第189回国会 予算委員会 第19号
平成二十七年八月十日(月曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月九日
    辞任         補欠選任
     田城  郁君     西村まさみ君
     辰巳孝太郎君     小池  晃君
 四月十日
    辞任         補欠選任
     西村まさみ君     田城  郁君
     川田 龍平君     片山虎之助君
     水野 賢一君    薬師寺みちよ君
     荒井 広幸君     平野 達男君
 四月十三日
    辞任         補欠選任
     石井 準一君     吉田 博美君
    薬師寺みちよ君    渡辺美知太郎君
 四月十四日
    辞任         補欠選任
     吉田 博美君     石井 準一君
    渡辺美知太郎君    薬師寺みちよ君
 四月十五日
    辞任         補欠選任
     堂故  茂君     衛藤 晟一君
 四月十六日
    辞任         補欠選任
     衛藤 晟一君     堂故  茂君
 四月十七日
    辞任         補欠選任
     佐藤 正久君     滝波 宏文君
     小西 洋之君     安井美沙子君
     矢倉 克夫君     平木 大作君
     小野 次郎君     藤巻 健史君
 四月二十日
    辞任         補欠選任
     滝波 宏文君     佐藤 正久君
     田城  郁君     斎藤 嘉隆君
     安井美沙子君     小西 洋之君
     平木 大作君     矢倉 克夫君
     藤巻 健史君     小野 次郎君
 四月二十一日
    辞任         補欠選任
     斎藤 嘉隆君     田城  郁君
 四月二十二日
    辞任         補欠選任
     堂故  茂君     衛藤 晟一君
 四月二十三日
    辞任         補欠選任
     衛藤 晟一君     堂故  茂君
 五月八日
    辞任         補欠選任
     井上 義行君     山口 和之君
 五月十一日
    辞任         補欠選任
     高橋 克法君     藤井 基之君
     山口 和之君     井上 義行君
 五月十二日
    辞任         補欠選任
     藤井 基之君     高橋 克法君
 五月十三日
    辞任         補欠選任
     高橋 克法君     世耕 弘成君
 五月十四日
    辞任         補欠選任
     世耕 弘成君     高橋 克法君
     二之湯武史君     有村 治子君
 五月十五日
    辞任         補欠選任
     有村 治子君     吉川ゆうみ君
     大門実紀史君     井上 哲士君
     福島みずほ君     又市 征治君
 五月十八日
    辞任         補欠選任
     三宅 伸吾君     林  芳正君
     吉川ゆうみ君     二之湯武史君
     井上 哲士君     大門実紀史君
     又市 征治君     福島みずほ君
 五月十九日
    辞任         補欠選任
     林  芳正君     三宅 伸吾君
 五月二十二日
    辞任         補欠選任
     山田 太郎君     山口 和之君
 五月二十五日
    辞任         補欠選任
     山口 和之君     山田 太郎君
 五月二十六日
    辞任         補欠選任
     北村 経夫君     大沼みずほ君
     二之湯武史君     中泉 松司君
     三木  亨君     宮本 周司君
 五月二十七日
    辞任         補欠選任
     大沼みずほ君     北村 経夫君
     中泉 松司君     二之湯武史君
     宮本 周司君     三木  亨君
 六月十五日
    辞任         補欠選任
     三宅 伸吾君     世耕 弘成君
 六月十六日
    辞任         補欠選任
     世耕 弘成君     三宅 伸吾君
 六月二十二日
    辞任         補欠選任
     田城  郁君     斎藤 嘉隆君
 六月二十三日
    辞任         補欠選任
     斎藤 嘉隆君     田城  郁君
 七月一日
    辞任         補欠選任
     二之湯武史君     林  芳正君
 七月二日
    辞任         補欠選任
     林  芳正君     二之湯武史君
 七月八日
    辞任         補欠選任
     北村 経夫君     山谷えり子君
 七月九日
    辞任         補欠選任
     山谷えり子君     北村 経夫君
 七月三十日
    辞任         補欠選任
     小野 次郎君     東   徹君
 八月五日
    辞任         補欠選任
     三木  亨君     林  芳正君
 八月六日
    辞任         補欠選任
     北村 経夫君     世耕 弘成君
     林  芳正君     三木  亨君
 八月七日
    辞任         補欠選任
     世耕 弘成君     北村 経夫君
     藤田 幸久君     石上 俊雄君
     長沢 広明君     谷合 正明君
     片山虎之助君     川田 龍平君
     小池  晃君     紙  智子君
     平野 達男君     荒井 広幸君
 八月十日
    辞任         補欠選任
     二之湯武史君     大沼みずほ君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         岸  宏一君
    理 事
                石井 準一君
                岡田  広君
                古賀友一郎君
                馬場 成志君
                堀井  巌君
                小川 敏夫君
                那谷屋正義君
                若松 謙維君
                東   徹君
    委 員
                石田 昌宏君
                猪口 邦子君
                大沼みずほ君
                大野 泰正君
                太田 房江君
                北村 経夫君
                佐藤 正久君
                島村  大君
                高野光二郎君
                高橋 克法君
                堂故  茂君
                二之湯武史君
                三木  亨君
               三原じゅん子君
                三宅 伸吾君
                山下 雄平君
                石上 俊雄君
                大久保 勉君
                大塚 耕平君
                小西 洋之君
                田城  郁君
                田中 直紀君
                水岡 俊一君
                蓮   舫君
                谷合 正明君
                矢倉 克夫君
                横山 信一君
                川田 龍平君
                紙  智子君
                大門実紀史君
                井上 義行君
                山田 太郎君
                松沢 成文君
               薬師寺みちよ君
                福島みずほ君
                荒井 広幸君
   国務大臣
       内閣総理大臣   安倍 晋三君
       財務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        麻生 太郎君
       文部科学大臣
       国務大臣     下村 博文君
       厚生労働大臣   塩崎 恭久君
       農林水産大臣   林  芳正君
       経済産業大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(原子力
       損害賠償・廃炉
       等支援機構))  宮沢 洋一君
       防衛大臣
       国務大臣     中谷  元君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)
       (内閣府特命担
       当大臣(防災)
       )        山谷えり子君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(経済財
       政政策))    甘利  明君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(規制改
       革、少子化対策
       、男女共同参画
       ))       有村 治子君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(国家戦
       略特別区域))  石破  茂君
       国務大臣     遠藤 利明君
   副大臣
       財務副大臣    宮下 一郎君
   政府特別補佐人
       内閣法制局長官  横畠 裕介君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小野 亮治君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       利根川 一君
       文部科学省スポ
       ーツ・青少年局
       長        高橋 道和君
       厚生労働省労働
       基準局長     岡崎 淳一君
       厚生労働省政策
       統括官      石井 淳子君
       経済産業省製造
       産業局長     糟谷 敏秀君
       中小企業庁長官  豊永 厚志君
   参考人
       独立行政法人日
       本スポーツ振興
       センター理事長  河野 一郎君
       日本年金機構理
       事長       水島藤一郎君
       日本放送協会会
       長        籾井 勝人君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○参考人の出席要求に関する件
○予算の執行状況に関する調査
 (現下の政治課題について)
    ─────────────
○委員長(岸宏一君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 まず、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が二名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岸宏一君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に石井準一君及び東徹君を指名いたします。
    ─────────────
○委員長(岸宏一君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 予算の執行状況に関する調査のため、本日の委員会に独立行政法人日本スポーツ振興センター理事長河野一郎君、日本年金機構理事長水島藤一郎君及び日本放送協会会長籾井勝人君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岸宏一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
○委員長(岸宏一君) 予算の執行状況に関する調査についての理事会決定事項について御報告いたします。
 本日は、現下の政治課題について集中審議を行うこととし、質疑は往復方式で行い、質疑割当て時間は二百四十分とし、各会派への割当て時間は、自由民主党三十九分、民主党・新緑風会六十四分、公明党二十三分、維新の党二十二分、日本共産党二十二分、日本を元気にする会・無所属会二十二分、次世代の党十二分、無所属クラブ十二分、社会民主党・護憲連合十二分、新党改革・無所属の会十二分とすること、質疑順位につきましてはお手元の質疑通告表のとおりでございます。
    ─────────────
○委員長(岸宏一君) 予算の執行状況に関する調査を議題とし、現下の政治課題について集中審議を行います。
 これより質疑を行います。岡田広君。
○岡田広君 自由民主党の岡田広です。
 安倍総理始め関係大臣にお尋ねをいたします。三十九分という限られた時間でありますので、答弁は簡潔に分かりやすくお願いをしたいと思います。
 今月六日、広島、昨九日には長崎で、安倍総理、平和記念式典に出席、参列をされました。広島の平和記念式典において、総理は非核三原則について触れられませんでした。平和宣言や岡田民主党代表の談話においても非核三原則については触れられていないようでありますが、私は、広島及び長崎における総理の発言から、核のない世界の実現に向けた総理の強い思いは従来からいささかも変わるものではないと考えています。
 長崎の式典においては触れられたのはなぜなのか、総理のお考えをお伺いするとともに、両式典に参列されまして不戦の誓いを新たにされたものと考えますが、その思いについても改めてお聞かせをいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 非核三原則の堅持は当然のことであり、その考え方に全く揺るぎないということは明確にしておきたいと思います。
 広島の平和記念式典における挨拶ではこれを当然の前提として、我が国は世界で唯一の戦争被爆国として、核兵器のない世界の実現に向けて国際社会の取組を主導していく決意を表明したところでございます。その後、私の御挨拶について様々な御指摘がございましたので、長崎では誤解を招くことがないように非核三原則の堅持に言及することとしたものであります。
 いずれにいたしましても、我が国の国是である非核三原則は揺るぎないものであります。
 また、広島、長崎でそれぞれ被爆者団体の方々から様々なお話を伺ったところでございますが、改めて、戦争の惨禍は二度と繰り返してはならない、そして原子爆弾が二度と使われることがあってはならない、この決意を新たにしたところでございます。
○岡田広君 安倍総理の答弁でよく分かりました。
 私、水戸市長時代から仕事の「かきくけこ」という言葉をよく使っています。考えること、基本に忠実に、工夫して、計画して、行動する。特に、やっぱりどんな政策、事業を実行するにしても、基本というのが一番大事だと考えていますから、これから、平和安全法制も参議院で審議が今されている最中であります、国民の皆さんに分かりやすく発言、答弁をされていただきたい、このことを要望させていただきたいと思います。
 第二次安倍内閣による経済政策、アベノミクスの実施から二年八か月になりました。アベノミクス三本の矢によって日本の経済は好転していると考えます。資料を配付をさせていただきました。資料を御覧ください。国民の皆さんには、テレビを通してパネルを御覧いただきたいと思います。(資料提示)
 アベノミクスの実績を安倍政権発足時と直近の状況を比較したものであります。時間の関係で一つ一つ取り上げることはできませんけれども、いろいろなデータがありますが、アベノミクスは、消費税率の引上げ等の影響で一時的に落ち込んだことはありましたが、着実に成果を上げていると考えます。総理が御自身で考えていたアベノミクスの成果がどの程度進んでいると考えているのかをまずお尋ねをしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 二年半前、安倍政権が発足した際、我々は、デフレから脱却をして力強く経済を成長させ、この経済成長の恩恵を多くの国民が受け取ることができるようなそういう経済をつくっていく、そうお約束をしたところでございますが、現在はデフレではないという状況をつくり出すことができました。
 そして、企業の経常利益は過去最高水準になっています。かつ、利益を上げた企業の利益がしっかりと国民の皆様に均てんしていく、それは給料という形で均てんをしていかなければならないわけでありますが、政労使の取組を行った結果、昨年に続き今年も賃上げ率が二%を超え、十七年ぶりの高水準となりました。また、雇用においては有効求人倍率は二十三年ぶりの高水準となり、給与においても雇用においても大きく改善をしてきております。この経済の好循環は着実に回り始めているわけでございます。そして、我が国を覆っていた暗い空気を一変させることができたと考えております。
 そしてまた、さらに、これまでできるはずがないと言われていた改革に取り組み、六十二年間地域独占で守られていた電力やガスの小売市場の完全自由化や、患者の皆さんの申出を起点として先進的な医療を迅速に患者の皆さんが受けたいと思える医療を受けられるようにする新たな制度、患者申出療養の導入を実現するための法案を成立をさせてまいりました。
 またさらに、六十年ぶりの農協の抜本改革や多様で柔軟な働き方の改革を、この国会でそのための法案を提出しているところでございまして、私たちの改革については市場においても評価をされているものと思うわけでありますが、更にしっかりと改革を進め、成長戦略を進め、しっかりと国民の皆さんに感じ取っていただきたいと思います。
 また、最低賃金でございますが、これも所得の低い方々にとって大切であります。この最低賃金を二年連続で大幅に引き上げ、平成二十六年度には生活保護との逆転現象を初めて全都道府県で解消しました。政権交代後三年目となる今年も昨年を上回る引上げとなる目安額が答申されたところでありまして、大幅な引上げが可能となるよう、中小・小規模事業者の方々の転嫁対策を含め、万全の対策を講じていくところでございます。
○岡田広君 総理からいろいろ答弁いただきました。最低賃金の引上げについても更に努力をしていただきたい。やはり、大企業の内部留保は更に増えています、増え続けている。是非、賃金の引上げについても、経済界を始め、要請をお願いをしたいと思っています。
 政府は六月に基本方針二〇一五を閣議決定し、その中に経済・財政再生計画を盛り込んでいます。アベノミクスの経済効果とともに消費税率引上げもあり、この二年間で税収は平成二十四年度決算の四十四兆円から二十六年度決算で五十四兆円と、約十兆円も増加をいたしました。政府が目標としてきた二〇一五年度までのプライマリーバランス半減は、当初は達成が難しいと言われておりましたが、今や達成が見込まれるところに来ています。財政健全化には経済の回復が大切であるということだと考えます。二〇二〇年度までの黒字化目標の達成についてはなお多くのハードルがあり、当面は、二〇二〇年度目標達成に至るまでの中間地点での目安として、二〇一八年度にプライマリーバランス赤字の対GDP比をマイナス一%とすることとしております。
 この財政健全化に向けた政府の基本姿勢をお伺いするとともに、あわせて、経済再生なくして財政健全化なしとの方針の下に、二〇二〇年度のプライマリーバランス黒字化に向けた総理の決意をお尋ねしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 経済再生なくして財政健全化なし、これが安倍内閣の経済財政運営の基本哲学であります。二〇二〇年度の財政健全化目標を堅持し、経済・財政一体改革を不退転の決意で断行していく考えであります。
 本年六月に、経済と財政双方の一体的な再生を目指す経済・財政再生計画を定めたところでありまして、デフレ脱却・経済再生、歳出改革、歳入改革の三本柱により、二〇二〇年度の国、地方の基礎的財政収支の黒字化の実現を目指すこととしております。具体的には、成長戦略を拡充、加速することに加えまして、公的サービスの産業化、インセンティブ改革などの取組を通じて、経済への下押し圧力を抑えつつ公的支出を抑制するとともに、予算編成に当たり、一般歳出の水準等の目安を踏まえつつ歳出改革に取り組み、あわせて、経済構造の高度化、高付加価値化を進めること等を通じて新たな歳入増を実現することなどに取り組んでまいりたいと考えております。
○岡田広君 二十八年度予算編成においては、いかに景気回復を推し進めていくかということとともに、経済財政の健全化を進めることも大変重要であると考えますので、この視点も忘れないでいただきたいと考えております。
 地方創生について石破大臣にお尋ねをいたします。
 地方創生を後押しするための新型交付金につきまして、平成二十八年度予算で一千億規模、国費ベースでありますが、これを要求すると伝えられています。しかし、この新型交付金の規模につきましては、更に増額すべきとの地方の声が多いのも事実であります。
 そこで、確認をさせていただきたいと思いますが、この国費で一千億規模というのは事実上の上限なのか、あるいは更に増額に向けて更に努力していこうと考えているのか。また、このような財政的な対応については、単年度ではその効果を十分に発揮することが難しいと考えます。政府は新型交付金をどの程度継続して実施していくつもりなのか、お尋ねをします。また、この新型交付金の使い道については、事業の分野や対象となる経費に制約を設けず自由度を高める必要があると考えますが、併せてお尋ねをしたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) 来年度の予算編成に当たりましては、事項要求ではなく、委員御指摘のように、国費ベースで一千億、事業費ベースでいけば二千億超ということになろうかと思っております。これに加えまして、地財計画の歳出に一兆円、また各省庁の地方創生関連で七千億ということになっております。二十六年度補正で千七百億でございましたから、事業費ベースで二千億というのは昨年を上回るものだというふうに考えておるところでございます。
 やはり地方創生というのは一年や二年でできるお話ではございません。これ、やはり各自治体にお願いしております総合戦略、これは五年を目途ということを申し上げておりますので、やはり五年というのは念頭に置かねばならない数字かなというふうに思っております。
 あわせまして、これは何にお使いをいただいても結構なのですが、今の補助金のメニューにないもの、今の補助金のメニューではどうもどれも当てはまらないな、例えばCCRCでありますとか、まだ元気な高齢者の方が地方に行って、サービスの受け手ではなくて出し手として、そしてコミュニティーをつくって活躍していただく、そういうのがCCRC、あるいは新しい観光の組織であるDMOみたいなものは今の補助金にメニューがございません。しかしながら、それをやらねばならないということでございますので、自由度が高いということはそういうことだと考えております。
 あわせまして、どこも同じようにお配りするというようなことはいたしません。それは先駆性のあるもの、あるいは地域にまたがったような新しい取組。先般、委員の御地元であります茨城にもお邪魔をいたしましたが、そこにおいては、高萩あるいは北茨城と同時に、県は違うけれども、いわき市も入っていろんなことを計画をしておるわけですね。
 そういう先駆性、あるいは地域をまたいだ取組、官民連携、そういうようなものを本当に真剣に考えているところに対しましては、当然それなりの新型交付金というもので対応させていただきたいというふうに考えておるところでございます。
○岡田広君 ありがとうございました。地方創生に更に取り組んでいただきたいと考えています。
 地方創生というのは、国の押し付けではなくして、地域が持っている潜在的な力を最大限に発揮させるということが一番重要なんだと考えています。一方、知恵や情報については、なかなか各地域、自治体においてその蓄積にばらつきがあるということも否めないことであります。地方創生において民間や国、ほかの地域が持つ知恵を共有するためには、地方に対して国においても様々な情報を提供する体制を強化することが重要でないかと考えますが、これは石破大臣に要望をしておきたいと考えております。
 次に、ゆうちょ銀行の預入限度額の見直しについて、安倍総理にお尋ねをいたします。
 今年の秋には郵政三社が上場を目指すこととされていますが、限度額引上げの基本的な姿勢についてのみ確認をさせていただきたいと思います。
 自民党総務会は、このゆうちょ銀行の預入限度額の引上げ方針を、いろんな議論がありましたけれども、最終的には了承をいたしました。国民、利用者の利便性を考え、本年九月までに二千万円、二年後までに三千万円に引き上げ、将来的には撤廃するとしております。これについては、郵政民営化委員会が郵政民営化の推進の在り方という幅広い視点からパブリックコメントを求めたところと認識をしております。
 言うまでもなく、ゆうちょ銀行は、融資業務が制限されているものの、二百兆円を超える資産を運用する巨大な金融機関であり、預入限度額の引上げは金融市場において極めて大きなインパクトが生じることとなると思います。
 私は、平成三年から続いている現行の限度額である一千万については、ゆうちょ利用者の利便性向上という観点からも一定の見直しはやむを得ないと考えております。一方で、地域金融の実情を十分踏まえた議論も必要であると考えます。こうした点につきまして、総理の基本的な考え方をお尋ねしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 政府としては、最重要課題である郵政三社の株式上場を成功させるとともに、郵政民営化を適切に推進していくことが重要であろうと考えています。
 先般、金融担当大臣及び総務大臣から郵政民営化委員会に対して、株式上場の動向等を踏まえた今後の郵政民営化の推進の在り方について調査審議要請を行ったものと承知をしております。幅広く御審議いただけるものと考えています。
