第189回国会 本会議 第16号
平成二十七年五月十三日(水曜日)
   午前十時一分開議
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○議事日程 第十六号
  平成二十七年五月十三日
   午前十時開議
 第一 緑の気候基金への拠出及びこれに伴う措
  置に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第二 株式会社日本政策投資銀行法の一部を改
  正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第三 文部科学省設置法の一部を改正する法律
  案(内閣提出、衆議院送付)
 第四 水防法等の一部を改正する法律案(内閣
  提出、衆議院送付)
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○本日の会議に付した案件
 一、持続可能な医療保険制度を構築するための
  国民健康保険法等の一部を改正する法律案(
  趣旨説明)
 以下 議事日程のとおり
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○議長(山崎正昭君) これより会議を開きます。
 この際、日程に追加して、
 持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(山崎正昭君) 御異議ないと認めます。厚生労働大臣塩崎恭久君。
   〔国務大臣塩崎恭久君登壇、拍手〕
○国務大臣(塩崎恭久君) ただいま議題となりました持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。
 我が国は、誰もが安心して医療を受けることができる世界に誇るべき国民皆保険を実現し、世界最長の平均寿命や高い保健医療水準を達成してきました。しかしながら、急速な少子高齢化など大きな環境変化に直面している中、将来にわたり医療保険制度を持続可能なものとし、国民皆保険を堅持していくためには、たゆまぬ制度改革が必要であります。
 これを踏まえ、持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律に基づく措置として、持続可能な医療保険制度を構築するため、国民健康保険の財政支援の拡充や財政運営責任の都道府県への移行等による医療保険制度の財政基盤の安定化、被用者保険者に係る後期高齢者支援金の全面総報酬割の導入、医療費適正化の推進を行うほか、患者申出療養の創設の措置を講ずることとし、この法律案を提出いたしました。
 以下、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明いたします。
 第一に、国民皆保険を支える重要な基盤であります国民健康保険制度の安定的な運営が可能となるよう、国民健康保険への財政支援の拡充を行うことにより、財政基盤を強化することとしております。また、都道府県が、市町村とともに国民健康保険の運営を担い、国民健康保険の財政運営の責任主体として、安定的な財政運営や効率的な事業の確保などの事業運営において中心的な役割を担うことにより、国民健康保険制度の安定化を図ることとしております。
 第二に、後期高齢者支援金について、より負担能力に応じた負担とし、被用者保険者相互の支え合いを強化するため、被用者保険者の後期高齢者支援金の額の全てを標準報酬総額に応じた負担とするとともに、高齢者医療への拠出金負担の重い保険者の負担を軽減する措置を拡充することとしております。
 第三に、医療費適正化の取組を実効的に推進するため、医療費適正化計画において、医療に要する費用についての目標を定めるとともに、毎年度の進捗状況を公表し、目標と実績に差がある場合には、その要因を分析し、必要な対策を講ずることとしております。
 第四に、困難な病気と闘う患者からの申出を起点として、安全性及び有効性を確認しつつ、高度な医療技術を用いた医療を迅速に保険診療と併用して行うことができるよう、新たな保険外併用療養費制度として患者申出療養を創設することとしております。
 以上のほか、全国健康保険協会に対する国庫補助率の安定化、入院時食事療養費の見直し等を行うこととしております。
 最後に、この法律案の施行期日は、一部の規定を除き、平成三十年四月一日としております。
 以上がこの法律案の趣旨でございますが、平成二十七年四月一日から施行することとしておりました改正規定につきましては、衆議院において、公布の日から施行することとする修正がなされております。(拍手)
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○議長(山崎正昭君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。福岡資麿君。
   〔福岡資麿君登壇、拍手〕
○福岡資麿君 自由民主党の福岡資麿です。
 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となりました国民健康保険法等の一部を改正する法律案につきまして、総理並びに厚生労働大臣に伺います。
 我が国の医療保険制度は、大正十一年の健康保険法に始まり、昭和三十六年には全ての国民が公的な医療保険に加入する国民皆保険が実現しました。以来、今日まで五十年以上にわたり、誰でも、どこでも、いつでも保険を使って必要な医療を受けられるという、世界に誇る制度が維持されています。
 本法案では、この国民皆保険を守るため、多岐にわたる改革が予定されていますが、まずは大きな柱である国保の改革について伺います。
 国民皆保険を支える最後のとりでである国保への財政支援については、毎年約千七百億円、平成二十九年度以降は毎年三千四百億円の拡充が予定されています。これまでにない大規模な財政支援ですが、地方自治体の一般会計繰入れの肩代わりに終わったり、国保の財政規律が緩んだりすることがないよう、効果的、効率的な支援とすることが必要と考えます。総理の御見解をお聞かせください。
 本法案には、平成三十年度から都道府県が国保の財政運営の責任主体となることも盛り込まれています。六十年を超える国保の歴史の中で画期的な見直しですが、財政支援の拡充に比べて、都道府県が参加することのメリットは十分理解されていないように思います。例えば、都道府県が関与することによって山間部の小さな町や村の国保がどう良くなるのか、総理より分かりやすい説明をお聞かせください。また、都道府県、市町村がそれぞれの役割を十分果たせるよう、国としてどのように支援をしていくつもりでしょうか、併せてお聞かせください。
 次に、今回の改革が健保組合などの被用者保険者に与える影響について伺います。
 後期高齢者医療への各保険者の支援金は、平成二十九年度から全て総報酬割となります。各保険者の負担能力に応じて負担するというのは、被用者保険者の支え合いを強化し、国民皆保険を守る観点からやむを得ないものと考えます。
 しかしながら、高齢化の進展により、高齢者医療への拠出が増える中で、被用者保険者の負担軽減を求める意見もあります。今回の改革において、被用者保険者にどのような負担軽減措置を講ずることとしているのか、厚生労働大臣より具体的にお答えください。また、こうした負担軽減策が、その時々の財政事情はあるとしても、今後とも十分確保されることが大切と考えますが、併せて御見解を伺います。
 高齢化によって医療費が増える中でも、現役世代の負担をできるだけ増やさないよう医療費の適正化を進めることは大切なことです。その際には、一律に医療費総額にキャップを掛けるようなやり方ではなく、予防や健康づくりに取り組むための支援を行い、それにより医療費の伸びを抑えていくことが重要だと考えます。
 しかし、特定健診、保健指導、糖尿病の重症化予防などの取組方には保険者によって差があるのが実態です。また、せっかく保険者が取組を行っても、加入者が積極的に参加しなければ効果は出ません。さらに、各地域のニーズに合わせた医療提供体制の改革や後発医薬品の使用促進なども必要です。
 都道府県、保険者、個人などが、それぞれの立場で予防、健康づくりや医療費適正化に積極的に取り組むよう、どのような対策を講ずるお考えか、厚生労働大臣に伺います。
 最後に、患者申出療養の創設について伺います。
 これまでの先進医療では六か月程度掛かっていた審査期間を原則六週間に短縮するという画期的な取組ですが、患者団体からは、安全性や有効性がしっかりと審査できるのか、将来的な保険適用につながるのかといった懸念の声が出ています。これらの懸念にどう答えるのか、患者団体の皆様を安心させるためにも、厚生労働大臣の答弁をお願いいたします。
 また、限られた病院だけでなく、地方でも身近な医療機関で実施できるようになることが患者の声に応えることになると思いますが、その点の御説明も併せてお願いいたします。
 国民皆保険制度は世界に誇るべき制度であります。今後も世界に誇るこの制度を持続させ、将来にわたって国民が安心して医療を受け続けることができるよう、政府とともに一層の努力をしていくことをお誓い申し上げ、私の代表質問といたします。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 福岡資麿議員にお答えをいたします。
 国保への財政支援についてお尋ねがありました。
 今回の改革では、国保の厳しい財政状況に鑑み、年約三千四百億円の追加的な財政支援を行うなど、財政基盤を大幅に強化することとしています。
 その際には、赤字を抱える自治体に対し、赤字額に応じた財政支援を行うのではなく、医療費適正化に取り組む自治体や子供の多い自治体等に対し、地域の実情を踏まえ、効果的、効率的な財政支援を行うこととしています。このように、各自治体の財政規律が緩むことのないよう、めり張りのある財政支援を行ってまいります。
 都道府県が国保の財政運営の責任主体となることなどについてのお尋ねがありました。
 今回の改革では、山間部の町村など小規模な保険者が多い国保について、財政運営の責任主体を都道府県とし、高額な医療費等のリスクを都道府県に分散するとともに、医療給付に必要な費用を都道府県が全額市町村に交付することにより、運営の安定化を図ることとしています。また、都道府県が統一的な運営方針を定め、事務の効率化や標準化などを図ることにより、市町村の事務負担の軽減を図ってまいります。
