第189回国会 予算委員会 第13号
平成二十七年三月二十七日(金曜日)
   午前九時一分開会
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   委員の異動
 三月二十四日
    辞任         補欠選任
     森本 真治君     小西 洋之君
 三月二十五日
    辞任         補欠選任
     長沢 広明君     新妻 秀規君
     東   徹君     清水 貴之君
     吉良よし子君     井上 哲士君
    薬師寺みちよ君     中西 健治君
 三月二十六日
    辞任         補欠選任
     堂故  茂君     松下 新平君
    三原じゅん子君     若林 健太君
     新妻 秀規君     長沢 広明君
     清水 貴之君     柴田  巧君
     井上 哲士君     田村 智子君
     松沢 成文君     江口 克彦君
     中西 健治君    薬師寺みちよ君
     福島みずほ君     吉田 忠智君
 三月二十七日
    辞任         補欠選任
     松下 新平君     堂故  茂君
     横山 信一君     杉  久武君
     柴田  巧君     室井 邦彦君
     田村 智子君     倉林 明子君
     江口 克彦君     中野 正志君
    薬師寺みちよ君     中西 健治君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         岸  宏一君
    理 事
                石井 準一君
                岡田  広君
                古賀友一郎君
                馬場 成志君
                堀井  巌君
                小川 敏夫君
                那谷屋正義君
                若松 謙維君
                小野 次郎君
    委 員
                石田 昌宏君
                猪口 邦子君
                大野 泰正君
                太田 房江君
                北村 経夫君
                佐藤 正久君
                島村  大君
                高野光二郎君
                高橋 克法君
                堂故  茂君
                二之湯武史君
                松下 新平君
                三木  亨君
                三宅 伸吾君
                山下 雄平君
                若林 健太君
                大久保 勉君
                大塚 耕平君
                小西 洋之君
                田城  郁君
                田中 直紀君
                藤田 幸久君
                水岡 俊一君
                蓮   舫君
                杉  久武君
                長沢 広明君
                矢倉 克夫君
                横山 信一君
                室井 邦彦君
                倉林 明子君
                大門実紀史君
                井上 義行君
                山田 太郎君
                中野 正志君
                中西 健治君
                吉田 忠智君
                平野 達男君
   国務大臣
       内閣総理大臣   安倍 晋三君
       財務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        麻生 太郎君
       総務大臣     高市 早苗君
       外務大臣     岸田 文雄君
       文部科学大臣
       国務大臣     下村 博文君
       厚生労働大臣   塩崎 恭久君
       農林水産大臣   林  芳正君
       経済産業大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(原子力
       損害賠償・廃炉
       等支援機構))  宮沢 洋一君
       国土交通大臣
       国務大臣     太田 昭宏君
       環境大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(原子力
       防災))     望月 義夫君
       防衛大臣
       国務大臣     中谷  元君
       国務大臣
       (内閣官房長官) 菅  義偉君
       国務大臣
       (復興大臣)   竹下  亘君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)
       (内閣府特命担
       当大臣(防災)
       )        山谷えり子君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(経済財
       政政策))    甘利  明君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(規制改
       革、少子化対策
       、男女共同参画
       ))       有村 治子君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(国家戦
       略特別区域))  石破  茂君
   副大臣
       内閣府副大臣   平  将明君
       財務副大臣    宮下 一郎君
       文部科学副大臣  丹羽 秀樹君
       農林水産副大臣  小泉 昭男君
       経済産業副大臣  山際大志郎君
       環境副大臣    北村 茂男君
   政府特別補佐人
       原子力規制委員
       会委員長     田中 俊一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小野 亮治君
   政府参考人
       内閣官房まち・
       ひと・しごと創
       生本部事務局地
       方創生総括官   山崎 史郎君
       内閣官房内閣審
       議官       谷脇 康彦君
       内閣官房内閣審
       議官       向井 治紀君
       内閣官房内閣人
       事局人事政策統
       括官       笹島 誉行君
       内閣官房内閣人
       事局人事政策統
       括官       若生 俊彦君
       内閣府政策統括
       官        平井 興宣君
       総務省自治行政
       局選挙部長    稲山 博司君
       外務大臣官房長  上月 豊久君
       財務省主税局長  佐藤 慎一君
       文部科学大臣官
       房長       戸谷 一夫君
       厚生労働省労働
       基準局長     岡崎 淳一君
       経済産業省経済
       産業政策局長   菅原 郁郎君
       中小企業庁長官  北川 慎介君
       国土交通大臣官
       房技術審議官   山田 邦博君
       国土交通省道路
       局長       深澤 淳志君
       国土交通省鉄道
       局長       藤田 耕三君
       防衛省運用企画
       局長       深山 延暁君
       防衛省人事教育
       局長       真部  朗君
       防衛省地方協力
       局長       中島 明彦君
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  本日の会議に付した案件
○平成二十七年度一般会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○平成二十七年度特別会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○平成二十七年度政府関係機関予算(内閣提出、
 衆議院送付)
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○委員長(岸宏一君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 平成二十七年度総予算三案に関する理事会決定事項について御報告いたします。
 本日は、経済・財政・国際問題に関する集中審議を行うこととし、質疑は往復方式で行い、質疑割当て時間は四百十四分とし、各会派への割当て時間は、自由民主党八十分、民主党・新緑風会百九分、公明党三十七分、維新の党三十六分、日本共産党三十六分、日本を元気にする会・無所属会三十六分、次世代の党二十分、無所属クラブ二十分、社会民主党・護憲連合二十分、新党改革・無所属の会二十分とすること、質疑順位につきましてはお手元の質疑通告表のとおりでございます。
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○委員長(岸宏一君) 平成二十七年度一般会計予算、平成二十七年度特別会計予算、平成二十七年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、経済・財政・国際問題に関する集中審議を行います。
 これより質疑を行います。松下新平君。
○松下新平君 おはようございます。自由民主党の松下新平です。
 閣僚の皆様、委員の皆様、連日予算審議お疲れさまでございます。本日のトップバッターを務めます。どうぞよろしくお願いいたします。
 来月の八日、九日に、天皇皇后両陛下におかれましては、パラオ・ペリリュー島を訪問されます。硫黄島、サイパンに引き続いて強い御要望があったとお聞きしております。
 私も十四年前にパラオを訪問いたしました。私の地元の宮崎で太平洋・島サミットが開催されまして、当時のパラオのナカムラ大統領が参加されました。その返礼の意味もありまして、パラオに同僚の県会議員と一緒に参りました。自然が豊かでおおらかな島であります。高齢の方は日本語が堪能で、町には日本語の看板も至る所にあり、日本の文化が継承されていました。日本人が忘れていたような日本人の心も、そこで思い知ることもできました。日本との結び付きを強く感じた次第であります。
 パラオは太平洋を俯瞰する位置にございます。恐らく、天皇皇后両陛下におかれては、全ての戦没将兵に慰霊されるものと推察をいたします。
 総理も、ペリリュー島のことを三月二十二日の防衛大学校の卒業式の訓示でお述べになられております。そのときの思いを後ほど述べていただきたいと思いますが、その訓示を私の方から紹介させていただきたいと思います。
 南太平洋に浮かぶパラオ・ペリリュー島。この美しい島は、七十年前の大戦において、一万人を超える犠牲者が出る、激しい戦闘が行われた場所であります。途中を省略します。諸君の務めとは何か。それは、二度と戦争の惨禍を繰り返さない。そのために、自衛隊の中核を担う幹部自衛官として、常日頃から、鍛錬を積み重ね、隙のない備えに万全を期すことであります。そして、いかなる事態にあっても、国民の命と平和な暮らしを断固として守り抜くことであります。私は、諸君の先頭に立って、この責務を全うする決意であります。どうか諸君におかれても、全身全霊を懸けて、この国民への務めを果たしてほしいと願います。これが訓示の一節でございます。
 私も、総理のこの考えに大変共鳴をいたしました。総理のこの防衛大学校での訓示の思いを、この場でもお述べいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今般、天皇皇后両陛下が御訪問されます南太平洋のパラオ・ペリリュー島においては、さきの大戦において一万人以上の犠牲者の出る激しい戦闘が繰り広げられたわけでございます。その中におきまして、遠い異国の地にあって、祖国の行く末を案じながら、そして家族の幸せを願い、多くの尊い命が失われたわけであります。
 しかし、その尊い犠牲の上に今日の私たちの平和な暮らしがあるわけでございまして、このことを私たちは深く胸に刻まなければなりません。そして、二度と戦争の惨禍を繰り返してはならない、私たちにはその大きな責任があるわけであります。そのためには、まさに常日頃から、隙のない備えに万全を期し、いかなる事態にあっても、国民の生命と幸せな暮らしを断固として守り抜かなければならないわけであります。
 戦後、我が国は、ひたすらに平和国家としての道を歩んでまいりました。それは、平和国家という言葉を唱えるだけで実現したものでは決してありません。それは、自衛隊の創設、また日米安保条約の改定、そして国連PKO活動への参加を通じて世界の平和と安定を実現をしていく。国際社会の変化と向き合い、憲法が掲げる平和主義の理念の下、果敢に行動してきた先人たちの努力のたまものであります。不戦の誓いを現実のものとするためには、私たちもまた先人たちに倣い、果敢に行動していかなければなりません。
 行動には常に批判が伴います。しかし、正しいと信じる、考えに考え抜いた上、その道が正しいと信じる上においては果敢に行動していくことが求められるのだろうと、このように思います。
 防衛大学校の卒業式におきましては、幹部自衛官としての新たな一歩を踏み出す卒業生の諸君に、このような私の思いを述べたものでございます。
○松下新平君 ありがとうございます。
 行動には必ず批判が付きますけれども、それに負けないようにしっかり頑張っていきたいと思います。
 ペリリュー島を始め、日本に帰ってこられない御遺骨は、今もなお百十三万柱にも上ります。この遺骨の収集に対しての政府の取組、総理、しっかりお願いしたいと思います。
 本日の集中審議のテーマは経済・財政・国際問題でございますが、それと表裏一体であります地方の経済財政問題について、スポットを当てて質問させていただきたいと思います。
 先日、内閣府から三月の月例経済報告が発表されました。アベノミクスは成果を出しています。景気の基調判断を、企業部門に改善が見られるなど緩やかな回復基調が続いていると八か月ぶりに上方修正しました。順当な判断であります。アベノミクスの三本の矢の経済政策は確実に日本経済を成長軌道に乗せました。その一例に、有効求人倍率、一年以上にわたって一倍を超えています。また、日経平均株価は二万円をうかがうところまで上昇しております。
 一方で、これからは地方への対策がもっともっと必要でございます。地方の再生なくして日本の再生はありません。地域経済を活性化させることが日本経済を再生させるために不可欠であります。この景気回復の暖かい風を日本の隅々まで届けるためには、それぞれの地方が地域の特性を生かし、産業振興や雇用の創出などを進め、地域経済を活性化させることが必要です。政府は、地方公共団体が自主性、主体性を発揮して地域経済の活性化など地方創生に取り組むことができるよう、まち・ひと・しごと創生事業に一兆円計上しました。この一兆円に期待が寄せられています。
 高市大臣、私は、宮崎県職員、そして県議会議員、そして今この質問に立っております。地域経済の活性化は一朝一夕には実現しないと考えております。今年だけで終わるのではなく、平成二十八年度以降も財源をきちんと確保して、全国約千八百の自治体の創意工夫を引き出して、力を合わせて取り組んでいくべきだと考えますが、総務大臣の考えをお伺いいたします。
○国務大臣(高市早苗君) 地方創生はその取組を始めてから成果が生じるまでに一定の期間を要すると思っております。ですから、息の長い取組が必要でございます。
 今委員がおっしゃっていただいたまち・ひと・しごと創生事業費、二十七年度の地方財政計画の歳出に一兆円計上をいたしましたけれども、平成二十八年度以降につきましても、地方法人課税の偏在是正、これを更に進めることによって恒久的な財源を確保する、これを前提といたしまして、まず期間は、やはり少なくとも総合戦略の期間であります五年間は継続する必要があると考えておりますし、その規模につきましても、継続的に少なくとも平成二十七年度に計上した一兆円程度の額を確保することが必要だと考えておりますので、しっかりと頑張ってまいります。
○松下新平君 ありがとうございました。
 現在、私は自民党の総務部会長を務めております。改めて、地方の一つ一つが元気にならなければ日本の再生はないと確信しております。統一地方選挙が始まりましたけれども、住民の皆さんの間での議論にも期待したいと思います。
 党の総務部会長として、年内の税制改正、補正予算、そして新年度予算、取りまとめてまいりました。部会の参加の皆さんの真摯な議論に敬意を表します。
 その税制改正のかんかんがくがくの議論の中で、財政的な児童虐待という言葉がございました。耳慣れない言葉ですけれども、財政的な児童虐待とは経済学の言葉であります。これはボストン大学のローレンス・コトリコフ教授の言葉で、世代会計という手法を使って、国の財政はどんどん将来世代に回し、子や孫を犠牲にしても現役の世代がいい思いをしようとする発想や政策のことをいいます。将来世代にツケを残してはならない、私は総務部会長としてその軸をしっかり持って発言し、取り組んできたつもりであります。
 この財政的な児童虐待、麻生財務大臣からの御所見をいただきたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 御存じのように、一般会計予算を見ますと、約九十六兆円のうち社会保障関係費が約三分の一、三十六兆円ということに占めます一方、歳入面では全体の三分の一というものをいわゆる国債発行に依存をしております。今、松下先生から財政的な次世代虐待と言われたように、多額の国債発行を通じて将来世代に負担を先送りしているという構造になっていることは確かであります。
 したがいまして、政府としては、今年度、この予算が通過をいたしますと、一応本来の目的であった二〇一五年までに基礎的財政収支の半減目標というのは達成することになれると思っておりますが、さらに、二〇二〇年度のいわゆる国、地方の財政収支を完全に黒字化していくためには、我々はそれをきちんと、今のままでは達成できないということになっておりますので、それをきちんとやる。
 そしてさらに、それは基礎的財政収支の話であって、それは金利計算が抜けておりますから、二〇二〇年、後も引き続ききちっとした対策なり予算編成というものをやっていかないと金利だけが増えていきますので、さらに、GDP比に対して分子であります歳出等々をきちっと抑えていく等々のことをやっていかねばなりませんので、さらに、我々としては、経済を成長させ、デフレを脱却し、歳出を抑制し、歳入を増やし等々いろんなものを軸にしてやっていかねばなりませんが、ただ、子供の世代に簡単に、借金だけが残っているような話がよく流布されるところではありますけれども、債券を買っていただいているのは松下さん、その債券が十年たって受け取るのは息子ですから、息子は一方的に借入金を負っているわけではなくて、国に対して貸した金は返ってきて、受け取るのは息子ですから、一方的な被害者意識を持たれるのは間違っていると思います。
○松下新平君 ありがとうございます。
 厳しい財政状況の中で、将来世代にツケを残さない、そういったことは国会議員一人一人共有していくべきだというふうに考えております。
 次に、地方経済の要であり、地方創生の基盤であります交通インフラについて、太田国土交通大臣に御質問したいと思います。
 最近で明るい話題として、被災地ですけれども、常磐道の全線開通がございました。また、北陸新幹線の開通もございました。私も、第二次安倍内閣発足時の国土交通大臣政務官としてお手伝いをさせていただきました。当時の熱心な皆さんのお顔が思い出され、完成されたことに御同慶の至りでございます。
 ここでちょっとパネルをお願いします。(資料提示)こちらは九州地域の道路ネットワーク図ですけれども、九州でも、先週の土曜日ですが、大分県佐伯―蒲江間の東九州自動車道の開通式がありまして、太田国土交通大臣もお越しくださり、盛大に開催されました。この東九州自動車道、インフラの整備を加速していただいていることに感謝を申し上げます。
 さて、ここで御質問なんですけれども、これは全国に共通することでございますが、この九州のパネルを見ましても、ミッシングリンク、まだ高速道路がきちっとつながっていない箇所が幾つかございます。高速道路は道路がつながって初めてその効果が現れます。途中で切れていたら限定的な効果しかございません。
 そこで、これらの未整備区間をどうつなげていかれるのか、太田国土交通大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(太田昭宏君) 先日二十一日、地元の長年の悲願でありました東九州自動車道の佐伯―蒲江間が開通をしまして、大分と宮崎が結ばれ、そして大分の県知事、そして宮崎の県知事、そして延岡からも大勢の方が来ていただいて、大分の佐伯において大きな喜びが広がりました。私も開通式に出席いたしましたけれども、大変喜びが感じられて、うれしい思いがいたしました。
 佐伯では道路がつながることを見越してこの五年間で約二十件の企業が新たに立地したと、そうしたことを報告も受けまして、有効求人倍率も一・四倍に伸びたという報告もいただいて、効果が既に現れていると。ストック効果というものは大事だなという思いをしました。
 高速道路は、物流の効率化や観光交流の促進、あわせて災害に強い、リダンダンシーということからいきまして大事な役割を果たしていて、そして今申し上げましたストック効果ということの上からも大変整備効果が大きいと、このように思っています。まだまだ多くのミッシングリンクというのがあるわけでありまして、九州地方でいきますと、東九州自動車道の南の方、日南―串間―志布志間や、あるいは九州横断自動車道の延岡線、こうしたものがいまだ主要な幹線道路がつながっていないという状況にございます。
 今後とも、事業中の区間についても整備を促進し、そして未事業化区間についても、これは調査の段階ではありますが、計画的に調査を進めていくなど必要な道路ネットワークの強化に取り組んでいきたいというふうに思っておりますし、全国的にも、財政制約という上からも、効果が非常にあるというところを優先しながらも、しっかりと対応していきたいと、このように考えているところでございます。
○松下新平君 ありがとうございます。
 私の地元の日南―串間―志布志、また延岡―西臼杵―蘇陽間の横断道路の話までしていただいて恐縮です。このミッシングリンクの解消は、宮崎のみならず九州全体の発展に不可欠ですので、是非また整備の促進をよろしくお願いしたいと思います。
 ここで、総理にちょっと御質問をさせていただきたいんですが、はっぴ姿の宮崎には道づくりを考える女性の会というのがございます。太田大臣には何度も会っていただいているんですけれども、総理は、この道づくりの女性の会、はっぴを着られた皆さんを御存じでしょうか。皆さんは手弁当で、まさに命の道をつなぐ活動を献身的にされています。このボランティア活動をされる皆さんが今テレビでかじりついて見られているので、是非総理からメッセージをお願いしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 道路等の社会インフラは、地域の経済のみならず、教育や文化やあるいは医療などの面で地域の生活を支える必要不可欠な役割を担っていると思います。その整備に当たっては、女性の視点が不可欠であろうと思います。
 先日、常磐自動車道の全線開通にも立ち会ってまいりました。全線がつながることで企業立地や観光振興、あるいは災害時の代替ルートの確保等の面で大きな効果が発揮されるということを改めて実感をいたしました。
 議員御指摘の東九州自動車道も含めまして、各地域における円滑な移動を確保するためには、道路ネットワークの充実が非常に重要と理解をしています。このため、一日も早くネットワークがつながるよう、重点化や効率化を図りつつ計画的に整備を進めているところでございまして、今後とも、道路を含めたインフラ整備を計画的に進めていくことによって経済成長の成果を地方に波及させ、元気で活力にあふれた地方をつくっていきたいと思います。
 今お話をされました、みやざきの道づくりを考える女性の会のように、女性を中心とする団体が道路整備について交流会等の様々な活動をされていると伺っております。その意味におきましては、まさに女性の視点、女性の気持ちを道路政策に伝えていく、それを体現しておられると、このように思って、我々も改めて敬意を表したいと思います。
○松下新平君 女性の視点、女性の気持ちということで、御丁寧な御答弁ありがとうございます。ますます、はっぴ姿の女性軍が頑張ってまいると思います。自ら一番の圧力団体だと言われる方もいらっしゃるぐらい、またしっかりそれぞれで頑張ってくれるものと思います。ありがとうございます。
 続きまして、太田国土交通大臣に再度お伺いいたします。
 国土交通省発注の入札制度についてでございます。
 公共事業は国民の血税、税金で行われますので、ゆめゆめ不正があったり品質が悪いものであってはなりません。当時、大臣政務官として、あるべき姿を求めて品確法等環境整備をしてまいりました。品確法とは、公共工事の品質確保の促進に関する法律です。いわゆる公共調達制度の設計理念をうたったもので、政府が公共の事業を行う際に事業をどのように選定するかという制度です。
 しかし、この理念とは裏腹に、実際の現場では受注が特定の業者に偏って、本当にやる気のある、そしてまた技術力がある会社が受注できていない状況が浮き彫りになっております。これは加算点数など仕組みに問題があるからだと私なりに分析をしております。
 太田大臣、現場でこの品確法の理念が実行されるよう徹底すべきと考えておりますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(太田昭宏君) 松下先生には国土交通大臣政務官としまして、災害があるとすぐ飛んでいただいたり、あるいは今御指摘のありました品確法という非常に大事な、また、品質を確保すると同時に、その担い手が大事だということを言ったこの品確法の制定に対しましても大変御尽力をいただきました。
 地域の建設産業、建設企業は、防災・減災、老朽化対策、メンテナンス、耐震化、こうしたことのいわゆる地域の守り手であるという重要な役割を担っていると思います。御指摘のとおり、地元に精通した地域の建設企業が継続的に、持続的に仕事ができるということが大事だと考えています。
 地域の建設企業が継続的に維持するためには、公共工事の受注におきましても偏りのないようにするということが大事だというふうに思っています。そのためには、工事の品質を確保すること、そして比較的規模の小さな工事や、あるいは維持管理、メンテナンスと、こういうことについては地元の建設企業ができるだけ受注できるように配慮すること、そしてまた、実績の少ない企業がなかなか参加できないという声もありますから、実績の少ない企業も参加できるように入札の要件を緩和する、こうしたチャレンジ型のものにする、こうしたことなどが必要だと考えております。
 このように、公共工事の入札におきましては受注企業に偏りが生じないよう工夫に努めているところですが、今後も一層努力をして進めていきたいと考えています。
○松下新平君 ありがとうございます。
 チャレンジ型の制度も関東の方で一部導入されていますが、なかなか結果が伴わないという状況もありますので、また結果が出るにはどうしたらいいかという視点で議論をしてまいりたいと思います。
 この入札制度は、地域創生、地域経済の活性化にも不可欠であります。また、若い世代が誇りを持って夢を描ける業界の環境整備が整うことによって、ひいては災害時の措置が迅速に行われるなど、国民生活の安心、安全につながると思います。引き続きよろしくお願いしたいと思います。
 最後に、総務部会長としてもう一つ情報通信も担当しておりますけれども、クラウドの活用について政府の取組を、これは全体的なことですので総理にお伺いしたいと思います。
 このIT技術、これは十五年周期で大きく変革を遂げてきたと言われております。三十年前がパソコンの登場です。そして、十五年前がインターネット、そして今がこのクラウド技術、これが世界を変える技術と言われております。
 クラウド技術は世の中が変わるインパクトが想定されております。例えば、おれおれ詐欺、いろいろ関係機関の方で策を練っておりますが、なかなか後を絶ちません。しかし、これをクラウド技術を使って個人認証を徹底することによりゼロにすることが可能なんです。
 また、国では、エストニアという国がEUにございますが、三十四歳の首相が誕生して、国を挙げて取り組んでおります。もう七、八年前から閣僚の会議はiPadでペーパーレスでやっているそうです。また、政府の法案は草案の段階からオンラインで公開して国民のコメントを求めたり、また選挙もオンラインで投票できることなど、全国民にIDを配付して、まさにオンラインであらゆることが可能だということであります。このIT技術を使わない手はないと思います。
 政府がこのクラウド技術、情報共有についてどのようなお取り組みをされているのか、お伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 政府情報システムについては、行政サービスの向上を図っていくとともに、徹底したコスト削減、行政の変化への柔軟な対応、そして情報セキュリティーの確保等に配慮して改革を進めることが必要であると考えています。
 こうした観点から、効率性、柔軟性に優れたクラウド技術を積極的に活用することなどにより、二〇一八年度までに政府の情報システムを半減し、二〇二一年度までに運用コストも三〇%の削減を図ることとしています。
 今後とも、クラウド技術を始めとする新技術の活用を図り、効率的な運用に努めていきたいと思っております。
○松下新平君 ありがとうございます。
 党としましても、IT戦略特命委員会がございます。平井たくや委員長の下、週に一日置きぐらいに会議を持って、この分野を研究しております。
 お話がありましたとおり、まずは国民の利便性であります。そして、経済成長の後押し、行政コストの削減に至るまで、経済社会を変えるのがこのクラウド技術であります。今年施行されますマイナンバー制度、これともしっかりリンクをさせて、クラウド元年としての総理のリーダーシップを期待したいと思います。
 また、地方においても、この活用の余地は十分あります。また、積極的に取り入れているところもありますけれども、総務大臣においてもしっかりサポートしていただきたいと思います。
 予定された質問は以上でありますけれども、残りの時間で、この国会、予算委員会の審議の在り方についてちょっと触れたいと思います。
 私の郷里の偉人で、ビタミンの父として名高い高木兼寛先生がいらっしゃいます。この先生は、東京慈恵会医科大学の創設者でありまして、また看護学校を日本で最初につくった方でもあります。その方が自らの経験を基に、病気を診ずして病人を診よという言葉を、教えを残していらっしゃいます。これはどういうことかといいますと、高木兼寛先生はお医者さんでもあるんですが、どうしても医学の世界で病気を研究として捉えてしまうと。しかし、医学というのは患者さんの心の中に、あるいはその背景まで考えてケアをすることが重要なんだという教えです。病気を診ずして病人を診よ、これが高木兼寛先生の教えなんです。私も政治活動をする上で、このことを常にモットーとしております。
 そこで、この国会において、また予算委員会において、耳を疑うような野党からの質問がございます。そのことを申し上げたいと思います。例えば、交通規制でいいますと、六十キロの制限があるとします、そしてそこに一キロあるいは二キロオーバーしたとします。これは確かに違反です。違反ですが、警察はそれは取締りの対象でしょうか。もちろん違反ですよ。私は、この予算委員会、国会の場で、予算をたくさん使って、コストを使って議論する場において、国民が、そういった質問とか、転んだだの滑っただのという、こんな質問を望んでいるんでしょうか。それを野党の諸君にも考えていただきたいと思うんです。野党も与党の経験がありますので、一緒にこのことは考えていきたいというふうに思います。これから参議院の審議、まだ集中審議も予定されていると思いますが、是非野党の諸君には建設的な議論をお願いしたいと思います。不祥事ばかりを取り上げるのではなくて国民生活を考えるように、この教えを是非お願いしたいと思います。
 国民の皆さんの生活状況や不満など、希望に応える政治の実現を安倍晋三総理にお願いして、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○委員長(岸宏一君) 以上で松下新平君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、若林健太君の質疑を行います。若林健太君。
○若林健太君 自由民主党、参議院議員の若林健太でございます。今日はこうした質問の機会をいただきまして、諸先輩の配慮に心から感謝申し上げたいと思います。
 日本を取り戻す、そうスローガンを掲げて安倍内閣が発足をして三年目を迎えて、この間、安倍内閣は三本の矢を掲げてアベノミクスによって経済を大きく好転をさせてきた、このように思います。株価は今一万九千円、いよいよ二万円を超えるんではないかと、こんなことを言われておりますし、有効求人倍率も一・一四倍、もう二十二年ぶりの高水準ということでございます。
 お手元の資料、このパネルを見ていただきますと、(資料提示)これは内閣官房が制作をした数字ですけれども、各マクロ数字がまさに日本の経済、マクロ経済が良くなっていることを示しているというふうに思います。残念ながら、しかしながら、その景気回復が実感できないとか、あるいは私の地元でも、おらほにはまだアベノミクス来てねえやと、こういった批判があることも現実ではありますけれども、三月の月例経済報告を見ますと、生産においても、また企業収益においても上向きになっていることが示されています。大手企業のベアも大幅に改善をされ、まさに金融、財政によって引っ張ってきた日本の経済、いよいよ民間投資それから消費需要にバトンタッチして、そして本格的な景気回復に向けて段階を踏もうとしていると。
 アベノミクス完遂に向けて、総理の決意をまずお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 我々が政権を奪還した際は、まだ日本はデフレ経済の中に沈んで低迷をしていたわけでございます。我々は、三本の矢の政策によってデフレから脱却をし、経済を成長させ、そして国民生活を豊かにする、この目標に向けて今着実に成果を出してきていると思います。大変分かりやすいグラフを、グラフというかパネルを作っていただいたと、このように思います。
 経済におきましても、GDPにおきましても実質で八兆円、名目で十七兆円プラスになりました。そして、大切なのは雇用でありますが、一年以上にわたって一倍を超えております。そして、それは言わば職を探す人の数よりも人を求める仕事の数の方が多くなっているという状況を今つくり出しているわけでございます。
 また、昨年も十五年ぶりの賃上げが行われたのでございますが、今年はそれを上回る、こう言われております。それは、いわゆる正社員にとどまらず、非正規の方々にも波及しつつあるんだろうと思います。例えば、小松製作所は最低賃金を千円にすると、こう言っておりますし、トヨタ自動車は非正規の方々も月六千円上げていくということを既に決めているわけでございまして、更にしっかりと政策を進めていくことによって多くの方々にこの景気回復を実感をしていただきたい、デフレ脱却を確かなものとし、しっかりと経済を成長させていく、そして皆さんに実感を持っていただける、そういう経済をつくっていきたいと思っております。
○若林健太君 ともすると、少子高齢化の中で、身の丈に合った経済を、私たちはこの程度でいい、一番でなくていいというような風潮のあったとき、総理はむしろ、本当にそうでしょうかと、日本にはまだまだ可能性がある、潜在力がある、世界の真ん中で輝く日本をつくり上げると、あのときそうおっしゃっておられました。
 まさに今成果が出てきていると、こういうふうに思いますが、残念ながら、物価の上昇と賃金の上昇、必ずしも一緒になって上がっていくというわけにはいきませんので、なかなか、物価の上昇が先行している面があるから、景気回復について世論調査をしても七割近くの人が実感をしないと。あるいは、私ども地方においても、中小企業などにおいては、まだまだ大企業ほどおらほには余り来てねえやと、こういった意見があるのも現実でございます。
 こうした声に対して、これはマクロ経済全体が良くなることがいずれそこへ浸透していくんでしょうけれども、政策によってそこへ誘導していかなければなりません。これに向かってどんな対策を今打っているか、総理からお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) なかなか実感できないという一つの大きな理由は、昨年の消費税の引上げ、三%の引上げであります。我々は、この政策を発動させる当初から委員会等で説明をさせていただいておりますが、物価安定目標、二%という物価安定目標に向けて、デフレから脱却をし、しっかりとその目標に向かって進んでまいります。
 その物価の上昇分については、しっかりと賃上げが追い付いていくように、政労使の会議を開いて賃上げをお願いをしてきた。昨年も二%以上上がった。ただ、三%の消費税の引上げ分、これは将来の言わば社会保障をみんなで負担していきましょうというものでございますから、この上昇分には追い付いていないのは事実であって、そこでやはりなかなか実感できないねということになったんだろうと、このように思います。そして、まだ地方においては十分にその暖かさが伝わってきていないなと思う方々がたくさんおられたと思います。
 そこで、例えば中小・小規模事業者に対しましては、地域支援を活用したふるさと名物の開発や販路開拓を応援していくとともに、原材料高に苦しむ事業者への支援や、ものづくり・サービス補助金による事業者のイノベーションを後押しをして、そうしたものを通じてアベノミクスの暖かな風を全国津々浦々の中小・小規模事業者に届けていきたいと、こう考えています。
 また、重要な点は、しっかりと収入が増えていく、給料が上がっていくということではないかと思います。昨年は、総選挙の後、直ちに政労使の会議を開きまして、経済界の皆さんには賃上げに向けた最大限の努力と、原材料高騰に苦しむ下請企業の価格転嫁といった取組に合意をしていただきました。
 昨日、連合が公表したところによれば、本年の賃上げ率は、大手のみならず中小も含めて過去十五年間で最高となった昨年の水準を更に上回る勢いであるという認識が示されています。また、下請企業の価格転嫁や支援、協力については、取引条件の改善の動きも出始めていると承知をしています。つまり、私たちが進めている政策によって、しっかりと効果は出始めているのは間違いないと思います。
 二十七年度の地方財政計画における地方税収でありますが、前年度に比べて二・五兆円、七%増を見込んでいます。つまり、地方の税収が増えているということは確実に地方も良くなっているということではないかと思います。特に法人二税については、最も伸びが大きい島根県は何と三二・四%増えます。全国で三十三道府県が当初予算において二桁増の収入を見込んでおります。長野県における税収見込みについては、地方税一〇%増ということでございます。うち法人二税は一三・六%の増になっている。いよいよ長野県も皆さんに実感していただけるような雰囲気は出てきているのではないか、こうした動きをしっかりと後押しをしていきたいと、このように考えております。
○若林健太君 いよいよ長野県もと、本当にありがとうございます。元気になってまいりたいと思います。
 しかし一方、今の現状のマクロ経済がずっと良くなっていくに対する批判の声として、先日訪日されたフランスのピケティ教授による著書が話題となりまして、格差ということが言われるようになってまいりました。この格差問題、全体は良くなっているんだけれども、なかなかそれに乗り切れない人が出てくると。こういう問題に対してどう対処するか、これも目配りしなければならない課題だと思います。この点について、総理、今取組についてお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 日本という国は、一人の人が豊かさを独占する、これはやっぱり良くないよねという共通のコモンセンスが形成されている国、その意味で私は瑞穂の国なんだろうと、こう思っているんです。
 その意味におきまして、私たちがつくり上げたこの日本人の人生観、哲学の上につくり上げられたこの社会保障制度をしっかりと次の世代に引き渡していくという責任を果たしていく必要があるんだろうと思っております。
 同時に、子供たちの誰もが家庭の事情、経済事情に左右されることなく希望する教育を受けられるよう、そして誰もが生きがいを持って能力を発揮して働くことにより安心して暮らすことができるよう取り組んでいます。具体的には、教育費負担については、高校の奨学給付金や大学の奨学金など、幼児教育から大学までの各段階において必要な支援を行い、負担の軽減に努めていきたいと思っています。
 また、雇用環境についても、最低賃金を二年連続で大幅に引き上げました。そして、パートタイム労働者と正社員との均衡待遇を推進をしてきています。そして、非正規雇用労働者のキャリアアップや処遇改善に向けた取組を今後も進めていくこととしています。
