第189回国会 農林水産委員会 第5号
平成二十七年四月十四日(火曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 四月七日
    辞任         補欠選任
     堀井  巌君     末松 信介君
 四月八日
    辞任         補欠選任
     末松 信介君     堀井  巌君
     矢倉 克夫君     山口那津男君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         山田 俊男君
    理 事
                野村 哲郎君
                山田 修路君
                徳永 エリ君
                紙  智子君
    委 員
                金子原二郎君
                小泉 昭男君
                古賀友一郎君
                中泉 松司君
                馬場 成志君
                堀井  巌君
                舞立 昇治君
                小川 勝也君
                郡司  彰君
                柳澤 光美君
                柳田  稔君
                平木 大作君
                山口那津男君
                儀間 光男君
                山田 太郎君
   国務大臣
       農林水産大臣   林  芳正君
   副大臣
       内閣府副大臣   平  将明君
       内閣府副大臣   西村 康稔君
       厚生労働副大臣  永岡 桂子君
       農林水産副大臣  小泉 昭男君
       環境副大臣    北村 茂男君
   大臣政務官
       総務大臣政務官  あかま二郎君
       農林水産大臣政
       務官       佐藤 英道君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        稲熊 利和君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       澁谷 和久君
       厚生労働省医薬
       食品局食品安全
       部長       三宅  智君
       農林水産大臣官
       房総括審議官   荒川  隆君
       農林水産大臣官
       房技術総括審議
       官        別所 智博君
       農林水産省消費
       ・安全局長    小風  茂君
       農林水産省生産
       局長       松島 浩道君
       農林水産省経営
       局長       奥原 正明君
       農林水産省農村
       振興局長     三浦  進君
       農林水産省農林
       水産技術会議事
       務局長      西郷 正道君
       林野庁長官    今井  敏君
       水産庁長官    本川 一善君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○農林水産に関する調査
 (食料・農業・農村基本計画に関する件)
○競馬法の一部を改正する法律案(内閣提出)
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○委員長(山田俊男君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る八日、矢倉克夫君が委員を辞任され、その補欠として山口那津男君が選任されました。
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○委員長(山田俊男君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 農林水産に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官澁谷和久君外十名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山田俊男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(山田俊男君) 農林水産に関する調査のうち、食料・農業・農村基本計画に関する件を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○堀井巌君 おはようございます。自由民主党の堀井巌でございます。
 本日は、食料・農業・農村基本計画に関する件につきまして主に質疑をさせていただきたいというふうに存じます。
 自由民主党の方からは、私と、また同僚議員でございます古賀委員、そして舞立委員、三名とも総務省の出身でございます。みんな、これまで公務員時代は、地方の発展のために、特に農山村の発展のためにという思いで共通して仕事をしてきた者でございます。同期の委員でございますが、総務省ではたまたま先輩、後輩の間柄でございましたので、時間配分につきましては後輩のお二人に御配慮いただきまして、私、持ち時間五十分ということでさせていただきます。改めて感謝を申し上げます。
 それでは、今日はこの基本計画、そして私は林業のことについて後刻質問させていただきたいと思いますが、まずはこの食料・農業・農村基本計画についてお伺いをしたいというふうに存じます。
 前回の基本計画は平成二十二年でございました。今回二十七年、言ってみれば、この自公政権に交代してからのまさに初めての基本計画という位置付けだろうと思います。まさに、今おられます林大臣によります力作であろうと、このように感じておるところでございます。これは、今後十年先の我が国の農業の方向性を示すまさに基本戦略とも言えるものではないかというふうに私は受け止めております。
 「まえがき」を読みましても、食料・農業・農村施策の改革を進め、若者たちが希望を持てる強い農業と美しい活力ある農村の創出を目指していくと、このように書かれております。また、大臣も談話の中で、新たな基本計画の下で改革を実行し、若者たちが希望を持てる強い農業と美しく活力ある農村の実現に向けて全力で取り組んでまいりますと決意をお示しになっておられます。こういった力強い農業を実現していくんだというその強い意思を今回の計画から私は感じるところでございます。また、特に今回のこの基本戦略、私は、特に農村地域にあっては地方創生のまさに中核的な戦略として皆さんの期待もあるんではないかと、このように感じているところでございます。
 そういった観点から、この計画、どのような思いで、そしてどのような点を見直して、そしてどのような方向性でおつくりになられたのか、林大臣からお伺いをしたいと存じます。
○国務大臣(林芳正君) 新たな食料・農業・農村基本計画では、安倍内閣の下で進めてまいりました農政改革の取組、それから超高齢社会、本格的な人口減少社会の到来、こういった中長期的な情勢変化等を踏まえまして、農政改革の着実な推進に向けた対応方向を示させていただいたと考えております。
 食料・農業・農村基本法には、御案内のように食料の安定供給の確保、それから多面的機能の発揮、農業の持続的発展、それから農村の振興という四つの基本理念の実現を図っていくため、この施策の基本的な方針として、生産現場を強化して高付加価値化等を進めて農業の成長産業化を図るいわゆる産業政策とともに、農業、農村の持つ多面的機能の維持、発揮を図る地域政策、これを車の両輪ということで進めていきたいということにしております。
 それから、実現可能性を重視した食料自給率目標を設定するとともに、我が国の食料の潜在生産能力を評価した食料自給力指標というものを新たにお示しをいたしました。
 さらに、具体的な施策として、輸出拡大に向けた取組の強化、六次産業化の促進による新たな需要の取り込み、それから農地中間管理機構のフル稼働による担い手への農地集積、集約化や新規就農の促進、米政策改革の着実な推進による需要に応じた生産の推進、さらには農協改革、農業委員会改革による意欲ある農業の担い手が活躍しやすい環境づくり、それから集落機能の集約とネットワーク化など地方創生に関する取組の強化など、現場の皆様が創意工夫を発揮して取組を進めることができるよう、農政改革を着実に推進をいたしまして、今、堀井委員からお話をしていただきましたように、若者たちが希望を持てる強い農業、また美しく活力ある農村、この実現に向けて全力で取り組んでまいりたいと、こういうふうに考えております。
○堀井巌君 ありがとうございました。
 今回の計画、今の大臣のお話を伺っておりますと、多々、様々な、新たな取組も含めて意欲的な視点が感じられたわけでございます。その中で、全てというわけには時間の都合まいりませんが、幾つか私が問題意識を持ったものについて質問をさせていただきたいと思います。
 まず、食料自給率についてであります。
 今回、カロリーベースで四五%、そして生産額ベースについては七三%にするというふうな目標を立てられました。
 まず、このカロリーベースについて、前回の二十二年の計画が五〇でしたから、一部の報道等で五〇を四五に引き下げたというふうな報道もありますが、私は、それは計画論をやっていても仕方がないんではないかというふうに思います。やはり、一番この目標で重要なことは、現在の実際の自給率、これが今三九%、これをいかに四五%に引き上げていくかと、この部分に国民のきちんと信頼、負託に応える、このことがやはり何よりも私は重要ではないかというふうに考えておりまして、今回のこの位置付けは私は妥当ではないかというふうに思っているところでございます。
 また、生産額ベースでは、前回計画七〇%を今度七三%に引き上げられました。これも、やはり今、日本の農家の所得向上という観点を考えていったときに、やはりこの部分についてはしっかりと引き伸ばしていくということは今後の農業を考える上でも非常に重要ではないかと、このように思っております。
 そこでお伺いいたしたいんですけれども、今回、このカロリーベースで今ある現行の三九%を四五%に十年後にはしていくんだということですが、具体的にこの部分どのようにされるのか。もちろん生産額ベースでは七三%に引き上げると、この引き上げて目標を達成するための具体的な道筋についてお考えをお聞かせいただきたいと存じます。
○政府参考人(荒川隆君) お答え申し上げます。
 今御質問ございました食料自給率の関係でございます。
 先生から御指摘ございましたように、今の自給率を、十年後にカロリーベースで四五%、生産額ベースで七三%に引き上げるという目標を設定したところでございます。自給率には、食料消費の面と農業生産の両面における諸課題がございますので、それぞれの課題につきましてきちんと解決を図っていくということが必要と考えておるところでございます。
 まず、消費面でございますけれども、消費者の皆様方、それから食品産業事業者の方々に積極的に国産農産物を消費していただくということが大事であるということでございます。したがいまして、国内はもとより国外も含めまして、国産農産物の需要をしっかり拡大していくということが大切だと思っております。また、食育の推進ですとか消費者の皆様方の信頼の確保にしっかり取り組んでいくということで消費面の課題を克服していきたいと考えておるところでございます。
 次に、農業生産面でございますけれども、農業者の方々が、いわゆるマーケット・インの発想で、多様なかつ高度な消費者ニーズにしっかり対応した生産をしていただくということが重要であると考えておるところでございます。優良農地の確保ですとか担い手への農地の集積、集約化、そういったこと、それから担い手の育成確保、それから農業の技術革新、川下の食品産業事業者と連携をしてニーズのある生産供給体制をしっかり構築していくといったようなことをしっかり取り組んでまいりたいと思っておるところでございます。
○堀井巌君 ありがとうございます。
 私、今回の質問に当たって、改めて平成十二年、十七年、二十二年の過去三回の計画を読み直してみました。それぞれ、平成十二年の計画では二十二年には四五%になりますよ、そして十七年のときは十年後の平成二十七年には四五%になりますよ、前回の場合はその先、平成三十二年に五〇%になりますよと、今までの計画を書いてありましたけれども、現実がなかなかそこに行っていない。
 やはりこの基本計画が基本計画として、大きな戦略として国民の共通理解を得て、みんなで、よし、そこに向けてやっていこうというふうになるためには、やはり何としてでも、何回書いても到達しないけれども一応書いてあるという数字ではなくて、いかにこの四五%に向かって本気になって取り組んでいくかと、このことが一番重要ではないかと思いまして、今、様々なありとあらゆる手法を用いてやっていくというようなお話でございましたので、是非とも政策の展開に期待をしたいというふうに思います。
 次に、食料自給力についてお伺いをいたします。
 今回、初めてこの食料自給力という考え方が示されました。私は大変これは意義深いことだというふうに思っています。特に今、日本では人口減少だということが言われておりますけれども、世界全体を見渡したときに、この国際的な食料需給というのはやはりどうしても不安定な状況は今後も続いていくと、このように思うわけでありまして、そういった中で、何よりもこの食料の安定供給の確保の在り方について多様な国民の共通理解、多様な観点から様々な指標を提示し、しっかりとした議論をして国民的な共通理解を醸成していく、これは極めて重要ではないかというふうに思っておりますが、この食料自給力の意義、目的についてお伺いをしたいと思います。
○副大臣(小泉昭男君) 先生御指摘のとおり、国際的な人口の増加はかなり大きなものがございまして、こういう中で食料需給による不安定要素というのはもう最近ではかなり顕著なものになってきておることは事実でございまして、また多くの国民が国内生産による食料供給能力の低下を危惧しているわけでございまして、食料自給率につきましては、花卉などの非食用作物、この栽培されている農地が有する食料の潜在生産能力が反映されていないなど、我が国農林水産業が有する食料の潜在生産能力を示す指数としては一定の限界があるように思います。
 このため、新たな基本計画において我が国の食料の潜在生産能力を評価した食料自給力指標を新たにお示しすることによりまして、現実の食生活とは大きく異なる芋類中心型では推定エネルギー必要量等に達するものの、より現実に近い主要穀物型ではこれらを大幅に下回る、これは数字にも表れているわけでありまして、近年、食料自給率が横ばいで推移している中、食料自給力は低下傾向にございます。
 将来の食料供給能力の低下が危惧される状況にあるということでございますので、実情を国民の皆さんに知っていただくこと、食料安全保障に関する議論を深めていただくことも極めて重要だと考えております。その上で、生産者の皆さんには農地等の農業資源や農業技術等のフル活用、これをしていただきまして、国民の皆様に食料の安定供給の確保に向けた取組を行っていただくように国からもしっかり働きかけてまいりたい、このように考えております。
○堀井巌君 ありがとうございます。
 私も、この食料自給力という考え方が示されてから、地元に帰って改めて農地を見たときに、特に耕作放棄地や何かを見たときに、やはり改めてその潜在的な価値、こういったものをどうしていくのか、あるいは農地全体、今様々な形で生産活動が行われている農地を見たときに、こういったものの持つ価値というものを改めていろいろと考えるようになりました。やはり国民の共通理解をより深めていく、非常に重要な指標だというふうに私は思っておりますので、今後もこれが一過性に終わることなく、より国民の中で深い議論ができるように御尽力いただければと期待を申し上げております。
 次に、担い手の確保についてお伺いをいたしたいと思います。
 かねてより大臣の方からも、もう今高齢化が進んで平均が六十六歳なんだというような指摘もございました。今回の計画に付けられておりました参考資料を見ておりますと、平成二十二年現在で二百十九万人、そして今から十年後の平成三十七年、数十万人更に減っていくだろうというふうに見込まれているようでありますけれども、農林水産省においては、少なくとも、そういった時代にあっても、いわゆる担い手となる、働き手となる二十代から六十代までの就農者は九十万人必要だというふうに試算をされているわけであります。
 そうすると、働き手が九十万人必要だということは、仮に二十歳から六十九までですけれども、非常に単純計算をするために四十五年間ぐらいというふうにすると、九十割る四十五で一年当たりに二万人がきちんと定着をしていくという、こういうことがこの日本の農業の持続的な発展のためには非常に重要になってくると、このように私は思うわけでございます。現状ではどうも一万四千人ぐらいが新規就農されて一万人ぐらいが定着するということでありますので、この定着をする農業の若い方々、新規就農者も含めた方々をもっと増やしていく、定着させていくと、このことが非常に私は重要になるというふうに思います。
 そのためには、例えば農業大学校等を持っている地方団体も含めて、ありとあらゆる関係機関一体となって、国、地方一体となって、地域が一体となってこの新規の農業従事者、高めていくように努力することが私は非常に重要だと、このように考えておりますけれども、そういった、特にこの青年層の新規就農の育成確保に向けた支援等の取組についてお聞かせいただきたいと存じます。
○大臣政務官(佐藤英道君) 貴重な御指摘ありがとうございます。
 おっしゃるように、持続可能な力強い農業を実現していくためには、御指摘のとおり、農業の内外からの新規就農を促進し、若い農業者を定着ベースで倍増させ、世代間バランスの取れた農業構造にしていくことが極めて重要であると認識しております。
 このため、原則四十五歳未満の方を対象に、就農に向けた研修を受けている就農希望者に対する給付金、準備型と呼ばれておりますけれども、この給付金、並びに、経営開始直後の青年就農者に対する給付金、経営開始型と呼ばれているものでございますけれども、こうした青年就農給付金、さらには、農業法人等に雇用される形での就農に対する支援、農業の雇用事業、こうしたことを今実施しているところでございます。
 また、首都圏等におきましては、就農希望者や地方公共団体、農業法人等を一堂に会した就農相談会、新・農業人フェスタと言われているものでありますけれども、こうしたものの開催や、就職前の短期間、一週間から六週間にわたる農業インターンシップの施策なども実施をしているところでございます。
 今後とも、こうした対策を継続的に実施をしていくとともに、都市部の若い青年を農村部へ呼び込むとともに、世代間のバランスの取れた農業構造にしていく考えであります。
○堀井巌君 ありがとうございました。是非、取組を期待したいと存じます。
 次に、農産物の輸出についてお伺いをしたいと思います。
 国内マーケット、国内市場がどうしても人口減少とともに頭打ちになる中で、この輸出によって新たな需要を開拓していく、これは非常に極めて重要な取組だろうと思います。
 今回の基本計画を見ておりましても、グローバルマーケットの戦略的な開拓という項目で三ページ余りにわたって記述がなされております。この海外輸出についてそれだけの記述があるということは、林大臣始め農林水産省の皆さんの並々ならぬ意欲の表れではないかというふうに思います。また、平成二十五年には和食がユネスコの無形文化遺産に登録されましたので、まさにこの分野、今後、本格的に進めていくことが重要だというふうに思っておりますけれども、その輸出振興にどのように取り組まれるのか、お伺いをしたいと存じます。
○大臣政務官(佐藤英道君) 御指摘のとおり、我が国の農林水産物・食品の輸出拡大については、平成二十五年に策定をいたしました国別・品目別輸出戦略に基づきまして、輸出額一兆円目標を掲げ、官民一体となって現在取り組んでいるところでございます。昨年六月に輸出戦略の司令塔として輸出戦略実行委員会を創設し、品目別に輸出拡大方針の策定や輸出団体の育成なども進めているところでございます。
 このような取組の結果、昨年の輸出額は六千百十七億円と史上最高額となったところでございますけれども、今後とも、需要フロンティアの拡大のために、各国における輸入規制の緩和、撤廃などの輸出環境の整備を進めつつ、米や牛肉などそれぞれの品目の輸出を推進し、一兆円の目標をより早く、より大きく超えて達成できるように取り組んでまいりたいと思います。
 また、特に本年五月から開催される食がテーマのミラノ万博は、我が国の農林水産物のすばらしさを発信する絶好の機会でございますので、日本館では官民と一体となって食に関する多様な展示を行いますとともに、日本食文化の普及、宣伝に努め、輸出拡大につなげてまいりたいと考えております。
○堀井巌君 是非ともこの輸出振興、取組に期待したいと思います。ひょっとしたら、将来その輸出の市場が非常に大きく育って、この農林水産委員会でも視察に行くときにそういった海外の市場に行くことが議論されるような、そんなような取組になることを心から期待をいたしております。
 次に、六次産業化の取組についてお伺いをしたいと思います。
 これはもう、従前の計画からももちろん六次産業化の重要性についてはきちんと明記をされておりますし、またいわゆる六次産業化・地産地消法も制定されまして、まさに、これ本当にうまくいくのかどうかというのはこれからの努力次第なんじゃないかと私は考えております。特に、その中で、農林漁業者、生産段階にいかにこの六次産業化をしたときの利益の大本がきちんと還元できるか、残るかということがやはりこれからの農村地域の発展にとって非常に重要だというふうに思います。
 もちろん、私は水を差すつもりはありませんが、やはり分業というのはある意味経済原理から出てきているところもありますので、例えば流通体制がきちんと整う、あるいは加工のところでしっかりと食品衛生管理が行われた中で加工も行われるというような、やっぱりこれまで分業体制で行われたところの当然メリットもあったわけでありますが、そういったこともしっかりと念頭に置きながら、なおかつ、この六次産業化が生産地にしっかりと利益が還元されていくような取組が重要ではないかというふうに思いますが、その点いかがでございましょうか。
○大臣政務官(佐藤英道君) 御指摘のとおり、この六次産業化というものは、農林漁業者が農林水産物の生産だけではなく加工や販売を一体的に行う新たな事業活動によって自ら生産する農林水産物の付加価値を向上させる取組でありまして、農林漁業者の経営の改善や所得の確保を図る上で重要な取組であると認識をしております。
 一方、農林漁業者が六次産業化に取り組む際には、加工、販売等のノウハウが乏しく事業展開が難しいといった課題があるというのも事実であると思います。このため、農林漁業者と加工、販売等の二次、三次事業者との連携がより効果的に推進されるよう、現在三つの取組を行っているところであります。
 一点目は、中央、都道府県段階に六次産業化プランナーを配置し、農林漁業者等に対して新商品開発や販路開拓等に関するアドバイスを行う体制の整備。二点目に、六次産業化ネットワーク活動交付金による新商品開発や販路開拓、加工販売施設などの整備への支援。三点目に、農林漁業成長産業化ファンドの出資によるパートナー企業との戦略的資本提携の支援等の措置を講じているところでございます。
 今後とも、農林漁業者がこのような支援を活用しつつ六次産業化の取組を進めることにより農林漁業者の利益の増大につながるように積極的に努めてまいります。
○堀井巌君 是非期待したいと存じます。
 基本計画の質問の最後に、ちょっと少し地元の事情の話をさせていただきたいと存じます。今日は資料をお配りさせていただきました、この基盤整備のものを見ていただきたいと思います。
 奈良県の奈良盆地の話ですけれども、私の地元の奈良でも農地の集約化、担い手農業への転換というか改革を目指して地域でも取組が行われております。
 そういった中で、実は奈良県の場合は古来からの条里制というものの名残がございまして、一反、二反ぐらいの狭い区画ではありますが、整然と区画が残っているというのが奈良の田んぼの特徴でございます。そうすると、実は大規模な圃場整備ということをやらなくても、畦畔、あぜを取りまして少し高さ調整をして、そして用排水施設や何かをうまく整備していけば実は大規模化が図ることができるという特徴もあるわけでありまして、今積極的にこのことを進めていこうということで県も市町村もまた地域の方々も一生懸命やっておられます。
 この場合、予算としては基盤整備の関係の予算になるわけであります。何というんでしょうか、もちろん、何か農地の集約化というと農地中間管理機構だという、そういう政策としては思い浮かぶんですけれども、実は農水省の中にこういった基盤整備の部署も予算もありますけれども、こういった部署の取組が実はこういった農地の集約化、この基本計画にあるような担い手農業につながる極めて重要な部分でもあります。もちろん基本計画の中にもこの基盤整備の重要性については明記されておりますけれども、実は予算が厳しくて要望してもなかなか難しいという声も、これは今の厳しい財政状況の下で農林水産省の方でも苦労されていると思うんですけれども、是非ともこういった予算の確保についてよろしくお願いしたいと思いますが、一言お願いしたいと思います。
○副大臣(小泉昭男君) 大和平野地域ですね、今お話ございましたけれども、大変先進的な過去をお持ちなんだなと、こういうふうに思いました。
 今御指摘の部分でございますけれども、農地の集積、集約化を進めるため、圃場の大区画化等の農業生産基盤の整備を進める、これはもう当然今の流れでございますから、その際、用水路やため池の老朽化が進むことはもう大変数字の上でも明らかでございまして、これらの農業水利施設の長寿命化それと耐震化、ため池等については先般の大地震のときにも大分問題になりました。こういう課題にしっかりと対応していくことが重要だと考えております。
 このような観点に立ちまして、農業農村整備関係予算につきましては、御指摘いただきましたとおり、平成二十七年度当初予算において前年度比一〇四・八%、これ三千五百八十八億円計上させていただきました。この予算を着実に執行するとともに、引き続き必要な予算の確保に当省としてもしっかり努めてまいりたい、こういうふうに考えております。
○堀井巌君 ありがとうございます。前年度よりも予算、当初ベースで伸ばしていただいた、その御尽力に心から敬意と感謝を申し上げます。引き続き、もっともっとできる限りのきめ細かな、それぞれの地域に応じた、この基本計画の方向に向くような、それぞれの地域で努力しておりますので、きめ細かな目線でいろいろと御対応いただければというふうに希望いたしております。
 それでは次に、残された時間で林業について伺いたいと存じます。
 今回は、農業の農村基本計画が出ましたが、林業については、現行のものは平成二十三年、一年遅れでありますので、恐らくおおむね来年ぐらいにまた見直しの方向でいろいろお考えなんじゃないかというふうに思いまして、そういった中でも、これからまさに強い農業を目指すという、これに平仄を合わせる中で強い林業についても更にお取り組みいただきたいと、このように期待をしているわけでございます。
 そこで、林業の成長産業化に向けたまず施策の概要についてお伺いをしたいと存じます。
○政府参考人(今井敏君) お答え申し上げます。
 昨年六月に改定されました農林水産業・地域の活力創造プラン、ここにおきましては、林業の成長産業化を実現するために、新たな木材需要を創出すること、そして拡大する需要に向けて国産材を安定的、効率的に供給する体制を構築すること、こういった政策の方向性が示されております。
 農林水産省といたしましては、この活力創造プラン等を踏まえまして、まず一点目の取組といたしましては、CLTなどの新たな製品の開発普及ですとか公共建築物の木造化、あるいは木質バイオマスの利用促進、こういった需要面の支援の取組、二点目といたしましては、需要者ニーズに応じた国産材の安定供給体制を構築する、こうした供給面での取組支援、三点目といたしましては、間伐等の森林整備や路網の整備等の推進、あるいは林業や山村を支える人材の確保、育成、こうしたいわゆる川上から川下に至る施策に総合的に取り組んでいるところでございます。
○堀井巌君 ありがとうございます。
 以下、先ほどの農業の基本計画にちょっと並行した形で幾つかお伺いをしたいと思います。
 農業同様、林業においてもやはり人材確保、特に青年層の人材確保が重要だというふうに考えております。地元でも、やはり後継者不足、新規就業者、従事者、もっと入ってきてほしいという声もよく聞かれます。他方で、これまでの林野庁のお取組によって、若い林業従事者も少しずつではありますが増えているというふうには伺っております。
 そこで、ちょっと二つまとめてもうお伺いをしたいと思いますが、一つは、今やっておられます緑の雇用政策等の担い手対策の概要、それから新規就業者数と今までの対策による効果についてまずお伺いをしたいというふうに思います。あわせて、人材ということで考えますと、地域でいわゆる木を切ったりするという生産活動の場での人材確保はもちろんですけれども、林業経営、地域経営的な視点を持った方々、マネジメントのできる方々の人材確保も私は不可欠だと思いますので、フォレスター、プランナーなど国が今主体となって取り組んでおられる人材育成の取組状況についても併せて、この二つ、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(今井敏君) 林業の成長産業化を実現していくためには、先生御指摘のとおり、林業を現場で支え、造林、伐採、搬出等を担う技能者を確保、育成していくことが大変重要であると考えております。こうした観点から、平成十五年度から、林業事業体が新規就業者等を雇用し研修を行う場合に、その費用として研修生一人当たり月額九万円などを支援する緑の雇用事業を創設して、実施しているところでございます。
 本事業の実施に当たりましては、これまで、技能実習のための研修内容を充実させるとともに、研修期間を三年間に延長するほか、現場管理責任者等の育成のためのキャリアアップ研修の追加、あるいは林業大学校等において林業就業を目指す青年への給付金の支給、こういった施策の充実も図ってきているところでございます。
 この結果、林業への新規就業者の数につきましても、事業の創設前は年間で約二千人程度の新規就業者であったものが、事業開始後は平均約三千人強にまで増加しまして、長期的に減少してきている林業従事者も五万人程度で下げ止まるとともに、三十五歳未満の若者も増加しているというようなことでございます。
 もう一点、森林資源を循環利用し、林業の成長産業化を実現するためには、今申し上げましたような現場の事業者の確保に加えまして、施業の集約化など山自体をマネージングできる人材を育成確保することも非常に重要でございます。
 このため、農林水産省といたしましては、森林組合等の職員で、施業の集約化ですとか森林経営計画の作成を担う技術者を森林施業プランナーとして育成したり、あるいは、都道府県の林業普及指導員等で、市町村を技術面から支援する、あるいは森林施業プランナーに対して指導、助言を行うフォレスターを育成する事業、こうした取組を行っているところでございまして、平成二十七年三月現在、森林施業プランナーが千二十五名認定され、フォレスターが四百六十一名登録されております。
 今後とも、林業成長産業化を推進するための人材育成に努めてまいりたいと考えております。
