の自由な活動をやってもらう、こういう意味からするとこれが足かせにならないかと、こういう話もありました。それから、農協が、単位農協です、これが良くなって初めて農家への還元が行われると、こういうことからすると全国一律の農協経営でない方がいいのではないかと、こういう意見も私どもは述べました。
 また、いろいろ競合する面もあろう、我々が理解できる面もありました。これから全中は単位農協及び農家の農業経営にとってサポート役に徹していくと、こういうくだりもありましたので、そこは私どもは改革の方向と似ていると、こういう評価をしたところです。
○山田太郎君 確かに、農協は現場のサポート役ということであればそのとおりだと思いますが、実は、菅官房長官、七日の記者会見では、政府・与党と方向性が合っているかは疑問だと、こういうことを指摘しているわけであります。
 サポート役であるのであればなぜ監査権限を残すのかと、こういう疑問は当然あるわけでありますが、農林水産大臣としてはこの監査権限をなくすお考えなのかどうか、その辺り、是非お答えください。
○国務大臣(西川公也君) この改革行うに当たりまして大変幅広い意見が出てきますが、私は、内閣一体、総理の考え方に沿って私どもは方向付けをやっていきたいと、こう考えています。
○山田太郎君 ありがとうございます。総理のお考えということであれば、この監査権限のところについては見直していくということを御発言いただいたんだと思います。
 それでは、農協改革に当たって、もう一つ、個別農協の株式会社化も検討されているということでありますが、特に独禁法の二十二条と、それから農協法の九条の適用除外の問題ですね。もし農協が民間の完全な団体であれば、その独禁法の適用除外又は農協法による特定の権限というものを持つ必要はないということにもなるかと思っておりますが、この辺り、株式会社化した後のイメージとして、どういうふうにこの独禁法それから農協法との関連を考えていけばいいのか、大臣、お答えいただけますでしょうか。
○国務大臣(西川公也君) 株式会社化につきましては、全国農業協同組合中央会、全農の問題でありますが、これは全体の、今株を持っている人たち、あるいは役員の皆さん、よく検討してみると、こういう話でございます。
 そこで、独禁法の問題でありますが、今は信用と共済事業の兼営ができると、こういうことになっています。さらには、農家から物を買って今度はほかへまとめて売るとか、農家のためにまとめた資材を買って農家に個々に売るとか、適用除外があるわけでありますが、この独禁法から外れた場合に全農の経済活動が制限されないのかどうかと、これについて我々もこれからも検討を重ねていきたいと、こう思っています。
○山田太郎君 確かに、価格カルテルを入れながら共同購買、それから共同販売の機能というのは確かに意味があるというのは理解はできます。ただ、金融業で農協が食っているんだということはいかがなものなのかと。やっぱり農業、現地の再生のためにはそれに集中してもらいたいなと。お金を一生懸命JAバンクが集めるのが私は農協の機能では決してないというふうに思っております。八十八兆円もお金を集めておいて、いわゆる農業には一・五兆しか金を貸していない。これが本当に農協のやる金融機能なのかと。
 あるいは、監査権限に関しても、やっぱりこれをしっかり、であれば、金融機関、つまり金融庁の下で見るような状況でなければ、農協の不祥事というのは相次いで、終わらない。一億とか五千万とかいう多額のいわゆる横領がこれまでもずっとあったのが残念ながら農協の実態でありまして、農協がまさに、自己改革ではない、国民と一緒に地域創生のために改革していかなければ、現地の工場であり農業であったという農業の再生は私はないというふうに思っておりますので、是非これは西川農林水産大臣、しっかりやっていっていただきたいと、こういうふうに思っております。
 さて、時間もありますので、ちょっと人口問題の方に少し飛ばして話を先に進めていきたいと思っております。
 この地方創生の議論は、もう一つは、人口維持をどういうふうにしていくのかということが大きなポイントだったかというふうに思っております。五十年後の人口を一億人を維持することにあるというふうにこの法律の目的はあるわけですが、実は法案にはどこにも規定はないんですね。
 この辺り、地方創生大臣である石破大臣、どういうふうに我々は考えればいいのか、教えてください。
○国務大臣(石破茂君) これは、数字は法案に書き込むものではございません。ただ、国民の方々が結婚もしたい、子供も欲しいというような、そういうような御希望をお持ちであります。政府の方からこの数字を達成せよということを申し上げるのではなくて、国民の御希望をかなえるために政府は何ができるのか、その際に、数字をどのように置くかということはこれから議論をしていかねばならないことでございます。
 そこにおいて、数字は何年後にどれぐらいを目指すのか、目標とするのか、あるいはめどにするか、言い方はいろいろでございますが、そこにおいて、あくまでそれぞれ子供さんを産まれるか産まれないかは個人の判断であるということをよく認識をしながら、どうやって国民の御希望をかなえていくか。そしてまた、日本全体がこのまま人口減少ということを続けていくことにどうやって歯止めを掛けるかということにおいて、数字というのは重要な意味を持つものだと思っております。
○山田太郎君 数字は重要な意味を持つというふうに私も思っておりますし、数字を立てないと政策的には落としていけないんではないかなと、こういうふうに思うわけでありますね。
 そうなってくると、もう一つ、合計特殊出生率一・八を目指すというような話も出ているようですが、この辺りは石破大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) この一・八という数字がいろんな議論を呼んでおることは承知をいたしております。
 日本創成会議のストップ少子化・地方元気戦略におきまして、二〇二五年に出生率一・八が実現し、二〇三五年に出生率二・一が実現した場合には日本の総人口は約九千五百万人の水準で安定されるというふうにされておるわけでございます。現時点において十年後に出生率一・八にすることを決めておるものではございません。
 政府におきましては、五十年後に一億人程度の人口を維持することを目指しておるわけでございまして、このような観点に立ちまして年内に最終的な長期ビジョンを策定してまいります。
○山田太郎君 多分、一億人を維持するためにはどこかで一・八を目指さないとこれは達成できないということでありますが、この出生率の問題というのは、実は今回初めて言われたわけではなくて、常に政府の方ではいろんな、これの向上のために議論があった。
 ここで、厚労大臣、塩崎大臣の方にお伺いしたいと思いますが、一つは、一九八九年のいわゆる一・五七ショックというのがありまして、この機に政府は、一九九二年に育児休業法の施行であるとか、例えば九四年にはエンゼルプラン、これは保育所を整備、九九年も引き続き新エンゼルプランというのをやっているようでありますが、そして二〇〇三年には少子化社会対策基本法、次には次世代育成支援対策推進法を制定するということで少子化対策というのは進めてきた。大臣も少子化大臣なんというのを置いてきたわけであります。
 こういった様々少子化対策をしたにもかかわらず、出生率がやっぱり上がらないというのが現実なんだと思います。その辺り、厚労大臣、これまでのことでありますから、その辺の原因をどのように分析されているのか、是非お考えをいただけないでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 山田議員おっしゃったように、この一・五七ショックから次々と少子化対策を打ってまいって、平成十七年の一・二六を底としてそれなりに回復はしてきて、今、一・四三というのが平成二十五年の合計特殊出生率になっているわけであります。これは、幅広く、保育の量的拡大、雇用、母子保健、教育、少子化対策全般、いろいろやってきたわけでありますし、また社会保障と税の一体改革では、消費税をこの子育て対策の財源として初めて対象とするということもやってきたわけであります。
 残念ながら、それでもまだ一・四三というところでありまして、今それはなぜかと、こういうことでありますが、これはいろいろ複合的なものであろうかと私は思っておりまして、先ほど先生おっしゃったように、地方での経済の言ってみれば回復、それは農業とそれから製造業もとても大事だというお話がありましたが、私もそのとおりだと思います。やはり今回、人、町、仕事と、こういったことを考えてみると、やっぱり仕事がないところには人は集まらないし子供も生まれてこないということでもありまして、そういったことを複合的にやっぱりやっていかないと、これはなかなかうまくいかないんだろうなというふうに思っております。
 ですから、先ほど藤末先生から、アベノミクスは余りうまくいっていないというようなお話もありましたが、地方に余り合っていないというか、そういうことも少し御示唆がございましたけれども、やはり私は、経済全体の先行き不安というものも、子供の生まれてくるということに関して、なかなか将来が見通せない中で子供をつくれないというようなこともございますので、やっぱり幅広く対策は打っていかなきゃいけないことだろうと思いますので、そういう意味で、今回、地方創生というのは、結果として人口を増やすということは、よほど幅広いことをやらないと私はうまくいかないんじゃないかと思っております。
 厚生労働省としては、もちろん、子ども・子育て支援新制度が来年の四月からスタートしますし、また、待機児童解消加速度プランについてはもう既に前半の二十万というのはまずまずいけそうかなというふうなことでありますけど、まだ二十万残っている。児童手当の支給、子育て支援、あるいは育児休業などの仕事と子育ての両立支援、そしてまた、母子保健施策などの妊娠・出産支援、これにはいわゆる日本版ネウボラでワンストップで子育て包括支援センターをつくろうということを今やっていますけれども、こういったことを我々としては担当していかなければいけないと、総合的にしかしやっていかなきゃいけないというのが結論であって、経済再生から全てにわたってやらないと、結果として人口がまた増えるという、出生率が上がるということにはなかなかならないんじゃないかなというふうに思っております。
○山田太郎君 言いにくいかもしれませんけれども、やっぱり今までの政策を振り返って今後ということを聞かなきゃいけないんで、もう一度厚労大臣、今までのいわゆる少子化対策に関する政策ですね、成功だったのか失敗だったのか、あるいは何が困難だったのか、もう端的にどんな御感想をお持ちかでも結構ですので教えていただけないでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど申し上げたように、様々なこの一・五七ショック以来やってきたことについては、一・二六から一・四三まで回復したということは、一定程度やっぱり効果はあったんだろうと思います。しかし、それで十分かというと先生御指摘のとおりであって、まだまだ足りないということもあって、今申し上げたようなことを更にこれから続けてやっていかなきゃいけないし、総合的にやっていかなきゃいけないということがだんだんに明らかになってきているということではないかというふうに思います。
○山田太郎君 さて、そうなってくると今度は石破大臣に聞かなきゃいけなくなりますが、そういうことを踏まえて、一・八又は一億人の維持と。今までの政策をどこをどう変えて、この法案の中で何を盛り込んで、つまり、何を反省点として要は前に進んでいくんだ、ここは新たなものなんだ、又は地道に行くしかないのか、まあいろんな議論があるかと思いますが、この辺も端的に、石破大臣の方向感でも結構ですので、教えていただけないでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) 今、厚労大臣から答弁がありましたように、だんだん回復傾向にはございます。ですから、今までの政策が全部駄目だったということだとは思っておりません。
 ただ、先ほど来議論がありますように、地方において若い人たちに仕事がない、仕事があっても収入が高くない、仮にいっとき高い収入があってもその雇用が安定しないというところが一番の問題なのだと思っております。みんな、みんなとは言いませんが、多くの人が結婚もしたいし、子供も欲しいしということなのですが、それを妨げているのはやはり雇用に尽きると。安定した雇用、そして高い収入、更に申し上げればやりがいというものを地方における雇用に見出さねばならない、それが私は最大の眼目だと思います。
○山田太郎君 戻ったとはいっても、それは人口構成が一部変わったときに、まあ人口ボーナスじゃないですけれども、反映したんじゃないかとか、いろんな議論があるので、余り今、出生率をこれ以上取り上げても仕方がないかもしれませんが、ただ、残念ながら、現状を踏めば、川は高いところから低いところに流れるように、やっぱり人口はこのままでは減っていってしまう、こういうことだと思っております。
 で、大胆ではありますし、こういうことを聞くこと自身はばかられるのでありますが、仮に人口八千万人の国、予算もそれに応じた、まあ小さなというか、決して八千万の人口って世界的に見たら小さい方ではないとは思うんですが、そういった国のシステムを前提として考えるようなオプション、そういうことは決してこれから政府は考えないのかどうか。産めよ増やせよということだけでこの問題はもはや解決する状態ではないと思うんですね。そうなったときに、我々は現実に即して、国会議員であれ政府であれ、一丸となって日本の将来を考えていかなきゃいけません。そういった意味で、例えば八千万人人口社会、それに対する例えばオプションというものも検討するのかどうか、この辺りも、石破大臣、教えていただけないでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) 農水大臣はもういいですか。
○委員長(関口昌一君) じゃ、西川農林水産大臣、御退席ください。
