第189回国会 本会議 第44号
平成二十七年九月十九日(土曜日)
   午前零時十一分開議
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○議事日程 第四十五号
  平成二十七年九月十九日
   午前零時十分開議
 第一 我が国及び国際社会の平和及び安全の確
  保に資するための自衛隊法等の一部を改正す
  る法律案(内閣提出、衆議院送付)(前会の
  続)
 第二 国際平和共同対処事態に際して我が国が
  実施する諸外国の軍隊等に対する協力支援活
  動等に関する法律案(内閣提出、衆議院送付
  )(前会の続)
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○本日の会議に付した案件
 一、日程第一及び第二
 一、両案に対する討論その他の発言時間は一人
  十五分に制限することの動議(野上浩太郎君
  外一名提出)
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○議長(山崎正昭君) これより会議を開きます。
 日程第一 我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律案
 日程第二 国際平和共同対処事態に際して我が国が実施する諸外国の軍隊等に対する協力支援活動等に関する法律案
  (いずれも内閣提出、衆議院送付)
 以上両案を前会に引き続き一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員長鴻池祥肇君。
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   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
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   〔鴻池祥肇君登壇、拍手〕
○鴻池祥肇君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 まず、平和安全法制整備法案は、存立危機事態に際して実施する防衛出動、重要影響事態に際して実施する米軍等に対する後方支援活動その他の我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するために我が国が実施する措置について定めるものであります。
 次に、国際平和支援法案は、国際平和共同対処事態に際し、諸外国の軍隊等に対する協力支援活動等を行うことができるようにするものであります。
 委員会におきましては、両法律案について審査を進め、その後に提出された小野次郎君発議に係る武力攻撃危機事態に対処するための自衛隊法改正案外六法律案と一括して議題とし、審査を行いました。
 この間、安倍内閣総理大臣、中谷国務大臣、岸田外務大臣ほか関係大臣、発議者等に対して質疑を行うとともに、参考人質疑、中央公聴会、神奈川県での地方公聴会を行うなど、審査を重ねました。
 また、大野元裕君外七名の発議に係る領域警備法案について、趣旨説明を聴取いたしました。
 委員会における主な質疑の内容は、我が国を取り巻く安全保障環境の変化と平和安全法制整備の是非、憲法解釈の変更と法的安定性の問題、専守防衛との整合性、存立危機事態の具体的事例と該当性、外国軍隊への後方支援の在り方、国際平和協力業務の追加と武器使用権限見直しの理由、米軍等の武器等防護の新設の妥当性、例外なき国会の事前承認と事後検証の必要性等でありますが、詳細は会議録によって御承知願います。
 両法律案の質疑を終局し、討論を省略し、直ちに採決に入ることの動議が提出され、本動議は多数をもって可決されました。
 次いで、順次採決の結果、両法律案はいずれも多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、両法律案に対しまして国会の関与の強化等を内容とする附帯決議を行いました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
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○議長(山崎正昭君) 野上浩太郎君外一名から、賛成者を得て、
 両案に対する討論その他の発言時間は一人十五分に制限することの動議が提出されました。
 これより本動議の採決をいたします。
 足立信也君外五十七名より、表決は記名投票をもって行われたいとの要求が提出されております。
 現在の出席議員の五分の一以上に達しているものと認めます。
 よって、表決は記名投票をもって行います。本動議に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。
 議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
○議長(山崎正昭君) 御静粛に願います、小西君。──山本君、速やかに御投票願います。──速やかに御投票願います。──山本君、速やかに御投票願います。──山本君、このままでは投票時間を制限せざるを得ないことになります。速やかに御投票願います。──速やかに御投票願います。──速やかに御投票願います。ただいま行われております投票につきましては、自後一分間に制限いたします。時間が参りましたら投票箱を閉鎖いたしますので、速やかに御投票願います。一分間です。──間もなく一分間が来ますので、投票願います。
 投票漏れはございませんか。──投票漏れはないと認めます。投票箱閉鎖。
   〔投票箱閉鎖〕
○議長(山崎正昭君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
   〔議場開鎖〕
   〔参事投票を計算〕
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数        二百三十八票  
  白色票          百四十五票  
  青色票           九十三票  
 よって、本動議は可決されました。(拍手)
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   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
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○議長(山崎正昭君) 両案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。福山哲郎君。
   〔福山哲郎君登壇、拍手〕
○福山哲郎君 民主党・新緑風会の福山哲郎です。
