第189回国会 行政監視委員会 第1号
平成二十七年三月二十三日(月曜日)
   午後一時開会
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   委員氏名
    委員長         松村 祥史君
    理 事         柘植 芳文君
    理 事         長峯  誠君
    理 事         渡邉 美樹君
    理 事         難波 奨二君
    理 事         柳澤 光美君
                石井 浩郎君
                石井みどり君
                上野 通子君
                木村 義雄君
                高橋 克法君
                滝沢  求君
                羽生田 俊君
                福岡 資麿君
                松下 新平君
                山田 修路君
                有田 芳生君
                神本美恵子君
                小林 正夫君
                津田弥太郎君
                藤末 健三君
                藤本 祐司君
               佐々木さやか君
                谷合 正明君
                清水 貴之君
                倉林 明子君
                行田 邦子君
                松沢 成文君
                和田 政宗君
                主濱  了君
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   委員の異動
 一月二十六日
    辞任         補欠選任
     主濱  了君     山本 太郎君
     松沢 成文君     島田 三郎君
 一月二十七日
    辞任         補欠選任
     和田 政宗君     松沢 成文君
 一月二十九日
    辞任         補欠選任
     松沢 成文君     和田 政宗君
 一月三十日
    辞任         補欠選任
     清水 貴之君     片山虎之助君
 二月二日
    辞任         補欠選任
     長峯  誠君     猪口 邦子君
     和田 政宗君     松沢 成文君
 二月三日
    辞任         補欠選任
     高橋 克法君     長峯  誠君
 二月四日
    辞任         補欠選任
     猪口 邦子君     高橋 克法君
     上野 通子君     中西 祐介君
     片山虎之助君     清水 貴之君
     松沢 成文君     和田 政宗君
 二月五日
    辞任         補欠選任
     中西 祐介君     上野 通子君
 二月六日
    辞任         補欠選任
     倉林 明子君     井上 哲士君
 二月九日
    辞任         補欠選任
     井上 哲士君     田村 智子君
 二月十日
    辞任         補欠選任
     田村 智子君     倉林 明子君
 二月二十五日
    辞任         補欠選任
     高橋 克法君     中西 祐介君
 三月十六日
    辞任         補欠選任
     行田 邦子君     山田 太郎君
 三月十七日
    辞任         補欠選任
     山田 太郎君     行田 邦子君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         松村 祥史君
    理 事
                石井みどり君
                柘植 芳文君
                長峯  誠君
                渡邉 美樹君
                難波 奨二君
                柳澤 光美君
    委 員
                石井 浩郎君
                上野 通子君
                木村 義雄君
                島田 三郎君
                滝沢  求君
                中西 祐介君
                羽生田 俊君
                福岡 資麿君
                松下 新平君
                山田 修路君
                有田 芳生君
                神本美恵子君
                小林 正夫君
                津田弥太郎君
                藤末 健三君
                藤本 祐司君
               佐々木さやか君
                谷合 正明君
                清水 貴之君
                倉林 明子君
                行田 邦子君
                和田 政宗君
                山本 太郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        青森 昭継君
   参考人
       徳島県神山町長  後藤 正和君
       独立行政法人中
       小企業基盤整備
       機構理事長    高田 坦史君
       同志社大学政策
       学部・大学院総
       合政策科学研究
       科教授      山谷 清志君
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  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○国政調査に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関
 する調査
 (地方創生に向けた国と地方の取組体制とPD
 CAの整備に関する件)
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○委員長(松村祥史君) ただいまから行政監視委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十七日までに、井上義行君、江口克彦君、主濱了君、松沢成文君及び高橋克法君が委員を辞任され、その補欠として山本太郎君、島田三郎君、和田政宗君、中西祐介君及び行田邦子君が選任されました。
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○委員長(松村祥史君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が二名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(松村祥史君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に石井みどり君及び長峯誠君を指名いたします。
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○委員長(松村祥史君) 国政調査に関する件についてお諮りいたします。
 本委員会は、今期国会におきましても、行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(松村祥史君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(松村祥史君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関する調査のため、本日の委員会に参考人として徳島県神山町長後藤正和君、独立行政法人中小企業基盤整備機構理事長高田坦史君及び同志社大学政策学部・大学院総合政策科学研究科教授山谷清志君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(松村祥史君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(松村祥史君) 行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関する調査を議題といたします。
 本日は、地方創生に向けた国と地方の取組体制とPDCAの整備に関する件について参考人の方々から意見を聴取した後に質疑を行います。
 この際、参考人の方々に一言御挨拶申し上げます。
 本日は、御多忙のところ本委員会に御出席をいただき、誠にありがとうございます。
 参考人の皆様からの忌憚のない御意見を拝聴し、今後の調査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いをいたします。
 議事の進め方でございますが、後藤参考人、高田参考人、山谷参考人の順にお一人二十分程度御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。
 なお、参考人、委員とも御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、まず後藤参考人にお願いをいたします。後藤参考人。
○参考人(後藤正和君) 良識の府でございます参議院の行政監視委員会へお呼びをいただきまして、本当にありがとうございます。
 徳島県は神山町の町長の後藤と申します。よろしくお願いします。
 まず、神山町がどういったところに存在するかということを資料に沿って概要を説明をさせていただきたいと思います。
 まず、東京から飛行機で六十分、羽田から六十分、そして、徳島阿波おどり空港から神山町まで六十分という時間距離にございます。四国遍路十二番札所の焼山寺がございます。この焼山寺でございますけれども、十一番藤井寺から十二番焼山寺への道は、四国八十八か所の中でも最大の難所中の難所ということで、俗に遍路転がしというふうに言われております。
 また、日本一のスダチの生産地でもございます。九月第一日曜日には目黒で、目黒のさんま祭りということで、長年、徳島県の神山産のスダチと岩手県宮古市のサンマのコラボレーションで、大変喜んでいただいております。
 また、昭和三十年に五つの村が合併をいたしまして、その当時の人口は二万九百十六名ということでございました。ところが、平成十七年、五十年後でございますけれども、この年には七千三百九十五人、六五%の減というようなことになってございます。
 そういう状態でございましたけれども、空き家のあっせんということをNPO法人に委託することによって、社会動態が平成二十三年度に初めて町制施行以来プラス十二人の増になったということで注目を浴びておるわけでございます。
 続きまして、三ページ目をお願いしたいと思います。時系列で見る神山町の軌跡ということでございますけれども、昭和三十年には先ほど申し上げましたように人口も二万人を超えていたと。その昔、古く文化六年、一八〇九年のことでありますけれども、藩政時代にも一万三千五百八十三人の人口を擁していたわけでございますが、東京オリンピック、大阪万博と、バブルがはじけるまで人口はもう激減したという状況でございます。まさに、人口といいますか、労働力といいますかの供給基地的な役割を担っていたのかなという気さえいたします。
 この間、過疎対策というようなことでいろいろと、町といたしましてもいろんな施策を打ってまいっておりました。しかし、なかなか、基盤整備であります道路網、神山町には国道が二線、県道八線、町道は三百五十線という非常に数多くの路線が存在する、しかも中山間地を縫って走っておるという道路でございますので、道路事情が非常に悪かったというようなこと、それから林業あるいは農業中心のいわゆる一次産業中心の町でございましたので、非常に産業構造等々も変わってまいりまして人口が激減したと。平成十一年には婦人会等々も消滅、あるいは平成十五年には青年会、青年団とも申しますけれども、これも消滅ということでございます。
 いいことといいますか、ちょっと元気が出たなという事象には、平成元年に県立神山森林公園におきまして全国の植樹祭が開催されました。それから、現在の神山町が元気の一つの原点といいますか、の一つに観光協会、これはちょっと遡りますけれども、昭和六十二年に、徳島県下でも当時はちっちゃな自治体が観光協会を設立するというのは非常に珍しかったんでございますけれども、この昭和六十二年に観光協会が設立をいたしました。
 なぜ観光協会設立かということでありますけれども、それを遡ること十二年、昭和五十年に学校問題、その当時、中学校七校ございましたけれども、当時の町長が神山町の中学校を一つに統合するというような運動が、政策展開ですね、が起こりました。でも、このときは神山町の人口は一万二千人を超えておったということから、なぜ統合だということの理解が得られなかったわけです。
 大変な町を二分するような激論になりまして、現職が敗れたんでございますけれども、その当時の町長の人口推計というのはまさに的確でございまして、その方は、今日の神山町の人口がこのようになっていきますよというシミュレーションを持たれておりました。
 その町を二分する選挙が終えてからの神山町は、まさに政争の町ということで、例えば県道あるいは町道の用地交渉をする際にでも、反対派、賛成派ということで足の引っ張り合いというような状況が長く続きまして、これでは良くないということから、町民の有志の一部から声が出まして、まず観光協会を立ち上げましょうよということになりました。神山町に存在するまず自然資源に光を当てていって、まず入り込み客を増やしていこうじゃないかという運動がなされたのが初めであったと、このように思います。
 現在では神山町への入り込み客は百万人を超えるほどにやっとなってまいったわけでありますけれども、この間、いろいろ施策は打ったのでございますけれども、余り成果は見られなかったということであります。
 イベントの一部は、皆様方のお手元に配付させていただいておりますが、神山町イベント情報、春バージョンと秋と二回出しておるわけでありますけれども、春に民間の町民の手によるイベントがこれほどございます。現在では、番号が振られておりますけれども、三番目の江田菜の花の里・菜の花まつり、ちょうどこの時期に差しかかっております。そして、四番目の明王寺のしだれ桜まつり、樹齢が百年を超える雌雄の二本がございますけれども、ちょうどこれが開花をしたところでございます。こういったことで、紙媒体で春と秋、二度ほど、入り込み客を増やしていこうということでイベント展開をしておりました。
 ところが、平成十六年度の事業で光ファイバー網、これは行政体が実施するのは四国で初めてという事業でございましたけれども、神山のような田舎に光ファイバー網がなぜ要るのだということも町民の方からもあるいは県当局の方からもいろいろ言われましたけれども、現在になりますと、この敷設したことが非常に良かったのかなという気がいたしております。様々な神山町のやっておりましたことの情報発信力というのがもう飛躍的に伸びまして、神山町が注目をされる一つのきっかけにもなりました。ちょうどこの頃、道路網もやっと、一線でありますけれども、擦れ違いのできるような道路状況になったと。ですから、ロードである道路と光の道と、二つの道がやっと普通の状態になってきたのかなという感じがいたしております。
 NPO法人グリーンバレーの発足が平成十六年。それから、もう一つのNPO法人神山さくら会、これは桜を、特に枝垂れ桜を植えて人を呼び込もうじゃないかという動きです。現在、五千三百本余り枝垂れ桜が植えられております。やがて大変なにぎわいになります。
 もう一つは、これはできたばかりでございますけれども、NPO法人の里山みらいということです。これは、地域おこし協力隊という方々を、総務省の事業でありますけれども、現在五名ほど来ていただいて、神山町のスダチや梅や様々な農産品をPR、あるいは販売、あるいは加工と、こういう展開をしていただいております。
 お手元にこのスダチのデザインのリーフレット、それからこの神山すだち住民課、これ、ふるさと納税の変化バージョンでありますけれども、ふるさと納税をしていただいた方に神山町の農産品を提供していきましょうということで、住民登録をしていただく、これは正式な住民登録ではございません。そういったことでいろいろ展開をしてございます。
 このペースでいきますと時間内に収まりませんので、ちょっとはしょってまいりたいと思います。