 国においては、都道府県が新たに定める運営方針のガイドラインを示す、医療費適正化等に積極的に取り組む自治体に対し財政支援を行うなど、都道府県、市町村がそれぞれの役割を十分発揮できるよう必要な支援を行ってまいります。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣塩崎恭久君登壇、拍手〕
○国務大臣(塩崎恭久君) 福岡資麿議員から三点お尋ねを頂戴いたしました。
 まず、被用者保険者に対する負担軽減措置についてのお尋ねがございました。
 今回の改革におきましては、平成二十九年度から、約七百億円の追加的な財源により、高齢者医療への拠出金負担の重い被用者保険者の負担軽減を行うこととしております。
 今後とも、被用者保険者の状況等を見ながら、必要な負担軽減が行われるよう財源確保に向けた努力をしてまいります。
 予防、健康づくりや医療費適正化についてのお尋ねがございました。
 医療費適正化につきましては、国はもとより、都道府県、保険者などがそれぞれの立場で主体的に取り組むことが重要でございます。
 このため、今回の改正では、都道府県が地域医療構想などを踏まえ、医療費適正化計画に医療費目標を定めるとともに、国保の保険者努力支援制度を創設するなど、予防、健康づくり等に積極的に取り組む保険者を支援をする、さらに、ヘルスケアポイントの導入など、個人に予防、健康づくりのインセンティブを提供する取組を推進することとしております。
 患者申出療養についてのお尋ねがございました。
 患者申出療養の安全性、有効性につきましては、臨床研究中核病院が質の高い実施計画等を提出することにより、先進医療に比べ短期間で審査できると考えていますが、仮に医学的判断が分かれる等の場合には、必ずしも期間を限定することなく必要な審査を行うこととしております。
 また、保険収載に向けたロードマップの記載を求めるとともに、少なくとも年に一回は実施状況等を国へ報告するよう求め、必要な科学的根拠を集積し、安全性、有効性の確認を経た上で保険収載につなげてまいりたいと考えております。
 患者申出療養の実施に当たっては、患者に身近な医療機関で治療を受けられるようにする予定であり、例えば抗がん剤の適応外使用の場合、全国で四百か所程度のがん診療連携拠点病院等が対象となり得ると考えております。
 以上でございます。(拍手)
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○議長(山崎正昭君) 西村まさみ君。
   〔西村まさみ君登壇、拍手〕
○西村まさみ君 民主党・新緑風会の西村まさみでございます。
 ただいま議題となりました持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案について、会派を代表して質問をいたします。
 医療保険制度は、現在、超高齢社会への突入などに伴う医療費の増加と支え手である現役世代の減少により、厳しい状況に置かれています。だからこそ、医療保険制度を持続可能なものとし、国民皆保険制度を堅持する必要性については、各会派の認識はおよそ一致するところであります。
 しかし、今回の改革は、言わば取れるところから取ってほかに回すという財政調整のやりくりに終始しているように見えてなりません。確かに、医療保険制度には関係する主体が多く、その影響も広く国民に及ぶため、調整に大変な労力を要することは理解をいたしますが、直面する状況や将来の見通しに合致する医療保険の理念を掲げ、国民の皆様の理解を得ながら制度を設計していかなければ、当座はしのげたとしても、やはりやがて不満は高まり、制度の崩壊につながっては本末転倒であります。
 また、後期高齢者医療制度と国保という本質的に自立が難しい保険者の在り方に手を付けないまま、あくまで相対的に所得が高い保険者の負担を増やし続けていくやり方は、関係者の理解が得られず、持続可能な制度ということには到底ならないと思います。
 そこで、伺います。
 政府は、医療保険の保険者に対し、自律的な保険者機能の発揮を促していこうとしているのか、あるいは他律的な拠出金負担を課すことで再分配の側面を強めていこうとしているのか、総理大臣に答弁を求めます。
 また、超高齢化に伴う医療費高騰を回避するためには、予防を重視し、健康寿命の延伸が重要です。今の国民皆保険制度は、疾病保険のため、予防に関しては保険の給付の対象となっておりません。
 しかし、予防の充実により健康な人を増やすことで、結果として医療費の抑制につなげるためには、予防に対する給付等のための新たな仕組みや予算措置等の抜本的な改革が必要であると考えます。このような改革を行わなければ、その場しのぎの改革と言わざるを得ません。総理大臣、財務大臣の見解をお伺いします。
 続いて、法案の内容について順次お尋ねします。
 まず、後期高齢者支援金の全面総報酬割の導入について伺います。
 本法案は、被用者保険の後期高齢者支援金について、総報酬割部分を段階的に引き上げ、全面的に総報酬割にするとしています。それ自体は大変必要な措置ではありますが、問題は、それによって生じた財源の使い道であります。
 安倍政権は、平成三十年度以降、全面総報酬割によって生み出された千七百億円を国保への財政支援に充てる方針です。失業者や非正規雇用で働く人などが加入する国保の財政運営が厳しくならざるを得ないことは理解をいたしますが、国保の効率化が十分とは言えない時点で全面総報酬割で生み出された財源を国保に投入することは、負担が重くなる被用者保険の理解が得られるはずはありません。
 被用者保険の保険者、被保険者の方々に対して、国保の効率化をどのように進めていくのか、納得のいく説明をしていただくよう厚生労働大臣に答弁を求めます。
 次に、協会けんぽに対する国庫補助の見直しについて伺います。
 協会けんぽは、中小零細企業の被用者の方々が多く加入する我が国最大の被用者保険であります。協会けんぽに対しては、その財政基盤の弱さに着目して、以前から国庫補助が行われてまいりました。リーマン・ショック後の急激な経済状況の悪化に対処するために、協会けんぽ自身の保険料率の引上げ努力とともに、国庫補助率を一六・四%に引き上げる暫定措置が続けられてきました。しかし、これは最低限の措置にしかすぎません。
 協会けんぽの保険料を支払っているのは、経営基盤が弱く、アベノミクスの恩恵をほとんど受けられず、円安による原材料費の高騰などによって厳しい経営を余儀なくされている中小零細企業の経営者や労働者です。加入者の実態を考えれば、中小零細企業の社会保険料の負担を何らかの形で更に軽減すべきではないかと考えますが、厚生労働大臣の見解を求めます。
 次に、国保組合に対する国庫補助の見直しについて伺います。
 法案では、各国保組合に対する定率補助について、所得水準に応じて段階を設け、一定の所得水準以上の国保組合の補助率を引き下げることとされています。ただし、国保組合は長い歴史を有し、独自の保険者努力を続けてまいりました。政府は医療保険制度における国保組合の存在をどのように評価しているのか、厚生労働大臣の答弁を求めます。
 また、定率補助の引下げの影響を受けた国保組合が赤字となって解散に至り市町村国保に移ると、公費支出に影響を与えることも想定されます。四月二十一日の厚生労働委員会でもお尋ねをいたしましたが、所得水準の把握を明確にし、財政に与える影響を試算すべきと考えますが、厚生労働大臣の見解を求めます。
 次に、国保には被用者保険では支給される出産手当金等の実績がありません。また、産休、育休中の保険料免除も国保にはありません。しかしながら、当初は自営業や農林水産業者が中心であった国保も、現在では姿を変え、非正規雇用の女性も多く加入しております。国保に加入しているこうした女性について、法改正において全く考慮がされていないと言わざるを得ませんが、女性の活躍推進を掲げる総理大臣に見解を求めます。
 次に、医療費適正化及び予防、健康づくりについて伺います。
 民主党政権でも医療費適正化を推進しましたが、診療報酬引上げとともに行うということが大前提で、二回連続で診療報酬を引き上げ、医療崩壊に歯止めを掛けました。
 一方で、安倍政権が行った平成二十六年度の診療報酬改定は、実質的にマイナス改定でありました。まさか平成二十八年度の診療報酬改定が更なるマイナスとなることはないと考えますが、診療報酬を引き下げて医療費の適正化を進めれば、かつての医療崩壊の再来となり、国民が必要な医療を受けられなくなるおそれがあると考えます。厚生労働大臣の見解を求めます。
 また、来年度、診療報酬改定で実質プラス改定を目指すか、またその決意があるのか、総理大臣及び厚生労働大臣に見解を伺います。
 かつての社会保障費の一律カットが産科、小児科、救急医療等の医師不足を生じさせたり、救急搬送のたらい回しなどを生じさせました。地域医療の崩壊につながったという認識があるのか、また、来年の予算編成において診療報酬のマイナス改定ありきではないということの確認の答弁を財務大臣に求めます。
 本法案では、保険者が行う保健事業に、予防、健康づくりに関する被保険者の自助努力への支援というものが追加されています。
 歯と口腔の健康づくりは全身の健康と密接に関係しており、幾つになっても自分の口で食べたいものが食べられるために、また政府が掲げる健康寿命延伸のためにも、生涯を通じて歯科疾患の予防や健診等様々な取組を行うことが重要であり、こうした取組を進める上で、行政のみならず保険者の積極的な参画が重要と考えます。保険者が行う事業に関して、歯科的な視点も取り入れつつ、一層推進していくべきと考えますが、厚生労働大臣の御認識を伺います。
 次に、患者の負担引上げについて伺います。
 法案では、入院時食事代について、低所得者や指定難病の患者などを除き、食事代を段階的に引き上げることとしています。指定されていない難病等で長期入院が必要な患者さんやその御家族にとっては大変大きな負担であります。
 このような負担の引上げについて、当事者、御家族、関係者の声を聞くことは非常に重要なことだと考えておりますが、当事者の方からのヒアリングを行ったのか、行っていないのか、また、行っていないのならば、今後、具体的に、いつ、どのような団体からヒアリングをするのか、また今後もしないのか、厚生労働大臣に明確な答弁を求めます。
