第189回国会 予算委員会 第7号
平成二十七年三月十七日(火曜日)
   午前九時一分開会
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   委員の異動
 三月十六日
    辞任         補欠選任
     伊達 忠一君     山下 雄平君
     小西 洋之君     徳永 エリ君
     田城  郁君     西村まさみ君
     羽田雄一郎君     大久保 勉君
     長沢 広明君     山本 博司君
     横山 信一君     西田 実仁君
     大門実紀史君     山下 芳生君
     山田 太郎君     行田 邦子君
 三月十七日
    辞任         補欠選任
     江島  潔君     三宅 伸吾君
     徳永 エリ君     斎藤 嘉隆君
     西村まさみ君     石橋 通宏君
     浜野 喜史君     石上 俊雄君
     山本 博司君     長沢 広明君
     紙  智子君     大門実紀史君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         岸  宏一君
    理 事
                石井 準一君
                岡田  広君
                古賀友一郎君
                馬場 成志君
                堀井  巌君
                小川 敏夫君
                那谷屋正義君
                若松 謙維君
                小野 次郎君
    委 員
                石田 昌宏君
                猪口 邦子君
                江島  潔君
                大野 泰正君
                太田 房江君
                北村 経夫君
                佐藤 正久君
                島村  大君
                高野光二郎君
                高橋 克法君
                堂故  茂君
                二之湯武史君
                三木  亨君
               三原じゅん子君
                三宅 伸吾君
                山下 雄平君
                石上 俊雄君
                石橋 通宏君
                大久保 勉君
                大塚 耕平君
                斎藤 嘉隆君
                徳永 エリ君
                西村まさみ君
                藤田 幸久君
                水岡 俊一君
                蓮   舫君
                長沢 広明君
                西田 実仁君
                矢倉 克夫君
                山本 博司君
                片山虎之助君
                大門実紀史君
                山下 芳生君
                井上 義行君
                行田 邦子君
                松沢 成文君
                中西 健治君
                福島みずほ君
                荒井 広幸君
   国務大臣
       内閣総理大臣   安倍 晋三君
       財務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        麻生 太郎君
       総務大臣     高市 早苗君
       法務大臣     上川 陽子君
       外務大臣     岸田 文雄君
       文部科学大臣
       国務大臣     下村 博文君
       厚生労働大臣   塩崎 恭久君
       農林水産大臣   林  芳正君
       経済産業大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(原子力
       損害賠償・廃炉
       等支援機構))  宮沢 洋一君
       国土交通大臣
       国務大臣     太田 昭宏君
       環境大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(原子力
       防災))     望月 義夫君
       防衛大臣
       国務大臣     中谷  元君
       国務大臣
       (内閣官房長官) 菅  義偉君
       国務大臣
       (復興大臣)   竹下  亘君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)
       (内閣府特命担
       当大臣(防災)
       )        山谷えり子君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(沖縄及
       び北方対策、消
       費者及び食品安
       全、科学技術政
       策、宇宙政策)
       )        山口 俊一君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(経済財
       政政策))    甘利  明君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(規制改
       革、少子化対策
       、男女共同参画
       ))       有村 治子君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(国家戦
       略特別区域))  石破  茂君
   副大臣
       財務副大臣    宮下 一郎君
   政府特別補佐人
       内閣法制局長官  横畠 裕介君
       原子力規制委員
       会委員長     田中 俊一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小野 亮治君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       利根川 一君
       内閣官房内閣審
       議官       藤山 雄治君
       内閣官房内閣審
       議官       大庭 誠司君
       内閣官房内閣参
       事官       磯野 正義君
       内閣官房内閣参
       事官       吉川 徹志君
       内閣府大臣官房
       東日本大震災四
       周年追悼式準備
       室長       藤本 一郎君
       内閣府政策統括
       官        日原 洋文君
       内閣府民間資金
       等活用事業推進
       室長       持永 秀毅君
       総務省情報流通
       行政局長     安藤 友裕君
       法務大臣官房訟
       務総括審議官   都築 政則君
       財務省理財局長  中原  広君
       厚生労働省労働
       基準局安全衛生
       部長       土屋 喜久君
       厚生労働省職業
       安定局派遣・有
       期労働対策部長  坂口  卓君
       農林水産省食料
       産業局長     櫻庭 英悦君
       水産庁長官    本川 一善君
       経済産業大臣官
       房審議官     石川 正樹君
       資源エネルギー
       庁長官      上田 隆之君
       国土交通省道路
       局長       深澤 淳志君
       環境省総合環境
       政策局環境保健
       部長       北島 智子君
   参考人
       東京電力株式会
       社代表執行役社
       長        廣瀬 直己君
       日本放送協会会
       長        籾井 勝人君
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  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○平成二十七年度一般会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○平成二十七年度特別会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○平成二十七年度政府関係機関予算(内閣提出、
 衆議院送付)
○派遣委員の報告
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○委員長(岸宏一君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成二十七年度総予算三案審査のため、本日の委員会に東京電力株式会社代表執行役社長廣瀬直己君及び日本放送協会会長籾井勝人君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岸宏一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(岸宏一君) 平成二十七年度一般会計予算、平成二十七年度特別会計予算、平成二十七年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、昨日に引き続き質疑を行います。江島潔君。
○江島潔君 おはようございます。自由民主党の江島潔です。
 それでは、昨日に続いて質問をさせていただきます。
 この週末、たくさんのもちろんニュースがありましたが、中でも最も明るいニュースの一つとして特筆すべきなのは、やはり何といいましても北陸新幹線の金沢までの開業ではないかと思います。まさに全国ニュースとして、また久しぶりの新幹線の開業でもありましたので、本当に明るいいいニュースが全国津々浦々に流れたと思います。
 新幹線の開業というのは、いろいろな経済波及効果が出るのはもう申し上げるまでもないわけでありますけれども、この開業に伴いまして金沢駅周辺も大変ににぎわいを増しているようでございます。昨年の七月一日時点の基準地価でありますけれども、これはその駅前の一等地が前年対比で一五八%ということで、これは商業地では全国トップの上昇率の記録だそうでございます。つまり、これだけ新幹線の効果というのは今も昔も大変に大きいわけでありまして、今、金沢ではホテルもおすし屋さんももうどこもいっぱいだと、それぐらいにぎやかだそうでございます。
 私は、この開業に先立ちましての試乗会に参加をする機会を得まして、北陸新幹線に金沢まで乗ってまいりました。もちろんスピードは従来の新幹線と同じでありますので、もう速度に余り驚くということはなかったわけでありますけれども、何といいましても私が驚いたのはその静粛性でありまして、私は、特に帰りは少し発車より先に、時刻よりちょっと余裕を持って金沢駅に乗り込んだわけでありますけれども、うかつにも、ちょっと書類に目を通しているうちに試乗会の車両がスタートしたんですけれども、スタートしたことにも気付かないぐらい本当に静粛なスタートでありまして、いかにこの半世紀の間に新幹線の技術というものが質的にも向上しているかということを実感をしたところでございます。
 このように、新幹線の開業というのは大変に効果が大きいなということを改めて感じたわけでありますけれども、特別、私にとっては新幹線あるいは鉄道による町づくり、地域の活性化というのには思いがございます。私自身が国鉄職員の息子でありまして、生まれも育ちも国鉄アパートだということもありますんですが、特に私が小学校一年生のときに東海道新幹線が開業いたしまして、新幹線のすごさというものを身をもって体験をし、また新幹線の延伸とともに日本の高度成長を迎えた歴史がございますので、まさに私にとっての新幹線というのは日本の高度成長のあかしであり、日本の力強い成長の発展であったわけでございます。
 総理は私より人生の少し先輩でありますんですけれども、新幹線に関して総理御自身の思いを是非お聞かせいただければと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 新幹線ができたのは一九六四年、東京オリンピックの年であります。ですから、まさにオリンピックが東京に来て、そして世界に誇る新幹線がスタートする。何となく日本国民みんなが、当時私も十歳ではありましたが、わくわくする、こんな思いを今でも覚えているところでございます。
 自来五十年、新幹線の開通がなければ今日の日本の経済の発展はなかったんだろうと、こう思います。そして、この五十年間、技術を磨いてきた、まさにそのとおりでありますし、技術を磨く間にも死亡事故はゼロであり、かつダイヤの遅れもほとんどなかったということであります。そしてさらには、CO2の排出も少なく、安全性、信頼性、そして環境性能に非常に優れた交通機関であり、まさに世界各国がこうした新幹線方式を先を競うように導入をしつつあり、そしてその中で日本の技術が注目をされていると思います。
 一昨日の三月十四日、まさに北陸の皆様にとって待ちに待った新幹線が金沢まで開業しました。東京―金沢間が最短で二時間二十八分で結ばれるわけでございまして、多くの観光資源に恵まれた北陸圏と首都圏が格段に近くなったと、このように思います。観光はもとより、ビジネスにも大きなインパクトを与えるものと、このように期待をしております。
○江島潔君 この新幹線というものが日本の成長に非常に大きい貢献をしてきたということは多くの皆様に御理解をいただけることと思います。また、総理も大変に新幹線に対しての同じ思いを持っていただけることをうれしく感じたところであります。
 この北陸新幹線でありますけれども、現在は金沢駅までで止まっているわけでありますけれども、もちろんこれはずっと将来計画があるわけであります。最終的には大阪までつなぐというのが当初からの計画であるというふうに思っているわけでありますけれども、大阪までつなぐということは、私は、単にその地域の活性化ということだけではなくて、第二国土軸を形成をしていくということからも非常に大きい意味を持つんではないかと思います。特に、やはりもうこれは避けて通ることができない今後の様々な災害に対する国土強靱化というものは、今の政府にとってこれをきちんと対応していくということはまさに喫緊の課題であるというふうに考えております。
 地域にも大いに貢献をする、また国土強靱化にも資する、そして新幹線とつながるということが大いにその地域の地方創生にもつながると私も確信しているところでありますが、金沢から更に新幹線を延伸をしていくということに関しまして総理のお考えを聞かせていただければというふうに思っております。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この新幹線の延伸でございます。
 新幹線については、東海道新幹線ができて、その後、ひかりは西へということで、どんどん西に向かって新幹線は延びていったわけでございますし、江島委員の地元下関に駅ができたときのあの市民の喜びは今でも記憶に残っているところでございますが。
 福井開業前倒し、地元でですね、福井開業前倒しの強い強い要望があることは承知をしております。今与党において議論をしていただいているわけでございますが、今後、与党の御議論なども踏まえつつ、着実に整備を進めてまいりたいと思います。
○江島潔君 さらに、金沢先の、以北の福井延伸に向けても大変総理の心強いお言葉をいただきましたので、本当に私も勇気百倍でございます。
 また、新幹線というものは、技術力、ソフト、ハード共に、私は、国内での高い評価というものはもう海外への高い評価に直結をしておりまして、すなわちこれは新幹線というパッケージそのものがもう非常に強力な戦略的な輸出商品ではないかというふうに考えておりますが、政府として新幹線を輸出をするということに関しましてはどのようなお取り組みをされていらっしゃるでしょうか。
○国務大臣(太田昭宏君) 日本の新幹線は極めて優秀、そして、この五十年間、死傷者が一人も出ない、非常に軽量で強靱で、そして災害にも強い、様々な特徴を持っておりまして、海外からも大変な高い評価をいただいています。
 現在、マレーシアやシンガポール、そしてインド、そしてアメリカのカリフォルニア州などで高速鉄道計画が進められておりまして、これらの国は日本の技術をよく分かっておりまして、現在は欧州勢やあるいは中国などの動きも強めているという状況にございます。私も、また総理自らその良さを首脳会談等で言っていただいているわけで、私もマレーシアやシンガポール、インドなどを訪問しまして、相手国の大臣に新幹線の採用を働きかけるなどトップセールスを行っているところでございます。
 さらに、資金面ということもありまして、様々な日本としての良さというものをそれらの資金面も含めまして提起をし、そして鉄道の海外展開を更に進めていきたいと、このように思っております。
○江島潔君 是非、新幹線は日本を代表する輸出商品として、これからもまたお取り組みをお願いをしたいと思います。
 それでは、続きまして、在来線の問題に少し移らさせていただきます。
 一方で、日本には隅々まで張り巡らされた在来線があり、これはまた新幹線とは違う様々な役割を有しているところでございます。また、残念ながら、多くの在来線の中では、新幹線のような営業を十分に、経営の面からは厳しい不採算路線というのもたくさんあるわけでございまして、こういうものがトータルで合わせてやはり日本の鉄道網を形成をしているわけでありますが、近年の異常気象と申しましょうか、突発的な集中豪雨やあるいはゲリラ豪雨と言われるような、こういう局地的な災害によって被害を受ける路線が全国で多発をしているところでございます。
 一昨年には、私の地元の山口県でも、集中豪雨によりまして大正時代に建てられていた鉄橋が三本も同時に流される、それによって山陰本線が不通になっていた時期もありました。このように、大正からですから約百年間踏ん張っているような、そういうようなものが近年のこの豪雨では流されるというような、かつての、もう予測ができないような気象の変化にさらされているわけであります。今年に入りましてJR北海道の日高本線が、やはり異常気象によります高波によりまして路線が非常に大きなダメージを受けているところでございます。このように一旦不採算路線が大きな被害を受けると、なかなか復旧に向けてのめどが財政的にも立たない路線がたくさんあるわけであります。
 このような今後の不採算路線に対する取組というのは、何かやはり従来の鉄道法、あるいは、これはもう民間事業者のことなんだということに任せているだけではどうももう立ち行かないような、この気象状況の変化も含めて環境にあると私は感じますんですが、このような不採算路線の復旧に対する政府としての一般的な考え方を是非聞かせていただければと思います。
○国務大臣(太田昭宏君) 在来線は極めて大事で、この間の北陸新幹線スタートと同じとき、六時過ぎに、在来線のまた新しいシステムでのスタートのときもやらせていただいたところでございますけれども、災害に対しまして長期間運休する事例が御指摘のように多数発生をしています。
 災害の復旧に対しまして、鉄道軌道整備法に基づいて助成措置を活用するとともに、必要に応じて復旧方針に関する関係者間の調整を促進する、これらの支援を行っているところです。運休期間中の代行バスの確保を含め、被害があった地域の足の確保ということについて、復旧ということも当然含めながら検討してまいりたいというふうに思いますが、足を確保しなくてはならないということについては最大限力を注いでいきたいと、このように思っています。
○江島潔君 もう全国各地でこの不採算路線の災害を受けたときの復旧問題というものは、いつでもどこでも課題になり得ると思います。そのときに是非とも御検討いただきたいのが、やはり路線によっては地域のあるいは鉄道会社とも合意の上で上下分離方式、いわゆるもう国道と同じような形で路線を国が管理をしていくという考え方も重要ではないかと思いますが、この点については大臣のお考えはいかがでございましょうか。
○国務大臣(太田昭宏君) そうしたことで採算が何とか取れるようにという試みが既にスタートを切っているところでありますが、そこは非常に大事な問題であると、こういう考えで、採算ということも含めて、第三セクター等も考えながら、また上下分離ということも考えながら、これから足の確保ということに努めていきたいと、このように考えています。
○江島潔君 なかなか新幹線以外はもうかる路線というのは非常に少ないのが現状でありますけれども、一方で、ローカル線の静かな景観を強みとして生かした取組が近年幾つかの会社で行われています。その代表的とも言えるのが私はJR九州のななつ星ではないかと思います。
 これは、JR九州のエリア管内の七つの県を回る豪華列車でありまして、開業以来大変に人気が高い列車であります。もうなかなかこれに乗るのは難しいぐらいの超人気なわけでありますけれども、大変にこれはすばらしいなと思うのは、単にこの列車が豪華だということではなくて、七つの県のそれぞれの良さ、食材とかその地域のすばらしさというものが十二分に醸し出せるような、そういう仕掛けがされていると、まさにこれは地方創生、鉄道網を使った地方創生だなと、そして民間事業ともタイアップをしたすばらしい事業だなというふうに感じておりました。
 また、この動きに続いて、今度はJR西日本が新しい豪華列車を運行するという発表がございました。(資料提示)写真を用意しましたんですが、これは瑞風という新しい豪華列車でございまして、これも同じく先週末なんですが、長らく西日本の寝台列車でありましたトワイライトエクスプレスが二十六年間の運行の歴史に幕を閉じまして、今この寝台列車、豪華列車というものが西日本からなくなったんですが、その後継車ともいうべき新しい豪華列車でございます。
 これは十両編成でハイブリッドの車両を使っているということで、中身もすばらしい仕様になっておりますんですが、是非これは、地域創生という観点から、西日本の管内を回りながらこの地域のすばらしさを発信してほしいなと私も個人的に非常に期待をしているところでありますが、地方創生という観点から、まさに日本版オリエント急行ともいうべきこのななつ星とかあるいは瑞風、こういう豪華列車を地方創生担当の石破大臣はどのように評価をしていただけますでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) 委員御指摘のように、新幹線が走りました、東北新幹線が。ただ、それと期を同じゅうして北斗星がなくなり、そしてまたトワイライトエクスプレスがなくなりました。委員も私も同じ昭和三十二年でありますが、この夜行列車というものは就職であり受験であり、いろんな経験を持っております。
 この御指摘のクルーズトレイン「ななつ星in九州」という列車でありますが、私も先般、取材で少しだけの区間乗せていただくことがありました。まさしくこれは地方創生の核である観光の一番のポイント、驚きと感動、自信と誇り、それが詰まった列車でございます。御指摘のように、九州のいろんな食材、例えばお野菜であれば宮崎県都農町の野菜、これを積んで走る。そして、肉であれ魚であれ、その九州で一番いいもの、それはもう毎回毎回変わっていくのでしょうけれども、それを食べた人というのは、九州はこんなすばらしいものがあるのかということであります。
 そして、速く走るわけではありませんから、あちらこちらに止まります。そうすると、町の人々が大勢おいでになって、その地域の芸能とかそういうものを御披露いただく。あるいは、列車はゆっくり走りますから、沿線の方々が手を振ってくださるんですね。選挙運動かと思ったぐらいですが、列車が走るとあちこちで手を振っていただけるので、それは物すごく一体感というものがあります。この列車そのものが、委員御指摘のように、会長の唐池さんあるいは鉄道デザイナーの水戸岡さんが世界で一番いい列車を造るんだという、そういう思いを結実させた、そしてそれが九州各地の自信と誇り、驚きと感動、そういうものを見出して走っていくというものだと思っております。
 地方創生というのはまさしくこういうことだなと思って私は感じ入ったのでございますが、三泊四日あるいは一泊二日のコースがございますが、おっしゃっておられたのは、世界旅行もいい、いろんなところにいろんなものがあると。だけれども、日本人にとって、日本語が通じる、そういうようなカジュアルな旅というのか、そういうのもいいのではないだろうか。我々は世界あちこちに行くけれども、日本にもまだ知らないところがたくさんあるんじゃないか。知らないところ、食べたことのないもの、そういうものを巡って歩くのもこのななつ星なんだということをおっしゃっておられました。三泊四日、なかなかこれ切符が買えません、これは予約じゃなくて抽せんでございますので。だから、三泊四日の旅をやられた方というのは半分の方が本当に感動して泣かれるそうです、こんないいところなんだ、こんないい時間があるんだと。
 私は、委員御指摘のように、その瑞風というのはJR西日本が再来年から走らせる列車だと思います。それを見ると、どうも単線未電化なので、私のところとか、あるいは竹下大臣のところとか、そういうところを走る列車だと思いますが、そこでは、下関のフクであり、あるいは鳥取のカニでありという、いろんな食材、瀬戸内海側のいろんな食材、そして景色、そこに住む人々、私は地方創生の大きな核になるものだと思っております。新幹線の速達性と併せて、そういうような在来線を組み合わせることによって、鉄道の良さというものもまた地方創生に大きく資するものではないかと、かように考えておる次第でございます。
○江島潔君 改めて大臣のお言葉を拝聴させていただきまして、この瑞風に対する期待も高まってまいりました。二〇一七年の春に営業開始の予定でございます。乞う御期待くださいませ。
 それでは、最後に一つ、太田国交大臣に、お願いにとどめさせていただきます。今、九州や西日本ではこういう動きがございますが、まだ全くこういうものに関心のない鉄道会社もあるわけでありまして、是非ともこれは各社が競って造ってもらって、これがまた一つの日本の全体の売りになるような、そんなような施策を是非誘導していただければと、お願いにとどめさせていただきます。
 それでは、最後の項目、国土強靱化の観点から、南海トラフ地震について質問させていただきます。
 先般、参議院の国土交通委員会で高知県に視察をさせていただきましたのですが、やはり何といっても坂本龍馬のふるさとでありますので、長州人としては非常に高知県に出張すると思い入れが深いわけでありますが、一方で、この南海トラフ地震の最も大きな影響を受けるとも言われているところでございます。
 この地震に対して、特に高知県のこの西部の交通基盤等が鉄道にしても道路にしても脆弱であるということを感じたわけでありますが、これに対する取組は現在どのようになっていますでしょうか。
○国務大臣(山谷えり子君) 南海トラフ巨大地震では、極めて広域にわたり強い揺れと巨大な津波が発生することが考えられ、最大で死者、行方不明者が約三十二万人、建物被害は約二百三十八万棟にも上ると想定されているところであります。このため、南海トラフ地震特別措置法に基づき基本計画を策定するとともに、各主体において推進計画や緊急事業計画等を策定するなど、計画に基づき関係機関が一体となって地震防災対策を進めているところです。
 委員御質問の高知県、鉄道や道路の基盤が脆弱であるけれども高知県はどうかという御質問でございますが、全国からの応援部隊の派遣や広域医療搬送、広域物資調達等が、被害が広範、甚大なものですから必要になっていくと思います。このため、あらかじめ被災地に入るための道路等の確保、救助、消火等を行う警察、消防、自衛隊等の部隊、DMATなど医療チームの進出方法、活動拠点などを具体的に定める南海トラフ地震における具体的な応急対策活動に関する計画を今月中に策定することとしております。
 高知県など四国地方に対しましては、被害のない又は軽微と想定される中国地方を含む被災地外から瀬戸中央自動車道、瀬戸大橋から入るのが早いのではないかと思われます。瀬戸中央自動車道、高知自動車道など高速道路、直轄国道のネットワークを使用して応援するということとしています。また、津波、浸水等により陸路の進出が困難と見込まれる地域では、空路、海路によるアクセス、ヘリ等を活用した救助活動も想定しています。
 来年度以降、この具体的計画を基に関係省庁、地方公共団体と連携して図上、実動の各種訓練を行い、発災時の対応能力を高めて被害を最小化できるように努めてまいります。
 先生のお地元の山口からも是非応援をいただきたいところでございます。
○江島潔君 この南海トラフ地震が起きたときには、四国のみならず、やはり太平洋側の幾つかの地区で大きな被害を被ると予想されるわけでありますが、これはいわゆる太平洋国土軸が大きく損傷するということを意味すると思います。そのときに、やはりこの国土強靱化の観点からはきちんとした生きている軸が必要だというふうに私も強く認識しておりまして、日本海国土軸というものの重要性を改めて私感じますんですが、太田大臣の日本海国土軸に関する御評価はいかがでしょうか。
○国務大臣(太田昭宏君) 先ほど豪華列車の話がありましたが、ななつ星とJR西の瑞風がありますが、東日本におきましても二〇一七年に四季島がスタートするということをまずお知らせしたいと思います。
 太平洋岸が南海トラフの地震を始めとしてそうしたことになりますと、日本海側のインフラというのが非常に大事になってくる。これは、東日本大震災のときにもそこが使われてということで実証済みでございます。そうした意味からいきまして、ネットワークの多重性、代替性、リダンダンシーというものが必要だと、このように考えております。その上に、これから中国ファクターあるいはまたロシアファクター、経済的にも非常に日本海側の充実ということが大事だというふうに考えているところでありまして、日本海側の重要性がより増してくると、このように確信をしております。日本海・太平洋二面活用型国土というものの形成に全力を挙げたいと思っております。
○江島潔君 この日本海国土軸でありますが、その軸の一つを形成をいたします山陰自動車道であります。この山陰自動車道、残念ながらまだまだすうっと通り抜けて山陰を移動するというわけにまいりません。特に、鳥取県、島根県ではもう非常に整備が進んでいるところでございますが……(発言する者あり)まだという声がありましたが。これがまた島根県から山口県に入りますと、もう一気にこの未整備区間が増えてしまいまして、この辺は非常に私も山陰と山陽の開発の差を感じるところでありますが、この山陰自動車道の建設促進について、推進については大臣の御所感はいかがでしょうか。
○国務大臣(太田昭宏君) 後ろに座っております閣僚は、先ほどの四国も大勢座っておりますし、また山陰関係と、こう言いますと、鳥取から山口まで大勢の方が後ろにお座りでございます、本人たちはなかなか言いにくいでしょうけれども。
 私は、東九州自動車道が三月二十一日にかなりつながるということもありますし、翌日二十二日には尾道から松江に道路がつながるということもあったりいたします。この山陰自動車道、大変、災害に強いネットワークの確保ということや利便性、様々な意味で重要だと考えておりまして、現在、鳥取県から山口県まで三百八十キロのうち約四割に当たる百六十四キロ開通したところです。百六十四キロだけというか、百六十四キロにやっとなったといいますか、そんなところでありますけれども、三月十四日には山陰自動車道の島根県内において二区間十四キロが開通をしたところです。
 御指摘がありました未整備区間二百十六キロについては、現在、事業中区間の整備を推進しているわけですが、未事業区間におきましても計画的に今調査をさせていただいておりまして、これから進めていくという方向になろうと思います。
 今後とも、防災・減災や地域の活性化という観点を踏まえまして、一日も早い山陰自動車道の実現に向け、関係者の皆様の御協力を得ながら取り組んでまいりたいと思っております。鳥取も島根も山口もと私は思っております。
○江島潔君 心強い御答弁をありがとうございました。
 災害に強い国をつくっていく、あるいは国土軸をしっかりと形成をして国土強靱化を図る、いずれも今後の五十年、百年先をにらんだ日本のために必要なことではないかと思います。これを大いに論じるということは、まさにかつて松下村塾で吉田松陰やあるいは高杉晋作や久坂玄瑞が将来の日本をどうするかということを議論し合ったことと全く気持ちは相通じるんではないかと思います。
 現在、NHK「花燃ゆ」が絶賛上映中でありますが、この中でも若者が日本の未来を語り合っておりまして、是非ともこの将来の日本を思う気持ちを私も忘れずに、これからも精進、努力をしてまいることをお約束を申し上げまして、締めくくりとさせていただきます。
 ありがとうございました。
○委員長(岸宏一君) 以上で江島潔君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、西田実仁君の質疑を行います。西田実仁君。
○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。よろしくお願いいたします。
 先日、参議院の財政金融委員会では埼玉県を視察をいたしました。その際、地元の経済団体の皆様方から、補正予算に盛り込まれましたプレミアム付き商品券に対しましては大きな期待が寄せられたわけでございます。公明党の強い要望で実現をいたしましたこのプレミアム付き商品券でありますので、そうした御期待に是非ともお応えをしたいという思いがより強くなったわけでございます。
 意見交換の中で、埼玉県商工会連合会の大久保会長からは、御自身が兼務する富士見市商工会で過去四度このプレミアム付き商品券を発行した経験を通されて、発売した商品券の七割は地元の小売店で利用されており、もう本当に喜ばれている、今回のプレミアム付き商品券も地域の消費拡大にプラスになるものと期待していると、こう述べられておられました。
 現在、各市町村におきまして様々に検討されているプレミアム付き商品券でありますが、報道資料を基にいたしまして、幾つか特徴的なものをパネルにまとめてみました。(資料提示)
 各地で工夫を凝らして、実に多士済々でございます。例えば、埼玉県のように、県がプレミアム分一〇%を上乗せして補助することで大半の市町村が一万円で一万三千円分のお買物ができる商品券を発行する準備をしているところや、島根県あるいは愛媛県のように、宿泊券やお土産券について額面よりも安く販売する方式を取っている観光振興型というのもございます。また、京都市などでは、大型店のみならず地元の小売店舗だけで使える商品券をより多く発行することで小型店舗に配慮する方式もございます。さらに、子供さんが三人以上いる世帯に優先購入権を設ける大阪市、あるいはプレミアム率五〇%の商品券を販売する神戸市などの子育て支援型というのもございます。お子さんに障害がある世帯に更にプレミアム分を上乗せする堺市のような福祉型もございます。また、福岡市や千葉県松戸市のように、多子世帯や子育て世帯に一定額以上の商品券を配付する給付型もございます。いずれも、それぞれの地域でいかに消費拡大のきっかけにしてもらうか、知恵を絞っている姿が浮かび上がっているものでございます。
 埼玉県春日部市のように、早ければ五月にも発売される予定のこのプレミアム付き商品券、この商品券で消費喚起のきっかけをつくり、賃金上昇、所得の増加によって本格的な消費拡大へとつなげていく、まさに家計に届く経済の好循環を起こしていくことが何よりも大事だと思いますが、総理の御所見をお聞きしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) このプレミアム商品券については様々な議論がございますが、大変今、西田委員から分かりやすく御説明を既にいただいたと思いますが、このプレミアム商品券については、これは今まで千を超える地方公共団体で実施された実績があります。そして、消費を喚起する効果についても定評があると言ってもいいんだろうと思います。そして、今回の交付金では、地方公共団体が、ただいま御説明をいただいたような、それぞれのニーズに合わせて自由に事業設計を行うことができると、これが大きな特徴と言ってもいいんだろうと思います。最大限の効果を得ることができる仕組みとしています。
 もう既に今御紹介いただきましたが、例えば個々の商業地域が小規模な地域において隣接する市町村が共同で商品券を発行するもの、あるいはまた子育て世帯には特別に商品券の購入割引券を配付するもの、あるいはまた今御紹介いただいた社会保障型というのもあるでしょう。そして、地域の商店街などで使用できる地域通貨として連動して発行するものなど、各地域がまさに工夫を凝らす、言わば自分たちの地域にはどういう形のプレミアム商品券がいいんだということを本当に真剣に考えて設計をしていただいていると思います。
 国としても、各地域の実情に応じてより効果の高い事業が実施されるように各地方公共団体による検討を促していくことを通じて、プレミアム付き商品券などの消費喚起策を更に本格的な消費拡大につなげていきたいと考えております。
○西田実仁君 次に、子供医療費の窓口負担軽減と国からの補助の減額についてお聞きしたいと思います。
 今国会には医療保険制度の改革法案が出されております。国民健康保険制度を安定化させ、どんな地域におきましても住民の方が安心して医療を受けられる保険制度を堅持していくためにも、こうした法案の速やかな審議を是非期待したいと思います。
 さて、国保に関しまして、市町村が子供医療費の窓口払いの撤廃など窓口負担軽減の地方単独事業を行った場合に、国からの補助が減額される措置が現在実施をされております。
 二月の十八日の参議院本会議におきまして我が党の山口代表から、これでは財政力に乏しい自治体は実施したくてもなかなかできないのではないか、国保の財政運営が都道府県に移行する方向であることにも鑑みて、こうした措置を見直すべきではないかと総理に質問をさせていただきました。
 そこでまず、子供医療費への助成は全国の自治体でどの程度実施されているのかをお聞きしたいと思います。あわせて、子供医療費の窓口負担の軽減によりなぜ国からの補助が減額されるのか、その趣旨について厚生労働大臣に伺います。
○国務大臣(塩崎恭久君) ただいま先生から御指摘のございました各自治体の地方単独事業によります乳幼児等の医療費助成の実施状況、これ調査をいたしたところ、自治体により対象年齢が異なるとか、あるいは所得制限とか一部自己負担の有無の違いはございますけれども、全ての自治体で乳幼児等の医療費助成を実施をしているということが分かりました。
 こうした医療費助成によりまして窓口負担が軽減される場合に、一般的に軽減しない場合に比べて医療費がどうしても増加してしまうということで、これに対する国庫負担が増加することに相なるわけでありまして、このため、国保における国庫負担については、限られた財源を公平に配分するという観点から、窓口負担を軽減する事業を実施している市町村についても、事業を実施していない市町村と同じ補助になるように補助額を調整をしておりまして、昭和五十九年に制度が創設されて以来続いているものでございます。