 光ファイバー網、四ページです。光ファイバー網の基盤整備ということにつきましては、目的はここに書いてございますように、都会との情報格差の是正、それから地デジ対応、これを両方解決すると。しかも、IP電話も無料で利用できるということでございます。特に契約の手法が、神山町の敷設しました施設を民間のケーブルテレビ会社に使用していただく、貸し出すわけですね。その使用料で維持管理費も全て賄っておるということでございまして、この利用料も二千五百円ということで、多分全国的に見てもかなり安い方なのではないのかなと、このように思っております。
 次に、五ページをお開きください。移住交流支援センターの委託ということでございますけれども、これは、現在空き家率が神山町は一九%、空き家は六百戸余りに上ります。そういった中で、どうにかしてこの空き家を都会の方に活用していただこうじゃないかという動きが起こりまして、これを神山町が展開するのでなくNPO法人にお任せをしたということです。
 なぜということでありますけれども、行政が実施しますと間違いなく公平性ということが問われます。そうするならば、神山町、高齢化率四七%の町でありますので、若者、これからの子育て世代が欲しいわけです。そういったことから、NPO法人に任せますと逆指名、選んでいただけるというような状況になりまして、若い御夫婦あるいはお子さんがいらっしゃる御家族というような方を逆指名するというような形で現在展開をさせていただいております。二十五年度までに六十五世帯、百十六人の方が移住されております。待機者も二百人以上に上るという状況で、なかなかお貸しいただける空き家が足りないという状況にあります。
 続きまして、次のページ、六ページでありますけれども、神山町は、現在、このサテライトオフィスの事業が非常に熱心に進められております。これの元になりましたのは、第一号はSansanの株式会社、クラウド型の名刺管理の会社でございますけれども、この方が空き家あっせんの過程の中で初めてIT関連の方が来られたのが一つのヒントになりまして、ああこれだということで、仕事を持っておられると。特に地方創生の中ではまち・ひと・しごとと、こういう話になっていますけれども、田舎には仕事がございません。IT企業の方は光ファイバー網さえ敷設されておれば東京も田舎も変わらないと、条件はということから、この第一号でありますSansan株式会社が来られたことによってヒントを得たと。特にIT関連の企業さんに特化して、逆指名の形で次々と展開をしていく形を現在も取っております。現在は十二社が東京を中心とする都市部から神山町に入ってこられております。
 彼らが、来られた会社の方が異口同音におっしゃいます。非常に自然環境も豊か、住民との距離も近いと。しかも、通勤に要する時間も非常に短いというようなことからリフレッシュもできると。すなわち、ワーク・ライフ・バランスも現実なものとなっておると。しかも、所を変えますと新たな発想が生まれてくるというようなことで、クリエーティブな事業をされる方々にとりまして地方というのは非常に魅力的な土地であるということを異口同音におっしゃっていただいておるところでございます。
 七ページ目でございますけれども、地方創生でございますけれども、この事業については大変期待をいたしております。やっと地方にも国も目を向けていただくようになったのかなという気がいたしております。
 そんな中で、神山町も地方版の総合戦略、かみやま総合戦略ということを今年十二月までに策定をいたしたいと、このように考えておるわけであります。この総合戦略を策定する際には、神山町に移住されておりますクリエーティブなIT企業関連の方々のアイデア等々もお借りしながら進めてまいりたいと、このようにも思っておるところでございます。
 本日のどうも本題のようでございますけれども、PDCAサイクルということにつきましては、行政、特に小規模町村にとりましては非常に苦手な分野でありますし、また、人員を限りなく、これも総務省の指導で、人口規模に見合うような適正な職員数にしなさいということもありまして、ほとんどの担当は一名しかおりません。ですから、その一名が病気等々で倒れますとなかなかフォローが難しい状況の中で、このPDCAサイクル、評価、改善ということになりますと、困難性が非常に高いなという考えが正直なところでございます。
 以上でございます。
○委員長(松村祥史君) 後藤参考人、ありがとうございました。
 次に、高田参考人、お願いをいたします。
○参考人(高田坦史君) 参議院行政監視委員会に参考人としてお話しする機会をいただきまして、大変光栄であります。誠にありがとうございます。
 早速ですが、お手元の資料に基づきまして御説明いたします。
 最初に、私どもがどんなことをやっているかでありますが、二ページ目を御覧ください。
 中小機構は、創業から成長、発展、さらには事業承継、セーフティーネット、再生に至るまで、中小企業・小規模事業者の皆様の各々の発展段階に応じた総合的な支援を業とする独立行政法人でございます。また、東日本大震災のような職場が消滅してしまうような災害時には、働く場の確保が大変重要な復興対策の一つになりますが、仮設の商店街あるいは仮設の工場などの整備も行っております。
 私は、二〇一二年の七月から現職にありますけれども、しばらくは民間と公的機関の違いに戸惑いを感じながらやってまいりました。
 三ページ目を御覧ください。
 中小機構と前職場を比較しますと、このような違いがあろうかと思います。そして、ここに掲げた七項目全てが本委員会のテーマに関わるPDCA、すなわち改善の考え方が公的機関に定着していない、あるいは定着しにくい原因になっているというふうに思いました。
 しかし、決して改善の考え方が必要ないわけでもありませんし、PDCAサイクルを回せないわけでもないと思いまして、二〇一三年の秋より機構の第三期中期計画の策定に着手いたしましたが、PDCAの考え方を取り入れました。社内教育も主としてOJTベースに実施しております。
 一方で、二〇一四年に入りまして中小企業政策は歴史的な転換点を迎えることになります。本委員会の委員長でいらっしゃる松村先生のリードの下に、中小企業の九割弱を占める小規模事業者支援の基本法の策定作業が本格化いたしまして、六月に成立、十月に基本計画が閣議決定されました。その中で、これは多分、国のレベルでは初めてだと思いますが、PDCA手法を使って改善を積み重ね、目標を達成することが明記されました。大変すばらしいことだと私は思いました。
 そして、これがまち・ひと・しごと創生総合戦略にも生かされておりまして、国もPDCAの考え方を取り入れ、改善する仕組みを確立して、検証、改善していくとしていることは、地方創生における国の覚悟がうかがえ、大いに期待しているところでございます。
 次に、PDCAについてちょっと触れたいと思います。
 四ページ目を御覧ください。
 PDCAは、言うまでもなく、プラン・ドゥー・チェック・アクション、これの頭文字を取った改善の考え方でありますけれども、プランとは、数値化された目標の設定、それから目標を達成するための具体的な方策、これをしっかりとした仮説に基づいて企画立案することであります。ドゥーは、経営資源を配分し具体的に実行することであります。チェックは、進捗が計画どおりか確認をすること。さらに、やり方のチェックをして、必要ならばアクション段階に移りまして、仮説の修正あるいはやり方の修正をして次の期につなげるということであります。
 大事なことは、欄外にございますけれども、このプロセスを繰り返し繰り返し行って、改善を積み重ねることによってスパイラルアップしていくことであります。また、PDCAのサイクルは、短期から長期、あるいは個人そして小さな組織単位から大きな組織単位まで一連のセットとして行うことが大切なポイントであります。
 PDCAは、一言で言えば目標の必達に向けた改善のための考え方ということでございますが、やはり大切なことは、いかに実行していくかであります。PDCAはあくまで考え方であり、改善のツールにすぎないのであります。
 されど、PDCAは簡単に回せるかというと、そうではありません。確実に成果を出して改善していくためには幾つかの条件があります。そのポイントをまとめたものが五ページでございます。四つ書いてございますけれども、上の三つはプランに関わることであります。時間も限られておりますので、特に三番を御説明したいと思います。
 公的な機関は、実行行為を外部、これ多くは民間だと思いますけれども、ここに委託することが多く、そのような場合、プランの策定、つまり目標設定や仮説に基づくやり方の詳細な立案なども外部に任せることになりがちであります。その結果、どのように行われているかが分からない状態、いわゆるブラックボックス化が起こりやすくなっています。しかし、それでは、改善も含めて全て委託する、いわゆる丸投げということになり、改善の提案、議論はできません。つまり、丸投げではPDCAは回らないのであります。
 それでは、このブラックボックス化を防ぐためにはどうしたらよいか。それは、自らの組織内に現場を熟知して専門性を備えた人材を擁し、委託先と同じレベルで議論ができるようにすることが必要であると。そうしないと、改善、スパイラルアップは期待できないということになってしまいます。
 ここに記した条件を整えるためには、欄外にございますが、危機感の共有化が必要でありますし、リーダーの強い意思、志が必須だろうというふうに思います。
 次、六ページでございますが、ここには中小企業の支援ネットワークをまとめてございます。
 中小機構は、下から二つ目に書いてございますけれども、唯一の公的な実行、実施機関であるというふうなことでありますが、我々だけでは実行できないことがたくさんありまして、ブルーでスクリーントーン化したところに掲載いたしました会員組織あるいは支援機関の皆様に実行を委託して、連携して支援に当たるということになります。全国三百八十五万社の皆様が支援対象だと考えますと、支援機関との有機的な効果的な連携の実を上げることが必須となります。
 次に、私ども中小機構のPDCAの例を御説明いたします。七ページを御覧ください。
 ここには、弊機構の基幹事業であります小規模事業者のための共済の事例であります。
 最初に、この事業の説明をいたしますと、下の囲みにございますように、小規模企業共済とは極めて商品力の強い制度であります。現在、加入者は約百二十三万人ということで、大変大勢の方に御利用いただいておりますけれども、小規模事業者の皆様は三百三十四万社いらっしゃいます。したがいまして、これ、百二十三万ということでも、三分の一強しか加入していないというふうなことにもなります。
 共済制度そのものは会員相互の互助制度ですが、運営は我々公的機関が税金によりやっておるわけですから、私は、この未加入の方々が制度を知っていて加入しないならば仕方がない、しかし、もしそうでないとしたら公平ではないし問題だと考えております。実際に私がお会いした未加入の方々は、ほとんどがそんなに良い制度なら是非入りたいとおっしゃるわけで、知らないことが未加入の大きな原因だと考えるようになりました。そんなことから、機構発足後十年間でほとんど増えていなかったものを、二〇一九年までに加入者数を大幅に増やすことを目標に掲げて活動しておるわけでございます。
 そして、この業務の内容でございますけれども、この二つ目の目標の下に書いてありますが、中小機構は企画だとか預り金の運用、管理業務をやり、新規客加入の促進活動は、ここに書いてあります商工会、商工会議所、金融機関の皆さん、要は先ほど御説明した代理店に当たる方々に委託しております。この委託業務になっている新規加入促進業務のPDCAの例を次の八ページに示しております。
 ちょっと細かくて恐縮でございますが、時間の制約もございますのでポイントのみに絞らせていただきます。プランとドゥーは御覧いただいたとおりであります。チェックのところでありますけれども、目標に対して未達という状態だということであります。なぜ未達なのか、やり方のチェックをすると幾つか改めるべき点が出てきました。
 まず一つ目、一方的なお願いになっている。二つ目、担当のB君はお役立ち情報、これは機構の他の事業や新しい施策情報など銀行側に役立つ情報のことを言っておりますが、このことをB君は理解していないと。それから三つ目、活動量が少な過ぎる。まだ着任して一年というふうなことだとすると、このレベルの活動では十分ではないんではないかということで、この信頼関係が銀行の方とできていないのではないかということであります。四番目、窓口担当者は他の業務とのプライオリティー付けに悩んでいるようだ。これは、決める権限は上司にあって、ほかの仕事がいろいろ上司からも出ているということのようでありました。そのほか、元々小規模事業者の皆様が御存じないことが未加入の原因であるということだとすると、小規模事業者に直接共済のメリットをアピールした方が窓口に来てくれるのではないかというふうなこともありました。
 次のアクションでは、変えなければいけないポイントでどのように変えるのかを実行計画にまとめます。さあ、これで来週から新しいやり方で目標必達に向けてスタートということでありますが、ここでのポイントは、元々未達なんですから、これまでのやり方を継続しても目標達成は難しいという当たり前の判断をしっかりすることだと思います。やり方を具体的に議論して変えることであります。
 次に、九ページを御覧ください。
 これは、PDCAがうまく回らない原因は幾つかありますけれども、自己完結型の仕事が多い民間ではよくありがちな原因を分かりやすく説明したものがネットに出ておりましたので御紹介いたします。これは目標の共有化ができていない、要は、納得とまでは言わなくても、合意した目標に十分なっていないという例であります。
 次の十ページですが、先ほどちょっと触れましたが、第三期五か年計画に、三つの基本姿勢として三番目に、改善する、これを明記いたしました。これは三期中期計画の中に書いてございます。
 次に、誠に僣越とは存じますけれども、地方創生に向けた中小機構の視点での御提案をさせていただきたいと思います。
 私は、大きくは三つの方法があるというふうに考えております。本日は二つの考え方をまとめてありますが、一つは需要をつかんで売上げを拡大していくこと。これは中小企業の皆さんのことを言っておりますが、地元の市場が縮小しているなら、域外の需要、域外の市場、大都市、あるいは海外需要ということになるかもしれません、これをつかむことであります。
 二つ目は、直接人口を増やす策を講ずることにより地域市場の縮小を食い止めることであります。この策には大きく二つありまして、一時的な滞在ではありますが観光客を増やすこと、そして定住人口を増加させることであります。
 十一ページを御覧ください。
 一つ目の域外の需要をつかむことということですが、人口の減少、市場の縮小、売上げ減少の悪循環、この負のスパイラルを断ち切るにはどうしたらよいのか。コントロール不可能なことを言っても仕方がありませんので、中小企業の売上げが減っている原因が市場縮小ということであれば、地域外の需要を獲得していく努力をもっとしましょうということであります。
 実は、これまではデパートとかスーパーとか実際の店舗、ここに商品を置いてもらうことは、売場の面積の問題、限られているということもあったり、あるいはコストのことも掛かったりして極めて限定された企業しかやってこれませんでした。それが、現在はネット上の仮想商店街があります。誰でも出店でき、地域外の消費者、需要者にダイレクトにアプローチすることができるわけであります。もちろんこの延長線には巨大な海外市場あるいは海外需要があります。ICTの活用、Eコマースに積極的に取り組み、域外の需要を獲得し、地域にお金を落とすことによって市場縮小を食い止め、さらには拡大もしていくことをトライしましょうということであります。
 ちなみに、Eコマースでありますけれども、現在総市場が、これは小売の、あるいは卸売等の総市場でありますが、日本は三百兆円ございまして、この三百兆円の約三%強、これに当たる十兆円ぐらいが今やEコマースの規模であります、現時点でありますけれども。十年後の二〇二五年には、二〇%の六十兆円は十分可能性があるとも言われております。
 この具体的な数字はともかくも、高齢化の進展だとかスマートフォンの普及などもろもろの要因、さらには米国、中国におけるEコマースの普及状況、これを総合勘案いたしますと確実な成長分野であることは間違いないと思われます。
 済みません、一ページ飛んで十三ページを御覧ください。
 十三ページに、早くから域外需要獲得のためにEコマースの促進に熱心に取り組んでいらっしゃる沖縄の事例を御紹介してあります。説明は、時間も限られておりますので割愛させていただきます。
 済みません、一ページ戻りまして十二ページを御覧ください。
 ここに、二つ目の直接人口を増やすことによる市場拡大策の考え方をまとめてあります。人口が一人減少することにより百二十万円の需要が失われる。海外からの旅行者は一人当たり平均約十五万円のお金を落としていくという観光庁の調査結果があります。八人海外から観光客が来れば、定住人口の一人分はカバーできるということであります。