○堀井巌君 ありがとうございます。もちろん、是非これまで以上にお取組をお願いしたいというふうに期待をしております。
 そこで、総務省から今日はあかま政務官にお見えをいただきました。一つ政務官にお伺いをしたいと存じます。
 私がこの林業関係に若い人たちが入ってくる入口として期待をしているのが、地域おこし協力隊でございます。今何か千五百人ぐらいが全国で参加をして六割ぐらいの方が終わった後も定着しているということで非常に期待をして、安倍総理も度々、これをもっと増やしていくんだというようなことも総務大臣始め皆さんおっしゃっておられるというふうに私も承知をしております。
 私の地元の奈良県でも、中山間地域の村に行きますと、地域おこし協力隊の方々、若い人たち、女性も含めて一生懸命頑張っています。当然、その地域の地域おこしということになりますと、林業を活性化しようということで様々な取組、イベントで頑張ってみたり、様々な取組を一生懸命頑張ってやってくれています。
 こういった人材というのは、林業の例えば高付加価値化、六次産業化をその地域で目指していくという上でも、林業関連産業の担い手と将来なり得るんじゃないかというような、そういう期待も私はするところでございますが、総務省の方では、この地域おこし協力隊、是非こういった林業に関わる方々のひとつ入口としても是非ともお考えいただければと思いますが、いかがでしょうか。
○大臣政務官(あかま二郎君) お答えいたします。
 先生御指摘のとおり、地域おこし協力隊、昨今では非常に関心集めておりまして、平成二十六年度には二十五年度比で一・五倍以上の一千五百名の若者が全国で活躍をし、各自治体それぞれで創意工夫と主体的な取組で今取り組んでおるところでございます。それで、先生がお示ししたとおり、協力隊員の約六割は引き続き同地域に住み続け、起業、就業、就農するなど極めて地域への定住、定着に寄与しておるところでございます。その意味では、山村の活性化、林業の再生等もこれは協力隊が入口になること、これは重要だというふうに思っております。
 先生の御地元の例で恐縮でございます。例えば奈良県川上村では、隊員が主体となって吉野杉の伐採見学ツアーといった林業ツーリズムの企画や地元の木材を使用した木製品のデザインのほか、地元の高原白菜を都市で販売する情報発信など吉野林業に関わる活動を行いながら、地区の盆踊りの復活、農家民宿の開業に向けた準備などの地域振興や、地域への定住、定着に向けた取組を行っておるところでございます。
 総務省においては、隊員の地域への定住、定着を促進するために、設備費等の初期費用や法人登記に要する経費など起業することに要する経費を平成二十六年度から、最終年次又は任期終了翌年に起業する隊員一人当たり百万円を上限として新たに特別交付税措置をしておるところでございます。
 今後とも、隊員が地域に定住、定着をして起業し、林業の振興に資するようにしなければならないと思っておりますし、総務省の取組に加え、林野庁の施策で隊員が活用できるもの、そうしたものを周知をするなど各府省とも十分に連携をしてまいりたいというふうに思っております。
○堀井巌君 ありがとうございます。今お伺いしましたら、隊員の方が終わった後起業するときの取組についてもいろいろと御支援をいただく仕組みを構築していただいているということで、心から敬意を表します。
 また、私の地元の川上村の地域おこし協力隊の方の例を出していただきましてありがとうございました。女性の方が多いんですけど、林業女子というふうに自他共に言われていまして、本当に一生懸命やっておられて、こういった力を地域の林業の活性化そして高付加価値化、六次産業化にうまくこうやっていければなと心から期待をしているところでございます。
 その点に関して、大臣にも、こういった各省の様々な施策を全て総動員していただきながら林業の新たな担い手確保に是非御尽力いただければというふうに心から期待しておるところですが、一言だけ、いかがでございましょうか。
○国務大臣(林芳正君) この間、たまたまテレビを見ておりましたらこの地域おこし協力隊の特集をやっておりまして、なるほど、すばらしいなと思っておりました。今総務省の方からお話がありましたように、任期が終わった後やっぱり六割がそこの地域に定住していただけるということで、大変地域にとっても有り難いお話だろうなと、こういうふうに思っております。
 我々としても、ここと連携をしまして、この地域おこし協力隊の隊員や、まさに今申し上げた定住していただいた元隊員にもいろんな地域資源の付加価値を向上させる取組等々に加わっていただきたいと思っております。
 二十七年度予算で、新たに木材等の林産物を含めた地域資源を使って地域産品作りを行って、生産、加工、流通の過程で付加価値を向上させて域外販売を促進する取組、この山村の活性の観点からこういう予算も計上しておりますので、林業の成長産業化と相まってしっかりと地域おこしを我々としてもやっていきたいと思っております。
○堀井巌君 ありがとうございます。
 委員長、あかま政務官にはもうこれで結構でございますので。
○委員長(山田俊男君) あかま政務官、結構でございます。
○堀井巌君 次に、林業の今度は六次産業化についてお伺いをしたいと思います。
 ちょっと私、今日用意しました資料の二枚目を御覧いただきたいと思います。
 奈良県に二十三区とほぼ同じ面積になります日本で一番大きい村の十津川村というところがございますが、ここで何とか六次産業化をやれないかということで、今取組が進められております。
 それで、ちょっと下を見ていただきたいんですが、丸太一立米が今価格として一万円でございます。これを地元で加工して、大体ベンチ四脚できるんです。あと端材が出ますので、大体〇・三六立米を使ってベンチができるんですけれども、一脚十一万円になるんです。そうすると、ベンチの形で加工して売りますと、四脚で四十四万円で売れたわけであります。
 これは、実は川下地域、平野部にあります天理市というところがありまして、天理市と協力をして、天理市の方が市役所のロビーにこのベンチを四脚置いたわけであります。そうすると、一万円でしか今まで売れなかったものがこれ四十四万円分の価値になっている。私は、これは非常に高付加価値化の一つのいい例ではないかというふうに思います。この天理市では、小学校を造りますけど、そこの図書室や何かにこの十津川産の木を使うということも決まっておりまして、それも一つの大きな需要になりつつございます。
 是非、この林業においてもこういった六次産業化、特に生産地における六次産業化がその地域に経済的な利益、相当大きなものをもたらすと思いますので、様々なきめ細かな今後いろいろな支援方策等も含めて取組を進めていただきたいと期待をしておりますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(林芳正君) この林業、また山村地域の活性化のために、今まさにお示しいただきましたように、丸太の生産にとどまらずに国産木材の新たな需要を創出する取組、それからまさに今ここで示していただいたような木材や木材製品の高付加価値化、これをやはり進めていくことが重要だと思っております。
 CLTというのがございまして、中高層建築物の構造材に使えるというものですが、こういうものの製品、技術の開発普及をやる。それから地域の森林組合や製材工場、それから工務店等が連携した地域材を利用した特色ある家造り、まあブランド化にもつながると思いますが、こういうものを支援していこうと。それから今まさにベンチの例を出していただきましたが、地域材を使用した家具等の木材製品の開発支援、こういうものの取組を推進をしております。
 今、お示しいただいた十津川村の例でございますが、林業、山村地域の活性化の観点からも大変有意義な取組だと考えておりまして、農林水産省としても今後とも地域の関係者等と連携してこういった木材需要の拡大、林業の高付加価値化、積極的に推進してまいりたいと思っております。
○堀井巌君 大臣からこの林業の高付加価値化ということをおっしゃっていただきまして、本当に感謝を申し上げます。
 やはり、林業の場合、木を皆さん見ているのは自分のおじいさんの代、あるいはひいおじいさんの代から、自分たちの先祖の方々が後生大事に手を掛けてきたものを今切り出して出すというものでございます。
 やはり、もちろん、木質バイオマスや何かでロットを確保するのは重要ではあるんですけれども、やはり木をずっと扱ってきた、守り育ててきた皆さんからすると、この木をいかに大切に使っていくのかという思いが政策の中に入ることが極めてみんなの意欲にも、山を守っていこうというこの意欲の増進にもつながっていくというふうに期待しておりまして、引き続き、是非よろしくお願いしたいと存じます。
 次に、地域での市町村の役割について話をお伺いしたいと思います。
 例えば、先ほど例を出していただきました川上村というところが、これは吉野杉の一番の産地の村でもありますけれども、大体ここは二万四、五千ヘクタールほどの森林の中で六割ぐらいは大規模林家が持っているんですね。ここはいいとして、実は、全部で千二百名弱の所有者のうち大体千名ぐらいは一ヘクタールから二ヘクタールぐらい、非常に小規模な方々なわけであります。そうすると、いろいろ経営計画を作って前を向いてやっていきましょうと言いましても、なかなかその所有者を特定する、あるいは境界を確定する、様々な作業、手続をしっかりやっていかないといけないというところがございます。
 そういった意味で、続けてお伺いしたいんですけれども、まず一つには、森林を集約化して適切に管理するための所有や境界の明確化に向けた対策というのが重要だと思いますし、二つ目には、所有者が不明で施業が放棄された森林の整備の取組に対するやはり支援も必要だと思いますし、三つ目には、こういった市町村が、これはもう路網を整備するために、例えば入口部分だけでも森林を公有化してしまう、そのことによって路網整備等を進めていくというようなものへの支援というものも必要になるというような声がございます。その点についての御見解をお聞かせいただきたいと存じます。
○政府参考人(今井敏君) お答え申し上げます。
 国産材を安定的、効率的に供給していくためには施業の集約化が非常に重要なわけですけれども、その際には、森林所有者を特定すること、あるいは森林の境界を明確化していく必要がございます。
 このため、林野庁といたしましては、森林整備地域活動支援交付金、こういう予算措置をしまして、森林組合等が行う森林所有者の所在確認ですとか境界の確認等、施業の集約化のための活動に対して支援を行いますとともに、平成二十三年の森林法改正によりまして、森林所有者の特定を進める、そういった仕組みもつくっているところでございます。
 一方で、森林所有者の自助努力等によっては適切な森林整備が見込めない森林も中にはございます。そういった森林につきまして、公益的機能の発揮を確保するために必要な場合には、地方公共団体が森林所有者に代わって森林整備を進める、場合によっては公有林化を推進する、そういうことも必要かと考えております。
 こうした観点から、森林所有者との協定に基づいて地方公共団体が森林整備を行う環境林整備事業、こういう予算措置を行いますとともに、地方公共団体が森林を公有林化した場合には地方財政措置を講ずる、こういった支援も行っているところでございまして、これらの措置を通じまして、森林の適正な整備、保全が図られるように努力してまいりたいと考えております。
○堀井巌君 あと実は通告二問させていただいておりましたが、もう時間の都合で、財源確保の必要性については、私はこれは要望とさせていただきます。
 今、森林整備、恐らく今の状態が十分だというふうにはやはり私は認識しておりませんで、もっと手を掛けて森林資源を活用し、国土保全をしていけば、実はトータルでは山の災害対策にもなる、災害予防にもなるということで、トータルとして国民経済にも資するものだと。そのためにも、この森林の整備のための財源確保に向けた様々な取組、国民の理解を得ていくことが私は重要だと思っておりまして、これは引き続きよろしくお願いしたいという要望とさせていただきたいと存じます。
 最後に、いま一度大臣の方にお伺いしたいと思います。
 今回の食料・農業・農村基本計画で、一つの農業の発展に対する決意をお示しいただきました。また、林業については今後も計画は策定されると思いますけれども、少なくとも、今時点におきましても、強い林業を目指して今取り組んでおられるというふうに思います。この林業をしっかりと育てていくんだという大臣の御決意をお聞かせいただきたいと存じます。
○国務大臣(林芳正君) 我が国は国土の約七割森林が占めておりまして、ある意味では世界有数の森林資源大国である、こういうふうに思っております。特に近年は、戦後、先輩方が造成していただいた人工林、これが本格的な利用期を迎えておりまして、この豊富な森林資源の循環利用によって林業の成長産業化を実現して、山村地域に雇用と所得を創出することが大変重要であると思っております。このために、昨年六月の農林水産業・地域の活力創造プラン等も踏まえまして、今御議論いただいたような新たな木材需要の創出、国産材の安定供給体制の構築、川下から川上まで総合的に推進をしておるところでございます。
 近年、木材の自給率が平成二十五年は二九%になりまして、一番低かった平成十四年の一八%と比べて一〇ポイント向上しております。また、林業従事者に占める三十五歳未満の若い人の割合も、平成二年の六%を底に近年は二割程度まで増加をしておると、こういう明るい兆しも見え始めているところでございますので、今後もしっかりとこの成長産業化に向けて、私の名前に負けないように、林業に積極的に取り組んでいきたいと思っておるところでございます。
○堀井巌君 終わります。ありがとうございました。
○古賀友一郎君 自由民主党の古賀友一郎でございます。
 総務省三人衆の二番手でございますが、優しい堀井委員とちょっと異なりまして、私の場合は少し辛口のことも申し上げると思いますけれども、是非、林大臣以下、政府の方々におかれましては、寛大な心で受け止めていただければと、このように思います。
 今回は、食料・農業・農村基本計画の審議ということで、先週の私、予算委員会でも取り上げた食料自給力をテーマに議論を深めていきたいと、このように思っておりますけれども、その前に、少しフグの貿易という問題について取り上げてみたいと思います。
 フグといいますと、これは林大臣の御地元、山口県の名産品でございますけれども、私の地元、長崎県も養殖フグ日本一ということでございまして、そのフグの養殖を誇る水産県でございます。しかしながら、ここのところ非常に厳しい状況に追い込まれておりまして、生産額については、ピーク時、平成十一年の二百十四億円から、直近、平成二十五年ですけれども、これは八十六億円と、四割程度にまで大きく落ち込んでおりまして、その結果、養殖業者の廃業も相次いでいると、こういう状況でございます。
 その一因として挙げられているのが中国からの安い養殖フグの流入というわけで、現在、国内のフグ商品の三分の一は輸入物というふうに言われております。もちろん、それによって安くフグを食べられる消費者にとってはうれしいことではあるんですけれども、問題は、この日中のフグの貿易が不公平な状態でなされているという点にあります。つまり、中国ではフグは毒があるということで食べることが禁止をされておりまして、日本から中国へは輸出できないということなんですが、その国内で禁止されているフグを中国では養殖して日本に輸出をしているというわけでございまして、そうした一方通行の貿易によって国内の養殖業者が非常な打撃を受けているというのは甚だ遺憾なことだと思っております。
 中国もWTOに加盟をしているわけでありますから、せめてそのルールの範囲内でも、例えば、関税でありますとか、セーフガードでありますとか、あるいは防疫、衛生上の措置によってこのバランスを取ることができないものかというふうに考えるわけですが、これは水産庁と厚生労働省にそれぞれお伺いしたいと思います。
○政府参考人(本川一善君) 御指摘のとおり、フグには毒がありますので、EU、台湾、香港、こういうところと同様に、中国では法令で国内においてフグを食べることは禁止されておりまして、したがって、中国への輸入も禁止をされているという状況でございます。
 これについて、正直申し上げて私も全く同じような感じを持っておりますが、御指摘の第一点目の輸入関税の引上げでございます。現在、フグの輸入関税は、WTO加盟国全てに対して最恵国待遇として三・五%というふうになっておりますけれども、これを引き上げるということにつきましては、譲許表を修正するという交渉を行う必要があります。その際に、水産物に限らず、何らかの代償措置を求められるといったような可能性があるというふうに認識をしております。
 それから、二点目のセーフガードでございますが、輸入が急増した場合に、国内の競合業界に深刻な影響を与えると思えるような場合には発動できるということになっておりますけれども、最近の輸入状況を見ますと、二〇〇四年に一万二千二百三十トンでピークだったわけでありますが、これが二〇一〇年には六千五百三十トン、さらに二〇一四年には四千九百九十二トンという形でむしろ減少傾向にあるということで、これは国内のフグの消費自体が少し減っておるということかもしれませんが、そういったような形で、セーフガードを発動されるような状況には必ずしもないということでございます。
 それから、三点目の動植物検疫でございますけれども、これはWTOの衛生植物検疫措置に関する協定に基づきまして、科学的なリスクがある場合にはそういう検疫措置をとるということはできるわけでありますが、今水産物では、例えばコイヘルペスウイルス病に関してコイをそういう防疫措置の対象にしている、あるいは一部のエビ類、それからサケ科魚類の稚魚など、こういったものについてはそういう防疫措置を講じておりますが、フグについて言えば新たな検疫措置が必要な状況には必ずしもないと、そういったような状況にあるわけでございます。
○政府参考人(三宅智君) 我が国におきましては、加盟しておりますWTOのSPS協定に則しまして衛生規制を行っております。全てのフグの輸入に際しましては、検疫所において、輸入届出ごとに魚種鑑別や添付される衛生証明書に基づき現物について安全性を確認し、確認が得られたフグについてのみ輸入を認めております。
 衛生規制の立場としましては、国内でも同様に流通しているものについて安全性が確認されたものを輸入検疫段階で差し止めることは、WTO・SPS協定上難しいと考えております。
○古賀友一郎君 ありがとうございました。
 それぞれ、なかなかちょっと難しいなというような御答弁でありましたけれども、現状がイーブンな状態であれば、例えば代償措置ということでこっちを譲ってもらったらあっちを譲るというようなこともあるかと思いますけれども、これは元々がちょっとアンバランスな状態でございますので、そういう意味では最初の取決めがどうだったのかなというふうに思うところなんですけれども、いずれにいたしましても、このフグの日中貿易というのは不公平だということは、私は明らかだと思うんです。
 私も、もとより、今回の質問の趣旨は輸入を閉ざそうとすることを意図して言っているわけではございませんで、相手さんが輸出できるのであればこちらも輸出できるように、そういうふうにしてほしいという気持ちからの指摘というふうに受け止めていただければと思います。
 中国でのフグ食解禁の取組というものも行われていますが、これは、現在、日中の養殖業者が民間ベースで努力をされておられるというふうな状態だと聞いております。
 先ほど佐藤政務官からも御答弁ありました農林水産物の輸出額ですね、一兆円を目指すということで今政府は取り組まれているということでございますが、確かに、輸出戦略実行委員会でも、フグは、香港については課題だとしてリストアップされているんですけれども、中国については何も書かれていないんですね。私は、今申し上げた現状を考えれば、香港よりもより優先順位の高い課題として、中国に対しての働きかけというのはやっぱり重要だと思っております。
 やはり政府も民間任せにせずに、是非中国政府に対して積極的にこのフグ食解禁を働きかけていくべきだと、このように思いますけれども、これはフグのことでございますので、是非、林大臣から力強い答弁をお願いしたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) フグは我が国の重要な食文化の一つでありまして、輸出の拡大を是非実現したいと私も思っております。
 今御議論いただいたように、毒があることは事実でありますが、中国を含めEU、台湾等においても輸入自体が禁止をされているということであります。
 食中毒防止のための厚生労働省の通知に基づいた衛生対策、これはしっかり導入しておりまして、ほかの国に対してこの衛生対策をきちっとやっておりますという説明をして輸入解禁を働きかけをしてきたところでございます。二十六年八月には私自身も香港政府に対してフグの輸入解禁を要請をいたしまして、これを受けて、去年の暮れだったと思いますが、香港側の担当官が衛生対策を見に来てくれたということもあるわけでございます。
 中国を除外する理由はありませんので、こういう中国を始めとする諸外国に対して、今申し上げましたように、衛生対策に関する理解を促しながら、フグの輸入解禁、粘り強く働きかけてまいりたいと思っております。
○古賀友一郎君 ありがとうございました。いや、本当に力強い御答弁だったと思います。
 相手国が輸出してきてないんだったらまだしもなんですけれども、中国の場合は現実に入ってきておりますので、やっぱりそこは優先順位高く政府も取り組んでいただきたいと、このように心からよろしくお願い申し上げまして、次の質問に移りたいと思います。
 次は、本来のテーマということで、食料自給力についてお伺いをしていきたいと思います。
 先ほど来政府の方からも御説明がありました我が国の潜在的食料供給能力を表す食料自給力の指標化、私は大変良い取組だと、このように思っております。せんだっての予算委員会でもそのように安倍総理に申し上げました。農政というのは産業政策でもあり、かつ地域政策でもありますけれども、私はやっぱり基本は安全保障政策だと、このように思っております。それがゆえに基本法でもまず最初に食料が来るというわけでございまして、そういった意味でこの食料自給力というのは大変重要な概念であると、このように思っております。
 また、今回の指標化については、昨年これは十月十六日でありましたけれども、この当委員会で、農産物だけではなくて、私、水産物も含めて指標化してほしいと、このように訴えました。あのときは小泉副大臣だったと思いますけれども御答弁いただいたわけでありますが、そのとおり水産物含めた指標化をしていただきまして、本当にありがとうございます。改めて御礼を申し上げたいと思います。
   〔委員長退席、理事野村哲郎君着席〕
 今回の食料自給力指標は、お手元に資料をお配りしておりますけれども、パターンCやDのように、とにかく芋を中心に作付けをすれば、国民一人一日当たり二千百四十七キロカロリーという必要エネルギーを供給できそうだけれども、パターンAやBという今の食生活に近い形では供給が難しいというわけであります。
 まず、ここでお伺いしておきたいのは、今回のこの結果について、政府としてどういうふうに評価をされておられるのか。良いと思っておられるか、不十分と思っておられるか、全然駄目だと思っておられるか、この点について林大臣に御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) 新たな基本計画においては、その時点における我が国の食料の潜在生産能力を評価する指標として食料自給力指標を初めてお示ししたところであります。
 この指標を最終的に作るに当たっては、今、古賀委員からもこの委員会や党の議論等で大変な活発な御議論いただきまして、水産物等いろいろ反映させていただいたところでございますが、この試算結果ですけれども、現実の食生活とは大きく異なる芋類を中心に作付けするパターンですが、このパターンですと推定エネルギー必要量等に達するということになりますが、現実に近いもので米、小麦、大豆を中心に作付けするパターンではこれらを大幅に下回っていると、これ、配っていただいた資料のとおりでございます。
 それから、食料自給率そのものがカロリーベース四〇%前後で推移しておりますので、食料自給力が近年低下傾向にあるということでございまして、将来の食料供給能力の低下が危惧される状況にある、こういうふうなことでございまして、各種施策を総合的かつ計画的に講じることを通じて、食料の安定供給の確保に向けた食料の自給力の維持向上、これを図ることが重要であると、こういう評価をしているところでございます。
○古賀友一郎君 ありがとうございました。
 基本的な認識としては、現状、この食料自給力がやっぱり不十分だという、こういう認識では、恐らく皆さん認識を共有できると思います。そのときに、それでは、このままでは駄目なので向上させていきましょうということになったときに、どこを目指して向上していくのかという、私はその議論、目標というのはやっぱり必要だと思っております。
 この点は先週の予算委員会でも私、安倍総理に御質問したんです。そのときの総理の答弁は、食料自給力指標は仮定の試算なので、目標にはなじまないという御答弁だったんですね。ただ、この将来目標というものに一定の仮定、前提が付くというのは、これは普通のことではないかと思うわけです。だから、仮定の部分があるから目標にはなじまないというのは、ちょっと理由としては私も合点がいかないところであります。
   〔理事野村哲郎君退席、委員長着席〕
 これから世界的な食料争奪の時代に入ってくるのではないかというふうに思います。そういった状況を考えれば、短期的には例えば備蓄を活用いたしまして芋を植えたりということも、それはそれでいいと思うんですけれども、やはり少し長いスパンで考えて、国民に安定した食料を供給するということを考えていくべきだと、このように思っておりますので、そういった意味からは、やはり米や小麦を中心とした今の食生活にできるだけ近い形での自給力ですね、栄養バランスも加味した上で必要エネルギーを供給できるようにすることをやはり目指していくべきではなかろうかと。
 恐らくは政府でもそういったことも念頭に置いて、このパターンAからこういった指標を出しておられるんじゃないかというふうに思うわけであります。もちろん、この数字がまだ出したばっかりで精査を要するという事情も、これは分かります。分かりますけれども、それはこれからブラッシュアップしていけばいいわけでありまして、いずれにしても、せっかく作った、私はこれは非常にいい取組だと思っておりますので、こういった指標を政策目標として、政府の目指すべき北極星として、ここを目指していくんだということを是非そのように活用していくべきだと思うわけでありますけれども、この点についても林大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) 今回お示しした食料自給力指標については、先ほど申し上げましたように、その時点における食料の潜在生産能力を評価する指標でございまして、今、総理とのやり取りを御紹介いただきましたが、一定の前提を置いて試算を行っていると。例えば、生産転換に要する期間、芋に変えるということであればそれはそれなりに期間が掛かるわけですが、これは考慮しておりません。それから、前提として生産に必要な労働力は確保されているという前提を置いている。それから、肥料、農薬等の生産要素についても十分な量が確保されている、こういう前提を置いております。
 この食料自給力指標ですが、食料自給力の現状、それから過去からの動向についての認識をまずは共有をして、食料安全保障に関するまさに国民的議論を深めていただきたいと、こういう観点で今回初めてお示しをしたということでございます。
 したがって、先ほど置いていた前提がどうであるか、こういうことに関する御意見も含めて、様々な国民的な議論を含めて、この指標を今後どういうふうにしていくか、在り方についても検討を進めていきたいと、こういうふうに考えております。
○古賀友一郎君 ありがとうございました。
 転換期間の問題であるとか労働力の問題、肥料の問題、いろんな前提があるという御答弁でありまして、その目標化については今後検討していくというような御答弁でありました。是非そこは前向きに考えていただきたいと思うんです。
 先ほど小泉副大臣が御答弁の中で、国民の中に食料供給に対する不安があるんだというような御答弁がございまして、確かに、これ昨年一月に行われた内閣府の世論調査でも、将来の我が国の食料供給について非常に不安がある、ある程度不安があると答えた人の合計は八三%という結果が出ております。大方の国民がこれからの食料供給に非常に不安を持っているという状況がここでもやっぱり示されているわけなんですね。
 ですから、いろんな前提があることは現段階ではやむを得ないことと思いますが、こういう指標を出して議論をした上で、不安だけ残っては駄目なわけですね。やっぱり出した以上は、例えば先ほどのその前提条件についても、肥料の確保、あるいは労働力の確保、これもやはり実際その食料自給力を発揮するときにはそういう取組をしていかなきゃいけないわけですから、その次なる目標として取り組んでいくべきだと思うわけであります。
 そういった意味では、今回のその目標化するための目標を立ててもらいたいというようなことになってくると思うんですけれども、いずれにしても、やっぱり政府としては、この今回の指標化を基に議論をするときに、今はこういう状態だけれども将来こういうふうにしていくんだと、だから国民も協力してほしいと、そういうメッセージを発していくべきだと思いますので、是非よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 そういう観点から、私は、今おっしゃられましたその前提ということにも絡むんですけれども、食料自給力の向上に不可欠な農地の問題ですね、農地の確保の在り方についてもやっぱり申し上げておきたいと思います。
 それは、一体、政府はこの農地というものをどれだけ確保をしておく必要があるとお考えなのかということであります。
 今回の基本計画策定に当たりましても、平成三十七年度では四百四十万ヘクタールの農地が確保されるという見通しは示されてはおりますけれども、そもそもどれだけ必要なのかということはないわけでありますから、一体、この四百四十万ヘクタールでよいのかどうかという評価ができないわけであります。
 私は、もうるる申し上げているように、この食料自給力目標を定めて取り組むべきという考えでありますので、そのためには、最もこの重要な要素は農地でありますので、この農地についてもそれに必要な目標を定めてやっぱり確保に向かうということは必要だと思っております。
 この農地の確保については、地方自治体の協力が不可欠ということでありまして、特に今回、政府は農地転用の許可権限を一定程度地方に移譲しようとしているわけでありますから、なおさらだというふうに思います。
 それもありまして、私、食料自給力向上を働きかける対象は、当初の案では生産者、消費者、食品産業事業者だったんですけれども、私はこれに自治体も加えてくれというふうにお願いをいたしまして、基本計画にはそのように書き込んでいただいたところでありますけれども、やはり自治体にこの農地転用に慎重に対応していただくというためには、根拠のある目標数字を示して、これだけ必要なんだと、これを割り込むと自給力に支障が生じるんだという、そういう説得力のある数字を示して自治体と認識を共有をして農地の確保に取り組んでいただきたいと思うわけであります。
 現行でも、農振法上の基本指針で確保すべき農地面積の目標というのが出ているにもかかわらず、なかなかその効果は出ていないというのは、やっぱりその数字の説得力というのも一因ではないのかなと、このように思っております。
