第189回国会 決算委員会 第7号
平成二十七年五月十一日(月曜日)
   午後一時開会
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   委員の異動
 四月二十日
    辞任         補欠選任
     小西 洋之君     安井美沙子君
     矢倉 克夫君     平木 大作君
     小野 次郎君     藤巻 健史君
     倉林 明子君     井上 哲士君
     田中  茂君     山口 和之君
     中西 健治君    渡辺美知太郎君
     吉田 忠智君     又市 征治君
 四月二十一日
    辞任         補欠選任
     田城  郁君     斎藤 嘉隆君
 五月八日
    辞任         補欠選任
     磯崎 仁彦君     西田 昌司君
     足立 信也君     加藤 敏幸君
     平木 大作君     新妻 秀規君
     山口 和之君     井上 義行君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         小坂 憲次君
    理 事
                赤石 清美君
                井原  巧君
                石井 正弘君
                相原久美子君
                石橋 通宏君
                杉  久武君
    委 員
                江島  潔君
                熊谷  大君
                滝波 宏文君
                塚田 一郎君
                中原 八一君
                西田 昌司君
                藤川 政人君
                堀内 恒夫君
                吉川ゆうみ君
                若林 健太君
                礒崎 哲史君
                江崎  孝君
                加藤 敏幸君
                斎藤 嘉隆君
                安井美沙子君
                新妻 秀規君
                寺田 典城君
                藤巻 健史君
                井上 哲士君
                田村 智子君
                井上 義行君
               渡辺美知太郎君
                又市 征治君
   国務大臣
       国土交通大臣   太田 昭宏君
       国務大臣
       (内閣官房長官) 菅  義偉君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)
       (内閣府特命担
       当大臣(防災)
       )        山谷えり子君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(沖縄及
       び北方対策、消
       費者及び食品安
       全、科学技術政
       策、宇宙政策)
       )        山口 俊一君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(経済財
       政政策))    甘利  明君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(規制改
       革、少子化対策
       、男女共同参画
       ))       有村 治子君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(国家戦
       略特別区域))  石破  茂君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(原子力
       損害賠償・廃炉
       等支援機構))  宮沢 洋一君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(原子力
       防災))     望月 義夫君
   副大臣
       総務副大臣    二之湯 智君
       財務副大臣    宮下 一郎君
       文部科学副大臣  丹羽 秀樹君
       環境副大臣    小里 泰弘君
   政府特別補佐人
       人事院総裁    一宮なほみ君
       内閣法制局長官  横畠 裕介君
       公正取引委員会
       委員長      杉本 和行君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉岡  拓君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       向井 治紀君
       内閣官房内閣情
       報調査室内閣衛
       星情報センター
       次長       河邉 有二君
       内閣府大臣官房
       宇宙審議官    小宮 義則君
       内閣府大臣官房
       審議官      林崎  理君
       内閣府大臣官房
       審議官      兵谷 芳康君
       内閣府大臣官房
       審議官      山本 哲也君
       内閣府大臣官房
       審議官      中島  誠君
       内閣府地域経済
       活性化支援機構
       担当室長     小野  尚君
       内閣府政策統括
       官        関  博之君
       内閣府沖縄振興
       局長       石原 一彦君
       宮内庁次長    山本信一郎君
       警察庁長官官房
       審議官      露木 康浩君
       警察庁生活安全
       局長       辻  義之君
       総務大臣官房審
       議官       青木 信之君
       文部科学省高等
       教育局長     吉田 大輔君
       文部科学省研究
       開発局長     田中 正朗君
       国土交通大臣官
       房長       西脇 隆俊君
       国土交通大臣官
       房技術審議官   山田 邦博君
       国土交通省総合
       政策局長     瀧口 敬二君
       国土交通省土地
       ・建設産業局長  毛利 信二君
       国土交通省都市
       局長       小関 正彦君
       国土交通省水管
       理・国土保全局
       長        池内 幸司君
       国土交通省道路
       局長       深澤 淳志君
       国土交通省住宅
       局長       橋本 公博君
       国土交通省鉄道
       局長       藤田 耕三君
       国土交通省自動
       車局長      田端  浩君
       国土交通省港湾
       局長       大脇  崇君
       国土交通省航空
       局長       田村明比古君
       気象庁長官    西出 則武君
       環境大臣官房廃
       棄物・リサイク
       ル対策部長    鎌形 浩史君
   説明員
       会計検査院事務
       総局第一局長   桜田  桂君
       会計検査院事務
       総局第三局長   須藤  晋君
       会計検査院事務
       総局第五局長   平野 善昭君
   参考人
       沖縄振興開発金
       融公庫理事長   譜久山當則君
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  本日の会議に付した案件
○平成二十五年度一般会計歳入歳出決算、平成二
 十五年度特別会計歳入歳出決算、平成二十五年
 度国税収納金整理資金受払計算書、平成二十五
 年度政府関係機関決算書(第百八十七回国会内
 閣提出)
○平成二十五年度国有財産増減及び現在額総計算
 書(第百八十七回国会内閣提出)
○平成二十五年度国有財産無償貸付状況総計算書
 (第百八十七回国会内閣提出)
 (皇室費、内閣、内閣府本府、国土交通省、警
 察庁、消費者庁及び沖縄振興開発金融公庫の部
 )
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○委員長(小坂憲次君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る八日までに、中西健治君、倉林明子君、矢倉克夫君、小野次郎君、小西洋之君、田中茂君、吉田忠智君、田城郁君、磯崎仁彦君及び足立信也君が委員を辞任され、その補欠として渡辺美知太郎君、井上哲士君、藤巻健史君、安井美沙子君、又市征治君、斎藤嘉隆君、西田昌司君、井上義行君、新妻秀規君及び加藤敏幸君が選任されました。
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○委員長(小坂憲次君) 平成二十五年度決算外二件を議題といたします。
 本日は、皇室費、内閣、内閣府本府、国土交通省、警察庁、消費者庁及び沖縄振興開発金融公庫の決算について審査を行います。
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○委員長(小坂憲次君) この際、お諮りいたします。
 議事の都合により、これら決算の概要説明及び決算検査の概要説明は、いずれも省略して、本日の会議録の末尾に掲載することといたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小坂憲次君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(小坂憲次君) 速記を起こしてください。
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○委員長(小坂憲次君) これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○西田昌司君 自民党の西田昌司でございます。
 私は、先日、スカイマークが破綻をして、今経営再建していますが、それに先立ちまして、JALが、ちょうど我々の政権交代する直前でしたけれども、破綻をして、今再生されて見事な成績を上げておられるんですね。しかし、このJALの再生は非常にゆがんだ再生であったと、特に競争環境を非常にゆがめてしまったということを、我々がこのJALの再生をされているときに随分指摘をしてきたんですけれども、残念ながら、その我々の意見が聞かれないままに再上場し、そして今非常にすばらしい成績を上げているんです。
 しかし、その事実はありますが、その原因は、今言いましたように、再生の仕方そのものが過剰な支援をし過ぎてしまったと。そして、その過剰な支援に対して調整措置がないまま株式上場という形をしていますから、ある意味でいいますと、もう完全な民間企業なんですね。国がそこの経営にタッチして調整できない、そのために様々な問題が出てきたわけです。
 そこで、このJALの再生について、もう一度、国交省は八・一〇ペーパーと言われるものを出してこれ以上競争環境をゆがめないようにJALの行動を監視するというふうになっているわけですけれども、この問題、今、私は一応JAL問題を総括したんですけれども、まず、国交大臣、どういうふうに考えておられるかをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(太田昭宏君) 日本航空の経営破綻に際しては、当時の政権下におきまして、同社が我が国の発展基盤である航空ネットワークの重要な部分を担っている、我が国の国民生活、経済活動にとって必要不可欠であるということから、企業再生支援機構における全面的な支援の下でその再建を図ることとしたものだと認識をしています。
 このような日本航空に対する公的支援につきまして、国交省としましては、平成二十四年十一月から平成二十五年五月にかけまして、交通政策審議会交通分科会公的支援に関する競争政策検討小委員会、これを開催いたしまして、健全な競争環境の確保の観点から検証を行ったところです。
 その報告書によりますと、日本航空に対する公的支援の必要性は認められると、ただしと書いてありまして、支援措置を実施するに当たっては、競合他社との間の健全な競争環境の確保への配慮に欠けていたことは否定できないと、このようにされておりまして、このような状況を踏まえて、日本航空の再生について、所定の期間中、引き続き適切な監視が行われることを期待すると、このようにされています。
 このような報告書の内容を踏まえつつ、国交省としましては、日本航空に対する公的支援によって我が国の航空会社間の競争環境が不適切にゆがめられることがないよう、平成二十四年八月、今御指摘のありました「日本航空の企業再生への対応について」、いわゆる八・一〇ペーパー、これに基づきまして、日本航空への、路線計画等について、その状況を監視し、必要に応じ指導助言をするということとしているところでございます。
○西田昌司君 それじゃ、もう一度ちょっと確認しますと、要するに、国交省としては、公的支援は必要だったけれども、競争環境をゆがめるなど、JALの再生には瑕疵があったと、こういうことでいいですね。
○国務大臣(太田昭宏君) 今申し上げましたように、健全な競争環境の確保への配慮に欠けていたことは否定できないと、この報告書のとおりの認識でございます。
○西田昌司君 そういうことは、実は我々が野党時代にそのままずっと指摘してきたんですけど、残念ながら聞き入れられなかったんですね。
 その原因を考えますと、やっぱりその当時、この仕組み、企業再生ということに対して、公的支援の在り方についての、いわゆるEUの場合にはEUガイドラインというような形があって、法的にそういう過剰な支援にならないようにするという仕組みがあったわけですけれども、それが日本にはなかったということがかなり問題であったと思うんですね。
 そこで、我々はこういうことを追及しましたから、今、公取の方でもこういうガイドラインが必要だということで国交省と勉強会をしてやっていると聞いているんですけれども、それはどういう形で今進められているのか、これ、公取の方にまずお聞きします。
○政府特別補佐人(杉本和行君) お答えさせていただきます。
 我が国におきましても、公的再生支援というものが政策目的を達成するために行われているところでございます。これらの支援に関しまして、関係市場に対する競争への影響、これを最小限にするということが非常に重要だと認識しておりまして、そうした認識の下に、内閣府特命担当大臣の下に競争政策と公的再生支援の在り方に関する研究会、これを設けまして、これが開催されまして、昨年十二月に中間取りまとめということでまとめをしていただいております。
 この中間取りまとめにおきましては、公正取引委員会は、再生支援を行うに当たりまして、支援機関が競争政策の観点から留意すべき事項というものを盛り込んだ業種横断的なガイドラインを作成することが適当とされているところでございます。
 したがいまして、公正取引委員会といたしましては、この中間取りまとめを受けまして、公的な再生支援が競争に与える影響を最小化するための基本的な考え方、支援内容の調整に係る考慮事項等を踏まえ、現在、ガイドラインの作成作業を鋭意行っているところでございます。このガイドラインにつきましては、早ければ本年の秋をめどに公表したいと考えておるところでございます。
○西田昌司君 今年の秋をめどにガイドラインがまとめられるということなんですけれども、そうすると、ガイドラインが仮にあの時点であったとすればこのような過剰な支援はできなかったというふうに思うんですけど、それでいいですね。
○政府特別補佐人(杉本和行君) 公的再生支援というのが競争にゆがみを与えるということは、これは私どもとしては十分認識しているところでございます。したがいまして、このJALの再生支援に当たりましても競争に影響を与えたことは確かだと考えております。
 そうした観点から、今回の中間取りまとめにありますように、公的支援というのは、補完性を与えるもの、しかも必要最小限度のもの、さらにその透明性を確保すると、そういう観点からやるべきものだと思っておりまして、そうした観点から検討すべきではなかったかということが今度のガイドラインにおいて示したいと考えておるところでございます。
○西田昌司君 ガイドラインがあるとできないということなんですね。
 そこで、しかし、できてなかったものですから実際に過剰支援が行われたんですよ。そうすると、なかったからそれでいいんじゃないかということでは済まないわけで、やっぱりその過剰支援の、八・一〇でも監視しましょうと言っているんですけれども、具体的に、じゃこの過剰支援をどういう形で取り戻そうと考えておられるのか、これ、事務方の方でいいですけれども、ちょっと説明をしていただきたいと思います。
○政府参考人(田村明比古君) 日本航空の再生に当たりましては、事業規模の縮小、人員削減等の再生に向けたコスト削減のほか、企業再生支援機構による出資、債権者による債権放棄、既存株式の一〇〇%減資、それから企業再生支援機構等によるつなぎ融資の供与などが行われたというふうに承知しております。
 そういう意味で、こうした公的支援のうち、どの部分が過剰であったかということを区別することはなかなか難しいわけでございますけれど、先ほどからございましたように、競合他社に対する競争環境の確保に対する配慮というものが不十分であったということでございますので、そういう意味で、「日本航空の企業再生への対応について」、いわゆる八・一〇ペーパーに基づきまして、同社に対する新規投資、路線開設等を監視し、必要に応じて指導助言を行うことにしております。
 こういう中で、これまで、平成二十五年十月に行われました羽田空港の国際線の発着枠の配分、それに先立って国内線もございましたけれども、それから日本航空による新規投資、路線開設の計画等について、例えば羽田の新規路線については抑制的に判断をするとか、そういうようなことも含めまして適切な対応を図ってきたところでございます。
○西田昌司君 今、そう説明されたんですが、私がちょっとお聞きしているのは、どの部分が過剰だったというよりも、どれぐらいの過剰な支援があったと、金額ベースの話なんですよね。
 というのは、なぜそういうことを言うかというと、今、八・一〇ペーパーによって羽田の枠をJALとANAで傾斜配分している、そのことによって体力差をなくしていこうということなんですが、しかし、それをなくしていかれるのは結構なんですが、どれぐらいの体力差があるんだと。どれぐらいの金額の言えばプラスマイナスしなきゃならないのかというのが具体的にないとできないじゃないですか。そこを聞いているんですよ。
○政府参考人(田村明比古君) 日本航空につきましては、会社更生手続に従って発生しました繰越欠損金につきまして、推計で、先般行われました繰越欠損金制度の改正の効果も含めまして、平成三十年度、二〇一八年度までに法人税等の合計千四百億円程度が軽減されるものと考えております。このほか、これは一般の企業再生事案と同様に、財産評定による減価償却費の軽減、債権放棄による金利負担の軽減、こういったものが生じているものと考えております。
 そういう意味で、八・一〇ペーパーに基づきまして、この公的支援により競争環境が不適切にゆがめられるおそれというものを払拭すべくいろいろと措置を講じているというところでございます。
○西田昌司君 いや、だから、どれぐらいの調整をしたら済むのかという認識を聞いているわけなんですよ。
 これ、ちょっと後で言いますが、先日発表されたJALのグループの連結決算の様子を見ましても、要は二十七年の三月期で一兆三千億円の売上げがあって、最終の当期利益一千四百億円あるんですよ。有利子負債というのは一千億円ぐらいしかないんですね。事実上、無借金ですよ。かつて一兆円を超えている借金があった。
 ところが、同じような経営規模のANAは、売上げは多少多いですけれども、利益はこの数分の一ですよ。だから、かなり大きな体力差があるし、現実にまだ負債は一兆円近い負債、ANAは持っているわけですよね。別にこれは会社経営失敗したんじゃなくて、普通に経営してもそれぐらいの、まあ装置産業ですから負債は付き物なんですよ、航空会社には。
 ところが、JALにはそれがなくなってしまって、税金は多少これから払うようになったけれども、それは払うにしても、負債が完全になくなってしまっているというのは物すごく大きなこれは問題だということをまずここで指摘しておきます。
 そこで、その上で、こういうことをやっている中で今回スカイマークが破綻したんですよね。このスカイマークの破綻、これはJALの再生が過剰であったということも含め、国交省は慎重にされていると思うんです、これは。公的支援があるとか、そういうこともないですから。
 ただ、いいんですけれども、やっぱりここも問題は、これは国交省側の問題というよりも、要するに裁判所が管財人を選んで、その委員会の中でインテグラルという投資会社がスポンサーになってこの再生が今されているんですけれども、ここでもまた、要するに公共政策としてのエアライン、この再生の在り方というのが全く無視されていると私は言わざるを得ないと思うんです。
 というのは、何が言いたいかというと、要するにスカイマークという会社は、JALとは違って財産は何もないんです。基本的に全部これはリースでやっていた会社ですよね。そして、債務はエアバスの契約不履行から、最終的にどれだけの債務になるのかまだ不明ですけれども、もう物すごく大きな負債があると。財産がなくて、片っ方負債がむちゃくちゃあるわけですね。そうすると企業再生なんてできないんです。本来できないんです、財産ないんですから。
 ところが、何でしているかというと、何でそういう話になってきたかというと、このスカイマークに配分されている羽田空港の発着枠なんですよ、これが三十幾つあると。この発着枠が、スカイマークが今会社更生法が適用されると、それじゃ、この会社の発着枠を使って羽田便をどんどん出すことによって事業が成り立つんじゃないのかと、そのことによって、投資ファンドはお金を出して、多少お金を出しても、今度もう一度再上場させたらそれで上場益が見込めるなり、上場させなくても誰かほかのスポンサーに売るときに債務の整理さえすればそれでもうかるなり、こういうことなんですね。
 私は、この構図というのは全くおかしいんですよね。つまり、羽田の発着枠というのは公共の財産ですよ、これは。いわゆる普通の土地とか建物とか、そういうのじゃないわけですね。これ、まさにこの枠というのは国交省が割り当てたものなんですよ。しかし、その国交省が割り当てたのは、第三極をつくって、そして競争をちゃんとできる環境をつくろうと思って第三極のスカイマークをつくったりしたわけですけれども、結局、そのスカイマークが放漫経営というか、でたらめな経営で潰れちゃったと、競争に敗れて潰れちゃった。そうしたら、そもそもスカイマークに割り与えた財産は、あなたにやるにはふさわしくないから、これ一度召し上げて清算するのが本来あるべきなんですね。
 そして、その清算するときのやり方で考えていくと、例えば、先ほど言いましたように、JAL、ANAの問題でいうと、まだ依然として大きな大きな体力差があるわけですよ。その体力差を埋めるための道具に使うなり、つまり、前のこのJALの再生のときの二の轍を踏まないように、二の舞にならないように、そしてその反省も含めて今回のスカイマークの再生を考えるとするなら、そういうような大きな考え方が私は必要だったと思うんですけれども、この部分は、まずちょっと太田大臣に御意見伺いたいと思うんです。
○国務大臣(太田昭宏君) 今御指摘の一つの考え方は、大局的ということについては私は理解するものでありますけれども、今日ここでスカイマークが破綻をするということについて、私たちはずっと、どこがそれを持って再建をするかということにおいては、あくまでこれは裁判所に来ていることですから、そこに任せて、私たちとしては、とにかく競争環境が一番確保するということが大事であるという観点でこれに対応してきたというのが現状でございます。
○西田昌司君 その競争環境を確保するためにガイドラインも作ってもらったり、八・一〇ペーパーもやってもらえるということなんですが、そもそも論でいいますと、私は競争環境を守っていくのは非常に大事だと思うんですけれども、そもそも国交省はこれまで、第三極をつくらなきゃいけない、競争環境をつくらないといけないという形で、そういう政策、オープンスカイ政策とか言われますが、やってこられたんですね。しかし、考えてみたら、全てこれは失敗に終わったんじゃないでしょうか。
 というのは、まず、元々TDAがありましたよね。これがJALと合併しましたよね、東亜国内が破綻してJALに行くと。で、JALがまた破綻してしまっているわけですよ。そして、その次は、そのJAL、ANAだけでは駄目だというのでつくったスカイマークが破綻しているわけですよ。要するに、日本の航空会社でいうと、はっきり言いましてANA以外は全部破綻しているんですよ、これは。これ、どういうことかと。つまり、こうなってくると、競争で勝ち抜いてきたんだけれども、競争で勝ち抜くたびに、次はまた死んだ人をもう一度ゾンビのようによみがえらせて、またもう一度競争しろ、競争しろとやってきて、先ほど言いましたように、JALとANAの間では物すごく大きな差が付いてしまっているんですよ。
 これでもまだ競争環境をやらなきゃならないというのはもうおかしな話でして、私は競争条件をいろいろつくってやっていくというのももちろん大事だと思うんですよ。しかし、スカイマークの問題でいうと、もう既にスカイマークの存在自体の使命は終わったわけですよ。逆に今LCCという、ローコストキャリアというのが出てきたと。そのことによって運賃も随分抑えられるようになってきていますよね。
 今までのようにフルサポートのいわゆるエアライン型ではなくて、ローコストキャリア式のが片っ方で出てきているんですから、いわゆるこの第三極とか、まあスカイマークについては今はとにかく国交省じゃなくて裁判所の方に回っていますけれども、そもそもの考え方として今までのオープンスカイ政策そのものを見直す時期じゃないのかと思うんですけれども、これは局長に答えてもらって、それを問題点指摘してもう一度聞きます、大臣に。じゃ、どうぞ。
○政府参考人(田村明比古君) これまで、国土交通省、競争を通じた利用者利便の向上を図る観点から、スカイマークを始めとする新規航空会社の参入促進を図りまして、その育成のために、羽田空港の国内線発着枠の優先配分など、様々な方策を講じてきたところでございます。これによって、スカイマーク、年々利益を上げて多額の利益剰余金を計上することができるまでに成長いたしました。安定的な運航を可能とする企業体力が着実に蓄えられたわけでございます。
 しかしながら、先ほど西田先生も御指摘ありましたように、超大型機A380の導入など、企業体力を超える大規模投資等により財務状況が大きく圧迫され、経営破綻に至ったものと認識をしております。
 こういう意味で、スカイマークの破綻ということは個別企業の経営の失敗によるものでありまして、これをもって直ちに競争政策の失敗という御批判は当たらないというふうに私どもは認識しております。
 今、LCCの登場でもう新規会社、スカイマークのような新規会社の使命は終わったというような御指摘もございましたけれども、もちろんLCCの登場によりまして幹線を中心として運賃の低廉化等の効果がもたらされているということは事実でございます。ただ、羽田の国内線につきましては、大手以外の新規航空会社が引き続き競争上一定の役割を期待されるものというふうに考えております。
○西田昌司君 まあ、こういう答弁なんですが、じゃ、もう一度聞きますよ。ANA以外の国内の会社で、破綻しなかったのはANAだけです。ほかは全部、一度全部破綻しているんじゃないですか。まあJTAはJALの実質子会社ですからちょっとおいておきますが、実際はどうなんですか。
○政府参考人(田村明比古君) そういう意味では、結果として、JAL、ANAの後、新規の航空会社として羽田に就航した航空会社というものが何らかの形でANAの支援を受けているということは事実であります。
○西田昌司君 大臣、今これが事実なんですね。
 要するに、オープンスカイとやってきたけれども、ANA以外は全部破綻しちゃったということですよ、事実として。であるにもかかわらず、まだオープンスカイで、しかも、今言っているように、その政策の結果失敗した会社を再生させて、片っ方は事実上無借金で一千五百億円の利益が毎年上がってくると。片っ方は一兆円近い負債があって、それで何とか経営努力してやっている。それが経営破綻していない方ですよ。
 これ、このまま放置していいんですか、どうですか。
○国務大臣(太田昭宏君) 局長から今ありましたように、このスカイマークの破綻というものについては、私は、まず経営の失敗であるということで、航空行政全体の方向性、方針というものが間違ったものというよりも、経営の失敗ということだと思います。
 LCCが相当増えてきましたから、競争環境という、運賃等についてはこれは相当大きな変化があるということは事実ですが、全体的にこの競争環境というものは維持していかなくてはならないし、確保しなくてはならないと。その中で、今までのこの経過ということからいきますと、ANAが大変苦しい状況であったということは事実、私も認めますけれども、それゆえにこの競争環境をしっかり確保するということに航空行政としては努力をしているということでございます。
○西田昌司君 ちょっと話が、質問と答弁が食い違っているんですけれどもね。だから、競争環境を維持していかなきゃいけないとおっしゃっているんですけれども、しかし現実問題は、結果として大きな大きな差が開いていると。じゃ、具体的にどういう競争環境をもう一度ゆがみを直すためにやるのかということなんですね。
 そこで私が言っているのが、スカイマークの再生を契機にJAL、ANA問題の再生も考えるべきじゃないかということなんですよ。つまり、元々は、スカイマークというのは今言いましたように元々財産がもうなくなっている、あるのは羽田枠だけなんですよ。羽田枠だけなんですよ。そのことによって事業ができるというように思われているわけですね。ところが、これはファンドがそのことによってもうかるだけですよ。企業再生というと、結局そういう投資ファンドがもうかる仕組みだけになっちゃっている。
 前の、大体、企業再生支援機構のときもそうですよ。これは、巨額な上場益を得て、その上場益を得た過程も問題じゃないかということで追及しましたが、今日はそれやめますが、あれも結局は企業再生という、事業家が中心となってやっていたわけですよね。あのときの報酬は、どれぐらい企業再生支援機構、また弁護士グループですよ、結局は、もらっていたんですか、大体。