 さらに、税制に関しては、まず、今般の消費税率引上げに当たり、増収分は全て社会保障の充実、安定化に充てることによって所得の再配分にも資することに加えまして、低所得の方々への様々な配慮を講じています。このほか、再配分機能の回復を図るために、所得税の最高税率の引上げや相続税の見直しを講じてきています。
 こうしたことによって、格差が固定化しない、みんなにチャンスがある、そして格差については、まさにこれはおかしい、そういう格差のない社会にしていきたいと、このように思います。誰にでもチャンスのある社会をつくっていきたいと、このように思っております。
○若林健太君 アベノミクスによる効果を津々浦々にお届けをする、そしてまた格差問題等についても目配りをしていく、こういうお話でございました。
 今総理のお話の中にもありましたように、政権交代以降、アベノミクスの成果によって当初予算より税収が上振れをするという現象がずっと続いています。平成二十四年二千億、平成二十五年は二兆二千億、二十六年は一兆七千億の、当初見込みよりも税収が上がると、こういう効果が出てきているわけであります。先日成立をした平成二十六年度補正予算では、この税収増と前年度剰余金を財源として必要な事業に対する予算措置を行いつつも、八年ぶりに公債金の減額ということも行われてきたわけでございます。
 平成二十六年度補正予算と財政規律の関係について、編成に携わられた麻生財務大臣から御見解をお尋ねしたいと思います。
 また、続けて、今年度の予算は新規国債発行額が六年ぶりに三十兆円へ回復をして、財政再建と経済再生、両立をするということについて配慮をした予算と、こうなっていると思います。
 改めて、財政健全化に向けた安倍内閣のこれまでの取組と二〇二〇年度のプライマリーバランス黒字化に向けた決意を、まず前半の部分を麻生大臣に、そして後半の決意を総理にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 御指摘のとおり、平成二十六年度の補正予算というものが繰り越されて支出をされると、年度超えて。その場合には、平成二十七年度のいわゆる国、地方の基礎的財政収支に影響を与えるということになります、それ、前年度から繰り越されてきますので。このため、平成二十七年度の基礎的財政収支というのは、御存じのように、基礎的財政収支、プライマリーバランスというものを、目標は半減しますと、赤字の半減というものを、二〇一〇年度に比べて半減させますということを言ってきておりましたので、この平成二十六年度の補正予算をきちんと消化をしていただくというのを頭に非常に入れておりましたので、規模というものには非常にいろいろ配慮をしたところであります。
 したがいまして、二十六年度の補正予算というのは、景気のいわゆる回復というのが主たる目的ですから、脆弱な部分に的を絞った経済対策というのをやらせていただいて、平成二十七年度の基礎的財政収支の悪影響を最小限に抑えたという形なものをつくらさせていただいたというところであります。
 残余の話は、先ほど、総理の方。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 安倍内閣におきましては、経済成長と財政再建の両立を目指しています。
 これまで安倍内閣としては、歳入面では、強い経済の実現を目指した取組を進めるとともに、税収を増加させる、先ほど御紹介いただきました。社会保障の充実、安定化のため、昨年四月に消費税率を八%にも引き上げたところであります。また、歳出面では、社会保障の改革を含め、徹底的な重点化、効率化を行ってきたのも事実であります。こうした取組も併せまして、平成二十七年度の新規国債発行額は四・四兆円の減額になりました。六年ぶりに四十兆円を切りました。一般会計の基礎的財政収支も前年度比約四・六兆円改善しました。これによって国、地方の基礎的財政収支の赤字半減目標を達成する予算としています。
 二〇二〇年度の財政健全化目標はしっかりと堅持していきます。その目標の達成に向けまして、デフレから脱却をし、経済を再生させていく。そして、そのことによって税収を増やしていく。このことによって税収が増えていくということは、先ほど若林議員から説明をいただいたとおりであります。
 無駄削減など、徹底した行財政改革もしっかりとやっていきます。歳出歳入両面にわたって取り組んでいきます。同時に、社会保障における効率化、合理化、重点化も更に進めていきたい。そして、本年夏までに目標達成に向けた具体的な計画を策定していく考えであります。
○若林健太君 ありがとうございます。
 かねて財政再建派とリフレ派、どっちが先かなんという議論があったときがありましたが、今、日本の経済は、アベノミクスによって間違いなくデフレからの脱却、その入口に立ってきているわけですし、そのことによって税収が上がり、財政再建に向けた兆し、その明るい兆しも見えてきた、こんなふうに思います。この道しかない、是非邁進をしてまいりたい、邁進をしていただきたい、このように思います。
 さて、私は二十五歳のときに長野市で公認会計士の事務所を開業いたしまして、国会に出てくるまでずっと地方経済の中で活動してまいりました。あのバブルが崩壊をして、長野の場合は実は長野オリンピックがあったのでバブル崩壊は少し遅くなりましたけれども、その後ずっと十五年間デフレ経済が続いたわけであります。この間、地方は、産業の空洞化、目の前にあるでっかい工場がどんどんどんどんなくなって、海外へシフトしていく。何千人という雇用がなくなっていくんですね。そしてまた、郊外には大規模小売店舗ができたり、あるいはフランチャイジーの店舗展開というのはどんどん進んでいくんですけれども、一方、地元の資本の卸だとか小売業は疲弊をして中心商店街が疲弊をしていく、こういう状況が続いてまいりました。
 ITバブルのときもそうだったんです。もしかしたら、アベノミクスの今の前段階もそういう状況なのかもしれませんが、首都圏が元気になっていっても、地方は全然元気にならない。だって、輸出関連企業が利益を上げても工場がないわけですから、工場を通じて賃金が上がったり、あるいは下請が元気になると、こういう構造はもうなくなっている。一方、私ども消費して上がった利益はみんな都会の資本で東京へ吸い上げられてしまう。
 地方の経済のこうした構造変化というのが大変重要な問題だというふうに私はずっと思っておりまして、この構造問題に注目をして、手を入れなければいけない、自分たちの子供たちが生まれ育ったところに自信と誇りを持って帰ってきて仕事ができる、そういう全国、日本の環境をつくりたいと、五年前に国政へ出てくるときにお訴えをした言葉でありました。
 果たして今、地方創生の中で、安倍内閣が私のそのとき思っていた思いをまさに中心に据えて今取り組んでいる、地方創生というのはまさに大変重要な、そういう意味では時を得たと、こんな思いでおります。
 昨年、自由民主党で日本経済再生計画というのを取りまとめをして、内閣へ提出をさせていただきました。塩崎本部長代行の下、私も地方を元気にするための部会の座長を務めさせていただいて、中堅、若手の同僚の皆さん、あるいは霞が関の皆さんの知恵をいただいて、様々な政策提言をさせてもらいました。
 今回、地方創生のパッケージの中に相当その中から入れていただいておりますが、その中で一番難しかったのは、私ども、是非やってもらいたいという声は多かったにもかかわらず難しかったのは、企業の地方への拠点進出を後押しするような税制をやってくれ、法人税でも何か知恵は出せないかと、こういう話をしていたんですけれども、やっぱり法人税や所得税といった基幹税を地域ごとに変えていくなんということはタブーだと、それは今までの税制の中でのある意味常識だったというふうに思うんです。
 非常に抵抗がありましたが、今回、この税制改正の中では、まさに地方拠点強化税制として、このタブーを乗り越えて新たな政策を打ち出そうとされているというふうに思います。これは非常に画期的だと思いますが、この点について、この効果、成果について、麻生大臣からお伺いしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 今御指摘がありましたように、平成二十七年度の税制改正において、安倍内閣の最重要課題の一つであります地方創生というものの取組の一環として、御指摘の地方拠点強化税制を創設ということにしたところであります。
 企業の本社機能を地方に移転を促すということは極めて重要なことで、東京一極集中が過度になり過ぎておるという御批判はこのところよくあるところですけれども、御指摘のように、税制面での思い切った取組というのをやらせていただくと同時に、税制だけやったからといって人が簡単に移動するかというと、そんな簡単な話ではございませんので、各地域における計画的な、また戦略的な企業誘致の取組というのも、これは長野なら長野でいろいろ効果的な支援となるように企業誘致含めていろいろ努力をしていただかぬと、これ幾ら言ったってなかなかいくわけではないんですが。
 いずれにいたしましても、地方で拡充しようと、地方の拠点を拡充しようとする企業に対して、企業が策定した計画を都道府県が認定する枠組みというものをまず前提として、その上で、本社などの建物に係る投資減税とか、雇用の増加に対する、地方へ拠点を移すことによって地方雇いの、いわゆるそこに、本社になればそこの本店雇いということになるんでしょうが、そういったことに対して、雇用が増加いたしますので、その税額控除の特例を設けると、ちょっと今まで余り聞いたことのないようなことをやっておるんですけれども。
 これが効果が出るかどうかというのは、懸かってこれは長野県の方々のあれで、ここまでやって、差が出ますよ、これは。間違いなく各地域によって、それをやり切る地方の首長さん、またその地域の企業等、その意識の全く欠けているところは絶対差が出ますから、差が付いたところの補填までしてくれなんて言わないようによろしくお願いします。
○若林健太君 まさに地方の知恵が問われる、しかし、その後押しをするための政策を、安倍内閣はまさに今まではタブーだったようなところも踏み込んで今取り組んでいただいている、我々が試されていると、こんなふうに思います。
 上から目線の地方創生だなんという批判を耳にすることがございます。政府がどの政策がいいのかをチョイスするんだと、それは上から目線じゃないかという批判があるようでありますが、全く当たらない。むしろ、地域のやる気をしっかりと引き出して、そしてやる気のあるところからその創意工夫をしっかり後押しをする、そのための政策パッケージももう既にお示しをしている、こういうことだと思います。
 今取り組もうとしている地方創生に向けて、今日は平副大臣に来ていただいているので、その意気込みをひとつ語っていただきたいと思います。
○副大臣(平将明君) お答え申し上げます。
 地方創生における成功事例とか先行事例を見ると、決して国の計画や政策に従って政策を出したというわけではなくて、地域の着想とか発想に基づいて成果を出している事例が多いと思います。そういった点から、まさに知恵は地方、地域にあるということを痛感をしているところでございます。地方創生を進めるために、主役となる地方が地域の実情を踏まえて、地域に密着した施策を創意工夫を凝らしながら責任を持って実行をしていただきたいと思っています。
 国といたしましては、こうした考えの下、各地方公共団体に対して、平成二十七年度中に地方版総合戦略を策定していただくようお願いをしているところでございます。
 地方版総合戦略は、各地方公共団体自らが客観的な分析に基づいてその課題を把握し、責任を持って地域ごとの処方箋を示すものであって、政府は、それらに対して情報支援、財政支援、人的支援を行うものでございます。KPIをつくってくれとかPDCAを回してくれとか、そういうことは言っておりますが、あくまで自治体の数だけ処方箋があると思っておりまして、政府はそれを支援をさせていただくということでございます。
○若林健太君 平副大臣には、ちょうど私も一緒に青年会議所で同期の理事長、東京と長野ですけれども、でございました。是非、石破大臣を支えてしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 いよいよ、この二十四日には地方創生先行交付金千三百億円が交付決定されましたし、六十九人の国家公務員や大学教授が各市町村に応援に入るということも決められたところであります。
 政府は、しっかり市町村を後押しをする、そして市町村がその思いや知恵をしっかり発揮してこの地方創生を行っていく。少子高齢化が進んで過疎化や高齢化が進んでいる地方の現状を見ると、まさに地域が元気になる構造改革を行うラストチャンスだと、こんなふうに思います。しっかりと内閣一体となって取り組んでいただくことをお願いしたいというふうに思います。
 三月十四日に北陸新幹線が金沢まで開業いたしました。沿線は大いに盛り上がりまして、我が長野も、今までは終着駅だったんですけれども、金沢まで通じることとなりました。どうもマスコミは金沢ばっかりです。金沢、富山、新潟、長野と、こうずっと延びたわけであります。四月五日からは善光寺の御開帳、七年に一度の御開帳が行われますし、また、飯山の菜の花祭りなどあります。金沢や北陸の皆様からも是非訪れていただきたいと、こう期待をしているところであります。
 整備新幹線、この北陸新幹線は、敦賀までの延伸開業、平成三十七年度の予定が三年前倒しをされて三十四年に開業することと、こういうふうになったと伺っております。この整備新幹線の効果は本当に地域に対して大きいと思います。
 是非、この整備に向けた決意を国交大臣からお伺いしたいというふうに思います。
○国務大臣(太田昭宏君) 十四日の日に金沢まで北陸新幹線が開業しました。私も、十四日朝五時、始発列車行きましたら、もうお客さんとか、また喜びであふれて駆け付ける人が朝五時でいっぱいの状態でありましたし、金沢駅の後に、私、富山にも行きまして開業記念式典に出席しましたが、それぞれの沿線で本当に喜びがあふれたと思います。恐らく、長野におきましても、大変今後の希望ということであふれたと私は思います。インパクトが非常に大きいということを実感をしました。
 今回の開業によりまして、長野―金沢間は最速一時間五分、約一時間、そして飯山―東京間は最速で一時間三十九分で結ばれます。長野と北陸地域、首都圏はぐっと近づいたという状況でございます。
 これからゴールデンウイークにかけて、今御指摘のありました飯山菜の花祭りや善光寺の御開帳があると聞いているところですが、これらも含めまして、北陸新幹線を利用して多くの観光客がそれぞれの沿線、これは観光は点から線、線から面ということが大事なので、そうした展開がますます出るんではないかということを大いに期待をしております。長野駅は長野新幹線の終点ではなくなるわけですが、今回の開業によって新しい観光周遊ルートが確立されたと、こういうふうになるんだと私は思います。
 北陸新幹線、金沢から敦賀間開業時期、御指摘のように三年前倒しして、これから八年で造り上げるという目標に向けて今スタートを切るところでありますけれども、さらに引き続きこれがしっかり実現されるよう、また一日も早くという声がありますから、その声に応えていけるようにしっかり頑張っていきたいと、このように決意をしております。
○若林健太君 ありがとうございます。
 一日も早く、それは地域の皆さんの願いだと思います。そしてまた、こうしたインフラ整備、昔は公共事業罪悪論みたいなことが言われた時期がありましたが、将来に向けた投資、そのことによっていかに日本が発展をしていくか、そのことの責任はやっぱり政治にあると、こんなふうに思います。大臣の覚悟をお聞きして、本当にありがとうございました。
 実は、エネルギー政策と農地についてのお話をお伺いしようと思ったんですが、残り時間が少なくなってまいりました。少し順番を変えて、TPP交渉について伺いたいというふうに思います。
 甘利大臣には、TPP担当大臣として、この間、本当にタフな交渉をずっと続けてこられたというふうに思います。国益を一身に背負っての交渉、本当に敬意を申し上げたいというふうに思います。
 最近報道を見ておりますと、アメリカのTPA法案の行方が不透明になっている中で、参加国の中でも、TPAが成立しないと踏み込んだ交渉をやりにくいと、こういった意見もあるやに聞いております。交渉が停滞しているのではないかと、こういう意見もありますが、現状を教えていただければというふうに思います。
○国務大臣(甘利明君) TPA法案、トレード・プロモーション・オーソリティー、貿易促進法、つまり、議会はTPAの中身をパッケージとしてイエスかノーだけ答える、この部分は賛成だけどこの部分は反対という答えにならない。これがいかに大事かということは、TPPが十二か国でまとまったものについてこれ全体を了解するかしないかという議会の判断、これが普通なんですけれども、ところが、TPAがないと、この部分はいいけどこの部分は直せということになると、合意したものがまたリオープンになって、もう支離滅裂になってしまうということですから、TPA法案は十二か国にとって極めて重要な法案になろうかというふうに思っております。
 今、TPAが議会にかかる日程が当初予定よりも大分ずれ込んできております。それゆえに、各国とも、最終カードはもうこれでかっちり決まるという枠組みがないとなかなか切りづらいという点があります。でありますから、TPAの見通しが遅れていくと全体の合意がずれ込んでいくという今関係になっております。
 いろいろな情報が来ておりますけれども、オバマ政権としては全力を挙げて議会対策を執り行っているというメッセージは来ております。これをしっかり見守っていきたいと思いますし、TPAがない中で全体をまとめるということはなかなか厳しい、ハードルが高いというふうにも思います。
○若林健太君 四月に安倍総理自らが訪米をされるということを伺っております。安倍内閣になって、地球儀を俯瞰する外交、本当に様々、積極的平和主義を掲げてすばらしい外交を展開をし、日米関係も改善された。こうして日米の首脳会談が行われることは、本当に日本にとって、そして日本だけじゃなくて世界の平和にとっても大変貴重なこと、大切なことだというふうに思います。
 是非成果を上げていただきたいと思いますが、この首脳会談に当たって、成果を焦ってTPP交渉で無用な妥協をするようなことがないように心配をする声がございます。国益を守り、しっかりとこの交渉についても取り組んでいく、その決意を総理から伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) TPPというのは、成長著しいアジア太平洋地域に大きな経済圏をつくっていく、その経済圏において人やあるいは物や、そして投資が、お金が行き交う、そうした新しい経済圏をつくっていくという野心的な取組であって、地域の発展にも、そして日本の成長、発展にも大きく寄与すると、このように確信をしています。
 TPP交渉は最終局面ではありますが、まだまだ課題は残っています。このTPPというのはまさに国益を増進をしていくためのものでございます。私が訪米をするからといって、その訪米に合わせて必要のない妥協をするということはもちろんこれはあり得ないわけでありまして、攻めるべきは攻めていく、もちろん守るべきものは守っていく、国益を求めていく、その最善の道をしっかりと進んでいきたいと、このように考えております。
○若林健太君 大変なタフな交渉だと思います。総理にも、また甘利大臣にも是非しっかり頑張っていただきたいと、こんなふうに思います。
 衆参で農林水産委員会で重要五品目を含めて国益を守るという決議をしています。また、日豪EPAのラインがある意味では最終ラインだと、こういったお願いも申し入れているところでございます。是非ともそのことも踏まえて、よろしくお願い申し上げたいと思います。
 時間で最後の質問になるかもしれません。
 違法な長時間労働を行っている企業について、いわゆるブラック企業として社会問題化しているわけでございますが、全国的に展開している企業の一部にも、違法な長時間労働を行い、労働基準監督署から再三指導を受けているにもかかわらず、改善しないという事案も存在しているようでございます。
 このような悪質な企業について、今までの取組を一歩進めて企業名を公表するべきではないか。この予算員会でもそういった議論が再三行われているようでありますが、この点について、是非総理の御見解をお伺いしたいというふうに思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 長時間労働は過労死等にもつながりかねない問題でありまして、昨年十一月、過労死防止法の施行に合わせて、賃金不払残業や過重労働等が疑われる企業に対し重点的な監督指導を行ってきました。また、本年一月からは長時間残業に関する監督指導の徹底を図っています。
 労働基準関係法令違反の疑われる企業に対して、法違反が認められる場合には是正を指導し、それでも是正意欲が認められないような重大又は悪質なケースについて、これまでは書類送検を行い、それに合わせて原則公表するという取扱いを行ってきたところであります。
 しかし、今まさに若林委員が御指摘のように、これはやはり目に余る状況が続いているから企業名を公表しろと、そういう強い国民の声、また若林委員からも、また与党からもそういう強いお申出がございました。私も、なるほどそのとおりだなと、こう思っていたところでございまして、今後、今までの、今申し上げましたような措置を一歩進めまして、法違反の防止を徹底し、企業における自主的な改善を促すため、社会的に影響力の大きい企業が違法な長時間労働を繰り返しているような場合には、是正を指導した段階で公表する必要があると考えています。具体的な方法等については厚生労働大臣の下で検討することとしています。
 こうした取組を始め、働く人の権利の回復と法の遵守の更なる徹底に力を尽くしていく決意でございます。
○若林健太君 新たな積極的な取組をしっかり行うと、そういう御答弁をいただきまして、ありがとうございました。
 残り時間も少なくなりました。今日、実はこのほかに、エネルギー基本計画に基づくエネルギーのベストミックスについて、是非早期に決めていただきたい、この問題についてお伺いしたかった。
 また、農地の規制緩和が行われておりますけれども、農地の規制緩和、これは大切なことだと思いますけれども、一方、優良農地がこれによって乱獲をされていくようなことが行われてはなりません。農業委員会の皆さん、また農協の皆さんもしっかりそこのところを踏まえて頑張っていただきたい、地域でしっかり取り組んでいただきたいということをお願いをしたいというふうに思いました。時間がなくて御質問できなくて済みません、副大臣の皆さんにはせっかく来ていただいたのに申し訳ございませんでした。
 いずれにしても、安倍内閣、今まさに正念場だと、こんなふうに思います。この道しかない、安倍総理のこれからのまた御奮闘を御期待申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
○委員長(岸宏一君) 以上で若林健太君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、藤田幸久君の質疑を行います。藤田幸久君。
○藤田幸久君 民主党の藤田幸久でございます。
 今日は戦後七十年に関して大変重要な質問をさせていただきますので、総理中心に簡潔にお答えをいただきたいと思います。
 まず、一枚目の資料、パネルを御覧いただきたいと思います。(資料提示)これは、戦後七十年における未払債務の調査、昨年、質問主意書、三回往復で得た資料でございます。
 例えば、一番のこの郵便貯金・簡易生命保険機構の保管分ですが、約四十六億円、二番目の日本銀行保管分が約四百十七億円、財務省は多いので、件数でございますけれども、百八万件でございます。これは、日銀分以外は要するに国の国民に対する債務でございます。この三年間、それに対して払戻し請求が実際あったのは三年間で七十七件、二十万円だけでございまして、実質的にはほとんど請求がないわけでございます。したがいまして、塩漬け、休眠状態でございます。戦後七十年でございますので、政府としてこの実態を早急に調査をして、国民の理解を得られるような活用の仕方を是非講じていただきたいというふうに思っております。
 やはり中心は財務省かと思いますし、この委員会は予算委員会でございますので、最も件数の多い財務省の方に、まず調査をしていただきたい、そしてその活用について御検討いただきたいということで、財務大臣から答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) これは、終戦直後までに生じた未払となっております国の債務のうち財務省所管に係るもので、この軍事郵便貯金、これ総務省の所管ですし、いろいろ違うんですが、最後のところにあります外国債約六千万円。それと引揚者から寄託されました旧日本銀行券、これ国債百八万四千件、正確には百八万四千七百件ということになろうと思いますが。加えて、旧連合国軍の総司令部、GHQから引き渡された旧日本銀行券約八百万円相当。これは海外において邦人がGHQに接収された現金ということだろうと存じますが。旧臨時軍事費特別会計の閉鎖機関、いわゆる外資金庫及び、あのときは横浜正金は今の東京銀行か、正金からの借入金四百十四億二千万円等々がございます。
 しかしながら、問題は、閉鎖機関から借りた国の債務の処理を進めるに当たりましては、これは閉鎖機関の有します他の債権債務の処理も必要ですが、旧外地に関するものも多く含まれておりますので処理が極めて難しくなっていること、また、それ以外につきましても債権者や所有者が不明ということでありますことなどから、本件については簡単に解決できる問題ではないということは御理解いただけると存じます。
 いずれにいたしましても、財務省としては、例えば所有者が不明なまま寄託をされております旧日銀券や国債等につきまして、所有者が判明をすれば返還を行っていくなど、引き続きそれぞれの債務につきまして地道に対応していくほかはないと、そういうように考えております。
○藤田幸久君 今年の機会なんか逃しますと、実際に遺族の方でもいらっしゃれば申出があるわけで、そうでないとずっとこのまま休眠してしまうわけですから、是非政治的に対応していただきたいというふうに申し上げておきます。
 次のパネルでございますが、元連合国側の捕虜の方について質問をいたします。
 捕虜の問題というのは、これ実はポツダム宣言とかサンフランシスコ平和条約に極めて関係していることでございますので、その捕虜問題の位置付けについて岸田外務大臣の方からお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、ポツダム宣言におきましては、その第十項におきまして、我ら、すなわち連合国でありますが、我らの俘虜を虐待せる者を含む一切の戦争犯罪人に対しては厳重なる処罰を加えらるべし、すなわち連合国の捕虜を虐待した者を厳罰に処すべきと述べています。
 また、サンフランシスコ平和条約におきましては、第十六条におきまして、日本の捕虜として不当な苦難を被った連合国軍隊の構成員に償いをするとの観点から、日本は中立国又は連合国と交戦していた国に存在する日本国及びその国民の資産等を赤十字国際委員会に引き渡す、そして赤十字国際委員会はこの資産を金銭化して、捕虜であった者及びその家族のために適当な国際機関に対して分配すること、これを規定しております。
 また、日本はこの同条約の署名に併せて、ジュネーブ諸条約への加入について宣言を行った次第です。
○藤田幸久君 つまり、捕虜問題というのは、いわゆる単なる人道問題ということではなくて、日本外交の戦後義務付けられた対応をしなければいけない位置付けだということでございます。
 ところが、例えばアメリカの元捕虜の方に関しましては、ほかの国の捕虜の方々は招聘をしておりましたが、実際始まったのは五年前でございます。これは、実は麻生政権、今財務大臣退席されましたが、の末期でございまして、議員連盟の谷川和穂先生とか玉澤徳一郎先生とかそういう方々が動いていただきまして、アメリカから捕虜の方、招聘がやっと始まったわけでございます。
 近年はアメリカとオーストラリアの捕虜の方々が五年ほど来ておられますけれども、その招聘をされた最近の成果について、外務大臣の方からお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) 政府はこれまで、米国から累計六十九名、そして豪州から百四名の元戦争捕虜及び関係者を日本に招聘してまいりました。私自身もお会いをさせていただいております。そして、米国の被招聘者からは、この事業を通じて日本に対する親近感や好感を持つことができたなど、本招聘を高く評価する感想が寄せられているところであり、対日理解の促進が着実に図られていると受け止めています。また、米国務省も本事業を高く評価しております。
 また、豪州の被招聘者及び全豪退役軍人協会からも例年謝意表明がなされており、本計画は日豪間の相互理解及び友好関係の強化に貢献していると受け止めています。
○藤田幸久君 そこで、去年いらっしゃった方々も平均年齢九十三歳とか四歳ぐらいでございました。今年は戦後七十年でございますが、外務省が調べていただいたと思いますが、例えばアメリカの元捕虜の方で、日本に来る意思があって、そして物理的に旅ができる方は二十六名ぐらいと聞いております。であるならば、七名ぐらいこの五年間来ていらっしゃるわけですが、御高齢でもありますので、戦後七十年ということで、この二十六名ぐらいの方々を、是非今年、戦後七十年の象徴的な事業として招聘をしていただきたいと思いますが、去年も外務大臣が私の質問に対して、被招聘者の希望、健康状態、相手側の意向等を確かめて、この意義は強く感じるので前向きに検討したいということでございましたが、是非今年まとめて招聘をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 本事業は、元POW等の方々を我が国に招聘し、心の和解を促すことを通じて、日米間及び日豪間の相互理解及び友好関係の強化を図ることを目的とした重要な事業であると考えております。そして、外務省としましても、今年は戦後七十年という特別な年であります。こういった点を考慮しまして、今御審議をお願いしております平成二十七年度政府予算におきましても、昨年より二〇%増、三千七百二十一万二千円を計上させていただいております。
 ただいま委員の方からも御指摘ありましたように、この被招聘者の方々、それぞれの健康状態もあります。健康状態によっては、この家族の方、そして付添いの方もお招きしなければなりません。そもそも御本人の希望もあります。その辺もしっかり確認しながら、この予算で、上乗せした予算を最大限活用して、できるだけ多くの方々にこの事業に参加していただけるよう努力をしていきたいと考えます。
○藤田幸久君 ところで、この写真まだこのまま掲げておりますのは、これは上の方はバターンというフィリピンの死の行進に参加をされたときの捕虜の方々であります。その下の写真は、その後日本の企業で使役をさせられた写真でございます。この捕虜の方々を監視した方がおります。捕虜の監視員でございます。
 次のパネルをお願いしたいと思いますが、実は捕虜の監視をされた方々の中に旧台湾、朝鮮出身の方々がいられます。
 その方々が後にいわゆるBC級戦犯という扱いを受けるわけですが、このパネルに説明が書いてありますけれども、要は日本軍の命令で捕虜監視員になったわけであります、朝鮮、台湾出身の方々は。戦後、いわゆる極東軍事裁判において、これは捕虜を虐待したという罪で、これは日本人としてBC級戦犯として認定をされ、百四十八名が有罪になり、二十三名が処刑をされたわけです。ところが、サンフランシスコ平和条約が発効すると、今度は日本国籍が剥奪をされたものですから、日本国籍じゃないので日本政府の援護の対象から排除されたと。
 だから、先ほどのパネルにあったような、捕虜の方々に対して厳しい対応をしておったときのことで日本人として裁かれたけれども、途中から日本人でなくなってしまったので何の援助も得られていないと。これに関しては、パネルにも書いておりましたけれども、裁判所、アンダーラインの部分ですが、これは著しい不利益を受けていることは否定できないので、国政関与者らはこの問題の早期解決を図るため適切な立法措置を講じることが期待されると。
 それから、福田康夫官房長官、当時でございますが、戦争ということはあったにしても、そのことによって大きな負担を与えたということについて、政府として十分考えていかなければいけないと答弁をされておられます。
 実は昨年、岸田外務大臣も会っていただいたオーストラリアの捕虜の方がいらっしゃったときに、河村建夫先生が議連の会長をしております私どものグループで会合しておりましたところに、そのまさに元BC級戦犯の李鶴来さんが出席をして、このオーストラリアの捕虜の方々に自分は捕虜監視員として大変御迷惑をお掛けしたと直接謝罪をされたわけでございます。
 今日、李鶴来さん、傍聴席に来ていらっしゃいますけれども、御高齢の方でございますけれども、私は、余りにも気の毒な方々でございますので、このBC級戦犯の皆様にも今年戦後七十年ということで政府としての支援をしていただきたいと思いますが、外務大臣、お願いします。
○国務大臣(岸田文雄君) 我が国はかつて多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対しまして多大な損害と苦痛を与えました。その認識において安倍内閣としても同じであり、これまで歴代内閣の立場、全体として引き継いでいく考えを表明してきておりますが、その痛切な反省の上に立って、自由で民主的で、基本的人権あるいは法の支配、こうした基本的な価値を尊ぶ国づくりを進め、戦後七十年間にわたり平和国家として歩んできました。
 まず、御指摘の点でありますが、御指摘の件も含め、日韓間の請求権に係る問題につきましては、一九六五年のいわゆる日韓請求権協定により、完全かつ最終的に解決済みであります。
 しかしながら、こうしたいわゆるBC級戦犯の方々につきましては、今日まで道義的見地から、一九五三年四月以降、日本人と同様の帰還手当が支給されたほか、一九五八年までの間に見舞金、生活資金の一時支給が行われ、また生業の確保、あるいは公営住宅への、住居について好意的な措置がとられたと承知をしています。こうした取組は重要であると認識をしております。
 今回のこのBC級戦犯の方々につきましては、今日まで様々な御苦労されたこと、このことにつきましては私自身も大変心の痛む思いがいたします。是非、こうした思いを胸に、引き続き平和国家としての外交の歩みを進めてまいりたいと考えます。
○藤田幸久君 福田官房長官、それから裁判所の方でも指摘しているような、その五八年当時以降の具体的なことについて、是非しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 安倍総理、実はこの李鶴来さんのことについて私が最初に伺って支援をしてきたきっかけは末次一郎さんでございます。末次一郎さん、御承知のとおり、沖縄返還の立て役者の一人であり、それから北方領土問題の先頭に立ってきた方でございますが、そういった関係の中での非常に重要な問題でございますので、総理の方におかれましても、是非対応をお願いをしたいというふうに思います。
 次のパネルをお願いしたいと思います。
 安倍総理の訪米について質問をさせていただきます。
 その安倍総理の訪米についていろいろ調べておりましたところ、この二年ぐらいの間に、安倍総理に対する外国首脳あるいはメディアからの反応が随分ございます。例えばワシントン・ポスト、戦前の帝国への郷愁は安倍首相が進める国内での改革や隣国との関係にも悪影響を与える。それから、EUの外相でありますところのアシュトンさんが、日本と近隣諸国との緊張緩和に建設的ではない。ニューヨーク・タイムズ、安倍政権は、軍事力拡張を進める中国に対抗するための防衛費増額などに踏み切った、日本の軍事的な立ち位置を強化することを望んできた。英国の国営BBC放送、安倍首相はナショナリストであり歴史修正主義者と見られている、今回の靖国神社参拝は中国を刺激して怒らせ国外の脅威を強調し、憲法改正などへの支持を確保するための政治的計算に基づく。
 次のパネルに行きます。これは、去年、クリントン前国務長官の会見であります。日本の理解者として思うのは、国内の政治の目標を達成することも大切だが、他国から不要な反応を起こさずに国を正しい道に進ませるための戦略を持つことが日本の国益にかなう。これは靖国神社参拝を指すのかという質問に対して、そのとおりだと、私が日本の指導者なら、何が私が抱える最も重要なゴールなのかと自分に問うだろう、違う道にそれてはいけない。
 それから、昨年の四月、東京でございます。安倍総理との共同記者会見でのオバマ大統領の、これはアメリカの記者だったと思いますが、尖閣諸島への米軍の軍事介入の可能性について、オバマ大統領は、私が安倍首相に直接述べたのは、この問題を日中間の対話と信頼醸成によるのではなく、エスカレートが続くことは根本的な間違い、プロファウンドミステークだということです。これは、何か同時通訳がちょっと、言い方があったので、一部変な表現になっていましたが、これはプロファウンドミステークであります。私は外交的な解決を支援するために全力を尽くしますとあります。
 いろいろ調べたら、こういった外国、欧米の方々からの、首脳及びメディアからの記事が随分あるのでびっくりいたしましたが、こういうことに対して、安倍総理、どういうふうに感じられますでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 新たな政策に挑んでいく際には、常に批判が伴うものであります。そして、そうした批判の中には的外れなものもあるわけでございますが、同時に、誤解についてはしっかりと正していく必要もあるんだろうと、このように思っております。
 また、オバマ大統領とのまさに会談において、米国の大統領として初めて、尖閣が安保条約の五条に適用されると、このように大統領から明言されたわけでございます。その中における質問を今紹介をされたわけでございますが、このエスカレートというのは、別にこれは日本に向けられたものではなくて、エスカレートというのはこれは相互反応なんだろうと、こう思うわけでございます。尖閣については、まさに日本の固有の領土、これは歴史的にも国際法的にも間違いのない事実でありますが、その経済水域、あるいはまた領海に公船が侵入をしてきて大変残念な事実でございますが、我々は、冷静に毅然と、しっかりと領土、領海、領空は守っていきたいと、こう考えているところでございます。
 その中におきましても、昨年、習近平国家主席と首脳会談を行いました。その際、我々は、領海そして公海上の上空における連絡メカニズム、これは第一次政権のときに私から中国側に呼びかけ、残念ながら、その後、実行されてきていなかったのでございますが、その後、今回、中国側も対応するということがなされたわけでございます。
 こういうことこそ、エスカレートさせないというまさに核心ではないかと思うわけでございまして、私はやるべきことはきっちりとやっているわけでございますし、おおむね首脳の皆さんには御理解をされているんだろうと、このように考えているところでございますが、いずれにいたしましても、今後、こうした誤解を解いていくためにも努力を重ねていきたいと、このように考えているところでございます。
○藤田幸久君 必要な以外のことは、答弁は時間の関係で控えていただきたいと思いますが。
 この今のオバマ大統領のをお読みいただきたいと思いますが、主語は、私が安倍首相に直接述べたことはであります。習近平さんにというのは書いていない、私が安倍首相に述べたのはというのが主語であります。それから、いわゆる施政権のことではなくて、軍事介入というのは、領土紛争なりが起きたときに軍事介入はと聞いていますから、違うということを指摘しておきますので、今の総理の答弁というのは的が外れていると思っています。
 それから、いずれにいたしましても、一国の首相、歴代の戦後の日本の首相に関して、これだけ他国の指導者が、あるいは他国の有力なメディアが、これだけ一人の首相に対して、これほんの一部ですけれども、言っておられるということは、これは事実として受け止めていただいてやはり対応していただきたいというふうに思っております。
 そんな中で、安倍総理が今度ワシントンに行かれるわけですが、おじい様であられる岸総理の、大分前でございますけれども、訪米の状況について調べてみました。それが次の資料でございます。
 これは一九五七年六月です。見てみますとびっくりするのは、まずワシントンで副大統領、国務長官、統合参謀本部議長が出迎え、そしてアイゼンハワー大統領とは食事を含めて三回お会いになった上、ゴルフも一緒にされておられる。それから、国務長官とは四回、五回ですか、会っておられて、そして副大統領の午さん会を挟んで、アメリカの議会で二回演説をされておられます。それから、更にびっくりしたのは、一番下のところでございますが、アメリカ本土内におけるサンフランシスコ、ニューヨーク等の移動は大統領専用機をお使いになっていると。
 これは、これだけ歓迎をしていただいた訪問というのは、私は、やっぱり戦後、おじい様がいろんな関係でこういう訪米をしたということは大変意味あることだろうと思っておるわけでございますけれども、なぜそういうふうになったかということ。じゃ、次の写真を。
 実は、その六月に岸総理がアメリカを訪問する前に、まずアジアを訪問しております。十五か国を訪問しておりますけれども、例えばインドのネルー首相とか当時の台湾の蒋介石総統、それから後半の、これは訪米の後でございますけれども、この間亡くなられたシンガポールのリー・クアンユー首相、インドネシアのスカルノ大統領、これは二十日間行っております。で、アメリカに、先ほど申しました日程の前に、やはりアジアに行っていたということが非常にポイントだろうと思います。
 では、次のパネルを御覧いただきたいと思います。