 現在も、私は与党のあのような暴力的な強行採決は断じて認めるわけにはいきません。今も、国会の周辺に多くの方々が反対の声を上げて集まっていただいています。全国で、テレビやツイッターやフェイスブック、あらゆるメディアを通じてこの国会が注視をされています。
 たくさんの人々は、有名になった学生団体のSEALDsだけではありません。憲法学者、元法制局長官、元最高裁判事、最高裁長官、各大学の有志の皆さん、そして何より、一人一人、個人としてこの法案を何とか廃案にしたいと、少しずつ、一歩ずつ勇気を持って動き出していただいた皆様が、今この国会と全国で注目をいただいています。
 これらの数え切れないほどのたくさんの皆様の反対の気持ちを代弁するには余りにも力不足ではございますが、満身の力を込めて、この立憲主義、平和主義、民主主義、日本の戦後七十年の歩みにことごとく背くこの法案に対して、違憲と断じ、私は反対をここで表明させていただきます。
 そして、多くの国民の皆様に心からおわびを申し上げます。今も恐らく祈りにも似た気持ちでこの国会を見ていただいているでしょう。でも、残念ながらあと多分数十分もすれば、数の力におごった与党がこの法案を通過させることになるでしょう。本当に申し訳なく思います。期待していただいた野党は力不足でしたが、それぞれの委員、それぞれの政党、それぞれやれることを国会の中で懸命にやらせていただいたつもりです。そこは国民の皆様に信頼をしていただきたいと思います。
 先ほど何の採決が行われたのか、画面を見て分からない方がたくさんいらっしゃったかもしれません。あれは、与党がこの本会議のこういった発言に対して時間を十五分以内にしなさいという制限を付ける動議を提出をして、我々はそれに対して、反対、賛成の票を投じて、結果として、今のこの私の発言は十五分で制限をされました。
 この本会議、これまで何度も、問責決議、解任決議、いろんな決議に対して与党はこの動議を提出をし、野党側の発言の時間を制限をしました。例えば、三十分議論をしたいと原稿を持ってきた議員は、それで自分の言いたいことを言えないまま壇上を降ろされることもたくさんありました。私が若かりし頃、もう十年以上前になりますが、この参議院でどうしても通したくない盗聴法という法案に対し三時間、いわゆるフィリバスターという反対演説をされた議員が先輩でいらっしゃいました。今日も、お隣の衆議院では我が党の枝野幹事長が約二時間の演説をされました。
 私がこの動議の話をし出すと、最低限のルールだとか、そういったやじが飛びました。なぜ、隣で二時間の議論が許されて、参議院は十五分なのでしょうか。参議院も国会も含めてここは言論の府です。我々は国民の言葉を伝えるためにここに立たせていただいています。それを与党が数で言論を封殺することは許されません。
 そして、この言論封殺は、強硬に審議を打ち切り、一昨日あの暴力的な強行採決をしたことにつながっています。暴力的な強行採決と言論封殺の末に我々野党の議員の表決権を奪った、このような法案の一昨日の採決は存在し得ない、あり得ない、私はそう思います。
 しかし、そう言うと、じゃ、何でおまえはここに出てきたんだと言われる方がいるでしょう。それは、我々は、一昨日のあの理不尽な採決に抗議をして、ここから例えば退席をしたら、一番楽をするのはあなたたちじゃないですか。そして、この言論封殺の実態も国民に知らせないまま我々はこの国会から立ち去ることを、我々自身の気持ちとして許さないから、あの採決は我々は無効だと思っているけれども、とにかく国民の皆さんの気持ちを代弁し、反対の気持ちを、反対の意思を表明するために、ここに全員立たせていただいています。
 三権分立の我が国で、立法府で審議中の法案に対して、OBとはいえ、司法、それも最高裁長官が違憲と発言をされることは極めて異常な事態です。最高裁長官の発言や法制局長官の言葉を一私人の言葉として切り捨ててしまう、いかにそれが大それた傲慢なことか、やってはいけないことをしているのか、なぜ与党の皆さんは、安倍総理は理解できないのでしょうか。それがこの国の法治国家としての基盤を崩してしまうことをなぜ理解し得ないのでしょうか。
 当時の最高裁長官の山口元長官は、長年の慣習が人々の行動規範となり、それに反したら制裁を受けるという法的確信を持つようになると、これは慣習法になる、憲法九条についての従来の政府解釈は単なる解釈ではなく、規範へと昇格しているのではないか、九条の骨肉と化している解釈を変えて集団的自衛権を行使したいのなら、九条を改正するのが筋であり、正攻法でしょうと、今回の法案について違憲と述べておられます。至極真っ当な意見です。
 そして、その前には、政府高官は、違憲かどうかは最高裁が判断するんだとうそぶきました。そして、元の最高裁長官がこういう発言をされると、一私人だと切り捨てました。御都合主義もいいかげんにしてください。そして、国権の最高機関である立法府の人間が、自らが立法する法律を違憲かどうかを最高裁に判断してくださいと丸投げして、それで立法府の責任が果たせるんですか、皆さん。そんな当たり前のことがなぜ分からないんだ。そして、そんな当たり前のことをなぜ理解せずに最高裁に任せればいいなどという無責任な発言をするんだ。私は、同じ立法府にいる者として大変恥ずかしく思います。
 砂川判決も昭和四十七年見解も、審議の中でもう根拠にならないことは明白になっています。(発言する者あり)
 おまえの質問は毎回同じか。おい、今言った者、僕の議事録を読んだか。おい、今のやじは許せない。私の議事録を読んで、私の質問が全部同じかどうか、今ここで証明しろ。おい、今言った者、手を挙げろ。おい、今言ったのは誰だ。議長、今のは許せぬ。今のは許せないやじです。この状況であのやじは何だ。議長、お願いします、注意してください。注意してください。やじを言って、誰だと言われて自分だと言えないようなやじを言うな。(発言する者あり)ブーメランで返ってくる。私は今壇上にいるんだ。
 いいですか、少なくとも四十年以上、日本は集団的自衛権の限定行使はできないと、歴代の法制局長官とあなた方自民党の先輩、それぞれの皆さんが、内閣総理大臣も含めて全ての閣僚がそれを決めてきたんです。歴史の歩みを軽んじ、法的規範性を壊すことになぜそんなに鈍感なのか、なぜそこに謙虚さを持てないのか。
 私は、戦後七十年のこの歴史と先人の、日本をこれまで豊かにしてきた自民党の歴代の保守の政治家に一定の敬意を持っています。しかしながら、今の自民党、あなた方は歴史の歩みと先人のこれまでの御尽力をまさに切って捨てる、あなた方に保守を語る資格はありません。あなた方にあるのは単なる保身にすぎません。
 もう違憲かどうかは明白です。ホルムズ海峡も立法事実としてはどこかへ行きました。総理の発言がありました。それも、この法案の審議の終盤に発言するところに安倍総理のある種の私はこそくさがあると思います。米艦防護も、もう米艦一隻では動かないということを、これも総理を含め認められました。自衛隊のリスクはない、減ると言った安倍総理の発言も、もうほとんど絵空事になっています。