 ゆうちょ銀行の預金限度額の見直しについて、いろいろな意見があります。党内でもいろんな御意見が表明されたと承知をしておりますが、郵政民営化法の規定を踏まえ、同委員会の意見も聞きながら適切に判断していきたい、対応していきたいと考えております。
○岡田広君 次に、東京オリンピック・パラリンピックについてお尋ねをいたします。
 新国立競技場建設見直しについて、安倍総理にお尋ねをしたいと思います。
 新国立競技場の建設が議論になっています。当初の一千三百億円の建設費が三千億円近くまで膨れ上がり、最終的には安倍総理の判断で白紙撤回されることになりました。総理の英断を高く評価したいと考えております。
 しかし、人手不足や資材の高騰があったからといって、財政が厳しく、国民の税金を使って建設する施設がこれほど甘い見通しで造られることは絶対あってはならないわけであり、無駄遣いと言われても仕方がないんだろうと思います。民主党政権のときに決定されたデザイン案とはいうものの、それを抜本的に見直すことなく進めてきた現政権にも大いに反省するべきところがあると私は考えます。
 現政権として、まず、この見直しにつきまして、潔くしっかり国民に説明、おわびをすべきと考えますが、安倍総理、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今回の見直しについてでございますが、例えば、既に日本スポーツ振興センターは、計画の白紙撤回の前に設計者等と幾つかの契約を締結をしていたのは事実であります。しかし、当初の計画ではコストが予定よりも大幅に膨らみ、国民やアスリートの方々から大きな批判がございました。そのままでは皆さんに祝福される大会とすることは困難であるという状況でございました。このようなことから、先般、計画を白紙に戻し、ゼロベースで見直すことを決断したところでございます。
 白紙撤回の前に締結した契約による支出は、その当時は適正な支出ではありましたが、結果として、白紙撤回したものに貴重な公的資金を使用したことは申し訳ないと思っております。国民の皆様に対しまして申し訳ない思いでございます。いずれにせよ、この点についても文部科学省の第三者検証委員会において検証が行われるものと考えています。
 今後、新しい競技場を世界の人々に感動を与える場としていくこと、その大前提の下に、できる限りコストを抑制し、現実的にベストな計画を作るよう内閣全体で責任を持って取り組んでいく考えでございまして、何よりもしっかりとオリンピック・パラリンピックに建設を間に合わせ、さらには、多くの国民、世界に感動を与える場となるようにしていくことが私の責任であろうと、このように考えております。
○岡田広君 オリンピック・パラリンピックにつきましては、安倍総理の答弁にありましたように、多くの国民の皆さんに感動、感激を与えるということ、そのためには、やはり国民の皆さんの理解が一番大事であることは言うまでもないことであります。
 このことにつきましては、自民党が議論をして新国立の整備計画見直しに関する提言をまとめ、政府に提出いたしました。施設整備に当たり、民間の資金やノウハウを活用することを始め、競技場を建設せず既存施設を活用することも含めて検討する内容になっているわけでありますが、新国立競技場建設の見直しの教訓をこれからどのように生かし、今後新たな整備計画の策定を進めていくのか、大臣にお尋ねをしたいと思います。
○国務大臣(遠藤利明君) お答えいたします。
 新国立競技場につきましては、私を議長とする関係閣僚会議を中心に整備計画の見直しを進めておりますが、これまでの経緯を踏まえまして、大会に確実に間に合わせること、できる限りコストを抑制すること、国民やアスリートの皆様の御意見に耳を傾けることが重要であると考えております。
 このため、これまで私がアスリート等と十五回にわたり意見交換を行い、併せてインターネットを活用した意識調査を実施してきました。本日の朝六時の時点で約十九万件の回答を得ております。引き続き、国民の皆様やアスリート、あるいは建築家やマスコミの方々との意見交換を深めてまいります。
 今後の進め方としましては、秋口にも政府として新しい整備計画を作成した後、年明け頃までには設計、施工を行う会社を決定したいと考えております。新しい整備計画を策定した後の完成までのプロセスにつきましても、関係閣僚会議で点検し、着実な実行を確保してまいります。
 いずれにしても、新国立競技場については、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックに確実に間に合わせるよう完成することが重要だと認識しております。
○岡田広君 遠藤大臣、ただ、国民の、あるいは関係機関のいろんな多様な意見に耳を傾けながら、期間も決められておりますので、スピード感も持ってこれを対応していただきたいと思っております。
 安倍政権がスタートしたときには、この東京オリンピック・パラリンピックは招致は決定をしておりませんでした。二〇二〇年の今回のオリンピック・パラリンピックの東京開催が決まったことは、まさに安倍内閣の功績と言えるのではないかと考えています。
 二〇二〇年に向けて公共投資や社会インフラの整備が進む、海外からの旅行者も増える、技術開発が進み、地方経済の活性化にもつなげていかなければならないと考えています。そして何よりも、このオリンピック・パラリンピックを成功させるためには、日の丸がたくさん揚がること、メダルを獲得するということも大事、それが多くの国民の皆さんに感激を、感動を与えることになるんだと考えます。
 二〇一二年のロンドン・オリンピックの獲得メダルは過去最高で三十八個でありました。明年開かれるリオ・オリンピック、あるいはこの東京オリンピックのメダルの獲得目標をそれぞれどのぐらいに設定されているのかも併せてお尋ねをしたいと思います。
○国務大臣(遠藤利明君) オリンピック・パラリンピックの成功は、何よりも安定した運営、そしてレガシーを残すことも大事でありますが、とりわけメダルの確保は国民の皆さんに夢と希望を与えるという意味からも大変大きな価値があるものと思っております。
 これまでオリンピック・パラリンピック競技大会における日本選手団が獲得した最高のメダル数は、夏季オリンピックでは二〇一二年ロンドン大会の三十八個、冬季オリンピックでは一九九八年長野大会での十個、夏季パラリンピックでは二〇〇四年アテネ大会の五十二個、冬季パラリンピックでは一九九八年長野大会の四十一個であります。
 また、二〇一六年リオデジャネイロ大会における日本のメダル獲得目標は、オリンピックにつきましては、JOCの掲げる金メダル獲得数二桁、過去最高のメダル獲得数、またパラリンピックにつきましては、日本パラリンピック委員会、JPCの掲げる金メダル獲得ランキング十位、メダル総獲得ランキング七位をそれぞれ目標としていると承知をしております。
○岡田広君 今、遠藤大臣から答弁がありましたこのメダルの目標を実現するために、選手強化が重要であるのは言うまでもありません。この選手強化予算の獲得もしっかりやっていただきたいと思っております。選手強化方策の策定に当たっては、JOCや各競技団体の意見だけでなくして、強化対象となるアスリートからの意見ももっと反映させるべきと考えます。
 その一方で、メダルを獲得した選手への報奨制度の充実も重要であると考えます。日本は諸外国に比べて十分と言えない状況であります。この制度をもっと充実させるためには国からの支援が必要であると考えますが、遠藤大臣の見解を求めたいと思います。
○国務大臣(遠藤利明君) 現在、我が国のメダリストの報奨金の額は、日本オリンピック委員会において、金メダリストに対しましては三百万円、銀メダリストに対しましては二百万円、銅メダリストに対しましては百万円となっております。なお、諸外国において多くの国で報奨金制度を設けておりますが、例えばアメリカやドイツは日本と同額程度の水準であり、イギリスは報奨金制度を有していないと承知をしております。
 報奨金やその額については、各団体で対応することでございますので団体の判断に委ねられているものと考えておりますが、国としても、その栄誉をたたえる観点から、報奨金について所得税と住民税を非課税とするとともに、メダリストへの顕彰を行っております。
 私としましても、文部科学省と連携して、こうした取組を通じ選手の競技力向上の意欲の喚起を図り、我が国の国際競技力の向上に努めてまいります。
○岡田広君 金メダル三百万、銀二百、銅百万ということで、これ、平成四年から全く同じ金額なんです。国が直接出しているわけではありません。オリンピック委員会が企業から協賛を募ってこの制度をつくっているわけです。しかし、今、安倍政権になってからも、去年でも企業の社内留保五十兆、今もう七十一兆という、この八か月ぐらいの間にもう二十兆以上増えている。やっぱりトヨタは円安もあって過去最高の収益とか、こういうところでやっぱり、しかし、オリンピック委員会にも努力をしてもらう。
 今アメリカの例を挙げましたけれども、タイは三千五百五十万、そして家付き、象付きということで約一億ぐらい。カザフスタン三千万。韓国は六百二十七万で終身年金も出しているんです。別に金額でこれは頑張るわけではないけれども、やっぱり結果としてそういうことの充実も必要なんだと、私はそういうふうに思っているところであります。
 オリンピックにつきまして、このパラリンピックは、子供たちがスポーツマンシップや努力の大切さ、障害者との共生などを学ぶ機会にもなり、教育的な価値も高いと考えます。このような観点から、オリンピック・パラリンピックに関する教育を全国的に推進していくべきと考えますが、文部科学大臣の取組を、お考えをお尋ねをいたしたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催は、御指摘のように、スポーツマンシップや努力の大切さ、共生社会、ボランティア精神の醸成やマナー向上等につながる教育を充実させる絶好の機会でもあるというふうに思います。
 文科省としては、二〇二〇年に向け、オリンピック・パラリンピック教育を日本全国で展開していくため、今年二月に有識者会議を設置し、オリンピック・パラリンピック教育の基本的な考え方や推進方策について検討を重ねているところでございます。今年七月に公表した有識者会議の中間まとめでは、各教育段階におきまして、効果的、継続的にオリンピック・パラリンピック教育の推進を図るため、地域の教育機関やスポーツ団体、民間企業等を巻き込んだ推進体制を全国各地において整備する必要性があることなどについて提言されているところでございます。
 また、文科省においては、今年度から、全国の学校でオリンピック・パラリンピックの意義、役割などの教育を促進するため、映像教材などを作成するとともに、各地域でのオリンピック・パラリンピック教育の効果的な推進方策に関する調査研究も行うこととしております。
 これらの取組を踏まえ、オリンピアンやパラリンピアンと子供たちとの交流活動などを含め、学校や地域のオリンピック・パラリンピック教育を幅広く展開をいたしまして、オリンピック・パラリンピック・ムーブメントをこれから全国津々浦々まで波及させていきたいと考えております。
○岡田広君 是非、子供たちにも夢を与えるオリンピック・パラリンピックに関する教育を全国的に推進していただきたいと考えます。
 ロボットオリンピックについてお尋ねをしたいと思います。
 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックの開催に合わせてロボットオリンピックの開催が挙げられています。日本再興戦略改訂二〇一五においては、技術開発や規制緩和、標準化により、二〇二〇年までにロボット市場を製造分野で現在の二倍、サービスなど非製造分野で二十倍に拡大される目標も掲げております。
 日本は産業ロボットにおいて世界一のシェアを占めています。認知症対策となる介護ロボットは成長産業としても期待をされています。今後、人とロボットが共生する社会に向けて、世界ロボットオリンピックを国民にしっかりとPRし成功させるべきと考えますが、安倍総理のお考えをお尋ねしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 政府は本年二月にロボット新戦略を決定し、二〇二〇年までに日本を世界一のロボット利活用社会とすることを目指しています。ロボットが介護、農業、中小企業など幅広い分野に応用されることで新たな開発が活発に行われる環境を生み出していきたいと考えています。
 ロボットによって、産業用のロボットはこれはもう世界的に有名でありますし、様々な分野で活用されております。そうしたロボット自体が安くなっていくことで中小企業も活用でき、生産性を向上させていくことができる。また、農業や介護といった分野にロボットを活用していくことによって、農業での生産性の向上、人手不足を補っていく、また、介護における分野においても、ロボットが活躍することによって、これは介護の質をしっかりと維持しつつ人手不足を、これを補っていく、あるいは力が足りないところを補うという形でロボットを使っていくことも大変必要だと思っております。
 二〇二〇年に開催予定のロボットオリンピックでは、人々がロボットをより身近なものと感じて、ロボットがある日常を具体的に考えるきっかけになるような競技種目を設定したいと考えています。今後、早期にロボットオリンピックの企画を具体化し、内外に発信し、成功に導いていきたいと思います。
○岡田広君 ありがとうございました。
 今、安倍総理から答弁がありました、農業への活用というお話もありました。酪農でも搾乳ロボット、これにつきましても、畜産クラスター事業ということで国は二分の一を補助しています。原発廃炉に向けてもロボットが必要です。
 茨城県のつくばではロボットスーツHAL、歩行・介護補助ロボット、様々なロボットがありますけれども、やはりこれから認知症は日本の最大の課題の一つだと思っています。会話をするということが認知症の対策になるんだろうと思います。会話ロボット、私の事務所にも一台、今ロボットが来ているんですが、何か名前をうちの秘書がタロウと付けました。シンゾウじゃなくてタロウなんですが、是非、財務大臣にも一度会話をしていただければと思っていますが。
 これは福島特措法の改正の中で、福島いわき、浜通りにロボットの産業拠点、世界一の産業拠点をつくるということが書き加えられました。まさに、福島を始め国民の皆さんの夢、高齢化そして認知症というのはこれから世界の課題になるのだと私は考えています。そういう意味では、これは最大の成長産業になり得ると思っています。
 是非、世界ロボットオリンピックは、福島、茨城県のつくば、ロボットスーツHAL、そして東京大学も研究をしていますから、東京―茨城―福島と常磐道をロボットラインと名前を付けて開催をしていただきたい、これは要望をしておきたいと思っております。
 時間ですから、最後に、甘利大臣にTPP交渉についてお尋ねをいたします。
 TPP交渉に関して、米の輸入拡大が報道されております。米は国会決議における重要五品目の中でも聖域中の聖域であります。現場では、米過剰、米価下落により大規模農家を中心に経営難に苦しんでおり、対策として飼料米に必死に取り組んでおります。同じく、TPPにおける牛肉・豚肉、乳製品の交渉について、セーフガード付きとはいえ長期的に関税が引き下げられる報道がなされ、この報道だけで畜産農家の廃業等に結び付いております。
 交渉内容は非公開ということでありますが、その交渉内容は現場の米生産者の評価を得るものなのか、あるいは日本の畜産業を守れる内容なのか。是非今後も国会決議を遵守し、国益を守り抜くこと、そして十二か国で合意をしてもらいたい、こういう要望をさせていただきたいと思いますが、最後に甘利大臣の答弁をお尋ねして、質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(甘利明君) 先般のハワイでの大臣会合、それぞれの国が大筋合意を目指して臨んだわけでありますから、マスコミにいろいろと数字が報じられていますが、全く数字が出ないということは申し上げません。ただ、パッケージ合意でありますから、全体がセットされて初めてそれが生きてくるということになります。
 我が方は、極力我が方に近い数字で妥結するように、常に農水委員会の決議を念頭に置きながら、こちら側に引っ張ってくるような交渉をしているつもりであります。ゼロ回答ということでありますと、これは何のために交渉に入ったのかということになりますから、交渉に入ってセンシティビティーを守るための闘いを続けているということでありまして、しっかりと決議を念頭に置きながら取り組んでいきます。
○岡田広君 甘利大臣、是非国会決議を遵守する、これはもう基本でありますから、是非そういう交渉で最後まで粘り強く十二か国で合意ということでお進めいただきたい、そのことを申し上げまして、時間が来ましたので質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
○委員長(岸宏一君) 以上で岡田広君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(岸宏一君) 速記を起こして。
    ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、蓮舫さんの質疑を行います。蓮舫さん。
○蓮舫君 民主党の蓮舫です。
 総理、通告をさせていただいていないんですが、先ほど岡田委員の質問に対する答弁について、幾つか確認をさせてください。
 昨日は長崎に原爆が投下されてから七十年目。総理にお戻りになられてからこの三年間、広島、長崎平和祈念式にずっと参加をされてこられています。今回、広島では非核三原則の堅持を削除、昨日の長崎では触れられました。そのことについて、今の答弁では、誤解を招くことのないように長崎で触れたと。誤解は招いたんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 非核三原則は当然のことであり、その考え方に全く揺るぎはないわけであります。その上において、広島の平和記念式典における挨拶では、これをまさに当然の前提として、我が国は世界で唯一の戦争被爆国として、核兵器のない世界の実現に向けて国際社会の取組を主導していく決意を表明したところでございます。
 しかし、毎年これずっとここで入っておりましたので、これが落ちたことによって我々はその主張を変えたのではないかという批判がございましたので、我々は今回、長崎における御挨拶の中でそのことを言及したところでございます。
○蓮舫君 ちょっとよく理解できないんですが、では、こういう角度から確認をさせてください。
 総理の公式行事における挨拶の原稿というのは非常に重いものです。総理秘書官あるいは関係省庁の担当者、二重三重にチェックをして、毎年度の整合性とか、あるいは新しい成果とか取組を盛り込んで、そしてチェックをして総理にお示しをして、総理が目を通して加筆修正することもあります。この広島での平和祈念式の御挨拶文には、元々、非核三原則という言葉はありましたか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今回、文案ができ上がる過程においては、これは官邸と外務省、そして厚労省において協議をするわけでございますが、その中において、協議をしたものについて最終的に官邸でそれを見るわけでございますが、その段階で、言わばそれを使用するかどうかというのは最終的に私の判断でございますが、私が判断をして、そして広島、長崎、それぞれ御挨拶を申し上げたところでございます。
○蓮舫君 つまり、総理が非核三原則を堅持という言葉を削除をした、そして、いろいろ誤解を招きかねなくて、長崎では入れたと。誤解を招いたことについておわびするべきではないですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、もとより非核三原則を堅持をしていくということは大前提でございまして、先ほどは岡田委員の方からも様々な他の御挨拶等の例としても挙げられたわけでございますが、当然それを前提としてそれぞれ御挨拶を申し上げるわけでございます。
 私の場合におきましても、これは当然の前提として、今回も、核兵器のない世界について我々はしっかりと国際社会の中において役割を果たしていく、国際社会においてリードしていくということを表明をしている、るる述べているわけでありますから、その文面を見ていただければ、当然、三原則を前提としているということは御理解いただけると、こう思ったわけでございます。
 その上において、国会においてまた様々な御指摘もいただきましたので、今回は、長崎における御挨拶においては、文言について、もう一度この文言を入れたわけでございます。
○蓮舫君 ということは、御自身の判断で広島の原稿から削除をしたのはやっぱり間違いだった、そういうふうに認めていいですね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、今申し上げましたように、大前提として、非核三原則を堅持をしていくということが大前提の上にお話をさせていただいているわけでございますが、しかし、委員会においてそうした御指摘もいただきましたので、誤解のないように長崎においては言及したわけでございます。
○蓮舫君 一方で、長崎の市長が昨日挨拶の中で、日本国憲法の平和の理念が揺らいでいるのではという不安と懸念が広がっていると、安保法案の慎重審議、それを求めました。被爆者代表の谷口さんは、戦争につながる安保法案は被爆者を始め平和を願う人々の思いを根底から覆そうとするもの、許せないと挨拶している。これは、単に法案への理解が足りないんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私どもは、まさに憲法の平和主義、この理念に基づいて、今回の法案におきましても、最大限まず外交において努力をしていく。そしてまた、七十年前の戦争の惨禍は二度と繰り返してはならないと、この決意の下に歩んできた平和国家としての道はいささかも変わりがないわけでありますが、その上においての万が一への備えをするものであり、かつ憲法の基本的な考え方を変えているわけではございませんし、憲法の範囲内における解釈を行い、そして今回の法整備を行っているわけでありますが、あくまでも国民の命を守り、そして平和な暮らしを守るために必要不可欠なものであると、このように思いますし、そのように先般もお話をさせていただいたところでございます。
○蓮舫君 その安倍総理の言葉が心に響かない、寄り添おうとしない姿勢が、私は国民の皆様方の安倍総理への不信につながっているんだと思います。
 総理だけじゃないんです。財務大臣、直前の通告になりましたが、まず確認したいんですが、戦争に行きたくないじゃんと発言し、デモ活動をすることは利己的ですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 突然の御質問ですけど、もう一回言ってください。
○蓮舫君 戦争に行きたくないじゃんとデモ活動をすることは利己的なものだとお考えですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 戦争は、今、日本では違法ということになっておるんだと思いますが。
○蓮舫君 そのとおりです。
 安保法案では、戦争法案ではない、違法だから戦争ではないと政府・自民党は説明をしている中、戦争に行くことを否定せず、学生らの内心の自由さえも踏みにじるような国会議員が麻生派の一人です。これ、注意されましたか。
○国務大臣(麻生太郎君) 政府としてコメントをするような話であるとは思いません。私、今政府の立場で答弁しているんだと思いますが、まず基本的にその立場だけはっきりさせておきます。
 その上で、武藤貴也自身に私が何を言ったかということに関しましては、八月の何日だか、五日だか七日だかに本人を呼んで話をしております。与党議員としてはいかがなものかという話をさせていただいて、時間を少々掛けて、きちっと分かるようにさせたと思っております。
○蓮舫君 八月六日、麻生派の会合です。安保法案の大切さを語られた後、自分の気持ちを言いたいなら法案が通ってからにしてくれ、法案が通ってからにしてもらっても十分間に合うから、法案が通るか通らないかが一番だ、その点を腹に収めてその上で対応してもらうことをお願いする。法案が通るまで本音は言うなということでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 法案の審議に入る前に、十分本人はこのことに関しては発言をしておりますから、もうこれ、自民党で決まっているんですから、政府として決めた話ですから、決めた話を法案として提出した以上は、言いたいことがあるんだったらその前に言っておかないかぬと、言った上での話ですから。したがって、私どもとしては、当然のこととして、この法案を通すというのが私どもに与えられた今目下の優先順位の一番ですから当然でしょうと、こういう話をさせていただきました。
○蓮舫君 総理、この自分の発言を撤回しないとしている武藤代議士、あるいは麻生さんの法案が通ってから物を言ってくれという話、これ、両方とも注意されますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 麻生副総理がどのように注意されたのかということを、私はつまびらかに承知はしておりません。また、武藤議員の発言の全文を私も詳細に見ているわけではございません。一々の議員における発言につきましては党に任せているわけでありまして、党において、これは幹事長の方で、幹事長室の方で問題があればこれは注意をすると、そして対応するということになっているわけであります。
 いずれにいたしましても、これ戦争ということについては、先ほど麻生副総理がお話をさせていただきましたように、そもそもこれは国際法において違法ということになっているわけでありますから、日本がその違法な戦争をそもそもするわけがないということでありまして、この前提がそもそも間違っているということでございます。
○蓮舫君 自分に都合の悪いことは全部党に任せている、自分からは注意をしないという姿勢だということがよく分かりました。
 次に、新国立競技場です。
 総理の見直しの決断、これ率直に評価をいたします。白紙撤回の理由は何ですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 白紙撤回につきましては、これは建設費がだんだんかさんできたということの中において、国民的な批判もあり、またアスリートの皆さんからも、こうした競技場の建設に膨大な予算を使うよりも、アスリートの育成等に、強化費も含めた、あるいはスポーツ環境をより改善していくことのために国家資源を使う必要があるのではないかという意見があったわけでございます。