○政府参考人(小野尚君) お答え申し上げます。
 一般に管財人の報酬につきましては、会社更生法に基づきまして、裁判所において個別の事案に応じて具体的な報酬額が定められることとなっております。
 お尋ねのございましたJALグループ三社、日本航空、日本航空インターナショナル、ジャルキャピタル、この三社の会社更生手続に当たりまして、裁判所より管財人として選任されました当時の企業再生支援機構が受領いたしました管財人報酬額は月額三千万円であったと承知しております。この額は、裁判所、東京地裁におきまして、会社更生法の規定に基づきまして、管財人の職務と責任にふさわしい額として定められたものと承知しております。
○西田昌司君 月額三千万円ということは、トータルで幾ら払われたんですか。
○政府参考人(小野尚君) お答え申し上げます。
 企業再生支援機構は平成二十二年一月十九日から平成二十三年三月二十八日までの間JALグループ三社の管財人を務めており、その間に受け取りました管財人報酬の総額は約四億三千万円であったと承知してございます。
○西田昌司君 それが多かったか少なかったか、まあ裁判所が決められたことなんですけれども、いずれにしましても、それだけの巨額な報酬の出どころは結局は、企業再生支援機構、これは国の機関ですから、税が元になっていると言わざるを得ない。そして、それだけの報酬を払ってやった再生が結局は結果的に競争環境をゆがめる、でたらめになったと。これも事実ですよ。
 そして、今回やろうとしているスカイマークの再生も、この競争環境をゆがめてきたJALの再生があって、そしてそれを直さなきゃならないんだけれども、それに対して国交省がコミットできないままに企業再生のそういうファンドなどにまた巨額の利益を与える仕組みとして使われていく。何かここは、大臣、じくじたるものがおありじゃないですか。
○国務大臣(太田昭宏君) 西田先生のおっしゃることは、私も心の中では納得するものもございます。
○西田昌司君 そういう答弁していただけると有り難いんですね。政治家というのはそこが一番大事なところでして、これは納得できないというのがやっぱり国民の気持ちなんですね。じゃ、どうしていったらいいかという話なんです。
 そこで私が申し上げたいのは、要するに、今回の事業再生見ていますと、インテグラルがこの管財人の中心になっていまして、いわゆる五〇・一%の株を持つというふうに報道されています。そのほかANAグループもお金を出すんだけれども、いわゆるANAは二〇%以上持てない。持っちゃうとそれは羽田の発着枠に自分たちの分の発着枠だと認めてしまうという、この国交省の内規といいましょうか、法律でも何でもないんだけれども、その行政指導があるわけですよ。そのことによってANAはその株を持てないわけですね。
 だから、私が申し上げたいのは、これは、もしも、そういうファンドにもうけさせるんじゃなくて、JAL、ANA問題の整理のためにこのスカイマーク問題を使って上手に競争環境を整備しようとするんなら、そもそも国交省が二〇%の枠を決める必要がないわけですよ。それが自社枠だというふうに認定するんじゃなくて、そういうルールを撤廃することによってANAももっと持てて、そしてその利益は、ファンドにやるんじゃなくて、かつてJALの再生で非常に競争環境で不合理な状況に置かれたANAの方に、それじゃその枠を渡すことによって経営の状況を良くしたらいいじゃないかという使い方もできるはずなんですよ。
 これ、国交大臣の御判断だと思いますよ。この二〇%ルールをなくしてしまえば、今大臣がおっしゃった、素朴な私と同じような問題意識を持っておられると、ファンドだけがもうけて何でだということを解決できると思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(田村明比古君) 先ほど申し上げましたように、国交省、競争を通じた利用者利便の向上を図るという観点から、スカイマークを始めとする新規航空会社にその参入促進のために羽田空港の国内線発着枠の優先配分というものを行うなど、様々な方策を講じてきたところでございます。こうした新規航空会社の存在によりまして、特にスカイマークの存在によって羽田国内線市場において競争促進が図られ、運賃の低廉化やネットワークの充実など利用者利便の向上が図られてきたということは事実だというふうに考えております。
 そういう意味で、国交省といたしましては、航空会社間の健全な競争を通じて利用者利便の向上を図るという基本的な考え方に立って、スカイマークがスカイマークとして航空市場において競争性を持った事業主体である限りはそのまま羽田の発着枠を使用させることは適当だというふうに考えております。
 それで、二〇%のこの数字でございますけれども、これ、航空法上の混雑空港たる羽田空港におきまして、航空会社間の競争を通じた利用者利便の向上を図るという観点から、実質的に大手航空会社が使用することで競争が阻害されるということを抑制する観点から、会計法上の関連会社の規定等も踏まえて設けているものでございます。そういう意味で、この二〇%の制限というものもこれまで一定の効果を上げてきたというふうに考えておりまして、直ちに見直す必要はないというふうに考えております。
○西田昌司君 もうそれがかなり認識が間違っていると思うんですね。それは平時のときの話なんです。今まで、局長がおっしゃったのは、そういう競争環境を守ったり、それから混雑空港の中で大手の料金をいかに抑えるか、それはそれでいいでしょう、やってきたんですよ。やってきて、あなた方はスカイマークをつくったんですよ。つくって破綻しているんですよ。破綻して次は再生させると言っているけれども、再生してもうけるのは誰かといえばファンドなんですよ。ところが、そもそもその競争政策によってANA以外の全ての会社を潰しているんじゃないですか。
 そして、再生するときに、これは巨額の報酬も企業再生支援機構に与えながら、JALに過大な支援をして、負債額でいえば一兆円対ゼロですよ、こっちは。一兆円に上る体力差をつくっているんですよ。その状況の中でスカイマークは破綻しているじゃない。
 そして、その破綻のときには、二〇%枠云々の話を考えずに我々が一番にしなくてはならないのは、JALのあの企業再生含め、競争政策にかなり、このオープンスカイということにこだわった余り、問題があったんじゃないのかと。もう片っ方でLCCができてきて運賃抑制効果ができている。第三極にとらわれることなく、やっぱりもう少し大きな大局的な判断をしなくちゃならないのに、役人に任せておくといつまでもこういう答弁するんですよ。
 だからここは大臣にお願いしたい。素朴な、大臣がおっしゃった、そういう企業再生でファンドがもうけるだけで、公共財の発着枠がそんな形で使われるというのは納得いかないとおっしゃったわけですよ。まさにそれが原点ですよ。だったらその仕組みを変えればいいわけです。もう一度御答弁お願いします。
○国務大臣(太田昭宏君) スカイマークの破綻は、そうした競争全体のことによって、航空行政全体のものというよりも、スカイマークの経営の失敗ということにあるという認識の下で私たちはこれへの対応をさせていただいているということでございます。
○西田昌司君 そのとおり、スカイマークの経営破綻は経営者の経営判断の失敗ですよね。しかし、なぜそういうことが起きたのかということを私は問題視したいんです。つまり、この業界のプロじゃないんです、やっておられた方が、御存じのように。全く違う業界から来られて、そして、ミニスカートをはかせたり何とかとか、とんでもない話をして、最後は見込みのない大型機をやってしまったと。
 そうじゃなくて、航空業界というのはかなり難しい業界なんですよ。一つは、大きな装置を抱えなきゃならない。当然、負債も要るので出資も要る。そして、今言われたように競争環境、外国との関係もある。だから、そういう人じゃないとできないわけなんですよ。その結果、出てきた結果が、要するにANAしか残らなかったという事実を言っているんですよ。
 だから、今みたいな答弁では、大臣、私は納得できないんですよ。もう一度答えてください。それじゃないと思いますよ。
○国務大臣(太田昭宏君) この競争をもってするということ自体における自由競争あるいは第三極を、できるならばあった方がいいということの方向性自体については、スカイマークは経営の失敗であって、私は競争というのは本来そうあるべきであるという認識を持っているところではあります。
○西田昌司君 時間がないのであれなんですけれども、要するに、私はなぜこの問題をこれだけ言うかというと、JALが憎くてANAがかわいいわけじゃないんです。全く違うんですよ。
 それは何かというと、今、皆さん、世界中でテロが頻発していますよ。この前はドローンが、あれはテロであったかどうか分かりませんけれども、官邸まで降りてくるということもあった。つまり、この航空会社の破綻の一番の原因は、一つは原油高だとかそういうこともありますよ。もう片っ方、イベントリスクなんですよ、イベントリスク。テロが起きたり大災害が起きたりしたときに、思わぬそういう出来事のために経営が破綻すると。それに縛られるんですね。だから、かなり経営の健全性というのが要求されるわけです。
 ところが、今言いましたように、JALはそのイベントリスクによって、それも一つの原因で破綻したわけですけれども、装置産業ですから、大きな航空会社は皆大きな負債抱えているんですよ。JALもかつては一兆円を超える負債でした。今、ANAも一兆円近い負債があるでしょう。
 そうすると、私が言いたいのは、もしも仮に今イベントリスクが生じたとき、起こってはならないことですけれども、なるときどういうことになるのかと。そうすると、間違いなく経営の危機に瀕するのはANAなんですよ、これは。気の毒なことだけれども、ANAが一番経営危機に瀕する可能性が高い。JALは事実上無借金ですから、しばらく客来なくても全然大丈夫なんですよ、これは。
 では、そのとき何が起こるんですか。そのとき起こるのは、かつてのように、JALにやったように、ANAに政府が出資をしたりして企業再生しましょうか。できませんよ、もう。これは、これからガイドラインができるんですから、できない。そうすると、なってくるのは、ANAを解体して、例えばJALに国際線は身売りします、国内線はほかの会社に持ってくださいと、こういう話ですよ。
 そうすると、何かおかしいと思いません、大臣、これ。つまり、真面目に法を守って一生懸命経営してきた、しかし、それでも大きな負債というのはずっとあるわけですよ。そして、イベントリスクがもしかぶってしまうと、JALは大丈夫だけれども、ANAはJALに吸収されちゃうんだということだってあるんですよ。だから、私は早くこの問題を解決しなくちゃならないと言っているわけですよ、そうならない前に。そしてまた、八・一〇ペーパーもあと一年半しかないじゃないですか、期限が。
 そうすると、今これは、スカイマークというのは全く関係ないところから破綻になりましたけれども、そこをうまく使いながらやらないと、これは世の中の道理、筋が通らないんじゃないですか。そのための判断は官僚では無理なんですよ。やっぱり太田大臣が、先ほど私に御答弁いただいたような大きな大局観、それから素直な国民感情といいましょうか、そこから見たそういう大きな指示を出していただかないと私は駄目だと思うんです。
 そこで、もう一度お尋ねします。いかがでしょうか、このスカイマークの破綻ということも含め、このJAL、ANA問題の整理にこれを上手に使うためには二〇%ルールを取ってしまうことが一番私は最善の道だと思います。いかがでしょう。
○国務大臣(太田昭宏君) イベントリスクというのは、私は、航空関係というのは巨大な一つの航空事故、事態がどれだけの破綻をもたらすかということについては、西田先生とも前お話をしてよく理解をしているつもりです。そして、JALの再生への経過ということについても、今までの行政というものについて様々検討をさせていただいたり、競争環境というものがゆがめられてきたということの事実は先ほども認めて、そして現在も格差があるということについては認めているところでございます。
 しかし、このスカイマークの破綻ということの処理の仕方ということの中で、その競争環境というものをどう確保するかということについては、現時点で私がやるべきことは、八・一〇ペーパーに沿ってきちっと対応をしていくということが大事だと。まだこれから二〇一六年まであることですから、そこのことについてきちっと対応するということがまず基本であろうという判断をしているところでございます。
○西田昌司君 時間が来たので終わりますが、機会があればまたこの問題について議論したいと思いますが、問題意識は同じように持っていただいているんですが、やはり私は、余り平時のときのルールを固持して大きな大局を見失わないように、そのことをお願いしたいと思います。
 終わります。
○中原八一君 自由民主党の中原八一でございます。
 本日は省庁別審査ということで、私の方からは、国土交通省並びに警察庁に対して質問をさせていただきたいと思います。
 まず、国交省関係の決算検査報告についてお尋ねをいたしますので、太田大臣、よろしくお願いをいたします。
 さて、国土交通省は掲記件数が七十一件と、厚生労働省に次いで二番目に多く、指摘金額が七十九億四千万円となっております。まず、この会計検査院の報告内容についてどのように受け止め、今後どう対応していこうとお考えなのか、大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(太田昭宏君) 所管予算の執行に当たりましては、国民の厳しい目が向けられている中で経費の削減ということは、限られた予算を効率的に使うということで極めて重要であるという認識をしています。
 二十五年度決算の検査報告におきまして、契約額が割高となっていたりあるいは補助金を過大に交付したものなど、国土交通省関係で七十一件、七十九億円の指摘を受けたところです。例えば、高齢者世帯、子育て世帯向けの賃貸住宅のリフォーム費用を補助する事業では、三十三事業者で工事費の水増し等の不正があったと指摘をされました。
 この再発防止に向けまして、領収書等による工事費の支払状況の確認や建築士による現場確認の徹底など、審査手続の厳格化を図りました。また、不正に受給された補助金につきましては全て返還されることとしています。現時点で約八九%を回収しておりまして、未回収分も事業者より全額返還の意思が示されているところであります。
 このように、会計検査院から指摘された事項につきましては厳粛に受け止めて、それぞれ再発防止を徹底して、地方整備局あるいは地方公共団体への周知を図っているという状況にございます。今後とも適正な予算の執行に取り組んでいかなければならないと、このように思っております。
○中原八一君 今後の再発防止にしっかりと取り組んでいただきますようお願いしたいと思います。
 次に、無電柱化についてお伺いいたします。
 無電柱化、つまり電線や通信線を地下に埋めることは、道路の防災性能の向上や通行空間の安全性、快適性の確保、良好な景観形成の観点から進められております。ロンドン、パリなどヨーロッパの主要都市では一〇〇%、香港も一〇〇%、シンガポール、台北におきましては九五%と、アジアの主要都市におきましても無電柱化が進んでいるのに対し、我が国は東京二十三区で七%、大阪市でも五%とこれら諸外国に比べ大幅に遅れており、今後我が国においても無電柱化を着実に整備していくことが求められております。
 今回、平成二十五年度の決算検査報告において、無電柱化について二種類の内容が指摘されております。一つは、電線共同溝の整備が終わって五年以上が経過しているにもかかわらず無電柱化が完了していない事業費が、直轄事業で六十四億八千八百九十一万円、交付金等事業で二十億九千六百九十八万円に上るということであります。
 まず、電線共同溝が整備されたのになぜ電柱が残るのか、その原因と対応についてお伺いいたします。
○政府参考人(深澤淳志君) お答え申し上げます。
 電線共同溝の整備完了後の電柱の撤去は、電柱を所有しております電力事業者及び通信事業者が行うこととなっております。いろいろと調べておりますけれども、残置された電柱、これが残っていることなんですけれども、その主な原因としては、電力事業者あるいは通信事業者と沿道の住民の方との間で引込みとかいろいろな面での多岐にわたる調整に時間を要しているということであると聞いております。
 国交省としては、今委員御指摘のように、電線共同溝の目的を早期に発現する観点から、従来より残置電柱の早期撤去に向けて要請をしてきたところでございますけれども、今回こういう御指摘も受けまして、更にこれが徹底できるように、電力事業者、通信事業者に対してその撤去の状況を定期的に御報告いただくということも含めまして、更にこの辺を推進してまいりたいと考えております。
 以上です。
○中原八一君 二つ目は、無電柱化が完了しているのに入溝されていない管路の延べ延長の割合が五〇%となっている事業費が、直轄事業で二百四十八億二百六十六万円、交付金等事業で百十六億二千三百八十万円に上ります。
 電線共同溝を整備する際、事業者との整備計画において、将来需要まで考慮して余裕を持たせて整備するとのことでありますが、どうして無電柱化が完了しているのに電線や通信線の電線共同溝への入溝が進まないのか、その理由と対応についてお伺いいたします。
○政府参考人(深澤淳志君) お答え申し上げます。
 無電柱化が完了した後、せっかく整備した電線共同溝にまだ入溝がされていないものがあるという御指摘でございます。
 電線共同溝の整備に当たりましては、無駄な掘り返しが将来発生しないように、既存の地上の電線に加えまして、将来発生することが見込まれる電線も収容することができるように、電力事業者、通信事業者の要請に応じて必要な管路を整備しているところでございます。したがって、電線共同溝ができたからといってすぐに全部が埋まるわけではないんですけれども、委員御指摘のように、まだ入溝されていないものの割合がかなりあるということ、これも深刻に受け止めております。
 今後、人口の減少であるとか需要の変化もあります。今後の電線共同溝の整備に当たりましては、それぞれの事業者からの要請を更に厳格に審査いたしまして、必要最小限の管路を整備していくよう努めてまいりたいと考えております。
 以上です。
○中原八一君 ただいま無電柱化について二種類の内容を質問させていただきましたが、いろいろな課題をしっかり詰めて今後の対応をお願いしたいと思います。
 ところで、無電柱化の整備率が平成十年後半をピークに減少してきております。また、我が国の無電柱化は電線共同溝を整備して行うものであり、一方、ヨーロッパは直接地下に埋設するため、日本はヨーロッパに比べて整備に係る一キロメートル当たりのコストが四倍以上掛かることが整備の遅れにつながっているとの指摘もあります。
 太田大臣におかれましては、一昨年、防災上重要な道路を優先的に無電柱化するため道路法の改正に尽力されるなど、深い御理解をいただいていると承知しております。今後、我が国においてコスト低減を図りながら無電柱化を着実に進めていくべきだと思いますが、どのような方針で進めていくのか、太田大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(太田昭宏君) 近年、無電柱化ということについては、良好な景観という以上に、防災上の問題あるいは災害発生時ということで、緊急車両が通れないというような面も主な大事な要素として入ってきたというふうに思います。
 この無電柱化ということについては、極めて世界、ロンドンとかパリが一〇〇%できているということについて遅れを見せているわけですが、御指摘のとおり、それを全部共同溝というようなことで一気にやるというような考え方が今まであったと思いますし、コストが非常に高いという考え方が現実問題としてあったと思います。
 しかし、これを、今ありましたように、ケーブルの直埋という、直接埋設というようなことも低コストの無電柱化手法のこうした導入ということで極めて大事だというふうに思っておりまして、そこをしっかり導入して、コストが余り掛からない直埋等も含めた無電柱化ということを促進をさせたいと、このように考えているところでございます。
○中原八一君 ありがとうございました。
 我が国は観光立国を目指しておりますし、また今後、外国人からも評価される観光地あるいは中心市街地を整備するためにも、今後積極的な推進をお願いしたいと思います。
 次に、航空問題に移りたいと思います。
 今年に入り、航空の安全を脅かす事故が相次ぎました。三月二十四日にドイツのジャーマンウィングスの旅客機がフランスで墜落した事故は、副操縦士が深刻なうつ症状を患っていることが判明し、会社の管理体制が問われております。
 また、四月十四日には広島空港でアシアナ航空の便が着陸に失敗し滑走路から逸脱、多数の負傷者が出ました。現在、アシアナ航空の事故の原因につきましては運輸安全委員会で調査中とのことであります。この事故で、悪天候の中、機長の判断もさることでありますけれども、副操縦士が着陸をどう考えていたのか、また着陸に失敗し、副操縦士が機長にアサーションしていたかどうか。
 いずれにいたしましても、飛行機を安全に操縦するためには、二人の操縦士がコミュニケーションを取りながらオペレーションをすることがこうした事故を減らす上で重要だと言いますけれども、これらの事故を踏まえ、航空の一層の安全の確保に対する御認識と今後の対応方針について、大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(太田昭宏君) 航空関係の事故については、それぞれ、なぜか同時期にそれが重なるというようなことがこれまで歴史的にはあったわけですが、一つ一つ見ますと、やはり違う原因で起きてきているということだと思います。大変今、残念な事態が続いているというふうに思います。
 ジャーマンウィングスの事故につきましては、フランス当局によりまして調査中ではありますけれども、副操縦士が操縦室に一人だけとなった際に地表に衝突するという、精神的な問題もあったということで、ここで二人、一人ではなくて二人をコックピットの中にということが非常に大事な問題となったと思います。
 四月二十八日に、ずっと一か月ぐらい、いろいろ調べたり打合せをしてまいりまして、日本の航空会社に対しまして、暫定的な措置としまして操縦室に乗務員等を常時二名という体制を取るように指示をしたところです。
 アシアナ航空事故につきましては、今、中原先生御指摘のように、二人で協力してという要素もありますけれども、ここは運輸安全委員会で今調査をしているところなんですが、危ないときに突っ込んでいくという勇気ではなくて、鉄道事故等でもそうなんですが、止める勇気ということが、この事故ということに対しては鉄道であれ航空であれ非常に大事なことだということを、教訓ではないかというふうに思っています。
 韓国当局とも緊密に連携して安全対策について確認をしたいと思いますし、韓国当局からの指示によりまして、操縦士に対しての着陸やり直しということの追加訓練を今実施をし始めたということで、再び広島への便が動き出したということでございます。
 いずれにしましても、国土交通省として、関係各国当局と連携しながら、一番大事な、こうした航空機事故ということについては万全の体制をしいていかなくてはいけないと強く思っているところでございます。
○中原八一君 ありがとうございました。
 何よりも航空の安全、安心の確保は重要でございますので、引き続き徹底した原因究明と対策をお願いしたいと思います。
 次に、パイロット問題に関してお伺いいたします。
 御承知のように、LCCと呼ばれる格安航空会社が急速に普及いたしております。日本では、二〇一二年に初めて就航したピーチ・アビエーションを筆頭に、ジェットスター・ジャパン、バニラエア、春秋航空日本と四社が設立されているところであります。そうした中、ピーチ・アビエーションが昨年五月から六月に、パイロット不足が原因で四百四十八便もの運航を取りやめる事態になりました。このようなパイロット不足は航空業界全体の問題であり、ピーチの大量欠航はその問題を改めて顕在化させたと言われております。また、中東のエアラインであるエミレーツ航空やエティハド航空などは、国から大量の補助金をもらって世界各国のパイロットを獲得をしているとも聞いております。
 そこで、LCCの台頭や航空需要が増大していることに伴い世界的にパイロット不足が指摘されているわけでありますが、どのように認識されているのか、お伺いをいたします。
○政府参考人(田村明比古君) 我が国の航空会社では、今先生御指摘のようにLCC等が急速に普及をいたしまして、中小航空会社も含めまして短期的なパイロット不足に直面しています。それから、今後の航空需要の増大等によりまして、中長期的にも大手も含めましてパイロット不足が懸念されているところでございます。世界的にも、国際民間航空機関の推定によりますと、今後、航空需要の増大を背景としたパイロット不足というものが懸念をされておりまして、特にアジア太平洋地域におきまして現在の四・五倍のパイロットが必要とされるなど、パイロットの需給が逼迫すると懸念されております。
 こうした中で、パイロットの養成確保というものが我が国にとって極めて重要な課題であるというふうに認識をしております。
○中原八一君 我が国においては、ベテランのパイロットが大量に退職すると言われる二〇三〇年には航空業界全体で八千人のパイロットが必要となり、そのため、年間約四百人規模の新規パイロットが求められるといいます。
 ところで、パイロットの養成には、副操縦士になるまで三年、機長になるまで約十年を要し、長い年月が必要となり、短期間でパイロットを養成できるわけではありません。今後、我が国で不足するパイロットを確保するためにはあらゆる手段を講じていく必要があると思いますが、どのように対応していくのか、大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(太田昭宏君) これから日本でかじ取りをする場合に、いろんな経済的な展望とか様々なものがあるわけですが、国土のグランドデザインということがあるんですが、担い手という問題が非常に大事だと認識をしています。
 パイロットが不足している、整備工が不足している、運輸関係のトラック、バス等の運転手も不足をしている、建設業者は不足をしている、電力関係でも現場の労働者が不足をしてくると。しかし、若い人はなかなかそこに参入してこれないというような、そうしたことがあって高齢化が進んできているというのはどの業界も一緒だと思いますが、特にパイロットの場合は、先生御指摘のように、非常に長い時間が掛かるというのと、そして学生さん育てて卒業するには、医学部に入った人も相当親の負担が掛かるんですけど、パイロットの場合も非常にそこにお金が掛かるという問題があったりします。
 そういう意味では、今私たちが考えておりますのは、一つは自衛隊のパイロットを活用するということです。これ、動き始めています。それから、外国人パイロットの活用促進ということも大事だということで、これも進めているところです。それから、LCC等でパイロットが不足しているというようなことをよく言われて、現場を見てみますと、非常に健康を害していると。非常にストレスがたまるというところでありますものですから、そこの健康管理ということについて十分な体制を取らなくてはいけないということもあります。
 その上で、若手のパイロットの養成ということの中には、航空会社によって自社養成を促進するということを強く私は求めています。それから、私立大学等の民間養成機関の供給能力を増やしていくということ、そして航空大学校の更なる活用、この三つをもってこれから当たっていこうという方針でございます。
 全体的に、非常にこれからますます航空需要が高まってくるという、これは間違いないわけでありまして、それを担うパイロットの不足ということについて、今申し上げたようなことで対応しようということで今動いているところでございます。
○中原八一君 ありがとうございました。
 今後、航空需要の増大への対応や航空の安全性を確保するためにもパイロットの確保は重要でありますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
 次に、大臣からも指摘といいますか、お話が及びましたが、建設分野の労働力確保について質問をさせていただきたいと思います。
 政府は、東日本大震災の復興や二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックの建設需要増大に対応するため、緊急かつ時限的な措置として建設分野における外国人材活用に係る緊急措置をスタートしております。一方、これまで国交省は、人材確保対策として、三年連続で設計労務単価の引上げや社会保険の未加入対策等の取組を進めてきていただいております。こうした対策により、建設業界は必要な賃金を払えば当面必要な労働力が確保できるようになり、施工余力にも問題はないといいます。つまり、ようやく日本人労働者の処遇も改善しつつあるわけであります。
 こうした中、今回の措置でありますが、技能実習制度を三年から五年へ延長させることにより、建設分野での外国人はこれまでよりも約一万人増えるのではないかと思います。そこで、外国人が増えることから、外国人材の適正な監理体制というものを取る必要があると考えておりますが、どのような対応を行うのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(毛利信二君) 御指摘ございましたように、外国人建設就労者受入事業、緊急時限的な措置でございますが、この実施に当たりましては適正な監理体制の構築が非常に重要だと考えております。
 まず、御指摘ありましたが、既に改善しつつある日本人の処遇を悪化させないという観点から、その即戦力となる外国人材につきましても、ふさわしい賃金水準、すなわち同等の技能を有する日本人と同等以上となるよう基準を定めまして、これを具体的に企業ごとに作成します適正監理計画の認定の際にあらかじめ国交省において確認することとしております。
 さらに、特別の監理体制といたしまして、監理団体、受入れ企業に巡回指導を行う専門の機関を既に特定いたしまして、この機関が活動を開始しているところでございます。この機関によりまして、仮に先ほど申し述べました適正監理計画と異なる賃金を支払っていた場合には、指示処分の対象にもなりますし、さらに、従わなければ認定取消しまで至ることになります。また、この機関には、適正な賃金の支払のチェックだけではなくて、例えば外国人就労者に対して母国語による様々な生活相談を受ける体制構築も求めているところでございます。
 こういった措置を通じまして、賃金水準の確保など外国人材の適正な処遇の確保ということに努めてまいりたいと考えております。
○中原八一君 今回の緊急措置が日本人労働者の処遇に悪影響を与えないような対応を引き続きお願いしたいと思います。
 次に、今回の対策は二〇二〇年までの外国人材の確保に重点を置いた措置であると承知いたしておりますが、懸念することは、二〇二〇年以降に必要となる建設業の国内での人材確保は大丈夫かということであります。建設業はこれからも国民生活の向上や産業の発展のためにはなくてはならない産業であることは言うまでもありません。