 これは、岸総理自身の回想録と回顧録に出ている言葉でございます。私は総理としてアメリカへ行くことを考えていた。それには東南アジアを先に回って、アメリカと交渉する場合に、孤立した日本ということでなしに、アジアを代表する日本にならなければいけないという考え方で行ったわけであります。戦時中いろいろと御迷惑を掛けたり被害を与えたりしたことに対し遺憾の意を表するとともに、首脳者と親しく語り合って云々、これらを踏まえて米国との話合いに臨むことが、より実りのあるものにすると信じていたと。アジアの中心は日本であることを浮き彫りにさせることが、アイク、これはアイゼンハワー大統領のことでございますけれども、に会って日米関係を対等なものに改めようと交渉する私の立場を強化することになるということでございます。
 つまり、アジアとの、戦後初めてこれらの国々を回って信頼を得て、いろんなところで謝罪をされ、そして賠償問題等も解決をし、そしてその上でアメリカに乗り込んだということが、これだけアメリカの方がこれだけの遇をしていただいたということになるわけですけれども、今回の安倍さんの訪米はちょっと逆のような気もいたしますけれども、とにかくおじい様がこういうふうに、アジアを回ってアジアの信頼を得て、アメリカに行ってこれだけの訪問をされたということについてはどういうふうにお感じになりますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 祖父の業績について御紹介をいただいたことに感謝申し上げたいと思います。
 その上で申し上げますと、先ほど、マスコミあるいは外国の指導者の一部の発言を取り上げていただいたわけでございますが、同時に、それ以上に私の仕事に対する賛同、支持、称賛も多くあることもございますので、そうしたものも、もし時間があれば御紹介いただければ有り難いなと、こんなように思うところでございます。
 その上で申し上げますと、祖父はまさに訪米に際して、当時はまだ賠償が残っておりまして、この賠償を決着をする、これが最大の課題であったんだろうと、このように思います。訪米前、訪米後合わせて多くの国々を訪問したわけでございまして、まさに、こうした地球全体を俯瞰しながら、地球儀を俯瞰しながら外交を進めていく、この手法を私も取っているわけでございます。
 これは藤田議員も御承知のとおり、一昨年、私はASEANの全ての国を訪問し、そして、一昨年の暮れに日・ASEANの首脳会議を開いたわけでございます。国内のクーデター等の情勢により、残念ながらインラック、タイの首相は御本人が来ることができませんでしたが、他の全ての国々の首脳は日本に一堂に会したわけでございます。
 つまり、こうしたことをしっかりと進めていく中におきまして、日本は多くの国々から期待を集めているんだろうと、このように思いますし、また昨年、シャングリラ会合におきまして、法の尊重、海の法の尊重、法の支配の重要性を訴える三原則、私の三原則を打ち出しまして、多くの国々から賛同を得たところでございます。
 日本の考え方を世界の国々とともに共有していく、それこそまさにソフトパワーなんだろうと、こう思う次第でございますが、この度の訪米につきましては、まさに日米同盟の重要性を共有し、そしてアジア太平洋地域の平和と繁栄のために日米同盟が主導する、そのことを発信する、メッセージとして発信する訪米にしていきたいと、こう考えているところでございます。
○藤田幸久君 その際に、東南アジアとは別の重要な地域が韓国そして中国だろうと思っております。
 韓国に関しましては慰安婦問題が大きな問題になっているわけでございますけれども、この慰安婦問題に関する今までの歴代の総理の取組を調べてみました。
 たくさんありますけれども、まず一つ重要なことは、宮澤大臣が韓国の国会において演説をしております。歴史上の一時期に、我が国が加害者であり、貴国がその被害者だったという事実であります。私は、この間、朝鮮半島の方々が我が国の行為により耐え難い苦しみと悲しみを体験されたことによって、ここに改めて、心からの反省の意とおわびの気持ちを表明いたします。最近、いわゆる従軍慰安婦の問題が取り上げられておりますが、このようなことは実に心の痛むことであり、誠に申し訳なく思っております。
 次は、これは四人の総理が元慰安婦の方々に対して、いわゆる見舞金をアジア女性基金にお渡しをしたときの総理の手紙、同じ文章でございます。いわゆる従軍慰安婦問題は、当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題でございました。私は、内閣総理大臣として改めて、いわゆる従軍慰安婦として数多くの苦痛を経験され、心身にわたり癒やし難い傷を負われた全ての方々に対し、心からおわびと反省の気持ちを申し上げます。
 幾つかある中、小渕総理等とございますけれども、この二つ紹介いたしましたが、この考え方と安倍総理の考え方に違いはあるでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 慰安婦問題については、筆舌に尽くし難いつらい思いをされた方々のことを思い、非常に心が痛む思いでございます。この点については、まさに歴代の総理と変わりがないということでございます。
 そして、これまでの歴史の中では、多くの戦争があり、その中で女性の人権が侵害されてきたわけでございます。二十一世紀こそ人権侵害のない世紀にすることが大切であり、日本としても全力を尽くしていかなければならないと、こう考えているところでございます。
○藤田幸久君 それで、三つ目の引用でございますが、これは一九九五年の衆議院の決議でございます。また、世界の近代史における数々の植民地支配や侵略行為に思いを致し、我が国が過去に行ったこうした行為や他国民、特にアジア諸国民に与えた苦痛を認識し、深い反省の念を表明する。
 これ、当時、衆議院議員安倍晋三議員は欠席をしたと聞いておりますが、理由をお聞かせいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) たしかあの決議は、新進党は全員欠席ではなかったかと、このように記憶をしております。
 同時にまた、決議であるにもかかわらず、当時、自民党においては国会決議をする際には平場で議論を重ねるわけでございますが、残念ながらそれが、我々が要求したにもかかわらず、その議論が重ねられなかったという問題があり、私はその抗議の意味で欠席をしたところでございます。
○藤田幸久君 では、手続問題は別にして、この今読み上げた文面の内容については、これは賛成ですか、反対ですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 政府としては、今般までの、今日までの国会決議、累次の様々な決議が行われておりますが、政府として国会決議を尊重するのは当然のことであろうと、こう思っております。
○藤田幸久君 そうした中で、去年からいわゆる朝日新聞の記事について問題が出ております。これに関して、昨年、日韓・韓日議連総会、ソウルで開かれましたけれども、そのときに自民党の額賀会長ほか我々一緒に参りましたが、そのときに伊吹衆議院議長の祝辞が配られておりました。
 その内容は、先般、我が国の報道機関が、いわゆる従軍慰安婦問題について、強制性の有無等に関する従来の報道の一部に裏付けのない、また誤解に基づく報道があったことを認め、過去の報道を修正、撤回しました、しかし、強制性の有無にかかわらず従軍慰安婦の問題は、戦争という究極の暴力と極限の心理状態の中で、女性の尊厳が毀損され、人権が傷つけられた問題として、ヒューマンな心情で両国政府が解決の道筋を付けるべき事案であることに変わりはありませんという衆議院議長の言葉ですが、この内容について安倍総理はどうお考えになるでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私の考えを申し上げます。
 それは、慰安婦問題については、筆舌に尽くし難い、つらい思いをされた方々のことを思い、非常に心が痛みます。この点についての思いは歴代総理と変わりがないわけでございますし、恐らく伊吹議長もそういう観点から述べられたのではないかと思います。
 そして同時に、これまでの歴史の中では多くの戦争があり、その中で女性の人権が侵害されてまいりました。そのこともまた事実であり、二十一世紀こそ人権侵害のない世紀にすることが大切であり、日本としても全力を尽くしていく考えであり、そのことも国連等の場を通じて世界に発信をしているところでございます。
○藤田幸久君 ということであるならば、朴槿恵大統領が度々おっしゃっておられて、総理にも伝わっておられると思いますけれども、現在、五十四名の元慰安婦の方々が韓国にいらっしゃると。その方々の名誉回復、それからその方々が納得できる解決方法、これが日韓の首脳会談にとって重要であり、一番大きな問題として言われておりますけれども、いろいろ、この間も日中韓の外相会議等が行われましたし、いろんな方が韓国に行かれたり、あるいは韓国の方が日本に来て、総理もお会いになっておられますが、この中身について、つまりこの二つの点ですね、名誉回復と納得できる解決方法、これについてどういう努力をされておられるのか。
 それから、そもそも、やはり安倍総理自身の決断がなければ、幾ら自民党の方々あるいはいろんな方々が動いても、経済界の方々が動いても進まない話だろうと思いますけれども、これを解決する意思、意欲がおありになるのか、どういう形で解決をしようと思っておられるのか、お聞かせいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私は、日韓の関係というのは大切な関係であると思います。韓国は重要な隣国であります。
 そして、その上について申し上げれば、隣国であるがゆえに様々な課題や問題も抱えているわけでございます。恐らく、世界の多くの国々は隣国との関係において様々な課題が、また歴史があるんだろうと思います。であるからこそ、首脳は前提条件を付けずに胸襟を開いて語り合うべきだろうと、こう思っているわけでございます。まさに、対話の中からこそ真の友好関係は生まれてくるであろうと、対話の中から両国の様々な課題に対する理解が深まり、共通の理解も深まり、そして解決に向かって進んでいくことができるのではないかと、こう考えている次第であります。
 昨年、これはマルチの会議の晩さん会の場ではございましたが、朴槿恵大統領とは、その晩さん会を通じて、割と長い時間、かなり率直な意見交換をすることもできました。今後ともこうした努力を続けていきたいと、こう思っております。
○藤田幸久君 隣同士の国が難しいというのは、そのとおりであります。他方、それがゆえに隣同士の国々の首脳は結構会っています。最近でも、いろいろな対立する国々同士の首脳が会った。ウクライナの首脳とロシアあるいはヨーロッパの首脳も結構早めに去年も会っております。
 ただ、残念ながら、安倍総理と朴槿恵大統領に関して言えば、オープン、オープンと言いながら先方の方から断られているという実態があるわけですね。ということは、やはりそれは内容を詰めて、安倍総理の方からも、やはり本当に重要だということであるならば、動きをしなければ実際に会談が実現をしない、正式な形でですね。ということは、それはやはり政治的に決断をしていただく時期だろうと思うんですけれども、そうしたお考えはなく、とにかくオープンだと言っていれば、どこかの段階で会えるというふうにお考えなのか、お聞かせいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 問題というのは、会って話をしなければ解決をしないわけであります。私は、これは韓国とということではございませんが、会う会わないということ自体を交渉のカードに私は使うべきではないと。これは基本的な私の交渉姿勢であります。つまり、会う会わないということを交渉の言わば材料として使うということになりますと、つまり、会う前の段階からこれは会いたいと思う方は言わば譲歩を重ねなければならないということになるわけでございまして、基本的には、まず会って話をしながら問題を解決をしていくべきなんだろうと思うわけでございまして、これが基本的な考えでございます。
 日本は、これはもう世界に向けても申し上げているところでございますが、常に交渉のドアを開けているわけでございまして、韓国側にも話合いをするという機運が盛り上がってくることを期待したいと、こう思っているところでございます。
○藤田幸久君 先ほど、岸元総理、私は今日、岸元総理の礼賛のために来たわけじゃありませんが、例えば日米安保条約に関しましても、当時の例えば石橋政嗣議員とかの意見を取り上げて、いわゆる片務的な条約の改定になりそうな日米関係についても、かなり双務的な内容に変えていったと。それから、いわゆる事前協議制とかいろいろなことについて実は修正をしながら会っていって、日米関係、アイゼンハワー、それからダレス国務長官とも三回、四回会っているわけですが、そういうふうに、これは譲歩ということじゃないと思うんですね。
 やはり、結果的に、会って、そしていい成果を上げるということは私は決して譲歩じゃないというふうに思っておりまして、余りにも、先ほどいろんな記事を紹介いたしましたけれども、この二年間、いろいろな国に行かれた割には、実際に一番近い国々との関係が非常に進んでいないということが非常に明らかだろうと思っております。
 そんな中で、次のパネルを見ていただきたいと思います。
 このサンフランシスコ平和条約というのが一九五一年にございましたけれども、これに参加をしていない国・地域がございます。近隣諸国でございます。この資料を御覧いただきたいと思いますけれども、中国も参加しておりません。それから、当時は中華民国でございましたけれども、日本は国交ありましたけれども、当時はサンフランシスコ講話条約には参加をしていない。それから、韓国、北朝鮮、これも二つに分かれておりましたが、韓国も北朝鮮も参加をしていない。それから、当時はソ連だったんでしょうか、ソ連はこれは拒否をして参加をしなかった。
 ということは、日本が一番戦争中にある意味では御迷惑をお掛けした、ロシアは逆かもしれませんけれども、そういう一番、ある意味では戦後、関係を修復すべき国がサンフランシスコ講和条約に参加をしていなかったと。その後、中国とは一九七二年に国交、それから韓国とは六五年に国交を回復しました。北朝鮮とはいまだに国交がありませんし、ロシアとは国交はあるけれども平和条約がないと。
 それで、こういう国々との関係、右側を総理、御覧いただきたいと思いますが、結局、習近平主席とは短時間、習近平主席の顔の表情は別にして、お会いになった。それから、朴大統領とはいわゆる直接なバイの会談は実現をしていないと。それから、北朝鮮は、これは拉致調査の進展がない、したがって国交正常化の見通しも立っていない。それから、プーチン大統領、これはウクライナ問題もあったんだろうと思いますけれども、来日が延期をしていると。先ほどの岸総理の訪問も、台湾を除くとこれらの国には訪問していません。
 ですから、日本にとって戦後一番重要な国との実は関係がそもそも遅れているわけです。そして、そもそも遅れているこういう国々との関係が、安倍総理になりましてから、先ほど、いろいろな報道、それからオバマ大統領、クリントン前国務長官等の言動も紹介いたしましたけれども、結局、一番日本が、そもそも七十年の間において一番対応すべき国とが遅れて、そしてその遅れている国々との関係が一番悪くなっているという状況についてどうお考えでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど藤田委員が、石橋当時の社会党の議員から言われて双務性を持たせたという認識は、それは誤りでありまして、まさに安保条約の改定そのものが双務性を持たせるものでありまして、それを目的に改正をしたものである。そして、日本に対する防衛義務を、言わば五条でありますが、しっかりと入れていくということと、そして地位協定を変えていく、これはまさに、そのためにこれは安保条約を改正したのであり、これは石橋さんに言われたからそれを修正したということではないということは申し上げておきたいと、こう思うところでございます。
 その上で申し上げますと、これはこの五か国、五か国というか、中国、韓国、北朝鮮、ロシア、そして日本の友人である台湾との関係についておっしゃっているんだろうと、こう思うわけでございますが、中国あるいは韓国におきましては、まさに日本にとって重要なそれぞれの国でありまして、関係を改善すべく努力を進めているところでございます。
 また、海上連絡メカニズムにおきましては、第一次安倍政権のときに申し出て、その後、民主党政権の三代の総理大臣のときにもそれは実現されていないわけでございますが、今回それが実現される運びとなったということは申し上げておきたいと、こう思うわけでございます。
 また、現在、北朝鮮につきましては、拉致問題についてしっかりと調査するよう先方に促しているわけでございます。
 ここで、私の考えを申し上げておけば、ただ単にこちらの国益を全部削っていけば、言わば友好という状況というのをつくるのは、それはたやすいことであります。これはまさに本末転倒であって、友好な状況は国益をしっかりと確保するためであります。そのためにしっかりと外交交渉を行っていくのは当然のことであろうと、こう思うわけであります。ただただ単に相手の言いなりに従っていけばいいのかといえば、そんなことはないわけでありまして、その中で我々も努力を続けているわけでございます。
 また、ロシアとの関係におきましても、プーチン大統領とは十回以上にわたり首脳会談を行い、信頼関係を構築することができたわけでございますが、その中におきまして、ウクライナの問題が発生する中におきまして、当然、日本もG7の国として、国際社会における責任ある国として、力による現状変更というのは決して許されないということを申し上げているわけでございます。その中で、残念ながら平和条約交渉が進んでいない、これは本当に私も残念なことであろうと、こうは思っているわけでございますが、平和条約が結ばれていないのは異常な状況であるということについては、プーチン大統領と認識を一つにすることができたわけでございます。
 こうした国々におきましても、もちろん課題として残っているわけでございますから、日本としても様々な努力を進めていくのは当然なことであろうと、こう思う次第でございます。
 しかし、例えば北朝鮮につきましては、そもそも拉致問題が解決をしない限り、また核の問題、そしてミサイルの問題等々があるわけでございますから、そうした問題をただしていくのは当然のことであろうと。その前に国交正常化をするということは、もちろん当然考えられないわけでございます。そうした問題をしっかりと解決をしていくというのが安倍政権の基本的な方針であるということは申し上げておきたいと思います。
 また、台湾につきましては、さきの東日本大震災の際には多大な支援をしていただきました。このことを私たちは決して忘れてはならないと、こう思う次第でございます。その中におきまして、我々の政権になりましてから、あの三月十一日における式典の際には礼をもって対応しているところでございます。
○藤田幸久君 いろいろおっしゃいましたけれども、岸総理と比較だけするわけじゃございませんが、あれだけアジアから信頼を受けて、大歓迎を受けて、そしてその立場、ある意味ではアメリカに対して非常に物が言いやすい立場になって、そしてあれだけ歓迎をされた。安倍総理におかれましては、この二年間を振り返りましても、オバマ大統領とアメリカで一回お会いになって、そして昼食もあったようですけれども、共同記者会見もなかった。
 この二年間調べてみますと、イギリスのキャメロン首相、ドイツのメルケル首相、みんな共同記者会見、それから習近平主席は八時間ですか、一緒にお話をされてと。明らかにこの二年間、少なくともオバマ大統領が去年の共同記者会見で先ほど申し上げたようなことまでおっしゃっている。そして、これだけ莫大な、欧米のメディアを中心として一国の総理に対してこれだけ言っておられると。
 ということは、今回アメリカに行かれるに当たって、結局、アジアの代表として、アジアの信頼を受けて、特に近隣諸国、それでアメリカに行かれるという形じゃないわけでございまして、そのことをやはり、まずアジアから信頼をされた上でのアメリカ訪問ということが本当に重要だろうということであろうと思いますが、まるで逆の構造ではないかと思いますが、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この際、私が訪問する際、これは公賓として、準国賓として招待を受けるわけでございます。私は元首ではないわけでございますから国賓にはならないわけでありますが、事実上の国賓待遇を受けて招待をされているわけでございますし、また、日本の総理大臣としては初めて上下両院の議員の前で演説を行うことになるわけでございます。これは、日米同盟関係の中でも今まで日本の総理は行ったことのないわけでございます。これは私にとっても大変光栄なことだと、こう思っております。
 また、多くの今上院議員、下院議員が日本を訪問しております。これは、申し訳ないんですが、民主党政権の何倍の数も訪問していただき、私は一々お目にかかってお話をさせていただいているところでございます。藤田議員はもう一部を選んで紹介をしていただいておりますが、多くの議員は日米関係が強化されている。先般もデンプシー統参議長が来日をした際お目にかかったわけでございますが、日米同盟はまさに今大変大きな成果を上げていると、こう言っていただいているわけでございます。
 しかし、これは米国から何かを言ってもらうというよりも、まさに日米同盟のきずなを確かなものとし、日本の平和や安定、地域の平和と安定に資するものとしていく、貢献をしていくということが大切なことであろうと、こう思う次第でございます。
 我々は、そういう観点の下に、今まで上げている実績を更に積み重ねていきたいと、こう思っている次第でございます。
○藤田幸久君 時間がないので、沖縄の問題に移りたいと思っております。
 先ほど来、安倍総理は、とにかく難しい問題があるところに関してはドアをオープンにしてというおっしゃり方をしておりますけれども、であるならば、沖縄の民意が変わり、かつ知事だけではなくて衆議院選挙も含めまして民意がはっきりしたと。ある意味では政権が替わったわけであります。
 ということであるならば、難しい問題が起きた新しい体制の国のトップとは、条件を付けずにドアを開けてまずお会いになったらいかがですか、安倍総理。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 沖縄との関係におきましては、残念ながら、これは鳩山総理が最低でも県外、総理大臣としてそうお約束をされて、それを百八十度変えられた。このことにおいて、言わば政府と地元沖縄との関係がこれ大変悪化をしてしまったわけでございます。言わば、失われた政府の信頼を取り戻す今努力を積み重ねているところでございます。
 先般、知事が東京に来られた際には、総選挙、そしてまた組閣などもあり、私自身はこれまで翁長沖縄県知事とお会いする機会はなかったわけでありますが、官邸あるいは政府としてはしっかりと対応してきているところでございます。
 今後とも、政府全体で連携して、様々なレベルで地元との対話を行いながら、我が国の安全保障や沖縄の負担軽減の全体像についてお話をする中で、普天間の移設について御理解を得る努力を行っていきたいと考えています。国と地元とが様々な取組について連携を深めていく中で私と知事との対話の機会も設けられていくものと、こう考えているところでございます。
○藤田幸久君 官房長官にちょっとお伺いしたいと思います。
 私の茨城の政治家の先輩で梶山静六先生いらっしゃいます。官房長官も大変親しかったというふうに伺っておりますけれども、梶山元官房長官、こういうふうにおっしゃっておられます。自分の案としては、沖合に埋立ての島を造り、その手前に浮体施設を置く。サンゴ礁を守り、島にはマングローブを植えると。
 今、逆のことが起こっております。政府と防衛省、あるいは沖縄の立場はちょっと見解が分かれているようでございますが、これ、実際にサンゴ礁が破壊されている現場であります。梶山先生は、そういうわけで、とにかくサンゴ礁を守るということをおっしゃっていたということが非常に重要なんだと思っています。
 それからもう一つ、梶山静六先生はこんなことをおっしゃっておられる。住民の目線の高さで基地を見るということが重要だろうと。だから、住民が見る場所から米軍基地を見て回ったと、基地の中に入らずに。例えば、金武町の米軍ブルー・ビーチ訓練場に行くときも、住民と同じように金網伝いに足場の悪い道を歩いてフェンスの向こう側の訓練場を見てきたと。ほかも見て歩いたそうです、外から。恐らく米軍は、梶山官房長官がこうして基地を視察していたことなどは知らなかっただろうということがあります。
 私は、したがって、まず会っていただく。しかも、翁長知事は七回上京されて、知事に加えて議長、それからほとんどの沖縄の全市町村長も同行されている。いろいろ知事、全国にいらっしゃるけれども、議長、全市町村長を伴って来られるということは非常に少ない。それでも官房長官はお会いにならない、あるいは総理もお会いになっていないと。
 まずはお会いになっていただくということが重要であり、かつ、いろいろ今毎日、政府と沖縄の間でございますけれども、官房長官御自身がいわゆる国民の目線で基地を視察をされるというようなことぐらい汗をかくべきじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(菅義偉君) 私は、官房長官に就任する前も、何回となく沖縄を訪問して、現場をまさに国民目線の中でかつて視察をいたしております。
 そして、翁長知事とは、この予算に一定の見通しが付いた時点でお会いをさせていただきたいというふうに思っています。
 それと、今日まで、知事が上京した際に、安倍政権の中で沖縄担当大臣、山口国務大臣でありますけれども、山口国務大臣は複数回お会いをいたしておりますし、そして官邸の中でも官房副長官、沖縄問題の連絡責任者であります杉田副長官がお会いしているということも申し上げたいというふうに思います。
○藤田幸久君 終わります。
 是非、七十年問題、政府を挙げて取り組んでいただきたいと思います。ありがとうございました。
○委員長(岸宏一君) 以上で藤田幸久君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(岸宏一君) 速記を起こして。
    ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、大久保勉君の質疑を行います。大久保勉君。
○大久保勉君 民主党の大久保勉です。
 まず、下村文科大臣に質問したいと思います。(資料提示)
 こちらの資料なんですが、配付資料にあります各博友会後援会、これは下村博文氏の政治活動を支援することを目的とされておりますが、各博友会後援会の位置付けと講演会開催についてという内部資料がございます。この資料は、いつ、誰が、どういう目的で作ったのか、もう一度御説明をお願いしたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) この各博友会後援会の位置付けと講演会開催についての資料でありますが、これは、二月の十三日に全国の博友会の代表の方々がお集まりになりました。毎年大体この時期にしているものでありますが、年に一度、私が講演に行くときのスケジュールを決めていただく会でございますが、そのときに各後援会の代表の何人かの方々の意見を聞いて、私の事務所の者が作成して提出したものであります。
○大久保勉君 まず、この地方博友会後援会に関連しまして、政治資金オンブズマン共同代表を務める神戸市の大学院教授らが政治資金規正法違反容疑で東京地検に告発されているという記事がございます。また、週刊誌では、下村大臣に後援会関係者が講演料を払ったという記事もございます。ここは指摘だけにとどめておきたいと思います。
 先週の予算委員会では、講演料は一切もらわなかったということですが、この内部資料を作った榮友里子秘書官が、こちらを見てください、こちらには講演料としての報酬をもらう場合があると書いています。大臣が答弁しているのが間違いなのか、それとも秘書官が記載ミスなのか、このことに関して質問したいと思います。
○国務大臣(下村博文君) まず、民間市民オンブズマンが刑事告発をしたということでありますが、これは私自身、事実を確認しておりません。ただ、報道等での情報については聞いておりますが、法律上全く問題がないというふうに承知しております。
 そして、ここにある資料についての御質問でございますが、これは講演料として外部の方が報酬をもらう場合があるという意味でございまして、私自身、講演料をいただいたことはございません。
○大久保勉君 この内部文書は、もう一度確認しますが、榮友里子文部大臣政務官が作ったんです。ですから、文科省ですから、しっかりとした日本語を使われていると思います。(発言する者あり)あっ、秘書官が作ったものです。もし、第三者に対する講演料の支払であれば、もらうではなくて、報酬を払うじゃないですか。私は、大臣の答弁、合点がいきません。何かやましいことを感じる次第であります。
 そこで、次の質問に行きたいんですが、次の質問は、どうして下村文科大臣は榮友里子大臣秘書官にこのような仕事をやらせたかということであります。
 まず、秘書官の仕事に関しまして、国家行政組織法第十九条を読み上げてください。
○政府参考人(若生俊彦君) 国家行政組織法第十九条に大臣秘書官の規定がございます。各省大臣の命を受け、機密に関する事務をつかさどり、臨時に関係部局の事務を助ける、こう書いてございます。
○大久保勉君 いわゆる秘書官の仕事というのは二つしかありません。一つは機密に関する事務、二つ目は臨時に命を受けて各部局の事務を助けると。
 一番ではないことは確実でありますから、質問したいと思いますのは、榮友里子文科大臣秘書官が行った各博友会の現状分析、課題分析、改善策は、文科省のどこの部局の事務を助けるのに当たりますか。文科省、こちらは文科省官房長官が来ていますから質問します。どこの部署ですか。(発言する者あり)あっ、官房長、お願いします。
○政府参考人(戸谷一夫君) お答え申し上げます。
 文部科学省の所掌事務につきましては文部科学省設置法において定められておりまして、教育、科学技術、スポーツ、文化などということでございます。したがって、その御指摘の件につきましては、直接的には文部科学省の所掌事務には含まれていないというふうに考えております。
○大久保勉君 そうですか。ということは、下村大臣は、使っちゃいけない秘書官を使って仕事をさせたということですね。
 このことに対しまして、菅官房長官に質問します。このことは適切でありますか。
○国務大臣(菅義偉君) 今委員から御指摘がありました国家行政組織法第九条、これに規定する秘書官は、その職務、職責の特殊性から、国家公務員法の適用がない特別職の国家公務員であり、通例、政治家である大臣を補佐し行動を共にする政治任用職と位置付けられております。政務秘書官は、特別職国家公務員であることから、一般職の国家公務員と異なって、政治活動に関する行為を禁じられるというものではないと考えています。
○大久保勉君 もう一度確認したいんですが、この秘書官は、下村衆議院議員、議員個人としての後援会活動を応援しているんですよ。そのことは、文科省から給料をもらっている大臣秘書官が行うべき仕事ですか。
○国務大臣(菅義偉君) 政務秘書官は、特別職国家公務員であることから、一般職国家公務員とは異なって、政治活動に関する行為を禁じられるというものではないということであります。
○大久保勉君 今日はNHKのテレビ入りでありますから、是非、国民の皆さん、このことを考えてください。文部科学省の秘書官が、一個人、それも、場合によっては後援会活動、疑わしい部分があります。これをもみ消し工作のために使っていると。このことでいいかということです。
 例えば、ここに近畿博友会の規約があります。第二条、本会は、下村博文氏の政治活動を支援することを目的とする。飛ばしまして、第四条、会員、本会は、第二条の目的に賛同し、入会申込書を提出した者をもって会員とする。なお、会費は年払いとし、自由民主党東京都第十一選挙区支部下村博文宛てに振り込むとするということです。
 こちらの資料を御覧ください。左側の赤括弧の上、そのため会費、博友会には入金が一切ないと。矛盾していませんか。前回の予算委員会質問で、一切お金はもらっていませんと言いました。大臣、いかがでしょう。
○国務大臣(下村博文君) これは全く矛盾しておりません。これは、全国に地方の博友会がございますが、その方々に対して、自民党東京十一選挙区支部から年に一度、寄附のお願いをさせていただいております。そして、近畿博友会については、会員二十六人いるというふうに事務所の方に連絡がありまして、その二十六人の方々に対して十一選挙区支部から寄附のお願いをさせていただいております。
 実際、寄附をしていただいたのが二〇一四年は十四人いらっしゃいまして、そのときに政党支部からのお願いとそれから政党支部からの領収書も出させていただいておりますから、これはまさにここに書いてあるように、博友会には入金がないというのはそのとおりのことであります。
○大久保勉君 会員になるための前提条件として支部献金をしないといけないというふうに私は読めますが、この点に関しましては東京地検に告発されておりますから、そちらの方でしっかりと捜査してもらいたいと思います。
 続きまして、人口減少社会と中小企業金融の在り方に関して質問したいと思います。最初の質問は麻生大臣に行いたいと思います。
 地方は、高齢化、人口減少社会に突入しており、中小企業経営にとり大変厳しい環境となっております。それに対応する形で、中小企業金融に中心的な役割を担っている地域金融機関、特に地方銀行においては、合併や経営統合により県境を越えた展開がなされております。例えば、麻生大臣と私の地元であります九州福岡ではふくおかフィイナンシャルグループが誕生し、福岡銀行、熊本銀行、そして長崎県基盤の親和銀行が一体的に運営されております。また、最近では鹿児島銀行と肥後銀行が経営統合を発表しております。
 これらの動きに対して麻生大臣はどのような評価をされていらっしゃいますか。また、今後、全国的に地域金融機関の都道府県を越えた統合が進むという認識はございますか。質問します。
○国務大臣(麻生太郎君) これは各県いろいろあろうかと思いますが、一般論として申し上げれば、地域金融機関というものは、これは人口減少の傾向がはっきりしている経営環境のような状況の中にあって、金融機関自身が将来にわたってその地域において金融の仲介機能というものを円滑に発揮していくために経営戦略というのを真剣に検討することが重要であるというのはもうはっきりしておると思います。事実、そういった動きになっているという地域もございますから。
 御指摘のように、県境を越えた経営統合、これは地銀が他の、山口銀行が福岡銀行へ入ってくる、もう既に北九州の方であったと思うので御存じのとおりですが、経営統合についても、それによって金融機関が自らの金融仲介機能をより一層高めて地域の未来のために求められている役割を積極的かつ持続的に発揮していくというのは、これは期待をされているんだと思っております。
 かねてから申し上げておりますとおり、金融機関の経営統合というのは、これはあくまでも各金融機関の自主的な経営判断に基づいて決定されるべきものなのであって、それを県がやるとか国がやるとかいう種類の話とはまた違った次元の話だと存じます。
○大久保勉君 続きまして、信用保証協会に関して質問したいと思います。
 中小企業を金融の面から助けるために多額の補助金が国から支出されております信用保証協会でありますが、この信用保証協会は、銀行と同じように県境を越えて活動をしているのか。若しくは信用保証協会、これは都道府県にありますが、それが合併をする若しくは統合する、こういった動きがありますか。このことに関しまして経産大臣に質問します。
○国務大臣(宮沢洋一君) 国が実施している信用保証制度につきましては、県境を越えて事業を行う中小企業・小規模事業者であっても、事業者が支店や事務所を設置しているなどその県に事業実態があるということが確認できれば信用保証協会から信用保証を受けることができます。
 合併の例としては、直近の例としては、昨年五月に大阪府中小企業信用保証協会と大阪市の信用保証協会が合併し、大阪信用保証協会となったと承知しておりますし、その前は随分飛んで、昭和三十八年でございます。
 現在のところ新たな合併の動きは承知しておりませんけれども、そのような動きがありましたら、国としても適切に対応してまいります。
○大久保勉君 都道府県の信用保証協会はなかなか合併しないと。これは理由があります。是非パネルをお願いします。
 理由は、このパネルを見てもらったら分かりますが、信用保証協会の統廃合は、都道府県庁にとって優良な天下り先がなくなることを意味します。国から三十年間で八千七百二十六億円も補助金を投入している信用保証協会は、地方公務員の天下り天国になっていることがよく分かる資料であります。ちなみに、この資料は経済産業省から提出されたものをまとめたものであります。
 まず、このことに対して、宮沢大臣、何かコメントありますか。
○国務大臣(宮沢洋一君) 委員からは度々この件で御指摘を受けております。
 信用保証協会につきましては、公的機関でございますから、透明性や公平性を確保するということが求められていると考えております。各信用保証協会の役員につきましても、こうした理念を踏まえ、適切なプロセスに基づいて、能力本位、適材適所の人材が選任されることが望ましいと考えております。
 こうした考え方の実効性を確保するため、昨年でございます、平成二十六年十月に、信用保証協会法施行規則及び信用保証協会向けの監督指針を改正をいたしました。関係する自治体からの理事については公募や複数の候補者から選定するなど、透明性の高い手続を経られるような基準としたところでございます。この新しい基準に基づきまして、しっかりとした理事等選ばれることを期待しております。
○大久保勉君 いや、実はこの答弁は、二年前、予算委員会で茂木経済産業大臣に質問したときに全く同趣旨の説明がありました。適正とは思っていない、国民目線でおかしいところはおかしいという方向で検討すると。検討をするんだけど、二年たっても状況は全く変わらないということです。
 やはりこの辺りはしっかりと改革をしてもらいたいと思いますが、安倍総理、やはり安倍政権というのは行政改革に対して本当にやる気がない、甘いということなんでしょうか。どうぞ。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさに安倍政権にとっては行政改革、しっかりと行っていきたいと、こう思っております。その中で、茂木大臣そして宮沢大臣から答弁をさせていただきましたように、適材適所、国民から疑念を持たれることのないような人事を行っていきたいと思っております。(発言する者あり)
○大久保勉君 先ほど、やじもありましたけれども、六十六年で適材適所か、私の常識では、ありません。
 是非このことに関して高市総務大臣に対して質問したいと思いますが、もし、国の基準でありましたら、いわゆる県庁から県の信用保証協会に天下ることができますか、それも速やかにです。辞めてすぐに天下る、このことはできますか。
○国務大臣(高市早苗君) 国の場合は、国家公務員法第百六条の二第一項及び第百六条の三第一項におきまして、職員が他の役職員の再就職をあっせんすること及び職員が在職中に利害関係企業等への求職活動をするということを禁止しております。
 つまり、一定の再就職あっせんですとか、あと、在職中の求職活動といった行為を規制するものですから、再就職そのものを一律に禁止することにされておりませんので、仮に国の規定を当てはめたとしても再就職を一律に禁止するという形にはなっておりません。
○大久保勉君 ここまでの議論に関しまして、半世紀以上も脈々と続いている天下りがあるということを是非NHKの視聴者の皆さんも御存じになってほしいと思います。
 今、統一地方選挙が行われておりますが、地方における行政改革を進めると、こういう観点でも是非とも統一地方選挙は有意義であります。このことを申し上げて、次に行きたいと思います。
 次に、政府のIT情報管理の問題に行きたいと思います。
 先週の予算委員会において、閣議決定をしました個人情報保護法改正法に関連して、パーソナルデータ、すなわち個人情報や、それを利活用するビッグデータにはらむ問題を議論しました。さらには、各役所でインターネット利用の実態と機密保持に関する議論を行いました。
 まず、議論を分かりやすく始めるために、菅官房長官に質問したいと思います。
 米国において大問題となっておりますヒラリー・クリントン元米国国務長官の私的メール使用の問題を説明してもらいたいと思います。
○国務大臣(菅義偉君) 米国で元国務長官が公務のために私用メールを使っていたという件でありますけれども、他国の問題であって、このことに政府の立場としてコメントすることは控えるべきだと思います。
○大久保勉君 でしたら、具体的な事象に関して質問します。
 例えば、公務におけるメールのやり取りを行った場合に、私的メールでしたら記録が残りません。さらに、私的メールでありましたらサイバー攻撃の対象になる可能性があります。こういった観点から、機密保持並びに公的業務の記録、この点に対して何か問題を感じませんか。
○国務大臣(菅義偉君) 我が国においてでありますけれども、公務におけるメールのやり取りが公文書管理法に規定する行政文書に該当するのであれば、公文書管理法及び行政文書の管理に関するガイドラインに基づいて管理することになっております。またさらに、要機密情報を私用メールで送受信することについては政府の統一基準において禁止されております。
 そういう中で、委員がそうしたことを、この私用メールを使うことに対しての危険性という中で今御指摘をいただいているんだろうというふうに思いますので、政府としてもそこは徹底して対応していきたいと思います。
○大久保勉君 非常に前向きな答弁をいただきました。ありがとうございます。
 もう少し具体的な話をしますと、実は、前回の予算委員会で谷脇内閣官房参考人の情報セキュリティーポリシーに関する発言があります。その議事録を読み上げますと、私ども内閣官房で作っております統一基準というものがございます。その中で、今御指摘のフリーメールにつきましては、これを業務あるいは機密情報を扱うという点において使用しないということで徹底させていただいているというところでございます。