 次に、今回の改正では、紹介状を持たずに大病院を受診した場合の定額負担を義務化するとされています。外来の機能分化を進めるということは大変必要なことではありますが、この定額負担は五千円から一万円という額の目安が示されているにすぎず、法案からはその具体的な姿が全く読み取れません。例えば、身近に大病院しかない地域、離島や無医村等の住民に対しても同様に定額負担を求めるのか、政府として具体的に想定する定額負担の内容について、厚生労働大臣に説明を求めます。
 次に、患者申出療養について伺います。
 現行の保険外併用療養費制度の中に、保険収載に向けた評価療養として先進医療が位置付けられているにもかかわらず、今回、規制改革会議からの提起によって新たに患者申出療養が提案されました。まず、前提として、今回の患者申出療養の制度は混合診療への道を開くものではないと理解してよいのか、総理大臣にお尋ねします。
 また、患者申出療養は保険収載が前提とされていますが、法案のどこで保険収載を担保していることと読み取るのか、厚生労働大臣の見解を求めます。
 次に、現行の先進医療が審査に六か月前後掛かるのに比べ、患者申出療養は、初めての医療で原則六週間、前例のある医療では原則二週間と、極めて短い時間で申請から実施にまで至るのが政府の説明です。このような手続で現行の先進医療と同水準の安全性、有効性が担保できるのか、説得力のある厚生労働大臣の答弁を求めます。
 患者申出療養は、患者からの申出を起点として、日本ではまだ承認されていない医薬品や医療技術を保険適用の療養とともに受けられるようにするものです。
 患者からの申出を起点とすると簡単に言いますが、患者はどうやって海外で使われている医薬品や医療技術の情報を得るのでしょうか。患者や家族に自分で海外の医療機関や製薬会社などのホームページ等や海外の文献等を調べろというのでしょうか。語学の能力や知識を有することなく、ごく限られた人にしか利用できず、知識格差を生み出すのではないでしょうか。
 また、医療法上の臨床研究中核病院は、現在、制度施行直後であり、即座に日本全国津々浦々に整備されるわけではなく、地域間格差が生じる制度と言わざるを得ないこの状況についても、総理大臣にしっかりとした答弁を求めたいと思います。
 国内未承認の抗がん剤などは、一か月の医療費が百万円を超えるものも少なくありません。患者の方々の思いに応えるという政府の言葉はむなしく響くばかりで、結局は裕福な方のための制度で、経済格差を助長するばかりであり、全ての国民が恩恵にあずかることができないのではないかと考えますが、いかがでしょうか。総理大臣の答弁を求めます。
 患者申出療養の実施に伴い、安全面で問題が生じた場合、例えば薬害や副反応等、様々な要因で有害事象等が発生した際の責任の所在について伺います。
 多くは医師の勧めで制度を利用することが想定されますが、それでも患者からの申出を起点としたと認定されるのか。まさか患者に重い責任がのしかかることはないと考えますが、責任の所在についての厚生労働大臣の答弁を求めます。
 本法案の審議に当たり、衆議院では、詳細はこれから検討してまいりますとの答弁が大変目立ちました。国民の安心、安全な暮らしに大きな影響を与える医療保険制度改革について、重要な事項が知らされないまま手続が進められることは望ましくありません。今後の方針を含めた具体的で真摯な答弁を求めたいと思います。
 最後に、国民皆保険制度の下、国民誰もが安心、安全で必要な医療を受けることができるようにするためにも、また、国民の健康寿命の延伸のためにも、医療保険制度の抜本的な改革と疾病予防の取組を何より推進するべきであり、ここ参議院では十分かつ慎重な議論、質疑を求め、私の質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 西村まさみ議員にお答えいたします。
 医療保険の保険者についてのお尋ねがありました。
 医療保険制度においては、各保険者が健康づくりなどに積極的な役割を果たしてきており、このことに十分配慮しながら、高齢化の進展等に応じ、保険者間の支え合いを進めていく必要があると考えています。
 今回の改革においては、医療保険制度全体の持続可能性を高めるため、国保の財政基盤を強化するとともに、後期高齢者医療への支援金について全面総報酬割を導入し、被用者保険者間の負担の公平を図るなど、保険者間の支え合いを強化することとしています。また、保険者による予防、健康づくりの取組を推進するなど、保険者機能が一層発揮されるよう環境の整備を進めてまいります。
 予防対策についてお尋ねがありました。
 急速な少子高齢化の下、できる限り長い健康寿命を確保するため、予防や健康づくりを積極的に進めていくことは重要な課題と認識しています。
 このため、今回の改革では、保険者がレセプトや健診データを活用して、より効果的な予防や健康づくりに取り組むこと、予防、健康づくりに向けた個人の努力について、ヘルスケアポイントなどによりインセンティブを強化することなどを幅広く進めることとしています。
 なお、予防について新たな給付の仕組みを設けることは、医療保険制度の目的に関わる重要な変更となり、慎重に検討すべき課題と考えています。
 国保における出産手当金等についてお尋ねがありました。
 国保制度においては、働く女性を含む低所得者に配慮するための仕組みとして、保険料軽減や収入が著しく減少した方などへの保険料減免などがあります。他方、国保の被保険者に対し、出産手当金の給付、産休、育休中の保険料免除などを行うことについては、財源の確保や被保険者間の公平性などの課題があるものと認識しています。
 なお、非正規雇用の方の被用者保険への加入を促進するため、平成二十八年十月から、短時間労働者への被用者保険の適用を拡大することとしています。
 診療報酬改定についてお尋ねがありました。
 平成二十八年度の診療報酬改定の在り方については、物価、賃金の動向、医療機関の経営状況、保険料等の国民負担の在り方などを踏まえながら、平成二十八年度予算編成過程において検討してまいります。
 患者申出療養についてお尋ねがありました。
 患者申出療養は、先進的な医療について、患者の申出を起点として、安全性、有効性を確認しつつ、身近な医療機関で迅速に受けられるようにするものであります。同時に、保険収載に向けたロードマップの作成等を医療機関に求めることとしています。
 このように、患者申出療養は、国において安全性、有効性を確認するとともに、将来的な保険収載を目指すものであり、いわゆる混合診療を解禁するものではありません。
 今後も、世界に誇る国民皆保険を堅持しつつ、困難な病気と闘う患者の方々の思いにしっかり応えてまいります。
 患者申出療養における患者の知識格差についてのお尋ねがありました。
 患者申出療養においては、患者が治療内容等を理解し、納得した上で申出を行うことが重要と考えます。このため、かかりつけ医等が相談に応じて支援を行い、患者がしっかりと理解、納得した上で申出を行うことができるよう施行に向けて準備してまいります。
 患者申出療養における地域間格差についてのお尋ねがありました。
 患者申出療養においては、できるだけ多くの医療機関で先進的な医療を受けられるようにすることが重要と考えています。このため、臨床研究中核病院に加えて、都道府県ごとに最低一か所はある特定機能病院や患者に身近な医療機関で先進的な医療を受けられるようにして、地域間で大きな差が生じないようにしてまいります。
 患者申出療養における経済格差についてのお尋ねがありました。
 患者申出療養においては、保険収載に向けたロードマップの作成等を医療機関に求めることとしています。また、保険収載に向けた状況等を把握するため、医療機関から国に対し、少なくとも年に一回は患者申出療養の実施状況等を報告することとし、ロードマップどおりに進んでいない場合は追加的に報告を求めるほか、必要に応じて患者申出療養から除外することも含めて対応することとしています。
 このような仕組みを通じ、保険収載に必要な科学的根拠を集積し、安全性、有効性の確認を経た上で保険適用につなげることにより、広く国民が医療保険制度の中で先進的な医療を受けられるようにしていきたいと考えています。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣塩崎恭久君登壇、拍手〕
○国務大臣(塩崎恭久君) 西村まさみ議員から八項目のお尋ねを頂戴いたしました。
 まず、後期高齢者支援金の全面総報酬割と国保の効率化についてのお尋ねでございます。
 今回の改革では、後期高齢者支援金の全面総報酬割で生じる財源を財政状況の厳しい国保への財政支援と被用者保険者の負担軽減に充てることとしており、国民皆保険を支える国保の基盤強化に御理解いただきたいと思います。
 国保改革では、保険者努力支援制度の創設により医療費適正化等に取り組む自治体を支援するとともに、保険料の収納対策など事業運営の効率化を一層進めてまいります。
 中小企業の社会保険料の軽減についてのお尋ねがございました。
 協会けんぽの加入者は中小企業の従業員やその御家族であり、他の被用者保険と財政力に格差があるため、給付費の一部を国庫が補助しております。今回の改革では、財政状況が改善傾向にある中、国庫補助率を当面の間一六・四%に安定化をさせ、保険料負担の軽減を図ることとしております。
 国保組合についてのお尋ねがございました。
 国保組合は、同種同業の保険集団として、加入者の健康の保持増進に尽力いただいており、今後とも自主的な運営に基づく保険者機能を発揮していただきたいと考えております。また、国庫補助の見直しに当たっては、所得調査の結果を基に補助率を決定することから、引き続き国保組合の所得水準の適切な把握に努めてまいりたいと思います。
 組合解散による公費支出への影響については、加入者の状況等に応じて異なるものであり、試算は行ってはおりませんが、今回の見直しが組合の解散につながることは本意ではなく、五年間を掛けて段階的に見直すなど、激変緩和を行うこととしております。
 医療費適正化と診療報酬改定についてのお尋ねがございました。