 そこで、二〇二〇年以降には、外国人の人材に頼らなくとも国内で人材を確保できるような総合的な取組が今から必要だと思いますが、どのように取り組んでいくのか、大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(太田昭宏君) ここが非常に大事な問題でして、先ほどからありました外国人の建設労働者、技術者、技能者の問題は、実はベトナムとカンボジアの間で、この間、日本企業がやりました長大な橋が完成をした、あるいは、今年の一月の三日と四日に、ベトナムにおきましてはニャッタン橋という非常に長大な橋が日本企業によって完成したり、道路ができた、そして、この間、私トルコに行きましたが、ボスポラス海峡の地下に沈埋トンネルで、これ日本企業が行ったんですが、非常に技術的に優れている水準でトンネル、地下鉄を掘った、あるいは、今ボスポラス海峡上の二つの大きな橋がありますが、そこの修理を日本企業がしているというように、それで、技術者、技能労働者というものの、実はアジアにおいて、中国あるいは韓国の企業も含めて争奪戦になっているという状況にあります。
 そういう意味では、日本の労働力が不足をしているということでこれを補完するというのではなくて、日本はしっかり現場で働く人を、日本人を育てていくと同時に、そこの日本の技術力を外国の若い人たちに教えたりしていって、そしてその後に連携を取っていくという時代が大事だろうと、このように思っているところです。
 日本は、人が不足をしているというのは事業が拡大したということではありませんで、これは構造的な問題として、高齢者が非常に多くなって離れていくという問題、そして、処遇、非常に賃金がほかの業種に比べて安いという問題、そして、労働環境ということがある意味では若い人が忌避するような、休みがないとかそういうようなことがあるという問題、そして、この仕事が我が人生にとってすばらしい仕事であるという誇りがなぜか持てないような状況になってきているという問題、いろんな問題が重なって若手の建設の技能労働者の不足という問題があります。
 その中で、私は、処遇を改善するということで、三回にわたって労務単価を、これ十数年ぶりでありましたが、引き上げさせていただいて、これまだ十分上がってきておりません。高騰して大変だと言われておりますが、ほかの業種よりも八五%ぐらいの段階に来ているにすぎないという状況でもありますが、労務単価を引き上げたり、あるいはまた若手に、この仕事が誇り持てるということで、訓練所に私行って直接お話をして、希望の持てるような展望を示したりと。
 そして、二〇二〇年ということの、オリンピック・パラリンピックをゴールにするんではなくて、その後も仕事があるというように、ならして、昭和四十年にオリンピック不況が起きてきたというようなことにならないようにという、予算というものを急に増やしたり減らしたりというんではなくて、定常的に継続的に予算組みもしていくというようなことが実は若手を育てていくということにつながるんだというふうに思いまして、複合的な手を今総合的に打っているところでございます。
○中原八一君 ありがとうございました。
 大臣からは次の質問のことも含めて御答弁いただいたように思います。建設企業がやはり必要な技能者や技術者を確保するためには将来を見通せることが欠かせませんので、公共事業費の安定的、継続的な確保を今後ともよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 次に、厳しい財政制約の中、長期間にわたって使用できる高品質な社会資本を整備していくためには、新技術、新工法を導入するということは重要なことであります。また、労働不足を補う観点からも、新技術、新工法の積極的な活用は必要ではないでしょうか。
 現在、国交省では、センサーやロボットなど新技術の現場での実証実験を行っていると伺っておりますが、新技術、新工法の導入による公共事業の推進について御認識をお伺いいたします。
○政府参考人(山田邦博君) お答えをいたします。
 議員御指摘のとおり、社会資本の整備を行うに当たりましては、現場の省力化等による生産性の向上ですとか、あるいは社会資本の品質確保といったものは不可欠でございまして、こうした面からも新技術あるいは新工法の開発、あるいは活用の促進といったものは非常に重要と考えてございます。
 さらに、先ほどお話もございました、具体的に申しますと、今後増大をいたします老朽化した社会資本の点検などにつきまして、センサーですとかあるいはロボットといったようなものの、これを使う実証実験を今現在行っているところでございまして、省力化とか効率化の取組を進めているところでございます。
 また、社会資本の適切な品質確保を図るために、GPSといったようなものの測位技術、こういったものを用いまして、情報化施工技術、これを現場導入するなどの取組を行っているところです。
 さらには、民間の技術をより一層活用するために、公共事業の発注に当たりましては、総合評価落札方式によりまして、優れた新技術、新工法を評価、導入することを促すとともに、民間等によりまして開発されました新しい技術を登録している新技術情報提供システム、NETISと申しますが、そういったものも整備しているところでございます。
 今後とも、省力化あるいは品質確保につながる新技術の公共事業への導入について努めてまいりたいと考えてございます。
○中原八一君 新技術、新工法を一層促進していただきますようお願い申し上げて、国土交通省関係の質問を終わらせていただきます。
 次に、警察庁にストーカー被害と振り込め詐欺について伺います。
 まず、ストーカー被害であります。付きまといや面会や交際の要求、無言電話やメールを執拗に繰り返すというストーカー被害の増加は、近年警察による懸命な取組により社会的な関心が高まり、潜在化していた被害が徐々に顕在化してきた表れだと言われております。検挙件数も前年比で二一・八%増加しており、警察庁を始め関係機関の御努力にも敬意を表するところであります。しかしながら、ストーカー被害は、二〇〇〇年に調査を開始して以来、昨年は全国で二万二千八百件と過去最多であります。
 そこで、まずストーカー被害の現状と警察庁としての今後の取組についてお伺いいたします。
○政府参考人(辻義之君) お答え申し上げます。
 ただいま委員からもございましたけれども、平成二十六年中のストーカー事案の認知件数は二万二千八百二十三件でございまして、平成十二年のストーカー規制法施行後最多となったところでございます。
 ストーカー等の人身安全関連事案は、事態が急展開して重大事件に発展するおそれが高く、国民の安全で安心な生活を脅かす重大な事案であり、対策の一層の強化が必要であるというふうに考えているところでございます。
 こうした情勢を踏まえまして、人身安全関連事案に対処するための地方警察官の所要の増員を図るとともに、被害者等の安全を確保するための一時避難に係る経費や資機材の整備など、警察の対処体制の強化に努めているところでございます。また、この種事案に的確に対応するためには、警察のみならず、関係機関、家庭、学校、職場等が連携し、社会全体で取組を行うことが必要であるというふうに考えているところでございます。
 今後とも、被害者の安全確保を最優先にして、関係機関等との連携の下、諸対策を推進してまいりたいというふうに考えております。
○中原八一君 ストーカー行為は被害者にとって生活を破壊してしまうほど精神的に大きな被害をもたらすものであり、加害者を捕まえて罰するというだけでは問題が解決したとは言えないわけであります。
 そこで、ストーカー被害者の救済策の現状と今後の政府としての対応方針についてお伺いいたします。
○政府参考人(辻義之君) お答え申し上げます。
 ストーカー事案に的確に対応するためには、加害者に対して検挙等の措置を講ずるとともに、被害者の保護対策など様々な被害者支援を行う必要があるところでございます。このため、関係省庁におきまして被害者支援の取組や加害者対策の在り方について検討し、本年三月にストーカー総合対策が取りまとめられ、政府を挙げて取組を推進することとされたところでございます。
 ストーカー総合対策を踏まえ、警察といたしましても、警察の対処体制の強化を始め、関係省庁との連携の下、被害者の保護対策等の被害者支援を推進してまいりたいというふうに考えております。
○中原八一君 ありがとうございました。
 ストーカー行為の防止や取締りは重要でありますが、それだけでなく、今後、被害者の立場に立ったより細やかな救済策についても対応をよろしくお願いしたいと思います。
 最後に、振り込め詐欺について伺います。
 振り込め詐欺の被害額は昨年より五割増加し三百七十六億円となり、過去最悪を記録しました。特に、特殊詐欺における高齢者被害は昨年七八・八%を占めており、高齢者が貯蓄した老後の生活資金を一瞬にして奪うという許し難い事件が後を絶ちません。
 そこでまず、振り込め詐欺に向けたこれまでの取組についてお伺いをいたします。
○政府参考人(露木康浩君) お答えいたします。
 振り込め詐欺を始めといたします特殊詐欺につきましては、ただいま委員御指摘のとおり、昨年中の被害額約五百六十億円に上っております。これは過去最悪でございまして、大変厳しい状況にございます。
 こうした情勢を踏まえまして、警察におきましては、まず取締り面につきましては、犯行アジトの摘発でありますとか、いわゆるだまされたふり作戦と申しておりますけれども、被害者の元で、お金を受け取りに来たいわゆる受け子をその場で逮捕するといったような取組などを推進いたしまして、昨年中は全国で約二千人の被疑者を検挙いたしております。
 また、予防面につきましては、ポスター掲示等による一般的な広報はもちろんでございますけれども、犯行グループから押収しました高齢者の名簿などに掲載されていた方々に私ども警察から直接電話を差し上げて注意喚起をするですとか、あるいは犯罪に利用された電話番号、これを記録した装置を配付いたしまして、着信時にそれを識別をして被害にかからないようにするといったような取組などを進めております。
 また、被害者の方がだまされてしまったとしても、金融機関あるいは郵便局、宅配事業者の方々と連携をいたしまして、お金が犯罪者に渡らないところで、水際で被害を阻止するといったような取組を推進し、昨年中は約一万件、約三百億円の被害の水際阻止に成功いたしております。
○中原八一君 これまでも警察や銀行などが様々な対策を続けていただいていることに心から敬意を表します。
 しかし、それでもなお振り込め詐欺の被害は減らせないというのが現状であります。振り込め詐欺根絶のために警察等による啓発活動や金融機関との連携した水際対策を行っているとのことでありますが、今後、犯罪組織の撲滅に重点を置いて取組を強化すべきだと考えております。
 今国会で通信傍受の対象に振り込め詐欺などを追加する法案が提出されておりますが、どのような効果が期待できるのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(露木康浩君) お答えいたします。
 先ほどお答えをいたしましたとおり、昨年中、二千人の被疑者を検挙いたしておりますけれども、そのほとんどは末端の者たちでございまして、犯罪組織全体を取り仕切っているいわゆる首領クラスの検挙は約数%程度にとどまっているという状況でございます。これは、犯行のパターンによるものでございまして、その首領クラスの下に非常に巧妙に役割分担がなされている、犯罪の末端の者は首領クラスの顔も名前も知らないといったような手口で行われておりまして、末端の者を捕まえましてもなかなか首領クラスにまで捜査の手は及ばないといった実情が、被害のなかなか抑止につながらないといった実情がございます。
 現在、今委員お話しでございましたけれども、組織的に行われる詐欺などを通信傍受の対象犯罪に追加することなどを内容といたします刑事訴訟法等改正案を国会に提出をさせていただいておりますけれども、例えば犯行グループ内部における謀議や指示、あるいは騙取金の隠匿、処分等に関する通話を傍受することが可能となりますれば、組織の全容解明や組織中枢の検挙、ひいては新たな犯罪被害の抑止に寄与することができるのではないかと期待をいたしておるところでございます。
○中原八一君 ありがとうございました。
 時間が参りましたので、警察庁の皆様に引き続きの対策をお願いいたしまして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○加藤敏幸君 民主党・新緑風会の加藤敏幸でございます。
 本日、決算委員会におきまして、私は、空き家あるいは空きビル対策という視点から、また、それらを福祉施設に転用していくという、こういうふうな観点から質問を行っていきたいというふうに思います。
 今、一般企業などで働いて自立していきたい、しようという障害者の方々が増えておりますし、また、一般企業の方も障害者を積極的に受け入れるという機運が高まっています。大変喜ばしいことでありまして、お配りをいたしましたカラーのグラフを御覧になっていただきますけれども、資料一でございます。これは、就労移行支援事業、それから就労継続支援、これはA型の、そして右の緑がB型の事業ということで、御覧になっていただきますと、平成十九年から二十五年まで、これ結構いい感じで右肩上がりで伸びているということでございます。
 これらの就労支援事業は社会福祉法人や営利法人、NPOなどが施設の設置主体となってきているわけでございますけれども、これらの事業者は、設置コストを控えるために既存の施設、特に障害者が移動しやすい駅周辺の空き店舗、空き事務所などを改装、改築して施設を造りたいと、このように考えているようでございます。
 しかし、既存の建築物を福祉施設として使用する場合には、建築基準法に基づき特殊建築物として建築確認申請と建築主事による確認の手続、これが生ずると、こういうことでございます。さらに、消防法やバリアフリー法などの様々な法的規制や行政指導によって、結果的に福祉施設への転用が認められないケース、あるいは転用に係る負担、これはいろんな意味で、設備を強化するとか、そのことにおきましてコストが増えるということが、家主さん自身がそれは耐えられないということで同意をしないと。こんなことで前に進まないという事態も現実あるということでございます。
 そこで、この問題に関しまして、私は、昨年の五月の十九日、本院の行政監視委員会において、国土交通省並びに消防庁に対しまして、宿泊などを伴わない就労支援事業では福祉転用について一定の規制緩和が必要ではないかと、このような視点から質問を行いました。国土交通省の住宅局長からは、建築基準法関係では、既存ストックの活用を図る観点から、厚労省等関係省庁とも連携して、まず、具体的にどのようなものがどういう改修を要望されていて何が引っかかるのか、これらの内容をよく調べた上で対応を考えていきたいと、こういう答弁をいただきました。
 ほぼ一年がたちました。この間、国土交通省として関係省庁とどのような調整をされ、あるいは省内でどのような検討をされたか、この内容についてお伺いをいたします。
○政府参考人(橋本公博君) お答え申し上げます。
 昨年五月に加藤委員から御指摘をいただきまして、昨年六月末に、国土交通省と厚生労働省が連携をいたしまして、全国の都道府県、政令市、中核市、百十二の団体の福祉部局に対しまして、既存の建物を用途変更して障害福祉施設を設置する際に法令等で支障となった実態があるかを把握するための調査を行いました。
 調査の結果、九十七の団体から回答をいただき、具体的に三十五件の物件について支障となった事例があるとの回答をいただいたところでございます。このうち、法律に支障があるとの回答が十九件、建築基準法に関連するものは七件で最も多うございました。建築基準法に関連する回答のうち、更に最も多かったのが、建築確認の検査済証がないことから用途変更自体が困難であるという回答が四件あったところでございます。
 これにつきましては、昨年七月に、検査済証のない建築物に係る指定確認検査機関を活用した建築基準法適合状況調査のためのガイドラインという、いわゆるガイドラインを出しまして、検査済証のない物件の増改築の手続を円滑化するなどの運用改善をまず図りました。
 次に、前回委員の御指摘をいただきました、用途変更しようとする場合に防火規制が支障となるという御指摘でございますけれども、これにつきましても、既存ストックの活用を促進する観点から、昨年七月に建築基準法施行令を改正をいたしまして、空きビルを障害者の就労移行支援事業所等に用途変更した場合の防火上主要な間仕切り壁に係る規制の合理化をいたしました。具体的には、間仕切り壁が従来は天井まで防火壁でなきゃいけなかったものにつきまして、二百平米以下でスプリンクラーを設ける場合、あるいは百平米以下で直接屋外に面していて火災報知装置等が設けられているなど避難が極めて容易である場合には、間仕切り壁の規制を緩和したところでございます。
 今後とも、既存ストックの有効活用に資する建築基準の合理化につきまして不断の取組を進めてまいる所存でございます。
○加藤敏幸君 今お答えをいただいた視点でいろいろな対応をしていただいたということで、そのことについて私は評価をしたいというふうに思います。
 なお、今お話しをいただいたこと、また更に努力をされていくということも多々あるというふうに思いますから、私は、引き続き是非そのことをお願いをしたいということと、これが大事なんですけれども、これをどうやって、今お話しいただいたことをやっぱり周知していくかということなんです。
 ほかのことも含めてここで議論をして、ある一定の結論で、それなりに、じゃやってください、ああよろしいですねと、これはあったとしても、それが日本列島全体の、この件を、携わっている皆さん方のところにその情報が行かないとせっかくの努力が水泡に帰すということでもあるし、これは社会的に障害者をやっぱり普通の企業で受け入れていくということ自体非常に重要な私は事業であると。そのことを支えるためにも、私は周知徹底の方をいろんな場面を通じてやっていただきたいし、地方自治体も是非そのことを更に私は連携をしてやっていただきたいというふうに思います。
 決算委員会ですから、プラン・ドゥー・チェック・アクション、このことを考えたときに、チェック、ここがやっぱり決算委員会としていろいろやっていくと。行政監視委員会も行政についていろいろとのせるわけですけれども、私は、決算委員会の場で、せっかく国が行っていく障害者自立支援法が更に成果を出すために、いろいろな局面においていろいろそこをチェックをし、いいことは更にアクションにつないでいくということが必要であるというふうに思いますので、是非、国土交通省の大臣始め皆さん方には、更なる徹底と、これが成果に結び付くということでよろしくお願いしたいと思います。
 そこで、さらに、本件について、実は百平米の壁という言葉が関係の皆さん方の間にはあるんです。百平米の壁が一体どういうふうにそのことを評価するかということについては、私自身は直接それを申し上げるということではない。むしろ、関係する皆さん方が百平米の壁があるんだと、こういうふうに認識されていることが一つのこれは壁なんですよ。本当にそれが壁であるのかないのか、一体どういう具体的な事実を指摘をして壁であるのかということもあろうかと思います。
 皆さん方、少し御説明をさせていただきたいんですけれども、建築基準法では、さきに述べましたように、福祉関係施設は特殊建築物となり、床面積が百平方メートルを超える場合は用途変更の建築確認申請の義務が生じると。就労移行支援事業や就労継続支援事業、先ほどグラフで見ていただきました事業、これらの施設では、日常的に大体二十名以上の方々、障害者がお集まりになって、いろいろとパソコンの更なる、例えばエクセルをもうちょっとやるとか、そういうふうなことを含めていろいろやっておられるわけですけれども、どうしても二十名以上というような方々が集まると百平米を超えるスペースが必要になってきていると。
 そうすると、空室になっているビルを利用しようとしてもこの百平米に直面することになって、先ほど言ったように壁にぶつかっているということで、ストレートに言えばこの百平米の壁を何とかしてほしいと、こういうふうな要望があることも事実であります。ただ、これが百一と九十九とどこが違うのかねと、こういうふうな議論をしますと、これはこれでややこしい議論になりますし、またちょっと趣旨が違ってきますけれども、このことについてまず御認識をいただきたい。
 もう一つの課題は、障害者の就労支援事業では、お手元の資料二を御覧になっていただきたいんですけれども、この資料は実は、大阪市都市計画局、ここのホームページ、建築基準法上の手続等についてという案内のホームページから抜粋をさせていただきました。
 そこで、これによりますと、特殊建築物となる福祉関係施設の例といたしまして、そこにございますように、児童福祉施設から障害福祉サービス事業、これは実は、生活介護、自立訓練、そして就労移行支援又は就労継続支援を行う事業に限る、の用に供する施設ということで、これを見れば、就労移行支援事業をやるとすればああここだ、障害福祉サービス事業ということで特殊建築物だと、こういうふうな区分けになるわけであります。
 そこで、この児童福祉施設等として一くくりにされているということですけれども、就労支援事業というのは実際は学習塾や小さなオフィス的な感じで運営されているというふうに、実態的にはそういう内容でございまして、いわゆる児童福祉施設等とやっぱり趣が違ってきているし、一般企業に就職をしていくということの支援ですから、やっぱりそのレベルにあるというふうなことでございました。特殊建築物として一律に扱うということにはちょっと私は少し厳しい要請を求めているのではないかというふうに思います。
 この百平米の基準の、神学論争的に余りみりみりしたことは申しませんけれども、この辺のところは、現状に合わせて規則との関係を考えていくという視点から私はいろいろあるのではないかということで、国土交通省の見解をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(橋本公博君) 建築基準法におきましては、多数の者が利用される建物につきましては特殊建築物という位置付けをいたしまして、特に防火とか構造とかについてはその他の建築物よりは厳しい規制を掛けているのは御指摘のとおりでございます。百平米を超える建物につきましては、新築であっても用途変更であってもやはり必要な安全性等は変わらないと思っておりまして、用途変更の場合も百平米を超える場合には建築確認等の手続をかけて、かつ規制も他の建築物よりは高いものを求めるというのは事実でございます。
 ただ、一方で、そもそも建築基準法というのは安全性等の確保のために必要最小限の規制を規定をしておるものでございまして、現在では、求められる性能さえ満たせば技術開発や研究の視点に応じて規制緩和を可能とするいわゆる性能規定の考え方を採用し、規制の合理化を進めております。確かに、先ほど申し上げました間仕切り壁の規制緩和等もこれの一環でございます。
 御指摘の就労移行支援事業所等について、その利用の実態等も踏まえながら、従来のいわゆる仕様規定的な規定ではなくて、例えば避難安全について個別の建築物あるいは用途について検証する等の、そういうある意味特殊解を幾つか積み重ねながら、我々としては今後の規制緩和にもつなげていきたいと思います。
 それからもう一つ、百平米の壁と言われる中に地方公共団体の建築確認の手続の問題がございます。というのは、必要以上に書類をたくさん求めたり、それから、ある意味どちらかというと圧力的なことをしている団体もあります。こういうことがないように、用途変更に関して必要最小限の手続は何かということをガイドラインで示す等で、そういう意味での促進にも努めてまいりたいと考えております。
○加藤敏幸君 大変丁寧な答弁をいただきまして感謝いたします。
 非常に細かなポイントだというふうに捉えられるかも分かりませんけれども、しかし、ここがやっぱり一つのポイント、私は、ここをしっかり議論をして努力をして進めていくということが私たちの仕事の大きな部分でもあると、このように思っていますので、これから大臣のよろしき御指導もお願いをしたいと思います。
 最後に、空き家ということの考え方ですけれども、空家等対策の推進に関する特別措置法が制定されまして、二月二十六日から施行ということで、危険・不衛生空き家の除去対策というのは道筋が付いたと。ただ、やっぱり増えますよね、空き家は、これから先、全国的に。私は、ある部分もったいない資産だと、資源だと。
 私の世代は、持家政策ということで、もう会社に入ったときから住宅取得預金だとか、いろんな意味で財産形成と持家とがセットになるようなことでずっとやってきた世代ですから、やっぱり自分のための持家を造るということから全て何か発想しているところがあるんです。しかし、もう自分の親の空き家も家内の親の空き家もとかいう形で、子供はまた違うところへ行っているということで、一生懸命造った住宅が資産から地域においては邪魔者になってしまうというようなある意味悲しい現実もあるし、ということと同時に、国にとって決してそんなにいいことではない。
 国力が伸びていくときならともかく、ある程度、一千兆円もの借金を抱えて始末をせないかぬ時代に入ったときに、この空き家をこれからどのようにやっていくのか、それから、百年住宅、二百年住宅という新規のものについての耐用性だとかリフォームだとかいろんな視点から、私は、空き家のこの問題についてこれからどのように考えていかれるのか、是非大臣のお考えをお伺いして、終わりたいと思います。
○国務大臣(太田昭宏君) 昨年の秋の臨時国会で、議員立法によりまして空き家への対策ということで法律を成立させていただいて、いよいよ今年それがスタートを切るということになりました。利用できるものは利用する、そして除却すべきものは除却していくという二つだと思います。
 この利用するものという中には大都市部のこともあるでしょうし、最近、観光とかそういうようなことから地方においても利用できるということは十分あるということだと思いますし、今先生御指摘のような介護とか福祉施設、あるいは障害者へのいろんなものも、中身をいろいろ変えてやるということがもう少し柔軟に行われていかなくちゃいけないというふうに思います。
 火災等があって介護施設等が大変なことになったりするということもありますものですから、しっかり監視をしていかなくてはならないとは思いますが、急にこういう高齢社会が来てということの中での空き家をどう利用していくのかということは、まちづくりだけでなく、高齢社会あるいは介護、様々なことの中から大事なことだというように思っておりまして、これを更に具体化するという、大事な大事な今年はそのスタートになっていくんだと、このように思っているところでございます。
○加藤敏幸君 ありがとうございました。
 これで私の質問を終わります。
○江崎孝君 民主党・新緑風会の江崎でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 先ほど中原委員の方から、パイロット、航空の部分の事故、そしてパイロットの不足の指摘がありましたけれども、同じような状況が実は陸路でも起きていると。その物流という側面からの質問をさせていただいて、是非、今起こっている課題について、大臣、力強い政策を推進をしていただきたい、そんな思いで質問させていただきます。
 夜中、深夜に高速道路を運転する機会は余りありませんので、そういう専門的なドライバーの皆さんたちから話を聞くという機会から実はこの問題、少し調べてみたんですけれども、DVDを見させていただきまして、三大都市圏、名古屋、大阪、東京、特に東京ですけれども、夜中というか深夜を中心としてトラックの物流の問題点、特に夜の七時ぐらいでしょうか、それぐらいから東京に向かっていくサービスエリア、パーキングエリアについて、なかなか車、トラックの駐車スペースがない、どんどん埋まっていくわけですね。結果的に駐車スペースがないところはそのまま通行して運転してしまわなきゃならないという、こういう問題が今大変大きな問題として起きています。これは決して古くからあった、もちろんいろいろありましたけれども、特に大きな問題として惹起したのが最近なんですね。
 我々というのは、いろんな政策をいい方向でやろうとすると、その政策が原因として別なところに大きな課題が起きてくるという、こういうものを往々にして見るわけですけれども、今回もそうなんですね。例えばトラックの駐車スペース、特にその問題というのは、いろんな問題が起きたと思います、バスの事故ですとかトラックの事故ですとか、過剰運転というか長時間運転をされて事故を起こす、あるいは資格がないような経営をやっているとか、様々な物流、人を運ぶ、物を運ぶという陸路の問題でいろいろ問題が起きました。そこで、厚生労働省は、連続運転時間が四時間に達するまでに三十分間以上の休憩を取るようにという改善基準を出したわけですね。それを受けながら国交省としてもいろんな監査方針を出しました。
 これは決して悪いことではありません。事故をなくしていく、あるいは運転をされているトラックの運転手の、ドライバーの人たちの労働環境を守っていく、そして事故をなくしていく、悲惨な事故をなくしていくという、そういう前向きなところからこういう規制が掛かっていく、これは正直言って事故が起きてから後追い的にはなったわけですけれども、その結果、結果というか、国交省は平成二十五年の十月一日に、悪質な事業者に対する集中的な監査実施等々をやっていくわけですね。そして、行政処分として平成二十五年の十一月一日に、悪質、重大な法令違反の処分を厳格化をします。中に、乗務時間の基準に著しく違反ということをやっていただいたわけですね。これは、先ほど言った厚生労働省の基準にきちっと合致しなさいよと、こういうことをやらないと事業停止しますよという非常に厳しい対応を取っていただいたことによって、トラック、運輸業者の皆さんたちの業者がやはりこれは守らなきゃいけないということで、やっぱりきっちり休ませようじゃないか、こういう動きに誘導していったことはこれは成功だったというふうに思うんですね。
 ところが、その結果何が起きているかというと、先ほど言った駐車スペースの問題が起きてきている。今、資料で一枚だけ、東京新聞の「夜の高速道SA あふれるトラック」という一枚の新聞のコピーを持ってきました。委員の皆さん、御存じだったでしょうか。つまり、今の夜の高速道路というのはトラックであふれていると、先ほどちょっと申し上げました、そのとおりなんですね。それで、結果的に、休憩も取れずに、止めるところがないものですから、最後の目的地まで行っちゃうと。休まなきゃいけないということを分かっていながら休めないという状況が起きてきている。
 これは正直申し上げまして、今の、統計を取っていらっしゃると思うんですけれども、警察庁は、本当にトラックの関連した事故が、どれだけ状況が起きているのかということなんですね。私が見たDVDは、駐車スペースはもういっぱいで、ぱんぱんで止められないので、誘導路と出ていく道路に、側道にトラックをずっと止めているという状況があります。これはほとんどのパーキングエリアでそういう状況が毎日起きています。
 現状でこういう状況ですから、二〇二〇年の東京オリンピックということになると、今でも物流は、新聞のこのコピーの中にあるとおり、すさまじい勢いで物流動いているんですね。二〇二〇年に向かって東京を中心とした物流は更に伸びることは、これは今の経済成長路線を取っていく中でもうはっきりしているわけです。日本の物流の九割がトラックでと言われていますから、更に悪化をします。そうすると、今以上に一般の乗用車あるいはバス等々を巻き込んだ事故がどこでどう増えていくかというのも非常に危惧するところなんですね。