 オリンピックというのはまさに国民の祭典であり、そして主人公は国民お一人お一人であり、またアスリートの皆さんが主人公である中において、多くの皆さんから祝福される大会にならなければならないと、このような考え方から白紙撤回をしたところでございます。
○蓮舫君 つまり、国民の声に背中を押されたと理解していいですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは国民の皆様の大会でありますから、国民の皆様の大会として、その大会の主な競技場となる競技場に対してこのままではおかしいという声が上がっている以上、それは変えるべきだと、このように考えたところでございます。
○蓮舫君 安保法案の説明不十分と考える国民が八割、反対が六割、今国会の成立に反対が七割。安保法案も国民の批判が新国立競技場と同じく高く、さらに、歴代法制局長官、憲法学者、元政府関係者、自民党前国会議員から違反という批判の声が上がっています。この声には応えて見直ししますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 政策一つ一つについて世論調査の結果に沿って判断するのであれば、これは国会議員も政府も要らないということになってしまうわけでございまして、我々の見識の中において判断をせねばならないこともあります。
 そして、まさにオリンピックのこの競技場につきましては、そもそも当初の案よりも大幅に建設費が膨らんでいるという中において国民の皆様の御批判があった、それは私は大変もっともな御批判だったんだろうと、こう思うわけであります。繰り返しになりますが、まさにオリンピックというのは国民みんなのこれは祭典であり、その中で多くの方々から祝福されなければならないと、こう考えたわけであります。
 同時に、これは、国民の命を守るための法制につきましては、我々は、憲法の枠の中において必要な自衛の措置とは何かということについて考え抜いていく責任が、国会議員にも、政府にあるわけでありまして、私たちはその責任を国際情勢を見据えながら果たしていく、判断をしていく、それは私は当然のことであろうと、こう思う次第でございます。
 残念ながら、国民の皆様にまだ十分に理解が届いていないのは事実でございますから、今後、参議院の委員会等を通じて努力をしていきたいと、このように思っております。
○蓮舫君 総理が聞く国民の声、聞かない国民の声、その違いが私には全く分かりませんでした。
 白紙撤回の決断は評価しますが、この国立競技場が見直さなければならなくなった最大の問題、これ端的に言って何だったと思いますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今回見直さなければならなくなったという原因は何かということでございますが、第一に、まずこれは当初の予定よりも費用が大幅に膨らんできたということでありまして、白紙撤回しなければならなかった理由は、その費用が膨らんだことの根本はデザイン自体にあったわけでございまして、このデザインを変えなければならないということの中において白紙撤回をしたところでございます。
○蓮舫君 総理、私と考えが違います。これまで何度も国会で見直しを求めて私たちが提案してきたら、現行案で建設として一切耳を貸さなかったじゃないですか。
 求めても全く情報を公開してこなかったこと、これも大きいんです。国会で行政監視しようにも、国民が知ろうとしても、JSC、文科省からは検討中で情報が一切開示されませんでした。しまいには、白紙判断一か月前から、資料の一、下村文科大臣、フェイスブックで公言していますが、極秘に検討。国会に本当のことを言わず、文科省もJSCも民主党のヒアリングで報道で撤回を知ったと答えた有様です。
 国民には二千五百二十億という数字だけが突然発表かと思いきや、今度は白紙撤回。情報が公開されてこなかった、このことはお認めになりますか。
○国務大臣(下村博文君) まず、これは全然責任転嫁するつもりありませんが、あのザハ・ハディド氏の案が、これにのっとって新国立競技場を建てるという経緯があったわけでございます。その中で、ちょっと詳細に申し上げれば、今年四月に……(発言する者あり)簡単ですから、簡単に言います。
 ザハ案の問題点、工期や費用についてJSC理事長からの報告を受け、直ちにコストの縮減等について検討を指示しました。また、私自身も様々な関係者からの話を聞いて研究を行いました。(発言する者あり)今の話です。いや、関係者の中で、情報公開でありますけれども、これはいろんな……(発言する者あり)蓮舫先生、蓮舫先生、蓮舫先生、いろんな案の中の研究については、これは一つ一つ出すことはないと思います。ザハ・ハディド氏の案についてきちっと説明するというのが情報公開だと思います。
○蓮舫君 私たちの政権時に、千三百億でザハ案で決めることは確かに決定しました。翌日解散、一か月後に政権交代、それから二年八か月。この間に、あの千三百億がどうなっているのか、デザインの上に、どれだけ資材が高くなっているのか、人件費が高くなっているのか、工期がどうなっているのか、どこで誰が決めているのか、ずっと国会で求めていて、検討中で出してこなかったのは今の政権です。それがようやく昨日、情報が公開されました。新国立競技場整備計画検証委員会、白紙撤回までの競技場改築計画の時系列の報告書。
 JSCに伺います。今年一月から二月上旬、ゼネコンから示された概算額、工事、幾らでしたか。
○参考人(河野一郎君) 三千億超でございます。
○蓮舫君 ゼネコンが示した額は三千億。同じ時期にJSCと設計JVが試算した同じ工事の工事費概算額は幾らですか。
○参考人(河野一郎君) 約二千百億でございます。
○蓮舫君 ゼネコンが三千億、JSCが二千百億。九百億の乖離は何ですか。同じ建物の概算額です。九百億は何が違ったんですか。
○参考人(河野一郎君) 概算を取る際の与条件等の扱いが違ったものと思います。
○蓮舫君 重立った条件の扱いの違いは何ですか。
○参考人(河野一郎君) 例えば、資材の調達先を国内にする、あるいは国外にする等々の違いだと思っております。
○蓮舫君 九百億の乖離は埋められるものでしたでしょうか。
○参考人(河野一郎君) 調整の結果、その乖離は、二千五百二十というところに収まったものでございます。
○蓮舫君 埋められるものだったんでしょうかと伺いました。(発言する者あり)
○委員長(岸宏一君) ちょっと皆さんお静かに聞いてください。
○参考人(河野一郎君) 最終的には埋められなかったと思います。
○蓮舫君 二月十三日、ゼネコン提示の三千億と同時に、JSCが設計者と試算した二千百億の乖離を埋めることは困難とJSC自らが文科省に報告しているじゃないですか。最初から埋められないと報告している。
 これ、文科省にお伺いします。文科省はこの乖離が埋められないと説明を受けて、どんな指示を出しましたか。
○委員長(岸宏一君) 誰ですか、お答えするのは。(発言する者あり)
 ちょっと速記止めて。
   〔速記中止〕
○委員長(岸宏一君) 速記を起こして。
○政府参考人(高橋道和君) 文部科学省からは、ラグビーワールドカップの開催を必須とした工期の短縮方策の検討等を指示をいたしております。
○蓮舫君 工期短縮の調整、コスト縮減を指示したんじゃないですか。
○政府参考人(高橋道和君) 失礼いたしました。
 文部科学省からは、工期短縮の必要性やコストの縮減を指示しております。
○蓮舫君 二月十三日に、三千と二千百の乖離は埋められません、それを何とか埋めろという指示を出して、三月二十五日にその結果が報告されました。文科省、どんな報告ですか。
○政府参考人(高橋道和君) JSCから三月二十五日に文部科学省に報告がありましたのは、工期は、二〇一九年春の竣工には開閉式遮音装置の後施工が必要になること、コストについては、JSC、設計者の試算額及び技術協力者の概算見積額には大幅な乖離があること、こういうことの報告をいただきました。
○蓮舫君 つまり、見直しをしたら、屋根先送りにする、それでもお金はこれ以上圧縮はできませんという報告なんです。
 大臣、大臣はこのことをいつ知りましたか。
○国務大臣(下村博文君) 四月になりまして、河野理事長から直接お聞きしました。内容は、このままでは二〇一九年の春の竣工は間に合わないと、またコストが大幅にアップするということの中で、その場で開閉式膜については二〇二〇年以降に先送りをすると。また、更なるコスト削減について努力をするようにということを指示いたしました。
○蓮舫君 ゼネコンが三千億の概算、JSCが甘い概算で二千百億、乖離が埋められていないとの最初の報告は二月十三日、その後見直しをして、屋根を先送り、でもやっぱりこの額は埋められないとの報告が三月二十五日、最初の報告から二か月後、次の報告から二週間後、何で大臣にすぐ報告を上げなかったんですか。
○政府参考人(高橋道和君) この間はJSCと事務当局の間で調整をしたものと承知をいたしております。
○蓮舫君 つまり、文科省とJSCが内々にこれは大変なことになるから、埋められない、これ報告できない、二か月がここでもう既に浪費されてしまったんです。
 大臣は、この新国立競技場、国民的にも関心の高い情報をすぐ自分に上げろという指示を省内、JSCに出していなかったんですか。
○国務大臣(下村博文君) これまでも、当初は一千三百億、その後一千六百二十億ということの中でいろんな経緯がありました。今回の、今年の二月、三月の、今御質問でございますが、そういうそれぞれの専門家が議論していることでありますので、相談が来れば、私は専門家ではありませんが、きちっと指示、指導していたと思いますが、まずは自分たちで努力して解決していこうと、そういうそれぞれの担当者がしてきたことだと思います。
○蓮舫君 済みません、相談が来ればという受動的体制だったんですか。それで二か月無駄に使われてしまったんですよ。つまり、相談来るまでに指示は出していなかったということですね。
○国務大臣(下村博文君) 元々、昨年の十二月に技術協力ということでゼネコン二社が決まって、そして設計会社と、そこからスタートしたという経緯がございましたから、事前にそのような違いがあるということについては、これは私自身は認識しておりませんでした。
○蓮舫君 この程度の認識能力だから、全ての責任がどこにあるか分からないまま二年八か月漂ってきたんじゃないですか。大臣の管理能力、これだけでも問われるんですが、経緯報告書を見ると、下村大臣が見直しや圧縮を指示したという言及が実は一言もないんですね。つまり、相談が来るまで何もしない大臣、だからここに至ったんだということが今よく分かりましたが。(資料提示)
 もう一つ、今まで二千五百二十億で、総理も大臣も、とにかくこのままいくんだいくんだ、見直さないと言って、七月十四日、そこから三日後に突然の白紙撤回。その白紙撤回のときには、一か月前から検討していた、ところが、発表された経緯報告書を見ると、一か月前に検討したという記述はどこにもありません。一か月前は、二千五百二十億で、JSCとゼネコンが文科省と確認の上、協議に合意とあるんですね。
 なぜこれ、見直しを検討中として契約を全て止めなかったんですか。
○国務大臣(下村博文君) 今年の四月にザハ案の問題点、これは先ほどありましたが、工期と費用、このことについてJSC理事長から報告を受け、私も直ちにコストの縮減等について検討を指示いたしました。また、私自身も様々な関係者から意見を聞いて研究を行いました。その上で、六月にザハ案とそれから見直し案について総理に御説明をした際、それぞれの案のメリット、デメリットを説明いたしました。
 ただ、私としては、見直し案では、特にラグビーワールドカップ二〇一九には間に合わないと考え、またオリンピック・パラリンピックにも間に合うかどうかについて確信が持てなかった、そのことについても総理に申し上げました。その際、総理から、工期も含めて本当に見直すことができないのか、更に研究を進めてほしいとの指示がございました。
 そういう中で、最終的に確信を持って見直しができるということで総理に御報告したのが七月の十七日ということでございます。
○蓮舫君 いや、この三日間で何か明らかになったことがあったんですか。総理、この三日間で何か大きな変化があったんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 六月にザハ案と見直し案について下村大臣から説明を受けた際、それぞれの案のメリット、デメリットについて説明がありました。下村大臣からは、見直し案でも特にラグビーワールドカップには間に合わない、また、オリンピック・パラリンピックにも間に合うかどうかについても確信が持てないとの説明がありました。その際、私からは、工期も含めて見直すことが本当にできないのか、更に研究を進めてほしいと指示をしました。
 その後、下村大臣から随時状況の報告があったわけでございますが、七月十七日になって下村大臣から、新たに事業者選定を行うこととし、選定まで約半年、設計から工事完成まで五十か月強で、今月中に見直しを判断すればぎりぎり二〇二〇年東京大会に間に合うとの報告を受け、計画を白紙に戻してゼロベースで見直すことを決断したところでございます。
○蓮舫君 いや、答えていないんですよ。
 十四日に国会で見直しをしたら間に合わないと言っていて、その三日後に突然の白紙撤回。この三日にあったのは、安保法案の衆議院での強行採決ですよ。それ以外には何もないでしょう。だって、一か月前から検討を見直しているんだったら、通常はこの検討中に見直すかもしれない結果になるので、契約は全部止めるべきじゃないですか。
 JSCに伺います。この契約を止めなかった七月九日にゼネコンと六十億で建設契約しました。白紙撤回でこの契約どうなりましたか。
○参考人(河野一郎君) 七月七日の有識者会議で方向性について賛同いただきましたので、その日のうちに下村文部科学大臣に御報告し、契約についてもお諮りをして、そこで進めることを決定させていただいたものでございます。
○蓮舫君 つまり、知らされていないから、契約するしかなかったんですよ、進めてきてしまったんですよ。
 総理、この六十億はどなたがお支払いになるんでしょう。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 下村大臣は一か月前から見直しの検討を行っていましたが、七月九日の時点では見直し案でも特にラグビーワールドカップに間に合わないと考えられ、またオリンピック・パラリンピックにも間に合うかどうかについても確信が持てなかったことから、JSCが施工予定者と最小限の資材調達に必要な契約を結ぶことは止めることはなかったと聞いております。つまり、現行案も進めていかないと、これは工期どおりにいくかどうかという問題もありますので、それはそれとして進めていく必要があったわけであります。
 しかし、これらはいずれもほぼ未履行であるために、大部分について支払が不要の見込みで、大部分においては支払う必要がないというふうに承知をしているところでございます。
○蓮舫君 最終的に結果オーケーだからいいでしょうという説明では納得できないんです。見えないところでの検討が最大の問題だったんです。検討しているんだったら、国会でも、検討している、契約は全部止める、見直すかもしれないから待ってほしいと言えばいいだけの話を、何も知らせないでどんどん進めていった。
 では、伺います。下村大臣が総理にお示しをして、総理が二〇二〇年のオリンピックにぎりぎり間に合うと確信をした工事の工程表をお示しください。
○国務大臣(下村博文君) それは私が七月の十七日に総理に示したものですので、まず私の方から答弁させていただきたいと思います。
 新国立競技場の整備に当たっては、全く新しいデザインとした場合、これまでは工事完成までの所要期間を六十一か月と見込んでおりました。その後、さらに、専門家の意見を含めて検討を進め、事業者選定までで約半年、設計から工事完成まで五十か月強という案を考えたところでございます。
 この案というのは、昨年、平成二十六年に、公共工事の品質確保の促進に関する法律の一部を改正する法律案が施行されました。これは、実施可能となった技術提案交渉方式による新たな設計・施工一括方式、設計交渉それから施工タイプ、これを導入することでありまして、これについて初めて、これをスキームとして活用すれば、この案によって設計から工事まで一貫して行うことにより、設計段階からの建設資材の発注など工事の事前準備を行う等の作業の効率化が図られ、工事完成までの期間を五十か月に短縮することができると。これは法律だけでなく、そのような専門家の方々に、この法律のスキームにのっとってやった場合に間に合うという確証が得られましたので、七月の十七日に安倍総理にこれを提案させていただいたところであります。
○蓮舫君 ずっと六十一か月掛かるからできないと言われてきた。国会で六十一か月掛かるから絶対に見直さないと言っていたものが、僅か一か月の極秘の数人だけの検討で、いきなり四か月圧縮できた、五十七か月でできるようになった。
 更に懸念されるのは、先ほど総理も言いました、その見直しができる案というのは出口が二〇二〇年の春です。ところが、都知事にIOCから二〇二〇年の一月までに造ってくれと要請がありました。これ、確認しましたか。
○国務大臣(遠藤利明君) 報道で聞いております。近々IOCの関係者が私に説明に来たいと、協議をしたいという話を聞いておりますので、お会いする予定であります。
○蓮舫君 いや、この感覚の鈍感さにあきれるんです。
 いいですか。六十一か月掛かるのが、ようやく見直して五十七か月でできるようになった。でも、IOCから言われていることが本当なら、更にそれを二か月削らなきゃいけないんです。それが実現可能かどうかというのを誰よりも確認しなければいけない大臣が、何で確認しないんですか。(発言する者あり)
○委員長(岸宏一君) 静粛に。静粛に。静かに聞いてください。
○国務大臣(遠藤利明君) 先ほど申し上げましたように、IOCから協議をしたいという申出がありますので、今連絡を取って日程調整をしております。
○蓮舫君 文科大臣も部下から相談が来るまで動かなかった、遠藤大臣も、報道があるけどまだ自分のところに言ってこないから動かない、大丈夫ですか、この体制で。
 さらに、本当に二か月削って、総理も二〇二〇年春ぎりぎりだと言って決断したものをまた二か月削るのは現実的に可能なんでしょうか。
○国務大臣(遠藤利明君) 先ほど申し上げましたように、IOCからそういうことで協議をしたいという話を聞いております。近々協議をする予定でいます。それと同時に、今私の下にあります推進室で、二〇二〇年の春、ただ、努力として一日も早くやりたいという作業を進めております。
○蓮舫君 努力している割には報道ベースから、自分から情報を取りに行こうとされていない、非常に残念です。
 ところで、文科大臣、担当の局長が、定例の人事だとおっしゃいますが、定年まで一年以上残して辞められた。慰留されましたか。
○国務大臣(下村博文君) これは定例の人事でございます。後進に道を譲るということを含めて、総合的に私自身判断いたしました。
○蓮舫君 慰留はされましたか。
○国務大臣(下村博文君) 総合的に判断をしたということでありまして、慰留とかそういうことではありません。
○蓮舫君 定例の人事の割には、定年まで一年以上残しているんです。しかも、担当の局長です。辞めたいと言われたら、君が辞めるんじゃない、僕の責任だと言うのが本当は大臣の責任じゃないですか。
 総理、やはり私は一度ここはけじめを付けられた方がいいと思います。トカゲの尻尾切りで局長を辞めさせて、国会には本当のことを言わないで、しなくていい契約をしてしまって、二年八か月、ただただ膨張してきたこの計画、もう一回新しく出るんだったら、今の文科大臣は是非引責をさせるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この新国立競技場の問題は、我々が政権を取った段階においては、言わばザハ案、キールアーチ案が決まっていたのは事実でございます。そして、これは言わば国際コンペで決まったものであって、そのとき千三百億ということになっていたわけでありますが、同時にザハ氏が監修権を持つということに至るわけでございますが、その中において、言わばIOCとの関係もあります、そして国際調達という関係もあるわけでございますし、国際的なコンペで決めたものをそれはそう簡単には変えられないのは事実でございます。そこで、そもそもの契約の中において我々も努力を重ねてきたところでございます。もう少し早く決断すべきだったとの御指摘でございますが、我々にも反省点も多いところでございますから、検証をしっかりとしていきたいと、こう思うところでございます。
 しかし、七月の段階におきまして、六月からそのような指示をしたところでございますが、現行でいくかどうか、つまり、これは二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックというこれ期限があるわけでございまして、この期限に間に合わなければならないと。言わばそれを、代替案を出して果たしてそれでちゃんといくのかどうかという問題もあるわけでありますから、取りあえずは現行で進めている案で走らせながら、同時に、確信が持てればそれを変えていくということになるわけでございまして、そういう判断を我々は行ったわけでございますが、基本的には、このオリンピックを成功させる責任は最終的には行政府の長であるこれは私にあるわけでありますから、私は、このオリンピック・パラリンピックを成功させることによって責任を果たしていきたいと、こう決意をしているところでございます。(発言する者あり)
○委員長(岸宏一君) ちょっと待って。
 ちょっと今の質問は、答えていないとおっしゃっているので、もう一回質問してみてください。
○蓮舫君 下村大臣を辞めさせるおつもりはないということですね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 責任は私にあるわけでありますから、政府としては、下村大臣もまさに白紙撤回をした中において新しい案をしっかりと作成をし、遠藤大臣とともに作成し、そしてオリンピックを成功させることによって我々は責任を果たしていきたいと、こう決意をしているところでございます。
○蓮舫君 これまでJSCは、工費膨張の原因、物価高騰が二割、キールアーチなどの特殊性が七割という説明をしてきましたが、JSC、端的にお伺いします、デザインがこれだけお金が膨らんだ重立った理由ですか。
○参考人(河野一郎君) デザインだけではなく、一般的な物価高騰、そして東京、首都圏におけるオリンピック・パラリンピック大会決定後のいろいろな状況の変化と認識をしております。
○蓮舫君 ザハ事務所が自分の公式サイトで、建設費の高騰はデザインのせいではないと声明を出しました。これを見ると、建設費高騰はデザインのせいではなく、入札制限が多く、競争なき建設会社の指名、プロジェクトチームと建設会社の協力がなかったことが原因で、建設会社とともに働くことが許されなかった、不必要な建設費のつり上げ、完成日時の遅延といったリスクを高めたと指摘、ゼネコンの言い値価格が問題だと言っています。本当でしょうか。
○参考人(河野一郎君) ザハ事務所との契約は、デザイン監修者としての、設計JVの行う設計を監修する役割を前提としておりました。したがいまして、設計業務自体は設計JVが行い、実施設計段階における施工予定者が加わったという構造になっておりました。
○蓮舫君 競争のない状況を考慮し、仕様書の規模縮小で建設費を下げるという提言、低価格な代替案があった、低価格なスタジアムをデザインしてほしいという要求がなかったと言っています。本当でしょうか。
○参考人(河野一郎君) ザハ事務所から複数のコスト削減の提案を受けているのは事実でございます。そのうち、採用可能なペデストリアンデッキそのほかについては受け入れておりまして、おおむね過半数の内容を取り入れているところでございます。
○蓮舫君 先ほど総理は、国際的な信用の問題があって、見直すのは慎重に行ってきたと言います。それは正しいと思います。
 ザハ氏から総理に書簡が出されています。総理、読まれましたか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先月、ザハ・ハディド氏から私宛ての書簡が届きました。文部科学省の事務方がザハ事務所に確認したところ、書簡は私宛てに送付したものであり、ザハ事務所として現時点で書簡の内容を公表することは考えていないということでありました。したがって、私から書簡の内容について言及することは控えたいと思います。
 本件については、下村大臣と遠藤大臣で対応を検討中であるということを承知をしております。
○蓮舫君 八月七日も再び声明を出しています。総理の返信を待っております。国際的信頼の問題ですから、やはりここは誠意を尽くして、ザハ事務所にしっかりと返信を出して誤解を解いていただきたいと、これは要請をしておきます。
 次に、これからの話です。
 ザハ案がなかったことにして一からやり直す、ということは、つまり、ザハ案の建築計画で立ち退きや引っ越し等を要請していた関連工事も見直しになりますか。
○国務大臣(遠藤利明君) 私が総理大臣から指示を受けましたのは、二〇二〇年オリンピック・パラリンピックのメーンスタジアムである新国立競技場の本体の設計、施工についてであります。
○蓮舫君 つまり、競技場そのものだけを見直して、ほかは見直さない。
 隣接する都営霞ケ丘アパートは、元々、ザハ案のデザインの競技場を建てると敷地になるので立ち退いてくださいと言われて退去が求められていました。でも、このザハ案がなくなりましたから、この計画も中止にするべきではないですか。
○国務大臣(遠藤利明君) 現在、閣僚会議を中心に整備計画の見直しを行っておりますが、ゼロベースで検討を行う対象は、東京オリンピック・パラリンピックのメーンスタジアムの新国立競技場の本体の設計、施工のみであります。
 都営霞ケ丘アパートの敷地については、一体的に整備する必要があることから、東京都の都市計画において都立明治公園の再配置として公園、広場等を整備することとなっており、東京都において計画が中止されることはないと。東京都において計画が中止されることはないと想定しております。
○蓮舫君 一体的に見直すんだったら、本体が見直されているんだったら、それに附属したものも見直すのが当たり前じゃないですか。東京五輪の前に建設、五輪のたびに立ち退きで転居した方も入居されています。七割近くがもう六十五歳以上です。競技場予定地を白紙にしたら立ち退く必要性もなくなります。
 遠藤大臣は、新計画についてアスリートから意見は聞いていますけれども、ならば、この入居者の声も聞くべきではないですか。
○国務大臣(遠藤利明君) これまでも多くの皆さんに聞いてまいりました。これからもいろんな方から聞いてまいりたいと思います。
○蓮舫君 聞いたけど聞かないということが分かりました。