 そういったことで、お伺いしたいのは、先ほど申し上げた、そもそも政府はどれぐらい農地を確保すべきと思っていらっしゃるのかということなんです。
 私は、その確保すべき農地を食料自給力指標から試算をしていって、そしてこれだけの農地がやっぱり要るんだというふうにして自治体にも協力を求めていくべきだと、このように考えているわけですが、政府のお考えをお伺いできればと思います。
○政府参考人(荒川隆君) お答え申し上げます。
 今先生から御指摘ございました自給力指標と農地面積の関係につきましては、先ほど大臣から御答弁申し上げましたように、今回の自給力自体は現状の我が国の潜在食料供給能力を評価するという観点でございますので、現状の農地面積に再生利用可能な荒廃農地の面積を加えまして、そこに現状の単収を掛け合わせるというような形で必要カロリーを出しているという形になっておりますので、先生御指摘をいただきましたような自給力向上に向けて農地面積がどれだけ必要かというような試算については、今回は行っておらないところでございます。
 しかしながら、御指摘にもございましたように、食料自給率の向上あるいは食料自給力の向上にとりましても農地の確保というのは極めて重要でございますので、御質問の中にもございました農地の見通しと確保という参考文書の中で、十年後の農地面積の確保すべき見通しというものをお示しをしておるところでございます。これは四百四十万ヘクタールという形でお示しをしておるところでございまして、こういった面積の必要性などにつきましては、地方公共団体の方々にしっかり働きかけを行って、確保に努力をしていただくように努めてまいりたいと思っております。
○古賀友一郎君 ありがとうございました。
 その四百四十万ヘクタールがやっぱり是が非でも守らなきゃいけない数字かどうかという説得力の問題なんですよね。だから、私は、その数字の裏付けとなる根拠については、やっぱり食料自給力というものを持ち出して、そことリンクをさせて意味のある数字をきちんと出していくべきじゃないかなというふうに思うわけであります。
 この農地の目標については、そもそも論として食料自給力を目標とするのかどうかというところと関連している問題でありますから、先ほどの目標化について検討をされるということでございましたので、それと併せてこの問題についてもお考えいただきたいと、このように思っております。
 テクニカルには算出するのは私はできるんだと思うんですね。単収目標は決まっていて、単収掛け農地面積が生産量でありますから。だから、その目標さえ決まれば必要な農地面積というのは恐らく出てくると思うんです。問題は、そういった農地面積を出すべきかどうかというところでいろいろ逡巡される部分もあろうかと思いますけれども、しかしやっぱり私は、この食料自給力指標を出したということで政府は一つのルビコンを越えたというふうに思うんです。それをやる以上は、是非そういった必要な農地面積というのをしっかりと算出をして、この分については今現状とこれだけ乖離があるのであれば、減らすのをとどめるんじゃなくて、むしろ増やさなきゃいけませんよという議論になるかも分かりませんが、そういった議論をやっぱりやっていかなきゃいけないんじゃないかなと、このように思いますので、是非よろしく御検討をお願いしたいと思います。
 次に、かなり時間が迫ってまいりましたので、少しちょっと順番を入れ替えまして、今の農地と密接な関わりを持つとおぼしき農業就業者数についても、この際お伺いをしておきたいと思います。
 今回の自給力指標というのは、先ほど大臣もおっしゃいましたように、充足しているという前提でこの指標が作られておりますので考慮をしないというわけでありますけれども、現実には、当然ですけれども、幾ら農地があっても実際に耕作する人がいなければ絵に描いた餅になるわけでありますから、この農業就業者数が足りているかどうかというのは、やはり食料自給力の裏付けとしては重要な要素だというふうに思います。
 しかしながら、我が国の農業就業者数というのは、これはどんどんどんどん減ってきている状況でありますので、大変難しい、厳しい状況であると思いますけれども、今申し上げた農地の確保と併せて、それを耕作する農業就業者が一体どれだけ我が国には必要なのかという点についても併せてこれは御検討いただいた上で、その目標数値を達成するためにどんなことをやっていかなきゃいけないのかということを是非政府としてもしっかりと検討してほしいと思いますけれども、この点についてのお考えをお伺いしたいと思います。
○政府参考人(荒川隆君) お答え申し上げます。
 農業就業人口の件でございますけれども、これもまさに農地と並んで食料自給力の基盤となる大きな要素であると考えておるところでございます。自給率、自給力の向上を図る上で大変重要なことだと思っておりまして、これも、基本計画と併せて今般取りまとめております農業構造の展望という文書がございますけれども、この中で、十年後の担い手の農地利用のカバー率を八割にするということですとか、それから、農業労働力の見通しということで、これも一定の前提を置くということになりますけれども、今後、青年新規就農が従来の定着ベースで倍増するというふうなことで考えれば、六十代以下で九十万人以上を確保することが可能となるといったような目標といいますか見通しをお示しをしたところでございます。
 こういった就業者の見通しについても実現ができますように、基本計画の中で、新規就農の促進ですとか法人化の加速化といったような施策をしっかり打ち出しておりますので、今後これらにしっかり取り組んでまいりたいと思っておるところでございます。
○古賀友一郎君 ありがとうございました。
 まさにその取組で本当にいいのかどうかという評価ができないというところに今の問題があるわけですよね。時間となりましたので、この続きはまた別の機会にさせていただきたいと思います。
 終わります。ありがとうございました。
○舞立昇治君 自民党、鳥取県選挙区の舞立昇治でございます。
 自民党からの最後の質問バッターとして二十分ほどお付き合いいただければと思います。
 今日は、私も食料・農業・農村基本計画と関係ということで、この計画的な実行に当たりましては、やはり今政府の方で重点的に取り組まれております農林水産業・地域の活力創造プラン、これの着実な推進に尽きていくものだとは思うんですけれども、そこで、このプランの現在の進捗状況に対する評価をまず伺いたいと思います。取組が順調に進んでいるものは大いにPRしていただくとともに、やはり中間管理事業による農地集積の推進など、ともするといまだ取組が十分に進んでいないと考えられる施策については今後どのように対応していくのかも含めまして、御見解をいただければと思います。
○国務大臣(林芳正君) この安倍内閣で一連の農政改革を進めておりますが、今まさに舞立先生からお話がありましたように、農林水産業・地域の活力創造プラン、ここに、需要フロンティアの拡大、バリューチェーンの構築、生産現場の強化、そしてそれに加えて車のもう一方の車輪であります多面的機能の発揮、これを四つの柱として各般の施策を講じてきたところでございます。農地中間管理機構の創設を始め、必要な法制度の見直しについても着実に措置をしてきておりまして、今国会にも農協法等の改正法案を提出をさせていただいております。
 それぞれの施策の進捗状況でございますが、まず、この農林水産物・食品の輸出額でございますが、過去最高の実績であった一昨年から更に一〇%以上上乗せをしまして、初めて六千億円台に到達をしております。
 それから、六次産業化の取組も着実に進展をしておりまして、いわゆるA―FIVE、農林漁業成長産業化ファンドの出資決定件数は、プランを作る前は五件でございましたが、四月七日現在で五十六件ということで大幅に実績を伸ばしていただいております。
 それから、米の生産調整の見直しにつきましても、行政による生産数量目標の配分に頼らない三十年産の生産、これに向けまして、自主的な生産の判断を促すために二十七年産の生産数量目標については幅を持たせて配分をするなど工夫を行っております。
 多面的機能支払制度については、二十六年度に制度が創設されましたが、従来の農地・水保全管理支払の取組面積から約五十万ヘクタール増加しまして二百万ヘクタールの取組面積まで拡大ができたということであります。
 農地中間管理機構は、人と農地の問題を解決するための切り札ということで整備をいたしましたけれども、二十六年度が実質的初年度であるのでございまして、この初年度の実績を検証、評価して、必要な改善策を講じて、全都道府県で早期にこの機構の事業を軌道に乗せていく必要があると思っております。
 各都道府県には、三月末の各種データを整備して御報告をいただきたいということをお願いをしております。それに基づいて、それぞれの都道府県の機構を横並びで評価をいたしたいと、こういうふうに思っております。潜在的には出し手がたくさん出てこられるだろうと、こういうふうには考えておりますが、今のところまだそこに達するような状況にもなっていないというふうに見られておりますので、しっかりとこの実績を検証して、更にこの施策を進めていかなければならないと思っております。
 いずれにせよ、それぞれの施策の実行に当たって、現場とキャッチボールをしながら、一度決めたことは変えないということではなくて、政策にキャッチボールの中で磨きを掛けていくということが重要であると考えておりまして、こういう姿勢を持ちながら施策を着実に実行をしていく、そういうことに取り組んでいきたいと思っております。
○舞立昇治君 ありがとうございます。
 輸出や六次産業化の関係、そして生産調整、そして多面的支払が、日本型直接支払が五十万ヘクタール、二百万ヘクタールまで拡大ということで、恐らく日本の農地約四百六十万ヘクタールぐらいあると思うんですけれども、その半分近くまで行っているということは、この短期間で非常に大きな成果があるんじゃないかなと思っています。
 一方で、これだけ増えたということは、日本型直接支払の予算が足りるかどうかという不安な部分も今ちょっと覚えましたので、またこれは引き続きウオッチしていきたいと思いますし、はたまた、やはり中間管理事業の関係につきましては、三月末のデータを各都道府県から出してもらって検証していくというお話でございました。
 私も、この問題につきましてはまた改めて場を設けて質問していきたいと思うんですけれども、平場と中山間地域におきまして、やっぱり中間管理事業が中山間地域ではなかなか進まないというお話を聞く中で、例えば今、平場であろうと中山間地域であろうと農地集積協力金が一律に払われていると思うんですけれども、そこの配分を、平場と中山間地域で中山間地域をもうちょっと手厚くしたら進むんじゃないかとか、いろんな声がありますので、それはまたちょっと場を取り直して、改めて設けて質問していきたいなと思っております。是非、活力創造プラン、順調な取組をお願いしたいと思っております。
 続きまして、新規就農者の関係に移りたいと思います。
 堀井先生が少し触れていただいたんですけれども、今、やはり基幹的農業従事者の平均年齢、もう六十六歳を超えていると。六十五歳以上の方が六割を占めて、四十代以下の方は一割ということで、非常にアンバランスな状況があります。
 そこで、やはり持続可能な力強い農業を実現していくためには、やはり農業の内外からの青年層の新規就農、これを促進して、世代間バランスの取れた農業構造にしていくことが重要だということで、今、農水省さんは、年間定着ベースで一万人から、これから二万人に倍増して、できれば十年後には現在の二十万を四十万にしたいという目標の中で取組を進められているところでございます。
 その一つ、貴重な国の制度といたしまして、青年就農給付金、準備型、独立型の二つございますけれども、そして農の雇用事業という二つの柱でこの新規就農者対策、取り組まれていると思いますけれども、この制度につきましては、これまで様々な運用改善行っていただいていると思いますけれども、やはり、いまだ、現場の農家や都市部で農業に関心を持っている方々、そして、親御さんで、親が農業をやっていて子供は都会に出ている、親の農家の方々それらを含めまして、やはりちょっと関係者への周知がなかなか、現場で話すと、えっ、そんな制度あったのというふうに、今でもそういったような場面があるところでございまして、まだちょっと周知が十分じゃないのかなというふうに思っておりますが、これら二つの事業につきまして、まず、平成二十四年度の制度導入時から現在までの運用実績や制度の改善状況についてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(奥原正明君) 青年就農給付金の関係でございます。
 その運用実績と制度の改善状況でございますが、ただいま御指摘いただきましたように、世代間バランスの取れた農業構造にしていくという観点で、平成二十四年度から、原則として四十五歳未満の方を対象といたしまして、この青年就農給付金、これは準備型と経営開始型とございますが、この事業と、それから農の雇用事業、これを総合的に今実施をしております。
 まずこの実施状況でございますけれども、まず青年就農準備金の準備型でございます。これは研修中の二年間助成をするというものですけれども、まずこの実績につきましては、平成二十四年度は千七百七人でございます。それから二十五年度が二千百九十五人という状況になっておりまして、この制度の改善でございますが、この事業を実施をしながら農家の方々の御意見も伺って逐次改善を図ってきておりますけれども、特にこの準備型につきましては、平成二十五年度の補正予算から研修修了後に親元就農する方にも給付金を出すという形に変えております。それ以前は親元就農は一切対象になっておりませんでしたけれども、この二十五年度の補正予算からは、就農五年以内に経営継承するという条件を満たしていただければ給付対象になるという形で条件を改定をしているところでございます。
 それから、青年就農給付金の経営開始型、独立をして農業をやる場合に五年間給付金を出すという方でございますが、これの実績は、二十四年度が五千百八人、それから二十五年度は七千八百九十人というふうになっております。こちらにつきましても逐次改善を図っておりまして、二十六年度につきましては、給付対象者を認定新規就農者に焦点を当てていくという形の見直しを図っております。それから、この二十七年度からは前年度の所得に応じて給付金の額を変動させるスライド制も導入しておりまして、所得控除のインセンティブを与えるという形の工夫をしているところでございます。
 それから、農の雇用事業、これは法人等が若い方を雇った場合に、この雇っている方に二年間助成金が出る仕組みでございますが、こちらの実績は、平成二十四年度が三千五百一人、それから二十五年度が五千三百三十一人という形になっております。こちらもいろいろ条件の改定をしてきておりまして、二十五年度からは、法人の職員の方を法人の次世代の経営者として育成していくために、先進的な農業法人あるいは異業種の法人に研修派遣する経費を助成するというタイプの次世代経営者育成タイプというのを追加をしております。
 それから、二十六年度からは、雇用した新規就業者の新たな法人の設立あるいは独立に向けた研修に必要な経費を助成する法人独立支援タイプといったものも創設をしているところでございます。
 こういった事業のPRも図りながら、事業の中身につきましても逐次改善を図って、定着を図っていきたいというふうに考えるところでございます。
○舞立昇治君 ありがとうございます。少しずつ運用改善を図っていっていただいていると、それで実績も着実に増えているということでございます。
 引き続き弾力的な運用に努めていただきたいと思いますが、先ほどの経営開始型のところでございますけれども、昨年度の補正で運用改善していただいたんですけれども、やはりその前年所得の二百五十万円で打切りとしていた理由、そして三百五十万円まで調整措置を講ずることとしたその見直しの具体的な理由と、はたまた、その昨年度打切りとなった方、これまでどの程度存在したのか、そして、その方々の所得の内訳として農業所得、給与所得等々いろいろとありますけれども、合計所得で一律に二百五十とか判断していたということなんでございますが、主にどの種類の所得で打切りとなったのか等について、ちょっと教えていただければと思います。
○政府参考人(奥原正明君) 青年就農給付金の経営開始型でございますが、これまでは二百五十万円の所得がありますと翌年はこの給付金を打切りという形になっておりました。
 なぜこういう形になっていたかといいますと、この経営開始型の給付金は、経営開始直後の青年就農者の所得の確保を支援するということでございますけれども、都道府県が掲げております新規就農者の所得の目標金額、これが大体二百五十万円程度となっているということを踏まえまして、これまでは給付金を除いて前年の総所得が二百五十万円を超えますと、翌年はこの給付を停止をするということにしていたところでございます。
 その後、平成二十五年の十一月に行政改革推進会議の秋のレビューというのが行われまして、この中で、この経営開始型の給付金につきまして、二百五十万円の所得を超えた場合に突然翌年の給付がなくなるという仕組みですと、自分の農業所得をこの二百五十万円を超えて上げようとしないんではないかと、そういうような御指摘もございまして、所得に応じた補助金額の変動化、スライド化をすべきだという御指摘も受けたところでございます。
 こういったことも踏まえまして、二十七年度からは、前年の所得が百万円から三百五十万円になるまでは所得に応じて給付金をスライドさせる、変動させるという制度にしております。前年のいろんな給付金以外の所得が百万円のときに給付金額が百五十万円で、ほかの所得が三百五十万円になりますと給付金はゼロになる、こういうスライド制ということでございますが、これを導入をして新規就農者の経営発展に向けた取組を一層促進するという形にしたところでございます。
 これまで所得制限によりまして給付を停止をした人数でございますけれども、平成二十四年の総所得が二百五十万円を超えたために二十五年度に給付停止となった方は、全部で百八十九人いらっしゃいます。
 前年の所得の中身でございますけれども、この所得の確認は給付の主体であります市町村が所得の証明書によって確認をしておりますので、その内訳まで詳細に把握をしているわけではございませんが、市町村等から聞いている範囲では、給付対象者の方は独立自営の要するに農業を専門にやっていらっしゃる方が中心でございますので、給付が停止となった者の所得は農業所得が大宗を占めているというふうに考えているところでございます。
○舞立昇治君 ありがとうございます。
 この関係につきましては、二百五十万というのも目標所得というので、非常に私、夢がないなと、この制度につきましてはですね。もうちょっと夢を与えていただきたいなと思っておりまして、例えば、先ほど所得の種類聞きましたけれども、給与所得の二百五十万と農業所得の二百五十万では全く多分実感が違うんですよね。給与収入で例えば三百八十万で、給与所得控除で二百五十万になると。それはスーツだとか靴だとか、必要経費だとかというので理論的に控除されておりますけれども、農業所得はまさに収益から生産コストというか必要経費を差っ引いた後の本当手取りというか、そういうような話なんで。
 まさに給与所得のみが二百五十万ということであれば、収入ベースは三百八十万ももらっているわけですから、別にそこは二百五十万の打切りでよかったと思うんですけれども、農業所得の観点でいえば、やはり農業所得倍増を目指しているというような形で、ある意味打切りになった方が百八十九人いらっしゃる、この方々は、実はひょっとしたら本当にすごい農業人になってくれるかもしれない、リーダーになってくれるかもしれない、すごい稼ぎ頭になるかもしれないという非常に可能性のある方なんで、ここはもうちょっと農業所得と農外所得を精査すべきだと思いますし、ほとんどが農業所得というふうにお聞きしましたので、今各県が認定農業者の所得目標、一番低いところで三百万とか、高いところで六百万とかあるように聞いておりますけれども、もう少しやっぱり、やる気で頑張れば農業開始直後でも所得は上げられる、国の支援も得られる、だから、そこは四百万でも五百万でも、もうちょっと上げてもいいんじゃないかなと思っているところでございます。
 このほか、親元就農の五年以内の経営移譲の関係ですとか、私が去年から言っております四十五歳の要件、父ちゃん、母ちゃんに加えて息子も付いてくるみたいな、そういったようなこととか、いろいろとやっぱりまだまだ運用改善できる余地は結構あるのかなと思っておりまして、来年度検討されております地方創生の本格的な交付金創設の際には、是非、地方の、地元の要望とかもよく聞いていただきながら、キャッチボール深めていただきながら、異次元の対策の一つとしてこれは目玉になるんじゃないかなと思いますので、御検討いただければと思います。
 非常にちょっと時間が過ぎてしまって、最後二問質問ができなかったわけでございますけれども、三浦局長、済みませんでした。
 それと、最後、この新規就農者対策、ちょっと要望だけ言っておきたいんですけれども、やっぱり実りあるものにしていくためには、青年就農給付金終了後の関係につきましても、五年なり長いスパンで温かく見守っていただきながら、適切に把握、フォローしていく環境、農家の方は国がしっかりと見守ってくれているという安心感があって、やはり自然の影響等受けやすく経営が不安定なものですから、そういう安心感あって非常に頑張れるという部分もありますので、是非、行政も、県、市町村も含めまして、現場の農家、なりたての農家の方々とできるだけ中長期的に長い期間付き合っていけるような体制整備もお願いして、私からの本日の質問終わります。
 ありがとうございました。
○委員長(山田俊男君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時四十一分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
○委員長(山田俊男君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、農林水産に関する調査のうち、食料・農業・農村基本計画に関する件を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○徳永エリ君 皆さん、大変お疲れさまでございます。民主党・新緑風会の徳永エリでございます。
 今日は、まず、食料・農業・農村基本計画にも大きな影響があると思われるTPPに関連して御質問させていただきたいと思います。
 いつも澁谷審議官に御答弁をお願いしているんですけれども、大体、澁谷審議官とはいつもやり取りしていますので御答弁のパターンが分かりますので、今日はあえて西村副大臣にお越しいただきましたので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
 今月末に安倍総理の訪米が迫っておりまして、オバマ大統領と首脳会談が予定されていると、そして上下両院の合同会議で歴代の総理大臣としては初めて演説をなさるということなんですけれども、米国国会議員の前で演説をするということは、やはり米国の議員にとって歓迎される内容のスピーチに恐らくなるのではないかということが推測されまして、となると、その中にはTPPの話題も出てくると思うんですけれども、よもや日本が特に農業の問題に関して譲歩するというようなことはないだろうかと農業関係者の方々も私も大変に心配しているところでございます。
 前回の委員会のときにも御質問させていただきましたけれども、TPPの情報公開についてもう少し突っ込んだ質問をさせていただきたいと思います。
 実は、先日、質問主意書も出させていただきましたけれども、予想どおりといいますか、大変に空疎な御答弁書でございましたので、直接質問させていただきたいと思うんですが、このTPPについては米国の国会議員の皆さんは通商交渉権限を持っているわけでありまして、その通商交渉権限を持っている米国国会議員の前で総理がどういうことを言うかということも大変気になるんですが、最近は、USTRが米国の国会議員に対して交渉のテキストを全てフルオープンすると、それも、今まではUSTRの中で見ていたものを議会で公開するということを確約したという情報が流れています。
 このことは既に御存じだと思いますけれども、こういった情報公開に向けての米国の動きに対してどのように受け止めておられるのか、まずお伺いしたいと思います。
○副大臣(西村康稔君) お答えを申し上げます。
 TPPの交渉上の秘密保持については、各国とも、秘密保持の趣旨である交渉内容を外部に漏れないようにという点は、それぞれの国はしっかり守っているというふうに認識をしております。
 その中で、USTRが、今御指摘のとおり、全連邦議員に対し交渉テキストにアクセスできるようにしてあるということで、三月十八日付けの報道でそのようなアクセス改善のための措置をとっている旨が報じられていることは承知をいたしております。しかし、いろいろ確認をしますと、これは既に平成二十四年六月の段階で公表された資料と同様の記載でありまして、三月十八日付けで何か新しい方針が示されたものではないというふうに理解をいたしております。
 実際の運用においては、必ずしも全ての交渉テキストが議員に開示されているわけではない模様でありまして、現に、報道等によれば、交渉内容が秘密にされていることに対して連邦議員が不満を言うと、あらわにしているということも伝えられておりますし、その不満を証明する書簡がUSTRに送られているというようなこともありますので、秘密保持の契約はしっかり守られているというふうに思います。
○徳永エリ君 TPPを慎重に考える国民会議というずっとTPPの情報収集してきた会がありまして、かつては自民党の先生方もそこに参加しておられたんですけれども、このメンバーでワシントンに参りまして、米国の国会議員何人かに直接会わせていただいて、そこでもテキストを見ているという話は聞いています。
 お手元に資料をお配りいたしましたけれども、USTRのホームページに情報開示について書き込みがありまして、国民の代表である国会議員との協働について、政府は国民の代表である国会議員と緊密に協力して我々の目指す野心的な貿易協定を追求している、この協力には以下が含まれるとありまして、五項目あります。
 全ての国会議員に対して交渉テキスト全文へのアクセスを提供する、議員は国会の中で都合の良いときにテキストを見ることができる、また適切なセキュリティー許可を得た議員のスタッフを伴って閲覧することもできる。それから、下の方に行きますと、米国の提案内容について交渉テーブルにのせる前に議会の委員会とともにレビューするとか、交渉の進捗状況について議会に最新情報を提供し、あらゆるステップで議会からフィードバックを受けると、こういうことが書かれているわけですね。
 そして以前も、USTRに行って自分に関係する分野だけを見ることができる、でも、メモを取ってもいけないし、持ち出してもいけないし、口外してもいけないという一定の制約が付いていましたし、スタッフを連れていくこともできなかったんですね。でも、そこからもう確実に大きく前進しているわけですね。
 守秘義務というお話がさっきありましたけれども、TPPは、基本的にこの交渉に参加するときに交渉の内容を一切口外してはいけないと、協定の成立した後も四年間は詳細については秘密を守るということになっていましたけれども、甘利大臣もこのことに関して、日本が交渉の内容を口外したらTPPから退場させられると、だから相当慎重にしなければいけないという御答弁もありましたけれども、これ明らかに米国は守秘義務契約を破ったということになるんではないかと思います。
 だとしたら、米国は、守秘義務契約を破って、テキストを閲覧させたり、情報を口外したりするようなことになる、日本は、いや、あくまでも守秘義務を守りますというのは、これおかしいんではないでしょうか。
 米国の国民は、今後、国会議員を通じてTPPの交渉内容を知ることができるようになるわけですね。情報を得ることができるわけですよ。それによって、米国では業界団体、いわゆるTPPのステークホルダーから非常に様々な圧力掛かるというか、強い、ハードルの高い要求が日本に向けられるという可能性もあると私は思います。しかし、日本の国民は、日本政府が国民への情報公開に向けて米国と同じような対応を取らなければ、交渉の内容は全く分からず、問題を指摘することもできない。これ余りにも不公平であって、参加者を平等に拘束する国際協定のルール違反だというふうに思いますよ。
 これ、米国はもう本当にフルオープンということになるんであれば、日本も当然アメリカと同等の対応をすべきだと思いますが、この点に関してはいかがでしょうか。
○副大臣(西村康稔君) お答え申し上げます。
 現地報道の中に、例えば、連邦議員が、政府がようやく交渉に関する情報を我々に説明するようになったが、その内容を外部と相談することは禁じられていると語った旨報じているものもありまして、交渉の内容が国会議員を通じて広く米国民一般に流れているとは認識をしておりません。
 それから、米国と日本とでは国内の制度も違います、先ほどの通商の権限の御指摘もありましたけれども。したがって、各国はそれぞれのやり方で秘密保持を守りつつ、一方でできる限り丁寧にステークホルダーや国民に説明するという、各国工夫しながらやっているわけでありまして、一概にはお答えはできませんけれども、米国においても、今申し上げたとおり、交渉内容に関する情報が秘密保持が確保できる者にしか提供しないという運用は守られているというふうに認識をしておりまして、私どもとしても、これまでいろんな場で、国会のこの場もそうですし、ステークホルダーに対しても、あるいはいろんなそれ以外の場で、記者会見の場、そういった場で説明をしてきておりまして、今後もできる限り、この交渉上の守秘義務の制約はあるものの、工夫しながら情報提供にできる限り努めてまいりたいというふうに考えております。
○徳永エリ君 衆参の農林水産委員会の決議にもありますけれども、七項目ですよね、やっぱり情報公開をしっかりして国民的議論をしなければならないわけですよ。いろいろ工夫して情報提供しているとは言いますけれども、今の状況ではとても国民的議論には至らないわけであります。
 この守秘義務契約というのは、国によってその基準が違うというのはすごくおかしいと思うんですね。アメリカがUSTRのホームページでこんなことを言って、日本は日本のやり方でとか努力しますとか言っても、やはり何らかの基準があって、守秘義務契約を結んだ国は同じように対応していかなければいけないと思うんですね。
 その点においては、日本もやはり米国の動きを受けて今までと違った対応を是非していただきたいと思いますし、今も副大臣から御説明ありましたけれども、改めてこの情報公開に向けての米国の対応をしっかりと調査して、USTRのホームページに書かれているようなことが実際にあるのかないのか、あるとしたらいつ頃からどういうふうになっているのか、現状を政府として国会に報告していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○副大臣(西村康稔君) 米国における連邦議員へのテキストの開示を含むTPP交渉の情報開示の実際上の運用について、我が国として米国政府に照会を行ってきております。その回答は、公式には、USTRのホームページに記載された内容そのものであって、それ以上でもそれ以下のものでもないということであります。
 他方、報道等様々な情報を総合すれば、米国政府の情報開示の在り方に対して、先ほども少し触れましたけれども、連邦議員から様々な不満の声も上がっておりまして、実際の運用において必ずしも全ての交渉テキストを議員に開示しているわけではないというふうに私ども認識をしております。当然のことながら、秘密保持契約の趣旨からして、アメリカにおいても交渉上の秘密が外部に漏れないようという点は固く守られているというふうに認識をしております。