 なぜ、ここまで審議の中で、この法律の出来の悪さが、この法律の矛盾が、我が国の有事に対する、これまでの我が国の安全保障の法体系を崩していることが明らかになっているのに、なぜ、謙虚にそれを素直に修正をしたり改正をしたり、さらにはしっかりと出し直すことをあなたたちは考えないんですか。
 総理やあそこにいらっしゃる中谷大臣の答弁が二転三転をするにつけて、それをかばうために別の条文を引っ張り出し、それを何とかごまかすために別の答弁をし、そして、どんどんどんどん深みにはまって、混乱に混乱を極めて、一体、これだけ論点が散らかったままで実力部隊の自衛隊の皆さんをどうやって海外に出すんですか。
 私は、今回、北澤元防衛大臣と一緒に委員会に臨ませていただきました。防衛大臣は自衛隊員の皆さんを本当にかわいがっておられて、いろんなお話を、逆に北澤防衛大臣から指導を受けました。その北澤防衛大臣ですら、こんなことで自衛隊員を外へ出すのは忍びない、そう言っている北澤防衛大臣の思いをなぜあなた方は分からないんですか。自衛隊員の皆さんにも家族がある。自衛隊員の皆さんにも人生がある。何であなた方はこんないいかげんな法律で自衛隊員の皆さんに下令をして海外に行けと言えるんですか。
 一つ重要なことを申し上げます。これは重要なので聞いてください。(発言する者あり)その時間を守れというやじと同じぐらい重要なルールの話なので聞いてください。
 一昨日の暴力的な強行採決は……(発言する者あり)最後ぐらい黙って聞け。あなたたちには武士の情けもないのか。
 一昨日の強行採決の場面を思い出してください。鴻池委員長が復席をされました。私は野党の理事の立場として、あの委員会の議事は実はまだ合意ができていませんでした。もちろん委員長が職権で立てておられることは私は承知の上です。しかし、職権で立てていることは承知の上ですが、合意をしていないので、私は、これが始まる前に、委員長に議事を整理をしたいと言って、ゆっくり委員長のところに歩み寄りました。そうしたら、突然与党の議員が、それも委員会のメンバーではない議員が、二十名以上がだあっと来て、あっという間に混乱の極みになりました。
 皆さん、昨日、参議院のスタッフが御丁寧に私に一昨日の議事の日程を出してくれました。いつどこで何の議事がされたか、採決がされたか全く分からない状況のどういうわけか議事が出てまいりました。時間があって、何か知らないけど、採決とか書いてあります。これで、実は見事に、見事にですよ、委員会の開会の時間が入っていません。議事録を見ていただければお分かりのように、委員会の開会が、スタートしていません。つまり、野球でいえば、プレーボールが掛かっていないのに、試合がされていないのに採決なんて、皆さん、あり得ないでしょう。
○議長(山崎正昭君) 福山君、時間が超過をいたしております。簡単に願います。
○福山哲郎君(続) そして、委員長認定というこの紙に重要なことが書かれています。重要なことが書かれています。実は、その前の日にありました地方公聴会の報告がされていないことがこの委員長認定の紙でも明らかになりました。
 参議院先例二八〇、「派遣委員は、その調査の結果について、口頭又は文書をもって委員会に報告する。」、こう書いてあります。委員会に派遣は報告をしなければいけません。派遣報告はされていません。地方公聴会の派遣は、我々の委員会四十五人でしたが、二十人です。残りの二十五人は、実は地方公聴会のことを聞いていません。そして、その委員会の報告を聞いて、それぞれが地方公聴会の中身、公述人の方の中身を確認をして、審議にそれを供して採決に至るというのが参議院の委員会のルールです。ところが、委員会の報告がないということは、地方公聴会をしたにもかかわらず、実は採決としては重大な瑕疵があるということが明らかになりました。
 そしてこのことは、野党の表決権が剥奪されたことに加え、公述人は外部の方です。外部の方が委員長のお願いで、要請で公述に来られました。そして、その公述に来られた方の公述が委員会に報告をされませんでした。
○議長(山崎正昭君) 福山君、福山君、大幅に時間が超過をいたしております。簡単に願います。
○福山哲郎君(続) 委員会がその報告を受けなければ、議事録には載せられません。つまり、このままでいうと、あの地方公聴会は、開催をされて公述人の方はしっかりと公述をしていただいたのに、その議事が議事録に載らないということは、あの公述人の地方公聴会はなかったものにされます。これは外部との関係です。(発言する者あり)
 済みません、先ほどからルールを守れと言われていますが、いいですか、時間を制限をしたこの十分や二十分よりも、採決の要件である地方公聴会の委員会報告がない方がルールとしては大変な瑕疵になります。
 我々の野党推薦の公述人は、東京大学名誉教授・元副学長・前日本学術会議会長広渡清吾さん、弁護士・青山学院大学法務研究科助教水上貴央さんです。これは外部の方でございまして、この外部の方の議事録がこのままなくなったことにされてしまうというのは、参議院としての最大の汚点を残すことになります。そしてそれは、この採決が無効であることになります。
 そして、もう一つ申し上げます。私は、このことは何としても、外部だから、与党も野党も関係ない、時間の遅延も関係ない、そんなことではなくて、ちゃんと委員会を開いて報告をしてほしいと言って、自民党の筆頭理事に一昨日の夕方からこの問題を申し上げて、理事懇を開いていただいて、委員会をとにかく短期間でもいいからやらないと議事録に残らないからやってくれとお願いをしたのに、全くもって音沙汰なし、黙殺をされました。これこそが言論封殺じゃないですか、皆さん。
 私は、こういったことが政治の信頼をなくすというふうに思います。(発言する者あり)八分が何だ。あなたたちは、あなたたちは我々の審議を一昨日打ち切ったんだ。そのぐらいのことは寛容で、武士の情けで聞け、黙って。(発言する者多し)分かりました。あと一個論点を言って締めくくりの話をして終わりますから、静かにしてください。
 総理は、そして自民党の方々は、戦争法案と言われるのを嫌いました。戦争法案、戦争法案、言われるたびにレッテル貼りと言われました。しかし、総理は議事録で何度も何度も、アフガン戦争、イラク戦争、湾岸戦争と言われました。
 日本は、アフガン戦争、湾岸戦争、イラク戦争を違法な戦争と認定したことはありません。総理は、戦争というと、日本は違法な戦争には参加しないと言っているのに、じゃ、この三つの戦争は総理は違法と思っているのか。間違いなく思っていません。そして、アフガン戦争では、イギリス、カナダ、フランスが集団的自衛権の行使をしています。そのときに、イギリス、フランス、カナダ等がアフガン戦争は戦争ではないと言うんでしょうか。
 そして、岸田外務大臣は、ジュネーブ条約上、存立危機事態の状況のときには日本は紛争当事国だということを認めています。紛争当事国というのは、戦争に参加をしている国ということです。そして、総理自身がアフガン戦争と言っている戦争は、日本国政府は違法だとは言っていません。そこに集団的自衛権を行使することは、当然戦争に参加をすることです。そのことを私は総理に確認したかったけれども、総理が審議を打ち切ったので、このことも確認できませんでした。ですから、戦争に参加する法案だということは全く間違いのないことだというふうに思います。