 そこで、塩崎厚生労働大臣に質問します。
 さきの大臣の答弁で、今年の二月一か月だけでも厚生労働省LANからのフリーメールアクセス件数は、Gメールが十八万件、ヤフーメールが約七十九万件ということが確認できました。フリーメールを機密情報のみならず業務においても使用しないという統一基準違反ではございませんか。また、この認識と今後の対応を聞きたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 三月十八日に大久保委員から御指摘を受けました。
 フリーメールのアクセス件数が多かった職員に対しまして、早速業務上の用途についてヒアリングを行ってみたところ、医療や経済などの所管行政に関連する分野のメールマガジンに登録をして情報収集を行うなどの目的でフリーメールを利用していたことが確認をされたわけでございます。ただし、要機密情報を取り扱った事実というのは認められなかったということでございます。
 しかし、今お話がありましたけれども、多くの職員がフリーメールにアクセスできる状況で、常に適正な利用がなされていることを確認することは困難であるため、今後は、職場のパソコンにおけるフリーメールの利用に制限を掛けることが適切と考えまして、そのように事務方に指示をしたところでございます。
○大久保勉君 実は、事務方と議論したんですが、若干違う部分もありました。例えば、職員が仕事を家に持ち帰りたいと、ですから、Gメールとかヤフーメールでデータを飛ばして自宅で仕事をしていると、そういうふうな説明があったように私は記憶しています。
 もしそうであれば、二つの問題があります。いわゆる情報管理の問題、そして今大問題になっておりますホワイトカラーエグゼンプション若しくは残業代なし、つまり家に持ち帰って厚生労働省の職員が仕事をしていると。この点も踏まえて、是非、塩崎大臣、今後ともしっかりと調べてもらいたいと思いますが、よろしいでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 勤務時間の管理につきましては、当然、ログイン、ログアウトが分かるようにしながら、どこにいようとも勤務をしているということが分かるようにしないといけないと思っています。
 今のフリーメールの利用につきましては、今申し上げたように制限を掛けるべきだということでございますので、今後そのように徹底をしてまいりたいというふうに思います。
○大久保勉君 議論を深めるために、こういう答弁が先週ありました。情報セキュリティーに関して統一基準を作るが、あとは各省任せで、その統一基準の実施の状況は把握していない、これが内閣官房参考人の答弁でありました。
 やはり徹底的に情報管理をしていくのでしたら、内閣サイバーセキュリティセンターの機能を強化する、権限をもっと強化しまして統一基準の実施を強制させたり検査する、こういった権限も必要じゃありませんか。さらには、予算をもっと増やす。このことに対しまして、菅官房長官、答弁をお願いします。
○国務大臣(菅義偉君) 是非委員にこのことだけは御理解をいただきたいんですけど、統一基準を作ってその実施をフォローアップするために、実は内閣官房副長官、杉田副長官、事務方でありますけれども、これが責任者になりまして、各府省の官房長クラス、これが最高セキュリティー責任者になっていますから、その人たちを集めて年四、五回ほど、ここは私用メールのルールの徹底を今まで図っていますので、ここもしっかり行っていきたいというふうに思います。
 それと、今委員から御指摘をいただきました件でありますけれども、本年一月にサイバーセキュリティ戦略本部を設置することができまして、内閣にサイバーセキュリティセンターを発足をいたしました。そして、ここで統一基準に基づくこの監査、勧告を与えたことに加えて、さらに、この認識に基づいて、権限に基づく事務を適切に遂行するように、今言われました必要な人員、権限、予算、そうしたものの獲得に努め、機能強化は是非やっていきたいと思います。
○大久保勉君 念のために申し上げますけど、内閣官房ではフリーメールは使ってはいけないという通達を出しておりますが、厚生労働省で約百万件使っていたと。外務省でも使っているという事実を岸田外務大臣と前回議論しました。
 外務省に関しましては、毎月数千件に上るGメール、ヤフーメールの使用が確認されております。いろんな事情があるというのは承知しておりますから、そのことに関してしっかりと調査すべきじゃないかということを提言しました。その結果、どうなりました。
○国務大臣(岸田文雄君) まず申し上げたいことは、外務省としましては、フリーメールの使用を原則禁止しております。その上で、邦人保護など業務上真にやむを得ない場合に限り、利用者から使用目的を記載した申請書を提出させ、極めて限定的に許可をしています。
 先般、委員の方から御指摘をいただきました。こうした指摘を踏まえまして、現在、フリーメールの使用を許可している三百四ユーザーに対しまして、大臣官房情報通信課長から改めて使用状況あるいは用途等について調査を行いました。そして、調査の結果は、申請書に沿った極めて限定的なものであったと受け止めていますが、内容を大別いたしますと次のようなものがありました。
 使用目的の一つは、外務省が業務上必要な外部からのメールを外務省のメールシステムがブロックして受け取れない場合に使用するものでありました。一例を挙げれば、海外において緊急事態の際、在留邦人に対し安否確認のメールを送信することがあります。相手がフリーメールから返信した場合、外務省のメールシステムが受信をブロックしてしまうことがあるため、確実な受信のためにフリーメールを使用する必要があるというケースでありました。
 もう一つのパターンとしましては、要保護情報でない大きなデータをやり取りする場合、例えば国際会議等で大部の資料を入手し、それを至急本省へ送付する必要がある場合など使用しているケースがありました。
 そして、三つ目のケースとしましては、外部の組織に出向していた際、公用メールアドレスを使用できなかったためフリーメールを使用していたケースがあります。その後もそうした外部のオピニオンリーダーとのネットワークを維持するために、外務省における執務の観点から有益であるためフリーメールを使用しているということでありました。
 こういった状況を改めて調査いたしましたが、調査結果を踏まえまして、いま一度この使用の必要性につきまして精査したいと存じます。その上で、不要であれば許可を取り消したいと思いますし、そもそも、許可を出していますが使用していないユーザーも存在いたしました。こうしたユーザーに対しましては使用許可を取消ししたいと存じます。
 このように、今後とも一層厳格な使用に努めていきたいと考えております。
○大久保勉君 この点に関しましては、大臣のリーダーシップを期待しています。
 続きまして、グーグル検索に関して質問したいと思います。
 さきの予算委員会では、防衛省や外務省を始め全ての役所でグーグル社の検索エンジンを大量に使っていることが分かりました。グーグル検索を使っていると検索内容に応じた広告が出てくることは御承知の方も多いと思います。
 予算委員会で以下三点が明らかになりました。
 まとめますと、一つは、防衛省においてはグーグル検索画面へのアクセス件数は一か月で八百五十万回でございました。全ての省庁でこれと同様に頻繁にグーグル検索を使っているということです。二点目、利用契約は一般個人と同様の利用契約となっております。何ら政府仕様として情報管理上の特約は設けていない。三点目、内閣官房参考人の答弁でありますが、そのため、検索窓に打ち込んだ用語や検索結果、どれをクリックしたかの情報は米国に本社を置くグーグル社に渡り、その内容は約款で許される範囲で第三者あるいは他の用途に使われる可能性があることが明らかになりました。
 安倍総理大臣に質問します。
 この三点が意味することは、防衛省や外務省など政府の機微にわたる関心が、グーグル検索等を通じて直接に又はビッグデータとして解析された後に、グーグル社はもとより米国政府など第三者に渡っている可能性があるということです。
 このことに対して、日本国政府として懸念はございませんか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 現在、行政の内部検討資料などの要機密情報については、外部サービスの利用を政府統一基準において禁止をしているところであります。
 他方で、委員の御指摘のとおり、昨今、要機密情報に当たらない検索ワードやアクセス先等を大量に収集し分析することにより、政府組織の傾向が推定される可能性があることが指摘されていることは承知をしております。情報通信技術が急速に進展している中、情報の適正管理の在り方について不断の見直しを行うことは極めて重要であると認識をしています。
 今後とも、政府全体として一層のサイバーセキュリティーを確保するため、技術的な対応も含め、多角的な観点から検討してまいりたいと思います。
○大久保勉君 先ほど総理大臣の前向きな答弁に対して関連する質問をしたいと思います。
 さきの予算委員会で分かった三つの点の二つ目だったんですが、利用者は一般個人と同様の利用契約になっていると。つまり、国も一般個人も一緒ということです。やはり機密を扱う国がグーグル検索をするんでしたら、しっかりと個別の契約を交渉する必要があると考えます。
 そこで、菅官房長官に質問したいんですが、検索エンジンの使用に関して、グーグル社やヤフー社などに対し、日本国の機密保持の観点から利用契約の修正を働きかける必要があると考えますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(菅義偉君) 委員の御指摘の中で、その検索利用サービスによって政府組織の傾向、そういうものが推測をされる可能性があるということは、それは事実だというふうに私どもも思っていますし、こうした課題に対応するために、利用する者の部署が特定できないような形で検索サービスを利用する仕組みを設けるなど、まず技術的な観点からの検討を進めていく必要があるというふうに思いますし、また、利用約款の在り方についても、そこは重く受け止めて対応していきたいというふうに思います。
○大久保勉君 午前中の最後の質問になるかと思いますが、いわゆる忘れられる権利に関して質問したいと思います。
 安倍総理に対する質問でありますが、二〇一四年五月十三日、欧州連合司法裁判所は、人には忘れられる権利があると判断し、グーグルにリンクの削除を命じる判決を行いました。ちなみに、裁判の原告はスペイン人で、グーグル検索に対し、自分の過去の債務記録へのリンクを削除するように求めていたものであります。
 そこで、安倍総理に質問しますが、日本国政府や日本国民には、国内法上、忘れられる権利は存在しているのか。また、存在しているとすれば、米国法人でかつカリフォルニア州法に準拠した利用契約により行われているグーグル検索におけるグーグルリンクを削除することは可能であるか、このことに対して質問します。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 御指摘の忘れられる権利については、時間の経過等により不必要になった個人情報について削除や利用の停止を求める権利として、欧州において法制化についての議論がなされているところであります。そのような権利は我が国の現行法令においては規定されていませんが、名誉毀損やプライバシー侵害に該当する個人に関する情報について、人格権に基づいた削除請求が認められる場合があると承知をしています。
 政府としては、欧州を始めとする国際的な議論の動向を見守っていきたいと考えています。
○委員長(岸宏一君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。
 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十三分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
○委員長(岸宏一君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 平成二十七年度総予算三案を一括して議題とし、経済・財政・国際問題に関する集中審議を行います。
 休憩前に引き続き質疑を行います。大久保勉君。
○大久保勉君 それでは、アベノミクスの経済政策に対して質問したいと思います。
 まず、安倍総理、お願いします。
 現行約三五%の法人実効税率を、平成二十七年度を初年度として、以後数年間で法人実効税率を二〇%台にするというのが安倍政権の方針であると承知しております。どうして税収が厳しいのに法人実効税率をここまで下げるのか。大企業優遇政策じゃありませんか。質問します。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 安倍内閣では、世界で一番企業が活躍しやすい国を目指して総合的な取組を進めているところでございます。
 その一環として、今回の成長志向型の法人税改革においては、平成二十七年度を初年度としまして、数年で法人実効税率を二〇%台まで引き下げ、国際的に遜色のない水準とすることを目指していく考えであります。
 これと併せて、例えば農業、雇用、医療、エネルギーといったいわゆる岩盤規制の改革の断行やグローバルに通用する人材の育成、TPPなど経済連携の推進やイノベーション創出力の強化など、内外一体となって成長戦略を実行していくことによって日本の立地競争力を高めていくことになるわけでございます。
 日本企業の海外流出の抑制や海外企業の日本への誘致の促進を図っていきたい、そして、その結果として、経済がしっかりと成長していく中において税収も増えていくと、こう考えているところでございます。
○大久保勉君 安倍総理は、法人税率を引き下げたら、日本国企業の海外進出若しくは国内工場の閉鎖による空洞化、こういったことを避けられると考えているんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 海外の企業が日本へ投資をしていく、あるいは日本の企業が例えば日本に製造拠点を置いていくことの、法人税は一つの要素ではあるのは間違いないんだろうと、こう思っています。様々な面で日本の企業の立地条件を競争力のあるものにしていきたいと、こう考えております。
 ですから、だからこそ豊富なグローバル人材、そしてまた企業が日本において活動していく上においての利便性あるいは安定性、そうしたものを確保していきたいと思います。もちろん為替もその一つの要素だとは思うわけでございますが、そうしたことの中の要素の一つであろうと、こう考えております。
 ただ、もちろん、これは安ければ安いほどいいということではもちろんないわけでございまして、そこは言わばこの国際競争の中における遜色のない税率にしていくことはもちろん考えているわけでございますが、日本はそれだけで勝負をしなければいけない国ではないわけでございまして、まさに総合力を上げていきたいと、こう考えているところでございます。
○大久保勉君 是非、企業にも優しいんですが、国民にも優しい国をつくってもらいたいと思います。
 昨年の五月、ある大手メーカーの社長が決算発表で、六年ぶりに税金を払うことができるということを述べられました。これは大きな話題となりました。その他、大企業でも史上最高益を出していてもほとんど税金を出していないと、こういった事例もございます。
 このパネルに関しましては、財務省の提出資料です。政府税制調査会で使われた資料でありまして、大企業はどのくらい税金を負担しているか、その表です。法人税実質負担率、この計算は税引き利益に対する法人税、これは国税の割合を示したものです。
 先ほど安倍総理は、現行三五%の法人実効税率、この中には地方税も入っておりますから、国税に関しては二五・五%が現行です。平成二十七年度改正に関しましては、二五・五%の国税を二三・九%に下げようということです。
 しかし、実際はどのくらい企業が税金を払っているか。例えば(3)、機械・電気機械製造業においては僅か三・三%です。輸送用機械製造業、自動車が中心だと思いますが、五・五%、卸売業四・九%。これは大手商社等じゃないかと思います。
 まず、安倍総理、この数字を見てどういう感想ですか。
○国務大臣(麻生太郎君) この頂戴いたしました資料は、これは業種別主要事業者の法人税実質負担率を、これは昨年の五月に政府税調に財務省の方から提出をした資料だと思いますが、間違いございませんね。
 御指摘の資料はそうだと思いますが、これ業種ごとに上位五社のデータを合算して合計して作成をしておりますが、こういったようなものに関しまして、やっぱり今までどういうふうな感想を持たれるかといえば、これはやっぱり長い間税金を払えるような状態にないほど、円高のおかげとかいろんなデフレのおかげとか、いろんなものがあってこれまで税金払ってこず、払えるようになっても繰越欠損金の制度でこれまで延ばしているのがやっと払えるような状況になってきたというのを如実に示していると存じます。
○大久保勉君 全く分かんないですね。
 じゃ、もう少し詳しい議論をしましょう。
 税の専門家であります宮沢経済産業大臣に質問して、もう少し具体的な議論をしたいと思います。
 実は、繰越欠損金税制や海外子会社からの配当益金不算入制度、こういった税制が企業の海外生産を加速しているということも言えます。具体的には、特別損失を出して設備の古い国内工場を思い切って閉鎖する。そして、新工場は人件費が安い国、そして多くの製品需要を望める国に建設する。海外で生産して海外で販売することによって上がった海外子会社の利益を配当した場合は、本社に戻したとしましても、配当金には益金不算入ですから税金は掛かりません。また、国内工場を閉鎖するときに出た特別損失は、繰越欠損金に対する税額控除制度を使い節税できます。これが実態ですよ。こういった実態なのにどんどん法人税を下げようと、こういったことに対してどうかということを質問したいと思います。
○国務大臣(宮沢洋一君) 委員が今具体例としておっしゃったようなことを考えてこの制度を使っている企業はあるのかもしれませんけれども、まず、その繰越欠損制度というのは継続的に活動する企業にとって税負担の平準化を図るという制度でありまして、主要国全てこの制度がございます。日本の場合は、今年度の改正で少しいじりまして、それまで利益の八割を九年間繰り延べできるという制度を、最終的に利益の五割を十年間繰り延べできるという制度に変えていく。したがって、ほかの国に比べるとかなり繰越欠損という意味ではきつい制度でありまして、正直言いまして、産業界とか在日のアメリカの商工会議所辺りからはもっと繰越欠損できるようにしてくれという要望が実はあることは確かであります。
 一方、海外子会社の益金不算入制度、これは一〇〇%益金不算入じゃなくて九五%でありますけれども、これはそれまで外国において払った税額を国内で控除するということでやってきておりますけれども、世界標準に合わせるといった意味で九五%の益金不算入という一律の制度に変えたものでありまして、これはアメリカがまだ昔の日本と同じ制度を持っておりますけれども、基本的には世界標準の制度であります。
 したがって、この二つの制度につきましては、日本は繰越欠損が若干主要国に比べるときついといったことを考えますと、ほかの主要国に比べてある意味では海外に行きやすい税制を持っているとは思っておりませんし、また一方で、国内に投資をしたその配当につきましては、当然海外に行くときには一〇〇%ないし過半の株式を保有するということを考えますと、国内投資はこれ一〇〇%益金不算入でありますから、国内投資の方が優遇されているということも留意する必要があると思っております。
○大久保勉君 さすが専門家、よく分かりました。ここで申し上げたいのは、為替が原因じゃないということもよく分かりました。
 この議論に関しては次に質問したいと思いますが、その前に、麻生副総理・財務大臣の方に質問したいと思います。
 まず、ここの大手五社ということなんですが、例えば(3)の機械・電気機械製造業、大手五社の名前を教えてください。
○国務大臣(麻生太郎君) これは、御存じのことだと思いますが、個別企業の納税情報を明らかにすることはできないという、これまでもそういたしておりますが、業種ごとにこれは上位五社のデータを合算して作成したものであります。したがって、個別企業名を明らかにするということは、これはいわゆる守秘義務論に関わる話ですから、いろいろ問題がありますほか、納税者との信頼関係というものもこれは考えておかないかぬところでして、税務執行を円滑適正に行っていく上においては、これは両方とも支障ともなりかねないということですから公表することは差し控えたいと思っております。
 一般的にこの種の話が出るときに、税務に関するデータについて公表することは行っていないんですが、公表に踏み切るということは、これはいわゆる守秘義務に関わる問題でありますほかに、広く納税者との信頼関係を損ないかねないという面がありますので、そうしたデメリットを上回る公益性の必要性があるかと言われると、これは単に大企業の納税実態が明らかにするというだけで、個別企業名を明らかにする公益上の必要性を説明し切るだけのものにはならないのではないかというような感じがいたしております。
 いろいろほかにもありますけれども、時間もおありでしょうから。
○大久保勉君 こちらに関しましては、実は平成十七年前までは法人の納税金額、個人の納税金額は、納税というか、所得金額は明らかになっておりました。平成十八年の改正で長者番付が廃止されました。そのときは、個人の守秘義務、個人情報の保護の観点から開示をしなくなったんですが、いつの間にか大企業も一緒になっていたと。ここは私どもはおかしいんじゃないかと、いわゆる開示することによって日本国内にしっかりと税金を払ってもらうと、こういった推進をすることも必要だと思います。
 そこで、実は先週金曜日に、民主党、維新の党、共産党等の野党共同で資本金百億円以上の大企業の所得金額及び国内納税金額を開示すべきという議員立法を参議院に提出しました。法人実効税率の減税を議論する場合は、大企業の納税の実態を開示してもらわないと偏った議論になり、国民の理解を得ることはどうしても難しいと考えております。
 是非このことを、自民党、公明党、与党の方でも検討してもらいたいと思いますが、質問通告しておりませんが、安倍総理、もし御所見がありましたら。
○国務大臣(麻生太郎君) その法律が提出をされておりますのは存じておりますが、一般に国が個別企業の納税情報を公表するということにつきましては、大企業であろうと中小企業であろうと、企業イメージへの影響など日本の企業だけに競争上の不利益が生じるおそれがある、そうしたデメリットを十分に上回る公益上の必要性があるかどうかと。先ほど申し上げたとおりですが、諸外国でも行われていないような納税情報の公表というものを日本だけで行えば、日本企業のイメージというものもありますし、かえって議員が懸念をされておられます空洞化の問題を、逆に出ていこうということで加速させかねないという面も考える必要があろうと思います。
 その上で、今回の法律案は、グローバル企業の租税回避行動への対応という目的のあるように、御提案であると伺っておりますので、そうした問題意識は私としてもこれは全く共有しておりますが、御提案のような日本の会社の納税情報だけを提示いたしましても、海外子会社というものを含めましたグループ全体の納税実態は全然分かりませんから、そういたしますと、グローバルな租税回避行動に対する対策にはなりにくいと存じます。
 いずれにしても、こうした問題に関しては、これは日本だけで独自に対応するアプローチではなくて、これは国際的な協調をして取り組む必要があろうということで、今OECDの租税委員会で取り組んでおります税源浸食と利益移転、通称BEPSプロジェクトで今議論されておりますが、当局間で共有する枠組みというものを構築していく方が現実的でかつ有効な対応策になり得ると、私どもはそう思っております。
○大久保勉君 先ほど麻生財務大臣から為替の影響で企業の方が赤字であったというような議論がありましたが、それに関連して為替の議論をしたいと思います。
 急激な円安が起こっておりまして、中小企業そして家計部門は大きな負担を強いられています。そこで申し上げたいのは、これは安倍総理に質問したいんですが、実は二年前に予算委員会で、私の質問に対して安倍総理は、アベノミクスで輸出が増え、貿易収支は黒字になると実は大見えを切られております。
 議事録を読み上げますと、これは一年後には間違いなく改善されてまいります、プラス四・六兆円、そして二年後には八兆円のプラスになっています。今、二年後です。二年後の直近の一年間の数字は、実はマイナス十兆円と大きく予想が外れています。是非、このことに対して御見識を安倍総理に伺います。
○国務大臣(甘利明君) Jカーブ効果というのが普通はありまして、タイムラグを置いて円安の効果が輸出に出てくるわけであります。しかし、その出方が遅かった。遅かった理由は、輸出先の景気が悪いとか、あるいは現地価格を下げずに利益を獲得する動きとか、いろいろな動きがあるということをお話しいたしました。
 しかし、次第にJカーブ効果が少しずつ現れつつあると。直近の数字、一月については貿易は黒字になっております。
○大久保勉君 終わります。
○委員長(岸宏一君) 以上で大久保勉君の質疑は終了いたしました。(拍手)
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○委員長(岸宏一君) 次に、長沢広明君の質疑を行います。長沢広明君。
○長沢広明君 公明党の長沢広明です。
 今日は、まず、社会保障関連予算について財務大臣にお伺いしたいと思います。
 消費税率一〇%への引上げを平成二十九年四月に延長したことによりまして、平成二十七年度の予算案では、社会保障の充実策に、当初、一〇%引上げの場合一・八兆円、それが約四千五百億円マイナスの一・三五兆円を振り向けることとなり、大変厳しい状況の中でも、子ども・子育て支援の充実、あるいは少子化や生産年齢人口の減少といった女性の活躍推進、こういった分野に、我が国が直面する問題、こういうところには優先的に予算を計上していただいたということは評価したいと思います。
 一方、平成二十九年四月に消費税率が一〇%に引き上げられたとしても、一〇%税収が満年度化するのは平成三十年度以降ということになります。つまり、それまで、満年度化すれば二・八兆円、二十八年度は一・三五兆円まだ、二十九年度で二・三兆円ぐらいではないかと。満年度化するのが平成三十年で二・八兆円と。
 つまり、この少子高齢化対策の財政措置といった社会保障の充実策について、二十八年度、二十九年度、まあ先の話ですけれども、この途中の経過においてどのように臨んでいくのか、現段階における政府の考え方を財務大臣からお示しいただきたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) これ、長沢先生、社会保障の充実に向ける金額というのは消費税の増収分を増加に応じて増やしていくということになっておりますので、その金額は、今言われましたように、八%の場合には一・三五、これは国と地方と両方込みで。そのため、平成二十八年度は、二十七年度で講じました充実策というのを踏まえて、この一・三五兆円の範囲内で社会保障の充実に取り組むということで、いろいろ御協力をいただいたりお知恵を貸していただいたりしましたおかげでああいったような予算になっておるんですけれども、それが平成二十九年度、消費税率が一〇%の引上げによりまして、社会保障の充実といいますけど、フルではまだそこに行っておりませんので、その段階では二・三兆円強を確保するであろうと予想されます。
 この範囲内で充実に取り組むことになるんですが、具体的には、低所得の高齢者に対する年金の福祉的給付、よく言われました月五千円掛け十二、六万円の話とか、低所得の高齢者に対する介護保険料の軽減の完全実施等々を今の段階では充実を図ることといたしたいと考えております。
○長沢広明君 では次に、経済を支える雇用労働政策について今日は伺いたいと思います。
 この国会に、大変この委員会でも議論になっております、働き方に大きな影響を与える労働基準法等の改正法案が提出される予定でございます。労働基準法、あるいは労働安全衛生法、時短促進法といった法律を改正するということで、労働時間規制あるいは働き方を見直すという法案になるということです。
 まだ閣議決定は来週になるというふうに伺っておりますので、法案はまだ国会に提出されていない段階ですけれども、この法案に対しては、今、残業代ゼロ法案とか、あるいは定額働かせ放題といったそういう冠が付いて、少しイメージがそちらに傾いているような気がします。国民の皆様に、今回のこの労働基準法等の改正、労働時間法制の見直しの本当の中身、あるいは意義というものを正確に御理解いただくことは大事であって、政府にはしっかりと説明をする努力を求めたいというふうに思っております。
 今回の見直しには、後で触れる高度プロフェッショナル制度、いわゆる残業代ゼロ法案と言われる部分だけではなく重要な内容が多く含まれておりまして、私なりにこの改正案の全体像をまとめてみました。資料一、パネルをお願いします。(資料提示)
 資料一枚目を御覧ください。この全ての働く方、上から順に、子育て中の働き手、中核的なホワイトカラー、グローバルに活動する高度なプロフェッショナル、それぞれにいろいろな対応の見直し案が入っております。特に一番の柱は、この全ての働く方に対して、いわゆる働き過ぎの防止を図る、長時間労働を抑制するということがその柱になっているという点でございます。
 使用者に対して五日分の年休の付与を義務付ける、例えば十日間以上年次有給休暇を取得できる人については、そのうちの半分、五日分はどうしてもしっかりその年休をちゃんと取るようにする、話し合って、この日この日で年休を取ってくださいと、休みを取れるようにする。中小企業における割増し賃金率の引上げというのは、月六十時間を超える時間外手当について、現行は、中小企業は二五%のままで一旦猶予措置がとられております。これを五〇%に上げることで長時間労働を抑制すると。そして、時間外労働に対する監督指導を強化すると。これが一つ、長時間労働に対する抑制策としての柱の部分です。
 子育て中の働き手、フレックスタイム制の見直しと書いてありますが、子育て中にちょっと朝ゆっくり出勤する、あるいは早く帰るというようなフレックスタイムを使いたいという人の、一か月の間で全部働く時間を帳尻を合わせるという、いわゆるその清算期間というのは一か月になっています。この一か月を三か月に延ばします。そうすると、例えば、お子さんが夏休みになると、夏休みになるときに早く帰ってあげたい。そうすると、六月から七月の半ばぐらいまではちょっと仕事頑張って、七月、八月の夏休みは早く帰れるようにすると、三か月間全体で帳尻を合わせればいいと、こういうことができるようになるわけですね。こういうことも中に入っている。
 その後、中核的なホワイトカラーには、企画業務型裁量労働制の対象業務を拡大、そして、高度プロフェッショナル制度、これについてはまた後ほど説明をさせていただきますが、まず、国際的に見ても我が国の労働時間は長いという中で、働く人の健康やワーク・ライフ・バランスをめぐる大きな問題でもあります。この現状を改善するという意味でどういった見直しを進めていこうとするのか、私は今こういうふうに整理をさせていただきましたけれども、働き過ぎの防止を図るためにどういう取組を行うのか、改正案の中身に沿って政府の見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 先生から今説明をいただいたような感じになってしまいましたが、まず我々の大前提は、働き過ぎを全体として防止するという姿勢が我々の政府にも必要だということで、厚生労働省に私を本部長といたします長時間労働削減推進本部というのがございますけれども、今年の一月から月百時間超の残業が行われていることを把握した全ての事業場に対する監督指導を徹底をしております。働き方・休み方改善ポータルサイト、これも開設をいたしまして、企業の働き方改革の好事例を積極的に今広報していくということにしております。
 さらに、この四月から、東京労働局及び大阪労働局に過重労働に係る困難事案等に対応するための特別チームというのを設けまして、過重労働撲滅特別対策班を新設をし、この通称は「かとく」ということでいこうと思っていますが、これを設けたいというふうに思っております。
 そこで、今法律に基づいて説明せいということでございますけれども、先生、今お配りをいただいている資料にあるとおりでありますけれども、今回、労働時間法制の見直しという中で、今御説明いただきましたけれども、年次有給休暇の取得促進がまず第一にこれありますが、今までの発想から大きく転換をしようということでございまして、今までは、働く方が具体的にどの日を休もうかということを自分で決めるという仕組みでございました。これを、年に五日間については、先ほどお話があったとおり、会社が働く方と相談の上でこの日は休んでくださいということで指定をしていくという、まあ百八十度逆になる仕組みにいたすということでございまして、そのことによって休暇の取得促進を図ると。
 それから、先ほどお話がございましたように、中小企業につきましては、長時間労働を抑制し、その健康確保を図る観点から、今までは、一か月について六十時間を超える時間外労働について、割増し賃金については少し猶予をしておりましたが、これについて二五%から大企業と同じ五〇%に引き上げることによって、中小企業で働いている方々についてもこの割増し賃金をきっちり払っていくということによって健康確保を図るということでございます。
 さらに、時間外労働に対する監督指導の方針として、健康確保の視点を法律で定める。これは後ほど高度プロフェッショナル制度などで出てきますが、長時間働いた方に必ず健康確保のための措置を講じるという仕組みを新たに法定をしていくということでございます。
 こういうようなことで、現在、働き過ぎ防止のための実効性のある政策を検討しておりまして、これらを労働基準法の改正法案に盛り込んで御議論をいただくために提出をしてまいりたいというふうに思います。
○長沢広明君 じゃ、パネル二枚目、資料の二枚目をお願いします。
 企画業務型裁量労働制の対象業務に追加される二つの類型でございます。このうち、特に上の方の課題解決型提案営業、取引先のニーズを聴取して、こういうのが欲しいと、それで新商品や開発の企画立案をして、それに応じた商品やサービスを開発した上で販売するという、こういう企画提案型という営業について、これを裁量労働制の枠の中に入れるということであります。
 裁量労働制というのは、働く時間や仕事の進め方が働く人に大幅に委ねられる制度で、これをうまく活用すれば労働者はめり張りの利いた働き方ができるようになるという利点があります。
 しかし、この課題解決型提案営業、ソリューション営業と言いますが、こういう営業という言葉の入ったものが入ることによって全ての営業がこれに入ってしまうのではないかといった論調が見れるんですが、果たして本当にそうなんだろうかと。この裁量労働制について、ほとんど全ての営業職が対象になるということが言われていますが、今回の制度改正の具体的な内容、説明してください。
○国務大臣(塩崎恭久君) まず、企画業務型裁量労働制につきましては、対象となっている方へアンケート調査をいたしました。それによりますと、約八割、七六・四%の方が満足をしている働き方だという回答をいただいておりまして、利用されている方々、既にこれを使っていらっしゃる方々ですね、この方々は満足度を感じながら働いていただいているということで、企業で企画業務型の、企画の業務を行う方の働き方の実態に合った制度だということがまず言えるんだろうと思います。
 一方で、こうして企業で企画業務型の仕事をやっていらっしゃる方々については、業務の複合化などが進んでいることから、今般の見直しでは企画業務型裁量労働制の対象業務に、そこに今お配りをいただいておりますけれども、課題解決型提案営業、いわゆるソリューション営業と、こう言っているわけですが、この業務を追加するということにしようとしているわけであります。
 この追加業務につきましては、法人の顧客を相手として営業を行う業務に限り、個人を相手とする業務は認めないということがまず第一点でございます。それから、取り扱う商品やサービスが例えば全社的に重要な位置付けのITシステムの企画と一体となった営業などに限るわけでありまして、単純ないわゆるルートセールスとかそういうようなものは認めないという要件にする予定でございます。その上で、この法律を成立をさせていただいた後に、労働政策審議会の建議を踏まえて法律に基づく指針というのを作りますが、この中で店頭販売やルートセールスなど単純な営業業務である場合は対象業務とならないということを明確にしていくところでございます。
 したがって、ほとんど全ての営業職が対象になるというようなことをよく今指摘をされたりしますけれども、そういうことでは全くなくて、対象となるのは営業職の中でもかなり絞られた方々になるというふうに考えていただければ有り難いなと思っております。
○長沢広明君 いわゆる裁量のない働き方をしている人まで対象が広がらないように、法律に基づく指針に定める内容も含めて制度の本旨にのっとった運用が実現をされるように、これはよろしくお願いしたいというふうに思います。
 じゃ、パネルの三枚目、資料三枚目をお願いします。
 世間で耳目を集めている高度プロフェッショナル制度ですが、ここに書いてあるとおり高い要件等がございます。これについて、高度プロフェッショナル制度の対象についての考え方はどういうことなのか、今後対象が広がっていくようなことが本当にあるのか、健康確保のための措置というものをどういうことがあるのか、御説明いただきたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) お手元にお配りをいただいているとおりでありますけれども、今回の高度プロフェッショナル制度では、対象業務、それから年収の要件、この枠組みを法律に明記をするということが大変大事な方針でございます。
 すなわち、対象業務の要件については、高度の専門的知識等を必要とすること、あるいは時間と成果との関係性が強くないといった考え方を法律に明記をいたします。加えて、年収要件については、確実に支払われることが見込まれる賃金額が全ての働く方々の平均給与額の三倍を相当程度上回るといった表現で水準をお示しを法律でするということでございます。そういう方針でございますので、法律を改正しない限りは制度の対象となる方を拡大をすることはできないというふうに考えていただければというふうに思うわけでございます。
 この対象となる方の健康確保策というのがございますけれども、これについては、その前提となる措置と具体的な内容をこれも法律で明確に規定をするという方針でございまして、まず、事業場内にいた時間とそれから事業場外において労働した時間との合計の時間を健康管理時間として把握をする措置を使用者に、これもまた法律で講ずることになります。
 その上で、把握をいたしましたこの健康管理時間に基づいて、まず、これは三つあるんですけれども、一つ目は、始業から二十四時間経過するまでに一定の継続した休息時間、インターバルといいますけれども、これを確保するというのがまず第一。第二は、一か月又は三か月の健康管理時間について一定の上限を超えない範囲内とすることというのが二番目。そして三番目に、一年間を通じて百四日以上、かつ四週間を通じ四日以上の休日を確保すると。このいずれかの措置を必ず使用者に講じさせるということになっておりまして、これを法律で定めるということになっております。
 さらに、仮に健康管理時間が一定の時間を超えてしまうというようなことがあったときには、医師による面接指導を必ず行うことも罰則付きで法律で義務付けるということにしているわけでございますので、この健康確保措置につきましても法律でもって担保をしているということで、これらの内容を法律で規定し、そして対象となられる方の健康確保をしっかりと図ってまいりたいというふうに思います。
○長沢広明君 今御説明ありましたとおり、対象になる人、それからその年収要件、これも法律に書くので、厚生労働省が省令で勝手に下げるとか拡大するということはできない、法改正が必要になるというたががはまっていると。健康確保措置についてもこれはきちんと義務化していくと。なおかつ大事なことは、これ、適用される人は本人の希望である、同意がなければ適用されない、これが一つの条件になっているということで、こういうことについても是非、よく見直しにまつわる誤解や懸念を払拭できるように、説明をしっかりお願いしたいと思います。
 私の方から最後一つだけ、この高度プロフェッショナル制度を導入する意義について、総理に是非、導入する意義は何か、これについて総理に御答弁いただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 大変、長沢委員に、分かりやすく今回の労働法制の改正について説明をしていただいたと思いますが、政府が検討を進めている労働時間制度の見直しは、基本的にワーク・ライフ・バランスの観点から働き過ぎを是正するとともに、まさに多様で柔軟な働き方を進めるものであります。この中で、時間ではなく成果で評価する新たな制度、これが高度プロフェッショナル制度でありますが、については、グローバルに活躍する高度専門職として働く人を対象とし、例えばアイデアが湧いたときに集中して働く、健康の確保には十分留意しつつ、意欲や能力、創造性を存分に発揮できる環境をつくるものであります。
 企業の経営者からも、こうした法制度の整備を契機に専門職の年収を引き上げ、高度人材の確保と活躍につなげたいといった声を聞いております。この制度の活用によって、企業、ひいては我が国経済の競争力の強化も期待されると考えています。
 労働時間に画一的な枠をはめる従来の発想を乗り越え、高度プロフェッショナルの方々が、処遇や健康面で不安を感じることなく、自らの創造性を思う存分発揮できるよう、制度の導入に向けて取り組んでいきたいと思います。
○長沢広明君 是非、政府におかれましては、国民の皆様に語りかけるように丁寧に説明をするよう求めまして、同僚委員に引き継ぎたいと思います。ありがとうございました。