○西田実仁君 地方単独事業であります子供医療費の窓口負担の軽減と国保の国庫負担の減額調整措置につきましては、今お話がございましたように、三十年前に創設された古い制度であります。この間に少子化などの社会状況は大きく変化をしている。また、ただいま大臣からも御答弁ありましたように、地方の単独事業とはいっても既に多くの自治体で実施されておりまして、時代に即した制度の見直しを行う時期に来ているのではないかと考えます。
 地方創生という観点からも、子供に係る医療費の考え方を整理していくことは大変に重要であり、今後真剣に考えるべき課題であると思います。こうした観点も踏まえまして、できるだけ速やかに減額措置の見直しを含めて検討すべきと考えます。改めて厚労大臣に問いたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回の国民健康保険改革をまとめるための地方との協議会が、協議の場がございましたけれども、地方団体から、ただいま御指摘の措置の見直しについて要望が出されておりました。
 今年二月に地方三団体と厚生労働省の間で合意をいたしました国保改革の議論の取りまとめ、ここにおきまして、地方単独事業に係る国庫負担調整措置の見直しといった提案につきまして、現行制度の趣旨や国保財政に与える影響等を考慮しながら、引き続き議論していくこととされたところでございます。
 また、子供の医療費等の在り方につきましては、少子高齢化が進行する中で、子育て支援、地方創生、地域包括ケア等の幅広い観点から考えていくことが極めて重要であるというふうに考えておりまして、これらを踏まえて、先生から御指摘の点も含め、今後、少子社会における子供の医療の在り方等を検討するための場を設けて、関係者も交えつつ議論し、しっかりと考えてまいりたいというふうに考えております。
○西田実仁君 ただいま厚生労働大臣からは、これまで約三十年間続いてきました子供医療費の窓口負担を軽減すると国からの補助が減額されるという措置の在り方も含めて、子供医療費の在り方を広く検討する場を設けるという画期的な御答弁をいただきました。これまで同種の質問につきましては慎重に検討するというだけの答弁に終始してきたことからいたしますと、検討の場を設けるという前向きな御姿勢につきましては率直に評価をさせていただきたいと思います。
 我が党といたしましても、この問題につきましてしっかりと取り組んでいく考えであります。政府におかれましても、濃密な議論をいただきますよう、そして、いつまでもずっと検討するのではなくて、検討の場をせっかく設けるわけですから、きちんと一つの期限を区切って検討の結論を出していただきたい。よろしくお願い申し上げます。
 続きまして、旧公団住宅でありますUR、都市再生機構団地の改革につきましてお聞きしたいと思います。
 太田国土交通大臣は二月十九日の衆議院予算委員会におきまして、UR賃貸住宅に関する私ども同僚の上田勇議員の質問に対して、改革という名の下に居住者を追い出すことは絶対にあってはならないことという固い信念を述べられました。
 一方、URにつきましては、平成二十五年十二月二十四日に閣議決定されました方針に基づき、経営改善のための改革を推進することとされております。その一環といたしまして、政府において、団地の統廃合等を加速化することを目的として、近接地への建て替えを可能とする都市再生機構法の一部を改正する法案を閣議決定し、国会に提出をされました。
 URが住宅セーフティーネットとしての役割を持続的に担うためにも、UR改革を推進することは重要でございます。しかし、お住まいの方の高齢化が進み、年金暮らしの方も多い中、UR団地の統廃合や家賃改定ルールの見直しによって住み続けられなくなるのではないかという不安の声も上がっております。
 このような声を踏まえ、我が党から太田大臣に対しまして、一、UR団地の建て替えに際して、特に高齢者の方や子育て世帯等が安心して住み続けられるよう、建て替え後の住宅に現在と同水準の家賃で住めるようにすること、二、来年度に実施することとされている継続家賃改定ルールの見直しの検討に当たっては、居住者の意見を十分に聞くこと等を先日要望をさせていただきました。
 UR賃貸住宅の居住者が住み続けられるようにするため、どのような方向性を持って対応していかれるのか、太田国土交通大臣にお聞きいたします。
○国務大臣(太田昭宏君) 先週、公明党から要望をいただきました。今御指摘のありましたように、建て替えに際して、高齢者や子育て世帯の家賃が現在と同じ水準となるように、また、継続家賃改定ルールの見直しにおいては、居住者の意見を十分聞くこと、こうした要望でありましたし、また昨日、自民党からも同様の要望をいただいたところです。
 私は、URにつきましてはずっと関わってきまして、居住者が安心して住み続けられること、高齢者が非常に多くなって、ついの住みかとするという方が非常に多くなってきました。UR団地は地域の貴重な財産として地域全体の安心に貢献すること、また、改革の名の下に居住者を追い出すようなことは絶対あってはならないと、信念ともいうべきものを貫いて今日まで来たつもりです。
 UR団地を建て替える際には、現在でも、所得の低い高齢者や子育て世帯が建て替え後の新しい住宅に入居してから十年間は家賃を最大二万円引き下げるということにしているのが現状でございますが、この二万円を、平成二十七年度予算案、現在の予算案でありますが、審議されているところでありますが、最大三万五千円まで拡大することを盛り込んでいます。さらに、安心して住み続けられるようにするという観点から、先ほど十年間ということを申し上げましたけれども、十一年以降も家賃が上がらないよう具体的な措置を検討してまいりたいと思っております。
 また、家賃改定ルールの見直しにつきましては、URが設置している委員会におきまして居住者の意見を丁寧に十分聞いて検討するようにということを指示しておりまして、そのようにさせていただきたいと思っております。
○西田実仁君 ただいま太田大臣からは、お住まいの方々の居住の安定に向けまして、前向きで大変具体的な取組についての御答弁をいただきました。是非ともこの方向性でよろしくお願い申し上げます。
 次に、消防防災ヘリやドクターヘリの操縦士の養成についてお聞きします。
 消防防災ヘリやドクターヘリは、助けられる命を助けることができる重要な役割を担っております。しかしながら、その操縦士が不足をしております。
 例えば、長野県では、県の消防防災航空隊にいた二人の操縦士のうち昨年一月に一人が退職した後、操縦士を公募しても応募はなく、一週間のうち二日は消防防災ヘリが運航できない状態が続いたと報道されておりました。昨年七月に再公募でようやく操縦士の確保ができ、今年六月から乗務を開始する予定と伺いました。さらに、本年四月には県内の消防本部職員を県職員として採用し、二年を掛けて操縦士として養成するそうであります。
 ドクターヘリにつきましても操縦士が足りません。ドクターヘリの出動件数は、二〇〇八年度に約五千六百件だったものが二〇一三年度には二万件を超えております。しかし、その操縦士の数は全国で千人余り、この十年間ほとんど変わっておりません。操縦士の高齢化も深刻であります。
 さきの参議院本会議におきまして我が党の山口代表は、国としてヘリ操縦士の継続的養成の仕組みを確立すべきではないかとただしました。安倍総理からは、その養成確保の在り方について関係省庁で検討してまいりますとの御答弁をいただき、太田国交大臣からは、関係省庁とも連携し検討をしっかり行ってまいりたいとの答弁をいただきました。
 そこで、国交省としてどのように検討されていかれるのか、具体的に国交大臣にお聞きしたいと思います。
○国務大臣(太田昭宏君) ドクターヘリが二〇〇七年に全国配備するという法律が制定されまして、今御指摘のように、大変多くの方が利用するという状況にまで来ましたが、操縦士が不足をしているという状況にございます。
 御指摘をいただいたことを受けまして、国交省と総務省、厚生労働省、防衛省、警察庁及び海上保安庁で構成される連絡会議を立ち上げて、今月中に第一回の連絡会議を開催いたします。この連絡会議におきまして、民間養成機関における課題と対応策、航空大学校の活用方策等、ヘリコプター操縦士の養成確保に係る具体策について、今年夏までを目途にいたしまして結論を得るよう検討を急ぎたいと考えております。
 また、民間でありますけれども、我が国エアライン等の操縦士不足、これも現在問題となっています。これに対応するために民間の協議会が設置をされているわけでありますけれども、この民間の協議会におきましてもヘリコプター部会を設けていただくということをさせていただく予定となっております。
 こうした取組とも連携して、ヘリコプター操縦士の育成に力を注ぎたいと思っているところです。
○西田実仁君 総務省消防庁におきましても消防防災ヘリの操縦士の安定的な確保のための検討会を立ち上げ、平成二十七年度末までに対策を取りまとめると伺いました。一方、国交省では、今お話しのように、今年の夏までに対策をまとめると伺いました。各省庁が連携して取り組んでいくということはもちろん大事でありますが、国として強力にこれを推進していくということが最も肝要ではないかと思われます。
 そこで、総理にお聞きしたいと思います。
 救える命を救うための消防防災ヘリやドクターヘリの操縦士の確保に関係省庁がそれぞればらばらに取り組むのでは効率がいいとは言えません。本来、国の施策の下、オールジャパン体制で継続的なヘリ操縦士の養成に乗り出すべきではないでしょうか。これに関する御認識を伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 消防防災ヘリやドクターヘリは、人命救助という観点からも極めて重要な役割を担っております。そして、その運航を確保するためにもヘリコプター操縦士は重要であります。
 ヘリコプター操縦士については先般の代表質問において山口代表からも御質問がございまして、ドクターヘリなどを中心にニーズは増大していることから、その養成確保の在り方について関係省庁で検討させていく旨答弁をいたしました。これを受けて、先ほど太田大臣から答弁をさせていただきましたように、今月中に関係省庁の実務者による連絡会議を立ち上げまして、航空大学校の活用方策なども含めてヘリコプター操縦士の養成確保策について検討を開始すると聞いています。
 今後とも、こうした検討結果も踏まえまして、関係省庁が一体となって取組を進めるようにしていきたいと、こう考えております。
○西田実仁君 ただいま総理から、ヘリ操縦士の安定確保についての重要性を、その御認識を示されました。同時に、関係省庁一体でということで国を挙げての取組という決意も示していただきました。是非、具体的な検討を行っていただき、前向きに前に進めていただきたいと思います。
 続きまして、中小企業支援策につきましてお聞きしたいと思います。
 先日、埼玉県内のある大手メーカーの下請をやっておられるプラスチック成形加工の会社を訪れたところ、十年ぶりに黒字になったといういい話をお聞きしました。しかし、その黒字になったのは仕事が増えたということではどうもないようでありまして、仕事はそれほど変わらないんだけれども、これまで対価が支払われていない作業あるいは経費というものを大手会社にしっかりそれを払ってほしいと、こう訴えてきたその費用の一部がきちんと支払われるようになったから黒字になったんだという話でありました。例えば、見積書、発注書には記載のなかった運賃あるいはロット分け費用などが計上されるようになっただけで十年ぶりの黒字になったというわけであります。
 今ここにまとめさせていただきましたのは、この下請の会社からお聞きしたことでありますけれども、既に済み、済みと書いてありますのは、大手企業にも訴えて、これまで計上されていなかった様々な経費がきちんと支払われるようになったということでありますが、まだ未、未、未といっぱい書いてございますように、支払われていないものがまだまだ多いと言えます。
 例えば、塗装治具の選別費用の計上ということがあります。塗装を行うための治具につきましては、客先から返却される際に他機種の混入や他メーカーの治具混入があるため、この下請会社で治具の選別を行っているそうでありますが、そうしたイレギュラーな作業経費が計上されていない。また、実際に発生している不良率を認めずに、あらかじめ指定した不良率でしか見積りを算出させないとか、あるいは試作費の金額がもう指定されてしまっている、量産見本品の作成費の計上がない、あるいは使われない不動金型の長期保管要求など、本来支払われてしかるべき対価が示されず、下請企業にしわ寄せされている作業や経費がまだまだ多いというのが実態という話でございました。
 昨年末に政府が取りまとめました地方への好循環拡大に向けた緊急経済対策、ここには、経済の好循環を確かなものにするための取組といたしまして、経済界は取引企業の仕入価格の上昇等を踏まえた価格転嫁や支援、協力について総合的に取り組むとございます。ここで価格転嫁や支援、協力とされているのは、必ずしも下請法等の法律違反を犯していなくても、すなわち取引価格は適正だったとしても、それでよしとするのではなく、大企業のもうけを下請企業にも還元し、下請中小企業で働く方々の賃金上昇にもつなげていくものというふうに私は理解しております。
 円高で下請企業に協力要請したのと同様、今度は円安や原油安によるもうけは下請企業にも十分に還元すべきであります。パネルにも示したように、対価なき作業、経費がきちんと支払われるだけで下請中小企業は十年ぶりの黒字になったということを御紹介しました。こうしたことも含めて、大手のもうけを下請企業にも還元するよう政府としても強く促すべきであると考えますが、総理の御認識をお伺いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 企業収益の上昇が賃金の上昇や雇用拡大につながっていく、この動きを大企業だけではなくて中小企業そして小規模事業者に広げていかなければならないし、そうなって初めて本格的な景気の好循環に入っていくことができると、このように思います。
 このため、昨年の政労使会議では、経済界の皆さんに、原材料価格の高騰に苦しむ下請企業の価格転嫁や支援、協力について合意をいただいています。これを受けて、経団連は原材料価格やエネルギーコストの上昇の影響を受けている中小企業に配慮し、取引の適正化等に総合的に取り組んでいく姿勢を明らかにしています。
 そして、政府としても、原材料の上昇を価格に転嫁できないという中小・小規模事業者の方々に対応するため、原材料コスト高への対策パッケージを講じています。具体的には、経済界に対して原材料価格の上昇分を適正に取引価格に転嫁できるよう関係省庁から要請するとともに、下請ガイドラインを改訂します。そして、下請法に基づいて年度末までに約五百社の大企業に対する立入検査を実施をしていきます。返済猶予や新たな低利融資制度創設による資金繰り支援を講じてまいります。
 最初に、冒頭申し上げましたように、言わば下請企業がしっかりと賃金を上げられるという状況ができて初めて本格的に消費が拡大をしていくわけであります。それは、例えばそれにしっかりと対応してきた大手にとっても、言わば景気の回復が本格化していく、経済の好循環が回っていくという状況をつくっていくわけでありますから、そこにとってもプラスになっていく、このこともよく既に理解をいただいているというか、理解され始めていると言ってもいいと思いました。こうした動きを更に本格化させていきたいと、このように思っております。
○西田実仁君 平成二十七年度予算には、非正規雇用の企業内におけるキャリアアップ、処遇改善などを実施した事業主に包括的に助成するキャリアアップ助成金が盛り込まれております。
 パネルにもございますように、その予算額は年々増えてございます。キャリアアップ計画認定件数も増えております。具体的な活用事例といたしまして、例えば、製造業A社のように短期雇用社員を正社員に転換するための補助金であったり、あるいは小売業B社のように契約社員を正社員に転換する、はたまた医療・福祉業C社のようにパートタイムを正社員に転換するといった具合でございます。結果、自公政権になってからのこの三年間、働き盛り世代の正規雇用から非正規雇用になった雇用者は七十七万人から六十七万人に減っている一方で、非正規雇用から正社員になった雇用者は七十四万人から八十二万人に増えております。
 ただ、この助成金の活用には事前にキャリアアップ計画の作成あるいはキャリアアップ管理者の配置が求められております。実際に同助成金を利用している企業の九七%は中小企業であります。中小企業がもっと利用できるような工夫も必要かと思います。補助金をつくってあとは企業任せというのでは非正規雇用の正社員化はなかなか進まないと思います。事実、キャリアアップ助成金の認定件数は業種あるいは地域によってまだばらつきがございます。都道府県内の事業所当たりの認定件数を調べてみますと、最も利用している県と最も利用していない県との差は約十倍もございます。
 中小企業がもっと利用できるよう、事業主支援アドバイザーの配置見直しなど、その支援体制についてよりきめ細かく見ていく必要があるのではないでしょうか。厚労大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今御指摘をいただきましたキャリアアップ助成金、この活用促進に向けまして、現在、各都道府県の労働局そしてハローワークにはキャリアアップ助成金の支援を行うアドバイザー、事業主支援アドバイザーというのを配置をしておりまして、助成金の周知のほかに、事業所を直接訪問して事業主に対して正社員転換など、雇用管理改善に向けたアドバイスを実施するといった支援に取り組んでおるところでございます。
 今年度のキャリアアップ助成金の活用実績等を踏まえまして、アドバイザーの配置につきましては、例えば活用実績を踏まえた配置数を見直すといったことを考えているところでございますし、また、御指摘のとおり、中小企業に対しては極めて細やかな支援が重要だというふうに考えておりまして、申請等に係る負担の軽減というのが必要だという今先生からの御指摘もございました。今後は、この申請書類の作成支援など、手厚い支援を中小企業に対して積極的に取り組んでまいりたいというふうに思っております。
○西田実仁君 最後に、道路上の広告物の広告料の取扱いについてお聞きしたいと思います。
 道路を占用した広告物の広告料の取扱いについては、パネルを見ていただくように、こういう形で使われておりますが、中心市街地の活性化を担うまちづくり会社の多くは、駐車場経営による収益、あるいは公的施設の指定管理者制度の活用などによって収入を得ております。ただ、その財政基盤は弱く、なかなかいろんな事業が進まない。そこで、路上広告物の広告収入をまちづくり会社の一般的な事業費や管理費、人件費等に充てようとしますと、地域によってはなかなか関係者の理解が得られず、それが進まないという問題がございます。
 国交省では通達を発出し、この路上広告物の広告料の収入の取扱いにつきましては地域の実情に応じた柔軟な取扱いが可能とされておりますし、実際にそのようにされているところもあります。しかし、まだなかなか理解が進んでいない地域もございまして、是非、こうした運用につきましては広く周知をして、地域におけるまちづくり会社等の取組を支援する観点からも、広告料収入の充当先を柔軟に運用している事例を広く周知し支援していくことが必要かと思いますが、大臣、いかがでございましょうか。
○国務大臣(太田昭宏君) 道路空間を活用して地域における町づくり、にぎわい創出をすると、パネルにあったとおり、そうしたことができるということは大事なことだと思います。
 道路上に広告物を置きまして、広告収入を町づくりに利用するということも有効だと思います。その場合、広告を置く場所や広告料収入の使い道などについて、地域の道路管理者そして地方公共団体などの間で合意が形成されることが極めて大事なことです。現状では、そうした広告料収入を関係者で合意して使い道を活用できるというようなことについて十分な理解が進んでいないというふうに思います。
 これ、できるわけですから、そうした点では合意を形成する。我々としましても、広告料収入を活用した町づくりの取組がなお一層進んでいくように制度の趣旨や良い事例の周知などに努めていきたいと、このように考えています。
○西田実仁君 終わります。
○委員長(岸宏一君) 以上で西田実仁君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、山本博司君の質疑を行います。山本博司君。
○山本博司君 公明党の山本博司でございます。質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 本日は、地方創生の課題と子ども・子育て支援の充実に関しましてお聞きをしたいと思います。
 まず、地方創生の課題に関しましてお聞きをしたいと思います。
 地方創生の鍵を握るのは何といっても人であります。公明党の、人が生きる地方創生をテーマに、全国三千名の地方議員とともに現場の声をお聞きして政策に反映してまいりました。
 この地方創生を成功に導くためには、都市部の人たちを地方に還流させること、これも重要なことでございますけれども、その上で、それらの地域にある人材の潜在力をフルに活用するということも大変重要であると考えております。それぞれの地域にある多彩な資源や人材を発掘をして、その個性を生かして地域の役割や雇用の場をつくっていく。その役割を担って、楽しく生き生き活躍する環境をつくることで人が集まる地方をつくり、そして豊かな地域社会が実現すると思います。こうしたサイクルを一過性のものではなくて継続的にすることで地域の活力を取り戻すことが地方創生の私は大きな意義ではないかなと思います。
 地方を取り巻く環境、ますます厳しさを増しております。少子高齢化、また人口減少は加速度的に進んでおりまして、集落の維持さえできない地域も珍しくありません。こうした地域に活力を取り戻すために、女性や若者、高齢者、障害者が活躍できる全員参加の社会の実現に向けて取り組むべきと思いますけれども、総理の認識を伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私たちが進める地方創生は、まさに今委員が御指摘になったように人でございます。
 日本が直面するこの人口減少問題を克服をして成長力を確保していくためには、地方において人そして仕事の好循環をつくり、地方における安定した雇用を創出していくことが重要と考えております。
 このため、今委員がおっしゃったように、女性、若者、高齢者、障害者を含め一人一人の能力を高め、家庭状況や健康状態など多様な状況に応じてその能力を発揮できる、まさに全員参加型の社会の実現を目指し、雇用の場等を確保していくことが大切であると考えています。
 そのため、就業等あらゆる場面における女性の活躍を推進し、第一子出産時の就労継続率を五割以上に高める。そして、地域における若者の安定した雇用を二〇二〇年までに三十万人分確保する。そして、生涯現役社会の実現に向けて高齢者の就労を促し、六十歳から六十四歳、私も六十歳でありますが、もちろんこれを超えてもお元気な方は多いわけでありますが、非常に現役感がまだみんな強いわけでありますから、六十歳―六十四歳の就業率を高めていく。そして、就業面と生活面での一体的相談支援を行うなど、障害特性に応じた就労支援を推進をし、障害者の実雇用率を高めていく。こうしたことに取り組んでまいりまして、様々な方々がその特性を生かして地方で生き生きと活躍していくことができるよう、あらゆる施策を動員をしまして全力で取り組んでいく考えでございます。
○山本博司君 是非、全員参加をする社会の構築目指して進んでいっていただきたいと思います。
 次に、地域の潜在力を生かす事例として、障害者の雇用についてお聞きをしたいと思います。
 障害者が農作業の担い手となって水田や畑で働きます農福連携が今注目を集めております。障害者にとりましては就労先の拡大につながっていって賃金のアップにつながるということもございますし、農業者側にとりましても高齢化で不足する労働力を補うことができるということで、大変効果を上げている事例がたくさんございます。
 例えば、私のふるさとの愛媛県の松山にメイド・イン・青空という障害者の就労B型の事業所がございます。そこには、地域で増え続ける耕作放棄地を借りて自然栽培でお米や野菜を作っていらっしゃいます。今提供する農家が二十件以上増えておりまして、松山市内に点在します四十か所の耕作放棄地、合わせますと十一ヘクタール、東京ドームに匹敵する広さでございまして、賃金もB型の平均の四倍以上の月六万円、様々な障害を持っていらっしゃる方が二十五人いらっしゃいますけれども、喜々として働いていらっしゃいます。
 また、香川県では、コーディネーターを配置をしまして、農業と福祉作業所を橋渡しするということで成果を上げていらっしゃいます。香川県内の八十五の障害者の施設が加盟して、NPO法人香川県社会就労センター協議会、これを設立をしまして、共同受注の仕組みでJAの農作業を一括して請け負っておられるわけでございまして、ニンニクなどの収穫作業、多いときで三十名以上が働いていらっしゃいまして、農家の方々にとりましても大変喜ばれて、作付面積が大きく広がっているという例でございます。
 こうした農福連携の取組、これは国としても積極的に推進すべきと思いますけれども、林農水大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) まさに、今委員がおっしゃっていただきましたように、障害者などの方々に農作業の一部を行っていただくこと、これは、障害者の方の就労機会の確保といった福祉の面からのみならず、まさに地域の農業における労働力不足への対応といった意味でも大変意味のある取組だと、こういうふうに思っておりまして、農業と福祉の連携の推進を図ることは重要な課題であると、こう認識をしております。
 これは、私が前回大臣だったときに、実は、地方の農政局の局長さんが集まって会議をするんですが、そのときに事例の報告でこういうことがあるということを聞きまして、なるほど、それは面白いねということで、当時、医食農連携と言っておりました、これに福祉を加えて医福食農連携にしたという経緯がございます。まさに、トップダウンではなくて、地方発のこういう取組の政策のいい例だと、こういうふうに思っております。
 厚労省と連携して「農」と福祉の連携プロジェクトを推進しまして、今例を挙げていただきましたけれども、障害者等のための福祉農園の開設、整備等の取組を支援をしておるところでございます。このプロジェクトの中で、両省に加えまして、農業関係団体、それから福祉の関係団体の皆様にも御参加いただいて、全国またブロックごとの連絡協議会というのをつくりまして、相互理解を深めるための意見交換等の開催等にも取り組んでいるところでございまして、今後とも、この農業と福祉の連携、推進してまいりたいと思っておるところでございます。
○山本博司君 是非ともお願いをしたいと思います。
 今、農業のお話ししましたけれども、鳥取では水産業、漁業と水福連携ということもございますので、そういうことも含めて検討をお願いしたいと思います。
 地方創生の総合戦略の中には、二〇二〇年までに障害者の実雇用率を二%に高めるということが記載をされております。今、障害者の総数が七百八十八万人と言われておりまして、十八歳から六十四歳まで在宅で働ける環境の方々が三百二十四万人いらっしゃいます。しかし、五十人以上の民間企業で働いている方の数は四十三万人です。そして、それ以外に福祉的な就労という形で働いている方々が約二十万人ということでございまして、まだまだ働きたくても働けない方がたくさんいらっしゃるということがございます。障害者の方々がどんな環境でも働くことができて自立ができる、こういう環境整備が私は必要だと思います。
 しかし、現在、この福祉的な就労は、残念ながら全国平均工賃が一万四千円程度でございまして、これでは障害者年金と合わせますとなかなか自立することができないということがございます。やはり親亡き後でも生活できるような、そうした水準に引き上げることが私は切実に求められていると思いますけれども、塩崎大臣、この障害者の就労支援、工賃向上も含めまして、先ほどの農福連携の推進も含めて御見解をいただきたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど先生、例で挙げていただきました私の地元松山の青空につきましては、まさに耕作放棄地を使いながら自然農法でということで、インターネットで販売をして、先ほど言っていただいた六万円ぐらい、普通は一万三千円強ぐらいでありますから、かなり高い工賃が得られるということでございます。共通の友人がやっているということでありますが。
 厚労省としては、この工賃向上に取り組む事業所を後押しをしようということで、専門家等を派遣し、事業所の技術力の向上等を支援する工賃向上計画支援事業を実施しておりまして、農業分野で本事業を活用している事例もそこそこあるということでございます。委員が紹介されたような農福連携の取組を全国に広げていくためには、やっぱり好事例や支援策の周知を図ることも重要であって、農水省とも連携をいたしまして積極的に情報発信をしていきたいと思っております。
 また、国や地方自治体によります障害者就労施設などからの調達を推進する、そのために各省庁や都道府県等に対して障害者優遇調達推進法、ハート購入法と我々は呼んでいましたが、この趣旨を御理解をいただいて、全庁的に取組を周知をするとともに発注事例の情報提供を行っているところでございまして、今後とも、先生御指摘のような障害者の工賃向上がしっかりと図られるように取り組んでまいりたいというふうに思います。
○山本博司君 先日、国会で、障害者の所得倍増を進める超党派の議連というのがございまして、百名以上の方が加入されていらっしゃいますけれども、その総会がございました。
 そこで、「寝たきりだけど社長やってます」という著者の、重度の障害を持つ佐藤仙務さんとの意見交換がございまして、動くのは右手と左手の親指だけ、そんな僕が社長ですという佐藤さんの働くことは生きる希望というお言葉に大変感銘を受けたわけでございまして、総理も佐藤さんの著作を読まれて御存じのことと思います。
 今、障害者を取り巻く環境といいますのは、障害者権利条約の批准ができ、そして障害者差別解消法の成立によって、大きく今変わろうとしております。障害のある方であっても、働くことはもとより、文化芸術に親しみ、そして教育、スポーツに取り組むということが普通にできる、そういう社会にしなくてはならないと思います。二〇二〇年には東京オリンピック・パラリンピックがございますけれども、それを成功裏に導くためにも、バリアフリーを、解消しながら、誰もが社会参加できるようなユニバーサル社会の実現、これを目指すべきと考えますけれども、総理の障害者の社会参加の認識も含めてお聞きしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私が初当選したのが平成五年なんですが、今から二十二年前、当時、ちょうど今委員がおっしゃったバリアフリー、そしてノーマライゼーション、この二つの概念がまさに打ち出されたわけでありまして、要は、障害の有無にかかわらず人々がお互いを尊重し共生できる社会をつくっていく、そのためには、障害がある人もない人も同じようにチャンスがある社会、生きがいを感じることのできる社会をつくっていかなければならないということだと思います。そのような社会をつくっていくためには、スポーツや文化芸術の果たす役割も大きいんだろうと思います。
 昨年開催されたソチ・パラリンピックでは、選手の皆さんが自ら障害と向き合いながらひたむきに挑戦し活躍する姿が人々に大きな夢と感動を与えたと、このように思います。二〇二〇年にはオリンピック・パラリンピック東京大会が開催されますが、この大会を契機として、日本が障害者の方々にとってバリアのない、そして障害者の方々にもチャンスのある世界で最も生き生きと生活できる国としていきたいと考えています。
 政府としては、今後とも、障害のある方について、障害の特性に応じたきめ細かな就労支援、そして地域社会の一員として安心して暮らしていくための支援などに努めるとともに、地域の障害者スポーツの支援やオリンピック・パラリンピックの一体的な選手強化、障害者による優れた芸術活動の支援など、障害者の皆さんが活躍できる社会の実現に向けて幅広く取り組んでいく考えでございます。
○山本博司君 総理、是非とも二〇二〇年目指しましてそうした形での推進をお願いしたいと思います。
 次に、小さな拠点に関しましてお伺いを申し上げたいと思います。
 中山間地域などの過疎地域では、人口減少、高齢化に伴いまして、医療、介護だけでなくて買物支援など住民の生活に必要なサービス機能の提供もなかなか難しい場合がございます。そのためにも、効果的、効率的なサービス提供を構築するということとともに、地域の交流とか地域の支え合いの拠点として機能を強化する必要があると思います。そのため、集落に機能サービスを集約化していく、そして周辺集落とのネットワークを持つこの小さな拠点というのは、心豊かな地域コミュニティーの形成を図る意味で大変私は重要となると思っております。
 公明党は、昨年の九月に発表しました政策提言におきまして、コンパクトでスマートなまちづくりの推進ということを明記しております。この小さな拠点に関しまして、特に中山間地域に関しまして今後どのように進めていくのか。太田国土交通大臣にお聞きしたいと思います。
○国務大臣(太田昭宏君) 人口減少あるいは高齢化が進んで学校がなくなったり、あるいは診療所の撤退、路線バスがない、こうしたことで日常に必要なサービスが十分でない状況があって、地方創生ということの中で極めて大事な概念、一つは小さな拠点をどうつくるかということだと思います。
 小さな拠点に当たりましては、道の駅を活用する、あるいは廃校舎や旧役場庁舎を利用する、あるいは買物や診療や介護を受けられるようにということを、そこを利用して、そこにそうした機能のあるものを入れていく、あるいは集落の人が集まってきて憩いの場とする、そうした、またATMがあったりする、こうした利便性を確保するということが大事だというふうに考えており、徐々に進んできていて、地方創生の中で大きく前進することだと確信をしています。
 また、小さな拠点と集落との間を結ぶ交通手段、あしたはどこに行きますということを予約して、そしてそこを回ってその小さな拠点に行けるようにというディマンドバスなどの取組も進める必要があるというふうに思っています。
 コンパクト・プラス・ネットワークという概念の下で具体的に小さな拠点をどのようにつくっていくかと。方法はいっぱいあると思いますので、更にそこを進めていきたいと考えているところでございます。
○山本博司君 この小さな拠点として、道の駅の活用が重要でございます。
 一月時点で道の駅は全国千四十か所に広がっております。特産品の直売や観光情報の提供ということで、雇用の創出とか地域経済の活性化を担っているわけでございます。
 公明党はこれまでも、全国各地でのこの道の駅の整備や事業の充実、これを求めてまいりました。この小さな拠点の形成に取り組む際には、この道の駅も活用した地域活性化を進めるべきと考えますが、太田大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(太田昭宏君) 道の駅が十数年たちまして、非常に盛り上がり、大事な拠点となりつつあります。
 全国で千四十か所、その多くが地域の特産品を出す。お酒もあったり、食べ物、新鮮な野菜を近くの農家から持ってくる。そこでは真っすぐなキュウリとかいうんじゃなくて曲がったキュウリもあったりして、市場に出回らないけれどもそこには行くから新鮮であるというようなこともあったりするということで、また観光拠点ということでも、特徴のある道の駅をつくることによりまして、成田の近くに粘りの納豆を始めとするそうした発酵食品ということで道の駅をつくって大いに宣伝するとか、いろんな工夫が今されています。防災拠点ということでも大きな役割だと思いますし、役場や診療所を併設するということで小さな拠点にするという役割を果たしているというところもあります。
 先般、道の駅コンクールともいうべきものをやりまして、千四十の中で特に重点道の駅として私の方から選定させていただいて、認定証を出させていただいたりして、物すごい盛り上がりをしました。そのアイデアをまた全国共通のものにしていくということが非常に大事だというふうに思っておりまして、ハード、ソフト両面から道の駅、これが小さな拠点にもなるという、連動しながら大きく進めていくということが大事で、私は、首長さんたちにとっては、観光とか道の駅というのは、考える、町をどうつくるかというツールになると思いますので、右手に観光、左手に道の駅、これで考えてくれということを言ったりしておりますが、更に進めていきたいと思っております。
○山本博司君 そこで、大臣に一点要望したいことがございます。障害者が作った産品、これを道の駅で積極的に取り扱ってほしいということでございます。
 全国各地に様々な商品が作られております。障害者の就労の場を広げるというだけではなくて、地域の方々との交流を深める意味でも、今、道の駅に重点を置いているというこの機を捉えまして全国的に推進する仕組みを構築していただきたいと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(太田昭宏君) 今日の論議をしておりまして、本当に、更にそれを進めていくということが大事だと、そしてまた交流という角度を入れていただきましたけれども、そういうことが大事だなと、ユニバーサル社会という点をつくるという意味でも大事だなということを改めて痛感をしました。
 各地の道の駅に障害者が福祉施設等で製作した産品を扱っているところもありますし、徳島県の道の駅日和佐というところでは、共同作業所で製作した手提げかばんを出しているとか、あるいは栃木県の道の駅思川では、社会就労センターで焼いたクッキー、クッキーとかパンというのは非常に多く出されていると思いますけれども、という例もございます。
 地域のニーズに応えて道の駅をこのような取組に更に活用していただくとともに、今御指摘のありました交流と、一緒にそうした生活をしていくということ、非常に大事だというふうに思いますので、更に取組を進めたいと思います。
○山本博司君 ありがとうございます。是非ともよろしくお願いをしたいと思います。
 この小さな拠点の運営を始め住民生活を支える生活サービスの提供には、担い手の確保がこれは重要でございます。これまでにも、担い手の確保のために住民同士が支え合うネットワークを築き、地域の暮らしを守っている地域もございます。先ほど申し上げましたように、障害者の団体が支え手となって買物支援をするなど、様々な場面で活躍をしている地域もたくさんございます。
 ただし、こうした大事な役割を担っている団体には、地域の有志が集まってつくられる任意の団体であったりNPO法人であったり、なかなか収益事業行っている組織も少ない状態の中で、財政規模というのは脆弱でございます。やはり活動を継続していくには自治体の支援が必要になってくるわけでございます。
 こうした地域の生活サービスの担い手の確保という意味での財政支援に関しまして、石破担当大臣の見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) 御指摘のとおりでございます。先般成立をいたしました補正予算に盛り込んでおります地方創生先行型交付金、地域再生戦略交付金、こういうものによって支援をしてまいりたいと思っております。
 また、四万十市であった事例では、JAがなくなっちゃいましたということになって、地域の方々の八割が参加される、出資される形で、大宮産業という名前でしたかしら、そういうものをつくられて、そういうようなサービスをやっているということであります。
 そういうふうに財政的に支援はいたしてまいりますが、やはりこれを法律的にきちんと位置付ける必要があろうというふうに考えておる次第でございまして、地域再生法の改正案、今国会に提出をさせていただきたいと思います。