 戦争法案だと言われれば、本当に何か考えられないぐらいすぐに反応する。そして、専守防衛はいささかも変わらないとうそぶくけれども、全くそんなことはない。自衛隊のリスクはないと言いながら、自衛隊のリスクはとんでもなく広がっている。そして、この法案の名前が平和安全法制、どうやって国民をごまかそうとしているんですか。それを国民が見抜いたからこそ、反対の声が広がっているんじゃないんですか。安倍政権の欺瞞性に気付いたからこそ、国民はこの法案に声を上げているんじゃないんでしょうか。
 最後に申し上げます。
 残念ながら、この法案は今日採決をされるかもしれない。しかし、この闘い、今は負けかもしれませんが、しかし、私は、試合に負けても勝負には勝ったと思います。私は、国会の外と国会の中でこれほど国民と政治がつながった経験をしたことがありません。
 単なる私見ですが、奥田さんを始めとするSEALDsに参加をしている若者や、子供たちをだっこしながら国会の周辺に来た若い奥様方や、女性や、そういった人たちは、多感な中学生や高校生のときにあの三・一一の東日本大震災を経験されています。
 たとえ被災地ではなくても、中学や高校の多感なときに、生きることや、突然家族や仕事や住んでいるところがなくなる人生の不条理や、さらには原発事故の矛盾に向き合ってきた世代が今のSEALDsに参加している若者の世代です。彼らの感性は、ひょっとしたら我々の時代とは違っているかもしれない。僕は、この国の民主主義に、彼らの感性に可能性を感じています。
 どうか、国民の皆さん、諦めないでください。闘いはここから再度スタートします。立憲主義と平和主義と民主主義を取り戻す闘いはここからスタートします。選挙での多数派などは一過性のものです。国民の気持ちを、どうか、ずっと、ずっと、この矛盾した、このおかしな法案に、国民の気持ちを、どうか怒りの気持ちを、何とかしたい気持ちを持ち続けていただいて、どうか、どうか闘いをもう一度始めていただきたいと思います。
 私たちも皆さんの気持ちをしっかり受け止めて闘い続けること、そして安倍政権を何としても打倒していくために頑張ることをお誓い申し上げまして、私の反対討論とさせていただきます。(拍手)
○議長(山崎正昭君) 石井準一君。
   〔石井準一君登壇、拍手〕
○石井準一君 自由民主党の石井準一です。
 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となりました平和安全法制に対し、賛成の立場から討論をいたします。
 国民の皆さん、本法案の目的は大きく分けて二つあります。一つは、我が国の抑止力を強化をすることであります。もう一つは、国際協調によって世界の平和と安定に貢献をすることであります。
 抑止力の強化については、我が国の存立が脅かされる事態において限定的な集団的自衛権の行使を可能にすることで日米同盟がより強固なものになるわけであります。これによって、我が国を攻撃しようとする他国の意欲をそぎ、戦争を未然に防ぐことになり、我が国の安全をより確実なものにすることができます。
 国際協調については、国際社会が国連決議の下に一致団結をして対応するような事態において我が国が後方支援を行うことを可能といたします。平和回復後のPKOにおいても自衛隊の活動範囲を拡大をいたします。これらによって我が国の能力に応じた国際社会における責任を果たし、世界の平和と安定に貢献をすることができます。
 安倍総理は、就任以来、五十五の国と地域を訪問をして、我が国の積極的平和主義の考え方を説明してこられました。その成果もあって、これまで各国から、我が国の国際平和に対する更なる貢献について支持や期待の声が寄せられております。そうした期待に応えるためにも本法案の成立が必要であります。
 国会での立法が合憲か違憲かを確定する唯一の機関は、憲法の番人たる最高裁判所であります。その最高裁が自衛権について示した唯一の判決が昭和三十四年の砂川事件判決であります。そこでは、我が国が自国の平和と安全を維持し、その存立を全うするために必要な自衛のための措置をとり得ることは国家固有の権能の行使として当然であるという考え方が示されております。
 今回の法案は、国の存立が脅かされ、国民の生命、自由、幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合に限って限定的な集団的自衛権の行使を認めるものであり、完全に砂川事件判決が示す自衛のための措置の範囲内であります。そして、必要最低限の武力の行使しか認められないという従来の政府見解における憲法九条の解釈と基本的な論理は全く変わっておらず、合憲性と法的安定性は確保されております。
 多くの憲法学者はこの法案は違憲であると主張をしているという指摘もありますが、憲法学者の過半数が自衛隊の存在自体を違憲だと言っていることを無視してはなりません。我々は国を預かる責任ある与党として、より現実に沿った、そして最高裁の判決にも沿った立場でこの法案の合憲性を確信をしております。最後は政治の責任で我が国の安全保障の在り方を決めていかなければなりません。
 しかし、我が国を取り巻く安全保障環境の変化は一刻の猶予もありません。アメリカが世界の警察と言われる時代は終わりつつあります。中国は、二十七年間で軍事費を四十一倍に増やし、東シナ海や南シナ海で海洋進出を急速に進めております。北朝鮮は、発射から十分で我が国に届くミサイルを数百発も配備をし、核実験も三回行っております。先月には、北朝鮮が設置した地雷で韓国の兵士二名が負傷し、双方の緊張が衝突一歩手前まで高まりました。
 このように、安全保障をめぐる情勢はいつ急変するか分かりません。今すぐ準備を整えておく必要性があるのです。そのために必要な本法案であり、速やかな成立が不可欠であります。
 この法案に対して、まだ審議が尽くされていない、そのような意見がありますが、しかし、我々は審議が拙速であってはならないと考え、過去最長の九十五日間の会期延長を行いました。そして、衆議院では百十六時間、参議院においても百時間を超える審議を行い、本日の採決に至っております。衆議院では九割が、参議院では六割が野党の質問時間でありました。参議院独自の片道方式を初めて用いて、質問時間をきちっと確保できるよう、責任与党としての工夫もしてまいりました。また、総理に対する質疑も、衆議院が約四十五時間であったのに対し、参議院では約四十九時間を掛け、丁寧に審議を重ねてまいりました。
 そして、本法案は、日本を元気にする会、次世代の党、新党改革と度重なる協議の結果、御理解をいただき、我々自民党そして公明党の間で五党協議が調いました。まさに冷静に議論ができた結果ではありませんか。成熟した民主主義の表れであります。決して、強行採決、強行採決と言っている野党の指摘は当たらないと思っております。