 医療費の適正化については、診療報酬の改定の状況にかかわらず、医療保険制度を持続可能なものとするため重要であり、必要な医療は確保しつつ、予防、健康づくりの推進、患者ニーズに対応する医療提供体制を踏まえた医療費目標を都道府県ごとに定めること、後発医薬品の使用促進を始めとする医療の効率的な提供等により進めていきたいと考えております。
 来年度の診療報酬の改定率については、物価、賃金の動向、医療機関の収支状況等を勘案して、予算編成過程において検討してまいります。
 予防、健康づくりの取組についてのお尋ねがございました。
 歯や口腔の健康を保つことは、国民が健康で質の高い生活を営むために重要であると考えております。現在、医療保険者が実施している保健事業において、既に効果を上げている歯科保健の取組もあることから、これらも参考にしながら歯や口腔の健康づくりを進めてまいります。
 入院時の食事代についてのお尋ねがございました。
 今回の見直しに当たっては、本年四月に難病団体の方々からお話をお伺いし、意見交換を行いました。今後とも、患者団体を含め、国民の皆様方に対して、制度改正の趣旨などを丁寧に説明しながら理解を求めてまいります。
 紹介状のない大病院受診時の定額負担についてのお尋ねがございました。
 今回の措置は、紹介状なしで大病院を受診する方に一定の負担をお願いすることで、かかりつけ医と大病院に係る外来の機能分化を更に進めることを目的としております。
 今回の制度の目的に照らし、周囲に医療機関がない場合などで定額負担を求めることは適当ではないと考えておりますが、今後、関係者の御意見を聞きながら、具体的な金額や例外ケースの詰めを行ってまいります。
 患者申出療養についてのお尋ねがございました。
 患者申出療養は、法案中の健康保険法の改正規定において、医療保険の療養の給付の対象とすべきか否か評価を行うものとして位置付けております。
 患者申出療養の安全性、有効性については、臨床研究中核病院が提出する質の高い実施計画等により、短期間で審査できると考えていますが、仮に医学的判断が分かれる等の場合には、期間を限定せず必要な審査を行うことで安全性、有効性を確保してまいります。
 重篤な健康被害が生じた場合の責任などについては、現行の先進医療では、あらかじめ実施医療機関が患者に説明をし、同意を得た上で決定することとしており、患者申出療養でも、このような対応や、患者を含む関係者の御意見を踏まえ具体的な詰めを行ってまいります。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣麻生太郎君登壇、拍手〕
○国務大臣(麻生太郎君) 予防に対する保険給付や予算措置等についてのお尋ねがあっております。
 予防の取組には様々なものがありますのは御存じのとおりで、国が画一的に保険給付や予算措置の対象とするよりも、保険者がそれぞれの判断で有効と考えられる予防の取組を推進していく方がより有効であると考えております。今般の改正法案の中でも、こうした考え方の下、保険者の予防、健康づくりのインセンティブを提供する施策が盛り込まれているものと認識をいたしておるところであります。
 社会保障費の一律カットと地域医療の関係についてお尋ねがあっております。
 社会保障費の伸びを毎年一定額抑制するという小泉政権における方針は、社会保障費が増大していく中、制度の持続可能性の確保のため、何とか制度を合理化していこうという試みであったと認識をしております。
 こうした社会保障費の抑制方法については様々な議論があるということを承知をいたしております。産科、小児科における医師不足、救急搬送のたらい回しなどの過去に指摘をされた問題につきましては、医療資源の配置、配分のゆがみなどを含め、その要因は複合的なものであったと考えております。
 診療報酬改定についてのお尋ねもあっております。
 診療報酬の改定の在り方につきましては、物価、賃金の動向、また医療機関の経営状況、保険財政や国の財政に係る状況、窓口負担、保険料負担、税負担などを通じた国民負担の在り方、そして社会保障制度改革をめぐる議論の状況などを主に踏まえながら、平成二十八年度予算の編成過程において検討してまいりたいと考えております。(拍手)
    ─────────────
○議長(山崎正昭君) 佐々木さやか君。
   〔佐々木さやか君登壇、拍手〕
○佐々木さやか君 公明党の佐々木さやかです。
 ただいま議題となりました持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案について、公明党を代表し、質問いたします。
 我が国の医療保険制度は、昭和三十六年に被用者保険の対象とならない国民を加入者とする国民健康保険事業が開始され、これにより、国民全員が公的な医療保険に加入する国民皆保険が実現しました。誰もが命と健康を守るために必要な医療を保険を使ってひとしく受けることができる、五十年以上にわたり維持されてきた我が国が誇るべき制度であります。
 しかし、近年、急速な高齢化や医療の高度化等により、医療費は毎年約一兆円増加しており、保険者の財政状況は大変厳しいものとなっています。これから少子高齢化が更に進む中でも、国民の命と健康を守る基盤となる国民皆保険制度は維持されなければならないと考えますが、総理に、国民皆保険をこれからも維持し守っていく決意と、そのための取組について伺います。
 市町村を保険者とする国民健康保険には、全国民の三割に当たる約三千五百万人が加入しています。言わば医療保険のセーフティーネットとして、国民皆保険において重要な役割を果たしています。
 しかし、市町村国保は、一人当たりの医療費が被用者保険等と比べて高く、所得水準は低いという構造的問題を抱えています。無職者や被用者保険の対象とならない非正規雇用の労働者が加入者の多くを占めており、年金生活者の加入が増えるに伴って年齢構成も高くなっています。そのため、市町村国保は、毎年三千億円規模の赤字が生じ、それを補填するため、市町村の一般会計からの法定外繰入れ等が常態化しています。小規模な保険者が多く、市町村間での医療費や保険料の格差が大きいことも制度の安定性、公平性の面から問題があります。
 国民皆保険の維持のためには、国保の安定、財政基盤の強化が重要です。そのために、今回の法改正は、平成二十七年度から順次公費の拡充を行い、平成二十九年度からは毎年約三千四百億円の大規模な公費の投入を行うこととしています。
 平成二十六年度には、消費税増収分を活用し、低所得者向けの保険料軽減措置の拡充を行いましたが、それに加えて行う今回の公費の投入は、国保の財政基盤を強化し、加入者の負担する保険料の伸び幅を抑制するものと考えます。
 約三千四百億円の公費の投入の効果について、塩崎厚生労働大臣に伺います。
 改正のもう一つの大きなポイントは、国保の財政運営の主体が市町村から都道府県に移管するという点です。これまで国保は市町村が運営してきましたが、平成三十年度からは都道府県が市町村とともに国保を運営する体制となります。
 小規模保険者は財政運営が不安定となるリスクも高くなりますが、この点については、これまでも、同じ都道府県内の各市町村が拠出金を出し合って医療費支出のリスクを分散させる保険財政共同安定化事業、高額医療費共同事業が実施されてきました。
 今回の改正は、こうした広域化にとどまらず、都道府県を国保の財政運営の主体とするものですが、その狙いは何なのか、塩崎厚生労働大臣に伺います。
 国保への財政支援を拡充し、低所得者対策の強化などを行う一方で、今回の法案では、所得に応じた負担、負担の公平化が盛り込まれています。
 所得水準の高い国保組合の国庫補助について補助率を見直し、健康保険の保険料算定の基礎となる標準報酬月額の上限額の引上げも行います。入院時の食事代については、低所得者や難病、小児慢性特定疾患患者を除き、現在の一食二百六十円から段階的に引き上げ、平成三十年度には四百六十円となります。また、紹介状なしに大病院を受診する際の定額負担の義務化も行われます。
 高齢化等に伴い、国民医療費の総額は毎年一兆円程度増え続けています。医療保険制度を持続可能なものとし、誰もが質の高い医療を受けられる国民皆保険を維持するためにはやむを得ない改正と考えますが、負担については十分な説明が必要です。
 これらの負担増はなぜ必要なのか、塩崎厚生労働大臣に説明を求めます。
 国民の疾病予防、健康づくりの推進は、個人の健康を守るだけでなく、医療費の増大を抑制することにもつながります。若いうちから予防、健康づくりをしっかりと行い、健康寿命を延ばし、結果として医療費の伸びが抑えられていくことが重要です。
 本法律案では、個人や保険者による予防、健康づくりの促進が盛り込まれていますが、例えば、健康診断を受けることでポイントがもらえるといったヘルスケアポイントについて、もっと広く周知するなど、国としても積極的に取り組むべきと考えますが、今回の改正で、予防、健康づくりの推進についてどのような対策を行うのか、塩崎厚生労働大臣に伺います。
 最後に、患者申出療養について質問します。
 国内で未承認の医薬品等を保険外併用療養として速やかに使用したいという困難な病気と闘う患者の方々の思いに応えるため、患者からの申出に基づき、安全性、有効性の審査を原則六週間に短縮するという患者申出療養制度が創設されます。
 この制度では、希望に応じて先進的な医療を迅速に受けられるというメリットがありますが、安全性、有効性をしっかりと確保するとともに、医学的な知識を持たない患者に対して十分なインフォームド・コンセントが行われる必要があります。
 この制度の創設は日本再興戦略改訂二〇一四にも盛り込まれていますが、患者申出療養制度の創設の目的と、短期間での審査でどのように安全性、有効性を確保するのかについて総理に伺い、私の質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 佐々木さやか議員にお答えをいたします。
 国民皆保険についてお尋ねがありました。
 我が国では、誰もが安心して必要な医療を受けられる国民皆保険の下、世界最高レベルの健康寿命の長さや乳幼児の死亡率の低さを達成してきたところです。少子高齢化が進展する中でも、世界に冠たるこの国民皆保険をしっかりと次世代に引き渡していく必要があると考えています。
 今回の法案においては、給付と負担のバランスの取れた持続可能な医療保険制度としていくため、国保について、財政運営の責任主体を都道府県とした上で、財政基盤の強化を図るほか、後期高齢者医療への支援金や入院時の食事代について負担の公平化を図る、予防、健康づくりの促進により医療費適正化を推進するなど、必要な改革を進めてまいります。