○国務大臣(石破茂君) 済みません。余計なことを言いまして、失礼を申し上げました。
 人口が減ることを前提として政策を考えるということは、今のところ考えておりません。確かに人口八千万人というのも大国です。それはそれでいいのですけれども、結局、人口がこのまま減るということになっても、高齢化というものは、それはいいことです、いいことですが、止まりませんので、そうしますと、どうやって高齢者の方々の社会保障を維持していくかというときに、人口が減るということを前提としたモデルというのは極めてつくりにくいと思います。
 そしてまた、人口が減ってもそれぞれの経済生産が増し、そしてまた納税が増えればいいではないかと、こういうような論も成り立とうかと思いますが、それが、人口の減り方と生産性が上がったり納税額が増えたりということがうまくリンクするとはちょっと思えないのでございまして、やはり納税者の方々の数を増やしていく、またそれぞれの方々の消費というものがきちんと行われるということはやっぱり私どもとして考えねばならないことだと思います。
 ただ、将来的に急に人口が増えるわけではございません。しばらくは人口減少というのは続いていくわけでありまして、その趨勢というものはきちんとにらみながら設計をしていかなければならないと思います。
○山田太郎君 私は経営者をやってきましたので、ちょっと今の発言は何となく心配だなというふうに思うんですね。もちろん、ベストシナリオ、ベターシナリオ、ワースト、いろいろ考えて、そうなったとしてもこの国を潰してはいけないから、神頼みやマーケット頼みではいけないのが私は経営者としてやってきた姿ですので、やはり政府としてはそういうオプションも用意しておくと、そのことが多分、今の若い人たちにとっても安心につながるんではないかな。仮に人口がなかなか増えないような社会になったとしても我が国は生くる道があるんだといったところも私は政策的につくっておくということは、この国がそういう成熟社会に向かって重要な局面にあるのではないかというふうに、いいことばかりをビジョンとして描いていても仕方がないんではないかなというふうにも思っております。
 あともう一つ、この法案の中の方向感ということで価値観の共有もしていきたいんですが、法案を見ていると、若い世代が安心して働き、希望どおり結婚、出産、子育てをする社会環境整備を実現するという基本視点がこの創生本部の基本方針だと、こういうことを書かれているわけですが、そう考えると、翻って見た場合、果たして現代社会って本当に安心して働けない社会なのかなと、希望どおり結婚、出産、子育てができない社会なのかなと。
 実は、日本の出生率を調べていきますと、皆さん御存じだと思いますが、当然、戦後の混乱期というのが一番高いんですよね。あの頃、本当にとても安心して働いて希望を持っている状態だったのかどうかといった辺りだと思います。多分、安心とか希望というのは社会システムでどうのこうのなるということじゃなくて、何かマインドの問題なんじゃないかなと、こういうふうにも思うわけであります。
 その辺りでちょっとこんな質問もしてみたいんですが、石破大臣は、御結婚されるとき、希望どおり結婚されたのは社会システムが整っていたからなのかどうか、この辺りを教えていただけないでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) 御通告がなかったのでお答えがしにくいところでありますが、前段のお話で鑑みれば、戦後、急に子供が増えたのは、やっぱり復員された方々がそれぞれ多かったということだろうと思います。そして、焦土と化した国土をいかにして再生させるかということがあって、それはもう社会も不安でした。ですけれども、そこにおいて、焦土と化した国土をいかにして復興させるかということと、復員された方々が大勢おられて、そこに一つの希望のようなものがあったのではないか。私は昭和三十二年生まれですのでその当時のことはよく存じませんが、いろんな本を読む限りそういうことではないかと認識をしております。
 私が配偶者を得ましたときにどうであったのかといえば、それはやはり雇用の安定というものは考えました、正直申し上げて。私は某都市銀行に学校を出てから就職をいたしましたが、やはり雇用の安定ということは考えておったことは事実でございます。
 その当時は、私は昭和五十四年に学校を出て某都市銀行に入ったのでありますが、まだ日本経済というものが、もちろんオイルショック後ではございましたが、そのオイルショックを克服をしてまだ経済が伸びるという、そういう希望に満ちた時代であったと思っております。バブル経済はその後でございますが、日本経済がこの後大丈夫なのかというような、そういうような懸念あるいは不安というものは当時は余りなかったように記憶をいたしております。
○山田太郎君 塩崎大臣にも聞いてみたいんですが、希望どおり子育てをされたというのは保育所があったからなんでしょうかね。
○国務大臣(塩崎恭久君) 私は子供が二人おりまして、一人目はまだ家内は専業主婦でありましたが、二人目のときから働き出して、そのときはゼロ歳児から保育園に行かさせました。二人とも預けていったわけでありまして、やっぱり保育所がなければ妻もフルタイムで働くということはできなかったんではないかというふうに思います。
○山田太郎君 分かりました。厚労大臣の保育所に対する必要性、よく理解しましたので、是非頑張ってやっていきたいと、こういうふうに思います。
 さて、石破大臣は大学は慶應大学、それから塩崎大臣は東大ということでありますが、高校を出てどうして地元の大学に進学しなかったのかなと、やっぱり普通の若い人は田舎を出たがるのかな、こういうことを思いますが、それぞれ時間もありますので、簡単で結構ですから、その辺りも教えていただけないでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) 余りプライベートなことをぺらぺらしゃべるのもいかがなものかと思いますが、私、高等学校から慶應でございます。それは、幼稚園、小学校、中学校と地元でございましたが、それは、何というんでしょうか、地方というもののいろいろな苦しさ、つらさというか、父親も当時、県の知事をしておりましたので、なかなかいろんな思いをいたしました。私、東京の高校に来ましたときに、自分の名前が読んでもらえなかったことが大変うれしかったことを妙に覚えておりまして、イシヤブリさんとかセキバさんとか呼ばれて、自分の名前読めない人がいるんだというのが結構うれしかったような思いがいたします。
 何で地元の大学に行かなかったかといえば、それはそういう事情もございますが、やはり慶應義塾というところで非常に興味のある学問がございましたので、そういう学問というものに接してみたいという思いがあったことも事実でございます。
○国務大臣(塩崎恭久君) 私は、父が役人だったものですから、大阪で生まれて東京で育ちまして、高校の途中までは世田谷の祖師ケ谷大蔵というところに住んでおりました。一番近い区立の小学校、祖師谷小学校、そして千歳中学と普通に行って、新宿高校へ行って、大学は、ちょうど中目黒に引っ越したものですから、一番近い東大に行ったということでありまして、それも一番近いということで四年間、教養学科というところなものですから駒場で、一番近いということで、四年間、本郷に行かずに駒場に行きました。
○山田太郎君 私は石破さんほど難しい名前じゃなくて、山田太郎なので読めない人がいなかったものですから、非常にそれも寂しい思いもしたなと。近くに東大があって入れるぐらいだったら、私は受けて落ちましたけれども、非常に優秀なんだなと、こういうふうに思っております。
 さて、今後ということで、法案、ちょっと今回解散がささやかれて、どうなっていくのかなということなんですが、この法案を作った後、石破大臣のお仕事はどうなっちゃうのかなという辺りもお伺いしておきたいと思いますが。自民党の幹事長をわざわざ退任されて地方創生大臣に就任されたと。この法案をしっかり仕上げられた後、もしかしたら通常国会に移っちゃうのか分かりませんが、決してそういうことなく、この臨時国会中やっていただきたいんですが、法案を作られた後、今のポストのままでいらっしゃるのか、どのように石破大臣は身の振り方を考えてこれに当たっていかれるのか、その辺りも教えていただけないでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) 大変お答えしにくい質問をありがとうございます。
 これは、法案は、先ほど来いろんな御議論がありますように、理念法、プログラム法、組織法であって、実際にそれができるかどうかはこれからのお話でございます。解散云々は別といたしまして、何としても今国会中にこの法案の成立をお願いしたいところでございます。
 この法案ができても、実際にそれが行われるのはこれからのお話でございます。誰が何をやるかは総理がお決めになることでございますが、この仕事というものは、それは成就するまで政府としてやっていかねばならないことであり、これが、法案が通ったからといってこの仕事がなくなるとは毛頭思っておりません。誰がやるかは、それは総理がお決めになることでございます。
○山田太郎君 時間がなくなったので多分最後の質問になると思いますが、質問を半分以上残してしまいましたけれども。
 もう一つ大事な道州制のことですね、この法案に書き込んでいません。なぜなのかなと。道州制担当大臣も置かなくなってしまいました。石破大臣、この辺をどう考えるのか。まさに、先ほど来議論としては、地域の自立、自活を考えるのであれば権限、財源、人間を移すということが大事だと思いますが、この辺り、最後御質問、お願いします。
○委員長(関口昌一君) 時間が来ておりますので、お答えは簡潔に願います。
○国務大臣(石破茂君) 道州制担当大臣は私でございます。置いていないわけではございません。
 私は、道州制を否定を全くいたしません。ただ、道州制を導入いたしました場合に、統治機構がどう変わっていくのか、あるいは国会がどう変わっていくのか、そういうことについての更に深い議論というのはそれぞれがしていかねばならないことで、私自身もよく勉強していかねばならないと思っております。
 私、先ほど全国の町村議長会に出てまいりましたが、道州制の導入絶対反対という垂れ幕がございました。基礎自治体の長あるいは基礎自治体の議長、そういう方々が絶対反対と言っておられるのは故なしとしないのでありまして、そういうような懸念にどのように応えていくかということも私自身よく考えたいと思います。
○山田太郎君 ありがとうございました。
 これで質問を終わります。ありがとうございました。
    ─────────────
○委員長(関口昌一君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、三宅伸吾君が委員を辞任され、その補欠として堂故茂君が選任されました。
    ─────────────
○寺田典城君 維新の党の寺田典城でございます。
 大臣、ひとつよろしくお願いします。
 解散風が吹いています。安倍さんらしいなと。まあ専権事項でしょう、やり方が少し露骨かなというような感じでおるんですが。私は、大義なき解散かなと思いまして、この解散は自民党にとっては不利じゃないのかなと。まあ石破さんは総理大臣に一番近い人ですから、なる可能性があるので、総理大臣になったつもりでひとつお答えになっていただきたいなと、そう思います。
 それで、問いなんですが、今、国と地方を合わせれば一千兆円を超える借金があるわけなんですが、地方創生の財源をどこから持ってくるのかということをひとつ、まず最初はその話からお聞きしていきたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) 地方の実情に合ったお金というものを使っていただく。ざっくり言っちゃえば、自由に使えるお金がたくさんあった方が地方の創意工夫は生きる、そういうことだと思っております。
 財源には限りがございますので、それをまたこれ以上大借金をするというお話にもなりませんもので、そうしますと、補助金の仕組み、交付税の仕組みをどうやって見直すかという議論に逢着せざるを得ないことだと思っております。
 その際に、委員が知事をお務めになったときももう非常に心掛けておられたことだと思いますが、政策を立案し、それを行い、それを点検するという仕組みをきちんと地方において確立をしていただくということはやはり大事なことだと思っております。補助金のシステムをこのまま、自由に使えるお金もたくさん下さいというわけにはとてもまいりませんので、そこの関係をどのように整理をするかということであり、今までの御議論にもありましたように、補助金がばらばらばらばらあって、非常に効果の検証もしにくいようなものはできるだけ統合いたしまして、それがまた無駄遣いなるものを抑制することにもなるのだと思っております。
○寺田典城君 私は、この地方創生というのはそれこそ、はっきり言ってイノベーションというか、もう新たなシステムをつくっていかなきゃならないと思うんです。
 それで、これ、赤い紙一枚出しました。これ何だと思いますか。思い付いたことをしゃべってみてください。
○国務大臣(石破茂君) それは赤い紙以外には見えませんが、何となく、某国でマスゲームをやるときにそんな紙を表にしたり裏にしたのを私は見た記憶がございます。
○寺田典城君 これ、日本の国の一千兆円の借金を表しました。それで、今、地方も二百兆円ぐらい都道府県にありますね。国が半分ぐらいそれで交付税算入とかになっているんですけれども。こういうどうも危なっかしい黄色い信号が都道府県にも出ています。そして、二〇四〇年になれば三割ぐらい人口が減ると、そういう青息吐息の市町村もこれからあります。ところが、これは国の権限が全部地方にまで重複しているわけなんですよ、これ見てもらえれば、これが。そうすると、これをコストだと思えば、重複しているからコストだと思えば、こんなに掛かっちゃっているんですよ。分権すれば、国は国のもっと外交でも防衛でもやらせると、道州制つくって分権すればまた別の形ができてくるし、コストも安くなるということなんです、成長すると。私はいつも、一九九〇年の地方自治時代のときからこの話を話してきました。