 議場におられる国会議員の皆さん、法案に賛成であれ反対であれ、意思を明確にして票を投じるべきときではないのでしょうか。それこそが憲法の定める国会議員の役割であります。投じられた国民の一票を決して無駄にすることなく、国会における代表としての行動をすることが国会議員に対しての憲法上の要請ではないのでしょうか。
 今後、安全保障に関する国民意識の向上、そのためにも、我々自身の努力によって我が国の民主主義をより成熟したものにしていかなければなりません。本法案の成立がそのための一つの契機になることを願いたいと思います。そしてまた、本法案に対しての国民の理解が更に深まるよう、我々も政府・与党として説明責任を果たしてまいります。
 御参会の皆様方に対し、本法案の必要性について冷静に御判断の上、賛成いただくことをお願いし、私の討論を終わらせていただきます。(拍手)
○議長(山崎正昭君) 小野次郎君。
   〔小野次郎君登壇、拍手〕
○小野次郎君 維新の党の小野次郎です。
 私は、会派を代表して、政府提出の安全保障法制関係二法案に対して、満身の憤りを込めて反対の立場から討論を行います。
 議長、与党議員を含めた同僚議員の皆様、まず、私は特別委員会においてあのような強行採決が行われたことを非常に残念に思います。委員会における議事録を確認しても、鴻池委員長の着席と退席の事実の記載しか残されておらず、何の採決が行われ、どのような結果になったのか、外形的には全く形跡が残っておりません。このような委員会採決は不存在と言うべきであり、本会議への上程など、その後の手続は法的に無効であります。
 また、政府案に対する対案を示して建設的な議論をすべきだと言ってきたのは、安倍総理御自身であり、中谷防衛大臣を始め自民党高村副総裁や公明党北側副代表など政府・与党の皆さんであり、鴻池委員長御自身もそのように発言されておられました。にもかかわらず、委員会において並行審議されていた我が党提出の領域警備法など八法案については、十七日の議事の中で政府案採決に先立って採決の手続が取られなかったことは、法案提出者に対して極めて非礼であり、背信行為であります。強く抗議し、関係者の皆さんの猛省を求めます。
 さて、今回の政府案の内容をつぶさに見れば、根本的に不備と欠陥と矛盾だらけであります。
 私たちも、安全保障環境の変化に対応した安保法制の整備は重要であると認識しています。しかし、それは何よりも我が国自身が直面する安全保障上の課題にジャストミートしなければならないし、憲法適合性の枠内のものでなければならないことは言うまでもありません。
 切れ目のない安全保障は重要であっても、憲法無視の歯止めが掛からない安全保障や、対米追従で止めどのない安全保障は許されるものではありません。その意味で、特に島嶼部などの領域警備を強化する領域警備法を政府が整備しないのは重大な欠陥です。平時において北朝鮮による拉致事件などから一人一人の国民を守るためにも、領域警備力強化の法整備を強く訴えます。
 我々維新の党は、これまでの個別的自衛権と集団的自衛権の解釈の境界線が、常に自動的に憲法適合性の合憲と違憲の境界となるわけではないという一点においては、昨年七月一日の閣議決定の内容を共有するものです。我々は、憲法適合性の枠内で専守防衛を堅持しつつ、国際的にも容認される自衛権の再定義に努めてまいりました。そして、目的、手段、効果のいずれを取っても、自国防衛のために行う必要最小限度の武力の行使はこれにかなうものであります。
 そもそも、集団的自衛権行使を認める今回の存立危機事態が、元最高裁長官、最高裁判事、歴代内閣法制局長官、さらには日本中の憲法学者など、かくも大多数の法律専門家から何ゆえ違憲であるとNGを突き付けられているのか、立法者である我々は専門家の意見にもっと謙虚に耳を傾ける責任があります。
 専門家が存立危機事態を違憲と判断する理由には幾つかのポイントがあります。私は、存立危機事態の構成要件の実質的内容自体が深刻な憲法上の問題を招いていると考えます。
 つまり、第一に、我が国に向けられた武力攻撃が想定されない場合、すなわちホルムズ海峡の機雷封鎖による原油輸入の途絶のようなケースにも我が国による武力行使の対象としている点であります。これでは、常に先制攻撃の批判を免れないことになり、もはや平和主義の柱である専守防衛の原則を維持しているとは言えません。
 また、第二に、最も厳格であるべき国家の軍事力の発動の要件を定める法規範は、誰の目にも明らかなくらい具体的かつ外形的基準によらなければなりません。存立危機事態の構成要件が余りに抽象的で文学的な形容句の羅列になっており、結局のところ、事実認定をその時々の政府の総合判断に一任しており、憲法上の十分な歯止めとはなっていません。これら二つの問題は、憲法解釈と国の安全保障の関係を実質的な立場から捉えようとする向きにおいても、存立危機事態が違憲であると判断される実質的な理由となっています。
 安倍総理は、何が何でも今回の安保法制によって集団的自衛権行使という看板を掲げることにこだわり続けています。しかし、いかに集団的自衛権を美化しようとも、自国防衛には結び付かない代物である本質に頭を巡らせていないことは誠に残念であります。
 国連発足以来、集団的自衛権行使として報告があったものは十四例あります。その中に、純粋に自国防衛と見られるものはただの一例も含まれておりません。典型例は、一九五六年のハンガリー動乱の際のソ連軍の軍事介入、六八年のソ連軍のチェコ侵攻、八〇年のソ連軍のアフガン侵攻、そして六五年のアメリカなどによる南ベトナムへの軍事介入などであります。今回の法律が成立すれば、我が国もこうした旧ソ連やアメリカと同様の軍事介入を行う法手続が整備されることになります。
 集団的自衛権行使の前提として、攻撃被害国からの要請又は同意の存在が国際法上の要件とされると政府は説明しておりますが、それはなぜか。今挙げた過去の報告例を見れば、容易にその理由が分かります。集団的自衛権の行使とは、他国からの要請又は同意を口実にして、自国防衛とは無縁の軍事介入について侵略や先制攻撃のそしりを免れるためのものでしかないということが誰の目にも明らかであります。
 憲法が容認しない集団的自衛権を認めさせようとするならば、今回のように憲法解釈の変更によるのではなくて、正面から憲法改正を国民に訴えて実現すべきであるという意見があります。憲法論からそれは誠に正論であります。
 しかし、私は、過去の集団的自衛権行使の実例を見る限り、こうした他国への軍事介入を可能にする制度を導入することは、憲法論以前に、我が国の安全を維持する政策の基本としても合理性は認められないので、このような憲法改正にも私は反対でございます。
 個別的自衛権の拡大解釈こそ危険な方向であり、戦前の日本を想起して、いつか来た危険な道だと吹聴する軍事専門家がおられます。私に言わせれば、個別的自衛権の拡大解釈にも危険性があるが、一方で、集団的自衛権の世界に踏み出せば、もはや自国防衛の目的という歯止めさえも吹き飛んでしまい、他国からの要請や同意さえ口実にすれば、先制攻撃や侵攻さえも正当化されるという恐ろしいリーサルウエポンを政府は手にすることになります。