 また、低所得の方々に対してしっかりと目配りすることとし、平成二十六年度には、国保、後期高齢者医療における低所得者の保険料軽減の拡充、高額療養費について所得が低い方の自己負担限度額の引下げなどを実施したところですが、先ほど申し上げたとおり、平成二十七年度には低所得者が多い国保の財政基盤の強化などを行うこととしています。
 患者申出療養についてお尋ねがありました。
 患者申出療養は、困難な病気と闘う患者の方々の未承認薬等を迅速に使用したいという思いに応えるため、先進的な医療について、患者の申出を起点として、安全性、有効性を確認しつつ、身近な医療機関で迅速に受けられるようにするものです。同時に、保険収載に向けたロードマップの作成等を医療機関に求めることとしています。
 安全性、有効性の審査については、国際水準の臨床研究等で中心的な役割を担う臨床研究中核病院が質の高い実施計画や客観的データ等を提出することとしており、これにより、現行の先進医療に比べ短期間で行うことができるものと考えています。
 なお、医学的判断が分かれる等の場合には、必ずしも期間を限定することなく必要な審査を行うこととしており、安全性、有効性をしっかり確保してまいります。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣塩崎恭久君登壇、拍手〕
○国務大臣(塩崎恭久君) 佐々木さやか議員から四点お尋ねを頂戴いたしました。
 まず、国保への公費投入の効果についてのお尋ねでございます。
 国保は、様々な構造的な課題を抱え、厳しい財政状況にあることから、今回の改革において、毎年約三千四百億円の追加的な財政支援を行います。これは、被保険者一人当たり約一万円に相当する規模となります。
 自治体の実情を踏まえ、医療費適正化に取り組んだ保険者などに対して支援を行うことにより、国保の財政基盤の強化を図るとともに、保険料の伸びの抑制など被保険者の負担軽減につながるものと考えております。
 都道府県を国保の財政運営の主体とする狙いについてのお尋ねがございました。
 今回の国保改革により、都道府県が国保の財政運営の責任主体となり、多様なリスクが都道府県全体で分散されます。また、効率的な事業運営の確保等、国保の運営面でも都道府県が中心的な役割を担い、国保制度の安定化が実現することとなります。
 さらに、地域医療構想の策定等の主体である都道府県を国保の財政運営の責任主体とすることにより、都道府県が医療保険と医療提供体制の両面を見ながら地域の医療の充実を図り、効率的かつ質の高い医療を提供できるよう取り組んでいただきたいと考えております。
 負担の見直しについてのお尋ねがございました。
 高齢化の進展等により医療費が増大する中、給付と負担のバランスの取れた持続的な制度としていく必要がございます。
 このため、今回の改革においては、国保組合への国庫補助や健康保険保険料の標準報酬月額の上限について負担能力に応じた負担とする観点からの見直し、入院時の食事代について在宅との公平を図るための見直し、外来の機能分化を図るため、紹介状なしで大病院を受診する場合の定額負担の導入などを行うこととしております。
 予防、健康づくりの取組についてのお尋ねがございました。
 今後とも医療費の増大が見込まれる中で、予防、健康づくりを推進し、医療費の適正化につなげることは重要でございます。
 このため、今回の改正において、ヘルスケアポイントの導入など、個人に予防、健康づくりのインセンティブを提供する取組を推進するとともに、国保の保険者努力支援制度を創設するなど、予防、健康づくり等に積極的に取り組む保険者、自治体を支援することとしております。
 以上でございます。(拍手)
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○議長(山崎正昭君) 川田龍平君。
   〔川田龍平君登壇、拍手〕
○川田龍平君 維新の党の川田龍平です。
 持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案について、会派を代表し、質問いたします。
 最初に、医療費抑制策について伺います。
 一九八三年の医療費亡国論以来、政府は今までずっと、医療費を抑制しなければ国がもたないと主張してきました。では、その実態はどうだったでしょうか。あれから三十年以上たち、世界的に高齢化が進み、諸外国が医療費を増やしている中で比較しても、日本は医療の質を高く維持したまま医療費を低く抑えています。確かに医療費は増えていますが、その最大の原因は、日本医師会の横倉会長もおっしゃっているように、高齢化よりむしろ医療技術の進歩と高額な新薬のせいであることが明らかになっています。
 私自身、難病患者として、年々高額な新薬が発売されることを実感として知っております。医療技術の進歩と高額な新薬、今回の法案がこの二つを低く抑えるために適切な内容となっているかどうか、難病患者の一人としてもじっくり検証してみた上で、幾つか質問をさせていただきます。
 今回の法案を見ると、患者の負担を増やすことで医療費抑制をする内容になっています。例えば、難病患者の確定診断前の入院や風邪などによる入院、難病指定されていない希少疾患患者の負担が重くなります。さらに、一般患者も、紹介状なしで大病院を受診する場合、自己負担が重くなります。ですが、これは、先ほど申し上げました医療費が増えている主な原因を考えても、本末転倒ではないでしょうか。
 政府は、近年、早期発見、早期治療という言葉をキーワードに、企業のメタボ健診やうつ病予防の企業カウンセリングなどを呼びかけていますが、その流れからいっても、患者負担を増やせば、受診が抑制され、重症化することでかえって国の医療費は増えることは明らかです。この点について総理はどのようにお考えでしょうか。
 世界の事例を見ても明らかなように、医療費抑制の最も重要な方策は予防に尽きると思われます。政府は、予防や健康づくりの取組として被保険者にヘルスポイントを与えるとのことですが、医療費抑制策としては不十分だと言わざるを得ません。
 低い医療費と長寿という二つの実績を維持する長野県では、佐久総合病院の色平哲郎医師がその理由をこう説明しています。特殊な高度医療よりも、健診などの予防医療や、訪問・在宅医療、介護予防、そして減塩・カロリー計算など食生活の改善を柱にした、地域医療と福祉、介護の組合せを実践しているからだと。
 患者の自己負担を上げて重症化させるより、長野県で医療費抑制と長寿の実績を上げている、医療と地域コミュニティーを組み合わせた共助で支え合う仕組みを整備することの方が医療費抑制策としては現実的ではないでしょうか。
 今、総理が掲げる地方創生とも重なるこの仕組みを行政が主導し、全国に広げていくことこそ今必要な政策ではないでしょうか。総理の見解をお聞かせください。
 医療費抑制を考える際、もう一つ繰り返し指摘される課題として、薬の出し過ぎがあります。
 認知症の高齢者に十数種類もの薬を処方し、飲み残しが出ている実態こそまさに医療費の無駄遣いです。政府の規制改革会議は、かかりつけ薬局制度の導入を提言するようですが、薬の飲み残し問題を薬局薬剤師だけに丸投げするのではなく、不要な向精神薬の処方量を減らすべきだという指摘がされています。こちらの方の取組は、厚生労働大臣、いかがでしょうか。
 国内の精神病入院患者は三十万人、何と世界全体の二割を占めるだけでなく、我が国の精神病入院患者は長期入院率も非自発的入院の割合も高く、しかも、近年、身体拘束率も倍増している異常事態が明らかにされています。これらの事態は、病院内で司法や警察並みの絶対的権限を持つ精神保健指定医が主導する形で生み出されていますが、今回、聖マリアンナ大学において、二十人もの医師が虚偽申請で資格を取り、強制入院や隔離、身体拘束を指示していたことが明らかになりました。
 塩崎大臣は、重大な事案であり、厳正に対応するとしか答弁していませんが、様々な国際人権条約に違反する今回の事態について、我が国としてどのように対応するべきか、総理大臣の見解をお聞かせください。
 そうした医療現場での人権侵害を始め、医の倫理についても、昨今、様々な課題が明るみに出ています。
 肝臓の腹腔鏡手術を受けた患者八人が死亡した事件で、群馬大学病院は特定機能病院指定を取り消されましたが、同大の調査報告書では、倫理審査を受けるべきだったと書かれています。倫理審査なしで実験的治療を行ったこと自体が臨床研究に関する倫理指針への重大な違反です。
 しかし、厚労省は、医療法や健康保険法に基づく調査で幕引きしようとしています。医療法に基づく事後の立入調査と、未確立の治療技術の事前審査義務違反に対する調査は全く異なります。世界医師会によるヘルシンキ宣言第三十七条は、実験的治療をいつまでも続けるべきでなく、研究計画として倫理審査を受けるべきとしています。
 グローバルな医療外交を展開するとおっしゃっている総理に伺います。ヘルシンキ宣言を無視した厚労省の姿勢は極めて問題であり、国際的な立ち位置を考慮しても、指針違反を認め、しっかりした対応が求められるべきですが、総理の見解をお聞かせください。
 医療倫理そのものについては、皆様御存じのように、この国には歴史的に未解決の案件があります。関東軍七三一部隊の人体実験は、歴史的検証がされないまま、この研究データを米国に提供することと引換えに事実は隠蔽されました。医学者たちは罪を問われず、薬害エイズ事件のミドリ十字や、同意なき臨床試験をして裁判となった金沢大学医学部、さらにはディオバン事件を起こした京都府立医科大学に再就職するなど、何事もなかったかのように医学界の重要な地位に就いていきました。
 しかしながら、昨今、ようやくこうした流れが変わり始めました。戦争末期、九州帝国大学医学部で行われた米国人捕虜に対する生体解剖事件の資料が九州大学医学部医学歴史館に展示されました。世界の先進国がそうしているように、我が国でも戦時中の人体実験の史実を反省の上で公式に認められたことを高く評価すべきです。我が国も、七十年の節目に過去をしっかりと検証し、医の倫理と被験者保護を確立し、グローバルな国際社会に誇れる医療技術開発を行っていく、その決意を、総理大臣、お聞かせください。