 要するに、この地方創生というのは、大きく言いますと、私、心配しているのは、この年になって、一九四〇年生まれです、七十四歳の一番心配なのは、日本の国、二〇二〇年までもつのかなと、財政的にですね。私が一九九一年に市長になったときは、二百七十兆円ぐらいしか借金はなかったんですよ。高齢化率は一二%ぐらいでした。今、二四%と言われている。二〇二〇年になると、そういう時代にまであれなんですが。
 それで、オリンピックまでもつのかなという心配、それをどうすべきかということなんですが、まず一つは役所の障壁をなくしていかなきゃならぬ、それから民間の既得権も、これもなくしていかなきゃならぬ。簡単に言うと、やっぱりイノベーションだと思いますよ。
 私が少し、ああ、この国何とかなるのかなと思ったのが、小泉改革の三位一体の改革のとき。あのときは、地方交付税は二十二、三兆円から十八兆円まで落とされました。十六年なんか一回に一二%の交付税減額されて、三位一体ということでなったんですが、セーフティーネットをつくっていなかったのは良くなかったと思います。全て賛成なわけじゃないんですが、ただ、対GDP比はマイナス一%ぐらいで、五兆円ぐらいの赤字で済んでいたんです、あの当時は。ところが、今は、それこそ六十兆円の百兆円で四十兆円も出さなきゃならぬと、五%も、GDPの一〇%も出さなきゃならぬというような形になっておるわけなんですね。で、それが、歯止めは、それがアベノミクスとかいろいろ出ているわけなんですが。
 それで、これから生き残るためには何としたらいいのかということ。カエル跳びって知っていますか、それからスキーのジャンパー。こうやってつぼんでいって、どんと行きますね。やはり、畳んでいく必要があると思うんですよ、地方自治体が。もう今は精いっぱいの感じなんですね。もういっぱいいっぱいで国もやっていると思います。それに、今、地方創生でものを出していったって、プラスしたって、それはやっていけないと思います。事務量だって、地方自治体は、国からその資料出せ、あれを出しなさい、これを出しなさいとみんな言われて手いっぱいなんですよ。
 ですから、その辺からどうやって手を着けていくか、大臣の考えを聞きたいんですが。
○国務大臣(石破茂君) これは、知事を御経験の委員の御見識をいろいろと教えていただくのが私の立場なんだろうと思っておりますが、私は思うんですけれども、国や自治体が、本来個人あるいは地域がやることを、パターナリズムとは言いませんが、あれもやってあげる、これもやってあげるということでやる部分が多いのではないだろうかという気がいたしております。
 恐らく、私は生きていませんから知りませんが、江戸時代って徳川幕府は何にもしてくれなかったと思うんですね。秋田藩に何にもしてくれなかったと思いますし、私の鳥取藩にも何にもしてくれませんでした。そうであるだけに、地方には地方独自の文化があり、地方独自の特産品があり、そしてそれぞれが藩校をつくって地方独自の教育をやり、そして地方独自の財政があったと思います。それが明治になって中央集権国家になり、あるいは戦後は高度経済成長に乗って、国や自治体があれもやってあげる、これもやってあげるということが物すごく増えてきたのではないだろうかと思います。
 答弁で申し上げたかもしれませんが、鹿児島県の鹿屋市の柳谷集落というところにある「やねだん」というお話は委員よく御案内かと思います。そこでやっているのは、いかにして補助金に頼らないか、いかにして地域でやることは地域でやっていくかということでそういう取組をしておられます。私は、国は地方の関与をしなくていいということを申し上げているわけではありませんが、地域でできること、あるいはそこの個人でできること、そういうことって何なんだろうかという問いが私はあってしかるべきなんだろうと思っております。
 国や地方自治体の責務を放棄するとかそういうことではありませんが、それがいつの間にか、本来であれば地域やそれぞれの個人が行っていただくべきところにまで国や行政がいろんなことをやってきたという部分、それはカンファタブルであったかもしれませんが、これが持続可能性がどこまであるか。金がなくなって財政が破綻しちゃったらもうそれはおしまいよと、金の切れ目がそういうことは全部なくなっちゃうのよというのは、私は残酷なことだと思っております。
○寺田典城君 補助金に頼らないところの自治体もあるよと。日本で一番出生率の多いのは下條村だったですか、長野県ですね、あそこも補助金に頼らずに下水道をやめてみたり、建物、住宅を建ててみたりしてやっているところなんですが。それはそれとしていいんですが、やはり国はばらまき過ぎるのかなと、そう思うんですね。
 それで、地方創生としてどのような取組をモデルとしたいのか。それから、特区制度を利用したいということを言っていますけれども、そういう特区制度の成功例をひとつ大臣、自信満々と述べていただきたいんですが。
○国務大臣(石破茂君) どういうものをモデルとするかという御質問でございます。
 それは、やはり自治体において創意工夫を凝らした自治体というのがございます。それはもう全国に成功例の自治体の例もございますので、そういうものを参考にしてやっていきたいと思いますし、それからもういつも言われますのは、島根県の海士町のお話がよく取り上げられるところでございます。
 そこにおいて、離島である海士町にどうして大勢の人がやってくるのか、あるいは岩ガキでありますとかナマコでありますとか、そういうものが産業として成り立つようになったのはなぜなのかというのはすごく勉強すべきモデルだと思います。あるいは、島根県の例ばっかりで恐縮ですが、邑南町というところが日本一の子育ての町ということで、子育て政策というものを充実させて高い出生率を実現するに至った、こういうものも学ぶべきモデルではないかなというふうに思ったりしておるところでございます。
 あるいは、地方から出ますいろんなアイデアもございますが、それはまた民間企業のお話でございますので、これをどう支援するかということでございますが、また別の御質問があればお答えをしたいと思います。
 特区についてでございますが、構造改革特区、国家戦略特区とあるわけでございまして、構造改革特区におきましては、農業の株式会社参入特区、あるいは公の施設の指定管理制度の創設、そういうものを始めといたしました七百八十件の規制改革を行ってまいりました。現在、百四十四の特区が活用されております。どぶろくの製造業を含みます千二百二十五件の特区を全国各地でやっておるところでございます。
 国家戦略特区では、医療、農業、教育など、これまで規制改革が進んでこなかった分野におきまして、いわゆる岩盤規制改革全般について突破口を開くべく取組を進めておるところでございまして、地方創生と特区制度というのは相互に連関するものだと認識をいたしております。
○寺田典城君 一つは成功例として海士町を挙げましたけれども、海士町の交付税というのは、地方交付税一人当たり百万近くなんですよ、対馬で五十万円なんですね、奥尻島でも五十万円ぐらいなんです。百万円一人出さなきゃならぬというと、あれですよ、百二十兆円お金が必要だということになっちゃうので。まあ考え方はよいでしょうけれども、あれが成功を収める、私も行ってきました。あれどうなのかなと、率直にそれは思います。
 それと、やはり、何というんですか、これからは少子化ですが、人口減少、高齢化ですね、高齢化率、二〇二〇年になると三〇%近くになりますが、規模拡大ということだとか経済が成長するという、まずそんなことあり得ないと思って、別の考え方しなきゃならぬのじゃないのかなと思うんですよ、予算の立て方でも。それで税収が増えたんだったら健全化になるわけですから。
 それで、民間企業でもそうなんですが、パナソニックでも日立でも、生き残るためにはコアな部分を残して駄目なものは減損処理をしてしまうと。地方の企業はもうそうですよ、三百人いたのに百人になっちゃったと、コアの部分残ったと、そういう話になっちゃうんですね。
 だから、私は、日本の国もそういうことをしっかり目標を立てて創生大臣がすべきだと思うし、例えば、増田さんが、地方創生の案の中で、地方は所得が五百万あった方がいいと言うんです。地方なんか、五百万なんというのは、それ何か天文学的な高い給料ですよ、役所に勤めるとか特別なところに勤めなきゃ五百万なんか出てこないですよ。
 大臣は、どの程度の所得を地方創生のためには想定していますか。
○国務大臣(石破茂君) それは、地方は物価が安いですから、五百万というのはもう、私の鳥取県でもそうですが、五百万というのはすごい高額所得者であって、余り見たことがございません。
 地方において物価が安いということを勘案をいたしますと、やはり三百万ないし四百万というのは実現したい水準だと思っております。そこに百万の開きがありますので、おまえいいかげんなことを言うなみたいな話ですが、三百万だと少し、家を持ち、あるいはお子さんを二人以上持ちということになりますと、ややつらい部分があるのかもしれない。当面、その三百万、今二百万台というのは大勢いらっしゃいますし、そこにも行かない方が大勢いらっしゃいますので、やはり三百万というのを目指しつつ、四百万というものを視野に入れるべきではないかなと思います。
○寺田典城君 私も、都会よりも地方に住んで、よりリッチだなというそういう感覚が持てるというのは三百万は必要だなと思います。
 ただし、しっかりした子育て支援、国が、まあ自治体がサポートするということですか。それから、義務教育のレベルの高いことですね、義務教育がレベルが高いということですよ。申し訳ないけど、秋田県は三十人学級を全国で一番先駆けてやって、四十番以下だったものが最上位になったとか、それからやっぱり大学教育とか、そういうことだと思うんですね。そうなると、地方にだって、ある面では。ただ、三百万の企業をどうするかというと相当苦労するというようなことなんですね。介護だとか、ある面では医療従事者だとか、それは三百万近くもらえるでしょうけれども、まあそれ以上になるかも分からないですけれども、やっぱり物づくりで三百万というと、やはり、例えばアメリカはGMは時間当たり五十ドルとか七十ドルのあれがあのとおり倒産して、今は二十ドル以下になっちゃっているんです。
 そうなってくると、世界の中で競争していくということになってくると、特区制度だとか、やっぱり特別な制度を、一国二制度をそちらに、地方につくった場合は税金が安いですよとか、例えば高速道路料金は三分の一ぐらいで済みますよという、だって、北海道なんか東京の三倍も五倍も走らなきゃならぬので、そういう豪雪地帯だとか四国みたいな地域だとか、条件不利なところはやはりそういう一国二制度の中で検討すべきなんです。
 私は二〇〇七年にそれを提案しました、知事として。津島さんか、税制会長、それから藤井さんが民主党の会長だったんですけれども、道州制になったらそれをやれるよと言うんですよ。ところが、全然道州制なんかどこへぶっ飛んだか、自民党、政権取ったら全部忘れてしまっちゃった。
 その辺、大臣は、道州制、まずその基礎から変えていくという気がありますか。
○国務大臣(石破茂君) 是非、委員に教えていただきたいのは、何で秋田が人口減少率全国一なんだろうかというのが、私はそれがいま一つよく分からないんです。
 秋田はよく行くんですが、我々、日本海側の中で秋田というのは極めてユニークなところで、日本海側はやや地味で暗いとかいう印象を持たれるんですが、秋田って明るい県なんですよね。日本海側では明るい県で、非常に交通も発達をしているし、新幹線も走っている、航空路も充実する、高速道路もかなり充実をしておりますが、なぜ秋田が一番人口の減少率が高いのか。小学校、中学校の義務教育のレベルが非常に高いことも承知をいたしております。
 じゃ、何で北海道が一番人口が減るのか。そして、人口の数だけでいえば二番目に減るのは静岡でございまして、何で静岡みたいに、高速道路はあるわ、新幹線はあるわ、空港はあるわ、天候は暖かいわ、何であそこが減るのだろうとか。それぞれの地域地域のいろんな問題があるのだろうというふうに認識はいたしておるところでございますが、さて、道州制を入れればどうなるのだというお話でございます。
 私は、道州制は全然否定をいたしておりません。それも一つのモデルだと思っております。ただ、先ほどもお答えをいたしましたように、基礎自治体が道州制絶対反対というのは、これはどういうわけなのだろうかと。かつての市町村合併の都道府県版ではないか、いろんなところへ合併されることによってかえって地域におけるサービスが落ちやしないかという御懸念にどのように応えるかということは、私どもとして答えを導き出さねばならないことでございます。
 その点、あるいは国会がどうなるのか、中央官庁がどうなるのか、そこまで考察を深めてこの問題を議論を進めたいと思います。
○寺田典城君 基礎自治体がどうして道州制をというか、自立するのが反対なのかということなんですが、これははっきり言って国からお金をもらって楽したいという。自立させないからですよ。あなた自立しなさいと、旅立ちなさいと。子供だって二十歳になれば自分で食べなさいとか、十八歳になれば言われるわけなんですよ。それを国がさせないからです、システムがないからですよ。そういうことをひとつ。私、金曜日、また時間三十分ありますので、今、時間でございますので、途中でやめます。
 秋田県、人口減少、なぜ一番なのかというと、まあ島根県と鳥取県とよく似ているようなところがあります。
 以上です。ありがとうございました。
○儀間光男君 維新の党の儀間でございます。
 今質問された我が党の寺田委員が、わざわざ地域創生はイノベーションであると申しましたが、謎掛けみたいですが、御理解いただけたでしょうか。維新の党の英語読みはイノベーション・パーティーと言うんですよ。ですから、改革の党。やはり維新の党は改革でいきますから。
 この、まち・ひと・しごと創生法案、これまさに創生ですから、改革じゃありませんから、創生でありますから、まさに最初からつくらなければならないんだと思いますね。ですから、今までのものを少し変えていこうじゃなしに、新しいものをつくり出そうということでありますから、相当の覚悟と実行力が要ると思うんですね。