 そういうようなものをきちんと法律上位置付け、そしてまた財政的な支援を行うことによって、この小さな拠点というのは、まさしくうまくいくかいかないかは、地域を本当に再生できるかどうか、創生できるかの一番大きな鍵だと思っております。医療も福祉も担っていただかねばなりません。そういう意味で、新しい地域のマネジメント法人のようなものだと思っております。JAにも役割を果たしていただきたい、郵便局にも果たしていただきたい、あるいは社会福祉協会にも果たしていただきたい、そういう方々がきちんと活動ができるように法律に位置付け、財政的な支援も遺漏なきを期してまいります。
○山本博司君 ありがとうございます。
 今後、その地域再生の改正案も提出されるということでございますので、地域の力や、また人を生かす、そういう地方創生になるように推進をしていただきたいと思います。
 次に、子ども・子育て支援制度について質問をしたいと思います。
 この四月から、子育て世代の支援を拡充する子ども・子育て支援新制度が本格的にスタートいたします。この新制度は多様な保育の受皿を増やすということが大きな柱でございまして、公明党も、子育て世代とか事業者の方々の関係者の皆様の声を聞きながら、これまでずっと取り組んできたわけでございます。
 こちらのパネルに、この子ども・子育て支援の主要な項目がございます。(資料提示)
 消費税一〇%引上げが延期されましたので先送りされるのではないかと、こういう心配の声がございましたけれども、しかし、平成二十七年度予算案には、量的拡充の部分と質の向上の部分、どちらも必要な予算を確保することで着実に推進されることになりました。
 そこで、子ども・子育て支援新制度、この四月から実質的にスタートしますけれども、何が変わるのか、有村少子化担当大臣から説明をいただきたいと思います。
○国務大臣(有村治子君) 御指摘のとおり、来月、新年度から実施する子ども・子育て支援新制度では、消費税の増収分を活用して、子育ての支援、量、質両面にわたる充実を図ります。
 具体的には、市町村が子育て支援に関する住民のニーズを的確に把握して、その実情に応じて保育所やあるいは放課後の児童クラブの受皿を全体として都市部を中心に増やしていきます。また、保育園と幼稚園の両方の特性を兼ね備えた認定こども園、小規模保育など、地域の実情に応じた保育を計画的に整備し、しっかりとニーズに応えていく自治体を全国で応援できる体制をつくっていきます。
 特に保育については、二十五年度から二十九年度までの五年間で約四十万人の保育の受皿を新たに拡充いたしまして、往年の課題でありました待機児童の解消を図ります。保育を必要とする全てのお子さんが保育を受けられるように、そのアクセスを担保していきたいと考えております。
 同時に、保育園、幼稚園、認定こども園、さらには児童養護施設等を含め、職員の配置を手厚くすることによってお子さんの安全により目が、細かい目が届くように体制を目指していきます。これらの施設の職員の処遇を改善して、保育士不足が指摘される中でございますが、保育士等の人材の確保、定着を図ってこそでございますので、子供が受ける教育、保育の内容の質も上げてまいります。
 同時に、例えば障害を持ったお子さんの養育支援など、在宅子育てしている家庭に対してもこれらの施設がしっかりと機能を図っていけるような、そういう体制を支援してまいります。共働き家庭だけではなくて、在宅で子育てをしている家庭にもしっかりと手が届くような体制を強化いたします。
 なお、結びになりますが、新年度においては、保育園、幼稚園、認定こども園、地域の子育て支援といった多様な子育て支援を総合的に推進していくことになります。お子さんの安全、保護者の安心を確保するために、今までの主体の中で重篤な事故ということの情報収集がなかなか集まらなかったんですが、その情報収集を国として進めて、そのノウハウを現場に還元していって、子供の安全を重層的に横の取組によって確保したいというのも狙いでございます。
○山本博司君 具体的な点について、総理にお聞きしたいと思います。
 今お話がありましたように、二〇一三年度からスタートした待機児童解消加速化プラン、これ四十万人分の保育の受皿を確保するというものでございますけれども、この待機児童の解消、しっかり進めていくという総理の御決意をお聞きしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 平成二十五年に我々新しい政権がスタートして、五年間で四十万人分の保育の受皿をつくり、そして待機児童という言葉をなくしていく、待機児童ゼロを実現し、自分の子供は保育所に入ることができるかどうか、こういう不安をなくしていく、これを国民の皆様にお約束をしたところでございますが、二十五年、二十六年、最初の二年間におきまして従来の二倍のスピードで整備を進めまして、予定どおり、お約束どおり二十万人分の保育の受皿が確保できる見込みであります。また、平成二十七年度からの三年間で更に二十万人分の受皿の確保を進めていくこととしております。
 このため、平成二十七年度においては、保育所の整備等により約八・二万人の受入れ児童数の拡大を図るとともに、本年一月に策定した保育士確保プランにより、必要となる保育士を確保することとしております。
 平成二十九年度末までに、お約束をしたとおり待機児童ゼロを実現できるよう、強力に取組を進めていく考えでございます。
○山本博司君 是非ともしっかり取り組んでいただければと思います。
 この新制度によりまして、保育、幼児教育環境の整備を進め、量の拡大を進めていくには、一人一人の保育士や幼児教諭の質の改善も大事なポイントでございます。
 他の職種に比べまして非常に低賃金と言われる保育士などの処遇の改善をすることが質の向上につながると考えますけれども、この点に関しまして、処遇改善策、お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 先生御指摘の処遇改善は極めて大事でございまして、これにつきましては、本年四月から施行されます子ども・子育て支援新制度において、消費税の財源を活用し、公定価格上三%程度の処遇の改善を行うということとしておりまして、特に平均勤続年数の十一年以上の保育所、これにつきましては四%とするということで、職員の勤続年数、そして経験年数等に応じた人件費の加算を行う仕組みを設けることとしているところでございます。
○山本博司君 また、この待機児童の解消に向けまして、財務省では定期借地制度を用いました国有地の貸付けや優先的な売却を積極的に行っております。
 昨年、私が財務大臣政務官のときには、こうした全国各地の国有地の事例、新座市とか世田谷とか回らせていただきました。施設整備に大変有効な施策であるということを痛感をしたわけでございますけれども、麻生大臣、この活用状況に関して御報告をいただきたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 平成二十五年度の日本再興戦略に盛り込まれました待機児童解消加速化プランにおきまして、国有地を活用した保育所整備を行うこととされております。
 これを受けまして、財務省としては、地方公共団体に対して公務員宿舎跡地などの国有地の情報提供を行い、保育所整備用地としての利用要請があった場合には国有地の貸付け、売却に積極的に取り組んできたところであります。
 この結果、平成二十六年の九月までに、今後契約予定のものなどを含めて合計六十八件、七千八百人の保育の受皿を確保しているところでありますが、引き続き待機児童の解消に向けて国有地の活用等々を積極的に推進してまいりたいと考えております。
○山本博司君 次に、学童保育について伺いたいと思います。
 小学校入学を機に預け場所がなくなって育児と仕事の両立が困難になる、いわゆる小一の壁の解消が急務でございます。この点に関してどう改善をされるのか、お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、山本先生御指摘の、小一の壁をどう打破するかということでございますが、昨年七月に文科省と共同いたしまして放課後子ども総合プランを策定したわけでありまして、このプランで、学校施設を徹底活用して、平成三十一年度末までに放課後児童クラブを約三十万人分新たに整備をする。そして、小一の壁を打破するとともに、利用できていなかった児童の解消を目指すこととしているところでございます。このため、初年度となります来年度、二十七年度の予算案においては、約十七万人分の新たな受皿の確保に向けて市町村への支援策の大幅な充実を図ったところでございます。
 また、放課後児童クラブに従事する方々の処遇改善、それから質の向上に必要な経費についても盛り込んだところでございまして、市町村がそれぞれの子ども・子育て支援事業計画を着実に達成できるように支援をしっかりしてまいりたいというふうに思っております。
○山本博司君 さらに、この新制度の中には障害児の支援拡充につながる取組も含まれております。また、最近では、特に発達障害に関しまして、自分の子供はどうなんだろうと気になるお子さんをお持ちの親に対しても適切な支援につながる必要性が増加をしております。そこで、この点に関しましてお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、発達障害のことについて言及がございましたけれども、今回のこの四月に施行されます子ども・子育て支援新制度においては、障害児に対する支援として、保育所などでの優先利用、そして障害児を受け入れる保育所などが、そのノウハウを生かして地域の子供の療育支援に取り組む職員を配置する場合の加算、それから集団保育が著しく困難である障害児等を一対一で保育する居宅訪問型保育の創設など充実を行っておりまして、乳幼児健診や子育て家庭が利用する施設事業において特別な支援が必要となる可能性のある子供、いわゆる気になる子供たち、特に気になる子供たち、これを早期に発見をして、そして適切な専門機関につなぐことなどによって、気付きの段階から支援に取り組んでまいりたいというふうに思っております。
○山本博司君 最後の質問でございますけれども、公明党は日本版ネウボラの推進に取り組んでおります。ネウボラとはフィンランド語で助言の場という意味で、妊娠から子育て期までを一貫して支えるものでございます。
 公明党の井上幹事長はこの二月の衆議院代表質問で、この日本版ネウボラの重要性を強調したことに対しまして、安倍総理から全国で整備すると、こういう力強い答弁をいただきました。
 この点、厚労大臣、今後どのように推進をするのか、答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今先生からお話がございましたように、このネウボラはアドバイスをする場所というフィンランド語であるわけでございまして、まさに妊娠、出産から就学前に至るまでの健診、予防接種、保健指導などを実施するという、育児を切れ目なく継続的に支援をする、そういう施設であると承知をしております。
 このような取組を我が国においても推進することは極めて有意義であることは先生今御指摘のとおりであって、このため、希望どおりの出産、子育てができるように妊娠期から子育て期にわたるまで切れ目のない支援のためのいわゆるワンストップの拠点、これを子育て世代包括支援センターという名の下において立ち上げて、全ての妊産婦等の状況を継続的に把握をいたしまして、特に支援を必要とする方にはいわゆるオーダーメードの支援、支援プランを策定をするなどといったきめ細かな配慮をした支援を行っていこうということにしております。
 今後、実施市町村の増加状況や財政状況を踏まえつつ、全国展開をこれについては目指していきたいというふうに考えておりますので、また先生方の御支援をよろしくお願い申し上げたいというふうに思います。
○山本博司君 今、これ以外にも社会的養護の充実とか拡充をされております。しっかりこの点、四月から実施ができるように推進をお願いしまして、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
○委員長(岸宏一君) 以上で山本博司君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、片山虎之助君の質疑を行います。片山虎之助君。
○片山虎之助君 維新の党の片山虎之助でございます。
 順次質問いたしますから、できるだけ分かりやすく的確な御答弁をお願いいたしたいと思います。
 まず、もう旧聞に属するんですけれども、去年の選挙のことをちょっと触れてみたいと思います。
 突然の選挙でございまして、師走の、野党を始めメディアもそうだったんですが、大義のない選挙だという大合唱ですよね。普通に考えるとそうなんですよ。とにかく、前の選挙から二年たっていないわけでしょう。衆議院では与党は三分の二以上を超えている。
 恐らく、解散の名目は消費税を先延ばしすると。しかし、この先延ばしは野党はほぼみんな賛成なんですよね。国民の皆さんも賛成が多い。霞が関や永田町は必ずしもそうでもなかったような雰囲気はありますね、経済界も。しかし、それ、だから、これはもう国会では全く異議がない話。
 アベノミクスを続けるかどうかと、アベノミクスはまだ進行中でございまして、それなりの効果を出しながら、批判はありますよ、批判はいっぱいあるんだけれども進んでいる。総理自身、政権自身がこれをやろうということなんだから、一つも争点じゃないんですね。
 そこで、まあ大義がないというのは大義がないんですけれども、しかし、私は安倍総理には安倍総理の大義があったと思うんです。一つは勝てるときに勝つということですよ。野党が準備が整わないときにやる。奇襲作戦、いいんですよ。逆桶狭間というんですよ、あれ。大軍を率いて小軍の、少数の方に行ったわけですからね。そういう意味では勝つに決まっていると私は思うんで、しかし、それはある意味では私は当然のことだと。
 それから、もう一つは、やっぱりあのときの情勢で消費税の再引上げを見送ったら、私はややこしいことになっていると思うんです。あのときは、経済界を始め、一遍決まったことだからしようがないんじゃないかと、国際的な信用の問題もあるではないかと、こういうあれですね。恐らく霞が関がそういう意見が多かった。永田町でも私はそうだと思う。そこで、総理は、これは選挙で勝てば一挙に正当性を得るというか、みんなが納得すると。結果としてはそのとおりになったんですよね。だから、それは総理としては大変な大成功だということなんでしょうけれども。
 そこで、今度の法律が出ていると思いますけれども、景気条項を落とすんでしょう。景気条項を落とすというのは増税派に対する配慮ですか。その点について、私が言ったことに対する御感想と景気条項を残すことについて、いや、ちょっと待ってください、残してもいいんですよ、これを取っちゃうということはほとんど何の意味もない。前回は残したんだから、今回は取るんですから、私は首尾一貫してないと思うんですが、御感想とあれをちょっと言ってください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 片山先生も長年自民党で議員をなされ、幹部も幹事長もやっておられましたから、自民党あるいは霞が関、永田町との関係でどういうメカニズムで動いているか、ある意味大変鋭い分析をしておられると、このように敬服をする次第でございます。それが当たっているかどうかというのはまた別のことでございますが、一つの分析としては十分にあり得る分析だろうと思います。
 そこで、経済条項についてでございますが、経済条項につきましては、まさに我々は現在のこの社会保障制度を次の世代に引き渡していくという責任がございます。そして、国際的、また市場の信認を確保しなければならないという側面もございまして、しっかりとそういう経済状況をつくっていく、必ずつくっていくという自信と決意を示す必要があったと、このように考えたところでございます。
○片山虎之助君 この議論を余りすると時間を取りますから。しかし、リーマン・ショックみたいなことがまた起こったらどうするかという議論は必ずあるんですよ。
 そこで、私は、今回も七条解散でしょう、七条解散、前から何となく落ち着かない違和感があるんですよ。それで、憲法七条は、ちょっとパネル見てください。(資料提示)あるいは、お手元に資料がありますから見てください。憲法七条は天皇の国事行為の一覧表なんですよ、これ。その規定なので、それには内閣の助言と承認が要るという規定で、ここで創設的に内閣なり総理に対する解散権を付与してはいないんですよ。
 現に、横の方に書いていますから読んでください、昭和二十三年に初めてのこの憲法による解散を吉田内閣がやろうとしていたときにGHQが七条でやろうとしたのを止めるんですよ。六十九条だけよと、こういうことなんですね。そこで、その次が二十七年の独立した後なんですよ。四月に独立しますから、六月に選挙やるんだから。抜き打ち解散なんですよ、吉田茂さんの有名な。このときに七条をやるんですよ。訴訟が起こる。一審、二審は合憲になる。しかし、最高裁は判断を回避するんですよ。最高裁は統治行為を判断するのは嫌なんですよね、憲法裁判所だと思っていない、そういう性格はあるんだけれども。そこで回避して、なし崩しになっちゃうんですよ。それから定着するんですよ。
 それで、七条というのは自由自在な解散ですよね。ちょっと次のパネルを見せてください。
 これは、外国のあれ見てください、外国。回数も多いことは多いわね、日本は、二〇〇〇年後六回やっているんですから。イギリスが三回。アメリカは解散がありませんからね。ドイツは一回。フランスは、フランスなしでしょう。
 それで、解散権者やいろんなことを書いていますよ、アメリカのところに。解散の対象はないんだが、任期はあるんですね、上院は六年、下院は二年、それは書いていませんけれども。それで、イギリスなんか見てくださいよ。これは国王が一応解散権者なんですが、これは不信任と、もう一つは自主解散なんですよ、下院の三分の二の。それからドイツは、これはちょっとややこしいんですが、首相の指名選挙で三回経ても過半数を取れないときは解散できる。あとは信任が否決されたときですね。フランスは大統領に解散権があるんだけれども、総選挙後一年間又は非常事態行使中は解散できないと、あとは不信任ですよ、施政方針が承認されないとき。こういうことなんですよね。
 日本に似ているのは、あるいはスペインかもしれませんわね。憲法上、閣議で審査して両院を解散できる、ただし一年間はできないとか。イタリア、ロシアもありますけれどもね。
 それで、どうも、こういうことからいって、総理ね、私たちの党は、憲法改正がいい憲法にするための改正には賛成ですよ。それはもう積極的に協力する。これも是々非々ですけれどもね。ここで、憲法改正の議論の中にこの解散権が出てこないんですよ。自民党の草案の中にはありますよ。あれ内閣だったかな、総理大臣だったかな、解散権があると。少しこの議論をしてくださいよ、憲法改正の中で。それは、第一党の党首として、総理のリーダーシップを、憲法審査会でいろんなことをやるんだから、これから。いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 衆議院の解散は、憲法第七条の規定によって天皇の国事に関する行為とされておりますが、実質的に衆議院の解散を決定する権限を有するのは、天皇の国事に関する行為について助言と承認を行う職務を有する内閣であると考えます。ただ、もちろん今まで様々な議論がなされてきたことは承知をしております。
 いかなる場合に衆議院を解散するかは、内閣がその政治的責任で決すべき事柄であり、憲法上はこれに関する制限は規定されていないわけでございます。この問題は、まさにこの三権分立をどのように考えるかという統治機構に関する根本的な問題であるというふうに思います。
 こうした問題も含めて、憲法改正には国民の理解が不可欠でございます。自民党としては草案を谷垣総裁の下にまとめているわけでございますが、今後とも国民的な議論が更に深まっていくことが大切だろうと思います。そしてまた、どの条項をどのように改正するか、いつ改正するかなどについても国民的な議論を深めていきたい、この解散権の問題もそうでございますが、国民的な議論を深めていきたいというふうに思います。
○片山虎之助君 平成十七年には、参議院で否決されたところをもって衆議院を解散しましたよね。これも自由自在な解散なんですよ。今の解釈なら、総理、選挙して、次の日解散してもできるんですよ、まあそれは裁判所がどう認めるか分かりませんけどね。ひとつ大いに各党で研究をする大きい項目だと私は思っていますので、ひとつよろしくお願いいたしたいと思います。
 それから次は、テロ対策なんですよね。もう日にちがたつと、どんどんどんどんこれ旧聞になるかもしれませんが、湯川さんと後藤さんですか、本当に理不尽にして不幸な事件ですよね。御遺族の方には本当に心からお悔やみを申し上げたいと思いますが、相手の国は、ISというんですか、あれは日本人を、日本を標的にすると言っているんですよね。そして、国民の皆さんも、メディアの調査では半分以上が不安を持っている。今までテロというのはよその国の、よそのことだったんですよ。これが一挙に身近になったんですね。
 そういう意味で、ちょっと一遍おさらいということもないんだけれども、今外国に旅行者は千七、八百万、日本から行っているんですよね。海外に立地している企業は三万二千五百あるんだそうですよ。百二十五、六万人おるんですね。中東だけでも一万人ぐらいいるんですよ。七百社ぐらいあるんです。こういう皆さんにどういう指導や注意をしているのか、外務大臣、お願いします。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、一月二十一日以降、在外公館に対しまして、在外公館と在留邦人代表者との会合であります安全対策連絡協議会を開催すること、さらに日本人学校の警備強化の要請など、邦人の安全確保に万全を期すよう指示を出しました。そして、一月二十二日と二月一日、全世界の在留邦人に対しまして、治安情勢等の関連情報の入手、あるいは適切な安全対策を講じること、こういったことにつきまして注意喚起を行いました。さらには、退避勧告の地域に渡航、滞在しようとする邦人に関する具体的な情報を入手した場合には、個別に渡航中止の働きかけを行ってまいりました。
 こうした従来の安全対策の再徹底を行ったところですが、それに加えて、更に講ずるべき対策があるのではないか、こういった問題意識に基づいて、二月三日に検討チームを外務省の中に立ち上げました。そして、できることから対策を実施していこうということで、既に携帯電話のショートメッセージサービスによる緊急一斉通報システムの運用開始、あるいは日本人学校の装備、設備等の警備強化など、こういった対策を公表しておりますが、これは既に実施をしております。
 引き続きまして、この検討チームにおいて具体的な対策を検討し、できるところから実施に移していきたいと考えています。
○片山虎之助君 丁寧によろしくお願いします。
 それから、国家公安委員長、日本でテロ発生の可能性があるかないか。あるとすれば、入ってくるわけですから、テロリストなんかが入ってくること、あるいは武器なんかを持ち込むこと、その他、それについての阻止はどうされますか。
○国務大臣(山谷えり子君) ISILは日本国民をテロの対象とすると述べているところで、我が国においても、テロの脅威から安全であるわけではなく、テロに対する警戒を怠ってはならないと認識をしております。
 二月四日、警察庁では、警察庁国際テロ対策推進本部を設置いたしております。国内外の日本人を守らなければなりません。情報収集、分析の徹底、また水際対策、重要施設の警戒警備、爆発物原料対策を強化しまして、テロの未然防止、テロへの対処体制の強化に取り組んでいるところであります。
 現在、我が国を対象としたテロに関する具体的な情報に接しているわけではありませんが、改めて我が国におけるテロ対策を強力に推進していかなければならないと認識しております。万全を期してまいります。
○片山虎之助君 それから、法務大臣、国内居住の外国人等で不穏分子、ISに通じているような不穏分子がいるのかいないのか、その動静を把握しているのかどうかですね、それについて御答弁をお願いします。法務大臣。
○委員長(岸宏一君) 法務大臣でいいですね。
○片山虎之助君 公安調査庁があるから法務大臣。
○国務大臣(上川陽子君) 公安調査庁におきましての取組ということでございますけれども、御指摘のように、ISIL関係者、国内に潜入しているという可能性ということにつきまして踏まえた上で、テロの未然対策に向けまして、ISILを含め国際テロ組織等の動向に関する情報の収集、分析に努めますとともに、国内において国際テロ組織との関わりが疑われる人物あるいは組織、こうした行動の有無、さらにはその動向に関する情報の収集、分析というところにつきましては、これはもう未然防止ということを徹底するためにもしっかりと取り組んでいるというところでございます。
○片山虎之助君 総理、これから国際的な大イベントが続くでしょう。来年はサミットがある。二〇一九年はラグビーのワールドカップありますよね。二〇年は御承知のオリンピック・パラリンピックですよ。標的にするには、このイベントというのはある意味では絶好の場所なんですよね。そういう意味で、やっぱり私はテロ対策には万全、日本の国は安心、安全が売りなんだから。
 そこで、今の体制で、今の危機管理監を中心にした体制、事態何とか対処室がある、これで十分かどうか。あるいは、テロ対策で一番基本は情報でしょう。情報の収集と分析ですよね。そのためには、特別のテロ対策の機関が要るとか情報機関が要るとかという議論がありますよ。何でもつくればいいというものじゃないんで、私はそう思うので。機構をつくったらかえってややこしくなるところは確かにあるんですけれども、いかがですか、安心、安全、テロ対策の万全。総理。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 来年サミットがございますし、一九年にはラグビーのワールドカップ、そして二〇二〇年にはオリンピック・パラリンピックが開催されるわけでございます。かつて、ミュンヘン・オリンピックがブラックセプテンバーというテロ組織に襲撃をされた、そういう出来事もございました。
 政府としては、邦人殺害テロ事件を受けて、二月三日に官房長官を長とする国際組織犯罪等・国際テロ対策推進本部会合を開催しまして、関係機関に対し、各種テロ対策をより一層徹底強化し推進することを指示をいたしました。
 特に、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック東京大会に向けたテロ対策については、内閣危機管理監を座長とする関係省庁セキュリティ幹事会を設置をしまして、テロ対策、サイバーセキュリティーなどの分野別のワーキングチームが既に対策に着手しています。
 政府一丸となった取組も始めているわけでございますし、ロンドン・オリンピックにおいてどのようなテロ対策、サイバーセキュリティーを講じてきたかということについてもいろんなお話を伺っているところでございます。
 今後とも、国際社会と緊密に連携をしまして、不穏動向の早期把握に向けた情報収集、分析の強化、そしてテロリストの入国阻止等に向けた関係機関の連携による水際における取締りの強化、そして空港、公共交通機関などの重要施設の警戒警備の徹底などのテロ未然防止策に万全を期していく考えでございます。
○片山虎之助君 国民保護法制というのが平成十六年六月にできるんですよね。しかし、みんな知りませんわね、国民は。それ、集団訓練みたいなこともやっているんですよ。しかし、これはやったりやらなかったり、都道府県で。これは、私は国の事務だと思うんです。それが法定受託事務というので都道府県や市町村にやらせることになっているんですけど、ばらばらですよね。
 この際たがを締め直して、この国民保護法制の運用や何かに私は活を入れる必要があると思うんですが、いかがですか。担当大臣はどなたなんでしょう。官房長官かな、あるいは。
○国務大臣(菅義偉君) 委員御承知のとおり、国民保護法において、国が決めた基本方針に基づいて地方自治体は計画を作成をすると。そういう中で、単独であるいは国と共同で実施する国民保護訓練、こうしたことについては、各都道府県では現在行っているところであります。
 また、この実施に当たっては、警察、消防、自衛隊、各機関が相互に連携をしながら、いざというときに備えているところであります。
○片山虎之助君 官房長官、この現場の今の自衛隊、消防、警察の連携、特に情報の共有ということをしっかりやらないと機能しないんですよ。時間がありませんから、ひとつそれを十分注意してください。
 総理、NBCRだとかCBRNEという言葉を御存じですか。NBCR。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、核のニュークリア、そして生物剤あるいはまた化学剤を用いたNBCテロということだと思います。
 いわゆる大量殺傷型テロの一つとして、関係省庁の密接な、緊密な連携が必要であると、このように考えております。
○片山虎之助君 NBCR対策推進機構というのがあるんですよ。NPO法人なんです。それは平成十七年にできたんです。十六年に国民保護法制ができたんで、それを追っかけてできたんで、結局、NBCRテロ災害について普及啓蒙を図るということなんですよ。NBCRのテロから、災害から地域や個人や国家を守るということなんですね。それで、たまたま私が二代目の会長をやっているんで、自分の宣伝のためじゃありませんが、こういう民間はほかにもあるんですよ。
 だから、官民私は共同で国民保護法制やこのテロ対策や何かの意識高揚を図る必要があると思うことが一つと、もう一つは、一番あるのは医療ですよ、健康被害ですよ。そのためには、解毒剤や治療薬の備蓄だとか、そういう機材を持つとか。金が掛かって、しょっちゅう使うわけじゃないんで大変なんですけど、どこかでやらないと。それから、受入れ医療機関、搬送の体制ですよ。
 だから、これからはこういう危機管理に医療関係者も入れてくださいよ。医療関係者、お医者さんを。そういうことをやらないと、いざ起こったとき大変ですよ。サリンがそうですから。炭疽菌がそうですから、アメリカの。いろんなことがこれは起こる可能性がある。いかがですか、総理。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、最初に出た化学兵器のテロへの対応でありますけれども、傷病者の救援が適切になされるためには、やはり、厚生労働省の国民保護計画において医療活動を実施するための体制整備などを対策として講じておるわけでありますけれども、また、医薬品の備蓄のことが今出ましたけれども、これについても当該計画において、厚生労働省は、国立高度専門医療研究センター、ここに対しまして、平素からNBC攻撃も想定しつつ必要な医薬品等の備蓄に努めるよう促すこととされておりまして、これに基づいて医薬品が備蓄をされているところでございます。
 さらに、昨年七月に、厚生科学審議会、ここで化学テロリズム対策についての提言というのがまとめられまして、これを受けて、国として、今年度補正予算によりまして医薬品の備蓄を強化し、過去に発生した事案を踏まえて適切な量を備蓄する予定でございます。
○委員長(岸宏一君) 答えてもらいますか。じゃ、高市総務大臣。
○国務大臣(高市早苗君) 失礼いたします。救急搬送と問いがございましたので。
 まず、NBCテロが発生した場合に、汚染を伴う傷病者については、その汚染の区域内に進入した消防隊が除染を行って、汚染区域外に待機している救急隊に引き継ぎます。救急隊が観察と応急処置を行った後、二次汚染の防止対策を講じながら医療機関に救急搬送を行います。
 また、多数の傷病者が発生してしまった場合には、救急隊や医療チームの関係機関の連携によりまして傷病者の治療や搬送の優先順位付けを行いました上で、近隣の消防本部と相互応援協定がございますので、これに基づいて増設された、増援された救急隊によりまして医療機関に搬送いたします。
 各消防本部に対しまして、とにかく二次汚染を防ぐための資機材整備の支援ですとか、それから消防機関の活動要領、これもNBCR災害における活動要領がございますので、これに基づく支援、それから実際の対応力を向上させるための訓練についてしっかりと行ってまいります。
○片山虎之助君 総務大臣、今出られましたけど、消防団というのは頼りになるんですよ。だから、二年前といいますか、一昨年の十二月に超党派で消防団を応援する法律を通したんですよ。消防団を中核とした地域防災力強化のための法案、超党派で全会一致ですよ。ただ、消防団員はどんどん減っているんですよ。昔は二百十万人おったんです。今は八十八万人なんですよ。そして、私が大臣のときに、大分前だけれども、女性消防団員って相当力を入れて、やっと今二万人なんですよ。それがちょっと伸びが止まっている。
 たまたま、たまたまと言ったらいけません、初めての女性の総務大臣だから、女性消防団員を増やしてください。いかがですか。
○国務大臣(高市早苗君) 消防関係の行事に片山元大臣よくおいでいただきまして、御激励もいただいております。
 それで、どうしてもこれは消防団を増やさなきゃいけないということで、つまり平成二年に百万人を割って、平成二十六年四月現在で約八十六万人、毎年減少しております。
 それで、二月に私から、まず全国の知事さん、それから全ての市町村長さん、それから主要な経済団体の長に対して総務大臣名で二種類の手紙を作りました。
 その中で、まず自治体宛てには、女性や若者を始めとして、あと地方公務員の加入促進、それから勤務先での入団などを働きかけました。それから、経済団体に対しましては、やはり今被用者の方が消防団員の中で七二・二%を占めておりますので、事業所の理解が第一ですので、まず従業員の方々の入団促進、それから勤務環境、ボランティア休暇など勤務環境を整えていただくこと、それから消防団活動が各事業所でプラスに評価されるような仕組み。それから、大学生の方々で今消防団に入ってくださっている方がいらっしゃいますので、学生消防団活動認証制度というのがあります。ですから、就職活動のときに、その証明書を持ってきたときに採用において評価をしてくださいというようなこと。それからまた、消防庁において、消防団協力事業所表示制度、これを導入促進しておりますので、しっかり御協力くださいということでお願いをしました。
 今、総数は減少しているんですけれども、片山委員の御尽力もありまして、女性や大学生、それから地方公務員の数というのは増加いたしておりますから、来年度予算でもしっかり女性や学生の入団促進を図っていく、このための先進的な加入促進策、ここを強化していきます。モデル事業として公募いたします。
○片山虎之助君 消防団だけ言うと、常備消防というのがあるんですよ、専門の消防隊。これは十六万人おるんです、全国に。こういうのが広島の土砂災害や御嶽山の噴火のときに実動部隊になるんです。消防というのは市町村消防ですから、これは狭いんですよね。だから、これが広域で協力し合って一つの力になるように緊急消防援助隊というのをつくったんです。それは阪神・淡路大震災のときからできたんです。それが今四千六、七百になっているんです、隊が。それで、いざとなったらどこでも行くんですよ、消防庁の指示があればね。だから、これをやっぱり充実していくことがテロ対策にもなるんですよ。
 簡潔にひとつ。
○国務大臣(高市早苗君) それでは簡潔に。
 現在、二十六年四月、四千六百九十四隊でございます。私どもの計画ですが、平成三十年度末までに六千隊へと大幅に増隊することとしております。
○片山虎之助君 時間がだんだんなくなるので、地方創生なんですが、私は非常にいいことだと思うんだけれども、今まで何回もやってきて、私は当事者であったことが役所時代にも議員のときにもあるんですけれども、今回も頑張っていると思いますよ。数値目標なんか入れさせる。しかし、全国一斉に教えてやるというような、何となくそういう雰囲気、上から目線なんですよ。
 そこで、私は、地方自治というのはみんな一斉でなくていいというふうに思うんです。金太郎あめなら中央集権にすればいいんですよ。金太郎あめにしない、それぞれがばらばら別々なことでもやらせるということなんです。どうもそこのところがもう一つという感じがしてしようがない。国が総合戦略を作るんだから、おまえも作れと。数字は教えてやる、それに従えと。
 私は、地方自治というのは差があっていいと思うんです。違いがあっていいんです。差異があっていいんです。差異を認めることなんですよ。その地域の人がそれを選ぶんならやらせりゃいいんですよ。やらして失敗させりゃいいんですよ。失敗する地方自治というのを認めないと育ちませんよ。手取り足取り過保護にして、うまいことやった、おまえに褒美で交付金をやる、おまえはこう、じゃないんだね。
 基本的に地方創生というのは、地方の財政基盤を強くしてやることと地方に権限を与えてやることなんですよ。権限を持てば責任を持つんですよ。東京に何でこれだけ一極集中になるかというのは、日本中のことが東京で決まるんですよ、政治も経済も文化もスポーツも学術も。だから、ここに人が集まるに決まっているんです。意思決定ができる、権力があるところには人も物も金も情報もみんな集まるんですよ。集まることによってまた加速するんですよ。それを断ち切らないと。それが地方分権なんですよ。それが大阪都構想であり、道州制なんですよ。
 ただ、これはいろんな誤解もあって、必ずしも、基礎的な自治体でいろんな議論がある。私は、基礎的な自治体である市町村が賛成せにゃいかぬと言っているんですよ、道州制を進めるためには。そのためにはメリットを示さないと。こういうあれがある。どうもそういうあれからいうと、この創生、ああせい、こうせい、そうせいというのが今までの地方対策だったんですよ。石破大臣、どうですか。
○国務大臣(石破茂君) 御指摘、誠にありがとうございます。
 私どもは、上から目線というつもりは全くございません。ただ、私は、今回、中央と地方が危機意識を共有するというのはすごく大事なことだと思っております。
 昨日も御議論がありましたように、人口減少というのは本当に国が衰退、消滅に向かっていくということでございますし、ただ、その人口減少は、例えば岡山市は岡山市の事情がある、新見市は新見市の事情があり、津山市は津山市の事情があるのだと。じゃ、この人口減少をどう止めようかという問題意識を共有した上で、新見は新見の取組があり、総社は総社の取組があると思っているんです。
 私は、目的意識というか問題意識を共有するということが大事である。その解決策は地方でないと分からないところがたくさんあるのであって、地方に対してあらゆる情報を提供しようということが一つ、そして財政面で支援をしよう、人的面で支援をしようと。あくまで中心は基礎自治体たる市町村であって、国はそれを応援する立場に回るということで、今までとは取組が違っていると思っております。
 また、いろんな目標というものはございますが、それに、国が示しましたものに市町村は全く拘泥する必要はございません。その地域地域の独自のアイデアというのがあるんだろうと思います。
 これは、例えば全国町村会でも毎年東京でやるんですね。かなり不思議なことではないだろうか。全国議長会でも毎年東京でやる。非常に不思議なことではないだろうか。やはり何でもいろんなものが東京に集まっている。それを変えようという意識は、やはり町村からも、市町村からも出ていただきたいというふうに考えておるところでございます。
 地方分権も、私はこういう経験は極めて珍しいのですが、地方六団体から農地の権限移譲も含めまして高く評価をするなんぞと言ってもらった経験、私初めてでございまして、別にだから喜んでいるわけではありませんが、やはり権限、財源はできるだけ地方に移転すべきだというふうに考えております。国は国がやるべきことをやるんだと思います。ですが、そこにおいて同じ問題意識を持ち、ある意味でいろんな市町村の競争になるというのは私はいいことなのではないか。それは切捨てではなく、そういうような地方のいろんな意識を覚醒をして、あっ、こんなこともできる、あんなこともできるということは、私は今回の地方創生のかなり大きなポイントだと認識をしておるところでございます。
○片山虎之助君 農地転用の地方移譲は、私は大ヒットだと思う。今まで本当にねちっこく農水省が抵抗して、抵抗というと悪いかもしれぬけど、農水省の理屈もあるんだけどね。ただ、都道府県はいいですよ、市町村にどこまで認めるかですよ。きちっと基準を作って認めないと。それで、妙なことをしたらチェックすりゃいいんで、直させればいいんで、中途半端に市町村に移譲しない方がいいですよ、ばっとやった方がいい。それが権限移譲なんですよ。