 ですから、先ほど申し上げたとおり、働く人たち、トラックの運転手の皆さんの労働基準をきちっと守らせて、なるべく休憩を取らせようじゃないか、基準どおりというふうにして誘導していった一つの政策が、実はここで今一つのまた別な問題として惹起してきていると。これを我々はきちっと捉えていかないと、恐らくこれから先、悲惨な事故が増えていくというのは火を見るより明らかだというふうに思うんですね。
 このことを指摘をさせていただいて、質問なんですけれども、せんだって、三月の二十六日なんですが、参議院の国土交通委員会で私どもの金子委員が、SA、PAの整備状況について質問をさせていただきました。これ、大臣ももちろんそうでしょうし、国交省の皆さんも、何とかSA、PAの駐車スペースを確保しなきゃいけないということはもう常に思っていただいていると思うんですけれども、そのとき、この五年間で休憩施設十四か所、大型車駐車場約一千二百台分増設をしたというふうに答えていただいているんですが、恐らくこの五年間というのは新東名が開通しているんですね。ですから、この十四か所の増設、そして一千二百台分の増設と答弁されたんですけれども、このうちに新東名高速の分が含まれているというふうに私は推察をするんですけれども、それを除いた分として、既存の施設における純粋な駐車スペースの増設というのはどれほどになっているのか、これをまずお聞きします。
○政府参考人(深澤淳志君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のように、せんだっての委員会で御答弁させていただきましたのは、新東名も含めた数字でございます。現在の東名、それから名神高速道路におきましては、この五年間に、東名では三か所、それから名神では三か所、合わせて六か所、約百五十台の駐車場、駐車スペースを増設しております。
 具体的に申し上げますと、東名の海老名サービスエリア上り、それから足柄サービスエリアの上り、足柄サービスエリアの下り、それから名神につきましては、多賀サービスエリア、草津パーキングエリア、それから大津のサービスエリア、計六か所、約百五十台分を増設しているところでございます。この増設分は、現在の東名、名神の大型車の駐車スペース全体の三%に相当いたします。
 以上です。
   〔委員長退席、理事赤石清美君着席〕
○江崎孝君 今おっしゃっていただいたとおり、新東名を除いた分、僅か百五十台、そしてそれは三%という状況ですから、私が調べたというか、その新聞にも載っているんですけれども、東名高速の日本平と港北、そして新東名の静岡と港北のPA、SAの区間が、一日二万九千台走っているんですね。そのうち二千台ぐらいしか駐車スペースがないという現状なので、とても追い付かないんですね。
 このままいくと、先ほど私が指摘をしたように、物流の増加に追い付かない、そうすると更に物流の運転をされている状況というのは過酷になっていって、いつ何どき大変な事故が起きるか、今も現実的にそういう事故というのは常に起きているかもしれませんけれども、更に増加をしていく可能性がある。人を守る、あるいは物流の安全な交通を守るという立場からして、国交省についてはこれは緊急にやらなきゃならない部分だろうと思うんですね、サービスエリアの、パーキングエリアの駐車場のスペースは。
 ただ、NEXCO等々は、御承知のとおり、お金にならない、お金を落としてくれない、SA、PAはやはり乗用車が中心になっていますから、普通乗用車のスペースについては確保する。御存じのように、温泉があったりいろんなお土産屋さんがあるという、ああいうところにはどんどん民間企業ですからお金突っ込んでいきますけれども、そういうトラックという大型車の駐車スペースには、正直言ってこれお金にならないのでなかなかインセンティブが働かないんですね。
 とすると、これは国の政策としてやはりやっていかなければならないという分野に間違いなくなっていると思いますけれども、どうでしょう、NEXCO各社と一緒になって、今後どのような駐車スペースの拡充、あるいは計画を立てていらっしゃるのか、お聞きしたいと思います。
○政府参考人(深澤淳志君) 高速道路の休憩施設につきましては、委員御指摘のように、過労運転による事故の防止あるいは利用者サービスの向上ということで、大変重要な施設だと認識しております。
 高速道路会社ではこれまでも計画的に整備をしてきております。先ほど新東名、新名神の数は除きましたけれども、新東名、それから新名神高速道路を例に取りますと、これまでに十八か所、大型車駐車場約千五百台分の新設をしております。こういったところでスペースの確保に努めてきているところでございます。
 一方、駐車スペースの増設に当たりましては、土地や費用面からの制約あるいは閑散時間帯に利用されないスペースが生じるなど、幾つか課題があります。他の休憩施設と連携した分散利用など、利用者側も含めた総合的な対策が必要であると考えております。施設の重要性につきましては私どもも認識しているところでございますが、引き続き、実態を確認しながら、高速会社とも連携して検討してまいりたいと考えております。
 以上です。
○江崎孝君 国交省のお役人の皆さんも認識されているということですけど、でも、これ、強力な政治的なサポートというか、やっぱり指導性が必要だと思うんですね。本当に二〇二〇年の東京オリンピックまでに一刻も早くやらなきゃいけない。もちろん、後の高速料金の問題もこれ加味した話なんですが、まずはそのハードの部分をどうするかというその決意を大臣にお聞きしたいと思います。
○国務大臣(太田昭宏君) この新聞にありますように、こうした事例がありまして、SA、PAを増やすということになりますと、なかなかそこは一時的なものですから非常に造りづらいというのがあると思います。しかし、料金の体系の変化ということの中でこういう状況が起きたり、そしてトラックの輸送ということに対して、物流が増えているにもかかわらず、安全ということで規制を掛けたりということの中からきているという状況にありますから、まず今のSA、この中にできるだけスペースを確保すると。それも分散をきっとしなくてはならないというふうに思いますが、そうしたことをNEXCO等にも指示をして、また話合いをやるということも一つ大事なことだというふうに思っています。
○江崎孝君 大臣の決意をお伺いしました。先ほど言ったように、インセンティブとしては、お金を使ってくれる家族、乗用車の皆さんたちの駐車スペースに流れていきがちですから、是非、できるだけバランスを取って、そしてなるべく大型車が止められるようなスペースをいろんな意味で考えてやっていただきたい。
 そこで、もう一つ質問したいんですけれども、機構として、日本高速道路保有・債務返済機構というのが下の方の管理をしているわけですね、道路ですとかパーキングエリアの土地とか。ここが保有している状況ということなんですけれども、ホームページには幾つか出ていますが、機構が、現在空いている、活用できるというものとして、どれぐらいのスペースあるいは土地、あるいは何か所かというのは把握されているでしょうか。そのことをお聞きします。これは国交省の方に。
   〔理事赤石清美君退席、委員長着席〕
○政府参考人(深澤淳志君) お答え申し上げます。
 高速道路の事業用地は、計画に基づき取得しているため余分な用地があるわけではございませんけれども、道路公団の民営化時、コスト縮減などの効率化を図った結果、その一部で有効利用されていないものもございます。これらにつきましては、順次有効利用をするよう計画的に進めているところであります。
 それから、現在、全国で十五か所につきまして有効利用の促進に係る提案募集というのをこの一月から行っております。これらの募集の結果も踏まえまして、なるべく土地の有効利用に努めるよう指導してまいりたいと思っております。
 以上です。
○江崎孝君 済みません、十五か所というのはホームページ上に出ているやつだと思うんですが、それ以外にはお持ちになっていないんですか、有効活用できるようなスペースは。質問します。
○政府参考人(深澤淳志君) お答えします。
 現在、高速道路機構として有効利用等に関して提案を募集しているのがこの十五か所ということでございます。その他、これ以外に用地があるところにつきまして、これにつきましては、例えば北関東道の太田パーキングエリア、これは民営化時にはコスト縮減という観点から整備を見合わせておりましたけれども、その後の交通量の増加等を踏まえまして新たに増設する工事を発注しているということで、有効利用の見通しが立っているものもございます。
 現在、世の中に対しまして提案募集しているのは、先ほど申し上げた十五か所ということで御理解いただきたいと思います。
○江崎孝君 じゃ、ほかに、十五か所以外には余り持っていないということなので、それは今日の段階ではそうかなと思いますけれども、是非、公表していない分があれば、なるべく早くその辺も含めて有効活用できるように一つ指摘をしたいと思いますが。
 その中の一つに、大臣は御存じだろうと思いますけれども、旧豊橋のチェックバリアというのがありまして、十五か所の公表している中では一番でかいんですね。三万三千平方メートルあって、結構大きいですね。これ何でこんなでかいのがあるかというと、ETCがなかった時代はここで不正が行われていたと、ここでじゃなくて不正が行われていたということで、つまりは、東京から、あるいは大阪から通行券を持った人が浜名湖ぐらいで交換していたんですね。交換して、そして横浜で降りたり京都で降りたりして、そうすると全然安く、大臣、御存じなかったですか、通行料金が安くなるので、そういう不正があったんですね。ところが、ETCが設置されたものですから、これが要らなくなっちゃった。これ、二〇〇七、八年ぐらいからですね、たしか。そうすると、今ここが、今日もホームページで確認したんですけれども、まだ提案状態なんですよ。まだ一般募集されている状態なんですよ。
 ここまで問題が大きくなってきているのに、三万三千平米というのは極めて大きなところで、すぐにでも活用できるんですね。もう既に舗装できていますから、真ん中を高速道路が通っているわけなので、ここが一刻も早く、今言ったようなスペース、待機場所あるいは休憩場所みたいに、大型トラックの専用の休憩場所になるような状況というのはすぐにでもつくれるわけですけれども、私の今の状況を話を聞かれて、大臣、どう思われますか。
○国務大臣(太田昭宏君) 豊橋は私の生まれ育ったところなので、そういうことが行われていたとは承知しておりませんでして、また新東名とか東名が新たに走って、田舎だったところがにわかに開けたところもあるんですが、よく調べて活用できるということであればそれなりの対策に乗り出したいと、このように思います。調べさせていただきます。
○江崎孝君 是非早く、一刻も早く本当にやってください。二〇二〇年までもう日増しに物流は増えていきますから、もう喫緊の課題だろうというふうに思います。
 あともう一つ、将来的な面として一つお聞きしたいのは、かつてこれ公団時代だったというふうに記憶をしているんですが、要するに中継基地を設けようという話があったように、私の調べではあります。
 例えば大阪から東京で、東京から大阪まで一遍に移動するんじゃなくて、どこかに、何か所かに物流の中継基地を設けて、そこに業者さんが取りに行ってこっちから帰る、こっちは真ん中まで行って荷物を運んでこっちに戻ってくると。つまり、そうすると運転する範囲、距離が半分になってしまうということですね。ですから、その中継基地に対して今度は高速道路だけではなくて一般道からも入ってきて、そこに物を置いて、そこに東京からの方は、例えば豊橋だったら豊橋と仮定して、豊橋まで行って豊橋から戻る。京都の人は豊橋まで運んで、東京の人が豊橋から持って戻る。東京の人は豊橋まで運んで、京都からの人がそれを持って戻すと。
 これは実際国交省が公団時代にこれを考えたらしいんですけれども、当時は運輸業界の方がそこまで深刻じゃなかった。つまり、規制を、完全にこれだけ休みなさいよというふうに言っていないものですから、がんがん運転していたんですね。もう寝ないで運転するとかという、そういう世界だったものですから、当時はこういう認識は運輸業界の方になかった。だからこの話は頓挫したというふうに聞きましたけれども、むしろ今状況はそういう状況になってきていると思うんですね、そういう発想に。
 これ、国交省の方、専門的ですから国交省にお伺いしますけれども、今こそそういう中継基地という考え方を整備すべきだというふうに思いますけれども、どうでしょうか。
○政府参考人(深澤淳志君) お答え申し上げます。
 高速道路につきましては、長く走れば長く走るほど安くなるという長距離の逓減があるんですけれども、現在では、一度インターチェンジを出たとすると、そのときに料金は継続されないということなんですけれども、今年の一月の国土幹線道路部会の基本方針の中で……(発言する者あり)あっ、違いますか。
○委員長(小坂憲次君) 江崎孝君、質問を確認してください。
○江崎孝君 済みません、それは料金の話ですよね、トラックステーションの話ですね。
 だから、僕が言っているのは、さっき言った中継基地をどこかに設ける、新たな中継基地として、高速道路の中に。そこを、話をしたように、僕は質問通告していると思うんですけれども、中継基地をそこに設けて、そこに中継基地を造ることによって、今言った長距離の運転というのを半分にするとか、行って来い、こういう状況をつくるということでするとかという考え方が過去に国交省アイデア出されているんですね、と僕はお聞きしていますので、そのことについてどうですかと。
 今度は大臣にお伺いしましょうか。お願いします。
○国務大臣(太田昭宏君) これも、私、ちょっと申し訳ないんですが、存じていないことでありますが、そうした計画があって、当時の状況の中からという先生からその話も聞きましたものですから、持ち帰って検討させていただきたいというふうに思います。
○江崎孝君 持ち時間なくなりました。
 最後にですけれども、料金の問題についてお話をさせていただきます。
 これ大臣もう肝煎りでやっていただいたこの大口・多頻度割引なんですけれども、料金体系として、これはこれで非常に重要だと思います、大変業者は喜んでいらっしゃると思うんですが、その結果、併せて、これまでのETCの割引の中で、それまでは二十時から二十二時が中型車以上は三割引き、二十二時から六時までが五割引きという段階を踏んでいたやつが、今はどうなっているかというと、零時から四時まで三割引き、これだけになっているんですね。
 ですから、今何が起きているかというと、どっちかに掛かればいいんですね。零時過ぎに入るか、あるいは四時までに出るのかということですから、そこで待機する。だから、零時過ぎに入るために、料金所を通過する前に、その前に通過しちゃうと駄目になっちゃいますから、零時まで待って入っていく、あるいは四時までに出ていくという、非常に零時から四時の間前後にぎゅっと集中しているのが今サービスエリア、パーキングエリアの待機が増えているという一つの実態でもあるんですね。
 そこで、提案したいのは、大口・多頻度の割引が今四〇%です。それに対して、一〇%平成二十八年の三月末まで増やして、五〇%の拡充されていますね、今の体系が。これは物流対策としてやられていて、一〇%は経済対策なんです。その一〇%の経済対策が平成二十七年度までということになっていますけれども、この一〇%の対策というのがなくなるということ、どうなるか分かりませんけれども、ここに大口・多頻度をがさっと入れるのではなくて、やはり通行の時間によってある程度傾斜配分の料金体系を設けた方がサービスエリアあるいはETCを通過する車が一時期に集中するというのを防げる状況があるというふうに思います。これは実際そういう状況でした。
 ですから、今国交省に話すと、この大口・多頻度があるからなかなか料金の傾斜配分できないよ、割引の時間帯を増やすことはできないよというふうに言われますけれども、この一〇%という拡充の分も使いながらでもいいですから、それをどう利用するかは別にしても、やはりここはいっときに車が集中しないように傾斜配分的な料金体系をつくるべきだというふうに思いますけれども、大臣のこれはもう非常に肝煎りでつくられた世界だと思いますから、最後にそのことをお聞きして、私の質問を終わります。
○国務大臣(太田昭宏君) この料金体系の問題は大変難しくて、実は長年掛けて国土幹線道路部会等で審議を願って、そして昨年に決定してスタートを切ったところです。しばらく私はここでまずやらせていただきたいと、このように思っています。
 首都高とかいろんなところで大きな道路が開通したりとか、あるいは東京都内にというようなことで、ここをどういうふうにすればいいかというまた次の段階での論議が始まると思いますので、今日の御指摘ということも踏まえてよく検討させていただければと、このように思っているところです。
 また、先ほど先生から質問をちょっと受けていたようでお答えしたんですが、高速道路の外に駐車場を造ったり、そういうようなことについても、そのまま料金が継続して、外であってもというようなことについては今実験としてやらせていただき始めてきているところでありまして、道路あるいはSA、PAだけでない、外へ出た場合の、そこでガソリンを入れるとかいろんなことも含めて、どういう場合にこの継続料金ができるかということも検討材料の一つでやらせていただきたいというふうに思っているところです。
○江崎孝君 是非、喫緊の課題でございます、大臣の強い思いで解決していただくことをお願い申し上げまして、質問を終わらせてもらいます。
 ありがとうございました。
○礒崎哲史君 民主党・新緑風会の礒崎哲史でございます。
 本日は、空港及び周辺環境の整備に関する決算の内容ということで幾つか質問をさせていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いをいたします。
 まず、空港の整備に関するお金の流れということで、特別会計の中に空港整備勘定というものがいまだに残っておりまして、その中でしっかりと今空港整備については行われているというのが主な内容になるんですが、少し詳しくまず状況整理ということでお話をさせていただければと思いますので、手元資料ということでお配りをいたしました資料の一です。「空港整備勘定のしくみ」ということで、今お話をいたしました空港整備勘定というものがメーンとしてございます。
 税収といたしましては、空港の使用料ということで、これは着陸料あるいは航行援助施設利用料という形で事業者から使用料という形で税収ということで入ってくる、これがメーンとなりますけれども、もう一つの財源ということでは一般会計の方からお金が入ってきております。ただ、その一般会計の中身につきましても、実は航空機燃料税という形で、これも燃料一リッター当たり幾らという形で事業者から税を徴収をし、一般会計を通して空港整備勘定の中に繰り入れられている。主にはその二つに加えて一般会計からの一般財源を加えて空港整備勘定が今成り立ち、それぞれの空港及び周辺の環境整備にお金が使われているというのが大きな流れになっているということでございます。
 そのもう一つ右に赤枠で囲いました。ここの空港整備勘定については主に国土交通省の方で見られているんですけれども、実はもう一つ総務省さんの管轄の分野がございます。先ほど言いました一般会計を通して財源として繰り入れられております航空機燃料税が、実は航空機燃料税として徴収はされるんですけれども、行き先が二つに分かれると。一つは特別会計の方に流れ、もう一つは譲与税という形で、それぞれ空港がございます都道府県それから市町村の方にこうした形で譲与をされているというのが流れになっております。
 ここで、太田大臣にお伺いをしたいんですけれども、この二つのお金の流れになるんですが、この特別会計、空港整備勘定の中の空港周辺環境対策、まさに空港の周辺環境を対策するための予算ということで、平成二十七年度でいけば三十億円積まれているわけでありますけれども、同じく航空機燃料譲与税ということで各地方に譲与という形で行くお金も、実はこれ中身、法律で規定をされているんですが、空港の周辺の整備、騒音対策ということで、内容としてほぼほぼダブっている内容の財源というふうになっております。二つとも財源として中身がかぶっている、事業内容としてかぶっているようにも見えるんですけれども、この中身の違い、事業として分けているのか、誰がこういった点を事業として責任を持っているのか、その辺の観点についてまず整理してお答えをいただきたいというふうに思います。
○国務大臣(太田昭宏君) よく似たものが二つあるということで囲ってあるわけでございますが、空港周辺において航空機騒音により生ずる障害の防止につきましては、国などの空港の設置者と地方公共団体が協力して対策を講じていくという必要があるというふうに思います。
 特に、航空機騒音障害防止法の特定飛行場の周辺におきましては、国土交通大臣が管理する空港整備勘定に空港周辺環境対策費を措置しているという状況です。学校や住宅の騒音防止工事、あるいは土地や建物等の移転補償、これらの事業を実施しているところです。また、全国の空港関係地方公共団体は、航空機燃料譲与税法に基づきまして、譲与を受けた航空機燃料譲与税を活用して、自ら、これ自らの判断の下です、航空機の騒音等による生ずる障害の防止、そして空港及びその周辺の整備等の事業に充てることになっています。
 国と地方公共団体の協力の下で各空港周辺で必要となる対策が講じられているものと考えているところです。
○礒崎哲史君 今、地方と国が協力をしながら進めていくということで、財源を二つに分け、譲与税に関しては地方が自らの判断において、騒音対策等はかぶっているけれども、彼らの範疇の中で、考えの中で進めていくということでお答えがありました。ただ、仕分がされているのかなと一瞬思いますが。
 ただ、これ中身、実際に、では騒防法に基づいて空港整備勘定の中でどういうお金の使われ方がされているかということを見ていけば、やはり周り、周辺環境で騒音対策が必要だということにおいての判断は誰がしているかといえば、最終的には自治体がしているわけでございます。自治体が必要性を認めて、結果的にはこの空港整備勘定の空港周辺環境対策費からお金を拠出して整備をするということで、実は、自らの判断でということで今大臣おっしゃられたんですが、どっちも自らの判断で行っているという観点からするとやはり変わらないのではないのかなというのが私の率直な疑問の一つでございます。
 では、その中身、もう少し詳しく、どういうお金の使われ方がしているのかというのを少しだけ細かく見たいと思うんですが、お手元に資料二ということでお配りをいたしました。
 これは、実際に総務省の方に資料を整えていただきまして提供をいただいたものでございます。航空機燃料譲与税の主要自治体別でどれだけの充当額があったのかということで、平成二十五年度分の会計年度の中身についていただきました。主な空港がございます、北海道、東京、大阪、兵庫、福岡ということで、それぞれ都道府県分と市町村分ということで分けて記載をしてございます。
 それぞれの項目、本当は細かく見ていきたいんですけれども、一番目に付いたところだけ今日は確認をさせていただきたいと思うんですが、大阪府の市町村分で政令第三条の第一号ということで、これ騒音対策、騒音の防止に関しての充当額になります。それぞれ細かい金額が記載をされているんですが、その他が十八億九千九百万円ということで一番大きい金額、およそ七〇%から八〇%が実はその他の項目に計上されておりました。同じ観点で見ますと、福岡県の市町村分の政令の第三条三号のその他、これもやはり八割以上、二十八億六千四百万、総額が三十三億ですから、そのうち二十八億がその他ということですから、これが非常に目に付きました。
 ということで、実はこれ、ここに記載をしたのは二十五年度分だけなんですけれども、データとしては平成二十一年度分から提供をいただきましたので、この五年間、傾向としては全く一緒という形になりました。
 総務省の方にお伺いをいたします。この中身、事前に確認をしたところでいくと、その他の経費のほとんどは公債費の償還費だというふうにお伺いいたしました。つまり、借金の返済だということでお伺いをいたしましたけれども、これ、具体的な事業内容と具体的なここでの償還の金額、それと、当然借金ですので返済の計画があると思います、計画についてお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(青木信之君) お答えを申し上げます。
 航空機燃料譲与税の使途につきまして、お尋ねの大阪府内、それから福岡県内の市町村の状況について聴取をいたしましたところ、大阪府下では豊中市が公債費償還費に多くの航空機燃料譲与税収を充てております。同市では、騒音対象地域の住民が利用できる教育施設や高齢者の集会施設等の複合施設の整備事業等に係る公債費償還費が平成二十五年度には約十九億円生じておりまして、そのうち約十億円に航空機燃料譲与税収を充てているというところでございます。この事業の償還期間はおおむね十年程度と聞いているところでございます。
 次に、福岡県下でございますけれども、福岡市のみが公債費償還費に充てておりますが、空港へのアクセス道路の整備及び空港周辺の公園整備に係る公債費償還費が平成二十五年度には約百三十六億円生じておりまして、そのうち約二十八億円に航空機燃料譲与税収を充てているところでございます。これらの事業の償還期間はおおむね十年程度と聞いているところでございます。
○礒崎哲史君 今金額についての御説明をいただきましたが、公債費の償還代以外にも金額というのは当然積まれておりまして、毎年十億円以上の金額がそれぞれ使われている、それ以外に借金返済ということでこれだけの金額があるということでございます。
 あわせて、先ほどの大阪の例でいけば、一例としては確かに十九億という金額もありましたけれども、これ、少なくとも私がいただいた資料では毎年これだけの金額が出ているということですから、本当にこれだけの事業規模が妥当といいますか、必要なのかどうかというのもこれはしっかりと、きちっと確認をしなければいけないのだろうなというふうには思います。
 後ほど会計検査院の方にちょっとお伺いをいたしますが、その前に、大阪の伊丹空港であったり福岡の空港については、これは国管理の拠点の空港だという認識でおります。国管理の拠点空港であるこうした空港の周辺事業の整備に対して自治体がこういう形で借金をして返済をしているというのは、これはなぜなのか。これは本来であれば国がやるべき事業の中身になるのではないのかなというふうに思いますが、この空港の整備であったり周辺の環境整備における国と地方自治体、この負担の割合の考え方があるのかどうか、大臣の方にお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(田村明比古君) 国管理空港における滑走路、エプロン等の施設整備、これは空港法第六条の規定に基づきまして、整備に要する費用の三分の二を国が負担し、残りの三分の一を空港が所在する自治体が負担をしているところでございます。
 また、そのような空港の空港周辺環境対策につきましては、国の空港整備勘定からの支出のほか、空港が存在することによる利益が地域にもたらされる観点から、地方公共団体からも一部の御負担をいただいているところでございます。
○礒崎哲史君 割合としては三分の二、三分の一、それぞれがということになりますけれども、冒頭確認をさせていただいたとおり、目的としては確かに似通った形のものがそこにあって、使い方の最終判断といいますか、どこにお金を使っていくのかという考え方の基本も地方自治体にあるんですけれども、負担が三分の二、三分の一、どちらから、要は特会からお金を出してくるのか、それとも譲与税からお金を出してくるのか、その点の采配といいますか考え方がやはり曖昧に、法律では三分の二、三分の一となっているんですけれども、曖昧になるのかなという感が否めません。
 この中身について、恐らくそれぞれもっと細かい中身を見ていけばあるんだと思うんですが、会計検査院の方にお伺いをいたしますけれども、この燃料譲与税の使途、詳細についてはどういった点まで、あるいはどの範囲、自治体まで細かく監査をされているのか、確認をさせていただきたいと思います。
○説明員(桜田桂君) お答えいたします。
 一般的な検査ということで御説明させていただきますけれども、私ども、まずは総務省から支出されました航空機燃料譲与税が着陸料の収入額や世帯数により個々の都道府県、市町村に適切に案分されているかなど、法令に基づき適切に算定されるかといった点について検査することとなります。
 また、航空機燃料譲与税が総務省から支出された後の譲与を受けました都道府県、市町村におけます実際の使途等につきましては、譲与税が法令に定められた使途、すなわち航空機の騒音により生ずる障害の防止、空港及びその周辺の整備その他の政令で定める空港対策に関する費用に充てられているかなども含めまして検査するということでございます。
 なお、検査に当たりましては、限られた検査資源の下で効率的、効果的に検査を行う観点から、都道府県や市町村の中から、検査対象となります事務事業の予算等の規模、過去の検査状況等を勘案いたしまして、実際に実地検査を行います都道府県、市町村を選びまして、選定いたしまして、そうした実地検査の中で航空機燃料税につきましても検査している、こういうことでございます。
 以上でございます。
○礒崎哲史君 とすると、全部の自治体のチェックができているわけではないというのが実態だというふうに思います。
 あと、今ちょっと御説明にはありませんでしたが、どういう観点で、では、どこの都道府県に入るのか、どこの市町村に入るのか、そういった観点もこれは大変に重要な点だというふうに思いますが、もし、どういった観点でという部分もあれば併せてお聞かせいただきたいんですけれども。
○説明員(桜田桂君) お答えいたします。
 繰り返しになりますけれども、会計検査といたしましては、まずは、航空機燃料譲与税が法律に定められた使途に適切に充てられているかということにつきまして、そういった観点を持って検査をしているということでございます。
○礒崎哲史君 結局どういう観点なのかよく分からないんですけれども、今日は二之湯総務副大臣にも御出席をいただいておりますので、この譲与税の使い方の点で副大臣にも一点確認をさせていただきたいんですけれども、当然、特別会計の方のお金についても様々な使い方がされ、監査もされるんですが、最終的に不用額という額が出てきます。
 これは事前に国交省さんの方に確認しましたところ、例えば土地の買収にこれぐらい掛かるであろう、あるいは騒音対策でこれぐらいの申請があるであろうという金額をあらかじめ積んでいるものですから、交渉次第ではお金が発生しないこと、あるいは住民の方から申請がなければ出さないということで、不用額が出るということはどうしてもあるんですということをお答えをいただきました。ただ、余ったものは当然、会計検査院の方がチェックをし、次年度に特別会計の中で繰り越していくということがこれは明確に確認をされる形になります。
 同じような観点で、この譲与税について、これはもう明確に目的税としてこういうふうに使いますということで法律に明記されておりますので、それに対して、不用額が出た場合にどういう処理をするのか、そもそも不用額が出ているのか、出た場合にその扱いがどうなっているのか、副大臣の方に確認をさせていただきたいと思います。