 繰り返しになりますけれども、これまで我が国においても、様々な資料をホームページでも公表してきておりますし、国会始め様々な説明会の場で説明しておりますし、記者ブリーフィングの内容でいろんな質疑のやり取りもホームページで公開をしてきております。私どももできる限り情報提供には努めてまいりたいというふうに思います。
○徳永エリ君 少なくとも、実際にテキストを見た国会議員がいるということは間違いないわけですし、それから、USTRのホームページに書いていることがそのとおりだというお話がありましたけれども、日本よりははるかに情報公開に向けて対応が進んでいるということは間違いありませんから、やはり少なくともアメリカと同等ぐらいの対応をするように是非とも政府としても進んでいただきたいというふうにお願いをしたいと思います。
 こういった流れを受けてか、米国ではTPA法案が今週にも上院に提出される見込みだという報道もあります。甘利大臣も、一連の協議にとって大事なことは、TPA法案が議会成立する見通しが非常に大事になってきていると言っています。
 明日から東京で二国間協議が再開されるということもありますけれども、日本政府は首脳会談までに二国間協議の決着を目指したいのだと思いますが、それには米国議会においてこのTPA法案が成立している必要があるというのが日本政府の考え方ということでよろしいのかどうか、確認をさせていただきたいと思います。
○副大臣(西村康稔君) 交渉の参加各国が、TPPの妥結のためには御指摘のTPA法案、この成立が不可欠というふうに思っているというふうに認識をしております。我が国としても、このTPAの早期成立を期待しているところでございます。アメリカの連邦議会の中でも、TPAがTPPの交渉妥結より先行すべきだという議論が行われているというふうに承知をしております。
 いずれにしましても、依然として日米間には困難な課題、解決すべき交渉の課題が残されておりますので、早期妥結を目指すという方針には変わりありませんので、日米合意に向けて精力的に努力をしていきたいと思いますし、御指摘のあった明日からの事務的なレベルでの議論、これで間合いが詰まっていくことを期待しているところでございます。
○徳永エリ君 再度確認しますが、TPA法案が成立しなければ二国間協議は決着しないということでよろしいですね。
○副大臣(西村康稔君) 多くの国がTPA法案が不可欠だというふうに認識を持っております。我が国としても、できるだけ早くこのTPAが成立をしてほしいという期待を持っているところでございます。
○徳永エリ君 済みません、今御答弁になっていないんですけれども、TPAが成立しなければ二国間協議は決着しないということでよろしいんですね。
○副大臣(西村康稔君) TPAがあった方が望ましいという気持ちは持っておりますし、多くの国はTPAが必要だ、不可欠だという認識を持っておりますので、ということの中で、私ども、TPAの見通しが立つことと、それから二国間の協議が詰まってランディングゾーンというか方向性が二国間協議で見えてくること、これが大事だというふうに思っております。
○徳永エリ君 西村副大臣からもお話ありましたけれども、今後大詰めに来ているTPPですが、参加十二か国の閣僚会合の前には、まずは米国議会においてTPA法案が成立していること、次に日米合意が成立していなければならないというのがほかの参加国の考え方ではないかというふうに私も思います。
 TPAの成立がなければ二国間協議は決着させるべきではない、決して米国に対して日本が譲歩するということがないように対応していただきたいということを改めてお願いをさせていただきたいと思いますが、最後に一言、お願い申し上げます。
○副大臣(西村康稔君) 国益をしっかり実現をする、攻めるべきは攻め、守るべきは守りながら早期妥結に向けて努力をしていきたいというふうに思っているところでありますし、日米の首脳会談があるからといって何か譲歩するということではありませんので、しっかりと国益を認識しながら交渉を粘り強くやっていきたいというふうに思います。
○徳永エリ君 もう結構でございます。
○委員長(山田俊男君) 西村副大臣、結構でございます。
○徳永エリ君 さて、新たな食料・農業・農村基本計画が閣議決定されました。今後十年間の農業政策の方向性が示されることになりますけれども、二十二年の食料・農業・農村計画の中身を見てみますと、随分印象が変わったなという感じがいたします。
 特に、兼業農家や小規模経営を含む意欲ある全ての農業者が将来にわたって農業を継続しとか、それから農業者の経営の多角化、高度化に向けた取組を促進するとともに農業、農村の六次化産業を推進、あるいは農業者の創意工夫を生かしながら営農を継続、発展できるよう現場の主体的判断を尊重した多様な努力、取組を支援するとか、こういうことが前回の食料・農業・農村基本計画には書かれているわけでありますけれども、今回の食料・農業・農村基本計画には、兼業農家、小規模農家あるいは家族経営農家という文字が非常に少ないというような印象を受けますけれども、この小規模家族経営農家、兼業農家について改めて大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) この新たな食料・農業・農村基本計画の策定に当たっては、昨年の一月から食料・農業・農村政策審議会におきましてこれまでの施策の検証を行っていただきまして、基本計画の中で、主な施策の評価と課題として整理をしていただいております。
 例えば、農業構造に関しては、平成二十二年以降担い手の姿が不明確となったことに鑑みて、再度担い手の姿を明確に施策を推進していく必要があると。それから、六次産業化等についても、各地域で意欲的な取組が広がっておりますが、今後、より質の高い取組や地域に広く役立つ取組を全国的に創出していく必要があると、こういう整理を行っていただいております。
 新たな計画でも、食料・農業・農村基本法に掲げてあります食料の安定供給の確保、多面的機能の発揮、農業の持続的発展、農村の振興という四つの基本理念の実現を図っていくための基本的な方針ということで、生産現場を強化して高付加価値化等を進めて農業の成長産業化を図る産業政策と、それから農業、農村の持つ多面的機能の維持、発揮を図る地域政策、これを車の両輪として進めていくと、こういうふうに書いてございます。
 したがって、それぞれのところで、今先生から御指摘のあったところも関連してくるわけでございますが、特に、四番目の集落機能の集約とネットワーク化など地方創生に関する取組の強化、こういうものも掲げておりまして、現場の皆さんが創意工夫を発揮して取組を進めることができるように農政改革を着実に推進してまいりたいと、こういうふうに思っております。
○徳永エリ君 関わってくるというお話がありましたけれども、中心にはなっていないということで、私たちは、やっぱり小規模家族経営農家をしっかり守っていくことが重要だというのはこれまでも委員会でも何度も言ってきました。やっぱり、農業者の方々がどういう農業をやりたいのか、あるいはどんな農村をつくっていきたいのかという、農業者目線というか現場目線というのが余り盛り込められていないなという印象を受けました。どちらかというと、これからはもう農業は改革をするんだと、こういう農業にしていかなきゃいけないんだ、それに付いてこいと言われているような、そんな印象を受けました。
 この構造改革の対象となる担い手、農地も担い手に現行の五割から八割まで集約していくとしています。担い手とは、認定農業者、集落営農組織、それから認定新規農業者となっています。認定農業者は、個人、企業、リースによる参入企業となっています。
 認定農業者でなければ受けられない国の支援事業が増加している中で、国としては、集落営農組織も法人化して、担い手は認定農業者に集約していくということだと思いますけれども、その理由についてお聞かせください。
○政府参考人(奥原正明君) 我が国の農業を安定的に発展をさせ、国民に対する食料の安定供給を確保していくためには、効率的かつ安定的な農業経営が生産の相当部分を担う、そういう農業構造を構築することが重要でございます。この点は食料・農業・農村基本法の第二十一条にも明確に書いてございまして、望ましい農業構造の確立ということで規定をされているところでございます。
 このため、今回の基本計画におきましては、この効率的かつ安定的な農業経営になっている経営体、それとこれを目指している経営体、これも加えまして、併せて担い手というふうに捉えております。
 具体的には、効率的かつ安定的な農業経営を目指して経営の改善に取り組む認定農業者の方、それから将来認定農業者となると見込まれる認定新規就農者の方、それから将来法人化して認定農業者となることも見込まれる集落営農、こういった方々を担い手として位置付けまして、こうした経営体に経営所得安定対策ですとか、融資、税制、こういった政策を集中して実施をしていきたいというふうに考えております。
 これらの担い手につきましては、現時点での経営規模ですとか年齢等によらず、経営改善に取り組む意欲と能力のある方であれば認定農業者としての認定が受けられるように通知も発出をしておりますし、それから、昨年御審議いただきまして改正されました担い手経営安定法でございますけれども、この中では、認定農業者等の担い手であれば規模要件は課さないということにされております。こういう意味では、幅広く対象となるということになっているわけでございます。
 したがいまして、将来に向けて農業で生計を立てていく意欲と能力のある農業者であれば、経営規模や年齢等にかかわらず、幅広く経営所得安定対策等の対象となることになりますので、こうした担い手が創意工夫によって経営を発展させることで、我が国農業の一層の活性化が図られるようにしていきたいと考えております。
○徳永エリ君 認定農業者のその認定基準に満たないような農家というのもあると思うんですね。こういう農家が今後受ける支援というのが減っていくその可能性について伺いたいと思います。
○政府参考人(奥原正明君) 認定農業者の制度でございますけれども、基本的に、農業経営基盤強化促進法、これに基づきまして市町村が基本構想というのを作っております。これは、基本的には、他産業と同程度の労働時間で他産業並みの所得が得られると、こういったものを市町村ごとに構想として決めていただきまして、これに即して市町村の方では農家の方が作りました経営改善計画を認定をすると、こういう制度でございます。
 したがいまして、余りがちがちのものではございませんで、所得の目標をこれは市町村ごとに作っておりますけれども、市町村によって違いますが、四百万から五百万ぐらいの所得目標のところが多いというふうに思っておりますけれども、これも、一回の経営改善計画で直ちに達成しなくてもこの認定農家としての認定は受けられます。一回目、二回目の改善計画でそれが達成できれば認定を受けるということもできますので、ここはかなり弾力的に農業でもって生計を立てていく方は幅広く認定農家として認定すると、こういう制度というふうに思っております。
○徳永エリ君 ということは、認定農業者になってもらわなければならないというか、なる方に促していくということですね。
○政府参考人(奥原正明君) 意欲と能力のある方につきましては、できるだけ広く認定農家になっていただきたいというふうに思っております。
○徳永エリ君 続いて、農地の中間管理機構について伺います。
 農地の中間管理機構を活用した農地の集積、集約化を促進していく必要があるとしていますが、事業が始まって一年になりますが、改めて、事業の目的それから目標それから執行状況などについてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(奥原正明君) 我が国の農業を今後、成長産業にしていくためには、担い手の農地の集積それから集約化、これを更に加速することが必要でございます。こういう観点で、今後十年間で担い手が利用する農地の割合、現状五割でございますけれども、これを八割まで拡大をするということにしているところでございます。
 このため、担い手への農地の集積、集約化、それから耕作放棄地の発生防止なり解消、こういったことの課題解決のための切り札として、これは国会で御審議いただきまして農地中間管理機構の法律が既に整備をされております。平成二十六年の三月からこの法律が施行されておりまして、既に全ての都道府県で機構が立ち上がっているところでございます。
 この機構につきましては、農業政策の推進上極めて重要な政策手段でございますので、日本再興戦略の中でも、この機構の評価は、官邸の農林水産業・地域の活力創造本部できちんと評価をして推進をしていくということも決まっているところでございます。
 こういったことに資するために、この機構事業の評価、検証を的確に行っていく必要がございますので、初年度でございます二十六年度末、二十七年の三月末ですけれども、この三月末時点の様々なデータを現在都道府県から国の方に出していただくようにお願いをしているところでございます。
 いろんな角度からデータをお願いしておりますが、まだできておりませんけれども、衆議院の予算委員会で資料要求がございましたので、中間的に昨年の十二月末時点でのデータが集計されて公表されております。この数字によりますと、借入れの面積、これは四十七県トータルですけれども、機構が借りた面積として一万七千九百七十ヘクタール、それから、機構がそれを転貸した面積はこの十二月末時点で四千四百七十ヘクタールというふうになっております。
 いずれにしましても、これにつきましては、この初年度の実績をいろんな角度から点検、検証いたしまして、全ての県で軌道に乗るようにきちんと改善策を講じていきたいというふうに考えております。
○徳永エリ君 農地の出し手に対して支払われる機構集積協力金、二十六年度の予算額が二百五十三億円、補正でも二百億積んでいます。しかし、昨年十二月末で執行額は僅か十六・三億円。
 大臣は以前、二十六年度は十五万ヘクタールの借入れをしたいとおっしゃっていました。しかし、今お話がありましたけれども、十二月末の時点で一万七千九百七十ヘクタール、目標の一割強しか借入れができていない。貸付けも十三万ヘクタールから十四万ヘクタールぐらいしたいというふうにおっしゃっていましたけれども、四千四百七十ヘクタールしかできていない。
 大臣、この現状をどのように受け止めておられるのか、今後どのようにこの借入れや貸付けを進めていくのか、その点についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) 農業の成長産業化のためには、やはり担い手への農地集積、集約化を更に加速化するということは大変大事でございまして、先ほどお話がありましたように、十年間で現状の五割を八割に拡大させようということで、言わばこの中間管理機構というのがその大事な切り札ということで整備をしてきたところでございまして、二十六年三月に関連法律が施行されまして全ての都道府県で機構が立ち上がっております。
 この機構の評価は、先ほど局長から答弁いたしましたように、我々ももちろんやりますが、官邸の農林水産業・地域の活力創造本部でも評価をすることにしております。今、三月末時点の様々なデータを収集しているということですが、その前の中間的な十二月のデータについて答弁させていただきました。
 潜在的な出し手というのは農業者の高齢化が進む中で多数いると考えられるわけでございますが、一方で、各地における人・農地プラン、これは民主党時代からやっていただいているプランでございますが、この地域の農業者の話合いというのがまだ十分進んでいないところもあるということで、出し手の掘り起こし活動が十分とは言えないところがあるのではないかと。それから、この機構がこういうものがあってこういうことをやっているということについて、農業者の皆さんが必ずしも御存じないところもまだあるんじゃないか、もう少し周知を徹底するべきでないか、こういうこともあるんじゃないかと、こういうふうに思っておりまして、いずれにしても、この三月末時点のいろんなデータを収集して、よくよくこの検証、評価をしまして、全都道府県で機構事業を軌道に乗せるために具体的な対応策を検討していきたいと思っております。
○徳永エリ君 是非ともそのようにお願いしたいと思います。十二月末の時点では必ずしも目標どおりうまくいっているわけではありませんので、慎重に対応していただきたいというふうに思います。
 それから、ちょっと問題だと思う点がありますので御指摘させていただきたいと思います。
 この事業が始まる前から集落営農組織を設立して利用権を既に設定していても、合意解約して機構に貸付けが行われるのであれば、機構集積協力金の交付の対象になるというふうにQアンドAにあります。
 つまり、現状を変えることがなくても、書類作成等の事務処理を行うだけで、農地を農地バンクに、機構に出しただけで地域集積協力金を受け取ることができるというわけです。実際には出したわけでもなくて、地域集積協力金が交付されて、しかも、事業による集積のための借入・貸付面積としてカウントされるということになるわけですから、現状は変わらないのに中間管理機構の実績になるわけですよね。
 さらに、この集落営農組織は、農地中間管理機構に書類を出す前に規模拡大交付金も受け取っているケースがあるわけでありまして、これ、規模拡大交付金も受け取っていて、更にその書類作成等の事務処理だけで現状は何も変わらないのに地域集積協力金まで受け取ることができると。規模の大きいところだと、これ、千万単位になるわけですよね。これ問題だというふうに思われませんか。
○政府参考人(奥原正明君) 先ほど申し上げましたけれども、この農地の中間管理機構の主たる目的は、担い手への農地量の集積とそれから集約化でございます。集積の方はこの担い手が規模を拡大していくということになりますけれども、まとまった面積を使えるように集約化するということも、これも生産性が上がりますので、これもこの機構の一つの目的になっております。
 特に日本の農業の現状を見ますと、大規模な経営体でも圃場の枚数が非常に多い、例えば二十ヘクタールやっていましても、圃場の枚数は百枚、二百枚という方も相当いらっしゃいます。それも相当分散していますと生産性が低いことになりますので、これをできるだけまとまった形の面積で使えるようにしていこうということもこの中間管理機構の一つの目的になっております。そういう意味で、その地域の農地をできるだけまとまった形で機構が借りて、使いやすい形で整理をして担い手の方に転貸をしていくと、これも機構の一つの役割でございます。
 そういう意味で、この機構集積協力金はそういうケースについても出るようになってはおりますが、これはこの三月末の数字を集計するときによく考えなきゃいけません。本当に担い手のところに更にプラスアルファで集まったものと、そこは変わっていないんですけれども集約化で使いやすくなった部分と、このデータにつきましては、多角的に整理をしてきちんと公表したいというふうに考えております。
○徳永エリ君 様々問題があるようですから、三月末のデータが出て、それをよく分析、検証なさってきちんとした報告を是非ともしていただきたいというふうに思います。
 機構は、原則として全市町村に業務委託を行う、地域における機構の窓口としての機能を担ってもらうとしていますけれども、二〇一一年の農地利用集積円滑化事業の実績を見ると、七万九千二百十七件、三万一千八百二ヘクタールのうち、農協が五万九千五百四件、一万六千三百九ヘクタール、件数で四分の三、面積でも五割以上を集積しているんですね。
 特に北海道などの場合には売買が主になっておりまして、中間管理機構なんかなくてもいいという声も聞かれますし、実際に市町村が窓口になって業務を行っているかというと、そこも実態としてはまだないというところもあるようでありますので、この点もきちんと精査をしていただきたいということをお願い申し上げたいと思います。いかがでしょうか。
○政府参考人(奥原正明君) この機構の業務委託先でございますが、法律上は特に限定を設けておりませんので、市町村に委託をしているところが非常に多いと思いますが、農協につきましても委託することはもちろん可能でございます。これも、初年度のデータを、どういうところに委託をしてどの程度の実績が上がったか、これもよく整理をしなきゃいけないと思っております。
 それから、機構は、基本的にはリースでもって土地を借りて転貸することをベースにしておりますが、北海道ではリースが増えてはきましたけれども、リースで移動するものとそれから所有権で移転するもの、大体半々ぐらいでございます。そういう意味で、この機構の法律におきましては売買で扱うこともできるようになっております。
 それから、北海道の場合には既に担い手の方が八割以上利用しているというのも実態でございますので、こういった担い手の方がリタイアされるときに別の担い手の方に相対で移っていくというケースも当然ございます。必ずしも機構だけが全てではございませんので、機構のリース事業、あるいは売買の事業、それからその他の相対も含めまして、総合的に農地の流動化を進めていきたいというふうに考えております。
○徳永エリ君 ありがとうございます。
 続いて、農の雇用についてお伺いをしたいと思います。
 平成二十五年に、農の雇用事業を活用して農業法人に雇用された、研修を実施した青年就農者は五千四百四十四人ということであります。このうち平成二十五年度に新たに研修を開始した青年就農者は三千七十九人ということでありますけれども、これ重要なのは、いかに定着していくかということだと思うんですね。
 二年間の研修ということでありますけれども、これ恐らく二年続かずに途中で脱落した人もいるんじゃないかと思いますし、今年度、二十六年度が二年目ということになりますから、研修を終えた人がこの春から出てくるわけですけれども、そういう方々がちゃんと農業に従事したのかどうかということも調査していかなければいけないと思うんですが、この辺り、今のところ把握している部分で御説明いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(奥原正明君) 農の雇用事業もそれから青年就農給付金も、これはその後をきちんとフォローすることが非常に大事でございます。補助金を受けたけれどもその後農業を続けられないということでは意味がなくなってしまいますので、この点はきちんとフォローしていきたいと思っております。
 特に、農の雇用事業は、これ平成二十四年度から二年間の対策として、二年物の事業で始まっているわけでございますけれども、通達の中では、この事業が終わってからも三年間はきちんとフォローするということが決まっておりますので、これはきちんとやってまいります。
 特に、この二年物の事業が始まったのは二十四年度からということになりますが、二十四年度ということは、開始された方は、二十四年の四月から始めた方もいらっしゃいますし、二十五年の三月に始めた方もいらっしゃいます。二十五年三月に始められた方は二十七年の三月で二年間の給付が終わることになりますので、ここからきちんとフォローする、三年間はやっていきたいというふうに思っておりますから、これからそのフォローについてはきちんとやっていきたいと思っております。
○徳永エリ君 生産労働人口が非常に減っている中で、いろんな業種で人手不足が起きているわけでありまして、今の若い人の話を聞いていると、一旦入ってみたけれども、自分に向かないと思うとあっという間に辞めてしまうわけですね。ですから、これいかに定着させていくかということがすごく重要になってくると思うんですね。
 やっぱり、困難にぶつかったときにどうしたら乗り越えられるかということを考えると、やはり人間関係というのも非常に必要だと思うんですね。それから、地域で人間関係をしっかりつくっていく、あるいは農業生産法人の中で人との結び付きをつくっていくということもすごく重要でありますし、定着させるためにはどうしていったらいいのかということも、状況を踏まえてきちんと検討していただきたいというふうに思います。
 特に、企業が参入してこれから一労働者として若い人たちを雇っていくケースを考えたときには、やっぱり労働条件の問題だとか賃金の問題だとかいろいろあって、入ってはきたもののすぐ出ていってしまうということにもなりかねませんから、ですからこういうところはしっかり見ていかなければいけないと思いますし、定着のための努力というのをきちんとしていかなければいけないということを改めて申し上げたいと思います。
 定着していかないと、結局は高い農業技術を継承していくということもできなくなりますので、農業者の方々が培ってきた技術の継承という意味でも本当にこの定着というのは重要だと思いますので、しっかりとここは対応していただきたいというふうに思っております。
 それから、時間がなくなってしまいましたので食料自給率についてお伺いをしたいと思いますけれども、今度は食料・農業・農村基本計画で食料自給率は四五%ということでありますが、この食料自給率を五〇%から四五%までに引き下げた理由についてお伺いしたいと思います。
○副大臣(小泉昭男君) 委員御指摘の部分でございますが、先ほども申し上げましたけれども、世界の人口はすごい勢いで増えているんですね。一秒間に二・四七人、一日に二十万人増えているという話聞きました。
 そういう中で、やはり日本の農業大事だと思いますので、今の御指摘の部分でございますが、これは平成二十二年の三月に策定された前の基本計画において、食料自給率の目標、我が国の持てる資源を全て投入したときに初めて可能になるという高い目標でございました。
 カロリーベースの食料自給率を平成二十年度の四一%から三十二年度に五〇%まで引き上げるという設定がなされたわけでありまして、しかしながら、食料自給率の目標の進捗状況ですね、これ消費面では米等の消費が予測をかなり下回ってしまったと、生産面では小麦等の生産量が伸び悩んでしまいまして、平成二十五年では三九%にとどまってしまったというのが現状でございます。
 このため、新たな基本計画における食料自給率目標については、食料・農業・農村基本法において、国内の農業生産及び食料消費に関する指針として目標を定めるとされていることでございますので、食料・農業・農村政策審議会における前の基本計画の検証結果も踏まえまして、現実に見合った品目別の需要量を想定する、また現実的な生産条件に見合った生産量、需要面に加えたものと考えていくこと、計画期間内での実現可能性を考慮して現状の三九%から四五%に引き上げる目標を設定したところでございます。
 世界の食料の需給及び貿易が不安定な要素を有している中でございますので、食料の安定供給を将来にわたって確保していくことは国民に対する国家の最も基本的な責務でございますから、これをしっかりと取り組んでまいらなきゃいけない。食料自給率の向上を図るため、食料消費と農業生産の両面で各種施策を総合的かつ計画的に講じてまいりたい、このように考えております。
○徳永エリ君 今御説明いただきました。もう時間が来ましたのでこれ以上御質問できないんですけれども、また改めて委員会の中で御質問させていただきたいと思いますが、食料自給率、やはりできるだけ高いところを目指していった方がいいのではないかと思います。
 グローバル化の流れの中でどんどんどんどんグローバル化というか、人口が増えていく中でやっぱり食料需給の問題は大変深刻になってまいりますし、それから、今日実はちょっと大豆の話をさせていただきたかったんですけれども、やっぱり日本は、米とそれから麦、続いてはみそ、しょうゆ、こういう加工品の問題もあって、中国の爆食というのがこれから心配される中で、中国と日本の間で買い負けということも起きていますから、そういうことも含めてもう少しお話をさせていただきたかったんですが、時間なくなってしまいましたので、また次回の委員会の中でさせていただきたいと思います。
 いろいろ御質問させていただく予定だったんですが、大変、時間の配分を間違えまして質問がいっぱい余ってしまいました。御答弁を用意していただいた方、申し訳ありませんでした。
 どうもありがとうございました。これで終わります。
○郡司彰君 民主党・新緑風会の郡司でございます。
 国会の役割は、政権、内閣への批判とそれから検証だろうということで、その趣旨に沿った質問をさせていただきたいなというふうに思います。
 基本計画でございますけれども、「まえがき」、そして第一、第二、第三というような分け方になっておりますが、その「まえがき」のところで、一ページのところでございますけれども、真ん中辺りから「農業生産の現場では、」というような文言がございます。大臣が前回の委員会でお読みをいただいた説明資料の方はもっと簡潔な表現になっておりますので、そちらをお借りすれば、百ヘクタールを超える大規模経営の出現、これは明るい展望を切り開く新たな動きであると、こういうような文章がございました。
 百ヘクタールを超える大規模経営の出現がなぜ明るい展望を切り開くということにつながるのか、御説明いただきたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) 我が国の農業、農村は、農業従事者が減少するとか高齢化をする等厳しい状況に直面している一方で、今御指摘いただいた、従来は想定できなかった百ヘクタールを超えるような大規模経営の出現が現実化したり、それから、自らの強みを見詰め直して創意工夫を発揮した六次産業化や海外への輸出などの挑戦、こういう新たな動きも広がってきておると、こういうふうに思っております。
 こういう今までになかったことが、いろんな意欲的な取組が起こっていると、こういうことを、この農業、農村の明るい展望を切り開くために生まれつつある新しい芽を大きく育てて、やっぱり潜在力を最大限発揮して持続可能なものにしていきたいと、こういうふうに考えておるところでございまして、そういう状況も踏まえて、この食料・農業・農村基本法には、食料の安定供給の確保、多面的機能の発揮、農業の持続的発展、農村の振興、こういう四つの基本理念の実現ということが書かれておりますが、この施策の基本的な方針として、産業政策と地域政策の車の両輪ということで基本計画でうたっているところでございます。
○郡司彰君 百ヘクタールを超える出現というものが、今のような形で、新たな動き、明るい展望だというようなお話をいただきました。
 御存じのことでありますけれども、もう十年ほど前に、あるシンクタンクが、日本の場合には、一人あるいは一法人百ヘクタールぐらい、そうすると、四万人か四万法人で四百万ヘクタール、これでいいんだと、こういうような試算をしたことがございました。
 これまでのいろんな議論の中で、また別な省庁からの文書の中では、規模拡大ということだけあるいはそのような形だけでは、集落機能の崩壊がもたらす農業の機能不全を起こすのではないかというような指摘もこれまでございました。
 百ヘクタールで新しい展望が開けるということになると、例えば二百ヘクタールはもっと開けるというようなことなのか。私たちの国における適正の規模というものは、どの程度のことなんだろうか。例えばそれは、これも戦後の改革の中の農地法の精神とも関わりが出てくるかもしれません。あるいはまた、水利事業、この後お聞きをしますけれども、百ヘクタールを超える方々とこれまでの方々が混在をするような地域で新たな水利事業の合意というものが本当に取れていけるんだろうか等々を含めて、私は、外国人労働者の労働力ということも含め、あるいはまた百六十五ページには日本再興戦略で掲げられた農業分野の成果目標というのも新しく付いておりまして、そこの中でも改めて、全農地面積の八割が担い手、それから今後十年間でお米は四割コストを下げる、つまり六十キログラムで九千六百円ぐらいにするんですよというようなことも成果の目標として掲げられております。