 次に、今回の国保法等改正の中の患者申出療養制度について伺います。
 私は、一月にもこの本会議でこの制度についての懸念を総理に伺ったところ、患者申出療養は保険収載に向けた仕組みであって、国民皆保険制度は堅持するとの答弁でした。しかし、この制度には幾つもの懸念事項があります。
 未承認新薬を自己負担で使うことを希望する患者は、臨床研究中核病院若しくは特定機能病院でその薬の安全性や有効性について説明を受け、納得した上で同意署名するとのことですが、臨床研究中核病院が法的にはこの四月に発足したばかりで、いまだに一つも指定されていません。もう一つの特定機能病院の方は、つい二週間前に東京女子医大と群馬大学病院の二つが指定を取り消され、残りの八十余りについての安全管理体制検査を厚労大臣が指示したばかり、その検査スケジュールさえ決まっていない状態です。
 そもそも、治験も審査もされていない未承認薬の安全性、有効性に関する説明能力を持っている病院が一体この国のどこにあるのでしょうか。病院が説明する際、最も懸念される製薬企業の不適切な関与を規制するルールさえまだありません。患者をどうやって守るのでしょうか。厚生労働大臣に伺います。
 そして、薬害被害者の一人として私が何よりも懸念することは、万一の健康被害、副作用などが発生したときの責任の取り方、補償の在り方です。
 当然、治験薬における補償と同じように法的に担保されるべきですが、患者申出療養における補償の在り方についてはまだ何も決まっていません。これでは、万が一有害事象が起きたとき、申し出た患者が責任を取らされるリスクが残ります。私自身、身にしみて経験しましたが、保証がない中で裁判をしなければならないときの本人や家族への精神的、経済的負担は非常に大きく、つらいものです。一番肝腎な患者への補償の在り方をはっきり決めてから法案の審議に入ることが現実的だと考えますが、厚労大臣の見解をお聞かせください。
 ほかにも、短期間の審査で安全性をどう確保するか、情報の非対称性がある中で、医師や製薬会社が主導すべき研究を患者が希望したと責任転嫁することをいかにして防ぐのか、先進医療の大半が保険収載に入らない現状が改善されないままに、保険収載を視野に入れると言いながら拙速に導入するリスクなど、患者申出療養にはまだまだ議論すべき点が山積みです。
 患者のためと言いますが、患者団体の願いは安全性が担保された薬を公的保険で使うことです。この患者申出療養制度は、患者のためにと言いながら、そうした患者の声に全く耳を傾けず、強引に法案化を進めました。難病患者の一人として、そうしたやり方には非常に強い憤りを感じます。国民の命と健康をないがしろにする一方で、一体誰のための制度創設なのか、大いに疑念を持ちます。この後、委員会でしっかり十分に時間を取って質疑したいと思います。
 最後に、先週、私は、アメリカのオレゴン州の大学で講演した際、そこの教授にこんなふうに言われました。日本がアメリカから輸入すべきでない最大のものは医療制度だと。日本は、国際水準の研究管理体制を整備することで安全性と有効性を評価された医療技術を輸出し、世界的に優秀な医療者を派遣できます。そして、WHOや諸外国が称賛する国民皆保険制度を高齢化社会のモデルケースとして紹介していくことで立派な国際貢献ができると考えますが、総理、いかがでしょうか。見解をお聞かせください。
 今、この国の国民皆保険制度は危機に瀕しております。持続可能なものとして維持していくために細かい改善は必要ですが、混合診療を全面解禁してしまえば、貧富の差によって受けられる医療に格差ができることになり、社会保障である日本の医療は崩れてしまいます。
 薬の安全性と社会保障としての皆保険制度は、この国が世界に誇るものとして国を挙げて守るべきものです。そしてまた、この二つの恩恵を直接受ける難病患者の一人として、命を守るために全力を尽くすことを改めてお約束し、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 川田龍平議員にお答えをいたします。
 医療費適正化についてのお尋ねがありました。
 医療保険制度を給付と負担のバランスの取れた持続可能なものとしていくため、医療費の適正化を進めることは重要な課題です。
 今回の改革では、全ての関係者が一体となって予防や健康づくりを進めるため、ヘルスケアポイントなど個人へのインセンティブを高める取組、国保においてデータに基づく医療費適正化への積極的な取組に対する国の財政支援を手厚くするなど、保険者による取組の促進、後期高齢者医療における栄養指導など、高齢者の特性に応じた保健事業などを進めてまいります。
 なお、患者負担については、入院と在宅の公平や医療機関の機能分化を進める観点から見直すこととし、その際、低所得の方には適切に配慮することとしています。
 聖マリアンナ医科大学病院における不正事案についてお尋ねがありました。
 精神保健指定医は、患者の人権を尊重し、個人の尊厳に配慮した医療を提供する上で重要な役割を担うものであります。今回の事案は、精神保健指定医制度の根幹に関わる重大なものであり、大変遺憾であるとともに、厳正な対応が必要と考えています。
 今後、厚生労働省において、同様の不適切な事例が他に発生していないかどうか調査を行うとともに、更なるチェック体制の強化を図るなど、再発防止対策を徹底し、精神保健指定医制度に対する国民の信頼を回復できるよう努めてまいります。
 群馬大学病院における死亡事案についてお尋ねがありました。
 群馬大学病院において重大な医療安全管理上の問題が発生したことは大変遺憾であります。この病院については、審議会において特定機能病院の承認の取消しが相当とされたことを踏まえ、現在、厚生労働省において所要の手続を進めているところです。
 政府としては、この事案も踏まえ、難度の高い医療技術の導入プロセスなどについて検討を進め、患者に対し優れた医療を安全に提供できるよう取り組んでまいります。
 なお、現時点では、この事案について、研究目的として実施されたものとは確認されていないと承知しています。
 医の倫理と被験者保護についてのお尋ねがありました。
 御指摘の事案は、九州大学の認定のとおりであったとすれば極めて遺憾なことであります。この九州大学の件と現在の臨床研究は全く異なる次元のものでありますが、我が国においては、臨床研究に関する倫理指針により、研究者等に対し被験者の尊厳と人権の保護を求めてきたところです。
 今後とも、臨床研究の実施に当たっては、被験者保護に十分な配慮を求めながら、国際水準の医療技術開発を推進してまいります。
 医療に関する国際貢献についてお尋ねがありました。
 我が国は、世界に冠たる国民皆保険の下、世界最高レベルの健康寿命と保健医療水準を達成してきたところであり、この経験を諸外国と共有してまいります。また、国際水準の質の高い臨床研究を進めていくため、本年四月、臨床研究中核病院制度をスタートさせたところです。このような研究を通じて創出される我が国発の優れた医療技術を通じて、更なる国際貢献を進めてまいります。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣塩崎恭久君登壇、拍手〕
○国務大臣(塩崎恭久君) 川田龍平議員から三点お尋ねを頂戴いたしました。
 向精神薬の処方についてのお尋ねでございます。
 我が国では、諸外国に比して多種類の向精神薬が大量に投与されていると指摘されており、副作用のおそれが増すという観点から、問題意識を持って対応してまいりました。
 このため、向精神薬の処方実態に関する継続的な調査を行うとともに、平成二十六年度診療報酬改定において、向精神薬の多剤投与を行った場合の報酬の減額を強化したほか、かかりつけ医等を対象に抗うつ薬の使い方等の研修を行うなどの取組を進めてきており、今後も適切な処方を促進してまいりたいと思います。
 患者申出療養における安全確保についてのお尋ねがございました。
 臨床研究中核病院については、本年四月より医療法に位置付けられており、今後、社会保障審議会医療分科会の審議を経て、基準を満たした病院を承認していくこととしております。また、特定機能病院については、大学附属病院における医療安全に関する重大事案を踏まえ、特定機能病院に対する集中検査等を実施し、医療安全管理体制を確保していくこととしております。
 このように、医療安全管理体制についてしっかりと担保した上で、患者申出療養については、患者が治療内容等を理解をし、納得した上で申出を行うことが必要であり、国への申請に当たり、患者の申出によることを明らかにする書類の添付を求めるなど、丁寧に準備を進めてまいります。
 患者申出療養における補償等についてのお尋ねがございました。
 現行の先進医療では、重篤な健康被害の可能性、責任と補償の内容などについて、あらかじめ先進医療の実施医療機関が患者に説明をし、同意を得た上で決定することとされており、患者申出療養における責任や補償の在り方については、このような対応や患者の方々を含む関係者の御意見を踏まえ、具体的な詰めを行ってまいります。
 以上でございます。(拍手)
    ─────────────
○議長(山崎正昭君) 小池晃君。
   〔小池晃君登壇、拍手〕
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 私は、会派を代表して、ただいま議題となりました国民健康保険法等の一部を改正する法律案について質問します。
 本法案には、国民健康保険制度の財政運営を市町村から都道府県に移管するという、一九六一年の制度創設以来、最大の改革が含まれています。しかし、衆議院での審議は二十二時間足らずにすぎませんでした。参議院では、賛否を超えて徹底的な審議を行うことを強く求めます。
 今、国民健康保険制度をめぐっては、所得二百五十万円、四人家族の国保料が年間四十万円を超えるなど、負担能力を超える保険料が住民生活を脅かしています。高過ぎる保険料の滞納は三百六十万世帯、そのペナルティーとして正規の保険証を取り上げられた世帯は百四十万を超え、生活困窮者への無慈悲な差押えも横行しています。
 全日本民主医療機関連合会が、加盟する医療機関で行った調査によれば、保険証の取上げなど経済的な理由で病院にかかれず死亡した人が、昨年、五十六人に上ります。これは氷山の一角だと思います。