○委員長(岸宏一君) 関連質疑を許します。杉久武君。
○杉久武君 公明党の杉久武でございます。
 私からは、長沢委員の質問に関連しまして、若者の雇用の観点から、安倍総理並びに塩崎厚生労働大臣に質問をいたします。
 さて、我が国の経済や社会の発展に若者世代の活躍は絶対に欠かせません。次世代を担い行く若者が安心して元気に働く、そのためには、安定した雇用の下で若者一人一人が自身の限りない夢を描き、未来を展望しながら経験を積み、自らの能力を磨いて自信とやりがいを持って仕事に取り組む、誇りを持って社会に貢献できる環境が必要であるということは言うまでもありません。
 しかしながら、私自身もそうでありましたが、私が社会に出たのは平成十年でございました。社会はバブル崩壊後の不景気の真っただ中でありまして、右肩上がりの経済成長などは知らない世代でございます。とても未来に希望が持てるような社会状況ではなかった。リストラの嵐の中で私自身も現場の第一線で寝る間もなく働いておりました。また、自ら勤めていた会社が廃業するという、そういうつらい経験もしてまいりました。
 私は、一昨年の参議院選挙で国会議員としての職責をいただきましたが、私はそういった世代の代表として、私が所属しております公明党青年委員会、そして党の雇用・労働対策本部がタッグを組みまして、若者の雇用の問題の解決こそ全力で取り組むべき国の最重要の政治課題であるとの決意の下に、私ども青年議員の実体験も踏まえまして、これまで政府に対して数度にわたり若者の雇用環境の改善、これを強く要望してまいったところでございます。
 安倍総理には、その都度、私どもの要望を真摯に受け止めていただき、いよいよ今国会に私どもの主張を大きく取り入れていただきました勤労青少年福祉法等の一部を改正する法律案、いわゆる若者雇用法案が提出をされましたので、この法律案につきまして質問をいたします。
 まずは、このパネルを御覧いただきたいと思います。(資料提示)私ども公明党の主張に対しまして、今回、若者雇用法案に盛り込まれた政府の対応をまとめた資料でございます。
 今もなお若者は苦しんでいる、この現状を抜本的に打開するため、私たち公明党青年委員会は、二〇一三年にワーク・ライフ・バランスに関するアンケートの調査を全国で実施をし、合計で二十八万人を超える若者の生の声を聞いてまいりました。また、若者が置かれている現状を把握し、彼らと一緒になって問題解決の道筋を探ろうと、昨年は、青年委員会に所属します公明党の地方議員も含めて、青年市民相談を全国で五十回以上開催をいたしまして、延べ八百人の若者から直接膝詰めで悩みを聞いてまいりました。この青年市民相談に私自身も何回も参加をし、生の声を聞いてはまいりましたが、やはりまだまだ若者を取り巻く環境は深刻であるということが分かりました。その若者の声を幾つか総理にお伝えをさせていただきます。
 ハローワークでの求人説明を基に再就職を果たしたが、入社後、賃金、勤務時間、勤務体系などの就労条件が全く異なっており、会社に抗議しても受け入れられなかった、ニート、引きこもりなどと言われる若者の将来が大変心配である、また、非正規職員は教育訓練を受けるチャンスが少ないなど、総理もよくお聞き及びのこととは思いますが、こういった声が今現在でも全く消えていないのが現状でございます。しかし、そういった中でも、我が国では、高齢者や障害者、女性を対象とした雇用対策法はありましたが、若者に総合的に光を当てた施策はなかったわけであります。
 このような状況を打破するために、我々公明党としては、この若者を取り巻く関係者全ての責務を明確にして、社会全体で若者を守り育てていく取組を総合的、体系的に推進をするために若者雇用対策を推し進める、その法制化が必要であるということを訴えてまいりました。そして、この訴えが法案化されたのが今回の法案でございます。
 そこで、まず総理に伺います。
 今回提出された若者雇用法案が果たすべき役割について、安倍総理の見解をお願いいたします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさに若い皆さんは日本の将来を担うわけでございまして、若い皆さんがその情熱や努力やそして希望をかなえられる、そういう環境をつくっていきたいと思います。
 雇用情勢としては、今年新卒を迎えた方々は、このお正月を約八割の方々が就職内定をして迎えることができました。大卒で七年、そして高卒では、これは最近の二十数年ぶりの数字と言ってもいいわけでございます。しかし、その中で、今、杉委員が御指摘になったように、ハローワークの情報によって働き先を決めたら全然実は違ったという、そういう出来事も起こっているわけでございます。
 そこで、若者が社会に出て職に就く際、自らにふさわしい仕事を選べるよう、離職者数や残業実績など新卒者の選択に役立つ職場情報の提供を企業に義務付ける。そして、若者の使い捨てが疑われる企業についてハローワークで新卒求人を受け付けない、ニート等の若者の職業的自立を支援するため、地域若者サポートステーション整備などについて法案を御党とともに提出をしていくわけでございます。
 さらに、新卒応援ハローワークやわかものハローワークなどにより、きめ細かな就職支援を併せて進め、我が国の将来を担う若者が生きがいを持って安心してチャレンジできる環境づくりに全力で取り組んでいきたいと思います。
○杉久武君 本当に、今回の若者雇用法案というのは非常に重要な法案であると思います。
 その中で、一つ中身について入っていきたいと思いますが、今総理にも御答弁いただきましたように、やはり若者が、まず一つとして新卒で就職してもすぐに辞めてしまうと。総務省の労働力調査によりますと、新規学校卒業者の卒業後三年以内の離職率、これは大学で三割、高校で約四割という高い水準になっております。この理由として、やっぱり仕事が合わなかった、また労働時間、休日、休暇の条件が良くなかったなど、そういったことが挙げられております。
 その一つの原因は、やはり雇用者側と若者のミスマッチ、これが生じているんではないかということで、我々としてはそういった雇用者側からの積極的な情報提供、これが必要であるんではないかということで、今回の法律案の中に労働者側からの情報提供の義務付け、これが盛り込まれたわけであります。
 そういった意味におきましては、若者が自分に適した職業を選択できるよう今回義務付けをすることは非常に大きいことだとは思いますが、さらに法律を超えて積極的な企業側の開示を促す仕組み、これが更に必要だと思いますが、厚生労働大臣の見解を伺います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 先生御指摘のように、若者のふさわしい仕事を選ぶということを支援するためには、この若者のニーズに沿った職場の情報というのがしっかり提供されなければならないということで御指摘のとおりだと思います。
 今回、若者雇用促進法案では、新卒者の募集を行う企業に対しまして、まず応募者等から求めがあった場合には、企業の選択の下で一定の項目について情報提供を義務付けるということにしております。さらに、幅広く職場情報を提供する努力義務を設けているということになっておりますが、先生、今、企業の自主的な職場情報の提供を促進すべきと、こういう御提案がございました。
 私としても、重要な点だとそれは思っておりまして、幅広い情報提供の努力義務を具体化をするために、ハローワークに求人を出す企業に対しては、職場情報の全ての項目、今幾つか情報として例示をしているのがありますけれども、それの一つを選べばいいということになっておりますが、これを全ての項目を提供するように働きかけるということを、法律に基づく国の施策の基本方針に、法律が成立した後作りますけれども、そのときに織り込んでいきたいなということを検討したいというふうに思います。
 それから、企業が直接募集を行う場合、ハローワークを通さない場合、そういう場合には求めがなくともホームページなどで積極的な情報提供が適当であること、そして応募する若者たちのニーズに応じた項目の情報提供が望ましいと。そして、職場情報の提供を求めた応募者等に対しては不利益な取扱いはしないということなどを、法律に基づくこれまた事業主が講ずべき指針というのを作りますが、その指針に盛り込んで、ハローワークを通じて企業に働きかけを行うこと等を検討していく必要があると考えているわけでございます。
○杉久武君 積極的な開示を是非とも促していただきたいと思います。
 また、私ども公明党では、若者の使い捨てが疑われるようないわゆるブラック企業への対策として、国による厳格な監督指導を強く訴えてまいりました。そして、これら悪質な企業への対策として、先ほど述べました全国二十八万人のアンケートを基に、二〇一三年六月に安倍総理に政策提言を行いました。総理にはこの提言を全面的に受け入れていただきまして、我々の提言からすぐの二〇一三年九月に、政府として若者の使い捨てが疑われる企業五千社超の調査を実現をされました。ブラック企業対策を前進させ、国を動かしてきたのは私たち公明党でございます。
 また、今回の法案におきましても、一定の労働関係法令の違反を繰り返す事業所からの求人をハローワークでは受理しないという仕組みが入りました。まず、この効果、及び求人不受理についてハローワークに限定せず民間職業紹介事業者への対策も進めるべきだと思いますが、厚生労働大臣の見解を伺います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 厚生労働省において、平成二十五年六月に公明党からの提言も踏まえて、二十五年の九月の過重労働重点監督月間、ここにおきまして、若者の使い捨てが疑われる企業など五千百十一事業場に対して監督指導を実施して、労働基準関係法令違反が認められました四千百八十九事業場に対して是正に向けた指導を行うとともに、相談体制の拡充強化や労働基準法等についての情報発信の強化を進めてまいりました。まさに、公明党からの提言が実行に移されたと、こういうことでございます。
 さらに、今般、若者の適職選択を図る観点から、若者雇用促進法において、労働関係法令違反を繰り返す求人者からの新卒の求人は公的機関であるハローワークにおいては受理しないということにするわけでございますが、今議員から御指摘がございました民間職業紹介事業者での取扱いを促すことも重要だということでございまして、まさにそのとおりだと思います。
 民間事業者に対しては、厚生労働大臣に届け出ることによってハローワークに準じた取扱いができるように、法律に基づく指針にその旨及びその方法を示して、適切に周知をしてまいりたいというふうに思います。
○杉久武君 是非ともよろしくお願いをしたいと思います。
 次に、これまでは仕事に就きたい希望がある若者についての施策でございましたが、これからは、一方で就職に悩みを持つ若者をどう就職に結び付けるかという観点で質問をいたします。
 就職に悩みを持つ若者らを支援する施設である若者サポートステーション、通称サポステと言われている施設がございます。これまでこれが全国百六十か所まで拡充をされまして、サポステでは相談や職場体験を通じたトレーニング、また就職に悩みを持つ若者らの就労への意向を支援してまいりました。そして、実績といたしましては、平成二十五年度で延べ約六十四万人がそのサポステに来所をし、約一万六千人の就職が実現をしているということでございます。
 しかしながら、このサポステは、これまで事業としての安定財源が確保をされておりませんでした。私どもは、やはりこれはしっかりと法的位置付けを明確化すべきだということで、今回の法律案では、国は、いわゆるニート等の青少年に対し、特性に応じた相談機会の提供、また職業生活における自立支援のための施策の整備等の必要な措置を講ずるということで、はっきりと明記をされたわけでございます。
 この法律上の明記を受けまして、しっかりとこれからは安定財源を確保するという点について、厚生労働大臣の決意を伺います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今御紹介いただきましたように、地域若者サポートステーションにおいて実績はかなり上がってきているところでございます。
 今般提出をいたしました若者雇用促進法案において、地域若者サポートステーション、このサポステの整備に関する規定をしっかり盛り込んでおります。
 サポステ事業につきましては、この支援を受けて就職した者に対する職場定着支援、これを全国展開するなど、職業的自立に向けた就労支援の強化を図るということにしておりまして、なかなか就労ができなかった方々を就労させるわけでありますから、その定着支援というのはとても大事であって、そういうことを踏まえた上で、二十七年度の当初予算に三十九億円を計上しているところでございます。
 今後とも、必要な事業が適切に運営できますように厚労省としても最大限の努力をしてまいりたいというふうに思います。
○杉久武君 時間になりましたので、質問を終わります。
 どうもありがとうございました。
○委員長(岸宏一君) 以上で長沢広明君及び杉久武君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、小野次郎君の質疑を行います。小野次郎君。
○小野次郎君 維新の党の小野次郎です。
 総理、早速ですが、総理あるいは総理の御家族の方は花粉症をお持ちでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私自身、花粉症を持っておりまして、かつて自民党にこの花粉症対策の議連がございまして、ハクション議員連盟という当時の小野晋也議員が保利さんと一緒につくった議連にも加入しておりました。
○小野次郎君 じゃ、御理解いただけると思うんですが、今週、特にひどいんですね。(資料提示)
 恐縮ですが、厚生労働大臣に、この日本の杉花粉症の規模というか実態について厚生労働省の立場から御説明いただきたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 私もひどい杉花粉症でございまして、もう子供の頃からずっとでございます。
 花粉症は、花粉に対して人間の体が起こすアレルギー反応でございまして、世界各国で認められるものでございます。花粉症の原因は杉のほかにヒノキ、それからススキ、ブタクサ、ヨモギなどが知られておりますけれども、日本では花粉症の中で杉による花粉症というのが最も多いと、花粉症全体の七割から九割と言われているところでございます。
 専門家の調査によりますと、杉花粉症は国民の約二七%に認められておりまして、有病率は都道府県ごとに大きく異なっております。例えば、最大の山梨県、先生の御出身でありますが、山梨県が四五%でございます。最小は北海道の二%と幅が大きくございまして、おおむね関西で低く、関東で高いという傾向がございます。東京はちなみに三二%ということでございます。
○小野次郎君 そうなんです。
 まず、総理にも御理解いただきたいんですが、この杉花粉症というのは日本にしかないんです。諸外国にはほとんどないと言われています。
 もう一つは、地域的に物すごく差がある。北海道と沖縄が有意的に低いです、少ないです。
 なぜかというと、北海道は元々杉はなかったと言われていて、若干あるのは、杉を植えようという政策の下に、渡島半島といって函館の北辺りのところに植えた結果が若干の数字で出ているんですね。沖縄については、恐らく、長い間アメリカの施政権下にあったために杉を植えるという政策をやってこなかったということが影響しているだろうと言われているんです。
 それで、どこに多いかというと、関東と東海地方、政治家の皆さんに分かりやすく言えば、北関東ブロックと東京ブロックと南関東ブロックと東海ブロックの都県にすごく集中しているんです。そこらがやはり一番熱心に恐らく杉を植えようという政策に協力したためにこうなっているんじゃないかと思います。
 もう一つ大事なことは、杉は植えて三十年間は花粉を出さないんです。ですから、総理とか私たちが子供の頃に春先くしゅくしゅしていると、親の世代は鼻風邪とか言って、もうそんなの熱もないんだから学校へ行けとかと言っていましたけれども、それは、大正生まれや明治生まれの人たちには経験したことがなかったんです。まさに戦後、四十年代、五十年代以降に出てきた言わば人災であり、公害の一種だとさえ私は思っています。
 ですから、五十年、六十年たってどこの誰が悪かったと今更申し上げる気はありませんが、やっぱり政府としてきちっとこの発生源対策をやらないと、今、森や山に手を入れる人が少なくなっているために、木いっぱい、樹齢六十年で還暦ですから、人間でいえば還暦みたいな木がもういっぱいの花粉を出して、しかも山いっぱい花粉を出すのでこれだけひどくなってきているということが言われているんです。
 是非、発生源対策に力を入れていただきたいと思うんですが、その点について農水大臣から、今どういうことをやっておられるか、御説明いただきたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) 農林水産省におきましては、花粉症に関する関係省庁の担当者連絡会、これは実は平成二年から始めておりますが、この下で関係省庁と連携しながら花粉発生源対策を重点的に推進しております。
 具体的に申し上げますと、平成二十九年度における花粉症対策苗木の供給量一千万本、これを目標にいたしまして、花粉症対策品種の開発、また苗木の生産体制の強化、それから林業経営が可能な場所における花粉症対策苗木による植え替え、それから条件不利地等における広葉樹、これを導入するということで花粉の少ない森林へ転換する、こういう対策を推進しておるところでございます。
 二十七年度予算案においては、森林所有者それから林業関係者等に対する花粉症対策苗木の特性等についての普及啓発、植え替えると大丈夫だろうかという御心配もあるということでございますので、こういうことをする、それから花粉発生源の杉立木の伐倒、除去、それから花粉症対策苗木への植え替えの支援、こういうものを予算で措置をしているところでございます。
 今後とも、関係省庁と連携をしながら花粉症発生源対策をしっかりと推進してまいりたいと思います。
○小野次郎君 今日は、総理、第一次安倍内閣のときに亡くなられてしまった松岡元農水大臣の記念誌というのを胸像建立期成会の方から送っていただいたのでちょっと持ってきたんですが、なぜこの松岡大臣が重要な人物かというと、この発生源対策について平成十九年以来、その前もやっておられたと今農水大臣言われましたけれども、特に力を入れて植え替えを進めて、無花粉杉、少花粉杉若しくは広葉樹に植えていこうというのをプロジェクトを組んでいただいたのは松岡農水大臣だったんです。それでちょっとこの雑誌を持ってきたんですが。
 そんなことで、総理も大変御縁も深い方が始めたものでもありますので、是非政府全体で取り組んでいただきたいと思いますが、この話聞いて、総理の御感想をお聞かせいただければと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私も、この杉花粉の話をしているだけで何となく目がかゆくなってくるわけでございますが、松岡大臣、鳥取大学の林業の専門家でございました。後に林野庁に入られた方でございますので、まさにこの杉花粉の問題にも全力で取り組んでいただいたと思っています。
 杉花粉症は国民の約三割が罹患していると言われておりまして、社会的にまた経済的にも大きな影響を与えていると思います。政府を挙げて対応すべき大きな課題であると認識をしておりまして、このため、政府としては、関係省庁が連携をし、発症の原因究明や治療法の開発などを進めるとともに、花粉の少ない品種の開発などを進めて、伐採、植え替えを推奨してまいりました。
 そういう話は農林大臣からもさせていただきましたが、林業経営の低迷などから思うように進んでこなかったのも事実でございまして、二十七年度からは、新たに発生源の杉の伐採と同時に行う花粉の少ない苗木への植え替えを直接支援することとしておりまして、今後、花粉の少ない森林への転換をしっかりと進めていきたいと考えております。
○小野次郎君 どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、次の質問に移ります。
 これは、海外犯罪被害者給付の問題ですが、続発しています。ごく最近もチュニジアで亡くなられた方がおられました。政府は、与党と連携してということですけど、死亡者のみを対象にしていわゆるお見舞金制度を検討しておられるようですけれども、私は、これには全く納得できません。それは、国内での同じような犯罪被害者給付と比べて余りにも格差が大きいからです。
 まず、国家公安委員長、恐縮ですが、現行の国内の犯罪被害者給付制度の概要についてお話しいただければと思います。
○国務大臣(山谷えり子君) 犯罪被害給付制度は、殺人等の故意の犯罪行為により不慮の死を遂げた犯罪被害者の御遺族等に対し、社会の連帯共助の精神に基づき、また、国が公共の安全と秩序の維持を担っているという観点から一定の経済的補填を行うという趣旨の下、給付金を支給し、その精神的、経済的打撃の緩和を図ろうとするものであります。
 具体的には、死亡した被害者の御遺族に対して支給する遺族給付金、犯罪行為により重大な負傷等をされた方に対して支給する重傷病給付金、身体に障害が残った方に対して支給する障害給付金の三種類があり、その上限は、遺族給付金は約三千万円、重傷病給付金は百二十万円、障害給付金は約四千万円となっているところでございます。
○小野次郎君 それでは、有村大臣、恐縮ですが、今、政府と与党が考えている海外での被害者に対する支給制度、概要をお話しください。
○国務大臣(有村治子君) 共生社会担当としてお答えをいたします。
 海外での犯罪被害者への経済的支援については、平成二十三年閣議決定しております第二次犯罪被害者等基本計画に基づき、有識者による検討会で議論を重ねていただきました。その取りまとめでは、犯罪被害給付制度の拡大適用の形ではないとしても、社会の連帯共助の精神にのっとり、何らかの経済的支援をスタートさせるべきとの提言が行われております。
 これに鑑みて、海外での犯罪事実の調査、認定が、そもそも主権が及ばないということで困難になるという現状に鑑みて、金額は多少低額となっても速やかに見舞金を支給できるよう仕組みを、煩雑にならないように、複雑にならないような制度を目指すべきとされました。
 この取りまとめを受けまして、政府は、犯罪被害者等施策推進会議において、与党と連携しつつ、具体化に向けた取組を進めることを決定しています。そして、事実、政府・与党で検討を進め、昨年、与党から国外犯罪被害者の遺族に対する弔慰金の支給に関する法律案が提出されたところでございます。
 本法案はさきの国会では廃案となっているため、その内容に関してはコメントを差し控えますが、政府としては、海外での犯罪被害者に対する支援は重要だと考えておりまして、省庁また与党と連携しつつ対応することが必要だと考えております。
○小野次郎君 廃案となっていて金額は言えないと今大臣おっしゃったので、逆に言えば、今日、私が指摘すれば、また改善の余地があるのかなと思って自信を持って質問を続けさせていただきますが、前回出した法案は、重傷病給付なし、障害給付なし、死亡に対しては百万円ぽっきりで終わりという制度じゃないですか。余りにも国内の犯罪被害者と差があると思いませんか、大臣。
 そもそも、古いことを言って恐縮ですが、この国内の制度は、昭和四十九年の三菱重工ビル爆破事件のときに、労災や何かで給付受けられた方と受けられない方とあるということで、何とかしなきゃいかぬという話になって諸外国の制度を研究してつくった制度なんです。法案施行の直前には、今度、昭和五十五年に新宿西口バス焼き討ち事件というのがあって、やっぱりバスに乗っていたというだけで、いわゆる無差別とか行きずり殺人とかね。
 要するに、本来、刑事事件というのは、犯罪を起こし、犯罪の被害に遭えば、犯人が捕まって、その人がお金があればその人から賠償を受けるのが本来の制度なんですね。刑事が終わったら民事でもらう。ところが、テロリストだったり、あるいは犯人が見付からなかったり、あるいは何らかの理由で私財がなかったり資力がなかったりして、どうしたって賠償を受けられないというときにこの制度で救済しようというわけですから、それは国内も国外も事情は変わらないと私は思いますよ。三菱重工のビルの爆破事件はこの制度に至ったのに、なぜアルジェリアやチュニジアはならないんですか。私は納得いかないんです。
 しかも、調査ができないから簡便な制度にしたと大臣おっしゃいましたけど、それは分かりますよ。私も役所にいたことあるから調査は難しいだろうなと思いますけど、調査が難しいのは、被害の額を算定するのが難しいんじゃないんですよ。加害者と被害者の間に特定の関係があった場合には減額できるとかという規定が犯罪被害者給付制度にあるんですね、山谷先生も御存じだと思いますけれども。例えば、金の貸し借りがあったとか、知り合いだったとか、元々、何というか、ハラスメントしたのは被害者の方だったとか、いろんな事情があって減額したり支払わないという場合があるから、その調査が難しいのは分かるんです、海外の場合は。
 だけど、一家の大黒柱が故もなく命を落としたということの被害の額はどれぐらいかと。これはもう同じですから、基本的には海外も国内も。要は、こうした救済法令、被害者の方あるいは遺族の方に対する救済の法令のときに、こんなに、一方で四千万からの障害給付を出す制度が国内にあるのに、海外でたまたま同じ被害に遭うと百万のお見舞金で終わりですよというのでは、多分、この制度をつくった途端から、恐らく関係者からはこれは駄目だと、改善してくれと言われるの目に見えているんですよ。
 なぜかといえば、この国内の犯罪被害者給付制度だって、始まったときは見舞金程度から始まったんです。でも、事件や事故が起きるたびに、何で労災の人がこんなに出るんですか、何で自賠責が適用になった人はこんなに出るんですか、隣に座っていたうちのお父さんには出ないんですかという話がずっと出てきたから、長年にわたってこの金額を改善していって、今やっと労災や自賠責に近いところまで国内の制度はたどり着いてきたんです、三十年掛かって。
 それ、今度海外の方に広げる。海外に行く日本人が少なかった頃ならしようがないなと思う人もいたかもしれない。しかし、今一千六百万、間もなく二千万になるときに、一億二千万の国で六人に一人ぐらいが年間海外に出ることがある時代に、たまたま同じ災難に海外で遭ったら何十分の一しか保障がありませんというのでは、ちょっと納得いかないんじゃないでしょうか。
 大臣、検討、金額についてですよ、上限等について更に検討する余地があるかどうか、お考え、教えていただきたいと思います。
○国務大臣(有村治子君) 小野委員の御主張は心して拝聴をいたします。
 先日、三菱重工のビルのこと、新宿西口での具体例をお出しになって越智政務官と議論、質疑をなされたところの答弁も全て読ませていただいた上で、私も答弁をさせていただいております。
 先ほど申し上げましたとおり、やはり主権が及ばないというところもございます。そして、事実認定の困難が海外に伴うという現状も申し上げた上で、先ほどの原則論は有識者会議での取りまとめということでございますが、与党とそれから政府でこれから、今は廃案になっている状況でございますので、議論を進めていただける、その中での主体的な価値観ということを反映して何ができるのかということを関係省庁とも連絡を取り合いたいと存じます。
○小野次郎君 大臣、丁寧な答弁ありがとうございます。
 総理にも聞いていただきたいんですけれども、確かに調査が難しいのは分かるんですが、でも、そういう難しい中でちゃんと民間の生命保険は支払われますからね、損害保険だって。あるいは、労災だって海外に駐在員で行っている方は労災になるんですから、それだって支払われるんですから。何でこの制度だけはできないと言うのか。
 それは、やっぱりいかにもお役所的な完璧を期そうとするからそうなので、元々非常に困った状態で、災難に遭った方への救済の法体系つくるときに、全部調べ尽くせないからできないんですと言ってしまうのは余りにも趣旨と合わないんじゃないかと思うんですが、総理の方からもよく丁寧に見てやれよというふうにちょっと言っていただきたいんですけれども、お言葉をいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この法案につきましては、基本的に党において、与党においてリーダーシップを取りながら先般も提出をされたところでございますが、確かに小野委員の御指摘の点で、お話を伺っていてもっともだなと、こう思う点もあるわけでございます。
 他方、有村大臣が有識者の議論としての多々問題提起についても紹介をしていただいたところでございますが、そういうことを総合的に勘案しながら与党において議論を進めていく、政府としてもしっかりとそれを見守っていきたいと、このように思っております。
○小野次郎君 それでは、どうぞよろしくお願いいたします。
 次の質問に移ります。
 私は、前から、国とか公有地にだけは固定資産税が掛からないというのは不公平じゃないかなと思っていたんです。例えば、東大、本郷にありますけれども、あそこは元々、あの前田藩百万石のお屋敷の跡を使っていて、考えてみればあそこは四百年間も税金払わないで、徳川時代だろうと大日本帝国の時代だろうが日本国になろうがずっと税金払わない土地が一方であって、一方で、私大、私立大学の方は本当に、神田駿河台もそうですけど、狭いところに、有効利用というんですかね、やっているというのを比べて、国と付けば税金が掛からないという制度はやっぱり僕は無駄遣いのもとになっているんじゃないかなと。
 特に土地に関して、使わない土地は処分すると。土地の利用性を高めるというインセンティブを与えるためにも、国有地、公有地にも固定資産税掛けるべきじゃないかと思うんですが、こんな発想は、麻生大臣、駄目でしょうかね。ちょっと御意見お聞かせください。
○国務大臣(麻生太郎君) これはもう御存じのように、その公的な性格から考えて、いわゆる固定資産税、まあ地方税ですな、これは、それには非課税とされているんですが、これを課税により、何ですか、コスト意識を高めるということになるんでしょうかという御提案なんだと思うんですが。
 民間に貸し付けております国有地というのもありますが、これは既に国から市町村へ交付金を支払う仕組みになっておりますし、また、未利用の国有地につきましても、これは刈取りや不法投棄等々のそれなりの管理コストが生じていることから、既にコスト感覚というのはある程度、今、最近は出てきているように思いますが。
 そもそも、財務省にとって税外収入の確保というのは、これは至上命題ですから、今。したがって、未利用地の国有地の売却についても、これ、かなり積極的に取り組んできているんだと思っております。
 国にとっても、歳出増の要因となります国有地への資産税の課税をあえて行うというところまでちょっと今は考えておりませんけれども、今言われましたように、こういったようなものというのはちょっともう少しいろいろ整理をしていかにゃいかぬというような段階に来ているかなとは思っております。
○小野次郎君 こんな例えいいかどうか分かりませんけど、マージャンを雀荘でやると、やっぱり早く上がらなきゃと思うんですね。家庭マージャンだとそうならないのは、やっぱり場代が掛かっているからなんで、ごく僅かでも税金が掛かっていれば、事業をやっている土地ならばその事業の予算の中に公租公課として公有地も税金を計上しておきゃいいわけですけど、事業をやっていない土地にずっと税金が掛かり続ければ、五年も十年も掛かれば、どの役所だって、どの部局でも、これ何とか処分しなきゃいけない、若しくは貸すか別の使い方をしようというインセンティブが掛かってくるので、やっぱりお役所にいるとそれはないからのんびりしちゃっているんじゃないかと思うんで、そこは、五年で五千億分税外収入つくれとかと指示は出ているというふうに、昨日、財務省から説明聞きましたけど、ナチュラルにそれを考えさせるのは、あらゆる部局に考えてもらうには、若干でも固定資産税か何か掛けて自分で考えろという方が早いんじゃないかと私は思っています。
 歳入が増えるだけじゃなくて、当然、土地があれば、そこの地域サービスというのは、民間の土地だろうとお役所の土地だろうと、やっぱり市町村には負担が掛かっているんですね、いろんな意味で。ですから、そこの市町村に税源、財源が移譲するという効果もありますし、それから、売らないにしても、もっと貸し付けるか、あるいは何か別の、例えば平家で使ったものを二階建てにしようみたいな使い方になってくれば効率性が高まりますから、公有地の利用効率も向上するんじゃないかと。
 私はいいことが多いと思いますので、苦笑いか、にやっと笑って聞いていただけたんで、ちょっと真意は分かりませんが、是非一度お考えいただければと思います。
 それでは、高市総務大臣、済みません、地方税法ですから、ちょっと何かコメントがあればお聞かせいただければと思います。
○国務大臣(高市早苗君) 固定資産税、地方税でございますので。
 これは、資産の用途ですとか主体の公益性に着目して、公共の用に供する道路ですとか、あと学校法人が教育の用に供する資産ですとか、社会福祉法人が社会福祉事業の用に供する資産といったものに非課税措置を講じているというのが一つ。それから、そうした中、国や地方団体の所有する固定資産については、その非常に高い公共性から全てを非課税としているということで、これは人的非課税といって所有者の公的な性格に基づくものなんですが。だから、仮に国や地方団体のその人的非課税というものを見直しちゃいますと、先ほど例示しました他の非課税措置も、あれも公益性などにのっとっていますから、併せて見直す必要が出てきます。相当影響は大きくなります。
 いずれにしても、今、未利用財産の売却ですとか資産の有効活用については各地方団体も国も必死です。とにかく債務の圧縮をしたい、それから財源の確保をしたいということで真剣に考えておられますので、総務省もついこの間、一月二十三日も各地方団体に要請したんですが、固定資産台帳を含む地方公会計の整備促進を通じてこの取組を促進したいと思っております。
○小野次郎君 いや、高市大臣、いいんですよ。例えば、教育用の財産に税金掛けないという目的ごとにやるのはいいんだけど、それは私立大学だって国立大学だって同じなんですよ。ところが、国立大学の場合は国立大学が所有しているというだけで税金掛からないんですよ。そこが問題だと私言っているんです。だから、それは税金掛けることで、あっ、知らなかったですか、そのこと。国立のものは掛からないんです。だけど、私立のものは目的が教育用の施設だというものだけは税金が掛からないようになっているんですね。やっぱりそれは官民の格差になっているので、それは正すべきじゃないかということを御指摘申し上げて、まあ今日はいいです、それで。是非御研究いただければと思います。
 次に、公務員に対するタイムカードの導入の話をしたいと思います。
 もう今朝からずっと同僚議員が、民間に関して、さっきブラックの企業の話とか出ているときもありましたけど、やはり健康管理の面からも、あるいは業務の、何というんですかね、適正管理の面からも、やっぱり客観的、機械的に勤務時間を管理する必要があるだろうというのは、僕は民間企業だろうが公務員だろうが同じだと思うんです。
 厚生労働大臣、まずお伺いしますが、年間の残業時間の上限だとか、月の過労死の危険ラインの話とか、厚生労働省から民間に対しては御指導いただいていると思うんですが、その概要をちょっとお話しいただけますか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 労働時間を適正に把握するということは、労働時間を適切に管理することは使用者の責務であって、当然重要であるわけであります。このため、労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準というのがありまして、これを平成十三年の四月に策定をいたしまして、始業、終業時刻の確認及び記録は原則として使用者が自ら現認すること又はタイムカード等の客観的な記録を基礎とすることによることを定めておりまして、この基準に基づいて、適正な労働時間管理が行われるように監督指導を厚生労働省として行っているところでございます。
○小野次郎君 一般の民間の事業所についてはそういう指導があるんですけど、有村大臣、担当だそうですけれども、公務員についてはどうしてその機械的、客観的な勤務管理の制度というのが導入が遅れているんでしょうか。
○国務大臣(有村治子君) 御指摘のとおり、超過勤務を縮減していくこと、またその機運をみんなで盛り上げていくことは、職員の心身の健康維持、士気の向上を始め、女性の活躍、ワーク・ライフ・バランスという現下の課題を解決していく上でも重要な課題だと思っております。
 人事院は、超過勤務縮減に関する指針において、超過勤務時間の上限を一年につき三百六十時間というふうに目安として挙げています。
 今様々な取組をしておりますけれども、国家公務員の勤務時間の管理の方法としては、御指摘のタイムカードやICカードという導入をしている事例については現在正確な情報を持ち得ておりません。民間の事例に倣って様々な技術も向上しているというふうに理解をしておりますけれども、これらの導入をするに当たっては、現在公務員が持っているICカード、IDカードは、セキュリティークリアランスとしては使われていますけれども、タイムカード的な使われ方をしておりません。
 職員の登庁及び退庁の時間の機械的な把握には役立つというふうに思っておりますが、二つ、まず、在庁している時間と必ずしも勤務している時間とがマッチしないこと、一致しないこと、また、システム導入時に相応の時間と費用が掛かること、維持管理コストが掛かることなどの課題も考えられます。
 そういう意味では、委員の問題意識と共有するところもございます。民間企業の事例を踏まえつつ、国家公務員についてどのような時間管理が適当なのか、検討をしたいと考えております。
○小野次郎君 大臣、民間だけじゃないですよ。私というか私の事務所が調べただけで、あるいは総務省にも手伝ってもらっても、市役所とか県庁はどんどん導入していますよ。区役所だって、東京都内の区役所もどんどん入っています。今ほとんど庁舎建て替えるたびにカード式の管理システムになっているから。またこれ、たまたま、いつも付けていない議員会館に入るための、こうやってちゅってやればできるんですね、仕組み的には。ところが、なぜか国家公務員、国の役所だけは頑固にこの導入を拒んでいるんです。なぜなんでしょう。
○国務大臣(有村治子君) 今委員から御指摘いただきました自治体で進んでいるところの事例を私も拝見をさせていただきました。何割と言うことはできませんけれども、そのタイムカードの機能を導入している自治体においても、出席か欠席かということでのタイムカードは利用していても、それが超過勤務のコントロールということでの使われ方をしているというところは必ずしも全てではないというふうに理解をしております。
 先ほど申し上げましたとおり、民間又は自治体の事例の中で、セキュリティークリアランスだけではない、本当に超過勤務を削減するという目的では、どうせやるならばビッグデータの動向ということもつかんで一番いいものを入れるべきだと私も思いますし、何ができるかということを検討したいと考えております。
○小野次郎君 女性に申し上げるのはちょっとはばかる面もあるんですが、朝晩体重計に乗って体重を記録することがダイエットの第一歩だということもありますから、是非、国家公務員、事務所でも、まずその体重を測るところから始めていただきたいと私は思います。
 次の質問に移ります。
 企業・団体献金の禁止の問題ですが、安倍総理、ほかの同僚議員、衆議院で指摘していた人もいますけれども、この三十年間を見ても、第一次、第二次安倍内閣でこの政治と金の問題でお辞めになっている方がすごく多いですよ。今でもまだこの委員会で追及されている方いるじゃないですか。
 私は、総理の何か大きな課題にはがっと取り組むという姿勢からすれば、これまさに親の敵と思うぐらいに自らが先頭に立って果敢に取り組んで改革していかなきゃいけないテーマだと思うのに、余りそういうことを、いつも各党各会派で話し合ってくださいと言うだけで終わっちゃっていますが、例えば維新の党は、維新の党だって簡単じゃなかったです、企業献金をやめるということについて中で異論もありましたけれども、今年いっぱいでやめると、そして法改正もして、企業献金については禁止するという法案も出しています。
 こういう法案に同調されるお考えはないのかということをお伺いしたいとともに、そこまで全部禁止するのに同調できないとしても、元々、今の法律だって、政党だけはいい、でも政治家に対する寄附は駄目だよねということで作った法律が、政党支部というのが何千もあるために、その政党支部はほとんど政治家各人が管理する支部になってしまっているために、政治家に対する企業献金がざるみたい、ざる法になってしまっているということが問題なんで、全て廃止するというのはうちの党の案ですけれども、せめて総理の口から、各政治家が管理する政党支部への寄附の禁止ぐらいは検討させるぐらいのお考えは出ないのかなと思うんですが、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この企業・団体献金については、昭和五十年に量的制限を新設をして以来、寄附を受けることができる政治団体についても徐々に制限を加えまして、現在では政党等のみ可能とするなど、長年の議論を経て厳しくなる方向での改正が行われてきたと、このように思います。
 それは、どうしてこういう改正が行われてきたかということは、まず、透明性をしっかりと上げていく、また、量的制限を付したということは、お金でもって政策をねじ曲げようという行為がなされてはならない、そしてかつ透明性を持ってそれをしっかりと見ていくことができる、これは個人であったとしても団体であったとしても同じことなんだろうと、このように思います。その意味においては、私は、企業、団体が政党等に献金すること自体が不適切なものではないと、こう考えているところでございます。
 今回のいわゆる補助金との関係におきましては、これはしっかりと私は未然に防止することができると、こう考えているわけでございますが、今与党においてそのための方策を協議しているところでございます。