 次のフリップなんですが、今まで旧計画で使ってしまったお金が六十一億、これはもう既に報道されています。我々の会議で明らかになりました。白紙に戻す検討中に六十億の契約もしてしまった。
 実は、ほかにも白紙に戻したのに今なお白紙に見直さないからといって続けている契約があり、その総額が三百二十億円になることが分かりました。新たな競技場が建つから、その下に埋設した下水道を移動するとか、立ち退きで引っ越ししてもらう日本青年館の補償とか解体費とか、見直すのは競技場だけなのに、この旧計画に基づいた関連の契約、これ、遠藤大臣、本当に続けますか。(発言する者あり)
○委員長(岸宏一君) 静粛に。静かに聞いてください。
○国務大臣(遠藤利明君) 先ほど申し上げましたように、私が所管するのは新国立競技場の設計、施工であります。
○蓮舫君 いや、ちょっとよく考えてください。
 資料の五ページに付けました。新競技場は、そのサイズ全体の土地利用がもう白紙になったんです。旧計画を前提にした工事も、白紙にできるものは見直して、これ以上契約関連支出を増やすべきではないと提言をさせていただきます。
 総理と文科大臣が内々に見直しを進めているさなか、六月三十日、百六十五億の契約が交わされました。これは何ですか。(発言する者あり)
○委員長(岸宏一君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(岸宏一君) 速記を起こして。
○政府参考人(高橋道和君) 日本青年館・JSC本部棟の新営設計、工事、監理等の契約でございます。
○蓮舫君 最も費用が高いのがJSC本部棟工事、JSCが入居する新たな事務所ビルの工費です。こちらです。地下二階、地上十六階、高さが国会よりも高い七十メートル、延べ面積は三万二千平方メートル、オフィスのほかに全千二百五十席の劇場、全二百二十室のホテルから成る大型複合インテリジェントビルです。
 旧計画が白紙。何でこの計画は白紙にしないんですか。遠藤大臣。遠藤大臣。(発言する者あり)
○委員長(岸宏一君) 静粛に。静かに聞いてください。
○国務大臣(遠藤利明君) お答えします。
 青年館・JSC棟の建設につきましては、JSCと文科省が協議して進められると存じております。
○蓮舫君 文科大臣、見直しますか。
○国務大臣(下村博文君) ザハ・ハディド氏の新国立競技場計画デザインについては、これは総理からゼロから見直すということが指示されておりまして、見直します。
 ただ、この今回の国立競技場を解体し更地にして、その中で別の国立競技場を建てるという今整備計画を遠藤大臣の下で作っているわけでございまして、そういう意味ではやはり周辺の整備も必要でございます。それはやはり、今現在八万人規模を想定として、そして国立競技場建て替えを考えておりますから、旧来の国立競技場よりは相当規模が大きくなるということを考える中で、周辺についての見直しについては考えておりません。
 今回のこのビルについては、これは日本青年館がその件で移転せざるを得ないということの中での建て替えでございます。
○蓮舫君 いや、移転せざるを得ないという旧計画は白紙になったんです。そして今、この歴史ある日本青年館は、中身は壊しているんですけれども、外観そのものがまだ同じ場所に残っているんです。わざわざ巨額費用を掛けて引っ越さないで、この場所に建築すればいいじゃないですか。
 新築ビルの工費百六十五億円、うち税金やtotoで支出するのは幾らですか。
○参考人(河野一郎君) 百六十四億円のうち、JSCが負担する部分については四十七億円でございます。残りが日本青年館ということになります。
○蓮舫君 その四十七億はどなたが払われるんですか。
○参考人(河野一郎君) 新国立競技場設計のための特定目的勘定の中から支払われると承知しております。
○蓮舫君 特定目的勘定の財源は何ですか。
○参考人(河野一郎君) 国費及びスポーツ振興くじでございます。
○蓮舫君 オリンピックの競技場は、所有者であるJSCの大甘な計画と情報非開示と正直に伝えることのなかった姿勢によって全部がこじれました。最後に総理が白紙という決断までしました。にもかかわらず、誰も責任を取らないで、四十七億円の税金で自分たちの新しいオフィスは造るんですか。それを国民が納得するとお考えでしょうか。(発言する者あり)
○委員長(岸宏一君) 静粛にして聞いてください。
○参考人(河野一郎君) 日本青年館及び本部棟につきましては、文部科学省と御相談の上、御指示を受けながらこれまで進めてきております。
 独立行政法人の日本スポーツ振興センターとしては、実施主体として行っておりますが、文部科学省から指示を受けております、あるいは認可を受けました中期目標、中期計画などの国の方針に基づいてこれまで進めてきております。
○蓮舫君 確認します。この新しいオフィスビル、建築始まりましたか。
○参考人(河野一郎君) 始まっております。
○蓮舫君 建築そのものが始まっていますか。
○参考人(河野一郎君) 建築確認申請が終わっております。
○蓮舫君 正直に答えてくださいよ。書類申請はしているけれども、まだ工事は全く着工していないじゃないですか。
 これ、総理、まだ間に合います。四十七億も税金を出して、今なお日本青年館の場所はまだあるんです。あえて工事を、このJSCのために税金やtotoで捻出するんではなくて、この計画も白紙に見直すべきではないですか。いかがでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 今回の建て替えは基本的に日本青年館でございまして、そこにJSCの本部を三フロア置くということでございます。
 そういう御指摘もありましたので、JSCの活用については検討していきたいと思います。
○蓮舫君 やめるということですか。(発言する者あり)
○委員長(岸宏一君) 静かにして。静かに。
○国務大臣(下村博文君) まあこれは、よりコストが削減され、つまり国民の負担が掛からない形での創意工夫について、政府の中でしっかり検討してまいりたいと思います。
○蓮舫君 何かもう、どこかで聞いたような会話がさっきから繰り返されている。見直すんですか、見直さない、コストを下げていきます、そうやって失敗してきたのが新国立競技場じゃないですか。こんな焼け太りを認めちゃ駄目ですよ。
 是非、ここは総理、御決断された方がいいと思いますよ。いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま下村大臣から答弁をさせていただきました。国民の皆様の負担ができる限り低減していくように我々も検討していきたいと思います。
 また、今回の出来事について、JSCの責任についても今この検証委員会で議論をしているところでございます。そうした議論の結果も踏まえながら我々は様々な検討をしていきたいと、こう思っているところでございます。
○蓮舫君 その検討という言葉を今までずっと聞かされて、ようやく白紙撤回。コストを安くしていくと言いますけど、もう既に百六十五億契約しちゃっているじゃないですか。白紙撤回の見直しを極秘で行っている間に契約しちゃっているじゃないですか。
 JSCの責任も検討していくと言いましたが、ちょっと確認ですが、河野理事長、理事長を始めとしてJSCの中では何らかの誰かが引責をして、そして再出発をするというお考えはどこかで検討していますか。
○参考人(河野一郎君) 先ほど申し上げましたように、独立行政法人として国の計画に沿って新国立競技場に当たってまいりました。今回の総理の御決断に関しては重く受け止めております。現在は文科省からの指示をいただいていることをきっちり進めるということが必要だと思っております。
○蓮舫君 ザハ案を見直す、膨れてしまった新競技場を見直すというのは評価をするんですが、その後は全く評価できないんです。
 もう支払ってしまった六十一億、戻ってくるかもしれないけど検討見直しの間に契約して払ってしまった六十億、さらに旧計画で進んでいて止まっていない契約額、全部合わせるともう四百四十億使っちゃったんです。これは、現政権が決めた復興予算で被災地負担を求める二年分の額です。いじめの対策事業予算の十年分です。旧計画で下村大臣が努力したんですけれども、そこで見付けた財源の八割ぐらいをもうこれで使っちゃったんですよ。
 これは、総理、どなたがお支払いになるんですか。
○国務大臣(下村博文君) 蓮舫委員のこの資料の中で、支払わなければならない額、この見直しによって、これが六十一・二億、これについては謙虚にこれは反省し、おわびいたします。
 それ以外の、止まっていない契約額、これは新しく国立競技場を建て替えるについて、いずれにしてもこれは必要な額でありますから、これが毀損されるということではございません。
○蓮舫君 よくそういうふうに、毀損されると思わないと。だって、旧計画がなくなったのに、その旧計画に沿った工事がずっと進んで、JSCに至っては、引っ越しする必要もないのに引っ越しさせる、日本青年館に便乗して高価なビルに入れてしまう、財源は税金。余りにも考え方が私は軽いんじゃないかと思います。
 もう一つ伺いますが、総理、白紙を受けて、新国立競技場整備計画再検討のための閣僚会議を設置をされました。これ、議長を遠藤大臣にされたのはなぜですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 遠藤大臣はオリンピック・パラリンピック担当大臣であるからでありまして、遠藤大臣にリーダーシップを発揮をしていただいて、しっかりと取りまとめていただきたいと考えております。
○蓮舫君 ただ、遠藤大臣は、予算要求権やJSCの所管でもない内閣の国務大臣なんです。私も内閣府特命をやったから分かりますが、そうすると、責任が所管省庁と分散をしてしまうんですね。でも、それでもあえてリーダーシップを遠藤大臣にということは、文科省や文科大臣ではリーダーシップが発揮できなかったから、だから替えたということじゃないですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) いや、これは、新たに担当大臣を置くこととなりましたので、当然、新たにオリンピック・パラリンピック担当大臣となった遠藤大臣にしっかりとリーダーシップを発揮していただこうということでございます。
○蓮舫君 総理、私、分からないことがあるんです。
 去年、女性活躍と掲げた割には、二人の女性閣僚、一人は公職選挙法違反の疑い、一人は政治と金の問題、国会で指摘をされて、総理は相当早い段階でお二人を替えました。
 ところが、今回、今年の初めから下村大臣には政治と金の問題が言われてきました。そして、この四百四十億も使ってしまった。そして、新国立競技場計画、リーダーシップを発揮することができなかった。でも辞めさせない。あるいは、今最も重要法案と言われている安保法案でも、その根幹を揺るがす、法的安定性は関係ないと言った礒崎首相補佐官も辞めさせない。
 さっさと辞めさせた女性閣僚二人と、辞めさせない一人の大臣と一人の首相補佐官、何が違うんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 繰り返しになりますが、四百四十億円というふうにおっしゃったんですが、その六十一億については、これは先ほど申し上げましたように、申し訳ないという思いでございます。しかし、五十六・六億円につきましては、これはほぼ計画が未履行でございますから、大部分は支払う必要が発生しない見込みでございます。
 そして、残りの額については、これは毀損されたということではなくて、いずれにいたしましても、建設計画の中において建設を進めなければならないものであったと、こう思っているところでございますが、下村大臣につきましては、先ほど申し上げましたように、今回この新国立競技場につきましては、最終的には私に責任があるわけでございますから、下村大臣とともに私もリーダーシップを発揮をし、オリンピック・パラリンピックを成功に導いていかなければならないと、このように思っております。
 また、礒崎総理補佐官の件につきましては、平和安全特で既におわびをして発言を撤回をしているところでございますが、法的安定性についてはもとより政府の方針であり、礒崎補佐官もその認識の下、誤解された発言は取り消したということでございますので、今後もしっかりと職務を遂行してもらいたいと、こう思っているところでございます。
○蓮舫君 やっぱり分かりません。女性閣僚二人をお辞めにならせた理由と、今の大臣と補佐官を守る理由の区別が私にはやっぱり分かりません。
 ただ、オリンピック成功させるためには、私たちも協力をしたいと思いますので、これからも徹底的な情報開示をしてもらいたい、情報を共有することによって何とか成功に持っていきたいと思いますので、これはお願いをします。
 厚生労働大臣、残り時間少ないんですけれども、漏れた年金情報百二十五万件、既に発覚してから二か月半がたちましたが、解決しましたか、全て。
○国務大臣(塩崎恭久君) 何をもって解決したと言うかは、検証を今しておりまして、原因究明と再発防止策を今徹底的に洗い直していただいております。それを全てやり切るということが大事であって、それをやらない限りは、ちゃんとやるべきことをやったとは言えないんだろうと思います。
 おかげさまで、年金の支払で問題は起きていないということが二次被害を防止をしているという意味において有り難いことでありますけれども、いずれにしても、個人情報が流出をしたという事実は厳然とした事実でございますので、これは機構がそういう守りが十分じゃなかった、システムも十分じゃなかった、大変申し訳ない限りでありますし、私ども監督の立場でおわびを申し上げなければならないと思っております。
○蓮舫君 漏れた年金情報は、情報が漏れてしまった人には何の瑕疵もありません。
 これは既に発生した経費、全部で幾らですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) おわびのお手紙をお配りをしたりしてございますし、コストが掛かっているわけでありますが、現在までに、専用コールセンターの設置によるお客様対応、あるいは情報が流出された方々に対する今申し上げた郵送によるお知らせとおわび状、それからさらに、全国の新聞での広告、あるいは市町村窓口での広報用のチラシなどをやっておりまして、今まで合計六億円を使わさせていただいておりまして、そのうち政府広報で既に予算計上しておりますのが二億円あるわけでございますので、新規には四億円支出をしたということでございます。
○蓮舫君 総理、漏れた年金情報、国民に全く瑕疵がないのに、もう十億、これ年金保険料か税金で補填をするんですよ。新国立競技場もそうですけれども、国民に何にも問題ないのに、こうやって税金が使われていく。脱デフレで物価が上がる、円安が続いて輸入品が上がって生活必需品が上がる、賃金は上がらない、その中で税金は納めてくださっている。その税金がこういう使われ方をされるのは、私は全く納得できないと思いますが、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 賃金は、先ほども岡田委員の質問に答えたんですが、十七年ぶりの上昇率になっておりますし、それは二年連続となっているわけでありまして、これは間違いのない事実でございます。
 また、年金につきましても運用の益が三十八兆円プラスになっているわけでありまして、そのことも御評価をいただきたい。これは年金の加入者の皆様にとっても大きなプラスであっただろうと思います。
 いずれにいたしましても、そうした御負担が国民の皆様に発生していることについては申し訳ないという思いでございます。
○蓮舫君 実質賃金は上がっていません。物価よりも賃金は上がっていません。生活は苦しいんです。なのに税金がこういう使われ方をされるのは、私は全く納得できないということを改めて申し上げ、質問を終わります。
 ありがとうございました。
○委員長(岸宏一君) 以上で蓮舫さんの質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、谷合正明君の質疑を行います。谷合正明君。
○谷合正明君 公明党の谷合正明です。
 私から、TPP、政労使会議、また最低賃金について質問をいたします。
 先月末、十二か国から成るTPP閣僚会合が開催されました。テレビを御覧をいただいている方も結果は御承知のとおりでございますけれども、残念ながら大筋合意は果たせませんでした。一部の国から、日本やアメリカなどに対しまして、乳製品の輸入枠を相当大幅に拡大する提案もございまして、結果的に各国の利害が対立したということだと思います。しかし、難航している分野に関しましては相当絞り込まれておりますし、甘利大臣自らも、残された部分は限定的になった、それをしっかりやれればあとはオートマチックに処理していくのではないかとの見通しも大臣から示されたところでございます。
 まず総理にお伺いしますが、政府として、国内産業への影響を十分に考慮しつつ交渉再開を目指していくべきと考えております。このTPP交渉を漂流させないための決意を伺うとともに、あわせて、衆参の農林水産委員会の決議、この決議を守っていく方針は変わらないか、このことを確認したいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 日本は、戦後の成長において、ガットに加盟したことも大きなプラスになったことは間違いないことであります。TPPは、二十一世紀のアジア太平洋地域にフェアでダイナミックな一つの経済圏を構築する挑戦的な試みであります。この地域の成長を取り込み、アベノミクスの成長戦略の核となる可能性は高いと考えております。
 TPP交渉は、先般の閣僚会合において、あと一回閣僚会合が開かれれば決着できるところまで来ています。交渉は最終局面が一番難しいわけでありまして、国益と国益がぶつかり合う厳しい交渉が続いています。我が国も、衆参農林水産委員会決議をしっかりと受け止めて、国益を最大限に実現し、いずれ国会で御承認をいただけるような内容の協定を早期に妥結できるよう、交渉に全力を挙げていく考えでございます。
○谷合正明君 総理から決議についての言及もございました。TPP交渉におきましては、特に農林水産分野への影響というものが注目されるわけでありますけれども、それ以外にも、中小企業への影響というものも大きいと考えられます。
 甘利大臣にお伺いしますけれども、TPPが実現すれば、これ大企業や多国籍企業を中心に恩恵があると言われているんですが、中小企業や地方経済にはどんなメリットやチャンスがあるのか、また、どうすればそのメリットやチャンスというものを中小企業が生かせるようになるのか、この点について国民に分かりやすく説明していただきたいと思います。
○国務大臣(甘利明君) TPPが従来の既存型のEPAの枠を超えて二十一世紀型と言われているゆえんは、アジア太平洋地域の中で、物だけじゃなくて資本や人や情報が自由に飛び交うことができる、その中に入っていればそういう恩恵を受けることができるわけであります。物だけじゃなくてサービスや投資やあるいは知的財産、そして金融サービス、電子商取引、国有企業の規律、今までなかなか踏み込めなかった部分まで含めて新たなルール、新たな自由化がなされるわけでありまして、この地域に大きなバリューチェーンができ上がるわけであります。
 そして、御指摘のとおり、これは大企業だけの恩恵ではありませんで、中小企業の海外展開であるとか、あるいは地域の農産品の輸出にとっても大きなチャンスになるわけであります。
 例えば鉱工業品関税の削減、撤廃によりまして中小企業や地域の産業の輸出が促進をされる、あるいは地理的表示の適正なルールを構築することによりまして我が国の地域ブランド、いろいろありますが、地域が誇るブランドを守り、あるいは輸出促進につなげることができるわけであります。農産品につきましても、関税の撤廃によりまして和牛等、日本の誇る付加価値の高い農産品の海外輸出が促進をされると。
 昨日、岐阜県の知事と現地で懇談をしましたけれども、もう非常に張り切っておられるわけですね。飛騨牛の輸出戦略が着々と進んでいる、地域ブランドをどんどん輸出していくチャンスですということで、みんな農業者も張り切っていますというお話もありました。そういうチャンスが広がるわけであります。
 仮にTPP交渉が妥結した場合には、合意内容につきましてできるだけ詳細かつ丁寧に説明を行いまして、メリットが現場で十分に生かされるように、政府としても地域経済あるいは中小企業の活躍を後押ししていきたいと思っております。
○谷合正明君 地方経済の牽引役は、一次産業、中小企業、そしてサービス産業とよく言われております。是非、これはパッケージで合意していく交渉でありますけれども、中小企業にとっても利便性が高くて、更に分かりやすい貿易協定になるよう交渉を詰めていただきたいというふうに思います。
 中小企業、地方経済ということで関連しまして質問を続けますけれども、先月、全国十一の地域で景気の総括判断というものが出されました。これは、緩やかに回復していると、一年半ぶりの上方修正でございました。地域別でも全地域が回復と判断された、これは実に十八年ぶりのことだというふうに伺っております。これはこれで大変うれしいことであります。
 しかし、ここにいらっしゃる委員の皆様ももう実感していると思いますが、現場を回っていますと、そういう実感しているという声、直接伺うということはなかなかないんですね。今後の課題は、何といいましても、景気回復を地方へと波及していくことと、それから実際に実感していただくことだと思っております。
 地方創生では、特に若い世代の働く場、これを確保していくということが求められております。その際、不本意な非正規雇用による低賃金、あるいは過長な長時間労働などの厳しい現況に置かれている若者の処遇改善というものが重要であります。地方においても働き方改革、中小企業の生産性向上、これを進めていくことが必要だと思っております。
 先々週の金曜日ですけれども、公明党の青年委員会によります青年政策アクションプラン二〇一五、この申入れを直接総理に受けていただきました。大変感謝をいたします。その提言の中にありました地方版政労使会議の設置の提案に、総理自ら深くうなずかれていたというふうに伺っております。
 政労使会議というのは、これ、二〇一三年九月に、自公政権発足しておよそ一年後でありますけれども、デフレ脱却と経済再生に向けて、政府首脳と経済閣僚、経済界、労働界代表が賃金や雇用情勢の好転の方策を話し合うためにできた言わば異例の会議体だと思います。
 公明党の青年委員会の提案は、この政労使会議を中央だけじゃなくて、地方における賃金上昇や若者の処遇改善に向けた取組を進めようとするものであります。若者の働き方改革について、地方創生やワーク・ライフ・バランスなどの視点も踏まえながら、各地域で自治体や労使も交えて話し合う場の設置を促していくことが重要だと考えますが、総理の御見解をお伺いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 日本は自由主義社会でありますから、本来であれば、企業が利益を上げて、その利益をどう使うかは企業が自主的に判断する、あるいは労使において賃金の交渉をするわけでございますが、長い間デフレを続けてきた、この長い間の、十五年続いてきたデフレから脱却をするためには、政労使が一つの方向を向いてお互いに協力し合わなければできないという観点から、異例ではあったんですが、政労使の会議をつくって、生産性の向上と同時に、しっかりと賃金を上げてもらうようなそういう要請をし、そして成果を上げてきているわけでございます。
 そこで、今委員がおっしゃった、公明党の青年局の皆さんから御提言をいただきました。各地域で地域版をつくったらどうだ、それは私、大変いいアイデアだと思います。地域にはそれぞれの事情があるんだろうと思いますが、地域において長時間労働の是正や多様で柔軟な働き方や、あるいはまた生産性の向上等々について話し合っていくことは大変有意義であろうと思います。
 都道府県労働局に働き方改革推進本部を設置をし、地方公共団体や労使団体と連携しながら、地域のリーディングカンパニーへの働きかけや、働き方の見直しに向けた機運の醸成に取り組んでいるところでありますが、各地域の特性を生かして、仕事と生活の調和を図りつつ、魅力ある雇用機会を創出していくため、働き方改革の取組を一層強化することが必要であると思います。その一環として、都道府県において、地域ぐるみで働き方改革を推進するため、労使を始めとする地域の関係者が集まる会議を設置していくことについて検討を進めてまいりたいと思います。
○谷合正明君 ただいま総理から、各都道府県において労使も参加した会議の設置を検討していきたいと、はっきりと明言をいただきました。
 政府としてもこれを促すべく進めていただきたいと思っておりますし、重要なことは、若者の働き方改革というのを進めることは、これは当然、女性の働き方改革にもつながるわけでありますし、全世代の働き方改革につながっていくものだと私は確信をしております。関係省庁においても、今の総理の答弁を踏まえて御対応いただきたいと思っております。
 さて、最低賃金について幾つか伺っておきたいと思います。
 先日、厚生労働省の中央最低賃金審議会が、二〇一五年度の最低賃金に関しまして全国平均で時給十八円引き上げることを答申しました。この引上げ幅は、目安を時給で示すようになった二〇〇二年度以降最大の幅であるというふうに承知をしております。
 大事なことは、生活保護費との逆転はどうなっているのかどうか、また、物価上昇率に比べてどうなのかどうかと、それからまた、大企業の賃金の伸びに比べてどうなのかといった観点がこの最低賃金決めていく際に大事だと思うんですけれども、今回の引上げがそのまま実現されれば、今申し上げた課題についてクリアしていくんだと思います。
 そこで、総理にお伺いしますけれども、最低賃金の着実な引上げを通じまして特に非正規労働者の処遇改善を図っていくべきだと思いますけれども、今回の最低賃金引上げの答申の意義や効果について見解を伺います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 経済財政諮問会議においてもこの最低賃金について議論をいたしました。最低賃金は賃金のセーフティーネットであり、賃金上昇と企業収益の好循環を持続、拡大させていくためにも最低賃金の引上げに努めていくことが重要な課題であると認識をしています。
 先月、中央最低賃金審議会において、今年度の引上げ額の目安について全国平均で昨年を二円上回る十八円との答申を得ました。今後、この目安どおりに決定されれば平成十四年以降最高額となるわけでありまして、そうしますと、三年間で十五円、十六円、十八円となりますので、約五十円という大幅な値上げに、我々が政権を奪還して以来のこの最低賃金の引上げは約五十円という大幅な引上げになるわけでありまして、最低賃金の引上げで影響を受ける労働者は年々増加をしておりまして、引上げの効果も大きくなっています。