 国民皆保険制度を支える国保制度に重大な危機が進行しつつあります。総理には、国民皆保険制度が空洞化しつつあるという認識はありますか。
 国保料の異常な高騰は、一九八四年に国保財政の五〇%だった国庫負担を二三%にまで抑制したことが原因です。それが深刻な財政悪化をもたらし、加入世帯の貧困化と相まって、保険料高騰と収納率低下の悪循環を生じさせました。
 国保の改革、基盤強化というなら、こうした事態の抜本的解決のため、国保財政への定率国庫負担の引上げが不可欠ではないでしょうか。総理の答弁を求めます。
 本法案により、市町村が国民健康保険料を決める際には、都道府県が示す標準保険料を参照し、他の市町村と平準化を図ることが求められます。衆院での答弁で、政府は、これらが国保料引上げや徴収強化の圧力となることを否定しませんでした。これでは、保険料高騰や滞納者の増加、低所得者の受診抑制は一層拡大するのではありませんか。厚生労働大臣の答弁を求めます。
 政府は、今回の制度改定に対応して、三千四百億円の財政支援を行うとしています。現在、国保財政に対して市町村が三千五百億円を一般会計から繰り入れていますが、今回、一旦国費を投入しても、それを機に市町村が一般会計繰入れを解消すれば、国保財政の危機は解決しません。
 しかも、今後も高齢化や医療技術の進歩で医療給付費は確実に増大していきます。市町村による一般会計繰入れ分を補填するだけで、定率国庫負担を増やさなければ、更なる保険料高騰は避けられません。これでは結局、国保への公費負担を現行水準に抑えたまま、今後の給付費増については、保険料の引上げか医療費抑制かという選択を市町村に迫っていくことになるのではないでしょうか。
 法案には、都道府県が策定する医療費適正化計画の強化も盛り込まれ、そこには今後目指すべき医療給付費の目標総額が明記されます。それを医療・介護総合法で導入した地域医療構想による病床機能の再編、削減とリンクさせて、給付費の伸びを抑制する仕組みです。
 適正化計画による医療費抑制、地域医療構想による病床削減、そして国保運営方針による財政管理など、全ての権限が都道府県に集中し、国保の給付費抑制が強力に推進されることになってしまいます。これは、日本経団連など財界が要求し、経済財政諮問会議が導入を主張してきた医療給付費の総額管理、いわゆるキャップ制の事実上の導入にほかならないのではないでしょうか。
 本法案には、入院食費の負担増、紹介状なしの大病院受診時の五千円から一万円の定額負担義務化など、患者負担増も盛り込まれています。ヨーロッパやカナダでは、公的医療制度の窓口負担は原則無料か少額の定額制であり、現役世代は三割、高齢者は一から三割という日本の窓口負担は国際的に見ても異常な高さです。入院食費の引上げは、一日六百円、一月一万八千円もの負担増となり、高額療養費制度による負担軽減の対象にもなりません。このような負担増が強行されれば、受診抑制は一層深刻化するのではありませんか。大臣は、衆議院の審議で、入院食費の負担増について、受診抑制をするということは、結果として医療費が増えるということは、それはあり得ると答弁しましたが、医療保険財政から見ても逆行ではありませんか。
 以上、厚生労働大臣の答弁を求めます。
 混合診療の全面解禁に道を開く患者申出療養の導入について聞きます。
 総理は、難病に苦しむ患者のためと言いますが、日本最大の難病患者団体である日本難病・疾病団体協議会、JPAは、安全性の不確かな治療が横行し、高額の保険外負担が温存されかねないことに懸念の声を上げています。総理はこの声にどう応えるのでしょうか。
 国立がん研究センターの調査では、患者申出療養の対象とされる国内未承認抗がん剤の多くは一か月当たりの薬剤費が百万円を超えており、新制度を活用できるのは裕福な患者に限られる可能性が指摘されています。これでは、自費負担ができない多くの患者は置き去りにされてしまうのではないでしょうか。有効で安全な治療は速やかに保険適用することに全力を挙げるべきではないでしょうか。
 安倍政権は、日本再興戦略改訂二〇一四で、医療、介護などの健康関連分野を成長市場に変えていく方針を打ち出し、その一環として保険外併用療養費制度の大幅拡大を提言しています。戦略特区に指定された地域からは、医療産業の開発拠点の誘致や医療ツーリズムの推進を視野に、混合診療の解禁、医療への株式会社参入などを求める要望も出されています。
 しかし、国民皆保険を守るということは、単に全国民が保険証を持っていることだけではなく、公的医療給付の範囲を将来にわたり維持すること、混合診療を全面解禁しないこと、営利企業を医療機関経営に参入させない、これが日本医師会を始め医療界の一致した認識です。総理はこの見解を是認されますか。
 保険外併用療養の大幅拡大や医療への多様な経営主体の参画を推進する安倍政権の路線は、国民皆保険に大穴を空け、土台から掘り崩していくものであり、断じて容認できません。
 日本医師会は、小泉政権時代の医療政策について、給付費抑制による国庫負担の軽減、保険料、窓口負担の両面による家計負担の増加、官による医療費コントロール手法の導入、民間企業への利益誘導という四点から、厳しく批判しました。安倍政権が今進めようとしている医療政策も、その基本方向は全く同じではないでしょうか。
 財務省は、今後の社会保障の自然増のうち、高齢化に伴う増加である五千億円以上は認めないとしています。毎年八千億円から一兆円に上る自然増を五千億円しか認めないとなれば、削減額は三千から五千億円となります。これは、小泉政権が行った社会保障削減と同じシーリングではありませんか。しかも、当時の削減額二千二百億円をはるかに超える改悪を繰り返せば、国民の暮らしも健康も壊滅的な被害を受けるのではありませんか。
 以上、総理の明確な答弁を求めます。
 国民皆保険とフリーアクセスを崩壊の危機にさらし、公的医療保障を破壊する医療政策では、国民の命も健康も守ることはできません。
 日本共産党は、憲法二十五条の生存権を保障するために、国民皆保険制度の根幹である国民健康保険制度に対する国の財政責任を果たす真の改革を実現する決意を述べて、質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 小池晃議員にお答えいたします。
 国保制度に対する認識についてお尋ねがありました。
 国保は、他の医療保険制度に加入していない方を受け入れており、国民皆保険を支える重要な基盤ですが、低所得者が多く加入するなど構造的な問題があります。このため、低所得者の保険料軽減措置等を講じるとともに、滞納者に対しては、納付相談などを通じ、個々の実情に応じた対応を行っています。
 今回の改革では、国保の厳しい財政状況に鑑み、追加的な財政支援を行うなど財政基盤を大幅に強化するとともに、財政運営の責任主体を都道府県とし、高額な医療費等のリスクを都道府県に分散するなど、国保制度の安定化を図ることとしています。こうした改革を通じて、今後とも国民皆保険を支える国保制度を堅持してまいります。
 国保への定率国庫負担の引上げについてお尋ねがありました。
 国保は、高齢の加入者が多く所得水準が低いなど、厳しい財政状況にあることから、保険給付費に対する五割の公費負担を維持するとともに、低所得者が多い自治体への財政支援を行うなど、これまでも累次の財政支援策を講じてまいりました。
 今回の改革では、年約三千四百億円の追加的な財政支援を行うなど、財政基盤を大幅に強化することとしています。その際には、単に定率の国庫負担を増額するのではなく、医療費適正化に取り組む自治体や低所得者の多い自治体等に対し、地域の実情を踏まえ、効果的、効率的な財政支援を行うこととしており、これにより国民皆保険を支える国保の安定化を図ってまいります。
 患者申出療養についてお尋ねがありました。
 患者申出療養は、先進的な医療について、患者の申出を起点として、安全性、有効性を確認しつつ、身近な医療機関で迅速に受けられるようにするものであります。同時に、保険収載に向けたロードマップの作成等を医療機関に求めることとしています。
 患者団体からは、安全性、有効性や先進的な医療が保険外にとどまることへの懸念が示された経緯もあり、これらにしっかりと配慮する必要があると考えています。このため、医療機関から実施状況等の報告を定期的に求めることなどにより、保険収載に必要な科学的根拠を集積し、安全性、有効性の確認を経た上で保険適用につなげ、広く国民が医療保険制度の中で先進的な医療を受けられるようにしていきたいと考えています。
 国民皆保険制度についてお尋ねがありました。
 全ての国民が一定の自己負担でどこでも安心して必要な医療を受けられる我が国の国民皆保険は、世界に冠たる制度であり、次世代にしっかりと引き渡していかなければならないと考えています。今後とも、給付と負担のバランスに配慮しつつ、必要な医療については、医療保険制度により適切に提供してまいります。
 また、保険の対象となっていない医療技術等については、安全性、有効性が確認されれば、保険外併用療養費制度により保険診療と併用できることとされており、今後とも適切に運用してまいります。
 株式会社の医療機関経営への参入については、患者が必要とする医療と株式会社の利益を最大化する医療とが一致せず、必ずしも患者に適正な医療が提供されないおそれがあることなどから、原則として認められておりません。引き続き、こうした非営利性の原則を踏まえながら、質が高く、効率的な医療の提供に向けた改革に取り組んでまいります。
 医療政策の基本方向についてお尋ねがありました。
 我が国の医療政策の基本は、国民皆保険にあります。急速な少子高齢化が進む中、将来にわたり国民皆保険を堅持していくためには、保険財政基盤の安定化のほか、保険料に関する国民の負担の公平、保険給付の対象となる療養の範囲の適正化等に取り組むことが必要です。
 政府としては、不断の改革を通じて、国民が安心して必要な医療が受けられるように力を尽くしてまいります。
 社会保障の自然増についてお尋ねがありました。
 社会保障関係費の伸びについては、過去三年間、経済雇用情勢の改善等の効果と制度改革の効果が相まって、消費税増収分を活用した社会保障の充実等を除き、年平均〇・五兆円程度と、高齢化による伸び相当の範囲内となっています。