 昨年、海外旅行客、千三百四十万人来日、二兆円消費という実績がありますが、しかしながら、日本に観光客が来ても、ブランドである京都に行って、東京で買物して帰ってしまうのでは困ります。地方に足を伸ばしてもらうためには、地方のコンテンツ、これはもう自然の景観であるとか温泉であるとか食だとか物産、あるいは文化、人々のおもてなしなど、もうあらゆるものが外国の人たちには魅力的に感じられるようであります。これらをしっかりと発信して海外の人たちに知ってもらわなければなりません。
 知ってもらうことの重要性を証明する事例として、逆のアウトバウンドの例ですが、フランスのモンサンミッシェルの特集をテレビで流したところ、モンサンミッシェルへの日本人観光客が急増したと伝えられております。また、日本でも良い例があります。北海道は、これ実は約二十年前から、テレビ局がリード役となり、自治体と民間が一体となって取り組み、成果を出しております。数字を御紹介しますと、海外からの観光客が、二〇〇〇年、二十万人だったものが、二〇一三年には百十五万人に、五倍以上に増加しております。
 次に、その下の定住人口の増加ということでありますけれども、これを社会的な流入増という視点に絞ってみますと、その方法としては、すぐにこれは、普通は地域の魅力を高めていくが出てまいりますけれども、もちろんこれは必要なことでありますが、時間が掛かります、時間が必要です。灯台下暗しということでもありませんが、現時点でも十分魅力があるのに、地域の皆さんが気付いていないだけということはないでしょうか。その魅力を発信していけば若者の東京圏からの流入も可能性があるとしたら、それをトライしませんかということであります。
 あちこち飛んで申し訳ありませんが、十四ページを御覧ください。
○委員長(松村祥史君) 高田参考人、そろそろおまとめをいただけますか。
○参考人(高田坦史君) はい、分かりました。
 ここには、ある高校のある活動、情報をしっかりと伝えれば、生徒の皆さんが高い確率で地方の中小企業に関心を持つという事例を書いてございます。ただ、具体的に希望した人たちが実際に地方に行くのは、実はまれなんです。それは何かといいますと、その高校に具体的な求人がなかなか行かないという、それが問題で、情報のアンマッチ、ミスマッチがあるということが問題だというふうにも思います。
 是非、この辺のところを取り組みながら、地方への流入というものを図ることが大事なのではないかというふうに思います。
 以上です。
○委員長(松村祥史君) 高田参考人、ありがとうございました。
 次に、山谷参考人、お願いいたします。
○参考人(山谷清志君) 山谷でございます。
 今のお二方の参考人のお話と違いまして、私の話は評価というところに絞ってお話をさせていただきます。
 簡単に私の経歴なんですが、実は、青森市生まれで十八まで青森にいまして、その後、東京の大学に行きまして、東京で二十年、広島に八年、岩手に四年、そして今現在、京都で十一年目ということで、地方の方から東京を見た場合にどうなのかというのは案外存じておるというふうに考えております。よろしくお願いいたします。
 私のお話のレジュメはこのホチキス留め四枚紙でございまして、三枚が今日のお話の内容でございます。地方創生に向けた国と地方の取組体制と政策評価というこのタイトルでお話をさせていただきます。
 まず最初、既存の政策評価、行政評価というものがどういう状況にあるかということを四つポイントを挙げております。
 まず、多種でございます。非常に評価という名の付いているものが多うございまして、公共事業評価、行政評価、事務事業評価、男女共同参画の評価、施設評価等々非常に多うございまして、これをうまく使い分けることができるかどうかというのが今現在の評価の実務上の大きな課題になっております。
 二つ目、それに関連しまして、評価を行っている主体が複数ございます。国の政策評価は、御存じのように、各府省やっておりますが、縦割りでございます。基本は課の単位でございまして、都道府県も市町村も同じような形で、課の単位で事務事業評価というものをやっております。これも非常に細かく断片化しておりまして、ほかの課が何をしているのかよく分からないような状況にあるんではないかなと思っております。これをうまくまとめるために、都道府県、市町村では総務部とか総務課が苦労されておりますし、中央省庁では官房、それから内閣府は、御存じのように、男女共同参画とか沖縄問題とかいろいろなのを抱えておりますので、それをうまく取りまとめる、これで御苦労されているというふうになっております。
 政府全体で総覧的にレビューをしているものがあるのかといいますと、これは政策評価の制度を所管しております総務省行政評価局が、総合性確保評価、それから統一性確保評価、この二つを行っておりますが、これは実は余り数が多くはなくて、年に数本という程度でございます。
 この状況に地方創生のPDCAの政策評価が入ると、こういうふうに御理解いただければよろしいのかなと思います。
 なぜそういうふうにいろんな評価が入ってきたのかということでございますが、政策評価の歴史で四つほどポイントを申し上げたいと思います。
 基本は、橋本行革の時代でございまして、政策の立案と実施を分ける。中央省庁は政策の立案、それを実施する体制はいろいろあってよろしいのではないかと。民間にできるものは民間にという言葉もございましたし、地方分権、それから独立行政法人制度ができたのもこのときでございます。それぞれ別なシステム、評価のシステムが入りました。この橋本行革のときのキャッチフレーズ、スローガンでございますが、これはもう縦割りの排除、政策評価を使って縦割りを排除したらどうかという、こういうお話でございました。
 その政策評価が入る直前に、私、実は九六年の二月の七日にこの参議院にお招きいただきまして、参議院行財政機構及び行政監察に関する調査会、ここで政策評価のお話を申し上げて、実は政策評価というのは中央省庁の縦割りを何とか排除するために一つ考えられる工夫の仕組みだというふうにお話を申し上げた、こういう記憶がございます。
 その後どうなりましたかというのがBでございまして、実務の動向です。実は、中央省庁政策評価というのは三つの方式がありまして、総合評価、事業評価そして実績評価。実績評価というのは、目標を掲げてこれをどのぐらい達成したか、この実績を後で測定するというものでございまして、これ実は厳密に言いますと、諸外国ではこれをエバリュエーション、評価とは言いませんでメジャーメントと呼んでおります。また、当初は余り強く意識されておりませんでしたけれども、予算編成に活用したい、それから租税とか規制、新しくつくる場合にこれを事前に評価をやりたいと、こういうことで、制度を導入するときに余り考えていなかったんですが、事前評価的な色彩が強くなりました。
 この評価を導入して国の府省が政策評価をやるといった場合に地方はどういうことになるのかというのが三ページ目の図の一にございまして、公共事業評価がもう典型的な話でございますが、かつての建設省、運輸省それから通産省、公共事業をやる場合に、補助金をもらっている都道府県が基本的に実際の評価をやる、場合によっては、文部科学省、当時の文部省のように、小学校、中学校の義務教育に関するものに関しては市町村がやるというふうな、上から評価をやってくれというふうな依頼が来る、こういうスタイルでございます。これがどこまで県の責任でやるのか、あるいはどこまで市町村の責任でやるのかというのが案外分からないところでございまして、また国民一般の方々に関しても、これが何の評価で誰がこの評価を使おうとしているのかというのが実はよく分かりにくいと、こういう現状でございます。
 お戻りいただきまして、また一ページ目でございますが、地方自治体、九六年、七年ぐらいから政策評価を導入しようという、こういう動きがございまして、三重県庁、北海道庁、岩手県庁、秋田県庁そして青森県庁が政策評価を導入しました。ただし、二〇〇〇年前後から財政的に結構厳しくなりまして、政策という夢を語るよりはむしろ足下の現実を見るということで、行政評価、さらにはその先に行政経営、マネジメントという形で、私、言葉は悪うございますが、後退したのではないかなというふうに考えております。
 二ページ目を御覧いただきたいと思います。今般のまち・ひと・しごと創生総合戦略、これを評価から見たらどういうことなのかということでございます。
 仕掛けが非常にうまくできておりまして、先ほど控室で松村委員長からちらっと伺いましたら、これはどうやら経産省がかなり影響力を及ぼしていると、確かにそうだなと思います。経産省は中央省庁の中では一番政策評価に熱心な役所でございまして、いろいろ、九七年ぐらいに政策評価広報課を立ち上げて諸外国の勉強をされたりして一生懸命やられているところで、そういうところの影響が強いとこういうふうに緻密な総合的なものが、戦略がですね、できるのかなというふうに思っておりました。
 その特色ですが、これも三つございまして、@、A、Bでございますが、まず一つは、異質な複数政策の多重同時展開と。様々なものが入っている。産業、教育、福祉、医療、教育、防災、様々なものが入っていて、これを同時に展開するということでございます。
 当然のことながら、それを担当するところもいろいろございます。もちろん、政策手段を複数官庁が担当しておりますので、その官庁の使い勝手のいい政策手段、補助金、減税、規制緩和、負荷、政策金融、こういうところが出てきます。そこで、この総合戦略の中では、ばらまきを防ぎ有効性を求めるということが出てくるんですが、これは、私ども評価の経験から申し上げますと、非常に難しいと思います。
 結局、補助金とか政策金融とか、政策評価って一つの何か万能の手法があるのかと申しますと実はそうでございませんで、それぞれ必要な情報、何の情報が必要なのかという、この必要な情報の求める先に応じたオーダーメードで評価システムをつくらないといけない、こういうところがございますので、例えば教育の関係の補助金と土木とか箱物の関係の補助金、同じような評価でできるかというと、これはできません。全く関係のない情報が出てくるおそれがあります。そこが非常に難しゅうございます。
 その難しさを、困難を克服するためにどうするかというのは、一つ非常に重要なポイントですが、国の総合戦略と地方の総合戦略、この調整をうまく取っていただくと、現場でどういうことになっているのか、これが国に的確な情報が上がってくる、こういうふうになろうかと思います。その意味でいいますと、評価、特に政策評価というのは情報をつくり出しそれを分析するツールだと、こういうふうにお考えいただければと思います。
 四でございますが、総合戦略と政策評価に関する確認事項でございます。これは二つございます。
 一つは、データによる政策効果の検証には時間が必要だということです。先ほども申し上げましたように、教育とか福祉とか非常に時間が掛かるものもございますので、毎年毎年というのはなかなか難しゅうございます。
 二つ目でございますが、戦略の改善を求めるPDCAサイクルは行政マネジメント型評価と発想が違うということでございます。ここ、大事なポイントでございます。つまり、行政の組織のマネジメント、お金とか人員とか、こういうマネジメントの話と、戦略をつくってその地域社会を改善する、地域社会を良くしようという、これは全く別物でございまして、戦略のPDCAサイクルというのは実は社会に向けた形で行われないといけない、つまり組織の中の話ではないということをお考えいただきたい、こういうふうに思います。
 議論の整理ポイントでございますが、矢印以下が私の提案でございます。
 まず、計画が重層化しております。したがって、先ほども申し上げたとおりに、国と地方自治体、この政策調整が必要であるという、こういうことでございます。
 二つ目、政策主体が複数化、多元化しておりますので、これをほっておいたら三重行政、国と都道府県と市町村というふうに三重行政になりますので、そこもまた一つ調整が必要になると、こういうことでございます。
 三つ目ですが、政策手段が様々なものがございますので、これについてはプログラムという考え方、政策思考が必要だと。これは何かと申し上げますと、四ページ目の図の二でございますが、ローマ数字の大文字のプログラム、ローマ数字の小文字の政策手段の選択というふうに書かれているところでございますが、例えばローマ数字のUであれば、政策のパッケージというのがございますけれども、あれがまさにプログラム的な発想で、このプログラムが実際のその地域社会の課題にうまくマッチして、つまり病気を改善できるかどうかという、そこを考える必要がございます。
 申し訳ございませんが、また二ページにお戻りいただきたいと思います。
 四番目でございますが、目標期間を設定すると。一応これ目標期間が二〇一五年から二〇一九年というふうに五年間設定されておりますが、やはりこれはもう少し中長期的な期間設定が必要なのかなと。しかし、それは逆に言えばエンドレスで十年も二十年も続けられるものではないんじゃないかというのがここでのことです。終わりをいつにするのか、ここをきちっと事前にお考えいただくということでございます。
 五番目、結果の重視の難問、つまり誰の結果なのかということでございます。その地域に住んでいらっしゃる方の結果でございますので、中央官庁の結果でもないし、都道府県の結果でもないし、市町村の結果でもないんではないかというのがここでございます。住民視点で政策評価をやっていただくと。
 六番目ですが、そのためには人材育成、これ必要でございます。
 先ほど後藤参考人のお話からもありましたように、実は七番目が非常に重要なポイントでございまして、小規模町村の場合は行政評価を担当している職員さんがいない、いても、議会事務局、公平委員会、その他いろんな仕事と兼業でやっていらっしゃると。これが非常に多うございまして、私、岩手県におりましたときに、岩手県内、当時五十八市町村ございましたんですが、やっぱり人材不足でございました。そこで、NPOを立ち上げて、政策評価専門のNPOというものを立ち上げましていろいろ地域活動をしていた経験がございますが、今現在でもこれは変わっていないというふうに言われております。人材不足です。
 三ページ目、御覧いただきたいと思いますが、まとめでございます。
 この場にお呼びいただきましたのでそれに関係したお話をさせていただきたいんですが、参議院の行政監視委員会の関与というのが非常に重要ではないかというふうに私は思っています。
 まず一番最初は、まさにその参議院行政監視委員会がこの総合戦略を監視する、これが一番正しい正統な方法であると。諸外国でも、アメリカでもイギリスでも、政策評価を入れている国々は、やはり国会、議会がやっておられます。しかも、解散のない六年という任期、これが非常に重要でございまして、落ち着いて継続的に監視ができる、こういうことになろうかと思っております。
 参議院独自の評価として何が考えられるかというのが、このMアンドEと書いてあるものでございまして、メジャーメント・アンド・エバリュエーションでございます。メジャーメントは、先ほどのPDCAサイクルに似たようなものであるというふうにお考えいただければいいと思います。
 メジャーメントをやってエバリュエーション、非常に分かりにくいので簡単な例えを申し上げますと、年に一度定期的に健康診断をします。そのときに血糖値とか尿酸値とか体重とかを測定します。測定して安全圏内に収まっていたらそれでオーケーですと。しかし、何か大きな変動があったり問題があった場合には病院に行って診療を受けていただく。この診療の部分がエバリュエーションで、年に一回の定期健康診断がメジャーメントだと、こういうふうにお考えいただければよろしいのかなと思います。
 したがって、市町村が出してこられたデータ、あるいは都道府県が出してこられたデータを御覧になられて、そこの大きな変動あるいは数字が全然変わらない場合におきましては、やはり参議院のエバリュエーションというのが必要なのではないかなと思っております。
 したがって、もし現状と同じ評価、屋上屋を架すならば、更に地方にとっては負担になりますので、評価疲れということが発生するということでございます。
 ポイントはどこにありますかといいますと、四ページ目の図の二の国と地方自治体と、縦系列でプラン、ドゥー、チェック、アクションと並べておりますが、この国と地方の間に両方に向いた白抜きの矢印がございますが、まさにここを見ることが非常に重要なポイントではないかなと、こういうふうに考えております。この両方を見るというのが調整ということで、国と地方のうまく情報が流れて現状が把握できるのではないかなというふうに考えております。
 恐縮でございますが、三ページ目にお戻りいただけますでしょうか。
 五番目でございますが、評価から実施を見直す、プラン、ドゥー、チェック、アクション、まさにそれと同じことでございますが、評価をやって実施プロセスにどんな課題があるのかということを御覧いただければよろしいのかなと思っております。