 それから、財政の方で、石破大臣、あなたはそう言われるけど、今度、全部事業を集めると二百五十あるそうですね、三兆円。そのうちに地財計画で一兆円来るんですよ。地財計画の中に一兆円を。それで、問題はその財源なんですよ。借金まみれでしょう、今、国も地方もそうだけれども。その借金で地方創生やるんですか。そこなんですよ。
 そこで、今パネルを出しておりますけど、この一兆円の財源も大変これが心もとないんですよ。これが、来年度はどうにかこの一兆円ができましたけれども、来年度はどうにかこの地方公共団体金融機構の変動準備金、利率の、これをうまく使ったということと、御承知のように、法人住民税の法人税割を一部交付税化しましたよね。その東京都分が一千億、こういうことでどうにかつじつまが合ったんですが、後続きませんよ。二十七年度はこれでいけるんだが、二十八年度から三十一年度、こんなものが一兆円で来年度だけで終わったら、何の意味があるかということになるんです。
 しかも、交付金の方は、あれでしょう、二十七年度はないじゃないですか。二十六年度は千七百億あるけれども、二十七年度なくて二十八年度からだって、これもおかしな話で、出すんならちゃんと五年間ぐらい出さないと。いかがですか。
○国務大臣(石破茂君) 御指摘のとおり、二十七年度、今御審議をいただいております二十七年度予算には組んでおりません。それは、補正でお認めをいただきましたものを地方創生先行型という形にいたしております。
 私、これ大事なのは、全ての都道府県、全ての市町村が総合戦略を作るというところにございまして、そこにおいては、実際に我が町の人、金、物はどこから入りどこへ出ていくのか。それは、どんな人であり、どんな金であり、どんな物であるかって分からないと計画の立てようもないだろうと。あるいは、どういう町村と連携をするか、県をまたがってやるか等々、そこはまさしく自治体でお考えをいただかないと分からないことだというふうに、私はここは確信を持っておるところでございます。
 どういうような総合戦略が出てくるのか。というのは、さればこそ補正予算でそのお金を出しておるわけでありまして、今全ての自治体においてそういう御努力をいただいております。その上で、二十八年度の新型交付金なるものをどのように設計をしていくのかということになる。やはりそこには一年の期間が必要でございまして、二十七年度には組んでおらないものでございます。
 財源をどうするかというお話は、これは恐らく総務大臣から御答弁いただいた方がいいのかもしれませんが、結局、その交付税交付金というものも欲しいよね、しかし補助金というものも欲しいよねということになってくると、これは地方と中央との形というのが今までとほとんど変わらないようなことになろうかというふうに思っております。
 この財源をどうするかも含めて政府の中で議論をいたしてもまいりますが、そこにおいて必要なのは、地方六団体の御意見をきちんと聞くということだと思っております。どういう形が一番いいか、やはり主役が地方であると言う以上は地方の方々にとって使いやすいもの、あれもこれもというわけにはまいりませんので、どれが一番いいかということだと思っております。首長の方のみならず、住民の方、議会の方を交えて結論を得てまいりたいと考えております。
○片山虎之助君 総務大臣、どうですか。
○国務大臣(高市早苗君) それでは、私から、まち・ひと・しごと創生事業費一兆円、今後どうするんだということについてお答えいたします。
 片山委員、鋭い御分析のとおり、今回、相当財源の捻出、苦労をいたしております。特に、既存の歳出の振替が〇・五兆円ですし、地方の努力による新規の財源確保〇・五兆円ということで計一兆円で、これもかなり財政健全化と地方創生の両立に配慮しながら頑張りました。ただ、先ほど御指摘があった金融機構の公庫債権の金利変動準備金の活用ですが、これも二・一兆円のうち、二十五年度末二・一兆円のうち〇・六兆円は国に帰属させても財政基盤に影響がないと、財務基盤に影響がないということで、二十九年度までの三年間ということになります。
 しかしながら、地方創生、実際に取り組み始めてから効果が出るまでの間というのは一定の期間が必要になりますから、私は、このまち・ひと・しごと創生事業費は、何としても、二十八年度以降も地方法人課税の偏在是正を更に進めていって恒久財源を確保したいと思っております。
 容易じゃないことも十分承知しておりますけれども、二十六年度の与党税制改正大綱で、消費税率一〇%段階においての地方法人課税の偏在是正について、地方住民税法人税割の地方交付税原資化を更に進めることと、地方法人特別税・譲与税は廃止して他の偏在是正措置を講じるということになっておりますので、一〇%への引上げ時期の変更に伴いまして、二十八年度以後の税制改正において具体的な結論を得ることになります。
 とにかく、安定した税源確保に向けて取り組んでまいります。
○片山虎之助君 国の長期ビジョンには出生率の目標がないんですよね。見込みはあるの、二〇三〇年に一・八という。それで、地方の何か、全部じゃないんだけど、幾つかを集めたら一・六七だったというんです。
 そこで、その議論はまた時間掛かりますからあれですが、パネルを見ていただきたいと思うんですが、結局、人口減少社会の克服の基本は、やっぱり全国のいろんな町村会が言っていますけど、医療費と教育費の全額無償化なんですよ。これが一番パンチがある。そこで、資料を見ていただきたいんですが、結局、今の医療費、教育費の無償化のためには五兆六千億の金があればいい、取りあえず。そこにこう書いています、保育料、授業料の無償化で五兆円、医療費の自己負担の無料化で六千億。
 それで、これをどこから出すかということなんですが、公務員の人件費の二割カットというのを我々は言っている、議員定数の三割カットということを言っておりますから、ここを中心に考える。
 特に、地方への移譲可能な国の出先機関、これは全国知事会に言わせると五五%の事務は移譲できて、全国知事会はもう少しの人間のあれができると言うんですが、一応ここでそこに書いているような移譲可能な国の地方出先機関をやめれば六万一千。一遍にいきませんよ、一遍にいかないけど、これをなだらかに時間を掛けてやる。それから、定数削減や給与水準の引下げをやれば、これで四兆五千億。両方合わせて五兆円。それから、既存の子育て支援の財源の振替で六千億。子ども手当は残します。こういうことでざっとした計算をやるんで、出生率を本当に上げるつもりなら、私はこのくらいのことが要るんじゃないかと思う。
 それから、ついでに次のパネルを見ていただきたいんですが、これから首都圏が高齢化するんですよ、首都圏が。見てください。後期高齢者、七十五歳以上の人口ですね、私もそうなんだけれども、これが一都三県で二百五十四万人も増えるんですよ。というのは、今年で前期高齢者に全部団塊の世代が入るんですよ。十年後には全部それが後期高齢者になるんですよ。これは医療費を中心に社会保障の関係が大変ですよ。二〇二五年問題というのはそれを言うんだそうですね。
 そういうことからいうと、まだ前期高齢者が首都圏には四百万おるんです、四百十四万、団塊の世代が入っていますから。この前期高齢者、団塊の世代を私は地方に行ってもらうということが一ついいんじゃないかと。ずっと行ってくれれば一番いいですよ、永住が。しかし、そうでないなら、時々行ってもらう。定時制住民ですよ、全日制住民じゃなくて。マルチハビテーションですよ、行ったり来たり。まあ国会議員も大体似ているわね。
 だから、そういうことをもっと国民運動でやったら、地方の空き家対策にもなるんですよ。今、地方の自治体は空き家に入ってくれる人に補助金出している、改修費を出したりいろいろなことで。空き家対策が大変な問題になっている。福祉施設がこれから地方は空いてくるんですよ、今の人口がおかしくなってくると、大都市圏に集中すると。そういう国家的な大きな観点から人口を動かすことを私は考えるべきじゃないかと思うんですが、総理、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今委員が御指摘になった団塊の世代がいよいよ後期高齢者、今の段階ではまさに前期に入っておられるということでありますが、ただ、今でもお元気ですし、言わば後期高齢者の方々も、それは委員もそうでございますが、皆さん大体お元気である、そして人生で培ったノウハウがあるわけでありますから、そういうものを生かすことができる社会をつくっていくことが大切だろうと。
 その中においても、そういうノウハウ、団塊の世代の皆さんの多くはこの大都市圏に住んでおられると。であるから、結果として地方においては高齢者の数も減っていくということになっていくわけでございまして、そこで、今委員がおっしゃったように、是非地方との交流を、全体としての地方との交流も進めていきたいと考えております。
 これは、かつて小泉政権のときに「オーライ!ニッポン」という政策がございまして、地方との交流を盛んにしていこうということでございましたが、今委員がおっしゃったように、後期高齢者の方々にも地方に足を運んでいただき、そこで観光に行ったり、あるいは体験的に農業をやったりとか、いろいろなこれはメニューをそろえていくことも大切ではないかと、このように考えております。
○片山虎之助君 また時間がなくなりましたので、税制改正についてちょっと触れたいと思いますが、私は、来年度の税制改正の方向は、特に地方法人税改革はよくやっていただいたと、こういうふうに思っております。
 私は、法人事業税というのは全面外形標準課税にすべきで、法人住民税の特に法人税割はこれは地方消費税に振り替えるべきだというのが持論でございますが、パネルを見ていただきたいんですが、今回の改正で、現行一億円以上の資本金の大企業については、外形標準課税が四分の一であったものが、二か年掛けて二分の一になるんです。それで三一・三%に法人税の実効税率は下がるんです。これを私はあと何年かずつ掛けて、三年間ずつ掛けて四分の三にし、四分の四にしていただきたい。
 それから、一億円で外形標準を切る理由はないんですね。ただ、これは中小企業の状況を見るときに、一遍にはなかなかできませんので、なだらかに、そこのパネルの下にありますように外形標準課税を拡大していただきたい。四分の一から始めて、何か年か掛けて次第にそれを進めていただきたい。
 それで、一枚パネルをめくっていただきますと、そういうことになりますと、結局、法人税の実効税率は二三・九になるんですよ。それで、問題は、法人事業税の方は外形標準課税になります。形を変えてこれは法人の皆さんが負担するわけですから。これは消費税を一方で上げることについての国民的なバランスは私は取れるんじゃないかと。
 問題は、法人住民税が四・一%実効税率が下がるんですが、この財源をどうするかなんですね。地方消費税といっても消費税を国と地方で分けているわけですからね。だから、これをやるとすれば、そこにありますようにキャピタルゲイン、トマ・ピケティさんじゃありませんが、資産家や高額所得者の方にもう少し負担してもらうと、こういうことの検討を私はやるべきじゃないか。それが全体では税制として格好が付くというかバランスが取れるんじゃないかと、こういうふうに思っております。
 それで、時間が参りましたので最後に農業について言いますけれども、私は、農業の再生は、結局、もう総理御承知のように六十六・五なんですよ、やる人がいなくなっているんです。農地は六百万ヘクタールあったのに今四百五十万なんです。これも減っている。耕作放棄地が四十万ヘクタールある、滋賀県と同じですよ。だから、総理が、企業が一番働きやすい国、息をのむような美しい田園風景で五穀豊穣といっても、バランスが取れていないんですよ。
 だから、若者を農業に就かせる、企業を思い切って参入する、これをやらないと農業はよみがえりませんよ。それをどうやってやるかなんですよ。それは、農業に関心がある人の全部の私はエネルギーを総動員すべきだと思います。そのことを要望して、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
○委員長(岸宏一君) 以上で片山虎之助君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、山下芳生君の質疑を行います。山下芳生君。
○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。
 安倍政権が沖縄県名護市辺野古で建設しようとしている米軍新基地について質問いたします。
 総理は、二月十八日参議院本会議での私の代表質問に対し、住宅や学校に囲まれ、市街地の真ん中にある普天間の固定化は絶対に避けなければならない、普天間の危険性除去と答弁し、新基地建設があたかも沖縄県民のため、普天間基地を抱える宜野湾市民のためであるかのような説明をされました。この答弁が沖縄でどう受け止められているのか。
 今月初め、私は沖縄で声を聞いてまいりました。ある人は、恩着せがましい言い方だ、こう述べました。また、宜野湾市の元基地政策部長山内繁雄さんは、宜野湾市民は常日頃から普天間の被害を受けている、同じ痛みを同じ沖縄県民に押し付けることはできない、こう語られました。重い言葉だと思います。総理の答弁に対し沖縄でこういう声が上がっていることをどう受け止めますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今なお国土面積の一%に満たない沖縄県内に全国の七四%の在日米軍用施設・区域が集中していると。これが沖縄県民の皆様の大きな負担となっており、このような状況について大変厳しい声があるということは十分承知をしております。
 また、今御紹介いただいたような普天間において、まさに町の中に、真ん中にあると、市街地の真ん中にあるという中において、普天間基地の方々が日常の言わばこの騒音等に対する気持ちを率直に語っておられると、このように思います。
 しかしながら、現実的に代替施設を、代替の基地を果たしてどこにこれは求めるかという中におきましては、様々な検討の中において辺野古移設しかないというのが結論でございます。その意味におきましては、まさに市街地の真ん中にある、住宅に囲まれた場所にあるこの普天間の一日も早い返還を我々は進めていきたいと、こう考えているわけでございまして、辺野古への移設によりそれは実現できると、こう考えているわけでございます。
 また、現在の普天間を単純に移設するわけではないわけでございまして、普天間が有する三つの機能のうち、空中給油機は既に全機、山口県岩国基地への移駐を行っておりますし、緊急時における航空機受入れ機能も本土に移すわけでございまして、辺野古に移るのはこの三つのうちオスプレイなどの運用機能のみでございまして、そしてかつ、オスプレイについては、その飛行が可能な限り県外で行われるように、本土への訓練分散等の努力を着実に進めているわけでございますし、また埋立面積は全面返還される普天間飛行場の三分の一以下でございまして、かつ、飛行経路は市街地の上空から海上へと変更されるわけでございまして、これによって住宅防音が必要な一万以上の世帯数が辺野古に移ればゼロになるわけでございますので、普天間と同じ状況を辺野古に再現するわけでは全くないということは御理解をいただきたいと、このように思います。
○山下芳生君 いろいろ負担軽減だとおっしゃいましたけれども、本当にそうか、これからただしたいと思いますが、ただ、宜野湾市民の意思はもうはっきりしております。
 昨年十一月の沖縄県知事選挙では、辺野古移設反対を掲げた翁長雄志候補が移設推進の現職候補を宜野湾市で三千票上回りました。十二月の総選挙でも、移設反対を掲げたオール沖縄の照屋寛徳候補が自民党候補に六千票の差を付けました。普天間基地の被害に苦しむ宜野湾市民の中でも、辺野古に移設することには反対だ、これが多数なんですね。痛みはほかに移すんではなくて取り除くものだ、これが沖縄県民、宜野湾市民の声であります。
 基地が押し付けられようとしている名護市辺野古の周辺住民の方にも声を聞きました。ある女性は、普天間の危険性除去という言葉を聞くとアレルギーが出る、私たちは人数が少ないから危険でもいいのか、命の重さに違いはあるのか、こう声を震わせておられました。
 総理、この声にどう応えますか。それでも危険性を宜野湾市から名護市民の上に移すつもりですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど答弁をさせていただきましたように、普天間はまさに住宅地の真ん中にあります。近接地に学校もあるわけでございますが、辺野古は違うわけでございまして、まさにこれは海岸から海上部分にかけて建設をするわけでございますから、住宅防音が必要な一万以上の世帯数がこれはまさにゼロになるわけでございますし、そしてまた、辺野古への移設につきましては沖縄の負担軽減に十分これは資するものになると、こう考えているわけでございますし、基本的に米軍の抑止力を維持しながら、同時に普天間の危険性の一刻も早い除去ということを考えれば、普天間を辺野古に移設するしかこれはないと、このように考えているところでございます。
○山下芳生君 今の説明は辺野古周辺の人たちには絶対に通用しませんよ。
 米軍の資料をパネルにいたしました。(資料提示)辺野古がある米軍キャンプ・シュワブとキャンプ・ハンセンにまたがるこの沖縄中部訓練地域には、既にオスプレイが離発着できる着陸帯、ヘリパッドがたくさんあることが分かります。これ全部ヘリパッドなんです。
 辺野古に近い久志という集落の住民が自分のおうちから撮影した映像を見せてもらいました。住宅地の目と鼻の先にあるヘリパッドからオスプレイが離陸する姿、それから、重い荷物をぶら下げて頭の上を飛んでいる姿が映っておりました。こういう訓練が日常的にもう辺野古のそばでは行われているんですね。名護市が測定した久志集落のピーク騒音の平均は八十六・六デシベルです。
 環境大臣、八十六・六デシベルというのはどういう騒音ですか。
○国務大臣(望月義夫君) 評価手法等により値は異なるため一概には申し上げられませんが、お尋ねの八十六・六デシベルについては、これは全国の自治体の環境に関する試験研究機関の集まりであります全国環境研協議会が行った騒音の目安に関する調査では、例えばゲームセンターやパチンコの店内の騒音と同じ程度の大きさとなっております。
○山下芳生君 要するに、人と会話できないぐらいの騒音なんですよ。今でも辺野古周辺の住民の皆さんはこのヘリパッドに離発着するオスプレイの騒音被害を受けております。
 総理、騒音も大幅に軽減すると言うんだったら、こういう訓練やめさせるんですか。ヘリパッドはもう撤去するんですか、総理。
○国務大臣(中谷元君) 基地周辺の航空機による騒音は周辺住民にとりましても深刻な問題であり、騒音対策というのは重要な課題であると認識をいたしております。また、辺野古の方々からも騒音対策を求められていることは承知をいたしておりまして、防衛省としても環境影響評価等で調査をいたしておりますが、辺野古施設の使用を開始した後には、実際に航空機騒音を測定しまして、住民防音の必要性や住民生活への影響を確認するなど適切に対応していく考えでございます。
○山下芳生君 辺野古の新基地ができる以前に、既にこういう騒音があるということを言っているんですよ。その上に新基地ができたらどうなるか。
 これは名護市が作った資料をパネルにいたしました。中部訓練地域、それから伊江島飛行場、それからやんばるの貴重な自然が残る北部訓練場を中心にオスプレイのヘリパッドがこんなにたくさんあるわけですね、赤い点で示しております。
 米軍の環境レビューによりますと、沖縄本島全体で七十か所ヘリパッドがあります。辺野古に基地が新たに造られたら、こうした各地のヘリパッドと新基地を往復するおびただしい数のオスプレイが名護市民の頭の上を飛んでいくことになりますね。これ、騒音が軽減されるどころか、今以上にひどくなることは火を見るよりも明らかではありませんか、総理。
○国務大臣(中谷元君) 米軍は、平成二十四年四月までに実施したオスプレイに関する環境レビューにおいて、沖縄県内の五十か所の既存の着陸帯の戦術的使用が想定されていますが、この現在の使用状況について、米軍の運用に関わることでありますので、防衛省として確たることを申し上げることは困難ですが、その上で申し上げますと、米軍の環境レビューにおいては、CH47からオスプレイへの変更によりまして、キャンプ・シュワブ及びキャンプ・ハンセンでの訓練は約四二%の減、北部訓練場での訓練は約一五%の減、伊江島での訓練は約一〇三%の増が見込まれていたと承知をいたしております。
 この伊江島での訓練が増加する理由としては、米軍から、このMV22オスプレイが艦上離発着訓練を行う場合にモード変換のための十分な空域を必要として、キャンプ・シュワブ及びキャンプ・ハンセンでは訓練を行うための十分な空域を確保できないためと説明を受けたところでございます。
○山下芳生君 何の答えにもなっていないですよ。伊江島飛行場で訓練がたくさんになれば、辺野古と結ばれたら全部名護市の上を飛ぶわけですよ。そういうことになるということを今言っただけじゃありませんか。
 総理、普天間の危険性除去と言いますけれども、県内移設という条件を付けたら、これ問題解決できません。実際、SACO合意から十八年たっても普天間基地は一ミリたりとも動かなかったじゃありませんか。だからこそ、二〇一三年一月、沖縄の四十一全ての自治体の首長、議長が、県内移設断念、普天間基地の閉鎖、撤去を求める建白書を出したんです。そして、知事選挙では、建白書の実現を公約に掲げた翁長候補が十万票の大差で圧勝したんですね。
 このオール沖縄の民意を無視して、政府が県内移設、県内たらい回しに固執していることが普天間固定化の一番の原因だと、これははっきりしているんじゃありませんか、総理。
○国務大臣(中谷元君) この普天間の固定化を避けて一日も早い危険性除去に取り組むことについては、本年二月に翁長沖縄県知事を会長とする協議会からも政府に対して要請をいただいておりますが、この移転先については、まず我が国を取り巻く安全保障環境、これが非常に今厳しさを増しております。また、在沖海兵隊を含む在沖米軍全体のプレゼンス、これを低下させることはできません。
 沖縄の地理的優位性、また海兵隊の特性、そして普天間の飛行場の危険性を一日も早く除去する必要性などを総合的に勘案いたしますと、キャンプ・シュワブ、辺野古に移設することが唯一の解決策であるという考え方に変わりがないわけでございます。
○山下芳生君 総理、どうですか。そう言って十八年間一ミリも動かなかった。県内移設、たらい回しは駄目だとはっきりしているんじゃないですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この十八年間の間、その間、政権が替わったわけでございますが、その中におきましても、民主党政権におきましても最低でも県外という姿勢が示されたのでございますが、しかしその結果、やはり普天間の移設先は辺野古しかないという結論に至ったわけでございます。
 アジア太平洋地域をめぐる安全保障環境がある中におきまして、米軍の抑止力が必要であると。この抑止力を維持しつつ、先ほど申し上げましたように、普天間、住宅地の真ん中にあるこの普天間基地を移設する。そして、言わば陸路から海上にこれは航空経路が変わっていく中において、普天間での運用とは大幅に変わっていく中において、一万世帯の防音が必要とする世帯はゼロになると、こう申し上げたとおりでございます。そして、その中におきましても三つの機能を一つにしていく。
 そしてまた同時に、我々は嘉手納以南の返還を進め、そして、それが今実現をしているところでございまして、そうしたこともしっかりと併せて、沖縄の基地負担の軽減に努めていきたいと考えております。
○山下芳生君 続きは午後に譲りたいと思います。
○委員長(岸宏一君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。
 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十四分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
○委員長(岸宏一君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 平成二十七年度総予算三案を一括して議題とし、休憩前に引き続き質疑を行います。山下芳生君。
○山下芳生君 午前中に引き続き、総理に質問いたします。
 総理は、普天間の辺野古への移設は抑止力維持のためだと先ほどおっしゃいました。しかし、抑止力とおっしゃいますが、ベトナム戦争、アフガン戦争、イラク戦争、アメリカが世界中で引き起こす無法な戦争で、先陣を切って殴り込みの任務を果たしてきたのが沖縄の海兵隊です。アメリカ国防総省は、イラク、アフガン戦争に派遣された米軍の数を駐留国別に明らかにしております。
 在日米軍のイラク、アフガンへの派遣人数、どうなっていますか。
○国務大臣(中谷元君) 御指摘の兵員数につきましては、米国防省ホームページにおいて、二〇〇五年九月から二〇一二年の三月までの間の統計資料が公表されております。
 当該資料によれば、例えば、二〇〇五年九月の時点で、在日米軍から約千七百名、在独米軍から約八千三百名、在イタリア米軍から約三千名等がイラクの自由作戦、OIF及び不朽の自由作戦、OEFになっております。二〇一二年三月の時点で、在日米軍から約三千百七十名、在独米軍から約五千百五十名、在イタリア米軍から約二百五十名等が不朽の自由作戦、OEFにそれぞれ派遣をされていたものと承知をいたしております。
 なお、二〇一二年三月以降の統計資料は現時点におきましては確認できておりません。
○山下芳生君 これが国防総省が明らかにしている数字です。
 在日米軍からもう毎年三千人、四千人、イラク、アフガンに派遣されております。その中心は沖縄の海兵隊です。海兵隊というのは、ですから、沖縄や日本を守る抑止力ではなくて、まさに他国に攻め込む侵略力と言わなければなりません。加えて、普天間のヘリコプター部隊、宜野湾市の調査によりますと、二〇〇六年から二〇一〇年まで、年の半分以上海外に出かけていたということが明らかになっております。半分以上日本を留守にしていて何が抑止力かと言わなければなりません。
 さらに、三年前、森本敏当時防衛大臣は、海兵隊を配置するのは軍事的には沖縄でなくてもよいと、こう答えております。海兵隊が沖縄に存在しなければならない理由はありません。
 もう一つ、沖縄の皆さんが怒っているのが環境破壊です。
 総理は、辺野古の埋立面積は普天間の三分の一、百六十ヘクタールと繰り返しておられます。しかし、そんなに軽々しく言っていいのかと。これが辺野古の海、大浦湾であります。
 環境大臣、世界自然保護基金、WWFジャパンから政府に提出された要請では、辺野古、大浦湾の自然環境についてどう評価していますか。
○国務大臣(望月義夫君) 御質問の要旨では、公益財団法人のWWFジャパンでございますが、辺野古、大浦湾には巨大なアオサンゴ群集を含むサンゴ礁や海草藻場、沿岸には干潟やマングローブ林等が広がるなど様々な環境があり、ジュゴンを始め多くの野生生物が生息することから、生物多様性の宝庫と評価していると聞いております。
○山下芳生君 その海が今どうなっているか。米軍新基地建設工事のために沈められた巨大なコンクリートブロックがサンゴを破壊しております。この写真を撮影したダイバーの方に直接私は話を聞きました。二枚の写真は同じ場所で撮影したものであります。二月十九日にはブロックの下敷きになっても形を残していたサンゴが二月二十五日は完全に破壊されております。
 ダイバーは、復元不可能な自然の破壊がどんどん進められている、一刻も早く止めてほしいとおっしゃっていました。総理、止めるべきじゃありませんか。
○国務大臣(中谷元君) 御指摘のサンゴの件でございますが、その写真は、フロートを伴ったブイのアンカー、コンクリートブロックの設置場所の選定等におきまして、可能な限り環境への影響を回避、低減するための観点から、サンゴ類の群落等の生息場所を避けるために事前に生息状況を調査した上で決定をいたしております。
 具体的には、アンカーの設置に先立ち昨年六月からサンゴ類の分布状況の調査を行っておりまして、被度五%、これはサンゴ群のサンゴが海底面のどれだけの割合を覆っているかを百分率で表したものでありますが、被度五%以上のサンゴ分布域や直径が一メートルを超える大型サンゴを回避した場所にアンカーを設置をいたしておりまして現在作業をいたしているわけでございまして、この基準に従って環境に配慮しながら工事をしているということでございます。
○山下芳生君 総理に伺いたいと思いますが、この場所だけじゃないんですよ。ダイバーの方は、こういう姿がもうごろごろと、サンゴが破壊されていた姿が見られたと言うんですね。
 アンカーを沈めた、そのアンカーには太いチェーンが付いておりまして、波がこう揺れるたびにその太い鎖のチェーンがサンゴ礁をこそげ落としています。そのがりがりやられたサンゴ礁の残骸が海底に転がっている。一刻も早く止めるべきじゃないかと、それを総理に聞いているんです。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 辺野古移設に当たっては、埋立てによって消失するサンゴ礁を適切な場所に移植するなど、最大限の環境保全措置を講じることとしています。政府としては、今後も引き続き、海上ボーリング調査等の各種作業について、環境保全に万全を期して最適の方法によって作業を進めていく考えであります。
○山下芳生君 目の前で破壊されている自然環境にそんな無関心でいいのかと。WWFジャパンは、環境影響評価について不十分だと、生物多様性に著しい影響を与えると厳しく指摘しておりますよ。
 ここまでして造ろうとしている米軍の新基地とは一体どういうものか。このパネルは、辺野古の海を埋め立てて造られようとしている新基地の全容であります。普天間基地の滑走路は一本ですが、辺野古の新基地には千八百メートルの滑走路が二本造られます。それだけではありません、新基地には弾薬搭載エリアが造られます。これは普天間基地にありますか。弾薬搭載エリア。
○国務大臣(中谷元君) 普天間基地には弾薬搭載エリアはありません。
○山下芳生君 ないということなんです。
 したがって、普天間では軍用機に弾薬を直接積み込むことはできません。嘉手納まで行って積む必要があるんですが、今度、辺野古の新基地では新たに広大な弾薬搭載エリアが造られます。
 もう一つ、新基地には船を係留する係船機能付護岸が造られます。これは普天間にありますか。
○国務大臣(中谷元君) 普天間にはございません。
○山下芳生君 さらに、新基地には燃料桟橋が造られますが、これは普天間にありますか。
○国務大臣(中谷元君) 地上にありますので桟橋はございません。
○山下芳生君 巨大な艦船が接岸できる係船機能付護岸、それからタンカーが接岸できる燃料桟橋が造られる。要するに、空だけではなくて海にも展開できる新たな機能が加わるということです。しかも、弾薬搭載エリアや係船機能付護岸は二〇〇六年の日米合意ロードマップには記載がありませんでした。護岸は二〇〇九年四月の環境影響評価準備書で初めて盛り込まれました。当時防衛局は、米側と協議し、新たなニーズとして出てきて追加したと説明しています。後から米側の要求が押し付けられている、後出しじゃんけんでいっぱい造られているということであります。
 それだけではありません。辺野古の海を埋め立てて造られる新基地は、この背景地にあるキャンプ・シュワブあるいは辺野古弾薬庫と一体で運用されることになります。一体で運用される基地の面積は現在の普天間基地の約五倍、嘉手納の約一・二倍に相当します。
 そこで伺いますが、米太平洋海兵隊が一昨年策定した基地運用計画、戦略展望二〇二五はキャンプ・シュワブと新基地についてどう述べていますか。
○国務大臣(岸田文雄君) お尋ねの米太平洋海兵隊施設部隊二〇二五戦略展望と題する文書には、普天間飛行場の代替施設建設や岩国飛行場の拡張、そしてグアムにおける施設等を通じ、全体として海港や空港の積卸しの能力を拡大するという趣旨が記述されております。
○山下芳生君 戦略展望二〇二五には、キャンプ・シュワブは新基地と一体で非常に大きく変化し、大きく再構成され、新しい施設に航空陸上部隊を受け入れると書かれてあります。係船機能付護岸ができて、船から弾薬を引き揚げて辺野古の弾薬庫に運び入れることもできるし、その弾薬を弾薬搭載エリアでヘリに装填することも、あるいはオスプレイで運んでいくこともできるようになるわけですね。
 戦略展望二〇二五は、戦略的出撃拠点として機能すると述べております。まさに、新基地と。辺野古弾薬庫とキャンプ・シュワブが一体になって戦略的出撃拠点として機能する巨大なスーパー基地に生まれ変わるということであります。しかも、将来は更に拡大される可能性があります。
 これは米陸軍工兵隊太平洋部の二〇一一年の建設計画の説明資料です。表紙には司令官エドワード・カーチス大佐の名前があります。右側の完成図を見ますと、キャンプ・シュワブの内陸部に三十棟以上の施設を建てる計画になっております。これは政府が公表している現在の新基地建設計画にはないものです。将来こういうことになるんじゃありませんか。
○国務大臣(中谷元君) その前からちょっと説明させていただきますが、普天間の代替施設には弾薬搭載エリア、桟橋、また係船機能付護岸を設けることになっておりますが、これはあくまでもオスプレイなどの運用機能を最低限維持するために必要なものでありますし、また、普天間飛行場の代替施設については、現在、普天間飛行場が持つオスプレイなどの運用機能のみを移設するものでありまして、その点からも基地機能の強化につながるものではございません。(発言する者あり)
 御指摘の二〇二五年の戦略展望というのは、海兵隊の一部局である米太平洋海兵隊施設コマンドが作成した構想と承知をいたしておりまして、我が国としてその内容について米国政府より説明を受けているわけではなく、個々の具体的な記述の解釈についてコメントする立場にございません。
 いずれにしましても、普天間代替施設における船舶の……(発言する者あり)
○委員長(岸宏一君) 静粛に願います。
○国務大臣(中谷元君) 接岸用の護岸は、故障した航空機等を輸送できるよう整備するものであり、具体的に兵員や物資の積卸し機能をするようないわゆる軍港を建設する計画はありません。
○山下芳生君 私、軍港のこと聞いていませんよ。
 兵舎がたくさん増えるんじゃないかと、工兵隊がそう言っていることについて、こうなるんじゃないかと、将来、聞いているんです。
○国務大臣(中谷元君) この移設後の米軍キャンプ・シュワブ内には約四千九百名が居住する予定ですが、全て単身者でございます。家族帯同の者は基地の外に住むものと承知しておりまして、キャンプ・シュワブの内陸部に家族住宅を建設する計画はございませんし、また家族住宅の建設に向けた協議を行っているわけではございません。
○山下芳生君 そう言うんですけれども、私、ここに手にしております平成十九年八月、那覇防衛施設局建設部の資料では、業務委託特記仕様書シュワブ基本設計とありまして、その業務内容に隊舎、厚生施設、ユーティリティーに係る基本設計ということが入っております。その場所を示すこの地図は、まさにこのアメリカの工兵隊が示している新たな内陸部にエリアが、網が掛かっているんですね。そして、この基本設計の施工期間は平成二十一年三月三十一日までと。
 もう設計図できているんじゃないですか。
○国務大臣(中谷元君) まず、普天間飛行場の辺野古への移設後の米軍キャンプ・シュワブ内には、先ほど申し上げましたが、四千九百名、これが居住することになっておりまして、このために必要となる兵員宿舎については、キャンプ・シュワブ内の内陸部、これは米軍の基地部分ですね、において既存の施設の再配置等により整備する計画ですが、その詳細については現在米側と協議中でございます。
 また、基地内の辺野古ダム周辺については、埋立て用の土砂を採取して、その後は緑化を行う計画でありまして、兵員宿舎などの施設を整備する計画はありません。
○山下芳生君 ここに米軍と同じエリアが示されて、設計を依頼しているんですよ。もう六年前ですよ。できていないはずがないんですよ。
 委員長、私はこの委員会にこの当設計図を提出することを要求したいと思います。
○委員長(岸宏一君) 後刻理事会で協議いたします。
○山下芳生君 さらに、この戦略展望二〇二五は、飛行制限空域の限界高度を引き上げるよう沖縄中部訓練地域上空の特別使用空域を日本政府とともに再設計すると書かれてあります。
 空域拡大の協議しているんじゃないですか。
○国務大臣(中谷元君) 日米間でそのような調整を行っている事実はございません。
○山下芳生君 アメリカの要求は高度を二倍以上にするものだと、そう言われているんですね。しかも、米側は高度引上げのために空域を日本政府とともに再設計すると、こうありますが、じゃ、協議しないんですね。
○国務大臣(中谷元君) 現在、御指摘のような調整を行っているという事実はございません。
○山下芳生君 アメリカは再設計すると言っています。今後もやらないんですか。
○国務大臣(中谷元君) やりません。
○山下芳生君 外務大臣、いいんですか。
○国務大臣(岸田文雄君) はい、ただいま防衛大臣から御答弁したとおりであります。
 今までもこの御指摘のような調整をやっている事実はありません。
 引き続き防衛大臣としっかり連携しながら対応していきたいと存じます。
○山下芳生君 外務大臣、今後もやらないんですか。
○国務大臣(岸田文雄君) 先ほど防衛大臣からお答えしたとおりであります。
○山下芳生君 これまで、幾ら現時点ではといっても、後から後からどんどん拡大されてきたんですよ。米側、アメリカ側は現に空域拡大も述べている。そして、さっき言ったようなこういう工兵隊の拡大計画がある。国民に真相を隠して最新鋭の巨大な基地を造ることは絶対に許されない、そのことを指摘しておきたいと思います。とりわけ、私は、巨大な艦船が接岸できる係船機能付護岸が新基地に造られることは重大だと思います。
 まず、確認しますが、新基地に係船機能付護岸が造られることを国民に発表したのはいつですか。
○国務大臣(中谷元君) この係船付護岸については、滑走路が短縮されることによって、故障した航空機を搬出する輸送機が着陸できなくなるために、代わりに運搬船が接岸できるようにするためのものでございます。
 この長さについては、平成二十一年四月に公告縦覧した普天間飛行場の代替施設建設事業に係る環境影響評価基準書におきまして、この対象船舶の全長を踏まえて、護岸の総延長の一部を利用してその旨を記載したところでございます。
○山下芳生君 そこには係船機能付護岸の長さは何メートルと書いていますか。
○国務大臣(中谷元君) 二百メートルを旨と記載したところでございますが、その後、平成二十五年の六月に公告縦覧した同事業に係る公有水面埋立承認願書におきまして、船舶の係留に必要となるこの係船柱の配置といった詳細を設計した結果、総延長約二百七十メートルの護岸のうち約二百四十メートルを係船機能付きとする旨を記載したところでございます。
○山下芳生君 埋立承認願書を見ますと、護岸係船機能付延長は二百七十二メートルとあります。二百メートルだったのが二百七十二メートル、これ係船機能付きと書いていますよ。何で七十メートル延びたんですか。
○国務大臣(中谷元君) 同事業の環境影響評価方法書においては、環境影響評価法及び沖縄県環境影響評価条例に基づいて方法書に記載すべき事項として、対象事業の種類、実施区域の位置、規模の必要な情報について記載をいたしておりますので、それに基づいて長さを記したということでございます。
○山下芳生君 二百メートルだったのが二百七十二メートル、延びた理由は何ですか。
○国務大臣(中谷元君) この対象船舶がT―AVB4といいますけれども、この全長が約百八十四メートル、そして護岸の総延長が二百七十メートルの一部を利用して約二百メートルといたしましたが、この船舶が係留できるためにはそれ以上の長さと幅が必要でございますので二百メートルという記載をいたしましたけれども、この総延長二百七十メートルの岸壁のうち約二百四十メートル、これを係船機能付きというふうに計画をしたわけでございます。