 実際、国連に対する加盟国の武力行使報告例では、集団的自衛権行使を理由とする少数の例外を除けば、単に自衛権行使又は自衛の措置とのみ報告するのが通例となっています。国際社会において自国防衛として理解を得られる限りは、あえてそれ以上に個別的と集団的とを区別する実益など全くないのです。逆に言えば、存立危機事態による武力行使を自国防衛のための集団的自衛権と政府は繰り返し説明しますが、現実の世界には自国防衛のための集団的自衛権とか他国防衛を目的としない集団的自衛権などは実在しないんです。
 政府は、存立危機事態における我が国の武力行使は、常に他国からの要請が要件であるとしています。考えてもみてください、皆さん。自国の存立危機に当たって、他国からの要請がなければ立ち上がることができないとすれば、まさに座して死を待つことにつながってしまいます。この点においても、政府の説明する集団的自衛権は、実は、真に我が国の自国防衛を目的とするものとはなり得ないことを示しています。
 政府案に対して、維新の党は、憲法適合性の中で日本の安全保障を考える立場から、独自の対案を国会に提出して、自民、公明両党との間で二か月にわたり修正協議を行ってまいりました。与党との間で問題意識が共有された部分も幾つかありますが、政府案法文の修正を求める我々の立場からは、政府・与党の対応はゼロ回答と言わざるを得ず、残念ながら最終的に協議を打ち切りました。
 今回の法制が成立し施行されれば、直ちに、違憲を訴える多くの訴訟が提起されることが予想されます。また、政府案の違憲性を指摘している我々野党の立場からは、今後ともこの法制を正当なものと認めることはあり得ません。そうだとすれば、法曹界も学界も大半が違憲の立場に立っていますから、司法判断は全く予断を許しません。それでは、本来の国の基本であるべき法律制度が、司法権との間でも、立法権の内部でも、前代未聞の甚だしく法的安定性を欠いた状態に突入してしまいます。このような人騒がせな事態に全ての国民と自衛隊の皆さんをさらすことになる責任の重大性を政府は深刻に受け止めるべきです。
 国民の皆さんから負託を受けて一人一人が胸に付けている参議院議員のバッジは、はかりで量れば十グラムにも達しません。しかし、国家が危険な方向に進もうとする際に、それを食い止めるために我々が果たすべき責任は、一身で担い切れないほどの重さがあります。
 今、我々は、一人一人の判断と行動の責任が後の日までも問われるような重大な選択の場に立っています。それでも、この法案は多数派の力をもって間もなく可決、成立することになるでしょう。私は、与野党の区別なく、安全保障に対する見識と憲法遵守の良識をしっかりと共有できる全ての同僚議員と連携して、一日も早く政権交代を実現して国家の危機的事態を解消しなければならないと思っています。そうでなければ、この真夜中に、このそぼ降る雨の中で、国会を取り囲んで法案の成立阻止を念願する数万、いや、全国の数え切れないほどの多くの国民の皆さんに対する政治の責任を果たすことができないではありませんか、皆さん。
 我々維新の党は、憲法違反の疑いを顧みずに海外への軍事介入への道を突き進む安倍政権の手から、国家の平和と国民の安全を取り戻す決意であることをお約束して、私の反対討論を終わります。
 御清聴どうもありがとうございました。(拍手)
○議長(山崎正昭君) 谷合正明君。
   〔谷合正明君登壇、拍手〕
○谷合正明君 公明党の谷合正明です。
 私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました政府提出の平和安全法制関連二法案に対し、賛成の立場から討論をいたします。
 この度の平和安全法制は、厳しさを増す現在の安全保障環境の中で、外交努力を尽くすことを大前提に、憲法の枠内でどこまで自衛の措置が可能なのか、そこから出発した議論であります。
 我が国を取り巻く安全保障環境は厳しさを増しています。北朝鮮の弾道ミサイル関連技術は飛躍的に進化し、中国の軍備増強と海洋進出も活発化しています。
 こうした中、我が国は、日米防衛協力体制の信頼性を強化し、抑止力を向上させて、紛争を未然に防止し、あらゆる事態を想定した切れ目のない体制整備によって国民の命と平和な暮らしを守っていくことが求められています。今回の法制の目的はまさにそこにあります。この法制は、戦争を起こさせない、戦争防止法案なのであります。
 隙間のない防衛体制を築いていくために、我が国への武力攻撃が発生した場合だけでなく、日本と密接な関係にある他国に対する攻撃でも、これにより日本の存立が脅かされ、国民の生命、自由、幸福追求の権利が根底から覆されるような明白な危険がある場合に、かつ、ほかに適当な手段がない場合だけに限って必要最小限度の武力の行使ができるというのが存立危機事態における武力行使であります。
 昨年の閣議決定では、憲法九条を堅持し、自国防衛のための措置にとどめることを明確にするために自衛の措置の新三要件を定めました。この新三要件は、憲法九条の下でも例外的に武力の行使が許されるとした理由や根拠である昭和四十七年の政府見解の基本的な論理を維持したものです。今回の法案には、公明党の主張で、新三要件が過不足なく全て法律上に盛り込まれています。
 あくまで自国防衛のためにほかに適当な手段がない場合に限って必要最小限度の実力行使をするものであり、他国防衛の集団的自衛権の行使は認めておりません。すなわち、憲法九条の下で許される専守防衛の原理の中に入っており、違憲立法との批判は全く当たりません。
 平和安全法制には、自衛隊の活動を通じて国際社会に貢献していくことも盛り込まれました。国際社会と協力しながら、日本周辺、そして世界の緊張緩和に向けて各国とともに努力していく、世界の平和の実現なしに日本の平和や安全はあり得ません。
 自衛隊の海外派遣が無制限に広がらないように、特に国際平和支援法には、公明党の主張で、自衛隊の海外派遣の三原則として、国際法上の正当性の確保、国会の関与など民主的統制、自衛隊員の安全確保が盛り込まれました。
 国際平和支援法並びに重要影響事態法に基づく後方支援は、自衛隊が外国軍隊に輸送や補給の協力を行うもので、武力行使ではありません。外国軍隊の武力行使と一体化しないよう、現に戦闘行為が行われている現場では実施しないという大前提の下、後方支援の活動範囲については、活動を行う期間について戦闘行為がないと見込まれる場所を実施区域に指定するため、戦争に巻き込まれるとの指摘は当たりません。
 平成四年のPKO法制定時の議事録を読み返しますと、PKOは徴兵制につながる、侵略容認法案である、憲法の平和原則に対する真正面からの攻撃であり、じゅうりんであるといった反対論が見受けられました。しかし、皆さん、どうでしょうか。今や国民の九割が、今後も自衛隊はPKO活動に取り組むべきと答えています。
 この度の法案でも、戦争法案と批判する政党の一部がありますが、その批判は全く当たりません。今日の日本は、戦前と違い、憲法の平和主義を堅持し、侵略や戦争を否定し、一貫して国際協調を重視してきており、平和国家としての歩みは今後も変わることはありません。