 そんなようなことを考えていながらこの創生法案を見ているというと、大体、一条にその目的があるわけですが、これはもう言い古されてなお新しい課題ということになると思うんですね。少子高齢化を何とか止めよう、あるいは人口の東京への一極集中を排除しよう、あるいは地域がある意味分散をして、いろんなものを分散をして、権限も税財源も分散をして、地域で活力を持たせて住みよい農村風景も再現していこうということがそれの主目的だと思っておりまして。
 そこで、少し伺いたいんでありますが、この都市機能の言ってみれば分散問題、これは過去を見れば、列島改造論、あるいはふるさと創生論、あるいは三位一体改革などなど多くの施策を展開してきたのでありますが、いまだかつてこれを達成できない。具体的に達成できないから今また出るんですね。
 石破大臣におかれては、成果が出なかったこのことについて、何が一体原因してこうなったのか、何がまた一番その障害であったのか、と同時に、解決していくには、先ほど言いましたが、強い決意が必要だと申し上げましたけれど、それも併せて石破大臣の御決意を伺いたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) それは、いろんな掛け声があり、いろんな政策をやっても実現しないのは、それを実現しなくても困らない状況があったからではないのでしょうか。
 私は、やっぱりそこを見据えないと議論はおかしなことになると思っておりまして、掛け声はいろいろありました。私が高校生の頃に列島改造があり、日本国中に新幹線や高速道路が走るようになりました。勤め人の頃に田園都市構想というのがありました。そして、議員になった一期目にふるさと創生というのがありました。
 それはもう、あるところ実現をしたんですけれども、高速交通体系をつくることによって、かえって地方の方が衰退した部分が私はないわけじゃないと思っております。そうすると、やっぱりその地域にしかないもの、その地域にしかない人、その地域にしかないいろいろな文化というものをつくっていかなければ、そういうものがかえってあだになることになりかねない。
 私が子供の頃は高速道路もなかったですし、飛行機も飛んでいなかったですけど、地方って結構にぎやかで豊かでした。それはそれでよかったんだと思います。ところが、グローバル化が進むことによってそんなことは言っていられなくなったと。これから先、本当に大変なことが起こりますよと。地方が消滅に向かって進む、東京も時間差を置いてそうなる、そうしたら国全体が倒れるのだという。今までは困っていなかったかもしれないけれど、これから先は本当に深刻な事態が起こりますよということを、我々中央も地方も何となく分かってはいたんだけど、今度は本当に大変だなという認識を持つこと、それが私は大事なのではないかと思っております。もちろん、今までの政策を打たなければもっと大変なことになっていたでしょう。だけど、今までの政策よろしきを得て、まだまだ何とか何とか、工場がなくなっても、あるいは少子化でも、それがえらく顕在化することにはならなかったということではないでしょうか。
○儀間光男君 大臣、そうおっしゃっていますけれど、この問題が問題化して地方へ返さなきゃならぬといってもう二十年、三十年になるわけですよ。今までそのことによって地方が困らなかったから現在の状況があるんだと御指摘でしたけれども、それも少し驚きですね。
 確かに、おっしゃったように便利になって、高速網やあるいは新幹線網が発達して便利になって、地方へおる必要がなくなったかのごとく中央へ集中した。これは恐らく戦後の産業構造の変化、重工業を中心にして労働力を地方に求めて、あの例の集団就職、これでもって大都市圏へ人口が地方から集中した、それも人口減あるいは地方の疲弊につながったとは思うんですけれど、そういうことがないというと、今大臣おっしゃった、政策のよろしきは分かりますよ、分かるんでありますが、必ずしもそうじゃない結果があったからこそ、列島改造論や創生論や三位一体改革や、あれはたしか五十二年でしたか、第三次の全国総合開発、あれは引き続き四次も出ましたね。これ、全て地方が疲弊していくものに歯止めを掛けて、いわゆる同時に日本の人口が減る、出生率が減る、こういうものに歯止めを掛けておかなければならない必要性、危険性に迫られて今日の創生論も出たと思うんですね。
 そういう意味で、もう一度お伺いしたいんでありますが、先ほどの解説じゃなしに、決意のほどを伺いたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) 少し言葉が足りなかったかもしれません。
 少子高齢化というのを一くくりにするなというのが、私は増田レポートから受けた一番の教訓でございます。子供は生まれなくなったけれど、これは、高齢者の方々が長生きをしていただけるようになった、だから人口が減るように見えないというのが、その危機感をいま一つ実感できなかった一番の理由ではないかと。
 そして、農業も漁業も林業も衰退傾向にあったのに、地方に工場があったので雇用が維持されているように見えた。実際維持されていましたが、それがなくなったらさあ大変ということになったわけでございます。そういうふうに、周りの環境が変わったのだと。人間は不老不死ではございませんので、高齢者の方がいらっしゃらなくなったときに大変なことが起こるということ。そして、もう企業は立地をしませんので、これから先、マザー工場というものは持ってこなければなりませんが、以前のように大規模に工場が人を雇用するというのはなかなか考えにくいと思います。
 ですから、そういうふうに世の中は変わったのだと、世の中が変わったので、農業、漁業、林業、あるいはサービス業、それをどのようにして活性化をするか。あるいは、沖縄でなぜ人口が増えるのか、じゃ、ほかのところで何で減るのか、沖縄はなぜそのようなことになっているか等々、いろんな事例に学びながら、うちのところはうちのところでいいのさということではない、いい事例にいかにして学ぶかという熱意と謙虚さを持つべきだと思います。
○儀間光男君 この問題もっとやりたいんですが、時間がありませんので置いておいて、またの機会に取り組んでいきたいと思います。
 さらに、お許しをいただきたいのは、通告してあるんですが、順序を少し変えまして、一番最後の問題、最後の質問を先にさせていただきたいと思います。それは沖縄関係の問題ですから、質問通告を知った沖縄の支持者から、おまえ、これは逃したらいかぬから先にこれをやっちまえということがあったことですから、大事な有権者、支持者に応えるという意味で先にさせていただきたいと思います。
 安倍総理は、去った第百八十六回の国会、施政方針の中で、沖縄は高い出生率、今大臣指摘されました、豊富な若年労働力など、成長の可能性が満ちあふれ、二十一世紀の成長モデル、この成長を後押ししてまいりたいと明言をされております。
 さらに、同国会で、沖縄及び北方問題に関する特別委員会の山本一太当時の担当大臣も、沖縄が日本のフロントランナーとして二十一世紀の成長モデルとなり、日本経済活性化の牽引役になるよう沖縄振興を推進していくんだとおっしゃられております。
 このさきの国会、安倍総理や担当大臣の沖縄に対する姿勢、これを踏まえて、沖縄の特性を大臣、生かしていくならば、総理大臣や担当大臣がおっしゃられたモデルケースになる、あるいは提案されている地方創生のモデルケースになると思うんですね。そういうことで御見解をいただけたらいいなと思います。
○国務大臣(石破茂君) 私自身、政調会長時代、あるいは幹事長時代に沖縄には年に十回近くお邪魔をしたと思っております。
 いろんな会で申し上げるのですが、沖縄は日本の中で唯一、二〇二五年まで人口が増え続けるのであると。そして、成長著しいアジアに一番近いのである。そして、皆様方の御努力もいただきまして、これから土地がいっぱい返ってきますよということがある。それは、有利なところに米軍基地というのは立地していますから、土地がたくさんありますねと。かてて加えて、沖縄には原発がございませんので、そういうエネルギー問題というものについての原発特有のいろんな懸念がないということであります。
 ですから、そうすると、これから先、沖縄が日本全体を引っ張る時代が必ず来るし、そうしていかなければならない。そのときに沖縄において、なお例えて言えば、那覇市内の交通渋滞率なんというのは全国一ですから、これを解消することによって沖縄の発展性というのは更に飛躍的に増すだろうと思います。鉄軌道というものも本当に真剣に検討していかなければなりません。滑走路二本目というのもそうであります。
 いろいろな政策を実行することで沖縄の持っている潜在的な可能性というのを最大限引き出して、今まで沖縄は本土にいかに近づくかというお話でやってまいりましたが、これから先、沖縄が日本全体を引っ張るというような意識で私どもはやっていかねばならないと思っております。
○儀間光男君 ありがとうございます。
 御指摘のとおり、沖縄は地政学的に見ると、日本の国の南西の果てなんですけれど、アジアを中心に見ているというと、まさにへそ的存在に位置する。コンパスの軸を那覇に立てて千五百キロぐるりと巻いてみると、東京入って北京入って、ずうっと福建省から台湾はもとよりフィリピン近くまで行くんですね。そこのマーケットたるや五十億、六十億マーケットだと言われているんですね。
 そういうことからすると、その一億二千万の我が国国内のマーケットに比べてはるかに大きなマーケットがある。それをやはり、地政的に近い場所にあるわけですから、国の制度などをちゃんと整備をしていく。港湾、空港のインフラ整備もそうですが、何よりも制度の整備をしていく、制度を整備していくということによって、昔あった三角貿易というか、三韓の秀を集めて万国の津梁をなすと言ったんですが、大和日本、清の国、琉球、この三国の秀を集めて万国に橋を架けた。当時の人々は全国あるいは大陸からも貨物を集めてシャム、マラッカ、遠くまで交易した。あるいは、シルクロードが海域を使うときの海路にもなったということで、地政学的に非常にいい場所にあるということから、本当に総理や担当大臣や石破大臣がおっしゃることを本気にやってくださるなら、これは日本を引っ張るいい牽引力になると思うんですね。
 しかも、島は小さいけれど、大きな海域を持ちます。東西一千キロ、南北約五百キロと言われておって、昔の人はこう言ったんだそうです。沖縄の県民よ、島の小さきを憂うな。海の広さを見なさい。そして、いざ行かん、五大州と言っていろいろやったんですが、まさにそのとおりであって、今やもう海洋資源の宝庫でもあってみれば、是非ともおっしゃるようなアジアへのゲートウエー、そういうことの位置付けでもって御配慮いただきたいな、進めていただきたいなと。これが、まさに今提案されている創生にぴたりと合うことだと思っております。
 一つの例が那覇空港なんですが、ANAが今、ハブ港としてやっていますね。非常に好調なんですよ。キャパが少なくて、今おっしゃっていたような第二滑走路ができるのを待つんですが、キャパが小さくてよそへ求めようというぐらい活況をなしているんですね。全国でも二位三位に入るぐらいの貨物の取扱いなんです。これを今度は海上に移る、海に移さなければ、港に移さなければ。ということは、航空貨物で行くのはコストが高い、あるいはコストをペイする、運賃をペイする高級品が行くんですが、日常生活物資の九九%は海上貨物なんですよね。ですから、そういう意味では、港のインフラ、あるいは一国二制度で港湾サービスを徹底してさせていただく、あるいは船のサービスを徹底してさせていただくというなどとすれば、今回政府から出ている地方創生のモデルケースになると信じて疑わないんですが、いま一度御感想をいただきたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) 全日空の取組ということでどれだけ取扱量が増えたかということは私もよく承知をいたしております。これは、成田、関空の次でしたか、委員御指摘のように第三位でありますし、まだこれからも伸びるだろうと思います。ですから、第二滑走路というものも急いでいかねばなりませんし、航空自衛隊との共用をいたしておりますもので、どうしても支障というものが出てまいります、スクランブルの回数も増えておりますので。
 ですから、那覇空港の使い便利のいい、これから先の充実は早急にやらねばなりませんし、御指摘のように、港湾の機能というものを更に上げていかねばならぬ。二十四時間で対応できるような港湾、それはまた水深も深くしていかねばならぬことでございましょう。ここは米軍施設の返還というものとまたリンクをして考えねばならぬことですが、沖縄の地位の有利性というものを最大限活用した港湾機能の充実は、地方創生のためにも、日本全体のためにも喫緊の課題だと思っております。
○儀間光男君 ありがとうございます。
 いま少し時間がありますから、せっかく小泉政務官がおいでですから聞きたいと思います。
 まち・ひと・しごと創生戦略、これはずっと言い続けているように、いわゆる権限の移譲、これと税財源の移譲は別だと思うんですが、それぞれ取り組んで一つにまとめて取り組んで完全な形にしなければなかなか地方創生はうまくいかないと思うんですよ。そういう中で、この地方創生の総合戦略、これを円滑に推進する意味で、これは本会議でも聞きはしたんですけれども、もう一度聞き直しておきたいと思うんですが、地方分権、統治機構の移管、あるいは税財源の移譲、そういうものについて具体的にやっていただかなきゃならぬと思うんですが、御見解をいただきたいと思います。
○大臣政務官(小泉進次郎君) 本日は陪席ということで質問通告を受けておりませんが、せっかく御指名いただきましたので、大臣の代わりにお答えをさせていただきたいと思います。
 分権の話もありましたが、おっしゃるとおり、やはり地方の自立というのを高めるという上では、分権というのは欠かすことができない、そういった観点で、今、地方から約九百を超える様々な規制緩和を含めた要望も上がってきて、大臣のリーダーシップの下で一回、約一割しかできないという報道もありましたが、再検討させて更に深掘りをして対応しようと、そういったことで、地方に対する権限、そしてまた自主性、それを高める観点で地方創生を進めております。