 総じて、この日本再興戦略をまとめた考え方でいけば、一つは岩盤規制に対する改革を行いますよ、二つ目は稼ぐ力を強化をいたしますよ、そして三つ目には世界のトップレベルの雇用環境をつくるんですよと、こういうような形になっているわけでありまして、百ヘクタールで新しい展望というのが、もろもろの条件を完備をしながらやっていくということにはもちろんなるんでありましょうけれども、そのことによって、今現在の、例えば集落全部を合わせても二十ヘクタールにしかならないようなそうした地域の方々は、これは私たちは頑張っても新しい展望にはなり得ない地域の者なんだというようなことにもなりかねないわけでありまして、私は、百ヘクタールを超えることが必ずしも明るい展望というようなことだけではないんだ、それを行うためには相当な準備と合意がなければいけないんだというふうな思いでおりますけれども、改めて、もしございましたらばお願いします。
○国務大臣(林芳正君) 今委員からお話がありましたように、いろんなことを考えながらやっていかなければなりませんが、やはり意欲と能力があって、やりたいと、そういう集積化をしていきたいという方がいろんな制約でできないということがあるとすれば、そういう集積化を進めていくというのは一つの大きな方向であり、そういうことで農地中間管理機構とやっていこうということになっているわけでございますが、もとより、今委員から御指摘がありましたように、日本全国が全て百ヘクタール、二百ヘクタールになっていけばいいということでは必ずしもないのは当然のことでございまして、車の両輪といった意味も、特に地域政策の部分では集落がきちっと維持されているということも大変大事なことであるということをここでうたっておるわけでございます。
 大事なことは、やはりその地域地域に応じて、先ほど人と農地プランというお話もありましたけれども、その集落集落でいろんなお話合いをしていく、その中で新しい姿が生まれてくる、そういうものをいろんな意味で制約しているものがあれば、それはしっかりとできる環境を整備するというのが我々の役割ではないかと、そういうふうに考えております。
○郡司彰君 ありがとうございました。
 大臣と思いの方は共通するものもあるんだというような認識を持たせていただきました。
 例えば、コストを下げるについても、不耕起だとか直播とか、いろんな形もあるんだろうというふうに思いますけれども、どうも先ほどの再興戦略の一部だけを捉えてそれを拡大すると、例えば昔、江戸時代のときにもかなり大きな町歩を耕している地主の方はたくさんいらっしゃったわけです。例えば、本間様には並びもないが、せめてなりたや殿様にというような格言があったぐらいに、大きな農家はあったわけであります。そこで、先ほど言ったような外国人の労働者を労働力として使うというようなこともあり得るのか。あるいは、アメリカのような形で、協同組合的な要素を排して、排してというよりも誕生する余地がないような形で、市場を自らが管理をしメジャーに育っていったような、そういう農業の在り方と、私たちの国の在り方というのは、米作が中心でありますから、おのずと違うんだと、この辺のところについては改めて言わせていただきたいなというふうに思っております。
 それから次に、三ページ、第一の基本的な方針のところでございますけれども、農業水利施設に関しまして、今後十年で標準耐用年数が超過をするのが三割になりますと。このものについて適切な保全管理でその機能を持続的に発揮をするようなことをしていかなければいけない。七ページには、改めて、関連する施策の在り方について検討しているというようなことがございます。この関連する施策の在り方について検討している内容について、教えていただきたいと思います。
○副大臣(小泉昭男君) 先生御指摘いただきました水利の関係でございますが、担い手への農地集積、集約化の進展、法人経営体の増加といった農業構造の変化に伴いまして、農村では大規模経営体と小規模農家への二極分化が進んでいるわけでありまして、先日、私も千葉の農場を二か所ほど拝見いたしまして、北海道まで行かれませんでしたが、百十ヘクタールの農家もありました。そこは大変な努力をされているなと、こういうふうに思いました。そういうところでも、やはりいろんな問題、先ほどのお話のような問題もございました。土地持ち非農家の増加、これが今回大分進んでおりまして、このことが集落の共同活動の在り方や農業水利施設の保全管理に向けた地域の合意形成、これらに影響を及ぼす可能性も大分心配されております。
 こういう中で、今後、土地改良事業の推進に当たりましても、これも影響が及ぶことが想定されることでございますので、農業、農村の構造変化を見極めつつ、土地改良事業を取り巻く現状や農家の方々のニーズについてしっかりと把握をして分析をした上で、新たな土地改良長期計画の検討等を併せまして、土地改良制度の在り方について検証、検討を行っていくこととしております。
○郡司彰君 今のような検討をしていただければなというふうに思います。
 加えて、今後更に大規模化が進んでいくということは、これはあり得べきことで、当然そういうようなことも増えてくるんだろうというふうに思いますけれども、合意形成だけではなくて、今でも維持費あるいは賦課金も含めて相当な額を払うことになるわけでありますから、百ヘクタールあるいはそれを超えるようなところだとリスクもその分だけ多くなるというような形がございます。
 例えば、大きな水田にしたんだけれども、いもち病その他が発生をしたらば立ち所に全体が収穫が落ちるようなことがあった。だとすると、百ヘクタールだと通常幾らぐらいでしょう、八千円から、うちの県ですと一番高いので一万二、三千、五千円ぐらいまでのところありますけれども、それだけで相当な維持費をお支払いをする、もしかすると中間管理機構のありようにも関わってきますけれども、賃料も含めて相当出るものは大きくなってくるわけであります。
 したがって、私自身は、従前からの思いとしましては、検討されている先の検討になるかもしれませんけれども、農地そのものはやはり公共財なんだという感じを持って、国の必要な農地について、やはり水利事業その他の関係については全体を公共的な財源で賄うということも含めて、そしてその土地の利用の問題と農地法等の関係も含めて若干整理をしていくという考え方が将来的には必要ではないかなという思いを持っておりまして、そのことについても、もし何か一言ございましたらば、お願いいたします。
○国務大臣(林芳正君) 大変深遠なお話でございまして、多分遡れば墾田永年私財法ぐらいまで遡るようなお話ではないかと、こういうふうに思っております。中国では土地は私有はなくて利用権だけがあると、こういう国もあるわけでございますが、一方で、今の我が国の現状を見た場合は、これまでの経緯というものもございますし、経営、いろんな御負担をいただいた上で土地改良をやってきているということもございますので、なかなかすぐにその方向でということになるかどうかはあれでございますが、貴重な御意見として承らせていただきたいと思います。
 大事なことは、今、北海道を除く府県では、大体土地利用型は平均二・三ヘクタールということでございます。一方で、機械を大体フルに活用すると十から十五ヘクタールぐらいは使えると、こういうことでございますから、まずはそういうコスト削減のために今持っていらっしゃるものでやれるようなところを目指していって、その先、百という先ほどのお話がありましたけれども、そういうところになってきますと、今先生がおっしゃったようなリスクや、それから天候によるもの、それから同じものを全部植えるというよりも、フル活用という中で、いろんなものを需要に応じて植付けも自ら考えていただくということでございますし、それだけのロットになりますと、需要の方もある程度大手の需要家といろんな契約をしながら、見通しを持ちながらやっていくと、こういう経営も大変必要になってくると思いますので、そういうことをいろんな側面でも支援をしながらやっていくということになってくるんではないかというふうに思っております。
○郡司彰君 時間の関係で次に進ませていただきます。
 四ページでございますけれども、生活サービス機能等を基幹集落へ集約した小さな拠点と周辺集落のネットワーク化等の新たな取組を推進をするというような文言がございます。新たな取組ということでございますので、主体はどこが担うことになるんだろうか、また、具体的なイメージとされているような地域の取組等があれば教えていただきたいと思います。
○大臣政務官(佐藤英道君) 農村におきまして人口減少や高齢化が進行する中で、地域全体としてコミュニティー機能の維持、発揮を図るため、住民の生活に必要な機能などの基幹集落への集約と周辺集落とのネットワークの形成を図ることが必要であると考えております。また、イメージというお話もございましたけれども、こうした取組については、地域の実情を踏まえつつ、小学校区程度の規模の複数の集落群におきまして、地域住民が主体となり、市町村や様々な機関、団体等も参画して関係者が一体となった取組を展開することが重要と考えているところでございます。
 また、農林水産省としては、まち・ひと・しごと創生本部の下、総務省、国土交通省など関係府省と連携してこうした施策の推進に努めていきたいと考えております。
○郡司彰君 小学校区のような単位であるということでございました。この小学校区が難しいんですよね。
 明治の新しい国をつくるときには、大字単位に逆に小学校をつくろうというような形でやってきた。今は、市町村合併に伴うことも含めて、もう毎年、小学校の卒業式、入学式のときには廃校のニュースがほとんどですよ、統廃合ですよ。そうすると、小学校区という漠然としたイメージだと、小学校区はどんどんどんどん大きくなりますよというようなことにもなりかねないのではないかなという思いがありますけれども。
 ちょっとまた別な角度でお話しをいただければと思いますのは、主体的にはどこが担うんだろうか。これまでも、例えば総務省であるとか、今の学校であったらば例えば文科省も、あるいは、何でしょう、もっと具体的な言い方をすれば、郵便局がとか役場がとかあるいは農協がとかというようなことも含めて、新しい取組等をする場合にどういうことを頭の中に描いているんだろうか。それは農水省だけでできることなんだろうか、他省庁との兼ね合いについてはどの程度のお話をされているんだろうか、分かれば教えていただきたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) 必ずしも、まち・ひと・しごと創生本部の今やっておられることを全部承知しておるわけではございませんが、今政務官から答弁いたしましたように、連携をしてやっていく。小学校の校区の単位というのは、今からどんどんどんどん小学校が大きくなっていったら、それに合わせて大きくしていくという意味では必ずしもなくて、私どもが卒業したぐらいのときの小学校単位というような目安ではないかと、こういうふうに思っておりますが、この基幹集落に機能を集約して、例えば介護ですと、なるべくそちらに大きな施設を造って通っていただくなり、そこに入所していただくなりすることによって、全ての例えば昭和合併の前の市町村単位に全部置くということを財政の制約の中で本当にやれるのかということから、そういうことを今検討しているんではないかというふうに理解をしております。
 基幹集落を定めた上で、その周りのところをネットワークでつないで、そこに買物の機能ですとかそういうものを置いて、そしてそこから周りのところにしっかりとネットワークを張っていくと、こういう現実的な対応をしていこうと、こういうことではないかと、こういうふうに思っておりますので、やはり総務省、国交省等々と連携してやる必要があるということで、現在では、このまち・ひと・しごと創生本部の下に、農水省からも人が出ておりますし、担当の、主任の石破大臣の下でしっかりと政府全体として取り組んでいると、こういう状況ではないかと思っております。
○郡司彰君 大臣の思いと私の思いと、もしずれがあるのかどうか分かりませんけれども、私は、やはりこれまで地域のインフラを造ってきたものが幾つかあるんだろうと思うんですよ。
 例えば、私は、農協などもその地域の大事なインフラ機能を担ってきた、こういうようなことの小さな拠点やネットワークをつくるという場合には、郵便局もそうであろうし、例えば農協などのそういう機能を有効に活用するということは大変重要なことなんだろうというふうに認識をしておりまして、そこは先ほど言った百ヘクタールのときの話と同じでありますけれども、アメリカの、要するに極端な言い方をすれば、牧場主でも農場主でもいて、そこのところの労働力はアフリカの方から連れてきてというようなことも、それはそれで歴史的にはあったわけです。こういうものではないような形のこの国の風土、文化、歴史がある中でこのような拠点をつくっていこうということの発想というのは、私は、やはり協同的な組織というものがあってしかるべきだろうし、そういう発想をなくしてなかなか難しいのではないかなという思いがございます。
 したがって、正直なところ、これ通告をしていないでお聞きをして大変恐縮でございますけれども、それぞれこの基本計画の中のパーツパーツは一定の局やその他でもっておつくりになるんだろうと思うんですね。私は、ここのところをよくよく考えていくと、これはもしかして、先ほど言いました日本再興戦略であるとか規制改革会議であるとかというようなところと余り連携しないでやっていらっしゃるのかなと、ちょっとそういう感じをしてしまいます。
 私は、ここのところは大変きちんとこれからやっていかなければいけないことだろうというふうに思いますけれども、しかし、規制改革会議その他のところの言ってきていることとなかなかうまく溶け込めないところもあるのではないかな。全体基本計画そのものを、再興戦略の考え方あるいは規制改革会議等の御了解を得て出しているのかどうか、その辺のところ、もしお答えいただければ。
○政府参考人(荒川隆君) 基本計画は、当然閣議決定をさせていただいて出させていただいておりますので、閣議の決定に当たりましては政府全体で御了解をいただいて出すという形になっております。具体的には、閣議の前にも、農林水産業・地域の活力創造本部という総理が本部長になっております会議体でそのフォローアップなどもしていただいておるところでございます。食料・農業・農村審議会での答申をいただいて、農林水産大臣が閣議に諮って決定をしていると、そういうことでございます。
○郡司彰君 ありがとうございました。大体予想したような答弁をいただいたような感じでございます。
 次に、五ページの、食料安全保障の確立等を図るための様々な施策を講じた、簡単に言うと、緊急事態食料安全保障指針が二十四年の九月に出されておりますよというようなことで、食料安全保障ということについての記述がございます。自給力との関係もあるわけでありますけれども、これはもう御存じのことでありますが、農水省もこうしたガイドラインを、その前段でも作って、二十四年にも作って、その後、原発が事故を起こしたことによって新たなものも書き加えたり、そういう流れで来ているというふうに思いますが。
 例えば、外務省が二十二年の九月に出した、正式な名称は何と言うんでしょう、「我が国の「食料安全保障」への新たな視座」というような報告書がございます。その中で見ると、ちょっと農水省そのものの考え方とは若干異なるようなことも出てまいります。食料安全保障の基本的な考え方を、その視座の中では、全ての人が、いかなるときにも、活動的で健康的な生活のために必要な食生活上のニーズと嗜好に合致した十分で安全で栄養のある食料を物理的にも経済的にも入手可能である状態というのが食料の安全保障ですよというようなことで使われておりまして。
 また、ちょっと時間の関係でここでもうお尋ねをしたいと思いますが、食料自給率というのは何ですかというと、これは法律に定められていて、向上を目指すということになっているんですよ。それは当然なんでありますけれども、なぜそれが、食料自給率ということを必要だというような時代背景があったところと、今の文章を見ると、自給率が一〇〇%でも、毎日芋を食べているのは食料安全保障に合致しないと。例えば三九%でも、あり余るほど好きなものを食べられる方は今の方に合致をするのではないかとか、いろんな考え方があると思うんですね。
 改めて、この食料安全保障ということに言及をされており、なおかつ、自給力というところにもありますけれども、その安全保障ということに鑑みても、食料自給率というものはなぜ設定をする必要があるのかということについて、お答えいただければと思います。
○政府参考人(荒川隆君) お答え申し上げます。
 まず、郡司先生からお話ございました緊急事態の食料安全保障指針の関係でございます。これは平成十四年に元のものが作られたところでございますが、先生御指摘ございましたように、二十三年の東日本大震災の事態も受けて、そういったことも盛り込んだ形で、二十四年に緊急事態食料安全保障指針という形で整理をしたところでございます。
 一方、先生言及をされました二十二年の「我が国の「食料安全保障」への新たな視座」という、これは、外務省が当時、外務省の中に有識者を集められましていろいろな議論を行って、それをまとめて公表したと承知をしておりますけれども、この内容につきましては、この策定当時にもいろいろ、先生お話ございましたように、当時、私どもが進めているいろいろな施策との整合性についていろいろな議論があったところでございます。
 したがいまして、今般の基本計画は、先ほど申しましたように、閣議決定でございますので、全閣僚といいますか政府全体としてきちんと意思疎通をして決めておるところでございますし、それから、この緊急食料安全保障指針の方もその中で農林水産大臣を本部長といたします関係省庁の会議なども設定をして、政府全体としてきちんと整合性が取れたものとなるように位置付けをしておるところでございます。
 それから、二つ目の食料自給率の関係でございます。これは郡司先生から何度か以前にも御指摘をいただいております。食料自給率自体は今、基本法の下で法定目標を定めることになっておるわけでございます。国内農業生産の増大を図っていくときの一つの指標としてこれを位置付けておるところでございます。
 一方で、先生からも御指摘ございましたように、自給率自体には、例えば非食用の農産物に使われている農地の生産力が反映されていないとか、あるいは非常に経済力が弱くて輸入余力がない国の自給率が相対的に高く出てしまうと、そういったような課題があるということは十分認識をしておりまして、今般、一年掛けて審議会でも御議論いただきまして、そういった自給率の持つ課題をできるだけカバーできるような形で我が国の現在の自給力、底力というものをどういう形で評価するかということで今般、自給力指標というものも新たに出させていただいたと、そういう経緯でございます。
○郡司彰君 御説明いただいた内容については理解をいたしました。
 ちょっと、その上に立って、要するに、これから日本は、TPPの問題はちょっとおいておいても、これは経済連携は進むんだと思いますよ。日本という国が成り立つ上でそれを度外視してというような形にはなかなかなりづらいというようなことに私は時代的にはなってくるんだろうと思います。
 そういう中でありますと、例えば自給率を定めるというときに、何%ということ、これまでもあるんですよ、輸入を確保するとか備蓄を行うとか、いろんな上に立って何か月、何年にわたってそういうものが途絶えたときというような想定であるということも理解をしておりますけれども、私は、そういう想定をするということになりますと、これ食料安全保障だけではなくて全体としてのパッケージで有事法制というものがやっぱりきちんと議論をされる中でないと、例えば、ここに表現として出てきております、国民生活安定緊急措置法とか物価統制令とかというのがありましたけれども、これの十四条、十五条を見てもそういうようなことができるような規定にはなっているけれども、現実問題として、先ほどの、ちょっと午前中の議論にもありましたけれども、じゃ、果樹の木は全部切って、施設園芸は全部やめてしまってというようなことに、そうなるのかというと私は実効性は相当薄いんだろうなというような感じがしております。
 したがって、ならばこそ、なぜ今、自給率というものを提示をして、これがこういうような状態で自給率だというのはもう少し丁寧な議論をしっかりやった方がいいだろうということにちょっと時間の関係でとどめますけれども。
 ちょっと具体的なことだけお聞きをしたいんでありますが、今回の場合には、カロリーベースと、それから生産額ベースと、それから飼料自給率が出ております。これ、少し前の年代の方などは穀物自給率というような言い方も耳にしておりました。飼料自給率というのと穀物自給率というのは当然違うわけでありますけれども、私たちの国の場合には、穀物自給率よりも飼料自給率というものを決めていくということの、何というんでしょう、その度合いというものはどういう判断でなされたのでありましょうか。
○政府参考人(荒川隆君) 飼料自給率と穀物自給率、あるいは今私どもが使っておりますカロリーベース、金額ベースの総合自給率との関係でございますけれども、飼料自給率は、畜産、酪農の関係で、我が国の家畜が取っている全てのその飼料の養分総量、これTDNトンというのに換算をして、これを分母にいたしまして国産の由来の飼料というものがどのぐらいのウエートを占めるかということで、今二六%という数字になっておりますけれども、そういう数値でございます。一方、穀物自給率といいますものは、これは主食用、人が食べる用か餌用かを問わず、穀物、米、麦、トウモロコシなどの穀物全体について、これを、消費量を分母にいたしまして国内の生産量を分子にしていると、そういう違う自給率の概念でございます。
 穀物自給率につきましては、今申し上げましたように、人間が食べる用途と餌用の用途が分からないというようなことで、目標として掲げるのはいかがなものかということで、前回、二十二年度のです、二十二年の基本計画からこれを目標から外したという経緯がございまして、今般も穀物自給率については二十二年の考え方を踏襲をしたところでございます。
○郡司彰君 徳永委員と同じように、質問がいっぱい残ってしまって時間が近づいてきておりますので、先ほどのちょっと議論にもありました担い手の関係について、答弁をいただく時間があるのかどうか分かりませんけれども、二十二年のときの文章を読ませていただくと、兼業農家や小規模経営も含む意欲ある全ての農業者が農業を継続できる環境を整備するとともに、新規就農者を幅広く確保し、農業経営の多角化、複合化等の六次産業化による付加価値の向上分を経営に取り入れる取組を後押しすること等により、競争力ある経営体が育成、確保されるようにする、この後ですけれども、このことは、経営の規模拡大や効率化、あるいは集落営農の組織化といった政策方向を否定するものではなく、むしろ推進をするものであるというような形の文言になっておりまして、私は、規模拡大も効率化もしっかりやっていかなければいけない、先ほど言ったようないろいろな渉外だけではなくて、この国が培ってきた地域そのものが持っている潜在的な力をそぐようなことがないような形でやっていかなければいけない、多様な農業者というものを、先ほど来から言っていることについて何だかんだを言うつもりはないのでありまして、ある意味では理解をよくするんでありますが、意欲と能力のある農業者という言い方をすると、普通の人は自分で意欲を持っているか能力があるかというのは判断ができないけれども、それでも地域の中で、意欲と能力とは別に、篤農家と言われるような真面目に取り組んでいる方々が多いわけでありますので、その辺のところも配慮をした形で行っていただきたい。担い手というものがこれからどのぐらいの率になっていくのかまだよく分かりませんけれども、できるだけ、農業の場合にドラスチックな改革というよりは穏やかな流れの中で、全体がやはり落ち着くところに落ち着くような施策も取っていただきたいことを申し述べまして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○平木大作君 公明党の平木大作でございます。
 本日のこの食料・農業・農村基本計画、私も読ませていただきまして、この計画自体もしっかり作っていただいていると思うんですけれども、私、特に注目したのは、一緒に併せて作られました例えば展望ですとか見通し、あるいは参考資料、こういったものが本当に充実しているなと、数字も含めて、またその試算の前提も含めて本当にこれはよく作っていただいた、大変な労作だなというふうに思っております。
 今回、この基本計画を拝見しまして、当然これは、政府として農政をこれから取り組んでいく上での五年、十年、長期のこの計画、方針、当然これは農業者の方、関係者の方々、生産現場の方たちに向けたものであると思うんですけれども、同時に、それだけにやっぱりとどまらない、広く国民の皆様に、今の日本の食料自給の在り方ですとか、あるいは農業、農地の多面的機能、食の安全、こういったところについて是非認識をしていただいて、また議論していただく、そのきっかけに本当になるんじゃないかなというふうに思っております。
 ですから、今回、もうこの閣議決定行われた翌日、私は、新聞各紙どういうふうに報道されているのかなというのは大変興味深く拝見させていただきまして、全部比べ読みしたんですけれども、ちょっと残念な思いがしました。ちょっと表面的にというか、食料自給率が何%になりましたとか、割と最終的な数字だけさらっと拾って終わりというような形の報道ぶりが多かったのかなと。本当はもうちょっと深く掘り下げていただけたら、いろんなことが議論としてスタートしたのになという思いを残念ながらいたしました。
 その意味では、これは政府としても、更に更にこの議論につながるような問題提起、引き続きやっていただきたいなと思うのと同時に、これは農林水産委員である私たち自身も、地元に戻ったり、あるいは各地訪問したときに、こういった問題提起しながら、まさに現場の皆さんと議論してこれを深化させていく使命があるんじゃないかなと改めて思っております。
 その意味では、今日は、この食料・農業・農村基本計画に関して、一つのテーマに絞ってぐっと深掘りするというよりは、特にこれ現場の方もそうですし、広く国民の皆様にも、これは関係がありそうだな、あるいは関心を持っていただけそうだなというポイントを幾つか拾い上げまして、それについて、これはどういうものなのかと、いわゆるこの計画そのものをしっかり読み込む、あるいはこの参考資料として提示いただいたものをしっかり読み込むのは、やはり国民の皆様お一人お一人にとって大変負担であり、また理解するのが難しいと思っていますので、是非その趣旨、これを今日初めて聞きましたという方にも分かりやすく今日は説明していただきたいな、そこをちょっと主眼にして今日御答弁も、是非お答えいただけたらと思っております。
 まず最初にお伺いしたいのが食料自給力、もうこれまでもさんざん議論されてきたわけでありますけれども、これの意義についてお伺いしたいと思います。
 このテーマについては私も、初めて当選させていただいて、農林水産委員にさせていただいた最初の質問のときに取り上げさせていただいて、これはしっかりと指標にしていただきたい、定期的に発表していくような指標化を検討していただきたいというお願いをさせていただいて、今回こういう形で出てきているので、大変これは本当にうれしい思いで拝見しているんですけれども。
 この食料自給力についても、さきの予算委員会でも、そしてこの農水委員会の中でも、大変意義深いものである、ここは多分誰も異論を差し挟む方いらっしゃらないんじゃないかと思う。ただ、これ、細かく作っていただいた、精緻に試算もしていただいたがゆえに、やっぱりこれまで関心を持っていなかった国民の皆様には多少分かりにくいのかなという気がしています。
 例えば、今回も四つのパターン、A、B、C、Dと分けているんですけれども、多分初めて見る方はどこから見たらいいのか分からない。もし一つ、A、B、C、D、どれを最初に見たらいいよということが分かるだけでも、相当これ理解が違ってくるんじゃないかと思っています。
 また、このA、B、C、Dの試算のパターン分けの中には、これ、栄養バランスを一定程度考慮してとか、こういうかぎ括弧が付いていたりするんですけど、これがどういう前提なのか、食卓に並ぶ何で要は考えたらいいのかということですね、例えばそういうものをやっぱりちょっとイメージがしにくいのかな。
 この試算の中身については本当に精緻にしていただいて、前提とした作付けの体系の在り方ですとか、こういったところもお示しいただいています。これを一、二分の答弁の中で分かりやすくというのは大変にハードルが高いのは分かっているんですけれども、あえてこれは今日やはりお伺いしたい。国民の皆様にとって分かりやすく是非この指標の意義について御説明していただきたいのとともに、先ほどもありましたけれども、政府として、じゃ、この出てきた試算結果について今どう評価されているのか、併せて御答弁をお願いいたします。
○副大臣(小泉昭男君) 先生御指摘の部分でございますが、確かに国民の方々に分かりやすくお伝えすることが一番最前提だと思うんですね。それと、私たちも啓蒙活動をしっかり取り組んでいかなくちゃいけないなと、こういうふうに思いますが。
   〔委員長退席、理事野村哲郎君着席〕
 新たな基本計画におきまして、我が国の食料の潜在生産能力を評価する指標として食料自給力指標を初めてお示ししたわけでありまして、この食料自給力指標の試算に当たりましては、我が国の農地等を最大限に活用した場合に得られる供給可能熱量を計算する観点から、最大二毛作を実施するなどの前提を置いた上で、現状の作付け体系を踏まえ、先ほど四パターンというお話がございましたが、A、Bの部分でございますけれども、米、麦、大豆を中心に作付けする場合と、供給熱量が高い芋類を中心に、これはC、Dの方ですね、芋類を中心に作付けする場合を設定いたしまして、これらに対してそれぞれ、栄養バランスを考慮して野菜等を作付ける場合と熱量効率を追求する場合に分けて、先ほどの合計四パターンの供給可能熱量をお示しをしたところでございます。
 食料自給力指標の試算結果につきましては、現実の食生活とは大きく異なる芋類中心型では推定エネルギー必要量等に達するわけでございますが、より現実に近い米、小麦、大豆型ではこれを大幅に下回ると、こういうことでございまして、近年、食料自給率が横ばいで推移している中でございますが、食料自給力は低下傾向にございまして、将来の食料供給能力の低下が危惧、心配される状況にございます。
   〔理事野村哲郎君退席、委員長着席〕
 こうしたことから、政府といたしましては、各種施策を総合的かつ計画的に講じていくことによりまして、食料の安定供給の確保に向けた食料自給力の維持向上が重要であると、こういうふうに評価をいたしておるところでございます。
 また、今後、食料自給力の指標の持つ意味合いにつきまして生産者や消費者等に深く御理解いただくことは、もうこれ極めて重要でございますので、分かりやすいパンフレットなどを作成をすることなどを含めまして各種広報活動を行っていきたいと、こういうふうに考えておりますし、各地域に職員を派遣して説明を行ってまいりたい、この職員は当然、本省農政局職員も含むわけでありますが、このように考えております。
○平木大作君 ありがとうございます。
 これは、私も最初に質問で取り上げたときに、いわゆる合っていない、合っているとか、精緻に何キロカロリーベースで当てにいくとか、試算の正確さを競うとか、そういう話じゃやっぱりないと思うんですね。それこそ多くの方にこれ議論に加わっていただくことによって当然精度も上がっていきますし、また、じゃ農政、今後どういう在り方目指すべきなのか、こういった議論も深まっていくのかなと。
 その意味で、資料も大変これよくできているんですね。どんどんどんどん私もいろんな現場で紹介していきたいなと思っておりますし、今おっしゃっていただいたような穀物中心だったり芋中心だったりというのもビジュアルにして分かりやすく、最大限努力されているなというのは分かりますので、また更にこれ是非活用していただきたい、私もこれ使っていきたいなというふうに思っております。