 サンプリング的に地域を調査する実態活動というのは実は結構時間が掛かりまして、五年から十年というのがあります。非常に抽象的な話を申し上げて恐縮でございますので、分かりやすい具体例を出しますと、私どもは、実は文部省の科学研究助成をいただきまして男女共同参画政策の実態調査というものを評価の視点で分析いたしました。この三月末に本が出ますが、実はこれが、政策目的としては誰も反対しません。国の省庁、もちろん国会議員の皆様方も誰も反対しません。しかし、現場の都道府県、市町村では何が起きているかと。評価の方法を選択した間違いのためにこの男女共同参画政策そのものが失敗していると、こういう結論の本でございまして、もし御関心があれば事務局に一冊お届けいたしますので、御覧になっていただければと思いますが。
 まさに、すばらしい政策、すばらしいコンセプトで進められるとしても、その実態を知るための評価のメカニズムをしくじってしまうと実はその本来の政策を潰してしまうことがよくあると。これがこの総合戦略に発生しなければ、創生戦略に発生しなければいいなというふうに若干の懸念を持っておりますが、その部分にはこちらの参議院の行政監視委員会の先生方に御尽力いただいて、そうならないように、どうぞよろしくお願いいたします。
 私の方からは以上でございます。
○委員長(松村祥史君) 山谷参考人、ありがとうございました。
 以上で参考人の方々からの意見の聴取は終了いたしました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○中西祐介君 自由民主党の中西祐介でございます。
 今日は大変、月曜日のお昼間、お忙しい中、三名の先生方にはお越しをいただき、大変有意義なお話を伺わせていただきましたことを、まず会派を代表いたしまして御礼を申し上げます。本当にありがとうございます。
 時間も限られておりますので簡潔に伺っていきたいなというふうに思っておりますが、私も徳島選出でございます。後藤町長には大変お世話になっておりますし、昨日は、実はちょうど神山にも足を運ばせていただきました。ちょうど鬼籠野のさくら祭りの準備も着々と進められているようでありまして、大変美しい町並み、改めてすばらしい町だなと思っております。
 全国千八百余りある自治体の中で何で神山が、後藤町長が今回参考人でお呼びされたのかなということを少し考えたいんですが、やはり小規模で人口が減って過疎が進む、大きな事業体がない、そういう象徴であるような自治体でありながら、社会増を実現をし、さらにはNPOと行政がしっかり連携を密にして成功事例をつくっている、その本当に光る活動そのものが評価をなされているんじゃないかと思うわけでありますが。
 今日は行政評価という観点で三名の先生方に伺いたいと思いますが、神山の事例をたっぷり伺う前に、まず山谷参考人に伺いたいと思います。
 総務省の自治行政局から取り寄せた資料によりますと、全国の都道府県も含めた自治体で行政評価の導入状況を一覧にしていただきました。その中で、都道府県、そして政令指定都市、そして中核都市、特例市までは一〇〇%の導入状況、行政評価に対する導入状況があるんですね。ただ一方で、市町村、市ですね、市と区、それから町村合わせた導入状況でいきますと、およそ五七%が導入済みであって、あとは検討中とか、あるいはこれから導入する予定もない、あるいは過去に導入したけれども廃止を過去にしてしまったというふうなところがたくさんあるわけなんです。
 これについて私は様々な評価があると思っていて、導入しているからすばらしいという目線とはまた一つ違って、過去に導入したけれども一定の成果を残した、評価が満たされた、そういうこともあるでしょうし、いろんな評価があると思いますが、この点について、ひとつどういう目線を持たれているかなというのを簡潔に伺えればと思います。
○参考人(山谷清志君) 先ほども少し申し上げましたが、政策評価あるいは行政評価というのは、必要な情報をつくり出して、これを選挙で選ばれた方々に提供するツールなんでございますね。ところが、実態としては、何か日常的な業務活動の評価とまでは行かないんですが、こんなことをしていますみたいな作文の仕組みになってしまっておりまして、そこから得られるものがほとんど何もない。結果として、評価をやっても無意味だという、これが実は今現在、日本の自治体のあちこちで見られる状況でございます。
 本当を言えば、少し勉強していただいて、自治体の方々もそういう評価を勉強していただいて、いろんな考え方があって、何にこの評価の情報を使うのかというふうに考えられてやられればよかったんですが、何か共通バージョンがどうもありまして、目標管理シートのようなものを書き込んで、それで終わりだというふうに思ってしまったところに最大の問題点があって、つまり何の役にも立たないような苦役だというふうになってしまったんだろうと思います。
○中西祐介君 ありがとうございます。
 そうした事例がないかと思って探しているときに、ちょうど参議院の仲間で高橋克法さんという栃木県の先生がいらっしゃいますが、前職が高根沢の町長さんをされておられました。
 そのときに、資料を伺いますと、平成十三年にISOを取得をして、そして平成十四年には行政評価に関する条例を制定をされたと。ただ、二十三年だったと存じますけれども、二十四年にその条例を廃止をしたと。それは何かというと、この行政管理をするということ自体が目的化をしてしまって、結局これをツールとして使えなかったんだという実態があるそうなんですね。
 多分これは、先ほど後藤町長がおっしゃいましたが、マンパワーの話と、あとは、そうしたことをうまくPDCA、先ほど先生がおっしゃったように、行政管理と、あるいは外部に向けての発信ということとまた意味合いが全然違ったんでうまくマッチングしなかった結果だと思うんです。そのときにやはり、山谷先生がおっしゃったときに、NPOといいますか住民団体をいかに有効に活用するといいますか、協働をしていくということが重要だと思いました。本当に痛感をします。
 そこで、是非、神山の事例を伺いたいんですが、先日ちょうど参議院の自民党政策審議会でも大南理事長、NPOがまさに神山町で活動している大南理事長に来ていただいて一時間講演をいただいたんですけれども、神山の成功事例の特徴は、行政の役割をしっかり遂行してベースをつくった上で、そのベースでNPOがしっかり活動されている、この協働体制がうまくいっているから成功事例と言われるんだと思うんです。
 例えば、後藤町長から先ほど説明ございましたけれども、ブロードバンドの普及、あるいはサテライトオフィスの誘致、これは行政がしっかりとPRをし、また国との連携の中で進めたものであります。ただ一方で、観光であるとか人材交流であるとか、海外の若い人たちを町に呼び込んでその交流人口を増やしていく、これはNPOの大きな役割だと思うんです。
 こういう中で、神山が住民団体がしっかり育ってきた要素、あるいは行政として住民の活動を育てるために気を掛けていること、これについて伺えればというふうに思います。
○参考人(後藤正和君) ただいま御質問がございました。行政として、特に神山町では、NPOあるいは民間団体と連携をしながら事を進めておるというのはまさに特徴的かと思います。なぜそういう判断をしたかというのは、先ほど紹介の中でも述べましたけれども、特に政争をやった経緯がある、前へ行かなかった時期があると、その中で歯がゆい思いをした若者たちがいたということです。特に、そういう若者たちがちょうど我々世代に今なっております。若者のやる気の芽を摘まないということかと思います。婦人会が潰れたと申しますのも、行政が余りにも行政の下請機関みたいに利用したわけですね。そしたらそれが重荷になってきて解散せざるを得なかったという結果を踏まえて、やはりやる気の芽を摘まないと。
 常に行政は、後からでもいいから、民のやる気をそがないために、はっきり申しましていろんな助成施策も取っております。やる気のある、提案型で、プロポーザルでやっていますから。その助成についても、民間の審査委員にお願いをして、審査をした上で助成措置を講ずるというふうにやっております。
 実はグリーンバレーさんだけじゃなくていろんなNPO、あるいは地域おこし団体というのは神山町は非常に盛んです。なぜ盛んかと。かつては五つの村が合併したわけでしたが、それが足の引っ張り合い、たたき合いをやっていたんですけれども、あるとき一つの村が、かつての村が、地区が前向きなイベントを展開したと。今度は逆に、あそこの村に負けないようにというような動きになりました。非常にいい、もう全く手のひら返しの意識ができたわけですね。
 ですから、今はそういうふうな形で民間が前へ前へ出てきておる。ですから、行政は余り前へ出てはいかぬというのが私のスタイル、今日まで進めてきたスタイルです。それと、限りなく溝を埋めるというか、政争の溝を埋めると。そうでなければ、もう間違いなく一歩前への施策は打つことはできないということでないのかなと。
 それと、やはりPDCAの話にも少し関連するかも分かりませんけれども、PDCAのサイクルとかそういったものを用いなくても、小さな自治体、小さな社会ですので、やっていること全て見えるわけですね、成果も、途中経過も。そういうふうに連携しながら常にやっておるということであります。
○中西祐介君 これからの時代、まさに地方創生の戦略において、PDCAサイクルの中心が地方版総合戦略を通じて実現をしていくことになると思いますけれども、せっかく国に、この委員会にお越しいただきましたので、神山という町で神山の総合戦略を作るときにこういう壁に直面している、こういう課題がある、あるいはこういうバックアップがあればもっと計画作り、実行に移りやすいというふうなことを率直に、ほかの周辺の自治体、お仲間も含めて、課題を伺えればというふうに思います。
○参考人(後藤正和君) 小規模自治体におきましては多分神山町と同じような状況に陥っていると思います。まさに人材不足というよりも人手不足です。人材以前に人が、若い人がいないという状況です。加えて、先ほど高田参考人おっしゃられました、現場を熟知した方、職員、民間も含めてですね、そういった方がいらっしゃれば計画段階で非常に有効なのではないのかなと、このように感じます。そういう熟知した方がいかにどれだけいらっしゃるかということになろうかと思います。
 そういった中で一つの、今回、地方創生の中で、国はコンシェルジュの制度、あるいはシティーマネジメントの方、シティーマネジャー、徳島県では県が市町村対応の職員とカウンター方式で、A職員はA町、A村というような担当制をしいております。そういった一つの制度というのもいいのでないのかなと。プラスアルファ民間の熟知した人材という方がいらっしゃれば、まさに地方のやりたい課題解決に大きく役立つのでないのかなと思います。
○中西祐介君 まだまだ伺いたいところでございますが、時間となりましたので、神山町のこれからの発展と、そして高田参考人、それから山谷参考人、それぞれの御示唆に基づいて、これからの地方創生がしっかり根付いていくように御祈念を申し上げまして、質問とさせていただきます。
 どうもありがとうございました。
○難波奨二君 民主党の難波奨二でございます。
 今日は参考人の三人の方、大変貴重な御意見賜りまして、ありがとうございました。
 まず最初に、後藤町長の方にお伺いしたいと思いますが、戦略をこれから組んで実行が五年間で結果を出すと、こういう方向で今進められておるわけでございますが、五年間という期間で、非常に人口を増やすとか、産業をどう育成していくとか、移住者をどう増やしていくとか、こうした問題というのはこれだけの短期のスパンで結果を出すというのは非常に難しいんじゃないかというお声も非常に多いわけですよね。この辺りをどのように受け止めておられるかというのが一つ。
 二点目は、取組の成果によって、分かりやすく申し上げますが、優秀なよくやった自治体については交付金を増やすんだと、こういう方向にあるわけでございますが、そうした方式によって各自治体間の中で財政的な国からの支援の差が出る可能性があるわけで、当然出るわけでございますけれども、この辺りについてどのようにお受け止めになられておられるかというのが二点目。
 最後でございますけれども、戦略をこれから企画、計画行われるわけでございましょうが、十二月までには作り上げたいというふうにお話ございました。メンバーも、IT関連企業の方もそのメンバーに入っていただいて策定したいというお考えでございましたけれども、地域住民の皆さんの声をどうそのプログラムの中に生かしていこうとされておられるのか、この三点についてまずはお伺いしたいと思います。
○参考人(後藤正和君) 難波議員さんの三点につきましての御指摘でございました。
 この地方創生の計画が五年間という短期のスパンで有効かどうかということかと思いますが、ある課題によっては五年間でも成果が出るものもあろうかと思います。と申しますのは、もう既に各市町村がこの課題解決に向かって絵を描いて進めようとしておるようなケースもあろうかと思います。そういった場合は、今回の地方創生の交付金等々に乗っかっていくならば、即成果が出やすいのかなと思っておりますが、地方によっては、これから真っ白な紙の上にさあ何をやろうというようなもし自治体があるとすれば、それはとても五年間では成果はなし得ないだろうと思います。
 次の、特に成果主義といいますか、成果が上がったところに交付金を手厚くという、国は言っているようだということでありますけれども、私は、若干いかがかなと。財政力は豊かでないわけですけど、やはり皆さんどの自治体も、やりたいことあるいはやる気は旺盛であろうと。しかし、何らかの理由があってできていないという状況にあろうかと、あるいはできなかったということになろうかと思いますので、限りなく基本はやはり地方交付税措置というのはもう当然のことであろうと。
 その上に立って、なおさら成果の上がったところは、更にやる気があるならばやればよろしいんじゃないですかと。そういったやる気のあるところに交付金手当てをするというようなことであれば、私は結構なんじゃないかと。成果に対してじゃなくて、次へのステップアップに対してというような考え方ならいいのでないのというふうな考えを持っております。
 それから、神山町の地方版の戦略、この計画をどう立てるかということの中で、IT企業の方にもメンバーとして参画してもらいたいと、このようなことを申し上げましたけれども、当然住民の方々にもこれに参画していただくというふうに思っておりますし、特に、町内だけじゃなくて、町外の、民間の、まあ大手コンサルはよろしくないですけど、実際に、高田先生がおっしゃったような、現場で実践をされてやられた方のお力を借りるというのも有効な手段でないかと、それらが相まっていい絵が描けるのでないのかなというふうに思います。
 これでよろしゅうございますか。
○難波奨二君 ありがとうございました。
 それでは続きまして、高田参考人にお伺いしたいと思います。
 参考人の資料のペーパーの四ページ、五ページにもございますが、指標をこれからそれぞれ自治体、国もそうでございますけれども、国も指標を作って、そして各自治体も目標設定の指標を作るわけでございますけれども、ここに、四ページ、五ページにございます仮説に基づいた方策とKPIですよね、これの考え方を少しお話しいただければと思うんですけれども。
○参考人(高田坦史君) ここに書きました仮説というのは、目標とやり方の関係ですね、これをやったら必ずこういう結果を招来するということの関係を、これは多分やってみないと分からないということが多いと思うんです。
 したがいまして、これはあくまで仮説にすぎないということで書きましたが、それをしっかりと固めた上でこれを実行するというふうな案にしないと、次のPDCA、要するに、チェックしてこれを改めるというときに、この仮説が明確になっていませんと改められないということになりかねません。そんな意味で仮説というふうに書いてあります。
○難波奨二君 ありがとうございました。
 高田参考人は民間の経営をこの間もう長くお務めになられたわけでございますけれども、官の領域にこのPDCAを定着させる、あるいは動機付けるためにやはり何が一番重要だというふうにお考えになられますか。
○参考人(高田坦史君) これは、まずはその思いといいますか、考え方をどれだけ強くリーダーが考えるかということが一番大事だと思います。
 それで、その上で、これは当然、今の私の前提は公的な機関というのがそういったものが定着していないという前提で考えますと、これを実際に風土を変えていくというようなことを含めまして、例えば危機感、これがあるかないかと。危機感を私は植え付けておるんですが、我が機構がそのまま何もしないでずっと続くと思ったら大間違いだと思うよということは常々言っていまして、要するに評価するのはお客様であると。中小企業の皆様方が我々の仕事を評価していただけるようなことにならないと、我々が中企庁との間でいろいろやっていますというふうに言ってもそれは違うと、評価者はあくまでお客様であるというようなことをずっと申し上げています。