 特に、非正規労働者を含む短時間労働者については最低賃金による影響が大きく、また、それにより高い賃金の労働者の賃上げにも影響を及ぼすことから、これらの労働者の処遇改善や賃金上昇を図るため、最低賃金引上げの流れをつくっていくことは重要であります。
 先日の諮問会議におきましても、最低賃金の大幅な引上げが可能となり得るよう、中小・小規模事業者の環境整備や生産性向上に全力を挙げるべく、関係大臣に指示をいたしました。
 引き続き、中小・小規模事業者への支援を行いつつ、最低賃金の引上げにも努めてまいりたいと思います。
○谷合正明君 ただいま総理から、最低賃金引上げに際しましては、中小・小規模企業への支援、これを関係大臣に指示したということでございます。
 最低賃金の効果が高まっている、その最低賃金の付近で働く労働者の数が増えているんですけれども、それは効果が高まっていると見ることもできるんですけれども、同時に、企業側にとってみれば労務コストが増大しているということでございます。
 そこで、経済産業大臣に伺いますが、最低賃金の引上げに厳しい経営環境の中小・小規模企業はしっかり対応できるかどうかということだと思っております。
 平成二十六年度の中小企業に対してアンケートを取ったものがあるんですが、賃上げした理由、約七五%の企業がこれは従業員の確保、定着ということが理由でありまして、業績回復の還元という観点よりも、人を確保するために賃上げするということだったんです。ですから、賃上げを十分にできるところはいいんですけれども、そうでないところは今資金繰りに大変な思いをされていると認識をしております。
 そこで伺いますが、最低賃金の引上げによる中小企業への影響がどの程度生じているのか、また、中小・小規模企業に対する政策支援、特に私は金融支援が大事だと思っておりますけれども、この現状と対応を確認させていただきたいと思います。
○国務大臣(宮沢洋一君) 最低賃金の引上げによる影響でございますけれども、厚生労働省の調査によりますと、引上げによる影響を受ける労働者は、全体に占める割合では三・六%、雇用数を掛けて推計いたしますと約百九十万人となっております。また、小規模事業所のうち七・三%に影響があるとされております。業種別に見ますと、宿泊業や飲食サービス業では九・四%、生活関連サービス業、娯楽業では六・四%と、影響を受ける割合が大きくなっております。
 このため、最低賃金の引上げの影響は広範に及ぶということがありますので、七月二十三日の経済財政諮問会議におきまして私から対策について発表をさせていただきました。具体的には、特別相談窓口の設置、公的金融機関による返済条件緩和等の金融面での支援、賃金引上げに協力していただける企業を優先した生産性向上面での支援の三点を行うこととしております。
 このうち、特別相談窓口については、七月二十八日付けで、全国の商工会議所、商工会連合会、中小企業団体中央会のほか、日本政策金融公庫、商工中金、信用保証協会などの公的金融機関に設置をいたしました。
 また、各公的金融機関では、賃金引上げによって資金繰りに影響を受ける中小企業・小規模事業者に対して既往債務の返済条件緩和を行うなど、事業者の実情を踏まえながら丁寧に対応することとしております。
 さらに、平成二十六年度補正予算、平成二十七年度予算として計上された事業の一部につきまして、賃金引上げに協力していただける企業の生産性向上を支援することとしております。
 今後とも、円安による転嫁対策を含めて万全を期してまいりたいと考えております。
○谷合正明君 生産性向上、また、今大臣最後に言われましたけれども、円安による原材料費の高騰への対応、こうした点についてもきめ細やかに対応していただきたいと思っております。
 最低賃金につきましてもう一つ取り上げたいのは、これ都道府県ごとに最低賃金の額が決まるわけでありますけれども、今回の答申どおりになりますと、最高の東京都九百七円に対しまして、一番低いところ、七県あるんですが、これ六百九十三円にとどまるんですね。その差というのは二百十四円です。時給換算した二〇〇二年の時点での差が百四円でしたから、要するに、この十年以上の間で最低賃金の最高額と最低額の差が二倍に拡大してきているということなんです。
 私、申し上げましたけれども、生活保護との逆転現象を防ぐ、あるいは物価上昇率を上回るという観点も大事なんですけれども、それに加えて、今地方創生という観点からしますと、この最高額と最低額、特に東京と地方の最低賃金の格差が拡大していく、これを抑制していくことが今重要ではないかなと私は思っているんです。総理のこの点についての認識と、今後どう対応していくか、この点について伺います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今委員から御指摘があったように、最低賃金の最高額の東京と最低の県との格差が拡大をしている。この理由は、近年、生活保護水準との乖離解消等のために、乖離幅の大きい東京都等を引き上げた結果によって拡大をしてきているということでございます。しかし、今委員が言われたように、それでは地方創生を進めていく中において東京と地方の差がもっと出てくるではないか、それはなるほどもっともだと思います。
 そこで、先日答申をした中央最低賃金審議会では、この点についても議論が行われました。最高額の東京都の目安額、これ十九円でありますが、と最低額の県十六円の差について、昨年の六円から半分の三円に縮めるとともに、最低額の県の目安額を昨年より三円引き上げまして、平成十四年以降最高額にします。都市部と地方との格差に配慮したものとなっています。また、この審議会では、引き続き、最高額と最低額の差が拡大しないような対応策について話し合っていくと承知をしております。
 政府としても、引き続き、地方でも最低賃金の大幅な引上げが可能となるよう、環境整備に全力を挙げてまいりたいと思います。
○谷合正明君 昨年に比べて若干縮まったというお話だと思いますが、これからしっかりとこの点についても対応していただきたいというふうに思っております。
 最後の残りの時間で、もう一度、政労使会議について総理に確認をさせてください。
 賃上げにつきましては、やはりこれは基本は労使交渉なんです。しかしながら、デフレ脱却する際に当たりまして、なかなか賃上げに慎重な企業が多かったということで、異例の措置として政労使会議をつくったというわけです。二〇一四年、二〇一五年の春闘の賃上げでも、この政労使会議が果たした役割というのは極めて大きいわけですね。これは国民の皆様もよく分かっていると思います。
 総理、経済好循環、この取組は今の自公政権の最優先課題の一つであります。これは、来年も再来年も引き続き強化していく話だと私は思っております。そうしますと、この経済好循環の景気回復の取組を進めていくとともに、この政労使会議の役割もここで終わりではないと私は思っております。政労使会議の果たしてきた役割を鑑みまして、来年以降の賃上げにつながっていくよう政労使会議も継続すべきではないかと考えますが、総理の見解を最後伺います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 十五年もデフレが続きますと、なかなか経営者は賃金を引き上げることに対して非常に臆病になっているわけでありまして、それを変えていくために我々は、異例ではありましたが、政労使という仕組みをつくって、政府からも強く促し、共通の認識を持って一緒にデフレから脱却をして、しっかりと経済の好循環を回していこうと、そういう合意に至ったわけでありますが、月例賃金の平均賃金が、引上げが二・二〇%、これ十七年ぶりの高い水準でありました。加えて、三百人未満の中小組合についても一・八八%、これは十七年ぶりの高い水準であります。そして、非正規労働者についても時給で十七円の大幅な引上げとなりました。アベノミクスの効果は、中小・小規模事業者や非正規労働者など地方経済全体に確実に波及しつつあり、これは大きな成果を得たと思っています。
 経済の好循環を力強く回し続けるためには、来年も再来年も賃上げが継続することが重要でありまして、今後、政労使で話し合う必要があるテーマが出てきた場合には必要に応じて政労使会議を開催することとしたいと、このように思っております。
○谷合正明君 時間ですので終わりますが、地方経済、中小企業、若者、女性に光を当て続けるべきだということを強調して、質問を終わりたいと思います。
○委員長(岸宏一君) 以上で谷合正明君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、川田龍平君の質疑を行います。川田龍平君。
○川田龍平君 維新の党の川田龍平です。
 質問に入る前に、礒崎陽輔首相補佐官の当委員会への参考人招致を求めたいと思います。
 憲法違反である政府の安保法制は絶対に認められません。
 法的安定性は関係ないとした首相補佐官の発言は極めて問題であり、先般の特別委員会での質疑では国民は納得していません。
 委員長、礒崎補佐官の参考人招致を検討をよろしくお願いいたします。
○委員長(岸宏一君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において検討いたします。
○川田龍平君 よろしくお願いします。
 では、質問に入ります。
 日本年金機構がサイバー攻撃を受け、百一万人の個人情報が流出して三か月がたとうとしています。いまだに犯人や被害の全容は明らかになっておらず、国民の不安と不信感は今も解消されていません。そんな中、年金機構の水島理事長は、組織内部では民間なら潰れているなどと言いながら、今回の事件に関する四回の集中審議でひたすら謝罪はしておりましたが、しかし、国民の不信感は理事長の謝罪だけでは消えません。不祥事を繰り返す年金機構という組織そのものを本気で根本から変えるという姿勢を見せなければ、幾ら謝っても信頼は取り戻せません。
 理事長、組織の体質を本気で変える気はおありでしょうか。
○参考人(水島藤一郎君) 六月五日の衆議院厚生労働委員会におきまして、私が着任をいたしました平成二十五年一月以降、まだまだこの組織には多くの問題がありますが、例えば、年金記録問題への対応や国民年金保険料の収納対策などで一定の成果を上げつつある、また、若い人の中には極めて有能な人たちもいるし、彼らの意欲を感じていると。そういうような意味で、着実にこの組織は変わりつつあるのではないかというふうに申し上げたところでございます。
 一方、先ほど御指摘がございましたとおり、今回、機構職員に向けたメッセージの中で非常に強い言葉を使いました。しかしながら、これは、今般の不正アクセスによる情報流出事案によりまして全国のお客様に多大な御心配と御迷惑をお掛けをいたしております。このことの重大さを一人一人の職員が認識をし、二次被害の防止に向けて全員が一体となって取り組むべきだということを申し上げたものでございます。私は、何としてもこの組織の再生を図るべく、全力を尽くしてまいりたいというふうに考えております。
○川田龍平君 この全国の年金機構には厚労省から四十四人もの出向者がいます。さらに、今回の個人情報流出事件を受けて、追加で十七名が送り込まれていますが、しかし、蓋を開けてみますと、情報を正確に上に上げないどころかミスを隠すなど、塩崎厚労大臣ですら役に立っていないと認めている有様です。
 総理は、旧社会保険庁の組織体質を一掃し、真に国民の信頼を回復するため、日本年金機構をつくり、職員たちの意識改革など努力を重ねてきたとおっしゃいますが、その重ねてきた努力とこの実態のギャップについて、国民に一体どう説明するのでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今回の事案について、日本年金機構のシステムやその運用に基本的な問題があったのは事実であります。厚生労働省の対応も含め、大切な年金に関し不安が生じていることについて大変申し訳なく思っております。
 御指摘のとおり、旧社会保険庁は、多くの問題が生じ、国民の信頼を失いました。その組織体質を一掃し、真に国民の信頼を回復するため、日本年金機構を設置したものであります。以来、どの内閣においても重要課題であり、職員の意識改革などの努力が積み重ねられてまいりましたが、その途上において基本的な対応がおろそかになっていたことは大変残念であります。
 現在、検証委員会で徹底的に議論をいただいており、八月中旬ぐらいには中間報告をまとめると聞いています。その結果も踏まえて、二度とこうしたことが起こらないよう、職員の意識改革を始め、システムやその運用、ガバナンスなど、機構の組織体質全体について国民の皆様の期待に応えることができるよう見直しを行います。
 また、厚生労働省による監督指導体制についても抜本的な強化を図っていく考えであります。
○川田龍平君 今回の情報流出の対応経費は少なくとも八億円、先ほど十億円という話もありました。さらに、システム改修費用なども膨らむわけです。財務大臣、結局これ税金から出すんでしょうか。不祥事出しても国民の税金で尻拭いされ、職員は火の粉を浴びずに守られている。これでどうやって意識改革できるんですか。国民はもううんざりなんです。今度こそ、旧社会保険庁の解体以上の抜本的な組織改革、体質改革を求めます。
 次に、私たちは、八月五日、維新の党は参議院にサイバーセキュリティ基本法の改正案を提出いたしました。内容は、国のサイバーセキュリティー対策の対象に、国民の個人情報と医療情報など重要な個人情報を扱う地方自治体の二つを加えることです。
 さきのアメリカNSAによる我が国への盗聴に対し、日本政府は遺憾だというような及び腰でしたが、総理、こうした問題が世界的に深刻化している今こそ、国はもっと前面に出て国民の個人情報を守るべき体制を構築すべきです。今年の秋に実施されるマイナンバー法に合わせるためにも、維新の党はこの改正を早急に緊急に提案をいたします。総理の見解を伺います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 維新の党がサイバーセキュリティ基本法の改正案を提出をしたことは承知をしております。多角的な観点からの問題意識が示されていると思います。今後、各党各会派において国会において議論されるものと認識をしております。現時点で政府としての、その個々の内容についてお答えすることは差し控えたいと思います。
 もとより、政府としても、サイバーセキュリティーの強化は重要であると認識をしており、現在、サイバーセキュリティ戦略本部において、経済社会の活力の向上及び持続的発展、国民が安全で安心して暮らせる社会の実現、国際社会の平和、安定及び我が国の安全保障等を柱とする新たなサイバーセキュリティ戦略の検討を進めているところでありまして、これを速やかに策定してまいりたいと思います。
○川田龍平君 次に、先ほどからテーマとなっています新国立競技場問題について伺います。
 今回の整備計画は、デザイン選定から二年半を経て白紙に戻ってしまいました。これまで支出済みで、結果的に無駄になる税金は全部で幾らになるでしょうか。六十二億円ということでよろしいでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 新国立競技場の整備計画の見直しに伴い意味を失った金額の範囲を厳密に算定することは困難でありますが、日本スポーツ振興センターは、ザハ氏のデザインを基本とした設計業務、デザイン監修業務及び実施設計に係る技術協力業務に係るものとして約五十九億円の契約を締結しております。そのうち支出済額は約三十三億四千万円であり、残額のうち、デザイン監修業務の施工段階部分六千五百万円を除きほぼ履行済みの状況のため、支出が見込まれるものと承知をしております。
 このほか、設計や工事等の専門的な知識を必要とする業務に関し、業務が適正に行われているかどうかを確認するいわゆる監理業務について第三者に委託して実施しており、設計業務の履行確認に係る部分として平成二十七年度までに約五億六千万円を契約し、約三億七千万円を支出済みと承知をしております。合わせますと、支出見込額は約六十二億円となります。
○川田龍平君 この既に支出した六十二億円という税金、先ほどは四百億と、更に追加されるということも話に出ておりましたが、二年半という貴重な時間を無駄にしたこの更にかさむコスト、総理、先ほど委員の質問に申し訳ないと繰り返していますが、何について申し訳ないと思っているんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 経緯はいろいろございますが、この二年半においては我々責任を持っていたわけでございます。その間、最終的に見直しを判断する間において経費が発生し、それを国民の皆様に御負担いただくということについて申し訳ないという思いでございます。
○川田龍平君 アテネや北京のスタジアムが今どうなっているか、総理は御存じでしょうか。もったいないことに、その大半が廃墟となっております。たくさんの税金を掛けて造った施設を無駄にしてしまっていると。
 我が国では同じ轍を踏まないよう、事前に維持管理費や利用料を逆算して、例えば座席に関しては、オリンピック開催時には八万人分を設置、オリンピックが終わったら、必要ない座席は解体して六万人の座席とサブグラウンドを整備して、オリンピック後も国民が広く利用できる施設にしてはいかがでしょうか。こうしたことは技術的に十分可能です。総理、いかがですか。
○国務大臣(下村博文君) 新国立競技場の整備計画の見直しにつきましては、現在、遠藤大臣を議長とする関係閣僚会議を中心に検討しているところでございます。私も副議長として積極的に参画をしているところでございます。
 見直しに当たっては、新しい競技場を世界の人々に感動を与える場とすること、その大前提の下で、御指摘のように、できる限りコストを抑制し、現実的にベストな計画を作ることが重要であり、国民やアスリートの声にしっかりと耳を傾けていくことが必要だと思います。
 御指摘の大会後の利活用についても重要な論点であると認識しており、国民の皆様方に祝福されるオリンピックスタジアムとなるよう内閣全体で責任を持って、私もその一員として検討を進めてまいりたいと思います。
○川田龍平君 国民の税金を使って造った施設が、用が済んだら次々と廃墟になるような今のやり方はどの国でも評価されていないのが現状です。こうした非効率なやり方が続いていることに対する国際社会への問題提起として、我が国はむしろFIFAに対して、サッカー協会に対して、要件緩和を堂々と交渉していくべきと考えますが、文科大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 御指摘の点はもっともな点があると思いますが、この国際競技大会の開催基準については、各競技を統括する国際競技団体、IFが、各国の競技団体、NFの合意を得て自主的に定めるものでありまして、政府が申し上げるところでないわけでありますが、こういう声をIF、NF等も十分理解をしながら、是非多くの国で開催できるような、そういう規模等についても検討するという御指摘については、そのとおりだと思います。
○川田龍平君 総理、過去の開催国の廃墟の写真を是非御覧ください。私は、世界が必ずこの日本の主張に追い付いてくると確信をしております。
   〔委員長退席、理事岡田広君着席〕
 さて、新国立競技場の事業主体である日本スポーツ振興センターの災害共済給付について伺います。
 事故やいじめによる自殺や教師による指導死など、学校の中で不幸にも亡くなった児童生徒の遺族に対し死亡見舞金が支払われていますが、なぜか高校生にだけは支給されていません。その理由は何でしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 災害共済給付は、学校管理下で発生した児童生徒の偶発的な不慮の災害による負傷や疾病について、国、学校の設置者及び保護者の負担により救済を図ろうとする互助共済制度であり、その意味におきまして、自らの意思によって負傷又は死亡したような場合は対象とならないというのが基本的な考え方であります。
 しかしながら、小中学生の場合には、一般的に、自らの意思といっても、死や自殺ということに十分な理解と判断を下すのが難しいことなどに鑑みまして、政令上、高校生や高等専門学校生の場合に限り故意による死亡を給付の対象とせず、中学生以下をその対象としてきた経緯がございます。しかし、高校生の自殺の場合でありましても、硬直的な運用を行っているというわけではなく、申請があれば個別のケースごとに日本スポーツ振興センターにおきまして給付の可否を適切に判断することとなると考えております。
 具体的には、学校の管理下で発生した事案により、精神的に極度に追い詰められ、精神障害を負うことなどによって、正常な認識や行為選択能力が著しく阻害された状態で起きた自殺については故意にということは言えないわけでありまして、給付の対象になり得るものであります。
○川田龍平君 この高校生の自殺数は中学生の三倍に当たります。自殺総合対策大綱には、多くの自殺は心理的に追い込まれた末の死とあります。毎年百人以上の高校生の命の重さを受け止め、高校生の自殺も給付対象に加える形に改正すべきと思っています。
 それでは次に、TPP交渉に関連し、私が最も気になる点について伺います。
 抗がん剤やHIV治療薬など、新薬のデータ保護期間を延長することについて交渉国の間でかなりもめておりますが、日本政府はアメリカ政府の当初の提案である十二年に次いで長い八年という期間を提案し、これに他国が反発をしております。日本政府がアメリカと一緒になって医薬品のデータ保護期間延長を提案したとき、国民皆保険制度がある日本のような国が命と経済をてんびんに掛けるのかと参加国の間から失望の声が上がったことを御存じでしょうか。
 WHOを始め、世界中から高く評価されている社会保障モデルである国民皆保険制度を持つこの国のリーダーとして、総理には、巨大製薬企業の利益より日本国民、ひいては世界の人々の命と健康を守ることを優先することを強く求めます。それこそが我が国が胸を張ってできる国際貢献だと考えますが、総理、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) TPP交渉における医薬品分野の知的財産保護については、医薬品の開発の促進による医療の質の向上、これも確かにあるんだろうと思います。しかし同時に、ジェネリック薬品の利用促進による医療のコスト低減、今委員がおっしゃったように、なるべく廉価で患者さんたちが必要な医薬品を取得できるようにしていくということは重要だと思います。そして、それと同時に、また医薬品の安全性の確保、この三つのバランスを確保していくことが重要であると思います。
 我が国としては、TPP交渉の中でこうしたバランスの取れた合意を目指して交渉に当たってきているわけでありまして、引き続き努力をしていきたいと、このように思います。
○川田龍平君 私が二〇一二年にワシントンの国際エイズ会議に参加したときも、この新薬データ保護期間の問題が最大の懸念として取り上げられていました。なぜWTOが新薬データ保護期間に関してはジェネリック薬へのアクセスに配慮し、わざわざ例外規定を設けているのか。命に関わる薬については企業利益よりも優先させるという倫理が国際的なコンセンサスとしてそこにあるからです。私がこの場で常々訴えているように、国の経済成長ももちろん大事ですが、それはあくまでも国民の命と健康があってこそです。
 次に、私は、命の問題について、私もこれまで人体実験の問題について度々この質問取り上げてきました。そして、戦後七十周年ということで、この談話についても伺いたいと思います。
 九州大学で戦中に行われた米兵捕虜に対する人体実験について、以前、総理に質問したところ、九大認定のとおりであったとすれば極めて遺憾とおっしゃっていました。今年、この歴史資料館が造られ、その際にこの事実は検証済みですが、七十年の節目にこれを公式に認め、これは米国に謝罪するということはないでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 既に私の答弁の一部を紹介をしていただいたわけでありますが、九州大学の認識のとおりであったとすれば極めて遺憾なことであります。
   〔理事岡田広君退席、委員長着席〕
 戦時中に行われたとされるこの事案と現在の臨床研究は全く異なる次元のものでありますが、我が国では、臨床研究に関する倫理指針により、研究者等に対し被験者の尊厳と人権の保護を求めてきたところでございます。仮にもこのような事案のような状況が絶対生じないようにしていくことが肝要であると考えておりまして、生命の尊厳と研究倫理について医学研究に携わる関係者が深く認識をし、それに基づいて適切に行動する社会を構築していくことが重要と考えております。
○川田龍平君 二〇〇九年にアメリカのオバマ大統領が広島を訪れ、原爆投下について謝罪する計画があったにもかかわらず、日本政府が時期尚早と断っていたとアメリカのABCニュースが報道しています。
 民主党政権下で政府がそれを断ったこと自体理解に苦しみますが、七十年目の節目である今、健全で対等な二国間関係の第一歩として、アメリカ政府に対してこの原爆投下についての公式謝罪を求めるべきと考えますが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 我々は、原爆投下は人道に反する行いであり、二度と繰り返されてはならないと、こう固く決意をしているところでございます。
 その中において、様々な国のリーダーや若い人たちが被爆地を訪問し被爆の実相に触れることは核を廃絶をしていく上において有意義であると、こう考えているわけでございます。
 今後とも、そういう意味において、しっかりと日本が究極の核廃絶に向けてリーダーシップを発揮をしていきたいと思います。
○川田龍平君 この七十年目の節目にお互いきっちりと謝罪すべきと考えております。
 今年はまた、シベリア抑留七十年目にも当たります。五年前、超党派の議員立法で成立したシベリア特措法には、国として追悼する責務と書かれておりますが、いまだに国としての追悼が行われておりません。特措法に沿って国の追悼式典を行っていただけないでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 戦後、シベリアやモンゴルで強制抑留され、抑留中に亡くなられた方々は、酷寒の地において長期間にわたって劣悪な環境の下で過酷な強制労働に従事をさせられ、大変な苦難を強いられました。改めて、この皆様に対しまして哀悼の誠を表したいと思います。
 政府としては、毎年八月十五日、抑留中に亡くなられた方々を含むさきの大戦における全戦没者に対し、国を挙げて追悼の誠をささげる全国戦没者追悼式を実施をしているところであります。また、抑留中に亡くなられた方々への追悼の意を表すため、戦没者の遺族に参加をしていただく慰霊巡拝、また、旧ソ連地域等で亡くなった全ての方々の慰霊を行うための慰霊碑の建立、維持管理、そして御遺骨の収集と帰還などに取り組んでいます。引き続き、これらの取組を着実に進めていく考えでございます。