 先ほど、先生の方からは、特区、また様々な町の取組などの話もありましたが、全国を回って見ていれば、海士町、また今、国家戦略特区の方では例えば兵庫県の養父市、様々、特区になったことで規制改革要望もどんどん追加追加で上がってきている状況もありますので、先生おっしゃるとおり、地方に対する自主性を高めると、そういった方向性は勘どころだと思いますので、それを肝にしっかりと取り組んでいきたいと思っております。
○儀間光男君 ありがとうございます。
 国家戦略特別区域やあるいは構造改革特別区域法など、どんどんどんどんめじろ押しでやってきますから、石破大臣、大いに力を発揮されて、創生が成功しますように期待を申し上げて、質問を終わります。
 ありがとうございました。
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 地方創生問題についてお聞きをいたします。
 政府の基本方針を見ましても、また長期ビジョンの骨子、総合戦略骨子を見ても、共通しているのは、なぜこのように地方が疲弊してきたのか。疲弊ということで言えば、農家の所得が減って地域全体の経済が縮小する、あるいは農山村で高齢化、人口減少ですね、都市に先駆けて進行していると、小規模な集落が増加をし、集落機能が低下するというような、こういうことについての原因に対する分析が何一つないということです。
 原因の分析がなければ、その原因、しっかりとそれを除去して真に実効ある対策が打てるわけがないというふうに思うわけで、そこで、石破大臣にお聞きしますけれども、端的に長期にわたる自民党政権の下で、なぜこのような地方の疲弊に至ったのか、明らかにしていただきたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) ここ数十年政権を担当してきたのは我が党でございます。今起こっているのが地方の疲弊という現実であって、我々地方から選出をされております議員は常に地方の発展とか地域産業の振興とかいうことを訴えてまいりました。それが実現をしていないことについて、我が党に責任がないとは申しません。それは私どもがよく反省をしていかねばならないことです。それは、やはり地方でありますとか農林水産業でありますとか、そういうものに対する施策というものを、更にもっとウエートを掛けていくべきであったにもかかわらず、その部分が足りなかったのではないかということは、我々が反省をしなければいけないことでございます。
   〔委員長退席、理事岡田直樹君着席〕
 と同時に、いろいろなインフラの整備はいたしてまいりました。以前に比べれば、これだけ高速道路が走り、これだけ新幹線が走り、これだけ航空路が充実するというのは、それは私どもがやってきた政策が実現してきた結果でございます。ただ、それを生かして地域を発展させるということにこれから先はもっと創意工夫を凝らしていかねばならないし、それは地域と中央がいかに連携をするかということが重要であると認識しております。
○紙智子君 今、幾つか述べられました。その中で、農林水産分野に関わってのウエートが非常に少なかったんじゃないかということも反省点の中に入れているということであると思います。
 それで、地方にとって、やはりとりわけ農村地域にとっての農林水産、一次産業が中心となってこそ活発な経済活動が行われていくというふうに思います。関連事業に従事する人が多く集まって町に活気が生まれて若い人も集まるという方向を確立されていれば、今のような疲弊ということがなかったはずなわけです。
 ところが、実際にどうだったのかということで少し遡って見てみるならば、例えば一九六〇年代、六一年、選択的拡大を標榜して成立した農業基本法というのがありました。その下で、小麦と大豆、米生産から畜産、酪農、果樹生産に転換したわけですけど、そのとき転換した農家というのは、その後、一九八八年、これは牛肉、オレンジの自由化がありました。その中で大打撃を受けたわけですね。岩手県の当時、中堅の若手の畜産農家が首をくくるというような本当に胸の痛い事態も起こりました。それから、ミカンの産地は至る所でミカン園が雑木林に変わっていくということにもなりました。
 その時期、我が党の先輩議員たちが全国一斉の農業調査を行いましたけれども、その当時から、牛肉、オレンジの農家はもちろんですけれども、米生産農家からも、米価が安いということも出されましたし、子供たちに農業を継がせるわけにいかないと、こういう声がずっと出されて寄せられていたということを聞きました。
 それから、またさらに一九九五年、このときはWTOですね。WTO協定で日本は米の輸入自由化ということも認めるということになっていったわけですけれども、七十七万トンのミニマムアクセス米を受け入れると。米の需要と供給に国が責任を負わないということになって生産者価格も下落をすると、米の生産農家の展望をそれによって失わせるということになってきたと思います。ですから、農業後継者への経営の移行というのがそこから進まないという状況が続いてきた。農村地域の高齢化が進行していくということになってきたと思うんですね。
 農業の所得ということで見ますと、これは一九九〇年度、六兆一千億円だったわけですけど、これが二〇一一年度には三兆二千億円ということで、二十年間で半減したわけですよ、農業の所得ですね。それから、山村も、木材の輸入自由化でもって、これ壊滅的な打撃を受けるということになりました。日本の山村集落は深刻な危機に直面したわけです。
 このような、やっぱり農産物の輸入自由化と地方の農村地域の疲弊ということについてどのように受け止められているか、もう一度お答えください。
○国務大臣(西川公也君) 経済連携が進むたびに農産物が市場を開放してきたと、こういう歴史を繰り返してきたと思います。
 それで、米のミニマムアクセス米は、平成五年の十二月十五日、時の細川内閣のときに調印をした。あれは米の消費量が減っている中で毎年〇・八%ずつ増える、スタートは四%ですよと、こういうことでありましたが、米の消費量が減っているときになぜ増えるこの協定を結んだのかというのは、私は平成八年当選組ですので、早くこの幾らかでも伸び率を下げていこうと、そういうことで関税化に踏み切るために努力をさせてもらいましたが、常に経済連携と一緒に市場を開放していくと、こういうことだと思うんです。
 日豪EPAはそこを注意しまして、抱き合わせで乳製品を輸入するとか、それからセーフガードを掛けて日本の農業生産に直接影響が出ないようにするとか、こういうことでやってきたと思います。
 私は、食料の消費の動向を見ながら許容範囲で収めていかなければならないと、こう考えています。
○紙智子君 実は石破大臣にお聞きしたんですよね。農水大臣じゃないんです。
 それで、ちょっと今、細川内閣のときだったんだというふうに言われたけど、もちろん、だから自民党政権のときじゃないという話をされるんだけど、その後また替わって自民党政権の下で推進したわけですから、やっぱり責任は免れないということですよね。
 今、石破大臣はちょっとお答えにならなかったんですけれども。いいですか。
○国務大臣(石破茂君) 委員とは、麻生内閣で農水大臣を務めておりましたときもこのような議論をさせていただきました。
 今、委員が冒頭に選択的拡大ということをおっしゃいました。選択的拡大というのは本当に実現したのだろうかといえば、私は不十分だったと思っています。選択的拡大が企図したものと違う現象が起こったのではないだろうか。それは、二種兼業農家というものが現出をし、ほかの国にない形態で農作業の時間が非常に軽減をされましたものですから、小さな規模で米作をやる、米を作る、そして主な収入は他産業から得るという極めてユニークな形の農家が誕生いたしました。それをどうするかというときに、まだ食管制度が残っておりましたので、生産費所得補償方式というものを使いました。そのことによって米価は上がっていきましたが、それによって稲作農家は強くなっただろうかといえば、それはそうではなかった面があろうかと思っております。
   〔理事岡田直樹君退席、委員長着席〕
 私自身は、今、新食糧法の施行に伴いまして食管法というものはなくなりましたが、米の一〇〇%自給というものが達成されたときに米の制度というものは変えておかねばならなかったものだと思います。高コスト構造というものがそのまま維持されたことによって、日本の農業というものが、本当に専業で規模を拡大したい、多くの所得を得たいという方に必ずしもふさわしい制度になっていなかったのではないかという反省は、私自身、まだ食管制度が残っておりますときから議員をやっておりますので、その問題意識というものは強く持っておるところでございます。
 輸入の自由化ということについては、私どもとして、西川大臣の下で公約に反するような関税の例外なき撤廃はしないということで交渉しておるわけでございますけれども、同時に、どうやって国内の農業を守っていくかということは、関税を維持すればそれでいいということではございません。いかにして付加価値を上げ、いかにしてコストを下げるかということに政策というものは重きを置くべきだと思っており、そうでなければ農家というものが残っていくことはなかなか難しいのではないかと私は認識をいたしております。
○紙智子君 私がお聞きしたのは、農産物の輸入自由化の路線と地域の疲弊ということとの関係をどういうふうに考えるのかということをお聞きしたわけで、そのことにちゃんと答えられていないなと。やっぱり、長年、そういう食料自給率も下がることにつながってきたわけですけれども、この自由化路線に対して一貫して反省がないというのは、私は本当に大きな今の自民党政権の問題点だというふうに思っています。
 地方創生というのであれば、やはり一次産業をどう立て直すかということが最も重要なことです。それ抜きに地方創生といっても、農業・農村地域に暮らす人々に希望を示すことはできないというふうに思うんですね。
 それで、これ多分御覧になっていると思いますけれども、全国町村会が今年の九月に都市・農村共生社会の創造ということで発表しました。全国町村会は、農村のかけがえのない価値として、生存を支えるということを筆頭に、国土を支える、それから文化の基層を支える、自然を生かす、新しい産業をつくる、この五つを掲げています。私は、二〇〇一年に初めて国会に来て、そのときに全国町村会がこれを発表したんですけど、非常に新鮮に受け止めましたし、非常に感銘を受けたわけです。
 とりわけ、農村は、農業生産を通じた食料の供給により国民の生存を支えているだけでなく、森林等による二酸化炭素の吸収や水源の涵養などを通じて環境の保持や国土の保全にも重要な役割を果たしていることを指摘しているわけですけれども、石破大臣は、この農村の役割ということに対する認識、いかがでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) 御指摘の全国町村会によります農業・農村政策のあり方についての提言というのは、私もいただいてすぐに熟読をいたしました。そこにおいて書かれております農村の価値というのは、あそこに記されているとおりでございます。
 提言におきましては、農村の価値として、生存を支え、国土を支え、文化を支え、自然を生かし、新しい産業をつくるという五つを掲げておるところでございますが、今年九月の提言では、このようなものに加えまして、少子化に対するとりで、そして再生可能エネルギーの蓄積、災害時のバックアップ、新たなライフスタイル、ビジネスモデルの提案の場等々、農村の新たな可能性が示されておるところでございます。
 農村の持つ多面的機能ということがよく言われますが、新しい提言にありますように、少子化に抗する、あらがうというふうに言ったらいいのでしょうか、そういうものに対しても農村が大きな力を持つでありましょう。そしてまた、これは山村等、つまり農山村ということで林業と農業と共にやっているという生産体が多いわけでございますが、再生可能エネルギーの蓄積であり、あるいは生産でありということについても大きな役割を果たすものだと思っております。
 そして、田舎暮らしということに新しい価値を見出す方々、本当に地方というのは悲惨で苦しくてというところだと言われますけれども、田舎の価値、農村の価値というものを見出した方々がその農村の魅力というものを最大限に生かし、それを伝えていくという意味でも、新たなライフサイクルの場としての農村の意味も大きいものだと認識をいたしております。
○紙智子君 次に、農水大臣にお聞きします。
 二〇〇二年から国連食糧農業機関、FAOが世界農業遺産というのを始めましたけれども、その意義と日本の認定状況についてお示しいただきたいと思います。
○国務大臣(西川公也君) 世界農業遺産でありますが、私も不勉強で、御質問を受けて勉強してきたつもりでおります。
 次世代に継承すべき重要な農法あるいは景観、文化、生物多様性、これらを有する農業生産のシステムを国連食糧農業機関、FAOが認定する制度であるということでございまして、現在、世界十三か国三十一地域が認定されており、我が国では石川県の能登の里山里海など五地域が認定されております。なお、今後、岐阜県の長良川上中流域など三地域が新たにFAOに対して認定申請を行う予定であると、こういう状況であります。
 世界農業遺産につきましては、地域の人々が自らの地域、資源の価値を再認識し、誇りと自信を取り戻すとともに、農業や地域の振興に向けた取組が活発になるといった意義を有するものと考えております。今後とも、この制度を活用し、地域のにぎわいを取り戻してまいりたいと考えております。
○紙智子君 今ちょっと紹介いただいたんですけれども、石破大臣に短く、長くならないように端的に、その意義について大臣の言葉でお願いします。
○国務大臣(石破茂君) それは誇りじゃないでしょうか。
 そこにそういうものがあるということ、そこに住まうということ、だから農業なんてね、農村なんてねという話をする人がいますが、そこに住まい、そこでいろいろな活動を営むことに対する誇りが持てるというのがこれの、世界農業遺産の持っている一番の大きな意義だと私は思います。