 いずれにせよ、この問題はもう小野議員に私の発言の一部は紹介していただきましたが、民主主義の費用をどのように国民が負担していくかという観点から、各党各会派において十分に御議論をいただくべきものと、このように考えております。
○小野次郎君 最後になるかもしれませんが、三月二十日の当委員会で、我が党、真山勇一議員の質問に対する答弁の中で、安倍総理は自衛隊のことを我が軍と呼んでいましたけれども、その真意をお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私がどういう発言をしたかといいますと、真山委員から共同訓練の意義等についての質問がございまして、その中で、きずなが強化をされていくという趣旨のことを申し上げた後、また我が軍の透明性をまさに、一緒に訓練するわけでありますから、上げていくということにおいては大きな成果を上げていくんだろうと、こう思いますと。自衛隊は規律がしっかりしていると、しっかりした責任感と規律の下に平和に貢献していこうということが多くの国民によく理解されているんではないかと思いますと、このように述べたわけでございますが、この答弁は、まさに共同訓練に関する質問があって、これに対する質疑の流れの中でお答えをしたものでありまして、共同訓練の相手国である他国の軍との対比をイメージをいたしまして自衛隊を我が軍と述べたものでありまして、それ以上でもそれ以下のものでもないわけでございまして、そもそも、自衛隊の発足時、昭和二十九年でございますが、当時の大村防衛庁長官が、政府解釈として、自衛隊は外国からの侵略に対処するという任務を有するが、こういうものを軍隊と言うならば、自衛隊も軍隊と言うことができると答弁をしております。また、国際法的には軍と認識をされているというのが政府の答弁であります。
 また、民主党政権においても一川防衛大臣が、自衛隊というのは我が国が直接外国から攻められるということがあればしっかり戦うという姿勢でございますから、そういう面では軍隊だという位置付けでいいと思うと。これが当時の民主党政権時代の政府の統一見解でもあるわけでございまして、発足当時からこれは一貫をしているということを申し上げておきたいと思います。
○小野次郎君 日頃思っていたことが口をついて出ただけなんですかと聞いているんです。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、丁寧に答弁させていただいたので、十分に御理解いただけると思います。
○小野次郎君 自衛隊はあなたの軍隊なんですか。
○委員長(岸宏一君) 時間が過ぎていますから、じゃ、これで最後の答弁にしてください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 違います。
○小野次郎君 これで終わります。
○委員長(岸宏一君) 以上で小野次郎君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、倉林明子さんの質疑を行います。倉林明子さん。
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
 今日は、高浜原発の再稼働について質問をいたします。
 福島第一原発事故から四年、汚染水のトラブルは続き、収束の見通しは立っておりません。ふるさとに帰還できない人、帰還してもなりわいの見通しが立たない人、事故の被害は今も続いております。原子力発電への国民の不安は大きく、どの世論調査を見ても原発再稼働について反対が賛成を上回っております。そんな中で、高浜原発三、四号機が再稼働の前提となる新規制基準をクリアし、関西電力は早期の再稼働を目指すとしております。住民も周辺自治体も納得しておりません。
 パネルを御覧いただきたいと思います。(資料提示)
 京都府の舞鶴市、これ高浜原発を基点にしまして五キロ、三十キロ、五十キロと同心円で囲んでおります。京都府はピンクで染め抜いておるところでございまして、高浜原発に一番近いところにあるのが舞鶴市ということです。五キロ圏内にあります数少ない自治体が舞鶴市で、五キロ圏内の住民にヨウ素剤の配付が始まりまして、こういう薬が配られる時点で改めて原発事故の危険性を感じると不安の声が広がっております。
 そこで、総理にお聞きしたいと思うんです。新規制基準を満たせば、福島のような過酷事故は起こらないと言えるんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、前提としてはっきりと申し上げておきたいと思いますが、東電福島第一原発事故の教訓として、我が国の原子力発電所では深刻な過酷事故は起こり得ないという安全神話と決別しなければならないということであります。
 このため、新規制基準には、地震や津波への対策の強化に加えて、万が一過酷事故が発生した場合にも外部への影響を最小限に抑えるための対策を盛り込んでいます。独立した原子力規制委員会が世界で最も厳しい水準の新規制基準に適合すると科学的、技術的に判断した原発は、再稼働に求められる安全性が確認されたものであると思います。安全神話と決別をし、更なる安全性を原子力規制委員会及び原子力事業者が不断に追求をしてまいります。
○倉林明子君 事故は起こり得るということを繰り返し規制委員長も明言されております。だからこそ、避難計画の策定が義務付けられたという経過だったと思うんです。
 総理は、繰り返し世界で最も厳しい基準なんだということをおっしゃるんだけれども、避難計画は審査の対象にもなっておりません。アメリカでは、スリーマイル島の原発事故後、緊急時計画を全面的に見直しまして、避難計画の有効性がないと原発の稼働が認可されない。実際に避難計画を立てられず、運転停止、解体された例もあります。これ一つ取っても、私は世界最高水準とは言えないと思います。そこで、原発の再稼働をめぐって周辺自治体では避難計画の策定で大変な苦労を今されております。
 そこで、確認をしたいと思います。高浜原発の周辺で避難計画を策定している自治体は幾つになるか、避難対象となる人数は何人になっているでしょうか、望月大臣。
○国務大臣(望月義夫君) 高浜原発の重点区域三十キロ圏内でございますけれども、福井県高浜町、おおい町、小浜市、若狭町の四市町、それから京都府舞鶴市、福知山市、綾部市、宮津市、南丹市、京丹波町、伊根町の七市町、それから滋賀県の高浜市の十二市町となりますが、重点区域内に住民が居住していない滋賀県の高浜市を除く十一市町で避難計画が策定をされております。
 そして、人数でございますけれども、原子力災害対策重点区域でありますけれども、三十キロ圏内の避難対象人数につきましては約十八万人と承知をしております。
○倉林明子君 今御報告ありましたように、たくさんの市町村にまたがっているという特徴があります。
 そして、もう一度これを見ていただきたいんですけれども、立地県である福井県よりも京都府の三十キロ圏内の人口というのがおよそ十三万人、今御紹介あったように、十八万人のうち十三万人が実は立地県自治体以外である京都府の住人になっているということなんですね。舞鶴市は八万九千人、宮津市二万三百人、全市民が避難対象となるということで計画を策定しております。
 避難は、原発からの距離で開始時間を京都府が避難計画を細かく定めて策定をしております。
 これ、御覧いただきたいと思います。京都府のシミュレーションによりますと、五キロ圏内のところは避難指示で直ちに避難を開始するということになっております。その上で、避難完了まで最長で見積もると八時間掛かるというんですね。過酷事故が起これば、私、この最長時間が掛かった場合、被曝は避けられないと思うんですけれども、望月大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(望月義夫君) ちょっと申し訳ございません。先ほど町の名前で高浜市と言ったかもしれませんけど、高島市の間違いでございますので、大変、訂正させていただきたいと、申し訳ございません。
 そして、ただいまの八時間という話でございますけれども、原子力規制委員会が新規制基準で求めた様々な対策により、万が一過酷事故が起きた場合でも、環境への放射性セシウムの放出量は東電福島第一原子力発電所と比べて約千分の一以下と、はるかに低いレベルに抑えられることが確認をされております。このため、原発敷地外への影響は限定的でありますが、さらに、避難又は屋内退避やヨウ素剤の服用によって、緊急時の住民の被曝についてIAEAの基準よりも十分に低いレベルに被曝を抑制できると考えております。
○倉林明子君 規制基準満たしても千分の一じゃなかったんじゃないですか。百分の一ではなかったでしょうか。改めて確認をしていただきたいと思うんですが。これ、いずれにしましても、その程度に本当に放射能の飛散が収まるのかどうかというのはよく考える必要がある。改めて安全神話に陥る危険があると思うんですよ。
 放射性物質、関西電力の想定によりますと、全電源喪失から炉心溶融までは僅か十九分と、最悪の場合、最悪のシナリオの場合ですね。原子炉容器破損まで九十分と、極めて短時間で深刻な事態になるということを示しております。
 アメリカの緊急時計画の策定の基準というのが明確に定まっておりますけれども、三十分から一時間で原発から八キロのところへ、一時間から四時間で十八キロのところまで放射能が到達するということを前提にしているんですね。今の避難計画では被曝が私避けられないと言わざるを得ないと思うんです。
 そこで、さらに、避難計画でその五キロ圏以外のところがどうなっているかということを先ほどの京都府のシミュレーションでまた見ていただきたいと思うんですね。この五キロ圏内は直ちに避難ということになります。二番目の五キロから十キロ圏はどういうシミュレーションになっているかといいますと、五キロ圏内の人たちの避難を円滑にするためということではありますが、一の開始、つまり、五キロ圏内の人たちが逃げ始めてから二十時間後まで原則的には待機しなさい、自宅待機しなさい、屋内待機しなさいということになっているんですね。じゃ、三番目はどうかと、これ、五キロから十キロの人が九〇%避難するまでは待機しなさいと。二十キロから三十キロの四番目はどうかと、これは三番目、十キロ─二十キロ圏内の避難者が九〇%離脱するまでは待機しなさいということなんですね。
 住民が目の前で避難する人を見ながら、少なくとも二十時間以上待てという計画になっているわけですね。原発事故を経験して恐怖におびえながら、果たして住民はこれだけ待っていられるだろうか。望月大臣、どうお考えでしょう。
○国務大臣(望月義夫君) 先ほど百分の一という話だったですが、千分の一で間違いございませんので、よろしくお願いしたいと思います。
 それから、原子力規制委員会が策定いたしました原子力防災対策指針では、原子力発電所が事故が万々が一起きて、それから全面緊急事態になった場合には、先生お話のございましたように、原発からおおむね五キロ圏の住民にまず避難をしていただくと。それからまた、同時に、五キロから三十キロの方には屋内退避をさせていただくと、こういう形になっております。その後、一日以内に緊急時モニタリングを行って、毎時二十マイクロシーベルトを超える地域を特定して、一週間をめどに一時移転していただくと、そういう形になっております。
 このように、五キロから三十キロ圏の方は原則屋内退避であるという防護措置の考え方、それを踏まえた防災計画あるいはまた避難計画の内容について、広報や毎年原子力防災の訓練を行います。何しろ、一気に全ての人が逃げ始めると、これはもう先生がおっしゃったようにパニックというようなことが起きますので、そういったことをしっかりと広報や防災訓練を通してそれを皆さんに知っていただく、これが一番安全な避難の仕方だということをしっかりと住民の方々の理解に努めてまいりたいと、このように思っております。
○倉林明子君 過酷事故が進行すれば、福井県からの避難者も殺到するということになろうかと思うんですね。
 三十キロ圏内の住民の避難完了、これ京都府のシミュレーションによりますと、二十九時間二十分掛かるという計算になっております。シミュレーションでは積雪の影響見ておりません。積雪では、国道二十七号、重要な避難道路ですけれども、停止すると、渋滞、滞るということになります。地震による道路の損壊、これは全く前提とされておりません。これ以上時間が掛からないという保証、全くない計画になっていると言わざるを得ないと思うんですね。やっぱり放射能過酷事故が、福島のような過酷事故が起こった場合、被曝は避けられないという計画だと私は言わざるを得ないと思うんですね。
 さらに、困難を極めるのは介護が必要になる要配慮者という方々だと思うんです。介助が必要な人、これ数千人にも上るということで挙げておりますが、避難の手段、さらに避難、こういう要援護者を受け入れる先は確定しているということでしょうか。いかがでしょう。
○国務大臣(望月義夫君) 要介護者とか支援者でございますけれども、福井県では五キロ圏内に医療機関及び社会福祉施設が五つ、それからまた、五キロから三十キロ圏内には三十三施設ございます。それから、今先生のお話のように、これは避難先を確保しております。
 それから、五キロ圏内でありますけれども、避難により健康リスクが高まる方、福島のこれは反省でございますけれども、あのときも慌てて急に動かして、かえって容体が悪くなってしまって、動かさない方がよかったというような反省等様々ございますので、これについては放射線防護対策を講じた施設内、私もこの間、川内原発でそういった施設をいろいろ見てまいりましたが、シェルターですね、そういった施設内に屋内退避を実施すると、そういうことでございます。
 避難手段につきましては、車両の確保に向けて、これはバス車両の協定等でございますけれども、関係自治体等と調整を進めております。
 京都府でございますけれども、五キロ圏内には医療機関、社会福祉施設はございません。五キロから三十キロ圏内には七十九施設ございます。これらの施設に代わる避難先、避難手段については、関係自治体と調整を進めております。
○倉林明子君 調整中なんですよ。受入先はできていないんです。それ聞いているんで、はっきり答えていただきたいと思うんですね。
 福島では、屋内退避の指示を受けたこの人たちがどういうことになったかということで、どんどん爆発が起こる、放射線量が上がる、若い職員はやっぱり家族がいるということで、その職場から家族の元に避難していったんですね、一緒に。残る入所者の食料も退避期間中にもうめどがなくなってきた、誰も助けに来てくれない、このままでは餓死するということで、事業者自らが受入先を必死の思いで探して、避難する途中で命を落とした人がたくさんあったんですよ。これが福島事故で避難のときに本当に教訓にしなければならないことだと。これ、田中委員長も繰り返しおっしゃっていたと思うんです。
 高浜原発から七キロにあります福祉施設の施設長、確かに避難計画は紙では書いたということなんだけれども、避難方法、全く決まっていないとおっしゃっております。原発に近い施設に助けに来てくれる人、車がどれだけあるのかと頭抱えておいでです。
 総理にお聞きしたいんですけれども、こういう状況、こういう紹介してまいりました住民を放射能の被曝から守れるというふうに言い切れるんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 原子力規制委員会が新規制基準で求めた様々な対策によって、万が一過酷事故が起きた場合にも、環境への放射性セシウムの放出量は東電福島第一原発事故と比べて千分の一以下と、はるかに低いレベルに抑えられることが確認をされています。このため、原発敷地外への影響は限定的でありますが、さらに、避難又は屋内退避やヨウ素剤の服用によって、緊急時の住民の被曝についてもIAEAの基準よりも十分低いレベルに被曝を抑制できると考えています。
 高浜原発の周辺地域では、移動手段、避難先、避難ルートなど、具体的な対応を盛り込んだ避難計画を始めとする緊急時対応の作成を国の全面的な支援の下に進めているところであります。さらに、緊急時対応の実効性を高めるため、関係自治体とともに防災訓練を実施し、継続的な充実強化に努めていく方針であります。
○倉林明子君 納得できませんよ。住民の不安は取り去ることできないと思うんです。
 周辺自治体、どうなっているかということです。市内全域が避難対象となります宮津市、この市議会が昨年十二月、政府に対して高浜原発再稼働に関して全会一致で意見書を可決しております。避難計画を作成しているが調整中、検討中のものも多く、避難計画の実効性を確保する上で多くの課題がある、こう言いまして、再稼働の地元同意の範囲は最低三十キロ圏内の自治体に置くことと求めております。
 地元の範囲は立地自治体にとどめず、三十キロ圏まで広げることは私当然だと考えますが、いかがでしょうか、宮沢大臣。
○国務大臣(宮沢洋一君) これは、御承知のとおり、地元自治体の同意というのは、法令上原発の再稼働の要件ではございません。
 再稼働に当たっては、地元の理解を得ることは大変大事でありますけれども、その方法とかその範囲につきましては、各立地によって事情が様々であることでありますので、国が一方的、一律に決めるのではなくて、各地とよく相談しながら対応することが重要だと思っております。
 本件高浜につきましては、福井県など関係者とよくコミュニケーションを取りつつ適切に対応していきたいと思っております。
○倉林明子君 京都は本当に不安になっているんですね。そういう、曖昧なんですね。はっきり決まっていないということが一層不安をかき立てているということあるんです。
 避難の受入先の調整にも関わっている関西広域連合、ここも昨年十二月二十五日、国への申入れを行っています。高浜原発に関しては、避難対策に関しなお数多くの課題が残され、さらに一、二号機の運転延長という新たな課題も生じている。この際、再稼働判断等に伴う国の責任体制を明確にすることと求めております。川内方式の地元同意プロセスは取らないこと、周辺自治体と立地自治体並みの安全協定の締結などを掲げて、これらの対応が実行されないならば、高浜原発の再稼働を容認できる環境はないとはっきり申入れをされております。
 三十キロ圏内の自治体も、それを越えた広域連合も共通して要望されておりますのは、周辺自治体に立地自治体並みの安全協定の締結を求めているということであります。
 私、三十キロ圏内の自治体が再稼働の拒否権限を持つ、これは当然のことだと思うんです。今の段階、任意協定だと、こう踏みとどまっていていいんだろうかと、そう思うんですけど、いかがでしょうか。
○国務大臣(宮沢洋一君) 安全協定は、国ではなくて電力会社が自治体との間で締結しているものでございまして、たしか京都府におかれましても関西電力との間で安全協定を結ばれたというふうに聞いておりまして、それぞれの自治体と電力会社とよく相談していただくことが一番だと思います。
○倉林明子君 そういう返答があって、さらに三月十七日、京都府は新たな申入れを経産大臣にしているんじゃないですか。見ていないんですか。
 同意を求める自治体の範囲を明確にするようにということを、そういう新たな安全協定を結びましたよ、任意の、関西電力と。高浜原発に、再稼働に対して拒否権発動できるものではありません、新しい協定も。
 そこで、さらに三月十七日に京都府から経産省に対して、改めて地元の範囲ということでの確認の申入れがあったはずであります。川内原発でも三十キロ圏内の自治体、ここが全て同意しているわけではない、それでも再稼働の合意が得られたといって強引に進めようとしている。大変問題だと思うんですね。
 三十キロ圏内の自治体に避難計画の策定を義務付けたのは、政府だということなんですね。再稼働に物が言える制度をつくるのは、私、政治の責任じゃないかと思います。総理、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 原発の再稼働に当たっては、地元の理解を得ることは重要であると、こう考えています。その範囲や方法については、各地の事情が様々であることから、国が一方的、一律に決めるのではなく、各地とよく相談して対応することが重要であると考えています。
 いずれにせよ、立地自治体など関係者とよくコミュニケーションを取りつつ適切に対応してまいりたいと思います。
○倉林明子君 一律三十キロ圏内に避難計画を作れという義務を課したのは政府なんですよ。そのことを忘れたらあかんと思うんですね。
 高浜原発の立地自治県以外で唯一、五キロ圏内の地域を含みます舞鶴市、ここでは市の職員労働組合が住民アンケートを行いました。これによりますと、原発再稼働に舞鶴市の同意は必要、こう答えた住民が八五%になりました。全国の原発三十キロ圏内の首長へのアンケート結果、これでも多くの自治体が再稼働に対する立地自治体並みの権限を求めています。
 義務とリスクだけ押し付けて被害が及ぶ自治体の意見も住民の声も聞かない、こんな再稼働など絶対許されないと思います。
 次、質問します。さらに、三十キロ圏外の対策はどうかという点です。
 原子力規制庁は、先日、三十キロ圏外の防護対策に関する考え方を示しています。中身を見て驚きました。それまで何らかの防護措置が必要だとされてきました三十キロから五十キロ圏、ここに対する防護対策は事前に取る必要がないというふうに書かれておりました。私、この圏内に住む住民が安心できるものではないというふうに思うんですけれども、望月大臣、いかがでしょうか。
○委員長(岸宏一君) 田中原子力規制委員会委員長。(発言する者あり)委員長から答えてもらってからまた。
○政府特別補佐人(田中俊一君) この防災指針については私どもの責任で作らせていただいていますので、まず私の方からお答えさせていただきたいと思います。
 再三、繰り返しになりますけれども、東電の福島第一原発事故の教訓等を踏まえて定めた新規制基準では、放射性物質の大規模な放出に至らせないための対策を幾重にも要求しているところであります。その上で、万が一にも、今般、なお予期されない事態によって大規模な放出に至る場合も意図的に仮定しまして、UPZ外の防護対策に係る具体的な実施方策を取りまとめております。
 具体的には、まず広域のモニタリングです。気象とかそういったシミュレーションで放射能の飛ぶ量とか方向を決めるというのには曖昧さが残りますので、まずモニタリング体制をきちっと整備して、それを、直ちにその結果を見ながら、これは私が総理に御助言することになると思いますが、必要に応じては三十キロ圏外についても屋内退避あるいは避難の指示をさせていただくことにしております。つまり、放射能が環境に放出されるような事態では、当初数時間、これはキセノンとかクリプトンといったいわゆる希ガスと言われるガス、放射性のガスですが、こういったものによる被曝が大部分を占めます。したがいまして、その間は屋内に退避する方が被曝量を防ぐという上では有効でありますので、そういったことを含めてこういった判断をさせていただいております。
 ただし、こういうことでございますので、こういった屋内退避の指示とか住民に対する伝達ということについては確実に伝わるように、今後体制を整備していく必要があるというふうに考えております。
○倉林明子君 対策取らなくて住民は安心できるかということに対する答えには全くなっていなかったと思うんですよ。
 私、これ見てほしいと思うんですね。不測の事態ということで今回新たに示された考え方というのは、いろいろ対応取って放射能は福島事故のときよりもぐっと少なくて済むんだと言った後に、さらに、なお、不測の事態を無理してでも想定して対応が必要になると言っている。つまり、福島事故の教訓なんですよ。福島事故でどうだったか、今どうかと。これ見ていただきたいと思うんですね。同心円になんか飛ばないんですよ、放射能は。三十キロ圏でとどまらないんですよ。四年たってもこんなに汚染状況、帰れない地域があるんですよ。
 私、本当にそういう意味でいえば、この福島原発事故の不測事態、放射能は最大飛ばなかったと、四号機のプールも破損するようなことになったら一体どんな事態が予測されるかと予測したのが不測事態の予測ということで、原子力委員長が避難の範囲を提出したということが後に明らかになりましたけれど、二百五十キロ圏に及ぶという予測さえあったわけですよね。
 実際に、滋賀県と兵庫県がそれぞれ独自に放射能物質拡散シミュレーションということで行っておりました。それを行ったところ、三十キロ圏を超える広範囲にその影響が及ぶということが想定されまして、その中に一体何があるかといいますと、琵琶湖があるんですね。この五十キロ圏内、三十キロ圏は少し掛かっているだけですが、五十キロ圏内には琵琶湖も掛かってくる。琵琶湖に放射能が飛散してくる可能性があるということで、関西の一千四百五十万人に飲料水を提供しているのがこの琵琶湖なんですね。先ほど元原子力委員長が想定した不測の事態ということを紹介いたしましたけれども、こんな事態になれば対処できないということは明らかだと思うんです。
 私、再稼働はきっぱり断念すべきだと総理に改めて求めたいと思います。いかがですか。
○国務大臣(宮沢洋一君) 原発につきましては、規制委員会におきまして、もちろん震災、大震災の対策とか火山の爆発対策も含めた世界最高水準の新規制基準に適合するかどうか審査していただいて、適合すると認められた場合にはその判断を尊重して再稼働を進めていくというのが政府の一貫した方針でございます。
 この高浜三号機、四号機につきましては、二月十二日に規制委員会によって新規制基準に適合すると認められ、再稼働に求められる安全性が確保されることが確認されたと考えておりまして、したがって、政府といたしましては、高浜三号機、四号機については再稼働を進めていく考えでございます。もちろん、その際に地元の理解ということは大変大事な要素だと考えております。
○国務大臣(望月義夫君) 今、飯舘村の話が出まして、風向きとかそういったことでこういうこともあり得るのではないかなという、避難のことが出ましたので、これは、飯舘村のような事態に備えて、三十キロ圏外であっても空間放射線量率が毎時二十マイクロシーベルトを上回る地域については一時移転の指示を行います。ですから、一時移転には、おおむね一週間以内で実施していただくので、避難先や輸送手段、避難経路などは国、県が全面的に支援して対応できることが十分可能であると、こういうことでございます。
○倉林明子君 今の説明を聞いていても、住民は本当に安心できるものじゃないと思うんですね。
 高浜原発に隣接する大飯原発三、四号機の運転差止め訴訟の判決では、大飯原発から二百五十キロ圏内の住民は、直接的に人格権が侵害される具体的な危険があるとして差止めを認めております。人格権を超える価値をほかに見出せないとして、原発停止で多額の貿易赤字が出るとしても、豊かな国土に国民が根を下ろして生活していることが国富であり、これを取り戻すことができなくなることが国富の喪失であると断じた判決は大変重いと思います。
 総理はこの大飯差止め判決をどう受け止めておいででしょうか。総理にお聞きしたい。
○委員長(岸宏一君) じゃ、宮沢経済産業大臣からお答えください。
○国務大臣(宮沢洋一君) いや、この判決、事前に質問が用意されたわけじゃないんですけれども、この判決は、まず一点は、これたしか関電との間の、関電に対する差止めだったと思いますので、直接の当事者じゃありませんのでコメントは差し控えますけれども、いずれにしても上告をしているはずでありまして、確定判決というわけではないと思っております。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この裁判については政府は当事者でないということでございますので、今、宮沢大臣が答弁したとおりでございますが、いずれにせよ、四年前の三月十一日の痛ましい原発事故によって福島の多くの方々がいまだに不自由な生活を強いられているということについては、我々も責任を感じているところでございます。
 復旧復興もいまだ道半ばでありまして、こうした中におきまして原発への反対が強い、拒否反応が強いというのは当然のことだろうと、このように思います。そうした中におきまして、我々も住民の方々への御説明等もしっかりと行いながら再稼働を進めていきたいと、このように考えております。
○倉林明子君 福島の事故のような過酷事故は起こり得るというわけですよ。再稼働の方針はきっぱりやっぱり撤回し、即時原発ゼロ、この決断こそ行うように強く求めまして、質問を終わります。
○委員長(岸宏一君) 以上で倉林明子さんの質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、山田太郎君の質疑を行います。山田太郎君。
○山田太郎君 日本を元気にする会・無所属会の山田太郎でございます。
 まず最初に、郵便法の信書問題、ちょっとその辺りを触れていきたいと思っています。
 パネルの方を出したいと思っています。(資料提示)
 実は、一月二十二日に、クロネコヤマトは、ヤマト運輸さんがクロネコメール便というのを廃止を決定しました。結構便利なんで、議員の先生方も使っていらっしゃった方は多かったと思うんですけれども、実は、法律違反の認識がないお客さんが罪に問われるリスクをこれ以上放置できないということでやめたわけであります。
 ちょっとパネルを見ていただきたいんですが、私も信書というものに関して実は当初詳しくなかったんですが、調べれば調べるほどびっくりしてしまったんですが、議員の先生方も、多分テレビを見ていらっしゃるお茶の間の方々も、例えばのケースなんですけど、おじいちゃんとかおばあちゃんがお孫さんに、太郎やと、元気に暮らしていますか、たまには遊びに来てね、おばあちゃんよりというお手紙を入れて宅急便で送るとどういうことになってしまうのかと。こういう辺りなんですが、実はこういうケース、どういうことになってしまうのか、総務大臣、お答えいただけますでしょうか。
○国務大臣(高市早苗君) 今のパネルのケース、郵便法第四条第三項のただし書におきまして、信書であっても、貨物に添付する無封の添え状又は送り状については宅配便やメール便などによる送達が認められております。その添え状には貨物の送付に関して添えられる挨拶のための簡単な通信文も含まれますので、その場合には全く大丈夫でございます。
○山田太郎君 実は、お手紙という形でもって、じゃ、これに、同窓会もあるという手紙が届いていたから、それについても知っていたということを例えば入れたら、もうこれは完全に信書という形になって駄目だと、これは総務省の方に確認しているんですが。つまり、ちょっとしたお手紙、添え状ではなくて、お手紙を宅急便に入れて送り届けますと、何と郵便法違反で三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金ということになるわけであります。
 もう一つ、これがびっくりしますのが、例えば、ある企業に対して履歴書を応募するために送りますよね。この履歴書というのは信書に当たるので郵便でないと駄目だと。要は、宅急便とかメール便と言われるものでは送れないんですが、逆に、企業がその応募者に対して送り返す場合はオーケーということなんですよね。同じものをやり取りしているんですが、何で帰りはオーケーかというと、差出人の意思の表示も事実の通知も終わっている文書であるため、応募者に返送する場合は信書に該当しないと。
 こういうことでありまして、非常に分かりにくい。下手をすると、ちょっとしたことで、おじいちゃんもおばあちゃんもびっくりと、犯罪者になっちゃうんじゃないかという、こんなケースがあるということであります。
 実はこれ、ヤマトさんが調べた関係だけでもこの五年間で八件の要は警察による捜査が行われまして、事情聴取並びに書類送検が三件あったと。いずれも不起訴ではあったということなんですが、こういうことが今でもありまして、もう一つ、実はこれが、ある千葉の選管の委員長から私の事務所の関係者に宛てられたということなんですが、これ何で送られてきたかというと、ゆうメールであります。宅急便の類いなんですが、この中身、実はこの文書は事前に総務省の方には、何に当たるかと言われたらこれは信書に当たるというふうに聞いておりまして、ちょっとこれはやっちゃったかなという感じでありまして、これを確認したところ、千葉県の方は二千通を実はこれで送ってしまったと。
 行政の方も非常に多分分かりにくいんじゃないかなと、こんなふうに思うわけでありまして、これが今後、こういう形で、じゃ、行政がやったものが捜査されるのかと、こういう議論になるんだというふうに思っております。
 いずれにしても、こういうところこそまず規制改革の私は本丸なんじゃないかなと、こういうふうに思っておりまして、これは是非安倍総理にもお伺いしたいと思うんですけれども、まさにアベノミクス第三の矢、規制をどんどん改革して、こういったものを民間に開放する、こういうことで経済を循環軌道に乗っけていくと、こういうことではこれは非常に典型的なケース。あるいは、普通のおじいちゃん、おばあちゃんが犯罪者にならないようにするためにも必要な改革の第一歩だと思うんですが、これ是非総理の方にお答えいただけないでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 信書を送る事業は、かつては公営事業体の独占とされていましたが、信書便法の制定による規制緩和を行い、民間事業者による信書の送達が可能となりました。現在、特定信書便事業者には四百者以上が参入し、創意工夫による様々なサービスが提供されています。
 現行制度において、これらの民間の信書便事業者は、御指摘の信書と非信書の混在物を取り扱うことが可能であります。一方で、信書の取扱いについては、通信の秘密と信書送達のユニバーサルサービス確保のため、一定のルールが必要と考えています。
 このため、信書便制度を廃止することは困難でありますが、政府としては、民間事業者の一層の民間参入を促すため、規制緩和を更に進めていくとともに、制度に関する国民からの疑問に対して丁寧に応じていくなど適切に対応していきたいと考えております。
○山田太郎君 確かに、今総理がおっしゃったとおり、特定信書と言われる一般信書ではないものについては一部開放されているというのは事実なんですが、これはまた四キロと重たいものだったり、九十センチ以上大きいものだったり、運ぶのに三時間以内で運ぶということだったり、千円以上するものだったり、下手をすると、どうも日本郵政さんがやりたくないような事業だけ譲っちゃったのかなと疑われかねませんので、この辺りはもうどんどんドリルで穴を空けていただいて、安倍総理から是非改革の矢を放っていただきたいなと、こういうふうに思っております。
 さて、次は、年金の話を少しいきたいと思っております。
 予算委員会の方で、私、連日、年金等もやらせていただいておりますが、まさにもらえないんじゃないかという疑問がやっぱり国民、有権者の間からも広がっている。若い人たちなんかも、年金大丈夫なのかと、将来幾らもらえるんだろう、年金制度は破綻しないのかと、こんなような心配をする向きがあります。
 そこで、ちょっとパネルの方を見ていただきたいんですが、ちょっと分かりにくいんですけれども、簡単にまずこのパネルの方を解説させていただきますと、政府の方は、いろんな経済事情に基づいて、いろんなパターンで年金がどれぐらいもらえるかということを提示してきました。
 実は、AからHまで八パターンあったんですが、これまでGパターンということについてはマスコミ各位含めて具体的な数字を出してきたんですが、Hケースという、一番ボトムというんですかね、なかなか経済の改革が進まなかった場合の年金のボトムのラインというものについて出していただけなかったんですが、かなり今回私も粘りまして厚労省に作っていただいて、今回、Hケースというのが初めて出てきたわけであります。
 ちょっと見ていただきたいんですが、びっくりするのは、この二〇五五年、右側の方、真っ白というふうになっておりまして、これは一体何じゃと。初めてこの三分の一のところが白くなっていて、何か抜けているんじゃないかというふうに思ったんですが、よくここの注意書きを私見てみましたら、年金額の改定ルールが定まっていないため年金の見直しを作成することができないと、こういうふうに書かれているわけであります。
 こうなると、そもそも、年金の設計は百年安心プランというふうにやってきたにもかかわらず、下手をすると、二〇五五年以降、特に国民年金に関しては、そのいわゆる積立金がなくなってしまうためにもう計算ができないと。これは一種計画自身が破綻しているんじゃないかと、こういうふうにも心配しちゃうわけでありますけれども、この辺り、厚生労働大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今先生お配りをいただいているパネル、そこに掲げていただいているパネルですけれども、実は、お配りをいただいている資料の次のページを御覧いただくと、今先生いみじくもおっしゃったように、ケースHというのを初めて作ったということでありますが、次のページを見ていただいて分かるように、このケースHというのはどういうケースなのかということを見ていただくと、一番右側に成長率があります。これ、マイナスの〇・四%という成長が言ってみれば百年続くという前提、つまり失われた二十年がずっと続いてしまうというケースを想定した場合のケースであり、この一番左の縦の数字が並んでいるやつで、全要素生産性というのは、これは極めて重要なんですが、これ見ても〇・五という、これはまさに失われた二十年の間の実績でございます。
 したがって、こういうケースが百年も続くようなときに一体どうなるのかということは、まずそういうことあってはいけないし、あっては、実は今の制度のままで、なかなか年金制度でやるには難しいねと。したがって、今どういうことになっているかというと、五年に一遍経済の諸条件を見直して、そしてもう一回計算をし直すということをやるのが財政検証ということでやっているわけでありまして。
 今先生お配りをいただいているこの右側三列に何も書いていないじゃないかと、こういうことでございますが、これは一体どういうことになっているかというと、要は、これはいわゆるマクロ経済スライドというので、将来の世代の人たちの受取が余りにも低くならないように、今のもらっていらっしゃる方々の年金の受取、そして今の保険料を払っていらっしゃる方々が払う保険料が余り上がらないようにするために調整をしていくという仕組みがざっくり言えばマクロ経済スライドなわけですけれども、こういう形でずっといくんですけれども、今のHのケースでいきますと、マクロ経済調整は、今の前提では三十年先に終わることになっていますが、残念ながらこれでいくと止まらないんですね。
 結局、ここの時点で真っ白けになっているのは、要は、いわゆる完全賦課方式といって、要は今百三十兆あるGPIFの積立金というのがゼロになって、もう完全に現世代が払ってくれる保険料をそのまま高齢者に手渡すということをやらなきゃいけないという、そういうことが起きてしまうというのがここから先の状況なんですね。そうなると、これはもう、完全賦課方式ということになれば、調整も何もなく、やっぱりこれは法律を変えていかないとなかなかいけないぐらいになってしまうわけでございますので、そういうことでこういうことはやっていない。
 結局、何が大事かというと、これは、年金のスキームというものそのものは、実はそこの、お配りをいただいている資料の次にあるように、様々なやっぱり経済条件、特に賃金と物価、これがどうなるかということで全て変わってしまうわけでございますので、この年金制度をきちっと維持をして約束どおりの年金を受け取っていただけるようにするためには、やはりこれは経済をちゃんと成長させていき、なおかつ保険料をなるべくたくさん払ってくれるようにするためには労働参加率を高くしていくということが大事でありますので、そのことを念頭に入れていただいて、それが、ここまでの極端なことはやっぱりちょっとあり得ない経済ケースということで出していなかったということで、御要望だったので出したということです。
○山田太郎君 何か塩崎大臣の方に一生懸命解説してもらったんですけど、私は余り本件についてはアグリーできない、合意できないわけでありまして、これどういうことかというと、じゃ、このHケースという経済状況は果たして極端なのかどうかと。
 こういうことはあっちゃいかぬということを塩崎大臣はおっしゃられたんですが、ちょっとそういう意味で、次のHケースはどういうケースだったかというと、物価上昇率が〇・六%、賃金上昇が〇・七なので、名目賃金上昇は一・三ということになるわけであります。ちょっとグラフを見ていただきたいんですが、線を私の方で入れさせていただきました。
 消費者物価上昇率〇・六というのはどこなのか、これは青い点線であります。名目賃金上昇率一・三というのはどこなのかというと赤い点線なんですが、何と、見ていただくと分かるんですが、まず名目賃金上昇は、これ、一・三をぎりぎり超えているのは一九九七年ぐらい。これ、何があったかというと、消費税が増税されたというところなんですよね。
 それからもう一つ、青のところは何だったかというと、これ、直近は二〇〇八年にちょろっと超えているんですが、これ、実はガソリンの値段がすごく上がっているし、食品も一時的にすごく上がっているところでありまして、平均をしてみると、現実的には〇・六ってタッチなかなかしていないのがこの二十年間以上の実態だったんじゃないかなと。何も別に社会不安を呼び起こしたいでこういうことを言っているわけじゃないんですが、決して、このHケースというのはもしかしたらボトムの計算ではないというふうにやっぱり見て取れるわけなんですよね。
 そうなったときに、大臣はこういうことはあってはならぬということだったんですが、私は、こういうこともある可能性はあるということで、政府も我々国会議員も、この年金制度をどういうふうにやっぱりつくっていかなきゃいけないのか、こういう議論をしないと、単に何かいいところの数字だけを持ってきて、はい、大丈夫ですよと、それはかえって私は政府に対する信頼がなくなったり社会不安につながるんじゃないかなと、こんなふうにも思うわけであります。
 それからもう一つ。さっきのHケースに戻ってもらいたいんですけれども、もう一つ読み込まなきゃいけないのは、今後、年金がどれぐらいもらえるかという設計、これは法律で決まっているということでありますが、今大体厚生年金の受給者は、二人の夫婦の標準世帯で、現役の男子の給与の三分の二ぐらいを設計されてもらっています。それが徐々に減っていって半分になるという設計であります。