 参議院での審議と並行して、自民、公明の与党と、日本を元気にする会、次世代の党、新党改革の野党三党との協議が行われました。そして、十六日、存立危機事態に該当するが武力攻撃事態等に該当しない防衛出動は、例外なく国会の事前承認を求めること、法制に基づく自衛隊の活動を百八十日ごとに国会に報告すること、また、その自衛隊の活動を監視、検証する組織の在り方を引き続き検討することなど、本法律案施行に当たっての五党合意が実現しました。
 なお、この合意では、維新の党との協議の中での意見や国会での議論を踏まえたものも一部取り入れています。
 鴻池特別委員長が指摘したとおり、衆議院の足らずを補っていく、できるだけ合意形成に近づけていくのが参議院の役割であります。この与野党五党の合意により、国民の代表である国会の関与を強め、国会による民主的統制を強化することは大変に大きな意義があると評価するものであります。
 この度の平和安全法制によって、安全保障上の備えを強化していくとともに、これを外交の推進力の裏付けとして、平和外交をこれまで以上に推し進めていくことが重要であります。
 最後に、安全保障と外交を車の両輪として、我が国及び国際社会の平和と安全を守るため、国会もまた政府とともに不断の努力を尽くす責任を負っていることを申し上げ、私の賛成討論といたします。(拍手)
○議長(山崎正昭君) 小池晃君。
   〔小池晃君登壇、拍手〕
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 私は、会派を代表し、そして今この瞬間も、国会を取り巻いている人々と、全国各地で怒りの声を上げている国民とともに、満身の怒りを込め、安倍政権が平和安全法制と称する戦争法案に反対する討論を行います。
 一昨日の委員会で、与党は、むき出しの暴力で議員の質問と討論の権利、そして表決権までを奪いました。戦後日本の歩みを大転換し、多くの日本人の命を危険にさらす法案、日本国憲法に明らかに違反する法案を、ぶざまで恥ずべき行為を繰り返し強行することの罪は余りにも、余りにも重い。断固として糾弾するものであります。
 反対理由の第一は、集団的自衛権の行使を可能とする本法案は、日本国憲法第九条を真っ向からじゅうりんするものだからであります。
 そもそも、戦争放棄、戦力不保持、交戦権否認を規定した憲法九条の下で、他国の戦争に加担する集団的自衛権の行使が認められる余地は寸分たりともありません。
 日本が武力攻撃を受けていないにもかかわらず海外で武力を行使することになれば、日本の側から武力紛争を引き起こすことになります。国際紛争を解決する手段として、国権の発動たる戦争と武力による威嚇、武力の行使を禁じた憲法九条への明白な違反ではありませんか。政府自身が六十年以上にわたり、自衛のための必要最小限度の実力組織だから自衛隊は憲法に違反しないと弁明し、憲法九条の下で集団的自衛権の行使が認められる余地はないと説明を繰り返してきたではありませんか。
 過去の戦争への反省もなく、よく聞いておきなさい、深みのある議論もなく、先人や先達が積み重ねてきた選択への敬意もなく、また、それによってもたらされることへの責任と覚悟もないままにこの解釈改憲を実行するならば、将来に重大な禍根を残すであろう。誰の言葉ですか。これは古賀誠元自民党幹事長の言葉です。歴代政権の憲法見解の根幹を百八十度転換し、数の力で押し通すことは、立憲主義の破壊、法の支配の否定であり、断じて、断じて許されるものではありません。
 衆参の国会審議を通じ、政府の論拠はことごとく崩壊いたしました。砂川判決には集団的自衛権への言及はなく、引用部分が判決を導き出す論理とは直接関係のない傍論であることを政府自身が認めました。総理は、ホルムズ海峡での機雷掃海を、衆議院では集団的自衛権行使の典型例として挙げ、それ以外は念頭にないとまで述べていたのに、参議院審議の最終局面で、現実には想定していないと百八十度全面撤回したではありませんか。
 総理は繰り返し、日本人の母子が乗った米艦防護のパネルを掲げて、日本国民の命を守るための法制だと説明していたのに、これまた本院での質疑の最終盤で、日本人が乗っているかどうかは絶対的なものではないと中谷大臣が述べ、総理は、日本人が乗船していない船を守り得ると答弁いたしました。
 存立危機事態なるものが一体どこにあるんですか。立法事実そのものが跡形もなく消滅したことになるではありませんか。
 そもそも、存立危機事態なるものの要件は極めて曖昧であり、結局、武力行使の判断を時の政府に白紙委任することになります。それを判断するに至った情報は、国会にも国民にも明らかにされず、秘密保護法によって隠蔽されてしまいます。政府は、必要最小限度の武力行使にとどまるなどと言いますが、法文上は、存立危機武力攻撃を排除し、速やかな終結を図ると規定しており、速やかな終結を図るためには最大限の武力行使になりかねないではありませんか。
 米軍等の武器等防護の規定を新設し、平時から米軍の空母や爆撃機の護衛を可能としていることも重大であります。地理的、時間的限定なく、国会の関与もなく、防衛大臣の判断一つで集団的自衛権の行使に踏み込むことを可能にするものであり、到底許されるものではありません。
 集団的自衛権は、先進国が海外での権益を守るために考え出された概念であり、アメリカの主張で国連憲章に盛り込まれたことが中央公聴会でも指摘されました。アメリカのベトナム戦争や旧ソ連のアフガン侵攻など、大国による軍事介入の口実とされてきた集団的自衛権の行使に日本が踏み込むことは、アメリカの無法な戦争に自衛隊が武力行使をもって参戦することにほかならず、その危険性は計り知れません。
 反対理由の第二は、米軍などへの軍事支援は、政府が憲法上許されないとしてきた武力行使との一体化そのものだからであります。
 周辺事態法を重要影響事態法にして地理的制約を取り払い、国際平和支援法も制定をして地球の裏側であっても米軍支援を可能にすることは、断じて容認できません。法案が規定をする補給や輸送、修理・整備、医療、通信などの活動は、武力行使と一体不可分の兵たんそのものであり、戦争行為の必要不可欠の要素を成すことは、国際的にも軍事的にも常識中の常識ではありませんか。
 政府はこれまで、非戦闘地域であれば武力行使と一体化しないなどと強弁してきましたが、その建前さえも取り払い、現に戦闘行為が行われている現場でなければ軍事支援を可能とするのが今回の法案にほかなりません。
 しかも、従来は憲法上慎重な検討を要するとしてきた弾薬の提供や、戦闘作戦行動に発進準備中の航空機に対する給油、整備まで実行可能としています。海上自衛隊の内部文書では、米軍ヘリが自衛隊のヘリ空母に着艦し、給油、整備の後、他国の潜水艦への攻撃を繰り返すことが明示されていました。世界中の誰が見ても、米国と一緒に戦争していることになるではありませんか。