○副大臣(二之湯智君) 航空機燃料譲与税につきましては、いわゆる国庫補助事業と違いまして、個別の事業を特定して充当するものではございません。したがって、御指摘のように、仮に個別の事業について不用額が生じましても、他の事業も含め、譲与税を充当できる事業に必要な一般財源の合計額がいわゆるその譲与税を上回っておれば、譲与税は全て充当されたものと理解をしております。
 なお、全国的に見れば、譲与税額が充当対象事業の一般財源に占める割合は一割程度でございまして、通常は譲与税が余るという状況にはならないものと考えております。
○礒崎哲史君 今、副大臣の方から、状況としては余らないという認識だと、考えがあるというふうなお答えもありました。
 これ、実際に会計検査院の方で確認をして、不用額が出たかどうか、その実績等、もしデータあればお答えいただきたいんですけれども、いかがでしょうか。
○説明員(桜田桂君) お答えいたします。
 航空機燃料譲与税の不用額が出たかということでございますけれども、会計検査といたしまして、これまでのところ、航空機燃料譲与税の譲与を受けました都道府県、市町村におけます実際の使用状況、いわゆる不用額ということを含みましょうが、に関しまして、これまで検査報告に掲記して指摘した事項というのはございません。けれども、会計検査院といたしましては、国会での御議論に十分留意しながら、引き続き航空機燃料譲与税に関して適切に検査を実施してまいりたい、かように考えてございます。
○礒崎哲史君 ただ、先ほどお話しされたとおり、全部を検査しているわけではないということですから、全部が本当にそういう状況なのかという確証が取れないというのが現状、現実的な問題だというふうに思います。
 最後に、大臣の方にお答えをいただきたいんですけれども、この様々な航空機の行政、空港整備に関しましては、これは昭和の四十年代から五か年計画という形で様々な整備を進めてきました。量的な拡大という形で五か年計画を第七次までやってきたという背景がございます。そういう中から、空港の数については、当時始めたときからもう倍の数、九十を超える空港を日本は抱える形になりました。そういった観点から、平成二十年を過ぎてから、先ほど御質問の中にもあったとおり、オープンスカイを含めた様々な行政の改革という形が行われてきました。まさに量的な拡大から質的な向上、これを目指してきているのが今の航空行政だというような理解をしております。
 私は別に、今回の議論を通して、だから地方財源削れ何だかんだと言うつもりはありません。それよりも、逆に、この空港の行政であったり航空行政というもの、これはますます今後民間の活力であったりそうしたものを取り入れていく、まさに質を高めていこうと、限られた資源をどのように有効活用していこうかというフェーズに入ってきているんだというふうに思います。
 その中では、事業であったり財源におけますその管轄、責任の所在、これは私はやはり明確にしていく必要性があるんじゃないかなと思っています。今の状態でいくと、特別会計の部分があって、それは国交省さんが見ている、片や譲与税の管轄で総務省さんが見ている、でも使っているのは最終的には都道府県が見ている、市町村が見ている、でも出どころはどこかといえば航空業者が払っているということで、初めと最後は一緒なんですけれども、間が分かれているんですね。行政側が中が割れているという形になっています。
 今後、民間事業が入ってきて空港整備をしていくという観点では、やはり民間は効率化効率化とやってきますから、そういう中で、じゃ、この事業をどこに問い合わせようかなと思ったときに、行政が二つに割れていたら、あるいは問合せ先が三つ、四つに分かれていたら、これは民間の活力、どこまで発揮できるのかなというところも、若干不安なところといいますか、疑問に思うところがあります。
 やはり、今後、観光立国目指していく、海外からのお客様をたくさん中に入れていく、そういう意味では、空港の整備、極めてシンプルに分かりやすく、行政含めてお金が効率的に使われる体制を構築していくべきだというふうに思いますけれども、その点、最後に太田大臣のお考えを確認させていただきまして、終わりにしたいと思います。
○国務大臣(太田昭宏君) 観光に力を入れて、そして特に外国人観光客が急速度に増えているという状況の中で、首都圏空港の容量拡大ということ、そして地方空港自体が非常に活用されていかなくてはならないという大きな航空行政、空港の在り方でも変わり目であると、私はこのように思っています。
 従来、大阪を始めとして航空機騒音問題とか様々なものもありましたが、より幅広い形で、その地域がどのように空港というものを活用しながら、また、コンセッションということも仙台始めとして行われ始めているところであり、民間あるいは地方自治体とよく連携取って、これからの空港、また、財源の在り方ということについては更に検討を深めていくということが大事なときに来ているという判断をしております。
○礒崎哲史君 ありがとうございます。これで終わります。
○新妻秀規君 公明党の新妻秀規と申します。
 最初に、情報収集衛星についてお伺いをしたいと思います。
 官房長官は次があると伺っておりますので、最初に伺います。
 昨年の四月十四日の本委員会におきまして、官房長官より、情報収集衛星の画像をどこまで公開することが可能なのか、外交防衛、安全保障に支障を来さないのがどこまでなのか、そうしたことを含めて検討させていただきたいとの答弁がありました。この検討状況について、その後はいかがでしょうか。その際、災害発生時の情報提供はスピードが命だと思いますので、どのレベルの情報をどの範囲の方々まで提供できるかに係るルールをあらかじめ定めておくべきと考えます。官房長官の御見解をお願いをいたします。
○国務大臣(菅義偉君) まず、全体として私は新妻委員の言われるとおりだというふうに思っています。
 昨年の四月十四日ですか、決算委員会で私自身がそのように答弁したこともこれは事実であります。特にこの情報収集衛星については、政府において、外交防衛等の安全保障、さらには大規模災害発生時の危機管理、これに今活用しているところでありますけれども、これまで多額の国費を投入してきておりますので、国民の皆さんへ説明責任を果たす、このことも極めて大事だというふうに思っております。
 そういう中で、大規模災害が発生した際には、収集した画像を今後の情報収集活動に支障を及ぼすおそれがない範囲内で民間等に積極的にこれは提供する必要があるというふうに思います。本年も、実はバヌアツ共和国のサイクロン被災状況の推定地図を作成して公表をいたしました。ただ、委員御指摘のように、この加工処理の程度、さらには開示の形態等について一定の基準を整備していく、ここも大事だというふうに思っていますので、そういう中で、情報収集衛星の性能等明らかにならないようにすることもこれ大事でありますので、加工処理をした画像を公開をすると、そういう方向でこれ昨年四月の答弁以来検討させてきているわけでありますけれども、ここは速やかに、迅速に行いたい、このことをはっきり申し上げたいと思います。
○新妻秀規君 今、官房長官からの御答弁がありましたように、様々なことを検討しなくてはいけないんだと思います。ただ、災害は本当に待ってくれません。今、箱根の火山の災害もありますし、本当にいつ南海トラフが起こるか分からないという状況でもございますので、是非とも、不測の事態に備えて、迅速にこの基準を検討していただきたいと思います。
 じゃ、官房長官、次があると伺っていますので、結構でございます。
 次に、コスト削減への取組についてお伺いをしたいと思います。
 情報収集衛星は国民の安全と災害時の対応を目的に九八年から開発が始まりまして、お手元の資料一のように、今後も事業は継続されていくものと承知をしております。これまでに予算措置された経費は、昨年度までに、先ほど官房長官からもありましたが、一兆五百四十八億円が投じられております。今後も毎年数百億円レベルで国費が投入される見込みと伺っております。限られた財源に鑑みて、コストの削減、大変重要な課題だと考えます。
 ついこの前改定になりました宇宙基本計画には、開発期間の短縮、そして、設計寿命の延長等を進め、コスト削減を図るとありました。その具体的な取組はどのようなものなのでしょうか、御答弁をお願いします。
○政府参考人(河邉有二君) お答えいたします。
 御指摘のとおり、昨今の厳しい財政事情を鑑みれば、情報収集衛星についてもコスト削減を図っていくことは大変重要であると認識しているところでございます。このコストの削減の在り方を検討するに際しては、情報収集衛星の機能を損ねることのないような実現可能なものとすることが重要であるとも考えているところでございます。
 その観点で、情報収集衛星につきましては、現に設計寿命でありますところの五年の期間を超えて運用ができている場合もある、そういった現状を踏まえまして、打ち上げ間隔を延ばすことができないか検討中でございます。これが実現できれば、全体としてのコストも下がり得るものと認識しているところでございます。
 以上でございます。
○新妻秀規君 そうですね、打ち上げ期間の間隔を延ばすということ以外にはどうなんでしょうか。
○政府参考人(河邉有二君) そのほかにも様々な取組が可能だというふうに考えてございます。
 先ほど申し上げましたのは、現実に現在検討中、まさに検討中のものとして申し上げたところでございます。そのほかにも、設計寿命の延長あるいは同型機の開発による開発期間の短縮というものがございます。ただし、設計寿命の延長に関しましては、一般的には一つ一つの部品の信頼性の向上を図っていかなければならないということもございますので、そうしたしっかりした議論も踏まえて検討してまいりたいというふうに考えてございます。
 同型機の開発による開発期間の短縮につきましては、現時点においてはそういうふうな具体的なものはまだ検討していないわけでございますが、今後、将来におきましてそういうふうなこともまた考えてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○新妻秀規君 今おっしゃったような検討を是非とも前向きに進めていただきたいと思います。
 次に、気象や地震、また火山の観測機器の支障対策について伺いたいと思います。
 昨年四月十四日の本委員会におきまして、私より、気象庁及び気象庁に観測データを提供している関係機関が持っている観測機器に係る支障対策については、会計検査院は総合的な支障対策の検討を国に求めている、国としてどのように取り組んでいくのか、このように私質問いたしました。答弁としては、内閣府といたしましても、気象庁を始めとする関係機関と連携をして、バックアップ電源の確保の推進など、まず調査をした上で、必要に応じて適切な対応を取られるように働きかけてまいりたいというふうに考えております、こういう御答弁でした。
 あれから一年間が経過しましたが、支障対策の取組について現状はいかがでしょうか、御答弁お願いします。
○政府参考人(兵谷芳康君) お答えいたします。
 内閣府では、昨年度、気象庁、消防庁と連携をいたしまして関係機関の観測施設における支障対策について現状を調査いたしました。この結果、大多数の機関では観測機器を固定するなどの耐震対策が講じられておりましたが、一方で、通信関係につきまして、回線のバックアップやふくそう対策、また停電の際の非常用電源の稼働時間などに対策が不足している機関があるといった課題も明らかとなったところでございます。
 内閣府といたしましては、今回の調査結果を踏まえ、引き続き、気象庁、消防庁を始めとする関係機関と連携して支障対策の強化に向けた取組を推進することが重要であると認識をいたしております。
○新妻秀規君 今御答弁あったように、課題は明らかになったんだというふうに承知をいたしました。であれば、これが速やかにその対策が行われるようにリーダーシップを取っていただきたいと思います。
 次に、支障対策の強化については、関係機関に問題意識を持たせるとともに、対策を促進するため、必要に応じ技術的な支援をすることが国民の安全のために必要と考えますが、山谷防災担当大臣の御所見をお願いいたします。
○国務大臣(山谷えり子君) 気象庁が発表する地震情報の精度向上には関係機関から提供される観測データの活用が重要であります。
 このため、観測施設の支障対策が不足している機関に対しては、気象庁、消防庁を始めとする関係機関と連携して対策の強化を早期に働きかけてまいります。支障対策を促進する技術的な支援としては、気象庁と連携して、気象庁の観測施設に適用されている運用・管理に関するガイドラインを提供するとともに、必要に応じて技術的な助言を行います。
 調査をして課題が明らかになりました。内閣府としましては、国民の安全を守る観点から、今後とも継続して支障対策の強化にしっかりと取り組んでまいります。
○新妻秀規君 大臣の強力なリーダーシップの発揮をお願いをしたいと思います。
 次に、災害時の指定緊急避難場所の指定、そして活用についてお伺いをしたいと思います。
 災害対策基本法が改正されまして、指定緊急避難場所の指定が進んでいると承知をしております。私の地元である名古屋市の状況を見ますと、資料を一枚おめくりいただいて資料二を御覧ください、この一に示すように、内水氾濫、これ雨による出水ですけれども、この指定緊急避難場所はまだ指定が始まっていません。また、官民の比率も、三番の一番下の三行に示すように、公共施設七百十件に対して民間は三百九十七件でありまして、公共施設の割合が大きいことが分かります。災害の種類ごとに必ずしも公共施設が安全な場所にあるとは限らず、その数も十分でない場合もあると思っています。
 また、ゲリラ豪雨が激甚化している昨今にあっては、内水氾濫、雨による出水に対応する避難場所の指定が進んでいない、もう大変心配に思います。また、地震などほかの災害についても、昼間にいる人口が夜にいる人口よりも圧倒的に多い都市の中央部においてもしも昼に災害が発生したら、出勤されているサラリーマンの方だとかデパートの買物客、避難場所にきちんと収容できるか大変に不安に思っています。
 災対法の趣旨にのっとって、民間施設も含めて、災害の種類ごとに安全な適地に指定緊急避難場所の指定を促して、市民の安全を守る十分な収容能力を確保すべきと考えます。民間施設の指定促進への具体的な取組も含めて、防災担当大臣の御所見をお願いをいたします。
○国務大臣(山谷えり子君) 議員御指摘のとおり、災害の危険が切迫した場合における住民等の安全な避難先を確保する観点から、洪水、土石流など想定される災害ごとに避難場所の指定をあらかじめ進めておくということは事前の備えの観点から重要であります。
 指定に当たっては、指定緊急避難場所が居住者のみならず滞在者等に対しても開放されることが想定されていることを踏まえる必要があります。例えば、委員おっしゃられたように、昼間の人口が夜間人口より著しく多い地域においては、そのような地域特性を踏まえて、必要な避難場所が十分に確保されるよう適切に指定が行われることが必要だと考えております。また、市町村によっては、津波や洪水等に対する避難場所として民間施設の指定も進められています。地域の実情に応じましてこうした自治体の取組が進められることで、居住者等のより確実な避難が確保されるものと考えております。
 内閣府といたしましては、関係省庁と連携し、今後とも制度が適切に運用されるよう助言等を行っていきます。また、例えば民間施設の指定に当たって自治体が工夫した事例を紹介することによって必要な避難場所の指定が促進されるように努めてまいります。優良事例があれば、その普及にも取り組んでいきたいと考えております。
○新妻秀規君 今大臣がおっしゃったような優良事例の普及とか様々な助言、また、そうした様々な活動を是非とも推進していただきたいと思います。名古屋の例は多分本当に氷山の一角だと思いますので、是非とも前向きな取組をお願いをしたいと思います。
 次に、今ありましたハザードマップについてお伺いをしたいと思います。資料を三枚めくっていただいて、資料五を御覧ください。
 これは、昨年の参議院の決算委員会からの措置要求決議でございます。洪水ハザードマップ等の有効活用による防災・減災対策におきまして、我々決算委員会から、洪水ハザードマップの予算が有効に使われていない、こういう指摘を政府にいたしました。政府が講じた措置は、右側にあるとおり、簡単に言いますと、洪水ハザードマップの作成について、地方自治体、地方整備局に周知しました、今後とも、改善状況について定期的に調査を行い、有効活用されるよう努めていきたいということです。
 この措置要求決議は、平成二十五年度の会計検査院の決算検査報告での指摘を踏まえてのものと承知をしております。この措置要求決議を受けて、どのような対応をして、どのような改善が図られたのか、御答弁をお願いします。
○政府参考人(池内幸司君) お答え申し上げます。
 洪水ハザードマップの作成等につきましては、平成二十六年二月に会計検査院からの指摘を受けまして、その翌日に、地方整備局、都道府県、市町村等に対しまして、具体的に指摘を受けた事例については改善を図ること、それから、指摘を受けなかった場合におきましても、同様の事例がないか点検し、必要に応じて改善を図ることについて文書で通知いたしました。その後、平成二十六年八月及び十二月、平成二十七年三月にフォローアップ調査を実施いたしますとともに、必要に応じて地方整備局等から個別市町村に対しまして改善の必要性や改善方法について説明をしているところでございます。
 その結果、浸水想定区域図を作成していたにもかかわらずその公表や関係市町村への通知を行っていなかった事例につきましては、平成二十六年三月末までに改善措置を完了しております。また、浸水想定区域の指定の通知を受けていたにもかかわらずハザードマップを作成していなかった事例につきましては、平成二十七年三月末時点で十四市町村のうち十市町村で改善措置が完了しております。ハザードマップに所定事項の記載が漏れていた事例につきましては、百十二市町村のうち約八割に当たる八十八市町村で対応済みです。ハザードマップに関する情報を適切に提供していなかった事例につきましては、十五市町のうち十一市町で改善措置がなされています。
 このほか、浸水想定区域図のデータの電子化につきましては、会計検査院からの指摘以降に作成を行ったものにつきましては、ガイドラインに基づき電子化が行われていることを確認しております。
 さらに、今国会に提出しております水防法改正法案による改正後の水防法に基づきまして、新たに浸水想定区域図を作成する際にガイドラインに基づき行うよう改めて周知を行ってまいります。
 引き続き、本委員会からの措置要求決議も踏まえまして、定期的なフォローアップ調査や個別市町村への説明を行うことなどにより、適切なハザードマップの作成等を促進してまいります。
○新妻秀規君 課題が適切に把握をされて、ただ、全ての措置が完了されていないということは今御答弁にありましたので、引き続き本当に力強く促進をしていただけるようお願いをしたいと思います。
 次に、社会資本の長寿命化計画における維持管理についてお尋ねをしたいと思います。
 一枚資料を戻っていただきまして、資料四を御覧ください。この資料四の表に示しますように、社会インフラの老朽化が急激に進んでいきます。この表の左側のページの上に、建設後五十年以上経過する施設の割合で、二年前、平成二十五年三月現在だと何%、十年後だと何%、二十年後は何%とあるんですけれども、ここで、道路だったら、橋、橋梁だと二十年後にはもう六五%が五十年以上過ぎていく、トンネルだと四八%。ダムでも四七%。右のページに行って、下水道だと二十年後は二二%、港湾だと五一%。鉄道だと、橋、橋梁だと八三パー、トンネルだと九一パー。公園でも三八パーですね。急激にインフラの老朽化が進んでいくことが分かると思います。限られた財源で国民の命を守るために、インフラを適切にメンテナンスをして長く賢く使うことが極めて重要だと考えます。
 平成二十五年度の決算検査報告には、検査院の所見として、今後、急激に進む社会資本の老朽化の安全性確保及び維持管理に係るコストの縮減のために、河川、道路、港湾、下水道、公園の各事業主体が予防保全的な維持管理を実施するための長寿命化計画を策定することを求めています。
 具体的には、四点について国交省の取組を求めています。ライフサイクルコスト、施設の生涯に掛かるコスト及びそのコストの縮減額の算定に取り組み、施設の健全度や今後の修繕工程と併せて公表するよう支援、助言等を行う。次に、そのコスト及び縮減額について、より精度の高い算定方法の検討に引き続き取り組む。そして、その次のポイントとして、実効性のある計画を策定して修繕工程表に沿った補修等を実施したり、予算の制約に応じて補修等の内容、優先順位の見直しを適時適切に実施したりするよう支援、助言を行う。最後のポイントとして、補修内容や費用の履歴についての情報の蓄積を適切に行うよう支援、助言等を行い、ライフサイクルコスト及びその縮減額の算定の精度を向上させる。こういう指摘がなされています。
 以下、部局ごとに伺います。
 まず、河川に伺います。河川事業については、ライフサイクルコストの算定方法を示す手引そのものが策定されていないため、そのコストまた縮減額が算定されなくて、算定結果や修繕工程表が当然公表されていない結果となっております。限られた財源で国民の安全を守るためにも、速やかにライフサイクルコストの算定方法の手引を策定すべきと考えますが、現状の取組状況について御説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(池内幸司君) 国土交通省では、戦略的な維持管理、更新等に向けた取組を強力に推進いたしますために、平成二十六年五月にインフラ長寿命化計画を策定いたしました。これに基づきまして、個別施設の長寿命化計画の策定を進めるとともに、より実効性のある計画の策定に向けた取組を着実に進めているところでございます。
 河川管理施設につきましては、経年的に劣化するだけではなく、不定期に発生する洪水によっても大きくダメージを受けるという他の施設とは異なった特徴がございます。このことを踏まえまして、より実効性のある計画とするためには、ライフサイクルコスト算定方法の手引を策定する必要がございます。そのためには大きく三つの手順が必要となってまいります。まず、点検項目及び点検手法の標準化を行います。次に、点検結果から施設ごとの健全度を評価する手法の基準化を行います。これを踏まえまして、劣化曲線の作成や、LCC、ライフサイクルコストを縮減するための修繕工程表の作成の考え方を取りまとめることになります。
 まず、一点目の点検項目及び点検手法の標準化につきましては、平成二十四年五月に国の河川管理施設を対象とした点検要領を策定し、平成二十六年三月には都道府県等の河川管理施設を対象とした点検要領を策定したところでございます。二点目の健全度を評価する手法の基準化につきましては、平成二十七年三月に樋門・樋管の評価要領を策定し、引き続き堰、水門の評価要領を策定することとしております。
 今後、施設ごとの健全度評価結果を用いまして、劣化曲線の作成やライフサイクルコストを縮減するための修繕工程表の作成の考え方を整理し、できるだけ速やかにライフサイクルコスト算定方法の手引の取りまとめを行う予定でございます。
○新妻秀規君 今おっしゃった取組を迅速に行っていただけるようお願いをしたいと思います。
 次に、道路について。道路事業においてもライフサイクルコストの算定方法の手引がそもそもないと指摘をされております。河川事業同様に、限られた財源で国民の安全を守るために手引の作成を始め取組を加速させるべきだと考えますが、現在の取組状況についてお願いをいたします。
○政府参考人(深澤淳志君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のように、ライフサイクルコストの算定は大変重要な課題だと認識しております。
 現在、国が管理する道路橋等につきましては、平成十六年度より定期点検を開始しまして二巡目を終えたところでございます。また、地方公共団体の管理する全ての道路橋等につきまして、平成二十六年度より、五年に一度、近接目視点検、これを義務化したところであります。現在では、その施設の状態を定期的に点検して、その結果に基づき適切な措置を行うということで、これが結果的にライフサイクルコストの縮減にまずはつながるものと考えております。このような予防保全の観点から、合理的な維持修繕を実施してまいりたいと考えております。
 委員御指摘の具体的なライフサイクルコストの算定手法につきましては、御指摘のようにまだ確立するまでには至っておりません。それは、特に道路橋等につきましては構成する部材が非常に複雑で多岐にわたっていることとか、あるいは山合いであるとか、その条件が違う、さらには大型車の通行の状況が違うなど、いろいろな条件があります。そういう中で、統一的なライフサイクルコストの算定手法は今のところまだできていないわけでございますけれども、平成二十六年五月に策定されましたインフラ長寿命化計画を踏まえまして引き続き定期点検をし、その結果をきちっと蓄積いたしまして、塩害であるとかアルカリ骨材反応であるとか、それぞれの損傷の状況も踏まえた適切な劣化傾向を分析して、専門家の御意見もいただきながら、早期のライフサイクルコストの算定手法につきまして研究を重ねてまいりたいと考えております。
 以上です。
○新妻秀規君 今まさにおっしゃったように、いろんな変数があって、影響要素をどのようにして計算式に入れていくのか、大変難しい取組だと思うんですけれども、やはり国民の命が懸かっている取組ですので、迅速にこの件についても推進をお願いをしたいと思います。
 次に、港湾について伺います。
 港湾事業については、LCCの考え方は示されているものの、地方整備局また港湾管理者である地方公共団体の事業では、補修費用について、ライフサイクルコスト及びその縮減については算定されていないと指摘されております。しかし、それは大変重要な取組でございます。また、精度の高い算定方法の検討、また修繕工程表に沿っての補修の実施、補修内容や補修の履歴の情報の蓄積も必要な取組と考えますが、今の取組状況について教えていただきたいと思います。
○政府参考人(大脇崇君) 港湾事業につきましては、ライフサイクルコスト及びその縮減額につきまして、平成十九年十月に私ども港湾局が監修をして作成されました港湾の施設の維持管理技術マニュアル、これにおきましてその算定の考え方を示しておりまして、研修などを通じまして職員の技術の習熟に努めるほか、港湾管理者に対しましても、各地方整備局等に設置しました相談窓口を通じて、国立研究開発法人港湾空港技術研究所とともに技術支援を行うなど、引き続き適切な算定に努めてまいりたいというふうに考えてございます。
 また、平成二十六年五月に策定をいたしました国土交通省インフラ長寿命化計画の行動計画に基づきまして、補修内容や費用の履歴等に関する情報の蓄積を進め、更に精度の高いライフサイクルコスト及びその縮減額の算定方法を構築することや、港湾ごとの補修の内容、それから優先順位などの対応方針、こういったものを定めました長寿命化計画により、計画的かつ効率的な補修等の実施に取り組んでまいりたいと考えてございます。
 以上です。
○新妻秀規君 物流の安全とか荷役の安全に直結する部門ですので、今おっしゃった取組を迅速に実施していただけるようお願いをしたいと思います。
 時間が来てしまったので、本当は下水道、公園、また鉄道の安全対策について伺いたかったわけでございますが、最後に、こうした河川、道路などの社会インフラ、鉄道も含めて、こうした社会インフラの老朽化対策の推進について太田国土交通大臣の御所見を伺って、私の質疑を終えたいと思います。
○国務大臣(太田昭宏君) あの笹子トンネルの天井板落下事故から二年半になります。私は、一昨年をメンテナンス元年と名付けまして、防災・減災、メンテナンス、耐震化、老朽化対策、そうしたことが極めて大事だということで、それがむしろ公共事業のメーンストリームというふうにしなくてはいけないと、こう考えながらハンドリングをしてきたところです。
 橋について言うならば、一斉に一九六五年から一九八〇年ぐらいに、大体国で一年間で一万ぐらいの橋が造られていたんですが、ずっと九〇年代に至って一気に減ってきまして、新設されるものは千を切るということになりました。ということは、そのままメンテナンスの山がやがて来るということになります。先ほど資料を提供された、五十年たつとということは、もうそれが六〇年代からいきますと始まるということです。
 そういうことで、一つは、点検、修繕、更新、そして情報のデータベース化と。土木構造物も建築物も、昭和三十年代から四十年代に造られたものは実は設計図すら残っていないというような状況です。点検をする、そしてそれをデータ化する、カルテを作るということをまず始めて、今スタートを切ったところです。
 あわせて、メンテナンスの山が急激に来ますから、これをなだらかに、頭を低くして、そして長寿命化しなくてはならない。この山を低くするためには、予防という観点を入れる、そして技術水準を非常に高めていくと。私は、メンテナンスエンジニアリングというような新しい学問の世界が開かれて、それが海外に展開するというような時代に備えなくてはいけないと、こう思っています。
 さらに、地方自治体は点検とかそういう人員をそろえておりません。そういうことから、地方自治体がインフラの大部分を管理しているわけですが、防災・安全交付金による財政的支援、あるいは直轄診断、技術等の支援、こうしたことをやらない限り駄目であるとともに、建設会社でも、大学病院と違って町医者というのがありますが、この地域は俺たちが守るぞというような町医者のような存在になっていただかなくてはならない。
 このような、いろんな意味でこのメンテナンスや長寿命化、老朽化対策に今一生懸命取り組んでいるところでございます。
○新妻秀規君 大臣の御決意、大変心強く感じました。
 これからも日本の老朽化対策の取組が世界の模範となるような、そうした強力なリーダーシップを発揮していただきたいことをお願いをして、私の質疑を終わります。
 ありがとうございました。
○藤巻健史君 維新の党の藤巻です。
 第一京浜、第二京浜、甲州街道、青梅街道、都内ですけれども、この道路に関して、道路の拡張計画が昭和二十一年に計画決定されているわけですね。先ほど大臣が三十年代のインフラに関しては設計図がもう見当たらないのもあるとおっしゃっていましたけれども、それよりはるか前の昭和二十一年、終戦直後に計画決定されて、それ以降事業決定されていなくて、それがゆえに買収も行われていない道路がどのくらいあるかというのを昨年の決算委員会でお聞きしたんですけれども、そのときに、国交省の回答では、第一京浜については、東京都内で、港区芝四丁目や大田区東六郷など六キロの区間が事業未着手、第二京浜については、東京都内、品川区戸越から大田区多摩川間の七キロが事業未着手、青梅街道については、中野区、環六と環七の間約三キロが事業未着手とのことだったんですね。
 この四路線のうちの、東京都内では七十キロあるということですけれども、そのうちの五十キロが事業決定されて買収が終了していると。しかし、二十キロがもうはるか六十九年たっているのにもかかわらず事業決定されないで買収もされていないというふうに去年お聞きいたしました。