 そのようなことで、これで危機感が伝わったかどうかというのは、まあ自信もはっきり言ってありませんけれども、そのような危機感をあおるということが一つですし、あとは具体的なやり方ですね。先ほど申し上げたような仮説、ここに書いているような話をしっかりOJTベースで、要するに日頃の業務の中で私が問いかけるというようなことを取りあえずやっています。もちろん、私だけではこれは十分な人間にやれませんので、そういうことを分かっている人間を配置しながらやるというようなことを考えておりますが。
 いずれにしても、いろいろ私も、今、これで第三期中が始まって一年たちますけれども、十分やり切れているとは思いません。多分これは時間が掛かります。そういうことで、例えばもう少し時間を掛けてこれをしっかり定着するまでやっていくということが必要かなというふうに思います。
○難波奨二君 ありがとうございました。
 それでは最後、山谷参考人にお伺いしたいと思いますけれども、非常にお話は共鳴できるところが多いわけでございますが、評価をする場合に、評価とかその実績というものをどの尺度といいますか物差しといいますかでやっていくのか、これも非常に大切だというふうに思うんですね。
 先ほどもおっしゃいましたけれども、住民の立場に立った視点での評価が必要だというようなお話もございましたけれども、そうした成果や実績を測る基準、これは例えばどんなものが考えられるよねというふうにお考えかということや、あるいはその着眼点、行政の側からPDCAをやっていく上でのその着眼点、あるいは住民の側からPDCAを行っていく上での着眼点、この辺はどのようにお考えをお持ちなのか。
 最後、結果なんですけれども、高田参考人の方もお話もございましたけれども、結果、評価をする。だけど、評価をしても、その評価の結果を誰が責任取ったりするかというのは現状なかなかやっぱりないわけですよね。この辺りの最後の結論の部分についてもどうあるべきなのか、お考えをお聞かせ願えたらと思います。
○参考人(山谷清志君) ありがとうございます。
 非常に難しい質問をいただきました。実は、二十年ぐらい評価をやっていまして、まさに今の御質問が一番難しいところでございます。
 ただ、やはり誰の成果かというふうに考えたときに、その地域で暮らしている人々が何で困っているか、これがやはりあろうかと思います。例えば具体例でいいますと、私の実家は青森市にあるんですが、やはり雪で、年老いた母が一人いるんですが、なかなか雪下ろしができない、もうそういうことで非常に困っておるというふうな、やっぱり住んでいるその感覚で見ていただくとそこの部分が浮き上がってくるのかなと。ですから、やはり市町村が大事なそのポイントであるというのはまさにそこだと思います。
 大学の授業の中で、講義の中でやったこともございますが、何が必要なのかと、そこで住むにはですね。大概は病院とかコンビニとか学校とか出てきます。案外盲点なのは、皆さん、地方の方々、うちの学生もそうなんですが、車で移動するということを前提としておりますが、そうすると、高齢化社会となりますと、なかなか車を使いこなせないということになれば、これが次の政策課題というふうになるのかなという。
 そういうことで、いろいろ問題というのはその地域地域でいろんな形で存在するので、やはり先ほどの後藤参考人のおっしゃるように、地元の方々が何で困っているのか、これを前提としてプログラムを作り上げていかないと何もできないのかなということでございます。
 そういう意味でいいますと、基準というのが、評価基準というのがある部分もあるし、ない部分もある。例えば、病院等であれば、厚生労働省が決められたいろいろな病院の施設の基準やら、あるいは介護施設でもそうですが、いろいろございますが、それをきちんとクリアしているか、満たしているかというポイントでいけますが、ただ、なかなかこれもまた難しゅうございまして、例えば小学校の三十五人学級が大事だというふうに、まああれなんですが、実は私、広島にいたときに子供の小学校は二十人学級で、盛岡に行ったときは二十二人という、もうとうに、既に三十五人の基準をクリアしているところもありまして、やっぱり現場現場で非常に大きな基準の状況が違ってきますので、これまたやはり市町村の方々がきちんとこれを作っていただく、それをできれば国の方が参考にしていただいてやっていただくしかないのではないかと。
 最後に、非常に重要な御質問でございました、結果について誰が責任を取るか。ここが一番難しゅうございまして、これはアメリカであれば簡単でございます。アメリカであれば、プログラムについて予算を付けるのは連邦議会でございますので、プログラムの成果が出ない場合は、議会が担当の省庁に何で成果が出ないのか説明しろとアカウンタビリティーを求めるわけです。役所の方はいろいろ説明されてくると、いろんな達成できない理由をですね。
 日本の場合それができるのかどうかというのが非常に難しゅうございますが、ただし、やはりこの行政監視委員会という場が、いろんなその数字、達成できない場合に、その担当省庁、若しくは場合によっては都道府県や市町村の担当の方に来ていただいて、達成できない理由を説明していただく。こうなると、しかし、責任という、誰が悪いからどうなのかという話ではなくて、じゃ、どうすればいいのか、この問題を解決するにはどういうふうにもう一歩ネクストステップをやればいいのかという、そこの話が出てくるということで、大きな意味でいうと、国民の皆さんに対する責任はここで全うできるのではないかなというふうに考えております。
 以上でございます。
○難波奨二君 終わります。ありがとうございました。
○佐々木さやか君 公明党の佐々木さやかでございます。
 今日は、三人の参考人の先生方、大変にありがとうございます。
 議論の中で、私も聞きたいなと思っていたところが既に出た部分もございますけれども、できるだけ重ならないように御質問をさせていただこうと思います。
 まず、後藤参考人にお伺いをさせていただきます。
 神山町の活性化に向けた取組といいますのは、メディアにも取り上げられて私も拝見したことがあるんですが、全国からも注目をされているところでございます。先ほどの町長の、参考人のお話もお聞きをしていて、希望が湧いてきたなと、このように思いました。
 その特徴といたしましては、中西委員からもございましたけれども、やはりグリーンバレーというNPOを中心に住民の皆さんが自ら能動的に主体的に活動されているなというところがとても印象的でございます。例えばアーティスト・イン・レジデンスという取組があるそうでございますけれども、これは住民の皆さんがこの町に来てくれた芸術家の方の面倒を徹底して見るということだそうで、そうしたところも芸術家の皆さんというのはすごく魅力に感じているというふうにお伺いをいたしました。
 そして、やはりこういう住民の皆さんも巻き込んで、行政のリーダーシップの下、取組をされている、この成功の秘訣といいますか、ポイントを伺いたいなと思います。
 参考人、最初のお話の中でPDCAという部分はどちらかというと苦手ですとおっしゃいましたけれども、私はむしろ大きな意味でのPDCAというのは神山町では成功しているんじゃないかなと。なぜかといいますと、PDCAの回るための必要条件ということで高田参考人が資料をお出しになっていますけれども、そのまず一つ目が目標の共有化であるということで、まさに神山町では、住民の方も含め、行政もまたNPOも目標を共有して、そして必要であればチェックをして、また道筋を修正をしたりもして目標に向かって進んできているのではないかと思います。
 この住民の皆さんを巻き込んだ目標の共有化というところについて、行政の方でどのような工夫をされて、また試行錯誤、努力をされていらっしゃったのか、この点についてお伺いできればと思います。
○参考人(後藤正和君) 佐々木委員さんの御質問にお答えをさせていただきます。
 行政手法として住民をどのように巻き込んでこのような展開をしてきておるのかと、そのポイントをということでございました。
 先ほど来、婦人会消滅と、行政が余りにも重荷を持たせ過ぎて潰れちゃったという反省の下に、でき得る限り住民の主体性、やる気を尊重していこうよと。ただし、行政が突き放したり見て見ぬふりをするのではありませんよと。常に、やる気を引き起こす場合にでもできるだけ控えめな、やる気を尊重しながらというところから始めてきておるということです。限りなく住民の様々なイベントを立ち上げる際にでも参画をし、またイベントのときも参加して、常に、私も含めて職員は必ず行って、住民のあるいはイベントを企画されておる方々の声を聞くということは常々やっております。
 先ほども申しましたように、非常に近い関係にある。狭い自治体ですので、お互いに顔も名前も性格もほとんどの方知っておるわけですから、そこはあうんの呼吸とでもいいますか、そういうふうな環境下にあるということかなと。反省会のとき等々はお酒も一緒に酌み交わして、次につながるような企画等々をそういった場で双方が出し合う。ですから、常に転ぶ雪だるまのように回を重ねるごとにできるだけ大きくしていこうじゃないのという方向性は住民も一つであるということかと思います。
○佐々木さやか君 次に、山谷参考人にお伺いをしたいと思います。
 今の話の関連で、私、先ほど、神山町ではPDCAに関わる専門の自治体職員という方はもしかしたらいらっしゃらないのかもしれませんけれども、大きな意味でのPDCAサイクルというのは成功しているんじゃないかなという印象を受けたんですが、専門的なお立場からどのようにお考えになるかということが一点と、あともう一点、山谷参考人のお話の中で、小規模町村の場合には人的資源、財政資源の部分でなかなか難しいのでNPOを活用すべきではないかというお話があったかと思いますが、これについてもう少し詳しくお聞きをしたいのと、あと、人材不足、また財源の面で困難があるというのは何も小規模の自治体に限らないということもありまして、小規模に限らず、自治体でNPOにこうした行政評価ということを担ってもらうことについてどのようにお考えかという、この二点をお聞きしたいと思います。
○参考人(山谷清志君) 御質問ありがとうございます。
 おっしゃるとおり、やはり神山町は、殊更PDCAと強調しなくてもある程度、かなりの程度成功しているのかなというふうに、お話を伺っていましたら今感じております。これが一点目の答えでございます。
 それから、二点目でございますが、小規模町村は難しいというのはまさにそのとおりでございまして、私の経験でいいますと、やったことがないので何をしたらいいか分からないときに、自治体の方々は、まず最初に考えるのはコンサルタントにお願いすると。
 私、岩手におりましたときに経験したんですが、ある市でございますが、人口六万ぐらいですが、そこの市長さんが行政評価を入れたいといったときに、東京の某大手のコンサルタント会社に見積りを取りましたら、三年で四千万円だと。そうすると、その市長さんはもう仰天しちゃいましてですね。
 その話を聞いたときに我々考えたのは、私は当時、岩手県立大という地方の大学におりましたんですが、いや、そんなに掛からないだろうなという。私の育てていた院生合わせて、社会人院生が多かったんですけれども、どのぐらいでやれるものかなということで、四百万ぐらいでできるんじゃないですかということで、それが実はNPOを岩手で立ち上げたきっかけでございました。
 やはり東京からいらっしゃる方々の人件費やら旅費やら何やらを考えると、四千万という数字は案外むちゃくちゃな数字でございませんで、ただし地元の話には非常に疎い方々がいらっしゃると。他方、地元の大学、地方の大学というのはもう現場のことをよく知っていますし、また現場にいらっしゃいますので、よく分かる。こういう利点がございます。
 ただし、NPOもこのようなNPOになりますと、素人の方が入ってこられても何の役にも立ちませんでございまして、実は私が立ち上げたNPOは最低でも修士号を持っていないと駄目だということでございまして、いつまでたってもメンバーが増えないんでございますが。しかし、地域地域でいろんなところに大学がございますから、そこの大学の先生を中心にNPO的なものをつくっていただいて、その地域のNPO活動を評価を含めてやっていただく、中間支援団体とよく言われていますけれども、それができれば、もう少しこの計画全体もうまく回り、PDCAもうまく定着するのではないかなというふうに考えております。
 以上でございます。
○佐々木さやか君 高田参考人にもお伺いしようと思ったんですが、時間が参りましたので、以上で終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○清水貴之君 維新の党の清水貴之と申します。
 本日は、本当にお忙しい中、貴重なお話を聞かせていただきまして、ありがとうございます。
 私もいろいろお聞きしたいんですが、まずは、これまでにも出ていますけれども、PDCAに係るやはり負担の部分、今回の地方創生の交付金の概要を初めて私見たときに、PDCAというのが入っていて、これがやはり地方にとっての逆に負担になってしまうんじゃないかなというのを最初に思いました。
 予算委員会で石破大臣にもその点を質問させていただいたんですけれども、まずは後藤参考人にお聞きしたいんですけれども、やはり、今担当が一名ということで、この辺り一番最後にお話触れられておりましたけれども、実際どうなのかということをお聞きしたいというのと、そもそもなんですけれども、先ほどもお話ありましたとおり、全く今白紙から何かつくり上げていこうという自治体にとってはかなり時間も掛かって大変じゃないかというお話もありました。逆に、神山町さんのようにもうある程度その形ができているところにとっては、こういったものは逆に不必要じゃないのかなというふうにも感じるわけです。
 となりますと、国としても地方を活性化するために何かやらなきゃいけないというのをみんな多分、一緒に思っているんですが、じゃ、どういう形が一番いいのか、国の役割はどうなのか、地方に負担が掛からず、でも地方が一番元気になれる方法というのをみんなで考えていかなければいけないと思うんですけれども、この辺り、今地方で中心になって頑張っていらっしゃる後藤参考人に是非お聞きしたいと思います。
○参考人(後藤正和君) 清水委員さんの質問にお答えします。ありがとうございます。
 地方創生の計画の中で、特にPDCAサイクルを導入するということはかなりの負担になるのでないのかということでございますが、まさにそのとおりと。PDCAの習慣というのもほとんどゼロに等しい状況下で我が町は来ております。先ほど来申しましたように、特に数値、これ成果の話に当然五年間でなってくるんだろうと思いますけれども、これが上がらないと逆にマイナスのというふうなことになったのではよろしくないなというふうに思っております。
 今回の、特に商品券とかいろいろ使っておりますね。当時情報が入ってきたときは、使い勝手のいい交付金であるというふうな印象を持っておりましたけれども、いざといったときにかなり縛りがあるように感じました。なかなか短期間で、生活支援の部分は特に限られてくるなというふうな、まあ創生型はまた少し時間がございますけれども、そういう感じがいたしましたですね。
 ですから、今回の交付金に限らず今後の交付金につきましても、自由度の高い、でき得る限り、そういったものが地方にとっては望ましいかなというふうに思います。
○清水貴之君 その自由度の部分でもそうなんですが、ある程度国がサンプルなども示しているのでということだったんですね。ですから、全くゼロからではなくて国がある程度の方向性を示すという話なんですが、となると、サンプル例があるということは、ある程度一つの方向性に、同じような事業に集中してしまう可能性もあって、新しい自由な発想というのが今度は生まれにくいんじゃないかなともこれは思ってしまうんですね。
 その辺りをこの交付金を見たときに私は危惧をしまして、神山町さんはもう完全に今独自の視点で先行されてやっていらっしゃるというところから、こういう交付金を使いながら、でもやはり地方創生を進めていく、それぞれ今いろいろ自治体も悩んでいると思うんですね。その自治体に対して、どういった発想で、どうしたら本当に地域が元気になっていくのを自由な発想で、ある程度形が決まっていない、新しいものを生み出していくのかと、何かいいアドバイスなど御経験からありましたらお話しいただければと思います。
○参考人(後藤正和君) アドバイスがあればということですけれども、それはもうそれぞれの地域で課題が違いますし、やはり危機感をどれだけ抱いて事に、解決に当たるかと、その思い一つじゃないですかねと思います。
 先ほど佐々木委員もおっしゃいましたけれども、共有、意識といいますか、これはもう危機感が全てだと。ですから、神山町は人口がこれだけ落ち込んでいますし、高齢化率も四七%ということですから、もう前を向いた施策を打つ以外にない、一歩前へ、そういう意識の共有がまず図られていると。
 ですから、全国自治体に対してアドバイスというようなことは多分ないであろうと、危機感の共有しかないと、それは今後の人口シミュレーション等々を参考にすべきと、こういうふうに思います。
○清水貴之君 ありがとうございます。
 そのPDCAの負担についてなんですが、高田参考人にもお聞きしたいと思います。