○山下芳生君 二百七十メートル全体が係船機能付きだというふうに埋立承認願書には書いてあるんですね。二百七十二メートルに延ばしたことには、私は重要な意味があると思います。
 アメリカ国防総省は、米軍施設の整備を行うに当たっての統一的な基準を作成しております。桟橋や岸壁の設計についても統一施設基準があって、空母や潜水艦など艦船の種類ごとに必要な施設の長さや喫水などが示されております。強襲揚陸艦の接岸に必要な施設の長さはどのように書かれていますか。
○国務大臣(中谷元君) 米軍が施設整備の際に使用する基準については、政府としてはお答えする立場にはございません。
○山下芳生君 二〇〇五年七月二十八日付けで作成され、公表されている文書ですよ。答えてください。
○国務大臣(中谷元君) 辺野古に整備する係船機能付きの岸壁については、総延長二百七十メートルの護岸の一部に長さ百八十メートル程度の運搬船が係留できる……(発言する者あり)
 はい。その基準は、三月五日にしんぶん赤旗に掲載された技術書ではないかと思っております。この当該技術書というのは、係船を係留するためのロープの配置等を検討するために開発された計算ソフトの解説書であって、この岸壁の長さを算定するための基準ではないと承知をいたしております。
 先ほど、二百六十九・四メートル、艦船の護岸に必要な長さというのではなくて、強襲揚陸艦そのものの長さが記載されているものと承知をいたしております。
○山下芳生君 今の答弁は、私の質問したことに答えていないですよ。赤旗の記事を引用されましたけれども、私が示したのはアメリカの国防総省の統一施設基準なんですよ。そこに何と書いてあるかと、強襲揚陸艦の接岸に必要な施設の長さ。
○国務大臣(中谷元君) 長さですね。御指摘の統一施設基準に記載の数字は二百六十九・四メートルでございます。
○山下芳生君 公表されているんですから、さっさと言ってください。
 二百六十九・四メートルと書かれています、強襲揚陸艦が接岸するに必要な長さは。先ほど、辺野古の新基地の係船機能付護岸の長さは二百七十二メートルですから、強襲揚陸艦の接岸が可能になるということです。防衛大臣、これは間違いありませんね。
○国務大臣(中谷元君) 我が国で行う米軍施設の整備に当たっては、米側の要望を基に日本の基準等も加味して設計するとしておりまして、米軍の基準をそのまま引用するものではございません。仮に、強襲揚陸艦を対象船舶としてこの係船機能付岸壁の長さを公有水面埋立承認申請と同じ国内の港湾施設に係る基準を用いて計算した場合に約三百二十メートルとなります。これは、係船機能のない部分も含めた護岸の総延長二百七十メートルすら上回ることですから、当該の係船機能付岸壁は強襲揚陸艦を対象船舶として設計していないというのは明らかでございます。
○山下芳生君 そんな日本の基準持ち出しちゃ駄目ですよ。米艦船が係留するのに必要な長さは、国防総省がちゃんとここに二百六十九・四メートルと書いてあるじゃないですか。これ、平時じゃないですよ、普通の民間の船じゃないですよ。軍艦が泊まるのに必要なのは、これだけあれば泊まれるんだと、そのとおり長さがあるじゃないか。泊められますね。
○国務大臣(中谷元君) 御指摘の強襲揚陸艦を対象船舶としてこの係船機能付岸壁の長さを公有水面埋立承認申請と同じ国内の港湾施設に係る基準を用いて計算した場合は約三百二十メートルになりますので、これは、係船機能のない部分も含めた護岸の総延長の二百七十メートル、これを上回ることから、この係船機能付きの岸壁は強襲揚陸艦を対象船舶として設計はしていないということでございます。(発言する者あり)
○委員長(岸宏一君) じゃ、いいですか。ちょっとお答えしますから。
 防衛大臣。
○国務大臣(中谷元君) この二百六十九・四メートルというのは、この強襲揚陸艦そのものの長さが記載をされているということでございまして、この艦船の接岸に必要な岸壁の長さではございません。この艦船そのものの長さが二百六十九・四メートルということでございます。
○山下芳生君 この施設基準に長さがそう書かれてあるんですよ、二百六十九・四メートルとね。それで、私はホワイト・ビーチでも見てまいりましたよ、強襲揚陸艦が来ているのを。あそこの長さは、桟橋の長さ、米側が保有している長さは二百五十メートルですよ。十分着いているんですよ、それで。サンフランシスコなどなどでも強襲揚陸艦がこの狭い長さの岸壁にはみ出して係留されている姿は幾つもありますよ。可能なんですよ。
 だから、この二百七十二メートルがあれば強襲揚陸艦は接岸可能ですねと聞いているんですよ。
○委員長(岸宏一君) 可能かどうかを答えられますか。防衛大臣。
○国務大臣(中谷元君) この船の長さが二百六十九・四メートルですよね。これを当てはめてみますと、我が国の場合、国内港湾施設に係る基準を用いて計算した場合は三百二十メートル必要だということでございますので、この現在の護岸の総延長二百七十メートルを上回ってしまうわけでございます。(発言する者あり)
○委員長(岸宏一君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(岸宏一君) 速記を起こしてください。
 中谷防衛大臣。
○国務大臣(中谷元君) 先ほども御説明をいたしましたが、我が国で行う米軍施設の整備に当たっては、米側の要望を基に日本の基準等も加味して設計することとしておりまして、米軍の基準そのままを適用するものではございません。仮に、この強襲揚陸艦の対象船舶として、この岸壁の長さを公有水面埋立承認申請と同じ国内の港湾施設に係る基準を用いて計算した場合は三百二十メートルになりまして、これは係船機能のない部分も含めた護岸の総延長二百七十メートルすら上回ることから、この岸壁は強襲揚陸艦を対象船舶として設計をされたものでもございませんし、これに着岸できないということでございます。
○山下芳生君 結局、アメリカが来るか来ないかは決めるんですよ。
 強襲揚陸艦というのはどういうものか。これが佐世保を母港とする強襲揚陸艦ボノム・リシャールであります。今月初め沖縄を訪ねたときに、米軍ホワイト・ビーチの桟橋に接岸したものを赤旗が撮影いたしました。全長二百五十七メートルです。国会議事堂の衆議院から参議院までの長さが二百六メートルですから、これは国会議事堂がすっぽり入る、そういう大きな艦船であります。
 そこで聞きますが、強襲揚陸艦はどのような能力を持ち、どのような作戦を担う艦船ですか。
○国務大臣(中谷元君) 強襲揚陸艦は、海兵部隊等の輸送能力に加えて、ヘリなどの航空機や上陸用舟艇の搭載能力を有する水陸両用艦艇であると認識しており、現在、米軍はワスプ級強襲揚陸艦八隻とタラワ級強襲揚陸艦一隻の計九隻の強襲揚陸艦を運用しているものと承知をいたしております。
 このワスプ級の強襲揚陸艦は、約千七百名の海兵隊部隊の輸送能力を有するとともに、最大三隻のエアクッション艇を収容可能なウエルドックや九機のヘリを同時に運用可能なフライトデッキを有している旨承知をしております。一方、タラワ級強襲揚陸艦は、約千七百名の海兵隊部隊等の輸送能力を有するとともに、最大四隻の汎用揚陸艇を収容可能なウエルドックや九から十機のヘリを同時に運用可能なフライトデッキを有している旨承知をいたしております。
○山下芳生君 これは、米海兵隊が強襲揚陸艦の装備について説明した資料であります。今答弁があったように、ワスプ級の場合、オスプレイ十二機、ハリアー攻撃機六機を始め、掃海・輸送ヘリ、攻撃ヘリ、戦車も運べるホバークラフト型揚陸艇LCAC、水陸両用車両などが搭載されます。その上で、海兵隊員が、私の手にした資料では二千人乗り込むことができる。
 米統合参謀本部の水陸両用作戦に関する統合ドクトリンは、水陸両用作戦について、陸上へ部隊を揚陸させる軍事作戦とか、敵の海岸への上陸に伴う海から行う攻撃と定義しております。強襲揚陸艦は、この水陸両用作戦、言わば殴り込み作戦の中核を担う軍艦であります。
 この強襲揚陸艦が実際にどのように運用されているか。防衛大臣、佐世保を母港とする強襲揚陸艦がイラク戦争に参加したことはありますか。
○国務大臣(中谷元君) 米国の強襲揚陸艦が米軍の佐世保海軍施設に前方展開をしてきたことについては承知をいたしておりますが、その運用の詳細については承知をしておらず、政府としてお答えする立場にはございません。
○山下芳生君 母港を提供しながら承知していないとは無責任ですよ。
 もう有名な話ですよ。二〇〇四年八月、沖縄国際大学に米軍のヘリが墜落いたしました。このヘリはイラク派遣のための訓練中でした。事故の原因の究明もしないまま、十日後に同じ型のヘリが佐世保を母港とする強襲揚陸艦エセックスに搭載されてイラクに派遣されました。
 このエセックスの部隊は、イラクでファルージャでの虐殺作戦にも参加し、五十人の乗組員の戦死者を出しております。まさに殺し殺される戦闘に兵器と兵士を送り込むのが強襲揚陸艦であります。それが辺野古の新基地に接岸できるようになる。
 総理、ジュゴンとサンゴのちゅら海を殺し殺される殴り込み部隊の出撃拠点にしていいんですか。総理、お答えください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど既に防衛大臣から答弁をさせていただいておりますが、この岸壁の整備については、滑走路の短縮によって故障した航空機を搬出する輸送機が着陸できなくなるために、代わりに運搬船が係留できるようにするためのものであって、今までずっと委員が強調してこられました強襲揚陸艦を運用する、それを前提とするものでは全くありません。
○山下芳生君 日本政府が幾ら前提としないと言ったって、辺野古の新基地を運用するのは米軍なんですよ。何の保証にもならないですよ。日本政府として、強襲揚陸艦は絶対に入れないと、総理、保証できるんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今私が答弁をいたしましたように、強襲揚陸艦の運用を前提とするものでは全くないという点につきましては、これは米軍とも共通の認識であるということもはっきりと申し上げておきたいと思います。
○山下芳生君 オスプレイだって、前提としていなかったけれども配備されているじゃないですか。これは米軍に入らない保証を取り付けたんですか、総理。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今申し上げましたように、強襲揚陸艦を運用するという前提ではないということについて、これはもう今申し上げましたように日米共通の理解であると、こういうことでございます。
○山下芳生君 今後もないということでいいんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま申し上げましたように、前提とするものでは全くないということを申し上げているわけでありますので、前提とするものでは全くないということが日米共通の理解でございます。
○山下芳生君 だから、前提としないということと今後も絶対に入れない保証とは違いますよ。そういうことを保証されているんですか。
○国務大臣(中谷元君) 御説明をしたように、この代替施設に係る船舶の接岸用の護岸、これは故障した航空機等を輸送できるように整備するものでありまして、恒常的に兵員や物資の積出しを機能とするようないわゆる軍港、これを建設する計画はありません。
○山下芳生君 幾ら聞いても前提としないしか答えられませんので、次の資料を示したいと思いますが、これは二〇〇三年のイラク戦争以来、強襲揚陸艦を中心とする部隊が中東ペルシャ湾地域に切れ目なくローテーション配備されていることを示す図です。赤い線の一本一本が、ペリリュー、ワスプ、ベローウッド、エセックスなど強襲揚陸艦がそれぞれ配備された期間を示しております。現在活動中の一番下のマキンアイランドまで三十三回、文字どおり切れ目なく強襲揚陸艦が中東ペルシャ湾地域に配備されております。
 こういう実態がある下で辺野古に新基地ができたら、これはオスプレイも弾薬も海兵隊員も一遍に積むことができる、そういう基地ができたら、これ佐世保を母港とする艦だけではなくて、この新基地が太平洋地域全域で活動する強襲揚陸艦の出撃拠点になるんじゃありませんか。
○国務大臣(中谷元君) 今お話をされましたけれども、二〇〇三年の五月にイラクにおける大規模戦闘任務が終結した以降、米国は、中東地域における戦後のプレゼンスの提供を通じた平和と安定への支援任務、また新イラク政府の再建に資するための環境醸成のために同年の九月から一個遠征打撃群の同地域への配備が開始され、以後ローテーションによって配備が継続された旨を承知をしております。
 こうした中東へのプレゼンス提供に係る取組については現在においても継続をされており、米海軍及び海兵隊は、第五艦隊の責任地域である中東地域においても強襲揚陸艦を含む水陸両用即応群の空母等の部隊とともにローテーション配備することを継続することとしていると承知をしております。
 なお、第五艦隊責任地域内の港を母港とする米海軍の空母及び強襲揚陸艦はないことから、同地域に派遣されている空母や強襲揚陸艦を中心とする遠征打撃群又は水陸両用即応群については、他の地域からローテーション配備がなされているものと承知をしております。
○山下芳生君 否定されるんですけど、さっきのパネルを見ていただいたら分かるように、これは佐世保からも何回も行っていますよ。それから、太平洋地域から行っていますよ。切れ目がないんですよ。そこに、辺野古に新基地ができて接岸できる機能ができたら、本当に来ないのかと。既に強襲揚陸艦は、あるいは一緒に行動する揚陸艦は、大浦湾に来て軍事演習をしております。
 このパネルは、大浦湾でオスプレイの着艦訓練を行っている揚陸艦の写真であります。海軍のホームページに掲載されておりました。この説明文、英文見ていただいたら、最初にOURA―WANとはっきり書いてあります。大浦湾にもうやってきて、強襲揚陸艦が軍事演習をやっていると、この事実をお認めになりますね。
○国務大臣(中谷元君) それはホームページに掲載されているものではないかと思いますが、しかし、在日米軍は、日米安保条約の目的達成のためにその高い機動力等を活用して様々な海域、空域で訓練を行っているものと承知をいたしておりますが、他方で、訓練を実施しているからといって、その場所に訓練を実施する部隊が配備をされるということではございません。
 いずれにしましても、辺野古に移るのは普天間の有する機能のうちオスプレイなどの運用機能のみでございまして、米海兵隊の新たな一大拠点になるという指摘は当たらないわけでございます。
○山下芳生君 この写真の船だけではないんですよ。私が三月四日、ホワイト・ビーチで確認した強襲揚陸艦ボノム・リシャールも、ホワイト・ビーチに行く前に大浦湾で水陸両用車両を使った上陸訓練をやっていたということが確認されております。もう大浦湾で何隻も揚陸艦、強襲揚陸艦が来ている。ここに基地ができたら利用するのは当たり前じゃないですか。
○国務大臣(中谷元君) これは、辺野古に移るのは普天間基地の有するオスプレイの運用機能のみでございまして、海兵隊の新たな一大拠点になるという計画もございません。
○山下芳生君 これ運用するのは米軍ですからね。
 私は、何遍聞いても、ここまで、大浦湾までもう強襲揚陸艦入って訓練やっている、上陸訓練もやっている、その大浦湾の辺野古に強襲揚陸艦が接岸される港ができたら、岸壁ができたら、来ないはずないじゃないかと言っているんですよ。総理、ずっと否定できるんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど中谷大臣から既に答弁をさせていただいておりますように、二百七十メートル、二百六十九・四メートルというのがこの強襲揚陸艦そのものの長さでございますが、先ほど大臣が答弁したように三百二十メートルが必要となるわけでありまして、これは、この二百七十メートルというのは言わば係船機能のない部分も含めた全ての総延長でございますから、それすら上回っているということであります。
 そして同時に、先ほど申し上げましたように、強襲揚陸艦を運用するということを前提にするものでは全くないということは重ねて申し上げておきたいと思います。
○山下芳生君 もう私がいろんな事実を紹介しても否定されるだけです。しかし、否定されても、運用は米軍ですからね。
 米国防総省の報告書では、新基地について四十年の運用年数と二百年の耐用年数を持つと記されております。沖縄が半永久的に基地の島になってしまう、侵略のための戦略的出撃拠点となってしまう、それでいいのかと。建白書を受け取ったのは総理ですよ。このオール沖縄の声に応えて、辺野古での新基地建設を断念すること、普天間基地の無条件撤去、オスプレイの撤去をアメリカに要求することこそ日本の総理としてやるべきことだと思います。
 日本政府がどんな強権をもってしても、沖縄は決して屈しないでしょう。日本共産党は沖縄県民と固く連帯して闘いますが、同時に、これは沖縄だけの問題ではありません。こんなことが許されるなら、日本は民主主義の国ではなくなってしまいます。必ずや日本国民は全体として沖縄と連帯する道を選ぶだろう、そのことを指摘して、質問を終わります。
○委員長(岸宏一君) 以上で山下芳生君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、井上義行君の質疑を行います。井上義行君。
○井上義行君 日本を元気にする会の井上義行でございます。
 今日は何の日かお分かりでしょうか。日本初の直接民主制を掲げた日本を元気にする会の野外党大会をアルタで始めるということでございます。党大会は普通は室内でやるんですけれども、野外でやるのは初ということでございますので、是非、総理、メッセージをお願いしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 初の党大会、おめでとうございます。
 これから党としての道を歩み始めるということでございます。自民党も今年で六十年目を迎えたわけでございますが、その間様々な困難に直面したわけでございますが、御党も直接民主主義という新たな手法を取り入れてスタートしたわけでございますから、しっかりと結束して成果を上げていかれますことを期待しております。
○井上義行君 ありがとうございます。
 それでは本題に入りたいと思いますが、パネルを見ていただきたいと思います。(資料提示)
 このパネルを見るとお分かりでしょうけれども、本来、歳入に合わせて歳出を出していかなければならないんですが、今日の日本というのは、歳入に歳出を合わせているんではなくて、特例公債というものを発行して予算の歳出に合わせてきたわけであります。このために、国債がもう既に千兆近く国、地方合わせて上ることになりまして、やはりこのままでは私たち、子供にこの赤字国債を大量に背負わせていかなければいけない、こう考えております。これでは、やはり子供たちが新しいことをやろうとしてもなかなかできない時代に直面する。だったら、この新規国債をやはり絞っていく、そしてなくしていく、その方向性をつくっていかなければならないというふうに思っております。
 そこで、橋本内閣のときに財政構造改革法というものができました。これは一年で凍結をされて、その後今まで解除はされてこなかったんですが、なぜこの財政構造改革法ができたのか、そしてなぜ解除できなかったのか、財務大臣、お答え願いたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 平成九年の十一月、今おっしゃったように橋本内閣のときに、十二月五日公布でこの法律がスタートしておりますが、その趣旨は、同法の第二条におきまして、安心で豊かな福祉社会及び健全で活力ある経済の実現などの緊要な課題に十分対応できる財政構造を実現する旨が明記をされております。
 したがって、財政構造改革の平成十七年度、平成十年五月の成立の改正法以前は平成十五年度だったんですが、までの目標として、国、地方の財政赤字の対GDP比三%以下、また平成十年度から平成十六年度までの各年度の特例公債発行額の削減、縮減を図りつつ特例公債からの脱却などが掲げられておりまして、平成十年度から平成十二年度までの三年間を集中改革期間として、この期間における主要な経費ごとの量的削減目標などが掲げられております。
 これが停止をいたしておりますが、この財政構造改革法は、日本の金融システムやアジア経済金融情勢の不安定化、例の九七年、九八年の頃です、あの不安定化に伴いまして日本の経済状況が著しく悪化したことから、財政構造改革を推進するという基本的な考え方は守りつつも、まずは景気回復に全力を尽くすためということで、平成十年十二月にこれが凍結されたというのが経緯であります。
○井上義行君 今のは、法律によってこの財政構造改革を進めて、そして新規国債を絞っていこうという法律でした。
 法律で縛る方法と、そして内閣の方針の下に閣議決定をした方針があります。それは、安倍官房長官がいた時代の小泉内閣、二〇〇六年の骨太でした。この二〇〇六年の骨太の内容について、甘利大臣、お答え願いたいと思います。
○国務大臣(甘利明君) 御指摘のように、骨太二〇〇六は小泉内閣の最後でありまして、当時、私のポジションにいらっしゃったのは与謝野馨大臣でありました。
 この二〇〇六におきましては、二〇一一年度には国、地方の基礎的財政収支を確実に黒字化する等の財政健全化目標を掲げまして、財政健全化に取り組んだところであります。
 具体的に言いますと、名目経済成長率三%程度の堅実な前提の下で、二〇一一年度に基礎的財政収支を黒字化するための必要な額、要対応額と呼んでおりましたが、これを十六兆五千億程度と試算をいたしまして、これを目標達成の目安として、十一・四兆から十四・三兆円程度の歳出削減に取り組む方針としたわけであります。さらに、歳出削減を行ってなお要対応額を満たさない部分については、歳出歳入一体改革を実現すべく、歳入改革による増収措置で対応することを基本としていたということでありました。
○井上義行君 もう一度パネルを見ていただきたいんですが、これはちょうど、小泉内閣、二〇〇六年の骨太に基づいて、第一次安倍内閣、非常に国債を、新規国債をすごく減らしているわけですね。そして、リーマン・ショックがあって増えていますけれども、またその後ちょっと多くなって、今また減っていると。
 内閣の方針によって減らすこともできるんですが、実は、次のパネルを見ていただきたいんですけれども、昭和五十年と比べると非常に赤字国債が増えていることが分かります。
 この状況を円グラフで見ていただきますと、昭和五十年には歳入が二十一兆円、そして二十七年度予算については九十六兆、そのうち公債金、これが三十六兆あるわけですね。支出を見ていただければ分かるんですけれども、少子高齢化で社会保障が増えているということはよく分かりますが、ほとんどが借金によってこれを賄っているわけですね。そうすると、このままでいけばパンクするのは決まっているわけですね。だったら、何をしなければいけないかといえば、政治が意思をはっきりするということなんです。
 今、私は、量的緩和、非常に大賛成です。私はむしろ七年前から量的緩和するべきだというふうに言ってきた人間ですから、今の方針は私は合っていると思います。しかし、いずれデフレが脱却して、この量的緩和の終結が迎えるときが来ると思います。それは、やはりこの二、三年。二年の間に脱却をし、そして消費税が再度上がる一七年四月の一年後、二〇一八年四月から法律によって新規国債を縛ってしまう、このメニューを今からそろえていく必要があるんだろうというふうに思います。いきなり来年からこういうふうになりますよと言ってもなかなかそれは難しい。だったら、今のうちにメニューをそろえて、法律によって新規国債を縛る新たな財政構造改革法を作るべきだというふうに思いますが、安倍総理、いかがでしょうか。財務大臣。
○国務大臣(麻生太郎君) 二〇二〇年度の財政健全化目標というのを今立てて、しっかりとこれを堅持し、この夏までにその達成に向けた具体的な計画を策定することといたしておりますが、この策定に当たりまして、これまでのいわゆる取組を更に強化して、デフレ脱却、経済再生、また財政というか歳出の改革、歳入の改革等々、三つの柱を軸に検討していくというのはこれまでも申し上げてきたとおりでありますし、少なくともこの二〇一五年の目標としてプライマリーバランスを、半分という目標も、スタートしたときは全くこれは無理と言われたものが実際にこの二〇一五年で、これでほぼでき上がりつつありますので、そういった意味では、我々としてはしっかりコミットしたものを進めていくということだろうと思っております。
 財政健全化の実効性を確保する方法については、これは法制化とかいろいろ議論があるところではありますけれども、法制化せずとも二十七年度では、基礎的財政収支の赤字半減目標を達成する今予算を御審議をお願いしているところですが、これができましたように、政府としては定めた目標にコミットして、きっちり責任を持って実現をしていくことこそが重要なことだと思っております。それができぬで、法律を作ったからできるかといえば、それはなかなか、これまでの例を見ましてもその法律を後で変えておりましたりしておるわけですから、凍結したりしておりますので、今の段階として間違いなく進んでおりますので、その方向で当分堅持すべきものだと思っております。
○井上義行君 まさに今日の政治が、結局法律を作っては解除をしてしまって、これまでの積み上がった国債発行になってしまったんですね。やはり、法律を解除するときには、我々政治家は、リスクが伴うわけですから、やはりきちんとした法律を作って、そして国際的なメッセージとしてやれば、量的緩和をしてもしっかり国際的な信頼が得られるというふうに思っておりますので、総理、いま一度答弁をお願いいたします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私どもは、経済の再生と財政の健全化、この二つを同時に達成していくことを目標にしているわけでございます。
 そこで、我々は、強い経済を実現する中において税収が増えていく、そしてさらに昨年の消費税率の引上げを行ったところでございまして、歳出面においても、社会保障の自然増を含めて徹底的な重点化、効率化を行ってきました。こうした努力、取組によって二十七年度の新規国債発行額は四・四兆円の減額となったわけでございまして、今まで減額した中では三番目に大きな減額となりました。そして、六年ぶりに四十兆円を切った。一般会計の基礎的財政収支も前年度比四・六兆円改善をしているわけでございまして、これはまさに国、地方の基礎的財政収支の赤字半減目標を達成する予算としたところでございました。
 法定をしなければならないという御意見もあることは承知をしておりますし、かつて自由民主党においても財革法を作った、しかし、その後凍結をしたという経緯もございます。経済においては常に様々なことが起こり得るわけでございまして、そういう中で柔軟に適切に対応していくことも大切なんだろうと、このように思います。
 基本的には、我々は健全化計画を今実行しておりまして、二〇二〇年の財政健全化目標についても政府・与党として国際的にもコミットしているわけでございまして、今後もしっかりと進めていきたいと思います。
○井上義行君 この財政構造改革の中には、著しく異常かつ激甚な非常災害の発生とか、経済活動の著しい停滞が国民生活等に及ぼす重大な影響の場合は除かれていたわけですね。ですから、こういう除かれたものがあるにもかかわらず、それは解除したというのは、政治が財政再建を放棄しながらやはりどんどんどんどん出した責任が私はあるというふうに思っております。今後もこうした財政を健全化するために質問をしていきたいと思いますが。
 次に、社会保障についてお伺いしたいと思います。先ほどの円グラフを見ていただければ。
 この社会保障が増大した中で、私は今の安倍政権の経済成長というのは非常にいいと思いますよ。なぜかといえば、年金にも非常にプラスになっているんですよ。何と、これ意外と知らないんですが、簡単に言うと、年金というのは、我々が払っている保険料、そして税金、そして厚生年金であれば企業の負担によってできています。その給付を払うその使途から引くと余りが出るんですね。余りを運用して、とうとう百三十七兆円まで膨れ上がってきたんですね。昨年度は十兆円の運用利益が出ました。そして、今年は既にもう十二兆円の運用益が出ている。ですから、経済が成長していけば、運用をうまくしていけば十兆円ぐらいの運用益が出るんです。
 この運用益というのは、将来の子供たちのために使っていくということは当然であります。だから私は、将来の子供たちには九割それを残して、運用益の一割は今の年金受給者に還元したらどうかと思うんですね。結局、今この一億二千万人の半分は年金受給者なんです。だから、経済が幾ら沸き上がっても、自分たちの年金が上がってこなければ実感が来ないというのは当然なんですね。だったら、運用が上がれば、九割は将来の子供たちのために、そして一割は今の年金の受給者のために使ったっていいじゃないですか。
 私、試算してみました。大体一人当たり一万五千円が戻ってくることになるんですよ。そうしたら……(発言する者あり)ええ、運用がなくなった場合には払うことはできません。だから、厳しい経済成長の改革をして生み出せばこういうことができますよということを私はやるべきだというふうに思いますが、厚労大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 先生から今、年金運用につきまして前向きな御評価をいただいておりますが。
 御提言の件でございますけれども、今この公的年金というのは、御案内のマクロ経済スライドというのが平成十六年に導入をされて、実際に適用になるのはこの四月からということでありますけれども、これ、保険料の水準を固定した上で、積立金の運用を含めて、その固定された財源の範囲内で長期的な給付と負担の均衡を図るために将来に向けて給付水準を自動的に調整する仕組みであって、これは言ってみれば、将来世代と今の世代、これをバランスを取って、お互いに少しずつ我慢しようと、こういうことだろうと思います。
 そうなると、その仕組みにおいて、積立金とその運用収入、これは将来の年金給付に充てるための貴重な財源となるわけでございまして、具体的には、少子高齢化が更に進む中で、いわゆるマクロ経済スライドの調整というのが進むわけでありますけれども、この調整期間をなるべく短くしていく、そのことによって給付水準の低下を抑えるという、将来、言ってみれば、その調整を短期化することによって、前倒してその調整を終わらせて将来世代の年金を確保するということが大事かなというふうに思いますので、運用益は、今、年金給付というよりは還元というお話でありますけれども、運用の収入としてやはり年金の原資に充てて将来世代のためにもつぎ込むということをやることの方が将来世代も年金の水準は確保できるんではないかと、そんなふうに思います。
○井上義行君 これは、私も、子供たちのための年金というのはやっぱり安定的なものがなければいけないということは本当に私もよく分かります。だから、その九割は子供たちのためにと。この運用益で、運用益十兆円ですから、十兆円の一割、だから九兆円は子供たちのために、一兆円は今の現役の世代のために少し私は還元をしてもらえれば、もうちょっとこの経済の成長が自分たちにも実感できるんではないかというふうに思っております。
 そこで、雇用保険もそうなんですけれども、雇用保険が今六兆円ぐらい積み上がってきているわけですね。この雇用保険というのは財投しか運用が認められていないということですが、厚労大臣、事実関係はそれでよろしいですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) おっしゃるとおりで、今の仕組みとしては、財政融資資金への預託というのが義務付けられているということでございます。
○井上義行君 私は、こうした財投だけではなくて、年金のような運用をしてこの雇用保険をできるだけ軽減を、負担をした方がいいだろうというふうに思っております。
 さらに、これからの保険は、使わなければ何かインセンティブを与えるようなものがやっぱり必要だというふうに思っていまして、私は、健康診断をして、そして一年間使わなかった人には薬局クーポン的なものをあげるということによって健康を保っていくと。そして、本当に、寝たきりの人、そして障害者の人、難病をした人に、今苦しんでいる人に手厚くするような制度をつくるべきだと思いますが、併せて答弁をお願いしたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 先生お配りの紙でいきますと、この薬局クーポンというので還元したらどうかと、こういうお話でございますが、恐らく考え方は、予防、健康づくりにやっぱり個人も励むべきだと、主体的に、こういうことだろうと思うので、それはまさに重要な御指摘であり、またそれは、今回、医療保険制度改革の法案を御審議をいただくことになりますけれども、まさにこの保険者の取組を明確に位置付けて、こういった自らの予防、健康づくりについてバックアップをしていこうということになっているわけでございます。
 しかし、今お話しのことでございますけれども、受診の有無を要件にするということになりますと若干やっぱり懸念を示す向きもあって、医療関係者等から、むしろ受診抑制になってこじらせてしまって後がどうなるだろうかみたいな話もあったり、それから、個人がどういうふうにそのインセンティブを感じながら自らの選択としてやるのかということについて、どういうふうに持っていくのが一番いいのかということについてはまだ意見の分かれることでございますので、先生の御指摘の予防、健康づくりが大事だと、そのことについてはそのとおりだと思いますので、どうやるかということを考えていくべきかなというふうに思います。
○井上義行君 総理、今までの議論の中で三つの私も提案をいたしました。その提案について、総理の感想をお願いしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほどの年金につきましては、この年金の運用によって利益が出ているときもあれば、なかなかこれ、うまくいっていないときもあります。そうした長い期間を見ながらポートフォリオを構築をしているわけでございます。
 そこで、かつ、所得代替率は将来に向かってだんだん落ちていく、落ちていかざるを得ないわけでございまして、モデルケースで五割というのは維持をいたしますが、その中において運用益が出ていると、これは何かみんなに還元したいなという気持ちは分かりますが、それはまず、それは年金にもプラスになっているんだということをみんなに認識していただくことも大切であろうと思いますが、基本的にはあくまでも将来世代のために使っていきたいと思います。
 また、健康保険につきましては、今厚労大臣から答弁したとおりでございまして、健康で言わば受診していない方々に対してインセンティブを与える、何がいいかということについても、今、厚労大臣が考えていきたいということでございました。
○井上義行君 そして、来年には日本でサミットが行われます。サミットの候補では様々な候補地が手を挙げておりますが、私は、サミットを実施するためにはやっぱり幾つかの要件がなければならないんだろうというふうに思っております。一つはやはりテロ対策、そして利便性、そして、サミットの首脳が集まって静かな環境でやれる場所、そして日本の文化、食。こうしたことを考えると、我が地元の小田原・箱根がいいんだろうというふうに思っておりまして、小田原・箱根サミットを提唱したいというふうに思っております。
 そこで、やはり同じ神奈川県として、菅官房長官、横浜がありますね。一緒にサミットをやりたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(菅義偉君) 私もそう思わない気持ちはないわけでありますけれども、残念ながらまだ立候補しておりませんので、もう締め切った後であります。
○井上義行君 是非、政治判断として、総理、お考えを是非お聞かせ願いたいと思いますが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 六月のドイツで行われるサミットまでに決定していきたいと、このように思っております。
○井上義行君 終わります。
○委員長(岸宏一君) 以上で井上義行君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、行田邦子さんの質疑を行います。行田邦子さん。
○行田邦子君 日本を元気にする会・無所属会、無所属の行田邦子です。よろしくお願いいたします。
 先月の財務省の発表によりますと、国の借金、国債と借入金残高が昨年末時点で一千二十九兆九千二百五億円だったということであります。国の借金が一千兆円を超えているということは国民の皆様の中でも広く知られているところだと思っております。一方で、国の負債に対しまして国の資産がどのぐらいあるのかということは、これは余り話題になっていないようであります。そこで、今日は国の資産について伺いたいと思います。
 まず、財務大臣に伺いたいと思います。
 国の資産は、バランスシート上、幾らになっているんでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 最初に、言葉尻をつかまえるようで恐縮ですけど、国の借金ではありません、政府の借金ですから。間違えないでください。国民は債権者、債務者じゃありませんから。そこをちょっと、みんなよく言われるんですけど、国は債務者であって、国民は債権者であって、債務者ではありません。
 それで、まずそれを大前提に置いた上で、国の財務書類というものは、これは、国の場合は、御存じのように資産の計算の仕方が会社法のようにいわゆる帳簿によって、バランスシートは貸方、借方で明確にできるかというと、例えば資産を持っておりますソフトの中で、徴税権とか、税金を徴収できる権利とかお金を刷れる権利というのは幾らで試算するんですかということを言われても、それはなかなか試算ができませんので、したがって、いわゆる普通でいいますバランスシートというものがないわけですけれども、しかし、それに似たようなものとして、国の財務書類というもので示されております平成二十五年度末時点の国の資産の合計額は六百五十二兆七千億円ということになっております。
 その主な内容も言います。
 主な内容は、外国為替資金の特別会計の外貨証券などの有価証券百二十九兆三千億円が全構成比の約一九%、一九・八%になります。次に、財政投融資特別会計の財政融資資金などの貸付金が百三十七兆九千億円で、構成比でいきますと二一・一%となります。それから、年金特別会計の運用寄託金は百四兆八千億円でありまして、構成比で一六・一%。河川、道路などの有形固定資産百七十七兆七千億円は構成比で二七・二%というような構成比になっております。
○行田邦子君 国の資産が六百五十二・七兆円ということでありますけれども、総理は、この国の資産の規模についてどのように捉えていらっしゃいますでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま中身についても財務大臣から答弁をさせていただいたわけでございますが、この資産の規模がどれぐらいかということでございますが、どのように考えるかということでございますが、この資産額の規模が特別に大きいというふうには考えていないわけでございまして、負債規模が巨額で債務超過額も多額であり、その資産も、売却困難なものや見合いの負債があれば、これ両方ともある意味で資産と負債ということになっているわけでありますが、そういうことを考慮すれば、我が国の資産規模が大きいとは言えないものと考えております。
○行田邦子君 資産六百五十兆円、必ずしも大きくはないのではないかと。資産と負債の差が今大体四百九十兆円あるということであります。
 そして、さらに御答弁の中で、資産の中でも負債と見合いになっているものがあるというお話でしたけれども、それでは、その資産と負債と見合いになっている、その資産の一つである外貨準備高について伺いたいと思います。
 パネルを御覧いただきたいと思います。(資料提示)外貨準備高は国の資産の中の二割を占めています。ここで諸外国との比較をしてみました。名目GDP上位二十か国の外貨準備高を多い順に並べました。二〇一三年の外貨準備高の一位は中国で三兆八千八百億ドル、二位が日本で一兆二千六百七十億ドル。アメリカはどうかというと、日本の三分の一強、ドイツは日本の一五%、イギリスは日本の八%程度となっています。これを見ても、日本の外貨準備高の水準というのが高いということが見て取れると思います。