○紙智子君 私も、実は世界地図で見て、これ、日本がその中に指定されているというのは、今、世界で三十一地域なんだけれども、先進国の中では日本だけなんですよね。しかも、五か所ということになっていて、非常にその持つ意味というのは大きいというふうに思ったわけですけど、これは、なぜかということでいえば、やっぱり日本では先人から引き継いで持続的に行われている生産活動に携わる農家がいるから、こうした普遍的に高い価値を有しているんじゃないかと思うわけです。
 さらに、今年は国際家族農業年です。日本の家族農業経営は、女性や高齢者の稼得機会の提供や小規模であるがゆえの土地利用の持続性、それから収入の多様性などの優れた特徴を持っているわけです。日本の家族経営は、国連が言うところの飢餓や貧困の撲滅、食料の安全保障及び栄養の提供、生活改善、天然資源管理、環境保護、そして持続可能な開発を達成する上で家族経営や小規模農業が担う重要な役割に合致しているものだと。
 このような家族経営を中心とする農村を維持、発展させる意味について、短く、大臣。
○国務大臣(石破茂君) 家族経営の形態を私どもは決して否定をいたしません。それはそれで伸ばしていくべきものだと思います。
 同時に、いかにしてコストを下げ、いかにして付加価値を上げるかということにふさわしい、そういうような経営形態も模索をしていかなければいけません。
○紙智子君 そこでなんですけれども、この町村会の提言は、農村では知恵と工夫次第で所得は都市並みでなくとも豊かに暮らせる、ただし、そのためには農村が将来にわたり自律し持続していく必要があるとして、五つの条件を提示しています。それは、一つは、地域資源を有効活用した農業が持続的に行われていること、二つ目は、循環型社会であること、三つ目は、集落の機能が維持され開かれていること、四つ目は、若者や女性が活躍できる場であること、五つ目は、交流が継続していることと。
 この提言は、この五つの条件の条件整備が進められれば一九七〇年代から欧州各国で始まっている田園回帰を日本でも進めることができるだろうとしています。これは、大臣、どのように受け止められますか。
○国務大臣(石破茂君) そのとおりです。
○紙智子君 それで、自律していく上でも、やっぱり必要な国の支援は不可欠だというふうに思うわけですね。
 さらに、この提言は、産業としての農業の生産性や効率性の向上のみに着目した農業振興施策は、時として農村振興の阻害要因ともなり得る、また、水田農業において規模拡大による大規模農業者への農地集約を無秩序に進めていくことは、地域の働く場やコミュニティーの場を喪失させることになりかねず、ひいては農村人口の減少を加速させることが懸念されると指摘をしているわけですけど、これについてどう思われますか。
○国務大臣(石破茂君) それは、いたずらに規模の集積というものにのみ特化して政策は進めるべきものではありません。
 しかしながら、ある程度規模の集積をしていきませんとコストダウンができませんので、それは連担化というものを進めていかなければならないものでございます。そこにおいて、農業の場合には、所有と経営の分離というものがなお行われねばならない。ところが、林業の場合には、所有と経営の分離が余りに進み過ぎたので雇用というものが失われたということもあろうかと思います。その点は、何事も過ぎたるは及ばざるがごとしでございます。
○紙智子君 さらに、こういう指摘もされています。農村のあるべき姿を実現するためには、地域ごとの創意工夫が発揮され得る、地域が自らデザインする農政を実施し得る政策システムが必要となる、しかしながら、農政分野においては、国が要綱、要領により施策の細部にまで規定し、自治体は言わば国の画一的な行政を代行する役割にとどまらざるを得ない政策も少なくなく、自治体の自由度の乏しいシステムとなっていると指摘しているんですね。
 この地方創生で、こうした自由度の乏しい画一的なシステムがなくなるのでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) これは、農水省を中心といたしまして、その地域地域に合った政策というものができるだけ用意されるようにしていくということだと思います。
 しかしながら、それが国として守っていかなければならない自給力の維持ということにつながるものでなくてはなりません。私は自給率だけが政策目標だと思っておりませんで、農地あるいはサステナブルな、持続可能な農業人口、あるいはため池でありますとかダムでありますとか用水路でありますとかそういう基本的なインフラ、単収でありますとか糖度でありますとかそういうクオリティー、そういうような自給力が国全体として維持をされるということと地域において特性ある農業が展開されるということを両立させなければいけないものでございます。
○紙智子君 自給力の話の前に、やっぱりこれ、生産現場から最も近い自治体だからこそ実感込めて指摘していることなんですね。画一的じゃなくということを言っているわけで、その指摘は重く受け止めるべきだと思います。政策の中身がそうなっていないということを指摘しているわけです。
 それで、農林水産省の、今度は農水大臣にお聞きしますけれども、地方創生に向けた施策の展開方向を見てみますと、真っ先に挙げられているのが農林水産業の成長産業化による所得の向上と。確かに所得の向上は必要です。しかし、日本再興戦略に明記されていることは、農業、農村全体の所得の倍増を達成するためには農業生産性を飛躍的に拡大する必要がある、そのためには、企業参入の加速化等による企業経営ノウハウの徹底した活用、農商工連携等による六次産業化、輸出拡大を通じた付加価値の向上、若者も参入しやすいよう云々かんぬんというふうになっているわけで、要するにこれ、企業の参入を大幅に増やして、参入した企業の所得を増やし、六次化による流通加工を手掛ける企業の所得を増やすということが非常に重く書かれているわけですけれども、これが本当に農村のあるべき姿なのかと。いかがでしょうか。
○国務大臣(西川公也君) 農林水産業のあるべき姿、これは私ども来年三月までにまとめたいということで今やっています。
 それで、今まで農林水産省の数字が、ばらばら統計数字が出ていました。農業生産額は今度は八・五兆円で整理しようと、こういうことになったんですが、そこで私、指摘をいたしまして、各県の数字を足したら本当に違わないんでしょうかと、こういうことを調べましたら、各県からの集計でやると八・六兆円、余り違わないと、こういうことなんですが。
 こういう中で、各県が今後何年間でいかに伸ばしていくかと、こういうことは各県から必ず上げてもらうようにやりましょうねと、こういうことで今各県と連絡取っています。各県は各市町村とも連携取ってみて、どういう農業を自分たちはやるか、そして各JAもそうだと、こういうことで、私ども、一番現場に近い人たちからの数字を積み上げていって、あるべき姿を求めていきたいと考えています。
 それで、所得の倍増とか企業の参入の問題で御心配されていると思います。今、生産組織で農業者以外では四分の一しか出資できませんが、そこで幾らにしようかと、競争力会議等では二分の一超えろと、こういう話もありましたが、私どもは、農業者が二分の一以上必ず持つと、これは決定権、農業者に持っていただきたいと、こういうことであります。
 ただ、これから付加価値を付け、あるいは価格決定権を農業が持つと、こういうことにするためには、企業の皆さんにも御協力をいただきたい。まして、八・五兆円のうちの農業の取り分は一二%前後です。周辺産業は四〇%なんです。そこを連携しながらやっていきたいと思いますが、いずれにしても、一つの農業生産の組織は半分は、必ず半分以上は農業者が持つと、この姿勢でこれからもいきたいと考えています。
○紙智子君 元々、六次産業化の議論というのは、農商工連携では生産者の手取りが増えないという問題が指摘をされて、生産者の所得を増やすようにということを議論してきたわけです。ところが、やっぱり企業が参入して企業の利益は増えても農家の所得は増えないということが繰り返されて、それが問題になってきたわけですよ。さらに、現在進行している事態というのは、地方創生どころか、これ、地方破壊の事態じゃないかと思うんですね。
 まず、米価暴落の問題です。これは農水委員会で何回もやってきていますけれども、六十キロ一万円に満たない米の概算金が多くの米生産者の希望を奪っている。営農意欲を喪失させています。国がスピード感ある対策を取らないので、少なくない自治体が危機感を持って上乗せ助成をしたり、今取組をやっていると。政府が米の需給調整を放棄している中で来年以降の米価の見通しも立たず、作付けを放棄する農家が続出しかねない事態なわけです。
 もしそうなれば、耕作放棄地の急増や農村集落の更に深刻な危機に直面することになるわけで、地方創生どころか、これは地方破壊になるんじゃないか。これ、石破大臣、いかがですか。
○国務大臣(石破茂君) これ、予算委員会あるいは農水委員会等で西川大臣が答弁をしておられるとおりだと思っております。きちんとした米価下落対策というものを講じるということによって、そういうような事態が生じないようにしていかなければなりません。
 と同時に、やはり打撃を受けるのが大規模な方であり、専業でやっておられる方々に多くの不利益が集中するということを防ぐということでなければ、安定した収入、安定した雇用というものは実現をしないのではないかと個人的には考えております。
○紙智子君 米価対策について言いますと、農水大臣とは何回もやっていますからあえてここで聞きませんけれども、やっぱり豊かな希望が持てる、スピード感のある対策が必要なわけですよ。悠長な対策やっていたんじゃ、これは離農に歯止めが掛からないと。
 アメリカやEUでは、手厚い価格保障、所得補償が行われているわけです。アメリカは、米や麦などの主要作物の生産費を確保する価格保障、所得補償があります。価格暴落時には三段階で補償するようになっています。一つは、生産が続けられる最低水準の融資価格までの支払。二つ目は、面積当たりの一定額の固定支払。三つ目は、それでも生産費の水準の目標価格に達しないときはその差額分の不足払いと。それから、EUも買い支えをやっています。EUも共通農業政策として農業が続けられる最低保証をしているわけですね。穀物や牛肉、乳製品ごとに最低価格、支持価格を決めて、それを市場価格が下回った場合にEU加盟諸国の機関が買い支えて価格を安定させていると。
 下支えもなくしてしまって、価格が下がっても何もしないというのは日本ぐらいなんですね。何よりも、食料問題でいえば、輸入に依存する食料政策を変えなきゃいけないと。日本の食料自給率を引き上げるということが農村地域の振興にも求められているということを強く申し上げておきたいと思います。
 その上で、今政府が進めている日豪EPA、TPPなんですけれども、日本の農業、農村を更に窮地に追い込む貿易自由化戦略だと思うんですね。日豪EPAでは、来年の四月一日から、豪州産の冷凍牛肉が一〇%、豪州産の冷蔵肉が七%、それぞれ関税率が下がるわけですね。それだけこれまでよりも安く日本に輸入されるわけです。日本の畜産、酪農にも深刻な打撃を与えると。
 北海道では、多くの酪農家が将来の経営見通しを持てなくなって、中堅の酪農家を中心に離農が続出しています。そのために、生乳生産が減少を続けていて、既に市場でのバターが不足するという事態にまでなっているわけです。北海道や宮崎県や鹿児島県といった畜産、酪農を基盤としている地域にとっては大変な事態で、これは地方創生どころではないと。
 こんなことを進めていてどうして地方創生になるのかと。これはもう国民に対する、言っていることが逆ですから欺瞞じゃないかと思いますけれども、石破大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) 経済連携の推進に当たりましては、地方の産業の存立及び健全な発展を含め、守るべきものは守り、攻めるべきものは攻めるということにより、国益にかなう最善の道を追求していくという考えでございます。
 それは、農水省におきまして、このTPPあるいはEPA、締結した場合に、どの産業にどのような影響が出るのかということは相当、相当というか、極力子細に検討しておるものでございます。ですから、こういう交渉を行うことによりまして、そういうような影響が最小限にとどまるように、あるいはその影響を最小限にとどめるための施策というものは何であるかということを相当詳細に、子細に検討いたしておりますので、御懸念には及びません。
○紙智子君 御懸念には及びませんとおっしゃいますけれども、今頃検討するなんというのは遅過ぎますよ。大体、本当にこれで大丈夫なのかということをこれから検討するというのは甚だ無責任ではないかというふうに思うわけですね。それで、実際には、いろいろセーフガードやるだとか何とかってあるけれども、これでもって価格の下落は止められないわけですよ。そういうことも含めて、これに対しては本当に甚だ遺憾に思っているわけです。
 さらに、TPPは更に深刻で、これ、言うまでもなく多国籍企業のための貿易ルールづくりですよ。そして、関税撤廃が原則と。政府はこの間、例外が認められるからということで日米の交渉を続けてきましたけれども、つい最近も米国側からは米のアクセス拡大を求められていますよね。米ももっと下げろという話になってきていると思うんです。米国政府側の要求は非常に強いと。しかも、米国の中間選挙の結果、米国議会は上院、下院共に共和党が多数を占めることになりました。共和党は民主党以上に自由貿易を目指しているわけですから、今まで以上に全ての農産物の関税撤廃を日本に求めるように米国政府に圧力を掛けていくということは必至だと思います。
 ですから、このままTPP交渉を続ければ、農業の展望の持てない、農業者の離農の拡大というのは避けられなくなってしまうと。それは、幾ら政府が地方創生だと言っても、地方衰退の進行を続けることになるんじゃないかと思うんですけれども、いかがですか。
○国務大臣(石破茂君) 私の答弁の仕方が悪かったのかもしれませんが、これから検討するなんぞと悠長なことを言っているわけではございません。