○川田龍平君 ありがとうございました。
 命が最優先される国のかじ取りを国のリーダーとしてしっかりやっていただきたいとお願いして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
○委員長(岸宏一君) 以上で川田龍平君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、紙智子さんの質疑を行います。紙智子さん。
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 今日は、安倍総理にTPP交渉についてお聞きいたします。
 アメリカで貿易交渉権限を大統領に与えるTPA法が成立したことを受けて、総理は、ゴールテープに手が届くところまでやってきました、日本と米国がリーダーシップを発揮して早期妥結を目指したいと述べておられます。しかし、実際には、七月二十八日のハワイでの閣僚会合において大筋合意ができませんでした。
 なぜ合意できなかったのか。それは、TPPが各国で国民を幸せにするわけではないことが分かってきたからではないでしょうか。米国の国内においてさえも、TPPでアメリカの雇用が海外に流出する不安から、労働組合や市民団体などの反対運動が広がりました。アメリカ議会でも、エリザベス・ウォーレン上院議員は、ワシントン・ポスト紙で、TPPは多国籍企業独り勝ちの貿易だと言っています。
 私たちもずっと一部の大企業だけ栄えて国民は苦しくなるというふうに指摘してきましたけれども、各国でも今、TPPでは国益は守れないという批判が広がっている。だから、これ大筋合意ができなかったのではありませんか。安倍総理、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 詳しくは甘利大臣の方からお答えをさせていただいた方がいいと思いますが、先般の七月末のTPP閣僚会合においては交渉は大きく前進したと思います。しかし、この最後の最後の段階になりますとそれぞれの国が自分の主張を更に強くするということも起こってくるわけでございまして、一部の国の間の物品市場アクセス交渉、知的財産分野の一部について各国の利害が対立をし、交渉を終結させるには至らなかったわけであります。
 しかし、TPP交渉はあと一回閣僚会合が開かれれば決着できるところまで来ていると思います。交渉は最終局面が一番難しいわけでありまして、国益と国益がぶつかり合う厳しい交渉が続いています。我が国も、国益を最大限実現し、いずれ国会で御承認をいただけるような内容の協定を早期に妥結できるよう、交渉に全力を挙げていく考えでございます。
○紙智子君 批判の広がりはアメリカだけではありません。合意できなかった象徴的な出来事として医薬品の特許の保護期間の対立という問題がある。アメリカの多国籍企業である製薬会社は、自らの利益を増やすために特許の保護期間を十二年として譲らないということになりました。日本以外のほとんどの国は、人々の命を救うために、新薬と同じ効果でより安価な後発医薬品、ジェネリック医薬品が製造できなくなるので、五年以下でなければ認められないというふうに猛反発をしたわけです。
 各国の国民は多国籍企業の利益を優先するTPPに批判を強めて、矛盾を広げたから合意に至らなかったんじゃありませんか。
○国務大臣(甘利明君) 臨場感あふれる御説明をいただきましたけれども、現場に立ち会ったのは私でございまして、医薬品に関しては確かに生産国と消費国との間で思いの違いがあります。あるいは、高い薬をそのまま保険収載すると保険会計が膨らんでいくという懸念を持っている国もあろうかと思います。
 ただ、大事なことは、ジェネリックというのは、新薬が開発されないと次のジェネリックって出てこないんです。難病に対して新しい薬が出てくるということは、開発行為が止まらないということが大事なんですね。開発費を回収できるということと、できるだけ早くみんながその薬にアクセスできるということと、そしてしっかり安全を確保するというこの三つを、一番高い次元で接合点を探すということがこの交渉だと思います。
 日本も、生物製剤に関しては情報の開示期間は八年間持っているわけであります。これは、新薬が許可、認可をされて発売をされている中でも、より広く対象として服用したときに、ある一定の限定された臨床対象では発生しなかったような副作用が出てきた場合、それをすぐ薬の改善にフィードバックできるように対応しているわけです。だから、短ければ短いほど薬が安全ということでもないと思います。
 安全で、そしてより効能の高い薬をできるだけ早く欲する全ての国民に届けるということをどう融合させるかの交渉だというふうに思っております。
○紙智子君 私のところにもリアルタイムで、行かれた方からの情報が入ってまいりました。
 それで、まとまらなかった背景には、安価な後発薬、ジェネリック医薬品を待ち望む人たちと、利益を最優先する多国籍企業である製薬会社との対立構図がやはりあると。安全や健康よりも企業や投資家のためのルール作りを主眼に据えるTPPの問題点が浮き彫りになって、やはり国民の命を支える制度を壊すなと新興国を含めて強い批判があるということは、これは明らかだというふうに思います。
 それで、甘利大臣は、合意できなかったことが議長国であるアメリカの根回しが不十分だったからだということを衆議院で述べられました。しかし、そんな簡単なことではないと思うんですよ。
 メキシコは、日米合意は受け入れ難いというふうに異論を唱えた。メキシコは自動車生産国として日本とも関係が深いわけですけれども、日米だけで合意をしてメキシコに知らせなかったと険悪な状況になったということも伝えられているわけですよ。
 また、ニュージーランドのグローサー貿易相も、自動車について言えば、日米合意がメキシコとカナダの要求を考慮していないと。乳製品については、ニュージーランドというのは、これは日本の自動車と同じぐらい大事なんだ、日米の乳製品の合意というのは全くニュージーランドを配慮していないというふうに批判をしているわけです。
 TPPの原型をつくった四か国の中の一つがニュージーランドですけれども、言わば元々の家主と言っていいと思うんですけれども、そのニュージーランドが日米のこの強引さを批判しているわけですよ。こういう問題もあったんじゃありませんか。
○国務大臣(甘利明君) 乳製品が際限なく日本に入ってくることがあってはならないと思っていますし、また、その点を一番心配されているのは共産党だと思いますが、その共産党から、過大な要求と思われるニュージーランドを後押しする声があるとは思いませんでしたけれども。
 日本がもっと譲れというのがニュージーランドの声なんですよ。我々はそれを阻止したわけであります。(発言する者あり)いや、事実として申し上げているんです。それで、いろいろな情報が入ってくるかもしれませんけど、直接やり合ったのは私でありますから、私以外の人が私以上に正確な情報を持っているとは思えません。(発言する者あり)
 いや、今は質問にお答えしましたけれども、ニュージーランドの要求が過大でないということは私は言えないと思います。日本は、それ以外の国と適切に交渉を進めているんです。ですから、ニュージーランドは日本ともまとまっていませんし、それ以外の国とも乳製品でまとまっていません。
 この場で、どこの国が悪いとかどこの国がいいということを言うつもりはありませんが、今御指摘をされたことは必ずしも正確ではないということは申し上げておきます。
○紙智子君 国民に対しては、議会に対しても何ら情報を出さないで、よくそういうことをおっしゃいますよね。本当に失礼だと思いますよ。国民に対して失礼だと思いますよ。
 それで、長い間、自由貿易か保護主義かという二者択一でこれまでレッテルが貼られていたこともあります。でも、今はアメリカの中でも決してそうなっていないと思うんですよ。アメリカも日本も、今や関税は世界の中では最も低い方の国になっているわけです。ですから、自由貿易か保護主義かの対立ではなくて、問題は多国籍企業の利益優先と国民との矛盾、これが問題になっているということを申し上げておきたいと思います。
 しかも、日本の前のめり姿勢というのは本当にひどいものだと思いますよ。甘利大臣は、八月末頃に次回の会合を持つというふうに言われました。今回の閣僚会議後の記者会見でマレーシアの貿易相は、今回の交渉ではサインしないんだと言っています。ニュージーランドは、二級の合意を受け入れることを避けられたのはよかったというふうに言っているわけですよね。議長国のアメリカは何と言っているかというと、決着させるならば慎重な設定が必要だと言いました。アメリカのアーネスト大統領報道官は三日の記者会見で、TPP交渉の大筋合意見送りについて、オバマ大統領は基準に満たない合意には署名しないと、アメリカ経済の最大の利益となる合意を追求するためなら、合意の遅れなど批判は喜んで耐えるというふうに述べて、安易に妥協する考えはないということを強調したわけですよ。そういう中で、日本だけが先を急いで早く早くと、早く妥結しようと。
 これは結局、ずれ込んで、当初の思惑狂って、来年の参議院選挙の争点になるのを避けたいためじゃないんですか。いかがですか。
○国務大臣(甘利明君) さきのマウイ島での会議は、十二か国全てがここで大筋合意に持っていくという決意を持って臨んだんです。一番交渉が遅れていたと報道されていたカナダですら、最終日に我々はその決意で来たんだということを強く主張されました。でありますから、交渉を遅らせた方がいいだ悪いだという議論はなかったということをまず申し上げておきます。
 そして、私が次の会合はちゃんと設定した方がいいと。それは、出席者、最後のプレナリーセッションでほかの閣僚はみんなうなずいておりました、そのとおりだと。アメリカは、次の会合をセットするということについて明言を避けましたけれども、それまでにしっかりと残されている課題を解決をして、次に会合を開くときには間違いなく大筋合意という確信が得られる下地をつくりたいという思いのようでありました。
 でありますから、どこの国もいろんな声はありますよ。全員が全員、百人が百人、TPP賛成という議会の国はないですよ。ただ、全体として、政府を代表して出ている大臣が大筋合意に持っていこうという決意をみんな披瀝しているわけでありますから、バイの会談でもそういう主張ですから、それが本当の声だというふうに思いますし、それが政府を代表した声だと思います。
 我々は、議論が漂流しないように、きちんと期限を定めて、そこに向かってみんなの思いが結集するようにという主張をしているだけであります。
○紙智子君 質問したことに答えておられないなと。結局は、なぜこんなに急いでやるのか、先のことを考えて、自分の都合で言わば考えておられるんじゃないかというふうに思います。
 それで、日本のこの間の譲歩案についてお聞きしたいと思います。
 日本が出したと言われる譲歩案というのは余りにもひどいということで、日本全国で批判が高まっています。甘利大臣は合意していないから交渉内容は答えられないというふうにおっしゃっていますけれども、新聞各紙が報道しています。パネルにしました。(資料提示)
 ちょっと見ていただきたいんですけれども、上から、米については、米国、オーストラリアに輸入枠を設定、米国には七万トンを上限、輸入義務はなしで決着したいと。それから、麦は、事実上の関税のマークアップを四五%削減。牛肉は、現行の三八・五%の関税を十五年目に九%。豚肉は、一キロ四百八十二円の従量税を十年目に五十円、従価税は十年目に撤廃と。乳製品は、米国、オーストラリア、ニュージーランドにバター、脱脂粉乳の輸入枠を設定、生乳換算で約七万トン。甘味資源は、一定の輸入拡大につながる措置を検討。鶏肉は、関税撤廃に向けて調整。クロマグロ、サケなど、関税三・五%は撤廃と。こういうことなんですか。
○国務大臣(甘利明君) 先般の会合は各国が大筋合意を目指すという決意をして臨んでいますから、日本といえども、ここに至ってまだ数字は何も出ていませんと言うつもりはありません。
 ただ、何度も申し上げていますように、これはパッケージ合意なんです。全体がまとまって全体がフィックスするという関係にあります。でありますから、途中経過、まだ現状では全体がこれでフィックスしたということではありませんから、ということは、どういう数字が行き交おうと、それが確定したことではありません。ですから、この段階で日本がこういう数字を出して、これが確定したとかしないとかということは、お答えをする段に至っておらないと思います。
○紙智子君 パッケージ合意だから数字については答えられないというふうにおっしゃるんですけれども、甘利大臣は、米は五万トンの譲歩案を出したということを数字を挙げて認めているじゃありませんか。甘利大臣は、七月の定例記者会見で、日本が五万トンという主張をし、アメリカが十七万五千トンという主張をした、それは事実であります、その間の綱引きがずっと行われているわけでありますというふうに認めているじゃありませんか。
 甘利大臣は、これ、五万トンだったらいいと思われているんですか。
○国務大臣(甘利明君) 日本のそれぞれの分野の主張、それは当然、日本の主張として何も言わないわけにはいかないということは事実であります。そして、交渉事でありますから、お互いが一方的に相手のところに寄っていくというのを交渉とは言いません。しかし、重要五品目、なかんずく米については、まさに最重要中の最重要の案件であります。これを両者の主張で足して二で割るような解決策は取らないということが日本側の基本的スタンスであります。日本側の主張に目いっぱい引っ張ってくるという交渉を続けているところであります。
○紙智子君 私が今聞いたのは、五万トンでもいいとお考えなんですかと聞いたんです。
○国務大臣(甘利明君) 我々の方では、幾らならよくて幾らならいけないという現状で申し上げているわけではありません。農水委員会の中で決議があります、再生産可能な道筋を開くこと。そして、今、市場価格が下がってきております、消費量は減ってきております。そういう中で、日本の米の政策に影響を与えないようにどう対処していくかという中でいろいろと交渉を続けているところであります。
○紙智子君 はっきり五万トンという数字を言われたんですよ。ということは、五万トンは入れてもいいということを勝手にお決めになったんですか。それで何とかなるというふうに思われたから言われたんですか。国会決議に照らしたって、これは大変な問題ですよ。いかがですか。
○国務大臣(甘利明君) この交渉をしていきますと、必ず各国から言われますのは、日本はホノルル合意ということを承知で入ってこられたんですねと。ホノルル合意というのは、基本的に関税はゼロを目指していくということであります。それを九か国の首脳が合意しましたと、それは日本は御承知なんでしょうということを必ず言われるわけです。
 我々は、それは承知をしていますと。しかし同時に、この交渉に入っていくときに……(発言する者あり)ちょっと待ってください、今しゃべっていますから。入っていくときにですね……(発言する者あり)
○委員長(岸宏一君) ちょっと静かにしてください。
 質問に答えてください。(発言する者あり)
 速記を止めて。
   〔速記中止〕
○委員長(岸宏一君) じゃ、速記を起こして。(発言する者あり)
 ちょっと速記を止めて。
   〔速記中止〕
○委員長(岸宏一君) 速記を起こしてください。
○紙智子君 五万トンでいいとお考えなんですか。
○国務大臣(甘利明君) 先ほどから申し上げていますが、私がいいとか悪いとか言うことではなくて、農水委員会の決議に従ってやっているつもりですから、最終的には国会で農水決議に適合しているか抵触しているかを判断をしていただくということですと申し上げています。
○紙智子君 総理、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 重要五品目の中でも米は極めて重要でございます。当然、農水委員会の決議等を踏まえて、国益にかなう最善の道を得るべく交渉を進めているところでございまして、その考え方に立って甘利大臣もTPP交渉を進めていると、このように認識をしております。
○紙智子君 総理の答弁も含めて、全然これはもうなっていないですね。
 米は五万トン入れてもいいなんていう理屈は、生産現場からいえば到底許されませんよ。既に七十七万トン、ミニマムアクセスのお米が入っていて、米の需給を崩してきたわけです。去年も米価が大暴落をしたと。ただでさえ現場は米価暴落に苦しんで、打開に向けて必死に努力しているわけですよ。
 今まで政府は、毎年八万トン米が余っているというふうに言われてきたわけです。それなのに、何でアメリカ、また五万トンも米を入れるのかと、一体何を考えているんだという怒りの声が現場から渦巻いているんですよ。衆参両院の国会決議というのは、農産物の重要品目、除外又は再協議ですよ。除外どころか何でまた新たに増やすんですか。全然なっていないですよ。
 米だけじゃなくて、食料自給率だって、この間五年連続三九%から変わっていないですよ。これ、国益に反するんじゃありませんか、総理。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 食料自給率また自給力について、我々、向上を図るために農政改革も進めているところでございます。今後とも、生産者、消費者双方に安心をしていただく農政を進めていきたいと思っております。
○紙智子君 全くその答弁聞いても誰も納得しないと思いますよ。
 それで、この後の状況について、ちょっと済みません、パネルを出してください。
 日本政府だけが前のめりになっているということを指摘しましたけれども、既にこれ漂流しかかっているんじゃないかと思うんですよ。
 それで、アメリカのTPA法に基づく議会の承認の手続を見ても、九月末頃に妥結できたとしても、署名までは九十日間掛かるわけです。そうすると早くても十二月末と。それから議会に法律を提出する作業をすると、結局、来年の二月、大統領の予備選挙の時期に重なるわけですから、これはもう審議が困難になるということでありまして、そもそも、やっぱりそういう無理なところをもう先走ってやろうとすること自体、問題だと。
 そもそも自民党は、選挙のときにはTPP断固反対、ぶれない自民党と言っていたわけですよ。それで、政権取ったら、公約を破って、今度は国民の審判から逃げようとすると。このようなこそくなやり方で国民を愚弄するようなTPP交渉からは断固撤退を求めて、質問を終わります。
○委員長(岸宏一君) 以上で紙智子さんの質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、井上義行君の質疑を行います。井上義行君。
○井上義行君 日本を元気にする会の井上義行でございます。
 先ほどからオリンピックの様々な質問がされておりますが、このオリンピック・パラリンピックの関連予算というのは文科省の内なのか、それとも別枠なんでしょうか。総理はどう考えていらっしゃるでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック大会に向けて、文部科学省のみならず関係各府省が関連施策に取り組んでいます。オリンピック・パラリンピックに関連する予算は文部科学省予算に限られないわけでありまして、オリンピック・パラリンピック関連予算については、先般決定した平成二十八年度予算の概算要求基準において優先課題推進枠の対象とするとともに、遠藤担当大臣から各府省に対して、来年度予算の概算要求において関連予算をしっかりと確保するよう要請をしたところであります。
 厳しい財政状況の下ではありますが、東京大会の成功に向けて所要の予算が確保できるように取り組んでいく考えでございます。
○井上義行君 まず、なぜその質問をしたかといいますと、今、世界水泳あるいはテニス、優勝者が出ておりますが、この裏番組でも高校野球やっておりまして、スポーツの活躍というのはすごくある。しかし一方で、この夏休み、様々な学生がスポーツに励み、そして来年の大学あるいは高校の受験に向けて一生懸命頑張っている。
 その中で、私は、今国会に高等教育に係る家計の負担を軽減するための法案を出しました。これは、奨学金の、二割、優秀な生徒には返還をしなくてもいいと、こういう仕組みが書いてあります。安倍内閣では教育に力を入れ、そして奨学金の充実も努めていますが、どうしても返還をしなければならない、やはりこうした予算をしっかり確保しなければならないというふうに思っております。
 そこで、私が今般提出をした法案、まだ付託をされて審議をされておりませんが、やはりこうした中身をどう、総理、評価いたしますでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 御指摘の法案は議員立法でありまして、国会において御審議いただくべきものでございますが、井上委員から御提案があった法案、私どもとしては大変有り難い、そして前向きな法案であるというふうに思います。意欲と能力のある学生が経済的理由により進学等を断念することがあってはならないわけでございまして、学生等の経済的負担の軽減にしっかり取り組んでいくことはやはり重要であるというふうに思います。
 文科省においても、平成二十七年度予算におきまして、まずは無利子奨学金の新規貸与人員を過去最大にしていこうということで八千六百人増加をし、奨学金をまず有利子から無利子への流れをつくって加速していきたい。それから、返還月額が卒業後の所得に連動する、より柔軟な所得連動返還型奨学金制度の導入に向けまして、柔軟なそして詳細な制度設計を進めるとともに、システムの開発、改修に着手するとの対応を加速をしております。さらに、各大学が実施する授業料減免等の充実、給付型的な形になりますが、進めているところであります。
 また、今年の七月の八日には、教育再生実行会議において取りまとめられました「教育立国実現のための教育投資・教育財源の在り方について」、これは第八次提言でありますが、ここにおきましても、財源の確保の課題について検討しつつ、高等教育段階における教育費の負担軽減に優先的に取り組む必要があるとの提言をいただいているところでございます。
 国会で積極的に御議論いただきながら、文部科学省としても、しっかり学生等が安心して進学できる環境の整備に努めてまいりたいと思います。
○井上義行君 総理、来年は参議院選挙で、十八歳以上になります。このテレビを見て、この夏休みもう一度勉強してみたいと、こういう意欲のある学生が出てくるように、この法案を前に進める、あるいは奨学金の充実に努める話を是非総理から語ってもらいたいと思いますが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 安倍政権の基本的な姿勢としては、家庭の経済状況によって進学が妨げられることがないように、学生の経済的負担の軽減に取り組んでいくというのが基本的な姿勢であります。そして、取組については既に文科大臣から御説明をさせていただいたわけでございますが、限られた財源の中において今後とも様々な課題に取り組んでいきたいと、このように考えております。
○井上義行君 そして、私は、このオリンピックには様々な、どうしてもいろんな削減をしますが、財源をしっかり確保する必要があるというふうに思っております。
 パネルを見ていただきたいんですが、(資料提示)これは、スポーツ振興くじ、toto、あるいは宝くじ、競馬、競輪、オートレース、競艇がありますが、この売上げが大体五兆円になります。この一%をオリンピックに使えば五百億円の予算が出てきます。先般、遠藤大臣からは前向きな答弁をいただきました。
 総理、こうした財源を活用するというお考えはございますでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の関連施設の整備等について、多様な財源の確保に努めることが重要であると思います。
 先般、委員から遠藤大臣に対し、スポーツ振興くじや宝くじなど多様な財源の確保について提言があったと承知をしておりますが、今後、遠藤大臣の下で関係省庁とも連携しつつ、様々な可能性を模索していくものと思います。
○井上義行君 遠藤大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(遠藤利明君) 今、委員配付の資料を見させていただきました。大変高額の売上げがありますが、各競技団体ともいろいろ関連する部分もあるかと思いますが、それぞれの目的があって運営をされているものですから、そういうものを調整をして可能かどうか検討をさせていただきたいと思います。
 多様な財源に、確保するためにこれからも積極的に取り組んでいきたいと思います。
○井上義行君 是非検討していただきたいというふうに思っております。
 お手元の配付資料にあるとおり、いろんな宝くじ、あるいはtoto、あるいは競馬、それぞれパラリンピックとかオリンピックに関係している内容もあります。これは目的に合致しているというふうに思っておりますので、是非活用をしていただきたいというふうに思っております。
 そして、もう一つ、小学校の耐震化が二十七年度予算で約九八%まで進行して、大分、耐震についてはどんどんどんどん進められております。一方で、自治体によっては耐震を自主財源でやって、もう耐震を終わっているところもあるんですね。しかし、その耐震があるがために、トイレとかあるいは老朽化に伴う大規模の改修ができない子供たちもいるんです。
 ですから、本来であればこうした改修が夏休みの間に終えて来年の卒業式を迎えるということが、一生懸命やっていた団体があるわけですね。やはり、公共団体で地方の様々な、自分たちでできることを先にやった人、頑張れば報われる社会を安倍総理は目指している、だったら、頑張ったら頑張った自治体に対してやはりもっと先を行くような予算の使い道、これが必要だろうというふうに思っております。
 二十七年度予算では九八%までこの進捗がやってまいりました。このような耐震を終えた、そして自分でやってきたこうした地方公共団体にはしっかりと老朽化対策をして、子供たちのしっかり整った環境をつくることが必要だというふうに思っておりますが、総理、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 学校は子供たちの学習の場であり、子供たちの命を守る観点からも耐震化は必要ですし、また地域の拠点にもなっているという観点の重要性もあります。このため、平成二十七年度予算において耐震化に必要な経費を確保し、その予算執行後には公立小中学校の耐震化がおおむね完了する見込みとなっています。
 一方、今委員から御指摘があったように、地方からは老朽化対策やトイレ改修、空調設置等の教育環境の改善等、耐震化以外の事業についても多くの要望が出されているわけでありますが、今後、地方の声にできる限り耳を傾けながら、耐震化以外の事業も含め、地域コミュニティーの中心である学校の施設整備に取り組んでいきたいと思います。