 そこで、麻生大臣に伺いたいと思います。日本がこれだけの外貨準備高を有する理由についてお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 日本が外為特会、外国為替特別会計で保有しております外貨の準備は、日本が貿易を行うときにドルでやったりユーロでやったりいろんな外国の通貨でするわけですが、それに対して交換するときに為替介入を行った結果として生じた外資というものの、外貨資産というものを、外国為替相場、いわゆる外国の為替の相場の安定に必要な今後の為替の介入等々に備えて保有しているというのが基本的な考え方でありまして、これを持っていることによって、とっさのときの急激な円安とかそういったところに耐えられる、また石油代金が急騰したときなんかにも耐えられる等々のために、日本のような資源のない国において、我々としては常にそういったものを考えて用意をしておく、備えをしておくというのは大切なことだと、我々はそう考えております。
○行田邦子君 急激な為替の変化に備えてということでありますけれども、それにしても、この規模、一兆二千六百七十億ドルというのは、私はかなり大きな規模ではないかなというふうに私自身は考えております。そしてまた、日本はこれまで円売りドル買いという為替介入を繰り返して行ってきた結果がこの莫大な外貨準備高の積み重ねということになっているかと思います。
 そして、このドル買いという為替介入をするときに資金調達をどうしているのかというと、それは外国為替資金証券という国債を発行して、つまり、国が借金をして、借入れをして、そしてドルを買っているということであります。
 そして、今どうなっているかというと、外貨準備高という資産だけではなくて、外国為替資金証券という国債の残高も百十七・四兆円になっているということであります。平成二十五年度末の数字です。私は、これは資産と負債、両方とも過剰だというふうに考えています。
 そこで、麻生大臣に質問というか御提案なんですけれども、これを減らしてはどうでしょうかということです。何もドル売り介入をするということではなくて、日本は、恐らくこのドルは現金というよりか債券、米国債などで持っているはずです。この米国債が満期になったらば、今まではそれを再投資していましたけれども、再投資せずに円に戻して、そしてその分をこの外国為替資金証券の、この国債の償還に充てれば、いわゆる政府の借金も減るわけです。いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) これは、行田先生、言っておられる意味がよく分かっておられるんだと思うんですが、今のに対してお答えをすると、まずいきなり相場はどおんと動きますので、とてもあなたの御質問に対してまともにお答えをするということは、これはもうとてもじゃありませんけどできる立場にありませんので、その点はちょっと私の方としてはお答えを差し控えさせていただくことにならざるを得ないのですが。
 いわゆる外国為替資金の特別会計、いわゆる外為特会というものですけれども、これを、保有いたしますドル資産というものを売却するということは、実質的にはドル売り円買いということになりまして、これは明らかに介入ということにならざるを得ませんので、したがいまして、これは極めて与える影響が大きいということだけちょっと頭に入れておいていただいて、少なくともそういう御質問でしたら、こっそりお聞きいただければ答えられないわけではないのかもしれませんけど、少なくともこんなマイクが四つも五つも付いているようなところではとてもじゃないけどしゃべれるわけがありませんので、御勘弁ください。
○行田邦子君 これまでの為替介入の規模を見ているとだんだん大きくなってきていまして、前回はこれはドル買いでした、円高でしたから。そのとき大体十四兆円ぐらいですから、何もそのぐらいの規模の、売却しろと言っているわけではありません。ちょっとずつちょっとずつでも円に戻していくということを提案させていただいています。今、今日は一ドル百二十一円台ということも頭に留めていただいて、政府の借金を減らすという視点で御検討いただけたらと思います。
 これ以上為替に関係する質問は大臣お答えできないと思いますので、次の質問に行きたいと思います。
 次に、国の資産の約一割に当たる出資金について伺いたいと思います。
 六十六兆円、国はいろんなところに出資をしています。資産として計上されています。今日は、そのうちの官民ファンドについて伺いたいと思います。
 官民ファンドは、国と民間が資金を出し合って民間の企業や事業に対して投資をするという基金です。安倍政権では様々なファンドがつくられていて、今十一ファンドあります。国から官民ファンドへの出資額は今、合わせて六千二百七十六億円になっています。
 そこで、まず総理に伺いたいと思います。安倍政権において多くの官民ファンドをつくっている、その意図をお聞かせいただけますでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この官民ファンドは原則がありまして、原則としては民業の補完でありまして、そして民間の知恵や資金を活用するために政策性の高い分野に重点化したリスクマネーの供給等を行うためのものでありまして、こうした機能は、民間で取ることが難しいリスクを官民ファンドが取ることによって民間の投資を活発化させる言わば呼び水になるわけでありまして、経済の持続的な成長を促すためにも重要であると考えております。
○行田邦子君 確かに、成長が見込まれる産業やまた分野があると分かっていても、リスクが高いからということで民間がなかなか出資しない、投資をしないと。そこの民間投資を促していく、活発化させていくということは今の日本経済に大変に必要であると私も思っておりますが、そのときの手法として官民ファンドが今うまく機能しているのかどうかについて幾つか質問していきたいと思っております。
 まず、民間資金等活用事業推進機構、PFI推進ファンドについて伺います。
 このファンドは平成二十五年十月、今から一年半前に設置されました。国からファンドには百億円の出資がなされています。このファンドの設置目的と、それからこれまでの出資契約が締結された件数と出資金額をお答えいただけますでしょうか。
○政府参考人(持永秀毅君) 御説明させていただきます。
 御指摘のいわゆるPFIファンドでございますけれども、まず目的といたしましては、利用料金を収受するような形のPFI事業につきまして、民間の投融資を補完するための資金供給、これを行うということで、これによりまして我が国におけますPFIを拡大していくということなどを目的としております。設立の時期は、先ほど御指摘のように二十五年十月となっております。それから、出資ということでございますけれども、本年二月末現在におきまして、契約としては一件、出資金額百万円となっております。
○行田邦子君 ファンドが設置されてから一年半ということですけれども、出資実績はたったの一件と、そして百万円というのは、これは国が百億円を出資してつくったファンドの割には余りにも実績として乏しいんではないかなというふうに思います。
 このファンドの従業員の数と、それからこのファンドを経営するに必要だったこれまでの費用についてお答えいただけますでしょうか。
○政府参考人(持永秀毅君) 御説明させていただきます。
 最初に、機構の従業員数でございますけれども、二月末現在で二十名でございます。それから、これまでの運用に要した費用でございます。初年度は半年でございましたけれども、約二・四億円、それから、本年度はフルの年度になりますので、まだ年度は終わっておりませんが、恐らく五億円程度の費用かなと見込んでおります。これ通算いたしますと、設立から本年度末までで七億から八億の費用になる見込みでございます。
○行田邦子君 一年半で七、八億円の経費が掛かっていて、実績はたったの一件と、しかも百万円ということであります。
 これは私、問題があるというふうに思っているんですけれども、甘利大臣、この今のファンドの状況についていかがお考えでしょうか。
○国務大臣(甘利明君) 御指摘のとおり、現状では一件であります。これは、被災地の女川町の水産加工団地における案件であります。
 ただ、この後、新年度からは大型案件が控えております。仙台空港とか関空が控えておりまして、これは相当大規模で、民間がそれに対応できないと。民業がその種のものが育つまでは官民ファンドがそれをカバーしていかなきゃならないと思いますし、極めて大型案件になりますので、今までの案件とは随分違った展開になってくると思います。
○行田邦子君 これから大型案件があるということですけれども、主に関空などですが、関空や大型の仙台空港などありきということであれば、これは何も一年半前に百億円も資金を投入して出資をしてファンドをつくる必要はなかったと。資金の手当てが私は早過ぎたんじゃないかというふうに思っております。
 このことを指摘をしまして、次に、官民イノベーションプログラムについて伺います。
 これは、国立大学の研究成果を活用するベンチャーを支援するファンドを四つの国立大学につくるというものでありますけれども、そのために国は二年前に、平成二十四年度の補正予算、つまり緊急経済対策の補正予算ということでこの四つの大学に一千億円のお金を渡しています。それから二年間たった今でも、まだファンドが設置されていません。どういう状況でしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 御指摘のように、国立大学法人等が一定の要件を満たしたベンチャー等支援企業、認定特定研究成果活用支援事業者に対しての出資することを可能とする産業競争力強化法が昨年四月一日から施行されております。
 これを受けまして、東北大学、東京大学、京都大学、大阪大学の四大学では、ベンチャー等支援会社を通じて大学発ベンチャーに対する支援を行うため、全学的な体制の整備やベンチャー等支援会社における技術や経営に知見のある役職員等の確保等の準備を進めてきたところであります。
 東北大学、京都大学、大阪大学におきましては既に事業計画の認定がなされ、国立大学法人からベンチャー等支援会社への出資が行われており、現在は投資事業有限責任組合、いわゆるファンドの設立に向けた準備が進められているところであります。
 東京大学におきましては、国立大学法人評価委員会官民イノベーションプログラム部会の委員から、一つに、これまでの研究実績、産学連携実績が十分に生かせるよう学内体制の再構築を図るべきではないかと、二つ目に、事業化、起業の経験者や金融系人材、技術系人材など、バランスの良い人材確保に努めるべきではないかと特に要請されたところであります。このような要請を踏まえまして事業計画の準備が進められ、昨年十二月に申請がなされたところであります。現在、文科省において認定に向けた審査を行っている段階であります。
○行田邦子君 緊急の経済対策ということで一千億円を渡して、二年たってまだファンドが設置できないというのは、私、これは大変に問題があると思っています。私は、この官民イノベーションプログラムというのを聞いたときに大変大きな期待を寄せていました。是非これ、大臣、しっかりとグリップをしていただきたいというふうに思っています。
 また、東大なんですけれども、実は十一年前に民間ベースの東大エッジファンドというものが既にできていて、これは、今これからつくろうとしている官民ファンドと同じ目的のもので、もう既に民間ベースであります。ですから、民業圧迫というふうに言われないように、是非そこのところも注意していただきたいというふうに思っております。
 そして次に、農林漁業成長産業化支援機構について伺います。いわゆる六次産業化推進ファンドです。
 このファンドは、平成二十五年一月に設置されて、国から三百億円の出資がされています。まず、ファンドの設置目的と、それから六次産業化事業体への出資実績件数と金額、そのうち農林水産省から補助金も交付をされている件数と金額をお答えいただけますでしょうか。
○政府参考人(櫻庭英悦君) お答え申し上げます。
 まず目的でございますけれども、株式会社農林漁業成長産業化支援機構は、我が国農林漁業が農林漁業者の所得を確保し、農山漁村において雇用機会を創出することができる成長産業となるようにするため、新商品の開発、新たな販売方式の導入などの六次産業化の取組に対し資金供給等の支援を行うことを目的として設立された会社でございます。
 この農林漁業成長産業化ファンドによる六次産業化事業体への出資決定件数につきましては、平成二十七年三月二日現在で五十三件となっており、出資総額は七十一億五千六百万円、うちサブファンドからの出資決定額は三十五億三千四百万円となっております。また、六次産業化関係補助事業を活用している六次産業化事業体は十四件で、補助金は総額で二十八億八千六百九十万円となっております。
○行田邦子君 ファンドから出資を受けている五十三件のうち十四件が更に補助金も受けているということです。この交付金の補助率は二分の一、そしてファンドからの出資比率というのは四分の一ということです。私はこれを聞いて非常に心配、不安になりました。
 というのは、六次産業化というのは、農林漁業者が安定した、そして自立した収益を得られる、そのための六次産業化であるというふうに認識をしているんですけれども、出資をし、また補助金を出しと、余りにも手厚く支援をし過ぎると、そこから脱し切れなくなってしまって、農林漁業者が自立して、そして安定した収益を得る構造にならないんではないかと心配していますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 今お話のありました農林漁業成長産業化ファンド、A―FIVEと称しておりますが、農林漁業分野の民間ファンドがまだ十分に発達していない中で、民間資金の呼び水ということで、多様な事業展開に活用できる自由度の高い資金を供給しようということで創設をされたものであります。
 今局長から説明しましたように、農林漁業者の主体性を確保して、加工技術や販路を有するパートナー企業との合弁事業体、これをつくった上で、このファンドから六次産業化事業体への出資は原則五〇%を上限としまして、あとは自己資金による出資を求めることで、農林漁業者の創意工夫を生かした経営を可能とする支援の仕組みとしております。
 このファンドへの出資というのは、基本的には会社に対する出資でございますので、会社の経営上必要なものに自由に使えると。一方、補助金、交付金というのは限定された使途ということでございますので、そもそもその使い道が変わってくるわけでございますが、さらに、今御指摘のあった六次産業化事業体が行う施設整備を支援するための交付金についても、やっぱり過度に補助金に依存する、事業の見通しが不透明な事業者に対して過剰な支援とならないようにするために、二十六年度の補正からいわゆる融資残補助の仕組みを導入いたしまして、融資機関の審査を経た事業者のみに支援をするということにいたしましたのと、それから補助率も二分の一以内から十分の三以内ということで引き下げたところでございます。
 今御指摘のあったように、やはり民間資金の活用を中心として農林漁業者の経営が過度に国費に依存しないように意を用いていきたいと思っておるところでございます。
○行田邦子君 六次産業化には初期投資も必要だし、いろいろと支援も必要というのは理解しますけれども、何が農林漁業者にとって良いのか、そしてまた何が成長産業としての農林漁業にとって良いのか、国の支援の在り方について是非、大臣、考え直していただきたいと思います。
 そして、総務省においても新たに官民ファンドを設置する予定があります。このファンドについて事前に総務省に伺ったところ、出資比率なんですが、国が二百億円に対して民間が二十億円ということでした。官民ファンドと言う割には余りにも民間の出資比率が低いと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(高市早苗君) 今、インフラ市場の国際競争、かなり激化しておりますので、アジアを中心とする海外での今後の市場の拡大が見込まれる通信と放送、郵便事業の需要を取り込むということが非常に大切です。
 実は、この海外通信・放送・郵便事業支援機構については、今後、設立法案を国会で御審議いただく段階でございますので、なかなか申し上げにくいのですが、しかし、この民間企業が現地で行う事業に関しましては、通信も放送も郵便事業も、これ規制分野でございますから、政治的影響を相当受けやすいというリスクがあります。突然の制度や政策の変更、それから需要リスクも、想定していた需要がきちっと取り込めるかどうかといった一定のリスクがありますので、この公的性格を有する機構が資金供給や専門家派遣を通じて支援することが必要だと判断をしております。
 要は、かなり今申し上げたようなリスクが高いことから民間の金融機関などからの出資が集まりにくいために、まずその一部を、多額ではございますが、公的資金により出資などによって支援するということで、もうこの機構の公的性格、そしてまたリスクの高さといったことで、それでも絶対によそに取られてはならない市場であるということで御理解をいただきたいと思います。
○行田邦子君 確かに、通信、放送の分野においてはいろんな規制もありますし、民間だけではなかなか乗り出せないということもあるかと思いますし、また乗り遅れてはいけないということもあると思います。私は、チーム・ジャパンとして、国がせっかく、国もリスクを取るというふうに決めたわけですので、ここは民間もファンドに対してもっと出資をすべきだと思っています。恐らく、関係するであろう企業というのはいずれもいわゆる大企業です。ファンドに対する出資ができないという体力はないはずですので、是非、その点、大臣、お考えいただきたいと思います。
 最後に、総理に伺います。
 これまで官民ファンドについて幾つか質問をしてまいりました。私は、官民ファンドは今は必要悪だというふうに理解をしています。成長する分野あるのが分かっているのに、リスクが高いからということで民間がなかなか投資をしていかない。そうであるならば、やむを得ず国が、官がそのリスクを一部担って呼び水とすると、必要悪だというふうに思っています。けれども、国が実際にこうやってお金を出しているわけですので、このファンドの管理運営についてしっかりとチェックをすべきと思いますが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 委員にはこの官民ファンドの必要性は十分に御理解をいただいているんだと思います。
 確かに、様々な課題もあるのも事実でございます。この官民ファンドをスタートさせていく上においてもしっかりとチェックをしていこうということでございますので、委員の御指摘も踏まえまして今後しっかりとチェックをしていきたいと、このように考えております。
○行田邦子君 国の資産は国民の資産という視点で是非チェックをしていただきたいということをお願い申し上げまして、質問を終わります。
○委員長(岸宏一君) 以上で行田邦子さんの質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、松沢成文君の質疑を行います。松沢成文君。
○松沢成文君 次世代の党の松沢成文でございます。総理、お疲れさまでございます。
 私は、復興財源に絡めて、幾つか大局的に日本の構造改革について伺いたいと思います。
 現在、復興財源、集中期間で二十五兆ぐらい掛かる、その後ももっと必要だろうということで、この財源をどこに求めるのか、これが大きな議論になっております。その財源の中の一つにJP、日本郵政の政府保有株を売って四兆ぐらいはつくれるだろうというふうになっておりますが、しかし、それだけなんでしょうかと私は考えています。
 政府の特殊会社というのは二十五社近く今あるんですね、前後あるんですね。その中の御三家というのは、皆さん御承知のとおりJP、日本郵政、NTT、JTであります。この三社が国民は誰もが知っている一番大きな政府の特殊会社ベストスリーなんですね。(資料提示)
 ちょっとこの表を皆さん見ていただきたいと思うんですが、それぞれ政府が関与する公共性があるだろうということで、株の約三分の一を政府が持って、それで公共性や公益性を担保しようという形になっています。時価総額、JPは、今株価上がっていますからこれ以上だと思いますが、十三兆、NTTは約三兆、JTも二・五兆以上は確実にあります。
 そして、この事業の公益性あるいは公共性。JPは郵便事業のユニバーサルサービス、これ、全国あまねく過疎地までネットワークをつくるのは公的な役割じゃないかということです。そして、NTTも情報通信のユニバーサルサービスと。それで、JT、たばこ会社にどこに公益性があるのかと私はいつも不思議なんですが、私は、ないどころか公害性があると思っているんですよ。だって、たばこは健康に悪いわけですね。それで、たばこにまつわる医療費は、これ年間一・八兆円という試算もあるんです。ですから、政府の財政を汚しちゃっているわけですね、たばこで。それで、なぜ政府が公益性があるといってこれ抱えなきゃいけないのか。
 そこで、まず初めに安倍総理に、この三社の政府が関与をしなければいけない公益性、公共性がどこにあるのか、それをお答えいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、日本郵政、JPでございますが、郵便及び基本的な貯金、保険の役務をあまねく全国において公平に利用できることを確保する、言わばユニバーサルサービスを確保するということであります。などでありましたが、NTTについては、電話の役務のあまねく日本全国における適切、公平かつ安定的な提供の確保に寄与することなどが責務とされておりまして、国民生活や社会経済活動に不可欠なサービスを提供することなどとされています。
 そして、JTについては、たばこ関連産業の健全な発展を通じて地域の雇用や経済に貢献するとともに、国及び地方の財政収入の安定的確保に寄与すること等といった公益性、公共性を有していると、このように認識しております。
○松沢成文君 それぞれ三社、公益性があるということですけれども、強いて言えば、じゃ、時代の変化の中で、この会社はもう政府の公的関与は必要ないんじゃないか、そろそろ完全民営化すべきじゃないかと考えられるものはございますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま申し上げました公益性についてでございます。
 JTについては、この関連産業としては葉たばこ農家六千戸、小規模のたばこ小売店約七万店等が含まれているわけでありますが、それぞれの地域の雇用や経済に貢献しているのは事実であろうと思います。
 しかし、ただいま委員が御指摘になったように、時代の変遷の中においてその公益性が果たしてどうかということについては常に考えていく必要もあるだろうと、このように思いますし、かつては郵政については小泉総理が登場するまでは完全に国営ということでやってきたわけでございますが、時代の変化の中において郵政の民営化を行い、今は三分の一ということになっているわけでございますので、不断の見直しということは必要であろうと、このように思っております。
○松沢成文君 私は、どう考えても、国民の皆さんも恐らく同じだと思いますが、公益性、公共性が最も低い、つまり政府の保有株を売却して完全民営化すべきはやっぱりJTだろうと。誰が考えても思いますよ。
 この図を見てください。なぜJTを民営化すべきか、理由を挙げました。
 まず一点目、たばこ規制枠組条約の条約違反です。五条三項に、政府とたばこ会社は利益相反、相反するから関与を持ってはいけないと書いてあるんですね。日本は、株を抱えて監督権限を持って一蓮託生になっています。
 二点目、復興財源確保法で、今後、復興財源あるいはたばこの事業の環境を考えた上で、全株式処分も検討していきましょうと、こう書いてあるんです。これ、完全民営化も検討すべきだということですね。法律で言っています。
 三つ目、JT自身が、当事者であるJT自身が是非とも早く民営化してくれと言っているんです。なかなかないですよ。実は、四年前の財政審議会に、JTはこういう「ご説明資料」というので要望書を出しているんですね、要望書。この中で、こう書いてあります。全株放出、更なる民営化を含め、たばこ事業諸制度の見直しについて早期に検討を開始していただきたい。四年前からJTは、もう一刻も早く民営化してくれと、半国営でやるのはかなわないと、我々は全世界で商売したいんだと訴えているんですね。
 四点目です。先ほど総理も葉たばこ農家の問題を引かれました。葉たばこ農家の問題の解決というのはあり得ません。といいますのは、今、葉たばこの内外価格差は、昔三倍だったのが今四倍、五倍です。開く一方です。そして、葉たばこ農家を守らなきゃいけないと言いますが、JTができた一九八五年、葉たばこ農家は七万戸ありました。今どれぐらいだか御存じですか。六千ですよ。十分の一以下になっちゃっているんです。もう葉たばこ農家はやっていけないんです、残念ながら。でも、そのサポートはしていくべきだと思いますよ。
 そして、次であります。五番目、訴訟リスク。これは、皆さん気付いていないんですが、今、国際的なたばこ産業はばんばん訴訟をやられています。要するに、健康に悪いものを作り続けたたばこ会社の責任を問われて、個人、集団の訴訟、乱発ですよ。アメリカでは三百件以上です。これで、日本でJTを政府が抱え続けていたら、ひょっとしたら国が被告になっちゃうんですよ。JTがたばこの規制をきちっとやってこなかった。その背後には国がいて、たばこ事業法で、JT法で丸抱えしていたでしょうと、国の責任があるんじゃないですかと、こうなっちゃうんです。大変な訴訟リスクを抱えているんです。もしそうやって訴訟乱発で賠償金をたくさんJTが払わなきゃいけなくなったら、JTの営業成績が傾いて株価にも影響を与えちゃうんですよ。この訴訟リスクもあるということなんです。
 そして最後に、株の売却益の有効活用。先ほど言いましたように、二・五兆円以上のこれは株の収益になります。それを復興財源に使えたら被災地の人はどれだけ喜ぶでしょうか。あるいは、先ほど申し上げたように、たばこ農家が転作とか転業をしなければいけないときのサポートにこのお金を有効に使えるじゃないですか。どう見ても、もうJTは国が株を抱えて特殊会社として、半国営企業として運営するのは限界があるんですね。
 総理は改革、改革と演説でもおっしゃいました。改革すべきはJAだけじゃないんですよ。JTこそ改革すべきですよ。構造改革です。こうやって半国営でたばこ会社を抱えているのは世界で中国以外日本だけです。完全に日本は世界の中から取り残されています。
 JT民営化に向けて、総理大臣としての決意を聞きたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) JTについて民営化すべきだ、一つの御見識を示されたと、確かにそれは思います。その中で、既にJTの株の売却によって復興財源にしてまいりました。我々が政権を取った後、五千億だったものが、株価が上がって一兆円、ほぼ一兆円になったわけでございまして、有効活用させていただいておりますが、今後、確かに課題としてはあるんだろうと、このように思います。様々な考慮すべき課題を総合的に判断をしていく必要もあろうと、このように思います。
 今後、最初に申し上げました言わば公益性ということも配慮しながら、適切に判断していきたいと思っております。
○松沢成文君 総合的に判断していきたいとおっしゃっていただきました。
 復興財源が恐らく十兆円近く足りなくなるというか、どこから財源を求めたらいいか分からなくなっているんだと思いますね。今、日本郵政の株式四兆となっていますが、これ八兆円ぐらいまで行けますから、三分の一持ったとしても。日本郵政の株、例えば八兆円、そしてJTの株を民間に売って二・五兆円から三兆、そうすると十兆円の新しい復興財源が生まれるんです。
 総理、ここから大事だからちょっと聞いてください。十兆円の新しい復興財源が生まれるんです。そうしたら、今国民の皆さんに復興のための特別の所得増税をやっていますね。これ、七兆、八兆お願いしているんですよ。十年間です、国民は。もしJPやJTの株を売って、その分を復興財源に充てれば、国民の皆さんに臨時に課している増税をやめることができる可能性がある、減税することができる可能性がある。そうすると可処分所得が増えます。それが消費につながって経済活性化につながるという、まさにアベノミクスの好転のためのこれは後押しになるんじゃないですか。
 アベノミクスを成功させるためにも復興財源のためにJTの株を売っていく、こういう方針に対して総理の見解を求めます。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 初めに、政府が株を保有している理由については御説明したとおりでございますが、また、日本郵政の株式については既に売却収入四兆円程度を復興財源として見込んでおりますが、郵政株式の最終的な売却収入は今後の株式市場の動向や日本郵政の業績によっても影響を受けるものでありまして、現段階で確たることを申し上げることは困難でございますが、その上で、復興特別所得税については、元々復興事業が十九兆円と見積もられていた時点で御負担をお願いをしたものでございます。
 その後、平成二十七年度までに集中復興期間における事業費が二十六・三兆円まで追加されました。さらに今後、平成二十八年度以降の財源の在り方を検討していく中、これを減税するといった判断は難しいものと考えております。
○松沢成文君 復興特別法人税はなしにしたわけですね、三年間で。やはり、法人はやめておいて、国民からは増税を取ろうと、これはいただけませんよ。財源がないなら別です。あるんですよ、こうやってきちっと政府が構造改革すれば。是非とも御検討いただきたいと思います。
 そこで、委員長、ちょっとお願いがあるんですが、JTの社長を是非とも当予算委員会の参考人で呼んでいただきたい。といいますのは、JTは民営化したいと言っているんです。それを、財務大臣、昨年御答弁いただきましたが、財務省は嫌だと言っているんですね。もしJTが民営化になれば、それだけの財源が国に入って、復興財源にも使えて、物すごい予算に、好転に回るんです。
 予算委員会でこそこれは調査すべきだと思いますので、それを是非ともお願いしたいと思います。
○委員長(岸宏一君) 後刻理事会におきまして協議いたします。
○松沢成文君 さて、これもたばこに関する問題ですが、昨年も総理に聞きました。東京オリンピックまでに受動喫煙防止法あるいは東京都の条例を作るべきだと私は何度も訴えました。総理は答弁の中で、東京都が条例として作るのがいいのか、国が法律として作るのがいいのか、またほかに何かいい方法があるのか考えたいと。あれから一年たちました。さあ、検討結果はいかがなんでしょうか。
 その間に東京都の舛添知事は、世界の都市でレストランで自由にたばこを吸えちゃうなんというのは東京ぐらいだと、オリンピックを前に受動喫煙防止条例を作らなければならないと八月に拳を上げたんですね。しかし、その後、都議会からあるいは利益団体から物すごい意見が来たらしくて、何と十二月にはやっぱり東京都で条例を作るのは難しいと諦めちゃったんです。根性ないですね。いや、神奈川県、これ三年間掛かって闘ってやったんですよ。こういう改革というのは大変なんです。舛添さんは根性ないから四か月で諦めちゃった。さあ、そうなると、東京都は降りたわけです。もうあとは、WHOそしてIOCの期待に応えるには、国が受動喫煙防止法を作ってオリンピックに備える、これしか方法がないんですね。
 総理、もう一年たっちゃっているんです。そして、一九年にはラグビーのワールドカップがあって、WHOはこういうスポーツイベントはスモークフリーでやらなきゃ駄目だと言っているんですね。もう決断しなきゃ間に合いません。受動喫煙防止法を国で、いかに反対勢力があってもオリンピックのレガシーとするために作り上げる、是非とも総理の決断を求めたいと思いますが、いかがでしょうか。
○委員長(岸宏一君) まず、厚生労働大臣から。
○国務大臣(塩崎恭久君) ただいまの、これまでオリンピックをやってきたところ、これからやるところについての調査を厚労省でもやりました。今日お配りをいただいておりますけれども、近年の五輪開催地における受動喫煙に対する法規制の状況の調査を見てみると、全ての開催地、これは六か所、北京、バンクーバー、ロンドン、ソチ、リオデジャネイロ、平昌でありますけれども、全てにおいて強制力を持った、つまり罰則付きの法令上の措置が講じられていることを確認をいたしまして、御指摘の立法措置については、東京都でもまだ引き続き検討はしているというふうに承知をしておりますけれども、厚労省としても関係府省と連携をし、引き続き検討を進めてまいりたいと思っております。
 三月の十日に自由民主党の受動喫煙の議連とそれから超党派の議連、これは松沢先生が幹事長をお務めだというふうに聞いておりますけれども、ここで議員立法に向けての議論も始まったと聞いておるわけでございますので、国会内の合意形成に向けて大いに議論をしていただくとともに、我々も政府内において検討を続いてやっていきたいと思います。
○松沢成文君 厚労大臣、前向きな答弁ありがとうございました。でも、検討をやっていきたい、検討をやって、いつまで検討するんですか。オリンピック来ちゃいますから決断しなきゃいけないんですよ、もう。
 さあ、そこで、この前、今御紹介いただいた、WHOのたばこ問題を統括する局長さん、ダグラス・ベッチャー博士、つい十日ほど前に国会で講演してくれていました。こういう内容を言っています。スモークフリーオリンピックの実現はオリンピック運動のヘルスレガシーである、日本あるいは東京は公共的施設において受動喫煙防止のための法制化を急ぐべきである、今こそ政治のリーダーシップが求められている、こう言っているんですね。
 さあ、総理、もうこれ逃げられないですよ。だって、これまでオリンピックをやっている都市はみんなこうやって、苦しくても改革して、オリンピックを契機に健康のためのレガシーをつくり上げているんですね。東京がここでやめちゃったら、これまでやっていた都市の顔に泥を塗ることになりますよ。これはもう国際的に、オリンピックをやる都市、国はしっかりと取り組まなければいけない改革なんです。
 最後に総理の覚悟を伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど厚労大臣が答弁したように、東京においても引き続き今検討しているという、条例についてですね、検討しているということではございます。
 国におきましても、今、松沢委員が御指摘をされたように、開催都市がそういう条例を作っているということも勘案をしながら検討をしていきたいと、このように思います。
○松沢成文君 どうもありがとうございました。終わります。
○委員長(岸宏一君) 以上で松沢成文君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、中西健治君の質疑を行います。中西健治君。
○中西健治君 無所属の中西健治です。
 今国会では質問主意書を多数提出させていただいております。そうしたやり取りを踏まえて今日は質問させていただきたいと思います。
 まず、デフレからの脱却についての総理の認識を伺いたいと思います。
 昨年の消費増税による強制的な物価の引上げ、そして対ドルでの急激な円安を受けて一部資材物価の値上がりが起こっていますので、インフレ、物価上昇をより心配する声というのが強いわけでありますけれども、現時点での現実というものを直視しますと、依然として需給ギャップ、いわゆるデフレギャップが十兆円近く存在する、そしてGDPを見てもやはり消費がなかなか伸びてきていないということでありますし、あと消費者物価指数、こちらの方の年率の上昇率というのが消費税の増税の影響を除くと〇・二%にとどまっているということですから、まだまだ楽観できるような状況じゃないじゃないかというふうに思います。
 我が国を十五年来これまでずっとむしばんできたデフレという病に戻るリスクはないのか、そうした点について総理の御認識をお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 十五年続いたデフレから脱却するのはそう簡単なことではないわけでございます。だからこそ、私たちは異次元の政策、三本の矢の政策でもってデフレ脱却に挑んでいるわけでございます。その中で日本銀行は、政府との約束の中において、共同声明の中におきまして、二%の物価安定目標を実現するという中において大胆な金融緩和を進めてきているところでございます。
 そこで、デフレ脱却しているという状況では残念ながらまだありませんが、デフレではないという状況をつくり出すことはできたと、こう思います。他方、原油安によって言わばデフレ脱却への歩みは少し鈍いものになったのでございますが、しかし、原油安自体は基本的に日本の成長にとってもプラスだろうと、こう考えているところでございます。
 確かに、昨年の消費税引上げによって消費が弱くなったということは事実でございますが、実質GDP成長率は、その中におきまして二四半期連続でマイナスになりました。しかし、先日公表されたGDP速報では三四半期ぶりに実質GDPが前期比プラス成長となり、また、足下では街角の景況感が全国全ての地域で改善するなど、景気回復の兆しが見られるわけでございます。
 本年度予算もなるべく早期に成立をさせまして速やかに実施をしていきたい、そして成長戦略を進める中におきましてデフレ脱却を確かなものとしていきたいと思っております。
○中西健治君 デフレ脱却を確かなものにということでありますけれども、少し気になりますのが、政府の物価目標達成に対する姿勢の変化があるんじゃないかということが時々最近言われます。
 甘利大臣にお伺いしたいと思いますけれども、一月の月例経済報告から、この経済報告においては、これまで二年間続けていたできるだけ早期に二%という文言がなくなって、そして、日本銀行には、経済・物価情勢を踏まえつつと、こういう言葉に置き換えられているわけでありますけれども、これは必ずしも政府は早期に二%は実現しなくてもいいということに変わったのではないでしょうか。
○国務大臣(甘利明君) そういうわけでもないんですけれども。
 総合の消費者物価指数を構成する要素の中に原油価格というのがあります。この原油価格が、当初の予測よりも極めて大きく、ピークの半分ぐらいに安くなっているわけでありまして、この大きな変化というのは勘案しなければならないというふうに考えております。
 昨年秋のこの原油価格の大幅な低下の影響もありまして、消費者物価指数は当面プラス幅を縮小すると見られておるわけであります。よって、二%の物価安定目標をできるだけ早期に実現するという文言を平成二十七年一月の月例経済報告において削除した次第でございます。
 また、原油価格の低下というのは、消費者物価の総合あるいはコアコア、つまりエネルギー価格と生鮮食品を除いた価格、それからGDPデフレーター、それぞれに異なった影響をもたらしますことから、物価動向の判断に当たっては、こうしたことも含めまして総合的に見ていくことが重要であります。よって、経済・物価情勢を踏まえつつ、二%の物価安定目標を実現するとの文言を挿入した次第であります。
 なお、これらは、政府、日銀の共同声明で掲げた目標を冒頭申し上げましたように変更するというものではありません。
○中西健治君 原油価格の下落という当初は想定しなかった情勢を受けて、物価目標は弾力的に運用すべきだという理解でよろしいでしょうか。
○国務大臣(甘利明君) 日銀との共同声明は、二〇一五年度を目途に、目途にというのは、かっちりと二〇一二年何月何日ということではなくて、ある一定のアローアンスがあろうかと思います。
 共同声明には書いてあることを月例では外したということは、共同声明は基本的な方針を書いてあります。月例は、当面の変化の様子を踏まえて、若干アローアンスの幅でハンドリングしていくという意味を込めてああいう表現にしたと御理解いただきたいと思います。つまり、期限が迫ってから急激に何かアクセルを踏むのかというようなバイアスの掛かったメッセージを市場に与えないということだと御理解ください。