 これは、西川大臣が自由民主党のTPPの委員長であり、私が党の幹事長でありましたときも、本当に密接に連絡を取りながら、どの方々にどれぐらいの影響が出るかということを子細に分析をし、そしてまた、そのことをよく認識をしながら交渉を行うものであって、締結をしてから、協定が結ばれてからそれから考えるなんぞという無責任なことを私どもやったことは一度もございません。
 今の御指摘の点につきましては、そういうものが地方の創生というものを阻害するのではないかというお話でございました。それを阻害しないようにどうするかということを考えていかねばならないのであって、もちろん例外なき関税撤廃なぞはいたしません。しかし、それで守ったからといって、それじゃ、地方が良くなるかといえば、必ずしもそれはそうではない。いかにして付加価値を上げ、いかにしてコストを下げるか、そしてまた、いかにしてそのコミュニティーを守っていくかということを全て実現するのが地方創生でございます。
○紙智子君 誰が見ても、今、日本が有利な状況で交渉しているというふうには思わないわけですよ。仮に自動車産業に有利であっても、地方を支えてきた一次産業が大きな打撃を受けて地域経済がますます厳しい状況にならざるを得ないんじゃないかと。幾ら国が大丈夫だ、大丈夫だと言っても、それはもう不信感でいっぱいなわけですよ。ですから、やっぱりこのTPPについてはもうやめるべきだということを改めて申し上げておきたいと思います。
 さて、地方創生の議論の背景に、日本創成会議ですか、増田元総務大臣らが五月に提起をした市町村消滅論というのがあります。我が国の人口予測で八百九十六市町村が二〇四〇年に消滅する可能性があるという議論が非常に衝撃を与えたと。で、議論されてきたわけです。
 その中で、どうすれば地域が存続していけるのか、真剣に考えて自ら努力をして切り開いてきている例もあると。御承知だと思いますけれども、私、今年の五月に農水委員会で島根県に実は視察に行きました。そのときに、中山間地域でも本当にいろいろな努力をされているということを見てきたわけです。
 島根県の中山間地域の研究センターの調査では、二〇〇八年から二〇一三年の五年間で県内の中山間地域の三分の一を超す七十三地域で四歳以下の子供が増えていると。子供が増加した地域というのは山間部や離島が大半で、役所や大型店がある中心部からは離れたところで子供が増えているというのが出ているんですよね。中心部から離れたところで増えているということ、石破大臣、御存じでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) 承知をいたしております。
○紙智子君 これ、島根県は随分早くから疲弊ということが問題になっていて、早い時期から住民と自治体とが子育て、住宅、雇用などで定住促進対策に取り組んできたということがあると思うんですね。
 それで、私は、やっぱりそういうところにちゃんとした支援というのが必要だと。もちろん独自で努力しているわけですけれども、やっぱり命に関わる問題とか、子供、子育てに関わる問題というのはお金が掛かりますから、人口が減っているところでそれを支えるということは、国からの支援というのは絶対必要だというふうに思うわけですよ。
 邑南町の話も先ほど出ていましたけれども、地産地消条例を制定をしたと。町内三か所の農産物直売所をつくって、農業関連法人など、小さいながらも元気な農業を支えていると。集落と地域農業の存続のための集落営農法人がIターン、Uターンの人たちの受皿になっているということですね。町では日本一の子育て村を目標に掲げて、第二子以降の保育料無料化、さらに、中学校卒業までの医療費無料で子育て支援に力を入れてきたと。それから、奨学金の制度、新規就農支援、定住支援コーディネーターの配置などを実施してきたと。
 こういう取組に国が支援すべきではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) 邑南町の取組に学ぶべき点は私どももきちんと学ばねばならないと思います。B級グルメばやりですが、いや、そうではないと、A級のものでなければ人は来ないのだということは立派な哲学だと思っております。邑南町というのはかなり交通不便なところでありますが、交通不便でも人は来るのだということ、交通不便なところでも出生率は極めて高いのだ。
 また、ここで極めて注目すべきは、金がなくなっちゃったらばもう支援ができないと、そんな無責任なことはできないのだということで、基金の造成もしておろうかと思います。ですから、国ももちろんそういうものに対する支援、お子さんがもっと生まれるような支援の方策というのは、厚生労働省あるいは有村大臣とも協力をしながらやっていかねばならないことです。しかし、金の切れ目が縁の切れ目ということにならないようにというこの邑南町の取組というのは、私は大変に感銘を受けておるところでございます。
○紙智子君 邑南町については、日本創成会議が邑南町の未来について、二〇四〇年には二十歳から三十九歳の女性人口が約六割減少して消滅に向かうというように予測していたわけですよ。ところが、これが見事に外れて、この層の人口は二〇一〇年の八百一人から一四年には八百十四人に増えたと。だから、やっぱりそういう努力によってそこを克服することができるということを示しているし、その点ではやっぱり必要なところで国のお金は入れなきゃならないだろうというふうに思うんです。
 それで、政府は、中山間地域や離島の小さな自治体は消滅するというようなことに立って、それで地方に人口二十万規模の地方中核拠点都市をつくって財政と施策を集中させて、東京に行かなくてもいいように仕事の場をつくるんだというようなことを言われているんだけれども、しかし、これは気を付けなきゃいけないと思うのは、そうなると、農村部に今まで回すべきお金を、そこを引き揚げてその中核都市に集中するということになったら、それこそ活性化どころか疲弊を生むということになると思いますので、そうは絶対にさせないでしょうねということを最後にちょっと担保を取っておきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) それはやはり農地であれ海であれ森林であれ、森林だって日本の面積の六七%を占めておるわけでございます。やはり日本の一番の礎というのは農村であり漁村であり山村であると。そういうものが崩壊し衰退しないようにするのは、与野党とか関係なく日本の国の政治家の務めだということだと思っております。
 委員の御指摘、よく承りました。
○紙智子君 地方創生といいながら地方崩壊にならないようにということを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
○江口克彦君 次世代の党の江口克彦でございます。
 石破大臣、長い間、本当に今日は御苦労さまでございます。皆さんもお疲れだと思いますけれども、いずれにしても、私は最後ですから聞いていただきたいと思うんですけれども。
 私は、この地方創生という、創生という字は非常にいい字を選ばれたなというふうに思うんですね。それは、創の字というのは、左の倉の字は音を表している、音ですね。右の二本の線は刀、刃物を表しているんですね。要するに、刃物で切り裂くという意味が創なんですね。だから、言ってみれば、今までと違ったものをやっぱり出していくという、それが創生ということ。生というのは草木が生まれるという。別に漢字の説明をしているわけじゃないんですけど。
 私は政治家になる前に、御承知のように、大臣、私、女満別から石垣島まで、年間大体百回から百七十回ずつずっと毎年講演して回ったんですけれども、だけど、地方は大変なんですよ、その頃から。それはもう先生のところの鳥取でも島根でもそうですし、それから特に沖縄、北海道もそうですけど、そういうところで皆さんが、もう既に十年前から地方の人たちが泣いているということですよね。
 そういうことからすると、これは何としても地方創生というものを実現していかなければいけない、今回こそ実現していかなければいけないと。私はこうやって質疑している時間も惜しいんじゃないかと。この時間も、もう大臣、地方に行かれて地方に話をされた方が、我々が拘束するのは、逆に私からすると、その地方の私に向かって泣いた人たちの顔が浮かんできますから、実にもったいないなという気がしてならないということなんですね。
 この地方創生ということは、言ってみればイノベーション地方ということですよ。ということになるわけで、ところが、イノベーションということについて余り皆さん方よく理解していない。シュンペーターが初めて経済学で使ったということになっているわけですけれども。
 だけれども、その創生あるいはまたイノベーションというのはどういうことかというと、要するにプロペラ機を幾ら改良しても、これはエンジンを改良しても翼の形を変えても、それからプロペラをいかに改良しても、全体の形をどう変えたって音速より速くならないんですよ。それで、音速よりも速くならないのでジェット機という考え方が生まれてくるわけですね、ジェット機という考え方。ですから、プロペラ機からジェット機に変えるというのは異次元なんですよ。
 ソニーの失敗というのがありますけど、大体ソニーというのは、ウォークマン、これは御承知のように世界を席巻したわけですよね。ところが、ウォークマンの改良に終始したわけですよ。そこに、スティーブ・ジョブズが異次元のアイフォンというものを、アイパッドというものを出してきたわけですよね。だから、本来ならばソニーが考えなければならなかった、日本が考えなければならなかった。要するに、通常の改良、改善ばっかりで、発想を変えてプロペラ機からジェット機だとか、あるいはまたウォークマンからアイフォンとかアイパッドとか、そういう切替えというものが、これがイノベーションだということです。
 地方創生ということも実はそういう異次元で考えていかなければ、従来の、地方をどうこうするとか、現状をいじって、ここをこう改善したらいいとか、あるいはまたこれをこういうふうにしたらいいとか、それはそれで大事だというふうに私は思うんでありますけれども、こういうふうなことをやっている限り、少しも進歩発展というか地方の活性化はできないというふうに思うんですね。
 地方再生、地方創生のためにはやっぱり中央集権というものをこれを改めないと、これ全部ストロー効果で東京に集めて。なぜ東京に人が集まるかと、もう言ってみれば、空港を造れば造るほど、それで新幹線を走らせれば走らせるほど東京に集まってしまうということは、これは中央集権ですよ。もうほとんど大企業の、上場企業の恐らく六割から七割はもう東京なんですね。地方にありますと、小松にありますと、あるいはまた吉田ファスナーはどこそこにありますと一昨日も答えておられましたけど、あれはごく一部なんですね。だから、そういうふうなことからすると、やっぱり中央集権というものを改めないと私は駄目だと思うんですね。
 それともう一つは、質問は最後にさせていただきますので。シンガポールですけど、シンガポールは五百五十万人ですよ、人口。私が行った二十年、三十年ほど前は三百五十万人でした。あそこは劇的ですよね。一九六五年でしたかね、たしか一九六五年だったと思いますけど、マレーシアからあれは追い出されるように切り離されるわけですよ。言ってみれば、三百万の人口でリー・クアンユーはもう途方に暮れるわけですね。有名なエピソードがあって、テレビでリー・クアンユーが涙を流してシンガポーリアンに訴えるんですよね。何とかこの国を自分たちで盛り上げていこう。リー・クアンユーのその熱意と、それに応えた国民というものが、それが今日のシンガポールというものをつくり上げているわけですね。
 今、一人当たりのGDPは世界第三位ですよ。日本は二十三位になっているんですよ。おかしいじゃないですかね。だから、やり方によっては、シンガポールというのはやり方によってはどんどんどんどん発展していっているということで、あそこは最初、公園国家から出発してコンベンション国家になって今はカジノ国家にという、国家自体が言ってみれば東京ディズニーランドのように次から次へと出し物を変えながらね。これから、シンガポール、リー・シェンロンはカジノが一区切り付いたら何かやろうかって考えているんじゃないかというふうに思うんですけど。
 私が申し上げたいのは、ここでいろいろ石破大臣の政策の問題点を指摘し合うということは、これはこれでまた意義があると思います。大臣もそれを期待されてお答えになっておられると思いますけれども、やっぱり我々国会議員も、こういう考え方がありますよと、こういう案で地方を活性化したらどうですかというようなことをやっぱり言う場があってもいいんじゃないか。質問は、私、提出していますけど、もうほとんど皆さん方が質問されてしまいましたので、それでお話ししているんですけどね。
 例えば、沖縄なんかですけど、さっき鉄軌道というお話をされましたけど、鉄軌道なんというのは今時代遅れですよ。沖縄で鉄軌道をやるというんだったら、それだったら那覇から辺戸岬までリニアモーターカーをもう一気に敷くということをやったらいい。それはどうしてかといったら、移動時間が十五分間で済んじゃうわけですよね。それだけじゃなくて、リニアモーターカーが観光資源にもなるというようなことで、そうすると活性化につながるということ。鉄軌道ということですけど、それは、御承知だと思いますけど、LRTというのがありますよね。そういうようなもので、那覇市とか名護市とか、そういうところはそういうLRTでやったらいいんで。だけど、やっぱり背骨、それによって沖縄の北部が、今期待の北部が開発されるということも出てくるだろうというふうに思います、北部にリゾートとか。
 それから、九州なんかは今、ななつ星ですよ。あれ、私、三年後に予約をしたんですけど、駄目なんですね。大臣も駄目ですよ、そういう立場ではね。純粋なくじ引でやっているらしいんですね。ですから、大臣も多分くじには当たらないというふうに思うんですけど。