○井上義行君 しっかり安倍内閣、教育に力を入れていくということを申し上げて、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
○委員長(岸宏一君) 以上で井上義行君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、山田太郎君の質疑を行います。山田太郎君。
○山田太郎君 日本を元気にする会・無所属会の山田太郎でございます。井上議員に引き続き、質疑させていただきたいと思っています。
 実は、私は議員になる前は自ら起こしました会社で製造業専門のコンサルティング会社をやっておりました。その後、それを上場させたりとか、あるいは、アジアにいろんな日本の物づくりの会社を進出させるなど、二十年間現場でやってきた身であります。その観点から、今日はちょっと骨太の方針との関連で是非総理に対して質疑をさせていただきたいと思っております。
 日本の大手の製造業は今最高の収益を上げているということですが、残念ながら、実態は海外で稼いで連結をして好業績だと、その利益はそのまま海外投資に向かっていて、なかなか国内の雇用、それから中小企業への還元にもつながっていないんじゃないか。現在、日本の貿易収支は赤字なわけでありますが、とはいうものの、産業別では製造業のみが黒字を稼いでいて、このもし製造業が失われてしまえば大変なことになってしまうと、こういう非常に私は危機感を持っております。
 パネルをちょっと御覧いただきたいと思っております。(資料提示)
 製造業は、他の産業と比べても国内の雇用を大変大きく支えているんですね。さらに、GDPに占める製造業の割合は他の産業と比べても高くて、他産業への波及効果、地域産業の維持、依然、製造業が日本の屋台骨を支えているというのは事実だと思います。
 ところが、政府は、今後の五年間の成長戦略をまとめた、六月末に出された安倍政権で最も重要な指針、骨太の方針二〇一五の中で、製造業単体について触れている箇所の記述が全くないんですね。製造業は、今でも日本のGDP、そして雇用の二割を支えている極めて重要な産業です。総理はこの日本の製造業を伸ばしていくことを諦めてしまったのかどうか、お答えいただけないでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私も製造業の出身でありまして、鉄鋼業界におりました。
 そこで、いかに創意工夫が進められ、ラインにおいて言わば改善に取り組んでいくか、その中において競争力を確保し、そして世界の競争の中においても製造業においては日本は高い生産性を維持をしていると、このように思っておりますし、しかし、現在の段階において、その製造業、利益を上げていますが、古くなった設備を思い切って設備投資をしてそして生産性を高めていくということについては、残念ながらそこまではいっていないという課題、問題意識を持っております。
 その中におきまして、我々、政労使という仕組みとは別に、政と産業界において話合いを進めながら、設備投資が進んでいくようにお互いが努力をしていくようにしていきたいと、こう思っているわけであります。
 骨太の方針では、民間企業投資を拡大し、絶え間なくイノベーションが起きるようにすることによって生産性を飛躍的に向上させることが日本経済の最重要課題の一つであるということをお示しをしましたが、これは製造業においても当然例外ではないわけであります。このため、成長志向の法人税改革や規制改革、TPP交渉の早期妥結など、事業環境を改善する取組をしっかりと進めていく方針であります。特に、中小製造企業については、ITや人材への投資を支援し、新たな物づくりやサービスの創出を促し、製造業の生産性の向上と高付加価値化につなげていくという方針を出しております。
 そして、製造工程には依然として人手に頼ることが、難しい部分が数多く残っておりまして、ロボットの活用は生産性を大幅に向上させるとともに、IoT等のデジタル化とも相まって、交通、医療、介護などの分野に新たな付加価値の提供を可能にするものであり、重点的に取り組んでいきます。
 これらの総合的な取組によって製造業の競争力を更に強化をし、更なる成長と発展を実現していきたいと思います。
○山田太郎君 次に、ちょっと各国の取組を見ていきたいんですが、パネル等も見ていっていただけますでしょうか。
 まず、アメリカなんですけれども、製造業の実は国内回帰と雇用創出、それからドイツでもインダストリー四・〇という形で製造業の再興プロジェクトが今進んでいます。金融で有名なGEも、今後キャピタル部門を縮小しまして二〇一八年には一〇%以下まで収益を下げるなど、実は脱金融、製造業回帰を進めているんですね。フォードも、二〇一一年以降、メキシコ工場をアメリカ国内に移すなど、一万五千人の雇用を生もうとしていると、こういうことなんだと思います。
 このパネルの資料を見ていただきたいんですが、実はドイツでは、メルケル首相が政府主導でトップセールスマンとなりまして、インダストリー四・〇という巨大プロジェクトを国内の中小企業を巻き込んだ形で推進しています。インダストリー四・〇といいますのは、機械の第一次、石油の第二次、コンピューターの第三次に次ぐインターネットと物づくりを融合した第四次産業革命のことであります。このインダストリー四・〇はすさまじい勢いで日本にも迫っておりまして、日本の標準をも握ろうとしていると。
 アメリカではまさにインダストリアル・インターネット、フランスでは今年の五月からインダストリー・オブ・ザ・フューチャー、中国でも中国製造二〇二五、インターネットプラスと、単純組立ての製造業から脱却して物づくりの付加価値を付ける製造強国としての地位を築こうとしています。これらは、個別の企業への補助金とか支援などの取組ではなくて、政府主導で中小企業を含めた製造業全体の付加価値を付ける、まさに国の威信と存亡を懸けた戦略をやっているわけなんであります。
 今総理の方からも、確かにロボットについての言及はありました。民間主導でロボット革命イニシアティブ協議会というのを少しやっているということを聞いておりますが、残念ながら二〇一五年の関連予算はゼロということでありまして、胸を張って言われたこのロボットも、実は産業用ロボットの出荷台数については、何と二〇一三年に既に中国に抜かれていると。そしてさらに、今年度末には稼働台数も抜かれるという予測が実は出ています。ソフトバンクの先端AIロボット、皆さん御存じだと思いますが、ペッパー君、あれも中国の鴻海の煙台工場で作られているということからも分かるように、日本が本来得意としているロボットですら中国の猛追を受けているんですね。
 何でこんな事態になっちゃったのかなということなんですが、日本はやはり個別のものに注目したIoT、インターネット・オブ・シングスにとどまっていて、産業界挙げての標準化、それからPLM、マスターデータの改革など製造業の国家戦略がないからなのではないかと、こういうふうに危惧しているわけであります。
 今年の三月の九日にメルケル首相との共同会見でも、総理は日本でもインダストリー四・〇を進めていく決意と発表されていますが、具体的に、じゃどう進めていくのかと。日本も政府主導でこれら諸外国並みの来年度の予算、それから戦略を構築されるのか、骨太にもないということなんですけれども、いかがか、総理に是非お答えいただけますでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 製造業におけるITの活用は、日本が世界の中でも進んでいるというふうに認識をしています。今般の世界の動きを受け、海外企業と協力する点、そして日本の強みを更に高めていく点について国としてもしっかりと支援をしていきたいと、こう思っているわけでございます。
 今、産業用ロボットについて御指摘がございました。
 産業用ロボット、大変日本はかつては進んでいたんですが、しかし、その後しばらく注目されていなかった。安倍政権においては再びここにスポットライトを浴びせまして、この産業用ロボットを、今や廉価で中小企業も使えるものも出てきているわけでございますから、そうしたものを活用しながら、農業やあるいは介護といった分野でも活用が可能となってきたわけでありますから、ロボット革命を起こしていくという決意でこの取組をスタートしたばかりでございまして、まだ残念ながらその効果は出てきていないわけでありますが、必ずや二年後、三年後には出てくるものと期待をしております。
 また、IoTを活用していくということについてもしっかりと力を入れていきたいと、こう思っております。
○山田太郎君 是非、原発輸出とか武器提供に熱心だということを言われないように、この辺り頑張って、特に年末までに骨太の具体策をまとめられるということなので、よろしくお願いします。
 さて、残された時間、表現の自由ということで一つ、インターネットは基本的人権だというところを少し質疑させていただきたいと思いますが、表現の自由と通信の秘密、憲法二十一条なんですが、それに違反されているのではないかという事例が日本でも多くあるのではないかなというふうにちょっと危惧しております。
 先日、衆議院で通過しました通信傍受法においては、警察による電話やメールなどの傍受の範囲が拡大されました。昨年改正されました児童ポルノ禁止法でも、プロバイダーにサーバーのパトロールと通信の監視をする努力義務が付きました。青少年インターネット環境整備法や、自民党の方から法案化された、一度提出されました青少年健全育成基本法についても、青少年の知る権利を奪うかのごとく積極的にプロバイダーなどによるブロッキングを促しているのではないかというふうに懸念しています。
 ヨーロッパでは、インターネットは基本的人権として使われています。日本もそういうふうにするべきじゃないかなというふうに思っています。
 先日、総理が本部長を務める知的財産戦略本部において、著作権違反サイトについての通信の検閲やブロッキングを検討することが推進計画に載っていたんですね。ただ、CODAがしっかり言っていれば、海外、中国サイトにおいても一〇〇%ほぼ削除されているということなので、わざわざ憲法違反の可能性の高いネットの検閲、遮断という手法は使うべきではない、私はこういうふうに思っております。
 是非、この辺り、総理が本部長をやられております知的財産戦略本部における会議の中で、この表現の自由や通信の秘密を最大に制限するネットの検閲やブロッキングを最初からするべきではない、こう思いますが、総理の見解をお聞かせいただけますでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 御指摘の表現の自由や通信の秘密は日本国憲法で保障された基本的人権の一つであり、それを尊重するべきであるということは言うまでもないと思います。
 一方、例として挙げられた児童ポルノは、厳正に取り締まるべき犯罪行為であります。関係業界の協力を得ながら取締りを強化するため、平成二十六年六月、議員立法によって御指摘の努力義務が創設されたものと承知をしています。
 そして、TPP交渉における著作権侵害の非親告罪化については、二次創作の萎縮などの懸念も踏まえ、権利保護と利用促進とのバランスを取りながら共通ルールの構築を目指し交渉に当たっております。
○山田太郎君 時間が来ました。
 TPPの非親告罪の話は質疑通告していたんですが、質問しなかったんですけれども答えていただきまして、ありがとうございました。
 以上で終わります。ありがとうございます。
○委員長(岸宏一君) 以上で山田太郎君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、松沢成文君の質疑を行います。松沢成文君。
○松沢成文君 次世代の党の松沢成文でございます。
 今日、私は、国民の皆さんの大きな関心事になっています国立競技場の建設問題について総理の見解をただしていきたいと思います。国民の皆さんにも分かりやすいように、今回の新国立競技場建設における大失態ということで、分かりやすくパネルを作らせていただきました。(資料提示)
 初めに、建設費用の積算の甘さ、あるいは建設会社、設計会社との交渉力が全くないということで、この費用が乱高下した。国民、信じられないですね。二つ目に、そうやって最初の計画が失敗しちゃった結果、二年半に及ぶ工期が浪費してしまったと。そして三番目に、約六十二億円とさっきありましたけれども、六十二億円もの国民の税金を毀損させてしまったと。こういうことで国民の怒りが爆発しました。これじゃまずいということで、総理が計画の白紙撤回を決断したんですね。遅きに失した感はありますが、決断自体はよかったと思います。ただ、こうした一連の日本の動きを見ていて、国際社会は日本大丈夫かよと、大きな信用の失墜につながったということだと思うんです。
 さて、安倍総理、これどう見ても大失敗ですよね、政府の政策の。あるいは文科省の監督能力が全く欠如している、大失敗です。これだけの失態を起こしながら、この結果責任は全く負わないんでしょうか。このままだと、文科大臣は責任を取って辞任は必要ありませんと言っているんですね。それから、文科省の役人の皆さんも、久保局長は、文科大臣は、更迭ではないと、人事のローテーションだと言い張るわけです。ですから、責任を取っての辞任じゃないんです。それから、実施主体のJSCも誰も責任を取っていません。
 総理、これだけの大失態を犯しておきながら、全く安倍政権としてこの問題の責任を明らかにしないんでしょうか。きちっとけじめを付けないと、次の計画に行けません。ここでけじめを付けないでなあなあにしておいたら、また同じ失敗を犯しますよ。
 総理、地方自治体では、税金をこれだけ毀損したら、まず知事は、首長は住民監査請求を受けます。それで、監査がきちっとできていないと、今度は住民訴訟に行くんです。実は私、四年前に知事を辞めていますが、いまだに被告の立場で裁判を闘っているんですよ。それぐらいに税金の毀損というのは、政治家にとって、政府にとって大きなミステークなんです。もし自分の配下の職員が不祥事を起こして税金を毀損させてしまったら、知事始め県庁の職員が全員給与を削減して、ボーナスを削減してそれを埋めていくんです。そこまで地方では税金の毀損ということについてきちっと責任を取っているんです。
 政府は、六十二億円、国民の血税を毀損させておきながら、何にも誰も責任を取らないんでしょうか。見解を伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今般の見直しに伴う費用の発生でございますが、この言わばザハ案の経緯はともあれ、ザハ案に決定された経緯はともあれ、この二年半、安倍政権において検討を重ねてきたわけでございますから、我々に大きな責任があると、こう思っております。費用がかさんできたこのザハ案における新国立競技場の建設は白紙に戻したところでございます。
 そして、なぜそうなったかということについて徹底した原因の究明は大切であろうと思います。これまでの経緯を検証するために文部科学省に第三者委員会を設置をしたところであり、ここでは経緯と併せて責任の所在についても議論をしていただくことになると考えております。
 いずれにいたしましても、最終的な責任は行政府の長である私にあるわけでございますが、この競技場をしっかりと二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックまでに完成をさせ、多くの方々に感動を与える場として国民の皆様にも御評価いただけるようなものを完成していくことによって責任を果たしていきたいと、こう考えているところでございます。
○松沢成文君 政治家は、自分の責任は自問自答して自分で判断するんです。何で第三者委員会に、私たちの責任どこにあるか検討してください、お願いしますとなるんでしょうか。こんな他力本願なことはないですよ。政治家は、決断することと責任を取ることが政治家の仕事なんです。第三者委員会に検討をお願いして、それで責任があると言ったら、文科大臣は辞めるんでしょうかね。後で聞きます。
 さあ、総理、今日の私の質問のメーンはここなんです。総理は、計画を白紙撤回し、ゼロベースで見直したいと言うんです。そうであれば、人心一新を図るべきです。あえて申し上げますが、私は、総理、森組織委員会会長、勇退を進言したらどうでしょうか。
 今回の建設の見直しで、総理も文科大臣も、森オリパラ組織委員会の会長の説得に一番苦労したんです。文科大臣はそれに失敗しました。総理は、さすが総理ですね、森会長を二日間にわたって説得して、分かったと言わせたんですね。森会長は今回の国立競技場建設問題の直接の権限を持っているわけではありません。しかし、森会長は、政界、財界、スポーツ界において絶大な権力を持っていまして、この建設問題にも間接的ではありますが絶大な影響力を持っているんです。だからこそ、お二人は、森会長の意向が大事だということで理解してほしいとお願いに行っているわけですね。
 その証拠に、ザハ案での建設を承認した七月七日の有識者会議でも、最初に森会長がザハ案でいくしかないと言って、どおんと発言したんです。そうしたら、ほかの有識者会議のメンバーは誰もそれに対して発言できない。私はびっくりしたんですが、舛添東京都知事と竹田JOC会長、安倍総理の決断を支持しているんですね。それだったら、何でこの有識者会議で、この計画でいったらまずいんじゃないのと、こう言う勇気がなかったのか、このお二人の態度は私は本当に疑問なんですが。
 事ほどさように、今、日本のスポーツ界で森会長にきちっと進言をできる、いさめる人がいないんですね。私は、現在の日本のスポーツ界の最大の問題は、この森会長に進言したり、いさめる人が誰もいないというところだというふうに思います。
 私は森会長に何の恨みもありません。これまで二十年間にわたって日本の体育界あるいはスポーツ界に貢献されて、その功績は誰もが認めるところであります。しかし、総理、森会長は余りにも権力の座にいることが長過ぎたんです。権力が長期化すると必ずおかしくなるのは、古今東西、政治のさがだと私は思います。
 年齢を考えても、今七十八歳ですから、五年後の東京オリパラまで元気で活動できる保証は私はないというふうに思っています。それが悪いと言っているんじゃないんです。あえて言いますが、私は森会長の資質や好き嫌いという感情論で言っているんではないんです。オリンピック・パラリンピックを成功させるための新しい体制をつくる改革論あるいは危機管理論として言っているんです。
 総理、やっぱり日本のスポーツ界を刷新しましょう。今回も森会長の存在があって、ほかで誰も森会長にこれはおかしいと言える人がいなかった、これで最後までずるずるずるずる来ちゃったんです。残念ながら、スポーツ界には誰もいません。恐らく政界にも誰もいないんじゃないかと思ったら、総理が頑張ってそこをやっていただいたんです。
 総理、ここは思い切って、あれだけの決断をしたんですから、森会長に勇退を進言する、そこまでやっていただければと思うんですが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、私は、オリンピック組織委員会の会長に誰かを任命するとか、あなた辞めなさいと言う立場ではないわけでございます。
 そしてまた、森組織委員会の会長は、会長に就任してそんなに長い年月がたっているとは思わないわけでありまして、その職がずっと長いというわけではございません。また、かつ、もう既に自民党の国会議員でもない方でございます。
 そういう中で、今回も森会長の了解を得るために時間が掛かったわけではこれはないわけでありまして、この競技場自体を白紙撤回する上において、一応、オリンピック組織委員会側にその方向性についてはお話をしていこうということで、会長たる森会長にお話をさせていただいたわけでございますが、了解を取るということではなかったわけでございまして、このように判断をしたので、ただ、IOCとの関係もございますから、そこのところについて納得をしていただければよいと、こう思っていたところでございます。
○松沢成文君 新しい東京オリパラを成功させるためには、私は新しい発想が必要だと思っています。それこそがレガシーになるんだと思っています。
 スポーツを単なる体育の延長と考えるだけでなくて、新しいビジネスとして考えられる人、あるいはオリンピックを巨大な箱物を造って国威発揚に使おうとする、そういう発想ではなくて、むしろ民間の発想で成長戦略につなげる、そういう新しい発想を持てる人、私はこれが必要だというふうに思っています。
 総理は十数年前、二〇〇三年、自民党の幹事長だったとき、当時の中曽根元総理に御勇退を迫りました。中曽根元総理も、自民党の定年制をしいたと、党改革の大義のためにお受けになりました。
 総理も森会長と親しいのは重々私も知っています。もちろん、情があると思います。しかし、情を押し殺しても、オリンピック成功という大義のために、人心一新、その改革ができるかどうか、私はここも大きな要素だというふうに思っております。是非とも、上の方にしっかり説得するのは安倍総理、得意だと思いますので、森会長の勇退を進言していただきたいというふうに思います。
 最後に文科大臣に聞きますけれども、文科大臣は、自分の責任があるかどうか分からないが、あるんだろうけれども、第三者委員会をつくると。第三者委員会を文科省の中につくること自体、私は間違っていると思いますけれどもね。これは外につくらないと、大臣官房に置いたって、大臣のことを気にするに決まっています。
 大臣は、じゃ、この中間報告、九月中旬に出ます。そこで監督責任があるという方針が出たら、文科大臣、委ねたわけですから、それを受けて適切に判断すると言ったわけですから、第三者機関もそういうことになった、そこで引責辞任をするんですね。ここをお聞きしたい。
○委員長(岸宏一君) 時間が過ぎておりますので、簡潔な答弁を。
○国務大臣(下村博文君) はい。
 新国立競技場の整備計画に係るこれまでの経緯について検証、また併せてそれぞれの責任の所在、これについて第三者委員会を設置して、経緯と責任の所在、議論をしていただくことにいたしました。
 これは文科省に設置しますが、それぞれの、第三者委員会が独立して、そして我々のそういうふうな、何かねじ曲がったというふうなことがないような厳正な調査をしていただきたいと思います。その上で、その結論について私は謙虚に対応してまいりたいと思います。
○松沢成文君 どうも、時間です、ありがとうございました。
○委員長(岸宏一君) 以上で松沢成文君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、薬師寺みちよさんの質疑を行います。薬師寺みちよさん。
○薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。
 本日も、TPPの問題、国立競技場の問題、それから安保法制の問題など議論がなされておりますけれども、この国会というものは、直近に起こる問題には大変敏感に反応して議論が巻き起こされるんですけれども、なかなかこの少子化という問題、もう本当に腰を据えて議論する場もいただけていないという現状がございます。ですから、私は少子化に焦点を当てて、今日は短時間ではございますが議論をしてみたいと思っております。(資料提示)
 総理、我が国の人口減少、歯止めが掛からない現状です。総務省がこどもの日に合わせて発表した四月一日現在の十五歳未満の子供の推計人口は、二〇一四年より十六万人も少ない千六百十七万人でした。これは、一九八二年から三十四年間の連続の減少です。比較可能な五〇年以降の統計で過去最少を更新している状況です。総人口に占める子供の割合も〇・一ポイント低下の一二・七%で、これも四十一年連続で低下をしております。つまり、今の日本の最大の問題であるこの少子化というのは、三、四十年前から分かっていたけれども、もう既に歯止めが掛からないんではないかと言われております。
 昨年、総理を本部長としたまち・ひと・しごと創生本部の有識者会議でも、二〇一三年の一・四三という合計特殊出生率を一・八程度に引き上げるというような目標も掲げられました。本年四月には、子ども・子育て本部も発足をいたしました。
 そのような中で、残念ながら、昨年の合計特殊出生率は一・四二で、平成十八年から上昇基調がようやく保たれていたところ、下降に転じております。私の周囲でも、安全でそして安心に子育てできるように世の中変わってきたよねという意見は聞かれません。
 安倍内閣になってからの少子化対策の効果について、総理御自身、どのように総括なさっていらっしゃるのか、まず教えていただけますでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 我が国において晩婚化、また未婚化、晩産化が進行し、また、夫婦が持つ子供の数が減少してきておりまして、少子化の進行は深刻さを増していると、こう認識をしています。
 このため、安倍政権においては、子育て支援を更に強化をするために、平成二十五年からの五年間で保育の受皿を四十万人分整備する待機児童解消加速化プランを進めております。また、子ども・子育て支援新制度をこの四月から開始をし、円滑な実施に当たっており、少子化対策を着実に進めてきたところであります。
 平成二十六年の合計特殊出生率が前年から、一・四三から一・四二に低下したことは誠に残念ではありますが、三月に策定した新たな少子化対策大綱に基づいて政策を集中して取り組んでまいりたいと思いますし、我々はしっかりと少子化に力を入れているんだということをメッセージとしてもっと力強く発信をしていきたいと思います。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。
 今総理がおっしゃっていただいたような施策を充実させるためにも、財源というものが欠かせなくなってまいります。
 私も、二月三日の予算委員会でプレストン効果について麻生財務大臣に質問させていただいたところでございます。これは、いわゆる高齢の皆様方が増えることによって、政治家が、高齢化の社会において予算配分が高齢者の方に偏ってしまうというような内容でございます。子供の方になかなか予算配分がなされないんではないかという疑問を呈したところ、麻生大臣は、もちろん、現状それを見てみたら分かるだろうというようなお答えをいただきました。
 この七月には骨太の方針が、そして予算要求基準が決まりました。八月末までに各省の翌年度に必要な予算額を概算要求として財務省に提出することになっている。今でないと私は要求することができませんのでお願いをしたいと思いますけれども、平成二十八年度予算の概算要求に当たって、しっかりと消費税増収、増加分による財源の確保などを踏まえて検討がなされるという方針が打ち出されておりますので、将来にわたって社会保障制度を持続させ、日本経済を成長させていくためには、少子化対策の成否というものが鍵を握っている、だからこそ、しっかりと少子化対策を新しい日本のための最優先枠として考え、予算を組んでいくんだという意気込みを大臣の方からいただけませんでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) これはもう既に御存じだと思うんですが、骨太の方針二〇一五年という、これは六月三十日の閣議決定の部分ですけれども、そこにおいて、少子化のトレンドを変えるためということで、集中的に実効性のある政策を投入すると既にされておりますのは御存じのとおりだと存じます。