 ただ、このマクロ経済スライドを実行していって均衡する、つまり、保険収入と積立金を使って給付を行うという構造を維持していこうと思うと、何と三五から三七%にならなければ均衡しないと。つまり、所得代替率というふうに言いますが、今もらっている、あるいは現役の夫婦がもらっている給料の三分の一にならないと均衡しないということでありまして、そういう年金設計で本当に食っていけるんだろうかというやっぱり心配はあるわけなんですよね。
 その辺りも是非、大臣の方に、こういう設計、もちろん政府は五〇%を切る段階においては見直すというふうに言っているんですが、既にHケースは五〇%を切るということを見込んでつくっているということは、最初から安心じゃないんじゃないかと、こういうふうにも思うわけでありまして、この辺り、是非教えていただけないでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) いわゆるこのマクロ経済スライドの調整というのは、モデル年金の受給開始時点で所得代替率五〇%までということを限度に行うことにして、そして、財政検証の結果、所得代替率が五〇%になっても、給付と負担が均衡しない場合には給付と負担の在り方について必要な見直しを行うということになっているので、それで先ほどのような極端なことが起きたときにはそうせざるを得なくなってくるということがあり得るということでありまして、高齢期の生活の安定という要請に配慮をして常にいるということでございます。
 それで、今のようなことが起き得るのかということでありますけれども、それは、先ほど申し上げたように、こういう経済情勢が続いた場合、百年間、そうなればそうなってしまうということを申し上げているので、そして、先ほど先生お示しをいただいたこの消費者物価、名目賃金率のことを言っていただきました。まさに、デフレから脱却しないといけないと今、安倍内閣が言っているのはそのことであって、デフレから脱却をしなければこういう状態がずっと続いてしまうと。
 それでは将来の年金は大変心配になってしまうなということであり、また、成長を回復しなければ、先ほど申し上げたように、何といっても、マクロ経済スライドというのは、言ってみれば保険料の上限を固定をして入ってくるものを一定と仮定をして、それを今度人口の推計をしながら受取をどうしていくかということで調整をしていくということでございますので、今先生御指摘のように、確かに極端なケースでこういうことが起こり得ないとは言えないかも分からないけれども、ですからこそ我々正直に今回AからHまで、極端なケースまで出したということでございますので、したがって、さっき結論付けたように、やはりこれは経済政策全体をしっかりやってそうならないようにするということが大事なので、このケースを御覧をいただいて、我々は大体この真ん中辺辺りを一番想定をしながら、目的をこの辺に置いて今経済政策を運営をしているということだというふうに思います。
○山田太郎君 そういう意味では経済政策を絶対に失敗させるわけにはいかないと、そういう意味で安倍内閣の期待は高まっているとは思うんですが、ただ、私もずっと経営者をやってきていますので、やっぱり逆の見方もあって、必ずしもHケースは私は極端なケースではない、今回よく出していただいたと思うんですけれども、そうなった場合にどうなるかということも備えとしてはきちっと案があるんだということは、やっぱりこれは安心につながると思っておりますので、そういう論点でもって、もらえないということはないということを、これからの財政検証、今年やるということですから、是非、塩崎大臣中心に少しこの辺り検討していただければと思っています。
 もう一つ、国民年金の方もいろいろ議論がありまして、現在、月大体六万四千円ぐらいというのが国民年金であります。なかなかこれだけで食べていけないという声もすごく大きくて、国民年金にしか入っていない人は暮らしていけるのかなと。現実的に高齢者の今生活保護世帯というのも非常に増えておりまして、この十年間で四十六万世帯から七十一万世帯まで増えてしまったと。
 先ほどの、結局、厚生年金ですら給付は半分又はもしかしたら三分の一になるかもしれない、国民年金に入っている人は五、六万しかもらえない、これもマクロスライドでは五万円台に落ちていっちゃいますから。そうなってくると、もはや年金だけでは暮らしていけないから貯蓄を持てというこれはメッセージなのかどうか。これはもう隠し事なく、政府はそうであればはっきりそういうふうに言っていただいた方が我々は腹をくくって何とかするということなんですけれども、そういった辺り、是非、大臣いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) ちょっと今日手元にございませんけれども、先ほど右側三列がブランクになっている厚生年金の将来の予想がございましたけれども、それの国民年金版というのがございまして、この間衆議院の方の予算委員会の審議の際に、これはEを中心に三パターン出していただいた、これは実は民主党の前原さんが出したんですけれども、そこにもありましたけれども、今御指摘のように、六万ぐらいしかもらえないというお話がありましたけれども、これも実は賃金の上昇率でスライドを決めていきますから、結局、経済成長が高ければ、例えば七万円で止まるとかそういうことになるのであって、そして成長率が高ければマクロ経済スライドを短期間で、より短期間で終わらすことができるということにもなるので、今先生が御指摘のように、平均的には今六万五千円前後ということで国民の皆様方に御理解いただいていますけれども、それを少しでも増やしていくということは、経済成長をきちっとして賃金が上がっていく経済に変えていくということが国民年金についても受取をより確実なものにしていくということでございます。
○山田太郎君 もう一つ、そもそも年金とは何なのかという議論もあると思うんですね。要は、一番の不満というか不安というか分からないところは、自分で支払ったものが将来取り戻せるというか、戻ってくるのかなというような最低のボトムラインをやっぱり皆さん考えているわけであります。払ったものがもらえるんだったらこれは保険的要素なので、積立方式というか、積立てなんじゃないかなと。でも、現役世代が高齢者をいわゆる見る、面倒を見るということではこれは賦課方式だと、税金的要素が強いんじゃないかなと。そういう意味で、年金というのは保険なのか税金なのかといったところも多分議論があると思っております。
 私も、この厚生年金等を含めて年金を調べてまいりましたら、元々一九四二年、戦時中ですね、積立方式として設立したんですが、戦後のインフレとか被保険者の負担能力が低下したということで徐々に積立と賦課方式の混合になっていったという歴史を持っているということは確認できました。
 ただ、最近、実は、要は日本年金機構さんが漫画で一生懸命この辺りの説明をしていらっしゃいまして、ちょっと漫画の絵を見ていただきたいんですけれども、お手元ですね、ちょっと飛ばしていきますが、要はこう書いてある。
 もしかして今もう年金を支払うお金が足りないのか。つまり、積立金がどんどん今削られてなくなっているんじゃないかと。GPIFの議論なんかもあるんですけれども、そうじゃないんですと。公的年金の役割を考えると積立方式にはリスクがあるんですということで、何かこういう論調でもって、要は、賦課方式は良くて積立方式は駄目だというような漫画自身は全体の論調になっているわけであります。
 ちなみに、一つ、この漫画は随分ネットの中でも話題になっておりまして、あんたが結婚してたくさんの子供を産めばいいんだということに対して、公務員であるお姉さんが、大丈夫、私が頑張って子育てしやすい町づくりをしてあげるからと。こんな感じでもって炎上物漫画というところなんですが、この年金に関しても随分踏み込んで、どちらかというと賦課方式なんだという話をされています。
 ちょっと次のパネルを見ていただきたいんですが、この辺りもよく最近言われていて、皆さんの疑問に思うところだと思いますが、肩車社会という構造ですね。要は、賦課方式というのは今の現役の人たちが何人の高齢者を支えていくのかと。これが、かつて一九六五年は胴上げ方式ということで九・一人に一人の高齢者を支えていた。これが、二〇一二年、最近ですね、二・四人で一人を支えている、こういう構造だと。二〇五〇年にはとうとう一・二、ほぼ一人で一人を支えるような状況になっていくと。こんな中で賦課方式をやっていくということになりますと、高齢者が例えば二十万必要だということになれば、いわゆる労働者は二十万そのまま払うようなイメージですよね。それはかなり重たいよねというような話で。
 じゃ、長期的に見ると、私も厚労省さんが出していらっしゃる資料を見てこれまたびっくりしたんですが、この国会でもさんざん人口減とか少子化とか高齢化とかという議論をやっているんですが、こういうふうに収れんするだろうということで資料を出していらっしゃいます。
 労働力人口と、それから六十五歳人口、高齢者と働く人たちがほぼ一対一の形でずっと日本国はそのまま緩やかに人口を減らしていきながら収束していくと。まさに、本当に一人を一人が背負う肩車方式になってしまうんだと、こういうことになるわけであります。こうなってくると、要は、昔は九人で一人を支えていた負担が、今のいわゆる労働者は一人を一人で支えるということは、これ税金方式になったらかなり重たいんじゃないかと。そうなってくると、次に起こる議論が、やっぱり世代間格差とか、本当にこの少子化での制度で、要は単純な賦課方式でこの年金システムというのは成り立つのかどうか。
 昨今議論になっておりますGPIFの百三十兆というお金も、二〇四二年の高齢化のピークに向けて本来は維持するべきなんじゃないかな、こんなふうにも思うわけでありますが、この辺り、本当に賦課方式に行くのかどうか、あるいは大丈夫なんでしょうかという辺り、厚労大臣、お願いできますか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 先生おっしゃったように、我が国の公的年金というのは、昭和十七年にスタートしたときは積立方式が採用されたというふうに聞いておりまして、事後的に様々な経済変動等に対応する中で次第に賦課方式に変わっていって、今は修正賦課方式と、こう言われているわけでございます。
 アメリカやドイツなどの諸外国でも、創設時に積立方式でスタートしたものの、予測できない社会や経済の大きな変化があって事後的に賦課方式に変わっていくということになって、アメリカは完全賦課方式とも言えるような格好になっているわけでありまして、これは、将来が不確実な中で長期の保障を行うという、この年金の長いスキームをつくらなきゃいけないということの必然の結果であるわけでありますが。
 問題は、今先生御懸念をお示しをいただいたように、賦課方式でいくべきか、あるいは積立方式でいくべきかということはよく言われるんですが、また、特に今先生お配りをいただいた肩車型に行った場合に重過ぎるんじゃないか、負担がと、こういうことでありまして、そうならないようにするためにいろんなことを実はやっていて、その一つがマクロ経済スライドであり、そしてもう一つは、今、安倍内閣挙げてやっている地方創生で、人口が減り過ぎないようにするということを今から早く手を打って確保しておくということが、先ほど先生御指摘のとおり、労働力人口が減らないようにして労働参加率が増えれば、保険料の支払が増えるという中で年金が守られるという格好になるわけであります。
 それで、いずれにしても、さっき、冒頭申し上げたように、仮に今、賦課方式をじゃ積立方式にしますということになって、自分は何か安心したような気分になられても、実はすぐお隣には自分の御両親がいて、この方たちは今までは賦課方式でもらっていた、年金をいただかなきゃいけないのに、これ誰がじゃ払うんだということになると、やっぱりそれはなかなかそう簡単にはいかない。いわゆる二重の負担というのが起きてきてしまうわけでありまして、結局、これは賦課方式であろうとも積立方式であろうとも、実はやっぱり経済がきちっと伸びていかないとどっちもうまくいかない、どちらにしたとしてもうまくいかない。二重負担の問題はなしにしたとしてもうまくいかないのであって、結局、我々としては、年金制度を調整するメカニズムは我々一応つくっていると。
 その中にあって、どうやってそれをその想定どおりに持っていくかというと、経済成長とそれから労働参加率であって、決して私たちの両親や先輩たちの今受け取る年金をもう払わなくなるような積立方式に、自分たちの分だけやるというわけにはいかないということがございますので、是非その辺は経済政策とセットで年金は守っていかなきゃいけないんじゃないかというふうに思います。
○山田太郎君 確かに、これ以上重たい保険料を支払わせるということは、これは勤労意欲にもつながってくることになると思っていますが、とはいうものの、政府の方はいつもいわゆる給付調整という言葉を使いますが、これはもう現実的に言うと、抑制していわゆる支払を減らしていくと、五〇%以下に、あるいは五〇%にしていくということなので、これはメッセージとしては、もし足りない分があったらば、しっかり蓄えは蓄えでしておくべきだということは、もうこれはちゃんと言った方がすっきりするし、そういう危機感を持って、そうならないように政府は経済を立て直すけれども、まあ、それはもう生き物ですからなかなかうまくいかないこともあるよというふうに私はメッセージしてもらった方が、百年安心だとか何だとかというふうに言われるよりも政府の信頼は高まるんではないかなと。
 実は、各国は景気の動向によらない構造的な数値というのを必ず今出しておりまして、特にGDPに関してはそうなんですよね。ドイツそれからEUそれからIMFもそういうものを持っているんですが、なかなか日本は、やっぱりいい数字を言ってしまうのかなというふうに思いますが。
 時間もなくなってきましたが、最後に総理、この辺り是非、特に若者に向けてですよね、本当に年金百年大丈夫なのかどうか、本当にこの国、次を背負っていく若者がしっかり年金も払って、ああ大丈夫だと思えるようなメッセージというか施策あればここで明らかにしていただきたいんですが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 年金につきましては、まさに確実に給付をお約束をするためには、これは言わば負担を、しっかりと負担をしていただくと。そして同時に、運用を、安全な運用を、確実にお支払できるような運用を行っていくということなんだろうと思いますが、給付と負担は裏腹でありまして、給付を行うためには負担をしていただかなければいけない。同時に、給付を更に、言わば代替率を上げていくためには、例えばこれは負担を多く持っていただかなければならない。この中におきまして、世代間の公平性を確保するという意味においても、マクロ経済スライドを平成十六年の改正で導入し、かつ、これによって安定化を図ってきたところでございます。
 そこで、Hケースというのを出されたわけでございます。確かに、先ほど山田委員がお示しになったように、二〇一三年まではこういうケースが続いていた。それはまさにデフレであったわけでございます。ずっと、今私どもが取っている政策を取らなければ、これはあれがずっと続いていく危険性というのはあったわけでございますが、大胆な金融緩和も含めてデフレ脱却ということを大きな目標として掲げた結果、今二十一か月連続、消費者物価は上昇に転じているわけでございますし、名目賃金におきましても、総雇用者所得の名目賃金は、二十二か月ですかね、連続でプラスになっているわけでございます。
 そういう意味におきましては、あの状況ではない状況を今つくっているわけでございますので、Hケースにはならないようにしっかりと今の政策を進めていきたいと、こう思う次第でございます。
 そこで、厚生年金と言わば国民年金、基礎年金だけのケース、これはそれぞれ違う言わば姿になっているわけでございまして、国民年金の場合はそもそも低額で、これは低い負担でお願いをしているわけでございまして、いわゆる被雇用者という形ではなくて、自営業者を含め多くの、そういう働き方を選択をしておられる方もたくさんいらっしゃるわけでございまして、そういう皆さんにとっては、まさに六十五歳という定年制ではなくて、働き続けることもできる方々もおられるんだろうと、こう思うわけでございますが、同時に、国民年金をもらっておられる方々については、やはり同時に資産の形成においても、年金受給の段階に至るまでにおいて、これは当然努力をしていただくということの前提もこれはあるわけでございます。それは従来から政府としてもお話をしているところでございますが、いずれにいたしましても、我々は国民の皆様にしっかりと御説明をしていきたい。
 積立方式、賦課方式、もう既に我々、この方式で長い歴史が、五十年の歴史があるわけでございまして、新たにいきなり積立方式にゼロから切り替えるということではないわけでございますので、基本的には十六年の大改正により、より安定化した。その中におきまして、先ほど塩崎大臣が答弁をいたしましたように、女性の参加も含めて労働力人口を、生産人口を確保していく中において安定的なものにしていきたいと、このように思っております。
○山田太郎君 これで終わりますが、本当に今回、総理の方からやっぱり貯蓄もある程度は必要だよという少し踏み込んだ発言をいただいたので、少し信頼が持てるようになったかなというふうにも思っております。
 是非、年金の制度に関しては、リスクも徹底的に開示してみんなで考えていくということしかもうないわけでありますので、そういった形で頑張ってこの制度崩壊しないように、若者が夢を持てるような社会になるように頑張っていきたいと思います。
 ありがとうございました。
○委員長(岸宏一君) 以上で山田太郎君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、中野正志君の質疑を行います。中野正志君。
○中野正志君 次世代の党の中野正志でございます。
 まず、安倍総理にお伺いをいたしますが、先般、仙台市で開催をされました第三回の国連防災世界会議、大変御苦労さまでございました。災害に伴う全世界の死亡率、これを大幅に削減をするといった目標を盛り込んだ仙台防災枠組、そして政治的なメッセージで仙台宣言を同時採択をいたしました。
 私たちは、実は参加者は元々四万人ぐらいだろう、こう予想されたんでありますけれども、ところがどっこい、結果的には約十五万人、大変に多くの皆さんに御参加をいただいて有意義に終わることができた。奥山仙台市長を始め関係の皆様には心から御苦労さまと申し上げたいわけであります。
 それにしても、この防災強化の努力、そして具体的な行動を最上位の国際目標とする決意を私たち仙台という震災の被災地で確認をいただいた、ここに大きな意味があるわけでございます。幸いに、安倍総理も初日に我が仙台にお出かけをいただきまして、四年間で四十億ドル、しかも四万人の専門家を養成をすると、こういう仙台防災協力イニシアティブを発表されまして、県民の方々、全国から集まっていただいた、あるいは全世界から集まっていただいた方々に感嘆の声を上げられたところであります。
 私たちは、震災被災地とはいうものの、新たな国際的な防災戦略の出発点となった、このことにある意味緊張感すら覚えておりますけれども、安倍総理のこの国連防災会議総括評価、あるいは防災先進国としてこれからますます国際協力も進めていかなければなりませんけれども、その覚悟と決意のほどをお伺いをしておきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先般、中野委員の地元でもある被災地仙台市で開催された第三回国連防災世界会議は、二十五名の首脳級を含む百名以上の閣僚を始め、百八十七か国の参加を得て、新たな国際的な防災の枠組みである仙台防災枠組を採択するなど、大きな成果を上げることができました。
 仙台防災枠組には、様々な政策に防災の視点を導入する防災の主流化や、より良い復興、ビルド・バック・ベター、また女性など多様な主体の参画など、我が国が提唱している施策が盛り込まれ、我が国の知見が十分に反映されるものになったと思います。加えて、被災地でのスタディーツアーやシンポジウムを通じて、東日本大震災からの復興と被災地の振興、我が国の文化を世界に発信することもできたと思います。
 私は、ホスト国の首脳として、二〇一五年から四年間で、今御紹介をいただきましたが、防災関連分野で四十億ドルの資金協力と四万人の防災・復興人材の育成を内容とする仙台防災協力イニシアティブを発表いたしまして、日本の知見と技術を国際社会に共有する方針を打ち出しました。今後、これに基づき、防災に係る政策、計画の立案、事業の実施の支援など、国際貢献を行っていきます。
 我が国は、防災分野の国際協力の面において、質、量共にトップドナーであります。今後とも、国際社会においてリーダーシップを発揮をし、災害に強い社会、世界の実現に貢献をしていく考えでございます。
○中野正志君 安倍総理、大変ありがとうございます。
 仙台は、どんな国際イベントにも対応できる、そういう自信も持たせていただいておりますので、今後ともどうぞよろしくお願いを申し上げます。
 山谷大臣にもお出かけをいただきました。竹下大臣にもお出かけをいただきました。実は、お二人にもと思ったんですが、竹下大臣、先週末お会いをさせていただきましたので、改めてお伺いをいたします。
 あのときは、宮城県の女川町、壊滅的な被害を受けた町でありますけれども、復興のトップランナーということで、大変に町長さん以下頑張っていただいております。復興事業で最初の大型施設となる混浴施設、温浴施設です、ごめんなさい、女川温泉ゆぽっぽ、それからJR女川駅の開業、大変にすごい人でございまして、喜びの顔、顔、顔の連続でありましたし、それからもう小学生の子供たちのあの本当にうれしい喜びの顔、竹下大臣共々、そういう意味では共感度大いにありだったなと思っております。
 あのとき、須田町長が、一度は破壊された場所の再生を喜び、あしたからまた全力で復興に向かう、感激の面持ちで挨拶をされました。ただ、そのときの竹下大臣のお祝いの御挨拶、原稿なしで、しこたまじょんたもんだない、ということはうまかったということなんですけれども、心のこもった挨拶だなと、周りの方々からみんな本当に大きな評価のお声がございました。あの大きな拍手で町民の皆さんの感激の気持ちというのは竹下大臣も十二分に御理解をいただいたと思います。
 あのときを思い出していただきながら、是非、女川のそのときの感想そしてまた集中復興期間それ以降の予算の確保について、是非改めて御決意のほどをお伺いをしておきたいと思います。
○国務大臣(竹下亘君) お褒めをいただきましてありがとうございます。
 女川でお会いいたしましたのは、あそこにゆぽっぽができて、駅ができて、まだそれ以外のものはできていないという状況でありましたが、これから町づくり、世界に誇るコンパクトシティーづくりやるぞという思いを持って町の皆さん方がお集まりをいただいたと、その熱気を感じたものですから、心に思うことをいろいろお話をさせていただきました。
 その一つが、ハードで家を造る、商店街を造る、あるいは学校を造ると、それはやりますと。やりますけれども、復興の本当の目的は女川の皆さん方に女川のふるさとをしっかり取り戻してもらうことであって、それが、一番大事なのはそこなんですという話をあのときもさせていただいた記憶がございます。必ず、女川は世界に誇るコンパクトシティーとして必ずその姿を見せてくれるものと確信をいたしておるところでございます。
 二十七年度までが集中復興期間でありますが、その後につきましては、我々は総理からもうしっかりした指示をいただいております。五年間の固まりで物事を考えなさいと、考える軸は自立ですよと、さらに、しっかり寄り添って考えなさいと。この三つの指示をいただいておりまして、今それに基づきまして、私としては、できれば六月の後半ぐらいまでに今後の五年間の復興の在り方、枠組みあるいは財源といったようなものも含めてお示しをすることができれば、被災地の皆さん方に安心して引き続き復興に取り組んでいただけるんではないかなと、こう思って全力でやってまいりたいと思っております。
○中野正志君 竹下大臣、ありがとうございます。
 今の答弁をしっかりと胸に秘めながら、私たちも地元、頑張っていきたいと思います。テレビを御覧をいただいている被災地の皆様も、大変に心強く感じたはずであります。ありがとうございます。
 ところで、この頃ニュース、出てきますのが、中国主導で設立準備中のアジアインフラ投資銀行の問題であります。参加について、政府は六月以降に判断を先送りしたと。だとすれば、私はその慎重な姿勢は高く評価をしたいと思っております。
 この銀行、御存じのとおり資本金は一千億ドルなんだそうでありまして、出資比率は半分程度が中国だ、本部は北京だ、ここまで一国の影響力が強くなるというのはほかの国際的な金融機関では例はないよな、そこへイギリスやらドイツやらフランス、イタリアも参加をするというんでありますから、まあ本当に本当になという残念な気持ちでいっぱいでありますけれども、しかし、やっぱり私たちの日本は、米国、アメリカ合衆国と連携をしっかり密にしながら対抗戦略をしっかり練っていくのでなければならないなということを感じるわけであります。
 どうあれ、どうもこのアジアインフラ投資銀行、いまだいろいろ不透明だよな。組織の統治の問題あるいは融資基準の問題、その他挙げればいろいろ出てくるわけでありますけれども、私たちはやっぱり、有識者のお話を聞いてみますと、国際通貨基金、いわゆるIMFによる人民元の国際通貨認定をされる、このことは私たちの立場からすれば阻止していかなければならない。そうでないと、中国が、国際通貨ともなれば元をどんどん刷りまして、それで先端技術、いわゆる兵器を何ぼでも買うことができる。そうすることで、結果的にはアジアのみならず世界の安全保障のバランスを壊したり、経済面でまたいろいろな問題も出てくるようになる。
 そんなところに、実はアジア開発銀行の中尾総裁、アジア開発銀行とこのアジアインフラ投資銀行、協調融資ができる関係もあるよねと一言お話をされたようであります。ある一部では、確かに私たち、年間にアジアのインフラ七千三百億ドルだというのでありまして、アジア開発銀行はとてもとてもそんな、三桁ぐらいの融資はできても四桁というのはとても無理だということであれば、一部は理解できるのかな。
 そんな中で、安倍総理に是非、六月末に最終的な参加の結論、参加、不参加の結論を出すとのことでありますけれども、何が参加、不参加の基準になるのか、日本への参加を促す声もありますし、駄目だという声もありますけれども、是非総理としてのお考えをお伺いをしておきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさにアジアは今後大きく成長していくわけでございまして、成長をしていくアジアにおいてインフラを整備をしていく、このインフラ需要は相当大きなものになっていくことが予想されるわけでございます。この予想されるインフラ需要に対してどのように資金を手当てをしていくか、これも大きな課題でございます。
 その中におきまして、IMF、あるいはまた世銀、そしてアジ銀、アジア開発銀行がございます。よく言われることは、なかなかうるさいことを言われて使いにくいじゃないかという意見もあるわけでございます。しかし、そこで、例えばアジ銀におきましては、大切にしているのは、もちろんガバナンスもそうでありますが、インフラの量と同時に質も大切でありまして、環境に十分に配慮されているものなのかどうか、そして持続可能なものになっていくのかどうか、効果はどうか、そして、あるいはまた腐敗の観点から大丈夫か、そうした様々な点からしっかりと理事会がそうしたものを見ていく仕組みが必要ですねと。
 これが基本的に世界の常識になるわけでございまして、AIIBについては、日本政府としてはこれまでも明らかにしているとおり、公正なガバナンスを確立できるのか、債務の持続可能性を無視した貸付けを行うことにより他の債権者にも損害を与えることにならないかといった点を含め、慎重な検討が必要であると考えています。
 中国に対しては、これまでも累次にわたりこうした点について問題提起をしていますが、残念ながら明確な説明は得られていないわけでございます。アジ銀の中尾総裁の協調融資という発言が出ておりましたが、当然、ADBが協調融資する場合はADBの基準をクリアしていなければならないというのは、これは大前提でございます。ADBの基準にクリアしているものであれば、それは当然そういうことは問題ないんだろうと私も思うところでございますが、政府としては、引き続き関係国と連携をしながら、中国側に対して今言ったようなことを働きかけていく考えでございます。
○中野正志君 是非その方針でお願いをいたします。
 高市総務大臣にお伺いをいたします。
 私たち次世代の党は、外国人へ地方参政権を付与するということに反対であります。二月に行われた与那国島の住民投票では永住外国人にも投票権が付与されていると大きく報道されました。
 調べてみると、多くの自治体で住民投票条例、これで外国人の投票権が認められている実は現状があります。こういった流れ、実を言うと日教組とか自治労が推進してきましたし、政党側では民主党、公明党、共産党、社民党が推進をしてまいったわけであります。
 これから四月の地方統一選挙が済んで、戦後七十年問題のいろいろが済んでということになると、どこからともなく今度は外国人地方参政権の問題が提起されてくるのではないかと胸騒ぎがしております。参政権でありますから、日本国憲法第十五条に保障された国民固有の権利であると、このことを高市大臣、高らかに是非確認をいただきたいと思います。
○国務大臣(高市早苗君) ちなみに、仙台で開催されました国連防災世界会議、私も女性と防災というセッションの共同議長でございましたので、是非また防災における女性の活躍にも御理解をいただきたいと思っております。
 さて、憲法第十五条でございますが、「公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。」と規定しております。そして、地方公共団体の議会の議員及び長の選挙権につきましては、現行の公職選挙法第九条において、「日本国民たる年齢満二十年以上の者で引き続き三箇月以上市町村の区域内に住所を有する者」を有権者といたしております。
 恐らく委員がお聞きになりたいのは、憲法第九十三条第二項、この解釈がどうなっていくのかということだろうと思いますが、私も先ほど閣議決定をされたこの憲法第九十三条第二項の政府解釈というものがないだろうかと思って探しましたら、これは平成二十二年五月ですから残念ながら我が党の政権のときではございませんが、閣議決定されたものが質問主意書への答弁書としてございました。
 地方自治について定める憲法第八章は、九十三条二項において、地方公共団体の長、その議会の議員及び法律の定めるその他の吏員は、その地方公共団体の住民が直接これを選挙するものと規定しているのであるが、前記の国民主権の原理及びこれに基づく憲法第十五条一項の規定の趣旨に鑑み、地方公共団体が我が国の統治機構の不可欠の要素を成すものであることをも併せ考えると、憲法九十三条二項にいう住民とは、地方公共団体の区域内に住所を有する日本国民を意味するものと解するのが相当であり、右規定は、我が国に在留する外国人に対して、地方公共団体の長、その議会の議員等の選挙の権利を保障したものということはできないと判示されており、政府も同様に考えているところであるとなっております。
○中野正志君 ありがとうございます。
 是非、そのことでこれからもよろしくお願いをいたします。
 質問まだまだあったんでありますけれども、実は時間がございませんで、大臣の皆様には大変恐縮でございます。お許しをいただきます。
 それでは、以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○委員長(岸宏一君) 以上で中野正志君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、中西健治君の質疑を行います。中西健治君。
○中西健治君 無所属クラブの中西健治です。
 金曜日の午後四時も回りました。皆さん、お疲れさまでございます。麻生財務大臣とは今週三回目の議論をさせていただくということでございますが、どうぞよろしくお願いいたします。
 まず、総理にお伺いしたいと思います。
 今週、シンガポールのリー・クアンユー元首相が亡くなられました。御冥福をお祈りいたします。
 都市国家シンガポールを一人当たりのGDPにおきまして日本を上回るほどの経済的発展に導いたリー・クアンユー元首相から今の日本が学ぶべきことは何か、総理の見解をお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) リー・クアンユー首相は、まさにシンガポールという国をつくり上げた国父と言ってもいいと思います。偉大なアジアのリーダーであったと、このように思います。改めて御冥福をお祈りをしたいと思います。
 学ぶべき点としては、シンガポールは資源が全くない、人材こそ資源である。そして、しっかりと人材を育成するとともに徹底的なグローバル化を図っていった。と同時に、世界の中で競争力を付けていく。しかし同時に、その中で国民としての規律も守っていきたい、アイデンティティーも求めていきたいという中で大変な言わば努力を積み重ねてこられた、こういう目標達成に向けて格闘をしてこられたと、こう思っているところでございます。その結果がまさに、GDPにおいては、一人当たりのGDP、日本を上回るGDPを確保することができた、国際都市としての競争力も大変高い競争力を手に入れることができたと、このように思います。
 ただ、国としての規模は全然違いますから、シンガポールがやったことをそのまま日本ができるということではないわけでございますが、学ぶべき点も多々あるのではないかと思います。
○中西健治君 総理がおっしゃられたとおり、シンガポール、国際的な競争力というのは非常に強いというところだと思います。
 各種の都市の魅力度比較調査を見ても、シンガポールはロンドン、ニューヨークに並ぶぐらい、伍していくぐらいのところに、常に高いところに位置しているということだと思います。東京はというと、残念ながらばらつきがあって、食事のおいしさですとか、治安ですとか、こうしたところは評価が非常に高いということだと思いますが、ビジネスのしやすさという点では、シンガポールと東京では大きな開きが見受けられることが多いということだと思います。
 政府は、世界でビジネスが一番やりやすい国にする、こう常々言っているわけでありますが、何を改善していけばよいと考えていらっしゃるでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 様々な課題があるわけでございますが、例えば外国企業から見たアジアの投資先の関心度調査というものがあるわけでございますが、我々が政権を取る前は全ての項目で一位の項目がなかったのでございますが、二〇一三年、一位にRアンドDの拠点、あるいは販売拠点としては一位となったわけでございます。こうした結果、日本への直接投資は三倍となっているということを申し添えておきたいと思います。
 さらに、我が国のビジネス環境を改善し立地競争力を高めるためには、法人税改革も進めておりますが、同時に、農業や雇用や医療やエネルギーといったいわゆる岩盤規制の改革を進めていく、断行していく、また、グローバルに通用する人材を育成していく、TPPなどの経済連携を推進していく、イノベーション創出力の強化など内外一体となった成長戦略を実行していきたいと、このように思っておりますし、また、東京都も、国際間の都市間競争に勝ち抜く上において様々な改革に取り組んでいくべきだろうと、このように思っております。その上においても国家戦略特区に指定をしているところでございます。
○中西健治君 幾つか改善をしていかなきゃならない点、お話しいただきましたけれども、その中で、重要なものとして法人税率というのもあると思います。
 政府は、数年で二〇%台、三〇%を切るというところを目指しているということでありますが、この三〇%を切るというのはドイツなどを意識しているということなんじゃないかと思いますが、企業がどこに立地するのかという点でもし法人税を考えるとしたら、やはり競争している相手というのはシンガポールであったり上海であったりということなんじゃないかと思います。となると、もっと下のところ、シンガポールは一七%ですから、そうしたところを目標に据えていかなきゃいけないんじゃないかと思いますが、二十数パー、三〇%を切るところでもう最終目標と考えているのか、それともその先もあるというふうに考えているのか、いずれかでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この法人税率につきましては、世界を見回す中において国際的に遜色のないものにしていきたいと、こう考えているわけでございます。しかし同時に、企業にとってビジネスがしやすいというのは法人税だけではないと思います。様々な魅力があるんだろうと。
 例えば、安全、これはなかなか代え難いものなんだろうと思います。そして、住んでいて快適かどうか、また、家族が住みやすいかどうかという中においては、お子さんの教育をしっかりと確保できるか、あるいは医療の仕組みがちゃんとできているかどうか。また、言葉においては言語として英語が通じるかどうかということも大きいんだろうと、こう思うわけでございます。停電で安定的な電力の供給を行うことができるかどうかということも大きいんだろうと思います。そして、しっかりとした法治国家であって人治ではないということも、大変これは大切な点ではないかと、こう思います。それともう一つは、政治の安定性ということも重要な点ではないかと、このように思います。
○中西健治君 法人税をどうするかということについて、ちょっと直接的にはお答えいただきませんでしたが、それ以外の要素についてお話しいただきました。
 その中で、私、英語ということも、シンガポールは大変英語教育先進国で成功を収めているということなんじゃないかと思います。シンガポールの場合には、マレー語というのは国語としてあって、そして公用語として英語とそして標準中国語、マンダリンというのが使われているということでありますが、日本も、もちろん国の言葉として日本語があって、そして公用語というわけにいきませんが、準公用語ぐらいに英語をするというお考えはないでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 準公用語と位置付ける考えはございませんが、しかし、グローバル人材を育成する上において、言語は大変重要なツールであることは言をまたないわけでございまして、実際に、そしてかつ使える英語を身に付けることが必要であります。
 今までも日本は英語教育に力を入れてきたわけでございます。中学、高校の六年間、そしてまた大学でも勉強するわけでございますが、しかし、その結果、余り使えないなという結果になっている。これを変えていく上においてTOEFL等々を重視をしていく、あるいは、ある程度早い段階からこれは英語の教育をスタートしていくということも含めて、今進めている教育再生実行会議の中においても議論を進めているところでございます。
○中西健治君 私が準公用語にしたらどうかというのはまさに今の点なんですけれども、総理も、小さいときから、初等教育のところから英語教育をするというような話をしていただきましたけれども、英語教育ではなくて英語で小学校から授業をする、そうしたことにシンガポールはなっているわけです。ですので、ビジネスでも英語はみんな使えるということになるわけですから、そうした方向で考えていかなきゃいけないんじゃないかなと私は思っております。
 もう一つ、都市間競争で重要なのは、そこに需要があると思うかということだと思います。企業や人口が集積して、そこに需要があると思えば企業がまた来て、そしてそこにまた需要が高まっていくという循環というのが生まれてくるということだと思いますが、そんな中でちょっと今地方再生に絡んで気になるのが、東京の一極集中是正だということをスローガンとしてしょっちゅう言われるということでありますが、これ、都市間競争を勝ち抜いていくということと、それから東京の一極集中是正というのはやはりぶつかる側面があるんじゃないかなというふうに思います。
 地方創生は、もう地方の魅力を最大限高めるという点でそれは大いに賛成ということでありますが、今回の税制の中には、東京から人や企業出ていってください、しかも名古屋や大阪に行っちゃ駄目ですよと、そうした税制が入っています。これはちょっとネガティブな発想になっているんじゃないかな。総理は、私の勝手な理解では、パイを広げていくということに常に心を砕いているということだと思うんですが、これは、東京から企業、人が出ていって、名古屋、大阪は駄目ですよというのは、どちらかというとネガティブな発想なんじゃないかなというふうに思いますが、そこはいかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 東京の我々はこの一極集中を変えていきたいということでございまして、東京への人口流入ですね、地方からの人口流入が、たとえこれが逆に変わっていったとしても、東京の競争力というのは基本的に私変わらないんだろうと、こう思っています。
 言わば、仕事等が東京に過度に集中しているということではないかと、こう思うわけでございますが、その中において住宅環境等々もあります。子育ての環境等々もあるわけでございますが、こうした課題が人口に過度に集中をしていくことによって、例えば介護施設等についても東京では大変つくりにくいという状況が既に出現してきているわけでございます。その中において、日本人が人生をより豊かにするためには、とにかく東京ではなくて選択肢がある、そういう日本にしていきたいと、こう思うわけでございます。
 こうした選択肢をつくっていくことは、東京か関東圏か地方かというゼロサムではなくて、それぞれがその良さを生かして発展していく状況をつくっていきたいということでありまして、まずは、どんどん東京に集中をしてくる必要はないわけでございまして、できれば地方で住みたいと考えている皆さんが地方にも住めるような、そういう状況をつくっていきたい。それは東京が競争力を失っていくことに私はつながらないのではないかと、こう思っております。