 では、この一年間、残りの二十キロで買収がどのくらい進んだか、まずお聞きしたいと思います。
○政府参考人(小関正彦君) 議員御指摘の四路線の東京二十三区内の延長は約七十キロで、順次事業を実施し、これまでに五十キロは都市計画の幅員でおおむね整備済み、残る二十キロメートルのうち第一京浜では、京急蒲田駅周辺の連続立体交差事業と連携し、アンダーパスで施工した環状八号線との交差部、これは平成二十四年十二月に完成しておりますが、その北側約一・五キロメートルで拡幅を進めており、青梅街道では約〇・八キロメートルで拡幅を行っているほか、地下歩道の整備などを実施中でございます。
 この一年間で新たな区間で事業着手はなされておりませんが、まずは現在事業中区間を着実に進めることが大事と考えております。
 なお、東京都におきまして平成十六年三月に区部における都市計画道路の整備方針というのを策定しておりますが、その策定に当たりましては、二度にわたり都民の意見を聴取しながら、区部の都市計画道路全般について必要性の検証を行っております。
 現在、この整備方針の計画期間が平成二十七年度末までであることから、平成二十五年度より学識経験者による委員会や、都と地元区市町による検討会を立ち上げておりまして、今後中間まとめを公表し、引き続き区市町とも協議を重ね、今年度末までに新たな整備方針を策定する予定と聞いております。
○藤巻健史君 それを聞いて少し安心いたしましたけれども、一年間では一キロも事業決定されていないということで、このままほっておかれますと百年も二百年も計画決定がされて事業決定が成立しない、行われないというふうになるんじゃないかという懸念があったわけですね。
 これ、何を心配しているかというと、何が問題かというと、計画決定をされると都市計画法五十四条で、まあ釈迦に説法ですけれども、五十四条で三階建て以上の建物は原則建てられないと。コンクリート建てみたいに強固なものを建ててしまうと壊すのも大変だし、それから物理的に壊せてもお金が掛かるということで三階以上は建てられない、地下のものも建てられないということで、そういう制約が来てしまうわけですね。これ、買収がすぐ行われていれば、そのお金をもらって、ほかのところ、制約の掛かっていないところに建てて、普通の建物が建つわけですね。
 先ほど申し上げた四路線というのは、もう十階建て、十何階建てのマンションがぼこぼこ建っているところに二階までしか建てられないという制約があるわけです。それを七十年間もその制約をしておくというのは、私は憲法違反じゃないかと思うわけですね。憲法の二十九条、まず第一項に「財産権は、これを侵してはならない。」、第三項として「私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。」。ですから、本来であれば十数階のマンションが建つところを二階建てに抑えておいて、それを七十年間、六十九年間もほっておくというのはまさに私有財産権を侵害していると私は思うんですよね。それも補償があれば、第三項のように補償があるならばそれはいいかもしれませんけれども、補償もなしに六十九年間もほっておく、これはまさに行政と政治の怠慢であるか、若しくは完璧に憲法違反だと思うんですね。
 要するに、受忍、例えば四、五年ほっておかれるとか、三階建てまでしか建たないところを二階建てのままで我慢しろということであれば、それは受忍の限度内というふうに考えられるかもしれませんけれども、十階、十数階が建てられるところ二階に抑えておいて、補償がなくて、これ、減価償却といったって五十年ですよ、たしかコンクリート、ちょっと違ったかもしれません、五十年ぐらい、もう、一回建てたものが償却できているような時期ですよ。そういう建物を建てさせないで二階にしておくということは、まさに膨大なる機会利益の損失、まさに私有財産権の侵害であって憲法違反じゃないかと思うんですね。
 今、集団的自衛権等で憲法の解釈について非常に微々たるところまで検討しているにもかかわらず、私有財産の、国民の財産と生命のうちのもう一つの財産を、これ憲法がなきに等しいんじゃないですかね、と私は思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(小関正彦君) 御指摘の都市計画施設の権利制限につきましては、土地の権利者が公共の福祉のために受忍すべき社会的拘束に基づくもので、財産権に対して一般的に加えられた内在的制約であり、特定の者の財産権の行使の自由に対する特別の制限ではないため、憲法第二十九条第三項に基づく補償を要しないものであると認識をいたしております。
 都市計画道路につきましても、最高裁判所の判例では、その公益性に鑑みて受忍の限度内であるとされており、逸失利益も存在しないことから、憲法二十九条三項に基づいて損失補償を行った事例はございません。
○藤巻健史君 じゃ、三百年も五百年もそのままほっておいていいんじゃないですか。それでも私有財産権を侵害しないとおっしゃるんでしょう。この辺についてちょっと大臣に所感をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(太田昭宏君) これは、憲法との関連については今二十九条について都市局長から話をしたとおりですが、私は去年質問を受けたときのことが頭にこびりついていまして、これはいかがなものかなということを正直思っておりました。
 一方で、東京オリンピック・パラリンピックの開催が決まって、この間、去年、二十一年都市計画決定から七十年たって新橋―虎ノ門間の環状二号が通ったり、最近、東京では首都直下地震に備えて木密地域ということで東京都が決めまして、相当大胆なそうした特定整備路線として整備が動き始めました、動いているということも事実です。
 私は、そういうことからいって、国土交通省としては、整備すべきものは着実に整備を進め、見直すべきものについては適切な見直しを行うことが重要だというふうに考えておりまして、今後とも地方公共団体が適切に対応できるよう様々な機会を通じて働きかけてまいりたいと、このように思っております。
○藤巻健史君 見直していただくという非常に前向きな答弁をいただきましたけれども、もし前向きにしてそのままほっておくのであるならば、やはり正当なる補償をするべきだと私は思っております。
 以上です。ありがとうございました。
○寺田典城君 維新の党の寺田典城でございます。
 委員の皆さんがいらっしゃいますので、少し、先ほどうちの藤巻委員が指摘した都市計画決定と財産権の問題なんですが、行政の一番の悪いところは、要するに民間というのは時間がコストだと思っているんですよ。行政というのは時間がコストではなくて幾らでも延ばせるというあれがあるんですね。だから、その辺を、やはり私は五十歳から市長になって行政へ入ってみてびっくりしたのはその辺なんですよ。よく考えていただきたいなと、率直に、お役所の方は、思います。
 それでは、本論に入ります。
 平成二十五年度の決算を見ますと、沖縄振興策に対して三千億を超える予算を使われています。二十七年度は三千三百四十億円の予算なんですが、私は、この予算については、日本の安全保障だとか基地の負担もあるわけですからそれは理解できますけれども、公共事業中心では沖縄のためにはならないのではないかと。だから、沖縄振興の予算によって沖縄をどのように発展させていくかという考えを山口大臣からお聞きしたいと思います。
○国務大臣(山口俊一君) お答えをさせていただきたいと思います。
 もう先生も御案内のとおりで、沖縄振興につきましては、沖縄の持つ歴史的、社会的あるいは地理的、様々な背景の中で、国として、まさに国の責務として沖縄振興を図っていくというふうなことでやっておるわけでありますが、一方、沖縄の場合は、東アジアの中心に位置をする地理的特性とか、あるいは温暖な気候であるとか、あるいは出生率、非常に優位性も持っておられるわけで、是非とも沖縄振興をしっかりやることによって、まさに日本経済を牽引をするようなフロントランナーとしての役割を果たしてもらえるようにしっかり振興を果たしていきたいというふうなことでやっておるわけでありますが、確かに、先生御指摘のとおり、これは他の府県にも共通するんだろうと思うんですけれども、やはり公共事業偏重というだけではその地域は全体として発展はなかなかしていかない。だから、当初、御案内のとおりで、本土復帰直後は余りに社会資本整備にしても格差が大きかったわけですね。結果として、やはり公共事業が多かったというふうなこともあるわけですが、本当に必要な事業なのかというふうな御批判も途中でいろいろございました。
 そういった中で、平成二十四年から実は沖縄県が希望していただいて、まさに一括交付金ですね、これをやったらどうかということで、実はその中にいわゆるソフトの部分の交付金というのもこしらえさせていただきました。ちなみに、二十五年の御指摘の三千億でいいますと、うち八百五十二億が実はソフト交付金というふうなことで、やはり全体としてしっかりやっていく。このソフト交付金、実は離島振興とか教育、福祉、これまで使われておらなかったところにもしっかり使われ始めたというふうな認識をしております。
 御案内のとおりで、リーディング産業であります観光とかあるいはリゾート産業、IT関連の産業の発展を図っていくとともに、今、地理的優位性を背景にして国際物流の動きも大きく出てきております。こういったところをしっかりとバックアップしながら、交付金あるいは振興資金等々をしっかりと活用して、沖縄の振興を全体として図っていきたいと考えております。
○寺田典城君 アジアの中心地であると、それから日本経済のフロントランナーになってもらいたいとか格差があったとかという話なんです。それもよく理解しています。ただ、税金を使って失敗した例がたくさんあるんです、日本の国は。そして環境破壊、税金を使って失敗した施設もたくさんあります。例えば、一九九四年のウルグアイ・ラウンドのガット対策の予算、六兆円も使っています、八年間で。山へ行ってみてください。使っていない施設とか放棄された施設、たくさんあるんですよ。
 私が心配しているのは、沖縄は環境破壊まで持っていっちゃうのかなと、今までのこのような公共投資の予算を見てみますとね。私は、他県のことですから自治体を尊重しなきゃならないので、尊重しなきゃならぬのですが、その辺が心配なんです。
 それで、今大臣が、フロントランナーで、東アジアの中心地であると。要するに、台湾とか中国にも近い、ASEANにも近い、中心地です、確かにそのとおりです、物流の拠点。それだったら、私は、その地理的な条件を生かして学問とか技術の拠点になってもらいたいと思うんですよ。ところが、そういう具体的な例が、例えばよそから連れてきてそういう拠点にするとか、そういうのはほとんど見えていないんですよ。どう考えているんですか。
○国務大臣(山口俊一君) 御指摘のいわゆるOIST、沖縄の大学院大学ですね、科学技術大学院大学、これについての御指摘かなとも思うんですが、そういった面も含めまして、やはりこのOISTを中心にして世界に発信できる研究施設、同時にそれによって沖縄の知名度を上げ、同時に沖縄自体にいろいろと移転をできるような科学技術をやってもらおうというふうなことでいろいろ進めておるわけでございますし、先ほどちょっと申し上げた物流拠点も、実はまさに地理的優位性を活用して、例えば夜、函館で飛行機に積んだやつを、真夜中に沖縄に行くわけですね、で、沖縄からまさに世界にずっとその日のうちに配送できる。これも整備場をやろうという計画等もございますし、そこら辺に関してもしっかり把握をしながらバックアップをしていきたいと思っております。
○寺田典城君 OISTも見てきました。今まで千四百億予算付けて、今年は百六十七億ということになっています。具体的にどういう成果が上がっているのかというと、なかなかそれは見られてないような状況なんです。もう少し第三者機関みたいな形の中でやはり評価させるべきだと思うんです、ここまで来たら。巨額な金ですよ、見ていると。
 ですから、そういう点では私は、沖縄振興策というんで、だったら、例えば沖縄は義務教育は小学校五年とか中学校四年とか高校四年にして一年間海外に留学させるとか、高等学校で三十人学級やってチームティーチングをやってみるとか、でなければ、例えば技術的な専門学校を連れてきてその拠点にするとか、沖縄が将来、フロントランナーと言ったんですから、なっていくような新しい形のことをしていかなきゃならぬときに来ているんじゃないかなと思うんです。でなければ、私は沖縄の良さの環境破壊になっちゃうんじゃないかなと思うんですが、いかがですか。短く、これ一分、三十秒で答えてください。
○国務大臣(山口俊一君) 御指摘のように、かつて確かにいわゆる土木工事によってサンゴ礁の海が濁ったとか、いろいろありました。そういったことを踏まえて今いろんな方法を通じてやっておるわけで、同時に、先生の方からOISTの御指摘もありましたけれども、これは現在三年目で、結構成果は上がっておると思います。例えば、沖縄に対しても、オープンキャンパス、これは何と五千人もの皆さん方が来ていただくわけですね。あるいはまた、いわゆる論文、一論文当たりの平均被引用数、これが、東大が五・一なんですが、OISTは六・五と、カリフォルニア工科大学は九・八ということですが、まさにこれ、最高レベルに伍するところまで来ておるのではないか。あるいは、ネイチャーとかサイエンスとか、この掲載論文数、これも着実に伸びておりますし、何よりも有り難いのが、先般、OIST発のベンチャー企業、この第一号として実は沖縄プロテイントモグラフィー株式会社、これが誕生して、やはり今後もそういった方向で沖縄の皆さん方とともに発展をする大学ということで、大変期待もしておるところでございます。
○寺田典城君 いずれにしましても、第三者的にもう少し総括していただくことが必要だと思いますし、OISTには職員とか学生、研究者も入れて計七百人ぐらいしかいないんですよ。それでこうだという一つの極端な例だけ挙げてそれを評価してみたって、一千四百億も今までお金を掛けてどうなんですかと言われたら、私は答弁するところがないと思いますよ。以上です、これは。
 あと、次に都道府県警察のことなんですが、全国に二十六万人いらっしゃいます。今、少子高齢化、人口減少時代に入って、高齢者にターゲットを絞った犯罪も多発しております。地方については、今、地方創生だとか、過疎化も進んでいますし、こういう時代において都道府県警察の在り方、果たすべき役割について、国家公安委員長の山谷さんから率直な御意見をお伺いしたいんですが。
○国務大臣(山谷えり子君) 高齢者人口が増加している我が国において、昨年、高齢者が被害者となった特殊詐欺の認知件数が大幅に増加しております。また、交通事故死者数全体の半数以上を高齢者が占めるなど、高齢化社会に対応した取組が警察に求められていると考えております。また、地方においては過疎化が進んでいるところもあり、警察としても、そうした地域の住民からの治安等に関する要望などにも応えていくべきと考えております。
 こうした治安情勢等は地域ごとによって実情が異なります。都道府県警察ごとに各地域の実情に応じた治安上の課題に対処しているところでございます。
 寺田委員は、秋田県知事、また全国知事会の副会長、北海道東北知事会の会長をなさりまして、地域の特性に基づく行政の在り方を追求されてこられたところでございますが、地域特性をより詳しく把握するために、都道府県警察は、警察署ごとに警察署協議会を置いて、警察署の業務運営に地域住民の意向を反映させるなど、地域に密着した警察活動を行うようにしております。
 引き続き、関係機関や関係団体、地域社会と緊密に連携しながら、高齢者を狙った犯罪被害の防止、高齢者が被害者となる交通事故の防止等を始めとして、都道府県警察の活動やその果たすべき役割が社会情勢の変化等に的確に対応したものとなるように警察を指導してまいりたいと考えております。
○寺田典城君 一九九〇年には高齢化率が一二%でした。そして、現在は二五%になっていますね、高齢化率が。十年後は三〇%を超えると言われているんです。人口減少も地方はどんどん進むと。十年で一割減ったとか、人口がですね、そういうのは普通に出ています。
 それの中で、そういうふうな十年後には三〇%を超える高齢者、特に七十五歳、後期高齢者が二割近くになるというそういう時代に、やはり、ある意味では東京だって毎年高齢者増加率が、東京それから名古屋方面と大阪ですか、四、五%増えていく時代です。もう警察行政の在り方、治安の在り方も変わってくるんじゃないのかなと思うんですね。ですから、超高齢化時代だったら、やはり高齢者の身体、生命、財産を守るとか、いろいろあるんです、犯罪の予防もあるんでしょうけれども、要するに、警察と住民との信頼関係の中で、高齢者の見回りだとか、ある面でのみとりみたいな、もう少し深くその時代に合った警察行政というか在り方を検討してみる、そろそろそういう時代に来ているんではないかなと思うんです。
 ですから、公安委員長の積極的な発言を求めたいと思うんですが。
○国務大臣(山谷えり子君) 昨年、警察法に基づく警察署協議会、全国で千百六十六署ございまして、しっかりと地域の実情に応じた様々な現状を把握しているところでございます。今年は千二十人警察職員を増員をいたしまして、女性警察官も増えているところでございますけれども、委員おっしゃるように、社会情勢の変化等に的確に対応したものになるようにしっかりと努めてまいりたいと思っています。
○寺田典城君 次に移りますけれども、警察官というのは、私も知事をやっていて、都道府県警察、警察官は普通の人と違ったストレスが多い中で、若いときに体を鍛えています。中年になって食事の量が変わらずメタボになる方がたくさんいるんですよ。現場を見てきています。それで、警察官がメタボリックになるということは、治安のキャパ、能力も落ちてくるんでしょうけれども、それはそれとして、本人が一番大変だと思うんですよ。生涯現役なそういう長寿の社会では、リタイアしてから本当の意味での人生が始まりますから、その辺を、まずメタボ率が何%ぐらいで、具体的にそれを減らしてどうするかというのを大臣からお聞きしたいんですが。
○国務大臣(山谷えり子君) 平成二十五年度において、警察官のうちメタボリックシンドロームの疑いの強い者の割合は、男性警察官で一二・二%、女性警察官は〇・七%であります。これらの割合、一般国民と比較しますと、男性警察官はほぼ同程度で、女性警察官はかなり低いということになっております。
 いずれにしても、健康でたくましい体というのは警察活動の基礎でございますから、メタボリックシンドロームの防止対策を含めて警察官の健康管理しっかりとやってまいりたいと思います。
○寺田典城君 モデルケースとして、私も本部長にしゃべったことが、お願いしたこと、要望したことがあったんですけれども、一〇%ぐらいにするという目標、委員長、今掲げてみませんか。
○国務大臣(山谷えり子君) 平成二十五年、メタボリックシンドロームの疑いの強い者、国民の男性で一〇・八%でございますから、男性警察官一二・二%、多いわけでございまして、国民一般のように一〇%を目指して取り組んでまいりたいと思います。
○寺田典城君 是非、八%でも結構ですから、頑張ってください。
 それでは、非常に深い問題で、時間もないし、これからまたお聞きしたいと思うんですが、内閣府で、共生社会の中で子供の貧困率というのが一六%に達しているという。貧困である子供が目を輝かせるためには、あるいは親が子供を養育することに生きがいとか希望を持てるようにするために国は具体的に何をしているか、大臣にお聞きしたいんです。平成二十六年八月二十九日の閣議決定には具体性が見えないんですよ。その辺をひとつお答えになっていただきたいなと思います。これ、大変なやっぱり共生社会で大事なことだと思うんですね。日本の基礎だと思いますので、ひとつよろしくお願いします。
○国務大臣(有村治子君) 共生社会担当としてお答えをさせていただきます。
 委員御指摘のとおり、明日の日本を支えていく子供たちが自分の可能性を信じて未来を切り開いていけるようにチャレンジできることが極めて重要だと認識をしています。いわゆる貧困の世代を超えた連鎖によって子供たちの未来が閉ざされることがないよう、社会を挙げて取り組んでいかなければなりません。
 御指摘いただきましたように、去年の夏、閣議決定をいたしました子供の貧困対策に関する大綱に基づいて、教育支援、生活支援、また保護者の就労支援、経済的支援などの施策を総合的に推進をしているところでございます。
 先月、官邸においては、総理、文部科学大臣、厚生労働大臣及び私、共生社会担当の内閣府特命担当大臣を始め、官公民、様々な立場の方々が一堂に会して子供の未来応援国民運動発起人集会を開催いたしました。省庁の枠にとらわれず、国を挙げて子供の貧困に向き合い手を打っていく覚悟でございます。
 具体的には、この発起人集会で採択された趣意書に基づいて民間資金を核とする基金の創設をいたします。同時に、支援情報の一元的な集約、情報を提供して、支援の手を差し伸べる活動と支援を受けたい方々とのマッチング事業を進めていきます。同時に、これまで必ずしも十分に行われてきたとは言えない子供の貧困に関する実態調査を進め、国民運動の事業内容の具体化を積極的に進めていかなければならないと存じます。
 私自身、担当大臣としては、特に一人親家庭の子供の貧困ということでは、養育費の取決めをしていないで離婚している御家庭が多い。そこをやっぱりしっかりと、子供の貧困という視点で養育費をしっかり取れるようにしていくこと。それから、児童養護施設を卒業された方々、十八歳で、単にお金の貧困というだけではない、マナーや社会性ということをみんなでバックアップしていけるような、そういう体制も組んでいきたいと考えております。
○寺田典城君 時間でございます。また別の機会に同じような深みのある質問をしたいと思います。
 以上です。どうもありがとうございました。
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
 箱根山の火山活動が活発化しており、大変心配です。観測体制の強化、関係自治体や観光客への情報の徹底など、防災対策がしっかりと取られるよう、まず冒頭求めておきたいと思います。
 今日は、火山の観測、防災体制について質問いたします。
 戦後最悪の火山被害となった昨年の御嶽山噴火で、日本の火山対策に多くの課題があるということが改めて示されました。日本では一九七四年に第一次火山噴火予知計画が策定され、以来、国立大学や国の研究機関と関係省庁が連携する形で一定の観測網の整備が進められてきました。しかし、公務員削減などの行革によって測候所が廃止をされる、あるいは国立大学の独立行政法人化などが行われて、火山の観測網や火山対策というのは弱体化が進行しています。
 まず、火山の観測研究を歴史的に担ってきた国立大学についてお聞きします。
 二〇〇八年十二月、科学技術・学術審議会測地学分科会火山部会は、今後の大学等における火山観測研究の当面の進め方について提案を行っています。ここでは、次のような現状分析が行われています。「国立大学の法人化等に伴い財政事情が厳しくなり、観測点等の維持管理が困難となりつつあること、また、火山観測研究に携わる人材確保も極めて厳しくなりつつある」と。
 この国立大学の法人化に伴って観測点の維持管理が困難になりつつあるというのはどういうことなのか。これ、法人化以前は、国立大学は火山観測所や研究所について施設整備費を国に予算要求することができました。当時も予算は十分とは言えませんでしたが、それでも火山予知計画の下で維持更新などが国の直接の予算措置によって行われてきました。
 しかし、法人化後は、施設整備費としての予算要求はできなくなって、運営費交付金の中で各大学が整備することとなりました。しかも、その運営費交付金は毎年減額が行われたと。これが観測点等の維持管理を困難にした要因の一つではありませんか。文部科学省。
○政府参考人(田中正朗君) お答え申し上げます。
 国立大学では、平成十六年の法人化以降、多様な社会的ニーズなどに対応するため、国立大学法人の事業規模が全体として拡大する一方、基盤的な経費である国立大学法人運営費交付金は政府全体の極めて厳しい財政状況の影響を受けているところでございます。
 このような中で、大学における学術研究としての火山研究については、企業などからの外部資金の導入が困難であるということ、また厳しい観測環境の中、老朽化した機器の更新には費用が掛かることなどから、観測研究の縮小が危惧される状況であるとの議論が平成二十年の科学技術・学術審議会測地学分科会火山部会においてなされたところでございます。
 そのため、火山部会におきましては、今後は学術的に重要と考えられる火山についての観測研究に重点化し、防災科学技術研究所の支援を得て、今後の観測研究体制を強化していくという方針を取りまとめたところでございます。
○田村智子君 これ、運営費交付金化され、更にそれが減額されたことが要因の一つだと事実上お認めになったと思います。
 では、人材確保の厳しさというのはどうかと。火山観測というのは大変厳しい自然環境の下で行われるため、機器へのダメージも大きいわけですね。法人化前から定数削減の影響で技術職員が削減をされて、この保守管理が困難になっていました。さらに、法人化後の運営費交付金の削減は、国立大学での常勤の研究職ポストの減少に直結をして、ポストドクター問題も深刻化させ、今や博士課程進学者までも減少しているという現状です。
 元々、研究者の層が厚いわけではなかった火山の観測研究にとっては、まさに危機的な状況がもたらされていると言えます。
 そこでお聞きします。例えば、北海道大学有珠山観測所、ここは、二〇〇〇年、有珠山の大噴火を予知をしまして、一万人もの避難を実現して人的被害を未然に防いだという実績があります。この大噴火当時の観測所の人員は五名でしたが、現在の体制はどうなっていますか。また、東京大学の四つの火山観測所、これ有人で行われていましたが、現状どうなっていますか。
○政府参考人(吉田大輔君) お答えいたします。
 北海道大学の有珠火山観測所には、現在、准教授一名、技術職員一名、計二名が配置をされているところでございます。
 また、東京大学の火山観測所、これは四つございます。浅間、小諸、霧島、伊豆大島でございますけれども、現在、小諸観測所には准教授一名、技術職員一名、計二名が配置されておりますけれども、他の三か所の観測所は常時配置されている職員はおりません。なお、必要に応じまして他の研究者も観測所に赴き調査研究を行っているところであり、また近年は、GPSや通信技術等の進展に伴い、常駐の人員を配置しなくてもデータ収集が可能になってきております。そのための観測機器の定期的な点検等は行っているところでございます。
○田村智子君 現状では、体制もそうやって弱体化しているということです。
 前述の二〇〇八年の火山部会の提案、先ほどもありましたが、資金と人材の不足に対応するため、国立大学等における火山観測の重点化というのを打ち出した提案だったんです。
 日本には百十の火山があります。国立大学等では三十三火山の観測をしてきたけれども、活動度が高く、研究的価値の高い十六の火山に重点化をして、そしてこの十六の火山については、防災科学技術研究所による施設整備補助を行うということで、観測点の維持更新、高度化を図ると、やむなくこういう体制をしなければならなかったわけですね。
 この重点化の方針というのは、学術的に重要と考えられる火山への重点化でもありました。この学術研究の分野というのは、政府の方針で競争的環境が強調されてきて、論文を書けるかどうかが問われるということになっています。火山というのは、穏やかなときの状態のデータというのは噴火して初めて活用されるわけで、必然的に噴火の頻度が高い山が研究対象になりやすくなった。災害対策上重要でも、噴火の頻度が低い山は結果として重点化の対象から外れたわけです。御嶽山はその対象外となった山の一つでした。こうした重点化の方針、十四火山に計五十五か所の観測点を設けるという計画が作られました。二〇〇九年度から整備も始まりました。
 それでは、この五十五か所の整備計画はどうなっていて、昨年度までに整備された観測点というのは何か所ですか。
○政府参考人(田中正朗君) お答え申し上げます。
 平成二十年十二月の科学技術・学術審議会測地学分科会火山部会において取りまとめられまして、重点的な研究対象十六火山を定めました今後の大学等における火山観測研究の当面の進め方についてのフォローアップといたしまして、防災科学技術研究所では、平成二十二年四月の同分科会地震火山部会において火山観測網の整備計画案について報告を行っているところでございます。
 この整備計画案におきまして、重点的な研究対象十六火山のうち、既存の火山観測網の整備がされております富士山、伊豆大島、三宅島を除きまして、那須岳を加えた十四火山、計五十五観測点を新たに整備することとしております。このうち八つの観測点につきましては平成二十一年度補正予算により措置されておりましたので、平成二十二年度以降に四十七の観測点を整備することとしておりました。
 防災科学技術研究所では、気象庁における観測点の整備状況も加味しながら整備を進めておりまして、平成二十二年度以降に整備することといたしました四十七観測点のうち、二十七の観測点の新規整備に係る費用を予算措置済みでございます。
 他方、これに加えまして、平成二十六年度までに気象庁が新たに整備をした観測点が十九観測点ございますので、これを加えますと、全体では五十四の観測点となっておりまして、当初の整備計画はおおむね進んだものというふうに認識してございます。
○田村智子君 質問レクでは三十五か所というふうに答弁受けていたんですけど、五十四か所なんですか。
○政府参考人(田中正朗君) 先生の方に申し上げましたのは、防災科学技術研究所が自分で独自に整備したものは二十二年度以降で二十七の観測点、それ以前に八つがございましたので、三十五でございました。
 それに加えて、先ほど申し上げましたように、防災研としてはそれだけでございましたけれども、それ以外にも、気象庁がその対象となっております火山につきましては十九の観測点を追加してございますので、防災科学技術研究所と気象庁の新たに追加した観測点を合わせると五十四の観測点となるということでございます。
○田村智子君 そうすると、だから二〇〇九年、文科省主導でやろうとした五十五か所のうち三十五か所しか整備がされていないということですよね。気象庁のものを含めて今お答えいただいたということですね。
 これ、予算見ますと、二〇〇九年度は七億円、二〇一〇年度はゼロになるんです、二〇一一年度一億円、東日本大震災直後の二〇一二年度は十八億円、二〇一三年度はまたゼロ、御嶽山噴火後の二〇一四年度は六億円、しかし今年度はまたゼロなんですよ。こうなると、そもそも文科省が造ろうとした、国立大学で重点化したという五十五か所、この設置も、文科省のサイドからは、これ、いつになるか分からないような実態だというふうに質問レクでは説明を受けたわけです。
 次に、では、私、気象庁のお話もありましたので、気象庁の観測体制、これも見てみたいと思います。
 火山の観測を現地で行う測候所、九十七か所ありました。しかし、行革によって九十五か所が廃止をされ、ほぼ全廃と言えるような実態です。現在は、全国四か所の火山監視・情報センターに四十七火山のデータが送られ、二十四時間体制で観測を行っています。設置場所は、札幌、仙台、東京、福岡ですから、都市で遠隔地の火山のデータを集めて観測をしているということになります。