 したがいまして、社会保障と税の一体改革におきましても、消費税収の使途を従来の高齢者三経費、いわゆる基礎年金とか高齢者医療と介護から、少子化対策を含みます社会保障四経費というように名前を変えて拡大をしております。二十七年度の予算におきましても、子ども・子育て支援新制度を本年四月から、消費税を上げなかったんですけれども、それをそのまま四月から予定どおり実施をしておりますし、子育て支援の量的拡充と質の向上、これを全て実施するために必要な予算上の手当てを合計〇・五兆円、これは国と地方と足してです、を行ったところであります。
 今後、消費税が一〇%に引き上げられるときには、これは平成二十九年四月を予定しておりますけれども、少子化対策にこれまでの充実分を含めて合計〇・七兆円程度、国、地方を合わせまして、を向けることといたしております。
 したがいまして、政府としても、今後とも、いわゆる財源を確保しつつ子育て支援を充実していくということが重要で、口だけ言っても付いてくるものが付いてこなかったら実が上がりませんので。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 しっかり財源も付けていただけるということを今宣言をいただけたかと思います。
 今度は、予算が確保されても、それをどのような施策に利用していくのかということが重要かと思います。この少子化対策、金太郎あめのように全国一律であってはならないと私は考えております。やっぱり、地域の現状に合わせたような施策というものを地方自治体の方がしっかりと知恵を働かせて行っていかなければなりません。
 そこで、石破大臣にお尋ねをしてみたいと思います。
 石破大臣は、六月五日に、「地方創生における少子化対策の強化について」という文書を出されていらっしゃいます。近年、地方を中心に出生率が向上する傾向にあったが、そういう動きが鈍化しつつあることが明らかになった、このまま出生率の向上が図られないようであれば、地方のみならず日本全国の深刻な人口減少の事態を迎えることになるというふうに、危機感をそこではっきりと明言していらっしゃいます。従来の取組に加え、これまで以上に地域・働き方のアプローチの考え方を重視し、地域企業とともに連携を図りながら少子化対策の強化を図っていくというふうに考えているというふうに、そこに私は見せていただいたところでございます。
 ところで、先ほども出ましたけれども、平成二十八年度予算で一千億円規模の地方創生の深化のための新型交付金というものを考えていらっしゃる旨発表がなされました。前回の交付金の考え方では、就業、そして人口流出、少子化の状況に配慮するとされておりましたけれども、少子化の状況に配慮をするというよりも、むしろ少子化に対する先駆的な取組に対していかにインセンティブを働かせていくかという、ここが大切だと思いますけれども、いかがでいらっしゃいますでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) 委員の御指摘のとおりであります。
 総理から先ほど、晩婚化、晩産化が出生率低下の大きな原因の一つであるというような言及がございました。これは、四十七都道府県全部見ますと物すごくばらつきがございます。出生率が一番高い沖縄が一・八六、一番低い東京が一・一五。また、第一子を産んでくださる平均年齢というのも、一番若い福島が二十九・〇、一番遅いといいますか、その東京が三十二・二ということであります。あるいは、出生率が一を割る、〇・幾つとかいう自治体は十二ですが、一・八以上にしても百二十あるわけでございまして、これは、少子化、晩産化、晩婚化といっても、それぞれの地域、自治体によって状況は全く異なるのだというふうに認識をしておるところであります。
 あるいは、第二子、第三子を女性の方が産んでくださるというのはどういう状況かというと、男性が掃除、洗濯、炊事、育児をする時間が長ければ長いほど第二子、第三子が生まれると、人のことが言えた義理でもありませんが、そのようなこともございます。それぞれの地域においていろんな事情が違うのであり、そこの先駆的な事例というものをどうやって最大限伸ばしていくか、あるいはそれをどうやって横展開をしていくか。
 ですから、岡田委員の御質問にもお答えをいたしましたが、この新型交付金というのは自由に使えるというところがポイントでして、今までの補助金にはない新しい取組、じゃ、ワーク・ライフ・バランスをどうするのだ、出生率だけではなくて子宝率みたいなものをどのように考えるのだ、今までと違う取組をそれぞれの自治体に合った形でつくっていただく、それを最大限支援するような、そういうような交付金としての使い方を考えたいし、考えていただきたいと考えております。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 しかし、現状、所沢市の育休退園の問題などのように、一人目の子供は保育園に預けられるんですけれども、下の子を出産して育児休暇をもらったら上の子は退園をさせられてしまったというような自治体が実際に出てきております。こういうような施策であれば安心して二人目が産めない、育休も十分に取得できないじゃないかというような、少子化に、逆行しているとしか言いようがないような環境も出てきました。
 経済的理由で結婚、出産、子育てを諦める、経済的理由で質の高い教育を受けさせることを諦める、自治体も予算がないので少子化対策を諦めるというような、諦めの負の連鎖というものをどこかで断っていかなければなりません。そのためには新しい発想で大胆な対策を打ち出す必要があると思いますが、総理、最後に一言お願いいたします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今年三月に策定した少子化社会対策大綱においては、個々人が結婚や子供についての希望を実現できる社会をつくることを基本的な目標としているわけでありまして、この希望が実現できれば少子化に歯止めを掛けることができるわけであります。
 このため、新たに結婚の段階からの支援を行うとともに、学校教育段階や社会人に対して妊娠、出産等に関する医学的、科学的に正しい知識を普及していくこと等を新たに打ち出しているところでありまして、これらの新たな施策を着実に実行し、結婚、妊娠、そして子供、子育てに温かい社会づくりをしていく、そのことを促していきたいと考えております。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。終わります。
○委員長(岸宏一君) 以上で薬師寺みちよさんの質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、福島みずほさんの質疑を行います。福島みずほさん。
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 明日、鹿児島の川内原発が再稼働されるかどうか、大変緊迫した事態を迎えております。原発再稼働、川内原発再稼働についてお聞きをいたします。
 東電福島原発事故で、東電の元幹部、勝俣さん、武黒さん、そして武藤さん、三人が強制起訴になりました。予見可能性と回避可能性があったというふうに検察審査会は議決をいたしました。高い津波がやってくることが分かっていた、そして、原発を止めてきちっとその対策を講じていたら原発事故は回避できた可能性が高い、それで強制起訴になりました。
 そこで、お尋ねをいたします。
 基準地震動の考え方は、大飯の原発の判決、そして高浜の差止めの判決で、基準地震動は根本的な批判を判決、決定の中で受けました。そして、火山ですが、火山活動の五年前に燃料棒を出して冷やさなくちゃいけない。でも、鹿児島地裁の判決も、五年前に火山活動の予知をすることは無理だと判決をしています。
 今、川内原発の再稼働をするということ、そして原発再稼働をするということは、総理大臣、経済産業大臣、将来、刑事裁判の刑事被告人になるという覚悟がおありだということでよろしいでしょうか。
○国務大臣(宮沢洋一君) 個別の刑事告訴、告発に関することについてはコメントは差し控えさせていただきますが、今後、司法手続の中で検討されていくことになろうと思っております。
 一方で、今回、原子力規制委員会によって世界最高水準の新規制基準が定められ、そして、それに適合されるというものについては政府としては再稼働を進める方針でありますけれども、まさに世界最高水準の規制基準に適合するということでありますから、再稼働をすることが刑事責任につながるというものではないと考えております。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま大臣が答弁したとおりでありますが、安全神話に陥ることなく、事業者と規制当局の双方が更なる安全性の向上を不断に追求していくことが何よりも重要と考えているわけでございます。
 いずれにいたしましても、世界最高水準の新規制基準に適合すると認められた原発を再稼働していくということになるわけであります。
○福島みずほ君 将来、原発事故が起きたときに、予見可能性とそれから回避可能性は十分あります。私には予見可能性があります。
 今動かすということ、これだけ批判があって、三・一一原発の後、これだけ議論があって、これだけ理論的に批判をされて、原発再稼働ゴーサインを政治がやるということは、それほどの覚悟があることだというふうに思います。原発再稼働に反対です。
 もし原発事故が起きたらというふうに言いましたけれども、原発事故も戦争の被害も、本当の意味では被害の回復などできません。
 安保法案、戦争法案について質問いたします。
 重要影響事態、集団的自衛権の行使について、国際連合の総会又は安全保障理事会の決議は要件となっていないということでよろしいですね。
○国務大臣(中谷元君) 重要影響事態というのは、我が国の平和と安全に重要な影響がある事態ということで後方支援を実施をいたします。これは武力行使ではございません。武力行使でないということは、国連の関係は関係ないということでございます。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 重要影響事態においては言わば国連の決議は必要なものではないわけでありまして、我が国に重要な影響を及ぼす事態に対しては後方支援をするというものでございます。
○福島みずほ君 集団的自衛権の行使も、そしてこの重要影響事態の場合も、国連の決議など一切要件とされていません。正当かどうかという担保は一切ないんです。つまり、それは政府の判断によってそれが決められると。
 総理は戦争という言葉がお嫌いですよね。戦争というのは違法なものだからと言うが、しかし、重要影響事態も集団的自衛権の行使も、この法案の中で正当性の担保はどこにもありません。国連の決議も要件とされていません。ましてや、国際平和支援法は国連の決議を要件としておりますが、イラク戦争、それがいい例で、国連の決議、砂川判決のように古証文の決議を出してやったけれども、大量破壊兵器もなく、誤った戦争でした。たくさんの市民を殺りくしました。結局、国連の決議があろうがなかろうが間違った戦争です。しかし、国連の決議が集団的自衛権の行使も重要影響事態もないということ、ですから、誤った戦争や間違っているその正当性の担保が何もないときに弾薬を提供する、武器を運ぶ、これは大問題だと思います。
 ところで、武器弾薬は運搬できる、そして弾薬は提供できる、武器弾薬はどこまで運搬するんですか。
○国務大臣(中谷元君) まず、集団的自衛権の話がありましたが、今回法律で定めました存立危機におきましては三要件が必要でありますので、当然、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生をし、それに基づくことでありますので、国連の国際法、これを遵守するというのは当然のことでございます。
 そこで、武器弾薬、これの扱いでございますが、今回は国際平和支援法また重要影響事態法、これにおいて武器の補給、提供、これはいたしませんが、弾薬においては認めるということでございます。
○福島みずほ君 武器弾薬は運搬できるわけですから、どこまで運搬するんですか、弾薬はどこで提供するんですか、明確に答えてください。
○国務大臣(中谷元君) 武器弾薬を輸送するというイメージにおきましては、その方法に特段の制限はなく、陸上、海上、航空のいずれも考えられますが、実際には、現に戦闘行為が行われている現場から離れて、安全が確保された場所に設置をされた輸送のための拠点までに他国軍隊の物資を輸送することになります。
 また、その安全な地域の指定につきましては、防衛大臣が指定するということになっております。
○福島みずほ君 弾薬を提供する、消耗品だからどんどんどんどん消耗される、現場に運ばなくちゃいけない。どこで提供するんですか、大臣。
○国務大臣(中谷元君) これはニーズに基づいて運ぶわけでございますが、実際、運ぶ前には相手国と十分調整をした上で実施をいたしますし、きちんと法律に定められた範囲において実施をするということで、当然、運ぶ場合におきましては相手側と調整をした上で運びますが、現に戦闘が行われている地域においては実施をしないということでございます。
○福島みずほ君 戦場の隣まで弾薬武器を運ぶ、そしてそこで提供するということだと思うんですが、そんなのあり得ないですよ。実際、そこで物を運び替える、物を全部入れ替えて運ぶなんといったら、最もそこは危険ですよ。それから、戦場の隣はあっという間に戦場になる。そこまで武器弾薬を運び、弾薬を提供する。実際は戦場の中でやるんですよ。
 武力攻撃事態から存立事態へ変わる場合があると大臣は答弁しています。これは、いわゆる後方支援をやりながら集団的自衛権の行使に突入するということでよろしいですね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 存立危機事態と重要影響事態が重なる場合もございます。しかし、重要影響事態においては、これは武力行使ではなくて後方支援を行っているわけでございます。
 一方、存立危機事態においては、存立危機事態武力攻撃を排除するために武力を行使するわけでございまして、事態としては重なり合うものはあるわけでありますが、行うものはそれぞれ憲法の要請において別のことをやっていくことになるわけでありますから、重要影響事態において、例えば日本以外の地域、例えば他国の領土、領海で行う場合は、これは憲法において一般に海外派兵は禁じられておりますから、そこで武力行使を行うことはないわけでございます。
○福島みずほ君 武力攻撃事態から存立事態に移ることを政府は認めているんですね。実際そうなると、一切国会の事前承認なく戦闘行為になる。つまり、後方支援と言いながら、集団的自衛権の行使に突き進むことを認めているわけです。
 自民党の日本国憲法改正草案をお示しいたします。(資料提示)国防軍とし、国会の承認に服する事前承認を要件としていないことは、まさに戦争法案がこの自民党日本国憲法改正草案の先取りだと思います。
 総理にお聞きします。
 来年、参議院選挙が終わって、憲法改正の発議をするおつもりですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほども申し上げましたように、この重要影響事態から存立危機事態に突き進むということはないわけでありまして、それぞれ憲法の要請に従って憲法の範囲内で行動していくことは、先ほど申し上げたとおりでございます。
 その上で、憲法改正については、これは国民的な議論が広がり、そして深まっていく必要があるんだろうと、こう思っているわけでありまして、今後とも、党としてもそうした形で国民的な議論が深まるべく努力を重ねていく必要はあるだろうと、こう思っております。
○福島みずほ君 総理は、憲法改正の発議について意欲があると記者会見などでおっしゃっていらっしゃいますが、憲法改正しないんですか。発議をしないんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 憲法改正については、自民党の結党以来の大きなこれは政策的な柱であることは間違いないわけでありますが、しかし、これは国民的な議論が広がっていかなければ、たとえ衆参でそれぞれ三分の二の発議を得たとしても、国民の過半数の賛成を得なければこれは改正はできないわけであります。残念ながら、まだ今、各条文においてそういう状況にはないんだろうと、こう思うわけであります。そのための努力をこれから重ねていく、これはまさに自民党の国民に対する約束でありますから、これからも努力をしていくことになると思います。
○福島みずほ君 自民党日本国憲法改正草案のまさに戦争法案は先取りです。ナチスの手口とかつて麻生大臣がおっしゃいましたけれど、ワイマール憲法がありながら国家授権法を作ったナチス・ドイツと一緒で、日本国憲法がありながら……
○委員長(岸宏一君) 時間が過ぎております。
○福島みずほ君 憲法違反の戦争法案を出す、憲法を憲法と思わない内閣には退陣してもらわなければならないことを申し上げ、質問を終わります。
○委員長(岸宏一君) 以上で福島みずほさんの質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、荒井広幸君の質疑を行います。荒井広幸君。
○荒井広幸君 新党改革の荒井広幸です。
 盆踊りのにぎやかな音が地方でも聞こえます。東京でもやっているところがあるようです。四年たったらまた会いましょと、固い約束、夢じゃない、そりゃ、そりゃ、夢じゃない。五十年、やっとまたオリンピックが来る。これは三波春夫さんの東京五輪音頭のフレーズですね。本当に懐かしく聞いております。
 盆踊り、本当にみんなでチームワーク、地域の人、そして帰省した人、みんなで踊って心を一つにします。チーム日本、そんな気持ちでこのオリンピックを盛り上げていきたいと思いますが、盆踊りほどではないんですが、かなり盛り上がってきているのがアベノミクスの実績です。
 デフレ不況は改善しております、これは間違いなく。そして、GDP、これは十二兆円増加しておりますし、個人預金資産も、これも随分増えました。企業倒産、これは減っておりますし、皆さんが働きたいというときの有効求人倍率、これも上がっております。失業率は減っております。そして、最終家計消費支出、これは上がっています。先ほど自民党筆頭からの説明にもあったとおりなんです。
 政権が継続していくことで成果が上がる内外、外交そして内政というのがあります。しっかり慎重に、そして抑制的に政権を続けていただきたいというふうに思うんですが、今日は現下の国政全般にわたる内容ですので、オリンピック・パラリンピックについて特にお聞かせをいただきたいというふうに思います。
 総理、苦労を重ねている東北の被災者の皆さん、その苦労をされている皆さんだからこそ、世界のアスリート、そして観客の皆さん、また観光客の皆さんを心からおもてなしできるし、最高のステージをつくれるんだろうというふうに思います。
 そこで、遠藤大臣も東京舛添知事も、福島県でも是非とも予選、事前の合宿等の開催に前向きにやってもらいたいという、そういう声に応えて前向きな答えを、総理、いただいているんですが、パラリンピックを含めた福島県での開催について総理大臣としての基本方針をお聞かせください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 東京オリンピック・パラリンピックは、東京のみならず、これ日本全体の祭典であろうと思います。
 我が国が活力を取り戻す弾みとなるようなものにしたいと考えていますが、特に福島を始め東日本大震災の被災地については、復興五輪として大会が復興の後押しとなり、見事に復興を成し遂げた姿を世界に発信する絶好の機会となると思います。
 政府としては、全国の自治体とオリンピック参加国との交流を図るホストシティ・タウン構想を推進するとともに、被災三県と政府、組織委員会等で構成する被災地復興支援連絡協議会において、被災地における事業について議論を進めているところであります。福島県からは、オリンピック・パラリンピックの競技の一部や事前合宿について福島県内で実施するよう要望があることは十分に承知をしています。
 今後、福島県を始め被災地の自治体の声も十分に伺いながら、二〇二〇年の大会が復興五輪となるように準備を進めていく考えでございます。
○荒井広幸君 国民の皆さんの御理解もいただきながら、是非、被災地での開催、オリパラ、お願いしたいと思っております。
 今日は、国立競技場の話をさせていただきます。(資料提示)
 若干けちが付いたような話になりました。御覧いただくのは、皆さんにはカラーで見ていただいておりますが、私は、旧国立競技場、これを復元、そして国立競技場の高度化をしてみたらどうかという提言をさせていただきたいと思います。
 一回り大きく、そして収容人員も六万人等に拡大し、そして客席部には屋根を掛ける。そして、耐震化をする。当然バリアフリーです。今までの旧国立は、これはエレベーターもないんですね。そして、防災機能です。雨水、再生可能エネルギーなども使うと。こういったことが一つのコンセプトなんですが、安かろう悪かろうでは駄目ですが、まず安いということは重要ですね。そして私は、ここまで来たらシンプル・イズ・ベストだと思います。簡素。日本らしい。
 そして、ギリシャのニコラウというIOCの委員が、えっ、あれが駄目になったの、日本にあのすばらしい国立あったじゃないかと。そうしたら、委員長ですかね、あれ、壊しちゃったんですよ、あら、そうなのかと、こんな話があったんだそうですね。
 この国立をもう一回復元するという意味には、もう一つイメージがあります。五十年前から、戦後高度成長から今にバトンタッチをし、そしてさらに未来に受け継ぐ、そういう非常にシンプルなメッセージが発せられると思います。
 余り高い競技場を造るということになると、財力のない国や都市はオリンピックを誘致できない、もう深刻な今問題になっているんです。ですから、我が国が率先して、本当にシンプルで、この際、そして歴史のバトンタッチを受けるようなものにしていったらどうかと私は考えているわけです。
 遠藤大臣にお尋ねします。
 どうでしょうか。図面も全部残っているから、早い、安い。復元、国立競技場、いかがでしょう。簡潔にお願いします。
○国務大臣(遠藤利明君) 今委員の御意見をいただきました。新国立競技場をめぐる議論には、議員御指摘のように復元すべきという意見があることも承知をしておりますので、そうしたことを含め、引き続きそうしたお考えの建築家の方からの声にも耳を傾けていきたいと思っております。
○荒井広幸君 今度出して失敗したら大変ですから、よく十分皆さんのお話聞いて、一発で決めてください。
 防災担当大臣にお越しいただきました。
 明治神宮外苑、この国立競技場があったところですね。明治神宮外苑全体は災害時の避難場所の指定を受けていますか。
○国務大臣(山谷えり子君) 明治神宮外苑につきましては、東京都震災対策条例に基づきまして、東京都において避難場所として指定されているものと承知しております。
○荒井広幸君 そうなりますと、レガシーというのも大切ですが、防災の拠点なんです。世界中から観光客も来ています。地方からも観光、場合によっては受験に来ているという場合もあるかもしれません。あってはなりませんが、何か災害が起きたときにここは非常に重要な防災、避難の拠点になります。これを東京都の舛添知事は遠藤大臣と一番最初に話ししたはずなんですね。ここは全部が避難所なんですよ。
 ですから、大きな柱は、先ほどのような高機能のほかに、一点、防災機能を付け加える、これが大きな柱だと思いますが、いかがでしょう。あわせて、その東京都知事が閣僚会議に出なくて意思疎通が図れるんでしょうか。毎回出席するようにされた方が効果が上がるんじゃないかと思いますが、二点、いかがでしょう。
○国務大臣(遠藤利明君) 今議員御指摘の件につきましては、これまでも舛添知事から再三お伺いしておりますし、今日の夕方、関係閣僚会議を開催いたしますが、舛添知事にもお出ましをいただいて、そうした話もお伺いできるものと思っております。
 防災は大変重要な論点の一つでありますから、舛添知事の日程も調整しながら、これからも十分意思疎通を図っていきたいと思っております。
○荒井広幸君 パラリンピックっていつ頃から言うようになったんでしょう。これは、まさに東京オリンピックのときから愛称として出てきたんです。このパラリンピック、東京で二回目ということになります。
 NHK会長にお尋ねをいたします。
 今までパラリンピックはダイジェスト版が多いんですよ。しかし、私は、しっかりと全体を、全種目をやはりきちんとフル放送するということが、安倍総理が常におっしゃるバリアのない日本社会、日本国民になる、その表れだと思うんです。
 そこで、NHK会長にお尋ねいたしますが、一年後に迫ったリオデジャネイロのオリンピックを含め、パラリンピックも、チャンネル幾つもあるんですから、BS含めて、全ての種目をフル放送するように努力していくというのが公共放送の使命であり、国民みんなで共に頑張っていく、そういう姿勢を表す一つになろうと思います。いかがか、御見解をお尋ねします。
○参考人(籾井勝人君) お答えいたします。
 我々としましても、パラリンピックの放送についてはできるだけ長時間やるようにしておりまして、アテネ、北京、ロンドンと順次放送時間を延ばしてきております。
 今、全種目と、こういうことでございましたけれども、通常のオリンピックは大体三百種目前後ということです。それから、パラリンピックにつきましては、障害の程度によってクラス分けがありますため、五百種目を超える競技がございます。そういうことで、我々としましても、気持ちとしては全部やりたいけれども、多分五百は物理的に無理だと思いますが、全力を尽くして放送をしていきたいというふうに思っております。
○荒井広幸君 是非、みんな、世界中も本当に期待していると思いますので、お願いしたいと思います。
 総理には、深い考えの下で今いろいろとお考えになっているんだろうと思います。七十年の談話では村山談話を継承していただき、そして、安倍外交、安倍ドクトリンのいわゆる完成を見ていただきたいということを強く希望して、終わります。
○委員長(岸宏一君) 以上で荒井広幸君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 これにて現下の政治課題についての集中審議は終了いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時十七分散会