 今後、団塊の世代が後期高齢者になり始める二〇二〇年初頭までに受益と負担の均衡の取れた社会保障制度を構築する必要があります。このため、引き続き、社会保障費の削減額を機械的に定めるやり方ではなく、国民皆保険を維持するための制度改革に取り組み、経済再生に向けた取組と併せ、社会保障制度を持続可能なものとする努力を続けていく必要があると考えます。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣塩崎恭久君登壇、拍手〕
○国務大臣(塩崎恭久君) 小池晃議員から四点お尋ねを頂戴をいたしました。
 まず、国保の保険料率などについてのお尋ねでございます。
 今回の改革では、都道府県は、市町村ごとの標準保険料率を示すとともに、各市町村がそれを参考に保険料率を定めることとしております。今回の財政支援の拡充により、保険料の伸びの抑制などの負担軽減が図られるものと考えており、標準保険料率の仕組みの下で、市町村には保険料の適切な設定などに取り組んでいただきたいと考えております。
 受診抑制に関する御指摘につきましては、特別の事情がなく一年以上保険料を滞納している方には資格証明書の交付を行いますが、これは納付相談の機会を確保するためのものであり、個々の滞納者の実情を把握した上で適切に対応されるべきものと考えております。
 国保への財政支援の在り方についてのお尋ねがございました。
 今回の改革において、国保への毎年約三千四百億円の追加的な財政支援を行いますが、赤字額に応じた支援を行うのではなく、自治体の実情を踏まえた効果的、効率的な財政支援を行うこととしております。こうした規模の財政支援により、一般会計からの繰入れの必要性は相当程度解消し、国保の財政基盤の強化が図られるものと考えていますが、各市町村においては、今後とも、医療費適正化の取組を行うとともに、保険料の適切な設定に取り組んでいただきたいと考えております。
 医療費適正化についてのお尋ねがございました。
 医療保険制度を将来にわたって持続可能なものとしていくためには、医療費の適正化を進めていくことは重要な課題であると考えております。
 今回の改革では、都道府県が策定する医療費適正化計画は、将来のあるべき医療提供体制を定める地域医療構想を踏まえて医療費目標を定めるものであり、また、都道府県が国保運営方針に医療費適正化に関する取組等を定める際には、医療費適正化計画における指標や取組との整合性を求めるものであり、いわゆる医療費のキャップ制を導入するものではありません。
 受診抑制の懸念についてのお尋ねがございました。
 紹介状なしで大病院を受診する場合の定額負担の導入は、フリーアクセスの基本は守りつつ、大病院の外来は紹介患者を中心とするよう、外来の機能分化を更に進めることを目的としております。
 入院時の食事代の見直しは、在宅との公平を図るためのものですが、必要な受診が抑制されないよう、低所得者の負担を据え置くなどの配慮を行ってまいります。したがって、これらの措置により、重症化や医療費の増加を招くとの御指摘は当たらないと考えております。(拍手)
○議長(山崎正昭君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
○議長(山崎正昭君) 日程第一 緑の気候基金への拠出及びこれに伴う措置に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。外交防衛委員長片山さつき君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔片山さつき君登壇、拍手〕
○片山さつき君 ただいま議題となりました法律案につきまして、外交防衛委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、開発途上国による温室効果ガスの削減と気候変動への適応を支援する緑の気候基金に対する我が国からの拠出及びこれに伴う措置について定めるものであります。
 委員会におきましては、我が国の拠出の意義と国際的評価、気候変動分野における他の基金とのすみ分け、基金による具体的な支援案件と対象国、気候変動対策の新たな枠組み合意に向けた我が国の取組状況等について質疑が行われましたが、詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終え、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
○議長(山崎正昭君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十四  
  賛成           二百三十三  
  反対               一  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
○議長(山崎正昭君) 日程第二 株式会社日本政策投資銀行法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。財政金融委員長古川俊治君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔古川俊治君登壇、拍手〕
○古川俊治君 ただいま議題となりました法律案につきまして、委員会での審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、株式会社日本政策投資銀行の完全民営化の方針を維持しつつ、危機対応及び成長資金の供給に対し同銀行の投融資機能を活用するため、所要の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、日本政策投資銀行の完全民営化に向けた道筋、危機対応業務を義務付ける意義と役割分担の在り方、同銀行が成長資金を供給することによる民業圧迫の懸念等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終了し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して大門実紀史委員より本法律案に反対する旨の意見が述べられました。
 討論を終了し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
○議長(山崎正昭君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十三  
  賛成            百九十七  
  反対             三十六  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
○議長(山崎正昭君) 日程第三 文部科学省設置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。文教科学委員長水落敏栄君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔水落敏栄君登壇、拍手〕
○水落敏栄君 ただいま議題となりました法律案につきまして、文教科学委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、スポーツに関する施策を総合的に推進するため、スポーツに関する基本的な政策の企画及び立案並びに推進に関する事務等を文部科学省の所掌事務に追加するとともに、文部科学省の外局としてスポーツ庁を設置しようとするものであります。
 委員会におきましては、スポーツ庁を文部科学省の外局として設置する理由、スポーツ庁と他省庁のスポーツ施策の連携の具体策、競技力向上と選手強化の在り方等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。
 質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対して附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
○議長(山崎正昭君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十四  
  賛成           二百三十四  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
○議長(山崎正昭君) 日程第四 水防法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。国土交通委員長広田一君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔広田一君登壇、拍手〕
○広田一君 ただいま議題となりました法律案につきまして、国土交通委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、多発する浸水被害に対処するとともに、下水道管理をより適切なものとするため、浸水想定区域制度の拡充、雨水貯留施設に係る管理協定制度の創設、下水道施設の適切な維持管理の推進、日本下水道事業団による下水道管理者の権限代行制度の創設等の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、高知県への委員派遣を実施をするとともに、下水道事業の運営体制や地方自治体への財政支援の在り方及び下水道施設の老朽化対策、内水ハザードマップ等の作成支援と周知に向けた取組の必要性、地下街等における浸水対策、民間雨水貯留施設の設置に係る支援等について質疑がなされましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定をいたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
○議長(山崎正昭君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十四  
  賛成           二百三十四  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
○議長(山崎正昭君) 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時五十二分散会