 このセンターの職員、現在八十二名、その他本庁で火山業務に従事する職員を合わせると、気象庁で火山観測に当たる人員は百四人だとお聞きをしています。では、このうち、大学や大学院で火山を専門として研究してきた方、これは何人いますか。
○政府参考人(西出則武君) 全国四か所の火山監視・情報センター及び気象庁本庁で火山業務に従事するその百四名のうち、大学や大学院で火山学を専攻していた者は十七名でございます。
○田村智子君 十七名なんです。火山の現地観測、研究の経験がない職員が遠隔地でデータを見て評価を行っているというのが実態だと。しかも、気象台など他の部署への異動もあるわけで、まさにそこに就いたからといって火山を専門的に担当し続けるわけでもないわけです。
 昨年の御嶽山の噴火は水蒸気爆発でしたけれども、火山灰など噴出物を分析してマグマ噴火ではないというふうに確定をしたのは東京大学や産総研の研究者でした。これ、どういう噴火なのかということを素早く把握するということは、その後の噴火予想にとっても大変重要なことだと思います。
 気象庁も現地へ出動する機動観測の体制を持っていますが、自前でそうした評価ができなかった、地質学、岩石学的な分析を行わなかった、この理由はなぜですか。
○政府参考人(西出則武君) 火山活動を評価するためには、広範囲な分野での観測、解析が必要であります。地震活動、地殻変動、火山灰の分析など多岐にわたり、それぞれの専門性が必要です。このため、気象庁だけではなく、大学や研究機関等がそれぞれの専門分野を生かして観測、解析を行っており、その結果を火山噴火予知連絡会において総合的に判断しております。
 御指摘の御嶽山噴火においては、火山灰分析等の専門の知識を有するそれらの機関が分析を行い、火山噴火予知連絡会に報告したところであります。
○田村智子君 私、大学との連携というのは大切だとは思うんですが、気象庁の現地観測、いざ噴火が起きたというときに機動的に行くその部隊も、試料の採集や評価などは行うけれども、地質学的な評価などは大学などの研究者が行っていると。現在のところ、気象庁では火山現象の全てをきちんと評価できる体制がないということだと思います。
 この御嶽山の噴火を受けて、中央防災会議火山防災対策ワーキンググループ、今年三月に報告をまとめています。そこで、火山機動観測体制の強化として、「気象庁や大学・研究機関等は、火山噴火予知連絡会の総合観測班等の枠組を活用して、速やかに現地に立ち入り、調査観測を実施すべきである。」と記述をしています。大学や研究機関等も素早く行くべきだと、調査観測を実施すべきだと。
 しかし、この大学や研究機関の現地調査というのは、法的にはあくまで要請によるものでしかありません。研究者や研究機関の任意の協力であって、現地への機器の設置とか必要な経費も参加した各機関独自の負担になっているのではないですか。
○政府参考人(西出則武君) 総合観測班は、火山噴火が発生した際に、火山噴火予知連絡会が司令塔となりまして、関係機関が各種データを共有するとともに、火山活動を総合的に評価するために設けるものであります。その構成メンバーとしては、火山学者や大学、研究機関、気象庁など、火山に関する我が国の専門家に広く参加をしていただく形となってございます。
 この総合観測班の活動については、その設置目的に即して各観測機関が参加するものであり、観測の実施に当たっては各機関が費用を負担して行うこととしております。
○田村智子君 これは、気象庁だけでは分析はとてもできなくて、学者や研究者の協力が必要なんだと、ところが、その協力は自前、手弁当でやってくれという体制になっているということなんですよ。
 これは実は、この問題は既に前から指摘がされていて、二〇一三年に内閣府等が開催した広域的な火山防災対策に係る検討会、ここでは、大規模火山災害対策への提言というのをまとめています。この中で、「噴火時に火山噴火予知連絡会が設置することができる総合観測班に参加する火山専門家の活動経費は、各火山専門家の所属機関が負担しなければならない。大規模火山災害時に火山専門家を現地へ派遣するか否かは各火山専門家の所属機関が判断するため、特に火山活動が長期化する場合は火山専門家の協力を得ることが難しくなる。」と、こういう問題点も指摘をしているわけです。
 現地の調査というのは非常に過酷な状態でやられますので、持っていった機器だって破損する、その破損も研究機関が補わなければならない、観測に入った人が重大事故に巻き込まれる、そういう危険性もある、それも全部大学や研究機関が責任を負わなければならないという体制なんですよ。こういうことがずっと指摘をされてきました。
 国土交通大臣にお聞きしたいんです。御嶽山で戦後最悪の火山災害が起きてもなお、こうした大規模噴火時の対応の弱点について事実上対策は取られていないんですよ。これでいいのかと。なぜ対策が取られていないのか、大臣の見解をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(太田昭宏君) 現在の火山学を学んだ人を始めとして、また大学やあるいは専門家、気象庁と併せて、現時点では精いっぱいやっているというのが現実のところだと思います。
○田村智子君 現場は精いっぱいなんですよ。しかし、それを保障する国の体制が取られていないと。これはやっぱりこの弱体化という問題を真剣に、これは政府が責任持って解決していくこと、必要だというふうに思うんですよ。これはまた後ろの方で具体にお聞きをしたいと思いますが、これが皆さん、実態なんですよ。
 じゃ、これが防災体制にはどういう影響を与えていくのか。防災体制についてもお聞きをしたいと思うんです。
 火山監視・情報センター、これは、活火山を有する地方気象台には、自治体の火山防災対策の支援などを担当する火山防災官が一名ずつ、これは全部で二十七人、これも私は少ないと思うんですけど、全国で二十七人配置をされています。では、この二十七人のうち、大学や気象研究所などで火山研究に従事した者は何人なのか、また気象庁の火山業務に従事した経験のある人は何人か、お答えください。
○政府参考人(西出則武君) その二十七名の火山防災官のうち、大学や気象研究所などで火山研究に従事していた者はおりません。現職就任前に気象庁の火山業務に従事していた者は二十三名でございます。
○田村智子君 もう一点お聞きします。
 常時観測四十七火山には、関係自治体等国の防災機関で構成する火山防災協議会というのが設置をすることとされて、御嶽山の噴火があって、ようやくその四十七火山に全て設置をされたんです。では、そのうち火山の専門家が参画している火山協議会というのはどれだけですか。
○政府参考人(兵谷芳康君) お答えいたします。
 火山防災協議会は、現時点において、常時観測火山四十七全てにおいて設置されておりますが、このうち火山専門家が参画していると認められる協議会は三十六でございます。これは、協議会の規約等から明確に確認できるというものでございます。
 ただ、規約上は火山専門家が協議会のメンバーとなっていない場合でも、火山専門家に協議会への出席を継続的に依頼をしているというケースもございますので、実態といたしましては火山専門家が参画している事例が多いものと伺っております。
○田村智子君 火山というのは、観測研究とともに、噴火による人的被害というのを未然に防ぐための防災計画というのが欠かせないはずなんです。ところが、火山防災官も専門的な知見を持っているとは言えない。そして、火山協議会にも専門家が配置できていないというところもあると。
 こうした体制の脆弱さもあって、常時観測四十七火山のうち、ハザードマップの作成というのは三十七にとどまっています。避難計画は、部分的なものも含めて作成がされているのは十五火山、関係市町村百三十のうち僅か二十にとどまっていると。これ、昨年十一月現在なので、もしかしたら少し変動があるかもしれません。
 日本では、二十世紀にはたまたま大規模な火山災害というのは少なかったので、こうした観測研究体制の弱体化、あるいは防災体制の不十分さ、これ大きな問題にならなかっただけだろうと私は思うわけです。今、富士山の噴火、これも視野に入れなければならないとか、あるいは、東日本大震災を受けて、単発の火山が爆発するだけじゃないと、一つが噴火したときにそれが連動して大規模噴火を起こす可能性もあるということが研究者の皆さんからは指摘をされているわけです。
 そうすると、ここは防災担当大臣、お聞きしたいんですけれども、こういう防災という観点から考えても、このような体制でいいのかどうか、是非見解と今後どうするのかをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(山谷えり子君) 昨年九月の御嶽山の噴火を踏まえまして中央防災会議に設置した火山防災対策推進ワーキンググループにおいては、火山監視・観測体制の強化についても御議論をいただきまして、昨年度末に報告が取りまとめられたところでございます。
 本報告には、「火山活動の評価をより的確に行うことのできる人材が必ずしも十分でない。」と記載をされています。我が国の火山の監視観測については必ずしも十分な体制が確保されているとは言えない状況にあると認識をしております。
 本報告の提言にも記載されているとおり、例えば、大学等において専門的な知見を習得した人材などが火山活動評価に参画する体制を整備していくことなどにより、火山監視観測体制の充実を図る必要があると考えているところでございます。
○田村智子君 そういう体制強化を本当に急いでほしいんですけれども、その体制強化を進める上で、私は幾つか提案もしたいんですね。前述した中央防災会議のワーキンググループの報告では、「火山噴火現象は火山ごとに特徴があることから、火山噴火災害への対応については、各火山における具体的な研究成果に基づき火山の特徴を把握したうえで防災対策につなげていくことが必要」だという指摘があります。
 これは、防災上重要な火山については、一つの火山を長期にわたって観測評価するホームドクターのような専門家が大切な役割を果たし得るというふうに私は考えます。火山大国であるイタリアやインドネシアでは、こうしたホームドクター的な専門家というのを一火山に一人必ず配置をしているわけですね。日本でも同様なホームドクターの育成というのが必要だと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(山谷えり子君) 火山によってそれぞれ特徴があるというところでございます。各火山における火山防災対策については、火山噴火の現象や規模が火山によってそれぞれ特徴があることから、火山ごとに設置されている火山防災協議会において推進されておりまして、この協議会には科学的な知見を有する火山専門家が積極的に参画していくことが不可欠であります。
 一方で、火山によっては、活動が活発でなく、調査研究の対象となりにくい火山もありまして、また火山の専門家も限られております。個々の火山にその火山のみを専門とする火山専門家を配置することは難しく、効率性などを考えた場合、複数の火山をまとめて観測研究を行う仕組みなどについても考えていくことが重要であると認識をしております。
 このようなことから、政府としては、火山防災対策推進ワーキンググループの提言も踏まえ、例えば関係省庁や地元大学、研究機関の間で調整を図りながら、火山防災協議会への火山専門家の参画を促進する、各火山防災協議会に参画する火山専門家が連絡、連携する場を設置する、長期的には火山研究者の人材育成を図るなどの取組を関係省庁一体となって推進してまいりたいと考えております。
○田村智子君 インドネシアのジャワ島では、昨年、御嶽山の五百倍と言われる火山の噴火がありました。九万人に上る住民を事前に避難させ、人的被害がゼロだったと。この事例は日本の報道番組も取材をして、私も見たんですけれども、これはホームドクター的研究者が毎日登っていくわけですよ。そして、火山のガスの噴出の音などがいつもと違う、こういう僅かな変化を捉えたことが大規模避難に結び付いたということも紹介をされていました。
 だから、今の脆弱な体制を前提としてどうするかということを議論しているだけでは駄目で、やっぱり長期的視野も持ってホームドクター的な専門家を各火山に配置できるような、こういう体制、是非検討していただきたいというふうに思うんです。
 ただ、こうした体制、日本で取れない大きな要因は、先ほど大臣からも御指摘のあった専門家の圧倒的な人材不足。これは、中央防災会議ワーキンググループの報告見ますと、日本の火山研究者は全国で約八十人、うち大学に所属する研究者は僅か四十七人しかいないわけです。研究者が増えない最大の要因は、先ほども指摘した安定した研究環境がつくられていないと。これ、重大な問題です。
 文部科学省は、火山の研究プロジェクト、来年度から立ち上げるというふうにお聞きしていますが、これは何年単位のプロジェクトで、これによって火山研究者の安定的なポストというのが増えていくのでしょうか、お答えください。
○政府参考人(田中正朗君) お答え申し上げます。
 昨年の御嶽山の噴火を踏まえまして、平成二十六年十一月に科学技術・学術審議会測地学分科会地震火山部会におきまして、御嶽山の噴火を踏まえた火山観測研究の課題と今後の進め方についてを取りまとめまして、今後重点的に進めるべき火山観測研究や人材育成の在り方等について報告をいたしました。このうち、委員御指摘の火山研究人材の育成につきましては、プロジェクト研究を組み合わせた人材育成プログラムの構築の必要性が示されておりまして、文部科学省におきましては、同プログラムの実施機関や育成すべき人材の対象や規模なども含めまして、その具体的方策を現在検討しているところでございます。
 文部科学省といたしましては、引き続き関係機関と協力いたしまして、出口を見据えた火山研究者の育成確保に努めてまいりたいと考えております。
○田村智子君 プロジェクトに参加しても、その後プロジェクトが終了したら安定した雇用が切られてしまうということが解決されない限り、これはやっぱり人材不足という大きな問題に私は解決策見えてこないと思うんですよ。さっき言ったホームドクターの育成というのも、あるいはそういう体制取るということも、安定した働き場所として研究がずっと続けられるという、そういうポストを増やすことにもつながっていく、そういうことを考えていかないと、これは大変危機的な状況がますます進行してしまうというふうに思います。
 こんな事態がなぜここまで進行してしまったのか。私、やっぱりアメリカ、イタリア、インドネシア、フィリピンといった主要火山国と日本の決定的な違い、それは火山観測、調査研究が特定の国家機関に一元化されていないと。逆に言うと、今言った主要火山国は一元化されているわけですよ。これが非常に重大な問題だと思います。
 火山噴火予知連絡会の藤井敏嗣会長は、日本にも国立の研究機関が必要だと繰り返し提言をされています。この火山予知連絡会というのは、日本にある火山のデータを見てその火山の評価を行う、あるいはさっき言った、噴火したときやあるいは噴火の危険性があるというときにはすぐに班を編成して現地に派遣すると、そういう役割持っているんですけれども、この予知連というのは気象庁長官の私的諮問機関なんですよ。だから、常時いるわけでもないんですよ。平常時には年三回集まって、学者が集まってデータなどを見ているというにすぎない、そういう機関なわけですね。
 国立大学や各省庁が連携しているとはいえ、火山防災対策の基本方針もない、法的根拠もない、一元的に担当する機関もないと、これはやっぱり解決が必要だと思いますが、山谷大臣、いかがですか。
○国務大臣(山谷えり子君) 一元的な調査研究体制を構築すべきではないかということでございますが、火山防災対策を更に推進していくためには、充実した監視観測・調査研究体制の下、火山防災対応が常に火山専門家の知見を得ながら実施されるような体制を整備していく必要があると認識しております。
 政府としては、火山防災対策推進ワーキンググループの提言にも記載されているとおり、内閣府に火山防災対策推進検討会議を設置し、まずは複数の関係機関同士の連携強化を図り、それぞれの機関で火山監視・評価体制の強化、火山防災協議会の取組の強化、火山研究体制の強化を推進してまいります。その上で、本検討会議において、より一体的に火山防災を推進する体制を整備するための具体的な検討を進めてまいる所存でございます。
○田村智子君 終わります。
○井上義行君 日本を元気にする会の井上義行でございます。
 まず、私の地元である箱根の大涌谷の火山の関係について質問をしたいというふうに思っております。
 今回のこの大涌谷のそもそもの範囲、立入りの範囲ですね、これは皆様お手元にあるとおり、火口付近の周辺のみなんですね。だから、私は、やはりこうした、そのほかの仙石原とか芦ノ湖とか、あるいはその周辺の湯本というのは安全であるということを是非国土大臣から一言言っていただきたいと思います。
○国務大臣(太田昭宏君) 五月六日に、気象庁が大涌谷噴煙地を中心にして半径約三百メートルの範囲内に対しまして火口周辺警報を発表して、噴火警戒レベルを一から二に引き上げました。
 これを受けまして、観光庁としては、まず第一に、箱根への観光客の安全確保を図る観点から、同日付けで旅行業協会を通じまして全国の旅行業者に対して文書で依頼をしました。内容は、当該警報に関しては正確な情報収集に努めること、旅行者又は旅行予定者に対し正確な情報提供を図ることです。
 この観光に与える影響を最小化することについてでありますが、観光面での風評被害を防止するためにも、国内外の旅行者や旅行予定者に対しまして正確な情報の提供に全力を尽くすということが重要であるというふうに思っております。このため、七日付けで、関係機関を通じまして、今回の措置は大涌谷の噴煙地に近いごく一部への立入りを規制するもので、箱根の他の地域まで規制が及ぶものではないこと、そして、したがって噴煙地以外の各地域の施設や交通機関は平常どおり営業していることを国内外の旅行業者や旅行予定者に発信をしたところでございます。さらに、この内容を周知徹底するために、八日付けで関係機関へ改めて文書を出したところでございます。
 今後とも、旅行者の安全確保、これ最重要の課題ではありますが、この状況が一体どういう状況であるのかということを正確に情報を各関係機関に提供して、箱根の観光関連業界に大きな打撃が出ないように取り組んでまいりたいと、このように思っています。
○井上義行君 まさに三百メートルなんですね。それがあたかも何か全体のように報道されるものですから、こうした影響をやはりしっかりと正確に伝えていただきたいというふうに思っております。
 そして、三百メートルであっても、そこから供給する温泉というのは、やはり旅館業においては温泉というのは命なんですね。ですから、安全を確保した上で、やはりこうしたメンテというものがありますので、こうした関係者の立入りを例外的に是非認めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(太田昭宏君) 今日も恐らく四時頃から、現状についての分析作業を、気象庁も観光庁も現場に行きまして話合いをしているというところでございます。
 とにかく安全ということはもちろん大事なことで、安全を確保しながら正確な情報ということを極力その都度発表していくということが大事なことだというふうに思っておりますし、今先生のおっしゃったことも含めて、何よりも安全ということが非常に大事なことではありますけれども、そこも踏まえて検討をすることが大事かと思っております。
○井上義行君 ありがとうございます。是非、安全を確保した上で例外的な措置をお願いしたいというふうに思っております。
 特に箱根というのは、観光立国ですから、こうした火山あるいは自然災害と向き合いながら生きてきた町であります。観光立国に当たって、やはりこうしたときにしっかりと国として、旅館あるいはこうしたその生活をする上で国でもやれることというのはあるんだというふうに思います。あの東日本のときに例外的な措置をつくったりしましたので、こういう例外的な措置もしっかりと検討することによって、やはり観光立国としてすばらしい町並みを箱根あるいは全国に広めていただきたいというふうに思っておりますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(太田昭宏君) 今の趣旨を十分踏まえて対応をしていきたいと、このように思っています。検討させていただきます。
○井上義行君 そして、石破大臣には、地方創生を成功するためには、こうした地域がやはりあると思いますね。こうしたときに地方創生の立場からやはり同じできることがあるんだろうというふうに思っております。是非大臣には、こうしたときに地方創生の立場から何らかの支援あるいは後押しするような前向きな政策を出していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) ただいま太田大臣から答弁があったとおりであります。科学的な知見に基づきましてきちんとした情報発信をすること、そしてまたそれが風評被害の防止にもつながるということで、政府といたしまして、自治体あるいは関係の方々と協力をしながら万全を期さねばなりません。
 この箱根の地域はたしか日本ジオパークに指定をされておったかと思いますが、火山というものは日本の貴重な資源だと思っております。一つは、地学的な見地からジオパークというものをこれから先更に広めていかねばならないと思います。二番目は、これは当然のことでありますが、今委員がおっしゃる観光ですね、あるいは保養ということもあるかもしれません。もう一つは、地熱発電ということを考えたときに、潜在力の数%しか今使っていないということであります。私はおととい、大分県の九重町というところにある地熱発電所の場所へ行ってきたのですけれども、これをいかにして日本の資源として活用するかということも併せて考えねばなりません。
 また委員の御教導をいただきながら、この火山というものを地方創生、雇用の創出、そういうものに生かすべく最大限努力をいたしてまいります。
○井上義行君 ありがとうございます。是非、こうしたときにしっかりと国としても支える体制をつくっていただきたいというふうに思っております。
 次に、新聞によりますと、配偶者控除の見直しというのが載っておりました。私は、この配偶者の控除の見直しに当たっては、やはり政府がどういうような家族構成を追求していくのかなというふうに非常に関心を持っております。
 つまり、家族の在り方というか、家族の過ごし方、こういうことがまず政府で何らかの基準というものが、甘利大臣、あるんでしょうか。
○国務大臣(甘利明君) 家族の在り方、私は担当大臣ではありませんので私が答えるのがいいかどうかありますが、政府としてこういうあらまほしき姿というのを国民に要請するということではなくて、それぞれ家族の在り方の思いがある、それを実現しやすいような環境を整えるということだと思うんですね。
 我が党内にも、親と同居するのがあらまほしき姿と言う人もあれば、いや、近所には住んでいるけれども、やっぱり独立している方がそれぞれ気兼ねがないという思いの人もいらっしゃいますし、政府がこうあるべしということよりも、それぞれの希望にかなうような環境をつくっていくということではないかと思っております。
○井上義行君 まさにそこがやはりすごく私は重要だというふうに思っておりまして、私は親と住んでいますので、三世代というのがこれまでの日本の地域とかあるいは家族の過ごし方に非常に合っていたというふうに思っております。
 私も三世代で暮らしていますと、やはり私も政治家だったり、あるいは首相秘書官をやっていると忙しい。また、家内も専業主婦ではありますけれども、地域活動とかPTAとか子供会とかいろんなことがあるわけですね。そのときに、私は小さいときに鍵っ子だったんですよ、だから、やはり家に帰って家族がいないというのは非常に寂しい思いをしたんですね。ですから、家に帰って人がいる、そして、出かけるときにやはり安心して親だと預けることができるわけですね。
 何となく今の日本を見ていると、やはり大人の都合で子供を見ているような気がするんですね。自分が働きたい、確かにそれは本当にいいと思いますね。でも一方で、子供は、じゃ、どうするのか。ただ預けりゃいいのかということではなくて、やはりそこに配偶者控除も絡んでくるんじゃないかなというふうに思っておりまして、配偶者の控除の見直しに当たっては、やはり何らかの、政府は、こういう家族構成を目指していくというそういう中で、配偶者控除を減額した方がいいのか、それとも配偶者控除を残した方がいいのかという、そうした議論の中で配偶者のこの見直しというものをやっていった方が私はいいんじゃないかなというふうに思っています。ただ単に、女性を、働くために配偶者控除を落として、ただ働きやすいようにするというよりも、やはり家族のこうした控除を考えたときにはそうした視点が必要だろうというふうに思っております。
 そこで、配偶者控除の見直しによって、先ほど大臣も言及しましたけれども、例えば、専業主婦というのを今後減らしていくためにやるのか、あるいは、そうじゃない、それぞれ生き方があるんだと、だから選択制にするのかという議論はこれからなんでしょうけれども、大臣が思っている、こうした専業主婦の在り方というのはどう考えておりますでしょうか。
○国務大臣(甘利明君) 私のところも途中まで家内が働いておりまして、娘は親のところに預けて両方とも働いておりました。途中から家内が仕事を辞めて子育てに専念したわけでありますけれども、そのときにやっぱり、家内は、本当は仕事をずっと続けたかったということは後になって私に言いまして、それは自分にとってはかなりの挫折だったと言うんですね。家内は医者をやっていたんですけれども、医者になりたくて途中で大学を変わって医学部に入り直して、そして医師免許を取ってという、そういう思いで医者になったわけでありますから、それが途中で断念しなきゃならなかったというのは自身にとっては大変な挫折感だったということを後々に言っておりまして、私もそこまで女性の社会進出を犠牲にしてしまったという思いがなくて申し訳ないことをしたと思っておったんですけれども。
 専業主婦がいいとか、あるいは働きに出た方がいいとかいうのを我々が押し付けるというよりも、どっちの道も取れる、それに対していろんな制度が、取ろうとすることが足を引っ張らないということが大事だと思うんですね。税制でいえば、中立的な税制と言うとちょっと語弊があるんですかね、双方にですね、片方にだけ有利な仕組みではなくて、どちらにとっても中立的な政策で、どちらを選択するかは当事者の自由意思と。その意思を後押ししてあげるような制度というのが大事なんだろうというふうに思っております。
 今、税制も含めて、これ広範な議論があります。女性は家庭でしっかり子供を見るのがいいと、そうすると素直な子供がなんという議論をされる方もいらっしゃって、いや、そうじゃないだろうという議論、いろいろあります。結論は、どちらの足も引っ張らない、どちらも、経済社会に出ようとすれば、それによって全てが犠牲になるということが、子育てが犠牲になるとかにならないように、あるいは家庭にいればそれがちゃんと税制上も価値として認められるという、両方にきちんと、どちらを取ってもハンディにならないようなバックアップ体制をつくるということが大事だというふうに思っております。
○井上義行君 まさにそのとおりだというふうに私も思うんですね。やはり生き方というのは、それぞれ、住んでいる地域とか、あるいは自分が育ってきたその生き方によっても変わってくるというふうに思います。都会でエリート的な女性でこれから社長になろうとかこれから企業でやっていこうという人もいれば、いやいや、私は専業でしっかり子供を育てたい、あるいは地域のためにやりたい、そういう人も、やはりそれぞれ地域によっても違いますし、生き方によっても違うというふうに思います。
 ですから、これがいいとかいうことではないんだと思うんですね。ですから、それぞれ、我々政治家が考えていかなきゃいけないのは、こうしたその生き方をいかにバックアップしていくかということだと思います。私自身は三世代で暮らした方がいいという考えでありますけれども、やはり少子高齢化の中で、介護、あるいは先ほど地域創生の話も出ました。こうした地域あるいは待機児童の解消とかをいろいろ考えると、やはりお互いに助け合って生きていくということを我々は選択肢の中で考えていかなければならないんじゃないかなというふうに思っております。
 そこで、私はずっとこれ温めてきたんですが、実は私も首相秘書官のときにやろうと思ったんですが、同居減税というのを私考えておりまして、これはただ単に一緒に住むというだけじゃないんですね。先ほど大臣にも申し上げた、例えば一定な地域、二キロとかあるいは十キロとか、近くにいたそういう人たちとともに、親と一緒に、同居地域というか、あるいは同居で過ごす、こうしたことを、例えば同居することによって固定資産税を軽減するとか、あるいは住民税を半額にするとか、こうしたいろんな同居減税のことが私はできるんじゃないかなというふうに思っております。
 そこで、大臣に、今後の骨太の中にこうした同居減税というものを是非考えていただき、そして、こういう同居減税の推進によって、地域の再生であるとか、あるいは介護の問題の解消であるとか、あるいは家族のきずなの強化であるとか、あるいは待機児童の解消につながっていくというふうに思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(甘利明君) 若い世帯、子育て世帯の中で、親と同居、あるいは親が近所に住んでいて、子育てとか家事とか、いろいろ親に甘えて、手伝ってくれるのがいいかどうかということについては、かなりそうしていくことが実現できたらいいと思う人がおられるのも事実です。親の方の統計は私も確認していないんですけれども、親の方でも、孫がしょっちゅう見れるというのは喜びだと思うんですね。ですから、そういう選択もできることを環境整備としてどこまでやれるかということは重要な課題だと思います。
 URの賃貸住宅ではそれに類するようなことが現在なされているはずであります。それらも含めて、どんな検討ができるか、いろいろ頭の体操はしてみたいというふうに思っております。
○井上義行君 終わります。
○渡辺美知太郎君 無所属の渡辺美知太郎です。
 まず、原子力防災シェルターについて伺います。
 平成二十四年度から開始された原子力災害対策施設整備費補助金、これは、原発事故によって放射性物質が外部に漏れた場合、地域に暮らす高齢者や病院、福祉施設の入院患者などが一時退避するシェルター、これの改修費に充てられるものですが、二十五年度までに、集会所など約百五十施設に対し三百十一億円の補助金の交付決定がされていました。このうち、既に三十施設、四十四億円の支出があったとされています。しかし、改修対象となる施設の選定基準などを設けないまま補助金交付を行っていたことが明らかになりまして、二十六年度の行政事業レビューにおいて、外部有識者から事業を一旦廃止すべきと指摘をされました。
 これを踏まえて、内閣府では、今後、別の交付金制度により事業の継続を模索しているとのことですが、本事業に対する補助金の交付決定基準について伺います。望月大臣、お願いします。
○国務大臣(望月義夫君) 御指摘のとおり、平成二十六年度行政事業レビューの公開プロセスにおきまして、選定基準の明確化をすべき、また、緊急性の高い施策と認識されるので早急に再調整して対処されたい、こういうような御指摘を受けたことを踏まえまして、平成二十六年度補正予算において交付決定基準を新たに制定をいたしたわけでございます。