○中西健治君 日銀の政策決定会合の議事要旨によりますと、昨年十月末のいわゆるサプライズ緩和が行われた際、政府側から出席していた宮下財務副大臣は、財務大臣及び経済財政政策担当大臣と連絡を取るために会議の一時中断を申し入れています。実際問題、十一分間会議は中断されているわけでありますけれども。
 麻生財務大臣にお伺いします。十月の第二弾の緩和は政府にとってもサプライズだったということでよろしいでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 少なくとも、この日銀の政策に関しまして、我々政府が介入して金融政策等々に口を差し挟むという立場にはありません。
 したがいまして、私どもは政策決定会合等々に参加をしている一メンバーの一人にすぎませんけれども、その場においていろいろ御意見があった。我々としては、少なくとも額としてはかなり大幅な額でしたので、その意味で受けました。受けて、御相談は、御相談というか報告はあっておりましたけれども、私どもとしてはそれに口を差し挟むつもりはありませんということであります。
○中西健治君 手段の独立というのはあるわけですから、まあ口を挟むということではないだろうと思うんですが、あの二〇一三年の四月に行われた第一弾緩和のときには、この政策決定会合、中断などは行われていないんです。ということからすると、今回のというか、昨年の第二弾と第一弾の間では、日銀と政府の間でのコミュニケーションというかスタンスについてやはり微妙な開きがあるんじゃないかということがかいま見えるように思います。
 総理にお伺いしたいと思うんです。
 甘利大臣がおっしゃったような、想定しなかったような経済の情勢なども踏まえた上で新たに共同声明というのを出し直すということをしたらどうかというふうに思います。想定しなかった事態というのは、原油が安くなったと、これ想定しなかったと思います。第一弾緩和のときには想定しなかったこととして、消費増税、再増税の先送りということも想定しなかったと思います。こうしたことを踏まえた上で、日銀の役割、そして政府のこれからやっていくこと、こうしたことを改めて共同声明を出すというお考えはいかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 政府としては、共同声明を発表をいたしまして、デフレ脱却に向けて、政府は政府がやること、そして日本銀行は日本銀行がやることを進めている中において、現在はデフレではないという状況をつくり出すことができたところでございますが、確かに中西委員がおっしゃったように、原油が下落をしているという状況もございます。また、消費税を引上げを延期したという状況もあるわけでございますが、政府としては、基本的にこの目標、この共同声明で定めた目標に向けて、現在も日本銀行はこの二%の達成、二〇一五という、これ中央値ということでございますが、その中におきまして、二〇一五年を中心とする期間に二%程度に達する可能性が高いと日本銀行は見ているものと承知をしているわけでございまして、その中におきまして、これを結び直すということを考えているわけではございません。
○中西健治君 二〇一五年度を中心とする時期というふうに日銀は今は言い回しを変えていますけれども、二年前の四月四日に発表したときには、二年、二%、そしてマネタリーベースは二倍という、二、二、二ということでプレゼンテーションをして、大変インパクトがあったんだろうというふうに思います。
 共同声明をもし出し直すというのが可能性として低いのであれば、イギリスで行っているように、イングランド銀行の総裁が財務大臣に対して、目標に対して一%以上乖離した場合には書簡で説明することになっています。現在も二%に対して〇・五%なんです、イギリスは。そして、公開書簡で説明をしております。日本でも、やはり一%以上乖離しているわけですから、そうしたことを求めていくのはいかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) イングランド銀行、カナダ人が総裁に、カナダ銀行の総裁がイングランド銀行の総裁に、ドラフト外指名じゃありませんけど、どおんと移ってきたと。なかなかユニークなことをしますよね、あそこは。前からそう思って、感心してはいますけれども。
 今御指摘をいただいた御提案ですけれども、政府と日銀との間で意思疎通のやり方の一つなんだとは承知しているんですけれども、少なくとも、今の場合、私どもの前、安倍政権になります前なんかは、日銀と大蔵大臣がどこで会うかという場所すら、ちょうど中間地点を取って、ちょうどこの辺が中間地点になるなんというような、真面目な話、そんなつまらないことをやっていた時代があったんですけれども、今の場合は、少なくとも、財政諮問会議等々で日銀と財務省というか政府というのはしょっちゅうお目に掛かっておりますので、意思の疎通を欠くなどということはまずないことだけははっきりしておりますし、私、個人的に言わせていただければ、海外で、日銀総裁と同席をして海外の会議に出るだけでも、年間、G20、アジア開銀等々四、五回あろうかと思いますので、そういった意味では、私どもとしては、今言われたようなところで、何というの、書簡をというようなことなく意思が疎通できていると、我々はそう理解をいたしております。
○中西健治君 意思の疎通ができていないと言っているわけではありません。これはイギリスでも意思の疎通はできているでしょう。しかし、政策の透明性を高めるという目的のために公開書簡を出しているということでありますので、私は是非御考慮いただきたいというふうに思います。
 デフレ脱却について最後にもう一つ総理にお伺いしたいと思うんですが、民主党政権下、二〇〇九年の十一月だったと思いますけれども、当時の菅直人副総理が言わばちょっと唐突にデフレ宣言というのを行いました。その前からデフレになっていたわけですけれども、二〇〇九年の十一月にデフレ宣言というものを出しました。
 それ以来、このデフレ宣言というのは言わば放置されているということになっているかと思いますけれども、デフレではない状態というふうに総理おっしゃいましたけれども、デフレ脱却について確信が持てた時点でデフレ脱却宣言、元々のデフレ宣言に対して収束宣言を出す、そうしたお考えはないでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 我々、経済財政諮問会議において現状の経済状況等についての分析も行っておりますし、また、内閣府においても甘利大臣の下で分析を行っているところでございますが、この分析の結果については透明性を持って国民の皆様にお伝えをしているところでございます。
 そうした分析を基に、先ほど、現在デフレではないという状況はつくったわけでございますが、まだデフレから脱却をしていないということを申し上げたわけでございまして、当然、デフレから脱却ということについてそういう分析ができるという状況が出現してくれば、そのように国民の皆様に経済状況を説明していくということもあると、このように考えております。
○中西健治君 申し上げましたとおり、デフレ宣言は言わば放置されているわけでありますから、それにピリオドを打つということはどこかでしていただきたいというふうに思います。
 次の質問に移らせていただきます。
 先週で三・一一から丸四年が経過いたしました。今も痛惜の念に堪えないわけでありますが、そこで、甲状腺がんの医療費補助について質問させていただきたいと思います。
 福島原発事故を受けて、福島県では、事故当時十八歳以下であった子供を対象に甲状腺検査を行っており、最近も一人増えたんですが、既に八十七人が甲状腺がんと診断されています。検査で見付かった甲状腺がんの治療は通常の保険診療となるため、一部を自己負担するのが原則ということになってしまいます。
 この治療費の国の公費負担の可能性について質問主意書で尋ねたところ、甲状腺検査に付随する調査及び研究に対する支援策について検討していると、こういう回答をいただきました。この支援策の具体的な中身について、環境大臣に御説明いただきたいと思います。
○国務大臣(望月義夫君) お尋ねの支援についてでありますが、専門家会議の中間取りまとめにおいて、県民健康調査の甲状腺検査の充実が求められております。そういったことから、県民健康調査の甲状腺検査の結果、引き続き医療が必要である場合の支援を行うことを検討しており、平成二十七年度予算案に予算を計上しているところであります。
 そして、具体的な支援の方法等につきましては今後福島県と検討を進めてまいりたい、このように思っております。
○中西健治君 今の御説明で二十七年度予算案に福島県宛ての交付金、調査及び研究ということで計上しているということでありますけれども、患者さんの治療の支援、治療費の支援ということも考えられるということでしょうか。
○国務大臣(望月義夫君) これは、甲状腺の支援ということは、これは実質的には調査に協力をしていただいたと、そういう方に対して、より協力をしていただいたというような形の中でそういったものを県の方に予算計上させていただくと、そういう形になっております。
○中西健治君 調査研究、調査に協力していただいた方にというのは、私としては大変違和感があります。患者さんに寄り添う、被災者個人個人に寄り添うということであれば、やはり治療費の補助こそ必要なんじゃないでしょうか。
○国務大臣(望月義夫君) この専門家会議の中間取りまとめを踏まえますと、現時点においては、原発事故による放射線の健康影響が生じているとは考えにくいというものが出ておりますことから、原発事故による放射線の影響に係る医療費の減免は行わないということになっております。
 しかしながら、そうはいうものの、やはりそういった協力をしていただいた方という形の中で、その甲状腺検査をしていただいた方についてはできる限り、今先生がおっしゃったように寄り添うという形になると、こういう形で、県民健康調査の甲状腺検査の結果、引き続き医療が必要である場合の支援という形を取りまして、平成二十七年度予算に予算を計上しているところでありまして、今後どのような支援が可能か福島県としっかりと検討してまいりたい、こういうことでございます。
○中西健治君 申し上げましたとおり、やはり調査ということ自体が、これもう調査ということですとプライバシーの問題も発生するかもしれません。やはりそこのところは治療費というところでダイレクトに考えていただきたいなということは要望させていただきます。
 続きまして、規制緩和、旅館業法等の規制緩和についてお伺いしたいと思います。
 北陸新幹線開通によって、早くも沿線地域では宿泊施設が不足すると、こんなことも伝えられています。二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックを迎えるに当たり、更なる宿泊施設の不足が予想されるということであります。この供給不足を補うために旅館業法の大幅な規制緩和を検討する必要があるのではないか、鍵となるのが個人宅の活用ということなんだろうというふうに思います。
 現行の旅館業法の規制では、ホテルであれば十室以上でなきゃ駄目、旅館だったら五室以上なきゃ駄目、それからフロントを設置しなきゃいけないですとか、これ条例レベルですけど、男女別のトイレの設置も必要だ、こんなことになっておりますので、供給不足を解消するためにはやはりこの規制緩和というのがどうしても必要なんじゃないかというふうに思います。
 確かに、季節的に利用される施設ですとか歴史的建造物を古民家として規制緩和を一部行っているというものがありますが、本当にごく少数にとどまっておりますので、抜本的に宿泊施設の不足を補うだけの供給は期待できないと思います。ですので、使われなくなった民家ですとか、ふだんは使われていない別荘、マンションなど個人宅を宿泊施設として貸出しができるように規制緩和を行うべきじゃないでしょうか。これは厚労省ということになるかと思います。厚労大臣、お願いしたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 先生おっしゃるように、多様で魅力的な宿泊施設があるということは大変おもてなしの心からいっても大事だというふうに思っているわけでありまして、今お話がございましたように、旅館業法では様々なニーズに応えられるように構造設備基準の特例というものを、今先生、ごく一部ということでありましたが、イベントのために一時的に営業する施設については客室数やその客室の面積とかフロントの義務付けとかいうのを緩和をしていると、そして個人宅を活用することは一部可能になっているわけでございます。
 あと、一昨年の国家戦略特区法でも、最低七日間以上の連泊に使用する場合は客室延べ床面積の基準の緩和とかフロントの設置を義務付けないなどの措置を講じてきたわけでありますが、今、緩和についてどうなんだと、こういうことでございました。特に個人間の宿泊施設としての提供についても、今申し上げたように一部でも特例措置を広げてきておりますけれども、やはりこれについては、規制の緩和については、元々の規制の本来の目的というのは何だったんだろうかということをしっかりと押さえながら、おもてなしの心もしっかり持って、合意形成に向けて大いに議論していただければというふうに思います。
○中西健治君 一部のみというのでは、二〇二〇年の二千万人、二〇三〇年の三千万人、到底需要を満たすことができないんじゃないかと思いますが。
 今お話が少し出ましたけれども、国家戦略特区法、ここでも外国人滞在施設経営事業というのが旅館業法の適用除外として認められるという形になっていますが、これは特定の地域だけ、関東エリア、そして関西エリアということだけということになっているかと思いますが、この場合には旅館業法の許可を受けなくても外国人旅客の滞在が認められるということになっているかと思います。
 しかしながら、肝腎のこの地方の方で、大阪の府議会、そして大阪の市議会が、この条例案、否決をしてしまっております。ということで、先に進まない状況になってしまっているということでありますが、政府として今後いかにこの外国人滞在施設経営事業の運用を図っていくつもりなのか。これについて、石破国家戦略特区担当大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) 委員御指摘のように、とにかく大阪は今ホテルが足りない、稼働率が八割ぐらいになっております。外国のお客様はここ五年ぐらいで倍に伸びているというふうに承知をいたしております。そういうようなこともございまして、国家戦略特区における旅館業法の特例ということは、今後急増いたします外国のお客様のニーズに対応するものということで位置付けておるところでありますが、おっしゃいますとおり、これ、そういうことを認めると、騒音が出るぞ、ごみを大量に出されて周りの人たちが迷惑するぞ、あるいは、対面ではないので犯罪が増えるではないかというような御指摘で、今地方議会において条例が通らないというような状況だと承知をいたしております。
 そうしますと、それが、ごみがどうとか騒音がどうとか、あるいは犯罪がどうとかということにどう対応するかということは、私どもとして、内閣府として、自治体あるいは関係省庁とよく御相談をしたいと思っております。私どもとして、せっかく設けたこの特区でございますから、これが活用できますように更に連携を図り、実現に向けて努力をいたしてまいります。
○中西健治君 是非、そうした懸念を自治体の方で持っているということであればその払拭を図っていただきたいというふうに思いますし、あと、この外国人滞在施設経営事業の対象地域なんですけれども、東京、大阪だけじゃなくて、今ゴールデンルート以外に広げるというのが政府が目指しているところだと思いますので、そこは広げていくということについてはどうお考えでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) それは、おっしゃいますように、政府といたしましてゴールデンルート以外にお客様に来ていただくということは極めて重要なことであります。地方創生というのはまさしくそういうことで、インバウンドをどうやって広げていくかということでございますから。
 ただ、この特区というものが、これでそのようなことを行っても十分大丈夫であるということをある意味実証するようなところもございます。これをどのように広げるかということは国家戦略特区なるものの位置付けと併せて考えなければなりませんが、そういうふうに外国のお客様がおいでいただけるような、しかしながら宿泊施設が足りないというところはたくさんございます。CIQの充実と併せてそのようなことも図っていかねばならないことはよく承知をいたしております。
○中西健治君 総理、今の議論を聞いて、二千万人時代、三千万人時代に向けてどういうふうに規制緩和を行っていくのか、そうしたことをお伺いしたいと思いますが、その中で一つ私の方で紹介したいというか申し上げておきたいのが、最近やはりインターネットを使って個人宅を貸し借りするというのが海外ではかなり普及しています。
 インターネットですので、貸し手の側の情報だけじゃなくて借り手の側の情報、この人は部屋を汚すからやめた方がいいとか、こうしたような借り手の側の情報もお互いに見れるので、貸し手も借り手も安心して個人宅の融通をすることができると、こういうのがすごく普及してきているわけですけれども、こうしたものを日本国内でも是非普及させていくべきなんじゃないかというふうに思いますが、旅館業法の規制緩和、そして国家戦略特区の対象を広げる、そうしたことについて総理のお考えを含めていただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 二千万人に向けて、厚労省の方でも、あるいは特区という対応においても様々な努力を今行っているところでございます。
 今、中西委員から、新たな例としてインターネットを使った持家、別荘を貸していく、それは貸し手側だけではなくて借り手側の情報についても、これは言わば貸し手側の方にもそうした情報を手に入れる基盤がだんだんできつつあるということなんだろうと、こう思います。
 今までの様々な旅館業法というのは、その時代の要請に応じて作られてきたものでございますが、そういう変化の中において我々も適切に推進をしていきたい、その中で増えていく観光客に対応していきたいと、このように思っております。
○中西健治君 二〇二〇年の二千万人、二〇三〇年三千万人、そうした時代には少子高齢化が更に顕著になっていて、空き家問題というのも更に大変な問題になっているということですので、こうした個人宅の貸し借りをすることができるようになれば、この空き家問題に対しても一定の答えになるということだと思います。ビジネスチャンスにもなると思います。一石三鳥ということなんじゃないかと思いますので、是非、規制改革、お願いしたいと思います。
 以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○委員長(岸宏一君) 以上で中西健治君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、福島みずほさんの質疑を行います。福島みずほさん。
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 今日は、安倍総理の言葉と現実が全く乖離をしているのではないか、その観点から質問させていただきます。
 まず、汚染水についてです。
 状況はコントロールされているのか。まず、政府と東電、二〇一一年三月十一日以降、放射性物質で海に放出された量を教えてください。
○参考人(廣瀬直己君) 東京電力の廣瀬でございます。お答え申し上げます。
 海への放出総量でございますけれども、これは実測することはできませんので、幾つかの前提を置いて、その上で計算をし、解析をする、評価をするということでございます。
 私ども、二十五年の八月に海への放出総量についてそうした評価を行っております。それによりますと、事故が起こったすぐ後の二十三年の五月から平成二十五年の夏まで、約二年三か月ございますが、この間に放出されたと計算された放射能の量は、ストロンチウム90で約十兆ベクレル、セシウム137で二十兆ベクレル、それからトリチウムで二十兆ベクレルという計算結果が出ております。
 その後、護岸の地盤改良等々を行っておりまして、私どもの評価ではそうした流出量が低減しているというふうに評価しておりまして、ストロンチウム90では三分の一に、それからセシウム137では十分の一程度に減っているのではないかという解析をしております。
 もちろん、その後も幾つかの対策を取っておりますし、この度、海側の遮水壁を閉じようという計画をしておりますので、そうしたことをしますと、ストロンチウム90で四十分の一、セシウム137で同じく四十分の一、トリチウムで十五分の一になるのではないかという評価を行っております。その後の放出量の評価については現在やっておるところでございます。
 以上でございます。
○福島みずほ君 政府の放出量の推定はどうですか。
○国務大臣(宮沢洋一君) 政府としては特に行っておりません。
○福島みずほ君 東電、三月二十六から九月三十日まで、ヨウ素が一京一千兆ベクレルということでよろしいですか。
○参考人(廣瀬直己君) はい。三月二十六日から九月の三十日までですので、先ほどの数字とダブりますが、間違いございません。
○福島みずほ君 最も多く放出されたその期間のヨウ素、セシウム、ストロンチウムの総量を教えてください。
○参考人(廣瀬直己君) お答え申し上げます。
 申し訳ございません、先ほどの数字と期間がダブってしまいますが、私どもの、事故直後でございます三月二十六日から、先ほどのとダブりますが、九月三十日までの約半年間におけるヨウ素131は一・一京ベクレル、それからセシウム134が三・五、十の五乗ですので三千五百兆ベクレル、それからセシウム137は三・六、十の五乗ですので三千六百兆ベクレルということでございます。
○福島みずほ君 天文学的な数字です。
 東電、福島第一原発の排水溝から高濃度の汚染水が外洋、外の海に流出していた問題があります。これについて説明してください。
○参考人(廣瀬直己君) K排水路からの放出についてお答えを申し上げます。
 K排水路は排水路でございますので、敷地に降った雨等々が流れ込んで海に放出される放水路でございます。そこにつきましては、これまで幾つかの放水路ございますけれども、専ら我々、一番心配をしていたのはタンクのそばを流れるB排水路、C排水路でございまして、これらについていろいろな対策を行ってきたところでございますが、K排水路についても雨の日にレベルが上がるということが分かってきておりましたので、何とかここを少なくしようということで、昨年の四月以来、これは規制庁の御指示もありまして、一年を掛けてしっかり原因を究明し、K排水路の排出放射線レベルを下げるようにという御指示がありましたので、それ以降は、瓦れきを撤去したり地面を舗装したりといったようないろいろな対策を取ってきておりました。
 しかし、なかなか思ったような効果が出てきておりませんでした。それは、我々は、地下水というか、雨の水が山側から海に流れるものだというふうに我々はまず最初に当たりを付けて、そちらの方からいろいろな対策を取ったわけでございますが、どうもそれが効かないということで、今度は、じゃ、海側からK排水路の方に流れるのはないんだろうかということでいろいろ調査をした結果、この度、二号機の大物搬入口の建物の屋上に四年前の爆発で汚れた場所があり、そこに水がたまって、いわゆる雨といのようなものから下に、地面の下からK排水路に通じているというところが見付かりましたので、まずはそこの対策をしようということで今鋭意進めているところでございます。
○福島みずほ君 事故原因は、というか、その放出の原因は究明されたんでしょうか。
○参考人(廣瀬直己君) お答え申し上げます。
 ただいま申し上げました二号機の大型建物搬入路というのは、そのうちのまだ一つであろうということで、幾つかまだまだ建物の上というのがどうも怪しいということを、今いろいろな建物の屋上を調査しているところでございます。
○福島みずほ君 建屋周辺は線量が高く、部分的な調査しかしていないということでよろしいですね。
○参考人(廣瀬直己君) 今まさに調査を、場所を拡大し、要するにその汚染源を見付ける必要がございますので、いろいろなところ、当然放射線レベルが高いですので、作業員の方の被曝にも注意しながら、今はまずその場所を究明すべくいろいろなところの調査をしているという段階でございます。
○福島みずほ君 四年間、外洋に漏れ続けていたということでよろしいですか。
○参考人(廣瀬直己君) K排水路は、先ほど申し上げましたとおり、雨水が流れていく、外洋に出る排水路でございますので、当然ある意味の、爆発によって堆積してしまった放射性物質を雨水が流して、そういう意味でその排水路に流れていくということはあったのだというふうに思っております。
○福島みずほ君 四年間漏れ続けていたということでよろしいですね。
○参考人(廣瀬直己君) 恐らく、爆発によってまき散らされた放射性物質を雨水が拾って流れていたということだというふうに考えております。
○福島みずほ君 東電、汚染水はこの四年間コントロールされていたんでしょうか。
○参考人(廣瀬直己君) 発電所の構内で、これまで皆さんに御心配をお掛けしたような様々なトラブルがあったのは事実でございますが、総理の発言、私どもは、汚染水が公衆への影響を与えていないと、すなわち、その影響は発電所の港湾内にとどまっておりまして、近海の放射線のレベルは十分低く、また上昇しているというような傾向も見られていないという御趣旨だというふうに私ども理解しておりますので、私どももそうした意味でコントロールされているという認識でございます。
○福島みずほ君 放射濃度がどうかなんて聞いていません。外洋に汚染水がだだ漏れしていたわけでしょう。これでコントロールされていたと東電言い張るんですか。
○参考人(廣瀬直己君) 繰り返しますが、汚染水の公衆への影響という意味でコントロールされていたと認識しております。
○福島みずほ君 いや、日本語がおかしいですよ。濃度がどうかなんて聞いていません。コントロールされているのか。ブロックされているのか。外洋に四年間だだ漏れだったら、コントロールされていないでしょう。ブロックされていないでしょう。東電、どうですか。
○参考人(廣瀬直己君) 繰り返しのお答えで申し訳ございませんが、汚染水の公衆への影響という意味でコントロールされているという認識でございます。
○福島みずほ君 ふざけないでくださいよ。何で濃度が変わっていない、濃度が高くないからコントロールされていると言えるんですか。コントロールというのはコントロールしているということだし、ブロックしているということはブロックなんですよ。それができていないでしょう。だだ漏れしていて、最近おわびして、それでコントロールされていると、東電、そう言う資格があるんですか。
○参考人(廣瀬直己君) 申し訳ございません、ちょっと質問の意味が分かりませんが。
○委員長(岸宏一君) どうですか、もう一回質問してみてください。
○福島みずほ君 汚染水は、コントロールされている、完全にブロックされている。ブロックされていないし、コントロールされていないじゃないですか。どうですか。
○委員長(岸宏一君) コントロールされていないんじゃないかという質問だそうです。
○参考人(廣瀬直己君) 誠に繰り返しで申し訳ございませんが、先ほど申し上げた意味で、コントロールされていると認識をしております。
○福島みずほ君 外洋に汚染水がだだ漏れされていて、どこがコントロールされているんですか。
○参考人(廣瀬直己君) 繰り返しになりますが、汚染水の公衆への影響という意味で申し上げております。
○委員長(岸宏一君) ちょっと議論を進めたらいかがですか。
○福島みずほ君 全く理解ができません。一京というぐらいの放射性物質が出て、ストロンチウムが出て、今も出続けている。そして、何でコントロールされていると言えるんですか。
 内海は汚染されている。総理、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 福島第一原発の港湾外の放射性物質濃度は、従来から公表しているように、法令で定める告示濃度限度に比べて十分低いままであります。
 また、これまで、日本からIAEAに対し継続して福島第一原発に関する情報提供を行っています。IAEAからも、周辺海域や外洋では放射性物質濃度は上昇しておらず、WHOの飲料水ガイドラインの範囲内にあり、公衆の安全は確保されているとの評価をいただいています。したがって、汚染水の影響は福島第一原発の港湾内に完全にブロックされており、状況はコントロールされているという認識に変わりはございません。
○福島みずほ君 港湾内は汚染されていますか。
○委員長(岸宏一君) 宮沢大臣。
○福島みずほ君 いや、総理、どうぞ。総理が手を挙げました。総理、どうぞ。総理。
○国務大臣(宮沢洋一君) 港湾内につきましては、告示濃度限度以下ということではございません。以下ということではございません。告示濃度限度以下ということではございません。
○福島みずほ君 告示限度内の濃度ではないということは、汚染されているということはお認めになられますね。
○国務大臣(宮沢洋一君) 港湾内には汚染された水が排出されておりますから、汚染されております。
○福島みずほ君 状況はコントロールされている。状況はコントロールされてないじゃないですか。港湾内は汚染されている。そして、外洋にも基準以上のものが流れていた。もし港湾外で濃度が高かったら大変ですよ。海は広いな大きいな、希釈されるわけですから、そこで本当に高ければ大変なことですよ。
 総理、港湾内は汚染されている。どうしてそれで状況はコントロールされているんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) いや、これはもう何回も申し上げていることでございますが、状況はコントロールされていると申し上げたのは、福島第一原発の港湾内において完全にブロックされており、状況はコントロールされていると申し上げたわけでありまして、それが港湾外にも大きな影響を与えているかのごとくの印象を世界に与えていたのは事実でございまして、そうではないということをはっきりと申し上げたわけでございます。
○委員長(岸宏一君) 福島さん、少し議論を進めたらいかがですか。
○福島みずほ君 港湾内は汚染されている。今日お認めになられましたが、それも大問題。で、港湾の外だって問題ですよ。これ完全に遮断をされているわけではありません。水は相当入れ替わっているとも言われております。ザ・シチュエーション・イズ・アンダー・コントロール。コントロールなんてされていないんですよ。
 現に、東電は、最近も海洋に流れている、このことに関してようやく対策を講ずる。でも、対策も間に合ってないし、原因究明さえされてないんですよ。総理がまさに状況はコントロールされていると言いながら、現実は全くコントロールされていません。現実のひどい状況をこういう言葉で覆い隠しては駄目ですよ。
 次に、女性の活躍法案についてもお聞きをします。
 女性の活躍法案が出てくる。しかし、派遣法の改悪法が国会に出ました。三年間、あるところで総務課で派遣で働いている、その後三年間人事課で働く、その後三年間総務課で働く。三年置きに課を変えれば、生涯派遣のままで雇えるということでよろしいですね。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回御提案申し上げようとしておりますこの派遣法においての期間制限については、今まで二十六業種については期間制限すらなかったわけでありますけれどもこれを設けるということでございまして、先ほど課を変えればということでありますが、それは、その前に必ず事業所単位で意見聴取をしなければいけないというブロックが掛かります。その前は、今、現行制度でいきますと、係を変えればそのままいけてしまうという問題があったがゆえに、期間制限を設け、意見聴取もそこで掛けるということで周知徹底もしていくという規制を更に強化をしているところであります。
 何度も申し上げますけれども、今まで四分の三が届出、登録制であったものを今回は全てを許可制にするということにすることによって、法律にのっとっていない行為をする派遣会社には、これは許可の取消しを含めて対処をしていくということでありますから、一生派遣というような安易なことが起きるようなことは決してないというふうに思います。
○福島みずほ君 これはもう何度も議論していますが、意見聴取なわけで、組合が反対しようが賛成しようが関係ないでしょう。一生派遣のままで働かせることができる。それは、大臣、お認めになられますね。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回、三年で明確にこの意見聴取のプロセスを入れるということにいたしました。これまでは、過半数組合への意見聴取は、三年以上の延長は不可であったわけでありますけれども、その前に、手前で意見聴取をしていけるということになっていましたけれども、今回は期間制限を三年ということを掛けた上で、さらに個人単位でも、固定化防止のために、ここで新たな規制として同一の組織内での上限が三年ということも入れるわけで、二重の意味での規制を強化をしているということでございます。
○福島みずほ君 三年置きに課を変えれば、一生そこで働かせる、働くことができるんですよ。意見聴取だって、単なる聴取じゃないですか。
 大臣、改めて聞きます。課を変えれば一生派遣のまま働かせることができる、そのとおりでいいですね。
○国務大臣(塩崎恭久君) 繰り返して申し上げますけれども、今回の場合には、今までは、常用代替防止ということで、この意見聴取を三年よりもっと前からやってそのまま係を変えればいけるという状態であったわけでありますけれども、今回は、同じその常用代替防止のために、事業所単位で原則三年の期限を設け、そして意見聴取をするということを必ず義務付けていくということを加えて、さらに個人単位の固定化防止ということで、同一組織内、これは課ですね、今おっしゃったように、ということで上限の三年ということでありますから、それぞれ三年の区切りでどうなるかということによって決まってくるのであって、それでずっといけるような話ではないと、全くないというふうに思います。
○福島みずほ君 答えていないんですよ。聴取はあるんだけれども、私の質問は、課を三年置きに変えれば一生派遣のままで会社は雇えますねということなんです。それに、意見聴取という一つの手続はあるが、それをクリアさえすれば、聴取さえすれば一生派遣のままですねということについてお答えください。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今申し上げたように、これまでのでいけば係が変わればそのままいけるというような、まあ言ってみれば抜け道とも言えるようなものがあった。それではいけないだろうということで、今回、まず事業所単位のものにして、それから個人の規制も三年で掛けるということを申し上げているわけでありまして、そこで当然反対意見があった場合には対応方針についての説明が必要で、そしてまた徹底的に説明をしなければいけないという義務を課しているわけでございますので、そのようなことが簡単に起きてしまうようなことにはならないということであります。
○委員長(岸宏一君) ちょっと速記を止めて。
   〔速記中止〕
○委員長(岸宏一君) 速記を起こして。
 それでは、塩崎厚生労働大臣。
○国務大臣(塩崎恭久君) 意見聴取というプロセスというのは、やはり、まあ言ってみれば労使の自治、これを大事にするというプロセスであります。最終的にはもちろん雇う側がこのことを決めるということであり、また雇われる側も意思を持っているわけであります。
 したがって、今の先生の御指摘でいけば、本人が望み、なおかつ企業がそれでいいと言い、そして意見聴取の中でこのプロセスをきちっと民主的に踏んでちゃんと皆に周知徹底する義務を果たしてやった場合には、そういう可能性もゼロではないということだと思います。
○委員長(岸宏一君) いいですね。大丈夫だよね。
○福島みずほ君 はい。結局、一生派遣のままなんですよ。
 で、次に……(発言する者あり)いや、そうです。意見聴取があるにしてもそれは聴取ですから、一生派遣のままなんですよ。
 次に、ホワイトカラーエグゼンプション、二十四時間働かせ法案についてお聞きをします。
 これは、二十四時間、では、労働時間規制を全て撤廃する、そういう労働者が初めて日本で出てくるということでよろしいですね。
○国務大臣(塩崎恭久君) 二十四時間働かされる人が出てくるというふうな御質問でしたか。今回のことについては、何しろ健康第一、これが第一であります。その上で多様な働き方ができるようにしていく、それも極めて限定的にやっていることであって、それはもちろん本人が希望しなければいけないということでもあり、そして能力が、しっかり専門的な知識を持っている人であり、そして従事した時間とそれから従事して得た成果との関連性が通常高くないと認められている、その両方が、成果を何しろ評価をしようということであります。
 今お話がありました二十四時間の、働かされることがあるのかということでありますが、まず第一に、そういう高度の専門性を持った交渉力のある方でありますから、そういう働き方をさせられれば、もし万が一ですよ、そうしたら、自分は別なところに行ったって十分売れるわけでありますからそういうところに移ることになってしまいますから、企業の方もそんなばかなことをすることは私はないと思っていますし、そもそも、今申し上げたように、健康を確保するという健康確保措置というのを今回法律で設けるわけでありまして、一つはインターバルの規制、それから在社時間等の上限規制、さらには年間百四日の休日数の規制、そしてまた、これ、夜間についても四週間を通じて四日以上の休日を必ず確保すると、こういうようなこともあって、そのいずれかを必ずやらなければいけないという法律があり、なおかつ罰則を設けているということも新たに加わってきますし、要するに、それはお医者さんが面接をして指導しなければいけないという、これは多分、百時間残業が超えた場合にはそういうことをやらなきゃいけないということになると思いますが、そういうことをきちっとやらない場合には罰則も掛かるということでありますので、今のような二十四時間働かされるというようなやや非現実的なことは私はあり得ないと思いますし、それはまさに自らの意思でどう働くかという問題であります。
○福島みずほ君 労働法制について理解していないですよ。私の質問は、二十四時間働かせて労働基準法違反になるのかという質問です。法律違反になるのか、刑罰法規で規制されるようなものになるのかという質問です。
○国務大臣(塩崎恭久君) それは、休日とか深夜の労働についての割増し料金を払わなきゃいけないという労働基準法の規制の適用除外として今回これを設定するものでありますから、法律違反には法律が通ればならないという制度であります。
○福島みずほ君 説明に来た厚生労働省の役人も労働時間規制をなくしますと言いました。労働時間規制がなくなる、二十四時間働かせても違法ではないんですよ。
 これが極めて問題なのは、女性も男性も子育て中にはとにかく一日の労働時間がきちっと規制されていなければ、私も子育てして夫と代わりばんこに子供を迎えに行きましたが、一日二十四時間働かせることができる、それが労基法違反ではないという制度は女性も男性も輝けないですよ。子育てできないですよ。こんなの絶対に認めてはならない。労働時間規制をなくす労働者、全部の労働時間規制、深夜労働をやったって深夜手当が出ないんですよ。こういう労働者をつくっては駄目ですよ。