 そして、自給力の話になったときに、やはり様々いわゆる食料生産の基盤となるものがあるわけですけれども、やはりその中心は農地で、これについても先ほども質問ございましたが、農地の見通しと確保ということで、これも数字を今回出していただいております。
 現在の農地面積というのは大体四百五十二万ヘクタール、これが今ずっと減り続けてきているわけですけれども、現在の趨勢のまま減り続けると十年後には四百二十万ヘクタールになるんですよと。こうした上で、ただ、施策によってこれは四百四十万ヘクタールまで維持できるんですという形の結論になっておりました。これを、まず具体的にどんな施策をもってこの四百四十しっかり確保していくのか。
 あわせて、これ今関心が高まっているかと思うんですが、先般閣議決定されました地方分権一括化法案、この中でも最大の施策の一つがこの農地転用許可の権限拡大、大幅に地方に移譲するという今流れがこの法案の中にもうたわれているわけですけれども、国として総合的に農地をしっかりと確保していくという観点から、国の施策に今回のこの法案というのは支障が出ることがないのか、これ併せてお示しいただけたらと思います。
○大臣政務官(佐藤英道君) 今御指摘のとおり、今回の農地面積の見通しにおきましては、平成三十七年の農地面積を四百四十万ヘクタールと見通しをしているところであります。
 この農地の確保に向けて具体的な取組についてでありますけれども、農地転用許可制度などの適切な運用を図るとともに、農地中間管理機構による担い手への農地集積や日本型直接支払の実施を通じた荒廃農地の発生の抑制、耕作放棄地の再生に係る交付金等の活用による荒廃農地の再生などの施策をしっかりと推進してまいりたいと思います。
 それから二点目、地方分権に関わるお話でございましたけれども、この農地転用許可権限の移譲は、規制緩和を伴うものではございませんけれども、農地の確保に支障が生じないようにするために、農地転用許可基準の明確化を行うとともに、担当者向けの研修の充実や事例集の作成などを行うこととしております。また、許可権限の移譲に係る運用状況を重点的に把握し、必要に応じ是正措置をとるよう求めていくことなどにより、地方自治体において農地転用許可制度の適切な運用が行われるようにしっかりと取り組んでまいります。
○平木大作君 ありがとうございます。
 これ、もうちょっと具体的に聞きたかったところもあるんですけれども、この趨勢のままほっておくと減るとされているこの三十二万ヘクタール、これ、内訳は、農地の転用が十一万ヘクタール、そして荒廃農地の発生が二十一万ヘクタールということになっています。施策として、結局、これ、大体この荒廃農地として発生する二十一万ヘクタールを押し返すというんでしょうか、発生抑制とか、そういったもので荒廃しないようにしますというので、大体二十万ぐらいでバランスを取っている。結局、この十年間というのは、この農地の転用で減る分ぐらいが大体農地として全部減る分なんですよと、ざっくり言うとこういう内訳になっているんですね。
 ですから、ここを、本当、いわゆるほっておくと発生するものを抑制しますと、是非ここの具体策ですね、実効性のあるものが打てないと結局これ絵に描いた餅になってしまいますので、是非ここのお取組、引き続きよろしくお願いいたします。
 ちょっと済みません、時間を取ってしまいました。次の質問に移りたいんですが。
 次に、この計画の中で私が大変注目をしましたのは、これは本文の記述の中にありました。食料供給に係るリスクの定期的な分析、評価というふうなことで書いていただいています。これ、どう書いてあるかというと、食料の安定供給に関する様々なリスクに対処するための取組として、リスクの洗い出し、そのリスクごとの影響度合い、発生頻度、対応の必要性等について分析、評価すると。ここまでですと、一体何がということになるわけですけれども、大変これ重要な観点だと思っています。
 これ、例えば、私もどういう関心でこれをお伺いしようかとしているかというと、例えば、先ほども少し出てきました大豆の場合、食料自給率としては七%ぐらいしかない、つまり輸入が九三%になると。ここまでは大体よく議論されるパターンだと思うんですね、九三%輸入ですと。そうすると、これで本当にいいのかと。例えば、じゃ、国内で生産したらどうかとか、あるいは代替のもの、ほかのものを例えば飼料等に使えないかとか、そういう議論というのは今までもありました。あるいは、これ、輸入に頼っていると、それこそ為替が大きく動いたときにそのコストとして思い切り跳ね返ってくる、こういうリスクもあるのかなと思います。
 ただ、やっぱりここで終わってはいけないのかなと思っていまして、今度、じゃ、この九三%が輸入だというときに、その仕入れている先というのは一体どこなのかと。地理的にもし例えば集中、コンセントレーションが発生しているとすると、やっぱりそれはリスクなんじゃないか。こういう二回微分するような形でのやっぱりリスクの見方というのは当然必要なのかなと思っておりまして、まさにそういう、これ、今後定期的に見ていかなきゃいけないリスク指標みたいなものをしっかり整備していくのが大事かなと。
 先ほどの大豆の例でいきましても、輸入先どこなのかというと、北米大陸から大体八割入ってきているわけですね。そうすると、下手をすると同じタイミングで干ばつに遭ってしまって、一気に輸入しようとしたときに調達ができなくなってしまう可能性があるかもしれませんし、あるいは日本に仕向けて輸出をしようとする港が一か所に集中しているとすると、それはそれで、今年もありましたけれども、港湾が停止してしまったときにやっぱり日本に持ってこれないというようなことが生じると。
 そういう意味では、このもう一歩深掘りした形でのリスク指標の整備、こういったものも絶対に必要になってくると思うんですが、これ、現段階でどのようなものを具体的に取り組まれていくのか、少しでもちょっとこれ御提示いただけたらと思うんですが。
○政府参考人(荒川隆君) お答え申し上げます。
 不測の事態が発生した場合の食料の安定供給につきましては、先ほど来御議論ございました緊急事態食料安全保障指針というものを二十四年に改定をいたしまして、これに基づいて対応することとしておったところでございます。
 今般の基本計画の見直しの中で、その不測の事態が発生した際に円滑に対応できるようにということで、今先生から御紹介がございましたリスク分析の手法を導入をして、きちんとリスクアナリシスを回していこうという考え方で整理をしたところでございます。
 具体的に申し上げますと、輸入依存度の高い小麦ですとか飼料用トウモロコシ、それから大豆など六品目につきまして、新興国との輸入の競合の状況ですとか、それから地球温暖化などの気候変動、そういった国内外の様々なリスクにつきまして分析、評価をいたしたところでございます。海外におけるリスク、国内におけるリスクを洗い出しをしまして、一時的なリスクなのか、既に顕在化しつつあるリスクなのかを区分をいたします。さらに、リスクごとに発生頻度や影響度合いというものを分析をいたしまして、現時点におけるリスクの評価をいたしたところでございます。
 一例を申し上げます。トウモロコシについて申し上げますれば、海外におけるリスクとしては、大規模自然災害や異常気象など八項目について発生頻度、影響度、現状などについて分析をいたしました。それから、海外における顕在化しつつあるリスクということでは、地球温暖化等の気候変動など八項目について同じく分析をいたしたところでございます。それから、国内においては、一時的、短期的に発生するリスクとして、サプライチェーンの寸断の発生頻度、影響度、現状などを分析評価をいたしまして、現時点では直ちに我が国の食料供給に影響を与えるリスクは考えられないんですけれども、新興国との輸入の競合などについて、近年の大幅な食料需要の増大などに鑑みれば、将来的にはリスクが高まる可能性があるといったような評価をいたしたところでございます。
 これをトウモロコシ以外、大豆などを含めて六品目について分析をしたところでございまして、今後とも、毎年度きちんとこういったリスク分析、評価をいたしまして、結果を明らかにしてまいりたいと思っておるところでございます。
○平木大作君 大変にすばらしい試みだなというふうに思っております。あえて、一つ注文を付けるとするならば、今のところ重大なリスクはないという結論だとお伺いしたんですけれども、今確かにもうどうにもしようがないということではないと私も認識しているんですが、一方で、リスクの低減策というのは幾らでも打ちようがあるなというふうに思っております。下げられるところ、あるいは対処できるところはやっぱり手を打っていくというのが基本的なスタンスかなと思っておりまして、先ほどもありましたけれども、外から持ってきているから、じゃ国内で、まあどうやったって時間が掛かるわけですね。
 ただ一方で、例えば先ほどの、いわゆる仕入先を分散させる、これだったら一年でやろうとしたらできる可能性があると。そういう意味では、先ほどの出していただいた指標に基づいて、やはり施策にどんどんつなげていっていただきたい、低減できるリスクについてはどんどん手を打っていただきたい、言うまでもないことかと思うんですが、重ねてお願いを申し上げます。
 続いてですけれども、グローバルマーケットの開拓、日本食文化も含めて、これ本当にこれからどうやって輸出につなげていくのか、様々まだ課題があるわけですけれども、その絶好の機会が今近づいていると。間もなく開幕するミラノ万博、ここにおいて、海外市場開拓、本当に絶好の機会だと思うんですけれども、政府としてどんな目標があって取組を行っていくのか、これを是非まずお伺いしたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) このミラノ万博は、「地球に食料を、生命にエネルギーを」というテーマで行われる万博でございまして、食をテーマにした万博ということでは、今までなかったことではないかということでございますので、我が国としても、今委員からお話がありましたように、日本の優れた農林水産物や日本食という食文化、これを世界にアピールする絶好の機会と考えております。
 三十五の地方公共団体と我々連携しまして、地方の魅力を総合的に発信をしたいということに加えまして、まず日本の伝統的な知恵を活用した和食、これ発酵とかうまみ、だしといったような、こういうものでございますが、和食が健康的な食生活の形成に役立つということを示すということと。それから日本館レストラン、それから七月十一日がジャパンデーということでございますが、こういうところでJAなどと連携しながら米や和牛といった日本の農林水産物を活用した和食を中心とするメニュー、これ実際に体感をしてもらうということによってジャパン・ブランドの構築を更に進めていきたいと、こういうふうに思っております。
 こうした取組を通じて、農林水産物・食品の輸出拡大とさらにその先のインバウンドの増大、こういうものにつなげていきたいと考えております。
○平木大作君 ありがとうございます。
 このミラノ万博のような機会は、これまで行われてきているような通常の展示会とはやっぱり性格が違うかなと、本当に大きな絶好の機会なのかなと思っております。もう半年にわたって定点でこの日本を発信できる、かつ、いわゆる食に敏感な方たち、アンテナの高い方たち、発信力を持つ方たちはもとより、いわゆるそうでない一般の方たちも含めて、それこそ世界中から集ってこられるわけでありまして、これほどいわゆるマスマーケットに向けても発信ができて、日本として打ちたい手が打てる機会ってなかなかないのかなと。林大臣にも現地に行っていただいて、先頭に立ってこれ是非発信していただきたいなとお願いいたします。
 また、これまでよくこの農林水産委員会の中でもいわゆるジャパン・ブランドの確立はテーマとしては掲げるんだけれども、実際に現地に行ってみると結構難しい話であったと。和牛にしても各産地があるわけでありまして、なかなかジャパンというところでブランドをどう作るのかというのは難しい面があるかと思うんですけれども、このブランドの確立に必要な要素って幾つかあるかと思うんですが、やっぱり一つは時間がどうやっても掛かる。やっぱりこういう半年間にわたって同じポイントでいろんなところから、今も地方をアピールするということをおっしゃっていただきましたけれども、集まって一緒になってやっぱり取り組む中でこのジャパン・ブランドというものも模索していく必要があるのかなと思いますので、是非その点も含めてよろしくお願いいたします。
 続きまして、今回打ち出された中に、農林水産研究の方向性についてちょっとお伺いしたいと思っております。
 これも別冊で資料まで作っていただいて、様々これ規定を、今後の研究方向をつくっていただいているんですが、この中でも私が特に注目したいのは、いわゆる農業に従事されている方の高齢化、あるいは後継者が足りないと、こういった問題、生産基盤の脆弱化、これにやっぱり対応する一つの手段として情報通信技術ですとかテクノロジーの活用、ロボット技術、こういったものをやっぱり活用していかなきゃいけない、イノベーションを使ってこれを克服するという形で記述されているわけですが、これ具体的にどんな研究を進めていかれるのか、御答弁をお願いいたします。
○政府参考人(西郷正道君) 御指摘のとおり、情報通信技術あるいはロボット技術は農作業や営農管理などに要する労力の大幅な軽減を図れるということで、この新たな農林水産研究基本計画におきましても担い手の減少や高齢化など生産基盤の脆弱化などが指摘されておりますが、それを克服するための重要なツールとして位置付けて関連する研究開発を行うこととしております。具体的には、傾斜地での走行と、あと、重いもの、重量物の持ち上げの支援を行う農業用のアシストスーツとか、圃場の中を無人で走行して様々な農作業を自動で行うトラクター、田植機あるいはコンバインと、また人力での作業が困難な急傾斜地での草刈りを自動で行う除草ロボットでございますとか、あるいは既存の情報通信システムを用いまして気象条件や水の利用状況に応じた水管理を自動的に行うシステムなどを開発することとしております。
 これらの開発に当たりましては、可能な限り他の産業で開発されたものを含めまして既存の安価な技術を活用するとともに、真に必要な機能のみを仕様として作るといったように、機械やシステムのコストを抑えたいと思っております。また、試作段階や開発の最終段階など開発のそれぞれの過程において現場の生産者の方に入っていただいて、試験的に利用していただいて省力化等によるコスト削減効果を丁寧に実証する研究も併せて実施して、確実に生産コストの削減につながるような研究開発を進めてまいりたいと存じておるところでございます。
○平木大作君 今、大変大事なポイントを言及いただいたかなと思っております。このイノベーションとかいわゆる研究開発というときにどうしてもこれ日本でよくやりがちなのは、物すごくハイスペックなもの、本当の最先端みたいなものを追い求め過ぎるというのは、これは企業の現場でも、あるいはこういう農政においてもちょっとあるのかなという気がしております。
 昨年、この農林水産委員会でも視察に行きました鉄粉をまぶして直まきするという稲作の方法ですね、いわゆる最後にまくのに使う無人のヘリコプター、あれが値段を調べてみたら一台一千二百万円したというのを私がたしか質問の中で取り上げさせていただいたんですが、そうなると一気に敷居が上がると。これならできそうだなと思っているんだけれども、最終的にそんなにお金要るのかというところでやっぱり止まってしまうというところがあったわけですけれども、例えば、昨今、これがドローンみたいな、ある意味ほかの分野でどんどんどんどん今進んでいる分野ですけれども、これであると、下手をすると十万円とか二十万円台から小さなものだとある。ある意味、金額が十分の一じゃなくて百分の一ぐらいにまでスケールダウンして、技術的に利用できるというところまで見えてくる。
 そういう意味では、なかなか日進月歩の世界ではあるんですけれども、こういったところ、いわゆる高いもの、本当のハイスペックを追い求めるというだけじゃなくて、安価で、本当に現場の皆さんが、じゃ、やってみようか、やってみようというところで取り組めるものにやっぱりひとつ力点を置いていただきたいなとお願いをいたします。
 ちょっと時間がなくなってしまいましたので、済みません、一問飛ばしまして、最後に、食料・農業・農村基本計画の中でも触れられております農業経営のセーフティーネットについてお伺いしたいと思います。
 これは、経営の新たなセーフティーネットとしての収入保険制度の検討ということで一つ記述をしていただいておりまして、要するに、現行のセーフティーネットもあるわけですけれども、価格の変動に対応していないと。また、この課題を乗り越えるための一つの選択肢として収入保険というものを挙げていただいております。この収入保険については、昨年度も政府として予算を付けていただいて検討していただいた。そして、本年度予算にも五億円、この収入保険制度検討調査費というのを付けていただいております。
 これ、昨年までのいわゆる検討を踏まえて、今年度どういう取組をしていくのか、どういう検討を行っていくのか、最後にお伺いをいたします。
○政府参考人(奥原正明君) 収入保険の関係でございます。
 セーフティーネットとしては、現在、農業共済制度、これがございます。この共済制度は、自然災害による収量減少、これを対象にしておりまして、価格低下は基本的には対象になっておりません。それから、収量減少を見ておりますので、対象品目の方もこの収量を確認できるものに限定されておりまして、農業経営全体を対象にはしていないと、こういった問題点がございます。このために、全ての農作物を対象としまして、農業経営全体の収入に着目をした収入保険の導入につきまして調査、検討を進めていく必要があるというふうに考えております。
 これまでは、農業者の経営データを収集するとかそういったことを中心に調査をやってまいりましたけれども、昨年の十一月からは、今年の二十七年産、これを対象にいたしまして、農業者の方の協力を得て、制度の仕組みの検証等を行う事業化調査、これを開始をしているところでございます。昨年のうち、二十六年中に模擬的に加入をしていただきまして、今年の二十七年産についていろんな作業をしていただいて、その上で、二十八年に納税の申告までしていただく。これを一つのサイクルとして、うまくいくかどうかをきちんと点検をするという事業化調査を現在行っているところでございます。
 本年度、この事業化調査、中心になっておりますのは、この農作物の作付け、収穫、販売におきまして農業者による営農の記録を付けていただきますし、それから帳簿も付けていただきます。それから、損害が発生したときには保険者への通知も必要でございますし、保険者の方は適宜現地調査をして確認をすると、こういった事務がきちんとできるかどうか、こういった検証を進めているところでございます。
 こういった事業化調査の結果を踏まえて制度を固めていきたいというふうに考えておりまして、今後の調査の結果によりますので現段階で確たることは申し上げられませんけれども、調査、検討が順調に進めば、平成二十九年の通常国会に関連法案を提出したいというふうに考えているところでございます。
○平木大作君 ありがとうございます。
 昨年までの取組はデータの収集等が中心だったということでありますけれども、事業化調査まで行っていると。これ現場からまた様々やっていく中で上がってきた課題ですとかそういった問題点ありましたら、是非これは積極的に公開していただいて、またこの場でも議論していきたいと思っております。
 時間参りましたので、以上で終わります。ありがとうございました。
○儀間光男君 維新の党の儀間光男でございます。
 今日は、食料・農業・農村基本計画という議題で、先週もやりましたけど、更に追加してさせていただきます。喉をやられていまして、ハスキーでちょっと聞きづらいと思いますが、お許しをいただきたいと思います。
 顧みますと、あらゆる産業で必要とされているのは人材の確保、育成ですよ。これは古くて新しいテーマ、言い古されて久しいテーマであります。我が国農業においても従事者の七割以上が六十五歳以上であると、あるいは五十歳未満が一割程度であるとかいうふうに記されておって、実に憂慮すべき事態だと言っても過言はないと思います。政府もそれを受けて二〇一〇年、声高に農山漁村の活性化、農業を成長産業へと声を掛けてやっておりますが、担い手なしにはどうしようもないことでございます。それはもう聞かぬことにいたしまして、次へ移りますが。
 さて、これも二〇一〇年の農業センサスの資料でございますが、農業の従事者人口は当時は二百六十万人、二十二年当時ですね、とされ、我が国の人口の三%にも満たない従事者であったと記されております。その三%も満たない我が国農業従事者が国の食料の自給率を支えてきた姿がございます。しかし、最近でいう自給力、つまり潜在生産可能性からするともっともっと上がっていくとは思いますが、一九九〇年、平成二年の我が国の農業従事者は四百八十二万人とされております。ところが、二〇一〇年、平成二十二年の従事者数と比較をいたしますと、この二十年の間に実に二百二十万人が離農したという数字になっているわけでございます。いかに我が国の農業が厳しい環境にあるかが如実に示される数字だと心得ております。
 その原因としては、いつも申し上げているように、戦後の産業構造の変化などによるものが大きな要因だと思いますが、だからといって政府が農業政策に不作為であったかというと、あながちそうでもない、いろんな手当てしてきたと思うんですね。ただ、それがミスマッチを起こしたり、現場とうまくいかなかった。したがって、効果があったかなかったかは別にしても、かなりの政策は展開してきたということで評価するわけでありますが、その中にあっても、農家人口あるいは戸数とも一向に増える気配はない、好転をしない、そんなようなことは、もう一つ考えると、生活環境が整えられなかった、いわゆる農業をなりわいとして地方、農村、農家におってなかなか近代的な生活が成り立たなかった、環境が整えられなかったというところにも大きく起因すると思いますが、大臣、これ、所感でいいですから、簡潔に短く所感をいただけませんか。
○国務大臣(林芳正君) 今先生がおっしゃったことは大変大事な論点の一つではなかろうかと、こういうふうに思っております。
 この間も、トイレですね、田舎へ行くとなかなか水洗のトイレがないんだというようなことをいろんな集会で聞いたことがありまして、我々、都会に住んでおりますと半ば当然のように水洗トイレがあって、大体最近はウォシュレットまで付いているということですが、一方で、やっぱり農村地帯へ行きますとまだまだそういうところが整備されていない、こういうことも聞かれるわけでございますので、そのこと一つ取っても生活環境の整備というのは大変大事でございますし、こういう状況になってきて、二十代、三十代の皆さんがUターン、Iターンの希望が少し出てきているということになってきますと、さらにこういう問題も含めていろんな環境整備というのは大事なことではないかというふうに思っております。
○儀間光男君 ありがとうございました。
 そういうことも含めまして、政府は農地の中間管理機構でもって農地の集積、集約化を図り、生産性の向上を図り、あるいは国際競争力を強化していくと。その結果、農業所得の向上などを目指して施策を展開されてまいりました。
 この施策は、過日も言いましたが、まだ一年になったばかりで、バックデータなどの準備が不足をしておって、どこが具合悪くてどこが好都合でということにはまだしばらくは推移を見ないといかぬと思うんですが、ここで、私一つ疑問に思って聞きたいのが、その予算の付け具合ですね、予算の流れ具合。補正、本予算、補正、本予算と出るんですよね。本予算は、大体政策課題が当初の予算、本予算で入ってくるわけでございますが、これは補正から始まっている。
 確認の意味ですが、この政策、実施、何年何月だったでしょうか。
○政府参考人(奥原正明君) 農地の中間管理機構でございますが、これは二十五年の秋に法律を作っていただきまして、法律は昨年の三月から施行されております。したがいまして、予算的に言いますと、二十五年度の補正予算、それから二十六年度の当初予算、そこからスタートをしているということでございます。
○儀間光男君 二十五年の補正からスタートなんですが、二十五年の四分の一下半期、補正だとそうなりますね。その間にこの事業が実施されて実績が上がるという見通しがあったのか。なければ四百億という予算付きませんね。あるいは、百歩譲って、そうであっても、何が起こるのか分からぬから準備のために四百億付けたといったら、それも理屈は通るでしょう。ところが、これ四百億を付けて、少しの間でこれ基金で別途使うと、こうおっしゃっているんですが、繰越しの状態で二十六年の当初予算、三百五億ですか、これに付いてきて、七百五億で二十六年度の事業をスタートするわけですよ。
 ここで疑問なのは、四百億で幾ら執行、金額的に執行があったかですよね、二十五年度内で。この辺いかがですか。
○政府参考人(奥原正明君) これにつきましては、法律の施行は昨年の三月からでございますけれども、やはり各県でこの機構を順調に立ち上げていただく必要がございます。そのためには、それぞれの県である程度の財政的なものを用意しないと動き出しにくいということもございましたので、これは二十五年の補正とそれから二十六年当初予算合わせまして、これはいろんなものがございます。機構そのものが事業をやるための予算、それから機構の事務費としての予算もございますし、それから農地を動かすときにこの農地の出し手に対してお払いをする協力金というものがございますが、こういったもの全て含めまして、この補正と二十六年当初予算で七百五億円を用意をして各県に配分をしたと、こういうことでございます。
○儀間光男君 いろんな事業があって、それに手当てしなければならないということは分かるんです。でも、二十六年七百五億でスタートさせるんですが、また二十六年に二百億を補正するんですよ。それで、二十七年度の百九十億と合わせて三百九十億になるんですね。
 そういう予算の付け方、流れでいいのかどうか、非常に疑問に思っているんですが、それはどう説明されますか。
○政府参考人(奥原正明君) 今御指摘いただきましたのは、特にこの予算の中で、この農地の出し手に対してお払いをいたします機構集積協力金というものだと思います。農地を出していただいた方に対して、個別の農家の方、個別の所有者の方と、それから地域に対して出るものと、両方ございますけれども、この協力金につきまして昨年十二月末の段階で幾ら交付されたか、これは公表されております。これは、予算額がトータルで二百五十三億円この時点でございましたけれども、この中で実際に執行されておりましたのは、昨年十二月末時点で十六億円、執行率にするとその時点では六%という状況でございます。
 ですが、この機構への借受けの希望が、これは、機構から借り受ける方については法律上公募ということになっておりますので、募集をしたときに手を挙げた方が相当いらっしゃいまして、面積で言いますと全国合計で三万経営体で二十三万ヘクタール分ございました。こういったものが次第に手当てをされるであろうということが一つございましたのと、それから、農業者の高齢化がこれだけ進んでおりますので、農地の潜在的な出し手は相当いらっしゃるということ。それから、これはまだ十二月末の時点でございましたので、農地の権利移動は、秋の収穫時期から翌年の作付けの春のところまでが農地が動く時期でございますので、十二月末よりも三月末に向けてかなり数字が上がっていくであろうと、こういったことも想定をいたしまして、この時点であった予算は二百五十三億で、使われたのは十六億円でございますが、これに加えまして更に平成二十六年度補正予算で二百億円を追加をしたと、こういう経緯でございます。
○儀間光男君 おっしゃり方は分からぬでもない、分かるんですよ。
 それでは、例えば補正を組むとき、一年を四つに分けて、上四半期、ここの動きを見て下四半期どう動いていくか、こういうことをシミュレーションしながらやっていくと思うんですね。前半の好調の動きを見ているというと、このとおり推移すると後半どうも予算は不足するであろう、いや、間違いなく不足をするという見通しが立ったときに補正という発想が出ると思うんですよ。
 ところがこれは、見ているというと、じゃぶじゃぶ金使えないで余っている状況なんですよ。そこに新たに補正で入れ込んでいくということ、なぜ、二百億を補正しないで当初予算で三百九十億にしなかったか。それだって間に合うはずなんですよ。その辺そう思いませんか。私どもは地方でやっていて、そう思えてならないんです、今まで地方でやって。
 大体私は、上四半期で仮決算を出させて、数字出させて、下四半期を予想を立てて、この調子でいくと不足するので、十二月で補正をし、三月でもう一回補正して、余ったのは戻したり繰越しをしたりというような作業をマニュアルどおりにやってきたんですね。
 どうも政府のやり方は少し違うのか、それが正当なのかどうかはよく分かりませんが、その辺いま一度、とんと喉に落ちるような説明していただけませんか。
○政府参考人(奥原正明君) 御指摘のことはよく分かるんですけれども、この事業も軌道に乗ってくればそういうやり方がきちんとできるんだろうというふうに思っております。年度の前半の方の実績がこのぐらい、あるいは昨年の実績がこのぐらいなので、今後このぐらい必要だから補正予算でこのぐらい追加をしよう、あるいは追加は要らない、こういった判断ができると思いますが。
 この農地の中間管理機構につきましては、二十六年の三月から施行されて、二十六年度が初年度という状況でございます。しかも、この政策につきましては、担い手のところに農地を集積、集約化していく、まさに農政の一番大事なところの根本に関わる予算でございますので、ここをできるだけ早く軌道に乗せて、本当に十年間で担い手のところに農地の利用の八割のところまで持ってくるということをやっていこうというそういうことがございまして、この立ち上がりのところで、そこについてはできるだけうまくいくように十分な予算を手当てをしたと、こういうことでございます。
○儀間光男君 さっきから言うように、おっしゃることは分かるんです。事業に対する手当て、それは理解できますよ。どうぞ、必要な分使ったらいいと思います。
 ところが、おっしゃるように、数%しか執行していなくて、金は余って、次、急いで補正しなくたって新年度を迎えて当初予算にでも間に合うというような、数字の動きだと思うんですね。事業を否定するものじゃないですよ。数字の動きだと思うんです。
 なぜ私これにこだわるかというと、国に不可思議な予算運営がよくあるんですよ。例えば決算。憲法を見るというと、年一回締めて、前年度分を当年度で、決算に付さなければならないと書いてあるんですが、実際に三年分を一回で決算審査やったりね、これ不思議でたまらないです。
 また、ちょっと時間を食い過ぎて困っているんですが、たしか平成二十六年度に復興特別予算として企業に対して復興法人税八千億、二十六年でいただこうということで法制化したんですよ。ところが、事もあろうに、二十五年でその法案を廃案にして、いわゆる二十六年度は復興法人税は歳入ゼロになるんです。八千億、歳入は発生しないんですね。ところが、この八千億、平成二十五年度の補正に入れて、一兆一千億の予算、どこから持ってきたか分かりませんが、一兆一千億に八千億乗せて、その二分の一を剰余金として計上したんですよ。
 これ、会計法上、見事に違反だと私ども地方で思うんですが、そのときつくづく思ったのは、国は川上の一滴から始まるから、ないものをつくっていけばよいのかな、法律なんて関係ない、そういうような疑問を私抱いてきたんです。
 それで、この予算の流れも、付け方も我々にとっては全く考えられない。予算書を汚す、会計検査院から注意を受ける、見通しが甘いとか指導される、あるいは決算を一年でも遅れるとペナルティーが来る。歳入の発生していない数字を剰余金として上げて、こんなことをやったら地方はもちませんよ。だのに、国は割とそれを平気でやっておられるというところに非常な疑問があってこれを捉えたんですが、おっしゃることは、事業そのものは分かるんですが、予算の流れとしては全く理解できません。