 地方創生は、中小企業の売上げ拡大、これは大事だというのは、これは私も同感です。地方には様々な中小企業があって、地場産業があって、ここが活性化していくというのが地方創生につながっていくと思いますので。ただ、やはり、高田参考人が以前いらっしゃった会社のように大きな組織でしたらそういったことも可能かも、それぞれ担当の部署があったりとか専門家がいたり、ということも可能ではないかと思うんですが、やはりなかなか中小企業ではPDCAに係る人材、この辺りが不足しているんじゃないかなとも思うんですが、その辺りについてはいかがでしょうか。
○参考人(高田坦史君) PDCAにお金が掛かるというのは、私は必ずしもそういうふうに思いません。お金はもちろんあるレベルで、例えば研修、そういうことを理解してもらうための、そういう教育のための費用だとかそういったものがあるなら別ですが、そういうもの以外に、PDCAというのはあくまで考え方ですので、これをどういうふうにして皆さんの頭の中に入れるのかというか、それをどういうふうに実行するかというのは、別にこれお金は要らないんですよね。
 ただ、先ほど申し上げましたが、仮に委託をしていくなら、例えば神山町の場合は、極めてそれが、多分、後藤町長が極めて行政手腕が優れているというのか、要は民間をうまくマネージして、どうやったら動くのかということを御存じで、それをやり遂げたというふうに私は理解をします。要は、ビジョンをもちろん持って、目標をしっかりと提示して、それに共有化してもらえるようなというようなことをやってこられたと思うんですね。
 したがいまして、それがあれば、あとはやる、改善ですから、これが仮にうまくいかないならばどういうふうにしていったらいいかという、この辺のハウツーですよね、この辺のツールということですので、それをどういうふうにするのがそれぞれの人たちのそういうことに対する前向きな取組をしていけるのかどうかというような、その辺の気持ちの持ち方とか、別に難しい話をPDCAというのは言っているわけではないんですよね。
 したがいまして、いずれにしても結論的にはお金はそんなに掛ける必要は全くないというふうに私は思います。
○清水貴之君 ということは、その企業のトップの方なり担当者の方なりの意識の変化が大事なのかなとも思うんですけれども、となると、その意識の変化に向かせるための、向いてもらうための、まあセミナーをするのか本を読んでもらうのか何か知りませんけれども、全く、そんなことがあるのという状況では何も変わらないと思うんですよね。その変化に向けていくため、この思いというのが大事かなと思うんです。これはいかがでしょうか。
○参考人(高田坦史君) おっしゃるとおりでして、例えば前職場でも、例えば販売系の職場と物を作って生産しているというようなそういう職場とは若干違っていまして、いわゆる製造、物づくり系の職場では、例えば、一件何でもいいから改善の提案があったらそれを認めるといいますか、認め方は、例えば百円というような金券を与えるとか、当時五百円だったと思いますけれども、何でもいいんです、提案は。というふうなことをやったり、あるいはいろいろな表彰をやってみたり、そういう意味で社内に根付かせるためのいろいろな仕組みがありました。
 私は販売の方だったものですから、ある意味では、合併した後にそちらの方の部署に、部署にといいますか場所に行きまして、そういうことがやられている、あるいは合併後、販売の方でもそういうこともやられるようになりました。それが結果的には改善のマインドを定着させることに極めて有効だったというふうに思います。
○清水貴之君 もう一点、中小企業に関してお聞きしたいんですけれども、中小企業には様々国からの補助金などが、援助の仕組みがあって入っているところもあるかと思うんですけれども、じゃ、その辺り、実際どう有効活用されて、どう結果が出ているのか、効果が出ているのかという、その辺りの評価なんですけれども、実際はどこまでできていて、どう生かされているものなんでしょうか。
○参考人(高田坦史君) 例えば、先ほどの共済の例で申し上げますと、あれは別にお金が要るわけじゃないんですね。単純にそういうような考え方をしていけるのかどうかという、改善のためのですね、考え方をどこまで実際実施するのかというようなことで、ですから、これはそんなにお金が掛かるわけじゃありません。
 ただ、例えば、今、先ほど申し上げたEコマース、これを徹底的にとにかく身に付けないと世の中全体に遅れていく可能性がある、デジタルデバイドが起こるぞというようなことを私はずっと申し上げていまして、そのために、気付いていただくため、あるいは実際にどうしたらいいというようなところまで、具体的な研修事業ですね、これは確かに我々はお金をいただいて、税金いただいてそれで実行して、多くの方々に分かっていただくようなことをやっております。
 あるいは、それだけでは多分、実際に集まっていただきながらその研修をやるというのは十分な人間の数、こなせませんので、いわゆるeラーニング、こういったものを用意して、具体的にネットで分かるような、そういうふうなことも現在今やっております。十分ではありませんが、そういうこともやっております。
○清水貴之君 ありがとうございます。
 山谷参考人にもお聞きしたいんですが、サンプリング的な調査、期間の話なんですけれども、五年から十年程度掛かってしまうということなんですが、結構な時間になってしまいますよね。しっかりと細かく分析してとかなるとそこまで掛かるかもしれないと思うんですが、今、世の中の動きが速い中ですから、やはりどんどんどんどん毎年度毎年度進めていかなければいけないこともあるかと思うんですね。その辺り、時間の問題についてお話をいただけますでしょうか。
○参考人(山谷清志君) やはり活動して、それが結果を生み、その結果が社会に出て、いろいろ動きがあって成果が出るという、こういう段取りでいきますので、どうしても三年ないし四年ぐらいは調査に時間が掛かるというふうに感じております。もし単年度でいくとしても、人を対象とするサービス、教育、医療、福祉、なかなか成果が出ませんので、結局は、活動指標といって、これをしました、あれをやりました、これに幾ら予算が付きました、予算はこういうふうに使いました、これで終わってしまうんですね。
 政策評価の最悪の部分がまさにここのところでございまして、お役所が、私はこれをやりました、あれをやりましたという活動報告的になってしまいまして、そうすると、やはり選挙で当選される首長さんは何か変だなと思うらしいんですね。まさに変なんですね。やったからどうなったのかという話が続いてきませんので、やはり三年は是非見ていただきたいなというふうに考えております。
○清水貴之君 図で紹介いただきました、図の二の方ですけれども、国と地方自治体がパートナーシップを結ぶという、これは非常に重要かなと思いました。大きな方策、方向性というのを国が示して、これを見ますと、地方自治体はある程度細かく、もうちょっとその地域地域に合った施策を考えていくとか、こういった話かなとも思うんですけれども。
 逆に、でも、図一の方では、現時点では上から下へというような流れになっている中で、ここもいろいろと変えていかなければいけない部分があるんじゃないかなと思うんですが、この辺りについてはどう変えていけばいいと思われますか。
○参考人(山谷清志君) これが非常に大事なポイントでございまして、また先ほどの男女共同の話を持ち出しますが、三〇%とか、いろんな大目標があるわけですね。しかし、実態として現場で何が起きているかといいますと、四十七都道府県と今二十になりました政令指定都市、全部調査をしたんですけれども、そこに、例えば男女共同参画センターとかああいうところに事業仕分が入ってくるわけですね。あるいは行政評価でコストの削減が入ってくるわけですね。そうすると、人を削る、あるいは削れない場合はNPOに言葉は悪いですが丸投げして、それで経費を浮かせる。NPOは、安かろう悪かろうではないんですが、やはり余り御経験のない方々がそこでいろんな女性の自立支援みたいなもののアドバイスをしたりするんですが、実は素人だと。これが出てくるんですね。
 ですから、ある意味すばらしい大目標がある、しかし現場ではどうなっているのかを調べていただく必要がございまして、まさにこの創生の話も同じことだろうと思うんです。すばらしいことです。政策としては最高なんですが、じゃ、現場で、市町村レベルで、あるいは地元の中小企業でどうなっているのかと、これを是非調べていただかないとなかなかこれはうまく回らないのではないかなというふうな危惧をいたしております。
○清水貴之君 ありがとうございました。
 以上で質問を終わります。
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子でございます。
 今日は、三人の参考人の皆さんに御意見をお聞かせいただきまして、ありがとうございました。
 私も京都選挙区選出なんですけれども、ふるさとは福島県の西会津というところで、大変山合いで、もう一年に集落で一割ぐらいの人が亡くなっちゃったというようなこともあって、限界集落も限界というような状況なんですね。改めて青森の様子、御紹介ありましたけれども、まさにそういう状況になっております。
 地方経済の疲弊、人口減少ということが、これ言われて本当に久しいと思うんですね。そもそも本当に考える必要があるなと思っているのは、なぜこうした事態が起こったのか、その原因については、時間がなくなってしまうといけませんので、端的にお三方がこれが最大の原因じゃないかと思っているところを御紹介いただけたらなと思います。
○参考人(後藤正和君) 倉林委員さんの、非常に、これ端的にとおっしゃられますけど、様々な要因があろうかと思います。
 端的にと申しますと、やはり人間は欲は大きいものですから、常に上を見たいということが最大の原因でなかったのかなと。それは日本の高度経済成長に、まさに冒頭申し上げましたけど、地方の人口が吸収されていったということでないですかと。ですから、一次産業は、従来型の農林業、田舎の農林業はもう壊滅状態ということでしょうと思います。
 だけど、最近の都会の若い人々のアンケート調査を見ますと、地方に暮らしてみたいという方も六割を超えるほどの方がいらっしゃるというふうに、価値観が、あるいは人生の暮らし方の質とでもいいますか、これがかなり変わってきたのじゃないですかと、バブル崩壊以来、というように感じます。
 ですから、何を求めているのかなと、若い人が、というふうなことを思います。ですから、安心とか安全とかきずなとか、そういうようなものを様々な災害の発生等によって経験されたんでないのかなというような気がします。ですから、まさに田園回帰ということは、非常に地方創生にとって大事なことかなと思います。
○参考人(高田坦史君) 端的に申し上げますと、基本的にそのエリアにある企業、多分中小企業が多いと思いますが、その中小企業の皆さんの売上げが多分減っていく、減っていくということが結果的に職場として魅力をなくすというようなことにつながっていると思うんです。あるいは、雇用吸収力がどんどんなくなってきます。したがいまして、私は、要は働く場が魅力的でない、ないしはそれだけ雇用できるだけの力がなくなっていくということが原因だというふうに思います。
 以上です。
○参考人(山谷清志君) 若干違う視点で申し上げたいんですが、今大学の教員をしておりますので若い人たちと日常的に接しておりますが、若い人はできれば地元に帰りたいと思っています。広島の世羅町というところから来ている学生も帰りたい、しかし職場がないと、こういう状況でございまして、ちょっと最近、ですからこれが変わってきたわけですけれども。
 昔から考えてみますと、やはり、私も青森高校出身なんですが、東京の同窓会の方が出席者が多いという、まさにこれが何十年も続いてきて、結果としてこれになっている。そこに、先ほど私が申し上げたように、今の大学生、京都の同志社大学に来ていますけれども、できれば広島に帰りたい、できれば青森に帰りたい、しかし職がない。こういう相乗効果的なものが発生しているのかなと。
 したがって、今回のこの計画、戦略ですけれども、地方の大学を重点化する、プラス地方の中小企業を大事にお考えいただくという、これは正解なんですが、その仕組み、プログラムをどううまく回していくかというところが結構厳しくて、私も大学の教員なので現場のことは余りよく分かりませんが、青森で倒産した中小企業を随分脇で見ていますけれども、まさに高田参考人がおっしゃったような状況なんだろうなと、はたで見ていますと感じます。
 ちょっとお答えになっていませんが、よろしくお願いします。
○倉林明子君 本当に地域経済疲弊の要因の核に、やっぱり仕事がない、食えない一次産業になった、それは本当に大きく背景としてあったと思うんですね。
 その上で、改めて近年取り組まれてきた地方の分権化とか地方の活性化ということ、いろんな取組をやられてきたんだけれども、私、改めて評価をお聞きしたいなと思っているのが、この間行われてきた三位一体改革、それから平成の大合併ということで施策が取られてきたんだけれども、私は、これは一つ、やっぱり地方にとって弊害は大きかったんじゃないかというふうに思っているんですけれども、御意見を後藤参考人と山谷参考人に、済みません、お願いしたいと思います。
○参考人(後藤正和君) 三位一体の改革では、補助金カット、交付金カットというような流れがありましたけれども、これは財源の乏しい地方自治体にとりましては随分こたえましたねということです。その後、若干地方交付税については盛り返してきておるということで、この流れは有り難いなと思いますが、将来は多分また落ち込むであろうということを予測しながら財政運営していかなければならないと、このように思います。
 合併は、実は結果から申しますと、合併はしておりません。単独でございました。なぜかということですけれども、実は対象自治体が合併しないという意思表示を早くから出しておられたということであります。当然神山町は、そのとき相手がいて合併していたとしても、相手が大きな自治体ですから吸収される図式になります。周辺部は、現在の状況を見てもお分かりのとおりだと思います。ですから、なかなか、合併しなくて今は良かったのでないのというふうに感じています。
 以上です。
○参考人(山谷清志君) 地方自治体の合併の狙いは、いろいろな合併をした結果として、専門的な知識を持つ自治体の職員さんが確保できるんではないかなというところにございまして、まさしく、私の専門であれば行政評価に関する専門の職員さんも多分出てくるだろうというふうに思っていたのですが、案外そうでもなかったという。案外そうでもないところに介護保険とか子ども・子育て計画とか障害者計画とか、いろんな計画が国から降ってくる、その中でもう大変な状況なんだろうなというふうに。
 そういう意味で申し上げますと、当初語られていたように合併で何かいいことがあるかというと実は案外そうでもなかった。むしろ大変になったという、自治体の面積が広がってしまったり、大変になってしまって、実態としては結構厳しいのかなと。特に災害がある場合は結構厳しゅうございますね。
 そういう意味でいいますと、三位一体の改革というのは、正直申し上げまして、私の青森もそうですが、中小企業が結構大変でございまして、あれも厳しゅうございました。
 以上でございます。
○倉林明子君 山谷参考人に、先ほど御発言されていたところでもう少し踏み込んでおっしゃっていただきたいなと思いますのは、行政評価が行革とセットでやられてきたという経過を、私も京都で市会議員しておりまして、二〇〇〇年に行革大綱と一緒になってこのPDCAサイクルというのが持ち込まれたということで、すごく記憶しているんですね。やっぱり事業のスクラップ・アンド・ビルドの手段としてすごく使われてしまったということで、PDCAサイクルが民間経営の場合に有効に働くということとちょっと違う使われ方もしてきたんじゃないかと思っているんですね。その点での先ほど御紹介もあった辺りというところをもう少し踏み込んで御紹介願えればと思います。
○参考人(山谷清志君) まさにおっしゃるとおりで、二〇〇〇年頃から行政のスリム化とか行革の名目でPDCAが盛んに進められるようになりまして、正直申し上げまして、それ以前とそれ以後が全く違うものでございます。
 ですから、政策評価として導入された九七年、八年、この時代は、夢を語る、新しい政策、今までとは違ったものを。ですから、当時はいろいろ、地方で県立大学をつくるとか、あるいは高校に新しい科目を設置するとか、いろんな形で夢を語る部分で、今までの行政資源をその夢の部分に集中的に投入する、そのために政策をもう一回見直そうというふうな形で特に東北では行われていたんですが。
 二〇〇〇年以降、やはりいろんな形で行政の財源が厳しくなりまして、スリム化、シェイプアップ、そして事業仕分が入ってきまして、削り代がもうないところで乾いた雑巾をまだ絞るのかという、そういうところが出てきまして、当時いろんな都道府県の方々あるいは市町村の方々と交流がございましたんですが、結構やはり厳しゅうございまして、そこまでやるのかという、そういう形で受け止められていて、なおかつ今現在もその傾向で、多分、皆様方に事前の資料で私の論文がお手元にあるかと思いますが、実はその辺りの話も少し含めて考えておりました。