○中西健治君 全体でどんどん伸びていくということが当然望ましいということだと思いますが、東京一極集中の弊害としてよく出生率が低いというようなことが言われますけれども、他府県に行けば人口は増えると、こういうふうに言われるわけでありますけれども、やはりちょっとそこの因果関係というのも明確ではないというふうに思いますし、都市圏で安心して子育てができる環境を整備することこそやるべきことなんじゃないかなというふうに思うので、今回、税制を使ってまで東京から出ていってくださいと、このような形の税制改正というのはどうかなというふうに私の意見だけ申し上げておきます。
 続きまして、予算案における国債金利の想定についてお伺いしたいと思います。
 パネルを用意させていただきました。(資料提示)資料を用意させていただきましたが、パネルの上段ですが、毎年度当初予算、今審議している来年度の予算においても、毎年毎年十兆円近い金額が国債の利払いのための利子及び割引料として計上されております。しかし、毎年二兆円弱の余りが生じて、そのうち一兆円近くが補正予算の財源に充てられているということが毎年これ常態化しております。国債費の余りが生じる原因というのは、国債の金利の想定、来年度の国債どれぐらいになるのかという金利の想定が実勢金利よりも随分高く見積もられているというところにあるかと思います。
 じゃ、どういう算出根拠で国債の金利を出しているんだ、想定しているんだということを財務省に聞きますと、毎年ばらばらの答えが返ってきます。毎年ばらばらの根拠なんだけれども、答えはなぜか一・八%、三年連続で。根拠は全部違います。どうして算出根拠が違うのに答えが同じになるのか、初めから一・八%というのが決まっているのか、そこのところについて財務大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) お尋ねの積算、予算の積算金利という言葉を使うんですけれども、これに当たってはいわゆる平均を取るということになっておりまして、それに当たっては、まず、多分、それの平均はどの期間を取っておるのかという、期間が違うではないかと。また、過去に金利が急上昇したときの例と言うけど、急上昇したときの例は一年とか、そのときも例が違うではないかとか、いろいろ同一じゃないというのは客観性を欠いておるのではないかというのが多分御意見の根底にあると想像しますけれども。
 これはなかなか難しいところで、全く裁量の余地がないほど一定にきちっとしたものにしますと、利払い財源が不足してしまうということが仮に起きたとした場合はどうなるということになりますので、ある程度客観的な、機械的な決定方法としつつも、ある程度、量的・質的金融緩和が始まったばかりだった安倍内閣の最初の頃は、これはもう始まったばかりでその平均といったって平均ありませんから、極めて短期間のものしか取っておりませんのはもう御存じのとおりで、あのときは何%でしたかね、期間が極めて限られた月数です。
 そしてまた、量的金融緩和が定着しつつあるといったような、終わった後は、大体毎年十一月ぐらいに予算を編成しますけど、そのときは、足下の金融緩和とか金融の環境の変化というのも考えて平均を取る期間の長さが長くなるなど、ある程度、結構そういったように決める方が合理的ではないかというのがその根底にあるところで、最初から一・八をフィックスして、それに合わせて後から帳尻を合わせるというのは違います。
○中西健治君 高めに見積もるというのは国債費足らないようにしないということで、本来保守的な見積りなんだと思います。しかし、それが結局補正予算の財源になっていくということだと、かえって財政規律を弱めるということになっています。
 財政法六条で、決算剰余金については、その半分以上を国債費の償還に充てることというのが決められていますが、元々これは国債費ですから、これについてはもっと厳しいルール、全て国債の償還に充てることということを適用する、そうしたことはいかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 今言われましたように、国債費の不用があるということによって補正予算で無駄な予算を計上するとか、無駄な予算を計上しやすくなっておるのではないかという話が、何となく、疑い深く考えればそういう話でしょう、だろうと思いますが、まずはこれは、無駄な歳出は計上するようなことはしないというのはまず公式な立場なんですけれども、補正予算の編成に際して、これは歳出が経済状況というものの悪化というものの対応に必要性があって計上するものであると同時に、これは政府としては、不用額というものを勝手に上げたり下げたりするような、これは国会の議決を必要とするものですから、勝手に操作できるようなものではございません。したがいまして、現在の国債費の不用額の取扱いが不適切ということには当たらないのではないかと思っております。
 いずれにしても、決算剰余金二分の一以上を国債償還財源に充てるという現在のルールというものが今の基本的なルールでもありますので、それに加えて、新たに今言われたようなルールを今ここで付け加えるとか足すというつもりはございません。
○中西健治君 国債費、元々国債のための費用ですから、国債に全て充てるという厳しいルールを私は適用するべきだろうというふうに思います。
 あと一点、今回、来年度の予算についてはプライマリーバランスの半減目標を達成する見込みであるということを政府が言っています。そして、この間の財政金融委員会でどれぐらいの余裕を持って達成するんですかとお聞きしたところ、三千億円ぐらいだというふうに試算されるということですが、同じように今年もこの国債費を財源として補正予算を組んでしまったら、国債費はプライマリーバランスの外にありますから、例年のように一兆円これに使ってしまうということになると、半減目標を達成できなくなるということになりませんか。
○国務大臣(麻生太郎君) 知っております。したがいまして、そういうことにはならないようにいたしたいと思っております。
○中西健治君 その点確認いたしますが、国債費を財源として来年度補正予算を出すことはないと明言されたということでよろしいでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 度々議論をさせていただいておりますように、私どもとしては、まずはこのプライマリーバランスの、PB、基礎的財政収支の五〇%目標というのを立てて、それで約三千億ぐらいの余裕ですから、極めて限られておりますので、私どもとしては、今の段階から補正予算を組むなどという考え方は、今の段階では全くありません。
○中西健治君 時間になりましたので、どうもありがとうございました。
○委員長(岸宏一君) 以上で中西健治君の質疑は終了いたしました。(拍手)
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○委員長(岸宏一君) 次に、吉田忠智君の質疑を行います。吉田忠智君。
○吉田忠智君 社会民主党の吉田忠智でございます。
 辺野古の米軍基地建設問題についてまず質問をいたします。
 安倍政権は、沖縄県民の普天間基地の県外、国外移転の願いを踏みにじって、名護市辺野古での米軍新基地建設工事を強行しています。
 三月二十三日、沖縄県翁長知事は、前知事が付した許可条件違反を理由に、沖縄防衛局に対して七日以内の作業停止、応じない場合は昨年八月の岩礁破砕許可を取り消すと指示しました。あわせて、臨時制限区域への調査目的での立入り申請を行ったことを明らかにしました。これに対し、事業者である防衛省は、県指示は水産資源保護法の趣旨を正解せず、正しく理解せず、違法性が重大かつ明白だとして農林水産大臣に対する審査請求等を申し立てました。
 しかしながら、一・二メーターを超える四十五トンもの巨大コンクリートブロックをサンゴの海に沈めても許可一つ要らないのであれば、水産資源の保護など不可能であります。水産庁によれば、岩礁とは海域における地殻の隆起形態であり、この隆起形態を変化させる行為が破砕であります。隆起が変化したか否か、少なくとも違法性が明白とは言えません。だからこそ、県は制限区域への立入調査を求めているんじゃありませんか。
 そこで、農林水産大臣に伺いますが、安倍政権内部の圧力で判断がゆがめられたとかお手盛りと見られないような、法、条例の解釈に忠実な、公平公正な判断をお願いしたいが、いかがですか。
○国務大臣(林芳正君) 今お話のありましたこの件につきましては、沖縄防衛局長から審査請求、それから指示の執行停止の申立てが行われております。
 農林水産省においては、行政不服審査法に基づきまして、三月二十四日でございますが、処分庁である沖縄県に対しまして、沖縄防衛局の審査請求に対する弁明書、それから沖縄防衛局の執行停止の申立てに対する意見書の提出を求めたところでございます。審査庁である農林水産省としては、行政不服審査法の規定に基づいて、沖縄防衛局及び沖縄県から提出された書面の内容を十分に検討し、法に従って適切に対応してまいりたいと考えております。
○吉田忠智君 公平公正、厳正に判断をしていただきたいと思います。
 日本は法治国家であると同時に民主主義国家であります。前知事の在任中の政策転換、公約違反が県民に否定をされて、改めて民意が示された以上、県外、国外移転という民意に沿って前知事の政策を検証することは当然のことであります。
 総理に伺いますが、知事と対等な立場で話し合い、この間の法改正によって国と地方の協議の場も設置をされています。沖縄県民の願いをしっかり受け止めて、辺野古新基地建設を断念をして普天間の県外、国外移転を図るべきと考えますが、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 大切なことは、市街地の真ん中にあり、近隣に学校も存在をするこの普天間基地の一日も早い移転でございます。その移転先としては、長い間これは協議を続けてきた結果、辺野古しかないという結論に至っているわけでございます。
 かつ、辺野古への移転につきましては、今までのこの普天間が持っている三つの機能のうち、空中給油機については全機既に岩国基地に移駐しているわけでございます。また、緊急時においては、これは辺野古へは移転されないわけでありまして、県外に移る。その中におきまして、言わば辺野古に移るのはオスプレイだけでございます。また同時に、訓練におきましては、これは本土への訓練を我々はなるべく増やしていく方向で進めているわけでございます。面積も減っていくということの中において、今我々は辺野古への移転を進めていきたいと、このように考えているところでございます。
 同時にまた、嘉手納以南につきましては、多くの米軍用地が日本に、沖縄に返還されるわけでございます。特に、西普天間基地のこれは返還、これは大きな返還になり、地域の発展にも大きく寄与するものと、このように考えているところでございます。
○吉田忠智君 総理はそのように言われるわけでありますけれども、沖縄の皆さんはほとんど御存じでありますけれども、辺野古の新基地建設ですよ、まさに。普天間の単なる移設ではありません。軍艦が接岸できる港を造る、これはアメリカの長い間の悲願です。単なる移設じゃないんですよ。新たな新基地を造る、これだけの強大な基地を造るのは沖縄返還後初めてですよ。だから、沖縄県民の皆さんは受忍の限度を超えている。だから、去年の知事選挙で翁長知事がオール沖縄で誕生したわけですよ。衆議院で、四つの選挙区で全て、辺野古新基地に反対をする候補者が、我が党の照屋寛徳国対委員長を含めて、沖縄二区、当選をいたしました。
 是非、テレビを御覧の日本国民の皆さんも御理解いただきたいんです。確かに普天間は世界一危険な基地だと思います。しかし、辺野古の新基地建設は単なる移転ではない、移設ではない、新たな強大な基地を造るんですよ。
 去年の民意、沖縄で示された民意を総理はどのように受け止めていますか。私はこれは大きな情勢変化だと思っています。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 民意の結果は真摯に受け止めたいと思います。
 今委員がおっしゃったように、これ単なる移設ではなくて、まさに機能を縮小するわけでございます。今まで三つあった普天間の機能を一つに減らしていく。そして、面積も大幅に減少していくわけでございます。そういう意味におきましては、沖縄全体の負担は軽減をしていくことになります。もちろん、名護、辺野古においては新たな基地を建設することにはなるわけでございますが、これはある意味では、単に普天間の機能、そして基地の大きさ、それをそのまま辺野古に持っていくのではなくて、機能はまさに三分の一に減らしていく、そして面積も大幅に減らしていくものであるということは申し上げておきたいと思います。
 また、普天間におきましては、まさにこれは市街地の真ん中にありますから、防音施設を必要とする住宅は一万戸あるわけでございますが、辺野古におきましては、まさに航空経路が海上になりますから、これが一万戸がゼロになるわけでございます。ここにも大きな違いがあるということはあえて申し上げておきたいと、こう思う次第でございます。
 同時に、地元の方々の御意見にも耳を傾けながらしっかりと丁寧な説明も続けていきたいと、このように思うところでございます。
○吉田忠智君 総理に一点、確認をいたしたいと思いますが、翁長知事は、私は相当慎重にされておられると思います。元々は保守の方ですから、政権の皆さんの手のうちも分かった上でやっておられると思います。
 まさか総理、沖縄県を相手取って裁判闘争するつもりはないでしょうね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今委員がおっしゃっているのは、辺野古沖での作業停止指示についてのことですね。そういうことですね、はい。
 普天間の辺野古移設に関して、沖縄県の翁長知事は作業中止の指示を行ったものと承知をしておりますが、この指示については事実や法令解釈に誤りがあるとして、防衛省の担当幹部が沖縄県に直接出向いて必要な説明を行い、あわせて、関係法令を所管する農林水産大臣に審査請求等を行ったものであります。これはあくまでも事実と法令解釈に関わるものでありまして、沖縄県の対応を受けて法治国家として必要な手続を行ったものであるということで御理解をいただきたいと思います。
 繰り返しになりますが、この問題に関しては最も大切なことは、住宅や学校に囲まれて市街地の真ん中にある普天間の固定化は絶対に避けなければならないということであります。これが大前提であり、この問題の原点と言ってもいいんだろうと、こう思います。同時に、政府と地元の皆様との共通認識であると考えております。
 今後とも、政府全体で連携して、様々なレベルで地元と対話を行いながら、我が国の安全保障や沖縄の負担軽減の全体像についてお話をする中で、普天間の移設について御理解を得る努力を行っていきたいと考えています。
○吉田忠智君 沖縄の皆さんの民意を受けて当選をした翁長知事と総理御自身が会って話を聞いて、沖縄の民意を踏まえて辺野古新基地断念に向けてアメリカと交渉していただくように強く求めたいと思います。
 もうこれ以上総理とやっても平行線、平行議論でしょうから、今日はそこまでにいたします。また議論させていただきます。
 次の質問に移ります。安倍政権の経済政策と成果、そして具体策について質問をいたします。
 二年で二%の物価上昇を約束をされた日銀の黒田総裁でありますけれども、総務省が本日発表した二月の消費者物価は、前年比二・〇%の上昇、消費税の影響を除けば〇%であります。昨年のGDPは〇・〇三%のマイナス成長。総理は、前政権ではマイナスだったが安倍政権でプラス成長になったとおっしゃっておりましたけれども、このパネル、去年の予算委員会の質問で、ちょっと伸ばしました。(資料提示)
 前政権の経済成長率は年率一・六五%、安倍政権は年率〇・七七%であります。数字はうそをつきません。もちろん、捏造ではございません。実質賃金も十九か月連続でマイナスです。
 総理は、安倍政権になって総雇用者所得が伸びているとおっしゃっています。突然、総雇用者所得という概念を持ち出されまして、衆議院選挙のときにも議論させていただきましたが、晋三さんが月三十万円で支えていた安倍家は、奥さんが月十万円の働き口を見付けて、平均すると実質賃金は二十万円でありますけれども、総雇用者所得は合わせて四十万であるということなんですね。
 例の例えですが、御覧いただきたいと思います。うちでちょっと計算をいたしました。前政権の三年間、実質の総雇用者所得、これは二〇〇五年を一〇〇とした数字でありますけれども、年平均一〇二・五%、安倍政権は二年で一〇三・一%。確かに〇・六ポイント上がっています。ただ、これはそんなに胸を張れる数字ではない、そのように思っております。
 この数字を御覧になって、総理はどのように思われますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 経済の状況をよく見ていく上においては総雇用者所得で見た方が私はいいんだろうと思います。そして、総雇用者所得の中にもこれは実質と名目があるわけでありますが、実質でももちろん上回っておりますが、その上回り方が小さいんではないかという御指摘だろうと思いますが、ここで大切なことは、我々は消費税を三%上げました。三%というのは随分大きな数字ですよね。この三%が入っていた中においても我々が上回っているということが大切な点なんだろうと、このように思うところでございます。
 また、民主党政権時代との成長率、GDPの比較についてでございますが、民主党政権の成長六%、これはリーマン・ショックによってまさにどんと落ちたところからの成長でございます。我が国の実質GDPが六%以上、マイナス三十四兆円落ちたわけでございますが、その落ちた水準から四四半期で六%分戻ったと、こういうことでございまして、それはほとんど鳩山政権で起こっているわけでございますが、その後はこれはずっと横ばいであったということは事実でございまして、このときなぜ、では鳩山政権のときに六%回復できたかといえば、これは前政権において、麻生政権時代に数度にわたる大規模な補正予算を組んだ十五兆円の効果によると、これがマクロ経済的には常識的な見方なんだろうと、このように思います。
 鳩山政権が特別に経済政策を持っていたわけではないというのが恐らく共通認識なんだろうと思いますよ。その後は、だって、言わばその後の方々はほとんど成長を実現をしていないわけでございまして、横ばいであった。そして、私が政権に就く前は二四半期連続大きくマイナス成長だったものをV字回復したのは事実でございます。その中におきまして、GDPにおきましても実質で八兆円、そして名目で十七兆円プラスになっているわけでございます。
 何よりもやはり大切なのは、雇用を見ていく必要があるんだろうと、こう思うわけでございますが、有効求人倍率も二十二年ぶりの高い水準になっているわけでございまして、一年以上にわたって一倍を超えているという状況を我々はつくり出すことができたわけでございます。さらには、今年お正月を迎えた新卒の皆さん、大卒で七年ぶり、そして高卒では二十年を上回る二十数年ぶりの高い水準になっているということでございます。
 同時に、賃金におきましても、昨年は過去十五年間で最高の賃上げを実現できたところでございます。今年においてもそれを上回る賃上げが行われるということは既に連合が発表しているとおりでございます。これは、言わば正規社員だけにとどまるものではなくて非正規の方々にも及んでいるわけでございまして、コマツは最低賃金を千円にするということを発表しているわけでございますし、トヨタにおきましても月六千円ということを発表しているわけでございます。
 しっかりとこうした流れを全国津々浦々に私は届けていきたいと、こう感じている次第でございます。
○吉田忠智君 異次元の金融緩和で、年間日銀が八十兆もの国債を買って、GPIFで三十兆の株を買って、どなたかが官製相場と言われましたけれども、そして三年連続して十五か月、百兆も公共投資して。やっぱりそれは数字は良くなる、良くなるところはそれは当然出てきますよ、それだけやっているんですから。良くなるところは、それはそうですよ、株価も上がりましたよ、円安誘導もされましたよ。だけど、やっぱりトリクルダウンですよ、やっていることは。私たちはボトムアップの経済政策が必要だと言ってきました。
 それで、総理が長々答弁しましたから、私の言いたいことが。それで、やっぱり雇用の質を改善する、このことが極めて重要であります。国民生活を下支えする経済政策として、正社員を増やすための政策誘導、それから均等待遇、同一価値労働同一賃金原則の法制化、それから最低賃金の千円以上の引上げ。
 そして、今日問題にしたいのは、公契約法の制定、ILO第九十四号条約の批准についてでございます。公契約法、ILO九十四号条約の批准は、国や自治体が発注する業務委託や公共事業などの公契約に適正な賃金の最低基準などを定めるものであります。公契約では、ダンピング受注、雇用の劣化、それに伴う公共サービスの質の低下が指摘されてきました。公契約法、公契約条例は、これを改善して、働く皆さんの労働条件の改善だけでなく、中小企業の経営安定、地域全体の賃金水準の底上げ、公共サービスの質の向上や国と自治体の税収増にもつながると。
 そこで、自治体では、国の公契約法の制定が待てないということで、三県十九市区で、このパネルにありますように、公契約条例や公契約基本条例等が制定をされています。この結果、時給や日当が上がったという報告がなされております。
 まさに好循環が実現しているところもあるわけでありますが、公契約法の制定、ILO第九十四号条約の批准が今こそ必要だと考えますが、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) とうとう吉田先生にも経済の指標が良くなったということを認めていただいたということは、大変うれしい限りでございまして、(発言する者あり)ものがあることをお認めいただいたということは多としたいと思います。
 そこで、御質問にお答えをいたします。
 国や地方公共団体が発注する契約において、適正な賃金を確保することは重要な課題であると考えています。安倍政権では、最低賃金について二年連続となる大幅引上げを実施しています。他方、我が国において、賃金等の労働条件は最低賃金法等の関係法令に反しない限りにおいて労使が自主的に決定することとされておりまして、また予算の効率的な執行や契約の適正化を図ることも必要であります。
 そうしたことから、最低賃金法等とは別に、法律により賃金等の基準を新たに設けることについては慎重な検討が必要と考えています。ILO第九十四号条約の批准については、こうした我が国の法制度との整合性から困難であると考えております。
○吉田忠智君 是非、公契約法の制定を検討していただきたいと思います。世界一暮らしやすい国、世界一働きやすい国こそ今求められているということを訴えて、質問を終わります。
○委員長(岸宏一君) 以上で吉田忠智君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(岸宏一君) 那谷屋正義君から、先ほどの中野正志君の発言中に不穏当な言辞があるとの御指摘がございました。
 委員長といたしましては、後刻理事会において速記録を調査の上、適当な処置をとることといたします。
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○委員長(岸宏一君) 次に、平野達男君の質疑を行います。平野達男君。
○平野達男君 ラストバッターですので、よろしくお願いいたします。
 今日は、安倍総理に経済、財政再建を中心に、何問かちょっと質問をさせていただきたいというふうに思います。
 平成十九年の三月の通常国会、ちょうどこの予算委員会だと思いますけれども、第一次安倍内閣のときです。私は、ここで当時の安倍総理と経済成長の見通しについていろいろ議論をさせていただきました。御記憶にないかと思います。そのときに出したのが下村治さんと都留重人さんとの経済論争のお話でした。
 当時、安倍総理は経済成長を重視ということで、この姿勢は今でも変わっていません。当時、都留重人さんは格差を先に解消すべきだと、そして下村治さんは経済成長やることで同時にその格差の解消もできるんだということを引かれて、安倍総理は成長というのの大事だということを主張されておりました。
 私は、そのときに、それは高度経済成長だからできた話で、これから人口減少が始まりますということをその予算委員会で言っておりまして、下村治さんは均衡という言葉を盛んに言っておられましたですね、財政均衡、それから需要と供給の均衡。人口減少が始まりましたら需要が落ちるんじゃないかということを盛んに力説しまして、そんなに簡単に経済成長というのはできないんじゃないかという議論をいたしました。今日、その議論をぶり返そうとは思いません。今日議論したいのは、実はむしろ財政であります。
 この下村治さんは、御案内のとおり、今言いましたように、均衡という言葉を非常に大事にしていまして、財政均衡ということも非常に重要性を主張しておられました。経済は安定的な均衡状態で運営されなければならない、財政拡大に依存した景気対策の危険性を繰り返し指摘しています。下村治さんは、もちろん池田内閣の高度経済成長のブレーンになった方でありますが、後に低成長論を唱える方でもあります。そのときに、やっぱり経済の、財政の均衡というものを大事にしないと駄目なんだということを、これ繰り返し言っております。
 しかし、この今の日本の財政の状況を見ますと、赤字公債の依存体質はもう抜け難いものになっています。こういう今の状況を踏まえて、財政の状況について安倍総理としてどのような所感を持っているか、簡単で結構でございますから。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今委員のお話を伺っていてだんだん思い出してきたところでございますが、ちょうど小泉政権の後でございまして、格差が、当時も小泉政権の末期に言われたことでございますが、言わば経済の回復局面というか景気の回復局面においては、格差の議論があるという中において、池田総理時代のこの下村・都留論争を引き合いに出したところでありまして、再配分というのも重要でありますが、まずは経済を成長させていく中において果実をしっかりと再配分していくことが大切ではないかということを答弁したことを覚えているわけでございますが、我が国の財政が大変厳しい状況の中にあること、また、将来世代への負担の先送りが続く状況は改善しなければならないということについては、これは委員と共通認識なんだろうと思います。
 安倍内閣としては、経済の再生と財政の健全化の両立を目指しているわけでございます。二〇二〇年度の財政健全化目標はしっかりと堅持をしながら、その目標達成に向けてデフレから脱却をし、経済の再生により税収を増やすと。同時に、無駄削減など徹底した行財政改革もしっかりと行っていく、歳出歳入両面にわたって取り組んでいく。社会保障についても、効率化、合理化や重点化を進めていく、本年夏までに目標達成に向けた具体的な計画を策定していく考えでございます。
○平野達男君 ちなみに、当時の安倍政権から今日の状況までの国の公債発行残高の推移を見ますと、五百三十兆から八百兆ぐらいまで増えていると。途中リーマン・ショックなんかがありましたからかなり財政出動をしなくちゃならないということだったと思うんですが、財政均衡がかなり崩れているということだと思います。だからこそ、今総理がおっしゃったように財政再建ということなんですが、その財政再建をやる、考えていく前提になるのがこれからの経済成長の見通しだと思います。
 それが、内閣府から出されている、国の経済の中長期見通しというふうに出されていまして、一ページ目に資料が示してございますが、これが内閣府が示している経済見通しの考え方なんですが、御案内のとおり、経済再生ケースとそれからベースラインケースという二通り用意してございます。
 今の二〇二〇年プライマリーバランス黒字化の目標は、今までの財政金融委員会やら予算委員会の議論を通じて聞いておりますのは、この経済再生ケースを前提にしてやるというふうに聞いておりますが、これはこういう理解で間違いないでしょうか。
○国務大臣(甘利明君) そのとおりです。
○平野達男君 この経済再生ケースは、下に書いてございますけれども、二〇一六年―二〇二三年度の平均の名目が三・六%、実質二・一%の成長率になります。八年間で、平均でとにかく毎年名目で三・六%、実質で二・一%という成長ですね。これが本当に実現した場合には、二〇二三年度には、二〇一五年度のGDPに比較した場合には三割増えるはずです。三三%増えます。それから、実質二・一%の場合についても二割ぐらい増える形になります。
 それは何を意味するかといいますと、二ページ目をちょっと見ていただきたいんですけれども、これが、過去、一九六四年から二〇一二年までの名目GDPと実質GDPの推移です。少なくとも過去二十年間、失われた二十年と言うのか何と言うのか知りませんけれども、名目GDPはほとんど伸びていない。むしろマイナスの状況でもあります。実質GDPは、デフレですから、僅かながら伸びているということです。
 今私が言いました三割伸びるということは、今のGDPが五百兆ですから、あと八年しますと五百兆が六百五十兆になるということです。このグラフが驚異的に右肩上がりにいかなくちゃなりません。これは、多分バブルかミニ高度経済成長ぐらいのレベルにしか見えないんですね。
 ですから、甘利大臣、これ悲観的になる必要もないんですけれども、見通しとして立てるのはいいんですが、経済財政担当大臣あるいは政治家の皮膚感覚として、あるいは現下の経済状況として、これが本当に実現可能かどうかといったら可能ですと言うしかないかもしれませんが、どうなんでしょうか。
○国務大臣(甘利明君) 今、過去二十年間のお話をされました。過去二十年間、二十年近く何があったかというと、デフレです。デフレというのは何が一番いけないかというと、経済規模が縮小し、シュリンクしていく最大の病気なんです。この二十年間、世界経済はどうなったかといえば、例えばアメリカは経済規模は二倍以上、二・四倍ぐらいでしょうか、なりました。韓国は四・五倍ぐらいになりました。中国は十六倍になりました。日本は一割減ったんであります。だからこそ、我々はデフレを脱却して、名目を増やしていかなきゃならない。世界の経済トレンドと一緒の二十年だとしたら、今頃GDPは千兆円近くになっているはずであります。我々はデフレを脱却をする、それは名目をプラスにしていくということであります。
 もちろん、この再生シナリオ、一の矢、二の矢、三の矢、目いっぱい効果的に投入していくということで、そう楽観視できるものではありません。しかし、デフレの過去のトレンドから延長線上に経済設計をしたら、とても社会保障ももたなければ財政再建もできません。デフレを脱却をして、名目三%、実質二%、そしてCPI、物価上昇率二%近傍を目指して取り組んでいくと。その延長線上にこの財政再建というのはしっかりできていくんだろうというふうに思っております。
○平野達男君 今、安倍内閣が推進している様々な政策は、日銀の量的緩和を含めて、デフレ脱却を含めて、これは是非達成、実現していただかなくちゃならないと思います。日銀の量的緩和なんか失敗したら、日銀総裁が大変だけでなくて、日本人全部が、日本全体が大変になります。そしてまた、経済成長もこれは是非実現していただきたいと思います。
 ただ、私が言いたいのは、そうやって目標とするのはいいんですけれども、名目成長率三・六%、実質二・一%で財政再建を立てるとなると話は変わってくるんです。先ほどの中西委員の議論の中に国債の金利の話がありました。一・八%はかなり保守的に見ているんです。今度はこっちの話になりますと、かなり楽観的に見ているとしか私には思えないんです。今の甘利大臣の中でも、やるという問題ではなくて、こういう経済成長をしなければならない、こういう経済状況にならなければ日本の経済の再生は成り立たないということをおっしゃっているんです。
 二〇二〇年にプライマリーバランスの黒字化を達成するんであれば、本来であればこれを、三・六、二・一はマックスの目標ですから、ベースラインとの中でのどこかの多分経済成長を想定した上で、それで財政再建の黒字化目標を立てるというのが本筋のはずなんです。ところが、この段階では、目標にもかかわらず、黒字化の目標というのはこれは具体的な問題ですから、これはまさに数字の世界に入ってまいりますから、この数字の中で、二〇二〇年プライマリーバランスの黒字化というのを立てるというのはかなりリスク高いんじゃないでしょうかということなんですね。
 私が少なくとも聞いている限りでは、目標と設定するのはいい、だけど、財政再建目標として設定する名目成長率と実質成長率の目標というのは当然これは変えるべきだと思う。これは何でもそうですよ。災害を想定するときも何でもそうなんです。災害を想定するときは一番悪い状況を想定するんです。あれを想定しなかったから東日本大震災で起こったし、福島の第一原発も起こった。想定すべきを想定しなかったんです。楽観的な計画で作ってやったら、逆にそれが災いすることもあるんです。目標として設定する、これは大事です。だけど実際の問題として、様々な政策をするときについては現実的なものをやるというのがこれは筋じゃないかと思いますが、麻生大臣、どのように思われるでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 五年前、二〇一五年にプライマリーバランス、基礎的財政収支半減目標と言ったときはほとんど笑われたんじゃないですかね、あのときの記憶、できないってみんな言ったじゃないですか、みんな、しかし結果的にはできた。そこまで来たんですよ。だから、結構状況は変わり得るというのに、常にそういった気持ちはどこかに持っておかないと、駄目だ駄目だ駄目だと言ったら本当に駄目になっていくことしかなりませんので。
 やっぱり、今回はまずはデフレの脱却、これがもう最大、正確に言うと、もっと正確に言ったら、資産のデフレからの脱却、これが一番大きな今回の問題だと思っていますので。まあ株というので見れば、株は立派な動産です、動産という名の資産ですから、その株というものも倍以上に上がってきたし、土地の値段も少しずつ、いろんな形でずっと縮んできたものが、間違いなく広がってきちゃって、ええことじゃないですか、私はそう思いますよ。そうすると、そこだけとらまえて、やれバブルだ何だかんだって、けちしか付けられない人って世の中にいますから、それは別に驚くことはないので、与党を長くやっていると、けちばっかり言われるものだと思っていますから、そんな甘い話はねえよと思って私は聞いていますから、別に慣れもありますので何てことはないんですけれども。
 是非、こういったようなものを考えていくときには、私どもは、計画はきちっと最悪のことを考えて計画を立て、実行は楽観的にと、よく経営者の基本みたいにして言われるところですけれども、私どもは、この計画の立て方に関してはいろいろ御意見のあるところかとも思いますけれども、私どもは、少なくとも今こういう計画を立ててもまだ九・四兆円の赤ですから、ひとつそこのところだけを深掘りして、さらに歳出の抑制なり歳入なりいろんなことを考えてきちんとやっていかないと財政は均衡しない、当然のことだと思います。
○平野達男君 もう一度私の考え方だけを申し上げさせていただければ、ベースラインと経済再生ケースのニュートラルなところをやるというのは本来的な考え方だと思います。
 ちなみに、今、麻生大臣がおっしゃいましたけれども、仮に経済再生ケース、マキシマムでやったとしても、九・四兆円のこれ国、地方合わせてまだ歳出改革をしなければならないということだと思います。
 それで、私は安倍総理に是非お願いをしたいのは、二〇二〇年のこれから黒字化に向けての計画を作りますけれども、経済成長だけでは財政再建できないと、財政再建をするためには経済成長とやっぱり歳出改革と、そして場合によったら、一〇%お願いしますから、それ以上の増税なんかお願いできませんが、そういう負担、負担というか、国民生活にもいろんな、何というんでしょうか、不便を強いるみたいなことをしっかり言っていくということ、これからやっぱり大事ではないかと思いますが。
 経済成長、本当に大事です。経済成長だけしていれば、しかし日本の財政が再建するほど今の財政の構造は甘くないと思います。そういうことを是非しっかり主張して、主張というか国民に訴えていっていただきたいと思いますが、どうでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 確かに、経済成長で全てが解決するわけではありません。しかし同時に、経済成長がなければ財政の再建は絶対にできないのも事実だろうと思います。
 先ほど麻生財務大臣が、二〇一五年のPB比半減、これはできないだろうと、こう言われていたわけでありますが、先ほどの麻生財務大臣のお話、何となく麻生財務大臣が楽観的な雰囲気があるようでございますが、その財務省ですら消費税の引上げなしにPB半減はできないと、このように考えていたわけでありますが、結果としてはできたわけでございます。それぐらいこのデフレから脱却をしていくということの意義は大きいんだろうと思います。
 しかし同時に、今委員が御指摘になったように、きっちりとした歳出削減、やるべきことをやっていく、これは当然求められていくと思います。特に社会保障分野については、これは黙っていても自然増があるわけでございます。この自然増にしっかりとメスを入れていくことも大切であろうと、こう思っております。その中で我々は、既に七十歳から七十四歳までの保険料の窓口負担について二割の本則に戻しました。そしてまた、先般は介護保険について報酬について改定をさせていただいているところでございますし、生活保護の適正化も行っているわけでございます。
 さらに、こうしたこともきっちりと行いながら、二〇二〇年の目標を作っていきたいし、達成も目指していきたいと、このように考えているところでございます。
○平野達男君 ちょっと税の方のお話に移らせていただきたいと思いますけれども、ちょうど高度経済成長終わった頃まで個人所得税、住民税の最高税率というのは九〇%でした。その後、今だんだんだんだん下がってきて、いっとき五〇になって、この間の税制改正で五五まで出ました。その高い税制でも高度経済成長をできた、高度経済成長があったから高い税制も維持したか、まあどちらの解釈があるかは分かりませんが、所得再配分機能ということでいえば、その観点で見れば、やっぱり再配分機能は下がっているかもしれません。
 それと同時に、この所得税率の最高税率を、あるいは住民税の税率を下げるときに何をやったかといいますと、税収のニュートラルを図るために法人税を上げている時期がありました。だから、財政の均衡ということについては、当時の内閣、今の内閣はないとは言いませんよ、かなり一生懸命やっていたと思います。法人税を上げたんですよ。個人住民税を下げる代わりに法人税を上げるということなんです。ところが、最近は法人税率はどんどんどんどん下がってきています。今回もまた二三・九%に下げて、税収、ニュートラルといいますか、二年間先行で減税をするというようなことであります。
 そして、私は消費税率を上げることに反対ではありません。大衆課税をちょっと税率を上げるということで、どうも考え方が随分変わってきているような感じがします。
 それから、もう一つは社会保険料。今日、データも資料も持っていなくて大変恐縮ですけれども、社会保険料は、ある一定の年齢のところに来ますと社会保険料は定額になりますから、これはかなり逆進性が強い構造になっています。
 こういう中で、私は、税と社会保障、今一体改革進めておりますけれども、安倍総理がやっぱり税調なり何か政府の大きな機関をつくって何か諮問をして、これからの税の在り方、社会保険料の在り方、是非議論をしていただきたいと思います。
 これは、平成十二年七月に税制調査会が「二十一世紀に向けた国民の参加と選択」という、こういう報告書を作っています。このときの状況と違っていることは幾つもあるんです。まず、人口減少社会というのがはっきり分かってきたこと、それから国の財政赤字が物すごい膨らんできたこと、それからもう一つは、格差ということが今様々な議論をされているという状況の中で、こういう税と社会保障の在り方については、安倍総理が諮問して、どこかに答申を出してもらう。二年、三年掛かってもいいですよ、二十一世紀の状況も、傾向を踏まえて、また最近、我々が気付いた状況も踏まえて。
 そういう機会を是非つくっていただくことを切に希望いたしますが、最後に、簡単で結構でございますから、決意のほどを伺わせていただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 税制については、経済社会の構造変化に対応して見直していくことが必要であると考えています。まさに、今般の社会保障・税一体改革では、急速な少子高齢化の進展を踏まえて、国の信認を確保するとともに、世界に冠たる社会保障制度をしっかりと次世代に引き渡していくため、消費税の税率引上げにより安定財源を確保しつつ、社会保障プログラム法に沿って、受益と負担の均衡が取れた社会保障制度へと不断に改革を進めているところでありますが、更なる税制の見直しについては、昨年十二月の経済財政諮問会議において、人口減少、そして少子高齢化の進展など、経済社会の構造変化が急速に進む中、税体系全般にわたる構造改革を検討していくべく議論を進めていくこととされたところでありますが、また、これに先立ち、経済社会構造の変化に対応して、各税目が果たすべき役割を見据えたあるべき税制について、一昨年の六月に、私から政府税制調査会に諮問をしているところであります。
 今後のあるべき税制の方向性については、経済財政諮問会議や政府税制調査会における検討も踏まえ示していくことになるものと考えております。
○平野達男君 まとめます。いいものはたくさん残す、悪いものはできるだけ削減していく、それでよろしくお願いいたします。
 終わります。
○委員長(岸宏一君) 以上で平野達男君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 これにて経済・財政・国際問題に関する集中審議は終了いたしました。
 次回は来る三十日午後一時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後五時十四分散会