 ところが、これ以上やっても堂々巡りで時間が経過するばかりですから、次の機会もっとあるんでしたら捉えていきたいと思います。
 次に移りたいと思います。
 次は、外国人の技能実習の適正な実施及びその保護に関する法律に基づいてちょっとお尋ねをしたいと思うんでありますが、この法律は二十二年に制定されて事業が実施されておりますが、おおむね百三十種、百二十七種でしたか、まあ百二十業種に外国人の技能実習生を受け入れて、その制度を活用して外国の皆さんの技能の修得を手伝ってそれぞれの国で頑張っていただこうという日本の優しい心配りですよね。それで、農業関係では、耕種農業で施設園芸と畑作、野菜、四作業、畜産農業としては養豚、養鶏、酪農、それから、漁業では、漁船漁業、養殖業。聞きますと、今年度からは果樹栽培もその対象になったと伺っております。
 ここで一つ確認したいのは、林業にまつわる特用林産物が業種にも作業にもないんですが、これはどうしたんでしょうか。その需要が研修生としてなかったのかどうか、お聞かせいただきたい。
○政府参考人(奥原正明君) 外国人の技能実習の制度でございますが、最長で現在の制度では三年間技能実習をできるということになっておりまして、一年目は業種の限定がございません。一年目から二年目に移るときは、これは業種ごとの評価試験を受けていただいて、それに合格をした方が二年目、三年目がやれると、こういう制度になっております。
 先ほど先生がおっしゃられましたのは、この二年目に移行できる業種が決まっておりまして、それが農業でいきますと、耕種農業の施設園芸、畑作、野菜、果樹、それから畜産農業で養豚、養鶏、酪農と、こういったことでございます。
 林業につきましては、これまではこういう要請が特にございませんでしたので、二年目に移行する評価試験の対象の業種は決まっていないというふうに承知をしております。
○儀間光男君 この特用林産物については一年目からリクエストがなかったと、こういうことの理解でいいんですか。
○政府参考人(奥原正明君) 一年間は業種の限定が特にございませんので、国内に入ってきて技能実習を受けるということは制度的にはできるようになっております。
○儀間光男君 ちょっと余談ですけど、先ほど古賀委員からフグ養殖の話がありました。これだって同じこと言えるんですよ。これは沖縄で取り尽くされたサンゴにも同じことが言える。中国はフグを食するのは禁止されているんですよね。だから食べないんです。日本がどんなに輸出しようとしたって、受けないんですね。
 ここで、思い付きなんですが、交渉して、中国や台湾、フグを毒だと言って食しない国々に呼びかけて、フグの解毒というか毒を除去する技術を日本が移譲して、中国やフグを食べないところでも、自分たちで生産したフグを食べられるようにする。そうすると日本のフグも生きてくる。
 これ、サンゴだって同じなんです。中国はサンゴ漁を禁止されているんですよ。ところが、外国で捕る分についてはどうってことないですから、出てきて日本のEEZのサンゴを捕りに行くんですね。
 そういうことでありますから、どうぞこういう制度を利用して、いろんな我が国の生産者が有利になるような、そういう施策をどんどんどんどん交渉の中で進めていっていただきたいと、こう要求をさせていただきたいと思います。
 さて、次に移りますが、創生事業について少しお尋ねします。
 いわゆる創生本部ができて創生事業が実施されるんですが、農山漁村づくり等で拝見いたしますというと、今、我が国の農業が抱えている課題がこれに凝縮されて記述されております。
 その課題の解決は不可欠だと認識いたしておりますが、地方や農業の活性化を図るためには、働く職場の創出や確保は当然のこと、まず、さっき申し上げたような生活環境を都会並みに整えていく、こういうことが大事だと思うんですね。それには、農村やあるいは人口の少ない地域の医療や福祉や施設などなど、環境整備が不十分と言えるものが相当あるわけであります。そのために、大臣がおっしゃった、IターンやUターンやリタイアターンなどの人たちが定着し得ないという状況を醸し出していると思うんです。
 そこで、農林省の地方創生に向けた施策の中で、この生活環境はどんなことあったってできるものとできないもの、例えば教育や医療なんというのは、それぞれの文科省や厚生労働省でありますから、こういうことを実施してちゃんとやっていくには、そういう他省庁との関係、あるいは都道府県、市町村、そういうのが連携が非常に重要であるのは当然ですね。
 それで、この一体の取組として総合調整機能が発揮できる機関はできておるわけでございますが、先ほども郡司委員だったか質問がありましたが、農林水産省の食料・農業・農村、あるいは地方創生本部のまち・ひと・しごと、これに農林省がどう関わっていけるのかについて御見解を賜りたいと思います。
 いわゆるこれは縦割りでは駄目なので、横串で並ばぬといかぬと思いますが、その辺、農林省としてはどういうところを地方創生本部で関わっていくのか、示していただきたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) まず、先ほどフグのお話がございましたが、中国は、先ほどのやり取りは、こちらから輸出は、向こうから見て輸入ですね、禁じておるということですが、国内でフグを食べることについて禁じておったか私ちょっと記憶が明確ではありませんが、昔、南京に行きましたときに、何かフグをごちそうになった、日本のような刺身ではなくて、丸ごとあんかけみたいな料理になっていたのを食べたような記憶もありますので、そこはあくまで、先ほどのお話はこちらからの輸出が禁止されているということだったというふうに申し上げておきたいと思います。
 地方創生でございますが、農山漁村で、やっぱり地域の特性に応じてそれぞれの地域の課題がございますので、そういう解決をすることによって活性化を図っていくことが重要であると、こういうふうに思っております。
 まずは、農林水産業を成長産業とすることや、地域資源を活用した六次産業化等を進めるということで、今、儀間先生がおっしゃっていただいたように、この農林漁業者の所得をやっぱり向上させることが必要であるということでございます。
 それから、やはりどうしても高齢化、人口減少というのがございまして、農山漁村集落の機能が低下してきておりますので、先ほども基幹集落の話がございましたが、ここに諸機能を集約しまして周辺集落とのネットワークの形成を図るということが必要であるということでございますし、私も先ほど所感ということで申し上げたように、生活環境の整備というのも大変大事になってくるのではないかと思っております。
 こういったことでございますので、まさに農林水産省だけにとどまらずに、ほかの国交省であるとか総務省と連携をしながら政府全体として取り組んでいく必要があるということで、このまち・ひと・しごと創生本部ができ、またそこで昨年十二月には総合戦略がつくられて、この中に我々の農林水産業・地域の活力創造プランでつくった施策、これが内容として盛り込まれておるわけでございます。当然、そのまち・ひと・しごと創生本部の下で関係府省と連携して、我々もこの施策の推進に努めてまいりたいというふうに思っております。
 先ほどフグのことを申し上げましたが、改めて確認いたしましたら、中国では法令で国内においてフグを食べることは禁止をされておるということでございます。それはちょっと訂正させていただきたいと思います。私が食べたのは、じゃフグじゃなかったのかなと思っておりますが、食べることも禁止されており、輸入も禁止されているということでございます。失礼いたしました。
○儀間光男君 訂正してよかったですよ、僕、確信を持っていますから反論しようと思っていたんですが、ありがとうございました。
 そうですね、おっしゃったとおり、各府省いろいろ政策を持っていますね、国交省のコンパクトシティーがそうであるように。ですから、これは当たり前の話ですが、縦割りじゃなしに、横に串刺しになってみんなで一緒にやるというような施策の展開になるだろうと、こういうふうに期待をいたしております。
 次に移りますが、現在、我が国で公立小学校、小学校、中学校、これは義務教育ですが、各小中学校、全部給食制度をしいているんですね。その給食で出される国産食材、これが占める割合を知りたいのでありますが、相当の数の食材が要ると思うんですね、米を始め副食、生鮮三品に副食、相当要ると思うんですが、どれぐらいの影響を食料担当の農水省としてこの給食に関わっておられるのか、その辺、もし説明できるんだったらお示しいただければと思っています。
○大臣政務官(佐藤英道君) 学校給食における国産食材の使用割合は、平成二十五年十二月に改定された第二次食育推進計画におきましては平成二十七年度までに八〇%以上とする目標値が定められたところでありますけれども、平成二十五年度の実績は七七・一%にとどまっております。
○儀間光男君 なぜそれを聞くかというと、給食費は、政府も手伝いはしていると思うんですが、一食幾らと決まっているんですよ、枠があるんですね。ですから、例えば一食三百五十円、四百円、その程度だと思うんですが、それを六百円の枠でやろうなんていうのはできないんですね。だから安い食材を求めて安い外国の危険なものに手を出す可能性がないとはしないです。それを言うと税関に叱られますけれども、ちゃんと点検してあるとお答えですけれども。
 こういうことで、安いものに手を出しがちで、給食が質が低下していくというような危険があるやに仄聞するんですが、その辺、いかがでしょうか。時間オーバーしておりますが、最後の質問としたいと思います。
○大臣政務官(佐藤英道君) この問題は本当に重要な問題であると認識しております。
 農林水産省としては、今給食の代金のお話もございましたので、文部科学省とも連携しながら、このような支援策の現場での活用を促しながら学校給食における国産農林水産物の需要の拡大を推進してまいりたいと思います。
○儀間光男君 ありがとうございました。
 私も質問、相当残したけれども、ごめんなさい、次の機会にやります。ありがとうございました。
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 食料・農業・農村基本計画についてお聞きします。
 私、三月の所信に対する質疑のときに、食料自給率目標をなぜ後退させたのか、三九%で推移している食料自給率はなぜ上げることができなかったのかということをお聞きしましたけれども、実現可能性を重視したと、消費減少を見込んだということで、傾向を言われるだけでどういう努力をしてきたのかということは定かになりませんでした。
 そこで、前回は麦、大豆の問題をお聞きしましたので、今回は飼料用米についてお聞きをいたします。
 我が党も、この飼料用米を増産することは、水田、農地を生かして国内生産を多面的に発展をさせると、食料自給率向上をする上でも重要だというふうに考えています。飼料用米は前回の基本計画で重視をして、二〇〇八年度、平成二十年度の生産量九千トンをこれ七十万トンに引き上げると。克服すべき課題は、実需者ニーズに対応した安定供給体制の構築、単収向上、そして産地と畜産農家、配合飼料メーカー等とのマッチングということを挙げています。なぜ生産は伸びなかったんでしょうか。
 その点で、飼料用の米を戦略作物に位置付けた理由と、そして前回の計画と何が違うのかということについてお聞きをいたします。
○国務大臣(林芳正君) 食生活の変化などによりまして、一人当たりの主食用の米の消費量が最大のときに比べて大体半分ということで、この主食用米の消費量の大幅な減少傾向が続いておりますが、今、紙委員からも御指摘いただいたように、この貴重な生産装置である水田のフル活用、これ大事でございますので、飼料用米、それからそれ以外にも加工用米といったようなほかの米の生産振興を図るということと、小麦、大豆等の輸入に多くを依存している品目についての転作をやっていこうと、こういうことでございます。
 今お尋ねの飼料用米でございますが、飼料の安定供給につながるという意味で、飼料自給率が低い我が国にとって大事であるということに加えて、主食用米と同じ栽培方法、農業機械で生産できる、生産側のメリットもあるということでございまして、食料自給率、自給力の向上につながると、こういうふうに考えております。
 二十七年産については、畜産農家から新たに四・五万トン、飼料会社から約百万トンの需要が示されておりまして、さらに中長期的には、日本飼料工業会から、価格等の条件が整えばということですが、約二百万トンの使用が可能という発表がなされておりまして、十分な需要が見込まれておるところでございます。食料・農業・農村基本計画においても、戦略作物としてこの飼料用米を位置付けて生産拡大を図ろうということでございます。
 見直しに際して、食料・農業・農村政策審議会において、計画期間内における実現可能性を重視して目標等を設定すべきと、こういう意見が多数でございましたので、麦、大豆については作付面積は飛躍的に拡大するということに前回はなっておりましたが、これが過大であったという検証がなされております。
 そういうことがあったものですから、この飼料用米と麦、大豆というのは、ある意味で同じ水田で生産されることになりますので、麦、大豆について、まず実現可能な水準の生産努力目標を設定をしたと。一方で、餌米については、前回の基本計画では平成三十二年度に七十万トンで、今お触れいただいたように、そういう目標でございましたが、これを平成三十七年度に百十万トンに増産する目標を設定をさせていただいたと、こういうことでございます。
○紙智子君 今の答弁の中でちょっと触れられなかったのかな、後でまた答えてほしいんですけれども、前回と違いというか、どこが違うのかということ、一言ちょっと御答弁いただければ。
○政府参考人(松島浩道君) まず、耕作する稲作農家と畜産農家の結び付きが前回に比べましてしっかり拡大してきているという面がございますのと、それから配合飼料メーカーにとりまして、近年、国際穀物価格の高騰という中で、また為替の変動という中で、安定的な価格で供給できる国産米に対する評価というのは高まっているという点があろうかと思っております。
○紙智子君 飼料用米の生産努力目標というのがこれ十一万トンですね。これを十倍今度伸ばして百十万トンにしようということになっていますね。克服すべき課題ということでも掲げられています。ポイントは、やはり生産者の意欲になるかどうかというところがポイントだと思うんですね。
 そこで、飼料米の取引価格並びに流通経費を除いた農家の手取りが幾らになるのか、説明をお願いします。
○政府参考人(松島浩道君) 国内で生産される飼料用米は、配合飼料原料として配合飼料メーカーに販売する場合と、稲作農家が直接畜産農家に販売する場合、二つございまして、まず、その飼料用米の配合飼料メーカーへの販売価格につきましては、輸入トウモロコシと同等またそれ以下の価格で供給されているという実態にございます。具体的には、地域や取引形態によって差がございますけれども、キロ当たり三十円程度が取引価格でございまして、流通経費を除きました農家手取りはキログラム当たり十三円程度というふうに聞いてございます。
 また一方、稲作農家と畜産農家との直接取引の場合でございますが、これにつきましては、どちらが保管、流通を担うかという問題や、また堆肥の引取りとの交換といった場合もございますので、まさに様々、取引形態に応じて価格決定がされているというふうに聞いているところでございます。
○紙智子君 基本的には、最初にお答えになったように、農家手取りが十三円ということですよね。飼料米の単収を五百三十キロとすると、流通経費を除いた六十キロ当たりの農家手取りというのは七百八十円ということになります。それから、飼料用米の交付金、助成金は十アール当たり八万円ですよね、今。八万円ですから、六十キロに直すと九千五十七円になります。つまり、農家手取りは、取引価格に助成金を合わせて、九千八百三十七円、約一万円ということになる。その一方で、六十キロ当たりの生産費というのは約一万六千円ですね。
 助成金が付いても生産費に届かない状況なわけですけれども、これで本当に生産意欲になるんでしょうか。これは大臣に伺います。
○国務大臣(林芳正君) 今、取引価格の答弁をさせていただきましたけれども、なるべく主食用米との所得差が生じないようにする、これを基本として政策支援を行っていこうと、こういうことでございます。さらに、農地集積、集約化をしていただく、それからこの八万円がベースで今お話しいただきましたが、多収性専用品種、それから低コストで省力的な栽培技術の導入等を併せて講じることによりまして生産コストの低減を推進していきたいと、こういうふうに思っております。
 こういう取組を進めていきまして、餌米の生産コストと販売価格との格差、これを小さくしていきたいと、こういうふうに考えております。
○紙智子君 今、多収性の問題とかもいろいろ述べられたんですけれども、単収で上げていこうと思うと、これまた更に肥培管理とか資材費も掛かってくるようになるわけですよね。単収が少ない圃場の方が利益は大きいという指摘もあるわけです。その辺は、本当に実態としてどうかというところはしっかり注視をする必要があると思います。
 それで、農業者が一番不安に思っているのは、助成金がいつまで続くのかということがあるわけですね。
 昨年の十月に、財務省の財政制度分科会で食料自給率などを始めとした農業政策の議論を行っています。そこで出されている意見は、需要より補助金単価が作物の選択に大きな影響を与えていると、飼料用米の助成水準が続くとは考えにくいといった議論があります。農家の経営マインドを阻害をし、需要に応じた生産を妨げている政策、制度は見直すべきだという論議がされているわけです。
 この補助金削減の圧力に耐えることができるのかどうか、この点、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 先ほど申し上げましたように、餌米については、飼料自給率から見ても、また水田のフル活用から見ても大変に意味のあることでございます。そういった意味で、水田のフル活用のための飼料用米への転換は大変に大事な政策であると、こういうふうに考えておりまして、そういう意味で、この生産拡大に向けまして直接支払交付金を充実して数量払いの導入を入れるなど、餌米へのインセンティブを高めるということをやってきております。
 引き続き、今お話がありましたように、農業者の方々が安心して餌米の生産に取り組んでいただけるように、新たな食料・農業・農村基本計画で今まさに触れていただきましたような目標も掲げてこの生産拡大をしっかりと位置付ける、これは先ほど来御議論がありますように閣議決定をしたということでございますので、これに基づいて、その達成に向けてしっかりと必要な支援を行うことにしたいと、こういうふうに思っております。
○紙智子君 財務省の方の議論で補助金削減の圧力というのがあるわけですけど、これ本当に耐えられるのかというところは、ちょっと今お答えいただいていないと思うんですけれども。
 財務省の審議会だけじゃなくて、三月二十六日に、農林水産省の農政審議会の食糧部会でも、助成金に支えられた生産というのは普通では長続きしないという発言があったようですし、大臣の、助成金は削減しないという、言ってみれば生産者に対して励ますような、安心できるような、そういうメッセージが要るんじゃないかと思うんですけど、いかがでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) これはまさに私もそういうことを申し上げてきておりますし、何よりも、農水省のみならず、閣議決定をして、政府全体として、これは当然言わずもがなでございますが、閣議決定でございますので財務大臣もお入りになったところで閣議決定をされている、そういうことでございますので、そういうことで、生産者の皆さんが安心して生産に取り組むことができるように周知徹底を図っていきたいと、こういうふうに思っております。
○紙智子君 飼料用米への圧力、国内だけじゃなくて、これ国外にもあるわけですよね。家畜飼料の主原料である輸入トウモロコシは、これ関税はないですよね、今。フリーマーケットになっていると。それで、国際市場では輸出国間の競争が激しくて、価格も変動しやすいわけです。輸入価格は一キロ二十七円程度ですから、これ国産の飼料米に価格競争があるとは思えないわけです。現在の飼料用トウモロコシの輸入量は一千万トンです。飼料用米を十一万トンから百十万トンに伸ばすふうになれば、これ飼料用穀物がだぶつくんじゃないのかと。供給過剰になる可能性があるんじゃないかと思うんですね。
 輸入トウモロコシを飼料米に置き換えるような対策というのは、これ必要なんじゃないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) まず、世界のトウモロコシの市場というのはかなり桁違いの大きさでございますので、日本のこの一千万トンの中の百万トンということが全体の世界の需給に及ぼす影響というのは小さいものではないかと、こういうふうに思っております。
 その上で、家畜用飼料として一千万トン輸入されているトウモロコシと同等の栄養価がこの餌米にあると、こういう評価でございますので、牛や豚や鳥といった畜種ごとに給与可能な割合は異なるものの、この代わりの給与というのが可能であるということでございます。地域の耕種農家と畜産農家の連携をする、それから配合飼料メーカーを通じた飼料用米の安定供給、こういうものをすることによって利用を拡大していきたいと、こういうふうに思っております。
 まず、この直接供給、耕種と畜産の間の直接供給でございますが、国や都道府県、市町村段階の関係機関が連携しまして、畜産農家からの希望のある約四万五千トンの新たな利用についてマッチングを進めておるところでございます。また、配合飼料メーカーにおいて約百万トン、先ほども申し上げましたが、中長期的には日本飼料工業会では二百万トンと、こういう利用希望が示されておりますので、これらのマッチング活動も併せて推進をしておるところでございます。
 さらに、耕種側ではカントリーエレベーターの整備、それから畜産側では餌米の加工・保管施設等の整備、こういうものに対して支援を行うことによって、更に餌米の生産、利用の拡大を図っていきたいと、こういうふうに思っておるところでございます。
○紙智子君 国際的な価格競争の中で、飼料メーカーが飼料用米を活用する対策というのは必要だと。今、手を挙げていて受け入れられるという話もあるというんですけれども、そこから実際にはけていくかどうかということも含めて、飼料用米を振興していく上では、やっぱり国内の圧力はもちろんですけれども、輸入圧力にもどう対応するのかというのは、しっかりとした対策が必要だというふうに思います。
 そこでなんですけれども、基本計画を実行する上で非常に強い圧力になるTPPについてお聞きします。
 四月末に予定されている日米首脳会談についてですけれども、二〇一三年の日米首脳会談のときに安倍総理は、聖域なき関税撤廃が前提でないので交渉に参加するということを言いました。二〇一四年の会談のときには、聖域とした農産物五項目も関税削減と緊急輸入制限を組み合わせた方程式で合意したんだというふうに、今まで日米首脳会談というのはTPPにとっても大きな節目になってきたというふうに思うんですね。
 私は四月八日の予算委員会のときに、安倍総理大臣に対して、今度の日米会談のときに安易に妥協しませんよねということで求めたのに対して総理は、日米協議はまだ多くの課題が残っているんだと、だから着地点を探っていて、必要のない妥協は当然ないというふうに答弁をされました。林大臣もこの点同じ認識なんでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 総理の訪米に合わせて日米首脳会談が行われる予定だと聞いておりますが、様々な経済、安全保障問題などとともに、TPPもその議論のテーマの一つになると、こういうふうに聞いております。
 アメリカとの間では依然として難しい課題が残されておりまして、TPP交渉の早期妥結に向けて全力を挙げて取り組んでおるところでございますが、委員御指摘の総理の発言のとおり、訪米に合わせて必要のない妥協をすることはないと、私も全く同じ認識でございます。
○紙智子君 甘利TPP担当大臣の発言についてもお聞きしたいんですけれども、甘利大臣は三月二十日の記者会見で、アメリカの大統領貿易促進権限法案、TPAですね、この法案をめぐる動きについて、日本のみならず、他の国がTPP合意にとって必須条件はTPAの成立であるという認識でありますというふうに言われましたけれども、これは林農水大臣も同じ認識なんでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 基本的には、甘利大臣と同じ閣内でございますので、同じ認識でございます。
 交渉参加国がそれぞれTPAについてはTPP交渉の妥結に不可欠であると、こういう認識を持っておりますので、アメリカの議会の中の話ではございますけれども、しっかりと早期成立を期待しながら注視をしていきたいと思っております。
○紙智子君 それでは、加えてお聞きしますけれども、農産物重要品目に関する衆参の農林水産委員会の決議、これ必須条件、不可欠なんですか。
○国務大臣(林芳正君) これは何度も申し上げてきておりますように、このTPP交渉に当たっては、引き続き衆参両院の農林水産委員会決議が守られたとの評価をいただけるように政府一体となって全力を尽くす考えでございます。
○紙智子君 不可欠とは言われないんですか。
○国務大臣(林芳正君) これはもういつも同じ表現で恐縮でございますが、逆に余り表現を変えますと臆測を呼びますので、この衆参両院の農林水産委員会決議が守られたと評価をいただけるように政府一体となって全力を尽くす考えでございます。
○紙智子君 繰り返し言われたように、国会決議が守られたとの評価をいただけるように政府一体となって全力で交渉を行うという、繰り返し非常に微妙な言い方をされているわけですけど、やっぱり必須条件とはっきり言うべきだと思うんですね、農水大臣なんですから。
 それで、今年に入って、一月の日米協議で注目すべき動きがありました。
 報道などを見ますと、アメリカは現行の牛肉の関税三八・五%を五%に下げるように求めていると。日本は、十五年程度で九%まで下げる、輸入が急増した場合はセーフガードを発動することで譲歩したと。
 豚肉についても、アメリカは差額関税制度の撤廃と大幅な関税引下げを求め、日本は、高価格帯の関税の撤回と、低価格帯は関税を引き下げると。これに対して全米の養豚生産協会は、日本の提案で重要な進展があったというふうに述べたわけです。
 米についても、アメリカは年間二十万トン規模の受入れを求めていると。日本は、低関税か無税で最大五万トン輸入するというふうに譲歩したと。甘利大臣は、一月二十七日に、一粒も増やさないということは不可能だというふうに記者会見をされたわけです。
 先ほど紹介しましたように、甘利大臣はTPAを必須条件だと言っています。つまり、TPA法案が成立すれば日本が提案した譲歩案で妥結する条件が整うんじゃありませんか。いかがですか。
○国務大臣(林芳正君) 交渉の中身についてはコメントは差し控えたいと思いますが、御案内のように、この全てがパッケージで交渉をしておりますので、部分的に何かが決まったということは当然のことながらないということは申し上げておきたいというふうに思います。
○紙智子君 政府参考人、今日は澁谷さんに来ていただいていますけれども、お聞きしますけれども、日米首脳会談で、農産物の分野では日本が示した譲歩案で大筋合意して、あとはTPA待ちにするのではないかというふうに思いますけれども、いかがですか。
○政府参考人(澁谷和久君) TPPの日米の協議につきましては、明日から、カトラー次席代行が来日をされますので、明日から事務レベル協議が再開されます。まだ現在日米かなり開きがあります、その結果を踏まえて、閣僚級の協議まで持っていけるかどうかと、これがその後の判断になるという、そういう状況でございまして、首脳会談でTPPについて、今の日米の状況がどうなるかということは、全くここは現時点では予断を持って申し上げられないということでございます。事実としては、閣僚会談のまだめども立っていないと、こういう状況でございます。
○紙智子君 そうすると、今私が聞いたことに対しては否定をされたというふうに受け取っていいんですか。
○政府参考人(澁谷和久君) 現時点で決まっていることは何もないということでございます。
○紙智子君 否定も肯定もしてないということですよね。
 TPA法案をめぐってのアメリカの動きについてお聞きしますけれども、報道によりますと、プリッカー商務長官は、TPA法案が十三日の週に上院に提出されるというふうに語っていると。民主党のワイデン議員は、民主党に反対派が多いことから、TPA法案に議会の関与を認める内容を盛り込むと伝えています。TPA法案は議会が持つ交渉権限を政府に委ねる法律なわけですけれども、議会に再交渉を求める権利を認めれば交渉そのものが成り立たなくなるんじゃないかと。こういう動きについてどう分析されているんでしょうか。
○政府参考人(澁谷和久君) アメリカの議会は、四月十三日から、それまでずっと二週間、イースターの休会があったわけでございますが、上院の財政委員会では議員がまた帰ってきまして、ハッチ委員長、ワイデン筆頭の間の協議が再開されたと、こういう報道を先ほど目にしたところでございます。
 アメリカの新聞報道、先ほど見たものによりますと、ハッチ委員長は、そんな遠くない時期に法案の提出がされて、それで委員会の審議、公聴会審議と、こういう流れになっていくんじゃないかという、そういう見立てを述べられたというふうに聞いております。
 休会中に各議員がどのような協議をされたかというのは私どもとしてはまだ十分情報はないわけでありますけれども、オバマ政権、各議員の説得、自ら乗り出していると、こういうふうに聞いているところでございます。
○紙智子君 もしもTPAの前に日米の関係で合意したとして、TPA法案がもし成立したとして、ところが、今度、そこには再交渉もできるようにということになるんだとすると、一旦決まったことがまたひっくり返されるということもあるんじゃないかということも思うわけですけど、その辺のところは特に分析はされていないんでしょうか。
○政府参考人(澁谷和久君) 報道ベースでいろいろ語られているところによりますと、特に共和党の方は、TPAは何のために成立させるのかというと、これはTPPに限らず、アメリカが交渉している通商協定の交渉、これをなるべくまとめやすくするためだと、つまり交渉相手国が安心するためにはTPAが必要なんじゃないかということを共和党の議員が述べているという話をよく耳にするわけでございます。
 そういう意味で、本来のTPAの趣旨を踏まえた議論がアメリカにおいても十分されるのではないかというふうに期待をしているところでございます。
○紙智子君 次に、秘密保持契約についてお聞きします。
 私、四月八日の日に、予算委員会で、米通商代表がTPPに関する閲覧条件を緩和する方針をUSTRのホームページに公開したことについて質問しました。先ほど徳永さんが資料も出しましたけれども、全ての国会議員に、議会内で都合の良いときに、しかるべきアクセス権限を持つ議員スタッフとともに閲覧することを含め、全交渉テキストへのアクセスを提供するという内容なわけです。アメリカが情報公開を言い出したのは、情報の閉鎖性が問題になっていて、このTPA法案を成立させるために情報を出す必要に迫られたからだというふうに思います。
 私の質問に対して甘利大臣は、秘密保持契約は国ごとの運用は様々と言われましたが、そういうことなんでしょうか。国ごとの運用は様々なんでしょうか。
○政府参考人(澁谷和久君) TPPの秘密保持につきまして、特に外部への情報提供の在り方につきましては、各国とも大変悩み深い問題でございます。お互いにここは情報交換もしているところでございます。