 結果として、政策評価が行政評価に行き、行政経営マネジメントに行き、今現在何が起きているかというと、公会計制度の導入。これは愛知県庁なんですが、全てにコストを当てはめてやっていって、いろいろ学校やら資料館やら、そのコストをきっちり積み上げてやっていく。削り代、切り代を探していくわけですね。しかし、果たしてそれがこの事業に付いているコストなのかどうか、なかなか難しいのがあるんですが、それも切ってしまう。そういう仕組みにせざるを得ない社会的な風潮が今現在ございます。
 ですから、行政が悪いとか、例えば今たまたま愛知県庁を出しましたが、愛知県庁が駄目なのかというとなかなかそうではなくて、社会全体の風潮がそちらの方に行ってしまっているのではないかなというふうな危惧を持っています。
○倉林明子君 終わります。ありがとうございました。
○行田邦子君 日本を元気にする会・無所属会、行田邦子です。よろしくお願いいたします。
 今日は、お三方の参考人の皆様には貴重な御意見賜りまして、ありがとうございます。
 まず初めに、山谷参考人に伺いたいと思います。
 この度の地方創生におきましてはPDCAサイクルを構築していくということがうたわれていますけれども、私のPDCAというイメージ、印象でいいますと、個々の施策やまた事業に対して、その掲げている目標に向かって効率的に、また効果的に行われているのかというチェックをして、そしてまた計画の修正をしていくというような、個々の施策や事業のチェックというような印象が強いんです。言ってみれば、マネジメント型のPDCAという印象なんですけれども。
 ただ、この度の地方創生で求められているPDCAサイクルというのは、例えば総合戦略そのものを見直していったり基本目標そのものを見直していくというような、もう少し上位の部分でのPDCAというサイクルが求められているのかなというふうに思っております。
 そこで伺いたいんですが、今申し上げた施策、事業などのマネジメント型のPDCAと、それからもう少し上位概念的なPDCA、戦略そのものを見直すようなPDCAとの違いについて教えていただけますでしょうか。
○参考人(山谷清志君) まさにおっしゃるとおりでございまして、物すごく大きな戦略に関して、これもPDCAは使えますし、もちろん使うはずなんです。他方、非常に小さな個別の事業もPDCAで回していくという。本来、これは実は質的にはかなり違うものなんだろうと思いますが、使っているうちに、言葉が便利なものですからどちらでも使われるようになってきたと。
 そういう意味でいいますと、大綱とか基本計画とか戦略というのは、実はもう少し上位概念で大きな抽象的なものですので、そこはもう少し違った仕組みか何かを考えられてもいいのかなという気分はあります。これは国際的にもそうでございまして、そこにまさにストラテジーがポリシーだという感じで諸外国ではイメージされております。
 PDCAはプロジェクトレベルにちょうどぴったりくるという、そういうイメージでございます。
○行田邦子君 ありがとうございます。
 私自身も、ちょっとそこら辺混同しがちかなというふうに思っております。
 続きまして、後藤参考人と山谷参考人に伺いたいと思います。
 まち・ひと・しごと創生本部が示しているPDCAサイクルの基本的考え方というのがあります。地方版総合戦略を地方自治体が策定をして、そのときのPDCAサイクルというのがどのようなものなのかという考え方を示しているものなんですが、そこでは、検証機関についてなんですが、できる限り外部有識者を含む検証機関を設置することというふうになっています。
 そこで伺いたいんですが、この検証機関がうまく機能するためには、そのためのメンバー構成というものはどのようにあるべきなのか伺いたいと思います。内部の方、また外部の方、外部の中には住民あるいは有識者といったこともあるかと思いますけれども、どのようなメンバー構成にすることがよいのか、教えていただけたらと思います。
○参考人(後藤正和君) ちいちゃな自治体の上で、先ほど来申しておりますPDCAサイクルそのものの考え方が、地方自治体あるいは神山町の中でどれだけ今日までにもう理解されているかということかなと思います、制度として。
 この状況の中で、地方創生本部がPDCAサイクルの考え方ということを打ち出されていますけれども、メンバー構成についても、外部、内部含めて、住民もあるいは有識者を含めて構成は当然取るべきだと思いますけれども、果たして現段階の中でこのPDCAサイクルの考え方が余り理解されていない以上、そんなに大きな、私の町にとりましてですよ、意味を持つのかなというふうに思います。
 例えば、人口増というような観点に立ちますと、何人増になったということでは、数値では分かりますけれども、全くそういうデータに出てこない分野が実はたくさんある。それから、長いスパンを伴わなければ成果の出ないものもたくさんある。先ほど来話に出ております福祉や教育や等々はなかなか測りづらいだろうという中から、非常に難しいのでないですかと、私の町では、というふうに思います。
 ですから、目の通るというか目の見える範囲でのちっちゃな社会ですので、それでいいんじゃないですかと言いたいのが本音です。
○参考人(山谷清志君) 今のまさに後藤参考人がおっしゃったことは真実だと思います。やはり、地元の住民の方の目が届くところであれば、特段そんな何か別につくるという必要はないのかもしれないと思います。
 ただし、都道府県レベルとか、あるいは国のレベルでいえば、やはりいろんな外部の方々の目でチェックしていただくというのが当然必要になろうかと思いますが、そのときのメンバー構成でございますが、政策評価、十五年ぐらい見てくる中で感じたのは、ある省でございますが、二十人ぐらい外部の有識者の方をお呼びになられて、いろんな方々入れて様々な目線で議論していただくんですが、これは全く議論にならなかったなという思い出がございます。
 他方、今現在は、内閣府、外部有識者をしておるわけですけれども、これは評価の専門家は四人でございます。実際の中身は評価の専門家ですので余りよく分からない。しかし、評価としてどうなのかという議論はできます。そういうメンバー構成で何を見るかというのがはっきりしてくると思います。
 経済産業省も政策評価は有識者会議やっているんですが、三人おりまして、私が評価の専門家で入りまして、残りのお二方は経産省のいろんな政策の分野にお詳しい方々なんですね。こういう感じでいくと、案外バランスの取れた中身のある議論ができるのかなというふうに思っております。
○行田邦子君 ありがとうございます。
 次に、高田参考人と、また山谷参考人に伺いたいと思います。
 この地方版総合戦略の中でのPDCAなんですけれども、数値目標そして指標を設定するようにということになっています。
 そこで伺いたいんですが、基本目標のアウトカムに係る数値目標、また、KPIですね、施策ごとのKPI、指標設定を行う際に、その際の注意点や、また犯してはいけないことというか、留意点などがあればお聞かせいただけたらと思います。
○参考人(高田坦史君) 具体的な場面を私も、例えば今のお話だけですと想像できない面がありますけれども、基本的には、具体的に、ある、先ほど申し上げた仮説というのがあります。この目標を達成するためにこういうことをやっていくんだと。そのときに、それぞれの場面といいますか部分で、具体的なある成果といいますか、こういう結果が出るはずだみたいな、そういうのはKPIと例えば呼びます。そうしますと、その辺の連鎖という形で最終的にこの目標が達成されるというような、そんな形になると思うんですね。
 したがいまして、結局のところ、目標というのが、プランのところ、これが到達すべき、あるいは実現すべき具体的な目標、例えば人口減少を止めるんだとかいろんなことがあり得ますけれども、それがあるとしますと、それをどうやってやるんですかというところの具体的な方策が具体的でないといけませんよね。したがいまして、そこのところの、具体的であれば、その具体策に応じながらKPIというのは設定できる。したがいまして、要は、方策について具体的にどこまでやれるのかが一つのポイントだろうというふうに思います。
 以上です。
○参考人(山谷清志君) まさに今、高田参考人がおっしゃっていたところも評価では非常に重要な部分でございますが、分かりやすいお話で申し上げますと、例えば男女参画の三〇%女性がという、なぜ三〇%なのかと。恐らくは何かの背景の理由があって、それで三〇%と、リーズナブルで達成できる目標だとお考えになられて三〇%が出てきたんだろうと思うんですね。
 ですから、余り夢みたいな話をされても困りますし、しかし、現状値で維持という話も困りますし、そこら辺のところを勘どころが分からなければいけないんですが、これが分かる方は現場に詳しい方が非常に分かりやすいと。
 それを国全体で考えたところでいきますと、人口が全体として減っているのにこの数字でいいのかどうかというのはまた出てくる可能性もあります。
 そこら辺で非常に、ちょっと勉強しなければいけないような数値目標の設定、なおかつ、このぐらいの予算でこのぐらいの事業でそれが本当にできるのかどうか、自立ということであれば、国からの補助金がなくなってもサステーナビリティー、持続可能性があるかどうか、そういうふうなレベルでいろいろお考えいただくと。まさに、考えていただく人材が地方にいるかどうか、これが非常に大事なポイントになろうかと思います。
○行田邦子君 ありがとうございます。
 続きまして、また山谷参考人に伺いたいと思うんですけれども、先ほどの御意見を伺っていまして感じましたのが、評価手法あるいは評価そのものを評価することも必要なのかなというふうに思いました。すばらしい政策、そしてまた目標を掲げているにもかかわらず、それを評価する手法が間違っていると非常に問題があるということで、男女共同参画の例などを挙げられたかと思います。
 この評価手法そのものを評価する必要についてはどのようにお考えでしょうか。
○参考人(山谷清志君) 評価の評価というのはございます。
 例えば、政策評価の制度そのものでいえば、総務省行政評価局が客観性担保評価というのをやっていまして、お手盛り評価にならないような視点で評価を評価していると。それから、私が所属している日本評価学会というのもございまして、ここでもその評価の手法について、こういうやり方じゃなくてこれもありなんじゃないかとか、つまり定量分析じゃなくて定性分析で、特徴に注目してその変化をずっと見ていくという、こういうやり方もいろいろありますので、それは、アドバイスするというのもございます。
 まさに、はさみと同じだとお考えいただければいいんだと思うんですね。料理ばさみとか紙を切るはさみとか裁ちばさみとか洗濯ばさみとか、いろいろございますが、それをうまく使いこなす能力、ノウハウを身に付けていただいて担当者がやっていただくと間違った評価にはならない、こういうことでございます。
○行田邦子君 ありがとうございます。
 時間ですので終わります。
○和田政宗君 次世代の党の和田政宗です。
 本日は参考人の方々、本当にお忙しい中、ありがとうございます。
 私は、まず、東日本大震災の復興事業のPDCAと評価について参考人お三方にお聞きできればというふうに思います。
 現在、被災地の沿岸部では復旧の名の下に巨大防潮堤事業が推進されています。この事業は全く費用対効果が考えられていないという問題点があります。そして、建築費の高騰だけではなく、設計ミスであっても追加費用負担は出し放題ですし、さらに、人が高台移転して住まない地区に十四・七メートルもの高さで巨大防潮堤を二百三十億円掛けて造るという、何を守るのかも不明確な事業です。
 復旧事業ということで環境アセスメントも全く行われず、過去の北海道南西沖地震の津波で大きな被害を受けた奥尻島の事例を行政が全く教訓にしていないという問題点もあります。奥尻島では、震災復旧事業として巨大防潮堤を建設したことにより、地下水の流入減少による海のいそ焼けにより主要産業の漁業が駄目になりまして、その後、観光産業も駄目になり、町の財政が圧迫されるという経過をたどっています。これが北海道南西沖地震の津波から二十年後の姿なわけですけれども、これを教訓にしなければ、東北の被災地沿岸も同じような状況になるというふうに思います。
 これ、東北の主要産業の漁業が駄目になりましたらどうなるか。また、コンクリートむき出しの巨大防潮堤が万里の長城のように東北沿岸に巡らされるわけですから、景観上もむちゃくちゃになり、観光も打撃を受けるというふうに思います。私は実は、安倍総理のおっしゃられる美しい国日本、こういった考え方は推進したいというふうに思っている一人なんですけれども、これでは美しい日本ではなくなってしまうというふうに思います。
 この防潮堤事業をどのように行政で立案されたかということを考えてみますと、震災の年の七月に、頻度の高い津波、おおむね百年に一回の津波は海岸保全施設等、すなわち防潮堤等で防ぐという国の方針が出たことにより行われているわけですけれども、海岸保全施設等、これ、などと述べておりますのに、ほとんどの地区では防潮堤のみで津波を防ぐ形になり、複合的に防潮堤や防潮林を組み合わせて津波を防ごうというのは住民の猛反対に遭って変更した一部の地区のみです。
 その僅かしかない変更地区の一つが宮城県気仙沼市大島の小田の浜という海岸なんですが、当初、十一・八メートルの巨大防潮堤のみで津波を防ごうというものでした。この小田の浜、環境省の快水浴場百選で全国二位にも選ばれたこともあり、観光で生きているところです。そこに十一・八メートルの防潮堤を造るというわけですから、猛反発が起きたわけです。
 この地区を含めまして、宮城県北部の巨大防潮堤は事業主体が国ではなく宮城県なんですけれども、宮城県の巨大防潮堤建設における手法なんですが、これ、住民の意見を抑え付けたり分断してでも造ろうという強引なものでありまして、もし私が巨大防潮堤の見直し派でなく推進派だとしても、これやり過ぎだろうというふうに思える手法ですね。
 ただ、この小田の浜は、住民も島全体も一致結束して反対をしたために、宮城県の方は当初の高さでは造れないというふうに諦めまして、防潮林との複合プランを提示しました。防潮堤の高さ、震災前、原形復旧の高さ三・五メートルとなりました。これで予算、実は三分の一になったわけですけれども、もし住民が猛反対をしていなければそのまま三倍の予算でとてつもなく大きな防潮堤が造られているという状況が生まれました。
 この小田の浜のように宮城県が代替案を示すことはごくまれでして、住民が県に対して改善案を求めたのに全く代替プランが示されず、押し切られた地域というのが幾つもあります。
 実は、私は防災の研究者でもありまして、震災前から各地の津波防災の歴史を調べているんですが、今回の巨大防潮堤建設については持続可能な津波防災という観点からも大いに疑問があるというふうに思います。
 コンクリートの耐久性ということを考えた場合に、コンクリートの寿命というのは大体六十年、もって八十年くらいです。一方、稲むらの火の物語のモデルになった和歌山県広川町の広村堤防、これは江戸時代の安政南海地震津波の教訓を受けて造られたわけですけれども、防潮堤を土塁で築きまして、木を植えて強度を高くし、その後の昭和南海地震津波でも町を守りました。また、宮城県沿岸においても、仙台藩祖伊達政宗公が、今から四百年前の一六一一年に起きた慶長の大津波、これは今回の震災の津波と同規模であったと推測されますけれども、沿岸一帯に松を植えて防潮林を造りまして、日本一の運河も造りまして、それらは今回の津波でも減衰効果をもたらしました。
 こうした考えを今回の震災復興で取り入れましたのが宮城県の岩沼市でして、コンクリートの防潮堤は結局朽ち果ててしまうのだから、土で丘を築いて、木を植えて、強固な避難場所にしていこうという千年希望の丘という事業を海岸の近くで行っています。このように、結局コンクリートの防潮堤は何十年か後に朽ち果ててしまいまして更新に膨大な費用が掛かるということで、独自に手を打っている市町村もあるわけですが、このようにごく一部なわけです。
 そして、復旧事業で真に命を救うというのであれば、高台に逃げられる避難道を整備したり、避難道を広げて逃げやすくするといった手を打つべきで、それでも間に合わない場合に時間稼ぎをするための防潮堤を造るという形になるはずなんですが、今回の震災復旧の事業では順序が逆になっております。それもこれも、復旧の名の下で行われている巨大防潮堤事業については国費で一〇〇%賄われるわけです。本当に必要のない高さと予算であっても、県としては、とにかくもらえるものはもらっておこう、造れるものは造っていこうという考え方になるわけです。今月になりまして、竹下復興大臣が復興事業について、基幹事業でないものについては自治体に一部負担を求めると発言しておりますが、私は本当に必要な事業とそうでない事業を精査するためにもこれは当然のことだというふうに思っております。
 この巨大防潮堤事業については、先日、仙台で開かれた国連防災世界会議で各国の専門家や政府関係者とも議論をしましたけれども、ほとんど全ての海外の研究者、政府関係者、これはちょっとおかしいなと、このままではおかしな復興になるぞというふうに述べておりました。