 女性が輝くなんて言いながら、この二つの法案は女性も男性も輝けない法案です。言っていることとやっていることが違うじゃないですか。総理、どうですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今申し上げたように、通常ならば掛かる規制である労働時間の規制についての適用除外をすると、労働基準法上ということで。その代わりに、先ほど申し上げたこの健康確保措置というのを、やはり同じように時間の概念であり、当然、出社を何時にして、帰宅を何時にしたかということは全部管理をした上で会社にも分かるようになっているようにしていますから、その上で、さっき申し上げた終業時刻と次の始業時刻の間に一定期間を置くというインターバル規制、それから在社時間の上限規制をする、あるいは年間百四日の休日と、さっき申し上げたように月に四日以上の休日を取らなければいけないというようなことを、そのどれかを措置をしなければいけないという別な形の時間的な概念の規制を加えているわけですから、それにのっとって法律に従ってもらわなければならないということであります。
○福島みずほ君 一日の労働時間規制はILO条約の一号であり、メーデーがあった一八八六年、シカゴで八時間労働制を訴えてメーデーが起きました。
 四週間の間に何とかとか、年間に百五日とか言ったところで、健康時間管理といっても、一日の労働時間規制を全て撤廃する、こんなの労働法制ではないですよ。労働法制の死ですよ。こんなことやって、まともにみんなが働けるわけがない。子育てができるわけがない。こんな法案は出すべきでないと思います。
 次に、積極的平和主義についてお聞きします。
 外務省、積極的平和主義の定義を言ってください。
○国務大臣(岸田文雄君) 積極的平和主義ですが、今やテロ、サイバー、宇宙など、脅威が容易に国境を越える時代となりました。もはや一国のみでは自らの平和や安定を守ることはできません。自国の平和と安全を守るためには地域や国際社会の平和や安定を確保しなければならない、こういった考え方に基づいて積極的に貢献していく、こうした取組を積極的平和主義と呼んでおります。
○福島みずほ君 積極的平和主義とは、消極的平和とセットで、単に国家間の戦争や地域紛争がない状態に加えて、社会における貧困や差別などの社会的構造が生み出す暴力がない状況であるという、これがノルウェーの平和学者ヨハン・ガルトゥングの定義ですが、外務大臣、これでよろしいですね。
○国務大臣(岸田文雄君) 積極的平和主義というこの言葉、あるいは議論については様々な議論がありますが、我が国としましては、先ほど申し上げたような考え方に基づいての取組を積極的平和主義と呼んでいます。
 この積極的平和主義の中には、人道支援等の人間の安全保障ですとか、あるいは開発援助支援ですとか、さらには軍縮・不拡散、さらには法の支配の強化、女性の権利を含む人権の擁護など、こうしたあらゆる外交努力も含まれます。こうしたものを我が国としましては積極的平和主義と呼んでおります。
○福島みずほ君 積極的平和主義とは、平和の構築のための努力じゃないですか。それが戦争とつながるということが分かりません。
 総理は、積極的平和主義と言いながら、集団的自衛権の行使を自衛隊法や武力攻撃事態法に書き込もうとしている、今まで違憲だったことを書き込む。それから、後方支援という名の下に戦争に加担する。これも名古屋高裁で違憲とされたことです。そして、恒久法まで作ろうとしている。これは積極的戦争主義じゃないですか。積極的戦争主義をやろうとしていて、それ、積極的平和主義という言葉で説明しないでください。いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 質問にお答えをする前に、先ほどの労働法制について多くの方々に誤解を与えていると思いますので訂正をさせていただきたいと思いますが、福島委員の言っていることをですね。
 これは全ての労働者に適用するわけではなくて、年収において一千六十七万円ですから一千万円以上……(発言する者あり)千七十万円以上ですね、一千七十万円以上の……(発言する者あり)七十五万の言わば専門性を持った方々に、しかも本人が望むという形において適用するということでございますから、ここは誤解を解いていただきたいと、このように思います。
 その上において、私たちが進めている積極的平和主義につきましては、外務大臣が答弁したとおりでございます。
○国務大臣(中谷元君) 集団的自衛権については歯止めがございます。これは、憲法九条の下で容認される、あくまでも国民の命と幸せな暮らしを守るための必要最小限度の自衛の措置のみでございまして、集団的自衛権行使の一般を認めたものではございません。集団的自衛権が行使できるのは、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生するのみでなく、あくまで、これによって我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があることを始め新三要件といたしておりまして、歯止めを明確に掛けた自衛権でございます。
○福島みずほ君 先ほど総理は千七十五万円と言いましたが、これは省令に書くのであって、派遣法がそうであったように、省令でどんどん下がってしまうんじゃないですか。経団連は第一次安倍内閣のときに四百万まで下げたいと言っていますよ。今度の労政審でも下げたいと言っていますよ。千七十五万であるわけがない、省令で幾らでも下がる、そう思います。
 それから……(発言する者あり)幾らでも下がり得る余地があって、歯止めにはならないんです。いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、もう既に厚労大臣も答弁をしておりますし、私も総理大臣として千七十五万円以上ということを申し上げているわけでございます。
○福島みずほ君 省令で幾らでも、省令で決めるので幾らでも下がり得ますよ。
 そして、集団的自衛権の行使ですが、今までは個別的自衛権、これは一義的にはっきりしていました。しかし、集団的自衛権の行使の新三要件、かなり曖昧です。
 我が国の存立が脅かされる。総理、これには、我が国の存立が脅かされるのは、重要な経済的事由、ホルムズ海峡の機雷除去も入るということで改めてよろしいですね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 新三要件に適合すれば、言わば集団的自衛権の行使ということになるわけでございます。
○福島みずほ君 ホルムズ海峡の機雷除去はこれに当たりますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさに新三要件にこれは当てはまるかどうかということで個別に判断することだと思います。
○福島みずほ君 質問に答えていないですよ。
 この我が国の存立が脅かされるということには経済的な理由は入りますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは様々な場において議論をしていることでございますが、言わば私たちの幸福を追求する権利、諸権利が根底から脅かされる明白な状況になった段階においてということが書かれていると思うわけでございますが、そのときの状況等においてそういう可能性があれば、まさにこの新三要件に当てはまれば集団的自衛権の行使、これの一部行使ということになるわけでありますが、容認されているということでございます。
○福島みずほ君 経済的な、重要な経済的なことも当てはまる場合があり得るということでよろしいですね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があることと、そして、これを排除し、我が国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がないこと、必要最小限度の実力行使にとどまるべきことと、こういう観点から判断をしたいと思います。
○福島みずほ君 衆議院やほかでは、ホルムズ海峡の機雷除去も経済的理由で可能だと答えているじゃないですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この言わばホルムズ海峡が封鎖されているという状況によるわけでございますが、そこで一切これはホルムズ海峡を通る石油が入ってこない、ガスが入ってこないということになれば、石油の八割はそこを通過することになるわけでございます。もちろん備蓄もあるわけでございますが、しかし、そこの機雷を除去する上においては、備蓄を上回る日数を要するという指摘もある中において、大きな衝撃がある、ライフラインにも重要なこれは影響を与える場合もあり得るということでございます。
○福島みずほ君 この「我が国の存立が脅かされ、」に重要な経済的なことが入るとすれば、日本は世界でいろんな経済活動をしていますから、どれもこの新三要件に当たり得るということになりますよ。
 まず問題なのは、今まで違憲であった集団的自衛権の行使を認めていること。二つ目、外国からの急迫不正の侵害は一義的に分かります。でも、この新三要件は政府が判断する。しかも、「我が国の存立が脅かされ、」に経済的な理由も入るのであれば、この要件は政府の胸三寸で、フリーハンドでその価値観が入って政府の判断になるじゃないですか。
 今までできなかったことができるようになるという点では、戦争ができない、海外で武力行使ができないのが武力行使ができるってすることになれば、それはやはり戦争ができるという非常に政府の権限を拡大する。総理はそれでよろしいですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 胸先三寸でできるということにはなりません。これは明確に申し上げておきたいと思います。
 これから法案を作成していくわけでございますから、当然、国会の関与もあるわけでございます。そして、この三要件というものを読んでいただければお分かりのとおり、大変に厳しい要件と言えると思います。
 その上において、これは戦争できるという、戦争できるようにするということをよくおっしゃるんですが、そうではなくて、国民の命と幸せな暮らしをしっかりと守ることができるように我々は法整備を進めていきたいと、このように思っております。
○福島みずほ君 国民の命と暮らしを守るんだったら個別的自衛権でいいじゃないですか。まさにこの集団的自衛権の行使は、今までできなかったことを政府がやろうとしているから問題なんですよ。
 総理は、日本の戦後の平和国家としての歩みを大事にすると言う。日本の戦後の平和国家の歩みの大事な点は、武器輸出三原則の堅持であり、非核三原則であり、そして海外で武力行使をしないということですよ。武器輸出三原則も緩め、海外での武力行使に道を開くんだったら、積極的平和主義じゃなくて積極的戦争主義じゃないですか。言っていることとやっていることが違いますよ。
 そして、瑞穂の国を守ると、瑞穂、瑞穂と私の名前を連呼してくださいますが、瑞穂の国はTPPに入ったら守れないですよ。
 また、沖縄の辺野古の基地建設、あっ、済みません、さっきのは配付資料と番号が、武力行使の、ちょっと違っている点だけちょっと御容赦ください。この三点目、沖縄の辺野古基地移設について沖縄の皆さんの理解を得るように努めると言っているのに、沖縄の民意を完全に無視している。
 言っていることと現実が全く真逆じゃないですか。言葉をこんなふうに空疎に使ってはならない。アウシュビッツに行ったときに、労働は人を自由にするというスローガンがありました。言葉と現実が違います。言葉と現実がこんなに乖離する政治をやってはならない。言葉を空疎にする政治をやったら国が滅びますよ。こんな言葉を政治家は使ってはならないという、総理大臣を辞めるべきだということを申し上げ、私の質問を終わります。
○委員長(岸宏一君) 以上で福島みずほさんの質疑は終了いたしました。
    ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、荒井広幸君の質疑を行います。荒井広幸君。
○荒井広幸君 新党改革の荒井広幸です。
 郵政グループの株を三社売却する目的は何でしょう。事務方、お願いします。
○政府参考人(中原広君) お答え申し上げます。
 金融二社株式の売却収入の使途については、基本的に日本郵政において判断されるものであり、昨年末、同社より公表された株式上場スキームにおきまして、今後の日本郵政グループの企業価値及び株式価値の維持、向上のために活用していくものとされております。
 今般の新規上場時における金融二社株式の売却収入につきましては、同スキームにおきまして、日本郵政グループの当面の資金需要は手元資金の充当で足りることを考慮いたしまして、資本効率の向上、復興財源確保への貢献及び郵政民営化の推進に資するため、自己株式の取得資金に充てることを想定しているとされているところでございます。
○荒井広幸君 郵政株を、総理、売却する以上、例えば郵便貯金、この預入上限を撤廃する、それから住宅ローンに新しい商品を出せるようにする。簡易保険ならば、がん保険、この第三分野に進出できるようにする。こういうふうにすることが理にかないますし、国民の利益になるのではないでしょうか、総理。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 日本郵政グループについては、経営の自主性を前提としつつ、多様で良質なサービスを提供することによって国民の利便の向上を図ることが求められています。また、株の売却が予定されており、その企業価値を高めていくことは重要であると認識をしています。
   〔委員長退席、理事岡田広君着席〕
 一方で、同種の業務を営む事業者との対等な競争条件を確保することも求められておりまして、こうした観点から、住宅ローンなどの新たな商品販売については、まずは日本郵政グループにおいて自主的な判断が行われた上で、認可申請に対して、他事業者との適正な競争関係や同グループによる役務の適切な提供を阻害するおそれがないか、ゆうちょ銀行の限度額については、競争関係に影響を及ぼす事情やゆうちょ銀行の経営状況といった点を勘案し、適切に判断していく考えであります。
○荒井広幸君 適切に判断していただければ撤廃をし、そして新規業務に展開できるようにお願いいたします。
 原発事故災害についてお尋ねします。
 せんだって、総理と皆さんと一緒に追悼式典に出てまいりました。御一緒に心からのこの東日本大震災の犠牲者の皆さんに追悼の誠をささげたわけでございます。
 事務方にお尋ねします。これは、津波と地震による犠牲者に対する追悼でしたか。
○政府参考人(藤本一郎君) お答えいたします。
 東日本大震災四周年追悼式は、東日本大震災が未曽有の災害であったことに鑑み、国民皆が東日本大震災に思いを致し、犠牲者を追悼するために行ったものですが、国民の皆様にも呼びかけて哀悼の意を表すという式典の性格上、追悼の対象者については、個々にどこまでかを具体的に定義しているものではなく、一般的な意味で東日本大震災により犠牲になられた方々を考えておるところでございます。
○荒井広幸君 確認します。福島の原発事故が原因で犠牲になられた方々は含まれていますか。
○政府参考人(藤本一郎君) お答えします。
 先ほども御説明させていただきましたように、追悼式は、国民の皆様にも呼びかけて哀悼の意を表すという式典の性格上、追悼の対象者が誰であるかについては、国民の皆様一人一人の追悼の気持ち、言わば内心の問題であると考えており、政府といたしましては、ここまでが対象でこれからが対象外といった線引きをするような性格のものではないと考えております。
 すなわち、追悼の対象の方に関しましては、特定の方が含まれているとか含まれていないといったようなことではなくて、あくまでも一般の意味で震災により犠牲になられた方々ということで考えておりまして、いずれにしましても、参列者や国民の皆様一人一人が自らの気持ちとして追悼したい方に対して哀悼の意を表していただいたと考えております。
○荒井広幸君 少し、テレビを見ている皆さん、奇異に感じていらっしゃるかもしれませんね。
 これの最大の問題は災害関連死なんです。災害関連死というのは、自然災害によって、災害弔慰金の支給等に関する法律で、亡くなった方や一家の大黒柱、家族の方が病気した、あるいはけがをしたときにある一定の弔慰とかお見舞金を出す、これに基づいて災害関連死あるいは災害関連の病気、こういったことが定められていくんです。
 災害関連死は自然災害を対象としているものですか、災害弔慰金等の支給に関する法律の性格付けを尋ねます。
○政府参考人(日原洋文君) お答えいたします。
 災害弔慰金の支給等に関する法律におきましては、災害関連死についての定義そのものはなされておりませんけれども、災害弔慰金については、法第二条に規定する暴風、豪雨、豪雪、洪水、高潮、地震、津波その他の異常な自然災害によって死亡した住民の遺族に対して支給されるものとなっております。
○荒井広幸君 お聞きになったとおり、原発事故で避難を待っている間に亡くなったり病気をされた方、避難中に亡くなったり病気をされた方、避難先、例えば仮設住宅で亡くなったり具合が悪くなった、こういう方々はこれらの対象には本来含まれていないはずです。事務方、どうですか。
○政府参考人(日原洋文君) お答えいたします。
 災害弔慰金の支給等に関する法律に基づく災害弔慰金につきましては、先ほどお答えしましたとおり、本来は自然災害を対象とするものとなっております。一方、東日本大震災におきましては、これまでに類を見ない地震、津波、そして原発事故といった大規模な複合災害であり、亡くなられた方が自然災害によるものか原子力事故に起因するものなのかが明確に峻別できなかったために、いずれも区別することなく災害弔慰金の対象とされているところでございます。
 このような観点から、東日本大震災におきましては、避難先等で亡くなられた方々が災害弔慰金の支給対象になっているケースがあり得るというふうに考えております。
○荒井広幸君 事情は大きく変わりました。選挙がありましたからこれらは大した話題になりませんでしたが、昨年の八月二十六日の福島地方裁判所における自死、自ら亡くなった方の判例を法務省、示してください。自死の理由。
   〔理事岡田広君退席、委員長着席〕
○政府参考人(都築政則君) お答えします。
 御指摘の判決は、国が当事者ではありませんが、判決文によりますと、福島第一原子力発電所において発生した放射性物質の放出事故と亡くなられた方の自死との間の相当因果関係を認めております。その自死の理由といたしまして、その事故に基づいて生じた複数の出来事、例えば計画的避難区域の設定により、それまで生活していた場所で生活し得なくなったというような出来事などによる強度のストレスがうつ状態に至らしめたというような事実が認定されております。
 以上です。
○荒井広幸君 これは、閣僚、皆さん、よく先ほどのお聞きください。
 もう一度、重要なので、判決文の中からその趣旨をもう一度お話しください。
○政府参考人(都築政則君) 再度申し上げます。
 福島第一原子力発電所において発生した放射性物質の放出事故と亡くなられた方の自死との間の相当因果関係を認めております。その相当因果関係を認めるに当たっての理由でございますけれども、ただいま申し上げました事故に基づいて生じた複数の出来事、例えば計画的避難区域の設定により、それまで生活していた場所で生活し得なくなったなどという出来事によりまして強度のストレスが発生しまして、そのためにうつ状態に至ったと。そのことなどが原因で自死に至ったというような認定がされております。
○荒井広幸君 自死というのは自殺ということです。原発事故によって自殺が認定されたということです。これでよろしいですか、解釈は。法務省。
○政府参考人(都築政則君) 原発事故と相当因果関係のある自死というのが認定されたということで、結構でございます。
○荒井広幸君 官房長官がいないのでここは飛ばしますが、法務大臣、今このような話がありましたように、自殺された女性の方です、五十八歳の方でした。川俣町ですね。避難することによってストレスがたまり、そして自殺していった。これは原発事故による相当因果関係で亡くなったということで、東京電力が責任がある、責任があると政府はよく言いますが、その東京電力もこれを認めたんです。結審したんです。
 ですから、法務大臣、この方は原発事故によって亡くなったと普通に我々は言いますが、この解釈でよろしいですね。
○国務大臣(上川陽子君) 先ほど法務省の訟務総括審議官がお答えしたように、御指摘の裁判におきましては、事故と死亡との間に相当因果関係が認められたものというふうに承知をしているところでございます。
 法務大臣といたしましては、国を当事者又は参加人とする訴訟について国を代表するという立場でございまして、この裁判につきましては国が当該訴訟の当事者ではないということでございますので、委員の御質問に対してはお答えする立場にないということでございます。
○荒井広幸君 あれあれあれと思って、恐らく国民の皆さん、いますよ。原発事故で避難をして、その避難先で心も体ももう本当に極度にむしばまれて自殺されたというのを東電も認めたんですよ。こういう状況を政府が認めずしてどうして、原発事故の実態をきちんと見て、その対策が講じられるんでしょうか。
 厚生労働大臣に聞きます。
 二度、法務省の見解を伝えさせました。原発事故で犠牲になった人はいないと言っていたことは間違いだったわけです。原発事故で亡くなった方がいるという一般的なこうした解釈は間違いじゃありませんね。厚生労働大臣、いかがですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 私が直接の所掌であるかどうか少し自信がないところでございますが、今お話がございましたように、被災者が、原発事故により避難を余儀なくされたことと、それからお亡くなりになられたこと、この二つの間に相当の因果関係が認められて損害賠償の対象とされた。つまり、東電が控訴をしなかったということがあったことはそのとおりだと思います。
 いずれにしても、この福島第一原発の事故によって避難を余儀なくされた、その方がお亡くなりになったということは、重くやはり受け止めていかなければならないというふうに思っております。
○荒井広幸君 文科大臣、こういう判例が出てきております。ADRセンター、文部省で、事前に和解仲介をしていこうという国のセンターでありますが、この判例を反映させるべきだと思っていますが、文科大臣、どのような見解でしょうか。
○国務大臣(下村博文君) ADRセンターにおける和解仲介手続は、仲介委員が中立公正な立場から申立人の個別具体的な事情に応じて判断するものであります。
 仲介委員が和解案を作成するに当たって一律に参照すべき基準としては、原子力損害賠償紛争審査会が策定した中間指針及び同審査会に設置された総括委員会が策定した総括基準があるほか、類似事例における和解の先例、今の御指摘のこともそうだと思います、民事訴訟における裁判例や実務慣行等、様々なものを参考にしていると承知しております。
 文科省としては、ADRセンターによる和解の仲介の手続を適切に進め、被災者の方々に寄り添い、個別事情に応じて公平かつ適正な賠償が迅速に行えるよう取り組んでまいります。
○荒井広幸君 文科大臣に私は期待しているんですから。こういう現実は実際にはたくさん訴訟され、そしてまたADRに持ち込まれているんです。国はこれ以上の訴訟を避けて、少なくともこの判決を受け入れて、原発事故とは必ず避難が伴う、その避難において心がむしばまれ、体が弱まり、自殺や病気になり亡くなる方がいるということを認めていただきたいんですよ、私は。ここをしっかりしなければ、何事も、原発の心の復旧はできない。
 そこで、環境大臣、避難を伴うと同じように、原発事故災害というのは、中間貯蔵の用地をどうやって決めるか、どこにするかということが必要なんです。私は再稼働に反対しますが、再稼働するという政府の方針なら、事前に、避難計画はもとより、中間貯蔵地の選定方法も決め、場所も決めておくということを再稼働の条件にするべきと思いますが、いかが考えますか。
○国務大臣(望月義夫君) 原子力に関する規制と利用を分離するために、独立性の高い三条委員会の原子力規制委員会が環境省の外局として設置されました。このことを踏まえて、原子力発電所の再稼働に関する発言はまず控えさせていただきたいと思いますが、その上で申し上げれば、中間貯蔵施設は、福島県内の除染により発生した土壌等を県外で最終処分を行うまでの間、安全かつ集中的に保管するための施設でございます。それ以外のケースについて一般化することは適切ではないと考えております。
 いずれにいたしましても、この福島の中間貯蔵施設については、ふるさとを思う、今、荒井先生がもう本当にそういった意味で熱い思いを込められたと同じように、その地元の皆様の気持ちを深く胸に刻みながら、仮置場から除染土壌等を一日も早く撤去してほしいという多くの県民の声に応えられるように我々は全力を尽くしてまいりたい、このように思います。
○荒井広幸君 熱い思いだけ言っているんじゃないんです。二度と起こしてはならないし、起こり得ることのための事前の対応をしなくちゃいけない。再稼働するならば、中間貯蔵地を風向きによってもどこにするかということを考えなければならないでしょう。政府の方がおかしい。
 安倍晋三内閣総理大臣にお尋ねします。平成二十六年八月二十六日の福島地方裁判所で、先ほどございました五十八歳の女性の方です、これで明らかになったことは、原発事故災害で住民の方が犠牲になったということです。このことを御理解いただけますでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 原発事故により、今なお厳しい避難生活を余儀なくされておられる方々がまだまだたくさんいらっしゃる、極めて遺憾であり、心を痛めているところでございます。
 委員お尋ねの裁判事案につきましては、原発事故と住民の方が亡くなられたことに相当因果関係を認めた判決が確定しているものと承知をしています。東京電力には、引き続き被害者の方に寄り添った公平かつ適切な賠償を行うよう指導をしていく考えでございます。
○荒井広幸君 私たちは全てを知っているわけではありません。しかし、実態から目を背けてはならないと思うんです。これは何事においてもそうだろうと思います。安倍総理に私は期待をいたします。こうした形で原発事故で亡くなっている方がいるという現実なんです。
 総理、私はこの間、三月二日でしたか、生産性本部の大会で総理が、サービス業は七割を占めると、日本のGDP、雇用、共に七割を占めているのがサービス産業です、日本サービス大賞をつくると言って、私はこれはいささか興奮をいたしました。いよいよ日本版ノーベル賞ができるんだな、世界に冠たる日本のサービスを日本サービス大賞として初めてつくるというんですから、私は大変これを評価しています。加えて、オリンピックで世界中の方々が今からも集まっています、パラリンピックも含めまして。アベノミクス効果で外国人客も増えています。
 日本にとどまることなく、世界大賞を視野に入れたそうしたサービス大賞であるべきと考えていますが、いかがでしょう。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今回、内閣総理大臣賞として、今、荒井委員が紹介をしていただいた日本サービス大賞を今年から創設することといたしました。
 日本サービス大賞の創設の目的は、おもてなしなど質の高いサービスを評価してリスペクトされるサービス産業を形作り、我が国のサービス産業の活性化、生産性向上に資することであります。まずは、世界に通用するサービスも含め国内の優れたサービスを表彰し、本大賞を定着させていきたいと、このように考えております。
○荒井広幸君 もっと異次元で是非お願いしたいというふうに思っているんです。日本のサービス大賞をもらった、これはイノベーションになりますよ、世界的にも。どうぞそういう観点を持っていただきたいと思います。
 テレビについて話を移します。
 今、我々がデジタル地上波を見ています。これは2Kテレビですね。今度は4Kテレビという放送がありますが、4Kの電波は今我々見ている2Kの受像機で見れますか。
○政府参考人(安藤友裕君) お答え申し上げます。
 現在販売されている2Kテレビは、現行の2K放送、いわゆるハイビジョン放送の伝送方式や表示方式に対応したものでございます。このため、4K放送を視聴するためには、4Kの伝送方式や表示方式に対応したテレビ又はチューナーが必要となるところでございます。
○荒井広幸君 新たな負担が来ます。これは麻生総理のときでしたけれども、家電のエコポイントを導入してデジタルテレビに置き換えました。その負担が、まだ消費者にも、そして民間放送事業者にも残っているんです。ここが問題です。
 まず、NHKは、4K普及のために先頭に立ってどんどん頑張っていくという決意はあるんですか。
○参考人(籾井勝人君) お答えいたします。
 我々は、国のロードマップを踏まえて、国、NHK、民放、メーカーなどがオールジャパンの体制で4K、8Kの実用化に向けた設備の開発やコンテンツの制作を進めております。
 4Kと8Kは同じ放送方式でありまして、言わばファミリーの関係になっております。NHKは4Kと8Kを一体のものとして取組を進めております。視聴者の皆さんに8Kスーパーハイビジョンの魅力に接していただけるように、オリンピックやワールドカップサッカー、大相撲、紅白歌合戦などでパブリックビューイングを実施いたしております。
○荒井広幸君 総務大臣にお尋ねします。
 言ってみれば、これも準国策で進めるわけです、4K。負担が重くのしかかっております。補助金や減税などの工夫をしながら放送事業者等に支援をしていくという決意はあるんですね。
○国務大臣(高市早苗君) まず、放送事業者に対してですけれども、この4K、8K放送が円滑に立ち上がるように技術実証に対する支援は行ってまいりました。
 二十七年度の政府予算案におきましては、BSによる4K、8K試験放送に向けた技術実証について約四億円を予算計上しております。そのほかに、超高精細衛星・地上放送の周波数有効利用技術の研究開発についても進めることといたしております。
 なお、視聴者の方にも御負担がという問題意識でさっきお話があったかと思うんですが、引き続き今の2K環境で見たいと希望される方はもうお持ちの2Kテレビでそのままお楽しみいただき、またさらに、4K、8Kへということで御希望の方にはそういう環境を整えていくということで、選択の幅を増やしていけたらと思っております。
○荒井広幸君 再度お尋ねします。
 消費者についてはある程度分かりました。放送事業者も多額の負担をしております。これに対して減税や補助金等の措置などは考えるんですか、取りあえず4Kについて。
○国務大臣(高市早苗君) 先ほど技術実証などの支援のお話はいたしました。これからも必要な技術実証ですとか研究開発は進めますし、今年の三月からCSで4Kの実用放送が開始されて、四月から光ファイバーで開始され、年内にはケーブルテレビも4Kの実用放送が開始予定となっておりますので、実施状況を踏まえて、必要に応じて、状況に応じて、お申出があれば支援は検討してまいります。
 現在のところは、技術実証などに対する支援、それから周波数の有効利用技術の研究開発の支援を行っております。
○荒井広幸君 ネットフリックスなどが上陸してきますから、そうしたコンテンツに入れなくちゃならない時代にハードに入れるなんということは難しいですよ。私は、それでは4K進まないと思います。
 NHK会長にお尋ねします。
 昨日も小川議員とのやり取りがございましたけれども、放送法を遵守すると何度も繰り返していらっしゃいます。どうぞ、我々小さな政党にも日曜討論等を含めて出演の機会をつくるよう、公共放送として小さな政党の声を拾う、国民に知らせるということをしていただきたいが、いかがでしょう。
○参考人(籾井勝人君) お答えいたします。
 番組の制作に当たりましては、いつも申し上げているんですが、放送法にのっとり、事実に基づき、公平公正、不偏不党、何人にも規律されず、視聴者の判断のよりどころとなる情報を多角的に伝えております。
 新党改革には、これまでも国政選挙の際や憲法記念日特集などで御出演いただいております。
○荒井広幸君 不偏不党で、どうぞ機会をもっとつくっていただきたいと思うんですね。ほとんど出ていません。年間に一回だけです。
 通信、電気、ガス、皆さんのお手元に配りました。(資料提示)
 通信が自由化しました。電力が自由化の段階に入ります。そして、アベノミクスで安倍総理の私は大きな貢献だと思います、ガスの自由化をしたんです。今後どういうことが起きるかというと、通信と電気とガスでセットの割引をするとか、あるいは価格競争に入るとか、営業革命まで起きようとします。皆さん、家計費がぐんと下がりますから、これは家計費ビッグバンと言ってもいいだろうと思います。アベノミクスに我々はなぞらえまして家庭ノミクスというのを言っておりますが、その一つなんです。
 この分野をリードしてきています甘利大臣、今後、こうした三つを含めて、いずれは水道とテレビ、こういったところの受信料、検針料をしている、一回でできますね、今度、ガスも電気も。そうなれば、その分も価格を安くすることもできます。いろいろなことができる。こういった市場規模をどのように予想されますでしょう。
○国務大臣(甘利明君) 二〇一六年の電力小売市場及び二〇一七年のガス小売市場の自由化を見据えて、既に地域や業種を超えたエネルギー市場への参入の動きが活発化をしているところであります。
 具体的に申し上げますと、電力の小売市場に参入した企業は一年七か月で一・八倍、三十六社から六十四社に増加をいたしました。また、大手電力会社等が地域を越えて相互に市場に参入をいたしております。そのほかにも、小売全面自由化が実施される予定の二〇一六年に向けまして、家庭向けの販売を視野に、電気通信事業等の関連会社が家庭向けの電力小売ビジネスシステムの参入具体化を表明いたしております。このように、電力市場に新たに多様な事業の参入も見込めることが想定をされております。
 今般のエネルギー市場改革の経済効果につきましては、まず、電力、ガス、通信等を含めた消費者目線での様々なセットメニューを提示、今御指摘がありました、それや、それらを通じた競争の活性化等によりまして、電力・ガス料金や通信料金の抑制を実現する効果が期待をされると思います。また同時に、再生可能エネルギー、次世代自動車、省エネ家電、エネルギー管理、スマートコミュニティーなど、関連する様々な分野が活性化をされ、新たな産業や雇用が生み出される効果も期待できると考えております。
 経済効果の具体的な数値については、現時点では試算がなされていません。
○荒井広幸君 安倍総理が、二回にわたって四百四十億円、エネファーム、これは水素燃料電池です。家庭で実証しているのは日本だけです。これを爆発的に広めるために、大量の、政府は、安倍内閣はその投資をしていただきました。家庭への投資です。もう一歩まで来ています。
 総理、今のような通信、電力、ガス、そして、いずれ水道もテレビも自由化になってくるでしょう。そうしますと、様々な組合せや品質、売り方もあるし、一番は消費者の選び方がいろいろ自由になります。エネファームは発電まで起こします。こういうものを進めている安倍総理に私は最後にお尋ねをしたいんですが、こうしたことを実行しているのもアベノミクスの実態なんです。私が申し上げました通信、電力、まずはガスの三つの、それによって家計が下がる家計ビッグバンについての御意見を聞かせていただいて、終わりたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 大変分かりやすくいろいろと御説明をいただいていると、このように思います。
 今委員が御説明をいただきました電力やガスなどエネルギー市場におきまして、今国会にエネルギー市場の一体的な改革法案を提出をしておりまして、この法案が成立することで、御家庭に届けられる全てのエネルギーの供給が自由化され、エネルギーの縦割りが取り除かれることになります。
 エネルギー市場を一体的に改革することで電力とガスの相互参入が進んでいくと考えておりまして、通信を含めた他業態との連携も通じて、競争の中で様々な創意工夫を生かし、事業や取組が実現をしていくということ、そして、消費する言わば家庭の皆様が、そうした改革が進んでいくこと、新たな取組が進んでいくことによって刺激するようなことを目指していきたいと、このように思っております。
○荒井広幸君 終わります。
○委員長(岸宏一君) 以上で荒井広幸君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 これにて基本的質疑は終了いたしました。
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(岸宏一君) 速記を起こしてください。
    ─────────────
○委員長(岸宏一君) この際、先般、本委員会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員から報告を聴取いたします。
 それでは、報告を小川敏夫君にお願いいたします。小川敏夫君。
○小川敏夫君 予算委員会委員派遣の調査につきまして御報告いたします。
 派遣団は、岸委員長を団長とする十五名で編成され、二月二十三日及び二十四日の二日間、滋賀県及び京都府を訪れ、近畿地方の経済産業動向、両府県における重要施策の取組等について概況説明を聴取するとともに、国立大学研究施設の運営状況、現地における災害復旧状況、地域振興の取組、現地企業の経営状況等について調査を行ってまいりました。
 まず、近畿地方の景気動向については、一部に弱さが見られるものの、持ち直している。個人消費は、百貨店販売額の増加など消費税率引上げに伴う反動から持ち直しの動きが見られる。また、生産活動は電子部品・デバイス分野の回復が顕著となっている。雇用についても有効求人倍率が十一か月連続で一倍を超える状況が続いているとのことでありました。
 次に、滋賀県からは、近年の県政における重要課題について説明を受けました。同県においては、平成二十七年から人口が減少に転じる見込みとなっており、定住人口だけでなく、交流人口の増加を図ることにより活性化を図っていきたい。訪日観光客に対しては、近畿圏だけでなく、中部・北陸地域も含めた広域で連携を深め、アピールしていくとのことでありました。
 なお、滋賀県からは、琵琶湖の環境保全事業について交付税措置の拡充が必要である旨の要望が述べられました。
 このほか滋賀県においては、彦根市役所において、キャラクターの活用による地域活性化の取組状況について説明を受けました。
 また、株式会社ブリヂストンの彦根工場を訪問し、タイヤの製造工程を視察しました。
 次に、京都府からは、京都からの日本文化発信のための取組について説明を受けました。京都府では、平成二十五年に「京都ビジョン二〇四〇」を策定し、京都を日本文化の中枢として人・文化・産業の交流をつくり出すことを目指すとともに、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック東京大会を見据えた情報発信も進めていくとのことでありました。
 このほか京都府においては、京都大学iPS細胞研究所を訪問し、山中伸弥所長より、研究所の目標達成状況や本格的な臨床研究に向けた安定的な人材確保のための財政的・制度的な基盤の重要性等について説明を受けるとともに、研究の実施状況等を視察いたしました。
 次いで、平成二十五年に台風被害を受けた京都市嵐山地区を訪れ、復旧の経緯及び景観に配慮した河川整備の在り方等について説明を受けるとともに、現地を視察いたしました。
 また、自動車の排ガス計測機器分野などで世界トップシェアを持つ株式会社堀場製作所において、同社の事業概要や国内事業所の立地状況等について説明を受け、同社製品の製造工程等を視察いたしました。
 最後に、今回の委員派遣におきましては、視察先の関係者の方々に多大な御協力をいただきました。ここに深く感謝の意を表するものであります。
 以上で派遣報告を終わります。
 なお、調査の詳細につきましては、これを本日の会議録に掲載されますよう、お取り計らい願いたいと存じます。
 以上でございます。
○委員長(岸宏一君) 以上で派遣委員の報告は終了いたしました。
 なお、提出された報告書につきましては、これを本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岸宏一君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 次回は明十八日午前十時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後四時五十七分散会