 九州なんかは、そこで大臣にお願いしたいのは、BNCT、BNCTというのは御存じだと思います。要するに、ホウ素中性子がん治療装置というのがあるんですね。これは、重粒子線のがん治療装置が三百億掛かる、これを三十億で、しかも、世界の競争から群を抜いてこれは実現化されるということになっているわけですよ。再来年ほぼ実用化されるという。これを九州に、ななつ星で走らせる、一周させると同時に、そういうメディカルツアーというものを考えたら九州もできる。
 それからもう一つ、四国でいえば、八十八か所がもったいないんですよね。あれは、フランスからスペインまで聖サンチャゴ・ルートというのは九百キロあるんですね。八十八か所は千四百キロですよ。千四百キロですけど、じゃ、その八十八か所が整備されているかというと、全く整備されていない。国道の横っちょをお遍路さんが歩いていくというような状態ですよね。そういうようなことですから、それを整備するということで。サンチャゴには年間百万人行っているわけですね。八十八か所には十万人ぐらいしか行っていないわけですよ。私は八十八か所というのは世界に誇る仏教ルートだというふうに思うんですけど。
 そういうようなこととか、中国はどうするかといったら、中国、どうして広島に国連の平和研究センターというのは持ち込まないのか、持ち込むようにしたらいいんじゃないか。
 関西なんかは、これは全部一例で挙げていますけど、関西なんかは、伊勢から出発して宇治、それから京都、そして大山崎、それから大阪、兵庫と、これは歩くだけで歴史街道、歴史街道というか、歩くだけで歴史を体感できるということになるわけですね。東北なんかは農産物の世界一の品種改良センターをつくったらいい。それから、北海道なんかは、二時間サマータイムやるだけで、証券取引所が世界一最初に、一日の最初に、一番最初に開くということになるわけですよ。
 こういうようなことで、いろいろと今申し上げましたけれども、問題は、こういうことができるかどうかということになってくると、実は官僚の壁が物すごく大きいんですよ。岩盤規制を打破するというのはそのことだと思うんです。岩盤というのは私は官僚のことだと思っているんですよ。
 実は、先ほどもある自民党の幹部の人の話を聞いていたんですけど、北海道で、道州制特区ですよね、あそこは。だから、免税を、そういうエリアをつくろうというふうに北海道の方が提案するというようなことで、それを受けて自民党の我々も動いた、けれども、財務省を始め、かたくなにというか絶対に受けないと、これでもう往生するんだと。だけど、私は、自民党の大物の先生が、これは官僚と対抗できないというか、そう言われたからって、財務省の方から言われたからって引き下がるということもなかったと思うんですけれども。どうしてもやっぱり私は官僚の壁を石破大臣に破っていただかなければならないのではないだろうかというふうに思うんですけれども。そこで質問に入りますね。ようやく質問です、皆さんの御期待に沿いまして。
 それで、大臣はその官僚の壁を、これ地方創生で様々な今いろいろと先生方が質問されましたけど、全部官僚に潰されると思うんですよ、完全に。私がいろいろ今物すごくいい提案をしましたよね、自分で言っていてもしようがないんですけど、物すごくいい提案をしたわけですよ。石井先生、お分かりになると思いますね。だけど、この官僚の壁をどうやって、破る自信があるのかどうか、大臣、ちょっとしっかりと自信のあるところをお示しいただけませんか。
○国務大臣(石破茂君) ありがとうございます。
 官僚の言うとおりにやっていれば大臣というのはある程度カンファタブルに過ごせるところがありまして。それはそうなんです。私も防衛省あるいは農林水産省で大臣やりましたが、これはおかしい、これは改めよと言うと、そうではありません、なぜならばという理屈をトラック三台分ぐらい持ってきて、こっちは一人で向こうは二十人ぐらいやってきて、それはもう物量あるいは精神的にいろんな圧力が加わって、そしてまた、これはおかしいと言い続けると、文芸春秋の霞が関コンフィデンシャルに石破大臣は役所の中で評判が悪いと書かれ、それはもうなかなか孤立無援ぽい感じになるわけであります。
 それはもう私の人徳のなさであり知識のなさのなせる業で反省をしなければいかぬところですが、やはりそれは、そういう、これはおかしいではないかということを大臣がどれだけ本当に捨て身でやるかであって、官僚に好かれてカンファタブルな大臣生活を送ろうなんぞということを考えてはいかぬのだと思っております。
 そこは本当に自分が知識をきちんと持ち、信念を持ち、そしてどんなにつらかろうがそれをやり抜くんだということでなければいけませんで、その点、私も防衛省にいるときはオタクだのマニアだのさんざん言われましたが、やはりそれは官僚に負けないだけの知識というものを持たねば、それはもう幾らでも足下を見られるんだと思います。脅かせばすぐにへこたれると言われれば脅かしもまたきつくなるわけでありまして、それは知識と信念というものを持つのがすべからく官僚というものに勝っていくための必要なことではないか。
 ただ、官僚も、私自身官僚のせがれですが、みんなが極悪非道の大悪人かといえば、そんなことはないのでありまして、官僚出身の方々も大勢いらっしゃるわけでありますが、一人一人はすごく国家のためを思い、そしてまた見識のある、そういう人たちと思います。防衛省でもそうでした、農水省でもそうでした。今いるところもそうです。一人一人は本当に能力も高い、志も高い、そういう人たちが、いざ官庁機構ということになれば何でこんなに変質するのか、私にはよく分かりません。そこはやはり私どもが胸襟を開いて、国家のために一緒に何をやろうかということを、やはり、きれい事を言うようですが、共に国家のためにやろうという意識を持つことなんだと思っております。
 先生おっしゃいますように、今回の岩盤というのは実は官僚組織ではないか。そのいろんな岩盤規制があるのは、それによって利益を得る人たちがいるからです。それはもう役人が岩盤というよりも、それによって利益を得る人たちが官僚機構と一緒になっていろんなことをやってきているわけで、そこをどうやって壊していくかというのはまさしく私どもの真価が問われると思います。
 ざれごとを申し上げるようですが、岩盤を打ち破るために石破というのはいい名前だねと言われたことがありまして、なるほどそんなものかと思っているところでございます。
○江口克彦君 ありがとうございました。
 今、孤立無援になるというようなことでちょっと自嘲ぎみに言われましたけれども、我々野党が応援しますから、石破大臣をですね。
 問題は、さっきちょっと言われましたけれども、官僚に負ける大臣が多過ぎるんですよ、今。官僚に負ける大臣が多いから、いろんな様々な問題がこれから生じてくる。もう言っても言っても、野党が言っても要望を出しても、それはいいというふうに石破大臣が考えられても、官僚のところでぽんとはねられる。あるいはまた、まあ石破大臣はそれを突き抜けられるかもしれません、石破ですといって言われたからですけど。ほかの大臣はちょっと私の見る限り無理だと思うんですけれども、いかがですか。
○国務大臣(石破茂君) それは、ほかの大臣は私よりもはるかに見識もあるし、信念もある方だと思っておりまして、それはもう総理がそういうような見識でお選びになったものだと思っております。
 そこは、やはりそれだけこちらも勉強していかなきゃいかぬわけで、官僚というのは武器は予算と法律ですから、その省が持っておる法律、例えて言えば、防衛省であれば自衛隊法であり防衛省設置法でございます。防衛二法と言われるものでございます。農協改革を語ろうとしたときに、農業協同組合法を一度も読んだことなくて農協改革なんぞが語れるはずはございません。やはり、法律の基本的なものはきちんと、大臣という者、副大臣、政務官は知っていなければいけないものだというふうに思っております。
 ほかの大臣もみんな見識の高い人たちでありますが、やはり官僚たちに対して私が申し上げておりますのは、できません、なぜならばということを言ってはいかぬということです。できません、なぜならばということを聞くために国民はいるわけではない。また、先ほど規制緩和のお話が答弁がございましたが、小泉政務官から、できません、なぜならばということを聞くために地方の人たちはいるわけではないのであって、できるためにはどうするかということを考えるのだということです。これは参議院の本会議の答弁でも申し上げました。
 そして、先ほど、時間がないんだという御指摘を寺田委員からいただきました。それは、もう戦力の逐次投入というのが一番駄目で、やっぱり総力戦で臨まないと今回の危機は突破できないのだと思っております。ですから、できません、なぜならばということを決して口にはしない。そして、本当にありとあらゆる政策というものを動員して総力戦でやっているかということでございます。
 ですから、地方創生ということにつきまして、私はイデオロギーの問題だとは思っておりませんで、与党、野党、本当に共になって戦わなければ、それは今までの大きな岩盤というものを乗り越え、打ち砕くことはできないというのは先生御指摘のとおりでございます。
○江口克彦君 全く大臣のおっしゃるとおりで、集団的自衛権とか憲法の問題は、これは与野党で対立してわあわあやったっていいと思いますよ。しかし、地方という、あるいはまた日本全体ということを、三十八万平方キロの日本の国土全体を発展、繁栄させるということのためには、やっぱり与野党一致して協力して対応していくということが私は必要だと思うんです。
 先ほど、少し平成の大合併がうまくいかなかったというようなことで市町村のそれぞれの首長さんたちが反対するというような、そんなお話もあったけど、これはなぜうまくいかなかったのかといったら、ある程度だましだったんですね、もう大臣御存じだと思いますけれども。
 言ってみれば、権限を与えて財源は与えていないんですよ。それで、権限だけ膨らませておいて、だから、損しているわけですよ、平成の大合併、特例債なんというようなニンジンぶら下げられてね。で、つい合併してみた、だけど、財源が何にもないじゃないか、どうするんだというので、今、あれですよ、平成の大合併やった市町村たちは、これはもう合併したら損だという、合併イコール損という、こういう等式が出てきてしまっているということなんですね。
 そういうことをちょっと一言申し上げて、是非、財源、そういう意味で、今度の場合も、あれをやってください、これをやってください、こうしてください、ああしてくださいじゃなくて、財源をもう渡してしまう、権限と財源を渡すということが必要だということですね。
 それから、あと二分しかないんですけど、シンガポールの、さっきのリー・クアンユーの話ですけど、あれはリー・クアンユーとそれから国民のやる気なんですよ。さっき大臣も言っておられましたけど、要するにそったく同機なんですね。要するに、内側からと外側からがつついてひなが生まれるように、要するに指導者とというか、為政者と国民の一致がなければいけない。
 そういう意味では、地方の人たちの主体性ですよ主体性ですよというふうに言って、それを大臣繰り返しておられますね。私はそのとおりだと思う。地域の人が主体ですよということを言っておられますけれども、しかし、やっぱり具体的にもっと、ケネディの言葉じゃないですけど、国家が国民に何をしてくれるのではなく、国民が国家に何ができるかを考え実行することの方が重要であると。まあこんなものは言わなくても。だから、こういうことをやります、政府としてこういうことをやります、大臣としてこういうことをやります、しかし、具体的に地域の人たちに私は何を求めますということをはっきりと言わないといけないんですよ。こんなところで国会議員相手に言っている限りにおいては、やっぱり直接地方の人たちの自主独立の気概というのは生まれてこない。是非、大臣、地域の人たちに何を求めるか、それをお答えいただきたい。
○委員長(関口昌一君) 時間ですので、簡潔に御答弁願います。
○国務大臣(石破茂君) ありがとうございます。
 私はこの夏、シンガポールへ参りまして、リー・シェンロン首相やあるいはテオ・チーヒン副首相、随分長い時間議論もいたしてまいりました。やはり、あの国はもちろん都市国家でございますので、国会議員がイコール県会議員、市会議員みたいなものでございますが、国民と政治との間がすごく近いんだという感じを持っております。それがそれぞれの、我々の国でも地域に行けば政治家と有権者は近いわけであって、そこは目いっぱいお世辞を言っていると結局は駄目になっちゃうところがあって。
 委員御指摘のように、私はケネディ大統領が全て神様のように立派な人だったかどうか分かりませんが、我がアメリカ市民諸君、国が諸君のために何をしてくれるかを問いたもうな、諸君自身が国のために何ができるかを問いたまえというのが今でも感動を持って伝わるのは、そのことをきちんと言ったからだと思っております。
 私どもは、有権者に対してそれを言うと同時に、それによってこの地域をどうするのかということをきちんとお示しをしなければ、それは何となくヒロイックな心情だけで終わってしまいますので、やっぱり政治と有権者、国民が近いこと、そして本当に真実を語ること、それが地方創生の実現のために必要なことだと思っておるところでございます。
 御指摘ありがとうございました。
○江口克彦君 どうもありがとうございました。心から期待を申し上げておりますので、頑張ってください。
 どうもありがとうございました。
○委員長(関口昌一君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。
    ─────────────
○委員長(関口昌一君) 委員派遣承認要求に関する件についてお諮りいたします。
 まち・ひと・しごと創生法案及び地域再生法の一部を改正する法律案につき、現地において意見を聴取するため、群馬県に委員派遣を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(関口昌一君) 御異議ないと認めます。
 つきましては、派遣委員、派遣期間等の決定は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(関口昌一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時九分散会