 そこで質問をしたいというふうに思いますけれども、私は、復興事業については総合的にはいい評価というのはしているんです。ただ一方で、問題点については、この巨大防潮堤を含めて改善しなくてはならない点というのもまだまだ多いというふうに思うんですね。参考人の方々、それぞれの分野で専門家でいらっしゃいますから、どのように考えているかというところをお聞きできればというふうに思います。
○参考人(後藤正和君) 非常に大きな問題かと思います。
 実は、気仙沼大島につきましては、神山町はこの大島へ投入させていただきました。その後の復旧がどのようになっているかということについてはそれほど存じ上げているわけではございません。いち早い復旧を望むばかりでございますが。
 あれだけの大規模災害でございました。PDCAの中で、Pの段階で被災者である住民がどれだけこの段階で参画できたのだろうということに尽きるのでないのかなというふうな感がいたしております。それでよろしゅうございますか。
○参考人(高田坦史君) まず、今のお話お聞きいたしまして、なぜそういうふうになったのかということについては私もつまびらかに当然存じ上げないわけでありまして、要は結論でいきますと、このPDCAの話とちょっとなじまないなということで、どういうふうに答えたらいいかちょっと迷うところでありますけれども、基本的には、これは政策的な一つの、考え方はいろいろあると思いますけれども、この考え方を採用したんだというふうなことだと思います。
 そういった意味で、それをだからいかにうまくやるのかというのが元々のPDCAの概念でありますので、済みません、答えになっていないかもしれませんが、なかなかどういうふうにしたらいいかみたいなことについてはお答えできないということであります。
○参考人(山谷清志君) まさにその御質問の趣旨、内容でございますが、実はいろんな国の文献に出てくる評価のポリティックスというものがございまして、それにまさにぴったりのお話でございまして、いろんな意見があっていろんな議論をすべきなんですが、緊急性が高いとかすぐ何かしなきゃいけないというときにその議論を押し切ってしまう場合がありまして、ですから、今の場合でも、事前にきちんと事前評価をして議論を尽くす、これは本来のやり方なんですが、実はそういうふうにならなかった。
 ならない場合に何が起きるかというのが実は二つございまして、一つは、事前評価を一応やるんですが、コスト・ベネフィット・アナリシスとかやるんですが、このコスト・ベネフィット・アナリシスも非常にいろんな手法がございまして、どれを取るかによって全く違う結論が出てくると。多少昔の古い話で言いますと、十年ほど前ぐらいまでは、例えば旧建設省バージョンのコストベネフィットがあり、旧農水省バージョンのコストベネフィットがありと様々なものがあって、その基準もまたそれぞれ別々と。ですから、そこでまずそのポリティックスが入ってくるわけですね。
 それから、もう一つなんですけれども、三陸の復興の場合で今一番問題なのは、仕事をすぐ進めなきゃいけないのが一つなんですが、もう一つは人が足りない。全国からいろんな形で公務員の方々助けに入っているわけですけれども、この間、岩手県の職員の中堅の方に聞いたら、それでも足りないと。具体的にどのぐらい足りないんですかと言ったら、岩手県庁で百人ぐらい足りない。まさに、ですから、人が足りない中で時間を掛け熟議をするという余裕がないというのが今現状の評価のポリティックスが起こる背景にあるのではないかなというふうに感じております。
○和田政宗君 ありがとうございます。
 では、もう一点、地方創生の観点から、高田参考人にお聞きできればというふうに思います。
 地域に大企業が進出したときに、地域の企業がどのようにその進出企業の事業に参画していくかという観点でお聞きしたいというふうに思うんですが、宮城県にもトヨタ自動車東日本がございまして、何とか宮城県の企業は部品納入、部品製造等でトヨタさんと一緒にやりたいというようなところもあるんですけれども、結局そのレベルにはまだ至っていないというところで、そこを引き上げていくということにも時間が掛かるというふうに思うんです。
 今、結局、愛知や東京からそういった部品、資材などを調達しているわけですけれども、これは輸送コストが掛かるわけですから、トヨタさんにとっても近くから調達できた方がいいというふうに思うんですね。
 これ、いろいろ産学官連携だというようなことでいろいろなサポート体制というのはあるとは思うんですけれども、なかなかほかの地域を見ても、しっかりと地域の部品産業が引き上げられてその大企業と一緒にやれた場合もありますし、結局できずに、その企業だけがぽつっと来て、元の生産の体制があったところから部品を調達するというようなことがありましたけれども、これ、どういうふうに行政のサポート、地域のサポートをしていくべきか、この点についてお願いをいたします。
○参考人(高田坦史君) 今のお話は、まずトヨタの対応の仕方というのは、私もそのときにまだ在籍していたこともありましたので、ある程度理解しているつもりでありますけれども、まずトヨタの考え方は、少なくとも出ていく以上、そのエリアの皆さんに役に立つ存在でなきゃいけないというような考え方をまず持っています。
 したがいまして、当然、これ部品の、サプライさんの納入される部品については、現地に代替できるような技術力なり、そういった商品を既に作っているところがあれば、そちらの方に変えていこうという明確な方針を出しているというふうに理解しています。
 そういった中で、結果的にうまくいかないというふうな話も私も聞きました。その原因は、どちらかといいますと、オファーをされた地元の中小企業の方々がある誤解をしているというふうな説明聞いたんです。それは何かといいますと、トヨタは、乾いたタオルを絞るほど合理的に、コストダウンに、効率を上げるためにとことんまで突き詰めていくと。そういうことが、今までの私どものやり方を見ると、とてもそれに付いていけないというふうな、このようなことで、自らそれに応じないといいますか、お話は聞きましたがトヨタで一緒に仕事をすることを選ばないというふうなことだったというふうな話もよくお聞きしました。
 したがいまして、それは大きな誤解だろうというふうに思うんですね。当然、何でコストダウンをするのかというのは、効率を上げていくかというのは、これは競争に勝つためにやるということで、やがて競争に負けてしまったときには自分たちの仕事も失われるというような前提がお分かりにならないと意味は分かりませんですよね。
 したがいまして、ここのところは十分な説明をもっとすべきだったのかなとは思いますが、現在でもそういう努力はトヨタ側はしているというふうに理解をしております。もちろん、私離れてからもう三年目ですので、詳しくは、確かなことは申し上げられませんが、そんなふうに理解しています。
○和田政宗君 終わります。
○山本太郎君 生活の党と山本太郎となかまたち、PDCAサイクルで速攻チェックされそうな名前で申し訳ございません、共同代表と政策審議会長をやらせていただいております山本太郎と申します。よろしくお願いいたします。
 先生方、今日は、貴重な御意見とそして分かりやすいお話、本当にありがとうございます。引き続き、中学生でも、山本太郎でも理解できるようなお話を聞かせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 私からは、まず神山町の後藤町長さんにお伺いしたいと思います。
 大変すばらしい取組の数々、感銘を受けました。神山町もそうだと思うんですけれども、私は、少子高齢化時代の中で地方創生のためには、国土面積の七三%を占め、耕地面積の四〇%、総農家数の四四%、農業産出額の三五%を占める中山間地域の活性化、非常に重要だと思います。
 そこで、お伺いいたします。
 現在の政策の中山間地域の農業の直接支払制度、そして農家の所得補償制度の意義や今後の方向性などについて、私は、これは非常に重要で、今後はこの制度を一次産業全体に広げていくべきだと思います。後藤町長さんの御意見、お聞かせ願えますか。
○参考人(後藤正和君) 山本委員さん、御質問ありがとうございます。
 まさに、中山間地域、国土の七三%を擁するということで、非常に今後、食料とか水とか、まあ人とかですね、いろいろその場所で生産に励み食料供給をしておるという場所であるわけでございますけれども、現実は非常に人が減少しておるということです。
 実は、農業担い手のお話に少し触れさせていただきます。このスダチ、スダチの生産者の平均年齢も実は七十歳に近いんです。そういった状況の中で、所得補償制度あるいは中山間地域等の直接支払制度というようなことを活用していただいて、農道であったり共同防除であったり、今回また新たに用水路の補修というのも可能になったということで、農家にとりましては非常に有り難いなと。
 これは直接農業あるいは農業施設への補償だけじゃなくて、もう一つの効果といいますのは、地域のコミュニティー、きずなづくりにも役立っておるというようなことから非常にこれは重要な施策であると、このように考えておりますし、今後、気候変動が、ここ数年来、我々が体で感じるぐらいの変化ぶりですよね。自然災害も当然多発しておるということから、特に食料の自給率等々を見たときに、本当に将来大丈夫かと言いたいほどの実情です。
 ですから、日本農業、いつまで、どこまで、どれだけというような状況であるわけでございますから、是非とも今の制度をより充実していただきたいなと、このように感じるところでございます。
○山本太郎君 ありがとうございます。
 もう一つお伺いいたします。
 二〇〇九年の政権交代のときの民主党のマニフェストの中にあります月二万六千円の子ども手当、そして月七万円の最低保障年金、それに先ほどの直接支払制度と一次産業の所得補償が充実すると、私、中山間地域、これ子育てパラダイスになるんじゃないかなと、たくさんの人たちが集まってくるんじゃないかなと思うんですけれども、町長さん、いかがお考えですか。
○参考人(後藤正和君) まさにおっしゃるとおり、そのような優遇施策が中山間地域等に特化されるということになるならば、今までと違った暮らし方ができるのではないのかなと。
 それと、特に子育て支援とあるいは自然体験ということを考えましたときにも、やはり小学校、中学校あるいは高校時代に是非とも田舎体験を経験させてあげるべきというふうに感じております。そうすることによって、まず一番に命の大切さを自然から学ぶのではないのかなと、このように感じます。
 ですから、今回の、たしか子供田舎体験法とか何かございましたよね。ございませんか。そういう考え方を是非推進していっていただきたいなと、このように感じます。
○山本太郎君 ありがとうございます。
 高田先生に次お伺いいたしたいと思います。
 世の中のために必要ですと、そのように言われて作られた政策が、結果、多くの中小企業・小規模事業者の首が絞まるという状況を次々に生み出してしまう、つくり出してしまった場合、その政策の見直しが必要になると思うんですよね。
 我が国に存在する九九・七%が中小企業であり、六割から七割の労働者が中小企業で雇用されていると聞きます。日本の屋台骨を支えているのは中小企業であると。この存在を守るために、先生のお考えになるPDCAサイクルの御説明でありました仮説の修正、次の目標につなげるための見直し、やり方の変更、場合によっては目標の修正を行う必要があると考えます。
 先生にお伺いします。消費税、消費税をPDCAで評価した場合、私は、一旦消費税を五%に戻して、先々は廃止していく、財源は所得税の累進性を強めて資産課税を強化していくということで賄えると考えます。中小企業・小規模事業者の現状に大変お詳しい先生に、消費税を一旦五%に戻すというプラン、御意見を伺いたいと思います。
○参考人(高田坦史君) 消費税の話ですが、これはもう賛否両論あった上で皆さんの合意で決められたというふうに理解しておりますので、この件についてはちょっと論評は私はする立場にはないと思いますので。
 ただ、消費税を上げるということによって何が起こるのかというふうな話は、どちらかといいますと、結果的に景気のスローダウンといいますか、いわゆる反落というか反動があった上で、それが十分なレベルにまだ回復していなかったということはあったわけですよね。したがいまして、これは元々、私は、当然こういうことは想定されたことであって、もう計算の中に入っているという前提で見ていました。
 したがいまして、これはある時間がたてば、ないしは円安の効果が大企業を中心に行き渡って、それがやがて、小さくなったとはいえ、トリクルダウンというふうなことも期待はできたわけでありましたし、何よりも、その結果、いわゆる春闘といいますか、賃上げを経ることによりまして全体の賃金が、要は消費税のアップをカバーするだけ近いものになってくれば、これは十分克服できるわけでありますし、そういった意味で、消費税のいわゆるアップの必要論については、ちょっと今取り留めのないことを申し上げましたけれども、そういったことで、いずれにしても決められた話ですし、我々はそれをどうやって克服していくのかいろいろ考えなきゃいけないなというふうに思っています。
○山本太郎君 ありがとうございます。
 山谷先生にお伺いしたいと思います。
 二〇〇八年に民主党が、衆議院の予備的調査の制度を活用して国家公務員の再就職状況に関する予備的調査を実施しました。二〇〇七年四月現在で、四千六百九十六の独立行政法人そして公益法人に二万六千六百三十二人の国家公務員OBが天下り、それらの天下り先法人に合計十二・六兆円の税金が交付されていることが分かりました。
 私、去年四月の内閣委員会での質疑でこの天下りの現状はどうなっているんですかと質問しました。政府の答弁は、分からないというものでした。
 参議院にはこのように行政監視委員会は存在しているんですけれども、予備的調査の制度がないんですよね。例えば参議院でも議員二十人以上で予備的調査ができるようにすべきではないかなと私思うんですけれども、山谷先生、御意見いかがでしょうか。
○参考人(山谷清志君) 個人的な意見で申し訳ないですが、そういう調査はどんどんやっていただくというのが本来参議院の立場としては必要かもしれないです。
○山本太郎君 ありがとうございます。
 山谷先生にもう一つお伺いしたいんですけれども、国家公務員の天下り、二〇〇七年四月現在で二万六千六百三十二人。現在の実態は見えていない、調べていないと。私は、都道府県そして政令指定都市、そのほかの市区町村にも天下り問題というのはあるんだろうなと思うんですけれども、実態は分からないんですよね。山谷先生はこの国と地方の公務員の天下り問題についてどうお考えになりますか。
○参考人(山谷清志君) 元々私、専門が政策評価、というのは行政学の分野でやり始めていまして、したがって公務員制度も少し勉強しておりますけれども、県庁も市役所もそして国家公務員の方々もやはり天下りを前提に就職されていたという経緯がございまして、だんだんそれが厳しくなってきて、なかなか天下り先がないという現職の公務員の方々の苦情もよく伺うところなんですけれども。
 この天下りというのか、あるいは再就職というのか、そこら辺は少し何か考えられてもいいのかなと。公務員サイドに立った発言になってしまいますが、子供がまだ学校を終わっていないとかあるものですから、そういう方々の何かをお考えいただくということはあるんだろうなと思っております。
○山本太郎君 そうですよね。全てが悪いというわけじゃなくて、必要なものもあるだろうと。当然だと思うんですね。
 でも、その内容を把握することが必要だと。そのためには、それをチェックする機関が必要なんだよということですよね。その部分を担うのが恐らくこの委員会でもあったりするんでしょうけれども、もっと小さな、何といいますか、もっと機動力のあるというようなグループをつくると、衆議院のように。そのようなことにもやっぱり議員として力を注いでいくという必要があると思うんですよね。いかがお考えになりますか、その辺を。先ほどお答えいただきましたけれども。
○参考人(山谷清志君) ただ、何ですか、個人的なコネクションで天下りされていたりする場合がないわけではなくて、なかなかそういうところまで把握するのは非常に難しいのではないかなというふうに感じております。
○山本太郎君 ありがとうございます。
 時間が来ましたので、終わらせていただきます。
○委員長(松村祥史君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。
 この際、参考人の方々に一言御礼申し上げます。
 本日は、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただきまして誠にありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼申し上げます。
 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後三時五十五分散会