   〔委員長退席、理事赤石清美君着席〕
 具体的に言いますと、耐震性、今までそういったものもはっきりしていなかったということでございまして、耐震性がやはり地震が起きたときに大丈夫かどうか。あるいはまた耐津波性、津波が来たときにそれに対処できるかどうか。あるいはまた気密性、これも、放射性の物質除去率が、九九・五%以上をカットするべきと、そういうこと、あるいはまたPAZ、これは五キロ圏内でありますけれども、及び一部のUPZ、これを含む原発からおおむね十キロメートルの範囲に所在するといったこれ立地要件も決めさせていただき、この基準を定めて、これら全てに合致する施設について放射線防護施策の支援を実施することと、こういうことにしたわけでございます。
 なお、地域によってはこれらの条件に合致する既存施設がない場合がございます。今までは既存施設だけで取り扱ってまいりましたが、そういったところは一体どうするかということがございまして、これにつきましては、この場合には新規に建設する施設も支援対象をすると、こういうような取決めをしっかり決めさせていただきまして、今回新たに交付決定基準を決めさせていただいたわけであります。
○渡辺美知太郎君 では、既に交付された補助金については、適正な用途に使われているか、何らかの検証などは行う予定はありますでしょうか、伺います。
○国務大臣(望月義夫君) もちろんそういったものについては、今申し上げましたように、そういう交付要綱は作っていなかったんですけれども、もちろん予算を執行した場合につきましてはその検査等はしっかりと扱ってまいりました。
 ただ、我々、やはりこういう行政レビューでこういうような指摘を受けたということは非常に我々も参考になったな、これはよかったなと、かえって。そういうつもりで、こういう決まりをしっかり作って事に当たっていきたいと、こんなふうに思っております。
○渡辺美知太郎君 では、望月大臣に、今後のこの事業の方向性について簡単に御説明いただけますでしょうか。
○国務大臣(望月義夫君) 大変申し訳ございません。今ちょっと言葉足りなかったと思うんですけれども、交付要綱はあったんですけれども、そこまで細かい要綱がなかったということで、今回そういうような指摘を受けて、新たにしっかりと細かく追加をさせていただいたと、こういうことでございます。
 また、今後の方向性でございますけれども、放射線防護対策につきましては、原子力発電所のおおむね、先ほどからお話ございましたように、十キロメートル圏内の施設のうち即時の避難が難しい要援護者の方々、これはこういった方が安全に屋内退避をしていただくための施設を対象として実施することとしております。
 現在、内閣府では、原発の立地地域ごとに地域原子力防災協議会を設置いたしまして、関係省庁と関係自治体が一体となって、今まで様々なことがございましたが、国に、もう前面に立ってということでワーキンググループというのを、地域原子力防災協議会というものをつくったわけでございますが、そういった中で地域防災計画、避難計画の充実に取り組んでいるところでございまして、今後につきましては、この協議会の検討を通じて、対象施設を特定して、そして計画的に、放射線防護施策ですね、この工事をしっかりと行ってまいりたい、こんなふうに思っております。
○渡辺美知太郎君 原子力防災、これは原発の再稼働を前提としての議論であって、もちろんこれから原子力防災しっかりやっていただきたいなと思っております。
 しかし一方で、廃棄物を始めとして忘れてはならないのがやはり処分場の問題であります。原子力にちょっと今回関連して、福島第一原発事故により生じた放射性指定廃棄物、今は長期管理施設ですか、長期管理施設についても簡単にちょっと質問をさせてください。
 先月、千葉中央区にある東電の火力発電所が詳細調査候補地となりました。宮城や栃木の豊かな詳細調査候補地に比べると百八十度環境が違うなというのが私の率直な感想でありますが、宮城や栃木の候補地の際には国有地、県有地のみと決まっていたかと思うんですが、東電の敷地などは宮城や栃木の際は含まれておりましたでしょうか、伺いたいと思います。
○政府参考人(鎌形浩史君) 指定廃棄物の千葉市の状況についてのお尋ねでございます。
   〔理事赤石清美君退席、委員長着席〕
 千葉県におきましては、これまで四回にわたり市町村長会議を開催いたしまして、知事や市町村長と議論を重ねてまいりました。その結果、昨年の四月に開催された第四回市町村長会議において詳細調査候補地の選定手法が確定されまして、その中では私有地を含む県内全域の土地を対象とするとされていたところでございます。
 一方、宮城県や栃木県におきましては、それぞれの市町村長会議で議論しました結果、確定された選定手法におきましては国有地、県有地のみを対象とすると、先ほど御指摘のとおりでございますが、のみということでございました。このため、宮城県や栃木県におきましては、東京電力の敷地などの私有地は詳細調査候補地の対象として考慮されていないということでございます。
○渡辺美知太郎君 ちょっとこれの質問についてはまた次回伺いたいと思いますが、早速千葉では地元で津波や液状化を懸念する声が上がっています。
 詳細調査候補地選定の際に津波については検証がなされておりましたが、液状化については選定の際に何らかの考慮がなされていたのでしょうか、伺います。
○政府参考人(鎌形浩史君) 御指摘のとおり、選定手法におきましては、津波の関係につきましては一定の地域を除外するという手法、ルールを定めてございました。
 液状化に関しましては、詳細調査の候補地の選定に当たって考慮するということではなくて、具体的な施設を建設する際にどういう対策工を講ずることによって安全性を確保するか、そういう観点から対応するというふうに考えているところでございます。
○渡辺美知太郎君 つまり、建設を前提にして液状化問題も考えるという理解でよろしいんでしょうか。
○政府参考人(鎌形浩史君) 今後、候補地につきましては、詳細調査ということで、地盤の状況でありますとか、例えばボーリング調査などをやって地盤がしっかりしているかどうか、そういったような調査を行う予定をしております。そういった調査の中で液状化の可能性などについてもしっかりと調査をさせていただき、液状化のリスクがあるということでありましたら、そのリスクに対応するような対策はどういう工法によって得られるか、こういうことを検討していく、そういう道筋を今考えているところでございます。
○渡辺美知太郎君 今回、この千葉も、宮城、栃木同様にGISデータを使っています。栃木では尾瀬国立公園などが栃木県に含まれていなかった、そして宮城ではデータが正しかったか今検証がなされていますが、千葉について、利用したこのGISデータ、欠落などの検証は今されているのでしょうか。
○政府参考人(鎌形浩史君) 栃木県におきまして、活用したGISデータにつきましてデータの欠落があったというような御指摘を受けました。その後、千葉県について、選定作業中であったわけでございますが、再度確認をして、例えばGISデータだけでなくて、いわゆる地図の原図に当たるとか、そういう作業をした上で今回の公表に至っているというところでございますので、チェックはさせていただいたというところでございます。
○渡辺美知太郎君 済みません、確認なんですけど、全てチェックはしている状態で発表されたということですか。
○政府参考人(鎌形浩史君) 全てチェックさせていただいた上で公表に至ったということでございます。
○渡辺美知太郎君 環境省については最後の質問をいたします。
 私は、この問題、矢板や高萩市が詳細調査候補地のときから、五県各県処分では五か所で大規模な反対運動が起こると、非常にこれ難しいのではないかなということを指摘してまいりました。今回も千葉で早速反対運動などがなされるようであります。
 今日は小里副大臣にもお越しいただいていまして、やはりこの五県各県処分、非常に難しいのではないかなと思うんですが、御見解を伺って、環境省に対しての質問は最後にしたいと思います。
○副大臣(小里泰弘君) 御指摘のとおり、多くの場所に分散保管されまして、特にその保管状況が逼迫をしている各県については、これを集約をして安全に管理をしていく必要があるわけでございます。
 そういった中で、この各県処分に対して、例えば福島に対して移したらどうかと、そっちを移したらどうかといった御意見も聞かれるところでございます。これも何回か答弁をさせていただいてきているところでございますが、なかなか量的にも濃度的にも桁違いに深刻な福島県、そこでまたその処理に対して懸命の努力が行われておる、また復旧復興に対して懸命な努力があるわけであります。そういった福島県内に各県の分もこれを移していくというのは更に大きな困難が予想をされるところでございます。
 したがいまして、従来の方針に沿って、国が責任を持ってこれを取り組んでまいりたいと思います。どうか御理解とまた御指導を賜りますように、よろしくお願い申し上げます。
○渡辺美知太郎君 小里副大臣、ありがとうございました。
 環境省については以上でありますので、望月大臣、小里副大臣、鎌形部長、御退出いただいても結構でございます。
 続きまして、国土交通省について伺いたいと思います。
 続いて、公共事業の平準化について伺います。
 公共事業の平準化、一九九〇年代初頭より進められてきましたが、今、三十年以上たった現在、どのくらい平準化が進んできているか、成果などを把握しておられるか、国交省に伺いたいと思います。
○政府参考人(山田邦博君) お答えいたします。
 公共事業の平準化の状況につきましては、一つの目安といたしまして、月ごとの工事量、これの年度内におけます最大値の最小値に対する比率、最大値割る最小値というものでございますが、これで比べたものでお答えをいたしますと、公共事業全体で一九九〇年度から五年度分の平均が約二・一でございました。これに対しまして、近年の五年度分、平成二十一年から二十五年でございますが、この平均は単年度工事の計画的発注ですとかあるいはゼロ国の活用等によりまして一・九となっておりまして、一定の改善が見られているというふうに考えているところでございます。
○渡辺美知太郎君 では、実際に公共事業の平準化を推進してきたことによる政策効果の実証などはなされてきているのでしょうか。公共事業の平準化が景気や雇用に及ぼす影響など、これまでどのような検証がなされていたのか、国交省に伺います。
○政府参考人(山田邦博君) お答えいたします。
 先ほどお答えをいたしましたように、工事量の変動につきましてはやや緩和しているというところでございますけれども、他の時期に比べまして、やはり第一・四半期、四月から六月にかけての年度の初めにおきましては公共工事の稼働が比較的少ない状況でございまして、人材や機材の効率的な活用という観点から改善の余地があるということは認識をしているところでございます。
 このため、今年度より、国土交通省では、ゼロ国債や繰越制度などの既存制度の活用に加えまして、より適切な工期を設定した上で、年度をまたぐ工事につきまして複数年度契約とすること等によって平準化する取組を進めたところでございます。
 先ほど効果という点でございましたけれども、これらの取組は、人材、機材の有効活用ですとか、それによります建設業の企業経営の健全化、あるいは建設労働者の処遇の改善などとともに、公共工事の品質確保、現場の生産性の向上に寄与するものと今考えているところでございます。
 公共事業全体の平準化のためには、都道府県等においても同様の取組がなされることが必要でありますから、今後は、国、地方公共団体で構成されます地域の発注者協議会等を通じまして、各発注機関で連携して平準化に取り組んでまいりたいと考えております。
○渡辺美知太郎君 何か答弁を聞いていますと、三十年以上たっているのですが、ややちょっと消極的というか、都道府県レベルでは確かにこの平準化は進められてきているようですが、まだまだ市町村では平準化についてかなり及び腰な自治体もあるみたいです。
 国交省としては、この公共事業の平準化について、やはりこれまで以上に自治体にも働きかけていただきたいなと思うのですが、いかがなんでしょうか。
○政府参考人(山田邦博君) お答えいたします。
 公共事業、かなりの大部分を占めます市町村の発注する工事につきましても平準化を進めるということが非常に大切だということは認識しております。
 先ほどお答えいたしましたけれども、国と地方公共団体、これは市町村、大きな市町村も含みますけれども、そういったものとの連携する場を用いまして、そういう我々の考え方、あるいはその事例といったものも紹介しながら、共に連携して平準化を進めてまいりたいと考えているところでございます。
○渡辺美知太郎君 今、人手不足のお話はたくさん出ていると思います。復興事業やオリンピックなどたくさんありますので、是非、人的資源の有効活用をお願いしたいと思います。
 時間が余りないので、最後にちょっとトラック運送業について質問をしたいと思います。
 サーチャージの転嫁について伺いたいのですが、地方の中小企業ではこのサーチャージの転嫁、なかなか行うのが難しいのが現状であります。大手についてはサーチャージできているかもしれませんが、やはり地方の中小企業の立場ではなかなかサーチャージのお願いをするというのは心苦しいという意見をたくさんいただいていまして、国交省では、このサーチャージの転嫁がどのぐらい行われているか、把握はされているのでしょうか。
○政府参考人(田端浩君) サーチャージの導入につきましては、現在約八%は導入をされているということでございます。これは車両数ベースということになります。
○渡辺美知太郎君 国交省としてはどのぐらい引き上げるおつもりなんでしょうか。
○政府参考人(田端浩君) 失礼いたしました。ただいまのは事業者数ベースで八%ということでございます。
 私どもとしましては、サーチャージにつきましての導入を企業の方で進められるように日々努力をしておりますが、できるだけこれを定着させるということで頑張ってまいりたいと思います。
 特段具体的な目標というものを明確に設けているということは現時点ではございません。
○渡辺美知太郎君 やはり地方の中小企業はかなり厳しいので、サーチャージの転嫁をしっかりやっていただきたいなと思います。
 時間になりましたので、私の質問は以上です。ありがとうございます。
○又市征治君 社民党の又市です。
 最初に、社会保障制度と税の共通番号、マイナンバー制度について伺いたいと思います。
 この法案は一昨年に成立をして、今年十月から日本に在住する一人一人に十二桁の番号が付されるということでありますが、我が党はこの制度の導入には反対でありましたけれども、それはそれとして、懸念される幾つかの問題について今日は伺いたいと思います。
 現在、自治体ではその準備に追われているわけですが、多くの要員が必要なのに残念ながら小規模な自治体では専門の職員を置くことができないとか、あるいは専門的なアドバイスが受けにくい状況があるとか、また、報道によりますと、システム改修に係る多額のコストに市では困っているとか、そんなことなどを含めながら、ある市長は、国が決めたシステムなのに地方自治体の負担が増えるんじゃ困る、まともな導入ができなくなるんじゃないか、そこで何か問題が起きかねないということだってある、国はもっと配慮すべきだなどなどといった、そうした指摘もなされているところであります。
 こうした自治体の準備の問題があると同時に、一方では企業の協力が不可欠にされているわけですね。企業は、労働者の番号を集めて、源泉徴収票など、国、自治体に提出する書類に番号を記載しなければならないわけですし、しかし、民間調査機関が今年の三月末に行った調査によると、有効回答を得た一千五十八社のうち、社内システムの改修等の対応作業を終えた企業、団体は一七%にとどまっており、未対応が八〇%を超えていると、こういう状況です。しかも、制度導入に対応する予定がある企業は二一%という格好になっているようであります。
 政府として、自治体や企業、団体の準備状況をどのように把握をされて、そしてその準備状況をどのように評価をされているか、まずこの点からお伺いしたいと思います。
○国務大臣(甘利明君) 御指摘がありましたとおり、本年の十月から番号の通知、それから来年の一月からの番号の利用ということで、いよいよスタートするわけであります。
 再来年、つまり平成二十九年の一月からの国の機関間での情報連携の開始、それから七月からの地方公共団体等も含めました情報連携の本格運用に向けまして、国、地方公共団体、企業、団体のそれぞれの機関において必要な準備が進められているところでございます。
 マイナンバー制度の導入に向けた情報システムの整備につきましては、一部に当初計画していたスケジュールから三か月から約四か月の遅れが生じたものの、現時点で全体スケジュールに影響を及ぼすというほどの遅れではなくて、予定どおりマイナンバー制度を導入できるものというふうに考えております。また、企業、団体が円滑に準備を進めていく上で周知啓発が重要であるということから、企業向けの説明会を開催をする等してきておりまして、引き続き積極的な広報を展開してまいりたいと思っております。
 御指摘のとおり、企業で完全に準備ができたというのはまだそう多くはないわけでありますけれども、今、テレビや新聞の広報も含めまして徹底的に宣伝をしているところでありますし、その準備を急ぐよう要請をしているところでありますし、政府として環境整備に努められるところは精いっぱいやっていきたいというふうに思っております。
○又市征治君 今ありましたように、制度導入に当たって各自治体は組織体制や条例あるいは情報システム等々の準備をしなきゃならぬということが義務付けられるわけですが、大きな自治体ならいざ知らず、前述しましたような小規模な自治体などでは準備に大変苦慮しているというのが現状ですから、情報ネットワークの完全稼働が平成二十九年ということのようですけれども、事前の運用テストもあるのでしょうから、混乱ないように、十分な対応を取られるように求めておきたいと思います。
 そこで、次にこのマイナンバー制度の利用範囲の拡大についてでありますけれども、今国会に個人情報保護法とマイナンバー法の一部改正案が提出をされております。それによると、金融分野、医療等の分野における利用範囲の拡充を行うということでありますけれども、具体的には、預貯金口座への付番、特定健診、保健指導に関する事務における利用等ということのようであります。また、自治体独自に活用がしやすいような改正も入っている、こういうことのようでありますが、導入への準備状況がまだまだ今お話がありましたように心もとない状況の下で、ちょっと前のめり過ぎやしないか、このように思えてなりません。
 マイナンバー法の附則第六条には、法施行後三年を目途として個人番号の利用範囲の拡大について検討を加え、必要と認めるときは国民の理解を得つつ所要の修正を講ずる、こういうふうに定められているわけでありますが、国民の皆さんや企業、団体の認知度が依然低い、こういう中で利用範囲を次々に拡大をするというのは私は疑問に思うんですが、この点についてはどのようなお考えでしょう。
○国務大臣(甘利明君) 御指摘のとおり、このマイナンバーというのを本格的に利用拡大をしていく、それは、法施行後、実施状況をしっかり見ながら、その中で議論していくという方針に変わりはございません。ただ、御指摘のメタボ健診情報の管理、これは健康保険組合が行うわけでありますけれども、例えば、健保の加入が、異動したときにスムーズに被保険者のそういった情報がちゃんとつながっていくように、それは現状の利便性をしっかり図っていくということの範囲に入っているんではないかというふうに思います。
 ただいまのメタボ情報の管理であるとか預貯金の付番など、今般国会に提出をされている改正法案で新たに追加をするマイナンバーの利用事務と申しますのは、いずれも現行のマイナンバーの利用範囲としている社会保障、税、それから災害対策等に関する行政事務の範囲内の事務であるというふうに理解をいたしておりまして、これらの事務は、マイナンバーの利用事務に追加することによりまして、より公平公正な社会保障や税制の実現であるとか、行政の効率化、そして国民の利便性向上に資するということが期待できることから、国民の理解も得られるのではないかというふうに思っておりまして、基本的には、当初の法案の理念の範囲内で、よりそういった目指すところの目的を達成するようにということで提案をさせていただいているというつもりでございます。
○又市征治君 大臣はそうおっしゃるけれども、じゃ、直ちに国民に義務化されるとは言えないまでも、現実には、例えば銀行から個人番号を告知するように求められるようになってくると思うんですね。そして、三年後ぐらいには義務化も視野には入れておられるんだろうと思うが、実際にはまだ何も始まっていない。
 そういう状況だから、この制度が生活にどのような影響を与えるのかも国民が全く実感も持てないこの時期に、今おっしゃったような、理念は一緒だとおっしゃるが、利用範囲が拡大するということは、私は、この附則の国民の理解を得つつ所要の修正という趣旨に反する、こういうふうに指摘せざるを得ません。
 そこで、次に移りますが、そもそもマイナンバー制度については、国民一人一人の情報を国が管理するということで、個人番号、個人情報が漏えいをするのではないかといった不安がこの制度議論当初から指摘をされ、今日に至ってもなおこの不安は払拭されていないわけです。例えばマイナンバーを不正に入手した者による成り済ましによる悪用も不安材料の一つでありまして、最近のオレオレ詐欺やら何か訳の分からぬ非常に巧妙なああいうものが出てくるとなるとなおのこと大変心配だ、こう言われています。
 ナンバー制度が導入されているアメリカでは、御存じのとおり、二〇〇六年から二〇〇八年にかけて、成り済ましの被害者は合計一千百七十万人、被害額は毎年五兆円、こういうふうに報告をされました。政府は、本人確認を厳密に行うということで対処する、こうおっしゃるんですが、それで本当にそういう成り済ましが防げるのかどうかということが大変不安として国民の中にあります。
 また、企業は、従業員の番号を集めるとともに、廃棄についても責任を負わなきゃならぬということになるわけでありまして、大きな企業ならいざ知らず、零細業者でそういうことが対応できるのかどうか。さらに、公的機関の個人情報取扱いに対する監視を一体どうするのかという問題もあるわけでありまして、これらの問題についての現状のお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(甘利明君) マイナンバー制度につきましては、国民の様々な懸念に対して制度上それからシステム上の両面から様々な個人情報の保護措置を講じることといたしておりまして、国民の危惧を払拭できるように引き続き広報にも注力をしてまいりたいと考えております。
 ただいま御指摘の項目に対してでありますけれども、例えば成り済まし被害への対策につきましては、マイナンバーの利用範囲を法律に限定的に規定した上で、マイナンバーの授受を行う際に、マイナンバーのみによる本人確認を禁止をしまして、写真付きの個人番号カード等による厳格な本人確認を義務付けておるところであります。
 さらに、御指摘の中小零細企業対策についてでありますけれども、中小零細企業もマイナンバー法の規制対象とした上で、中小零細企業の実態に即して適切なマイナンバーの取得、保管、廃棄等の安全管理を行っていただけるように、特定個人情報保護委員会において、事業者向けのガイドラインの中で中小規模事業者に配慮した措置を設けますとともに、中小規模事業者向けの広報資料を作成をいたしまして、関係府省が連携をして中小事業者向けの説明会を開催するなど、広報にも注力をしているところであります。
 マイナンバーの取扱いの監視、監督につきましては特定個人情報保護委員会が官民を問わずに行うこととされておりまして、現時点におきまして、委員長一名、委員四名の五名の合議体制と、官民の人材から成る約五十名の事務局体制で運営されております。
 今後、施行状況等を勘案をいたしまして、必要があれば更なる体制強化に向けて努めてまいりたいと考えております。
○又市征治君 マイナンバー制度そのものは、利用範囲の拡大をしようとする政府の意図はもうはっきりしているわけですが、個人番号に蓄積される個人情報が膨大になって、また、単に公的機関だけで番号を管理するだけではないわけでありますから、それが流出する危険性がやっぱり常に付きまとう、こう言わざるを得ません。あわせて、個人番号による情報連携によって本当に便利になるのか、税の捕捉率が本当に高まっていくのか、まだまだ不透明な部分が多いんだろうと思うんですね。
 そういう意味で、本当に、まだ時間があるわけですから、しっかりとこの個人番号制度に内在する危険性というものを様々な分野から検討いただいて、しっかりとそういう意味では危険性を国民に不安がないような格好にされていくように努力を求めておきたいと思います。
 次に、新宇宙基本計画といいますか、宇宙基本計画の問題について伺ってまいりたいと思います。
 情報収集衛星予算が、二〇一三年度では維持、衛星開発費合わせて七百十五億円、今年度当初では六百九十七億円に上っておると思います。情報収集衛星の開発、打ち上げというのは今年一月に決定された新宇宙基本計画に基づくとのことでありますけれども、この計画は、資料によりますと、宇宙政策をめぐる環境変化を踏まえ、国家安全保障戦略に示された新たな安全保障政策を十分に反映し、また、産業界の投資の予見可能性を高め産業基盤を維持強化するため、今後二十年程度を見据えた十年間の長期的、具体的整備計画ということのようであります。この計画では、今申し上げたように、今後十年間で四十五基を超える衛星の打ち上げを目指して、その関連で宇宙ビジネスを五兆円産業に発展をさせるということが目標にされております。
 つまり、この宇宙基本計画は、今度初めて宇宙システムを安全保障目的に利用するということが明記をされてきたわけでありますが、他方で宇宙産業の振興も盛り込んでおられるということでありますから、そうなると、国の安保政策の要請に産業界が応え、それによって防衛力強化を目的とした宇宙産業、また、そこで獲得された技術を基盤とした民間にも利用される宇宙産業の振興を実現をする、こういうことになるのかどうか、ここのところをまず山口大臣からお聞きをしたい、これが一つ目。また、今、一方では、今月から集団的自衛権の行使容認に伴っての法案がいよいよ提出をされてくるということで、日米の軍事一体化ということに安倍政権は動いているわけですが、実際にこの宇宙基本計画には日米協力も盛り込まれているわけで、膨大な資金を投入をするということに今後はなっていくんだろうと、こう思うんですけれども、日本独自の目的意識も、この宇宙計画の中、どういうふうなものがあるのか。
 この二点、山口さんからお聞きしたいと思います。
○国務大臣(山口俊一君) お答えをさせていただきます。
 ただいまいろいろ御指摘をいただきましたが、この新宇宙基本計画、十年間で官民合わせて五兆円程度というふうなことで計画を作らせていただいたわけでありますが、その中で、もう御承知のとおり、宇宙技術というのは、とりわけ一般的には民生分野そして安全保障の両面にこれ貢献をするいわゆるデュアルユース、この性質を持っておるところでありまして、多くの宇宙システムというのは民生分野そして安全保障両面に活用されておるわけでございます。例えば、文部科学省の人工衛星に防衛省のミッション器材を相乗りをさせたり、あるいは民生用の人工衛星のデータを安全保障に活用する等の議論がなされております。
 一つの衛星が民生、安全保障の側面を持つということが増えていくのであろうというふうに認識をしておりますが、ただ、今回の宇宙基本計画、これは、民生分野そして安全保障、この宇宙利用ニーズをしっかり吸い上げて、これを体系的に明確化をして、これを踏まえた研究開発を推進をして、そこから得られた成果を産業の高度化、効率化、また新産業創出にもつなげていきたい、言わば安全保障とそして産業振興、それを支える科学技術というふうな有機的なサイクルの形成に取り組んでいくというふうなことでございます。
 こうしたサイクルを通じて、残念ながらこれまでいろんな状況の中で宇宙産業関連基盤が揺らいできておりましたが、この維持強化に努めてまいりたいということでございます。
○又市征治君 宇宙計画について言うならば、長年にわたり、宇宙利用というのは平和目的に限る、国会決議に基づいて進んできたわけですが、軍事面での利用をそういう意味では禁止をしてきたわけですけれども、これを日米の安保政策、そういう目的にも拡大するということだけは、これははっきりしているわけであります。私どもは、そういう意味ではこれは反対だと、こう言わざるを得ないわけですが、もう一方では、先ほど公明党の新妻さんからもありましたが、これ費用の問題、そしてまた国民への理解の問題というのがあります。
 時間がなくなりましたから、官房長官に最後にお伺いをしたいと思いますが、やはりこの後、多額な、それこそ四十五基も打ち上げていきましょうというそういう計画でもある、安保政策にも使わにゃいかぬということなどがある。だけれども、一方で、今、山口さんからありましたような、じゃ、一体全体、民間のニーズに応えるとかあるいは防災などにどのように使われているとかという、もっと国民にやっぱり理解がされるような形にならなきゃ私はならぬと思うんですね。
 かつて防衛省は、防衛省と一部防衛産業との癒着というか、不正の問題が何度も追及されました。安保政策だからという話をし始めると、それは秘密であります、特定秘密でありますなんという話になっていくと、これが予算が聖域化されていってしまう、そんな格好の中でまたそのような問題が起きかねない、そういう問題もあろうかと思う。
 そういう意味での厳密な検証機能というものも必要だと思うんですが、以上の点について官房長官からの御見解を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(菅義偉君) この情報収集衛星については、これまでも多額の国費を投入して整備を進めているわけでありますので、国民への説明責任、ここを果たしていくということはこれは当然のことだというふうに認識をしております。
 そういう中で、特に国民の生命、財産に関わる大規模災害、こうしたものが発生した場合には、この情報収集衛星によって収集した画像を今後の情報収集活動に支障を及ぼすおそれが生じない範囲でこれはできるだけ早く民間に提供するということが極めて大事だというふうに思っています。これまでもこうしたことを、映像を収集、分析した結果を被災地、災害状況地図を作成をして公開をしてきたところでありますけれども、更に一層、加工処理をできるだけ早く行って画像を公開するという方向にこれは進めていかなきゃならないというふうに思っていますし、今後ともこうした衛星を大規模災害に対応することができるようにしっかりと対応していきたいというふうに思っています。
○又市征治君 時間が参りましたから、まだ質問はあったんですが、終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
○委員長(小坂憲次君) 他に御発言もないようですから、皇室費、内閣、内閣府本府、国土交通省、警察庁、消費者庁及び沖縄振興開発金融公庫の決算についての審査はこの程度といたします。
 次回は来る十八日午後一時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後六時九分散会