 自衛隊が輸送する武器弾薬に何ら限定はなく、米軍のミサイルや戦車はおろか、非人道的兵器であるクラスター弾や劣化ウラン弾、核兵器であっても法文上は排除されない。まさしく歯止めなき米軍支援であることも、日本中に衝撃を広げたではありませんか。
 反対理由の第三は、今回の戦争法案が、日米新ガイドラインの実行法であり、アメリカの戦争に、いつでも、どこでも、どんな戦争でも、自衛隊が参戦するためのものにほかならないことであります。
 政府は、日本の平和と安全のためと言いますが、新ガイドラインは、日米が共同計画を策定、更新し、地球的規模で平時から有事に至るあらゆる段階で切れ目なく共同対処することを明記しています。
 統合幕僚監部の内部文書には、日米両政府にわたる同盟調整メカニズムを常設し、そこに軍軍間の調整所を設置することが明記されていました。これは、アメリカが世界のどこであれ戦争を引き起こした場合に、米軍の指揮下であらかじめ策定した作戦・動員計画に基づき、自衛隊、政府、自治体、民間事業者がアメリカへの戦争協力を実行するものであります。まさに自動参戦装置であり、我が国の主権を投げ捨てるものにほかならないではありませんか。
 第二次世界大戦後のアメリカは、国連憲章と国際法を踏みにじり、先制攻撃の戦争を繰り返してまいりました。ところが、日本政府は、こうした戦争に対して国際法違反として反対を表明したことはただの一度もありません。総理は、違法な武力行使をした国を支援することはないと言いますが、ただの一度もアメリカの戦争に反対したことのない政府が、アメリカの先制攻撃に唯々諾々と付き従うことになるのは、火を見るよりも明らかではありませんか。
 新ガイドラインは、日米間の軍事協力を地球規模に拡大するとともに、米国などに対する武力攻撃に対処するため日本が武力を行使することも明記しています。これは、日米安保条約の大改悪にほかなりません。国民的な議論も国会の承認もなく条約の根幹を改定するなど、到底許されることではありません。
 自衛隊の統合幕僚長の訪米会談録も明るみに出ました。河野統幕長は、昨年十二月に訪米し、法案の今年夏までの成立を米軍に約束していた。紛れもなく、紛れもなく軍の暴走であり、この法案が、自衛隊が海外で米軍と肩を並べて戦争するためのものであることをこれほど露骨に示すものはありません。しかし、安倍政権は、この自衛隊の暴走をかばい、真相解明に背を向けています。自民党の議員は、その情報入手を防衛省に対して調査しろと言う。まるで戦前の特高警察そのものではありませんか。
 今から八十四年前、もう昨日になりましたが、九月十八日に起きた柳条湖事件は、中国大陸への本格的な侵略を開始するものでした。当時の軍部の独走が日本とアジアの民衆に筆舌に尽くし難い苦しみと犠牲をもたらしたことを今こそ思い起こすべきときではないでしょうか。
 本法案が憲法違反であることは、今や明々白々です。圧倒的多数の憲法学者を始め、歴代内閣法制局長官、最高裁元長官、裁判官のOBが次々と怒りに満ちた批判の声を上げています。学生が、研究者が、文化人が、ベビーカーを押したママたちが、そして戦争を体験した高齢者が、思い思いの自分の言葉で反対の声を上げています。七割に上る国民が今国会での戦争法案の成立に反対し、審議は尽くされていないと答えているではありませんか。
 地方公聴会で、弁護士の水上貴央氏はこう述べました。国会は立法をするところです。政府に白紙委任を与える場所ではありません。ここまで重要な問題が審議において明確になり、今の法案が政府自身の説明とも重大な乖離がある状態でこの法案を通してしまう場合は、もはや国会に存在意義などありません。これは単なる多数決主義であって、民主主義ではありません。与党の皆さんは、この重い指摘にどう答えるんですか。
 特別委員会での強行に重ねて、この本会議では、自らの討論時間を自らの投票によって制限をし、そして強行成立をさせる。言論を封殺するファッショ的なやり方は、まさに議会の、議会人の自殺行為であり、断じて許されるものではありません。
 今、国会を取り巻き、あるいは全国津々浦々で安倍政治を許さないと声を上げている人々の怒りは、立憲主義と民主主義を否定するこの政治へのかつてなく深い怒りであります。それは、本院での中央公聴会でSEALDsの奥田愛基さんが語ったように、この国の未来について、主体的に一人一人、個人として考え、立ち上がっていったものです。時間時間と時間のことしか言わない恥ずべき議員は、議会から去れと私は申し上げたいと思います。
○議長(山崎正昭君) 小池君、時間が経過いたしております。簡単に願います。
○小池晃君(続) 憲法を踏みにじる政治は、日本の社会と国民を確実に変えつつあります。戦後の歴史に例を見ないような規模での国民的な運動、新しい政治を求める怒濤のような動きは誰にも押しとどめることはできません。そして、この流れは、必ずや自民党、公明党の政治を打ち倒すまで続くであろうということを私は申し上げたい。
 改めて、憲法破壊の戦争法案は、断固として、断固として廃案とすべきであります。
 日本共産党は、戦後最悪の安倍政権を打倒し、この国の政治に立憲主義、民主主義、平和主義を取り戻すため、あらゆる政党、団体、個人の皆さんと力を合わせて闘い抜く決意を表明し、憲法違反の希代の悪法、戦争法案に対する怒りを込めた反対討論といたします。
 ありがとうございました。(拍手)
○議長(山崎正昭君) これにて討論は終局いたしました。
    ─────────────
○議長(山崎正昭君) これより両案を一括して採決いたします。
 足立信也君外五十七名より、表決は記名投票をもって行われたいとの要求が提出されております。
 現在の出席議員の五分の一以上に達しているものと認めます。
 よって、表決は記名投票をもって行います。両案に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。
 議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
○議長(山崎正昭君) 山本君、速やかに投票願います。──山本君、速やかに投票願います。──山本君、山本君、投票を願います。──山本君、投票を願います。もう投票箱を閉鎖いたしますよ、どうぞ。投票してください。──投票しなさい。閉鎖しますよ。
 投票漏れはございませんか。──投票漏れはないと認めます。投票箱閉鎖。
   〔投票箱閉鎖〕
○議長(山崎正昭君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
   〔議場開鎖〕
   〔参事投票を計算〕
○議長(山崎正昭君) 御静粛に願います。
 投票の結果を報告いたします。
  投票総数        二百三十八票  
  白色票          百四十八票  
  青色票            九十票  
 よって、両案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
○議長(山崎正昭君) 本日はこれにて散会いたします。
   午前二時十八分散会