 各国が勝手に解釈をして交渉内容がどんどん外に出ているということにはなっておらないわけであります。秘密保持の趣旨である、交渉内容が外部に漏れないように、そういうところはアメリカも含めてどの国も固く守っているところでございます。
○紙智子君 運用はその国ごとのことなんだという話をされるわけですけど、この秘密保持契約の統一した運用基準がないということになりますよね。アメリカは全テキストを出すというふうに言っているわけです。一方、日本がこの間出しているのは要約だけです。しかも、要約といってもテキストの中身は要約でも何でもなくて、テキストの中身とは全く関わらない要約です。
 政府は、この間の質問の中でも、悩んでいるんだと、澁谷さんも先日言われました、悩んでいると言われるんだけれども、実はこれ、ポーズにすぎないんじゃありませんか。
○政府参考人(澁谷和久君) 私も悩んでいるんですけれども、各国とも悩んでおりまして、昨年七月、オタワでの首席交渉官会合があったときに、各国の担当者が集まりまして各国の情報提供の状況について意見交換をしたところ、これはこの委員会でも御報告させていただいたところでございますけれども、各国非常に苦労しながら、特に日本が交渉会合のたびごとに毎日ブリーフィングをしていると、その結果は全てホームページに載っけているということは日本独自の取組であります。
 甘利大臣が、それぞれの国で工夫しながらというのはそういうことも含めてでありますし、私もそういうことを日本はしているということを各国に伝えながらやっているところでございます。
○紙智子君 国民の目線から見ると、何も公開されているという意識は持たないですよ。ほとんどもう肝腎なことは何も出てこないというふうに思っていまして、聖域を守らないで、崩していきながら、日本から譲歩案だけを出していくと、しかも情報開示も約束しないと、こんな交渉からはやっぱり撤退すべきだということを最後に申し上げまして、質問を終わります。
○山田太郎君 日本を元気にする会の山田太郎でございます。
 今日は、ちょっとたくさんの省庁から呼んでおりますので、ちゃんと質問を最後まで行けるように頑張ってやっていきたいと、失礼がないようにしたいと思っております。
 今日は、基本計画ということで、食の安全、それから自給率と生産の在り方、こういうところを質疑していきたいんですが、まず最初に、日本の米政策ということでMA米の話を少しやりたいと思っています。
 実は、それに先立って、TPPの交渉の中でこんな記事が出ていました。四月三日の記事でありますが、米国産主食用米の特別輸入枠をめぐり、日本政府が一時、枠の規模を年間十万トンとする案を米国側に提示し、その後撤回を申し出ていることが二日、複数の関係者への取材で分かったと、米国は撤回を認めず交渉を有利に進める材料として使っており、日米協議が難航する最大の要因になっていると、こういう話なんですね。
 撤回をした後、実はアメリカは十七・五万トンを更に要求しているということで、これが交渉の困難につながっているんではないかと。また、記事の方は、ある関係者は、幹部クラスの交渉官が交渉の早期決着を図ろうとして独断で提示したようだ、こんなような記事も載っています。
 まず、この記事の事実確認をしたいと思うんですけれども、これは西村内閣府副大臣。
○副大臣(西村康稔君) まず、記事は私も読みました、承知をしております。
 ただ、具体的な交渉方針あるいは交渉の内容、これはある意味で手のうちを明かすことにもなりますので、申し上げることは差し控えたいと思いますけれども、いずれにしても、その米の問題を含めて日米間でまだ多くの問題も残っておりますので、明日からの事務的な交渉、これで詰めていくということになります。
 できるだけ早期に妥結をするという大きな方針、それから決議を守って、守るべきは守り、攻めるべきは攻めるという基本的な方針に沿って粘り強く交渉をしていきたいと思っております。
○山田太郎君 記事の真偽、中身というか、正しいか正しくないのか、こういう話を知りたいんですが。というのは、記者に対しては、独断で提示したようだと話しているということまで記事になっているわけでありますから、我々国会や国会議員に対しては何も言えずに、記者にはどんどん漏らしていくというのは、それこそいかがなことかなというふうにも思いますので、もう一度、この記事自身は正しいのか正しくないのか、その辺りいかがですか。
○副大臣(西村康稔君) 交渉の本当に具体的な内容についてはこれは差し控えたいと思いますし、記事の内容が正しいかどうかも含めて差し控えたいと思います。
○山田太郎君 否定も肯定もしないというのは何となく肯定的なような気もするんですが、もう一方、先ほど紙委員の方からも少しあったんですが、五万トンに関してはミニマムアクセス妥協したんじゃないかと。そのやり方としては、私も以前からちょっと問題にしています備蓄米を、五年を四年にローテーションして、二十万トンずつためて二十万ずつ吐き出しているものを、二十五万トンにすることによってそろえると、こんなようなことまで記事になっているんですが、この辺りの事実関係はいかがでしょうか、これは農水大臣。
○国務大臣(林芳正君) これも交渉の具体的な中身でございますので、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。
 先ほど申し上げましたように、TPP交渉というのは、進展をしていることは事実でありますが、全体をパッケージとして交渉しておりますので、何ら確定しているものはないということでございます。
○山田太郎君 両副大臣、大臣にお伺いしたいんですが、逆に、何で、じゃ、漏れるのかという辺りもお伺いしておきたいんですが、この辺りの情報管理の在り方というんですかね、やっぱりこういうのが出れば、当然我々自身はこれを一つの記事というか情報として検討せざるを得ないわけでありますけれども、この記事で幅広く国民は知るところになって、いや、実は正しいとも正しくないとも言えませんというふうに国会で言われてしまうと、じゃ我々は一体何なんだという話にもなりかねないので、もう一度その辺り、これは西村副大臣でしょうかね。
○副大臣(西村康稔君) 御案内のとおり、TPP交渉に参加している国は秘密保持契約を交わした上で交渉に参加しておりますので、私どもには守秘義務があるということでありますので、一方で、できる限り説明できるものは丁寧に説明しようということで、国会の場でもそうですし、いろんな説明会を開いて、できる限りの情報提供に努めているところでありますけれども、基本的に、そういう秘密保持義務がありますので、私どもからそういったことが漏れることがないというふうに信じております。
○山田太郎君 実は、この十万トンのいわゆるミニマムアクセスというか、これは七十七万トンの枠外になりますので、相当日本の需給に影響するということと、備蓄米に対する考え方も大きく変わってきますので、今回の基本計画の中では極めてこの委員会等、農業政策では大事な話なんですね。
 そういう意味で、情報が一部出ていて、いや漏らせないというのはどういうことかというふうにも思っておりますので、よりこの辺りは慎重に今後も、情報管理するんならするでしっかりやってもらいたいと思いますし、出たからには本当のことを語っていただくということの方がまあ信頼が高まるんじゃないかなと思いますので、後でこれが正しかったとなると、今後は記事に出たものが正しいというログにもなりますので、是非そういう辺り、よろしくお願いしたいと思います。
 これで西村副大臣の方は結構ですので、委員長がオーケーであれば退席いただいても結構です。
○委員長(山田俊男君) 西村副大臣、結構でございます。
○山田太郎君 次に、食の安全ということでいきたいと思いますが、今回、林大臣の方は、ミラノ食の万博ということでヨーロッパに出かけられると思っています。この委員会なり日本の農業政策も、国内だけのことを見ていても仕方がないので、海外とのいわゆる農業政策の基本の在り方との違いというようなものも、今回新たにつくる政策ですので、スタディーさせていただきました。
 そうすると、EUというのは非常にちょっと日本とは違った視点を農業に対して考えておりまして、実は、EU自身は、農業に対して環境負荷、環境汚染の原因にもなる可能性があるという前提を置いて、例えば農薬であったり肥料の管理というのを徹底的にやっているんですね。
 具体的に言いますと、EUの農業基準によりますと、地下水や河川水などへ流れて環境汚染しないように、余分な肥料をしないための圃場の作物に必要な養分を計算するための土壌分析を義務付けていたりと、こういうようなことでありまして、生産力向上とか自給力という話が今日続いてきたんですけれども、もうちょっと環境問題というんですかね、そういう形と農業との在り方ということが非常に問われているわけであります。
 そういう論点が、やっぱり日本も成熟した国でありますし、特に、前回から申し上げているように、なかなか日本は農薬を使っている量が多かったりとか、いろいろ環境に対する負荷も掛かって、実際に、要はヨーロッパで輸入禁止になってしまった食物があったりとか、台湾でいわゆる日本のものが出せなかったりと、こういうことも続いているわけですから、この辺り、まず農水大臣に対して、農業は環境に対してどのような存在であるべきなのかと、この辺りの検討は今後の基本計画の中でも日本はないものなのかどうか。
 もう一つ、環境副大臣にも来ていただいていますので、農業の環境負荷に関する環境省としての認識、この辺りもいただけないでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) ヨーロッパに行くという御発言がありましたが、国会のお許しがいただければという方向で今調整をしておるというふうに申し上げておきたいと思います。
 農業生産に伴う環境への負荷を低減をして、農業の自然循環機能を増進するため、化学肥料や農薬の適正な使用等が図られる必要があると、こういうふうに考えております。
 こういう認識の下で、農林水産省においては、化学肥料については、過剰な施肥は生産コストの増大要因になるだけでなく環境に影響を及ぼすことがあるということで、都道府県が定める施肥基準や土壌診断に基づく適正な施肥を推進をするということ、それから農薬については、農薬取締法等に基づいて適正な使用を推進をしておるところでございます。
 さらに、環境問題に対する国民の関心が高まる中、より環境保全に積極的に貢献していくという観点から、二十七年度予算においては、化学肥料、農薬を低減する取組と併せて行う、環境保全に効果の高い営農活動を支援する環境保全型農業直接支払、二十六億円措置しております。それから有機農業、これは化学肥料、農薬を使用しないことを基本とするものでございますが、これについても、平成十八年に有機農業の推進に関する法律が制定されておりまして、これに基づいて有機農業の推進に関する基本的な方針を定めて、その推進を図っているところでございます。
○副大臣(北村茂男君) 農業活動の場である水田、水路、ため池などが混在する環境は、多様な生物の生息・生育地となっております。生物多様性の視点を取り入れ、良好な生産環境を維持した持続的な農林水産業の振興と、それを支える農山漁村の活性化が重要と認識をいたしているところであります。
 このため、例えば農薬の使用により水産動植物に被害が生じるなど環境に悪影響を及ぼすことがないよう、農薬取締法に基づく農薬登録保留基準の設定や河川の水質モニタリング、農薬による生物多様性への影響評価手法の確立等の取組を通じて、農業の環境負荷の低減に取り組んでいるところであります。
 今後とも、環境省としても、他省庁と連携をして農業の環境負荷の低減に引き続き取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
○山田太郎君 今の環境省の御答弁でお伺いしたいんですけど、じゃ、例えば農薬に関しては農取法の範疇で十分だという認識なんでしょうか。
○副大臣(北村茂男君) いえ、十分というよりも、これからも更に積極的に取り組んでいきたいというところでございます。
○山田太郎君 何を取り組むんでしょうか。
○副大臣(北村茂男君) 農薬の登録制度を更に強化していきたい、とりわけ農薬登録の保留基準の設定等の強化に努めていきたいというふうに考えているところでございます。
○山田太郎君 それは、厚労省がやるんじゃなくて、環境省が独自にまた基準を作って積極的に取り組もうということですか。
○副大臣(北村茂男君) この制度は、環境省において、その登録制度の設定をすることを環境省が主管をしてやっておりますので、更にそれを強化していきたいというふうに考えているところでございます。
○山田太郎君 ちょっと、環境省の取組は今後また引き続き議論、質疑していきたいと思いますので、環境省関係これで終わりますので、もし副大臣の方、お引き取り、委員長の許可を得られればと思いますが。
○委員長(山田俊男君) 北村副大臣、結構でございます。ありがとうございました。
○山田太郎君 次に、今の肥料の関係で、特に硝酸塩というのがもう一つ問題になるんですが、EUは硝酸塩はかなり厳しく基準を設けているんですが、日本は硝酸塩に対する全く規制がないような状態になっています。
 実は食品安全委員会そのものが、ファクトシートということで食品安全委員会自身が作っていらっしゃる平成二十五年の九月三日に最終更新された資料にもあるんですが、それによると、食品に含まれる硝酸塩が人に対して発がん性があると実は評価しているんですね。具体的に読んでみますと、国際がん研究機関IARCは、体内である条件下の中では、硝酸塩と亜硝酸塩をグループとして、人に対して恐らく発がん性があるという評価をしているということで、実際には発がん性の危険ということをファクトベースで認めていると思うんですけれども。
 これ、食品安全担当副大臣として、この問題を重視して、例えばこれに対して基準を作って発議しようという考えはないんでしょうか。
○副大臣(平将明君) 今ファクトシートについて御質問がありましたが、ファクトシートはいろんなことを書いてあるわけでございます。今委員が御指摘をされた発がん性のリスクが書いてあると同時に、一方で、例えば野菜に含まれる硝酸塩については、野菜を取ることの効能の方が大きいということも書いてあって、今の時点では、食品安全委員会としては、国内で健康被害の発生が確認をされておりません。そのおそれもないと食品安全委員会は考えております。現時点で自ら評価を行う必要性や、また、リスク管理機関は厚労省でございますが、厚労省に対してリスク管理を要請する必要性は乏しいと、ですから今の現時点で基準を設けるということは考えておりません。
○山田太郎君 もう一言お伺いしたいんですが、例えば、EUでは実は硝酸塩に関しては基準があると。そういうことを踏まえたとしても、やっぱり日本では、その基準に関して特に今後設けたり検討するという方向もないということでよろしいですか。
○副大臣(平将明君) 各国いろんな取組をしておりまして、確かにEUは厳しい基準を設けておりますが、一方で、米国やカナダ、豪州、ニュージーランドでは基準を設けていないということもございます。今、国内においてはリスクが顕在化しているというふうに我々は認識をしておりませんので、基準値を設けるということは現時点では考えておりません。
○山田太郎君 今度は、この硝酸塩に関するADIについて厚労副大臣にお伺いしたいと思っておりますが、実は、社団法人日本家政学会というのがありまして、そこがある実証研究をやっております。厚労省が推奨する一日当たり三百五十グラム以上の野菜を使用した食事について、硝酸塩の一日の摂取量を検討したところ、報告によると、ADIの一七四%に相当する硝酸塩が確認されたり、それを超える硝酸塩の摂取をする可能性が示唆されたと。大量摂取はチアノーゼ等を起こすという危険もあるというふうに医師からも指摘をされていまして、本当にこういう状況下の中で健康に影響はないのか、厚労省としても大丈夫と言えるのかどうか、お答えいただけますでしょうか。
○副大臣(永岡桂子君) FAO及びWHOの専門家会議、これはJECFAと申しますけれども、そこの報告におきましては、野菜からの硝酸塩の摂取をADIと比較すること、そしてADIを基に野菜の硝酸塩の含有量の限界値を設けることは適当ではないという指摘がされているところでございます。
 この報告を踏まえまして、食品に関します国際基準を作成いたしますコーデックス委員会、これはFAO及びWHOの合同の食品の規格委員会でございますけれども、ここでは、これまでのところ野菜に含まれる硝酸塩の基準を作成してはおりません。我が国でも、現在、農産物に含まれます硝酸塩に係る規格基準を定める必要はないと、そう考えております。
○山田太郎君 もう一つ厚労副大臣にお伺いしたいと思うんですが、例のネオニコチノイド系農薬の話、ちょっと引き続き。
 ちょっと状況が変わってきまして、米環境保護局、EPAは、四月二日、例の蜜蜂の大量死が疑われるネオニコチノイド系農薬の使用を原則禁止ということになりました。前回はいわゆる検討ということだったんですが、一歩進んで禁止という措置になりました。これを受けて、いわゆる日本側もこの問題に関して慎重に扱って、例えば禁止も含む検討を更に進めるという用意はないんでしょうか。
○副大臣(永岡桂子君) 食品中の農薬の残留基準値につきましては、食品安全委員会によります科学的な評価の結果を踏まえた上で、子供や妊婦を含めまして国民の健康に影響が出ないように、薬事・食品衛生審議会での審議を踏まえまして設定をしております。また、その設定に当たりましては事前にパブコメなどをいただきまして国民の声を聞くこととしておりますが、先生がおっしゃっておりますクロチアニジンの残留の基準値につきましては、農林水産省からの依頼を受けまして一部の食品につき引き上げる方向で検討を進めておりますが、パブリックコメントの結果なども踏まえましてこの一連の手続を二回繰り返しまして、慎重に進めてきたところでございます。
○山田太郎君 パブリックコメントは、御存じだと思いますけれども、異例なほどたくさん問題であるということが専門家からも寄せられまして、世界の流れはこの問題に関しては規制の方向にある中で日本だけがかなりな緩和をすると、これはちょっとどうなのかなと。まさに、これからミラノ万博で日本の食と言っているんですが、やっぱりおいしいだけでは我々の日本の食はもはや国際食としていわゆる自慢できないんではないかと。安全な食であるということをやっぱり我々自身もう一つのブランドとして位置付けなければ、例えば硝酸塩の問題にしろニコチノイド系農薬の問題にしろ、新たな段階として進まないと思うんですが。
 ただ、残念ながら、今回の食料・農業・農村基本計画の中では、農薬の使用等の確保というのもあって、審査を迅速化するなどという、こういう記述もあって、どちらかというと生産者側に非常に寄ったような記述があるわけでありますが、この辺り、まとめて農林水産大臣、林大臣の方から見解伺いたいんですけど、いかがですか。
○国務大臣(林芳正君) 食品の安全を確保するために、科学的知見に基づいて、食品中に含まれる残留農薬、また今取り上げていただいた硝酸塩など、健康への悪影響あるかないかも含めて科学的に評価をして、リスク低減のための政策や措置を検討して必要に応じて実施していくことが重要であると、こういうふうに考えております。
 国民の健康の保護が最も重要であるという基本的認識というのが食品安全基本法第三条に書かれておりますので、今来ていただいておりますが、食品安全委員会が食品健康影響評価を実施する、厚生労働省が食品中の基準値を設定する、農林水産省では生産段階でのリスク低減のための農薬などの適正使用ということで推進していると、こういうことでございますので、こちらが申請したものを今まさに評価をいただいていると、こういうことでございます。
 我々としては、厚生労働省や食品安全委員会で行った科学的な評価を踏まえて、農薬取締法に基づいて安全が確保された農薬のみ我々としては登録して、さらに登録時に定められた使用方法を遵守するように指導をしておるところでございまして、今後も、科学的知見に基づくリスク管理というのを実施して、生産資材について安全性の向上、適正使用、これを推進してまいりたいと思っております。
○山田太郎君 諸外国がこういった形でいろんな動きがあるものを、我々日本は先取りとまでは言えません、後追いなんですよ。こういう形でしっかりやっていただいて、これも日本の食を守るすごく大切なことだというふうに思いますので、今日は、いろんな省庁が関係してくるところであります。平副大臣のところも永岡副大臣のところも、是非よろしく連携して、日本の食の信頼を国際的に守るといったところも今後取り組んでいただければというふうに思っております。
 両副大臣の方は、これで食の安全の方は終わりですので、委員長の許可があれば御退席いただいても結構でございます。
○委員長(山田俊男君) 平副大臣、永岡副大臣、御苦労さまでした。
○山田太郎君 次に、ちょっと時間がなくなってきたんですけれども、他省庁の方々の質疑はこれで終わったので、安心して農水中心にお話をしていきたいと思いますが、農地バンクの話ですね、中間管理機構の話を少しだけ、時間がなくなってきましたので大事なところだけ議論していきたいと思っております。
 先ほど古賀さんが随分ベースの、必要面積は幾つなのかというような議論をされて、私ももっともだというふうに思っておりまして、今回、かなりいろんな数字が曖昧だなと思って、さっぱりどうしていきたいのかよく分からないところがあります。
 まず一点お伺いしたいのが、例えばこの計画の百十三ページに当たるんですが、農業就業者の必要数というところで、担い手が生産する面積はこれから三百万ヘクタール程度、問題は、一人が十ヘクタール程度を耕作すると仮定して、必要な雇用者の人数は三十万人と書いてあるんですが、一人十ヘクタールというのはちょっとあり得ない数字だというふうに思っておりまして、どういうことかといいますと、もう皆さん御存じのとおり、日本の現在の農家の平均、いわゆる主業農家の大きさは一・三ヘクタールあるいは一・八なんですね。北海道は確かにばかでかくて、十八・五ということになるかもしれません。
 農水省の方からこれは一体どういう数字なんだということをお聞きしたら、先ほど、この質疑が始まる一時間前ぎりぎりに持ってきまして、七・一ヘクタールだと、こういうふうに言い出しまして、七・一ヘクタールというのは何というふうに聞いたら、担い手の農業就業者と農業戸数、それを農業就業者の戸数で割った平均だというふうに言い始めたんですが、そうすると十ヘクタールではないということなんですね。
 この割り算のいわゆる分母が小さくなると、耕作に必要な人数というのは全然違ってきちゃいまして、しかもこの三百万ヘクタールというのもよく分からなくて、要は、四百四十万ヘクタール程度、平成三十七年にやると言っておりまして、そのうちの八割を担い手というふうに計算するのであれば、三百五十二なんですよね。五十万ヘクタールはどこへ行っちゃったんだと、こういう話にもいろいろなるわけでありますが、どうも何度も何度も聞いても毎回数字が違うのが出てきて、一体どういう構造になっているのかということなんですけど、まずこの辺りの整理をしていただきたいんですけど、いかがでしょうか。
○政府参考人(奥原正明君) 今回の構造の展望に際しまして、農業就業者一人当たりがどのくらい耕作できるかというのを前提にして試算をしております。結論的には、全体で九十万人程度いないと現在の農業生産は維持できないと、こういうことにしておりますが、その中で内訳として土地利用型農業と、それからそれ以外と分けております。
 土地利用型農業の方について、一人当たりどのくらい耕作できるのかと。これは経営者という意味ではなくて、農作業をする農業就業者としてどのくらいできるかということを見ております。このときに、先ほどうちの事務方が御説明した中身はちょっとよく分かりませんけれども、我々が参考にしましたのは平成二十二年の農業センサスでございます。
 この中で、農業就業者一人当たりの経営耕地面積というのが出ておりまして、その中で常雇いがいる稲作経営、これの面積というのを見ております。これは家族経営の主業農家とそれから法人経営とございますけれども、まず家族経営の主業農家の方でいきますと、一人当たり十ヘクタール以上やっているところが経営体の数で大体八%、経営耕地面積のシェアでいきますと二三%いらっしゃいます。家族経営でもこのぐらいの方々は一人当たり十ヘクタールやっていらっしゃるということでございます。
 一方で、法人経営の方ですけれども、こちらの方は、一人が十ヘクタール以上やっている法人というのは、経営体の数にしまして四三%、それから面積のシェアでいきますと八〇%ということでございまして、今後農地の中間管理機構も使って担い手のところに農地を集積、集約化をしていくということを想定すれば、農業就業者一人当たりで十ヘクタールはできるだろうということで計算をしているということでございます。
○山田太郎君 そうしたら、何で七・一ヘクタールというものを持ってきたんでしょうか。今の担い手に関する数字はこれだということで、割り算すると四十三万人必要で、必要な人数が足し算すると百三万人必要になっちゃって、今度はまた全然数が違ってきちゃうんですよね。
 こんなにいろいろ、毎回聞くたびに、今度局長に聞いたら、今みたいに初めてこの委員会で全然違う基礎の数字が出てきて、多分また聞いたら違う数字が出てくると思うんですが、本当にこんなことで基本政策がつくれるのかというふうに疑いたくなりますので、ちょっと済みませんが、この辺り、委員会の方にしっかり、大事だと思うんですね。これ、古賀委員の方も指摘あったところだと思うんですが、その辺りをどう考えているか、基礎情報を委員会の方にちょっと是非、委員長、御裁可で集めていただきたいと思いますので、よろしく、いかがでしょうか。
○委員長(山田俊男君) 後刻理事会で協議いたします。
○山田太郎君 それともう一つなんですけれども、耕地面積に関しても、実は耕地面積というのはどれぐらいかよく分からなくて、農地台帳では実は四百七十三万ヘクタールだということでありまして、農地台帳は、総務省が多分、作っているか分からないんですけれども、いわゆる税金の関係でもってかなり精緻に集めているところであります。
 一方で、農水省が出している耕作地の面積は四百五十五万ヘクタールだということで、この耕作放棄地というのも一体どういうふうにして計算しているかというのがさっぱり分からないんですけれども、耕作放棄地と耕作地を足してこの台帳から引き算すると、二十何万ヘクタールかはどこか行っちゃったということになるんですけど、一体どうやってそもそも耕作地の面積というのは出しているのか、何でこんなに把握ができないのか。聞いた話によりますと、耕作放棄地というのはどちらかというと主観的な数だということもレクでは伺ったりしたんですが、一体この辺りもどうなっているのか、御説明いただけますか。
○政府参考人(奥原正明君) 耕作放棄地の調査につきましては二種類ございます。一つは、センサスのときにやっている主観的な調査でございまして、これはそれぞれの農家の方にあなたの耕作放棄地はどのくらいありますかということを聞いたものを積み上げたものが一つございます。それとは別に、客観的なベースで、これは毎年、これは農地法に基づきまして農業委員会と市町村がその地域の中の客観的な耕作放棄地というのを調べている、こういうものがございます。
 この耕作放棄地の中に、木が相当生えていて再生不能なところと、それから多少草を刈ったりすれば利用できるところと二種類ございまして、再生可能なところは統計におきます耕作面積の中に入っておりますが、再生不能なところは入っていないというふうに承知をしております。
○山田太郎君 農地台帳と耕作地面積の違いというのは何で表れていますか。
○政府参考人(奥原正明君) 農地台帳といいますのは、これ農業委員会が作っているものでして、現在はこれを完全にシステム化して、色分けでもって見られるようにするシステムの開発をしておりますけれども、それぞれの農業委員会が自分の管内の農地につきまして、誰が所有をしている、誰が借りていてその期間はどうかということを歴史的にずっとフォローしてまとめてきているものでございます。この中には、既に耕作が放棄されているようなところも中には入って当然おりますので、そこは耕作放棄ということがその書類の中に書かれているということでございます。
 これと、統計の方が調査をしている、実際に耕作面積がどれだけあるかというものとはちょっと別の種のものでございます。
○山田太郎君 総務省の固定資産の価格の概要調査に関する四百七十三万ヘクタールとの違いはどうして出てくるんですか。
○政府参考人(奥原正明君) 総務省の方につきましては、詳細ちょっと承知をしておりませんけれども、基本的には固定資産税等の税金を掛ける観点で市町村の税制当局の方が調べている数字というふうに認識をしております。
○山田太郎君 もうそろそろ時間になりましたので終わりにしたいと思いますけれども、こういうふうに、結構まず数字がはっきりしない、しかもずれが何十万ヘクタールという形でどんどんどんどんずれていると議論がこの先に進めないので、ちょっとこの辺はしっかり出していただいた上でまたしっかりした政策論は引き続きやっていきたいというふうに思っています。
 私の方からは以上です。ありがとうございました。
○委員長(山田俊男君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
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○委員長(山田俊男君) 次に、競馬法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。林農林水産大臣。
○国務大臣(林芳正君) 競馬法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。
 我が国の競走馬生産者による馬の改良増殖の取組や競馬の国際化の進展により、国内競走馬が海外競馬の競走に出走し、優れた成績を収めることが多くなっており、国民の関心が高まっております。しかしながら、現行の競馬法では、海外競馬の競走についての勝馬投票に関する規定がないため、その勝馬投票券を国内で販売することはできず、勝馬投票券の売上げを原資とした畜産振興への貢献ができないばかりか、有力馬が不在となった国内の競馬では、勝馬投票券の売上げの減少も懸念される状況となっており、畜産振興という競馬の目的に十分に対応できておりません。
 競馬をめぐるこのような状況に鑑み、特定の海外競馬の競走について、日本中央競馬会等が国内で勝馬投票券を発売することができることとする等の措置を講ずることとし、この法律案を提出した次第であります。
 次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、海外競馬についての勝馬投票券の発売であります。
 競馬の公正を確保するための措置が講じられている海外競馬の競走のうち、農林水産大臣が指定したものについて、日本中央競馬会又は地方競馬主催者は、あらかじめ、農林水産大臣の認可を受けて、勝馬投票券を発売することができることとしております。また、この改正に伴い、競馬法の趣旨を明確化するとともに、勝馬投票券の購入制限等の規定について所要の改正を行うこととしております。
 第二に、競馬の監督体制の整備であります。
 地方競馬の監督を円滑かつ合理的に行うため、農林水産大臣の権限の一部を地方農政局長又は北海道農政事務所長に委任できることとしております。
 以上がこの法律案の提案の理由及び主要な内容であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
○委員長(山田俊男君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後四時二十四分散会